第155回国会 外交防衛委員会 第8号
平成十四年十二月五日(木曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     風間  昶君     高野 博師君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     小林  温君     矢野 哲朗君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     齋藤  勁君     郡司  彰君
     田村 秀昭君     渡辺 秀央君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     舛添 要一君     片山虎之助君
     郡司  彰君     齋藤  勁君
     渡辺 秀央君     田村 秀昭君
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     舛添 要一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                山下 善彦君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       増田 好平君
       防衛庁防衛局長  守屋 武昌君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       防衛庁人事教育
       局長       宇田川新一君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務大臣官房審
       議官       奥田 紀宏君
       外務省総合外交
       政策局長     西田 恒夫君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   天野 之弥君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省経済局長 佐々江賢一郎君
       外務省条約局長  林  景一君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        細野 哲弘君
       海上保安庁次長  津野田元直君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (イラク情勢に関する件)
 (イージス艦のインド洋への派遣に関する件)
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (外務省の「プール金」問題に関する件)
 (沖縄米軍基地問題に関する件)

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○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十八日、風間昶君が委員を辞任され、その補欠として高野博師君が選任されました。
 また、去る十一月二十九日、小林温君が委員を辞任され、その補欠として矢野哲朗君が選任されました。
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○委員長(松村龍二君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高野博師君を指名いたします。
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○委員長(松村龍二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官増田好平君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房審議官奥田紀宏君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官天野之弥君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省北米局長海老原紳君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、外務省条約局長林景一君、資源エネルギー庁資源・燃料部長細野哲弘君及び海上保安庁次長津野田元直君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村龍二君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○舛添要一君 最初に、イラク情勢絡みのお話をしたいと思いますけれども、まず外務大臣、お伺いいたしますが、日本の外交努力の一環としてイラクの周辺諸国に特使を派遣なさって、事態を何とか鎮めるという方向で努力なさったと思いますけれども、どういう成果があったか、御報告願いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 中山元外務大臣、そして高村元外務大臣、茂木外務副大臣を派遣をいたしまして、それぞれお帰りになられて、実はサウジアラビアだけ日程の調整が今の段階で付かなかったものですから、また十二月の中旬に高村元大臣に伺って、行っていただくことになっていますけれども、それぞれ日本の努力については非常に高く評価をされたということでございまして、そのより詳しい内容は、政府参考人から今ちょっと申し上げたいと思います。
○政府参考人(奥田紀宏君) お答え申し上げます。
 今、大臣の方から申し上げました三人の特使でございますけれども、それぞれの国々におきまして、特使派遣と、今回の特使派遣につきましては時宜を得たものであるということで歓迎を受けました。この総理特使派遣の結果、これまで我が国が主張してきましたとおり、イラクをめぐる問題を国際社会全体の問題としてとらえ、引き続きイラクに対し国際社会が一致団結して毅然とした態度で強く働き掛けるということが重要であるということで、これらの関係国、訪問した諸国との間で確認ができたわけであります。
 今次訪問は、イラクが大量破壊兵器の廃棄を始めとしてすべての関係安保理決議を履行するということに向けまして、イラクに対して強いメッセージになったというふうに考えております。
○舛添要一君 昨日、政府がインド洋にイージス艦を派遣するということを決定いたしましたけれども、この件について少し、内閣、外務省、防衛庁長官、いろいろお尋ね申し上げたいと思います。
 私自身、海上自衛隊の撮影したビデオも見ましたし、大変過酷な条件の中で勤務をしているということは重々分かっております。したがって、能力的に非常に優れているイージス艦を派遣するということは基本的に私は賛成です。しかし、その前提として、防衛庁長官以下襟を正してもらわないといけない問題があると。
 勤務中に飲酒をすると、こういうことがあって、それは、あんな四十度の熱射の中で、私もビデオを見ましたけれども、卵を割ったら看板の上で目玉焼きができるというような過酷な条件で、それは、酒を飲むというのは、気持ちは分かるけれども、そういうことをしっかりやらないで、片一方で勤務条件が過酷であるからイージス艦をくれと言うんなら、皮肉を言えば、酒出せばいいんだろう、イージス艦やる前に酒飲みたいんだろうと、こういうことになりますから、どういう処分をやって、そのモラルを立て直す気があるのかどうなのか。それは国民の前で謝罪してもらわないと、海外旅行へ行って物見遊山やっているわけじゃない。非常に危険な勤務をやっているところで、そういう日本国の生命線をちゃんと守っていく軍人としての意識はどうなったんですか。
○国務大臣(石破茂君) 舛添委員の御指摘は誠にそのとおりだと私は思っております。今回、どんなに過酷な条件であれ、隊司令あるいは艦長という者が飲酒を行っていたと。これは、飲酒がすべて禁ぜられておるわけではございません。これはそれぞれ定めがありまして、その中であれば飲酒は限定的に行ってもよいことになりますが、いやしくも隊司令、艦長という、そういう責任ある者が、隊員がみんな本当に過酷な条件の中で歯を食いしばってやっておるときに、その責任ある者であるがところの隊司令、艦長という者がそのような行為を行っておったということは極めて問題であるというふうな認識を私はいたしております。
 両名につきましては、現在、補職替えを行っておるわけでございますが、処分につきましては現在調査中であります。調査中というのは言い逃れているわけではございませんで、とにかくこれは乗っておる乗組員、関係しておる乗組員すべてから事情を徴しまして、何が本当の姿であるのかということの解明を今全力でやっております。明らかになり次第、速やかに適正な処分を行いまして、今、委員御指摘のようなことが言われないように、問題は、要するにみんなが一生懸命やっておる、それで、その中で責任ある者が何事かという意識を私は持っております。御指摘を踏まえまして、厳正に対処してまいる所存でございます。
○舛添要一君 是非、それを防衛庁長官の責任においてやってもらわないと、これは海上自衛隊含めて自衛官を外にやるわけにはいかないということになります。片一方では、ストレスで亡くなっている乗組員もいるわけですからね。それは厳重にやっていただきたいと思います。
 それから、私は、基本的には、能力的に見てイージス艦の派遣には賛成だということを申し上げておりますけれども、ただ、今の問題とともに、あと二、三点ちょっとしっかりしてもらわないといけない問題がある。
 それは、要するにこのイージス艦、能力的に見る、それからいろんな観点から見て、過酷な条件で勤務しているその我が隊員のためになるというのはみんな分かっているわけです。しかし、イージス艦の問題を政治化したのはだれですかということですよ。防衛庁・自衛隊そのものでしょうと。つまり、九・一一が起こったときに、イージス艦を先走って出すような形を整えようとした、それがまず発端にあるわけですから、そこのところの経緯はどういうふうに反省なさっていますか。
○国務大臣(石破茂君) これは、イージス艦というものが政治問題化してしまったということについて、今、委員御指摘のような事情があったということは私も認識はいたしております。当時、私はもちろん長官であったわけではありませんが、そのときに一体どういう根拠に基づいてイージス艦を出そうとしているのか。それは防衛庁設置法によるのか何なのかというようなことがよくはっきりしないままに、それでは何でも出せるのかみたいな議論になってしまったと。それから、何の目的でなぜイージスが必要なのかということをきちんと御説明をするということを丁寧に作業としてやっておくべきであったというふうに思っております。
 あわせて、イージス艦というのはどのような船であるのかということをきちんと御説明をしなかったのではないか。もちろん、それはどさくさに紛れて派遣してしまおう、そのような考え方だったとは私は思いません。そのようなよこしまな考え方を持っておったとは思っておりませんが、国民に対する説明責任という点から考えたときに万全ではなく、政治問題化する一因となったということは反省をせねばならないという認識は持っております。
○舛添要一君 さらにもう一点、これは明確にしておきたいんですけれども、十一月の中旬にテロ特措法に基づく基本計画が延長をいたしましたね。そのときはイージス艦派遣しない。それからまあ二、三週間たって、今派遣する。ちゃんと説明できますか。
○国務大臣(石破茂君) これは論理的には御説明が当然できるものであります。
 今、委員御指摘のように、では延長の際にどうであったかということを考えてみますと、あのときにイージス艦を派遣しないということは申し上げたと考えておりません。そのときには、諸般の情勢を考えながら我が国として主体的に判断をいたしたい、必要なら出す、必要でなければ出さないということを申しました。当然のことでありますが、イージス艦を出す出さないというのは基本計画とは関係がございません。したがいまして、基本計画の延長の際にイージス艦を載せるということは、論理的には連関しないものであったというふうに思っております。
 では、今回なぜなんだと、それではあのときに決めておけばよかったではないか、あのときに国会の御議論も承るべきではなかったかと、それは条件ではありませんが、という御指摘でございますが、誠に熟慮を重ねまして、いろんな条件を考え、またいろんな皆様方の御意見もお尋ねをして、本当に出すという決断をしたのは昨日ということでございまして、あの時点ではまだ決断をするに足りる状況が完全には整っていなかったということだと考えております。
○舛添要一君 昨日の長官の記者会見でもそのことの説明はあったと思いますが、しかし、やっぱり今ローテーションが難しいとか、いろんなほかの護衛艦に比べてレーダー能力含めて大変優れている、そういうことはよく分かりますけれども、要するに、アメリカからアーミテージさんが来られる、八日の日に来られる。どうもやっぱりアメリカの外圧でやっているんじゃないかな、こういう意見が出てくるわけです。これに対してちゃんと、日本独自の判断でちゃんとやったということは政府として言えますか。
○国務大臣(石破茂君) これは、もうアメリカから要請があったかというふうに言われれば、これはございません。つまり、この船を何のために出すのかといえば、それはローテーション論であり安全の確保論でありあるいはアメニティーの向上であり、いろんな理由がございます。すべての理由は、テロ特措法の目的達成のためにこの船が必要なのかどうなのかという我が国の事情に基づく我が国の主体的な判断であります。合衆国からそういうことを要請されたという事実はございません。これは、私どもが国際社会の責任ある一員としてテロ撲滅のために何ができるかということで法を定めました。その目的達成のために、我が国のために行うものであります。外圧ではございません。
○舛添要一君 米軍とデータリンクを使って情報共有をやる、これはほかの護衛艦だってできるわけですが、しかし、与党内の一部にもあるように、その情報共有というのが集団的自衛権の行使になるんではないかという意見がありますけれども、例えばこういうことをやったらこれは集団的自衛権の行使になるという、そっちの例が挙げられますか。まあ一般的な御説明しか昨日段階でも長官なさっていないんですけれども、そこをちょっと突っ込んだ議論ができますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 結局、これは集団的自衛権とは何なんだというところまで戻って考える必要があるんだろうと思っています。集団的自衛権というものに対する認識はそれぞればらばらであって、ただ集団的自衛権という言葉をめぐって議論をしても余り実のあるお話にはならないというふうに考えております。
 つまり、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化されるという地位を有するということが集団的自衛権というふうに考えております。そしてまた、我が国が集団的自衛権を国際法上有していることは主権国家である以上当然であるが、こういうフレーズが続くわけですね。
 そうしますと、実力をもって阻止するとは一体どういうことなんだということを考えてみたときに、データリンク、リンク11でもリンク16でも基本的には同じことですが、それが実力をもって阻止するということに当たらないということは、これはどなたでも御理解をいただけることだろうと思っています。
 そうしますと、従来の政府答弁で、野呂田長官が、何時何分の方向撃てということであれば、それはいわゆる一般的な情報の提供には当たらないということを申して答弁をされた例がございますが、そういうような場合になれば、これはあるいは一体化という議論が出てくるのだろう、集団的自衛権、憲法が禁止しておる集団的自衛権の行使につながるおそれという、少なくともそこの範囲までは入っていくのだろうというふうな認識をいたしております。
 今回のデータリンク、もちろん今回出す船が従来のものと変わっておるわけではございません。イージス艦は今リンク16というものに換装中でございまして、新しいリンクシステムを持つようになります。しかし、ただ、これは量的差異であって質的差異であるとは考えておりません。そのことを前提にして申し上げましたときに、何時何分撃てというようなことが米軍と我々との間で起こるということはございません。そして、集団的自衛権というものの行使それ自体ができないということになっておりますわけで、そういうことに抵触するような行為を私どもはやることは考えておりませんし、それは当然法の趣旨にもそぐわないものというふうに理解をいたしておるところでございます。
○舛添要一君 場合によっては、今月中にもアメリカによる空爆含めてのイラク攻撃が始まる可能性は十分あると思います。
 さてそこで、今、諸外国の軍隊がインド洋、これはアルカイダ掃討作戦ということで展開しておりますけれども、当然のことながら軍事的常識からいえば、アメリカによるイラク攻撃の場合には、その展開している部隊がそのまま協力態勢として行く、これは基本的なことです。
 じゃ、我が国の海上自衛隊はそうするのか。もしそうするとすると、その法的根拠は何なのか。これはあくまでテロ特措法に基づいてやっている。今回の事態は国連決議一四四一に基づいて行っている。法律に書いてありません、どうするんですか。内閣でも、どなたでも、答えられる方。
○政府参考人(増田好平君) イラクの問題につきましては、イラクが正に無条件、無制限の査察の受入れを遵守して、大量破壊兵器の廃棄を始めとする国連安保理決議を履行することは極めて重要でありまして、このために様々な外交努力が行われている現時点におきまして、米国がイラクに対して軍事行動を取ることを前提とした質問に答えることは必ずしも適当でないというふうに考えておりますけれども、全く仮定の議論として一般論を申し上げれば、イラクが関連する国連安保理決議の重大な違反を行いまして諸外国の軍隊による軍事行動が行われる事態となった時点で、この軍事行動が正に平成十三年九月十一日のテロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより、国連憲章の目的の達成に寄与する諸外国の軍隊の活動に該当しないと判断された場合には、このイラクに対する軍事行動につきまして、テロ対策特措法を適用した協力支援活動等を行うことはできないわけでございます。
○舛添要一君 そういう答えを求めてやっているわけじゃないんですよ。前提、そんな答えは要らないんですよ。何のためにこの国会の委員会でやっているかといったら、そういう事態になったときに備えるのが国民に対する責任でしょう。だから、テロ特措法、改正するなら改正する。私の案は、テロ特措法を改正して一項目を加えて、そういう事態については国連決議一四四一に基づく場合にもやるということをやれということを言いたいわけですよ。あのね、事態が起こってからやればいいんだというような、そんな政府要らないですよ。そうでしょう。どうするんですか、ちゃんと答えてくださいよ。
○政府参考人(増田好平君) 重ねてのお答えで恐縮でございますけれども、今の現在の政府の立場と申しますのは、イラクの問題について、イラクが、先ほど申しましたように正に査察を受入れ遵守して、この問題が安保理決議が履行されるということが重要であるというのが基本的な立場であろうと思います。ですから……
○舛添要一君 もういいです、そういう答えなら。防衛庁長官聞きます。
 じゃ、一、二か月以内にもそういうことが起こると、今インド洋にいる艦隊帰ってきますか、アメリカから協力を求めたらどうするんですか。あなたが答えられないなら総理大臣が答えないといけないんでしょうけれども。考えていますか、そういうことを。
○国務大臣(石破茂君) これは、例えば仮に、仮定のお話としてイラクに対する攻撃が始まったといたします。その場合に、ではアフガニスタンに対するテロ掃討作戦というものは全くなくなっちゃうのかということを考えれば、この両者が併存するということは私は当然あり得ることなんだろうと思っています。
 つまり、今のアフガニスタンにおける行動というのは、再三御答弁申し上げておりますとおり、アルカイーダの残党等が、逃亡等によってテロリストが世界に拡散することを防ぐということもきちんと行っていかねばならないだろうと。皆がイラクに行ってしまってアフガニスタンから今潜伏しておる、逃亡しておるテロリストが世界じゅうに拡散をするということは決していいことだとは思っておりません。つまり、その両方が併存するということは当然あり得ることだと思っています。仮に、米英の軍がそこから移動して、そこが手薄になったという状況になったらどうするかという想定は、当然想定としてしておかねばならないことだと思います。
 もう一点は、これは私から御答弁申し上げるのは適当かどうかは存じませんが、それでは大量破壊兵器というものが国際社会において責任ある立場にある我が国にとっても、これは脅威であるという認識、それはあるのだろうと思っています。その場合に、さて国際社会において責任ある立場である我が国がどのようなことを行うべきなのかということは、あらゆる選択肢を視野に入れて考えるべきものだというふうなのが政府の立場でございます。
 先生御指摘のように、そのときにどうするんだということでございますが、今、内閣官房からお答えをしましたように、それは現実として起こっておらない。実際、私どもは集団的自衛権の行使ができないということになっておりますから、そうしますとすべてのものが新しい立法を立てねばなりません。そういう事象がまだ発生しておらないときに、ではそういう事象が発生したらどういう立法を行うべきかということは、私ども行政府と立法府との関係におきまして、それはここで議論をされるべきものか。私どもとして全く起こってもいない、それが起こらないように全力を挙げて努力をしておるときに、こういうような法に基づいてということを提起を申し上げるということではなくて、あらゆる選択肢を念頭に置いて検討をしておるということを申し上げさせていただきたいと存じます。
○舛添要一君 ここでの答弁ではそういうことしか言えないと思いますけれども、これは内閣にも外務省にも防衛庁にもお願いします。政府全体にお願いしたいですけれども、そういうことの研究をちゃんと怠りなくやっていただきたい。もう常に事が起こってから後手後手に回る。じゃ、船足りないなら、じゃ今からおっつけ刀で行きますよ、行ったら終わっていた、こういうことにならないようにお願いしたいと思います。
 さてそこで、経済の方でも非常にこのイラク攻撃の場合には問題が起こるわけですけれども、資源エネルギー庁の方にお伺いしますが、石油情勢の見通し、これシナリオ、当然民間も書いておりますが、政府はどういうシナリオを書いていますか。
○政府参考人(細野哲弘君) お答え申し上げます。
 原油の世界的な需給の見通しについてのお尋ねでございますが、まず、現在私どもが承知しておりますIAEAによりますところのデータによりますと、一国だけでも百四十八万バレル・パー・デーの供給力を持っておりますサウジアラビアを始めといたしまして、現在、OPECの、イラクを除いたOPEC十か国で三百万バレル・パー・デーを超える供給力を持っております。これは現在の世界の需要の四%強に相当するものでございます。他方、石油の備蓄の方を見ますると、IAEAの加盟国におきまして、これらの諸国の百十六日分の輸入量に相当する四億トンを超える今備蓄の高い水準を維持しております。
 したがいまして、今後、攻撃の展開にもよりますけれども、直ちに世界の石油需給が逼迫するという可能性は比較的小さいのではないかというふうに考えております。
 それから、仮にイラク攻撃が起こった場合の原油価格についての動向でございますけれども、同様に様々な展開があり得るために必ずしも、価格でございますので、予断を持って申し上げることは困難ではございます。しかしながら、これまで湾岸戦争あるいはそれ以前の事例等から推し量りますと、イラク攻撃が開始された直後におきましては一時的に価格が上昇するという可能性はあるものと思っておりますけれども、その後、先ほど申し上げました供給力を持ちました産油国等の増産等がありますれば、価格は徐々に沈静化するというような展開が最もあり得るのではないかと考えておりまして、またもろもろ今、先生御指摘の各民間も含めた研究機関等の見通しにおいてもそのような立場が多いものと承知をしております。
 いずれにしましても、我が国といたしましては、想定し得る限りのあらゆるシナリオを視野に入れながら、不測の事態が起きないように、現在我が国は百七十一日分の石油備蓄を持っておりますけれども、そのことも含めまして所要の備えをしていきたいと思っておるところでございます。
○舛添要一君 次に、北朝鮮情勢について外務省にお伺いします。
 交渉がちょっと行き詰まっているという感じに理解しておりますけれども、拉致問題、核疑惑、双方の問題について、今の北朝鮮との交渉の現状について説明願いたいと思います。
○政府参考人(田中均君) 北朝鮮との交渉の現状についてのお尋ねでございますけれども、まず第一に、北朝鮮側からはこの拉致問題、特に日本におられる五人の被害者の家族の日本への帰国の問題、それから核問題、なかんずく核問題をめぐる米朝の関係、この二つの問題をめぐって非常に複雑な状況になっている今の状況においては、会談、政府交渉、安保協議を行う雰囲気にないということを伝えてきているということでございます。
 私どもとしても、この拉致の問題、家族の帰国の問題について妥協をする余地はないと考えていますし、それから核の問題についても濃縮ウランのプログラムの目に見える形での廃棄というのが国際社会の共通したポジションでありますし、これについても妥協をするという用意はないし、その必要もないというふうに考えているわけで、したがって日本の原則を貫くという観点から粘り強く交渉をしていくということを基本としているということです。北朝鮮側も、日朝平壌宣言に基づく正常化交渉そのものを否定しているわけではありません。日朝平壌宣言の履行ということについては、北朝鮮もそれを守っていきたいということを言っているわけであります。
 したがって、これはいろんな考慮があると思いますけれども、日本側としては今後ともいろんなチャネルも使いつつ、原則を曲げないで交渉は交渉としてきちんとやっていきたいと、かように考えているわけでございます。
○舛添要一君 五人の被害者の中の、特に曽我ひとみさんのアメリカ人の夫のジェンキンスさん、この方がほかの二組のカップルとは違う問題を抱えていると思いますが、脱走兵だということで、アメリカにはアメリカの法律がありますので、ここの問題の解決というのは日本政府としてはアメリカ側との協議、どういうところまで進展していますか。
○政府参考人(田中均君) 今、委員御指摘のとおりの問題がジェンキンス氏についてはあります。これは必ずしも簡単な問題だとは考えていません。ジェンキンス氏が脱走兵としての地位といいますか、そういう考え方を米国が有しているということに伴うもろもろの米国の法律に従う問題が存在をしているということでございます。
 この問題については、いまだ具体的な解決が見られているわけではございません。ただ、問題のとらえ方、考え方について米国と引き続き協議を続けているというのが現在の状況でございます。
○舛添要一君 北朝鮮がこのまま動かないというようなことになったときには、当然、国際社会として制裁というようなことも考えざるを得ないと思いますけれども、こういうことについて政府部内で既に協議をするようなことは行っていますか。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮を我々が求めるようにどういうふうにそういう行動を取るようなふうにしむけていくか、いろいろな考え方はあると思います。論理的には制裁というのは一つ考え方としてはあるかもしれませんけれども、今の時点で政府としてそういうことは全く考えていないということです。
 北朝鮮側は、先ほど田中局長も言いましたけれども、日朝平壌宣言に従って、これを守って交渉をしていく、正常化交渉をしていくという考え方はきちんと表明をしているわけでございまして、これについては我々も変わっていないわけです。ですから、これは粘り強くこの方向に向かってやっていくということが大事であって、大事なことはそういう成果が出るということであるわけですから、今、政府としてそういうことは考えていないということです。
○舛添要一君 その絡みで、社団法人日本外交協会が北朝鮮向けに、これは熊谷の遊技業、パチンコ協同組合の要請を受け入れて、約四十五万トンの食糧を提供したことは御承知のとおりでありますが、外務省の外郭団体であるということで、日本外交協会が食糧援助について日本外交協会の見解という紙を出しておりまして、私もこれを読みましたけれども、しかしそれで説得されるわけではございません。外務省として、この問題についてどういう見解をお持ちなのか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(田中均君) 日本外交協会は外務省が認可した社団法人ということでございますので、外郭団体という言葉が正しいかどうかというのは問題としてあると思いますけれども、外務省自身がこの食糧支援に関与をしているわけではない。協会は、その見解においてもそうでございますけれども、NGOとして人道的な見地から協会独自の判断として行ったということでございます。
 その間、外務省からは、外務省の見解として協会側に二つのことを伝えておりました。一つは、北朝鮮に対する食糧支援に関する現在の政府としての基本的な立場、国、政府として現在食糧支援を検討していることはないという立場、それから二番目に、たとえ民間が行う支援であっても、当面実施を見合わせる等、慎重に対応してほしいという二点について協会側に伝達をしていたわけでございます。
 外務省としての見解は、これは先般、国会で外務大臣から表明がありましたように、これは公益法人といえども民間の団体であり、政府としてその個々の活動について許可をするといった立場にはありませんけれども、協会としてもう少し配慮があれば良かったというのが大臣が表明されている見解でございます。
 外務省としては、事業の実施に当たっては現下の国内及び国際的な情勢等に十分留意をするように引き続き求めていきたいと、かように考えているわけでございます。
○舛添要一君 私が、先ほど制裁という言葉を申し上げましたのは、場合によっては国際社会の総意として制裁を加えるようなことが北朝鮮に対してあり得るだろうし、場合によってはアメリカによる武力攻撃ということも完全には排除できない。そういうときに私は、中心となって取りあえず働かないといけないのは海上保安庁。これは難民が流れて、出てきたときどうするか、そういうことも含めてなんですけれども、さらに不審船の問題もあります。
 海上保安庁として、今のような法律、今のような装備で十分だと考えているのかどうなのか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(津野田元直君) 朝鮮半島がもし有事になるような場合、その他の場合でございますけれども、一般論として申し上げますと、海上保安庁といたしましては、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律に基づきまして作成されることとなる基本計画に従って対応措置を講じることになると思います。
 具体的には、例えばの話ですが、もし経済制裁が行われて、それを履行するために輸出貿易管理令の改正などの関係法令が整備されることになれば、私どもとしては当該法令に基づいて港内などにおいてそのための取締りを強化するというような措置を講じることになると思います。
○舛添要一君 毎回この質問をして恐縮なんですけれども、海上封鎖という事態が十分あり得るということを私は想定していますので、海上保安庁及び防衛庁、これは政府部内で少し議論を整理していただきたいんですけれども、臨検、つまり船舶検査活動、これは海上自衛隊の仕事になっています、法律上は。海上保安庁は、海上保安庁法で警察官職務法の執行をやることになっている。しかし、諸外国の常識はまずコーストガード、海上保安庁がそういう活動をやって、横に海軍が控えていると。つまりそれは紛争予防の知恵なんで、最初から武装したのが行かないということなんです。ところが、これは海上自衛隊がしゃしゃり出ていかないといけないような形になっている。私は、是非、順序は海上保安庁、まあ丸腰とは言いませんけれども、そこで船舶をやる、検査をやる、そしてその周りに海上自衛隊が控えている、そういう体制を作らないといけないと思いますが、こういうことに必要ならば、この国会で我々が法律を改正するべきであります。
 ですから、こういう事態が起こらないんで全く想定していないんですが、そういうことの準備をするというのが国を守るということと思いますので、これは海上保安庁及び防衛庁、お答えがあればお願いします。
○政府参考人(津野田元直君) そのような事態が起きた場合に、海上保安庁といたしてもそのほかにやるべきことというのは多々あるわけですね。例えば、難民なども予想されますのでそのための不法入国の取締りですとか、あるいは重要施設の警備ですとか、その他の海難が起きた場合の救助ですとか、そういった面で多々、現行法令上、海上保安庁に課された任務の範囲内での業務というのはたくさんあると思います、たくさん発生することになると思います。
 そのほかに、先ほど申し上げたような形で新規立法がなされれば、そのための経済制裁などに伴う業務というのも発生してまいりますので、そういった面をまず私どもとしては万全にやるということが課された最大の責務ではないかなというふうに考えております。
○舛添要一君 防衛庁長官、船舶検査活動、これ、私が今言ったようにコーストガードが先でネービーが後だと、これはどういうようにお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) 現在、臨検ができない、船舶検査活動しかできない、臨検と船舶検査活動は似て非なるものであるということは先生御案内のとおりでございます。
 その場合に、じゃどちらが出るかということは、今、先生おっしゃったように、最初から、いわゆるかぎ括弧付きですが、軍艦が出ていくのはいかがなものかという話もあります。武器使用の権限をどうするかという話もあります。今、先生がおっしゃったような北に伴ういろんな事態に備えて、難民も含めてどういう形で対処するのか、新規立法が必要なのかということは、以前、難民に関するプロジェクトで先生とも議論させていただいた、党内で議論させていただいたことであります。
 これは、先ほどのイラクの話とも似てくるのかもしれませんが、あらゆる事態を想定をして選択肢を考えるということは必要なことでありまして、そのような準備はきちんと行いたい。もちろん、立法は国会における御議論を経て決まることであるのは当然のことでございます。
○舛添要一君 是非、縄張り争いをしないで、国土交通省とそれから防衛庁また警察庁、こういうところでプロジェクトチームでも作って、そういう海上封鎖とか臨検についての研究を是非おやりいただいて、その成果をお示し願いたい。それに基づいて、我々は必要なら立法活動をする。これをお願いしておきたいと思います。
 最後に、時間が来ましたから、いわゆる武力攻撃事態対処法、これが衆議院でのみの議論でありますが、これ今後どうするんですか。つまり、これは我々立法府の仕事でありますけれども、やはり北朝鮮で一朝有事という、北朝鮮絡みの一朝有事ということがあれば、当然、日本国民を守るために武力事態攻撃対処法を早急に整備しないといけないと私は思います。
 しかし、これまた時既に遅しということになりかねないので、是非、これは立法府の仕事ですから、いつ法案を出すか出さないか、これは我々が決めることでありますけれども、政府としても、なるべく早く法整備をやった上での準備ということをやっていただかないと間に合わないという私は危機感を持っていますから、そういう危機感を共有なさいますか、どうですか。
○政府参考人(増田好平君) 我が国をめぐります安全保障環境は、今、先生御指摘のようなことも含めまして、依然として不透明、不確実な要素がございますので、現在、衆議院において御審議いただいている有事関連三法案についてもこのような観点から立案されたものでございます。
 政府としても、正に先生御指摘のように、幅広い国民の理解と協力を得まして、これらの法案が早期に成立することが重要と考えておりまして、引き続き努力してまいりたいと考えております。
○舛添要一君 是非、そういう方向で御努力願いたいと思います。
 終わります。どうもありがとうございました。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 昨日の夕方、防衛庁長官がイージス艦をインド洋に派遣すると、会見をニュースで拝見をいたしました。我々民主党は、この石破長官の決定、米軍の武力行使と一体化する可能性のあるイージス艦の派遣、そして当初の基本計画の枠を大きく逸脱するこのイージス艦の派遣に強く反対をいたしたいというふうに思います。前中谷長官から、このイージス艦の派遣は慎重に考える、ひいては国民のコンセンサス、とりわけ与党内のコンセンサスが重要であるという発言を繰り返されてまいりましたけれども、長官、国民のコンセンサスは得られているというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 何をもってコンセンサスを得られたとするかということなんだろうと思っております。
 足らざる点がある、私どもでも当然万全だとは、ない面があろうかと思います。今後とも、コンセンサスを得て、私どもが法律の目的達成のために行っておる行動が御理解をいただけるように努力を重ねていくのは当然のことでございます。
○榛葉賀津也君 定義論争をするつもりはありませんけれども、では、少なくとも与党内のコンセンサス、御理解というのは得られているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 様々な御議論があることは承知をいたしております。
 今回は、私ども政府といたしまして、日本国として主体的に決定をしたものでございます。与党内の御理解も今後とも得るように努力をしてまいるべきだというふうに考えます。
○榛葉賀津也君 与党の一部の政党も大変強く反対をされていたという話でございましたけれども、今朝の新聞で公明党の冬柴先生のコメント、自衛隊員の生活環境が大変なんだと、もっと早く言ってくれればよかったのになという発言を聞いて、国の政治というものはこのように決まっていくのかと、国会議員になってまだ一年と半年ですけれども、少し大人になった心境でございました。
 長官が会見の中で、派遣をする理由として、派遣している艦船が交代時期に来ている、高い情報処理能力がある、そして、厳しい勤務環境に、隊員の負担が軽減できるということでしたけれども、これはもう当初から、昨年の十月当初から分かっていることでございまして、一番の派遣の理由は、あそこのインド洋、とりわけアルカイーダ、タリバンのアフガニスタンでのテロ状況が大きく変わったということが一番の理由でなければならないと思うんですけれども、アフガニスタンでの状況がどのように変わっているんでしょうか。
○副長官(赤城徳彦君) イージス艦を派遣する理由につきましては、これまでもるる御説明をいたしてまいりましたし、派遣のメリットという形で説明してまいりましたし、様々な角度から検討を重ねてまいりまして、その結果、昨日、石破長官から総理に御報告、御承認をいただいたと、こういうことでございまして、それは様々な角度がございます。
 最も大事なところは、我が国が行っているこのテロ特措法に基づく活動、この補給活動の安全性を確保する、こういうことが大事でございまして、補給する場合には二つの艦が三十メーターから五十メーター離れて並走する、その間、補給が六時間続くとすると百五十キロにわたって直進するわけでございます。
 そこで、現地、様々な状況ございます。具体的にどういう危険があるのかと、こういうお尋ねに対して、これこれこういう危険がありますというのはなかなかお答えはしにくいわけでございますけれども、例えば、イエメン沖のタンカーのような事件もございましたし、その間、隊員は大変な緊張の中で、不明な航空機とか艦船が周りを飛び交っておるわけでございますから、それを逐一識別をしながら安全を確保していくという、そういう大変な負担に対してイージス艦の能力というのが非常に役に立つ、こういうところが一つの大きな理由ということでございます。
○榛葉賀津也君 そのリスクというのは昨年十月から全く変わっていないんですよね。ではなぜ昨年の十月でなくて今送らなければいけないのか。今、イエメン沖のタンカーと言いましたけれども、あれは停泊中のタンカーであって、この状況とは全く、インド洋沖とは状況が違うと思うんですね。その説明をしてください。
○副長官(赤城徳彦君) ただいま申し上げましたように、様々な観点から検討を重ねてまいりまして、一つはそういう安全性の問題、それからローテーション。これも今までの活動の中で、今の護衛艦ではなかなかローテーションがきつい、そこにイージス艦が加わることによってローテーションが非常に楽になってくるという問題でありますとか、また、実際に派遣されてみて、現地の気象条件、非常に暑い中で、また砂嵐が舞うという中で、先ほど申しましたような緊張を強いられる活動をしているという、その負担をいかに軽減するか。イージス艦の居住性の話も申し上げましたけれども、これも、そういう負担を軽減する上で、イージス艦というのは非常に居住性のいいという艦船でありますので、そういう意味でも、実際の派遣の経験を踏まえてイージス艦というものが役に立つというふうな結論に至ったということでございます。
○榛葉賀津也君 大変苦しい答弁だと思うんですけれども、まあ、でも、いいです。
 今、コンビネーションの話がありましたけれども、DDHとDDGのコンビネーション、これはどうなっているんですか。
○国務大臣(石破茂君) 組合せというお尋ねかと思います。
 これは、今、イージス艦というものを加えておりません。総理の御承認をいただき加える、つまり、こんごう型というのは加えることになりますが、今はDDH、いわゆるヘリコプター搭載型護衛艦、これを、四隻ございます。一隻は大体ドックに入っていますから、三隻で繰り回しておるわけでございます。それに、今回、DDG、イージス型護衛艦を加えますことによって、隻数でいえば八隻、実際は六隻ということになろうかと思いますが、それで繰り回していくということに相なります。ですから、現地にイージスがいないということも当然起こるわけでございます、ローテーションで回していくわけでございますから。したがって、常にイージスがいるということになりません。
 それは、なぜイージスとDDHかといえば、委員御案内のとおり、イージスとDDHのみが指揮・通信能力というものを広く有しておるということでありまして、これはほかのDDあるいはDEで代替が利くものではございません。これがイージスとDDH、これのローテーションを組み合わせるというゆえんでございます。
○榛葉賀津也君 私は、このテロに対する活動、護衛という意味に対しては一番のポイントがレーダーシステム云々というよりも、DDHの搭載しているヘリ、DDGは、イージスはヘリを搭載していませんよね、していませんよね。
 それで、このインド洋での護衛活動で一番大事なのは、よく長官のおっしゃるハイテク設備じゃないと思うんですよね。いかにローテクに、自爆テロであるとか船で、防衛庁から資料をいただいたのにも非常にプリミティブなボートにアフガンの難民と思われる方々が乗っている写真をよく載っけまして、海上テロに、海上におけるテロの発生に備えるということが書いてありますけれども、想定はあくまでも自爆テロであるとか、そういうプリミティブなローテクなテロなんですよ。それにイージスが必要だというのは、私、到底理解できないんですけれども、対空に強くて海上能力に劣るイージスを派遣するというのはテクニカル上、大変私は理解できないというふうに思っております。
 次に、国会承認の必要性についてお伺いしたいと思うんですけれども、基本的に活動類型が変わったり、実施地域が、派遣する実施地域が変わったりすると国会承認が必要だというふうに理解をしておりますけれども、これはそもそもイラクの攻撃に対する間接支援になるということを政府としては正式にお認めになっているんでしょうか。
○副長官(赤城徳彦君) イージス艦を派遣するということは、あくまで我が国の補給活動、我が国がテロ特措法に基づく活動を行うその安全性確保等のために行っている、こういうことでございます。
 それから、国会承認とかそういうふうな手続の関係でございますけれども、これは基本計画では護衛艦とか補給艦と、こういう書き方になっておりまして、その護衛艦の中の種類でありますので、実施要項の変更と、こういうことでございまして、国会の承認には係らないと、こういうことでございます。
○榛葉賀津也君 私がもう一度明確にしたいのは、米軍等のイラク攻撃に対する間接支援になるということを前提としてしているんですか、そうでないですかということです。
○副長官(赤城徳彦君) 重ねてのお答えになりますけれども、これはあくまで我が国の活動に対してその安全性の確保と、こういうことでございまして、イラクの問題につきましては査察を今行っているということで、イラクは完全に無制限にこの査察を受け入れるようにという活動を今行っているところであって、実際にイラクを攻撃するとかしないとか、そういうことはまだ決定もされておりませんし、予断をもってお答えするということではないかというふうに存じます。
○榛葉賀津也君 それではなし崩し的にイージスシステムが、このイラク攻撃に間接的に直接的に利用される可能性が否定できなくなってしまうじゃないですか。米軍がイラク攻撃に踏み切った場合、仮定です、これは。その場合、米軍にもたらす情報が、この情報がイラク攻撃に使われるという、使われないということは担保できるんですか。
○副長官(赤城徳彦君) 仮定の話ということで、アメリカが攻撃を行ったときにその情報提供が集団的自衛権の行使に当たるかどうかと、こういう御指摘であるとすれば、一般的な情報の交換、これは既に、先ほど石破長官からもありましたように、リンク11で、データリンクというのは既に行われていて、イージスシステム、イージス艦の中にデータ16、リンク16を順次、今装備しているという段階でありますけれども、基本的にそのリンク11とリンク16が能力的な差はあっても質的な差はないということの中で、一般的な情報交換が集団的自衛権の行使に当たるということはないと、こういうことをるる申し上げてきたところでございます。
○榛葉賀津也君 長官も昨日、一般的な情報提供が集団的自衛権に抵触したり武力行使と一体化することとは理解していないという発言、おっしゃっています。それでは、一般的でない情報というのはどういう情報なんでしょうか。
○副長官(赤城徳彦君) これは、先ほど石破長官からも申し上げましたけれども、野呂田元防衛庁長官が、何時何分の方向へ向かって撃てと、こういうふうに言った場合に、それが集団的自衛権一体化ということでの問題を惹起するのではないかと、そこらの関連について答弁したという例はございますが、あくまで武力行使との一体化になるようなものがどういうものであるかと、こういうことでありますので、一般的な情報交換であって、その情報に基づいて仮にそれが米軍の行動に結び付いたとしても、それは一般的な情報交換である限りは集団的自衛権の問題を起こさないと、こういうことではないかと思います。
○榛葉賀津也君 それでは、具体的にお伺いしますけれども、このイージスDDGが、ホルムズ海峡を渡っていくということはないですね、地理的に、活動範囲が。
○副長官(赤城徳彦君) テロ特措法に基づいてその活動の範囲、地域というのは指定されておりますので、あくまでそのテロ特措法の支援の区域、その安全性を確保するという目的の範囲内で活動するということになります。
○榛葉賀津也君 現在イージスが四隻、一隻がドックに入っているから実際三隻ですね。これをインド洋に派遣するということですけれども、極東アジア、日本周辺の防衛警備がそれで十分でしょうか。
○副長官(赤城徳彦君) これは、自衛隊の活動は本来我が国の防衛というのが主たる任務でありまして、それに支障のない範囲で様々な活動を行うということを法律上任務が与えられておりますので、その本来の我が国を防衛するという任務に支障のない中で、ぎりぎりやりくりをしているということでございます。
○榛葉賀津也君 時間がございませんので、次の質問に移りたいと思います。
 外務省のプール金問題について、質問をしたいと思います。
 このプール金問題は、もう二年近く問題になっているわけでございますけれども、先月来の報道の内容と、大臣の会見、そして会計検査院の報告等、様々な数字が錯綜して大変ちぐはぐな印象がありますので、これを少し明確にしたいというふうに思います。
 今回の会計検査院のプール金検査報告は、いかなる方法でどのような対象、またどのような期間で行われたのか、簡単で結構ですので会計検査院の方から御説明してください。
○説明員(石野秀世君) 昨年、外務省が行われました調査といいますのは、取引先の会計帳簿等を基にしまして、職員がプール金をどういう目的で幾ら使ったかというプール金の費消の面に着目したものであったというふうに承知しております。
 これに対しまして、検査院におきましては、プール金がどういうふうに積み立てられたのかという面に着目して検査を実施しました。七年度から十三年度までに取引先に支払った約九千件の支払を対象にしまして、支払一件ごとに外務省の支出決定決議書と取引先の会計帳簿等とを照合するということを行いました。
 この取引先の会計帳簿等につきましては、外務省が既に取り寄せていたもの以外に、更に新たに売掛金台帳といったような書類の提出も求めまして、プール金がどの支払から幾ら積み立てられたかということを精査したものでございます。
 それから、調査の対象というお話でございますが、外務省の調査では主たる取引先三十一社を調査対象ということでございましたが、検査院ではこれに年間取引額等を考慮しまして新たに十社を加えまして、プール金があるのかないのかということの検査をいたしました。その結果、新たに一社においてプール金があるということが判明いたしましたので、外務省の調査において既に判明していた九社を加えまして、合計十社との間の取引を検査したということでございます。
 それから、検査の対象期間でございますけれども、これはほとんど同じという御理解でもいいかと思いますが、外務省の調査は平成七年四月から十三年七月まででございましたが、本院の検査は同じく平成七年の四月から十三年の九月という期間を対象にして検査をしたという状況でございます。
○榛葉賀津也君 ほぼ外務省と同じ期間で、外務省の報告の洗い直し作業をしたというふうに理解できると思うんですけれども、昨年十一月末の外務省内の調査報告で示されたプール金の費消金額と取引先残高の二億二百万という数字、それが、今回の検査院の報告での外務省での積立プール金約二億八千万円という数字、これ外相が二十九日に会見で発表されたものですね。
 それから、今回の報告ではプール金の費消額と取引残高の計四億六千万円という数字があるんですけれども、この三つの数字について費消額と積立額の差が分かるように少し説明をいただきたいと思います。
○説明員(石野秀世君) 今も、先ほど申し上げましたように、積立面での検査ということをやってございますので、まず積立面でどういう状況であったかということを申し上げますと、先ほどの七年度から十三年度までの支払九千件を対象にした中で、そのうち約一千二百件の支払において二億八千六百万円のプール金の積立てがあったということが判明してございます。これ以外に取引先の会計帳簿等によりますと一定金額が積み立てられているということは確認できますが、外務省の支出決定決議書等との照合ということが行い難く、どういうようにして積み立てられたかという特定に至らなかったものというものが六千六百万円ございます。さらに、七年度当初において既に積み立てられていたというのが一億七百万円ございまして、これも六年度以前の支払から積み立てられたのではないかという推定は付くわけですけれども、証拠書類等が残っていないというためにどのようにして積み立てられたのかという特定するには至らなかったというものがございます。これを合わせまして、先ほどお話のありました四億五千九百九十万円になります。約四億六千万円ということでございます。これは積立面の話でございます。
 それから、費消の面でどうかということでございますが、この点につきましても取引先の会計帳簿等によって可能な限り分析をいたしました。その結果、七年度から十三年度までの間に四億三百万円が費消されていたということで、十三年九月末現在、五千五百万円が残高として残っているということでございます。合わせますと四億五千九百三十万円ということになろうかと思いますが、先ほどの積立額合計と今の費消額の合計というのとはほぼ見合っている金額になるのかなという感じでございます。
○榛葉賀津也君 なぜ川口大臣が二十九日の会見において、費消額を比べてこれだけ増えたという言い方ではなくて、取引先の積立額の二億八千六百四十二万四千四百六十六円を強調して積み上げられていたプール金とか国に対して与えた損失という言い方をされたんでしょうか。私、本来は、費消額である四億三百五十二万円と業者に残っていたプール金の残高五千五百八十万円を足して四億五千九百三十三万円という数字をきっちりと会見の場や国民に対して言うのが大臣としての責務ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 二つの理由があります。
 一つは、これは結果的にはおっしゃるようなことが大事であって、それでそういう説明はしています。ただ、私と当時、あの日、私が最初やりまして、官房長が後細かいことの説明をしました。それで、私が最初から積み上げとか費消とか細かい数字の話をすると事がややこしくなりますので、私は重要な部分だけを言って、あとは官房長がやったと、そういう分けていたというのが一つです。
 それからもう一つは、会計検査院、なぜ私が、じゃ、積み上げの方の一部を中心にお話をしたかというと、会計検査院の認定、これは国損額が幾らであったかということであります。それで、国損額として認定をされているのが二億八千万。ですから、外務省の責任としては、とにかく二億八千万、国に損害を与えた、それを返すということが大事であって、それを返しますということを強調をしたと、そういうことです。
 あと、これから後また官房長からも説明しますけれども、先ほど会計検査院で言った平成七年の初めで積み立てられていたと思われる一億何がしの金額、それについても私は会見で触れていますけれども、それから六千六百万円という、どういうふうに積み上げられたかというのが全く分からないもの、それについて、結論的には、あの日、官房長がその後細かく説明をしたことは、全部合わせてそれに見合う金額を国には返納をしているという事実については申し上げる、これは説明の便宜上の話であって、国損、国に損害を与えたと会計検査院が認定をしたもの、これを返すということを強調をしたと、そういうことです。あと、細かいことは御説明します。
○榛葉賀津也君 時間がないですから、結構です。
 今も会計検査院から話がありましたけれども、外務省が積み立てられていたプール金を約二億八千万と言っている。ただ、会見ではそれ以上、実質費消されたプール金プラス五千五百八十万円という業者に残っていた残高、これを加えた約四億六千万と、これを今後お返しするという会見をされていますけれども、それに間違いないですね。
○政府参考人(北島信一君) お答え申し上げます。
 まず、二億八千六百万円、国損額と認定された額ですけれども、当然のことながら、この部分について外務省として返納を行うということでございます。
 さらに、外務省としまして、だれが費消を行ったかを特定する必要があるため会計検査院にて確認した費消総額、約四億三百万円でございますが、これに基づきまして更に調査を行いまして、合計約四億八百万円の費消額とその内訳を確認したということで、この費消額に残高を加えた合計約四億六千万円に所要の延滞金を付した額、約五億四千四百万円を国庫に回収するという考えでございます。このための速やかな所要の手続を行いたいと思っていますけれども、したがって国損は残らないというふうに考えております。
 さらに、具体的に御説明申し上げたいんですが、この四億八百万円の内訳と返還方法でございますけれども、省内で職務に関連した経費や職員間の懇親の経費として費消された金額は約二億五千三百万円でございますが、これについては延滞金を付して外務省職員等返還会より国庫に支払います。ただし、このうち約一億六千万円につきましては、延滞金を付した合計額約一億九千八百万円を本年三月に既に返納しておりますので、今後、残りの費消額約九千三百万円、これに延滞金を付して、合計一億一千五百万円程度を年内をめどに国庫返納を行うという考え方です。
 さらに、浅川元補佐、その他特定の省員が私的に費消した金額、これは約三千八百万円でございますけれども、これについては延滞金を付してそれぞれの費消者が国庫に返納するということでございます。さらに、ホテルニューオータニの斎藤元課長が費消した金額、これが三千二百万円でございますけれども、これについては、延滞金を付した合計約三千六百万円程度、これが同元課長より返納されると。
 最後に、取引先企業の関連帳簿からは、プール金の費消が推定されるものの会計検査院による確認や外務省のこれまでの調査によってもだれが費消したのか、これが特定できなかった金額が約八千六百万円存在しますが、これについては、企業側から経理帳簿の管理を企業自身が行ってきた経緯にかんがみ、自ら国庫返納したいとの申出があり、企業側から支払われることになります。
○榛葉賀津也君 これまでの調査は外務省の本省分のみなんですけれども、在外公館部分の調査は今後どのようにやっていくんですか。
○政府参考人(北島信一君) 在外公館につきましてはプール金に相当する問題は指摘されていないわけでございますけれども、いずれにしましても、外務省としまして、査察、これを一層強化していく中で、在外公館経理に関して仮に問題とすべき事実が判明する場合には厳正に対処していきたいと、そういうふうに思っております。
○榛葉賀津也君 今回のプール金では、外務省の全課室百十九のうち七十四課室、六〇%以上の課室で不正が行われていたということですけれども、これは調べると奇妙なのが、前回の調査ではプール金が少なかったけれども、今回の監査で急に増えたり、逆に今回減ったり、前回見付からなかったけれども、今回新たにプール金が発覚したりというのがあるんですけれども、これは前回の調査がずさんだったとしか言いようがないんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) 金額が増加したケース、ケースごとに一様ではないために一概に述べることは難しいわけですけれども、二つの理由がございました。
 まず一つは、外務省が昨年十一月に公表した調査報告書、その段階では当時捜査当局に資料が押収されていて包括的な調査を行うことができなかった資料が、今回会計検査院により検査されたこと。さらに、二つ目の理由としまして、会計検査院の要請に基づきまして外務省が行った追加調査に対して、企業側が昨年に比しより積極的に協力していることということでございます。
 具体的に申し上げますと、これは浅川元課長補佐関連でございますけれども、開発途上地域課、それから報道課、経済局総務参事官室、西欧第一課、こういったところでプール金の額が増え、ないしは新たに見付かったということでございますけれども、これは浅川元補佐の裁判の関係ということでございます。さらに、企業側のより積極的な協力ということでは、例えば中東第二課で新たにプール金が見付かりましたが、これはその結果でございます。
 逆に、減少したケースでございますけれども、これもその理由については一様ではございませんけれども、例えば昨年の外務省調査では、企業側からの限られた提出資料に基づいて費消というふうに認定したものの、その後の会計検査院の検査によって企業側が追加的に提出した資料等からそうではないことが判明したために、当省側の費消額より差し引いたと、したがって数字が減ったと、そういうケースがございます。
○榛葉賀津也君 川口大臣が任命をされて一番の柱は外務省改革というふうに私はいまだに理解をしています。ただ、最終的には結局その職員からの自発的な申出ではなくて、会計検査院による外部監査によるものでなければ何一つ解決できなかったということが今回の検査院の報告によって証明されたというふうに感じています。是非今後、厳しく外務省内の改革、そして、公金ですから、その認識をしっかり持っていただきたいというふうにコメントして終わります。
○佐藤道夫君 私からお尋ねいたしますが、今まで大変緊迫した、この国の将来が左右されると言ってもいいぐらい重要な問題が数々と取り上げられまして、場内も緊張感が漂っておりますので、肩の荷を下ろす意味で、分かりやすい、易しい問題からお尋ねしていきたいと思います。
 最初の問題はマツタケです。何だ、たかがマツタケ、されどマツタケかと。あのマツタケの問題ですが、小泉総理が九月十七日でしたでしょうか、北朝鮮に行って、帰ってくる飛行機の中にマツタケの箱が三百箱も積まれていたと。数の問題ですから、多少オーバーかもしれませんけれども、マスコミの報道によればそういうふうになっておるわけでありまして、これは首相の専用機、政府専用機に積み込まれたものですから、だれが考えても北朝鮮から総理に対するプレゼント、贈物だと思われるわけですよ。余計な人があんな政府専用機に荷物を積めるわけありませんからね。そこで、これは一体何だということでマスコミも追及するし、国会でも四、五名の議員の方が取り上げて外務省等にただしましたけれども、はっきりしない。さあ、どうなっているんでしょうか、調べて申し上げましょうぐらいのことで終わってしまっているわけで、こんなことが許されるのかと私思うわけですよ。
 一箱二万円とすれば、計六百万円ぐらいにもなるわけで、当然御承知と思いますけれども、大臣と副大臣と政務官の規範というのが平成十三年の一月に作られておりまして、外国訪問の際に向こうの国から二万円を超えるプレゼントをもらったときは、それは国のものですよと、個人でポケットに入れて使うようなものじゃありませんよということを閣議決定までして決めているわけですよ。これは生鮮食料品だって同じことでしょう。小泉さんがまさか二百箱全部食べてしまったとも思えぬし、彼は食べる資格がないわけですよ、あれは国のものですから。勝手に食べれば横領罪ですよ、あれは、刑法上は。ところが、マスコミ報道によると、よく分からないけれども、どうも外務省の、みんな分配して食べちゃったんじゃないかと、職員たちが、とも言われている。そうすると、外務大臣以下、外務省の職員が全部横領罪ということにもなりかねないわけですけれども、どうなんですか、これ、国民の前にはっきり分かりやすく、ああそうか、分かった分かったということにもなるわけですけれども。
 よく知人、友人たちと話をしていると、マツタケの話、皆覚えておりまして、あれ先生どうなっているんですかと聞かれることもあるわけですよ。少し鋭く追及して事案を解明してくださいと、私にできないような注文を受けることもあるんですけれども、ちょっとまじめに答えてください、どうなっているのか。
○国務大臣(川口順子君) 日朝会談の際にお土産をいただいたというお話は、あのときいろいろございました。私自身は、それについては全く何も聞いていませんし、ましてやマツタケがどこからか現れたということもありませんということであります。
 それから、基本的に外交、私も行ったりしたときにささやかなお土産を外国に持っていくことがあります。それから、いらした方が記念品にといっていただくこともあります。それは、私は適切に処理を、処理をというか、外務省に置いてありますけれども、基本的にそのときに何をもらったか、何を差し上げたかということについては、これは慣例上その発表はしないということになっているというふうになっています。
 したがって、総理がどういうお土産を持っていかれたか、あるいはそもそもいかれたのか、何かをいただいたのか、そもそもいただいたのか、そういうことについては表では言わないというのが外交的な礼儀であると、そういうことだと思います。
○佐藤道夫君 大変な職務怠慢ですよ、大げさに言いますけれども。あれだけ報道されて、あれだけ国会で取り上げられたとすれば、あなた自身、これは外交交渉の過程で日本政府に北から来たものですから、当然のこととして確かめてみるべきでしょう。あれ一体何なんですか、国民が非常な関心持っていますよと。確かめもしなかったんですか、そんなことは信じられません。大臣である以上は、自分の省庁に関連することで新聞報道がなされたら、朝来て一番に、あなたが別にぼんやりして忘れていても秘書官がちゃんと持ってきますよ、そして大臣、これすぐ調べてみますからと、そういうふうに役所というものはなっているわけです。御存じでしょう、あなたも長い間役所にいたんですから。なぜ調べなかったんですか、それじゃ。
○国務大臣(川口順子君) 総理が行かれたときに何かお土産を向こうからいただいたということについては聞いていますけれども、どういう、何をいただいたかということについては、これは外交の慣例でそれについては申し上げないと、そういうのが外交上の儀礼と、そういうこととされていると承知しています。
○佐藤道夫君 それも間違いですよ。閣議決定をして、これから二万円を超える品物をもらった場合には、それはもう国に納めようと。要するに国のもの、国民のものだということを大臣さんたちが皆申合せをしているでしょう、立派な規範というものを作りまして。それを知らなかったという大臣がいると思えません。あなた、当然知っているでしょう。それをなぜ隠すんですか。国のものだと、国民の皆さん、今度アメリカに行ってこういうものをもらってきましたので、これはダイヤモンド入りの指輪ですから大臣室に飾っておきます、あるいは陳列室に飾っておきます、よろしいですねということをすべきでしょう、当然。そんな知識がないんですか、あなた。冗談じゃないですよ。
○国務大臣(川口順子君) いただいたとされるお土産については、官邸において適正に処理をなさっていらっしゃると私は思います。
○佐藤道夫君 昨日、質問通告をしてあるわけですからね。それじゃ官邸に、小泉さんのところに電話して、総理、あれは何だったんでしょうか、どういうふうに処理されたんでしょうか、あした国会で答弁する必要があるので教えてくださいと言えば教えるでしょう。当たり前のことです、そんなことは。
○国務大臣(川口順子君) 繰り返しになって恐縮ですけれども、先ほど申し上げましたように、外国を訪問したときに何をいただいたかと、あるいはそもそもいただいたか、何を持っていったか、そもそも持っていったか、そういうようなことについては公にしないというのが外交上の儀礼であると、そういうことであると思います。
○佐藤道夫君 そんな約束がどこでだれが作ってなぜ有効なのか、私信じられませんよ。やっぱりこの訓令を、規範というものを皆さん方が、大臣が集まって作ったわけでしょう。それをなぜ言えないんですか。外交上の秘密も何もないでしょう。ダイヤモンド、時価にして十万円ぐらいのものをいただいてまいりましたので、これはこういうふうに処理いたしましたと。当たり前のことでしょう。
 あのね、ちょっとこれおかしいんですよ、昨日質問して、今日答えられない。まじめにあなた対応しておられるんですか。私がちょっとしつこいということは知っているでしょう、よく言えば粘り強いわけでしてね。ちょっとこれ以上質問続けられませんよ、こんないい加減な話では。(発言する者あり)
○委員長(松村龍二君) じゃ、答弁をお願いします。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) こういったことは相手の国が、なぜ外交上の儀礼かということですけれども、相手の国があるわけですね。例えば、私自身大したお土産は持っていきませんが、お土産を持っていくことがあります。その相手の国が、日本の外務大臣はこれを持ってきた、アメリカの国務長官はこれを持ってきたということを仮に公表したとしたら、それは差し上げた方としていい気持ちではないということもあると思います。
 様々な理由があって、外交上のそういうことについては公表しないということについては儀礼になっている、これは国際的にそうなっているということでございます。
○佐藤道夫君 何度もしつこく言いますけれども、こういう規範が我が国は作っているわけですよ、それは国に属するものだと。ですから、プレゼントが出されましたら、我が国はこうなっていますからよろしいですかと、それは困りますと言ったら拒否すればいいだけの話です。今回の件だって、北朝鮮に対して、我が国の規範はこうなっていますから、これはもう国民に公表されますと、それが民主主義というものですと、よろしいですかと、ああ、どうぞどうぞと言うか、それじゃ贈物はいたしませんと言うか、それだけの話でしょう。
 ちょっと弁解はよしにして、もし、ちょっと調べるのが、本当だと思えば調べて、どこが外交上の秘密なのかはっきりさしてください。国の損益にかかわるような大事な問題だと言うんでしょう、恐らく、この件を明らかにすることが、だから言えませんと。
○国務大臣(川口順子君) 国際的に外交上の儀礼でやり取りをしたお土産、そもそもやり取りをしたかということも含めましてこういうことは申し上げないと、そういうことになっているわけですね。
 ですから、我が国の処理としては、それぞれその立場立場の方が適正に処理をなさったと思いますけれども、外交上の儀礼は儀礼であると申し上げざるを得ないわけです。ここはいろいろな委員の方にお考えはあると思いますけれども、そういう儀礼は儀礼であるということで御理解をいただきたいと思います。
○佐藤道夫君 これは、何も全然調べていないとすれば、今、内閣、総理に電話をして、一体あれは何だったんですかと、こういうことで委員会で今質問されておるので明らかにしたいと思います。何しろ新聞にも出ているわけですから、皆知っているわけです、国民全体がね。今更隠し立てをするような問題でもないでしょう。新聞が報道している、テレビにも出ていましたよ。こういうものでございます、決して怪しいものではございません、御理解くださいませと一言言えばそれで済む話ですよ。総理の返事が来るまで、ちょっと私質問できませんよ、こんなばかげたことで。
○委員長(松村龍二君) 川口外務大臣、堂々巡り、同じ答弁と質問でございますので、何か変わった答弁をお願いします。
○国務大臣(川口順子君) これについては、例えば私はお土産をいただいたか、いただかなかったかということは、だれにも言っていませんし、しかしながら私の判断と良心においてこれは適正に処理をいたしております。それについてどなたにも申し上げられないということでございます。基本的に、お土産についての考え方はそういうことであるということです。
○佐藤道夫君 例えば、何百万円ものダイヤモンドをもらったというのとは違うわけですよ。そういうことについてははっきりと、我が国ではこれは公表することになっていますから受け取れませんと言えばいいだけでしょう。やっぱり、恐らく十八世紀ごろの外交上の慣例をこれは便利がいいから使おうやということで知らぬ存ぜぬで済まそうとしている。ああいうふうにはっきり新聞にまで報道されたことについては、外務省、外務大臣として国民にきちっと説明する義務がありましょう。国民が知らないわけでも何でも、皆知っていることですから、一体あれは何なんだと。もう同じ答えはやめてくださいよ。冗談じゃない。
○委員長(松村龍二君) この問題については、後ほど理事会で検討したらいかがでしょうか。
○佐藤道夫君 じゃ、そうしましょう。
 ということで質問を変えさせていただきますが、先ほど外交協会の件が話題になっておりまして、これは民間団体なので余りはっきりしたことは言えないというふうな感じの答弁だったと思いますが、これは大学を卒業した人は皆知っているわけ、いや入学しただけで知るわけですけれども、外交協会というのは民法上の法人なんですな、公益法人といいましてね。主務官庁はこれは外務省、それで外務省の許可を得て設立する、民法が決めておりまして、外務省が業務を監督する、それからもし業務の執行が適当でない、違法行為をやっているといったら許可を取り消すことができるわけですよ、外務大臣、外務省というのはね。
 そこで、問題は、今年の十一月かなんかに北朝鮮にあの何かパチンコ屋のおやじさんらしい人が人道支援として米を送りたい、送ってもらいたいと言って送ったと。送り先も、それを送ったらそれがどうなったのかも一切把握していない、これ以上は何しろ民間団体ですから追及するわけにはいきませんと、そんなばかげたことがあると思いますか。監督権はお持ちなんですよ。
 これも、あれだけ読売新聞が大きく取り上げておりましたから、外務省はきちっと追及したでしょう、北に送ってそれがどうなっているのか、本当に庶民の口に入ったのかどうか。何か報道等によれば軍隊に回るんだと、あんなものはもう貧しい庶民の口には入らないと、だから無駄なことだという意見が有識者と称する人から出ていました。私もそうだろうなと思いますけれども。
 いずれしても、ああいうことについてきちっとどうなったのかということを追及して、調べて、国民に報告する義務があるんですよ。あなた方、監督権握っているんですからね。それを監督したらこうなりましたと、これでもう御勘弁くださいということを報告する義務があるんですよ。当然調べたでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど、別な委員の御質問に対しましてお答えをしたことの繰り返しになりますけれども、この件については、これは日本外交協会、これは委員のおっしゃる民法上の公益法人で外務省の監督下にある団体です。これは社団法人ですが、これが地方の公共団体から乾パン等を譲り受けて、これを、この協会と民間の方が民間資金を使って支援に充てたという、そういうものであるというふうに承知をしております。これのときの協会の判断としては、NGOとしての人道的な見地で協会独自の判断でやったというふうに聞いています。
 それで、外務省と公益法人、社団法人ないし財団法人の関係でございますけれども、これは私よりも法律の専門家でいらっしゃる委員の方がはるかに詳しくていらっしゃると思いますけれども、一般的な監督権ということでございまして、一つ一つの事業についてこれを許可するとか認可するとか、そういう関係は一切ないわけでございます。
 一般的に例えば事業計画なりあるいは会計面での決算等については適正に定款に沿って行われているということをきちんと監督する、それは監督責任ですけれども、これが乾パンをインドに送るとか、そういった一つ一つの事業について監督はできない、する必要もない、することは想定されていないと、そういうことであると思います。外務省がこれを委託をするということであればこれは別の話ですけれども、そういうことでは全くないということで御理解をいただきたいと思います。
○佐藤道夫君 これは送る前に、そういうことを送ってよろしいかというので、何か外務省からやめた方がいい、今は国交正常化交渉中であるからということでストップを掛けたのにもかかわらず送っちゃったということでありましょう。そういうときは、もう明らかに違法行為ですから、呼び出して厳しく調べて、場合によっては許可を取り消すということだって可能なわけですよ。それを一切何もやらないで、何しろ仕方がありません、干渉はできないことになっていますと。おたく、本当に役所なんですかという疑問すら私持ちますよ。どうぞ簡単に。
○国務大臣(川口順子君) これは委員の御質問としてそういう御疑念をお持ちであるというのは分かりますけれども、正に個別個別の事業ですから、そしてこれに、ですから役所がこれをストップするという性格のものでもなければ、これはやったとして違法であるということではましてやないわけです。
 それで、今回の具体的なお話を申し上げますと、これをやるということをこの日本外交協会が決めて、そして事前にそういうことをやりますよという連絡は外務省に確かにありました。それで、外務省からは、その際に協会に対して、北朝鮮に対する食糧支援について政府の考え方はこうだという基本的な考え方は説明をしたということでありますし、それから、これは先ほど言いましたように民間の支援ですから、政府のお金は使っての支援ではないので、これについて違法性とかいうことはないわけですけれども、ただ、こういう状況であるということを考えて慎重にしてほしいということは言いました。
 それで、そういったことでありますし、私としても、これも別な委員会で申しましたけれども、もう少しいろいろな状況を適宜考えて配慮があってしかるべきであったというふうに私は思っています。思っていますけれども、これについて止めることが外務省としてできるかどうかというと、そういうことではない。
 それから、正に今改革ということで民と官の関係については非常にシビアに考えていく。民は民としてその自己責任において行動していく。その行動の結果に問題があれば、それはその民が問題を自分で責任を取ると。そういう仕組みの世の中で動いているわけですから、これは外務省としてそういうお話をもう少し慎重に考えるべきではないかということを言った上で、その上の判断は、これは民の判断として外務省が止めることができる筋合いのものではない、そういうことでございます。
○佐藤道夫君 私の意見だけ言います、あなたの答弁長過ぎて困るから。
 主務官庁で、しかも外務省が今、北朝鮮と正常化交渉をやっている、これには食糧支援の問題も将来の問題として当然出てくる。それに対して、民であるといって在日朝鮮人のパチンコ屋さんが米を送りたいと。それはちょっとやめてくださいと言うのが私は筋道だと思う、しばらく様子を見てからにしてくださいと。筋道だと思うし、そう言うのが常識だと思う。何しろ監督権もあり取消し権だってあるわけですから、法人自体の。そういうことを一切棚に上げて、何しろ民のやっていることですから干渉できませんと。全く二十一世紀の大臣さんとは言い難いような答弁を平気でなさいます。
 最後に、イラクの問題を、防衛庁長官、お暇なようですからお尋ねいたしますけれども、まずもって情報収集、これにはいろんな情報収集があるんでしょうけれども、イージス艦のやるような情報収集は大変高度なものだと。何しろイージス艦というのは日本に四隻、アメリカに六隻、計十隻しかこの世界にない、よほどの高度な情報を収集しておると。そして、アメリカとイラクが仮に戦争を始まった場合に、イージス艦の果たすべき役割というのは、イラク軍は今こういうふうに展開しておりますと。展開しております、ミサイル発射基地はあそこにあります、それからあの岩の中には隠れて潜んでいる軍人が結構おりますとか、そういうことを、緻密な情報を提供して、それに基づいて情報の提供を受けたアメリカ軍が攻撃をする。
 これは例えて、分かりやすい例えで言えば、情報を提供する人は頭なんですよ。あそこに敵がいるからと教えることは、要するにそこに攻撃する、こういうことになるわけで、鉄砲を撃つ人は手足にすぎないわけですよね。もらった情報で鉄砲を撃つと。これは二者合同でやっているけれども、一番重要なのは、やっぱり情報を収集して手足を使うという人が大変重要な立場にあることは間違いない。これはもう集団的自衛権そのものと言ってもいいわけでありまして、おたくの有力議員である野中さんや古賀さんも集団自衛権の行使の疑いがあるからこれはやめた方がいいということを、つい昨日のテレビか何かで言っておりましたよね。
 こういうことについて、防衛庁長官、所管大臣ですから、この集団自衛権行使について。今までの歴代政府は違憲だ、行使しないと言っていたのにかかわらず、あなたは合憲論者と、そして入閣をして内閣の方針に従って、従いますと。でも、所管大臣ですからね、従ってばかりいれないんで、こういう場合にはあなたはもう所管大臣としてこれは合憲にしますと言うのか、あるいは従来どおり違憲ですからと、一切行使しませんと言うのか、いかがなんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 今朝の報道でも私は見たんですが、イージス艦というのは、例えば今、日本が四隻、アメリカが六隻という御指摘でございますが、アメリカはイージス巡洋艦を二十七隻保有をいたしております。あるいは、アーレイバーククラスのイージス型駆逐艦というのは三十隻強、新造のアーレイバーククラスはすべてイージスでございます。
 というのは、イージスというのが世界にもまれなるすごい船であるというようなお話が流布しておるようでございますが、これはそういうものではございません。アメリカの船はすべてイージスに切り替えるべく今やっております。イージスというのは特殊な船というような御理解は私どもの認識とは異なっております。イージスというのはあらゆる邪悪を振り払うと、こういうような名前で付いたものですからそういうような誤解を生んだのかもしれませんが、そういうものであります。
 加えて、今、スペインでも建造中でございまして、これは日本とアメリカだけしか保有していないというものではございません。他国においても今導入の計画というのが進捗中であるということを申し上げさせていただきたいと思います。
 加えて、集団的自衛権につきます理解でございますが、イージスの持っております能力というのは、委員御指摘のように、岩の陰に潜んでおる者とか、そういう者を探知するような、そんなような魔法のような力は持っておりません。イージスというものは、基本的に対空探査能力というものに優れた船であります。水平線の向こうまでイージスが魔法で見えるわけでもございません。これは、基本的にほかのレーダーと異なっておるわけではございません。ただ、コンピューターの解析能力が優れておりますので、それがいかなるものであるかということを分析、判別をいたします能力が優れておるということでありまして、岩場の陰に隠れているとか、そのような者を発見するわけではございません。このように考えてまいりますと、イージスというものになったから集団的自衛権というものに抵触するかという御指摘は、それは私は当たらないものだと考えております。
 先ほど舛添委員の御質問にもお答えをいたしましたが、集団的自衛権の定義の中で、実力をもって阻止することが正当化される、それをもって権利というのだと思いますが、そういうものに当たらないことは明らかであります。さすれば、情報の提供、一般的な情報の提供、それが、自分を守るために収集した情報というものが、データリンクシステム、イージス特有ではございません。それが、ほかの、アメリカの、例えて言えばアメリカの船と共有するに至ったということが実力をもって阻止することが正当化されるということと同義かといえば、私はこれが同義だとは思っておりません。それは、集団的自衛権自体を合憲であると考えるか違憲であると考えるかということとは全く無縁の議論だと理解をいたしております。
○佐藤道夫君 もう時間ですので、私の考えだけ述べさせてもらいます。
 今までイージス艦派遣について国会でも随分議論がありまして、そしてやっぱり見合わせておこうというのが今までの政府の結論だったと思うんですけれども、今度、アフガンの問題がほぼ片付き掛けている、若干テロの問題もありますけれども、そういうときになぜ、今なぜなんだということを国民が皆疑問に思ったと思います。やっぱりイラクを射程に置いてこういうイージス艦を派遣するんだな、今までお金で済ますとかそういうことで大分非難されていたからそういう高性能の情報艦を派遣するんだなと、国民は皆そう思っている。なぜ、はっきりと、イラクにも事があったら派遣しますよということを言わなかったのか、それも不思議に思っているんですよ。
 もっと素直に国民と一緒に議論をする、腹を割って議論をする、そういう建前を貫いてもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。
○高野博師君 最初に、対外関係タスクフォースが出しました報告書に関連して二、三お伺いしたいと思います。
 このタスクフォースが、二十一世紀の日本外交の基本戦略というタイトルで、「新たな時代、新たなビジョン、新たな外交」ということで報告書を出しておりますが、中身を読んでみますと、そんなに新しいものは特にないなと。
 なぜ、官邸主導の外交改革をやろうとしているのか。官邸に外交戦略会議を創設するという考えがあるようでありますが、外交丸投げの受皿作りかなという感じもしないではありませんが、この報告書の中で一つ注目を引いたのは、補完的な日米関係あるいは日米関係を総合的に見直すということが書いてあるので、これは私は大事な点かなというふうに思っております。ただ、国益とは何かというこの中身についても、今までの国益論と余り変わっていない、もっと相当の議論をする必要があるのではないかというふうに思っております。
 そこで、こういう外交戦略会議等の創設等について、外務大臣はどういうお考え、どういう印象を持っておられますか。
○国務大臣(川口順子君) 対外関係タスクフォースは、有識者の方が集まって会議をなさっていらっしゃる場で、この場で様々な外交の課題について議論をなさって、そしてまたその議論をまとめる形で委員の方々が集まって議論なさった、その結果がこの発表された紙であるというふうに理解をしています。そこで外交戦略について中長期的な外交の考え方、ビジョン、これを議論する、そして総理に提示をすると、そういう目的で外交戦略会議ということを提案をしているということでございます。
 外交は、官邸とそして外務省と、すなわち日本政府全体としてやっていく必要がある、政府内部で連携を取りながら進める必要があるということでございますので、こういった、それをどうやったらより良くできるかという観点から様々な御意見があると思います。その一つの、この道の専門家の方々の御意見でございますので、そういう方の御意見として拝聴をさせていただきたいと思っています。
○高野博師君 このテーマと若干それますが、実は私、先週、ブラッセルでe―パーラメントという組織の国際会議に出てきたんですが、これはエネルギー効率と地球温暖化の問題をテーマにしていまして、それで、温暖化が急速に進んでいるという現実の中でこのe―パーラメントは、全世界に二万五千人いる国会議員のネットワークを作ってこういう問題について立法化を進めるべきだということなんですが、その中心になっているのは元グリーンピースの幹部だった人ですが、環境保護の関係でいろんな活動をしたけれども、結局法律を作らないと物事が進まない、あるいは方向性ができないという考えでこのe―パーラメントに入ってやっていると。実際にはドイツのワイツゼッカーという有名な環境学者、下院議員が中心になってやっているんですが。
 それとの関連でいいますと、グローバル化がどんどん進んでいる中でいろんな国際的なルール作りが必要だということで、この間私もFTA外交の推進というようなことも言及しましたが、例えば拉致の問題の国家補償の問題、これもルール作りなんか必要ではないか、あるいは電子商取引のルールはどうするんだ、国際私法の関係の立法化、ルール作り、こういうことを考えると、外務省が中心になってこういう立法化を進める、あるいは日本がイニシアチブを取っていくということが私は必要ではないかと思うんですが。
 一部に外務省の条約局の廃止ということを言っているところがありまして、外務省の条約局を廃止したら実際にこういうルール作りでだれがやっていくんだということになると思うんですが、私は、この条約局の廃止なんというのは正に時代に逆行している、新しいグローバル化の中で正に日本がイニシアチブを取らなくちゃいけないときに条約局の強化をすべきだ、むしろ、というのが私の基本的な考え方なんですが、この点については大臣のお考えをお伺いしたいと思うんですが。
 EUもそうなんですが、こういうルール作りはEUが中心になっている、あるいはそれに中国も韓国も、これに乗り遅れまいというか、日本よりも先駆けてやろうとしていると、そういう動きがあるわけで、今の日本の外務省の体制だと私は乗り遅れてしまうのかなという危機感を持っておりますが、この点について大臣はどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 問題を二つに分けて考えてみたいと思いますけれども、一つは、我が国として、世界の新しく様々起こっていることについての基準作りといいますかスタンダード作りといいますか、いろいろな言い方あると思いますが、法律、条約という形でそれをリードしていくということの重要性、これは言をまたないと思います。我が国としても、例えば京都議定書ということを取ってみても、この取りまとめには非常に大きな貢献をしたというふうに思います。こういったソフトパワーといいますか、そういう分野での我が国の秩序作りへの貢献、これはますます強化をしていかなければいけないと思います。
 それから、その次に、そのために外務省として何をしなければいけないかということは、これは幾つかあると思います。おっしゃるような、今条約局が持っている機能の強化、これは非常に大事であると思います。単に条約を超えて、様々な国際秩序作りに貢献をしていくということは必要だと思います。それだけでは十分ではなくて、その他そういう問題の発掘なり、あるいはそれを国際社会で受入れ可能なような形の仕組みに作っていくためのまとめる力とか折衝能力とか、いろんなことがあると思います。そういったことを強化をしたいと思っていますのが今の外務省の機構改革であり、それから外務省の改革であるということでして、問題意識については私は委員と似たものを持っていると思います。
 機構改革については、今月中に中間的な取りまとめをお出しをするということになっていますので、それを見ていただいた上で、また御示唆、御教示いただければ幸いです。
○高野博師君 正にそういう視点でこの外務省の改革をしてもらいたい。何かプール金の問題とかという、そういうことでどんどんどんどん外交が萎縮しちゃって思い切った展開ができないということであっては、正にそれは国益に反すると私は思います。
 それでは、北朝鮮の問題についてお伺いしたいと思います。
 中国とロシアが首脳会談で北朝鮮に対して核開発の断念を促すと、で、圧力を掛けていくということが報道されておりますが、川口大臣が唐家セン外相とこの北朝鮮問題について何か話をされたという報道をゆうべ遅く聞いたのでありますが、中国とロシアが朝鮮半島の問題について、その背景は、一定の影響力は保持しておきたいというのが私はあるのではないかと思うんですが、しかし、それはそれとしまして、核開発等については大変懸念を持っていると。
 そこで、ロシアも中国も、中国は難民の問題とか、あるいはロシアはこれまでもいろんな産業、経済の援助をしてきたという経緯もありますし、これからも何らかの影響力を持ちたいということだと思うんですが、一つ、金正日総書記が近く中国を訪問するという予定だと言われているんですが、今、日朝交渉が行き詰まっているという中で中国を通じて何らかの打開の糸口がつかめないんだろうかと。あるいは、中国に対して何らかの協力を要請するということは、これは唐家セン外相にされたんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 昨日、私は唐家セン外務大臣と電話で話をしました。それで、中ロの首脳会談がございまして、その中で朝鮮半島の核、非核化の話については声明に出ているということもございまして、私から、中国のように北朝鮮と歴史的に友好関係にある国において北朝鮮の核兵器の開発を迅速に、見える形で、検証可能な形で撤廃をするということについて引き続き働き掛けてほしいということと、それから、我が国にとってもう一つの非常に重要な問題でございます拉致の問題の事実解明等、我が国が北朝鮮に対して要求をしていることについても中国の尽力をしてほしいというお話をいたしました。
 それから、そういった様々な場で引き続き政府としては努力をしていきたいと思いますし、委員がおっしゃった金正日総書記の中国訪問の話についても話はいたしましたけれども、これは外交上のことでございますので、この場で中国がどう言っていたかということについては申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○高野博師君 それでは、食糧援助の問題について若干お伺いしたいと思います。
 WFPの報告によると、今年から来年にかけて今の状況が続くと四百万人の子供が餓死する、そういう状況にあると、こういう報告なんですが、そもそも食糧援助についての基本的な外務省の考え方をお伺いしたいと思います。
 私は、これも六、七年前にも何度も五十万トンの米の援助について相当厳しくやりました。それは、人道的な援助と言いながらその末端まで行き届いていないのではないか、軍の備蓄になっているのではないか、そこに問題があるということを言っていたわけでありまして、正に人道的な観点そのものにきちんと役に立つのであればそれは反対する理由はないと思っているんですが、その点も含めてどういうお考えか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮についての食糧支援でございますが、これは、これまでも北朝鮮の厳しい食糧事情を勘案をいたしまして日本政府として支援をしてきたという経緯はあるわけです。そして、その考え方として、これは人道上の考慮、それと総合的に、その時々の関係を考えて総合的に考えて決定をすると、そういうものでございました。今の時点でそういうことを検討しているかということであれば、それは現在検討しているという事実はないわけでございます。
 それから、委員がおっしゃったような食糧支援が必要とされているところに適切に届いているかどうかという観点は、非常に大事な観点だと思っています。北朝鮮という国が非常に不透明で中で何が起こっているか分かりにくいという問題があるということは、そういう事情があるわけですけれども、世界食糧計画、WFPのアピールにこたえて我が国が行った食糧の支援、これについては子供や老年や妊産婦といった弱い、社会の弱者を対象とするものでございまして、その実施状況についてはWFP、そして我が国から行っている視察団、これによってモニターをされてきているということでございます。
○高野博師君 この四百万人の子供の中には日本人の血を引いた子供もいるかもしれない、それが餓死するという状況を隣の日本として黙って見ていていいのかどうか。
 当然、今、拉致の問題があるということはもう十分認識しておりますが。そういう中で政府がやるのは、これは北朝鮮に間違ったメッセージを送ることになるかもしれない、しかし、正に人道的援助ということであれば、NGOなりWFPなりを通じてやるということは検討の余地はあるのではないかなと私は思っておりまして、先ほどの日本外交協会の問題ですが、これはいろんな災害用に備蓄している乾パン等がもう何ですか期限切れになったので捨てると、しかし、それはもったいないからまだ役に立つなら使おうということで上げたということでありますが、これは社団法人といっても要するに一種のNGOという見方をすれば、NGOがやっていることに対して政府が一々口を出すというのはこれは適当かどうか、全部日本の外交政策に従えという、そういうことは適当ではないのではないかと、NGOのいろんな考えに基づいてやっている活動に対して。
 そういうことも考えて、この問題について独自の判断で行ったというのは、それはそれで物そのものがモニタリングできていないという問題はあるかもしれないが、しかし、人道的な観点からやったことに対してそれを政府として非難する立場には僕はないだろうと思っております。
 もう一回、今四百万人の子供が死ぬか生きるかという状況にある状況をほっておいていいのかということについてはどうお考えでしょうか。具体的にどうお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) なかなか北朝鮮の内部というのが見えないものですから、食糧事情についてはいろいろなことが言われているわけでして、それについて実態として政府としてどこまできちんと把握をしているかというと、これはなかなか把握し難い状況にあります。
 それで、我が国の食糧支援についての考え方ということで申し上げれば、これは人道上の考慮、それに加えて種々の要素、これを総合的に勘案して検討していくべき問題であるということでございますけれども、今、政府として北朝鮮に新たな食糧支援をすることを具体的に検討しているかということであれば、しているという事実はございません。
○高野博師君 それでは、北朝鮮の人権状況についてお伺いしたいと思います。
 北朝鮮が八一年に国連の国際人権規約に加盟しているという状況の中で、いろんな報告も一度か二度出されているようでありますが、実態は相当事実とは違う報告を出していると。
 そこで、強制収容所も二十万人ぐらい依然としているのではないかと、こういうことも言われておりますし、この人権状況について、人権の査察ということは難しいかもしれませんが、IAEAの査察まで拒否しているような状況ですから、しかし、国連の人権委員会からの何らかの行動というのはもっと日本として要請することができないのかどうか。国際的な包囲網を作った上で、人権についてもっと関心持っているというか、こういう問題への意識を促すというか、こういうことはできないのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中均君) 委員御指摘がございました人権委員会への報告書、これは北朝鮮が二〇〇〇年にB規約人権委員会に対して報告書を提出しているわけでございますが、その委員会の二〇〇一年の報告審査に対する最終見解におきまして、北朝鮮の返答というのは十分答えていない、効果的な答えになっていないということを述べるとともに、今御指摘がございました刑務所等の拘禁施設に対して独立した国内及び国際査察を受け入れることについて強く勧告をしているということでございます。
 当然のことながら、政府としてこの人権条項については非常に強い関心を持っているわけですが、現在、人権委員会の中に国際的な査察の制度というものは存在をしていないわけでございます。ただ同時に、国際査察について北朝鮮はその勧告を受け止めて、二〇〇四年の一月というのが期限になっておりますが、北朝鮮側が提出する報告において人権委員会の勧告に関して取った措置を報告することが要請をされているということでございます。
 私どもといたしましても、そういう人権委員会の勧告、それを踏まえて、最も効果的な方法は何かということについて検討を更に進めてまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○高野博師君 それでは最後にイージス艦の派遣について、これも触れざるを得ないものですから、簡単にお伺いをいたします。
 そもそも派遣の理由について、これ何度も今まで議論がありましたんですが、最近になって快適さとか居住性がいいとかという、こういう幼稚な議論を持ち出して派遣という、これは全く納得できない話で、テロ特措法に基づく派遣だ、イラクの攻撃とは関係ない、それから集団的自衛権の行使には当たらない、武力行使との一体化ということにはならないということも、しかも憲法の範囲内だということをきちんと明確に言っていただきたい。
 情報収集能力なり防空能力が高いからこれは駄目だということは余り理屈が僕は通らないと思うんです。こういうことも含めて、派遣を決定することになった理由について明確にお答えを防衛庁長官からいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) もう一度整理をして申し上げますが、一つはやはりローテーションなんだろうと思っています。
 船は一隻で行動するわけではございません。補給艦、護衛艦という形で複数、艦隊を組んで行動いたします。それが必要であります。そうしますと、一種の司令部的な機能が必要になってまいります。指揮統制みたいな形の機能を持つ船が必要です。これは委員も御案内かと思いますが、その機能は、普通のDDあるいはDEと言われる護衛艦にはその機能は付与されておりません。司令部機能というものを持っておりますのはヘリコプター搭載型護衛艦DDHとこのイージス型護衛艦DDG、これだけが有しております。スペースからいって全然違うわけですし、積んでおる機材が違います。これがDDHだけですと四隻、一隻はドックに入っていますから三隻。その司令部機能を持った船がおりませんと、そこでのオペレーションというのはきちんとできません。みんながばらばらのことをやっておったらオペレーションになりません。その三隻がぐるぐる回っておるということになりますと、これは相当にローテーション回すのがきついことは御理解をいただけるだろうと思います。その司令部機能、指揮統御機能というものを三隻から六隻、数字のうちでは四隻四隻の八隻になりますが、ドックに入っておることを勘案いたしますと六隻で回していかないと相当にきついことになるというのが理由の第一であります。
 もう一つは、やはりこれはイエメン沖の例を余り挙げるなというふうな御指摘もいただきますが、これ前兆がない、どこから来るか分からないのがテロのテロたるゆえんだというのが私はあるんだろうと思っています。そうしますと、先ほどの御質問にもお答えをいたしましたが、空からということもありますが、海の上から来る脅威、それがどのようなものであるか、別にイージスだから遠くまで見えるわけではございませんが、それがどういうものであるかということを識別する能力が数倍優れているということがございます。
 居住性のお話は取って付けたようなというおしかりをいただきますが、これ実際に、私も大臣になります前、党で、派遣されていた隊員たちのお話を聞いたことがございます。そうしますと、本当に外が四十度、四十五度の外気温になる、そして甲板は七十度から七十五度ぐらいの暑さになる、そして海の上でも砂嵐が舞っておってそこでマスクをして長袖で活動をしておる。冒頭、舛添議員からもお話がございましたが、同じ距離を保って同じスピードで、そうでなければコースを外れてしまいますから、六時間直進をするということをやっておって、そこの隊員たちも六時間、本当に酷暑の中でつらい作業をしておる。補給艦に代わりの船があるわけではございません、そこは誤解のないように申し上げておきますが。
 その隊員たちが非常に緊張を強いられている中でイージスという船が来る。それが攻撃をするということではなくて、どのようなものが近づいているのか、それが敵性を持ったものであるのかそうでないのかということが判断をできるところに意義がございますが、もう一つは、今それをDDHでやっているわけですけれども、先生御案内のとおり、このDDHというのは相当古い船でございます。それが、ベッドは三段ベッドである、エアコンをフルに回しても三十度以下には温度は下がらない。その中でイージスは二段ベッドでございます。温度は下がらないにしても、やはり快適性というものを保っていかなければ、集中力を保つということは人間である以上、どんなに高い士気を有し使命感を有していてもやはり限界というのはあるのではないだろうか。イージスが常に出ているわけではありません、冒頭申し上げたようにローテーションで回りますから。イージスが行かない場合も当然あります。ですから、イージスでなければ駄目なのかといえば、イージスでなくてもこれはできます、当然そういう場合が起こりますから。しかし、イージスをローテーションに組み込んだ方がベターであるということであります。私どもは何も集団的自衛権とかそういう問題を糊塗するために、隠ぺいするためにアメニティーの問題を持ち出しておるわけではございません。
 集団的自衛権につきましては、先ほどお答えをしたとおりでございます。
○高野博師君 それではひとつ、最後に、この派遣する地域ですね。アフガンの近辺、インド洋であれば問題ないけれども、イラクに近い方に行くとこれはいろいろ問題があると、そういう地理的概念というのはこの派遣の中で考えているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは当然、区域については定めがございますので考えております。これは法の目的に沿って地域を定めるものでございますので、新しい事象が発生した場合にはどうなるかということはまたそのときに考えることだろうと思っております。今のテロ特措法において定められている区域というものは、イラクというものが当然起こる前に作ったものでございますので、新しい事象が起こればまたそれに沿って考える。いずれにいたしましても、法目的に沿った形になるわけでございます。
○高野博師君 そうすると地理的、もう時間がないんですが、地理的にここまでなら大丈夫だというようなことは特定できるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは活動の必要性、あるいはこれはもう法に書いてありますとおり、現に戦闘行為が行われておらず、かつ活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域ということは法の六条に定められているとおりでございます。仮に、仮にそういう地域、つまり安全と思って、そういう地域であると思って指定をしたけれども、そこでそのような事象が起こったと、戦闘が起こったあるいはそのおそれが生じたという場合には速やかに活動を停止して下がる、そして防衛庁長官がその地域の変更を行うのを待つという形が法に定められております。いかなる場合であれ、そのような地域において活動するということは法が想定しているものではございません。
○高野博師君 終わります。
○吉岡吉典君 質問通告外ですが、最初に一言、イージス艦問題について取り上げさせてもらいます。
 私どもは、イージス艦の派遣は、現在アメリカが進めているイラク攻撃計画に事実上協力するということになるものであり、絶対に許せないという態度を取っております。私は、この問題が決定されるまでのこの数日間、アーミテージ氏が、八日ですか、日本に来る、来てから決めたのではアーミテージに言われて決めたことになるから来るまでに決めるべきであるというような議論が盛んに行われているということをいろいろ聞いておりました。与党内にも反対があるものなのでまさかと思っていましたが、昨日決定されたということで、やはりそうだったのかという感を強めております。
 私は、これまでこの委員会で紹介しないできましたけれども、こういう事態になると紹介しておかざるを得ない話があります。それは、九月、参議院の議長に同行してヨーロッパへ行ってまいりました。そのときに、五年間ヨーロッパで経済活動をやっているという日本のある大商社の現地法人の社長さんが長時間、いろいろな機会がありましたけれども、たまたま私、その人と同席して話することになりましたが、その人が言うのには、日本はヨーロッパ諸国では独立主権国家と見られておりません、アメリカの犬だと言われておりますと。私の言葉じゃありません、その現地法人の社長の言葉でした。アメリカの言うことを何でも聞く、アメリカの顔ばかり見ている、ヨーロッパから見ていればこれはそう見えると。私は、五年間そういう目で見られながら活動して本当に悔しい思いだったということを、いろいろな状況併せて話してくれました。
 そして、その人は最後にこう言いました。あなた方は政治家であり、日本の政治が動かせるから是非お願いします、それは、アメリカがイラクへの武力攻撃を行うような事態になってもこれだけは絶対に支持したり協力したりしないでください、もしそういうことになればそれは日本が行ったあの真珠湾攻撃に次ぐ重大な誤りを犯すことになると、私はヨーロッパから眺めておりますと、こういうことでした。
 外務大臣に、このヨーロッパで五年間働いているという人に、私に向かってというよりは、その人がそういうことを私に言ったことについて答えてあげていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) そのヨーロッパに御滞在の商社の方のような御意見を持っていらっしゃる方もいらっしゃると思いますし、そうでない意見を持っている人もいると思います。
 それから、まず大事なことは、米国は今戦争をすると、武力行使をするということを決めたということでは全くないということでして、大事なことは、イラクが国連の決議一四四一あるいはその他の決議、これを守って大量破壊兵器を目に見える形で廃棄をし、そして他の国連の決議も守るということをするということでして、ボールはイラクのコートにあるということであると思います。
 日本としても、この前、特使を派遣をいたしましたけれども、そういった外交努力、様々な努力を行って、イラクが国連の決議を守るということを求めていきたいと思います。
○吉岡吉典君 防衛庁長官、あと外務省だけになりますから、席を外されても結構です。
 今の答えでヨーロッパの商社の人が満足するかどうかは別としまして、最後の方で言われました、今、イラクが国連安保理決議を無条件に誠実に実行するかどうかということが最大の問題だということについては私も賛成です。私どもは、やはりイラクがあくまで国連安保理決議を誠実に実行することを求め続けております。
 そのことに関連してお伺いしたいのは、先ほども問題になりました周辺諸国への総理特使派遣に関連して、なぜ当のイラクには特使を派遣されなかったのか、私はちょっと疑問を持っておりましたので、この際お伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(奥田紀宏君) お答え申し上げます。
 最近派遣されました総理特使とイラクとの関係でございますけれども、イラクの大量破壊兵器をめぐる懸念というものは国際社会共通の問題であると我々は考えておりまして、我が国として、イラクが国連安保理決議一四四一、これを重く受け止めまして、この決議に従って実際に査察を無条件、無制限に受け入れていく、そして大量破壊兵器の廃棄を始めとするすべての関連安保理決議を履行することを強く求めておりまして、このために必要な外交努力をしてきております。
 そこで、イラクとの関係でございますが、その一環としまして、本年の九月十四日に、ニューヨークにおきまして、川口外務大臣からサブリ・イラク外務大臣とも会談をし、また例の安保理決議一四四一が採択された直後には、十一月十一日でございますが、新藤政務官及び安藤中東アフリカ局長からも、東京におりますシャーキル・イラク臨時代理大使への申入れを行う等をしておりまして、大量破壊兵器をめぐる懸念の払拭をイラクに強く求めておるところであります。
 他方、御指摘の、イラクへの政府要人の派遣ということに関しましては、イラク側から政治的にこのような派遣が利用されないように留意する必要があるという考え方に立って、今回行わなかったというものでございます。
○吉岡吉典君 利用されることを避けるためという理由は、これは説得力がないと思います。
 私は、イラク自身が、なぜ周辺だけ来てイラクへ来ないのかという疑問を持っているということも聞きましたので、それも併せてお伺いしたわけですけれども、当面、イラクが安保理決議を無条件に実行するかどうかということが決定的なかぎを握る、そういうときに周辺だけ行って、一番肝心かなめのイラクへは行かないということは、やはり私はうまい方法ではなかったんじゃないかというように思います。これは答弁は求めません。
 今後、外交に当たって、やはりバランス感覚をもうちょっと持っていただきたいなということを要望しておくにとどめて次の問題ですけれども、国連安保理決議一四四一の解釈にかかわる問題です。
 同決議は、仮にイラクが義務違反を犯した場合、そういうことがあってはならないわけですが、しかし、仮にそういう事態があった場合でも、国連安保理事会にそのことは報告され、安保理事会がそれに対する次の措置を検討すると、そういうことにこの決議はなっていると私は取っておりますが、それでいいでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) ただいま御質問の一四四一の該当部分は、今、委員御指摘のとおり、仮にイラクによる本決議の不履行により同国の諸義務の更なる重大な違反があったとみなされる場合などには、すべての関連する安保理決議の完全な履行の必要性を審議するために、安保理が即時に招集されるという旨が規定されているところでございます。
 そういう意味におきまして、安保理が即時に、先ほどのようなことを目的のために招集されるということが規定されているのが一四四一の本旨でございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、いかなる国のものであれ、例えばアメリカによるものであれ他のどこの国によるものであれ、国連安保理事会の新たな決議なしの自動的武力行使を容認するものにはなっていないと、そう取っていいでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) 当該決議を採択された後に、アメリカの代表は投票理由説明におきまして、この決議には武力行使に関する隠された引き金あるいは自動性というものは含まれていないということを述べるとともに、同時に、安保理がイラクによる更なる違反という事態に断固たる対応が取れない場合には、この決議はいかなる加盟国もイラクの脅威から身を守る、あるいは関連の安保理決議の履行を確保するということを妨げるものではないという趣旨の留保発言をいたしております。
○吉岡吉典君 アメリカの国連大使もそういうふうに言っておりますし、この決議をめぐっては、フランス、ロシア、中国という安保常任理事国の三つの国が共同声明を発表して、決議は武力行使におけるすべての自動性を排除したと、こう述べております。
 この意味は、私は、安保常任理事国の三か国がそう声明していることの意味は大きい、したがって一四四一によって、どこの国であれ、もしイラクの違反行為があったとしても、この決議に基づく武力行使というものはあり得ない、その事態を国連安保理事会が改めて検討した結果どのような結論を出すか、それは別として、今の決議によってはあり得ないと、そういうふうに取ってよろしいですね。
○政府参考人(西田恒夫君) ただいま御説明しましたように、一四四一におきましては、イラクによる重大な違反が行われた場合には安保理が招集されて審議を行うということが規定をされているということでございます。
○吉岡吉典君 それで結構です。
 ところが、ブッシュ大統領は、テレビで連日紹介されておりますけれども、安保理決議はアメリカの手を縛るものではないということを繰り返し言っておりますし、イラクが武装放棄しないなら、米国は行動をともにする意思のある同盟国とともに武装解除させるということを言明し続けております。これはどういうふうに日本政府としては取っておりますか。
○政府参考人(西田恒夫君) ブッシュ大統領は当該決議採択直後に演説を行っております。その際、ブッシュが述べておりますのは、米国が判断をするのはイラクが安保理決議に従っているか否かの一点のみである、イラクが自発的に従うことが望ましいが、そうでない場合にも対処する準備はできていると。すなわち、趣旨は、我が国を含む国際社会と同様、イラクによる大量破壊兵器の廃棄を始めとするすべての関連安保理決議の履行ということが目的であるという趣旨において我々は理解をしているところでございます。
○吉岡吉典君 私が言ったブッシュの言葉について答えてくださいよ。
 私は、今読まれたのは知っております。安保理決議がアメリカの手を縛らないと言っているわけですね。それはどういうことかということを言っているんです。
○政府参考人(西田恒夫君) 今のブッシュ大統領、委員の言及された部分でございますが、それは、先ほど委員からも御質問ございました米国の国連大使による投票理由説明の際、後段の部分で御説明したものと趣旨が軌を一にするものというふうに理解をいたしております。
○吉岡吉典君 そうすると、あなたは、ネグロポンテ米国連大使の発言の後段というのは、国連決議に手を縛られない、そういう趣旨だというふうにおっしゃるんですか。
○政府参考人(西田恒夫君) 私が申し上げましたのは、ネグロポンテ米国国連大使が、安保理がイラクによる更なる違反という事態に断固たる対応が取れない場合には、この決議はいかなる加盟国もイラクの脅威から身を守ること、あるいは関連安保理決議の履行を確保することを妨げるものではないという趣旨というふうに理解をいたしているということでございます。
○吉岡吉典君 そうすると、あなたのその解釈だと、アメリカは自衛権として新たな行動を起こすということを表明しているという取り方ですか。
○政府参考人(西田恒夫君) 今回の安保理一四四一に至る過程の中において、米国側から今回の一四四一の趣旨が自衛権というものであるという議論がなされたというふうには承知をいたしておりません。
○吉岡吉典君 国連憲章の下で武力行使が許されているのは、国連安保理決議に基づく措置か、あるいは自衛権かしかないわけですね。国連の安保理決議、新たな決議があれば別ですけれども、今の決議のままでは武力行使は許しておりません、決めておりません。そうだとすると自衛権しかない。その自衛権でもないということになると、何になるんですか。
○政府参考人(西田恒夫君) 私のお答えが必ずしも十分ではないかもしれませんが、ここで申し上げておりますのは、重大な違反が起こった場合には、安保理が正にその事態に対応し、国際の平和と安全を維持するために、また同様にすべての関連安保理決議の履行を確保するというために審議をするということでございますので、この一四四一が、今、委員御指摘のようなアメリカが自衛権を使って武力行使をするというような趣旨のものに受け取れるものとは到底理解できないところでございます。
○吉岡吉典君 これは押し問答してもしようがないんですけれども、国連が違法行為に対して新たな措置を取る、それに沿って取られる行動なら、それは分かるわけですよ。手を縛られないと言っているわけですから、だからそこは問題だということを私は言っている。そういうことについて、やはり日本外交、きちっと見解を述べないからヨーロッパの人の心配も生まれてくると私は思うんですよ。
 もう一つ、ついでにお伺いしておきますけれども、このごろテレビを見ておりますと、毎日のようにアメリカの武力攻撃態勢が整っているという画面を放映し続けております。私は、それを見ながら、これはかつての砲艦外交などというよりはもっとすさまじいなと思いながら見ております。これは、国連憲章による武力による威嚇にはならないんですか。
○政府参考人(西田恒夫君) 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたが、まず、アメリカ政府は武力を行使すると決定は行っていないというふうに私たちは承知をしております。
 また、イラクが正に国連決議を受け止めて査察を無条件で受け入れる、さらには、大量破壊兵器の廃棄を始めとする関連の安保理決議を履行するということを求めるために、正に重大違反がある場合には安保理で議論するというのが、今、全体のピクチャーだと思いますが、アメリカは、正にそのようなイラクによる国連決議遵守を促しているという状況にございまして、今行われている米国政府による発言等々が武力による威嚇というふうには日本政府は考えておりません。
○吉岡吉典君 現に査察が行われている最中、しかも、今までのところ何も問題なしに進んでいると私は思っております。
 そのときに、いつでも武力攻撃ができる態勢がこのように整っているぞという、態勢、そして訓練、それを連日放映し続けていると。これはどう見てもやっぱり武力による威嚇ですよ。私は、武力行使やっているなんて言っておりませんし、武力行使を決めたなどとも言っておりません。それ以前の国連憲章の言う武力による威嚇にはならないのかということを言っているだけです。
 とにかく、私は、今の時期、イラクに対しては、イラクが国連安保理決議を無条件に誠実に実行すること、同時にアメリカに対しても武力行使を行う、また武力による威嚇を行うというようなことがないようにして、国連の下でイラク問題が平和的に解決されることを望むものであります。
 時間が来ましたので、私は最後に、日朝交渉に関連して私の要望的な意見を述べさせていただきたいと思います。
 私は、国交正常化問題に強い期待を持っているということをここでも述べてきました。ですが、しかし国交正常化交渉の前途にはいろいろな困難もあり、障害も生まれて、現在のところ必ずしもうまくどころか再開もされないという事態になっております。私は、この際、私どもの党の考え方でもありますけれども、日朝両国政府がようやく開いた交渉の扉を閉ざすことなく諸懸案を道理と理性を持って解決し、国交正常化へと実を結ぶ、成果を上げることを強く期待して、今後の交渉に当たって是非次のような点を念頭に置いて対応していただきたいというように思います。
 それは、少し長くなるので事前に大臣にもお届けしてもらうようにお願いしておきましたけれども、第一に、北東アジア地域全体の平和と安定を確かなものにすることが日本の平和と安全にとって不可欠であることについてであります。また、そのことはアジアと世界諸国民の強い願いでもあるということであります。諸懸案を解決して、日朝間に国交がない状態を打開し、両国関係を敵対から友好に転換することはそのために重要なかなめの一つとなると、これは小泉総理が言われたことでもあると思います。これを第一の問題として堅持していただきたい。
 第二に、両国間の諸懸案を包括的にテーブルにのせ、包括的に解決するという立場に立ち、互いに誠意を持って交渉に当たることであります。日本国民の多くが心を痛めている拉致問題についての交渉が重要課題であることは言うまでもありませんが、核兵器問題を始めとする安全保障の問題、また過去の植民地支配の清算の問題など、両国間の諸懸案の全体について包括的に解決を図るという立場が重要であると私どもは考えております。そのこともまたこの間の日朝政府間の合意に明記されており、日朝平壌宣言の基本精神でもあると思います。
 第三の問題は、北朝鮮がこれまで国際的な無法行為を犯してきた国であればこそ、日本側の対応は道理と理性に立ったものであるべきだということであります。加えて、北朝鮮が、首脳会談を通じて日本人拉致問題についてはともかくその犯罪の事実を認め謝罪し再発防止を約束したという態度の転換を行った事実も念頭に置かなければならないと思います。北朝鮮にこれまでの国際的無法行為の全体を清算させ国際社会の仲間入りをさせる方向で、日本側は道理ある冷静な交渉態度を貫くべきであると考えます。これもまた世界が強く願っていることだと思います。
 私は、本委員会で、外交の力は最終的には道理の力だということを言い続けてまいりました。相手も動かす、世界の世論も納得する、そういう道理ある主張こそ事態を変える力になると思います。そのためにも理性と冷静さが必要だという点で、以上三点について要望的な提案を行いたいと思います。
 大臣の感想なり御意見なりをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 核の問題あるいは拉致の問題、その他の日朝間の様々な懸案の問題、こういった問題を解決をして日本と北朝鮮の間の国交について不正常な状態を解決をしていく、そしてそれをこの地域の平和と安定を増すような形で行っていくということは責務であると考えています。これを日朝平壌宣言を遵守をして進めていきたいと、そういうふうに考えております。粘り強くやることが大事だと思います。
○吉岡吉典君 この委員会が今年の私が質問することのできるどうやら最後の委員会になりそうですので、質問というより今のような長いことを申し上げましたけれども、私は最初のイラクの問題のところでは、ヨーロッパの商社の人がそういう屈辱的な思いをしない外交ということを考えていただきたいということ。また、当面のもう一つの重要な問題、日朝の問題では世界の期待が実るような方向での努力をお願いして、私の質問、終わりとします。
○田村秀昭君 先ほども防衛庁長官が言われておりましたように、現在、大変厳しい環境でインド洋で海上自衛官勤務しております。この前の委員会でも質問いたしましたけれども、実際にそこに勤務している自衛官に対する処遇、手当に関して長官の御配慮をこの前の委員会でもお願いしたわけですが、現在どのような状況になっているのか。
○政府参考人(宇田川新一君) 先般の委員会で大臣の方から申し上げましたが、特別協力支援活動等手当の水準、これはインド洋の地域という遠隔地における任務遂行、熱帯性の気候における業務の困難性等を総合的に勘案しまして、国内において最も類似する業務を評価したものと考えられる小笠原手当のうち硫黄島に係る部分を参考に、インド洋における環境及び業務の困難性の評価を加え、インド洋の港湾又は空港の区域においては一日につき三千円としているところであります。パキスタン内の港湾等の区域につきましては、外務省の海外危険情報四が出された治安状況の不安定さ等を考慮し、一日につき四千円としているものであります。こういうふうな考えで、そのほかにも艦船乗組員又は航空機乗員につきましても、乗組員又は乗員が港湾又は空港において協力支援活動等に従事した場合については一日につき千四百円にするなどのことをやっております。
 また、この前の御議論がありまして、今申し上げました特別協力支援活動等手当の水準はおおむね適切なものであるとは考えておりますが、一方において、事前に想定したものとは異なる勤務環境となっている可能性も否定できないということがございますので、資料の収集等を行うなど、できる限り現場の隊員の勤務実態の把握に努めているところであります。
○国務大臣(石破茂君) ただいま人教局長からお答えをしたとおりでございますが、それではバランスというものを考えたときに、PKOと比べてどうなんだと、こういう御議論もあるだろうと思っております。私も事情が許せば、中谷前長官、長官当時に現場へ行かれましたが、私も現場へ事情が許せば参りまして、実態の把握をいたしまして、改めるべき点があれば改めることやぶさかではございません。また、委員の御指導を賜りたいと存じます。
○田村秀昭君 長官の積極的なお答えに同意するものでございますけれども、まずこういうことを想定していないわけですから、今までの、従来の手当とかでは十分に、事務的な範囲内だけでは適正な処遇が得られないというふうに思いますので、東チモールに派遣されている陸上自衛隊やほかのPKOや、トータル的にバランスのある処遇、手当を長官に御努力をお願いしたいと思います。
 それではもう一つ、現在、海上自衛隊の次期哨戒機と航空自衛隊の次期輸送機が開発されています。先日、国産のロケットHUが発射成功をしております。これらは大変、私は国家的なプロジェクトであって、国民の関心がもっと高くないといけないというふうに私は思うんですが、こういう国家的なプロジェクトというものをもっと強く推進していかなきゃいけないというふうに思いますが、この防衛庁が今進めている大型機の開発プロジェクトも、二千社以上の会社が関連して約十年を掛けて行う極めて規模の大きいものであります。それで、その技術的波及効果というのも大変なもので、我が国が高い技術レベルを維持していくために極めて重要なプロジェクトだと私は考えております。
 防衛庁長官、この大プロジェクトの成功のためにどのような御決意で臨んでおられるのかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私自身、これはかねてから強い関心を有しております。日本として大型機はYS11以来実は造っていない。ボーイング767も共同でと言っておりますが、実はていのいい、言葉は悪いですが下請的な部分があった。かなり時間が空いているわけであります。この間に、ボーイングにせよあるいは後発のエアバスにせよ非常に高い技術を習得するに至っております。
 先生御指摘のように、大国家プロジェクトとして我が国の航空機の技術、これを次の時代につなげていく、そしてその技術を上げていくということは極めて重要なことであるというふうに考えております。ただ、これは言葉で言うほど容易なことではないという困難性も相当に痛感をいたしております。
 これが、私はこの厳しい財政事情の中にあって、納税者の御理解が得られるものでなければいけない、造ってはみたけれどもみたいなことであってはいけない。もう一つは、運用サイドの要求というものをきちんと満たすものでなければいけないであろうと。PX、CXというのを共同開発と言いましても、これはもう委員が一番御案内のとおりであって、輸送機と哨戒機というものを共同開発するというようなことはやや前代未聞のことであります。
 そういう困難性を踏まえながら、どのようにして納税者の期待にこたえるような飛行機となるのか、そして運用サイドの要求というものをきちんと満たすことになるのか、そういうものを全部見ていかねばならないだろう。そういう意味合いにおいて、政治がそういう認識を持っていなければこのプロジェクトは決して成功することはないであろうというふうに考えております。
 私もできるだけ現場を視察をするようにいたしておりますが、P3Cが今やっておりますこと、あるいはC1、C130、ほかの国のC17、そういうようなものも比較しながら、あるいはイギリスのニムロッドなんというのはまだ飛んでおるわけでございまして、そういうものも比較をしながら、このプロジェクトというものが本当に納税者の御期待、そして運用サイドの要求、そして抑止力の確保というものにつながるように万全を期してまいりたいと思っておるところでございます。
○田村秀昭君 大変造詣の深いお答えをいただいて安心しました。どうぞよろしくお願いいたします。
○大田昌秀君 防衛庁長官は、先日、沖縄訪問をなさいまして、大変御苦労さまでございました。
 今回の沖縄訪問の目的と、基地をごらんになっての御感想を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、今回訪問をいたしましたのは、在日米軍の基地の七五%が沖縄に集中をしておるということ、このことの実態をよく見たいということでございます。私、かねてから委員に対しまして答弁申し上げておりますとおり、毎年できるだけ沖縄を訪問したいということで、規制緩和委員長のときも、運輸委員長のときも、あるいは防衛庁副長官のときも、自由民主党の甘味資源の委員長をしておりますときも訪問をいたしました。防衛庁長官になりまして、また新しい視点で、また責任を持つ者として沖縄を視察をいたしたいということがありました。
 加えて、衆議院で外務委員会の筆頭理事をいたしておりましたが、そのときも沖縄に関する議論が多々ございました。地位協定の問題につきましても、実際に現場で知事さんなりあるいは市町村長さんなり住民の皆様なりあるいは米軍の方々なり、お話を承って、これからの自分の判断の糧にしたいと思った次第でございます。
 感想についてというお尋ねでございますが、やはりヘリで上空からずっと視察をいたしました。那覇からキャンプ・シュワブまでぐるっと飛んできたわけでございますが、やはり非常に広大な米軍基地が存在をしておるということ、それをどのように考えていくのか。私、稲嶺現知事とのお話で申し上げたことでございますが、沖縄に七五%が集中をしておる。沖縄の皆様方に大変な御負担をお掛けをしておる、これは日米安全保障条約五条、六条というものの目的達成のために御負担をお願いしておるわけでございますが、その利益というものは日本全体が享受をする、しかし負担は沖縄に集中しておるということが私は原点なんだろうと思っております。
 この沖縄の方々の御負担というものをどのように軽減をしていくのか、そのためにいろんな方途があろうかと思いますが、そのことの必要性。もちろん、日米安全保障条約の必要性につきまして、私は強く認識をいたしておるものであります。日米同盟の強化ということにつきましても、その必要性を認識をしております。しかし同時に、SACOの着実な実施ということを中心といたしまして、御負担の軽減ということを本当に沖縄の皆様方に実感していただけますように政府の一員として努力をしたい、このような感想を持った次第でございます。
○大田昌秀君 今、SACOの話が出ましたけれども、そのSACOの最終報告が余り進展していないように思いますが、その理由はどうお考えですか。
○副長官(赤城徳彦君) SACOの最終報告を着実に実施していくということは大変大事だと考えております。
 余り進展がないという御指摘でございましたけれども、委員御案内のとおり、普天間飛行場の移設・返還、那覇港湾施設の返還など、十一事案のうちの九事案について今それぞれ進捗をいたしておりまして、具体的には、安波訓練場は既に返還をされておりますし、そのほかの六事案のうちの楚辺通信所、キャンプ桑江住宅統合については移転工事に着手をしております。那覇の港湾施設につきましては協議会で今協議を行っておりますし、普天間飛行場についても、先生御案内のとおり、基本計画ができているということで、今後とも着実に進捗を図っていきたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 SACOの最終報告は進捗しているという趣旨の御答弁でございますけれども、前から私がある意味でお願い的な形で申し上げていることは、SACOの中身と現在政府がやっておられることとは違うわけですよね、最終報告の中身と。
 ですから、それについてはどういう経緯で変更したとか、もう少し沖縄県民に対して誠意を持って御説明いただいて、つまり、SACOというのは一方的に日本側だけで中身を変えることができるのかと、もし変えることができないとすればアメリカ側とどういう交渉をして、その結果SACOの最終報告と違う中身になっているけれどもそれはこうこういう理由で進めなくちゃいけないという、その辺をもう少し丁寧に沖縄県民に対して説明されるのが非常にいいと思いますけれども、その点についてどうお考えですか。
○副長官(赤城徳彦君) 正に委員御指摘のように、このSACOの最終報告のそれぞれの案件については地元の方々と、知事や地元の公共団体とも十分協議をしながら進めておりますし、それぞれの場面に通じて地元の県民の方にもその趣旨、またその内容について御説明をしているというところで、今後とも地元とよく連携を図りながらこの推進をしていきたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 お言葉ですが、今の地元の人たちともよく話し合ってやっているとおっしゃっているんですが、SACOの最終報告には埋立て案なんて全くないわけですよ。それで、それについてはまだ県民は納得していないというふうに私は見ているわけなんですがね。
 その辺りは業界の人たちとはお話しされたかもしれませんが、県民に対して、SACOに埋立て案とないし、また知事選挙のときの公約にも陸上に造るとやったわけですよね。それを海上に今造ろうとしている。しかも、埋立て案というのはSACOにはないわけですが、それを持ち出してきているわけで、私たちもまだ納得できないわけですが、その辺についてどう認識しておられるんですか。
○副長官(赤城徳彦君) 普天間飛行場の移設の話につきましても、これは正に地元県民を代表する立場にある沖縄県知事そして名護市長、また地元の公共団体の代表の方に参画いただいた代替施設協議会において代替施設の基本計画策定に向けた協議を進めたその結果、本年七月二十九日にこの普天間飛行場代替施設の基本計画が決定されたと、こういう経緯でございます。
○大田昌秀君 埋立て案だけじゃなくて、滑走路の長さなんかというのも、前から申し上げているようにSACOの最終報告と違うわけですよね。
 ですから、それを、私が今申し上げておりますように、日本側が一方的に滑走路の長さをSACOの最終報告と違う形で大きくしたり縮めたりということは可能ですか。もし可能だとしたら、来る今月の十六日にワシントンで2プラス2が開かれますですね。その場合に十五か年の期限問題のことも可能だと思うんですが、その点、外務大臣いかがですか。
○政府参考人(海老原紳君) ちょっと手続関係を私から御説明いたしますけれども、今、大田委員がおっしゃいましたように、SACOの最終報告と特に普天間の工法とか軍民共用というようなところが少し異なっております。
 SACO最終報告はいわゆる2プラス2、今おっしゃった2プラス2で承認をされておりますので、正におっしゃいました今月十六日にワシントンで2プラス2が予定されておりますので、その場でしかるべく手当てをしたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 大変喜ばしい御答弁で、恐らく今の御答弁が報道されますと沖縄の人たちは非常に喜ぶと思いますが、それは十五年問題をきちっとお出しになるということというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府参考人(海老原紳君) 今、私が申し上げたのは、普天間の工法等についての変更ということを申し上げたことでございまして、十五年問題の問題、十五年期限の問題を申し上げたわけではございません。
○大田昌秀君 そうしますと、来る十六日に予定されております2プラス2では、この十五年問題をお出しになるお気持ちはないということですか。
○国務大臣(川口順子君) 十五年期限問題につきましては、これは今まで御答弁申し上げておりますけれども、平成十一年末の閣議決定に従ってということで適切に対応しますということを申し上げておりまして、私も従来、パウエル国務長官等のお会いをする場ではこの問題を取り上げてきております。今度の十六日の会合においては、議題という形で今何か具体的に決まっているということではございませんけれども、イラクの問題や北朝鮮の問題と並んでこの問題についても私は取り上げたいと考えています。
○大田昌秀君 去る十一月二日に沖縄で米海兵隊将校による女性の暴行未遂事件が起こっておりまして、沖縄県警が容疑者の逮捕状を請求するのに一か月も掛かっております。これは日米地位協定第十七条の刑事裁判権が足かせになっていると思いますけれども、これまでこの種の事件が起こるたびに地位協定を見直していただきたい、改定していただきたいということをお願いもしてきたわけです。また、県議会の一致した改定要求、それから市町村議会の要求が非常に強まっておりますけれども、この点について外務大臣、地位協定の根本的な改定をお考えになる御意思はございませんか。
○国務大臣(川口順子君) 地位協定のお話につきましては、今まで申し上げてきておりますように、その時々の問題について運用の改善によって機敏に対応することが合理的であるという考えの下で、運用の改善に努力をしてきているわけでございます。
 それで、このアメリカの兵隊の被疑者の拘禁の移転の問題、これにつきましては、平成七年に刑事裁判手続に関する日米合同委員会の合意、これは正に運用の改善ということでございますけれども、それによりまして、殺人、強姦等の我が国として重大な関心を有している犯罪につき起訴前の拘禁移転を可能にするという道を開いたわけでございます。政府といたしましては、引き続きこの合意の適切な運用に努めてまいりたいと考えています。
○大田昌秀君 今申し上げましたように、運用面で改善されるということですが、運用面ではこの種の事件の発生というのを食い止めることができないというのはこれまでのもう幾多の事件が示しているとおりなんですね。
 地位協定の改定に対して政府が消極的な理由は何ですか。先ほど、我が国は残念ながら主権国家の体を成していないというお話がございましたけれども、この問題に関して言えば、正に主権国家の体を成していないように思いますけれども、障害になっているのは何ですか。
○国務大臣(川口順子君) まず最初に、委員がおっしゃったように、運用の改善で、それと再発の防止という問題とは、これは再発の防止についてはそれぞれまた違う取組も必要であると思います。これについては、再発の防止ということでは、様々な事件がございましたけれども、またございますけれども、例えば三者連絡協議会あるいは事件・事故防止のための協力ワーキングチーム、そういった場を通しまして一層その努力を、再発防止の努力をしてきておりますし、今後とも一層続けていきたいと考えております。
 それで、日米地位協定の改定の障害は何かということですけれども、これは正に、先ほど申しましたように、その時々の問題について運用の改善によって機敏に対応していくということが合理的であると、そういう考え方に基づいているということでございます。
○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   正午散会