第155回国会 内閣委員会 第8号
平成十四年十一月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     上野 公成君
     岩佐 恵美君     筆坂 秀世君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                上野 公成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣     鴻池 祥肇君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        木村 隆秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中城 吉郎君
       内閣法制局第二
       部長       山本 庸幸君
       内閣府大臣官房
       審議官      上杉 道世君
       内閣府政策統括
       官        大熊 健司君
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       内閣府総合規制
       改革会議事務室
       長        宮川  正君
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       総務大臣官房審
       議官       戸谷 好秀君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省自治税務
       局長       瀧野 欣彌君
       法務大臣官房審
       議官       原田 晃治君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       財務大臣官房審
       議官       加藤 治彦君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  玉井日出夫君
       文部科学省研究
       振興局長     石川  明君
       厚生労働省政策
       統括官      水田 邦雄君
       国土交通省総合
       政策局長     三沢  真君
       国土交通省港湾
       局長       金澤  寛君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○構造改革特別区域法案(内閣提出、衆議院送付
 )

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○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岩佐恵美さん及び小泉顕雄君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君及び上野公成君が選任されました。
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○委員長(小川敏夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 構造改革特別区域法案審査のため、来る十二月五日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 構造改革特別区域法案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣審議官中城吉郎君、内閣法制局第二部長山本庸幸君、内閣府大臣官房審議官上杉道世君、同政策統括官大熊健司君、同安達俊雄君、同総合規制改革会議事務室長宮川正君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、総務大臣官房審議官戸谷好秀君、総務省行政管理局長松田隆利君、同自治行政局長芳山達郎君、同自治税務局長瀧野欣彌君、法務大臣官房審議官原田晃治君、法務省刑事局長樋渡利秋君、財務大臣官房審議官加藤治彦君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、同高等教育局私学部長玉井日出夫君、同研究振興局長石川明君、厚生労働省政策統括官水田邦雄君、国土交通省総合政策局長三沢真君及び同港湾局長金澤寛君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小川敏夫君) 構造改革特別区域法案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿部正俊君 自民党の阿部正俊でございます。
 今日は、言わば今国会の我が委員会の最大のテーマとも言えます構造改革特別区域法案ということで審議させていただきます。
 まず最初に、大臣、今日改めて特区の委員会審議、臨まれるわけでございますけれども、たまたま先日の、これはちょっと自己宣伝でございますけれども、我が自由民主党の機関紙の「自由民主」の一ページにこうやって鴻池大臣の写真が出ていまして、正に私どもの、今回の国会及びこれからの第二次小泉内閣といったらいいんでしょうか、というものの目玉とも言える大臣ではないかと、こんなふうにも思うわけでございまして、そういう意味で、具体的な質問、通告している事項の前に、鴻池大臣の、何というんでしょうか、心意気といいましょうか、今回の特区担当ということで、新しい日本づくりとも私は思うんですけれども、そんなふうに取り組まれる大臣の抱負といいましょうか、特に鴻池大臣は非常にきっぷのいい方でございますので、思い切った抱負を一言で語っていただければ有り難いなと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) おはようございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 阿部委員から、きっぷのいい答弁をしろと、こういうことでございます。
 閉塞感というのは人それぞれ感じ方が違うと思いますけれども、多くの日本列島に住まいする人々は、最近随分この閉塞感というものを重く持ち出したのではないかと私は思います。その中で、小泉純一郎という総理が誕生して、そしてこの閉塞感を打ち破るんだということで、右手には構造改革、これをなくして成長なしと、左手で大きく掲げておるのが哲学、小泉哲学であると私は理解をいたしております。それゆえに、構造改革の中で規制改革をやらなければならぬというその思いが、やはりいろんな歴史的な理由、あるいはその折々に規制をしなければならなかった歴史、そういうものが覆いかぶさって、なかなか全国一律に規制の改革というものは進まないというのも現実でございます。
 その中において、過去、歴史を振り返れば、信長の楽市楽座であり、あるいは長崎の出島のような、一つの私の理解ではそういう発想の下に突破口を作る必要があるんではないかと、こういうことで特区の構想が七月に生まれたと私は理解をいたしておるところでございまして、そういう中で、全国から四百二十六の提案があった。精査をいたしまして、今回この法律として先生方に御審議をいただいておるわけでありますけれども、まずは、私はやはり、この突破口を先行的に、できる限り、できるものから早く、そしてできないものはどうすればできるだろうということを十分考えながら進めていく、大変大事なこの特区の推進の仕事であるというふうに思いを新たにいたしているところであります。
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 これから具体的な法案なり特区の考え方、理念なりについてお尋ねしてまいりますので、大臣から今のようなお気持ちの中で、より積極的な方向を目指すんだというふうな思いで語っていただければなと、こんなふうに思っております。
 今回の特に特区法案といいますのは、各条に幾つかの分野にわたりまして特例法が書いてございますけれども、そうしたふうな個別の問題はもちろん触れてみたいと思いますが、それを超えて、やはり今、大臣が述べられたものの延長線上にあるわけでございますけれども、日本の社会の新しい国づくりといいましょうか、というものに連動する部分もあるし、またそうしたふうな試金石としての特区法案じゃないのかなと、こんなふうな思いもしますので、私なりに理解を持って、あるいはそういう期待を込めて御質問をしてみたい、こういうふうに思いますので、よろしくお願いをします。
 最初に、特区法案あるいは特区制度、特区構想といいましょうか、この意味合いがどこにあるのかなということだと思うんですが、私なりに考えてみますと、一つは、やはり我が日本といいますのはどちらかといいますと一律平等主義だったのかなという気がするわけでございますけれども、そうしたふうなことが戦後五十年、特に戦後復興というふうな時期の中でうまく機能をしてきたとは思います。だけれども、一定のレベルに達した今日、世界を相手に生きていく我が日本として、そのままでいいのかなというところにもう来ているような感じがするわけでございます。
 そういう意味で、考え方として、特区構想の発想の原点として、一つはやはりいろんな多様性といいましょうか、というものをこれから認め、かつ伸びるところは伸ばしていくといいましょうか、という発想が必要なんじゃないかと。これは法律上の規制というふうな域を超えて、物の考え方としてそうしたふうな一つの流れというものを具体化したのが一つの方向ではないかなと、こういうふうに思います。
 それからもう一つは、いろんな行政的な制度なり補助金制度なり、様々な手法がございますけれども、そういうものはどちらかといいますと一つのものに決めちゃうといいましょうか、お役人さんが、特にお役人さんがですね。それを、AもありBもありCもありと、あるいは、こういうことでないんだけれどもこういうのはあるんじゃないかと思うところを実証的に検証しながら事を進めていくという手法が必ずしも私は取られているとは思えません。どうしても何か一つのものを志向していたということでございますので、そうじゃなくて、具体的に要するに成果が上がらなければ意味がないよといいましょうか、というようなことで、実証的な一つの手法を取っていこうということ。例えば、北向きの方向だけではなくて東向きのこともやってみようかと。どこ向きがいいのかということを実証した上で事を判断していこうじゃないかというふうな二つの言わば要素というのはあるのかなというふうに思うわけでございます。
 そうしたふうなことは、今、大臣も強調された経済的ないわゆる規制改革という、あるいは規制緩和というふうなことだけではなくて、更に超えて、日本人の、日本人といいましょうか我が国が今までたどってきた何となく常識化していたようなことについて、少し待てよということで、新しい方向性を打ち出してみようじゃないかという、二つの私、例を挙げましたけれども、そんなふうな考え方に通ずるんではないかなと、こんなふうなことを思いますが。
 そんなことを私なりに考えますけれども、大臣、今回の特区構想の先に見える日本というものについては、何かビジョンといいましょうか、というふうなものも少し踏み込んで語っていただいていいのではないかなと、こんなふうな気がしますし、特にこれは、それはいろいろ閣僚としての発言というのは慎重であらねばならぬということだと思いますけれども、特に、こうしたふうな新しい試みでございますので、国民に相当、ある種の夢といいましょうか、より思いを持ってもらうというのは非常に大事なことなんじゃないかなと思いますので、そんなふうなことで、少し踏み込んで、大臣なりの個人的な要素云々ということを余り言うつもりは私もありませんので、どうかそんなふうなことについて、ビジョンといいましょうか、というものを少しお示しいただければ有り難いなと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今、阿部委員が御発言ございましたとおりだと思います。正に明治維新以来、日本の国というのは、官が民を主導し育成し引っ張って大変な成長をし、経済的にもより良き方向に進んできたと思います。しかし、今の御指摘のように、そうはいかなくなってきた、さてどうするかということで、私は、この特区構想というのはそのいろんな方法の中の一つの方向付けではないかと思います。
 そういう意味では、新しい政策の手法であるという位置付けで私は考えていきたいと思っておるわけでございまして、新しい手法でありますから、なかなかこれ御理解がいただけない部分があります。特に、規制の中でこれは良しと思っておられる役所あるいは団体、こういったところの方々との調整というのはなかなか、私はまだ九月三十日に就任したてのほやほやでございますけれども、その動いておる列車に飛び乗っていろんなことを考え進めましたけれども、なかなか難しい問題がございます。
 ただ、いろんなところでの、どういうんでしょう、御批判等につきましては、やはりパイロットケースということでの御理解をいただきたいと。全国でやろうとしているのではない。一か所、一か所で一遍やってみようじゃないかと。やってみていいようであれば、いいものは飛び火するでしょうし、燎原の火のように全国に広がっていくだろうと思います。もし悪いものであれば、そのリスクというのは、その一か所ふたすればおしまいなんです。面白いか面白くないかから始めてはどうかと、このようなことを私は思っております。
 と同時に、ビジョンはいかがかというような阿部委員からのお話でございますが、大それたビジョンのようなのは特にございません。ただ、私は、余りにも税を使っていく主体というものが、この日本の国、多過ぎるのではないかと。そういうことから考えれば、税を支払っていくよという主体の持つ、それを増やしていかないことには私はこの国家の閉塞感というのはなかなかぬぐえないんではないか、経済的にもぬぐえないんではないかと。それの突破口として私はこの特区構想がここにありと、このように理解をいたしておるところであります。
○阿部正俊君 なかなかビジョンといいましても一律にいかないと思いますけれども、私は、行政の分野での規制緩和というのを超えまして、国民の頭に染み付いたといいましょうか、今まで常識化していた物の考え方というものをどう変えていくのかということにもつながることではないかなというふうな気がいたしますので、これから、そういう意味での特区構想というものをどういうふうに国民の中に、PRといいましょうか、政策論として新しい考え方だということをより定着させていく御努力をお願いしたいなと、こんなふうに思います。
 既存の秩序の一部の手直しという、あるいは既得権の引きはがしといったふうなことを超えて、新しい物の考え方で日本というのをこれから再生していこうじゃないのと。そのための一つの手掛かりがこれではないかというふうな発想でやっていっていただきたいなと、こんなふうに思います。
 そういう意味で、今回の特区構想のスタートは、言わば自治体からの申請といいましょうか、というものを待って事が動くというふうな仕組みにはなっておるように思うんでございますけれども、そうしますと、どうしても従来の許認可行政といいましょうか、出てきたら初めて、これがいいか悪いかというコントロール、特に安全か安全でないかとか、余計なことにならないかとかというようなことで見て、それで安全ならばやりましょうというような発想とはちょっと違う、特区構想の本来の思想というのはちょっと違うんじゃないのかなと思いますので、できますれば、できますればといいましょうか、是非そうしてもらいたいんですが、待ちの姿勢でやるのではなくて、むしろ特区構想の売り込み隊を編成しまして、言わばその営業活動をしてもらいたい。変な言い方でございますけれども、待ちの姿勢で判こつくという発想じゃなくて、特区構想というのをどうやって国民の中に根付かせていくのかということですね。それは必ずしも、個々の問題を超えた物の考え方の新しい発想なんじゃないかと。
 場合によっては、県単位の中での、県の条例でも作って、県の中でも特区構想的なことというのはあり得ると思うんです。そういうものも大いに奨励していくんだということ。あるいは、学校教育なら学校教育の中でも、今、教員の定数がどうのこうのという特例がありますけれども、それだけではなくて、同じ県内でも、ある学校はこうで、ここの学校はこうだというふうな、ある意味での県内の特区といいましょうか、というふうなこととか、様々な部分で私は思想として、考え方として普及していってもらいたいもんだなと、こんなふうに思うんですね。
 えてして我々は、頭の中の、私も含めてでございますが、えてして何か安全志向といいましょうか、チャレンジというようなものを、とんでもない、とんでもないと。そういうところまでいかないで、むしろ石橋をたたいて渡るみたいな発想で、横並び方式で、危険信号も、赤信号になれば絶対車が来なくても渡らないとか。例えば、変な話ですけれども、車は絶対来ないのに赤信号だったらみんな待っているというのは、考えてみればおかしな話ですよね。赤信号であってもリスクを自分でしょう限り、それは法令違反かどうか知りませんけれども、渡るということは私はあっておかしくないと思うんですね。合理的な発想だと思います。そういうふうな物の考え方にもつながっていくのではないかと。
 みんなで渡れば怖くない方式じゃなくて、みんなで渡るべきも渡るけれども、一人で判断してリスクをしょってやるということが、ある意味ではこれからの日本の活力の源泉なんではないかなというような気がしますので、ちょっと話が長くなりましたが、できれば、言わば特区構想、待ちの姿勢で出てきたら認可するという発想じゃなくて、むしろその営業活動をしてもらうというふうな発想でこれからの行政を進めてもらいたいと思いますけれども、この辺、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 正に、やる気のある人がどうも意欲をそがれるような風潮があるのではないかと、委員が御指摘のとおり、私も思っております。特に、役所の中にそういうのが蔓延をしているのではないか。中央省庁だけに限らず、地方、市町村に至るまでそういうものが蔓延しているような気がいたします。ですから、沈滞ムードが漂い過ぎていると、このように思うわけであります。
 その中で、この特区構想というものは、地方の中から、地方の経済活性化、あるいは先ほど申し上げたいい意味での面白さというものが、ここで規制を外すことによって活性化する、あるいは面白くなるというような発想の下に、地方の、特にやる気のある役所に勤めておられる方、やる気のある企業に勤めておられる方、そういう方の発想を大いにちょうだいをしたい。そして、できないものはどうやればできるか、できるのはどうやって早くやるか、こういう基本姿勢に基づいてこれからも進めていきたいと思っております。
 ただ、七月にこの構想ができまして、八月三十日締切りの第一回の提案募集でございました。その中で、私は、四百二十六、よく出てきたなというふうに思っております。四百二十六の提案があったということです。それを精査をいたしましてただいま法案審議をちょうだいしているわけでございますけれども、第二弾といたしまして、一月十五日締切りで第二次募集ということをもう既に始めておるところでありまして、八月三十日の時点では私はこの構想の中にはおりませんでしたけれども、今回の一月十五日締切りの提案募集の中には鴻池祥肇、おらせていただいておりますので、国会が終わりますれば、この法案が成立をさせていただくことができました翌日から、できる限り全国PRに、あるいは放送を通じ、あるいは雑誌を通じてPRにこれ努めてまいりたいと、このように考えております。
○阿部正俊君 是非お願いいたします。
 率直に言いまして、特区庁というのがあるわけじゃございませんので、お役人の方の方も言わばうっかりすると各省からの寄せ集めのようなことになりかねないわけで、やはりそのままにしておきますと、大臣をサポートする言わば役所の人たちも相当その気になっていただきませんと、うまく回転しないんじゃないかなと。
 鴻池大臣がいかに行動的で能弁であっても、三百六十五日地方を駆け回ってもらうわけにはいきませんので、どうか態勢の方も、役人、審議官以下、室長以下、特区にかかわる人たちの思いというのを、やはり特区によって日本を変えるといいましょうか、そんな思いでひとつ取り組んでいただきたいなと、こんなふうに思っております。
 いかに積極的であっても私は決して間違いではないというふうに思います。時には役人の道を踏み外してでもやるんだというふうなくらいの、当たり前です、中央官庁の役所が枠を飛び越えないで、間尺に合ったものだけやっていたのでは日本は変わりません。むしろ中央官庁の役人の使命はいかに枠を突破するか、それをむちゃくちゃなことじゃなくて、正義と、何というんでしょうか、善かれと思うことが合致すればこそ踏み越えて結構だと思うんですけれども。必ずしも法律違反しろとあえて言いませんけれども、何でもかんでも間尺に合ったものは通し、間尺に合わないものは駄目というふうに言うのは役人じゃございません。それは言っちゃなんですけれども、どこかの小さな第一線の窓口なんかはそういうことも結構だと思うんですけれども、少なくとも中央官庁でキャリアとか言われる者はそういうことをやっちゃいかぬと僕は思うんです。むしろ国を変えるということであってほしいし、逆に言うと、人が変えるんですから、人が変えるということは既存の道筋から踏み出すということが役所の使命じゃないかと、非常に極端に言いますとですね、というふうに思います。
 どうかひとつそういう意味で、鴻池祥肇の行動力、思想というものを支える心意気で政務官以下、室長さん、審議官、是非ひとつそんな思いでサポートしてもらいたいというふうに思っております。お願いします。
 さて、より具体的な話に入りますが、この法律の目的の中に、経済社会の構造改革と地域の活性化という表現がございます。地域の活性化とは何かということをもう一回考えてみる必要があるんではないかというふうに思います。例えば中心市街地の活性化とか、もう何度も言われました。ある意味でいろんな意味で活性化、活性化と言います。でも、活性化といいますと、何となくお金が飛んできて、何かそこでお金が落ちて懐が豊かになるみたいなのが活性化というふうに理解されてきた嫌いはないのかなという気がいたします。
 活性化というと、すぐ何か物がたくさん売れるとか、あるいはお金が増えるとかというふうなことを連想するんですけれども、地域の活性化というのは、必ずしも私は、これからの社会、私は成熟社会とかいう表現を使っておるんですけれども、今までの例えば公共投資の議論の中でよくされるんですが、可処分所得が多くなれば世の中がうまくいくという発想ではなくて、それぞれのむしろ個性といいましょうか、持っている特性というものを強調していくようなのが活性といいましょうか、ということにつながるような気もするんですけれども。ここで言う地域の活性化というのは、従来型とはできたら少し違った感覚でとらえてもらいたいものだなというふうに思うんです。
 経済的な貧しさから見ると、昭和二、三十年、私らが小さかったころから比べれば今夢みたいなものです。それをさらに経済的な可処分所得の増加だけを活性化みたいに考えていたら、永久に私は来ないんじゃないかなという気がするんですよね。それは極論ですけれども、むしろそれぞれの地域の特性みたいな個性というものを出していくんだというような発想での活性化ということにつなげてほしいと思うんですけれども、この辺につきまして、今度の特区構想の目的にも書いてございますので、活性化という意味について少し御見解をお示しいただければ有り難いと思うんですけれども、いかがでございましょうか。じゃ、政務官、お願いします。
○大臣政務官(木村隆秀君) 先生御指摘のように、今私どもが考えております地域の活性化、大変幅広い、今回の法案を成立させていただいて地域から声を上げていただくと、地域の知恵と工夫によってとても幅広い活力が地域に出てくるのではないかなと思っております。
 ただ、まず最初に考えなきゃならないのは、いろんな事業をしていく上で持続的な経済力というのも大切であろうと思います。地域の特性を生かした産業を発展をさせていく、これも大切ではないかと。その産業の集積を図るための特区ということもあってもよかろうと思います。
 ただ、経済だけではなくて教育、福祉を始めとするあらゆる分野で質の高いサービスを、そしてきめ細かいサービスを住民に提供していただく、そういうことにつながっていけば有り難いと思いますし、そういうサービスが提供されることによって住民の皆さんもいろんな選択肢が広がってくるでありましょう。そして、事業者もそういう中で切磋琢磨をして競争していただくことによって、住民に更なるサービスの向上が図られていく。今回のこの構想でもってそんなことになればいいな、そんな思いをしながら今審議をお願いをしておるところでございます。
○阿部正俊君 できれば更に踏み込んで、活性化というのは、私は経済ももちろんそうでしょうし一つの分野だと思うんですね。
 例えば、私の田舎なんかでは非常にお年寄りが多い、年齢的に言えばですよ。お年寄りが結構多いんです。それはもう従来の発想ですと人口が減る、年が取る、非常にしんどいしんどいというような発想ですけれども、でも何かよくよく考えると、何かそれを望んでおってもいつまでたっても地域の活性化というのは達成はまずされないんじゃないかなと思うんですね。むしろ、お年寄りだったって元気にやれるよというふうなことを目指してやるというのもむしろ活性化なんだろうというふうな気もするわけですよ。
 だから、今までの、私流に言えば高齢社会じゃなくて若齢社会というふうな表現を使っていますけれども、あえて、高齢社会でない社会をですね。若齢社会の社会で培われた発想というか常識を言わば持って活性化、もっと多い所得というのを考えたら永久に来ないんじゃないかと。むしろそうじゃなくて一定レベルに達した社会の中でどうその地域の独自性といいましょうか特性というものを出していくという発想が要るんじゃないかと。むしろ、お年寄りになることが怖いんじゃなくて、年を加齢、年を取ることが怖い、年寄りが増えるのが何か恐ろしいという発想じゃなくて、そういったような年齢構成の中でみんなで更に元気よければそれはそれでいいんじゃないかなというふうな発想があるんだと思うんですね。そういうふうな物の考え方の転換もしていっていただければ大変有り難いなということをあえて申し上げておきたいと思います。
 それから、次に進ませていただきますが、今回の制度は、計画の申請ということ自体もどうかなと思うんですが、一応しようがない、手続としてそうなるんでしょうけれども、申請主体はあくまでも地方公共団体に限られているように思うんですけれども。地方公共団体といいますと、県、市町村と、こうなるんでしょうか、ということだと思いますけれども、例えば県なら県でもある地域、むしろ市とか町村とか行政区画にこだわらずに一つの区域というものが、一つの何かの法人組織なり、あるいは協同組合でも何でも結構ですが、一つの主体になればその単位でも、特区といいましょうか特定の、今までの地域社会づくりとは違った地域社会づくりをしたいねというのが合意が形成できれば、私はあり得てもおかしくはないのかなという気もするんですけれども、この辺はいかがでございましょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) お答えを申し上げます。
 構造改革特区計画というのは、地方公共団体が自らの判断に基づいてその地域の活性化を図るというものでございまして、また規制の特例に伴って必要とされる措置というものも地方公共団体が主体的に取り組むというものでございますので、計画の申請主体というのは地方公共団体というふうにしているところでございます。このため地域の住民というようなものが直接の申請主体というわけにはいきませんが、地方公共団体が計画を策定するに当たって、地域の住民の意見をよく聞くということは期待しているところでございます。
 また、特区の対象となる区域につきましても、地域の自発性というものを最大限尊重するという観点から、計画の内容に応じて当該地方公共団体の自らの判断によって設定するということでございますので、特区の範囲につきましては市町村の範囲を基本としておりますけれども、市町村がまとまってやる、あるいはそれを超えて都道府県と共同してやる、あるいは都道府県の範囲でやるというようなことも考えられているわけでございます。
○阿部正俊君 今触れられたんで確認ということになりますけれども、それじゃ県の中でも、県が申請主体のときには全県で影響を受けるということ、影響というか、ある特例の適用を受けるということでなくてもいいわけですね。同じ市町村でも、市町村の中の一部の部分だけに適用されるというようなこともあり得るということを考えていいんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) そのとおりでございます。
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 できるだけ、何というか、できれば本当に市町村ということに、行政とは特例的かもしれませんけれども、かかわらずに、特段の異議がなければぐらいを聞いて特区として認めてやるくらいの発想でやってもらいたいものだなというような気もいたします。これは要望でございますが、できるだけ言わば、言わばというか何というのかな、日本ではどうしてもやっぱり行政区域というので何でも考えて、むしろ商店街とか市街地とかあるいは住宅地とか、独自の行政区画とは違ったある種の自治ですね。私は自治だと思うんですよ、やっぱり。そういうものを尊重して育てていくという風潮が余りなかったような気がするんですよね。
 私以外はすぐ行政と。私と行政との間の給付のやり取りとかサービスのやり取りとかばかりやって、区域としてどうするのかねというふうな発想というのが、例えば昔流でいえば自治会だとか隣組とかということにすぐなっちゃうんですけれども、そういったような言葉はともかくとして、もう少しやはり自主的な区域としての取組というのを公式にやはり認めていくという方向が私は要るのかなという気もするんですよ。
 今地方公共団体という表現がありますけれども、本当は自治体なんだと思うんですね。地方公共団体というふうな表現というのは何かこういかにもあれなので、自治というものの一つの集合体でありますので、自治というのは、したがってもっと小さな区域にもあるし、行政区画とまた違った自治というのもあり得るのではないかなと、こんなふうな気がしますので、そんな発想もこの特区構想の中の区域の適用だとかいろんな規制なりをやめるとかいうことについては是非十分頭に入れてやってもらいたいものだなと。一つの自治意識の涵養といいましょうか、主体性と責任の問題ではないかなという気もするんですけれども、これを人任せに行政任せにしないで自分たちでやろうやということを是非推奨していってもらいたいと、こんなふうに御要望を申し上げておきたいと思います。
 それから、これはちょっと後先になりましたけれども、特区ということにつきましてあえて念のためお聞きしておくのでございますが、従来のいろんな行政の仕組みからしますと、全国一律ということが余りにも一般化してしまいましたので、特区といいますと、あえて聞きますけれども、例えば法の下の平等というのをよく引っ張り出されます。というようなことのときに、特区というのが果たして、こんな聞くまでもないことかもしれませんけれども、一応整理しておく意味で、法の下の平等ということから見て特区というのはどういうふうな位置付けになるのか。これから先も県なり中でもそういう特区的な発想が出てくると思いますので整理しておく必要があろうかなと思いますので、まず、法の下の平等における特区制度というものの意味といいましょうか、についてちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 地域の特性に応じて異なる規制の特例を設けることについて、個々の規制について規定する法律の目的に照らして合理的な説明が可能であれば、法の下の平等の問題は生じないものと考えております。
 また、今回の制度においては、すべての地方公共団体が地域特性に応じた計画の作成、申請を行うことができる機会がございますので、法の下の平等ということでこの特区構想は進められると考えております。
○阿部正俊君 原則的には承知いたしました。
 と同時に、やっと具体的な特区のいろんな例が出てきますと、ある程度の線引きというのがどうしても必要なのかなと。例えば変な話ですけれども、公序良俗に反するような特区みたいなものが出てきたら、これはやはり拒否しなきゃしようがないかなという気もするんですけれども、かといって、その辺の何が駄目なといいましょうか、むしろ私は、私の希望としては、例えば公序良俗に反するとか、あるいは他に先駆けて、他の犠牲の上に立って自分の利得だけを得るとか、これも公序良俗かもしれませんけれども、そういうもの以外は原則認めますよぐらいの大きな気持ちで僕は対処してもらった方がいいんじゃないかなというふうに思いますけれども。
 どういう部分が、何か抽象的で恐縮ですけれども、線引きの、抽象的な表現しかどうしてもできないと思いますけれども、どういうものを特区として容認されるか、こういうものはどうしても駄目よというふうな何か線引きみたいなものがあればお示しいただければ大変有り難いなと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 阿部委員が例えばのお話がございました。正にそういうものが基本的なベースとしてあるわけでございますが、地域に限定をして規制改革というものが行い得ないもの、例えば株式会社の資本金を山形市だけぼこんと下げると、こういうことになりましたら、登録はそんなに安い資本金で会社ができるならということで山形市に全部集まってくると、そういうようなものもやはり外さなきゃいかぬ、そういうふうに思いますし、税にかかわる問題あるいは補助金の使途の拡大、こういったものにつきましても、今回の四百二十六の提案の中にも一部そういう誤認のところがありましたので除外さしていただいたと、こういうことでございます。
○阿部正俊君 その例として、ちょっと、あるいは答えにくいのかもしれませんけれども、例のカジノ、これについて議論のよく対象になるんでございますけれども、差し支えなければ、地方自治体で非常に、何がしかの条件は付けなきゃしようがないかなという気もしますけれども、原則論としてはどんなふうなお考えなのか、お聞かせいただければ大変有り難いと思いますけれども、どうでございましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) この前の予算委員会でも松谷蒼一郎委員から私に質問がありまして、その折にお答え申し上げたんですが、まだやったことがないんです、私。それで一度勉強しなきゃいかぬなというふうに思っているところでございますが。
 いろいろ調べてみますと、地球上の、国連加盟国のうち百十二か国、国連加盟が百八十九ですか、その百十二か国がカジノオーケーと、こういうことになっております。そして、オーケーと言っていない国はどういう国かといいますと、イスラム圏、共産主義圏、あるいは砂漠が大変多い国、ジャングルが非常に多い国、こういうイメージで御想像いただけたらいいと思いますけれども、駄目な国の中に日本は今入っております。いや、だからやるべきだという意味じゃありません。これはやはりそれぞれの住民といいますか、カジノをやってもいいという合意というものはなかなか難しいと思います。
 ただ、今回提案してまいりましたのは五件ありました。宮崎、大阪、加賀、東京荒川区それから岐阜、この五件がカジノをやりたいと、やったらどうかと、こういうことで御提案がありました。ただ、これは刑法にもかかわることでございますので、今回はちょっと熟せずというような思いで横へ置かしていただきました。一月十五日の締切りの提案にもまた出てくるかも分かりません。
 ただ、私の個人的な気持ちとすれば、捨てたものではないと、このように思います。いろんな大好きな人の話を聞きますけれども、大変明るく気持ちよくそれぞれの国ではやっておるというような話も聞きますし、いわゆる雇用の問題、活性化の問題等をこちらから見ればこれは捨てたものではないなということで、相当、石原知事からもどうだどうだと、こういうふうに言われておるところでございますが、今のところは横にちょっと置かしていただいているというところであります。
○阿部正俊君 ありがとうございました。私も実は余り、一回だけあるかな、外国に行ったときにありますけれども、本当に千円、二千円ぐらいの話で本格的にはたしなんだことはないんでございますけれども、私はむしろ、何というのかな、多様性というものを容認し合う社会の一つの例として、私は決して忌避されるべきものではないじゃないかというふうな気がするんです。
 例に出して恐縮でございますが、せんだってのサッカーくじについて論議があったときに、何か子供たちに悪影響を与えるとかいうことを大人がある意味では勝手に決め付けるといいましょうか。百円ですよね。だけど、お年玉を一万円、二万円もらっている世の中ですよね。そういう中で百円、二百円のサッカーくじについて教育上問題があるとかないとかという議論が出てくることが何となく私は何かまだ大人じゃないな、こう言っちゃ変ですけれども、もうちょっと何か多様性を認め合える社会になってもいいんじゃないかなという感じも実はしたんでございますけれども。こういったふうな特区制度の問題なんかについても、同じように国民の全体が何となくそういうふうにならないから駄目だよということだけにこだわらずに、どっちかというと国民にいろんなモデルを示していく中でその合意、合意といいましょうか認証されるような状態を作っていくというような発想が要るんじゃないかなという。
 我が国の言葉、政治的にもよく使われる言葉で、役人さんも使われるんですが、国民合意という言葉がございますけれども、私は、国民合意というのは決してないと言っちゃなんですけれども、それで事を判断するというのは非常に主体性のない判断ではないかなという気もするし、そういう意味ではさっき言ったように実証的にやってみて、それでどうなんだということでの検証の方がむしろより合理的なんじゃないのかなという気がするわけなんで、どうかカジノの問題も私はそうしたふうな実証的にやってみようじゃないかというふうな発想の中で取り組んでいただけるようにお願いできればなということを御要望申し上げておきたいと思います。
 さて次に、今回の特例法の中にも幾つかのポイントが入っていますけれども、特に教育とか医療とか福祉とかいうふうな分野は、私は基本的にはやはり原則はどうも公共財だということから見ても市場原理ということにはなかなかなじみにくいものであろうということは思います。したがって、これを全くの言わば裸でといいましょうか、野っ原に放して、それで市場原理で事をなしていくということがなじむものではないと。いいか悪いかという判断じゃなくて、なじみにくいんじゃないのかなという気がしますけれども、果たしてこのままでいいのかなということ。
 さっき言った実証的に物を考えていくということから考えますと、私はもう少しいろんな手法があってもいいのかなということで、一部福祉なり教育なりについて一部取り入れられている動きがありますけれども、まだ多少正直言ってほんの一歩前進というふうなことまでいくのかどうかという感じもしないでもないんで、本当に、九十度反対、反対ではないけれども全然別な性格のを実験してみようというようなことからすると、少し食い足りないんではないかというふうな気もしないわけでないんですけれども。
 従来、この分野についてはやはり一律にやるというのが、一律平等主義と言っちゃなんですけれども、それがどうしても色濃く残っていたわけでございますけれども、やはりこの分野でも何というか国民が最終的に受益者であり利用者であり、それなりの税金なら税金を出し合ってみんなでそのサービスを使用していく、確保していくということでございますので、国民に選好、選ばれるサービスと。
 それから、時代後れになったといいましょうか、あるいは対人、例えば教育にしろ福祉にしろ医療にしろ、全部対人サービスでございますので、対人サービスとしてそれなりの評価が受けなければ廃れていくといいましょうか、というものはむしろ私は市場原理とは全然別な論理として絶対必要なことなんじゃないのかな、こう思うんですね。えてして、市場原理というものはなじみにくいんであるけれども、えてしてそういうものすらも禁止するといいましょうか、何となく忌避してきた面がありはせぬかなというふうに多分自戒の念も込めて実は申し上げているんでございますけれども、その辺も今回の特区制度で一つの方向性が取られようとしているのではないかと思いますけれども。
 この辺につきまして、まず今、そうですね、今日は文部科学省と厚生労働省も来ていただいていますか、両省にお尋ねしたいんですけれども、今回の特例法、二つそれぞれ書いてございますけれども、教育とそれから老人福祉関係のありますけれども、そうしたふうな私の考え方について、今の制度で、何というか、株式会社なりなんなりが悪いといいましょうか、どうしてそんな悪いと言えるのかということと、それから今の制度の中で私が言ったある種の切磋琢磨といいましょうか競い合いといいましょうか、というものがちゃんとできているかどうかということについての評価を、二面からちょっと御説明いただけますか。お願いします。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の教育の多様性ということは大変重要だろうと認識をしております。したがいまして、様々な形でのミニマムを確保しながら多様性が求められており、それにこたえるべく施策を講じているわけでございます。
 教育の分野におきましても、そういう意味で民間活力を生かしていくということも大変重要でございます。したがって、公共性を担保しながら同時に民間活力を生かすという形で、実は日本の私学、学校法人という形を取って今大いに実績を上げていただいておるわけでございまして、そのときに、実は株式会社も学校法人という形を取って多くの株式会社が今大学等で運営をされております。私どもは、こういう形が更に進むようにと、こう思っておりまして、最近では、実は地方公共団体と学校法人が協力していわゆる公設民営の形での私立学校ということも今増えてきておりますので、これもまた多様化の一つの方向かと思っております。
 ただ、学校法人への参入はなかなか要件が厳しいということがございまして、したがいまして、今回、構造改革特区におきましては自治体の提案に実質的におこたえし、そして企業が学校教育に参入したのと同様になるように、例えば専門職大学院あるいは不登校の児童生徒を対象とした学校など特定の種類の学校の設置につきましては実は学校法人の設立要件を大幅に緩和する、すなわち校地、校舎の自己所有要件を撤廃すると、こういった考え方で民間活力を大いに活用してその自治体の御要望に是非こたえていきたいと、かように思っているわけでございます。
 ただ、教育は、やはり委員も先ほど公共財というお言葉をお使いいただきましたけれども、やはり利潤を追求するというものではないものでございまして、極めて公共性が高いわけでございますので、利潤の追求を目的とした株式会社が学校を直接設置するということについてはやはりいかがであろうかと、こう思っておりますので、やはり学校法人という形を参入しやすくいたす中で大いに民間の方々の活力が生かしていければいいと、かように考えているわけでございます。
○政府参考人(近藤信司君) 後段の御質問にお答えをいたしたいと思います。
 先生御指摘にありましたように、我が国の学校教育におきましては、これまでややもいたしますと過度の平等主義あるいは画一主義に陥りがちであったんではないかと、こういった指摘があるわけでございまして、こういった点につきましては私どもといたしましても真摯に受け止めているところでございます。
 文部科学省におきましては、昨年の一月に二十一世紀教育新生プランというものを策定をいたしまして、現在、これに基づき教育改革を推進をしてきているわけでございます。
 具体的には、やはり良い教育を行うためには教員、これは大変大事でございますので、各教育委員会におきます教員の評価システムの改善でありますとか、指導力不足教員に対する人事管理システムを構築をする。昨年法律を改正をいたしまして、児童生徒に対する指導が不適切な教員を教員以外の職に転職をしていただく、教壇に立たせない、立っていただかない、こういったような制度を作ったわけでございますし、また学校運営につきましても自己点検評価、こういったものを推進をしていく、あるいは地域住民が学校運営に積極的に参加し、やっぱり学校と地域との連携を一層進めていくんだと、こういう新しいタイプの公立学校の運営に関します実践研究を今年度から実施をしておるところでございます。
 また、やはり選択ということも大事でございまして、各教育委員会におきます通学区域制度を弾力的な運用を行いますことによって学校選択制というものをより拡充をしていく。これもまだ数は十分ではございませんが、年々少しずつ増えてきておると、こんなような状況がございます。
 また、大学について申し上げますならば、現在、国立大学の法人化に向けての検討を進めておるわけでありますけれども、民間的な発想のマネジメント手法を導入することなどによりまして、大学もまた構造改革を推進をしていく必要があろうかと思っております。
 あるいは、この今国会におきまして、学校教育法の一部改正法案を成立をさせていただきました。大学の質の保証と向上のために新たな第三者評価制度、こういったものを導入をすると。大学がもっともっと、自己評価も大事でございますけれども、第三者から評価されることによって大学がより充実をしていく、研究、教育、いろんな面でそのサービスが充実をしていくと、こういったことも大事だろうと思っておりまして、そういった施策を今推進をしているところでございます。
 教育の公共性というものに十分配慮しながらも、委員御指摘になりましたように、多様性あるいは画一から自立と創造と、こういった方向に向けた教育改革に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 医療、福祉の分野につきましては、これは先生御承知のとおりでございますが、サービスの内容は国民の生命や生活と密接にかかわるものであること、それからサービスの大半が保険財源や公費で賄われていると、こういった他の分野と異なる性格を有しております。
 このために、御指摘の株式会社の参入を含めまして規制改革を進めるに当たりましては、第一に、サービスの質の低下を招いたり、あるいは安定的な供給が損なわれることがないか、そして逆に、過剰なサービスの供給が行われる結果、保険料や公費の過大な負担とならないか、こういった観点からそれぞれの分野ごとに検討を行うことが必要であると考えてございます。
 こうした検討を踏まえまして、具体的にこの特区法案におきましては、公設民営方式あるいはPFI方式の下での特別養護老人ホームへの株式会社の参入の一つの在り方というものが、提案が含まれているわけでございますが、正にこういった不安を払拭するものとして、自治体が関与の下で特別養護老人ホームへの株式会社の参入の一つの姿というものを特区法案において含めたものでございまして、ここでの実際の結果というものを十分今後とも見守っていきたいと、このように考えております。
 一方、先生御指摘ございました医療、福祉の分野におきましても、より良いサービスが選択されるようにする、その環境づくりをするということは私どもも必要であると、こう考えてございまして、具体的に申し上げますと、例えば、措置制度から選択制への移行でありますとか情報提供あるいは第三者評価の推進、こういった事柄を通じまして、患者や利用者が適切なサービスを選択できるような環境づくり、これを進めてきたところでございますし、これからもその方向で進めたいと考えてございます。
○阿部正俊君 教育と福祉、医療についてお話があったんでございますが、やっぱり、特に市場原理云々というような大きな問題としてはあるわけですけれども、特に後段の方に言った、私が申し上げた、競い合う中で国民にとってコストパフォーマンスをいい形でサービスを提供していくには、それを害していないかということは常にチェックしていかないと、要するにそれなりの強制的な徴収なり保険なり税なりでやっているわけですから、余り、常に何かいいことをやっているんじゃないんじゃないかなというようなことを疑念を持ってチェックしてもらいたいというふうに思うんですよね。
 えてして規制改革委員会の中で株式会社参入とすぐ出てくるのは、逆に言うと、その辺についてどうももどかしさがあるんじゃないかと、国民一般に、というふうな面がありますので、是非そうしたふうな議論に解答を与える意味でもしっかり、いいものが伸び、悪いものは駄目になるよと。社会福祉法人にしろ学校法人にしろ、例えば法人が解散して倒産したらどうなるかみたいな規定というのは余り想定していないと思うんですけれども、本来そういうものはあり得るということを前提にして、いいものは伸び、悪いものは駄目になるというのをインセンティブを働かせる、費用負担にしても何にしても、というふうなことにしてもらいたいなということをあえて望みますし、あと、できますれば大臣、この辺について、これから先のこととしてどんなふうにお考えなのか、お聞かせいただければ有り難いなと思いますけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 阿部委員も御出身にもかかわらず柔軟かつ大胆な特区構想についての御意見をちょうだいしましたことに、大変心強く感ずるところであります。
 今私がここで強く意見を申し上げますと、両方にぶすっとした顔をして座っておられますから言いにくいんでありますけれども、私はやはり役所だけの論理というものから、やはり民の気持ちというものを酌み取ってほしいということを強くここで申し上げたいと思います。
 全国一律に全国のお医者さんを株式会社にするべきだとは一切言っておりません。全国の学校を株式会社にすべきだと言っているわけじゃない。例えば東京の千代田区に、最先端の医療機器を買って、そして正に優秀な外国人の医者も入れ、日本の優秀な医者も入れて、そして最先端の医療あるいは研究をやっていこうと。それは、株式会社として資本を多く集めて、最高の医療機器も購入しようではないかという構想であります。
 これは私は医療のことはよく分かりませんけれども、例えば脳に障害を来したと、クモ膜下。これは私は活字で読んだだけですから自信はありませんけれども、日本の医療ではクモ膜下というのは頭をぽこっと割って、そしてそこで治療をしてふたする。最先端は頭を割らないで血管だけで治療すると。らしいんです、新聞を読んだだけですから。それの後遺症が残る率、死亡に至る率は、頭を割るよりも血管だけで治療した方がよっぽどいい。そういうことをまだ日本では一割もできていない。それを一か所先行的にやってみたらどうかというのに、どうしてそんなに世の中がひっくり返るような反対をやるのか不思議でしようがない。
 学校にしてもそうだ、学校にしても。文部省の方針に不信感を抱いているからこういう問題が出てくるんですよ、そうじゃないですか。どうですか、余暇を与えて土曜日どうしようもないから、学校の先生は塾の先生を呼んできて授業をする、こんなばかげた教育がありますか。試しに小中高一貫の株式会社に一遍やらせてみたらどうですか。全国やれと言っているわけじゃない。私は、そのように思っております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 是非それぞれの分野の特性というのを、広い意味での公共財だということを御認識いただいた上で、それの進歩が止まらないように、あるいは今言ったように、一律にすることによっていいものは残り駄目なものは廃れていくということになっていない面がないかということの、ある意味の不信といいましょうか、というものが、こたえる意味でも、いろんな私は実証的な試みというのはなされていっていいし、それを絶対駄目だということで拒否される理由もないのではないかなというふうに思いますので、どうかひとつ大臣、第二次以降で十分閣内全体で御議論いただいた上でお取り組みいただければ有り難いなということを御要望申し上げておきます。
 それから、その中でちょっと個別問題でございますが、今回の法律の中で港湾法の特例法あるいは研究交流促進法の特例、いずれも言ってみれば公共財産の民間使用ということですよね、一言で言いますと。港湾についても公共財産だから民間会社に貸してはいかぬみたいな話になっているんでしょう。それから、国立の研究機関の施設についても民間会社に貸してはならぬとかなんとかになっているんだと思うんですけれども、どうもこれは一律に、行政財産と言いますと一律に民間会社に貸してはならぬというふうな、例えば使わせてはならぬみたいな原則がどうもあるみたいなんですね。
 公共財産というのは何なんだと、一般行政財産というのは何なんだということ。それは、どうも、例えば、卑近な例で言いますと、公務員というのを民間会社との接触を何か絶対隔離するという表現になっているはずなんです、公務員法の何条かに。それは、民間会社と隔絶することが公益なんだみたいな何か最初から前提があるような気がしてならぬのです。行政財産も同じなんじゃないでしょうか。
 そうしますと、私は行政財産というのは、何か役所の人間が使うからよくて、その他の民間会社が使うから悪いという発想自体を少し直してもらうべきなんじゃないかと。より大きい公益のために実現するためには、行政財産といえどもというか、当たり前のことですけれども、より大きい公益のためにはだれが使用するかというものも、それが目的のために分けているんじゃなくて、えてして私益に使われがちなものだからそうしているだけでございまして、より大きな公益のためには、そうしたふうな民間会社なり大学の研究施設を民間会社が来て使うとかいうことで一定のより大きな公益の実現のために役に立つなら大いに結構じゃないかというふうな発想を転換してもらう必要があるんじゃないかと。
 たまたま今回は港湾法の港湾施設とそれから大学のこういう公共財産、一般財産をその対象にしていますけれども、何か元々の原則としてその辺の発想自体を変えてもらう必要があるんじゃないかなというふうに思いますけれども、これについては、それぞれ国土交通省なり文部科学省なりもおいでいただいていますので、それぞれお答えだと思いますけれども、できれば、もう時間も余りありませんので、できれば大臣なりに、そうした公共財産全体の使い方の問題として、より大きな公益のためには、この二つの港湾法と国立大学だけじゃなくて、公共財産というのをどういうふうに使えば、使っていいのかということについて、もう少し横断的に考えてもらってもいいような気もしますし、そうすると一杯、たくさんたくさんあるんじゃないかなという気がするんですよ。
 というようなことで、御検討いただくような、第二次以降で御検討いただく。大臣としてのお考えをお聞きして次に進みたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。お願いします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいまの阿部委員の御指摘、正にそのとおりでありまして、今回の募集いたしました提案にもそういった部分が相当数含まれておりまして、公共施設を民が使っていきたいというのが相当数ありましたし、これを緩和する方向でこの法律の中にも含まれている部分があろうかと存じます。なお一層、次の機会にも委員御指摘の点を考慮いたしながら進めていきたいと思っております。
○阿部正俊君 国土交通省と文部科学省、ちょっと済みません、せっかくおいでいただいて。それはそれで進めていただくようにお願いいたします。
 余り時間がありませんので次に移りますが、今回のは言わば構想と発想は大きく、一方は慎重にというような感じの法律案になっているんじゃないかなという気がしますけれども、当然のことに、二次募集と通称されているようでございますけれども、もっと本格的な特区構想の将来への踏み出しというのが想定されておるのであろうというふうな気がするわけでございます。
 何か二次募集というと補欠募集みたいな感じでございますけれども、むしろこれからこそが本格化すると、こういうふうに受け止めるべきものではないかというふうに思いますけれども、これから先の、特に二次募集なりについてのスケジュールとか、それからどれくらいのところまで到達しようとされておるのか、あるいは特にこれから先の取り組むべき、特区構想の中に取り入れていかなきゃいかぬなと思えるような分野といいましょうか、分野とか、それからスケジュールとかいうことについてお聞かせ願えれば有り難いなというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 十月十一日の構造改革特区の推進本部において決定されました構造改革特区推進のためのプログラムというのがございますが、その中で、今回のプログラムに掲載されていない規制については平成十五年一月十五日を期限として再度地方公共団体と民間事業者などから提案を受け付けて必要な対応を速やかに行うというふうにされておりまして、十一月七日より、先生御指摘のように、第二次の提案募集を開始しているところでございます。
 第二次の提案募集を受けまして、関係省庁と更に協議いたしまして、特区において規制の特例措置を実施するものについては本法案に基づく基本方針に追加するとともに、法律の特例措置というものを講ずる必要があるものについては本法案に追加するための改正案というものも検討したいというふうに考えております。
 第二次募集でどのような提案、どういう分野がという御質問でございますが、この点については現時点では予見できないわけでございますが、全く新しい提案というものと同時に、第一次提案募集で引き続き検討というふうにされたもの、そういったものや、特に第一次募集では提案が少なかった、十八件と提案の少なかった民間事業者からの幅広い提案というものを期待しているところでございます。
○阿部正俊君 どうかひとつ前向きに取り組んでもらいまして、先ほど申し上げましたけれども、できればその思想というのを、例えば県でも各市町村ごとにそれぞれの特性を生かすようなことをしてくれよというふうなことまで少し浸透していってもらいたいものだなと、思想や考え方を。具体的に規制を緩和するのはこれとこれとこれだというだけではなくて、県でも条例やその他ででもできることはあるんだと思うんですね。そうすると、全市町村共通にということじゃなくて、ある市町村はこうだけれどもこの市町村はこうだよというような施策というのをむしろ出していくことによって、住民の意識も変わってくるのかなという気がするんですよね。
 私も介護保険の実施のときに非常に矛盾を感じたわけでございますけれども、言わば自治として考えたわけですね。そうすると、介護保険料なんてそれぞれの地域で違ってくるのは当たり前なんですよ。そうすると、格差が出るんじゃないかとすぐ出てくるんですよ、日本というのは。
 自治というのは、本来、違うということが前提ですよね、AとBが全く同じなら自治があり得ないわけでございますので。AとBが、サービスが良ければ保険料も高くなる、例えばですよ、こちらはサービスは小さいけれども保険料も安い。当たり前じゃないか、それが自治なんであると、こう思うんですけれども、どうしてもそういう発想をすると、AとBは格差が出るんじゃないかと、こうすぐ言ってくるんですよね。そこは、言わば自治というのと差というのとはおのずと、何というか、同じレベルだけを考えると差と考えますけれども、特性と考えれば本来違って当たり前の話なんで、そうしたふうな発想を地方自治体の中にも育てていってもらいたいなと。
 それをひとつ慫慂するのが特区構想なのではないかというような気もしますので、他省庁にそんなことも働き掛けていただきまして、そうしたようなことを実現するように、二次募集以降、そうしたことで働き掛けていただきたいなと、こんなふうに思います。
 最後に、ちょっと逆の聞き方をいたしますので、誤解しないでお聞きいただきたいんですけれども、私は、特区構想というのは規制緩和というのが中心だろうとは思いますけれども、一面、これからの社会づくり、特に都市づくりというふうなことになりますと、どっちかといいますと、規制緩和というよりも、私どもの社会は、日本はある面では余りにも得手勝手過ぎて、規制がなくて言わばスプロール現象になっている面がないのかなという気もするわけです。
 町づくりというようなこと一つ考えましても、どうしても一つの共通の価値を生み出すためには、私益を犠牲にしないと実現できないという部分があるはずなんですね。それが町ではないかなと、逆に言いますと。
 個人個人の商店街の活性化というのをよく言われますけれども、それが行政目的かどうかというのは、私はよく考えてみる必要があるんだと思うんです。むしろそこは、町とすれば、例えば一階は私有地ですからしようがない、今更国有にできませんので、私有地ですから個人個人の商店で結構ですけれども、例えば共同的にみんなで合意して、二階、三階には必ず公営住宅を造ります、その使用権は全部市に渡しますというくらいの発想で、人が住んで初めて町じゃないかなという気がするわけです。それを今の状態では、何か歩道を、電柱を地中化しましょうとかあるいはタイル張りにしましょうとかということで、人が住んでいない、それでシャッター通りになるというようなことがあり得るんではないかと。
 逆に言いますと、特区というのは、変な意味ですけれども、ある意味では区域を限ってむしろ規制を強化するといいましょうか、強化というのは変ですけれども、もちろんそれは住民への強制じゃ困るんですよ。強制というか、お互いのその区域の特性を出させる、さっきの活性化というのはそういうことなんです。特性を出させるためには、何も規制を外すというのがすべていいんじゃなくて、私は、町づくりが少し日本は成功していると言えないのは、どっちかというと私権第一主義に余りにも傾き過ぎた結果なんじゃないかなという気が率直にするわけですけれども。
 そういう意味で、今の町づくりとか、あるいは僕はタクシーを見るといつもそう思うんです。あれだけ東京に無駄なタクシーが走って、だれも乗っていないタクシー、実際に乗っているタクシーさんなんかもう五割切っていますよね。それで、待ち時間はえらく長い、いざ雨が降るとなかなか来ないという、あれが公共交通機関なのかなと正直に思います。一方で、値下げ競争で、何か知らぬけれども、どんどんどんどん安くなっていますし、変な話だけれども、サービス強化とかいってお絞り配ったりキャンデー配ったりしている。こんなものは公共交通機関としてのタクシーの役目じゃないですよね、そんなことに神経を使わせて、一方では何かある種の過酷な労働みたいなのが強化されているというような実態は。空車が走っていて、地球温暖化にとっては非常にマイナスな現象が放置しているわけですよね。それで、タクシーというのは、言わば私は自家用車の代行じゃないと思うんですよ。公共交通機関ですよね。
 そういう意味から見ると、別途の何か規制緩和、とにかく外していけばいいだけの話じゃなくて、別に護送船団やれと私は言うんじゃありません。だけれども、それなりの秩序ある、ある種のコントロールといいましょうか、それは法律なのかあるいは条例なのか、あるいは地域としての合意なのか、それぞれあると思うんですけれども、そういう意味で、ある種の規制の強化といいましょうか、というものも視野に置いていただきたいものだなという気がしますけれども。
 構造特区というのは規制緩和というのが中心だと思いますけれども、あえてそのことをちょっと最後に大臣にお聞きして、終わりにしたいと思うんでございますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今回のこの制度におきましては規制新設あるいは規制強化ということもできないわけではございません。できます。しかし、今回の特区の基本的な哲学と申しますか考え方というのは、やはり地域からのあるいは民からの発想によって規制を緩和して、緩和することによって地域が活性化していくということに基本を、軸足を置いているということであります。
 今、委員御指摘のように私も同じことを考えます。規制をすべて外してしまって景色が変わってしまう、日本の風景が変わる、あるいは文化がなくなる、歴史もなくなってくると、これはやはりしっかりとした規制できちっとしておかなきゃいかぬと思います。また、弱者が死んでしまうというようなことであれば規制をきちっとして彼らを守る、そういう規制も非常に大事だと思います。その辺を十分踏まえた上で規制というものを考えていきたい、このように私は思っております。
○阿部正俊君 じゃ、最後に一言だけ申し上げますが、やっぱり規制緩和というのは今までの日本のたどってきた道からしますと今本気でやらなきゃいかぬことだと思いますけれども、一方で公共というものは何なのか、パブリックというのは何なのかということもやはり念頭に置いて、私益と公益との違いをどこでうまく調整していくのかということもまた一方の柱として置いておいて、特区構想というものをより活発にしてもらいたいなということを最後に御要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○長谷川清君 民主党・新緑風会の長谷川でございます。
 今日は横並びで各委員会それぞれ重要な法案審議がされております。その中にありましても忙しいところを割いていただいて渡海副大臣にも来ていただいておりますから、まず順序を変えまして、関係するところから質問をさせていただきますが。
 まず一つの問題は、科学技術の基礎の問題、これは今、創造的科学技術立国という精神に基づいて科学技術基本計画ができております。そういうことについての現在の推移状況について、例えば優秀な日本の科学者が助手まで連れて諸外国に、環境の整ったところへどんどん流出していますね。それも、我が国においては戦後ずっと今日まで〇・三%しか予算がそこには下りてこなかった、なかった。そういう環境の中で、いわゆる戦後の経済は応用科学のすぐ金になる世界で、一本足で今の経済成長を成し遂げてきた。
 私は、これからはやはり二本足で、技術の裏付けなくして、これからのいわゆる今やろうとしております特区をやって、そして規制をなくして自由に競争させて、そしていわゆる利益を上げていこうとする、そういうときの新規事業のベンチャーにいたしましても、ここで特区で規制を外したらベンチャーが育つのか、そうではないと見ております。その規制を排除すると同時に、プラス技術の裏付けがないと、それがドッキングして初めて新しいニーズにこたえる。いわゆる物のマネジメントができている、それが製品化されて市場に回る、こういう条件を整えなければならない一方の要素がこの科学技術の基礎研究。この状況は今正に我が国においては余り軸足になっていない。それを育てようという過程の中にある段階として、今のそういう研究環境の状況というものがどうなっているか。
 そしてまた、副大臣には各省庁ごとにおけるこの科学技術に対する予算の状況というものについてどうなっているか、そういう点をお聞きしておきたいと思います。
○政府参考人(大熊健司君) 科学技術の進行状況、特に研究環境や研究費の問題につきましてお尋ねがございましたので、御説明をさせていただきたいと思います。
 先生御案内のように、科学技術の問題につきましては、平成七年に先生先ほどおっしゃられましたように科学技術基本法が制定されまして、同法に基づきまして平成八年度からまず五か年の科学技術基本計画、これが策定されて、これに従って研究環境の改善につきまして計画的に進めております。
 具体的内容をちょっと申し上げますと、まず第一期の科学技術基本計画、平成八年度から五か年でございますけれども、研究費の目標十七兆円と、こういう目標を立てたわけでございますけれども、御案内のように期間中の経費は目標を上回る十七・六兆円、こういうふうに達成をしております。
 また、基礎研究などの研究人材、この厚みを増すという観点からポストドクター等の一万人支援計画、これも実現を見ております。また、研究者の流動性ということも非常に大事な点でございまして、任期付任用制度に関する法律の制定も同期間中に行われておりますし、また研究評価の問題、この評価につきましても各省で行われる評価の基準に当たる大綱的指針、これも制定をしているところでございまして、こうした施策の実施によりまして第一期の科学技術基本計画において研究開発環境の水準は着実に改善を見たと、こういうふうに思っておりますが、なおまだ問題点はございまして、その問題点を改善するべく平成十三年度から新たな第二期の科学技術基本計画に入っているわけでございます。
 第二期の科学技術基本計画におきましては、先ほど研究費の問題、十七兆円と第一期目標は掲げましたけれども、さらに政府研究開発投資の総額を二十四兆円という目標を旗印として掲げてございまして、また第一期の科学技術基本計画の中ではどういう分野が大事なのかということについて必ずしも明確にしておりませんでしたので、第二期の科学技術基本計画におきましては、御案内のように、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野、これを重点としまして戦略的に重点化を図ろうと、こういうふうなことも計画の中に盛り込んだわけでございます。
 また、優れた成果の創出・活性化のための科学技術システムのトータルな改革、これも推進していかなければならないということで、研究環境を改善するための競争的な環境、特に競争的な環境のためには、そのための研究資金の拡充改革、これも進めております。また、産学官の連携、大学改革あるいは地域の科学技術振興、さらには大学の施設整備などを目標に掲げてございますので、これを着実に達成すべく努力しているところでございます。大学発のベンチャーの問題もこの中の一環としてとらえて努力しているところでございます。
○副大臣(渡海紀三朗君) 今、内閣府の大熊統括官の方から数字も交えてお話になりましたので、少しダブる部分があります。
 少し私の主観を言わせていただきますと、実は平成七年に科学技術基本法という法律を作らせていただきました。議員立法でございました。私も提案者の一人でございまして、一つ大きいことは、やはり長期のちゃんとしたビジョンを持って国が責任を持って基本計画を作るということ、また同時にそれに財政措置を講ずるという、最近基本法ばやりでございます、その後いろいろできたわけでございますが、当時としては大変難しい法律でございましたが、これは、当時の政権の枠組みは全然違いますし、政党も違いますが、各政党御協力をいただいて成立をしたわけでございます。
 ただいま大熊統括官がお話をしましたのは、その流れの中で現在の予算執行をやっていると。第一期は十七兆円、第二期は二十四兆円ということでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、例えば平成十三年度におきましては、その達成目標を達成すべく約三兆四千七百億、平成十四年度の予算においては約三兆五千四百億、これは十三年度に比べると対二%増でございます。非常に厳しい予算の中でも着実に科学技術分野についてはやっぱり伸ばさなきゃいけない、こんな認識の下で今頑張っておるわけでございまして、十五年度も概算要求においては既に対前年度比一一・七%、三兆九千五百億という予算を要求をさせていただいております。
 経済情勢が非常に厳しいわけでございますし、多少、二期の計画を組むに当たって経済成長とか様々な前提条件があるわけでございますが、委員がお話しになりましたように、この科学技術というのは、やはりこの日本の国が今後持続的に、しかも国民生活を豊かに発展していくためには、まずこの創造立国を目指さなければいけないということでありますから、この目標が達成できるように、今後、文部科学省としても総合科学技術会議と、指導をいただきながら、また総合科学技術しっかりと物を言いながら我々もやっていきたいと考えているところでございます。
○長谷川清君 お答えありがとうございました。
 いずれにしましても、この基本法の運営に当たりましては、総理大臣自らが座長で座っているわけですし、こちらの特区の方も総理が許認可権を、認可権を持つわけです。これはいずれにおいても非常に、日本が農業国家で生きていけるなら、今後、それも良し、あるいは資源が一杯あって資源を売って生活できりゃそれも良し。しかし、そういうものがない中でこれからの日本をどうつくるかという場合の、頭脳、能力、そういうものがありながらそれが流出しているというこの現状。そして、国際社会の中にあっては、碁盤の目の一つ一つを国際特許で取って、一ます大体権利が七〇%というような、そういう世界じゅうの中における大きな競争をしている中にあって、我が国の中ではどうも貧弱な状況からスタートを切っていますから、大いにひとつ頑張っていただきたいということをお願いしておきまして、副大臣どうぞ、お忙しいから結構でございます。
○副大臣(渡海紀三朗君) ありがとうございました。御支援をよろしくお願い申し上げます。
○長谷川清君 よろしくどうぞ。
 それでは本論の方に入りますが、先ほどの阿部さんの議論を聞いておりまして、阿部さんの場合にはビジョンの方から入っておりましたが、私は、そのビジョンの方は少し最後の方に回しまして、具体的な問題から入らせていただきたいと思いますが。
 まず、大臣、今回のこの特区の問題について、三つぐらいに絞ってこの法案のいわゆる、何といいましょうか、基本というか、そしてまた、その基本というものを達成するための方途という点についても三つぐらいに絞って説明をするとすれば、どういうふうになりましょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 規制というものは全国一律でなければならないという発想から、地域の特性に応じて、地域の熱意によって、工夫によって規制というものを外そうと。これが良い事例を示してきらりと光ってそれが活性化していくならば、紛れもなくいい意味で飛び火するでしょうし、いい意味で、もっと速い燎原の火のような燃え盛りになる、これが一つの私はねらいであると思います。
 また逆に、全国規模に広がるということもねらいですけれども、その地域で集約的なものが積み重なっていって、また新規の企業というものが現れて、それで、そこで正に地域で燃え盛っていくということも一つであろうかと思います。これは経済的な効果というものが前提でございます。
 もう一つは、先ほど、冒頭に阿部委員にも申し上げたんですけれども、面白さ、いい意味での面白さ。
 例えば、群馬県の太田市というところで小学校から国語と歴史以外は英語で授業しようかと、こういう面白さが出てまいりました。これ、失敗するかどうかちょっと分かりません。しかし、面白いとは皆思うんではないかと思います。私どもも最高学歴は出ておりますけれども、英語で会話はできません。しかし、小学校からやろうというのは、これは非常に結構なことなんです。これがいい意味で飛び火して、神戸市の長田区、在日韓国人の方が非常に多いところですけれども、そこで韓国語で勉強しようかというのが出てきたら、これまた面白いことになろうかと。
 この三点がねらいのように、私なりの解釈をいたしているところでございます。
 これをどうしていくのかというのは、地方、地域の知恵と工夫というものが、国からこうしてはどうですかと言うんじゃなしに、地方からあるいは民からこういうことをしたいんだというものを掘り上げていただくという、そういうことが非常に大事なところであると思っております。
○長谷川清君 お答えのとおり、前の議論にもありましたように、規制というものを考える場合、規制というのは、より多く経済という、経済にかかわる規制の撤廃とかあるいは緩和とか。規制というものの中には、規制しなきゃいけないものが一杯あります。食の安全の問題とか、国権にかかわる部分であるとか、労働協約に関係する部分とかいろんなものがありますから、いわゆるここでもよく使われておりますように、これはまあ後ほどにしましょう、後の、ビジョンの中でそういうものを全部、縦軸と横軸というものを認識の上で、そしてこれからどうしていくのかという方向についてちょっと議論したいと思います。
 今のこのお答えについてはそれなりに、三つのねらいというものについて、地方の方にイニシアを持たせて地方の知恵を引き出すという。パイロット法のとき、今までの法律が全部上から来ている、したがってなかなかうまくいかなかった。今度はこういうテストをしてみようという、こういう意味合いだと思いますから、私はその点については非常に価値があるものだと思っております。
 それでは次に、法案の、少し法律的な仕組みの部分について、私の時間も五十分しかありませんので、そこら辺のところについて、ちょっと心配なところをお聞きしておきたいと思います。
 まず一つは、これは通則法と言われる列挙したやり方でやるという、このことについては、もう確認で結構です、そのようになっておりますから。これも一九九二年当時のいわゆるパイロット法からは修正、改善がされているというふうに私はこれを評価しております。
 質問したいのは、内閣が個々の自治体から規制の免除の要請を受けたときに、どういう判断で、どういう基準でそれを認定するかという、この判断基準という問題が、これは明文化されているはずでありますけれども、その基準というものについての説明と、さらに、それだけでは足りないはずであります。現実にはいろんな、それを更に具体的な事例を全部ずっと列挙した別表というものを付けて運用するようになるはずでございます。
 そういう現実に照らして、基準というものと、それででき得ない部分の別表というものに対する運用について、この問題について質問しておきたいと思うんです。
 これは、特区室の方でもいいですよ。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 内閣総理大臣は、地方公共団体が作成した計画が地域の活性化に資するものであると基本方針において定められた基準に適合するときは計画を認定するということにしております。総理が認定を行う際には、個別の規制の特例につきましては関係行政機関の長の同意を得ることとしておりますけれども、その規制の特例を受けることの必要性及び要件の適合性については各地方公共団体の判断が尊重されまして、要件に適合していれば関係行政機関の長は原則として同意するというふうになっております。そして、具体的な内閣総理大臣の認定の基準でございますが、それは、この法律が成立した後、閣議決定で決める基本方針において定めることにしております。
 この規制の特例を受けることの要件につきましてはこの法律において規定しているものでございまして、このほかに別途定めるということは特に考えておりません。
 それから、認定の基準や規制の特例の適用の要件につきまして、先生御指摘のように、計画の実施状況や規制の特例措置の効果、影響等の評価の結果を踏まえて検討していくことになりますけれども、こうした評価につきましては、基本方針あるいは法律上の要件という形で定めていきたいというふうに考えております。
○長谷川清君 ということは、やはり省庁の合意というものがやっぱり必要になってまいります。この省庁との合意というもので仕事をずっと流していく場合に、事実上、省庁の判断として拒否権が生ずるということが、容易にこれは現実的に考えられます。
 その辺のところは大臣に聞いておきたいんですが、パイロット法のときの例もありますから、私はやっぱり、やけどした子は火を恐れる、こういう針の穴ほどのところでもこれから崩れていくという、そういう心配を持ちますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 衆議院で御審議をいただきましたときも同じ御心配の向き、御質問がございました。
 計画全体の認定はあくまで内閣総理大臣が行うものであるということを強く私も表現をさせていただきました。また個々の規制の特例についても、関係行政機関長の裁量というものの余地がなきような条文に仕立ててあるというふうに私は思っておりますし、あくまでも内閣総理大臣のリーダーシップによってこれが進んでいくという解釈をいたしておるところであります。
○長谷川清君 それは確かに認可する権限は総理しかいません。しかし、それはその間に途中ずっと判断要素があって初めてできることですから、パイロット法のときも、決定する地方自治体と市町村、そこの協議によってやるという格好を取りましたから、そこの段階で全部アウトになっちゃう、入口の段階で。こういうものもやっぱり同じような同質の危険性が非常にある。
 私はやはりそういうオンリーワンの人が最後に認可することは分かります、システムとして。そこに至る中で、いわゆるいろんな問題が今まであって、そこが大きな壁になるわけでありますから、法律上の言葉は非常に柔らかい言葉であっても、事実上はそれがえらい弊害になる。
 パイロットのあの法律のときを思い起こしてもらいたいんです。これからはもう地方分権で、あなたのところはもう本当の殿様ですよ、自由にやりなさい。プラン・ドゥー・シーのプランまでの計画は自治体が作る、そして我が町は本当に森林豊かな特徴ある町をつくろうと思って、知事が計画を立てて省庁に、森林ならば農林省です、承認権があるから承認を求める、求めた。しかし許可のためしはない。ある地域においては下水道をやりましょう、個性豊かな町づくりをという、画一から個性へという、そういういろんなねらいを持ってやったはずでありますよ。ところが、ただの一例もそれは前に進まなかった。
 そういうことがありますから、もし仮にこれに歯止めを掛けるとするなら、一つには、そういうもし判断をするような場合にはその判断の根拠というものを、反対をする、それを阻害する判定を下す場合はその根拠になっているものを公表して、国民に広く、こういう理由でどこどこの長が、公共団体の長が反対をしているということを公表する、そしてその判断を国民にゆだねる、そういうようなことの方法も考えなければいけない場合もあるでしょうし、あるいは高い次元に立っての政治的な判断を加えていかなければいけないということの必要も出てくるはずであります。
 したがいまして、私はやはり本当にこの法案をすくすく育てていくためには、いろんな経験の上に立ってそういう一つ一つを押さえていかなければいけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) パイロット自治体との関係についてのお話がありましたので、お答えいたしたいと思います。
 パイロット自治体制度は、国や都道府県の権限を市町村に移譲する地方分権の一環として行われているものでございまして、各省庁がそれぞれ可否について判断するというふうな形としておりました。また、その対象も法律事項は除かれておりました。
 今回の特区制度は、規制全般を対象として内閣総理大臣の一元的な認定を行うということでございまして、特区制度では、地方公共団体の自発性を最大限尊重するという観点から、総理の認定の際の関係大臣の同意というものを、法令上の要件に適合した場合は関係大臣は裁量の余地なく同意するということで、国の関与は極めて限定的にしているということで、パイロット自治体のことも踏まえまして、制度が大分異なったものになっているということでございます。
 それから、このプロセスの透明化ということでございますけれども、今回のプログラムを作る際におきましても、各自治体から出てきた要望、それからそれに対する関係省庁の回答、そうしたものもすべてホームページ上で公開するような形で、プロセスの透明化というものにも努めているところでございます。
○長谷川清君 それに似たようなところで、この本則の七条の二項と八条の二項、これはいわゆる報告のところですね。これは、内閣総理大臣がこの報告を受けるというのは当然です。その二項では、関係行政機関の長がその報告を求めることができると、これはいいでしょう。第八条、その報告を受けて、必要と、関係行政機関の長がですよ、必要と認めるときにおいては、「特例措置の適用に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。」となっている。求めることができる、必要と認めたときは。これも何かややこしい。この点について、これはまた事実上の、これ、承認権とは書いてないけれども、それにつながる危険性はないんでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 圧力、嫌がらせというのはどこにも付き物だと思います。しかし、この法案を、先ほど先生、委員が御指摘ありましたように、すくすくと伸ばしていくために、いろんなことを、御意見を拝聴しながらより良きものにしなければならないという姿勢は今も変わっておりません。その中で、ただいまの御指摘につきましては、地方公共団体が特区において実施する事業全体に何らかの関与を認めたものではないということの規定というふうに私どもは理解、承知をいたしているところでございます。
 そして、また役所とやり合いになっちゃいけませんから余りこれ以上発言はいたしませんけれども、やはり御指摘の、上がってくるまでに地方公共団体の中でどのようなやり取りが行われたかということは我々関知できないところでございます。しかし、十分PRに努めながら、また、地方公共団体の、地方自治体の中の特に若い役人の皆さん方の熱意というもの、これを何とか引き出す、あるいは民の活力というものを引き出すという大義を持って、私どもこれに当たっていきたいと考えております。
○政府参考人(中城吉郎君) ちょっと条文に則して補足いたしますと、第七条第二項の規定は、特区において講じられる規制の特例措置に関して関係行政機関の長が同意した事項について、それが計画どおり適切に実施されているかということを把握するための規定でございます。
 それから、第八条二項の規定は、地方公共団体がその同意を受けた計画と異なる内容の措置や不適切な措置を実施している場合、その是正を求めることができるようにするための規定ということでございまして、大臣が申し上げましたように、地方公共団体が特区において実施する事業全体に何らかの関与をするというものではなく、それぞれの規定についての関係行政機関の長が同意する事項に限定されたものであるということでございます。
○長谷川清君 そういう心配がないような執行ができていければと思いますが、今までの場合でも拒否権であるとかあるいは承認権だとかという言葉があって、あったことではないはずであります。いろんなところに分かりづらいところが一杯ありますから、そして、地方の方から見ると、今までも三割自治で、まあここでいろいろまた言われてここで抵抗するとまたほかのところで補助金へずられてとか、弱い立場からの、今までの長い伝統と歴史が背景にありますから、そういうことの上に運営されていくことであるだけに、ひとつ大変でしょうけれども、その辺は留意しながらお願いしたいと思います。
 それでは、少し今回の、私が思いますのは、構造改革特区という名前で今回提案がされております。私の認識からすると、中身をひもといてみると、中身は明らかにこれは経済改革特区というべき内容ではないのかというふうに私は読み取るんです。そういう意味において、まずこの法案がここに提案されるまでの経緯について、大ざっぱで結構ですから、どういう経緯でここに至ったかという点、これをお願いします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 経緯につきまして間違いがあるといけませんので、読むような形になりますがお許しをいただきたいと思います。
 構造改革特区については、経済財政諮問会議において本年四月二十四日に民間四委員による提案及び平沼経済産業大臣の提案がなされております。また、五月二日からは総合規制改革会議でも特区についての具体的な検討が開始されました。
 政府としては、構造改革特区の導入について六月二十五日に基本方針二〇〇二において閣議決定し、また総合規制改革会議が七月二十三日に決定した中間取りまとめで示された提言を踏まえ、七月二十六日に小泉内閣総理大臣を本部長とする構造改革特区推進本部を設置して検討を行ってきたところであります。
 具体的には、八月三十日を締切りとした提案募集において、地方公共団体等から提案のあった四百二十六の特区構想及び九百三項目の規制改革の要望を受けて関係省庁と協議を重ね、このうち九十三の事項を特区において実施し、百十一の事項を全国で実施することを十月十一日に本部で決定した構造改革特区推進のためのプログラムにおいて定めたところであります。この内容は、教育、福祉、農業、産学連携等幅広いものであり、地域経済の活性化とともに住民サービスの向上等を含むものであります。
 このような検討を、経緯を踏まえまして法案を作成しまして、御審議をいただいているところであります。
○長谷川清君 今も説明がありましたように、これがスタートは四月に経済財政諮問会議のメンバーによって、平沼大臣、牛尾さんとか奥田さんとか経済界の人、あとは学者の本間さんや吉川さん、いずれも経済にかかわるメンバーが構想を出して、そこからそれを内閣府に置くという格好で今日までやってきた。
 その前をたどりますと、その前には総合規制改革でこれは宮内さんがいろいろと御苦労しながらやってきていたはずです。さらにまたその奥には、平成五年に平岩レポートというのが出ております。平岩レポートは結構大きな経済改革についてと規制緩和について。
 私は言いたいのは、もうここにもいろんな今日議論をしようとしている中身のポイントがある。一口で言うならば経済に関しては、経済に関しての規制は全部取っ払って、新たな規制、安全の問題等は新しい時代の苗として植えるという、そのぐらいの発想で取り組まなければ改革はできないという、そういうことから出発している。
 そういう流れで一貫して流れが来ておりますのは、経済ということ。だから、経済が前提だから規制は撤廃であれ緩和であれ、とことんやれるだけやっていく、こういう思想になっているはずです。そのことと構造の改革という、私がイメージする構造の改革というのはこの表題のような中身ではないわけです。私は、構造改革というなら日本の構造を変える、今の行政状況の構造は例えば道州制にするとか地方分権にするとか、そういったことはこの構造改革という中で出てくる課題ではないのかと思うんです。
 そこで、言いたいことは、今この経済規制の特区をやっている、そしてこれがこれだけで、これの目的というのはもう乱暴に言えば国のトータルの利益を上げようということですよ、経済ですから。それが今、谷っているから問題になっている。じゃ、なぜ谷ったかということなんですね。
 だから、そういう点について私はもう戦後から、あの焼け野原で砂利道、砂道、それを道路。食う物からまずない。私は中学一年でしたから、行列して家族六人の芋、アワ、麦、お米粒はないんですから、今日食べて、今日は生きたが明日は分からない、そういうところからの日本の出発でしたよね。
 今日まで、例えばさっきにも話題になっておりましたタクシーというような運輸業界とか建設という建設業界は、今日までずっとそのころから経団連や日経連や経済同友会や商工会議所や経済団体の中にはだれも人を送り込んでいませんよね、今でも。なぜかというと、それは町ははなからの復興ですから、まず砂利道を道路にしなきゃいけない、建設業界は国や地方の公共事業、政治家や行政の方を向いていれば経済団体の仲間の仲間入りしていなくたって仕事がどんどん来るんですね。そういう育ち方をしたんです。運輸業界しかりです。だから過当競争が起こっているんだと。当然なんですよ、全体の需給関係を調整するだれもリーダーいないんですからと思います。それが一たび全体のパイが少なくなって経済が谷ってくると、一番先に困ってくるというか火が付くのがそういう業界からであるということ。
 私の認識からしますと、十年ぐらいで銀しゃりが食えるようになって、これからさあ物だ、こういう時代に入っていって、今日までのたくさん物を作る、一度にたくさん物を作って、一億二千万が物を手にできるようになる。だれか自転車を走らせたら、あれと同じ物が欲しいというのが戦後五十数年の間の出発にあったんですよね。
 それを満たすために、中央集権にしてお金を中央に集め、能力も集め、六三三制をしいて、中卒、高卒、大卒で七十万の労働力を、しかもその教育は同じ物をたくさん作るんですから同じ教育の画一教育でなきゃいけない。そういう労働力を七十万人切れ目なく毎年出して、そういうものを中央に集めて、今の工場が一個では足りないから十人、二十人と拡大してやってきたのは、その終幕は大体一九七〇年の後半にはそれはアップになって終わっているはずです。今から見ると二十年前ですよ。
 こういう案が出てきているのも、そこからもう日本は画一、町づくりもみんな画一でしたよ。そういう画一のところまでは到達し、手に入れた国民はみんな多様化し、ニーズは多様化し、何にもないときには何かこういうコップだってなければ、コップがあればこれはもう大人から子供まで、クリームがあれば親子ずっとおばあちゃんまで、子供からおばあちゃんまでクリームを使う。ところが、物が手に入るようになると、おばあちゃんにはおばあちゃんにマッチングした合うクリームが欲しくなるという式で多様化しているんですね。
 ところが、供給はと見ると、道なり運転ずっと今までやる。右肩上がりのあの状況の成長の中でやってきたことをそのままやろうとしているんです。景気対策もその範囲でやろうとしているんでしょう。需給関係はどんどんギャップを生んで、一般の消費者はお金がないわけじゃないんですよ。自分にマッチングしたものがないわけです。
 だから、私はこういう意味においては遅きに失しているぐらいだ。それをもっとこれからスピード高めていく。しかし、この特区法案のこの特区だけでそれを成し遂げようとしても無理ですよ。これをやっていくと同時に競争が激化するわけです。そして、具体的には勝ち組、負け組も出るでしょう。
 少子高齢化で高齢者はどんどん増えていきます。そうすると社会全体には弱い人々が増えていくわけです。そうなりますと、やっぱり社会保障という問題、そういう世界がもう一つこの隣になければいけないし、その隣には。第一、毎年八十三兆から八十五兆の予算を組んでいますよ、我が国は。ところが収入はというと、我々一生懸命たばこ吸っても四十ちょっとでしょう。四十二、三兆でしょう。その差、四十兆あるんですよ。去年もおととしもその前もずっといながらにしてそれだけ。
 いずるを制する、そういう分野をどうするかというのが私は構造改革だと思うんです。一方においてどんどん利益を得るために、国民のトータルの全体の利益を生むためにこういう特区をやるのは大いに私は賛成。しかし、遅きに失している。九年前にはちゃんとそういうものも経済改革や規制改革でここまでまとめているのが出ている。その後、そういうものを引き継いで宮内さんも頑張っている。
 私は言いたいのは、じゃ、そういうものをまず、こういう特区をまずしっかりやりましょう、そしてその結果としてのバランスシートで富の分配としてのいわゆる社会保障はこうしましょう。そして、構造の改革は、こちらはこれから。来ていただいているから、構造改革の、いわゆる道州制についてももし状況があればちょっと教えてください。
○政府参考人(芳山達郎君) 現在、二十一世紀における地方自治制度の在り方が真剣に論議をされていると思います。今、御指摘がありました道州制を含む都道府県の在り方については、これまでも昭和三十年前半の調整案なり四十年代前半の都道府県合併特例法案なり、いろいろ御議論はされてまいりました。また、現在もまた各方面で道州制を含めた様々な論議がなされておると思います。
 この点について、今、地方分権の推進ないしは現在進められております市町村合併の進捗に応じて、基礎的自治体の在り方、また小規模自治体の在り方と並んで、将来における都道府県の在り方、これについても論議がなされるわけでございまして、現在、二十七次地方制度調査会というのが昨年十一月に発足をしております。今年の七月に論点整理、論点項目の整理がなされまして、その中で、先生今御指摘の都道府県の在り方についても、都道府県の合併ないしは道州制を含む制度の在り方等が論点項目になりまして、同調査会において、来年三月を目途に中間報告ないしは来年の十一月の本報告ということで地方自治制度の在り方について論議がされていると思います。
 総務省としても、こういう調査、審議の状況を踏まえながら、また各方面の御意見を伺いながら調査検討を進めてまいりたいという具合に思っています。
○長谷川清君 そういう現下の状況ですね。
 仮に道州制を今しいたとすれば、年間で三十兆以上ですね。三千三百市町村、ニュージーランドが成功したように一つの町を五十万で整理すれば、三百都市。北海道が一つ、東北ブロックが一つ、関東が一つという式で道州制をしいて、九若しくは十の州を、その上に分掌事項をきちっと明確にした、国は何をすべきか、当然国家主権の問題がありますから、外交防衛、いろいろあるでしょう。そういう骨をきちっと出して、分掌事項を明確にし、そしてそれぞれの州に自治を任せていく。今あるのは、三千三百市町村の自主的な、合併してみたりいろんなことをしている。それはどうなるのか。国全体をマネジメントするときにこれは両方からいかなきゃいけないと思います。
 そういう全体の動き、そういうもの全体が、大量生産時代というのは一〇%の成長をしましたが、これからは多様化に対する供給ですから大もうけはないということですよ。それを頭に置いて、成長は一から二、せいぜい三%でいいんですよ。それをもくろんだ、前提にしたシフトを、ビジョンというものを描いていくべきではないか。
 もう一つ肝心なことはお金の流れです。これは、税制を変えなきゃいけませんね。今現在は、さっき言ったように、八十三兆要るから組んでいるんでしょう。ところが、実際は四十兆しか入らないんです、税収は。それは例えば、企業がもうけりゃもうけただけ累進課税で取っているんです。アメリカの企業は一六%、社会貢献していますよ。しかし、それがやりたくたって金はないんですから取らざるを得ない。悪循環の中にあると思うんです。
 一方においては、特区でトータルの利益を上げていかなきゃいけない、全体のパイの分配もしなきゃいけない。そういう中で、これからはむしろ金の流れは、今は税金で金を取って、そして国が福祉をしてあげるよ、こういう老人ホームを造ってあげるよ、こういう託児所を造ってあげますよという、福祉の政策をやるというこういう在り方から、いずるを制する発想に。
 いずれにしても、これらの問題は、今、横軸で言いましたこの特区、経済を中心とした特区の問題と、社会保障と、それから本格的な構造の改革と、それから税の改革、金の流れ、こういうものがあって初めて私はイコールそこで国民の利益が初めて生ずる。多様化した国民、多様化した国民に新しい供給、これを起こさんがためにこそ今特区に取り組んでいる。しかし、遅い。しかし、これからその遅さを取り戻していかなければ国際競争力も付かない。
 中国は、一握りの豊かな人の存在を認めよう、やがてみんなが豊かになろうと、そういうキャッチフレーズで経済特区で今。ヨーロッパはユーロへ。それぞれの国々がみんな、我々がのほほんとしている間にどんどんやっていますよ。そういう時代認識というものをやはり下敷きに置いた上での私たちはここで発想の転換を本当にして、先ほど阿部さんが言っていたようないろんな認識。
 役所というのは役に立つところと書く、役人というのは役に立つ人のことを書くのは一九七〇年代までは通用したけれども、八〇年代以降は通用していないですよ。信頼されていません。役に立たない人とか、役に立たないところが役所だなんていうふうにならないようにこれからしていかなければいかぬと思います。
 そういうことのためには、やはりプラン・ドゥー・シーということを。今までやった景気対策も雇用対策もみんなプラン・ドゥー、プラン・ドゥー。地方が計画したら、はい、そうですかとそれを審査して国が税金で金を。それが、全国でそれをやれば何百万、百万の雇用が生まれるとか、第何次、第何次で何回やりましたか、景気対策も雇用対策も。私は、それは本当に無駄金。それをやるのなら、地域の中に公労使、三者機関のチェック機関を設けなさい、それで初めて一つの循環です。
 これからの社会はそういう意味で、自助、共助、公助ということが本当にふさわしくなるような社会、そこに持っていくためにはやはりビジョンが必要だと思います。道なり運転で出たとこ勝負じゃ、私はやはり阿部さんと同感です。そういう意味では、役所も変わり、そういう人を敵に回すんではなくて、そして、おまえが悪いと言っているんでは、俗人的なレベルではなくて、いわゆる認識としてそういうものをやはり国民の皆さんに一緒になって呼び掛けて、これからやっていきたいんだと、やっていかなければいけないと思っていますが、最後にひとつ大臣、そういうことについていかがでしょう。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいまの御高説は誠にもってそのとおりと存じております。
 先ほども私が申し上げました、税を使う主体から税を払っていく主体に変わっていく、そういう作業を、今、委員御指摘のように、遅きに失したかもしれませんけれどもやらなければならないと思いますし、多様化されたこの今の日本社会というものに、ニーズに合った政策というもの、新しい手法の政策というものも加えていかなければならないと思います。
 そういう意味で、経済の中への特区の構想のみならず、社会福祉、農業あるいは医療、教育の中にもこういうものを新しい手法として取り組んでいくと、こう決意を新たにいたしておるところでございますので、是非とも後々の御指導のほど、お願いを申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
○長谷川清君 用意した問題まだ五、六点残っておりますが、そして皆さん、用意をしていただきながら及びませんでしたが、あと二分残しておりますが中途半端になりますので、ちょうどお昼の時間、あとの二分をお聞き取りいただいた皆さんにサービスとして、せめてもの気持ちでございます。
 以上で終わります。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、構造改革特別区域法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。午前中の長谷川理事の御質問に引き続き、質疑をさせていただきます。
 相当程度、午前中でもこの法案の基本的なねらいについて御質問あるいは答弁がございましたので、重複を省いて、御通告を申し上げている質問につきましてもそれに必ずしもこだわらずに、率直な大臣の御答弁を中心に質疑を進めてまいりたいと思います。
 まず最初に、午前中、大分大臣も力の入った御答弁もいただきましたけれども、これまで御着任以来、特に霞が関の各省庁の抵抗というようなもの、あるいはそれは内閣官房の中にもあるのかもしれませんが、それに立ち向かって蛮勇、蛮勇と言うと言葉が悪いですね、一生懸命折衝を重ねてこられたと思いますが、大臣、率直にこれ、先ほどから、役所なかなか任せておくと前に進まないというようなことも御答弁に、言外にも含めてにじみ出ていたように思いますけれども、ここまでの大臣の御努力、それから各省の対応など、率直な感想をまずいただけますでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私も九月三十日に就任をさせていただきましたところでありますので、既にこの特区の構想がプラットホームに到着する寸前でございました。それまでに特区室、室長以下二十七名が懸命の努力をいたしてくれておりまして、四百二十六件の提案をちょうだいし、それを精査をして、ただいま法案審議をちょうだいしている段階に入っておるわけであります。
 そういうプラットホーム到着前に大臣同士の折衝をしてくれと、こういう話がございました。しかし、私自身は、正に到着寸前でございましたし、どこまでの折衝を図るのか、どこまでのところで調整を取りあえず終わるのか、この辺りが全く分からずにお話合いを実は厚生労働大臣、そして法務大臣、文部科学大臣、この三名の大臣とさせていただきました。それなりに私自身も表現をいたしまして、総理の方針、構造改革特区の行方について申し上げましたけれども、やはりそれぞれの所管大臣から、規制の歴史あるいは必要性そして社会的な見地から、今の段階では例えば株式会社導入については見合わせなければならないというお話がありました。いずれにいたしましても平行線でございました。
 私も一定の思いを持って今なお進んでおるつもりでございますけれども、いずれにせよ平行線でもございましたので、この旨総理に御報告を申し上げまして、なお一層調整に努力せよと、こういう御指示をいただきながら、本日に至っておるところであります。
○松井孝治君 先日の一般質疑においてもこの問題、大臣の御答弁をいただいたところですが、そのときもおっしゃっていましたし、また衆議院の質疑も議事録をざっと拝見しましたが、どうもすっきりしないという御発言があったかと思います。
 やはり私、この特区法案、より良いものに引き続きしていかなければいけない、それは国会の責任でもあろうし、また行政の責任でもあろうと思っています。
 幾つかの論点があると思います。もう既に、午前中の質疑で大臣から、この特区の法案というのが規制改革の突破口、燎原に火を放つというような表現も使われましたが、そういう趣旨のものであるということは明らかにされていると思います。問題はそれを突破口をいかに広げていくかということにあろうと思います。私はやっぱりこの法案を、あるいはこの構想をより良きものにしていくために、幾つかの論点があろうと思います。その論点について順次御質問を大臣を中心に伺っていきたいと思っております。
 まず最初に、今回の法案第四章に規制の特例措置の対象が、これはもう法律に基づくものについては第四章に規定されておりますね。これについて、先ほど、今の大臣の御答弁にもございましたように、あるいは新聞報道等の論調にも厳しくありますように、まだまだこれじゃ足りないんじゃないかという指摘が各方面からなされているところであります。
 端的に申し上げれば、例えば、今日も副大臣にお見えいただいておりますが、午前中の質疑でもございました。株式会社の医療あるいは教育への参入の問題、この問題について引き続き門戸が閉ざされているところでございます。
 これは大臣にも御見解を賜りたいと思いますが、まず最初に、両副大臣お見えでございますので、この医療、教育分野について、今回大臣も相当の思いを持っておられる、あるいは総理もそれに対して御言及をされているにもかかわらず、今回法案に盛り込まれなかった。これは既に午前中の長谷川理事の質問の中でも、これは経済財政諮問会議であるとかあるいは総合規制改革会議の場においてもこういう分野についての株式会社の参入問題というのは取り上げられているわけであります。しかしながら、今回の政府案においてこの医療、教育における株式会社参入が認められなかった理由について、厚生労働そして文部科学両副大臣の方から簡単に御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(鴨下一郎君) 今、ただいまの御質問は、構造改革特区において、医療の中で特に株式会社参入が認められなかった理由を述べよと、こういうようなお話でありますけれども、そもそもの話をして恐縮ですけれども、社会保障、特に医療は、人の命、それから生命にかかわるというようなことから、ある意味では、特区の中で一つの規制改革をやっても、そこへ様々な方が全国から医療を利用する、こういうようなことも含めますと、ある意味で全国統一の制度が望ましいというようなことが大原則でありまして、そういう意味で言うと、なかなか特区という、まあ言ってみれば構想になじまないというのが一番の原則でございます。
 また、株式会社の医療経営への参入については、これは今までも様々な議論がありましたけれども、一つは、果たして株式会社の参入が医療を質、そして言ってみればサービスを含めて向上させるのかというようなところについては、必ずしもポジティブな議論だけではないというようなこともございます。
 さらに、そもそもの話で言いますと、株式会社がある意味で営利動機を持つというようなことで、収益性の高い医療分野に集中しかねないと、こういうようなことで、いわゆるクリームスキミングのようなことが起こりはしないかと、こういうようなことも懸念されると。
 それから、今の現状としましては、大体全国的には必要病床の整備がなされていると、こういうようなことも含めて、もう既に大体の医療に関するサービスは充足しているというような一つの考えがございます。
 こういうようなことを含めていろいろと考えますと、現在の皆保険で、そしてさらにフリーアクセス等を実現している我が国の医療制度そのものが健康寿命、そして費用対効果と、こういうような面においても世界に冠たる制度であるということは間違いないんだろうと思います。
 ただ、様々な微調整をして、いろいろと問題点については調整していくという、このことについては否定するものではありませんけれども、基本的な状況としては極めていいパフォーマンスを持っていると、こういうふうな認識であります。
○副大臣(河村建夫君) 株式会社で教育をということについて、これが今入っていないということについて文部科学省はどうだったかという、どういうふうな形で反対したかと、こういうことなんでありますが、簡単にということでありますから結論から申し上げますと、これはやっぱり教育の公益性の高さといいますか、そういうことを考えたときに、やっぱり株式会社が持っておる利潤の追求といいますか、そういうものとが整合するかどうかという点に私どもは非常に懸念を抱いたものでございます。
 したがいまして、やっぱり最終的には、株式会社の本旨というものは利潤あるいは株式配当ということになっていくわけでございまして、そこに規制が掛けられないであろうということが主たる理由でございまして、そういうことを考えると、実際に、現実には株式会社も学校法人という形態を持って多く大学等を運営をされておる、そういうことを私はもっとやるべきで、企業は投資をするということであれば、もっと学校法人に投資をしていただくというやり方があるではないかというふうに考えたわけでございます。
 しかし、今、この提案について、今の教育の現況を考えたときに、そういう声が出るということは一体どういうことなのかということも考えなきゃ私はいかぬのではないかと、こうも思っているわけでありまして、今回の特区の特質であります自治体の発意といいますか、あるいは地方の発意、そういうものをどういうふうに吸い上げるかということもございまして、今回の特区においては、専門職大学院であるとかあるいは不登校の児童生徒を対象にした学校とか、あるいは学校法人の設立要因を、今までのように全部自分の土地、財産でなきゃいかぬ、そういうものではなくて、借地でもできるようにするとか、そういうことを緩めながら、この学校法人に参入しやすくなるという形のものは今回の特区においては講じたものでございます。ただ、株式会社の直接参入ということについては、今申し上げたような理由で今回はとどめ置かさせていただいたと、こういうことであります。
○松井孝治君 御答弁いただきましたが、全く納得できない御答弁としか言いようがありません。
 そもそも、これ、私、鴻池大臣の御見解を伺いたいんですけれども、今のお話、多少、文部科学副大臣の方が柔軟性もあるようなお話だとお見受けいたしましたけれども、本当に医療の質あるいは教育の質に対して国民が満足しているのかという認識において、私はそれは、皆保険制度を始めとして日本の医療水準がそれなりの水準であることは率直にこれは評価をしなければいけないと思いますが、まだまだ国民の医療の質に対する満足度は低いというふうに言わざるを得ない。それをどういうふうにして高めていこうかという努力の跡が見える答弁だとは全く思えないわけであります。
 そもそも、これは衆議院の委員会でも議論されていますが、株式会社は利潤の追求の組織である、したがって公益性を担えないという発想自体がもう私は、これはっきり言って前世紀の遺物ではないかと。もちろん、株式会社ですから利潤追求が目的になるのは当然です。したがって、それは、場合によってはその公益の追求という意味で相反する部分もあるかもしれない。しかし、そういったことは行為規制によってきちんと是正すればいい。株式会社だから悪であって、あるいは民法三十四条の特別の法律に基づいた法人だからそれは公益を担える、こういう発想はもういい加減にやめてほしいわけであります。
 これは実際、野党だから言っているわけではなくて、多くの与党議員がもはやそういう発想から脱却しようじゃないかという認識に立っているということを是非両副大臣は肝に銘じていただきたいと思うわけでありますが、私が今申し上げた認識も踏まえまして、鴻池大臣は、この医療あるいは教育分野における株式会社の担い手としての参入の問題、午前中も非常に力のこもった御答弁をいただきましたけれども、もう一度、鴻池大臣の基本的な認識、あるいは厚生労働、文部科学、この両省、ほかの農業の問題などもありますけれども、本日はこの両副大臣にお見えいただいていますので、この両省の分野における株式会社の参入問題について今後の取組の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 午前中の私の答弁は、役所代表でございましたからボリュームを上げて申し上げたわけでありますが、両友人が座っておりますから、また閣内不一致のそしりもございますので、ある程度ボリュームを下げて申し上げなけりゃならぬと思いますけれども、中身は変わりません。
 私は、どうも勘違いなさっているんではないかと思うんです。全国津々浦々に株式会社のお医者さん作ろうと言っている構想ではないんです。全国の学校を株式会社参入させようという話ではないんです。民の力、今のこういったところを変えてみたら面白いんじゃないかという提案を受けて、そしてこれを一定の箇所でやってみたらどうか、先行して一遍やってみたらどうか、うまくいかなかったら閉じたらどうだ、教育の問題にしても、医療の分野にしても。先ほど申し上げたように、私はやはり医療の分野、資本を集めて、そして医療の最先端に資するような機械、器具、そして医師、これをもって株式会社で一か所で一度やってみる必要があるんではないか。
 例えば、東京のど真ん中で、千代田区なら千代田区でやることに私は意義があると思う。逆に、東京都にどれだけ外国人が住まいしているか知りませんが、恐らく二万人以上住まいしていると思う。そういう人たちにとっても、やはりプラスになるんではないか。あるいは、日本の重症患者が、よく聞きますように、海外に、アメリカに行って手術をする、あるいは医療を受ける、こういうこともそこでできるんではないか、このように思います。
 また、教育の分野におきましても、私は今の日本の教育がすべてうまくいっているとは思いません。どこかで変えていかなきゃならぬと思います。ただ、私は、いわゆる所管事項ではありませんから、これ以上の批判を加えることはかえって失礼になると思いますから申し上げませんが、しかし、どこか一か所でそういう提案があれば、文部省の御理解もいただきながら、群馬県の太田市で英語による授業ができるようになった。それならば、小中高一貫、株式会社でやってみたらどうかと。既に英国では基礎学力を付けるために株式会社に任せてやっている例もあります。そういったことを一か所ぐらい見習ってはどうなんだろう、私の考え方はそういうところであります。
○松井孝治君 大臣の考え方を本当に閣内でも是非浸透していっていただきたいと思います。全く私もおっしゃるとおりで、これをすべて株式会社にするとかいうわけではありませんのですから、一つの実験という意味でも、実験をこういう国民の健康やあるいは福祉の分野でやるというのはおかしいという話もありますけれども、ポジティブに制度的に試行を始めるという意味で、これ御努力をいただきたいと思っております。
 今、内閣で閣内不一致だと言われるというお話がございました。これは後で私、質問させていただきたいと思いますけれども、閣内不一致だと言って国会を止めるような、これはその不一致の中身にもよりますけれども、そういう国会論議というのは私はもうそろそろ卒業した方がいいんじゃないかと思っています。閣内でも、どんどん意見の違いというもの、あるいは立場の違いというものを反映させてそれをオープンに議論するというのがやはり私は先進民主主義国としての今後の行政のあるいは政治の在り方ではないかと思っております。
 そういう意味で、本当に今、内閣官房が各省と堂々と互角にあるいは互角以上に閣内での議論を繰り広げられる状況にあるのかどうかというのは私は懸念を持っております。その議論に入ります前に、もう少し大臣に対して御質問をしていきたいと思います。
 これ、今の学校とか病院における株式会社参入の問題で、衆議院の締めくくり総括で、小泉総理に対して私どもの同僚議員が質問をいたしております。そのときに、どうも小泉総理はちょっと勘違いをしておられたのかもしれませんが、地方公共団体から、この学校の株式会社参入について提案がもらっていないから提案があればこれは検討しますみたいなことをおっしゃっていましたが、これは恐らく事実認識の誤りであったんではないかと思います。しかし、考えてみたら、これ、小泉総理が所信表明演説でもわざわざ割いておっしゃっているぐらいの特区の構想で、それの一番焦点にもなっているような項目について、総理がそれぐらいの認識だというのもちょっとこれ、さみしい話なんですね。
 ただ、ここについて今は議論をするつもりはございません。それよりも、今問題になっているのは地方公共団体がなぜそういう提案を出してこないか。これは、地方公共団体が知らないわけじゃないんですよ。ところが、地方公共団体がそういう提案をする前にいろんなところで握りつぶされる、そういう動きがあるのが実態であります。
 私は、ここでひとつ大臣に伺いたいんですけれども、この四条の計画の認定申請をいたします。大臣、そんな法律に基づく話じゃないですから大丈夫です。そのときに、今は地方公共団体が提案者ですよね。ただ、皆さんがいろんなアイデアを募集されるときには、これから二次募集もそうですけれども、民間にもアイデア募集されていますよね。これ民間が認定申請の主体になる、この計画を作るというようなことは、たしか私の知る限りでは途中まで、これは総合規制改革会議で議論していたときなんかにはそういうこともあり得ると、こうなっていましたけれども、とにかく地方公共団体が握りつぶさないように、今、法律上はいろいろ工夫がありますけれども、これは民間が認定申請主体になるということは考えられなかったんですか。大臣、別に条文の細かいことはいいですから。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 途中で握りつぶす握りつぶされるという懸念は、実は私も持っております。しかし、一つの方向と申しますか、取りまとめの方向として地方公共団体を通過するということが原則になっております。
 そこで、朝も答弁を申し上げましたように、まだ約一割程度の地方公共団体からしか提言が来ておりません。これは各役所、それなりの人材、政策提言者というのは多くおられるはずでありますから、これを十分激励をして、出てきたものにつきましてはできるだけ早く、そしてまたできないものはどうあったら可能になるかということを考えながら進めていきたいと考えております。
○松井孝治君 よろしくお願いいたします。
 それで、もう午前中の質疑でも出ていますが、来年の一月十五日まで二次募集をされると、その上でしかるべく作業を進められるということですが、一月十五日に二次募集が締め切られますと、通常国会が今言われているところでは一月十五日より後に開催されます。この通常国会中にも、そこで新しい提案が出てくれば、これは政府部内でのあるいは与党内部での調整も必要なんでしょうけれども、この法案の改正法を通常国会で用意されるというおつもりはございますか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 一月十五日の締切りでいかようなものが出てくるか、随分と期待をするところでございますが、その時点で次期通常国会におきましてもどう対応するかということについては、そういう意気込みで考えていきたいというふうに思っております。
○松井孝治君 是非、こういう構想ですから、正に試行的なものですから、これを更に更にこの法律の施行なんか待たずに、新しいより良いものがあればどんどん取り入れて、法改正を私はしていただきたい、それを御提案いただきたい、そんなふうに思っております。その際には、私、これから言うようなことについても含めて、制度的な問題についても是非、第四章の規制の中身ということだけじゃなくて、制度的なものもより良いものにしていただきたいと思っておるわけであります。
 それで、今二次募集の話がございましたが、一次募集、時間がなかったと先ほどから大臣の御答弁がございましたけれども、この二次募集を行うに当たっては、どうも一次募集では地方は都道府県と政令指定都市しか直接話ができなかった、あるいは民間は経団連に話をしただけだったという話を伺いますけれども、二次募集あるいはそれ以降の提案募集に当たっては、もっと幅広い地方公共団体やあるいは民間事業者、経団連に流すというだけではなくて、非常に関心を持っている民間事業者はたくさんいるわけですから、そういったところに対してきちんと広報をし、それらとの直接的な相談体制というようなものも整えていただけるのかどうか、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 一月十五日までにどのようなすばらしいものが提案されてくるかというのは楽しみであるということを申し上げました。
 私自身も、この国会が終わりますればすぐさま、年末年始にかけまして、例えば大阪、例えば九州、例えば北海道、こういったところに出向きまして出前持ちをするつもりでおります。また、時々はテレビ出演してみぬかということで、過去二回ほどテレビも出していただきまして、この特区についてPRする機会をちょうだいができました。また、この特区というものについて随分御興味をお持ちの各種各雑誌等が取材によく来ていただきますので、ここのところ、三冊、四冊の雑誌につきまして私自身の思いを述べさせていただいて、それが掲載されておるところでございます。
○松井孝治君 是非その周知徹底と、それから個別具体的に民間事業者や個別の地方公共団体との窓口を幅広く持っていただきたい。ただ、そのためには、私はもう少し体制を整備する必要があるんじゃないかと思っております。そのことはまた後に申し上げます。
 より良きものにするときに非常に大きな問題になりますのは、午前中の質疑の中でも長谷川理事からも出ておりましたが、個別の役所がどうも協力的でない。できるだけ透明な認定要件を設けて、そこに従って余り各役所が裁量を発揮して反対しないような仕組みにするというお話がありましたので、それはそれで結構なんですけれども、やはり先ほどの審議官の御答弁の中でも、原則として同意をしてもらうんだというようなお話がありました。これ、具体的にどういう場合に同意があって、どういう場合に不同意なのかというのがもう一つイメージが分からないんですね。
 先ほどの鴨下副大臣のお話は、そもそも特区制度にどうも厚生労働省は余り前向きではないというようなことで、少なくとも医療に関しては特区というものになじまないというような御答弁でしたので、余り鴨下副大臣にお話を伺うよりは文部科学副大臣の方にお話を伺った方がいいと思いますので、文部科学副大臣にお尋ねしますが、これ具体的に、文部科学省、幾つかの法律事項もこの特区の法案の中に盛り込まれていますけれども、具体的にこれ四条の九項でしたかね、不同意、各関係行政機関の長が不同意するケースがありますね。原則としてそんなことはないというふうに準備室長の方がおっしゃっていましたけれども、具体的にどういう場合は不同意にされるんですか。
○副大臣(河村建夫君) 不同意の場合はどういうことがあるかということでございますけれども、これは公立学校において特定の宗教のためにカリキュラムを弾力化するという特例措置を今回設けたわけでありますが、それが更に進んで、公立学校で特定の宗教のために宗教教育を行うようなケースがあるとか、あるいは義務教育段階の公立学校で特別にここの学校は特別なあれをするから授業料をもらいますというようなことは、これはやっぱり憲法あるいは教育基本法に反する、こういうようなケースに対しては、これはもう認めるわけにいかないということになるわけでございます。
○松井孝治君 これは鴻池大臣でもあるいは政府参考人でも結構なんですが、今のような場合が不同意の事由として具体的に内閣官房では想定されておられましたか。
○政府参考人(中城吉郎君) この関係行政機関の長の同意というのは、規制の特例を受けることの必要性及び要件適合性ということでございまして、この法律に掲げました要件に適合していれば関係行政機関の長は同意するものということでございますので、今、副大臣が言われたようなものはちょっと想定しておりません。
○松井孝治君 こういうことなんですよ。
 要するに、各省はどんどんいろんな要件を自分で設定されるんですよ。ですから、よっぽどこの三条の基本方針などに具体的な要件を書き込んで、この要件に満たない場合は不同意を認めるというふうにかっちり書き込まないと、いろんなことを、内閣官房が想定されないような不同意事由というのを各省は挙げるんですよ。今のお話で明らかになったんです。そういうことを想定していない不同意事由があるということが明らかになったんです。ですから、こういうことをさせてはいけないということを私は鴻池大臣に申し上げたかったわけであります。
 時間がありませんので次に進みますけれども、是非、鴻池大臣、こういう点を御留意をいただきたいと思います。要するに、認定要件というのを非常に具体的にかっちり書き込まなければいけない。ちょっと後ろの方でいろいろ段取りの違いがあったのかもしれません、もめているようですが、こういうことなんです。ですから、そこは本当にきっちり書き込んでいただきたい。裁量性が働かないようにしていただきたいというのがお願いでございます。
 これ、さっき閣内不一致になってはいけないからという話がありましたけれども、閣内不一致は起こるんですよ。それは、だって基本的なお立場が違うわけですよ。やっぱり構造改革を進めようという人と、従来の制度のお守りをしてきた人というのは、これは立場が変わるわけですね。これはやっぱりぶつかり合いながら、しかし、総理あるいは大臣のリーダーシップで、あるいは内閣官房のリーダーシップで構造改革を進めていくのはこの法律の趣旨だと思うわけでありまして、私そういう意味ではちょっとこれ、今日、法制局にもお見えになっていただいていますので伺いたいんですが、これ二つ併せて、二つの質問を一遍に御答弁いただきたいんですが、結論だけで結構です。
 この第四条の計画の認定申請の内閣総理大臣、第四条八項、九項に「内閣総理大臣は」という言葉がございます。この内閣総理大臣というのは内閣の首長としての内閣総理大臣なのか、あるいは各省と横並びの内閣府の長としての内閣総理大臣なのかというのがまず一点目。
 それからもう一点お伺いしたいんですが、鴻池大臣、私は鴻池大臣は構造改革特区特命担当大臣だと思っておりますけれども、この内閣府設置法上に特命大臣という規定がございまして、これは強い権限が普通の大臣に比べて、普通の大臣にない権限が付与されています。この内閣府設置法、たしか第十二条だったと思いますが、この特命大臣に鴻池大臣は当たられるのかどうか。
 この二点の法律上の解釈を教えてください。
○政府参考人(山本庸幸君) まず第一点でございますが、構造改革特別区域法案第四条の内閣総理大臣、今の認定とおっしゃったところでございますが、これは内閣府の長たる内閣総理大臣でございます。
 それから第二点でございますが、内閣官房の内閣総務官室に確認したところ、鴻池国務大臣におかれましては、現在、構造改革特区の推進に関しましては、内閣府設置法第九条で言う特命担当大臣ではなくて、いわゆる担当大臣と言われております構造改革特区制度を円滑に推進するため企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当されている国務大臣に命ぜられているというふうに承知しております。
○松井孝治君 部長、ありがとうございました。非常に分かりやすい説明だったと思います。
 大臣、こういうことなんです。
 要するに、計画の認定の内閣総理大臣、偉いように見えますよ、偉いように見えますけれども、今おっしゃったように、昔で言うと総理府の長たる内閣総理大臣であって、要するに今、内閣府、各省がありますが、これ横並びなんです。分担管理事務になっているわけです。その横並び大臣の一人である内閣総理大臣です。ですから、これは一般的に言えば、この内閣総理大臣が直接的に、内閣府の長ですから、指揮命令権を発することはできないというふうに私は解釈しておりますし、恐らくそれはもう御答弁求めるまでもないと思います。
 そしてもう一つ、内閣府設置法の第九条には特命担当大臣というのが位置付けられていまして、これはある権限があるんです。それが第十二条に書いてあるんですが、最終的には各役所に勧告権を持っております。その勧告に各省が従わないときは、内閣法第六条の規定、これは要するに閣議に決めた方針に基づいて内閣総理大臣が行政各部を指揮命令するというところまでつながる勧告権を持っているんです。これはほとんど使われたことがないと思いますけれども、伝家の宝刀たる権限を持っているんです。
 そこで、お尋ねなんですけれども、鴻池大臣、これ鴻池大臣のお立場は僕も特命大臣だと思っていましたが、特命大臣でない。普通の調整をする担当大臣の一つです。例えば、政府で言うと博覧会担当なんかを、例えば万博をやるとかいうと経済産業大臣があなたが担当よというような形で補職辞令が発令されますが、それと同じことなんですよね。
 私は、鴻池大臣は政治家としてリーダーシップがおありですからいいのかもしれませんが、これ各省の抵抗をオーバーライドして、そして総理の、最終的には総理のリーダーシップでこの特区のいろんな規制改革を進めるときに、やっぱりこれは属人的な努力だけではなくて、もう少し制度的に、各省に対して明確なリーダーシップを振るえるような制度的裏付けが、やっぱり権限の裏付けが必要だと思うんですよ。
 そういう意味では、この今の法律のスキーム、あるいはせっかく特命大臣というのが法律上、内閣府設置法上認められているわけです。私も、こういう規定を作るのに多少かかわった思いがあります。せっかくそういう制度があるにもかかわらず、こんな規制改革を推進するときにその担当大臣がこの特命担当大臣にもなっていない。したがって、恐らく内閣府には内閣官房にアドホックで今スタッフはいらっしゃるけれども、内閣府に常設のスタッフはいらっしゃらないと思うんですよ、鴻池大臣の場合。
 これ例えば、石原大臣の行革担当大臣というのも実はこの特命担当大臣じゃないんです。石原さんの規制改革担当大臣の部分は、これ特命担当大臣なんです。したがって、そっちの部分は内閣府にスタッフはいるんですが、これは必要十分条件じゃありませんから、幾ら制度ができていたって政治家としての最終的なリーダーシップがなければそれは宝の持ち腐れですが、やっぱり少なくとも私、構造改革特区にこれだけの総理が意気込みを持っておられる、あるいは大臣も、午前中の質疑を聞いていても非常に意気込みを持っておられる。なのに、特命大臣の位置付けも与えられていない。私は、これは是非、制度上の不備だと思いますので、例えば次の通常国会で法改正をされるそのときに、こういう事項について修正されるおつもりはありますか。内閣府設置法は附則で今回の法案でも改正されています。今、改正するとおっしゃれば、これ修正案出せば、それだって解決できる話なんです。
 こういうこと一つを取ってみても、今のは法制局の解釈でしたからこれが政府全体の解釈なのかどうか私は知りませんけれども、こういうところの不備を正していこうということに、特命大臣じゃないですね、鴻池大臣、国務大臣鴻池大臣のリーダーシップを期待したいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ひ弱な立場の閣僚の一人であるということが改めて認識をさせていただいたわけでございますけれども、本件に関しましては、これは総理がお考えになってお決めになることだと思いますので、私からの答弁は差し控えたいと思いますが、横並びの総理ではないかと、各大臣のという、正に活字で読めばそうかもしれませんけれども、しかし、民主主義のルールにのっとって内閣総理大臣の立場に小泉純一郎総理がおられるわけでありますので、そのリーダーシップというものを我々はしっかり期待すると同時に、支えていかなきゃいかぬというふうに思っております。
 また、いす、あるいはその地位の、組織図の場所によって人はそれなりに活動、仕事をするものでもございますけれども、人が仕事をするということも私は考えております。私自身、こういう声のトーンの男でございますので、どの立場におりましても今の私の考えておりますこと、また私の与えられていると承知をいたしておりますことに関して邁進をしていく、そういう覚悟であります。
○松井孝治君 それは是非お願いをしたいと思います。
 おっしゃるとおりで、最終的には政治家としてのリーダーシップが問われている。そのときに、いかなる制度があっても、それを使いこなせるのも政治家ですし、使いこなせないのも政治家だと思います。是非よろしくお願いします。
 ただ、お願いをしておきたいのは、やはりこういう制度上、特命大臣という制度を設けて、それが強力なリーダーシップで各省横断的な課題について取り組むという制度を設けたにもかかわらず、一番肝心かなめのこういう問題についての担当大臣が特命大臣としての地位を付与されていない。これは解釈で済むことなのか、あるいは内閣府設置法の改正をしなければいけないことか分かりませんけれども、そこは大臣のリーダーシップで、これ大臣御自身のことであると同時に、政府としてどういう推進体制を作るかなんです。これは、これを具体的に提案できるのは大臣かあるいは総理大臣しかいないんです。
 大臣は、総理大臣の下に付いているというのがこの構成で、官房長官がその間にいらっしゃるわけじゃないんです。ですから、これは大臣は今後のことも含めてこれは是非、内閣府による各省の個別の省益を超えた調整にどうやってそれを突破していくかという仕組みを作る話ですから、僕ら国会議員もそれは責任があるわけです。こういう制度があるにもかかわらず、それに、今担当されている職にあられる大臣がそういう勧告権もない。
 例えば、こういう勧告権があれば各省が不同意と言ったときに同意勧告というのを出せるわけですよ。同意勧告に従わなければ内閣総理大臣が場合によっては指揮命令できると。この基本方針というのは、この最初に三条という規定があって、ここは内閣総理大臣が基本方針を決めると。基本方針はこの推進本部の本部長たる内閣総理大臣というふうに法制局は解釈していますが、これは実は極めて内閣の首長である内閣総理大臣が定める基本方針に近いものだと私は思っています。
 これはもう答弁求めると時間が掛かりますので答弁は求めませんけれども、それに基づいて鴻池大臣が勧告をされて、同意勧告をした。内閣総理大臣が同意しろと言えば、私は、これは同意勧告は法律の要件を満たしていれば、これは有効に機能するものだと思います。そういった制度があるにもかかわらず使っていない。極めてこれは、鴻池大臣というよりは、その周りを支える事務方が僕は職務怠慢であると言わざるを得ない、そんなふうに思っております。この点については、若干テクニカルな点もありますので、是非、後日十分に御吟味をいただきたいと思います。
 先ほど来お話が出ておりますが、いずれにしてもこれ、各省の折衝、なかなか大変だと思います。もちろん、今日、厚生労働副大臣にもお見えになっていますが、それは厚生労働副大臣のおっしゃることに理屈がないわけじゃありません。ただ、やっぱり違う法益というものがあって、その法益と法益を戦わせていかなければいけない。これは、閣内不一致なんというふうにおっしゃらずに、むしろ堂々とオープンに、さっきインターネットでオープンにしていますというふうにお話がございましたが、今日、松田局長にもお見えでございますけれども、省間でいろんな問題で各省協議でこじれたときに、それをオープンにしていく、その調整過程を国民に見えるようにしていくという制度もあります。ほとんど今まで使われていません。
 こういう制度も、従来の各省が何か夜中に権限折衝して、それを全部覚書かなんかにして、役所同士の縄張争いの中で、まあ国民から見たら密約みたいなものを作って合意しているというふうに、残念ながら、一生懸命役所の人は仕事をしておられる方も多いわけですが、そういうふうに見えてしまう。そうじゃなくて、閣内に違う立場があるということを国民に見せていく努力というのを是非していただきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたので、先を譲ります。
 午前中の質疑でも、鴻池大臣の方から、この規制改革というのは突破口だし、いかにして燎原に火を放つかというようなお話もありました。究極的な目的は、それは確かに地域振興という副次的なものもあるかもしれませんが、やはり私は、我が国の構造改革の言わば突破口にしていく、我が国全体の構造改革につなげていくというのがこの法律の目的だと思います。
 これは衆議院の方におきましても、我が党の方から修正案を出させていただいたところでございますが、やっぱりそこの仕組みが足りない。具体的に言うと、個別の特区の認定がなされた、そうするとその地域の方々は、これはうちの地域だけ得られた規制緩和の特例だから、ほかの地域に簡単に認められてしまうと、せっかくその特例を当てにしていろんなところが進出してくる、企業が進出してくる、経済の活性化が実現する可能性がある。もう全国各地で認められてしまったら、それは地域としての特性が生かせないというような思いを持たれる可能性もあると思うんですね。
 これを全国各地にやっぱり言わば広げていくためには、これを評価をして、場合によってはもうこれは全国レベルの規制緩和につなげていくべきじゃないかと。さっき鴨下副大臣から、我が省の医療制度については、やっぱりこれはもう特定の地域だけということじゃなくて、法の下の平等というのも午前中の質疑でありましたけれども、やっぱりあまねく広げていきたい、それにつなげていくための規制改革であると思います。それにしては、今のこの評価制度はやはりお粗末だと言わざるを得ません。
 御答弁が恐らく書いたものを用意されているでありましょうから、時間の節約のために言いますと、過去の審議を見ますと、そうすると法案三十六条を見てくださいと、そこにきちんとその評価が入っていますというお答えが来るんだと思います、こういうふうに言いますと。ただ、中身見てくださいと、法案の三十六条に規定している主語は「関係行政機関の長」なんですよ。その評価というのは、今日、お二人の副大臣に別に私恨みがあって申し上げているわけではないですが、お二人の副大臣いらっしゃる。厚生労働省とか文部科学省が関係行政機関の長としてその特区を評価されるんです。これで本当に全国的な規制改革の推進につながるような評価になるんでしょうかというと、私は、先ほど来午前中の質疑も踏まえて見ておりますと、到底そうは言えない。
 したがって、この三十六条などの評価についても、やっぱりさっきの内閣総理大臣の目で、内閣全体の目で評価をしていかなきゃいかぬ。その上に関係行政機関の長の意見も聞いたらいいんですよ。私は、そういうふうに評価をしていく、そしてそれを全国的な規制改革につなげていくべきだと思いますが、大臣の御意見はいかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 松井委員の御指摘のところ、本法案につきましては、私の立場でこのままお願いをしたいということで衆議院にも申し上げ、ここでも申し上げておるわけでありますが、第二弾、第三弾はまだ分かりませんが、こういったところで多くの御意見というものを、前回も松井委員に申し上げましたように、聞く耳を大きく持たなければならない。より良きものに育てるために聞く耳を多く持たなければならないという態度、立場も変えていないつもりでございますので、この制度が本当に日本じゅうに浸透してより良きものになっていくことをお互いの課題としながら進めていきたいと思っております。
 ただいまの御質問につきましては、これは必要に応じて、ちょっと室長の方から。
○松井孝治君 結構です。
 更なる制度改正を念頭に置いて作業を進めておられるようですから、その際に、これ関係行政機関は本部に報告というのがあります。本部は、内閣総理大臣もいらっしゃるし、大臣もいらっしゃる。だから、報告は受けますけれども、あくまでもその必要な措置を講ずるのは関係行政機関の長になっているんですよ。こういうところを上手に各省庁に権限は割り振られていて、それで鴻池大臣のところには行かないようになっているわけでありまして、そこのところは是非、なかなかこの条文の三十六条辺りまで、隅々まで大臣が目を通すお時間はないのかもしれませんけれども、よく読んでいただいて今後の改正につなげていっていただきたい。これは要望をいたしておきたいと思います。
 同じように、これ衆議院でも、衆議院の議論に先立って、私がこの委員会の一般質疑で御提起した問題で、ノーアクションレターというものがございます。これについては法律で、私は本来文書でとかあるいは回答期限というものをきっちり定めるのが透明な手続だと思いますけれども、大臣の方から、この法律における手当てなのか、あるいは実体上の行政的な手当てなのか、ノーアクションレター制度をきちっと文書で回答させるということについての何か改善の御提案がございましたら是非いただきたいんですが。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ノーアクションレターにつきましては、文書でということは申し上げております。これにつきましては、閣議決定する基本方針の中で定めることとしたいと思っております。
○松井孝治君 文書でということを閣議決定されるというお約束をいただきましたから、それは是非お願いをしたい、しっかりと約束を果たしていただきたいと思います。
 ただ、私、一つ懸念がありますのは、先ほどの省間調整の手続、松田行管局長にはそのためにおいでいただいたんですが、これ閣議決定しているんです。元々は行革基本法というものに入れたんです。ほかの行政評価とか政策評価とかありますね。あれはその後法律になっているんですね。そうすると、やっぱり政策評価の部局を各省ができて、どこまで今の時点で機能しているかどうかはともかくとして、政策評価をしなければいけない、行政評価をしなければいけないということがやっぱり制度として確立しています。
 ところが、松田局長、ちょっとせっかくおいでいただいたんで、一言だけ、もう趣旨は要らないんですが。この省間調整手続、行革基本法に二十八条に規定したもの、今これは国家行政組織法と内閣府設置法にもそういう規定があったと思いますが、閣議決定で個別具体的な制度が規定されていますね、細かく。あれは使われた事例は何件ありますか、件数だけ答えてほしい。
○政府参考人(松田隆利君) 省庁改革によりまして……
○松井孝治君 件数だけ。
○政府参考人(松田隆利君) 件数だけです。いろんなレベルでの政策調整を進めておりますが、例えば、大臣レベルで……
○松井孝治君 件数。
○委員長(小川敏夫君) 答弁、簡略にお願いします。
○政府参考人(松田隆利君) 大臣レベルで意見を述べる等々の事例はこれまでございません。
○松井孝治君 こういうことなんです。閣議決定されればすべて進むというわけではない。やっぱり法律の重みはあるわけです。だからこそこうやって国会で議論をしているということは是非御留意をいただきたいと思います。
 もう時間が限られてまいりましたので、ほとんど最後の質問になろうかと思います。
 特区における規制改革を全国的な規制改革につなげていかなければいけない。この前の質疑でも伺いましたが、全国的な規制改革全般は石原国務大臣が御担当です。総合規制改革会議というもので一生懸命、衆議院では宮内議長が参考人として意見を述べられておられましたけれども、議論がされています。
 この総合的な規制改革にこの特区の規制改革をつなげるという意味で、まず事実関係を確認したいんですが、大臣お忙しいでしょうから政府参考人に確認したいんですが、メンバーというと違うのかもしれませんが、石原大臣は総合規制改革会議に出られていますね。鴻池大臣は総合規制改革会議に出られていますか。
○政府参考人(宮川正君) お答えいたします。
 これまで鴻池大臣が御出席されたことはございません。
○松井孝治君 今後は御出席の予定に入っていますか。
○政府参考人(宮川正君) これまで特区推進室長の中城室長にも御出席いただいておりますし、この件については御検討させていただきたいと思います。
○松井孝治君 こういうことなんですね。
 ですから、特命担当大臣として実は権限がなかった、特命担当大臣じゃなかった、法律上の。総合規制改革会議にも大臣、残念ながら呼ばれていなかった。これがやっぱり実態でございまして、今、特区制度を作るわけですから、内閣官房に、優秀な役人の方々から、各省から集めて大臣の部下としていらっしゃると思いますが、これも事実上の部下であって、実は大臣の本当に組織上の部下になっていないんです。
 やっぱり今後、第二次ヒアリングをされたり、制度改正したり、個別に地方公共団体、民間と話をしたりするときにしっかりとした手足も必要です。是非、大臣におかれましては、やっぱりもう規制改革全般をある意味では石原国務大臣と二人三脚で支えていかれるというぐらいのおつもりで体制整備をしていただきたいと思いますし、是非役所の方々も大臣を支える制度というものを作っていただきたい。そのことを最後にお願いをして、最後に一言、御感想、御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私の立場というものを掘り下げて御勘案いただき、また、御指摘あるいはアドバイスをちょうだいをいたしまして、大変有り難く拝聴をいたしました。
 先ほども申し上げましたように、私自身、総理から命ぜられましたものをしっかりと把握して、そして、ただいま与えられております権限の中でしっかりとこの特区の構想を推進していきたいと考えておりますし、先ほども申し上げましたように、仕事は人がしていくものであるという自らの思いを新たにしてこれからも取り組んでいくつもりであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○松井孝治君 終わります。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 本法案は、全国的な規制の緩和を部分的に行いまして、そしてそれぞれの自治体が意欲的に、自主的に創造する様々な計画を推進、実施しようと、こういう壮大な試みであります。私は、これを是非とも所期の目的が達成されるように、円滑に実施されるように望むものでありまして、そうした観点から、この法律の運用の在り方等についても、若干細かい点にもわたるかもしれませんが、質疑をさせていただこうと思います。
 そこで、まず初めに伺いますが、本法の目的というのが、一体核心はどこにあるのかということを伺いたいと思います。
 本法の第一条のところには、経済社会の構造改革の推進及び地域の活性化と、二つの命題が並んでいるようにも書かれているわけであります。また一方、推進本部が今年の九月二十日に出しました構造改革特区推進のための基本方針、この特区の目的の冒頭のところに、経済の活性化のためにはという言葉が出てくるわけですね。この段落には経済の活性化というのが三か所にわたって出てまいります。したがって、規制緩和という手段で経済の活性化を図るということが強調されているようにも読めるわけであります。
 しかし、また一方では、本法の十三条に書いてあるような教育関係の規制緩和の部分、これを考えますと、例えば外国語を小中で教えるということによって規制緩和をなそうという試みでありますが、こういう教育面での試みというものは必ずしも直ちに経済の活性化に結び付くものではない、もうちょっと幅広いものではないかと思います。
 そうした意味で、この目的というものが一体経済の活性化にあるのか、あるいはその地域の振興、活性化ということにもつながるのか、あるいは規制緩和をすれば何らかの動き、流動化が起こるであろうと、それ自体が目的なのか、この辺についての大臣のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員御指摘のように、経済の分野のみならず、いわゆる国民の生活の向上に資するという大きな幅広い目的を持っているというふうに私は解釈をいたしております。
 午前中、午後も、どちらかで私が申し上げましたように、一つは、やはりより良き制度が出発すれば飛び火する、あるいは燎原の火のごとく全国に広がっていくと、これが大変大きな目標でもございます。もう一つは、地域できらりと光って、その地域が活性化していくということも目標の一つでございます。もう一点は、やはり今、委員がおっしゃいました教育の現場等で、何度も申し上げますように、面白い状況を作り出して、そしてこれが国民生活の向上に資していくということの、この私は三点ということをいつも念頭に置きながら進めておるつもりであります。
○山口那津男君 なぜ今これをお聞きしたかといいますと、後ほど出てきますが、この実施状況を調べたりして評価をするという、そして次の施策に反映する、こういう行為が出てくるわけでありまして、この目的というところがぼけていたのではその評価も適切にできないと思うからであります。
 さてそこで、本法が施行されるプロセスがどうなるかということを伺いたいと思います。
 本法の附則の一条によりますと、施行期日が部分によって分かれておりまして、原則は公布のときからであります。しかし、三章、四章については来年の四月一日からということになっております。
 そこで、本法が成立、公布されますと、まず内閣総理大臣が基本方針というものを決定することになっているわけですね。これは三条に書かれております。この基本方針が早く示されないと、四月一日以降に行われるであろう申請等についての準備ができないということになります。したがって、この基本方針をできるだけ早くというのが目標だとは思いますが、大体いつごろを御予定になるか、この点の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 構造改革特別区域基本方針が規定されている法案第二章は公布の日から施行ということになっておりますから、基本方針につきましては、本法が通りました場合には、内閣官房において速やかに原案を作成して、関係省庁と所要の調整を行った上で一月中には決定を行ってまいりたいと、かように考えております。
○山口那津男君 続いて、本法の法律事項の中にも様々な政省令への委任部分があります。また、本法に書かれてはおりませんけれども、現に行われている政省令による規制、これをまた政省令によって緩和するという部分もございます。こういった政省令が整備されなければ申請はできないわけですね。ですから、四月一日以降の申請を考えれば、遅くとも年度内にはこれを確定して公表しなければならないと思います。
 しかしまた、これが年度末ぎりぎりで公表されても準備ができないわけでありますから、私は、この基本方針の中で、三条二項の四号というところに政府が構ずべき措置についての計画という部分があります。ここに、より分かりやすく、またより具体的に、この政省令の基準となるべきこと、作成の基準となるべきことをしっかりと示す必要があると思うんですね。
 この点の、政省令の準備、あるいはそれに先立つ基本方針に書くべきこと、これらについてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、基本方針においては、規制の特例措置を定める政省令事項に関するものについてもその具体的な内容を明記することといたしております。なお、政省令につきましても、本法案に基づく基本方針に即して定めることとなっておりまして、十月十一日に本部決定しましたプログラムにおいては、案の作成に当たって内閣官房と所要の調整を行うということになっております。
 以上のことから、政省令事項につきましても、構造改革特区の趣旨に適合するものとするように対処していく所存でございます。
○山口那津男君 計画の申請及びそれに基づく認定というのは四月一日以降できることになっているわけでありますが、四月一日というのは火曜日になります。ウイークデーであります。この四月一日からきっちり申請を受け付けることができると、こう考えてよろしいですか。念のため伺います。
○政府参考人(中城吉郎君) 四月一日から申請を受け付けるような体制を取る予定でございます。
○山口那津男君 その申請に基づいて、五条の一項で、受理した日から三月以内にこの認定をすべきことと、それに係る処分をするということになっております。これも三か月以内でありますから、早いにこしたことはないと。そしてまた、この制度のスタートの時点でありますから、内外ともに注目も集まっているだろうと思います。したがって、第一号の認定というものはなるべく早く出していただくにこしたことはないと思いますが、この認定の目標についても、いつごろ、どれぐらいを考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 今申しましたように、法案の規定に基づきまして平成十五年四月一日以降に計画の申請を受け付けることになりますが、法案においては、「内閣総理大臣は、認定の申請を受理した日から三月以内において速やかに、認定に関する処分を行わなければならない。」というふうになっております。
 私ども、特区制度が経済活性化対策の重要な柱の一つであるという認識に立っておりまして、申請を受けた計画につきましては、各省と協力の下で可能な限り迅速に対応してまいりたいというふうに考えております。
○山口那津男君 四条の七項にノーアクションレターの制度が規定されております。これも四月一日以降に適用される、施行されるということになるわけであります。しかしまた、この規定の中には、申請に当たって回答を求める、解釈についての回答を求めることができると、こうあるわけですね。
 先ほど、申請は四月一日からできると、こうおっしゃられました。しかし、ノーアクションレターも四月一日から制度施行であります。そうすると、「申請に当たって」というのは申請の前にできなきゃおかしいのに、アクションレターの制度そのものが四月一日からというのでは、制度としていささかちぐはぐな感じがするわけですね。しかし、こうなっている以上は、実際には四月一日以前であってもこれに準ずるような運用がなされなければならないと思うわけであります。この点についてどのようにされるおつもりですか。
○政府参考人(中城吉郎君) 山口先生から正しい御指摘をいただきました。御提案の趣旨を踏まえまして、基本方針を閣議決定しますが、その基本方針の中で、四月一日以前でもそういったノーアクションレター制度で受け付けるような方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
○山口那津男君 このノーアクションレターの制度は関係行政機関の長に対してなされるものでありますが、基本方針に出てくるような基準に適合するか否かということについても、やはり準備段階でいろいろと問い合わせなければならないこともあるだろうと思います。こういうものについても推進本部にこれを照会等ができるようにするという必要があると思いますが、これも当然のことと考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 私ども内閣官房の構造改革特区推進室では、これまでも、地方公共団体等から御相談があった場合には、地方公共団体のアイデアを実現するためにはどうすればいいかというような視点から適宜アドバイスを行ってきたわけでございますし、またこの推進の過程をできるだけ透明にするために、ホームページ上で出された意見、それから各省の回答もホームページに出すというようなこと、それから質問なども受け付けて、それらに対する回答というようなこともホームページを通じてやってきたところでございますので、四月一日からの認定申請の受付におきましても、引き続き、そうした地方公共団体等に対して丁寧に必要なアドバイスを行っていきたいと、かように考えております。
○山口那津男君 事実上やっていただくのはもちろんよろしいわけでありますけれども、やはりこれも手続の一環だろうと思います。わざわざノーアクションレターの制度をこういうふうに法文に書き込んだということもありますし、また先ほど大臣の御答弁、同僚委員の質問に対する御答弁の中で、この回答は文書で出すということを閣議決定すると、こういうお言葉もありました。
 そうした重みを考えたときに、この申請可能時点以前のノーアクションレターに相当する取扱い、あるいは推進本部に対する照会に対する回答、これらも念のため回答する旨、また文書でなす旨、これを文書できちんと公表して関係自治体にも周知すると、こういうことが必要だろうと思いますが、どのようにされるおつもりでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 先ほども申しましたように、ノーアクションレターにつきましては四月一日以前に基本方針に書くような方針でやっておりますし、必要なアドバイスなんかについても地方公共団体に周知徹底できるような形を取りたいと思っております。
○山口那津男君 次に、先ほど同僚委員からも質問がありましたが、規制の特例措置の適用に当たって関係行政機関の長が同意をするという制度があるわけであります。同意のところを見ますと、四条の九項ですね、九項のところ、同意を得るに当たって法令に関するものは第四章に規定したこと、それから政令や主務省令に関するもの、これらに適合すると認められたときは同意をするものとすると、こうわざわざ書いてあるわけですね。これは、同意に当たってなるべく裁量の余地をなくそうと、こういう規定ぶりだろうと思います。
 これは、もちろんそのような趣旨でこういう制度を設定したと思うわけでありますが、同意の在り方について原則としてどう考えられるか、大臣のまずお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 裁量の余地をなくすという御意見が多うございまして、私どももそのようにしたいというふうに思っておるところであります。
 何度も同じような答弁で恐縮でございますが、内閣総理大臣が認定を行うに際しては、個別規制の特例については関係行政機関の長の同意を得ることとしておるけれどもいかがかと、こういうことでありますが、規制の特例を受けることの必要性及び要件適合性等については各地方公共団体の判断が尊重され、要件に適合していれば関係行政機関の長は同意するものであり裁量の余地はないと、このように今考えておるところであります。
○山口那津男君 今御答弁されたことが原則だろうとは思うんですが、しかしまた五条の二項には、「同意又は不同意」、つまり不同意ということが法律上予定されているわけですね。
 先ほども不同意の具体例についての質問がありました。これは教育問題に限らず、こういう不同意ということが法律に書かれている以上、どういう場合が不同意に当たるのか、これを大臣のお立場から考え方を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 法令に規定された要件に客観的に適合しない場合が考えられるところ、例えば港湾法や大規模小売店舗立地法の特例において必要とされている公告縦覧などの手続が行われていない場合など、こういうことであります。
○山口那津男君 公告縦覧があるかないかというようなことはすぐ分かることでありまして、問題は、もっと違う場合に不同意の実例が起こり得るかというところでありまして、それは政省令の決め方にも懸かってくるし計画の出し方にも懸かってくるだろうと思うんですね。
 全く裁量の余地が、ゼロにしなければならないとも思いませんけれども、しかしそこは極力裁量の余地を排除する、つまり関係省庁の裁量の余地を少なくするという意味で細かく規定をすべきであると、こういうふうに思うわけですね。その辺の大臣の基本的な御決意、基本方針の定め方に対する決意についてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 役所の考え方、いわゆる規制緩和、規制改革に対する役所の考え方というものはできるだけ、より良きものであれば、それは排除しなきゃいかぬというふうに思っておりますし、またこの制度につきましては地方から、地方の提案、提言が主でございますので、これをあくまでも重要、主にして、そういう消極的な役所側からの提案についてはできる限り排除していかなきゃいかぬというふうに思っております。
○山口那津男君 恐らくは、規制を緩和する、その代替の措置をいろいろと定めなさい、実施しなさいと、こういうことも出てくるのではないかと思います。例えば教育の問題でいえば、外国語授業を小中の教育課程で取り入れるとすれば、一方で国語能力が担保されないというおそれもあるわけですね。ですから、そういうことにならないように、国語能力の確保ということでその代替措置を求めなさいというようなことが考えられます。そのほかの規制分野でもこの代替措置ということが考えられるわけですね。
 ただ、抽象的に代替措置といいましても、具体的にどうするかということは様々なバリエーションがあるわけですね。そこの評価をめぐってこれが結果的に不同意となるようなことは、これは望ましくないと思うんです。だからこそ事前の、さっきのノーアクションレターの制度等が十分に活用されることが必要だろうと思うんですね。その明確性を担保して、後でそれを追跡できるようにするために、やっぱり文書で回答させるということが非常に重要な意味を持ってくるだろうと思うわけであります。
 こういう制度の連関といいますか、重要性についての大臣の御認識を再確認したいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 度々所見を申し上げておりますとおり、この制度というものをしっかりと守り、発展させていかなければならぬという思いでございますので、ただいま委員の御指摘のような制度につきましても十分ウオッチングをしていかなきゃいかぬというふうに思っております。
○山口那津男君 さてそこで、実際に認定をして実施をされた後どうなっていくかということについて御質問したいと思います。
 七条一項、二項等で、実施の状況あるいは特例措置の適用の状況等について、報告を求めた上で必要な措置を取ったり、場合によっては取消しをしたりというようなことが書かれております。
 この場合、特に総理大臣の下で報告を求める場合に、それが、実施の状況が基準に合っているかどうか、これはどういう基準で判断をすることになるのでしょうか。その判断の仕方についておよそのところをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、総理が、計画を円滑に実施されず効果を上げていないと、そういった場合には、そういった認定した基準を満たさなくなったという場合にはその取消しを行うということになっておりまして、これは、計画の実施状況に応じまして計画の一部又は全部の取消しを行うということができることになっております。
 御質問のどのような場合に取り消されるかということにつきましては、計画内容が農業、教育、社会福祉など幅広い分野にわたりますから、その具体的な内容に応じて判断されるものであるというふうに考えております。
 ただ、実際に取消しを直ちに行うということは想定されておりませんで、御指摘のように、認定を受けた地方公共団体に対してまず報告徴収、それから必要な措置を講ずるというようなことを求めてから対応を取ることにしているわけでございます。
○山口那津男君 この規定の仕方、報告を本部の側から求めることができると、こういうふうに書いてあるわけですね。それで、国会の質疑の中でも、この報告については必ずしも定期的なものを予想はしていませんと、こういうお答えになっております。
 そうすると、この報告を求めるべきか否かというのをどうやって本部は認知をするんでしょうか。これ、全国多種多様の特区が多分設定されると思いますが、それらについて常にウオッチしている状況ではないだろうと思うんですね、その能力的にも限界があるだろうと思います。
 そうすると、どういう状況でどうやって報告を求めるのかというところについては、自治体、実施主体の側から報告がなされてくるわけではないわけですから、この点の報告の求め方とか、私はある程度定期的にやることも考えた方がいいんではないかというふうに思っております。といいますのも、これ恣意的に、抜き打ち的にやられるのもまた困るでしょうし、短いサイクルでやるのも非常に事務的な負担にもなるだろうと思います。
 したがって、この点についてはある程度の目安というものを示しておく必要があるのではないかと思っておりますが、この報告の求め方についてどのようにお考えになるのでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 この報告の徴収につきましては、計画の実施状況についてその進捗を踏まえて必要に応じてやるということでございまして、これを適宜把握するために実施するものでございますので、あらかじめその頻度に一定の目安を付けるということは特に考えておりません。
 また、総理等が必要な措置を講ずることを求めることができるわけですが、これは、計画と異なる内容の措置を実施している場合や法令に違反している場合等の、そういう場合の是正を求めるというものでございます。
○山口那津男君 その報告に基づいて改善措置を求めることができるようになっております。
 この措置、具体的にどうするかということについてなんですが、これも言わば地方自治の本旨からすれば、自治体にあれをするな、これをやれというような具体的な行為、具体的な事業の禁止やあるいは命令、義務付けというようなものに踏み込むのは、私はいささか行き過ぎかとも思います。ここはなるべく自主性を尊重した上で必要な措置が取られなければならないと思いますが、この辺の必要な措置の在り方についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(中城吉郎君) 御指摘のとおり、特区計画というのはあくまで地方公共団体がその各々の地域特性というものを生かして自発的に立案するものでありますから、国の関与は極めて限定的にするべきというふうに考えております。
 一方、法案では、認定を受けた地方公共団体に対しまして報告徴収や措置の請求を行えることになっておりますので、認定の要件に適合しなくなった際には認定の取消しができるという形での事後的なチェックということで、限定的にやっていきたいというふうに考えております。
○山口那津男君 この報告及びそれに基づく必要な措置というのは、内閣総理大臣もできますし、また関係行政機関の長もできるということになっているわけでありますが、その結果としての取消しというのはこれは総理しかできないことになるわけですね。
 そうすると、この取消しは言わば計画の全部又は一部の取消しもできるというふうに答弁がなされておりますけれども、一部の取消しというのはどういうところを言うのでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) いろんなケースがあると思いますけれども、一つの特別地域の計画につきまして幾つかの特例措置が認められているという場合に、その認定の取り消しされるある一定の特例措置というものについては、そこは外されるというような場合があるというふうに考えております。
○山口那津男君 一方で、関係行政機関の長の定期的調査という規定があります。これは三十六条に規定されているわけであります。この定期的な調査についてはいつ行うかという意味で、この定期的というのをどの程度に理解するかということになるわけですが、これ法律に明記もされていませんし、明確な御答弁もないようであります。
 この点については、どういう頻度といいますか程度を考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) この三十六条の調査という、定期的調査というのは、個別の地域ごとの計画の調査ではございませんで、規制の特例措置の適用状況というものを全体としましてどうかということを見ようということでございます。これにつきましては基本方針で明らかにしていきたいと考えておりますけれども、大体年に一回ぐらいの調査を考えております。
○山口那津男君 この調査の結果どうするかというところが必ずしも明確ではありません。関係行政機関の長は、調査をしてそれを本部に報告する、また一方で必要な措置を取ることもできると、こういうふうに書かれております。そしてまた、評価制度というものを考えなければならないということも大臣の御答弁の中にあるわけですね。
 しかしまた、この調査と評価というのは必ずしも同じものではないんではないでしょうか。したがって、この評価というものをだれがやるのかというところ、これをはっきりさせた方がいいと思うんですね。例えば、調査、報告に基づいて本部が行うのか、あるいはまた第三者に任せるようなことにするのか、そして、そのような評価に基づいて関係行政機関の長が必要な措置をするのか、そういうことにとらわれず、関係行政機関の長の言わば独自の判断として必要な措置を取っていいのか。
 こういう評価との関係というものが明確になっておりません。この点についてどのように考えますか。
○政府参考人(中城吉郎君) 御指摘のように、評価制度につきましては、この法律が通りましてから一年以内にやると、決めるということを考えておりますが、基本方針で方向を出したいというふうに考えております。
 また、具体的なやり方につきましては、総合規制改革会議等いろんなところの御意見を伺いながら適切な措置を取りたいというふうに考えております。
○山口那津男君 この定期的調査に基づく報告と、先ほどの七条にあります報告に基づく取消し等あるいは必要な措置を取るということとは関係があるんでしょうか、ないんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 七条、八条のは、個別の地区の計画に関しましてどうかということを議論しているものでございます。三十六条の方の定期的な調査というのは、こうした規制の特例措置全体がどういうふうなものかということを評価するものでありまして、三十六条の方はむしろこれを全国的にやるべきであるかどうか、全国展開できるかどうかというようなことの観点からやるものでございまして、そういう意味では直接的に七条、八条と関係あるものではございません。
○山口那津男君 この評価に当たって、私は、是非とも、これを国民注視の中でやるわけでありますし、地方自治体やあるいは民間の実施主体の自主性を尊重するという面もあります。したがいまして、この評価を一方的に内閣の下の本部で行うということだけではなくて、それがあってもいいわけでありますけれども、それだけではなくて、やはり客観的公正な立場の第三者の評価というものを取り入れる必要があると考えておりますが、この点については大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先ほど来、室長答弁のとおりでございますが、この法案を成立をしていただきました時点から一年以内ということでありますので、その評価の方法、制度というものについて検討することに着手をしなきゃいかぬと思います。その中で、民間はいかがかあるいは学者はどうかとか、いろんな御意見があろうかと思いますけれども、これもひとつ謙虚に耳を傾けさせていただきながら、より良き評価の体制を作りたいと、このように考えております。
○山口那津男君 是非第三者の目を入れるというところも取り入れた評価方法を確立していただきたいと思います。
 そこで、評価あるいは調査に当たってその対象は何かということを再確認させていただきたいと思います。これは冒頭に、本法の目的とは何かと、大臣の方からおよそ三つのことが大事だと、こういう御答弁もありました。それがそのまま評価や調査の対象になっていくと考えてよろしいんでしょうか、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) 基本的にそのとおりでございまして、本法の目的に照らしましてそれがうまくいっているかどうかということを評価していくということでございます。
○山口那津男君 それでは、法律の文言には評価に当たって適正に行われているかどうかと、こういうことなんですが、単に効果を発揮しているかどうかじゃなくて、適正なというような文言も使われている部分があります。ここは実に難しいところだと思うんですね。この評価の基準といいますか、これが効果の面に着目しますと強いとか弱いとか薄いとか厚いとか、こういう相対的なものになるでしょうし、また実際いい方へ向けての改革と思っていたところが別なマイナス面が相当に出てきてしまったということもないわけではないと思います。こういう評価の基準、在り方、これについてはどうお考えになるでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 具体的な評価の基準につきましても、評価の体制と同様に、これから法案が通りましたら鋭意検討させていただきたいと考えております。
○山口那津男君 特に、経済的な効果の部分についてはある程度数値化できる部分もあると思いますが、そのような手法を取り入れるお考えはおありですか。
○政府参考人(中城吉郎君) この法律の第四条の八項のところで、内閣総理大臣が認定するときに、この計画が適切な経済的社会的効果を及ぼすものであることというふうに規定されておりまして、この認定の際の提出書類の中に経済的社会的効果というものについて記載させるようになっております。その点で、物によってはそうした数量的に効果が出せるものもあるということになりますので、そういったものが出ているものにつきましてはその評価のときにもそういうものを参考にするということはあると思います。
○山口那津男君 そういう評価の結果としてこの規制の特例措置を場合によっては廃止したりすることもあるでしょうし、変更するということもあり得ますし、またこれを全国レベルに広げるということもあるだろうと思います。
 そういう結果を見た場合に、これを特区の場合に限ってみれば、これは計画を変更するという手段も一方であるわけですね。一部を取消しするという方法も用意されているわけであります。こういう使い分け、それぞれの諸制度の使い分けについては柔軟に考えられるのでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 今回の法律につきましては、今後二次募集などをしまして基本方針を変えるというようなこともございます。そうすると、対象となる規制の特例措置も加わるということもありますので、そういう場合には各地域から出されました計画につきまして変更というようなこともあると思いますし、またその見直しの中で、先ほど言われましたような認定の取消し、一部取消しというようなこともありますので、計画の変更につきましては弾力的に対処していきたいというふうに考えております。
○山口那津男君 また、関係行政機関の長が全国一律に規制の緩和を及ぼそうと、こういう判断、あるいは規制の特例を廃止しようと、こういう関係行政機関の長の必要な措置を取る、この判断に本部はどのようにかかわっていくのでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) この特区構想の中で、これが出てきたゆえに全国一律でもできますよという大変明るいお答えもいただいている部分がございます。これにつきましては是非とも御推進をいただくようにお願いをしなきゃいけませんし、これが至らないときには、いかなる理由で言を覆すのかといったようなやり取りも必要になろうかと思っております。
○山口那津男君 ここも内閣総理大臣のリーダーシップが非常に求められるところだろうと思いますので、この点についての在り方についても十分な御議論をこれからも期待したいと思います。
 次に、本来この法律というのは、言わば事前の規制、事前のチェック制度である規制、これを緩めて、言わば入口を広くして、そしていったん試みをやらせてみて、その結果がまずければ先ほどの取消しとか変更とか必要な措置とか、こういう事後的な手段でこれを是正していこうと、こういうシステムだろうと思います。
 私は、これからの時代を考えたときに、こういう手法が、本法が言わば先鞭役となって大きな効果に結び付くことを期待するわけでありますが、そのような事前規制の在り方とそれから事後的なチェックの在り方、これは一つのバランス論でもあろうと思います。この辺の基本的な在り方について、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員御指摘のとおり、まずは国の関与は極めて限定的なものにしなきゃいかぬというふうに思っております。一方、この法案で認定を受けた地方公共団体に対して、内閣総理大臣が報告徴収、措置の請求を行えること、認定要件に適合しなくなった際に認定の取消しができることなど、事後的なチェックが可能な制度ということになっております。
○山口那津男君 そこで、事後的なチェックによる是正もこの制度では用意されているわけでありますから、なるべく事前の様々な規制、これは緩和されたとはいえ全面解禁というわけではないと思います。
 また、いろいろ許可要件を設けてそこに条件をいろいろと付ける、こういう制度も見受けられるようであります。例えば、農業特区の部分でありますが、これは株式会社の参入を認めるものの、許可制の下で様々な条件が付けられているわけですね。本来の思想からいえば、この事前の規制や条件付けといったものを思い切って取り払って自由な参入を認めた上で、まずいところが出れば事後的なチェックで是正をする、こういう方が本法の目的には合ったやり方だと私は思うわけであります。
 しかし、法律でこう書かれてしまった以上、これを実際適用するに当たっても、言わば申請側の自主性を尊重するような解釈、運用をなすべきであって、極力規制側の裁量の余地はなくす必要があると思います。この適用の在り方についてどのように大臣はお考えになるでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま委員の御指摘のとおりであると思いますし、そのような方向に持っていかなければならぬものだと、このように思っております。
○山口那津男君 しかし、先ほど同僚委員の質問にもありましたあの不同意の部分について、関係行政機関側とそれからまた内閣総理大臣側とでは考え方のそごがあるようにも見受けられます。したがって、この点については是非、基の基本方針を作る側においてなるべく裁量の余地を排除するような、そういう基準また運用に努められたい、こう思います。
 さて次に、本法は、言わば規制緩和という手段のみを定めておりまして、税制あるいは財政措置という別な手段を予定しておらないわけであります。したがって、もちろんこの規制緩和による効果も大きく期待したいところではありますが、しかし、それゆえの限界というものもあるのではないかと思うわけですね。
 さて、そこで伺いますが、沖縄振興特別措置法というものがあります。ここにも幾つかの特区が規定されているわけですね。ここでの特区の思想というのは、必ずしも本法の特区と同義ではないかもしれません。そして、その中で特別自由貿易特区というのがありまして、法人税の軽減措置を取っているわけですね。しかし、こういう税制の手段を取りながらも、実際に企業誘致は所期の期待ほどには進んでいないという指摘もございます。
 この実態についてどのように認識されていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(安達俊雄君) お答え申し上げます。
 平成十一年三月に指定いたしました特別自由貿易地域でございます。中城湾港新港地区を指定したわけでございますが、その後の取組の中で、半導体部品製造業、光通信用部品製造業、オートバイエンジン製造業等の合計八社の企業立地が実現し、また、ごく最近でございますけれども、台湾の半導体製造業の進出等、二社が決定をしております。
 この間、約三年間でございますが、この十社の工場進出が実現し若しくは決定をしたということでございまして、元々沖縄は、御承知のとおり、本土マーケットから見れば一番隔絶した地域でございまして、輸送コスト面を中心として厳しい条件の下にございます。しかし、一方において沖縄の雇用創出等を図る上で、こういった製造業の誘致も重要な課題ということで、平成十一年に、十年に制度ができ、翌十一年三月に指定を受けたわけでございまして、その後、税制だけではなく、賃貸工場の整備等々、いろいろな取組の中で十社の進出が実現しておるということでございます。
 また、この通常国会で成立いたしました新法でございます沖縄振興特別措置法におきましても、ビジネスサポート業務等を行う管理運営法人に対する支援措置など、更にこの制度の充実を図っておるところでございまして、今後、更に企業誘致が促進されていくことを期待しているところでございます。
 以上でございます。
○山口那津男君 三年間で十社の進出、これは非常に喜ばしいことだろうと思います、多いか少ないかの評価は別にいたしまして。
 この税制の軽減措置を取ったということは、単に国内での競争力を付けるということだけではなくて、やはり沖縄の地の利を考えたときにはアジア諸国の同様の制度との競争ということも考えなければならぬ。つまり、税制を取ることは有力な手段ではありますけれども、しかし、その内容によってはやはり限度もありますよと。つまり、こういうことをどんどん使い分け、あるいは重ね合わせていくと、こういう工夫が必要だということでこの御質問をさせていただきました。
 そして、次に伺いますが、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市と、この四つの自治体が最近、東京湾岸経済特区というものを推進室に提案をされたというふうに報道されております。この内容を見ますと、税の減免措置が主たる部分でありますが、そのほかにも公共インフラの整備等、財政措置を必要とする部分も提言しているわけですね。本法が税や財政措置を取らないという趣旨であることは分かっているにもかかわらず、こういう言わば挑戦的、意欲的な提案がなされる、これは一方では歓迎すべきところもありますが、また非常にやはり国に対する一つのアンチテーゼだとも思うわけですね。
 この点について、この提案が突き付けているものに対して大臣はどのように御評価されるでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私も、東京都その他近郊県に友人がたくさんおるものですからこういった構想につきまして承知もいたしておりますし、特に、室の方にいわゆる披露にお越しになりましたことは事実でございます。
 しかし、今、委員の御理解のように、本構想の中には従来型の財政措置といったもの、税にかかわるものにつきましては一切入れない、触らないという状況の中で推移をいたしておるところでございますので、この東京湾経済特区につきましては直接なじむものではないと思います。ただし、四月以降の、四月に入りましてからの御提案の中にこの我々が推進しております特区構想と相重なるものがありますれば検討をしなければならないと、このように思っております。
○山口那津男君 今申し上げました提案というのは、四つの自治体、しかも都道府県と政令市が絡んでいるものなわけですね。
 本法における計画の主体というものは、これは複数共同で出すということも認められておりますから一応形式的にはオーケーということになるわけでしょうけれども、しかしまた、広域で複数の自治体が多岐に絡むものについては本法が果たして予定しているものなのかどうか。本来、本法が予定している特区というのはどの程度の地域、規模なのか。これは、法律上は自治体側が区域を設定するということにはなっておりますけれども、やっぱり適正な規模というのはあるだろうと思うんですね。
 この点についてある程度のお考えがあるでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 午前中にもお話ししましたけれども、地域につきましては市町村を原則といたしますけれども、市町村を超えた地域あるいは県、あるいは県を超えたようなこのような地域であっても、地域特性を生かした活性化計画というものが出されていれば、それはそれとして受理するということでございます。
○山口那津男君 そのような法の趣旨であるにもかかわらず、東京湾岸経済特区のようなものが提案されてくるということは、私は、こういう広域で税財政措置も加えたダイナミックな特区の設定というものをやはり地方は期待している、あるいは事業者も期待していると、そういうことの表れだと思うんです。かといって、これが千葉も含めて東京湾全部というふうになった場合に、余りにも散漫になり過ぎてその効果の検証もしにくくなるとか、そういう面もあろうかと思います。
 今後、こういった広域の経済特区の提案というものはますます多く出される可能性もありますので、今後の在り方については是非幅広く御検討いただきたいというふうに思います。
 さて次に、本法作成に当たって四百を超える自治体あるいはその他の主体から提案があったということでありますが、その中には、カジノの特区を設定せよと、こういう提案もあるわけですね。
 ところが、カジノというのは法務省や警察庁の考え方からすれば刑法の改正を必要とするものとなるわけでありまして、言わば刑罰を科す、これは規制の一番強い方法とも言えるわけですね。また、その他の通常行われている規制とはやはりその守るべき法益というものが違いますし、またその手段というものも非常に決定的に違うところがあると思うんです。
 ですから、このカジノの設定については、私は、本法の趣旨にも必ずしもそぐわないのではないかとも思います。ただ一方で、諸外国に見られる例からすれば、カジノを設定することによって一定の様々な効果が生まれてくることも明らかでありまして、これも今後の検討課題ではあると思うんですね。しかし、これが本法の延長線にあると私は考えておりません。もっともっと様々な、例えば教育的な影響でありますとか、あるいはかつて東京都は公営ギャンブルというものを廃止をしたと、これは都民の声を率直に受け止めて廃止をしたと、そういう歴史もあるわけですね。
 そんなことから考えた場合、このカジノを設定することについてはもうちょっと幅広い議論が必要だと私は思っておりますが、その積極、消極、いろんな考えがある中で、大臣のお考えをいま一度確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員の御発言のとおりだと思います。この特区の構想の延長線上に置く性質のものではないと思います。
 それゆえに、五つの地方公共団体から提案がございましたことは御承知のとおりでございますけれども、これは取りあえず延長線上に置かずに横へ置こうと。横へ置いてみる。しかし、これを扱うところというのはなかなか難しいし、大変興味深いという人も国民の中には大勢いらっしゃいますから、駄目よと言う人も大勢いらっしゃいます。こういった中で、私自身、先ほど来申し上げておりますようにカジノというものに参ったことがございませんものですから、一度勉強して、どんなに楽しく明るいものかということも知りながら横に置いたものを眺めてみる、そういうことも必要ではなかろうかと思いますし、全世界の例を見ておりましても、特にアメリカの例などを見ておりましても、これは捨てたもんじゃないというふうに私は思っておるところでございますので、ただいまの委員の御指摘のような考え方でちょっと横へ置くと、このように思っております。
○山口那津男君 是非、自発的な調査も含めて、今後検討いただきたいと思います。
 これで終わります。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 構造改革特区が地域経済の活性化の特効薬になるのか、私は非常に消極的な考えです。
 今までずっと午前中から何人かの同僚議員が質問をしてまいりましたけれども、私は違う立場から、以下、大臣にいろいろ伺っていきたいと思います。
 これまでの規制緩和は労働者を始め社会的な弱者にしわ寄せされて、この方々は大変苦しんでいます。例えば、タクシーの規制緩和によってタクシー労働者の賃金は減り続けて、昨年の平均は年収で二百九十九万円です。一般労働者との格差は二百三十八万円と広がっています。最低賃金や生活保護基準を下回る異常な低賃金が常態化しておりますし、過労死、自殺の激増、モラルの低下、違法駐車の列、交通事故の増加、こういう事態になっています。さらに、今年二月から台数規制が廃止されまして一層深刻になっています。タクシー労働者の深刻な生活破壊と職場環境の悪化、安全、安心、こういうものがないがしろにされてルールなき競争を行うとすれば、タクシーの将来を危うくするものと私は思います。
 規制緩和は、こういう面では労働者の生活の安定、仕事の安定を奪ってしまっております。これ以上規制緩和を行えば、更に国民の購買力は冷えて経済活性化の効果も疑わしいと私は思っております。
 同時に、法案自身についてもいろいろな問題点があります。以下、具体的に伺いますが、先ほど来御説明がありましたように、特区法案は四月に経済財政会議に規制改革特区構想を提案して、政府は六月にこの構造改革特区の導入を閣議決定された。そして、地方自治体にアイデアといいますか提案を求めて、一か月間、ちょうど夏休みを挟んで一か月間で四百件を超える提案が地方自治体からあったということを先ほど来の説明で私も聞きました。
 この場合、特区の法案には住民の合意といいますか、議会の同意というか、こういうものを聞く条文がないのですけれども、これはなぜなんでしょうか。特区というふうに認定する場合に住民のコンセンサスというものは必要ないと、このようにお考えなのかどうか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 特区によって経済その他、生活向上に役立つかどうか、私は役立つと思って今一生懸命やっておりますが、立場が違いますから、委員は役立たないと、このようにおっしゃっております。そこから出発するわけでございます。
 ただいまの、住民の意見を十分に聞いてやったかとか、あるいはやる必要があるんではないかというお尋ねでございますけれども、これは国がいわゆる地方に対して指示、命令をしているものではございません。何度も申し上げておりますように、地域、地方、地方公共団体あるいは民間から、この規制が緩和されれば、これが外れればこの地域は活力が出る、面白いものができるぞという自発的な状況の下で室の方に送られてきたものでございますので、住民の意見というものにつきましては地方公共団体が判断するものである、このように思っております。
○吉川春子君 地方自治体の責任で地方分権でやるんだという説明、答弁は何遍も聞きました。
 それで、規制を緩和していくということで、今後いろいろ質問していきたいと思うんですが、無駄な公共事業もたくさんある。当然のことながら住民の反対の強い特区の構想もあるわけです。この特区が失敗した場合に、リスクはやっぱり地方自治体の住民が負うわけですね。
 例えば、本州と四国の間に三本橋架けちゃった、今この自治体に特別にその経済的な負担を負わせようとか、いや、それは駄目だとか、こういう議論もありますけれども、それはさておきまして、これがうまくいかなくなったときに、やっぱり地元住民がかぶるということは、最終的には税金でかぶるということは間違いないわけです。
 規制を外してやるんだ、自治体がやるんだとおっしゃるけれども、やっぱりそれによって、何というんですか、マイナスを受ける人々もいるわけで、そういうことを考えたときに、大臣としては、やっぱり地元合意の下にこの特区というものは進められた方がいいと、このようにお考えなんでしょうか、それとも、いや、そういうものは余り必要ないよというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 日本は議会制民主主義の制度で政治というものが動き、また行政が動いていると思います。そういう意味で、地方の時代と言われて極めて久しいわけでございますけれども、地方いわゆる地方公共団体がそれぞれ判断をされてこの特区構想に賛意を示し、そしてアイデアを出してくるということに私は特段異質なものを感じないわけであります。
○吉川春子君 地方公共団体の長ですよね、議会じゃないんですよね、この特区の申請したりするのは。ですから、そういうことについて、地方公共団体の長がやるものについて、やっぱりこういう規制緩和の方向は私は地元の合意というか、議会を含めてですね、そういうものが十分図られるべきだろうと、政策的にもそういうふうに思うわけですけれども。
 憲法の九十五条には、一の地方公共団体のみに適用される法律をやる場合、国会の議決だけでは足りなくて、過半数の、住民投票においてその過半数の同意を得なければならないと、このようにされておりますけれども、今度の特区法案というのは憲法の九十五条の言う「一の地方公共団体のみに適用される特別法」というふうに考えられると思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) それには当たらないと考えます。
○吉川春子君 当たらない理由をお示しください。
○政府参考人(中城吉郎君) 憲法第九十五条に規定する「一の地方公共団体のみに適用される特別法」というものは、特定の地方公共団体の組織、運営、権能について、他の地方公共団体とは異なる特例を定める法律をいうものとされております。
 今回の法律は、地方公共団体を特定するものではなく、内閣総理大臣が計画を認定することで地方公共団体が定まるものである、それから認定によって適用される規制の特例措置は地方公共団体の組織、運営、権能について定められるものではなく、特区において実施される特定事業について定められるものであるということから、憲法第九十五条に規定する特別法には当たらないというふうに考えております。
○吉川春子君 過去の幾つかの例でも、複数の自治体にかかわる問題について住民の投票を得て制定された法律も幾つかあるわけですね。
 それで、更に伺いますけれども、これは住民に利益だけを与えるものであるから、だからこれ九十五条に当たらないと、こういうお考えなんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 繰り返しになりますけれども、まず地方公共団体を特定していないということ、それから地方公共……
○吉川春子君 だから、質問に答えてください。利益を与えるものなのかというその質問に答えてください。
○政府参考人(中城吉郎君) なぜ適用しないかということをお答えしているわけでございますけれども。
○吉川春子君 さっきは、一応聞きました、あなたのお考え。
 それで、私は重ねて聞いているんですが、例えば注解日本国憲法などによれば、一の自治体について利益だけを与えるものについては住民投票は要りませんと、これが通説的な考えですね。そういう立場に政府としては立つのですかと、こういう質問をいたしましたので、それに対して答弁してください。
○政府参考人(中城吉郎君) 恐らく先生が言われているのは一般的なこの九十五条の解釈で、一般的に特定の地方公共団体にかかわるような不平等、不利益な特例を設けることを防止するという趣旨であるから、それに当たらないということは不利益に当たらないんだろうと、こういう御質問ではないかというふうに考えますけれども、そういう考え方に立てば、これは特に特定の地方公共団体にかかわるような不利益の特例ではないということでございます。
○吉川春子君 この特区の法案を、特区ということで規制緩和することは、その自治体に対して特段の不利益を与えるものではないという一般的な考えに立つわけですか。いろいろな規制緩和があるんですよ。すべて不利益を与えるものではないからということで九十五条がクリアされると、こういうお考えですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) この特区の構想というのは、国が自治体に対して何をするというのではない。自治体がこうしてほしいということを言ってきたのを検討して、そしてできるだけ地方自治体なり民間なりがしてほしいということ、これについてできる限り素早く、そしてまたできないものはできるように頑張っていこうと、こういうことですから。
○吉川春子君 今、この特区の法案の審議を国会はしていますね。一の地方公共団体のみに適用される法律については国会の審議だけで可決するということの例外を定めているわけです。私は、これがもし一の公共団体のみに当てはまる法律ということになれば、これはやはり憲法九十五条との関係が問題になってくるだろうということで質問をしているんですけれども、利益を与えるのみの法律だという御答弁でしたか、確認します。
○政府参考人(中城吉郎君) 何度も繰り返しますけれども、この九十五条の規定は一の地方公共団体のみに適用される特別法を対象としていると考えております。
○吉川春子君 一のというのはどういう意味ですか。
○政府参考人(中城吉郎君) 一つの特定の地方公共団体ということでございまして、この特区法はあくまで地方公共団体を特定しているものではございません。地方公共団体が自発的にやりたいという地域あるいは市町村が幾つか合わさってこういうことをやりたいということについての手を挙げてくるというものでございますので、これと九十五条とは関係ないというふうに考えております。
○吉川春子君 ちょっと憲法の議論としてはなかなかその答弁は苦しいと思うし、私は納得しませんが。
 重ねて伺いますが、地域を特定して規制緩和で、大臣がおっしゃるように経済活性の利益を生むかもしれないけれども、リスクを生む可能性もありますね。こうしたときに、リスクを生んだときのその責任はだれが取るということになるんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) リスクといいますか、その弊害が起きたときの責任というのはいろんなレベルがあると思いますけれども、もしその認定に瑕疵があれば認定していた総理大臣の責任になりますし、それ以外に地方公共団体が自分たちの地域計画というものがよくできていなかった場合には地方公共団体の責任になるというふうに考えますが、それはケース・バイ・ケースだと思います。
○吉川春子君 総理大臣の認定に瑕疵がある場合というのは、どういうことが予想されますか。
○政府参考人(中城吉郎君) 内閣総理大臣は、認定するときには構造改革特別区域の基本方針に適合するということ、それから円滑かつ確実に実施されると見込まれる、あるいは経済的、社会的効果を及ぼすというようなこと、そういうようなことがあれば認定するということになっておりますので、その認定の仕方に誤りがあればということでございます。
○吉川春子君 大臣に伺いますけれども、これは地方分権という立場で地方が起案して地方が責任において行うということでありますから、いろいろな、計画ですからうまくいく場合もあるだろうし失敗する場合もあるだろうと。しかし、その計画の失敗の責任というのは基本的には地方自治体が負うと、こういうふうに受け止めてよろしいんですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 御理解をいただいているとおりだと存じます。
○吉川春子君 そうすると、特区には企業の意見を取り入れることが求められて、取り入れないときはその理由を表明するように義務付けられているという規定が四条の四項、五項にありますね。
 自治体がいろいろ調整しても企業が進出しないことも予想されるし、企業は進出してもやっぱりその採算が合わないと思えば自由に撤退いたしますね。そして、例えば今まで大型店が出てくるときに道路を造ったり土地を提供したり、あるいは税法上の少し優遇措置をしたり、大型店に限りませんけれども、企業が出てきて、でも企業が進出してもやっぱり十年いてぱっと企業が海外へ行っちゃったりということがいろんな自治体であるんですけれども、この特区法案はこういう企業の社会的責任についてはどういう考えで制定されているんでしょうか。社会的責任、企業の社会的責任に関する規定はあるんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) 企業の社会的責任という規定はありません。
○吉川春子君 その四百幾つの提案を拝見いたしますと、かなり地方で進めている公共事業とリンクしてこれに道路でも付けたいとか、そういうようなものも幾つかあるわけですけれども、それから工業団地を造成してというようなこともあるわけですけれども、そういうときにやっぱり企業が要求するわけですね。要求してそれを断るときはどういう理由で断ったかということを自治体が説明する義務をこの法案で負わされていますね。そして、その企業のためにやったけれども、やっぱり企業は出てこなかったとか、あるいは出てきたけれども、あるときまた撤退しちゃったとか、そしてそこで雇用が失われたり、地域経済にいろんな影響が及ぶんですけれども、そういう場合の企業に対する何らかの責任の問い方というのはこの法案でできますか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員、ただいま例をおっしゃいました。この特区の提案で公共事業と絡めて道路を造る云々、それはどこの例でございますか。私は承知しておりませんが。
○吉川春子君 私、次回でその質問をやろうと思っていますので、今日はそこへ入ると後の質問が続きませんので。
 企業に対する責任について、やっぱりそれについては企業の責任を問う規定はこの法律にはないというふうに私は受け止めました。
 それで、もう一つ別の問題を伺いますけれども、総合規制改革会議が七月二十三日に発表した「中間とりまとめ 経済活性化のために重点的に推進すべき規制改革」では特区制度の対象となる規制の選定基準を設けています。特区制度になじまないものとして四点挙げていますね。それを私は今日は質問の対象にはしていませんが、同時に、生命・身体・健康、公序良俗、消費者保護を理由に対象外とすべきではないとしていますね。この生命・身体、公序良俗などに反しても、あるいは多少犠牲になっても、地域経済の活性という目標のためには規制緩和を辞さないと、こういうふうに読めるんですけれども、この文章は。違いますか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 文章はいろんな読み方があろうかと思いますが、何度も申し上げますように、これは地方から、地方公共団体が、あるいはそこの民間企業が、これがいいと思って出てきたものを検討するわけですから、我々として、今、委員がおっしゃいました、読まれましたようなところに関しては地方が判断をして出てくる、地方公共団体が判断をして出てくる、そういうものだということです。
○吉川春子君 これは地方公共団体が独自に判断できるというようなものではないと私は思うんですよ、大臣。
 例えば、公序良俗を理由に対象外とすべきではないと、このようにしていますね。では、伺いますけれども、この公序良俗というのは民法九十条の公序良俗と同じ意味と理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) それは内閣府の総合規制改革会議の報告書なので、私どもはそれが民法に全く合うものかどうかというのはちょっと承知しておりませんけれども、一般的にはそういう言葉遣いだろうとは思います。
○吉川春子君 つまり、私たちは、規制緩和によっていろいろやっぱり国民にしわ寄せが行くということを問題にしてきているわけですよね。そして、この書き方も非常に、生命・身体・健康、公序良俗、消費者保護を理由に対象外とすべきではないと、こういうふうに言っていて、今、大臣の御答弁だと、それは地方自治体が判断することだとおっしゃいますよね。
 しかし、これは一地方自治体が判断するような問題ではなくて、やっぱりそういうものを守っていくためにいろいろな法律があるわけですよ、日本は。そして、そういう法律を作って守ってきたわけですね。それを今度は、ある意味では聖域ですよね、そういうものももうタブーじゃない、そういうものに抵触する場合であっても規制緩和は認めますよ、地方自治体がそう判断したら地方自治体認めますよということは、私はもう大変重要な問題だと思うんです。
 もう一つ伺いますけれども、生命・身体・健康、これを理由に対象外とすべきでないと言っていますけれども、これはどういうことをおっしゃっているんですか。
○政府参考人(中城吉郎君) その報告書は総合規制改革会議の報告書でございますので、私どもとしてはちょっと答弁できません。
○吉川春子君 それは随分無責任な答弁じゃありませんか。
 つまり、規制改革の対象になることはこうこうこうこうこういうことですよ、対象にしないものは四つですよ、こういうふうに書いていますでしょう。その対象にしないものといえば、念のために読みますと、「外交・防衛など国の主権に関するもの」、「条約に基づく国の義務の履行を妨げるもの」、「刑法に関するもの」及び「規制改革による直接的な影響の及ぶ範囲が特区内で完結せず、かつ、所要の代替措置による対応が不可能なもの」は除くと一応規制を掛けているわけですね。そして、しかし、それに続いているわけですよ。当該規制が生命・身体・健康、公序良俗云々に関する規制であるという理由のみで対象外とすべきではないと、こうおっしゃっているわけでしょう。
 だから、認定するのは最後は内閣総理大臣であるし、そういうことを皆さんが判断して、いや、これは認められるとか、認められないとか判断するんじゃないんですか。それを、具体的にどういうことですかということを伺ったわけですから、ちょっと丁寧に質問いたしましたけれども、どういう意味なんでしょうか。もう一度御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) それは総合規制改革会議の報告でございますけれども、そんたくして理解すれば、生命・身体・健康という理由のみで、そういう理由のみで規制を外しちゃいかぬという、そういう理由付けによって規制を守ろうとする、そういう聖域視をやめよう、そういう精神をうたっているのではないかというふうに考えております。
○吉川春子君 つまり、生命・身体・健康、公序良俗、消費者保護と、こう続くわけですけれども、こういうものを守るために今まで法律があるわけですね。それを規制緩和して、突破して特区を設けてほしい、こういう申請があったときに、そういうことを理由にしてそれは駄目ですよと排除しないということが書いてあるわけですね。
 じゃ、まず、それはそうですか。
○政府参考人(中城吉郎君) そんたくすればそういうことだと思います。
 例えば、病院の株式会社化というような問題を議論するときに、病院は命を預かっているからそれは議論しちゃいかぬというのはそういうことではないでしょうというようなことを言っているのではないかと思います。
○吉川春子君 言っているのではないかと思いますと、これはすごくおかしいと思うんですよ。だって、そういうことを基準にして政府自身がこれからどこを特区にするとか認定する作業に入っていくわけでしょう。そんたくすればとか、そういう言い方だと非常に他人事に聞こえるんですけれども。
 そうしますと、この文章は内閣府としては余り責任を持てない、そういう部類の文章なんですか。直接的には関係ないと、そういうような答弁のしぶりだったんですけれども、そこは確認したいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) 私ども、内閣官房の構造改革特区室でありますけれども、その「中間とりまとめ」というのは内閣府に置かれた総合規制改革会議が出したものだということでございます。
○吉川春子君 それは私も知っているんです。それで法律が出てきたわけでしょう。今法律を審議しているんだから。
 どういうところが特区として内閣総理大臣が認定するのか、こういう作業に入ったときに、こういうものに当たるか当たらないかという判断が必要になるじゃないですか。必要になるんじゃないんですか。だから、そういうときにどうするのかということで、どういう事例がありますか、具体的に説明してくださいと、ここは国会ですので、議事録も国民の皆さんも地方自治体の皆さんもお読みになるので、そこを説明してくださいと申し上げています。
○政府参考人(中城吉郎君) 私どもの法律につきまして、構造改革特区におきましては、単に規制の撤廃とか規制の緩和ということを行うというだけではなくて、個別の法律の目的、国民の安全の確保とか公序良俗の維持とか、そういうものを達成するために、地域の特性に応じてより合理的な規制の導入というものができるのではないか、そういうことを考えております。
 ですから、したがって、仮に公序良俗に関する規制について特例措置を設けるとしましても、それが直ちに公序良俗に反することを許容するというようなことを考えているわけではなく、本来の目的を達成するのに地域に合ったものができないかという観点でやるということでございます。
○吉川春子君 あなたのおっしゃる公序良俗の定義をおっしゃってください。
○政府参考人(中城吉郎君) ちょっと具体的に、公序良俗の定義というのをちょっと直ちにお答えできませんけれども、要するに反社会的なものというものを一般的に言っているものだと思います。
○吉川春子君 じゃ大臣、この質問、余り延々と続けていられませんので、お伺いいたしますけれども、公序良俗に反するようなものは特区として認められないでしょう。そこは明確にしていただけませんでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) それはそうでしょうね。そう思います。
○吉川春子君 それで、午前中、何人もの議員が、同僚議員が質問いたしましたカジノ特区について、これ正に公序良俗違反、公序良俗ということに掛かるかなと私は思うんですけれども、まず法務省に、法務省お見えですか。
 要するに、東京、例えばさっき言った日暮里ですとか大阪とか、特区構想の提案の中にも幾つかカジノ特区というものが出されておりまして、これが仮に経済の起爆剤になるとしても、例えば子供への影響とかあるいは暴力団との結び付きとか、先ほどもお話しされていたと思うんですけれども、暴力団の資金源になるとか、あるいは子どもの権利条約との関係がどうなのかと、こういういろいろな一般的な議論はあるんですけれども、私は、法務省ですから、現行法上、このカジノということについてはどういう存在なのかということを伺います。
○政府参考人(樋渡利秋君) いわゆるカジノがどのようなものを指すのかにもよりましょうが、まず一般論として申し上げますと、刑法第百八十五条で賭博行為が、また百八十六条第二項で、賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図る行為について、それぞれ処罰することとされておりまして、カジノがこれに該当するのであれば、刑法上のこれらの罪に当たるというふうに考えられると思われます。
○吉川春子君 大分、あれですね、レクのときとはニュアンスが違いますね。来る方が違いますからね。
 カジノは賭博罪ですね。
○政府参考人(樋渡利秋君) したがいまして、どういうようなカジノであるかによって違うわけでありまして、それが刑法に言う賭博罪に当たるようなカジノであれば賭博罪に当たるということでございます。
○吉川春子君 刑法の二十三章ですか、賭博罪に当たるカジノとはどういうものですか。それでは、もうそこまで聞くつもりなかったんですけれども、あなたの答弁が余りにもでたらめですから、ちゃんと言ってください、構成要件を。
○政府参考人(樋渡利秋君) まず、賭博といいますのは、偶然の勝負に関し、財産上の利益を上げて、その得喪を争うことを言うのでありまして、したがいまして、いわゆるばくちでございます。そういうものが賭博に当たるということでございます。
○吉川春子君 現在は、経済特区を設けても、こういう賭博行為に当たるとすれば、これは特区として認めることはできないということでよろしいですか。一言でいいです。
○政府参考人(樋渡利秋君) 一般論として申し上げますと、刑法は国民生活上の安全を規律する基本法でありますから、例えば特定の地域において刑法の適用を一律に排除をするというようなことはできないと考えられますし、また、カジノの開設を認め、刑法上の賭博罪等の成立範囲を限定する法律が立案されます場合には、当該法律の目的が合理的なものであるか否か、当該法律により認められる行為により賭博罪を設けた趣旨に反することにならないかといったこと等が検討されることになるというふうに思われます。
○吉川春子君 警察庁、お見えだと思います。
 特区を設けてカジノに係る、今、法務省が答弁したということを前提にしてください、そういうようなカジノに係る現金、商品等の提供の規制の適用除外をするということになれば、どういうことが想定されますか。
○政府参考人(瀬川勝久君) どのようなカジノかということだと思いますが、賭博に該当するようなカジノという前提だろうと思いますが、その場合の影響につきましては、その実施の主体でありますとか方法、それからどんな地域で、どんな時間帯でという、いろいろ具体的な諸条件によりましてその影響というのはいろいろ変わってくるだろうと、こう思います。
 ただ、一般的に申し上げますと、当面考えられますのは、暴力団等が関与するというような問題でありますとか、少年の健全な育成や地域の風俗環境へ影響を与えるということが想定を一般的にされますので、その場合にはこのようなことがないように必要な措置が取られるべきものというふうに考えております。
○吉川春子君 経済財政諮問会議の議論、議事録をインターネットで拝見しました。四月二十四日、議長が小泉内閣総理大臣です。第十一回経済財政諮問会議で構造改革特区が提案されました。
 そのときの議事要旨なんですけれども、まず、石原大臣が、人々が景気の良しあしをどこで判断するかといえば、それは町の活気だと思う。町の活気は、例えば盛り場に人がたくさん集まる、タクシーの空車がなくなるといった身近なことを通じて感じるのではないか。そこで、例えばカジノ構想といったものもあると、カジノ特区を提案しました。続いて、同会議の奥田議員、トヨタの会長さんですが、今、大臣からカジノというような話もあったが、そういうものは当然入れられるべき。特にカジノ構想は、お台場という話もあるが、私はお台場には要らなくて、四国とか沖縄とか、橋も使われなくて人が行かないところにカジノを作れば、橋が使われ、例えば本四架橋も民営化するところが出てくると思う。そういう観点も入れて、観光、レジャーの特区というものも考えてもらった方がいい、こういう発言をしています。
 カジノを作れば本四架橋の赤字もなくなると言わんばかりの議論に、私はあきれたわけですけれども、総理大臣が議長でこの会議をされているわけですけれども、やっぱり賭博罪と、今、もういろいろ口ごもりながら、こういう雰囲気の中では答弁しにくいことは分かりますが、おっしゃいましたけれども、やっぱりこれで経済を活性化するというのは、どうも本道じゃない、王道じゃない、ロイヤルロードじゃないと、こういうふうに私は思うわけです。
 そして、大臣が先ほど来、カジノについて悪いものじゃないという御趣旨ですか、答弁されたし、横に置いたと、こうおっしゃいました。すぐ横なのか、かなり離れた横なのか分かりませんけれども、私はこれは非常に子供への影響あるいは住民の声も配慮していかなくてはいけないと思いますし、こういうことは私は行うべきではないと思うんですけれども、大臣は、やっぱりカジノはもうすぐ横に置いて、できれば早く実現したいとは思っていらっしゃらないと思いますので、私は、今のようないろいろな問題を考えたときに、これは本当にカジノ特区などというものは行うべきではないと思うんです。
 大臣、もう一度、私のこういう意見に対してどう思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先ほど御答弁申し上げましたように、私はまだ、カジノに行って、そのすばらしさなり、そのつまらなさなり、よく分かりません。分かりませんので、一度行ってみて、こんなにいいものかといえばすぐ横へ置くかもしれませんし、これやめた方がいいなと思ったら遠くへ置くかもしれません。ただ、日本には競輪、競馬、競艇というのがある。サッカーくじがある。駅前へ行けばパチンコ屋さんがある。そういったことを考えた場合に、健全な形で進むとすれば捨てたものではないと、このように思います。
 例えば、これ、経済だけで申し上げるとまたおしかりを被るかもしれませんが、ニュージャージー州の、十二、カジノホテルがあるそうですけれども、そこの平均の粗利益額というのは四百三十億あると、そして平均従業員数が三千八百人おると。そういったことを考えれば、捨ててしまうような構想ではないと、このように思っております。
○吉川春子君 私は、確かに大臣、経済効率からだけ物事を見る、世界を見る、日本を見る、こういう立場はやっぱり日本を、二十一世紀をすばらしい日本にしていかないだろうという、そういう立場なんですね。そして、経済が、すべてもうけが上がりさえすればいい、余り今は日本はもうけも上がっていませんけれども、そういうところへ結局行くわけですよね。国民の暮らしも良くなり、いろんな意味で全面発達というのは人間でも日本でも必要だと思うんですよ。だから、経済という、経済活性化ということだけの視点でこの特区構想がもし実施されるとすれば、それはやっぱり大きな落とし穴があり、それに落ちるのは国民自身じゃないかと、私はそこを大変懸念しているわけです。
 もう一つ、次の問題を伺いたいと思うんですけれども、十一回の経済財政諮問会議の議事録で、こういう議論も行われたんですね。片山総務大臣が、「割り勘までダメだという官官接待等の規制を緩めてはどうか。今、地方の盛り場が皆だめなのは、官官接待等の規制が厳重過ぎるからだと思う。」と。これに対して、先ほどのトヨタ、議員、経済財政会議の議員ですね、「今の片山大臣の話は、まさに同感で、「官官接待」と言われたが、公務員倫理規程の問題か。」と。そして、「それに関して、前からいろいろお願いしている。今は、地方の古い立派な料理屋がつぶれている。それに、「民間と官」、「官と官」、それから「地方と中央」で意思の交流がどうしても表面的になって、腹を割った話ができない。制度としてはいいが、実行するに当たっての程度の問題がある。今のままでは、やはり閉塞感がある」と、こういう議論が、日本の最高の経済財政政策を決めるそこで話し合われているわけなんです。
 総務省、来ていただいていると思いますが、官官接待が禁止された経過について説明していただきたいと思います。
○政府参考人(戸谷好秀君) 官官接待に関しまして、幾つかの通達みたいなのが出ております。私どもは、先生の方からもレクのときにお示しがあったんですが、平成八年のときに総務省人事局長から各省庁官房長あてに通知が一通出ております。これは、その前年の八月の閣僚懇談会で、内閣官房長官及び総務庁長官から各省庁に対し、行政及び公務員に対する国民の信頼を維持し、国民の疑惑や不信を招くことのないよう綱紀粛正を求めた、こういう閣僚懇での御発言ございまして、それをその翌年にまたその趣旨を徹底するため通知したものというふうに承知しております。
 この平成八年という時期でございますが、地方公共団体の支出する食糧費の在り方あるいは各省庁に対する接待のやり方というような問題が指摘されていたということを受けてこういう通知が出されております。その後、平成十二年に、御案内のとおり、国家公務員倫理法が施行されましたので、現在、利害関係者からの供応接待等について禁止されているというところになっております。
○吉川春子君 地方公共団体もそうなんですけれども、九六年に福祉施設建設に絡む厚生省の汚職事件があり、その背後に厚生省の官僚に対する地方自治体の官官接待が日常的に行われていたことが明らかになったわけですね。そして、その情報公開の流れの中で市民オンブズマンの告発が広がって、接待費や食糧費の無駄遣いが指摘される中で全国的に大問題になったことは私たちの記憶に新しいところです。市民オンブズマンの調査で、四十道府県で五十二億の食糧費が計上され、その約八割が接待、懇談費として支出されたと報道されています。
 それで、今御説明がありました公務員倫理法にどのような規定が設けられているのか、説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(戸谷好秀君) 公務員倫理法は、公務員倫理法に基づきます国家公務員倫理規程を作れということになっております。倫理規程の中で、利害関係者、これにつきまして、いろいろ特定をいたしまして禁止事項を設けております。これの禁止事項の中には、利害関係者との飲食についての記述もございます。
○吉川春子君 国家公務員倫理規程の、これは何条ですか、三条、禁止行為の中に、「職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。」ということで、「利害関係者から供応接待を受けること。」、「共に飲食をすること。」、「共に遊技又はゴルフをすること。」云々と、こういうふうになっておりまして、これが官官接待を一番最近厳しく規定したものと、このような理解でいいんですか。
○政府参考人(戸谷好秀君) 最近という点ではそのとおりでございます。
○吉川春子君 大臣、このように私がちょっと言うのはもう委員の皆様にも釈迦に説法なんですけれども、こういう形で公務員の倫理規程が厳しくされて、官官接待が規制されてきていると。これが規制緩和されれば地域経済の活性化に役立つのではないかなどという議論は論外だと思うんですけれども、官官接待特区なんてこんなものは論外だと思うんですけれども、その点について、大臣のきっぱりとした御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 官官接待というのを、いろんな議論がありますけれども、これはやっぱり良識の範囲内で進めていって私はしかるべきだと思います。同窓会で一緒にゴルフできないとか、固く考えれば、同じクラス会で、本当に親しい者が突然来れなくなるとか、この辺りも変な具合だなというふうに思っております。これは、程度の問題と、良識の範囲内、みんなそれぞれ良識を持っておるんですから、良識から外れてくるとやはりいろんな世間から御指摘いただくようなことになると思いますけれども、良識の範囲内でやはり私は認めていくべきところは認めていくべきだと思います。
○吉川春子君 ちょっと私の聞き漏らしでなければ重大な御答弁ですね。ずっといろいろな通達を出して、そして官官接待については厳しく規制してきたわけですね。良識の範囲ではもうとても律し切れなくなったんでこういう規程も作って、官官接待をやっぱりやめさせるということで、禁止行為ということでできてきたんですけれども、こういうものについて、今の特区などということとは考え方はもう全く無関係と、これはこれできちっと、やっぱり国民が、公務に対して信頼を与えるような、そういうことをやるという立場から、毅然とした態度で臨んでいただかなければならないと思いますが、その点について再度、大臣のお考えを伺います。
○委員長(小川敏夫君) まず戸谷審議官から、その後は大臣お願いします。
○政府参考人(戸谷好秀君) 私の方の説明がまずくて申し訳ないですが、倫理法に基づきまして倫理規程があり、この運用につきましては、人事院に倫理審査会というのがございます。倫理審査会におきまして、これは倫理といいますか人のいろんな付き合い方とか、かなり個別具体的な部分について、私どもも見解をいただかなければうまく動けない部分もありますので、倫理審査会の方で常にいろんな場面を見ながら、その御通知をいただいております。ある時期には大臣がおっしゃいましたような話もございましたが、ある部分についてはそれなりに倫理審査会も状況を見ながら御理解をいただいた通達も出されていっております。
 それからもう一点。私どもとしては、やっぱり行政とそのいろんな方々の情報交換……
○委員長(小川敏夫君) 答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(戸谷好秀君) というものがありますので、そういう部分については、引き続き私どもとしても倫理審査会に理解を求めていきたいなというふうに考えておるところでございます。
○吉川春子君 この官官接待を規制緩和するなんという考え方自体は大変私は良くないと思うんです。そこを、官官接待と規制緩和、経済活性化の規制緩和という問題とは全然関係ないということをちょっと大臣からじゃ最後に伺って、私、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 関係ありません。
○吉川春子君 何が、何がどう関係ないんですか。私の発言がですか。そうじゃなくて、規制緩和と官官接待の、規制緩和というのは関係ないと、こういう意味でよろしいんですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) この特区構想につきまして、官官のカンも全く関係ありません。
○吉川春子君 もう時間ですので。
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。よろしくお願いします。
 私は、この特区という考え方が出てきたときにわくわくしました、何かできるんじゃないかと思って。というのは、私は、なかなか女性政策というのはやっていただけなくて、ということは、少子化対策も案はあるけれどもなかなか実行に移していただけなくて、GDP世界第二位、経済大国と言われながら、少子化対策とか女性政策に関してはもう最下位の方に近いということを情けなく思っておりました。
 ですから、もしかしたら市町村で、どこかでモデル地域みたいのを作りたいな、そういう意思のある首長さんに作ってほしいな、できないなら自分がやりたいなとか、夢を持ったりしておりました。ですけれども、特区構想が出てきて、そして国でそういう特区構想を実行してくだされば、これはもういろんなことが実験できてすばらしいなと私なりに甘い夢を持ったわけです。
 私としては、先ほどからも、午前中に阿部さんとか長谷川さんとか皆さんが、画一性から個性へとか、それから一律平等主義から多様な生き方とか、そういうお話をなさっていて、本当にそう思うんですね。地域の活性化といっても、それは一人一人が活性化しなきゃいけないわけで、皆さんのお話にあったように、一人一人が自立して、そして共生していかなければいけないとすれば、個人の生き方、経済特区だけでなくて個人に対する規制緩和もほどいていかないと、地域は活性化しないというふうに思っています。
 そして、よく女の人の場合、近ごろ女の人は元気ですねと言われるんですけれども、元気は元気なんだけれども、みんなそれこそ飛び立てないいろんな法律があるわけですね。みんな元気なんだけれども、その元気に見合う実力が発揮できるような状況に女性はいないと。
 その幾つかの女性に対する、個人に対する規制というものが制度であります。それは、国家レベルでは配偶者控除とか配偶者特別控除なんですね。これが、例えば就労調整を女性がします。それはどういうことかというと、例えばここに世田谷の例がありますが、ここの世田谷で八人の女性がお弁当屋を始めたんですね。一日に百五十食ぐらいの注文があって売れて売れて、物すごくいい仕事ができ始めたんですが、何と働いている八人のうち就労調整していないのは二人だけなんですね。あとはみんな百三万円の壁と、それから百三十万円の壁、百三十万円というのは年金ですね、第三号被保険者。これは、百三十万円過ぎちゃうと自分の健康保険の掛金と自分の年金の掛金を払わなくちゃいけないから、それでそれ以上働かないようにしている。
 百三万円の壁というのはもう実はないんですが、それでも企業は百三万円を中心にして扶養手当とかそういうのを出したりしますから、みんな夫の顔を立てるために百三万円以内で働こうとしている。夫の顔色を見ながら働いているんですね。これは実は夫も都合がいいので、それ以内で働いてくれると、この二つの配偶者控除をもらえるわけですね。
 それと同時に、妻は百三万円しか働けなければブーメランと同じように家に帰ってきて、午後からは家事もしますから、夫にとってはもう一石二鳥で、これは非常に夫に都合のいいあれで、ですけれども、女の人の方がちょっとその自覚がないものですから、配偶者控除とか配偶者特別控除がなくなると自分が損すると思っているようなんですが、実はちょっと構造は違うわけなんですね。どうしても、この配偶者控除と配偶者特別控除を徐々にでもいいからなくしてほしい。
 ところが、やっと税調が配偶者特別控除だけをなくそうと言っているのに、自民党さんの中には慎重論があるというんですね。中には、そんなものを取ったら女がかわいそうじゃないかと言うけれども、これは実は逆でして、優遇政策の背後にあるのは、これはばかにした政策です。
 特に、女子供と言いますが、何で女の人が子供と一緒にされて女子供と言うかというと、ちゃんと税金を払っていないからですね。もう二十歳を過ぎた女の人は結婚していようとしていまいと、やっぱりみんな税金を払うべきです。それが国民の義務なんですね。ですけれども、専業主婦の人は男の人を一生懸命働かせるために家にいて、ありがとうと言うために配偶者控除や特別控除を取りあえず設けて男の人を優遇したわけです、サラリーマンの人を、養わなきゃいけないということで。
 でも、現実には女の人は、元の経済企画庁でも計算して出しましたが、月二十三万円から、老人介護をしている主婦の人は月七十万近くもただ働きしているわけですよね。もし隣の奥さんと交換したら、これは夫さんは全部支払わなきゃいけないわけです、隣の奥さんに。でも、自分の奥さんならただ働きさせている。尽くすのが女の務めだと、こういう国の考え方でやってきたわけですけれども。
 今、こうやって就労調整して一生懸命お弁当屋さんをやって働きたいのに、みんながやっぱり夫の顔色を見て働かないと。せっかくこうやってワーカーズコレクティブとか立ち上げても、これは世田谷区の地域活性化にはつながらないんですよね。実はこういう就労調整が一杯あって、実は中小企業の経営者たちも、もう面倒くさいからいい加減にしてくれよと私はよく言われます。早くこういうものをなくしてほしいんだよと、目一杯働いてほしいんだよ、就労調整してほしくないんだよと、そういうことも言われます。
 ですけれども、これもいろんな考え方がありまして、例えば毛沢東が、ちょっと古い話になりますが、纏足をやめようとしたんですね。纏足というのは女の足の大きさを八センチにして逃がさないようにしたんですね。女というのは歩く財産ですから、逃げられたら困るから、昔は足を縛って小さくしたわけですよね。ところが、毛沢東が纏足なんて非人間的なことをやめようよと言ったときに一番反対したのは女性なんですね。すなわち、纏足していないと結婚してもらえない、結婚しない女性はそれ以外の生き方が認められなかったからですね。
 でも、今朝、阿部委員も長谷川委員もおっしゃったように、多様な生き方というものをする時代になったときに、どうして女性の足かせだけを、経済的纏足だけをいつまでも残しておこうとするのか、これがよく分からないんですね。多分男性の、ここにいらっしゃる方は違うと思いますが、自民党の皆さん方は多分誤解していらっしゃるんじゃないかと思って、優遇すれば、それが守ることになれば女たちが元気になると思ったら大間違いで、反対なんですね。もうみんな自分で立ちたくてしようがない。それなのに国はちっともそれを変えてくれない。
 例えば、夫婦別姓一つに関しても、世間は四二%の人が婚姻前の姓を名のれるように法改正して構わないと言っているんですよ。四二%というのはすごいですよね。それなのにやっぱり政府内では夫婦は同じ姓を名のるべきで法改正の必要はないと。これはやっぱり国会の中が後れているんですね。
 そして、みんな、これも少子化対策につながるんですが、それぞれ働いている女の人たちは、結婚したくても、結婚して名前を変えられたら、今まで自分のやってきた仕事の業績が消えてしまうわけですからね。せっかく開拓した営業の向こう側の人からも、えっということになっちゃうわけですから。私ら研究者もそうです。名前を変えてしまったら、それ以前の業績というのは分からなくなっちゃうわけですね。そこでみんな夫婦別姓というのは足踏みしているんです、結婚したくても夫婦別姓法案が早く通らないかなと。
 それなのに本当に自民党内では、民主党さんもそうですけれども、中に反対の人がぼこって出てきたりして。もう十年言っているんですね、この配偶者控除ももう十年以上私らは言っているんです。それでも、何か自民党さんがみんな、自民党さん自民党さんと言うと違う人もいるかもしれないから、ちょっとこの辺でよしておきますけれども、国会が古いということを私は申し上げたいんです。
 そこで、ここで特区のお話を出してくださって、鴻池大臣も大変一生懸命頑張っていらして、私も小泉さんにも申し上げました。鴻池さんもおもしろいアイデアだねと言ってくださいました。ところが、私が、取りあえず女性の一番の自立を妨げているこの配偶者控除と配偶者特別控除を廃止したいと申し上げたら、どうもそれはできないかもしれないというふうに言われてすごく落ち込んでいるんですけれども。
 それで、レクでもこれはよく相談してみないと分からないと言われているんですけれども、どうなんでしょうか。その間、決着付きましたでしょうか。加藤財務省審議官、よろしくお願いします。
○政府参考人(加藤治彦君) 先生の御指摘につきましてはかねてから伺っております。
 ただ、私どもこの特区の問題、今、御審議されている法案とはちょっと別にして、私ども一般論として申し上げさせていただきますが、租税は国家の財政を賄うために構成員である国民が公平に分かち合うということで、その場合の負担と申しますのは、やはりその担税力に応じて公平に配分されなければならないと。特に課税の上で平等に国民は取り扱わなければならないという租税原則がございます。
 これはもう御案内のように、国民に平等権を保障した憲法の規定から導かれておるわけでございますが、こうしたことを考慮しますと、納税者の税負担能力、これを減殺する事情をしんしゃくするということで人的控除はあるわけでございます。この人的控除の一つである配偶者特別控除、これがその地域の住所の違いによって適用を変えるという結果になるということは、人的控除の取扱いの差を設ける合理性ということにはちょっと当たりにくいのでやはり適当ではないのではないかと。地域によって差を設けるということは国税として適当ではないと言わざるを得ないと思っております。
○田嶋陽子君 今の御答弁はよく分かりません。
 これは特区でもってやることで、先ほども鴻池大臣はできることは、できないことはどうしてできないのか、どうしてやればできるのか考えるとおっしゃってくださったわけですね。今の御答弁は何か余りちゃんとしていないと思います。私が先ほどから申し上げたことは聞いてくださっていないみたいで、この税があるから人が働けないんであって地域活性化ができない。これは特区の考え方に反するわけですよね。
 確かに国税というのがありますけれども、地方税もあるわけですね。地方税にもやっぱり配偶者控除と配偶者特別控除があるわけでして、地方税だけでもこれを取り除くということは可能ですか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方税についてのお尋ねですので、お答えいたします。
 個人住民税というのが地方税にあるわけでございますが、これは地方の基幹的な税制でございまして、住民の負担分任の考え方から広く課税されるものでございます。
 その中で、ただいまの人的控除でございますけれども、趣旨としては様々な事情によりまして納税者の担税力が減殺された場合にこれを調整するために設けられたものでございます。したがいまして、御指摘のような配偶者控除とか配偶者特別控除につきまして、地域内あるいは地域間の住民の負担の均衡を図るためにその項目なり水準は全国一律に定める必要があるわけでございまして、特区のような一部の地域においてのみこれらを廃するということは税制として問題があろうというふうに考えております。
○田嶋陽子君 どういう問題があるんですか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) ただいま申し上げましたように、それぞれの地域におきます住民の基幹的な税制として仕組まれておるわけでございまして、地域によってその負担水準が変わってくるということには問題があるというふうに考えておるわけでございます。
○田嶋陽子君 この基本方針には、国による税の減免や補助金など従来型の財政措置は用いないこととあります。私が言っていることは控除を取り除くことで、これは減免にはならないんですね。補助金も要らないんです。
 控除を取り除くと、例えば国レベルでいくとどういうことになるかというと、まず、男性は配偶者控除、二つのものをなくなると国は一・二兆円の増収になります。今この配偶者控除の対象となっている配偶者集団は一千二百七十九万人、もし仮にこの全女性がパート労働者として就労した場合は〇・七兆円、七千億円の収入があります。それから、今度、全女性が、その人たちが労働者として就労した場合は一・五兆円、しかも男性から配偶者控除分がなくなるわけですから、それが一・二兆円、二・七兆円になります。
 これは国レベルでこれだけの増収になるわけですが、私が考えているのは、この増収になった分、女性からはぎ取った分はこれは女性に返す、あるいは老人に返す、あるいは子供に返す。主に子供に返すという考え方ですね。あるいは女性の就労援助をする。それから、マイクロクレジットでもいいですけれども、いろんな形で女性が働けるようにする。女性が働くとこれだけの就労があるわけですよね、二・七兆円に相当するような。
 これは国レベルですけれども、例えばそれを地方でいうと、モデル地域を作るに当たっては、例えば二十万人の都市だと約四十二億円の収入になるわけです。国は今度特区を作るに当たって補助金、交付金は出さないよ、あんたらの力の中でやりなさいといって。正にこの女性特区と、別名簡単に言ってしまえばそうですが、そういうものを作ることによって、今まで就労調整しなければできなかった女性たちが二本足で働くようになったら、これだけ地域経済も活性するわけですね。
 そして、みんなが税金を納めた分はまた再分配して、みんなが困っている人のところに平等に行くわけですね。今のような配偶者控除とか配偶者特別控除というのはサラリーマンだけが優遇されている、そういう制度で、働いている男女はみんなそれを不公平だと思っているわけですね。何で国民全体で専業主婦を養わなくちゃいけないのか。国民全体で子供を養うんなら分かる、でも何で専業主婦を持っている男の人と女の人を養わなきゃいけないのか、それがみんなは分からないから非常に不公平に思っているわけですね。
 ですから、今のお二人の説明は、これまでの国税の、地方税の考え方であるけれども、でも、先ほど申し上げたように、地方の経済を活性化するためには個人一人一人を活性化しなければ、個人に対する規制緩和も取らなければ、これは本当の特区の意味にならない、私はそういうふうに思っています。
 そして、特に日本では既婚女性に対する規制が強過ぎるんですね。既婚女性も一人の人間です。もう男のしもべではないわけですね。みんなそれぞれ自分の人生を生きたいと思っています。
 日本の国会は、国はもっと既婚女性に生き方の多様性を、これが男女共同参画社会の発想ですよね、みんなライフスタイル、自由な多様なライフスタイルを持とう。それなのに結婚した女性だけがそういうものを与えられないというのは、これはまた逆に大変な不平等だと思うんですけれども、これに関して鴻池大臣はどんなふうにお考えになりますでしょうか、私の考えに対して。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 田嶋委員のただいまのお話、大変興味深く聞かせていただきました。正にそういった部分があるんだなという認識を新たにいたしております。
 どこでそれを頑張っていただいたらいいのかなという、それも併せて座って聞かせていただきながら考えておったんですけれども、ここのこの特区構想の中に組み込むことはちょっと難しいんじゃないかと思います。どこでどう頑張っていただいたらいいのか。私もなるほどと思った部分が多いものですから、田嶋委員の今の御発言の要所要所についてしっかり勉強しながら応援はしなきゃいかぬというふうに思っております。その程度ですね。
 この特区の構想の中でこれは、今のことは組み込めないですよ。
○田嶋陽子君 ちょっと組み込めない、そのちょっとというところは先ほどお二人の財務省の方がおっしゃったことですから、私にはよく分からない。だって、特区というのはその規制を外すことなんだから、個人に対する規制を外すことでみんなが豊かになるといって、でも全国一律の税制だから云々と言うけれども、特区なんですよね。特区なんですよ、特区大臣。そこを考えてくださるのが鴻池大臣とそのスタッフだと思うんですけれども。
 ということは、国はちっともこのことをやってくれないんですね。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 特区ではできない。
○田嶋陽子君 なぜですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) これは例えば、例えばの話、男女共同参画社会というものを前面に押し立てて、こういう構想はいかがかというのは、例えば、例えばですよ、女性の就労している地域が極めて多いと、極めて多い、そこでたまたまそこの首長さんが女性である、そういった中で今の委員の構想の当てはまる部分というものはあり得るかもしれない。
 ですが、今の全体の日本じゅうの女性はこうしなきゃならぬといったことについては、この特区での構想の推進とはいささか趣旨が違う、こういうことです。
○田嶋陽子君 確かに、配偶者控除と配偶者特別控除は、日本の女性全体がそんなものから解放されなければいけないというのは私の考えですが、今度は特区ですから、ある地域で、今おっしゃったように就労している女性が多いところで、もっと働きたいという女性が多いところが見付かればできるということですよね。できるんですね。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 例えばと申し上げました。ですから、そういうところをお見付けになって、そういう提案があれば特区といたしましても十分検討させていただきたいと、こう思っております。
○田嶋陽子君 済みませんけれども、じゃ、さっき何でできないとおっしゃったんですか。国全体としてはできないとおっしゃったんであって、特区でも、もし就労女性が一杯いたり、そういうところがあって、だから地域からそういうことを言ってきたら、それはできるんですね。じゃ国税の配偶者控除と特別控除に相当するものも、それから地方税の、何ができて何ができないんでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) この特区制度は、地方からそういう提案が出てくればそれを関係省庁と調整して考えるということでございますので、まずそういう提案が地方から出てくるかということが一つあると思います。
○田嶋陽子君 それは話が違うと思います。
 私の場合は、例えばですよ、私はそういう地方をもう既に思っているとします、思い描いているとしますよ。そういう立場で質問をしているわけであって、出てくれば考えるんじゃなくて、出てこなくてもそれは可能かどうかは言えますよね。
○政府参考人(加藤治彦君) 特区の性格とか制度の問題を別にいたしまして、私ども税制の立場から地域、住所地をもって担税力のしんしゃくに程度の差を付けるということは、いかなる状況においても私どもは困難だと思っております。
○田嶋陽子君 では、鴻池大臣、これはまた内部での対立ということになるんですか、また病院の話と同じで。
○国務大臣(鴻池祥肇君) これは内部での対立ではありません。ただいま事務方御答弁のとおりの制度でありますから、そのように思います。
 特区ということにつきまして十分御認識いただいていないんではないかと、このように思います。十分御認識をいただいた上で、そしてただいまの大変すばらしい御意見をお持ちですから、それがどこかで生かされるような地域があれば、是非とも提案を一月十五日までにお出しいただいたら結構かと思います。
○田嶋陽子君 それではちょっと矛先を変えます。
 男女共同参画社会、私はこの間十一月五日の内閣委員会で男女平等特区について提案しました。そのときに福田官房長官も、これは是非試してみたいとおっしゃってくださって、そのときに私は、都道府県あてに通知を出してほしいとお願いしました。その経緯について男女共同参画局の上杉さんにお伺いいたします。
○政府参考人(上杉道世君) 御指摘の件につきましては、ちょうどその時期、構造改革特区の第二次提案募集が始まるという時期でもございましたので、早速各都道府県に照会をいたしました。
 すなわち、現時点で男女共同参画に関する特区を提案することを予定しているかどうかということを各都道府県に照会しますとともに、市町村にも同趣旨の照会を行っていただけるように依頼を申し上げました。それで、この件は一応十一月十五日までに回答してくださいという期限を付けましたが、そのときまでに提案を予定しているという回答をした都道府県、市町村はございませんでした。
 しかしながら、構造改革特区の第二次募集は来年一月までございますので、今後提案を予定する場合には情報を提供してくださいという依頼を申し上げているところでございます。
○田嶋陽子君 すぐに対応してくださって大変ありがとうございました。
 とにかくそういうことがあるんだよということを地方に通知していただいただけでもとても良かったと思うんですが、ただ驚いたのは、その通知を出したのが十一月の十一日で、そして答えを下さる期限が十一月の十五日、四日間しかなかったですね。私が二週間以内にというようなことを申し上げたことも、もしかしたら関係あるのかもしれないんですけれども、私としてはたった四日で、これは、この女性差別のことというのは非常に難しくてなかなか人は思い付かないんですよね。
 だから、この四日というのはとても残念だったということと、それからもう一つここにこういう文章があります。既に特例として定められたものの中にも男女共同参画の形成の促進にかかわるものが含まれておりますが、今後とも各地方公共団体から男女共同参画に関する要望が提出されることが予想されますという言葉があるんですが、それでは、この男女共同参画形成の促進にかかわるものがもう既に特例として含まれているとありますが、それは具体的にはどれでしょうか。
○政府参考人(上杉道世君) まず初めに期限の問題でございますが、確かに短かったかもしれません。先生から二週間という御指摘がございましたので、それが念頭にございました。ただ、これは既に検討しているものについては教えてくださいという期限でございまして、今後更に検討を進めて、提案がある場合には随時御報告くださいというふうになっております。
 それから、既に提案されているものの中で、男女共同参画の促進の形成に係るもの、関連のあるもの、ございます。例えば、一例を申し上げますと、現在構想されている中で、幼稚園への入園年齢の制限、これを満三歳に達する年度というふうに緩和しようというものがございます。これは、もちろん教育上の課題として行われるんでしょうけれども、同時に私ども、仕事と子育ての両立支援ということで、幼い子供の受入れをできるだけ増やしていただきたいということも言っているわけで、その意味で私ども男女共同参画の促進にも関連するというふうに考えております。
 このように、各分野での施策でもって同時に男女共同参画にも関連するというものがあるのではないかというふうに思っております。
○田嶋陽子君 ありがとうございます。
 確かに、ここに幼稚園入園年齢制限の緩和ということで、間接的に子育てをしている女性を支援することになりますよね。そうしますと、こういうふうにおっしゃってくださると、ああ、そうなんだと分かる人は多いと思うんですけれども、ほかのところでは特例として一杯いろんな例を挙げていますよね。猛烈にたくさんいろんな経済に関するものはありますよね。
 ですけれども、これは本当に急いで出されたものだとは思うんですけれども、私は男女共同参画局はこういうことを考えるのが仕事なわけですから、確かに地方の上がってくるのを待っているというのもあるんですけれども、今朝ほど阿部委員が、男女構想売り込み隊を作れとおっしゃっていたけれども、私も本当にそう思うんで、営業せよとおっしゃっていたけれども、やっぱりこういうものもあるんだよと教えてあげるというか、それは押し付けではなくて、ほかのところは特例こんなに一杯出しているんですから、やっぱりその後、事後通知でもいいから、一杯こんなこともできるよということを教えてあげることがとても元気付けて大事なことなんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(上杉道世君) 今回の構造改革特区につきましては、基本的に、本日もいろいろ御議論がありましたように、地方公共団体の自発的な提案を尊重するということであろうかと思っております。したがって、男女共同参画につきましても、国から特定のモデルを示すというよりも、各地域で現場で苦労しておられる自治体の方から良い提案が上がってくるということを期待申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げたような形で、あえて男女共同参画を取り出して照会をしたということは、地方自治体にも考えるきっかけを差し上げたんではないかというふうに思っております。
○田嶋陽子君 そのことは、特別、例としては挙げてありませんよね、ここにはね。今、私がお聞きしたら多分そこがそうだということなんですけれども、そんなふうに地方自治体から上がってくるものを待っているというのはとても民主的だし、いいと思うんですけれども、私は昨日レクを受けながら感じたことは、余計なことをしやがってというような印象なんですよね。何かこっちがいろいろ案を出すと、いや、そんなものはできない、こんなものはできない、あんなものはできない、まあそれならできるかもなというような、何かそういうパトロナイズするような、そういうものを私は感じてとても不愉快だったんですね。私は、もう少し国は地方自治体に対して、そんな上がってくるものを待っている、ほら、出せるものなら出してみろよみたいな、そこまで言っちゃうと済みません、そういう態度じゃないかもしれません。私はそういう印象を受けました。とても不親切だと思います。
 地方自治体は、こちらが出したからといってそれを選ぶわけではないですよね。こちらには一杯こんな経済に関する特例は出ているんですから、男女共同参画社会はだれだって、女性差別は女でさえも分からないぐらい複雑な問題なんですよね。そうしたら、一杯そういうことを考えていらっしゃる男女共同参画は、もう少し私は親切にしてやって、早く早くそういう状況がベターになるように私はもう少し力をかしてくださってもいいように思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上杉道世君) 男女共同参画につきましては、現在地方自治体でも取組がいろいろ進んでおります。国といたしましても、男女共同参画推進基本計画という形で当面いろいろやっていこうとするメニューを提示しているわけでございます。
 したがって、今回の特区の関係でも、男女共同参画としての課題はたくさんこういうものはあるというのは自治体も分かっているわけでございまして、それには特区のという手法でどういう提案があるかということは、やはり地方自治体の考えを尊重したいと思います。
○田嶋陽子君 鴻池大臣に戻ります。
 やっぱり個人に対する規制緩和をするということは非常に大事だと思うんですね。本当に経済活性化したいんなら、景気回復したいんなら、やっぱり私は女性という人材をフルに使えるような政策を作らないと景気なんか回復しないと思います。それから少子化対策をきちんとやる、それはイコールだと思うんですが、それもしないと私はもう日本は景気回復しない。それぐらい自信があっちゃって困るんですけれども、やっぱり女性個人に対する規制緩和を外すような努力をしていただきたいと、最後はお願いで終わります。
 また次によろしくお願いします。
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康でございます。
   〔委員長退席、理事長谷川清君着席〕
 小泉総理の所信表明における「日本経済を活性化させる大きな柱として、構造改革特区を実現します。」との方針の下、今回の構造改革特別区域法案が提案されているわけでありますが、私は先日の当院本会議における代表質問でお尋ねいたしましたが、構造改革特区を設けることが日本経済の活性化にどのようにつながっていくのか、また特区による日本経済再生への道筋をどのように描こうとしているのかという点が必ずしも明瞭ではありません。そんな点について改めて大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 構造改革特区は、地域の特性に応じた規制の特例措置を導入して、それぞれの地方が知恵と工夫の競争による活性化を目指すことによって民間活力を最大限に引き出し、経済の活性化につなげようとするものでございます。
 一般的に特区制度によって期待される経済効果としては、農業経営、特別養護老人ホームの運営など、これまで民間参入が限定をされておりました分野について規制改革を行うことによって民間事業者の新規参入が進んで、経済の活性化という効果が見込まれておるところであります。また、大規模港湾における港湾施設の民間への貸付け等地域特性に応じた規制改革を行うことによって、地域特性を生かした産業の集積によって経済を活性化させる、こういう効果が見込まれるわけであります。
 このように、特定の地域における構造改革の成功事例を示すことによって全国的な構造改革へと波及し、我が国全体の経済的な活性化ということを見込まなければならないと、こういうことであります。
○島袋宗康君 特区を設定する政策目標をその効果の全国波及のための実験的な意味を持つ先行実施という点に置くのか、それとも特区における産業集積という点に置くのか。こういう選択は重要な意味を持つという指摘がありますけれども、政府は今回の特区構想の比重をどの点に置いておられるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 特定の地域における構造改革の成功事例、これを示すことによりまして、十分な評価を通じて全国的な構造改革へと波及して我が国全体の経済の活性化が実現すること、これが一つでございます。また、地域の特性が顕在化して、その特性に応じた産業の集積や新規産業の創出が起こり、地域の活性化が実現することにあると思います。
 この二つの目的は矛盾するものではなく、まずは地域の特性が明らかな地域において先行的に規制改革を実施してみて、その地域の活性化を実現した上で、評価の結果、それを全国に広げた方が国民の利益の向上につながると判断する場合は、それを全国規模で実施するという段階的なものでございます。
   〔理事長谷川清君退席、委員長着席〕
○島袋宗康君 そこで、地方公共団体等から規制緩和要望が出されたのが私の手元にあるのは九百三件に対し、特区で対応可能とした各省庁の回答が九十件にとどまっていることについて、九月二十六日の日経新聞は、「関係省庁が地域限定でも規制緩和を渋るのは「特区で規制緩和の成果が上がれば、全国にその波が広がる」との警戒があるためのようだ。」というふうな酷評をしております。これは、中間取りまとめや本法案が期待する特区から全国へとする規制緩和の波及の流れを阻害するものではないかというふうなことが書かれておりますけれども、担当大臣としての御所見、いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 特区構想の実現に当たりまして構造改革特区本部において総理から、各省においては、できないという理由を検討するのではなくて、実現するためにどうすればいいかという方向で検討するよう各大臣は最大限の指導力を発揮していただきたいという指示がございました。
 各大臣は指導力を持って特区推進に努められ、この結果、地方公共団体からの提案のうち、事実誤認、現行で対応可能とされたものを省いて、そして約六割について特区又は全国において規制改革が実現されたという運びと相なっております。六割に進めておると、こういうところであります。また、農業分野、教育分野など、これまで規制改革が難しかった分野においても構造改革特区の対象とすることができました。こういったことから、一定の成果は得られたものと考えているところであります。
 ただし、私自身も総理の御指示を踏まえて関係大臣とも折衝いたしましたのは前段の答弁をさせていただきましたとおりでありますが、なお教育や医療への株式会社の参入など所管省庁や関係団体に様々な御意見があることは承知をいたしておりますけれども、今後検討すべき事項としてこれは整理されたということも御承知のとおりであります。
 これらを踏まえて、今後検討すべき事項の再提案を含めて、民間事業者、地方公共団体から更なる規制改革の要望を募るために、来年一月十五日を締切りとして第二次提案募集をいたしているところであります。
○島袋宗康君 先ほど申し上げましたように、関係省庁が地域限定でも規制緩和を渋るのは、特区で規制緩和の成果が上がれば全国にその波が広がるというふうなことで省庁がいかにも反対しているような感じを受けるんですけれども、この新聞読むと。それは担当大臣としてはどういうふうに受け止めておられるのか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) まず、この特区構想というのが、試み、まずやってみようと、こういうことから出発をしていると思います。ただ、やってみていいものであれば恐らく隣の町にあるいは向こうの県に飛び火をしていくだろうと思いますし、これがより良きものであれば全国的に広がっていくと思います。
 これは、その規制を守っている省庁やあるいは諸団体のためではなく、国民のために進んでいくことで善きことであるという解釈の下に、私はこれは歓迎すべきことであるというふうに思っておるところでありますので、なおいろんな調整の意見交換、議論が多々あろうかと思いますけれども、私は与えられました任務を真剣に遂行していく所存でございます。
○島袋宗康君 次の質問に移りますけれども、先ほど山口委員からも質問がありました、同様な。重複するかもしれませんが、お答え願いたいと思います。
 沖縄県の中城湾港新港地区の一部が平成十一年に特別自由貿易地域として指定を受け、既に特区として法人税等の優遇措置を受けてきたところであります。期待された企業の立地が十分に進んだとは言い難い状況にあります。ということでありますけれども、その現状はどのようになっているのか、また企業立地がはかばかしくない理由はどんな点にあるのか、お尋ねします。
○政府参考人(安達俊雄君) もとより沖縄につきましては、本土マーケットから最も遠隔な離島県であるという中で、正直申しまして、製造業の産業立地ということを考えますと、全国四十七都道府県の中で最も困難な地域に属するというふうに思うわけでございます。
 しかし、当時から、やはり製造業の立地ということは沖縄にとって非常に重要であるという非常に強い御期待、御希望がございまして、私どもも政府として、当時考えられる限りの対策ということでこの特別自由貿易地域を平成十年に成立させまして、翌十一年三月に地域の指定を行ったわけでございます。この中で、税制のみならず、レンタル工場制といった、投資家、投資者にとっての選択の余地も拡大するとか、いろいろな対策を講じてまいりました。
 先ほど御説明さしていただいたとおり、この約三年間で十社の工場が既に実現若しくは決定を見ておるということでございます。十社が多いか少ないかというところは評価も分かれるところではないかというふうに思いますけれども、最近立地した企業が、中国よりもこの沖縄は振興措置がいろいろ充実しておって中国よりも魅力的である、それが沖縄に立地した理由であるということを既に進出した企業が申し述べておるということも御紹介申し上げたいと思います。
 ただ、正直言いまして、沖縄への製造業立地というのは一般的に非常に難しい、他の県に比べても格段に難しいということは事実でございまして、私どもとしては企業誘致活動についても相当やはり戦略的な分析の中でこれを進めていく必要があるのではないかと。
 例えば輸送コストということが大きなハンディキャップでございますけれども、それならば輸送コストがネグリジブルな業種というものを戦略的に集中的に考えてみる。例えば、既にこの十件のうち二件は半導体の関連の製造業でございます。沖縄にそういう高度なものが立地するのかというような声が数年前にございました。私どもは、いや、それは可能だということで進めてまいりましたが、現実に二社進出しております。
 したがって、そういう戦略的な分析の下で産業の実態をよく踏まえて取り組んでいくならば今後とも企業の立地というものは促進できるのではないかというふうに考え、またそういった視点を含めて努力してまいりたい、県ともども努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○島袋宗康君 御丁寧な御説明、ありがとうございました。
 それで、現在、安達統括官としてはこの沖縄の中部の自由貿易地域について、当初の考え方と今の状況を、大体何%ぐらいのいわゆる立地状況になっているのか、その辺をちょっと御説明願いたいと思います。
○政府参考人(安達俊雄君) 中城地域に工場を充満させるということでいけば、九十社とかそういった数字が必要になってくるというふうに思います。これをどういう期間で実現していくかということがその課題であろうかと思います。
 ただ、私個人の見方として見ますと、この十社というものは非常に感激する数字でございまして、私個人はもっと悲観的なつもりでございました。よく十社も来たなと。正直言って、この空洞化の中で三年間ぐらいで工場が十社進出した県というのが地方都市でどれぐらいあるかということを考えますと、最も不利な沖縄県で十社進出したということについては私は感慨深いものがあると思っております。
○島袋宗康君 どうもありがとうございました。どうぞ御退席。よろしくお願いします。
 また、同自貿においては、法人税等の優遇措置、すなわち国による税制措置という支援を受けているにもかかわらず企業の集積がなかなか進まないという状況にありますけれども、今回の特区法案においては、国の援助は、円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行うように努めるというだけで、財政上の措置は、援助は含まれていないとされておりますけれども、この程度のことで特区は十分に機能するとお考えなのかどうか、お尋ねいたします。
○政府参考人(中城吉郎君) お答えを申し上げます。
 今回の構造改革特区におきましては、地域の自立自助の精神というものを生かすというため、国として従来型の財政措置は講じないということにしているところでございます。その一方で、地方公共団体が自発的にこれまでの各省庁の予算というものを効率的に活用することによってより地域の活性化の効果を高めようということについては、それを否定するものではないわけでございます。
 特区においてどのように効果的な事業を実施するかということにつきましては、正に地方公共団体が自発的にどのような計画を作るかということに依存するわけでございまして、この構想につきましては地方公共団体の知恵と工夫を試されているというものだというふうに御理解いただければと思います。
○島袋宗康君 総合規制改革会議の中間取りまとめでは、特区制度の対象となる規制の選定基準として四分野を特区制度の対象外としたが、「生命・身体・健康、公序良俗、消費者保護等に関する規制であるという理由によって対象外とすべきではなく、適切な代替措置等を講ずることが可能かどうかなどによって判断すべき」として、規制全般が広く特区制度の検討対象となるとの見解を示しております。
 これに関連して、疑問に感ずることは、沖縄県の具志川市等が提案した、健康長寿産業振興特区における中国の医師資格取得者による医療類似行為の容認、特定保健用食品の特別用途表示の許認可手続の簡素化などの規制の特例を導入しようと試みたわけですけれども、その点について、どうしてこれが認められないのか、御見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) 具志川市などから出てきております健康長寿産業振興特区というお話も伺いまして、関係省庁と調整したわけでございますが、まず、中国人医師の医療行為につきましては、厚生労働省の回答では、我が国の医師免許を有していない者に一般に医療行為の実施を認めることは、患者の生命、身体の危険を伴うこととなるため適当でないという回答でございまして、この件に関しましては様々な御意見があるところでございますので、更なる検討が必要であるということで、今回の分類といたしましては引き続き検討すべき事項ということにしたところでございます。
 それから二番目の、特定保健用食品における特別用途表示の許可手続の緩和、手数料の減免につきまして、これも厚生労働省の回答でございますけれども、安全性や効果に関する試験結果については食生活の相違等の影響も考慮する必要があり、外国で実施されたことをもって直ちに受け入れることはできない、また手数料についても特区内で影響が収まらないとされており、更なる検討が必要であり、引き続き検討すべき事項としたところでありまして、この御要望の中には、既に中国において販売や実証実験などを通して安全性の実績がある製品であるということで許可手続の緩和等を求めていたものでございますが、そこについてはまだ更なる検討が必要ということで、同じく引き続き検討という対応にしたものでございます。
○島袋宗康君 中国の医師免許を持っている人が日本では開業できない、あるいは営業活動できないというふうな点については何か理解しますけれども、やっぱりその辺が申請した方々の、何といいますか、そういった制度というものが分からないでそういったことを提出したのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) お話を伺っていると、まだこの地域に中国の方がどのぐらい来られるかとか、どういう医師が来られるかという具体的なお話まではまだ決まっていないように伺っておりますけれども、一般に中国の医師の方で中国の医師免許を持ってきてこちらでできないかというような御相談だったと思いますが、そこのところについてはなかなか難しいという感じを申し上げたところでございます。
○島袋宗康君 さらに、具志川市等が提案した昆布を原料とした調味料など、関税の課税選択の適用除外となっている輸入貨物の緩和などの特例を導入することにより、企業立地の促進、産業の振興を図るとしたものが認められなかった理由等についてお伺いいたします。
○政府参考人(中城吉郎君) 沖縄県から沖縄貿易自由特区ということで、中城湾の振興地域に貿易自由特区というものを作ろうということでございますけれども、この中で、昆布等に課せられている輸入割当て制度、いわゆるIQの特例というものを設けてほしいということでございますけれども、これも経済産業省、農林水産省と調整いたしましたが、経済産業省、農林水産省としましては、仮に特別自由貿易地域に特区を設定して、IQ、いわゆる輸入割当て制度を非適用とする特例を導入しますと、特別貿易地域を経由して輸入割当て品対象品が無制限に国内に入ってしまうということが懸念されるということでございまして、特別貿易地域におけるIQというものを非適用するということは認められなかったということでございます。
○島袋宗康君 中間取りまとめでは、特区制度の対象とすべき規制が選定されるに当たって、規制所管省庁は、当該規制に関する創設経緯、社会的背景等を含めた多くの情報を有していることから、特区において特例措置を合理化できないと主張する場合には、原則として当該官庁が、その法的・社会的論拠を挙証すべきであると言っております。
 今回の規制特例の選定に当たっては、各省庁はこの要請に十分にこたえたのかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 今回の検討過程におきましては、八月三十日に地方公共団体等から提出されました構造改革特区の提案に関する規制改革要望につきまして、内閣官房から関係省庁への検討要請、それから関係省庁からの回答といったものをすべてホームページ上で公開したところでございます。その上で、関係省庁からの回答につきまして、地方公共団体等から、要望を正確に反映している回答かどうか、合理的な回答であるかどうか等の観点からコメントを募集いたしまして、そのコメントを集めて、そして関係省庁に投げるというような作業をしておりまして、そういう意味で総合規制改革会議の中間取りまとめの要請には十分こたえているものと考えております。
 なお、今回の取りまとめに当たりまして、特区として実施又は全国で実施するというふうにされたもの以外の規制改革項目でございますけれども、そうしたものについて、特区として規制改革を実施しないことについての必ずしも現段階で合理的な理由が提示されていないというものもあると思われますので、これらにつきましては第二次提案における要望等を踏まえて、今後引き続き検討していきたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 中間取りまとめは、検討すべきその他の法的論点の中に、特例措置を講じた後の評価方法を検討すべきであるとしているが、この点は法案にどのように反映されているか、お伺いいたします。
○政府参考人(中城吉郎君) 法案の第三十六条第一項におきまして、関係行政機関の長は、規制の特例措置の適用状況につきまして定期的に調査を行い、その結果を内閣総理大臣を本部長とする構造改革特別区域の推進本部というものに報告するということとされております。
 また、その第三十六条の第二項において、この調査結果や地方公共団体等の意見を踏まえて、必要な措置を講じることとしているところであります。
 さらに、法案第三条で、閣議決定される構造改革特別区域の基本方針というものにおいて、特区における規制改革の評価方法というものについて定める予定でございまして、こうした規定によりまして、規制の在り方の見直しというものを図っていくということにしております。
○島袋宗康君 終わります。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 六時間コースももう五時間半迎えまして、多分大臣もお疲れのことと思います。各委員も事務方の皆さんもお疲れだと思います。実は私も結構くたくたでございまして、というのは、私、今回に限らずいつも最後ですので、自分の質問とダブるかどうかということをいつも冷や冷やして皆様の御発言聞いておりまして、実は本日もう四人目の山口先生辺りで私の質問全部出尽くしてしまいました。かといってお役御免というわけにはいきませんので、ちょっとずつ角度を変えながら御質問をさせていただきます。大臣、もうお気楽にお答えくださって結構でございますので。
 それで、私、今回、大臣に対しての立場を明らかにしておきますけれども、私、今回のこの構造改革特区、やはり改革を進めるという点では鴻池大臣に大変期待をしております。衆院のやり取りも全部読ませていただきました。そのほか新聞、そのほか私、日曜日の朝、大臣をテレビで拝見いたしました。多分「報道二〇〇一」の後だったでしょうけれども、大変力強くもう改革を切り込んでいくというあの発言を聞きまして、是非その意思を貫いていただきたいと心底思っております。
 そういう意味で、今回やはり私は、構造改革云々というより、この構造改革特区自体は手段ですから、この手段がどうとかというビジョンを今回各委員の先生も聞かれましたけれども、それを一回取り外して、鴻池大臣というより鴻池祥肇一人の政治家として目指すべき社会、理想の社会像というものをまず語っていただきたい。
 そして、その後に、じゃその目指すべき社会のどの分野は、要は、その構造改革特区ができたからといって私は多分鴻池大臣が目指すような社会がすぐできるとは思わないんです。ただ、その社会のうちどの部分は構造改革特区によって達成される、その手順というものをですね、これは最後の方で結構なんで。
 ですから、とにかく鴻池大臣の理想の社会というものを、お時間気にせず結構です。たっぷりと思いのたけを語っていただきたいと思いますので、答弁とか読まなくて結構なんで、思い切ってお聞かせください。お願いいたします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) まず、御激励をいただきましたことに心から感謝を申し上げますと同時に、正に疲れてくる時間でございますが、元気よく頑張っていきたいと思っております。
 鴻池の理想とする社会はいかがなものかということでございます。御質問の趣旨と答えが違うかもしれませんが、私はやはり正しき者が報われる、勧善懲悪、悪は懲らしめる、正しきは褒める、こういう社会、そして額に汗をして正しく働いた者が正しく報われていく社会、そして安心できる安全な社会、これが私は、今突然の御質問ですけれども、そのように思っております。
 今委員がおっしゃいましたように、鴻池の構想、今発言した社会が、この特区構想で実現するかといえば、これは全く実現されないことでありますけれども、私は政治家としてこういう社会が現実として徐々にでも私の理想とするところが進んでいくように頑張っていかなければならないと思っておりますし、節度がありまた良識のある政治家というものが、私は棚に上げて、多く生まれていくことがやはりこの国の発展につながっていくと、このように信じているところであります。そこで、ほとんどの方が私が申し上げた理想の社会について否定される方はいらっしゃらない、付け加える方はたくさんいらっしゃると思いますけれども。
 そういった中で、あえてこの改革ということに付言すれば、そういう社会にみんなが向かおうとしている中で、やはりこの閉塞感、沈滞ムードといったものが余りにもここ十年近くあり過ぎる。そこで必然的に私は改革を標榜した小泉純一郎という人が総理に就任をされたのではなかろうかと思います。そういう中で、構造改革をしなければ社会の発展はない、こういう哲学の下に我々閣僚として日々御協力を申し上げている状況でございます。
 朝からの答弁で申し上げておりますように、この構造改革特区というのは、地域、地方の提案、活力、これをやってくれりゃおれたちはきらりと光るぞ、ぴんぴん生き直すぞ、こういう提案をいただいて、これをできないものは何とかしてできるように、できるものはすばやく規制を外すように、こういう総理の指示の下で今やっているところでありますけれども、地域がよくなれば、よいものであれば、先ほど申し上げたように飛び火をしていく、あるいは全国に広がっていく。それがなくても地域に対して大変な貢献をしていくという期待感がございます。
 もう一つは、閉塞感というのはやはり面白くない。面白くないものを面白くする。これはやはり経済的なものだけではなく、社会全般、国民の興味あるいは国民が今国の政策あるいは地方の政策に対して何らかの疑問を持っているところを突破口を空けていく、風穴を空けていく、そうすることによって面白いものが生まれてくる、こういうことも私はこの特区構想の一つであろうかと思っております。
○黒岩宇洋君 この時間になって大変力強いお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 それで、私この法案というものを見て、今日も質疑を聞いておりまして、例えばこの法案を一つの料理店に例えると、私はやっぱり余り足を運びたくないんですね。なぜかというのは分かりました。理由は二つあるんです。一つはメニューが少ないんですね。そして魅力的じゃない。もう一つはそのメニューを作り上げる調理方法といいますかレシピ、レシピが余りうまくないんじゃないかなという気が私大変してきました。
 そのメニューというのは、この四章以降の十五条、十一条から二十五条までで成るこれなんですけれども、やっぱりこれを見ただけでは、今、大臣がおっしゃるような目指す社会ができるとは到底思えません。この後触れますけれども、株式会社のいろんなところへの参入とか、そういったことも含めて、やはりこの程度の数と質ではちょっと満足しないと。そのほか、細部のどうやってじゃこのメニューを作っていくんだって見ると、やはりどうも窮屈ですし、この調理方法で果たしてできるのかなというそういう点があります。
 その観点で、もう本当重複なんですけれども、少し聞かせていただきます。
 まず、やはりこの「目的」というところに注目すると、これも今日皆さん何度も何度も触れましたけれども、やはりこの言葉どうしても気になるんですね。この「国民経済の発展に寄与することを目的とする。」と。これは、「国民生活の向上」と「及び」で掛かっていますからやはりこれが目的なんですよね。やはり大臣も何度も述べられていますけれども、経済的な規制改革だけでは目指す社会はできないんだと。確かに沈滞ムードを吹っ飛ばしたり、面白くないものを面白い社会にするだとか、こういったものはすばらしいんですけれども、これは経済だけじゃございませんよね。
 しかも、目的だけではなく第四条の八項の総理の構造改革特区計画の認定基準でも、二号で、一号と三号というのは手続的なことにさらっと触れているんですけれども、この二号は「経済的社会的効果を及ぼすもの」という認定基準できっちりと書いてあるわけです。これについての議論は、それだけじゃまずいだろうということは委員やそして大臣の答弁でもあるんですが、私はあえてくぎを刺したいんですけれども、じゃ、この計画が上がってきたときに、経済的に寄与しないじゃないか、国民経済に寄与しないじゃないかと、これだけの理由ではねられることがないようお願いしたいんですが、大臣の御答弁お願いいたします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 正にそのとおりでございまして、社会的に国民的に寄与できる、いつも私が申し上げている、これは面白いと言われるような提案がありましたら、これは経済的に寄与いたさなくても提案を取り上げる必要があると思っております。
○黒岩宇洋君 ありがとうございます。今本当に力強い答弁なんで、法案だけ読んでいるとどうしても経済ということでぱんとはねられそうなんですけれども、じゃ、総理の認定でも今、大臣がおっしゃったことが貫徹されるよう本当に心からお願い申し上げます。
 次に、やはり今回のこの法案というものができ上がるまでの最大の焦点というのは、何度も何度も出てきましたけれども、株式会社の医療参入と学校経営について、このことだったと思います。
 大臣も本当にある程度でき上がったところにぽっと乗って関係省庁と大分勇敢に闘ってきましたけれども、やはりこのことというのは大変重要なんですけれども、私は、これどちらも退けられていますけれども、その理由はやっぱり端的に言えば、今日は厚労も文科も副大臣見えましたけれども、これはやっぱり端的に言えば、営利を求める株式会社はなじまないんだ、医療や学校経営に、ということですね。公共性を損なうから駄目だと、こういうわけですよ。
 このことも松井委員なんかの質問の中でも触れているんですけれども、これはすごく重要なことで、この論理の根底にあるのはやはり官は民より上だと。官は公共的だから善で民は営利目的だから悪だという、これは私は信じられないんですね。この議論はこの思想が完全に透けて見えるどころか前面に出ているわけですよ。
 しかも、私、医療への株式会社の参入が国民の生命や身体に影響を及ぼすなんて言っていますけれども、これは大変失礼だと思います。別に株式会社だろうが医療法人だろうが、じゃ医療法人なら身体は安全で株式会社が駄目なのか、何の説明も付かないわけですし、国民の身体を脅かすのが株式会社だというのは、私は物すごい論理だと思っています。
 私は民間会社にずっと勤めていたんですね。福祉の会社なんですけれども。この会社自体も、しょっちゅう社員のボランティアで、会社から若干強制はありましたけれども、ごみ拾いや清掃ということをやっているんですよ。公共性というのは担うし、そういう企業じゃないと生き残れないわけですよね。
 私は、本当に官と民ということに対しての考え方というのは重要なんですけれども、今回のような、何省とは言いませんけれども、本当にそういう考え方があるんだったら、これはできないんですけれども、あえて私思ったんですけれども、都道府県や市町村を構造改革の特別区域にするんじゃなくて、何々省を大臣はもう構造改革特区にして、そのぐらいの勢いで省を改革してほしいと私は本当に思います。この法案じゃできないんですけれども。
 あえて私聞きたいんですけれども、やっぱり大臣として官と民の在り方、私はあくまでも官というのは民の補完だと。だから、例えば今日議論になっているところの原則株式会社だっていいと思うんですよ。ただ、そこで不都合があれば官が補うと。私はこの方がすばらしい社会じゃないかと思うんですけれども、この官と民の在り方についてちょっと大臣、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 日本が近代国家として出発をいたしました明治時代から官が主導で日本の国を支え、そして戦後も官がいろんな規制をしきながら日本の国をここまで引っ張ってきたと思います。それなりの役割を私は十分果たしてきたし、官の重要さというのも私は今も理解をするところであります。しかし、委員御指摘のように、官が民の上にあるというその考え方が往々にして出てくるところは極めて不愉快なところであると私も思っております。
 例えば、今も例えばのお話の中に出てまいりました医療に株式会社が入る、今のお話の中には出ておりませんが、教育の中に、教育の分野に株式会社が入ると。これについての拒否をする理屈というものは、どうも私は納得ができない部分がある。それゆえに、これが進んでおりますときに記者会見で、私自身すっきりしない、このように実は申し上げたところでございます。
 そして、委員が御指摘のように、民ができない部分、これはやはり官が補足していくと、これは非常に重要なところだと思います。例えば、先ほどの医療に関する答弁でありましたように、株式会社にすると、もうからない小児科とか外科、こういったところがやるやつがいなくなるぞと、こういう議論が大分以前から出てきております。株式会社に今どこの地域のだれもまだしていないのに、小児科も救急ももうかっていないんです、理由にしているだけなんです、それは。そういったところならば、それが官が補てんしていけばいい、補足していけばいいと私は思っております。
 ですから、私の今の立場が続く限り、官から民へ、国から地方へ、できるものからやっていくという、そういう発言、表現は変えないつもりでおります。
○黒岩宇洋君 済みません。小児医療と救急医療、通告した残された数少ない質問なので、後でもう一回重複して私、聞きますけれども。
 それで、ちょっとしつこくお聞きしますけれども、やはり営利を求めることが何か弊害があるんだということばかり出ますよね。私、本当にちょっとまだ、発想を逆にして、じゃ医療法人や学校法人というものは利潤動機がないかと。私はそんなことは全くないと思うわけです。実は、私の実家というのは医療法人で診療所経営をしているんです。私のおやじは以前は公立病院の医者だったんですけれども、開業してから少し羽ぶりが良くなっていますから、やはり利潤は私、追求していると思うんですね、しているんですよ。
 とにかく、営利というものと公共性というものは相反しないんだと私は考えているんです。何度か同じような説明しましたけれども、とにかくサービスを良くして、そして社会に貢献して、世間からプラスの評価を得ていくという、このことによって、結果営利を求めるという。私のいた企業ももうこれを前面に出していたわけですね。だから、そういう意味では、営利と公共性というものは私は絶対に相反しないと思っております。
 その背景は、やはり競争原理とか市場原理というものがあるわけですね。ですから、今回、株式会社に絡む議論というのは、何か資本主義社会や市場経済というものをまるで否定するがごとく私にはどうしても聞こえてしまうんです。
 これ、最初に申し上げた質問に戻るんですが、営利を求めるということはそんなに弊害をもたらすことと大臣はお考えですか。やはりコストダウンやサービスの向上につながるとか、こんなことはもう当たり前に世間で言われているわけです。どうもこの当たり前に言われていることが今回の議論だとどこかねじれている。ですから、この営利ということについての弊害というものが、あるならある、ないならないともうきっぱりと、ある、ないだけじゃありませんけれども、そこの大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私は、自由主義経済機構というものを日本の国が取っている限り、営利の追求というのは、正当な営利の追求というのは決して間違いではないと思います。株式会社罪悪論というのが随分飛び交っておりますけれども、これも間違いであると私は思います。
 そこで、例えば医療の中に、例えば教育の中に、対立を、対立というか意見も平行線のまま来ておるわけですけれども、私は逆に、供給者、医療にしましても教育にしましても、供給者、それと受給、受ける方、これが供給する側ばかりの理論が今まで強過ぎたんだろうと。受ける方も選択の自由というのがある、選択の自由というのがある。私は、そういう意味で、自由濶達な、いわゆる官の支配する市場よりも民がそれなりに進んでいく、そういう市場経済というものを私は大事にしていくべきだと思います。
 何度も答弁で申し上げておりますけれども、税金を使う主体よりも税を払う主体、これが増えていかないことにはこの日本の国というのはだんだん衰退していくと、このように思います。
○黒岩宇洋君 ちょっとまた戻ります。
 本当に医療分野のときに言う議論で、先ほどいみじくも大臣がお答えになったんですけれども、小児医療や救急医療といった、こういったところはもうからないから切り捨てられるという表現がありますよね。今日の厚労大臣の答弁にもそういう表現がございました。
 私は、この表現には二つの大きな問題点があると思っているんです。
 一つ目は、構造改革特区という狭い視点だけでこの国の改革を進めているわけではないんですよね、ないんですよ。どういうことかと申しますと、例えば本当に小児医療、これ、大臣おっしゃったようにもうからないんですよね、もうもうからない。実はまた身内のことなんですが、私の弟の妻が小児科の医者で、これはもう絶対にもうからないと。これはもう一人の大人を診るのに比べて何倍も時間と手間が掛かるわけですよ。ですから、今、小児科の病院が限られてきて、子供たちがもう大変な思いもしているんですけれども、小児科の医者自体でもう過労死寸前なんですよね。小児科についてのいろんな医療制度改革というのは最近も出たりしているんですけれども、ただやっぱり小出しなんですよ。
 私が言いたいのは、もうからないから駄目だと紋切り調に言うんじゃなくて、じゃそこをどうにかほかの医療制度改革とかでやっていきましょうと、構造改革特区だけではできないわけですから。だから、できないとそれを否定するがごとく言うんじゃなくて、やはりこれは多分医療制度に限らず、いろんなところにあるわけですよね。私は、そういう意味でも、地方から中央を変えていくんじゃなくて、これを各制度の突破口にもしていただきたいんですよ。やっぱり議論になると思うんですよね。これ、構造改革特区になじまないといったときに、何でだろうといったら、今のような何か理屈が出てくる。でも、それって構造改革特区の問題じゃなくて、各省庁でもっと手当てすべきじゃないのとか、議員立法という手もあるんですけれども、そういう部分でやっていただきたい。これは一点目です。これはお願いなんですけれども。
 二つ目で、確かにもうかる、もうからないというのはあるとして、これはさっき大臣がおっしゃったんですけれども、本当にもうかる分野にだけ参入してきて何がいけないんだと。そうですよね。だって、要は、不採算でもうからないというこの部分が官が補うんだと、ちゃんと市場経済でもうかるんだったらそれ民にやらせましょうと。これ、そういうことですよね、今回の小泉さんのおっしゃる規制改革、構造改革というのは。それが、もうからない、もうからない分野だけ切り捨てられると。これ、おかしいんですよ。仮にそういう分野があるならそこを官が面倒見ていけばいいわけですね。だから、これ、医療にだって言えるし教育にだって言えるし、今までは採算が合わないと言われた福祉だって介護保険化で、何度も言いますが、私の会社は福祉で利潤を上げていたわけです。それでもいいわけですよ。だから、その部分でやっぱりちょっと古い。
 これもあえてお聞きしたいのは、やはり根本的なもうかる分野にはどんどん民間が参入するんだと。この部分、大臣、改めて、もうしつこくなっちゃいましたけれども、大臣も正にそうだと多分おっしゃると思うんですけれども、一応御見解をお聞かせください。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 小泉総理の哲学が絶えず前面に押し出されております、改革なくして成長なしと。正に今委員が御指摘なさった部分が非常に大きなところではなかろうかと、私もそういう理解をいたしておるところです。
 もう一つ付け加えて委員の御指摘について賛成をしたいのは、やはり小児科の例え話、あるいは救急医療の例え話、これはおっしゃるように、今ももうかっていない、今も利益が出ていない、大変な社会奉仕の部分があろうかと思うんです。これこそが官が何かを補足、補てんをしていくべきであって、株式会社もまだやろうともしていない、こうしているときに、もうかっていない部分はどうするんだという議論は私はおかしいと思う。関係者がいないから、それは小さな声で言っていますが。
 それともう一つ、だれかおるはずですけれども、私、医療の、朝も申し上げたんですけれども、医療の中に株式会社が入ると。勘違いをどうもされているんではないかと思うんですけれども、一つは、先ほど申し上げた、午前中に申し上げた、全国でやろうというんじゃないんだと、試みにやってみようということなんだと。それともう一つは、株式会社が医療をやると命にかかわると、こういう発言がありましたけれども、銀行マンがメスを持つんじゃない、証券会社が注射器持つんじゃない、医者がやるんだから、その医者を否定する発言は私はおかしいと。同僚議員だから余り言わなかったけれども、恐らくこれは伝わると思いますけれども、付け加えて申し上げておきたいと思います。
○黒岩宇洋君 いや、そういう、私、今の御発言で、最後ちょっと医療について一言だけあれしますけれども。
 さっき、我が家が利潤を追求した医者だというとちょっと大変聞こえが悪かったんですが、本当、往診といえばもう救急、夜中、電話が掛かってきても行くんですよ。それは、株式会社じゃないから行くんじゃないんですよね。医療法人だから行くんじゃないんですよ。うちのおやじは医者だから行くんですよ。だから、こんなことは私は当たり前で、そこら辺、私は議論をもうちょっと丁寧にやっていただきたいと。これは大臣にお願いというよりは厚労省にお願いで、いないからしようがないんですけれども。
 それで、非常にレシピというか、じゃこのメニューをどう作っていくかという部分だけ触れますが、四条の九項の行政機関の長の不同意について、これも松井委員、山口委員が丁寧に解きほぐしてくださったので、いろんな意味もきっちりもう分かったんです。ですから、本当にこれ見ても、とにかくこれ最後まで料理ができ上がらないようなシステムに見えるんですよね。あと第七条、八条、九条を見ても、報告についても、そのほか必要な措置だとか、そのほか取消しとか、本当にこれで最後まで料理ができ上がるんだろうかという、本当に私はこれは調理方法としてはもう最悪に近いんじゃないか、そういう気がしているんです。
 ここまで要するにがんじがらめな制度にして、もう一回第一条の目的に立ち返ると、地方公共団体の自発性を最大限に尊重したとあるわけですよ。これはちょっとやっぱりこけちゃいますね。どうも目的だけは非常に理念が高いんですけれども、その後に出てくる条文でひっちゃかめっちゃかこの目的をがんじがらめにするといいますか、言葉は悪いけれどもつぶしているように思うんです。
 私は、メニューも悪い、レシピも悪い、じゃあとは何に期待するかというと、調理人の腕前ですよね。大臣の腕前なんですよ。大臣の腕前で果たしてこの今の状況、このメニューとレシピ、これをどうにかして、そしてしっかりとした料理が出せるかどうか、そこら辺の、御決意でもいいんですけれども、お聞かせください。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今回の質疑の中で、特に松井委員や山口委員からただいまの御趣旨のところが詳しく質問をされたというふうに理解をいたしております。
 料理人としてどう調理して出すかということでありますけれども、まずはこれ第一発目でありますから、まずこの一発目で食ってみてくださいと言わざるを得ない。食ってみてどうもまずいと。今、もう見ただけでもまずいとおっしゃっているような感じがするんですけれども、まあ一回目の料理、一度冷めない間に御賞味をいただくとともに、まずきゃまずい、うまきゃうまいというところをけなし合い、褒め合って次なるいいものを作っていくべきではなかろうかということも、御返事を申し上げたとおりでございます。
○黒岩宇洋君 私、今、このままだとちょっと食べる気しないんですが。ただ、先ほどの大臣の答弁でも、経済的な発展に寄与するだけならそんなのではねないよとか、私は、非常に高等な料理技術を今大臣はこなしてくださっています、それに期待して食べてみたいと思いますけれども。
 ただ、何度も言いますけれども、私は、このレシピとメニューだけで料理店を経営していってほしくないんです。やはりメニュー、レシピもきっちりと整えて、そして調理技術を、たぐいまれな、使って、そしてあくまでも、とにかく目的は、突破口を開けて、そして規制というものを取っ払って、そして正しく大臣が先ほどおっしゃった、一番最初におっしゃった、大変面白くなるような、そして暗いムードを吹っ飛ばすようなそういう社会を作るんだという、このことだけをお願い申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十四分散会