第154回国会 環境委員会 第9号
平成十四年四月十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     加納 時男君
     藤原 正司君     谷  博之君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     加納 時男君     大仁田 厚君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         堀  利和君
    理 事
                大野つや子君
                佐藤 昭郎君
                清水嘉与子君
                福山 哲郎君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                大仁田 厚君
                段本 幸男君
                西田 吉宏君
                真鍋 賢二君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                加藤 修一君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
   国務大臣
       環境大臣     大木  浩君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  奥谷  通君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       水産庁増殖推進
       部長       弓削 志郎君
       環境省自然環境
       局長       小林  光君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案(
 内閣提出)

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○委員長(堀利和君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藤原正司君及び小泉顕雄君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君及び加納時男君が選任されました。
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○委員長(堀利和君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省医政局長篠崎英夫君、水産庁増殖推進部長弓削志郎君、環境省自然環境局長小林光君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(堀利和君) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷博之君 おはようございます。
 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げまして、早速質問に入らせていただきます。
 まず、質問に入る前に、冒頭、一言申し上げたいと思いますが、今回の法改正で、特に条文の平仮名書きとか、あるいはまた口語体化とか、そしてまた欠格条項の見直しや、あるいは鉛製散弾の規制の、使用の制限とか、そういういろんな、ある程度小規模とはいえ改正をされたということについては、これは私自身も一定の評価をしたいと思っております。そしてさらに、第一条の「目的」の中に生物多様性の確保がうたわれているという、こういうことについても評価をしたいと思っております。
 ただ、三年前のいわゆる附帯決議に対応した中身の問題とか、あるいはまた将来の野生生物保護法の法制化に向けての動き等について、まだまだ十分とは言えない部分、あるいは不透明な部分というものもあるわけで、そういうことを考えますと、かすかな将来への希望を感じながら、そういうことを我々も大事にしながら、これから環境省のあるいは政府の努力を我々は期待をしていきたいと思っております。
 こういう点を前提にしながら早速質問に入りますが、前回の質問でも私取り上げましたけれども、第二条の狩猟の定義の問題、ここのところをもう少し確認を含めて質問をしたいと思っております。
 まず、第二条の条文の中に、いわゆる狩猟の手段、猟法といいますか、そういうものと、それからその対象狩猟鳥獣の、そういうことについては条文上これは明記されておりますけれども、具体的にその狩猟をどういう目的でやるのか。例えば、個人の私的な狩猟としての例えばスポーツハンティングとか、あるいはまた公的な有害駆除、そういうもので個体を管理するという、そういうふうな駆除の方法とか、いろんな目的があるんだろうと思うんですが、これらについてこの条文上明記されていないということについて、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 御説明申し上げます。
 例えば、広辞苑では狩猟というものの定義、定義というか説明が書いてございますが、種々の猟具を用いて野生鳥獣の捕獲をすることとあります。これが国民一般に通用する狩猟でありますけれども、このうち、この鳥獣保護法で規定する狩猟免許制度などにより適正化を図る狩猟の範囲について、法律ではやっぱりきちっと特定する必要があるということでございます。
 ここで、法律上、狩猟免許制度などにより適正化すべき狩猟行為というのは、ある程度の量の鳥獣を捕獲し得る行為であるということから、二つの点を考慮しました。一点目は、捕獲することのできる鳥獣である狩猟鳥獣を対象とすること、二点目は、効果的な捕獲が可能であるために、鳥獣の保護上、管理が必要なものとして環境大臣が定める法定猟法を定め用いること、この二つの要素を用いまして、狩猟の定義を「法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすること」と、こう定義したところでございます。
 環境省としましては、私的な楽しみで行う鳥獣の捕獲も、有害鳥獣駆除として行う鳥獣の捕獲と併せまして、鳥獣の捕獲行為すべてをこの法律に基づく捕獲許可制度や狩猟免許制度等により管理していく所存でございます。私的、公的というような発想で対応を違えることは考えておりません。
○谷博之君 それに関連してまたお伺いいたしますけれども、この第二条の中には、いわゆる狭義の狩猟の定義と広義の狩猟の定義ということで、我々はそういうふうにあえて分けさせていただきますが、今回の法改正で狩猟の定義が拡大をされたというふうに考えています。従来の狩猟の定義に、更に有害鳥獣駆除、こういうふうなものも含めて広義の意味の狩猟ということになると。
 それを、少なくとも今までの議論を聞いておりますと、従前どおりと変わらないということを御主張されておりますけれども、とするならば、その狩猟期間の範囲内とか、あるいは特に指定を省令で捕獲の制限がある地域の外とか、こういうふうなことをこの条文に加えて、しかも狩猟の定義というものをその狩猟期間の後に明記すべきではないかというふうに考えますが、この点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 狩猟につきましては、従来、御指摘のとおり、一般的にはですが、狩猟者登録を受けて、狩猟期間の中で法定猟法により狩猟鳥獣を捕獲するというふうに解釈をされておりましたが、現在の鳥獣保護法、狩猟に関する定義というのはなくて、狩猟をなさんとする者は登録を受くべしというふうに書かれているにすぎないということでございまして、今回、法律を現代化するに当たって、狩猟を定義する必要があるという法制局からも指摘がございまして、法律上、先ほど申し上げました狩猟鳥獣と法定猟法の二つの要素を用いて定義をしたところでございます。
 御指摘の点につきましては、まず狩猟という行為自身の性格でございますけれども、狩猟できる期間とか場所により変わるものではないということで、期間や場所の制約はむしろ狩猟の行為に対して鳥獣の保護の観点から加えられる制限と考えられること。それからまた、狩猟を定義するに当たっては、法制上、行為類型を特定する、つまり狩猟がどういう行為なのか、その範囲をはっきりさせておく必要があると。
 そのため、狩猟ができる期間というのにつきましては、例えば今回の二条で狩猟期間の範囲が十月十五日から四月十五日と決まっていますけれども、十一条でその期間は環境大臣等が期間を限定したり延長したりすることができます。現行では、実際の狩猟ができる範囲は十一月十五日から二月十五日というふうに狭まっております。そういうことでございますとか、狩猟ができる可猟区域につきましても、鳥獣保護区や休猟区の指定に係る規定等によりましてその範囲が拡大したり縮小したりすると、そういうことができまして、一定の内容にならないということから、行為類型を特定するにはふさわしくないという判断にいたしまして今回の狩猟の定義になったものでございまして、狩猟の定義に期間とか区域を使わなかったということでございます。
 なお、第九条の捕獲等に係る許可の制度ですとか狩猟制度に関する法の運用では、従来と同様の扱いとなるように規定を整備しておりまして、この定義によって、今回の狩猟という定義によって混乱が生じることはないというふうに考えてございます。
○谷博之君 いろいろ法解釈上のそういう見解が出されたわけでありますが、この点については今後、次期の鳥獣保護法の改正の段階で再度この議論は詰めていきたいというふうに思っております。
 それと、ちょっと私の手元にこの図式があるんですが、狩猟鳥獣というのは従来の狩猟の、いわゆる登録されている狩猟と、それと許可狩猟と、こう大きく拡大されているわけですが、それを今の御説明では、狩猟期間の外あるいは捕獲禁止の場所ということで、その部分をこの他の条文でそれをきちっと規定しているから従来どおりだと、こういう説明だと思いますが、これらについては、私は本来、この第二条のこの中に本来は明記すべきものではないかなというふうに思っておりますが、これは先ほど申しましたように、次の検討の時期にその内容を移したいと思っております。
 それから、今申し上げました狩猟の定義によって、特に有害鳥獣駆除と学術捕獲が今まで以上に狩猟に依存するという、こういうことが起きてくるのではないかというふうに心配をしております。そして、公的な被害防止と保護管理を民間のこうした狩猟者に更にゆだねていくことにならないのかなと、こんな心配もしているんですが、この点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 今回の法改正後も有害鳥獣駆除は従来と同様に捕獲の許可を必要とするものでございまして、スポーツハンティングにかかわる狩猟免許制度による捕獲の対象とはしておりません。したがいまして、議員御指摘のような有害鳥獣駆除とか学術研究用の捕獲がこれまで以上に狩猟に依存するということはないと考えています。
 なお、先ほど先生御指摘のように、今回の改正法におきましても、この法施行までの間に、鳥獣行政担当者会議などの場を通じまして地方自治体の行政担当者に法の周知徹底を図っていくことが必要だと考えてございまして、この場合、従来の狩猟を例えば登録狩猟と、それからそれ以外の有害鳥獣駆除とか学術研究用の捕獲を許可狩猟と呼ぶような、そんなようなことにいたしまして周知徹底を図り、関係者の間で誤解や混乱が生じないようにしてまいりたいと思っております。
○谷博之君 それじゃ関連してお伺いしますが、今年の一月から二年後の鳥獣保護法の改正をにらんで野生鳥獣保護管理検討会という組織が立ち上がって、今スタートしています。
 このことについてちょっと二点お伺いしたいわけでありますが、特に、科学的なあるいは計画的なこういう保護管理を実際に現場で実施していくための具体的な、公的な方法について、この検討会ではどのように今議論されようとしておりますでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 野生鳥獣保護管理検討会では、平成十一年度に行われた鳥獣法改正の際の附帯決議を踏まえまして、鳥獣保護及び狩猟の在り方について基本的な論点と対応の方向を早急に整理することにしております。
 御指摘の科学的、計画的な保護管理の具体的な実施体制につきましては、この検討の中で、被害防止のための個体群管理をだれがどのような仕組みで行うべきかとか、登録狩猟の目的及び社会的役割、効果とは何か、そういった基本的な問題について主要論点に掲げてございまして、その方向、その対応の方向について幅広い議論を行うことにしております。
○谷博之君 特に、この公的な方法についての検討ということで先ほど質問しましたけれども、いわゆる遊猟者による捕獲といいますかね、駆除というか、そういうことに頼らないやっぱり公的な方法について真剣にこの場で議論をしていっていただきたい。
 そして、この検討会の在り方についてでありますが、これはいわゆるNGO団体の代表の方もこの検討会に入っておりますが、そういう委員として参加している以外のたくさんのNGOの団体の皆さん方の意見というものを、ここに十分これから反映さしていく必要があるんだろうというふうに思っているんですが、そういう意味での現場でのこの法の実効性を担保するという上からも、これをどのようにしていくかということをお伺いしたいと思いますが。
 更にこれに付け加えますと、十六日のあの参考人質疑の中でも、猿の捕獲の問題について出てまいりましたけれども、これらは、現場のその市町村の担当者の方々が実際この鳥獣保護法の理解不足ということもあって、そういう問題も起きることもあるやに聞いております。
 そして、そういう意味では、この法を作っていく上での高いプロセスを持って、しかも透明性を確保していくということからも、例えばパブコメとかヒアリングとか、そういうことも重ねていく必要があるだろうと思うんですが、これは三月二十一日にできた新生物多様性国家戦略の策定過程については、我々は十分その内容は評価をしておりますが、こういうことも含めてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 野生鳥獣保護管理検討会におきましては、生物の分野ですとか農林業、経済、法律など幅広い分野の専門家の方々、それから自治体の関係者、またNGOの代表の方々にも入っていただきます。
 それから、その後ですけれども、検討会は原則公開として実施しておりますし、議事概要、会議資料についても環境省のホームページに掲載をして、すべてオープンにしてやっております。
 先生の御指摘のように、幅広くインターネットなども通じましてその内容について周知をしていきたい、まいりたいと思いますし、パブリックコメントなどを通じまして幅広い方々の御意見も賜りたいと思っています。
 特に、そういう関係で、現場の自治体の職員などにもっと積極的な働き掛け、例えば会議を通じてですとか、通知を末端まで行き届くように出すとか、そういうことでも対応してまいりたいと思っております。
○谷博之君 是非そういうことで、ひとつ前向きの御取組をいただきたいと思います。
 次に、先ほど私ずっと指摘しましたが、狩猟の定義がいろいろ議論があった。それから、今申し上げたようなこの法の周知徹底についての、特に市町村への意見を聞いたり、業界関係者に対するそういう意見も聞いて、内容を徹底させるという、こういうことについては非常にこれから大事なことだと思っていますが、そういうものの将来の見通しも含めて、先日の委員会の質疑の中で、二年後にこの鳥獣保護法の改正を必ず行うというふうな発言がありましたが、この点について、もう一度念を押して、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 現在、先ほど申し上げましたその野生鳥獣保護管理検討会におきまして、鳥獣保護及び狩猟の在り方について総合的な検討を行っているところでございます。
 この検討会でも特定鳥獣保護管理計画の策定状況、よくまだ十分、不十分なところありますので、それを見定めまして、フォローアップにおおむね二年くらい掛かるだろうということで、必要があれば法改正の視野も置いて検討を、鋭意検討を進めてまいりたいと思っていますし、また、今御指摘の点でございますが、具体的な見直しの中で、必要があれば狩猟の定義ということも併せて検討してまいりたいと思っております。
○谷博之君 是非前向きに、しかも抜本的な改正を是非期待しておきたいと思っております。
 それから、それに関連をして二つお伺いしますが、一つは、今回の改正によっても、この鳥獣保護法という法律は、特に鳥獣の保護というよりはむしろ従来型の狩猟の管理法、こういう意味合いを持った法として今まで位置付けられてきたんだろうというように思うんですが、そういった観点を変えて、あるいはそういう限界をやっぱり考えたときに、将来の包括的な野生生物保護法という法律をやっぱり見据えた、そういうふうなこれから動きをしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。
 それからもう一つは、この新生物多様性国家戦略に基づいた種の保存法の見直しですね、これについても、その種の拡大とかあるいはその地域の拡大とか、そういうことも見直していく必要があるんだろうと思うんです。
 これらについての、今回はその作業の第一歩だというふうに我々は位置付けをしたいわけでありますが、こういうことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 今回の鳥獣保護法改正につきましては、狩猟免許の欠格事由の見直しをきっかけに行ったものでございまして、基本的には現行法の考え方、仕組みを踏襲しております。
 そういうことで、平仮名書き口語体に条文を改めまして、構成についても再整理を行ったということでございまして、その上で目的規定に生物多様性の確保というのを明示したということで所要の対策を行う。例えば、水鳥の鉛中毒防止のための措置などの施策を盛り込んだということでございます。
 平成十一年改正時の附帯決議の対応を含めまして、今後鋭意検討を進め、議員御指摘の野生生物保護法につきましても今後の課題としてとらえていきたいと考えてございます。総合的な検討を一層促進いたしたいと思っています。
 また、種の保存法につきましては、現時点では、制度的な改正といいましょうか、法律を改正しまして制度的なところで何か問題があるというふうには考えておりません。現段階では、現在の法律に基づいて着実に種の保存に関する施策を進めていくことが必要だと、重要だと考えているところでございますが、今後、いろんな施策を進めていく中で法改正によって措置しなければならない事項が出てきた場合には、関係する省庁とも連携して対応、検討を進めてまいる所存でございます。
○谷博之君 いろいろ、条文上の問題、そしてこれからの鳥獣保護法の改正を今回スタートにして将来のそうした様々な動きについて質問をしてまいりましたが、もう一点、八十条の問題についてお伺いをしたいと思っています。
 具体的にはトドの問題でありますけれども、北海道の海獣談話会という会がございまして、これは北海道大学や帯広畜産大学のいわゆる海洋哺乳類の研究グループの皆さん方が五十名ほどで作っておられる会なんですが、この方々から、このトドについて八十条を適用すべきではない、つまりトドを鳥獣保護法の対象種として保護管理すべきではないか、こういうふうな指摘を受けておりますが、この点について、まず水産庁にお伺いしたいんですが、トドの今の現状ですね、どのぐらいの頭数があって、どのような今漁業との関係で対応されておられるか、その点について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(弓削志郎君) トドについてのお尋ねでございますけれども、まず、トドにつきましては、環境省のレッドデータブックによれば、現在、トドは絶滅の危機に瀕している種ではなく、適切な管理を行わなければ絶滅の危険が増大する種に指定されているところでございます。
 一方、北海道沿岸においてはトドによる定置網及び刺し網の漁具被害が発生しており、北海道庁からの報告によれば年間十億円以上の漁業被害を生じているところでございます。これに対して水産庁は、定置網に対する強化網の導入、それから刺し網からのトドの忌避技術、トドが網を避けるということの忌避でございますけれども、忌避技術の開発の調査研究等を実施し、トドによる漁業被害の防止に努めるとともに、漁業法に基づく捕獲枠を設定しまして管理にも努めてきております。
 このように、トドに対しては漁業法に基づく適切な管理を行っていることから、鳥獣保護法の適用対象としないこととしているものでございまして、水産庁としては引き続き希少生物であるトドと漁業との共存を図ってまいりたいという考えでございます。
○谷博之君 ちょっと、私の質問に対する答えがちょっと不足していたように思いますが、具体的にトドの現在の頭数とか、あるいはそれがどういうふうな捕獲、駆除、管理されているかという、この点についての御答弁は重ねてお伺いしたいと思いますが。
○政府参考人(弓削志郎君) トドについては、生息地がロシアの地域、日本に、北海道に来遊するトドについてはロシアの地域ですので、正確な資源量については今データを持ち合わせておりませんけれども、私ども、生態調査を行っておりまして、毎年の来遊観測を行っております。
 現在、昨年の日本海側の調査地点の観測によれば約四百二十頭の来遊が見られ、最近十年間の傾向として日本海沿岸における来遊頭数は増加傾向にあるという研究者の報告を受けているところでございます。
○谷博之君 この点について少し詳しく質問をしたいと思うんですが、今申されたその研究者というのはどこのどういうところでそれは研究調査されたんでしょうか。
○政府参考人(弓削志郎君) 北海道大学の桜井教授でございます。
○谷博之君 先ほど、私、冒頭申し上げましたが、北海道海獣談話会という会がございますが、この団体からのいろんな私はお話も聞いたり、いろいろヒアリングをしておりますけれども、桜井先生のその調査も話を聞いております。
 それで、この桜井先生が昨年ですか、調査をされた。この調査については、この北海道海獣談話会のメンバーが全部協力して実際の調査に当たっている。調査というのは第一線で調査するわけですから、特定のグループがそのグループだけで調査するということではなくて、いろんな学者、研究者の方が一緒になってやっているわけですね。そういう人たちの中の話ということで聞いておりますと、例えば、実際、空の上から、陸上から、それで海の上から、船の上から調査するということもありましょう。それから、漁民の皆さん方からの調査やアンケートで頭数をある程度調べるということもあると思うんですが、どうもその中に一つは重複が見られるということがありますね。
 いろんな方々が見るわけですから、一頭を二頭、三頭として勘定するということもあると思うんです。あるいはまた、駆除するときに射殺することによってそのトドが水没します。これらについて、実際その陸揚げした死体よりも二倍、三倍のそういう水没した死体があるんではないかということも言われていまして、そういういろんなことを考えると、一概にここ十年間増えているというふうなことには言えないんじゃないかというふうに私は思うんですが、その辺はどうなんでしょうか、根拠として。
○政府参考人(弓削志郎君) 先ほど私がお話しした話でございますけれども、今年の四月三日の日本水産学会で報告をされておりますけれども、北海道日本海中部へのトドの個体数については過去十年間で増加したという学会での報告でございます。
 また、捕獲のときに陸揚げされずに水没している部分があるのではないかという御指摘でございますけれども、若干そういったものがあることはあるというふうに考えておりますけれども、それが二倍から三倍になっているというふうな数字ではないというふうに認識しているところであります。
○谷博之君 駆除ということで年間百十六頭、これは過去五年間のデータを基にその頭数を決めて今駆除しておりますが、大変これは、先ほどの部長の答弁ではいわゆる漁業法によって適切な管理をしている、しかもトドは漁業に大変な被害を与えるということで、これは当然適切な駆除、管理が必要なんだと、こういうふうな答弁でありますけれども、しかし、大局的な考え方で是非見ていただきたいのは、間違いなく一九六〇年代、もう今から四十年前ですが、当時は二万頭はトドがいただろうと、こういうふうに言われていますが、現在、この北海道の、先ほど申し上げました海獣談話会の特に石名坂豪先生を中心にしたこの人たちの研究調査では、四百頭プラスアルファではないかというふうに言われています。しかも、北海道は地域によってトドの、あれは来遊するわけですね。いわゆるその生息地というのはロシアの側であって、それが越冬を兼ねて日本の北海道に来遊するということですから、そういう意味ではどちらかというと本拠地はロシアの方にあるわけです、それがこちらに来るわけですから。そういう点では、この北海道に来るトドを駆除するというか、そういう管理するということは、むしろ全体としてそれは私は見るべきものではないのかというふうに思っています。
 そういう点で、先ほどいわゆるその漁業法によって適切に管理されているということでありますが、非常にこれは私は、ロシア、アメリカは正にその絶滅危惧種ということで非常に、私は、今慎重にこのトドについては扱いをしているという国際的な流れからしても、私は、そのトドとその漁業者あるいは漁業関係者とのいわゆる管理と保護を、やはり共生していく、そういう対応というものがこれから必要になってくるんだろうと思うんですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(弓削志郎君) 水産庁といたしましても、先ほど答弁しましたように、トドが絶滅危惧種という危機的な状況にあるというふうには考えておりませんけれども、希少種であるということは確かでございますので、そういった意味で漁業とこういう希少生物であるトドとの共存共生というのを図ってまいりたいというふうに考えております。
 そのために、必要な生態調査を今後とも続けるとともに、漁具被害をできるだけ減少させるためのいろいろな技術開発、そういったものを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○谷博之君 今の議論について環境省の方でもお聞きしたと思うんですが、三年前の鳥獣保護法の改正のときに、いわゆるシカやクマなどに、いわゆる農林業の被害ということでこういうふうな野生生物に対して、それを保全と駆除というか、それを両立させるためのいわゆる特定鳥獣保護管理計画、こういう制度が実はできてまいりました。
 今の説明によると、これは漁業法によってということでありますけれども、当然これは水産庁だけではなくて環境省もこの問題には私はかかわりを持っていくべきであるというふうに思っていまして、この制度にこの問題を位置付けるということについてはどういうふうに考えておりますか。
○政府参考人(小林光君) 今御説明ありましたように、トドにつきましては漁業法で年間の捕獲頭数が制限をされている、それからまた水産庁により混獲防止技術の調査研究ということもされているということでございますので、今回の鳥獣保護法の改正においても従来どおり本法の対象にしないというふうに考えております。
 環境省としましても、今後、トドの生息状況とかそういうことにつきまして、水産庁、専門家とも連携を密にしまして生息状況に関する情報を把握したりするなどして関心を払って、必要に応じて水産庁に対しても助言を行っていきたいと思っております。
○谷博之君 時間の関係でちょっとそれ以上はもうできませんが、ただ、一つだけ要望させていただきたいんですが、水産庁の方の先ほどの答弁、最後の御答弁を前向きに受け止めさせていただきますが、少なくともこのトドについては間違いなく減少してきているというふうに我々は認識しております。先ほど増えているというふうな御答弁もありましたが、それは時間がありませんから、そのデータはこちらにありますけれども、お見せしません、できません。ただ、そういう中で、まず一つは、その認識をもう一度しっかり、科学的なデータでしっかり持っていただきたいということを一つ要望しておきたい。
 そして、どうしても漁業の面からすると、言うならばトドを適切に管理あるいは頭数を減らしていく、駆除するという視点に立ちがちでありますけれども、そのための漁業法としてこのトドが位置付けられるとすれば将来にわたって当分百十六頭が毎年射殺されていくわけですから、こういう点については私は必ず見直しなり検討を加えていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。
 それから、環境省の方には、鳥獣保護法の適用を待たずに是非今からでも、さっき局長答弁ありましたけれども、そうした水産庁と連携を取って前向きのひとつこのトドに対する対応を是非しっかりやっていただきたいと、このように要望しておきたいと思います。
 それから次に、カワウの問題について一点だけお伺いしておきたいんですが、これは前回、私、質問をいたしまして、その対策マニュアルの作成ということで御答弁をいただきましたけれども、このカワウについては、御案内のとおり都道府県がその対応を今しているわけですけれども、鳥ですから県をまたいでどんどん広域に飛来するということで、とても都道府県だけではこの対応ができかねるということを、都道府県の担当責任者からはそういう声を私どもよく聞きます。
 したがって、国による広域の特定鳥獣保護管理計画、これをカワウについても策定する必要があるんじゃないか。そしてまた、都道府県が行う基礎調査とかあるいは保護管理の技術開発、こういったものに対して予算的なものも含めて十分国としても対応していく必要があるんじゃないかというふうに思っておりますが、これについてのお考えを伺います。
○政府参考人(小林光君) カワウの保護管理につきましてですが、環境省では平成十二年度より国内移動状況の把握ですとか個体群管理のための手法等の検討を実施し、十四年度から特定鳥獣保護管理計画策定のための技術マニュアルの作成に向けて骨子の検討など更に調査を進めることにしてございます。
 広域的に移動するカワウの被害につきましては、やはり現場に近いところにいます自治体、隣接する又は関連する自治体が一体となって取り組むことが効果的であるというふうに認識しておりまして、環境省としましても、自治体の連携が的確に進められるように特定鳥獣保護管理計画技術マニュアルの内容を工夫しますとともに、自治体が一体的に取り組みやすくなるような体制作りなどについて、水産庁ですとか関係自治体と調整してまいりたいと思っています。
 環境省としましては、カワウを始めとして特定鳥獣保護管理計画の策定に関しまして、引き続き技術的な面又は財政的な面での支援の充実に努めてまいりたいと思っております。
○谷博之君 もう一点、条文上の問題で、第九条の問題について重ねてお伺いしておきますが、九条の問題のうちの特に愛玩飼養目的のいわゆる捕獲許可についてでありますが、この九条の条文の中に特にその他環境省令で定める目的として想定しているものがありますけれども、この内容について、まず詳しく説明いただきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 今回の法律の第九条の鳥獣の捕獲の許可ができるその目的といたしまして、例えば鳥獣行政担当職員が職務上の必要で捕獲する場合ですとか、傷病鳥獣、傷付いた鳥獣を保護する目的で捕獲する場合などを定めたいと思っていまして、七項目ほど定めたいと思います。
 この二つのほかに、動物園等の公共施設における飼育展示のための捕獲、それから愛玩飼養の目的で、メジロ、ホオジロだけですか、それを捕獲する場合、それから鳥獣が、例えばキジなんですけれども人工繁殖を行っていますが、遺伝的劣化を防止するために新しい血を導入するというための遺伝的劣化防止のための捕獲、それから、ウ飼いという伝統文化がありますけれども、それのためのウの捕獲、それから移入種駆除のための捕獲、以上七項目ですね、を想定をしておりまして、これは現行の運用において許可が受けられる目的としているものと変わらないと、現行どおりの目的を定めたいと思っております。
○谷博之君 環境大臣が昨年の、平成十三年の一月に第九次鳥獣保護事業計画の基準ということを告示いたしましたけれども、この内容については一言で言うならば鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという、こういう一つの視点を持った告示内容だと思います。そのことによって、いわゆる捕獲規制の強化、いわゆる飼養のための捕獲規制の強化に努めるものとすると。鳥類の乱獲を助長するおそれが、結局、乱獲によって正にこの鳥獣が本来自然のままに保護すべき状態というものが大変危惧されると。しかも、飼養鳥獣ということでそこに関係が出てくるわけですけれども、いわゆるこの第九次の鳥獣保護事業計画のこの基準の理念に基づいて、いわゆる愛玩飼養を認めないというふうな考え方を取っている県もあるやに聞いておりまして、そういうことからすると、捕獲の目的として今回環境省があえて愛玩飼養を特別に定めたこの理由は、今の説明ではちょっと出なかったものですから、重ねてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 現在、愛玩飼養を認めないということで、一切認めないという県が五道県出てきております。
 ただ、我が国には古くから鳥を飼ってその鳴き声を楽しむというふうな愛玩飼養の習慣がございまして、環境省としましても野鳥、野にある鳥は野に置きたいと、こういうふうに思っておるんですが、そういう古くからの伝統というのがございまして、実は徐々に愛玩飼養の捕獲は対象を絞ってまいりまして、現在は平成十一年にそれまで四種だった、メジロ、ホオジロ、マヒワ、ウソという四種でありましたけれども、平成十一年度にメジロ、ホオジロの二種に限るということで徐々に愛玩飼養を減らしてきている、許可を減らしてきているというふうな状況でございます。
 今回の改正に際しましては、メジロ、ホオジロの生息状況、それから捕獲許可の状況を勘案しまして、捕獲目的の一つとして当面愛玩飼養の位置付けをしたところでございます。
 これにつきましても、無限定ということではなくて、種類に限らず、どの種類でも一世帯一羽に限るというような条件を、という条件を付けておるところでございまして、徐々に愛玩飼養というのはなくしていきたいというふうには考えておりますが、直ちにはなかなか難しいという判断をしているところでございます。
○谷博之君 今、四種類、四種が二種というふうに、二種類になったということで確かに種類は減ったわけですが、実際のその全国の許可件数、これは増えているというふうに聞いているんですが、この点はどうでしょう。
○政府参考人(小林光君) 捕獲数ですが、本当に近年のことでいくと確かにおっしゃるとおりです。数字、捕獲数の、愛玩飼養目的での捕獲の数は、平成九年で千四百八、平成十年で千七百五十八、平成十一年で二千八百九十五でちょっと急に増えておりましたけれども、実は平成元年のときに比べると、もう極端に減っているというのは事実でございます。
 環境省としましても、先ほど申し上げましたように、野鳥は本来自然のままにというふうに考えてございまして、第九次の基準でもそのように指示したところでございますので、生息状況とか捕獲状況を適切に把握しながら、捕獲、乱獲とか違法捕獲が生じないようにきちっとした管理で当面対応していきたいと思っております。
○谷博之君 是非この許可件数もいわゆる減らす方向で我々は要望していきたいというふうに思っておりますが、特に十一日のこの委員会で同僚議員が質問した中で、野生の鳥を飼う愛玩飼養というものを法の下で、先ほども御答弁ありましたように限定して認めているということですね。しかし、なお違法な飼養があって、取締り等監視もしようということも御答弁されております。
 そういう中で、私たちは今回のこの改正を機にして、いわゆる愛玩飼養を目的とした許可にはできる限りこれを将来解消するぐらいの気持ちで強い見直しを是非していっていただきたいと思うんですが、その辺の御決意はどうでしょうか。
○政府参考人(小林光君) ただいま私どもで作って検討しております検討会におきまして、愛玩飼養の在り方について議論を深めてまいりたいと思います。その過程の中で対応を検討してまいりたいと思っております。
○谷博之君 次に移ります。
 いわゆる野生鳥獣の中で、傷を受けた、傷付いた、そういういわゆる傷病鳥獣の救護といいますか保護といいますか、この問題が今回の法律の改正の中、あるいは第九次の鳥獣保護事業計画に盛られておりますけれども、この対応については全国の都道府県の中で鳥獣保護センター、こういうものを設置して取り組んでいる都道府県が相当数あるように聞いておりますが、その実態と、それからそこに専門家としての獣医を含めたそういう職員の配置、そういったものがどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 鳥獣保護センターでございますけれども、現在二十五の都府県に設置されております。鳥獣保護センターを中心としまして、地元の獣医師団体ですとか、動物園ですとか、自然保護団体と連携して傷付いた鳥獣の救護に努めているということで、それらの関係者がネットワークを形成して取り組んでいるところでございます。
 環境省の場合も、水鳥が油汚染で汚れたというようなことに対応するために、一九九九年に東京の日野市に水鳥救護センターを拠点としまして対応できるような体制を作ってございまして、汚染した水鳥の救護技術に関する研修ですとか、情報の収集、また必要な資機材がいつでも配置できるようなストックを設けているというような形でございます。
○谷博之君 全国の都道府県で約半分程度の都道府県では設置されているということ。これは、その趣旨については時間がありませんから多くは申し上げられませんが、野生生物のいわゆるそういう触れ合いとか、あるいは環境教育とか、そういう場に非常に私はこのセンターはこれから役に立っていくというふうに思っていまして、しかもそれが傷付いた鳥獣の、もう一度野にそれを帰すという、そういう意味合いとか、あるいはどうしてもそうできない鳥獣を里親を見付けて、飼い主を見付けてそれで保護してもらうとか、いろんなこれから方法はあると思うんですが。
 しかし、それにしてもこのセンターというのは、都道府県が中心になって、栃木県で言えば、私どもの県で言えば県民の森というところにそういうセンターができておりますけれども、まだまだ数も十分ではない。しかもそれは、財政的には都道府県が負担をしてやっているということですから、そういう意味での財政的な支援とか、あるいはそこに携わっている職員の方々ないしはそのセンターを支えていくところのいわゆる民間のNGOの方々の全国的なネットワークというのも今作られようとしております。
 そういうふうな動きについて、このネットワークについては余り行政がこれを固めていくのではなくて、それを周りからやはり支えていく、そういう体制も含めてこれから取っていく必要があると思うんですが、そういう意味の都道府県のそういう設置を増やしていくこと、あるいはそのセンターの内容を充実させるための財政的な支援も含めて、どのように考えておられますでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 獣医師とかボランティア等によりまして、傷病鳥獣の救護に当たるネットワークが整備されております。
 この自発的な活動というのは、傷病鳥獣救護の最前線で非常に重要な役割を果たしていると思っております。そのため、先ほど御説明したように、大規模でまた広域にわたる油汚染事故の発生に対する措置とかそういうことなどには、研修の実施とか、資機材の供給とか、提供とか、情報交換ということで努めてございます。
 今後、そのネットワークに対する具体的な支援策、傷病鳥類保護センターの設置に対する支援策についても、どうしたら、在り方、役割、国と地方自治体の役割分担、そういうことを含めまして検討をさせていただきたいと思います。
○谷博之君 それでは次に移ります。
 私は、先日の委員会で沖縄北部の山原地域の国立公園化ということについて質問をいたしましたが、その問題に関連をして、あの地域で一つ今起きている問題として是非お伺いしたいことがございまして、それは、沖縄北部の山原にクイナが生息しておりまして、いわゆるヤンバルクイナという鳥ですが、これは飛ぶことができない鳥でありまして、正に希少なそういう鳥でありますけれども、これが非常に今絶滅に瀕しようとしている。
 その理由として挙げられているのが、いわゆる人間の責任によって放置された猫ですね、野猫あるいはマングースといった、そういうふうな動物によってそのクイナが捕まえられているんじゃないかという、こういうふうなことが言われておりますけれども、こういうふうな沖縄北部における野猫によるヤンバルクイナ等の野生生物への被害問題、これは非常に緊急性があると思いますけれども、この辺の実態、そして特に現地の環境省の沖縄地区自然保護事務所等の取組についてどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 沖縄の山原地区につきましては、ヤンバルクイナですとかノグチゲラですとか、この地域でしか見られない固有の生物が生息する非常に特異な生態系を有している、こういうふうに思っておりまして、その地域にマングースですとか野猫が入ってその希少な固有な動物を捕食しているというふうな事実が指摘されております。昨年、猫のふんからヤンバルクイナの羽毛が確認されておりまして、猫によるヤンバルクイナへの影響というのは種の絶滅をもたらすおそれがあるものとして私どもも大変心配してございます。
 そこで、移入種動物の対策事業というのをやっておりまして、今年の一月から約六十日間、捕獲作業をしておりまして、わなを仕掛けてマングースとか猫を捕獲をする、こういうような事業をやってございます。
○谷博之君 この問題は、非常に動物愛護団体からは野猫の捕獲についていろんな意見も出ております。
 問題は、今申し上げましたように、いわゆる野良猫化したそういう問題、特に人間が飼っていた犬や猫をその地域でこれを捨てていくという、こういうふうなことも原因の一つのように聞いています。結果として、そういうことを防止するための現地における立て看板を立てたりいろんなそういう努力はされているようでありますけれども、まだまだこれは十分とは言えない問題もあります。一方では、その捕獲した猫を、それを引き取って保護したいという、そういう愛護団体の人たちの動きもあることも事実です。非常にこれは悩ましい問題なんですけれども。
 そこで、特に大臣にお伺いしたいんですけれども、今年の三月二十二日に開催された第四回の中央環境審議会の動物愛護部会、ここで特に家庭動物等の飼養及び保管に関する基準というものをここでまとめて答申されているというふうに聞いておるんですが、そういうものを受けて、こういう新しい家庭動物の飼養基準の普及啓発、あるいは特に沖縄ではこういう取組しているわけですから、他県に先駆けたこういう沖縄の取組に対して、これを環境省としてもやはり助言をしたりあるいは積極的に協力をしていくということも必要だと思うんですが、これらについてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 今は特に沖縄の問題でございますが、沖縄に限らず、ペット動物が捨てられるとそれが野生化していろいろ問題を起こすということは大変に遺憾な状況でありまして、もちろん勝手にペット動物を捨てるということについては動物愛護管理法等で罰則もあるわけですけれども、捨てたところだけを捕捉してどうかするということじゃなくて、平生からどういうふうに飼育して、それからまたちゃんと管理をしてもらうというようなことで、今お話しのとおりに、また中央環境審議会の方でもいろいろと御意見をいただいておりますから、これを現実に具体的にどういうふうにこれから徹底していくか、各地の現状もしっかりと見ながらひとつまたやらせていきたい、いろいろと実際のやり方を検討してまいりたいと思っております。
 今の中環審の答申が出ておりますことは十分承知しておりますので、それに基づいて、またこれからひとつ関係の地方団体とも協力しながら、ひとつ施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○谷博之君 今の大臣の答弁、前向きに受け止めさせていただきまして、是非ひとつ、この問題は大変深刻な問題になりつつあるというふうに聞いておりますので、是非前向きの取組をいただきたいと思っております。
 次に、現在オランダのハーグで開かれている第六回生物多様性条約締結国会議というのが行われておりまして、あした十九日に外来種に対する指針の最終取りまとめが発表されるというふうに聞いております。これを受けて、特に我が国の外来種対策の法整備というものを進めるべきではないかというふうに考えているんですが、そのために特に省庁間の横断的なやはりそういう検討の場、これは環境省を中心にしてやっぱりそういう場もこれから作っていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんですが、これについてのお考えはどのようになっていましょうか。
○政府参考人(小林光君) 外来種問題への対応に関しまして、環境省では平成十二年度から移入種検討会というのを設けまして、移入種問題の全体像の把握と今後の取組の方向性について検討を行っているところでございます。また、昨年十二月に総合規制改革会議の中におきまして答申が出されまして、外来種対策の在り方に係る検討を十四年度中に行うことと、こういう指摘がされたところでございます。一方で、また先生御指摘のように、現在、生物多様性条約の締約国会議が開催されてございまして、間もなく外来種に関する原則指針が出されるということもありますので、総合規制改革会議の答申も踏まえまして、環境省としては、十四年度中に新たな規制制度の必要性も含めまして、外来種対策の在り方について検討することにしてまいりたいと思っています。
 外来種に関する問題は、本当に多くの関係省庁がございますので、検討に際しましては、それらの省庁との連携を密にしまして対応策を検討してまいりたいと思っております。
○谷博之君 それでは、最後の質問したいと思いますが、大臣に決意を含めてお伺いしたいわけでありますが、今回の改正法のこれからの適切な運用、それから同時並行して、前回改正時のときに付けられた附帯決議、これに基づく抜本的な法改正への取組、この点について大臣の御決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 今回、この新しい改正法案を出させていただいたわけでございますけれども、三年前ですか、以来、いろいろと御要望もあるわけでございまして、附帯決議もたくさん出されておるということでありまして、こういったものについて、正直申し上げまして、十分にできたもの、まだ目下進行中のもの、いろいろございます。
 しかし、これはやはり現在の状況を考えますと、もっともっとこれから引き続き充実させてまいりたいというふうに考えておりますので、自然環境局長、いろんな問題を抱えていまして、いろんな、何といいますか諮問委員会作っていますけれども、特にこの問題につきましても諮問委員会作りまして、もう早急にひとつどういうことができるかということを検討してもらっておりますので、いつまでもただただ勉強ということではなくて、逐次また法を充実するための勉強を進めますし、いずれ時期を見て法改正という状況になれば、またひとつお願いしたいと思っております。
○谷博之君 いろいろ質問してまいりましたが、最後に一言申し上げたいと思いますが、今の大臣の御答弁にもありましたように、特に三年前の附帯決議、そして今日、あるいは今までここの委員会で議論された内容、そういうようなものを踏まえて、是非次期の改正に向けての最大限の努力をしていただきたいということが一つ。
 それからもう一つは、私どもはかねがね野生生物保護法についての法制化について御指摘をしてまいりましたが、これは環境省にそのことを求めるということと同時に、我々自身がそういうふうなものを、民主党としてもそういうものをこれから視野に入れたそういう取組というものをしていきたいと思っておりまして、これらも今後の議論の中で、是非いろんな意味で議論をし合って、より良いそういう新しい法律を作るためにも我々も努力をしていきたいというふうに思っております。
 もう一点、昨日の日経新聞の夕刊にちょっと出ておりましたけれども、環境省が今回、新法として来年度制定する環境保全活動推進法、こういう法律を作られるということが新聞報道でされておりました。この中身は、特に環境問題に対する国民の取組というか、そういう声が、非常に意識が高くなっている、そういうものに対する国民の自発的な行動を後押しをするために一つのそういうNGOに優遇税制などを盛り込んだ新法を作るということでありまして、このように報道されております。
 こういうふうな動きは、これから特に、先ほど申し上げましたように、広く国民のこれから環境問題に対する、あるいは野生生物を始めとするこの場で議論されているような問題について非常に関心を持っている方々の活動の支援にもつながっていくことだと思っておりまして、是非こうした人たちの声を大切にしていくためにもこうした法律についてこれからも我々は注目をして見ていきたいというふうに考えております。
 いろいろ申し上げまして、私の質問を以上で終わります。ありがとうございました。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今、質問の中にもありましたけれども、二年後の法改正も視野に入れて対応をしていただくということでございます。この法案、今回は四項目の柱の改正で、法律の文面は大幅に平仮名書きになって読みやすくなり、大きな改正はしておりますけれども、中身がまだまだ、二年後の改正を視野に入れてという対応をするような形で進まなければいけないという問題もあると思いますし、今回も、十一日の質問、また参考人の質疑を十六日にして、本日また再度質問ということで私も三度させていただいておりますので、若干補足的な質問も含めてさせていただきますが、二年後の改正も視野に入れてという中身は、ある意味では、鳥獣保護、狩猟という、かかわる問題というのは科学的な実態、事実、こういったものを基に改正するということになりますので、どうしても科学的な数値等々の補てん等々ができていませんと、次の改正に向けての実態調査が明確になった上での改正というのがなかなかできないということがございますので、心を入れてしていただければと思います。
 と申しますのは、三年前に法律改正のときに、三年後見直しというときに無理ではないかということも確かにあったんですね。科学的な数字の把握をした上でということですので、二年後ということはちょうど五年後ということになりますので、五年たったときには科学的な実態も把握した上で対応していただければと思います。
 具体的に、前回質問した中で聞き足りていないところをお伺いさせていただきますけれども、販売をするということがございます。
 当初、動物を捕獲するのは、襲われて自分が生命の被害があるか若しくは食べるために、生きていくために必要な狩猟以外は無理ではないかという話もございましたが、販売を禁止されている鳥獣ということで、この法案でヤマドリ、対象になっておりますけれども、この対象を拡大する考えはないかということと、特に有害駆除ということで捕獲された鳥獣、ニホンザルとかの医学的実験利用とか、クマの胆のう等に関する乱獲について言われているものについても早急に対応する必要があるんではないかと思いますが、この対象拡大についての考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 御指摘のように、現時点では、従来より販売を禁止しておりますヤマドリについてこの条項を適用するということを考えてございます。
 クマや猿等、生息状況や流通の実態を適切に把握した上で、自由な販売とか利用がその鳥獣の保護にどういう影響を与えているか、そういうことも併せて検討しまして、販売禁止鳥獣として追加する必要性があるかどうかを検討してまいりたいと思いますし、また違法捕獲ですとか乱獲の防止も、当然のことでございますけれども、必要な措置を講じて、そういうことがないように努めてまいりたいと思っております。
○福本潤一君 その際、数字の補てんという意味では、捕獲した鳥獣ということと同時に、現実に商用利用されて流通等の数値を的確に把握するというところからも実態を掌握する必要があるんではないかと思いますけれども、この見直しをされる中で、そういう流通等、また今度は改正法案で輸入規制等ございましたけれども、そういった数値を取ることに関して大臣の基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 違法な鳥獣の捕獲、それから輸出入、流通、それぞれ監視、取締りというものが必要でございまして、現在でも、環境省が都道府県とも協力し、あるいは必要に応じて警察当局あるいは民間のいろんな団体もありますから、そういった方々と連携し協力してやっておるわけでございまして、今のところではそういったものを更にきっちりとひとつ実施してまいりたい。
 そういう監視なり取締りを続けるということでございますが、これいつも同じようなことを申し上げて恐縮なんですけれども、今そういうことで、これから更にそういったものを強化する、あるいは、何といいますか、法令化するということで、また局長のところに諮問委員会を作って、専門家を作ってひとつ勉強してもらっておるということでありますので、これもできるだけ早くひとつそういったものをきちっと結論を出しまして、次への法改正も視野に入れながら勉強を進めてまいりたいというふうに思っております。
○福本潤一君 そういう意味では、実態を、科学的な実態調査を基に改正するというのは大事なことではないかと思います。地球温暖化の方は科学的な事実に基づいたといっても予測でございますけれども、これはもう過去の具体的なケースを、実態を把握できるケースでございますので、その上での対応をしていただければと思います。
 さらに、今回、法律改正の中で四項目の柱とともにもう一点、「生物の多様性の確保」というのが目的条項に入ったと。これは参考人質疑のときでも大いに関心を持たれた内容ですけれども、生物の多様性確保というものをこの法案の「目的」の中に入れたその意図をお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 野生鳥獣は生態系の主要な構成要素でありますし、野生鳥獣の保護というのは、従来より鳥獣の種や地域個体群の保全等において生物多様性の確保に寄与してきたと、こういうふうに思っています。
 このため、先般行われました生物多様性国家戦略の見直しなども踏まえまして、本法が従来より担ってきた生物多様性保全にかかわる役割を明文化するということでございまして、今回の法改正というのは基本的に現行法の考え方、仕組みを踏襲しているということでございます。したがって、実質的な目的変更ということではないというふうに考えております。
○福本潤一君 目的変更でないということと、参考人から、生物多様性というものというのがある意味では法律条項に具体的になじむのかという話まで出ておりました。ですので、今回、閣議決定された新生物多様性国家戦略、この戦略という形で出されたものと今回の改正法案の関係もやはりお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 鳥獣を含む野生生物ですけれども、生物多様性の重要な構成要素であるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
 人間の豊かな生活に欠くことができないものというふうに認識をし、そのことを新生物多様性国家戦略におきましても書き込んだということで、鳥獣保護法というのがこの戦略の重要な施策の柱の一つとして位置付けられたということでございます。
 今回の法改正につきましては、大々的に生物多様性の取組につきまして書き込んではいないと私も思っておりますけれども、この戦略を、改定を踏まえまして本法の第一条の「目的」、明文化というのも一つのことでございます。
 具体的なところにつきましては、例えば鉛散弾による水鳥の鉛中毒防止、そういうような措置ですとか、捕獲した鳥獣の放置の禁止とか、そういうようなことをささやかながら盛り込んだということでございます。
○福本潤一君 その二点、ささやかながら盛り込んだということでございますが、一つの大きな環境の問題、また生物の問題、生命にかかわる問題でございますので、今後、法改正をにらみながら、そちらの点の観点もいかに法律に入れるかということも検討していただければと思いますし、この「生物の多様性の確保」という文言が入ったというのはひとつ大きな目的の中での位置付けだと思います。
 この中で、今後、法案の中ではそうでございますが、制度として、更には既存の鳥獣法の制度を変更したり新設したりするようなことが具体的にあるのかないか、これは行政の問題でございますが、伺いたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 従来より、鳥獣保護法、生物多様性の確保に寄与してきたと、こう思ってございますし、また生物多様性の確保に今後一層推進をしていきたいということで、制度改正、必要があれば法改正、そういうことを検討してまいりたいと思っております。
○福本潤一君 特に、法律、精神、目的書かれたことは、行政の中で具体的に反映していただける項目、多いんだろうと思います。そちらの具体的な法律に基づいた行政について、大臣の、鳥獣保護法、生物多様性の確保が書き込まれたということを受けて、決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 今回の「生物の多様性の確保」ということをあえて文字に書いたということは、やはりそれに基づいて具体的に今すぐやるのは、今、局長も申し上げましたように、要するに鉛中毒の防止だとか鳥獣の山野の放置の禁止だとか、非常に言うなれば部分的なものでございますけれども、やはりここで「生物の多様性の確保」ということをあえてうたったというのは、これからの環境省としてあるいは日本政府全体としてのやはりこういった問題に対しての姿勢を示して、これから仮に、今すぐに法律に基づく行動というのは限られるにしても、いろんな問題を取り扱う場合にそういったものを意識しながらひとつ現実の行政の中で進めてまいりたい、あるいはまた今後の我々の法律を作るための姿勢の中にも十分に反映させたいということで、言うなればこれからのひとつ姿勢をここで示させていただきまして、こういう気持ちでこれから取り組みますということを示したというふうに考えていただきたいと思いますので、またひとついろいろと御指導いただきたいと思っております。
○福本潤一君 具体的に生物、今回は鳥獣、鳥類と獣類だけでございますが、微生物まで入れるとプラスマイナス両方あるわけでございますが、細菌とまた生命に役立つ微生物、それがあるからゆえに地球環境は維持されているわけでございますので、是非とも今回の鳥獣保護法の改正に当たっては行政の中に反映いただければと思うのがこの生物多様性の確保でございます。
 特に、参考人の質疑のときにあったんですけれども、現場で行われているのは捕獲がかなり、憎しみの捕獲から始まって、習慣の捕獲、無許可の捕獲、更には要望の捕獲、密売捕獲と、法律違反状態の捕獲が七項目に分かれて説明いただいて、現場のスライドも見せていただいたわけでございますが、そういう中でこういう法律違反が起こる背景、様々要因があるわけですけれども、特に現場が法律を案外知られていないと。狩猟免許を取るときに少しかかわったり、メジロ、ホオジロを捕獲していいんだと思っていたらなかなか難しいんですねというような具体的な項目で知るぐらいで、案外法律の存在自体も、また法律に基づいてこういう具体的な行政が行われているということを知らないという人が多いということを聞きましたので、現場が法律を知らないという、そういった問題に対しての決意を、これは局長の方にも現場で行政やっておられるのでお伺いしておきたいと思います。いかに現場に法律を。
○政府参考人(小林光君) 確かに、鳥獣の捕獲の問題につきましては、いろいろなところで違反といいますか、法令に基づかない捕獲行為がされていることを耳にいたします。私どもとしましても、都道府県それから市町村の職員と連携し、また民間団体でも一生懸命手伝ってくださる方もいらっしゃいますので、そういう人たちとも連携して、捕獲が違法捕獲がないように取締り、監視も努めていきたいと思っておりますし、また、そういう違法性についての周知徹底、PR、そういうことについても全力を尽くしていきたいと思っています。
 戦後の、例えば昔カモシカが大分捕られて大勢の人が検挙された事件がございましたけれども、そういう時代から比べましたらかなり違法捕獲というのも減ってきたと思います。また、かすみ網の禁止によりまして、大規模なかすみ網による違法捕獲も減ってきたというふうには思っていますけれども、まだ十分でないという点については非常に強く認識をしてございますので、今後とも連携を深めまして対応してまいりたいと考えています。
○福本潤一君 そういう意味では、この法案、現実の実体行政を行う上では案外対立法案になりまして、農作物の鳥獣被害という側からは、是非ともこれ乱獲のみならず、具体的に作業、また被害を及ぼすところもよろしくお願いするという方からも、我々の方へ現場から大変な陳情が上がってきます。
 特に、私、データもらって調べてみたら、鳥獣被害による農作物被害ということで三百十五億という形でトータル被害で出てきておるわけですね。そういう現場の中での、今度は動物によって逆に人間が放逐された島というのが起こったり、瀬戸内海ではサメに人間が食べられたときに、それも自然だというような声まで上がって、そんなことはないという話が、議論あったことがございますので。
 農作物被害の話でちょっとお伺いさせていただきますけれども、イノシシによって一夜にして収穫を前にした農作物というのが食い荒らされるということが頻発していた島がありまして、長崎県五島列島の小値賀町の野崎島というのでは、シカが農耕地を荒らして島民が離島して全員いなくなって無人島化した島というのがございますけれども、具体的にそういうような島、存在していることを経緯知っておられるかどうか。イノシシ、シカ、また猿等々の被害等もありますので、これもお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 近年、全国的に、イノシカサルと言っていますけれども、イノシシ、シカ、猿、そういう動物、特定の動物による農林業被害が拡大して深刻化しているという状況は、たびたびこの委員会でも御審議をいただいたところでございます。
 確かに、イノシシの農作物被害面積が一万九千ヘクタールにも及んでいるというようなことでございます。一方で、狩猟とか有害とか、十五万頭ほどイノシシ捕っているんですけれども、まだまだ被害が収まらないというような状況も一方ではございます。
 御指摘の野崎島のことでございますけれども、五島列島の北部の、長崎県五島列島の北部にある面積七平方キロの小さい島ですけれども、ここ、昭和二十五年に七百人ほどおりまして、その話も私どもも聞いております。一時は七百人の住民に対してシカが七百頭ぐらい以上、超えるようなそういう事態になりまして、昨年の十一月に最後の三人の方が移転されまして、無人島化したというふうなことも伺ってございます。
 なかなか厳しい問題があると思いますが、その後、町の方で野生ジカが住む野崎島をワイルドパークというような形にして観光資源として逆に利用していこうというような動きもあります。
 いずれにしましても、特定の鳥獣によりまして農林業被害というのは、住民の方々の生活に大きな影響を及ぼしているという、そういう場合もあるということで、社会的にも極めて重大な課題であると認識してございます。
○福本潤一君 我々もいろいろな地域でいろいろなケースも聞くわけでございますが、もう一つ、東京都の八丈島、また八丈小島というところで、島民が全員離島して、その際ヤギを置いて行ったと。そうするとヤギが繁殖してヤギ王国のようになっていったのはいいんですけれども、また植生被害が起こったり、土砂の流出とか、人間が住んでいない状態の島ではございますけれども、ふるさとという形での位置付けのある島が起こったということでございます。
 そういう意味では、人と野生動物の共生といっても簡単ではないなということもございますので、こういう中でどういうふうに野生動物を保護管理していくか、ワイルドライフマネジメントという言い方もされておりますけれども、ドイツではうまくいっているという参考人の答えもありました。できれば、こういう野生動物等保護管理していく上での大臣の見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 一般論として、最近は特に人と野生生物との共生ということが非常に言われているんですけれども、現実には今、福本議員からもお話ありましたようになかなか難しいので。一方においては、野生生物がどういう状況にあるかということは、これは先ほどからもお話のございますとおりに、やっぱり科学的にきちっと知見を得て、その様子、どういう状況になっているんだと、それだからどういうことが必要なんだということをはっきりとしなきゃいかぬ。
 片や、野生生物による人間に対する被害というのもこれまでいろいろ行っておりまして、場合によってはそれは人間の方に責任があるよというふうな問題もありますけれども、しかし人間に責任というよりは、やっぱり野生生物が非常に増えたとか、あるいは人と非常に接触するところへたくさん出てきたとかいうふうなことで、これはやっぱり行政の立場からいいますと対策をしなきゃいかぬということでございますので、その辺はひとつこれからその辺のバランス、なかなか難しいんでございますけれども、その辺のバランスをしっかりと、基本的には科学的な知見というものも得ながら、ひとつ両方のバランスが国民にも十分に理解されるように、またそれぞれの地域においてニーズがどういうふうにあるかということも考え、それに対して対応できるような政策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○福本潤一君 終わります。
○岩佐恵美君 前回、北海道の春グマ駆除の問題を取り上げました。積雪地帯では、狩猟期間はクマが冬眠中のため、予察駆除と称して五月ごろに盛んにクマが殺されています。クマについては、一般の狩猟頭数より有害駆除で殺される方が多いのです。
 全国、九一年から二〇〇〇年、十年間の平均で見ますと、狩猟が七千四十三頭、そして有害駆除が一万一千二百二頭、六割が、六割以上が有害駆除です。ヒグマ、ツキノワグマ合わせてです。秋田県が九六年から二〇〇一年の六年間で、狩猟が二百二十三頭、有害駆除が六百七頭。二〇〇一年は狩猟が六頭、有害駆除が三百五十三頭だそうです。中国五県で見ますと、九三年から九八年、六年間で、狩猟が六十五頭、駆除が百九十三頭。これはインターネットで見た数字です。
 そして、有害駆除と称して捕獲したクマの胆のうがハンターのものになってユウタンとして高額で売買をされているということです。被害防止のためというよりも、むしろ高く売れる春クマの胆のうを得ることが春クマ駆除の動機になっている側面が強いと言えると思います。
 有害駆除によって捕獲したクマの胆のうの販売、これは許されるのでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 有害鳥獣駆除を目的として捕獲許可を受けて適正に捕獲したクマから摘出されたクマノイというのを販売するのは、現在では鳥獣保護法に抵触はしていないと言えます。
 私たちの考えでは、資源というのは有効に使うということであるべきだというふうな考え方にしておりますので、有害であって、それで得られたものというのは、適切に有効に利用するという考え方でやっておりますので、違法ではないというふうに理解しております。
○岩佐恵美君 北海道の春クマの駆除再開について、前回、問題があるということを指摘をいたしました。部分的には地域個体群が非常に減っているというところもあるわけですね。そういう問題もあるんですが、日本クマネットワーク代表の青井俊樹岩手大学の教授は、日本におけるユウタンの流通の在り方については国際的にも強い批判がある、安易な春季の駆除の実施は、新たに価値の高いユウタンを問題のある流通市場に供給することになりかねない、そう指摘をしています。
 私は、クマを販売禁止鳥獣に指定をすべきだと思いますけれども、その点、いかがでしょう。
○政府参考人(小林光君) ユウタン、クマノイを取るを目的として有害鳥獣駆除をするというのは、これは全く考え違いだと思っておりますが、クマノイを、販売禁止鳥獣にするかどうかにつきましては、その生息状況とか捕獲の状況、それから流通の実態を的確に把握しまして、自由な販売をすること、また自由な利用をすることが、例えばクマへの保護にどういう影響を及ぼすか検討した上で販売禁止の必要性を判断をすることにしていきたいと思っております。
○岩佐恵美君 そこで、ユウタンは海外のものが多いと推測をされているんですが、国内での消費量、どれぐらいなんでしょうか。それに対して適法な輸入量、国内での適法な捕獲による供給量、それはそれぞれどのぐらいだと環境省としてつかんでおられますか。
○政府参考人(小林光君) 国内での消費量ということに関しましては、私どもではつかんでおりません。よく分かりません。
 それから、適法な輸入量のことでございますが、クマにつきましては、輸入できないものと輸入できるものと二種類ありますが、その中で輸入できるものにつきましては、二〇〇〇年にロシアから六キログラム、一九九九年はカナダから一キロとロシアから三キロの計四キロ、そういうような実績でございます。
○岩佐恵美君 国内での適法な捕獲による供給量、これは。
○政府参考人(小林光君) 適法捕獲、有害鳥獣駆除とか狩猟によって捕獲されたクマですが、ヒグマ、ツキノワグマ合わせまして年間に千五百頭から二千頭ぐらいということでございます。
 ユウタンの供給量ということについては、個体差がありますのでよく分からない、数字的には押さえていないというのが現状でございます。
○岩佐恵美君 厚生労働省として、漢方薬の小売業者それから漢方薬の製造業者、卸業者、輸入業者など、各段階でのユウタンの在庫量、それをどのように把握をしておられますか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 日本製薬団体連合会、そして日本生薬、これは生と書きますが、生薬連合会を通じまして、医薬品製造業者及び輸入販売業者などを対象に調査した結果でございますが、ユウタンの在庫量で申しますと、平成十一年末で五百八十六キログラム、そして、十二年末では四十一キログラム減少して五百四十五キログラム。輸入量で申しますと、平成十二年で六キログラムという数字を得ております。
○岩佐恵美君 クマ一頭から約三十グラム程度のユウタンが取れるとして、購入量が六十六キロという数字を厚生省からお示しいただいているんですが、それは単純計算すると二千二百頭分に相当します。二〇〇〇年の国内のクマの捕獲というのは千九百五十六頭です。そのうち千百五十一頭が有害駆除です。正にユウタンの採取、これは有害駆除に依存していると言っても過言ではない数字だと思います。
 その上、国内のクマの捕獲数では購入量六十六キロに当たる二千二百頭に及ばない。単純計算でいうと、二百四十四頭不足をしていると思います。これを九八年から二〇〇〇年の三年間で見ると、国内で違法に捕獲された頭数、ごめんなさい、適法に捕獲された頭数五千八百三十四頭で取れるユウタンはおよそ百七十五キロ程度です。そのうちハンターが個人的に譲り渡す分がかなりあると言われていますので、適法に購入できる量はもっと少ないはずです。一方、三年間の購入量、これ厚生省お示しいただいた数量を足すと二百三十五キロあります。六十キロ、二千頭分、これはどうも計算が合わないということになります。実際には更に把握できていない分がもっとあるでしょうから、違法流通分がかなりあるという疑問を持たざるを得ないんですね。
 十六日の参考人質疑でも、ワシントン条約違反のユウタンの輸入が指摘をされました。違法なものは市場から当然排除すべきです。種の保存法の譲渡規制を適用することで、合法に流通するユウタンやあるいはそれを含む医薬品を管理して、それ以外は流通させない、そういう仕組みとすべきだと思いますが、局長いかがですか。
○政府参考人(小林光君) クマノイの違法輸入の状況というのは、違法なものですからなかなか分かっていないということでございます。違法な輸入というのは時々税関で見付かるようなこともありますので、ブラックマーケットで流れている実態もあるんじゃないかなとは思っていますけれども、やっぱりそれの対応のためには水際での取締りが大事かなと、こういうふうに思っていまして、そのほかに、それを補完する意味で、国内の流通規制というのも検討が必要だというふうには思っております。
 現在、輸入されたクマのクマノイに関しましては、種の保存法に基づく国内取引規制の対象としているものは、合法的に流通しているものとそうでないものとの容易に区別が付くという、識別ができるという観点から毛皮と革製品だけに限っておりまして、クマノイはなかなか区別が付きにくいものですから、タッグとかそういうのは付けにくいというもので対象にしていません。クマノイに関しましては、国内で合法的に入手し流通しているものとそうでないものとを識別するのが困難であることで、実効性ある規制措置を取るためには検討すべき課題が多いというふうには思っていますが、有効な管理方法が取れるかどうか検討してまいりたいと思っております。
○岩佐恵美君 私、前回、ちょっと春グマの予察駆除の問題について取り上げたんですけれども、その後、なぜこういうことが起こるのか、いろいろ実態を調べてみて、今申し上げたように、国内で流通している量と、それから適法に国内で取得しているというか、胆のうを取得している量とどうも違いがあるんですね。これは、まだ私は調べ始めたばかりですからよく分からない面があるのですけれども、いずれにしても、そういう違法のものの疑いがこれだけ短期間で、ちょっと照合しただけでも分かるわけですから、きちっと調べて対応していっていただきたいと思います。
 そして、大臣、二〇〇〇年に種の保存法施行令を改正して、今お話があったトラの骨やそれを含む医薬品を種の保存法の規制対象とした実績もあるわけですね。私は、そういう意味で、ちゃんと調べて、直ちにそういう疑義がないように手を打つべきだと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(大木浩君) 岩佐委員の、何といいますか御懸念は分かるんですけれども、これなかなか、水際で例えば輸入を防止するということになりますと、違法か合法かということから議論が出てくるわけでございまして、例えば外から入ってくるものでも、中国のことが非常に多いと思いますけれども、中国から合法に入ってくるものがあるわけですから、そうすると合法と違法というものはなかなか判別しにくいというのが実は一番問題でありまして、行政の立場から言えば、違法なものがどんどん入ってくると非常に困るということはありますが、先ほどの説明も、局長が申し上げましたように、毛皮とか毛皮製品とかそういったものだったら目に見えるわけですけれども、このクマノイの方はなかなか分からない。
 そうすると、行政的にどういうふうにしたらそれを判別できるかということになりますので、その判別の方法とかそういうのはまたいろいろとそれはあるのかどうか、それも含めて検討はいたしますけれども、今すぐにこれ輸入を禁止するというところまで、ちょっと行政の方で責任を持ってそこまでやりますということはちょっと申し上げにくいので、そういうふうに回答させていただきます。
○岩佐恵美君 飼育されたクマでも、ワシントン条約の附属書Tに掲載されているクマは輸入できないんですね。ですから、中国のものは駄目なんですよね。飼育をその条約事務局に登録したものは例外ですけれども、これはクマの登録例はないわけですから駄目なんですね。実は、中国にクマファームというクマの飼育施設があります。乾燥胆汁粉を生産しているということです。ワシントン条約の対象種であるアジアクロクマ、ツキノワグマですが、それを飼育していて、それを輸入すればワシントン条約違反なんです。だから、公式には中国からのユウタンの輸入はないんです。しかし、NGOが製薬会社とか漢方薬店を調査したところによると、中国クマファームのものをかなり使っているという実態が明らかになっています。
 違法に持ち込まれている実態について、厚生労働省として調査をして厳しく摘発すべきだと思いますが、その点いかがですか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 厚生労働省といたしましては、条約の趣旨に十分配慮しながら、関係省庁とも連携をして適切に対応していきたいと考えております。
○岩佐恵美君 八十条の問題伺います。
 漁業法や水産資源保護法などの対象となっている海生哺乳類の一部を指定して鳥獣保護法を適用しないということですが、漁業法は漁業生産力の発展と漁業の民主化を目的とする法律です。水産資源保護法の目的も、水産資源の保護培養を図り、漁業の発展に寄与するとなっています。両法とも、生物多様性の確保の観点から野生動物を保護する法律ではありません。海洋哺乳類についても、捕獲を禁止又は制限しているだけで計画的に保護を図る規定ではありません。ジュゴンは保存法制定の際の環境庁と水産庁との覚書で、種の保存法ではなく水産資源保護法の保護対象としていました。その結果、採捕の禁止以外、保護策が講じられることがありませんでした。しかも、漁業優先ということから、漁網に掛かるのを防止する、そういう策も取っていませんでした。今、絶滅の危機に瀕しています。
 私は、水産庁の姿勢を最初批判をしてまいりました。でも、結局、制度上、ジュゴンの問題については限界があるのだなということに気が付きました。それで、予算委員会でそのやり取りをしている中で、谷津前農水大臣が、ジュゴンについてはこれは覚書から外すということを言われました。ようやく今年度から環境省が種の保存法の指定に向けた調査を始めたわけですね。私は本当に遅かったなというふうに思っています。ですから、漁業法や水産資源保護法などの対象になっているからといって、数が少ないラッコ、あるいは先ほどから議論になっている生息数が激減しているトド、これを安易に本法の適用除外にしたらジュゴンのように大変なことになると思います。少なくとも、鳥獣保護法と同等の保護管理がされているそういう種だけに限定をするというような対応を取るべきだと思います。
 もっと環境省として、海生哺乳類の保護に積極的にかかわる、実態をちゃんと調べる、そして保護はされているかどうかというのをきちんとつかむ、そういうことをやっていくべきだと思います。せっかく生物多様性の確保を書き入れたわけですから、従来とは違ったそういう対応を期待したいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 今おっしゃったように、生物多様性の確保についても、今後、基本的には環境行政の中でしっかりとやってまいりたいと思っております。
 ただ、今の海生哺乳類につきましては、原則としては、鯨等につきましては漁業法などによる保護管理が図られるというふうになっておりますから、取りあえずはそちらにゆだねたいと思っておりますが、そちら、また別の、例えば先ほどからもお話しになっています、非常に関心になっておりますジュゴンなどにつきましても、これやっぱり現実に、どういう生態というか、どの程度の生息数があるなどとか、どういうふうに動いておるか、そういったことをしっかり検討しまして、その上でひとつまた措置を進めたいと思っておりますので、あくまでも慎重な、慎重なというか真剣な検討の対象にはしておりますけれども、具体的な措置につきましてはその上でまた決めたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 一口に鯨と言ってもいろんな種類があるでしょうし、その種の置かれている状態も違うでしょうから、きちんと把握して積極的に検討していくということをやっていただきたいと思います。
 次に、移入種対策について伺いたいと思います。
 改正案では、目的条項や捕獲許可条項の中で、生態系にかかわる被害の防止を明記して、そして移入種駆除ということがすることができるようになったわけですけれども、何を具体的に定めるということなんでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 法律の第九条の第三項で鳥獣の捕獲等の許可に係る判断基準を示すということになっております。それで、鳥獣の捕獲により地域個体群の絶滅を引き起こす等、鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれのあるときには鳥獣の捕獲等の許可をしないとしてありますけれども、生態系への被害を防止する目的で捕獲しようとする場合はこれに限らないと、こう定めているところでございます。
 このような不許可の例外を定めましたのは、例えば移入種による鳥獣、移入種である鳥獣により植生の衰退とか本来の自然生態系が攪乱が生じている場合、当該移入種を根絶させることが必要なこともあり得るということを踏まえたものでございまして、この御指摘の関係省令ですけれども、生態系の攪乱を防止するために、例えば沖縄のマングースなど、移入種を根絶しなければならない場合について定めることを想定をしているところでございまして、定め方については更に検討してまいりたいと思っております。
○岩佐恵美君 外来種に対して日本はほとんど無防備です。自然公園法の質疑のときにも、駆除以前に移入防止が重要じゃないかということを指摘をしました。
 外来種は天敵として導入する場合もあるんですけれども、ペットの販売目的で輸入されて野生化する場合が多い。国内に生息しない鳥獣を輸入する場合には、野生化した場合の影響についてあらかじめチェックをして、生態系への害がないと確認されたもの以外は輸入できない、そういう仕組みを作っていく必要があると思います。
 移入種対策を検討している、先ほどお話がありました。これ、具体的にいつごろまでに法制化を考えておられるんですか。
○政府参考人(小林光君) 昨年十二月の総合規制改革会議の答申にもありますように、外来種対策、十四年度中に行うということで検討を行うということが指示されてございますので、それに向かってやりたいと思っています。
 現在、生物多様性条約の締約国会議で議論されています外来種に関する指針原則では侵入の予防に最も優先順位を置くべきだという指摘もございますので、そういう方向も外国の状況も踏まえながら、十四年度に新たな規制制度の必要性も含めて外来種対策の在り方について検討することにしてございます。
○岩佐恵美君 法制化を急ぐべきだと思います。しかし、その被害実態というのはそれまで待っていられない状況もあります。鳥獣保護法では二十六条で鳥獣の輸入規制の条項があるのですが、ただし書で、輸出証明のない国からの輸入は自由となっています。ただし書の適用を受ける国は幾つでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 現時点におきましては、鳥獣の適用捕獲又は輸出につき証明する制度を有する国というのは、インドネシア、カナダ、韓国、シンガポール、ニュージーランド等十五か国でございまして、五月一日にはそれに新たに中国が加わりますので十六か国になります。
○岩佐恵美君 輸入証明が必要だというのは十六か国ですか。
○政府参考人(小林光君) そういう有する国が十六か国でございまして、ですから、そのただし書の国というのはその制度を有しない国ということですから、十六か国以外の地域、国ということになります。
○岩佐恵美君 そうすると、結局、その十六か国以外は野放しということですね。
 十一日の審議で、自然保護局長は、自由貿易の観点から二十六条のただし書は外せないと答弁しているんですが、例えばニュージーランドは海外からの鳥の輸入は一切認めていないと聞いています。自由貿易の観点から規制できないというのは、私は理由にならないと思います。新生物多様性国家戦略は、外来の輸入種について厳しく対応するとしていますけれども、こういう抜け穴を残しておくというのは問題だと思います。
 トラフィックジャパンの調査によりますと、この十六か国以外から哺乳類だけで二〇〇一年に三十万頭以上も輸入されているそうです。アメリカからはプレーリードッグ一万三千頭、イタチの仲間であるフェレットも二万一千頭も輸入されているということです。かなりこれは野に出ていくと害があるというおそれがあるそうです。鳥類まで入れると輸入鳥獣の莫大な数になります。それが野生化すると農業への被害、あるいは生態系を乱すおそれがあると思います。
 こういう状況を野放しにしておいていいとは思わないんですが、どういう対策を講ずる考えでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 現在、証明制度を有する国が中国を入れて十六か国でございますけれども、ほとんど鳥獣に関しましては中国、香港からの輸入がほとんどでございまして、九七%ほどがその中国、香港からの輸入でございますので、この制度を適用することによって相当数の輸出入の規制というか、輸入の規制ができるかと思っています。
 さらに、御指摘の許可証とか証明書を発行する制度を持たない国がたくさんございますけれども、引き続き相手国に対して証明制度を作るような働き掛けをやっていきたいと思っています。中国もそういう働き掛けの中で今回実現したわけでございますので、そういう輸入に関する規制の実効性が上がるように今後とも努めてまいりたいと思っております。
○岩佐恵美君 既に導入された外来種について、業者や飼い主の管理責任を明確にすることがとても大事だと思います。よく都市部でもぎょっと驚くような、ペットが逃げ出して大騒ぎになることがあるわけですね。生態系に重要な影響を与える、あるいは町の中をうろうろしてちょっとやっぱりみんなをぎょっとさせるようなそういうものについては、管理者名とか、個別識別ができるようなシステムを作るべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(小林光君) 平成十二年度に施行された改正の動物愛護管理法第五条におきまして、動物の所有者の責務として、所有を明示するための措置を講じるよう努めることが規定されました。
 これを踏まえまして、中央環境審議会から答申をいただきまして、ペット等の管理者の責任の所在を明らかにするために、名札とか足輪とかマイクロチップ等を装着するなど、所有者の責務として明記したところでございますので、そういう方向を周知徹底を図りながら普及させていきたいと思っております。
○岩佐恵美君 移入種について、特に島では影響が大きいわけですね。先ほどのマングースの件もありますし、私は三宅島に行きましたけれども、イタチが入ってアカコッコが被害を受けるというようなこともありました。国内でも、そういう閉鎖的な区域に従来いなかった鳥獣を持ち込むということについても事前チェックを厳しくするということが必要だと思いますが、その点いかがですか。
○政府参考人(小林光君) 先生の御指摘のとおりだと思います。小笠原の諸島ですとか南西諸島など島嶼部は、日本では固有の生態系を有している地域がありまして、そこにしか生息しない動物がたくさんすんでおります。これらが移入種により固有の生物種が脅かされるという事例も多く見られてございます。
 このため、環境省としましても、既に定着してしまった種による影響を排除するために、奄美大島や沖縄の山原地域でマングースなどの駆除事業を行っているということでございます。特に、島嶼部につきましてはその生態系保全上重要な地域がございますので、その移入種による影響の予防の観点から、重点的に対策を講じることが効果的であるというふうに考えています。影響の予防の観点から、どういう対策が有効であるか、移入種検討会で十分な議論を努めてしていきたいと思っております。
○岩佐恵美君 鳥獣保護区について、今年はラムサール条約の第八回締約国会議が開かれます。第七回の会議で、二〇〇五年の第九回会議までに少なくとも二千か所の登録を目指すことが決まっています。登録湿地数をほぼ二倍にする目標です。
 環境省は一月に、国設鳥獣保護区の設定対象となる全国的な又は国際的な見地から鳥獣の保護繁殖上重要な地域に該当する箇所を指定をしました。そのうちの一つに挙げられている愛知県三河湾の奥にあります汐川干潟の問題です。
 汐川干潟は渥美半島の付け根、田原町と豊橋市にまたがる二百八十ヘクタールの干潟です。昭和三十年代までは二千ヘクタールに及ぶ広大な干潟でしたが、工業地帯の建設のために埋め立てられて、住民の運動でやっとここまで、これだけ残ったということです。
 汐川干潟は三河湾の奥にありながら、周囲を広く農地やヨシ原で囲まれています。全国最大級のシギ・チドリ類の渡来地です。確認されたシギ・チドリ類は五十種。全国で最も多く、個体数も有明海、伊勢湾に次いで多いんです。冬期は十万羽のスズガモが飛来します。鳥類のレッドリストに掲載されたものが二十種も確認されています。渥美半島は国際的な渡り鳥の重要なルートであり、そして汐川干潟は渡り鳥たちにとっても必要なえさ場で、エネルギーの補給地となっています。全国的にも国際的にも非常に重要な渡り鳥の中継地です。
 環境省は、昨年度、国設鳥獣保護区の決定を予定しているということで汐川干潟をリストアップしているんですが、まだ鳥獣保護区も設定されていません。ラムサール条約登録に向けた取組、それはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 汐川干潟は私の地元とも言うべき地区でございますので、これは今お話もございましたように、我が国有数のシギ・チドリ類の渡来地であるということで、各都道府県知事あてに、先ほどのお話のとおり、全国的にいろいろとそういった候補地については前向きに考えたらどうかということはこの汐川干潟もそういったものの中に含めて、環境省としても早くひとつ地元できちっと、やっぱり住民の御了解を得ませんとなかなかいけませんので、目下そういうことを努力中でございまして、私どもとしては、いずれそういった地元の方でもやろうという回答が来ることを期待しております。
○委員長(堀利和君) 時間が参りました。
○岩佐恵美君 汐川干潟は、私も行ってまいりましたけれども、とても豊かなところです。地元の皆さんもいろいろ悩みながら、何とか前向きに取り組みたいということで御努力をされています。藤前の干潟も抱えているあの地域でありますので、何か人手もなかなか足りないという状況もあるようですので、環境省として是非肩を入れてやっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(堀利和君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、加納時男君が委員を辞任され、その補欠として大仁田厚君が選任されました。
    ─────────────
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。
 鳥獣法に、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣についてというところがあります。将来的、本質的に環境衛生の維持に支障を及ぼす動物は存在しないと思うんです。むしろ、過剰な私たち人間の経済活動そのものに反省すべき点があると思うんです。ですから、良い生物とか悪い生物とかというのは一つの虚像だと思います。
 そして、「他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについて」とありますけれども、大量消費型人間社会の影響から動物を保護するには、環境維持の観点からは積極的な保護法の導入が必要であり、他の法令によって管理がなされている動物においてもこの鳥獣法の例外とすべきでないと考えます。
 他の法令により保護管理がなされている動物であっても、環境省令で定めていなければその動物は鳥獣法の適用を受けることができるのでしょうか。私は、そのことについてちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) その鳥獣が本当に生まれながらに人間の敵かと言えば、いろいろ人間側との接触が増えたり、あるいはいろんな状況が変わって、鳥獣側の行動が人間に対して影響を与え、被害を与えるということが現実に起こっておると。だから、そういうことについて初めから保護というよりは、むしろ規制というところの対象になっているというのはいろいろあるわけでございます。
 ただ、これはそういった人間と鳥獣との共生といいましてもいろんな場面がございますから、やはりそれは基本的に保護に努めると。しかし、どうしても駆除しなきゃいかぬ、あるいは被害を防止しなきゃいかぬというところでは、やはり行政としては国民の皆さん方のニーズに応じてそれなりのまたいろいろと措置を伴わなきゃいかぬということでございますので、どうぞひとつできるだけ、人間側の方の原因があるところはできるだけまたひとつ少なくするように努力はいたしますけれども、現実にはこういった鳥獣についてはやっぱり被害を防止するために措置しなきゃいかぬ、あるいはそういった鳥獣だということで指定しなきゃいかぬということもございますので、これはひとつ一般論としてそういうできるだけ人間側の方の原因は除去しながら、ひとつ共生をできるところでは図ってまいりたいというふうに考えております。
○高橋紀世子君 例えばカラスが来て大変煩わしいといっても、人間が食べ物をその辺に散らかしておきますからカラスが来てしまうということになると思うんです。だから、私は、この法令についてはちょっと疑問を持ちまして、人間の生活を変えない限りはどうにもならないんではないかと私は思っています。
 他の法令によって捕獲等について適切な管理がされている鳥獣であって環境省令で定めるものについてとありますけれども、大量消費型人間から動物を保護するには、環境維持の観点から積極的な保護法の導入が必要であり、他の法令によって管理がなされている動物であってもこの鳥獣法の例外となすべきだと考え、つまり、やはり環境省の一つの縦割りではなくて、いろんなところの総合的な配慮がなければそのことが配慮できないんではないかと思うんですけれども、伺えますでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 先ほど来御説明しておりますけれども、この八十条の適用除外とするところにつきましては二つの要件がございまして、環境衛生の維持に支障を及ぼす鳥獣ということでございます。
 特にここで想定してございますのは、ドブネズミとかクマネズミといったような、イエネズミ類というんですが、従来より鳥獣保護法では捕獲等を禁止する対象とはしていなかったところでございますので、今後とも、イエネズミ、ドブネズミ、クマネズミといったイエネズミ類につきましては対象外にさせていただきたいと思っています。これは、伝染病とか食中毒菌を媒介するなど人間生活に非常に大きな悪い影響を及ぼすような種類でございますので、一々の捕獲許可ですとか保護増殖事業の対象にするとか、そういうことをこの法律では想定をしない、こういうことでございます。
 また、他の法令で保護管理がされているということにつきましては、海獣類の一部ですけれども、そういった水産資源保護法とか漁業法などできちっと管理されている、そういうものについては今回は見送っておきたい、こういうことでございます。
○高橋紀世子君 私は、どうもこの法律は一つ片手落ちのような気がいたしますけれども。
 それではどうもありがとうございました。
○委員長(堀利和君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、鳥獣保護法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 現行の鳥獣保護法は、元々狩猟法から出発したものであり、狩猟や有害駆除が中心で、保護策はそれによる乱獲の防止を図るものにすぎません。生物多様性の確保が重要な課題となっている今日、野生鳥獣の保護を中心とした枠組みに基本的に改める必要があります。
 今回の改正案は、生物多様性の確保を入れるなど、部分的な改正はありますが、九九年改正で盛り込まれた三年後の見直し条項を守らず、依然として狩猟中心の枠内にとどまるものです。また、新たに規定された狩猟鳥獣の定義や許可不要の捕獲の規定、適用除外規定など、重大な問題が多々あります。
 こうした問題点を是正し、本当に生物多様性の確保、野生鳥獣の保護を図る法体系に早急に改正するよう強く求めて、反対討論といたします。
 終わります。
○委員長(堀利和君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(堀利和君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福山哲郎君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案に対する附帯決議(案)
  野生鳥獣は、生物多様性の重要な構成要素であり、永く後世に伝えていくべき国民の共有財産である。かかる観点から、政府は、現行の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律について、平成十一年の法改正時に付された附帯決議事項の誠実な履行に努めるほか、同改正法附則により法施行後三年を目途とされている見直しに的確に対処するとともに、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、生物多様性の確保に向けての担保措置の整備充実を図るとともに、野生生物保護の法体系の見直しについて検討を行うこと。
 二、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止することを目的とする捕獲等については、スポーツハンティングとの区分を明確にすること。
 三、本法第十三条によって捕獲許可等を要しない種、並びに、第八十条によって適用が除外される「他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている」種を環境省令で定めるに当たっては、科学的根拠のある適切な調査及び広範な国民からの意見聴取を行うなど、その手続の透明化を図ること。
 四、ニホンザル、ツキノワグマ及びヒグマが、捕獲許可なく、あるいは捕獲許可目的を偽って、違法捕獲され、それら捕獲個体が実験動物目的、あるいは製薬目的で譲渡されることがないよう、大学、市町村、狩猟者にその徹底を図るとともに、捕獲許可事務の適正な運用に努め、併せて違法捕獲・飼養を行う業者の取り締まりを強化すること。
 五、生物多様性への影響が懸念されている移入種問題については、本法の更なる改正を含め総合的な対策を早急に構築すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(堀利和君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(堀利和君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大木環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大木環境大臣。
○国務大臣(大木浩君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力する所存でございます。
○委員長(堀利和君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会