第156回国会 農林水産委員会 第6号
平成十五年四月十五日(火曜日)
   午後二時開会
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   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     佐藤 雄平君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     佐藤 雄平君     郡司  彰君
     吉川 春子君     市田 忠義君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     高橋 千秋君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     羽田雄一郎君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     池田 幹幸君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                服部三男雄君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                渡辺 孝男君
                池田 幹幸君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       食糧庁長官    石原  葵君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       水産庁長官    木下 寛之君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (二十一世紀の「農」の役割に関する件)
 (WTO農水産物交渉に関する件)
 (国産農産物の輸出振興に関する件)
 (体細胞クローン牛に関する件)
 (食品表示に関する件)
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○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 去る三月二十八日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として池田幹幸君が選任されました。
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○委員長(三浦一水君) この際、亀井農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀井農林水産大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 農林水産大臣を拝命いたしました亀井善之でございます。
 委員長を始め委員の諸先生におかれましては、日ごろから農林水産行政の推進に格段の御理解と御支援をいただき、この機会に厚く御礼申し上げます。
 北村、太田両副大臣、熊谷、渡辺両大臣政務官共々力を尽くして、農林水産行政の推進に全力を挙げてまいる考えであります。
 委員長を始め委員各位の御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 農林水産委員会の開催に当たりまして、当面の課題に対する私の考え方の一端を申し上げます。
 生命をはぐくみ、自然環境を保全し、文化を形作る食料・農林水産業・農山漁村を支える農林水産行政を担うこととなり、その責任の重大さを痛感しております。現在、食の安全と安心の確保、米政策改革の推進、WTO交渉等、多くの課題に当面していると認識しており、食料・農業・農村基本法、森林・林業基本法、水産基本法に基づき、各般の課題に着実に対応してまいります。
 食の安全と安心の確保につきましては、施策や組織の総合的な改革に全力を尽くしてまいりますが、委員各位には、農林水産省が提出しております五本の関係法案の早期成立を是非よろしくお願い申し上げます。
 私は、施策の面では、農薬、肥料、飼料などの生産資材の適正な使用の確保、食品製造過程でのHACCP手法導入の促進、トレーサビリティーシステムの牛肉への導入とこれに続く青果物、米等その他品目への導入等を図るとともに、食育を推進する国民運動の展開、分かりやすく適正な食品表示の確立に取り組んでまいります。
 一方、農林水産省の組織についても、これに併せ、新局、消費・安全局を設置し、産業振興部門から独立して消費者行政とリスク管理業務を担う体制を確立するとともに、スクラップ・アンド・ビルドの観点から食糧庁組織の廃止を行うなどの改革再編を進めることとしております。
 なお、今後、国民の皆様に食の安全と安心に関する施策の方向を明らかにしていくための食の安全と安心のための政策大綱を策定することにより、食の安全と安心の確保に向けて取組を確実なものとしていきたいと考えています。
 また、消費者の動向や視点をしっかりと踏まえた農業生産が食料自給率の向上に資するものと考えており、消費者の評価を踏まえ、日本の産地ならではの特色を生かした新鮮でおいしいブランド・ニッポン食品の供給体制の確立等への取組を進めてまいります。
 さらに、食品産業は、生産者と消費者を結び付け、安全で安心な食料の安定供給を実現するとともに、地域の経済の活性化に大きな役割を果たしているところであり、食品産業についての消費者ニーズの変化、国際化の進展、環境との調和などに即した総合的な施策を推進します。
 次に、米政策改革の着実な推進であります。昨年十二月に米政策改革大綱を策定しましたが、本年度は、この大綱の確実なる実行に向けた準備に万全を期してまいります。具体的には、消費の減少、生産調整の限界感、担い手の高齢化等の米をめぐる閉塞状況を打開するため、消費者重視・市場重視の視点に立って、担い手が大宗を占める生産構造の確立、農業者・農業者団体による主体的な需給調整の実施、消費者が求める安全・安心な米など多様なニーズにこたえ得る生産体制作りや流通改革の推進を図ります。また、国民の皆様に対し、今般の改革の考え方、内容について周知徹底を図ります。これにより、我が国農業の礎である稲作農業の将来にわたる発展に全力を尽くします。なお、本国会に提出しております食糧法改正法案の成立に向け、何とぞ、本委員会の御理解をよろしくお願い申し上げます。
 さらに、米政策改革にとどまることなく、農業の構造改革の加速化により、意欲ある経営体が活躍する環境条件整備を進めます。具体的には、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を担う望ましい農業構造実現に向けた新規参入者の確保、認定農業者や集落型経営体等の担い手の育成、また、担い手への農地の利用集積、農業経営の法人化や、その基礎となる農地の確保、生産基盤の整備、技術の開発・普及などを推進します。一方、消費者ニーズへの対応などの要請を踏まえて農協改革を促進します。
 これらに関し、農業経営の法人化及び担い手への農地の利用集積の一層の促進、農業共済に関する農業経営の実態に応じた選択の拡大等を進めるとともに、植物の新品種の権利保護の強化を図るため、三本の法案を今国会に提出しており、よろしく御審議をお願い申し上げます。
 次に、農山漁村政策についてであります。
 国民共通の財産としての農山漁村について、その様々な地域ごとの特性に応じ、美しい景観の維持、利便性の高い村づくりの推進に向けて、e―むらづくり計画の策定、自然と共生する田園環境の創造に取り組むとともに、農村資源の観光活用等を図りつつ、都市と農山漁村のつながりの強化などを進めてまいります。
 また、昨年末に閣議決定したバイオマス・ニッポン総合戦略について、農林水産省が中心となって、関係府省と連携し、民間の創意工夫を生かしつつ、その具体化を図り、農山漁村を中心に我が国に豊富に存在する、食品廃棄物、稲わら、家畜排せつ物、未利用の木材等のバイオマスのエネルギーや製品としての総合的な利活用を進めてまいります。
 WTO農業交渉については、本年三月末に交渉の大枠であるモダリティーを確立するとのスケジュールの下に交渉してまいりましたが、三月三十一日までにはモダリティーを確立できなかったところであります。我が国は、現実的かつ具体的なモダリティー案を提出するなど交渉の進捗に努力してきたところでありますが、過大な要求をしている輸出国と我が国やEU等連携国との溝が埋まらなかったところであり、現段階でモダリティーを確立できなかったことは、やむを得ないと考えております。今後、九月にメキシコのカンクンで開催されるWTO閣僚会議に向けて、四月以降も技術的な事項の検討を継続するとともに、六月及び七月に予定されている農業委員会特別会合の機会あるいは各国間の協議を通じて、各国が、できるだけ早くモダリティーを確立できるよう、努力を継続するというのが各国の共通の認識と理解しております。
 我が国としては、引き続きEU等と連携し、かつ、途上国の関心事項に十分配慮しつつ、多様な農業の共存を基本哲学とする我が国の主張に即したバランスの取れた現実的な合意を目指して政府一体となって全力を尽くしてまいります。
 また、林野・水産分野についても、本年五月、モダリティー合意の期限を控えており、引き続き、全力で交渉に取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、WTOを中心とする多角的貿易体制の維持・強化を基本としつつ、これを補完する経済連携についても、私は、我が国の食料安全保障や国内農林水産業が進めている構造改革の努力に悪影響を及ぼすことのないように十分に留意しつつ、現在行われているメキシコとの協定を始め、各国との協議に引き続き積極的に参画してまいります。
 森林・林業政策については、地球温暖化の防止に向けて、京都議定書で我が国が約束した温室効果ガスの削減目標を達成するため、二酸化炭素の吸収源としての森林の果たす役割の発揮に向けて、昨年十二月に策定した地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策に基づき、緑の雇用の推進などを通じて担い手の育成を推進しつつ、多様で健全な森林の整備・保全等をより重点的に推進します。また、効率的かつ安定的な林業経営への施業や経営の集約化、地域材の利用や木質バイオマスの利活用の促進、活力ある山村づくりなどにも総合的に取り組みます。
 なお、森林の整備・保全の一体的な推進と、林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化に向けた二本の法案を本国会へ提出しておりますので、早期の御審議をお願い申し上げます。
 次に、水産資源については、今後とも海洋国家日本としての海の恵みを持続的に利用していくことが重要であると考えており、我が国周辺水域の資源回復に着実に取り組むとともに、世界の国々と協調し、手に手を携えながら、国際的な水産資源の管理を進めてまいります。また、水産物の安定供給や水産業の健全な発展といった水産政策の理念の実現に向けて、安全で安心な水産物の供給体制の構築、水産業の構造改革の推進、魅力ある漁村づくりの推進に取り組んでまいります。
 国民の皆様の御理解と信頼の下、二十一世紀の食料・農林水産業・農山漁村づくりに邁進してまいりますので、委員各位の一層の御支援・御協力を賜りますよう、切にお願いを申し上げます。
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○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、農林水産省経営局長川村秀三郎君、食糧庁長官石原葵君、林野庁長官加藤鐵夫君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(三浦一水君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○常田享詳君 自民党の常田享詳でございます。
 まず冒頭に、のどを痛めておりまして、大変お聞き苦しいと思いますけれどもお許しをいただきたいと思います。
 内外ともに極めて厳しい折、亀井農林水産大臣、御就任本当に御苦労さまでございます。御活躍を心からお祈りをいたしております。
 さて、だれしも人生の師というべき人が何人かあるものであります。私の場合、その一人に、昨年四月、ちょうど今、この亡くなられました鳥取県東伯町農協組合長、花本美雄さんがあります。三浦委員長のお父さんとも親交が厚く、ともに地方の声を国の農政に生かすために力を注がれ、全国的にも大変知られた存在でありました。その花本組合長は事あるごとに、農地は農村の貴重な財産であり国の財産だ、どんなことがあっても、どんな時代になろうとも農村は農地を保全し続けなければならない、農家が安心して農業生産に取り組める環境を作ることが農村の緑を保ち、水を守り、人の心を潤すものだ、田畑の荒れた国に発展はないと説かれておりました。また、かの新渡戸稲造博士は、農は国の基なりと述べておられます。
 亀井新大臣、あなたにとって農とは何ぞや、まずこのことからお伺いをいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほども申し上げましたが、農林水産業と農山漁村、生命をはぐくみ自然環境を保全し、文化を形作ると、極めて重要な役割、正に国の土台である、このように考えます。
 実は、私自身も、小学校、中学校あるいは大学に行くくらいまで私の周辺は農村地帯でありまして、そういう中に母を先頭にいろいろの、麦踏みや田植えやいろいろなことをやり、そういう中から大学に進学することもあったわけでもございます。
 このような観点に立ちますと、先ほどの大先輩の田畑の荒れた国に発展はない、あるいはまた新渡戸稲造先生の農は国の基本なりと、このようなお話、正に今、農地が荒れたりしておりますところを見ますときに大先輩のことを思うわけでもございます。大変重要な国の基本的なことでありますし、また今後とも消費者の視点に立った食料・農業・農村政策の再構築、あるいはまた生産、消費、こういうものの双方の共存共栄、こういう中で社会が形成されると、このように考えております。二十一世紀の食料・農林水産業・農山漁村を作るために積極的にその政策を展開をして努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○常田享詳君 私は、二十一世紀の日本の目指す方向として科学技術立国があることは否定するものではありません。しかし、それには前提条件があると考えています。それは、科学技術立国の土台として農ある社会が存在していることであります。食料の安全保障は無論のこと、環境保全、国土保全、そして日本の伝統文化の継承、いずれも農ある社会があって初めて可能であります。
 数年前、国井先生を団長として北朝鮮に農業視察で入りました。北朝鮮の国の農業試験場を始め生産現場や高潮による被害地にも入りました。農業をおろそかにして工業化へまっしぐらに突き進んだ結果どうなったか。北朝鮮の今の姿は日本にとって大いなる警鐘であります。国の土台が崩れ始めている、そう感じるのは取り越し苦労でありましょうか。
 新大臣の我が国の農業に対する現状認識を改めてお伺いいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 我が国の経済社会の変化の中で、食料・農業・農村をめぐる状況も大きく変化をしております。そういう中で農林水産技術は科学技術立国へ大きく貢献をすると、このように考えます。
 そういう中で、食の安全、安心に対する信頼の確保、生産、加工、流通、消費にわたる総合的な施策の展開や農業の構造改革の加速化、都市と農山漁村のつながりの強化を進めていくのが急務でありまして、そういう中で我が国が科学技術立国と、このようなものを目指すにつきましても、我が国の発展に向け、イネゲノムを始めとするバイオテクノロジーや循環型社会の構築、あるいは温暖化に資するバイオマスの利活用の問題等、農林水産関係の技術の役割は非常に大きいわけでありまして、実は時間が許せばこの十九日の土曜日に農林水産関係研究団地筑波に参りまして勉強することができればと、このように考えておるところでもございます。
 そういう科学技術立国を目指す面におきましても、農業の役割、農業の正に国の土台であるということの根底の中にいろいろな展開がなされるんではなかろうかと、このように考えます。
○常田享詳君 力強い御答弁ありがとうございます。
 さて、WTO農業交渉についてお尋ねをしたいと思います。
 本年二月のWTO新多角的通商交渉における農業分野においてハービンソン議長より第一次モダリティー案が出されました。また、三月中旬には同議長より二次案も提示されましたが、到底我が国やEU諸国がのめるものではなく、事実上決裂いたしました。当然のことだと思います。
 事WTO農業交渉について言えば、前大臣は自らの体を張って最前線で独自の交渉チャンネルを使って頑張っておられたと評価しております。WTO農業交渉は、日本農業の未来、ひいては我が国農業を崩壊させかねない重要問題であります。今、正に日本農業の将来が亀井大臣の双肩に掛かっていると言っても過言ではないと思います。
 お手元に配付しておりますけれども、当委員会ではさきにWTO農業交渉に関する決議を行っております。特にその末尾に不退転の決意で取り組んでいただきたいということを明記いたしております。この決議を受けて、新大臣の決意をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今も御指摘がございましたが、WTO農業交渉につきましては、三月末のモダリティー確立を目標として進めてきたわけでありますが、保護・助成の大幅かつ一律的な削減を目指しております、非現実的で極端とも言える主張を行っております米国・ケアンズ諸国等一部の輸出国と、漸進的で現実的な貿易ルールの確立を求める我が国やEU等のフレンズ諸国などとの溝が埋まらなかった、モダリティー確立に至らなかったところでありまして、我が国としても、今後とも、EUを始めとするフレンズ諸国などと連携を強めながら、過大な主張を行っている輸出国や交渉上重要性を増している途上国に対し粘り強く働き掛けていくことが重要であると、このように考えております。
 今後、WTO農業交渉に関する御決議につきましても重く受け止めて、多様な農業の共存、基本を理念とする我が国の提案の実現に向け、現実的かつバランスの取れた合意が形成されるよう、今後の農業交渉において全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
○常田享詳君 大臣の、当委員会の決議を重く受け止めるという御発言を聞いて安心いたしました。
 実は、恨み節ではないのでありますが、私が委員長をさせていただいておりましたときに、当委員会は中国産野菜など三品目に対するセーフガードに対して本発動すべきだという決議をいたしまして、官邸に超党派で申入れを行いました。しかし、どうなったか。結局は日中トップ会談による話合いによる解決で合意されたという、我々にとっては極めて苦い経験があるわけであります。またまた本題とは無関係なことが交渉を左右してしまうのではないかという心配があります。今、大臣がおっしゃいましたように、委員会決議は法律的根拠はありませんけれども、大変重いものであります。どうか、今の御発言のとおり、重く受け止めていただき、不退転の決意で取り組んでいただきたいと思います。
 さて、次にWTO農業交渉について、次の質問に入らせていただきます。
 大臣は、できるだけ早くEUを始めとするフレンズ諸国にも直接足を運んでいただきたいと思います。そして、その連携強化を図っていただきたい。また、米国寄りと言われるスパチャイWTO事務局長やハービンソン議長とも会って理解を得ていただきたいと思いますが、大臣の行動計画についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 今後の行動につきましては、WTO農業交渉については、先ほど申し上げましたとおり、三月末にモダリティーの確立ができなかったわけでありまして、今後、九月の閣僚会議に向け、様々な機会をとらえて加盟国間で十分意見交換を行い、できるだけ早い、早期にモダリティーを確立するということが各国間の共通の認識となっております。
 このような折、国会の御了承が得られれば、できるだけ早く、早期に主要関係国を訪問をいたしまして、関係閣僚と直接会い、話合いをいたしたいと。EUのフィシュラー農業・漁業委員等、主要国の閣僚と会い、交渉の現状認識や今後の進め方などについて意見交換を行うとともに、個人的な信頼関係を築くことが大変重要なことであると、このように考えております。
○常田享詳君 早急にと申し上げているにはそれなりの理由があります。今、大臣から名前が出ましたフィシュラー欧州農業担当委員は、現在、EU共通農業政策の改革に取り組んでおり、七月まで新ラウンドでは身動きできないというふうに報道されております。そうなりますと、七月から九月にメキシコで開かれる閣僚会議までの間が正念場となるということが予想されるわけであります。
 また、イラク戦争における米欧、特にアメリカとフランスの関係の冷え込みと復興支援絡みの経済的対立がWTO交渉に飛び火する、今のところ対立が深まれば深まるほどいいのでないかという見方もありますが、私は、必ずしもそうではないんではないかという見方もあります。
 そういう意味で、これら厳しい米欧関係とWTO交渉への影響をどういうふうに見ておられるのか、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(亀井善之君) WTO交渉は経済上の交渉であり、イラク戦争といった政治的な要因が直接影響を及ぼすものではないと考えられます。したがって、今後の農業交渉は、技術的な事項の検討や、六月及び七月に予定されている農業委員会特別会合等の交渉プロセスが粛々と行われるものと考えております。
○常田享詳君 先ほどちょっと触れましたけれども、米欧対立、いわゆるアメリカとフランスとのこのイラク問題における対立が油断を呼ぶことがあってはならないと思います。楽観視はできないと先ほど申し上げました。それぞれアメリカもフランスも、またイギリスもそうでありますけれども、国益を背負って外交をやっているわけでありますから、一夜にして対立が妥協になることも外交上では間々あることであります。どうか、そういった外交交渉に油断禁物というところをしっかり、大臣もお分かりだと思いますけれども、目を配って取り組んでいただきたい。よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、官邸の一部に、これも報道で聞くところでありますが、官邸の一部に、WTO通商交渉にとっても、FTA、いわゆる自由貿易協定戦略会議構想にとっても、我が国の農業保護は障害との認識があり、最後は米国の無理押しに屈し、トップダウンで農業自由化の断を下すのではないかという信じ難い報道が一部なされております。これは許されるべきことではありません。セーフガードとWTOとは比較にならない、これは正に日本の農業そのものを壊滅的な打撃を与えることであります。仮にそのような局面に至ったとき、大臣、大臣は農林水産大臣として、責任ある農林水産大臣として、仮に内閣でそのようなことが言われていた場合、その職を賭して、農林水産大臣としての職を賭して体を張って日本農業を守り抜く決意ありや否や、お尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 国会での御決議、また委員からも御発言、正にそのとおりでありまして、これら我が国の基本理念を同じくする国々と連携して交渉に当たると。EU等、多面的機能フレンズの五か国と絶えず緊密に共同歩調を取っているほか、これらの国々の働き掛けにより、ウルグアイ・ラウンド方式を支持する国が六十か国、EU加盟国の十五か国をカウントすれば七十五か国に及ぶわけでもございます。これらの主張を同じくする国々と連携を強めながら、米国・ケアンズ諸国あるいは途上国への働き掛けを粘り強く行い、二十一世紀における我が国の農業の健全な発展が確保されるようルールの確立に向けて全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
○常田享詳君 私のお尋ねした最後のところに答えていただきたいんです。仮に内閣でそのような方向が出てきたときに、農水大臣として、責任ある担当大臣としてその職を賭すぐらいの気持ちで日本の農業を守られるんですか、それくらいのお気持ちをお持ちいただいていますねということをお尋ねしているわけであります。
○国務大臣(亀井善之君) 日本の農業の置かれております立場、このことを十分認識をし、その責任を十分全うしてまいりたいと、こう思っております。
○常田享詳君 実は、何でこういうことをあえて大臣にお尋ねしているか、大変私は心配しているわけであります。それは、アメリカのゼーリック代表は最近の発言の中で日本の米市場についてこのように言っているわけです。経済に占める比率は約二%、生産者数は人口比では一・八%しかない、そしてその多くは兼業農家だと、何で日本はこんなわずか二%、そして一・八%しかないような人たちのために農業を守ろうとするのかと言っているわけです。
 これ、とんでもないことでありまして、なぜ先進国が、アメリカを始め、イギリスもフランスもドイツも自給率を一〇〇%近くまで確保しているか。そういう中で日本は四〇%を切ろうとしている。この二%、一・八%というのは日本にとってはぎりぎりの生命線なんであります。それに対して、何でそんなものに固執するんだということでありますから。しかし、アメリカだって保護政策を取って自給率を確保している。自国民を守るために食料の安全保障をきっちりやっていながらこういうことを平気で言うわけでありますから、頭越しにこういう理屈に押し切られてしまうというようなことがあるのではないか。
 しかし、これは絶対あってはならないことだということで申し上げているわけでありますので、大変しつこいと思われるかもしれませんが、特にアメリカ等のこういう意見に対してどう思われるのか。
○国務大臣(亀井善之君) 日本の農業の置かれております立場は、正に大変、自給率が四〇%、これを四五%にしなければならない、これもなかなか大変なことであるわけでありますし、食料の安全保障あるいは国土環境の保全、こういう面でアメリカのような国とは大変違うわけでありますので、そのつもりで、日本の農業をしっかり守るために更なる決意を持ってその責務を、職務を全うしてまいりたい、こう思っております。
○常田享詳君 大臣の双肩に掛かっておりますので、是非、今の力強いお言葉どおり、日本農業を守っていただきたいと思います。
 次に、農業分野におけるイラクの復興支援についてお尋ねをしたいと思います。
 本日の日本農業新聞を見ますと、国際乾燥地域農業研究センターのアデル・エルベルタジー所長は、イラクの健全な復興のため、高品質の種子や肥料の配布、技術基盤整備などに対する日本農業の国際協力を強く求めているというふうに報じられております。また、イラクの現地の人たちの中からも、日本の医療や農業分野での協力に期待したいという声が多く聞かれております。
 これらの期待に対して、特に農業支援について、今の時点でどのようなことが我が国としてできるのか、可能な範囲でお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) イラクの農業を見ますと、耕地面積が国土全体の一三%程度で、その大宗を、約六割はかんがいが行われ、農業人口は総人口の約一〇%、このように承知をしております。
 主たる農産物は小麦、大麦、野菜などでありまして、現時点においてはイラクの農業生産の現状やかんがい施設等の機能状況等が把握できていないわけでありますが、今後の事態の推移を見守りつつ、イラクの復興のために関係省庁とも連携して適切に対応してまいりたい、このように考えております。
 なお、こうした状況の下で、一般論で申し上げれば、農業分野における復興支援としては、例えばかんがい施設の復旧などがあるのではないか、このように考えられます。また、現状、かんがい施設の復旧、このようなものが考えられるわけであります。
○常田享詳君 私も、参議院に出していただきましてからベトナムを二回訪問させていただきました。そして、そのベトナムの状況を見るときに、五年ほど前には日本の方たちが大変ベトナムの医療、特に枯れ葉剤等で大変な被害を受けて、そして奇形児等が今でもたくさん生まれてくる、そういった方たちのことに一生懸命お医者さんや看護婦さんや日本の医療スタッフが努力しておられる、そしてそういう病院に対して日本がきちっと支援しているということを見てまいりました。
 あわせて、昨年一月に訪問したときは、ベトナムの農村地帯まで入って、ベトナムの農業事情がどうなっているだろうかということで見てまいりました。確かに、私は、復興支援にとって保健医療や、また農業支援というのは大変有効だと。今、ベトナムは非常にまた力強く活力を持って復興しようとしております。その姿を見るときに、やはり医療や農業の支援というのは本当に生きた支援だなということを私はしっかり実感して帰ってまいりました。
 そういうことの中で、支援の方法はいろいろあるわけでありますが、日本のNGO、いわゆる非政府組織は教育や保健医療、農業等、いわゆるスポットライトが浴びにくい開発分野で地道に頑張っているということが今評価されております。特に、以前はいろいろ言われておりましたけれども、力がないとか、まだ育っていないとか、特にアフガンの経験を経て、非常に国際的に高い評価を今得て、力を付けてきていると言われております。
 そういった、我が国の厳しい経済状況を見るときに、湾岸戦争のときのような大づかみな早急な支援というのは、私は困難だろうと思います。また、そういうことから考えると、やはりできることから、きめ細かなことからやっていかなきゃならない。そういうことで、NGO等の活用による支援、私は、日本のNGOを将来育てる意味からも、このイラク復興支援の農業支援に日本のNGOの力を活用するということは大変いいことじゃないかなと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(亀井善之君) NGOにつきましては、現在、農林水産分野の国際協力活動を行う我が国のNGOは主要なもので約百団体あるように伺っております。開発途上国の農業支援に大きな役割を果たしておるわけでありまして、農林水産省といたしましても、NGOに対する各種支援を行っている外務省と連携をしつつ、NGOを活用した復興支援の在り方について検討してまいりたい、このように考えております。
○常田享詳君 次に、変わりまして、日本の農産物の輸出振興について、攻めの、守りの農政ばかり語っておりますので、少し攻めの農政について、輸入じゃありません、輸出振興についてお尋ねをしてみたいと思います。
 日本の農産物の海外への輸出は、今申し上げた輸入に比べて非常に少ない、額も量も少ない。しかしながら、幾つかの農産物においては、その優れた品質を生かして海外でも非常に高い評価を得ておりますし、攻めの売り込みを行っております。特に地方自治体を中心に行っております。私の地元、鳥取県のJA全農とっとりにおきましては、台湾への二〇〇三年度の二十世紀ナシの輸出計画について、昨年度実績の三万四千六百四十九箱から、本年度は十二万五千箱と一挙に四倍増の計画を立てております。
 また、リンゴにつきましては、これは鳥取県じゃなく全国でありますが、リンゴを取ってみますと、平成十四年度、一万二百十トン、二十六億五千八百万円と対前年比四六九・五%という勢いで輸出が伸びております。そして、これらのことをとらえ、地方自治体間におきましては、鳥取県など十四道府県で農林水産日本ブランド、これさっき大臣の所信の中にもございましたが、農林水産日本ブランド、輸出促進都道府県協議会を立ち上げまして、来月、五月に鳥取県内で第一回の協議会が開催されることとなっております。単なる守りの農政から攻めの農政への発想の転換が私も必要だと思います。
 農林水産省は、平成十二年に果樹農業振興基本方針を定め、輸出促進のために輸出国向けの消費宣伝活動や輸出条件の改善に積極的に取り組むという機運がありましたが、しかしながら、機運の割に、平成十五年度予算を見ますと、輸出関連予算は総額で農林水産省予算の中でわずか一億七千七百九十七万円であります。これではもう明らかに攻められるばかりで、攻めの予算ではない、負け犬の予算であります。
 さきに述べましたような輸出促進都道府県協議会、十四道府県とも足並みをそろえて、輸出振興に積極的に打って出よう、攻めの農業をやろう、守りの農政から攻めの農政に取り組もうとしているわけでありますから、輸出関連予算の増額、関連施設の充実、担当部署の強化、これらのことについて、大臣、是非やっていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 委員御指摘の農林水産物の輸出促進については、我が国の農林水産業の体質強化、農山漁村の活性化を図る観点から重要と認識をいたします。
 これまで様々な施策を講じておりまして、各地域において地域の特色を生かした輸出への取組も見られるようになってきているわけであります。しかしながら、価格の面での課題のほか、輸出向けの販売ルートが十分に確立されていないこと、輸出経験が浅いこと、外国語による表示等海外の輸入条件をクリアできていないこと等、克服する課題も多く、安定的、継続的な輸出を行い得るまでに至っていないわけであります。
 このような状況を踏まえて、農林漁業者等の輸出への取組を促すために、海外見本市等への参加によるPR活動の展開、地場の食品加工業等の国際化を推進するためのセミナーの開催、諸外国の貿易及びこれに関連した制度、市場動向等、輸出関連情報の収集、提供などの施策を推進してきているところであります。
 今後とも、これらの施策を強力に推進するとともに、農林水産物の輸出促進に向け努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○常田享詳君 大臣、恐らく大臣の耳には、こういう話を出すと、いや日本の輸出なんていうのはまだまだ、今お話の中にもありましたように、輸出国の中で定着もしていないし、大したことありませんよということを言われる方があろうと思いますが、実態はそうじゃない。特にここ一、二年、二十世紀ナシだって四倍増を目指しているわけですし、青森のリンゴを始めとするものなんかは物すごい、四〇〇%というような勢いで伸ばしてきているわけですね。
 今、地方自治体は地産地消ということと併せて、特にこの十四道府県は、海外に打って出よう、余りにも暗いことばっかりが多い、やはり海外に打って出ることで、やっぱりその基盤をしっかり攻めに転換していきたい、守りばっかりじゃなくて攻めに転換していきたいという、私はこれはすばらしいことだと思うんですね。ですから、一億数千万円というようなことじゃなくて、今お話がありましたように、しっかり来年度予算の編成に向かって基盤、組織の編成、そして予算の編成、いろんなことを、今までの既成概念にとらわれずに、状況がそういう状況ではないということを、特に地方自治体は今一生懸命そのことに取り組もうとしているということを是非御認識をいただきたいと思います。
 そういうことの中で、誠に残念なことでありますけれども、台湾において鳥取ナシの偽物が今出回っております。台湾では鳥取県産ナシの品質が非常に高く評価されております。これは先ほど冒頭に申し上げた花本美雄さん始め多くの先人の方々の血のにじむような努力の結果であります。そして、高級果物として人気が高いために逆に鳥取県産と偽装して品質の劣る韓国産や台湾産のナシが売られているわけであります。
 お手元にお配りした、これは地元新聞に報道されたわけですが、この写真を見ていただくと、本当はこの向こう側には鳥取のナシと書いてあるんですが、こっち側にはJA鳥取ひだと書いてあるんです。これ、鳥取にはひだなんてところないんですね。これは大分県なんですね。大分県は新高という大きなナシの産地で台湾に輸出しているわけです。ところが、この中に入っているのは鳥取県のナシでもなく大分県のナシでもない。箱に書いてあるのは鳥取県と、ひたと書いてあって、大変な量が、今、韓国産の大変な量が売られているわけです。二十世紀ナシそのものはまだ今時期ではありませんから実害を被っておりませんけれども、恐らくこの後、韓国には黄金梨と言われる二十世紀ナシの種を向こうへ持っていって作らせたものがあるわけであります。食べてみれば質が、品質は分かりますけれども、価格が違うわけですね。ですから、高い割にまずいという、鳥取のナシは、評価がこういう偽物で定着してしまうと、せっかく築き上げてきたブランドが崩れてしまうわけであります。そういうことで、これらのことで大変今心配しております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、このことについては、既に農水省、外務省を通じて台湾現地の調査をお願いしているところでありますが、それがどのようになっているのか。
 また、実は私も二十一日から現地入りするということでお許しをいただいておったんですが、SARS、いわゆる例の肺炎の問題でやむなく延期をすることとなりました。私としてはやきもきしているわけでありますが、そういうことで行けない。そこで、是非、私なんかが行くよりも、農水大臣からしかるべきルートで台湾政府に対して正式な調査と、実はWTO協定、台湾はWTO加盟しておりますから、WTO協定ではTRIPs協定で地勢的表示というものには、きちっとこういう偽装表示はしてはならないというあれがあるわけですね。そういうことで、このTRIPs協定に基づく取締り強化を要請していただきたい。抗議を申し込むというんじゃなくて、日本にとってはお客様でありますから、また、台湾がやっているかどうか分からないわけですから、抗議を申し入れるというよりも、調査とそして取締りを台湾政府の方に大臣としてやっていただけるものかどうか、是非お尋ねしておきたい。
○国務大臣(亀井善之君) 農産物の表示の偽装、これは食料への不信感を助長し、産地ブランドを傷付ける本当に許し難い行為であると、このように認識しております。委員御指摘の案件、我が国における数少ない輸出農産物として長きにわたって築き上げてきた鳥取ナシブランドを毀損するものであり、関係の方々のお怒りやお嘆きはよく理解できるものであります。
 このため、農林水産省といたしましては、鳥取県の要請を受け、財団法人交流協会を通じて台湾行政院関係部局に対し、実態の調査及び適正な原産国表示の指導等を行うよう三月三十一日に申入れを行ったところであり、現在、関係部局において対応が検討されていると、このように聞いております。
 なお、TRIPs協定の表示規定は、ある商品の社会的評価等とその地理的原産地が関連する場合に、その商品が当該原産地由来であることを表示するものであり、本件のような原産地国の偽装表示がこれに該当するか否かについては検討を要しますが、一義的にはむしろ台湾の国内法の規制対象として対応すべきものと理解しております。
 いずれにせよ、今後ともあらゆる機会を通じて、毅然とした対応を行うよう台湾当局に求めていきたいと、このように考えております。
○常田享詳君 実は前例がありまして、これは成功例なんですが、台湾でリンゴを、青森産のリンゴがやっぱり偽装販売されたことがある。そのときに、青森県を始めとする取組が非常にスムーズに、農林水産省も恐らくお手伝いされたんだと思いますが、スムーズに鎮火させたためにその後被害の拡大に至らず、先ほど申し上げたように、青森産のリンゴを始めとするそのブランド、それから消費拡大は急激に伸びているということでありまして、やはり、こういった問題はやはり早く、早く鎮静化させるということが大切だと思いますので、是非ともお力添えをお願いを申し上げたいと思います。
 さて次に、林業問題についてお伺いさせていただきます。
 亀井大臣は、大臣就任まで全国山林種苗協同組合連合会の会長を務められておったというふうに聞いております。大変、森林・林業に造詣が深いというふうにお聞きして心強く思っております。
 平成十四年度から森林整備地域活動支援交付制度がスタートしたわけでありますが、これは私としては第一歩として評価しますが、これは山を守る林家とかそれから農家林家等の定着ということから考えれば、正に二階から目薬のような政策でありまして、到底定住策とはなり得ないものだと思っております。
 しかし、現実的には、全国の森林のその多くは二十ヘクタール未満の小規模林家が約二百万あると言われておりますが、そういった人たちが守っているわけでありますね。ところが、そういった人たちの所得、経営というのは極めて厳しい状況に置かれているわけであります。そういうことから考えますと、はしょってお尋ねいたしますが、いわゆるそういう山村を守っている小規模の林家や農家林家、そういったところの人たちが定住し、なおかつ後継者が育つような農林複合経営支援政策というものが必要ではないかと。これだけ、一つだけで食べていけるということはないわけですよ、山村においては。やっぱり、あれもこれもこれもというようなことで合わせて、都市よりも多少収入が少ないけれども、やっぱり山を守っていこうということであろうかと思います。
 そういうことから、このたびの平成十四年度からスタートした支援交付制度を大きく進めて、この際、直接所得補償を小規模林家にまで導入すべきときが来ているのではないか。そうしなければもう山は守れない、もうどんどん集落、うちなんかでも、鳥取県辺りでもどんどん崩壊していますからね。いったん崩落した集落なんてもう元に戻すことなんか絶対できませんよ。
 そういうことの中で、今こそ大きく新大臣の下で踏み込むべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) この支援交付金制度が創設をされ、都道府県や市町村と連携を図りつつ制度の定着に努めてまいりたいと、このように考えております。
 なお、平成十五年度におきましても、平成十四年度補正予算と合わせて、多様で健全な森林の整備に重点的に取り組むとともに、この交付金制度の着実な推進を図り、今後ともこれらの施策を通じて林業生産活動の活発化、山村における定住化が図られるよう努めてまいりたいと、このように考えております。
○常田享詳君 林業問題で簡単にもう一点お尋ねをしておきたいと思います。
 それは、今申し上げたように、複合的な収入がなければ山を守ることはできない、定着することはできない、ましてや後継者が育つなんてはずはないわけであります。そういう中で、長く日本の小規模林家の収入の一部を支えてきたのが特用林産物であります。シイタケとか、それから最近でいえば炭なんかが非常に伸びてきておりますが。
 しかし、今、林野庁の特用林産室のデータを見ますと、いや、キノコは伸びております、キノコは伸びておりますというデータは出してくるわけです。ところが、そのデータの中身を見ると、ブナシメジとかマイタケとかエリンギとか、いわゆる町の工場で作られたような、菌床なんかで作ったキノコを合わせて特用林産物と言っているわけです。何で町で作ったキノコが山のためになるんでしょうか。それだったら林野庁に特用林産室なんか置かなくたっていいじゃないですか。本省に置けばいいじゃないですか。特用林産室を林野庁に置いているというのはそれだけの意味があるわけですから、それは山を守る人たちの複合的な収入を確保するためにやっていただきたいということでありますが、例えば特用林産予算、今年十七億五千万円、このほとんどが山に使われていますか。私は、使われていないんじゃないかなと思っております。
 そういう意味で、大臣、大臣は林野大変お強いと冒頭申し上げました。どうかこの際、私は特用林産室というのは大変重要なところだと思うんです。ですから、もう一回特用林産室の使命というものを再認識していただいて、組織の強化、そしてその予算が本当に山を守る人たちのために、特に小規模林家に、その特用林産の生産のために活用されるような方向で、思い切り特用林産室がやれるような体制を作っていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) この特用林産対策室を設けて施策の展開を進めておるわけでありますが、今、委員御指摘のいろいろの施策をこれからも進めてまいりたいと、こう思っております。
 お話しのとおり、大規模な施設、こういうものができ、干しシイタケや生シイタケ、山菜、木炭等について従来どおり林家の収入源としての重要な役割を占めておるわけでありますので、また需要の拡大等々も図り、努力をしなければならないと、こう思っております。
○常田享詳君 是非前向きに、積極的に改革していただきたいと思います。
 最後に、水産物についてお尋ねをいたします。
 WTOの非農業品市場アクセス交渉、とりわけ水産物貿易交渉の現状でありますが、私も今、党の方で水産の専任部会長をさせていただいて、いろいろお話を聞かせていただく中で、極めて厳しい、農産物よりももっともっと厳しい、フレンド国も少ない、正に四面楚歌の中で一生懸命、今、水産庁を中心に頑張っておられる、そのように私は認識しております。もう残念でなりません。もう水産王国と言われた日本が何でこんな追い詰められていかなければならないのか、本当にはらわたの煮えくり返るような思いがするんでありますが、しかし、現実の問題として、今申し上げたような状況であります。
 大臣、農産物の問題にもさっき申し上げたように不退転の決意で取り組んでいただきたいと併せて、海洋王国と言われた日本の水産物に関するWTO交渉において、この厳しい現状に対してどのように現在認識をしておられ、今後取り組んでいかれるのか、このことをお尋ねして、私の質問を終わります。
○国務大臣(亀井善之君) WTO交渉におきましては、水産物に関しましては、現在、関税等の市場アクセス及び漁業補助金の議論がされているところでありまして、関税については我が国は、有限天然資源の持続的利用の観点から、水産物には特別の配慮が必要であり、品目ごとの柔軟性が確保されるよう方式を主張しているところでもあります。しかし、米国、EU等主要国は全品目一律の関税引下げを主張しており、状況は御指摘のとおり非常に厳しいと、このように認識をいたしております。
 また、漁業補助金につきましても、ニュージーランド、米国等の多数の国が、漁業補助金は競争条件に影響を与えて貿易を歪曲し、また乱獲を引き起こすとして、特別のルールを課して削減、撤廃することを主張しているわけであります。我が国は特別なルールは必要ないと主張し、これも状況は非常に厳しいと、このように認識をしております。
 このような状況におきまして、私は、世界の水産資源の状態が年々悪化している中で単純な水産物貿易の自由化は、輸出を目指した漁獲活動を活発化させ、中長期的には資源の枯渇をもたらすおそれのあると、このように考えております。
 したがって、水産分野においても水産資源の持続的利用に貢献する貿易ルールが確立されるべきであり、こうした主張が交渉結果に反映されるよう粘り強く交渉に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○常田享詳君 終わります。
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。
 大臣におかれましては、農政を取り巻く諸課題が山積する中での大変な重責、大変に御苦労に存じます。是非、先ほどの大臣発言にございましたように、今後ともしっかりと農政の諸問題についての御対応をまずお願いをしておきたいと思います。
 先ほど常田委員の方からイラク復興支援に関する食糧援助、またWTOについて既に御質問がございましたので、重複を避けまして何点か若干の御質問をしたいと思います。
 まずクローン牛のことでございますが、先日、厚生労働省の研究班が、この体細胞クローン牛については安全性が損なわれることは考え難いという研究発表、研究成果を報告をされました。今後、農水省といたしますれば、このクローン牛、特に体細胞クローン牛、これについてどういう対処をしていかれるのか、その方針についてまずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 体細胞のクローン牛でございます。これまではまだ、その安全性のデータの収集がまだできていないということで、私どもも出荷の自粛を要請してきたわけです。
 先生言われましたように、四月十日に最終報告書の概要版が取りまとめられました。その中では、こう書いてあるわけでございます。従来技術によって産生された牛にはないクローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考え難いが、新しい技術であることを踏まえ、慎重な配慮が必要と、こうなっているわけでございまして、最終報告書は四月末以降に公表されると、このように聞いております。
 私ども、今後の予定といたしましては、この最終報告書を踏まえた上で、科学的にリスク評価をする食品安全委員会が七月に発足をする予定でございますんで、ここで科学的に評価をしてまずいただこうということが適当ではないかと考えております。
 そして、それをクリアしても、いわゆるリスクコミュニケーション、これが重要でございますので、関係業界、消費者等の御意見を踏まえる必要があろうということでございます。この問題は、科学的な安全性という問題のほかに、やはり消費者への安心という観点から取り組むべきだろうというふうに考えておりまして、慎重に対応したいというふうに考えております。
○日笠勝之君 おっしゃるとおり、死亡確率がまだ三〇%とか、大変技術的な未完成の部分、それから消費者にとっては本当の不安がぬぐい切れないと、こういうものがあろうかと思います。よって、先ほど局長おっしゃったような方向でしっかりとした、ただただ技術的なだけじゃなくて、心理的な安全も非常に大切なわけでございますから、払拭できるような体制が整うまでは、これはやっぱり慎重に行うべきであろうと思います。
 万々が一ですよ、万々が一これを流通しようということが決まったとしても、これは先ほど大臣もおっしゃった表示の問題に移るんですけれども、食品表示の問題に移るんですけれども、まだ決まる前からそんなことを言うのはおかしいんでしょうが、万々が一そう決まったとしても、これは表示は、やっぱり体細胞クローン牛であるとか受精卵クローン牛であるとか、せめてそういうことはトレーサビリティーでもきちっとやるんでしょう。そういう意味では、そういう消費者が選択できるような表示は当然これは考えなきゃいけないんだろうと、ちょっと先の話ですけれども、これは大臣、やっぱりそう思いませんか。どうですか、表示の問題ですが。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 仮定の話でございまして、国内流通が可能というふうになった場合でも、やはりこれは遺伝子組換え食品のときにも御議論ございました。やはり消費者への安心という問題の一環として、やっぱり表示という問題はその中で十分検討されるべき事項というふうに考えております。
   〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
○日笠勝之君 だけれども、この体細胞クローン牛は遺伝子じゃないんだよね、これ。だから、御理解はされた上でおっしゃっているということで、是非その方向で、万が一のときには当然そういうことは考えられることであるということで私も理解しておきたいと思います。
 それから、大臣、農協改革のことを少しおっしゃっていましたね、先ほど発言の中で、農協改革です。
 大臣はJAいせはら農協ですね、JAいせはらの何か正組合員だと、こういうことですが、これはどういう立場で組合員になられているんですか。
○国務大臣(亀井善之君) 私のところはずっと農家でありまして、時代が変わり、最近では区画整理等々が行われて、都市近郊の農村地帯であります。組合員、それは農協に預金であるとか農協の共済であるとか、あるいは私、地元で生産組合の組合員であったりして、そんなお付き合いをしておりますし、そういう中から組合の方でもそのような認識を持っていただいていると、こう思います。
○日笠勝之君 実は私、岡山の出身でございますが、岡山県のJA大原町が実は大変な金融上の問題を起こしたわけでございます。私も当委員会で二回ぐらいこの問題については取り上げさせていただきました。
 それを契機に、全農協の総点検を実施するということが昨年の十一月五日、各都道府県知事等々に農水省の経営局長から発出をされているわけでございます。七項目ぐらいのチェック項目のようでございますが、この実施要項の一番最後に、総点検の結果につきましては、十二月一日まで、直接、金融調査課あて御報告願いますと、こういうことで、もう既に、十二月一日ですから、四か月以上もたっておるわけですが、この調査結果は今どうなっておりますか。御報告いただければと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、委員が御指摘ございましたとおり、JA大原町のケースを契機といたしまして、これは大原町の場合は非常に特異なケースだと思いますが、全国のJAをもう一度総点検をして、農協金融のより一層の健全性の確保を図りたいということでやったわけでございます。そして、今ございましたように、十一月の初めに経営局長名で通知を出しまして、各都道府県、それから信連、中央会と、この三者がそれぞれの立場で管内の全JAについての再点検を行ったところでございます。
 結果でございますが、JA大原町のような重大な違反はもちろんないわけでございますが、一部、不祥事等もございましたので、こういったJAに対しては適切な改善の指導等を行ったところでございます。
○日笠勝之君 そうすると、総点検の調査はもう終わって、しかるべき対応をしておると、こういうことですか。ああ、そうですか。分かりました。
 不適切な項目が今あったと言いましたね。これは何項目ぐらい、何農協と言った方がいいかもしれませんね、あったんでしょうか。それは公表できないんですか、対外的に。
○政府参考人(川村秀三郎君) 一般的な事柄として言いますと、不祥事というのは、もちろん金融機関にありますような横領とかそういうことがあるわけでございます。これは皆無ではございませんので、そういうことも、再発防止というようなことも兼ねての指導をしてございます。
 それからまた、大口の貸出しの規制とか、そういうものの違反というものも、これは貯金量の何分の一とかいうのがあるが、こういうものにもやはり形式的に違反しているというものもありましたので、そういう事例をしておりまして、全JAの総括としては、大体二割台ぐらいの何らかの改善点があったということでございました。
 公表の問題につきましては、これはもう金融庁も同様でございますけれども、個々のケースについての公表というのはしておらないということでございます。
○日笠勝之君 大臣、二割ぐらいあったというのは、ちょっとこれはパーセントが高いような気がしますね。だって、お金を扱うところの専門のところが何らか二割ぐらいいろいろ問題点があったということは。
 いずれにしても、農協改革、しっかりやっていただきたい。大原町のようなことが二度と起こらないようにやることがこれ調査をしていただいた意味があるわけでございますから、しっかり、この点の改革も大臣にしっかりと要請をしておきたいと思います。
 それから、分かりやすく適正な食品表示ということも先ほど大臣の発言でおっしゃられました。私、今年になって二回ぐらい当委員会で食品表示についてしつこいほど質疑をさせていただきました。
 それは、前の大島大臣のときにも申し上げたんですが、私も国会議員、衆参合わせて二十年ぐらいになるんですけれども、去年、農水委員会に私、志願をいたしまして、初めて所属をさせていただいたわけですね。なぜかならば、やはり、これからはやはり消費者とか生活者の重視、またそういう生活者、消費者の目線での農林漁業行政ですね、いわゆる農政が大事であろうと、こういうことで、そういう点を踏まえた質疑をさせていただければと、こういうことで農水委員会へ志願をして配属をしていただいたところでございます。
 そういうことから見ますと、やはり消費者にとっては表示ということは大変重要でございます。食は命のもとでございます。その食の表示が偽装だとか不当だとかいうのは誠に、先ほど大臣のお言葉で言うと許し難いことだと私も思っております。
 そういう意味では、この食品表示については今後もしっかりと厳しく、また分かりやすくということで対応していただきたいと思うんですけれども、最近ちょっと読みましたある雑誌によりますと、「食品表示がわからない。」、こういう雑誌がございました。確かに、これは食生活ジャーナリストの佐藤達夫さんという方のインタビュー記事なんですけれども、私もこれを見ましたら、ああっと思うことが何点かありましたので、今日は一般庶民の代表としてお伺いをしたいと思います。
 例えば、刺身の表示なんですけれども、刺身の場合、一種類だけであればこれは当然生鮮食品ということで原産地表示が要るんだそうでございます。しかし、盛り合わせ、二種類以上のものになってきますと、これは加工品だからいわゆる生産地表示もないし、養殖とか解凍という表示もないんだということをこの雑誌のインタビューで見ましたので、私、早速スーパーへ行ってみましたら、全くそのとおりでございました。一種類の刺身であればこれは原産地も養殖か解凍かということの表示が要るんだと、二種類以上は要らないんだと。何となく分かったような分からぬような。同じ刺身なんですね。
 こういうこともやはり消費者から見れば、二種類だけれども、やはりそれぐらいは、今のトレーサビリティーじゃありませんが、原産地ぐらい、このイカはどこで取れて解凍か養殖か、このブリはどこで取れたもので養殖か解凍か、これぐらいのことは今のこれだけのIT時代であらば、すぐこれはラベルにも表示ができるんじゃないかな、こう思いますので、どうなんでしょうか、消費者に分かりやすい適正な食品表示とおっしゃっているからには、こういうようなものも是非、二種類以上のものも、一挙にできないかもしれませんが、そういう表示に努めるようにするとか、こういうふうなことになりませんか。
   〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
 それから、ひき肉も同じだそうですね。豚なら豚だけのひき肉なら書かなきゃいけませんが、二種類合わせひき肉の場合いいんだとか、こういうこともあるようでございます。
 以上、この表示の問題についていかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 御指摘の刺身の表示につきまして、単品と盛り合わせの表示方法が異なり分かりにくいとの御指摘があることは承知をしております。検討の必要があると、このように認識しております。
 このため、農林水産省におきましても、昨年十二月に設置され食品の表示基準全般についての調査審議を行っていただいている食品の表示に関する共同会議において、本年一月以降、御議論をいただいております。この検討結果を踏まえて、刺身の表示についても消費者にとって一層分かりやすいものとするよう努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○日笠勝之君 刺身だけでなく、ひき肉の方もひとつ検討してくださいよ。
 それから、次に移りますが、水産物加工品の表示実態調査の結果が、二月二十一日、総合食料局から発表されました。私もこの結果を見まして、何か四割がJAS表示満たさずということで改善指導をされるということでございます。
 当然、改善指導は結構かと思いますが、どうもまだ表示の、JAS、新しい方ですね、新しい新JAS法、この表示の仕方などなどが業界・業者の皆様方に徹底していないんじゃないかなと。ですから、四割ですよ、私たちが水産加工物買った四割がJAS表示満たさずということでございますから、もう少し何らかの方法で業界・業者の方々に徹底をして、先ほど申し上げました表示は、偽装表示とか偽表示とかいうのは、これはもう許し難いことですよ。それからまた、こういうものはスピードを上げて対処しなきゃいけない。のんべんだらりと待ってたんじゃいかぬわけでございます。
 積極的に攻めていかにゃいけませんが、例えばこういう水産加工物、こういう結果が出ました。どうされますか。
○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘の表示の実態、水産加工品の状況についての私どもの調査結果の状況かと。そういう状況の中で、御指摘のもの、完全な状況でなかったものについての割合という形で、私どももおっしゃるとおり周知徹底と改善指導が必要だというふうに思っております。
 そういう点で、消費・安全局、仮称、の設置という体制整備の中で、私ども、食品表示に対する監視体制も強化していきたい、あるいは指導体制も強化していきたいというふうに思っておりますが、あわせて、やはり関係者に表示の実態についての周知徹底を図って協力を得ていくと、そういう地道な取組と併せて監視体制の充実強化を図っていきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 次、またこれは全農の直販の、直轄の販売所、これは佐賀でしたかね、佐賀県の園芸販売所がいわゆるタマネギの、これも表示に対して、またこれが改善指示が出ておりますね、不適正表示ということでね。私もこの前やりました、全農のことはね。
 全農というと、正に食を扱っている本家なんでしょう。そういう本家がこんなことが、前回一回のみならず、これ二遍も三遍もですね、全農の。これじゃ一体全体、先ほど申し上げました消費者とか生活者は一体何を信用していいのかと。食を扱う、命のもとを扱うような全農がそういう不適正表示という、これ一回じゃございませんですよ。チキンもありましたね。そういうことで、これはやはりこの前から申し上げておりますように、もうイエローカードじゃなくてレッドカードで即直罰でいかないと、またまた起こるんじゃないんでしょうか。
 それからまた、そういう専門に扱っているような団体とか業者は、これはもうちょっとしたミス表示じゃないわけですから、意図的にやっておるわけでしょうから。そういう意味では、これは意図的であれば、これは例えば犯罪であればちょっと違いますよね。ちょっと調べてきました。刑法百九十五条の特別公務員陵虐罪なんというのはですね、公務員でも特別、裁判とか検察とか、検察、職務、そういう方が暴行を加えた場合は七年以下なんです。ほかは二年以下です、普通の暴行罪は。
 そういうことで、全農のようなそういう組織がこういう不適正表示は改善命令だけでいいのかということを私はこの前からさんざん言っておるわけですね、さんざん。そういうところはもう違うんだよと、もう改善じゃなく直接罰金にいきますよと、こういうふうにいかないと、普通の業者がちょっと間違ったんですよというのとは違うんだろうと思うんです、全農なんというところは、正に。
 そういう意味では、この際、この不適切、また偽装表示については許し難いと、こういうふうに大臣もおっしゃっているんですから。この前から局長と何遍かやっていますけれども、どうも仲間意識があるような気がしてですね。まずイエローカード、改善命令ですよと、何月何日までにこういう徹底しているかどうか報告くださいと。こういう程度じゃ、私は先ほど申し上げました庶民だとか消費者の立場から見れば納得できない。一回じゃないんですから、これ、全農は。
 そういう意味では、今後、こういうふうな罰則強化ということについては、この政策評価の概要にもあるわけですから、罰則強化すべしと。先ほどから言っているように、是非ひとつもう少し厳しくやるべきじゃないかと、こう思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(亀井善之君) 食品の虚偽表示は、もう全く消費者を欺くものであり、食品を消費者に提供する事業者にあるまじき行為であります。
 虚偽表示事件に対しましては、まずJAS法に基づく立入検査、調査により事実関係を確認した上で、詐欺罪に該当する疑いがあるときには警察に連絡、告発すると。さらには、不正競争防止法、不当景品類及び不当表示防止法等に違反する疑いがあるときには担当省庁に連絡すると。また、JAS法に違反する案件については、改善の指示等により是正させるとともに、事業者名を公表する等の対応を行っているところでありますが、このような対応を迅速かつ適切に実施するために、昨年の法改正により公表の迅速化、罰則の大幅な強化が措置され、JAS法を的確に実施するとともに、十五年度には農林水産省の組織再編等を通じて食品表示の監視体制を強化することとしております。
 今後とも、不正表示に対しましては厳正に対処してまいりたいと、このように考えております。
○日笠勝之君 今、衆議院の方に掛かっておると思いますが、牛の個体識別法のトレーサビリティー、これは非常に罰則きつくなるというようなこともありまして、昨日の日経の夕刊に出ていましたですね。そのときに、しっかりまた表示の問題についてはやることにいたしましょう。今日は表示のことは以上で終わりたいと思います。
 それから、BSEの関連のことでございますが、これも御存じのように発表がございまして、BSEの牛肉買取りの制度は百四トンがいわゆる対象外と、四百六十四トンがいわゆる分からないから弁明を求めておると、こういうようなことでございますが、そうですね。この百四トンの牛肉買取り制度での対象外、これは社名は公表しないと、こういうことでございますが、判定委員会があるようでございますが、太田副大臣もメンバーだそうですね。なぜ、この社名は発表しないんでしょうか。
○副大臣(太田豊秋君) ただいま、補助対象外となった業者名の公表について、なぜしないんだ、発表しないんだというふうなことでございますが、これは公表の基準というものを昨年七月から八月にかけ四回にわたって検討をいただいた結果、基準を示したところでございまして、その基準において、箱の例えば詰め替えなどの犯意が認められるものについては原則公表すると。一方で、自主点検の報告が事前にされているなどの場合には、あえて公表する必要があるかどうか勘案することとなっておるものでございます。
 このような公表の基準に照らして、北村副大臣を座長といたしまして、副大臣である私や、あるいは弁護士、検事等で構成されております牛肉在庫保管・処分事業に係る判定委員会を開催いたしまして、公表の是非を個別の事例ごとに厳正に検討をいたしておるところでございまして、これまでのところ、対象、補助対象外と認定、確認された百四トンのうち六十四トンについては、既に判定委員会において、極めて短期間の対応を行う中で要件の周知不足やあるいは確認ミスなど、偽装や故意が認められない事由によるものと判定をされております。
 また、残り四十トンにつきましても、品質実施者は、検品実施者は意図的な作為は認められなかったとしているが、最終的には判定委員会において判断の上、厳正に対応したいと、このように考えておるところでございます。
○日笠勝之君 四百六十四トンは疑惑肉と言われていますが、これ、弁明は、何か新聞報道ですと数か月掛かるというんですが、そんなに掛かるものですか。もうスピードが命でしょうから、また、早く対象か対象外か決めてもらわないと補助金、助成金もらえないんでしょう。冷蔵庫に入れたまま何か月もそれこそフリーズされていたんじゃ現金に換えれないじゃないですか。何か数か月も掛かるんですか。どのぐらいのスケジュールで四百六十四トンはすべて疑惑であるか、いわゆる対象外か対象だということを決めるんですか。いかがですか。
○副大臣(太田豊秋君) 今までも、四回のこの判定委員会を開きながらずっとやってまいったわけでありますが、いろいろとその議論の中で個別案件ごとに、一件ごとに全部審査をいたします。この審査の量も膨大な量でございますのでなかなか一回で決まるというふうなものでもありませんので、一つの案件について、一例について例えば二回ぐらい、二回にわたる判定委員会にかかるとか、あるいはどうしてもその場で結論を出し得ない問題については、その業者あるいはその個人、こういった方々、関係者に出席を求めて、そしてそこの皆さんがそれらの方々のいろいろな事情説明等々もお伺いいたしながら個々に判定をいたしているということで大変時間が掛かっておりますが、これもかなりスピードを上げながら今、判定委員会も開かさせていただいております。
○日笠勝之君 ではどれぐらい掛かるんですかと聞いているんです。大体数か月と新聞に出ていましたけれども、大体どれぐらい掛かりますかと言っているんです。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御指摘のその四百六十四トン、これは箱を開けてみましたけれども、品質保持期限が確認できないというようなことで適正なものかどうか即断できなかったものでございます。
 したがって、今後、その事業実施団体から書類の提出等を求めるんですけれども、先ほど来お話ありますように、この確認作業の結果次第では公表問題だとかあるいは刑事告発だとか、こういうものにつながる場合もございますので、まず期限を決めて書類を出せと。で、いろいろ調べて、やっぱり弁明の機会も与えないかぬわけでございますので、そのどのぐらい掛かるかというのはここでお答えはできないんですけれども、できるだけ早く確認作業はしたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 何か原始的な判定しているような感じがしますね。もう今はコンピューター時代で、このロット番号のこの箱は、パソコン一発押せば、いつ生産して、いつ解体して、いつまでが品質保持ぐらい分かるようなんじゃないですか、普通。全部このペーパーを一々手書きのを見てやっているんですかね。それじゃ、トレーサビリティーなんかとてもじゃないけどできないんじゃないですか、これ。
 そういう意味では、まあそういうところもあるかもしれませんけれども、とにかく早くやってあげないと、いずれにしても皆さんも迷惑するわけですから、時間がありませんからそれだけ要望しておきます。
 最後に一点、ちょっと今日はせっかく官房長も来ていただいて、食糧庁長官も来ていただいて、パソコンのことをしっかりやろうと思ったんですが、後日しっかりとやりますから、経費削減ということで。一問だけ最後に、済みませんね、後日、経費削減の方は後にして、牛の全頭検査ですね。
 死亡牛、二歳以上の死亡牛の全頭検査、これは本年四月一日から始まるということで、私たちもそう思っておりまして、日本の牛の関係は一番安心、安全だと、こういうふうに思っておりましたら、何か、この四月一日から始まる予定が、今のところ私が聞いているのは、十七道県ですかでは実施できないと。来年の三月まで猶予期間があるから、それまでにやればいいんだみたいなそういう報道がなされておりますが、これは一体全体どういうことなんでしょうか。周知徹底期間がなかったのか、予算を農水省が出し渋ったのか。
 何で、この四月一日からやろうという、先ほどから何回もスピードが大事と。安心、安全はスピードが大事ですから、十七道県ができないというのはなぜか、理由。それから、どういう、そういうところは今後スケジュールでスピードアップして全頭検査をできるようにするのか。
 以上、これをお聞きして、終わります。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 周知徹底期間がなかったわけでも、予算を渋ったわけでもございません。
 まず、三十都府県は四月一日からやっているわけです。残り十七道県のうち二県は、離島を除いて本土では全部やれるというところが二県ございます。残りの十五道県は、例えば北海道のようにえらい頭数が多い、四万頭ぐらい対象があるわけでございますので、なかなかそういう意味で施設が整備が整わない。それから、あとのところは、一県ずつ状況を聞いてみますと、やっぱり冷凍保管施設のような施設整備に地元の反対があるその他で、どうしても遅れざるを得ないというようなことでございまして、残念ながら四月一日には間に合わないということでございます。
 ただ、十五年度中にもできるだけ早く全頭検査体制は整えてほしい、遅くとも来年の四月からは全都道府県でやれるようにしていただくということで強く指導をしていきたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 終わります。
○委員長(三浦一水君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会