第155回国会 行政監視委員会 第2号
平成十四年十一月十八日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     小川 勝也君
     藤原 正司君     岩本  司君
     若林 秀樹君     鈴木  寛君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     浅尾慶一郎君     藤原 正司君
 ツルネン マルテイ君     和田ひろ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         白浜 一良君
    理 事
                北岡 秀二君
                佐藤 泰三君
                高嶋 良充君
                続  訓弘君
                田名部匡省君
                渡辺 秀央君
    委 員
                加納 時男君
                近藤  剛君
                清水 達雄君
                橋本 聖子君
                林  芳正君
                福島啓史郎君
                森下 博之君
                森元 恒雄君
                吉田 博美君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                岩本  司君
                小川 勝也君
                岡崎トミ子君
                鈴木  寛君
                藤原 正司君
                和田ひろ子君
                鶴岡  洋君
                山本 香苗君
                岩佐 恵美君
                西山登紀子君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       国務大臣     石原 伸晃君
   副大臣
       内閣府副大臣   根本  匠君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        白石 勝美君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       内閣法制局第一
       部長       宮崎 礼壹君
       人事院事務総局
       人材局長     石橋伊都男君
       人事院事務総局
       勤務条件局長   大村 厚至君
       総務省人事・恩
       給局長      久山 慎一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (公務員制度改革に関する件)

    ─────────────
○委員長(白浜一良君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、今泉昭君、若林秀樹君及び藤原正司君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君、鈴木寛君及び岩本司君が選任されました。
 また、去る十五日、浅尾慶一郎君及びツルネンマルテイ君が委員を辞任され、その補欠として藤原正司君及び和田ひろ子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(白浜一良君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、内閣法制局第一部長宮崎礼壹君、人事院事務総局人材局長石橋伊都男君、人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君及び総務省人事・恩給局長久山慎一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(白浜一良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(白浜一良君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、公務員制度改革に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○林芳正君 ありがとうございます。自由民主党の林芳正でございます。
 今日は、先般御説明のありました公務員制度改革について質問をしてまいりたいと思いますが、質問に入る前に、これは向こう側の方にというよりも、委員長並びに同僚の皆様にお願いしたいことでございますが、行政監視委員会ができた経緯は、もう皆様御存じのとおり、アメリカにGAOというものがあって、不断に行政を監視して無駄遣いを省くというようなことをいろいろと取り入れてやるべきではないかというようないろいろな御意見があって、たしかこれの前身の調査会ではヨーロッパに御視察まで行かれて、私の理解では、イギリス式のNAOとアメリカ式のGAOを見ながら、我が国の現状に照らし合わせてみてドイツ型がよかろうということでこの委員会ができたというふうに理解をしておるものでございまして、その趣旨は、GAO、NAOと見ましても、現行行われておる行政の運営につきまして法律を決めてもう任せたからいいんだというのではなくて、不断にやはり立法府がこれを監視をする、そこに効率性を追求していくことによって無駄遣いをなくして大事な税金を守っていく、こういうような趣旨であろうと、こういうふうに思うわけでございます。
 ですから、この問題も大変大事な問題でありますが、これは現在政府の中で今から法律を作ろうというふうに検討されておる事項だというふうに承知をしておりますので、こういうことについても全般的に議論するのは大変に結構なことだと思いますけれども、これだけをこの委員会のテーマとしてとらまえて、継続的にこれだけをやるということはいかがなものかなという気がいたすわけでございます。この中で……(「与党の中で話しているんだよ」と呼ぶ者あり」)
○委員長(白浜一良君) 理事会で協議します。
○林芳正君 はい。できれば理事会で協議をしていただきたいと思いますが……(発言する者あり)私もこれをやることについては非常に意義があることだと思っていますので、委員長にお願いをしておきたいと思います。その上で、今回の改革について位置付けをまずお伺いしたいと思います。
 この公務員制度の改革、過去半世紀を振り返ってみますと、昭和二十二年に制定された国家公務員法を本当に久しぶりに見直そうということでございますが、昭和二十三年に、実はこの二十二年に制定された国家公務員法をGHQのマッカーサー書簡というものを受けて改正が押し付けられまして、その結果、人事院が設置をされたという経緯がございます。
 その後、独立を果たした我が国が二十九年、それから、二十七年にも国会に提出しておられるようでございますが、三十一年、三十五年、三十六年、三十七年、三十八年、いろんな改正を提出しましたが、いずれも廃案になっております。そして、昭和四十年に国家公務員法の改正案が現在の国家公務員法として国会を通過をしたと、こういう経緯でございまして、その結果、この現行に至っておる。
 これを、今のいろんなこの現行に合わせて、現代の流れに合わせて変えていこう、こういうのが今改革の位置付けだということを私は思っておるんでございますが、行革事務局並びに人事院にこの今回の歴史的な位置付けということをお聞きしたいと思います。
○副大臣(根本匠君) 林委員から、これまでの公務員制度改革の沿革や、そして歴史的な経緯、何度も公務員制度を改革しようと思いましたが要は成立しなかったと、こういう経緯のお話もございました。
 公務員制度の沿革を見ますと、戦後、我が国の行政システムが天皇中心から国民主権に基づく民主的なシステムへと大転換される中で、公務員制度についても、天皇の官吏から国民全体の奉仕者としての制度に大きく転換され、戦前の猟官制に対する強い反省に立って、政治からの中立性を強く維持する仕組みに改められることになりました。
 私も、少しこの沿革から申し上げて、今回のねらいを申し上げたいと思います。
 具体的には、林委員から御指摘ありましたように、公務員制度全体の基盤となる国家公務員法についてGHQ主導の下で昭和二十二年にいったん成立した後、翌二十三年に人事院の設置などを中心とする改正が行われ、独立性を有する人事院が人事行政全般に幅広い機能を持つ枠組みが採用され、以来半世紀もの間、抜本的な改革が行われず今日に至っているところであります。しかしながら、林委員からお話もありましたように、五十年もの時を経て、行政そして公務員をめぐる環境は激変しておりまして、戦後当時の情勢に合致した制度も、現在ではむしろ求められる行政の在り方に適合しなくなっていると考えております。
 こうしたことから、今回の改革のねらいでありますが、内閣主導の枠組みの構築を目指す行政改革の大きな流れの中で、国民の立場に立って公務員制度自体を改めて抜本的に見直そうと、国民に対する行政運営の責任と行政運営を支える公務員の人事管理責任を内閣の下に一元化しようとするものであります。そして、このことを通じて、時代の要請に応じた政策の策定や国民のニーズにこたえた行政サービスの提供が可能となるように行政の在り方自体の改革を目指す、正に私は歴史的な取組である、ここに大きな意義があると思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 大変重要な、基本的な御質問だと思います。
 国家公務員法というのは、申し上げるまでもなく、国づくりの基本法の一つでございます。こういう基本法を五十年ぶりに見直そうということになりますと、やはり歴史的な課題というものにどのように解答を出そうとしているのかということと、もう一つ、現代的な課題にどのように解答を出そうとしているのかという、この二つの観点から私は考えてみる必要があるだろうと思います。
 歴史的な課題というのは、もう戦前から言われておりますように、日本の官僚制というのが特権性を持っていると、あるいはまた割拠性を持っておるということを基本にしていろいろな指摘がなされております。したがいまして、五十年ぶりに国家公務員法というものを基本的に改正しようというならば、戦後、民主的な公務員制度として発足したこの公務員制度というものが基本的にねらいとしなければならない特権性とか割拠性というものをどのように解決していこうとしているのかという解答をまず出さなきゃならないというふうに私は思います。
 もう一つは、公務員制度について現代的な課題は何かといいますと、この公務員制度の改革の議論が始まりましてから、いろいろなところでいろいろな意見が国民から出ております。それを集約いたしますと、一つは、やはり汚職というものを防止する手だてというものをきちんと講じてくれと、第二番目に、天下りについて何とかしてくれと、そして政と官と関係を何とかしてくれという、こういうのが国民の公務員制度改革に対する現代的な課題だというふうに私は思います。したがいまして、そういうものにどのように解答を出そうとしているのかという観点から今回の改革案というものを評価する必要があるんじゃないかというふうに思います。
 今、根本副大臣がお話しになりましたように、五十年間、例えば環境が変わっておる、環境が変わっておるから、その環境の変わった課題というものに機動的、弾力的に対応する制度が必要だというのは誠にごもっともだと思います。
 しかし、そういう制度というものを作るときに、機動的、弾力的にとにかく人事管理ができるような制度を作るときに一番大切に考えなきゃならないのは、民主的な公務員制度の柱、中立・公正性に係る制度、代償機能に係る制度との関係がどういうふうになるのかというところをきちんと整理してお示しにならなければ国会でも議論されないし、あるいはまた国民にもお分かりいただけないというふうに思います。したがいまして、そういう観点からきちんとした整理をして議論をしていただく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 私は、根本副大臣がお話しになりましたのは、確かに現代的な課題の一部というものにお触れになったと思いますけれども、それがすべてではない。そして、この現代的な課題、すなわち機動的、弾力的な人事管理を可能にするということは、中立公正性を大切にするという原理と緊張関係にあるというのが大半の行政学者の意見でございました。したがいまして、この緊張関係にある二つの機能というものをそれぞれ別の機関に与えて、それぞれどういうふうにそれを大切に執行させるかということの議論というものが非常に大切だというふうに思います。
○林芳正君 ありがとうございました。
 両者の御答弁を聞いておりましても緊張関係が伝わってくるようでございましたが、私が申し上げたかったのは、汚職、天下り、政と官、今、総裁が正に御指摘なさったこと、大変大事なことだと思うんですね。国民の目はそういうところに行っておると思います。一方で、根本副大臣おっしゃった機動的な運用そして内閣主導、これも大事なことであります。
 お役所の経験は私はありませんけれども、若い優秀な官僚が今、そんな若いときから次官の候補というのがいるというのはちょっとあれかもしれませんが、そういう優秀だと言われている人がどんどん辞めていくというような状況があるわけでございます。推進事務局でアンケートを取られても、仕事のやりがいというのが、何か上がつかえていたりいろんなことがあってできない。こういう優秀な人がせっかく霞が関に入っていただいて、その人たちが本当に有効に活用されているんだろうかというようなことも考えるわけでございまして、世界の行革の潮流としてニュー・パブリック・マネジメントということで、これはいろんな国でそういう試みがなされておりますのは人事院総裁もよく御存じだと、こういうふうに思いますが、こういう現場にある程度任せてやる気を引き出すというような、この流れを受けて今回の改革が今なされている、こういうふうに思うんですが、その意味で今度の改革がなされた後は各省ですね、これがやっぱり主体的にマネジメントしていく、今までのようにもう全部お任せではなくて、ある意味では会社の中は社長が決めたらきちっと一丸となって資源を投入してやっていく、こういうことが必要になってくると思いますが、各府省の意識が本当にそっちの方に変わってきているのかどうか、ちょっと行革事務局にお聞きしたいと思います。
○副大臣(根本匠君) 今回の改革におきましては、今、林委員御指摘のように、国民に対して行政運営の責任を有する内閣、そしてその構成員である各府省の主任大臣が行政運営を支える公務員の人事行政について主体的に責任を持って取り組んでいく仕組みを構築する、そして内閣主導の理念が十分に発揮した制度の構築を目指している、つまりこういう制度の構築を目指していまして、そこのところが人事院の今の総裁のおっしゃられたことと大きく前提が違っていると思いますが、今、林議員の話にありましたように、現在の各府省の状況を見ますと、今回の改革が一つは内閣官房に事務局を設置して各府省からの人的協力を得て正に内閣全体の取組として着手された、こういうこともありまして、自ら責任を持って人事行政に取り組もうとする機運が各府省の間に日増しに強まってきていると思っております。
 もちろん新たな取組に対する戸惑いもまだ見られますが、例えば去る十月から評価制度に関する府省横断的な勉強会を開催しましたところ、毎回各府省の担当者が熱心に参加するなど、改革の実現に向けた意識の醸成が着実に図られつつあるものと思います。今回の公務員制度改革のねらいが各府省の人事担当者にも浸透しつつあるということを私も肌で感じております。
○林芳正君 ありがとうございました。やっぱり最後はそこが大変重要になってくると思いますので、引き続き推進事務局の方で各省とそういう大事な勉強会を続けていくことによって、そういう気分、マネジメントするんだという気分を醸成、意識を醸成させていただきたいと思います。
 そこで、これは総務省ですが、早期退職勧奨の是正、天下りの裏表ということになるのかもしれませんが、いわゆる事務次官になれる方がお一人で、そこに行くまでにピラミッドで三角形になってしまう。そうすると、どうしてもやっぱりその前に早期に退職を勧奨するというような慣行が指摘をされておるわけで、先般、官邸の方の御指示でこの是正をしろということになりました。
 これ自体は大変結構なことだと思いますけれども、この根本は、これを、じゃ天下りをしないで全員定年が六十だとすると、六十まで全員いるということになると総人件費というものが増えてしまうんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。逆に、総人件費を増やさないようにしてそれをやるとどうなるか。若い有能な人がだんだん入ってこなくなる。新規の抑制でございますから、そういうことになっては私はこれは本末転倒だと、こういうふうに思うわけでございますし、じゃ処遇を今から落として急にいけるのかということも難しいわけでございますから、今までそういうふうに外に出ていった人をどういうふうにやっていくのかということは、相当の工夫が必要になる、こういうふうに思いますけれども、どのような工夫をなされようとしておられますのか、総務省、お願いします。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
 去る七月の総理からの御指示でございますが、この御指示は、公務員としてできるだけ長期間、国民全体の奉仕者としての職責を全うできるように、早期退職慣行の見直しに着手し公務員が志を持って安んじて行政に専念できるようにするという趣旨と理解してございます。
 もとより、退職年齢の引上げによります在職期間の長期化のために行政組織がいたずらに膨張することやあるいは人件費が増大するようなことがあっては国民の理解を得られないものと考えておりまして、行政の複雑多様化あるいは高度化への対応とか定員削減などのスリム化を進めていきます中で、それと並行して中高齢の職員がその能力、適性に応じて行政部内で適切な人事配置が図られるようにすることが必要であるというふうに考えております。
 また、他方、公務員の士気の低下を招かないようにするということも重要なことであるというふうに認識いたしております。
 このため、総務省といたしましては、公務員制度改革大綱の趣旨をも踏まえまして、能力主義の徹底による年次主義の見直し、スタッフ職の活用などを始めとします複線型の人事管理の導入、あるいは独立行政法人等への役員出向の道を開くことなど、本件の取組に資するような制度面、運用面の措置につきまして、関係機関の協力も得ながら検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございます。なかなか専門的なところだと思いますけれども、いいお知恵が出ているなというふうに思います。
 一つは、今この公務員の改革の中でも検討しております、三年次ぐらいの中で年次主義を見直すということは非常に士気を高めるという意味でも大事だと、こういうふうに思いますし、現場の若い官僚の皆さんは非常にそういうのを待っているんではないかと私も思います。
 また、役員出向は、これは大変大事なことでありまして、今までは天下りをすると、そのときに退職金を一回もらって、そして一個行くと、またそこで辞めるときにもらって、また次のところへ行ってまたもらって、三つか四つ行くと渡り鳥と、こういうふうに言われるそうでございますが、そういうことをなくすために出向だと、公務員の身分のままで出ていって一つ目、二つ目、三つと、ずっと公務員の身分のままで行くわけですから退職金もない、公務員の給料でやっていただくと。そして、最後に公務員としての、三つ、四つ行っても、一つ行っても、最後に公務員としての退職金を一回もらう、こういうことであれば、先ほど総裁がおっしゃったように、国民の目は厳しいということに対する一つの答えになるんではないかと、こういうふうに思いますので、是非それはその方向でやっていただきたいと、こういうふうにお願いをしておきたいと思います。
 そこで、次に参りたいと思いますが、天下りの問題、今も出ましたけれども、この新しい改革案では大臣の承認制というものを打ち出しておられるわけでございますが、これについては先ほど総裁から、各方でいろんな意見があるという中でお手盛りではないかという批判もあるやに聞いておりますが、人事管理権者が、逆に言うと、この人はこの大臣のときに例外として認めたということはずっと残っていくわけですね。そうすると、やっぱりその大臣もその人の名前が出るたびに、またその人の退職金の話が出るたびに、この人はあの大臣が認めたんだと付いて回るわけでございますが、そういう意味ではメリットもあるかと、こういうふうに思えるわけでございますが、これはどういう考え方に基づいてこういうことを提案されているのか、行革事務局にお願いします。
○副大臣(根本匠君) ただいまの林委員の質問でありますが、我々の考え方は非常に一貫しておりまして、その一貫した考え方の中で今回の大臣承認制も整理をしております。
 そもそも、行政事務の執行に関する国民に対しての責任は一義的に担当大臣が行う、負うべきものだと、私はこれは行政の在り方を考える場合に当然のことだと思います。それと同様に、今、林委員がおっしゃいましたように、各府省の人事管理に責任を有する大臣が職員の再就職についても責任を持つべきであると、実はこういう考え方に基づいておりまして、要は行政の執行に関する国民に対しての責任、これは今、一義的に担当大臣があっておりますが、やはり人事管理権者として各府省の人事管理に責任を有する大臣が責任を持つべきであると。今、林委員がおっしゃったような、私はそういうメリットがこれから出てくると、こう思います。
○林芳正君 一方で、今申し上げましたように、お手盛りになるという批判も踏まえて、各大臣が、今十二、十三ぐらい府省がありましょうか、全くばらばらの基準でやり出すと、これはやっぱりいろいろ問題でないかと。こういうふうに、あるところが批判の一つの原因になっているというような気もするわけでございますが、やはりここは一つは政治家主導、大臣は政治家になられるわけですから、きちっとやられる、見識を持ってやられるということと同時に、先ほどありました官邸主導といいますか、内閣主導という面から、大臣が余りばらばらにやられないように、承認の基準について内閣で一律のルールを定めたり、強力に総合調整というものを行っていく必要があると思いますが、この点について事務局、いかがでしょうか。
○副大臣(根本匠君) 林委員おっしゃったように、私もまず前段だけでその責任を明確にする体制ということで御説明をいたしましたが、おっしゃるように、この大臣の承認制につきましても、やはり内閣としての統一の基準を定め、その運用についても内閣が強力な総合調整をする必要がありますから、そういう仕組みにしたいと。内閣が統一的で客観的な運用が確保されるような必要な総合調整を行いたいと、こう思っております。
 公務員制度改革大綱におきましては、内閣は、一つは、承認基準の策定に当たっては、不承認とすべき権限・予算関係を明確に列挙するなど、人事管理権者が行う承認審査の統一的で客観的な運用が確保されるようにすると。二点目は、各府省における承認制度の運用について必要な総合調整を行うと。改革大綱でもこういうことが示されておりますので、その線に沿って考えていきたいと、こう思います。
○林芳正君 ありがとうございました。
 これは、透明に基準を作ってきちっとこれをやっていくということが大事だと思います。
 今、いろいろ天下りの問題が出ておりますけれども、人事院総裁おられますけれども、今、人事院の基準でやっていてもこれだけ問題が出ているわけですから、是非そこはきちっとした基準を作っていただいて、また一律のルール、総合調整ということでお願いをしたいと思います。
 そこで、人事制度の各論にちょっと入っていきたいと思いますが、先ほどちょっと根本大臣から御紹介もありましたけれども、今度新しい公務員制度になりますと、これが機能するかどうか、やはり評価というものが大変大事になってくると。
 マネジメントするということは、評価がきちっとできなければならないわけでございます。これは上司が部下を評価するだけではなくて、その評価に対してやっぱり部下が上司を信頼して、ああ、これならそうだなというのもあるし、進んだところでは今度は上司のことを部下が評価するということもあるようでございまして、やっぱりこういうことを通してきちっとみんなが納得ずくで人事をやっていく、これが大事だと、こういうふうに思いますが、この大事な新しい評価制度についての準備状況を事務局にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(春田謙君) 今、先生の方からお話ありましたように、能力、実績に基づきますところの新しい人事制度につきましては、やはり公正で納得性の高い評価システムということが大変重要であるというふうに認識をしております。
 昨年の末の閣議決定におきましても、新しい人事制度を実施していくためには公正で納得性の高い評価制度の円滑な導入というのが不可欠であるということで、それぞれの各府省の実情を踏まえて評価の試行を十分に行うということで、この結果を踏まえて制度設計を行うともされているところでございます。
 現在、私ども、民間とかあるいは地方公共団体、事例等の情報収集、あるいは民間のコンサルタントの方に講師として評価制度の勉強会というようなことを開いていただいたりというようなことも行いながら、各府省あるいは職員団体等と評価制度についての意見交換を進めておるところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。
 今の現行制度においてはなかなか、勤務成績が悪いとか、ちゃんとやってくれないというようなことがあっても免職というのはないですし、降任降格というのもほとんどないわけでございます。やはり私も地元でよく聞きますのは、もう倒産したり失業したり、まだそうなっていない会社でも中で厳しく業績管理というのをやられる、そういうことに比べるとやっぱりお役所はいいなと、こういうことはよく言われるわけでございます。
 ですから、やっぱりきちっと能力、そして今度中の人はそういう批判を受けると、いや、自分らも一生懸命やっているつもりだけれども評価で差が付かないと。ここは非常に中と外でお互い不満を持っているところではないかと、こういうふうに思いますので、是非こういうことをきちっと位置付けていって、お互いに、きちっとやっている人はきちっと評価をされて、そういういわれのない批判というような感じにならないということに是非していただきたいと、こういうふうに思います。
 そこで、人事院にお聞きしたいのでございますが、この間の委員会で趣旨説明というんでしょうか御説明をいただきましたけれども、この公務員制度改革の所見において、マスコミや学界、有識者などの方が様々な批判をしておられると。何ページだったでございましょうか、五ページから改革の課題ということで、そういうことを総裁がたしか述べられたと、こういうふうに思いますが、人事院としての趣旨説明という、こういうふうに思いますので、こういう御指摘があるという事実の指摘とともに、じゃ、こういう指摘について人事院としてはこのとおりだと考えておられるのかどうか、そこをお聞かせ願いたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) お話がございましたように、いろいろな指摘がもういろいろなところでなされております。それぞれの事項について詳しく申し上げませんけれども、おおむね私はそれが当たっていると思います。
○林芳正君 ありがとうございました。
 ということであれば、これは人事院の意見ともうほとんど一緒であるということでありますとしますと、国公法の二十三条だったと思いますが、内閣がいろんな公務員制度の企画立案するに当たって人事院は意見があるときは申出をすることができる、たしかこういう基準だったと、こういうふうに思いますけれども、そういう形で今のような指摘といいますか、人事院としての意見ということで申し出られてはいいんではないかと、こういうふうに思いますが、そういうお考えはありましょうか、総裁。
○政府特別補佐人(中島忠能君) これから法案の作成に向かって推進事務局との間でいろいろ意見の交換をしてまいります。できるだけ私たちの考え方が取り入れられ、反映するように努めてまいりますけれども、やはり、もしも公務員制度改革の主要な点について意見が対立するということになりまして、その対立した意見のまま法案が出てくるということになりますと、私たちは私たちの意見の背景というものを詳しく説明しながら国会と内閣に意見を申し上げるということはあり得ると思います。
○林芳正君 申出ということになりますれば、これは公式な見解ということになりますから、そこは慎重にやっていただきたいと思いますし、ただ、ほかの人が指摘をしているということではなくて、人事院はやはり人事行政の専門家でいらっしゃいますから、専門家として、そういう指摘を踏まえた上で、人事院としてはこう考えるという形で是非、世論に訴えていかれるのも結構ですし、こういう一番大事なこの場でそういうふうに言っていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、これは言いにくいことなんですが、今回の改革というのは人事院そのものが言わば改革の対象になっておるわけでございますから、言い方によってはまないたの上のコイというようなことも言えるわけでございますが、なかなか、私も行革を長い間やって規制緩和なんかをやりましても、まないたの上のコイの人がいろいろ包丁を持ったりするわけでございまして、そういうことが余りあるとかえって冷静な議論が妨げられるんではないかと、こういうように危惧をしておるわけでございます。
 よく私が耳にしますのは、マスコミに批判記事が出るわけでございますけれども、余り記事にならないようなことがぼんと社説になって出てくる、これは私どもも新聞いつも読んでおりましても余り例のないことでございますが、私はそういうことは決してないと、こういうふうに思いますけれども、人事院がマスコミに働き掛けをしているんではないかというような批判をする人さえいるわけでございます。
 そこで、今から大変に大事な、先ほど総裁おっしゃったように、五十年に一度の議論をする、冷静な今から議論が必要になるときに、こういうような誤った指摘というのはやっぱり違うんだということをきちっと言っていく姿勢が必要だと、こういうふうに思うんですね。
 そういう意味で、現在、人事院にマスコミ関係者の方が、人事官というんですか、ポストに就いておられるということを聞くわけでございますが、それは事実でございましょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 大分いろいろなお話がございましたけれども、誤解があると悪いので申し上げておきますけれども、私たちが自分たちを守るためにマスコミに働き掛けるとか、あるいはいろいろ策を弄するというようなことはございません。もしそういう疑念をお持ちでしたら、林先生もいろいろマスコミの方は御存じでしょうからひとつお聞きいただいて、私たちの申し上げていることが事実だ、間違いないということをお確かめいただきたいというふうに思います。
 また、日本のマスコミが一人事院の働き掛けによってその論調を変えるとか論調を更に強めるというようなことは恐らくないだろう、それほど頼りないマスコミでないというふうに私は思います。その点はくれぐれも誤解のないようにお願い申し上げたいというふうに思います。
 公務員制度改革について、多方面に議論がわたっておりますので、林先生のところにもいろいろな意見が入ってくるだろうというふうに思います。
 それで、私たちも十分意見を申し上げなきゃならないんですけれども、そういう機会も十分ございませんので、あるいは私たちの考え方が浸透していないというふうに思いますので、先ほど申し上げましたように、もしも二十三条に基づいて国会と内閣に意見を申し上げるということになりましたら、私たち自身の意見というものを、詳細に理論的な背景というものを説明しながら、国会の先生方、内閣の皆さん方に理解いただけるように提出いたしますので、是非とも、その意見を基に国会で議論を重ねていただける、また重ねていただけるようなそういう意見を提出したいというふうに思います。
○林芳正君 最後に御質問は、マスコミ関係者、OBの方なんかが人事官に就かれておられるかどうかという御質問だったんですが。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 失礼いたしました。
 現在、人事官に新聞社の出身の方が一人いらっしゃいます。
○林芳正君 これは国会同意人事でございますから、我々にも、もし文句があればそこで言うわけでございまして、私が申し上げている趣旨は、今こういう冷静な議論をするときに、いやしくもそういうところにそういう方がおられると、何かやっているんじゃないかというふうに言われないようにしなければいけないという趣旨で申し上げているわけでございます。
 そこで、その人事官のポストが言わば指定席になっているんではないかというようなことをよく聞くわけでございますが、この今の方の、どこの新聞社だったかちょっと記憶がございません、もし総裁御存じなら教えていただきたいと思いますが、その前の、この方の前任の方というのはどこの御出身だったか、ちょっとお尋ねしたいんですが。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 現在の人事官は日本経済新聞の御出身でございます。その前任者は読売新聞社の出身でございます。
 なお、この人事官の選任につきましては私たちには全く発言権ございません。主としてこれは官邸の方でお選びになって国会に提出されるということでございますので、私たちの方に何かの思惑があって選ばれている、選任されているというふうにはひとつ理解しないようにお願い申し上げたいと思います。
○林芳正君 先ほど私も申し上げたように、国会同意人事でございますから我々も責任を共有するものでございますが、先生方もよく御存じのように、同意人事で各出してくるところが大体案を出してくるというのはこれ常識でございますから、その辺は人事院の方もきちっと拳々服膺されて、李下に冠を正さずという言葉がございますけれども、この大事な議論に水を差さないように、あくまで立法府の判断というものを慎重にやらせていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 そこで、今度いろんな、今、最初に、冒頭に申し上げたように、緊張関係ということがあるようでございますが、ルールとして、閣議決定は内閣でやりますが、この閣議決定、例えばこの間の総裁のお話の中でも、今度の試験についてはなかなか四倍という公務員制度改革大綱に書いてあるところは難しいというようなお話でありましたが、ルールとして、人事院とこの閣議決定の関係というのはどうなっているのかというのがよく分からないところがあるわけでございますが、人事院は閣議決定というものには拘束をされないということなんでございましょうか。また、仮に拘束されないとしても、尊重するとか、そういうような義務というのはないんでございましょうか。そのことを人事院にお聞かせいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) もう先生よく御存じで答弁する必要もないと思うんですけれども、人事院というのは独立機関でございますので、建前上はやはり内閣と別の意見を持ち得るということだと思います。
 ただ、内閣というのが行政の中心でございますし、そこで国政全般がコントロールされるということでございますので、その閣議決定をされた経緯とか内容とかバックというものは人事院も十分かみしめて人事院の態度を決めるべきものだというふうに思います。
○林芳正君 なかなか味わい深い御答弁で、私もかみしめておりましたけれども、そうすると、法律的に言うと閣議決定には拘束されない、独立機関だと、こういうことでよろしゅうございますね。
 そうしますと、かみしめていただく上で、閣議決定というのは行政でございますが、そもそもこの制度は国家公務員法という法律でできておるわけでございますから、人事院は立法府が法律として決めたという意味での立法府の判断には当然拘束されるものと思いますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 立法府が法律で国家意思を決定されるということになりますと、人事院もその中の一つの機関でございますので、その法律を誠実に執行するという立場であることは、もうこれは問題がない、議論の余地がないと思います。
○林芳正君 それを聞いて大変安心をいたしましたけれども。
 そこで、先ほどの十一月十一日の所見でございますが、私は人事院としても大変真摯な検討をなされておるなと思いましたのは、四ページ辺りにいわゆる反省といいますか、所見を書かれているわけでございます。
 人事院として、人事行政の継続性、安定性を重視する余り、このような運用、といいますのは、年功的、閉鎖的な人事管理や、先ほど総裁もおっしゃられました特権意識と結び付いたキャリアシステム、国民不在のセクショナリズムの弊害等々、こういう運用を言わば黙視をしてきた面があることについては率直に認めざるを得ないというふうにおっしゃっておられるわけでございまして、やはりなかなかお役所というのは、自分がやっぱり駄目だったとか間違っていたというのは、そう思っていてもなかなかこういう文章にならないわけでございまして、ここはやっぱりすばらしいなと私も思ってお聞かせをいただいたわけでございますが、人事院とされては、こういう反省を踏まえて、どういうふうにしていけばこういう問題が解決ができるというふうに考えていくのか、これは政府全体としてですね。そしてまた、人事院自身でできることとしてどういうことをされようとしておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 一つ一つお答えするとなかなか複雑になるので、要点だけを申し上げますと、一つは年功的な人事管理というところがございます。やはり、今度の公務員制度改革の中でも述べられておりますように、能力・実績に基づく任用、能力・実績に基づく給与処遇というのは、これはしっかりやっていく必要があるだろうというふうに思います。
 それから、閉鎖的な人事管理というのは、かつてというか今から数年前に公務員の世界で汚職が頻発したときに、公務員の世界の常識というのは国民の常識と懸け離れていると、それは取りも直さず閉鎖的な人事管理に原因があるというふうに言われましたから、やはり官民の人事交流を盛んにしていく、中途採用も盛んにしていくと。しかし、そういうふうにして入ってきた人が役所の主要なポストに就くということが実は必要でございます。ところが、役所の主要なポストに現在就いていないというか、意思決定の中核的なポストに就いていないというのがなぜかと言いますと、現在のキャリアシステムというのがその妨げになっているというので、キャリアシステムの見直しというのを行わなきゃならないだろうというふうに考えています。これは今度の公務員制度改革がキャリアシステムを維持するというのと基本的に私たちの考え方が衝突するところでございますけれども、その、そこはやはり閉鎖的な人事管理を改めるためにも、あるいはまた国民から信頼される公務員というものをつくっていくためにも、キャリアシステムというのをこの際基本的に見直していく必要があるだろうというふうに考えています。
 そして、特権意識と結び付いたキャリアシステムということが書いてありますけれども、これは先ほど申し上げたことと同じでございまして、やはり一回限りの試験で特別な人をとにかく採用して、それを特別な処遇、特別な昇進ルールに乗せるということでU種、V種で入ってきた人と違う世界で育てていくということについては、公務員の世界の中においてさえ特権意識がある。対外的にもそういうことがあるということで指摘されておりますので、キャリアシステムの見直しというのが中心になってくるだろうというふうに思います。
 それ以外にもたくさんございますけれども、いずれにいたしましても、ここで書いてありますような現在の公務員制度の抱えている問題、そういうものを直していくためには、人事院及び総務省、そういうところと相協力しながら現在のキャリアシステムとかセクショナリズムとか、そういうものを直していくことによって、今の公務員制度が抱えている、また公務員の人事運用が抱えている大きな問題というものが解決していくようになるだろうというふうに私たちは認識しております。
○林芳正君 ありがとうございました。
 そこで、この今回の改革は労働基本権の制約というものは変わらないという前提でございますから、その代償機能でございますね、これを、最低限の代償機能というのはやはり引き続き中立機関である人事院が果たすということが必要であろうと、こういうふうに私も理解をしておるわけでございますが、この公務員制度そのものの企画立案については内閣が責任を持ってこれを行っていかなければならないと。そして、冒頭にお聞きしたように、機動性や、何よりも国民に適切なサービスを提供する、こういうことを要請されているということを考えますと、法律の下位規範として、これは国家公務員法等の法律でございますが、この下位規範として、やはり人事院規則にすべてをゆだねるのではなくて政令に委任すべきものが今から増えてくる、増えてくるというのは、今ゼロでございますから、ゼロが少し出てくるというものは当然だと、こういうふうに考えるわけですが、これについて内閣としてはどうお考えか、事務局にお尋ねします。
○副大臣(根本匠君) 林委員の意見と私も全く同意見であります。
 今回の公務員制度改革におきましては、人事制度の趣旨、枠組み、重要な基準、これは法律で明確に規定することとしております。しかしながら、当然のことでありますが、法律で規定することができない事項、これは法律の委任に基づき下位規範を制定する必要があると考えております。現在の国家公務員法を中心とした人事制度でありますが、半世紀以上前に構築された古いシステムでありまして、職員の利益の保護に関する事項あるいは中立性、公正性に係る事項など、多くの事項について下位規範を人事院規則にゆだねております。これが現状であります。
 で、今回の公務員制度改革におきましては、再三申し上げさせていただきますが、これは林委員も全く同じ意見だと思いますが、国民に対して行政運営について説明責任を有する内閣が主体的に人事管理の設計、運営を行う仕組みに転換することとしておりますから、この結果、包括的に人事院規則に委任している現行制度と比較した場合には、政令に委任すべき事項、つまり内閣自らが政令で定めるべき事項は私は確実に増えると思います。
○林芳正君 ありがとうございました。
 この件につきまして、先ほど取り上げました人事院のこの間の趣旨説明の中で、十一ページでございますが、この「公務員人事管理の中立公正性と代償機能の確保が基本理念として要請されており、法律の委任の下で、人事院が必要な基準の設定等に当たる仕組みとする必要があることを念頭に、制度設計を行う必要があると考えます。」と、こういうふうに書いてございますが、これは、この、いろんなことがあると思うんですが、代償機能の確保とか中立公正性、それから公務員制度の企画立案、このすべてについてこういうふうに人事院が必要な基準の設定に当たる仕組み、すなわち今、内閣は政令が増えると、こうおっしゃっておられるわけですが、そういうところが出てくるということは共通な認識として持っておられるのかどうか、人事院にお尋ねしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 私は、根本副大臣がおっしゃるように、各大臣が機動的、弾力的な人事管理を行って、そして時代の要請にこたえるように行政をしていきたいと、またそういう必要があるということは私自身もよく分かります。
 しかし、そのことと民主的な公務員制度がその基本理念としておる中立公正性の確保、そして労働基本権が制約されておるこの代償機能の確保、そのこととどういう関係にあるのかというところを実は細かく議論していかなければ議論の擦れ違いに終わっちゃう。人事院は代償機能が重要だとか中立公正性が重要だと言う。片一方、根本副大臣の方は弾力的、機動的な行政運営が重要だということをおっしゃる。どちらも私は行政理念としては重要だと思いますけれども、やはり民主的な公務員制度の基本理念である中立公正性の確保ということと、代償機能の確保というものをきちんとやりながら弾力的、機動的な人事管理をできる仕組みというものを考えていくのが私は現代の改革の最大の課題だというふうに思います。そこの課題というものを逃げてはならない、そこの課題というものをすり抜けて片一方だけを強調して、そして片一方を強調することによって公務員制度の改革をしていこうというのは、私は方向性としてはやはり考え直していただいた方がいいんじゃないかというふうに思います。
○林芳正君 その二つの要請が緊張関係にあることというのは、決しておかしなことでもなくて、そういうふうな緊張関係が常にある中で改革を進めていかなければならないわけでございますが、私がお尋ねしたかったのは、そういう緊張関係の中で、今はゼロですから、やはり政令で定める部分が出てくるんではないかというその可能性について全くないということではないんですねというお尋ねをしたわけでございまして、それはそういうことできちんと緊張性が保たれればないわけではないというような御趣旨だと理解をしてよろしゅうございますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 現在の給与法とか勤務時間法を読んでいただきますと、政令に任せるところがございません。したがいまして、全部人事院規則に、法律の方でお任せいただいておるわけでございますから、議論を重ねていって、政令で任せるところがあるんじゃないかというふうに言われましたときに、私はそれはないというふうに断言するほど自信はありません。
 しかし、やはり物事の性質から考えて、中立公正性というものはやはり中立的な機関、すべての勢力から等距離の機関が決めるのがいいだろう、代償機能も、使用者と労働者から等距離の機関が代償性を果たす、発揮するのがいいだろうという、こういう考え方というものを基本に持っていただいて、政令で規定することができる分野はあるのかどうかという議論は、私は、行革推進事務局の方でやりたいとおっしゃるならば、具体的にどういうことをお考えになっているか、それは聞いてみたいというふうに思います。
○林芳正君 ありがとうございました。
 是非、議論を詰めていただきたいと思いますし、先ほどの御答弁で、立法府の判断には当然拘束をされるということでございましたが、我々立法府としてもやはり慎重に判断をしていかなければならないと思いますし、憲法という上位規範があるわけでございますから、それは違憲立法審査でやってみろというのも立法府としての一つの判断かと思いますけれども、できれば憲法の精神に合った立法をするというのが我々の方向性ではないかと、こういうふうに思いますので。
 今のことについて、法制局においでをいただきましたので、去年の閣議決定で、「内閣は、法律案の策定や法律の委任に基づく政令の制定等を通じて、人事行政に係る企画立案機能を積極的に発揮し、人事管理権者が行う適切かつ弾力的な人事・組織マネジメントに必要なルール等を定める。」と、こういうことが既に閣議決定をされております。
 今の正に今、御議論させていただいたことでございますが、このことはもう既に閣議決定ですから内閣法制局として審査なさったんだと思いますけれども、憲法十五条との関係でこのところが問題があるかどうか、法制局にお尋ねします。
○政府参考人(宮崎礼壹君) お答えいたします。
 お尋ねが憲法第十五条との関係ということでございましたので、その範囲でお答えいたしますと、憲法第十五条は、その第一項におきまして、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と定め、また、第二項におきまして、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と定めております。
 このことから、公務員の任用や処遇が公正で客観的な基準に基づかなければならないということ、そのために必要なルールが整備されていなければならないということが導かれてまいるというふうに存じますが、内閣は、国会の信任の下で、国会に対して責任を負いつつ行政権を行使するという立場でもあるわけでございますので、そのようなルールの、そのようなというのは公正中立のためのルールの一部を委任命令あるいは執行命令という形で定めます場合に、これを政令で定めてはならないということには、憲法の十五条の関係からは直ちにならないというふうに考えます。
 したがいまして、大綱の考え方に基づきまして立法作業を進めますに当たり、法律の委任に基づいて人事・組織マネジメントに必要なルールを政令で定めること自体は、憲法十五条との関係で問題になることはないと考えます。
 なお、このような考え方に立ちます場合におきましても、どのような範囲で法律から委任をしてよいのかということにつきましては、憲法十五条との関係を含めまして、法律に基づく行政執行がなされるべきであるという原則に照らしまして、改めて個別具体的に検討されなければならないことは当然だと考えます。
○林芳正君 当然のことだと思います。内閣で閣議決定をされておられるんですから、その中身について法制局が、いや、ここは実はおかしいんだということはあり得ないわけでございまして、当然のことながら、ただ、やっていく中できちっと、先ほど来お聞かせいただいております二つの要請というものをきちっと緊張関係の中でやっていかなければならないと。しかし、私が強調したいのは、最後に判断をするのは我々である、立法府がそういう憲法の解釈の中できちっとしたことを決めていかなければならないということが一番の大事なポイントであろうかと、こういうふうに思います。
 是非、そういう意味で、事務局同士もきちっと議論を詰めていただく中で、また立法府の冷静な判断をできる環境作りを我々も努めてまいらなければならないと、こういうことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 副大臣、先ほどからも、林委員からも出ていますけれども、私は、今般の行革推進事務局で進められている公務員制度改革の法案作業といいますか、作業というのは非常に各界から評判が悪いというふうに思っているんです。
 それで、先ほど林委員の方から、人事院はまないたの上のコイだと、こういう指摘がありましたけれども、五月の読売新聞の社説でこういうことが書かれていました。ちょっと紹介をさせていただくと、「公務員制度改革を官僚だけにまかせるのは、病気の患者にメスを持たせるようなものだ。」と、こういう指摘があったんですね。正に今、行革推進事務局で進められているこの法案作業の中身、これからも、後で質問をしていきますけれども、この作業というのは、基本的に言えば、公務員制度に直接かかわるキャリア官僚の皆さん方が、本来そこが開腹されなければならないのに、その人たちがメスを持ってやっているところに問題があるんだと、こういう指摘だろうというふうに思っています。
 そういう意味では、今日せっかく公務員制度改革の集中審議的なことがこの委員会でやられておりますので、是非、副大臣、今日は政治家同士の意見交換ということで是非副大臣の率直な意見を聞かせていただきたいというふうに思っています。
 先ほどからも批判が続出しているという、こういうことなんですけれども、最近では十一月の一日の毎日新聞の社説に、「陰でコソコソ「改革」するな」と、こういう社説が載せられました。十一月五日の東京新聞では、公務員制度改革、「これでは改悪になる」と、こういう社説なんですね。
 先ほどの林委員の御意見を聞いていると、こういう社説を書くのは人事官にマスコミ出身者がいるからではないかというような疑念も提起をされていましたけれども、この毎日新聞と東京新聞というのは人事官の出身ではないようでして、そういう意味では、読売、朝日、毎日、日経、東京も、すべてのマスコミが社説で批判をしているというのは、これは国民的な批判があるからだというふうにやっぱり理解をする必要があるんではないかなというふうに思っています。
 さらに、五月に二十一世紀臨調が提言がされました。これは総理に提言がされたわけでありますし、そのほかにも行政学会とか労働法学会、かなりの多くの有識者が批判をされています。ところが、こういう批判に対して事務局は耳を傾けているのかどうかというのが私には分からないわけですけれども。
 そこで、副大臣にお聞きをいたしますけれども、これだけ各方面から批判が巻き起こっていることについてどう認識をされているのか、と同時に、今後もこうした批判に聞く耳を持たないということなのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(根本匠君) 私は、今回の公務員制度改革の議論は、あくまで冷静にやるべきだと考えております。ただ、五十年ぶりの大改革でありますし、中央省庁改革の流れから来ている改革なものですから、要は五十年ぶりの改革だということで必ずしも改革の趣旨が十分に私は理解されていないんだと、こう思うんですね。
 先生から御指摘ありましたが、なるほどマスコミや学会など各方面からこれまで様々な御指摘をいただいておりまして、必ずしも全部反対の意見ということではないと私は思いますが、いろんな意見をいただいております。その意味では、繰り返しになりますが、戦後五十年間、基本的な改正が行われなかった公務員制度の抜本的な見直しを行おうとするものですから、これは各界からやはり改革の趣旨について理解をいただくということが私は大事だと思います。
 これまでのこの議論の過程でありますが、公務員制度の在り方については正に広く国民の理解を得て検討を進めていくべき課題だと、こう私も認識しておりますから、今回の改革の内容につきましては、関係府省や職員団体等との意見交換を行ってきたほか、行政改革推進事務局のホームページの開設等々によりまして改革の取組内容について周知を図るとともに、広く御意見を承ってまいりました。また、最近に入っても、石原大臣自らによる有識者からのヒアリングあるいは事務局と憲法、行政法学、労働法学の多くの先生方との意見交換を行っておりまして、引き続き職員団体などの関係者との意見交換などを通じて国民各界各層から御理解をいただけますように一層努力してまいりたいと思います。
○高嶋良充君 理解をされていない部分もあるので十分理解をしてもらうように努めるんだと、こういう趣旨のことも言われました。
 私、マスコミなり有識者の方から出されている批判というのは、政府の考え方を十分に理解をした上で批判をされている部分が圧倒的だというふうに思っているんです。
 そういう意味では、とりわけ五月に出されました二十一世紀臨調の提言については、これは総理や石原大臣も参考にさせていただくと。非常に、後で申し上げますけれども、国民的な視点に立った改革案だというふうに私どもも、民主党も評価をしているんですけれども、参考にさせていただくということを総理自らも言っておられるんですけれども、じゃ実際にそういう意見、批判を受け止めて改革案の作業は進められているかどうかということについては、ちょっと、じゃそこまでいっているかなというふうに心配をしているんですけれども、その点についてはどうでしょう、かなり取り入れられているんでしょうか。
○副大臣(根本匠君) これは正に我々はたたき台ということで出したわけでありますが、やはり私は大事なのは、先ほど来私も、人事院の総裁と私と言っていること、意見が食い違うことはあるわけですが、この改革はどういうことを目的にどういう理念でやっているのかと、やはりその辺のところを十分に理解していただきながら議論をさせていただきたいと私は思っております。
○高嶋良充君 是非やっぱり批判に耳を傾けて、総理が言われるように批判に耳を傾けて、それを参考にして、そして国民の多数が納得をする、そういうやっぱり改革案を国会に提起をされるようにお願いをしておきたいというふうに思っております。
 そこで、これも林委員の方からも出されました。十一日の本委員会で行われた石原大臣と人事院総裁の報告と所見を聞いて、私も率直に言って、お二人の公務員制度に対する考え方は、正反対とは申しませんけれども、かなりそごがあるというか、対立をしているところがあるんだろうと、こういうふうに認識せざるを得ません。
 さらに、人事院は八月の報告でも行革推進事務局に対する意見というか提言を表明をされているわけですけれども、いずれにしても、この十一日の本委員会で人事院総裁が所見を述べられた、文書になっていますけれども、これに対して副大臣はどういうコメントを持っておられますか。
○副大臣(根本匠君) 実は人事院総裁、十一月十一日における本委員会におきまして幾つかの懸念を述べられた、これは私も承知しております。
 ただ、なぜそういう幾つかの懸念が述べられるかというと、林委員の質問に対しても私、考え方を答えたわけでありますが、今回の公務員制度改革、これは五十年ぶりに抜本改革をしようということでありますから、実は内閣と人事院の機能分担の在り方にまで踏み込んだ相当抜本的な改革内容でありますので、そこが人事院、つまり内閣と人事院の機能分担の在り方まで突っ込んでいますから、ですからそこは当然のことながら幾つか人事院総裁が懸念を述べられるということになると私は理解をしております。
 現在の公務員制度は、内閣と人事院の機能分担の在り方も含め、半世紀以上前に作られた制度を踏襲しておりまして、一方で、当時と現在では行政そして公務員をめぐる環境は激変しておりますので、我々は二十一世紀型行政システムの構築として中央省庁改革に続いて公務員制度も改革し、中央省庁改革とは言わば器の改革でありますから、これは現行の制度の下に根付いた行政組織の風土や意識を変革する、すなわち改革した組織という器に魂を入れる、入魂する、我々はこれが必要だと思っております。その点でそこが、その辺の基本的な理念、考え方、そして内閣と人事院の役割分担、機能分担、こういうことについて十分な人事院の総裁の理解をいただいてないんだろう、つまりそこが意見が食い違うことだろうと思っております。
 ただ、その意味では、実はこれからも我々率直に議論をしたいと思っておりますので、抜本的な改革を実現すべく、人事院も含めまして広く関係方面と意見交換を続け、国民各界各層から御理解をいただけるよう努めながら、しかし改革の時代ですから、丁寧に進めながら、しかしスピード感を持って鋭意作業を進めていきたいと、こう考えております。これまでもきちんきちんと閣議決定を経て手続を進めながらやってきましたから、これからも率直な意見交換をしていきたいと思います。
 また、所見の中で中島総裁は、私が注目しておりますが、能力、業績に基づく任用、給与、評価制度の導入が必要という改革の方向性については基本的に問題意識を同じくするもの、これは非常に共有しているわけですから、この辺は是非引き続き人事院からも協力をお願いしたいと、こう思っております。
○高嶋良充君 じゃ、人事院総裁に伺いますが、今副大臣の方から内閣と人事院、機能の分担のところが人事院として非常に問題視をされているんだと、こういうことですけれども、今のコメントも含めて、この間の所見を更に踏まえて率直な人事院としての考え方を聞かせていただきたい。
○政府特別補佐人(中島忠能君) いわゆるたたき台というものが出されまして、人事院と内閣との機能分担がいろいろ記述してございます。表面的には機能分担というものに焦点を合わせて議論がされているわけですけれども、実はそれは機能分担を変更することが非常にけしからぬとか危惧しているということではなくして、そこに現れている思想というものがもう少し公務員制度の基本に照らして再検討されるべきじゃないかということを実は我々は申し上げたいわけです。
 と申しますのは、機能分担の中で出ております、一つは代償機能の在り方でございますけれども、やはり労働基本権が制約されておる、その労働基本権が制約されている一般公務員の勤務条件というものをいかに適正に確保していくかという視点からその機能分担の在り方というものを考え直してみる必要があるんじゃないかというのが第一点でございます。
 もう一つは、中立公正性に係る機能分担の在り方というものが変更、提案されておりますけれども、先ほども林先生に御答弁申し上げましたように、中立公正性の確保に係る現在の公務員制度というのは、民主的な戦後の公務員制度の根幹をなす思想でございます。したがいまして、中立公正性を確保するにふさわしいというふうに戦後の国会が判断されたものを、今十分な議論がなくしてそれを内閣の方に移すということになりますと、民主的な公務員制度の基本を大転換する実は議論がその背後にあるわけでございますので、その点に私たちは懸念を表明しているわけでございます。
 したがって、今、内閣法制局の方からも御答弁ございましたように、仮にそういうことが許されるとしても、そのように中立公正性に係る機能というものを人事院から内閣に移すことの政策の妥当性というものを私は国会で十分に議論してもらいたいというふうに思います。林先生がおっしゃいますように、国会が最終的に意見を決定するというのが民主政治の根幹でございますので、その場において十分そのことを議論していただかなきゃならないんじゃないかというふうに考えております。
○高嶋良充君 今、総裁の方から、ただ単なる機能分担だけの問題ではないんだ、思想の問題と、こういうふうに言われました。当然、中身によっては憲法問題にも発展をする課題も内包しているわけですけれども、いずれにしても、今、人事院と行革事務局の考え方というのは、基本的に、基本線で、具体論じゃなしに基本線で大きな開きというか相違がある、そういうふうに私は認識せざるを得ないというふうに思うんです。
 そこで、中央人事行政機関として存在をしているのが人事院であるわけですから、その人事院が行革推進事務局の改革の中身も含めて、基本線も含めて疑義を挟んでいるということは極めて重要なことだというふうに思うんですね。
 そこで、これは両者にお伺いしたいんですけれども、まず、どうですか副大臣、行革推進事務局と人事院の意見調整をまず先行させて、そして統一したものを改革案としてやっぱり示していくということでなければ、これは政府の方も困るだろうし、統一されていないものが国会に出されてもこれまた大変な議論を呼ぶことになるわけですから、その辺で、両者できちっと意見調整を先行させるんだと、そういうことができないものなんですかね。
○副大臣(根本匠君) 我々としては、昨年末に、人事院も含めて関係各方面からの意見を踏まえまして公務員制度改革大綱を閣議決定しておりまして、実はその閣議決定された大綱に基づいて公務員制度の抜本改革の具体化作業を進めている、これが現状であります。
 ただ、人事院とは随分議論をしておりますが、結局、今回の考え方は五十年ぶりの抜本改革で、繰り返しになりますけれども、これまでの平成九年の行政改革推進会議最終報告の一連の流れは、自由かつ公正な社会を形成するにふさわしい二十一世紀型行政システムを作ろう、こういうことでやってまいりまして、総合性、戦略性の確保、あるいは機動性の重視、透明性の確保、効率性、簡素性の追求、こういったものを二十一世紀型行政システムとして我々追求しようではないかと。こういう流れの中で、内閣機能の強化を始め、中央省庁の再編、これもやりましたし、情報公開・政策評価制度の整備が行われ、内閣総理大臣、内閣が広い権限と明確な責任を持って大胆かつ機動的な行政運営を……
○高嶋良充君 質問に答えてください。
○副大臣(根本匠君) 質問にはお答えさせていただきます。ちょっとこれを言わないと、理念が違うという話ですからやっぱりこれを言わないと、ここが基本なんで。申し訳ありませんが。
 大胆かつ機動的な行政運営を遂行するとともに、行政の執行や行政組織間の採用を対外的に透明にして、常に内閣総理大臣、内閣各主任大臣の責任が国民から問われる内閣主導の枠組みの構築、これを図ってまいりました。
 繰り返しになりますが、今回は中央組織の組織の再編、抜本改革に伴う組織を支える人の問題にメスを入れたソフトウエアの改革でありますから、今回の公務員制度改革大綱で決定されました基本的な考え方は、つまり私が今いろいろ、るる述べましたことを踏まえて、内閣が人事・組織マネジメントに関し企画立案、総合調整機能を発揮することとして、その機能強化を図りましょうと。
 それから、ここは内閣と人事院の機能分担、役割分担に、結果的にそういう形になってきますが、表面的な機能分担という言葉で私は申し上げておりません。本質的な整理をした上での役割分担、機能分担ということになりますが、中央人事行政機関などによる事前かつ個別詳細な制度規制を、これによって自由な機動的な行政運営の執行が妨げられている弊害も出てきておりますので、これをきちんと人事院の役割を踏まえて事後チェックの枠組みに転換し、人事管理権者が主体的に責任を持って人事・組織管理を行う、あるいは能力実績主義の導入を図るための能力等級制度などを中心とする新たな人事制度を構築する、あるいは公務員の再就職について徹底したディスクロージャーを図る、これを二十一世紀型行政システムの実現に向けた流れに位置付けてという改革をしようとしておりますので、この辺のところを内閣がどこまでやるか。人事院は、今まで全部人事院がやってまいりましたが、それが果たして、これは五十年前に作られた古い制度でありますから、今この時点で時代の大きな要請にこたえてこの考え方を今我々提示しておりますので、この点が人事院と意見の一致を見ないところも残念ながらあるというのが私は現状だろうと思っております。
 いずれにしても、大綱に示してありますとおり、平成十五年を目標に国家公務員法の改正案を国会で御審議いただきたい、こう考えておりますので、今後も人事院など関係各方面からも、職員団体含めて意見を聞きながらやっていきたい、こう思います。
○高嶋良充君 前段の部分はもう分かっていることですから説明してもらわなくてもいいんですけれども、私が聞いているのは、今人事院と行革推進事務局の考え方が違っているわけですが、基本線も含めて。そこをきちっと意思統一をしないと、国会に出してきてもそんなの審議の対象にできないですよと、こういうことを、それはもう後の問題ですけれども、しかし今一番大事なのは、政府とそれから中立機関である人事院の考え方が違うわけですから、そこをまず意思統一をしなさい、こう言っているんですが、できないんですか。
○副大臣(根本匠君) 私は、基本的考え方の点で、要は今まで人事院がすべて人事院規則で定めてきたものをこの五十年やっておりますので、人事院の方もそこはそれが常識として頭に入っているんだと思うんですけれども、我々、これは抜本改革しようということで、私も重ねて、先ほど大変長くなりましたが、ああいうことを申し上げましたのも要はそこのところですから、それは我々、人事院とこれからも意見交換させていただきますが、そこのところは私は基本的な考え方、理念、そして今人事院総裁が勤務条件の問題の代償措置、あるいは中立公正性と御指摘もありましたが、その辺も含めて、我々の考え方にはそういう御懸念に対する対応も含めてたたき台として盛り込んでありますから、そこは是非人事院の方々も十分にそこは冷静に我々と議論をしていただいて、それはできれば、つまり意見の一致を見ることは大事だと思いますが、しかしどうしても意見の一致を見ないという点がある、そういう点が出てくることもあるかもしれませんが、我々、閣議決定に基づいて、考え方に基づいてやっておりますので、我々、基本的にこのたたき台についていろいろ意見を交換しながら、法案作業に向けて必要な意見交換はさせていただきたいと思います。
○高嶋良充君 人事院総裁どうですか。人事院は意見統一を図るための努力を冷静になってもらってという話で、冷静だと思いますけれども、人事院総裁、どうお考えですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 先ほど、林先生から国家公務員法二十三条に基づく意見を出すんかという話がありましたから、どうしても必要な場合には出させていただきますという御答弁を申し上げたんですが、そういう必要がないように事前に意見の調整が十分できるように私たちは努力をいたしたいというふうに思います。
 ただ、今までの行革本部の方の姿勢というのは、意見は聞いてあげるけれども取り入れてあげないという姿勢が基本的に見て取れますので、そのそこを改めてもらう必要があるだろうというふうに思います。
○高嶋良充君 私は、この問題で口を酸っぱくして言いたいのは、労働基本権の代償措置という問題との絡みで、これは憲法問題を惹起するというようなことも含めてあるわけですからしつこく言っているんですけれども、仮に労働基本権の制約を維持をするということにした場合に、大綱ではそうなっているんですけれども、その下で勤務条件に関する制度を改正するということは人事院の代償機能の措置を奪うと、こういうことになるわけですから、もしそういうことが一方的に決められれば人事院は勧告や意見の申出をされるというその決意は、私も了と、よしとしておきたいというふうに思いますし、当然それは憲法上も要請されていることだというふうに思っているんです。
 ただ、総裁も言われたように、それまでの間に、やっぱり人事院と内閣というんですか、内閣官房がきちっと意思統一をすることが先決ではないかと、こういうことで申し上げているわけでございまして、是非副大臣にお願いをしておきたいのは、人事院というのは代償機関でもあるし中立機関でもあるし人事問題に対するやっぱり専門機関でもあるわけですよね。そういう人事院の検討というものを、意見を聞くだけでいいのかという、意見交換するだけでいいのかということなんです。そういう意味では、逆に人事院にもそういう検討をゆだねるということも必要なのではないかと、そういうように思っているんですけれども、副大臣、どうですか。
○副大臣(根本匠君) この代償措置につきましても、たたき台で我々丁寧に書いておりますが、代償措置についても、公務員の労働基本権の制約について、今後もこれに代わる相応の措置を確保して現行の制約を維持するということで、繰り返すまでもありませんが、勤務条件が法律で定められている、あるいは勤務条件について人事院の国会及び内閣に対する勧告又は報告が義務付けられている、あるいは人事院に対して職員の行政措置要求及び不服審査請求の道が開かれている、これを代償措置として、全農林の判決でも指摘されているわけですが、これも明記しておりまして、ただ具体的な細目については、たたき台につきましても、人事院の機能、役割を十分に踏まえながら、細かな事項については幾つかのジャンル分けをして整理をさせていただいておりますので、ここのところは人事院としても是非十分なる御理解、意見交換をしていただきたいと思います。
 あと、法案提出権あるいは法案の具体的な中身はやはり内閣に属するわけですから、原案はやはり我々が作らせていただきたいと、こう思っております。
○高嶋良充君 あのね副大臣、私が憲法上のことも含めて申し上げているのは、労働基本権の代償措置という部分からいえば、公務員であっても労働者であるわけですから、憲法二十八条で労働基本権を保障されているわけです。しかし、諸般の事情でそれが制約をされていると。その代わりに人事院という第三者機関でのあの人事院勧告という部分が、代償措置があるわけですね。それをそのまま置いておく、そのままにしておくんだと、労働基本権については制約をそのままにしておくので、今までどおり人事院のそういう代償機能については、それはもう触りませんと、こういうことであれば、それはまだ問題がないんですよ。
 だけれども、今回やられようとしていることは、労働基本権の制約をそのままにしておいて人事院の代償機能を大幅に制約をするというか低下をさせる制度改革を行おうとしているから、それなら、職員側はそれなら労働基本権を返してくださいというのは、これは当たり前の理屈ですね。しかし、労働基本権をそのままにしておくのであれば、人事院の機能を縮小しないで代償措置としてそのまま置いておくべきだという人事院の主張も、それまた当然のことなんです。
 そういう意味では、代償機能と労働基本権の制約というのは憲法上トレードオフの関係にあるということですから、そういうことからいっていくと、今、行革推進事務局でやられようとしていることは憲法に違反する疑いが出てくると、こういうことを言っておるわけです。そういう大事な問題を人事院と、意見を聞くだけでなしに、やっぱりきちっとした意思統一をしてやるべきではないかと、こういうことを申し上げているわけでして、その辺のことについてもう一度お答えください。
○副大臣(根本匠君) その点については、我々議論のたたき台というものを示しておりまして、その中で丁寧に人事院の関与の在り方も含めて整理をさせていただいておりますので、その点を十分に私は議論していただきたいと、こう思っております。
 当然のことながら、我々の基本は、当然でありますが、代償機能は引き続き維持しますということはもう基本中の基本ですから、これは代償措置は引き続き維持させていただきたいと。ただし、具体的な、人事院との、対応につきましては、この類型ごとに、人事院のかかわりの在り方をある分類に応じて考え方を示してありますから、是非そこを議論していただいて、きちんとした意見交換をしていただきたいと、こう思います。
○高嶋良充君 じゃ、副大臣、具体的に聞きますよ。現在の公務員制度では、公務員の労働条件に関することは人事院が労使双方の間に入って中身を決めるという、そういう仕組みになっていますね。それはもう御承知のとおりなんです。
 しかし、先般、たたき台というふうに言われる部分ですけれども、行革推進事務局が提示した案によれば、これまで人事院が担ってきたこうした役割、それ三つあると思うんですが、一つは給与、勤務時間に関すること、二つ目が能力評価や実績評価の基準なり手続に関すること、そして三つ目が効率的な人事配置に関すること、これを人事院は代償機能の、勤務条件の問題としてやってきた。これ、三分類化はできるわけですけれども、これを今度の改革案では、第一だけを、給与、勤務時間に関する部分だけを人事院に引き続きやらせると。しかし、第二と第三は、人事院がこれまで決めていたんだけれども、これはこれから内閣でやりましょう、こういうことに変更すると、こういうことも言っているわけです。
 しかし、第二の例として申し上げますけれども、昇格基準や評価基準が掲げられておる、第三の例として能力等級に関する職務分類や組織分類の基準が掲げられているわけですけれども、これらは紛れもなく勤務条件にかかわる問題なんですよね。その勤務条件にかかわる問題を内閣でやるということになりますから、内閣でやるんなら、労使の関係で、それは使用者の権限をそれだけ強めるならば、当然、公務員の労働基本権の関係も制約を外すべきだと、こういう理屈になってくるんですけれども。
 そういうことが、今申し上げたような第二、第三の部分の、紛れもなく勤務条件である部分を内閣に移すということがどうしても可能になるとは私は思わないんだけれども、それをやろうとしているところに大きな問題があるのではないかと。これも、マスコミの中でも、労使対等の原則に明らかに反すると、こういうことでかなり厳しい批判が出ていますけれども、その辺については、副大臣と人事院総裁、どういうお考えですか。
○副大臣(根本匠君) 今回の改革の基本的な考え方になると思いますが、今回の改革の基本的考え方は、先ほど来、私申しておりますが、行政運営の責任を有する内閣は、同時に行政運営の基盤である人事制度の設計・運営にも責任を有するべきだと、こういう考え方に基づいてやっております。
 この際、私は人事制度の複数の目的が総体的に十分に実現される最適なシステムが必要だと思っております。
 幾つかありますが、一つは、行政の機動性、効率性の確保など、国民への適切な行政サービスの提供、これは内閣の適切な人事管理を通じた機動的、弾力的な行政運営ということになります。二つ目は、行政の民主的監視や国民に対する行政の透明性の確保。国民への内閣としての責任の明確化、内閣自らによる人事制度の設計、運営ということになりますが。四つ目が、職員の労働基本権制約に対する適切な代償措置の確保、これは先生もう既に御案内のように、勤務条件の法定、人事院の勤務条件についての勧告、報告、人事院による行政措置要求及び不服審査請求、こういうことになるわけであります。それから、行政の中立性、公正性の確保と、これは内閣の自律的機能と人事院による監視、是正。
 私は、こういう複合的な目的が総体的に十分に実現される最適のシステムとすることが必要であるということで今回考えておりまして、その意味では、基本は行政運営について責任を有する内閣が人事制度についても十分な責任を果たす必要がある、こういう考え方で基本がありますが、当然、労働基本権を制約することについて適切な代償措置が講じられること、これは必要であります。
 ですから、この観点をどのように調和させるか、これが人事制度の設計に当たっての立法政策上非常に重要になってくる。具体的な話として、今、先生の御指摘のあったような話についてどうこれを受け止めていくかと、これは考え方としてたたき台に我々明示しているところであります。
○政府特別補佐人(中島忠能君) なかなか議論は核心部分に入ってきたというふうに思います。
 やはり、勤務条件にかかわることを三つに分けて、そして第一番目は人事院の機能だと、二番目と三番目は内閣の機能だと。その内閣の機能とすることの理由というのは、今、根本副大臣のお話を伺っておりますと、やはり人事行政の機動性、弾力性と、そして内閣が責任持って人事管理を行うということが背景の思想としてあるようでございますけれども、それだけで今のような改革が正当に説明できるかというと、それはもう非常に無理があると思いますね。
 労働基本権というものを制約した、そのことの意味というのをもう少し御理解いただけるとそういう議論にならないんじゃないかというふうに思います。やはり、そのそこは新しい憲法の下で労働基本権を制約しておると、その制約された一般の公務員の勤務条件というものをどのように適正に守っていくかということの配慮というのがあっていいんじゃないかというふうに思います。
 なお、三つにお分けになった第二番目と第三番目につきましても、世の労働法学者は勤務条件だというふうにほとんど言っていますから、その部分について人事院のもし関与を外すということでしたら、今、高嶋先生がお話しのように、労働基本権の回復の話の方にどうしても理論的には及んでいかざるを得ないというふうに私は認識いたします。
○高嶋良充君 労働団体はILOに訴えていますけれども、十一月末にILOの勧告が出されるようですけれども、ILOの勧告、世界的に見ても日本の公務員の労働基本権問題、逆にこの代償措置が狭められるということであれば、当然、労働基本権にかかわる部分の制約を解けと、こういうことになるのはこれはもう世界の常識だし、日本の国民でもそれが当たり前だと、こういうことになるんじゃないですか。
 だから、政府は内閣に主導だ、内閣にすべて権限を集中するんだという、私はそれは否定しません。しかし、憲法に保障された労働基本権の代償措置としての人事院の機能まで内閣で持つということになれば、これは思い切って労働三権、労働基本権、争議権と今団体交渉権がないわけですから、それをやっぱり返してやるべきですよ。そこまで踏み込んでやらないと、今のような議論をやっていると、内閣がいいとこ取りばっかりしていると、こういうことになるわけですから、そういうことはやっぱり問題が、非常に大きく憲法上の問題としてもなりますから、是非再検討をお願いをしておきたいというふうに思います。
 そこでもう一点、労働基本権にかかわる問題じゃありませんけれども、内閣に権限を集中するという問題で聞いておきたいんですけれども、採用試験の企画立案も内閣に移すという案が検討されているというふうに聞いているんですけれども、現状ではどこに問題があるんですかね。
○副大臣(根本匠君) 今回の採用試験の企画立案機能を内閣に移すこと、これはどういう考え方からきているかといいますと、要は、職員の採用というのは各府省の行政ニーズに即した有為な人材を確保する観点から行われるべきだと、こういう観点で我々、採用試験制度の企画立案は内閣に置こうということにしております。
 もうちょっと詳しく言いますと、職員の採用、これは採用試験とともに各府省が行う面接試験、面接を経て行われておりますが、その採用については各府省がそれぞれ抱えている行政ニーズ、様々な各府省が抱えている行政ニーズがありますから、そういう行政ニーズに対応し得る有為な人材を確保していくという観点から行うべきものだと思います。
 こういう点でいえば、正に国民に対して行政運営の責任を担う内閣でその行政運営の一環として主体的に取り組んでいくことが重要だと、こう考えておりまして、その意味で内閣でやるべきだということで今回、方針を閣議決定で打ち出しております。
○高嶋良充君 私はこの案を見せられたとき、私も地方自治体の出身ですから、地方自治体、地方分権の下で非常に、国とは違ってまた新しい住民ニーズに合ったことを、いろんな施策をやっているんですけれども、地方自治体で私は一番問題があるというふうに思っているのは、首長は大統領制みたいなものなんですけれども、採用試験なんですね。一番首長の皆さん方が警察ざたになっていると言ったらなんですけれども、不祥事でやられておるのがこの採用試験に対する、どういうんですか、不公正さ、これがやっぱりかなりの部分で犯罪として上がってきている部分があるんですが、これは人事院もそういうことは調べられた方がいいというふうに思うんですけれども、そこなんです。
 そこで僕は、これを内閣に移すということは一体どうなのかなと思って考えていたら、ちょうどもう十数年前ですか、リクルート事件で藤波官房長官がやられたことと同じことがどんどん起こってくるんではないかなというふうに思って、当時の新聞をあれしてきました。
 藤波さんが公務員の合格発表繰上げについて人事院に問い合わせて、それでリクルート事件に発展して、有罪判決もこれ最終的には受けているわけですけれども、この問題とか、人事院に問い合わせたという問題とか、それから、同じように総理府の幹部、その当時は総理府で採用試験の関係もやっていたようですけれども、人事院と両方ですけれども、これも公務員試験の合格発表の繰上げ、これは国会内で藤波議員が総理府に対して確かめているというようなことが書かれているわけであります。
 正に、そういうことからいっていくと、内閣に移せば、このときは人事院がそれをきちっと回答されませんでしたから、人事院の中立性で藤波さんは聞くことができなかったわけですけれども、今回内閣に移すことになったら、そういうことがどんどんどんどんやられてくると、こういうことにも発展しかねないというふうに思うんです。その辺はどうお考えですか。
○副大臣(根本匠君) 我々、採用試験の企画立案機能を内閣府に移すということで、内閣において採用の際の人物評価についてのルールの設定、こういうことも行いますので、私は、企画立案機能を内閣府に移す、そして内閣がルールを決める、これと、人事院が企画立案しなければ中立性の確保ができないということは私は必ずしも両立しないんではないかと。
 やはり内閣府が企画立案するわけで、試験問題をこうしようとか、どういう採用のシステムにしようかと、これは内閣のそういう企画立案で、そういうルールは、このルールは私は客観的で透明で公平なルールを作ると、こういうことですから、内閣が作るから先生の御指摘のような問題が起こるというふうには私はどうも考えにくいんではないかと。つまり、企画立案機能を持って内閣がルールを作るということと、ルールを作るからそういう御指摘の問題が起こるんだということは、私は、私の頭では必ずしもそういうふうにはならないんではないかと、こう思います。
○高嶋良充君 だれを採用するかどうかという部分は企画立案の中には入っていませんからあれですけれども、藤波さんの例を挙げると基本的に企画立案の部分を聞いておられるわけですね。リクルート社が、公務員の採用試験の時期が早まると青田買いが激化をするから自分のところの就職情報誌に悪影響が出ると、そういうことを心配してその検討をどうしているんだと、こういうことを聞いているわけですけれども。そこの部分からいくと、あくまでもこの企画立案に係る部分がこの問題としては出てきているんではないかと。
○副大臣(根本匠君) 当時の企画立案は人事院でありますから、私はそこのところはどう判断すべきかというところはよく分かりませんが、大事なのは、今般の公務員制度改革では、行政運営の基盤である人事行政についても行政運営の責任の帰属する内閣が主体的責任を持ってその設計、運営を行うべきであるということを基本的な考え方としておりますので、要は行政に責任を持つ内閣がこの人事行政の企画立案にも責任を持とうと、ここのところは非常に明確化しておりますので、当時の人事院が企画立案を行っていた状況とは私は異なるだろうと思います。
○高嶋良充君 この問題の良かったところは、人事院が第三者機関ですから藤波さんのそういう問いをきちっとはね付けられているからいいんですけれども、そういうはね付けることが内閣でやっていると官房長官自らそれは知っているわけですから、こういう問題以上のことが起こるんではないですかと、こういうことを聞いているわけであります。
 そこで、もう時間がなくなってまいりました。あと二分ほどですから、天下り問題はまた次の機会に回したいというふうに思いますが、最後に聞いておきたい部分があります。
 先ほども出ていましたけれども、公務員人事の中立公正性という問題についてでありますが、今の採用試験問題は天下りに関する問題も内閣が行うというふうに改革をされると、こういうことですけれども、それは公務員の中立公正性が低下するおそれがあるんではないかというふうに私は危惧をしているわけであります。
 そこで、内閣が中立公正に関する事項を企画立案をするというそこの点について、副大臣のメリット論、あわせて人事院総裁、どういうところに問題があるのか、再度お尋ねをしておきたいと思います。
○副大臣(根本匠君) 先ほど来申し上げておりますが、今回の公務員制度改革では、行政運営の基盤である人事行政について内閣が主体的責任を持って採用、それから再就職の話もありますが、その設計、運営を行うべきであるという基本的な考え方、これに立脚しておりまして、いずれにしても基準をきちんと、例えば再就職につきましても内閣自身が厳格かつ明確な基準を決める、それから採用についても透明性、客観性のルールを決めるということを基本にして、当然人事院は人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護の観点から、例えば再就職の承認基準についても人事院が意見の申出を行うということにしておりますし、採用試験におきましては中立性、公平性の確保を図る観点から、人事院が必要に応じて内閣に対して意見の申出を、受けると、その意味では人事院の関与というものをきちんと位置付けておりますし、もとより内閣でありますから、透明、公正にやるのは私は当然の内閣の責務だと思っております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) やはり制度というのはきちんと行政責任が明確になるような制度にしておいた方がいいと、これはもう戦後行政改革の議論のたびにそういうことが言われております。行政責任明確化の原則ということも言われております。したがいまして、余り複雑な制度というものをお作りになるというのはやはり私は避けていただいた方がいいんじゃないかというふうに思います。
 なお、公正中立性の話ですけれども、簡単に申し上げておきますと、憲法の十五条の二項で公務員は全体の奉仕者だと、こういうふうに書かれております。全体の奉仕者だというのは、特定の国民の層とか特定の勢力というものから等距離の行政をやらなきゃならないということでございます。したがいまして、公務員というものが全体の奉仕者になるためには、人事制度が中立公正でなきゃならないということでございます。その中立公正な人事制度というものを作り、それを担保していくというのは、やはりあらゆる勢力から中立、独立の機関というもの、今現在で言いますと人事院ということになりますけれども、その人事院が責任を負って中立公正性を担保する、そういう制度というのが望ましいというか憲法が期待しているところだというふうに私は理解しております。
○副大臣(根本匠君) 多少私も補足して答えさせていただきますが、憲法十五条の二項の「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」、これは当然、もとよりこの公務員というのは内閣総理大臣、国務大臣、国会議員、これは全部すべて含む概念でありまして、内閣総理大臣、国務大臣、我々国会議員含めてこれは全体の奉仕者である、これは全く同じであります。
 それから、今回の再就職の承認あるいは採用につきましても、これは各府省の人事管理の責任を有する大臣が責任を持って行うわけでありますから、この責任は今までの状況に比べて、国民に対しての責任の所在、これは今まで以上に明確だと私は考えております。
○高嶋良充君 今の問題で一言だけ申し上げておきます。
 私は何も内閣主導で、あるいは政治、内閣というか政治主導で政策を作っていったら駄目だと、こう言っているんじゃないんですよ。逆に、やっぱり政治主導でやらなければならないと。だから、公務員も政治主導で幾らでもそういうことでやれるんだということじゃなしに、公務員の場合は中立公正性という部分があるわけですから、そこのことをきちっとわきまえて、政治主導でやっていくというならば政治任用職をどんどん増やして、そのことによって政権党の政策等を作っていくという、そういうシステムとしてやっぱり抜本的にやるべきだという、これは民主党の考え方ですけれども、そういうことも含めて最後に申し上げておきます。
○続訓弘君 当委員会は、去る十一月十一日に石原大臣と中島人事院総裁から所信を伺いました。本日は、その所信を踏まえながら何点か質問させていただきます。
 先ほど林委員も、またただいまは高嶋委員も御質問されました。若干重複するかもしれませんけれども、その点はお許しください。
 石原大臣は、公務員制度改革は聖域なき構造改革の最重要課題の一つとして既定方針どおり平成十八年度完全実施を目指して進めるとの強い決意を表明されました。これに対して中島人事院総裁は、人事院制度創設の原点から政府が意図する改革に対し具体例を挙げて懸念を表明されました。
 私自身、一年余り政府の人事行政に直接携わった経験から、石原大臣の意図される二十一世紀型行政システムの構築のための抜本的見直しの必要性も、また中島総裁の人事院制度創設の原点を踏まえた懸念も理解することができます。
 私ども公明党は、権力は国民の幸せのために使うべきである、政治は国民に奉仕するためにあるとの姿勢から公務員制度改革の問題についても党内で議論を重ねてまいりました。この党内議論の過程で両事務当局にも何回となく意見を求めましたが、私の率直な印象では両者の間に壁があるように思えました。喫緊の改革を要する今、両者が互いに胸襟を開き真に国民のためになるようなあるべき公務員制度改革についての議論を重ねていただきたいと思いますけれども、このことについての石原大臣、中島総裁の御所見をまず承ります。
○副大臣(根本匠君) 続委員は政府の人事行政にも直接かかわっておられますし、大変この分野、精通しておられます。それから、私も今お聞きしておりまして、権力は国民の幸せのために使うべきだ、あるいは政治は国民に奉仕するためにある、私も全く同感であります。
 先ほど来、人事院の総裁と私とるる意見をここで述べさせていただきましたが、私も、これは基本的に五十年ぶりの抜本改正をしようということでありますから、各方面から十分意見を聞いて、人事院の方々とも意見を十分に交換しながら進めていくべきだと思っております。
 繰り返しになりますが、内閣としてはここまでどういう段取りでやってきたかといいますと、昨年末に人事院も含め関係各方面からの意見を踏まえて公務員制度改革大綱を閣議決定しておりまして、今この具体化作業を進めるというところにあります。
 先ほど来、私もいろいろこのやり取りを聞かせて、私も含めて意見交換させていただいているわけですが、やはり我々は中央省庁改革を受けて抜本改革をしようと、内閣主導の新しい公務員制度の構築を目指している、そういう観点に立っているということもありまして、先ほど来のこの意見の食い違いはどこにあるのかなと私も考えておりましたが、やはり率直に言わせていただければ内閣と人事院の機能分担、この在り方に踏み込んでおりますので、どうも人事院と意見の一致を見ないところもあると、こう思っております。
 ただ、そこは基本的な考え方、違うわけでありますが、しかしそこはこれからも人事院など関係方面から職員団体の皆さんの意見も含めて大綱の具体化を進め、私も胸襟は開いて議論をさせていただいているつもりでありますが、これからも意見交換をしながら法案提出に向け作業を進めていきたいと、こう思っております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 根本副大臣の方から胸襟を開いて議論していきたいということでございますので、私たちも進んでそのようにさせていただきたいというふうに思います。
 なお、再び根本副大臣の方からお話がございましたので、誤解があったらいけませんので一言申し上げておきますと、私たちは機能分担がどうだこうだということではなくしてやはり代償機能というものをどのように確保していくのか、中立公正性をどのように確保していくのか、その評価というものをどのように今の民主的公務員制度の中で確保していくのかという、そこの考え方の違いというのがやはり基本的にあるんじゃないかというふうに、そういう気がいたしますので、そういう点を含めてよくよく意見を交換させていただきたいというふうに思います。
○続訓弘君 先ほど高嶋委員も指摘されました国家公務員制度に対する各報道機関あるいは有識者の懸念、これについては具体的な新聞名を挙げて、例えば十一月一日の毎日新聞には「陰でコソコソ「改革」するな」だとか、あるいは東京新聞の十一月五日の社説では「これでは改悪になる」とか、あるいは十一月六日の産経新聞にも「合格者拡大は信頼損なう」というような懸念の記事がございます。また、十一月七日の毎日新聞にも「寡占変わらず」、例の四倍増云々のことについての懸念の表明であります。
 これらの記事を読ませていただく中で、特に、今回の改革案作りは行革推進事務局の一部官僚と少数の政治家の中でのみ決められた云々と、こう書いてあります。これは、私どもはこういうことはあり得ないとは思いますけれども、こういうことがあってはならないと。そして同時に、開かれた十分な議論もなく、余りにも問題が多い改革がこのまま進むのを認めるわけにはいかない、これが毎日新聞の社説でもありました。したがって、先ほど来、両、根本副大臣あるいは中島総裁から胸襟を開いてこの問題に真摯に議論し合うと、こういうお話がございますので、是非それを実行していただきたいと、このように重ねて御要望申し上げます。
 さて、現在の公務員制度では、全体の奉仕者として中立公正性を確保するためのいろいろな枠組みが用意されております。すなわち、法律では天下りの制限、政治的行為の制限、身分保障や懲戒の基準、研修、更には採用試験の企画等の機能を人事院にゆだねております。今回の改革案では、政治的行為の制限を除き、その他のすべての機能を人事院から内閣に移そうとしております。この件について党内議論では、公務員が全体の奉仕者として中立公正な立場を確保するという視点から問題があるのではないかという議論がございました。この点についての石原大臣並びに人事院総裁の御見解を伺います。
○副大臣(根本匠君) 先生も御案内のとおり、今までも御指摘がありましたが、憲法十五条につきましては先ほども私も申し上げましたが、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と定めておりますとおり、これは内閣総理大臣も国会議員も全部その公務員になりますから、当然内閣が全体の奉仕者性を確保するために国家公務員の中立公正性を確保すべきこと、私はこれは当然にして当然の要請だと思います。
 現在の国家公務員法は、人事行政の中立公正性を確保するため、下位規範にゆだねる場合はほとんどの事項について人事院規則にゆだねております。しかしながら、今回の公務員制度改革におきましては、国民に対して行政運営について責任を有する内閣が人事制度の設計、運営についても主体的に責任を持ってこれを行う仕組みに転換することとしております。このような観点に即して、例えば採用試験など中立性、公正性の確保に関係する事項について下位規範で定める場合、政令か人事院規則かと、どのような下位規範で定めることが適切であるか、こういうものを整理した結果、こういうものを整理すれば基本的には法律の委任に基づく政令とすることが適当だと、こうしたものであります。
 ただ、従来人事院規則に委任していた事項を立法政策における判断によって政令の委任事項に変更した場合、こういう場合であっても人事行政の中立公正を確保するとの観点、これは先ほど来総裁も強調しておられますが、人事行政の中立公正を確保すると、こういう観点から人事院は、要は人事院の関与を全くなくすということではなくて、人事院は勧告による事後チェック等を通じて人事行政の公正の確保に関する事務を遂行していただくということにしておりまして、と考えておりまして、全体として人事行政の中立公正が確保されるように十分に留意してまいりたいと思っております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 公務員の中立公正性を確保するために、公務員制度上、今、続先生がお挙げになりましたようにいろいろな制度が用意されております。
 その制度というものをだれが所管するのが公務員の中立公正性を確保する上で一番国民が安心しておれるのかという問題だと思うんです、私は。そのときに、やはり議院内閣制というのは、他面から見ますとこれ政党内閣制でございますので、政党内閣制というのは政権交代があるという前提で考えられておりますので、政権が替わるたびにそういう人事制度というものの基本が変わっていいのかという問い掛けだと私は思います。
 したがいまして、公務員の中立公正性というものを確保していくためには、やはり政治から距離を置いた機関がこの公務員の中立公正性を確保するための制度を所管する方がいい、その方が国民が安心しておれるという、そういう議論じゃないかというふうに思います。
 私は、自民党内閣も立派な内閣でございますし、民主党が内閣をお取りになっても公明党が内閣をお取りになっても私は非常に立派な行政をなさると思います。しかし、時たまそうでない方もいらっしゃいますので、そういうことを考えますと、人に頼るな、頼れる制度を作れというのがやはりこの公務員制度の議論のときに一番重要な観点じゃないかというふうに思います。
○続訓弘君 もう既に答弁をされましたけれども、今公務員の採用試験の企画立案機能を人事院から内閣に移行することについては、この仕組みが全体の奉仕者としての優秀な人材を安定して確保するためのものである性格上、中立公正性が厳に求められるところであります。
 今回の改正が結果として時の政権の思惑に左右されかねないとの党内議論もございました。この点についての大臣並びに人事院総裁の御所見を伺います。
○副大臣(根本匠君) 先ほどの中島総裁、公正中立性を強調しておられますが、我々も公正中立性の確保、これは非常に大事なことだと思っております。
 ただ、我々がこれからやりたいと思っているのは、行政運営の責任を有する内閣は同時に行政運営の基盤である人事制度の設計、運営にも責任を有するべきだと、こう考えておりまして、先ほど私も申し上げましたけれども、考えるべき人事制度というのはやはり私は、公正中立だけで全部人事を決めていいのかと、それによって行政の機動的な、効率的な執行が十分に果たされない、私はこれも問題だと思うんですね。
 ですから、私も、先ほど申し上げましたが、ここは人事院総裁と私が全く意見を異にするところではありますが、これからの公務員制度を考えた場合に、やはり人事制度というのは複数の目的が総体的に十分に実現される最適のシステムとする必要があるのではないかと。
 これは先ほど林委員も指摘して、ニュー・パブリック・マネジメントの流れがヨーロッパにあると、こうおっしゃっておられましたが、私も、それに乗るということではありませんが、やはり大事なのは、一方で行政の機動性、効率性の確保、これから戦略的な政策をどう打ち出していくか、あるいは機動的にいかに国民の適切な行政ニーズにこたえていくか、そういうものもやれるような人事行政制度にすべきではないかと思っておりますし、行政の民主的監視や国民に対する行政の透明性の確保、こういう目的も大事だし、それから国民への内閣としての責任の明確化、これも大事でありますし、当然、職員の労働基本権制約に関する適切な代償措置の確保、これも当然であります。行政の中立性、公正性の確保、私はこういう複合的な視点から考えるべきではないかと、こう実は思っておりまして、人事院総裁が大変中立性、公正性を強調されたものですから、私ももう一度この点の考え方を申し上げさせていただきました。
 採用の問題につきましては、採用試験とともに各府省、職員の採用面接を経て行っておりまして、やはりその採用につきましては、各府省がそれぞれ抱えている様々な行政ニーズがありますので、そういう様々な行政ニーズ、経済産業省、財務省あるいは文部省、いろんな行政ニーズを抱えているわけですが、そういう観点から有為な人材を確保していく。これは正に、国民に対して行政運営の責任を担う内閣がその行政運営の一環として主体的に取り組んでいくことが重要だと、こう考えておりまして、採用試験制度の企画立案、内閣自らが行うこととしたところであります。
 ただ、もとより、こういう新しい枠組みの下でも、当然内閣が中立性、公正性の確保、これは従来以上に責任を持って取り組む必要がありますし、ここは人事院の大きな役割でありますが、採用における中立性、公正性を確保するため、人事院が必要に応じて内閣に対して意見の申出を行うことができる、こういう形で人事院に中立性、公正性の確保の観点からも適切に関与していただく、こういうことを考えております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 私、根本副大臣のお話を伺っておりますと、余り基本的に違いはないんじゃないかという気がいたします。
 と申しますのは、根本副大臣も中立公正性、あるいは代償機能の確保、この重要性というのを認識しておられますし、私自身も、内閣が人事権というものをお持ちになって、機動性、弾力的な人事行政をおやりになる、そしてそれぞれの時代の要請方に迅速に対応する、そういう体制を整えていきたいというのは理解できるというふうに思います、理解しております。
 したがいまして、そういう内閣の使命というものを果たせるような人事制度というものを作る、そのときに中立公正性と代償機能というものをきちんと評価して、その面でいろいろ、憲法論議が出てくるとか、あるいはまた難しい議論が出てこないように人事制度を構築するということは私は可能だというふうに思います。そのそこの議論がどうもちょっと擦れ違っておるということなんでしょう、きっと。だから、根本副大臣の話を聞いておりまして、根本副大臣も人事院の主張を全然否定されておらないという感じを今受けて、そういう感じを受けながら聞いておりました。
○続訓弘君 それでは、先ほども質問がございましたけれども、公務員制度に対する国民の最大の批判は、各省のセクショナリズムと天下り問題であります。
 この問題につきましては、これまで度々本委員会で各党議員が取り上げてまいりました。私は、去る七月八日の本委員会で石原大臣に、天下りに関する大臣承認制は結果として各省のセクショナリズムを一層強化させるおそれがあるので、内閣が責任を持って統一して管理する仕組みを考えるべきだと指摘いたしました。これに対して石原大臣は、天下り問題は国民の皆様の最大関心事であることとの認識から、信頼にこたえられるような仕組みを検討いたしますと答弁されました。
 このことについて、その後の具体的な検討状況を御説明ください。
○副大臣(根本匠君) 委員がおっしゃるとおり、各府省のセクショナリズムが強化されるようなことがないように、これは私もそのとおりだと思います。
 それで、幾つかありますが、公務員制度改革大綱におきましては、内閣は、例えば再就職の承認に当たって、内閣が承認基準を策定しましょうと。承認基準の作成に当たりましては、不承認とすべき権限、予算関係を明確に列挙するなど、人事管理権者が行う承認審査の統一的で客観的な運用が確保されるようにするとしておりますし、もう一点、各府省における承認制度の実際の運用におきましては必要な総合調整を行うということとしておりまして、各府省のセクショナリズムが強化されたり、あるいは各大臣の運用がばらばらになることがないよう必要な措置を講じていくこととしておりまして、まだ具体的にどういう承認基準にするかというのは現在作業中であります。
 さらに、公務員制度改革大綱では各省庁間のセクショナリズムを是正することを重要な課題と考えておりまして、そのための方策としては、これは一般的な省庁間のセクショナリズムの是正ということでありますが、内閣の重要政策の企画立案、総合調整などに従事する団体を国家戦略スタッフとして政府の内外から機動的かつ柔軟に任用、配置できる仕組み、あるいは縦割り意識や前例踏襲的な意識を改革するために、府省の枠を超えて人材を起用するための公募制、あるいは官民の人事交流を積極的に推進するための従来の規制の見直し、こういうことも併せて講じることによって、各省のセクショナリズムを要はもたらさないように、排するような対応も併せて十分に講じていきたいと考えております。
○続訓弘君 それでは最後に、キャリア制度の問題については、二十一世紀民間臨調を始め多くの有識者がその廃止と新たな選抜養成制度の構築を提言しておられます。人事院総裁も去る十一月十一日の所信表明で、特権意識を醸成している現行キャリア制度の弊害を指摘されました。しからば、どのような見直しをすればいいのか、大臣並びに総裁の御所見を伺います。
○副大臣(根本匠君) いわゆるキャリアシステムについて委員からの御指摘がありました。
 私も、現在のキャリアシステムの弊害、これは是非是正して、これから本当にやる気と能力のある人間が行政の的確、機動的な運営を行う、あるいは戦略的な政策もやってもらうと、こういうことを実現するためのキャリアシステムを考える必要があると、こう思っております。
 今、キャリアシステムにつきましては、実はどう考えるかと。私は、キャリアシステムの考え方としては三点あるかと思いますが、一つは、どんどん今、国の行政、複雑、高度化しておりまして、やはり幹部要員を効率的に確保養成することの重大性、これが非常に増してきていると思います。二点目は、やはり大企業、つまり民間と採用が競合する優秀な人材、これはやはり行政に入ってきてもらう必要がある。それから三点目は、育成機会の集中的な活用によって、採用した後、有効な人材養成を可能とすると。こういう点で、実は私は、キャリアシステムというものは合理性があって、幹部要員の確保育成システム、これは維持する必要があるだろうということで、今回維持することとしております。
 ただ、いろんなキャリアシステムの弊害が指摘されておりますので、これらの指摘にこたえるために、一つは、T種試験採用職員については採用後に厳正な評価を行う、課長補佐の段階までに集中的な育成を行う。さらに、T種採用試験以外の職員に対しても集中育成の対象としての道を開こうということで制度設計をしたいと、こう考えております。その集中育成が終了した後、これは、能力主義による人事管理の徹底、それから幹部登用審査に当たっては厳正な幹部登用審査を実施すると、思い切った見直しを行いたいと思っております。
 新しい公務員制度におきましては、職員の能力、実績を踏まえまして、適材適所の処遇を実現することによりまして、入省時における採用試験の種類にとらわれない、能力重視の人事管理を推進していきたいと考えております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 根本副大臣の方から、現在のT種試験、U種試験というものを存続させるという前提で御答弁ございました。
 私たちは、やはり存続させておったのではキャリアシステムというのはやはり是正できないだろうと、の欠点は是正できないだろうというふうに考えております。
 そこで、現在のキャリアシステムというのはどういう点で問題があるというふうに専門家から指摘されているかということなんですが、一つは、やはり大学四年生のときに一回受ける試験でとにかく後々の処遇のコースが異なる、昇進のコースが異なる、そして行く行くは天下り先も異なるという、こういう制度というのは、やはり一部の人間に特権意識を持たせると。そして、そういうコースを歩むことによってセクショナリズムというものを強化しているという、そういう指摘がありますし、私は、その指摘は当たっておるというふうに思います。その点が第一点でございます。
 それから第二点は、そういうふうな職員を公務員組織の中で採用し育成しているものですから、それから外れた人間に不公平感を持たせておるということなんですね。そこが私は非常に問題だと思います。公務組織というのは、キャリアの人もそうでない方も一体になって行政というものを執行していただく必要がございますので、そういうような不公平感を持たせる現在の制度というのは良くないということでございます。
 ただ、政策エリートというのは、組織が大きくなればなるほど、私は必要だと思います。したがいまして、どのようにしてこの政策エリートというものを選抜し、育成し、処遇していくかということだと思います、問題は。
 そこで、私はかねがね申し上げておるんですけれども、政策エリートというものを選抜するというのは、大学を卒業して役所の中に入ってこられる、そういう人を五年とか十年組織の中で使ってみて、そしてその使う過程において、これはこの組織というものの将来を託するにふさわしい人間だということをいろいろな人間が評価して、その政策エリートというものをやっぱり選んでいくというシステムがいいと。
 そして、そういうふうにして選ばれた政策エリートというものに研修機会というものをできるだけ集中的に付与していくということと、先ほど申し上げましたように、やはり特権意識を持つ、そういうようなものは良くないですから、そういう職員にできるだけ現場を経験させる、そういう機会を定期的に付与していくということが必要だと思います。そして、現代のように行政が複雑、高度化し、迅速に対応する必要のある行政課題が増えておりますので、そういう政策エリートには現在よりもなお高い処遇というものを用意してもいいんじゃないかと。
 そういうことを、私は、いろんな方が集まって議論していただいて、日本の行政組織における政策エリートというものを選抜し、そして育成する、そういうシステムをこれから議論していく必要があるだろうというふうに考えております。
○続訓弘君 終わります。
○岩佐恵美君 私は、まず、公務員制度改革は、憲法第十五条に明記されているように公務員が全体の奉仕者として国民の利益のために効率的に仕事ができるようにする条件を作ることだと考えます。つまり、公務員が、一部政治家、政党の利益や官僚自らの利益を守るためではなく、国民全体のために働くことができる制度への改革でなければならないはずです。
 ところが、今回の公務員制度改革は、能力等級制度を導入する、内閣が人事管理制度や職員採用制度の企画立案を行う、公務員の能力や業績の評価と、それに基づく格付や任用、給与や手当の加算は各省に任せる、そして人事院は単なる事後チェック機関にするという。これでは、全体の奉仕者どころか高級官僚のお手盛りになって、政官財の癒着と腐敗を一層拡大することになります。また、天下りについても、規制どころか、お手盛りで大っぴらにやれるようにさえなります。
 さらに、公務員の労働基本権の制約については、これを改めないまま、使用者である内閣、各府省の権限を強化して人事院の権限を大幅に縮小するという重大なこととなっています。日本国憲法の下で、元々、公務員にも民間と同じ労働基本権が保障されていました。私ども日本共産党は、人事院制度を理由にした公務員の労働基本権の制約はそもそも不当なものであって、公務員にも憲法で保障された団交権、争議権など労働基本権を回復すべきであると一貫して要求してまいりました。日本の公務員の労働基本権の剥奪については、毎年のILO総会で厳しく批判をされ、国際的にも大きな問題となっています。ところが、今度の改革案では、政府が労働基本権の代償措置と位置付けてきた人事院制度さえ骨抜きにするものです。
 そこで、人事院総裁に伺いたいと思います。
 公務員労働者の使用者である内閣が労働者の勤務条件にかかわる基本的事項を一方的に決めることは、団交権など労働者の労働基本権を保障している憲法に違反をするのではありませんか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 元々、勤務条件というのは、民間でも公務員の世界でも考え方は同じだと思います。やはり、労使が話し合って勤務条件を決めるということが基本にあるんだと思いますけれども、公務員は公務員なりの特別な理由によって制約されております。
 したがいまして、公務員の勤務条件というのは、その代償機関というものが適切に機能して、そして適切な勤務条件が確保される仕組みというのは必要でございますので、それを変えるということになりますと、かなり難しい法律上の議論、憲法上の議論というのがそこに出てくるだろうというふうに思います。
○岩佐恵美君 さらに、今回の公務員制度改革の進め方が極めて一方的であるということが大きな問題となっています。
   〔委員長退席、理事続訓弘君着席〕
 ILOの九十八号条約に関する条約勧告適用委員会で、関係労働組合との十分な協議によって公務員の労働条件を団体交渉によって決定することと求められ、政府代表も職員団体と誠実に交渉、協議を行っていくと約束しました。にもかかわらず、交渉、協議の内容を無視して一方的に決定してしまったのは国際的な約束を踏みにじるものです。マスコミも、一部の与党政治家と行革事務局の間で決められたものであり極めて不透明である、公務員の労働組合とも十分な話合いをしていない、国民に開かれた議論とは到底言い難いと批判をしています。労働組合はILOに提訴をしていて、近く勧告が出るという動きになっているそうであります。
 そうなれば、国際的な、私は、日本政府の責任が問われるし、こんなに言ってもまだやらないのかということで恥をさらすことになると思います。労働基本権の問題も含めて、関係労働組合と誠実に協議、交渉を行うべきだと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(根本匠君) 公務員制度改革、この全体の公務員制度改革に関しましては、これまでの間も職員団体と誠実に交渉、協議を行ってきたものと認識しております。随分、交渉、協議の回数時間もやってきたと認識をしておりますが、今後、昨年末に閣議決定いたしました公務員制度改革大綱、これに基づきまして、国家公務員法の改正の作業や制度の詳細設計、これは進めていきますので、これらの作業を進めていく過程で職員団体と十分な意見交換を行うなど、誠実に対応していきたいと考えております。
○岩佐恵美君 今まで時間を掛けてきたというふうに言われますけれども、話合いをしたといっても、肝心の労働基本権の扱いについてはどうするかが決まらないということで触れなかった。労働基本権の制約を維持すると決めたのは大綱決定の直前で、政府の一方的な決定だったということで、まともな協議、交渉をしたとは言えないじゃないかということで、今までのことについて労働者側は非常に不信感を持っているわけですから、今、きちんとやっていくということですので、その点については見守っていきたいと思います。
 さらに、今回の改革では、全体の奉仕者という公務員本来の役割がゆがめられているおそれが大きいんです。公務員の能力や業績の評価について各省の大臣が行うという。しかし、個々の公務員について、これは新聞でも随分批判をしていますが、大臣が直接評価できるわけがない。結局、人事担当の幹部職員が決めることになります。そうなると、省の方針をどれだけ貫いたかが評価の基準となるだろうということは容易に予測をされることです。マスコミも、省益、局益死守の業績ばかりが評価されるような仕組みでは国民が迷惑するという指摘をしています。
 公務員を対象にした人事院のモニターアンケートでは、企画立案において各省の職員が与党内の意見調整に走り回るなど、本来政治家がやるべき仕事をやらされている、許認可、補助金交付などの執行事務でも政治家への対応に多くの時間を費やされる、個別案件について政治家との調整、根回しに多くの労力が割かれ、中長期的観点から基本的問題を考える時間が持てないなどの実態がリアルに示されています。実際、鈴木宗男議員の事件ではそういう実態が明らかになっています。
 総裁は、大綱の能力等級制度、評価制度の運用について検証が必要と述べておられますけれども、このような実態の下で本当に公務員が全体の奉仕者としての適切な評価、それが受けられるのか、そういうことが保障されるのか、その点についていかがでしょうか。
   〔理事続訓弘君退席、委員長着席〕
○政府特別補佐人(中島忠能君) 能力、実績に基づいた任用とか給与処遇というのが必要だということは、皆さんそのように認識されておると思います。
 そこで必要なのは、能力評価をどういうふうにするか、そして運用基準をどうするかという話だと思います。その能力評価基準と運用基準というものをやはり作る過程において、また運用の過程において、対象になる職員が十分理解し納得する必要があるだろうというふうに思います。
 そこのプロセスというものを大切にしていただかなければ、やはり能力評価制度というものがスムーズにスタートしないんじゃないかという気がいたしますので、そこをひとつ大切にしていただきたいというふうに思います。
 そういうふうな上で能力評価制度、業績評価制度というものが公務員世界に定着することが必要だと思いますけれども、そのときの物の考え方は、能力等級制度ということで既に民間企業の中で先進的な企業というものがスタートして、現在反省期に入っておるということでございますので、そういうものをよく勉強して、どういう点において能力評価制度、民間企業の言葉で言いますと職能給制度というふうに言うんですけれども、そういうものがどういう点で反省を要する制度であったかということもよく踏まえ、参考にして、そして、新しいというか、実効性のある制度というものができ上がるように努力していかなきゃならないということじゃないかと思います。
○岩佐恵美君 私は、制度を作れば何とかなるという問題なのだろうか、そこがどうも今の答弁を伺っていて疑問に思うんですね。というのは、これ新聞がこう言っているんですが、内閣に勤務条件に関する裁量が移れば、時々の政府・与党の意向により公務員の中立性が揺らぐおそれも出てくる、大臣や政治家の顔色をうかがう公務員が増えかねない。これはまた別の新聞ですが、こういうやり方、つまり内閣が人事権を握って、そしていろいろ評価をする、裁量していくということになると、各省庁のセクショナリズムが一層一段と強まり、官僚も天下り先をあっせんしてもらう省庁にこれまで以上に忠誠を尽くすようになりかねない、こう言っているんですね。
 私、だからそこの点が非常に重要だというふうに思っているんですが、今の人事院総裁の答弁は、ちょっとそこのところ、迂回しているのかなというふうに思うのですけれども、ちょっと時間がありませんので、次に移らせていただきたいのですが。
 公務員制度改革の最重要問題の一つは、政官財の癒着を絶つことです。大綱は、官民の人事交流を促進して公務の中立公正性を脅かすだけでなく、癒着の温床である天下りについても、これまでのざる法のような人事院による承認制度さえなくして各省に任せ、一層自由化しようとしている。先ほどの渡りの件ですが、渡りについては退職金は通しにしてということを言われましたけれども、そうすると、逆に言うと、渡りはどうぞおやりくださいというふうになりかねないというふうに思うんですね。
 大臣承認が事実上各省の幹部職員による審査に依存することになるのは多くの方々が指摘をしておられるところです。マスコミも、例えば、七月二十六日付けの毎日新聞の社説では、大綱は大臣承認という形で天下りを広げようというものだと批判をしています。
 次の天下りを考えている各省の官僚の下で厳格な審査など私は到底できない、期待できないと思うんですね。正に国民の期待に逆行するものじゃないか。国民の信頼にこたえる公務員制度改革をしようというのであれば、まず天下りを原則的に禁止をすべきだと思いますけれども、その点、いかがですか、副大臣。
○副大臣(根本匠君) 公務員をめぐる様々な国民の皆様からの指摘の中で、特に公務員の再就職の問題については強い批判があることはよく承知しております。
 この問題に対応するために、今回の改革では、営利企業への再就職について国民に対する責任の所在を明確にする、こういう観点から、内閣が承認基準を定め、内閣の総合調整の下に各省大臣が責任を持って承認するということにいたしました。国民に対する責任の所在を明確にする、こういう観点であります。この再就職問題に対する現在の国民の皆様の強い批判を踏まえますと、承認基準については厳格かつ明確なものとする、言わば客観的なルールをきちんと作るということで対応していきたいと思います。
 それから、先生御指摘の、私も再就職の問題については厳しく対応する必要があると考えておりますが、じゃ、再就職の全面的な禁止をするかと、こういうことになりますと、やはり基本的人権として職業選択の自由は保障されている。それからもう一つ、もとより公務の中で培った能力、これを活用した再就職の道を閉ざすべきではないという観点から、やはり再就職の全面的な禁止、これは私は適切、適当ではないと考えております。
○岩佐恵美君 全面的な禁止ということではなくて、原則的に禁止をすべきだという私どもは言い方をしております。要するに、天下りの弊害が非常に出てきているわけですね。だから、そこのところをちゃんと国民に疑われないように厳しく対処していかなきゃいけない。
 今は厳格に対処をするというふうに言われましたけれども、例えばその天下った官僚が出身官庁に働き掛ける行為に対して厳罰を科すという話もあるようですけれども、その点について、そんなにうまくいくのか、幾らでもいろいろ、何というか罰金が出ないように、罰則にならないようにすり抜けるやり方をするとか、あるいは天下り人脈を背景に部下にやらせるなんということで、幾らでも抜け穴はあるという指摘があります。
 一つ、天下りがどれほど害悪を及ぼしているかという実例についてちょっと話をしたいと思うんですが、鈴木宗男議員の受託収賄事件で明らかになりましたけれども、鈴木議員の指示を受けて、北海道開発局の港湾部長と各建設局の港湾担当次長との間で本命業者を選定をして、各地の建設業協会を通じて談合していたという事件です。開発局の幹部職員と建設業協会への天下り職員とが結託をして官製談合が常態化していたという驚くべき事態が判明しました。しかも、鈴木議員関連以外にも同様の事件があったということです。
 私は、この点について実態を明らかにして厳しい措置を取るべきだと思いますけれども、ちょっとこの事件の対応、それから事件の内容、それから国土交通省の対応について、時間が余りありませんので、簡単に御説明いただきたいと思います。
○副大臣(吉村剛太郎君) ただいま御指摘の鈴木元長官に関連いたします北海道開発局の職員の行為は、我々としましても不適切であったと認識をしております。
 したがいまして、今月十一日に扇大臣の方からこのような不適切な行為を根絶するための指示がなされておりまして、具体的には、もう時間がないということですから簡単に申し上げますが、まず一つ、北海道開発局本局に加え、出先機関である各開発建設部にも入札契約事務の執行状況を監視するための第三者機関、いわゆる入札監視委員会を設置すること。二つ、従来、北海道開発局内に限られていた開発建設部長及び次長の人事については、全国的な視点での人事配置を促進すること。三つ目、北海道内の各地域の建設業協会から北海道開発局職員のOBを引き揚げること等の具体的な措置を早急に講ずべく検討の指示を出しております。
○岩佐恵美君 北海道内の十一の建設業協会のうち、空知を除く協会に十六人の開発局から天下っています。九協会は事務局長で、残る一協会も事務局次長、そのほとんどが専務理事や常務理事を兼任して要職を務めています。
 道内十一の建設業協会の一つである札幌建設業協会の場合は、専務理事兼事務局長、常務理事兼事務局次長、業務課長の三人が開発局の天下りです。
 建設業協会というのは公共事業への依存が強い地域ゼネコンの業界の団体です。その中枢に発注官庁の天下り職員が座って、現職の開発局幹部と結託して談合という法違反を犯していた、このことが明らかになった事件です。全くひどいと思います。
 国土交通省は、十六人のOBの引揚げを決定したわけですけれども、これは私は今に始まったことじゃないんじゃないか、前から続いているんじゃないかと思うんですね。
 それで、こういう北海道開発局の官製談合がいつから始まったのか。建設業協会の過去の天下り実態を含めて、私は当委員会に明らかにしてほしいと思っているんです。
 また、こういう実態が北海道開発局だけの特殊事情とは到底考えられません。全国の国土整備局の実態を調査をする必要があります。全国の建設業協会への国土交通省OBの天下り状況を調査して、当委員会に資料を提出していただきたい。
 この二点について委員長にお願いをしたいと思います。
○委員長(白浜一良君) 理事会で協議します。
○岩佐恵美君 今回のその官製談合は人事院が関与していないクラスの天下りの事件なんですね、今回のは。ですから、私は、こうした天下りをすべて各省任せにするということになるとどうなるか分からない、本当にそういう具体的ないい事例だと思うんですね。こういう事例を放置しておいて天下りの審査権限を各省に任せるなどというのはとんでもないことだと。私は今、二つ資料を請求しましたけれども、これは直接……
○委員長(白浜一良君) 時刻がもうオーバーしていますので。
○岩佐恵美君 済みません。
 国土交通省に要求したけれども、出なかったんですね。だから、そういう反省のないところで天下りはやまないのではないかなというふうに思っているわけです。そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○田名部匡省君 石原大臣、お見えになりましたので、最初に天下り問題から入りたいと思うんですけれども、最近、特に国、地方を問わず政治家と公務員の不祥事がもう余りにも多い。原因は何だと思いますか、石原大臣。そして、これはどうすればなくなるか。まず、お考えがあったら、先にお聞かせいただきたい。
○国務大臣(石原伸晃君) 大変解決策が分かればもう問題は起こっていない、それぐらい根の深い問題だと思いますが、一つには、やっぱり倫理観の欠如というものが非常にあるのではないか、個人の問題であります。それともう一つは、そういう構造、癒着構造を生みやすいシステムが日本に存在する、この二点をどのように是正していくかというのがこの問題に対する解だと思いますが、なかなか即効薬というものがなくて、この問題は古くて新しい問題として当委員会でも御議論をいただいているものだと存じます。
○田名部匡省君 私は、政治改革の方がもっと先でなかったのかなという気がしているから申し上げたんですけれども。
 次に、天下り問題で、私自身は事業を経営してよく実態知っているんです。事業者は役所から人を押し付けられて、断るわけにいかぬというのもおるし、また逆に天下りを受け入れて仕事増やしたいという会社が一杯あるんです。ですから、天下りは何としてもこれはもう禁止しないと、公平公正にできないですよ、競争が。その人の言いなりになっちゃうんですから、反対すると外されてみたり、いろんなことあるものですからね。
 ですから、私は定年前に退職する慣行というものはもうやめた方がいい。これは総理も言っていますよね。早期退職慣行の是正だと。やり方をどうするかということはあるにしても、いずれにしても定年まで働けるようにして、役所の再就職あっせんをやめて天下りをもう禁止すると。私は、もうかねがねこの委員会でも、よくいろんな委員会で言っているんですけれども、定年を延長して六十を過ぎたらもう昇給はありませんよ、退職金も六十のときの計算でという、何かルール作って残した方がいいんじゃないかと、こう思っておるんで、大臣はどう考えますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 今、田名部委員御指摘の六十五歳定年制、この問題については議論が行われていることは承知しておりますが、民間が六十歳定年の中、公務の世界を六十五歳定年でそこまで保障するということに対して国民の皆さん方の理解が得られるのか。その一方で、委員御指摘のとおり、天下りがなくなるんだから公務員だけ特別に六十五歳まで定年を延長してもいいんじゃないか。この両論が極端な意見としてあるのだと思いますが、中長期的な課題としては十分検討に値する私は重要な御提言だと考えております。
○田名部匡省君 今すぐというわけにはいかぬにしても、これからはもう少子化になっていく時代、いろんなことを考えていくと、徐々にやっていかなきゃいかぬと思うんです。
 天下りは、民間企業だけでなくて、特殊法人、それから独立法人、まあこれについてももう前から私は国土交通委員会でもいろんなところで申し上げているんですけれども、今やもう国民から強い批判が出ていると。これからの法人への天下りが続く限り整理合理化は私は進まないと、こう思うんです。
 そこで、このような政府機関関係への天下りも全面禁止をすべきだ、こう思うんですが、大臣、どうですか、これは。
○国務大臣(石原伸晃君) この問題は、民間企業への天下りの問題と、いわゆる特殊法人等各関連府省庁が監督をしております組織への天下りの問題の、両面のうちの重要な一側面を私は委員は御指摘されているものと承知をしております。
 そこで、問題になってくる問題は、やはり退職金が高いとか大して仕事もしていないのに給料が高いとか、そういう御指摘もありますので、今回の改革におきましては、役員退職金の三割削減、給与の一割削減をこの四月一日から実施いたしますとともに、退職公務員の法人子会社への役員就職状況の公表や役員出向制度の導入、これは、現役のとき、特殊法人等、独立行政法人等に出向した場合、退職金を公務員を辞めるときでまた取って、戻ってきてまた取るというような二度取りがあるので、通年して六十歳で一回きりにする。具体的な制度の設計中でございますが、そのような様々な施策を講じまして国民の皆様方の批判にこたえていかなければならない重要な課題であると承知しております。
○田名部匡省君 私は、公務員の給与改定というのはやっぱりどこか基準あって、民間がこのぐらいになったからこうだと、こういって上がっていくんだろうと思うんですね。
 昨日、実は地元で市の職員が来ましてね。あなたたちは、上がるときは上がるが、民間の方が下がったら下がったというのは聞いたことないが、上げるのはいいですよ、民間も下がったら下げるというんなら分かるけれども、そっちはないというのは一体おかしいんじゃないかと昨日言ったら、いや、そう言われるとそうですねなんて言っていましたがね。だから、もう少し分かりやすいことをきちっとやっていないと私はいかぬと思う。
 特に今回の公務員制度改革については、天下りについて、これまでの人事院承認を廃して大臣承認の制度を導入の予定になっているというので、先ほど来もういろんな意見を伺っていました。私もこれにはもう全く反対なんです。もう役人の、信用していないわけでないけれども、お手盛りになるんじゃないかと。さっきもその話ありましたが。
 私が農林大臣のときの経験では、もう政策やるので手一杯ですよ。役人の人事について細かくチェックなんてできっこないし、もちろん名簿を持ってこられても、顔を知らない、名前が分かんない。おれ聞かれたって、どうすればいいかと。もう事務次官、おまえに任すよというようなものですよ。ですから、どんな能力がある人かというのも分からぬ。一部、しょっちゅう出入りする幹部は分かりますよ。それでどうするかというと、役所出身の先輩もいるけれども、この人はどうだと言うと、いや、あれやれとかと言うと、何かその人に何かえらい一生懸命な人を推薦されているかどうかも私は分からぬ。しかも、一年足らずでころころころころ替わる大臣にこんなことをやらせようといったって、私はできないと思いますよ。私は比較的、あのウルグアイ・ラウンドで大変ですから、平成三年から五年までやりました。それでも難しい。ですから、その辺のところをやっぱり、こうして人事見ていると、もう大体決まっていますよ。事務次官やる、まああなたも詳しいが、食糧庁長官、だれがどこへ行くかというのはもうレール敷いてあるんですね。ですから、そんなのを見ておっても、私はやっぱりそうなると、偉い人にごますって取り入るという人の、うまい人がどんどんどんどん偉くなっていくんじゃないかなと思って実はそのころ見ておったんですが。
 この前、人事院から委員会に提出された資料を見ても、私が大臣やった農林省で四十五件ですよね。一番上の国土交通省で三百五十三件もある。これで大臣がチェックできる数字だと、こうお考えになっていますか、大臣。どうですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 大臣はそのぐらいの責任を持って自分の掌握している人事を責任持つのがこれからの姿だと思っております。
○田名部匡省君 仕事しないで人事やっているんなら分かりますよ。実態はどうですか、今、大臣になっている人たちは。そういう考えでこんなことをやられようというんなら、これはもう大問題ですよ。
 じゃ、人事の分からぬ人は大臣にしないということなんですか、これからは。
○国務大臣(石原伸晃君) 私は大臣の任命権者じゃございませんので、時の総理が適材適所ですばらしい人を入れて国民の批判にこたえていくのがこれからの将来の姿だと思います。
○田名部匡省君 それは総理が任命すればいいわけですけれども、任命された人がみんな全部分かっている人以外はしないということでないと、今あなたが言ったような話ではいきませんよ、大臣に預けられても。そこを言っているんです、私は。何百人もの、今国土交通省で三百五十三人。これ、どうやってやれと言うんですか、できますかということを言っているんです。
○国務大臣(石原伸晃君) 大臣承認制度の若干の誤解があると思うんでございますが、内閣が内閣の責任におきましてその承認基準を作らせていただきます。承認制度の運用について総合調整を行うことに加えまして、大臣は承認した案件について公表されるわけであります。その数が多ければ、前の大臣に比べて新しい大臣になって天下りが増えたら、その大臣は世間からどういう糾弾を受けるのか。さらに、内閣が責任を持ってこの承認基準、大変厳しいものにすれば、そこに至っていなければ、幾ら申請をしてもその人たちは天下ることができないと、そういう制度設計を考えているところでございます。
○田名部匡省君 おっしゃるとおりいけば私はそれは問題ないと思うけれども、今までだって、いろんな人事をやって行った先で問題を起こしたって、大臣がだれも責任取った者いないでしょう。そうでしょう。だから、そういう無責任なことをやって、そっちへ行って天下って、特殊法人だの公益法人、問題一杯起こしているでしょう。
 じゃ、だれが、任命して責任取った大臣がいますか。これからはそこまで行くんですよと言うならば、そういうお答えいただきたいんです。
○国務大臣(石原伸晃君) 行政改革をつかさどっておりまして感じますことは、一体だれが責任を取るのか、何でだれも責任を取らないかということばかりでございます。
 本州と四国の間に三本も橋が架かって、じゃ、昭和三十年代に計画を立て、四十年代に計画を決めた人が悪いのか。時の経済情勢でいけば可能性はゼロとは言えないわけであります。それでは誘致した地元が悪いのか、誘致をあっせんした政治家が悪いのか。そういう問題が行政改革ではたくさんございますし、不祥事を起こしたときの大臣が悪いのか、不祥事を起こした人間を外に出したとき承認した人間が悪いのか、その人事を認めた当局が悪いのか。様々な問題がありますが、これからはできる限り政治家が明確に責任を取っていくような形で、人事についても、省庁が自分の考えによって制度設計を今考えております、これは運用の部分でございますけれども。
 そういう新しい姿の公務員制度改革の中で、委員が冒頭御指摘になりましたように、天下りというもの、これだけ大きな批判があるわけですから、天下る仕組みをどのように減らしていって、今言われたような問題に解答を出していくのか、これから真摯に議論を深めてまいりたいと考えております。
○田名部匡省君 口を開けば聖域なき構造改革というのに、だんだん聖域がおかしくなってきているんですよ、聖域なきが。まあ皆さんがそうやってお考えになることであれば、その辺のことまできちっとやった上でないと、ただやればいいというものではないと私は思うんです。
 次に、先週の月曜日のこの委員会に、中島総裁は所見の表明の中で、再就職全般について大臣承認ではなく内閣が一括管理すべきではないかと、こう述べておられました。大臣、私は先ほど申し上げているように、天下りはもう禁止した方がいいということを考えています。すぐはこれ、なくならぬかもしれません、行っている人もおるんですから。次善の策として、総裁が言われたような内閣一括管理の方が大臣承認制度より国民に理解されるんでないかと、当面は、そんな考えを持っていますが、大臣、どう思いますか、この件については。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど来御議論になっておりますように、この天下りの問題というものにつきましては国民の皆様方の強い批判がある、こういうことを真摯に受け止めさせていただきまして、再就職にかかわる承認制度などについて見直しを私は行っていく必要がございますし、それが委員御指摘のとおり、ただ変えればいいというようなものになってはいけませんし、改悪になってはならないものだと考えているところでは全く同一でございます。
 政府は、昨年の末、公務員制度改革大綱を閣議決定いたしました。営利企業への再就職について、内閣の責任において、政府全体の行政の公正な運営等を確保するため、再就職の承認基準については政令で定める、職員の再就職の承認は、職員の適切な服務管理と行政の公正な運営に一義的な責任を有する人事管理権者が厳格かつ明確な基準の下で行うなどの方針を決定したところでございます。また一方、ただいま委員が御指摘されましたように、人事院は本年の夏の報告において、すべての再就職について、当事者である各大臣ではなく内閣が一括管理することを検討する必要があるとしているところでございます。
 現在、公務員制度改革大綱に沿って改革の具体化に向けた検討を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、今後、国民の信頼を確保し得るルールを確立すべく、年度末を目指して検討作業を進めてまいりますので、先生の格段の御協力をお願い申し上げたいと思います。
○田名部匡省君 今の大臣の答弁を聞いて、総裁、どう感じました、思いますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) この天下りの審査制度の在り方についてはいろいろな議論があるんでしょう。ただ、制度を改革するときの理念をどこに置くかということが私は非常に重要だと思うんです。やはり、今、内閣というのが幹部公務員に対してどういうような権限を持っておるかということだと思います。
 結局、今、内閣は幹部公務員の人事権については全く何の権限も持っていない、したがって、総理大臣の意向というのが幹部公務員になかなか浸透しにくいのが今の姿だというふうに思います。総理大臣がいろいろな改革というものを進めようとなさっておるけれども、場合によってはなかなか総理大臣の意向が浸透していないんじゃないかという事例も散見されるわけでございます。
 したがいまして、これはもう戦前から言われておることですけれども、内閣が幹部公務員の人事権をどこまで持つかということが非常に重要なことだということを戦前から言われております。したがいまして、公務員制度の改革というこの機会をとらえて、やはり内閣が退職管理の権限をお持ちになるという一歩を踏み出されることが改革理念として非常に重要だというのが私の意見でございます。
 したがいまして、民間企業に対する天下りも特殊法人や認可法人に対する天下りも一括して官邸が直接お持ちになるという方向に改革を進めるべきじゃないか、そうすることによって公務員制度改革を通じて内閣の主導権が一歩確立する方向に確かな歩みをすることができるというふうに考えております。
○田名部匡省君 私、昔、大臣のときに官房長に言ったものですよ、政権変わったらもう局長以上は全部アメリカみたいに替わったらどうだ、どっちにも同じような話して同じことをやらせたんじゃ政策は変わっていかないと言ったことがある。これは大統領制でないから難しいことは分かりますけれどもね。
 次に、採用試験のことをちょっとお尋ねしたいんですが、今年は採用予定者の二・五倍の合格者を出した、その結果、内定者のいない学校が前年の十六校から三十三校に倍増したということなんですね。二・五倍でもこのような状況を、これから四倍にするという議論があるようですが、私は全くおかしいと思う。こんな大量に合格させておいてぬか喜びさせて、採用するのはわずかだと。
 私は、人事院で試験をやって合格者をいったん人事院か内閣で一括して採用して、それから各省庁へ割り振りすれば、受験者も安心できるし、より優秀な人を集めることができるんでないかと、こう思うんですが、これ、どう思いますか、これについて。大臣、二・五を四倍にするということの問題をどう思うかということです。
○国務大臣(石原伸晃君) 現在、人事院が実施しております採用試験は、もう委員も御承知のとおり筆記試験を中心としたものでございまして、十数倍の倍率の中から合格者を出さなければならないといったような無理な問題も多く、その知識偏重が指摘されているのはもう委員御承知のことでございます。その結果、受験生のほとんどが、大学の四年生になる春ですか、必死に予備校に通うという現実がございます。
 内閣といたしましては、このような採用試験の実態を前にいたしまして、このままでは本当に予備校に通ってテクニックを付けた人だけが入ってしまうといったような差し迫った危機を持って、昨年末、公務員制度改革大綱というものを閣議決定し、十五年度の合格者は少し倍率を増やしていただきたい、四倍程度にしていただきたいと人事院の方にお願いを申し上げているところでございます。
 合格者が四倍になりましたら、今までの筆記試験を中心とした試験で絞り込まれてしまいまして総合的な人物評価を受けることができなかった人材に対してはチャンスが与えられることになります。その一方で、当然広がりますから、試験偏重で勉強してきた人の中で、AさんよりBさんの方が成績がいいのにBさんの方が総合的に評価が高いからといって落ちる方が増えるのは当然のことでございます。
 地方出身者にとりまして、委員はネガティブなお話をされましたけれども、学力だけではなくて社会的経験や体力やあるいは個々の性格、そういうものが幅広く評価された方が、私は、これからの二十一世紀の国家公務員像にふさわしい人物が採用されるものと考えております。
○田名部匡省君 どういう中身の試験を行うかということもあるし、地方の人はしょっちゅうこれは出てこなきゃならない、旅費も掛かるし。何でこんな一杯、合格というか、採用前に。これ、人事院総裁、どう思いますか、こういうこと。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今までも国会で御答弁させていただきましたけれども、今年二・五倍にいたしました。
 行政、法律、経済の分野について申し上げますと、おおむね七百人を合格させました。そこで二百九十人を採用いたしましたけれども、あとの人間は採用されないということでございますから、四百十人ぐらいの人間が採用されずにおると。その中で、最近調べますと、百二十人ぐらいがどこかに就職したようでございますが、あと三百人ばかりはやはり就職浪人しておると。そこで大学院に進むとか大学の中で留年するとかいうことをしておるようでございます。
 合格者を増やすとそういうような弊害というのが一つ出てまいりますし、元々、合格者を増やすということの議論の出発点としてありましたのは多様な人材というものを獲得するということですから、できるだけ私は多様な大学から採用していただくというのが、そういう姿が欲しいなというふうに考えましたけれども、先ほど田名部先生がおっしゃいましたように、そういう実績が今回は出てきていないということでございますので、もう一度、来年二・五倍でやってみて、やはり多様な大学から人材が採用されると、中央官庁に。それは青森大学からも合格した人の中で採用されることもある、あるいは新潟大学からも採用される人があるという、そういう姿がやっぱり見えてきてほしいというふうに私は思います。
 そういうふうに、各省がもう少し地方大学から多くの人間を採用しようじゃないかという申合せをしていただいて、そういう姿をとにかく来年は是非とも見せていただきたいというふうに思います。
 少し前の話ですけれども、自民党の幹事長をされました加藤紘一先生が、私にこういうことを検討しろということをおっしゃったことがあります。それは、六百人のT種試験の合格者を中央官庁に採用するならば、そのうちの三百人を各地方の大学に割り当てろ、いわゆるクオータ制を取れ、あとの三百人は成績主義で採れというふうにおっしゃいました。これは非常に政治家らしい、全く違う観点からの話でございますけれども、やはりそこまで私は申し上げませんけれども、もう少し多様な大学から採用される、そういう姿が見えてくれればなと。合格者を増やす、そういうメリットが出てくるんじゃないかというふうに考えております。
 今のところは合格者を増やす積極的な理由というのが見えてこないというのが私の率直な感じでございます。
○田名部匡省君 もう時間ですから終わりますけれども、いずれにしても、私ども民間で事業をやっているのから見ると、もう利益出さなくていいんですね、これ、役所は。倒産がないでしょう。そのほかに給料が高いと。国民、これ見ているんですよ。これだけ今倒産して、もう大変な状況でしょう。だから、そういう人を採用するにはもうちょっとルールをきちっと決めて、やっぱり行政の無駄遣いをこういう方向で直したと。そうしたら抜てきするとか、あるいは政策が立派で、後々もきちっといったという人をやると。何でかというと、中でもっと競争する仕組みというのがあってもいいと思う、私は。もう少し、せっかく国民の税金でこれだけの仕事をやってもらっているんですから、キャリアで行ったらすっといくような仕組みでなくて、競争するような仕組みというんならばそういうこと等も考えて、どうぞ、いずれにしても政府と人事院よく相談して、ここへ来てばらばらの話されたんじゃ、もう事前にきちっと詰めて持ってきてくださいよ。よろしくお願いして、終わります。
○委員長(白浜一良君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時四分散会