第155回国会 外交防衛委員会 第2号
平成十四年十一月七日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                山下 善彦君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       井上  進君
       内閣官房内閣参
       事官       小熊  博君
       防衛庁防衛参事
       官        大井  篤君
       防衛庁防衛局長  守屋 武昌君
       法務省民事局長  房村 精一君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     安藤 裕康君
       文部科学省研究
       開発局長     白川 哲久君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     細川 昌彦君
       海上保安庁次長  津野田元直君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (日本人拉致問題に関する件)
 (北朝鮮の核開発及びミサイル問題に関する件
 )
 (ミサイル技術の不拡散問題に関する件)
 (日朝国交正常化交渉に関する件)
 (イラク情勢に関する件)
 (テロ対策特措法に基づく協力支援活動等の再
 延長に関する件)
 (我が国の自由貿易協定(FTA)戦略に関す
 る件)
 (沖縄米軍基地問題に関する件)

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○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官井上進君、内閣官房内閣参事官小熊博君、防衛庁防衛参事官大井篤君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、法務省民事局長房村精一君、外務大臣官房長北島信一君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君、文部科学省研究開発局長白川哲久君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長細川昌彦君及び海上保安庁次長津野田元直君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村龍二君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○舛添要一君 最初に、北朝鮮問題についてお伺いいたしたいと思います。
 まず拉致問題ですけれども、第一に、五人の被害者の家族の帰国問題、特に曽我ひとみさんの場合は御主人がアメリカ人ということでいろいろ難しい問題もございますけれども、これが今、外務省及び内閣、どの程度まで北朝鮮側と協議が進んでいるのか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
 それから第二に、生存が確認されていない方々についての調査が非常に不備であると。この点についてもどういう進展具合か、まず御報告願いたいと思います。
○政府参考人(田中均君) 五人の拉致被害者の方々の御家族の帰国問題でございますけれども、これは政府として、お子さんを含む御家族の方々については日本に帰国いただいて、日本の自由な環境の中で永住を含めた意思の確認をしていただくのが最もふさわしいと、こういう方針を作ったわけでございます。
 これは、正常化交渉の場においても日本としてそういう考え方であるということを強く主張をしている次第でございますが、北朝鮮側は、まず五人の方々がいったん北朝鮮に戻って子供たちにきちんとした話をするべきだと、こういう態度を崩していないということでございます。これについては、引き続き、日本におられる御家族等の御意向、そういうものも踏まえて北朝鮮側と鋭意折衝をしてまいりたいと、このように考えております。
 それから、曽我ひとみさんの件については、委員御指摘のとおり、種々難しい問題があります。これは米国との調整ということも必要でございますし、現在、米国とは引き続き意見交換を続けているということでございます。
 それから、亡くなったと伝えられている方々の問題ですが、これにつきましても、正常化交渉の場で百項目以上、特に北朝鮮側から出してきた資料の疑問点、それから非常に整合性がない点、こういうことを中心にして質問を提示いたしまして、先方は、関係機関と協議をしてできるだけ早急に返事をしたい、こういう返事でございました。この点についても引き続き事実関係の解明ということを鋭意進めてまいりたいと、かように考えております。
○舛添要一君 今、五人の方が帰国されていますけれども、御家族を呼び寄せるのに今の話だとちょっと長期化するというようなことですが、それまでの間のいろんなケア、これは内閣を中心にどういう形でおやりになっているのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(井上進君) 被害者の方々、それからその家族の方々が我が国の社会に溶け込んで、安んじて生活できる環境を作っていくことが必要であると考えておりまして、そのために政府や関係地方自治体が密接に連携、協力しながら一体となって支援を行っていくということを考えております。したがって、政府としては、関係地方自治体と密接に連絡、協力しながらきめの細かい支援を行っていくということの検討を行ってまいりたいと考えております。
 その体制を整備いたしますため、五日、被害者の方々や御家族に対する支援策を推進することを目的といたしまして、内閣官房に拉致被害者・家族支援室を設置いたしました。これは、従来、中山内閣官房参与室が行ってまいりました被害者の方々、御家族への対応業務に加えて、被害者の方々の生活の支援という新たな業務に対応するために、これまでの体制の見直し、強化を図ったものでございます。
 このように、政府としては、本件の問題について万全を期すべく、引き続き全力で取り組んでまいりたいと、こう考えております。
○舛添要一君 それから、外務省にお尋ねしますけれども、一つ気になることは、五人の方が帰られたときに付いてこられた北朝鮮の赤十字の方、二人おられますね。この方の滞在は期限が切られていたと思いますけれども、ビザを更新したように伺っております。これはずっと更新し続けるんですか、どうするんですか。彼らは監視人として、今、言わば来ているわけですけれども、もう我々の国民を我が国に取り返したら、用がないから帰ってもらっていいんじゃないでしょうか。
○政府参考人(田中均君) 朝鮮の赤十字社の二人の方でございますが、確かに二週間ということで日本に同行をしてこられ、引き続き現在も滞在をしているということでございます。先方は、本社並びに政府からの指示がないと帰れないということを言っているようでございますが、この点も含めて、私どもとしては北朝鮮側と種々のチャネルで話合いをしてまいりたい、かように考えています。
○舛添要一君 次に、核開発問題についてお伺いしますけれども、最近、北朝鮮のメディアが平壌宣言の精神を踏みにじるようなことを言っている。ある意味ではブラフを掛けていると思いますが、これは日米韓の分断、特に韓国に対する脅しだと思います。それからまた、いわゆる瀬戸際政策の一環だと思いますけれども、この現状をどういうふうに外務省分析しているのか、そしてちゃんとこれに対してしかるべき抗議を行うような外交交渉をおやりになっているのか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 日朝平壌宣言を守ってこの交渉をやっていくというのは大前提であります。これが大前提であるということを北朝鮮側はよく承知をしている、知っていると私は考えています。この点については、北朝鮮自身から、これが前提であるということについては、ことも言っているわけでして、それはきちんと北朝鮮によって認識をされていると思います。
 それから、核開発の問題については、これは様々な場で北朝鮮が核の開発をやめる、それを検証できる形でやめることが大事であるということは言っているわけでございまして、この前のAPECの首脳会談でもその共同声明が出ましたし、先般行われたASEANプラス3の会合でもそういうことでございますし、それから正常化交渉の場ではもちろん、今後例えばTCOGとかいろいろな場で会う、日韓米の人たちが会う場があるわけでございますけれども、そういった場で日米韓の三か国が連携をきちんとして、一枚岩でこの点について働き掛けていくということが大事であるということを三か国とも認識をし、そういうことで動いているということでございます。
○舛添要一君 北朝鮮のメディア、労働新聞とか中央通信とかが極めて不愉快な言動を繰り返したときに、それに対して一々政府としては抗議をするようなことはしませんか。
○政府参考人(田中均君) 実は、昔はもっと激しい日本に対するプロパガンダといいますか、そういう報道が多数見られて、総理の訪朝の後しばらく静かであったという状況だと思います。最近になって種々の意見が開陳されていますが、私ども、それを一々とらえて反論をするということではないと思います。
 日本の立場は毅然としたものがあると思いますし、それは正常化交渉等の場を通じて主張をしていくということであって、そういう報道を一々とらえて大騒ぎをするという必要はないというふうに考えております。
○舛添要一君 次に、防衛庁にお伺いいたします。
 実際に核開発を行っているということを北朝鮮側が表明した。それから、スカッドミサイル、ノドンミサイル、テポドンミサイル、これを取りそろえていて、とりわけノドンミサイルの射程から見るとほとんど我が国が射程に入る。そういう中において非常に今国民が不安に思っていますが、自衛隊に、仮にノドンが飛んできたときに迎撃する能力はちゃんとあるのか、しかるべき訓練を行っているのか。ないとすれば、日米安全保障体制がちゃんと作動する、つまり仮にもノドンミサイルが核弾頭を積んで日本を攻撃した場合に直ちにアメリカが核攻撃する、そういうことを防衛庁長官はちゃんと約束を取り付けているのか、自衛隊の諸君の訓練を含めてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員御案内のとおり、射程千キロ以上を超す弾道ミサイルを迎撃するシステムというのは合衆国も持っていない、世界じゅうどこでも持っていない。今あるものは湾岸戦争のときにイスラエルに貸与されたようなPAC2的なものでしかない。それは、あれも役に立たなかったじゃないかという御議論と、いやいやあれだけで十分役に立ったんだ、いろんな御議論がありますが、我が国が持っている能力というのは限定的なイージスの探知システムであり、PAC2でしかない。ですから、それをどうやってもっと国民の皆様方に安心していただけるようなものを作っていくのかということだろうと思います。
 先生御指摘のように、核による抑止ということによって担保をされていたわけですし、安全がですね、ある意味。そしてまた日米安全保障条約というものが非常に機能してきたのだろうというふうに思っております。私は、そういうような有事が起こった場合に日米安全保障条約がきちんと発動されるということは当然のことでありますし、かてて加えて、それが本当に有効に機能するものなのかどうか、いわゆる有事法制の中で日本有事における米軍の行動に対する支援の法制ということもテーマに上がっておるわけで、そういうことを加速していくことが緊要であろうというふうに考えておる次第であります。
○舛添要一君 その点では、先般、防衛庁長官がお述べになりましたように、アメリカその他の諸国とのミサイルディフェンスの開発ということをやる必要があると思いますけれども、この点は、繰り返しになりますが、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 現在、研究の段階であります。つまり、研究というのは何かといえば、これは本当に物になるのかね、ならぬのかねということでありまして、これも何しろ数マッハで飛んでくるものを地上から撃ち落とすという話ですから、相当難しいことには違いがない。合衆国においても何度か実験をして、成功、失敗いろいろなものがあります。これのどれぐらいまで確度が高く撃ち落とせるようになるのか。物になる、本当にそれがディフェンスの手段として相当信頼性に足るということが明らかになって初めて開発段階へ移っていくのだろうと。
 私は、核抑止力というものがそういうような悲惨な事態を防ぐ大きな力になってきたとは思いますが、抑止力が効かない場合というのがあるのだろう、抑止力が効かない場合にどうするのか、核抑止力が効かない場合に新たな抑止力とは何なんだと。そしてまた、それが専守防衛にかなうものであり日本国憲法の精神にかなうものであるということは何なんだということを考えました場合に、ミサイルディフェンスというものの研究というものの成果が一日も早く上がるべく努力をすべきだと思う。
 そしてまた、一部の国が非難をしておりますのは、そういうミサイルディフェンスをやること自体が軍拡につながるんだという御批判があることも私は十分承知をいたしておりまして、それがそうではないのだという御理解をいただくことも必要だろう。いずれにしても、研究成果がかなり確度が上がった時点で、安全保障会議等において議論をして結論を出すべきものだというふうに承知をいたしております。
○舛添要一君 北朝鮮の核開発の問題については、差し当たりは外交的努力を傾注する必要があると思いますけれども、しかし、それが失敗した場合に、海上封鎖を諸外国と共同してやるという事態も想定しておいていいと思います。
 そこで、防衛庁と海上保安庁にお伺いいたしますけれども、臨検を含めてそういうことの訓練をやっているのか、そして、その海上封鎖の能力があるのか、海上封鎖やるとすればどういう法律に基づいてやるのか。法律が足りないとすれば我々が法律を作りますから、その点についてお述べいただきたいと思います。最初に海上保安庁。
○政府参考人(津野田元直君) 一般的、一般論として申し上げますと、御指摘のような事態が発生した場合には、政府においては周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律に基づきまして対応措置を実施するということが想定されます。
 海上保安庁が実施する措置につきましては、この周辺事態法に基づいて基本計画が策定されますので、その際に検討されるものというふうに考えておりますけれども、海上における警察機関である海上保安庁の任務の範囲内にとどまるものというふうに認識をしております。
 具体的に、例えば考えられることは、経済制裁を厳格に履行するというために関係法令が整備されるということが考えられますので、その法令に基づきまして、港内等において取締りを強化するというようなことが挙げられると思います。
 なお、周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律によりまして、船舶検査活動そのものについては自衛隊の部隊等が実施するものというふうにされております。
○舛添要一君 装備の上でも海上保安庁では十分でないと思いますけれども、自衛隊の方はどういう体制で法的な側面を含めて対応なさるのか、防衛庁長官、お願いします。
○国務大臣(石破茂君) これは、海上封鎖ということが何を指すかということなんだろうと思います。
 例えば、キューバ危機のときに、アメリカがキューバにそういう物資を運ぼうとしているソ連の船、ケネディー大統領はそれに対して海上封鎖を行ったということでありますが、我が国が今法律上できますのは船舶検査というものができる。じゃ、海上封鎖に当たるものが何なのかといえば、それは臨検が近いのかもしれない。その臨検というものが交戦権の一部として使われるわけではなくて、自衛権の一態様として使われる場合には、それは決して憲法の禁ずるところではないというのが今の政府の考え方であります。私はそれはそうなのだろうと思っている。
 それでは、今やっておる船舶検査は臨検とは相当異なるものですが、それが実効性を上げ得るのか、上げ得ないのかということだろうと思います。そこで止まりなさいと言って、止まらずにすたこらと逃げていった場合には意味ないじゃないかと、こういう御批判があることもよく承知をいたしておりますが、しかし、そこで、あそこは日本が船舶検査を行っているのだよということが明らかになっていれば、それは相当の効果がある。そして、仮に日本有事となった場合には、先ほど申し述べましたように自衛権行使の一態様としての臨検というのは当然に可能だろうというふうに思っています。そういうことを実際にいろんなシミュレーションをやってみて、これは海上保安庁というよりも、能力的にいって、また法的な整理からいっても自衛隊の仕事だろうというふうに思っています。
 それを、有事における臨検的なものがどのように可能なのか、憲法上可能だとしても、実際にどのようにできるのかということは、これは当然私どもとしてそういうことをきちんとやっておくことが抑止につながるという観点から、そういうようなシミュレーションはやる必要があるというふうに考えております。
○舛添要一君 法的根拠は、海上における警備行動でいいんですか。
○国務大臣(石破茂君) 海警行動の中にそれがそのまま含まれ……
○委員長(松村龍二君) 指名を受けて発言してください。
○国務大臣(石破茂君) 失礼しました。海警行動がそれがそのまま含まれるというふうには考えてはおりません。海警行動の条文の中でそれが十分にできるかどうか、海警行動そのもので臨検的なものができるかどうかというのはまた別の問題。
 つまり、海警行動そのものは警察権の行使であって有事の場合における行使ではない。そして、海上保安庁においてできなくて、そして特別な必要がある場合というのに下令をされます。海警行動の中身がそのままそういう活動にフィットするかどうかといえば、私は若干問題があろうかと思います。
○舛添要一君 ということは、憲法の以内だけれども、ちゃんとそれに即応している法律はないということですか。
○国務大臣(石破茂君) 有事において、そういうような行動を行う明文の規定というのはなかなか難しい。それは、あるいは自衛権の行使という形で防衛出動の中から読むことができるのかどうかという議論はあろうかと思います。
○舛添要一君 是非、こういう空白の部分について防衛庁長官中心としてちゃんと研究し、シミュレーションをやっていただきたいということを要望しておきます。
 それから、次に外務大臣にお伺いいたします。
 先般、私もロシアを訪れまして、先立ってのいろんなごたごたで対ロ関係がしばらく前に進まなかった、これは再構築しないといけないというふうに思いまして、十月にロシアを外務大臣は訪れられました、そのときの報告と、それから来年一月に総理がロシアに行かれます、その準備状況、これを簡潔に御報告願います。
○国務大臣(川口順子君) 十月に私はロシアに行ってまいりまして、そのときにやったことというのは、一つは、総理の一月の訪ロの準備といいますか、日程をまず確定をし、そして、そこで両国の首脳に合意をしていただく文書、行動計画、これを、この中身を詰めたということでございます。
 行動計画は、今、六つの要素から成り立っていまして、その一つの大きな柱が平和条約であるということでございます。それから、テロの協議を両国間でやるということを合意をして、これが十一月に行われることになっています。
 両国の、プーチン大統領に表敬を私はして、そのときにも申し上げたことなんですけれども、両国の関係は潜在的には非常に可能性が大きい、その中で今の状態はそれが必ずしもその可能性をくみ尽くした形にはなっていない、これを二十一世紀の日ロ関係にふさわしい、G8の両方ともメンバーになっているわけですから、それにふさわしい関係にしていくことが大事であるということを言いました。
 六月にカナナスキスのサミットがあり、その前に外務大臣のG8の会合があり、そういった一連の過程を経て、今、日ロの両国の政府は政治対話をいろいろな場で持ち、非常に近い関係に現在なってきていると思います。
 私個人での関係でいいますと、何か問題があったときに、例えば北朝鮮の件についてこの間イワノフ外務大臣と電話をしましたけれども、そういう様々な問題があったときに、ロシアというのは話を、対話をする、そしていろいろ意見を交換するという親しい相手という印象を私は個人的にも持っているということです。
 この行動計画については、引き続き事務レベルで今詰めていまして、総理の訪ロに際して、これについて発表していただこう、そういうふうに思っています。
○舛添要一君 ありがとうございました。私の質問を終わります。
○月原茂皓君 月原です。
 それでは、質問をいたします。北朝鮮はせんだっての日朝の会議のときに、核問題、ミサイル問題については、日本とも議論はできるが解決は米国との協議によってのみ可能である、こういうふうに言っております。しかし、もうパウエル長官も言明しているように、一基か二基かのもう核兵器そのものが、持っているんじゃないかと。こういうような核問題は人ごとではなくて、我が国自身にとっての大きな脅威であると思います。先般のある新聞社の調査によると、七三%の人が大いに脅威に感じる、こういう結果が出ているわけであります。さらに、ノドンミサイルに至っては、日本のみを射程圏に入れている、こういうふうなことであります。明白な脅威だと私は思っております。
 このことについて外務大臣、防衛庁長官は、我が国の重大な問題として認識されているのかどうか、既に言明はされておりますが、改めて決意を、考え方を問いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮による核の開発も含めた様々な安全保障上の問題、工作船の話もございますし拉致の話もありますが、特にミサイルの問題、そして核の開発の問題については、これは一番近くにある国で我が国はありますので、非常に大きな問題であるという認識をしていまして、これについて日米韓連携して対応していくことが大事でありますし、それから我が国は、この間の国交正常化交渉、あるいは今度立ち上げることになっている安全保障協議の場でこの問題については正面から取り上げていって、北朝鮮に対して、日朝平壌宣言を遵守する、これがなければ正常化交渉は妥結をしないということをきちんと言っていると、そういうことでございます。
○国務大臣(石破茂君) 外務大臣と同じ認識でございますが、テポドンはまだ開発の段階であって、合衆国まで届くようなミサイルは保有をしていないだろう。そしてまた、韓国を仮に攻撃をするというチョイスをした場合に、これは弾道ミサイルは必要ないであろうということを考えていきますと、じゃ、その弾道ミサイルは何のためにあるのですかという推論は成り立つだろうと思います。そのように推論をした場合に、これは我が国に対する脅威というふうな認識を私どもはいたしておるところでございます。
○月原茂皓君 次に、外務大臣にお尋ねしますが、我が国が開発しているロケットの技術というのは、基本的にはミサイル技術に通じるものである、それはもう御承知のとおりであります。そして、大量破壊兵器と同様に、ミサイル技術の拡散は世界の安全保障にとっても重大な問題であります。
 そういうところから、また別の物の見方をすると、北朝鮮、イラン、パキスタンにおいては、開発、試験、製造、発射、インフラと、そういうふうなインフラの構造というのを確立して、お互いに分担しているとまで言われておる。勘ぐれば、この間の場合は、例えばパキスタン、これは飛ぶものを持っていない、核は持っておると、だから交換したと。お互いに分担して北の方に核の技術を与えた、こういうことも考えられるわけです。
 そういうふうなことで、この我が国のロケット技術というのが各国に流出するということは、世界の安全保障にとって大変な問題。そのことについて、大臣はどういうふうに認識されておるか。
○国務大臣(川口順子君) ミサイル技術の拡散は、委員がおっしゃられますように、これは我が国の平和と安定、そして国際社会の平和と安定、両方の観点から非常に重大な問題であると思います。
 この点については、我が国は、ほかの国々と協調をして既に厳格な輸出管理の制度を持っているということでございまして、今後これをきちんと堅持をし、そして更にこれを強化をしていくための努力を国際社会と一緒になって行っていくと、そういうことだと考えています。
○月原茂皓君 ちょっと話は変わりますが、ミサイルの固体燃料ということは、ミサイルの小型化あるいは即時性を非常に容易にする、こういうふうに言われているわけでありますが、仮にノドンがこの固体燃料になったとした場合に、我が国の防衛にとってどのような脅威の変化が出てくるのか、そのことについて防衛副大臣にお尋ねしたいと思います。
○副長官(赤城徳彦君) お答えいたします。
 北朝鮮のノドンは液体燃料推進方式の弾道ミサイルと考えられますが、これが仮に固体燃料方式になった場合にどういうふうな変化、影響があるかと、こういうお尋ねでございますが、仮定に基づくお尋ねでありますほか、この北朝鮮の現有ミサイルの個別の推進方式の詳細とか具体的な性能諸元が不明でありますので、確定的なことを申し上げるのは困難であります。
 しかしながら、あえて一般論として申し上げますと、御指摘のように、弾道ミサイルに固体燃料推進方式を採用する、こういうことになりますと、液体燃料と違って注入に時間が掛かるということはございませんので、ミサイルの発射準備に係る即応性等の向上、そうした点から軍事的に合理的であるというふうに考えております。
 いずれにしましても、北朝鮮のミサイルという、この開発が外部からの各種の資材、技術の流入の可能性や、北朝鮮からのミサイル及び関連技術の移転、拡散、そういう動きの中で進展していること、このことについては従来より懸念しております。先生御指摘のような点も含めて、その動向を今後とも注視してまいりたいと思います。
○月原茂皓君 そこで、今、外務大臣は管理の問題、そして副大臣は今後その問題について注視していかなければならないと、こういうお話がありました。
 そこで、経産省にお尋ねいたしますが、今、管理の状態ですね、これをロケットに絞って、これはイラクへの、湾岸戦争以降その変化があったわけですが、さらに九月十一日の昨年のテロ以降についても国際的にいろんな話合いがあって、経産省としてもそれを受け止めて行動していると思いますが、ロケットについて絞って、この問題、どういうふうに管理がされているのか、お願いしたいと思います。説明お願いします。
○政府参考人(細川昌彦君) 委員御指摘のように、我が国では、大量破壊兵器及びミサイルに関連します機微な貨物あるいは技術につきまして、外為法に基づきまして厳格な輸出管理をしております。
 まず、委員御指摘の規制の概要でございますが、簡単に申し上げますと、国際的な合意に基づくリストの品目の規制につきまして規制をしてきております。そして、九六年にリストに規制されていない品目につきましても、そのリスト品目のスペックダウンしたような品目につきましても規制の対象を拡大して、補完的輸出規制と私ども申し上げておりますが、これを導入いたしました。さらに、昨年九月の同時多発テロを契機にいたしまして、今年四月からキャッチオール規制と私ども申し上げておりますが、大量破壊兵器及びミサイルの開発に用いられるおそれがある場合は、原則としまして、品目のいかんを問わず輸出許可の対象にしておると、こういう制度を導入したわけでございます。
 このように、ミサイルの開発への転用懸念がある我が国のロケット技術ということにつきましては、従来より国際的な枠組みにおいて合意されました規制品目リストにつきまして、広く規制しております。また、今回、委員御指摘のような新しい規制、キャッチオール規制と先ほど申し上げましたが、これも導入いたしまして、輸出管理の実効性が更に高まったものと、このように認識しております。
 今後とも厳正に輸出管理を行いまして、実効ある規制の実施に努めてまいりたいと、かように考えております。
○月原茂皓君 今、経産省の方から現在のキャッチオール、そういうふうな制度も取り上げて世界的なレベルで対処しようというこの姿勢、高く評価するものでありますが、ここで、先ほども申し上げたことと重複するわけですが、エンドユーザーというような観点からのみ言うのではなくて、世界的にいろいろなところで分担しながら行動しているというようなことも頭に置いてその処理をしていただきたい、そのように強く要望しておきます。
 そこで、文部科学省にお尋ねするわけですが、我が国のロケット技術を担っている、今のところNASDAとか宇宙科学研究所等々があると思いますが、このロケット技術を含めて現在の保全規則というものはどういう内容になっておるのか。そして、仮に規律違反だと聞く場合にでも、何がその秘密指定なのかということが分からなかったら警察だって動きようがないわけですね。だから、現在どういうふうな保全規則があるか、そして秘密指定というものが行われているのかどうか、その現状についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 まず、宇宙科学研究所でございますが、宇宙科学研究所は、委員御案内のように、現在は大学の共同利用機関になっておりますので、その職員につきましては国家公務員として法律上の守秘義務が課せられておるところでございます。
 宇宙科学研究所はロケットの研究を行っておるわけでございますけれども、その所有するロケットに係る技術情報に関しましては、内部の規則、具体的には文書処理規則におきまして秘密文書の取扱いの定めがございまして、これによって性能や寸法などの情報を含む仕様書あるいは製造に係る図面等に関しまして秘等の取扱いをいたしまして、許可をされた者以外のアクセスあるいはこういった文書の複製を禁止するなどの管理を行っておるところでございます。そして、先ほど申し上げましたように、宇宙科学研究所の職員は国家公務員でございますので、仮に守秘義務の違反があれば、国家公務員法に基づきまして一年以下の懲役又は罰金刑が科せられると、こういうことに相なります。
 他方、宇宙開発事業団でございますけれども、宇宙開発事業団は現在特殊法人でございますので、その職員につきましては国家公務員法の適用はございません。したがいまして、就業規則によって守秘義務が課せられておるということでございます。
 宇宙開発事業団は大型のロケットの開発に取り組んでおるわけでございますけれども、その所有するロケットに係る技術情報につきましては、これも内部の規則、具体的には文書管理規程において技術資料の整理手続あるいは成果報告書等の取扱手続及び特殊技術資料取扱規則が定められておりまして、これによりやはり性能や寸法などの情報を含む仕様書あるいは製造に係る図面とか輸入技術に関する資料等に関しまして秘あるいは社外秘等の取扱いといたしまして、許可者以外のアクセスあるいはその複製を禁止するなどの管理を行っております。宇宙開発事業団の場合は、これらの取扱いに違反した者に対しましては、先ほど申し上げました就業規則によりまして免職、停職等の懲戒処分が科されるということになるわけでございます。
○月原茂皓君 そこで、今のお話……
○委員長(松村龍二君) ちょっと、委員長の指名を受けてから。
○月原茂皓君 今のお話では、例えばNASDAなんというのは今対象になってない、法律上ですね。内部のを作るなら勝手な話だ、それは規律として大事なことかもしらぬけれども、国の態度としてやはりこれは取り上げなければならないと私は思います。まして、それを委託する会社においてはフリーだというのでは、今るる外務大臣あるいは防衛庁長官、副大臣等々について説明していただいたが、もうしり抜けになる可能性があると、私はそのようなことを危惧しているわけです。
 そこで、今回、国会に上程されておると思いますが、この独法人の法案ではそのことがどういうふうに扱われておるのか、そのことについて簡潔に説明してください。
○政府参考人(白川哲久君) 今、先生お尋ねの独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案、これは特殊法人等改革法案の一つといたしまして、今国会において審議をお願いをしておるところでございます。
 この法案では、先ほどの宇宙科学研究所と宇宙開発事業団のほか、独立行政法人航空宇宙技術研究所を含めまして、いわゆる宇宙三機関を統合するわけでございますけれども、このうち宇宙科研とそれから航空宇宙技術研究所は公務員型の独立行政法人でございますので、この二つにつきましては公務員法上の守秘義務があるわけでございますけれども、宇宙開発事業団につきましては現行法では守秘義務は規定されておらず、先ほど御説明いたしましたように就業規則に基づき守秘義務を課しておるのが現状でございますが、この新しい機構法案では、従来規定されていなかった宇宙開発事業団の役職員を含めまして新機構のすべての役職員に対しまして法律上の守秘義務を規定いたしまして、違反に対しては罰則を適用するなど、より厳格な措置を取る予定でございます。
 他方、先生の方から御指摘ございました委託先メーカー等の民間企業でございますけれども、これにつきましては新機構法案の秘密保持規定の適用は及びませんので、これにつきましてはこれまでと同様、契約に基づきまして守秘義務を担保するという考えでございます。
 より具体的に申し上げますと、機微技術を扱う委託先メーカー等の企業につきまして、契約により情報取扱規則の制定とか、第三者への情報開示の事前承認、情報の目的外使用の防止等を義務付けまして、委託先メーカー等における情報管理の徹底を図った上で、これらの違反に対しましては契約解除や違約金、損害賠償請求等の処置を講ずることによりまして当該義務の担保を、担保することとしてございます。
○月原茂皓君 今のお話のように、新しい独法人においてもやはり公務員としての守秘義務だけだと、これは規律違反の問題であると。今度自衛隊法が改正されましたが、懲役五年以下、こういうふうな規定があります。既に新聞にも投書されておるが、NASDAの職員の関連の方々がこれはもうむしろ公務員の規律違反そのものも削るべきだなんという能天気なことを言っておる。私は、この今既に法案が上程されておりますけれども、こういう問題について真剣に考えてもらわなければならないと、こういうふうに思っております。
 そこで、防衛庁にお尋ねしますが、今度法案が、改正された自衛隊法が施行されたわけでありますが、このロケット技術についてはそれを防衛庁長官の指定事項としているのかどうか、まだしていないならば近くする予定であるのかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(守屋武昌君) 自衛隊についてのロケット技術を含むミサイル技術が防衛秘密の指定の対象となるかについてでございますが、これは改正自衛隊法の別表第四、八号に定める「武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法」に該当すると考えております。
 それから、お尋ねの二点でございますが、現に防衛秘密に指定されているかということでございますが、防衛秘密の制度というのは自衛隊の秘密のうち、特に重要な秘密を早期に指定して手厚く保護するという必要性ももちろんございますけれども、大変、先生御指摘のように、五年という重い刑罰に関係するものであることから、防衛庁としまして対象を厳選するなど慎重に指定することが必要であると考えております。
 現在、十一月一日の施行時のときには、防衛計画の関係とか暗号に関係する秘密の指定をしたところでございまして、自衛隊のロケット技術についてはまだ指定いたしておりません。先ほど申し上げました観点に立ちまして、早期かつ慎重に進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○月原茂皓君 最後の質問ですが、今の流れからいって、防衛庁長官に、そして外務大臣にもお願いしておきたいんですが、こういう問題は、我が国が大きな声で核拡散の問題について議論する以上、我が国自身がそういう体制を持っていなければ世界の物笑いになると思います。そういう意味で、私は、防衛庁長官が先日「我が国防論」というのを書かれておりますが、その中で、他国との関係という意味における国際的視野から更なる機密保護についての検討をせぬといかぬなと、こういうふうなことを言われておるんですが、私は正にそのとおりだと思う。
 だから、文部科学省の局長がここで答弁できないと思いますが、両大臣とも、大臣である以前に、それぞれの外務、防衛という大臣である以前に国務大臣として、閣議で閣僚のレベルでこういう問題を十分取り上げていただきたいと思いますが、お二人の御見解をお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 大変に重要な問題であると認識をしております。外務大臣としての立場でできることを議論していきたいと思いますし、また委員がおっしゃったように、国務大臣としてどういうことができるかも考えていきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 基本的には、私、先生と考え一緒なのだろうと思っています。
 固体推進のロケット技術につきまして、これは我が国は持っているわけですね、ミューXというロケットを持っているわけで、それが他国に流出をした場合の懸念は副長官からお答えをしたとおりです。衛星を四機上げただけでは、これは液体燃料で時間を掛けて燃料を注入している間だったらキャッチできるかもしれませんが、固体燃料で隠されてしまったら分からない。そうすると、どうやって我が国民を守るんだというお話になってまいります。その技術が流出することはもう防ぐべきだと、これは党でも議論したことでございますし、現在、政府内において内閣官房を中心として、NASDA法の改正の中には入れてありませんが、どのように対応するか、これは結論を出すことだと思っております。
 要は、我が国の秘密保全体制がきちんとしていなければ他国が秘密も教えてくれるわけないでしょうがという、実に当たり前のことなんですね。日本に教えればすぐばれるというような国にだれが秘密を教えるかということであって、それで本当に国の防衛ができますか、安全保障ができますかという、実に当たり前の議論だと思っています。そういうことがきちんと議論される。それは閣議においてもそうであります。国会においてもそうであります。私どもは国の安全のために何がプラスかという観点から議論をしてまいりたいし、結論を出すのが必要なことだと認識をいたしております。
○月原茂皓君 ありがとうございました。
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹であります。
 今日は大臣所信ということでありますから、川口大臣、石破防衛庁長官にお伺いしたいなと思っておりますが、質問通告してありませんが、川口大臣、ちょっと教えていただきたいんですが、加藤博さん、NGOの事務局長、中国の公安当局に拘束されたという報道がされている。強制退去ということで送還されて帰国したと。この対応について外務省としてはどういう対応を取ったのか、現実どんな対応を取ったのか、そしてその対応に誤りはなかったかどうか。非常に、ウィーン条約違反の可能性という、ウィーン条約に違反しているんではないかなという思いがありますから、その点についてまず、通告してありませんが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この方が行方が分からなくなったということが分かりました以降、外務省としては、中国の関連のところの公館を中心としまして、それから北京においてもということですけれども、この方の行方について中国に捜してほしいということを申し入れています。それから、それは現地で高いレベルといいますか、かなり高いレベルでもそれをやっておりますし、公使のレベルでやっていますし、それから本省においても次官のレベルでやっています。そういうことをやりまして、そして、ちょっと何日だったか日にちが、おとといになりますでしょうか、この方の行方について中国側から連絡があったと、そういうことでございます。
 ウィーン条約に違反をするのかどうなのかということが書かれていますけれども、これは、まず本人帰ってきたばかり、日本に帰ってきたばかりですので、どういうことであったのかということをまず御本人に聞いてみないと、これはその先については今の時点では何か申し上げられないということです。御本人がどういうことをしてらしたのか、あるいはビザとの関係でどうだったのかとか、いろいろな話もございますし、それから中国側が、これがウィーン条約で違反したかどうかということを言えるためには、中国の中も広いわけでございますから、このことを知るようになったのがいつかとか、いろんなことがそれはかかわってくるわけで、今の時点で条約違反であるということは言えないと思っています。
○海野徹君 これから、要するに詳細にいろんな聴取をすればその辺の可能性も出てきますし、やはり主張すべきことは是非主張していただきたいなと思います。
 通告に従いまして質問させていただきますが、北朝鮮政策について、所信に対する質疑ですから、川口大臣の基本的な姿勢あるいは全体像をどうやって把握していらっしゃるかということでの質問をさせていただきたいと思います。
 大臣の顔が見えないんじゃないかというような、要するに話があるんです。最近、アメリカではジャパン・パッシングからジャパン・ナッシングになっていると。だから、川口パッシングから川口ナッシングになったら困るなと私思っていますから、タフネゴシエーターと言われた大臣ですからそんなことはあり得ない。いろんなところで要するに頑張っていらっしゃると思うんですが、今後の日朝交渉について基本的な大臣のお考えを、この際はっきりお聞かせいただきたいなと思うんですけれども。
 私は、今回キム・ヘギョンさんの涙の記者会見がありましたよね。あるいは、それに対する非常に国民の対応、反応というのは極めて冷静だったと思う。拉致被害者の家族あるいは帰国した五人の方々の結束というか、それも非常に強力なものがあると。ある意味では国民対金正日政権というよりか、非常に国民が、極めて協力的な後押しがあって要するに今外交が進んでいるのかなと、交渉が進んでいるのかなという思いがあるんですよね。その辺のことを、外務省の幹部も、どなたか知りませんが、政策決定権は家族が握っているというようなコメントも新聞紙上で伺うことがあるんですが、今までは要するに外交交渉というのはこれは素人ではできませんよと、我々に任せなさいよということで進めてきたと思うんです。しかしながら、今回非常に国民の理解と協力があって、非常にその協力が冷静かつ非常に最大のものがあって、今外交交渉が非常に、ある意味ではそれこそ粘り強く慎重にいける状況にあるかと思うんですが、その辺についての、まず感想をお聞かせいただきたいなと思います。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮の政策をどういうふうに考えるかということの非常に大きな話について直接今お答えをするのが適切なのか、あるいは家族が牛耳っていると言われることについての感想を求めていらっしゃるのか、ちょっと定かで……
○海野徹君 まず最初に、その感想から。
○国務大臣(川口順子君) 感想ですか。その感想について申し上げますと、私は内政と外交という言葉がよく使われますけれども、外交と内政というのは表裏一体であると思っています。
 それで、えてして、これはどこの国でもそうですけれども、なかなか、外交について国民の方が関心を持ってくださる、あるいは認識をしていただく、いろいろな意見をおっしゃっていただくということは少ないというのが、世間あるいは国際社会を見てもそういうことがあるわけでございまして、そういう中で、今回の北朝鮮との国交正常化交渉に関しては国民の皆様が非常に関心を持っていてくださっているということは、外務省として非常に有り難いというふうに思います。
 外務省の改革の関係で、私は、国民の目線に立ったとか、国民の外務省ということをよく言ってまいりましたので、そういう意味で、外務省として、日本の国民がこの国交正常化問題について何を考えているかということをきちんと把握をしていくということは大事だと思います。国民の世論というのは、バロメーター、外交をやるときのバロメーターであり、そしてパラメーターであると私は思っておりますので、そういった意味で、国民の皆様の関心は非常に歓迎をしています。
 その上で、国交正常化という交渉自体、これは外交の、非常に、戦後残された処理の問題の一つでございまして、非常に大事なテーマでございます。これについては、様々な観点から外交をやっていく必要があると思います。そうした、外務省として、これは外交をやっていく当局、責任者であるわけでございますから、いろいろな要素を勘案し、判断をし、そして内閣一体となってこの国交正常化交渉をやっていく必要があると考えています。
○海野徹君 拉致問題あるいは核開発あるいは国交正常化というような、そういう包括交渉そのものが非常に、私は、一種のトリックかなという思いを私はしているんですよね。拉致事件というものは北朝鮮の最高指導部による国家的犯罪であるという認定を私はしています。
 だから、正常化交渉の交渉以前の問題ではないかという思いがあるんですが、当然、大臣は、要するに拉致事件というのは、今、私がお話しさせていただいたように、最高指導部による国家的犯罪であるというような御認識は当然お持ちだと思うんですが、仮にそういう、仮にじゃない、そういうような御認識をお持ちであれば、今交渉している、あるいはあの国で政治的な意思は一人しか持っていないと言われている要するに国家であります。その国家との交渉、あるいはその交渉相手が正しく交渉相手として非常にふさわしい人物であるかどうか、その点についての大臣の御認識はいかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 幾つかのことを御質問なさっていらっしゃると思うんですけれども、まず金正日国防委員長がこの交渉の相手としてふさわしいかどうかということについて言いますと、これは国際社会のだれもが、金正日総書記が、あるいは国防委員長が北朝鮮の実質的な最高指導者、最高権力者であり、このことについてはみんなそう考えていると思います。
 拉致の問題について言いますと、これは、我々が今の時点で北朝鮮側からもらっている説明というのは、小泉総理が訪朝なさったときに金正日が言われた、言った、これは一部の特殊機関の人がそういう不正常な状況の中で行ったことであるということを言っているわけでございます。その指示を発したのがだれであれ、国家機関がこれはやったこと、拉致問題というのはそういうことですから、そういう意味で、我が国の、日本から連れていったということについて言えば、我が国の領域主権を侵しているということは言えるわけですし、人道、人権を侵害しているということも言えますし、国際法違反であるということは言えると思います。
 この問題については、現在、事実解明をまだまだしなければいけない段階にあるわけでして、これは国交正常化交渉の場でこの前も行いましたし、そこで今幾つかの質問も向こうに出しておりますので、今後、引き続きこれをやっていくことが必要であるということだと思います。そして、それをやっていく中で事実解明をしていきながら、その上でどういうようなこの問題について日本として対応をするべきかということについては考えていく、総合的に考えていく必要があると思っています。
 それから、その交渉自体が包括的であるということについて、それがどういうことだ、それが必ずしもいいかどうか、拉致の問題は交渉以前の問題ではないかという御提起ございましたけれども、これについてはいろいろな考え方があると思いますけれども、我が国としてこの平壌宣言をベースにして、これは重要な両国の首脳が合意をした文書であるわけですから、これをベースにこの平壌宣言の遵守を実現をしていく、これをしながら問題を解決するということが重要であるというふうに考えております。
 日朝間の問題は拉致の問題だけではなくて、安全保障の問題もあれば戦後の清算の問題もあれば、様々な問題があるわけでございます。そうしたことをやっていく、それを実現する中で、実現をして、守っていって国交正常化をしていく、あるいは北朝鮮に守らせて、それで国交正常化をする。北朝鮮に対しては、平壌宣言を守らなければ国交正常化交渉は妥結をしないということははっきり何度も言っている、そういう形で交渉を粘り強くしていきたいと考えています。
○海野徹君 私は、要するにこれからの交渉の前提として、やはり最高指導部による国家的犯罪であるというものを認めさせた上で交渉をするべきだと。一部機関の行為ということを前提に交渉するということはあってはならないということを私は考えておりますが、その点についてはこれからまた要するに議論をさせていただきたいなと思いますが、その延長線上で、交渉相手にふさわしいかふさわしくないかということと、もう一つは、ポスト金正日体制というようなことも一つのシナリオとして交渉の中に、あるいは今後そういうことは想定しているのかしていないのか、あるいはそういうことを抜きに、現政権が金正日政権だから、取りあえずそこと要するに交渉する以外ないんだということで、そういったシナリオは持っていないのか、その点についてどうなんですか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国が今やっていることは、北朝鮮との間で平壌宣言をお互いに遵守をし国交正常化を行っていく、そのための交渉であるわけです。そして、その実質的な最高権力者、北朝鮮における、としての金正日が北朝鮮の中ではこれを行っているということでございます。
 北朝鮮の体制が、国内の体制がどのように今後なっていくかということは、我が国がいろいろなスペキュレーションをすることはできますけれども、これは北朝鮮の問題でありますし、国際情勢、その他いろいろ変わっていくわけですから、北朝鮮の国民がどういう体制がいいかということを判断していく問題、一義的にはそういうことであると思います。
 そして、これは国際情勢も様々変わりますし、北朝鮮自身も今、例えば経済体制について自由化を始めている等々の変化を中でもやっているわけでございまして、国交正常化交渉をやり、あるいは妥結をし、国交正常化がなされるような段階で、ここでは透明性あるいはその他そういうことを必要とすることを要求をしているわけでございますから、それは何らかの影響を北朝鮮の体制に対して持つということも考えられないことではないと思いますが、繰り返しになりますけれども、基本的にこれは我が国が云々する問題ではなくて、北朝鮮の国民が自ら判断をして決める問題であると、そういうふうに思います。
○海野徹君 今、現時点での要するにお考えは十分理解できるわけなんですが、私としては、要するにポスト金正日体制というような構想を持ってこれからの対北朝鮮政策というのをある意味では体系付けていく、そういうような時期に来ているんではないかなと、私はそう思います。
 それと、大臣、大臣はいろんなところで外交交渉とか経済交渉もやってきた、先ほど言いましたように非常に交渉人としてはタフだったというような評価をされていたわけなんですが、外交交渉でいろんな宣言文あるいは条約も含めてやる場合、いろんな、極めて緻密に文言を積み重ねて宣言なり協定なり条約というものが出てくるんではないか。そういう作業を大臣は今までやってきたと思うんですが、今回、そういった意味で、今回の平壌宣言というのは、大臣としては、そういう極めて緻密な精緻な、あるいは我が国にとっての国益にとってこれだけは盛り込まなくちゃならないというものが盛り込まれていないんではないかと。そういった精緻な作業がこの文言からはされたと私は理解できないんですが、大臣はその点についてはどうですか。
○国務大臣(川口順子君) 国際交渉というのも様々な性格の交渉というのがあると思います。私は、個人的な感想としては、国際交渉をまとめる、妥結ができるということのために一番重要な条件というのは、交渉の当事者同士がその妥結をしようとする目的、これを確保、獲得することが大事であるということについて共有をしているということだと思います。例えば京都議定書の例であれば、京都議定書に合意をすることが環境を維持、環境を保護していくために重要であるという意識をみんなが持っているということ、例えばそういうことだと私は思っております。
 それで、それに基づいてお互いに譲ったりあるいは頑張ったりしながら交渉を進めていくということでございまして、その文書自体、これは正に交渉が妥結をする段階で、どういうことになるのかよく分かりませんけれども、そういう段階できちんとした文書を作っていくということは、これは非常に重要であると思います。
 国際交渉のすべての段階で、例えば法制局で審査をするような意味での文書を詰めるということでは私はない。法的な拘束性のある、要するに条約なんかでしたらそういうことでしょうけれども、これは両首脳が合意をした重要な政治文書であるわけですし、その政治文書の中に我が国として盛り込みたいことは全部盛り込まれているということでございまして、正にこの精神、この文書の精神と基本原則にのっとって交渉をしていって、それでこれが遵守をされないような状況では交渉は妥結をしないということでございますので、そういう形では我々としては思うことを全部盛り込んである文書だと考えています。
○海野徹君 政治文書で我が国の思いはすべて盛り込んだという話なんですが、非常にバランスを欠いているんではないかなと私は思います。むしろ経済協定なのかなというような表現もあるんですが、多分そちらの方が当たっているんではないかなという思いがあります。またその点についてはいろんなところで議論されるかと思います。
 それで、防衛庁長官にお伺いしたいんですが、過日、私、テレビを見ていましたら、防衛庁長官が核開発、これ軽量化、小型化、その可能性は否定できませんとおっしゃったのを私見ていたんですね。核開発やっていますよと平気で言うわけですよ。それが交渉相手としてふさわしくないか、あるかないかというのは非常に議論があるわけなんですが、実際それを認めた。
 当然それはもう時間がたっていますから、小型軽量化というのはもう可能性は否定できない。私もいろいろアメリカの専門家に聞きましたら、否定できませんね、可能性ありますねと、やはり長官と同じような意見なんですね。私は、相当専門的な知識と情報を、要するにかなり膨大な情報を持っていらっしゃる長官があの発言をされたということは、極めて確度の高い発言だろうなと、情報に基づいた発言だろうなと思うんですが、その辺、ミサイルに搭載して日本へというような可能性まで長官としては今想定されていらっしゃるんですか。
○国務大臣(石破茂君) 否定はできないということが一番正しいお答えなんだろうと思います。要は、ウラン型、広島型みたいなもので長距離爆撃機からおっことすということはどうも考えにくいお話ですよね。つまり、運搬手段がなければ、幾ら核を持っていても運搬手段がなければこれは脅威として顕在化しないということが正しいのかどうか、現実の脅威としては低いわけですね、かなり。持っているというだけではない、それが運搬され、我が国に対して本当に被害が及ぶということが一番恐ろしいわけであって、だとするならば、これはウラニウムの開発をやっているとすれば、それの小型化、軽量化をやるというのが実にその合理的な判断ではないだろうか。それをやっていないから大丈夫だなどという前提に立って物事を考えるのは私は誤りであるというふうに思っておるわけでございます。
○海野徹君 今、長官のおっしゃるその前提に立って物事を考えて、今、長官として日本は何をやるべきなのか、あるいは今まで何をやってきて今後何をやっていくべきなのか、その点について。
○国務大臣(石破茂君) これは第一義的にはもう外交努力に尽きるだろうと思っています。その観点から今、日朝交渉を鋭意進めておるわけであって、安全保障協議も立ち上げていくわけであります。そこで外交交渉を詰めて詰めて、北朝鮮がそういうような挙に出ないようにすること、これが必要なことでありますが、同時に抑止力、これは日米安全保障条約に負っておるわけでありますけれども、抑止力がその背景にあり、日米同盟がその根幹をなすことは言うまでもございません。
○海野徹君 これは日朝首脳会談で平壌宣言の署名をする前にこの情報は伝えられていたという事実がありますよね。そういうことを事前に知っていた上であの宣言に署名するということは、仮に長官だったら、これ仮定の話といったらあれなんですが、極めて日本にとって重大な脅威であると、しかも可能性は否定できないというようなことが認識されていたとき、あの平壌宣言にそのまま署名するということは仮に長官だったらありますか。
○国務大臣(石破茂君) これは、私がお答えをする立場にはございません。
 ただ、一般論として申し上げれば、結局ああいうような宣言文というものは、もう一〇〇%どちらかの主張が通るということはあり得ないんだろうと思うんですね。やっぱり、それが六、四なのか五、五なのかは分かりません。外務大臣から御答弁がございましたように、我が方が言いたいことはあの中に凝縮をされておる。そして、委員が冒頭御指摘になりましたように、国内世論として、我が国は国内世論の下に外交をやるわけで、国民の皆様方が核の脅威、ミサイルの脅威ということを強く認識をしておられるということであれば、あの文言で十分それは用をなすものだと思います。
 私がその場におったらどうかというお尋ねにはお答えをいたしかねます。お許しください。
○海野徹君 それでは、先ほど、これ以上開発を進めないように外交努力をする、それが現実問題だと。現実にアメリカしか、要するにある意味では北朝鮮の行動を抑止できないだろうという現実があると思います。ただ、核開発を進めて軽量化、小型化するには必ず実験が伴うわけですよね。実験をするじゃないかというような情報も入っている。ましてや、実験データはある意味ではほかの国から持ってくればそれも活用できるんではないかと、そういう話もある。そうしたら、じゃほかの国というのはどこなんだということも当然考えられる。
 そういった意味での情報の収集、分析、あるいはその他の国に対するある程度の抑止行動、外交努力、それも必要かと思うんですが、その辺、長官、外務省との連携の中で今何か対応策をお考えになっていますか。特定の国は、私、国名は要りませんが。
○国務大臣(石破茂君) これは、私は外交というものと安全保障というものも、これは一体のものなのだろうと思っています。特に、冷戦が終わった後はそういうような状況が顕著になってきただろうと思っておりまして、いろんな情報を外務省と共有すると、そういう努力は最大限いたしております。それがなければ外交交渉というのも成り立たないし、安全保障政策というのも成り立たない。
 ただ、例えば我が党の中で議論がございますが、それじゃ、防衛駐在官の在り方はどうなのかとか、情報の本当に共有のためにもっと改善すべきことはないかと、そういうような議論はたくさんございます。私、今まで党におりまして、それがもう十分だったという認識は持っておりません。
 今後、政府の中で更に改善すべき点はないだろうか。情報を共有し、そして情報を共有しただけでは全然何にもならないので、それをどうやって分析をし、判断をするかというところまでばらばらと各省がやっておっては何にもならない。そこの体制について、体制といいますか、やり方につきまして今後政府部内でも議論を進めていく必要はあるだろうと思っています。
○海野徹君 長官には、今おっしゃったように、ある意味では実験が、北朝鮮だけじゃなくてほかの国でやった実験のデータをある意味では入手してそれを使うということも言われていますから、それについては十分な収集体制、それを是非今後も続けていただきたいなということを要望しておきます。
 それで、最後の質問になるわけなんですが、今年の七月に北朝鮮というのは価格統制を一部解除したと、経済改革というような形でやっているわけですね。それによって非常に猛烈なインフレが起きている。経済が混乱起きている。それが、ある意味では軍部も直撃されているというような話もある。いろんな、軍部の動揺を来している、あるいはそれが何らかの軍部の体制の崩壊につながっていくんではないか、政権の崩壊につながっていくんではないかなというような情報も、今ある意味ではヨーロッパとかアメリカの情報筋からもたらされるんですが、その点について長官は専門家としてどの程度そういう認識でいらっしゃるのか、あるいはそれについて今注意深くとにかく見ていらっしゃる状況なのか、その点について最後質問させていただいて、終わります。
○国務大臣(石破茂君) 私も経済学の知識が十分あるわけではありませんが、どうするとああいうインフレが起こるんだというのがもうよく分からない。そして、それがもうごく一部、つまり北朝鮮全土で起こっているわけではなくて、ピョンヤン周辺で起こっているというような報道もこれあり、いろんな経済の詳しい方にちょっと教えてください、北朝鮮に行かれた方に教えてくださいとお願いをしておりますが、残念ながら自分として分析ができておるわけではありません。
 ただ、それが軍を直撃するのではないかというお話がございますが、私は、個人としてはその考えには懐疑的でございます。なぜならば、これは世界の中で多分北朝鮮だけだろうと思うのですけれども、党の上に軍があるというシステム、つまり、我が国のような民主主義的なシビリアンコントロールを取っていない国であっても、例えばかつてのソ連においては政治将校というものがいた、そういう形で軍という実力組織を文民がコントロールする形、ある意味での文民統制がなされておった。しかし、軍が党の上にあるということが憲法で規定をしてあって、金正日氏が軍事委員長であるというのが、国防委員長ですか、これが正式な肩書であるという国は私は寡聞にしてほかに存じません。そうしますと、軍というものが存続するということがプライオリティーの第一に来るということが考えられる、少なくとも否定はできない。経済改革をすることによって軍が崩壊するような、そういうような政策というものを取るということは非常に推理しにくい、想像しにくいことだというふうに個人的には考えております。
 意思決定のメカニズムが、少なくも私どもが知っておる国、ましてや我が国とは相当に異なる国であらばこそ、総理は金正日氏と直接会談をする以外に道はないというふうに考えられたのではないかというふうに思いますが、国民の意思とかそういうものがどこまで反映をするのか、その点につきましては私どもは注意深い分析が必要だという認識をいたしております。
○海野徹君 ありがとうございました。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 海野委員に引き続きまして、外務大臣、防衛庁長官に質問をさせていただきます。
 海野委員や外務大臣から冒頭御指摘がありましたとおり、北朝鮮の問題では正に世論が、民意というものが日本の外交政策に大きな影響を与えたというふうに私、認識をしております。それは、言うまでもなく外務省が民意を軽視しなかったと、世論というものをしっかり視野に入れながら外交交渉を行ったからにほかならないというふうに思います。日朝問題は二国間の問題なんですけれども、今、世界が注目しているイラクの問題についても、このことは極めて重要な私はファクターになってくるんだろうというふうに思っております。
 そこで、先日、外務大臣の所信表明を聞かせていただいて、我が国の、イラク問題であるとかパレスチナ問題という、非常に積極的に中東問題にコミットしていくんだ、中東和平にコミットしていくんだという大臣の強い意思が伝わってまいりました。
 そこで、大臣の基本認識を確認させていただきたいんですけれども、大臣にとっての中東和平というものは一体どのようなものなんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 非常に大きな御質問であるわけでございますけれども、中東というのは我が国にとって、距離的には遠いかもしれませんけれども、非常に重要な地域であるわけです。これは、我が国の中東からの原油の輸入依存度が非常に高いということでございますので、中東でどういうことが起こるかということは本当に密接に我が国の平和と安定に関係を持つということです。それからさらに、より広いコンテクストで考えても、世界の国々にとって中東が平和で安定した状況にあるということは非常に大きな問題であると思います。それからさらに、大量破壊兵器の問題、国際的なテロの問題、そうしたことが特に最近になって国際政治上の非常に大きな課題となって、それに対しては今までと異なった対応の仕方が求められているということで、いろいろな場でこれに対しての議論がなされているということでございます。そういうことに、中東というのはこの問題にも非常に密接につながっているところがあるわけです。
 ですから、そういった問題を総合的に考えたときに、中東が平和で安定した状況にあるということは我が国にとって大変に大きな関心事でございます。ということで、重要なテーマだと考えています。
○榛葉賀津也君 私、川口大臣というのは大変中東問題に御認識、御見識が高い方だというふうに思っております。過去の我が国の外務大臣においてイスラエルでの生活経験がある、しかもイスラエルの建国に多大な役割を果たしましたキブツでの生活経験があるというのは、私は恐らく川口大臣だけだったんだろうなというふうに思っております。
 大臣が二十代のころ経験された、ガリラヤ湖北部にある産業的にも軍事的にも大変重要な意味を持っておりましたキブツ・アヤレット・ハッサハールの若き日の体験が今の中東外交にどのように影響されているのかなということを少しお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 個人的な話になってしまいますけれども、私は学生のころ非常に関心を持っておりまして、それで今、委員がおっしゃったように、キブツの生活というのを経験をしてみたいと思って、そういうことをいたしました。
 それで、そのときに思いましたのは、非常に若かったものですから、余り高邁に物事を考えたわけではないんですけれども、キブツの入口のところに一九四八年のイスラエルの独立戦争のときにキブツの人が撃ち落とした飛行機が突き刺さっている形でまだ残っていた。それから、遠く丘の上から見ると、あそこがシリアであるという話も聞いた。このイスラエルという存在が中東の中で、非常に狭い地域の中で平和と安定を確保していかなければいけない存在であるということを身にしみて感じたと同時に、キブツにおけるイスラエルの人たちの生活ぶりを見まして、たくましさということについても印象が強かったと、そういうことでございます。
○榛葉賀津也君 イラクの問題に入りたいと思います。
 イラクの大量破壊兵器使用の蓋然性というものを日本政府はどのように把握していらっしゃるんでしょうか、またそれはどんな情報に基づいていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(安藤裕康君) イラクの大量破壊兵器につきましては、まずその保有をしているかどうかということについて、我が国は確たる証拠を持っているわけではございませんけれども、英国政府が出した文書あるいはアメリカ政府が出した文書によりますと、大量破壊兵器を開発し若しくは保有している可能性が非常に高いというふうに了解しております。
 したがいまして、まず査察が行われて、これを検証するということが大切だというふうに考えておりますので、その先の使用の蓋然性云々ということについては、ちょっと今の段階ではお答えするのは差し控えたいというふうに思います。
○榛葉賀津也君 あしたにでも採択の可能性のある安保理決議の再修正案であるとかアメリカの中間選挙の結果であるとか、また昨今のイスラエルの内政状況等、様々なファクター考えましても、アメリカを中心とした何らかの形でのイラク攻撃というのが実際のところ現実味を帯びてきているというふうに解釈することが私は妥当だというふうに思っているんです。
 イラクの攻撃が現実のものとなった場合、この有事がイスラエルに飛び火する可能性はどの程度あると大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 国連での決議については、委員が今おっしゃられましたように、アメリカが決議の修正案を出して、そして四十八時間で採決をしようということを今言っているという状況でございますので、国連での決議をめぐっての議論というのはかなり終わりの状況、段階に入ってきているというふうに思います。そして、その決議がどのような形で出てくるかということにかなり今後の動きということはよると思いますので、それを我々としては注目をしておりますし、注目をしていきたいと考えております。
 それの上に、その結果として、それが戦争との関係でどうなるかということについては、これはもう本当に予測の世界でございますので、今戦争があるということについての予断をしてお答えをするということは難しいということでございますけれども、イスラエルに対しては、サダム・フセインは今までそういうことがあったときにいろいろなことを言っているわけでございまして、例えばアジズ副首相は、イラクはイスラエルを攻撃する手段を有していない、我々は長距離ミサイルを保有していないということを言ったりしているわけでございまして、どういうことがなるかということはまだよく分からない、取りあえずは国連の決議を注目をしていきたいと考えています。
○榛葉賀津也君 外務大臣、大変慎重にお答えになっていますけれども、これ大変、イスラエルに対する、そして中東全体に対するテロ等の影響は私は大きいんだろうというふうに思っています。
 御承知のとおり、世界でのイスラム人口の多いのは、皆さんアラブ諸国にあるというふうに錯覚しがちなんですけれども、皆さん御承知のとおり、実はアジアに大変アラブの人口が多いということは、イスラム人口が多いということは事実でございます。インドネシアが一番多い国でございまして約一・八億人、そしてパキスタンが一・四億、そしてバングラデシュ、インド、イランと、すべてこのアジア地域にイスラム人口のトップファイブが凝縮しているという現状です。現実においても、フィリピンであるとかインドネシアであるとか、このアジアの地域にまでイスラム過激派と思われるテロの増加が懸念をされている、現実問題となっているということでございます。
 私は、このテロの問題、イスラムの問題というのがもう日本のすぐそこまで来ているという認識を我々持たなければならないと思うんですね。このテロの側面から考えれば、我々はこの問題の正に当事者であるという当事者意識をまず持つことが必要なんだろうというふうに思っております。
 アメリカによるイラクの空爆が現実味を帯びてきた今、仮にイラクへの空爆が実行に移された場合、日本がどのような具体的に行動に出るのかということを少しお伺いしたいと思います。
 まず最初に、大臣に御認識を確認しておきたいんですけれども、政府として、このイラク問題というのは、大量破壊兵器廃棄の必要性の観点からとらえているのか、それとも一連のアフガニスタンのアルカイダ一掃の観点からとらえているのか、一体どちらなんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) イラクに対して国際社会が持っている懸念というのは大量破壊兵器の問題が中心でありまして、これを国連の決議に従って廃棄をさせなければいけないということであると思います。
 そして、そのほかにも、今まで四年間、イラク、査察を受け入れてこなかった、それからほかの国連決議をイラクはずっと無視をしてきた、守ってこなかったということがあるわけでございまして、そのほかの国連決議の大量破壊兵器以外の部分という中には、例えば少数民族の抑圧を停止をするとか、あるいは国内におけるテロ活動の防止をするとか、湾岸戦争の捕虜を送還をするとか、そういったほかの問題も入っていると、そういうことだと思います。
○榛葉賀津也君 私の質問に答えていないんですけれども、イラクの大量破壊兵器の問題なのか、アルカイダのことについて言及されていなかったので、少しその点についてもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) アルカイダとの関係でいいますと、私が承知をしておりますのは、今イラクの行っていること、あるいはイラクの持っている問題の中にアルカイダとの関係を直接に証拠付ける、そういうことは今のところないというふうに理解をしております。
○榛葉賀津也君 ということは、現在のテロ特措法で、このイラクの問題に自衛隊が関与するということはないわけですね。
○国務大臣(川口順子君) これは先ほど申しましたように、イラクとの関連で、戦争があるということを予断をした御質問であるということでございますので、今、正に国連決議が合意をされる寸前、あるいはその最終段階にある段階で、戦争を前提としてお答えをするということは避けたいと思います。
○榛葉賀津也君 正に、ここが一番大事なところなんですよね。ここでそのような、私は、あいまいな答弁で、正に当事者の外務大臣がお答えになるというのは非常に残念でございます。
 防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、十一月十九日の基本計画期限が参ります。政府は、再延長の必要についてどのように考えているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 結局、それはテロ特措法に定められた目的が達せられたかどうかという点に懸かっているのだろうと思っております。現在、まだ諸活動の活動は続いておるわけであって、このことに我が国としても積極的に後方支援を行っているわけで、だとするならば、その目的が達成をされていないとするならば、それを延長するということはあり得ることだと思います。
 要は、法の目的が達せられたかどうか、今の現状はどうかということを我々が主体的にどう判断するかという問題だろうと思います。
○榛葉賀津也君 それを現段階ではどう御判断されているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、合衆国等からは、この戦いは長くなるよ、テロとの戦いは長くなるよと。これは委員が一番御案内のことだと思いますが、テロってそう簡単になくなるものではありませんよね。それが我が国に対する脅威でもあり得る。昨年の九・一一は日本人もたくさん犠牲になったと。これは我が国に対する脅威でもあるという認識は私も持っております。そして、テロはそう簡単に根絶されるものではない、だとすれば、この戦いは長引くであろうということは当然予測をいたしております。
○榛葉賀津也君 さきのフィリピン、インドネシア等のテロについて、アルカイダの関与について防衛庁長官はどのような御認識でしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そのことについて確たる断言できるような証拠を私は持っておりませんので、言及はいたしかねます。
○榛葉賀津也君 我々が様々な場所で防衛庁からレクを受けた際に、アジアのテロもアルカイダと大変関係がある、それによってなかなかテロ特措法、自衛隊の関与は打ち切ることは判断が難しいという説明を我々はずっと受けてまいりました。冒頭、先ほど防衛庁長官も、このテロとの戦いは終わりがないようなものだという発言もされました。とすると、この時限立法のテロ特措法が、このテロの性質から、本当に何らかの形でアルカイダが関連している可能性がある限り終わりがなくなってしまうということに私はなりかねないというふうに思うんですね。自衛隊が、このテロが終わらない限り、防衛庁の先ほどの説明ですと展開し続けるということでありますから、これ私は何らかのけじめを付ける必要があるんじゃないかなというふうに考えています。
 長官に引き続きお伺いしたいんですけれども、仮にアルカイダとイラクの関連性が明らかになった場合、イラクの攻撃に対しても具体的な協力を求められるということが無論考えられる、当然可能性があるというふうに思うわけですけれども、そのとき自衛隊というのは、PKFの本体業務参加というような局面も含めまして、どのような役割を担うべきだとお考えになるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それも先ほど外務大臣から答弁がありましたように、そういうことが起こらないように、要はイラクが査察にきちんと応じるということが一番大事です。我が国としては、そうでなかったらどうするかということを考えるのではなくて、やっぱり国連の重要な一員として、イラクがその決議をきちんと受け入れるべく、今は我が国として最大の努力を尽くすということが肝要かと存じます。
○榛葉賀津也君 ここまで、日本がこのイラクの問題、どう具体的に行動するかということを聞いたんですけれども、仮に自衛隊が何らかのアクションを起こさないとしましても、湾岸のときの例を引き出すまでもなく、経済的な何らかの負担を求められるということが非常に想像できると思うんです。
 そこでお伺いするんですけれども、イラクの攻撃に伴うコストについてアメリカ政府はどのような試算をされているんでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 アメリカの行政府といたしまして、お尋ねのような経費の試算というものを公式に発表したことはないというふうに理解をいたしております。
○榛葉賀津也君 そんなことないですよ。アメリカ議会の予算局、CBOがしっかり出していますよ、数字を。通告してあるんですから、この問題は。逃げないでくださいよ。
○政府参考人(海老原紳君) 先ほど、行政府、米国政府ということでお尋ねがあったものですから、政府としては発表していないということをお答え申し上げたわけでございまして、議会というようなことも含むということであれば、おっしゃいましたように、九月の三十日、米国の議会の予算局でございますけれども、これは対イラク攻撃が行われた場合の経費の試算というものを議会の方に提出をいたしております。
 内容を、御存じだろうと思いますけれども、もしよろしければ内容を御紹介させていただきますけれども、この内容は、一つはペルシャ湾への兵力の派遣が約九十億ドルから百三十億ドル、戦争の遂行そのものが毎月六十億ドルから九十億ドル、戦争の終了後の米軍の帰還が五十億ドルから七十億ドル、戦争終了後の占領というものが毎月十億ドルから四十億ドルという内容でございます。
○榛葉賀津也君 私の聞き方が正確でなくて大変申し訳ありませんでした。
 総額で一千億から二千億ドルという見通しを語っているんですね。湾岸戦争のときに日本へのコスト負担というのが約一兆四千億円でございました。これまでの二割ルール等を考えましても、かなりの負担が日本に要請されるということは目に見えています。
 さらに、中東での有事というのは、当然のことながら、原油価格の高騰であるとか世界経済に対する大変悪影響を引き起こすことになると思うんです。日本の経済、財政がこのような状況において、イラク攻撃へのこういった負担というのは大変厳しいものが我が国にとってはあると思うんですね、現実問題として。
 その中で外務省は、積極的な外交展開をする、積極的に外交を展開するという説明に終始しているんですけれども、私は、様々なシミュレーションを考えて、当事者意識を持って、冒頭言いましたように、広く国民に同意を求めていく、可能性を掲示していくということが重要だと思うんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず、一般論になりますけれども、外務省あるいは日本が、政府が外交面でやろうとしていることについて、考えていることについて国民の皆様にお話をして御理解をいただくように努めるということは大変に重要なことだと私は思っています。
 イラクで戦争があったときにどういうことになるかということについては、これは先ほど申しましたように、正に今国連の決議が最終局面に来ているという段階で、我が国としても国連の原口大使以下、原口国連大使以下懸命に努力をしている段階でありますし、私自身も昨日、クウェートの外務担当国務大臣、実質的な外務大臣ですけれども、この方とお話をして、イラク問題についての意見を交換したり、日本の立場をお伝えしたりということをやっております。
 正にそういうことを今やっている中で、戦争があったときにどういうことになるかということを、数字をお示しをして、正にアメリカの行政府もやっていないことを我が国として今やる段階ではないと思っております。
○榛葉賀津也君 大変誠意ある答弁、ありがとうございました。
 ただ、事あるごとに、先ほど来、仮定のことだから議論できない、仮定のことだから今話せない、想像できないという答弁が最後に出るんですけれども、私はそういうときだからこそしっかりと、情報公開という言葉が適切かどうかあれですけれども、国民を交えた議論をしていく、掲示をしていくということが大事なんだと思うんです。
 実際問題、そういう状況になったら、有事があったら、日本のコストが幾ら掛かるのか、どういう経済状況が、経済的な悪影響が予想できるのか、自衛隊をどのように展開させるのか、若しくはテロに対するリスクがどのようにあるのかということをしっかりと具体的に議論していく。それを今やっておかないと、また、有事になって、いつもと同じようにこの問題は反米か親米か、どの法律で対応するんだといった近視眼的な議論ばかりになって、いつまでたってもこの中東問題、外交問題に対する本質的な議論ができない。正に今いろんな情報を国民に出し、国民や我々が真剣にこの問題を当事者として考えていく。正に北朝鮮の問題のような対応が私は今求められている。それのためにも広く国民にお示しいただきたいというふうに思っております。
 ここに、ある世論調査があります。アメリカのイラク空爆、イラク攻撃の可能性についての世論調査なんですけれども、日本での、ブッシュ政権が提唱するイラクへの軍事行動について日本では賛成が一四%ですよ。反対が七七%。軍事行動への協力の否定的な考えを持っている方が七〇%いらっしゃいます。アメリカの資料を見ますと、CNNとタイムが共同で十一月の四日、つい先日ですね、行われた最新調査によりますと、対イラクで大統領を支持する人は五〇%にとどまり、四六%が疑問視している。正にあのアメリカ国でさえも世論が真っ二つに割れているという状況なんですね。アラブ諸国におきましても、経済的な悪影響はもとより、パレスチナ問題へのダメージは避けられないとの懸念が大変広がっているというふうに認識をいたしております。
 私が言いたいのは、世界じゅうの世論が、日本を始め、大変この問題に対して心配若しくは反対の声が強いということでございます。様々な、経済や、テロ、パレスチナへの問題も含めまして、私はやはり最悪のシナリオを考えて、想定をしていかなければいけない。そのために日本が今やらなければならないことというのはたくさんあると思うんですね。
 まず一つは、しっかりと、これが起こったら大変世界経済、世界の平和が不安定化していくというシグナルを、基本的なことですけれども、しっかりとシグナルを送っていくということ。そして、イラクが、攻撃が、イラクの大量破壊兵器というものを使用する背景をしっかりと考えておく。まず武器を持っていないといけない。当然のことであります。しかし、イラクが使う意思を持っていなければいけない。そして、イラクがそれを使わなければならない背景、環境が整った、使わざるを得ないと判断しなければならないという状況があるということですね。
 逆に言いますと、我々がしっかりとその状況を作らない外交努力をしていく、安保理決議であるとか様々な軍事的政治的プレッシャーが逆にこの意思や環境を作り上げてはいないかということをしっかりともう一度考えておく必要があるんだろうと思います。
 アメリカの出方を待ってから、いつものやり方ではないやり方でイラクを追い詰めない状況を作っていく、そういった圧力を排除していく、正に日本独自の外交によってできるというふうに私は思っていますけれども、外務大臣としてのお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、この問題の根源は、イラクが国連の決議を守っていない、四年間査察を入れず多くの国連決議を守っていない、そこから出てきていると思います。
 国際社会が今努力をしているのは、国連の決議なりあるいはほかの方法で努力をしているのは、イラクが今まで守ってこなかった国連の決議を守って、核兵器を廃棄をして、そして査察を入れて、あるいはその他の少数民族の問題その他について対応するということだと思います。それをやってもらうことが先決だと思います。そして、我が国としては、そのための今外交努力を展開をしていく、これを一生懸命やっていくと、そういうことだと思います。
○榛葉賀津也君 私の認識も大臣と全く同じでございます。ただ、我々がこれからの中東外交をやっていくために、しっかりとアラブ諸国に対して個別の働きを具体的にやっていくということも必要なんだろうと思います。
 御承知のとおり、アラブの国の状況というのは、アラブの中でありながら敵対している関係もあれば、王族同士の近親関係にある国々もある、宗派の問題や民族の問題で複雑な問題を抱えている国など様々なんですね。とりわけ、ヨルダンであるとかサウジであるとかエジプトであるとかトルコであるといったような国々には、日本が具体的なアプローチをできるはずでございます。決して単純なことではなく、丁寧にこの外交努力を積み重ねることによって、正に日本の柔軟な、そしてきめ細やかな外交、正にこれは日本が得意とする外交だと私は思っているんです。これができる本当の日本の外交の姿というものが私は見えてくるんだろうなというふうに思いますし、是非外務大臣には、この点、積極的に外交をしていただきたい、今までにない独自の中東外交を行うことを是非期待させていただいて、今後この問題についても引き続き委員会で議論を積み重ねていきたいというふうに考えております。
 以上です。
○高野博師君 公明党の高野でございます。
 外務大臣に、自由貿易協定と北朝鮮の問題、この二つを中心にお伺いしたいと思います。
 先般、ASEANプラス3の首脳会議が行われまして、その評価についてはいろいろあると思いますが、私は二つあると。一つは、北朝鮮の問題に対して共通の認識が得られた、すなわち、北の核開発を東アジア全体の問題としてこれは脅威であるという認識をした、そして平和的な解決を目指すという方向で一致したと。もう一つは、中国の対ASEAN経済連携が強化された、そして我が国の出遅れが非常に明らかになったんではないかと、そういう認識をしております。
 そこで、外務大臣にお尋ねいたしますが、中国がASEANと包括的経済協力の枠組み協定、この調印をした、加えて、日中韓の自由貿易協定、FTA、この提案をしてきた。この中国の動きあるいは攻勢についてどうとらえておられるのでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ASEANプラス3の会合が終わったわけでございまして、この会合の評価という意味では、先ほど委員がおっしゃられましたけれども、一つは、今までのように経済を中心とした議論だけではなくて、地域の安定にかかわる問題、朝鮮半島の問題、そういうことが取り上げられて率直な意見交換が行われた、それが新しいこととしてあると思います。
 その中で、FTAについて中国が積極的に議論をしていったということについて、これは、ASEANとの関係でいいますと、FTAの議論をまず最初に始めた、先鞭を切ったというのは我が国であるわけでございまして、我が国が議論を始めた。その中で、中国としてはそれに、どういう言葉を使ったらいいのかよく分かりませんが、それを見て、それを踏まえてFTAの議論を始めたということでございまして、中国がリーダーシップを取ってFTAの議論をしているということではなくて、我が国が正にそのFTAの関係でアジアの地域をどう考えていくかという発想を先に持ったと、そういうことだと私は思います。
 ASEANの会議でASEANの人たちから直接に意見を聞くということをやって強く感じるのは、ASEANが今日の段階まで発展をしてきたこの背景、あるいはこの大きな要因として、正に今まで日本が行ってきた経済協力があるということでございまして、ASEANの中における日本のリーダーシップ、これはきちんと確立をし、また、ASEANの国からもそのように認識をされているというのが私の個人的な強い印象でもございます。
○高野博師君 そこは私と若干認識が違うんでありまして、元々のアイデアは日本が出したかもしれませんが、しかし、実態的には中国がかなりリーダーシップを取り始めているという認識をしておりまして、二〇一五年までには中国とASEANで十七億人の自由貿易地域ができる。ASEANはやっぱり中国にのみ込まれるのではないか、中国の経済外交戦略の中にFTAというのが明確に位置付けられているという私は感じがしております。グローバル化が進む一方で、地域の統合というものも相当急速に進んでいる。そういう意味で、日本はこの潮流に後れてはいないのかという危惧を持っております。
 アメリカは南北アメリカ大陸の自由貿易圏構想を持っておりまして、二〇〇五年までに実現を目指すということになっております。ちなみに、ブラジルはASEAN全部を合わせたよりも経済規模は大きいのでありますが、ブラジルはなかなかこれに乗ってこないかもしれません。しかし、アメリカはそういう大きな戦略を持っている。
 そこで、先般、メキシコもチリもアルゼンチンも私ちょっと行ってまいりましたが、このチリというのが中南米の中で政治的、経済的に最も安定している国でありまして、したがって、アメリカもあるいはEUもチリを中南米における戦略的な拠点という位置付けをしておりまして、FTAを結ぼうという、こういう動きであります。中国や韓国までも、こういう同じような考えでチリにアプローチしている。したがって、アメリカはFTAを結ぶことそれ自体には余りメリットはない、しかし戦略上重要な拠点だと、こういう位置付けをしているわけです。
 我が国の場合どうかといいますと、FTAを結んだ場合のメリット、デメリット、これを細かに計算して、国内の農業分野あるいは水産分野の影響を受ける、結局難しいという結論になってしまう、役人が事務的に検討したら何も進まない、これが現状なんです。そこには長期的な政治外交戦略上の発想というのが全くないのではないか、アメリカ大陸は米国に、ASEANは中国に取り込まれてしまうんではないか、日本というのは全くそこで取り残されはしないかというのが私の危惧なんですが、そこで、外務大臣に、日本の外交政策の中におけるFTAに関する基本的なスタンスについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) まず、我が国は世界の自由な貿易からメリットを多く受ける、そういった国であるということです。
 原材料を持たない国としては、原材料の輸入というのは貿易に頼らざるを得ない、そしてそれをすることができるためには日本は輸出をしなければいけないということで、国際経済にすっかり統合された、そういう国として今までやってきているということです。そういう意味で、WTOを中心とする多角的な貿易体制というのは根幹的に重要であります。
 それとそのFTAとの関係ですけれども、FTAは、更に貿易自由化あるいは経済の自由化を進めるための補完的な、WTOとの関係では補完的な存在として我が国の経済政策、貿易政策の重要な柱として位置付けている。これが我が国のFTAについての基本的な考え方であると思います。
 それで、実際にFTAをどのような形で今まで実施をしているかということですけれども、例えばASEANとの関係でいえば、今年の一月に総理がシンガポールに行かれたときに、アジアの国、ASEANの国々との経済の連携の構想ということを発表になられて、それに基づいていろいろな国、タイですとかフィリピンですとかがFTAについて関心を持ち話を、乗り気になってきているということでもございますし、韓国との間ではこれは民間ベースで今議論をしているということでございます。それから、民間ベースといいますか、産官学の研究会を作って可能性をやっている。そして、これとの、この関係では今積極的に取り組んでいます。
 それから、委員がおっしゃった中南米の国との関係では、FTA、これが存在をしないので、欧米の企業との間では比較的その競争という面で損をしているということがありますので、これについては、先般、日墨の首脳会談をAPECの折に行って、日墨との、日本とメキシコとの間でのFTAを立ち上げるということに合意をしたということです。
 それから、委員がおっしゃったチリでございますけれども、このチリは、チリ自体が積極的にFTAの政策を進めています。我が国とチリとの間で民間ベースでの議論も行われたということでございまして、我が国としては、今チリとの間でどういう形で協力をしていくことが経済的に意味のあるかという観点から議論をしているわけです。
 先般、外務省は、十月の十六日ですけれども、我が国のFTA戦略ということを発表いたしまして、それは外務省のホームページにも載っておりますけれども、私が先ほど申し上げましたようなWTOとの補完的な関係等々について研究会での成果をホームページで発表しております。
 以上です。
○高野博師君 私が期待した答弁では全くありませんで、WTOの補完的な役割としてのFTAという位置付け、これはやっぱり弱過ぎると思います。経済外交あるいは通商外交のてことして、あるいは武器として、戦略として、戦略の柱として、もっと発想の転換が僕は必要なときに来ているんではないか、大きな政治的な決断をする必要があるんではないかと。川口大臣は通商外交の第一人者ではないかと期待はしておりますが、もう少し前向きの、あるいは政治の、政治的な力を発揮した上での対応をしてもらいたいと。
 日本は、ODA外交、これからFTA外交に軸足を移す、そういうタイミングにあるんではないかと私は見ておりまして、少なくとも二つのODAとFTA、こういう二本立ての外交を積極的にやるべきではないかと。
 ODAの場合は、援助国に対して、援助を与えることによって相手国の経済社会の発展に資すると。しかし、その援助国対被援助国、あるいは物や金を上げる、片方はもらうという、そういう関係からもう脱却する時期ではないかと。すなわち、ODAは今、日本も供与額を減らしているものですから、日本に対する期待感、対日期待感というのは全世界的にかなり低下しているという私は認識をしておりまして、金の切れ目が縁の切れ目にならないようにしなくちゃいかぬと思っております。
 一方、FTAというのは、これは相手の経済と一体化していく、一緒にともに繁栄していこうという考え方でありますから、当然これを進めるためには、日本国内の構造改革あるいは産業調整、これを進める必要があるわけで、相当の困難と痛みが伴うということは十分承知しておりますが、しかし国内産業を保護するだけでは衰退するだけではないかと、これもよく言われるとおりでありまして、競争して強くなっていく、あるいは方向の転換をする、そして補完できる分野についてはより強化していく、そういうことだと思います。現状のままでは日本というのはもうじわじわと沈んでいくんではないか、私は日本が、日本自身が生き残りを懸けてこの外交戦略を練るべきではないか、そういうふうに考えております。
 中国も日中間のFTA、これを提案してきているんですが、これは逆に日本がイニシアチブを取ってリーダーシップを取ってしまえばいいんじゃないかというふうに思っております。こういう思い切った外交政策を取ることによって、日本の構造改革というのも、これもやらざるを得なくなる状況になるのではないかと。現在の我が国の経済、構造改革というのは全く進んでいないと私は認識しておりますが、産業の空洞化というのはもう進む一方であります。したがって、FTAのような外的な要因から国内の改革をやるというような発想があってもいいのではないかと私は思っております。
 今のままの後手後手、後ろ向き、内向きの通商外交政策では、日本という国はもたないのではないかと思いますが、外務大臣が先見性のある外交、あるいは創造的な外交と、こううたっておるわけですから、この辺について思い切った発想の転換をしてもらいたいと思いますが、大臣の所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) FTAが重要であるということについて私、私とといいますか、外務省と委員との間の意見が何ら相違はないと思います。それで、WTOの補完である、FTAがWTOを補完するものであるという位置付けはどの国もそう思っているということであります。中国もWTOに加盟をし、WTOのルールの下で国の経済の国際化をやっていくということでありまして、FTAはWTOのルールに基づいてFTAが存在をする。FTAのルールというのは二国間が自由にやっていいということではなくて、正にWTOで決められているルールに基づいて、二国間である部分を深掘りしようとかということでやっているわけでして、そういう意味で補完的であるということを申し上げたわけでして、その点について委員と私の意見の差というのもないと私は思います。
 それで、ですから国のその産業構造の転換ですとか、あるいは内向きであってはいけないとか、そういうことは委員が全くおっしゃるとおりでございまして、空洞化の危惧、いろいろ国内にはございますけれども、それはFTAであるがゆえにそういうことがあるということではなくて、そもそもWTOの貿易を自由にしましょうというルールに基づいてそういう問題が起こってくると、そういう理解であると私は考えております。
 それで、先見性……
○高野博師君 時間がないので、結構です。
 そこの考え方を、もう一歩外交戦略的に使えないかということを私は言っているのであります。WTOの補完的な役割、それはもう十分承知しているんですが、それを一歩乗り越えてほかの国はやっている、中国でもアメリカでも。そこの認識が僕はないんじゃないかと思っているんですが、この問題はまたいずれやろうと思いますが。
 北朝鮮問題について、お伺いいたします。
 私も前、外務委員会に二年前までいたときは、相当この問題を取り上げてまいりまして、北朝鮮問題そのものは二十九回質問していまして、拉致問題も十六回ほど取り上げております。私の考えは、いろんな人がこの問題について動いた、外交は一元化すべきだということを主張してきました。そして、人道的な食糧援助の前に、拉致された人の人道はどうなんだ、人権はどうなんだということ、あるいは五十万トンの米の援助、これも国民の口には全然渡っていないんじゃないか、こういうことを厳しく追及してきましたし、行方不明という言葉を政府が使うのはおかしいと、これも小渕さんにも言ってまいりました。KEDOの支援とかあるいは国交正常化、その前提条件として拉致疑惑の真相究明すべきだというのも、これも四、五年前に私は主張しておりました。
 何度もやってきたんですが、政府の対応は一貫して、一言で言えば不十分であった、スタンスが明確でなかった、あいまいであったということを私は感じております。最近の北朝鮮の告白外交、瀬戸際外交、これはなりふり構わぬこういうやり方というのは表裏一体だと思いますが、いかに今の軍事独裁体制が追い詰められているかということは明らかでありまして、経済的な危機から体制の危機、崩壊の危機にまで来ているのではないかという認識をしております。
 したがって、我が国の対応としては慎重にやることは当然でありますけれども、拉致とか核の疑惑については妥協しない、譲歩しない、そして筋を通すと、これはもうこういう姿勢は一貫して貫いていただきたいと思っております。ミサイル発射の凍結を再考するなんという発言も出ておりますが、平壌宣言をほごにするような発言、こういうことにも翻弄されないでいただきたいと。
 そこで一つ、アメリカが九四年の米朝枠組み合意、これを解消するとか、KEDOに対する、KEDOの軽水炉事業あるいは重油の提供を停止した場合には、日本は非常に難しい対応を迫られると思うんですが、これについてどうするのか。
 鈴木大使はインタビューの中で、もし核開発をする場合はサスペンドだ、あるいは終了することも、事業を終了することもあると、こういう発言をしているんですが、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず、米国が今の時点で、KEDOについて、あるいはその合意された枠組みについて何らかの意思決定をまだしているという状況ではないということです。それで、KEDOの役割というのは、私は、これは北朝鮮が核の開発をすることを阻止する、そういう大きな役割があるということだと思います。
 そういった認識を踏まえて、この問題についてはアメリカ、韓国、日本、そしてEUも関係をしていますので、その国々で話合いをしていく、そういうことだと考えております。
○高野博師君 そのKEDOの役割に反して実際は核開発をやってきたという事実があるわけです。したがって、この問題は日米韓で外相会議でも十分協議をしていただきたい、検討していただきたいと思います。
 それでは次に、拉致家族の問題ですが、先般、クアラルンプールでの交渉の中で、第三国での接触案というのを非公式に打診したと言われていますが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(田中均君) 日本の方針は、あくまで日本で、家族の方に来ていただいて自由な意思に基づく判断をしていただきたいということでありまして、第三国で再会をして説明をするといった案を政府交渉で打診をしたというのは事実ではございません。
○高野博師君 非公式ということで報道されていますが、この第三国で会うというような提案をするのは全く筋が通らないと。これは交渉の中で十分注意していただきたいと思いまして、こういう発想をすることが相手に足元を見られると、僕はそう思っております。
 そこで、もう一つは、国連人権委に提訴をするということでありますが、提訴する法的な根拠は何でしょうか。拉致というのは国際法上、何に違反しているんでしょうか。
○政府参考人(田中均君) 委員が御指摘になりましたのは、国連人権委員会の決議に基づいて設置されている強制的失踪作業部会というものでございまして、これは個人の資格、五人だと思いますけれども、個人の資格で構成されているグループ。ここで失踪者がいた場合にその所在確認を行うと、こういうことを目的にして設立がされている。この個人から構成されている部会で相手国政府との連絡を行うということでございまして、これ自身は国際裁判所のような性格を有するものではなくて、あくまで失踪者の所在確認に必要な情報を御家族に伝達をするという役割をするものでございます。
 この作業部会について、昨年、これは提起をするのはあくまで個人でございますし、家族の方々がそういう所在確認依頼を依頼したわけでございますけれども、北朝鮮の方から十分な情報が得られていない、情報が十分ではないということで審議継続が困難であるという決定がされたということでございます。
 今回については、改めて御家族の方から再度申立てを行いたいという御依頼がありまして、政府・外務省として、御家族の代理として申請手続を行うということでございます。
○高野博師君 失踪者という位置付けだという、まあ行方不明と変わらないわけですが、拉致というのは人道に反する罪だと、これはもう明らかだと思うんですが、今の国連に対する提訴のやり方でも、この問題について国際的な世論を高める、関心を高めるという観点からは非常に有意義だと思いますが、何でもっと早くやらなかったのかという思いもありますが、その失踪者ということであれば、あと五十名とか七十名、この拉致された疑いの濃い人たちについては提訴の対象にしているんでしょうか。
○政府参考人(田中均君) 先ほど申し上げましたけれども、これはあくまでその個人、したがって日本におられる家族の方の御希望、御要望に応じてその作業部会に提起をするという仕組みになっているということでございます。ですから、委員が御指摘になりましたその五十人、六十人、拉致の可能性のある人がいるではないかというその一般論の話はございますし、私どももこれは警察当局とよく連携をしながら、疑いが濃いと思われる者については北朝鮮側に提示をするということを基本方針としておりますけれども、現在のところ、その御家族がこの作業部会に提起をされたいという動きはございません。
○高野博師君 それは、その家族、五十人なり七十人なりの家族の方がこういう手続も含めて承知していないからじゃないかと思うんですが、ここは是非、政府として確認をした上で、やってほしいという希望者が出てくればきちんとやるべきじゃないかと思うんですが、これはよろしくお願いしたいと思います。
 時間がありませんので、もう一つ。在日朝鮮人等の北朝鮮帰還問題についてでありますが、帰還事業で渡った日本人妻、約千八百名、この消息調査あるいは帰国支援については、国交正常化の交渉の中でも取り上げるべきだと私は思いますが、何よりも日本国籍を持っている日本人でありますから、自国民の保護あるいは生命、財産を守るというのは政府の責任でありますが、もう一つは人道上の観点から、帰国を希望している人がいれば帰国を政府の責任で実現すべきではないかと思うんですが、この点はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(田中均君) 委員御案内のとおり、在日朝鮮人の人々の日本人妻、配偶者の問題につきましては、従来から北朝鮮との関係で、赤十字間の協議ということでも取り上げておりますし、一つは故郷訪問を実現をしていくということと、それから安否調査についてきちんとやってもらうということでございます。
 配偶者の故郷訪問につきましては、過去、三回実現がしております。四回目の故郷訪問を実施するということが基本原則でございまして、現在、日朝の赤十字間で具体的な実施についての話がされているということでございます。
 安否調査その他については、引き続き北朝鮮との間で取り上げていく必要があると思いますし、当然のことながら、正常化交渉の中でも取り上げていくべき事項だというふうに考えております。
○高野博師君 是非、しっかりやっていただきたいと思います。
 最後に一つ。最後の一つですが、外務省の裏金、いわゆるプール金の件で、昨日の夕刊に、外務省は二億二百三十八万円という数字だったんですが、実際には三億四千万だと。これは会計検査院の調査ですが、なぜこんなに数字が違うのか。そして、この改革は本当に進んでいるのか。あるいは、また外務省の信頼を落とすような、こういう事件が出てくるのか。ちょっとその辺について、官房長、お答えください。
○政府参考人(北島信一君) 御指摘のプール金問題につきましては、現在、会計検査院による検査が行われているわけです。まだその決算検査報告が発表されておりませんけれども、二つの事情がございます。
 外務省が、去年十一月三十日に公表した調査報告書の時点では、当時は捜査当局に資料が押収されていたことの結果、包括的な調査を行うことができなかった。その資料を今回、会計検査院により検査を行うことができたということと、その後、会計検査院の要請に基づき外務省が更に行った調査において、企業側よりの協力を昨年に比しより積極的に得ることができたということで、昨年の調査報告書の上でのプール金総額に比べて、今度示される報告書の上での額は増えるということがございます。
 昨年の時点で、もちろん外務省としまして再発防止策ということでいろんな措置を講じたわけでございます。外務省としまして、恐らく今月末に会計検査院が公表する報告を踏まえまして、必要な追加的措置を講じたいというふうに考えます。そうした措置の徹底等を通じて国民の信頼回復に努めてまいりたいというふうに思っております。
○高野博師君 終わります。
○吉岡吉典君 平壌宣言と日朝交渉に関連して、幾つかの基本的な問題についてお答えを求めたいと思います。
 私は、日朝の平壌宣言が発表され、日朝交渉が始まりまして、第一回交渉では必ずしもうまくいったとは言えませんけれども、しかし、交渉がなお曲折を経るにしても、今度の交渉は平壌宣言の方向でまとまるであろうという期待を強く持っております。
 私は、戦後長い間、日本の朝鮮、韓国との過去の歴史的な関係を清算して、正常化そして友好関係が確立されることを願って、いろいろ勉強もしてきたつもりでございます。そういう立場から見ると、今度、展望が持てるという状態にとりわけ強い期待ができると思っております。それは両国の最高責任者の合意に基づく宣言だからであり、それに基づく交渉だからであります。
 もちろん、交渉には曲折があると思います。現に、交渉中断の声もかなり強く出されておりますし、私が耳にするところでは、国務省は日朝交渉に反対だとか、今ブレーキを掛けてきているというような怪情報が盛んにマスコミ関係者から届いてまいります。しかし、そういういろいろあるでしょうけれども、私は大臣があいさつで述べられた、交渉に粘り強く取り組みますとおっしゃった点を貫いてほしいと思っております。
 そして、この問題がいろいろ論議される中で、第一回交渉を踏まえての議論を見ても、私が思い出すのは一九九九年にアメリカのペリー特使が出した報告。それのときの記者会見あるいは報告書自身の中で、米朝交渉は過去においても挫折もあれば困難もあった、将来においても間違いなく困難が続くであろうと言いながら、しかし慎重さと忍耐強さを持って自らの目標を追求することが求められると語り、さらに挑発にも適切に対処するということまで述べていた。そういうことは我々が北朝鮮との交渉の中ではヒントとして生かすべき点があると思って、私はその言葉を今思い出しております。
 そういうことを踏まえて、私が今度の交渉を、曲折は経ても必ず成功するだろうという期待を持つことは行き過ぎなのかどうなのか、大臣のまた粘り強くやるという決意はどうかということを、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 日朝国交正常化交渉というのは、今後様々な山、谷を越えていくことになると思いますけれども、私は戦後五十年間正常化されていなかった、不正常な状態にある日本と北朝鮮の国交が正常化をされる、これを行うということが歴史的な責務であるというふうに、小泉総理もそうおっしゃいましたが、私もそう思っております。これを、この地域の平和と安定に資するような形で行っていくことが大事であると思います。
 そういった認識をきちんと持って、そして粘り強くこの正常化交渉を行っていくということについて、今決意を新たにしております。
○吉岡吉典君 今度の日朝首脳会談での平壌宣言については、国際的に非常に高い評価が寄せられました。中には、戦後初めて日本外交が国際的な評価を受けたと言う人もあります。
 初めてかどうか別としまして、その世界の期待がなぜ寄せられたのか、何に期待されてそういう高い評価があるとお考えになっているか、お伺いします。
○国務大臣(川口順子君) この日朝の国交の正常化の交渉に対して、国際的にはいろいろな考え方が存在をしているというふうに思います。
 それで、一つ評価をされていることがあるといたしましたら、その点というのは、この日朝の国交正常化を日本と北朝鮮という二国間の関係だけでとらえているということではなくて、先ほど私はこの地域の平和と安定に資するというふうに申しましたけれども、正に地域の平和と安定、国際の平和と安定ということを考えて、それをきちんと掲げてそれをやっていく、そういうその取組に対して評価があるということだと思います。
○吉岡吉典君 私もそのように思います。
 今度の交渉がアジア、さらに世界の平和と安定につながるものだということになれば、これを成功させることはいよいよ重要な課題ということになると思います。私は、辛抱強さを発揮して是非とも成功させなきゃならない課題に直面しているということを強調して、次に具体的な問題の一つである核問題についてお伺いします。
 核問題については、米朝協議で核開発を認めたということで、一斉に新聞での派手な報道がありました。その中には、アメリカ国務省が日本の政府要人に対して、核開発をしていることを認め、その射程は日本に向かっていると伝えたなどというものもありました。
 これが、そういうのは僕は正確だと思いませんけれども、まずこの問題見る上で、北朝鮮はアメリカのケリー氏に何を認めたかということをきちっとしておくことが重要だと。北朝鮮が核開発しているかどうかといういろいろな分析、判断もあると思いますけれども、そういう判断は区別して、北朝鮮が認めたのは何だったかと、この点、お伺いします。
○政府参考人(田中均君) これは十月の十六日のアメリカの国務省報道官の談話として出されているところでございますけれども、十月の三日から五日にケリー米国務次官補を代表とする米国代表団が北朝鮮を訪問した際、北朝鮮側に対し、北朝鮮が合意された枠組み及びその他の合意に違反して核兵器用のウラン濃縮プログラムを有していることを示唆する情報を最近入手したと伝えたところ、北朝鮮当局関係者は、そのようなプログラムがあることを認めたということでございます。
○吉岡吉典君 衆議院、参議院の予算委員会で行われた論議を読んでみますと、小泉首相は答弁の中で、核の問題に対しアメリカ側と密接に情報交換をしており、ピョンヤンに行く前から情報提供を受け、それを踏まえて日朝会談に臨んだということを述べておられます。
 私の想像ですが、私は、小泉首相は恐らくアメリカが入手し日本にも提供したという今の濃縮ウランプログラムも念頭に置いて交渉に臨まれ、そのことについても恐らく言及しながらの意見交換というか交渉があったと思っております。それのやり取りは一々公表はされていませんけれども、私はそう思っております。
 そこで、そういう論議を踏まえた上で、平壌宣言にあるところの、双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のために、関連するすべての国際合意を遵守することを確認したと、こういうふうに認められていることは私は大変大きい意味を持つなという感じを受けます。というのは、既に小泉首相はそれも念頭に置いて協議し、それを国際合意に沿って解決するということが確認されているのが平壌宣言ではないかという気がするからであります。
 したがって、これは、今問題になっている濃縮ウランの開発プログラムですか、これをなくすことの合意だとも言えるんじゃないかと私は思いますけれども、その点はどういうふうに取ったらいいのかということをお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 正に委員がおっしゃるとおりで、この平壌宣言を守らなければ、遵守をしなければ正常化交渉は妥結をしないということを言っているわけでございまして、ここに書いてあるような国際的な核に関する様々な合意、これを北朝鮮が遵守をする、そういうことをさせるということによって正常化を図っていくと、そういうことでございますので、問題を正に解決をこれによってするということを見届けると、そういうことであろうと思います。
○吉岡吉典君 この平壌宣言が発表された後で米朝協議の内容発表があったために、順序からいうと逆さまになった形で私どもは受け取ったわけですけれども、しかし流れから見ると、大体この平壌宣言というものの合意というのは、少なくとも北朝鮮が米朝の協議で認めたと言われるもの、その点については、なくすよりどころになり、朝鮮半島の非核化へ向かう上での大きなよりどころを小泉総理はこの間の日朝会談でかち取られたものだというふうに私は理解します。したがって、この方向で、核兵器がなくす、核開発計画が解消される方向での努力を要請したいと思います。
 その次の問題は、拉致の問題です。
 拉致問題については、私は、これも両国の首脳の協議での合意があるわけですから、これはなかなか困難を伴うだろうと思いますけれども、是非とも解決してもらいたいし、解決ができるだろうと期待したいと思います。
 私は、日朝のいろいろな長い交渉があり、外務省は何もやらなかったというふうないろいろな非難もありますけれども、失敗もあったろうし、弱点もあったろうけれども、そういうすべての努力が今日の到達点だろうと思っております。
 この間、数年前に、ある外務省の幹部からこういう話を聞いたことがあります。それは、拉致家族の気持ち、苦労が分からなければ日朝交渉を成功させることはできないだろうと思っていますと。そこだけ、それだけではなく、拉致された人の家族の苦悩が分かれば分かるほど、日朝交渉のもう一つの議題である過去の清算の問題で、朝鮮側にも同じ苦労を、苦悩を持った人々がいたであろうということが考えられると、その苦労も分からなければ日朝交渉を成功させることはできないだろうというお話を聞いたときに、こういう考え方で臨めば、これは長期間掛かっても解決するなと私は思いました。
 私が言いたいのは何かというと、交渉というのは、やはり時には強硬な態度も取らなくちゃならないわけですけれども、やはり道理があればそれは必ず実現するというように思います。とりわけ、強い立場にある者は時には強い態度を表明するにしても、基本的にはやはり道理があるかないかがすべてを決めるというふうに思っております。そういう点で、今度のこの拉致問題というのは一体どういう性格の問題なのかということを明らかにし、それを踏まえた解決の交渉をやっていただきたいと思います。
 衆参両院の国会決議では、拉致問題について、主権侵害事件であり、人権侵害事件であるという内容の決議になっております。そういう点、政府、外務大臣はどういう性格のものだとお考えになっておりますか。
○国務大臣(川口順子君) 拉致事件の事実解明についてはまだまだしないといけない、そうしないと最終的にはっきりこの問題の性格については言えない面も残っておりますけれども、これが、北朝鮮の公的な機関が日本国民を拉致をしたということについては国際法違反であるというふうに思います。日本から連れていったということでいえば日本の領域主権の違反でありますし、また、拉致された人たちとの関係でいけば人権の侵犯であるということが言えると思います。
○吉岡吉典君 時間の関係でこれ突っ込んでできませんから、今日は総論的にもう一つ、平壌宣言の第二項のかかわりでお伺いします。過去の清算の問題であります。
 私は、日本の植民地支配の清算ということについて交渉を進める場合に、念頭に置いていただきたいことがあります。それは、交渉の席に着くのは北朝鮮ですけれども、しかし、この問題を自分自身のこととして韓国もまた見詰めているということです。一九六五年の日韓基本条約では、やはり十分この問題の解決には至らなかった。それが韓国におけるいろいろな形で繰り返し繰り返し表れてきている。これはもう私、細かく一々言いません。
 最近では、日朝交渉が進む中で、韓国の学者が北朝鮮の学者と共同して、韓国が日韓基本条約で実現できなかったことを日朝交渉で是非実現してくれという、提携して運動をやっている例も私は知っております。朝鮮の総督府に残された膨大な資料が韓国では出版されておりますが、例えば、そういう資料をピョンヤンで朝鮮の学者、韓国の学者、共同で展示会をやるというようなことも行われたということを私は聞いております。
 そういう点で、日朝交渉ではあるが、第二項にかかわる部分は韓国もまた言わば同じ気持ちでその結果を見守っていると、そういうことも是非念頭に置いた交渉にしていただきたいと思いますが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 日朝平壌宣言で「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。」というふうに書いてございます。これをきちんと踏まえて今後の国交の正常化交渉をやっていきたいと考えています。
○吉岡吉典君 もう一つ、第二項に基づく交渉を進める場合に要望したい点は、植民地支配をめぐっての政府の認識、この点について日本政府の現在の到達点を後戻りさせるようなことはないようにしていただきたいということです。
 長い戦後の国会論戦の中では、日本の植民地支配に関する論議が行われ、政府の答弁もたくさん行われております。その答弁の中には、政府の今日の到達点から見ればはるかに不正確なものもあり、それはその後訂正されているものもあります。例えば、一九六五年の日韓条約審議の中で、当時の佐藤首相らが、併合条約は完全に自由な立場で、対等な立場で締結された条約だという答弁をされ、それは日本と韓国の間の本当の友好、信頼の関係を築く上での大きなとげになってきておりました。私はそのとげを抜かなくちゃならないと思い続けましたけれども、それはやっと一九九五年になってから訂正されたということです。それをまた後返りさせるようなことがあってはならないし、その他私は幾つか大体速記録は読んで、この答弁では日本と韓国の関係、日本と朝鮮の関係、うまくいかないと思うもの幾つか知っておりますけれども、ここで一々は挙げません。
 ただ、そういうのが九〇年代に入って進んだり後返りしたりということがあったと私は思いますけれども、しかし、いずれにせよ、一九九二年か三年、九二年ですね、宮澤総理の韓国国会での演説、この中では、我が国が加害者であり貴国がその被害者であって、この間朝鮮半島の方々に大変な苦労を与えたという内容の反省とおわびを表明される演説があり、それから一九九五年の村山談話があり、さらに九五年の十一月、村山総理の金泳三大統領あての書簡があり、その書簡の中では、韓国併合というのが民族の自決と尊厳を認めない帝国主義時代の条約である、過去における国策の誤りを認め、我が国が多大の被害と苦痛を与えたというような内容で、過去の謝罪をきちっとするというようなことがありました。
 こういう到達点を後返りさせたのでは、これは北朝鮮との関係でも成功しないだけでなく、韓国との関係も悪くすることにもなると思います。そういう点で、私は少なくとも到達点を後返りさせるということはないということをここで確認していただきたいと思います。大臣、お答え願います。
○国務大臣(川口順子君) 過去の我が国の植民地支配に関する政府の歴史認識については、今まで、平成七年の例えば村山総理の談話等々で明らかにもしているというとおりでございまして、この過去の植民地支配についての政府の考え方、これが後退をするということはないということでございます。日朝国交正常化交渉は平壌宣言に基づいて行われているわけでございまして、その中に先ほど読み上げたようなそういう文言がきちんと書いてあると、そういうことでございます。
○吉岡吉典君 私は、繰り返すようですけれども、この日朝の平壌宣言第二項の具体化という問題は韓国も極めて大きい関心を持っているものであり、したがって、日朝国交正常化の交渉であると同時に日韓関係をも一層良くしていく内容も持つ交渉だということも念頭に置き、さらに、私はここで一々取り上げませんし、また国会で歴史の一つ一つを明らかにする必要はないと思いますが、しかし、過去の答弁、政府が国会で答弁して記録に残っているものについては、必要なものは改めて研究し直すというような努力も含めて、後へ悔いの残らないような解決を図っていただきたい。
 というのは、日韓基本条約後、ずっと韓国では日本の過去についての強い批判があり、それからまた、いろいろな訴訟事件まで起こっているわけでして、今度の日朝交渉ではこれできれいに終わって、後からまた延々と過去の批判が続く、また訴訟事件が起こるような問題もないような解決を、日朝交渉を通じて日韓関係も良くなるというような方向を念頭に置いていただきたいということを要望し、最後にそういう点を含めての大臣の御意見、もう一回お伺いして終わりにします。
○国務大臣(川口順子君) 政府が今まで言ってきたような過去の植民地の支配についての政府の考え方、これを後退をさせることなく、日朝平壌宣言に基づいて北朝鮮との国交正常化交渉を行っていく考えでございます。
○吉岡吉典君 終わります。
○田村秀昭君 防衛庁長官がおられますので、先日の長官の所信表明の中で省昇格を強く訴えておられました。是非、実現をさせるようにお願いしたいと思います。まずきちっとした防衛力が、枠組みがきちっとしない、自衛隊の位置付けが明確にならない状態で外交も経済も私は良くならないというふうに思っております。
 それでは、外務大臣に御質問させていただきますが、今回の北朝鮮との国交正常化交渉というのが行われようとしていますが、なぜ国交正常化しなきゃいけないのかお尋ねいたします。
○国務大臣(川口順子君) 一番基本的な問題であると思いますけれども、北朝鮮は我が国の日本海を隔てた大変に近いところに存在をする国であるということです。その国との国交が五十年以上正常化をされていない状況で来ているということは非常に不正常なことであると思います。これをきちんと正常な形にする、これが今、日本がなさなければいけないことである。しかも、それをやるに当たってはこの近隣の平和と安定を考えたときに、それに資するような形で行わなければいけないということであると考えております。
○田村秀昭君 この五十年間、国交正常化をしてこなかった、近くにある国だから是非正常化したいと、そういうお答えだったと思いますけれども、ほっておけばそのままもう体制が崩壊するような状況にある国に、そういう時期に、国交正常化といっても経済援助をするということだと思いますけれども、そういうことをする必要があるのかどうかということを十分に検討する必要があるんじゃないかと私は思っています。
 我が国としては、国交正常化しなきゃならないような状況にもないし、何にも困らないわけですから、そういう点も含めた総合的な検討がなされる必要があるんではないかと私は思いますが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 国交正常化をしなければ、あるいは今の北朝鮮と日本との関係を見て、我が国が困る状況になっていないかどうかということは一つ大きな問題であると思います。拉致の問題、あるいは工作船の話、ミサイルの問題、核開発の問題、すべて取ったときに、我が国がこれを、この問題を解決をして正常化をしていくということは非常に重要な問題であるということになると私は考えています。
○田村秀昭君 国交正常化という言葉はいいですけれども、結局六千五百億円以上のものを払うということですね。今、経済援助をするということだと私は思っているんですよ。
 国交正常化というと、何かまず国交正常化がいいことだみたいな考え方が先にあるんじゃないかと私は思うんですが、工作船にしろ拉致の問題にしろ何も解決しないで、特に私は、経済援助をするということであれば日本に向かっているノドンを全部配備をやめさせると、そういう条件がきちっとないと、何にもしないで、ただ近くにある国だから仲良くすることはいいことだという話で外交交渉をされるということは、私は日本の国益に反するというふうに思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理が九月十七日に訪朝なさったときに署名をした日朝平壌宣言、これにのっとって国交正常化交渉は行っていくということで、北朝鮮側とここはきちんと合意をしているということでございます。
 それで、その平壌宣言に様々なことが書いてあるわけでございますけれども、今、委員がおっしゃったようなことを、例えば安全保障の問題であれば、一々読み上げませんけれども、そういうことも書いてございますし、拉致の問題も書いてあるということです。
 それで、この平壌宣言を遵守をする、平壌宣言の精神と基本原則に従って国交の正常化交渉を行っていくということで正にあるわけでございますから、北朝鮮側がこれを遵守をしないような状況であれば、国交正常化交渉は妥結をしないということになります。
 そして、この平壌宣言に書いてありますけれども、経済協力についていえば、これは国交正常化の後と書いてございまして、国交正常化が行わなければ経済協力はなされない、そういう組立てになっているわけです。
○田村秀昭君 そうすると、今、外務大臣のおっしゃったのは、日本列島を射程に入れているノドン百基の配備は撤廃すると、そういう条件がきちっと合ってから、それを見届けてから経済援助をすると、そういうふうにおっしゃっているんですか。
○国務大臣(川口順子君) ノドンミサイルにつきましては、前回クアラルンプールにおける交渉の際に、北朝鮮側に対して、我が国を射程に入れているノドンミサイルのうち既に配備済みのものの廃棄等について北朝鮮側に具体的な前向きの対応を求めたと、そういうことでございます。
○田村秀昭君 ちょっと外務大臣のお答えよく分からないんですが、ノドンミサイルの配備は百基全部撤廃をする、そういう条件がなければ経済援助しないと、そういうお答えだというふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(川口順子君) 経済援助といいますか経済協力は、この平壌宣言に書いてあるとおり、国交正常化が行われた、正常化の後行うというふうにこれは宣言に書かれているわけです。
 それで、国交正常化自体については、正にこの日朝平壌宣言を守る、ここに書いてあることが守られるということがなければこの正常化の交渉は終わらないということを言っているわけです。
 したがいまして、ここに書いてあるようなこと、核の問題を含む安全の問題、安全保障の問題、そういった問題についても、我が国としてはこれを最優先課題、拉致の問題と並んで最優先課題として取り上げて交渉をしていると、そういうことでございます。
○田村秀昭君 外務大臣、私の質問に答えていただきたいんです。
 平壌宣言に書いてあるとか書いてないとか、そういう話を聞いているんじゃないんですよ。ノドンミサイルの配備を撤廃したことを見届けてから経済援助をすると、そういうお考えなのかどうかをお聞きしているんです。
○国務大臣(川口順子君) 安全保障について、お互いの、例えばここに書いてあることは、国際法を遵守して互いの安全を脅かす行動を取らないということを確認をしているわけです。それからさらに、核の問題について、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の問題について、途中飛ばしますが、問題解決を図ることの必要性を確認をしているわけです。
 こういったことが守られなければ国交正常化は、交渉は妥結をしない、したがって経済協力も行われないと、そういうことでございます。
○田村秀昭君 そうすると、私の質問は、そこに書いてあることじゃなくて、ノドンの配備をやめれば経済援助をすると、そういう理解でよろしいですねという質問なんですから、それを何かペーパーをお読みにならないで、ちゃんとお答え願いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 具体的にここの平壌宣言で言っているのは、正に先ほど読み上げたような互いの安全を脅かさないとか、それから核とかミサイルの問題解決を図ることが必要だということを確認をしたと、そういうことでございまして、具体的に、ミサイルの問題だけではなくて、何と何と何が北朝鮮がイエスと言わなければこれが満たされないか、あるいは満たしたことになるのかという具体的なことについては、それはこれから正に議論をしていく中でどういうことが必要かということは議論はしていくということですけれども、この平壌宣言に基づいて、ここに書いてあることが確保されなければいけないと言っていることは、正にミサイルの問題も含めてこれは言っていると、そういうことでございます。
○田村秀昭君 時間がありませんので。
 このノドンの話というのはアメリカは関係ないんですよ、アメリカには届かないんだから。日本列島だけですよ。だから、この問題が外される可能性が非常に高いんです。ですから、我が国としては、我が国全域が射程に入っているミサイルの撤去を強く求めなきゃならない。アメリカは求めてくれませんよ、アメリカは入ってないんだから、届かないから。だから、アメリカはテポドンのことしか言わない。そのことだけを強く申し上げて、質問を終わります。
○大田昌秀君 最初に、外務大臣と防衛庁長官に素朴な質問をさせていただきます。
 まず外務大臣、外務大臣の沖縄問題に関する御認識をお聞かせください。つまり、沖縄問題は沖縄という特定の地域の問題とお考えなのか、それとも日本全国の重大な問題とお考えなのか、その辺りをお聞かせください。
○国務大臣(川口順子君) 沖縄問題と委員がおっしゃられたその沖縄問題というのは、沖縄に基地が集中をしていると、そういう問題だろうというふうに思いますけれども、日本の安全保障ということを考えたときに日米安保条約ということは非常に重要であって、そのメリットといいますか、そのもたらす安全というものは日本国全部がこれを享受をするということであると思います。
 それで、それを行うために日本として様々な、日米安保条約に基づいていろいろなことをやっているということでございますけれども、それの負担が、米軍の施設区域が沖縄に集中をしているということによって沖縄の県民の方に非常に負担が大きい、負担をお掛けしているということになっていると私は思っています。
○大田昌秀君 防衛庁長官、お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 外務大臣と同じ認識でございますが、更に加えて言えば、日米安全保障条約というものから考えて日本全体の問題であり極東全体の問題である、メリットを享受するという意味から言えば、そういうような見方もできようかと思います。
○大田昌秀君 今、外務大臣は日本全国の問題という趣旨のお答えをされたわけですが、今回の所信表明で沖縄問題について全く触れておられませんけれども、もう既に沖縄問題は解決されたと認識されてお触れにならなかったのですか。
○国務大臣(川口順子君) 今回の所信で沖縄問題について触れていないということは、そういうことで事実でございます。で、今回は国際社会、焦点を国際社会が直面をしている課題ということに絞ったということでございましたので、沖縄の問題に直接には触れなかったということでございますけれども、当然のことながら、沖縄の抱えている諸問題が解決をしたから触れなかったということではなくて、この問題について引き続き努力をしていかなければいけない課題であるということについては当然そう思っているわけです。
○大田昌秀君 外務大臣は、今のお答えですと、沖縄問題というのはどちらかというと国内問題で、国際問題とはそれほど関係がないというふうに御認識だと受け止められるわけですが、そういう御認識だと判断してよろしゅうございますか。
○国務大臣(川口順子君) そういう意味で申し上げたわけではなくて、国際社会が今抱えて緊急に対応を必要としている正に喫緊の課題に焦点を絞ったと、そういうことでございます。
○大田昌秀君 防衛庁長官は、SACOの最終報告を忠実に実行することが沖縄の基地の整理縮小につながるという趣旨の御発言を今回の所信表明で述べておられるわけですが、私が前回からずっと問題にしておりますことは、SACOの最終報告の内容と現在政府がやっておられる普天間の代替施設の中身というのが違うということを繰り返し申し上げてきたわけですが、これまで一体どういう手続でこの中身の変更をされたのか。
 SCC、つまり日米安全保障協議会、それから日米安全保障高級事務レベル協議、普天間実施委員会、こういういろんな手続機関がありますですね。これをこれまで何回ほどお開きになって、どこでSACOの中身の最終報告と現在政府が取っておられる政策は調整されて決定されたわけですか。
○国務大臣(川口順子君) 普天間の話に関連をしまして、これが例えば滑走路の長さとか、例えば工法とか、そういったことについて元々SACOの最終報告の時点で考えられていたことと違いがあるということはおっしゃったとおりでございます。
 それで、ただ、そういうことではございますけれども、今の代替施設の整備を行って、整備による普天間飛行場の移設・返還が、今の時点で最大限実施をし得る米軍施設区域の整理縮小、統合を図るという、そういったSACOの最終報告の趣旨に合致をしているという点では、これはいささかの変化もないというふうに思っています。
 それで、アメリカとのすり合わせのお話でございますけれども、これは米軍とも、この過程においてアメリカ側とも密接に協議をしてきているわけでございまして、今年の十月の二十三日に普天間実施委員会が開催をされましたけれども、ここでもアメリカ側から、日本政府がアメリカ側との密接な協議を踏まえて今年の七月二十九日に基本計画を決定をしたということについては評価をするという発言がございましたし、それから日米間において今後基本計画に基づいて普天間飛行場の移設・返還に向けて作業を実施をしていくということでございますけれども、それを進めていくということについて日米間で一致をしたということ、そしてその旨を日米安全保障協議委員会の構成員に報告をするということになっているわけです。
○大田昌秀君 そうしますと、日米安全保障協議会でまだ決定していないというふうに受け取ってよろしゅうございますか。つまり、飛行場の滑走路の長さはSACOの最終報告では千三百メートルとなっておりますけれども、今は二千五百メートルで作業を進めておりますけれども、それは決定のないままにやっているということでございますか。
○国務大臣(川口順子君) 2プラス2というのは、開くということが今まだ決まっていないということでございますので、そういう形式的な意味で議論をするという意味ではまだということですけれども、実際は、先ほど申しましたように、普天間実施委員会でも行っているし、それからこの基本計画に基づいて日米でそれぞれ実施に向けて、それぞれといいますか、日米でやっていきましょうということは一致をしたと、そういうことで、実質的にはそうだということです。
○大田昌秀君 SACOの決定というのは、最終報告の案の決定というのは、SCC、つまり日米安全保障協議会で決定したものなんですよね。ところが、そこでまだ報告されていない段階で、工法も決まり、それから滑走路の長さも二倍以上に増えている、二倍になっているという、そういう状況というのは、そんなに一方的に簡単に決めれるわけですか。
 私が前も御質問したんですが、SACOというのは一体どういう性格のものなのか。一方的に日本側だけでこうするということで決まれば、それで決定、そして最終報告をSCCにすればいいということなんですか。
○国務大臣(川口順子君) 日本側だけで決めたということではないということを今申し上げているということでございまして、正にアメリカ、普天間実施委員会の場で日本がアメリカ側と密接な協議を踏まえて七月二十九日に基本計画を決めたということについて米側から評価があったということでございます。
 そして、それを今後、基本計画に基づいて普天間飛行場の移設・返還に向けた作業を進めていくということで日米一致をした、そしてそれを2プラス2の構成員に対して報告をするということになったということでございまして、日本とアメリカとその点について一致をしているということです。
 元々、これがSACOの最終報告の趣旨に照らして、それに合致をしているということについても先ほど申し上げたとおりです。
○大田昌秀君 今の問題はちょっといかがなものかと思いますね。普天間実施委員会というのは下部機関ですよね。そして、最終的に決定権を持つのは日米安全保障協議会になるわけですね。つまり、工法とか規模とか予算の問題とかというものが絡んでくるわけですから、それを下部機関の実施委員会が最終決定して、長さを二倍にしたりそういうことができるとすれば、じゃ、関連してお伺いしますけれども、それじゃ十五年期限問題というのはどういうふうになっているんですか。これは、県側がしきりに要請しておりますけれども、これについても、今のSACOの中身を変更できるように、可能だとすれば、十五年問題というのも普天間実施委員会で簡単に決めることができるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) SACOの最終報告、この普天間飛行場に関するSACOの最終報告、ここにおいては、普天間実施委員会は普天間飛行場移設の計画について定期的に見直しを行うこととされていると。そういうことでございまして、したがいまして、普天間実施委員会が日本政府が決定をした基本計画を踏まえて普天間飛行場の移設・返還を進めていくことで一致をして、この見解をSCCの構成委員に報告をすると、そういうことになったと、そういうことでございます。
○大田昌秀君 今の問題はちょっと理解しかねる点ですが、防衛庁長官にお伺いします。
 防衛庁長官はSACOの計画を、SACOの最終報告を実施すれば沖縄の基地の整理縮小につながるとおっしゃったわけですが、仮にSACOの最終報告案が実施されたとした場合、沖縄の基地の実情はどうなるんでしょうか。どの程度になるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、SACOの最終報告を着実に実施することが軽減する確実な道であるというふうには申し上げておりますが、仮にそれをやった場合に本当にどれだけ減るかということにつきましては、それぞれ認識の相違はあるのだろうと思っております。完全に達成されたとしても、これは不十分だという御認識は当然お持ちの方あろうかと思いますが、いずれにせよ、これを着実に実施をするということが現段階では最も確実な道だというふうに思って申し上げた次第でございます。
○大田昌秀君 SACOの最終報告書は、十一の施設を返した場合にどれだけの面積が減ってどうなるということをはっきりと示しているわけですから、今のようなお答えでは、どの程度どういうふうに減るんですか。
○国務大臣(石破茂君) 約五ポイント減というふうに承知をいたしております。
○大田昌秀君 つまり、SACOの最終報告を完全に実施したとしても、在日米軍の専用施設の七〇%程度は沖縄に残るということになるわけなんですね。そうしますと、防衛庁長官としては、SACOの、第二SACOとでも申しますか、名称はちょっとどうかと思いますけれども、再びそういったSACOみたいなものをお作りになって、在日米軍専用施設の七〇%が依然として残る沖縄の基地の整理縮小に真剣に取り組まれるという決意はおありでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、沖縄にあります地政学的な意味も含めまして在日米軍の存在意義によるのだろうと思っております。周りの環境もそうでしょう。冒頭に外務大臣また私が申し上げましたように、それが日米安全保障条約、日本の安全、極東の安全に資するものである。しかし、それは沖縄の方々の御負担によって日本全体がメリットを負っておるということだと思います。
 そういう認識の下で、もちろん基地は少なく、そして御負担が少なくあることが望ましいことは言うべくもありません。その方向は当然求められるべきものだと思いますが、しかし、それによって本当に極東の、また日本の平和と安全が保たれるかということの問題だと思っております。
○大田昌秀君 最後の質問になりますが、もしそういうお考えですと、太平洋地域とアジアの平和と安全に寄与するという、日米安全保障条約が寄与するということでしたら、どうして本土の方でももっとその責任と負担を負おうとなさらないんですか。沖縄の基地をもっと本土の方にも移して、共通に、大事な平和を作るという問題あるいは安全保障をするという問題について取り組まれようとなさらないんですか。つまり、七〇%を沖縄に残してそういうことをおっしゃるというのは、余りにも沖縄の方に過重な負担を掛けるということになりませんか。
○委員長(松村龍二君) どなたに御質問でしょうか。
○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いします。
○国務大臣(石破茂君) それは委員が知事をお務めでいらっしゃいましたから、事情はよく御存じと思います。またこの委員会で議論をさせていただきたいと思いますが、沖縄の置かれた地政学的な位置というものに起因するところが大きいだろうと思っております。
 委員御指摘のように、確かに日本全体で負うべきものであり、それは沖縄から移転ができるものがあるとするならば、日本のあるいは本州や四国や九州や北海道や、そこが負うべきではないか、そういう議論は当然あり得るのだろうと思っています。しかし、私が考えておりますのに、沖縄の置かれたそこの位置というものが持つ意味が非常に大きいというふうに考えておりまして、押し付けてあとは知らん顔というようなことがあってはならないと思っております。
○大田昌秀君 終わります。
○委員長(松村龍二君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時六分散会