第155回国会 厚生労働委員会 第5号
平成十四年十一月十四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     谷  博之君     櫻井  充君
     辻  泰弘君     朝日 俊弘君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     谷  博之君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     朝日 俊弘君     櫻井  充君
     谷  博之君     齋藤  勁君
     風間  昶君     山本  保君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     齋藤  勁君     谷  博之君
     櫻井  充君     朝日 俊弘君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                齋藤  勁君
                櫻井  充君
                谷  博之君
                堀  利和君
                山本  保君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        小平 信因君
       内閣府産業再生
       機構(仮称)設
       立準備室次長   梅村 美明君
       文部科学大臣官
       房審議官     木谷 雅人君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   坂本由紀子君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省政策
       統括官      青木  功君
       社会保険庁運営
       部長       磯部 文雄君
       経済産業大臣官
       房審議官     桑田  始君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (社団法人全国社会保険協会連合会の運営の在
 り方に関する件)
 (社会保険病院の見直しに関する件)
 (雇用対策に関する件)
 (医師の臨床研修制度の在り方に関する件)
 (在宅のALS患者に対する医療の在り方に関
 する件)
 (介護保険制度における国庫負担の在り方に関
 する件)
 (家族介護に対する支援策に関する件)
 (食品の安全対策に関する件)
 (多様就業型ワークシェアリングに対する取組
 に関する件)
○母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案
 (第百五十四回国会内閣提出、第百五十五回国
 会衆議院送付)

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○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。
 また、昨十三日、朝日俊弘君、谷博之君及び風間昶君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君、齋藤勁君及び山本保君が選任されました。
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○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長真野章君外十二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(金田勝年君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○武見敬三君 それでは、本日は社団法人全国社会保険協会連合会といういわゆる天下り先の実態をしっかりとお伺いしたいと考えております。
 社会保険庁とこのいわゆる全社連、これ独占的な委託契約を結んでおりまして、社会保険病院五十か所、厚生年金病院三か所、五十三か所の病院の経営をしておる。介護老人保健施設が二十八か所、看護専門学校等が十二か所、職員総数で一万九千五百八十八人という大変な組織になっているわけであります。
 そこで、銀行業務に大変お詳しい木村副大臣にまずちょっとお伺いしたいわけでありますが、いわゆる経営改善資金貸付けというのがありまして、この運営資金の貸付け、これ償還期間五年以内で、貸付利率は毎年三月一日の長期金利の何とわずか二分の一。それから再建指定病院というのは、これは、元金返済は再建期間中は据置き、再建後に返済計画を立てる。ただし、償還期間は再建指定解除後に理事長が決定するという極めてあいまいなやり方だと伺っております。しかも、貸付利率は年利で何とわずか〇・二%。そして、そのほかにも整備貸付けだとか等々があって、整備貸付けは平成十三年度末で百二十一億円、それからこの運営資金とこの再建指定病院の貸付総額は平成十三年末で百十二億円という規模になっておるようであります。
 で、その実態です。副大臣、これはとんでもない実態だと思いましたよ、調べてみたら。これはね、これ個別の病院を言うと問題があるから、例えばA病院としましょう。A病院、再建指定を受けたのが昭和四十五年と昭和五十年、いにしえの昔でありますね、これ。そして、それぞれこれ最初が二千五百万円、そしてその次に二億二千二百五十万円借りている。それが実際平成十三年度の末の貸出残高どうなっているかというと二億五千万円。副大臣、返していない、これ。こういうのを貸したと言えるんですか。
 それからもう一つ、経営改善資金の貸付状況、失礼、その前にもう一つ、その再建指定病院、B病院というのを見てみると、これは昭和四十七年、昭和五十三年、昭和五十七年と再建指定病院になっているんですよ。まず、昭和四十七年に八千四百万円、昭和五十三年に二億八千八百万円、昭和五十七年には何と十八億八千八百二十万円、合計で二十二億六千二十万円これ借りておる。それが平成十三年度末の貸付残高見ますと、二十二億三千六百万円、これ返していないですね、これは。こういう貸付実態。
 それから、経営改善資金の貸付状況を見てみますと、これはC病院としましょう、平成七年、八億円、平成十年、二億円、平成十一年、五千万円、平成十二年、五千万円、平成十三年が三億円で、合計で十四億円。これ、経営改善資金というのはずっとこうやって追い貸ししておるんだ、これ。ところが、平成十三年末の残高を見ていると、十二億八千五百万円ですから、これもまともにきちんと返済してない。
 しかも、このC病院に至っては平成十二年に新築しているんですよ。普通、新築するとすぐ翌年には必ず人気が出て、取りあえずは黒字になるのが当たり前なんです。ところが、このC病院、新築した翌年、既に収支差というのを、その収入に占める割合を見ていった場合に、何ともう最初から大赤字ですよ、マイナス一〇・八%。これは放漫経営の極みで緊張感もない。
 こんないい加減な貸付業務は、もういわゆる護送船団方式の悪例の極みなんですよ。これじゃ各病院きちんと緊張感を持って効率的な経営をしようなんと思うわけがありませんよ、こんな貸付けやっていたら。今後、こういう貸付けという業務、このような貸付業務はもう私は廃止すべきだと思う。この点についての副大臣、御所見をいただきたい。
○副大臣(木村義雄君) おはようございます。
 まず、武見先生のその相当な調査能力、これに敬意を表して、私どもも、私自身も個人的には武見先生から御指摘をいただく前にはこういう実態があるとは存じなかったわけでございまして、さすがだなと、このように思えてならないわけでございます。
 そもそも社会保険病院の経営は、病院ごとの独立採算制を原則にしているわけでございまして、そして、保険料を財源とする運営費の補助というのは行っていないわけでございます。これはもうもちろん委員よく御存じのとおりであります。
 全社連が行っている病院経営改善資金貸付事業というのは、社会保険病院というのが国有財産でございますから、それをそういう事情からなかなかお金が借りられないというようなこともありまして、共同事業として実施してきた経緯は、これは御指摘のとおりあったわけでございますけれども、今、武見先生から御指摘いただきました内部の融資制度、この融資制度が病院経営の自立性を損なっているんではないかと、こういう御指摘でございますが、これはもう誠にごもっともな点があるわけでございまして、これは正に先生がおっしゃったような観点から制度の見直しが必要であるということは私も誠に同感であります。
 そこで、今後、社会保険病院全体の抜本改革の中での主要課題として見直しに取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○武見敬三君 極めて心強い御答弁、感謝をいたします。
 これはやっぱり国民の前で示し付きませんよ、こんなことやっていたら。これをやはりきちんとまず廃止をも含めて見直していただくということでよろしゅうございますか。
○副大臣(木村義雄君) 正に抜本改革の中で鋭意検討してまいりたいと、このように思っております。
○武見敬三君 それで、この貸付業務の元々の財源はどこから来ておるかというと、それぞれこの五十三か所の病院から毎年度の診療収入額の三%というのを負担金として全社連が徴収しているわけであります。
 平成十三年度だと、普通負担金と呼んでいるんだそうですが、合計で七十六億六千八百万円。これが黒字、赤字病院問わず言わば冥加金みたいに毎年しっかりと徴収をしておるという話を聞いておるんですが、それは事実ですか。
○副大臣(木村義雄君) 御指摘のとおりでありまして、社団法人全国社会保険協会連合会、つまり全社連が、各病院から共同事業等のための負担金を三%、各病院の事業収益の三%を徴収しております。
 それで、その使途は、本部事務管理経費として〇・三%相当、研修等の共同事業、貸付事業資金が一・五%相当、病院職員、本部職員の退職金の支払一・二%相当となっておりまして、退職金支払を除く共同事業等の部分は約一・八%でございます。
○武見敬三君 これ、同じようなこういう病院をたくさん抱えている組織で、社会福祉法人恩賜財団済生会というのがありますわね。ここはわずか〇・二三%ですよ、同じ方式で、徴収しているのは。
 この三%というのは余りにも安易な徴収の額の策定の仕方で、私はこれはもう確実に高過ぎだと思いますが、これも大幅に見直しをし、縮小すべきだと考えるわけでありますが、副大臣の御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) 先ほどと同じように、先生の御趣旨を踏まえ、鋭意検討してまいります。
○武見敬三君 これはもう徹底的な見直しが私は必要だと思います。
 その中で、改めて精査をしますと、人件費の負担というのはやっぱり常識外れですよね、これ、普通。全社連の職員給与というのは、各病院が赤字黒字関係なく一律。公務員に準拠した形で非常に高水準になっています。いわゆる赤字構造で深刻な病院も、もうほかは全部この社会保険病院であれば賃金が一律。これは経営の改善、効率化なんて行えるわけないじゃないですか。そして、民間の医療法人の病院等々と比較してみた場合にも相当高いというふうに伺っておりますが、これはどの程度高いんですか。
○副大臣(木村義雄君) 一般的な話を言いますと、大体、民間病院と公的病院の給料格差というのは五割ぐらいあるんですね。全社連の給与体系というのは、もう御指摘のように、基本的に公務員準拠となっておりまして、民間と比較して、先生御指摘のように、かなり高額な水準になっております。また、退職金につきましては、これも私もびっくりしたんですが、公務員の水準を上回るものになっておりまして、全社連においても見直しを進めているものの、一層の水準の適正化が必要ではないかと考えております。
○武見敬三君 これ、退職金も当然これは高額になるわけですよ。
 平成十三年度、この普通負担金七十六億六千八百万円の中で、それぞれ退職手当繰入金、これだけで三十億四千六百万円と。退職手当繰入金三十億四千六百万円というのは、この普通負担金総額の約四〇%を占めているんですよ。それがどれだけ全体の経営を圧迫しているかというのはもう明らか。
 ちなみに、この全社連、理事長さんというのは大体事務次官を経験した方あるいはそれと同等、正に官僚としては栄達の極みを遂げられた方が大体理事長になられる。それから、医系技官で最高ポストを占められた方が副理事長になられる。あと、ノンキャリの最高ポストを取られた方が理事等役員で入られると。絵にかいたような天下り先になっているんです、これ。しかも、退職金がすごく高いと伺っておるのでありますが、今回退職されるか退職された理事長さん、一体、在職期間は何年で、退職金幾らになるんでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) 本年十月一日に退職いたしました前理事長につきましては、五年七か月在籍をいたしております。その退職金の金額は、法人の退職金規程に基づき二千百二十万円が支給されております。
○武見敬三君 五年七か月で二千百二十万円。この極めて景気が低迷をし、民間の企業が正に悪戦苦闘している中で、このような退職金は副大臣の常識から考えて適切でありますか。
○副大臣(木村義雄君) この理事長さんの退職金だけではなくて、全社連全体の給与及び退職金手当につきましては、先生が日ごろからお話しされておりますけれども、民間の水準を目指して改革されるべきものと考えております。
○武見敬三君 次に、今度は全国に四十八か所あると言われている社会保険センター、これは全国一律に今度は保険料を財源として二千万円ずつの補助金ばらまいているということを伺っております。二千万円、いわゆるばらまきで。これ一番よくない、こういうのは。
 それで、各センターがこの保険料を財源に施設を建てたり運営したりしていること自体が本当に保険料を財源としてすべき事業なのかどうかという点について副大臣はどうお考えになるのか。それから、このようなつかみ金で二千万円、これ全部合わせれば十億近くになるお金ですよ。こういう形でばらまくようなやり方、私はもうこれは廃止すべきだと思います。これはもう徹底的に見直すべきです。この点についての御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) 社会保険センターの委託費につきましては、まず生きがい対策事業を廃止いたします。それから、今ばらまきの御指摘のあった一律二千万円の配賦を、これをやめさせていただきます。それから、社会保険センターの在り方自身につきましても、先ほどお話にありました社会保険病院の抜本改革、この全体とあわせて鋭意検討してまいりたいと思っています。
○武見敬三君 この社会保険センターというのはいろんなホームページも作っておられていて、私は各県のをいろいろ調べてみたんですよ。そうしたら、保険料を財源として行われている、二千万円のばらまき予算でやっている事業の内容、びっくりしましたよ。俳句教室でしょう、それからダンス教室というのもあった。社交ダンスで多少スポーツと健康にかかわるかもしれない。それから、囲碁教室、将棋教室、こういうようなことをやっているわけですよ。
 今、保険料を財源としてそういうことまでやるようなゆとりが政府管掌健康保険の財務状況の中で本当にあるんですか。私はとてもあるとは思えない。こういうことをきちんとこの際一括して整理をしていきませんと、来年四月には総報酬制で保険料率八・二%に引き上げる、被保険者本人の負担も三割に引き上げる、すさまじい負担を国民に来年四月は求めるということでしょう。国民にそういう負担を求めておいて、当のお役人の方は実際にのうのうとこういう天下り先を囲って、そしてばらまき予算をしているなんという実態は、これはもう国民が許すわけないじゃないですか。こういう点について、私は徹底的にこれはもう見直すべきだと思います。
 そして、小泉内閣の基本方針は、民間でやれることは民間でやろうと言っているじゃないですか。この社会保険病院、大部分の社会保険病院というのは地域医療の中でも私は大切な役割を果たしておられると思いますよ。しかし、それらはいずれも民間で運営できる内容のものではないかと私は思います。であるとすれば、このような天下り組織によって管理されるいわれはない。むしろ、きちんとその経営形態の見直しを図るべきだというふうに思うわけでありますが、この点についていかがでございましょうか。
○副大臣(木村義雄君) 今、議員御指摘のように、政府管掌健康保険、この厳しい財政状況を十分に踏まえまして、社会保険病院の在り方というものを抜本的な見直しを今進めているところでございます。
 議員御指摘のように、新しい発想をもちまして今後鋭意真剣に検討してまいりたいと、このように思っています。
○武見敬三君 これ、坂口厚生労働大臣、この質疑をお聞きになってどう思われますか。もうこれは本当に考えられない話なんです。
 実際にこのような天下り先をきちんと整理をして、そして保険料による不適切な支出をきちんと整理をしていくという合理化をきちんと行えば、半年でも一年であろうとも、来年四月からの被保険者本人の三割負担への引上げというものは先に延ばせると思いますよ。もしそういうことが可能であれば、その可能性は常に追求することが今の我が国の景気低迷下にある経済状況を見たときには当たり前だと思う。これを実際によくよくお考えいただきたい。
 大体、我が国のこの景気の低迷状況の中で回復させようとすれば、GDPの六割を占める個人消費というのをきちんと回復させていくことが必要でしょう。その個人消費を抑制してしまうような国民に対する不適切な負担というのをなぜこの時期にやらなきゃならないのか。正にそういうことを避け、個人消費が再びその頭をきちんともたげてくるような、そういう政策を政府が一丸となって本来はやるべきだと思います。
 であるとすれば、このような天下り先なぞをきちんと整理をし合理化をし、その支出をきちんと抑制する形で、国民の負担をお願いをするというのはできるだけ後に延ばすということが私は政府の本来の基本方針であるべきだと思いますが、この点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから大演説をお聞かせをいただいておりまして、私もこの医療制度改革を行いますときに当たりまして、これだけ全体の状況が厳しくなり、そして多くの皆さん方に御負担もお願いを申し上げなければならないときでありますから、まず身内が血を流すということが一番大事、まず内々が直すべきところを先に直して、そして皆さん方に私たちもこうしましたということを示さなければいけない。そういう意味で、社会保険庁の在り方や、あるいはまたこの社会保険病院の在り方等につきまして、これはもう明確に国民の皆さん方に御理解をいただけるような内容にしなければならない。
 最初、この病院ができましたときにはそれなりの設立理由があったのかもしれません。多分あったんだと私は思います。多分という言葉は失礼で、それはあったんだろうと思いますけれども、しかし、年々歳々、月日を経まして、もう社会環境というものがずっと変わってきている、いわゆる医療に対する環境も変わってきておりますから、現在は社会保険病院として、公的な病院としてやっていく必要のないところも存在するわけであります。
 しかし、中には、たとえそれが採算が合わない病院でありましても、他の病院がやってくれないような公的なことを、公的な医療を積極的に行って赤字になっているというのならまだ私はそれは理解を示さなければならないというふうに思っておりますが、しかし、公的な医療とは何かということを見ましたときに、現在、私も調査をいたしておりますが、それほど目立ったものも存在はしないということでございます。
 したがいまして、総合的に見て、この社会保険病院につきましては、その機能としてこれから存続をしなければならないものも中にはあるとは思いますけれども、しかしそうでないものは民営化をしていくという大前提の下に進めていかなければならないというふうに思っております。
 現状につきまして内部でも徹底的な議論をさせておりますし、その資料も提出をさせましたけれども、なかなかやはり内部の調査とか、内部でこういう実態でございますということにはやはり限界がある。今、武見先生が御指摘になりましたようなドラスチックなものは出てこないというのが現状でございまして、私もいささか驚きを持ってお聞きをしたような次第でございますが、これはやはり国民の皆さん方にも御理解を得るためには、ここはやはり明確にどうしてもしなければならないと私も決意をしているところでございます。
 そして、これもそう長く時間を掛けているわけにはいきませんから、年末に掛けまして大体の方針は出さなければならないというふうに思っておりますので、そうしたことで私も鋭意やっていきたいというふうに思っているところでございます。
 ただ、来年の三割の負担のお話もついでにございましたので、先生のお話の話しどころは大体そこへ行くのかなと私も思いながら聞かせていただいていたわけでございますが、社会保険の病院は病院としてこれは正していかなきゃなりませんが、その額からいきまして、社会保険の病院を正したからそれで医療全体の財政が好転するとは思えない、これはけたが違いますから。だから、そこは、それはそれで御理解をいただきながら、しかし、我々として正すべきところは正していくということにしなければならないというふうに思っている次第でございます。
○武見敬三君 基本的には大変に心強い御答弁をちょうだいをいたしました。是非しっかりとこの全社連についての改革、社会保険病院についての改革をしていただきたいと思います。
 そこで、ちょっとテーマを変えまして、国民、患者にとっての自由と責任という観点から、たばこ課税の御質問をさせていただきたいと思います。
 そもそも喫煙の健康被害については、臨床、疫学等を通じた科学的なエビデンス、きちんとあった上でその健康被害というものは証明されております。したがって、これは好きでたばこを吸うという方々をやめろということは私は言いませんけれども、しかしながら、そういう喫煙を、好んで吸われる方というのは、実際のところ、その分、将来特定の疾患にかかって健康を害する可能性が高まる。しかも、その結果として医療費は更に支出されるということが想定されます。今、正に医療費が上昇していく過程の中で、これは正に適切にきちんと抑制すべき重点分野だと思いますよ。
 したがって、その言わば喫煙の健康被害というものを抑制するということのためにも、私はたばこ課税というものをきちんとやるべきだと。一本一円上げると二千二百億円ぐらい財源ができるらしい。我が国、これはマイルドセブン等が二百六十円ぐらい。これはG7、他の先進諸国と比べると格段に安い。アメリカは購買力平価で三百八十円ぐらいだというんだけれども、今度八ドルぐらいというんですから千円ぐらいに引き上げる。他のヨーロッパ諸国を見ても五百円、六百円、八百円。我が国のこの極端に安いたばこの価格というものは、正に国民が喫煙の習慣を持ちやすくし、かつまた健康被害におとしめる、そういう可能性を高めています。したがって、これをしっかりとやはり増税すべきだと私は思います。
 したがって、たばこ課税ということをし、その得た財源というものは、むしろその喫煙によって生ずる医療費というものを適切に抑制し対処するための、そうした予防給付をも含めた保険医療の財源として充当をし、特に喫煙によって健康が害される、そういう部分でもあります循環器系の疾患、さらに特定のがん疾患等に対してきちっとその財源として充当するということをパッケージで体系的に考えてたばこ課税をすべきだと思いますが、この点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これは私個人はもう一〇〇%賛成でございますので、それはおっしゃるとおりだというふうに思っておりますが、武見議員にあらせられましては、どうぞひとつ財務委員会でこの発言をもう一度していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
○武見敬三君 財務委員会等のみならず、大臣、とにかく内閣で徹底的に御奮闘いただいて、そして厚生労働省という国民の健康を守る大切なお役所としての立場でたばこ課税実現のために是非御努力をお願いしたいと思います。
 さて、今度は医師にとっての自由と責任という観点からお伺いをしたいと思います。
 よくプロフェッショナルフリーダムというようなことが言われますが、言うなれば医師というのは、それは最大限の裁量性を確保し、患者に対して最も適切な治療を行うということが求められ、そのための医師の裁量性というものは最大限尊重されるべきだ。しかも、そのような裁量性という自由を享受し得る医師というのは、同時に患者に対してその責任を極めて重く持つ、かつまた同時に高度な倫理観をきちんと保持をしてその努力をすべきことというふうに自由と責任というのは私は表裏一体だと思う。その医師の裁量性という観点から議論をしたときに、いろいろな問題が出てきます。
 これは昭和五十五年九月三日付け保険局長通知、「保険診療における医薬品の取扱いについて」というところで、いわゆる適応外処方に関して医師の裁量性を尊重することが確認をされております。
 その保険局長通知、読みますと、
  保険診療における医薬品の取扱いについては、厚生大臣が承認した効能又は効果、用法及び用量によることとされているが、有効性及び安全性の確認された医薬品を薬理作用に基づいて処方した場合の取扱いについては、学術上誤りなきを期し一層の適正化を図ること。
二つ目、
  診療報酬明細書の医薬品の審査に当たっては、厚生大臣の承認した効能効果等を機械的に適用することによって都道府県の間においてアンバランスを来すことのないようにすること。
ということがこの通知の中できちんと書き込まれている。
 適応外処方についての医師の裁量性を認めた局長通知であるというふうに私は理解をしているわけでありますが、この保険局長通知というのは今日も有効だと私は考えるわけでありますが、この点についての確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の通知は社会保険診療報酬支払基金の理事長あてに保険局長から提出したものでありますが、今、先生御指摘ありましたように、保険診療におきます医薬品の取扱いにつきまして、効能効果等により機械的に判断するのではなく、患者の疾患や病態等を勘案し、医学的な見地から個々の症例に応じて適切に判断が行われるべきものというふうに考えております。
○武見敬三君 この点について、今御指摘の医師の裁量性についての配慮というものがどこまで、じゃ、きちんと実際に現場で確保されているのか。これ見ますと、いわゆる医師における、この支払基金の審査で了解されながら、今度は保険者が不適切として認めずに、その結果として医師の裁量性が不当に縮小されているという状況が現実にあるというふうに私は伺っているわけであります。
 この適応外処方の審査手続の現場の状況というものは、実際に徐々に徐々にその裁量性が縮小しているという、そういう実態ではないかと思います。これは明らかに、この方針と矛盾するということは明らかでありますので、その実態をきちんと調査すべきではないかと思いますし、それが明確であればそれをしっかりと改善せしむる、そういう指導が必要だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(真野章君) 支払基金におきます診療報酬の審査につきましては、保険者からの再審査又は診療機関からの、医療機関からの再審査も認められておりまして、支払基金におきまして原審査が行われた後、保険者又は医療機関が再度の審査の申出を行うことができることになっております。
 再審査の状況でございますが、平成十三年度の審査支払機関における審査状況ということによりますと、支払基金全体で医療機関からの約六億件の請求に対しまして、保険者又は医療機関からの申出に基づいて再審査を行いましたものが約千七百万件弱、二・八%でございました。そのうち保険者又は医療機関の申出を認めたというものが三百七十万件弱、〇・六%ということで、そういう状況になっておりまして、今後とも支払基金の実態、この再審査も支払基金の努力、審査委員会側の努力等によりまして最近ではかなり減少をしてきていると、そういう言わばルールを明確化をして、そして再審査をできるだけ減らす方向の努力を双方で行っているというふうに聞いておりますが、今後とも、その支払基金又は国保連合会の話もございますので、そういう審査支払機関に対しまして指導をしたいというふうに思っております。
○武見敬三君 これは正に適応外処方についての具体的な課題なんですよ。これはもう再審査という形にされてしまう中にこの適応外処方の部分がかなり入っているはずです。その処理の仕方の中で、本来この保険局長通知の中で確認されているような医師の裁量性というものが損なわれているという実態がある。これは極めて遺憾なことであって、それによって患者に対するより適切な処方というものが現実にやりにくくなっているという実情があるとすれば医療の質を低下させます。これは決してあってはならないことだと思います。
 そして、最後の質問ですけれども、今度は特定療養費についてお聞きしたい。
 昭和五十九年にこの特定療養費制度というのは導入をされているわけでありますけれども、これは正に昭和五十九年、健保本人の一割負担導入した年です。それまでは初診時一部負担のみだった。五百円か八百円ぐらいだったですかね。それがパッケージでこういう形で特定療養費制度というものが創設された。その中で選択療養という考え方が組み込まれている。これはあくまでも患者の立場にとって選択できるケースの中でこのような特定療養費というものが導入し得るという考え方であったはずだ。
 ところが、今回の診療報酬の改定で百八十日以上の入院に特定療養費を入れてしまいました。これは選定療養という考え方とは相入れないところにいよいよ踏み込んじゃった。これは基本的に従来の特定療養費制度というものを逸脱したやり方で、このような方式が百八十日以上の入院に課せられたというのは、これは歯止めが利かなくなる。選定療養という考え方をきちんともう一回確認をし、このような患者が選択できないようなケースの特定療養費の導入というものは避けるべきだ。この点についての御所見を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(坂口力君) 今御発言いただきました選定療養という考え方といいますか言葉は割に耳新しい言葉でございますが、普通は特定療養費化というふうに言っておりました。
 それで、今、先生が御指摘になりました内容につきましては、十分に私も今理解できたところでございますが、確かにこの保険適用をせずに医師がその裁量としてやります場合というのは、それは裁量権というのはかなり広くこれはあるんだろうというふうに思いますし、当然だとそこは思うんですが、診療報酬という一つの枠の中で考えますときには、おのずからそれがルール化されていって、限定されてくると。そこを、その限定されてくることと医師の裁量権とのそのはざまをどう決めるかという話だと思うわけでございます。ややもいたしますと硬直的になりがちでございます、その制度というものは。
 したがいまして、同じ薬でありましても非常に使い方が、様々使い方というのはあるだろうというふうに思っておりまして、それぞれやはりいろいろと今までの医療の経験の中から、この薬は本来ならば高血圧の薬だけれども、しかしそれ以外の疾病の場合にでもここをこう使えばこれは非常に大きな効果を出すということだってそれはあり得るわけでございまして、その辺のところの裁量を、しかし高血圧と書かずにほかのものに使いますと、それなぜこんなの、高血圧の薬を使ったのというので削られるということが起こってくる。
 その辺のところの裁量をどこまで認めるかという話だというふうに思いますが、そこはある程度しかし、そこは説明を書いていただかないといけないと思って、面倒くさい話ですけれども、診療報酬の場合には。そこはしかし、そういう理由をお書きをいただきましたときにはちゃんとそこは認めるというふうにしておくのが私は適切ではないかと、こういうふうに思っております。
○今泉昭君 おはようございます。民主党・新緑風会の今泉でございます。
 今日は、前回の質問、時間的な制約もございまして半分程度の質問になってしまったものですから、基本的に前回の質問を継続するような形で、雇用問題を中心として質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、内閣府の方から今日来ていただいていると思うんですが、たまたま昨日発表されましたGDPの数値の問題につきまして少しお尋ねをしたいと思います。
 幸いという表現がいいんでしょうか、幸いにいたしまして三期連続のGDPのプラスが記録をされました。前期の場合は年率四%のGDPの伸びだと。今期の場合は三%近くの年率の伸びを記録したことになっているわけでございますが、一般の国民の感覚からすると、本当にそんなに景気が良くなっているのかという感覚を持つのが一般的な見方ではないかと思うわけであります。
 しかも、その中身を見てみますと、GDPの六割を占める民間消費支出が伸びている、在庫投資が伸びているということだけがプラスでありまして、この二つが主因となりまして成長を記録をしているということが余計にまた意外な感覚を受けているわけでございます。
 そういうことを考えてみますと、当初、政府が年初予定いたしましたゼロ成長、失業率五・六%というものは、今後の年末の見通しの改定におきましてどの程度修正する今準備が進んでいるのかどうか、その点をちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。
 十四年度の経済の実績見込み、それから来年度の経済見通しにつきましては、年末におきまして政府の経済見通しということで策定をいたしましてお示しをするということに今年もなっておりまして、現時点におきましてはその見通しの関係の作業はまだ始めておりません。今後、政府の中で調整をしながら策定をしていくということになるわけでございます。
○今泉昭君 数値はそこそこいい数値が出ましたけれども、経済をめぐる環境というのは決していいわけではないわけでありまして、これまで期待をされていた輸出関連指標は、アメリカの景気不安によりまして大変危機的な状況にある。しかも、これまで引っ張ってきました消費支出も、とにかく国民に対する負担の計画が矢継ぎ早に出ておりまして、恐らく経済環境全体を考えてみると、年度後半の動きというのは決して安心できるような状態にないというふうに見るのが当然だろうと思うわけであります。
 特に、医療費の引上げによる一兆五千億の国民に対する負担であるとか、さらにはまた今計画をされている雇用保険料の引上げで六千億の負担であるとか、さらにはまた来年は配偶者控除が撤廃されることによって一兆一千億近くの国民負担が逆に増えていくとか、あるいはまた来年は介護保険料の引上げがあるとか、さらにはまた公務員の賃金が人事院勧告によりまして二・〇三%引き下がるとなると、それだけでも賃金所得が二兆円近く公務員と地方公務員と加えますと下がるわけでありまして、いわゆる国民の消費支出の柱であるというものが軒並みに悪化していくということでありまして、そういう面では検討されていないというのはちょっとおかしいと思うわけでございますが、私どもが聞く限りにおきましては、当初と同じような形のゼロ成長であるというような見込みしか立たないんではないかというふうに考えられているんですが、その点についてもう一度、どうですか。
○政府参考人(小平信因君) まず、十四年度の実績見込みにつきまして申し上げますと、九月の二十日の経済財政諮問会議におきまして内閣府の試算ということで、十四年度のGDPの実質成長率は〇・二%という試算をお示しをしたわけでございます。
 そこで、昨日発表になりましたQE、七―九月期のGDPの速報を基に、あと本年度につきましては二四半期、十―十二と一―三、二四半期が残っておりますけれども、この二四半期が前期比ゼロ成長という前提で、十―十二、一―三がゼロ成長であるという前提で十四年度の成長率がどういうことになるかということを機械的に試算をいたしますと、十四年度の実質成長率は一・二%という結果になるわけでございます。
 それから、先ほど申し上げました試算〇・二%を達成するには、これから十―十二、一―三、毎期どの程度の成長率が必要かということでございますが、各期前期比マイナス一・四%でも十四年度につきましては実質成長率〇・二%ということになるわけでございます。
 他方、先生から御指摘がございました十五年度におきますいろいろな制度あるいは予算等を含めましては、これはこれからむしろ内容が決まっていくものも多いわけでございますし、例えば税につきましては減税というようなことも予定をされておりますので、そういうことも含めまして十五年度予算につきましては政府として年末に向けて作業をしていくということになるということでございます。
○今泉昭君 今、試算中であるというものの中に、完全失業率も当初の五・六から五・四に下げるような作業が進んでいるようでございますが、今一番やっぱり注目をされているのは、何といっても不良債権の処理に伴う失業者の増大ということをどの程度内閣府としてこれをとらえているか、予測をしているかということであろうと思うのであります。
 それに伴いまして、担当行政府である労働省としても、当然これに対する安心ネットをどう構築をしていくか、具体的な施策を取るかということが当然考えられるわけでございまして、これまで、今回の不良債権処理の具体的な方策以前に出された、かつての柳澤金融大臣のときの試算のときにも幾つかの失業者の増大についての試算を発表し、大臣見解という形でも出されていることは御存じのとおりだと思うんです。
 具体的に申し上げますと、例えば第百五十一回通常国会におけるところの参議院の予算委員会におきまして、竹中平蔵、当時の経済財政政策担当大臣は、政府方針の最終処理を行った場合の離職者として数万から数十万人の失業者の出現はやむを得ない、あるいはまた二年以内に主要行の不良債権を最終処理した場合には十万人から二十万人程度の失業者が出るだろうということを経済財政諮問会議の基本方針答申後の談話として実は発表されているわけであります。
 さらにまた、実は内閣府のバランスシート調整の影響等に関する検討プロジェクト、ここにおきまして、実はインターネットの中で、不良債権の処理とその影響につきまして、三十八万八千人から六十万二千人の離職者ということが考えられるということを前回の不良債権処理のときに試算をしているわけでございますが、今回の不良債権処理の方針によりましては更に一層厳しいことが考えられるというのが一般的な見方でありまして、その点の検討試算というのはどういうふうになっていますか。
○政府参考人(小平信因君) 不良債権処理の加速につきましては、十月三十日に取りまとめをいたしました改革加速のための総合対応策の中に、金融庁の方で作りました金融再生プログラムということで基本的な考え方が述べられておるわけでございます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、昨年、内閣府といたしまして、不良債権処理が行われたときに労働状況に対してどういう影響が出るかという試算をいたしておることはそのとおりでございます。
 そこで、今回の不良債権処理の加速によりまして労働市場にどのような影響が出るかということにつきましては試算をする必要があるというふうに思っておりますけれども、その際、金融再生プログラムに示されておりますのは基本的な考え方でございまして、金融庁の方では大体月内をめどにこれを具体的にどういう手順でどの程度のスケジュールで進めるかということをまとめるというふうに伺っておりますので、具体的な内容を踏まえた上で試算をする必要があるというふうに思っております。
 したがいまして、現在のところ事務的には様々な試算を行っておりますけれども、金融の方の進み方で変わってくるということがございますので、現時点においてこういうような試算ということでお示しできるようなものは持っていないということでございます。
○今泉昭君 先ごろ、改革加速のための総合対策というのが発表されました。その中に雇用の安心ネット等々の方策の柱も出ているわけであります。そういう具体的な試算や現実の認識というものが明らかにならなければ、雇用対策なんて具体的に打てるはずがないじゃないですか。あくまでも柱を打ち上げるだけにすぎないわけでしょう。
 そういう意味で、後で労働省にもお伺いするわけでございますが、あの改革加速のための総合対策の中に出ている実は雇用の創出のための柱というのは、今まで出された、十回にわたって出されてきました、平成五年から、それの経済政策の寄せ集めにすぎないし、雇用対策のためにどれだけ予算を使うのかということも、びた一文も出すようなことは出されていないわけですよ。三事業の予算の中、あるいはかつて出された雇用対策の基金の中から出していくなんというやり方ですよね。
 こういう大きな問題に関して、こんな私どもから言うといい加減な雇用問題に対する認識はないんじゃないかと思うわけでありまして、こういう問題についてはもっと、せっかく緊急雇用対策本部を作るとするならば、そういうところで各省庁が知恵を絞って具体的なものを早急に出すということが逆な意味で安心の具体策を国民に提示することですから、それが景気をまた立ち直らせていくということになるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府参考人(小平信因君) 先ほど申し上げましたことは、不良債権処理の加速によりまして労働市場には当然影響が予想されるわけでございまして、そういうものに対応するためにセーフティーネットの充実を図るということで、総合対応策に厚生労働省等と協力いたしまして盛り込んであるわけでございます。
 先ほど申し上げましたことは、定量的にそれではどれぐらい増えるかという数字につきましては、先ほど申し上げました理由でまだ定量的なものは、政府としてこういうことであるというような数字は現時点では持っておりませんということを申し上げたわけでございまして、雇用対策をしっかりやる必要があるということにつきましては先生御指摘のとおりでございますし、この間の総合対応策の最初のところにおきましても、今後、必要に応じて追加的な対応策を検討するということになっておりますので、これからの状況を見ながらしっかり対応をしていく必要があるというふうに考えております。
○今泉昭君 少し視点を変えてお伺いしたいと思うんですが、今度のこの改革加速のための総合対策の中で、新たに産業のいわゆる再生のための機構を作られるということになって、大いにこれは結構なことでありまして、第一線から引かざるを得ないような企業をそのまま放置していってもらっては困るわけですから、大いにそういう対策は必要だと思うわけです。
 しかし、この産業再生の組織というのは、我が国の六百万とも言われる事業を、どの程度のものが対象になっているかということをちょっと見回してみますと、恐らく日本を代表するような銘柄企業を頭に描いた産業再生だろうと思うのであります。
 確かにそういう大企業が元気を出してしっかりしていてもらわなければ困るわけでございますが、今失業問題で一番困っているのは中小零細企業でございます。この中小零細企業は全くこの産業再生問題には一顧だもされていないような中身ではないかと思うのであります。
 そういう意味で、この産業再生機構の中身というものはどういうものを想定していらっしゃるのか、ちょっと説明していただきたいと思います。
○政府参考人(梅村美明君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の産業再生機構でございますけれども、産業再生・雇用対策戦略本部が策定する基本指針に従って、金融機関において要管理先等に分類されている企業のうち、メーンバンク・企業間で再建計画が合意されつつあるなどによりまして当該機構が再生可能と判断する企業の債権を買い取るということが十月三十日に策定されました改革加速のための総合対応策において書かれているわけでございまして、ここには企業規模で分けるというようなことは予定しておりません。
○今泉昭君 今度は厚生労働省にお聞きしたいと思います。
 前回の質問から今の内閣府の御答弁等々を受けまして、特に我が国の今後の経済の姿というのはかつてのような景気変動の中でV字型の成長をしていくというようなことはまず想定をできない。仮に今発表されましたGDPの数字を見て多少いい数字であっても、既にもうこれから先の景気見通しに非常に赤信号がついているというような状態でありまして、基本的に内閣府が立てております二〇一〇年まで我が国の実質経済成長率はせいぜい一・五%である、当初一・二%と言っていたようですが、そのような経済の動向が考えられるわけであります。
 そういう実は低経済成長の中におけるところの我が国の雇用政策の在り方というものは、今までのような時代の雇用政策を引きずる、あるいはまた部分的な修正だけでは済まない時代に来ているんじゃないかと思うんです。それも去年や今年だけのわずかな期間だけの問題ではなくして、もう既に我が国はバブルの崩壊以来十年間にわたって一%程度の経済成長が続いている。しかも、これから二〇一〇年に向けても一%程度の経済成長しか考えられないとするならば、よっぽど思い切った雇用政策というものを中長期的にやっぱり立てていかなきゃならない時代になっているんじゃないかと、私はもうそれに対する対応の出し方が余りにも今まで遅かったんじゃないかというふうに認識しているわけです。
 このゼロ成長時代の、ゼロ成長と言っていいでしょう、この時代の雇用におけるところの問題点というのは、一つはいわゆるグローバル化の中において、大変な我が国の経済の高コスト経済というものが盛んに言われている中で、この問題との実はかかわり合いを除外をしての雇用対策というものは避けられないんじゃないかと。今まで厚生労働省は、非常に紳士の方が多いものですからこの問題に直接的に手を触れられていない、あるいはまたこれは労使関係が自主的に考えていくべき問題だという形で思い切った対応策を出していないという印象が大変強いわけでありまして、これはよっぽど悪人になってでも、恨まれてでも、これはもう対策を打っていかなきゃならないのではないかと思います。
 さらにはまた、少子高齢化という問題が、これはもう長年言い古されてまいりましたけれども、ますますひどくなっているわけでありまして、これまたこれからの雇用対策にとっては根本的に対策を見直さなきゃならない課題であろうと思うんであります。
 そしてまた、何というんでしょうか、国民全体の意識が多様化をしておりますから、今までのような就労形態というものだけで対応できないような国民の意識の多様化が進んでいるわけでありますから、そういう中で、中長期のいわゆる高失業時代という中においてどうやっていくのかということは、もう相当抜本的な対応策を示さなきゃならないと思うんです。
 ところが、その中の幾つかのポイントを、こんな表現は大変失礼かもしれませんけれども、つまみ食いをするような形で実はいろいろな法改正に取り組んでいらっしゃるということは私自身もよく存じている次第でありまして、例えば雇用保険の改正というのも、これも一つのその中の考えにあるんでしょうけれども、しかしこれも抜本的な改正というわけではない。さらにはまた、裁量労働の問題や有期雇用の問題、解雇ルールの問題を次期の国会に出されるということで検討をされているようですが、これもまたごく一部分の問題にしかすぎない。
 抜本的に物事を見直して新しい制度を国民の皆さん方に訴えていこうというような姿勢が私自身はどうしても見えないというふうに思うんでございますが、労働大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しをいただきました総論的なことにつきましては、私も同様のことを実は考えているわけでございます。
 今お話しをいただきました中で、これからの雇用状況でございますが、過去の経過というものが今後それがそのまま当てはまるというふうには思いませんけれども、過去十五年ないし二十年を振り返ってみますと、経済成長が一%ないし二%経済成長をしておりますときに、日本の雇用は増えておりません。それはいわゆる企業の中に多くの雇用者を抱えている、だから変化しないという、日本のこれは一つの特徴だということも言われているわけでございますけれども、その辺のところは若干変わってはきているというふうに思いますが、しかし今後も一%ないし二%程度の経済成長では雇用は増えていかない、現状が続いていくものと私は思わざるを得ません。
 これが十年も十五年も先になってまいりますと労働力人口が減ってまいりますから、もう二〇一〇年には六十歳未満の労働力人口は三百万ぐらい減ってまいりますから、そうしたことはあるとはいうふうに思いますけれども、しかし現状を見ましたときに、一、二%の経済成長でありますと今日の状況が続かざるを得ないというふうに私も認識をしているところでございます。
 先日もこの委員会で少しお話を申し上げたところでございますが、ではそれをどう解決をしていくか、その雇用状況をどう解決をしていくかということは、いわゆる厚生労働省の中の範疇で考えていくだけでは解決ができないと思っております。したがいまして、そこはもう少し枠を超えて、政府全体としての方針をどうこれからかじを切っていくかということに私は懸かってきているというふうに思っております。
 先日も雇用重視型社会ということを申し上げたわけでございますが、総理にも一応御説明を申し上げてありますのでもう申し上げてもいいと思うんですが、この雇用重視型社会を作り上げていくために何が一番大事かといえば、これは厚生労働省の範囲から少し逸脱をいたしますけれども、やはり労働生産性を高めるということに一つは尽きると思うわけです。
 G7の中で二〇〇〇年の労働生産性を見てみました場合に、日本を一〇〇といたしますと、G7の中で一番大きいのはイタリアでございます。これは私、予想外でございまして、なぜイタリアがそんなに大きいのかというふうに思いましたけれども、日本を一〇〇にしてイタリアは一三七ございます。これ、もう少し詳しい値でいいますと、日本が四千五百三十四円ですね。それに対しましてイタリアは六千二百円でございます。これは人、時間当たりのGDPと、こうあるわけでございますけれども、単位はありますが、ですからそれくらい違う。
 ですから、私は、これからやはり日本が少なくてもこの労働生産性を五割増しにしていくということをやりますと、これから先の二〇一五年なり二五年なりを目指していきますと、大体二%前後の経済成長になっていくわけでありますので、そこまでは、今の二〇〇〇年の四千五百どれだけかの日本のあれを五割増しにしますと六千八百円でございます。ですけれども、それは決して不可能な値ではないというふうに思っています。
 そういう労働生産性の、ですから、これからいろいろの企業におきます設備投資等をするということがありましても、労働生産性の低いところの設備投資をどれだけやってもいかぬわけですね。労働生産性の高まるような設備投資をやってもらわないと上がっていかないわけでありますし、労働生産性が高まれば雇用が全体として増えるのかということになれば、これは私は増えるのではないかと思っています。
 それは部分的に見れば労働生産性を高めるために雇用を減らすということだってあるでしょう。しかし、高まればその分野におきましては全体として上がるわけでありますから、いわゆる業界におきましては大体全体にレベルアップされるわけですから、私は雇用もそれは増えるというふうに思っている次第であります。
 最近、いわゆる電機機器のところの雇用が去年に比べまして今年の後半うんと上がってきておりまして、これは非常にいいことだと。今まで下がりっ放しだったんですけれども、上がってまいりました。それを経済白書で見てみますと、やはり労働生産性を上げるために昨年から今年の初めに掛けましてかなり設備投資をされたということが出ておりますので、私はそこは符合をしているのではないかというふうに思っております。
 しかし、もう一つ気を付けなければならないのは、いわゆる雇用を削減をして長時間労働というのが方向性として現在ある。しかし、これをこのまま続けていくということになりますと、これは少子化に更にまた響いてくるわけですね。この少子化対策を行っていく、そしてどうしてもそこを上げていかないとそのことがまた経済に影響をしてくる、それはあるわけですね。労働生産性が今のままで変わらないということになりましたら労働者数が減ってくるわけですから、そうするとGDPにこれ響いてくるわけですね。平行でも、労働生産性が平行でも下がってくるわけですね。
 ですからここは、少子化対策というものを一方で行いながら、そして労働生産性を上げていかなければならない。ここが一番難しいところだというふうに思うんですが、そのためには、やはり労働時間千八百時間というものを守っていけるような労働環境というものをいかに作り出していくか、一方で労働生産性を上げ、そして労働時間千八百時間というのを守っていけるような環境をどう作り出していくか。
 それは、労働時間は、もう今さら指摘しますまでもなく、日本とそれから諸外国等を比較をいたしましたときに、日本も千八百二十一時間と、これ二〇〇〇年、ある程度下がってまいりましたが、これはしかしパートも含めての話でございますからこういう数字になっておりますが、ドイツ辺りは千四百八十二時間、フランスが千五百九十時間、イタリアも千六百二十二時間に下げてそして労働生産性は上げているというところでありまして、そこのところを、これから日本がどうこれを乗り切っていくか。
 いかに労働生産性が大事かということがそこで分かってくるわけでございますが、労働生産性の低いものでそして長時間働かせてという、ここをどう変えるかということが最大の課題になってくる。ここを踏み込んでいくことによって労働重視型社会の社会システムを構築するということ以外に日本の進む道はないというのが私の基本的な考え方、あるいは厚生労働省の基本的な考え方でございまして、そしてそのことも二十日の経済財政諮問会議におきましてはより詳しく説明を申し上げたいと思っておるところでございます。
○今泉昭君 今、厚生労働大臣が言われたことについてもう少し実は時間を取って討論をさせていただきたいと思ったんですが、実はもう時間が限られておりまして、肝心かなめの当面する雇用対策について質問する時間がなくなってまいりましたのでまた次の時間にこれはひとつ譲らしていただくとして、当面の少し経済対策について、もう時間がありませんので、何項目かを続けて申し上げてお答えを各厚生労働省の方にお願いをしたいと思います。
 一つは、先ほど申し上げましたように、今回の改革加速のための総合対策の中に盛られている雇用関係のものは、先ほど私が申し上げましたように、今まで出された実は雇用対策を寄せ集めたんじゃないか。しかも、特に私が気になるのは、予算が一つも付いていない。補正予算が用意されていないから当然といえば当然かもしれないけれども、みんな、これまで打ってきた雇用政策の基金を使うとか、あるいは雇用政策の一部の三事業の手直しをするとかいうような形で、本当に糊塗的な形の印象しか受けないわけでして、この不良債権処理のために生じてくる雇用不安をそんなもので処理してもらいたくないというふうに思うわけでありまして、この点についてひとつお聞きをしたいというふうに思います。
 それからもう一つは、新しい雇用政策という流れの中で規制緩和がどんどんどんどんできてきております。この規制緩和に触発されたわけではないんでしょうけれども、大変な最近は基準法違反が起こっているわけでございまして、この点の実は監督強化というものを今後どのように考えていらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。
 具体的に申し上げますと、二〇〇一年に労働省が調査をいたしました労働基準法の違反調査に十三万四千六百二十三事業所、これの調査の中で実は六三・四%が労基法違反になっている。中でも多いのが、労働時間やあるいはまた残業時間に対する割増率を支給しないというような違反が大変多いような実態が上がっているわけでございます。これは厳しい経済情勢の中で企業がコストをいかにして削減するかという一つの流れでありまして、こういうときこそ労働省の監督管理強化というものが行政的に必要ではないかというふうに私は思っているわけであります。
 かつての労働省の行政の中で臨時の監督実施をいろいろやっているわけでございますが、年々その実施率が低下をしているわけですね。一九四八年には三五・七%だったのが今は五%を切っているというような状態であります。今こそこういう監査、臨時監査が必要だと思うわけでございますが、こういう面に対するひとつ労働省の考え方を聞きたいと思うんです。規制改革が進めば進むほど、これに対するいわゆる事後的な規制というものを表裏一体の形でやっていかなければ、働く人たちの労働条件は守られないんじゃないかというような気がしてならないわけでございますので、その点についてのひとつ御意見をお伺いをしたいというふうに思います。
 さらにまた、実は、こういうような雇用不安の中で雇用政策の一つとして労働債権の立替え制度というものが実施されておりまして、これは大変な労働者にとりましては有り難い施策の一つであります。ところが、この制度がほとんど生かされていない、実行されていないと。
 まず、中小零細企業にこれは多いわけなんですが、必要なところは、中小零細企業の事業主がまず知らない。恐らくこれを取り上げていくのは、労働組合があるところが、労働組合サイドから実は取り上げていくというような状態になっております。それだけではなくして、実際に申請したのはいいけれども、その立替えが実際上実施できるのは相当日にちが掛かるというような状態が出てきているわけであります。大体、不良債権の立替えの必要なところというのは、企業が大体景気が悪くなって賃金が遅配をされているというようなところが多いわけであります。そういうところはできるだけ早い処理が必要なんでありますが、そういうような実態に合っていないというような運用の実情でございます。こういうことに関しまして労働省としてはどのようにこれを指導されていくつもりなのかどうか、この点についても是非お伺いをしたいと思います。
 さらにはまた、この大変な不況の中におきまして、企業が生き延びるためにいろいろな実は従業員に対する押し付け政策をしてきていることも事実なんであります。
 例えば、具体的に申し上げますならば、社会保険料が払えなくなったと、企業としての負担が払えない、二年間払っていなければこれは法的に差し押さえられるわけでしょうから、そういうことになる前に、実は無理やりに従業員に社会保険・保障制度から脱退をさせて、例えば厚生年金の場合であると国民年金に移すとか、医療保険であると国民保険に移すとか、そういうような形での、ある意味では違法に近いような形の実態が散見されるわけでございますが、こういうことについて、労働省としては、末端の地方の行政がちゃんと把握をしているのかどうか、そういうものに対する指導をどのように行っていっているのか、こういうことについてもお聞きをしたいと思います。
 更にまだたくさんあるんですが、具体的な点につきましては、私に与えられた時間はもう、二十分まででございますので、今日はそれだけのことをお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○副大臣(鴨下一郎君) まず、最初の問題につきましては私の方からお答えさせていただきます。
 不良債権処理の加速に伴って、現状でも厳しい雇用情勢が更に悪化するんではないか、こういうようなことについて、言ってみれば厚生労働省、更に政府を挙げて雇用政策をもっともっと重層的に打つべきだと、こういうような御指摘でありまして、せんだって、十一月の五日の日にもお答えさせていただきましたが、その後、十一月十二日に政府が産業再生・雇用対策戦略本部を作りまして、そこで基本方針を作って、その後に産業再生機構への言ってみれば様々な施策に反映していこうと、こういうようなことであります。先ほど大臣からも、我が省としては雇用重視型社会を作っていくと、こういうようなことでありまして、単に産業再生のみならず、雇用政策を含めた産業再生の在り方、こういうようなことを我々としても主張してまいりたいと、こういうふうに考えています。
 また、具体的な話については今までの寄せ集めじゃないかと、こういうような話もありました。そのことについては先日にお答えしたとおりでございますので省略させていただきますが、今後の話としては、改革加速のための総合対応策が進むに従って、ある意味で、雇用そのものがもし深刻な事態になっていったときには、私たちとしてもやはり追加的な予算措置が必要ではないかというようなことも想定しておりますので、先生のお考えも含めて、さらにこれから、言ってみれば総合的な雇用政策を打っていくために予算も含めて必要だということを認識しておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○政府参考人(松崎朗君) 私の方からは二点ほど、監督指導の点と、それからもう一つは立替払について御説明を申し上げます。
 まず監督指導の点でございますけれども、これはもう御案内のように、労働基準法又は労働安全衛生法、こういったものは言わば労働条件の最低基準というものでございまして、こういった時代におきましてもきちんと守っていただくというのが基本でございます。したがいまして、従来からでございますけれども、限られた人的資源でありますけれども、それをそれぞれ地方局におきましても、自分のところの問題のところといったところに重点的に集中して監督指導を行っているというところでございますし、また特に長時間労働、こういった問題につきましては、現在、十一月に全国で一斉に監督を行っておりまして、その集計も年明けにはまとめたいと思っております。
 ただ、そういった監督指導といいますのは、やはり使用者の方が本当に理解をしていただいて、以後そういった違反を起こさないように守っていただくということが基本でございますので、やはり納得をいただいて自主的に直していただくということを基本にしながら、悪質なものについては送検するといった方式を取っております。
 それから、もう一点は立替払でございますけれども、確かに立替払の事案、これは法律上の倒産でございますとか事実上の倒産、いろいろございます。そういったことで、特に私どもが扱います中小企業の場合には事実上の倒産が多うございます。そしてまた、非常にこの倒産の実態でございますとか、書類でございますとか、そういったものがないといったことで、実際の倒産の認定でございますとか未払賃金の額の確定、そういったものにどうしても時間が掛かるといった点がございます。
 しかしながら、従来より地方局、また担当しております労働福祉事業団に対しまして迅速化について依頼なり指示をしておるところでございます。最近におきましてはもう特に非常に増えております。こういったところから、より一層の迅速化を図るということで、今申し上げました監督署の窓口におきます処理、そういったものの一層の迅速化に努めていくということにしております。
○政府参考人(磯部文雄君) 社会保険を適用しなければならない事業所が事業を継続しているにもかかわらず社会保険を脱退することは、事業主が法律上規定された責務を果たしていないということでございますので、従来から各社会保険事務所において事業主に対する適正な届出の励行に関する指導等を行ってきておるところでございます。
 特に、今年度からは、新たに各社会保険事務所に対しまして労働保険の適用事業所に関する情報を提供いたしまして、解散や休業を偽装した全喪と疑われるような事業所等の把握に活用するよう指導しております。また、全国の社会保険事務所長会議におきまして、こうした全喪届を受け付ける際の具体的な調査方法を先般も示しておりまして、今後ともこのような努力を通じて社会保険の適用の適正化を図っていきたいと考えております。
○今泉昭君 終わります。
○櫻井充君 今日は研修医の問題について中心に質問させていただきたいと思います。
 ちょっと質問時間が短くなっていますので、答弁の方ちょっと短目にお願いしたいと思います。
 端的にまずお伺いしますが、今回のこのレポートに、研修医の身分に関して、労働者であるかどうかということについてきちんと書かれておりません。これまでは、各々の研修医が裁判とかになったときに、一例ごとに労働者であったかどうかということの判定を下されているわけです。こういった問題を解決するためには、こういうことを解決するために今回の研修医制度というのが作られたわけですから、この中にはっきりと労働者であるということを私は書くべきだと思っているんですが、厚生労働省の見解をまずお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 一般的に言えば、これは労働者性が認められるものだ、労働者というふうに私は位置付けていいと思います。
○櫻井充君 そうすると、これまでは、私、厚生労働省にお尋ねしたときには、その個人個人によって、研修の在り方によって労働者と認められる場合もあったし、労働者として認められない場合もあるという答弁をいただいていたんです、答弁というか、厚生省とやり取りをすると。
 これからはそうではなくて、平成十六年以降の人たちは厚生労働省の認識はすべて労働者であると、そう考えてよろしいんですね。
○国務大臣(坂口力君) 座学を中心にやったり、いろいろするような場合もそれはあるでしょう。ありますけれども、しかしこの二年間なら二年間という間でそんな座学ばかりやっておるわけはないわけでありまして、これはもう現実に研修をやる、働くわけでありますから、私はそこはもうはっきりとさせていいのではないかと思っております。
○櫻井充君 是非そうしていただきたいと思います。そうでないとやはり大変なんですね、研修している身分からすると。
 そこで、もう一つ、最低賃金、今回はアルバイトをしないような形にしたいということで、それなりの報酬をお渡ししますということになっているわけです。そこまでしか書かれていないんですが、具体的にはその最低賃金というのは幾らぐらいになるものなんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これは正しく今いろいろと御議論をいただいているところでございます。
 これは結論まだ出ていない話でございますけれども、今まで臨床研修病院、これは私立もありますし、公的なものもありますし、公立のものもありますし、国立の場合もありますが、大学附属病院以外の研修病院は平均いたしますと二十九万八千三百五円でございます。大体三十万ぐらいのところが一つの見当ではないかというふうに、決まったわけではございませんけれども、心積もりとして思っているところでございます。
○櫻井充君 そうしますと、現在、実名を挙げるとまた問題があるんで、ある病院は二万五千円ぐらいであったりとか、ある大学病院は五万円であったりと、そういう状況ですよね。今度はそこの病院も基本的には三十万円ぐらいにしていくとした場合に、財源措置はどのようにされるおつもりなんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこも今議論をしているところでございまして、ここはまだ最終結論に至っておりません。これは国がやることでございますから一般財源から出していただくことを期待をいたしておりますけれども、そこはまだ来年、再来年からのことなものですから、来年予算をどうするかということになるだろうというふうに思っておりますが、しかしその辺のところをどうするかということを早く結論を出したいというふうに思っております。
○櫻井充君 平成十六年の予算編成で来年の八月に概算要求出すわけですよね。この時点で本当に例えば私立の大学の附属病院で三十万円の賃金が保障されるかどうかというのを決定されるんだとすると、研修医の人たちというのはもう怖くてそこに行けないんじゃないかと思うんですよ。つまり、募集を掛けて、みんなが、これからマッチングシステムなど、いろいろあるんでしょうけれども、そうしてくると、どこの病院で研修しようかということを考えるのは八月以降ではなくてもっと早い段階からみんな検討するわけでして、そうすると、八月のその概算要求のところまで待てというのはあくまで我々側の理論であって、現場の人たちからしてみると全然違うんだと思うんですよね。そういう意味で、本当に、まずもう一度改めてお伺いしたいのは、その賃金がまず保障されるんでしょうか、されないんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今、話合い中だという前提の下で私は申し上げているわけでございますが、あらあら今までの、先ほど申しました数字はそういうことになっておりますから、そのぐらいのところを、先ほど申しました数字を目安にしているということでございまして、そこはいかなる方法であったとしましても、それが大学病院であれ、あるいは公的な病院であれ私的な病院であれ、そこは保障をする、こういうことでございます。
○櫻井充君 一般財源でそれが保障されない場合はどうなるんですか。もうこれは財務省と話は付いているんですか。付いているんだとすれば、それは明言された方が私はいいと思うんですけれども。
○国務大臣(坂口力君) そこは付いておりません。これからでございます。
○櫻井充君 これ付かない場合どうなるんですか。これは大事なことなんです、本当に。
 つまり、今回、厚生労働省がパブリックコメントを求めているわけですよね、政省令で。そして、そこのところで不十分な点を今日は質問させてもらっているんです。
 私は前々から言っているとおり、研修医制度はもう法律では決まっちゃいました。しかし、今度政省令で下りてくるわけですけれども、その点について議論する場がないんですよ。ですから、少なくとも今回厚生労働省案として示されているものに対して、不十分な点について今議論させていただいているんですね。
 もしこれが、厚生労働省が、例えば今の中で、大臣のお言葉で言えば、民間病院と同じように三十万円ぐらいは保障してもいいんですよというお話をされています。しかし、財務省が今の財政状況だから無理だと言ったときには、研修医の方々はみんなそうだと思っていろんな病院を選び始めているはずなんですよ。でも、行ってみたら全然違ってたといったら、これは国の責任ですよ、大臣。
 この点について、もし一般財源で確保できない場合には、何らかのお考え、どういう形でか財源確保しようと、それは厚生省でお考えなんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこはいろいろのことを考えております。
○櫻井充君 具体的にお聞かせいただけますか。
○国務大臣(坂口力君) すべてをここで言うわけにはまいりませんけれども、そこはお約束をいたします以上、責任を持って処理をいたします。
○櫻井充君 僕は、クロイツフェルト・ヤコブの一件もありましたし、坂口大臣のことを物すごく信頼しておりますし、そしてすばらしい大臣だと思っておりますので、是非この点はきちんと守っていただきたいと思っております。
 その上で、もう一つ。「研修医の処遇とは以下のものをいう」と、これは九月二十七日に公表されているんですが、最近になりましてちょっと変更されているんですね。つまり、どういう点が変更されているかといいますと、例えば「研修医の処遇とは以下のものをいう」と書いてある中で、例えば「宿舎」と書いてあるのは(4)番。ですが、今は「宿舎の有無」で、あるとかないとかと。つまり、この最初の案だけ見ると、宿舎はきちんとありますよというようなふうにも見えますし、例えば「社会保険」というのは、これは恐らく全員に付くんだろうと私は思っているんですが、これを見ると「社会保険の適用の有無」と書いてあるんですね。労働者として認められるんだとすると、少なくともこの「社会保険」というのはもう最初から有無ということではなくてあるものということになるんじゃないのかなと。つまり、九月の二十七日で公表された案よりも随分後退しているんじゃないだろうかという気がするんですけれども、この点についていかがでございましょうか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 若干経緯から御説明させていただきますと、九月の二十七日には坂口厚生労働大臣の方から、厚生労働省の考えている新たな医師臨床研修制度の案ということで公表をしたわけでございます。その後、先ほど、今、先生御指摘の方は、パブリックコメントを出したのが十月の二十二日でございまして、約一か月近くあったわけでございます。その間、関係者からのいろいろ御意見も賜りまして、若干追加修正を行っている部分があるわけでございます。
 御指摘の部分につきましては、「宿舎」と書いてあると宿舎がどうなのか分からないので、「有無」ということを入れた方がいいと。現実でも宿舎のある場合とない場合がございます。そのようなことで明確にするという意味で、趣旨をより明確にするという意味で書いたものでございまして、研修医の処遇を適切に確保するという趣旨を変更したわけではございません。
 また、この厚生労働省試案については現在パブリックコメントを広く求めているところでございますけれども、委員の御指摘もございますので、研修医の処遇を更により良いものにするように検討してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 研修指定病院の中で医者の数とかベッドの数とか、それからその科が、診療科がどうだということは随分出ているわけですよ。その意味でいうと、少なくとも労働者として認定されるんだとすると、社会保険は適用されるとか適用しなさいとか、適用しないところであれば研修指定病院としては認められませんよとか、それからもう一つ言うと、ここが大事だと思うんですが、医師の賠償責任保険の適用は必ずありますよとか、そうでなければ安心して研修できないんだと思うんですね。特に賠償責任ですか、この辺のところは、これを満たさなければ研修指定病院からは外してしまうと、そのぐらいの厳しい措置があってもいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども。
○政府参考人(篠崎英夫君) この研修医の処遇につきましては、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、全体の処遇の中でのこういう位置付けもあるわけでございますが、私どもとしては、研修医が研修施設を自ら選ぶ、そういう時代が来る、あるいはそういう仕組みに持っていくべきではないかというふうに思っておりまして、そういう中で、例えば手を挙げている研修施設がその処遇が悪ければ、あるいはそういうものに満たされていなければおのずと研修医も選ばなくなると。そういうことも考えて、今回の処遇についてのパブリックコメントを基準として書いたということでございます。
○櫻井充君 確かにそうなのかもしれません。しかし問題は、じゃ、例えば大学病院で、大学病院で僕なんかも無給医局員でしたが、そういうときには社会保険なんていうのは適用を全然受けられないわけですね。
 実際、大学病院なんかで社会保障の適用がなかったというような場合には、多くの人たちがそこを選ばなくなればいいんですよ。でも、実際問題からすると、今の指導医の数からいえば、大学病院で研修せざるを得ないわけですよ。果たしてそういう病院できちんと社会保障の、社会保険の適用をしてくれるのかどうかなんです。してくれない場合に、問題はしてくれない場合に厚生労働省が意見を言うことができるかどうかなんですよ。
 今の医師法の十六条のままでいうと、医師法の十六条のままでいうと、大学病院の附属病院というのは無条件で研修病院になることができます。しかし、そこの下に付いているのは「又は厚生労働大臣の指定する病院」ということで、取消し要件も、ここの中に研修指定病院の取消しというのはありますけれども、取消し要件の適用になるのは言わば厚生労働大臣がお認めになった一般病院だけなんですよ。
 ですから、そのことを考えてくると、本当に大学病院でこういうものを適用してくれるのかどうか、適用しなかった場合に問題が起こってくるから私は、私は十六条の、この十六条のところを、大学病院というところをここを一行削ってしまって、特別扱いするのをやめちゃった方がいいと思うんですね。すべてが厚生労働大臣が指定する病院で研修をしなさいと、そう書いた方がすっきりすると思っているし、それから何か問題があったときにこれはだれの責任なのかということも明確になってくると思っておりまして、私はその医師法の十六条を書き換えた方がいいと思っているんですが、厚生労働省としてはいかがお考えでございましょうか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生の前半の御指摘でございますけれども、確かに法的にはそういうようになっておりますが、この新たな医師臨床研修の在り方についてという文書の中にも書いてございますように、大学病院もこの厚生省の考えに沿ってほしいということを書いてございます。したがいまして、もしそういうところがなければ、関係省庁と連携を取りながら指導をお願いしたいというふうに考えております。
 また、そもそも論のところでございますが、大学附属病院はその設置の趣旨、目的から見て本来的に教育機能を有するというようなこととか、あるいは現況を見てもおおむね臨床研修病院と同等あるいはそれ以上の機能を有しているというようなことを考えまして、厚生労働大臣の指定を受けることなく臨床研修を行えるということに位置付けられているものでございまして、これは昭和四十三年の現行法のときからこういう形になっておるわけでございます。
 しかしながら、先ほど申しましたように、制度を所管する行政省庁といたしましては、大学附属病院における研修内容などが適切か否かについては常に非常に関心を持っているわけでございまして、関係省庁とよく連絡を取って、もしそういうこと、不適切なような場合には必要な改善などの指導を行ってまいりたいと考えております。
 なお、今回のこの十六年度の臨床研修必修化に向けて、現在、大学附属病院関係者の方々の参画も得ながら、この研修プログラムの内容についても十分すり合わせをしながら検討を進めているところでございまして、今後、大学附属病院においても適切な研修が行われるよう努力をしていただけるものと思っております。
○櫻井充君 憲法だって改正しようかという時代なんですよ。昭和四十三年に決めたから後はもうそのまんまでございというのはおかしな話でして、実態に合わなければそれを変えていくというのは、これは至極当然のことなんだと思うんです。つまり、努力義務のときと義務になったときと、これは考え方全然違うわけですから、その状況が変わったのに、昭和四十三年に決めたからそれはそのまんまでございというのは、これは私はおかしいと思いますね。
 もう一つ言うと、各省庁と連絡を取ってとおっしゃっていますが、私、シックハウス対策をやったときに、各省庁ばらばらですよ、連絡協議会を作っていますが。例えば、国土交通省にお任せすると建築基準法の見直しで住宅の入口規制でやりますし、文部科学省は努力義務で学校の中の化学物質の濃度を測れと、四物質です。それから、厚生労働省がこの間ビル管法の政省令を変えてきましたけれども、あれはたしか一か二物質、ちょっと物質名忘れましたけれども、あそこはきちんと測った後で、しかも環境基準を満たしていないときにはそれを満たすように改善しろと。各省庁ばらばらですよ、取組、こんなの、言っておきますけれども。だから、連携とおっしゃいますが、私は本当に連携取れるのかどうかよく分からないんですよ。
 もう一つ言うと、ロースクールの問題がありますが、あのロースクールのところは完全に法律がきちんとでき上がっていて、文部科学省は法務省の意見を聞かなければいけないと、そういう意見を言うことができると、法務省が。そういうふうに書き換えているわけですよ。
 そのことを考えてくれば、時代背景から考えてくれば、ここの部分を、何も全部、文部科学省が決めたところはもうそれでふさわしくて、あとは厚生労働大臣は法律上は何も手を出せないというような、そういう決め方をするのはおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) いろいろ先生の御意見がありました中で、一番最初の社会保険につきましては、これは労働者として認めるということになれば、社会保険は当然のことながらこれは認めなきゃならないと私は思うんですよ。そこは責任を持ってやりたいと思っております。
 ただし、賠償責任保険というのは民間のあれでございますし、これは入っているところ、入っていないところもあるんではないかと思いますから、これはちょっと別にしまして、社会保険のところはそうしなければいけないというふうに私は思います。
 それから、今、文部省との関係ございまして、ばらばらだという話があるわけでございますが、ばらばらだから連携しなきゃいけないわけでございまして、そこら辺、だからしっかりここは連携していかなきゃいけないというふうに思うんですが、この研修医のところだけ、これはぽっかりここだけはもう厚生労働省がやりますから全部これこちらへくださいと、こちらが言うのは簡単でございますが、向こうがなかなかそうも、ちょっと待てという話に多分なるだろうと、こう思うんですね。私の方は何らそれで難しいところはございませんで、そうしていただいていいわけでございますけれども、そうも簡単ではないわけでございますが。
 そこはしかし、そうはいいますものの、この研修医の問題については責任持ってやっていかなきゃならないわけですから、だから研修医の問題については責任持ってやらせていただきますよということは申し上げなければならない。そこは今までとは違って、これはもう正式に認めるわけですから、認める以上、研修医の問題の責任は私の方が持っておりますということは明確にして、さてその後の話合いをどうするかということを詰めていきたいというふうに思っています。
○櫻井充君 大臣の考えと私の考えは同じだと思っているんですよ。ただ、苦しいお立場はよく分かります。でも、この国は法治国家のはずなんですよ。権限というのは、それはそれできちんと明確化するべきだと思うんですね。
 この間、歯科衛生士の学校の四年制の話で文部科学省の方と話をしたときに、将来の歯科衛生士像はどうお考えですかと聞いたときに、四年制なんてカリキュラムとして必要ないとおっしゃるから、じゃ、どうお考えですかと聞いたら、何て答えたかといいますと、歯科衛生士法に書いてあるとおりでございますと言われたんです。じゃ、歯科衛生士法に何て書いてあるんですかと言ったら、今日は手持ちの法律がないのでよく分かりませんが、まあとにかくそういうことでございますと。ビジョンのない人が教育をやっているから、この国はおかしいんですよ。
 我々は厚生労働大臣から認可を受けるわけです、医者としてあなたは国家試験合格しましたと。だけれども、そこの教育のカリキュラムはすべて文部科学省がやるわけでしょう。それはおかしな話なんですよ、本当は。そこのところに、どういう医者を育てなきゃいけないのかという理念がちゃんとあれば、ここは厚生労働省が、だって研修は、ここから先の教育は、教育はと言ったらいいのかどうか分かりませんが、そこのところは厚生労働省がやります、ここからこっち側は文部科学省でございという、これはやっぱりおかしな話なんですよ。将来像を見据えたときに、ずっと一貫して考えてこなきゃいけない問題だと思うんです。
 今回、この厚生労働省の案を見せていただいても、ここの中にこういうことを学びなさいと随分書いてあります。しかし、この中にもう、例えば虐待について説明できることなんてこんなものは学生のうちからできるものなんですよ、学生のうちからできるようなことも随分入っているんです。
 そうなってくると、卒業するまでにどのぐらいのことができるようになっていてください、そしてその後、卒後研修はこういう形でやりなさいということを一貫して考えていくとなれば、学生のうちから、そこの医学教育の分野に関して言えば、文部科学省が権限を握っているんではなくて、ロースクールと同じように、厚生労働省が意見を言える、文部科学省は厚生労働省の意見を聞かなければいけないと、そのぐらいのことを私はきちんと書いていかないといけないんじゃないかなと、そう思っているんですが、大臣、苦しいかもしれませんけれども、前向きな答弁いただきたいんですが。
○国務大臣(坂口力君) 苦しみながら、私もそう考えております。
○櫻井充君 応援する人たちは一杯います。ですから、是非先頭に立って頑張っていただきたいと思います。
 それからもう一つ、研修医を育てていく上において極めて大事なのは指導医だと思うんですね。我々は臨床の一線の病院で本来は研修すべきだと思っていますが、臨床の第一線でやっていらっしゃるお医者さんたちの労働条件というのは極めて厳しいものがあります。そこの中で、今回この案を見せていただくと、レポートを書けというのが随分一杯あるんですよ。手技も教えなきゃいけないということになってくると、果たして本当にやれるんだろうかという気がいたします。そして、しかも指導医になったから何かメリットがあるのかどうかというと、恐らくボランティアでやらざるを得ないような状況になるんだと思うんですね。
 私は、ある優れた臨床病院の先生と話をしたときに、ここは中核病院としてすばらしいんですけれども、もし今の体制で研修医を受け入れれば、責任を持って研修医をなかなか育てることもできないし、それから研修医を育てるということになってしまえば臨床の部分に穴が空いてしまうので、なかなか今までどおりの臨床医療を提供することができないんだという、そういう苦しい胸のうちをお話しされておられました。
 その意味において、指導医に対して、指導医をどう育てていこうとお考えなのか、そしてその指導医の体制をどのような形で取っていこうとされているのか。つまり、もう少し言うと、指導医が研修医に対してどのぐらい時間を掛ける必要性があって、そのためにどれだけ臨床の時間が失われてしまうのか、そこら辺のことまできちんと厚生労働省で考えていらっしゃるのかどうか、その点についてお伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生から臨床研修医の量の問題そして質の問題、また処遇の問題について御質問がございましたけれども、まず量的な問題について申し上げますと、今回の新しい研修はプライマリーケアということが主眼でございます。そういう意味では、実地の医家といいますか、地域の病院等で実地の診療活動をされておられる方が質的な問題にしてみればかなりエキスパートになっておられるんじゃないかという気がいたします。
 それで、量的なものにつきますと、例えば内科、外科は元々数が多いわけですけれども、医師数が比較的少ない、また今回のプログラムでは小児科、産科、精神科等が必修科目になっておりますので、そういう医師が比較的少ない科目については関係学会から指導医の質、量ともに十分確保できるという御意見をいただいております。
 さらには、今までも医学教育者のためのワークショップというようなものでどう教えるかというような技術、それを研修していただいておりましたが、今後もそういう養成の講習会、指導医に対する養成のプログラムをきちっと整備して、これはもう来年度からスタートをさせなければなりませんが、そういうような方向で考えておるわけでございます。
 なお、その指導医の要件を一応七年ということにいたしておりまして、この年限のことについてもいろいろ御意見がただいまのところもあるわけでございますけれども、一応はそういう観点で、指導医の確保、そしてその指導医の養成というのは大変重要な問題であるというふうに認識をいたしております。
○櫻井充君 今七年以上とおっしゃいました。僕、ちょっとそこが問題なんだろうと思うんですね。つまり、トップは七年以上じゃないと駄目かもしれないけれども、アメリカの研修制度を見ると、だれがやっているかというと、三年生の人が、研修二年終わって三年目の人なんかが結構手伝ったりしているんだそうなんですね。東北で僕は有数の研修病院だと思っている平鹿中央病院なんかも二年研修が終わって三年目の連中が中心になって教えているんです。人に教えるということはそれだけ、何というんでしょうか、医学に対しての知識も付きますし、医療レベルが上がるんですよね。
 その意味で考えてくると、果たして七年以上として区切ってしまうことがいいことなのかどうか。むしろ、責任者は七年以上の人ですよと、実際教える人たちは三年目の人たちの方がいいぐらいじゃないかと。
 僕が李啓充さんから言われたのは、その意味で、日本の研修が二年になっていると、二年じゃなくてむしろ三年研修にして、三年目の人たちにそういうことを教えさせるような、そういうシステムにした方がいいんじゃないかなという話があったんですが。法律上もう決まってしまっているのでなかなか難しいんですが、政令などでそこら辺を奨励していくというんですか、こういう形でやっていきなさいと、これもいいですよと、そういう考え方もあるんじゃないかなと思っているんですが、その点についていかがでございましょうか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生の御意見と同じようなことをおっしゃる方もたくさんおられまして、この七年というのは、臨床研修二年あって、さらに学会の専門医等を目指すのは大体五年目ぐらいだというので七という数字がワーキンググループの先生方の御意見で上がってきたわけでございますが、余り専門医にだんだん近くなるとこのプライマリーケアのことからだんだん遠ざかってしまうという御意見もございます。ただいまのこの七年というのは通知レベルの話でございまして、ここは今パブリックコメントをいただいておるわけでございますから、先生の御意見も参考にさせていただいて、修正できるものだったら修正をしていきたいと思っております。
○櫻井充君 是非そうしていただきたいと思います。
 それで、もう一つ言うと、東北地区というのは医師の数が足りないんですよ、そうでなくても。ですから、はっきり言って、今回これ、医師定数のところがありますよね。医師定数を満たしている病院じゃなきゃ駄目ですよと。でも、その医師定数を満たしている中の医者の中に研修医も全部含まれての医師定数なんですよ。ですから、そのことを考えてくると、本当に指導できる医者がどれだけいるかというと甚だ疑問なところがあるんですよね。つまり、七年目以上の人たちが何人いるかということになります。
 それから、逆のことを言うと、研修医を多く引き受ければ引き受けるほど実際のところは医師定数を満たすことができるようになってきますから、そこら辺の、何というか水膨れを招いてくるというところもあるんだと思うんです。ただ、だからといってその指定要件を緩和してくれとは言わないんですが、地域ごとにちょっと実態に合わないところが出てくる可能性もあるんですよ。
 ここは極めて、ここはかなり難しい議論のところなんですけれども、そういう地区ごとでの今のバランスを見たときに、これはごめんなさい、質問通告していないので後で教えていただきたいんですけれども、地区ごとのバランスとして、これから募集を掛けていく上においてまた不均一なことになっていかないのかどうか、そこを御検討いただいて、その資料を改めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それからもう一つ言うと、例えば小児科の問題が今出ましたのでもう一つお話しさせていただきますと、この間、一関を中心とする両磐地区で子供さん、八か月ぐらいだったかと思いますけれども、たらい回しにされて亡くなったという事故がありました。あの地区は小児科の救急を扱える病院が二つしかなくて、しかも全部で三人しか、二つの病院を合わせて三人しかいないようなところなんです。でも、そこはすごくいい病院なんですよ、臨床病院としては。でも、そこのところで研修医、今見ています。その研修医の人たちをどうやって育てていくのかということになってくると、かなり厳しい状況になるんですね。ですから、そうすると医局からの応援をもらわなければいけないことになりますから、医局員を何らかの形で積極的に派遣できるようなそういう体制を是非考えていただきたいと思うんです。
 その上で、私、一つ提案があるんですが、我々、実験助手みたいなことをやらされているわけですよ、研究施設ですから、大学病院は。そうすると、アメリカなんかの研究施設は、試薬なら試薬を扱う人もいれば、機械なら機械を扱う人も別にいるわけです。今の日本の研究システムだとそういうのは全部医者が、二、三年目の医者がみんなやっているわけです。三、四年目の医者がやっているわけですよ。
 その意味で考えてくると、むしろラボをきちんとやれるような人たちの身分保障をしてやって、そこに、余ってきますから、その医者をそういった研修指定病院に配置できるような、そういうことも考えていくべきではないのかなという感じがしているんですけれども、ちょっと大臣、これは通告していないので雑駁な感想でございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどの病院の問題でございますけれども、必ずしも病院は一つの病院ですべてやらなきゃならないことではないと思います。幾つかの病院、余りたくさんもそれはあれですけれども、二つなり三つなり、それは科のないところもありますから、グループでお引受けをいただくということもそれはいいんだろうというふうに思っております。その辺のところも併せて検討しているところでございます。
 それから、確かに忙しいわけですね、現場は。それで、先日も大学病院の先生方と三回ほど議論いたしました。中心の大学病院の院長先生方にお越しをいただきまして。そこで出た話は、やはりプログラムを立ててそこで研修をやらせてどういうことをやった、評価をちゃんとするというふうなことを言ったって、それは大学病院しかできないだろうと。だから、もっと大学病院へ来られるようにしろと。ベッド数で何人だとかそんなことを言わずにどんどん大学病院へ今までのように来れるようにしろと、こういう話でございますが、私どもとしましては、余り大学病院だけに集まるということは問題だと思っておりまして、もう少し中核病院のところでできるようにやはりしていくべきだというふうに思っておりますので、そこは御勘弁をいただきたいということを大分言ったんですけれども、大学の先生方は、いや、そんなことを言ったってできるのはおれたちだけしかできないんだと、こうおっしゃいまして、随分激論をしたところでございます。
 現実問題といたしまして、大変診察が忙しい中でどれだけのそこで手を差し伸べていただくことができるかということにつきましては、それぞれのやはり環境によっても違うというふうに思いますから、そこを余りがんじがらめに、こういうことで何時間こうしなきゃならないとか、ああしなきゃならないとかというようなことよりも、実質的にその人が、先ほどの局長の言葉をかりればプライマリーケアとはこういうことだということが分かってもらうようになればいいわけですから、そこは余りがんじがらめじゃなくて、少し融通性のできるような形にした方がいいと私は思っております。
○櫻井充君 私も大臣と全く同じ考えでして、ですから問題になるのは、今、大学病院じゃないと医者がいないということなんですよ。いわば東京の一極集中と同じでして、大学病院に集中しているから問題なのであって、この大学病院にいる医者をどう分散させるかということを考えていくべきなんだと思うんですね。特に、無給医局員で苦しんでいる人たちも今度いますので、もちろん研修医の問題も大事なんですけれども、無給医局員をどうするかということもこれから議論していかなきゃいけないわけです。
 とにかく、そう考えてくると、その人たちをどういう形で一般病院の方に取りあえず何年間かまた行ってもらうようにするかとか、そこら辺のことをすれば、そこをすれば臨床病院で研修ができるようになっていくんだろうと、そう思っています。
 最後に、あと、私が勤務していた岩手病院のちょっと話をさせていただきますと、あそこ、保険指定がまだ取り消されたままなんだそうなんです。それで、患者さん方が物すごく御苦労されているんですね。これ、厚生省に以前お伺いしたときには、民間病院にもそのぐらいきついことを掛けているんだから国立病院を特別扱いすることはできませんと、そういうお話でした。
 しかし、考えてみると、その実態を考えれば、例えば、一般論です、これは。民間病院というのは大体個人オーナーで、その個人の人たちが何らかの問題を起こしているから病院ごとその指定を取り消すというのはよく分かるんです。しかし、国立病院というのは決してそうではなくて雇われオーナーですから、そのオーナーが替わって体制一新ということになれば、極論かもしれませんが、別な病院になっちゃったものと同じだと思うんですよね。
 その意味で、今のままでいうと患者さんたちが極めて御苦労されているので、何とか指定の取消しというものを解除していただけないか、早期に解除していただけないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこは、委員が最初におっしゃいましたように、国立病院だからというので特別扱いをするということはなかなか難しいというふうに思いますが、これからどうしていったら地元の皆さん方に迷惑を掛けずにやっていくことができるか、これはもう患者さん中心の話でございますから、そのことについてはお話合いに乗せさせていただきたいと思っております。
○櫻井充君 それでは、病院の関係者とか、それから地元の方々、また今度厚生労働省の方にお話にお伺いさせていただきたいと思いますので、是非前向きに御検討いただきたいと思います。
 それから最後に、僕、さっき武見先生のお話をお伺いしていて、なるほどなと思って聞いていたんですけれども、やはり無駄は削減できる部分はどんどんカットしていくべきだと思うんです。もう一つ、大臣がおっしゃっているとおり、それは医療の規模からしてみれば小さいものだと、これもそのとおりだと思うんですよ。しかし、ちりも積もれば山となるでして、そういった無駄を一つ一つチェックして、そしてなるだけ国民の皆さんの負担を少なくするように努力しなさいということが僕は武見先生の意図だったんじゃないかと思いますし、大臣はそれはもちろん納得されていることだと思いますので、是非そこを御検討いただきたいと思います。
 というのは、竹中・小泉ラインで本当に不良債権の処理を加速していったら、だれが一番苦労するかというと中小企業の皆さんです。
 今回の医療制度の改革でいうと、政管健保ですから、要するに中小企業の人たちは保険料も引き上げられて、なおかつ窓口負担も二割から三割に引き上げられているわけですよ。いや、いろんな人たち負担もちろん受けていますよ。受けているけれども、しわ寄せがすべて中小企業に僕は向かっているような気がしてならないんです。
 貸し渋り、貸しはがしで苦しんでいて自殺者がどんどんどんどん増えてきている時代ですから、とにかく無駄をなくして、個人負担というか、それをなるだけ軽減していただきたいと思っていますし、本当は、これは要望だけです、現状から考えてくると、来年の四月から、決まったことかもしれないけれども、三割負担なり、それから保険料率を引き上げるというのはこの時代には私は合わないんではないのかなと、そういう気がしておりますので、時代時代に合わせて、坂口大臣もあの当時そう答弁されておりましたので、是非御検討いただきたいと思います。
 質問終わります。
○山本保君 公明党の山本保です。
 私は二十分だけの時間でございますので、短めな答弁をお願いしたいと思っておりますが、最初に坂口厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 それは、一昨日、十一月十二日でしたが、筋萎縮性側索硬化症、いわゆるALSと呼ばれている難病の患者の団体、日本ALS協会会長さん以下、大変な思いをされまして国会に来られ、そして、特に在宅でおられる患者さんがたんの吸引というんですか、これが家族でしかできない、ヘルパーさんにもそのことをやらせていただけないかということに絞って御要望に、陳情に来られた。大臣は、大変お忙しい中、あそこに出席されまして、一日も早く、できるだけ早く、桜の咲くころということも言われましたけれども、審議会を立ち上げて検討していきたいというお返事をされました。患者の方々も大変喜んでおられると思いますけれども、改めまして公式の委員会の場で厚生大臣のこの問題についての決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この筋萎縮性側索硬化症というのは非常に気の毒な病気でございまして、本当に皆さん方の御苦労、それだけではなくて、御家族の御苦労は本当に大変だというふうに思っております。
 いわゆるたんがたまってくるわけでありまして、それを御家族は取っている。しかし、御家族がどこかに行かれてその間に介護さんにお願いをして出掛けられるときに、そこにたまったときにその介護さんは取ってはいけないというのは、少し私は見直すべきときに来ているのではないかと実は思っているわけでございます。
 これは、医師会あるいはまた看護協会等々にもいろいろの御意見、正直言ってあるんです。それは看護師だったらいいけれども介護士は駄目だというような御意見もあったりいたしまして大変難しいんですが、ここはやはりその御家庭におみえになります患者さん、今まではそういう方は皆病院におみえになったわけで、それはそう問題でなかったわけでありますが、最近のようにいろいろの患者さんも病院の中ではなくて家庭に帰られるようになってまいりましたから、そうしたことも時代に即応して検討をしていかなければならないのではないかというふうに思っております。
 検討会を作りまして、早速作って、年内に作りまして、昨日もお答え申しましたが、桜の花の咲きますまでには結論を出させていただきたいというふうに思っております。結論はどういうことになるかはこれは分かりませんけれども、できるだけおこたえのできるようになればと私は念願をいたしております。
○山本保君 おっしゃるように大変難しい問題ですけれども、是非大臣、これまでのお力も見ております、是非一歩も二歩も踏み込んでいただきたいと私からもお願い申し上げます。
 改めまして、ALSと申し上げますけれども、この病気、大変、今おっしゃったように、見ておりまして、横でおりましても、かわいそうな状態でございます。私も、大変仲のいい方がおられまして、先日も東京に久しぶりに来られて久しぶりにお会いしましたが、一見お元気そうでしたけれども、いよいよ御飯がのどを通らなくなったと。正に意識ははっきりしておられますけれども、体の中の筋肉がだんだん動かなくなっていくということで、この前は車いすで、全くまばたき一つでしかコミュニケーションが取れない、しかし意識は物すごくはっきりされているそうでございます。大変なその苦しみというか、いかばかりかと思うわけでございますが。
 この病気全体につきまして、これまで厚生省として、厚生労働省としてどのように対応されてきたのか、また今後の見通しについてもこの際お聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、この病気は非常に重篤な病気でございますし、そして現在のところ、これを回復せしめる手だてと申しますか、治療方法というのは確立されておりません。病状を遅らすことのできるようにはなってまいりました。しかし、回復させるその手だては現在のところないわけでございまして、本当にお気の毒な立場に立たれておみえになる、それは御本人もさることながら、御家族も含めて大変な立場だというふうに思っております。
 看病されます家族の肉体的あるいは精神的な負担というものも非常に大きいというふうに思いますが、保健、医療、福祉にわたる総合的な対策を講じることが重要だと認識をいたしております。医療は医療、福祉は福祉でばらばらにならないようにどうするかということが大事だと思っております。
 これまでのこの病因の解明、病気の原因の解明ですね、解明をどうするかといったことがいずれにいたしましても一番大事なことでございますが、多くの研究者が携わっていただいておりますけれども、しかし残念ながら今それを解明するところまで至っていない。是非、しかしここは多くの方に研究をしていただいて、一日も早く回復のできるようにしてあげてほしいと、こう念願をいたしておりまして、この研究にも力を入れていきたいというふうに思っております。
 それから、特定疾患治療研究事業によりまして、この医療費の一部につきましての公費負担を行うなど、この調査研究の推進も図っていきたいというふうに思っております。
 また、入院施設の確保など地域において安心して療養できる体制の整備を進めることも大事でございまして、特に在宅しておみえになります患者さんや家族を支援することが大事でございまして、人工呼吸器を付けた患者さんへの訪問看護、それから訪問介護や短期、ショートステイですね、ショートステイ、それから特殊寝台や入浴補助装置等の日常生活具の給付など、福祉施策の充実を図っているところでございます。
 ずっと御家族が見られるのは大変でございまして、そういたしますと、時々は入院をして御家族も体を休めるということもなければならないわけでございますが、これなかなか病院の方もベッドが空かないとかいろいろの理由がございまして、なかなか思ったときに取ってもらえないことも正直なところあるわけでございます。そうした方々に対して、やはり公的な病院も私は応援をすべきだというふうに思っておるところでございまして、そうしたことにつきましても配慮をしているところでございます。
 是非、このALS患者に対します総合的な対策、やはりこれからもなお必要だというふうに考えている次第でございます。
○山本保君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それで、ちょっと確認でございますが、最初のたんの吸入に戻りますけれども、これは簡単にイエス、ノーで結構でございますが、昨日もある施設協議会の方からも同じような形で、つまり施設の職員にも同じようなやはり仕事ができるようにしてほしい、また以前にも国会、委員会で私も申し上げましたけれども、養護学校というところの、例えば養護教諭の先生方からも要望が出ておりますので、こういう問題も含めて検討していただけるというふうに理解しておりますが、それでよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今回、ALSを中心にしてやるわけでございますが、そうした関連のところも確かにあるわけでございますので、この問題をやりますとその関連のところの問題も必ず起こってまいりますから、そうしたこともその中では議論がされるものと期待をいたしております。
○山本保君 では次に、問題は変わりますが、副大臣にお尋ねいたします。
 これは、実は先日の決算委員会で、十月二日でしたですか、短い時間でお話をしまして、そのとき老健局長さんからは大体積極的なお答えをいただいたんですが、少し確認的にさせていただきたいと、副大臣からお答えいただきたいと思っておりますのはショートステイの問題です。
 大変、今、介護の中で、特に在宅支援、居宅事業の中でショートステイというのが使い勝手がよろしいですし、また希望が多いです。我が党もこの春、全国調査をいたしましたら、やはりショートステイの要望が大変多いという結果が出ております。
 ところが、全国大体五千百ですかの事業所が、ショートステイのがあるということですが、見ましたら、そのうちでNPOがやっているのはたったの一つ、また民間の営利の方たち、社長さんたちが頑張ってやっているのは二十三ですか、そのほかはお役所か昔ながらの大きな社会福祉法人というのが全部やっている。通知などを見ますと、別にだれでもやれるようになっているのにかかわらず、実態はそうである。これでは本当に必要なところで動かないのではないか、使われていない。
 当時、その局長さんのお話などを聞きますと、結局、どうもいろいろ原因はあるんだけれども、一つは二十人以上という規模のものでなければ認めないというふうになっているんだと。これは、当初四十人から二十人ということで、だんだん少なくなってきたようですけれども、私は、社会福祉事業法、社会福祉法も改正になり、十人というのが一つの基準、法律上の基準にもなっておりますし、こういうお年寄り、元気な方もおられるかもしれませんし、少し入っていただくときに、ホテルのような立派な建物もいいですし昔ながらの旅館のようなものもあってもいいかもしれないけれども、民宿なんというのもあるわけですから、こういうタイプのものを認めていただきたいと思っているんですけれども、時間がありませんので結論だけお聞きしたいと思っております。
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、ショートステイは非常にそういう意味ではニーズも高まってきているし使い勝手もいいというようなことで、これからどういうふうに更にサービスを充実させていくか、こういうようなことだろうと思いますが、実際にショートステイ事業所のうちに単独施設は三%ぐらいでありまして、サービスの大半は特別養護老人ホーム等に併設された施設が提供しているというのが実態であります。
 その原因はというようなことで考えますと、例えば日常的に十床なり二十床なりのベッドをずっと継続的に稼働できるかというようなことについてもなかなか問題もあるようでありまして、先生が御指摘になっている点は非常に重要な点でありますので、そういうことも含めてこれから制度全体の見直しの中で考えていきたい、こういうようなことが今のところのお答えでございます。
○山本保君 ありがとうございます。
 たしかこういう施設含めて動いてから五年間というような期限もあったかと思いますし、来年の見直しということもあるわけですから、是非これは急いで、十人程度といいますか、そのためにいろいろ、実際には今お聞きしますと特に資格なども問うていないようでありますが、小さくなればなるだけやはり目の届かないところもあるかもしれません。御家族のことを考えますと、例えば管理者にある程度の専門性というようなものを要求するようなことも必要なのかなという気もいたしますので、決して小さくすればそれでいいと言っているわけではございませんので、是非御検討いただきたいと思います。
 それで、最後にもう一つ、労働問題といいますか雇用問題につきまして、我が党も先日大会でいろんな政策を整理させていただきまして、私が実はこの雇用関係を整理させていただいたものですから、その中に新しい考え方としてキャリアカウンセリングとかキャリアコンサルタントという、いろいろ微妙には違いがあるんですけれども、この際一緒にしておきますが、こういう仕事といいますか、新しい職種が必要なんではないかということで提案をしておりましたところ、厚生労働省においても既にこの辺について今仕事を始めているというふうに聞いております。
 いろいろ、今までですと、若いころ、子供のころにいい成績を取っていい学校を出ていい会社へ入ればいい、そうでない方はという、こういう状況というのは、私、やっぱり日本型の雇用慣行がいいかどうかという大きな問題とは別に、私自身はそういう今までのやり方というのはどうだろうかなという気がするわけです。
 新しい能力という、持っている本当の個性や能力に合った自分の生きがいを見付けていくために、それを応援する形でのお仕事というものは必要だと思っているわけでありますが、副大臣にお願いしたいんですけれども、この辺の今仕事を進めているものについての概要はどのようなものでございましょうか。
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生御指摘になったように、これから労働そのものの位置付けも随分変わってくるんだろうと思いますし、特に若い方々は、むしろ企業主導の能力開発というより個人がそれぞれキャリアアップしていく、こういうようなことで、自らが決断して自らが自分の仕事を選ぶと、こういうような時代になってくるんだろうと思います。
 ただ、そのときに、情報も十分にない、それから自分がどういう仕事に適性があるのか、こういうようなことについても甚だまだ分からない部分がある、こういうようなときに、その言ってみればミスマッチを解消する上でもキャリアカウンセリングとかキャリアコンサルタントとか、そういうような役割というのは非常に重要になる、こういうようなことでありまして、今はそのキャリアの選択だとか意思決定を可能とする、こういうようなことのために労働市場や能力開発に関する情報、それから心理学に基づくカウンセリングスキル等を活用したキャリアコンサルティングを非常に我々も重要視していこう、こういうようなことでありまして、特にこれをこれから体系化し、この基準に即したキャリアコンサルタントの養成を職業能力開発大学校等において行うと同時に、これも民間の方々にも普及について尽力をしていただきたい、こういうようなことであります。
 ちょっと付け加えさせていただきますと、キャリアコンサルタントの相談により、先ほど申し上げましたように、自らの職業経験の棚卸しをし、労働市場や企業に関する情報提供をし、さらに職業体験等を通じた職業に対する動機付けを行って今後の職業生活や能力開発に関する目標設定を行う、こういうようなことを目標にキャリアカウンセラー若しくはキャリアコンサルタントを養成していきたいと、このように考えております。
○山本保君 先般、そちらの職業能力開発局で出された報告書などを見せていただきました。百二十時間ですか、これまでこの分野というのは割ときちんとした養成のカリキュラムという基になるようなものはなかったのかなと思っておりましたけれども、発表されている。
 ただ、中身見ますと、まだ項目だけでありまして、私も学生時代少し勉強したことがありますけれども、こういう分野は、ガイダンス理論でありますとか臨床心理学でありますとか、いろいろ複雑な正に学際的なことでございますので、是非この中身についても今後、今、国が全部作ってしまうという時代じゃありませんので、国の制度としてということは難しいかなと思いますが、中身についてしっかりそのガイドラインをお示しになるということが必要だと思いますので、重ねて私からもこれについては充実させていただきたいとお願いします。また、民間のきちんとした専門職として育てていっていただきたいなと思います。
 一つだけ、よく、ちょっと観点は違うんですが、今ハローワークなどへ行きますと、なかなか自分の合ったことを、しっかり聞いていただいて自分に合った仕事を探してくださるというんじゃなくて、正にその書類ちょっとこっちに持ってきてくださいという感じで、もう定型化された形で仕事を行っている。それに対して、私も実は直接お聞きしているんですが、やっている方は国家公務員で、もう給料もしっかりしていて、大体リストラやまた就職するのに苦労されたことがないような人がやっているんでしょうというような声も聞くわけであります。
 職業紹介所、ハローワークという仕事全体についてもいろいろこれからまた見直しがあると思いますけれども、何かそういう気持ちの分かる方をまず大至急そこに配置されるのが必要ではないかと思いますが、副大臣、いかがでございますか。
○副大臣(鴨下一郎君) せんだっても、私、大阪そして九州のハローワーク見てまいりましたけれども、それぞれキャリアカウンセリングに当たっている方々、中高年で、いろんな御苦労なさってきて、最終的にそういう苦労若しくは経験を若い方々にいろいろと生かしたいと、こういうようなモチベーションを持った方が多く採用されている。そして、更にそういう方々に対して先ほど先生おっしゃったようなある種の専門性を教育して、そして従事していただいていると、こういうようなことでございますので、役所的に冷たい対応をするということがないようにというようなことはもう我々も常々考えておりますし、また更に御指摘を受けてより適切なカウンセリングをする、こういうようなことに努めてまいりたいと、このように思います。
○山本保君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩といたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十一分開会
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、櫻井充君及び齋藤勁君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君及び谷博之君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(金田勝年君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 最初に、雇用の問題をお聞きしたいと思います。
 今の不況というのは、これは正に政府による政策的な不況と言えるような事態になっている。不幸にして職を失った人に対して、あるいはその家族に対して最低限の生活を支えることは、これは当然だと思います。国や自治体はそのためにもっと力を尽くすべきだと思っております。同時に、失業者に対する公的就労を抜本的に拡充すべきだというふうに思います。
 そこでお聞きしたいのは、緊急地域雇用創出特別交付金事業であります。これは私、これまで二回ほど質問してきました。これはデフレ対策の中で政府の中でも見直し作業が進んでいる。
 そこで、最初に大臣にお伺いしたいんですが、見直しをというのであれば、やはりこの事業に財政の上積みをしていくこと、それから、十六年度末が期限になっておりますが、これ以降も延長することも含めて大胆に拡充していくことが必要ではないかと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この交付金につきましては、平成十五年度分、十六年度分、一応合わせまして二千億円、それぞれ市町村に配賦をもう既にされているところでございます。基金として今積み立てていただいているところでございます。まだ予算を新しく組む時期ではございませんので、何はともあれ、この二年分、今預金をしていただいているわけでございますから、この範囲においてこれをお使いをいただくということにしております。
 一応二年分になっておりますが、その使い方につきましては市町村にゆだねているわけでございまして、今後、前倒しをしてお使いをいただくことも検討をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
 また、使い方につきましてもいろいろの御意見があることも十分承知をいたしておりまして、それらのことにつきましても検討をしていきたいと思っているところでございます。
○小池晃君 全体として拡充していく方向で、充実させていく方向でいくということは、方向としてはよろしいんですね。
○国務大臣(坂口力君) 一応、十五年度、十六年度分がこれであるわけでありますから、それをどう使うかということでありまして、その後のことをどうするかというところまでまだこれは至っておりません。その時期が参りましたら議論になるものと思います。
○小池晃君 今、大臣、先ほどおっしゃった使い方に意見が出ているという問題ですが、これは雇用期間が六か月未満に限定されている点についていろんな意見が出ていると思うんです。
 そこで、厚労省にお伺いしたいんですが、六か月未満の期間、これは制限されていること、いろんな意見が、運用を改善してほしいという意見が届いているかと思うんですが、簡単で結構ですので、一、二御紹介いただけますか。
○政府参考人(戸苅利和君) 交付金事業を実際に企画・運営いたしておるのは地方自治体でございますが、地方自治体からの運用改善についての意見として私ども承知しておりますのは、例えば、原則六か月未満の雇用期間について、林業のように業務を安全に遂行する上で技術、知識、こういったものの習得が長期間を要するものがあるので素人の人よりは長い方が業務の安全な遂行という観点から効果的ではないかというふうな御意見ですとか、あるいは基金の事業が終了した後の安定的な雇用機会の確保という観点から更新要件の緩和あるいは延長の要望がなされているということでございます。
○小池晃君 こういう六か月という期間を緩和、延長するという意見が多数寄せられていると思うんです。
 やはり、そもそも不況で働き口少ない中で、六か月未満の雇用期間を過ぎればまた失業状態に戻るというのでは、これは限界があります。厚生労働省に届いているこういう声に、これを真摯に受け止めて、やはり大臣、いろんな意見ありますが、中でも一番出ていると思いますこの六か月という制限を例えば少し延長するとか、あるいは更新要件を緩和するとか、私は運用の改善が必要ではないかと思っておるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこはこれからどういうふうにしていくかということを検討することにしているわけでございますが、いずれにいたしましてもこの交付金は、失業状態にありますときに次の雇用に就いていただきますまでのこれはつなぎでございますので、使い方といたしましても、できるだけ、単なるつなぎではなくて、半年なり一年なりをこれでおやりをいただく間に、そのことが次の本格的な雇用につながっていくような使い方というものができれば一番いいというふうに思っておりまして、できる限りそうしたことを各地域におきまして工夫をしていただきたいというふうにお願いをしているところでございます。
 例えば、東京でございますとか大阪でございますとか、そうしたところが、それぞれの地域でリストラ等に遭われた方、あるいはまたそうでない方もおみえだと思いますけれども、それぞれの企業で重要な働きをしておみえになりました方、例えば他の多くの企業との間のコネクションのあるような方、そうした方を雇われまして、そして中小企業のいわゆる経営、あるいはまた中小企業のお作りになりましたものの販売等々につきまして積極的に関与しておみえになるといったようなことを聞いておりまして、そのことは、それによりまして、中小企業がそれによってよみがえるようになってきているというようなお話を聞きますから、そういう使い方をしていただくのは大変有り難いことだというふうに思っている次第でございます。
○小池晃君 そういう市町村の工夫、努力というのは、それは私も当然承知をしているわけであります。
 しかし、その六か月という制限があることがいろんな工夫をする上で非常に障害になっているんだという声が寄せられているわけですから、しかも、つなぎ就労というのは十分分かっておりますけれども、やはりよりこれを、運用を改善していくためにも、この六か月制限をなくする、運用を延長していくべきだと。しかも、やっぱり失業保険の適用ということでいえば、六か月以上になれば失業保険適用になる。そうすれば、その事業が終わった後も次の仕事を探す間の生活の安定を図ることができるということもあるわけですから、これは是非前向きに検討する、検討対象だということはおっしゃいましたので、是非これは検討していただきたい。
 それから、一人一回しか使えないという制限も、これもいろんな意見が出ております。やはり、一回この交付金事業で短い期間使ってしまうと、もう次はこれは使えない、例えば一週間の仕事でもそれをやってしまえばもう二度と受けられない、こういう点についても改善の要望が出ておりますので、是非、公的就労、こういう大変な局面の中ではしっかり支える検討を進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 引き続いて、先ほども同僚議員から質問がありました臨床研修必修化の問題をお伺いしたいと思います。
 私は、今回の必修化に当たって、プライマリーケアを重視した、対応能力を重視した研修の方向というのは基本的に支持したいというふうに思っております。
 しかし、問題は、これが本当に魂のこもったものになるのか、内実が伴うのかと。厚労省の文書でも、研修医がアルバイトせずに研修に専念できるように処遇を適切に図る、臨床研修体制はこれからの我が国の医療体制を支える最も基本となる重要な要素だと言っているんです。これはもうそのとおりだと私は思うんです。
 公私病院連盟も十一月五日の要望書で、少なくとも三十万円以上国から直接本人に支給されるべきだと。医療機関だけじゃなくて、医学生の団体、全日本医学生自治会連合からも、身分・生活保障が不明確なままで必修化の準備が進んでいる、非常に心配だということが表明をされております。
 先ほども大臣、御答弁ありました。約束するんだということもおっしゃいましたので、改めて私お聞きしたいんですが、研修医の処遇ということだけではなくて、やっぱり指導医の育成、配置、あるいは環境整備、そういったもの全体に対して必修化のかぎ握るのはきちっと財源の手当てをしていくことだと思いますので、やはり国家的事業として全体として、国としてしっかり支えていくんだと。不安の声出ているわけですからきちっと説明する責任あると思いますので、是非、医学生や研修医に語り掛けるというつもりで大臣の御決意を御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 医師、研修医の必修化につきましては、医師としてのまず人格を涵養することが一番大事、様々な医師の問題も起こっておりますので、そうしたことが起こらないようにやはりするということが一番基本の基本だというふうに思っております。そして、今もお話ありましたように、いわゆる初期段階でプライマリーケアというものへの理解を深める。どういう患者に遭遇をしても、そのことに対する判断が的確にできるようにする。いつまでも一人の人が診るというのではなくて、専門医に渡すにいたしましても、一番最初のその患者さんを診たときにどう判断をするかということが大変大事でございますので、そのプライマリーケアの理解を深め、患者を全体の一人の人間として診ることができる基本的な診療能力を習得できる研修とする。そして三番目は、研修医がアルバイトせずに研修に専念できる環境を整備する。この三つが大体一番中心だというふうに思っております。
 それぞれ研修の先というのは選べるようにしたいというふうに思いますが、同じ病院でありましても、なかなか研修医を受け入れるだけの能力のないところも確かにあるだろうというふうに思っております。研修医を受け入れていただきます以上は、ある程度やはりそれが可能なところでなければなりませんし、それに対する注文も確かにあるというふうに思いますが、現在のところ、その研修医を受け入れてもらう病院についてそれをどう整備をするかという、その整備のところまでは今我々の方では考えておりませんで、研修をする人を受け入れてもらえるところはどこか、そして受け入れてもらえるところにつきましては最低限これこれのことはちゃんと整えてくださいよということは申し上げたいというふうに思っている次第でございます。
○小池晃君 いや、私は国としてきちっとその財源を研修医の処遇だけじゃなくて指導医の問題も含めて取っていくんだということをお聞きしているんですけれども、その点について簡単に大臣の御決意をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 研修医を受けていただく以上は当然一定の条件を整えていただかなければならないというふうに思いますが、それでは日本国じゅうどの病院におきましてもそれを整えられるように体制を整備できるのかといえば、それは不可能だろうというふうに思います。
 この研修医を受け入れていただくことが可能な病院というのは現在もう既にあるわけでありまして、そうした病院を中心にしながらお受けをいただく。その病院、それぞれ受けていただく病院に対しましても何らかの手当てをして、そしてその病院が受けていただけるようにするというところまではなかなかこれは行かないだろうというふうに思いますが、そういう整備をされたところにお願いをするという以外にないと思っております。
○小池晃君 ちょっとそれでは何か指導体制を作っていくことについては病院任せというふうに私には聞こえるんですけれども、先ほどの答弁、そうじゃなかったと思うんですね。研修医の処遇についてはこれはしっかり支えていく、それから指導医の配置等についてもしっかりこれは国として責任を持っていくということだと思いますので、是非そういう方向でお願いしたいと。
 一部に、先ほど研修医の報酬の問題が出ましたけれども、これ奨学金でやったらどうかという御議論もあるようであります。私、これは筋違いなんじゃないかなと。研修医というのは既に医師資格得ているわけで、学生ではありません。また、将来医師になれば高収入得られるから奨学金でいいというような議論もあるやに聞いていますけれども、これはもう全く医療の在り方ゆがめるもので、私は論外だと思うんですね。
 政府参考人にお伺いしたいんですが、研修医に対する処遇として奨学金制度で対応すると、これは私は断じて許されないのではないかと思うんですが、この点についての見解をお伺いしたい。
○政府参考人(篠崎英夫君) 研修医に対する奨学金の貸与ということにつきましては、今いろいろ御議論がされておりますが、研修医に対する一つの支援の在り方として意見が出されたというふうに承知をいたしております。
 研修医に対する支援についてはいろんなものがあろうかと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、研修医の処遇に関する事項、まだ引き続きワーキンググループで細部を詰めるように検討していただいておりますので、そういう具体的な検討の中でその一つの項目として検討はしていただければというふうに思っておるわけでございます。
○小池晃君 一つの検討課題だといいますけれども、私はこれでは処遇を保障するということにはならない、国の責任を果たしたことにならないと。先ほど大臣が労働者だというふうにおっしゃったこととも矛盾するし、私は奨学金ではなく、きちっと賃金、給与としてこれは保障するということを貫くべきだというふうに思います。
 文部科学省にお伺いしたいんですが、これは必修化で最大の問題は、先ほど議論があったように、大学病院がどうなるかということが私はあると思うんです。医師法上は、言わば自動的に大学病院は研修病院となります。しかし、現状で見れば、一番研修医が集まっているのは大学病院であると。その大学病院が研修内容やプログラムも研修医の処遇もその配置基準も今回厚労省で行われている見直しとは無縁で全く無関係ということではあってはならないのではないか、大学病院も基本的に厚労省の示している指定基準や到達目標に沿って研修を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(木谷雅人君) 大学病院につきましては、申すまでもなく、教育、研究、診療という三つの機能を総合的に果たしていくということが本来の使命ということでございまして、制度的には指定制度の枠外ということではありますけれども、指定を待つまでもなく、卒後臨床研修の場として大きな役割を果たすことが求められているというふうに存じております。
 したがいまして、指定基準等の検討に当たりましては、文部科学省及び大学関係者は良き医師を養成するという観点からこれまでも積極的に検討に加わってきたところでございます。具体的には、国立大学医学部附属病院長会議が昨年十二月に研修プログラム等の指針を作成いたしておりますし、また本年三月には全国公私立大学から成る全国医学部長病院長会議において制度設計が提言されてございまして、これらの案というものは厚生労働省のワーキンググループにおける議論にも反映され、基準案策定にも寄与してきたものというふうに認識をいたしております。
 これらの経緯を踏まえまして、大学病院としても良き医療人育成のため各大学の特色を生かしつつ指定基準にのっとった研修体制を構築していくものと認識をしておりまして、文部科学省としてもこれに協力してまいりたいと存じております。
○小池晃君 厚労省の示す基準にのっとってやっていく、同一歩調でやっていくと。その点で、研修の中身自体も今の大学病院の医療体制のままでは果たしてプライマリーケアに対応能力培うものとなるんだろうかと。もちろん、大学には教育能力があることも存じておりますし、独自のやっぱり高度の医療という使命も負っていると思うんです。
 ただ、やはり初期の臨床研修ということを見た場合に、それだけではやはり十分な研修とはならないと思うんですね。私は、大学病院の医療体制自体もこれをきっかけに見直していくこと、あるいはほかの病院との連携を進めていくことが求められているかと思うんです。その中で文部科学省がどういう役割を果たすかも問われていると思うんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(木谷雅人君) 大学病院における臨床研修につきまして、これまでともすれば将来の専門医としての養成研修に偏りがちであるというふうな批判があったことは事実であると認識をしております。
 しかしながら、近時、大学病院は地域の中核的病院としての機能への期待というものも高まってまいりまして、その中で総合診療体制の整備でございますとか緊急医療体制の整備なども進めてございまして、このような場を十分に活用した基本的な臨床能力を育成する研修も必要であり、また可能であると考えております。また、例えば地域医療などについて地域の協力病院と連携をして研修プログラムを行うことなど、多様で柔軟な研修体制の構築がなされる必要があるものと考えております。
 今回の臨床研修制度の改革の背景には二十一世紀の我が国の医療を担う若い医師の基本的な臨床能力に対する社会の大きな期待があるものと考えられることからも、各大学病院におきましては、良き医療人育成の観点から、各大学の特色を生かしつつ、大学病院自体の教育研修体制の見直しを行うとともに、地域の医療機関との連携を図りながら指定基準にのっとった研修体制を構築していくことが重要と考えておりまして、文部科学省といたしましても各大学のこのような取組を支援してまいりたいと考えております。
○小池晃君 あと研修カリキュラムの細かい中身については、これはもう指摘はいたしませんが、一点だけ私気になるのは、臨床研修の到達目標の「医療人として必要な基本姿勢・態度」というところにこの間本当に厚生行政を揺るがしている薬害の問題等については全く記載がないわけですね。やはり、医療人として必要な基本姿勢ということであれば、薬害エイズ、ヤコブなどの事件、こういったものを二度と繰り返さないということもやはり基本的に必要な基本姿勢ということに私当然含めるべきだと思うんですが、厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘のように、その到達目標というものが一応二つに分かれておりまして、行動目標とそれから経験目標、この二つに分かれておるわけでありますが、その経験目標の方の中に「薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療ができる。」という項目が設けられておるわけでございますが、研修医は医薬品による健康被害についてもそういうことで研修をすることというふうになってございますが、行動目標においてどのような項目を考えたらいいか、御指摘でもございますので更に検討してまいりたいと考えております。
○小池晃君 続いて、高齢者の医療費負担の問題をお聞きしたいと思います。
 これは、自己負担限度額を超えた高額医療費について九月十二日に通知を出されまして、領収証添付は不要とか、該当者には市町村が通知するとか、一回申請すれば二回目以降は自動的に償還払にするとか、そういう通知を出された。
 しかし、いろいろ調べてみると市町村によってかなりばらつきがあります。保険医協会の調査では、例えば京都府では京都市を含めて十八市町村が一回申請すればよい、ほかの二十六市町村はその都度、毎回申請が必要だと、領収証の添付は要しないと要するというのが二十二市町村ずつはっきり分かれている。それから、東京都では五十三市町村のうち一度申請すればよいのが十九、毎回申請が必要なのは十六。こんなふうにばらばらになっているんですね。
 私は、政府参考人にお伺いしたいんですが、基本的な仕組みだけで結構ですが、これは法定受託事務ですから厚労省としても適切なやはり徹底する、市町村によってばらつきをなくしていく対応が必要だと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(真野章君) 今回の改正によります高額療養費の支給に際しまして、高齢者に過重な事務負担が掛からないように市町村の実情に応じた対応を、先生今御指摘のような対応を私ども市町村にお願いをいたしております。これまでの指導を通じまして、市町村におきましてもその実情に応じまして工夫、取組を進めていただいていると承知をいたしておりますが、御指摘のように、まだ更に検討が必要、又はなかなか対応が難しいというような今の状況下におきましてそういう御回答といいますか、対応になっているところも正直ございます。
 そういう意味では、今後とも、都道府県を通じまして私ども市町村に私どもがお示しをしましたような方向で是非取組をいただきますように、御理解、御協力が得られるような指導を引き続き続けたいというふうに思っております。
○小池晃君 それから、十月の高齢者の負担増以降、いろんな方から負担増を訴える声が寄せられているんですが、とりわけ慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法あるいは在宅中心静脈栄養法等を受けている方から大変切実な訴えが来ております。
 それと、配付した資料なんですが、これは業者の側から、在宅酸素の業者の側からの情報として、経済的理由で治療を打ち切る患者が増えているという、そういう情報が来ております。これを見ますと、ある会社では十月の中止件数、A社というところですが、百三十九件中止のうち、死亡が二十七件、入院が七十件、転院が三十件のほか、経済的な理由が十二件あったと。
 これは何でこんなことを調べたかというと、急に中止が増えたので業者の方も調べてみようということになったので、今まで統計はないんですね。ですから、今までのデータは書いてあるところと書いていないところとあるんですが、今までほとんど経済的理由でやめるなんという人はいなかったというふうに業者はおっしゃっているんですね。これは比率が大分違うんですけれども、傾向としては大病院よりも開業医の患者さんを多く抱えている業者ほどその中止の比率が高いというふうにも聞いております。在宅酸素療法を受けている方というのは全国で十万人いるわけですから、たとえ数%だとしても非常に重大な影響を与える。
 私は、当面差し迫っている措置として、在宅療養指導管理料を算定している患者さんについては、寝たきり在宅総合診療、いわゆる在総診の方はこれは限度額までで支払は免除されているわけですけれども、是非こういういろんな各種の在宅療養指導管理料を算定している患者についても一部負担金の徴収はこれは自己負担限度額までという措置を取るべきではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(真野章君) 今回の高齢者の自己負担につきましては、定率負担の徹底をお願いをするということで、高額療養費制度につきましても自己負担限度額を超える部分については原則として償還払をお願いをいたしております。
 入院につきましては所要の措置を講じたことは御案内のとおりでございまして、特に在宅につきましても、寝たきりとなられて療養を余儀なくされている高齢者の方々に配慮するということから、寝たきり老人在宅総合診療料、それから在宅末期医療総合診療料の患者さんにつきましては、自己負担限度額を超える部分については現物給付化をするという措置を取りまして、これにつきましては、一つの特定の医療機関によりまして総合的かつ計画的な医学管理を行っている、又は患者さんはそういう管理を受けていると、そういう意味で入院患者さんと同様の状況にあるということに着目をいたしましてこういう措置を講じたわけでございまして、その他の在宅の方々につきましてこういう措置を講じるというのはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。
○小池晃君 入院の状態に準じているからそこに着目して減免したのであれば、在宅酸素療法だって在宅中心静脈栄養療法だって、これは余りそんなにいろんなところに病院掛かっている人というのは大体いないわけですよ。基本的に一つの医療機関で入院に準じた状態にあるということなわけですから、これもやはり寝たきり在総診に準じてせめて、私は負担軽減のことをまず言っているんじゃなくて、せめて高額医療費の限度額までで支払は免除するという形、償還払にはしないと、そのぐらいはやれるんじゃないかというふうに言っているんです。是非検討していただきたい。
 それから、在宅酸素療法については非常に今回の負担増で、定率負担で負担が増えていて、実際こういう経済的理由でやめるという人が出てきているわけですから、私は政府として医療費の助成制度など含めて早急に手当てするべきだというふうに思いますので、それも要求したいというふうに思います。
 ちょっと時間の関係で、最後、介護保険の問題についてお伺いしたいと思います。
 これは保険料が来年度三千二百四十一円、日本医師会のシンクタンクの日医総研の試算では大体三年後には五百円から六百円上がるだろうというふうに言われている。やはり、保険料の高騰を抑えるために私は国庫負担の拡大というのを検討すべきではないだろうかと。全国市長会の六月六日の決議でも、調整交付金は国の負担の二五%の枠外とするという要求出ております。要するに、これは国庫負担枠を広げろという要求だと思うんです。すぐにということではなく、将来も含めてこれはやはり国庫負担を拡大していくという方向、大臣、聞いていていただきたいんですが、国庫負担を拡大していくという方向を私は検討する必要があるんじゃないかと。
 それからもう一つ、あわせて、やはり企業負担についても、これは同じく日医総研の報告書では企業負担は八・三%だと、介護保険の場合。それに対して家計負担が四〇・七%だということも指摘されているんですね。
 細かい議論はともかくとして、大きな方向としてやはり企業負担あるいは国庫負担というものをこれは拡大していくということを一つの検討課題として今後浮上してくる可能性があるんじゃないか。私は避けて通れないと思うんですが、副大臣ですか、よろしくお願いします。
○副大臣(木村義雄君) 今、委員の御指摘の国庫負担という話になりますと、これ必ず財源がどうだというややこしい議論となってくるわけでございまして、御指摘のとおり、この辺の話をいたしますとまた相当にいろんな問題点が出てくるんじゃないか、こう思っているような次第でございますけれども。
 保険料が著しく高額となるという保険者に対しましては、必要と見込まれるサービスの内容の精査をお願いしますとともに、やはり広域化、財政の安定のためには広域化等を推進していって、できるだけ保険料が高くならないような努力をしていく、こういうのが私は一番大事なことではないかなと、こういうふうに思っておるわけでございまして、保険料が上がるからすぐに国庫負担ということを言うのはいかがなものかなと。
 そして、特に御指摘の国庫負担率の引上げにつきましては、これは給付費の全体の二分の一を公費負担とし、国と地方とでこれを半分半分に負担し合うという、介護保険制度のここは根幹なんです。どういう形で負担をしていただくかという中で、ここは一番介護保険制度の根本的な考えなんで、ここをいじりますと、また例えば税だとか保険だとかそういうような議論に広がってまいりますので、私はここは、制度として介護保険制度を導入した以上、この点は変更しない方がよろしいんではないかなと、このように思うわけでございまして、企業の負担のところも、ここはこれに準じて同じような考え方を持っているような次第でございます。
○小池晃君 三年ごとの見直しで五百円、六百円上がっていく。しかも、例えば実態で見れば、沖縄県などは平均で五千三百二十四円。これは後期高齢者が比率が高いということが私はあると思うんですね。やはり介護保険、利用すれば利用するほど、財政規模が大きくなればなるほど、自動的に半分が保険料、自動的に保険料が上がっていくと。私は、四千円、五千円、六千円となっていったときに果たして将来的にこれが制度として維持できるんだろうかと。
 私は、介護保険制度、将来的にも維持可能なものとするために、やはり負担区分の見直しというのは、これは避けて通れない課題になってくるんじゃないかと、そういう観点でお聞きをしている。これはやはり、将来、本当に介護保険制度を維持可能なものとしていく上で、私はこれは見直す時期が来るというふうに思いますので、引き続き検討を求めていきたいというふうに思います。
 それとあわせて、在宅のやっぱり利用がなかなか進んでいないという問題、これをどうするかということであります。
 低所得者だけじゃなくて全体としてやはり在宅の利用が予想に比べればこれはやっぱり伸びが鈍いと思うんですね。在宅介護の利用料を軽減している自治体では、例えば東京の武蔵野市では在宅サービス全体を利用料を三%に軽減して利用率は四九・四%、全国平均を一〇%以上上回っています。一方で、来年は介護報酬、在宅は引き上げていく方向が打ち出されている。施設は下げていくんだと。そうすると、結局、在宅の報酬を上げていくことはヘルパーの労働条件などから見て必要なことではあるけれども、これは一割の利用料ということで利用者に跳ね返る、在宅の負担がますます高くなる、施設の方が安くなる、ますます在宅から施設へということになる。施設入所増えていけば保険料にもまた跳ね返っていくことになって保険料が高騰していく。私はやはりこれは悪循環じゃないかと思うんです。
 自治体での利用実績を見ても、やはり在宅の利用料を軽減したところ、利用拡大されているという実績はあるわけですから、私は、これを見習ってやっぱり国の制度としても在宅介護の利用料一割というのを軽減していく、そして在宅サービスを利用して何とかぎりぎりで頑張れる人、在宅を支援していく、できるだけ施設というふうにならないように支援をしていくということが考え方としては必要なんではないかと思うんですが、この点はいかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま先生の方から在宅サービスの利用状況について、また在宅重視の観点から様々考えていくべきではないかというお話がございましたけれども、在宅の利用状況でございますが、二〇〇〇年四月、介護保険がスタートいたしましたときにサービスを利用している方は百四十八万人でございました。施設サービスが約五十二万人、在宅サービスが九十七万人でございます。二〇〇二年六月、今年の六月でございますが、サービス利用者は二百四十八万人ということで、介護保険スタート当時より百万人増えております。施設サービスの利用者は六十九万人ということで十七万人ほど増加、在宅サービスは百七十九万人ということで八十万人以上増えているということで、伸び率で申し上げますと、在宅サービスの伸び率は八四%、施設サービスの伸び率は三三%、二年半で全体で六七%の方の増加になっております。
 先生御指摘のように、そういった中で施設サービスを利用する声も強く、在宅サービスも大変伸びておりますけれども、施設サービスと在宅サービスの在り方が問題になってという御議論もあることも事実でございます。
 今、介護報酬の見直しも審議会の方で検討していただいておりますが、そのときに施設サービスの割安感、在宅サービスの割高感ということも言われておりますが、全体から見ますと、要したサービス費用の一割を御負担していただいているというところでございますので御負担の率としては一緒ではないかと思っておりますけれども、これから介護報酬の見直しのみならず、五年後には介護保険制度の在り方の見直しということが法律の附則でも書いてあり、その際に給付の在り方についての見直しも検討課題になっているわけでございますので、在宅サービスの在り方、施設サービスの在り方、あるいは審議会などでは、有料老人ホームでございますとか痴呆性のグループホームでございますとか、中間的な形態が既に介護保険の中にあるのではないか、第三のカテゴリーではないか、こういったことを総合的に検討していくべきではないかというお話もございますので、私どもそういった観点から見直しを考えてまいりたいと思います。
 なお、利用料負担の軽減の点につきましては、そういうお考え方もあろうかと思いますけれども、やはり大事な資源をみんなで負担していくという観点から一割の御負担をお願いするという前提で制度を組み立てておりますので、そういった観点から、それを踏まえながらまた検討してまいりたいというふうに考えております。
○小池晃君 全体として在宅サービスが伸びているということは私も否定しないんです。それは事実だと思うんですね。ただ、利用限度額の四割しか使っていないとか、それから要介護認定を受けた人の中で七十万人介護サービス使っていない人がいるという実態があるわけで、やはりそこを更に広げて支えていくために検討するべきじゃないかと。しかも、内閣府の介護サービス価格に関する研究会の報告書を見ると、措置時代にはほぼ無料で介護サービスを受けていたが、介護保険導入後は一割負担となって低所得者は利用が減少した可能性がありますというふうに分析もしております。ですから、やはり在宅サービスをより一層普及していくためにも、私はこの一割の利用料というのは見直す必要があると。
 更に一言言うと、介護保険導入当初、激変緩和措置ということで低所得者については継続利用の人は三%の利用ということになっていた。これ来年から六%に上がっちゃうんですね。これ厚生省に聞くと、三%のまま維持するために必要なお金というのは約十億円、国庫負担十億円で、利用者は十六万四千人で積算していると。私は在宅サービス全体を三%に広げることによってやはり利用拡大を図るべきだと思うけれども、せめてこの低所得者、今まで措置時代から続いてきた人についてはやはり三%ということでやっていたわけだから、しかも景気はますます悪くなっているんですから、これは維持すべきだと、わずか十億円でできるんですから。ちょっと、大臣、寝ないで起きてほしいんですけれども、大臣。三%で維持すべきだと、わずか十億円でできるし、本当に厳しい状態にある方に対する私はメッセージにもなると思うんでこれはやるべきだと思うんですが、いかがですか。
○副大臣(木村義雄君) 低所得者の方々の利用料につきましては、月々の上限額や施設に入所した際の食費を二段階にわたって一般の方より低く設定をいたしております。それから、社会福祉法人によるサービス利用額に対する減免措置も行っておりまして、既にきめ細かな配慮を行っているところでございます。
 利用傾向が伸びていることと考え合わせますと、利用者負担割合を軽減することは考えておりません。
○小池晃君 それが大変だから特別対策で三%にしたわけでしょう。それを打ち切るのかと私は言っているんです。
 特養ホームの旧措置制度での入所者に対する負担軽減、これは五年間の制度だと思いますが、これは五年後の段階ではどうするんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームの経過措置でございますけれども、介護保険が施行されましたときに特別養護老人ホームに……
○小池晃君 簡単にしてください。
○政府参考人(中村秀一君) はい。既に入所されておりました方については、例えば要介護認定、そのときは制度がなかったわけでございますから、要介護認定を受けないで入ってしまった、入っておられる方があります。要介護認定しますと、今は自立の方とか要支援の方がおられたとしますと直ちに経過措置がありませんと特別養護老人ホームを出なきゃならないと、こういうようなことなどがございましたので経過措置を設け、要介護認定をされたとみなして入所される、あるいは、措置の費用につきましても、旧措置時代との整合性を考えまして、徴収額について利用者負担の合計額が制度施行前の徴収額を上回らないようにするというような経過措置が設けられております。
 いずれも五年に限りというふうに設けられておりますし、経過措置でございますので、基本は、法律でそういうふうに書かれておりますので、経過措置が終了いたしましたらそれは終了することが基本ではないかというふうに考えております。
○小池晃君 もう質問しません。
 これは、やはりこれだけ景気が悪化している中で、介護保険が始まったときには激変緩和として始めた措置であれば、わずか十億円でできるんですから、在宅の利用軽減というのはこれは続けるべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 本日、私の方からは時短促進関係の助成金についてお伺いをしたいと思います。
 先日はまた時間の関係で大変失礼をいたしました。そして、今日は介護の家族支援についてもお伺いしたいと思うんですが、まずは時短関係について、昨年の三月二十九日、それから今年の三月の二十日の当委員会でも御質問をさせていただきました。労働時間短縮実施計画推進援助団体助成金という長いタイトルでございますけれども、まず最初にこの制度の助成金の内容について改めて御説明をよろしくお願い申し上げます。
○政府参考人(松崎朗君) 御質問の労働時間短縮実施計画推進援助団体助成金でございますけれども、これは労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法という法律がございまして、この第八条で定められております労働時間短縮実施計画、こういったものを作り、その承認を受けた事業主を含みます中小企業事業主の団体がこの計画の目標を達成するために必要な相談、指導などの事業を実施した場合に、その事業の実施に要した費用を一団体当たり年間一千万円、最長二年間にわたり助成するというものでございます。
○西川きよし君 この制度につきまして昨年質問をさせていただきましたときに、平成十年度から十三年度まで毎年八千万円の予算が組まれていると。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 支給実績といたしましては、平成十年度で一団体、十一年度で三団体、十二年度で二団体、額としても三百八十七万円、一千二百万円、そして七百九万円とほとんど利用されていないというような状態ですけれども、毎年決まったように八千万円というこの多額の予算が組まれているわけですけれども、今日も朝からお金にまつわる、皆さん方から預かった大変大切な税金、いかに大切に使うかというようなテーマで随分お話が進んできたわけですけれども、これだけ厳しい財政状況と言われる中で、これは大変理解に苦しむというお話もさせていただきました。
 そして、昨年の、大臣に御質問をさせていただきましたときに、答弁では、これは一年、今年一年考えますと、こうおっしゃってくださいました。
 そして、今年の三月に改めてお伺いいたしましたときには、十三年度の実績はゼロと、ゼロで全くの利用がなかったということで改めて大臣にお聞きいたしますと、大臣はこういうふうにお答えをしてくださいました。「ここはもう委員の御指摘のとおりだと私も思いますね。ですから、こうした、もういつまでたっても使用されないようなところ、毎年判で押したように継続をするというようなことはやめなけりゃいけません。新しい、もっと必要なところ、あるわけでございますから、そちらの方に回させていただくように予算編成をしたいと思います。」と、こういう御答弁をいただいたわけですけれども、その後の対応について、大臣、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(松崎朗君) この助成金につきましては、委員御指摘のとおり、十三年度の実績がゼロでございました。そういったことで、平成十四年度につきましては、予算といたしましては半額の四千万の要求をして付いておるところでございます。
 また、平成十四年度、本年度におきましては、現段階で二団体の利用が見込まれておりまして、過去の活用例から見ますと、今年度及び来年度、平成十五年度まで利用されるんではないかというふうに見込まれております。
 さらに、中小企業の団体等からは、この助成金を活用するために、やはり例えば計画、先ほど承認を受ける計画申し上げましたけれども、この計画の具体例でありますとか実際の好事例、そういったものを紹介してくれ、示してくれといったような御要望も来ております。また、実際に過去にこの助成金を利用した団体からは、やはり時短を進める上で意味があったといった御意見も伺っております。
 したがいまして、今後ともこの助成金の利用につきましては団体側のニーズ、そういったものを十分把握、留意いたしまして活用を進めていきたいと考えておりますけれども、来年度、平成十五年度につきましては、ただいま申し上げたような活用状況、そういったものを踏まえまして更に縮小して予算要求を行っているということでございます。
○西川きよし君 できるだけの御努力はいただきたいわけですけれども、この全体の予算からいたしますと大変に細かい点ではありますけれども、政府内において余り問題視はされないのかなと。正直なところ、八十兆円超える中で八千万ということですから決してそう多くもないというようなことではあるでしょうけれども、今年財務省が行われました予算執行調査の対象にこの制度が含まれているのを実はこの報告書で発見をいたしまして、この調査結果はどのような内容であったのか、また財務省よりどのような御指摘がございましたのか、現在はどのような状況にあるのか、政府参考人にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(松崎朗君) この助成金につきましては、今御指摘のように、平成十三年度予算額八千万に対しまして決算額ゼロということでございまして、財務省の予算執行調査におきまして書かれております。中身は「予算額に対する支給実績が極めて低くなっているなか、助成効果についての検証が必ずしも十分ではなかった。」という分析がなされております。
 厚生労働省といたしましては、この調査結果及びただいまの分析、これを真摯に受け止めるとともに、この調査におきまして今後の改善点というものがまた示されております。これは「企業側のニーズの把握に努めるとともに、効果的な周知活動を行うべく検討していく必要がある。」というふうに指摘されておりますので、こういったことも踏まえまして、まずは企業・団体側のニーズの把握、それから効果的な周知・広報、それから先ほども触れさせていただきましたけれども、時短に効果がある改善事例の収集、配布、そういったことを通じまして改善を図っているというところでございます。
○西川きよし君 かしこまりました。
 今後是非、いろいろと啓蒙、啓発、PRもちょっと足らないのではないかなといろいろ思うわけですけれども、御丁寧な御答弁をいただきましたので理解をさせていただきますが、また引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 既に今おっしゃいました答弁の中でも二団体が利用するということでございますけれども、本当にこれがなければもっと執拗に御質問をさせていただこうと、こういうふうに思っておったんですけれども、今までお伺いをさしていただいて、大臣に一言御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 何度かこのことにつきまして御指摘をいただきまして申し訳ないと思っております。
 いずれにいたしましても、これを利用する中小企業がやはりこのことを、内容をよく知っているということが大事でありまして、どれほどいいプランを立てましても、そのことを多くの企業が知らなければこれは何にもならないわけでございますから、企業自身に全体に知っていただくということも大事でございますが、こういうことを指導するようなところ、例えばそれが商工会議所であるのか、そうした指導をしていただくようなところによく御理解をいただいて、こういうのがあるからどうだ、ひとつ使ってみてはどうかというようなお話をいただくことでなければ、これなかなか前進しないと思うんです。
 そういうことも行いまして、それでもなおかつこれがもう全くこれは必要がないということであれば、これはもうやめにさせていただきたいというふうに思っておりますが、今年二件ほどあるということでございますので、そうしたこともよく検討しまして最終結論を出させていただきたいと思っております。
○西川きよし君 いつも本当に丁寧な御答弁をいただいて、先ほど櫻井さんもおっしゃっておられましたけれども、大臣になってからは本当に我々の目線といいますか、そういうところで判断をいただいていることは本当に我々も有り難いと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。
 次は、家族介護慰労金についてお伺いをしたいと思います。
 この介護保険については、介護報酬、保険料の見直しが来年にいよいよ控えておりますし、大変重要な時期であると思うわけですけれども、僕はちょっと違った視点で、その中で介護を行う家族への支援策について一点お伺いしたいと思います。
 我が家もたくさん、三人の年寄りがおりまして、いろいろとお世話になっておりますけれども、この介護という問題に直面してまいりましたけれども、この介護を行う家族に対する支援の重要性、これも痛いほど分かりますし、介護保険導入に当たりまして、この支援策の一つとして、家族が介護を行い、しかもサービスを利用しない家族に対して現金給付を行うべきか否かということが大変に大きな議論とあのときになりました。結果といたしまして、例外を除いて原則現金給付を行わないということで今日まで来ているわけですけれども、この点についてこれまでの実情、この選択が良かったのかどうなのか、今後見直しをしなければいけないのか、この問題が再び検討される状況にあるわけですけれども、この辺りの状況について政府参考人にお伺いします。
○政府参考人(中村秀一君) 今、先生からお話のございました介護保険制度における現金給付の扱いについてでございます。
 御指摘ございましたように、介護保険制度立案の過程で現金給付の是非をめぐりまして様々御議論がございました。高齢者や家族の選択を重視する、外部サービスを利用しているケースと家族が介護を行っているケースとの公平性などの観点から、一定の現金支給を検討すべきという御意見がございました。しかし、現金給付を制度化いたしますと、現金を例えば給付いたした場合に、必ずしも高齢者御本人のために使われないおそれがあるんではないかとか、介護保険の基本的な考え方は家族の介護の負担を減らし、社会的に支えていくというものであり、外部サービスを利用することが原則であるなどの理由から行わないということにされたわけでございます。
 そういう状況で、介護保険制度の制度の方は立案されましたけれども、家族介護支援事業というのが介護保険制度をスタートするに当たりまして特別対策として導入されました。これは高齢者を介護しておられます家族の様々な御負担を軽減し、要介護の高齢者の在宅での生活を継続するということをねらいといたしまして平成十二年度に創設された事業でございます。
 この事業は実施主体は市町村でございまして、その基準に合うものに対して国の方も補助を行うというものでございますが、メニューは地域の実情に応じましてたくさんございます。
 例えば、家族介護教室、介護方法を家族の方に教授するような事業でございますとか、家族介護者交流事業、様々家族の中で煮詰まってしまいますのでリフレッシュする元気回復事業などやっておりますが、その中で先生今御指摘がございました家族介護慰労事業ということで介護度の重い方、要介護度四又は五に相当する方でありまして、市町村民税非課税の在宅の高齢者の方で、過去一年間原則としてサービスを使われなかった方、ショートステイなどは、一週間程度のショートステイは御利用いただいてもよろしいわけですが、そういった受けなかった方に対して現に介護をしている家族に対しまして慰労のための金品を贈呈すると、これが家族介護慰労事業でございまして、こういう事業でもって御家族の慰労をしているという状況でございます。
○西川きよし君 御丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 全国的にいろいろ回らせていただいてもなかなかこうお世話になる、介護保険がスタートいたしましても外部のサービスは、地域の中でも嫁や妻や娘やという方にやっぱり負担が掛かっております。でも、せっかく作った制度ですから、やっぱり助けていただける部分は助けていただくということが大切ではないかなということで、我が家も、先ほども申しましたが、思い切って親もサービスを受けることになったわけですけれども、この現金給付を導入しなかったことは良かったんだろうかと、今お話の中にもあったんですけれども。
 そこで、厚生労働省では、この家族介護支援事業が行われておりますけれども、その事業の趣旨と内容というものを聞かせていただきたいと思うわけです。いろいろありますけれども、ちょっとテンポアップでよろしくお願いします。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま支援事業につきましては、家族介護教室でございますとか交流事業、リフレッシュ事業でございますとか、先ほど申し上げました家族介護慰労事業ということで、一年間サービスを利用されなかった御家族に対して現に介護をされている場合に金品を贈呈する事業をやっております。
 この最後の家族介護慰労事業の実績でございますが、全国の約六割の市町村、二千六の市町村で家族介護慰労事業ということを実施されていると。該当する方があればそういった意味で現に介護している御家族に対しまして慰労のための金品を差し上げると、贈呈すると、こういう事業をやっております。
○西川きよし君 この事業のメニューの中に家族介護慰労事業というのがございまして、先ほど局長の方からも、市町村事業でございまして、その中で要介護度四、五の高齢者を介護する方の中で一年間に一度も介護保険制度を利用していない、そして要介護者、家族介護とともに市町村民税非課税世帯を対象に年額十万円を支給をしていると。
 こういった内容になっているわけですけれども、先ほどもお話に出ました二千以上、特に大阪府とか京都府、相当多いようですけれども、全国的なお答えもおっしゃっていただきましたので続けて質問させていただきますが、この四と五と申しますと、当然介護の負担も相当であると思うわけですね。我が家での実体験でもそうですけれども、それはそれは大変でございますけれども、我が家などは家族がたくさんおりますからまだ助け合ってやっていけるんですが。
 かつて介護保険制度に現金給付という議論の中でも大きな懸念とされていたように思うわけですけれども、介護サービスの利用の妨げになっているのではないかなというふうにも考えます。そしてまた、国がメニューとして示していること自体が、この介護保険制度では現金給付を行わないとすると、こういうふうになったわけですからその考え方に逆行しているのではないかなというふうに私自身疑念を持つわけですけれども。この家族介護を慰労するという意味で現金を給付することは、それはそれで理解できぬこともないような気もいたしますが、問題はこの介護保険を利用していないという条件ですね、ここのところにちょっと引っ掛かります。これは家族からすれば慰労ということよりもむしろ介護保険を利用しなかったことに対する還付金的な考え方になりはしないかなというふうにも思います。
 私は、この介護保険サービスの利用しないというこの点をもっと柔軟に緩和をしていただいて、本当の意味での慰労金にするべきだというふうに思います。今こういった内容の御質問をさせていただきましたが、最後にいたしますので、これは坂口大臣に御答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この家族介護の慰労金というのをどうするかというのは最初からの大きな課題でございまして、賛否両論でございました。そして、スタートしますときには、これは一応しないということでスタートをしたわけでございますが、途中で、まあそうはしかしいうもののというので、その四、五という非常に重い家族の方で一度も受けない方であればというようなことになったわけでございますが、それはそれでまた今御指摘をいただきましたようないろいろ問題もあるということでございます。見直し時期も参りますので、こうしたことも一度見直しの中に含めて検討させていただきます。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。
 じゃ、これで終わらせていただきます。
○森ゆうこ君 まず、先日のこの厚生労働委員会で質問した薬事法と食品衛生法のすき間、そのグレーゾーン対策についてもう一度確認したいと思います。
 先日、坂口大臣は、ダイエット食品、そして健康食品といった商品について健康被害が発生している問題に関しまして、販売する人が責任を持つという体制を作った上で行政としても二重にチェックしていくべきという新しい、私としては新しい見解を出されたと思ったんですけれども、その見解に関しまして、販売者の責任というお話がありましたので、今後どのようにそれを規定していくかを検討されていくのか、また今既に検討が始まっているのか、その点につきまして大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 先日、御質問をいただきまして、それにお答えをさせていただきましたのは、食品、健康食品と言われますもの、これが国内だけではなくて諸外国からたくさん入ってくる、しかもまたそれが、特定の輸入業者でありますとか販売業者といったような形ではなくて、インターネットで入ってまいりましたり様々な形で入ってくるようになったものでございますから、いわゆる公的な機関でこれをすべてチェックをしていくということがなかなか困難な状況になってきている。できるだけ公的な機関もそこをチェックをしていくということに努めなければなりませんけれども、輸入をいたします企業がやはりそれなりの責任を持って販売をしていただくということがまず第一条件として大事ではないかというふうに思っております。
 したがいまして、いろいろの食品を、あるいはまた健康食品を輸入していただきます企業がそれなりの検査を、できれば検査をしていただいて、お願いをしたいと。現在でも、大量に輸入をされますようなところは、御自身の企業の中でどういうものがその中に含まれているかということを事細かく検査をしていただいております。結構なことだと思います。
 それで、そうした業界の方から、実は検査をしたらこれこれのものが含まれているけれどもどうかという御提案をちょうだいをしているものがございます。例えば、添加物等につきまして、いや何もないというふうに思っていたけれどもずっと検査をすると国の方が認めていないこういったものが入っているがどうだといったようなお話をちょうだいすることがあるわけでございまして、そうしたことは大変有り難いことでございますし、是非そういうふうにしていただきたい。
 我々もやりますけれども、全部するわけにはまいりませんので、それぞれが独自でやはり責任を持っておやりをいただくということを中心にしていくのが大事かというふうに思っている次第でございます。
 それらの具体的なことをこれからどうするかということを、ちょっと部長でよろしゅうございますか、分かっておりましたら、現在進行しておりますので、より具体的に進行しておるところがございましたら部長の方からちょっと付け加えさせていただきます。
○政府参考人(尾嵜新平君) 今、大臣からお話がございましたように、ダイエット食品が問題になりました以降、この夏以降でございますが、幾つかの当面の対策については取らせていただいているわけでございますが、今後、こういったものにつきまして、今、大臣が申し上げました事業者と申しますか、販売業者等の責務等につきまして、過日、八日に、私ども次期の、来年の通常国会に食品衛生法の改正案を提出をいたしたいというふうに考えておりますが、その骨子案について公表をさせていただいたところでございます。
 そういった中で、一つは、販売業者等につきまして、自主的な食品の安全確保等に努めることにより飲食に起因する危害の発生を防止する責務を有することを新しく規定を設けたいというふうに考えているのが一点でございます。それと、健康食品につきましては、濃縮化など一般的な方法とは異なる摂取をする食品がございますので、そういったものについては、状況に応じまして暫定的に流通を禁止するような措置を講じられるような規定、あるいは、その広告につきまして、健康増進に関します虚偽とか誇大な広告の禁止と、こういったものを改正の中で法的な規定を設けたいというふうに考えているところでございまして、今後、こういった骨子案につきましての幅広い御意見を伺った上で、最終的に来年の通常国会に法案としてお諮りをしたいというふうに考えているところでございます。
○森ゆうこ君 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 私も介護保険についてお尋ねします。
 先ほどのお話の中にもありました。介護保険制度というのは、その財源確保という点では大変よくできた制度だと思います。これは医療保険制度に比べてということなんですけれども。しかし、逆に言えば、現在のスキームでは、高齢化に伴ってサービスが増えれば、サービス量が増えれば、又はその地域でより良いサービスを希望すれば必ず保険料が値上げされると、そういう仕組みになっているわけなんですね。
 先ほどの大臣の御答弁の中で、その財源の割合については、これがこの制度の根幹を成すものなので変えられないという御答弁ございましたけれども、しかし、今回、この三年間で、初めの三年間で平均して一一・三%の保険料の上昇、更に先の方の試算もありますけれども、一一・三%と何げなく聞いてしまいますけれども、保険料ということで見ますと、三年間で一一・三%も値上がりするようなものが果たして保険料と言えるんだろうかという私は疑問があるんですけれども、このことについて、制度の根幹なので変えられないという御答弁ありましたけれども、やはりもう一度見直すべきではないだろうかと。制度として成り立ったとしても、保険料を負担する人が払えないんじゃこれは何のためにやっているか分かりませんので、その点について御答弁をお願いいたします。
○副大臣(木村義雄君) 同趣旨の質問、先ほど小池委員からもいただきましたけれども、確かに介護保険におきましては制度施行後五年をめどといたしまして全般にわたる見直しというものを行うようになっております。
 お尋ねの公費負担の割合の問題でございますけれども、この給付費全体の中の二分の一を負担をする、公費二分の一ですね。これはやはり、今までは措置だったんです、措置を今度は介護保険というサービスに変えたと。この点を十分踏まえていただきまして、ここは正に、何回も申しておりますけれども、制度の根本にかかわる問題でございますので、公費負担の割合を変更するということは大変に難しい問題だと考えております。
○森ゆうこ君 繰り返しますけれども、制度そのものを維持することが目的じゃないわけですから、制度が維持されたとしても保険料を払えないということでは何のためにやっているか分からないということだと思います。
 それで、制度そのものの見直しに向けて、現在、二号保険者が四十歳以上ということなんですが、今後それを二十歳以上に引き下げることも検討しているということを伺っておりますが、それは働く世代すべてに負担を求めるという点で税と同じではないか、現役世代への増税メッセージではないかと考えます。
 その点について、そして、むしろ二号保険者にゼロ歳児まで含めるようにして、介護は何も高齢者にこだわらず、子育て支援にも利用できるようにすべきではないでしょうか。介護の社会化はこの介護保険で一応認知されたわけですけれども、子育ての社会化という点で、介護保険ではなくヘルプ保険、ケア保険というような考え方でむしろ考えていかれてはいかがでしょうか。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 そしてもう一つ、介護度認定という、介護認定そのものでもいいんですが、介護認定に掛かる費用というものは大変大きいという点で介護度又は介護の認定は不要ではないか、必要なサービスをプランするケアマネジャーというのがいるわけですから、その人に適正にプランを作成してもらえばいいわけで、介護認定そのものが不要ではないかということについて質問させていただきたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) 前半の二十歳まで拡大するの件の中で、これを保育などのサービスにも広げたらどうかと、こういうような御趣旨の御質問がございました。
 被保険者の対象年齢や若年障害者等の位置付けにつきましては、法施行後五年を目途とされる制度全般の見直しにおいて検討課題とされているところでございます。今後、様々な角度から検討はしていきますが、保育サービス、これはやはり、私としましては誠にこれは分野が違うものではないかと、こう思うわけでございまして、介護サービスとは性格の相当異なるサービスを給付対象とすることに関しましては、これは今考えておりません。
 それから、認定のことでございますけれども、要するに今、議員がお話しになったところで、この認定の制度があるからある程度介護サービスの先ほど言ったいろんな費用の増嵩をある意味でコントロールできるわけでございます。コントロールできるわけでございます。ですから、この介護の認定をなくすというのは、やはりこれはもう本当に制度の根幹にかかわることでございます。
 それから、ケアマネジャーの話が出ましたけれども、ケアマネジャーというのは非常に確かに議員がおっしゃっているようなことで、一生懸命やっていただければこれは貢献していただけると思うんですが、今、普通、ケアマネジャーというのは、やはりプランを、まずアセスメントがあります、対象になっている方々の状態を見極めるというアセスメントがあります。それから、そういうのを見て、その人の状態を見てどういうプランを立てるかと。大事なところであります、プランを立てる。しかし、その後にフォローアップという大事な作業があるんですが、今ケアマネジャーはアセスしてプランはあるんですが、フォローまでないんですね。だから、私はこのフォローまでも是非やっていただきたい。非常にここは私はまだまだ十分じゃないと、このように思うところでありまして、その中で是非ケアマネの方にも本来の任務を是非頑張っていただきたいなと、このように思っております。
○森ゆうこ君 大臣は現実を御存じでしょうか。フォローもしていますよ、ケアマネジャー。フォローもしています。フォローもしていますし、大臣が言われたような業務をすべてこなしているのがケアマネジャーです。ありとあらゆる介護の保険のサービスの運用に関する様々なところがすべてケアマネジャーに集中している。そして、それに見合った報酬をもらっていない。けれども、使命感に燃えたケアマネジャーさんたちが各地で本当に必死になってやっている。これが現実なんですよ。ですから、そう大臣がおっしゃるんだったら、ケアマネジャーがそれだけのことができるような体制に整えると、そういうふうなお話でしたら分かりますけれども。私はそのように思います。
 それで、ですから、ケアマネジャーが仕事をする上で、訪問又は様々な面で、介護認定そのものは調査はしてもいいと思いますけれども、どちらにしろ、今までのサービス給付量の見通しというものもそんなに正確だったわけじゃないですから、この認定がないとサービス給付量の見込みができないというのもちょっと私には理解できません。いずれにせよ、制度の改定に向けて様々な点について現場を見て議論していただきたいと思います。これについての答弁は結構です。
 次に、労働市場の規制緩和について伺います。
 パート労働の問題が今大変問題になっているわけですけれども、これは単なる均等待遇の要求、条件向上の労働運動ととらえられがちだと思いますが、そしてまた、前の通常国会でも申し上げましたように、パートの問題は、現在は女性の問題というふうに考えられておりますが、今正社員として働いている男性にとっても今後は他人事ではないということだと思います。現在、正社員の身分が保障されており、このことが雇用者側にとってはある意味で規制となっていることはもちろん、今現在職を持たない人、そしてパート労働をしている人たちにとっては参入規制という面もあると思います。
 これから審議が始まる母子寡婦の手当に関する法律についてもそうなんですけれども、自立支援策の中に常用雇用への転換を促進というふうにあるんですけれども、私は政府としてはもうここで政策転換をする時期に来ているんではないかと思います。坂口厚生労働大臣も、いまだ正社員中心主義の政策を政府が取っていらっしゃると言っておりましたが、もう正社員中心主義ではなくて、多様な就労形態を想定した様々な条件整備を今やるというふうに政策転換を図るということを明言されるべきと思いますが、この点についての御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 今御質問になりました内容を十分に私理解をしにくかったわけでございますが、現在取られております常用雇用中心に行っております雇用対策というものを、そうではなくて、パートの人たちにも同じようになるようにしろと、こういうことでございますかしら、今の御質問は。そうじゃなかったですか。もうちょっと説明してください。
○森ゆうこ君 今まで、これがもし違ったら訂正してください、政府は、良好で長期的に働ける雇用機会を確保しつつ、失業した場合には就職先が早期に見付かること、つまり、まず常用雇用、正規の社員というのがこれが基本であって、正規社員の権利なり労働条件を確保するための様々な、労働基準法にしましてもそうですが、様々な規制を行ってきたと。そして、それが言わば今、実際のこの労働市場の中ではパートへの労働移動というか代替労働というのがどんどんどんどん進められる中で、むしろこの規制があることによって新たな二十一世紀の経済社会情勢に合った新しい労働の市場というものを形成するのを阻害しているんじゃないかと、そういうふうな私の、これは私の認識なんです。
 ですから、それを雇用のある意味で規制改革をするということを、政府としてしり込みしていないで政策転換を図ると。別に正社員中心主義じゃなくて、もう本当に多様な就業形態が選べる、それを推進するんだという方向にむしろ大きく政策転換するべきではないかという質問です。
○国務大臣(坂口力君) 現在の雇用状況を見ましたときに、常用の雇用というのはなかなか得られない状況なんですね。むしろパートの方がどんどんと多くなっていくということでございまして、パートはパートでそれなりの意義があると思いますし、パートでありましても、それは短時間労働ということで、正規短時間労働なら正規短時間労働としての位置付けをしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 しかし、できれば常用雇用の方に行くにこしたことはないわけでありまして、初めからパートを中心にした政策というものを取っていきますと全部パートになってしまう可能性がある。だから、できる限りは常用雇用を目指していきながら、しかし、そういかないときにはパート労働のこともそれは我々の対策として取り入れていくという手順でないと具合が悪いんじゃないかというふうに思います。
 おっしゃっていることを十分に私がよう理解できないのかもしれないし、ちょっとそこよく分かりにくいんですけれども、今お聞きした中で言えばそういうことではないかと思いますが、違いますか。
○森ゆうこ君 私の説明の仕方が悪いのかもしれませんが、それは大臣が前提として、正規の労働者とパート労働者とは著しい格差があると、もうこの格差を認めているという前提でお話しになっているわけですよ。だから、そのことが問題じゃないかと。
 要するに、話の途中では、この格差をやっぱり是正していく方向を何か対策を打つべきだと、そういう政策に転換すべきじゃないかということなんですけれども、基本的な考え方をお尋ねしたかったので、お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 多様な就労形態を認めろというお話でございましたら、それはもうそのとおりでございます。ただし、よく言われますように、時間当たりの賃金というものが余りにもそれは開き過ぎますとパートというのは意味がなくなってくる。したがって、そこに正規の短時間労働なら正規短時間労働というような位置付けをやはりしていくことが大事ではないかというふうに思っているということでございます。
○森ゆうこ君 終わります。
○大脇雅子君 先ほど小池議員の方から緊急地域雇用創出特別交付金というものは非常に使い勝手が悪いと。六か月の制限雇用で人件費割合が非常に重いということで、各地域からこれの改善の要求の声が上がっていることは事実であります。それに対して、これはつなぎ就労なんだという、正に緊急性の御説明がございました。
 この緊急地域雇用創出特別交付金は三千五百億円というもので、これまで様々な実績がありますが、これは雇用機会の創出としてどのように評価されているのでしょうか。
 そしてまた、例えばつなぎで短期の臨時的雇用だとしても、そのままではこのお金が全く生きないのではないか。むしろ、交付金の性格としては、企業努力やあるいは取組を創出して常用雇用への道筋を付けないと役に立たないのではないか。そういう意味で、長期安定雇用に結び付くための施策というものは具体的に考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 三千五百億円という緊急地域雇用創出特別交付金につきまして、昨年度中には約二万三千人の雇用を創出をいたしました。今年度につきましては十四万人の雇用創出を見込んでいるところでございますが、現在進行中でございます。
 また、この交付金事業の終了後、安定した雇用につながったケースはあるかということだというふうに思うんですが、例えばその例として今まで挙がってきておりますものといたしましては、福井県におきましては教員の補助者を高等学校等に配置する事業を行った、この交付金が終わりました後もこれは継続をしてそれは雇用をいたしておりますというものがございます。それから、長野県におきます国道線を主体とした森林の伐採事業ですね、伐採事業だと思うんですが、伐採事業をこの交付金で行いまして、それが期限は切れましたけれども継続をしてやっておりますというのがございます。また、東京都におきます夜間の防犯・防火パトロール事業というのをおやりになっておりまして、これにつきましても切れましたけれども継続をして行っておりますというようなケースが今のところ寄せられております。
 それに、先ほど私少し付け加えましたけれども、東京、大阪等で中小企業のいわゆるやる気のある中小企業に対して手を差し伸べる、すなわちその企業が優秀なものを作っているんだけれどもどこかもっと販売経路がないかといったことで悩んでおみえになるような人に対して、リストラ等でお辞めになった今までの大きい企業でのセールスマンだとかそうした人たちを雇って、そしてその人たちが大きな成果を上げているとか、あるいはまた新しい企業の売り込みに対して、こういう方面に売り込んではどうでしょうかというようなことで御紹介をして、それが成功しているというようなケースが挙がってきているというようなことでございまして、これはその雇った人は一時的でございますけれども、しかしそれによって中小企業が大きく目を見開いたと申しますか、そういうことにおきましては継続をしていく、大きくそれが役立ってきているというふうに言えるのではないかというふうに思っておりまして、我々も考えなければなりませんが、そうしたこと。それぞれの地域のひとつ知恵を絞っていただいてお使いをいただけることができれば、そして二年間、あと来年、再来年とあるわけでございますが、前倒しをしてでもお使いをいただけるようにしてはどうかというようなことを今検討をしているということでございます。
○大脇雅子君 ただいま詳細な具体例などをお話しいただきまして、長期的に新たな事業分野を創出しながら雇用を生み出しているということが、ある程度道筋があちこちの地域の中で見えてくるということを期待せずにはいられません。そして、長期的に地域産業の起爆剤となるように、積極的に一般財政からなどもてこ入れしながら財政規模を大きくして、そして地方自治体が責任を持って雇用創出を図る、そして地場産業の生成や再生に結び付く政策を展開していくという道筋が開けることを期待してやまないのでございます。
 また一方、そうしますと、地域における産業活性化政策と雇用創出の仕事がまたより緊密に結合しなければいけない。産業の空洞化が進みまして、大規模なリストラや工場の統廃合や外国への移転等が相次ぎまして、日本全体あるいは地域の沈没状況ということが危惧されておりますが、例えば最近発表されました横河電機の福島県郡山市の工場閉鎖計画というのは、全国十五の工場を四つの工場に集約する事業計画の一環であると言われます。これは、今まで地域で工場を誘致してきたという歴史から考えますと、その地域に非常に大きな衝撃を与えている、その深刻度は地域にとっては計り知れないものがあると。
 そういう意味では、あちこち工場誘致をして尽力をしてきた例は枚挙にいとまがないわけでございまして、企業の統廃合や移転を強行して、例えば中国、東南アジア等へ移転をするということが進むということは社会全体を空洞化するということになろうかと思います。
 こうしたいわゆる地域や日本の再生、国民生活自身の再生ということから考えますと、根本的な地域産業活性化の政策が今求められていると思いますが、経済産業省の方はどのような取組をしておられるでしょうか。
○政府参考人(桑田始君) お答え申し上げます。
 先生から御指摘がありましたように、我が国の現在の経済状況でございますけれども、金融機関の資金仲介機能の低下とか需要不足ということで、長期にわたる経済が低迷をしている状況にございます。
 こうした中で、今般取りまとめられました改革加速のための総合対応策で、全国的には研究開発とかIT投資といった政策の減税、さらには潜在需要を喚起いたしますような規制改革の加速、新規創業の支援策など、こういった経済活性化策とか資産デフレ対策と金融、産業の再生及びセーフティーネット整備に向けた諸施策を連携したものが打ち出されております。これらの施策が迅速かつ着実に実行されることによりまして、ある意味ではデフレと不良債権問題が一体的に解決されて経済全体にはプラス効果が及ぶというふうに考えておりますけれども、御指摘のありましたように、地域経済を活性化させるという観点からは、私ども経済産業省におきましては、やはり何といいましても、地域の中堅中小企業が技術開発などを通じまして、やはり世界に通用する新事業を次々と展開をして雇用とマーケットを創出していくことが何より大事だというふうに考えてございます。
 そこで、私どもは、昨年から地域経済を支え世界に通用する新事業を次々と展開される産業集積、私どもクラスターと呼んでおりますけれども、この産業クラスター計画に全力で現在取り組んでおる最中でございます。これは、現在全国十九プロジェクトで約四千社近くの世界市場を目指す中堅中小企業が約二百の大学を含む産学官の広域的な人的ネットワークを形成をしまして、支援策をここに総合的、効果的に投入しようというものでございます。
 私ども、この産業クラスター計画には、地域には九つの経済産業局ございますけれども、この職員約五百人を従事させているほか、実用化技術開発支援などで関連予算、この十四年度当初予算並びに昨年度の補正予算、トータル八百三十六億円を投入するなど、これまでの地域関連施策に比しまして抜本的に強化されたものとなってございます。
 また、先生からの御指摘のように、こういった地域政策と雇用政策をいかに連携を図っていくかということでございます。昨年、厚生労働大臣と私ども経済産業大臣のお話合いの中で、両省連携をして地域産業・雇用対策プログラムを取りまとめて、これに基づきまして各地域で労働局と地域経済産業局が連携をして積極的に事業を進めているところでございます。
 例えば、商工会議所のような地域経済団体が求人情報をハローワークの方に積極的に提供させていただいておりまして、現在既にハローワークで四千三百七十件の求人を開拓をしておりますし、また若年者の方々を企業の方に就職をさせるといいますか企業の方での実務経験をするという意味で、経済産業局が企業のニーズを把握いたしまして、労働局の方に提供してインターンシップの推進を図ってございます。約これも七千の企業で一万五千人の受入れというような形で様々な取組を進めさせていただいているところでございます。
 さらに、この臨時国会におきまして、私ども、やはり日本全国、地域でも創業が活発に行われ、新事業に取り組む中小企業が多数輩出されるということが何より重要だというふうに考えてございまして、中小企業挑戦支援法ということで創業時の、現在株式会社では最低資本金一千万円、有限会社三百万円という規定がございますけれども、この最低資本金の特例として創業時から五年間に限りましてはこれを適用しないといったような、創業につきまして非常に弾力的な措置を講じるような法律の改正をお願いをしている最中でございます。
 またあわせまして、大変中小企業をめぐります金融情勢、厳しゅうございますので、セーフティーネット対策に万全を期したいということでセーフティーネット保障の拡充につきましても、中小企業信用保険法の改正法案を今臨時国会に提出をさせていただいている最中でございます。
 以上申し上げましたように、私ども当省といたしましては、厚生労働省等関係省庁と密接に連携をしながら、地域経済活性化に向けまして……(「長いよ」と呼ぶ者あり)
 済みません。総合的な取組を図ってまいります。
○委員長(金田勝年君) まとめてください。いいですか。
○大脇雅子君 そうしますと、今度の不良債権処理の加速をめぐって産業再生・雇用推進本部というのができて動き出したということですが、厚生労働省、それの具体的な展開はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 金融機関の不良債権処理の加速化等の構造改革の進展に合わせまして、産業の再編、事業の早期の再生を始めといたしました産業の再生とそれから新規雇用の創出、能力開発支援を始めとした雇用対策を一体的に進めるために内閣に、今御指摘のとおり、産業再生・雇用対策戦略本部が設けられたところであります。
 今後、この本部におきまして不良債権処理の加速化の検討の状況等を踏まえながら、産業再生政策、雇用対策の方向、そういったものについて精力的に協議をしていこうと、こういうことでございます。
○大脇雅子君 このところ失業率が五%で高止まりいたしまして、潜在的な失業も含めると一〇%だと。五%で驚いておりましたが、もう一般的に社会というか世間は慣れてしまった、しかし実際は本当に危機的な状況であろうかと思います。
 多様就業型ワークシェアリングというものについての推進策について、本年の三月に政労使の合意を見て様々な注目を集めつつあるわけですが、現在、こうした緊急対応型のワークシェアリングの検討も含め、その多様就業型ワークシェアリングというものの労使の話合い、そして厚生労働省の言ってみれば仲立ちなどの具体的な行動、そしてどうしてこれが進んでいかないとお考えなのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この多様就業型のワークシェアリング、今進めているところでございますが、一つの山に乗り上げているというふうに思っております。一つは、これは政労使でやっているわけでございますが、労働者側の方は短時間労働者などの働き方に見合った公正・均衡処遇の在り方やその推進方策、それから社会保険の適用拡大等につきまして、済みません、これは進めているところでございますが、それで行き詰まっておりますのは、済みません、さっきのこれは今進めているわけでございますが、行き詰まっておりますのは、連合など組合側は組織している労働者自身はいわゆる正社員である者が多く、その労働者自身が実際に労働時間を短縮して賃金を下げることに抵抗感が強いと。これはまあ当然のことといえば当然のことでございますが、そういう御主張。日本経団連の方は、公正・均衡処遇について国が一律のルールを策定することには強く反対です、こういうふうにおっしゃっている。
 ここがデッドロックに乗り上げているところでございますが、しかし、ここはひとつ政府の方は中に入らせていただいて、こういう隔たりはありますけれども、この隔たりを埋めていく努力をしなければならないというふうに思っておりまして、その努力を始めているところでございます。
○大脇雅子君 そういたしますと、大体、見通しと言うとおかしいんですけれども、そのコンセンサス形成の道筋とかあるいは時期などについて大臣はどんなふうにとらえていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そうですね、これは大事なところでございますし、早くまとめたいのはやまやまでございますが、隔たりが大きいことも事実でございまして、双方とのお話合い、いつこれが決着できるかということを定かに言うわけにもまいりませんけれども、できる限り早くここは埋めたいというふうに思っております。雇用状況がこういう状況でございますので、一刻も早くここが埋まるように努力をしたいと思っております。
○大脇雅子君 終わります。
○委員長(金田勝年君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(金田勝年君) 次に、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年における離婚の急増など母子家庭等をめぐる諸状況が変化する中で、母子家庭等の自立の促進を図りながら、その児童の健全な成長を確保することが重要な課題となっております。
 今回の改正は、こうした状況を踏まえ、母子家庭等に対する子育て支援の充実、就労支援の強化、扶養義務の履行の確保、児童扶養手当制度の見直し等の措置を講ずることにより、総合的な母子家庭等対策を推進するものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、母子家庭、父子家庭に対する子育て支援の充実であります。
 市町村は、保育所への入所に関し、母子家庭等に対する特別の配慮をしなければならないこととしております。
 また、保護者の疾病等の場合に児童の保護を行う子育て短期支援事業を法律に位置付けるとともに、母子家庭等に対する日常生活の支援の充実を図ることとしております。
 第二に、就労支援の強化であります。
 都道府県は、母子家庭の母等の雇用の促進を図るため、母子福祉団体との連携の下に、就職に関する総合的な支援を行うことができることとし、都道府県等は、母子家庭の母又は事業主に対し、母子家庭の職業生活の安定及び技能の習得のための支援を行うことができることとしております。
 第三に、扶養義務の履行の確保であります。
 母子家庭等の児童の親は、児童が心身ともに健やかに育成されるよう、養育に必要な費用の負担等児童に対する扶養義務を履行するよう努めるとともに、国及び地方公共団体は、その履行を確保するための措置を講ずるよう努めることとしております。
 第四に、母子寡婦福祉貸付制度及び児童扶養手当制度の見直しであります。
 母子寡婦福祉貸付金の貸付け対象として、母子家庭の児童本人及び母子家庭の自立の促進を図るための事業を行う母子福祉団体を追加するとともに、特定の貸付金の貸付けを受けた者について、所得の状況等によりその一部の償還を免除できることとしております。
 また、児童扶養手当の受給開始から五年間を経過した場合には、三歳未満の児童を監護する者、障害者等に適切な配慮をしつつ、手当額の一部を支給しないこととするとともに、手当の受給資格の認定の請求期限を五年間とする規定を廃止することとしております。
 第五に、国及び地方公共団体における総合的な施策の推進であります。
 厚生労働大臣は、母子家庭等の生活の安定と向上のための措置に関する基本方針を定めることとし、都道府県等は、母子家庭及び寡婦自立促進計画を策定することができることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、平成十五年四月一日としております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。
○委員長(金田勝年君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十六分散会