第156回国会 農林水産委員会 第18号
平成十五年六月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     信田 邦雄君     峰崎 直樹君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     信田 邦雄君
     宮本 岳志君     市田 忠義君
 六月二十五日
    辞任         補欠選任
     渡辺 孝男君     福本 潤一君
     市田 忠義君     八田ひろ子君
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     信田 邦雄君     峰崎 直樹君
     本田 良一君     鈴木  寛君
     和田ひろ子君     岡崎トミ子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                羽田雄一郎君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                服部三男雄君
                松山 政司君
                岡崎トミ子君
                郡司  彰君
                鈴木  寛君
                峰崎 直樹君
                日笠 勝之君
                福本 潤一君
                八田ひろ子君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        牧野 治郎君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        田中壮一郎君
       厚生労働省健康
       局長       高原 亮治君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       食糧庁長官    石原  葵君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○農林水産に関する調査
 (米政策の改革と水田農業の再構築に関する決
 議の件)

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○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、宮本岳志君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
 また、昨二十五日、市田忠義君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として八田ひろ子君及び福本潤一君が選任されました。
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○委員長(三浦一水君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 和田ひろ子君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に羽田雄一郎君を指名いたします。
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○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に財務省主計局次長牧野治郎君、文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君、厚生労働省健康局長高原亮治君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省経営局長川村秀三郎君、農林水産省農村振興局長太田信介君及び食糧庁長官石原葵君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(三浦一水君) 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。
 久しぶりの委員会でございます。九日から参議院に送られてきたわけですけれども、主要食糧についての法律案も、与党の皆さんは、また参考人の、与党の皆さんの御意見や参考人の御意見を聞かせていただいてから日がたってしまいましたが、何とか思い出しながら、また食糧庁がなくなる前に何とか委員会を開くことができて、長官にも御足労をいただいております。最後になると思いますが、質問を何点かさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 大臣は趣旨説明の中で、米は国民の主食であり、稲作農業は我が国農業の基礎となるものであると言われました。しかしまた、大臣は、米をめぐる情勢は、需要の減少、生産調整の限界感、強制感の高まり、担い手の高齢化など、既に閉塞状況に立ち至っているのではないかとまで言われております。
 それでは、二十世紀後半に行われてきた米政策について、なぜ行き詰まってしまったのか、またどこにどのような問題があったのか、総括を長官にしていただきたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) お答え申し上げます。
 ただいまお話ございましたように、大臣の所信表明の際にも、現在の米を取り巻く状況、閉塞状況にあるということを述べております。その理由としまして、大きく分けて三つあろうかと思っておりますけれども、一つは、だれのため、それから何のための生産調整かというメッセージが農業者に伝わっておらない、また、生産調整の助成体系が複雑で理解しにくい仕組みになっているというのが一つあろうかと思います。
 それから二つ目には、米生産に対しまして様々な助成を行う一方で、米の減産に対しても多額の財政資金を投入するなど、非効率な政策となっているという点が挙げられます。
 最後の三つ目が、生産調整の配分理由やその経過が不透明である上、政策効果がきちんと検証されないなど、政策の透明性が確保されていないということがあろうかと思います。
 以上の三点、こういうものがありまして、こういう問題点から結果として米の閉塞状況を招いたと認識しているところでございます。
○羽田雄一郎君 それでは、今回の改正によって消費者重視、また市場重視の視点に立って米政策を抜本的に見直していくと言われておりますが、主食である米への国の責任の放棄ではないかというようなことも実は言われているわけでございまして、そういう声の中で今回の日本の主要食糧、特に米について、この大転換によってどのような方向にしていこうとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今回の米政策の改革につきましては、委員からも御指摘がございましたが、消費者重視あるいはまた市場重視の視点に立ちましてこれまでの米政策を抜本的に見直しをしていこうと。そして、先ほど私、また長官からも申し上げましたが、どうも分かりにくいところがある、あるいはまた効率性、透明性と、こういうことがいろいろ指摘をされておるわけでありまして、需要に即応した米づくりをしていこうと、こういうことであるわけでありまして、これら、具体的には政策手段、目標を明確にして分かりやすいという点を重視をしなければならないと。それには地域自らが発想あるいは戦略、地域の合意、こういうものに基づきまして産地づくり対策、これに支援をしていこうと。あるいはまた生産調整のメリット対策、米価下落の影響を緩和する米価下落影響緩和対策、あるいは担い手の稲作収入の安定、これを図る意味におきまして担い手経営安定対策、こういうことを講ずるわけでありまして、また効率的な面におきましては、豊作による過剰米が主食用と区別をして出荷されるような仕組みを作る。今までは、生産過剰分を主食用として高い価格で集荷をしまして、そして最も価格の安い飼料用米と、こういう形で処理するという無駄があったわけでもございます。これを何とかなくしていこうと、こういうことでもありますし、また生産調整面積を達成しても残る水田で増産をされる、あるいは生産調整の効果が減殺されるというようなことで、生産数量を調整する方式に転換をすることとしたことでもございます。
 また、透明性の問題等につきましても、生産調整の配分に当たりましては、前年の需要量を基に生産数量目標、目標数量を策定すると。公正中立、そして第三者機関的なところでいろいろ助言を得たりしてそれを進めていく、あるいはまた毎年の改革の実行過程でのチェックをすると、こういうようなこともいたすわけでありまして、そういう面で透明性を確保していこうと。さらには需給調整対策、あるいはまた生産構造対策、あるいは流通制度の改革、これを整合性を持っていろいろ行うことによりまして需要に対応した米作りを推進をして、そして我が国の水田農業の米産業としての再建に最大限の努力をしてまいりたいと、このように考えているところであります。
○羽田雄一郎君 今の説明を聞いていてもなかなか分かりづらいなと。分かりにくいところから分かりやすい方にということであったわけです、御説明があったわけですけれども、分かりづらいんじゃないかなという思いをしておりまして。
 もう一つ質問をさせていただくと、小規模から大規模、また耕作しやすい場所と条件不利地域まで安心して、この法律が施行されることによって、しっかりと続けられる改正になっているのかどうか、お答えいただければと思いますが。
○政府参考人(石原葵君) 今回の米政策の改革におきましては、様々な農業者の創意と工夫を引き出しまして、需要に即応した米づくりの推進を通じて水田農業経営の安定と発展を図ることとしているところでございます。ただいま委員がお話のありましたように、すべての農業者が納得する、農業者の規模あるいは地域条件にかかわらず納得してこの改革を受け入れていただくということが重要であろうかと思っております。
 このような観点に立ちまして、一定規模以上の水田経営を行っており、米価下落による稲作収入の減少の影響が大きい担い手を中心に、対象に、米価下落影響緩和対策の上乗せ対策としての担い手経営安定対策を講ずることとしております。
 それからまた、個別経営としては、担い手経営安定対策の対象とならない農家につきましては、一定の要件を満たす集落型経営体を組織することによりまして同対策の対象となることができる道を開いているところでございます。
 また、条件の面、条件不利地域、それからまた米しか作れない地域、そういうところでありましても、その生産を維持確保するために、地域の実情に応じて、例えば有機米の生産を行うとか、直播栽培による低コスト化を図るとか、あるいは消費者との直接契約を締結する、こういうような措置によりまして需要を確保する取組が期待されているところでございまして、このような取組を支援するための産地づくり対策を講ずることとしているところでございます。
 このようなもろもろの施策を講ずることによりまして、農業者がそれぞれの規模や地域の実情に応じて納得した上で、創意工夫を持って主体的に、消費者により喜ばれる米の生産を安心して行うことができ、魅力ある水田農業を展開していくことができると考えておりまして、そのような施策を着実に実施していきたいと考えているところでございます。
○羽田雄一郎君 私も、とにかくいろんな方のお話を聞いてみようと、農業に関しては素人でありますのでどちらかというと消費者の視点になるわけですけれども、やはり農業者の皆さんからも声を聞いていかなければならないということで、多くの皆さんや、また行政、地方行政に携わる皆さんとお話をしてきたんですが、とにかく分かりにくいと。そして、このことによって農業を続けられないんじゃないかという不安を多くの方が持っているということであります。消費者の観点からいえば、食の安全、安心に対する不安、そして生産者の皆さんの不安ということであれば、このまま農業を続けられるのかという大きな不安がどんどんどんどん大きくなってしまっているんじゃないかなと。
 今回の法案に対しても、参考人の皆さん、来ていただいてお話を聞かせていただきました。四人のうち、与党である自民党さんが推薦してこられた方も含めて三人の方が、確実に起こることとして、中村敦夫委員が質問された答えとして、半分以上の農家は恐らく倒産するであろう、また担い手そのものがいなくなってしまうだろう、また農家が減ることは確実である、そんな声が参考人の皆さんから出ている。それもほとんどの皆さんがそういうことであり、また、もう一人の方も、もっとしっかりとした改革、また法案を出してこなくちゃいけない、また改革を進めていかなくちゃいけないというような話をされていたわけで、こんな不安だらけの法案をこのまま通すことはできないな、そのまま通していいのかなという思いを強く持っております。
 この法案に対しては、特に生産者の方々の不安が大きくなっております。それを払拭できるだけの説明がしっかりとできるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) 今回の米づくりの本来あるべき姿の実現を目指しました米政策の改革、これを着実に実施するためには、農業者・農業者団体の意識改革を図りつつ、全国の農業者を始めとする関係者に改革の趣旨を十分理解していただきまして、改革を行う際に現場で混乱が生じないようにすることが重要であるというふうに考えております。
 このような考え方から、これまでも地域における周知活動を精力的に行うことを基本としまして、一つには、全国あるいはブロック別の説明会を始め、都道府県、市町村、集落等のレベルでの説明会を実施しております。この説明会には大臣、副大臣、政務官にも御出席いただきまして、各段階に応じて実施しているところでございます。
 それからまた、農家の方にも分かりやすいパンフレットの配付に努めております。これは、役所の方で作るだけでありませんで、農協系統の方でもより分かりやすいパンフレットを作りまして周知徹底に努めているところでございます。それからさらに、メールマガジンやホームページを使いました広報活動の実施等に努めてきたところでございます。
 今後におきましても、八月末の予算の概算要求時等の節目節目におきまして、関係者に対し施策の詳細について周知を図るつもりでございます。
 さらに、地域水田農業ビジョンの策定に向けた議論の場におきまして米政策見直しの趣旨等について説明を行うこととしております。特に我々が期待しておりますのは、この地域水田農業ビジョンの作成でございまして、より多くの農業者の皆様にこの地域水田農業ビジョンの策定にかかわっていただく、それを通じて今回の改革の趣旨を十分理解していただくことが重要であろうかと思っております。
 なお、この地域水田農業ビジョンの策定の取り掛かりといいますか取組の状況、四月下旬から五月の上旬にかけまして、取組状況を地方農政局等を通じて市町村へのこれアンケート調査でございますけれども行った結果では、スタートしたという回答をした市町村が一八%でございました。これが、一か月後の六月上旬に取りまとめたところでは、これが三六%に増えているということで、倍になっているということでございます。
 我々、こういう地域水田農業ビジョンの取り掛かりが、取組が進むことによりまして、それの策定作りに農業者に参加していただければ、よりこの改革の趣旨、改革の内容、そういうものに御理解をいただけるのではないかと考えているところでございます。
 それからまた、各地域における周知徹底活動の工夫事例がいろいろございます。非常に進んでいるところと後れているところございます。我々としましては、そういう進んでいるところの先進地の事例といいますか、そういうものを収集、紹介することによりまして、情報の共有化にも努めているところでございます。
 以上のような措置によりまして、農業者の不安が生じないようにするとともに、改革が円滑に進められるように努めていきたいと考えているところでございます。
○羽田雄一郎君 混乱が起こらないように、また周知徹底していくんだ、安心していただくんだというお話だと思います。
 しかし、先日の参考人の方たちは、間違いなくこの法案に対してはしっかりと読み込んでいらっしゃる方だと思いますし、全国の代表の方だと思うわけですけれども、その方たちでさえもなかなか御納得いただけていないというのが今の現状であるということをしっかりと認識していただいて、しっかりと周知徹底に努めていただきたいと思います。
 今、現在行われている中山間地域の直接支払についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 生産者の声、これがどんなものなのか、是非教えていただきたいと思います。
○政府参考人(太田信介君) 中山間地域等直接支払制度でございますが、この中山間地域等におけます耕作放棄の発生を防止し、多面的機能を確保するということを目的に、平成十二年度に我が国初の制度として導入したものでございます。
 本年度、この集落協定に参加されておられる農業者三千人を対象にアンケート調査を行っております。その結果、本制度の効果につきまして、農業生産活動の継続に効果があるとされた方々が八五%に上る状況となっております。また、集落協定によります担い手の変化に関しましては、集落営農組織の農業生産活動が活発化したというふうに答えられておられる方が五六%と多いほか、認定農業者や生産組織への委託が増加した、あるいはオペレーターが育成されたというような認識を示される方も比較的多く見られる状況となっております。
 この制度につきましては、交付金に係る効果を検討し、評価するとともに、中山間地域農業をめぐる諸情勢の変化、協定活動を通じた農用地の維持管理などの全体的な実施状況などを踏まえまして、平成十六年度におきまして制度の見直しを行うことといたしております。
 このため、今後、現地調査などのあらゆる機会を通じて、協定に参加された農家や地方公共団体などとの意見交換に努めるとともに、中立的な第三者委員会などの意見も伺った上で、検討を更に進めてまいりたいというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 大変喜ばれているというお話をお伺いできたと思っております。是非、十六年度以降もまた検討をしていただきたいと。
 そういう中で、我々民主党は、今回の法案に対しても、衆議院の段階では対案と、そして今日こちらでは修正案という形で出させていただきたいと思っておりますが、その中の柱として、今の日本の自給率を見ても、一九九七年から五年間で農産物の価格は平均七%下がっておりますし、米価に至ってはその二倍の一四%も下がっているという状況を見ても、このままでは大規模経営者でも所得が下がっていき、担い手も育っていかないというような状況で、そういう中で我々民主党は、直接的な所得補償が必要ではないかということを考えておりますし、直接支払なら援助がしっかりと、必要な生産者に効率よく透明性を持って支援ができるのではないかと考えているところであります。
 主要食糧の安定供給と国民の安全、安心を守って、多面的機能の発揮に対する対価として、生産者への直接支払にしていった方がいいのではないかということを考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 農業はいろんな機能を持っておりまして、これは言うまでもないわけでございますが、食料の安定供給、それからまた国土や自然環境の保全、こういった多面的機能を果たしております。こういう機能を十分に発揮していく上でもその健全な発展を図っていくことが重要であろうと思っておりまして、この目的のために、これまでも、効率的、安定的な経営体、またこれを目指して経営改善に取り組む経営体というものがその主体的な経営判断に基づきまして安心して農にいそしめるようということで経営の安定、また生産の継続の確保ということで努力をしてきております。
 例えば、自然災害によります農作物の減収補てんをいたしまして経営安定を図るという農業災害補償制度、これもございますし、また、豊作等による農作物の価格の下落があった場合にその影響を緩和いたします稲作経営安定対策、あるいは大豆の経営安定対策等の品目別の対策もやっております。また、農業経営の規模拡大あるいは経営の改善に必要な長期かつ低利の資金の融通と、こういったものもやっておりますし、ただいま、先ほどお尋ねにありました中山間地の直接支払といったようなこともやっております。そしてまた、今般の米政策の改革におきましては、一定規模以上の水田経営を行っている担い手を対象に、米価下落影響緩和対策の上乗せ措置としての担い手経営安定対策をやろうとしているところでございます。
 そういうことをもろもろやってきておりまして、ただ、現状を見てみますと、特に水田農業につきましては、担い手の生産シェアが著しく低いとか、また需要と供給のミスマッチがあるといったように、いろいろ構造上の問題も多々あるわけでございまして、その中で、すべての農業者を対象にしたような直接所得補償ということではなかなか構造改革も進みませんし、また、主体的な経営ということでの需給事情、品質評価、こういったものが反映された経営がなかなか達成できないんではないかという問題を抱えているのではないかというように考えているところでございます。
○羽田雄一郎君 なかなか今の説明聞いても、いろんな政策は打っているわけですけれども、実際に農業に携わっている方たちには見えにくい、分かりにくいというのが今までの現状だったと思うわけですね。やはり、シンプルにして透明性を高めていくということが大切であると思っておりますし、また、国民の皆さんにもしっかりと説明のできるような形を作っていく必要が、消費者の立場でも分かりやすいということが大切ではないかなと思っておりますので、これからもそういう形を作るために是非努力をしていただきたいと思っております。
 次に、備蓄についてお伺いをさせていただきます。
 政府の備蓄目的について、明確に説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) この備蓄の問題につきましては、三年前になりますか、学識経験者、それから生産者団体、それから消費者団体及び流通業者から成ります備蓄運営研究会というのを設置いたしまして、これは平成十二年の十二月に設置しております。これは食糧庁長官の私的諮問機関でございますけれども、その研究会の場におきまして、一年をかけまして透明な議論を行ってきたところでございます。その結果が平成十三年の十二月に備蓄運営研究会報告として取りまとめられております。
 その中で、備蓄の水準につきましては、一つには、過剰在庫が米価の低下圧力となること、それから二つ目には、主食以外への振り向けに伴いまして財政負担の増嵩を招くこと、それから三つ目には、需要に応じた売れる米づくりに支障を来すこと、こういうことから、過去の作況変動ごとに翌年の増産可能数量をも考慮いたしまして、十年に一度の不作や通常の不作が二年続いた事態等を想定いたしまして百万トン程度が適切とされたところでございます。
 少し、それだけじゃお分かりにくいかと思いますので少し詳しく御説明させていただきますと、例えば十年に一度の不作というのは、作況指数でいきますと九二ということでございます。これの試算では、年間の需要量をこの場合九百万トンと置いておりますけれども、それで計算しますと、作況指数が九二ということになりますとどれぐらい不足するかということを置いております。これでいきますと、減耗分とかモチ米、もち等の需要量、この分引いたもので掛け算しますが、本来、年間供給必要量が八百五十五万トンのところを、作況が九二となりますと七百八十七万トンになります。すると、差引き六十八万トンが不足するということになります。それから、過去の不作時の例を見ますと、流通在庫が増加します。これは仮需要が発生するということでございまして、それが大体流通在庫の増大としまして十五万から三十万トンと見ております。それから、これはあくまでその在庫というのは六月末で我々は取りまとめておりますけれども、七月、八月、これにつきまして政府米で安定的にその分は供給しなきゃなりません。それを約十万トンと見ておりますけれども、これらを合計しまして、大体九十三万から百八万トンが必要だというふうにとらえているところでございます。
 それからもう一つの考え方は、通常の不作、これは十年に一度が九二でありますのに対しまして、作況が九四ととらえておりますけれども、これが二年続いた場合に必要な数量といたしまして、これは統計的には三十ないし四十年に一度の割合で起こる事態でございます。これを、この場合は、次年度分は一年度分の不足の部分を生産調整を緩和することによって回復することを考えます。それ以外は考え方は同じでございますけれども、これでいきますと大体七十九万から九十四万トンが不足するということになります。
 以上、そういうようなことをいろいろ検討いたしまして、我々は、先ほど申し上げましたように、百万トン程度が適切とされたところでございます。
 それで、この備蓄運営研究会でいろいろ議論していただいたんですけれども、そのときに消費者の方から、消費者団体の方から言われましたのは、備蓄を多ければ多いほどということが一般消費者も含めて判断としてあろうかと思いますけれども、消費者はなかなか、備蓄にどれだけのコストが掛かっているかというのをよく分かっていない、その辺をやはり十分消費者に説明しない上で、しないままに、多けりゃ多いほどいいとか、そういうことを判断するのは問題ではないかというのを指摘があったところでございます。
 あくまでも備蓄につきましては、そのコストのことを十分検討してやるべきだというお話もございまして、我々、そういう判断から、先ほども申し上げましたようないろんな場合を想定いたしまして百万トン程度が適切と、こう考えた次第でございます。
○羽田雄一郎君 今の認識はどうしても国内ばかり見ているわけですけれども、本当にこの程度の備蓄に対する考え方でいいのかなという思いをしております。二十一世紀、迫りくる世界的な食料危機というものを先日も中村敦夫委員も指摘をされておりました。そういうことに備えることが必要なんではないでしょうか。
 また、日本は、先日、信田委員も言われていたんですが、世界じゅうから食料を買いあさって、貧しい国では現在でも、栄養不足にさらされている人たちが八億人もいるというのが現状であります。日本の大量輸入は国際的に見れば飢餓の輸出だと言わざるを得ないということも信田委員が言われていたことであります。
 政府として世界の食料状態についてきちんと把握をされていると思いますが、そのことについてお答えいただければと思います。
○政府参考人(西藤久三君) 世界の食料需給、食料情勢につきまして、先生今御指摘がございましたように、約八億の人が飢餓あるいは栄養不足に直面している状況にございます。
 そういう中で、さらに食料需給、将来の食料に関連する要素としまして、一つは、人口につきまして、現在六十億人強でございます。これが今世紀半ばには約五割増加し八十九億人になる、その大部分は途上国での人口増加だという見通しがされております。
 その一方で、農業生産の基礎になります耕地、農地でございますが、私ども、世界の統計が整理されているのは一九六〇年以降でございますけれども、この状況を見ておりますと、耕地面積あるいは穀物を作付けしている面積は、例えば耕地面積ですと十三億ヘクタール、世界でですね、ぐらいで、前後で推移をいたしております。あるいは、穀物の収穫面積ということからいくと、年々の変動若干ございますが、七億ヘクタールぐらいで、前後で推移をしている状況にございます。
 この間の人口増加は、専ら農業技術の向上と申しますか、それに起因する単収の向上、穀物の単収の推移を見ておりますと、一九六〇年代で大体年率三%、七〇年代で年率、世界で二%ぐらいずつ向上しております。しかし、それ、三%、二%というふうに逓減してきておりますように、八〇年代以降を見ますとやはり一%台の伸びになってきているという状況ございます。
 そういう状況の中で、一方で環境問題の顕在化、砂漠化の進行等々が見られる状況がございます。こういう中で、中長期的には世界の食料需給が逼迫する可能性が指摘されているという、そういう状況にございます。
 先生御指摘のとおり、我が国、現在の国土条件の中、人口その他の状況の中で、六割を、食料の六割を海外に依存している状況にございます。食料の安定供給を確保するという観点で平素から国内外の食料需給に対する情報を収集、提供することは、我々、非常に重要な任務であるというふうに思っております。
 そういう点で、私ども農林水産省から出向し、在外公館で勤務している職員の数も約九十名に達しております。そういう言わば出向者からの情報提供も含め、我々、情報収集に努めているわけですが、特に我が国の食料安全保障の観点から、大宗を輸入に依存しております小麦、大豆及びトウモロコシ、非常に基礎的な部分で非常に重要なものでございますが、この三品目につきましては、省内にワーキンググループを設けまして毎月いろんな情報分析をして、その言わば今後の供給見込み、その課題等について分析をし、その結果を毎月、私どものホームページ等を通じて公表させていただいているという状況でございます。実は、今月のそのワーキングチームの検討も本日予定している状況でございますが、そういうことで毎月、定期的に見直し、情報を収集し、提供してきていっているという状況でございます。
 今後とも、そういう形で情報収集、提供に努めていきたいというふうに思っているところでございます。
○羽田雄一郎君 先日、ユニセフの方にイラクの今の状況なんかも聞きました。とにかく子供たちが飢えをしのぐのに大変だと、栄養失調という話も聞いております。また、水が大変不足しているというような状況も聞いている次第でありまして、新たにそういう方たちが増えていくというような状況が今の世界で起こっているのかなということをしっかりと我々は考えていかなければならない。
 我々日本国民は世界の一員であるということをしっかりと認識すべきであると思いますし、世界の人口は今、六十二億七千二百六十九万八百六十五人というのが六月十一日の統計だそうです。これが五〇年には九十三億人にまで増える見込みだそうであります。しっかりとした世界の状態を知り、食料生産を増やして、不足があれば支援の手を差し伸べることも必要であろうと。そして、備蓄も世界観を加えたものにしていかなければならないと私は考えております。そして、何より、我々自身が自らの食料に責任を持つこと、食料自給率を高める努力をすることが大切ではないかと考えております。
 このことを述べさせていただいて、後の時間を郡司委員の方にお願いをさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
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○委員長(三浦一水君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、信田邦雄君及び本田良一君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君及び鈴木寛君が選任されました。
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○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。
 今日は、七月一日に食糧庁が廃止になるということ、もう決まっておるわけでありまして、過日成立をしました設置法の関係もあった形の中での質問をさせていただきたいと思いますが、一つは、食糧管理特別会計、このことについてまず質問をさせていただきたいと思います。財務省の方、おいでで──ありがとうございます。
 御存じのように、国の予算、予算委員会の方で成立をしたわけでありますけれども、八十一兆八千億。しかしながら、特別会計の方を加えますと、純計でもって歳入で二百四十五兆円ぐらいですかね、歳出の方で見ますと二百三十二兆円ぐらいの額になるわけでありますけれども、基本的に特別会計については分かりやすくしていこう、大臣の考えからすれば、二月には委託をされて移管の体制も含めてなくしていこうというような基本的な考え方があろうかと思いますけれども、今回のこの法案の改正に伴いまして食糧管理特別会計の中身が若干変わっているかと思います。農水省と財務省の間でどのような話合いがなされてきたのか、財務省の方からお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。
 今般の食糧庁の廃止でございますが、これは内閣府におきます食品安全委員会の設置に伴う、それに伴って行政組織の肥大化を防止する、そういう見地から行われるものだと、そういうふうに理解しております。米の備蓄でございますとか麦の輸入といった食糧管理業務それ自体は、改正後の食糧法に基づいて引き続き農林水産省において行われるということだろうと考えております。したがいまして、食糧庁が廃止されても、食糧管理業務が実施される限りにおいて、その経理を明確にするという必要がございますから、食糧庁の廃止をもって食糧管理特別会計を廃止するということにはならないのではないかというように考えております。
 他方でございますが、今、先生おっしゃいましたように、構造改革の一環として、歳出改革の観点から特別会計につきましても事業の在り方を不断に見直していくことは重要だというように考えておりまして、このため、財政制度審議会に設けられました特別会計小委員会といった、こういった場を活用しながら、社会経済情勢の推移でございますとか国民のニーズといったことも踏まえながら、特別会計の事業の見直し、あるいは歳出の効率化、合理化、そういった事柄について検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
○郡司彰君 特別会計は、今年、五つほど減っているわけですね。三つは郵政公社に伴う関係、それから造幣、印刷だったでしょうか、これらは現在の組織ぐるみ変わるという形になっている。これまで、できるということは、これまでも法務省の、六十二年でしたか、を最後に、あれありましたけれども、逆に縮小をする、あるいは移管をしてなくしてもいいかもしれないというような形の変化というのはここ二十年ぐらいなかったのかなというふうに思っておりますが。
 この食管会計が今回このような形の中で、作るときももちろん理由があってできたわけであります。もちろん残さざるを得ない理由というのは、これはもう当然あるんだというふうに思います。しかし、大原則の、分かりやすくしていこう、なくしていこうというような形の中で、なくせるかどうかというような検討から始めたんでありましょうか、残すということを前提に検討していたんでしょうか。
○政府参考人(牧野治郎君) 検討の方向は、なくすといいますか、必要のない特別会計を廃止するということは当然射程に入っております。ただ、そういうものも含めて歳出、特別会計の歳出を見直して、その上でどういうように、歳出の内容を見直すだけなのか、あるいは特会の存在そのものに問題が及ぶのか、それは今後の検討だというように考えております。
○郡司彰君 農水省の方にお尋ねをしたいと思いますが、同じような問いになるわけでありますけれども、全体、日本の中の財政の構造改革に農水省も資するということは、これ当然出てくるんだと思いますね。今回の特別会計の問題について、農水省としてはどのようなお考えを持って取り組まれていたんでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) 農林水産省あるいは食糧庁につきましても国の一機関でございますので、あくまで国全体の財政状況、それを踏まえてその在り方等は考えるべき問題だと思っております。特に最近のような非常に財政の厳しい状況、そういうことを考えますと、より強く考えなきゃならぬと思っています。
 しかし、この今回の組織の改編につきましては、もう既に御案内のとおり、昨年の六月の関係閣僚会議の取りまとめで、食品安全委員会の問題、それからリスク管理部門と産業振興部門の分離の問題、こういうものがいろいろ検討され、決定されたわけでございまして、これを踏まえて消費・安全局を作るということにされたところでございます。それからまた、行政の肥大化防止の観点から、スクラップ・アンド・ビルド、具体的には食糧庁組織の廃止等、既存組織の見直しを行うものとされて、そういうことを踏まえて食糧庁を廃止することとしたものでございます。
 このように、食糧庁自身はいろんな経緯がございまして廃止ということになったわけでございますけれども、食糧庁が担ってきた、主要食糧業務と我々言っておりますけれども、こういう業務につきましては、本省段階では総合食料局に食糧部を設けるとともに、そこでやっていくと。それからまた、地方農政局及び新設される地方農政事務所に食糧部を設けてまた地方段階での業務を行っているということで、そういう本省段階あるいは地方段階での組織の下で業務の適正かつ円滑な実施を図っていくこととしたところでございます。
 それから、特別会計というのは、あくまでも組織というよりも政府が行う業務そのものと直結させてその在り方といいますか、を考えるべきものだというふうに考えておりまして、そういうような事情から、特別会計につきましても引き続き存続させることが適当と判断したところでございます。
○郡司彰君 なかなかこういう事例がほかの省庁の中でも出ておりません。お尋ねをしておいて、今後数年のうちに、また特別会計そのものの見直しの議論の中で、今回の在り方そのものも再び検証されるんではないかなという思いで質問をさしていただきました。
 財務省の方、ありがとうございました。
 続きまして、先ほど羽田委員の方からもありましたけれども、十二年から始まりました直接支払の関係についてお尋ねをしたいと思っております。
 私の思いは修正案という中でも出しておりましたけれども、これまでの額でいえば七百億とか、あるいは中山間地という対象地域だけではなくて、所得補償という政策そのものが日本の農政の中にもう少し広がりを持ってもいいのではないかというような意味からでございまして、これまでの、十二年から始まった、十六年までの五年間のちょうど中間をちょっと過ぎた辺りでありますけれども、これまでの検証といいますか、そういうものをさしていただきながら、私どもの考え方についてもお尋ねをしていきたいというふうに思っております。
 まず最初に、日本の、所得補償と言わずに直接支払という言い方、非常に言い得て妙だなという思いがしておりまして、独特のこの形をEUとは違って作ってきた、大変努力をされたんだというふうに思っております。一つの特徴が、集落というものを中心として作られているということがあるんだと思いますけれども、この集落協定によって行ってきたというやり方、このことに対して今、農水省の方はどのような評価をなさっているんでしょうか。
○政府参考人(太田信介君) 委員御指摘のとおり、この中山間地域等直接支払制度、日本の風土に合ったものにしなければならないということで、基本的には平場の地域との生産性の差を補てんするという考え方に基づきまして実施しているものでございます。
 ただいま御質問ありました集落協定に係る評価といいましょうか、でございますが、平成十四年度までの見込みによりますと、全協定三万三千三百七十六の協定が締結されておりますが、これの九八%に当たります三万二千七百四十七の集落協定が締結され、交付金が交付されている状況にございます。
 その協定によりまして活動されている内容を幾つか御紹介いたしますと、農地ののり面点検や農道、水路の維持管理、あるいは耕作放棄されそうな農地の賃借権の設定や農作業委託の実施、さらには周辺林地の下草刈りや景観作物の作付けなど、多面的機能を増進するような活動、それから農作業機械や施設の共同購入、それの利用など、正に地域の実態に即した取組が行われているという状況にございます。
 また、本年度、この集落協定に参加されておられる農業者三千人を対象にアンケート調査を行っておりまして、その結果によりますと、集落協定の締結によりまして農業生産活動の継続に効果があったとされる評価をいただいております方々が八五%に上っております。それから、集落営農組織の農業生産活動は活発化したというお答えをされている方が五六%という状況にございまして、そういった意味で、この集落協定の効果、おおむね順調にその活動が取り組まれているものというふうに評価をいたしております。
○郡司彰君 ほかの国の形ですと集落じゃなくて一戸ごとに行うと。これ、多分に、私の理解ですと、戸ごとに行うというのは、単年度の収入、収支、それの補てんを所得として行っていく、集落で行うというのは、個別の経営体の存続を作るための条件整備を、面積といいますか集落ごとに行っていく、こういうようなふうに理解をしているんですが、この理解でよろしいんですか。
○政府参考人(太田信介君) 委員今お話しされたような方向だというふうに考えておりますし、先ほども申しましたが、これは日本の非常に小規模に分散した、そういう農地の所有の形態、それから、水田が主でございますけれども、その水利用等、やはり一人ではなかなかし得ないようなところを共同でするというような色彩が盛り込まれたものとなっております。
○郡司彰君 それから、その当時の導入をする際の趣旨にはいわゆる耕作放棄地の増加に歯止めを掛けるというようなことが書いてあったかと思うんですが、この制度を導入をして、中山間地の耕作放棄地の増加、歯止めは掛かっているんでしょうか。
○政府参考人(太田信介君) 中山間地域等直接支払制度の平成十四年度におきます実施状況の見込みでは、六十五万五千ヘクタールの農用地におきまして適正な農業生産活動などが継続的に行われておりまして、この農用地におきましては耕作放棄の発生が防止されているという現状がございます。
 また、集落協定の締結によりまして、地域の土地利用の在り方について積極的な話合い、見直しが行われ、平成十三年度までに七千三百ヘクタールが農振農用地の方に編入をされておるという状況。あるいは、約三千の集落協定の中に、既に耕作放棄地となっておる、そういった耕作放棄地自体の解消についてもうたわれているというような状況にございます。
 各地域におきましては、この交付金を活用いたしまして、オペレーターの育成確保を通じて高齢農業者の農作業の請負などを推進したり、鳥獣害防止のための防護さくの設置、あるいは農地ののり面あるいは導水路の維持管理などのための共同利用機械の購入、耕作放棄地を集落の共同活動によって積極的に復旧し、これを新規就農者などに集約する動きなど、耕作放棄の発生防止や解消に向けまして、地域の実態に即した取組が積極的に進められている状況にございます。
 さらに、本年度、集落協定を参加されておられる農業者約三千人を対象にいたしましたアンケート調査の結果、先ほどもお答えいたしましたとおり、耕作放棄地の防止に効果があるという答えが八五%の状況にございまして、私どもとしてはこの施策の効果が上がっているというふうに認識しております。
○郡司彰君 主観的に効果があるというような見方をされるというのは、これはもちろんいいんですが、数字の上で把握をするということを主に持っていかないと、思いは良かったけれども実態の数字はどんどん違うんだということになったんでは、これはちょっと説明責任として余り芳しくないのかなという感じがしております。
 それから、これからの将来にわたって四十万戸担い手、経営体を育成をしていこうということがこのいろんな流れの中で出てきているわけでありますけれども、一方、集落を単位にした直接支払というのは、逆に言うと、四十万戸が、選別という言い方はおかしいかもしれませんが、そういう形でもって農家を集約していこう、集落体で支払をしようということになると、これ選別しないで全部やりましょうということになるわけですね。この辺の今まで行ってきたこの政策と、これから四十万戸経営体、担い手を作っていこうということに対して、政策的に整合性はどのように考えればよろしいんでしょうか。
○政府参考人(太田信介君) 本制度につきましては、先ほどからも申し上げておりますように、平場等との生産性の差に着目した支払を行うということでありまして、この両者の関係は整合した形で当然進めなきゃいけませんし、我々としても整合した形で進めておるというふうに認識をしております。
 その意味するところは、正に現実的に協定をいろいろ結ぶ中で、農地の流動そのものも進んでおったり、あるいは担い手が本当に厳しいところでは隣の集落からそれを応援するというような形、あるいはその集落の中からも、その中から担い手が育ってくる等々の活動が行われておりますので、ある意味では相互補完的な形でその施策を推進していくことが必要でありますし、これからもそのように進めていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 それはちょっと違うと思います。
 初めの趣旨からいえば、集落でもって全体で支払をしていこうということで、二分の一どうのこうの、使い道も指導があったわけですね。今の話を聞いておくと、そういう制度を使ってやりながら、その中から四十万戸の担い手や何かを探し出すような形に聞こえるようなところがあります。
 これは、基本的に選別をしていこうというような農政と、それから、そうじゃなくて、中山間地は、これはそういうところと違う地域なんだという認識ならそれはいいんですが、今の答弁だと、今の制度の中から、そういうものをその中からえり分けていくためにもそれは有効なんだということになると、これはちょっと趣旨が違うんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(太田信介君) 私どもは、現実的にそういう状況になっておるということで、この中山間直接支払制度が今申し上げられたその四十万なりの担い手を育てていくために作られたものでないということは、委員御指摘のとおりだというふうに考えております。
 ただ、結果として、そういう高齢者等が将来これを続けていくことが難しいといった中で、それをほかの人にそれじゃ貸していこうというような話合いが進められていることも事実でございますので、そういった意味で、その施策の目的は、もちろん最終的に目指すところは違うと言いつつもその連携はしっかり図られなければ、最終的な多面的機能の発揮あるいは農業生産活動の継続ということが難しいわけでございますので、そうした趣旨で申し上げたつもりでございます。
○郡司彰君 結果としてそのようになるというのは、私も若干理解ができないわけではありません。
 それから、この支払の特徴の一つには、地方に裁量をゆだねておる部分というのが結構ありまして、八法以外に知事ができるとか、それから農用地の、対象の農用地についても、傾斜が急だとか、自然的な谷地のような形だとか、草地だとか、それプラス市町村長の判断というようなものがありましたけれども、先ほどの方の大きくの数字でもちょっとありましたけれども、この裁量の部分というのは実際には、制度として作りましたけれども、どの程度出ているんでありましょうか。
○政府参考人(太田信介君) この中山間地域等直接支払制度の実施に当たりましては、広く国民の理解を得るなどの観点から基本的な枠組みは国が示すということでございますが、各地域の実態を踏まえて、対象とする地域の範囲については都道府県知事に、それから対象とする農用地そのものの指定などにつきましては市町村長に一定の裁量を付与しているという仕組みになっております。
 御質問のありました点でございますが、平成十四年度までの見込みによりますと、都道府県知事及び市町村長の裁量によりまして全協定締結面積の二三%に相当いたします十五万一千ヘクタールの農用地において協定が締結され交付金が交付されておりまして、この十五万一千ヘクタールに係ります戸数につきましては把握しておりませんけれども、今度、制度の見直しに係ります評価などの中でその実態の分析に努めてまいりたいというふうに考えております。
○郡司彰君 それから、今現在ちょっとよく分かりません。発足前の準備段階ですと、かなり都道府県によってばらつきがありましたですね、この制度の導入について。
 うちの茨城なんというのは六〇%未満ぐらいというような当時数字でございましたけれども、今現在はこの地方のばらつきみたいなものというのはどの程度ならされて、平均でどのぐらいで、上下どのぐらいの数字のものがあるんでしょうか。
○政府参考人(太田信介君) 中山間地域等直接支払でございますが、平成十四年度の見込みによりますと、大分本制度の認識が高まりまして、対象農用地の約八割の農用地におきまして協定が締結されるという状況になっておりますので、そういった意味では相当程度平準化が図られるというふうに考えております。
 十四年度の協定の締結状況につきましては、委員御指摘のとおり、都道府県別、市町村別に見ますと依然として大きな差が見られまして、約、失礼しました、この理由につきましては、地域の立地条件による過疎化、高齢化の社会的条件が異なったり、畑作地帯ですね、ここは水田におきますような水の管理などで共同活動がどうしても必要だという点が少し欠けたようなこともありまして、多様な品目が生産され、品目ごとに収穫期、防除期が異なる等々の状況で話合いが進みにくい状況にございます。
 締結面積の割合でいきますと、東京都、これはちょっと特殊かも分かりませんけれども、二十数%というふうな状況もございますし、もちろん高いところではもう九割を超えておる、九六%というような状況でございます。平均的には先ほど申しましたように八割まで来ておるという状況でございます。
○郡司彰君 これ、あれじゃないですか、記憶だと、十一年度の準備の段階でもう七割は超えていたような気がするんで、全体としてはそんなに高くなっていないのかなという感じがします。
 それから、その当時の農水省の指導として、例えば低いところについては農業団体もう少し頑張ってくださいとか、そういう通達がありましたですね。これは、農業団体そのものの理解というのは全体として進んでいるのかということと、それからもう一つは、その当時の何か、審議会か何かの議事録か何か、発言録か何かでありましたけれども、行政のその担当者によって相当違うんだというようなことが随分言われていたような気がします。これは、東京都のようなところは低いというのは何となく分かります。ただ、そこのところでも対象地域から見れば同じような問題を抱えているということも言えますので、これは低いところは単純に、先ほど言ったように、農業団体の理解とか行政担当者の指導がまずいとか、そういうようなことは別に考えていらっしゃいませんか。
○政府参考人(太田信介君) 一番最初のときは六十たしか八%ということで、それから見ますと、二〇%とはいきませんけれども、かなりの増加、協定の数からいいますとやっぱり数千というようなオーダーで考えますと、相当、各地域での認識あるいは努力が行われているというふうには認識しておりますが、農業団体の方もそういった意味で継続的なそういう努力をいただいているというふうに考えております。
 農協との連携について言いますと、JA主導によりましてJA支店内の集落をまとめて一集落としての協定を締結されたり、JAが交付金の会計事務を一括担当して協定活動を支援するような動きもありますので、これはある意味では優良事例ということかも分かりません。そういった意味で、そういった優良事例をほかのところにも御紹介することによって更なる締結の割合を増やしていくことが重要だというふうに考えております。
 それから、地域の差につきましては、やはり、先ほど申し上げましたが、水田、畑、そういった地目の土地利用の状態等によってもやはりなかなか進みにくいということもございまして、そういったことも含めて私どもとしては現状把握を更に深めていかなければならないという認識をいたしております。
○郡司彰君 その上に立って重ねて質問をさせていただきますが、例えば、この制度を作った、導入をした、やってみたけれども、これからの農政のために積極的にやる政策なのか、それとも、やってみたけれども、これは、それ以上広がらないようにやって、五年間だけ取りあえずやってみようというようなことなのか。その辺の意識の違いというものがもし出ているとすれば私はちょっと問題だなと思いますけれども、農水省の方で何かそういうような、この制度に対しての感覚的なものがあったらお話しください。
○政府参考人(太田信介君) 制度導入のときからもそうですが、この制度については、相当長い期間の議論を経て、我が国初の制度として導入したものでございます。
 最初の導入の段階でも、様々な仕組みを、あるいはいろんなルールといいましょうか基準を設けるに当たっても、第三者委員の間でも相当の議論をいただいて、これでともかく五年やって、ただし、その三年間、三年目には中間点検をし、五年目にそれをきちっと評価をしようという、そういう取組であります。
 そういった観点から申しますと、私どもはこの制度、地元、地元といいますか取り組んでいただいている方々も、耕作放棄に関して言えばきちっとその効果が上がっておると。これは、客観的ではなくて、六十五万ヘクタールの農地がその締結によって耕作放棄化していないということが正にその左証でございますし、そういった意味で言いますと、農地をきちっと守っていくための有効な施策であることは事実だと思います。それを広げるか云々につきましては、最初に正に生産性の格差によって整理をしたということからいたしますと、一つのこれが中心的な形というのがあるんではないかというふうには考えておりますが、地域の中では、もう少し傾斜の緩いところはそれじゃどうなのかとか、そういう議論があることも事実です。
 そういったことも含めて、平成十六年に全体の評価をいたしますが、それに向けて現在も様々なアンケートあるいは実態の把握等に努めていく必要があるというふうに認識をいたしております。
○郡司彰君 それから、この制度の特徴の一つに、地方の裁量の部分とオーバーラップするということになるんだろうと思いますが、全体の予算規模七百億円、国の部分が三百三十億、そして、予算で出るものが決まって、残ったものについては、また予算としてその単年度で戻すということじゃなくて、基金として使えるような形を取った、これは非常にこれまでの制度と違う面だと思うんですね。
 ただ、三百三十億が多いか少ないかという議論はまた別にしても、一年、どのぐらいの金額が基金の方に流れていっているのか、それから、その基金の方へ流れていっているのが有効活用という形でもってどういうようなことになっているのか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(太田信介君) 御指摘のとおり、国の予算額は三百三十億ということになっておりまして、残りの半分が県で、そしてさらに最後の、四分の一といいましょうか、その部分が市町村でということでございますが、国の予算につきましては各県の御要望に応じて各県に基金として積まれ、その当該年度にそれを基金からいわゆる支払に回すと、そのときに県、市町村が一緒にその予算を充てていただいていると、そういう仕組みになっております。
 で、状況でございますけれども、やはり事業をスタートしたときにはなかなか、その定着の度合いも先ほど申しましたような状況でございましたので、基金、資金の積立てが百億を超えるような形でございましたけれども、これが年々、十三年度では八十億程度に下がり、そういった意味ではこれが有効に使われてきております。
 それで、基金の方法についての評価といいましょうか、先生の御意見ございましたが、やはり年度をまたがるような形とか話合いが継続的に進められているということからすれば、この仕組みが割合うまく機能しているんじゃないかというふうにも考えておる状況でございます。
○郡司彰君 私は、この制度は非常にいい面を持っているなというふうに思っているんです。こういう形の施策を農水行政の中でもっと取り入れていくことができれば、これ逆に一種の分権の実質的な形にもなりましょうし、ただ、逆な使い方、見方をすると、何分の一のというところが年度をまたがって基金にして使うと実際には四分の三ぐらい補助ができるような形になるとか、それも別に悪いことではないのかもしれませんが、いずれにしても、こういう形の基金の在り方というのはもっと増やしてもいいのかなという思いがしているんですけれども、もし大臣、よろしければ、こういう形をこの以外の制度にも広げていくというようなことについてはいかがでありましょうか。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
○国務大臣(亀井善之君) この基金の性格、それぞれいろいろその用途等々があろうかと思います。一律的にということでなしに、これらの問題につきましては効率的なことが必要なわけでありますので、それは検討することは十分必要なことだと思いますし、また、それに伴う、言い方悪いわけでありますが、無駄が生ずると、あるいは悪用されると、こういうようなことになってもいかぬわけでありますから、十分いろいろの面で総合的に検討する必要はあろうかと思います。
○郡司彰君 次に、実際に交付される金額の使い道でありますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、共同で二分の一以上はというような指導があったかと思います。ただ、これ私の理解ですと、指導ですから、全額個人に渡せということになればそれも可能なのかなというふうに思っておりまして、これは実際にこの使い方、どういう傾向が出ているのか、そのことについてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(太田信介君) この交付金につきましては、中山間地域等で農業生産活動を継続していくために、農業生産基盤あるいは集落基盤を構築するのに必要な共同取組活動に交付金の二分の一以上を充てることが望ましいという、そういう表現で地方にお話をさせていただいております。
 十四年度の見込みによりますと、交付額のおおむね半分程度以上を集落の共同取組に充てておられる協定が全体の九〇%を占めている状況にございますが、逆に個人に全部渡されているところも、非常に少のうはございますけれどもそういう状況にもございまして、またその交付金の使途でございますけれども、農道、共同取組活動については農道、水路あるいは農地の管理、それから共同取組、共同利用機械の購入など、やはり集落全体で使う必要があるものに使われているという状況にございます。
○郡司彰君 これが、消費者の方々と話をしていると非常に乖離があるんです。直接支払ということでもって大体みんなこういう制度ができて七百億使っていると。ほとんどこれ、農家の方に個別に渡っているというふうに普通理解するんですね。今の割合見ますと、おおよそは農水省の指導に沿った形でもって使われている。
 元々、一番最初の部分でお話をしましたけれども、集落という形で始まって今のような使い方をしていて、これがこの制度の本来の趣旨だというようなことで農水省の方は御理解をしていらっしゃいますか。
○政府参考人(太田信介君) 集落協定という言葉がそういう意味ではちょっと誤解を与える面があるのではないかというふうにも考えております。
 集落というのは、決して自然集落ではなくて、農業者が構成されるものを一つの集落という見立てをしてその名を冠しておるわけでございますが、そういった意味で非農家の方々にはその費用が一切行っているわけではないと。ただし、現実的にはその集落活動で水路の底ざらえ等、近所の方々が一緒に応援していこうということも行われることも通常でございまして、そういった意味で、個別の農家に支払う形の中で共同活動としてそういったものが全体としての機能維持のために役立っておると。
 正に、この目的自体が多面的機能の発揮というところに最終的に目的としておることからいたしますと、個々の農家に本当に支払った形の中で同じような営農継続が行われるかどうかということも考え合わせますと、その点についてもしっかりした評価が、もう一度しっかり評価をしていく必要があるというふうに考えております。
 そういった意味で、十六年度の全体の見直しに当たりましては、御指摘の点も踏まえてしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
○郡司彰君 昨年、制度が始まって一年たった、その税の関係で国税庁の方と随分意見の食い違いがあったことがありました。あれ、多分、国税庁の方も理解をしているのは、やっぱり個人にというようなところが非常にその違いのところだったと思うんですね。これ、農家の方々にとっても、何だ、個人のところに来るはずじゃないのか、もっと個人のところに対してということでいいんではないかというような思いはあるんですね。ところが、なかなか声としては農水省まで上がってこないのかもしれません。その辺のところについては十分に今後また考えていただければなというふうに思っております。
 この交付金の関係で、上限は百万円というようなことになっておりますが、この上限一杯いただくというような形になっている戸数というか、それはどの程度に出ておりますか。
○政府参考人(太田信介君) 個々の農家に対しますこの交付金の配分額について全国的には調査をいたしておりません。ただし、北海道、新潟、山口などで事例的な調査を平成十三年度に行っておりまして、その中では、北海道の事例では〇・四%の農家が百万円の配分を受けられておられるという状況がございます。その当時では、新潟、山口におきましてはこの配分を受けたような農家はおられないというような、抽出的な調査でございましたのでそういう結果になっております。
○郡司彰君 まだ年度、五年間の途中でございますから結構でございますけれども、一応またこの制度を継続あるいは拡大をしていくなり、そういうときの資料としてもう少し数字的にも把握をお願いできればなというふうに思っております。
 それから、生産だけではなくて維持管理、多面的機能というようなことについてもこの制度は言及をしているわけでありまして、それはそれで私は一つの立派な政策、考え方だと思っております。
 ただ、そこのところの協調の度合い、それから政策の誘導、生産への結び付けをどうするかということがございませんと、この制度で行っている対象面積が自給率の方には結び付かないということになるとちょっと問題かなというような思いをしておりますけれども、この辺のところについて有機的にうまくかみ合うような指導なり施策というものはどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(太田信介君) 先ほどもお答えいたしましたが、集落協定に参加されている農業者の皆さんの意識としては、本年度に三千人対象にアンケートをした結果でも、集落協定の締結によりまして耕作放棄地の防止など農業生産活動の継続に効果があるというお答えをいただいている回答が八五%ということで、この制度自体は食料自給率の向上に一定の貢献をしているものというふうに考えております。
 しかも、先ほどもお答えしましたように、例えば農振、農業振興地域の整備に関する法律の農用地区域への逆の編入が行われ、これをきちっと保全していこうというところまで来ている地域もあるというふうに認識をしておりますが、ただし、これだけでは十分でないのは当然でございまして、食料自給率の向上を図るためには、消費、生産、両面にわたる取組が必要であります。
 そういった意味で、食料・農業・農村基本計画に基づきます各般の政策を着実に行って、その中におけるこの中山間地域等直接支払の位置付けをしっかり果たしていくことが重要であるというふうに考えております。
○郡司彰君 先ほど来申し上げておりますように、十六年までの五年間ということの取組でございまして、中間でございますけれども、始まるときに、取りあえず集落でまとめるためには、この先五年間の見込みが立たなくても取りあえず参加をして始まろうじゃないかというようなことというのは、先ほど言ったように、この集落というのはJA全体でもう集落だというような考え方もあるし、いろいろありますけれども、そういう取組というのは全国でも結構あったと思うんですね。
 先ほどからの議論にもありましたけれども、そこから担い手が残ってくるというか、育ってくるというか、それはそれでいい、一方でドロップアウトした人たちというのも出てきているのかなというふうに思うんですが、これらについては追跡の調査などはされておりますか。
○政府参考人(太田信介君) 都道府県からの報告でございますけれども、平成十四年度までに、この集落協定などに基づく交付金を受けたけれども途中で交付金が停止された協定の数、五十二の協定を数えております。全協定が三万三千を超える状況からいたしますと、〇・一六%という数字になっています。
 この中身、種々ございますけれども、その理由としては、例えば国道の用地として協定農用地のすべてが買収されてしまってそれ自体が意味を成さなくなったこと、あるいは交付要件に係ります基準の適用についての、これは指導の観点もあったと思いますが、間違いが判明して対象農地ではなくなったようなこと、それから協定、個別協定の方が破産したり亡くなったりというような、そういうような状況等であるというふうにお聞きをいたしております。
○郡司彰君 これまでの直接支払についてお伺いをしましたが、それらの五年間経過をした後に改めて検証を行って、今後の所得補償、私どもが望んでいるような形につながるようなことをまた検討させていただきたいというふうに思っております。
 今回の関係についてお尋ねをしていきたいと思いますが、いろいろな改正によって新しい施策も出てまいります。これまでの継続をしてのものもございますけれども、WTOの関係からいうと、今回の法改正に伴う継続、あるいは新規のものも含めて、全体、緑の政策ということで理解をしていいのか、個別に青の政策も含まれているということもあろうかなというふうに私は思うんでありますけれども、一つ一つの政策について、どの政策になるんだということをお知らせいただければと思います。
○政府参考人(石原葵君) 現行の米関連の助成金、これのWTO通報上の取扱いにつきましては、生産調整の助成金、これは経営確立助成等でございますけれども、これは、良好な環境が維持されることを条件に支払を行うものであること等に着目しまして、緑の政策、いわゆる環境に係る施策による支払でございますけれども、そういう位置付けをしているところでございます。それからまた、稲作経営安定対策につきましては、生産制限計画下での施策であること等に着目しまして、青の政策に位置付けているところでございます。
 今回の米政策改革の関連施策といたしましては、産地づくり対策、それから米価下落影響緩和対策、それから担い手経営安定対策等があるわけでございますけれども、これらにつきまして、最終的にWTO通報上どういう扱いをすべきかにつきましては、これまでの通報の実績、先ほど申し上げましたようなことをやっているわけでございますけれども、そういうものを踏まえつつ、今後のWTO交渉の流れを見まして判断すべきと考えているところでございます。
○郡司彰君 今回の施策については、今お聞きをしましたのでおおよそ理解ができました。
 私の思いとして、これまでのいろんな法案で行われている施策は個別に一つ一つどうなんだということを知らなければちょっとまずいかなというようなことでいろいろ調べておりますが、なかなか分かりません。今、長官がおっしゃったように、はっきりしているものとはっきりしていないものがあって、これは日本側の考え方もあるし、向こうの、どういう判断基準を示すかということもあるし、WTOそのものの推移の中で変わってくる可能性ももちろんあるというようなことになるんだと思いますね。
 長官の方の考え方で、今おっしゃった稲経が今、青というような話もありましたけれども、これらについては、青ということについて、例えばこれから基本的にどういうような形をお考えになっているんですか。政策的に緑の方に変えるということにするのか、変わるという努力をするのか、その辺を含めて、ちょっと。
○政府参考人(石原葵君) ただいま申し上げましたように、これまでの通報の実績を踏まえて、WTO交渉の流れを見てというのが基本的な考え方でございますけれども、実際の通報というのは、施策を実施して大分時間たってから、大抵は通常二、三年でございます。国によっては非常に後れて、例えばアメリカの、我々、通報どうなるのかとか、そういうこと、どういう位置付けするのか注目しているところでございますけれども、まだ時間的には余裕があるということと、それからWTO交渉につきましても、今正しくこの交渉行われているところでございまして、緑がどうなるのか、要するに日本がいろいろ主張しております、これの拡大というのを主張しております。それからまた青につきましては、アメリカそれからケアンズ諸国を中心としまして、とにかくこういうものを撤廃せよと、全部黄の中に入れてしまえという主張でございます。そういうふうな状況の中で、こういうところの落ち着き先を見た上で、ぎりぎりの時間を活用いたしまして、とにかく賢く立ち回って、我が国にとって損しないような対応をしていきたいということでございます。
○郡司彰君 それから、長官、先ほど環境直接支払ということでありましたけれども、環境直接支払というと、ちょっと私の理解が間違っているのかどうか分かりませんが、要するに農法の転換を必要とするような行為というようなことになるんだろうと思いますね。先ほどの政策でいうと、その辺のところについて、環境直接支払の政策、農法の転換を必要とするというのは、具体的にどういうような形でもって理解をしているんですか。
○政府参考人(石原葵君) 特段そういうあれじゃありませんで、あくまで水田の多面的機能、これの向上を図るということで我々主張していました。これもWTO上は、緑の政策は生産者に対する直接支払のうち以下のものというところに幾つかありまして、災害対策とか構造調整援助とか環境施策、そういうのがあるだけなんですね。ですからそこを、先ほどちょっと賢くと言いましたけれども、我が国は要するにあくまで多面的機能、正しく水田はそういう機能果たしているわけでございますので、そこに着目して、そういう主張をしていると。
 これにつきまして、もちろん諸外国は、心の中では、ううんというところがあるかもしれませんけれども、我々のところについて今直接これについて会議の場で特段糾弾されるということはないということでございます。
○郡司彰君 そうすると、EUで言っているコンプライアンスにというようなことでの導入をしているということと同じような意味ですか。
○政府参考人(石原葵君) EUのコンプライアンスというのは何でございますか。
○郡司彰君 ちょっと時間がもうないんで、じゃ、済みません、別な質問に移ります。
 それでは、別な関係でいいますと、農業協定の地域の援助に係る支払というのがございますね。要するに簡単に言えば規模拡大とかそれから新規参入、これらについて、基本的には中山間地の場合にはコストの差だと、そこまでの支払だというようなことになっているわけですね。
 私ども民主党としては、それだけではなくて、もう少し広げた形の所得補償というものが何とかできないだろうか、それについては、先ほどからちょっと細かい質問して恐縮でしたけれども、日本の独自の考え方で新しい所得補償という考え方を持っていかないと、なかなかできづらいものが外郭的にあるわけですね。
 そういう中で、もし日本として新たな所得補償を行うための考え方なりそういう検討をされているとすれば教えていただきたいと思いますし、されていないとすれば、されていないで結構ですけれども、ちょっと。
○政府参考人(川村秀三郎君) 直接支払の関係では、先ほど来委員がお尋ねございました中山間地域の直接支払があるわけでございます。これは、太田局長の方からも答弁いたしましたように、その条件の不利、これに着目をして支払を行うということで、いろんな今の状況を見ますと、そういう形であれば国民的な納得も得られますし、合理性もあるのではないかということでございます。
 ただ、これを今現状で平地の農業に対して、特にまた水田農業ということがその場合対象になろうかと思いますが、そういう場合に、今の現状を見ますと、これはなかなかそういう直接支払をするような状況にはないんではないかというのが我々の今の考え方でございます。
 これは、先ほど来御議論もありまして、担い手の生産シェアが低いとかあるいは需要と供給のミスマッチ等があってまだまだ構造改革を進めていかなくちゃいけないという状況でございますので、そういう段階の中で、直ちにこれを検討するということはなかなか難しいと思っております。
 ただ、一般的な施策の、世の中の流れとしまして、価格政策から所得政策ということがございますので、将来の検討課題ということではあろうかということで勉強はさせていただいているところでございます。
○郡司彰君 私どもの党の中の議論では、直接支払ができる条件の中でやろうとするとやっぱり相当厳しいなと。しかし、一方でそういうことを抜きにして考えると、このまま行くと、所得の関係、農業をやっていて生計を立てるということから、離農をする、就農をする人がいなくなるというようなことが早晩出てくるんではないかなというようなことを心配をしておりまして、少なくともこの生産に携わって、そのことによって生活の糧をきちんと得られるというような道を何らか探していかないと、これはもう日本の農業そのものが、理屈の上ではいろいろ言っていても、現実の問題としてはつぶれてきちゃうと。そこのところを、今までの理屈じゃなくて、日本のそういうものを、新しい考え方を出さなければ駄目だということで、その検討そのものもお願いをしなければいけないなというふうに思っているんです。
 もう時間がありませんから、最後に大臣に、今、直接支払というのが先ほど言ったように三百三十億ですから、大体一%ですよ。私は、これまでの日本の農政の中でこれは特筆すべき制度として始まったと思っているんです。ただ、このままの推移でもっていってその条件の中でやれば今のような形しかなりませんけれども、とにかく日本の農業を守っていこう、農業を守るためには生産者の生活をきちんと確保していこうということで、この制度をかなり質的にも量的にも拡大をしていく必要があるんだろうと思っていますが、単純に予算の何%ということの答えというのはそれは出づらいと思います。しかし、考え方として、この部分を大きくすることによって日本の農業が結果としては守られるんだと私どもは思っておりますけれども、大臣の考えを最後にお聞かせいただきたい。
○国務大臣(亀井善之君) この制度につきましては、十六年、この見直しと、こういう問題もあるわけでありますし、今日まで各地域におきましてそれぞれ協定を結び、またそれぞれの施策を進めていただいており、また調査等におきましても八十数%と、こういうような中でいろいろの御意見、また評価もちょうだいしておるわけでございます。これらを踏まえまして、日本におきます農業の実態、農業の多面的機能を発揮すると、こういう面でも大変この中山間地域の問題は重要な我が国にとりまして課題であるわけであります。この見直し等々の問題につきまして更にいろいろ検討してまいりたいと、このように考えております。
○郡司彰君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 先日、六月に行いました参考人質疑によって、この法案の問題点が更に明らかになったと。その点について質問をしたいと思います。
 前回、私、質問の中で、この法案によって米価の下落に歯止めが掛かるのかというふうに質問いたしまして、食糧庁長官の答弁は、生産調整をきちっとやっていただくことが価格の維持、あるいは価格を場合によっては引き上げるということにつながるものだと思っているという答弁がありました。
 確認をしたいんですけれども、今回のこの改革で米の価格維持というのは生産調整の成否に懸かっているということでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) 端的に言いまして、生産調整をどのようにやるかということが基本的には米の価格を決めるものと思っております。あくまで価格は需給で決まるということでございます。
 そういうことからしまして、生産調整をどのようにこれから実施していくか、そのための、必ずしも十分でない農業者の意識、それをきちっと意識改革を行いまして、生産調整に積極的に取り組んでいただくということが価格の維持あるいは向上、引上げ、そういうものにつながるものと考えておるところでございます。
○紙智子君 今回の改革について、生産調整研究会の座長を務められた生源寺氏が、今までのような強制力をなくす、生産調整に参加するもしないも生産者次第だ、リスクを承知の上であえて参加しない農業者も認めると、そういうシステムだというふうにおっしゃいました。そして、農業者自身が判断する方式の下で、市場全体の需給バランスが大きく崩れる可能性もこれは否定できないというふうにおっしゃっています。そうしますと、たとえ生産調整に参加している人が生産目標を達成したとしても、生産調整に参加しない人たちが生産を拡大したり、直接販売をして安売りをしたりというような動きが出ることで価格下落が止めることができない、そういう見通しというのもあるということじゃありませんか。
○政府参考人(石原葵君) 今回の米改革ではそういうことにならないようにということで、いろんな手だてを講じているところでございます。
 具体的に申し上げますと、十六年度からの当面の需給調整、これにつきましては、これまでの面積による管理といいますか、面積による調整から数量による調整にこれに転換すると。そういうことをした上で、一つには各都道府県産米の需要実績を基礎にいたしまして、客観的な需要予測に基づく生産目標数量を設定いたしまして、当面は行政ルートでの配分も併せて行うことにより、農業者団体の体制整備を図ると。すなわち、行政ルートと農業者ルートで一緒にやっていくことによりまして、今まで行政ルートで培ってきましたノウハウといいますか、そういうものをきちっと農業者団体の方でもやっていただく、そういう体制整備をしたいということでございます。
 それから、農業者の主体的な経営判断に資するように、需給や価格に関する情報をタイムリーに伝達するということもやらなきゃならぬということでございます。
 それから三つ目には、生産出荷団体等が作成する生産調整方針を国が認定することにしておりますが、その認定にかかわりまして、その作成及び適切な運用につきまして国や地方公共団体が助言、指導を行うということにしているところでございます。
 そして産地づくり推進、四つ目には、産地づくり推進交付金の米価下落影響緩和対策や産地づくり対策は生産調整実施者を交付対象とすると。すなわち、これメリット措置として、生産調整、先ほど、生源寺座長がおっしゃいましたように、もちろんそれぞれ個々の農家の自主的な判断でございますけれども、やっぱり生産調整に参加するとこういうことがあるぞと、そういうメリットをはっきりさせるということで、生産調整実施者を交付対象といたしましてこの米価下落影響緩和対策や産地づくり対策を実施するということにしております。
 それからまた、過剰米が発生したときの対応といたしまして、過剰米短期融資制度により農業者・農業者団体が主体的に豊作による過剰米処理するような道も講じております。
 こういうようなもろもろの措置を講ずることによりまして、農業者・農業者団体が主体的な経営判断により実効ある需給調整を行っていく、そして需給及び価格の安定が図れる体制にしていきたいということで、そういうことでも我々、今回の措置の内容あるいは趣旨、そういうのを十分に農家に徹底いたしまして、農家のやはり生産調整に参加しようという、そういう意識改革、そういうものを醸成したいというふうに考えているところでございます。
 それからまた、その作柄の豊凶等によりましてその価格変動がどのようになるかは非常に想定し難いわけでございますけれども、仮に米価が下落する事態が生じた場合の対応といたしましても、米価下落影響緩和対策によりまして下落幅の一定割合を補てんする、そして担い手農業者に対しては担い手経営安定対策を講じるということで、稲作経営への影響を回避できるものと考えております。
 こういう措置につきましても、あくまでも生産調整に参加した人、そういう人にこういうことをやるということで、農家がその生産調整により取り組みやすく、より取り組もうという意欲がわくようにしているということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 今たくさんのことを言われたんですけれども、実際のところ、そのお話の中でもどうなるかということについては想定し難いというお話がありました。
 言われた対策の中で、例えば過剰米が出た場合どうするかと。これは区分出荷ということで自主的にやってもらうんだということですけれども、区分出荷ということを取ってみても、例えばそれは加工用やえさ米の価格で処分しなきゃいけないということになりますと、生産調整に参加した人がまじめに努力して、努力したと。しかし、そういう人たちにとってはそういう、それでも過剰になったときには安く売らなきゃいけないという事態になると、これは不公平感がますます増すだけじゃないかというふうに思いますし、それからメリット措置ということを言われたんですけれども、しかし、現在示されているメリット措置ということでは現行水準を上回るようなそういうことにはならないと思うんですね。
 今までやられてきた稲経というのは廃止をされると。担い手経営安定対策は、都府県でいいますと四ヘクタール以上ですよね。道でいうと十ヘクタール以上でかつ認定農家という線引きがされているわけですよ。そして集落営農というのもあるんだけれども、これは二十ヘクタール以上と。そのほかにも様々な条件が付くわけですよね、法人化しなきゃいけないだとか、経理の一本化だとかといういろいろなことが付くと。そうすると、圧倒的多数の農民は、そこからは対象にならない、これでどうしてメリットというふうに言えるのかということがもう一つ言えるわけですよね。
 それから、先日行った参考人質疑の中で、水稲の作付面積では全国一、北海道はそうなんですけれども、その北海道でいいますと、担い手経営安定対策の対象にならない場合どういう事態になるかというと、その生産者の方は、もしそこから自分たちのところ外れたとしたならば、もう政府の言うことを聞いていられないと、もう自分で自分の身を守るしかないと、防衛策として、自己防衛のために米作るしかないという声も根深くあるということも言われました。農村を回りますと、やっぱり、我々は国土を守るためのボランティアじゃないよと、生きていかなきゃなんないんだということも出されます。
 政府がやっぱり価格維持の責任を放棄する中で、自分の経営を守る、あるいは自分の家庭を守る、家族を守ると、そういうことで判断することをどうして責めることができるかというふうに思うんですね。
 私は、やっぱりこの間、出してきた農水省の政策がこういう事態に追い込んでいるということを思いますし、参考人質疑の中で、二人の生産者の方のお話聞きますと、今度の中身が現場では本当に理解と納得というのは得られているのかというふうに聞いたら、全く納得が得られていないという回答が出されました。それはお聞きになっていたと思うんですよね。
 それで、この法案がやっぱり全国の農家と生産者に大きな混乱を招くというふうになるのは必至だというふうに思うんですけれども、そう思われませんか。
○政府参考人(石原葵君) 今お尋ねの点にお答えする前に、現在の生産調整の農家の取組、これの状況について御説明しておきたいと思いますけれども、現在の生産調整の仕組みにおきまして、計画外流通米として出荷している農家、こういう方につきましても、こういう計画外の方は一般にこの生産調整に参加していないんじゃないかという誤解がございます。こういう人たちにつきまして我々が調べたところでは、約九割が生産調整に参加しておられます。
 それからまた、今年の二月から三月にかけて、我々、米政策改革に関する意向調査というのを実施しております。その結果によりますと、今後の米の生産調整の取組意向につきましては、生産調整に参加したいという方と、それから、助成制度の具体化を見ながら考えると回答した農業者が合わせて約八割に達しております。特に、この米価下落影響緩和対策、それから産地づくり対策、担い手経営安定対策、こういう助成措置につきましては今回生産調整を実施した者に対象とすることにしておりまして、こういう措置につきましては、最終的に八月末の予算の概算要求時、これまでにきちっと最終の姿を決めたいというふうに考えているところでございます。
 ですから、この最終の姿を見て御判断いただきたいということでございますけれども、我々、よく、今回、今までの措置と比べて今回の措置は劣るんじゃないかと言われますけれども、それは最終の姿を見て御判断いただきたいと思いますけれども、それともう一つ加えて、要するに今までの措置、今までの措置につきましては、要するにメリット措置というのがはっきりしなかったわけですね。要するに、生産調整に参加すればそういう、どういうメリットがあるかということについて今までは必ずしも農業者にとっては明確になっていなかったわけです。
 それを今回は、生源寺さんがはっきりおっしゃったと思いますけれども、あくまで農業者の主体的判断でやっていただくわけです。生産調整に参加する、しない、それを判断していくわけですけれども、そのメリット措置をはっきりさせよう、それでインセンティブを与えようということでございますので、我々は、そういうことを明確に示すことによりまして、我々、少なくとも生産調整の取組が大きく損なわれることがないように思っております。そういうことのないようにしなければならないと考えているところでございます。
○紙智子君 メリット措置ということについては、だから結局は、みんなにそれが行き渡るわけじゃなくて、一部に絞られるわけじゃないですか。そして、その中身もはっきり何かよく分かっていないということがあったということを申し上げたわけですけれども。
 今紹介された、農水省として四月に発表した米政策改革大綱に関する意向調査ですね、この調査は私も見ていますけれども、受け止め方がすごく違うというふうに思って聞いたわけですけれども、その中で、結局、生産調整に参加するのが九割とおっしゃいましたけれども、一割はしないと言っているわけですよね、そういうふうに答えているわけですよね。しかも、四分の一の方がその助成制度次第だというふうに答えていると。
 その助成制度次第だと言うんだけれども、実際にその法案の中に具体的に今回、今回出さなきゃいけないのに、その中身がはっきりしないで生産調整に参加して、そして、転作して経営が守れる保障があるのかということが今の時点でもはっきりしないというようなことなわけですから、こういう状況の中でそのまま、すっきりさせないまま強行することになれば、これはやっぱり現場を混乱に陥れることになるし、米の需給や価格の安定を脅かす、そういうことになるというのは必至だというふうに思うんですね。
 それで、もう一つ、需給バランスを崩して価格の下落、この要因になるのは今の言った問題だけじゃないと思うんです。現在行われているWTOの農業交渉ですね、これ、農水省としてもEU案を支持するということを表明してこられました。EUの関税の引下げ目標が日本提案ということを言ってきました。たとえ日本提案が無事に一〇〇%受け入れられたということで通った場合でも、米の関税は最低でも一五%引下げだということですよね。物によっては、そうなると国産米と肩を並べて、外食産業などが本当にこの価格の低い米でもって輸入されてくるということは否定できないわけですよ。それから、農水省はMA米の廃止については、これ、掲げていないですよね。そういう、やっぱり弱腰なわけですよ。だから、削減の保障もないと。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 そうなりますと、幾ら生産調整の参加者が努力しても、やればやるほど外国からのお米が入ってきて価格も下落するということは、これ、否定できないんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(石原葵君) 先ほど申し上げましたように、これまでの生産調整については必ずしもそのメリット対策がはっきりしていなかったということに大きな問題点があっただろうと。もちろん、これまで面積で管理していることで、例えばその面積をこなせばそれでいいということで、その限られた、与えられた面積の中で精一杯作られるので、これは当然、農家として当然のことでございますけれども、より多く生産されるとか、そういうこともありました。
 そういうことに加えて、生産調整に参加するかしないかのその判断、そういうときに、自分がこの生産調整をやることによってどういうメリットがあるのかということが必ずしも明確じゃなかったわけです……
○紙智子君 そういう問題はいいです。
○政府参考人(石原葵君) いや、それは前、前段におっしゃいました、されましたので、ちょっと補足させていただきますと、だから、そういうことを考えた場合に、我々は今回きちっと、生産調整をやった場合にこういうメリットがあるんだということを明確に示すことによりまして、農家の生産調整に対するインセンティブといいますか、それを働かせようということでございますので、何度も繰り返しますけれども、御理解いただきたいと思っています。
 それから、米の関税の問題でございますけれども、今回、我が国は、EUが提案しております関税につきまして、最低一五%の引下げというものを我々、これに同意しております。これを適用しますと、米の関税は現行のキログラム当たり三百四十一円から二百九十円となります。この関税水準では、現在のミニマムアクセス米の輸入価格の水準、これはキログラム当たり七十円でございますけれども、これから見ますと輸入米の価格は国内産米の価格を大きく上回ることとなっておりまして、ミニマムアクセス米以外の米が無秩序かつ大量に流入する可能性は、現行と同様、ほとんどないと考えております。そういうことから、米の国内生産や価格にはほとんど影響を与えないものと考えているところでございます。
 それから、MA米について撤廃言っていないじゃないかというお話がございました。
 我々、MA米につきましても、制度の改善ということを我が国の提案の中にはっきりと位置付けております。ですから、我々、この交渉につきましても、まだこれ、交渉中でございますけれども、これで最大限の努力をするということでございますし、この米の改革につきましても、これまでるる申し上げておりますが、政策を講ずることによりまして我が国水田農業の新たな展開を図っていきたいということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 今、輸入米の話されて、これは衆議院でも議論になっていることですよね。平均価格で計算していただきたいと思うんですよ。高い方を取ったら駄目ですよ。
 平均価格で試算すると、関税が一五%で削減されると、十キロで三千二百六十円まで下がるんですよ。しかも、我が国は最低一五%ということで提案してしまっているわけですから、そうすると、一五%の削減というのは最低ラインになるわけですよ、そこで良しというわけじゃなくて、もっと下げろと来るわけですからね。だから、やっぱりこれは、影響を与えないとおっしゃいましたけれども、そんなことはないと。
 米の関税化を決めた九九年のときに、鳥取大学の農学部の伊東助教授ですね、これ、計算していますけれども、一キロ当たり三百四十一円の関税を一年間に二・五%引き下げた場合には、これは七年後には一七・五%削減ということになって、そうすると、今、米国のアーカンソー州でコシヒカリを作っているわけです、それから中国の黒竜江省のところで米を作っているわけですけれども、もう食味でいえばほとんど日本と変わらない、そういう米が採算ラインに乗って入ってくるということを試算しているわけですよね。今すぐは確かに影響しないかもしれないけれども、確実にその後じわじわとやっぱりやってくるということですから、影響がないなんというのは空論だというふうに思いますね。
 それから、更に質問したいのは、非常に問題だと思うのは、売れた実績に応じて生産目標の数量を分配するというふうにしているわけですね。豊作で売れ残った場合には翌年の目標から差し引くということになっているわけです。
 ブランド化できない産地、それから相対的には食味が落ちると言われている産地、北海道もこの間ずっと努力して食味を上げてきました。しかし、それでもやっぱり新潟だとかそれから宮城なんかに比べればブランドの力としては劣るわけです。現在でもコンビニでブランド米の志向を強めて、今まで北海道の米というのは業務用主体ということになっているわけですけれども、この北海道産の卸値が下落する事態に実際なっていると。そうすると、売れない産地に対して露骨に米作りから退場せよということを迫ることになるんじゃないかと思いますし、それから売れ残りを恐れて安売り競争が誘発されてくることになるんじゃないかと、非常にこれ心配されるわけですけれども、そこについての御認識はどうでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) 後の点に触れる前に、お答えする前に、前の点でございますけれども、なぜその一五%のEU提案といいますか、それに乗ったのかということでございますけれども、今回の交渉は、ウルグアイ・ラウンド交渉の結果といたしまして、二十条の規定でありますとおり、改革過程の継続という状況の下で、そういう原則の下で交渉を行っているものでございます。
 そういうときに、我々、ウルグアイ・ラウンドの交渉、今の時点から反省しまして二つ問題があったと思っています。一つは、我が国の主張が国際的に孤立していたこと、それからもう一つは、国内の世論が必ずしも統一されていなかったということでございます。
 そして、その特に前の点。要するに、我が国はもちろん関税は一切下げません、MAは完全撤廃ということは主張はできます。しかし、それは前回のウルグアイ・ラウンドと同じような結果、孤立ということを招くんじゃないかと。幸い、EUと我々、考え方一致しております。そういうことで、とにかく今回は一致してやろうということで、例えば今回の関税の引下げ方式につきましては、七十五か国が我々の戦列に参加しているわけでございます。そういうことで、今回のEUの提案にも乗っているということは御理解いただきたいと思っています。
 それからもう一つ、北海道の米についてはどうするのかと、北海道の米とかそういうものはどうするのかと、食味の必ずしも優れないものについてはどうするのかというお話がございました。
 こういうものは、我々よく申し上げるんですけれども、売れる米づくりというのは良食味の米を生産するということだけじゃないんです。今、業務用として求められているのは、味はもちろんいいにこしたことはないんですけれども、味は少し落ちても価格が安いということを業務用では求められているわけでございます。ですから、売れる米づくり、北海道が仮に味に自信がないということであれば、要するに業務用に、おっしゃるようにですよ、そういうあれがあるとすれば、それはあくまで業務用をねらいとしましてその価格で勝負するということもあり得るわけです。
 そしてまた、今消費者が求めておるのは無農薬とか、そういう付加価値の高い米でございます。北海道の米につきましてもそういう努力をされるとか、あるいは一部の県でも既に実行しておりますような、要するに消費拡大の努力をすると、県産米愛用という、そういう努力をされると。いろんなことが相まって、それぞれの県の、都道府県の米の価格を維持し、あるいは生産の増につながるというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 安売り競争を誘発するんじゃないかということもあるわけですよ。
 それで、前回の審議をやって、そのときに食糧庁長官は、過剰米の融資の単価について、三千円ということで、まだ決まっていないということですけれども、それが低過ぎるから農家はそういうところに売らないで自ら夜陰に紛れて売り飛ばすんじゃないかと、そういうことをやると価格が下がるんです、だから生産者の意識改革が必要ですというふうにおっしゃったんですね。私はこれひどい発言だというふうに思いましたよ。需給や価格に対する国の責任を棚上げにして、生産者に対する暴言だと。今の発言も聞いていて、腹が立って聞いていましたけれども、本当にこれはひどいと思います。
 結局、国内生産者は価格下落を恐れて、自主的減反という名の下に、実際には限りない減反の拡大をやらなければいけないと、あるいは、生産縮小を強制されることになるんじゃないかと思うんですよ。そういうことはないというふうに言い切れますか。
○政府参考人(石原葵君) 農家の意識改革というのを、我々、この委員会でずっと言い続けております。ですから、今の米の置かれている状況、それを十分農家の方に踏まえていただきまして、例えば生産調整がこれだけ、今の消費の減が仮にあるとすれば、その減に応じて必要な生産調整をきちっとやっていただくということになれば、今、委員が先ほど来おっしゃっておられます価格の減につながるものじゃないというふうに考えております。
 また、この点で一つ申し上げたいと思いますけれども、これ、農林水産省が公表したモデルでございますけれども、それでいきますと、供給量が一割増加すると価格が約三割落ちます、そして農家の総収入は二割強減少するわけです。そういうのが需給で決まるということなんです。ですから、こういうことを十分農家の皆様方に理解していただくと。
 ですから、必ずしも今までも生産調整に参加しないで勝手な行動をされている方がいらっしゃいます。しかし、それはそういうものだということをよく御理解いただくことが重要だと考えておりまして、今、農協系統でもそういうような趣旨の徹底に努めております。先生方にも、農家の皆様方に会われるときには、そういうことだということをよく御説明いただきまして、農家あるいは農業者団体の意識改革が成りますように、そして新たな水田農業展開ができますよう、御協力いただければと思っております。
○紙智子君 今度のこの改正が強制じゃないというふうに言われるわけですけれども、ずっとお聞きしていましても、結局、農家にとっては価格暴落を恐れて減反を拡大していくことになるか、又は価格が暴落して、その結果として生産の縮小をやらなきゃいけないかと、そういう選択が押し付けられるだけだというふうに私は思いますし、これはやっぱり自給率向上ということから見ても、それに逆行すると。そして、国民の安全、安心な国産米の安定供給を望む、そういう願いにも反するというふうに申し上げたいと思います。
 次の質問に移らせていただきますけれども、さきの参考人質疑の中でも、米価格の下落の中で再生産可能な価格、所得の補償を求める声というのが参考人の中からも相次ぎました。私も、この法案の最大の問題というのは、やはり農民が国民の主食であるお米を再生産が可能となるような価格や所得の実現について何の担保もないということがあると思います。国の責任が放棄されているというふうに、問題があるというふうに思います。
 高根沢参考人は、税金を投入して再生産できる値段を保障してくれなければ今度は農家は倒産するというふうにおっしゃいました。それから、矢口参考人は、担い手が破壊される前に所得、直接所得補償による担い手育成を図らなければならないと、こういうふうにおっしゃいました。それから、白石参考人は、米価の回復が稲作農家の経営を支える最大の保障だ、稲作経営安定対策を抜本的に改善して生産費を償う米価を実現することを要求したいというふうにおっしゃいました。
 再度お聞きしますけれども、やはりこの稲作の生産を続けるために価格保障や所得補償が必要だというふうに思われませんか。
○国務大臣(亀井善之君) 我が国の水田農業につきましては、担い手の生産シェアが大変低いわけでありまして、そういう面で構造改革を進めなければならないわけであります。そのような意味におきまして、この米政策を総合的に再構築しようと、こういうことで今回この提案をしておるわけでありまして、産地づくり推進交付金とか、あるいはまた担い手経営安定対策、あるいは過剰米短期融資制度と、これを政策のパッケージとして改革を進めるわけでありまして、やはり何としても担い手への農地の利用集積、経営規模拡大等を推進をすると。そして、すべての農業者の所得を一律に補償するというような措置を講じた場合につきましては、この現状の農業構造改革、このことが農業構造、今日の農業構造が固定化をされるんではなかろうか、そして、意欲ある担い手を育てる、こういう面での構造改革に支障を来すおそれがあるわけでありまして、またさらに、主体的な経営努力、こういう面を阻害する、そして需要に即応することが反映できない、こういう問題があるのではなかろうかと、このような考え方の下に、今の御指摘につきましては、やはり現状のパッケージにおきます改革、こういうものを進めて、この法律に基づき、水田農業の発展、このことを考えておるところであります。
○紙智子君 大臣は、所得補償は構造改革の支障になるんだと。今もお話の中で、構造が固定化されるということを言われました。そう言って所得補償については否定をし続けているわけですけれども、しかしセンサスで現状を見ますと、都府県の面積五ヘクタール以上の経営というのは、増加のスピードというのは落ちているわけですよね。五年ごとに見ると、八五年から九〇年に増加率が三八・一%だったわけですけれども、それが九〇年から九五年になりますと三五・一%、それから九五年から二〇〇〇年までの五年間で見ると二一・七%まで落ちているわけです。二〇〇〇年までの五年間では、この経営規模が五ヘクタール以上の層の経営の四分の一が脱落をしているわけですよね。だから、実際にはだんだん減っていっている、増加率が減っていっているという状況なわけです。
 それで、経営政策研究会の報告の中でも、「農業構造改革推進のための経営政策」というのが出されましたけれども、そこの「はじめに」というところのその部分について書いてあることを見ますと、「日本経済の停滞の中で、農産物価格の下落、農産物輸入の増加等が、望ましい農業構造を担うべき意欲と能力のある経営体の経営に悪影響を及ぼしつつあり、」というふうに言っているわけです。現状認識を示しているわけですよね。これは、やっぱり担い手の農家の所得が補償されていないことが、皆さんがおっしゃっている構造改革、この支障になっているという問題意識じゃないんでしょうか。
 市場原理の導入を進めて、結局価格支持をなくした下で担い手が育たない、規模拡大のこれも進まない、そういう要因になっているのは、結局はこの農業所得を補償するシステムがないからじゃないんでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今の紙委員の御指摘でございますけれども、確かに、ここのところ規模拡大のスピードというものが鈍化をしてきているわけでございます。これは経済全般の状況等もございまして、投資意欲といいますか、規模拡大意欲に対するそういう農家の意向というものが今鈍化しているということを反映しているということでございます。
 今回、米政策で、その米政策全体を抜本的に見直しまして方向性を出すということでございます。そして、かつ、一般的なメリット措置の上に担い手を対象とした経営安定対策を講ずるということで、そういう経営改善あるいは規模拡大に向けて努力をされる方、そういう方に対するインセンティブを与えていこうというのが今回の政策パッケージでございますので、そういうことを通じて頑張っていきたいということでございます。
○紙智子君 参考人質疑のときに、矢口参考人が、我が国に残された担い手は限られた段階に来ているんだと言いました。この現実は現実として認めなければいけないというふうにおっしゃって、所得を実現することが担い手を作る上でも重要だということを指摘しました。さきにも言いましたけれども、価格の維持の機能というのは結局この法律には皆無と言っていいと思います。
 矢口参考人は、担い手が破壊される前にというふうに強調されたんですね。私は、物すごく厳しい響きでこれを受け取りました。担い手が破壊される前にと。再生産可能な価格、所得の補償がなければ、望ましい生産構造どころか、現在何とか頑張っている担い手そのものもなくなるということを意味するんじゃないかというふうに思うんです。
 それで、続けて言いますけれども、安定経営、これは再生産ができる農業所得や、政府助成が行われて所得が補償されることだと。担い手経営安定対策には稲作の再生産を保障する観点というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今般の米政策におきます担い手経営安定対策でございますが、これは御案内のとおり、生産調整に参加をしておられまして、かつ米価下落の影響が大きい一定規模以上の水田農業の担い手の経営安定を図る機能というものを有しております。
 したがいまして、米価下落によります経営の影響の緩和を通じまして、稲作生産を含めた水田営農の安定、継続、この確保に資するという意味で再生産につながるものではございますが、これまで、委員が多分御主張されておりますのはこれまでの米価のような再生産確保米価といったような考え方だと思いますが、そういう考え方は取っておりません。
○紙智子君 再生産の確保という機能は、これまでの形ではないというふうに言われたと思うんですけれども、基本的には米価が下がればこの補てんも下がる。結局、今までやってきた稲作経営安定のこの制度そのものの限界といいますか、問題点そのものを継続するものだと思うんです。しかも、拠出はこれまでよりも増えるわけですよね、現行よりも。主業農家の場合は生産費を賄う米価でなければ、やっぱり基幹労働力が米作りに張り付いている意味がなくなると。
 元東京農工大学の学長さんであります梶井功さんがおっしゃっていますね。結局、生産費を賄う米価が到底期待できないということになれば農外労賃を求めて流出することになる。規模拡大などはもう論外で、生産費を償う米価であることが主業農家が主業農家として経営を継続していく最低の条件なんだというふうに言われています。
 担い手が経営を継続して、かつ経営規模を拡大するためには、やっぱり再生産が保障される、そして農地を拡大する、機械の負担に耐えられる、そういう所得がなければならないわけで、一体、この担い手経営安定対策ですけれども、それだけの所得が確保できるのかということについていかがですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 正に今回の米政策の見直しというのは、生産者、特に担い手の自主性を尊重いたしまして、その経営展開を図るために、単に米価の保障ということではなくて、経営全体の安定ということを目指しましてやっていることでございますので、その担い手の将来のといいますか、担い手がそういう将来方向を踏まえて創意工夫を生かすことによって望ましい米作りの在り方というものが実現するということを望んでいるところであります。
○紙智子君 あわせて、担い手安定対策で圧倒的な多数の農家が対象にならないわけです。これまでも質問の中で申し上げてきましたけれども、都道府県で十二ヘクタール以上を六万戸作るというわけですよね。だけど、現在都府県でどうなっているかというと、経営規模で十ヘクタール以上の認定農家というのが二〇〇〇年センサスだと五千戸余りですよ。そうすると、私たちは、今政府が進めている構造改革というのは反対の立場ですけれども、それそのものを実現しようというふうに思えば、今はそこまで達していない農家がこれから規模をどんどん拡大しなきゃいけないということになると思うんです。
 だけど、実際にこの経営安定対策に該当する四ヘクタール以上の認定農家というのは、今、四万戸に満たないわけですよね。しかも、これからリタイアする人も出てくる。今考えられているこの担い手経営安定対策でいくと、担い手が限界になっている状況で認定農家に四ヘクタールで線引きをする、それ以上のところしかやらないというわけですから、そうすると、どうして十二ヘクタール以上の農家を六万戸も育成することができるのか。それどころか、現在地域の農業の中核を担っている認定農家ですら七割が切り捨てられる状況になるんじゃないかというふうに思うんですね。
 ちょっと時間がありますので、次、続けて言わせていただきますけれども、集落営農の問題です。この法律が小規模農家を切り捨てるものだということも私は指摘をしたいと思うんです。
 今まで農村は、とにかく小さい農家も大きい農家も一緒になってそれぞれの役割を果たしてきたと思うんです。集落の営農を維持してきたと思うんです、用水路の維持とか、あぜ草を刈るとか。とにかく大規模だけが残っても、そういう意味では維持できるものじゃない。しかし、今、岩手県なんかでは既に地域ビジョンづくりということで行われていて、小さな農家が所有している機械の更新を抑制するとか、担い手以外の営農参加を排除する動きが出てきているわけです。それから、島根県が県内の集落営農を対象に行った調査でも、面積要件だけでも六割程度が達成するのは困難だという回答ですよね。現状で二十ヘクタールを上回っているのは二割にすぎない。
 そうすると、結果的に今回の法案で規模の、小規模の農家や条件不利地域の切り捨てということが進むことになるんじゃないでしょうか。違いますか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 規模要件の考え方は、これまでも御説明をいたしましたが、二十二年の構造展望を踏まえまして、おおむね二分の一ということでやっております。
 私ども、この担い手の育成ということでは、そういったやっぱり目標に向かって改善努力をされる方、そういうものを対象にしていきたいということでございます。そういう基本的な考え方に立って、そういう要件を決めていくということでございます。これも、最終的には予算編成の、十六年度予算編成の中で最終的な決定をしたいと思いますが、そういうことでございます。
 それから、集落型につきましては、正にそういった小規模の方もそういう集落型に参加をすることによって、その地域の農業を支えていきたい、いっていただきたいということで、正にこういう集落型経営体という概念を新たに作りまして、そこでまず取り組んでいただきたいということがあるわけでございます。
 また、この集落型の規模につきましても、もちろんよく実態を勉強させていただきますけれども、やはり経営、これは集落をすべて救うということではなくて、これは集落型については中山間の支払等、そういう措置もございますし、また生産対策もございますので、単純に切り捨てるということではなくて、私どもとして、経営体として今後育つべき集落型の営農と、そういうものをどう位置付けをし、そして育てていくかと、こういう観点で要件を設定していきたいと、こういうことでございます。
○紙智子君 生源寺さんもこの前言われていたんですけれども、水田農業はいろいろなケースがある、集落といっても熟度が違う、全国一律は無理で、地域の条件に合ったやり方が一番いいということも言っています。
 やっぱり、二十ヘクタール以上とか法人化とか、いろいろ厳しい条件を付けて、そして線引きをして選別するというやり方は、全くそれを否定することにもなりますし、今まで本当に優れた集落の機能も逆に失わせることになってしまうと。だから、結果的には、米作りができない環境にしてしまうというふうになりかねないというふうに思います。
 前回の参考人質疑で四人の方が来られていて、生源寺氏以外の三人がこの法案については反対ないし重大な問題があるということを指摘をしました。生産者の二人は、この法律がもし成立したらどうなるかということの問いに対して、農家の半分以上が倒産するというふうに言いましたし、米作りの農家は激減すると。それから、矢口参考人は、担い手がいなくなるおそれがあるということを指摘したわけです。
 それをこのまま通せば、私は、本当に将来取り返しの付かない禍根を残すことになるということを最後に指摘をいたしまして、時間ですので終わらせていただきます。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。
 今日は前回の続きで日本型食生活から質問を始めようかと思ったんですが、いろいろ今までの議論を聞いていてどうもちょっと腑に落ちないところもございますので、まず法律そのものの具体的な改正、改正といいますか、それに関連したことを少しお聞きしたいと思うんですが。
 その一つといいますか、今回、農林省の姿勢というのが消費者重視ということを盛んに言っておられます。これは大変結構なことで、元々が消費者、生産者一体であるべきもので、あえて言うべきものではないとは思うんですけれども、確かに重視されるのは結構です。ということは、今まで生産者を重視していたのかということになるわけですよね。もし生産者を重視していたとすれば、これだけ農業離れが起こるわけないんですよ。その辺を農林省は本当に分かっているのかということを、私はまず、これ答弁必要ないんですけれども、その辺をまず強調しておきたいと思っております。
 それともう一つは、先ほど石原長官、ちょっとお話しあったような、備蓄のことについて触れられました。百万トンですか、ぐらいの備蓄が必要だと。その数というのは私はよく知りません。これは専門の方がいろいろ数量を決定されるのが、それが筋だと思いますから、それはいいんですけれども。御発言の中で、いわゆる備蓄を増やした方がいいけれども、経費というのは膨大なものだと。確かにそうでしょう、これは幾らか私も知りませんけれども。膨大なものを生産者が知らないと。だから、生産者にそういうことを知らしめなきゃいけない。それも確かだと思うんですけれども、備蓄というのは大体、食料安保でしょう。生産者のためのものじゃないですよね。農林省というのは、備蓄というのは、余剰米ができて米価が落ちるから、農家が困るから、それで政府が買い取っているんだとお思いなのかどうかなんですよね。
 生産者も安定した食料、備蓄というのは、余るときは備蓄、余るときのためじゃなくて、なくなったときのためですよね。そのときに消費者が困らないようにやるわけでしょう。だから、その額は知りませんけれども、消費者も知らなきゃいかぬわけですよ。
 農林省は、まず、そういう消費者に対して、備蓄というのは、備蓄のためにこれだけ農林省が苦労して、これだけの金掛かっているということをPRされたことございますか。
○政府参考人(石原葵君) 先ほど私が申し上げたのは、生産者というより、むしろ消費者でございます。
 備蓄運営研究会での議論、これは十二年の十二月に設置しました、先ほど申し上げた研究会でございますけれども、十三年の議論、要するに二年前の議論のときですね。要するに、消費者団体の方から、消費者というのはやはり、今おっしゃいましたように、食料の安全保障あるいは安定供給という観点から、備蓄というのは、そのいざ、いったん事あったときの備えでございますので、それは多いにこしたことはないという、そういう判断をすると。しかし、それにはコストが掛かるんだと。どれだけのコストが掛かっているかについて十分なPRが必要ではないかと。そういうコストの判断、そういうことを理解なしに備蓄の水準とかその辺を、多けりゃ多いほどいいということだと思いますけれども、そういうことを言うのはおかしいということをおっしゃったということを申し上げたわけでございます。
 それで、備蓄の価格でございますけれども、今、一トンを一年間保管するのに一万二千円掛かります。これにつきましては、一部の方から、これは高過ぎるのではないかという議論ございますけれども、我々はこれまでも経費の節減に努めておりますけれども、一トン一万円掛かるということでございます、一万二千円ですね。
○岩本荘太君 私の聞き違いなら安心いたしましたけれども、量を増やすのには大変なんだ、量を増やしてもらいたい人が一杯いると。それはむしろ生産者の方だと思うんですよね。じゃ、それに対してこれだけ金が掛かるんだというふうに僕は言われたと思ったから、こういう発言したんですけれども。その辺で、長官、そういうふうにしっかり、消費者の方に対して言うべきものであるということをしっかり御認識いただきたいと思うんですが。
 それと、この備蓄についてはいろいろ言いたいことあるんですけれども、もう一つは、今まで生産、需要、生産高を決めるときに需要予測をしますわね。その需要予測というのがね、というのが大体外れて、それより減少してきたわけでしょう、米の消費が減っているわけですから。これを三十年間続けているわけですよね、ずっと下がりっ放しなのを。これは策がなさ過ぎる。私はこれ、何か前回、何かのときに指摘したことがありますけれども。
 それは、今度はそうじゃなくて、少し下げましたというようなお話がありました。それが今年やられたんじゃないですか。それをやられたとすれば、それによって、それが新しく取った手によってどのぐらいの量が決まるというふうに考えるべきじゃないかなと私はこれ思うんですけれども、これも私の意見ですから別に答弁は要りません。
 それと同時に、やはり、これは荒唐無稽な思い切った発言かもしれませんけれども、言うなれば、安全保障ということは防衛費と同じような性格のものでしょう。防衛費であれば、例えば練習なんかして、例えば防衛費の銃弾と例えれば、これどんどんどんどん消費していくわけですよね。
 米の場合も、要するに、備蓄としての役割を終えたら、備蓄としての金が掛かったとしても、それはそこで役割を終えたことによって価格がゼロでもいいわけですよね。そのゼロということで、海外援助に回すとか、ほかの方法を考えるとか、そういうようなことを考えればもう少しうまく回るんじゃないかなというような感じが私はするんですけれどもね。
 その辺の備蓄に対する考え方といいますか、それもし長官ありましたら、ひとつお願いします。
○政府参考人(石原葵君) 備蓄につきましては、御案内のとおり、我が国は今、回転備蓄方式を取っております。これを棚上げ備蓄方式にすべきではないかという御指摘があるわけでございますけれども、この棚上げ備蓄、これも備蓄運営研究会の報告の中で、これもその場で議論されたところでございまして、その報告の中に出ておりますけれども、棚上げ備蓄方式を取りますと、不作でこの備蓄放出の機会があればいいですけれども、なかった場合に、それを結果的には援助とか飼料用に回さなきゃなりません。そうしますと、通常買うときにはトン当たり二十数万で買っております。これを一万とか二万で売らなきゃならぬということでございますので、その分の大きな財政負担が掛かるという問題がございます。
 それから、期間が経過しまして、これを、その間、もちろん品質が劣化するわけでございます。品質が劣化しますので、いざ備蓄を放出するという場合に、主食用に必ずしも適さない米を放出しなきゃならぬという問題がございます。
 それから、買入れを安定的にやればいいですけれども、財政負担のことを考えますと、ある程度やった上で、何年か置いてからそこで大量に買い入れるとなります。そうしますと、国内の米の生産に大きな支障というか変動といいますか、それを与えることになります。
 そういうことからしまして、我々、この棚上げ備蓄方式というのは取るべきではない。むしろ、もちろん回転備蓄方式につきましても、これは売られるということでコスト引下げというマイナス要因はありますけれども、やはりメリットとデメリットある。プラス、マイナス考えますと、やはり我が国としては回転備蓄方式を取るべきだという判断で我々はその方式を取っているところでございます。
○岩本荘太君 私の言っていること、御理解願えないのかもしれませんけれども、要するに、安全保障として備蓄という性格で役割を果たす期間というのはあるわけですから、それに対して支出しているわけですよ、国のお金を。その役割を終わったら、それはもう終わったものとしてゼロでもいい、価格がですね、ゼロになってもいいんじゃないか、極端に言えばね。だから、もう極端に言えば捨ててもいいと同じような性格、これは一年か二年か分かりませんよ。それを三年も四年も古米を、古々米を持って、それを回転しながらやるから、ちょっとぐらいの作況の変動でおたおたしちゃうということがあるんじゃないかというような、私はそういう気がしてならないわけです。
 それで、ただ、私は極端に捨ててもいいんじゃないかと言いましたけれども、これはまだ日本の国民、私、いろんな人に聞きましたけれども、感情的にそれはなかなか受け入れられる問題じゃないのは私も知っています。ただ、これだけ困ってきている、調整が困ってきている事態にあったら、そういうことも念頭にして、今、念頭に入れているという言い方もあるかもしれませんけれども、あの念頭の入れ方はちょっと私の本意とは違う気がしますけれども、そういう物の考え方ということをもっと積極的に消費者の人にも理解してもらう必要があるんじゃないかなと私は思う次第です。何かあれば。
○政府参考人(石原葵君) 具体的な数字で申し上げた方が御理解いただけるんじゃないかと思いますけれども、回転備蓄、我が国が今取っておる回転備蓄方式でやった場合に、百万トンを備蓄しますと、金利、保管料が約百五億円、それから値引き経費が百億円ということでございます。他方、棚上げ備蓄になりますと、金利、保管料が百三十八億、処理に伴う損失が四百八十億。この金利、倉敷の方はそれほど差がございませんけれども、要するに百億対四百八十億、それを考えた場合に、消費者あるいは国民にその四百八十億の負担を掛けて棚上げ備蓄を取ることができるのか、そういうことについて国民が理解し、納得されるのかという問題があるということでございます。
○岩本荘太君 今のお話は分からなくはないですけれども、例えようによっては、商売やめて、旅館かなんかやめて、これをぶっ壊して更地にして売るためには何千万か掛かると、それよりもそのまま使わせた方がいいという理屈でしょう、今のはね、言うなれば。それは分からないでもないですけれども、それは持っている方の人間の話であって、実際お米を作る方はそういうこととは余り関係ないわけですよね。
 だから、どうやって安定的に生産していけるか。だから、今、逆に言えば、一つの処理費を言いましたけれども、じゃ、そのために生産調整をやって、生産調整が、お米をなかなか、余っているのが一杯あるからなかなかもう、毎年毎年、それこそ猫の目行政と言われているのが今の農政の一番の欠陥だと私は思うんですよね。そういうものに対する精神的な負担、あるいはそれに対する施策の負担というのを総合的に考えたら、今、長官が言われた数字だけではないと私は思っております。
 それと、その備蓄についてはそれぐらいにいたします。
 次に、米改革大綱といいますか、改正問題ですね、前回、中村委員もお話しになったかも、質問にあったかもしれませんが、どうもよくこれ分からない。何かイメージがわいてこない面がありまして、要するに、何か先ほどから聞いていますと、官ができなかったものといいますか、官ができなかったというと怒られるかもしれませんけれども、単純に言えば、どんどんどんどん今言った備蓄米が膨らんできてその処理費が上がっていったと。それ、大変だったわけでしょう、財政的にも、財務省を相手にしてですね。そういうものが、今度、民に任せたらうまくいくというようなお考えになっているのかですね、その辺がどうもよく分かんない。
 それと、この法律によって確かにあるべき姿を見通されているというのは、それはそうかもしれませんけれども、日本の農家全体をどんなふうにしようと思われているのか。例えば、四町歩の担い手を、そういう人をあれですよね、中心にするような方に持っていくと。それはそれでいいんですけれども、四町歩がいいかどうか分かりません。いろいろ議論が出ていて、四町歩だけの専業農家というのはあり得ないと思いますよ。だから、それだけでいいとは思いませんけれども、そのために、それによって影響される人間をどうするのかですね。
 問題は、やっぱり官でやるべき仕事というのは、民間会社だったらこれはリストラでそれは首を切りゃ、よそが雇ってくれるじゃないかということになるかもしれませんけれども、官でやる仕事としては、私はそれは芳しくないと思うんですけれども。したがって、あるべきビジョン、先ほどから言っておられますあるべきビジョンはそれは結構なんですけれども、ビジョンを出して、それに伴う弊害といいますか、そういうものをどう予想されて、そういうものに対してどういう対応をされるのか。
 それは、先ほど何ですか、ビジョン委員会とか、何かやると、それはいろんな御指導があるんでしょうけれども、例えばビジョン作成委員会が、今までどおりでいいと言ったら農林省、どう対応するかという話になるわけですよね。だから、その辺の一つの、まあこれ、私、よく聞いたら、本当に農業に対するリストラな感じがするんですよね。不必要な人間は首を切って合理化しようというような感じを受け取ってしようがない。そういう方策というのも悪いとは思いませんけれども、悪いというか、あるとは思いますけれども、そのときにしても、やはりそれによって影響を受ける人をどうするかを考えるのがやっぱり行政だと私は思うんですけれども、その辺、どういうふうに日本の農家をこの先、ビジョンは分かったとしても、どういうプロセスでどのように持っていかれるように考えているのかですね、その辺をちょっと御説明願います。
○政府参考人(石原葵君) 今回の米改革は、基本的には米づくりの本来あるべき姿に持っていきたいということでございます。非常に抽象的でございますけれども、そういう姿を早く実現したいということでございます。
 それで、そのために、今まで国がかかわってきておりましたようなこと、すべて民間に任せれば、今、よくなるのかというお話ございましたけれども、やはり国がかかわることによって、生産調整についてもいろいろ強制感とか、いろいろマイナスの面がいろいろあるわけでございます。それを本来の農業生産の姿、米の生産の姿に立ち戻って、それで本来の米作りをやっていただこうと。そして、農業者あるいは農業者団体が主役となるシステムを作り上げていただこうということでございます。
 それで、その際に、国がじゃ、一切何もやらないのかというわけじゃありません。あくまでもこれは来年、十六年度からは生産調整の方式、すなわち、今までの面積管理から数量調整という方式に変えます。そういうことをした上で、当面は行政ルートでの配分も併せて行う。要するに、国が持っているノウハウ、そういうものを農業者団体に伝えて、農業者団体の方と一緒になってやっていって、農業者団体が数か年間の蓄積の下に体制整備を行っていきたいということを考えております。
 それからまた、農業者の主体的な経営判断に資するように需給や価格に関する情報もタイムリーに伝達するということに考えております。
 それから、生産調整方式につきましても、国が認定する仕組みを今度入れたところでございますけれども、その作成及び適切な運用につきまして、国、地方公共団体が助言、指導を行います。そしてまた、先ほどもお話ありました地域水田農業ビジョン、そういうものの実現のための産地づくり推進交付金を創設するということをしておりまして、決して国がすべて民間に、今までやっていたことをすべて手を引いて民間に押し付けるというものではございません。
 本来の米作りの在り方、農業生産の姿に立ち戻っていただいて、今までの国による強制感とか、そういうマイナス面をより少ないような形での米作り、それを実現しようということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○岩本荘太君 米作り本来の姿とおっしゃいますけれども、我が国の米作りというのは、生産調整は別としましても、大体官が携わってきたのが日本の私は米作りの実態だと思うんですよね。その点からいくと、本来のというのは、ちょっと私は納得をしかねない。
 それと、私が質問していますのは、どういう弊害があって、このどういう弊害というのは、今まで皆さんが言ってきている、地元からお聞きになっているいろんなお話だと思うんですよ。弊害といいますか、どういう影響があってと。そういうものを酌み取って、じゃ、そういう人たちはこういうふうに軟着陸をさせるんだということをやるのが私は政策だと思うんですけれども。それはこれ以上、後の質問もありますから、聞きませんが。
 ただ、先ほどの、ちょっと一つ、何か、回転備蓄ともう一つの備蓄で何か四倍ぐらいの差があるようなお話ちょっと伺って、私はその辺のちょっと中身が分かりませんので、これは一回資料をいただけますか。
○政府参考人(石原葵君) 後で用意します。
○岩本荘太君 いただけますか。
○政府参考人(石原葵君) はい。
○岩本荘太君 それで次に、厚生省、局長来ていただいていますので、そちらの、日本食、日本型食生活というところに移らしてもらいますが、時間も五分ちょっとなので、取り急ぎ言わしていただきますが。
 前回、やっぱり今回の食糧法の改正といいますか、米問題というのも、その原点はやっぱり自給率の低下にある。その自給率の低下、特に米というのは日本食として中心を成すべきものだから、やはり米の消費拡大というのが中心になる。そのときに米の、従来やっている米だけの、米だけを食べてくれといってもなかなかそうはいかない。やはり過去の経緯から見ていますと、戦後、日本の国で、小麦戦略といいますか、アメリカの余剰農産物を日本に持ってきたときの戦略というのは相当なものがあったわけですよね。
 したがって、米の消費拡大を図るにはやはり日本食、日本型食生活というものを導入しなきゃいかぬということで、前回、農林省にはお聞きしたんですが、やはり食生活の問題になると厚生省もということで、ちょっと御専門のところもあると思いますのでお伺いしたいと思うんですけれども。
 一つ、これ前回も申し上げたんですが、小麦の戦略のときに、ある大学の医学部の教授が、米を食うと頭が悪くなるというふうなことをアメリカの戦略と一緒になってやったということがあるんですが、それと同時にもう一つ、この本、これこの間と一緒なんですけれども、「「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活」という本なんですけれども、昔、戦後の厚生省に栄養課ができたときの課長補佐の人かな、方の当時書かれた本の中で、「栄養随想」と、昭和三十四年に出ている本なんですが、「米中心の食生活は、最も簡易にして工夫を要せぬ生活となる故、思考、考案といったものからは自然と遠ざかる。」と。すなわち、科学的工夫、発達といったものは進まなくなるというような、これ、栄養学的といいますか、こういうような見解を出されているんですよ。
 これは厚生省の見解じゃないのは分かります。一役人のあれだと思うんですけれども、今、厚生省というのは日本型食生活というのをどんなふうにとらえて、それに対する、栄養価といいますか、どんなふうにお考えになっているか、ひとつ所感をお願いします。
○政府参考人(高原亮治君) 御指摘のとおり、歴史的に見てまいりますと非常に栄養不足の時代がございました。それがだんだん回復してまいりまして、エネルギーの面からいいますと、昭和三十年、四十年、このころは一応回復いたしまして、五十年のころにかなりいいバランスになったのかなと。この五十年ぐらいの食生活を、日本型食生活ということで、栄養学的にも高く評価されておるわけでございます。また、今増えております生活習慣病予防の観点からも非常に具合がいいんじゃないかと。
 中身を見ますと、米を中心として、魚介類、畜産物、野菜、果物等、多様な食品が組み合わせられたものでございまして、欧米諸国に比べて摂取熱量が低い、米を始めとする炭水化物からの熱量比率が高い、それから動物性たんぱく質と植物性たんぱく質がほぼ同じ割合である、かつ動物性たんぱく質に占める水産物の割合が高いというふうな特徴を有しておりまして、これに関します表現を日本型の食生活というふうに言われておるというふうに承知しております。
 それで、私どもといたしましても、やはりこれは生活習慣病の観点からも、それから栄養学的な観点からも非常にいいものでございまして、平成十二年三月に農林水産省、文部科学省とともに作成いたしました食生活指針におきまして、「ごはんなどの穀類をしっかりと。」「野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。」などとしております。
 以上でございます。
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 実は、最近、これは日本農業新聞六月十七日号の「野性をよびさませ」というシリーズものの中で、「パスタやサラダ、ジュースのように、おしゃれな感じの食事をよくとりませんか。それが実は、血液の流れを悪くする落とし穴なんです」というようなことを書いていますね。こうやっていろいろ、ガセネタじゃおかしいですけれども、しっかりしたものをPRしていただくのがやっぱり日本型食生活の推進のためになると思うんですけれども、厚生省としてもこの日本型食生活というものを今後ともいろんな形で推進される方向にあるかどうか、その点だけ最後にお聞きいたします。
○政府参考人(高原亮治君) かなり是正はされてきたと思いますが、昭和六十年ないしは平成の初めにはかなり逆の方向に、いわゆる脂肪が多いとかそういうことでございました。かなり是正されてきたと思いますが、まだまだ日本型食生活に返って食生活を考えていかなきゃならぬと、そういうふうに考えております。
○岩本荘太君 西藤局長にもお聞きしようと思ったんですけれども、時間がございませんので以上で質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○中村敦夫君 米の消費拡大策として広告ということに力を入れているということがあって、広告予算全体で四十六億円、そのうちテレビ番組に十数億円の予算を投じているということですね。
 どんなテレビ番組かということで、食糧庁で作っているものを届けていただきました。視聴率のいいのを選んで二本だけ見てくださいということで、見ました。これは議員としての評価はしません、政治が番組に圧力掛けるというわけにいきませんから。テレビ業界からの参考人として感想を述べさせていただきますと、一言では無害な番組ですよ。しかしながら、週一回、三十分ですか、そこでやるということ自体のインパクトという問題もあります。それから、作り全体が、もう朝から晩までやっている普通の要するに料理番組とそんなに変わらないですね。ゲストを呼んで、そのゲストが面白いときは少し多くの人が見る、つまらないときは見ないというようなことで、むしろ、その中の料理の一つにお米が入っているわけだけれども、基本的にはゲストの話が面白いかどうかということだけでお客さんが見ているわけで、本来、テレビに参入していくということは費用対効果なんですね、これはもう。これがもう基本的な目標なわけですよね。そういう意味では私は、あの番組見て日本人がみんな米食うようにはなると思いませんし、また、そういうことは無理なんです。そんな企画を作れる人は、もうすごい天才的な人が必要だし、私はこれは無理だと思うんですね。番組で米食わせるなんということはできないと。
 しかしそれ以上に、費用対効果という問題以上の問題があると思うんです。これは、やっぱり番組内容そのものに、スポンサー、この場合食糧庁になるわけですけれども、そこの意図を持ち込んでいって何かを作ってしまうということですね。これを、要するに国の機関がそれをやっているということは、放送業界の倫理としては、これは邪道なんですよ。それは本当はやっちゃいけないことなんですね。ですから、基本的にそういう国の機関がやるのはまずいと思うんですよ。ですから、業界ですよ、業界が、まあ全農とか全国米穀協会とか、そういうところがイメージアップのために音楽番組のスポンサーになる、美術番組のスポンサーになる、あるいは料理番組のスポンサーになってもいいでしょう。それはいいんだけれども、国の機関がそういうところへ介入していくこと自体は、無意味であるし、やっぱりやるべきではないということは原則だと思うんですね。
 また、まあたまたまあの番組をやるようになったのは、雪印が駄目になって枠が空いちゃって困っていて、それに何とかしようかって食糧庁が出てきたという話も聞きましたけれども、いずれにしても私は、この広告テレビ番組については全農とか米穀協会の生産団体に任せるべきであって、効果もないことに農水省としてこれだけの金額を、税金を投入するということはやめるべきではないかと、だから全面撤退するべきじゃないかなと思うんですね。
 しかし、あれやっているのも、なぜやっているのかいろいろ考えたけれども、結局のところ、農水省が米の消費拡大に熱心ですよというアピールするための農家向けのアリバイ工作にしかなっていないんじゃないかというふうに思えるんですね。だから、私はこれ、テレビ番組からは食糧庁、まあ食糧庁なくなりますから、農水省が全面撤退すべきだというふうに考えますが、いかがでしょう。
○政府参考人(石原葵君) このテレビ番組でございますけれども、これは昨年の四月から放映しております。その前の年、一昨年の秋にいろいろ米の問題議論しておりましたときに、特に団体の人からのアイデアとしまして、何といいましても今はPRするときにはテレビだと。テレビにつきましては、必ずしも食糧庁が、お金も掛かることでございますので、これにかかわったことはございません。だから、こういうテレビでとにかく米が健康にいいということを訴えてはどうかというアイデアの提起がございまして、我々既存の予算を、とにかくそれをやりくりしまして、昨年の四月からこのテレビ放映に踏み切ったということでございます。
 それで、今、雪印云々というお話ございましたけれども、我々がその番組の時間を探していましたときは、まだ雪印がそういう、ああいう事態になる前でございますので、よりそのときからもう、雪印さんの方からこの番組の、どういいますか、切離しといいますか、それが出ていたということでございます。
 それで、この番組でございますけれども、我々これまでもいろんな場でこのテレビのことを言っております。米の消費拡大につきましては、これ純米酒、酒のあれも一緒でございますけれども、超党派の議員連盟でございます。その場でも私、何度もこの番組のことを御説明しましたけれども、今、中村委員からお話ありましたような厳しい御意見は今までいただいておりません。
 それで、この番組の効果でございますけれども、番組を、これは非常にアンケートの、どういいますか、回答の数が必ずしも十分じゃないんですけれども、番組を視聴した後、御飯を食べたいと思うかどうかについて調べましたところ、食べたいと思ったと答えた方が五九%と、これ最も多くなっております。また、我々はそれなりの効果があったのかなと思っております。
 ただ、今おっしゃいましたように、我々これを、更にこの番組を良くしなきゃならぬということで、これ、昨年の四月からこの番組のあれを踏み切った後でも、いろんなテレビ業界に通じた方にも参加いただきまして委員会を作りまして、それでこのテレビの視聴率を更に上げて、あるいはその内容につきまして消費者の理解を求められるようないろんな工夫をしてきております。その結果、視聴率も以前よりは少し上がってきておりますので、我々、それなりに効果があったのかなと思っております。
 いろいろ御批判は受けたいと思いますけれども、我々は何とか、このテレビ番組は有力な手段でございますので、今後も続けていきたいと考えているところでございます。
○中村敦夫君 食べたいと思ったのが五九%いたって、食べなきゃ意味ないわけですよね。これは数値的に出てくるんですよ、このコマーシャルの世界というのは。どんどんどんどん減っているわけでしょう、需要が。ですから、そういう話ではないんです。私は、やっぱり農水省のやるべきことは、政策でやると。広告が先じゃないんですよね。政策でやらなきゃいけないと思うし、非常に効果的な政策をやらなきゃいけないということ、この基本がまず大事だと思うんですね。だから、それだけのお金があったら別な政策経費として使い道が絶対あるんだと私は思うんですね。
 結局のところ、じゃ政策って何があるんだと。いろいろ細かいいろんなことをいじくり回していろんなことを今までやってきたようですけれども、どんどんどんどん需要が減っていく、そして値段も下がっていく、それで水田農家がなくなっちゃっていく、農村全体が大変なことになっているわけでしょう。私はやっぱりこれは、食べる人がどんどん増えていかなければ、これは政策にならないんですよ、基本的に。そうすると、そのかなめというのはもう学校給食、これしかないと思いますよ。結局、これはつまり習慣的なものですよね、食事というものは。それができるのは学校給食という、そういう機会しかないと思うんですね。
 文部省が一九七六年から学校給食に米飯を導入し始めたわけですね。そして、農水省も米の割引販売でこれを支援してきた。その結果、一九九七年には、給食を実施している全国三万一千百九十四の小中学校のうち約九九%の学校で米飯給食が実施されるようになったと。九七年度の値引率というのは、新規に実施するといった新規実施校では六〇%割り引いたと。それから、週三回以上の実施校では四七・五%、そのほかで四〇%。国の補助総額が約二百億円だったわけですね。そして、米飯回数の平均は週二・七回、五日のうち二・七回というところまで増えたわけですよね。
 ところが、文部省、この段階で米飯給食は定着したと判断したらしく、その値引き制度の段階的廃止を決定して、二〇〇〇年度には廃止されてしまったんです。これじゃ、唯一の米需要拡大策である米飯給食というのを政策的に推進するどころか、後退させているんじゃないかなというふうに考えるんですね。
 食糧庁長官にお伺いしますけれども、米飯給食への割引措置も廃止されて、食糧政策として今後どのようにして米飯給食を拡大していこうとしているのか、何か考えていますか。
○政府参考人(石原葵君) ただいま委員の方からお話ございました値引き措置でございますけれども、これは平成九年六月の「財政構造改革の推進について」という閣議決定、ここにおきまして廃止の方向で見直すこととされたところでございます。それで、それともう一つは、値引き措置という手法ではこれ以上の米飯学校給食の進展が期待できないということで、今お話ございましたように、平成十二年度に廃止したということでございます。
 しかし、今、委員の方からお話ございましたように、この米飯学校給食は、食習慣それから人格形成、こういう点で重要な時期に当たります児童生徒に、米を中心とする日本型食生活の普及定着を図る上で重要な役割を果たしているということで、我々は、炊飯設備に対する助成とかあるいは地産地消への取組に対する支援、それから備蓄米の無償交付等を行ってきているところでございます。それで、こういう値引き措置を廃止しましたけれども、文部科学省さんの御協力もありまして、米飯学校給食の実施回数はわずかながら増加しているという状況でございます。
 それで、何か新しい措置を講じたのかというお話ございましたけれども、この米飯学校給食の拡大につきましては、十三年の四月に、文部科学省さんとも協議の上、食糧庁より都道府県や関係者に対しまして、米飯学校給食の総合的な推進についてというものを通知したところでございます。
 それで、先ほど言いました議員連盟からも各市町村議会あるいは県議会に働き掛けていただいたりしておりまして、我々、例えば今、米飯のあれが伸びない一つの理由としまして、もちろんお金が掛かるというのもございますけれども、御飯に比べましてパンの方は手間暇掛かります、ごめんなさい、パンに比べまして御飯の方はいろいろ後の食器の片付けとかで時間が掛かります。こういうところは非常に敬遠される理由になっておりますので、今では米粉パンという手法もあるぞということをこの通達の中でも示しております。いろんな手段を通じまして、我々、学校給食の拡大に努めていきたいと考えているところでございます。
○中村敦夫君 洗うのが面倒くさいとか、それは本質的な問題じゃないんですよね。しかも、このしようもない広告で四十六億円もぶち込んでいるんだったら、やっぱり割引の方へこのお金を流用したら相当な大きな効果が私は得られると思うんですね。
 そこで、文部科学省スポーツ・青少年局長ですか、文部科学省としては米飯給食を更に拡大させようと考えているのか、それとも現状で十分と考えているんでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 先生御指摘のように、米飯給食につきましては昭和五十一年から導入をしておるわけでございまして、昭和六十一年以降は週三回程度を目標に米飯給食の普及を図ってきたところでございますけれども、平成十三年五月現在で二・八回、週当たり二・八回というふうになっておるところでございます。
 したがいまして、今後とも私どもといたしましては、更なる米飯給食の推進に努めたいと考えておりますけれども、従来のように一律に週三回を目標とするのではなくて、まだ週三回に満たない都道府県に対しましては引き続き三回を目標として指導申し上げ、また三回を超えている県につきましては、地域の実情等を踏まえながら更に米飯給食を推進していくことが、推進していくことについて指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○中村敦夫君 週五日の完全米飯給食を実施する学校に対して割引措置若しくは補助金支給を実施したらいいんじゃないかと思うんですけれども、文部省ではどう考えていますか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 御指摘のような、週五日間すべて米飯給食を実施している学校に対してのみ助成を行うということは、文部科学省としてはなかなか困難であろうと思っておりますが、文部科学省といたしましては、米飯給食の推進につきましては、学校給食施設に対する助成の中で炊飯給食施設への補助も行っておるところでございますし、またこれと併せまして、例えば学校給食関係者を対象といたしました米飯学校給食推進フォーラムというようなものを開催したり、あるいは実際に献立作成の中心となっております学校栄養職員に対する研修会の開催、さらには、昨年四月には、全国の小学校五年生それから中学校一年生に食育に関する教材を配付したわけでございますけれども、その中でも日本の食生活や御飯の良さを取り上げるなどいたしまして、多様な啓発活動を推進いたしまして、食に関する指導の充実や地場産物の活用等と併せまして米飯給食の更なる普及充実に努めておるところでございまして、今後とも米飯給食の一層の推進に努力してまいりたいと考えております。
○中村敦夫君 そもそも、米飯給食の拡大をめぐる議論というのには二つの大きな落とし穴があるんですよね。
 一つは、総論賛成とスローガンで終わってしまっていると。具体的な政策や各論にまで議論が及ばないということがあります。なぜならば、米飯給食を増やすということは当然パン給食を減らすことを意味するわけですよね。そうすればパン製造業界に大きな影響を及ぼすことになるわけですよ。それから、御飯食と牛乳をセットにすると。これはもう本当にいびつな脈絡の食事だと思いますが、それをやらざるを得なくなる。しかし、米飯給食を増やしていくと、やっぱり牛乳は合わないということで消費は落ちていくわけですね。そうすると、牛乳業界というのは最大の消費先を失ってしまうという産業界の問題というのが一つあるわけですよ。つまり、米飯給食の拡大というのは、要するに様々な利害関係に影響を及ぼしてなかなか進まないというのが、これは一つの状況があるわけです。だから、これをどう解決するのかということがないと無理だと思うんですね、これ以上は。
 それから、もう一つの落とし穴というのは、米の消費拡大、とにかく消費させてしまうという観点だけから米飯給食の拡大が言われ続けてきた面があるわけですね。七六年の米飯給食の導入も、要するに余った米を学校給食に押し付けたというところが実の事情なんですね。だから、何か消費、処理というところが強いんです。
 しかし、最も大事な点というのは、米飯給食を通じて子供に健康的な食習慣というものを身に付けてもらうということなんです。
 アメリカなんかででも、昔はそんなにみんな太っていなかったのにどんどんどんどん太り出したんですよ。そして、ある時期、大変な、もうアメリカ人の健康がおかしいということで、大統領候補になったマクバガンさんという人がいて、議員だったんですけれども、マクバガン委員会というのがそれを徹底的になぜだということを追求していった。そして最終的に、アメリカ人の健康という膨大な報告書を作ったわけですけれども、この中で、結局アメリカ人の食生活は駄目だと、それで何が理想的かというと、日本食が理想的なんだということをここで報告して、それから日本食ブームがアメリカでばあっと広がっていったということがありますよね。
 現代人の健康で最も大きな問題というのは、油っこい食事が多いために、がん、肥満、糖尿病、高血圧、生活習慣病、こうしたものが蔓延しているというのが現状ですよね。
 これ、食糧庁、いいものを作っていますね。配付したこの食糧庁の資料、「からだと健康ゼミナール」というところの最後のページでも、非常に科学的に分析して、どれほど日本食の方が健康的にいいかということを食糧庁自身ここでちゃんと書いてあるわけですよ。なぜそれを子供にちゃんとやっていかないのかと。要するに、味覚が形成される大事な時期ですね、少年時代。そこにおいて御飯とみそ汁を中心にした食生活というその習慣を身に付けてもらわないと、それが大人になっていくわけですから、大変な要するに習慣的な食生活の状況というのが生まれてきてしまうわけですね。
 そうなりますと、私はやっぱり、今家庭でもなかなか和食作らないと。つまり、もう洋食で育っちゃったようなお母さん、お父さんたちがいて家庭でも和食食えない。もし食べる機会があるとすると学校給食だけなんですよ。そういうような状況まで追い込まれてきたので、これは政策としては週五日間の完全米飯給食というのが望ましいというふうに私は考えるんですね。まずそこをやらないと駄目なんだと。
 ここにお配りした実際の学校給食の献立表というのがあるんですね。これ、意地悪しているわけではないですけれども、亀井大臣のおひざ元である神奈川県伊勢原市の小学校のものなんですよ。ただ、本当に実感していただきたいので、ここのところをちょっともらってみたんですけれども、これはすごいですよ。
 これ見てください。六月九日の献立というのをちなみに見ていただきたい。ロールパン、タンメン、ウインナーのパセリ風味揚げ、牛乳。十九日はロールパン、きつねうどん、春巻、果物、牛乳。御飯にみそ汁という普通の和食の組合せというのは二十七日の分しかないんです、これね。しかし、これは野菜が出ていなくて、野菜ジュースが御飯とみそ汁に付いているという。これ何ですか。これ、洋食でもないですよ。和食でもない。雑食ですよ、これ。えさです。こうやって脈絡のないものを子供に食わせていってどんな食育ができるのか、どんな大人になってしまうのかということを具体的にこれ見ると分かるんですね。
 要するに、成長期の六年間というのを、教育の名の下に、今こうした無国籍な雑食給食を食べさせられ、そうした子供たちが日本の風土に合った和食中心の食生活なんかに慣れるわけないわけですよね。むしろ、この今やっている学校給食というのは米離れ養成所なんです。あるいはファストフード予備校、あるいは輸入食品普及所。全く米の消費拡大とかなんとかという大きな目的と逆行したことが実態的に行われているというのが現状です。
 現在、全国平均で二・八回の米飯給食実施率があると言っていますけれども、これはあくまで平均でしょう。それで、五日間完全に食べているところは九百の小中学校がありますよ。だけれども、ほとんどはもう、逆に言えば週二回程度あるいはそれ以下というようなところがあるわけですね。
 どうですか大臣、地元の神奈川県で週当たりの米飯給食の実施回数というのは大体どのぐらいか御存じですか。まあ急に聞いても分からないかな。
○国務大臣(亀井善之君) 学校給食の献立につきましては、私も大変神奈川県の米飯給食の回数が低いということはもうかねがね承知をいたしております。なかなか回数が増えないと。いろいろの要因がございます。関係者も苦労しておるようでございますけれども、この実施の回数を増やすために努力をしなきゃならないと、こう思っています。
○中村敦夫君 その神奈川県の、しかもこれ伊勢原なんですね。この内容についてはどうでしょう。
○国務大臣(亀井善之君) なかなか、いろいろのものを使わなければならないと、そういう面で現場で苦労されている一面と同時に、果たしてこれでいいのかどうかというのは本当に私自身も委員御指摘のとおり思います。
 大変、米飯給食、食育ということをいろいろ進めなければなりませんし、是非、今度の米政策の改革、大改革をするわけでありまして、この法案を成立させていただく、いただき、そして、いろいろの米の消費拡大あるいは日本型食生活の問題等々、今回のこのいわゆる需給、需要に見合ういろいろの体制と創意工夫と。生産の面でもあるいは流通の面でもいろいろの面で創意工夫がなされるわけでありまして、いろいろの施策を総合的に進めるわけでありまして、是非これを契機にこの米の消費拡大につきましては更なる努力、今まで個別にいろいろのことをしておりましたが、先ほどのテレビの問題を含めてPRの問題と。
 先般、我が省の関係者にもそのことを指摘をし、それぞれいろいろの施策を進めておりますけれども、このPR等々が体系的にできていない、非常に不具合があるんじゃなかろうか、このことを申し上げたわけでありますし、さらに米飯給食につきまして、先ほどお話ありました米粉パンにつきましては、先般、農水省におきまして、四社、いろいろ、北海道あるいは山形、新潟、大阪で米粉パンにつきまして今先進的に御努力をされております方々にデモンストレーションをしていただきまして、多くの、三百名を超える皆さん方にお集まりをいただきまして試食をしていただき大変好評を受けたわけでありまして、またこれが米飯給食、特に学校給食が委員御指摘のとおり食習慣や人格形成と、正に一番、日本型食生活の習慣を身に付けるのに一番適切な時期と、このように思っておりますので、それらを含めて文部科学省とも連携をいたしまして進めてまいりたいと、こう思っております。
○中村敦夫君 米粉パンだとそこに付きまとうものが洋食になっていくんですよ。和食の方が絶対に健康的だということはあるんですから、それは違うんですね。
 時間なくなりましたので、大臣のこの神奈川県ですね、これ一・八回なんですよ、週、米飯給食。全国最低なんですよ。ですから、それちょっと気付いてですね。これ難しい問題じゃないんです、これ市町村長が決めると五日制というのはできるんですよ、何もここでわあわあ騒がなくたって。ですから、ここにいらっしゃる皆さん、皆さんコネがみんな私除いて強いわけですから、そういうざっくばらんなことで市町村長さんにお話をして、どうしても週五日制と。これ以外に米の需要なんというものをやれる政策はありません。
 それをお伝えして、終わりたいと思います。
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○委員長(三浦一水君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、和田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。
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○委員長(三浦一水君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について羽田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽田雄一郎君。
○羽田雄一郎君 私は、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会及び各派に属さない議員中村敦夫君を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明いたします。
 我が国の水田・畑作農業は、主食である米を始めとした食糧供給の機能だけではなく、空気、水、土、景観の維持浄化という重要な多面的機能を果たしております。
 しかし、全水田面積の約四割に及ぶ生産調整を始めとした現行の食糧政策の下で、担い手の生産意欲も農村の活力も低下し、農業・農村が有する食糧供給や多面的機能の発揮が懸念される状況に陥っております。
 このため、現行の食糧政策は抜本的な改革が必要ですが、政府案では日本の農業の再生はおぼつきません。
 国による生産調整配分を廃止するなど、生産規制や流通規制を抜本的に改革するとともに、主要食糧の生産者に対する所得補償、短期融資制度、備蓄制度等が必要と考えます。
 以上の観点から、本修正案を提出した次第であります。
 以下、修正案の主な内容を御説明いたします。
 第一に、目的規定の修正であります。
 この法律の目的として、生産者の所得の確保に係る措置を講ずることとするとともに、主要食糧の自給率の向上及び主要食糧の生産活動が有する多面的機能の充実に寄与することを追加いたします。
 第二に、主要食糧の需給及び価格の安定を図るための政府の基本方針の修正であります。
 生産調整を生産者等の自主性にゆだねるため、政府が生産調整の円滑な推進を図るための規定を削除いたします。
 第三に、生産者等が作成する生産調整方針の修正であります。
 政府案では、生産者等が作成した生産調整方針を国が認定する制度を設けておりますが、生産調整を生産者の自主性にゆだねる観点から、修正案では、生産調整方針の国による認定制度を取りません。
 第四に、主要食糧の生産者に対する所得補償制度の創設であります。
 現行の品目別の複雑な補助金体系を抜本的に改め、主要食糧の生産活動が持つ食糧の安定供給及び多面的機能の発揮に対する対価として、総額一兆円規模の所得補償制度を新たに創設をいたします。
 第五に、過剰米対策として短期融資制度の修正であります。
 年間消費量を超えて生産された過剰米については、政府案の過剰米を担保とした短期融資制度に基づいて、融資を受けた生産者が主体的な販売努力を行いつつ、一年かけても販売できなかった米を現物弁済した場合、その米は主食用とせず、すべて政府備蓄用といたします。
 第六に、備蓄制度についてであります。
 政府による備蓄について、政府案にある危機管理機能に限らず、需給調整機能を持たせます。一定期間保管された米は、主食用とせず、加工用、援助用、バイオマス資源等に充てます。
 そのため、現行の回転備蓄方式から棚上げ備蓄方式に変更することにより、保管費用を大幅に減少させます。
 以上が修正案の主な内容でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三浦一水君) ただいまの羽田君の提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。亀井農林水産大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 参議院議員羽田雄一郎君提出の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(三浦一水君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。
 討論に先立ちまして、本法案に対する六月十二日の参考人質疑で四人中三人の方から多くの問題点、とりわけ、このままなら農家がつぶれ、担い手がいなくなるなど、深刻な意見が述べられたにもかかわらず、その当日、採決日程を決め、さらに、その後、会期が延長され、慎重審議の期間が十分あるにもかかわらず、このように法案成立を急ぐことは拙速であり、極めて遺憾であるということを申し上げます。
 反対の第一は、本法案が、主食である米の需給調整と価格形成に対する政府の管理責任を放棄し、米を市場原理の下に一層ゆだねるものであるからです。米の輸入、関税引下げなどがWTO農業協定の次期交渉で取りざたされている中で、本法案によって米価の一層の下落や米生産の更なる困難が加速されることは必至です。米の需給管理、価格形成は国の責任で行い、国は食料自給率の向上と国民に対する米の安定供給に責任を果たすべきです。
 第二に、政府買入れ米の価格について、「米穀の再生産を確保する」旨を削ることは、米価下落への歯止め策が一切なくなり、国の価格・経営安定対策を大きく後退させるものです。そして、自主流通米価格形成センターを米穀価格形成センターに変更し、取引方法の一層の規制緩和を推し進めることで、これまで以上に再生産を償えない、米価引下げにつながるものです。
 第三に、本法案は、生産調整について、農業者・農業団体が主役となる仕組みを実現し、国の役割は助言、指導にとどめるとしています。これは、国が生産調整から撤退し、農家・農業団体に押し付けるものです。生産調整の配分は、これまでの減反面積から生産数量に変え、その数量も、豊作で売れ残った場合、翌年の配分から減らすという仕組みでは、農家の増産意欲を奪うものでしかありません。
 第四に、過剰米短期融資制度を創設し、過剰米を農家の責任において低価格で処理させることは、米価下落を一層促進するものと言えます。たとえ減反を一〇〇%達成したとしても、豊作や消費の落ち込み、さらに輸入米の増加等に伴って過剰米が発生した場合には、農家の責任でえさ用や加工用などに処理しなければなりません。こうしたやり方では、農家の閉塞感をますます深めることになるだけです。
 第五に、計画流通米制度を廃止して届出制を導入することは、米市場への大企業の参入に拍車を掛け、米流通を投機的な状態にするものです。こうした米流通の更なる規制緩和は、価格操作や買占め、売り惜しみの機会を拡大し、国民の不信を広げることになりかねません。
 私は、このような問題点を持つ本法案に反対するとともに、今求められている米政策は、生産費を償う米価を保障する仕組みを作り、ミニマムアクセス米を大幅に削減、廃止し、小麦や大豆などの転換条件を整備して増産させ、国が米の価格と需給の安定に責任を持ち、大企業の米流通支配を許さないことであることを述べ、反対討論とします。
 なお、民主党から提案された修正案については、米流通の規制緩和など相入れない部分もありますが、所得確保の措置や備蓄制度の改善などで一定の評価はできるものであり、賛成するものであります。
 以上です。
○委員長(三浦一水君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより原案並びに修正案の採決に入ります。
 まず、羽田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三浦一水君) 少数と認めます。よって、羽田君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三浦一水君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(三浦一水君) 農林水産に関する調査を議題といたします。
 この際、国井君から発言を求められておりますので、これを許します。国井正幸君。
○国井正幸君 私は、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)共同提案による米政策の改革と水田農業の再構築に関する決議案を万感の思いを込めて提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    米政策の改革と水田農業の再構築に関する決議(案)
  今般、政府は、米消費の減少、生産調整の限界感・強制感の高まり、担い手の高齢化などを背景に、米政策の抜本的な見直しを行うべく、米政策改革大綱を定め、その一環として今国会に「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案」が提出された。
  その内容は、消費者重視の視点に立って、農業者・農業者団体や流通業者の創意工夫を引き出し、その主体的な取組の下、需要に即応した多様な米づくりなど地域の特性を活かした農業生産と米流通の改革を推進し、閉塞状況に陥っている水田農業の再構築を図ろうとするものである。
  しかしながら、その推進に当たっては、食料・農業・農村基本法の精神に則り、温暖多雨な自然条件の下で、我が国水田農業の有する多面的機能が十全に発揮されるとともに、水田農業の担い手が意欲と希望を持って取り組み、その経営所得が安定することによって農業の再生産が確保され、米の安定供給と農産物の自給率の向上に資するものとしなければならない。
  よって政府は、米政策の改革を進めるに当たっては、地方公共団体と一体となって農業者・農業者団体等の主体的な取組を強力に支援するとともに、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 望ましい米の生産構造の確立に向けて、農業者を始め関係者の衆知を結集し、十分な話合いと合意形成の下に地域水田農業ビジョンの作成が行われ、農業者が余裕を持って営農準備に取り組めるよう、米政策改革大綱の具体化を早急に図り、その内容を関係者に周知徹底すること。
 二 新たな需給調整システムへの移行が円滑に進むよう、地方公共団体と協力して、迅速かつ的確な需給情報の提供や指導体制の整備に努めること。
 三 産地づくり推進交付金については、関係者の創意工夫が最大限活かされ、地域の特性に応じた売れる米づくりや麦・大豆の本作化、耕畜連携等の取組が促進されるよう、その安定的・効果的な支援に必要な財源と水準を確保すること。
 四 米価下落影響緩和対策及び担い手経営安定対策については、米価下落の影響を緩和する安全網(セーフティネット)として有効に機能するものとなるよう、制度設計には十分な検討を行うとともに、実施後も不断の評価・検証に努めること。
   また、条件不利地域や担い手不足地域などの小規模農業者については、農業の多面的機能の維持等に果たす役割に配慮し、小規模農業者を含めた集落営農の育成に努めるとともに、担い手経営安定対策の対象要件について地域の実情に配慮して設定するなど、効果的な支援に努めること。
 五 今後、農業の担い手を育成し、その経営の安定を図る上で、農産物価格の著しい変動による経営所得への影響を緩和するための本格的な農業経営所得安定対策について、早急に検討すること。
 六 豊作による過剰米の処理に当たっては、主食用米の価格の低下による稲作経営への影響を防ぐことができるよう、短期融資制度の適切な運用その他必要な措置を講ずること。
 七 公正・中立で開かれた取引の場の育成、安定供給のための自主的な取組に対する支援などにより、需要に応じた多様な取引を促進するとともに、米の安定供給の確保を図ること。
 八 米の需給改善に当たっては、米の消費拡大が重要であることにかんがみ、日本型食生活の普及、食育の充実、粉体利用や新形質米、機能性食品の開発・普及など、強力に推進すること。
 九 消費者の食の安全・安心に対する関心に適切に応えていくため、わかりやすい表示に努めるほか、不当表示の取締りと再発防止策の強化、品種におけるDNA分析、米の安全性確認のための体制整備、生産履歴管理(トレーサビリティ)システムの構築等を推進すること。
 十 東アジア米備蓄システムへの協力を一層強化するなど国際的な食糧の危機管理体制の構築に積極的に参画するとともに、政府備蓄米は、国内の需給及び価格安定に資するよう適切に運用すること。
 十一 今回の米政策改革が円滑に進むよう、WTO農業交渉に当たっては、我が国提案の実現に向けて、不退転の決意で取り組むこととともに、自由貿易協定(FTA)交渉に当たっては、我が国の国益が十分反映されるよう、最大限の努力を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(三浦一水君) ただいまの国井君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三浦一水君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、亀井農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀井農林水産大臣。
○国務大臣(亀井善之君) ただいまは法案を御可決いただき、ありがとうございました。
 委員会決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
○委員長(三浦一水君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十三分散会