第154回国会 外交防衛委員会 第26号
平成十四年七月十六日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 七月十二日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     佐藤 道夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                泉  信也君
                河本 英典君
                桜井  新君
                福島啓史郎君
                舛添 要一君
                山下 善彦君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                広中和歌子君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   参考人
       オリックス株式
       会社代表取締役
       会長       宮内 義彦君
       朝日新聞特別編
       集委員      船橋 洋一君
       外交評論家    岡本 行夫君
       ソシエテジェネ
       ラル証券会社東
       京支店常務取締
       役        藤原美喜子君
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  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (外務省改革に関する件)

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○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として佐藤道夫君が選任されました。
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○委員長(武見敬三君) 外交、防衛等に関する調査のうち、外務省改革に関する件を議題といたします。
 本日は、参考人として、朝日新聞特別編集委員船橋洋一君、外交評論家岡本行夫君及びソシエテジェネラル証券会社東京支店常務取締役藤原美喜子君に御出席をいただいております。
 なお、オリックス株式会社代表取締役会長宮内義彦君には、所用のため、午前十一時を目途に御出席いただく予定となっております。
 この際、委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、参考人の方々におかれましては、御多用のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。また、船橋参考人並びに所用のためまだお見えになっておりませんが宮内参考人におかれましては、前回に続いて二度目の御出席をいただきました。重ねて御礼を申し上げます。
 四月二十六日に行いました意見交換におきましては、大変示唆に富むお話を伺うことができまして、極めて有意義なものでありましたが、残念なことに、その後、外務省の職員がまたもや逮捕され、また瀋陽総領事館亡命事件への対応をめぐって、外務省ひいては日本外交に対する国民の目は一段と厳しさを増しております。
 一度失墜した国民の信頼を取り戻すことは並大抵のことではございませんが、仄聞するところ、変える会は、近々、外務省改革についての最終報告を取りまとめ、外務大臣に提出すると伺っております。
 その報告内容に、もちろん国民は強い関心を示しておりますが、それにとどまらず、報告内容の一つ一つが速やかに実践され、具体的に外務省改革が実行されることを期待しているものであります。
 そのためにも本日は、前回にも増して、参考人の方々と当委員会との忌憚のない、より深みのある意見交換を行い、私たち国会議員としても外務省改革の具体的実行に向けた責任をいささかなりとも果たしてまいりたいと決意しているところでございます。
 以上の趣旨をお酌み取りいただき、本日の意見交換が一層実り多いものとなりますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、参考人からお一人十分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、正午までを目途に質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず船橋参考人に御意見をお述べいただきます。船橋参考人、どうぞ。
○参考人(船橋洋一君) 船橋でございます。おはようございます。
 再びこのような機会を与えていただいて、まず感謝いたします。ありがとうございます。
 七月二十二日に変える会の最終報告書取りまとめで、今大詰めでやっているところでございます。今朝も八時から人事に関するところをやってまいりまして、そのまま三人で一緒に車に乗って駆け付けたというような次第でございます。
 時間が限られておりますので、三点中心に御報告したいと思います。
 一つは、もちろんこの変える会も、変える会は数々の不祥事、今そういうものに触発されて外務省の信頼回復と、これを中心に、川口外務大臣が十項目についてひとついろいろな改革の勧告を出すようにということで始まっているわけですけれども、単に外務省、あるいはさらに日本の外交、外交体制が直面している問題というのは、スキャンダルとか不祥事とか、そういうことにとどまるものではなくて、言ってみれば非常に構造的な問題といいますか、それを抱えているんだと。同時にそれを見ておかなければいけないと。
 信頼の回復のそもそもは、外交強化あるいは外交体制の強化と、その中での外務省の取組、これをより強化するということにあるわけで、その点からしますと、グローバリゼーションの進展に伴う新たな課題、例えば領事業務が爆発的に増大すると、なかなか追い付けない。その領事業務というのも海外の邦人に対するサービス、行政サービスのような在外者の投票とか、そういうものももちろんありますし、同時にテロに対する戦いの最前線であるというような位置付けもまたあるわけで、非常に複雑多岐にわたっている。これなどもやはり、人の移動あるいは情報の移動、これは瞬時にグローバルな、そういうものに伴ってリスクが増大すると。それを外交としても、特に在外公館、第一線が対応しなければいけない。そこにギャップといいますか、なかなか追い付かない、環境変化に適応できないという問題。
 もう一つは、いわゆるパブリックディプロマシーと言っておりますけれども、内外の広範な市民、大衆に外交を説明して理解を得て、さらには支持を得るというようなそのパブリックディプロマシーの重要性が従来とは比較にならないほど重要になってきている。これがやはり十分に取り組むことができていないと。
 あえて三つ目を言いますと、特に冷戦時代、日米枢軸というようなことを中心に日本の外交体制、外務省の組織まで含めて、人事まで含めて、バイラテラルな、二国間中心本位外交ということであったと思いますけれども、それが冷戦を経てもう十数年、マルチ、多角的な外交の重要性が世界的に高まっているにもかかわらず対応できていない。こういうようなところに、その根本的な問題が多分あるんだろうと思います。
 ですから、本来ならばそういうものも十分に我々の方としても問題提起して、外交強化を更に深めるように、強化させるような方向で書かなければいけないんですけれども、正直言って、そこのところはいま一つまだ不十分であったかなという感じを私は個人的には持っております。しかし同時に、そのためにも信頼の回復というのがやはり決定的に重要であって、国民の信頼を欠いているような外務省、外交体制では、十分な外交もできないというところにやはり帰着すると思います。
 ここでは、トップマネジメントを強化するとか、あるいは説明責任とか、透明性とか、情報開示とか、そういうことを本格的に取り組んでいくとか、さらには外部の人材、あるいは外務省の中でのいわゆる上下といいますか、言わば階級制のようなものを打破して競争原理を導入すると同時に、特に外部との間に新しいパートナーシップ、協力関係を作るというようなことでこの信頼回復というのを進めるべきだろうということで進めてまいりました。
 特に、私は一点、ここで危機管理、瀋陽事件もあってのことなんですけれども、危機管理、それと領事業務の重要性というのを強調してみたい、強調したいというふうに思います。
 外務省においては、総合外交政策局が危機管理をも事実上担当するということで、九六年のペルーの邦人人質事件、その後もう一度再確認の意味で総合外交政策局がこれを取り扱うというふうになっておりますけれども、言ってみれば、総合外交政策局というのは中長期的な総合外交政策、起案、立案、さらにその強化というために十年前にできた。にもかかわらず、それが十分に機能していない、つまりアブハチ取らずの状況になっている。
 領事業務についても、やはりここは領事局のようなものを作るとか、あるいは領事官という職業を、専門職をきちんと構築するとか、更には領事大学校のようなものまで作って養成するというような、本格的な取組が必要なんではないかというような観点などを考えております。
 最後の最後でございますけれども、私は、やはり外交が弱いということになりますと、国民が非常に動揺すると、心理的にも。そういうのが既に今の国民心理にも見られる。非常にそれは危ういことである。外交が弱いと国民はやはり軍事力に依存したいとか、そういう誘惑に駆られる危険性というのが非常にまた強くなる。そのためにも、やはり外交強化、外務省も含めた改革が必要であるというふうに改めて思っております。
 以上でございます。
○委員長(武見敬三君) ありがとうございました。
 それでは、次に、岡本参考人、お願いをいたします。
○参考人(岡本行夫君) 岡本行夫でございます。
 本委員会が外交問題についての非常に真摯な議論を展開されているさまは、議事録等でよく承知しております。敬意を表します。
 私自身は、もう十年以上も前に退職したとはいえ、二十数年間外務省に身を置いたものでございまして、自分に無関係のこととして外務省批判を行うことはできないわけでございます。当然、その一部は自分自身の責に帰されるべきものでございます。しかし、それにしても昨今の外務省の不祥事、刑事犯罪の容疑、スピード感のなさ、かなりの部分において見られる事務能力の低下ということは、私としては本当に涙が出るぐらい悔しいことであります。
 今、いろいろ組織論も含めて外務省改革の議論が各方面からなされております。私自身は、実は組織についての問題というよりも、やはり一番大きいのは外務省員の意識の問題であろうと信じております。
 外務省の職員の最大の問題点は、純粋培養の同質社会の中で育ち、外からの異質な風土や価値観、考え方あるいは多様な意見といったものから自らを隔絶させてこなかったか、この反省が一番すべきだと思います。さらに、船橋参考人もお述べになったような外務省の身分制社会、いったん内部の定位置に身を置きますと、これは大変に心地の良い社会でございます。そして、厳しい言葉でございますけれども、上へ行けば行くほどポストが多いという逆ピラミッド構造の中で、やはり規律が弛緩し、そして競争意識が欠如してきている。それは、競争意識が欠如するということは、さきに述べました、外との隔絶というのはおかしいじゃないか、もっと多様な意見を取り入れてやっていかなければ組織として駄目になってしまうぞという、そこに思いが至らない原因にもなっているわけでございます。
 私は、変える会の各委員とともにいろいろな改革案を自分としては出しているつもりでございますし、それは中間報告にもかなり具現化されております。ここで改めてそれを申し上げることはいたしませんが、ただ、今非常に深刻な状況に日本外務省が置かれていて、これは取りも直さず日本国の浮沈にかかわることという、その意識だけはますます私の中では強くなってきているわけでございます。
 私は、この際、本委員会が、外務省改革に取り組んでくださることも非常に重要だと存じますが、同時に、日本外交自体の閉塞的な状況というものについて立法府のお立場から是非御議論いただきたいと思うんでございます。
 私のように評論家として外から物を見たり、今政府のお手伝いも非常勤でやっておりますけれども、日本外交の全般的な閉塞性というのはもうこれ否定すべくもない。特に九〇年代、冷戦の後、世界はどんがらりと変わりました。そのスピードに日本外交は付いていっていない。北方領土返還と安保理常任理事国への就任という二つの極めて難しい外交目標を打ち立てて、そのほかの部分が思考停止状態になってしまっていないか、冷戦後、厳しさがなくなった国際環境という受け止め方をして、その中で新しい日本の生きざまを模索してきていないかということが私は基本的な問題だろうと思っております。
 日本は、新しい戦略を九〇年代に構築してないと存じます。例えば日ロ関係でございますけれども、過去五十年間、日本の対ロ関係というのは進展したのか。一九五六年の共同宣言から、その後、浮き沈みはございましたが、交渉担当者たちはその時々の微細な変化、言わばマイクロマネジメントというものにとらわれて、大きく日ロ関係をどこへ持っていくのかということについて新しい展望を開かぬまま、領土問題については五十年間進展がありませんし、その間、ロシアとの関係というのも、日本にとっては本来非常に重要であるべきですが、なおざりにされてきている。
 国際社会に目を転じますと、アメリカとロシアの新しい盟友関係というのが大きく国際政治を規定しつつあります。むしろ、それを中心に国際社会は動くかもしれない。ロシアは、一九九〇年代は、自分たちがNATOにけ飛ばされたこともあって、アジア太平洋諸国の一員としてのアイデンティティーを求め、なおかつ日本の資金協力を求めて日本に接近してきたわけでございます。ただ、今年の五月、NATOがロシアを言わば準加盟国のように受け入れたことに伴い、ロシアの立場というのは全く変わりました。もうロシアは、日本を必要とする度合いというのは非常に以前と比べれば、かなり少なくなってきている。
 米中関係、ロ中関係、韓中関係、いろいろ動いていく中で、日本がどういう新しい展望の下に動いているのか。中国問題は、先ほど委員長が御指摘されたように、瀋陽総領事館でその脆弱性を露呈したわけでございます。外交の次元からいけば、私は、日本の外務省の、あるいは総領事館の対応のまずさはさておきまして、一国の間であれほどの深刻な関係に至らせるような事態ではなかったと思います。本質は、私は依然としてそう思っていますが、やはりそれを、一つは外務省のハンドリングの悪さ、そしてもう一つは、やはり日中関係というのは日本側が考えていたほどの強靱性はなかったということで、あのように露呈されてきてしまっている。
 それで、私はこの際、皆様方に大変失礼なことを申し上げるわけでございますけれども、その対中外交のまずさというのは独り外務省の責に帰されるものでないと思うんでございます。結局、チャイナスクールに対する批判というものも世上をにぎわしているわけでございますけれども、中国の専門家たちは、別に中国に右顧左べんしてきているわけではなくて、私は経緯をかなり見てみますと、相当中できついことを中国に対して言う、しかし最後は政治にはしごを外されてしまうという部分が非常に多いわけでございます。つまり、国論が中国に関して統一されてないことが外務省の中国に対する外交の弱さの根源にあると私は思います。
 これは湾岸戦争のときもそうでした。あのときも、外務省に対する批判が噴出したんでございますが、その部分は確かにあるとしても、そもそも日本国として、あのような国際の安全保障の危機に対応するという体制が全くできていなかった。その後のPKO法とかガイドライン法とか、いろいろできましたけれども、しかし湾岸戦争のような事態がもう一度起こった場合に、日本はあの九一年と全く同じ事態のままでございます。今、ああいったような事態に順応できる法律というのはございません。
 これは外務省改革の委員会でございますけれども、私は皆様の議論というのは外務省の改革をひとまず終えられた、あるいはそれと並行して、是非日本外交というのがどうしてこのような脆弱な基盤の上に置かれてきたかということについても御議論いただければ大変有り難いと僣越ながら思っている次第でございます。
 ありがとうございました。
○委員長(武見敬三君) よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、次に、藤原参考人にお願いをいたします。藤原参考人、どうぞ。
○参考人(藤原美喜子君) 今日はお招きくださいまして、どうもありがとうございました。
 私は、外務省のいろいろ不祥事とかそういうのをテレビで見ていまして、国民の一人としまして非常に驚きました。外務省は、国民の信頼というのに対して非常に回復をしなければいけないという重大任務があるんじゃないかと思います。あのテレビの放送とかを見ていて、何となく都合のいい情報だけ出てきているんではないかと。あとは、外務省自身の組織というのは一般、我々が知っている組織とちょっと違うのではないかというそういう印象を受けました。
 審議会の委員になってから、やっぱり外務省というのは時代に合わなくなってきた部分というのを組織の中に抱えているのではないかと。その一つは、外務省だけじゃなくてほかのお役所もそうかもしれませんが、やっぱり年功序列人事が非常に強くありますし、見られますし、あとT種、U種、V種とかそういう感じで、大学卒業で入ったT種か専門職かと、そういうのがずっと二十年後とかの人事にも影響していると。それは、どちらかというと組織の生産性というのを非常に下げているし、今の時代には合わないんじゃないかと、そういうことを感じました。
 もちろん適材適所という言葉は皆さん御存じですし、今まで何十年も言われてきているんですが、これを機会に年功序列人事というのをやめて、適材適所、若い人でも優秀だったら登用すると。それが日本の外交を強くするんではないかと思います。やっぱり外交というのは人だと思います。あの人に会ってみたいと言われるような外交官を日本は養成していかなければいけないと思います。
 優秀な人材をという場合に、外からも優秀な人材がいた場合はいろいろ登用して、外部の人間を登用するのもいいのではないかと。私もやっぱり競争の原理というのを入れなければいけないと思います。そういう面では、外務省は優秀な人を採用した割には余り育ててこなかった組織なのではないかと思います。
 私は金融の人間ですので、この外務省の改革の中でODAとかそういうものの関係を担当しております。日本の財政事情というのは非常に苦しい。今後、財政事情が非常に変わるということは、私は金融の専門家としては見ておりません。二十一世紀は税金の浪費をできるだけ少なくしていく。そのためには、組織替えとかそういうのも必要じゃないのかなとも思っております。
 ODA白書とかそういうものですが、かなり分厚いものだったんですけれども、上下両方千四百ページぐらいあるんですかね、ちょっといろいろ見てみましたら、いろいろ金融の人間として気になる問題がございました。それは円借款の件ですけれども、今日はちょっとお時間がありませんので余り長く話さないようにしようと思っていますが、やっぱり貧困国にお金を貸す場合というのは、常に貸したお金が償還時に戻ってくるのかとか、そういう感じでいろいろ調べていかなくちゃいけない。もちろん、民間でも正常債権が破綻懸念先とかと、そういうふうに変わっていく。供与した当初はよくても何年かすると被援助国の方の状況が変わって、と。
 この辺は非常に、日本の場合は企画立案と実施部隊、特にODAの場合はいろんな省に分かれていて、それでそれなりにシステムとしてはもうがっちりしているわけですけれども、特殊法人もあれば財団法人もあるし、かなり効率が悪いのではないかと。それで、将来的にはそういうふうな、例えば人事部も組織がたくさんあると、七つとか八つとかという、そこで人事部がいろいろあるわけですね。それで、将来的には効率をアップするためにこういうのも考えていくし、また供与した債権に対しては、今債務削減問題が非常に大きくクローズアップされております。そういうのに関しても、将来的にもし国民負担が増えるのであれば、そういう情報は前もって国民に出すと。これはもちろん外務省の問題プラス日本全体の問題ですが、私は金融の人間としてそれをちょっと感じました。
 私のお話は以上でございます。
○委員長(武見敬三君) ありがとうございました。
 それでは、これより質疑を行います。
 本日は、理事会の合意によりまして、できるだけ多くの委員が質疑を行えるよう、あらかじめ質疑者を定めずに自由に質疑を行うことといたします。
 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言をいただきたいと思います。
 また、多くの委員が発言の機会を得られますよう、委員の一回の発言時間は答弁を含めて五分程度というふうにいたします。質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございますが、是非質疑者も答弁者もこの五分ルールというのを是非守って御質疑をお願いをしたいと思います。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いをいたします。
○山本一太君 五分ルールということですから、一問に絞って伺いたいと思います。
 岡本参考人の方から、外務省には意識改革が必要だと、すなわち純粋培養の同質の中で育って外からの多様な意見から自らを隔絶してきたのではないかという反省があるという話がありました。船橋参考人からも、あるいは藤原参考人からも、外部の人事登用、適材適所の人事等々の話がありました。
 私の質問は、今日の産経新聞の一面に、川口外務大臣が経済協力局長に現役の経済産業省の審議官を登用する意向を固めたという話がありました。このことについてどのように思われるか、そのことを一問お聞きしたいと思います。
○委員長(武見敬三君) 皆さんにでよろしいですね。それでは船橋参考人からどうぞ。
○参考人(船橋洋一君) 事実かどうかまだ私伺っていませんけれども、もしそういうことであるとした場合に、外からの人材を求めることによる競争原理の導入というその限りにおいては一定のプラスの効果を期待したいというふうに思いますけれども、欲を言えば、官庁の、しかも経済産業省というような、言ってみれば、何といいますか、そういうところでない方がよりよかったかなと。民間人で、じゃ、いい人がいるのかということにもなりますけれども、率直な感想を申し上げれば、そんなところですかね。
○参考人(岡本行夫君) 私も事情をつまびらかに承知しておりませんし、どのような方が具体的に想定されているかも存じませんので過早なコメントはできませんが、その人が適材であるならば、外部からの人材登用というのは当初からの外務省改革の基本の柱でございましたし、これは私は歓迎してよろしいことであると思います。いい人が来て外務省の意識を変える、外部の価値観、外部の思考のパターンということを導入するということに対して、私は外務省として組織として反発すべきではないと思っております。また、報道されますように、これが外務省の組織の壊滅につながるといったようなとらえ方もすべきではないと存じております。
 以上です。
○参考人(藤原美喜子君) 事実なのかどうかちょっと分かりませんのでコメントしづらいんですが、外務省の外の人間を連れてくるに当たって、その方が優秀な人であったならば、それは私はいいことだと思います。
 それから、どなたが決めたのかはっきりしませんが、もし大臣がという場合は、私は川口大臣というのは優秀な方だと思います。その方が、元いた省からというのを多分非難されるだろうというのを分かっていてもしお決めになったならば、かなり優秀な方がいらっしゃるということなのではないのかなと思います。優秀な方な限りは、やっぱり適材適所というのは大事ですから、それがたまたま経産省だったのかどうか分かりませんが、その辺は、外務省以外の省がどこかというのはそれほどこだわらなくてもよろしいんじゃないかと思います。
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。
 三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
 今回の、大変御多忙なところ、会合に御出席をいただいて、貴重な中間報告、そして近々最終報告がされますが、問題、私もこの提言が生きるのか生かされていくのかということについて非常に気になります。
 外務省の方々は、率直にお聞きしますが、本当に今、岡本さんもかつての外務省にいられましたけれども、せっぱ詰まった状況で目の色が変わっているような感覚で今この変える会との関係を、そういう接点をされているんだろうかというような感じが私ども分からない。少なくとも、もう国内外の国益を考えますと大変な状況だと思うんですが、いやこれはもうとにかく外務省に対するあらしが通り過ぎればいいんだと、じっとこの会も最終報告も当たっていただいて、それで過ぎていくんだということを外務省の省の方々が思ったら大変。ということで、私は今からこの提言が出された以降も外務省に対する何らかのかかわり合いを持つべきではないかというふうに思って、外務省の中に入っていってグループを作り、個人でも結構なんですが、やはり討議をして討論をして、外務省をこうしていこうということについて、単なる提言で終わらせない取組というのを最終報告に私は盛り込むべきではないかというふうに思いますが、そのことについて一つお伺いしたいというふうに思います。
 私はこの委員会に何年かおりますが、多種多様な様々なチャンネルを持って外交、外務省だけの外交ではない、各省もございますが、自治体もあるし、いろんな多元な外交があるけれども、そのことの、やっぱり多元な外交というのは外務省というのは十分わきまえたんではないかなというふうに思いますが、せめて、その後のことについて非常に気になります。
 あともう一点だけです。先ほど岡本参考人から、日ロ問題の領土問題、お話ございました。私は、前回のこの外交防衛委員会で、カナナスキス・サミットのときに、二〇〇六年からロシアが加わっていくということについて、これは報道しか分かりませんが、我が国の総理大臣、我が国は蚊帳の外に置かれていたようなことを報じられておりました、この参加をめぐりまして。こういうことについて非常に憤りを感じたのが一つ。
 単なる憤りだけではなく、もう一つは、領土問題はこれによって形態が変わっていくと。二国間ではない、二国間でやってきたけれども、これは完全にロシアがこのサミットに入るということになると、従来の手法と変えた私は領土問題というのはやっぱり日本としては求められているんではないかというふうにお話ししましたが、そのことに対する明確な敏感な答弁が外務省からなかったということに非常に実は残念に思っているところでございます。
 冒頭は、提言後の生かす方法、提言をもらったら、はい、おしまいではいけないんではないかということについて、出席者の、参加されたメンバーの方々のその後のアプローチを示すべきではないかということが一つ。もう一つは、今申しました日ロ問題につきまして、岡本参考人から、私自身も同じ考え方なので、失礼いたしました、船橋参考人から日ロ問題等についての考え方が示されれば有り難いというふうに思います。
○委員長(武見敬三君) それでは、この委員会のその後のかかわり方についての部分について、三人の参考人からの御答弁をお願いをいたします。
 最初に岡本参考人、どうぞ。
○参考人(岡本行夫君) 外務省の危機意識というのはようやく横溢してきたと思います。
 また、川口大臣からは、この変える会は報告を出した後も引き続きそのまま存続して報告の実施状況についてフォローアップをしてくれという、するようにという指示がございました。フォローアップは当然、全委員、非常に重視してこれからできる限りのことを行っていくということになると思います。
 以上でございます。
○参考人(藤原美喜子君) 外務省の方たちは危機感をちゃんと感じておりまして、それで非常に協力的でございます。
 我々も最終報告書を出すだけではなく、大臣に、岡本委員が話しましたように、大臣にフォローアップをするようにと言われていますので、これは報告書提出、終わりということではないと思います。
 以上です。
○参考人(船橋洋一君) 私も付け加えることは余りございませんけれども、ただ、余り時間長く掛けてということではなくて、やはり短期決戦でこの改革を実施すると。そういうことであれば、我々もフォローアップ、それもしっかりやるという覚悟は、多分各委員もあると思いますし、私も含めてございます。
○委員長(武見敬三君) では、岡本参考人、G8のモスクワ開催にかかわる日ロ関係とのかかわりでの御質問がありましたが、御答弁をお願いします。
○参考人(岡本行夫君) 齋藤先生の御質問は船橋委員に向けられたものと理解しましたが。
○齋藤勁君 先ほど岡本さんから聞きましたので、船橋参考人から。
○委員長(武見敬三君) 船橋参考人でよろしいですか。それでは船橋参考人、どうぞ。
○参考人(船橋洋一君) このG8にロシアが完全にフルのメンバーで入ってくるということで大分変わってくると思います。やはり、G8そのものがより戦略問題であるとか、ああいう戦略性を強めますし、特にプーチンなどの外交手法一つとってみてもやはりトップダウンで、首脳外交、本来の意味での首脳外交がますます求められてくると。そういう中で、日本の今までの外務省中心の外交ではなかなかきついところが出てきたと。むしろ、そういうプロセス面での問題というのを一つ感じます。
 対ロ政策上の意味合いとして見れば、たしか岡本さんのおっしゃったように、ロシア、日本、今までのように、ほどでは真剣に取り扱わなくなる危険性というのも一方でありますけれども、同時に、同じG8の場で日ロがこれから定期的により同じ対等の立場で会うこともまた可能なわけですし、経済も含めて改めて日本とロシアの協力関係という、むしろチャンスの方も生まれてくると思います。
 あくまで領土問題は二国間の問題ですけれども、ある意味では多国間の協調の枠組み、米ロの新しい、新関係、こういうものもプラスになる要素もあるわけなんで、むしろそちらの方を生かしながらロシアとのより深い関係を作っていく、そういう外交の方に切り替えていく必要があると思います。
○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 本日は大変に貴重なお話、ありがとうございました。
 時間も余りありませんので、私、船橋、岡本両参考人に次の一問についてお伺いをしたいと思います。
 船橋参考人は、お話の中でパブリックディプロマシーがこれから大事だと。私も、外交の大衆化というとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、やはり日本のパブリックがより外交に関心を持っていくことが非常に重要であると考えております。
 岡本参考人も、先ほど対中国戦略のところで、やはり国論が二分されていると、統一されていないという、まあ二分か三分か四分か分かりませんけれども、国論が対中外交について統一されていないので戦略が描けない、あるいは実行できないというお話があって、私、共通な問題がそこにあるなというふうに感じております。
 個人的に外交青書とかODA白書とかそういった外務省が出す書類を読みますと、現状分析はかなりやっているんだけれども、例えばイギリスとかアメリカの国務省なり外務省が出す文書と比べると、例えば対中外交あるいは対ロ外交、あるいはもうちょっと集団安全保障的な外交政策の分野で今後十年間こうしますと、こうしたいと、あるいはこういうオブジェクティブを達成したいというような観点が日本のそういった外務省の出す書類に見られないと私は思っております。
 その原因についてお二人の御意見を伺いたいんですが、私、これはまあ総理大臣の任期がそもそも短いとか、外務大臣の任期も短い、あるいは国会、官僚、内閣の中で決定権が分散化しているとか、そういったいろんな問題があって、なかなか政治的意思を明確にして外交に関する戦略を描けないという問題が横たわっているんではないかなと個人的に思っておりますけれども、この問題について、どうすれば日本の外務省あるいは政府が少なくとも今後十年間、この問題についてはこういうオブジェクティブを持ってこういう行動をしていきますということをより明確に内外の国民に対して言えるようになるのか、その点について御意見を伺いたいと思います。
○参考人(岡本行夫君) 今の遠山先生の御質問でございますが、二つの側面があると思います。
 一つは、外務省自身がこれから十年にわたる戦略を描き切っていないこと。総合政策局というものを作りましたけれども、これが必ずしも当初のもくろみどおりの機能を果たしているのか。総合政策局というのは、案件処理というよりは将来を見据えて太い筆で日本外交の行く道をかいていくべきものでございますけれども、私はその点で、外務省にもう一度この局ができた由来に立ち返ってきちっと考え直してもらいたい。つまり、外務省が将来的なものを描こうと思えば、そのための組織というのは既に存在しているわけでございます。
 それからもう一つは、その外交を国民から受託されている外務省というものが国民に分かりやすい形で戦略を提示していないではないかということであれば、それを指摘する機関がやはり政府全体の中に私は必要なんだろうと思います。
 つまり、政策は、オルタナティブというか、別の日本にとっての選択肢というものを示すところが出てきて、その両者は切磋琢磨して最終的に調整が付けばよろしいですし、調整が付かなければ総理大臣のところで選択行為が行われるというふうにやっていくべきではないか。余りにも、さっき申し上げた、同質社会の中で、しかもその中で地域ごとに細分化されてしまって、実際の外交政策の策定にかかわる人数が少ないところで決まったものがそのままずっと一直線に一番上の総理大臣までほかの代替策なしに上がるということは、私は、今遠山先生がおっしゃった、何か日本にとって今までの殻を壊すものでもいい、論議を呼び起こすものであってもいいから、新しい政策を提示するということが行いにくい、その原因ではないかと思っております。
○参考人(船橋洋一君) 遠山さんの提起された問題は非常に重要な問題だと思うんですけれども、我々、外交という言葉でくくってしまうんですけれども、外交政策、これをフォーリンポリシーと、それから外交執行、これはディプロマシーと、分けて考えたときに、このフォーリンポリシーの力が実は日本は非常に弱い。それは、外務省にも原因がありますけれども、私はやはり、政治主導の外交ができていない。ですから、本来ならば外交政策より私は外政政策、政治が、明確な政治的意思も含めて、そのような外交をする力が弱いことに根本的な問題があるんだろうというふうに思います。
 日本の外交は、縁の外交といいますか、大体この関係論のところにすぐ収れんしてしまう。これは地域局から上げてくるとそういうふうになってしまう。外務省の中では、総合外交政策局がそれに対してトップダウンの、戦略的な国益本意の外交政策を立案するということになっておりますけれども、岡本さんがおっしゃったように、ここが非常に弱い。危機管理に追われている現業のようになってしまう。
 もう一つ、代案を示す力というのはやはり日本の社会全体に弱い。外務省にはシンクタンクが一つありますけれども、むしろドイツのように首相官邸にシンクタンクを持って、それで、より政治的な意思を反映させた長期的な戦略、そのようなものもやはり日本は必要になってきているんじゃないかというふうに思います。
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
 今、地に落ちた日本外交、日本外務省の権威、信頼を確立していかなくちゃいかぬと私も強く思っております。
 そこで、外務省の近年を振り返ってみると、改革ということが絶えず言われ続けてきたと思うんですね。九三年ですか、総政局の設置を中心とする外務省の新機構体制というものも発足して、新しい時代に対応できる外務省になったはずだったと思います。それから、その後も、去年の機密費事件以降また、あれは何ですか、外務省機能改革会議というものが作られて、その提言に基づく一定の改革も行われ、また今年もこういう形での改革ということになっているわけですけれども、私は、これまでの改革、特に新機構を作った、そういうものを変える会としては余り意味がなかったと判断しておられるのか、その評価と、それから今度の改革はそれらとどう違うかという点、時間の関係で船橋参考人にお伺いしたい点と。
 それからもう一点、岡本参考人に。私、外務省の人、割と付き合ってきているので、個々には非常に有能な力のある人々だと思うにもかかわらず、そういう外務省の中でいろいろな事件が起こるということはどういうことなんだろうかと。外務省に新しい意欲を持って入った人をそういうふうにさせてしまう何か体質的な弱点でもあるのか、やはりそれは個々の人間の弱点がそういうふうになっているのか、その点は外務省に長いことおられた立場からお伺いさせていただけないかと思います。
○参考人(船橋洋一君) 確かに、おっしゃるように、九〇年代は改革改革、もう掛け声ばかりでいろいろな勧告案も出た、全然変わらないじゃないかと、どこがどう違うのかという御質問でございますけれども、例えば領事業務なども、九一年の外交強化懇談会、それから去年の外交機能強化会議、いずれも強調して、いずれもこれは飛躍的に向上させなければいけないというような文言も使っているんですけれども、実際問題としては遅々として変わっていないというのが現状ですね。
 ですから、今回の変える会、どこが違うかというときに、まあ下手すると今までと同じようにまた一枚紙が出るということになってしまいますけれども、私は今回は違うんじゃないかと。国民の外交に対する関心がこれほど強まっていることはない。国会でこのような機会を与えていただいたことも今までにはない。それから、やはり今回の場合は外務省の中からも変わろうというような人々が出てきて呼応してきていると、そういうふうに期待しております。
○参考人(岡本行夫君) 私は、吉岡先生の御指摘の点というのは正しいんだろうと思います。
 最近の不祥事というものの続発というのは、別に今いる人たちが質が悪くなったせいではなくて、かなり構造的な面があるんだろうと思います。
 一つは、日本外交の中にやっぱり停滞感、閉塞感というものが出てきてしまっている。それは、やっぱり六〇年代、七〇年代、そして八〇年代、経済の面では追い付き追い越せ、それは常にその過程でアメリカとも貿易摩擦が生じたり、セーフガードの発動問題が常に付きまとう、非常に言わば抜き身の刀を常にぶら下げていなければいけないような経済環境の中で、それこそ小人閑居して不善をなすような暇がなかったわけでございます。
 安全保障、政治面もそうでございます。冷戦構造の中で日本が同盟外交をどう展開するのか、日本をどうやって守るのか。吉岡先生よく御存じのように、基盤防衛力構想でいくのか所要防衛力構想でいくのか。そういった日本の国の在り方について哲学的かつ基本的な意見が、何度も闘わせながら来た。職員も非常にやる気を持ってきたと思うんでございますね。ところが、九〇年代にそういったものの動きが停止してしまったということは、私、冒頭申し上げたところでございます。
 それから、やはり私は上の監督責任というものはあったんだろうと思いますけれども、松尾事件を始めとして、一般の職員からは信じられないようなことが次々に起こってきて、相当士気の阻喪を招いている。外務省が日本の中でも最も嫌われる、最も批判される組織にまで扱われてしまうことに伴うあの特に若い職員たちの、何といいますか諦観、そして士気の阻喪ということは、非常に今深刻な問題になっておると思います。
 ですから、外務省改革はこれは進めなければいけませんが、彼らも職業外交官として厳しい訓練を経て今までに育ってきている、税金でここまで育成された貴重な人材でございます。あの人材を使えないことにしてしまっては全く元も子もないわけでございまして、今の外務省の職員の間に横溢するこのあきらめの観、これは我々の力を持ってしては変えられないなというその観をやはり常に念頭に置いて我々は改革を進めなければいけないと、私はこう思っております。
○委員長(武見敬三君) 質疑の途中ですが、ただいま宮内参考人がおいでになりました。
 宮内参考人には、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、忌憚のない御意見を是非いただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、宮内参考人に十分ほど御意見をここでまたいただきたいと思います。宮内参考人、どうぞ。
○参考人(宮内義彦君) 遅れまして申し訳ございません。
 前回、四月二十六日以降、四月二十六日、こちらで議論をさせていただきまして、それ以降私ども、変える会という中でどのような動きをしてまいったかということを中心にお話をさせていただきたいと思います。
 五月九日に、変える会といたしまして中間報告というものを取りまとめ、公表させていただきました。この内容につきましては御承知おきいただいていると思いますが、これに対しまして、一部には拙速ではないかというふうな御意見もございました。しかしながら、早期に公表し世の中から御意見をいただくということ、あるいはスピードを重視し結論を出すことが我々変える会の目的ではないかという御意見も多数ございまして、そういう意味合いで、中間報告、中間的な公表でございました。
 当初、この変える会に与えられました課題というのは実は、川口大臣から示されました十の改革、この十項目につきまして具体的な実施策を出してほしいと、こういうことを言われたわけでございますけれども、中間報告までは実はこの川口大臣から諮問のございました十の項目を最優先に議論してまいりました。しかしながら、ただいま最終報告に向けまして作業を進めている中で、この十項目の改革だけで十分だろうかということが我々委員の中で大いに議論となりまして、新たなテーマを二つ追加させていただくということにいたしました。
 この追加設定いたしましたテーマの一つは、危機管理体制の整備ということでございます。これは瀋陽の事件を契機として設定させていただいたということでございます。
 もう一つは、政策構想力の強化というテーマでございます。これは十の改革又は瀋陽の事件等というのは、外務省のネガティブな、後ろ向きな出来事に対する改革のことが多かったわけでございますけれども、それよりももっと大きなテーマはやはり外交力を強化するということではないかと、やはり前向きのテーマ、大きなテーマを入れ込んでおこうということでございます。
 なお、国会等で御審議いただいております組織改革ということにつきましては、組織そのものについてテーマ出しにはいたしておりませんけれども、各テーマの中の関連する事項ということで、いろいろなところで取り上げさせていただいております。
 さて、最終報告に向けまして、この変える会というのは全員が集まって非常に短い時間議論をしているということではとてもこれは意味のある答申ができないということで、作業部会というものを、座長代理をお願いしております渡部さんを議長といたしまして設置いたしまして、テーマごとに作業部会でまずたたき台を作っていただき、全員で本会合で議論すると、こういう形を取りました。
 作業部会は、我々の議論するテーマでございます政と官、いわゆる不当な圧力の排除、人事政策の再構築、秘密保持の徹底、広報・広聴体制の再構築、ODAの効率化・透明化、予算の効率的使用・透明性の確保、政策立案過程などの透明化、危機管理体制の整備、政策構想力の強化、総論と、こういうことで、作業部会が精力的にたたき台を作っていただき、それに基づいて議論をしていくということでございます。
 明日に最終報告書案の審議を行いまして、来週、七月二十二日に最終報告書を取りまとめさせていただくという、こういう予定でございます。
 なお、最終報告を発表させていただいて大臣に差し上げてこれでおしまいかということでございますけれども、実は大臣からは、その報告に基づいて外務省といたしましてそれを実施する実行計画を作る、そしてそれをできるだけ取り込んでやっていきたい。したがいまして、その実施状況のフォローアップをこの変える会を中心にやってほしい、これは強力な監視体制というようなものになってほしいと、こういう要請をいただいております。このフォローアップ体制につきましては、今後、大臣とともに打合せさせていただきまして、どういうものにするかということを考えてまいることになろうかと思います。
 現在、議論しております中で残された主要な点といたしましては、やはり人事制度、それから大使への外部人材の起用というようなところが、内部で意見調整にいろいろな意見が出て、大きなテーマとして残っているところでございます。したがいまして、まだ結論は出ておりませんけれども、私の持っております問題意識といたしまして、やはり現在の外交は専門化、複雑化していると。したがいまして、外務省は多様な主体との協力関係を保つというようなことが必要であろうと。そのためには、大使等の人材には、オールジャパンという言い方は問題ございますかも分かりませんけれども、日本の中からできるだけ多くの人材にはせ参じていただけるような形を取るべきではないかと。また、内部の人材が結局は大勢を占めるということは、やはりこれは職業人としてそういうことになる可能性が高いわけでございますけれども、競争原理を取り入れて切磋琢磨すると、そういうことと、ただいま申しました広く世の中から人材を得て社会との協力体制を作ると、こういう形であるべきだというふうに思っておるわけでございます。
 基本的に大使の一つずつの仕事のジョブディスクリプションといいますか、そういうものを作ると。そして、それに当てはまるかどうかというような客観的な判断ができる、そういう仕組みがないだろうかと。それには、今朝も議論してまいったんでございますけれども、選考委員会というようなものを外部の人々によって作るという案も浮上しております。私は、こういう考え方は非常に実現できればよいのではないかというふうに思っているわけでございます。
 それと同時に、また外部人材、あるいは内部の中のいろいろ職種による区分による人材の登用についてどの程度のものを目安として考えたらいいか。これは数値目標という言葉で言われておりますけれども、そういうリジッドなものでなく、めどとか目安といったような形で数字を出すべきか出さざるべきかということが争点になっているということでございます。圧倒的過半数が外務省職員から起用されるということが果たして妥当であるかどうかということにつきまして、まだ議論を進めているところでございます。
 大使の選定プロセスにつきましては、自民党案が示されておりますが、それは国会による参考人招致というようなことが提言されております。そういう面で国会の積極的な取組というものも非常に重要だというふうに思います。本来は外務省が自らの問題として、例えば、不祥事等についても毅然として対応すべきでございますけれども、やはり国民の目から見ますと、国会が国政調査権を発揮して原因究明等を行っていただくということに対する期待は非常に大きいのではないかという意見が私ども変える会の内部からもございました。
 いずれにいたしましても、最終報告というものが終わりということでもございませんし、この報告が完璧なものということにはなかなかならないかも分かりません。むしろ、これを契機といたしまして、改革の始まりということで真の外務省改革、そして真の日本外交の強化ということになればいいと。その点で国会の改革推進への御尽力に対しまして心から期待を申し上げる次第でございます。
 以上、御報告させていただきます。
○委員長(武見敬三君) ありがとうございました。
 それでは、引き続き質疑を行います。
○田村秀昭君 自由党の田村でございます。
 三人の参考人の皆さんにお尋ねさせていただきます。それは、今回、瀋陽事件が起きまして、五月八日ですが、岡崎総領事以下の処分が七月四日なんですね。非常に私はこの処分が時間が掛かっているというふうに思います。それで、一か月ぐらいで処分をすべきだと思うんですが、その現在の外務省のそういう処置の仕方が非常に遅いんじゃないかというふうに、私は、過去の体質とかそうじゃなくて、そういう今現在そういうのが非常に遅いんじゃないかというふうに思うんですが、三人の参考人の方々はどのようにお考えなのか、お尋ねします。
 それと、岡本参考人に、二十年間外務省におられて、今日のような外務省のいろんな不祥事が起きたことを予想されたかどうか、お尋ねいたします。
○委員長(武見敬三君) それでは最初に、まとめて岡本参考人からどうぞ。
○参考人(岡本行夫君) 瀋陽総領事館の処分は、私も田村先生の御指摘のとおり遅かったと思います。ですから、私も、冒頭、最近の外務省のスピード感のなさという言葉を使った次第でございます。防衛庁の不祥事の処分というのはもっと迅速になされたわけでございまして、どのような事情があったのか私は存じませんが、やはり世間の納得を得るためにはもっと早い処断が必要だったと信じます。
 今の状況が予測できたかということは、私は非常に簡単な言葉でございまして、それはもうできませんでしたと言うしかございません。当時は、今もそうでございますけれども、外務省の職員というのは非常に長時間の残業を強いられます。二百時間を超える残業というのも決して珍しくございません。通常の百八十時間の執務時間の上に二百時間、これはほとんどサービス残業でございます。今役所の中にある特殊な残業手当の支給制度によりまして、そのうち二五%分ぐらいの残業手当が出ればいいところであります。
 それで、私は、責任を転嫁するわけではありませんが、きちっと働いた者に対してきちっとした報酬というものを支払っていれば、今のように金銭にルーズに公私混同するということもなかったと思うのでございますね。ただで要するに働かされているんだから、このぐらいの役得があってもいいじゃないかという、どうしても意識が出てきてしまう。近年のこのグローバル化によって一層外務省の事業量、事務量が増大しておりますときに、ますますそういう気分になってしまった部分があるんではないかというのは想像に難くございません。
 私は、やっぱりきちっともらうべきものはもらう、それからもちろん手を出すべきものでないものはそこを峻別して対応するということが大事だと思います。
○委員長(武見敬三君) 瀋陽総領事館にかかわる処分の問題については、いかがですか。
○参考人(岡本行夫君) 冒頭申し上げましたけれども、私はもっと早く処断すべきだったと信じます。
○参考人(藤原美喜子君) 私も、瀋陽事件に関しては処分をもうちょっと早く発表すべきだったと思っております。
○参考人(船橋洋一君) 処分が早かったかどうかということより、処分が適正で、公正な厳格な処分であったかどうかということがもっと問われるべきであろうと。私は、現場の人間が、総領事も含めて非常にふがいなかったし、職業人として失格であったと、これは間違いないと思います。だから、処分は当然ですけれども、それだけでいいのかと。危機管理に対しての本省の幹部の処置も含めて、あの処分でよろしいものかどうか。
 それから、そもそも調査報告、これをあのような形の調査で十分だったのかどうか。あれで大臣は中国と外交戦で戦えるのかと。あちらは同意したと言う、こちらはしてないと。じゃ、同意してないという決定的な証拠を中国になぜ示せないのか。そういうことも含めた点検がなされてないところに、もっと大きい問題があると思います。
○大田昌秀君 社民党の大田でございます。
 岡本参考人と藤原参考人に簡単な質問をお願いいたします。
 まず、岡本さんは外務省の現職外交官職員に対して、国に殉じる姿勢、目的意識、戦う気概を持てと、檄を飛ばしてこられました。ここでお伺いしますのは、外務省の基本的な責務は何だとお考えですか。
 それから、あと一点は、日本外務省の対米従属性というのが余りにも強過ぎるという批判を買っておりますが、その理由は何だとお考えですか。
 それから、藤原参考人にお伺いしたいのは、金融の専門家としてのお立場から、ODAや機密費の透明性をどのように確保すればよいとお考えでしょうか。
 以上です。
○参考人(岡本行夫君) 日本の外交の基本目的というのは、我が国の平和と安全と繁栄の確保、そして国益の増進ということに尽きると存じます。
 対米従属というのは、日本が、アメリカが最大の、というか唯一の同盟国である。つまり、日本が外部から攻撃を受けることがあれば、米国は自国民の血を流してでも日本を守る義務がある。これは政治的な義務ではなくて条約上の義務があるという点において米国は日本にとって最も重要な国であり、唯一の特別な関係を有している国、これは私は否定できないと思います。
 したがいまして、日本の外交政策が対米協調を旨として行われてきているのは故なきことではないと思います。ただし、そのことはすべてについて米国の言うことを日本が受け入れなければいけないということとは別でございます。例えば、外交政策において、ミャンマーでございますとかインドでございますとか、日本は米国とはおのずから別の考慮を持って動いてしかるべき国が幾つもあると存じます。
 私は、日本が、これは先ほどの遠山先生の御意見にも絡む話でございますけれども、戦略というものを国民に十分明示し得ていない。日本の戦略が最初に明らかに説明されれば、日本がアメリカとの関係でいろいろ行うものがそれに沿ったものかどうかということも国民の理解が得られるわけですけれども、基本的な戦略というものが提示されていないと対米従属ではないかということになってきてしまうということだろうと思います。
 以上でございます。
○参考人(藤原美喜子君) ODAに関してですが、これを透明化するには現状を変える部分が出てきます。
 まず、国民の批判の一つはODAの実施過程の不透明性というのがあると思います。それで、私は無償透明委員会というのを、もちろん外交を強くするためにODAは大事ですが、それだけではないと思います。やっぱり国民の税金を使っている以上、それに対しての透明感とかそういうのは一層高めていかなくちゃいけないと思います。それで、実施過程とか、要請されて選択審査とか、こういうのを、委員を五名、無償透明委員会というのは委員が五名いまして、金融の専門家、それから会計、それから弁護士さん、それで開発途上国経済の専門家とか入れて、小さい小委員会でいいですから定期的にやってその方たちに説明をしていくと。入札状況も、例えば予定入札価格と落札価格がどうだったのかとか、そういうのを説明していくと。五人も委員がいますと、そのうちの一人はこれはちょっとおかしいんじゃないかと、そういう感じで出てくると思いますので、それで年に一回、これは秘密保持でいって非公開の委員会になると思いますが、年に一回、それが状況がどうだったのかというのを報告していいんじゃないかと思います。
 二つ目は、今、評価のところで、外務省が出している評価についての雑誌があるんですけれども、それを読んでいまして、今のところ八割方が外務省が評価をしているわけです。それプラス経済協力局の中に評価部隊がいるわけです。自分たちで予算の配分をして、それで企画立案に参加し、そこの同じ局の人たちが評価をするというのは、私は自己評価であっても客観的な評価とか透明性からは問題があると思います。これをまず外に出し、官房でもいいですけれども外に出し、それから第三者の評価をもっと積極的に加えていくと。在外公館を通じての評価というのは、これは改めた方がいいと。
 それから三つ目は、先ほどもちょっと触れましたが、外務省の予算の中に債務救済無償というのがございます。これは時代に合っておりません。なぜ債権放棄ができないのかとか、いろいろ金融の人間として、また、例えばバングラデシュに関しては一方で債権放棄みたいな感じで処理して、もう一方で円借を貸していると。この辺は専門家を集めて、こういうのは日本の外交を強くするためにはちょっと見直さなければいけないとか、そういう感じで透明性を高める。それで、一応債権を円借で、事情が変わってきて相手国が返済できなくなったというのに関しても、過去のものに対しても透明性は強くしていかなくちゃいけないと思います。
 というのは、国民はテレビを見て、国民はきっと分からないだろうと皆さん思うかもしれませんが、そうじゃないです。国民だって何かちょっとおかしいんじゃないかとか、何か密室で決められているんじゃないかというのは思っていますけれども、それを発言できる場がないだけなんじゃないかと思います。だから、この辺は透明性を高めるために提案していこうと思っております。
 機密費の問題ですが、機密費の問題の方がもっと、どうやって透明性を高めるのかというのは非常に難しい問題だと思いますが、機密費自身は私は必要だと思いますし、それで機密費のどの段階まで透明性を高めるために決めていくのかという、その基準を設けなければいけないとは思っております。
 以上でございます。
○委員長(武見敬三君) ありがとうございます。
 それでは、質疑に移りたいと思います。たくさん手が挙がっておりますが、取りあえず木俣委員、どうぞ。
○木俣佳丈君 皆様方、参考人には、大変お忙しい中、ありがとうございます。
 短く三つちょっと質問させていただきたいんですが、やはり外務省は競争が全くないということが一番の問題ではないかと思っております。
 そこで、船橋参考人に、やはり当初言われましたように数値を明確に入れていただきたい。これは、大使・局長クラスの民間登用について必ず入れていただきたいということを、要望と、御意見をいただきたいというのが一点。
 そして、二点目は、藤原参考人に伺いたいんですが、やはり先ほど宮内座長からもお話しありましたが、人事選考の委員会のようなものを作って、与党や他省庁や天下りとか、こういったものから切り離れた適切、適材適所という参考人、言葉を使われましたが、こういったものをやはり絶対に作るんだということを報告書に入れていただきたいと思うんですが、御意見をいただきたい。
 三つ目は、先ほど来からお話しありましたフォローアップでございますが、宮内座長にお願いしたいと思いますが。ここ一年の間に二つもこれで報告書が出ますけれども、このフォローアップを必ずやるということを是非この場で御明言いただきたいですし、大臣にもそのように言明いただきたいということをお願いします。できないときには、なぜこれができないのか、つまり、この報告書にあって実行されない場合には、なぜできないかを理由を明確にせよとか、こういったことも含めて是非フォローアップをしっかりしていただいて、二十一世紀に通じる外務省にしていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。三点。
○委員長(武見敬三君) それでは、最初に船橋参考人からどうぞ。
○参考人(船橋洋一君) 外部からの幹部、大使、特に大使起用、これを数値をはっきり明示するべきであると。私は明示するのでよろしいと、する方がよろしいと思います。ただ、それはあくまで義務的な強制的なものであってはならないだろうと思います。単なるお飾りじゃ困りますけれども、やはりそこはそういうものを掲げて、掲げた以上は真剣にその方向に向かって取り組んでいく、コミットメントが必要であろうと。
 ただ同時に、それによって生ずる新たな問題というものも始めから念頭に入れておかなければいけない。例えば外部から入れる場合も、一部の勢力とかある組織とか集団とか、そういうところの下部といいますか、になってはいけないだろうし、あくまでそこは広く適材適所ということでなければいけない。ですから、同時に数値を、目標といいますか、それを示すにしても、やはり先ほど宮内さんおっしゃった選考をどういうふうにするのかという点も併せて考えるべきものだろうというふうに思っております。
○参考人(藤原美喜子君) 人事選考委員会については、私はこれは作らなければいけないと思っております。特に、外部の人間を選考する場合というのは、国民に対して説明しなくちゃいけないと思います、こういうわけで外部の人間を推薦いたしましたという形で。
 以上です。
○参考人(宮内義彦君) 今度出します報告書は、いわゆるあるべき姿を抽象的に描くのでなく、いろいろな具体的な提案を、この点についてはこういうふうにやるべしで、なおかつ何年度中にやるとか、いついつまでに検討を終えるとか、そういう個別具体的な提言にしたい、そのように思っているわけであります。
 したがいまして、そこにフォローアップをする機関ができた場合は、その出したものと今どうなっているかということは、非常に分かりやすい形でどこまで改革が進んだかということでめどが立つ。そういう意味で、やはりこれは実施をしていただくということでお任せするとともに、後付けするという意味でこのフォローアップ委員会というのは何らかの形で是非必要だというふうな議論をしておりましたところ、大臣から、変える会を定期的にフォローアップをする会として残したいという今御意向を伺っております。これは、具体的にどうするかということにつきましてはまた打ち合わせをしないといけません。どういう形にして、組織的にどうなるかということ。
 いずれにいたしましても、川口大臣の非常に強い意向でフォローアップをしっかりするんだということをおっしゃっておりますので、非常に、そういう意味では言いっ放しということでなく、個別具体的に後で実施状況を見られるという形のものができる、このように思っております。
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
 参考人の皆様には、大所高所からの御議論をいただいて、本当に心から敬意を表したいと思います。
 絞ってお聞きしたいと思います。まず、藤原参考人に伺いますが、ODAその他の援助につきまして、私は案件をどう選ぶかというその妥当性の問題点と、それから、決定をし執行するというプロセスの公正さ、ここは透明性ということが議論されておりますが、最終的には私は公正でなければならないということが目標だと思います。
 それと、行われた結果が効果があったかどうかという評価。これまで各種の評価や白書が出ておりますけれども、主に事後的な効果の点についてに偏っておりまして、執行の公正さ、透明性、あるいは決定の透明性、ここについての評価が極めて弱いように私は思います。特に無償案件あるいは技術協力の案件においていいますと、コンサルタントが仕様書を作って、そして入札をして、そしてそれが仕様書に合っているかどうかをチェックすると。このコンサルタントの役目というのが非常に私は決定的な影響を持っていると思います。そのコンサルタントの役目についての監視が行き届いているのかどうか。
 そして、特に外部監査の必要性ということが外務大臣から提言されておりますけれども、しかし、これで監査法人、つまり会計屋さん、事務屋さんに監査をさせても、私はその技術の中身についての適正な評価は到底不可能だと思います。こういう専門技術者の評価、チェック、ここが極めて弱いと思うんですが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(藤原美喜子君) 先生のおっしゃるとおりで、ここが非常に問題なところだと思います。
 ここにおいて透明性を高めるためにというのは非常に難しいところもございまして、先生自身は何かこういう御意見、僕はこうした方がいいみたいな感じのがございますかというのは、日本の場合は、コンサルというのは非常に限られていまして、意見として私も透明性を高める、でも具体的に、じゃどういう提案にというときに非常に難しい。それで、コンサルもいろいろ協会を持っていまして、財団法人をいろいろ持っていますので、非常に分かれていて、この業種、例えば建設だったら建設のコンサルとかという感じで非常に分かれていますので、その辺は、もちろん監査も評価も両方必要なわけですよね。
 でも、今の日本の評価というのは非常に、こう言っちゃなんですが、外務省の評価はどこか日本の無償とかのところに知識人を送って感想文を書かせているような、私は評価じゃないんじゃないかと思うような、読んでいてそう思いました。
 それから評価、十三省が、技術協力のところが非常に分かれているわけですよね。それで、評価のマニュアルというのははっきりしていないわけです。もちろん、世銀でも評価というのははっきりしていませんけれども、これは十三省が別々に評価をやっているんで、評価のことについてもっと一元化できないのかとか、その辺もいろいろ改正していかなくちゃいけないと思っています。
 以上です。
○山口那津男君 宮内会長にお伺いいたします。
 今の藤原参考人の御意見を基にして、私自身、自分なりの考えというのは持っておりますけれども、この変える会がフォローアップもしていくというお話ですので、私も是非準会員に加えていただいて、ある案件を私は提供しますので、それを徹底的に全部資料を外務省に出していただいて、それがどこにどういう問題点があるか、これを是非一緒に作業をやらしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(宮内義彦君) フォローアップの体制がどうなるかということはまだ確定しておりません。したがいまして、私は物を申せる立場ではございませんが、いずれにいたしましても、国会の関与、御支援というものがないとこれは外務省改革ができない。そういう意味で、どういう形のフォローアップ委員会ができようとも、それにつきましていろいろな御意見等をちょうだいするというのは当然のことだというふうに思います。
 ODAの評価ということにつきましては、特に我々企業の場合は、ボトムラインといって、最後の利益だけ見ていればいいという非常にある意味では単純でございますけれども、いわゆるそうでない、質を評価するということは実に難しいわけでございまして、私も、要らぬことですけれども、独法の評価委員を仰せつかって、こんな難しいものかという気がいたしました。
 したがいまして、まず評価基準を作る、これ自身が猛烈に難しいんですね。評価基準がきっちりできて、しかもその基準を一つずつ見ていく能力がないといけないということで、基本的に、今藤原さんおっしゃったように、ODAにしろ何にしろ、定性的なものの評価というのは本当に精力と能力とを本当に込めてやらないといけない極めて重要なものだという認識をしております。
○吉村剛太郎君 自民党の吉村でございます。
 本日は、参考人の先生方、本当にありがとうございます。
 中央省庁改革によりまして、御存じのように、かつての建設省と運輸省が今は国土交通省、厚生省と労働省で厚生労働省、また文部省、科学技術庁で文部科学省、また、かつての郵政省が消滅をいたしまして総務省という形になっておるわけでございますが、農水省それから外務省に関しましては全くのその当時手付かず、また、そういう面での基本的な省庁改革の俎上にもほとんどのっていないわけでございます。ある意味では、これはかえって不幸せなことではなかったのかなと、こんな感じがするわけでございまして、今いろいろな問題が言われておりますときに、ある意味では、外務省も例外ではなくて、正にガラガラポンで根本的にそういう面から見直すことも必要ではないかなと。
 我が党にも、外務省は儀典的な仕事だけやればいいんだ、また領事業務だけやって、あと農業問題とか経済問題はそれぞれの部署で担当させればいいんだという意見もあるわけでございますが、この件に関しまして、宮内座長それから船橋参考人、もう時間の関係で、皆さんにお聞きしたいんですけれども、お二人から御意見をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(宮内義彦君) いろんな国で外務省の在り方が問われているように思います。
 二つの考え方があるんだろうと思うんです。一つは、かつて外交というのは全部外務省に任せておくという時代から、現在のように非常に縦割り省庁でその部分ごとにやってしまっている、ある意味では外務省の役割は非常に小さくなってきていると、これをどうするかということだろうと思います。そうすると、縦割りになっているんだから、小さくなったもの同士を一緒にすればいいんじゃないかと。経済と、通商と外交とを一緒にするとか、そういう考え方があろうかと思います。
 もう一つは、外交というのは非常に幅広くなってきて、外務省のファンクションというのは非常に小さくなってきているけれども、逆に総合調整機能というものが日本の外交には取られていないじゃないかと。財務、金融庁あるいは経済産業省あるいは防衛庁等々、農水省も含めまして、各々の縦割りの外交をやっている。それを国として総合調整するにはどうすればいいかと。全部一緒にするということも無理だと思われます。そうすると、今度は外務省が、縦割りのものが小さくなったのでなく、横になりまして全部の総合調整をしていくという、こういう考え方も出てこようかと思われます。
 これは、私自身の意見といたしましては、外務省は総合調整機能を持った省庁にならなければ、内閣府にそういう機能を持ってもらわないと、縦割り外交ということの弊害で日本の外交力を弱めると、現在はそういう方向に行っているんじゃないかと、そんな感じを持っております。
○参考人(船橋洋一君) タブーはないという考えで臨むべきだと思います。外交を強くするために、その意識、それから制度、人事、組織、その改革が必要であるということであれば組織改革もやらなければならないと。
 そのときに、外務省だけではないと思います。先ほど申し上げましたフォーリンポリシー、つまり外政ということでどのように強化するか。そのときに、例えばサミット外交、首脳外交ですけれども、これを飛躍的に強める必要がある。となれば、それは外務省だけをいじるということではなくて、内閣府、普通の言葉で官邸ですけれども、ここの外交機能をどういうふうに強めるのかというような、まずそういうところから発想をする必要があると思うんですね。すぐ、外務省がどうだというような、外務省の中だけをいじくろうという盆栽人みたいなのが多いんですけれども、私は、やはり外交、外政というのは、これは首相、内閣府、こういうところから下ろしていくものであるというふうに思っております。
 あえて外務省について言えば、やはり国民の信頼を回復するという、これが、例えば人間の安全保障という観点から危機管理とそれから領事業務というのを束ねた形で、この二つの機能強化、組織強化が必要になってくるだろう。
 もう一つは、総合政策立案機能、現在、総合外交政策局がありますけれども、この組織を更に強化すると、この辺が課題となっているかなというふうに思います。
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。
○佐藤道夫君 私からは、変える会の運営についての具体的な問題を取り上げて、ちょっとお尋ねしたいと思います。
 宮内会長、それから、申し訳ない、女性を代表して藤原委員というお二方にお願いしたいと思います。
 先ほども話に出ておりましたけれども、瀋陽の総領事館の問題について処分が行われたが、余りにも時期的に遅かったのではないかと。私は、それと同時に、あの処分が発表されたときに大勢の国民が受けた印象は、いかにも軽過ぎると、外務省改革と言っておりながらこれは絵そらごとではないのかと、何だこの処分はと、こういう意見を持った人が非常に多かったと思う。
 現にいろいろな新聞が社説でこれを取り上げまして、いずれも軽過ぎると、何を考えているのかと、改革なんというのはもう絵そらごとではないのかと、こういう意見が圧倒的に多かった。それから、紙面に登場する識者の意見も同じ。投書の中身も、結構いろんな新聞が取り上げておりましたけれども、やっぱり軽いと、外務省の改革、これはやっぱり厳しいところできちっとやるべきではないのかと、こういう投書が出ておりました。
 そこで、お伺いしたいのは、こういう処分をやるについて、当然変える会に大臣から諮問がありましてね、いかがでしょうか、こういうことではということで、皆さん方も寄り寄り集まって協議をして、これじゃ軽過ぎるとか、いやこれでいいんだとか、一切処分なんかする必要はないんだとか、いろんな意見を申し述べたと思うんですけれどもね。もし仮に意見を聞かれていないとすれば、それこそ大臣の責任というのか、変える会として大いに机やテーブルをたたいて抗議をしていいわけです。何でこういう大問題について我々の意見を聞こうとしなかったのかと、そういうことだろうと思います。
 そこで、意見を聞かれた、聞かれてない、聞かれた際にどういうお答えをしたのか、その辺のところを分かりやすく説明してください。
○参考人(宮内義彦君) この件につきましては、私ども変える会には一切意見が聞かれておりません。したがいまして、これについては特に我々何か物を申すという立場ではなくて、変える会というのは、先ほど言いましたように、大臣から言われた十の項目についての、外務省をこれから変えていくための施策を出してくれということでございまして、瀋陽の件につきましては、個人的な思いはたくさんございますが、これは外務省内部の執行部の責任と権限でおやりになったことだというふうに思っております。
○佐藤道夫君 ちょっと一問だけ。
 いかにも何か役人の答弁みたいなことを平気でおっしゃいますね。聞かれないから答えなかったんだと。こういう大問題ですよ。やっぱり時間を、最初からもう時期的に随分経過していたわけですから、どうなっているんだと、やるときは我々の意見聞いてくださいよと、それだけのことなんですよ。そして、聞かないでああいうことを発表されたら、我々もう辞職しますよというぐらいのことを言うべきじゃないんでしょうか。私、大変驚きましたよ。よくそんな頭でもってこの変える会なんというのをやってますね。不思議としか言いようがない。
 以上で終わります。
○参考人(船橋洋一君) ありがとうございます。
 佐藤さんのお気持ち分かりますけれども、先ほど一番最初に申し上げましたように、だからこそこの十項目以外に、危機管理についても、委員の中からもこれはやっぱり議論するべきだと、大臣の方も是非危機管理ひとつ加えてやってほしいということがございまして、瀋陽そのものをケーススタディーしたわけじゃございませんけれども、それを踏まえて、これからの危機管理体制、どう強化するかということを今やっているところでございます。
○福島啓史郎君 最初に岡本参考人にお聞きしたいと思いますが、冒頭の陳述、私、共鳴するところ多いわけでございます。
 日本外交の閉塞状況、私は、日本外交の目標を喪失したと、要するに冷戦時代は東西陣営、西側に属して、要するに軽武装、経済開発、経済発展に努めるという明確な目標があったわけでございますが、冷戦崩壊後また経済も相当力を付けた段階で、安保理の常任理事国あるいは北方領土という、そのことによって何をするかということがなかったことに目標を設定したということが問題だと思います。
 私は、現在におきます我が国の外交目標としては、まず第一に、日米同盟を基軸に、憲法の制約はありますけれども、国際的な安全保障の構築に向けて貢献していくということが一つと、もう一つは飢餓なりあるいは貧困なりあるいは環境破壊等に日本がリーダーシップを取ってそれに乗り込んでいく、それに取り組んでいくということを外交目標にすべきじゃないかと思います。
 ただ、二番目に、チャイナスクールについては若干意見を異にしております。外務省だけに責任があるわけではないということはそうかも分かりません。私は、今の日中政策が、対中政策が、言わば外務省のチャイナスクール、それから中国の外交部におきますジャパンスクール、それから政界におきます、政治の面におきます対中融和派、これのゴールデントライアングルによって決定されている、それに一部報道機関が関与しているということ。しかし、その中心を担っているのはやっぱり外務省のチャイナスクールではないかと。
 したがって、対中政策あるいは対ロ政策もそうなんですが、総理直属の下に、外交評議会あるいはシンクタンクといったような形でもいいんですが、最高戦略を決める機関を総理直属の下に設けるべきではないかと思います。
 それから逆ピラミッド構造、私は本当に問題だと思います。組織にとってはあり得ないことでありまして、外務省に入った幹部職員の少なくとも半分、あるいは三分の一しか大使になれないような仕組みを作るべきだと。その一つは外部登用でございますし、もう一つは若くして大使を経験させるということ、この二つをやっていかなきゃいけないと思います。その三点についてお聞きしたいと思います。
 それから、あとのお三方に御質問でございますが、この外務省改革に対する政治に対する注文をお願いしたいと思います。
○委員長(武見敬三君) それでは岡本参考人、簡潔に御答弁、よろしくお願いいたします。
○参考人(岡本行夫君) 先ほど、大田先生から国益とは何だという基本的な御質問がございました。いや、失礼しました、外交の基本的目的とは何かという御質問がございました。私は、そこで簡単に国益の増進とお答えしたんでございますけれども、今の福島先生の御意見、私は全くそのとおりだと思うのでございます。安全保障の確保、そして環境破壊等に対する日本の協力。
 私は、どうして先ほどの国益論を持ち出したかと申しますと、外交政策の出発点である国益をどう認識するかということを実は外務省はきちんとやってきていない。単に米国との間での約束を達成することだけをもって国益とするのか。その結果、ちょっと話はそれるかもしれませんけれども、その結果がすべて沖縄のようなところへしわ寄せをしてくるような安全保障政策を取ってきてしまったこと、これは私はやはり政府として猛反省すべきだと思います。
 つまり、福島先生がおっしゃったことはそのとおりでございますけれども、それを実際に国益のレベルに置き換えて、具体的に日本としての国益は何かというところの、まだそこの間のギャップがあると思います。世界の安全保障を確保すること、じゃ、そのための平和構築の手段として日本は何をやっていくべきか。環境破壊に対して日本は立ち向かう、しかしそれは日本として何ができるかという、そこのリンクがまだ弱いような気がしております。
 それから、日中関係については、確かに先生がおっしゃられるゴールデントライアングルの関係でやってまいったわけでございますが、私が申し上げたかったことは、往々にして、今のことを言っているわけではございませんけれども、政治的に原則から外れた妥協がなされてしまうということを恐れる余り、事務レベルが政治レベルに上げまいとして突っ張ってきて、中国との間で、彼らとしては血みどろの交渉をやってきたつもりでございますけれども、それが閉塞的な印象を外に与えてきたという事実の指摘でございまして、私はその点はもっともっとやはり開放のプロセスにすべきであったとは思っております。
 外務省の階層の逆ピラミッド構想については、先生がおっしゃられたようなこと、つまり若手の人材登用とか、それからやはり外部からの新しい血を入れることによって選定の母数を広げることが重要だと思っております。
○吉岡吉典君 宮内座長に冒頭にお伺いしたかったことですけれども、今ずっと論議を聞いて、いよいよ座長の御意見をお伺いしたくなったんですけれども。
 外務省改革という場合に、いろいろな問題があると思うんですけれども、一番中心的な、一番核心的な弱点は何か。日本外交の核心的弱点、日本外務省の一番中心的な弱点は何かということ、この十回に及ぶ審議の中で大体浮かび上がってきているんじゃないか。今の論議の中では岡本参考人が非常に強調されている、日本外交の戦略目標が不明確だということを岡本参考人は強調されました。私も、強い国民的支持の下で外務省が一丸になって取り組むべき外交目標というのは必ずしも明確ではないなという感じを持ちながら先ほどから意見聞いておりました。
 十回にわたる審議の中で、座長はそういう点、どこに中心問題があるというふうにお考えになったか、お伺いしておきたいと思います。
○参考人(宮内義彦君) 二点ございます。
 一つは、大臣から諮問された、どちらかというと後ろ向きの、外務省がもうある意味では国民から支持を失い掛けている。この組織を立て直すには具体的に何したらいいんだろうという、一つの組織をもう一度活性化させるというための、ある意味では非常に後ろ向きの提言になったと思います。そうしている間に、この組織として、やはりこれは外交の中枢でございますから、あるべき姿は何だろうということはやはり委員の間で議論が出てきたわけであります。
 それで、政策構想力の強化という、一番将来のあるべき姿、前向きの議論をしようということになってきたわけでございまして、そういう意味で、やはり組織を活性化し、立て直すとともに、本当の外務省に求められている政策を、日本外交の政策をイニシアチブを取って作り、それを遂行して、国益にプラスになるという、そこまでのプロセスですね、これについては、これは外務省だけに責任を押し付けるというのはとてもこれはできないことで、正に国会、政府一体となって、そして外務省がそこで豊かな構想力、豊かな世界観、新しい世界観というものを持っていただく、そういう非常に大きなビジョンというものが外務省の中枢のところで出るような組織であってほしいと、そういうことが十二番目の項目であります政策構想力の強化について議論しようじゃないかと、皆さんが一致して出てきたところでございます。
 ですから、これは議論の始まりしか恐らく提言には載せられないわけでございまして、その後についてはやはり広く国民、国会始め御議論いただく大きなテーマだと思います。
○舛添要一君 岡本さんにお伺いします。
 先般、民間人の起用基準について川口大臣が発表されましたけれども、例えば大使の年齢六十三歳以下とかその他もろもろあるんですが、例えば民間人で、学者の中で審議会委員など公職で実績が認められる者、それからNGOなどについても政府との連携による国際活動で実績が認められる団体で、それで更に審議会委員など公職で実績が認められる者。つまり、要するに、政権交代がないことを前提にして考えているんじゃないですかと。つまり、大使というのはポリティカルアポインティーであることは当たり前であって、要するに今の政権が別の政権に替わったら全部入れ替えたっていいはずですね、外交政策変わるとすれば。
 そうすると、審議会など公職で実績が認められなくたって学者としてすばらしい能力を持っている大使に適当な人、幾らでもいるわけですね。それから、必要な外国語能力を有すると書いてある。そうしますと、じゃ、中国大使というのは中国語できないと駄目だということになって、英語は抜群にあるけれども、チャイナスクール以外なれないということになってしまうんですよ。ですから、こういう基準を設けていることをどう思うのか。皆さん方、変える会はこれをこのままエンドースするのかと。
 私は、こういう考え方を脱しない限り、政府との連携じゃなくたって、国際機関と連携やったって、ちゃんとNGOでやっているのもいるし、政権交代がないことを前提にしているような、そういう考え方は私は基本的には反対で、大使というのはポリティカルアポインティーであると、勝手でいいんですよ。だから、それ任命した内閣総理大臣が責任取ればいいだけの話で、大使が駄目なら、というふうに考えていますが、いかがですか。
○参考人(岡本行夫君) 今、舛添先生がおっしゃられた大使任用の基準については、私だけではなくて、多くの変える会の委員が違和感を持っております。
 年齢制限にしましても、私はもっともっと、これは全く個人的な意見でございますけれども、六十代後半であっても元気な、知的にも体力的にもすばらしい方々いらっしゃるわけで、そこは任期付任用制度という制度があって、外務公務員の定年はそこのところは適用されない制度がございますから、何も六十三以下という必要はないです。
 外国の在住経験を条件付けているのもおかしいと思います。例えば、アルゼンチンの大使で適当な人はいないか、いや、ずっと長い間アルゼンチンとの関係に携わってきましたけれども、住んだことはありませんという人は排除されて、いや、私は昔、上海で駐在員をやっていたことがありますと、じゃ、あなたがと、こういうことはすごく合理性のない話であります。
 ただ、舛添先生のおっしゃられた意味を私は取り違えているのかもしれませんけれども、政権ごとの交代ということになりますと、御承知のとおり、米国のように四年ないし八年という安定性を持った政権と、我が国のように一年ごとに任命権者が替わって、その任命権者が替わるたんびに大使は替わるんだということになりますと、外交の継続性から見てどうかなという気は私はいたします。
○舛添要一君 私が申し上げたのは、自民党政権から民主党政権に替わると、そういうことの意味であって、内閣総理大臣が替わるという意味ではありません。それは念のため申し上げておきたいと思います。
○小泉親司君 四月に引き続き、大変御苦労さんでございます。共産党の小泉でございます。
 先ほども瀋陽事件の問題が出ましたが、私もちょっとその件でお聞きしたいんですが、瀋陽事件のときに結局、今日のこの議事録を読ませていただきますと、どなたがお話しになったかはこの議事録ではつまびらかじゃありませんが、例えば、「日本では不祥事が起きるとその原因を明らかにしないまま再発防止策をとるが、原因をまず明らかにする必要がある。」と、こういうふうに指摘されておられる方がおられる。
 私も瀋陽事件では、処分の軽重はともかく、一体何が原因だったのか、この点が全く不明確でありまして、何が問われているのか、どうも外務省に聞きますと、これ危機管理意識が問われているんだと、方針は全然問題ないんだと。しかし、私は、この問題というのは単なる危機意識の問題じゃなくて、いわゆる日本の外交が、例えば脱北者の問題についてどういうふうに接近すべきなのか、難民政策の見直しについてどう接近すべきなのか、こうした外交戦略が明確じゃないとこの問題というのは解明ができないと。そうなってきたら、事実上、この外務省改革という点で当然のこととして外交戦略が明確にされなけりゃならないというふうに思うんですが、そういう点では考える会でどのような議論がされているのか。これは宮内座長と藤原さんにお尋ねしたいと思います。
 それからもう一つ、岡本さんの、私、参考人がお話しになったことは私も非常に共感できるんですが、岡本さんがいろんな内外で表明されている意見については、私、少なくとも私自身は百八十度に限りなく近く違うという見解を持っておりますが、おっしゃっていることは私もそのとおりだと思います。
 例えば、外交の脆弱性というふうに言われましたが、例えば瀋陽事件一つを取ってみましても、先ほど申しましたように外交戦略が問われるこれは問題でありまして、例えば先ほども同僚委員からもお話があったときに船橋参考人は、いや、それは危機管理体制の問題についても議論しているんだとおっしゃっているけれども、実際に危機管理体制といっても、そういう意味で後ろ向きの議論、私は前向きの議論というよりどちらかというと後ろ向きの議論、つまり外交戦略を論じない限り本当に日本外務省が日本外交に冠たる位置付け、存在意義を示せないと。
 だから、そこが私は非常に分からないところなので、その辺をどういうふうにお感じになっているのか。特に、先ほど岡本参考人は、外務省、日本外交が脆弱してきたんだとおっしゃったけれども、何で脆弱したのかという議論をしてほしいとおっしゃいましたが、岡本参考人御自身はどこに五十年近くの日本外交の脆弱性を生み出した要因があるとお考えになっているのか。同時に、船橋参考人にもその点をお尋ねしたいと思います。
○委員長(武見敬三君) それでは、まず、それぞれ簡潔に御答弁をお願いします。宮内座長、どうぞ。
○参考人(宮内義彦君) 確かに、外交政策がないと現場の外交官が十分な対応ができないと。そういう意味で、先生のおっしゃったように、外務省にすべての責任があってそれがうまくいかなかったというふうに押し付けるべきではないということはおっしゃるとおりだと思います。
 しかし、一つの組織を預かっている者として、ある問題が起こったときにそれにどう対応したかというようなことを新聞報道だけで見ましても、私ども組織人から見まして不思議だなと、実に不思議な反応をしているなということが多うございましたし、そういう意味では、職員というか館員といいますか、緊張感というものが相当ない組織になってしまったのかなという疑いを持たざるを得ない。
 そういう意味で、一〇〇%外務省に押し付けるわけではないけれども、大いに問題は持っていたという認識でございます。同じような認識でメンバーが考えまして、たしか後ろ向きとおっしゃいましたけれども、危機管理問題を議論しようということになりました経緯でございます。
○参考人(藤原美喜子君) 瀋陽事件に関しましては、私は驚きました。
 ああいう場合、外務省は国民に非常に不信感を持たれているところで、そういうところが調査をしに行くときというのは、もしかしたら変える会のメンバーの一人を連れていって、行った方が透明性とかそういう面ではいいんじゃないかと思いまして、それを委員の一人にそのときちょっと提案しました。大臣に対して情報が余りよく上がっていないんじゃないかというのもテレビを見て感じたことの一つです。
 私は、日本外交を強くするために、もちろん外交政策も大事ですが、私は海外で仕事をしていて一つだけ忘れないで持っていたものがあるんです。それは、日本人としての誇りです。やはり、私、外務省の人たちと話していて、みんなにみんな外交官として日本人の誇りを持っていい外交をしなければいけないという、その辺をモットーとして持っていないような気がしたんです。
 どういう政策を作っても、やっぱりこの辺の誇りを持って仕事をするという、その辺のことがないといい仕事ができないんじゃないかと思いますんで、それをちょっと付け加えさせていただきました。
○参考人(岡本行夫君) 私は、特に最近の十年間、日本外交に閉塞感が強まってきたと思いますし、そういう趣旨を申し上げた次第でございますが、もちろん、それを支えるインフラの問題、人の問題もございましょう。しかし、より基本的には、日ロ関係を取れば一九五六年の共同宣言、日米関係を取れば一九六〇年の日米安保条約、日中関係を取れば一九七二年の日中共同声明、これから数十年いずれもたっているわけでございまして、その間に世界が非常に大きく変わったと。
 やはり、私はこの世界の変革の中で、日本にとって一番大きな意味合いを持っているのは中国の変化の度合いだと思うんでございます。それがもたらしている世界の構造変化に今まで数十年前に作った日本の基本的な文章、基本構造というものが対応し切れなくなってきている。もう一度これを基本的に今議論をし直さなければいけないですし、そうでないと中国との間で常に何か案件の後追い問題、そしてその七、八割方は台湾問題、そして残りは過去の問題ということで、前向きの話は議論できていないということが私は九〇年代を通じて最も考え直すべきことであり、そして、そのような新しいテーマに向かってみんなで議論していくことが外交の強化というのにつながっていくと信じております。
○参考人(船橋洋一君) 冷戦の長い時代を通じてアメリカ任せの外交をしてきたということが、やはりツケが回っていると。冷戦が終わって十数年たちますけれども、まだ独自の国益本位の外交に切り替えられていないと。これから多分二十年、岡本さんがおっしゃっているように、今度中国でもって苦しみ抜くだろうと。それに対応できるような政治リーダーシップも、外務省の体制もできていないということだろうと思います。
 外務省に即して言えば、信賞必罰が行われてこなかったことが結局このような状態を招いていると。これは、パールハーバーのときの開戦通告の失政から一貫して外務省の大きな宿痾であるというふうに私は思っております。
○小泉親司君 ありがとうございました。
○委員長(武見敬三君) 予定の時刻が参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。
 この際、一言御礼を申し上げます。
 参考人の方々には、長時間にわたりまして大変有意義な御意見をお述べいただいて大変にありがとうございました。
 当委員会におきましては、外務省改革については多くの委員が大変大きな問題意識を持って取り組もうとしております。本日の極めて貴重な意見の交換を通じて、更に外務省改革を推進していくべきことと考えているものであります。
 参考人の皆様方のますますの御活躍を祈念をいたしまして、委員会を代表して、厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会