第155回国会 厚生労働委員会 第8号
平成十四年十一月二十六日(火曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     荒井 正吾君     狩野  安君
     西銘順志郎君     鴻池 祥肇君
     大江 康弘君     森 ゆうこ君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     朝日 俊弘君     高嶋 良充君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     朝日 俊弘君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       渡辺 具能君
       厚生労働大臣政
       務官       森田 次夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   鈴木 直和君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  冨岡  悟君
       厚生労働省医薬
       局長       小島比登志君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        太田 俊明君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   坂本由紀子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    上田  茂君
       厚生労働省政策
       統括官      水田 邦雄君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人労働者健康福祉機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人福祉医療機構法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人労働政策研究・研修機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞ
 みの園法案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人雇用・能力開発機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)

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○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日、荒井正吾君、西銘順志郎君及び大江康弘君が委員を辞任され、その補欠として狩野安君、鴻池祥肇君及び森ゆうこ君が選任されました。
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○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人労働者健康福祉機構法案外八案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長太田俊明君外九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(金田勝年君) 次に、独立行政法人労働者健康福祉機構法案、独立行政法人福祉医療機構法案、独立行政法人労働政策研究・研修機構法案、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法案、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案、独立行政法人雇用・能力開発機構法案、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案及び社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 九案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 ただいま議題となりました九本の法案につきまして質問をさせていただきます。
 今回の九本の法案は、特殊法人を独立行政法人へと切り替えていくという観点から、一定程度評価ができるものだというふうに思っております。しかし、分からないこともいろいろとあるということでございますし、また具体的にどのような合理化効果があるのかという観点も不透明ではないかなと、こんなふうに思います。
 たまたまと言っては恐縮でございますが、厚生労働省は厚生省と労働省が省としては一緒になられたという意味で、まずこの法案の具体的な議論に入ります前に、厚生省と労働省というものが一緒になって厚生労働省ができたわけでありますが、その親元の合理化効果ということについて幾つか伺っていきたいというふうに思います。そこで、具体的な数字に基づいて伺ってまいりたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 まず最初に、厚生労働省というのは御案内のとおり中央省庁等改革基本法に基づいて平成十三年の一月にできたわけでありますが、その合理化という観点からは、一番分かりやすいのは、厚生省、労働省の間接部門が持っていた経費が、当然間接部門ですから一緒になればそこは共有できるんではないかというふうに思うわけでありますが、どのようになったかという観点から伺ってまいりたいと思います。
 そこで、まず職員数について伺わさせていただきますが、現在の厚生労働省の職員数と合併直前の職員数、この数字をまずお答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(渡辺具能君) 委員御指摘のとおり、合併は平成十三年の一月でございまして、このときの定員数は十万五百十八人でございまして、十三年度が九万九千九百九十八人、そして現在、平成十四年度が九万九千六百八十六名でございます。
○浅尾慶一郎君 具体的に再編に伴う数字ということで伺ってまいりたいと思いますが、私がいただきました数字は、いわゆる合併に伴って、間接部門というふうになるのかどうか分かりませんが、とにかく再編に伴う合理化は六十九名の減だというふうに伺っておりますが、その数字に間違いございませんか。
○大臣政務官(渡辺具能君) 統合の前後における職員数の削減としては、委員御指摘のとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 六十九人の内訳は、いわゆる内部部局、つまりここが一番間接部門が、多分それぞれのところで抱えておると思いますが、多いと思いますが、それが四十七名、施設・機関が十六名、地方支分部局が五名、外局が一名というふうに承っておりまして、大臣官房で二十四名というふうに承っておりますが、その点について間違いがないかどうか、まずお答えをいただければと思います。
○大臣政務官(渡辺具能君) 委員が御指摘のとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、合併に伴う合理化効果は約十万名の職員のうちの六十九名ということになってくるのかなと思いますが、その人数の減少によって人件費がどのぐらい節約できたのか、この点を伺いたいと思います。
○大臣政務官(渡辺具能君) 職員数の削減に伴う人件費の削減でございますが、人件費につきましては、職員の種類ですとか、あるいは人事院勧告もそれぞれの年においてあるということから経年変化いたしておりまして、この数字を正確に推測、算定することは大変困難でございます。
 しかし、仮に省庁再編成時における平均年収を基にこの六十九人に相当する削減額を試算するといたしますと、約五億円の削減効果があったと、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 六十九人の削減で約五億円の効果があったというお答えをいただいたわけでありますが、職員数が大体十万人で六十九人、あるいは人件費の予算額に対して五億円というのは、パーセンテージで言うと何%ぐらいになりますでしょうか。
○大臣政務官(渡辺具能君) 全体に対する削減、職員及び人件費の削減の割合でございますが、職員数については、六十九人は、職員数が統合直前で先ほど申し上げましたように十万八百六十三人でございますので、これに対しては〇・〇七%の削減でございます。
 ただ、ちょっと追加的に御説明させていただきますと、統合後も実はスリム化に努めておりまして、現在までに至る削減の数は、いわゆる独立行政法人へ移行するとか、各省庁間の振替とか、いわゆる当然減みたいなものを別にいたしまして、九百九十五名の削減を行っておりますので、これについて計算すると約一%削減をいたしております。
 それから、人件費でございますが、人件費は平成十一年度の人件費が千七百四億円でございます。また、今年度は千六百六十八億円となっておりますので、これによりまして削減を計算いたしますと、約二%の削減効果ということになっております。
○浅尾慶一郎君 今、政務官がお答えいただいた数字というのは、恐らく毎年八百人から九百人ぐらい計画的に削減されている数字に一方で増員されるものを足して差額を加えたものだというふうに思いますが、合理化という観点からいうと、多分先ほどの六十九人というのがある程度の数字なのかなというふうに思いますが、いずれにしても〇・〇七%か一%かという数字を、どちらの数字を取るかによって大分これ違ってきますけれども、取ったとしても、厚生省、そして労働省というそれぞれ大きな省庁がそれなりに持っていた間接部門からすればそんなに合理化効果は出ていないんではないかなというふうに思います。
 もちろん、合理化だけがすべてだと言うつもりはありませんが、まず合理化という観点に立った場合に、その間ずっと、厚生労働省ができる前からずっと大臣をされておられた大臣に、点数でいうと、この合理化という観点からいうと何点ぐらい付けられるかということをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) お話をいただきましたように、平成十二年の十二月から私やらせていただいているわけでございまして、そのときには厚生大臣と労働大臣、二枚看板をちょうだいをしまして、一月から厚生労働省になったわけでございまして、やがて二年間を経過しようとしているわけでございます。
 私、厚生労働省ができましたときに、両省が混合しているような状況ではこれはいけないので、両省が化合するようにこれはならないといけないということを言ったことを記憶をいたしております。今までの厚生省、労働省の組織をそのままにしてただ一緒にしたというだけではいけないので、今後もう少しここを、一つのところでやれるところはもっと一つのところでやらなければいけませんし、同じになるところはもっとやっていかなきゃならないし、やはり再編成という意味からいきましても、まだなお道半ばというふうに思っている次第でございます。
 ただ、いい面といたしましては、例えば障害者の問題をやりますときに、障害者の問題、福祉の問題と雇用の問題を同じにやれますとか、あるいはまた子育て支援のときに、お母さん方の職業の問題と、就業の問題と子育てとを同じにやることができるようになったとかというようなことでは非常にスムーズに運べるようにもなったというふうに思っております。
 なかなか自分で点数付けることはできませんけれども、ひとつそういうことで御理解をいただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 点数、御自身で付けづらいというのはそうかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、直接的な数字で出てくる合理化というのは、今、大臣もいみじくもおっしゃったように、まだ道半ばなのかなというふうに思います。
 合理化も必要だと思いますが、同時に国民に対するサービスということも車の両輪で向上していただかなければいけないというふうに思っておりまして、そういう観点からサービスの状況について、厚生労働省所管の、また今大変込み合っていて、いろいろと世間に出ますとクレームというか文句もあるハローワークを例に取って伺っていきたいというふうに思います。
 ハローワーク、大変込み合っております。込み合っておりますが、利用者数についてどのように厚生労働省として把握をされておるんでしょうか。例えば職業紹介数や求職登録者数ということは当然統計を取っておられるんだと思いますが、込み合っているのはハローワークに来られる人が多いからですから、だと思うんですが、パソコン等で求人票を見るだけの人数というのは把握はされておられますか。
○大臣政務官(森田次夫君) ハローワークの職業相談あるいは職業の紹介の利用者数でございますけれども、これにつきましては、全国の安定所に求人の申込みをいただいておりますものですから、そういった点でいわゆる求職者数につきましては把握をいたしております。これは、登録されているというか、そういった状態でございますから、当然といえば当然であるわけでございます。
 ただ、御指摘のとおり、ハローワークに配置されております求人の自己検索のパソコンでございますけれども、これで求人情報を確認する者の数につきましては、サービスの向上の観点から各ハローワークにおきましてその数を掌握しなければならぬ、それは必要であるということ等はそのとおりだろうと思います。
 そこで、最近導入しました機器につきましては利用者数を把握できるものが大半でございますけれども、全国的といいますか、そういったことになりますと数値の把握までには至っていない、これが現状でございます。
○浅尾慶一郎君 先ほど申し上げましたように、ハローワークが込んでいるということは今の景気の現状あるいは失業者の多い現状を表しているというふうに思うわけでありますが、全国的に大体どれぐらい来ているのかということぐらいは厚生労働省として把握をすべきだというふうに思います。
 例えば、別に正確な人数でなくても当面はいいんだと思いますから、例えば、それぞれのハローワークで日報等を付けるんであれば、大まか、概算今日はこれぐらいの来所者数というのは目算でできるんではないかなと。そういうところから始められると厚生労働省としても、確かに今大変な状況だということが肌身に触れて分かるんじゃないかなというふうに思いますが、その点についてはいかが思われますか。
○副大臣(鴨下一郎君) 議員おっしゃるように、込んでいるところの把握をきちんとしろと、こういうようなお話でありますけれども、そのとおりだろうというふうに思います。
 ただ、今、古いパソコンについてはなかなか全体的な利用者の数は把握できないんですが、平成十三年度以降のやつには大体どれだけの利用者があったかということがきちんと記録できるようにソフトが入っておりますので大体の利用者数は把握できていると、こういうようなことであります。
 議員おっしゃる趣旨は、そういう意味での、自己検索を含めて、込んでいるんでどれだけ利用者が、きちんと困らないように利用できるような体制を作れと、こういうようなお話だろうと思いますので、そういうことを含めまして、各ハローワークによって多少まだ整備が十分でないところもありますけれども、できるだけ利用者の利便に沿ったような形で把握し、なおかつそれぞれが利用しやすいようにしていきたいと、こういうふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 今、副大臣おっしゃいました平成十三年以降に導入されたパソコンというのは、全体に占める割合というのは、ちなみにどれぐらいございますか。
○副大臣(鴨下一郎君) 十一年から設置をしておりますけれども、十一年が千台、十二年が千台、そして十二年の補正で二千台ということで、トータルで四千台でありまして、十三年度からはそれぞれ、十三年度二十か所千台、そして補正で千台、それから十四年度で千五百台ということで、三千五百台というような比率でございます、約半数ということであります。
○浅尾慶一郎君 半数あれば、その概算、ハローワークの込みようというのは日々、それこそパソコンですから機械で分かるわけなんで、日々取ってということは恐らく、少しでも、趣旨としては、失業されて大変困っておられる方が多いと思うわけですから、そうした方がせめて仕事を探す利便性を高めるということは必要だと思いますね。やり方としては、もちろんパソコンを増やすといったようなことも考えられるんではないかなと思いますし。
 次の質問に移らさせていただきますが、例えば、大変込んでいて、パソコンを使うにしても一人三十分、五件までという制限がなされているというふうに伺っておりますが、込んでいるところは。これは事実でありますか。
○副大臣(鴨下一郎君) 例えば大阪だとか博多、それから東京のように非常に若い方を含めて込んでいるところについては、おのずと申し訳ありませんけれども制限をさせていただいている、こういうようなことであります。
○浅尾慶一郎君 パソコンですから、御案内のとおり、これはインターネットで検索をすれば例えば自宅でも見れるはずなんだと思いますが、現在は自宅で検索すると事業者名が隠された、ハローワークに行けば全部情報が見れるけれども、自宅で自分のパソコンの画面で見ると一部情報が見れないといったような不完全な求人情報しか見ることができないわけでありますが、こうした区別をしている理由をまずお答えいただけますか。
○副大臣(鴨下一郎君) ハローワークに基本的に来ていただくというのが元々の趣旨でありましたので、そういう意味で、事業者名をそれぞれの求人情報のコンピューター検索の中で出すというようなことについては最初の段階ではなかなか難しいというようなことがありました。
 それからもう一つは、求人の企業そのものの意向もございまして、例えば求人企業そのものが名前を出してもらいたくないというようなこともあったようでありまして、そういう様々な点から現時点では求人事業所の名前等を伏せた形での情報提供をしているというのが現状であります。
○浅尾慶一郎君 先ほど申し上げましたように、ただ、ハローワークは大変込んでいて一人三十分と制限されていると、なおかつハローワークに、後段の求人企業の意向というのは、行けば見れる情報を自宅では見れなくするというのは余り合理的ではないのかなと。別に秘匿しなければいけない理由がそこにあるというふうには思えないわけであります。
 それから、ハローワークに来てもらうといっても、来てパソコンをたたいて、じゃここに行こうといったときに、ハローワークの方で何かそこで付加的なサービスをしているのかというと、恐らくそういうことにはなっていないのではないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○副大臣(鴨下一郎君) 最終的にはそういうような御要望が大変強いわけでありまして、結果的に、事業所名を事前に知りたいとか自宅でインターネットで求人情報を検索したいと、こういうようなこともありまして、できるだけそういうような利用者の御希望に沿えるような形で情報提供をしていこうじゃないかと、こういうようなことを今できるだけ早い時期にそういうような事業所の公開も含めてしていこうと、こういうようなことで今やっている最中でございます。
○浅尾慶一郎君 今、副大臣の方から、できるだけ早いうちに自宅あるいはハローワークに行かなくてもそうした情報が見れるようにしよう、していこうと検討している最中だという御発言をいただいて非常に有り難く思っておるんですが、是非早急にやっていただきたいと思います。
 これ区別する合理的な根拠は今申し上げましたようにないというふうに思いますし、そしてまた、ハローワークに行かなくても自宅で見れるようになったということはしっかりとPRしていただければ、今ハローワークが込んでいる理由のかなりの部分は私はパソコン検索ではないかなと思いますので、その点についてもしっかりとPRをしていただきたいと思います。
 同じく、インターネットを使って利用者にサービスの向上をするという観点から、平成十六年一月から税金などとともに労働保険料の電子納付が始まるというふうに伺っておりますが、例えばハローワークへの求人申込みについてもインターネットでできるようにしたらいいんじゃないかなと思います。
 それは、現状は御案内のとおり、OCRに記述しているものをまたそれを読み取っているだけですから、電子情報で求人情報を送ってもらえればハローワーク側の事務軽減にもつながると思いますが、その点についていかが思われますか。
○副大臣(鴨下一郎君) 実際に、例えば二〇〇五年に日本は世界でトップレベルの電子政府を実現すると、こういうような趣旨からも先生おっしゃるようなことは進めなきゃいけないと、こういうような流れであることは間違いございません。
 ただ、今までは、例えば書式を整えるのになかなか難しい部分があったようでありますけれども、今後は求人申込みのインターネットでの受付については、一部今、東京等のハローワークでは行われている部分も試行的にはありますが、これをできるだけ求人内容の明確化等の課題や求職者の保護にも留意しつつ進めていくと、こういうような方向でありますので、先生の御指摘の方向に早急に行きたいなと、こういうふうに考える次第であります。
○浅尾慶一郎君 是非早急にやっていただければと思います。
 サービスの向上ということ、それから厚生労働省が独立行政法人化する法人を引き続き所管するという観点から、もう一点だけ厚生労働省レベルの点について伺わしていただきたいと思いますが。
 今ハローワークのお話をさせていただきました。ハローワークと同じく厚生労働省が所管しております監督署というものがございますが、ハローワークと監督署の管轄地域が幾つか問題になっている部分があります。具体的に言いますと、同じ敷地内に、例えば一階と二階にハローワークと監督署があるといった場合であっても管轄地域が違うという事例がございますが、全国でどのぐらいそういった事例がありますでしょうか。
○大臣政務官(森田次夫君) 厚生労働省の地方出先機関、いわゆる地方労働局の管轄下にハローワーク等が置かれているわけでございまして、これはハローワークの場合には五百八十七か所でございます。それから、同じ管轄下に労働基準監督署も置かれているわけでございますが、それが三百四十一署、五百八十七所と三百四十一署でございます。
 そして、そのうちに、先生がお尋ねのハローワークと監督署を同じ敷地内に置いております例でございますけれども、六十七か所ございまして、管轄区域が異なるのは四十二か所でございます。
○浅尾慶一郎君 例えば、私が住んでおります神奈川県、例えば私住んでおります鎌倉市ですけれども、鎌倉市の人が、事業主が新たに人を雇おうとして労働関係の手続を当然しなきゃいけないわけですけれども、その場合には、まず藤沢にあります監督署に労災の届出をします。しかし、労災の届出をして、そこで雇用保険の手続をしようと思ったら、同じ敷地内にあるハローワークでは駄目なんですね。戸塚まで行かなければいけないという現状がございます。
 あるいは、横浜市の神奈川区、西区、ここは御案内かもしれませんが非常に事業所の多いところでありますが、横浜市の神奈川区、西区の方が港北区にあります監督署に行って、その中にハローワークもあるんですが、そこで手続をしようとすると、横浜ハローワーク、これは中区にあるんですが行かなきゃいけないという、非常に利用者のことについて余り考えられた区分けになっていないというふうに思いますが、早急にこの管轄区域の見直しを行っていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○副大臣(鴨下一郎君) ハローワークと労働基準監督署が同じ敷地にあってそれぞれエリアが違うと、こういうようなことを早く何とかしろと、こういうことでありますけれども、特に今、先生おっしゃる鎌倉市の場合については御指摘なような事情があるということでそれぞれお困りの方も多いようでありますので、地域の事情を十分に精査して、できるだけ管轄地域の見直しについて積極的に検討をしてまいりたいと、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 もちろん鎌倉のことも是非やっていただきたいと思いますけれども、全国で同じ敷地の中に建物が二つあって、そこに行こうと思ったら行けないというのはどう考えてもこれはおかしいと思いますので、大臣、その点について全国的に見直すという御答弁いただけないでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 地域の皆さん方に御迷惑の掛からないように見直しを行いたいと思います。
○浅尾慶一郎君 ありがとうございます。
 それでは、特殊法人の関連九法案について、親元ではなくて個別の法案について伺っていきたいと思いますが、まず、来年度解散して独法に移行する法人のうちで法人の職員数はどのように変化いたしますか。
○副大臣(木村義雄君) 独法下の運営というのは、つまり独立行政法人になった後の運営は法人の長が行うことになっています。法人の長の裁量にゆだねられておりますものですから、職員の数も事務運営の一環として法人の長の裁量にゆだねられます。
 そのため、現段階で数字をお示しすることは困難ではございますけれども、大臣が中期目標というのを決めますから、その中に、一層の効率化を図るべきものと、こういう具合にされておりますので、それを受けて、恐らく減らすという方向で数字が決まっていくのではないかと、このように思われます。
○浅尾慶一郎君 確かに、その職員数はそれぞれの法人の長が決めるということが、ある面、独法の趣旨なのかもしれませんが、一方で国庫が負担する人件費というものもございます。
 少なくとも、じゃ国庫が負担する人件費についてはどのように変わるのか、法人ごとに伺えますか。
○副大臣(木村義雄君) 今回の改革によりまして、これは運営費交付金等の対象となる想定人員というのがあるんですけれども、これに対応する費用が人件費に当たるものと考えられるわけでございまして、それは対前年度比で約四十人のマイナス、額にして、金額で三億円の縮減を図っております。
○浅尾慶一郎君 数字の上では先ほどの厚生省と労働省が一緒になったときと同じで、スタートのところでは余り減っていないのかなと。合理化効果というのは余りないのかなというふうに思いますが、今、正に副大臣がおっしゃったように、中期目標に基づいて独立法人が中期計画を作成してそれを大臣が認可するということなんですが、そもそも大臣はどのような中期目標を示すおつもりでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) それぞれの独立行政法人によって具体的な問題はあると思いますが、総論的に申しますと、この中期目標の期間、これだけの期間の間に何々をやるという期間、それから業務運営の効率化に関する事項、それから国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、そして財務内容の改善に関する事項、こうしたことが一つのこの中期目標として示す内容になっておりまして、それらにつきましてそれぞれに示すということになっておりますので、そうした状況を踏まえてやりたいと思います。
○浅尾慶一郎君 国庫が負担する、先ほど交付金というお話、それが実質は人件費になったりするわけですけれども、そうしたものについて枠というか概算、具体的な数字というのは示せるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) いずれにも数値目標を明確にしまして、そしてそれでやっていただくということになっておりますし、それからいわゆる国庫が負担する人件費等につきましては、額は国が定めることになっておりますから、額をそこで示すということになるだろうと思います。
○浅尾慶一郎君 なるたけ早急にそうした数字は示していただきたいと思いますが、独立行政法人に移行後は企業会計原則が採用されるということになっております。また、財務諸表等も公表されるということになりますが、経営の透明性が高まるわけでありますけれども、肝心の経営者に当たる法人の役員についてはまだいろいろと不透明な部分があるんじゃないかなと思いますけれども、現状、特殊法人、今回の独法化対象となっている特殊法人の役員の総数と、そのうち国家公務員出身の役員の人数をお答えいただければと思います。
○副大臣(木村義雄君) 今回の改革の対象となっている特殊法人等の役員の総数は、非常勤も含めまして九十二名でございます。うち、御指摘の国家公務員出身の役員は五十三名となっております。
○浅尾慶一郎君 トップの方は何人が国家公務員でしょうか。
○副大臣(木村義雄君) トップの方は全員国家公務員でございます。合計、ですから九名ということになります。
○浅尾慶一郎君 もちろん国家公務員の方にも優秀な方が大変多いというふうに思いますが、一方で、新しい考え方、企業会計原則に基づいて独立行政法人として活動していくという観点に立つと、民間人を、あるいは民間の知識を入れていくという観点もあっていいんではないかなというふうに思います。
 既に、例えば郵政公社では民間人のトップが内定しているわけでありますけれども、この独立行政法人のトップの任命は大臣が行うわけですから、そういう観点も踏まえて新たな独立行政法人に、全員をということではないかもしれません、あるいは適切な人は幅広く求めなければいけないと思いますけれども、必ずしもすべての適切な人が国家公務員だということには、独立行政法人化するという観点からすると果たしてそうなのかなというふうに思いますが、大臣はその新たな九法人、できる九法人について、そのトップについてどのような思想でそのトップを任命していかれるのかと。
 当然、民間人も排除しないということなんでしょうけれども、排除しないけれども、結果として九人が全員元国家公務員になってしまうということもあり得るのかどうか、その点も含めてお答えいただければと思います。
○国務大臣(坂口力君) 当然のことながら、民間人の人も含めて最も適切な人を選ばなければならないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、今度の独立行政法人は自立をしてもらうわけでありますし、そしていわゆる経営能力というものも問われるわけでございますので、それに適しない人はこれはなっていただいても余り役に立たないのではないかというふうに思っております。したがいまして、そうしたことも考慮に入れながら適切な人を選ばなければならない。もちろん、今御指摘になりましたとおり、中には公務員出身の人もいるというふうに思いますけれども、しかし民間の人も優秀な人を登用するということは当然だというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 特殊法人の問題としてよくその子会社や子法人、子公益法人と言うんですか、特殊法人が出資している公益法人や株式会社があって、そこが更に孫下りというか、天下りの後にもう一回行く先になっているといったようなことも言われておりますが、今回の法案の対象となっております九特殊法人が現状出資している子会社、株式会社や公益法人というのは幾つありますでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) 労働福祉事業団が労災病院の売店施設の運営等を委託しております財団法人労働福祉共済会とそれから医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が、保健医療上の重要な研究に対する資金供給の事業の一環として、十五の株式会社に対して出資を行っております。合計二つでございます。
○浅尾慶一郎君 雇用・能力開発機構については、これはございますでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) ありません。
○浅尾慶一郎君 情報処理振興事業協会というところに出資をされておるというふうに伺っておりますが、そこに天下っておられる方が厚生労働省の方ではないということで外されておるのかもしれませんが、多分そこも入って、出資しているという観点からは入っているんではないかなと、こういうふうに思いますが。
 質問続けさせていただきますと、今度独立行政法人化になった後は、当然独立行政法人が判断するというようなお答えになるのかもしれませんが、こうした出資の状況について変化があるのかないのか、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 独立行政法人の場合には、その長になる人がすべて決めるわけでございますが、そこがまた出資をするかどうかということにつきましては、これからもう一度そこが独立行政法人ができましたときにどうするかということを決めることになるというふうに思いますけれども、しかしそうなったといたしましても、それを明確にやはり把握をしていくということは大事なことでございますので、国の方としても、いわゆる孫に当たりますけれども、そうしたところも明確に把握をしていきたいというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 現状、先ほどお答えいただいたものが出資されているということですけれども、労働福祉事業団の財団法人労働福祉共済会というのは、今お答えいただきましたように、共済病院における売店の運営というのは、果たして本当に労働福祉事業団がやらなきゃいけないものなのかなというふうに思うわけであります。それが独立行政法人になっても、独立行政法人ですから、更にその裁量、逆に裁量の幅が広がるとなれば、自分の、確かに労災病院の売店というのは経営的には安定している売店だというふうに思いますから、逆に言えば持っておきたいような種類の事業だというふうに思われるかもしれませんが、そういうものについて、本当に独立行政法人の趣旨にのっとっているのかどうかということは是非御検討をいただきたいというふうに思います。
 逆に、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が出資しているところについては、これはあれですか、ちょっと伺わさせていただきたいのは、本来の業務にのっとった出資であって、いわゆる子会社、孫会社を作る趣旨ではないというふうに理解しておりますが、そうした理解でよろしいでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) そのとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 そういたしますと、今申し上げました労災病院の部分については、今度できます独立行政法人のトップが考えるということなのかもしれませんが、そこについてやはりいかがなものかなと思われる部分もあるので、その点について大臣の所見を伺えればと思います。
○国務大臣(坂口力君) 労災病院につきましては、労災病院の在り方そのものを考えなければいけないわけでございまして、今三十七あると思いますが、その中で残すべきもの、あるいは統廃合すべきもの、廃止すべきもの、そうしたものをこれからやる予定にいたしております。そうした中で、今後すべてのことを考えていきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 売店等は本当に民間でできる業務でありますから、できるだけ民間に任せてしまうのがいいんではないかなと、こんなふうに思います。
 それから、独立行政法人の事業実績については独立行政法人評価委員会が評価することとなっているわけでありますが、現状の委員の方、平成十四年四月一日の委員の方の名簿をいただいておりますが、これを見ますと、現状では大学の先生が圧倒的に多い、監査法人の方も若干いますけれども、ほとんど大学の先生だというふうに思います。
 先ほど来お話にありますように、もちろん大学の先生は立派な方ですから、いられて構わないと思いますが、その利用者の観点というのが果たして本当に反映されるのかな、あるいは先ほど来話に出ております経営の感覚というのが反映されるのかなというふうに思いますので、この評価委員会の中に、今後、企業の経営者や、あるいは利用者として消費者や働く人の代表といった方も入っていただくべきではないかなと思いますが、その点についていかが思われますか。
○副大臣(木村義雄君) 委員会の構成につきましては、もちろん言うまでもなく適正な評価がなされる人選が必要だと考えているところでございまして、今後独法化が予定されている法人の業務内容に応じまして、適正な評価が実施できるよう、先生がおっしゃられたように、経営や会計等の実務者を加えた幅の広い委員会構成、委員構成にしてまいりたいと、このように考えてございます。
○浅尾慶一郎君 独立行政法人化に伴ってどういった合理化効果とサービスの向上が見込まれるのかという、これは両方、車の両輪ですから両方やらなきゃいけないと思いますが、その点について、厚生労働省の統合を例に合理化効果とサービスの向上ということについても伺ってまいりましたし、特殊法人の合理化効果についてもお伺いをしてまいりました。
 数字の上では、少なくとも合理化効果の方については必ずしも十分な効果を上げていないと。先ほど大臣御自身が、厚生労働省の合理化について、数字はなかなか点数は付けられないというふうにおっしゃったわけでありますけれども、私はなかなか、これは十分な合理化という観点からは点数が上げられないんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、今後、行財政の合理化という観点に、大臣として、まず独立行政法人の合理化を目標の中でどのように指示していくのか、それから御自身の所管される厚生労働省の合理化にどのように取り組まれるのか、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省の所管をいたしております分野におきましても、やはり合理化すべきものは合理化をし、無駄を省かなければならないというふうに思っております。
 例えば、医療にいたしましても年金にいたしましても、これは利用する皆さん方にも御負担をいただくということをお願いをしなきゃならないわけでございますので、厚生労働省自身、やはりスリムにするべきところは一日も早くスリムにしなければならないというふうに思っております。
 とりわけ社会保険庁の問題等につきまして今議論を重ねているところでございまして、そしてできるだけ機械化等によりまして人員削減のできるところはしたいというふうに思っているところでございます。
 また、今回できます独立行政法人につきましても一つ目標の中に厳しく経営的な側面も織り込みまして、そして合理化に努めるようにしていきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 合理化をして節約すべきところはきちんと節約をして、本当に必要なところにはきちんと予算の手当てをしていくというのがサービスの向上につながることだと思います。
 その観点で、最後に雇用対策関係の予算について伺っていきたいと思いますが、今日の新聞によりますと、雇用保険料の引上げが見送りになると。ただし、その代替財源が補正に盛り込まれていないというふうに出ておりますが、私は、今、大臣が正におっしゃった、節約をした上で、もちろん規模が違うというふうに言われるかもしれませんが、しかし精神としては、少なくとも節約をした上で雇用保険の財源が足りないんであればそこは一般財源から十分にその雇用保険に投入をしていくべきじゃないかなと、こういうふうに思います。
 大臣御自身も、保険料を上げられないんなら一般財源で埋めてもらうしかないというふうにおっしゃっておるわけでありますから、その点について、一般財源で来年度予算手当てができるかどうか、手当てをしていくべきだというふうに思いますが、大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 非常に微妙な段階に来ておりますのでお答えをしにくい段階でございますけれども、雇用保険につきましては、今年も〇・二上げさしていただいたところでございますし、そして来年度の分を考えますと、やはり〇・二%分まだ更に予算が必要になる、そこを行わないと途中で財源が不足をするということが起こりかねない事態でございます。
 そういう状況を踏まえまして、雇用保険料でお願いをできないということもあり得るわけでございますから、できなければそこは一般財源の中からお願いをする以外にないわけでございます。中には、もっと雇用保険の内容を吟味をして、もっと掛からないようにしてはどうかという御意見もあるようでございますけれども、現在の段階でもうこれ以上切り込むことはできない、私はそう思っておりまして、そういたしますと一般財源にお願いする以外にないと思っている次第でございます。
○浅尾慶一郎君 終わります。
○堀利和君 民主党・新緑風会の堀利和でございます。
 個別の二つの法案を取り上げさせていただきます。
 まず、国立重度知的障害者総合施設のぞみ園の法案につきまして取り上げさしていただきます。
 通称高崎コロニーとも言っておりますけれども、この施設の入所者が五百十二人おりますけれども、このうち、平均の在所年数、最長の在所年数、また、近年におきましては入退所状況、退所者の退所先の内訳なり割合、自宅であったり他の施設であったり病院、亡くなられる方もいらっしゃると思いますけれども、この数字をまずお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(上田茂君) 国立コロニーのぞみの園が昭和四十六年に開設して以来、延べ入所者数は六百八十九名、延べ退所者数は百七十七名であります。本年十月一日現在の入所者数は五百十二名でありますが、その入所者の平均在所年数は二十七年三か月でありまして、また最長在所年数は三十一年五か月となっております。
 また、近年の入退所者の状況につきましては、平成八年度からの新規入所者数は十六名であります。このうち、平成十一年度以降におきましては、国立コロニーの在り方に関する検討会報告書、この趣旨を踏まえまして、特に支援の必要性が高い重度の知的障害者に入所対象者の重点化を行った結果、新規に入所した方は一名となっております。
 また、平成八年度から現在までの退所者数は延べ二十五名でありまして、その内訳は、家庭に復帰した方が四名、他の施設に入所した方が二名、心不全や悪性新生物などが原因で死亡された方が十九名となっております。
 このように、近年は入所者数が減少する一方で、退所者の退所理由としまして死亡によるものが多い状況にございます。
○堀利和君 そこで大臣にお伺いしたいと思いますけれども、宮城県福祉事業団が運営しております宮城県船形コロニー、定員数は四百八十五名ですから同じような施設なんですが、去る二十三日にこの事業団がこの船形コロニーを廃止すると、皆さんを地域生活に移行させるということを決定したわけですけれども、ノーマライゼーション、地域で自立生活するという観点からいいましても、この決定というのは私は大変高く評価したいんですけれども、大臣はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
○国務大臣(坂口力君) 私はこの宮城県のコロニーの実情というものを十分に存じているわけではございませんが、一般論として申し上げれば、やはりコロニーとして一か所の施設に障害者の皆さんにお入りいただいているよりも、地域に、家庭にやはりお帰りいただける可能性のある人はお帰りをいただくと、そしてそれぞれの地域でともに生活をしていただけるようになるのが、これは望ましいことというふうに思っております。
 ただ、問題は重度の方でございます。本当に重度の障害のある方、それから、いわゆる重複障害と申しますか、幾つもの障害をお持ちになっているといったような皆さんの場合に、果たして家族がそれを引き受けることができるかどうかといったような問題はございますから、そうしたことに対しましては、これは十分配慮をして今後検討をしていかなければいけないというふうに思っておりますが、お帰りになって生活のできる能力のある方は、これはできる限りやはりお帰りをいただいて、ともに生活をしていただけるような状況にするのが私は望ましいというふうに思っております。
○堀利和君 大変現実は厳しいものがあるということはもう大臣も私も同感でございまして、ただ、できる限り、大臣も言われたように、地域、家庭で生活し、そして施設でも、やはりできる限り小規模の中での、地域に根差した生活をやっていかなきゃいかぬなと思っているところです。
 そこで、今後、こののぞみ園をどうしていくのかということについて、単に独立行政法人という経営形態を変えて済むということではないと思いますが、この将来像について、今後どうするかについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上田茂君) 近年の知的障害者福祉施策におきましては、施設入所者の地域生活への移行を積極的に推進することが求められております。
 また、地域生活への移行を進めるためには効果的な施設ケアですとか、あるいは障害特性を踏まえたケアプログラムが必要と思われますが、これらについてはいまだ確立されていない状況にございます。
 このため、国立コロニーのぞみの園におきましては、重度の知的障害者について、施設から地域への移行を進めるための効果的な支援モデルの開発普及、あるいは同種の施設において対応が困難な事例の援助、あるいは質の高いケアを提供するために必要な人材の育成等の取組を積極的に行うこととしております。
○堀利和君 のぞみ園のほかにも全国に同じようなコロニーが十九か所ございますけれども、やはり重度だから仕方がないと言ってしまったら何も進まないわけですから、現実の厳しさは厳しさとして私も承知しているつもりです。しかし、そこはやはり思い切った対策を、施策を組んで、当たり前の生活ができるような、重度であってもできるような形を取っていただきたいことを強く要請しておきたいと思います。
 次に、高齢・障害者雇用支援機構法案について伺います。
 まず、その前に、障害者雇用促進法におきましては法定雇用率というのがございます。一九六〇年に身体障害者雇用促進法ができましてから、これは努力規定で始まったわけですが、七六年、昭和五十一年に雇用義務化されました。このときに納付金制度が導入されたわけですけれども、この際の法定雇用率、現在は一・八%ですが、この計算式は分母が労働者総数そして分子が障害者の労働者総数ということでの分数での計算になって、それが現在一・八%ということですけれども、一・八ちょっきりということはないと思いますので、小数点二けたのところまでお教え願いたいと存じますが。
○政府参考人(太田俊明君) 障害者の法定雇用率につきましてのお尋ねでございますが、今、先生お話ございましたように、障害者雇用促進法におきまして、我が国の労働者に占める身体障害者と知的障害者の割合を基準として設定して、政令で定めているものでございます。
 お尋ねの現在の法定雇用率は平成九年に定められたものでございますけれども、その当時の計算では計算式で計算しますと一・八九であったために、法定雇用率を一・八と定めているものでございます。
○堀利和君 計算したら一・八九、これが一・八というのは、常識的に考えて私は一・九に近いんだと思うんですよね。
 一・八九を一・八にするということ。法律条文を見ますと、何か所かに端数切捨てとあります。この端数切捨てという考え方、このような数値を設定することについては、これは厚生労働省の法律に対してのこういう政令で定めるときの方針なのか、これは国としての、政府の方針なのか、これはどういうことで決まってくるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 今のお話の一・八%の法定雇用率でございますけれども、これは平成九年度に設定されたものでございますけれども、このときの状況をちょっとお話し申し上げますと、このときは知的障害者が新たに雇用率算定の対象となったときでございまして、一・六%から〇・二%引き上げまして一・八%に引き上げられたときでございます。
 この見直しは知的障害者につきまして新たに事業主に対しまして雇入れ義務を課すものであったところから、当時の障害者雇用審議会、これは労働者、使用者、それから学識経験者、それから障害者の代表も入っていただいて四者構成でございますけれども、その意見書におきまして、事業主の様々な負担を考慮してその負担が過度にならないようにすること等に留意する必要があると、こういう指摘を受けておりまして、こういう審議会の意見を踏まえまして、厚生労働省としまして、事業主に過剰な負担とならないように端数について切捨てを行ったということでございまして、厚生労働省の判断でございますけれども、その設定自体は政令でございますので、閣議において政府としての決定としているものでございます。
○堀利和君 確かに、この一・八%とする際に、知的障害者を法定雇用に入れたわけですからこういう計算をされたということで、障害者の参加も得た、理解が得た上でのというようなニュアンスなんですけれども、私は、そうはいいましても、一・八九を一・八でいいというふうにはどうしても常識的には思えないんですね。その理由が事業者の過度な負担を避けるということなんですね。過度な負担を避けるといいましても一・八九を一・八、これはやはり私は納得できないわけです。
 そういう意味で、適用される事業者に過度な負担を掛けないということからいいますと、これ話を少し変えてしまいますけれども、先日の審議の中で児童扶養手当の五年という問題がありました。経済的自立の平均が五・五六年と。これを丸めてというか約といいますか、五年ということにしているわけですけれども、むしろ相手の負担ということを考えた場合に、この場合は、児童扶養手当では受給者の生活ですけれども、考えれば、五・五六年を本来なら六年にすべきなんですね、負担ということを考えた場合に。これを逆に五年にするという、過度な負担を、生活苦を押し付けてしまうということがあるわけですよ。
 今の理由は、事業者の負担を過度にさせないから一・八九を一・八だと言いながら児童扶養手当は五・五六年を五年にするという、これは私は一貫性がないと思うんですよ。私は、そういう意味で、どちらが正しいとか正しくないというよりも、一貫性を持ってこの数値というものを決めていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、この法定雇用率を算定して、これは事業主に対して一・八%雇いなさい、障害者を雇いなさいということですから、五十六人の規模以上の事業所はこれ適用されるわけですけれども、先ほど申し上げたように、この法定雇用率・納付金制度を導入した七六年、昭和五十一年において、この納付金制度の考え方、仕組みというものを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(太田俊明君) お尋ねの納付金制度の仕組みでございますけれども、これは、この制度は、身体障害者又は知的障害者の雇用に伴う経済的負担に着目いたしまして、そのアンバランスを調整すると、雇っているところと雇っていないところでは経済的負担が違うということでそのアンバランスを調整するということで、経済的側面から事業主の障害者の雇用に関する社会連帯責任の履行を求めようと、こういう制度でございます。
 具体的な仕組みとしましては、障害者雇用率制度に基づきまして、雇用義務を果たしていない事業主から納付金を徴収いたしまして、これを原資としまして雇用義務数を超えて障害者を雇用する事業主に対しまして調整金を支給することによりまして、その経済的負担の平等化を図るというものでございます。さらに、これに加えまして、障害者を雇用するために作業施設でございますとか設備の設置等を行う事業主に対しまして助成金を支給いたしまして、障害者の雇用を容易にするというような仕組みもございまして、全体として障害者の雇用水準を引き上げようと、こういう制度でございます。
○堀利和君 簡潔に御説明いただいたわけですけれども、引き続いて納付金制度のところでお聞きしますけれども、この納付金一人当たり月五万円というふうになっておりますけれども、先ほど言われたように経済的負担とありますけれども、この納付金一人当たり月五万円と、これはもう少し詳しいところでの御説明をお願いしたいと思うんですが。
○政府参考人(太田俊明君) 納付金一人当たりの月五万円でございますけれども、まず納付金の額につきましては、雇用率が一・八%に達するまで障害者を雇用するとした場合に、一人につき通常必要とされる一か月当たりの特別に必要とされる費用、この額の平均額を基準として定められることとしております。一・八%に達するまで雇用すると、例えば設備が要るとかそのための特別の費用が掛かるということでございまして、それが五万円掛かるということでございます。
 これにつきましては、五年ごとにその特別費用、どのぐらい掛かるかという実態調査を実施しまして、それを踏まえて設定しておりまして、現在納付金の額は平成八年度に実施しました実態調査を踏まえて設定されております。この納付金の額につきましては五年ごとに見直しを行っておりまして、今年度はその五年置きの見直しの年でございまして、今年度中を目途に審議会の審議を経て新たな納付金の額を定めると、こういうことにしているところでございます。
○堀利和君 一九六〇年に初めて身体障害者雇用促進法が制定されるわけです。五五年にILO勧告を受けて制定されて、しばらくの間は努力規定で来まして、先ほど申し上げたように、七六年、昭和五十一年に義務化されるわけです。その後、八七年でしたか、「身体」を外してといいますか、「身体」だけでなくて「知的」、そして今後近い将来「精神」も含めてということで障害者全体の法体系に発展してくるわけですから、私はそれなりにこの四十年間というものは評価するんですね。
 ただ、評価するんですが、どうも今立ち止まって考えてみると、この法律は、先ほど部長も言われたように、事業主間の社会連帯に基づいて障害者を雇い入れる共同の責務というのが基本理念、政策目標なんですね。つまり、先ほどのお話のように、障害者を一人雇うと、一か月健常者を雇ったよりも更に五万円経済的に負担が掛かるんだという考え方で、そうなると、企業間の自由競争の下で障害者を雇った事業主、企業の負担と、雇わない企業の負担のない、これは不公平、不公正な競争になるので、雇った者と雇わない者との調整をして、言うなれば公正、平等、公平な経済競争をしましょうということに基づいて調整をしようではないかということなんですね。それが社会連帯であり事業主間の共同責務ということになるわけです。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 ですから、そこで私は、これまでの政策目標あるいは施策をするに当たっては、先ほど言いましたように一定評価はしますけれども、どうもそこが私にとっては、限界なのではないか、この制度にもう一度基本的なところにメスを入れるべき時期に来ているんではないかなという、それがどういうふうにしたらいいかということは、私にもまだ結論は分かりませんけれども、どうしても雇った企業、事業主と雇わない事業主、企業とのあくまでもそこの調整ということで、私は、本来一事業所、一企業が障害者を雇う直接的な意味での社会的責任というのを負うべきで、企業全体でその負担を分け合おうというようなところで何かちょっとそこをすり抜けてしまうようなことを感じるわけですね。そういう意味で、私は、基本的なところをそろそろ見直すといいますか、検討すべき時期に来ているんではないかということをここで申し上げておきたいと思います。
 そこで、具体的には、三百人規模以上の法定雇用率未達成の事業所から納付金を納付させるといいますか、納付金を上げさせるわけですけれども、五十六人、一・八%の事業所から雇用義務があり納付金制度があるんですが、三百人以下の中小企業については、そこは大変だということで免除されておりますから、三百人規模以上の事業所から、企業から納付金を徴収するわけですけれども、この納付金が今後どの程度納付されてくるのかということで、言うなれば雇用促進協会の助成制度等の事業運営に大きく左右されるわけですけれども、この納付金の納付の状況、見通しで安定的な運営、政策助成事業が行えるのかどうか、この辺の中長期的な見通しはどのように考えていますでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 納付金制度の見通しということでございますけれども、先生今お話があったように、納付金につきましては、障害者の雇用が進みまして、例えば法定雇用率未達成企業が減少していく、実際の雇用率が上がっていくということになりますと、これは制度的に収入が少なくなる、こういう仕組みが組み込まれているわけでございます。
 これは、実雇用率が上昇することによりまして納付金の財源は減少するということで、この協会なりあるいはこの新独法の財源というのは減少していくわけでございますけれども、これはむしろ財源が減少していくということは障害者の雇用が促進されていくということでございまして、私どもとしてはむしろ望ましい方向に動いているんではないかと考えておりまして、そういう意味でも、政府としても雇用率達成指導に引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 今お話し申しましたように、この納付金の制度そのものは経済的負担を調整する仕組みでございますので、納付金が減少するとその調整する調整金の方も減少するわけでございますけれども、一方で国は障害者に対する職業リハビリテーションに対しまして国から直接交付金を支出しているわけでございます。納付金ではなくて国が交付金を措置しておりますので、引き続き、こういう場合でもニーズに応じて実施することは十分可能ではないかと考えております。
○堀利和君 雇用が進めば納付金が当然納付されない、そうしますと促進協会の事業など含めた運営がなくなるというか、不安定になるんですね。これは将来、仮に一・八%を超えて雇用されていくと協会はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 法定雇用率が達成されまして障害者の雇用が十分進んだという限りにおきましては、経済的負担を調整する仕組みの納付金制度そのものは必要なくなってまいりますので、その限りでは協会の事業というのは必要なくなってくる、そうしますとその部分の組織は必要なくなる、要らなくなるということだと思います。
 ただ、その時点においても、やはり障害者のための、職業に就くための職業リハビリテーションが必要であるというような場合には、それはむしろ納付金会計でなくて国からの会計の支出によってそういうことがどうしても必要だとなれば事業は続け、そのための組織は必要になるということではないかと思っております。
○堀利和君 これは協会なくならないんですよね。シーソーやっているんです、いつまでも。つまり、雇わないから納付金が上がってくる、その納付金を使って様々な助成、支援をする。雇用が上がってくる、納付金が減る。これはいつもこうやっていますから永遠に続くんですね。
 そういうこともありまして、じゃ直近の平成十三年度の促進協会の収入について、大枠教えていただけますか。
○政府参考人(太田俊明君) 協会の予算でございますけれども、納付金とそれから国の一般会計と特別会計と分けて申し上げたいと思いますけれども、まず納付金を原資とした予算が二百二十七億円でございまして、これは今申し上げました障害者の雇用の調整金でございますとか、障害者雇用のための設備等の助成金の支給等の業務に使われております。
 それから、国からの一般会計の予算が十四億円でございまして、これは障害者の職業能力開発校の運営でございますとか、国からの委託事業でございます障害者の雇用機会創出事業、いわゆるトライアル雇用の事業等に支出されております。
 それから、国の特別会計からの予算が百十三億円でございまして、これは障害者の職業リハビリテーションの実施等のための予算として支出されているものでございます。
○堀利和君 収入のところ、私の手元にある数字ですと、平成十三年度決算のところを見ますと、納付金が、前年度といいますか繰越しということでの剰余金が二百七十七億円あるんですね。つまり、これはどういうことかというと、簡単に言えば、毎年納付金が四、五十億たまっていくんですよね。たまって残された剰余金が昨年で二百七十七億円、それから昨年の納付金特別収入が二百四十五億円、合わせて五百二十三億円ということになっているんですね、納付金関係の特別会計だけで。
 私の方でもう少し申し上げれば、この三年間の決算の収入の特別会計の納付金を見ますと、大体毎年二百四十から二百五十億円上がってくるんです。そこで支出金として助成金、助成制度を使っているのが大体百五十億ぐらいで、役職員給与だとか業務委託費等で大体百九十億円ぐらいなんですね。
 今言いましたように、毎年残されるのが、四十から五十億残るんです。もう今年辺り三百億を超えているんですね。ためて何かするんでしょうかねと思いながら、非常にこれ分かりにくいといいますか、さっき言いましたように、シーソーをいつもやっているんですね。
 確かに、過去を見ますと、たまり過ぎると大盤振る舞いで助成して雇用を進めようということでやるんですが、足りなくなると、赤字になりそうになると、さあどうしようかということで、これは非常によくない言い方ですけれども、雇用率を上げなきゃいけないかなとか、いろいろ考え始めるんですが、どうも本当に障害者を雇用する民間に対しての責任、責務を行うべきところが、こういった制度が調整するというところにどうも落ち込んでしまっているのではないのかなというふうなことを特に懸念するわけです。
 そこで、私はこの法律の中で、具体的に雇用を進めるために、話が少し変わりますけれども、法第十六条に、障害者を雇わない事業所に対して計画を作りなさいと指導をして、それでもしなければ勧告を出して、勧告にも応じなければ企業名を公表しますよというものがあるわけですね、措置が。これは一度やりましたけれども、このことについての成果を簡単にお聞かせください。
○政府参考人(太田俊明君) 今、先生からお話のございました法律に基づく企業名の公表でございますけれども、これは平成三年度に四社公表しているところでございます。これらの四社の障害者雇用状況ですが、公表後は改善いたしまして、五年以内に四社とも法定雇用率を達成したという状況がございます。
 平成四年度以降につきましても、法に基づいた手続によりまして、企業名公表を前提とした雇用率達成指導を引き続き行っているところでございますが、こうした達成指導の期間におきまして対象企業の障害者雇用に一定の改善が見られているということで、企業名公表には至っていないという状況がございます。
 なお、本年七月には雇用率達成指導の対象となります企業の選出基準を引き上げたところでもございますので、今後は一層積極的に企業名公表を前提としました雇用率達成指導に取り組んでまいりたいと考えております。
○堀利和君 終わります。
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。
 私どもは、与党としてこの法案を政府と一体となりまして進めている立場から押さえておき、また国民の皆さん方にもやはりこの改革というものがどういう意義を持ち、どういう仕組みで行くのかということをやっぱり知ってほしいと、そんな思いを込めながら質問をさせていただきたいと思います。
 特殊法人改革という問題が小泉内閣の一つの大きなスローガンとして掲げられました。総理、早々に、昨年の六月、特殊法人改革基本法が成立をいたしました。昨年十二月、特殊法人整理合理化計画が閣議決定され国会に提出された、内閣総理大臣よりそういう報告があったわけであります。その後、例えば、さきの通常国会におきましては、絶対に今までは掛け声であってできっこないだろうと言われた石油公団等の廃止、あるいは今回も住宅金融公庫の民営化の問題等々を含めて四十六本のいわゆる改革関連法案が提出をされたと。
 考えてみると、私は、日本のこの行政改革の中で大きな柱が、大きな一つの改革のスタートが今切られたんだと。しかし、受け止める国民の側の方では、あるいはメディア等におきましても、依然として、言うなればこれは看板替えただけじゃないのかと、何がどう変わるのかということの細かなひとつ理解というものがなされていない。もっと端的に言えば、仏作って魂入れずというような感じがある面では流れている危惧を私は持つわけであります。
 そういう点で、与党の一人として私は大臣並びに両副大臣にお聞きをしたいわけでありますけれども、厚生労働省が今回提案している四十六本のうち九本というのは、国民生活にとってあるいは雇用にとって大変密着をした、そういう一つの改革である、こういうことから考えてまいりますと、今回の特殊法人改革については従来の改革よりもしっかり踏み込んだものであるべきだと考えるんですけれども、どういうふうに違っておるのか、この辺についてまず大臣から御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この特殊法人改革につきましては、もう過去にも何度も何度も議論をされたところでございます。
 少しさかのぼりますと、昭和五十八年でございましたか、臨調におきまして特殊法人の改正を行うということが言われました。そのときには、個々の法人でございましたけれども、検討をされまして幾つか改正されたことがございます。それからこちらへ、もう平成になりましてから、平成の七年からこちらへ、数えましても閣議決定だけで八回行われているわけでございます。したがいまして、今、先生がおっしゃったように、掛け声は何度も掛かったんですけれども、しかし思ったように進んでこなかったというのが今日までの経過ではなかったかというふうに思っております。
 今回、いろいろな見方はありますけれども、しかしゼロベースからすべての特殊法人を見直したということは事実でございますし、そしてその個々のそれぞれを検討をして、そして民営化するものは民営化をする、そして独立行政法人なら独立行政法人に入れるものは入れるというふうにして、すべての見直しをゼロベースから行った。そして、今申しましたような組織形態も、民営化でありますとか独立行政法人でありますとか、そうした見直しを行った。ここは今まで何度も何度も閣議決定が行われて、そして、掛け声はありましたけれども、全体を見直すというところまでは至らなかったわけでございますが、今回初めて全体の見直しに着手された。そして、それを組織形態を変更をして今日を迎えたというところは今までと私は大きく違う、そういうふうに認識をいたしております。
○中島眞人君 オオカミ少年という言葉がございますけれども、今、大臣がくしくも八回の閣議を開いたと、開くたびに一つの改革を進めていくと、しかし、いろいろな抵抗に遭ったり、いろいろな事情にあってそのことが進んでこなかったと、しかし今回は違うんだと、今回はゼロベースから、いわゆる徹底的にたたいて、そして行くんだと、こういう大臣の所信が述べられたわけでありますけれども、そうなってくると、独立行政法人化のメリットというものを、こういうプロセスの中で、いわゆる国民の期待にこたえられるように、あるいは行政改革の一環として大きな役割を果たすことができるんですよという、そういうメリットを、メリットというか、言うなれば一つの目標値、これはこういうふうな形で行くんだというのを国民に対して私は強いメッセージをやっぱり送るべきではなかろうか。特に、厚生労働省が抱えている九本の法案というのは国民生活に直接かつ密接にかかわっているものでございますから、先ほど言ったように、看板だけ替えたんじゃないと、言うなればこういうメリットがあるんですと、そういう点に踏み込んだ御発言を、大臣、もうしばらく、ひとつ御説明をいただきたい。
○国務大臣(坂口力君) この特殊法人ができましたときに、どういう趣旨で特殊法人ができたのかということを聞いてみますと、これは企業経営になじむもの、企業的な経営になじむものを特殊法人にしたということだそうでございますが、しかし、時代の変遷とともに、現在から見ますと必ずしもそうではないというふうに内容がもう変わってきているものもあるわけでございます。その当時は企業的経営になじむものということでしたんでしょうけれども、しかし環境がかなり変わってきておりまして、それぞれの持っております立場も変わってきたものもあるわけでございます。
 そうした中で今回のこの特殊法人の見直しが行われたわけでございますが、今回の見直しは、必ずしも企業的経営になじむものというような分け方ではなくて、公的な部門として実施してもよいような仕事についても独立行政法人という形でひとつ出発をさせる。だから、必ずしも、ですからここは公的な部門でやらなきゃならないと、しかし公的な部門でやらなければならない部分もその中には含まれているけれども、ここは自立をしてやはりやってもらうというふうにした方が効率的であるといったものも、今回は独立行政法人という形でスタートさせていただいたということだと思うんです。
 したがいまして、これはもう企業会計も取り入れますよ、情報公開もいたしますよ、あるいはまた経営責任も問いますよ、それから外部評価もいたしますよ、こうした非常に透明性を高めて、そして自立をしていただく。今までの特殊法人は、これは企業的経営に適しているものというので手を放そうとしたんですけれども、なかなか手が放れなかった。この特殊法人の方も親の手を握って放さなかったということがある。親の方もすぱっとよく手を放さなかった。今回は、これは手を放しますと、目は離しませんけれども手は放しますということにしてこの独立行政法人というものを位置付けたということだというふうに私は理解をいたしております。
 多少俗っぽい言葉で言い過ぎた嫌いはございますけれども、そうした意味、しかし独立行政法人には責任を持って経営責任を持っていただく、透明性を高めていただく、そうしたことを明確にして今後おやりをいただくということにしたのがこの違いでないかというふうに思っておりまして、その違いこそこの独立行政法人の目的ではないかと思っている次第でございます。
○中島眞人君 大臣の並々ならぬ決意が伺えるわけです。言うなれば、単なる器の見直しだけじゃないと。独立行政法人が行う事業については経済社会情勢の変化や行政ニーズの変化に的確に対応し、情報公開をし、あるいは責任性も問うていくんだと、こういう御発言、私はやっぱりこのことを言い続けて国民の皆さん方に理解を求めていかなければいけないと思うんです。
 そういう点で、独立行政法人個々に今度は事業面と予算面の問題があります。
 木村、鴨下両大臣は、私も部会にしばしば出てまいりますけれども、それはそれは部会での御発言というのは厳しい御発言がございまして、もうともかくこんなものはつぶせと先頭に立って発言をしてきた方ですから、坂口厚生労働大臣を支える副大臣、両副大臣は格好な言わばスタッフがそろったなと、そういう点でひとつ大臣共々、要らないもの、不適合なもの、そして社会のニーズに合わないものは切り捨てていくと、そういう決意で副大臣も励んでもらいたいと思いますけれども。
 一面、事業の組立方と予算の執行という点については、従来はとかく親方日の丸でしたけれども、これらについてはどういうひとつ考え方を持っているのか、木村、鴨下両副大臣から、日ごろの大変厳しい御発言を、今度は政府ナンバーツーという立場から、大臣のさっき発言した内容を裏付けて御発言をいただきたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) ただいま中島先生からの大変御激励をいただきまして、誠に恐縮でございます。私も中島先生のことはいつも、大変にいつも適当な、本当に適当な、すばらしい場面でずばりずばりと御発言されてきた方でございまして、常日ごろから尊敬を申し上げたところでございます。
 今、先生から御指摘をいただいた点でございますけれども、例えばこの事業面におきましては融資というものがございますが、この融資も中には大変必要なものもあるのでございますけれども、その中でも実績が少なくて政策的な必要性が低下しているものは廃止いたします。また、真に政策上必要なもの、これに限定をしていこうと、このような見直しを行うと。それから、法人の保有をしております福祉施設、これは福祉施設というと何か格好はいいんですが、実際は保養所みたいなものでございますから、保養所とか会館とかそういうものでございますけれども、これは期限を明確にして積極的に廃止を進めてまいります。また、その他の業務につきましても、これは小泉総理の口癖と言っては失礼でございますけれども、よく言っておりますように、民間に任せられるものは民間に任せると、民間に委託可能なものについては積極的に民間への委託を進めてまいります。
 それで、先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、ゼロベースという観点から積極的な見直しを行ってまいりたいと、このように思っているところでありますし、また予算の面でございますけれども、九法人についての平成十五年度の予算要求はマイナスの三百七十億円でございまして、法人全体の中の一割近い財政支出の削減を、これを実現しているところでございます。
○副大臣(鴨下一郎君) ただいま木村副大臣が御答弁申し上げたとおりでございますけれども、私もある意味で民間でできるものは民間へ、そして更に言ってみれば必要のないものは期限を決めて徹底的に削減していく、こういうようなところで大臣を支えて木村副大臣と共々やってまいりたい、こんなように思っております。
○中島眞人君 是非そういうふうにしていただきたい。特殊法人でなくても、一般予算の中でも私は間々そういう面があったと思うんです。
 この間、成立した母子寡婦に対する貸付金の問題、私は地方議会の出身でございますけれども、一億円相当の山梨県辺りの母子寡婦貸付資金が不用額として一番出てくる。会計検査院で、決算委員会を見て、母子寡婦資金が、いわゆる貸付残高が一番多かったということが数年間続いていた。やっと今度いわゆる一つの改正の中でこれに取り組む姿勢が出てきて、そしていわゆる保証人の問題等も今までとは違った形で、子供さんが借りて母親がいわゆる保証人になってもいいんですという、そんなことははっきり言ってもっと先に考えられるべきであったものが言うなれば放置されてきた。
 やっと今度そういう形になってきたということは、いわゆる本省の予算もさることながら、特に行政法人の場合については、私は今、木村副大臣がおっしゃったような形、いわゆる金の大小じゃない、金の使い方、そしてそれが即座にそのニーズにこたえていく行き方というものが一番問われているんだということを是非ひとつ大臣と一体となって取り組んでいただきたいと心からお願い申し上げますけれども。
 さて、そこで役員報酬についても、私はお手盛りの役員報酬というのは間々あったんではないのかと。その役員報酬というものについて基本的にどういう切り込みをしていくのかという点について、これ、大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) 一応、新独法の役員の報酬等につきましては、新たにできる法人自身が定めることになっている、これは先ほども御答弁させていただいたところでございますけれども。本年三月に私ども国会議員の給料も一〇%下がりましたけれども、一応特殊法人等の役員の給料も一〇%下げたと、こういうような実績もあるようでございます。
 そして、もちろんこれからは適正な水準、これが担保されるようにしていかなきゃいけないわけでございますけれども、今後のこの独法におきましては、主務大臣が新独立行政法人の役員の報酬等の水準を国家公務員及び他の独立行政法人の役職員と比較できる形で分かりやすく公表するということにしておりまして、まず公表すると。こんなにもらっているのかとか、そういう批判をやっぱり受けていただくような、そういうような仕組みも取り入れまして、できるだけこの抑制に努めるという方向で考えてまいりたいと思っております。
○中島眞人君 私は、何でもかんでも報酬を下げろと言うんじゃないんです。率直に言って、私ども国会議員が昨年の四月から一〇%給与をカットしている。メディア等においてはそれでも高い、それでも国会議員を減らさせろと。面白半分のような形でもって私どもはやっぱり役員報酬の問題を論じてはいけないと。仕事をやって国民のニーズにこたえて、そしてその責務を負った方々に対しては私はそれなりに報酬をちゃんと出していくべきだと。
 だから、親方日の丸のような形の中で、それで従来の渡り鳥のような形で行く先々で退職金をもらって役員報酬は高いというような、そういうシステムそのものをいわゆるゼロから見直していくということが必要なんであって、そういう点ひとつ情報公開はまず必要なことだろうと思いますので、そういう点について十分ひとつ国民が納得するような形でこの問題にも取り組んでいただきたいと。
 特に、いわゆる一般労働者の賃金は下がる傾向にあります。公務員給与等についても、自治体の中でいわゆるこれを削減、カットしていこうという状況もある。あるいは国会議員のいわゆる歳費も下げていこうという時代の中で、何かぬくぬくとと言われるようなことが指摘されないように、是非ひとつこれに対応していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 次に、この九本の中で、若干横並びで論じてはいけないかなと思われる審査関連業務、安全対策業務の体制強化でございまして、具体的に言うならば独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案についてちょっと触れさせていただきたいと思います。
 さきの通常国会で成立した薬事法及び採血法の一部を改正する法律で、薬事法部門では医療機器にかかわる安全対策の抜本的な見直し、バイオ、ゲノムの世紀に対応した安全確保対策の充実、市販後安全対策の充実と承認・許可制度の見直しがそれぞれ制度化され、国際的な整合性や科学技術の進展、企業行動の多様化等、社会経済情勢の変化を踏まえた制度的枠組みが準備されたところであります。
 一方、これらの制度を着実に実施するには新たな制度的枠組みにしっかりと対応できる実施体制の確保が重要であると。
 そういう点からいくと、今般、従前の特殊法人等が廃止されることになりますが、独立行政法人制度が有する自立性、透明性の高い運営や行政、機に応じて柔軟に組織体制を整備できるという特徴を最大限に生かし、それぞれの行政分野の充実を図るべきであると考えます。
 そういう中で、医薬品、医療機器等については、より優れた製品が国民の手により早く届き、そして国民が安心感を持って使うことができるようにすることが行政の使命ですが、こういう点についてこの行政法人医薬品医療機器総合機構法案というものが持つ使命というのは私は大変大きなものだろうと。これに対する基本的な考え方をひとつお聞かせをいただきたいと、こんなふうに思います。
○副大臣(鴨下一郎君) 今、中島先生おっしゃっていた、言ってみれば時代的背景があって今回新法人が設立されていくわけでありますけれども、従来三機関で行われた業務を統合すると、こういうようなことだけではありませんで、むしろより安全な医薬品そして医療機器等を国民に早くしかも安全に提供していくと、こういうようなことが基本的な考えだというふうに私たちは考えております。
 その中で、具体的には、先生おっしゃっていたように、まず最初に審査関連業務でありますが、これはもう従来は特に治験前の相談が非常に長い期間掛かったと、こういうようなことを審査等の一環でやっていくというようなことで、できるだけ早く、しかも質の高い審査をやっていこうじゃないかと、こういうようなことでありまして、またもう一つは、生物由来製品や医療機器の審査についても、今までは必ずしも十分な組織と人員でやれていなかったという部分がございますので、そういう意味も含めて充実させていこうと、こういうようなことでございます。
 さらに、安全対策業務につきましては、これはもう年間に約三万件ぐらいの膨大な副作用等の報告データがございまして、それを疫学的に解析して、更に安全対策を重層化してやっていこうと、こういうようなことでございます。
 それから三番目に、健康被害救済業務については、従来から行っている業務については引き続き、言ってみれば着実に行っていく、更に新たに生物由来製品の感染等被害救済制度についても、これは様々な今までの貴重な経験を踏まえまして被害者の救済を迅速に図っていくと、こういうような趣旨で体制を整備していこうじゃないかと、こういうようなことでございます。
 さらに、四点目に、研究開発振興業務につきましては、実用化研究に重点を置き、国民の保健医療水準に寄与する医薬品、医療機器等の開発を促進すること、こういうような四つの大きな目的を持ってやっていくわけでありまして、このことは言ってみれば国と新法人が協力し、より有効でより安全な医薬品、そして医療機器等をより早く確実に提供していくと、こういうようなことで今回新法人としてやっていこうじゃないかと、こういうようなことでございます。
○中島眞人君 時間が参りましたからはしょっていきますけれども、私は今回の九本の中で、国民生活、特に命という問題にかかわる問題がこの法人だろうというふうに思うんです。ですから、私ども委員会としては、特にこの医薬品等の問題について参考人をお呼びして意見をお聞きしようということを、今日、昼間、理事懇で確認をしたところでございますけれども、率直に言って、副作用から起こってくる一つの国民の悲劇、一方、従来の厚生省なんかは副作用がある面では克服するという努力よりは、副作用におびえ、おののいて、いわゆる新しい医薬品の開発という点について欧米先進国に非常に遅れているという、もっと端的に言えば、日本の製薬会社が作るのはビタミン剤だけだ、それでもうかっているんだなんという悪口、私が言っているんじゃないですよ、悪口言う人もおります。
 そういう、少なくとも医薬品から起こる被害の問題、これを克服するという一つの使命と同時に、やはり新しく対応していく薬というものを、新しい医薬品を作り出していく力、これは私は別々の問題じゃないと思うんです、両輪だと思うんです。現にC型肝炎の問題が大きな話題になっておる。C型肝炎の問題が今どの辺まで取り組まれているのか。アメリカでは新しいインターフェロンが、新しい新型が出ている、あるいはもう経口薬まで出てきている。こういう問題に対して日本は、いわゆる治験という問題からいわゆる発売に至るまでの間の時間が長い。しかし、それはもうアメリカではどんどん動いている、ヨーロッパでも動いていると。しかし、日本ではいつ来るんだろうか。肝硬変になる、あるいはがんになっては大変だと、そういう国民の不安というものがある。そういう片方では副作用の問題もある。
 これ、私は別々の問題でなくて両輪の一環として、やっぱり新しい行政法人がいわゆる国と一体化している中で開発をしていくという一つの大きな課題を背負っているんだというふうに思うんですけれども、その辺について御所見をお聞きし、私の質問を終わります。
○副大臣(鴨下一郎君) 今、委員おっしゃっているように、薬には作用があれば副作用もあるというようなことでございますし、また更に新しい薬、更に病気もどんどんいろんな病気が出てまいりますから、それにいち早く対応しないといけないわけでありまして、そういう意味で、先生おっしゃるように、言ってみれば薬の開発とそれからその副作用に対する対応というのは車の両輪でやっていかなければならないということは誠にそのとおりでありまして、今回の独立行政法人でもそういう意味で科学的な評価を言ってみれば完結した審査としてやっていく、それから副作用情報についてはあらゆる膨大な情報をきちんと掌握してそれを評価していくと。
 こういうようなことを含めてしっかりとやっていくというようなことでございますし、また国との役割分担においては承認に係る最終的な判断、それから薬事法に基づく回収命令や緊急安全性情報の発出指導、そして最終的な救済の判定、こういうようなことは従来どおり行政の問題としてしっかりと措置していくと、こういうようなことできちんと切り分けてまいりたいというように思っております。
○中島眞人君 ありがとうございます。
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 同僚議員、先輩議員が質問なさって、少し重複するところがあろうかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 さて、今回の特殊法人改革は、百六十三あるすべての特殊法人と認可法人の整理合理化を推進するもので、戦後最大の特殊法人改革と言われております。高度経済成長時代には、特殊法人等のシステムを使い、国の支援を受けながら民間だけでは提供することが困難な公共的サービスを行うため、特殊法人を作り、これらを効率的に遂行してまいりました。しかし、これらのシステムが長期にわたって続いた結果、既に民間で提供できるサービスでも税金に頼り、採算見込みもなく債務の返済計画が立たない法人等の事業を存続させるなど、多くの税金の無駄遣い、巨額の政府借入金の返済を滞らせるという、そういう弊害が大きな問題になってきたわけでございます。今日、それらを総点検し、民間の競争原理を導入し効果的サービスに転換していくというのが今回の改革だろうと思っております。
 提案されております九法人の改革を進めるに当たって、最終的に法人の組織、業務の全般にわたる検討及びその結果に基づく所要の措置を講じ、民営化、業務の改廃を進めなければならないとなっております。ただし、厚生労働省の政策は国民の生活に直結している社会保障にかかわる政策が多くて、大変難しいものがあります。
 坂口厚生労働大臣は、これら九法人に対して国の政策目的に照らして無駄を省くためにいかなる基本姿勢で臨まれるのでしょうか。さっきのまた重複になるかと思いますが、まずお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(坂口力君) この九法人にかかわらず無駄を省くということは何にも増して大事なことでございます。
 一つは、やはり制度そのものを変えていかなければならないものがある。厚生労働省全体の問題にいたしましても、それから独立行政法人の問題にいたしましても、制度そのものをやはり変えていかなければいけない点がまずあるというふうに思います。
 例えば年金でありますとか、医療保険でありますとか、雇用保険でありますとか、保険料を集めさせていただいておりますけれども、それはそれぞれみんなばらばらに集めさせていただいているわけで、これ別にばらばらでなくても一本で集めさせていただければもっと事務費は掛からないわけで、したがいましてそうした保険料の徴収の一元化というのを今検討している最中でございますが、こうした面において、まず一つは無駄を省いていくということが大事かというふうに思っております。独立行政法人におきましても、そうしたシステムを改革をすることによって変えるべきところはないか、よく検討をしていきたいというふうに思っています。
 それからもう一つは、システムはそのままにしておく方がいいんだけれども、長い間やっている間に知らず知らずの間に何となく無駄が生じてきているといったものもあるわけであります。それらもやはり見直していかなければいけない。長い間その職にありますと、そこが自分たちではなかなか見えなくなってきている、しかし外から見ると、おか目八目という言葉もございますけれども、外から見るとこれはやっぱり何とかした方がいいんじゃないのと、これはちょっとおかしいんじゃないというようなところもそれはあるわけでございますから、そうした問題につきましても、ひとつ個々に手を付けていく、たゆまざる見直しというのが必要ではないかというふうに思っている次第でありまして、御指摘のように見直しを行っていきたいと思っております。
○沢たまき君 独立行政法人化したとしても、それが即無駄の排除につながるとは言い切れないと思います。したがいまして、独立行政法人化したことで税金の無駄が排除されなければ何の意味もないわけであります。逆に、行政監察から外れることによってますます現状より不透明になるのではないかという危惧さえあります。したがって、そのようなことにならないような毅然とした対応が必要だと思います。
 平成十三年の十二月十八日に閣議決定された特殊法人等合理化計画において、今後特殊法人改革は、実施に当たって各法人所管省が責任を持って対応して、平成十四年度においても事業について講ずべき措置の具体化に取り組むとして見直しが進められてきておりますが、厚生労働省所管の特殊法人の見直すべきとされた事業の見直しの状況はいかがでしょうか、また見直し時期が決まっていない事業はどのようなものがあるのでしょうか、伺います。
○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のように、特殊法人等整理合理化計画において指摘された事項のうち、年限を区切って改革すべきとされた組織形態の見直しにつきましては、逐次今所要の措置を講じているところでありますし、ただその一方で、見直しの年限が区切られていないものの中に、先生の御質問の中にもございました、例えば一つは労働福祉事業団における労災病院の再編について、もう一つは雇用・能力開発機構における移転就職者用宿舎の廃止、この二点が挙げられるんではなかろうかというふうに思います。
 特に、移転就職者用宿舎は雇用促進住宅とも言われているわけでありまして、現在約十四万戸に三十数万人の方が居住しておりまして、そういう方々との言ってみれば調整がなかなか難しい部分がございます。ですから、そういうようなことも含めて専門家等と詳細に検討をして、できるだけ早い時期に見直しをしていきたいと、こういうふうに考えているわけでありますけれども、何分にもそういう意味で様々な方々との利害の調整をしなければいけないというようなことがあることを申し添えておきます。
○沢たまき君 独立行政法人制度が平成十三年四月に発足して一年半が経過いたしました。独立行政法人の制度は、国による事前関与、統制をやめ、事後チェック、事後評価に改め、評価委員会による評価や中期目標、中期計画の策定、財務諸表の公開を行うことによって評価の充実、透明性の確保を図っていこうというものであります。
 厚生労働省も独立行政法人国立健康・栄養研究所や独立行政法人産業安全研究所、また独立行政法人産業医学総合研究所、この三つの独立行政法人を所管をしておりますが、これらの機関が独立行政法人となったことによってどのような点が従来より改善されて、どのようなメリットが生じたとお考えでしょうか。また、移行後の期間が一年半ということですから、掌握されている範囲で結構ですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 独立行政法人制度につきましては、先生御指摘のとおり、事前の関与でありますとか統制を極力廃止いたしまして、事後チェック方式を取ることによりまして法人の弾力的な業務運営を通じまして、業務の効率化と成果の向上というものを図ることを基本としております。
 このような独立行政法人化のメリットについてお尋ねでございますけれども、三点ほど申し上げたいと思います。
 一つ目は、財務内容の改善の観点でございますけれども、新規に民間からの受託研究を受けようという、積極的に受けようという機運が出てまいりました。それから二点目でございますけれども、重点調査研究等を効率的に行うために組織横断的なプロジェクトチームを作る、それによって機動的な対応、弾力的な運用をするということも可能になったところでございます。さらに、研究施設を民間に貸与する、有償でございますけれども、貸与することなどを通じまして、研究レベルでの民間との連携は深まったと、こういったことがメリットの具体例として挙げられると考えられます。
○沢たまき君 特殊法人改革に際して、特殊法人の問題点として、経営責任の不明確性、事業運営の非効率性、不透明性、組織、業務の自己増殖性、経営の自立性の欠如などが厳しく指摘されておりますが、私は、これらの指摘を自ら克服するためには独立行政法人評価委員会の果たす役割が大変大きいんだろうと思います。
 先ほども浅尾さんが評価委員会の人選のことをおっしゃっていらっしゃいましたが、その果たす役割が大きいのでございますので、既に発足しております厚生労働省の独立行政法人評価委員会の現在の活動の状況、御報告いただければと思っております。
○政府参考人(水田邦雄君) 私どもといたしましても、独立行政法人の評価委員会の役割、極めて大きいものと考えております。
 当省の評価委員会におきましては、独立行政法人の設立を踏まえまして、昨年の三月に中期目標及び中期計画について審議をいたしますとともに、これらの法人の評価の際の基準というものを作成しております。
 これに加えまして、今年の六月から八月にかけまして厚生労働省で現在所管しております三つの法人につきまして、初年度である平成十三年度の業績評価につきまして評価の審議を重ねまして、その評価結果をこの九月の末に公表したところでございます。
○沢たまき君 付け加えて、私も、先ほど浅尾さんがおっしゃったように、先生方だけではなく、現場の人も入れていただければと再度要請しておきます。
 今度新たに独立行政法人に移行する八つにつきましては、中期計画の中で業務の改廃がどれだけ組み込まれたか、実効性の確保が重要であります。それと同時に、評価委員会の役割もまた重いものがあると思いますので、今回の改革に伴って国立病院を含め九つの独立行政法人が新たに誕生するわけですが、評価委員会はどのような影響を受けるんでしょうか。委員の数は増えるのでしょうか。独立行政法人の審査をそれぞれ行う分科会のようなものを設けるのでしょうか。さらに、事務局体制はどのように整備されるのでしょうか、伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘のとおり、今後設立を予定している独立行政法人が多数に上りますことから、まず評価委員会のお尋ねの委員数につきましてでございますが、現在、「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」という閣議決定に即しまして、そこで示されております原則どおり、定員二十名というふうに現在しておりますけれども、平成十五年度、来年度に向けましてこの計画で上限とされております三十名に増やすと、増員することを要求しております。
 また、必要に応じまして臨時委員や専門委員という仕組みもございますので、それらを十分に活用することもしなければならないと、このように考えております。
 さらに、この評価が効率的かつ効果的に行われるようにするために、各法人の業務内容に応じまして幾つかの区分をすることになろうかと思いますが、部会等を設置するということも検討していきたいと思っております。
 それから、評価を受ける側でございますけれども、事務局を含めた評価体制につきましては、この委員会は、権限といたしまして大臣に対して資料の提出あるいは説明というものを求めることができることとされておりますので、この求めに対しまして的確かつ十分に応じられる体制を独立行政法人それから厚生労働省において構築するという、そういうことを通じまして的確かつ厳正に評価ができるような体制を整備していきたいと、このように考えてございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。
 ちょっと時間があれなので、ちょっと飛ばさせていただきます。
 次に、福祉医療機構についてお伺いいたします。
 整理合理化計画によりますと、一つは社会福祉事業施設融資の見直し、それから一つには病院等の融資の見直しが示されておりますが、まず病院等の融資に関して伺わせていただきます。
 民間でできることはできるだけ民間にゆだねると、そういう原則の下に、融資対象事業を医療政策上本当に必要なものに限った上で、コストに応じた金利設定の導入を検討するなど、融資条件を適切に見直すと、こうなっております。
 厚生労働省はこの合理化計画に対してどう取り組まれるのか、伺わせていただきます。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生御指摘のように、合理化計画におきましては、民間でできることはできるだけ民間にゆだねるという原則の下で、融資対象事業を医療政策上真に必要なものに限った上で、融資の条件、金利ですとか期間ですとかあるいは融資限度額など、適切に見直すということを言われております。
 私どもも、それに沿いまして、平成十四年度行いました取組といたしましては、まず、短期資金の貸付けのうち、既存の医療機関の機械購入資金、そして運転資金の貸付けをやめました。廃止をいたしました。それから次に、長期資金の貸付けの中で、病床過剰地域において病床を減らさない、そういう整備の場合の優遇金利を見直しをいたしました。このような措置を十四年度既に講じたところでございます。
○沢たまき君 特に融資事業について、民間との協調融資についてはどうなるんですか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 私ども、事業団が行っております融資につきましては、長期の療養にふさわしい療養病床へ転換する場合ですとか、あるいは病床減を伴う老朽化した医療施設の近代化の整備をするとか、そういうものに限って医療政策上重要なものを融資を行っているわけでありますけれども、病院を建てるに当たりましては資金計画というのが非常に大事でございますので、事業団が中心になりまして、事業団の融資をする部分、それから民間の金融機関が融資をする部分、そして自己資金、それから国や県などの補助金等、そういうものを組み合わせてどのような資金計画を立てるかということにつきましては民間と、民間の金融機関と絶えず協調しながらそういう資金計画を作っているという状況でございます。
○沢たまき君 関連しまして、後日審査することになると思うんですが、国立病院・療養所について一問だけ伺わせていただきます。
 昨日の朝日新聞の記事によりますと、「国立病院・療養所が重点的に実施すべき医療に「小児救急」を盛り込む方向で検討を始めた。」と報道されております。
 国の政策医療は、平成十一年の国立病院・療養所の再編成計画の見直しにおいて十九分野に特定されることとなりました。その中で成育医療として位置付けられてきたわけですが、この成育医療の中には小児救急医療が入っておりません。
 なぜ小児救急医療が政策医療として位置付けられなかったのか、その理由と背景を伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所におきます政策医療の成育医療につきましては、実は明確には必ずしもなっておりませんが、小児医療自身は含まれるということになってございます。一方、救急医療につきましては、公的・民間医療機関を補完する第三次医療、これを国立病院・療養所が担うべき医療といたしております。
 このように、小児医療、それから三次の救急医療は国が担うべき政策医療としておりますが、一般的な小児医療につきましては地域における対応が主としてなされているわけでございますので、特に小児医療という切り口で国立病院・療養所が担うべき医療とはしてまいらなかったところでございますが、地域の実情に応じまして国立病院・療養所は小児救急医療に参加、協力してきたところでございます。
 以上でございます。
○沢たまき君 私は、やはり国でやっているところは大変少子化に伴って数少ないお子さん方がたらい回しにされて不幸な目に遭っているという報道がたくさんございますので、最初からずっとこの委員会に来させていただいたときから小児救急はもうとにかく一生懸命、国立はなおさらやっていただきたいというふうに思っていたんですが、これは当然、第三次の救急、小児医療は入っていたけれども救急はと、地域のとおっしゃいましたけれども、これは是非とも、今日の社会的背景からは当然政策医療に位置付けるべきだと思いますので、強く要望をさせていただきます。
 では、最後に一問だけもう一つさせていただきますが、この独立行政法人で特に国民の皆さんが特殊法人に対して最も厳しかったのが天下りの問題であります。
 天下りといっても、すべてを非難することはどうかとも思います。高い専門性を持ってその能力を発揮して貢献されることはあながち否定されることではないと思っております。しかし一方、国民から見れば、所管の省庁の特権であり、許せないという批判が出てくるのは当然だと思います。したがいまして、そのような特権の濫用の防止、あるいは特権意識を払拭すること、これはもう極めて大事だろうと思っているんですが、これについて評価委員会等で個々にきちんと評価する対象になるんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 独立行政法人の評価委員会におきましては、独立行政法人の業務の実績に着目してその評価を実施するということが求められているわけでございます。
 したがいまして、法人の役員の適格性等につきましては、今お尋ねでございましたけれども、当該役員の経歴ではなくて、専ら各法人の業務運営が適切かつ効率的になされているかどうかという観点から判断がなされ、必要に応じて意見を述べることとなりますので、独立行政法人評価委員会そのものの評価の対象にそういった経歴というものは入ってこないということでございます。
○沢たまき君 そうしますと、役員の人選はその代表が決める、その独立行政法人の長がその人選をすることになるわけですね。
○政府参考人(鈴木直和君) 役員の人選の問題でございますが、これは法律それから政府決定等でいろいろございますが、法律では、独立行政法人通則法の二十条の規定によりまして、長については主務大臣、それから理事等の役員については法人の長が任命することになっております。
 その際の考え方ですが、当該独立行政法人の行う事務及び事業に関し高度な知識及び経験を有する者や、当該事務及び事業を適正かつ効率的に運営することができる者のうちから任命するというふうにされております。
 それから、政府決定におきましては、「特殊法人等の役員の給与・退職金等について」という閣議決定がありまして、この中で在任年齢等について規定がありまして、原則六十五歳までというような取決めがございます。
 そういった通則法、それからそういった政府決定、そういったものに基づいて行われることになっております。
○沢たまき君 分かりました。
 しかし、国民の方に、せっかく改革をするのでありますので、国民の皆さんが納得をして、本当に合理化されたなという観点から是非お進めいただきたいということを御要望申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今、国民が期待する特殊法人改革というのは、まず第一に、無駄な部門は思い切って削減することだと。それから二番目には、国民生活にとって必要な事業というのは、これは公的な部門として一層拡充、改善を行うことだと思います。そして、大切なのは、直ちに天下りを禁止をして癒着構造にメスを入れることだと。これが我々が考えている三つの改革の方向である、これを今、政府が積極的に行うべきだというふうに考えております。
 この点に照らして、今回の特殊法人改革というのが一体いかなるものか。今日は、特に独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案、私、この問題に絞ってお聞きをしたいというふうに思います。
 まず最初に、この医薬品機構法がほかにない特徴がございます。これは、医薬品の審査、研究振興と副作用被害救済という、言ってみれば対極にあるような業務を一つの法人にまとめたことであります。ここに衆議院の審議でも、意見も疑問も集中をしております。こういう疑問が出ているにもかかわらず、なぜこの三つをあえて統合するんだろうか。
 政府参考人にまずお伺いしたいんですが、この業務を統合することにもしメリットがあるんだとすればそれは一体何なのか、この業務を統合する目的を説明していただきたい。
○政府参考人(小島比登志君) まず、今御指摘の三つの事業のうち、研究振興業務については現在の医薬品機構においても実施しているものでございまして、新法人においては新たに審査・安全対策の業務について充実強化を図ろうとするものでございます。
 まず、審査業務につきましては、従来、医薬品機構、それから医療機器審査センター、それから医療機器センターの三機関で実施されていた業務を統合するとともに、質の高い審査官の増員等を行うことを通じ、より有効でより安全な医薬品、医療機器をより早く国民にお届けするということが可能になるというふうに考えております。
 また、安全対策業務については、膨大な副作用情報の収集、情報提供に関しまして、更に情報処理の確実性の向上を図ることが求められておりまして、新法人におきまして体制の強化をすることによりまして、副作用情報等の詳細な分析調査、国における綿密な安全対策の企画立案、また迅速かつ適切な行政措置、こういうものが可能になり、安全対策が一層向上することになるというふうに考えております。
○小池晃君 いや、今の説明では全く、統合したことによって利点という説明には全くなっていませんね。それぞれ別の機関でやったって、別に力を入れてやればそれで済む話じゃないですか。なぜこの業務を統合するのかという説明は全くなっていないと。しかも、衆議院の審議でも、業務は区分するから心配しないでくださいということを大臣も盛んにおっしゃっている。
 しかし、このやり方というのは、正にかつての厚生省の主張とも私、正反対だと思うんです。例えば、薬害エイズ事件を受けた九六年に厚生省内に医薬品による健康被害の再発防止対策に関するプロジェクトチームというのができました。ここが医薬品による健康被害の再発防止対策について報告書を出している。そこではこう言っているんですね。治験、承認審査、市販後の安全対策等を担当する組織については、医薬品による危害を防止する見地から一層厳格なものとする必要がある、このため薬事行政組織については、こうした治験、承認審査、市販後の安全対策等と研究開発振興、生産・流通対策等とを原則として組織的に区分して担当させる方向で具体的に検討することとすると。これを受けて、九七年七月に厚生省が組織改編して、薬務局を廃止をして医薬安全局を新設して、旧薬務局の経済課と研究開発振興課を健康政策局にわざわざ移したわけであります。当時の厚生省の正式な薬事行政組織の再編という文書でも、基本的な考え方について、医薬品等に係る安全対策と振興対策の組織的分離を図るということが記されております。それにもかかわらず、今回、審査と研究振興を統合するだけじゃなくて、更に副作用被害救済までこれを一体化すると。
 大臣にお伺いしたいんですが、私にはどう考えてもこの三業務を一体化するというやり方は、薬害エイズ事件などを踏まえたかつての厚生省の行政方針、組織再編方針にも逆行するものじゃないかと考えるんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) この問題につきましては、先ほど先生も述べられましたように、衆議院の方でも何度も御答弁を申し上げたところでございますが、行政上の問題はこれは厚生労働省の中で今後も行うことにいたします。それは振興の部分と規制の部分とは明確に分けておりまして、それは薬務局とそして医政局と両方で行う、これは行政上の問題は今後もそこで行うということでございます。
 そして、今回の独立行政法人の中で行いますことは、現在の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構におきましても、その中に業務部があり、研究振興部があり、あるいは調査指導部があり、あるいは治験指導部があり、あるいは信頼性調査部がありと、こういうことになっておりまして、これは現在の特殊法人の中におきましても振興の部分と規制の部分は両方ともこれ入っているわけであります。
 だから、今回、独立行政法人にいたしますけれども、ここは今回は、まだ正式の名前は付いておりませんけれども、これは審査部あるいは安全部、これは規制の方になるわけでございますが、それから研究振興部というのがこれは振興部門でできてくるということで、両方が今度入ると。しかし、同じようにこれは入るわけですが、同じように入りますけれども、その行政上の核になるところは厚生省がちゃんと握りまして、そしてそこは明確に区分をして管理監督をいたしますよと、こういうことでございます。
○小池晃君 それは仕組みは分かっているんです。しかし、今までの厚生省の行政方針というのは、そういったリスク管理の上で振興部門と安全対策は分けようという方向で行政そういう方向でやってきたにもかかわらず今回一緒にするというのは、どう考えたって支離滅裂というか、全く逆行しているとしか言いようがないじゃないかということについて私はお伺いしているんです。
 その点についてはどうなんですか。
○国務大臣(坂口力君) ですから、行政上の問題はちゃんと分けていますと。それで、現場の問題につきましては現在の特殊法人も一緒になっているわけでありますし、今回のこの独法におきましても一緒になっておりますけれども、しかしそこを、管理監督しますところはちゃんとしておりますということを私は強調しておるわけで、そこは間違いなくやりますから心配しないでくださいということを衆議院でもお答えをしたとおりでございます。
○小池晃君 説得力ないですよ。だったらば、その機構の方だって分けるべきなんですよ。それをするのが国民にとってみたってはっきり分かることなんです。
 しかも、独立行政法人通則法の第二条では、これは国が自ら主体となって直接実施する必要がないものを行うとしている。しかし、そもそも新薬の審査とか副作用被害救済というのは、私は国が直接実施すべき業務そのものだというふうに思うんです。
 例えば、これまでのサリドマイド、スモン、薬害エイズ、薬害ヤコブ病、確認書では何と言っているか。例えば、東京HIV訴訟の確認書ではこうあるんですね。厚生大臣は、安全かつ有効な医薬品を国民に供給し、医薬品の副作用や不良医薬品から国民の生命、健康を守るべき重大な責務があることを改めて深く認識し、薬事法上医薬品の安全性確保のため厚生大臣に付与された各種権限を十分活用して、本件のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることがないよう、最善、最大の努力を重ねることを改めて確約すると言っているわけです。それなのに、医薬品の承認、副作用救済という業務を国が直接実施する必要がないとする独法に移す。
 私は、これは参考人にまずお伺いしますが、今までの薬害事件の確認書に照らしても、ここで約束した国の責任を私は放棄するものにほかならないと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(小島比登志君) 医薬品が最終的に国民に提供される段階では、承認という行為とそれから審査、調査と、こういう三段階の行為が薬事法に規定されているわけでございまして、従来は国立医薬品食品衛生研究所の審査センターで審査を、それから医薬品機構で調査を、厚生大臣すなわち医薬局が承認ということになっていたわけでございまして、この最終段階である承認につきましては厚生大臣が責任を持って行うということでありますので、この覚書の決意というものには反しないというふうに考えております。
○小池晃君 今までと変わらないんだというふうに盛んにおっしゃるので、ちょっと私、具体的にちょっと確認をさせていただきたいんです。
 例えば、承認審査は後に置いて医薬品の安全対策ということを見た場合に、どこまでを独立行政法人が担当して、そしてどこは厚労省が担当するのか、これ業務の流れに沿って簡潔に御説明願いたいと思います。
○政府参考人(小島比登志君) まず、医薬品の安全対策のやり方についてでございますが、医薬品副作用情報の受理、収集、整理、それから調査というものは新医薬品総合機構において行います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 それは、その機構で行いました、受理をいたしました情報でありますとか整理の結果、調査の結果はリアルタイムで本省の方に連絡をされまして、その連絡を基に、報告を基に本省では、例えば薬事法におきます行政処分あるいは緊急安全情報の発出の指示というものについて検討をするというふうなシステムになっているわけでございます。
○小池晃君 要するに、情報集めは独法がやる、その整理もやる、分析もやる、調査もやると。結局、行政措置は厚労省がやりますよという話であって、私は、これでは厚労省が責任を持っているということにならないですよ。
 だって、安全対策で一番大切なのは何か。これは、副作用情報をきちっと集める、情報を集めてその情報の中にどれほど重要なものが潜んでいるのかということを見抜く、そしてそれを分析して直ちに医療現場に注意を喚起したりあるいは回収させたりする。あなた方は最後の、例えば回収命令とかあるいは安全性情報は厚生省が出すけれども、そこまでは全部独法がやる。私は、これでは一番大切な業務が厚労省ではなくて独法になるということになると。行政措置の部分を厚労省に残すのは、これは当然のことなんです。行政措置の結論を出すまでに至る業務こそが重要なんです。
 振り返ってみれば、今までの薬害事件だって、そういうところで大切な情報を見逃したりしたことによって被害が拡大したりしたわけじゃないですか。そういうときに、副作用にかかわる情報の収集、整理、調査、こういった仕事こそ、私は、国の実際の業務として残さなければ今までの薬害事件を繰り返すことになると、これが過去の薬害の反省に立った対応だというふうに考えますが、いかがですか。
○政府参考人(小島比登志君) 先生の御指摘はごもっともでございまして、私どもも現在は、医薬局におきまして緊急かつ重大な案件について情報を収集し、それの対応をしているわけでございます。しかしながら、先ほども副大臣から御答弁申し上げましたように、年間三万件の副作用、医薬品の安全性情報が私どもの方に寄せられておりまして、これは年々増え続けているという状況でございます。
 私どもが心配しておりますのは、死亡やあるいは重篤な障害にかかわるような副作用ということは一生懸命私どもにおいて対応しているわけでございますが、やはり、そうではない、あるいは疫学的な調査あるいは数理的な統計的な判断をもって副作用を把握しなきゃいけない、重大な障害だとか死亡に至らないまででも大変な副作用というものがあるんじゃないかということで、その点につきましてもきちっとそれを把握するということでございますが、何分にも膨大な業務量となるわけでございますので、これは機構の方でやっていただいて、私たちと、厚生労働省の方と連携を持って安全性対策を進めていくというふうに考えているわけでございます。
○小池晃君 いや、ですから膨大な情報の中に、もう何万件という中にただ一つという情報が重要なんですよ。それを見付け出すというのが私は安全性対策の一番の基本というか、そこが真髄だと思うんですよ。
 ところが、それは膨大な作業だからお任せしますと。ある程度セレクトされた情報の中でそれでやるというのでは、私は安全対策の責任を果たしたことにならないんではないかと申し上げている。とにかく膨大な情報の中で、だって最初は薬害の情報なんというのはだれもが注目しない、本当に見向きもされない、そういう事件から始まるわけでしょう。そういうときに、これが重要だというふうに気が付いて直ちに手を打っていく、これこそが薬害の安全性対策の一番の根本じゃないですか。そこのところを国がやらずして、一体私は責任を取ったことになるのかということを伺っているんです。
 大臣、今までの議論をお聞きになったと思うんですが、大臣は衆議院でも変わらない、責任を果たすんだとおっしゃいますけれども、私はここの一番大切な部分を国が手放すことのリスクは極めて大きいというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) ここは厚生労働省の役人がやったから安全で、そして独法の役人がやったからこれは安全でないということは全くないと私は思います。いずれにいたしましても、ここの責任は厚生労働大臣が取るということになっているわけでありますから、それは明確であります。
 したがいまして、その独法なら独法の方の専門家がやるか厚生労働省の専門家がやるかという話でありまして、そこの受付のところは、これは受付をちゃんとそこをやって、ある程度の私は人がいなきゃいけないと思うんですね。現在の段階では、残念ながら、公務員の定数に縛られまして厚生労働省の中では多くの人をそこに配備することはでき得ません。しかし、独立行政法人になればある程度のそこに人を配置をすることができるわけでありますし、私は、現在よりもこの受付のところは、明確にそこは今よりも進歩するというふうに思っております。
 そして、何がそこに受け付けられたかということを受けて、それを今度は審査をする、健康被害とその因果関係を審査をする方は、これは厚生労働省の中で安全対策課がこれを行うわけであります。そこがこの健康との因果関係を明確にしていくということになるわけでありまして、そしてここが実質的には責任を持つということでありまして、最終的には厚生労働大臣が責任を持つということになるだろうというふうに私は思っております。
 したがいまして、この独法に限らず独立行政法人というのはそれぞれにおやりをいただきますけれども、それぞれのところで独自におやりをいただきますが、しかし、責任はすべて厚生労働大臣が取らなければならないというシステムになっているということを申し上げているわけであります。
○小池晃君 私は、別に国がやったら安全だなどとは一言も言っていないんです。国がやって数々の事件を起こしてきたわけですから、これは独法がやったら安全ではないというような議論をしているわけじゃないんです。国が責任を持つのはどこなのか、どこに責任を持つべきなのかという議論を私は申し上げている。
 大臣は、そこで責任を取るというふうにおっしゃった。じゃ、これで第一次情報の中から見落としたとしても、そのときは厚生大臣の責任になるということになるわけですね、それは独立行政法人の責任ではなくて。一次情報の段階でもし独立行政法人の職員が見落としたとしても、それは厚生労働大臣の責任になるということなんですね。
○国務大臣(坂口力君) もちろん、独立行政法人も責任はありますし、そして厚生労働大臣も責任があるというふうに思っております。
 実質的には安全対策課が中心になってそこはやっていかなければならない、しかしその総指揮はやはり厚生労働大臣が取っているわけでありますから、最終的にはそういうことになる。
○小池晃君 さらに、安全性の問題でなくて審査業務についてちょっとお聞きしたいんですが、これは審査業務については薬事・食品衛生審議会も加わってきますので、審査業務について独立行政法人とそれから薬事・食品衛生審議会と厚生労働省は一体どのような役割分担をするのか、これも業務の流れに沿って御説明を簡潔に願いたいと思います。
○政府参考人(小島比登志君) 医薬品の承認審査業務でございますが、まず新機構におきまして、国の委託を受けて医薬品、医療用具の有効性、安全性に関する調査及び科学的評価に基づく審査を行いまして、その結果を国に通知するということでございます。次に、国は、新機構から受けた審査結果を考慮いたしまして薬事・食品衛生審議会の付議を行い、その意見を聴いて最終的な承認判断を行うというふうなことになろうかと思います。
○小池晃君 結局、この審査業務についても、まず最初にメーカーなどから聞き取りやったり、いろいろ調査したりして報告書を作るまではこれは独立行政法人がやるということなわけですね、審査報告書を作るところまでは。それを審議会で審議をして、国の関与というのは最後の承認の言ってみれば手続だけということになるわけです。
 結局、最初の議論で大臣は、基本的には変わらないんだ、行政が責任を持つんだと言いながら、実態としては、安全対策にしても審査業務にしても、一番大切な部分、一番初期の情報から分析をして一定の方向性を打ち出すというところまでは全部独法がやるわけです。私は、これでは、国が責任を果たすというのは、何か事件が起こったときに最後は責任を取るというふうには言うかもしれないけれども、私はこれは、こういう形というのは国が責任を取るということにはならないというふうに思います。
 さらに、こういう形で見てくると、何でわざわざ今回医薬品機構を新たに作っていくのか、何のための医薬品機構なのかということが大変私は疑問なんですね。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 結局、こういう組織を作ることによって恩恵を一番受けるのはだれか。私は、メリットといえば製薬企業による承認審査の手続が簡素化するということぐらいなんじゃないかな、一番喜ぶのは製薬企業なんじゃないかということにならないかと。
 そこで、ちょっと歴史をたどって見てみると、医薬品機構、これはどういう経過をたどって組織として流れてきているか、簡潔に御説明願いたいと思うんです。
○政府参考人(小島比登志君) 医薬品機構でございますが、まず、昭和五十四年に医薬品副作用被害救済基金として設立をいたしまして、副作用被害救済業務を開始いたしました。その後、昭和六十二年には医薬品副作用被害救済・研究振興基金というふうに名称が変更になりまして、研究振興業務が加わったわけでございます。さらに、平成六年には、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構に名称が変わりました。審査の一環であります医薬品等の調査業務というものが開始をされたわけでございます。その後、平成九年には更に医薬品等の調査業務の一部が追加されまして現在に至っているということでございます。
○小池晃君 結局、副作用被害救済のための基金として発足しながら、研究振興事業、審査事業、そういったのがどんどんどんどん加わってきて大きく性格が変わってきているわけですね。これは人員体制を見ても明らかであります。
 そこでお聞きしたいんですが、現在の医薬品機構の共通部分、総務部門なんかを除いた各部門の職員数、どうなっているでしょうか。
○政府参考人(小島比登志君) 医薬品機構の職員数で部門ごとに申し上げますが、救済部門が十五名、研究振興部門が十一名、それから調査部門が百五名でございまして、うち安全性情報担当七名がこれに含まれています。
○小池晃君 救済部門の十五名に対して、研究振興部門と調査部門が合計して百十六名、八倍近い人数なんですね。安全性情報担当をもしこの救済部門に加えたとしても、二十二名対百九名で五倍の職員数だと。
 これは、九六年に我が党の岩佐恵美衆議院議員、当時、今、参議院議員ですが、国会で、この職員数の変遷を見て組織が変質してきていると問題にしております。そのとき、九六年の段階でもどうだったかというと、救済部門十六名、それに対して研究振興部門十一名、調査部門が三十四名、だから合わせて救済部門の三倍だったんですね。だから、そのときに比べても、更に審査部門だけがもう百人を超えているわけです。どんどんどんどんそこだけが大きくなってきている。
 さらに、今回の提起されている新法人になると、国立医薬品医療機器審査センターの職員七十一名が加わる。これ全部審査部門、調査部門に加わる。それから、医療機器センターから独法に移行する職員数が八名ですから、審査部門は約百九十名になるんですね。ということは、どういう組織ができ上がるかというと、役職員約二百人のうち、救済部門の職員というのはわずか十五名なんです。副作用被害救済で始まった組織であるにもかかわらず、その本来の、最初に歴史的に発足したときの職員というのはわずか十六分の一ということになる。それ以外の大部分は審査、研究振興のための組織となる。そして名前が変わるわけです。
 この名称変更、この間も議題になっていましたけれども、副作用被害救済の名前まで今回消えるわけです。私は、大臣は長い名前、長過ぎるから変えたんだとおっしゃるけれども、私は違うと思う。これは組織の実態が、副作用被害救済で始まった組織から研究開発、審査機能中心に変わってきている、それで結局名前まで変わった、変えようとしている、これが私、今回のやり方だと思う。正にひさしを貸して母屋を取られるという言葉がありますけれども、これほど当てはまるようなケースはないと思うんですね。
 私、大臣にこれ伺いたいんですが、今回の措置で副作用被害救済から出発したこの医薬品機構の性格、これが大きく変わる、これは否定できないんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 私、いずれにいたしましても、副作用が出るということは、それは審査が不十分であったということにもなってくるわけでありますから、審査部門が、そこが徹底して審査部門を充実しなきゃならないというのは最も大事なことだと思うんですね。これからの医薬品の問題を考えましても、そこが貧弱でありましてはこれは何にもならないわけでありまして、審査部門こそやはりしっかりとやっていかなければならないというふうに思っております。そういう意味で、その審査部門の人数が増え、そこがしっかりしてくることは何ら私は恥ずべきことでもないし、そこはそれで私は十分ではないかというふうに思っております。
 ただ、だからといって副作用部門を軽視をしてはならないという意味ならば、私は御指摘のとおりと私もそう思っておりまして、それはそのとおりというふうに思います。しかし、審査部門が多いからというので異論を唱えられるということになると、それはおかしいんではないかと。審査部門はどんどんと多くしていってこそそれは成り立つのではないか、私はそう思います。
○小池晃君 私は審査部門を大きくすること自体など問題にしていないんです。それはそれで大切なんです。ただ、審査部門は十倍近くになっているんです。一方で、救済部門は十五人でずっと変わんないです、何十年も。これは余りにもバランス取れていないじゃないかと。当初は、もう救済部門だけで出発した組織なんですよ。それがほとんど乗っ取られているわけですよ。私はこれは正に組織の性格が変質しているんじゃないかというふうに申し上げているんです。
 ところで、二〇〇四年に新法人発足した後は、各部門の人員はそれぞれどの程度増員を行う予定なんでしょうか。
○政府参考人(小島比登志君) まだ厳密に精査しているわけではございませんが、審査部門、安全対策部門、救済部門等が増加が見込まれまして、約五割程度の職員が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○小池晃君 まだ詳細に決めていないとおっしゃいますけれども、違うんじゃないですか。
 ここにあなた方出されている文書あるんですよ。これはメーカーにあなた方が出している説明文書であります。「医薬関係新独立行政法人の設置について」という文書ですね。これすべてのページに「取扱厳重注意」という印までわざわざ付いているわけですよ。これ見ますと、どう書いてあるか。非常に詳しいんです。
 「現行三組織合計約二百四十人(平成十四年度)から、審査関連部門、市販後部門を中心に、当面、約三百七十人に体制強化(平成十七年度)。」、ここまで明確に打ち出しているじゃないですか。何が具体的に決めていないんですか。メーカーに対してはこんな増員計画まで説明していたというのに、国会に対しては今みたいないい加減な答弁で、私そんなの許されませんよ。どうなっているんですか。こんなことが許されると思っているんですか。
○政府参考人(小島比登志君) この数字につきましては、私どもの担当者あるいは相手方の業界等との勉強会等々でメモ的に出されたものだと思っていまして、それを省として決定したということはないということでございます。
○小池晃君 でたらめな話している。どこがこれはメモですか。きちっとした文書で、ちゃんと目次まであって、ページが振ってあって、かなり克明に書いてあるんですよ。国会で出されていないような問題までいろいろ書かれている。
 この文書は、独法の名称は仮称のままなんです。新独法の業務開始時期は「政府部内調整中」と書いてあるんです。ということは、法案の政府部内での調整も終わっていない段階で、法案骨子も出ていない段階でメーカーに対してはこんな詳しい文書で丁寧に説明したということになるじゃないですか。これは業界に対してこれでいつ説明したんですか。
○政府参考人(小島比登志君) これにつきましては八月上旬だと承知しておりますが、前の国会で薬事法の改正がなされました。その改正におきまして生物由来製品の指定あるいはまたその安全対策というものが確立されたわけでございます。その薬事法の改正に基づきまして、従来から私どもで検討しておりました生物由来製品感染症の被害救済制度、これが、この基盤ができ上がったということで具体的な検討に入らなきゃいかぬというのもございましたし、また審査センターを統合するというのはさきの閣議決定で既に決まっていたわけでございます。国会関係の、国会における審議を御説明するという意味でメーカーといいますか、製薬企業の方に説明をしたということでございます。
○小池晃君 薬事法審議の中身じゃないです。これは新法の中身が克明に書かれているんですよ。これを政府部内調整中の段階でメーカーには説明した。
 一方で、薬害の被害者団体にはいつ説明したんですか。
○政府参考人(小島比登志君) 法案の御説明は九月中旬以降、各被害者団体の方々に御説明をいたしております。
○小池晃君 九月中旬以降だと。十月に薬被連、全国薬害被害者団体連絡協議会、十六日と二十九日に説明をされて、私、二十九日の説明にも同席しました。しかし、あの説明というのは何の資料も、厚労省側からは法案の文書だけは出されましたけれども、こんな丁寧な説明の文書なんか出なかったですよ。もう口頭で質問に答えるというだけなんだと。製薬企業に対しては法案の骨子も決まっていない段階で、政府内部調整中の段階でこんな克明な資料まで渡す、被害者団体には一か月遅れ、そしてまともに説明もしない。私はこの経過こそが今回のこの法律のねらい、はっきりと物語っているというふうに思うんです。
 更にお聞きしますが、法案の第十九条の五項には、拠出金率の変更などの認可の申請に際して、あらかじめ、許可医薬品製造業者等の団体で許可医薬品製造業者等の意見を代表すると認められる者の意見を聴かなければならないという条項が新たに加わっております。これは一体なぜですか。
○政府参考人(小島比登志君) 副作用被害救済制度は、医薬品製造業者等から事前に拠出金の負担を求め、健康被害の発生に備えるという一種の保険システムの仕組みを取っております。そのため、拠出金率の決定に当たっては、本制度の財政状況、救済、給付の今後の見通し等につきまして医薬品製造業者等の理解を得るとともに、財源の拠出者たる立場からの意見を聴取する機会を設けることが被害救済制度の円滑な運営のために必要であろうということでございまして、こうした観点から、現行の医薬品機構法においては、医薬品製造業者等の意見を代表する者を評議員会の構成員に加える旨を法定した組織があるわけでございますが、その評議員会は今回の独立行政法人の全体の措置によりまして法定設置はしないということになったわけでございます。それに基づきまして、拠出金率の決定に限っては、これまでと同様、医薬品製造業者等から意見聴取の機会を確保するというふうな法律にしたものでございます。
○小池晃君 今まで医薬品機構はそういう仕組みがあったから今回法律にわざわざ一項設けているわけですね。業界団体の意見を聴くことということも加えたわけです。結局、製薬企業の意見聴かなければ副作用被害救済のための拠出金率を変更できないようにしている。被害者の意見まともに聴こうとしないで、こういう仕組みだけはしっかりと用意周到に作っていくと。
 一方、メーカー側が何を要求しているかというと、日本製薬団体連合会は今年一月九日に大臣に要望書を提出しています。そこでは、承認審査の迅速化のため、本省、審査センター、医薬品機構の三元的審査体制の見直しも必要だとされておる。日本製薬工業協会も同様の見解を出しております。
 私、この経過、今回の法律の中身見ると、やはり最大の目的というのはこういう製薬業界の要請にこたえて医薬品の審査をスピードを上げて行う、そのことを目的としているものだと。そのためには、これまで薬害事件などを通じて一定改善されてきたいろんな仕組み、安全対策、これが後退してもこれはやむを得ないんだ、業界の要求にこたえていくということであればやむを得ないんだということなんではないかというふうにしか思えない。
 大臣、いかがですか。これはっきり答えていただきたい。そういう性格の法案だと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今回の法律のいろいろの目的はありますけれども、一つは治験が余りにも日本は遅過ぎるということもあることも事実でございます。これは余りにも遅いものですから、アメリカで出したらもう一年で許可になりますものが、日本におきましては五年も六年も掛かると。したがって、日本の研究者もアメリカに行って、そしてアメリカで治験の要求をする、あるいは向こうで審査をしてもらうということが今起こっているわけでありますから、そういう意味では、私は、今回その治験を早めるということは大事なことで、それがここの中にも盛り込まれているということは事実だというふうに思います。
 ただ、治験は早くしなければなりませんけれども、それはそういうシステムを作って早くするということであって、それをただ早くするという意味でなおざりになれば、それはまた副作用等の問題に結び付くわけでありますから、そこは慎重にやはりやらないといけない、過去の過ちを繰り返してはならないということであります。
 ただしかし、過去の過ちを繰り返してはならないわけでありますけれども、システムそのものが不十分であって、そして何回も何回もやり直しをさせるというような現在の日本の制度の在り方というのは改めなければならない、そのように思っております。
○小池晃君 過去の過ちを繰り返さないということであれば、私は製薬企業の要求だけを取り入れる仕組みを作るのではなくて、やはりきちっと実際のこの仕組みの中でそれを行動で示すべきだというふうに思うんです。だとすれば、この新たな法人の中では、やはり当然、薬害の被害者を始め、国民、利用者、こういった人たちの声がやはりきちっと反映して、それが運営に生かされていくという仕組みを作るのは私当然のことだと。それをしないでやるんであれば、これはもうメーカーのためのものだと言わざるを得ないと思うんですが、大臣、いかがですか。そういう仕組みをやはりこれ作るべきでないかと、これは当然のことだと思うんですけれども、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 製薬会社だけのことを聴いてこの法律を作ったわけではありません。しかし、先ほど示されたように、そういう製薬会社に早くから情報を流すというのは、それはもってのほかで、そんなことは僕もすべきじゃないというふうに思っています。私のところへ来ないような書類を先へ製薬会社に流すようなことがもしもあったとすれば、それは今後そういうことは改めなきゃならないことで、絶対許せるべきことではないと私も思っております。
 しかし、そういうことは改めていきますけれども、今後の在り方につきましては、ただ単に製薬会社だけではなくて、それは多くの皆さん方から納得のしていただけるような体制を作り上げていかなければならないわけでありますから、被害者の皆さん方、薬害被害者の皆さん方の御意見というのもそれは十分に聴いていかなければならないというふうに思っております。
○小池晃君 私は、やはり今度の法案、今日はここで、これで終わりにしますが、引き続き次回もやらせていただきますけれども、審査、スピードを上げることが必要だと、これはおっしゃるとおりだと思います。しかし、中身が問われている。スピードを上げたことによって、今一体どういう事態が起こっているかということも次回議論をしたいと思いますし、私は今度の法案についていえば、薬害事件をきっかけにして一定改善された、進み始めた厚生労働省の安全対策、副作用対策のこの新たな芽を摘み取るものになる危険性が極めて強い、そしてやはり薬事行政を変質させていくという危険があるということを指摘したいと思います。
 引き続き次回も議論させていただくということで、今日はこれで終わります。
 ありがとうございました。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からはこの特殊法人改革につきまして、今年の四月でございましたが、四月の中退金改正案の審議の際にも大臣にお考えをお聞かせいただきました。その際に大臣がお答えになりましたのは、特殊法人改革は大変重要な課題ではあるが、厚生労働省が担当する特にセーフティーネット、セーフティーネットにかかわる分野においてはよく検討しながら、セーフティーネットという理念を失わないようにするかどうするかということの御答弁でございました。
 今回のこの法案を提出をされたわけですけれども、どのように反映をされたのか、まず冒頭お伺いしてまいりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これは中島先生にもお答えを申し上げたところでございますが、今回のこの独立行政法人というのは、言ってみれば公のやらなければならないような内容のこともその中に含まれているわけであります。しかし、公がそれをやっておりましてはなかなか効率化が進んでいかない、透明化が進んでいかない、そうした面もあるわけでございますので、独立行政法人というこの制度の中で自立をして、そして透明性を高め、そして民間の経理、そうしたものも取り入れて、分かりやすい形で国民の皆さん方にも御理解をしていただけるようにする、そうした形でスタートさせたわけでございます。
 そうした中で、今御指摘になりましたように、厚生労働省は生命にかかわる部分も多く取り扱っているわけでありますから、その責任というものはすべて行政上の責任、すべてこれは厚生労働省が持たなければなりませんし、先ほど申しましたとおり、その最終的な責任は厚生労働大臣が取らなければならない。そういう一つのシステムを作りながら、しかし今よりもより効率的に、そして今まで厚生労働省の中でやっておりましては定数も限られているものですから不十分であった、その人数の増やすべきところには増やしていくといったようなことによって国民の皆さん方の御期待にこたえていかなければならない。
 例えば、食品衛生の問題にいたしましても、これだけ多くの食品が外国から入ってくるわけでありますから、それに対応できる検査体制ができているかと言われれば、それはなかなか寒々しい感じでございまして、人数が非常に少ない。こういったところは人数も増やしていかなければならない。増やしたいんですが、今までの公務員組織の中ではなかなかそこを増やすことができ得なかった。それはこの独法の中でそうしたところにつきましては適時増やしていくということにしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 それから、大臣はこのようにもおっしゃっていただいたんですけれども、経済諮問会議等では経済効率を求める、それはやっぱりやむを得ないのではないか、ある程度耳を傾けなければならない、しかし医療や福祉の面というのは経済効率だけではないと、経済効率だけで割り切れることではない、これには大きな抵抗を示しているというふうにおっしゃいました。
 私自身もこういった考えには同意見でございまして、賛同させていただけるわけですけれども、この点につきまして、これまでの過程においてどのような対応をお取りになってこられたのか、引き続きお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、繰り返しお述べをいただきましたように、私がかつて申しましたことを繰り返して述べていただきましたとおり、やはり福祉の面、それから医療の面、健康に関する面、こうしたところはいわゆる経済効率も必要ではございますけれども、今度は、何と申しますか、医療ならば医療効率、そうしたら福祉は福祉としての効率というものも要求されるわけでありまして、ただ経済効率だけでこれは運用していてはいけないというふうに思っている次第でございます。
 そうした中で、今回の独立行政法人を作るに当たりましても、健康にかかわりますところにはやはり配置も十分にしていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
 ですから、この定数の削減というのは全体としては大事なことではございますけれども、必要な部分もあるわけでございますから、必要なところは何とか増やしていきたいというふうに思うんですが、しかし増えましても、思うようになかなか増やすことができ得ないといったこともございますので、そこをこれで乗り切ることができるのではないかというふうにも思っているわけでございます。
 いろいろの御議論がございます。経済財政諮問会議におきましても、あるいはまたその他の審議会におきましても、最近は医療や福祉に対しましてかなり厳しくもっと効率を上げるべきであるといったような御意見があることも事実でございますし、この法律を作るに当たりましてもそうした御意見もあったことを否定できません。しかし、それらのことには十分耳を傾けながら、守るべきところは守っていくということでなければならないというふうに思ってきたことを申し添えたいと思います。
○西川きよし君 一問、二問聞いてまいりまして、それでは個々の法案についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 私の方からは、先ほども堀先生の方から少し出たんですけれども、のぞみの園法案についてお伺いをしたいと思います。法改正のまずは趣旨の方からお聞かせをいただきたいと思いますので、政府参考人にお願いいたします。
○政府参考人(上田茂君) 知的障害者福祉施策においては、ノーマライゼーションの理念の下、障害者の自立や地域生活への移行が重要な課題となっております。
 平成十三年十二月に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画においては、国立コロニーのぞみの園について重度知的障害者のためのモデル的な処遇を行う施設と明確に位置付けた上、その事業は公共上の見地から確実に実施されることが必要なものであって、国が自ら直接行う必要はないものの、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあることから独立行政法人化することとしたところでございます。
 これを受けまして、のぞみの園においては、本法案に基づき、重度の知的障害者に対する先導的かつ総合的な支援を提供することとしているほか、知的障害者の自立を促進するための効果的な支援方法に関する情報提供や、他の施設に対する援助、助言を実施することとしております。また、法人の効率的な運営を確保するため、役員の定数削減や中期目標に照らした達成状況の評価等を行うこととしております。
○西川きよし君 知的障害者福祉のこれまでの歴史の中で、例えば昭和二十二年の児童福祉法の中で知的障害児の施設に関する規定が加えられましたし、そして昭和三十五年ですけれども、知的障害者福祉法が制定されました。そして、今日進められております社会福祉基礎構造改革、こうした時代時代の流れ、そういった中で福祉が担ってきた役割と申しましょうか施設の役割、かなりやっぱり日進月歩で変わってまいりました。
 そして、そういう意味では今回のコロニー、コロニーのような大規模施設についても、正しく創設された当時と今日とではその目的、役割、大きく変わってきたと思うわけですけれども、過去に果たしてきた役割、そしてまた新しい法律の下ではどのような役割を担っていく必要があるのか、この辺りの基本的な、基本的なお考えを木村副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) 国立コロニー、こういう施設というのは、やはり当初は知的障害児を持っておられるお父様とかお母様が、自分たちが元気なうちはいいけれども、私たちが病気になったりあるいは亡くなった後でこの子一体どうなるんだろうと。そういう中で、あそこに入ったら安心だと、そういうような願いが昔は込められていたんではないかなと、こうも思っているわけでございますけれども。
 やはり近年は、施設収容からノーマライゼーションによって地域での生活を重視という大転換がなされたわけでございまして、そういうやはり時代の流れの中で、この知的障害者福祉施策の基本的方向は、今申しましたように、施設における収容、保護を中心とする在り方から、身近な地域での生活を支援する在り方に重点を移してまいりました。これに伴いまして、国立コロニーのぞみの園の果たすべき役割も、施設入所者の地域生活への移行を先導的に実現していくモデルとして、その位置付けを変えたところでございます。
 もちろん、民間の方々でも一生懸命やっておられるところはたくさんあると思うんで、私はやはり、これは是非、この施設もこの独法化を契機として正に意識改革してもらって、これは民間の施設よりも、どれよりもいい施設として、国がバックアップするんだからやるんだぞというような、そういう気概を持っていただきたい。逆な意味で、何か今までは公的な施設だったから安住していたところがあるんじゃないかと。その安住じゃなくて民間に負けないぞ、民間の施設よりも正にモデル事業として一生懸命やるんだという、是非そのような気概を持っていただきたいなと、こう思っているんです。
 このために、のぞみの園におきましては、重度知的障害者の自立を促進するための効果的な支援の方法の開発を行い、同施設のサービス向上に寄与していくことなどを柱として新法人を運営していくことにしているわけでございますけれども、国といたしましても、新法人が、新しい独立行政法人が適切に役割を果たせるように明確な政策目標の設定や評価の徹底等を図って御期待に、西川先生の御期待にこたえてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
○西川きよし君 社会福祉施設の歴史といたしましては、最初の出発点と申しましょうか、やっぱり小さな家族的な単位での生活援助施設であったと思うわけですけれども、我々もそういうふうに聞いてまいりました。それぞれの施設が制度化される中で次第に大型化していくわけですけれども、そこにはやはり利用者に対する生活支援であるとか、利用者のための視点、コスト対効果、経済の合理性、その背景にそういうことがあったと思いますけれども、以前、大臣よりもお伺いしたという、経済効率で割り切れないというお考えを少し僕も引用させていただいたわけですけれども、これまでの歴史におきまして、どちらかというと施設運営、特に大規模施設という面におきましては経済効率が優先をされてきたのではないかなと、私自身もそう思うわけですけれども。
 そうした中で、先ほど堀先生の方からも出ましたけれども、大臣より、目は離すけれども手は放さないとかいうような御答弁もありました。なるべくおうちにも帰っていただく。いろんな気持ちの中で右へ行ったり左へ行ったり、我々もしっかりいろんなことを聞かせていただいているわけですけれども。
 正しく地域移行型にしても、今、大臣もおっしゃいましたけれども、施設の小規模化にしても、人の幸せ、ノーマライゼーションの理念に基づくならば、大臣がおっしゃった経済効率で割り切れないという部分は大切になってくると思うわけですけれども、地域への移行あるいは施設の小規模化、経済効率化についてはどのようにお考えになっておるのか、これは坂口大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、歴史をいろいろとお話しになりましたし、木村副大臣の方からもお話しになったとおりでございますが、ずっと昔は障害者の皆さん方が家庭で生活をずっとしていたときもあるわけでございますけれども、それは非常に惨めな形で家庭の中に閉じ込められていたといった時代がかなり続いてまいりました。
 そうした気の毒な状況から、もっと満ち足りた生活のできる、そして手厚い看護の行き届いたところでその人たちを生活をさせてあげようというふうなところからだんだんと施設が芽生えてきたというふうに思いますし、今お話にございましたように、それが大型化をされていった歴史があるというふうに思います。
 しかし、今度はそうではなくて、それぞれの地域やそれぞれの家庭の中で昔とは違った、もっと健康な人たちと同じような形で生活のできるような社会を作っていこうではないかということになってまいりまして、再び地域、家庭へという話になってきているというふうに思っております。
 その一つの過程におきまして、私はそれなりの役割は施設も果たしてきたというふうに思いますけれども、しかし時代は、私たちの住んでいる社会そのものを今度は障害者の皆さん方にも同じように生活をしていただけるような形にしようということになってきたわけでございます。
 そうした中で、これから流れとしてそうした地域や家庭に戻っていただけるようにしなければなりませんが、今、副大臣からもお話ございましたように、お父さん、お母さんが亡くなったような方、また今朝も少しお答えをいたしましたが、非常に重度な障害者で、それで重複の障害をお持ちになって、なかなか御家庭で介護、あるいは見ていただきにくいような方を一体どうするかということは現実問題としてあり得る。お父さんやお母さんがそれでもやはり家に連れていきますと、それで、それに対して手を差し伸べてくださいと言っていただけるのであれば、それに手を差し伸べるようにしていかなければいけませんけれども、しかしなかなかそこまではいかない、家庭ではいかんともし難いといったような場合に一体どうするかといった問題もございますので、私は、この施設というものも小規模でいいと思うんですが、地域地域で若干のやっぱり施設というものは今後も必要になる可能性はあるというふうに思っております。
 ただし、大きな流れは決してそうではないし、そして重度であるというそういうことを理由に付けて、そして地域や家庭に戻さないということになってもいけない、そういうふうに思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 入所施設からの地域への移行、これが大きな流れの中で、それを支える地域の支援体制というのがこれからは本当に難しいのではないかな、いろいろ地域を回らせていただいたり、また施設にお訪ねをしてもそう感じます。
 そこで、特殊法人等整理合理化計画の中では次のように指摘されているわけですけれども、「地方公共団体が設置・運営する同種の施設との関係で重度知的障害者のモデル的な処遇を行う施設と明確に位置付け、より小規模の集団に分けた処遇が行えるような内部体制の整備を図るとともに、国の政策目標の明確な設定、事後評価、成果・評価の公表を強化する。」と。先ほど来また大臣もいろいろと答弁の中でもおっしゃっておられましたけれども、この「より小規模の集団に分けた処遇が行えるような内部体制の整備を図る」という、これは大変本当に難しいと思うんですけれども、これまでの状況、指摘、そういった部分を副大臣にお答えいただきたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) ただいま御指摘の点でございますが、国立コロニーは重度の知的障害者を指導、保護し、安心して生活できる場としての機能をこれまで果たしてきたところでございますが、大規模施設にありがちな集団的で管理・画一的な処遇により、利用者の個々の主体性を重視したサービスの提供という面では非常に不十分な部分があったということは、これはもうやっぱり反省をしていかなきゃいけないところじゃないかと、こう思うわけでございます。
 そこで、今般の特殊法人等整理合理化計画を受けまして、まず第一には、施設内のグループホームによる自活訓練を開始いたします。それから、周辺地域に居住する重度知的障害者を対象とするデイサービス事業を開始いたします。それから、ユニットケアの試行へ向けた検討、これらを行っているところでございますが、今後、これらに加えまして、入所者の処遇の単位であります生活寮の定員二十五名を、これを更に小規模化するなどの利用者の特性に応じました支援体制に取り組んでまいりたい、このように思っている次第でございます。
○西川きよし君 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
 最後にもう一問大臣に御答弁をいただきたかったんですけれども、健常者も障害をお持ちの方もノーマライゼーション、そんな基本に立ちまして、より良い方向へよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこです。よろしくお願いいたします。
 まず最初に大臣に伺います。
 この独立行政法人化によって経費の削減はいかに図られるか、そしてサービスは向上するのか、どのような見通しでしょうか、お願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 今回のこの改正によってどのように経費の削減やあるいはサービスの向上が図られるのかと、こういうお尋ねでございます。
 一つ、経費の削減につきましては今朝来もいろいろの議論のあるところでございますし、これはどうしても無駄を省いていくということをやっていかなければなりません。したがいまして、今回のこの独立行政法人は、これは経理も一般企業と同じような経理方法を採用するようにいたしておりますし、そしてまた、国民の皆さん方にそれが明白になるように情報公開も義務付けられております。したがいまして、そこは徹底をしたやはり内容の改革が行われなければ多くの皆さん方の御批判を受けることは間違いがありません。したがって、そこは徹底的に私たちも監督をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
 もう一方の方のサービスの向上でございますが、厚生労働省の中ででき得なかったこと、先ほども少し申しましたけれども、いろいろの諸般の制限の中ででき得なかったことについても、今回の法案の中でできることは急務にやっていきたいと思っているところでございます。
○森ゆうこ君 この独立行政法人化というのは、私は、国のリストラ、そして言わば不良債権の処理と似ているという部分があると思うんですね。そして、また別な言い方をすれば、会社、企業の再建、会社更生法等での再建に似ていると思うんですが、再建計画というのは、じゃ、まだ作っていないということでしょうか。再建計画は作っていますでしょうか。政府参考人にお願いいたします。──大臣ですか。再建計画。
○国務大臣(坂口力君) これから独立行政法人作らせていただくわけでありますから、作る前から倒れたときのことを考えるのもいかがなものかというふうに思いますが、とにかく採算性が取れていくようにこれはするということが独立行政法人の一つの手腕でございますから、それはその手腕のある人をやはり長に選ぶということが大事だろうというふうに思っております。しかし、計画どおりにそれがいかないということになれば、その責任を明確にしていただくということになるわけでございますから、そこは責任を明確にして、そして他の方に替わっていただくということになるだろうというふうに思います。
 一般の企業と同じように、倒れてしまったらどうなるのかということでございましょうけれども、そこまで至らないまでに責任を取っていただくということになりますし、また倒してしまうようなことがありましては国民生活にこれは大きな影響を与えるわけでありますから、早く、一歩も二歩も手前でひとつ手を打つということが大事になりますから、今後この行方につきましては私たちも真剣に見守っていきたいと思っております。
○森ゆうこ君 大臣はそういうふうにおっしゃいますけれども、私は順番として、まず各事業体の中の無駄な事業は廃止、そして縮小していい事業は縮小すると。その廃止、縮小の結果、一般財源からの交付金はこれぐらい減ります、また特別会計、これは例えばこの厚生労働省関係でいえば雇用保険や労災保険等の特別会計からだと思いますが、そこからの出資金が幾ら幾ら減りますと、このぐらいのコスト削減ができる、このような形で独法化させてくださいという順番でいくのが普通だと思うんですね。
 先ほど会社更生法の話をしましたけれども、会社更生法では再建計画というのが認定されない限り再建というのはまずあり得ないわけですから、まずその再建計画というのを作るのが筋だと思うんですが、まるでまず独法化先にありきというふうにしか見えないんですけれども、これは単に、単純に特殊法人を幾つ廃止しました、特殊法人を小泉内閣は幾つ廃止しましたと、そのことに使うためだけにという、数合わせだけにやっているというふうに思えるんですが、この点について大臣のコメントをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘の点が十分分かりにくいんですが、独立行政法人が今度生まれることだけは事実でございますし、独立行政法人を作ります以上、その財源をどこに求めるかということも明確にしておかなければならないことも事実でございます。
 今までも、これは特殊法人のときにおきましても国の財源を投入していたという経緯もございますから、今後も、独立行政法人になりましたときに、やはりこれは国の政策としてそこにお願いをする場合には、これは国からも支援をしなければならないというふうに思いますが、独立行政法人の場合はそれだけではなくて、独自にそれを運営をするためにどうしたらいいかということもやはり考えていただかなければなりません。
 独立行政法人を作りますときには、それぞれの独立行政法人についてこういう方針で進めてほしいという中期目標なるものを大臣が示して、そしてその長に五年間なら五年間の方針を示して、その中でおやりをいただくと、こういうことになるわけでございますから、そこでおやりをいただいてうまくいかないということになれば、それは交代をしてもらわざるを得ない、こういうことでございます。
○森ゆうこ君 それで、その評価委員会について伺いたいんですけれども、評価委員会が各省内に置かれるとのことで、普通の人から見ますと、これはやっぱりお手盛りというふうに見られると思うんですね。百歩譲って中立的な評価が可能としてなんですけれども、その評価の実効性について伺いたいと思いますが、その中期計画の達成度によって運営交付金が次の年度に減額される等の仕組みはありますでしょうか。そして、まずそもそもその運営交付金についての算定のルールというのはあるのでしょうか。政府参考人に伺います。
○政府参考人(水田邦雄君) 独立行政法人の評価委員会の役割、機能についてのお尋ねでございますけれども、この評価につきましては、毎年各事業年度ごとに行うものと中期目標の期間の終了時において行うものと二つあるわけでございます。
 各事業年度ごとに評価を行い、必要があれば勧告を行うわけでありますけれども、その中で運営費交付金の使い方につきましても、業務運営の効率化と財務内容の改善の観点から意見を言うことができると。この意見を受けまして、各法人は所要の措置を講ずるということが中央省庁等改革基本法に定められておりまして、この趣旨に沿いまして、運営費交付金の交付に際しまして厚生労働省と法人の間におきましてその内容について具体的に検討することになると思います。
 さらにもう一つ、二つ御質問でございますが、中期目標の期間の終了時におきましてでございますけれども、これは評価の結果として改善をずっと要望していたにもかかわらず改善が見られない場合につきましては、大臣が法人の業務を継続させる必要性、あるいは組織の在り方その他、組織、業務の全般にわたって検討を行いまして、所要の措置を講じることとなってございます。その際に評価委員会からの意見についても反映がされるということとなっております。
○森ゆうこ君 運営交付金についての算定ルールというのがどうも具体的にはっきりしないんですけれども、例えば公共部門でのあしき習慣として予算の消化というのがあるわけですよね、予算の消化。こういう予算の消化というようなことがなくならなければ、結局財政支出の削減とか効率化ということは図られないと思うんですけれども、どうもその辺があいまいだと思います。せっかく独立行政法人化しても運営交付金が減額しなければ意味がないと思うんですが、それこそただ度々指摘があります看板を替えただけではないかと思うんですけれども、その辺のところを大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 予算の面につきましてちょっと実務的なことをあらかじめ答弁させていただきたいと思いますけれども、この新しい独立行政法人制度におきましては、各年度ごとに剰余金が出た場合に、その剰余金が当該法人の努力によって生まれたものか、あるいはそうでないかということも判定をいたしまして、努力によったものはその法人に返されるし、努力によらないものはそれはそれで返していただくと、こういった仕組みもその中に含まれているわけでございまして、そういったことを継続することによって正に財政の効率化ということも図られていくものと考えております。
○森ゆうこ君 その剰余金の処分の仕方ですけれども、この独立行政法人化のそもそもの目標、財政支出の削減というところに、なぜその剰余金、経営努力で出てきた剰余金はその法人に返されて、中でどのように使っても好きだというような話ですけれども、それをやることによって財政支出の削減が図られるということはどうしても私は分からないんですが、もう一度説明してください。
○政府参考人(水田邦雄君) 一つ例で申し上げますと、例えば独立行政法人になりましてから新規に民間の受託研究を受けるというようなことができるようになったわけでございます。そうしたことが法人の努力によってなされますと、おのずとその法人の財務内容は良くなっていくということにつながるわけでありますので、そういう面もあるということを申し上げたわけでございます。
○森ゆうこ君 それであれば、それに伴って次の年度には、より独立行政法人が自立して政府からの運営交付金というのは少なくて済むようになるということで考えていいんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) その点につきましては、それは毎年度の正に予算、運営費交付金予算の査定をどうするか、執行をどうするかということにつながっていくことでありますので、個々の法人ごとに検討されるべきものと思っております。
○森ゆうこ君 この点についてはまた次回聞きたいと思いますけれども、様々な事業を各特殊法人が運営してきたわけですね。例えば、労働者健康福祉機構に関連しましても様々な事業がありますが、この中で未払賃金の立替払制度があるんですけれども、この制度自体は、倒産が深刻化する今日、確かに必要性も重要性も私はあると思います。しかし、これは厚生労働省の一般予算で行政措置として行うべきで、労災年金を資金源にするのはいかがなものかと思いますが、またこの事業を専門の別組織で行うのは人員配置からしても無駄があるように思えるんですけれども、この点に関しては、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 今、御指摘のように、未払賃金の立替払事業、これは現在でいいますと労働福祉事業団が行っております。これは独法化後も労働者健康福祉機構が行うということにしているわけでございますけれども、これは御案内のように労災勘定で実施を今しております。
 この理由としまして、何点かございますが、まず第一番目といたしまして、この賃金の支払の義務というもの、これは本来事業主の基本的な義務といいますか債務でございます。したがいまして、それが未払になった場合の未払賃金の立替払事業の費用でございますけれども、この負担を一般財源、言い換えますと一般国民に求めるということは適当ではなくて、やはり本来の責任者であります事業主の連帯によります公的な保険方式によることがふさわしいというふうに考えております。
 さらに、この場合、実際の実施する場合でございますけれども、こういった場合に、新しい保険制度を作るんじゃなくて、保険料の徴収でございますとか立替払金の支払、そういったことを、事務を行っていく場合に、その経費、人員、そういったものを考えますと、既存の社会保険の制度、既存の保険制度を活用いたしますことが簡素かつ合理的であるということから、現在、事業主の責任負担において労働者の救済を図るという目的でございます労災保険制度を利用することとして、具体的には労災勘定で実施しているというものでございます。
○森ゆうこ君 もう、ちょっと時間がなくなってきたので最後にお伺いしますけれども、独立行政法人化するこの今の時点でやはりもっと事業を精査して、縮小すべきところは縮小、廃止すべきところは廃止ということで、それぞれの法人で独立行政法人化の時点で縮小してやるべきだと思うんですけれども。
 とにかく、例えば雇用保険三事業からの、特別会計を財源に行われています事業の中でスパウザ小田原という施設がありますね、スパウザ小田原。雇用保険の加入者への福祉の還元ということでこのような事業が様々展開されてきたと思うんですが、すばらしい施設なんですけれども、この施設についてちょっと、また次回もいろいろ質問しますけれども、まず建設費それからランニングコスト等について伺います。
○政府参考人(戸苅利和君) スパウザ小田原の建設費でございますが、四百十五億円であります。土地購入費が四十億円ということで、合計四百五十五億円であります。それから、スパウザ小田原の平成十三年度の決算におきます営業収益は約二十四億円、支出は約二十六億円と、こうなっております。
○森ゆうこ君 今お答えいただいたように、ランニングコスト一つ取っても二十六億円。先ほどネットで検索して見ましたら、十二月はほとんど空室だったんですね。
 今、売りに出していると聞いておりますが、これも一つの不良債権だと思いますが、幾らで売れそうですか。
○政府参考人(戸苅利和君) スパウザ小田原の譲渡につきましては、今の方針といたしましては、まず地元の自治体、神奈川県なり小田原市なりに従業員の再雇用を条件として譲渡を進めたいと、こういうふうに考えてございまして、まず地元で買っていただけるかどうか。地元で買っていただけなかった場合には、これも施設の従業員を再雇用すること、それから、施設の設置の目的等々ございますので、それを踏まえて有効利用すること等を条件として公募型の競争入札によって民間への譲渡を行うと、こういうことになっておりまして、今申し上げましたように、可能性として公募型の競争入札という可能性がありますものですから、具体的には鑑定に掛けて幾らと、こういう額が出るわけでございますが、ちょっと今の段階で額を申し上げるのはお許しいただければと、こう思います。
○森ゆうこ君 もう時間なので終わりますけれども、とにかく基本的な施策の展開の在り方、事業についての考え方をもう一度精査して独立行政法人化しないと全く無駄というものは省けないんではないかということを指摘して、質問を終わります。
○大脇雅子君 独立行政法人への移行についての意義付けについてお尋ねします。
 厚生労働省所管の独立行政法人は、命と健康、あるいは労働の保障に関する機構でありまして、いたずらに事業の効率化や経費削減というものがその本来の目的に合致しない場合があると思われます。公的な規制が不可欠な部分にはやはり大臣の責任で明確な監督を実施するということが必要だと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) やはり、効率性それから透明性等の面で優れた独立行政法人にしていかなければならないというふうに思っております。まず一律に事業の縮減ありきではなくて、現行の特殊法人などが国民の生命と健康、労働の保障といった重要な役割を果たしていくことが重要であるというふうに思っております。その面で、これから独立行政法人を、この運営が行われます場合に、それに対するやはり監督というものは非常に大事になってまいります。
 今までの特殊法人に対してもそうでございましたが、しかし、先ほどから申し上げておりますように、独立行政法人の場合には今までよりもいわゆる自主性と申しますか独自性というものをより尊重をする立場に立つわけでございますから、先ほど申しましたように、手を放すだけではなくて目まで離してしまいますとどうなるか分かりませんし、国民に大きな迷惑を掛けることにもなり得る。したがって、そこはしっかりと見守っていくということが大事、監督ということは十分にしていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
 ただ、そうかといって、今までのように、余りにもそこにまたいろいろのことを言い過ぎて、そして独立行政法人が独自性を発揮できないというようなことになってもこれもいけないというふうに思っておりますが、その辺のころ合いと申しますか、それが、この独立行政法人を生かすも殺すもそこにあるというふうに思う次第でございます。
○大脇雅子君 独立行政法人への移行後は労働協約の締結権が付与されるため、基盤強化のために従来にも増して健全な労使関係の確立に向けた努力が必要とされます。移行に際して、どのような正規職員の削減やあるいは正規職員以外の職員の削減がなされるか。国民や地域住民に対する公共的なサービスや安心に密接に関係がある次元もあるわけですが、こうした場合は、特に今の厳しい不況下で雇用失業情勢が深刻であるため、どのような雇用確保の施策が望まれるのでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 現行の特殊法人が解散をしました際に、解散した法人の一切の権利及び義務は新たに設立される独立行政法人が承継することが規定されておりますので、正規職員との雇用契約もこの一切の権利及び義務に含まれるものでございます。
 したがいまして、独立行政法人の職員体制については、新たに設立される独立行政法人において検討されるべきものでありますが、その際、事務の効率化といった観点とともに、今御指摘をいただきましたような一定水準の公共的サービスの量と質の確保といった観点からも総合的に判断をしなければならないものと考えております。
○大脇雅子君 それでは、労働者健康福祉機構法案についてお尋ねします。
 労働者健康福祉機構法におきましては、賃金の支払の確保等に関する法律に関する事業が機構に承継されます。厳しい不況を背景に、この事業の意義は大変大きなものがあります。今後も未払賃金の立替払というものが増加することが予想されます。制度の実効性を確保するために、この制度の施行はどのように考えておられるでしょうか。
 また、現行法の八条に言う、偽りその他の不正行為による未払賃金に係る債務の弁済を受けた者に対する返還の業務は除くとされておりますが、このような事態が生じた場合、これはどのように処理されるのでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 御指摘のように、現在こういった状況の下で、この未払賃金の立替払制度の利用が非常に増えております。こういったことから、労働者の方に対する支払事務、そういったものが滞ることのないように、より一層立替払の迅速化を図ることとしておるところでございます。
 具体的には、労働基準監督署長によります倒産の認定でございますとか、未払賃金額の確認、そういったものについて的確、迅速な処理を徹底するという点、また倒産事案の内容の早期把握でございますとか、また破産管財人等への早期処理の要請、そういったことも行っておりますし、さらに、具体的な事務を行います労働福祉事業団におきます審査、支給事務の処理体制の確保、そういったものに努めているところでございます。
 それから二点目の、法律の八条にありますいわゆる不正受給の場合でございますけれども、この不正受給の返還等に係ります業務につきましては、この返還請求というものは非常に、言いますと強権的に行うということが必要でございます。そういったことで、いわゆる公権力の行使の主体とはなり得ないこの労働福祉事業団でございますとか、また新しい労働者健康福祉機構、そういったものの業務とはいたしませんで、従来どおり政府自らが行うということにしております。
○大脇雅子君 労災病院の統廃合が予定されております。しかし、このところ、労働災害という重大事態に対処するために果たすべき役割は非常に労災病院は大きいと思います。過労死も増大しておりますし、労災も心疾患とか慢性成人病とかあるいはストレス、自殺など、予防とケアが必要な領域というのは広がっていると思います。これまで全国三十七か所に設置されている労災病院が地域において果たした役割というものも、各地域によってそれぞれ特色があるかと思われます。
 今後、どのような基準によって統廃合を進められるのでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 御指摘の労災病院につきましては、委員御指摘のように、じん肺でありますとか産業中毒、また振動障害、メンタルヘルス、また脳・心臓疾患といったようないわゆる労災疾病につきましての高度かつ専門的な医療の実施に加えまして、こういった労災疾病につきましての研究機能を担います中核病院、そういったものを中心に再編をいたしまして、中核病院とその他の労災病院との間で、今申し上げましたような労災疾病につきましての例えば症例の集積でございますとか治療方法、予防策の研究開発、更には情報の共有、そういった面でいわゆる全国的なネットワークを構築できるように再編していきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 そういたしますと、具体的な方向性を出す計画というのはあるのでしょうか。
 労災病院に関しては、そのような方針に対して全面的な見直しを事務局の方が意見として付しているようなこともございまして、どの程度まで進んでいるのでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 事務的には、できれば年内には大まかな中期的な計画といいますか方針、そういったものを副大臣、大臣と御相談しながら決めていきたいということにしております。
○大脇雅子君 年内に中期的というと、具体的にどういうことでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 冒頭御説明いたしましたように、労災病院の再編の考え方、こういったものに基づきまして、三十七の病院について、どの程度にして、どういったところに中核を持つ病院にし、どういったネットワークを組んでいくかといったことについての具体的な案といったものを作っていきたいということでございます。
○大脇雅子君 その場合に、例えば地域の密着性だとか、あるいはその病院の特色だとか、あるいは病床数の規模とか様々な要件があると思うんですけれども、それらはどのように検討の要件にされているでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 今申し上げました再編をするわけでございますけれども、この再編の対象外となります労災病院につきましては、労災病院といたしましては廃止せざるを得ないわけでございまして、そのうち、地域の医療機関として必要なものにつきましては民営化あるいは地方・民間移譲というものを進めていくことになるわけでございます。
 こういいました労災病院の再編につきましては、ただいまも申し上げましたような考え方で進めるわけでございますけれども、その際には、具体的に地域の関係者の意見を十分に聴いて対応していくということになろうと思います。
○大脇雅子君 ネットワーク構築については、地域における労災病院同士というのもあるのでしょうが、他の医療機関との連携ということも重要性があると思うんですが、その点はどうでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) まず、労災疾病につきましては労災病院が専門家でございますので、まずは労災病院同士の中でのネットワークというものを作り、それから必要に応じまして地域なりいろんな専門病院との連携というものを考えていきたいと思っております。
○大脇雅子君 労災病院の特色というのは、予防と医療とリハビリという一貫性が、言ってみれば専門的な技術とそれから医療の知識の高さで非常に大きな役割を果たしておりまして、労働者の労働災害の認定についてはもう他の病院ではできないというのが現状でありますので、やはり働く人たちの立場からこの労災病院の高い評価を十分にしんしゃくをして慎重に統廃合は行っていただきたいと思います。
 そしてまた、次、少子化が急速に進んでいる中で、小児医療の体制は余りに貧弱ではないかと思いますが、小児救急医療に関してはどのように取り組んでいかれるのでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 労災病院をどうしていくかというのは実は大問題でございます。
 今までの労災病院の役割というのは、先ほど局長からも答弁がありましたとおり、一つは中毒でありますとかあるいはじん肺でありますとか、そうしたことを熱心におやりをいただいてそういう中核になっていて、それはそれで大変大きな役割を果たしてまいったと思いますし、現在も中毒などにつきましては本当に他の病院の追従を許さない立派な設備もそれから人的配置もされているところもあるわけでございまして、そうしたところは今後も残していかなければなりません。
 そして、労災病院の業務も、そうした今までの、古典的なと言うとちょっと言葉は悪いですけれども、昔からの専門的な部分だけではなくて、現在的な、現実的な、現実じゃないですね、現在的な立場に立った労働者の健康管理の問題ということに対するやはり専門病院ということも必要になってくるだろうというふうに思っております。
 それらのことは今後守っていかなければならないというふうに思っておりますが、それでもなおかつ、地域の状況等を見まして、やはりもう普通の病院と同じような内容になっているし他にも多くの病院が存在するしと、いわゆる今までの役割を終えた病院もあるわけでありますから、その辺につきましては整理統合をするということは当然行わなければならないというふうに思っております。そうした考え方でこれは進めなければなりません。一方において社会保険病院もあるわけでございまして、それらと横並びに見ながらこれらの問題も考えていかなければならないというふうに思っております。
 そうした中で今御指摘になりました小児の問題等は、確かに地域によりましては熱心に今取り組んでいるところはあるというふうに思いますが、いわゆる労災病院としてやるべき内容かどうかといったことについてはよく検討をしていかなければならないというふうに思いますし、先ほど先生御指摘になりました地域との問題もこれあるというふうに思いますから、その辺も十分に加味をしながら検討していきたいと思います。
○大脇雅子君 それでは、次は中小企業退職金共済法改正法案についてお尋ねします。
 これまで中小企業退職金共済制度が、大企業と比較して体力の低い中小企業で働く労働者にとっては退職金を制度的に保障し、退職後の生活を安定させる意味を持っていたということは高く評価されると考えますが、今回の改正によって、業務の効率化等を理由に退職金制度の運用や退職労働者の実質受け取る内容の低下をもたらすようなことがあってはならないと考えますが、どうでしょうか。
○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のようなことがないようにということでありますけれども、独立行政法人制度において国が作成する中期目標において、一つには先生おっしゃるように業務の効率化に関する事項、もう一つにはサービスの質の向上に関する事項がございまして、この二つを言ってみれば両立させるというようなことでございます。
 したがって、勤労者退職金共済機構においては、この中期目標に基づきまして、一つには加入者の相談に対する迅速な対応、そして二つには退職金給付の迅速化等を含めて、言ってみれば独立行政法人化に伴ってより一層サービスを充実していくように努めるというようなことでございます。
○大脇雅子君 これ、数字など見ますと共済加入者が増加していないんですけれども、それの理由と、これの改善策について何かございますでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 御指摘のように、従来のように加入者が増えておらないのは事実でございます。これはやはり非常に厳しくなりまして、残念なことでございますけれども、この制度から脱退する中小企業の方が増えているということが原因でございますけれども、やはりこの制度の仕組みといいますか制度のメリット、本当に企業が少額なものを積み立てていって、それを国の方でといいますか、この機構で安全に確実に運用をしてきちんと退職金をお支払いするという、ほかにはない非常に確実それから安全な制度でございますので、そういった点をより積極的にPRしていきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 終わります。
○委員長(金田勝年君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会