第154回国会 厚生労働委員会 第12号
平成十四年五月三十日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     櫻井  充君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                鶴保 庸介君
                中原  爽君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                草川 昭三君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田村 憲久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       総務省行政評価
       局長       塚本 壽雄君
       文部科学大臣官
       房審議官     清水  潔君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   木村 政之君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省医薬
       局長       宮島  彰君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一
 部を改正する法律案(内閣提出)

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○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十九日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
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○委員長(阿部正俊君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬局長宮島彰君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(阿部正俊君) 次に、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮崎秀樹君 おはようございます。
 今日は一時間という時間をいただいていたんですが、何か都合によって四十五分にしろということで、大変短くなりましたので、簡単に答弁をお願いしたいと思います。それから、私の質問もちょっとはしょりたいと思いますが。
 まず最初に、昨今の医療費改定等の問題についてちょっとお尋ねします。
 第一番目は、まず通達という文書がいろいろ出ているんですが、この通達という文書はその内容は非常に高圧的な文章になっていますね。これは旧内務省の関係でしょう、何々されたいとか。これは、その文書、官庁の中でやり取りというのはいいんですが、これがコピーが全部そのとおり下へ来て都道府県医師会なりに来ると、全部その調子でやれと、こう来るわけであります。そうなってくると、小石をぽんと投げたその波紋が周囲に来て末端へ来ると、大きな波になって来るわけですね。こういうことに関して、時代錯誤じゃないかと。
 私は、公僕という言葉は余り好きじゃないんですね、僕はしもべですから。それは恐らく公務員の方にそういう言葉を使うのは不適当だと私は思っています。しかし、国民もお役人もこれは対等であります。国民の税金で公務員の方もお給料をもらっている。そういうことを考えますと、こういう文書の内容というのは私は神経を使うべきだと思うんですが、大臣、どういうふうにお考えか、大臣の御所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のとおり、この文書は、出しますときにはそれは一般国民の皆さん方にお出しをするものでないものもあると思うんですけれども、しかし最近ではそうしたものが国民の多くの皆さん方の方にそのままコピーされていくというようなことも考えられるわけでございますしいたしますから、やはり通達などというのは内容は簡潔明瞭、分かりやすくして、読む人によっていろいろの読み方が違うような内容では困りますし、また、御指摘のように強圧的なものであってはならない。やはり、丁寧に簡潔明瞭、分かりやすく、そして国民の皆さん方に理解のされるようなものでなければならないと私も思っております。
○宮崎秀樹君 大変すばらしい答弁だと思うので、是非よろしくお願いいたします。
 それから、実は愛知県医師会で今回の医療費改定の全部置き換え作業をやりました。これは数千件をアトランダムに抽出したものでやりました。しかも、診療所の外来、病院の外来、それから入院、規模別に分けました。
 ところで、今、集計をやっていまして、一つまとまったのは診療所の外来の集計であります。本人、家族、老人、これ本人が八百九十一件、家族が九百四十一件、老人が八百五十三件、トータルで二千六百八十五件、そしてマイナスが一二・三%と、こういうことで一〇%を全部上回っております。本人が一二・四、それから家族がマイナス九・二、老人がマイナス一四・四、トータルで平均で一二・三。特に、整形外科の診療所の外来を見ますと、これも検査とか初診、再診、指導料、在宅医療、全部分けてやっておりますが、特に整形外科は本人が二五・八三%マイナス、それから家族が二〇・八九、こういう数字が出ております。さらに、理学療法だけ取りますと、これは五〇%を超えています、みんな。
 こういうデータが出たんですが、これは二・七%、大きく上回っていることは実態として分かるんですが、これに対して、今後、二・七%という数字は我々納得してこれを認めたわけでありますが、そういうことになったときには、やはりこれ、ある程度対応してもらわなきゃ困るというわけでありますが、このデータを差し上げますので、ひとつ検討されて対応をお考えいただきたいと思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 保険点数が下がりまして安くなったことは、これは関係する先生方には大変厳しいわけでございますが、国民の皆さん方から見ればそれだけ安くなったわけでございますので、これは歓迎をしていただけるのかなというふうに思っております。
 しかし、今回、その二・七%という数字を出しまして、そして、しかし現実は随分それとは懸け離れているというようなことがあってはこれはいけないわけでありまして、我々それほど離れていないというふうに思っておりますが、今までにも申し上げておりますように、四月から六月まで三か月ほどのところを拝見をさせていただいて、そしてその内容を検討させていただく。そして、多分そういうことになりましたら中医協の方にそのことはかけられるんだろうというふうに思いますので、そこでどうするか御審議をいただきたいというふうに思っている次第でございます。
○宮崎秀樹君 国民は喜ぶけれども、医療機関がつぶれるということになると、これ六月に振り込んできますから、運転資金がそこで詰まるというようなことになると、これまた国民に与える影響というのは大きいわけですから、そこは十分お考えいただいて対応していただきたいと思うわけであります。
 それから、もう一つお伺いしたいのは、今度の改定で、いわゆる再診の逓減制とか手術の施設基準、特に症例数によって手術のコストを下げるというようなこと、それから長期入院患者について、入院基本料の特定療養費化、いわゆる百八十日以上たったら八五%しか給付しませんよと、こういうようなこと、これは非常にEBMに正にかなわないことをここへ取り入れているわけであります。こういう基本的な問題はよく議論した中でやってもらわないと困るんですが、これらに対して、今後やはり改めるような、要するにこれはおかしいと思ったらやはりきちっとやってもらわなきゃ困るわけですが、これは保険局長ですか、御意見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 今回の、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、マイナス改定という中での大変厳しい作業であったわけでございますが、かなり広範な項目について見直しをいたしました。今御指摘の幾つかの項目につきましても、それぞれ政策目標と申しましょうか、何を目的とするかというようなことは、かなり関係の審議会などでも御議論いただいた上で決定をいたしましたが、一般的に申し上げまして、当然のことながら、医療費の動向あるいは診療実績、またさらには様々な事例の集積、新しい知見、こういったことにつきましては常に注視をし、必要に応じてこれをフォローしていくということは重要でございます。
 直ちにというわけにはまいりませんけれども、そうした全般的な状況というのは我々もよくフォローをいたしまして、現実と考え方と大きなギャップというようなことが出てまいりますれば、よくよく研究はいたしたいと考えております。
○宮崎秀樹君 ひとつ前向きに、これは実態をきちっと把握した中で、やはりおかしなことは改めてもらわないと国民が困るわけでありますし、また医療機関の方も非常に矛盾だらけということでは診療の意欲をそがれるというようなことで、やはり将来医師になる、要するに夢がある人たちをこれで破らせるということになるとこれ大変なことでありますので、よろしくお願いいたします。
 それから、もう一つだけお伺いしたいのは、いわゆる、今度、主病名を一つ決めろというんですが、例えば狭心症、高血圧症、糖尿病、脳梗塞、変形性脊椎症、リューマチ性慢性膝関節炎、骨粗鬆症、左大腿骨頸部骨折、それから臀部褥瘡と、これだけ、九つある病名の中から主病名一つというのは、何を選んだらいいんでしょう。
 そういうことは、当分の間はそれはいいよと、しかし当分の間で、そのうち一つやっぱり主病名決めろと、こういう話であります。主病名というのはころころころころ毎日変わりますね。それを一月に一回出すレセプトに主病名これだと、丸付けろといったって、これはなかなかできない。そういうばかなことをだれが発想して、だれがこんなことを決めたか、それをひとつ教えてください。
○政府参考人(大塚義治君) 経緯をまず申しますと、一つの議論といたしまして、今回、いわゆる二百五円ルールと俗に言われますように、低薬価の薬剤につきまして、従来は薬剤について薬剤名を記載する必要はない扱いをしておったわけでございますけれども、今回これを基本的には撤廃と申しましょうか見直しをいたしまして、廃止をいたしまして、原則的には薬剤名を記載していただくと。
 しかし、これは相当数薬剤名が増えるということもございまして、医療機関あるいは審査機関から見ますと疾病名と薬剤名と大変複雑になるということもございます。現実を考えますと、主たる病名から推測できる、薬剤使用ということもおおむね推測できるケースが多いわけでございますから、両者の事務簡素化ということもございまして、主病名あるいは副傷病名ということから類推されるようなことにつきましては個別の薬剤の対応する病名を書かなくてもいいと、こんな取扱いをしようというのが一つの背景でございます。
 今お話にございましたように、実際にはたくさんの疾患をお持ちでございますが、これは現実問題として、それぞれの患者さんの状況に応じて正に主たる疾病を医師の判断で記していただく、記入していただくということで、これも一つということで、どうしても難しければ複数あってもやむを得ないわけでございまして、いずれにいたしましても、一言で申し上げれば、患者のおおむねの患者像というのが分かるような記載をお願いできればという趣旨で、今回の診療報酬改定に併せましていわゆるレセプトの記載要領を見直したものでございます。
○宮崎秀樹君 何か苦しい答弁のようでございまして、これはEBMに沿って二つあるうちの一つというならまだ話は分かるけれども、一杯ある場合にはこれは必ずしも主病名というものを決めなくてもいい、分かる範囲内でやりなさいと、そういうふうなことならまだ分かりますよ。そういう解釈でよろしいですね。
○政府参考人(大塚義治君) 実際に、言わば実務的な慣れと申しましょうか、時間が多少掛かるということはやむを得ませんけれども、基本的には主病名を記載していただくということでお願いをしたいと考えております。
○宮崎秀樹君 今の場合はどうやって決めるんですか、それを教えてください。
○政府参考人(大塚義治君) 今、九つの事例をおっしゃいました。これを私にどれが主病名かと、こうおっしゃられても、お答えする知見もございませんしケースにもよるということで、それはそれぞれの主治医と申しますか、担当をされておられます医師の御判断によらざるを得ないと考えております。
○宮崎秀樹君 それができないから言っているんですよ。できないことをやれと言ったって駄目なんだよ、これ。だから、あなたは医者じゃないんだから分からないんだよ、これ。分からないやつがやれと言ったって駄目なんだ、これ。だからそれは、できないものはできないと、こういうことですから、それはよく認識してください。
 大臣、どう思いますか。
○国務大臣(坂口力君) これは、幾つかの病名があります中でどれか一つ、中心なのはどれですかということを言ってほしいという、なぜそういうことを言うかといえば、多分、どういう病気のときにどれだけその医療費が掛かるのかという、その病名とそれに応じた医療費がどうかということの調査をしますときに、どの病気でこれがどうなっておるのか分からないことでは具合が悪いので、そうしたことから私は出てきたんだろうというふうに思っております。あるいは違うかもしれませんが、私はそう思っております。
 したがって、何か一つの病気があって、そこからいろいろのまた合併症が出てきてといえば、また合併症の名前がそこに列挙されてくるわけでございますが、そういう場合には一番中心の病名を一つお願いしますということを言っているんだろうというふうに思います。
 しかし、もうすべてが出そろった、いろいろ物がずらっと並んでいる、夜店の品物みたいに並んでいるような病名の中から一つ書けと言われても、それは先生方がおっしゃるように書けないということでございますから、そこはひとつ、まあ臨機応変にお願い申し上げます。
○宮崎秀樹君 言うならば、結局どれに一番金が掛かっているか、それを主病名にしろと。これは金の問題だと思うんですね。どんぶり勘定の中で医学的な、全くEBMのないようなことを発想すること自体が私はおかしいと、こう言っているので、そこは大臣、よく頭に置いて今後やっぱりこれは検討していただきたいと思います。
 時間がございませんので、次に移ります。今度は本題に入ります。
 血液の新しい法律が今度出たということは、これは非常に前向きでいいと思うんです。
 そこで、一番目の問題は、これは国内自給という言葉がどこにも出てこないですね、この法律の中で。私は、厚生省の出した「ホップ・ステップ・ジャンプ」、ここの中に「献血の推進と国内自給」という、ここにちゃんとそういう文字が出てきます。そして、その後の方に「血しょう分画製剤のうち血友病の治療に使う血液凝固因子製剤については、平成六年には国内自給を達成しました」と。しかし、リコンビナントが六割入っているんじゃないですか、これ。しかし、国内自給という言葉はここで強調している。片っ方で強調していながら、この法律の中には、その理念にはそれらしきことがモディファイして書かれてあるけれども、この国内自給という文字はどこにも見えてきません。
 さらに、厚生省の管轄している、これは血液行政の在り方に関する懇談会、この報告書の中にも「国内自給の推進」ということで、「緊急時の輸入や国内で製造が困難な製剤の輸入等やむを得ない場合を除き、原則として血液製剤を海外からの輸入に依存しなくても済むよう国内自給を推進すべきである。」と厚生省の在り方に関する懇談会の中にもこの文章が出てくる。
 そういう意味では、この国内自給ということはやはり、これは献血者の尊い精神を考えればこういうことを入れておいた方が私はこの法律ではっきりするんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょう。大臣、お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 国内で使用されます保存血液並びに血液製剤というものは、国内で賄うことができましたらもうこれにこしたことはないわけでございますし、そういう目標の下にこれから進めるべきだというふうに思っております。現在のところ、保存血液の方は国内で完全に自給されておりますけれども、血液製剤の分まで全部国内で賄うというところまでは至っておりません。
 さて、そこをそれじゃどうするかと。国内自給という目標の下に進めていくということは、それはもう当然でございますけれども、この中にも、血液製剤が原則として国内で行われた献血により得られた血液を原料として製造されなければならないというふうに規定しておりまして、先生が御指摘の国内自給という言葉を少し長く表現しているというふうに思っておりますが、御趣旨は私も十分分かりますし、また目標としてはそういうふうにしていかなければならないというふうに思っております。
○宮崎秀樹君 WHOの文書の中にもこの国内自給についてこれはきちっと書かれております。
 やはり、私どもは国民が安心して使える血液製剤、そういうものは、免疫グロブリンとかどうしても日本の中でできないものは一部例外的にちゃんと書かれてあるわけですから、そういうものを除いたものはやはりそれを目的として、国内自給でやるということを掲げるべきではないかと思うんですが、それについては今、大臣から御答弁がございましたが、是非これ前向きに御検討をいただきたいというふうに思うわけであります。
 その次の問題は、この法律の中には、地方公共団体がそれぞれの住民の方々に直接献血を呼び掛ける、その責務は書いてありますけれども、具体的に、じゃ何をやるかということが分かりません。それで、やはり住民に一番近いところにいるのは市町村なりの行政であります。だから、積極的にそういう行動をやってもらうことが私は必要でないかと思います。
 私もライオンズクラブで献血運動をやっていまして、その現場にいますと、五十代ぐらいのお母さんと娘さんが来るんですね。そうすると、これは娘さんがやると思うんですよ、当然。若い人はやらないですね、これ。それで、お母さんがお願いしますと。やっぱり教育とかそういうことで私はまだまだこれからやるべきことがあるんじゃないかというふうに痛感しております。
 地方自治体の取組方について、対応を、ひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 献血を推進していくために、地域の実情を把握している地方公共団体の果たす役割は大変重要でございますし、従来からも献血を推進するため協力や支援をいただいているというところでございます。
 今回の改正法案におきましては、都道府県及び市町村につきまして、その責務としまして、献血に関する住民の理解を深め、献血の円滑な受入れに必要な措置を講ずべきことということと、さらに採血事業者の献血受入計画の実施を確保するため協力すべきことということを規定した上で、さらに国の基本方針や献血推進計画においてその在り方を盛り込むこととしております。
 具体的には、都道府県においては、例えば献血思想の普及、広報、献血組織の育成等、あるいは献血を推進していくために必要な協力支援等を実施していただくと。さらに、市町村におきましては、都道府県や採血事業者と協議した上で、献血会場の確保、献血思想の普及啓発等を実施していただくということを考えております。
 いずれにしましても、献血の受入れを円滑に実施するためには地方公共団体の協力が不可欠でございますので、その意見を聴きながら、献血の一層の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 是非、自治体にその取組についてやはりきちっとした指導をお願いしたいと思っております。
 それから次の問題は、国内自給のために年間約六百万人の方々が献血してくださっております。また、輸入製剤の供給停滞問題が、日本では献血由来製剤によってその犠牲者が出なかったという、こういう今までの歴史的な事実もございます。今度の輸入停滞問題を救ってくださった方々たちが献血推進全国協議会というのを結成されました。本当に頭が下がる思いでありまして、こういう方々がいるからこそ日本の血液製剤も困らないでいるということであります。
 この方たちは、文字どおり国内自給のために四十年近くにわたって日本の医療を支えてくださった人たちであります。国内自給が不要とか、それから輸入に依存すれば国内医療は万全であるというのでは、これらの人々は国の呼び掛けに対して応じてくださるということは私はあり得ないと思うんです。
 やはり、国内医療のために、生命の危機に瀕している人々のために国内自給に協力してくださった方々のためにも、この方々から献ぜられました分画製剤用の原料血漿の国内での製造能力を持つメーカーへの配分、これは審議会にゆだねておるんですね、今。しかし、審議会だけではなくて、国がメーカーや日本赤十字社へ直接その指示をするなど、実際に事に当たって原料血漿の配分や経費負担について透明性又は公正性を国民が確認できなかったらこれはやっぱり困るわけでありますから、そういう意味において、国が国内医療に対する責任を明確にしていただきたいと思うわけであります。
 これは、国内自給のために協力してくださった方々に対する国の、その方々に対する当然の私は行為と思うんですが、こういうことを実行していただけるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘のように、原料血漿は国民の皆さんの善意の献血によって得られる血液を原料としているということでございますので、国民の皆さんの理解を得るためにも、その配分過程を明らかにし透明性を確保するということが大変重要かというふうに思っております。このため、原料血漿を配分する際の標準価格や配分量につきまして、国の責任において需給計画に定めることとしておりまして、その旨を厚生労働省令に明記することとしております。
 その具体的な内容につきましては、公開の審議会における議論を踏まえ、公正かつ透明な形で定めることとしたいというふうに思っております。日本赤十字社やメーカーは、国が定めた需給計画に基づきそれぞれの事業を適正に執行していくということでございます。
 また、国内自給につきましても、いわゆる基本理念の中にそれが明確に規定されておりますし、国が基本方針において血液製剤の中期的な需給見通しを定め、更に毎年度、献血推進計画や献血受入計画、こういうものの中におきまして毎年度の献血確保量等を定めるという形で献血による血液製剤の国内自給の達成に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○宮崎秀樹君 これは、審議会というのはどういう構成か私、分かりませんけれども、メンバーの方も私、拝見いたしました。この審議会をもう少し強化すると、オープンにするということは、そういうことで何かお考えあるんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今申しましたように、国が定めるいわゆる需給計画あるいは基本方針、更には献血推進計画、こういうものを定めるに当たりましては、いわゆる審議会にその意見を諮るということにしております。
 その審議会は、当然公開の形で議論をされるということでありますし、今回、新たに審議会の血液事業部会に運営委員会という形のものを作りまして、いわゆる患者の代表の方々にも正式のメンバーに入っていただくという形で、広く関係者の参加を得て、いわゆる公正かつ透明な形での血液事業の推進ができるような体制を取りたいというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 しかし、規定には学識経験者というふうになっているんじゃないでしょうか。だから、患者さんの代表といっても、これはやっぱりその規定にきちっと当てはまるように、患者さんの中で学識がある方というようなことを考えていらっしゃるのか、その辺どうなんでしょう。
○政府参考人(宮島彰君) 審議会の委員につきましては、御指摘のように学識経験者という規定がございます。したがいまして、今私が申し上げました患者さん側の代表というのを、いわゆる学識経験者という範疇の前提でのお願いという形になるかと思います。
○宮崎秀樹君 そこはしっかり充実してやってもらわないと困るわけでありますから、しっかりやってください。
 次には、副作用の献血者の問題でございます。
 献血して数時間後を経過した後でも、血管迷走神経反応というのが起きることがあるんです。これはめったにない副作用でありますが、しかし発症して一人亡くなっているという事例があるそうでございますが、正にそういうことが起きたときにこれを救う手だてがないと。
 これは、今、採血している業者、いわゆる献血受入れ業者にそれを全部かぶせておるようでございますけれども、これは確かに因果関係というのは特定が困難ということは分かるわけでありますが、しかし献血をして、そしてそういう被害に遭った場合に、やはりその御家族だとか非常に大きな苦痛を与えるということになります。
 これは、国を始めとする関係機関が挙げて国民に献血を呼び掛けて、その呼び掛けに応じていただいた献血者の善意をやはりきちっと尊び、かつ早期に解決を図らなければならないということでありますので、どうかこれに対して行政的な救済制度、これを確立することは大切だと思うわけであります。また、献血推進全国協議会としても、この被害が生じた献血者に対する行政救済は献血者の立場から強く望んでおられます。受血者を含めた、いわゆる行政救済について、是非ともこれは法律的に附則にきちっと書かないとやっぱりまずいと思うんですね。政府は、血液製剤を始めとする生物由来製品による健康被害及び献血者に生じた健康被害の救済について速やかに検討して、そして法制の整備など必要な措置を講ずるというようなことをきちっと明記するべきであると思うんですが、いかがでしょう。
 と申しますのは、これ、かつて生血ですね、いわゆる輸血用血液までPL法に入れたことがあるんですね。PL法に入れちゃった。これは我々が、自民党が野党のときで、当時の羽田内閣でありまして、新進党の方々で、まあその当時いらっしゃる方もここにいらっしゃると思うんですが、これは私は大変な間違いで、臓器はどうかといったら、臓器はこれはPL法の対象にしないと。じゃ、生きた魚をタンクの中に酸素を入れて移すと。生きた魚はこれはPL法には該当しないと。人間の血液は製造物だと。これは大変問題があるというので大議論したんですが、これはやはり当時野党であった我々は、これは採決で負けまして、これ入っちゃったわけです。
 こういうことが一つ起きますと、やはりいろいろ、後々までいろいろ問題を起こします。やはり今回こういう法律ができたんですから、こういうことは明確にしてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 献血をしていただきますときに、いわゆる献血者の障害というのは確かに起こることございます。私も一遍経験ございまして、大工さんで一人、献血をしていただきましたら、その後手が上がらなくなりまして仕事ができないということが起こりました。三か月間ほど補償したことがございました。
 そういうこともございますので、これは、中心になってやっていただきます赤十字とよくこれは連絡を取りまして、赤十字にこれはその具体的なことをひとつ詰めてもらいまして、国の方もそれに対して支援をしていくということにしたいというふうに思っております。
 それから、今度は、いただいた血液そのものに由来する血液製剤を始めといたしましていわゆる生物由来製品、もう全部に広げてございますが、血液そのものに今度は何かがあったときにどうするかという問題が別途ございます。これにつきましては、本年三月に取りまとめをいたしました研究会の報告書を踏まえまして、更にひとつ検討を進めているところでございます。来年の通常国会を目途といたしまして法律案を提出できるように最大限努力をしたいと思っているところでございます。
○宮崎秀樹君 ありがとうございました。是非これはきちっと今回の法律の中で明記をしていただきたいと思います。
 それから次ですが、米国のFDAのいわゆるBPAC、血液製剤諮問委員会というのがあるんですね。そこで赤十字など現実に血液事業に当たっている方々もそこには参画をしているわけであります。
 というのは、これは何だといいますと、緊急時に、いわゆるこの間の米国の多発テロがございました。そのときに、緊急に即対応したのはやはりこういうシステムがあるからであります。今現在ある審議会ではこれはとても対応できないと思うんですね。今、有事法制のあれは出ておりますけれども、大量のいわゆる輸血用血液だとか血液製剤が確保しないといけないというようなときに、こういうときにやはり対応できるというようなシステム、これはやはり作らなきゃならないし、それから国内医療に供する問題についても、国内に対する備蓄というものをどういうふうに義務付けるかということもやはりここで問題になってくると思うんですが、これに関してどのようなお考えがあるか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 血液製剤につきましては、今御指摘のありましたように、広く安全性に関する情報を収集いたしまして、これに基づき迅速かつ適切に対処できる体制を構築していくことが必要でございます。
 今回の改正に合わせまして、先ほどもちょっとお話し申し上げましたが、厚生労働大臣の諮問機関である薬事・食品衛生審議会の中の血液事業部会に新たに運営委員会というものを設けまして、患者さんの代表にも参加していただき、また日本赤十字社等関係者からの意見も聞きながら、一つは、これを定期的に開催し血液事業の運営状況を確認していくということと、二番目には、緊急事態が起こった場合には機動的に開催しまして安全性に関する情報を速やかに共有、評価し、必要な措置を迅速に実施するという体制を作っていきたいというふうに思っております。
 それからもう一つ、血液製剤の安定供給の関係で、国は需給計画を毎年度策定しましていくわけでございますが、その場合でありましても予想外の要因、例えば輸入や国内製造が急に停止して供給に支障を来すという事態に備えまして一定の備蓄を確保するということも重要な課題かというふうに思っております。
 このため、国におきまして需給動向を常に適切に把握した上、例えば製造・輸入業者において一定量の血液製剤の在庫保有をするなど、いわゆる備蓄の在り方につきましても審議会の意見を聞きながら国の基本方針及び需給計画に盛り込むことを検討してまいりたいというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 審議会でございますけれども、これ二か月に一回というような開催ということを聞いておりますが、やはり現実的な問題をいわゆるリアルタイムで把握するということがこういう問題は必要だと思うんですよね。だから、そういう点についても是非考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 昨年、いわゆる第[因子の遺伝子組換え製剤コージネイトにつきまして、リコンビナントにつきまして輸入が一時停止するという事態が起こりました。その際、私どもとしては、いわゆる血液事業部会の専門家を始め日本赤十字社等関係者と協議をいたしまして、迅速に生産の、製造量の増加等の措置をお願いするという形の対応を行いまして、とにかくそういった緊急事態についての対応を一応乗り切ったという経緯がございます。
 今回はそういうものも踏まえまして、そういう体制をきちっと本来の審議会の中に作っておきたいという趣旨で、今回運営委員会という形で常設の機関としてそういうものを置きたいということで今回提案させていただいているところでございます。
 この運営委員会につきましては、先ほど、定期的にチェックするという機能とともに、当然、今申しましたような緊急事態のものが発生しました場合には、当然緊急に招集いたしまして必要な対応措置というものを策定して速やかにその措置を実施していくということも併せてやりたいというふうに思っております。
○宮崎秀樹君 是非そごのないようにひとつやっていただきたいと思います。
 それから次の問題は、被採血者というこの文言でありますが、これやはり被採血者というのはこの法律の中では血液製剤に関することで、法律のいわゆる題目がそうなっているわけですから、やはりこれは被採血者はやはり献血者というように分かりやすく書いた方がいいんじゃないかと思うんですが、どうも事務方の、厚生労働省の事務方とお話ししていますと、非常にこれにこだわっているわけですね。
 私は、この中でやはり今までの経緯を見ますと、やはり今年の三月二十八日に設立されました献血推進全国協議会という方々もやはりこの血液製剤、国内自給は悲願であるという総意で大変温かい厚意をいただいておるわけでありまして、ここら辺は余りこだわる必要ないんじゃないかと思うんですね。
 採血事業者は、第六条でその責務に献血の受入れ推進を規定し、かつ第十一条では採血事業者は献血の受入れ計画を作成しなければならないという規定があるんですが、これは採血事業者は、これはやはり献血受入れ事業者というふうに改めて、やはり国民の共感を得る言葉に修正するというようなこともお考えいただきたいと思うんですが、これに関して是非前向きな答弁がいただければと思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘の点につきましては、現在の採血及び供血あつせん業取締法、さらに改正法案についても同じでございますけれども、法律上の構成の観点から被採血者あるいは採血事業者という形の法令用語を使っているわけでございます。
 その理由といたしましては、いわゆる献血の利用の適正を確保する観点から、業として行う採血というものとしまして二つの類型がございます。一つは、血液製剤の製造のためのいわゆる採血ということで、これがウエート的には大半を占めるわけでありますが、もう一つ、二番目には、医学的検査、学術的研究等のためのものを製造するための目的として採血を行うという、この二つの場合が法律に規定されております。この二つの場合に限定して、いわゆる採血を業として行うことができるという規定になっております。
 このうちのいわゆる検査や研究目的の採血というのは、いわゆる献血以外の採血というものも含まれることから、法令上はそれも含めた形で献血者でなく被採血者という用語を用いているということでございます。これに伴いまして、こうした採血を業として行うことについて許可を受けた者をいわゆる献血事業者でなく採血事業者という形で、両方含んだ形の用語を法令上規定しているという経過でございます。
○宮崎秀樹君 それは理屈はそうでしょうけれども、今回の法律は血液製剤の安定供給ということで、私の先ほど言ったような国内自給という言葉はお使いにならないようでありますけれども、精神は、やはり国内自給というのは何もそういうことまで含んでいないわけですから、だからそうでないものはそうでないものという言葉で別にこれは整理すればいいことであって、私は、この法律の精神というのはやはりそういうことのへ理屈では、私はそれよりももっと理念というものを貴ぶべきだというふうに思います。
 これは、後ほどまた、ほかの同僚委員からもいろいろ御質問があろうかと思いますので、今日、何しろ四十七分で終われと言われて、十五分縮まっちゃったものですから、また別の機会にこれはやりたいと思います。
 それでは、次ですが、いろいろこの法律の中でうたわれておることでございますが、ただ、期限が、この法律が通った後、これ三年以内という実施ということが全部書かれております。三年以内といったら、三年もあればもっと短いのもあるわけですね。だけれども、こういう法律は通ったらなるべく早く前倒しでやらなきゃならない。特に医薬品に関する治験届出制の見直しとか、そういう意味で法案を修正してでも前倒しで行うべきと私は考えておりますが、のんびりしているのは余り意味がないということで、これは法律が通ったらできるだけ早い時期にこれはやらなきゃいけないと思うんですが、大臣、これに関してどういうお考えがあるか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 私も早い方がいいというふうに思っております。委員会の中で御審議をいただきまして、そういう御指示をいただきましたら大変、それに対しましておこたえをさせていただきますので、有り難いと思っております。
○宮崎秀樹君 大変前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 今度のこの新しい法律でございますけれども、国内自給ということをうたっているということがこの中の一番の私は大きな問題ではないかと。これはやはり、外国から来る輸血用の血液製剤というものは、その元まで確認しなければこれは分かりませんね。どういう人から採ったかもこれ分からない。仮に今、免疫グロブリンというものが輸入されていると、それに対してどの程度確認を今しているか、それはどういうふうになっていますか、お尋ねします。
○政府参考人(宮島彰君) 今、いわゆる生物細胞由来製品あるいはそういった生物学的な製品等につきましては、基準を設けまして、いわゆるドナースクリーニングの段階からいわゆる製造、さらに市販後というものについての安全対策を今取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、これはややその対象が限定されておりますので、かつ、それもいわゆる基準というベースでやや不十分な点もございますので、今回の改正案の中では、生物由来製品という形で生物由来のもの全般を広くとらえまして、かつ、ドナースクリーニングあるいはそういったものの記録の保存、さらには市販後のフォローアップ、もしそこで何か万一被害等が起これば遡及調査もできるようなシステム、こういうものを法律上きちんと今回制定しまして、御指摘のような形のものがきちんと確保できるような体制を作りたいということで提案させていただいたところでございます。
○宮崎秀樹君 いずれにいたしましても、エイズだとか、この間のC型肝炎の問題だとか、非常に血液製剤に対する不信というのはあります。やはりそれは払拭していかなきゃいけない。
 そういうことで、私、最後に申し上げますが、今年の三月二十八日に設立された献血推進全国協議会という方々、非常にこれはボランティアの精神で全くやっていただいております。ここに感謝を申し上げたいと思いますが、最後に大臣から一言、これらの方々にお言葉があればいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(坂口力君) 献血をしていただくということは言うはやすくしてなかなか難しい問題でございまして、これはかなり精力的に多くの皆さん方に訴えていただいて初めて実現することだというふうに思っております。そういう意味で、献血推進協議会の皆さん方は日夜やはりそのことを念頭に置いてあらゆる機会を通じて行動していただいているということに私は感謝を申し上げております。
 そういう人々に支えられて初めてこの献血というものは成り立っていく。現在、六百万でございますけれども、本当は一千万近くにしなければならないわけでございますけれども、最近はお若い皆さん方が少し少なくなってきたというようなこともございますので、この推進協議会の皆さん方にひとつ積極的な御協力もいただきながら、しかし赤十字や我々の方も頑張らなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○宮崎秀樹君 ありがとうございました。
○櫻井充君 おはようございます。
 今回の法律の改正というのは、HIVそしてCJDなど薬害の被害をいかに防いでいくのか、そういうことの観点からの改正もかなりの部分含まれているんだろうと思います。
 それで、改めて坂口大臣にお伺いしたいんですが、HIVそしてCJD等薬害が引き起こされた原因はどこにあるとお考えなのか。是非具体的に、その法律上の問題点、それから運用上の問題点、それから厚生労働省の体制というんでしょうか、それとも姿勢と言った方がいいのかもしれませんが、その辺を含めて御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 確かに今日までHIVでありますとかCJDでありますとか、こうした問題がございまして、これらのことを反省点として、そして今回この法律を出させていただいたわけでございます。
 血液製剤によりますHIV感染問題、またヒト乾燥硬膜によりますクロイツフェルト・ヤコブ病感染問題につきましては、これは裁判所の方からも、把握すべき情報が担当部局において的確に把握されていなかったこと、それが一つ挙げられております。それから、収集した情報を迅速に安全対策に生かせなかったこと。この二点が挙げられているわけでございます。被害の拡大を防止できなかった旨の指摘がこういうふうになされておりますので、我々といたしましても、こうした点がやはり一番我々の至らなかったところというふうに感じているわけでございます。
 こういうことを踏まえまして、厚生労働省といたしましては、これらの件で問題とされました当時におきましては、これは薬事法上あるいは医薬品等によりますものと疑われる感染症が発生しました場合に、旧厚生省への報告が義務付けられていなかったということがございますし、また将来における安全性に関する情報の収集体制や情報の共有化が十分でなかったということもあったというふうに思っているわけでございます。これらの点は真摯に反省をしなければならないというふうに思っております。
 このため、平成八年以降におきまして、薬事法上あるいは医薬品などによりますものと疑われる感染症が発生をしました場合の厚生労働省への報告を義務付けてまいりましたし、省内の情報収集体制でありますとか健康危機管理体制を整備するといったようなことも進めてきたわけでございます。
 しかし、それだけでは十分でございませんので、医薬品等によります健康被害の防止のための措置といたしまして、医薬品等の更なる安全性の確保を図りますために、今回、薬事法の改正について提案をさせていただいたわけでございまして、この法案を基にいたしまして、引き続き医薬品等の安全性の確保を万全なものにしていく決意でございます。
○櫻井充君 その中で、その薬事法の改正に当たってですが、ちょっとこれ、通告なしで大変申し訳ないんですが、この法律の第一条、目的のところです。ちょっとこれ読ませていただきますが、「この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療機器の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。」とございます。ここに主語がないんですね。
 だれに求めているんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 「規制を行う」という動詞あるいは「必要な措置を講ずる」ということで、明確に主語は書いておりませんけれども、基本的には国という理解だと思います。
○櫻井充君 本当にそうでしょうか。この薬事法の中に、そうすると国の責務というものは入っていないんですよ。
 今回、例えば今、大臣が情報を収集すると、そのことは非常に大事なことだと思うんですけれども、その情報を集めるということの義務化はございます。しかしながら、今度はその集めた情報を医療関係者なりなんなりに通知しなければいけないとかそういう役割があるはずです。監督業務も不十分だということが指摘されていたとすると、そういった国の役割があるにもかかわらず、今回のこの薬事法の改正の中に国の責務というものが入ってきていないんですよ。その点は私はおかしいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今の目的にもございましたように、基本的には、薬事法はいわゆる業についての、医薬品の製造業といいますか、あるいは医薬品の輸入とか販売とか、そういった業についての規制法の体系を成しているものでございます。したがいまして、いわゆる国がそういった規制を行うことについての規定を盛り込んでいるというものでございます。
 これと対比しまして、今回提案させていただいています新しいいわゆる血液事業の法律の方につきましては国の責務という条項を置いておりますが、これは、先ほど申し上げましたように、国が基本方針なり献血推進計画なりあるいは需給計画を作って国が主体的にかかわるという形の法律体系になっておりますために国の責務という規定がございますけれども、そういった法体系の違いによるためにそういった御指摘のような相違が出ているのではないかというふうに思っております。
○櫻井充君 今の答弁だと最初と違うじゃないですか。
 最初は国も入るとおっしゃいましたよね。法律の体系上は、今、血液事業法と違うというお話じゃないですか。HIVは確かに血液感染だったかもしれませんよ。しかし、クロイツフェルト・ヤコブは違うじゃないですか。クロイツフェルト・ヤコブの場合には、薬事法をきちんと改正しないと患者さん方は救済されないんじゃないですか。
 そういう意味において、法律の作り方がそうだから今回はこれでいいということではなくて、先ほどお伺いしたとおり、どういう反省点に立ってこの法律の改正をやったかということです。この法律が作られた当時は業者を規制すればよかったかもしれない。しかし、現時点において必要なことは何かというよりも、国が国民の皆さんから何を期待されているのか、どういう役割を担っていくべきなのかということを考えた際に、この薬事法の中に国の責務を私は書くべきだと思うんです。
 そうでなければ、もう一点お伺いしたいのは、ここの薬事法になかったとしたら、国の役割を何らか果たすべき別な法律が必要なんじゃないですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今申し上げましたように、薬事法はいわゆる規制法の体系を成しているわけでございますので、したがいまして、いわゆる医薬品等に対しますいわゆる第一次的責任は、当然それを製造する業としている者が負うということであります。
 それに対しまして、必要な問題点が生じた場合には改善命令なりあるいは業務停止命令、回収命令、そういう命令権限を行使するという形で国の責務を果たしていくという形の構成になっているというふうに思っております。
○櫻井充君 個人情報の保護法と一緒じゃないですか。
 結局は、民間にいろんなことを強いたって、今回の防衛庁の問題の中で、官庁に対しての全く罰則規定も何もないんですよ。それと同じことじゃないですか。企業にはいろんな義務を課しているけれども、自らの義務は何もここに記載していないというのは私はおかしな話だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今申し上げましたように、国におきましては、いわゆる問題が発生した場合等におきまして、いろんな改善命令等あるいは業務停止命令等の権限を行使するというのは当然法律の中に規定されているわけでありますので、そういう権限を行使するということは、取りも直さず国においてはそういう権限をきちんと適切に行使していく義務を、責務も伴うというふうに理解しております。
○櫻井充君 集めた情報は、じゃ、どうされるんですか、具体的には。副作用とかそういう報告が上がってきました、厚生省に集まります、それはどうされるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) その情報の種類なり中身にもよりますけれども、いわゆる早急に対応しなきゃいけないものにつきましては、当然、私どものところで判断し速急な対応を行いますし、更に専門家等の御意見を伺って対応した方がいいものにつきましては審議会等の専門家に諮った上で必要な対応措置を取るという形の対応をしておるというのが今の状況でございます。
○櫻井充君 なぜそれを法律に書かないんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今、措置と申し上げましたのは、ここにありますように、いろんな改善命令なりあるいは業務停止命令、そういう権限を行使するということも含まれております。
○櫻井充君 これは、特定のところにきちんと情報を上げろと。その前に、私は、クロイツフェルト・ヤコブ病の議員連盟の事務局長をやらせていただきました。そのときに坂口大臣とお話しさせていただいた中で、私は大臣から、これからは疑わしきものは全部罰していかない限り薬害の被害は抑えられないという言葉をいただいたんですよ。私、今回のクロイツフェルト・ヤコブ病は坂口大臣でなければはっきり言って解決できなかったんじゃないかと思っているんです。そして、その大臣がその際におっしゃったのが、そういう、今までは怪しいものは罰せずで、本当に科学的な証明ができてから、医学的な証明ができてきてから対応していたから、だからすべて遅かったんだと、そういう話をされていたわけですよ。
 そうすると、大臣がそういう認識を持っておられるんだとすると、この法律上に、やはり情報を集めた中で危険な情報があった場合には速やかに厚生労働省なり、国と書くのかどちらがいいのか分かりませんが、その情報を関係者等に通知しなければならないとか、そういう自らの義務規定を書くべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) この文章を見ますと、第一条の目的のところを先ほど御指摘になりましたが、これはやはり国が責任を持ってこういうふうにやらなきゃならないという趣旨だと思います、これは。主語が明確でないというふうに御指摘になりましたけれども、私はこれはやはり国の責任でやっていかなきゃならないということだと思います。
 先ほどお話しございましたように、やはり予防的な考え方の下にこれはやっていかなければならないわけでありますから、今までは起こったことに対してどうするかということでございましたが、それだけではなくて、起こる可能性のあること、そのことも含めて報告をやはり集める、それに対応していくという体制がこれは必要でありますし、そういうふうにしたいというふうに思っている次第であります。
○櫻井充君 ですから、大臣、集めるところまではこれは書かれてあるんです。そこまでは、義務化したというところは、進歩なんです、改善されているところなんだと思うんですよ。やはりもう一歩突っ込んで、国は自ら何をするのかということを、その後にですよ、集めた情報に対して自分たちがどう対応するのかということを法律上明記された方がいいんじゃないかと私は思いますが、大臣はこれで十分だとお考えですか。
○国務大臣(坂口力君) そこはこの全体の趣旨を尊重してと申しますか、のっとってやはり行政がそれはやっていかなければならないことだというふうに思っております。
 したがいまして、HIVでありますとか、CJDでありますとか、そうしたことの反省に立ってやはりやっていくというのは、その辺のところを踏まえてやはり新しく改正をしましたものにのっとり、そしてそれを適切にやっていくということでなければならない。やはり、ここにより具体的にどうこうするというところまではそれは書いてはおりませんけれども、全体としてのこの中に流れております趣旨と申しますか、考え方というものにのっとってやはりやっていかなきゃならない、それは当然のことだと私は思います。
○櫻井充君 大臣、今この目的はやはり国だとおっしゃいました。
 たしか、感染症の予防法の改正、あのときも国の責務というものをきちんと設けたんじゃないかなと。感染症の反省に立って、いろんな、そのことがあって、たしか国の責務を設けたと思いました、あれは元々あったのかないのかちょっとはっきりしませんが。
 その意味でいうと、やはり、もし大臣がこれは国がきちんと果たさなきゃいけないことなんだということであれば、改めてお伺いさせていただきますが、この法律の中に国の責務というものを書き加えるべきではないかと思いますが、それはもう書き加えなくていいというのが大臣の御判断でございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) そういう明確な言葉で書くかどうかは別にしまして、この中に流れておりますものは、今、委員が御指摘になったことだというふうに私は理解をいたしております。それをより明確な言葉にするかどうかという問題はそれはあるというふうに思いますが、御指摘のところはそのとおりこの中に私は流れているというふうに思っております。
○櫻井充君 この法律がやはり問題なのは、目的のところにどこがどこに対してなのかというのが書かれていないところがあいまいにされているんだと思うんですよ。
 例えば、この薬事法の中で、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病とかそういうものが発生した場合には、第一次の責任は結局企業が負わなきゃいけないような法体系になっているわけです。しかし、実際のところは、企業だけの問題ではなくて、安全監視体制とか、それから情報を得た上でその情報をどう提供していくのかとか、先ほど大臣がおっしゃったとおりですよ、国の責任も問われているからこの法律の改正を行っているわけですよね。
 その意味でいうと、従来はこれは企業を規制するものだったかもしれないけれども、新たなる薬事法を作り出していくんだということを考えれば、やはり国の責務というのは必要なんだと思うんですよ。
 若しくは、大臣、そうでなかったとしたら、この法律は、やはりHIVとか、それからCJDとか、今日はこれから議論させていただきますが、C型肝炎とか、そういう薬害をこれから起こさないようにしていくために国としてきちんと努力していくんだとか、そういうことを反省を踏まえてこの法律の改正に当たったんだとか、そういう意味で、薬事法にもそしてもう一つの採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案の方にも前文を付けるとか、この法律の趣旨というものがもうちょっと明確になるようにしていくべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) この薬事法の方は改正でございますから、改正のときに前文まで書くというケースがあるかどうか私ちょっと存じませんけれども、それはどうしてもやはり必要だということであれば、それは御協議をいただいた結果というものをお受けさせていただくこと、決して逆らうものではございません。前文という形がいいかどうか、よく御検討していただければというふうに思います。
 法律的な、法律としての仕組みというものから見て、今御指摘になったことが私はこの中に含まれているというふうに思いますけれども、しかし、法体系上やはりそれでは不備だ、そこが十分でないということであれば、それはより明確にしなければならないというふうに思いますが、そこは少し法律的な検討も併せてこれはしなければならないと思います。
○櫻井充君 それでは、前文になるのかどうなのか分かりませんが、是非そういう趣旨を盛り込めるような改正の方に、与党の方々にも、そして政府の方々にも、そして野党も合わせて話合いをさせていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、何回も同じことで申し訳ないんですが、クロイツフェルト・ヤコブの和解書の確認の中で、こういう文章がございます。
 「厚生労働大臣は、」と、ここちょっと中略ですが、「医薬品等の副作用や不良医薬品等から国民の生命、健康を守るべき重大な責務があることを改めて深く自覚し、」、ここからですね、「さらに医薬品等の安全性に関する情報収集体制の拡充強化を図り、医療関係者等に対する情報の迅速かつ十分な提供を始め、こうした情報に広く国民がアクセスできる体制を整備して、情報公開の推進と収集した情報の積極的な活用に努める。」と。これが和解書の中に、和解の確認書の中にこう書かれているわけですよ。
 ここの中で、何度も言いますが、情報収集体制の強化を図りました。ここまで図っているんですよ。その後の「医療関係者等に対する情報の迅速かつ十分な提供」と、そういうものがありながら、今回の法律の改正案に盛り込まれてきていないというのは、私からすると、この和解書の確認書が、確認したにもかかわらずそれが実行されていないんじゃないかと思うんです。
 大臣、大臣もお医者さんですから、こういう話をすると分かっていただけると思うんですが、シェルハイノーリアクトパッチといって、牛の心膜から造られた、心臓の手術をした際に、人の頭の硬膜と同じように、手術が終わった後に、その牛の心膜を、代用心膜を使って手術をされた方が、あれはビブリオだったかちょっと何の菌だったか忘れましたが、その菌に感染していた牛の心膜を使ったために百数十人の方々が再手術なり、それから心臓にドレナージを入れるとか、いろんな被害が起こっております。
 これの第一症例の報告が、私が知っている範囲では厚生省に六月に、数年前ですけれども六月にその報告が上がったと。厚生省は八月ともおっしゃいますし、十月ともおっしゃっていますけれども、第一症例が六月だったように私は記憶しています。結局、病院の医療関係者のところに通知が行ったのは十二月になってからなんですよ。
 私の知り合いの医者は、八月からその心膜を使い始めて手術をやった。百数十例手術をやっているんです、その数か月間の間に。もし一例でもこういう報告があるということがあったとすれば、私たちは安全かどうかを確認するために手術をしなかったろうと言っているんです。
 そういう例もあるわけですから、被害を最小限に食い止めるためには、情報をいかに早く提供するかということが大事になるわけです。そのことをやはり法律上に明記することが私は大事だと思うんですよ、こういう実例があるから。
 大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) いろいろの情報を収集するということは、取りも直さずそれを関係者の皆さん方のところに早く流さなきゃならないということを含めた私はことだと思うんですね。ですから、法律というのは、何から何まで全部その中に書いてしまうことではなくて、その情報を収集するということを書けば、当然のことながらその後のことは、これはもう行わなければならないことは当然だと私は思うんですね。
 だから、私はそこまでその法律の中に書かなければ、法律の中に書いてないからやらなくてもいいというふうに私はなってしまうと思うんですね。そうではなくて、情報を収集するということがあれば、もう当然のことながらその集めた情報を国民の皆さんに、あるいはまた医療機関に流すのはそれはもう当然のことなんですから、今までもしもそこが不十分であったとすれば、それは厚生労働省として最も直さなければならないことだというふうに私は思っております。
○櫻井充君 行政側の立場に立つ方と立法府の人間は考え方違うと思うんですよ。行政側は行政権限とか通知なり政令とか省令とかいろんなことで命令ができるかもしれませんが、立法府にいる人間からすると、法律を作らなければ、法律で規定しなければできないんですよ。その意味で我々は法律にこだわっているんです。
 ハンセン病のときに立法不作為を問われているわけです。法律を作らなかったという国会の責任を問われているわけです。そのことから考えて、法律を作ってくれということは、こんなこと言うのもなんなんですが、極めて重要なことでして、どこまで法律に書き込むのかというのは、私はやはりこれまでどういう経緯があったのか、どれだけの国民の皆さんに被害があったのかということも勘案すれば、当然書き込んでくるべきなんじゃないかと思うんですよ。これ以上議論していてもなかなか難しいと思いますので、是非御検討いただきたいと思います。
 それから、先ほど監視体制の話がございました。これは法律上に書き込まれていませんが、厚生労働省から資料を提供していただいたところ、監視体制の人数が、マンパワーが世界の国々から比べるとはるかに少ないということが分かりました。法律はでき上がりました。もしその法律が完璧であったとしても、人員配置が足りなければ結果的には何も変えることができないんじゃないだろうかと思うんですけれども、大臣、その点についていかがお考えでございましょう。
○国務大臣(坂口力君) この体制を作っていきますためには人が必要なこと、当然でございます。
 いつかも申し上げたと思うんですが、ヤコブ病の場合に、一九七三年でございましたか、最初に許認可をいたしましたときに担当者は一人でございました。そうした状況の中でこの問題が進んできたわけでございますので、いろいろの今までの過去のことも反省をしながら、現在は二十数名ぐらいになっているんじゃないかと思いますが、あるいは若干違ったかもしれませんが、二十数名というふうに思っておりますけれども、これは今後この分野というのは更に拡大してくるわけでございますしいたしますので、私はもっと人的配置というものは必要だと、ここを充実させなければならないというふうに思っています。したがって、今後の、次の異動と申しますか、そうしたときにはこの分野を是非充実をさせたいと、そういうふうに思っております。
○櫻井充君 ちなみに、これは厚生労働省からいただいた資料ですけれども、アメリカのFDAが審査部門だけで千百人と。私、昨日、別な会で東大の先生にお伺いしたら八千人ともおっしゃっていたんですけれども、アメリカはとにかく少なくとも千百人はいると。そして、イギリスは医薬品管理庁だけで四百四十五人、審査部門に三百七十四人と。それから、フランスは医薬品庁に六百十一人。日本は医薬局が五十七人、審査センター七十人、医薬品機構は百五人しかいないんですよ。
 これだけの体制では厚生労働省の官僚の方々も気の毒なんだと思うんです。もちろん患者さん方も、一番気の毒なのは、お気の毒になるのは患者さん方ですけれども、この体制では、この人数ではとても難しいんじゃないか。
 シェルハイノーリアクトパッチのときも副作用報告、これは上げた方がいいですかということを厚生労働省に尋ねた際に、その処理をしていた人間は二人しかいないんですね。二人の中でそういう副作用報告を全部受けてやっていたと。ですから、ある部分仕方がないんじゃないですかと言われてしまったんですが、ここまでいろんな問題が起こっているわけですから仕方がないでは済まないんだろうと思うんです。
 改めて今、人数を増やしていただくということがお話しございましたので、もう一つ、BSEの問題があって食料安全庁みたいなものを作っていこうじゃないか、作るべきではないかという話が出ておりますので、アメリカと同じような形でこういう、医薬安全局かどういう名前にするかは分かりませんが、このような機関をむしろ独立して大きな機関にしていった方がいいんじゃないだろうかと、そう思いますが、いかがでございましょう。
○政府参考人(宮島彰君) 先生御指摘のように、私どもとしてもこの審査関係のスタッフが必ずしも十分じゃないという問題意識は十分持っております。このため、今回の法改正に合わせまして、その実務体制をどうやって整備していくかというのも大変重要な問題になってきております。
 現在、私どもが今考えておりますのは、現行の審査体制は、いわゆる国立の医薬品食品衛生研究所に附属しております審査センターと、それから医薬品機構、それから医療機器については機器センターという三元的に分散してやっておるわけでありますけれども、やはりどうしても分かれておりますと非効率的でありますし、なかなか力を出すにも無駄があるということで、昨年の十二月の閣議決定でいわゆる医薬品機構、これは認可法人でありますけれども、これを廃止して新たに独立行政法人にするということが閣議決定されました。
 これをベースにいたしまして、今、三元的に分かれておるものを一本に統合いたしまして、かつ御指摘のように審査スタッフも充実させ、かつ今後はいわゆるバイオ関係とかあるいは高リスクの医療機器、更に御指摘のような安全性に関する情報収集の分析、こういった業務が非常に膨らんでまいりますので、そういったものに対応できるような専門性のレベルもアップした形の組織体制の強化を図っていきたいというふうに思っておりまして、そういう方向で今内部で検討し、それを実行したいというふうに思っております。
○櫻井充君 人数、どのぐらい必要だとお考えですか、理想的にはですよ。
○政府参考人(宮島彰君) さっき例示されましたように、アメリカ等とは一けた違うぐらいのスケールでございますけれども、もちろん多ければ多いにこしたことはございませんけれども、なかなか一気にはそうはいかないと思いますので、私どもの願いとしましては、今のところ、現在二百四十人ぐらいの体制でやっておりますけれども、最終的には五割増しぐらい、約百人ぐらい増やしたいなというふうに思っております。
○櫻井充君 下手なところに天下りするより、そういうところに人員配置していった方がいいんじゃないですか。そうしたら一気に増えるんじゃないですか。例えば年福事業団みたいなあんな無駄な、作って、年金の自主運用をしたのはいいけれども、何兆円も赤字出しているじゃないですか。ああいうのをやめて、こういう監視体制のところにもっと人を増やしたらいいんじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(宮島彰君) 私どもの気持ちとしては是非増やしたいんですけれども、やはり逆に公務員全体を増やすなとかいろんな削減の要求も一方で参りますので、そういったものとの調和を図りながら、どうやって充実させていくかというのが非常に悩ましいところでありますけれども、是非御支援をいただければというふうに思います。
○櫻井充君 必要な部署に必要な人数が増えていくということに関して国民の皆さんは反対しないと思いますけれども。そして、私ちょっと皆さんの認識が違っていると思うのは、中央官庁の公務員の数というのは日本は決して多くないわけです。多くないというよりもむしろ世界から見たときに極めて少ないわけですから、そこら辺のところを改めて考えなきゃいけないと思いますし、それは、ただし、天下り先とかいろんな公益法人なんか加えると多くなってしまうのかもしれませんけれども、そこは国民の皆さんにきちんと説明すれば納得していただけることなんじゃないだろうかと思いますが、私は個人的には応援したい気持ちでございます。
 それからもう一つ、その確認書の中でどうあるのかといいますと、被害の救済制度というところがございまして、「生物由来の医薬品等による被害の救済制度を早期に創設できるよう努める。」という項目がございます。今回、その被害者の救済という観点が、薬事法の改正だから仕方がないと言われればそうなんですけれども、しかし本来であればセットで出てきてもよかったんじゃないかと思います。
 この制度は今どの辺まで審議されているのでございましょう。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のように、副作用による被害の救済制度は既に昭和五十四年から行われておりますけれども、いわゆる生物由来製品等の感染症による被害につきましては現在のところ救済制度がないということで、先ほどもお話がありましたように、私ども昨年の一月から研究会を立ち上げまして、この新しい救済制度の在り方についての検討を進めてまいりました。本年三月に一応報告書がまとまりましたので、現在その報告書をベースに、いわゆるこれは実務ベースに乗っけるためにどういった問題を解決しなければいけないかという点を中心に今検討を進めております。
 基本的には副作用の救済制度に倣った形で、いわゆる企業からの拠出をファンドにいたしまして救済を行うというシステムかというふうに思いますけれども、ただ感染症の場合、非常に因果関係の判定とか、それ特有の難しい問題もいろいろございますので、そういう技術的な問題も解決して、先ほど大臣からも御答弁ありましたように、できれば次の通常国会を目途に法律案を出したいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 感染症がないと今おっしゃいました。ここが非常に不思議なところでして、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法というのがございまして、ここの第二条の第三項に、「この法律で「医薬品の副作用」とは、許可医薬品が適正な使用目的に従い適正に使用された場合においてもその許可医薬品により人に発現する有害な反応をいう。」と。つまり、有害な反応が起こる、許可された医薬品で適正に使われた場合に有害な反応をいうと、これが副作用の定義なんです。つまり、感染症云々なんて一言も書いていない。
 それから、これから答弁あるかもしれませんが、薬理作用云々なんて一言もないんですよ、この法律だけ読めばですよ。それを薬理作用だ何だと勝手に解釈しているのは、それは厚生労働省の解釈じゃないですか。
 つまり、ここにもう本来であれば救済機構があるんですよ。そこの中の救済機構で除外規定を設けていまして、いろんな多くの薬を、百幾つだったかな、定められています。百十幾つですか、定められていますけれども、ここの中にいわゆる濃厚赤血球とか血液、血液製剤という言葉がちょっと正しいかどうか分かりませんが、この手のものが全部除かれています。これはなぜ除かれているんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今、御指摘の医薬品副作用被害救済制度におきましては、二つございますが、一つは、その使用に当たり相当の高い頻度で高い副作用の発生が予想されるということ、それから二つ目には、重篤な疾病等の治療のためにはその使用が避けられず、かつ代替する治療法がないと、こういったものの理由から副作用の被害の発生が予想されるにもかかわらずそれを受忍せざるを得ないと認められるような医薬品につきましては一応本制度の対象から除外しているという整理をしているところでございます。
○櫻井充君 そうしますと、ただし、その血液製剤の中でも、クリスマシン、フィブリノゲン、アルブミン、グロブミンというのは同法の除外規定から除外されていますよね。それでよろしゅうございますか。
○政府参考人(宮島彰君) おっしゃるとおり、除外されています。
○櫻井充君 さて、そこで問題なんですが、ある方がここの機構に申立てを、平成六年に申立てをしております。この方はC型肝炎を発症された方で、クリスマシンを使ってC型肝炎が発症したと認められている方ですが、この方がこの機構に医療手当の支給の申請を行いました。その結果、何と言われていたかといいますと、クリスマシンは対象除外医薬品であった、したがって本救済制度の対象にすることができないと、こう書いてあるんです。この方は不服申立てをして、厚生労働省におかしいということで申し立てたら、同じことが平成九年の三月三十一日に、当時の厚生大臣小泉純一郎さんの名前で救済できませんと来ているんですよ。
 おかしいじゃないですか、これ、法律の解釈。この方は救済されるべき人なんじゃないですか。
○政府参考人(宮島彰君) ちょっと私の先ほどの答弁、間違っておりまして、今御指摘のクリスマシンでございますね、クリスマシンにつきましては、これは血液製剤でございますけれども、対象からは除外されていなくて、給付の対象になるという整理になっております。
 それで、前に御指摘の人赤血球濃厚液、濃厚赤血球薬につきましては、これは先ほど申したような理由で本制度の対象から除外されているという形になっております。
○櫻井充君 それじゃ、この百四から百十六のところにこれは血液を原料としたものが書いてありますよ。この中のどこにクリスマシンが当たるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 個別には、先ほど申した二つの理由に照らし合わせて整理しているところでございまして、その整理したものによりますと、クリスマシンは対象血液製剤で、先ほど言いました人濃厚赤血球薬は対象外血液製剤という整理になっております。
○櫻井充君 クリスマシンは、ここに書かれている、百四から百十六まで書かれている医薬品があるんです、ここにね、その中のどこに入るんですか、それを教えてください。
○政府参考人(宮島彰君) 先生の御指摘の百十幾つという列挙されている製剤は、いわゆる救済制度の対象とならない医薬品のリストでございます。したがいまして、これに掲載されていないということは対象に、逆に対象になるという整理になっております。
○櫻井充君 そうでしょう。だから、対象になる薬剤なはずなのに、ここの答弁、裁決書の中には、今見ていただいても結構ですが、ならないと書いてあるんですよ、だから救済できませんと書いてあるんですよ。ちょっとこれ、見ていただいてもいいです。
 速記止めていただいていいですか、その前に。速記止めていただけますか。
○委員長(阿部正俊君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(阿部正俊君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(宮島彰君) 今、御指摘の件につきましては、その経過等をよく調査いたしまして、改めて御回答したいと思います。
○櫻井充君 この患者さん、物すごく苦しんでおられるんですよ。この間、お母さんと二人で部屋に訪ねてこられまして、学校でもいじめに遭って、高校も、高校三年生のときなんか相当ないじめに遭って、社会復帰もなかなか、社会復帰というか今職も就けないような状況でして、その救いの手をこちらに求めたんですよ。しかしながら、こうやって法律の解釈が間違って、こうやってはねられているんですね。
 もう一つ申し上げておきますと、こうやって苦しんでいる方々が一杯いらっしゃるわけであって、その方々をどう救済していくのか、それが本来の国の役割なんだと思うんですよ。そういう意味において、血液製剤とか、それから今回、医療機器、医療器械というんですか、医療器具になるんでしょうか、医療器具というふうに分類されるものの被害に遭われた方々の救済制度を早期に作るべきじゃないかと思うんですよ。
 大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 法律に今どう書かれているかということよりも、そういう人たちがいるのをどうするかということを考えるのが私は先決だと思っています。現在存在します法律の谷間になっている人たちがたくさんおります。これはいろいろの分野にございます。それは現在存在します法律から見れば当てはまらないかもしれない。しかし現実問題として、その人たちが苦しんでいる事実があることは、これはもう避けて通れないと申しますか、その人たちを見過ごすことができないというような人たちが存在することも事実であります。
 そのときにはやはり、それは法律を的確に改めるというのが私は一つの筋だと思っておりますが、個々の例、個々のケースによりまして違う場合もございますので、私が総論的に言い切ることに不十分な点もあるかもしれませんけれども、私は、しかし全体として考えればそういうことだというふうに思っています。
○櫻井充君 そのすき間で苦しんでいらっしゃる方を助けたい、大臣、本当にそう思います。実は、この機構法の改正案が議員立法で衆議院に提出されているんですよ。今、大臣、そうおっしゃるんであれば、野党の提案であったとしてもこれ審議していただいて、速やかに可決する必要性あるんじゃないかと。少なくとも検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今、先生おっしゃっていましたように、議員提案の形で法案が出されていることは承知しておりますが、私どもとしても、先ほども申し上げましたように、研究会の報告書を受けまして、正にこれを制度化を図るべく実務的あるいは技術的な問題を今整理して、できるだけ早く、次の通常国会に提案したいということで準備を進めているところでございます。
○櫻井充君 小泉さんは何て言っているかというと、野党の提案でもいいものは審議すると言っているんですよ。何でそんな政府のことにこだわらなきゃいけないんですか。私が言っているのは、少なくとも議員立法で提出されているんだから、それは御検討いただけないですかとお話ししているんですよ。いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 私、行政の立場としましては、やはり今申しましたように、研究会の報告を受けまして、それに基づきまして適正に実行できる制度というものを整理いたしまして、法案を提案していくという対応をしていくということでございます。
○櫻井充君 大臣、是非御答弁いただきたいと思います。医者として、そして国会議員として、そして小泉内閣を支える閣僚の一人としてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 法案をどう審議していただくかは、これは委員会のお話でございますから、私たちがとやかく申し上げるべきことではないというふうに思いますけれども、必要なものは作っていかなきゃならないというふうに思っていることだけは事実でございます。
○櫻井充君 是非御検討いただきたいと思います。
 それではもう一つ、これ今問題になっています薬剤性のC型肝炎についてお伺いさせていただきたいんですが、この薬剤性のC型肝炎の発症に関して国の責任はあるとお考えでしょうか。あるかないか、そしてその根拠をお示しいただけますか。
○国務大臣(坂口力君) このC型肝炎の問題は非常に難しい問題だというふうに率直に私思っているわけでございます。それは、いわゆる血液製剤によって起こったものもございますし、それから輸血用の血液、保存血液によって起こったものもあるわけでございます。
 これらの問題を考えましたときに、その血液製剤を使っておりました当時、それじゃこの肝炎というものは起こらないというふうに考えていたかといえば、そうではなくて、起こる可能性があるけれども、しかしその血液を使わざるを得なかったという時代がずっと続いてまいりました。私がこの血液にかかわりましたころには、保存血液、これ五〇%ぐらいが血清肝炎になったわけであります。半分の人は血清肝炎にかかった。そういう時代を経て、だんだんと皆さんの努力によって少なくはなってまいりました。
 そうした中で、個々の血液を使いましてもそれだけ起こったわけでありますから、血液製剤として多くの人の血液を集めて製剤を造れば、それは確率として更にそれは高くなることは当然でございます。そのことを医療の世界はある程度わきまえながらと申しますか承知をしながら、しかしその製剤を使わざるを得なかったという時代がかなり続いてきたということでございます。
 しかし、そのことに対して国としてどう責任を取るのかということは、そうした問題も全部一遍整理をして考えなければならないと私は思っております。
○櫻井充君 そうすると、まだ結論は出ていないということでございますか。
○国務大臣(坂口力君) 一言で言えば、まだ結論が出ておりません。現在、この血液製剤、フィブリノゲン製剤等につきましては、製薬メーカーに対します調査でありますとか、当時の省内の関係者に対する調査でありますとか、省内に残されております資料の調査でありますとか、海外におきます規制当局に対する調査でありますとか、これらのことも今調査をやっておる真っ最中でございまして、これらのことも検討しながら結論を出したいというふうに思っております。
 事実関係、明らかにされました事実関係に基づきまして必要な対応をしたいというふうに思っております。
○櫻井充君 フィブリノゲンについてちょっと具体的にお伺いしたいことがあるんですが、フィブリノゲンの使われ方の問題が一つあると思うんです。非加熱製剤が加熱製剤に替わっていきました。C型肝炎がはっきりと検査でできるようになったというのが一九八八年か一九八九年か、ちょっと導入された年限がはっきりよく分からないんですが、その時点でして、それから以降にもしフィブリノゲンの使われ方のいろんな問題があって発症してきたということになってくると、これは私は厚生労働省の責任はあるんだと思うんですよ。
 現在、フィブリノゲンの適用は先天性の低フィブリノゲン血症の出血傾向の方と、これは乾燥ですけれども、乾燥製剤の場合にはこういう形で限定されておりまして、この当時、この当時というのは大体昭和六十三年ぐらいから平成四、五年ぐらいまででしょうか、このぐらいの間にフィブリノゲンが違う形で使われてはいませんでしたか。
○政府参考人(宮島彰君) 当時は、今、先天性の以外に、いわゆる後天性といいますか、そういうもののいわゆる止血等のための使われ方もされていたというふうに承知しております。
○櫻井充君 つまり、そのことが実は被害を多くしているんではないでしょうか。
 ちょっとこれは通告していないので、数字がなければ後でで結構ですが、フィブリノゲン製剤でC型肝炎を発症している方、現在のところ、分かっている数字があれば教えていただけますか。
○政府参考人(宮島彰君) さきに、私どもからこのフィブリノゲン製剤を製造しておりました三菱ウェルファーマ社に対して、報告命令によって当時の状況の調査報告をもらっておりますが、いわゆる三菱ウェルファーマ社が推計したデータによりますと、約一万人という数字が推計されております。
○櫻井充君 ですから、要するに、本来であればそれだけ多くの方々に使われなくて済んでいたんだろうと思うんですよ。つまり、先天性の低フィブリノゲン血症の患者さんというのは、推測で、もしお分かりにならなければ結構ですが、何人ぐらいいらっしゃるというふうに考えていますか。
○政府参考人(宮島彰君) ちょっと正確には今持っておりませんが、数十人程度ではなかったかというふうに思っています。
○櫻井充君 つまり、その方々にだけ使われればこれだけの被害は出ていないわけですよ。つまり、そういうところにこの手の薬が使われていたというところに大きな問題が私はあると思うんですね。この場合の責任はどなたにあることになるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 当時、先天性以外にいわゆる後天性等の止血剤等で使われていたということについてどういうふうに評価するかということは、当時のいわゆる医学的な知見なり、あるいはこの薬に対する効能・効果等がどういうふうな評価を下されていたかということを踏まえた上で判断していかなきゃいけないというふうに思っておりますけれども、その点は、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、今調査中でございますので、そういった調査結果を踏まえまして、できる限り事実関係を明らかにした上で評価していきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 これ企業にも問題がありまして、ミドリ十字は、その当時、フィブリノゲンの、未知のウイルスによる感染とされるノンAノンB肝炎発症を防ぐことは非常に困難であるとの理由から、一応フィブリノゲン製剤の製造を中止するという内容の文書を医療機関等に配布しているんですね、一回。しかし、製造は中止されずそのまま続けられていたと、こういうことが起こっているわけですよ。そのために、数年間またこの薬剤が売られたために、使われたために被害者が出ているという実態でございます。
 是非、きちんと調査をしていただいて、国の責任が私はあると思っておりますが、その場合には速やかに患者さん方の救済をしていただきたいと思います。
 それから、血液の需給の問題ですが、日本はアルブミン製剤等が世界の国々から見るとかなり多く使われている。このことが国内自給というものを目指す上で非常に大きな障害になっているかと思いますが、世界との比較をちょっと教えていただけますか。
○政府参考人(宮島彰君) 我が国におけますところのアルブミン製剤等の使用量でございますが、百万人当たりの使用量について見ますと、昭和六十年当時は八百八・六キログラムでございましたけれども、平成十一年には四百七十九・八キログラムというふうに約六割程度の水準に減少してきております。
 しかしながら、諸外国と比較しますとなお高い水準にございまして、先ほど言いましたように、日本は平成十一年で四百七十九・八でございますけれども、アメリカは三百・九、ドイツが二百九・七、フランスが百五十八・八、イギリスが七十七・二ということで、諸外国と比べればなお高い水準にあるというのが現状でございます。
○櫻井充君 なぜこのように日本だけが突出して多く使われているんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 先生も御案内のように、かつて昭和四十年、五十年代、大変血液製剤がたくさん使われた時代がございまして、その後いわゆる血液製剤の適正化使用ということで、今申し上げましたように、大分減少してきたわけでございますけれども、そういった製剤がなぜ使われたかということについての理由は、ちょっと私ども今のところ定かにはしておりません。
○櫻井充君 理由が分からなかったらどうやって対策取られるんですか。このままの数字でいいと思っているんですか。
○政府参考人(宮島彰君) ただ、申しましたように、血液製剤の適正使用というものについては進めていくということが必要でありますので、平成十一年に適正使用の方針、いわゆるガイドラインを作りまして、各医療機関にそういった適正使用の推進についての協力を要請しているというところでございます。
○櫻井充君 いや、だから、原因が分からなくてどうやってやるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) そういうふうに増えていったものの要因というものについて、ちょっと私どもなかなか分析難しいわけでありますけれども、いわゆる本来の治療に当たりまして、いわゆる無駄といいますか、過剰な使われ方がないかという点を是正していくという意味で、適正使用という形での推進をお願いしているということでございます。
○櫻井充君 実は医者の使い方がおかしい人たちもいるんですよ。どういうふうにおかしいかといいますと、足がちょっとむくんだぐらいで、たんぱくの量がちょっと低いと、すぐ低たんぱく血症といって使うんですよ。効果なんかないんです、全く。これは抹消循環が悪いだけでして、足をちょっと上げて一日寝かしておけば良くなるようなものに関しても、こんなのにもアルブミン使っているから減らないんですよ。
 そうすると、これは医学教育なのか、医療経済を教えていかなきゃいけないのか、そこら辺はよく分かりませんが、そういう実態調査をされた方がいいと思うんですよ。そうしてくると、研修医制度のときにそういう無駄な薬の使い方をさせないようにするとか、そのような対策というのはできてくるんだと思うんですが、いかがでしょう、大臣。
○国務大臣(坂口力君) これは血液製剤だけではなくて、血液全般について言えることでございまして、いわゆる二百tの保存血液を一本あるいは二本を使うというようなことは、私は必要のないことだというふうに思っております。
 人間の体の中から八百t以上の血液が出ましたときには、人間の体の中では再生能力と申しますか、それが起こってくるわけでございますけれども、それまでは起こってこないわけでありますから、二百や四百の血液が足りなかったからといって増産体制に人間の体はならないわけでございますから、私はそんな一本や二本を使う必要はないというふうに思っておりましたが、しかし現実には一本、二本の血液を使われる方もかなりおみえになるということも事実なんですね。だから、それはその先生が信念に基づいておやりになっていることなんでしょうから、それ以上我々がそこに口出しをするということはなかなかできにくいところでございますが、私もそのことはこの献血の問題を行いながらよく突き当たってまいりました。
 また、これは甚だ言いにくいことでございますけれども、保存血液よりも新鮮血、もう患者さんを、まくら元輸血と申しますか、これを随分おやりになる病院がございました。これは安全性からいえば保存血液、もう検査をしました保存血液の方がどれほど安全性が高いか分からないわけでありますけれども、それよりもまくら元輸血をなさるところがございました。それは新鮮であるということには私はそれは一つの理由があるというふうに思っておりますけれども、そのまくら元輸血の方が保険点数が高かったことも事実でございます。そうしたことも我々は考えていかなければならないというふうに思っている次第であります。
○櫻井充君 大臣、今、信念を持っておやりなんだからとおっしゃいました。適正な使用法を義務付けるというか、これからやっていきますということになってくると、やはりそこはちょっと相矛盾するところであって、今我々、医学はEBMだという方向に向かっているわけですから、その信念がいかに違っているのかということを教えてあげないといけないんだろうと思うんです。
 そこの中で血液のことに関して言いますと、例えば血液の使われ方を監視するような、そういう部署というのは必要なんだろうと思うんです。ところが、国立大学の附属病院なんかでは輸血部が、基本的に廃止とは言いませんが、輸血部の、この間、済みません、まず今年の三月の大学附属病院長会議において、そこの提言書の中に輸血部に専任教官を置かないということがもう盛り込まれ始めているわけです。
 血液をこれから安全に使いましょうとか、適正に使いましょうということを考えてくると、そこに専任教官を置かないということは非常におかしなことだと思うんで、これは、こっちは、実はこの提言をしているのは文部省でして、文部科学省なわけです。厚生労働省はこうやって血液の関係の法律を出してきて、血液の使い方の適正化、副作用を出さないようにしようと。これは正しく縦割りの弊害じゃないですか。
 文部科学省、いかがですか。
○委員長(阿部正俊君) 簡潔に。
○政府参考人(清水潔君) お答え申し上げます。
 御指摘の提言は国立大学の法人化を念頭に、附属病院の中における、先生御指摘ございましたけれども、病院内におけるセクショナリズムというものの弊害を排して、患者本位の医療提供機能を充実発展させるためのマネジメント改革というようなことで、様々な広範かつ具体的な方策を例示して、各大学の改革を進めるというふうなことで自ら取りまとめられたものと承知しております。
 輸血関係の業務についてでございますけれども、臓器移植等医療の提供に伴って重要性が高まっているけれども、一方で治療と検査の混在、あるいは小規模組織であるがゆえの柔軟対応が不足しているなども指摘されるというようなことで、例えば病院内の診療支援体制の改善と呼応した改善策の一つの選択肢として、輸血部長等の医師は将来的には各診療科との併任とするというようなものを例示しているというふうに承知しております。
 我が省としてでございますけれども、国立大学の教員組織については、今後各大学が教育研究の向上という目的を達成するために、柔軟に各大学の判断で編制することができるような設置法の改正を昨年行ったわけでございますけれども、大学附属病院においても、どのような組織体制を取り、どのように人を配置するか、それぞれ各大学の判断にお任せすることが適当だと考えております。
 ただ、手術方法の複雑化、高度化、あるいは輸血関係業務の重要性の中で、国立大学医学部附属病院すべてに輸血部の設置あるいは定員配置等は行ってきているところでございます。
○委員長(阿部正俊君) 簡潔にお願いします、時間ですので。
○櫻井充君 最後に一言。
 今の文部科学省の方針について、坂口大臣、どう思われますか。
○国務大臣(坂口力君) 私のように血液にかかわってまいりました者にとりましては、やはり輸血というものがいかに大事であり、輸血というものによってどれほどミスが起こっているかというような現状を考えましたときに、大変大事な部門であるというふうに私は認識をいたしております。
 したがいまして、こうした問題につきましても、現在、文部科学省の皆さん方と、医療にかかわります大学病院の様々な問題等につきましても御相談をさせていただいている最中でございますので、私の方からも御提案をさせていただきたいと思っているところでございます。
○櫻井充君 ありがとうございました。
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 時間が少し少なくなりました。通告をしております順番も多少変わりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 今回の薬事法の改正は、薬害や医療機器による健康被害の防止対策を強化するため、正に二十一世紀のニーズに合わせた大幅な見直しがなされております。私は、薬事対策の大きな柱は、一つには安全対策であり、二つ目は救済の対策であると思っております。この二本の柱をきちんと構築することが国の大きな役割だと思っております。薬害対策において、この二つの柱で万全を期していただきたいと思います。
 まず最初に、大臣の御決意を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これは御指摘のとおりだというふうに思います。安全対策とそれから救済対策、大事でございまして、いずれにいたしましても、まず安全対策が確立をされて、そして医療を行う側も、あるいは受けていただく側も安心をしていただけるような体制を作らなければならないというふうに思います。
 しかし、そうは申しますものの、血液製剤でありますとか医薬品でありますとか、そうしたものには新しい問題というのは様々、これはもう付き物でございますから、たとえ認可をされました薬、あるいはまた製造されました血液につきましても、いろいろの問題が起こってくることも事実でございますから、それらの情報を、これを集めまして、そしてそれを、国民の皆さん方はもちろんでございますけれども、医療機関にも十分にそこを周知徹底をして、そして改善を加えていく、あるいは時にはそれを回収をしストップさせるといったようなことが大事でございまして、そうしたことを行います反面、それでもなおかつ不幸にして何か障害が起こりましたようなときには、その救済をどうするかということをはっきりさせていかなければならないというふうに思っております。
○沢たまき君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 大臣は、私、昨日読ませていただきました「ジャパン・メディカル・ソサエティ」という雑誌の冒頭で、医事評論家の行天さんと対談をされていらっしゃいます。その中で、「昭和四十年 大学の命令で派遣された三重県赤十字センター。そこでの七年間は一人の医者の人生を変えた。悲惨な売血者の列と危険だらけの血液でさえ求めなければならない病人、そして家族の苦しみ。誰もが必要性は認めても誰もがためらう助け合うことの大切さを…行動に移してもらうため売血から献血へ、そして検血によって健康を確認してゆこうとした三重方式の思い出を語る。」という、雑誌がありまして、冒頭にこういう巻頭言みたいなのがありまして、感動的な対談が行われておりました。
 どうしたらきれいな血が、血液が集まるか。献血する方も喜んで献血できるよう、また周りの反対の中、健康診断と献血をセットとする三重方式を始められ、今日の基礎を作られたこと、これを、「タケノコ医者」も読ませていただきましたが、大変に感動して読ませていただきました。
 大学の小児科のポストがありながら、あえて外科手術の先生方の縁の下の力持ちの仕事に、人間が人間の体の一部を人に提供する、これほど善意な運動はないと決意されて取り組まれたというのを伺って、改めて献血運動に積極的に参加しなければいけないなと大変反省をしております。免許証の書換えのときだけじゃいけないんだなというふうに思っております。
 どうしたら国民の皆様に献血に御協力いただけるようになるか。このごろ本当に献血してくださる方が少なくなっていると伺いました。どうしたら献血に加わっていただけるか、大臣にお考えがあれば伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) ここはなかなか難しいことでございまして、知識があるから献血をしてくださるとも限らないんですね。知識がないからやってくれないかといえば、そうでもないんですね。
 私は、七年間この仕事に携わりましたけれども、そのときに感じましたのは、やはり街頭で献血なんかやっておりますときに、大体もう向こうから歩いてお見えになる人をこちらから見ておりますと、この人はやってくれるやってくれないというのは分かるんですね。大体、背広を着てネクタイを締めた人というのは大体やらないんですね。いや、大変差し障りのある話で申し訳ございませんが、その点、スポーツシャツなんかをざくっと着たような人、それからブルーカラーの皆さん方というのはより積極的にそこに参加をしてくれました。
 だから、いわゆるエリートマンというのは駄目ですね。ですから私は、エリートとは何かということをそのとき本当に真剣に考えたことがございます。どういう人が本当にエリートなのか。それは、ただ単に知識を持っているだけがエリートではないというふうに私はそのときに感じた次第でありまして、それはその人の人生の生き方に私はかかわっているんだろうというふうに思いますが、やはり心の中にお互い、人間、助け合わなければならないという気持ちが強ければ私は参加をしていただける。それは厳しいいろいろの生活の中にお見えになる方ほど私はその思いが強かったというのが私の印象でございます。
○沢たまき君 そうですね。そのように思います。助け合う心というのは大変、エリートでない方の方がお持ちというのが何か心にざくっときました。私は大丈夫だなと思いました。
 次に、今回の薬事法の改正の二法案、まず一つの柱である安全な薬と生物由来製品を国民に提供するため、万全の体制を確立するためにありますが、したがって、政府が意図する薬品の安全対策の目的を達成されるかどうか、これが大変重要でございます。この法律の目的を業界、国、地方公共団体がしっかりと受け止めなければならないと思います。特に、近年は化学合成物質より生物由来製品による感染症が続発しております。
 そこで伺いますが、施行期日が三年以内となっておりますが、宮崎先生も櫻井先生も聞いてくださいましたが、安全対策についてなるべく早く施行するべきだと私は思っております。新しい被害救済制度を早期に開始するためにも、薬事法改正案に盛り込まれている生物由来製品にかかわる規定については、公布後三年以内の施行日を待つことなく早期に実施していただきたいと思っておりますが、次の通常国会という局長のお話もありましたが、臨時国会でもいいんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今、先生の御指摘の中で、今度新しく、私どもが今検討しております新しい感染症等の健康被害による救済制度につきましては、その対象としましては、今回の薬事法の改正の中で新しく設けました生物由来製品を一応対象というふうに考えております。
 したがいまして、改正後の新しい薬事法の生物由来製品とリンクした形で、それを対象にして新しい救済制度の対象製品というものを引用していくという仕組みになっておりますので、したがいまして、御指摘のように、薬事法全般は公布後三年以内の施行という形になっておりますけれども、この生物由来製品の部分につきましては、いわゆる健康被害の救済制度の施行時期との絡みがありますので、そことマッチした形での施行ということを検討していくことも必要ではないかというふうに思っております。
○沢たまき君 ありがとうございます。
 その救済の対策について大臣に伺いたいんですが、既に薬品の副作用に対する救済はでき上がっております。このたび、ヒト細胞組織等に由来する医薬品等による健康被害の救済の必要性が報告をされています。生物由来製品については、これまで血液製剤によるHIVの感染問題、ヒト乾燥硬膜によるヤコブ病感染問題が起きて多くの被害者が発生したことは周知ですが、この問題については既に裁判上の和解が成立しておりますし、特にヤコブ病問題については、坂口大臣の英断により早期解決が図られたものでありますし、大臣の御英断には最大の敬意を表します。
 一方で、生物由来製品に関しては、バイオテクノロジー等の進展に伴って様々な製品の開発が予想されておりますが、その時々の最新、最高の科学的知見、技術をもってしても感染病のリスクを完全に回避することは難しいと。さっき、このようなことは大臣もおっしゃいました。一番最初の一問目でお答えをいただきました。
 どのようにしてもリスクを回避することはできないと考えられますが、このような製品による健康被害の救済問題については、我が党、公明党といたしましても、坂口大臣に対して、早期に救済制度を創設するよう要望しているところでございます。一昨年から御要望申し上げて何度となく伺っておりますが、この救済問題についてはできる限り早い救済、創設をしていただきたいと思っておりますが、大臣のお考えを伺わせていただければと思っております。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど局長の方からも答弁申しましたとおり、本年三月、研究会の報告ができ上がりまして、それを基にいたしまして、今、鋭意努力しているところでございます。
 この報告書を踏まえまして、更に制度の創設に向けた具体的な検討を今進めているところでございます。これは来年の通常国会、それでは少し遅いんじゃないかというようなお話もございましたけれども、できるだけ早くやりたいというふうに思っておりますが、作ります以上は立派なものにしなければなりませんので、鋭意、今努力しているところでございます。できるだけ早く作りたいと思っております。
○沢たまき君 ありがとうございます。
 もう一つ伺いたいんですが、救済制度ができたら、それ以前の健康被害は救済をしないということでしょうか。
 フィブリノゲンによるC型肝炎感染についてこれから因果関係を調査していくというふうに伺っておりますが、もしこの因果関係が明確になった場合ですけれども、救済制度創設の以前の事件になるのでしょうか。私は因果関係が証明されたときをもって以前、以後を判断するのが当然だと思うんですが、ここら辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 現在の副作用の被害の救済制度が昭和五十四年にスタートしたわけでございますけれども、御承知のように、この現在の副作用の被害の救済制度は、企業からの拠出をファンドにしまして救済給付を行うと、いわゆる一種の保険システムで運営しているところでございます。
 そのために、この救済制度がスタートした、できた以前のものにつきましては、ちょっと対象にするのは非常に困難ということで対象になっていないところでございますけれども、制度発足後に使用された医薬品からの副作用の被害につきましては当然対象になりますし、また、その副作用の被害の因果関係が使用後大分たってから判明したということでも、その使用が制度以後であれば対象になるという形であります。
 今回、新しく感染被害の救済制度につきましても、基本的にはこの現在の副作用被害制度の救済に倣った形で、企業からの拠出によるものをファンドにして給付を行うという形にした場合には、やはり同様に、制度発足前に使用された医薬品からの被害についてのものを対象とするというのは難しいのではないかというふうに考えております。
 研究会の報告の中でも、そういった制度創設以前の被害というのはやはり対象とすることは困難であるので、そういう制度以前の被害については個別にそれぞれの特別の事情を勘案して、別途、どういった救済方法があるかを検討すべきであるというような指摘もあるところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございます。が、先ほどのように、谷間の人をなるべく作らないようによろしくお願いいたします。
 副作用の救済制度との整合性との問題もあるでしょう。しかし、今回の改正案は安全対策を厳しくしているわけですし、生物由来製品による被害者は因果関係が証明されるのが大変長い時間が掛かるわけです。救済対策はほかの救済制度と同じというのであれば、納得ができかねます。後から関連して伺います。
 次に、薬害に対する危機管理体制について伺います。
 最初に申し上げましたように、二つの法律案は薬害防止対策のための法律案であります。薬害につきましては、薬害エイズ裁判、薬害ヤコブ裁判でも国の責任を認める所見も示されました。幸い、和解が成立したことは大変喜ばしいことではありますが、これまで被害者の御苦労、苦しみはいかばかりかと推察申し上げます。薬害ヤコブ裁判では、第一症例の把握時点で対応すべきだったとも言われております。大臣の、薬害裁判が和解したことに対する御見解と国の責任について、お考えをまずお聞かせをいただければと思いますが、簡単で結構でございます、大臣。
○国務大臣(坂口力君) クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟が和解をいたしました。この和解につきましては、三月の二十五日にこれは和解が成立したわけでございますが、裁判所がお示しをいただきましたその内容というものを我々真摯に受け止めているわけでございます。
 和解できましたけれども、既に亡くなられておみえになる皆さん方も多いわけでございますし、ヤコブ病の場合には、現在は生存中ではございますけれども、元に戻らない、普通の体に戻らない人たちばかりでございます。この皆さん方に対しまして、闘病中の皆さんには心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、お亡くなりになりました皆さんに対しましては心から御冥福をお祈りを申し上げたいと思っております。
 厚生労働省としましては、この和解の内容というものを今後、厚生労働行政にこれを反映をさせて、そして再び同じような過ちを繰り返さないようにしていかなければならないと決意をしているところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。
 いろんな新聞で大臣がお墓参りまでなさっているのを何回も拝見して、本当に有り難いと思っております。
 先ほども申し上げましたが、近年は化学合成製品よりも生物由来製品に起因する感染の被害が多発しております。これらの製品は、気が付いたときは既に多くの人に感染しているという大変恐ろしい現象を生んでいることが多いわけです。したがいまして、いかに国が素早くチェックして対応するかということが大変重要になります。過去の薬害事件を見ますと、どう見てもそうは受け止められません。今回の改正法律案では、その点はどのように変わるのか。
 ちょっと関連して伺いたいんですが、宮崎先生も、自給率が大変にもう今下がっている血液、こういうことがないためにも、本当にいい血液という、安心できる血液ということで、なるべく国の、我が国の中で全部自給ができるといいと思っておりますが、それも絡めてちょっと御返答いただければと思っております。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘のように、生物由来製品によるいわゆる感染症というのは、従来型のいわゆる化学薬品、化学的な医薬品のいわゆる副作用というものと大変異なった部分がございまして、一つは、感染症のリスクが時間経過に伴い顕在化してくるというようなこととか、非常に潜在的に感染が進行していて顕在化が随分時間がたってから出てくるというような特性があるわけでございます。そういった特性を踏まえながら、最新の知見に基づき、製品の評価を常にフォローしていくということが重要かというふうに思っています。
 このため、今回の薬事法の改正におきましても、いわゆる生物由来製品につきましては、通常のいわゆる安全対策よりも上乗せした安全対策を行うことにしておりまして、特に感染症伝播のリスクに着目いたしまして、一つは、原材料採取段階のドナースクリーニングをきちんと行うと、それから二番目が、製造段階の品質管理、かつ関連する記録の保存をしていただくと、それから三点目には、市販後の情報収集をきちんと常にフォローし、万一被害が生じた場合には、いわゆる原料採取段階まで遡及してその原因追求ができるシステムというものを作っておくというような形のものを入れているところでございます。
 さらに、生物由来製品については、従来のいわゆる個別製品に被害が発生した場合のいわゆる副作用・感染症報告に加えまして、感染症定期報告制度というのを新しく入れまして、いわゆるその製品に係ります最新の評価水準につきましての内外の資料あるいは学術的な評価、こういうものについての情報も収集し、国の方へ提出するということも新しく設けたところでございます。
 厚生労働省としましては、これらの措置によりまして、いわゆる生物由来製品に係る安全対策の格段の向上を期待しておるわけでございますが、今後とも、こういった生物由来製品を通じた健康被害の発生の防止に最善の努力をしていきたいというふうに考えております。
○沢たまき君 済みません、ちょっと分からなくて。感染症、何を作るとおっしゃいましたっけ。
○政府参考人(宮島彰君) 感染症定期報告制度というものを新しく設けると。
 それからもう一つ、国内自給の関係の質問がございましたけれども、国内自給、いわゆる血液製剤の国内自給の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、今回の新しい血液事業法の中で基本理念に国内自給の原則がきちっと規定されておりますので、その理念に従いまして、国におきまして基本方針の中で血液製剤の中期的な需給見通しを定め、かつ毎年度、献血推進計画や献血受入れ計画におきまして各年度の献血確保量等を定めまして、いわゆる国内自給の達成に向けての事業の推進というものを計画的に進める形を入れているところでございます。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。今、BSEもありますけれども、なるべく国産がいいということでございます。ありがとうございます。
 次へ移らせていただきます。
 薬害エイズ事件のとき、アメリカのCDC、疾病管理予防センターのドナルド・フランシス博士が、血友病患者の感染者が三人という段階のときに、今すぐ非加熱血液凝固因子剤をやめないと大変なことになると警告していました。
 また、薬害肝炎を引き起こした旧ミドリ十字の血液製剤であったフィブリノゲンの製剤に至っては、アメリカで禁止した後も十年も売っていたことは余りにもずさんとしか言いようがありません。しかも、二十五年もたった今日、社会問題になっているわけです。旧ミドリ十字は、一九七九年、危険であることを把握していたにもかかわらず販売をしていたわけですね。
 確かに、市販後安全対策の充実、この改正案ですね、製薬企業の責任は明確化され、製造販売業者は保健衛生上の危害が発生、拡大するおそれを知ったときは必要な措置を講じなければなりませんし、回収などの緊急措置は第一次責任を負わなければなりません。これは裁判でも指摘されたことでもあります。
 しかし、元売業者から副作用等の報告、再審査・再評価資料、感染症定期報告が厚生労働省に報告され、それを薬事・食品衛生審議会に相談し、意見を伺うことになっておりますが、これでは前と何ら変わっていないように思われます。もっと専門の国際機関との連携などを積極的に活用した体制を確立すべきではないかと思います。また、血液製剤を始めとする生物由来製品については、一層の危機管理体制を構築する必要があると思いますが、厚生労働省の御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) いわゆる医薬品に係ります情報収集体制としましては、従来より薬事法上、そういった副作用・感染症等の報告を義務付けておるところでございますが、特に御指摘のあったいわゆる国際機関等、外国との連携の関係におきましても、WHOの医薬品副作用モニタリング制度ともリンクしておりますし、あるいは欧米の主要国の規制当局ともいわゆる情報交換という体制も今組んでいるところでございます。
 さらに、今回の薬事法の改正におきましては、特に生物由来製品に着目いたしまして、新しく先ほど申し上げました感染症定期報告制度というものを導入します。この中では、いわゆる国内外を問わず、当該製品に係る関連の資料あるいは学術的論文等の評価等も幅広く収集して報告するということを義務付けているわけでございます。
 それから、いわゆる血液製剤を始めとします特定生物由来製品というものにつきましては、万一感染等の状態が判明した場合には、製造販売業者は、直ちに販売業者あるいは納入先医療機関に通知しまして医療機関に対し患者への情報提供を依頼するという遡及調査を行うことになっておりますし、医療機関は、保存している記録等を基に当該製品を使用した患者に対し感染症のおそれの説明をするとともに、必要な検査、治療等を受けるよう働き掛けるという仕組みも今回入れさしていただいたところでございます。
 こういった仕組みによりまして、御指摘のように、生物由来製品を始めとする感染症等の安全対策を更に万全な形にしていきたいというふうに思っているところでございます。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。
 次に、旧ミドリ十字のフィブリノゲン製剤によるC型肝炎の感染症の問題についてですけれども、厚生労働省において調査を行っていると伺っておりますが、その調査の状況はいかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) この調査は、現在、四つの点においてやっております。
 一つは、省内調査ということで、問題になっておりますいわゆる昭和五十年以降平成十年までの間、少し幅広く期間を取りまして、その間のいわゆる旧薬務局に在籍した職員を対象にアンケート調査等を実施して、いわゆる御指摘の事実関係の認識の有無、あるいはそれに関連する情報等がないかというものを今集めておるというところでございます。
 それから、併せまして、省内におきましてフィブリノゲン製剤に関係する資料がどういうものが残っておるかという点も併せて今調査しておるところでございます。
 それからさらに、海外調査といたしまして、いわゆるFDAを始め、あるいはヨーロッパ主要国の規制当局に対しましても、その当時におけるフィブリノゲン製剤の承認の状況、あるいは使われ方の状況等の実態について照会しているところでございます。
 さらに、いわゆる三菱ウェルファーマ社に対しましても、さきに報告命令を発出いたしまして、フィブリノゲン製剤の使用及び安全性に関する会社側における文献、資料等についても調査を行っているというところでございます。
 調査結果につきましては、できるだけ早く取りまとめを行いまして、なかなか全体をまとめるまでには相当時間を要すると思いますが、必要があれば、中間段階で公表できるものがあれば公表するという形も検討していきたいというふうに思っております。
○沢たまき君 次に、医薬品の承認制度について伺います。
 改正案では、研究開発についても外部委託が可能になります。ある業界紙によりますと、医師が主体となって行う臨床研究で得られたデータを製薬企業が新薬承認申請データの一部として使えるようにする制度を導入するとしています。その結果として、臨床研究に弾みを付けて、治験から承認申請までの時間が短縮されて、患者への新薬提供が早められる効果があるとしておりますが、厚生労働省のお考えはいかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 従来は、現行の薬事法におきましては、いわゆる治験という形で、企業がいよいよ当該医薬品の承認申請をする前段階としての治験計画に基づく治験を行う段階から薬事法の対象という形で整理されておりましたが、実際の薬の開発の場合は、その前段階に更にいわゆる臨床研究という研究段階があるわけでございます。今後、先ほども言いましたように、バイオ、ゲノムとか、新しい医薬品の研究開発が大変これから進展していくということを考えますと、こういった新しい医薬品の研究開発を一層促進していく環境を整備していく必要があろうかというふうに思っています。
 したがいまして、今回の改正におきましては、従来の治験というものの対象を拡大いたしまして、いわゆる臨床研究、いわゆる医療機関等が主体になっています臨床研究も治験の範囲に、対象にいたしまして、そこに行われました臨床研究に必要な医薬品をいわゆる企業が提供できることも可能になる、あるいは臨床研究で得たデータも申請後の審査のデータとしても活用できるという形を行ったところでございます。最近、先端医療技術を臨床応用するいわゆるトランスレーショナルリサーチということがよく言われておりますけれども、そういった新しい動向に対応する形の法規制を今回盛り込みたいということで、今のような形をやっているところでございます。
 こういう形ができますと、御指摘のように治験から承認申請までの期間が従来に比べまして短縮できることが期待できますし、それに伴って患者さんに対してより早く新薬を提供できるという基盤ができてくるものと考えております。
○沢たまき君 がんや難病で苦しんでいらっしゃる患者さんの中には、海外で使用されている医薬品を個人輸入して治療を受けている方も少なくありません。しかし、我が国ではいわゆる混合診療が認められていませんので、通常なら保険適用される部分も含めてすべて自己負担となる例が多いです。しかし、海外で標準的に使われている医薬品にもかかわらず、我が国では未承認となっている例も多いです。患者、家族は一日千秋の思いで承認を待っておりますが、中には製薬企業から承認申請がないという理由で承認のめどすら立たないものもあります。
 今回の薬事法改正の第八十条の二に「自ら治験を実施しようとする者」と入っております。医療機関主体で治験を行うことを可能とするものではございますが、この制度を用いて今申し上げましたような患者に未承認薬を使用することは可能でしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今御説明しましたように、今回、治験のいわゆる対象を広げまして、いわゆる医療機関が主体となって実施しております臨床研究も取り込む形の改正を行っております。したがいまして、今まではこういった臨床研究については、製薬企業からいわゆる未承認の薬等を提供するということは薬事法で禁止されておったわけでありますけれども、一応それが治験に取り込まれると、治験の範囲内ということであれば製薬企業からそういう未承認薬も臨床研究というもののために提供することが可能になるということでございます。
 したがいまして、こういった治験の枠組みの拡大によりまして、結果的に、今お話のあったような患者さんに投与する、そういった薬を使える機会というものも拡大していくのではないかというふうに思います。
○沢たまき君 ありがとうございます。
 こうした未承認が、一日も早くこういうお薬が患者さんのところに届くようにするために最大の努力をしていただきたいと思います。
 一方で、ちょっと伺いたいんですが、海外で標準的に使われている医薬品が国内で認められないという例がある一方で、海外では効果が認められていない医薬品が国内で使用されている例も多いんですが、今後、国民に必要な医薬品が迅速に提供されるような認証審査体制の整備をもう少しちゃんとしていただきたいなと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のように、国民の皆さんに必要な新しい医薬品を早く提供するということは私どもの使命でもあります。
 近年、そういった審査体制の整備とともに審査のスピードアップを図ってまいりまして、平成十二年四月以降に申請された新医薬品につきましては、いわゆる標準的な事務処理期間を今十二か月と設定しております。これは大体今のアメリカのFDA並みの期間になってきております。現実の平成十二年度の実績で見ますと、大体中央値は約八か月ということで、以前に比べますと大分審査期間は短縮してきているというふうに思っております。
 更にそういった審査のスピードアップを図るというために、現在、日本、アメリカ、EUの間で、いわゆるICHという形でお互いの国際調和を図るための会議をやって、例えばお互いの信頼性の置ける臨床データは相互に利用し合う、認め合うというような基盤整備も行って、審査のいわゆる効率化を図るというふうなことも取り組んでおるところであります。
 さらに、疾患の重篤性やほかの治療法との代替性等の観点から、迅速な承認が必要ということが認められるものにつきましては特に優先審査品目という形で早い承認をするという取組も現在行っているところでございます。
 それから、元々やはりそういった審査機関なりスタッフ、こういうものの充実がまず基盤としてどうしても必要でありますので、先ほども申し上げましたように、独立行政法人化を契機に、そういった審査体制の充実、審査スタッフの充実、こういったものを図って事務処理期間の短縮を図ってまいりたいというふうに思っております。
○沢たまき君 時間がございませんので、一つ。
 パーキンソンの方々から大変に要望をいただきました。
 向こうではパーキンソン病に最も有効とされている薬が、レボドーパではなくて、ロピニロールというんですか、ミラペックス、二つのドーパミンアゴニストだそうです。特に初期の患者さんに使うと病気の進行を遅くする可能性がある。レボドーパは逆に神経細胞を死滅させていくのではないかと言われているんです。さきのドーパミンアゴニストは日本でまだ使えないんだそうです。ロピニロールは認可申請中で、ミラペックスはまだ治験第二相だそうで、薬の認可に日本では七、八年掛かる。ロピニロールはまだ一、二年間は待たなければならない。ミラペックスに至ってはまだ数年は掛かる。何だか、一杯向こうでいいという薬なのに、なかなか治らないという要請がありました。
 今、局長がお答えがありましたように、どうしてもというのは優先品目も考えるということでございますので、どうぞ、このパーキンソンの方、進行性で治癒することはないということでございますけれども、いい薬があれば就職もできるということでございますので、七、八年というのではなく、なるべく早く認証していただければというのをまず一つ御要望しておきます。御返答は結構です。
 もう最後になりますのでちょっと伺わせていただきますが、この法律案は製造部門の全面外部委託も可能にしておりますね。いわゆる元売承認制を導入しております。この制度は、製造所を持たなくても、製造販売業の許可と販売したい医薬品の製造販売の承認を取ることで医薬品が販売できるようになります。このことについて厚生労働省は、市販後の安全対策の充実と一体として考えていらっしゃるようですが、具体的には製造販売業者についてどんなイメージをお持ちなのか。これを最後に伺って、終わりにしたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の法律案では、いわゆる製造業の承認許可制度を大幅に見直しまして、従来の製造業は、いわゆる製造とそのでき上がった製品を市場へ出す、いわゆる元売行為が一体の形になっておりました。したがいまして、いわゆる製造の一部委託は可能でございましたけれども、全面的に製造委託をするということは現行法の下ではできなかったわけでございます。
 しかしながら、昨今、いろんな経営の合理化なり効率化あるいは企業経営の多様化という形で、特に医薬品の場合は非常にグローバル化しております。欧米においては、既にこういった自ら製造し販売するという、一体というものをもう分離いたしまして、製造業といわゆる元売業といいますか、それを分離した形の承認制度になっております。
 日本もそういった国際的な土俵に合わせる形で、今回、一体となっております製造業を分離いたしまして、いわゆる純粋の製造業部門と、そして製造された製品を市場へ出す元売、いわゆる製造販売業と言っておりますけれども、元売業部分というふうに分けまして、元売業部分につきましては、いわゆるライセンスホルダーとしまして製品についての承認を取るという形の整理をいたしたところでございます。
 したがいまして、安全対策につきましても、最終的に市場へ出す製造販売業、いわゆる元売業が市販後の安全対策について全面的な責任を負っていただくという形でそこの責任体制を明確化し、かつ、そういったものを、安全対策を行うことができる体制がきちっと持っているかどうかをそういった製造販売業の許可要件に組み込んだという形の整理をさせていただいたところでございます。
○沢たまき君 終わります。
○委員長(阿部正俊君) それでは、午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本孝史君 坂口大臣、本当に御苦労さまでございます。よろしくお願い申し上げます。
 今日、この血液事業法の部分に関して集中して御質問させていただきたいというふうに思います。
 宮崎委員もお取り上げになりました、まず国内自給体制の確立の問題でございます。
 本会議で質問をさせていただきました折に、大臣より「献血によります国内自給の達成を果たしたい」という御答弁もいただきました。今後、献血によって国内製造量の増加、あるいは使用の適正化等によってこうした国内自給の達成ということを図っていこうということだというふうに理解をしておりますが、重ねての御質問になって恐縮でございますけれども、ただちょっと不安に思っておりますのは、例えば法律第三条、基本理念の第二項のところでは、「血液製剤は、原則として国内で行われた献血により得られた血液を原料として製造されるとともに、」と、こういうふうに書かれているわけですけれども、免疫グロブリン製剤の国内自給率は平成十二年度で七二・六%、アルブミン製剤がわずか二九・七%、第[因子製剤では三三・八%と国内自給率が非常に低くなっておりまして、言ってみれば外国製品あるいは輸入によって賄っているという実態がございます。
 すなわち、先ほど申し上げました基本理念の第二項に「原則として国内で」と書いてありますが、実は現状は原則よりも例外の方が多い事態になっているわけで、こういう事態をどうやって解消するのか。すなわち、国内製造量より輸入量が多いという事態の解消を目指すということが国内自給の達成を果たしたいと大臣がおっしゃったことと御一緒なのか。そこのところ、確認を含めてこの自給の体制の確立に対しての大臣のお考えをもう一度お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(坂口力君) これは国内で自給をしていくということにどうしてもこれはしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 一つは、どの国におきましても、その国の中の医療が発達をしてまいりますと、余分な、自分の国の中で使います血液あるいは血液製剤を余分になかなか集めるということはどの国も難しくなってくるわけでありまして、日本の国はやはり日本の国内でこれは集めなければならないというふうに思っております。
 また、いろいろのHIVの問題等があったわけでございますし、そうしたこと、安全性の面からいきましても国内でやはり集めなければならないというふうに思っておりますが、今御指摘いただきましたように、アルブミンにいたしましても、あるいは第[因子にいたしましても、三〇%前後と非常に低いところに低迷しておるわけでございまして、これをやはりすべて国内におきます献血に頼っていくようにしようと思いますと、かなりな力を入れなければいけないというふうに思っています。
 一応、献血の血液量が二百tから四百tに増えましたので今までほどは人数は必要でないというふうには思いますけれども、一時、日本の国も九百万人ぐらいまで上ったわけでございますが、また徐々に下りてまいりまして六百万人近くになっているというようなことでございますので、もう一度皆さん方にお願いをして、そしてやはり一千万人近くのところまで上げていかないといけないというふうに考えているわけでございます。これはなかなか言葉だけでは前進をいたしませんので、やはり一人でも多くの皆さんが献血運動に対しましてやはり熱心にその必要性を説いていただく以外にないと思いますし、また率先して手本を示していただく以外にないというふうに考えている次第でございます。
○山本孝史君 今、一千万人と、こうおっしゃいましたけれども、確かに、平成九年の血液行政の在り方に関する懇談会の報告書では、平成二十年度時点で献血者数一千万人、原料血漿百五十万リットルを確保することでほぼ国内自給が達成できるという、こういう見通しを持っておりました。献血者の人数については、四百ミリリットルであったり、あるいは成分献血をしたりということで、人数の上ではなかなか分かりにくい部分がありますが、百五十万リットルの原料血漿を国内で確保すればいけると、こういうお話だったんですが、厚労省にお伺いしますが、まず、現在時点においてこの数字は変わっていないんでしょうか。国内自給を達成するために幾ら集めたらいいというお考えですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今お話ございましたように、平成九年の血液行政の在り方に関する懇談会の報告書の中で、いわゆる国内自給達成の目標といたしまして、平成二十年時点で原料血漿百五十万リットルというものが記述されております。私どももこれを国内自給の達成目標と置きまして、現在各年度の目標量を定め原料血漿の確保に努めてきているということでございまして、現在私どもが目標として使っておりますのはこの平成九年の懇談会で定めた百五十万リットルを前提にしております。
○山本孝史君 平成十三年度の目標、たしか百一万リットルだったと理解していますが、それでよろしいのか、そういうことと、それを前提にして、平成二十年まであと五、六年の間にこの百万を百五十万に上げるということがまず可能なんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 各年度のこれまでの目標量の実績を見ますと、各年度とも目標量を達成しておりますし、今お話あった平成十三年度目標百一万リットルも一応達成する見込みでございます。そういう意味では、この平成九年の示されました平成二十年時点原料血漿百五十万リットルというものに向けて、今、各年度比較的順調に伸びてきているというふうに思っております。
○山本孝史君 国内自給の達成のために、国内の献血によるところの原料血漿の確保を多くする、あるいは使用の適正化によってできるだけ百五十万集めなくてもいいようにできればいいかなというふうに思いますが、いずれにしても、今、厚生省の担当者の側では百五十万リットル、平成二十年、これが達成可能であると。そうすれば、適正化がもっと進めば、あるいは理解が進めば、平成二十年よりも前に百五十万を超えて、あるいはそのところで達成することが可能だと。首を縦に振っておられますのでそうだということなんで、これはできるだけ早くその状況に持っていきたいというふうに思います。
 この百五十万キロリットル達成に向けてのもう一度大臣の決意をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 決意を言うのは簡単なんですけれども、現実問題としてこれ集めますのは本当に大変なことだというふうには思っております。
 ここはやはりPRと申しますか、献血を依頼をする人をやっぱり増やさないといけないと思うんですね。これはボランティアの皆さん方にもお願いをしなきゃなりませんが、それだけではなくて、例えば赤十字なら赤十字の中、あるいは都道府県なら都道府県の中で、この献血担当者、ここを、皆さんにお願いをする担当者をある程度増やさないと私は増えてこないというふうに思っています。だから、どこかにPRすればもうそれでいいだろうというふうに思いますけれども、献血のことが毎日、新聞に出ましても、我々は見てないと、PRが足りないというふうに言われた時期がございます。見る目の、何というんですかね、見る目を持たない人、聞く耳を持たない人に何ぼ言いましても駄目なわけでありまして、そういう点からいきますと、熱心にひざ詰めでいろいろの職場あるいはいろいろの各種団体でお話をしていただく、そういう人をやはりもっと増やさないと千五百万というのはなかなか達成しにくいというふうに思っています。そこをひとつちゃんとしていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
○山本孝史君 おっしゃるように、少子化が進んでいって献血者の数がそうこれから先増えてこないということも考えられますし、そういう中で、現在百万というところにまで来ているものを百五十万という五割増しに上げるわけですから、それもこの平成二十年までの間、六年間、その間に前倒しをして上げると。宮島さんは大丈夫ですという顔でおっしゃいましたけれども、これはかなり難しい実は本当は数字のはずだと思うので、どのような形で、本当に日赤等々の協力も得ながら、あるいは市民の理解を得ながらこれができていくのかという具体的な姿を、今日はじっくり詰める時間がありませんので示していただきたいというふうに思います。なかなかおっしゃっているようにはいかないという、私も実は心配しておりまして、決意だけではいかないと思いますので、是非その形を出していただきたい。
 ただ、やはり国内自給体制の確立はしなきゃいけないと思いますので、是非この法律の四条の国の責務あるいは九条の基本方針の中にこの国内自給の達成ということをしっかり書き込むような修正を是非していくべきだというふうに私たちとしては思っております。御検討いただきたいというふうに思います。
 自給体制等を確立させるのにもう一つ重要な役割を果たすであろうと思っておりますのが需給計画だというふうに思っております。この法律の中で実はここが一番大切ではないかと思うんですが、今度の法律に基づきまして基本方針が定められて、毎年度、需要に見合う血液製剤が安定的に供給されるように国が需給計画を定めると、こうなっております。
 従来、厚生省と日赤と日本血液製剤協会の三者で協議をしてきました合意事項書というものがございまして、ここで配分の内容なり価格なりが定められていたわけですけれども、この需給計画にはこの合意事項書の内容がそのまま盛り込まれるというふうに理解してよろしいのでしょうか。イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘がありましたように、現在、血漿分画製剤の製造に用いる原料血漿の配分につきましては、厚生労働省と日赤と血液製剤メーカーの集まりであります日本血液製剤協会の三者で話合いがありまして、合意の上決めているということです。
 ただ、これが非常に従来不透明であるという御指摘もございましたので、今回の改正案では、血漿分画製剤の配分過程に係る透明性を確保するというために、従来の合意に代わりまして、原料血漿の配分に係る標準価格や配分量、こういったものを国の責任において需給計画を定めると。その際には、公開の審議会における議論も踏まえて公正かつ透明な形で定めると、こういう形にすることとしているところでございます。
○山本孝史君 ところで、じゃ審議会のメンバーですね、それを決めるときのメンバーはだれが決めるのか、どこで決めるのか。審議会とおっしゃっているんですが、その審議会のどこで決めるのか、そのメンバーはだれなのかということを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 審議会におきましては、当然、その審議するテーマに関係する関係者、いわゆる学識経験者等も含めた形のバランスの取れた分野から委員の就任をお願いするという形になります。私どもとしても、これは血液分画製剤の要するに需給計画を定めるということでありますので、当然、それに関係する専門家の方、あるいはそういったものに深い関係する関係者の方々、そういう方々の中から選任していくということになるかと思います。
○山本孝史君 だから、今、薬食審があって、それで血液事業部会でしたか、があって、今度その中に患者も入る運営委員会を作ると、こうなっているわけですね。頭の中には三つ、あるいは分科会としてあったとして、審議会、薬食審全体の審議会なのか、分科会、薬事の分科会なのか、あるいは血液事業部会なのか、あるいは運営委員会なのか、そのどの場面ですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の法律で、いわゆる基本方針、それから献血推進計画、それから血液製剤需給計画という、言うなれば新しいこういった計画なり方針を厚生大臣が決めるということになりましたので、現在のこの審議会の中に血液事業部会というのがございますけれども、その構成を、こういった新しい業務といいますか、をきちんと審議できる形に見直しまして、例えば調査会であるとか部会であるとか、あるいは委員会という形で少し構成をし直した上で、適正に基本方針なり需給計画なりあるいは献血推進計画、こういったものが審議できる体制を整備していきたいというふうに思っております。
○山本孝史君 ちょっと理解できなかった。血液事業部会のメンバーを替えて、そこで今の需給計画を審議をして決めると、こうですか。
○政府参考人(宮島彰君) 血液事業部会の中には、いわゆる委員とそれから臨時委員という形でメンバーが構成されております。その部会のそういったメンバーの中から、今申しました、幾つぐらいになるかはちょっとこれから整備しなきゃいけませんけれども、必要な調査会なり部会あるいは委員会、こういうものを構成しまして、それぞれの委員会なり部会、調査会に所属していただくと。これは重複して所属するという形もあるかと思いますけれども、それぞれの委員会なり調査会、部会の審議項目にふさわしいバランスの取れた形のメンバー構成を考えながら整備していきたいというふうに思っています。
○山本孝史君 そうしますと、その委員会なり調査会なり新たにここの中に作られると、血液事業部会の中に。そこのメンバーに、学識経験者というのはいろいろ言い方がありますけれども、まずは患者は入るのか、日赤は入るのか、あるいはほかの製造メーカーは入るのか、血液の専門の学者は入るのか、あるいは協議してきた相手方の厚生省の職員は入るのか、この辺は入るのか入らないのか。だれが入るんですか。こんな一番重要なところをこの場でまだ決まっていないような言い方をしていたんじゃ審議にならないですよ、これ。
○政府参考人(宮島彰君) 最終的には、この審議会の場で議論いただいてそういった構成を決めていく予定にしておりますけれども、現在考えておりますのは、当然そういった血液製剤に関する専門家の方々、それから今お話……
○山本孝史君 専門家って何よ。だれよ、専門家って。
○政府参考人(宮島彰君) いわゆる大学等でこういった血液製剤学等を担当している方、あるいは病院等で血液製剤等を臨床の場で専門に扱っている方々等が考えられるかというふうに思います。あと、今お話ありましたいわゆる患者代表の方々、これも当然入るというふうに思っております。
 ただ、日赤あるいは血液製剤メーカーの方々は直接の当事者になりますので、参考委員という形で必要の都度意見を聞くという形にはしていきたいと思っていますけれども、正委員という形で入るという形は今のところ難しいかなというふうに思っていますが、いずれにしましても、審議会の場でその構成は議論いただいて、適正、バランスの取れた形で整備していきたいというふうに思っております。
○山本孝史君 さっき、冒頭聞いたように、これまであった三者合意、厚生省と日赤とメーカーの三者合意書の内容をそのまま今度はこの需給計画の中に盛り込んでくるという、反映させると言っているわけでしょう。そうすると、じゃ日赤はどれだけの献血量が集まってきますか、どれだけ原料血漿が提供できるんですか、それをメーカーの間でどうやって分け合うんですか、価格は一体幾らが適正なんですかという、当事者抜きにして需給計画って決まるものなんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 当然、需給計画を作るに際しましては、まず需要側のサイドとしてどれだけの血液製剤の需要があるのかということを使用サイドである医療機関なりそういうところからそういうデータをまず集めるという作業が当然出てくるかと思います。
 それから、供給サイドとしては当然原料血漿を集めております日赤なりあるいは製造しておりますメーカー、こういうところからどれぐらいの製造見込みができるかということを、当然そういった資料、データを集めて、それを突き合わせていわゆる適正な形、その当該年度における適正な需給バランスというものがどういう形かということをにらんだ上で全体の枠組みがマッチする形のものを決めていき、それを前提に置いてその配分量なり、それからそれを前提としてコスト的にバランスの取れた価格というものを決めていくという形になろうかと思います。
○山本孝史君 大臣にお伺いします。
 これは決定過程を透明化することが必要だと言われて、今度審議会も公開でやってその場で決めると言っているわけですよね。ところが、その前に皆さんから数字を集めておいて、後は自分らで作ったやつでみんなで協議してくれ、当事者はそこの場にはおりませんと、こういう言い方ですよね。
 しかし、実際のところ問題は、じゃ、例えて言えば、日赤がこの価格だったら提供できると言うけれども、なぜその価格なんですかと言ったときに、そこに答える人はいないわけですよね。血液メーカーはできるだけ安い方がいいと言うに決まっているんだけれども、じゃ、その安さで、今度売るときは幾らの値段になって出てくるんですかとか、あるいは、あなたたちはこれでどれだけのものが造れるんですか、もっと技術が開発されてより少ない血液でもっとたくさんのものが造れるんじゃないですかとか、いろんな議論をしなきゃいけないわけでしょう、その場で。その議論をしなきゃいけない場所にメーカーはいない、原料血漿を提供する日赤はいない。今のお話だと、患者さんとそれから大学の先生とかでそこで決める、原案は厚生省が作ると。これで透明性が確保できると思いますか、大臣。
○国務大臣(坂口力君) この需給計画を立てるというのが、今、山本委員がおっしゃったようなその辺のところまで含めてくるのか、それとも単なるこれは需給計画なのかということにもよるというふうに思いますが……
○山本孝史君 違う違う。
○国務大臣(坂口力君) えっ、そういうことじゃない。原料配分のところのお話。分かりました。ちょっと間違っておりました。
 その部分の話をすることになれば、それは当然赤十字ですとか供給事業団だとかというようなところの御意見というのも当然聞かなきゃならないということにそれはなると思いますから、今、局長の話は、それはもう前もってやっておくということなんですね。だから、そこは一緒にやるか前もってやっておくかという話になるだろうと。
 いずれにしても、赤十字なり供給事業団でしたか、そうしたところの意見を聞かなきゃならないことは、それはもう当然だと私も思うんですね。
○山本孝史君 意見を聞かなきゃいけないのは当然の話ですよ。意見をみんなが同じ公開の場所で出し合って、お互いに利害関係もあるから議論もしましょうと、公開の場所で決めましょうというのがその話でしょう。
 でも、今、大臣いみじくもおっしゃった、それは事前に決めておいていただいて、それを出してきてみんなでそこでしゃんしゃんでやればいいじゃないかと。それは公開性を持った審議会の場所で決める、透明性を高めるという話にはならないじゃないですか。おっしゃっていることが違いますよ、それは。
 どうやって、今まで内々で決められてきたこの三者合意の話を実は白日の下にさらけ出して、みんないろいろ批判を受けるでしょうよ、それは。日赤だって、何でこんな高い原料血漿、ただで集めている献血でなぜそれを値段を付けて売ることになるんですかという議論も出てくるし、原料血漿メーカーあるいは製造メーカーの方がこの値段で何を幾ら造ってくれということまで決めるんだから、そういうのを公開の場所で決めていこうと言っているときに、それを事前に厚生省のサイドで、事務局で決めたやつで、皆さんから意見決めて調整したやつを出してきますというのでは、公開の場でやっている話じゃないじゃないですか。それは大臣、違いますよ、その御認識が。もう一遍答弁してください。それは認識が違います、大臣。
○国務大臣(坂口力君) 今回の改正案におきましては、この血漿分画製剤の配分過程に係ります透明性を確保する、こういう立場から、従来の合意に代わりまして、その標準価格や配分量などを需給計画を定めましてそして決めていくということに今したわけですね。それは公開の審議会における議論を踏まえてやっていくと、こういうことなんですから、そこはもう公開の審議会を踏まえてやっていくことには間違いありません。
○政府参考人(宮島彰君) 今、山本委員からもございましたように、当然その公開の審議会の場に日赤なりあるいはメーカーの方々に来ていただいて、それでいろいろ参考の御意見なり意見陳述はしていただくと。ですから、公開の審議会の場で御発言、意見等を陳述していただく、それを踏まえて議論するということで、事前に事務局だけでやり取りするということではございません。
○山本孝史君 そこもちゃんと整理して、もう一遍出してください。おっしゃっている意味が違うし、それから、何回も繰り返しますけれども、だれが決めるんですか、メンバーはだれなんだと、そこのところがはっきりしないことにはここから先、私は本当はここで座り込んでしまってもいいんですが、この時点で何でそれが決まっていないんですか。需給計画が一番大切な話じゃないですか。それをだれが決めるんですかというところを、まだそんな、大臣がおっしゃっている内容と局長がおっしゃっている内容が食い違っているという話は僕おかしいと思いますよ。
 なぜそう言うかというと、需給計画作りますでしょう、大臣、需給計画作りますでしょう。要は、法律の中で基本方針が決まりますよね。基本方針が決まって、それに基づいて五年ぐらいをめどにするところの中期計画が決まるんですよね。中期計画でその需給計画等々が立てられていく、その中で需給計画が毎年立てられていくということになっているんですよ。
 さっきの御答弁にありますように、平成二十年に百五十万の原料血漿を確保できるとおっしゃっていて、その時点で国内自給は達成できるということで御答弁されていると私は受けているので、違ったら言ってくださいよ。そうすると、今、平成十四年でしょう。これ、法律が施行されて、平成二十年といったら五年ですよね。第一期の中期計画を立てる中でほぼ国内自給は達成できるという話になるんですよ、これ。
 そうすると、その中期計画を更に実効性あらしめるために毎年需給計画が見直しをされていくわけですよ。その需給計画の中で、外国から輸入している、あるいは外国からの原料血漿に依存している部分は毎年どんどん減っていって、国内での献血によるところの原料血漿によるところの製品が増えていって、やがて平成二十年では国内自給が達成できるという、こういう計画になるはずなんですよ。だから、需給計画が非常に大切だと言っているんです。そういう図式になると理解をしていいんですね。
 もう一遍繰り返しますが、その中期計画に基づいて国内献血由来の血液製剤の占める割合が徐々に高まって、それで毎年それが見直されることによって予定どおり平成二十年には国内自給が達成できる、こういう道筋で運ぶと理解していいんですか。そうですとおっしゃっているので、済みません、マイクを通して御答弁言ってください。
○国務大臣(坂口力君) それはそのとおりだと思っております。
○山本孝史君 大臣はそのとおりですとおっしゃったので、私もそう理解しているんです。
 だから、今まではどこかにあって一応公表はされていたけれども、合意事項書があって、その中で、どのメーカーにどの製品を幾ら造っていただくために日赤は幾らの原料血漿を幾らで提供してと、こういう話になっていたので、それが、みんなの中で協議をされて今度は明らかな公開の場で決めていく、審議会の中で決めていく、需給計画上ではっきりして、平成二十年には国内自給が達成できると。私はその答弁が欲しかったんです。そういうことですものね。一番の問題はそこだと思います。
 だから、本当は法律の中に国内自給云々と書くということもあるんですが、一応この御答弁もありましたから、私はそれでいいと思っています。ただ、現実問題は、需給計画でちゃんとやっていけば、ここ五年以内に日本の国内献血によって自給体制は、いわゆる自給体制は確立できるというふうに理解をさせていただきましたので、是非取り組んでいただきたいと思います。
 もう一つの問題は安全監視体制の問題なんですけれども、エイズの事件を教訓に、フランスですとかあるいはドイツも同じような薬害エイズ事件を経験をしてきたわけですけれども、その後、血液製剤の安全性を監視するために独立した組織を作りました。販売の承認、監視、安全性の評価あるいは規制の勧告等々、いろいろ機能を分け合って責任の所在を明確にしております。
 ただ、そうすると日本の場合はこの法律ができても実は厚生省の薬務局がこれまでどおりすべての職務を担うということになっているんですね、新たに運営委員会を設置するというふうに御答弁いただいているんですが。
 局長にお伺いします。この運営委員会の職務はどのように考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今度新しく設置しようとしております運営委員会のいわゆる機能といたしましては、一つは、定期的に開催いたしまして、血液事業の運営状況、これを確認、評価していくと。それから二つ目には、緊急事態等が起こった場合には機動的に開催いたしまして、安全性等に関する情報を速やかに共有、評価し、必要な措置等についての企画等もそこで御意見をいただくということを考えています。
 さらに、運営委員会は審議会の中のいわゆる血液事業部会の中に設置することを考えておりますけれども、当然、安全対策上そこだけに収まらず、いわゆる厚生労働省全体で対応しなきゃいけないという状況もありますので、別に今、厚生労働省の健康危機管理調整会議という健康危機管理体制がありますので、そことも緊密な連携を取りながら、必要に応じては全省的な体制が取れるという形もやっていきたいというふうに思っています。
 それで、いわゆる血液事業に関する事項につきましては、事業運営についてはまずはこの運営委員会で基本的には議論していただくということを考えておりまして、必要に応じてほかの関係の調査会なり部会の審議にゆだねる、あるいはそこと連携して行うということもあるでしょうし、最終的には審議会全体レベルで持ち上げて議論しなきゃいけないということもあるかと思いますが、まず最初にはこの運営委員会で血液事業に関する運営に関することにつきましては御審議いただくという形を考えております。
○山本孝史君 定期的に開催するというんですけれども、定期的、どのぐらいの頻度で開催されるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) これも審議会で御議論いただきますけれども、私どもとしては大体四半期に少なくとも一回ぐらいは開催するという頻度で開いてはどうかというふうに思っております。
○山本孝史君 四半期に一回ということは三か月で一回、春夏秋冬一回ずつやってみようかと、こういうことかと思うんだけれども、この運営委員会が、審議会の中の血液事業部会のところでこの運営委員会ができるわけですね。
 この事務局はどこが担うんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 事務局は、審議会全体がそうでありますけれども、医薬局で担当するということになります。
○山本孝史君 そうすると、医薬局が担当して、そこでいろいろな議案を作って普通の審議会と同じように三か月に一遍運営委員会を開いてと、こういう図式ですよね。
 大臣、恐れ入ります。
 日本の場合に、これ医薬局ですか、今は。医薬局が今御答弁のとおりに事務局を持って、それでそこに付随する形でここに運営委員会がいるという形になっているんですけれども、諸外国、とりわけ同じように薬害エイズを経験したフランスもドイツも別途の独立した組織を持つようになったんですね。今度、例のBSEの問題で食品の安全の部分を独立した委員会を作ろうかと、こういう話になっておりますが、従来と同じように医薬局が事務局を持って、必要があると思ったら開催をして何らかのことを審議してもらう、しかも、それは毎月やるわけでもなく三か月に一遍開かれるといったようなことで何らかの改善につながっていくんでしょうか、あるいはこれで改善されたというふうに大臣はお受け止めになるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 改善というのは何を中心にしてお話しになっているのかちょっとよく分かりませんが、血液需給ということを中心に考えていくのであれば、それで私は間に合っていくというふうに思います。
 ただ、今までのHIVの問題でありますとかCJDの問題でありますとか、こうしたことを繰り返さないという意味でどうしていくのかということであるならば、この審議会をそういうふうな形で薬務局の中が置くだけではなくて、ほかの分野もやはりここに加わってこないといけないというふうに私は思っております。
 やはり、いやそんなことはありません、ちゃんとやりますというふうに思っておりますけれども、血液を製造するというと言葉は悪いですけれども、造り出していくことを中心に考えていく分野と、それを監視をしていくところというのは、やはりそこはそれぞれの役割分担があるというふうに私は思います。
○山本孝史君 今提出されている法律でいきますと、医薬品の回収報告なり感染症報告なりあるいは副作用報告なりは厚生労働大臣に報告をすると、医療の関係者あるいは販売業者等が、になっているんですね。それで、それは実は前からそうなっているわけで、ところが、例えば薬害エイズのときなんかでもそうですけれども、血液病の研究者からいろいろ危ないんじゃないかという話は、厚生省には行ったけれども厚生省の中ではどこかへ行ってしまった、そこから先へ動かない、その状況を繰り返してはいけないというのが僕は薬害の反省のはずだと思っているんです。
 そのためには独立した機関を作った方がいいと思っているんですが、ちょっと検討するには時間が掛かるし、この食品の方の動きも横目で見ていかなければいけないと思っていますので、少なくとも今の法律の中でいえば、今回出ている法律でいえば、厚生大臣にそうした報告が上がってくる、厚生大臣はその報告をこの薬食審の中の運営委員会に報告を上げる、報告をもらった運営委員会はそれを協議をして、あるいはそういう報告がなくても運営委員会は運営委員会として動いて、必要なことがあれば調査して意見を厚生大臣に述べることができるという、ここのことを法律に書いておいた方がいいだろうというふうに今は思っています。少なくともその方がまだましだろうと。
 しかし、それでも十分じゃないというふうに思いますので、是非、この運営委員会の活動状況を見ながら、今、見直し規定が五年になっていますけれども、これを三年ぐらいの早い時期に見直しをして、その間に是非独立した安全監視体制を作って、あるいはそこまで作らなくてもいいぐらいのことをやっていれば別ですけれども、そういったもので検討するという形の是非これも修正を私はした方がいいというふうに思っています。ベストではないと思いますが、ベターだというふうには思います。
 もう一点確認をしておきたいというふうに思うんですが、海外から輸入されてくる原料血漿あるいは血液製剤について、その原料を提供した人にまで遡及することができるのかどうか、そういう体制にあるのかどうかということなんですが、遡及が可能であることについて厚労省の方はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の薬事法の改正の中で、いわゆる生物由来製品につきましては、ドナースクリーニングから製造段階あるいは市販段階まで、従来の一般の医薬品の安全基準に上乗せしまして、より安全を確保するための基準を入れています。
 その中に、今お話にございましたように、例えば輸入される原料血漿や血液製剤につきまして、もし何かの被害やあるいは感染等が起こりました場合に遡及調査ができるような体制が必要だということで、これは、そういった遡及調査を実施するために必要な原料提供者の記録等の保管、管理を適切に行うというような、いわゆる製造管理、品質管理等がきちんと行えるものをいわゆる許可要件にして、今度新しく製造販売、いわゆる元売承認という形の中でそれをチェックすることにしています。
 現実にもうそういった管理の体制につきましては、書面又は実地による調査、いわゆる立入調査で確認するという形にしておりますので、そういった遡及調査を行うことができるような記録の保管、管理等のシステムがない場合には当然そういった承認が与えられないという形になります。
○山本孝史君 外国製品については輸入業者のところをチェックして、ドナーリストがあるかどうかとか、ドナーのところまでさかのぼれるかどうかのチェックをするんですか。あるいは現場で、すなわちアメリカであればアメリカの現場の採血場のところでチェックをされるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) これは、今回の改正では、いわゆる国内市場に出す直近のところの輸入業者、輸入を担当している業者のところがいわゆる元売業者の立場に立ちますので、そこが市販後のいわゆる安全対策等について全責任を負いますけれども、ただ、輸入の場合ですと当然製造は外国の地になるわけでありますので、その外国の地におきます製造所、いわゆる工場等がきちんとその製造管理、品質管理、いわゆるGMPに合致した形での管理がなされているかどうかという点については、当該の外国へ出向いて、必要があれば出向いて実地による調査ということも行うことを今回の規定に入れております。
○山本孝史君 もう一遍確認ですが、現状でも入ってきている原料血漿のドナーは確認ができるんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 一応、細胞由来の製品につきまして基準を設けてドナースクリーニング等もやっておりますけれども、ただ、きちんとした遡及調査ができるまでの体制がその中で決められているかというと必ずしも十分でない面もありますので、今回はそれを法律レベルにおきまして、いわゆる記録の管理、保管とか、あるいはドナースクリーニングについての基準とか、そういうものをいわゆる原料採取段階から製造販売段階まで一貫して安全対策が取れるような形で整備いたしまして対象としております。
 そういう意味では、現在、基準という形ではやっておりますので、輸入物についてもそういった形ではできる体制になっておりますが、それをより法的な位置付けを明確にして強化していこうということでございます。
○山本孝史君 素人考えで申し訳ないんですけれども、例えばドナーリストなんというのは採血した場所にしかないわけですよね。日本の輸入業者のところに立ち入ったとして、立入調査をしたとして、そこでそこに原料血漿があったとして、そのロットのどこで集まってきていて、それでその人たちがどういう人たちでというリストがその場で確認できるとも思えないんですが、しかし向こうがそれで大丈夫だと言えば大丈夫だという話にはならないわけですよね。
 そこで、何らかの書類をチェックして、それでその原料血漿は日本で使ってもいい、パスをさせるという、こういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) これは、製造段階では当然その採取地の製造している場所においてそのドナーについての記録なり製造の記録は保管、管理しておくということが決められますし、それからいわゆる元売業者につきましては、それをどの販売業者、どの医療機関に納入したかという記録管理もしておりますので、例えばある医療機関でそういった被害が発生したということであれば、その元売業者を通じましていわゆるその製造所あるいは採取所の記録まで到達することはできます。
 それは日本のいわゆる輸入を担当している製造販売業者を通じて行うこともできますし、私どもが直接それを確認するということであればその外国の製造所、採取しているところまで私どもが出向いて実地に確認するということを予定しておるところでございます。
○山本孝史君 できるとおっしゃるんで、できないだろうと言っても水掛け論になりますから、実際のところ、制度が始まってできなかったときは大変なことになりますので、できるという体制をしっかり作ったんだということを、もう一度それも見せていただきたいというふうに思います。
 時々こういう御批判も聞くんですけれども、日本の場合に、今、献血を受け入れて、日本の国内献血も必ずしも安全ではないんじゃないかと、こういういろんな声が出てきているわけですけれども、日本の場合にルックバックできる期間は今何か月ということにしておられるんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 記録の保存期間のことでしょうか。これは現在、血液製剤につきましては、指導ベースでございますけれども、十年間の保存期間をお願いしています。
 それから、アメリカの例を取りますと、基本的にはアメリカにおいても十年間ということでありますので、現在私どもが考えておりますのは原則十年間という期間を基にいたしまして、ただ、特定の製剤についてはもう少し長い期間が必要ということであればそういったバラエティーも少し考えながら、原則は一応十年を中心に考えていきたいというふうに思っています。
○山本孝史君 記録の保存期間に行く前に、例えば日赤で今、国内献血から新鮮凍結血漿なり造りますよね。それを使えるようにする、使っていいよというところまでどのぐらいの期間を置くようになっているのか、あるいは指導しておられるのか、そこはどうでしょう。
○政府参考人(宮島彰君) 今おっしゃいました貯留期間でございますが、それは今四か月取っております。
 それから、今、各検体を必ず取って保存していることにしていますが、それは十年間検体は保存していただくということにしています。
○山本孝史君 四か月ということですが、四か月という期間が適当かどうかというのもいろいろ議論があると思いますけれども。
 さっき、記録の保存期間十年と、こういうお話しされましたよね。何でもアメリカ、アメリカとおっしゃるなと思うわけですけれども。何でかというと、フランスは四十年ですよね、献血記録の保存期間は。イギリスは三十二年、ドイツは利用した記録も、それからその献血の記録も十五年持っているわけですよね。なぜ一番短いアメリカが十年だから日本も十年でいいですという話するんですか。一番薬害エイズで、あっちは原因を作った方だけれども、一番痛い目に遭ったヨーロッパ諸国、みんなこれじゃ駄目だという思いを持って四十年、三十二年イギリス、ドイツ十五年とやっているんじゃないですか。なぜ相変わらず十年という話をし続けるんだと、こう思うんですけれども、もう少しそこを、ちゃんとした記録、今みたいな時代になっているんですから、コンピューターの時代になってきて、もっとちゃんとした記録持てるようになってきていますので、十年などということを言わずに、そこの期間はもう一遍検討し直された方がいいんじゃないですか。
○政府参考人(宮島彰君) 現在のところ、さっき言いましたように、血液製剤について十年を中心に保存していただいているというようなこと等を踏まえまして、一応十年を念頭に置いておりますけれども、いずれにしても、こういった記録の保存についての定着状況なり、今おっしゃいました外国の動向、こういうものを総合的に勘案しまして、最終的に決める場合は、当然審議会等で各方面の方々から十分御議論いただいて、どれだけの期間が適当かということを評価していただいた上で決めようと思っておりますので、今は一応、これまでの経過を踏まえて一応十年というのを念頭に置いておりますけれども、最終的にはそういうプロセスを経て決めていきたいというふうに思っています。
○山本孝史君 適正使用の問題、聞いておきたいと思います。
 本会議でも御指摘しましたように、血液製剤の使用量は非常に都道府県格差が大きい。多少古い資料ですが、十年十一月の厚生省調査で、アルブミン使用量は最大の北海道と最小の高知県で九倍、グロブリンは最大の京都府と最小の高知県で六倍の開きがある。同じように患者さんに使われていて、なぜこんなに大きな開きが出るのかと。
 この余りにも開きの大きいというか、たくさん使われているところをまず使用を制限しないと、お医者さんのそれは裁量権だ云々と言っている場合じゃないと私は思うんですね。ここを抑えないことには、やっぱり国内での百五十万の原料血漿で足りるという条件にはならないわけですよね。そこはどのようにして抑えていこうというふうにお考えになっておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 今お話ありましたように、血液製剤の使用量が都道府県によって大変格差があるということでございます。その要因は幾つか地域的なものがあるかもしれませんけれども、やはりその一つの要因としては、血液製剤の適正使用というのが必ずしも十分徹底されていない面も要因としてはあるんではないかというふうに推察されます。
 厚生労働省におきましては、昭和六十一年から血液製剤の使用適正化基準というのを設けまして、直近では平成十一年にこれを改定したものを血液製剤の適正使用の方針という形で示しまして、適正使用の徹底を図ってきておるところでございます。今お話ありましたように、特に重点的に取り組む必要のある都道府県につきましては、その使用実態の分析なり評価及び改善方策の検討を行うための事業を予算を付けて展開しているという点もございます。
 今般、この血液事業法という形で血液事業自体がきちんと法律的な枠組みの中に位置付けられるということでありますので、もう一度その枠組みを前提に血液製剤の使用に関するガイドラインの見直しを行いまして、より血液製剤の適正使用が徹底される方策というものを更に検討して、適正使用の一層の推進に当たっていきたいというふうに思っております。
○山本孝史君 血液行政の在り方に関する懇談会というのがありました。それの平成八年十二月十三日、第二回の懇談会が開かれて、その中で当時の日本輸血学会の湯浅晋治会長が、非常に都道府県格差が大きいことに関連をして、その原因の一つとして、アルブミンを薬剤部が扱う病院が多くて輸血部で、すなわち九四・六%までは病院の薬剤部がアルブミンの取扱いをやっていて、輸血部はわずか二・九%にすぎないんだと、こういう数字を出しているんですね。湯浅さんいわく、血液製剤が薬と同じ感覚で使われている限りこの格差は是正されない、一般の医薬品とは違うんだ、血液由来なんだということを是非認識してもらわなければいけないんだと、こういうお話なんです。
 輸血部を各病院に設置をしなければいけないと。輸血療法委員会は六千七百十五の一般病院中で千百十一病院にしか設置されておりません。六分の一です。それから、輸血部は二百二の病院にしかありません。国立病院や国立大学はどうなっていますかという話を聞きましたら、国立病院のどこにあるかは分からないというお話でした。センターにはあると思うけれどもなと。あとどこにありますかと言ったら、分かりません、こういう御答弁しか返ってきませんでした。文部省に聞きましたら、どこに輸血部長さんなり輸血部というのがちゃんとありますかと、輸血部長が教授定員として措置されているのは東京大学、名古屋大学、京都大学、定員措置した助教授を輸血部長としている大学病院は筑波大、金沢大、広島大。すなわち、ちゃんとした先生が部長としておられる輸血部は六つの大学病院しかない。あとは全部併任ということになっている。
 大臣、血液関係ずっとやってこられてよく御承知だと思いますが、これ、お薬とは違うんですと、輸血部というものがちゃんと設置されていて、その窓口のところで、何に使うんですか、さっき二百ミリリットルの血液の輸血なんてあり得ないんだ、こうおっしゃいましたけれども、なぜそんなに使うんですか、どういう症状なんですかということをやっぱり出口のところで規制をしないと、これはお医者さんがきっとちゃんと使っていくように教育されなくてそのままに使っているんだと思うんですね。だから、輸血部は非常に重要だと思うんですけれども、輸血部は重要であるという認識は多分共有できますね。いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 輸血というのは、何度も何度も実はチェックをしないと誤りが、間違いが起こるんですね。だれも間違いを起こそうと思っていないんですが、もう何度も何度も皆がチェックをするんですが、型を間違ったとか、違う人に輸血をしたとかというようなことがどうしてもなくならない。それで、そういうことを考えますと、やはり大きい病院でありましたら、大きい病院の中の輸血部というのがあって、そこでまずチェックをきちっとするということが大事だと思います。そして、その中の外科なら外科、整形外科なら整形外科へ行く。そしてまた、そこではまたもう一遍チェックをするという、それぐらいな体制が私は大事だというふうに思うんですね。
 その輸血部が、名前はともかくとしまして、それを中心にやるところがないと、各科と申しますか部といいますか、外科なら外科、産婦人科なら産婦人科のその手術場なりなんなりに任されてしまうわけですね。そうしますと、先ほどのお話じゃございませんけれども、それはそうすると何か血液というよりも薬を使うような感じで使われてしまうということがございまして、そこは違うというので私は輸血部というのが生まれてきたというふうに思っております。
 午前中にも御議論ありましたが、そうした経緯もございますしいたしますので、これは、大学は大学で人員が削減される、教授なら教授のポジションは削減される、そうした中でそうするとどこを削るかというような話になってまいりますと、ここを削ったらどうだということに私はなってくる可能性だってそれはあると思うんですね。輸血部でありますとか、例えば検査部でありますとか、そうしたところがすぐそれじゃどうだということになってくる可能性としてはあるんですけれども、ここは検査にしましても輸血にしましても大変、全体を支えるところで非常に目立たないですけれども、大事なところなんですよね。だから、そこをどうしていくかということは全体でこれは考えていかなければならない問題だというふうに思っております。
○山本孝史君 文部省、来ていただいていますが、先ほど櫻井委員も取り上げました「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマネジメント改革について」、私も読ませていただきましたけれども、これはいかに国立大学病院がもうかる病院に衣替えするかという話にしか僕には読めないんですね。今、大臣もおっしゃいましたように、やっぱり大変重要で、この中では、この提言では、輸血部は専任教員は要らない、そんなのは外注してしまえばいいんだ、薬剤部も外注すりゃいいじゃないかと、こういうふうに書いてあるわけで、これは絶対私は違うと思うんです。
 やっぱり、大学病院もうけるとおっしゃるのなら、それはもうける姿勢をもっと出せばいいと思うんです。そのときに、ただしそのときは、大学病院はこれは教育とそれから研修と研究機関であって、そこに善良な市民を巻き込んで実験材料にするような話はやめていただきたい。それから、ちゃんとした僕は病院としての姿勢を示してほしいと思う。
 だから、大学病院の在り方というものも、それは文部省がやっているから知らないんだという話じゃなくて、今、病院の在り方については全面的に見直しですから、大学病院もその対象にして私は当然見直されてしかるべきだと。そのときの見直しは、いかにいい医療を提供するかという観点から、あるいはいかにいいドクターを養成するかという観点からの見直しであって、その大学病院がいかにもうかる体質に変わるかというための見直しというのはそれは言語道断だと私は思いますが、文部省、御答弁してください。
○政府参考人(清水潔君) お答え申し上げます。
 大学病院の在り方について、私どもとしても、教育と研究と診療と、診療の場を通じた更に研究基盤と、そしてその場を通じた教育というものが三位一体となって正にその役割、機能を果たしていく、そういうものだというふうに考えております。
 繰り返しになりますけれども、マネジメント改革のレビューは、往々にして様々、大学病院の中で各診療科等々のセクショナリズム、縦割りのセクショナリズム、いろんな問題が指摘されている、そういう中で病院全体としてのその機能をどう充実していくか、そういうマネジメントを改革しなければならないという中で、病院長の方々が、言わばそういう中で改革の方向性というものを考えていこう、セクショナリズムをなくしていこう、患者本位の医療機能というものをもっと充実させていこうと、こういうふうなお気持ちの下にまとめられたというものと私どもは理解しているわけでございます。
 先生の御指摘のいろいろ大学病院に対する御指摘、あるいは輸血部についての御指摘も十分踏まえまして、また私どもは様々な各大学の改革、充実に向けての改革をどう支援していくか、こういう観点から仕事を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○山本孝史君 時間になりましたので、もうあとはお話しするだけになってしまいますが、もう一つの修正項目として是非、健康被害の部分は来年通常国会に法律をというふうに聞いております、あえてでございますが、確実なものにするという意味でも是非、献血者の、献血をした人の被害救済の部分も含めてどういう制度を作ったらいいのか、いい制度が作れるように検討をして、来年絶対にやるんだという意思を込めて、附則の検討事項、五年の見直しを三年にして、是非その中に書き込みをするということにしたいというふうに思います。
 今日は大変良かったと思います。大臣、もう一遍議事録を精査してみなければいけませんが、平成二十年までの間には着実に国内での献血によるところの原料血漿百五十万を達成して、外国製品ではなくて日本国内での製品で置き換えて国内自給を達成していこうということでおっしゃいましたので、我々もそういうふうに皆さんに献血を是非呼び掛けて、日本国内での献血の大切さを訴えていくということにも力を入れていきたいというふうに思います。
 時間になりましたので、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 薬事法、血液事業法の改正、これは悲惨な薬害を二度と再び繰り返さないためのものでなければならないと思います。その点で、法案審議に当たって、私は、現在大問題となっているC型肝炎をめぐる事実を徹底的に解明することが求められているんではないかと、そう思います。
 そもそもC型肝炎は、これは感染の経路が輸血あるいは注射、集団予防接種、そして血液製剤の投与、そういったことを通じて感染が広がったとされている。中でもフィブリノゲンによるC型肝炎というのは、これはその規模の大きさからも薬害エイズあるいはヤコブ病を上回るような、規模としては、薬害というふうに言えるんではないかと。
 私、大臣にまず基本的な認識をお伺いしたいんですが、日本ではフィブリノゲン製剤を二十八万人以上が使用した、そして一万人余りがC型肝炎に罹患した、感染したとされている。大臣は、このことの重大性と厚生労働省としての責任、このことについてどのように認識をされていらっしゃいますか。
○国務大臣(坂口力君) C型肝炎が非常に蔓延をしたということは、これは重大なことだというふうに思っております。
 フィブリノゲンのお話がございましたけれども、フィブリノゲンももちろんでございますが、その他、これは保存血液を含めて、かなり長い間に拡大をしてきたことは事実でございまして、大変重大なことだというふうに思っております。
 ただ、今までのHIVやCJDなどの場合と若干趣を異にしておりますのは、このC型肝炎のビールスが発見されたのは一九八八年ですか、八九年ですか、大体その辺だというふうに思いますが、それ以前から、血清肝炎あるいは輸血後肝炎として肝炎が発生するということ自体はずっと以前から分かっていたということであります。しかし、それは分かっていながらも、しかしその血液を使わなければ生命を維持することができないというようなことがあってずっとこれは使われてきたという経緯がある、そこは若干趣を異にしているというふうに私は思っておりますが。
 しかし、この血液、とりわけ血液製剤によりましてC型肝炎が広くこれが拡大をしたということは重大な問題であるというふうに思っておりまして、今日広がりました状態といったものにつきまして現在調査をしているところでございます。
○小池晃君 極めて重大だと思うんですね。そういう一般論で済ませられる問題なのかと。フィブリノゲンについて今日はちょっと徹底的に議論をしたいと思うんですが、これは一九六四年に製造承認されます。
 まず最初に、医薬局長にお伺いしたいんですが、一九六四年のフィブリノゲン製剤の製造承認の時点で、当時の厚生省はこのフィブリノゲンの肝炎発症の危険性をどのようにその時点で認識をされていたんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今お話しありましたように、昭和三十九年にフィブリノゲン製剤が承認されたわけでありますけれども、当時の厚生省がこの製剤を承認するに当たり肝炎の危険性をどの程度あるいはどのように認識したかということにつきましては、もう既に三十年以上経過しておりますので、現在ではなかなか明らかではないわけでございます。
 ただ、先ほど大臣からもお話ししましたように、今、関係の調査を進めておりまして、その中で何かそれに関するものが出てくるかどうか分かりませんけれども、現在の段階では明らかではないということでございます。
○小池晃君 昔のことだから分からないということで済ませられないと思うんですね。
 このフィブリノゲン使用による肝炎発生の危険性については、これは一九六四年の製造承認当時の添付文書があります。これは先日ミドリ十字、三菱ウェルファーマの方から厚生省に提出されているはずであります。
 この六四年当時の添付文書には、紫外線照射を施してあるが、この方法による滅菌は必ずしも血清肝炎ウイルスを含む全ウイルスの完全不活性化を信頼できないと記載をされております。
 ということは、この製造承認の時点で肝炎感染の危険性があるということは当然厚生省としては認識をされていたんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のように、三菱ウェルファーマ社から提出された承認当時の添付文書には、今お話しありましたように、肝炎ウイルスの完全不活化は信頼できない旨の記載がされております。したがいまして、旧ミドリ十字社としては肝炎感染の可能性を認識したものというふうに考えられますが、一方、厚生省側においてその当時この肝炎感染の危険性についてどの程度、どんな形で認識していたかということについてはちょっと現段階では明らかでないということでございます。
○小池晃君 そんなとんでもない話ないでしょう。製造承認したときの添付文書の中身を何で知らないんですか。添付文書の中身見ないで製造承認したんですか。そんなばかな話ないですよ。少なくとも製造承認の時点での添付文書で副作用の危険があるということは認識していたはずですよ。どうですか。
○政府参考人(宮島彰君) 三菱ウェルファーマ社から出された添付文書の中の記載は今申し上げたようなことでございますけれども、いわゆる厚生労働省側で承認に当たりましてどの程度危険性について評価といいますか認識していたかということについては今定かではないということであります。
○小池晃君 いや、おかしいです。だって、薬事法でも添付文書の記載というのはこれは規定されているわけですから、承認されるときの添付文書の中身について当然厚生省としてそれは知らなかったで済まされないでしょう。それは当然厚生省として内容については確認しているんじゃないですか。それをどう評価したかは今記録が残っていないにしても、その時点でその中身について厚生労働省として承知をしていたということはこれは当然のことじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(宮島彰君) 承認当時においてはおっしゃいますように添付文書に記載された事項について承知していたものと推測されるわけでありますけれども、その肝炎危険性をどの程度、レベルとしてどういった形で危険性を認識していたとかということについてはちょっと現在では定かではないということでございます。
○小池晃君 当然これは見ていたんですよ。承知していたんですよ。
 そしてさらに、製造承認時の効能・効果ですが、これは添付文書には、フィブリノゲン欠乏症に用い、特に早期胎盤剥離に伴って起こる重症な出血を防御する、臨床応用としてはフィブリノゲン欠乏症による急性胎盤早期剥離、広範な外科的処置、先天性又は後天性慢性低フィブリノゲン血症を挙げております。
 これは、先ほど議論あった先天性低フィブリノゲン血症の場合はこれはフィブリノゲンの投与が欠かせないと。しかし、これはごくまれな疾患であって、二〇〇〇年度の全国調査報告書によれば全国でわずか四十三名ということであります。一方、そのほかの、いわゆる後天性ということでくくられていますが、出産時の胎盤早期剥離、あるいは重症の外科手術の場合、広範な外科処置の場合、これははるかに症例数が多いわけですね。
 私は、この承認時に効能・効果についてこのように幅広く用法を認めたということがその後の被害拡大につながったと言えないかと思うんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘のように、昭和三十九年の承認時におきまして、いわゆる低フィブリノゲン血症の治療ということで先天性のほかに後天性のものについてもこの効果を認めて承認しているわけでありますけれども、そのときにいわゆる肝炎感染の危険性をどのように認識してそういった承認を行ったかということはちょっと現在のところ明らかではありません。
 ただ、平成十四年四月五日付けで三菱ウェルファーマの報告書、出された報告書によりますと、現在におきましてもドイツ、オランダ、オーストリア等のヨーロッパ諸国においては先天性以外に後天性の低フィブリノゲン血症についても適応として認めているということも報告されておるところでありますので、現在、外交ルートを通じまして、こういった海外規制当局についても事実関係を今照会して調べているというところでございます。
○小池晃君 都合のいいことだけはよく覚えているっしゃるようですけれども、分からない分からないって、昔のこと分からないで済ませるんだったら厚生省なんて要らないんですよ、素人がやっているんじゃないんですから。こういう重大なことをきちっと記録も残しておかない、こういうところに本当に血液行政に対する不信感をあおる私は大きな原因があると思いますよ。
 分からないとおっしゃるけれども、分かる部分がかなりあるんですよ。その問題をちょっと議論していきたいと思う。
 このミドリ十字のフィブリノゲンの添付説明書を読みますと、大変面白いことが分かります。これは副作用についての記載が年々年々変化していくんです。年を追ってだんだんだんだん安全だという書きぶりに変わってまいります。
 例えば、一九六四年六月、ウイルスの完全不活性化を信頼することはできない、わざわざ四角で囲んで強調してあるわけですね。それが六五年の十一月には、血清肝炎予防に最善を尽くしているが現段階では完全不活性化は保証することができない、ちょっといろいろただし書が付いてくるわけです。そして、六六年の十二月にはどうなるか。肝炎発症率は極めて小さく、また罹患してもその症状は重篤ではない、こう書いてあるわけですね。六八年の六月になると、こうなります。わずかに二例の黄疸(肝炎)発生の告知を受けただけであった、多くの医師において本品の使用による肝炎発生は経験されていない。もうどんどんどんどん安全だというふうに書いていくんですよ。
 この六八年の添付文書は七四年までそのままなんですね。多くの医者は、肝炎発生経験していないと書かれたら、これは安全だというふうに受け取られるでしょう。安全な薬だというふうにこれ添付文書でお墨付き与えているようなものなんですよ。医者に対してこれは安全だからどんどん使いなさいと言っているようなものなんですよ。
 私は、先ほどの話に立ち返りますけれども、厚生省はこんなふうに当然添付文書がどんどんどんどん内容が変わっていったと知っていたはずだと思うんです。こんなふうにどんどんどんどん安全だと書き換えられていったことについて、これをそのまま放置したんですか、それとも何かこれ対処したんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 添付文書に対する対応につきまして、過去の状況を調べましたところ、添付文書につきましては、昭和五十六年一月以降につきましては、その記載状況を把握し安全対策の推進を図るため、その内容を変更した際には当該添付文書を提出するよう指導をしてきているということでございますが、他方、いわゆる五十六年一月前につきましては、添付文書の内容の変更についてはその都度旧厚生省に報告するよう指導はしていなかったということから、添付文書の内容をその都度把握していたかどうかということについては不明であるということであります。
 いずれにしましても、今、フィブリノゲン製剤につきましては調査をしておりますので、その中で何か明らかになってくればまた御報告したいというふうに思っています。
○小池晃君 うそを言っちゃいけませんよ。三菱ウェルファーマの報告書にちゃんと書いてあるじゃないですか、一九七四年に厚生省薬務局細菌製剤課が指導をしたと。そして、旧ミドリ十字は本剤の使用によりまれに血清肝炎に罹患することがあると改訂したとウェルファーマ社の報告書に書いてあるじゃないですか。七四年に当時の細菌製剤課が旧ミドリ十字に指導したんでしょう。書いてありますよ。どうなんですか、その点は。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘の報告にはそういった記載がありますけれども、いわゆる厚生省サイドといいますか、行政サイドにおいてそれについて指導が行われたか否か、また行われたとすればどんな形で行われたのかという点については現時点ではちょっと確認できていない状況であります。
 このため、更に三菱ウェルファーマ社に対しまして四月二十二日付けで承認取得以降現在までの添付文書の記載内容の変更理由を厚生労働省に報告するよう今報告命令を出しているところでありますので、その報告を待ってその変更についての理由を明らかにしていきたいというふうに思っています。
○小池晃君 大臣、お聞きになっていたと思うんですけれども、おかしいと思いませんか。
 これ、私は、どう考えたってこのストーリーは、これミドリ十字の添付文書はどんどんどんどん安全だというふうになっていったと。それで恐らく厚生省、これじゃまずいと思ったんだと思うんですよ。このまま放置しておいたらまずいということで、私はこれは正しいことをやったんじゃないかというふうには思うんですが、細菌製剤課はこれ書き直せと指導したんじゃないかと。だから、ウェルファーマ社の報告書にもそう書いてあると。
 私、そういう経過だと思うんですけれども、これ、どうですか、大臣、今のお話聞いていて、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
○国務大臣(坂口力君) 推測する以外にありませんからよく分かりませんけれども、しかし、その添付書類にどう書いてあるかは別にして、もう多くの人の血液を集めて造り上げましたフィブリノゲンから肝炎が発生することはだれしも予測できることであります。普通の保存血液、一人一人の血液ですら出たんですから、二〇%も三〇%もこれは出たわけでありますから、ましてや何千人という血液を集めてそこから造り出したものは、当然のことながら、そこから起こるということは、それは添付書類云々の話ではなくて、医療従事者の皆さん方はよくこれは御存じであったと私は思うんです。
 二例とか三例とかというようなことがたとえ書いてあったとしても、それをお使いになる先生方は、自分が使った中から何人この血清肝炎の人が、その当時はまだC型肝炎ということは分かりませんでしたから血清肝炎あるいは輸血後肝炎とかいうような言葉で言われておりましたし、もう少したちますと非A非Bというような言い方に変わってはきましたけれども、C型肝炎というのはまだ菌もビールスも発見されていないし分からなかった時代でありますから、肝炎が発生するということはお使いになる先生は十分に私は御存じであったと思うんですね。
 その一九八〇年代におきましても、例えば産婦人科なら産婦人科の書物を見てみましても、重篤な出血の場合に最も使うべきものとしてフィブリノゲンが挙げられているというようなこともございまして、これはやっぱり医学界においてはかなり、いろいろ問題はあるけれども、しかしいざというときにはこれは必要だという認識が強かったというふうに私は思っております。いい悪いは別ですよ、いい悪いは別だけれども、そういう医学界における雰囲気があったことは事実だと私は思っております。
○小池晃君 その当時、C型肝炎ウイルスは発見されていなかったと、そういう議論は私は成り立たないと思うんです。だって、ヤコブ病だってプリオンというのは発見されていなかったんです。そのときのことが大変問題になっているわけです。
 私は医療現場の問題を言っているんじゃない。日本全体の血液製剤、薬剤についてもう全体を責任を持って当たるべき厚生労働省としての姿勢を問うているんです。その点でいうと、これ、私、大変この添付文書の経過というのは非常に問題が大きいと。
 私、この経過を見ると、どう考えてもその時点で、七四年の時点で厚生省は、当時の厚生省はフィブリノゲンによる感染肝炎の危険性というのを単に知っていただけではなくて、局長、お聞きしたいんですが、これは単に知っていただけじゃなくて、添付文書の改訂を指導する、それほど重大視していたというふうに私は考えるんですが、そういう指導を行ったんじゃないですか。そういう立場で指導を行ったということなんじゃないですか。
○政府参考人(宮島彰君) 繰り返しになって恐縮ですけれども、三菱ウェルファーマ社からの提出した報告書には、四十九年、一九七四年の改訂には細菌製剤課の指導があったという記載がありますけれども、それがどういう指導であったかということについては全く今こちらのサイドで今のところ明らかでないわけでございます。
 したがいまして、先ほど言いましたように、今調査を進めておりますので、そういった中で何か明らかになってくればまた改めて御報告したいというふうに思っております。
○小池晃君 七四年にそういうことをやっていたとしたら、七七年にFDAの取消しを見逃したということの重大性が一層これは重大になってくるわけですね。
 ちょっと引き続き議論したいんですが、この指導の結果どうなったか。七五年十一月にはフィブリノゲンの「使用上の注意」にこういう文章が加わります。アメリカでは本剤の使用により一五%から二〇%の急性肝炎の発症があるとの報告があり、使用の決定に際しては患者のリスク負担と投与によって受ける治療上の利益とを秤量、はかりに掛けて比べるべきだとされていると。
 ちょっとお聞きしたいんですが、この記述の根拠となっている文献、御存じですか。
○政府参考人(宮島彰君) ちょっと今、手元にございません。
○小池晃君 これは、これなんです。一九七三年のアメリカ医師会のAMA「ドラッグエバリュエーション」、「薬剤評価」という文献です。これ、ちゃんとミドリ十字の添付文書に引用、これだって書いてありますよ。
 これ、取り寄せてみました。全く同じ文章が書いてあるんです。ここには、フィブリノゲンによって起こる急性肝炎の発生率は一五%から二〇%という研究があるというふうに紹介されている。これがミドリ十字の添付文書に引用されているんですね。
 もう一度お聞きしますが、厚生省はこの一九七三年のアメリカ医師会の指摘を知っていたからこそ、これ七四年に細菌製剤課は指導したんじゃないですか。私はその疑いが極めて強いと思うんですが、どうですか。
○政府参考人(宮島彰君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、いわゆる厚生省サイドでどういう指導をしたかについてはちょっと現段階では明らかでございませんので、今その調査を進めているというところでございます。
○小池晃君 全く同じことしか言わないんですが、フィブリノゲン投与の危険性についてはこの論文以前から指摘があるんです。
 私たちが調べたところでは、一番古いのでは、一九六六年、雑誌「JAMA」、アメリカ医師会雑誌、極めて有名な雑誌です。この「JAMA」の一九六六年二月七日号に、メインウェアリングというんですか、ちょっと発音分かりませんが、論文が出ています。フィブリノゲンにより感染した肝炎のコントロールスタディ、これによればフィブリノゲンによる肝炎発症率は六%から三五%とされています。この論文、こう書いてあるんですね。フィブリノゲンの投与は肝炎感染の相当な危険があるため、生命の危機的な状態に限って使用されるべきである、一九六六年にこういう指摘が「JAMA」でされております。それから、一九七二年五月一日の「JAMA」、ここに掲載されたグラディらの論文、合衆国における輸血後肝炎の危険性、ここでは肝炎の発症率は一九%と指摘をされています。さらに、「アナルス・オブ・インターナル・メディスン」、これも有名な雑誌ですが、この一九七二年六月号に掲載されたウェストファルらの論文では、二五%から三〇%の肝炎発症率と指摘をされている。このようにフィブリノゲンの投与による肝炎の感染率は極めて高率であった、これが一九六六年の段階からアメリカのかなり有名な医学雑誌で明らかになっていた。
 こうした事実、厚生省としては御存じだったんじゃないんですか。だからこそ、ミドリ十字のこの添付文書を書き直させると、そういう指導を行ったんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょう。
○政府参考人(宮島彰君) 何度も恐縮でございますけれども、今御指摘の点も含めまして現在ちょっと幅広く調査しておりますので、そこで事実関係が判明したものにつきましてはまた改めて御報告したいというふうに思っております。
○小池晃君 外国の研究だから知らないんだというふうに言われるのかもしれませんが、ここに一九七三年に発行された「生物学的製剤基準解説」というのがございます。これは社団法人細菌製剤協会の発行です。厚生省薬務局監修とされているんです。あなた方が作った文書ですよ。外国の雑誌の文献じゃないですよ。この一九七三年の厚生省薬務局監修の文書に何て書いてあるか。
 ここではWHOによる研究が紹介されている。血液及び血液製剤による血清肝炎の頻度についての報告が紹介されているんですね。全血の肝炎感染の頻度が通常一%以内なのに対して、フィブリノゲンによる肝炎感染の頻度は七%以内と紹介されている。アメリカの文献より頻度は低い。しかし、全血に比べてフィブリノゲンの感染率が高いということが明らかになっている。
 これ、厚生省、しかも薬務局が作った、監修した文書に一九七三年の段階で出ていた。厚生省が七〇年代の前半に、今問題になっている七七年以前の七〇年代の前半、遅くともこの文書で、これが発行された一九七三年より以前に、フィブリノゲンによる肝炎感染について、この危険性注目していた。だからこそ、添付文書改訂行ったんじゃないかと。
 私は七〇年代前半にあなた方薬務局がフィブリノゲンの危険性について注目していたということは間違いないと思うんですが、その点どうでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘の基準は、当然、私どもの方で作った文書でございますので、そこに書かれている記載事項については当時のいわゆる薬務局が認識したということは推察されるわけでございます。
 ただ、そういった感染率についてどのような評価をし、またこの旧ミドリ十字に対してどういった指導をしたのかという点についてはちょっと現在のところまだ明らかではないということでございます。
○小池晃君 これ、私重大だと思うんですよ。新聞報道も含めて、七七年のFDAの承認取消しの前後の問題が非常に問題になっていますけれども、それ以前に、七〇年代前半から、あるいは遅くとも七三年にはフィブリノゲンの危険性ということについて承知をされていた、非常に注目していた可能性が極めて高いと私は思うんです。
 昔のことだから分からないというふうにおっしゃるんですが、大臣、お聞きしたいのは、今、厚労省、内部調査をやられています。しかし、この内部調査の対象は七七年のFDAの製造承認取消しの経緯についてだけなんです。その前後の担当官にしか聞いていません。これでは全く私は不十分だと思うんですよ。少なくとも、この七四年の添付文書を改訂した、指導したというふうに三菱ウェルファーマは言っているわけです。そして、その前後の文献からも厚生省知っていた可能性あると。
 私は、この内部調査の対象について、特に七四年の添付文書の書換えの経緯について徹底的に調査をすべきだというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) ですから、先ほどから私は申し上げておりますように、それは昭和三十年代からもうこの保存血液から肝炎が発生することは言われていたわけでありますから、そこから造ります血液製剤によって肝炎が発生することは、これはもう医学的常識として当然のことでございます。だから私は、それは厚生労働省といえども、現場に当たっていない人間といえども、やはり最初からフィブリノゲンによって肝炎が発生する確率があることは当然私は知っていたと思うんですね。
 ただし、そのことが、それと医療行為、それによって医療を行って、それによって患者を救うということとのこれはバランスの上でどう考えていたかということが今問題だというふうに私は思いますけれども、その当時はそれは、先ほど申しましたように、C型肝炎というビールスがあることはそれは分かっていなかった。しかし、肝炎を起こすということは分かっていた。それは僕は当然だと思うんですね。
○小池晃君 全然答えになっていないですよ。私が言ったことに全然答えていないです。
 私が言っているのは、あなた方分からない分からないとおっしゃるから、七七年まで、七七年前後の経過しか調べていないでしょうと。そうではなくて、七四年の添付文書の書換えの経過についても非常に重要なこれ疑いあるから、ここを調査すべきだと言っているんですよ。そのことについて大臣にお伺いしたい。
○国務大臣(坂口力君) ですから、そこは私は、その添付の問題云々ではなくて、それはやはりもっと前から血清肝炎が発生するということは分かっていたということを私は言っているわけです。だから、その時点がどうのこうのではなくて、その前から続いてきたということは、それは私は十分察することができるというふうに私は申し上げているわけです。
○小池晃君 大臣は一般の医療現場の問題と血液行政の全国の中心に座る厚生省の役割を混同されていると思いますよ。幾ら現場でそういう医学常識がまかり通っていって使用されたとはいえ、厚生省というのは最新の知見を常に、国民に対する責任あるわけですから、それをとらえて、それを実際の行政に生かす責任があるわけですよ。門番としての、危ない製剤が入ってくるかどうかということの日本の門番としての役割があるわけでしょう。それがヤコブ病の和解でもちゃんと指摘をされたじゃないですか。そのことが全く分かっていないんじゃないですか。
 私、驚くべきですよ。この調査もしないんですか。だって、さっきから言っているじゃないですか。七四年に厚生省が指導しましたというふうに相手方は言っているんですよ、ウェルファーマ社は。で、厚生省の方はそのことが分からないと言っているんであれば、少なくともこの経緯について調査をすると、これぐらいやらないでどうするんですか。少なくとも最低限の責任果たしたことにならないんじゃないですか。
 私は、今の調査では不十分だから、七七年のFDAの取消しの経緯だけじゃなくて、七四年のこの経緯、かなり重大だと思うんで、ここまで調査対象を広げるべきだと言っているんです。この点について、イエスかノーかというふうに答えていただきたい。
○国務大臣(坂口力君) それは、その調査もそれは必要でしょう。しかし、先ほど申しましたように、保存血液のときから、最初は、売血のときには一人一人の血液であるにもかかわりませず五〇%の人が血清肝炎にかかっていたわけでありますから、そうおっしゃるのであれば、もうその時点にさかのぼって、なぜその保存血液をそれじゃ認めたかというところからいかないとこれはいけないわけで、かなり前にさかのぼって考えなければならない問題だということを私は指摘をしているわけです。
○小池晃君 調査の必要性認めたんで、それ調査広げていただきたいと。調査必要だというふうにおっしゃいましたね。調査はやっていただきたいと思います。代わりになる手段の問題は後で議論したいと思います。
 この危険性が指摘をされて添付文書を書き換えられた。危険性が判明して添付文書まで書き換えられたならば、使用量というのは減少していくはずなんですね。
 そこでお聞きしたいんですが、昭和四十一年以降の分かっている範囲で、フィブリノゲンの販売量はどのように推移をしているでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 本年四月に三菱ウェルファーマ社から提出されましたフィブリノゲン製剤の添付文書の記載事項から推測いたしますと、昭和四十一年から四十二年におきましては年間平均約一万六千五百本、昭和四十三年から四十五年には年間平均約二万五千六百本、それから昭和四十六年には年間約三万四千七百本、その後の昭和四十七年から五十年の実績は不明でございますけれども、再評価申請資料の記載事項から推測いたしますと、その後の昭和五十一年から六十年には年間平均約六万二千三百本であったというふうに推測されます。
○小池晃君 驚くべきですね。もう倍々ゲームのように増えているわけです。激増しているわけですね。危険だということが指摘をされていながら、逆にその使用量が増えているわけです。
 私は、このように肝炎感染の危険性が指摘をされ、同時に治療上のリスクと利益をはかりに掛けて、できるだけ使用すべきでないというふうに指摘されていた薬がこのようにどんどんどんどん年々使用量が増えていくと、私はこれは異常なことだというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) いわゆる、今、大臣からお話しありましたように、輸血後肝炎の発症率が高いことは従来から明らかになっておりましたけれども、フィブリノゲン製剤について、昭和四十年代、今申し上げましたように、昭和四十年代以降販売量が増加してきているということですけれども、その理由は現在のところ定かではございません。
 しかし、ちなみにフィブリノゲン製剤以外の輸血用血液製剤の年間供給本数を見てみますと、昭和五十年から六十年までの十年間に三百二十万本から一千四百七十万本と四倍以上に増加しているということもございます。
○小池晃君 全体が増えているからフィブリノゲン増えてもいいんだという話にならないでしょう。フィブリノゲンについてはとりわけ危険性指摘されていたわけですから、そういう中でどんどん増えているのはおかしいじゃないかと。これ、フィブリノゲンについては、危険性だけじゃなくて有効性についても疑問だという声が出ていたと。それなのにどんどん増えている。おかしいじゃないかと言っているわけですよ。
 お聞きしますけれども、その添付文書の書換えが指導されたとされる七四年当時の厚生省薬務局長、だれでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 昭和四十九年当時の薬務局長でございますけれども、昭和四十九年十月までが松下廉蔵氏でございます。その後は、十月からは宮嶋剛氏が就任しております。
○小池晃君 松下廉蔵氏の厚生省退職後の経歴を紹介していただきたい。
○政府参考人(宮島彰君) 松下氏は、この薬務局長を最後に退官いたしまして、その後いわゆるミドリ十字、旧ミドリ十字の会長、それから財団法人の内藤医学研究振興財団理事長などを歴任しております。
○小池晃君 七九年ミドリ十字副社長、八三年ミドリ十字社長。フィブリノゲンの危険性を指摘をして、添付文書の改訂を指示したとされる七四年当時の薬務局長は松下廉蔵氏なんです。その松下氏が退職後ミドリ十字に天下っている。初めての天下り社長になったんです。そして、松下氏が社長のときにフィブリノゲンの販売量は毎年のように激増していった。正にこれ、官と業の癒着によってこれだけの危険な製剤の危険性にふたがされて、企業はどんどん売上げを伸ばした。深刻な被害が拡大した。
 しかも、ミドリ十字は七八年一月にはアメリカでの承認取消し知っていたんですね。これはフェデラルレジスターが出て、それを社内で回覧している文書、厚生省の文書の中にもあります。知っていた。それにもかかわらず販売拡大し続けたんだ。八一年にはフィブリン糊研究会を開いた。薬事法の承認外であるのりとしての使用を知らせるパンフを配布をした。八〇年からピークの八六年までに約二万本、三割の販売量が増えている。
 私はこのミドリ十字の責任というのは極めて重大だと考えますが、その点はいかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今の御指摘のありました経過につきましても、旧ミドリ十字、現在の三菱ウェルファーマ社に対しまして事実関係を解明するためにいろいろ報告を求めているところでございます。そういうものを総合的に評価いたしまして、事実関係をできるだけ早く明らかにしていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 私は今、事実関係だけを言ったんですよ、既に明らかになっている。松下氏の経歴も事実関係です。フィブリノゲンの販売量も全部事実です。そして、ミドリ十字が七八年承認取消し知っていたのも事実です。全部事実です。この事実を踏まえてどう考えるかというふうに聞いているんですよ。
 大臣、お聞きしたいんですが、この経過を見て、このミドリ十字の責任、私が申し上げたのは今の事実経過だけですよ、これは明らかに、危険性、FDAが取り消したというのを知っていたんですから、その中でどんどん増やしていったということの責任は明らかじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 私はミドリ十字、旧ミドリ十字の責任というものもやはり明確にしていかなければならないというふうに思いますが、このC型肝炎の問題というのはフィブリノゲンという問題だけに矮小化してはならない、もっと私は範囲の広いことだというふうに思っております。したがって、そこを明確にもっとしていかなければこの問題の本格的な解決にならない。ただフィブリノゲンの問題だけを、これを片を付ければこのC型肝炎の問題が片が付くわけではありません。そのことを私は主張しているわけです。
○小池晃君 そんなこと言っていません。私だって最初に言ったでしょう、このフィブリノゲンの問題だけじゃないと。輸血の問題もある、注射の問題もある、予防接種の問題もあると最初に言ったじゃないですか。その中でとりわけこの問題については厚生省の関与が極めて私は明確だということで取り上げているんですよ。こういう問題の解明なしに、私、本当に国民の立場に立った血液行政、薬務行政なんてあり得ないと思いますよ。徹底的に事実解明する必要があると。
 先ほどから言っているように、厚生省はこの危険性を知っていた可能性があると。ミドリ十字の責任ということは大臣おっしゃった。同時に、販売量がどんどんどんどん増えていった。このことを放置した。そして、アメリカが承認取消しを行った一九七七年に至っても何の手も打たなかったわけです。これ、私、薬害ヤコブ病を思い出すんですよ。以前からいろんな指摘があった。しかし、アメリカは承認取り消した。そのときに何の手も打たなかった。そして日本では販売続けた。そして被害が広がった。私は、危険性を承知しながら見逃した厚生省の責任というのは極めて大きいと。
 大臣は先ほどから、輸血やっていたんだと、輸血については危険性みんな知っていたんだと言うけれども、やはりとりわけその中でも濃縮製剤で非常に危険性が高いということが以前から指摘されていたフィブリノゲンについていえば、これは、とりわけやはりこの経過についての厚生省の関与というのは、私は、徹底的に調査する必要あるし、責任を解明する必要があるというふうに考えますが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) ですから、私は、このフィブリノゲンのことについて、ある時点から厚生省が知っていた可能性があるというふうにおっしゃいますけれども、私は当然知っていたと思うんですね、それは。可能性どころじゃなくて、それはもう当然のこととして知っていた、そのことを医療とのバランスの上でどう考えたかということが私は問題だと、問題点としてはそうだと私は思っています。
○小池晃君 だとすると、いよいよ重大なんですよ。七七年にFDAが製造承認取り消したときに、大臣も記者会見で、厚生省は知らなかったようだというふうにおっしゃっている。厚生省は危険性を知っていたと、当然知っていたはずだというのであれば、それは注目してしかるべきですよ、この薬についてどうなのか。それで、アメリカが製造承認取り消した。だったら、直ちに日本としてどうすべきか。直ちに手を打つべきじゃないですか。知っていてFDAの承認取消しを見逃したとなったら、これは責任重大だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) FDAのことを知っていたかどうかは私は分からなかったから知らなかったようだというふうに言ったわけです。
 しかし、事この血清肝炎が起こるということは医療の場にある者は分かっていた、そのことを私は申し上げているわけであります。
○小池晃君 いやいや、大臣、ごまかされていますよ。先ほどおっしゃったのは、フィブリノゲン危険だというのは知っていたというふうに大臣言ったんですよ、厚生省は。そうおっしゃいましたね。フィブリノゲンの危険性は当然厚生省は知っていたんだと、そういうふうにおっしゃったと。確認したいんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 当然のことながら、血液製剤でありますから、血液によって血清肝炎が起こります以上、その多くの人の血液を集めて造ります血液製剤はやはり起こる可能性があるということは当然それは分かっていたでしょう。しかし、そのこととこの効果との見合いの問題であった、それをどう判断をしたかということが私は問題だということを指摘しているわけで、当然のことながら、それは分かっていたのではないかということを私は申し上げているわけです。
○小池晃君 ですから、当然のことながら、特に保存血あるいは濃厚赤血球等よりも極めて危険性が高いということを当然知っていたと。だとすれば、一九七七年にアメリカが製造承認取消しを行ったということについて知らなかったということでは済まされないんではないかと。当然、危険だということであれば、そのことについて注意深く見守るべきだし、もしアメリカで取消しなんということになったらすぐに日本でもそういう対応を検討すべきだったんじゃないですか。全く注目していないで、アメリカでそういう措置をして知らなかったという話じゃないわけですから、当然危険性を承知していたと。
 危険性を承知しながら見逃した責任というのは私は大きいのではないかというふうにお聞きしているんですが、その一点に限ってお答えいただきたい。
○国務大臣(坂口力君) それは、アメリカでそういうことがあったということをあるいは知らなかったかもしれない、それははっきりしないわけですから、その当時の人が知らなかったと言えば知らなかったんでしょう。
 だから、私は、そのことを今言いましても、知っていたか知らなかったかということははっきりしない。ただし、アメリカの方がそれを取り消したその理由としてはB型肝炎のことを挙げているわけですね、かなり。そのことも私たちは今整理をしていかなけりゃならないというふうに思っています。
○小池晃君 いや、それは三菱ウェルファーマの言い訳そのまま言っているだけですよ。フィブリノゲンの投与によって発生した肝炎はB型肝炎だけだったんですか。違いますよ。これはB型でない肝炎も発生していたわけですよ。
 ちなみに、一九七四年にはもう非A非B型肝炎というのは概念はできていたと。だとすれば、B型肝炎のリスクだけ除去すれば安全なんて言えるわけないんです。あのアメリカFDAの勧告あるいはフェデラルレジスターを見ても、あれを見てB型肝炎だけが心配なんだなんということは読めないですよ。
 その証拠に、このミドリ十字の社内の回覧した文書の中にも何と書いてあるか。FDAはヒトフィブリノゲンの認可を取り消し、販売等を禁止したと、この処置はフィブリノゲンの効果が疑問であり、肝炎伝播の危険性が高いことだと。B型肝炎なんて一言も書いてないんですよ。B型肝炎がどうのこうのというのは後知恵なんですよ。
 大臣、もう一回聞きますけれども、私が聞いていることに答えていないんです。私は、知ったか知らなかったか、大臣が知っているかなんというそんなことを聞いているんじゃないんです。危険性を承知していた、危険性を承知をしているというふうに大臣おっしゃいました、このフィブリノゲンの危険性は当然承知していたと。当然、危険性を承知していたんであれば、それを見逃したということの責任は重大なんじゃないですかと私は極めて当たり前のことをお聞きしているというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) そのことを言うならば、保存血液を認めたこともこれはどうだということになってくるということを私は申し上げているので、私、そのフィブリノゲンがいいと言っているわけじゃないんですよ。だけれども、フィブリノゲンだけにこの問題を矮小化してしまっては大きなものを見落としてしまうということを私は申し上げているわけです。
 それはB型肝炎もあったでしょう。そのほかの肝炎も当然あったでしょう。しかし、そのころはC型肝炎のビールスというのは発見されてなかったんですから、だからそれは輸血後肝炎とか血清肝炎という言葉で表現されていた。だから、肝炎というものが起こり得るということはやはり私は分かっていたというふうに思わざるを得ないということを私は言っているわけです。
○小池晃君 全然答えないので、全く答えられないのでちょっと論点変えたいと思うんですが、大臣は仕方ない仕方ないと、仕方ない仕方ないというふうにおっしゃいますが、フィブリノゲンによる肝炎の危険の一方で、確かにフィブリノゲンの不足による出血というのもこれ重大なんです。だから、ほっとけというふうには私も言いません。手だて必要だったということは確かだと思うんです。だからといって、フィブリノゲンの使用がやむを得なかったのか、ほかの手段なかったのかと。そうじゃなかったんですね。フィブリノゲンの代わりになる製剤はあったわけです。それはクリオ製剤であります。
 七七年にFDAがフィブリノゲンを承認取り消した理由でも、このフェデラルレジスターでは指摘しているんですね、クリオ製剤があるからいいんだというふうに言っているわけです。七〇年代の研究を見てもクリオ製剤の使用が推薦されている。
 例えば、一九七七年の「トランスフュージョン」、この雑誌の第一号には「クリオ製剤のフィブリノゲンの生体での安定性について」という論文が出ています。クリオ製剤のフィブリノゲンは肝炎のリスクが低く、フィブリノゲン投与の際には優先される材料であるというふうになっている。
 また、雑誌「トランスフュージョン」の一九七八年の第二号、「フィブリノゲン、危険性に値する利益があるか」、こういう論文が載っています。ここでは、大抵の場合フィブリノゲンの投与は必要ないが、もしも必要であればクリオ製剤を使用することが適切であると言っている。フィブリノゲンの欠乏症の場合、望ましい治療はクリオ製剤によって達成されるともある。
 さらに、先ほど私紹介したアメリカ医師会、AMAの「ドラッグエバリュエーション」、ここにも何とあるか。一九七三年ですよ。クリオ製剤はプールされた材料の持つ肝炎の高いリスクを避けることでフィブリノゲンの効果的な原料として使われるというふうに指摘をされているんです。
 フィブリノゲン危険だからクリオ製剤を使用すべきだと七〇年代前半から指摘をされていた。これしかなかったんじゃなくて、クリオ製剤あったわけですから、私は、フィブリノゲンの代わりにクリオ製剤の使用を勧めるべきでなかったのか、厚生省はそういう措置を取るべきでなかったかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) フィブリノゲン製剤と今問題になっています肝炎との関係につきましては、現在、当時の省内関係者に対する調査と併せまして、当時のフィブリノゲン製剤と肝炎との関係の知見に関する文献等も併せて調査を行っております。
 そういった中で、今御指摘のクリオ製剤についても、低フィブリノゲン血症に対する有効性、安全性についてどういった知見、評価があったのかということも今調査しておりますので、その調査結果で明らかになったものについては御報告したいというふうに思っております。
○小池晃君 この点では、先ほど私紹介した厚生省薬務局の文書にもクリオ製剤のこと出ているんですよ。直接クリオ製剤と言ってはいないんですが、一九七三年の厚生省薬務局監修の「生物学的製剤基準解説」、ここでBPC、イギリス薬局方の見解が紹介されている。それによれば、感染しやすさは用意されたプールの大きさによるとして、三百人以上の献血によって造られる材料よりも十人程度の献血による小さなプールの方が危険性が少ないということが紹介されている。
 私は、もう既に厚生省はフィブリノゲンではなくクリオ製剤を使うことでこの感染の危険性を更に減らせるということを知っていたんじゃないか、ちゃんとこの厚生省薬務局監修の文書にもそのことを指摘されていたわけですから。
 私は、このような措置を取らなかったということは厚生省の責任であるというふうに考えるんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 一つは、今御指摘のクリオ製剤について低フィブリノゲン血症に対する有効性、安全性についてどう評価していたのかということと、今、委員の御指摘のように、その代替としての検討というのが本当になされたのかどうかと、そういうことも含めまして今調査を行っているところでありますので、調査結果の中で明らかになったものは御報告したいというふうに思っております。
○小池晃君 ミドリ十字はこれだけの重大な薬害を起こしました。それを引き継いだ三菱ウェルファーマの報告書、これを読むと最後にこんなことが書いてある。近年、製剤を製造、供給した時点では最善の安全対策を講じていたとしても、後に感染事例が発生した場合、その時点の進歩した科学水準からレトロスペクティブに当時の対応が問題にされるのが常になっていると。まるで言い掛かりだとも言いたげなんですね。後からいろいろ言われてもけしからぬというようなことを言っているわけですよ。
 しかし、問題になっているのは今の時点での研究成果じゃないんです。供給した時点での研究成果、あるいはアメリカ政府の対応、こういったことすら見逃してきたことの責任を問うている。私は、この三菱ウェルファーマのこの報告書、旧ミドリ十字を引き継いだ企業としての企業倫理のかけらもないんじゃないかと、社会的責任を放棄した恥ずべき態度だと思う。
 しかも、三菱ウェルファーマは何と言っているか。医療の現場で本剤の投与が不可欠と判断される患者さんのために、売上げは極めて僅少ながら製薬企業としての責務を果たすべく供給を継続してきたけれども、今後は本剤の販売を中止したいと言っている。これは先天性の低フィブリノゲン血症の方にとってみれば、なくなったらもう命取りになるんです。ところが、今まで余りもうからないけれどもやってきたけれども、こんなこと言われるんだったらもう造るのやめるというわけです。私、こういう無責任な態度、許されるのかなと。
 厚生省にお伺いしたいんですが、厚生省はこの報告書をそのまま受け取っていらっしゃいますけれども、こんな態度、許していいんでしょうか。少なくとも先天性の患者さんに対する供給というのはこれは続けさせるべきじゃないかと、企業の責任として、考えるんですが、その点はいかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 低フィブリノゲン血症患者の治療にはフィブリノゲン製剤が不可欠であるということは御指摘のとおりでございますし、現在、我が国では三菱ウェルファーマ社がこれを製造している唯一の会社であるということから、正に同社は安定供給について強い社会的責任が求められているというふうに考えております。
 私どもとしても、三菱ウェルファーマ社に対しまして、今申しましたこのフィブリノゲン製剤の重要性というものを十分認識し、引き続きフィブリノゲン製剤の製造を継続するということを指導しておりますし、同社もその点は十分自覚し、引き続き製造を継続するというふうに認識しておるところでございます。
 今後とも、この件につきましては注意深くフォローいたしまして、先天性低フィブリノゲン血症の患者さんの治療に支障を来すことのないように、この製剤の安定的な供給が図られるよう指導していきたいというふうに思っております。
○小池晃君 今日はこの経過について議論してまいりましたけれども、答弁はほとんど医薬局長は同じようなことをずっと繰り返されましたけれども、分からない分からないと、調査中だと。だとすれば、これは調査結果を直ちに出していただいて、委員長、これは重大問題だと思いますので、私は当委員会としても責任を果たすべきだというふうに思います。これは集中審議をすべきだというふうに申し上げたい。
 それから、参考人として、これは次回の予定されている参考人質疑とは別ですが、この問題について直接の当事者を国会に呼ぶべきだと。一九七四年当時の薬務局長、その後のミドリ十字社長の松下廉蔵氏、それから七四年当時の細菌製剤課長の近寅彦氏、それから現在の三菱ウェルファーマ社の社長飯田晋一郎氏、この三名の参考人招致を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(阿部正俊君) はい、それじゃ理事会でまた協議して取り計らいます。
○小池晃君 また、先ほどから大臣言われるように、フィブリノゲンだけじゃないと、輸血も含めて非常に大きな被害が出ている。
 このC型肝炎、肝がんに移行すると毎年約三万三千人もの方が亡くなっているわけです。肝がん患者の九割が肝炎ウイルスによるものであって、八割がC型肝炎。この間、老人保健の健康診査にウイルス検査が実施されたりインターフェロンの適用が拡大されたという前進はありますけれども、まだまだその検査体制、健診体制も不十分であるし、それから多額の費用が掛かる治療に対する支援、これは全くやられていないと思うんですね。
 大臣は、過去の患者さんに対して、C型肝炎に罹患をしてしまった人たちに対して一体どうするかと、これが最大の課題だと言っている。一番大事なことは救済だと、この皆さん方の治療をどうするかと言っていますが、どのような支援策を考えていらっしゃるんですか。
○国務大臣(坂口力君) やはり、C型肝炎に現在も罹患をしているかどうかということを検査することが一番でありますから、いわゆる節目健診と言われる年齢のところでおやりをいただく。しかし、節目の、例えば四十五歳とか五十歳とかというような節目の方々だけではなくて、過去に私は輸血をしたことがある、あるいは血漿製剤を使ったことがあるといったような方につきましては、節目の年齢でなくてもお申し出ください、その皆さん方については一緒に検査を一日も早くやりましょうと、こういうことを申し上げているわけでありまして、そして早く検査をしていただいて、そして安心していただく方は安心をしていただく。そして、不幸にして現在このC型肝炎に罹患をして、なおビールスが活動をしているというような方につきましては、早く治療に移っていただかなければなりません。
 治療につきましては、インターフェロンが今までかなり使われておりましたし、今回、何でしたかね、もう一つ、リバビリンという新しい薬も出てまいりましたしいたしますので、それらのお薬でひとつ治療を受けていただきたいというふうに思っております。
 今まで診療報酬で六か月で一つ切っていたわけでございますけれども、それを今回取っ払いまして、そして継続的にインターフェロン等をお使いをいただきますときにも保険の対象にするといったことにしたわけでございます。
○小池晃君 私、議論をしてまいりましたけれども、この経過について、やはりほかの疾患とはとりわけ違う対応を国としてはする責任が私はあると思います。国の責任をやっぱり認めて、この検査だけでなく、治療や生活支援、全体に対する支援をすべきだと。
 当面の対策として提案したいんですが、今お話しあったこともありますが、まず経済的支援が必要だと思うんです。これ非常にお金掛かる。例えば、C型肝炎の治療のためにインターフェロンの注射を週三回六か月間続けると、二割自己負担の患者で一回の負担が一万八千円以上です。患者会の調査では、進んだ肝炎あるいは軽い肝硬変ということでいうと年間三十万円から三十五万円の負担になると言われています。しかも、最新の治療を受けようとすると保険適用にならないという問題がある。私は、国の責任で抜本的な負担軽減を図るべきだと。
 第一に、療養が長期にわたり高額な医療負担に苦しんでいるウイルスに起因する肝硬変、そうしたものは健康保険の高額療養費に特定疾患という制度があります。これで認定をすべきだと。
 それから第二に、肝機能障害を身障福祉法の内部障害として認定すべきだと。これはいずれも薬害エイズの被害者の方には適用されています。私はC型肝炎の患者さんにもこれ広げるべきだというふうに思います。
 それから、治療法については三つ提案したいんですが、一つは、肝臓がんを減らすために肝硬変に対するインターフェロン投与、今、慢性肝炎については使われていますけれども、ヨーロッパ、アメリカなんかでは肝硬変に使うことによってがんを抑えるという結果が出ている。これを是非やるべきだと。
 それから第二に、肝臓がんの局所治療として効果、安全性が実証されているラジオ波の焼灼療法というのがあります。これは針を刺してラジオ波で焼くわけですけれども、非常に再発率が低いと、安全であるということも確立してきている。これを是非保険適用してほしいという声が強い。
 それから第三に、ヨーロッパでは今インターフェロン治療の主流はペグインターフェロンであります。ペグインターフェロンというのは、インターフェロンにポリエチレングリコールがくっ付いていて、体に残るわけですね。だから、週一回注射をすればいい。普通のインターフェロンの毎日とかあるいは週三回に比べると非常に便利だと。しかも、その効果が非常に高いということも証明されている。これはヨーロッパやアメリカでは既に主流になっている。しかし、日本ではまだこれ使われていません。こうしたものについてやはり保険できちっと受けられるように、まだ申請が出ていないものもありますけれども、出たら直ちに対応するということを私は求めたい。
 それから最後に、検査の問題ですが、大臣が言われたように、健診やったというんですが、これは実は厚労省のアンケートでも、実際は節目健診で一割、節目外の健診で約三割、実施のめどが立っていないんですね。これは全自治体でやはりやれるようにすべきだと。
 これは、私たちの提案として申し上げたい。一つ一つ答えなくて、もちろん時間もないですから、結構ですけれども、大臣として是非これ全体としてできるものはしっかり前向きに取り組んでいくというふうにお答え願いたいんですが、大臣、いかがですか。
○委員長(阿部正俊君) じゃ、時間も来ていますので、簡潔に大臣、お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 既に前向きに取り組んでいるわけでありますから、これからも一生懸命にやっていきたいというふうに思っています。
 どういう治療方法がいいかは、これは医療機関にお任せをする以外にありませんので、ここで議論をしても始まりません。今までも一生懸命やってまいりましたが、この問題、更に取り組んでいきたいと思っております。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 それでは質問をさせていただきます。
 本日、私の方からはまず薬事制度の中からいろいろと御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、市販後、これの安全対策についてお伺いをしてまいりたいと思うわけですけれども、今回の法律の改正では、この市販後の安全対策が大きな柱の一つとなっております。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 これまで、有効性や安全性に関しまして、承認審査段階での確認に重点を置かれていたと思うんですが、今後は市販後の安全対策についてもその柱の一つに据えるという考えの背景から、まず冒頭、大臣の御答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘いただきましたように、市販前の安全性につきましては今までからもかなり熱心にやられてきたわけでございますが、市販後のことにつきまして不十分でございました。今回は、製品が市販されました後、一般に広く使用されることに伴って新たに得られます安全性に関する知見といったものを的確に収集をする、そしてその評価をし、その結果を医薬関係者へ適切に提供をする、ここがやっぱり今回の一番の特徴だと思うんですね。
 治験をずっとやってまいりましたけれども、それは限られた人でございますしいたしますから、本当に多くの皆さん方にこれを適用しましたときに、治験では分からなかったけれども、しかし多くの皆さん方の中にはそれに対して副作用のある方も出てくるわけでございますから、そこを完全にキャッチをしていくという体制を取るということでございます。
 この辺のところを再構築をしていくというのが今回の改正案の中の主な柱でございますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
○西川きよし君 次に、平成八年の薬事法の改正の際に、製薬企業等に対して市販後における安全性の調査等の実施基準の遵守でありますとか副作用に関する情報を義務付けるなど、安全確保対策の基本的な枠組みが形成されたわけですけれども、この市販後の安全対策における市販後調査の役割について、これは副大臣に御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(宮路和明君) お答えいたします。
 企業が行います市販後調査の役割でありますが、企業は副作用情報等の薬剤に関するもろもろの情報、その収集、評価等、市販後調査の実施が義務付けられているところでありまして、医薬品等による副作用などから国民の健康を守るためにはこうした調査がしっかりと実施されることが不可欠であるというふうに考えておる次第であります。
 そこで、今般の改正におきまして市販後安全対策の充実を図ることとしておるわけでありますけれども、こうした企業において制度改正の趣旨に沿って今後更なる取組の強化を図っていただきたいと、このように考えておるところでございまして、厚生労働省としてもそのために必要な指導をしっかりとやってまいりたいと、このように思っております。
○西川きよし君 そこでいよいよ、続けてお伺いしたいんですが、この市販後の調査あるいはまた市販直後の調査でございますね、この調査については副作用による健康被害を防止する上で非常に大切なものであることは間違いないわけですけれども、しかし何分にもそのシステムにつきましては、お医者さんでありますとか薬剤師さんなど医療関係者であるとか製薬企業の方々でないとなかなかやっぱり接する機会がございません。
 そういう意味で、今回の法改正における対応、そしてまた現状における課題、いろいろございますが、そういった点をお伺いしたいと思うわけですけれども、この市販後調査については、一昨年の十二月でございますが、この十二月に省令が改正をされ昨年の十月に新たに市販直後調査が制度化されたわけですけれども、その目的と内容について政府参考人にお伺いいたします。
○政府参考人(宮島彰君) 市販後調査につきましては、今もお話がございましたように、治験段階においては一定の制約の下での情報収集でありますので、どうしても限界があります。市販後においては非常に多数の患者さんにいろんな、多様な形で使われるということでありますので、その市販後の安全情報の収集が非常に重要ということでございますが、特に市販直後の時期というのが正にそういった治験段階では判明していなかった重篤な副作用等が発現する可能性が非常に高い期間というふうに認識しております。
 したがいまして、今御指摘のように、昨年の十月に市販後調査の中で特に市販直後調査ということで、新医薬品につきまして販売開始直後の六か月間、この期間におきまして製造業者等のいわゆる医薬情報担当者がむしろ積極的に医師等を定期的に訪問いたしまして、当該新しい医薬品についての重篤な副作用情報等を積極的に収集するという形で新医薬品についての安全対策を確保していくという制度を取り入れたところでございます。
○西川きよし君 この制度については昨年の、答弁にもありましたように、十月から始まったということでございまして、関係業界におきましてもまだまだ試行錯誤と申しましょうか、そういった中ではないかなと。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 その中でまず医療機関との契約の問題について私はお伺いしたいんですけれども、この市販直後調査について医療機関との契約が不要であって、例えば医療機関への費用など支払うことができないというわけですけれども、このことがつまり情報提供だとか情報収集を困難なものにしているのではないかなというふうに思うわけですけれども、現場でもそうした声が非常に強いわけですけれども、こういった点については政府参考人としてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今申しましたように、市販直後調査は販売当初の六か月間、この期間を重点的に対象として安全情報を収集するというものでございますが、これは六か月以降に一般的に行われております副作用等の情報収集、提供と基本的には性格の変わらないものでございますので、製薬企業と医療機関との間でこの市販直後調査のために特別に契約を結ぶということは必要ないというふうに考えておるものでございます。
 しかしながら、医療機関が製薬企業等に対して副作用等の症例情報を提供した場合に、そのために要した経費を製薬企業が支払うということまでも妨げているものではございませんので、そこは製薬企業側の判断で行われるべきものであろうというふうに思っております。したがって、経費の支払の有無がこの市販直後調査の実施の困難性になっているというふうには直接は考えておらないところでございます。
 いずれにしましても、医薬品の安全情報の収集、提供の活動はやはり当該医薬品を供給する企業の責務でございますので、市販後の安全対策を一層強化する観点から、今回の改正の中でも、いわゆる元売行為に着目した製造販売業のところにおきまして市販後の安全対策というのは全面的に責任を取ってもらうという形の許可体系に直しますとともに、医療機関に対しては副作用等の情報提供を法令上義務化するというようなことも今回入れておりまして、こういったものも、そういった企業と医療機関との契約の有無にかかわらず、こういった情報の収集、提供が円滑に行われるような仕組みを構築していきたいということでございます。
○西川きよし君 現場では契約がないということで、どの先生が例えばどなたにどういうお薬を使っているかというようなことはそれは分からないことでありますし、今、答弁の中にもありましたけれども、どうぞ御努力をしていただいて、そこでこの副作用情報の収集活動に対する医療機関の協力の在り方について、これも引き続きお伺いしたいと思うわけですけれども。
 平成十一年三月に、厚生省のGPMSP、これの推進モデル事業研究の内容が報告をされておられます。その中でも医療機関の市販後調査に対する意義、重要性についての認識が低い状況にあるとの指摘がされております。
 この点についてはその後広報活動等々でいろいろな対応が行われてきたと思うわけですけれども、この市販後の調査に対する意義、重要性について、医療機関の認識につきまして厚生労働省ではどのように考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 市販後調査の意義や重要性につきましては、医療機関の関係者の認識を高めていくということが非常に重要でございますけれども、一方、御指摘のように、実態として医療関係者においての法律の趣旨なり制度の趣旨というものは必ずしも十分浸透しておらず、製薬企業等が情報の収集や提供のために医療機関を訪問いたしましても十分な市販後調査の実施が困難というケースがあるということも承知しているところでございます。
 このため、今お話にもありましたように、厚生労働省におきましては、この市販後調査の推進モデル事業の研究を行ってまいりまして、その研究報告をいただきましたが、その中で指摘いただいた点も踏まえまして、今後とも医療関係者向けの学会誌なり情報誌、あるいはそういった医療関係者の学会なりシンポジウム、幅広いいろんなメディアを活用いたしまして、この市販後調査の趣旨の徹底、啓発に努力していきたいというふうに思っております。
 また、特に今回の制度改正におきましては、こういった安全情報の収集、提供について更にその重要性を増す制度改正を盛り込んでおりますので、今回の制度改正も一つの契機としまして、市販後調査の浸透を更に図ってまいりたいというふうに思っております。
○西川きよし君 どうぞ御努力の方、お願いするわけですけれども、この製薬企業における副作用情報の収集、そして報告の状況については総務省より昨年の六月の行政評価・監視の中で調査が行われておりますけれども、この調査の内容についても是非本日はお聞かせいただきたいと思うわけですけれども、まず副作用情報の収集という点につきまして、その調査の結果の内容をまず御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(塚本壽雄君) 御指摘の評価・監視でございますけれども、医薬品の使用に伴います健康被害の発生拡大を防止するために適切な対応が求められているということで調査を行いまして、昨年六月、勧告をいたしました。
 御案内のとおり、薬事法におきましては、製薬企業は副作用情報など医薬品の適正な使用のための必要な情報を収集、検討し医療機関等に提供するように努めなければならない、また医療機関は製薬企業の行う副作用情報の収集に協力するよう努めねばならないということでございます。
 しかしながら、私どもが十五の製薬企業における副作用情報の収集状況というものを調査いたしました結果、製薬企業が副作用症例の発生の事実を知ったのがその症例が発生してから半年以上も経過したものであったというふうなものが六の企業で十二件あったということがございます。
 また、製薬企業が医療機関からの情報によりまして副作用症例の発生の事実を知ったということでございますけれども、その具体的な内容につきましての詳細調査を行うにつき医療機関の方の協力を得られなかったということがあり、その結果、薬事法で義務付けられております厚生労働省への報告ができなかった例、あるいは報告期限を大幅に超えることになった例が見られたということもございます。
 さらに、六十一の医療機関における製薬企業への副作用情報の提供に関する協力体制などを調査いたしました結果でありますが、情報提供をお医者さん個人の判断にゆだねまして、医療機関そのものとして組織的な取組を実施していないというふうに認められるものが三十七ございました。
 そのような状況でございます。
○西川きよし君 引き続き総務省にお伺いしたいと思うんですけれども、医療機関、とりわけ医師にとっては、お医者様にとってはその対応に当たっての負担は大変大きいというふうに言われておりますけれども、そのため、例えば市販直後の調査の場合、この協力は努力規定ですから発売後六か月間は使用しないというケースもあるというふうにお聞きもいたしております。しかし、副作用による健康被害を食い止めるという点では医療機関の積極的な協力が欠かせないということは、これはもう言うまでもないわけですけれども。
 そこで、改めてお伺いしたいんですけれども、この副作用情報の収集の充実そして強化ということにつきましては、厚生労働省に対しまして勧告をされた内容について是非お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。
 この件につきまして、そこで勧告の内容でございますが、次の二つを申し上げました。
 まず第一に、製薬企業等の方でありますけれども、副作用情報の収集活動をより能動的に実施する、そういう仕組みを検討いただきたいということ、また、当該活動に対します医療機関の協力義務を法令上明定することを含めまして、医療機関の協力を確保するための有効な方策を検討願いたいということ、これが第一点でございます。
 次に、第二点といたしまして、医療機関による副作用情報の提供に関しまして、例えば参考となる指針を策定して医療機関に提示するというようなことなど、その組織的な取組を促進する、そのための方策を講じていただきたい、この点について勧告をいたした次第でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 それでは、まずその一つ目でございますけれども、「医療機関の協力義務を法令上明定することを含め、医療機関の協力を確保するための有効な方策を検討すること。」、この点につきまして、厚生労働省の考えについて政府参考人より御答弁願います。
○政府参考人(宮島彰君) 現在の制度におきましては、今もお話ありましたように、製薬企業が医薬品等の有効性、安全性等に関する情報を収集して厚生労働省に必要な報告をしなければいけないというふうになっております。その際に、医療機関に対しまして、製薬企業等が行う情報の収集に協力することに努めなきゃいけないということになっております。したがいまして、製薬企業からの報告制度を円滑に実施していくためには医療機関の協力というのは大変重要でありますし、これがないとこの制度がスムーズに進まないということであります。
 したがいまして、医療機関の協力をより確保していくという観点から、一つは、今お話し申し上げました市販直後調査という形で、むしろ製薬企業から積極的に医療機関にアプローチいたしまして、必要な副作用等の情報収集の活動をより積極的にして医療機関との結び付きをより強固なものにしていただくというのが一つございます。
 それから、今回の改正におきましては、医療機関等が把握した副作用等情報につきましては、現在、任意の形で直接厚生労働大臣に報告するという形がなされておるわけでありますけれども、今回の改正におきましてはこれを医療機関から直接厚生労働大臣にこういった安全性の情報の報告を行うことを法令上義務化するという新しい改正条項を入れております。
 こういう形で、いわゆる医療機関から製薬企業への協力義務というものを法令上義務化するという形は現在取っておりませんけれども、市販直後調査を更に徹底させるということ、それから医療機関から直接厚生労働大臣に副作用情報等を報告するということを法令上新しく義務化したという、こういった制度を通しまして医療機関等の協力の確保を更に強めていきたいというふうに思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 それでは二つ目に参ります。
 「医療機関による副作用情報の提供に関し、例えば、参考となる指針を策定し医療機関に提示するなど、その組織的な取組を促進するための方策を講ずること。」というふうに指摘されておられますが、こっちについてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 現行制度におきましては、医療機関から任意といいますか、自発的な形で副作用等の情報を厚生労働省の方に報告していただくということになっておりまして、平成十二年度で見ますとその件数が約五千三百件になっておりまして、年々増加しているわけでございます。
 それから、先ほども申しましたように、今回の改正で新たに任意であった報告を法令上の義務という形にいたしまして、医療機関から直接厚生労働大臣に副作用等の情報を報告しなければならないというものを法令上義務化したということでございます。
 こうした医療機関からの副作用情報の提供をより円滑に実行していくというためには、御指摘のように、参考となるガイドライン、指針といったものが必要かというふうに考えておりまして、現在、医療機関内における副作用情報等の活用状況を調査しますとともに、副作用情報等の組織的な収集、管理、提供の在り方につきまして検討するための専門家から成る研究班を設けまして調査研究を行っているところであります。
 今後、この研究班の検討成果を踏まえまして、副作用情報等の提供に関する医療機関等の組織的な取組を促進するための方策を適切に講じてまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 最後には大臣にお伺いをして終わりたいと思いますが、厚生労働省といたしまして、市販後の安全対策を最重要課題といたしまして、またこの医薬行政の一つの大きな柱といたしまして取り組んでいくというお考えであると思うわけですけれども、今回の改正内容も含めまして、今後の市販後の安全対策の在り方について最後に大臣に御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 医薬品でありますとか医療機器というのは、これはもうどれほど努力をいたしましてもしかし副作用というものが、そのリスクというものが付いて回るものでございます。安全対策をこれはもう徹底的に行っていくことが不可欠でございます。
 今まで厚生労働省としまして、審査体制の整備拡充でありますとか、あるいは省内の危機管理体制の整備でありますとか、市販直後の調査の導入、あるいはまた生物由来製品の品質及び安全性の確保の徹底と、こういったことに取り組んできたところでございます。
 今般のこの改正によりまして、医薬品等のより一層の安全確保のために、市販後の安全管理体制を強化した製造販売業制度の導入でありますとか、あるいは生物由来製品の感染症定期報告制度の創設、それから特定生物由来製品の、これはさかのぼって、遡及調査制度の創設などを行うことといたしておりまして、これらの制度を適正に運用することによって多くの国民の皆さん方に御迷惑を掛けないように是非していきたいというふうに思っているところでございます。
 よろしくお願いします。
○西川きよし君 終わります。
○森ゆうこ君 どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の薬事法の改正で幾つかのテクニカルな面での改正が行われて、薬事行政が進歩するということだろうと思うんですが、テクニカルな面もそうですけれども、それと同時に、薬事行政における重要な原則というものがまず議論されなければならないと思いますが、以前、BSEの問題のときにも、大臣が御答弁の中で、学問的な決着がついていないものでも予防的な見地から対策を講じるというふうな御答弁をなさっていましたが、その予防原則というものについて伺いたいと思います。
 EU、欧州委員会の方で新たに欧州食品安全庁というのができまして、EUの法律の中で予防原則というものが規則として、これ第七条ですね、プレコーショナリープリンシプルということで、これを予防原則と訳しているようですけれども、予防原則が法律の中で定められました。もし流通している食品に重大な欠陥が発見又は重大な欠陥がある可能性があるときには、確実な科学的根拠を示さなくても、消費者の安全確保のために緊急権限によって回収命令などの対処を行うことができるというものでございますけれども、この予防原則について、国としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。そして、今回の改正で条文にこの予防原則がどのように盛り込まれているでしょうか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、安全性というものを確保いたしていきますためには、学問的になかなか決着の付かないものもございますし、疑わしいという状況でずっと続くこともあるわけでございます。今日までの厚生労働省が取り組んでまいりました過去の問題を振り返ってみましてもそうしたことも多かったわけでございますので、今、委員からお話をいただきましたように、予防的な立場をやはり導入をして今後取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 BSEのときにも触れさせていただきましたが、例えば化粧品からうつるかうつらないかということは、今、学問的に決着が付いていないわけでございますけれども、一応、化粧品の材料等につきましても、発生国からの輸入を禁止しますとか、あるいはまた危険部位は使わないようにするとか、そうしたことを現在導入をさせていただいているところでございます。
 このような見地から、今回の改正におきましても、より的確に安全対策上の措置を講ずることができるように、従来の製品の製造に着目をした業態の在り方を見直しまして、市販後の安全対策を許可要件とするというようなことを導入しまして、企業として、医薬品等の使用によって保健衛生上の危害が発生又は拡大するおそれがあることを知ったときには廃棄、回収等の措置を講ずると、こうしたことをこの中に盛り込んだところでございます。
○森ゆうこ君 次に、今回の改正では当然流通している医薬品に問題が起きたときなどの際には対処がスピーディーになっていると思います。それで、先ほどフィブリノゲンの話もありましたが、薬害エイズ等今までの反省に立って今回の改正が行われるというふうに承知しておりますが、具体的にどの時点で、例えばフィブリノゲンのような問題のときにどの時点でどの部分がどのように働いて被害が防止されるのか、それをまずシミュレーションしていただきたい、具体的に分かりやすく。私、それを地元に行って皆さんに説明しますので。
 今回、今は何をやっているんですかと聞かれて、薬事法の改正ですという話をしましたら、何か全然良くなっていないんじゃないの、フィブリノゲンの問題もあるしというふうな声をいただいて、そうじゃないと、そういうことの反省の上に立ってこのように改正したのだと、具体的にはこのように予防策が取られるということを説明したいと思いますので、分かりやすく具体的なシミュレーションをお願いいたします。
 これは副大臣でしょうか、政府参考人でしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の改正におきましては、まず情報の収集面につきましては、現行制度におきましてはいわゆる副作用・感染症報告というのが規定されておりますけれども、これに加えまして新たに感染症定期報告制度というのを導入いたしました。
 従来の副作用・感染症報告は、当該企業が造っている製品につきまして何か副作用なり感染症の症例が起こった場合に、その都度その状況を報告してもらうというものでありますが、今回新たに設けます感染症定期報告制度はそれに加えましていわゆるその製品にかかわる内外の文献あるいは評価、あるいは研究論文、こういったものを幅広く報告してもらうということであります。そういうものを通じまして、常に最新の評価水準での定期的な製品の評価と、それからデータ集積による多面的なリスク評価、こういったことを行うことによりまして国として安全性の把握が一層確実になるというふうに考えております。
 それから、万一被害が発生した場合でございますけれども、特に感染リスクが高い生物由来製品、これは今回の改正法の中では特定生物由来製品というふうに言っておりますけれども、こういったものにつきましては、健康被害が拡大しないように迅速に防止の措置を取れるようにということで、通常の医薬品に対する安全基準の、規制基準の上に上乗せ基準といたしましてドナースクリーニング、いわゆる原料を採取する段階から製造段階、こういったものについてはきちっと個別の記録を保存、管理していただくと。それから、市販後におきましても、その納入先等につきまして管理していただくという形のシステムを新しく入れました。
 したがって、万一被害等が発生した場合には、いわゆる遡及調査といいますか、そういったものを通じて、どの段階に原因があるかというのを速やかに究明して必要な措置を行うことができるという形を今回入れたところでございます。
○森ゆうこ君 私がお願いしたのは、分かりやすく具体的なシミュレーションということで、例えばフィブリノゲンでもいいです、薬害エイズでもいいです、その報告が二、三例あった、そのときにどの部分がどのように機能して、どこにどう報告が上がって、どこが意思決定をして、そこで販売停止命令を出す、商品の回収命令を出す、国民の皆さんにこのように報告すると、そういう具体的なシミュレーションをお願いしますと言ったんですけれども、今の御説明ですと全然地元に帰ってもそのまま説明してもだれも分かってくれないと思いますが、大臣が代わりにちょっと簡単に説明していただけますか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど出ました例えばフィブリノゲンならフィブリノゲンの話で申し上げますと、どうもフィブリノゲンを使うと肝臓が悪くなるというのは今までからもこれはあったと思うんですね。
 ところが、そのフィブリノゲンを使うことによって肝臓が悪くなる、それは新しい感染が起こるのか、それともそれは副作用なのか分からないけれども、とにかく後で悪くなるという報告は今までも取るようにしていた。しかし、それだけではなくて、どうもその起こす肝炎については新しいウイルスらしいですよというような論文が出ればそんなものも集めてきて、そしてこういう危険性もあるらしいといった、もう少し周辺のことも集めようと。そして、ここによって起こるところの副作用についての皆さんの知見と申しますか、皆さん方が分かりやすいようにしていこうというふうにもう少し拡大をして、今までよりも拡大をした周辺の問題もこれは集めて、そしてこの感染症定期報告制度ですか、そうしたところで報告をするということにしていきましょうということなんですよね。
 今までも確かにやっていた、やっていたけれども、そのものずばりのところはやっていたけれども、それよりももう少し幅広く、周辺のことのいろいろの研究されたものもあるでしょう、そうしたものも集めて、そしてそれで対応をしていこう、少しでも遅れを取らないようにしていこうということを今回取ったと、一例で申し上げたらそういうことではないかと思うんですね。
○森ゆうこ君 薬品の安全、そして食の安全、いろいろ調べてまいりますと、組織というか体制という意味でいいますと、もう既にあり過ぎるぐらい実は組織というかそういうものがあると思うんです、例えば審議会ですとか、食品衛生審議会や国立医薬品食品衛生研究所などの研究とか分析とか。ただ、それが、予防原則が発揮されて被害が拡大しないように、だれがどういう権限でそういう緊急的に商品をストップさせるとか回収させるとか、これは使用を見合わせるとか、警告を公に発するとか、大臣の権限があるということも、今までもそうだと思いますが、結局機能していなかったことが問題なんじゃないかと思うんですよ。
 だから、今後はどのように、どの部門でだれが意思決定して、スピードが大事だと思うんですが、どうやってその被害が防止されるのかということがお聞きしたいんですけれども、何か具体的なお答えが返ってこないんですが、もう一度政府参考人、お願いします。
○委員長(阿部正俊君) それじゃ、明瞭に御答弁願います。
○政府参考人(宮島彰君) 先ほど大臣の方からお話ありましたように、非常に幅広くいろんな安全性に必要な情報を収集いたしまして、その情報をある意味で総合的に評価して、当然、すぐに必要な措置、例えば回収でありますとかいわゆる出荷停止といった措置をしなければいけないもの、あるいは当面は例えば添付文書の注意書きを改訂して注意喚起する程度で対応するものと、そこの評価をした上で対応をいろいろ決定していくわけでございますけれども、これは基本的には大臣の権限で、私どもがそれを事務方としてやっておりますし、それから重大な事例につき専門家等の意見、知見等が必要な場合は、当然、審議会等の専門家の意見を聞きながら対応をしていくということでございます。
 ただ、その際に、こういったシステムはこれまでも基本的にはあったわけでございますけれども、冒頭に大臣の方からお答えありましたように、そういったシステムを機能させる基本的なスタンスといいますか、それが実は、実際にこれが、こういう機能、システムが動く際に重要であろうかというふうに思っていまして、従前はそういった被害等の原因がはっきりするまでなかなかこういったシステムが作動しないといいますか、なかなかアクションが起こしにくいような形があったわけでありますけれども、大臣の方からもお話ありましたように、予防原則といいますか、そういう因果関係がはっきりするまで待つのではなくて、そういう疑いがある段階で早め早めに対応するというスタンスでありますと、こういったシステムもより機動的に作動するという形で現在動いているということであろうかというふうに思います。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 そのように予防原則に基づいて迅速な対応をお願いしたいと思うんですが、そのためには、認定、承認された事項に、販売後いろいろな意味で違反したり、それから副作用があるというような告発があったり、報告がなくても告発があったり、そうした場合にその真相を調べる必要があると思うんですが、そのための強制的な立入検査、強制捜査権というものが必要になってくるのではないでしょうか。Gメン機能というんでしょうか。そして、FDAの方は、規制業務部というところが、本当、局じゃなくて単なる部門だと思うんですが、そこが、別に独立しているわけじゃないんですけれども、そういう権限があって機能的に動くということで、非常に早期の予防に役立っているんじゃないかなと思いますけれども。
 その権限、それからただ、あくまでも予防原則に基づいてやるわけですから、それを行使した、その権限を行使した場合に、例えばメーカーが経済的な被害を被るとか、そういう可能性もあるわけですよね。そういうことに対して、権限を行使したことに対してそういう責任を問われないというような免責事項というものも考える必要があるんじゃないかと思います。つまり、国民の安全のために、安心して予防原則のための緊急措置を行うという、そういう緊急的な権限を行使する、そういうものを与える必要があると思うんですが、その点についてお答えをお願いいたします。
○政府参考人(宮島彰君) 今お話ありましたように、製薬企業において問題があった場合に、それを是正するために行政サイドからいろいろな措置を行うわけでありますけれども、現行法におきましても、厚生労働大臣あるいは都道府県知事は企業に対する立入検査できる権限がございますし、それから問題のある医薬品については廃棄、検査あるいは改善といった命令を出す権限を持っておるところでございます。
 ただ、今回の改正におきましては、こういった従来の立入検査なり改善・回収命令等の権限を更により強化していこうということで、一つは市販後の安全対策をより強化するということで、市販後の安全対策の要件が遵守されていない、あるいはそれが徹底されていないという場合でも改善命令を発動することができるという規定を入れましたし、それから、GMPの基準適合調査を拒否したという場合には承認の取消しをするといった点の補強も行っております。
 さらに、従来、こういった改善命令等の権限を発動するケースというのが法律上かなり限定された形になっておりましたけれども、今回はそれを一般的に広げまして、この薬事法あるいはこの法律に基づく命令の規定に違反する行為全般を対象といたしまして、幅広く必要があれば改善命令等の権限等も行使できるような形に整理したところでございます。
 こういった国の改善命令等の権限を行使しますと、その反映として当然企業側の不利益という問題も御指摘のように生じるわけでございますけれども、やはり医薬品というものの特性を考えますと、やはり国民の保健衛生上の危害を防止するというのは当然そういった医薬品を製造している企業のある意味で本来的な責任、社会的な責任でもありますので、そういった危害防止のための安全対策を講ずることによって結果的にある程度の不利益が生ずるということになっても、法の趣旨からしまして一般的に免責されるものというふうに解されているところでございます。
 いずれにしましても、こういった命令等の権限等の発動の判断については、時期を失することのないように的確にやっていくことに努めていきたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 そうしますと、もう一度確認しますけれども、予防原則に基づいて監視が強化され、あくまでも国民の安全という立場に立って、問題が起きたときにはスピーディーに、今までよりもずっとスピーディーに対処されるという理解でよろしいでしょうか、大臣。副大臣でもよろしいです。
○副大臣(宮路和明君) そのように御理解いただいて結構かと思います。
○森ゆうこ君 次に、責任という問題についてお聞きしたいと思います。
 今回の改正では、国と企業の責任、責務の明確化が行われます。特に、企業の責任強化ということだというふうに理解しております。その責任の分担がどのように行われるのかについてまずお答えいただきたいと思います。政府参考人にお願いいたします。
○政府参考人(宮島彰君) 今般の制度改正のねらいの中に、一つはいわゆる市販後のこういった医薬品、医療機器等の安全対策を一層重視しているという点と併せまして、いわゆるこういった医薬品や医療機器の製造販売に携わる企業行動の多様化を広げていくという二つのねらいを持って、いわゆる承認・許可制度等も見直しているところでございます。
 そういった中で、企業側の責任という点に関しましては、一つは、従来の製造業というものを分離しまして、新たに製造販売行為、すなわち製品を市場に出す元売の業者、ここにいわゆる市販後の安全対策についての基本的には全責任をきちっと負ってもらうという観点から、この製造販売業、いわゆる元売業の許可要件の中にそういった市販後の安全対策の体制をきちんと持っているか否かということを要件に入れておるというのが一つございます。
 それからもう一つは、企業は、製造販売した医薬品、医療機器等の製品の使用によって保健衛生上の危害が発生又は拡大するおそれがあることを知ったときは、当然これを防止するための必要な措置を取らなければいけないということで、言うなれば、企業はそういった製造販売した製品についての第一義的な責任があるということを法律上も明確にし、必要な措置を速やかに取ることを規定したというのが二番目でございます。
 一方、国におきましても、従来の先ほど申しました立入調査なりあるいは改善命令等の権限、これを強化いたしまして、今申しました市販後の要件が遵守されていないとか、あるいはこの法律についてのいろんな違法な、違反事例が出たといった場合にも幅広くそういった権限を行使して改善をしていくという権限を強化した面があります。権限を強化したということは、逆に言いますと、同時にそういった権限を適正に執行していくという責務といいますか、それを負うわけでありますので、国としてもそういった時期を失することのないように権限を適正に執行していきたいというふうに思っているところでございます。
○森ゆうこ君 ここで私は国民の責任ということについてひとつ考えてみたいと思うんです。
 これは私の持論ですので、お聞きになって大臣の御所見を伺いたいんですけれども、いろいろな薬害エイズ、そして今回のBSEの問題、様々な問題が起きて、なぜ早く対処されないんだろう、なぜ本当に国民のためにスピーディーな予防策が取られなかったんだろう、そして被害が拡大したんだろうと。いろいろな原因があると思うんです。中には、政官業の癒着というものが問題の解決を阻んだということもあると思います。
 でも、もう一つ、今まで行政は絶対に間違わない、行政は絶対正しいことをやる、だから行政権がすべての情報を独占し、審査して、判断して、そして安全宣言をしてきた。国民はお上の言うことを信じていればそれでいい。そして、何か起こったら、とにかく国が悪いんだ国が悪いんだと言って責めて、そしてどうしてくれるんだと言っていればそれでよかった。中央集権というんでしょうか、それで官が民を支配する、そういう政治だったのではないかと思うんですが、もはや絶対に安全なものなどは存在しないということは消費者、国民はよく知っています。
 国民が、消費者が欲しいと思っているものは、きちんとリスクが評価できて、自分で選択できる確実な、確かな情報なんですね。でも、とにかく行政は絶対に間違っちゃいけない。間違っちゃいけないと思うから全部情報を隠す。何かあってもできるだけ外に出すのを遅らせようとする。何か起きてしまった責任を認めようとしない。でも、それでは結局、国民の幸せにならないと思うんです。
 ですから、やっぱり国の責務も明確にしながら、やっぱり国民の責任も明確にして、先ほどのお話もありました、副作用の可能性はあるけれども、それがなければ助からない、だから薬を使うということもありましたし、その辺のところをやっぱり一度はっきりさせておくべきじゃないかと思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) すべての問題を一律に申し上げることもなかなか難しいというふうに思いますが、国がよく検討し、そして許可をして、これならば大丈夫ですということを国民の皆さん方にお約束をしているものと、そうではなくて、国民の皆さん方が一般的に自分でかなり判断をしていただくものと、やはりかなり両極端、私はあるというふうに思っています。
 国の方がどうしても検討し、いろいろの国民個々ではなかなかできないような検査等も行って、そしてこれは大丈夫だという判こを押すといったようなものにつきましては、これはやはり国の方の責任である。しかし、健康を守っていくということにつきましては、ただ単にそうした薬を飲むというだけではなくて、御自身でいろいろの健康管理にも注意をしていただかなければなりませんし、そしてまた、薬局でいろいろのお薬等を買っていただかなければならない問題もあるというふうに思います。そうした問題につきましては、これはやはりそれぞれで自己管理をしていただかなければならない問題だというふうに思います。
 この薬を、効能書きを見て、飲み過ぎたと、効能書きに書いてあるとおりに飲んだんだけれども調子が悪くなったというようなことが起こる可能性だってそれはあるわけでございます。その辺のところは、御自身の体の状況というものをやはり長い間によく認識をしていただいて、こういう薬は書いてあるほど自分は飲んではいけないんだといったようなことはやはりコントロールをしていただくというようなことも大事になってくるわけでありますから、そうした御自身でコントロールをしていただく問題、それは当然かなりな分野あるというふうに思っております。
 そういう意味では、薬のそれこそ効能書きでありますとかそうしたものですね、もう細かく何が書いてあるのか分からないような、分かりにくいものではなくて、これはやっぱり分かりやすくしなきゃいけませんし、今朝からの宮崎先生のお話じゃございませんけれども、もう役所の文章のような分かりにくいものでは駄目だというふうなお話ございましたけれども、そういうところはこれからもよく検討して、そして分かりやすいものにして、そして皆さん方が、なるほどこれで分かると、あるいはまた薬剤師さんと御相談をなすってこれならばいいというふうに思っていただけるような、やっぱりそういうことも私は大事だと思っております。
 お答えになったかならないか分かりませんけれども、全体を言うのではなくて、少しその辺は分けて考える必要があるのではないかというふうに私は思っております。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 それで、今回、特に企業の責任が強化され、そしてまた国の責任もはっきりして権限も強く行使するということになったわけですが、ただ、それでも薬害が起きたときにはできるだけ救済していくということがやっぱり大事なんじゃないかと思っております。第一義的には企業が責任を持つ、ただ、それで救済されない部分は国が手を差し伸べる。
 それで、今回の改正と同時に、その救済制度について、検討事項ということではなくて、きちんと一緒に制度が発足できれば良かったなと思っているんですが、今後体制を整えるということですが、今日最後に、この救済について、その対象者、そしてその内容をどこまで広げるのか、どこまであるいは絞り込むのかというのを今の時点でどのようにお考えなのか政府参考人に伺って、私の質問を終わります。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のいわゆる生物由来製品等の感染症の健康被害の新しい救済制度につきましては、本年三月の研究会の報告書を踏まえまして、現在、制度化に向けていろいろ検討を重ねているところでございます。時期としては次の通常国会を目途として、関係の法律案を出したいというふうに思っております。
 具体的なこの救済制度の仕組みにつきましては、基本的には今あります副作用の救済制度と同様に、いわゆる企業等からの拠出金をいただきまして、それをファンドとしまして必要な救済給付を行うという仕組みを基本に考えていくということになろうかと思います。
 また、今回の新しい感染症等の救済給付の対象となるいわゆる製品につきましては、今のところ、今度の新しい薬事法の改正で定義されます生物由来製品、これを引用する形で、この生物由来製品を対象として、そこから感染症等が発生した場合に救済給付を行うという仕組みを今前提として検討を重ねているというところでございます。
 ただ、感染症の場合は、副作用と違いまして、なかなか因果関係の特定が非常に難しい面もございますので、そうした因果関係の特定のためのメルクマールをどうするかとか、あるいは二次感染、三次感染の問題等もございます。そういう意味では、副作用にない特有の問題点もありますので、そういう点を幾つかクリアした上で早期に制度化したいというふうに思っているところでございます。
○大脇雅子君 今回の薬事法一部改正案は、まず承認・許可制度の見直しに伴う医薬品の市販後の安全対策、生物由来製品の安全対策、そして医療機器の安全対策などの規制強化という抜本的な見直しが柱になっていると思われます。薬害エイズ事件や薬害ヤコブ病事件の教訓を踏まえて、医薬品等の安全性確保を図るための改正であるという点で一定の評価に値するものと考えます。
 しかしながら、今回の改正案で法的に少し問題があるのではないかという点に絞ってお尋ねをいたします。
 まず第一点は、医療機器、生物由来製品の区分認定でございます。
 改正案では、医療機器、現行の医療用具ですが、医療機器についてその危険度に応じてクラス分類を行い、一般医療機器については個別品目ごとの製造販売承認を不要とし、管理医療機器については第三者認証機関による認証という比較的簡易な手続で個別品目ごとの承認手続を行うということになります。これは、現行の医療用具において原則としてすべての個別品目について製造承認が必要であったことからすると、大きな制度的な転換であると考えられます。また、生物由来医薬品等について新たな規制が設けられ、その危険度に応じて生物由来製品と特定生物由来製品に区分され、それぞれに応じた規制が行われることになり、医療機器、生物由来製品とも、そのクラス分類、区分によって当該医薬品等に対する規制の内容が異なるということになります。
 したがって、このクラス分類を誤るということになりますと、本来危険性の高い医薬品に対する十分な規制がなされないということが起こり得るおそれが危惧されます。
 例えば薬害ヤコブ病事件において、ヒト乾燥硬膜であるライオデュラの輸入承認をするに当たって、既に製造承認されていた腸線縫合糸と同様の性質を持って新規性に欠けるとして中央薬事審議会の審議にもかけられず、わずか三か月余りという短期間に、不十分な書面審査のみで極めて安易に輸入が承認されてしまったという経過を考えますと、危惧は現実味を帯びてくると言わざるを得ません。
 したがって、この区分というものについてどういう基準でこれを行われるのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(宮島彰君) 今、お話ございましたように、医療機器については新しく三つの分類を行うという形を取っておりますし、新たに生物由来製品という分野を設けまして、更にその中で非常に危険性の高いものについては特定生物由来製品という区分けをした分類を今回設けたところでございます。
 こうしたクラス分類に当たりましては、それぞれの分類を判断するよりどころとなります当然基準等をまず決めていくということで、これは当然審議会等で専門家の方々の議論を踏まえてその振り分けのよりどころとなる基準をまず整備していくということになります。その上で、その基準に照らしまして個々の品目ごとに審議会で専門家の御議論をいただいた上でどの分類に属するかというのを一つ一つ指定して振り分けていくという形を予定しているところでございます。この作業は、そういう意味では大変膨大な作業になるわけでございますので、この改正法におきましても、施行前でもそういった準備を行うためにこの指定行為は前倒しでやることができるという規定も置いているところでございます。
 それから、一度指定しましてずっと固定するということになりますと、先ほど御指摘いただいたような問題等も発生いたしますので、いったん分類した後でも、その後予期せぬリスクがあってそのリスクの程度が高まったというものにつきましては、もう一つ上の区分に移行させるといったことも機動的にやっていく必要があろうかと思います。これも当然審議会の専門家の議論を踏まえた上でそういった分類を見直すということも考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○大脇雅子君 例えば改正案の制度とするにしても、わずかでも安全性につき疑いが生じる品目についてはすべて高度管理医療機器あるいは特定生物由来製品に分類することを原則として、安全性に全く疑いが生じないことを条件として、それ以下の分類に区分するようなことがないように運用すべきであると考えますが、これについては先ほど予防原則等問題になっておりますけれども、大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 医療機器それから医薬品、非常に多岐にわたってまいりまして、広範になってまいりました。現在、もう過去には考えられなかったようなものもあるわけでございますので、先ほど局長から答弁のありましたような分類の下に処理をしながらとにかくやっていきたいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、それぞれを検査をし、そして、その時点で余りそれは今は問題が少ないのではないかと思われるような問題につきましても細心の注意を払っておくということが大事でございますし、時々刻々状況も変化をしていくわけでございます。初めはいいと思っておりましても、それが非常に厳しいというふうになってくるものもあるわけでございますので、時々刻々、特に生物製剤等につきましては変化をよく見ているということが大事でございます。
 今まで厚生労働省が失敗してきたことがあるとするならば、その時々刻々変化することに対応ができていなかったということではないかというふうに思っておりまして、そこに細心の注意を払っていかなければならないと考えているところでございます。
○大脇雅子君 次に、製造販売承認制度についてお尋ねします。
 今般の改正案の二条十二項によりますと、現行の個別医薬品等に対する製造承認等の制度に代わりまして、製造販売承認制度が導入されることになります。この制度の改正の眼目は、製造販売業者は日本国内における医薬品等の流通の源泉供給者として位置付けられ、自ら医薬品等を製造することを要せず、医薬品メーカーが医薬品の製造を下請化していくということが予測されるわけであります。
 医薬品等の安全性確保の見地からすれば、下請化した場合には安全管理がより手薄になるのではないかということが危惧されます。とりわけ、市場経済原理の下で医薬品等の研究開発、製造の下請化が進みますと、下請企業はコスト削減の必要に迫られることは必至で、生産性を優先させて安全性を後退させてしまうということが懸念されますが、厚生労働省としてはその点はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) このたびの改正におきまして、従来の製造業という概念を分離いたしまして、いわゆる純粋の製造の行為の部分と、その製造された製品を市場に出すいわゆる元売行為というものに分けて承認・許可制度を再構築したところでございます。
 これによりましていわゆる製造を全部委託するという形も可能になったわけでございますけれども、今回のもう一つのねらいであります市販後の安全対策をより一層重視するということから、市販後の安全対策の責任は基本的には市場に出す元売業者が全面的に責任を負うということにしております。したがいまして、仮に製品の全部委託を行う場合でありましても、その委託先の製造業者の品質管理に対しても元売業者が責務を負うということにしておりますとともに、その製品に関しての品質の確認あるいは最終的な出荷の判定等も元売業者が責任を負ってやるというふうに整理しております。さらに、厚生労働大臣及び都道府県知事は、承認時あるいは定期的に製造施設に直接GMPの査察を書面又は実地調査で行うという仕組みで製造施設の一定のレベルを維持するということも仕組みとして入れております。
 また、こういった形で元売業者は市販後の安全対策につきまして大変大きな責任、責務を負うことになるわけでありますので、そうした市販後の安全対策をきちっとやれる体制あるいは能力を兼ね備えているか否かを許可要件として入れまして、それをチェックして、そういった体制をきちんと持て、そういった管理能力のある者に対してのみ許可を与えるという形をしておるところでございます。これによりましていわゆる製造業者あるいは製造販売業者における安全管理体制は一層強化されるものではないかというふうに考えております。
○大脇雅子君 市販後段階における管理監督ということが非常に医薬品の安全性確保に重要な意味を持つと思います。そのためには、本法の中では緊急命令や改善命令あるいは変更命令等が厚生大臣に与えられております。こうした権限を最大限に活用すべきであり、またその体制を十分に整備すべきであると考えます。
 大臣の緊急命令等について、一定要件を課した上で義務化すべきではないかと。法文上は何々することができるというふうに書かれておりますが、これの法的な意味について説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘の緊急命令につきましては、医薬品、医療機器等が保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するためにどうしても必要であると認めるときに、その医薬品等の販売につきまして、例えば一時停止するというようなことの応急措置を企業に対して命令ができるというものでございます。これは厚生労働大臣がそういった必要性があると認めるときに適切に発動していくというものでございます。
 今申しましたこの発動の必要性の判断につきましては、健康被害の有無でありますとか、また将来そういった被害が発生するおそれの有無あるいは医薬品等の不具合の程度、こういったものを個々のケースごとに個別に判断して発動していくということになりますので、今御指摘のように法律で義務化するという形で一くくりに画一的にするということは難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。
○大脇雅子君 そういたしますと、厚生大臣が緊急命令等その必要性があるにもかかわらずそれをしなかったような場合は、立法不作為としての責任が発生すると解釈してよろしいでしょうか。大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(坂口力君) 当然そういうことになると私は思います。今、御指摘いただいたとおりに私はなると思いますから、何々することができるということは、やらなければならぬという意味だと私は思っております。
○大脇雅子君 本法におきましては、政省令の委任事項が非常に多く規定されております。したがって、そのところではどういう方向性を持っているのか見えないというところがございますので、数点確認をしておきたいと思います。
 まず、製造過程における安全確保の体制についてでありますが、製造管理者、品質管理責任者、製造管理責任者、総括元売責任者、元売後安全管理責任者等、規定されるわけですが、その資格や人数あるいは義務については製品の性質に応じて定め、その管理状況については行政に対して報告、監査、違反に対する制裁等の規定を盛り込んで安全確保の徹底を図るべきであると考えますが、これはどのような形になるのでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の改正におきましては、いわゆる元売業を中心とします市販後安全対策を大変重視した形で改正を行っておりますが、その際に、そういった市販後安全対策を担当するいわゆるマンパワーといいますか、人の問題がやはり非常に重要なポイントではないかと思っております。
 そのために、今御指摘のような品質管理責任者あるいは製造責任者、総括元売責任者という幾つかの責任者を規定するということにしておりまして、そうした管理者が責任を持ってこういった市販後安全対策を遂行するということにしております。
 こういった責任者につきましては、いわゆる元売業者が取り扱う製品群ごとに求められる市販後安全対策の必要の度合いというのはいろいろバラエティーがございますので、そういった必要性の度合いに応じて要件を段階的に整理していきたいというふうに思っているところでございます。
○大脇雅子君 外部委託の自由化も行われることですから、その安全管理が徹底されることが必要になります。薬害のヤコブ訴訟においては、ヒト由来製品であるヒト乾燥硬膜ライオデュラを輸入販売していた被告ビー・エス・エス社は責任技術者を置いていたんですけれども、それが電気関係の技術者であって、ヒト由来製品について何ら有効な管理が行われていなかったということが裁判の中で明らかになったわけであります。
 実際に製造管理者、責任者による管理が行われているかどうかについてのチェックシステム、行政への報告、監査制度、それに対する違反というようなことなどについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の改正におきましては、いわゆる元売業者を中心としまして市販後の安全対策を強化すると。そのために、一つはそういった市販後の安全対策をきちっと遂行できる体制を有しているかどうかというのが、この許可承認の際の要件に一つ入れております。
 それから、そういった体制がありますとともに、それを実際に執行していくマンパワーといいますか、責任者、これがその業務にふさわしい能力を有した者が就任しているかどうかという点もこの許可の際にチェックいたしまして承認するということを今予定しております。これは承認時だけではなくて、その後も定期的に適合した体制なり責任者がいるかどうかということもチェックする体制を整えて、市販後の安全対策がきちんとしたレベルで維持されるようにしていきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 第二点はドナーの選択についてであります。
 再び、薬害ヤコブ訴訟においては、乾燥硬膜ライオデュラは病院の解剖助手からのやみ売買などで硬膜を入手したということも報告されておるわけですから、このドナーのセレクションとそれからドナー記録の保存については詳細に規定しておかなければいけないと、そして組織採取をする施設などを医療機関等に限定すべきであると考えるが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今回の法改正で新しく生物由来製品というジャンルを設けまして、いわゆる規制を通常の医薬品よりもより強化する形で整理しているところでございます。その中で、御指摘のように、ドナーの特定なりドナーセレクションあるいはルックバック体制、こういったものを徹底していくということで、原料採取の段階、またその採取記録の確認、保存、こういったものにつきまして新たな共通の基準を作っていきたいというふうに思っているところであります。
 また、提供者へのインフォームド・コンセントにつきましては、組織採取の際に提供者の同意を得ることを現在行政指導の形でやっておりますけれども、今回の改正に伴いまして、法令に基づく基準にこのインフォームド・コンセントの規定を盛り込むという予定にしております。
 さらに、細胞組織を採取する施設ですけれども、これは原則として医療機関というふうに考えておりますが、薬事法に基づく基準によりまして必要な衛生管理を行うことができる人員、設備についての安全規制を行うというふうにしておるところでございます。
 なお、こうした規定に違反して採取された原材料を使用した生物由来製品につきましては、当然承認されることはなく、また販売、流通は認められないということでございます。
○大脇雅子君 そうしたヒト由来製品の記録の保管期間については、遅発性の感染症を考慮すると永久保存が必要ではないかと考えられますが、ドナー記録の保存についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 記録の保管期間につきましては、一般的には長期であればあるほど望ましいという考え方があるかと思いますけれども、現実にそういった保管をきちっと確保できている体制というものの整備等も考えますと、現在、血液製剤につきましては、行政指導ベースでありますけれども、十年間の保管管理というものを平成九年から指導しているところであります。それから、アメリカの例を見ますと、保管期間十年というのを、まだ規則のドラフトの段階でありますけれども、今整理されているということであります。
 こういったことも勘案しまして、私ども、原則十年を中心に検討していきたいというふうに考えておりますけれども、日本国内におきますこういった記録の保管管理の定着状況や国際的な動向も踏まえまして、審議会等の専門家の皆さんの御意見も聴きながら、適切な対応でこの保管期間を最終的には決めていきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 ヤコブ病においては硬膜の移植から十年以上たってからの発病という事例も珍しくないということですので、できる限り長期の保存が必要ではないかと思われます。それに対して、また診療記録の保管や保存についてはどのような政省令を書かれるのでしょうか。
○副大臣(宮路和明君) 今度、改正の中で患者への使用記録を作って、そしてそれの保管を義務付けるということといたしておるわけでありまして、カルテの保存期間は医師法上五年とされており、そしてレセプトについては、これは言ってみれば請求書の性格を有しておるものでありますので、現在、それぞれの組合健保は民法第百六十七条を引用し、その他はそれぞれの法律においてレセプトの保存期間十年ないし五年というのが決められておるわけでありますが、今申し上げました患者への使用記録につきましては、これによってしっかりとした対応が図られるように、国際的な動向も踏まえながら、適切に対処できるようなものとしてその期間の設定等を考えてまいりたいと、このように思っておるところであります。
○大脇雅子君 フランスやドイツ等では、治療で血液製剤等を使用した場合はカルテは六十年間保存されて、いつでもチェックできるように管理されていると聞きます。入口から出口まで、最後まで管理が徹底することによって薬害被害の再発防止ということができるものだと考えます。
 それから、最後に混合汚染の防止についてお尋ねをいたします。
 改正案においては、混同及び交差汚染を防止するために必要な措置を講ずることとのみ規定されておりますが、複数のドナーから採取した組織、細胞を使用して製品を製造する場合には、混合処理・プーリングは禁止すべきであると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘の混合処理、交差汚染の防止につきましては、現行制度におきましても、厚生労働省によりまして、異なるドナーから採取した細胞又は組織を取り扱う場合には、当該細胞又は組織の混同あるいは交差汚染を防止するために必要な措置を講ずることが規定されておるところでございます。この点については、改正後におきましても引き続き御指摘の感染予防のために同様の規定を継続させていきたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 現行規則のような抽象的な規定をせずに、混合処理を明確に禁止するということがこうした薬害予防には大変重要だということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(阿部正俊君) 本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十三分散会