第155回国会 総務委員会 第7号
平成十四年十一月二十一日(木曜日)
   午後一時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  力君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                山内 俊夫君
                伊藤 基隆君
                高橋 千秋君
    委 員
                泉  信也君
                小野 清子君
                加藤 紀文君
                岸  宏一君
                久世 公堯君
                椎名 一保君
                谷川 秀善君
                森元 恒雄君
                輿石  東君
                高嶋 良充君
                辻  泰弘君
                内藤 正光君
                木庭健太郎君
                山下 栄一君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    若松 謙維君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       壷井 俊博君
       人事院事務総局
       総務局長     平山 英三君
       防衛庁長官官房
       長        山中 昭栄君
       防衛庁人事教育
       局長       宇田川新一君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省情報通信
       政策局長     高原 耕三君
       総務省郵政企画
       管理局長     團  宏明君
       総務省政策統括
       官        大野 慎一君
       郵政事業庁次長  有冨寛一郎君
       国税庁長官官房
       審議官      大西 又裕君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   門松  武君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政手続等における情報通信の技術の利用に関
 する法律案(第百五十四回国会内閣提出)(継
 続案件)
○行政手続等における情報通信の技術の利用に関
 する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関す
 る法律案(第百五十四回国会内閣提出)(継続
 案件)
○電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関す
 る法律案(第百五十四回国会内閣提出)(継続
 案件)
○郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

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○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官壷井俊博君、人事院事務総局総務局長平山英三君、防衛庁長官官房長山中昭栄君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省情報通信政策局長高原耕三君、総務省郵政企画管理局長團宏明君、総務省政策統括官大野慎一君、郵政事業庁次長有冨寛一郎君、国税庁長官官房審議官大西又裕君及び国土交通大臣官房技術審議官門松武君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山崎力君) 次に、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。おとといに引き続きまして三十分質問させていただきます。
 前回は民間の認証局における本人確認のことで質問させていただいたところでございますけれども、本体の電子証明書の発行の際の本人確認についてお伺いしたいと思います。
 その本人確認は、住民基本台帳データとの突合による実在性の確認と運転免許証などによる本人性の確認とによるとされているわけですけれども、具体的にどのように本人確認されるのか、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今御質問ございました電子証明書でございますけれども、発行をいたします場合の確認につきましては市町村の窓口でやっていただくと。発行をする名義人は知事でございますけれども、あくまでも市町村の窓口で御本人の確認をしていただくということになるわけでございますが、御本人が電子証明書が必要だということを申請をされます場合に、窓口に参りまして二つ確認する必要がございます。一つは、御本人が実在しているかどうか、それから、正に御本人かどうか、この二点を確認する必要がございますが。
 まず、実在しているかどうかの確認は、当然のことながら住民基本台帳でもって確認すると。御本人が申請書に四情報をお書きになって、この申請書と住民基本台帳のデータとを突合いたしまして、確かにこの方は実在しているということをまず確認していただくわけでございます。
 それから、確かに御本人かどうか。これは、いわゆる面通しが一番いいわけでございますので、顔写真のあります免許証でありますとかパスポート、こういうものを原則的にお示しいただきまして、確かに御本人だということを職員の方が確認をいただくと、こういうことになるわけでございます。
○辻泰弘君 今、パスポートとか運転免許証とか、顔写真のあるものということをおっしゃったわけですが、それらは必ずしも持つことを義務付けられているものではございません。そういう場合の方に対しての本人確認はどうなさるおつもりでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 確かに、そういった顔写真付きの身分証明書に代わるようなものをすべての方々がお持ちではないわけでございますので、その場合には、例えば健康保険の保険証、あるいは国民年金の手帳とか、そういった御本人が通常は携帯しているというものを基に、その書類をお見せいただきまして窓口で幾つかの質問をさせていただきまして、そこは心証として、確かに御本人が持っているもので、確かに御本人らしいという心証を得ることによって本人性の確認をするというふうなことも考えております。
○辻泰弘君 その御質問をされる対象事項というのは、どういうことをお考えでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 今申し上げましたように、何らかの、年金手帳でありますとか共済組合員証でありますとか、あるいは年金の証書とか、そういったものをお示しをいただくわけでございますので、これに基づきまして、その手帳なり書類なり、そういったことに関連した質問をして、別の方が持ってきて質問の受け答えで不審な挙動をするとか、そういうふうなことがないことを確認するということでございます。
○辻泰弘君 今、関連してとおっしゃったわけですが、そのものだったら当然見てきているわけですから、それで確認なんていうのは意味がないわけですね。ですから、別のデータを持っていらっしゃるのを駆使しながらやるということにならざるを得ないと思うんですが、そこはどうですか。
○政府参考人(大野慎一君) 私は例えばの例を申し上げたわけでございまして、基本的には、挙動不審とか、そういうふうなことが現れないというような尋ね方になろうかと思いますけれども、これは具体的なことでございますので、実際の窓口の事務に携わりますのは市町村でありますから、そこのところのガイドライン等につきまして、よくよく御相談をしながら、マニュアルといいますか、そういったものを、委員御指摘のようなこともございますので、今後検討してまいりたいと思います。
○辻泰弘君 この制度を進めていく上で本人確認は、当然のことですけれども大変重要なことでございます。三年間いろんな形に使われるわけでございますので、今までの一つのことについての本人確認とは意味が格段に違うと思うわけでございます。
 そういう意味におきまして、今、ガイドラインとかマニュアルをというふうにおっしゃっていただきましたけれども、基本的には市町村の窓口によってということかもしれませんが、やはり少なくとも複数のこういうものを、二つを提示した上で何らかの形での確認をせよとか、そういうマニュアル、ガイドラインをしっかり作っていただくように御要請しておきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 今御指摘のことを十分踏まえましてこれから作業をさせていただきますので、きちんと対応いたします。
○辻泰弘君 同じく電子証明書発行の際のことでございますけれども、代理申請が想定されているわけでございますが、代理人の本人確認というものは同じようにできると思うんですが、そもそもの申請者本人の意思というものをどうやって確認するのかということが問題となると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) この電子証明書は希望をされる方に発行すると、こういう仕組みでございますが、例えば病気で窓口の方にお越しいただけないという方もいらっしゃるわけでございますので、そういった折には代理人による申請というものも必要でございます。
 一般的に、代理申請ということになりますと、ほかの例と同じようなことになるわけでございますが、申請をする方の意思の確認は、まずは申請書に署名をしていただくということですし、それから実印を押していただくと。この実印については委任状を出していただきますし、また実印に係ります印鑑証明書、印鑑登録書の提出を求めて対応するというのが一般的な代理申請のやり方ではないかと思っております。
○辻泰弘君 私は、今の代理申請のやり方、おっしゃっていただいたのは不十分じゃないかと思うわけでございます。
 やはり、そういう意味でもう一重に何か考えていただいて、例えば、市町村であるならば、一番理想は訪問かもしれませんけれども、訪問までできないかもしれませんが、電話をされるとか、あるいは郵便物でのもう一回のチェックを取るとか、そういう意味でしっかりと確認をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のとおり、大変大事な確認でございますので厳格な確認が必要なことはもとよりでございますから、おっしゃるように、郵便で確認するとか、あるいは電話、そういったもので確認するとか、そういったことも併せ考えながら具体的なマニュアルなりガイドラインというものを作っていきたいと思っております。
○辻泰弘君 この代理申請の部分は政令で定められるということになるわけですね、六十条でございますか、そこは確認してください。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のとおりでございます。
○辻泰弘君 電子証明書の外国人の申請について検討中と聞いておりますけれども、このことについて状況を教えていただけますか。
○政府参考人(大野慎一君) この電子証明書の発行の仕組みが、法律の案にもございますように、住民基本台帳に登録をされている方を対象に御希望に応じて発行すると、こういう仕組みでございますので、外国の方々は、今申し上げた住基台帳に記録されている者ではないということでございますから電子証明書の発行は申請できないわけでございますが、しかしながら、何らかの形の公的な個人認証システムというふうなことも必要ではないかということもございますので、今、法務省と外国人登録を活用した公的個人認証サービスのあり方有識者研究会というものを立ち上げまして検討をしているところでございます。
○辻泰弘君 以下、電子政府の事業についてお伺いしたいと思います。
 まず、いわゆる電子政府事業に係る政府予算はどれくらいになっているんでしょうか。
○政府参考人(壷井俊博君) お答えいたします。
 電子政府の推進等、行政の情報化の推進に関しましては、二〇〇三年度までに電子情報を紙情報と同様に扱う行政を実現するという目標を掲げておりまして、これを達成するため、e―Japan重点計画二〇〇二に基づいて迅速かつ集中的に各般の施策を講じておるところでございます。
 お尋ねの行政の情報化の分野における予算額の推移について百億円単位でちょっと御説明申し上げますと、平成十一年度は約八千六百億円でございます。平成十二年度が八千九百億円、平成十三年度が九千三百億円、平成十四年度は九千五百億円でございます。ちなみに、平成十五年度の概算要求額は、これは郵政事業庁が公社化されるということで、郵政公社を除きますと六千五百億円の概算要求総額となっております。これに相当します平成十四年度当初予算額は五千四百億円でございます。
 以上でございます。
○辻泰弘君 この電子政府の事業については、政府側に専門知識が足りなくて業者側に依存した割高な発注になっているんだというような指摘がございまして、予算の無駄遣いが多いとの指摘もあるわけでございますが、これをどのように受け止められているでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のように、各省庁がシステムを作る際にいろんな問題点があるのではないかという御指摘もございまして、実は、この三月でございますけれども、情報システムに係る政府調達府省連絡会議というものを設けまして入札の評価方式の見直しを行いまして、外部の人材の積極的な活用を図ることやら、それからシステムを作ります場合の管理、プロジェクト管理、プロジェクトマネジメントと言っているんですが、そうした調達の管理を適正に実施するための方策についても検討をしたところでございまして、できるだけ安く、しかも質の高いシステムを開発するように対応をしているところでございます。
○辻泰弘君 そうすると、政府の電子政府関連予算の見直しも検討対象であると、こういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(大野慎一君) 予算の要求の額は先ほどの推移してきたような額でございますけれども、私どもが聞いておりますところでは、この予算に関連いたしまして、各省庁共通にできるものはできるだけ共通にシステム開発をするとか、そういった形で、しかも一定程度共通のものを使って新しくやる場合には安くできるようなことを考えるとか、そういった形での予算の査定といいますか、そういったこともおやりになるというふうに聞いております。
○辻泰弘君 財務省の方にお伺いしたいと思うんですけれども、二〇〇〇年度に国税庁の電子納税実験システムが、五億五千万円の予算に対して某社が一万円で落札したということがあったと言われておりますが、事実でしょうか。また、その後の契約状況はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(大西又裕君) 国税庁の電子申告・納税システムの調達実績についての御質問でございます。
 まず、平成十二年度に実験システムの調達について一般競争入札を実施したところ、株式会社NTTデータが一万五百円で落札し、同金額で契約しました。
 その後でございますが、平成十三年度においては、今度は本番用システムの設計につきまして一般競争入札を実施いたしまして、NTTデータが十億二千九百万円で落札し、同金額で契約をいたしました。
 次に、平成十四年度におきましては、今度は本番用プログラムの開発でございますが、に係ります調達について一般競争入札を実施したところ、予定価格を下回る入札がなく落札者が出なかったことから、入札者でありますNTTデータと交渉を行いまして、予定価格を下回る契約額、約六十一億八千三百万円でありますが、で随意契約、一般にこれを不落随契と呼んでおりますが、を行ったところでございます。
 このように、いずれの年度におきましても、会計法規に基づき一般競争入札を実施した上で契約しております。手続に問題ないと、このように考えておるところでございます。
○辻泰弘君 その二〇〇〇年度のケースのことですけれども、五億五千万の予算だったのが一万五百円とおっしゃいましたが、そうすると、五億四千九百九十九万円はどのように使われたんでしょうか。
○政府参考人(大西又裕君) NTTデータが一万円で落札したわけでございまして、予算額との差額、いわゆる一般に実効差額と呼んでおるものでございますが、これにつきましては、財政法等の法令に基づきまして予算科目の区分の中で必要な施策の経費に充当させていただいたところでございます。
○辻泰弘君 情報システムに係る政府調達に当たって、政府は極端な安値落札を防止するために低入札価格調査制度の活用というようなことを打ち出しておられるところではあるんですけれども、今後、こういう公正、適切と思われないような安値入札というものの防止にどういうふうに取り組んでいかれるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 先ほど申し上げましたこの政府調達の府省の連絡会議の中での見直しでございますけれども、もとより契約方式の適正化ということもございまして、単年度の契約をするということだけでありますといろんな問題点が生ずるということでありますので、国庫債務負担行為を活用いたしまして数か年にわたる契約をするというふうなことにするということが一点ございます。
 それから、民間との契約になるわけでございますけれども、問題が発生いたしました場合の損害賠償責任をきちんと設定をするというふうなこともございます。
 それから、落札価格が不適正な場合にそれをきちんと調査をするというふうなこともやってまいりたいということでございまして、そういった様々な政府調達の見直しを実効あらしめることで御指摘のような安値落札等に対応をしていく考えでございます。
○辻泰弘君 先ほど申しました二〇〇〇年度のケースのこと等をお聞きしましたときに、そのときと今は制度が変わっているからそういうことはもうないだろうというような御説明だったように思うんですが、変わっているんでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 二〇〇〇年度の場合も、先ほど御説明がございましたように、財政法なり会計法なり、そういう法令に基づく一般競争入札の中で適正に執行をしたわけでありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、この入札をいたします場合に、ライフサイクルコストベースでの数か年に及ぶコストというものの価格評価をきちんとするとか、あるいは、要するに安ければ評価が高くなるというのが従来の仕組みであったわけでございまして、除算方式と言っているんですけれども、そういうものを見直して、技術なり性能評価とそれから価格点とを加算すると、こういうふうな形で見直しをいたしておりますので、制度的には、先ほどの問題に対応できるシステムの見直しによって今年度からできるものはやっていくと、こうなっておりますので御指摘のようなことにならないと思っております。
○辻泰弘君 十月二十五日に、総務省は物品等の分野における入札・開札システムの運用を開始されたというところでございます。非公共事業の分野、物品等の分野においては、総務省が開発されたシステムを使って平成十五年度から全省庁で実施する方針と伺っておりますけれども、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(團宏明君) 御質問の電子入札・開札システムでございますが、十月二十五日からサービスにしてございます。これは電子政府、e―Japan構想の一環として総務省が中心となって進めてきているものでございまして、今後、総務省以外の省庁におきましては平成十五年度に導入するということをIT戦略本部で決定しております。
 こういう総務省が先行したソフトを現在稼働しておりまして順調にいっておりますが、平成十五年三月ごろには完成したソフトを各省庁にお渡しして、十五年度中の全省庁導入ということに進めてまいりたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 先ほど申しましたように、総務省は物品等の分野における入札システムでは先陣を切っておられるわけですけれども、しからば公共事業の分野についてどうかということがあるわけでございます。
 総務省の所管される公共工事は余り多くはないと聞くわけでございますけれども、しかし、考え方としては、その分野についての電子入札というものも進められるべきではないかと思うわけですけれども、総務省の所管される公共工事、また郵政事業庁所管の公共工事についてそういう考え方でいかれるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 実は、総務省本省そのもので公共工事の入札案件を見ますと、昨年度、十三年度でございますが、一件、これも二千三百万円のものでございます。それから、本年度現時点まで、十四年度でございますが、現時点までまだ一件でございまして、これも一億八百万円程度のものと、こういうことでございますので、先ほどお話がございましたような、私ども総務省が開発をいたしましたこの物品の電子入札・開札システムを少しカスタマイズというか工夫しまして、それを利活用してやることで無駄なことはしたくないと、こういうふうに考えております。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 郵政事業庁の方でございますが、公共工事としての郵便局舎等の工事につきましては、平成十五年度半ばの導入、これを目指しておりまして、庁内に推進委員会を設置したりして電子入札の円滑な導入に向けて準備中でございます。ちなみに、現在は平成十五年四月からシステム開発、委託を予定しておりまして、そのための基本設計、実施設計を委託中でございます。
○辻泰弘君 国土交通省では、昨年十月から公共事業の電子入札を開始されていると聞いております。その執行状況について、件数、金額をお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
 国土交通省におきましては、入札に参加いたしますための移動コストの縮減とか事務の効率化、透明性のより一層の向上、これらを図る観点から、平成十三年度十月より所管する公共事業において電子入札を始めております。
 初年度であります平成十三年度は、全体で約四万三千件の入札のうち九十九件、また契約金額で見ますと、全体で三兆円のうち七百三十億円余りについて電子入札を実施したところであります。
 今年でございますが、約二千件を電子入札で実施する予定であります。現在、十月末時点でございますが、六百六十件、金額にいたしまして一千八百八十六億円分を実施いたしました。
 平成十五年度につきましては、電子入札の導入効果をより早期に発現させるためにこれまでの計画を一年前倒しいたしまして、すべての直轄事業、約四万件ございますが、これを対象に電子入札を実施する予定でございます。
○辻泰弘君 今おっしゃっていただいたことでもありますけれども、政府のIT戦略本部は、電子入札を原則として二〇〇三年度までにすべての直轄事業で導入するという方針を示されているわけですけれども、公共事業における電子入札については政府としての標準的なソフトがあってしかるべきじゃないかと思うわけでございます。
 これは、国土交通省も、IT戦略本部に提出された資料にもシステム標準化の必要性ということでコメントされているようですけれども、各発注機関のシステムが乱立すると、入札参加者が発注機関ごとのシステムに対応する負担が増大する、また各発注機関が重複投資することになり税金の無駄遣いと、こういう指摘があるわけでございまして、やはりシステム標準化の必要性というものが私は大事だと思うんですけれども、内閣官房の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(壷井俊博君) 御指摘のとおりでございまして、そういう理由から国土交通省と他の公共事業発注機関が共同して国土交通省が開発したシステムを核とした標準的なシステムを完成させておられるところでございまして、内閣官房といたしましても、効率的なシステム整備を図る観点から、国土交通省を中心に開発されたこのシステムの普及に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○辻泰弘君 国土交通省の資料では、国土交通省が開発した技術、ノウハウを地方公共団体等に対して無償で提供中ということがございますけれども、これは、他省庁に対してもそういうことでやっていくという方針でしょうか、要請があればそういうことも応ずるということになるんでしょうか、あるいは積極的にされてもいいと思うんですけれども、その辺どうでしょうか。
○政府参考人(門松武君) ただいま御指摘のとおり、電子入札コアシステム開発のコンソーシアムと称しまして、関係省庁二十二団体、都道府県、政令都市、政令指定都市合わせて百二十二団体、これらが一堂に会しましてシステムの標準化に向けて努力しているところでございまして、ここででき上がったシステムについては、できるだけ多くの団体に利用していただきたいというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 先ほど申しましたように、システムの乱立というのは、入札者の負担増大、重複投資につながる、無駄を招くということでございまして、システム標準化の必要性というのを私は思うんですけれども、是非総務大臣もそのことについて十分御理解をいただいて、他の役所にもこの分野についての、あるいは先導役だと思いますので、国土交通省が持っているのが、それが絶対いいかどうか私はよく分かりませんけれども、やはりそういう一つのものがあるならば、それをできるだけ統一的なソフトといいますか、標準的なものとして使っていくというようなことについて前向きにお取り組みいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 辻委員の言われるとおり、やっぱりできるだけ各省横断的な調整をしたシステムを開発して、みんなそれに従ってやっていくと、それが無駄がなくなりますしね。公共事業については国土交通省が約七割ですから、国土交通省が中心になってコアのシステムを作ってもらって、それをみんなが利用して、コア以外のところは何か付け加えたければ付け加えると、こういうことでやっていったらいいと思いますし、我々としても、是非将来の公共事業や単独事業は電子入札を中心にすると。こういうことが談合等の防止にもなりますし、電子政府の大きなテーマとして推進してまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 情報セキュリティーのことについて一点聞いておきたいと思うんですけれども、自治体の実際担われる職員の方に対しての情報セキュリティー対策の研修ということをお考えと聞いておりますが、その予定、方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今一番頭が痛いのは、電子自治体を一斉にやるというときに、地方団体の力というのか能力にややばらつきがありまして、それから、専門的な職員がたくさんおるところと余りいないところとありまして、全体のレベルをどうやって上げるか。特にセキュリティーが国民的な関心の的ですから、これについて強い人材を是非養成したいと考えておりまして、全国各地でセミナーを開催する、それから、来月初めより二か月間、各団体で三名程度の情報担当者を選んでいただいてe―ラーンニングをインターネットでやる、それぞれの職場でそれを見て研修してもらう、それから、全国をまとめた集中的なセミナーみたいなものを考えておりまして、是非これから力を入れてやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 以上で私の質問を終わらせていただきます。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤でございます。引き続き質問をさせていただきたいと思います。
 さて、まず最初に申し上げたいのは、この火曜日から審議入りいたしましたオンライン化法案、これは昨今のIT化の流れに沿うものであり、と同時にIT化をますます推進するものとして私は評価をさせていただきたい、その上でいろいろ質疑をさせていただきたいと思います。
 前回の一般質疑、大臣も覚えていらっしゃるかと思いますが、オンライン化法案のベースとも言うべき行政機関の個人情報保護法を取り上げさせていただいたわけなんですが、私はこの二つの法案というのは車の両輪なんだろうと思います。オンライン化法案というのは、やっぱり利便性の向上、国民サービスの向上、他方、行政機関個人情報保護法というのは個人の権利利益の保護。この二つの法案が、調和が取れ、ともにより良いものになってこそ日本のIT化社会というのは健全なものとして発展していくんだろうと、そう私は強く思っております。
 そこでなんですが、改めてお伺いしたいんですが、この二つの法案、オンライン化法案と行政機関個人情報保護法、この二つの法案の関連性といいますか、役割分担、どういうふうに考えたらいいのか、改めてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) まず、行政手続のオンライン化法案でございますけれども、これは、従来どおり書面でもいいわけですが、申請とか手続をオンライン化でもできる、可能にするというための法案でございます。
 それから、御指摘の行政機関の個人情報保護法案、従来の行政機関の電子情報だけに限っておったこの個人情報保護法を、紙情報も含めまして包括的な形での行政機関の個人情報保護法案に全面改正して今御審議いただいておると。これは、行政機関が個人の権利利益を保護するというためのものでございまして、御指摘のとおり、オンライン手続が大変進んでいくという中で新しい行政機関の個人情報保護法というのは大切なものでございますので、両方相まってIT社会というものが発展していくべきものであると、こう思いますが。
 一点だけ付け加えますと、現行法でも電子情報につきましては個人情報保護法というのが今あるわけでございますので、当面は一応レールが引かれている、レーンがあると。私どもは三法案出しておりますけれども、セキュリティーにも気を付けた形で、個人の公的個人認証法案というのを付けて、オート三輪みたいな形できちんとレーンの中を走れるようにはしているということでございます。
○内藤正光君 オート三輪ということは、まだバランスが良くないというふうに理解をさせていただきました。
 やはり、車というのは四つ輪っぱがないと安定感においてちょっと物足りなさがあるわけなんですが、それはそれとして、まず、前回もお約束したとおり、逐条的にいろいろちょっとお伺いをさせていただきたいと思うんですが、目的規定についてお伺いをしたいと思います。
 現行の個人情報保護法の目的規定を読みますと、いろいろ続くわけなんですが、要は、「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」と、これ、現行法の目的規定です。それで、まだこちらの参議院にはかかっておりませんが、新法における、新しい改正法における目的規定はどうなっているかというと、「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」と全く同じなわけですね。一言一句、この究極目的においては変更がない、変わりがない、全くもって同じだと。現行法は、個人情報保護法とは言ってもコンピューター処理に係る個人情報保護法ですので、この「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、」というのは、私はそれはそれで妥当な目的だと思います。それは認めます。
 しかしながら、今回、この部分はどちらかというとオンライン化法案にゆだねられるんですよね。オンライン化法案の目的規定は、「行政運営の簡素化及び効率化に資することを目的とする。」と。この利便性の向上についてはそちらが引き継いでいるわけなんです。であるならば、こちらの個人情報保護法というのは、やはり個人の権利利益の保護に徹するべきじゃないのかと。私は、なぜ新しいこの改正法にこの部分が残ってしまったのかというのがどう考えても不可解なんですね。逆に、これを残したことで保護法の意味合いを私はあいまいなものにしてしまうんじゃないかなという懸念があるんです。
 そこでお尋ねしたいのは、なぜ改正法においてもこの「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、」という部分を残そうとしているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(松田隆利君) 法案の説明でございますので私の方から御説明させていただきます。
 現行法におきまして「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」、こういう規定、それを新法案におきましても引き継いでおるわけでございますが、この現行法の御審議の際に当時の高鳥総務庁長官からも御説明申し上げておりますように、法案のこの部分の説明は、あくまで個人の権利利益を保護することを目的とすることが第一義である、それを行政の適正かつ円滑な運営を図りながら確保していくと、このように読んでいただきたいということで御説明申し上げているところでございまして、こういう考え方は新しい法案においても引き継がれるべきであるということで同じような表現にしているわけでございます。
○内藤正光君 であるならば、あえてその部分を残す必要もないのかなという気がしてならないんですが。
 なぜそんなことを言うかというと、そもそも個人の権利利益の保護なくして行政の適正かつ円滑な運営なんというのはあり得ないわけですよね。ですよね。ですから、どうもこの「つつ」を残すと衝突する場合があると、それを暗に言っているわけですよね、法律の目的規定そのもので。衝突したらどっちを優先させるかなんという議論がまた出てきちゃうわけですよ。
 そういうことはないんだ、あくまでこれは個人の権利利益の保護、これを第一義的に考えているんだとさっきもおっしゃいましたが、改めてお伺いしますが、「つつ」と書いてありますが、並行して並べてあるだけじゃないんだ、あくまで第一義的には個人の権利利益の保護、ここを守るための法案なんだ、改正法なんだという理解でよろしいですね。
○政府参考人(松田隆利君) 正しく先生御指摘のとおりでございまして、個人の権利利益の保護を図るということが主眼でございます。それの前提としてその「図りつつ、」という表現になっているわけでございまして、主眼が個人の権利利益の保護にあることは先生御指摘のとおりでございます。
○内藤正光君 しつこいようなんですが、一つそれについてお伺いしたいんですが、なぜ残したんですか、結局、そこの部分を。
○政府参考人(松田隆利君) 行政の適正かつ円滑な運営を図るというのは言わば当然のことでございまして、そういう前提を図りながら、主眼としては個人の権利利益を保護するということがこの法律の目的であるということを説明したものでございます。
○内藤正光君 どうも正直言って、行政の円滑な運営を図るというのは、これは何もあえて書かなくても当然のことでして、この法律が何のための法律であるかと考えた場合に、そんなあいまいさを残すべきじゃないんだろうと私は思います。やっぱり法律の目的というのは大事なんですよ。後から解釈に相違が出るようなことがあっては大問題なんですよ。
 でも、一応答弁で、これは第一義的には、「つつ」を残したけれども、あくまで個人の権利利益の保護を一番大事にするんだと。ちょっと、念のために大臣の方からも一言お願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) 行政機関の個人情報保護法が何であるかといいますと、行政機関が個人情報を扱いますね、それによって国民の、個人の権利利益が侵害されないようなことの手続をいろいろ決めているわけですよ。だから、個人の、個人といいますか、個人と書いていますね、国民個人の権利利益を守るための法律なんです、もう題名から言ってもそうですから、個人情報保護法なんだから。ついでに、それがきちっと保護されるのなら、二番目に行政の適正かつ円滑な運営があってもいいと、適正かつ円滑な運営は国民の利益でもあるんですから、行政が不適正かつ不円滑にやったらこれは国民のマイナスですから。
 まず個人の権利利益をちゃんと守る、守った上で行政自身も適正かつ円滑に運営できる、これがもういずれも国民の利益と、こういう意味では収れんしておりましてね。まあ同じ言葉でなくてもよかったんでしょうね。順列組合せを変えるとか、何かいろいろあったと思いますけれども、まあまとまりがいいということでそのまま使わせていただいたと、こういうことでございましてね。精神は、行政管理局長が言うように、個人の権利利益を守る、そのための法律だと、これは我々はみんなそう認識していると思います。
○内藤正光君 はい、分かりました。その言葉、しっかりと守った上で、いつになるか分かりませんが、この参議院においての審議に臨んでいきたいというふうに考えております。
 さて、次は、この行政機関個人情報保護法の、これは新しい法、改正法のみならず現行でもそうなんですが、この制度管理の在り方について何点かにわたって質問させていただきたい。その際、防衛庁のリスト問題もあるわけでして、それも参考にしながらいろいろ議論を深めさせていただきたいと思いますが。
 まず、個人情報の保護に当たって総務大臣の権限、本当にこのままでいいのかということを議論させていただきたいんですが、前回の一般質疑では、私は、現行法においてもまた改正法案においても構造欠陥を抱えているというふうに申し上げました。一つは、このネット社会、やはり総合的な責任主体がなきゃもう対応できない、これが一つ。総務大臣は、その際、単なる調整権限。二つ目は、基本的には各省庁に任せられていると。ただ、各省庁はその情報を利用するプレーヤーであると同時に、本当にこういう使い方していいのかどうかを判断する審判、つまりプレーヤーと審判が同一人物なんですね。これはおかしいんじゃないか、これは構造欠陥ではないかというふうに指摘させていただいた。
 それに引き続いて私は、やはりこれは公取委のような第三者機関が必要なのではないかということを申し上げたら、大臣は、今の議院内閣制にはそういうのは余りそぐわないんですよとかいうことをおっしゃった。私はそれについてもいろいろ異論はある。だったら、公取委が現にあるわけでして、それはちょっとおかしいんじゃないかなとは思うんですが、今回はちょっとそれは置いておいて議論をさせていただきたいんですが。
 総務大臣の権限、どういうものがあるのか考えてみますと、現行法では第二十一条の資料提出や説明の要求、そして二十二条の意見の陳述があります。新しい改正法案においては余り変わっていないですね、条文の中身も。ただ一つ、一条増えたんですね。第四十九条、施行状況の公表。そして、五十条と五十一条が残っているわけです。条文自体も基本的には変わっていない。つまり、総務大臣の権限という点では私はほとんど変わっていないと思うんです。単なる調整の域を出ていないんじゃないのか、意見を述べるといったそういった域を出ていないんじゃないかなと思うんですが。
 最初に確認をさせていただきたいのは、やはりそれでも個人情報を保護するという点において総務大臣の権限は十分確保されているという御理解ですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われますように、今までの権限の、権限といいますか総務大臣の役割のほかに、個人情報ファイルの保有に関する事前通知を各大臣から受ける、法律の施行状況を調査ができるとかということが付け加わってありまして、基本的には、内藤委員言われますように、資料の提出、説明の要求、意見の陳述と、こうなっておりますが、基本的には今の議院内閣制は、御異論があるかもしれませんけれども、それぞれの大臣が所掌について責任を持つ、それぞれ、まとまって内閣が国会に対して連帯して責任を負う、こういう仕組みでございまして、所掌事務ではみんな大臣、平等なんですよね。総理も任命権や何かの強い権限がありますけれども、仕事の上では議院内閣制というのはそういうことになっているんですね、大統領制と違いまして。
 そこで、今回の個人情報の適正な取扱いの責任についても、当該個人情報を持つそれぞれの大臣、行政機関の長が責任を持つと、こういうことでございまして、基本的にはそれを守りながら、今回は、委員御承知のように、それぞれ本人の開示請求権、訂正請求権、利用停止請求権を規定して本人自身もチェックができるようになっている、自分の情報について。さらに、その扱いについて、いろいろ請求した場合に決定してもらったことに不服があるのならば不服申立てができる、情報公開・個人情報保護審査会が中立的、公正的な判断をする、それから総務大臣はいろんなことのほかに事後チェックができると、こういうことで全体を仕組んでおりまして、私はこれで機能しているんじゃないかと。
 特別の第三者機関を作る、そうなりますと、全部仕事について個人情報、くっ付いているんですから、その仕事の方はこっちで個人情報の方だけこっちだというと、仕事と一体の個人情報ですから、それを分離しますと、第三者機関に、責任が大変あいまいになりますし、仕事についての個人情報について保護のためにチェックするというと、物すごい人が要りますよ。それから、地方出先機関なんかどうするのか。
 そういう意味では、各大臣に責任を持たせてそれをいろいろチェックしていく、本人もチェックできる、第三者機関も不服申立てなんかの場合には参画できると、こういう仕組みが適当ではなかろうかと私は考えております。
○内藤正光君 では、防衛庁のリスト事件を一つのケーススタディーとしていろいろ議論をさせていただきたいんですが、まず防衛庁にお尋ねしたいのは、最終的に本事件では職員のどんな行為が違法だと判断されたんでしょうか、お尋ねします。
○政府参考人(宇田川新一君) 防衛庁におきますいわゆる情報公開開示請求者リスト事案でございます。これは幾つかの事案が重なっているところでございます。
 まず最初に申し上げますのは、海幕情報公開室に勤務していました三等海佐、彼が個人の発意によりまして情報請求者の氏名、住所等のほかに情報公開業務に必要な範囲を超えた個人情報を付加したリストを作成しまして内局、各幕の情報公開室担当者、海幕調査課担当者等にフロッピーディスク等を配付していた事案が一つ目であります。
 これにつきましてはどういう評価かと申しますと、この三佐の作成した情報請求者リストでありますが、これは行政機関電算処理個人情報保護法上の個人情報ファイルに該当します。例えば、受験者○○で失格の母とか、反戦自衛官といった情報公開業務と何ら関係を持たない個人にかかわる記載内容がございます。
 したがいまして、個人情報ファイルに記載される情報は当該個人情報ファイルの保有目的の達成に必要な限度を超えてはならない旨を定めました同法第四条第二項に違反するものであります。
 また、この三佐は、ファイル保有目的の達成に必要な限度を超えた内容を含む違法なリスト、これを内局、各幕情報公開室、海幕調査課及び海自中央調査隊に配付しております。
 これは、個人情報の電算処理等を行う行政機関の職員はその業務において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせてはならないとする同法第十二条の規定に反するものであります。
 それから、また別な事案、空幕の情報公開室員、彼が東京地方調査隊員に対して開示請求内容に開示請求者の氏名等を加えた文書を配付していた事案がございます。
 これにつきましては、空自の情報公開室の三佐とその後任者が行ったわけでありますが、この開示請求書に記載された請求内容のほかに受付番号それから氏名をリスト化しまして印刷したものを東京地方調査隊に配付しております。
 これは、個人情報の内容をみだりに他人に知らせてはならないとする同法第十二条の規定に違反するものでありました。
 それからもう一件、防衛施設庁施設部所属の情報公開担当の専門官、彼が開示請求書から転記しました開示請求者の氏名等を含むリストを作成しまして、一時期、防衛施設庁内のLANの施設部掲示板に掲示していた事案がございます。
 これは、目的外の利用ということになりますので、同法第九条第一項に違反するものでございます。
○内藤正光君 三つの、三点の法律を犯していた、違反していたというふうに判断されたわけなんですが、考えてみるに、現在もコンピューター処理に係るとはいえ個人情報保護法があるわけなんですが、にもかかわらず何でこんなような事件が起こってしまったのか、これは防衛庁並びに総務省にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(山中昭栄君) 先般のリスト事案の事実関係あるいはその事実関係の評価、そういったものを分析いたしまして調査報告書というものを私ども取りまとめております。
 その報告書の中におきまして、先般の事案について個人情報保護に関する教育、研修が十分に行われていれば、今、人事教育局長から説明がございました海幕三等海佐開示請求者リスト事案の未然防止や内局、陸幕、空幕リスト事案における混乱の回避が可能だったのではないかと考えられるという私どもなりの総括をいたしておりまして、要すれば、今般の事案の根本は、大半の職員の個人情報保護に対する言わば認識の低さ、あるいは制度を運用する際のチェックの甘さがあったのではないかということでございます。
 また、そもそも情報公開室は開示請求者の個人情報を取り扱う部署であるにもかかわらず、そこに勤務する者に対しまして法律の趣旨、内容等の教育、研修が十分に行われていなかったということから、同法を十分に理解している室員が少なかったというふうに私ども考えているところでございます。
○政府参考人(松田隆利君) 法律を所管する立場から防衛庁の件につきまして御説明申し上げますと、現在の行政機関個人情報保護法は大型電子計算機等による個人情報の処理を念頭に置いた制度でございまして、主に電算処理を担当する職員を対象に制度化されているわけでございますが、今日のようにITの活用が進みましてすべての職員がITにかかわるようになっている、そういう中でこの現行法も適用されていくわけでございまして、そういう意味で、今、防衛庁からもお話がありましたように、電算処理を直接に担当する職員以外の職員に対する制度の周知の徹底、これが必ずしも十分ではなかったのではないかと見ているところでございます。
 今回、現行法を抜本改正いたしまして、新しい法案では保護の対象となる個人情報の範囲を行政機関の保有するすべての個人情報に拡大をいたしておりまして、したがいまして関係する職員もすべての職員になるわけでございまして、今後は新しい法案の早期成立をお願いしつつ、総務省といたしましては、ガイドラインの作成ですとかあるいは研修の実施ですとかセミナーの開催等々を通じまして個人情報の保護に関する職員の意識を高めることに全力を挙げていきたいと、こう考えております。
○内藤正光君 防衛庁の答弁は、率直に教育、研修が十分ではなかったと。総務省からの答弁は、この現行法はあくまでコンピューター処理に携わる人のための法律であって、それがいつしかコンピューター利用がどんどんどんどん増えていってというのを何となくちょっといかがな答弁かなとも思うんですが、新しい改正法案ではコンピューターに限らずすべての情報に網がかぶさるわけですから、やはり今まで以上に全省的に、あるいは全霞が関的に教育なり研修なり、あるいは体制固めに努めていっていただかなければ問題は次から次へと出ていってしまうんだろうと思います。
 ところが、この現行法ができて間もない、翌平成元年だったと思いますが、当時の総務庁の事務次官通知として、個人情報の安全・正確性確保の措置に関する指針というものが出されているかと思います。その中では、管理体制をこうしろとか、あるいはまた研修をしっかりしなさいと。管理体制の中では、監査を定期的に行いなさいということもいろいろ出ているわけなんです。監査といえば、当然のことながら、常識的に考えれば毎年一回はやるもの、そしてそれに対する結果は監査報告という、そんな形式張ったものでないとしても、ちゃんと記録に残る形で残す、これは常識だと思うんです。
 まず、今日防衛庁にお伺いしたいのは、いろいろあるんですが、監査は行ってきたんですか。
○政府参考人(山中昭栄君) 私ども、いわゆる行政機関として個人情報等を電算処理をするということから、これは各機関ごとにシステムの管理運営要領等を定めまして、必要に応じましてデータの管理とかアクセス制限、こういったものを行ってきたわけでございますが、率直に申し上げまして、いわゆる個人情報保護法に基づく個人情報の安全、正確性の確保という観点からの監査を定期的に実施をしてきたかということになりますと、率直に反省をすべき点があったというふうに考えております。
 ただ、先般のいわゆるリスト事案の根本には、先ほども申し上げましたが、個人情報保護のチェックの甘さがあったということから、これはあくまでも情報公開制度の運用という場面でございますが、個人情報保護のチェック体制の充実を図るということで、情報公開業務を取り扱うセクションとは別のところで、各機関の要員等も集めまして複数の検査チームを作って検査を実施をするという形にいたしたところでございます。
○内藤正光君 率直に、監査は行ってこなかったとおっしゃったわけでして、そして研修も十分ではなかったと。でも、よく考えてみますと、今回たまたまLAN上に載せてしまったから引っ掛かっただけであって、もしかしたら同じような、事の本質は全く同じようなことがコンピューター以外のところでいろいろまかり通っていたかもしれない。
 確かに、現行法ではそれは対象外ですよと言われるかもしれないけれども、国民の情報が知らないところでいろいろな形で国に加工されたり、何かいろいろ受渡しされたりということがあると、私はどう考えても国民は安心して行政のオンライン化という方向、流れを受け止めることができなくなってしまうんじゃないかなと思います。
 そこで、ちょっと教えてください。同じく防衛庁なんですが、監査は率直に言って余り十分には行ってこなかった、研修も行ってこなかったと。ところが、平成元年、総務庁の事務次官通知ということで出ているんですが、なぜ事件が発覚する前のこの十数年間にわたって余りこういうことを守ってこなかったんですか。事務次官通知というのはそういうものなんですか。
○政府参考人(山中昭栄君) 先ほども申し上げましたが、いわゆる私ども行政機関として情報を電算処理をするという観点から、個人情報を含めた各種情報の管理、安全、正確性の確保という点に留意をいたしまして、これは、例えば各幕僚監部でありますとか防衛医科大学校でありますとかの各機関ごとにシステムの管理運営要領等を定めて、できるだけ適正な運用が図られるように努めてきたつもりでおります。
 ただ、情報公開制度の運用という場面におきまして、その個人情報の取扱いについて法の趣旨にそぐわない運用がされたということについて反省をし、そういう事案が再び生じないようにいろいろ再発防止等の方策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。
○内藤正光君 総務省にお尋ねしたいんですが、現行法が施行以降十数年間、各省にその遵法精神を徹底させるためにどんな取組を具体的に行われてきたんでしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) 現行制度の周知徹底でございますが、私どもとしましては、一つに、個人情報保護をテーマにしました、全国に機関またがっておりますので、各地方ブロック単位のセミナーですとか、そういうものを開催して法律の的確な運用を各省庁に要請をしていく、あるいは全省庁による連絡会議等を通じまして法律の趣旨を徹底していくということでこの間やってきているところでございます。
 また、毎年度、施行状況調査を行っておりまして、ガイドライン等でお示しいたしました安全委員会とか、あるいはそういうものが入っているわけでありますが、各省においてその安全性、正確性を確保するための規定の整備状況等について調査し、そして公表しているわけでございます。
 現在、個人情報ファイルを保有する機関が三十行政機関ございますが、そのうち十七行政機関は独自の規定を整備されておりますし、残りの十三機関も総務省のガイドラインを参考に運用されておりまして、そういう状況を毎年度、施行状況調査において確認していくと、そういう取組を行ってきたところでございます。
○内藤正光君 総務省としては、この法案の、法律の所管省庁ということでいろいろな取組をされていると。いろいろおっしゃったわけなんですが、現状として、多分答えにくかったと思うんです。実際そういう取組をやっていながら、実は各省庁にその精神が、総務省の思いが現実としては伝わってはいなかったと。
 ということは、現状では今までの取組を決して十分だというふうには考えていませんね。
○政府参考人(松田隆利君) そのような取組をしてまいりまして、平成元年からの現行法の施行でございますが、同法以来、この現行法に問題になるような事態が特にあったわけではございません。
 今回、防衛庁の問題が起こったわけでございますけれども、私どもとしましては、この際、改めて現行法の趣旨を徹底するような取組をいたしておりますし、さらに、抜本的な制度上の改革ということで新しい法案を提出させていただいて、個人情報保護意識の更なる向上に努めたいということでいろいろお願いいたしているわけでございます。
○内藤正光君 一回こっきり、一回だけにしますが、こういうのは。ただ、幾らやると言っても、法制度の枠組み自体が余り変わっていないわけでして、総務大臣の権能というか権限もさして新しい改正法案で大きく変わっているというふうには見えていないんですね。
 今おっしゃったその思いがどこまで本当に実現できるのか甚だ心もとないんですが、これはもう大臣のリーダーシップでもって、現行法においても、また新しい改正法が成立したとしても、じっくり今回のことはもう謙虚に反省をして、二度とこういうことが起こらないように努めていただきたいんですが。
 そう申し上げた上で更に続けるわけなんですが、今度は宇田川局長にお尋ねしたいんですが、先ほど防衛庁の職員のどういう行為が違法と判断されたのかと、それに対して、三つの法律に違反していると、三項目に違反しているということをおっしゃったわけなんですが、それとはほかにイニシアル表記のリスト、ありますね、あれは個人が特定できないから違法じゃないというふうに判断されたかと思うんです。ところが、専門家によれば、同じ防衛庁の中にそれと対照可能なリストがあるわけでして、であるならば、これはもう個人情報そのものじゃないのかというような解釈をされている、専門家は。
 その上でお尋ねしたいんですが、防衛庁も宇田川局長も、新聞でお答えになられているかとは思いますが、なぜイニシアル表記のリストの件については違法ではないと判断されているのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(宇田川新一君) 御指摘の、イニシアルだけであったとしてもほかの情報と容易に照合できる、ほかの情報と照合できれば個人が特定できるのではないかと、こういう御質問だと思うんですが、元々、行政機関電算処理個人情報保護法は、行政機関における個人情報の電算処理の進展にかんがみまして、個人を識別できる情報を体系的に集積した個人情報ファイルを対象としているものであります。
 御指摘のイニシアルでございますが、開示請求書のイニシアルや区分、これはマスコミとかオンブズマンとか書いたものがあったわけでありますが、これが記載されていますけれども、これだけでは特定の個人と識別できませんし、また、ほかの情報と容易に照合して当該個人を識別できるというものではないという判断をしたわけであります。
 おっしゃるように、別に請求者のリストがございました。このリストを見れば当然のことながらイニシアルで特定できるわけでありますが、この個人請求者のつづりにつきましては、これは厳重に保管されておりまして、担当者以外はアクセス、接近できないということが分かりましたので、容易に判別できないというふうに判断したわけであります。
○内藤正光君 調べた結果、容易にアクセスできないことが分かったと。言われて分かった、調べて分かったということと──でも、担当者はアクセスできるわけですね。担当者を通じていろいろ照合が可能なわけなんですが、要は、局長のおっしゃりたいことは、容易に照合できないからこれは個人情報じゃないですよということをおっしゃりたいんだと思うんですが。
 じゃ聞きますが、容易にという、この容易というのが一つのキーワードになるかと思いますが、一体、容易か容易でないか、どうやって判断するんですか。
○政府参考人(宇田川新一君) 容易かどうかというのは、やはり当然、その情報公開の担当者は職務上それにアクセスできないと仕事ができないわけでありますんで、彼がそれを見るのは問題ないと思いますが、その他の関係のない者あるいは知る必要のない者が、業務上知る必要のない者がアクセスできる場合には、やはりそれは容易に照合できるというふうに判断できると思います。
○内藤正光君 私は、何も重箱の隅をつついているような質問をしているわけじゃないんです。容易にというのはどこに書き込まれているかというと、定義のところですね、第二条の定義ですよ。私は、冒頭、目的を扱いました。法律の目的とか定義というのは一番根幹なんですよね。これが揺らぐと、解釈が揺らぐと法律そのものの実効性がクエスチョンマークになっちゃうんですよね。
 局長、何かいろいろつらつら述べられましたが、どうも容易にアクセスできるかどうか、容易に照合できるかどうかというものの判断基準が私は余りにも不明確だと思っているんですよね。というふうにしか聞こえないんです、少なくとも。
 そうなってくると、本当に法律の実効性って──今、総務省に、ちょっとごめんなさい、これ、本当に突然なんですが、答えられたらお答えいただきたいんですが、総務省もこの定義についてはいろいろかかわっていると思うんですが、何か一つの基準というのはお持ちですか、この定義に関する。
○政府参考人(松田隆利君) 容易にということの説明でございますが、私どもの方でこの法律のコンメンタールを作らせていただいておるわけでございますが、本法の対象とする個人情報は、磁気テープ等に記録された個人情報そのものから本人が識別されるものであることが原則でございます。
 しかし、当該情報のみでは本人が識別できない情報でございましても、一定の条件で検索をして、番号を抽出して、その結果をその番号別の氏名ファイルと照合する、そういうことによって容易に本人を確認できるような場合などは、本人が識別できる個人情報を検索したのと同様であるから本法の対象とするという説明をいたしております。
 基本は、この磁気テープ等に記録させた個人情報、これが正にこの規制の対象になっておりますので、それを基本といたしますと今のような説明になろうかと存じます。
 したがいまして、逐一文書等によって他の機関に照会しなければ個人が識別できないような、そういうようなもの等は容易に照合することができる場合には当たらないのではないかという説明をいたしているところでございます。
○内藤正光君 恐らく総務省さんもこの問題、気付かれていると思うんです。というのは、なぜかといえば、改正法案でこの容易という言葉は消えているんです。余りにもこの容易にというのが定義としてふさわしくないということは分かっていたから消したんだと思います、今回の行政機関個人情報保護法では。でも、これについてはまた後からやっていきたいなと思うんですが。
 ちょっとそこで、また改めて総務省にお尋ねしたいんですが、防衛庁さんも先ほどお答えになられたように研修が余り十分ではなかった。どうも私には、いろいろお答えになられていますが、この定義にしろ何にしろ、まだ法解釈が何か統一されているようには思えない。そして、その結果としてリスト問題が起こってしまったんですが。
 これ、冒頭した質問と、繰り返されるかもしれませんが、同じになるかもしれませんが、一体こういった問題、究極的には、防衛庁のリスト問題なんですが、運用の問題で生じたのか、あるいはまた法律そのものの問題で生じたのか、できれば大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 容易になんというのは、なかなかこれは、客観的にはいろいろ言っておりましたけれども、やっぱり法律用語で使うとなかなか問題があるかもしれませんね。容易に、これは主観的要素と客観的要素があるんですよ。技術的要素と状況的要素もありますしね。だから、そういうことで今回はそれがなくなったんだろうと思いますが。
 今回の防衛庁の問題は私は運用の問題だと、こういうように思っておりまして、今、官房長や人事教育局長さんのお話を聞きましても、今は電算処理の職員だけですから、その少数のかかわっていた職員さんも認識が甘かった、それから、普通の職員さんというか、それ以外の職員さんもそこのところの同じく認識が甘かったと。そういうことで起こった問題でございまして、やっぱり時代が変わっているんですから、それから、IT時代になると個人情報というのは幾らでもそれこそ容易にいろんなところで取れるようになるわけですから、そういう意味では、やっぱりみんな、かかわる職員、その他の職員もすべて認識を変えていく、こういうことが必要だろうと思いますし、行政機関個人情報保護法を早急に通していただければ、我々としては全力を挙げてそういうことでの働き掛けをしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○内藤正光君 現行法においても、また、いつになるか分かりませんが、新しいこの改正法がもし成立した暁には、この運用の問題、徹底して気を付けていっていただきたいと思いますが。
 さて、また松田局長にお尋ねしたいんですが、先ほどもお伺いしまして、平成元年以降ずっと努力を、この法の精神が各省庁に徹底されるように努力を続けられてきて、そして防衛庁のリスト問題が発生して以降も一生懸命頑張られたということをおっしゃったわけなんですが、ところが、原子力安全の保安院の問題がまた出てきてしまっているんですね、原子力発電所のトラブル隠しに絡んで。
 詳しいことは言わなくてもお分かりいただけるかと思いますが、これ、コンピューターを使っていないという点では防衛庁のリスト問題とは違うんですが、事の本質としては防衛庁のリスト事件と何ら変わるものじゃないと思うんですよね。本当にやっているんですか、徹底してやっているんですか。
○政府参考人(松田隆利君) この原子力保安院の東電の問題につきましては、私ども詳細は承知いたしておりませんが、平成十二年に発生した事案であると聞いております。そして、聞くところによりますと、現行法の行政機関電算処理個人情報保護法で言う情報ファイルではなくて紙ベースのものと思われるわけでございます。
 したがいまして、基本的には法の対象の議論にはならないわけでございますが、こういう紙ベースの個人情報の問題を今日的には正に保護意識として高めていかなければならないという状況に来ているわけでございますので、この間、努力いたしてきているところでございますが、新しい抜本的な法案をお出しして、正に新しい個人情報の保護意識の高度化を図りたいと努力しているところでございます。
○内藤正光君 今の答弁ですと、今の現行法はコンピューター処理に係るものだから、紙ベースだとか口頭だとか、そういったものは関係ないですよというふうにしか聞こえないんですが、ところが事の本質は同じなんですよ、事の本質はね。
 法律は、今、コンピューター処理にしか係らない、紙には係らない、だからまだ関係ないですよというのは、私は答弁としては全くもってちょっと聞き捨てがならないんですよね。やはり防衛庁のあのリスト事件、反省したんだったらば、もうそれを先取りする形ででもいいですから、やはり言うまでもなく事の本質は、何度も繰り返すように事の本質は変わっていないんですから、同じなんですから、私はもっと周知徹底を図るべきじゃないかなと思うんですが、それでもやはりまだ新しい改正案の成立を待たなきゃいけないと言うんですか。
○政府参考人(松田隆利君) この防衛庁の問題を踏まえまして総務省としましては、これまでの努力に加えまして、八月六日に全省庁による連絡会議を開催いたしまして現行法の趣旨の再徹底を行ったわけでございますが、そのときには当然、新しい行政機関個人情報保護法の考え方を踏まえて、今後、防衛庁のような問題が生ずることのないように徹底をいたしているところでございます。
 同時に、八月二十八日には、私の方から各省庁の官房長あてに、同趣旨の法の厳正な運用に努力されたい旨の通達を発出させていただいておりまして、個人情報保護意識の向上努力に各省取り組むようにお願いをいたしているというところでございます。
○内藤正光君 局長の方から各省庁に通達とか通知とか出されたと言うんですが、私も幾つかそういうのは持っているんですが、紙切れ一枚ですよね、送るだけですよね。これで本当に総務省のその思いが各省庁にどこまで徹底が図られるかというと、私はそうはならないんだろうと、紙切れ一枚で。それが証拠に、何度も言って防衛庁さんには大変恐縮なんですが、平成元年以降、総務省さんの取組にもかかわらずああいう事件が起きてしまったわけですから。
 私は、こういうことを考えてみますと、やっぱり究極的には第三者機関が必要だとは思うんですが、それをちょっと百歩譲ってでも、やっぱり私は総務大臣の権限が、法に明記された権限が弱過ぎるんだと思います。それに対して総務大臣は、もしかしたら、いや、これは議院内閣制だからそれぞれの行政の長の責任においてやってもらうとおっしゃるかもしれませんが。
 ただ、そこでちょっと私、一つ問題提起させていただきたいんですが、とはいうものの、政策評価法、そういう法律があろうかと思いますが、これでは明確に、総務大臣の他省庁への勧告権だとか、それでも言うことを聞かないんだったらば総理大臣への意見具申権が明記されているわけですよね。省庁に対して言うことを聞けと、それで言うことを聞かなかったら、もうその次は総理大臣に意見具申をしてしかるべき対応を取ってもらうという、そういうのがしっかりと十七条に書き込まれているわけですよね。
 私は、そこまであればいいんだなとは思うんです。なければいけないんじゃないかなと思うんですが、それに対する総務大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(片山虎之助君) 個人情報の取扱いに関します私どもと申しますか総務大臣の意見陳述権は、これは法に適合しているかどうかという観点で、そこでこれは法に適合していませんよ、法に触れていますよと、こういうことを言うあれなんですね。だから、それについての考え方が本来は差があっちゃおかしいんですよ。法の番人として、法の適合性についての御注意を申し上げる。
 政策評価の方は、御承知のように、中期目標、中期目標とは言いませんが、一定の政策評価を行いますよね、事業や施策や政策について。それについて評価をやる場合に、余りばらばらになっちゃいかぬのですね。だから、私どもの方に横断的に調整する権限を与えているんですよ。それについて内閣総理大臣、場合によってはこちらへ意見を具申して直してもらうと、こういう手続を取っているんで、政策評価と今回のこの個人情報保護はそこが違うんだと思いますね。
 法律に合っているかどうかの審査だけ。評価というのは、これはいろんな評価がありますから、その評価の内閣としての統一性を図って調整をして総理に申し上げると、こういうところですから、法律じゃありませんね、勧告ができる、こういうことですから、そこが違うんだと私は思います。そういう意味では、内藤委員から言わせると、政策評価については総務大臣の権限が強いじゃないかと。それは強いんです、強いんですね。
 今までも、これは行政監察で昔やっておったんですね。それを行政評価監視という仕組みと政策評価と二つに分けたんです、行政監察を。そこで、行政機関政策評価法という法律を通していただきまして、去年ですね、それで今年の四月から法律を施行してやっておりまして、これはやっぱりそういう意味での、何といいますか、法律というより政策的な色彩が大変強いものですから、内閣としての、そういう意味で強い権限を与えていると。個人情報保護の方は、今言いましたように、法律に合っているかどうかということを主眼にしていると、ここの違いだと思っております。
○内藤正光君 ならば、大臣の率直なお考えをお聞かせいただきたいんですが、今までいろいろ議論してきたわけなんですが、松田局長自身がこの平成元年以降、この総務省の思いとかそういったものが各省庁にしっかりと浸透するように御努力なされているということを聞いていただいたかと思うんですが、実際、そういった総務省の思いがちゃんと各省庁に正しく伝わっているというふうにお感じになられていますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 時代がかなり変わってきていまして、それは、情報だとか個人情報だとか、そういうことの扱い方、質、量が相当私、変わってきていると思うんですね。だから、そういう意味では、今までは、コンピューター処理だけちゃんとやっときゃいいというのが昔の法律ですよね。しかし、そうじゃなくて、情報全部について個人のいろんなプライバシーを守っていこう、セキュリティーを確保していこうと、こういうことに変わってきましたし、それから情報処理ということが行政の中で大変なウエートを占めてきていますよね。
 そういうことの中で、やっぱり時代が変わる、仕組みが変わるのに扱う職員の方の認識が変わらないんですよ、余り変わっていないんです。だから、そこにずれが出て、私は、防衛庁さんには申し訳ないけれども、そういう問題が起きたんで、そこはやっぱり意識を直してもらわないと、認識を変えてもらわないとなかなか難しいと思いますので、新法がもし通れば、すぐ新法と言うじゃないかと言われるんですが、新法が通りましたら、ガイドラインを作ったり、セミナーをやったり、責任者をしっかり決めたり、いろんな手だてを考えて、新しい法律の実効性が上がるように考えないといかぬと思いますね。
 今までと同じで、何やってんだと、こういうことになりますと、国民の皆さんから見てやっぱり信頼を失うと思うんですよ。そういう意味では、是非しっかりやっていきたいと、こういうふうに思っております。
○内藤正光君 ちょっとその点についてもう一つだけお聞かせいただきたいんですが、大臣のお考えを。
 今まで以上にこの情報保護の実効性が上がるようにということで、総務省としてはガイドラインを作られたりとか、いろいろな方策を作られると。それを更に一歩進めて、各省庁にしっかりと伝わるようにということで、私は何も法改正云々なんて言うつもりはありませんが、例えば閣議決定あるいは閣議了解を取る、そういったお考えはおありですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 閣議決定というのは内閣としての意思決定ですよね。これは今の議院内閣制では一番重いわけで、閣議決定が内閣の意思を決めるんですからね。
 だから、これから、この新しい法律もいずれ通していただけると思いますし、そういうことの中で、行政機関としての個人情報保護をどういう考え方でやるのか。場合によったら、閣議了解、閣議決定を考えることも検討いたしたいと思います。
○内藤正光君 本当に国民が安心するように、できるようにやはり内閣の意思の統一を図っていただきたい。そのために私は閣議決定を行うべきだというふうに思いますので、是非強くお願いを申し上げさせていただきます。
 時間もあと残すところ五分でございますので、最後、罰則についてお尋ねしたいと思います。
 正直申し上げまして、罰則を付けるべきだ云々なんて議論があります。もしかしたら与野党でいろいろそういう議論があるのかもしれません、今、修正に向けた。私は知りません。ただ、私は、罰則よりもやはりこの場合は国家公務員法に基づく処分の方が妥当なんだろうというふうに思います。
 それはなぜかというと、いろいろ理由はあります。一つは、罰則となると、やっぱり法の解釈がちゃんとしっかりしていなきゃいけないだとかいろいろありまして、実効性が果たして上がるんだろうかという問題、懸念もあります。それに対して、国家公務員法に基づく処罰の方がやはり柔軟であり、迅速であり、適正な対応がタイムリーにできるんだろうというふうに思います。そういった意味で、私は、個人的には罰則よりも国家公務員法に基づく処分の方が妥当なんだろうと。特に、この個人情報保護においてはそちらの方が妥当なんだろうと私は思っています。
 そう思いながら、今回の防衛庁のリスト事件に絡む処分、あれ、あの事件が社会に与えた影響だとか、あるいはまた国民の行政に対する信頼を失墜させたという、そういった諸般のことを考えると、私は余りにもちょっと処分が軽過ぎるんじゃないかと正直、率直にそういうふうに思います。
 そういうことを申し上げた上で、ちょっと人事院さんに最後にお尋ねしたいんですが、人事院、御遠慮もあろうかと思いますが、この処分に関しては法律にちゃんと人事院の強い権限は明記されているんです。ですね。そういったこともあって、またさらに、職員の情報保護に対する意識の向上を図るためにも、私は、人事院が中心となって関連省庁とも連携を取ってこの処分の在り方、しっかりと検討すべきじゃないかなと思うんです。いかがですか。
○政府参考人(平山英三君) 懲戒処分についてのお尋ねでございますが、職員の服務を統督し、また不祥事が発生した場合の調査や懲戒処分を行うことは、一義的には部内の事情に通暁し、事実関係を十分に把握し得る立場にある各省庁において諸般の事情を考慮して行うべきものであります。
 御指摘の個人情報保護違反事案に係る懲戒処分につきましても、各府省の任命権者において事実関係を正確に把握した上で厳正に対処し、再発防止に努められるべきものと理解しております。
 ただ、一方で、人事院といたしましては、懲戒処分を厳正に行うという趣旨から、処分量定決定の参考に供することを目的として懲戒処分の指針を作成し、各府省に発出しているところであります。
 この懲戒処分の指針につきましては、社会状況の変化等に応じた見直しを行っており、例えば、近年ではセクシュアルハラスメントに係る標準例の追加ですとか、飲酒運転に係る罰則の強化に伴う交通事故・交通法規違反関係の改正など、必要な追加、改正を随時行ってきているところでございます。
 先生御指摘の点につきましても、行政機関における個人情報保護の重要性を十分に認識の上、懲戒処分の指針における標準例を充実するなど、懲戒処分がより一層厳正に行われるよう必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○内藤正光君 いろんな懲戒処分の過去の事例を見ますと、セクハラだったりとか飲酒運転だったりだとか、明らかに個人の責任に帰することができるものばかりで、この情報保護を侵した場合とかそういったものに対してはちょっと事例が見当たらないんです。
 そこで、人事院さんじゃなくて今度はちょっと総務大臣にお尋ねしたいんですが、覚えていらっしゃるかと思いますが、中谷前防衛庁長官とのやり取りで、罰則がないから適切な重い処分ができないんだという長官に対して総務大臣は、そんなことはないんだ、ちゃんとそれとは独立してしっかりとそれなりの相当の処分を下すべきだということをおっしゃったわけなんですが、総務大臣の立場でひとつ大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います、その処分の在り方について。
○国務大臣(片山虎之助君) この前、中谷防衛庁長官答弁は、何かはっきりは言われなかったんだけれども、今罰則がないから処分がこうなったみたいなことを言われたから、それは違うと。罰則は、国家公務員法、自衛隊法で罰則を掛けられるんですよ、守秘義務違反ですから。だから、今の法律に罰則がないから懲戒処分の方に影響があるというのは、これは間違いだと申し上げたんです。
 ただ、懲戒処分は、今、人事院の局長が言いましたように、これは懲戒権者は防衛庁長官ですから、事実は一番お詳しいわけですから、そこで懲戒権者として、このくらいである、こういう判断をしたわけで、それは私は尊重せにゃいかぬと、こう思っております。
 また、罰則について今の国家公務員法と自衛隊法で十分だと、行政機関個人情報保護法に罰則を入れなくてもいいという内藤委員の御意見は全く私も同じでございましてね。罰則というのはバランスがあるんですよ。それから、やっぱり犯罪に対する罰則ですから、構成要件該当性というものがしっかり法律上これが確立しないと安易に罰則と言えないんですね。そこのところで私はなかなか難しいということはずっと国会でも申し上げてきましたが、今、内藤委員のお考えを聞いて我が意を得たりでございますので、ひとつよろしく今後ともお願いいたします。
○内藤正光君 IT社会の健全な発展のために是非ともこの法案、大事でございますので、運用も大事でございますので、真剣に取り組んでいっていただきたいと思います。
○山下栄一君 三十分程度質問させていただきたいと思います。
 我が党は電子政府、行政の電子化、進める立場でございます。しかし、私は、世の中が便利になるとモラルが低下すると、こういう非常に二律背反の面が厳然と人間の社会にあるというふうに思うわけです。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 したがって、先ほどからもこの法案の審議の中で国民の不安感の話があるわけですけれども、行政手続のオンライン化、確かに便利になる、しかし一方で国民の不安そのものが拡大していくという、それをいかに解決していくかということが大きな課題であるというふうに思うわけです。そういう意味で、個人情報保護法という基本法、これはしっかり裏打ちされなきゃならないと。
 ただ、残念なことに、これがいろんなことで滞っているような状況でございますけれども、このことはこのこととして、きちっとやはり与野党挙げて一致すべき点を努力しながら進めていくべきだというふうに思うわけですけれども、今回のオンライン化法によりまして、住基ネットワークの使途が拡大される、行政事務が九十三から二百六十四に増える、個人情報保護の関連から不安がある、そしてまた国による個人情報管理が強化されるのではないかという懸念、こういうことになっておるわけですけれども。
 元々この住基ネットワークシステムそのものにできる限りの個人情報保護措置を講じているということになっておるわけでございますけれども、このことについて、法令面それから技術面、運用面、それぞれ個人情報保護の観点からきちっと措置を講じているということを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 住基ネットシステムは、いずれも十分な個人情報保護措置を講じているということを何度も申し上げてまいりました。
 もう一遍これを整理して申し上げますと、一つは、この住基ネットの情報は四情報でございます。氏名、住所、性別、生年月日、それに住民票コードとこれらの変更情報に限定いたしております。それが一つ。
 それで、これは全部、全地方団体を結んでおりまして、指定情報処理機関として地方自治情報センターがありますが、いずれも閉じた回線ですね。専用回線で、しかもそこには、今どこの市町村でも住民基本台帳はコンピューター処理しておりますけれども、そこから今言った四情報だけ抜き出しましてコミュニケーションサーバーというのに、そのコミュニケーションサーバーを、ファイアウオールを両方に付けて、出入りを禁止したファイアウオールを付けて閉じた回線で結んでおって、しかも、その通信の内容は暗号化しているんです。それがその次でございまして。
 それから、利用目的は法律で限定しておりまして、利用できる行政機関も限定しているんです。だから、それ以外一切使えないんです。民間の利用は認めない、名寄せ、マッチングは認めないと、こういうことでございまして、目的外利用はもちろん認めないと、こうなっておりますし、かかわる職員は全部その職員であるということを証明しなければタッチできないようにしていますし、その職員が秘密を漏らしたら守秘義務を普通の倍にしておるんです。
 そういうことでございまして、我々としては、一応技術的にも制度的にもそういう仕組みを取っております上に、いったん緊急のときには停止できるような緊急時対応計画というのも作っておりますし、それから、私どもの方に本部を作っておりまして、これをチェックして緊急時にすぐ対応する、若松副大臣を本部長にしまして、そういう緊急対策本部がありますし、また、これについていろいろ技術的なことを含めて御意見を賜る住基ネットワークの調査運営委員会というのを作っておりまして、住基ネットについていろいろな御意見があった先生方も全部入っていただいておりまして、そこでいろいろ御議論しておりますし、それから、今、施行後四か月ですけれども、抜き出していろんなチェックといいますか、それをやっておりますし、今後も計画的な監査をやっていこうと、こう思っておりましてね。八月五日からは一次稼働ですから、二次稼働というんでしょうか、来年の八月からはそういうことになるものですから、そういうつもりでございまして。
 どうも一番我々としては不十分であったのは、国民の皆さんに対する説明責任を完全に果たしていないということですよ。その辺、一杯やっているんですよ。一杯やっても分かってもらわにゃしようがないんですよ。分かってもらうというのは結果責任なんですよ。これだけやってこれだけやってと言っても分かってなきゃ一緒なんですよ。やっていないのと同じなんで、そこで、これをどうやってやるか。今後とも大いに、まあ来年の八月までありますし、我々としては、今後とも努力していきたい、効果が上がる、分かってもらう説明責任を果たしていきたいと、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 結果責任、今おっしゃったとおりだというふうには思いますので、この委員会でも何度も繰り返し大臣おっしゃっているわけですけれども、その大臣の思いが伝わるような努力を是非、陣頭指揮でお願いしたいというふうに思います。
 次、電子証明書の件ですけれども、電子証明書を受けたいと、こういう人は自ら役所の窓口に行ってそういう手続をするわけですけれども、そのときに窓口に備付けの機械を使って自分で操作して、そして作成するということになるわけですけれども、この機械そのものを使いこなせないとこれは目的は果たせないわけでございますので、お年寄りや障害者にも簡単に操作できるそんな機械をやはり備える必要があるというふうに思うわけですけれども、どんな機械が想定されているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 議員御指摘のとおりでございまして、かぎペア、決して分かってはならない秘密かぎとそれから公開かぎ、これ、かぎペアですけれども、これを御本人のICカードに入れるためにかぎペア生成装置というものを使うわけですが、これは一種の乱数番号を打ち出すようなコンピューターと思っていただいたらいいんですけれども、したがってよその方にやっていただくとこれはまずいので、あくまでも御本人がぱっぱっぱっと乱数を打っていただくようにやっていただいた方が安心だと。
 したがって、分かりやすく言いますと、タッチパネルで、例えば三、五、六とパネルぽんぽんと押しさえすればいいと。ICカードを突っ込んでいただいて、とにかくそのタッチパネルの適当な数字をぱっぱっと押しさえすればいいように、どなたでも、高齢者の方でも使いやすいような装置でなければならないと思っております。
○山下栄一君 この電子証明書の交付手数料の件、これも何度か取り上げられておりますけれども、これはもうできるだけ利用料は普及のためにも安い方がいいと。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 どれぐらいの金額、いろいろ考えておられるようですが、それお示ししていただきたいと思いますと同時に、これ三年たつと更新ということになるわけですけれども、更新するときに以前の手数料よりも安くなっていくような、そういうことも配慮も必要であろうと。三年前と同じ手数料であればもう更新やめようかと、こういうふうなことにならないように、更新するたびに手数料そのものも低減化していくというふうなことも考える必要があると思うわけですけれども、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 電子証明書は市町村の窓口で御本人確認していただきまして、発行する名義人は知事でありますので、電子証明書の発行手数料は地方団体の収入になると、こういうことでありますが、暗号技術などの進展もありますから余り長い有効期間ではならないということで一応三年というふうに法律案ではなっておりますけれども、有効期間の間であれば電子証明書は何度でも使える、ICカードに入った形で何度でも使えるわけで、そのときに手数料を払っていただければいいんですけれども、私どもは、この趣旨が行政手続に使っていただくと、御本人の署名であるということを確認するためのものでございますので使っていただくわけでありますから、できるだけ多くの方々が電子証明書を持っていただくことが必要でありますので、これはもう安いにこしたことがないと、こう思っていまして、できれば手数料を五百円ぐらいにできないかと思っているんですよ。
 しかしながら、これは各県の知事さんが電子証明書の発行の仕組みをどう構築するかにも懸かっておりますので、スケールメリットが働けば五百円からそこらでいいわけで、まあ五百円から千円の間で収められるようにしていただくと有り難いなと思っておりますけれども、これはよく知事さん方と相談していくべき事柄であると思っていますし、それからその後の話もこれは地方団体が手数料をどう決めるかという話でもありますので、そういった御趣旨を踏まえながら、住民のニーズに対応しながら地方団体が判断をされるのではないかと思います。
○山下栄一君 電子化のメリットとして便利になるということと同時に効率性ということ、これが言われているわけですけれども、効率性というものの中身の中で、私は行政コストが削減されるというこの観点が非常に大事であるというふうに思います、国民のためにも。実際これ具体的にどれぐらいの行政コスト削減になっていくのかということ、すぐには試算は難しいかも分かりませんけれども、効率化による経費削減効果、これ私は示す必要があるというふうに思います。
 部署ごとに人件費の面、具体的に言うと人件費の面になるかも分かりませんけれども、それをこうなっていくということ、今すぐとは言いませんけれども、示すような努力をしていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 今の山下委員の御質問でございますが、ちょうど大臣が十一月十九日の松岡委員に対する一つの答弁にもございましたが、いずれにしても、この行政手続のオンライン化というのは、ある意味で入力というのは国民にやっていただくということで、その代わり国民もわざわざ役所に行く時間が省けると。あわせて、もう既に入力されているわけですから行政は正にコンピューターを使って簡単にできる、ともにメリットがあるということで、当然コストメリットが具体的に国民に分からなければいけないと、こういうことだと思います。
 現在、このオンライン化のために五万二千件手続をこれから進めるわけでありますが、これは多種多様な手続がございまして、これを一律にすることはできないんですが、正直申し上げまして、この五万二千件手続をオンライン化したらどのくらい削減されるかというのは今のところ計算しておりません。
 ちょうど二年前に私もワシントンDCに行ったところ、あそこは七年間で十七兆円のコスト削減したとはっきり言っておりまして、恐らく前提で、シミュレーションでやっていると思うんですけれども、いずれにしても、そういうようなシミュレーションも使ってこのくらいやっぱりメリットがあるんだというものを国民に示さなければいけないと考えておりまして、そういった努力をしっかりやっていきたいと考えております。
○山下栄一君 次の質問、もう既に我が党の木庭委員始め触れられた件ですけれども、自治体の負担増ですね。この制度化に当たって、基盤整備に当たって当面立ち上げの負担増が強いられるわけですけれども、非常にこの財政難の中で国として何らかの財政支援考える必要があると思うわけですけれども、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 申請、届出等の行政手続のオンライン化に対応するためのその支援策でございますが、平成十四年度におきましてはいわゆる地域情報化推進事業と言っておりますが、そういった電子自治体の推進のための経費として一千百六十億円の地方財政措置を取っております。また、この財政負担の軽減には複数の地方公共団体が共同でシステムの開発、運営等を取り組むことが大変効果的でありますので、私どもは共同アウトソーシングという考え方に基づきまして現在モデルシステムの開発、実証、実験等を実施しておりまして、そのための予算要求も併せて行っていることを御報告いたします。
○山下栄一君 高齢者とか障害者、社会的弱者というふうな言われ方もありますけれども、行政オンライン化によるメリット、こういう方々こそ享受すべきであるというふうに思います。
 ただ、情報デバイド、この情報格差の面でIT弱者という観点からも行政サービスにおける配慮が必要だというふうに思うわけですけれども、この問題解決のために自宅、在宅で簡単に操作できる端末機器、こういうことも開発する必要があるというふうに思うわけです。先ほど統括官おっしゃったようにタッチパネルですか、それで特に我が家にあるテレビなんかでできるような、そんな機器の開発なんかも必要だと思うんですけれども、この点の総務省の御見解、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、かねがねデジタルデバイド解消、特に年齢的な、あるいは障害の程度によるデジタルデバイドの解消には、高齢者や障害者の方々が使いやすい機器の開発が不可欠だと、こういうふうに思っておりまして、もうパソコンじゃなくて、もういつも言うんです、テレビを端末にする、携帯電話を端末にすると。こういうことが必要だし、しかもそれはワンタッチあるいは音声でやると。マウスでクリック、キーボードなんというのはもう聞いただけで高齢者の人は逃げてしまうんですよ、もう嫌だ嫌だと言って。インターネットと言ったら、もうさっと。
 だから、是非そういう親しみやすいIT化ということをこれから本気で考えなきゃいかぬということで、今そういう意味での協議会というんでしょうか研究会でしょうか、そういうものでも立ち上げていただいてやっていただければ大変有り難いと。ユビキタスというのは冷蔵庫やふろや、もう全部これがパソコンで機能持つということですから、どこでもいつでもだれでもと。だから、そういうことの中で是非高齢者の方や障害者の方のデジタルデバイドを解消してまいりたいと、こう思っておりまして、そういうことができればオンライン化ももう少し有り難みが、実質的な意味が出てくるんではないかと考えております。
○山下栄一君 この有り難みの話で、電子政府化によりまして、省庁の縦割りを超えた行政サービス、これが非常にこのオンライン化のメリットとして大事なことだと思うんですね。ワンストップサービスですね。
 これ具体的な話ですけれども、私自身、市民相談を受けたことの中で、障害者手帳の交付を受けている人が障害年金の資格がありながら五年間知らないままに時が過ぎた。五年後、この障害年金をもらうために窓口、社会保険庁ですけれども、この障害者手帳の交付は市町村、障害年金の方は社会保険事務所ということになっているわけですね。そしたら診断書が必要だと、五年前の診断書が必要だと、このように言われたわけです。
 市町村と社会保険庁が連携すれば、いちいち障害のある方がわざわざ市役所へ行って、また社会保険庁へ行かなきゃいかぬという、そういうこと自身が非常に私は矛盾したことだなというふうに思うわけですけれども、国民の側に立った行政サービスという観点から、このオンライン化は、非常にこれは国民が実感として有り難み、先ほどおっしゃった、につながっていくというふうに思うんです。
 障害者のケースに当てはめますと、障害者手帳の申請のページを開くと、同じ画面、シングルウインドーですか、に医療、年金、また公営住宅の申込み、住宅改造、職業訓練、その他障害者が受けられるあらゆる行政サービスの申請窓口がつながっておると。必要に応じて同時に申請手続もできる。診断書についても添付書類が一通でちゃんと通じていくというふうな、そんなイメージで縦割りを廃した行政サービスが可能になるようなことを、是非これ、そういうことを考えておられると思うんですけれども、IT戦略本部でも。行政手続の所管である総務大臣のリーダーシップで、縦割りの事務を乗り越える行政サービスが受けられるようなワンストップサービスの体制を是非ともこれは整えていただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○副大臣(若松謙維君) 今の山下委員の御指摘でございますが、正にこの電子政府、電子自治体はワンストップサービス、これを強力に進めるものでありまして、複数の窓口で行われていました関連手続が一つの窓口で可能になるということで、国民、事業者の負担軽減、利便性の向上に大きく寄与するものと期待しておりまして、行政手続のオンライン化の推進に併せて積極的に取り組むことが重要と、このように認識して進めているところでございます。
 その取組の一環としまして、電子政府の総合窓口システム、いわゆるポータルサイトですね、そういったものを活用しまして、府省を、いわゆる縦割りを意識せずに一つの画面から各種の手続ができるようにするシステム整備、これは平成十五年度を目途として行っているところでございます。
 さらに、ワンストップサービスの推進に当たりましては、既存の業務をそのままオンライン化するのではなくて、業務改革、手続の簡素化、合理化に向けた見直しに取り組むこととしておりまして、いわゆるワンストップサービスから、さらに今後、ノンストップサービスという、これ二十四時間いつでもと。さらにはエニーストップサービス、どのようなサービスでもこの一つの窓口でできると、さらにはノーストップサービスという、正に二〇一〇年宇宙の旅、そういうのがもう見える形になっておりまして、それが正に省庁の縦割りを破るという行政改革の最大の目玉だと考えておりまして、そのような形での努力を更に進めてまいりたいと決意しております。
○山下栄一君 最後の質問です。
 在日外国人の方への行政サービスなんですけれども、やっぱり公平にオンラインの申請ができるような配慮をすべきだというふうに思うわけですけれども、この在日外国人に対しても公的な個人認証が必要ではないかと。例えば外国人登録法の登録原票に基づく公的個人認証のシステム、これを構築すべきではないかと考えるんですけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 外国人の方々に対します個人認証サービスは必要だろうと思いますので、ただ、そういうサービスを作ります場合の出入国の管理制度の問題、それから今御指摘のありました外国人の登録制度、これらの状況を十分に踏まえる必要がございますので、法務省とともに今研究会をやっておりますから、その結論をまって対応してまいりたいと思います。
○山下栄一君 法務省との関連があると思うんですけれども、是非総務省がリードしていただいて実現していただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 我が党は、ITを国民の利益のために普及することとか、行政事務がIT技術によって便利になること、これは賛成であることは言うまでもありませんが、その立場に立ちまして今回の行政手続オンライン三法案、本当に国民の利益となるのかを議論をしたいと思います。行政手続オンライン三法案を実施する基盤となるシステムは住基ネットと総合行政ネットワークでありますが、まず、住基ネットの問題で伺います。
 片山総務大臣は、住基ネットは国のネットワークではなく、地方共同のネットワークだと答弁をされております。確かに旧自治省の資料にも国が管理するネットワークではありません、こういうふうに大きく載せられておりますが、地方自治体との関係で検証したいと思います。
 e―Japan重点計画案に対するパブリックコメントに応じて、二〇〇一年三月の全国市長会は、市町村行政にかかわる施策や地域住民の生活に直接関係する施策の検討に当たっては、市町村の意見を十分聴取するとともに、全国市長会のような地方自治法に認められた地方公共団体の連合組織については、国のIT戦略においても、地方公共団体と同様適切に位置付けるように配慮すること、こういう意見書が出されています。
 住基ネット稼働の八月五日の時点で、三重県の二つの自治体が住基ネットをこの時点での接続延期の判断をしたことについて、三重県の北川知事が記者会見でコメントをされまして、個人情報保護法が結論を得られていない状況ではやむを得ない判断だったと思う、実際に作業する市町村の意見を国がもっと聞いて進める必要があった、こういうふうにおっしゃっています。
 今回の法案の中のこの住基ネット利用拡大の法案作成に当たって、個々の市区町村の意見聴取はどのように行われたのか、お示しください。
○政府参考人(芳山達郎君) 今回の住民基本台帳ネットワークシステムの利用の拡大についてでございますけれども、制度を国だけでするのではなくて、地方公共団体の皆様の御意見を十分聞きながらやってまいるという姿勢で臨んだところでありまして、この点、一月二十四日の都道府県で構成する住民基本台帳ネットワーク推進協議会におきまして、今度の利用事務についての拡大案について説明をいたしました。
 そして、各都道府県の御意見また都道府県を通じて市区町村の意見を伺うという形で照会の文書を配付したところでございます。二週間ということで意見の照会を行いましたけれども、この照会に対して地方公共団体からは、別表改正に対して大半は賛成ないしは意見なしでございましたけれども、一部の団体からは追加事務の要望がありました。また、一部の団体からは幾つかの事務について削除の要求を求める意見もございました。
 あわせて、全国の組織であります全国市長会、全国町村会、全国知事会に対しても説明の機会を取っていただいて、同様の意見照会をしたところでございまして、今回の利用事務の追加については、おおむね御意見としては電子政府、電子自治体の実現という課題に対応するためのものでありまして、おおむね妥当という旨の御意見をいただいたわけでございます。
 そういう経緯を踏まえながら、我々協議会を設けて説明をしてまいり、また成案を得て閣議決定した、国会にお出しをしたというような状況でございます。
○八田ひろ子君 十分意見を聞きながらというのが今最初に局長おっしゃいましたが、その説明を聞くと、一月の二十四日に都道府県の会議で述べて文書を配ったと。市町村は二週間弱のうち二月七日はもう意見の締切りなんですよね。そうしますと、市区町村の検討期間というのはそれからまた日にちが掛かりますので、せいぜい数日間ですよ。そのために役所の中で関係事務を担当している職員が百七十一事務を割り振って検討する時間的余裕というのはないのは、だれが見ても分かると思うんですね。ですから、市町村としてほとんど検討できないので意見なしという、この報告書もいただいたんですけれども、そうなるのは当然で、意見照会というのは正にセレモニーじゃないですか。だから、先ほどのような知事もおっしゃっているということだと思うんですね。
 このオンライン三法案について、二つの法律について地方自治体の意見聴取というのはありませんでした。公的個人認証法案、これはパブリックコメントという形でありました。結局、共同のネットワークと言いながら国が上から流してきた、押し付けてきたという現状があるんですね。
 住民基本台帳、そもそも十一条、十二条で住民票の写しの閲覧や交付について規定があります。市町村長というのは不当の目的だった場合どういうことをするのか、まずお示しください。
○政府参考人(芳山達郎君) 住民基本台帳法の十一条でございまして、不当な目的等が明らかな場合には当該請求を拒むことができるという具合に法規定上なっております。
○八田ひろ子君 つまり、市町村長は、住民の個人情報が不当な目的に使わせない、そういう判断をして責任を持ってそういうことをしているということですね。
 じゃ、住基ネットになったときには、個別に毎回市区町村が判断をして本人確認情報を国とかあるいはその他のところに提供するんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) この住基ネットのシステムは全地方団体の共同の仕組みなんですよ。そして、都道府県単位に一つまとめて、それをまた指定情報処理機関である地方自治情報センターにつないでいるので、そこでいろんな国との関係だとか指定情報処理機関との関係は知事が中心でやることにしているんです。知事が中心で。しかも、提供する、確認の応諾をする、こういうことは全部法律で決めていますから、どこの国の行政機関が何についてだけできると、こう書いているんですから。それは国権の最高機関である国会で決めていただいた法律でやっているんですから、それ以外は何にもできないんで、そうでしょう。
 だから、今、知事が中心にやっておりまして、ただ、市町村長も元々の資料を出すわけですから、住民基本台帳のこの処理は市町村長の仕事ですから。だから、事実上それは知事を通していろんなことが国の機関や指定情報処理機関にできるように今考えているんです。しかし、それじゃちょっと法律上の根拠が要るんではないかと、こういう議論もありますので、今それは全部が集まった協議会の中の部会でどういう在り方がいいのか検討しておりまして、事実上の問題は一つもありません。
 三重県の知事が何か言ったようですけれども、情報というのが全部正しいわけじゃないんですよ、報道されることが。いろんなことを言った中の、私なんかもしょっちゅうそうですから、一部だけが報道されるんですよ。それから、そういうふうに質問すればそういうふうに答えるんですよ。
 そういうことでございまして、三千三百ある市町村の中でまだ参加をためらっているのは三つか四つですから。御承知のとおりです。一億二千五百万人ぐらいはみんなやっているんです。是非御理解を賜りたいと思います。
○八田ひろ子君 今の大臣のお答えは、結局、総務省なりいろんな省庁から、例えば私の個人情報をお使いになるということの場合は、本人確認がしたいという連絡は、私は住んでいるのが岡崎ですので、岡崎にはないということですよね。総務省が、地方自治情報センターのコンピューターにあらかじめ保存されております私、八田ひろ子、この本人情報を必要と判断、今決まったとおりだとおっしゃいますけれども、それを必要だというときは、総務省のコンピューターから電気通信回路を通じて取りにいくということですよね。
 私の本人確認情報を総務省が何月何日こういう理由で、それが正しいかどうかはともかく、理由で取得したという具体的な記録、これを、さっき大臣も言われましたが、一義的に管理する岡崎市に提供される仕組みというのはないわけで、不当な請求であったかどうか岡崎市が判断する、こういうこともないわけです。判断するのはあくまでも、この例の場合で言うと総務省ですね。
 個人の情報というのは国などの機関によって正しく使われたかどうかのチェックをすべき、こういう先ほどお答えいただいたものは市町村は持たない。住基ネット以前はきちんとチェックを市区町村しかできないものですから、県とかセンターはないですからね。そうしますと、結局、市区町村のチェック権限の役割というのは相対的に縮小していると、こういうふうに考えていいんですか。大臣にです、大臣。
○政府参考人(芳山達郎君) 初めに、本人確認情報の利用を総務省はチェックをするような権限を持たされておりません。総務省は分かりません。
 それで、先生御指摘の点で、一つはアクセスログの関係で、本人の確認情報がどういう形で利用されているのがどうなっているのかというのは前から地方団体で御指摘もございました。
 この点をちょっと申し上げますと、住基ネットにおきましては、今の法律の中で本人確認情報の開示請求権が規定されておりますけれども、それは自己の本人確認情報の提供先の開示について法律で規定されておりまして、それがどういう利用をされているのかというのは書かれておらない。それがアクセスログの形で請求できるようにすべきじゃないのかという議論が前々からございます。そういうことで、これにつきましては、地方団体の要請を踏まえて、本人確認情報の提供状況の開示の仕組みを住民基本台帳ネットワーク推進協議会でもって検討部会を先ほど設置をしまして、それを現在鋭意検討をしております。この点、十一月七日の第二回目のシステム調査委員会で御報告をして、できるだけ早くその結論を関係県、構成の皆さんで結論を出してもらえるようにという具合にお願いをしております。
 それともう一つ、今回の住基ネットワークと市町村との関係でございますが、先ほど大臣から御答弁がありましたように、今まで十三情報というのは確かに住民基本台帳法の記載項目でございますが、そのうちの四項目と住民票コードと変更情報につきましては県も事務として持つと、県も事務として持つことに今度法律に初めてしたわけです。そして、県と市町村がその六情報については共通のネットワークを通じて本人確認ができるようなシステムにしようという形にしたわけでございます。それで、四十七県がばらばらよりも統一的にやった方が正確になるし、また秘密の面でもプライバシーの面でも大丈夫ということで、四十七県が委任するシステムを取りました。それで四十七県が委任したのが指定情報処理機関であります。そういうことで、今回の住基ネットワークシステムは、本人確認情報の四情報プラス二情報について三者でもって本人確認するシステムにしたというわけでございます。
 そういうことですから、先ほど大臣申し上げましたように、県を中心として、県が指定情報処理機関に委任をしている、そういうことでございますので、県の方で指定情報処理機関に対して監査、監督したりするような権限を規定上設けております。もちろん総務大臣としても権限を持っておるということでございまして、なお、市町村については県と連携をしながらその権限を行使していただくように、今これも検討部会で検討しておるというのが先ほどの答弁でございます。
○八田ひろ子君 後で伺おうと思いましたが、アクセスログのお話がありましたので。
 私は決算委員会、八月の二十六日に大臣に伺いまして、大臣は私にははっきり答えられませんでしたけれども、今検討をさせるように言っておるんだという答弁がありました。今、局長がお答えになった問題ですけれども、自分の情報が本人の了承の下にいかに利用されているのか分かること、自己情報コントロール権というのはプライバシー権の基本になるわけですよね。今そういうことを、決算委員会のときは想定をスタートのときはしていなかったのでないんだと局長は答えられたんですけれども、今はそれを検討をしているということですね。
 そういうのが、ログは本人の求めがあればそれは開示をするという前提で検討をされているんだと思いますけれども、それを伺いたいんですね。
 どうしてかといいますと、国の機関にどういうふうに本人確認情報が利用されたか開示するシステムがないとそれは求められませんし、システムがあったとしても、これを、この開示をどういうふうに求めるのかということが問題になってくるわけです。今、都道府県や地方自治情報センターにもこの責任があるんだと、こういうふうに局長は言われましたけれども、それならば事前の不正目的かどうかチェックを行うべきだというふうに思いますが、そういうものの検討はされているのかどうか。
 この三つの問題でお答えください。アクセスログのことね。
○政府参考人(芳山達郎君) アクセスログの関係の条文としましては、法律に盛って明確に、使う目的は、提供先も書いてありますし目的も書いてあるということで、法律に明定をしておるそれ以外は使えないということでございまして、今の法律上は、本人確認情報については全体として統計的に報告書を作成し公表するというのが法律の規定になっております。
 それで、先生言われましたように、自分の情報がどういう形で使われたか個別に開示するシステムが必要ではないかと、こういう御意見が、先ほどまた御答弁したとおりでございまして、ありまして、今、アクセスログの持ち方は、障害の原因分析ないしは内部の不正操作、外部からの不正アクセス、その防止のためにアクセスログを保有をしておるというような状況でございまして、今、本人の情報がどういう形で使われたかという形では今持っておらないというような状況でございます。そういうことでございますので、現在、そういうような要請、要望にこたえるために、本人確認情報の提供情報の開示の在り方について検討部会を設けているということでございます。
 それで、どういう詰め方をするかということでございますけれども、今後、アクセスログの内容の強化のための技術的な問題というものがやはりありますので、これを十分詰めてまいりたいと思います。
 それと、その開発のためにはやはり経費が掛かるわけでございますが、その経費の負担は各四十七県が指定情報処理機関に負担をするという具合になるわけでございまして、そういうのを含めて先ほど申しました検討部会でなるべく早く検討したいということで、できるだけ早期に、できれば年内にも結論を出していただくように期待をしておるわけでございます。
○八田ひろ子君 私が三つ目に言ったのは、センターまでは今でもログの追跡はできるんです、県の中であればね。だけれども、その上の国が使うのはそういうふうになっていないから、それを大臣はそういうことができないかどうかを検討するというふうに言われたんですから、それはどうなのか、国が使うものに対してきちんとできるかどうか、そういうシステムとそういう体制を検討しているかどうかということを私は聞きたかったんです。
○政府参考人(芳山達郎君) 国の職員のアクセスについてのシステムというのにつきましては、指定情報処理機関のサーバーの方にその記録が残るわけでございまして、その観点からどういうアクセスがされたのかというのは把握はできるシステムにはなっております。
 いずれにせよ、具体的に国におけるアクセスログの在り方等については、国について、国の機関の判断だろうと思っております。
○八田ひろ子君 だから聞いているんじゃないですか。国はどうするんですかと最初から聞いているんでしょう。
 大体、県までだったら分かるんだけれども国が分からないというのが最初から問題になって、そういうことも最初は想定されておりませんでしたとか、もっと前でいえば、お金が掛かるからいろいろとかおっしゃっていますけれども、そういうこともないままに地方自治体の窓口に住民からのいろいろな意見が押し寄せてきたら困るんだというのが実際に地方自治体から来ているわけなんですね。そこで、非常にまだ局長がよく理解できないというのが分かりますけれども、きちんと国がやるようにしてほしいんですよ。
 それで、次の質問ですけれども、そうしますと、セキュリティーの問題、これで、セキュリティー対策は前回も問題になったんですけれども、これ、セキュリティー対策のプログラムは独自の判断で地方自治体はできるんでしょうか。地方自治体センターとかに監督命令とか報告、立入り権限、これを下から調べることができるのかどうかをお示しください。
○政府参考人(芳山達郎君) 先ほど申し上げましたように、法律上の権限として、都道府県が本人確認情報を提供するということになっておりますので、法律上の権限としては、都道府県から指定情報処理機関に対して、ないしは指定情報処理機関と国との間で協定書を結んでそういう権限を行使するというようなシステムになっております。
 ただ、今、先生、多分御質疑がありますのは、市町村から直接できるようにすべきじゃないのかなというような御指摘だろうと思うんですけれども、それについては、我々今考えておりますのは、県が権限を持っていますので、県共々連携しながら、指定情報処理機関ないしは国に対する、指定情報処理機関を通じて国に対する対応を検討していったらどうだろうかというようなことで今考えております。
○八田ひろ子君 結局、一義的な責任を持つ市町村が独自の判断ではセキュリティー対策のプログラムを利用するということも禁止をされているわけですよね。また、県に言って、県がセンターで相談してというのですけれども、一義的な責任のある市町村はセンターに対してでも監督命令なんというのは当然できませんし、報告や立入検査、こういうことを求めることもできないわけなんですよね。
 だから、さっき、私、局長がログの話にされちゃいましたけれども、大臣に伺ったのは、これは結局、相対的に一義的に責任のある市区町村、ここの権限、実際に個人情報を保護しなければいけないという責務ですね、これが相対的に剥奪されるというか小さくなっている、こういうふうになるんじゃないですかというのを大臣に伺った、それがさっきの質問なんですけれども、お答えください。
○国務大臣(片山虎之助君) 市町村が特別なセキュリティーをやることはないんですよ。みんなで相談して今のセキュリティーの仕組みは通っているんですから。何度も言いますように、コンピューター処理しているものをそれぞれの市町村がコミュニケーションサーバーに出して、ファイアウオールで固めて、それを専用回線でつないで暗号で送っているんですから。特別にやりたけりゃやりゃいいけれども、それ以上何をやるんですか。
 それから、一々、行政機関が法律に基づいて、共済年金を交付する、支給するとか、恩給を支給するとか、労災保険を支給することの本人確認やるだけなんですよ。それについてはそれは確認したけりゃすりゃいいので。ただ、法律上の権限は都道府県知事に与えているから、都道府県知事に市町村長が要請してもらって一緒にやってもらえばいいんですよ。それは一つも法律はそんなこと駄目だと言っていない。大いにやってもらえばいいです。それだけの話であります。
○八田ひろ子君 セキュリティー対策の問題は、やりゃいいという問題じゃなくて、できない、禁止されているというのは総務省の方でお答えになっているとおりなんですよね。だから、そういう答弁はされない方がいいと思います。
 市町村の意見も、拡大をするときに実際にはよく聞かなかったというのはいろんなところで出ているんですけれども。そして、市町村の住民の個人情報保護を守るこの権限というのですか、責務を果たす力、こういうのも相対的に小さくなる、実際には行使できないというのが今、不安が高まっていることです。
 私、決算委員会でも例を挙げて、QアンドAのことで、国や県にセキュリティーの問題が起こったときに責任がないというのだったらその法的根拠を示せとか、明文で回答はされておりませんけれども、一番新しいのを取ってもそれは答えがないんですけれども。そういう市区町村と、地方と国との信頼関係を壊すようなやり方を強引に進めてこられたというのが根本にあると思うんですね。
 私、ここに、先ほど大臣も言われましたが、九月十一日に中野区長がネットの切断をしたんですけれども、そのときのコメントを持ってきました。これによりますと、自治体が本人確認情報の提供先である国の機関等の安全性を確かめる手だてが用意されていないことや、提供先で閲覧できる範囲が、要するに国ですね、どこまでか、あいまいな部分がある上、そのことへの配慮を欠くなどの問題点があると判断した。個人情報保護に関する基本法がまだ制定されていない現状、こうした中で住基ネットの全体の安全性に不安を感じると。区民のプライバシーが侵害されるおそれが払拭できない、区民の個人情報を守る責任を果たす義務を負っているので、やむを得なく切断をしたんだと。こういうふうに地方というのは本当に苦渋の選択を迫られているわけなんですね。
 私は、同じ九月に日弁連もそれを言っているわけなんですけれども、そういうことを全然反省をされていないというのが非常に問題だと思うんです。
 日弁連は、「自己情報コントロール権を情報主権として確立するための宣言」、これを十月にも出されております。その中で、「「電子政府」「電子自治体」としてコンピュータの利便性と普及の必要性のみが強調され、個人の尊厳が奪われる危険が看過されている。」、こういうふうに述べて、そのためにも住民基本台帳ネットワークの稼働は停止することを提言をしているわけなんですね。だから、こういうのを私は真摯に受け止めるべきだと思うんです。
 そこで、大臣に、個人の尊厳という問題で一つ伺いたいんですけれども、一昨日も大臣は、今日もそうですけれども、住基ネットは四情報、四情報は公開情報なんだから漏れても別に大したことないというのを繰り返しおっしゃっているんですね。一昨日は、仮に漏れても使い物にならないとか、そういうことをおっしゃっているんですけれども、実際にはこれ、四情報だけでなくて、公開が一切禁止されている住民票コードとその変更情報というのがセットで管理されているというのは一昨日の宮本議員が指摘をして、そういういい加減な答弁はいかぬというふうに本人も反省されているんじゃないかと思うんですけれども。
 以前、この委員会でも伺いましたドメスティック・バイオレンスの法律ですね、大臣、そのDV法の被害者の住基台帳情報、これを非公開にするべきだと私、質問をしました。それは、大臣も男女共同参画会議に参加されていて御承知のとおりに、DV被害というのは内閣府の調査でも妻の二十人に一人が命の危険を感じるほどの暴力を受けているわけです。ストーカーの問題とかDV被害の問題というのは大変深刻で、これ、住所が特にDVの場合は分かると大変なことになるんですよ。だから、そういうときにこの四情報、仮に四情報だとして、漏れて大したことないというふうに大臣、思っておられるのかどうか、大変私は心配になったんですけれども、どうなんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、いろいろ八田委員、心配が多くて大変だと思いますね。私のことまでいろいろと心配していただきました。
 私が公開情報だと言いましたのは、だれでも閲覧できるんですよ、四情報は。したがって、公開情報だと、その意味で申し上げているわけで、不当な目的によって何らかの利用をやるようなときは拒否できるんです、市町村長。そうでないときはみんなオープンなんです。そういうことを申し上げたんです。
 それから、住民票コードと変更情報はこれはオープンじゃありません。ただ、住民票コードはいつでもお気に入らなければ変更可能ですから、どうにでも変えられるんです。
 だから、私は漏れることは、その四情報といえども漏れることは良くないと、漏らさないように全力を挙げなければいけないと思いますけれども、漏れたら天地がひっくり返るような何らかの権利侵害、利益侵害が出るということは考えられない。それじゃ、証明してください、どういうあれが出るのか。
 ただし、漏らしていいとは言いませんよ。私は漏らしていいとは一つも言っていないんだけれども、元々は公開情報なんだし。ただ、しかし、そういうことであっても、制度的にも技術的にも運用面でも万全の個人情報保護対策は取っていると、こういうことを申し上げたわけでございまして、そこのところはよく御理解を賜りたい。
○八田ひろ子君 ドメスティック・バイオレンスの被害者の住民票のことを言っているんです。
○国務大臣(片山虎之助君) そのドメスティック・バイオレンスのことと住民基本台帳の関係が全く分かりませんよ。だから、それはどういう御質問かもよく分からない。
 ただ、本当の不安は本当の不安として対応しなきゃいけませんけれども、不安を拡大したり、それを故意にあおるようなことが仮にあるとすれば、私は大変問題だと。事態を正確に分かってもらって、その上での議論なんですよ。
 不安だ不安だ不安だといって、その中野区長さんか何か知りませんけれども、それはどういうあれでどうだということを証明してもらったらいいんですよ。どういう問題が起こっていますか、今。問題が起こったらすぐ対応しますよ。今まで四か月たちました。どういう問題が起こって、どうなっていますか。それを検証してくださいよ。
○八田ひろ子君 私が聞いたのは、DVの問題の場合は、住所がDVを加害している夫とか親しい男性、そういう人に分かると、突き止められて命を落とすような事態が起こるからこれは教えないというのが当然なんですよ。
 だから、あなた、そういうふうに今、いえ、分かってもいいんですよと、何か起こっていますかと言うけれども、起こるから法律でもこういうふうに規制をして、DV法の方ですよ、それでやっているんだから、認識が私はおかしいんじゃないかなと思って大臣に聞いたんですよ。非常におかしい認識だというのが分かりましたけれども──だってそうじゃないですか。DV法では、そんな元夫のDV加害者に教えてはいけないんですよ。それは即命にかかわるんですよ。
○国務大臣(片山虎之助君) それは当たり前の話で、住基ネットと何の関係もない。
○八田ひろ子君 住基ネットじゃないでしょう、それは。住民票の話をしているじゃないですか。
 今、変更できるからというふうに言われましたけれども、変更しても履歴は局長、保存されるんですよね。
○政府参考人(芳山達郎君) ただいまの先生のDVと住民基本台帳制度、そして住基のネットワークと、これの関係だろうと思います。
 それで、一つ、今は変更履歴の話が初めに質問ありましたので、それをお答えしますと、変更履歴については、法律の三十条の五の第三項によりまして、通知の本人確認情報は政令で定める期間保存しなければならないという具合になっていまして、本人確認情報をその日から五年間保存するという具合になっておるわけでございます。これは、現行の住民基本台帳の制度が消除された住民票について五年間保存するということになっておりますので、それとの均衡で五年間持っております。
 それで、今、大臣の御答弁ありましたように、住基ネットワークシステムにおいて仮に住民票コードを仮に知ったとしても、法律の目的でもって、法律に目的以外には使えないということがなっていますし、住民票コードをもってコンピューターにアクセスできるアクセス権限、またICカードそのものでもってアクセスしなきゃならぬという面でいいますと、それで住基ネットでそれを追求できるわけではないということでございます。
 それで、住民基本台帳そのものの制度として、不当な目的の場合には地方団体が知恵を絞って対応を考えておるというのが昨日御答弁したとおりでございます。
○八田ひろ子君 四情報のことを大臣が言われたから、四情報が公開だと言うんだけれども、そうでないんですよと、それがDVですよと私は聞いているんですよ。
 もう時間がなくなってしまったので次に移りますが、次は、皆さんのところにお届けをペーパー一枚、これ総務省が、いただいたもので、総合行政ネットワークのことについて、あと七分ぐらいしかございませんが、質問します。
 これは、お手元の資料にありますように、地方自治体を結ぶネットワーク、既にこれは全都道府県、政令指定都市で運用が開始されて、霞が関WANとも接続をしているというもの。二〇〇三年にはすべての市町村をつなごうということで、これは構築、運営が住基ネットと同じ地方自治情報センターが行うもので、こちらの方は特に法的根拠のないものだそうですが、このネットワーク、これ行政専用のネットワークとありますけれども、そういうことなんでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のとおり、この総合行政ネットワークといいますのは行政専用のネットワークでございます。
○八田ひろ子君 ここの図の右は霞が関WANなんでしょうけれども、下の大きく書いてあるところ、共同のシステムとか市町村とか書いてありますが、これは市町村と共同のシステムは何かほぼリンクしている同じものだそうです。ここが行う共同のシステムを、例えば運営とか管理を自治体が民間営利企業に丸投げした場合は、民間企業はネットに接続できる仕組みというわけではないんでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 例えば、これから電子申請とか電子届出、こういった受付の汎用システム、こういったものを共同アウトソーシングというふうな形で自治体が運用する、こういうことになりますと、そのシステムの運営につきまして、民間事業者、情報関係事業者がシステムの運営を委託をするという場合があるわけでございまして、その限りにおいて運営を行うわけでありますので、自治体のLANの方に一定の情報を入れていく必要がありますので、その場合には総合行政ネットワークの運営主体の理解の下に接続がされるということでございます。
○八田ひろ子君 法的根拠もないネットワークで、しかも個人情報保護の法的担保もないシステムなので、法的にも運用の面でも、先ほど同僚議員が指摘をされたんですが、あれはLANの問題ですけれども、いろいろな問題があると思うんです。
 一昨日、この委員会でも宇治市の住民データ流出事件が議論されたんですが、京都地裁の判決で、データ入力作業なども外部の業者に委託する際には、その業者が雇っている従業員、いわゆる孫請に対しても委託元が指揮監督すべき、宇治市はそれを怠ったと示されました。しかし、宇治市は孫請の従業員の管理まですることは不可能だ、こういうふうに述べているようなんです。
 今お示しいただいたように、こちらの方のネットワークは、そういう孫請も含めての丸投げというんですか、アウトソーシングというんですか、そういう禁止条項がなくて地方の条例にゆだねられているんですね。ですから、せめてそういう孫請とか、そういうことはやっていけないとか、そういうシステムができないんでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) まずLGWANのこと、ちょっと補足いたしますと、これは自治体間を結ぶシステムでありまして、国の法律で何か縛るべきものではありません。自治体の自らのシステムを共通に情報を交換するというために作るものでありますので、これは法律に基づくものではないと。
 次に、仮に、これ従来からいろんな電算処理、各自治体はもう既に随分やっております。そういった場合に、外部に委託をするということは大変多いわけでありますけれども、自治体の場合は個人情報保護条例によって個人情報を保護するということになっておりまして、これはもう既に国の方の電算に係る法律の前から作り始めているわけでございまして、今、全体とすれば、条例以外も含めて八割が作っておりますけれども、条例については大体三分の二ですけれども、その中で委託をした場合に様々な規定を設けている、場合によっては罰則まで条例で設けているわけですから、基本的には自治体は個人情報保護条例できちんと対応すると。現にできておるということなんですね。
○委員長(山崎力君) 時間でございますので、おまとめください。
○八田ひろ子君 時間がないので終わりますけれども、実際にはこのシステムを使って電子認証とかそういうものを全部やるわけですね。私どもは、行政を国民の利益にかなうように効率化することやそのためのIT化というのはいいんですけれども、今日は時間がなくて全部質問できませんでしたけれども、日弁連が言っているように、電子政府や電子自治体としてのコンピューターの利便性と普及の必要性のみが強調されて、個人の尊厳が奪われる危険が看過されていると。一気呵成にやっていこうというやり方は非常に不安であります。地方自治体も国民も不信を持っている。こういうときに、さらに、住基ネットの利用拡大や今回の二つの法案というのは白紙に戻して、行政の情報公開もっと進めるとか、民主主義と人権を守る方向での電子政府、電子自治体構想をきちんと構築し直すこと、これを求めて、私の質問を終わります。
○渡辺秀央君 大分議論が尽くされてきまして、それはなぜそういうことを言うかというと、要するに法律は二通りあると思うんですね。実際に動いているものに対して実社会であるいは行政面で不測事態を想定してやる法律と、あるいはまた、想定されるあるいは期待される、そういうことに対応するための法律というかね。今度の場合には基本的にこの法律が先に走っている、これは否めない事実だと思うんですね。個人情報保護法というものがまず大基盤として整って、成立したその段階でこういう個々の行政あるいはまた企業の問題等々いろいろ議論されると、今までそれぞれの質問を聞いておって、大分相当無駄な質問になるのかなという感じがするんですけれども。
 だけれども、しかし、これは大臣のたってのこの国会における成立の期待、参議院先議ということに対しての期待があったということで、この法案の審議に先駆けて入ったところに、いろんな心配される、想定される問題が出てくる。ある意味においてはやむを得ない。
 しかし、だけれども、我が党としても党内大分議論をいたしましたが、私は町村合併を推進していく立場から、これは当然あらなければならないことだろうと思うんですけれども、先ほど前提として言った個人情報の問題がきちんとなっていない、セットされていないということで、この法律そのものについては私は理解できる立場にはありますけれども、法律そのものについて残念ながら今の段階で賛成までの自信が出てこないということは、ある意味において野党間における共通の認識ではないのかなと、こんなふうに思っております。
 しかし、問題点はたくさんあると思うんですし、また今まで指摘されてきていると思うんですが、私もちょっと限られた、時間は大変いただいたんですけれども、限られた時間内で二、三点だけ端的に質問をさせていただきますが、また端的にお答えを願えると有り難いと思うんです。
 一つは、今まで質疑の中で余り出ていないというか、触れられていないというか、そういう点についてのことにいたしたいと思いまして。民間企業においてITを活用して顧客サービスの向上と業務の効率化のために非常に努力をしているわけですね、民間企業は。今回の行政手続オンライン化関係三法案は行政サービスにITを活用する第一歩だと考えますけれども、どんな効果を目指しているんですか。
 それからもう一つ、ちょっと大臣の口から鮮明にされたらどうかと思うんです。ちょっと後で触れますけれども、大分この法律についての、さっき大臣もちょっとおっしゃったが、説明不足の点がかなりある。それで、非常に前広にやっちゃったということがあると思う。そんなに難しいことではなかったと思うんですけれども。そういう意味では、ちょっともう一回なぞらっていくのかも分かりませんが、端的にお答えいただけると有り難いというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 端的に言いますと、今、申請や届出、これは国の役所に行ったり地方自治体に行ったりして添付書類を付けてやっているわけですね。ところが、このオンライン化法によりますと、インターネットで職場や自宅からそのまま、電子証明が要りますけれども、電子証明書が。届出や申請ができ、処理してもらえるわけですね。
 それから、例えば、今、港湾の仕事なんというのは三十ぐらい手続が要るんですよ。これがもう一か所で受け付けて全部終わるというワンストップですね、ワンストップ化ができると。それから、公共事業や単独事業に電子入札という制度が入りますと、相当効率化されて、先ほども言いました談合なんかもなくなると、こういうことなんですね。
 そこで、今日本が後れている、後れていると、特に電子政府で後れていると言われているんですよ。アメリカのシンクタンクの番付では十七位です、世界で。それは何でかというと、そこのシンクタンクは、税金と自動車登録とそれからパスポートのオンライン化ができているかどうかで判断しているんですよ。それが日本はまだできていないんです、税金もパスポートもそれから自動車登録も。もしこの法案を通していただくと、それがオンライン化されるわけですね、オンライン化される。
 そこで、今何度も言いますけれども、共済年金と労災保険と不動産の関係と恩給ですけれども、今度は厚生年金、国民年金、パスポート、不動産登記、それから自動車登録まで全部オンライン化できるんですよ。
 それで、これは渡辺委員、おまえはちょっと急ぎ過ぎじゃないかというんですが、二か年でやろうというので、実は法律を前の国会で通していただく予定だったものですから、少し遅れていまして、そういう意味で私個人がやや急いでいる、焦っているところはあると思いますが、是非御理解賜りたいと思います。
○渡辺秀央君 したがって審議促進には協力はいたしているわけですが、我々政治家としては、それは百点満点を目指しても、求めるものは国民の最大多数の幸せなんですよね、最大多数なんです。やっぱり、それは全部とはいっても、全部とはなかなかいかない。賛成も反対もあるわけですから。そこはまたお互いの政治家としての目分量で考えていかざるを得ない面がある。
 私は、今もここでも同僚議員と私的な話合いをしておったんですが、こういうものというのは一体全体一〇〇%うまくいくんだろうかと。これはやってみなきゃ分からぬということが一つある。しかし、しょせん機械だということになっていきますと、これがどの程度人間の肌の触れ合い同士の生活、実社会の中でどれだけの効果と、また一つの成果というのが出てくるのか。あるいは機械がいったん止まった場合にはどうなるのかとか、いろんな問題が出てくるので、それを想定しておったらまたこの近代化社会にはいかないのかも分かりません。
 そういったことも考えてみて、私は、もう一つの質問としては、IT社会においては実際に対面することがないわけですから、特に本人確認が重要であるわけですけれども、市町村の窓口においていろんな、やるときに厳格な本人確認のノウハウがありますわな、窓口の職員は。そういうノウハウを広くIT社会において活用する仕組みというのは、難しいかも分からぬけれども、私はやっぱり必要だと思うんですね。その電子政府、電子自治体では一体どういうふうにこういうことを工夫していくんでしょうかな。どんなふうにお考えですか。
○国務大臣(片山虎之助君) やっぱりこのインターネット社会では、本人確認をどうやるかが、見えませんから一番大切で、今は本人の署名だとか実印だとか印鑑証明を取って、それが今度は電子証明に振り替わるわけですね。これは、市町村に窓口を出していただいて知事が証明すると、こういうことなんですが、その本人が生きている、実在している、本人であるということは常に住基ネットに照合するんですよ。住基ネットがなきゃ本人確認できないんですよ。証明書が出せなくなるんですね。
 そこがなかなかつらいところなんですが、来年の八月から住民が望めば市町村は住民基本台帳のカードを出せるようになるんです。カードが即電子証明書になるようなことを考えているんです、我々は。市町村が望まなきゃいけませんよ。そうなると、そのカードを持っておれば、もういろんなことの今のオンライン化も一発でできるんですね、差し込むだけで。だから、そういうことで相当変わってくると思いますので、そこは是非ひとつ御理解を。
○渡辺秀央君 その住基ネットですが、それは先ほど来話があった、不参加団体の住民があるわけですね。団体があるわけですが、そこの住民は電子政府、電子自治体のメリットを享受できなくなる。これは、おまえら参加しないんだから当たり前じゃないかということばかりは言っておれないと思うんですな。やっぱりこれは憲法に保障されている公正な、ひとしく国民が享受する権利である、政治のサービスは。
 そういうことについて、総務省としては、この不参加している団体に対して、今私が聞いた範囲では福島県、東京では先ほど大臣が言っていた中野区を始め杉並、国分寺、それから条件付が横浜とかありますわな。こういう団体、一体どういうふうに対応していくおつもりですか。説得もしていくんでしょうけれども、あるいは実際には条件付というものもあるわけですが。やはりこれはITですから、これはもうひとしくみんながスタートを一緒にしなかったら本当は意味がないと思いますよね。
 この杉並と中野と国分寺には、これ全然利きませんな、個人の何が出ませんねという、反応がないですな、返答がないですなでは、これは求めているものには通じない。それはどういうふうにこれから説得されるんですか。あるいはまた促していくんですか。手段としてはどんなお考えでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 横浜市は市長が何度もお見えになりますし、これは段階参入ということで我々は受け取って、段階参入も本当は制度としては想定していないんですけれども、市長さんのお立場もありますから、二百何十万は受け取って、残った方は次の段階で。ただ、これはかなり時間が掛かるんですね、手間が。そういうことで、全員参加ですということをはっきり言っておられますから。
 それから、杉並と中野と国分寺市は少しずつ違うんですけれども、個人情報保護法が通ればと、こういうやや感じですね。これは東京都が中心で、総務省も加わっておりますけれども、今いろいろ話合いをしております。
 そこの住民の皆さんは大変不便なんですよ、本当に。だから、いろんな今の法律で九十三決めているものについては全部添付、そこのところはしておりまして、私は、それが割に分かってきているんじゃないかという感じがしますけれども、これは市長さんの立場がありますから。それから、議会はちょっとまた別の団体もあるんです、議会は反対のところも。なかなかややこしいんですけれども、引き続いて説得してまいりたいと。
 それから、福島県の矢祭は、大きな町じゃありませんけれども、ここは自分の方で個人保護条例を作ったらと、こう言われているんです。それについてはどういう準備をされているのか、これは県が中心になっていろいろ話合いをしていただいておりますから。
 いずれにせよ、まだ一次稼働といえば一次稼働ですから、是非できるだけ早く入っていただくように努力いたしたいと思いますが、ほかの団体からは、ああいうわがままを許していいのかという議論もほかの団体からは大分ありまして、ただ、我々は話合いでやりますと、こういうことを言っておりますので、是非ひとつ。
○渡辺秀央君 できるだけ同時スタートができることが望ましいと思いますね。是非ひとつ効果あらしめるように、かつまた大臣の期待が、できるだけ準備が、この法案が通ることによって準備が整うわけですから、相当大変なこれは準備だと思うんですね、職員を始めとして。ですから、是非万全を期したスタートができることを期待をいたしておきます。
 ありがとうございました。
○又市征治君 社民党の又市です。
 本論に入る前に、昨日出されたILO勧告に関して一言政府に注文しておきたいと思います。
 私は、一週間前の本委員会においても、このILO勧告が出れば新勧告に沿った公務員諸法の改正をすべきだというふうに申し上げました。勧告は、そのとき私が指摘したとおり、スト権、団交権については、結社の自由原則はすべての国に一様かつ一貫して適用される、こんなふうに述べておるわけでありまして、政府がこれまで改善措置を避ける口実としてきた各国の個別事情だとか日本の特殊事情という主張を実は退けているわけですね。
 ところが、今朝の新聞を見ますと、総務省は、我が国の実情を十分理解した判断とは言えず承服し難いと、相変わらず日本の特殊事情を挙げて勧告を受け入れる意思がないように見受けられるわけです。これで一体、労使の信頼関係が築かれて、透明で民主的な公務員制度が構築できるのか、こういう点で言うならば、否と言わざるを得ませんし、その旧態依然たる認識に私はあきれる次第であります。
 だから、勧告には、委員会は政府に対し、望むのであれば事務局による技術支援を利用することができるなどというILOの日本政府に対する痛烈な批判の一説までむしろ盛り込まれている内容です。このような時代後れの認識を改めて、公務員組合と十分に実効性ある協議をして、納得を得て所要の法改正をするように冒頭強く求めておきたいと思います。
 そこで、前回もいろいろと情報漏えいなどのいろんな危惧される問題などを挙げてまいりましたが、少し今日は技術的な問題についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 電子政府、電子自治体にすれば経費節減になる、こんなふうにおっしゃるわけです。しかし、このIT機器やシステム開発に多額の初期投資が要るわけで、更新だって必要になってくる、こんなことでしょう。それでも行く行くは節約になるというのは、対面窓口の職員削減ということになるんではないか、こう思います。
 人減らしの是非は別として、この電子化でその事務について紙ベースの証明書の交付や対面による事務は廃止をするということに今の論理でいくとなるわけですね。例えば、推進派の小坂憲次衆議院議員、さきの総務副大臣ですけれども、新聞紙上で、旧来の業務フローを断ち切れ、電子化された資料と紙の二種類が併存するようでは電子政府は必要ない、こうまで言い切っておられるわけですね。
 そこで、お聞きするんですが、全廃するなら正に情報弱者のための対策だとかデータ破壊の場合のバックアップ対策なども経費としては加算すべきだろうと思うんです。逆に併存させるなら、この人件費や事務費の何割を一体残すのか、併存ベースの経費試算というのは必要だろうと思いますね。そうした試算があるのかどうか、国の事務又は自治体の事務でお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今回の行政手続のオンライン化の基本的な考え方は、従来、法令に基づきまして書類等で申請、届出するものにつきまして、これに加えて、これに加えてということは従来どおり書類でもいいわけですが、オンラインでもできることにするという、できる規定でございます。
 そして、そうなりますと、国であれ地方自治体であれ、書類での申請の方もいらっしゃいますし、インターネットなどを通じておやりになる方もいらっしゃるという事態が続くわけでございますけれども、私ども前から考えておりますのは、そうなるわけでございますが、内部事務の処理の中で紙ベースのものについてはできるだけ電子的に読み取るような工夫などいたしまして、できるだけ行政の内部の事務処理というものをこの機会に変えていく、そういった工夫によって経費の節減も図れるのではないかと、こう思っておりますが。
 一体それがどのような額になるのか、ちょっとその試算はいたしておりませんけれども、たまたまある一自治体でございますけれども、電子申請と電子調達、それから内部処理ですから文書管理ですね、これをシステム開発やって運用七年間なんですが、これを全部任せてやる場合に三十五億近く掛かるわけでございますけれども、これによって全体の節減効果が、もちろん書類も残るわけですよ、そういう上ですが、全体の節減効果が五、六十億というふうな試算がありますので、いずれにしても併存、ハイブリッドにはなりますけれども、内部事務のやり方などを変えていくことによって投資額以上な節減効果が出るということになろうかと思います。
○又市征治君 試算がないというわけですから必ずしも、ある自治体の例だけ今出されましたけれども、どうも根拠薄弱だと言わざるを得ませんけれども。
 小坂さんではないけれども、紙ベースを全廃あるいは大幅削減するには本人確認の認証制度、つまり今回の法案の三本目で、ICカードが大多数の住民に普及し終わっていて、かつ家庭のパソコン通信又は市区町村の役所の公衆端末がどこでもあるという、こういう状態が必要だろうということですね。
 第三の法案、つまり自治体電子認証法案で提案されているICカードは、各自の銀行カードなど好きなものを持ってきてください、こんなふうに言われていますね。その民間のICカードですけれども、今ほとんど持たれていない。今後どのくらいの速さで普及するというふうに予測をされておるのか、それだけでなく、このICカードの所持者が希望して市役所へ登録に出掛けてくる必要があるわけで、その歩留まりは一体どういうふうに予測をされておるのか。制度ができたらみんな来るだろうという答弁では困るわけでありまして、強制しないと言っているわけですから、ここら辺の試算はあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 私ども、この公的個人認証の仕組みを作ります場合に、秘密かぎとか電子証明書を収めるためにICカードを活用した方がセキュリティーが格別に高いわけでありますので、そういった前提で考えておりますけれども、法案の中にも、ICカードということではありますが、例えば住基カード、これはICカードを使うということでありますので、電子証明書を申請される方があらかじめ住基カードをお持ちであれば、そこの空き容量の中に電子証明書などを入れるということも考えられると思っております。
 そういったことが普及を進める大変大きな力になるのではないかと、このように思っているところでございます。
○又市征治君 どうも茫漠たる計画のように見えてしようがないんですね。これでは窓口の職員が減るとか、あるいは節約になるという法案の理由もちょっと納得しかねるわけで、どうも莫大な投資計画だけが先行していることになるように思えてならないわけです。
 次に移りますが、年金まで拡大をしてしまうということになると、どうも税務事務までももうあと一歩なのかという懸念が出されています。我が党は大資産家やあるいはブラックマネーなどの脱税を防ぐという観点で納税者番号制度を作ることには積極的なわけですけれども、しかし、それとこの国民総背番号制あるいは住基ネットとの結合という問題は全く別問題です。個人データを行政が勝手に結合することは許されませんし、また漏えいの可能性が高くなってくるんだろうと思うんです。
 ところが、二〇〇〇年七月の政府税調、今年六月のあるべき税制の基本方針、昨年五月五日の塩川財務大臣などは、いずれもこの住基番号を使うというように言っておる、こういう危ない話が出ているわけですね。
 これについて総務省の考えはどうなのか。大臣、これは非常に重要な問題ですから大臣から明確にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、法律で決まっているのは特定の行政機関が恩給や共済を交付するときの本人確認情報を住基ネットから提供を求めるだけの話で、今回の百七十一も同じことなんですよ。その電子申告なんというのは、今持っていっている申告書をインターネットで送れますよ、オンラインで、これだけの話なんで、納税者番号とは何の関係もありません。━━━━━━━━━━━━
○又市征治君 いや、今ILOの話も出ましたから、ここは改めて一遍ここの委員会で、当然総務省が見解出しているわけですから、やりましょう。
 それから、今のお話でそうした住基番号を使うというふうに他のところで言っているのは、これはないということですね、大臣。そういうふうに確認しておきます。
 次に、第三番目に、電子認証における暗号方式の選定についてちょっと伺ってまいりますが、今年の四月に総務省と経済産業省の連名で暗号技術検討会の「二〇〇一年度報告書」というのが、こういうのが出ていますね。この報告書の二十七ページでは、一九九五年にネットスケープナビゲーターの暗号プログラム、つまりかぎの管理に問題が発見をされて、アメリカの諸銀行が相次いでサービス停止に踏み切った事件を重視をしています。一流の専門家が電子的暗号そのものの未熟さを警告しているわけでありまして、総務省はこの問題についてはどういうふうに受け止めていますか。
○政府参考人(高原耕三君) 今おっしゃいましたように、この暗号技術検討会の報告書で先生おっしゃいましたようなことが指摘をされております。この検討会そのものは、平成十三年五月から、電子政府の推奨暗号リストの作成等を行うために総務省及び経済産業省が共同でやっておるものでございます。
 この中で、一九九五年、ネットスケープ社のブラウザのソフトにおいて暗号プロトコルのためのプログラムに欠陥があるということが分かったということが指摘されておりまして、この後、この報道を受けて、当時インターネットを利用したオンラインバンキングのサービスを提供していたアメリカの銀行がサービスの停止をしたりしておりますが、これ、ネットスケープ社そのものが欠陥を修正したプログラムを配布するということによって問題は当時は解決をいたしております。
 これに関しましてでございますが、この問題というのは、暗号方式そのものに問題があったというよりは、この暗号をプログラム化する過程において問題があったというふうに考えております。
 このような暗号を利用するためのプログラムというのは、各ソフトウエアの会社、ソフトウエア会社が責任を持って個別に製作をいたすべきものでありまして、いたしておりますが、総務省としても、今後、暗号を利用するソフトウエアあるいはハードウエアの製品化のレベルでの評価についても、これ、暗号そのものの評価と、それから暗号の製品化の局面、それから暗号を、プロトコルといいましてやったり取ったりする場合の三つの局面がございます。今回、今の先生御指摘のケースは暗号を製品化する局面での問題点でございます。この辺の問題点についても、今御指摘の検討会を通じる等して、今後とも総務省としても検討していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○又市征治君 今ありましたが、報告書は、「暗号技術の欠陥が社会に大きな影響を及ぼした」と、こんなふうに明言をしているわけですね。
 ネットスケープナビゲーターといえば今最もメジャーなソフトの一つ。悪意だったら一瞬のカード操作で何十万ドルという盗難に遭ったんだろうと思いますが、たまたま善意の人が見付けたということで問題はなかったというふうに伝えられておりますけれども、お金で済めばいいけれども、行政が保有するプライバシーの侵害だったとすると、お金ではもう取り返しが付かないということになるんだろうと思います。
 そういう意味で、この報告書の最後の三十一ページには、二〇〇二年十月にこの検討会がお勧めする暗号に関するリスト案を作成し、各省庁において合意を目指すというふうになっているわけですね。現在十一月ですけれども、このリスト案は出されたのかどうか、まずこれ一つお聞きしておかなきゃなりません。
 また、それはこの十二ページから十五ページに挙げられている公開かぎ暗号技術八種類など計二十五種類というものと同じなのかどうか違うのか、あるいは増えたのか減ったのか、この点お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生御指摘のように、この「暗号技術検討会二〇〇一年度報告書」に公開かぎ暗号として八種類、それから共通かぎ暗号として十一種類、ハッシュ関数として五種類、疑似乱数生成系として一種類挙げられております。
 この検討会においては、現在、この二〇〇一年度の提案のものも含めて、更に追加ないし公募した暗号もございますし、現在既に広く利用されている暗号方式もございます。そういうものを含めて、全部、大体数えまして四十種類ぐらいございますが、そういうものを対象に本年度中にリストを作成する予定で今検討しておる最中でございます。具体的には、今月中にパブリックコメントに付するという予定でやっておりまして、この増減はまだ、増えるか減るかといったことも含めて、今お答えできる段階にはございません。
○又市征治君 まだ遅れてきているわけですね。
 同じく十ページでは、そのリスト案に基づき総務省及び経済産業省において各省の合意を目指す、その日付は二〇〇二年度末だというふうに書かれています。リスト案がそういう意味で遅れているわけでありまして、そうすると各省の合意も遅れることになるのかどうか、お答えください。
○政府参考人(高原耕三君) 今申し上げたように、特に遅れているというような状況ではございません。
 それで、各省庁の合意は、今年度中に各省庁間の連絡会議等によりまして合意を目指すということはできるというふうに考えております。
○又市征治君 まだ専門家段階でたくさんの候補があるということでありまして、そうすると、なぜこんなにスケジュールを詰めて法律の成立を急ぐのか、ちょっと理解ができないんですけれども。
 もう一つ、政府各省の暗号検討会と自治体に使わせる個人認証の暗号の選定とは別だという話なんですが、なぜ同じ総務省が別々に選定をされるのか、暗号という狭い専門分野なのにまだ別の有力な専門家がいるということなのかどうか、ここのところをもう少し説明してください。
○政府参考人(大野慎一君) この暗号技術の分野というのは大変技術の進歩が速い分野でもありますので、私どもが今お出しをいたしておりますいわゆる公的個人認証法案における暗号技術の利用につきましては、法律案の中であるわけでございますが、技術評価につきましては総務大臣が行う、暗号技術のレベルの決定についての評価、これは絶えずやる必要がございますが、評価なり調査研究、これは総務大臣がやるんだと、こうなっておりまして、先ほど来お話のあります暗号技術検討会などの議論も踏まえながら、最新の暗号技術を使うというふうにしているわけでございます。
○又市征治君 正にこの分野は日進月歩、この間大臣は秒分までをおっしゃったけれども、そういう状況でまだ固まっていない、そんな段階なのに法律で公開かぎ方式に固定をするというのは早計ではないかというふうに思うんです。
 この分野において言えば、この間も出ましたけれども、指紋方式であるとか、あるいは顔で見るとか、手のひらの静脈で見るとか、ひとみで見るとか、いろんな分野の問題もあるんだというのが先般のときにも出ましたけれども、そういう意味では、どうも公開かぎ方式に固定するというのは早計ではないかと、こう思えてなりません。
 それこそ、ロッキード、グラマンの利権争いじゃありませんけれども、IT産業が不況だと、これの救済をやらなにゃいかぬという立場から、どうもそういう意味では、このことが先行されて裏にあるんではないかという疑念がそういう意味では最近大きくささやかれるようになりました。そういう意味で、どうも専門家の検討会のこういう話なんかでも、だしではないかというふうに、こういう疑念さえも持たざるを得ないわけであります。
 そこで、以上二日間、私もいろいろと疑念やいろんなことを述べ、そしてできるだけかみ合わせて、そういう意味では国民の皆さんの疑念など払拭できればと思ってやっていたんですが、いずれにいたしましても、今この三法案を決めるのはやはり時期尚早だというふうに思っています。
 時間がなくなりましたので、最後に一つだけ確認を求めておきたいと思います。これは一番初めにお聞きをした点ですけれども、行政サービスは全住民の基本的な権利でありますし、情報リテラシー、つまりコンピューターを使いこなせるか否かで差が付いてはならないわけでありますから、そのためにどういう担保をするのか。具体例としては、自宅などでパソコンを持たない人だとか、電子証明の前提となるICカードを持たない人、また持ちたくない人もいるわけでありますけれども、とりわけ高齢者の皆さん、こういったところは大変問題になってくるんだろうと思います。これらにも引き続きサービスをどう保障するのか、その点の確認を伺いたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 行政手続オンライン化法案の条文にもございますように、従来どおり書面でもできるわけですが、国民の選択によりましてインターネットでもできるようにするということでございます。
○又市征治君 終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、(「質疑続行」「採決反対」と呼ぶ者あり)三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより三案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております三法案に、いずれも反対の立場から討論を行います。
 この三法案は、すべて住基ネットの運用に土台を置いている点で九九年の改正住基法と一体のものであると同時に、審議の中でも政府が明言している住基ネットの利用の際限のない拡大計画の不可欠な一段階となっているものです。広範な国民の世論にも九九年当時の首相答弁にも反する住基ネットの運用開始を強行してから、わずか四か月しかたっていない今、このような形で新たなステップへと足を踏み出すことを到底認めることはできません。
 日本共産党は、電子自治体や電子政府の意義を否定するものではありません。しかし、仮にこれを進めるのであれば、個人情報の分散化を大前提として、マッチングの手掛かりとなる統一的なコードは作るべきではありません。我が党は、中央集権型のオンライン化には、断固として反対の立場に立つものです。
 それは、第一に、これが個人情報の民間への漏えいと不正利用の危険を極度に増大させることになるからです。万一、指定情報処理機関への侵入があれば、全国民のプライバシーが根こそぎ盗み取られてしまいます。そうでなくとも、コードの付いた四情報が流通する範囲が増えれば増えるほど、漏えいの危険も大きくなることは自明の理ではありませんか。
 第二に、こういう方向での情報化が、公権力に対して国民のプライバシーが丸裸にされる監視社会への道につながりかねないからです。政府は、取扱いは法律に明記された事務に限られるとしていますが、昨今の不祥事の連続の中で、こうした説明を額面どおりに受け取る国民がどれだけいるでしょうか。また、本来地方自治体の固有の業務である住民基本台帳のデータが、個別地方自治体による裁量の余地が全くない形で指定情報機関から中央省庁に提供されることは、住民自治の原則とも自己情報コントロールの権利とも相入れないものだと言わなくてはなりません。
 以下、個別の法案にかかわる反対理由を申し上げます。
 行政手続などの情報通信の技術の利用に関する法律案は、以上述べたような住基ネットの運用を前提とした法案であると同時に、総合行政ネットワークによって住民の個人情報を含む行政情報を民間機関の管理にゆだねる道が開かれるという問題を含んでおり、認めることはできません。
 同法の関係法整備法案は、正に住基ネットの利用事務を現行の九十三事務から一挙に二百六十四事務、三倍近くへと拡大するものであり、論外と言うべきです。
 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案は、これ自体が住基ネットの新たな利用事務になると同時に、住民票コードの不正利用に関連して悪用される可能性がある変更情報ファイルを多数の民間機関の手に渡すことになるものです。公的な認証制度を作るのであれば、住民票コードや住基ネットと完全に切り離したものにすべきです。
 なお、本日、この法案の討論と採決が強行されようとしていることに、改めて抗議をするものです。
 そもそも、九九年の改正住基法は、対総理質疑を含む、衆議院だけでも二か月間の委員会審議と参議院本会議での二日間にわたる厳しい与野党対決を経て強行されたものです。その際の議論を根本から覆す重大な政府答弁が続出しているような審議を、参考人質疑すら行わず、わずか二回の質疑で終わらせることができないのは当然ではありませんか。
 理事会の場でも、審議の続行を要求したのは我が党だけではありませんでした。それを、正規の理事を占める一部会派だけの意見で打ち切るばかりでなく、私の、質疑終局については委員会の場で採決を求めるという最低限の要求さえ封殺したのです。
 このような委員会運営そのものに厳しく抗議して、反対討論といたします。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律など、いわゆるオンライン関連三法案に反対の立場で討論を行います。
 反対の第一の理由は、今回の電子政府、電子自治体が、自治体や住民の議論が不足をしている中で、国主導で行われている点です。
 政府は、e―Japanなるものを国家戦略だとして、地方自治を考慮することなく、電子自治体の到達目標と実現年次を一方的に決定し、国で定めたシステムを無理やり強行しようとしています。
 予算、人材の不足等からまだまだ未着手な自治体も多く存在していますし、国民的議論も不足していると言わざるを得ません。また、インターネットを利用できない住民や外国籍市民の切捨ての可能性もあります。
 反対の第二の理由は、事務の標準化による国の統制・管理強化と地方自治の骨抜きにつながる点です。
 電子文書化と総合行政ネットワーク、霞が関WANとの接続は、政府から自治体への電子メールが増え、また自治体からの統計データの調査項目が今以上に細かくなるなど、国による統制、管理が強まるおそれがあります。
 また、電子化によって標準仕様やシステムが構築されれば、自治体の判断による独自性の発揮ができなくなる可能性もあります。職員が住民と直接接触する機会は減少し、住民や地域をパソコンを通して見るばかりで、職員としての知識や経験が重視されなくなり、行政の標準化、画一化が進む一方、地域の実情の反映や住民による自治の側面が薄れかねません。このように、住民自治の後退を招くことにさえつながります。
 第三の理由は、企業、財界のための利権作りが先行しているのではないかということです。
 一時期、IT関連産業はリーディング産業として竹中大臣ももてはやしていましたが、現在、IT不況が深刻化しています。電子政府、電子自治体は、中央省庁向けだけで二兆円、自治体向けなども含めると、その三、四倍の市場規模と見込まれ、また、企業が自治体IT化こそ商機だとして照準を合わせ、現に暗号方式の選定をめぐって、メーカーなど日米大企業間の暗闘が繰り広げられています。
 第四の理由は、住基ネットとの関係です。
 多くの自治体が住基ネットの稼働に対し延期や凍結を求める意見書を採択し、また日本弁護士連合会のアンケートにおいても慎重論が相次いでいるのに、整備法案では、住基台帳法の再改正として百七十一事務を新たに加える内容が含まれています。
 このような重要課題は整備法の中で改正するのではなく、本来、独立の法案として問うべきものです。しかも中身も、「システム利用の安易な拡大を図らないこと。」という住基法改正時の附帯決議に抵触するものです。公的個人認証サービスも、一般商取引にも使われることが期待されており、住基ネットの営利目的利用につながることが懸念されます。
 最後に、現在のような拙速なスピード審議では国会の見識が問われます。なぜなら、個人情報保護関連法案も成立しておらず、住基ネット稼働への批判が高まっている中、わずか三か月で住基ネットのなし崩し的な利用拡大を認めるものだからです。
 社民党は参考人質疑を要求をしましたが、当委員会は自治体関係者からの意見陳述も、またITやセキュリティーの専門家からのヒアリングもしていません。今後の自治体と住民の利害に大きくかかわる電子政府、電子自治体について、ほんのわずかの拙速審議で採決することは、良識の府にふさわしくないものであり、強い憂慮を表明して、反対討論を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 先ほどの片山大臣の発言中に不適切と認められる言辞があったように思われますので、後刻速記録を調査の上、適当な措置を取ることといたします。
 これより採決に入ります。
 まず、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記の事項の実現に努めるべきである。
 一、電子政府、電子自治体の構築に当たっては、国民の理解を得つつ、行政サービスの質の向上が図られるよう情報通信基盤の整備を進めるとともに、地域間格差が生じないよう地方公共団体に対し、必要な支援を行うこと。
 二、情報通信技術の利用の有無により行政サービスの内容に差異が生じることのないよう十分留意するとともに、国民の情報通信利用技術の向上のための施策を一層進めること。
 三、行政手続のオンライン化、地方公共団体の認証業務を行うに当たっては、情報の改ざん、漏えい、不正使用等が行われないよう、技術革新に対応したセキュリティー対策、個人情報保護のための措置を講じ、業務の信頼性・安全性が確保されるよう万全を期すること。
 四、行政手続のオンライン等に従事する関係者のモラルの維持・向上、徹底したデータの管理、法令の遵守、責任体制の明確化を図ること。
 五、プライバシー保護及び個人情報保護の重要性にかんがみ、住民基本台帳ネットワークシステムの目的外使用・安易な利用の拡大を行わないこと。
 六、本年八月に稼働した住民基本台帳ネットワークシステムに関しては、セキュリティーを確保する観点から、地方公共団体において、その実施状況を自ら点検し、必要に応じ外部監査を受けるようにするとともに、政府は住民基本台帳ネットワークシステムの運用状況等について適時公表すること。
 七、行政手続のオンライン化が国民生活及び国民の権利に密接に関係することから、本法律施行に伴う政省令の制定及びその運用に当たっては、国会における論議及び地方公共団体等の意見を十分踏まえるとともに、状況の変化に応じて必要な見直しを行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山崎力君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 郵便法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便法中国の損害賠償責任の免除又は制限に関する規定は部分的に憲法違反であるとの最高裁判所判決があったことにかんがみ、国の損害賠償責任の範囲の拡大等をしようとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、郵政事業庁長官は、郵便の業務に従事する者の故意又は重大な過失により、引受け及び配達の記録をする郵便物に係る郵便の役務をその本旨に従って提供せず、又は提供することができなかったときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずることを定めることとしております。
 第二に、郵政事業庁長官は、郵便の業務に従事する者の故意又は過失により、引受け及び配達の記録をする郵便物に係る郵便の役務のうち特別送達の取扱いその他総務省令で定めるものをその本旨に従って提供せず、又は提供することができなかったときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずることを定めることとしております。
 その他、これらの損害賠償の請求には、現行の損害賠償の請求権者の制限に関する規定は適用されないこととする等の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十六分散会