第156回国会 予算委員会 第3号
平成十五年一月二十九日(水曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     辻  泰弘君
     山下八洲夫君     峰崎 直樹君
     畑野 君枝君     井上 哲士君
     松岡滿壽男君     高橋紀世子君
     又市 征治君     福島 瑞穂君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     円 より子君     神本美恵子君
     林  紀子君     西山登紀子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                大門実紀史君
                平野 貞夫君
    委 員
                阿部 正俊君
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                大島 慶久君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                神本美恵子君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                福山 哲郎君
                藤原 正司君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                福本 潤一君
                松 あきら君
                森本 晃司君
                井上 哲士君
                紙  智子君
                西山登紀子君
                高橋紀世子君
                平野 達男君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   大島 理森君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     鈴木 俊一君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (産業再生機構
       (仮称)担当大
       臣)       谷垣 禎一君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)
       (科学技術政策
       担当大臣)    細田 博之君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       内閣府副大臣   根本  匠君
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       財務副大臣    小林 興起君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大村 秀章君
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       厚生労働大臣政
       務官       森田 次夫君
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
       環境大臣政務官  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局行政委託
       型公益法人等改
       革推進室長    小山  裕君
       原子力安全委員
       会委員長     松浦祥次郎君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省欧州局長  小松 一郎君
       外務省条約局長  林  景一君
       財務省主計局長  細川 興一君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        太田 俊明君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
       国土交通省土地
       ・水資源局水資
       源部長      小林 正典君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十四年度一般会計補正予算(第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成十四年度特別会計補正予算(特第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成十四年度政府関係機関補正予算(機第1号
 )(内閣提出、衆議院送付)

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○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十四年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(陣内孝雄君) 平成十四年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は質疑を百三十八分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会七十三分、公明党十二分、日本共産党二十六分、国会改革連絡会二十分、社会民主党・護憲連合七分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。
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○委員長(陣内孝雄君) 平成十四年度一般会計補正予算(第1号)、平成十四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。辻泰弘君。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 平成十四年度補正予算に関連いたしまして、関係各大臣に御質問させていただきたいと存じます。
 まず、今回の補正予算、拝見させていただきまして、私、あれ、どうなっているのかなと思うことがございました。それは都市基盤整備公団補給金の計上についてでございます。十四年度のことは、補正のことは後でお聞きするとして、まずこれまでの、十三年度までのことをお聞きしたいと思います。
 平成十三年度までのこの都市基盤整備公団補給金等の予算計上の仕方はどうだったのか、御説明いただきたいと存じます。
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 今お尋ねの関係ですけれども、今まで都市基盤整備公団が造っております、皆さん方に、なるべく多くの皆さん方、所得が多くない皆さんにも御利用いただけるというようなことで、はっきり言いますと、全体の一つの枠がございまして、その枠の中で、本来であればもっと高賃金をいただかなきゃいけない、いわゆる家賃ですね、あるいはそれを安くしようということで、一定のものを国で後で助成をして、そして一般の皆さん方には安く入っていただくというようなことで、ファミリー向けの賃貸住宅というものは建設に要した借入金の金利と家賃から回収できる金利との差を補給すると、そういう形で多くの皆さん方に今まで提供してきたというのが簡単な説明でございます。
○辻泰弘君 趣旨もさることながら、その計上の仕方のこれまでの推移についてお伺いしております。
○国務大臣(扇千景君) ずっとこれは最初から、毎年補正の中でこの補給金というものを補正に組んでおりまして、ずっと十二年度までこの補正で毎年この補給金をしておりました。
○辻泰弘君 十三年度の補正でもやったわけですね。十三年度までということですね。十二年度分についてという意味ですね。そういうことですね。
○国務大臣(扇千景君) 十二年までで、十三年から残っております。
○辻泰弘君 それはいいですけれども、要は十三年度の補正では手当てしたということですね。そういうことです。
 それで、若干質問通告の順序がちょっと狂っていて、それは恐縮ですけれども、この二十年間、実は四十年から出発している予算措置ですけれども、実はこの二十年間、おっしゃったように補正で計上されているわけでございます。これは五十七年、昭和五十七年からはもうずっとその形が二十年間定着しているわけですけれども、しかしこれは当初、それまでは当初でも予算は組んでいたわけですね。それなのにその五十七年以降、補正だけになったわけです。なぜそう変えられたのかを御説明ください。
○国務大臣(扇千景君) これは、基本的には今申しましたように、当初は委員がおっしゃるようにきちんと一般会計に入っておりましたけれども、この二十年ほどは毎年、翌年度の補正予算の中で処置されてきたということでございまして、この背景には、御存じのとおり、決算確定後に処置したということで、建設コストの縮減でございますとか、あるいは資金繰りの面での公団のぎりぎりの経営努力、それをしなさいということで、その結果、補給金の削減が期待できるのではないかと。だから、金額がはっきりしないということで、年々補給金の計上時期になったということでございます。
○辻泰弘君 五十六年度まではきちんと当初でやったとおっしゃいましたけれども、要はそれ以降はきちんとしていなかったということじゃございませんか。
○国務大臣(扇千景君) なるべくその補給金を少なくしようという経営努力をしなさいということで、それを年末でないとできないということで一般会計に入れる時期に少なくとも間に合わなかったと。そして、少しでも少なくしようということで、特殊法人改革によって都市基盤整備公団自体、都市再生に民間を誘導していこうということで新たな独立行政法人になるということも大体話には出ておりましたけれども、問題は、少しでも補給金を節約しよう、その努力をするべきであるということで、補正でないと間に合わなくなったというのが現実でございます。
○辻泰弘君 決算は七月ごろの時期に確定するわけですね。どこのところもそういうことでやっているわけですから、ここだけ確定しないというか、当初の見積りができないということはやはり考えられないことだと思うんですね。いかがですか。
○国務大臣(扇千景君) 御存じのとおり、補給金をなるべく少なくしなさい、経営努力もしなさいというのはこれはもう当然のことであって、私は、それを少なくとも一般会計に間に合うようにできればよろしいですけれども、今、議員がおっしゃるように、一般会計の概算要求の八月に間に合わなかったというのも現状で、なおかつ努力目標というものを一層喚起するために私たちはそのように現在まではしてきたというのが現実でございます。
○辻泰弘君 この二十年間ずっと補正計上されていたわけですけれども、多いときには千八百億とかそういうことが立っているわけですが、この二十年見ても、確実に予算が、予算手当てがなされなければならないということははっきりしているわけでございます。経営努力が幾らあったとしても、確実に発生することが予見されるわけでございますが、そのことを当初で組まなかったということは大変罪深いことだと私は思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(扇千景君) それは、これ、表を見ていただいたら分かる、お手元に行っておりますか、行っております。この表を見ていただいたら分かると思いますけれども、その時々の、私は、御存じのとおり、これ六十年とか五十年の金利になっているんですね。それも御存じだろうと思います。ですから、この金利を少しでも安くしようということで、一番最初十年間は三・五%、皆さん方には、そして十年から二十年までの間は四・五%と、こういうふうにしておりますけれども、少しでも皆さん方に安くしていただくように、金利の変動と、あるいは御存じのとおりの決算とそれから予算を組むまでの間の期間でなるべくという緊縮にしていったという姿勢を私は是非御理解いただけるものと思っております。
○辻泰弘君 私は、この補給金の趣旨自体を悪いと言っているわけじゃございません。予算措置の問題を申し上げているのでございます。
 それで、現に来年度から都市再生機構ですか、新しい独立行政法人になるということで法案が予定されているわけですが、それに引き継いでいくことになっているわけですね、この予算措置が。十五年度については五百十九億というのが当初予算で組まれているわけでございます。ですから、当然それが本来の姿だと私は思っているわけですし、実際そうなさろうとしているわけですね。それなのに今まで補正予算でしかやってこなかったことをどう考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(扇千景君) 私は、それぞれの公団の努力というものを、皆さん方に少しでも安くという努力があってこういうふうになってきたということで、独立行政法人ということで今後は一般の会計に入れようというふうに転換図っておりますし、十三年度、十四年度は補正でなくて、今度はこれを五年間に平らにして一般会計に入れようというふうに努力しておりますので、私は、少しでもこの補給金というものは一般の皆さん方に安く提供する大きな原資になったと思って、それは是非御理解いただきたいと思っております。
○辻泰弘君 財政法の第二十九条は、内閣は、次に掲げる場合に限り補正予算を作成しと書いてありまして、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」と、このようになっているわけでございます。
 そういう意味で、確定するという意味ではそれに当たるわけですけれども、しかし確実に当初から二十年間続けて補正だけでやってきたわけでございまして、これはある意味では当初予算、これまでの当初予算すべてが瑕疵ある予算であったと言わざるを得ないんじゃないかと思うんですけれども、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この十五年からは制度変わりますね、十五年度から。従来のやつは、要するに先ほども国土大臣が言っておりますように、その時々の金利の変動とそれから売買価格がございます、賃貸と売買でやっておりますから、そこらで公団全体の経理状態を見て補給金の額を決めていくという手法を取っておった。そこに、先ほど扇大臣ずっと言っております経営努力というものを評価するということをしたんです。ところが、十五年以降今度はどうなるかといったら、今度は独立行政法人になりますから、ですからシステムが変わるから財政上の数字も変わると、こういうことになってくるわけであります。
○辻泰弘君 金利の変動ということをおっしゃいましたけれども、しからば国債費なんていうのはべらぼうに変わって、実際、歳出の不用になったりするわけでございますね。そういう意味では、それは当然といいますか、ある程度そのことは込みにした予算でなければならないはずであって、そんなことが補正でしかできないという理由にはならないと思うわけでございます。
 昨日、塩川大臣は税収見積り、今回の補正予算の税収見積りに関連しまして、正直な方法を取ったとおっしゃいましたけれども、これまでのこの予算措置、正直な方法ではなかったんじゃないんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) しかし、公団自身、先ほど言っていますように、要するに営業努力というものが相当経理に影響する公団なんですね。要するに、バブルの直前と、バブルになった、崩壊したこの一連の過程を見ますと、公団の会計というものも予測が随分と外れてくることもございますし、いたしました。
 そういたしますと、その時々に応じてやっぱり安定した経営ができるように補給金を支給するということと、できるだけ公的な施設として安く賃貸ができるようにという趣旨から補給金を出しておるんでございますから、その経営の実態に即して事後措置をするという意味において補正にならざるを得なかったということもございます。
○辻泰弘君 これは、でも、基本的には利子補給でございますから、それはそういう意味においてはほかの予算と特別これだけが違うということにはならないと思うわけでございます。
 財政法の十七条において、「予算の作成」というところで、各省大臣は、毎会計年度、その所掌に係る歳出の見積りに関する書類を作製しというふうに書いているわけでございまして、これは当然その年度に発生するもの、二十年間続いているわけでございますから、補正予算計上だけの措置が、確実に発生することは分かっているわけでございますから、それをやってこられなかったことは、この財政法十七条の大臣の職責に沿うものではなかったんじゃないでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 今、議員がよくお分かりでおっしゃっていると思いますけれども、少なくとも額がきちんと決まって、そしてこれだけ一般の賃金とそして公団が造ったものの賃金との格差をなくして、より安くしようということの努力のための補給金でございますから、多くの皆さん方にお役に立っておりますので、私は、金額がきちんと決まらなければ、決算が出てこなければ、昨日もここで予算と決算の話が出ておりましたけれども、私は、そういう意味で今まで補正にしか間に合わなかったということは、それはひとつ私が考えても、なぜ一般で間に合わなかったのかという疑問は、それは必ずありますけれども、経営努力というものも、努力してきて遅れたということは御理解いただけるのではないかと思っております。
○辻泰弘君 私は、補給金の趣旨そのものの善しあしを問うているのではございません。予算計上、予算措置の問題を申し上げているのでございます。
 それで、これは実質的に当初予算の予算確保を抜ける、要はシーリング逃れだったんじゃないですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは全く当てが違いますね。やっぱり、これは先ほど扇大臣が言っていますように、正直に言いまして、経営の努力というものを途中で判断して、最大限その努力を評価した上で額を決めるということでございますから、先ほど言いましたように、今までの補正でやってきたというのはそういう趣旨。
 しかし、これからは、十五年度以降は独立行政法人になって、もうこれだけだよと、政府はこの範囲内において努力しなさいよということで決めちゃうものですから、ですから当初予算に盛り込んでいくと。ここの変化があるということでございまして、辻さんも実態をよく御存じだと思うので、その点は理解していただきたいと思います。
○辻泰弘君 この予算を計上していないことは、一千億という額ではありますけれども、例えば財政の中期展望は平成十三年二月まで、財政中期展望、昨年からは「十四年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」ということになっているわけですけれども、これの対象からも外れているわけなんですね。すなわち、財政上必要な予算である、今後の財政手続を考える上で当然対象となる費目であるにもかかわらず、その財政推計から全く対象とされないということにもつながっているわけなんですね。
 そういう意味において、ありのままの姿を示すという意味で問題と言わざるを得ないんですが、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題は予算編成のときから副大臣が担当しておりましたので、ちょっと副大臣からお答えいたします。
○副大臣(小林興起君) 確かにおっしゃるとおり、その年度の当初に入れていませんので、その中期展望に反映されていないということにはなるわけでございますが、これはあくまでも当初に計上したものについてそれがどうかという後年度の影響を試算している機械的なものでございますので、先生がおっしゃるとおり、その部分については入っていないというのはおっしゃるとおりでございます。
○辻泰弘君 この財政の中期展望は、やはり、例えば条約があったときのその歳出化が将来あるならばそれを組み込むとか、税制改正があっても初年度と平年度は違う場合それを組み込むとか、そういう将来に発生する新たなことも組み込んで作っているわけでございますから、これを入れていないというのはやはり問題だと言わざるを得ないんじゃないでしょうか。
○副大臣(小林興起君) したがいまして、十五年度からは当初に入るわけでございますから、これからはそのようにさせていただくことになっております。
○辻泰弘君 ということは、これまでのやり方は間違っていたということでいいですね。
○副大臣(小林興起君) 当初に、その中期展望はあくまでも参考資料として当初予算がどうかということについて見ていただくことでございましたから、当初に入っていないものは除いて中期展望を行う、そういうことを前提に御説明を申し上げて、そして試算として出していたわけでございますので、論理は一貫していたと思います。
○辻泰弘君 しかし、そういうものは外しているということは説明されましたか。
○副大臣(小林興起君) それは、きちっとそういう形で説明をしてきたというふうに思っております。
○辻泰弘君 そうじゃなくて、前提条件を示してこられたのであって、そういうものは入っていないという説明はされてきていないと思いますけれども、いかがですか。
○副大臣(小林興起君) 今申し上げたとおり、最初に計上したものについての中期展望でございますから、計上していないものについての中期展望ではないということになるわけでございまして、もし当時そういう御質問がありますれば、おっしゃるとおり、その部分は入っておりませんというふうにお答えしたと思います。
○辻泰弘君 この試算自体の議論をするつもりじゃないんですけれども、しかし、この試算の目的は、財政のやはりありのままの姿を将来に投影してそれで考えていこうという精神だったと思うわけですね。それにはやっぱり反しているんじゃありませんか。
○副大臣(小林興起君) したがいまして、おっしゃるとおり、機械的な試算の中期展望でございますので、入っていないものを入れて逆に試算することはおかしいということになりますので、それ自体はそういう前提を置いた試算展望であったと。だから、おっしゃるとおり、これから、十五年度はもう入るわけでございますので、これからは入ったものが出てくるということだと思います。
○辻泰弘君 将来の推計までその費目についてできるわけですから、そうであれば、当然に、かつても当初予算の段階で一年後の、要するに一年後というか半年後といいますか、その予算措置が組めるはずじゃありませんか。
○副大臣(小林興起君) 過去にそういう御質問が出て、それについてどういうふうになったか分かりませんけれども、とにかくいずれにいたしましても、中期展望については当初に計上したものについての中期展望だったわけでありまして、そういう面で不十分であるということであれば、いずれにいたしましてもこれからは、十五年度からは当初に入れて、そのまま中期展望に出してございますので、論理としてはこれからは一貫しているわけでありまして、ただ過去について不十分であったと言われれば、それはそうかもしれないと思います。
○辻泰弘君 私がお聞きしているのは、中期展望で将来を見通せるんであれば当然に翌年度の予算編成も作れるはずだと、そのことを申し上げているんですけれども、いかがですか、財務大臣。
○副大臣(小林興起君) 経済学者では私はありませんけれども、経済学的にいえば、そのぐらいの数字の誤差以上にもっと誤差というものがあるわけでございますから、金額的にいいますと、日本の国家予算の割合に対しまして、論理でいえば、厳密にいえば、それは入っていないのはおかしいということになるかもしれませんけれども、それが例えば外れたからといって将来の中期展望に大きな影響が出たということにはならないと私は思うわけでありまして、中期展望というのはあくまでも一つの道、考え方を示しているということだということで、御参考にしていただきたいという趣旨でございます。
○辻泰弘君 これは中期展望のみならず、実は先般発表されました二〇〇三年度の補助金の統計にもかかわってくるのでございます。
 といいますのは、特殊法人、独立行政法人向けの補助金の額が四百九十四億、前年度と比べて増えたということがあるんですけれども、その要因は、今まで当初で計上してこなかった都市基盤整備公団への補給金が、十五年度では計上されている、十四年度は計上されていないということで、その対比で増えることになっているわけでございますね。ですから、そういう意味で、本来は補正で組んでいるわけですから予算措置であるわけで、本当は比較するベースが違うわけですね。
 そういう意味で、実態を明らかにしていないということにおいて私はやっぱり問題だと思うんです。いかがですか、財務大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、独立行政法人になってから補給金は増えたとおっしゃいますけれども、それはいろんなものがありまして、例えば印刷局、造幣局、これは全部特別会計だったんですね。今度は、独立行政法人になりましたのでこちらから補給金という格好で出てまいりますから、この分は当然増えますね。
 そういうのがございますから、ですから慌てんと、この十五年度予算が、きちっと提出いたしますから、そのときにこの問題と併せて、辻さん、いいところ突っ込んでいるんだから、それと併せて議論をしていただいたらはっきり出てくると思うんです。十五年度予算にはその分が出てまいりますから。
○辻泰弘君 実は、今そういう御説明をなさいましたけれども、補助金の統計発表のときに、役所としては、これまで補助金を補正予算で手当てしていた都市基盤整備公団分を当初予算に組み入れたことが原因だと、こういう説明をされているんですよ。今のと違いますよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろん、それも含んでおることは事実です。否定いたしません。
○辻泰弘君 ほとんどそれがイコールになっているんです。主な要因なんです。いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はそのほかにいろいろあるということも申し上げておって、それは大きい額であることは事実ですけれども、そればっかりでなっているということではございません。
○辻泰弘君 今回、補正をやはり、二十年間補正でやってきたものを補正で計上しなかったですね。その理由は、それじゃ財務大臣、言ってください。
○国務大臣(扇千景君) 財務省がお答えするべきだろうと思いますけれども、少なくとも当担当の公団でございますから。
 これは、十三年度予算決定後、そして十四年度の補正予算はいわゆる国債発行をできるだけ圧縮していこうという、そういう財政規律を守りつつ、少なくとも現下の金融ですとか財政というような情勢に応じて構造改革の取組への更なる政策強化をしていこうということで、民間の御存じのとおり需要の誘発でございますとかあるいは雇用の創出効果が特に高いと、そういう施策だけで緊急に実施するものを優先すべきであると、こういう今回は規定がございますので、本法予算の、補正予算にはこれは計上しなかったと。そういう趣旨に、これは過去のツケでございますから、言ってみれば、御存じのとおり、ですから計上しなかったというのが理由でございます。
○辻泰弘君 これまで二十年間補正予算で計上されてきたものを、ある意味では断りもなくといいますか、黙って従来のやり方を変更するというのはやはり極めて不誠実な対応じゃないかと思うわけでございます。例えば、財務大臣のこの補正予算提案理由説明にもございませんし、国会における財務大臣の財政演説にもそのことはないわけでございます。本来このことに言及されるべきであったんじゃないですか。
○副大臣(小林興起君) 物事には、やはりあちらを立てればこちらを立て得ずという、そういうことも多少あろうかと思うわけでございますが、これまでは、国土交通大臣からずっと御説明がありましたとおり、要するにしっかりと金額を確定してから補給金をいただこうという公団の趣旨、あるいはそれをそうしてきた財務省の考え方もあったかと思いますが、金額の確定ということに非常に大きなウエートを割いてきたと。しかし、これからは独立法人ということに新しい体系になる中に当たって、その会計年度、その年に損が発生しているかどうなっているかということが非常に重要になるということの中にこの企業会計年度の考え方を用いて、つまり独立行政法人というものにスポットライトを浴びせたときに、従来のような補給金の確定のやり方ではかえってオープン、情報公開の中で問題があるだろうと。
 したがって、今度そっちにウエートを置きますと、当初から確定はしていないんだけれども、一応予算を立てて、後で余ったら余りましたと、損をしましたらこれは繰り越してまたちゃんと損を埋めますというようなそちらの方にウエートを置く形になる。そうなりますと、金額が確定しておりませんけれども、当初から一応予算を組んでやるというふうにこれが変わっていくということになるわけですね。したがって、それは新しく今度作ります法律の中でもそれは明記をさせていただいて、法律に明記する形によってきちっとするということでこの法体系も変わってくるわけでございます。
 そして、今おっしゃいました、じゃ十三、十四の穴の空いた分どうするのかということになるわけでございますが、今回補正で組んでおりませんから、これはきちっとした形で十六年度以降これは少し分割をいたしまして徐々に埋めるという形でこれにけりを付けようという考え方に立っております。そのことについてこれは今御説明を、今質問ございましたので御説明をしているわけでございますが、補正予算の審議につきましては、補正予算、最小限必要なものだけ組みましたという説明にウエートを置いたということだったと思うわけでございます。
○辻泰弘君 そういたしますと、十三年分と十四年分は実質的に将来にツケ回しになっているということでございますね、財務大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) ツケ回しというよりも、いわゆる負担を平準化するために二十一年まで掛かって負担を総額をなだらかに償還するということでございまして、悪く言う、悪い言葉で言うたらツケ回しというか、言わば負担の後年化送りということにもなってくると思いますけれども、それは財政上できるだけ均衡していた、安定した財政措置をしたいということでそういうことをしたんです。
○辻泰弘君 大臣自身お認めになったようになりますが、実質的にこれは赤字国債とみなすべきいわゆる隠れ借金に当たるんじゃありませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 将来発生する中で償還するんでございますから、それは何も、何というんですか、今何と言ったですか、隠れ借金。
○辻泰弘君 実質的な赤字です。
○国務大臣(塩川正十郎君) 隠れ借金。隠れ借金ではなくて、それは負担ですから、負担分を平準化するという措置でやっておるということです。
○副大臣(小林興起君) 隠れという言葉は非常に誤解を招くわけでございまして、見たところ分からないというのが隠れという意味じゃないかと思うわけでございますが。
 今回のことは、十六年度から五年間にわたってきちっと措置をしますということを、今度の法律、都市再生機構法案ですが、この法律の中に明記をいたしまして、つまり独立行政法人というものに大きく変えていく、そのメリットということを考えると、今おっしゃったとおり、それは分担してやるのがデメリットであるとすれば、そういうデメリットも発生するけれども、しかしそれはオープンな形で見ていただいて、こういうことをしながらも新しい独立行政法人の形でやるんだと、移行するわけでございますから従来のやり方どおりいかない部分がある、しかしそれについてはきちっと法律に書きますので、そういう意味で私は、隠れじゃなくて、明記されているわけですから、それを隠れと言われるのは心外だというふうに思います。
○辻泰弘君 今のは法律は出ているんですか、それじゃ。
○副大臣(小林興起君) まだこれから御審議をいただくわけでございますから、案として明記をするということになっているわけでございます。
○辻泰弘君 ということは、今の補正予算段階では、隠れという言葉が、言葉かどうかは知りませんけれども、まだ見えないことではありませんか。
○副大臣(小林興起君) そういう意味では、先生から御質問があるのはある意味で当然かと思いますが、私は今、政府の立場で申し上げたわけでございますが、政府としては、明記をすることによって隠れという言葉ではございませんということでございます。
○辻泰弘君 法案が出た段階で隠れないわけであって、今は出ていないわけですから。それは、実質的に予算措置をするならば赤字国債を発行して充当するような対象のことなわけですよね。大臣はさっき将来発生するとおっしゃいましたけれども、将来発生するんじゃなくて、もう十三、十四のことだから分かっているわけですよ。将来の発生じゃない。
○国務大臣(扇千景君) きっとお分かりになっていて辻議員はおっしゃっていると思うんですけれども、こういう一覧表をお持ちだろうと思うんです。これだけのものをこれだけの年度でしていくという、うちから資料が出ていると思います。
 私は、これは隠れるも何も、明記してありまして、何年度までに幾らというのをちゃんと明記してあるわけです。ですから、今お話しのように、十三年度、十四年度、これは少なくとも十三年度が七百九十四億円、十四年度の六百十八億円、これは少なくとも平成十六年から平成二十一年度まで平準化してこれを返していくというのは明記してありまして、同じ表をお持ちになっているんですから、これは公表されておりますのでどこにも隠してありませんし、皆さんに公にしてございます。
○辻泰弘君 おっしゃった表の、二十一年度までに平準化して返すというのはどこに書いてありますか。
○国務大臣(扇千景君) これは御存じのとおり、少なくとも私どもは、独立行政法人化しようということ、これももう議員が御存じのとおりでございますから、そのためにこれは補正予算で組めなくなるからこういうふうにしていくしかないわけでございまして、独立行政法人化するということ自体が、法案は違いますけれども、これは決まっておりますので、そうすれば、これはこういう仕方でしか仕方がないということの案でございますので、この案も反対だと言ったら、皆さんの家賃が高くなるだけでございます。
○辻泰弘君 私は、最初から申し上げておりますように、この補給金の趣旨を申し上げている、問題にしているわけではございません。
 それで、今おっしゃった、何年度までに幾らということが出ているとおっしゃいましたね、二十一年度まで平準化。これ、表は出ていませんね。いかがですか。
○国務大臣(扇千景君) 出ています。二十一年度はゼロになるんです。
○辻泰弘君 それは恐らく私がもらっているのと違う資料でございますね。そうすると、オープンになっていないんじゃないですか。
○国務大臣(扇千景君) これは私、まだ法案出しておりませんから、これ、今国会に法案出すと先ほど副大臣もおっしゃいましたけれども、この法案を出すときに、今、委員が持っていらっしゃる残りの残、計算していただいたらどれだけ残るかというのは書いてございますでしょう。それを、十六年度から二十一年度まで平準化するということを申し上げているんです。
○辻泰弘君 返済の方法については、私がいただいた資料には全くございませんですよ。残高はもちろん分かりますけれども、どういう返し方というのはオープンにされていませんよ、今の段階で。
○国務大臣(扇千景君) 法案出しておりませんから、出したときにもう一度聞いていただくと有り難いと思います。
○辻泰弘君 これは補正予算で、二十年間補正で手当てしてきた費目について今回は計上しなかったわけですね。ですから、そのことについてどうするかというのは、この補正予算の中で明示すべきじゃありませんか。
○副大臣(小林興起君) 補正予算案につきましては、毎年毎年、出すときに中身の説明、理由等を付けてお話をするわけでございまして、出ていないものについての御質問というのは普通は答えが出ないわけですね。
 ただ、じゃどうするんだということにつきましては、今言いました新しい方針を作るという、そういう考え方に立ってそちらで措置をすることにしておりますと、その措置をすることにしておりますという答えで本来はとどまるべきだと私は思うわけでございますが、措置することについての政府について一つの案があるかということだと思いますので、あえて先回りしてその案なるものを今、国土交通大臣がお見せをしているわけでございまして、そこに言われておりますことは、基本的な考え方、今回は補正で措置をしていないけれども、それについてはやがてそのお金は付けなければなりませんから、それは後に分割して付けるということを政府は考えておりますということを申し上げているわけでございます。
 補正予算については、今回、今必要だと思うものについて十分に盛り込んで提出させていただきましたということになろうかと思います。ですから、あれとこれとは分離をしてお考えいただけたらと思います。
○辻泰弘君 さっき国土交通大臣は、二十一年度まで平準化して返すということが出ていると、オープンになっているんだとおっしゃいましたね。やっぱりそれは本来ここでオープンになっているべきことだと私は思います。オープンにしていただけますか。
○国務大臣(扇千景君) 計算に強くて、このことをよくお分かりの辻議員ですから、残高が幾らあって、これをどうするかということを私が丁寧に申し上げているので、その御質問があって、これだけ残るのは、補正に組んでいないのは、これをどう処理するんだというふうに聞いていただくと今のようなお答えになるわけでございますから、私は、この残りは公益法人にしたらどうするんだと、この責任はどうするんだというふうにおっしゃっていただくと、今度法案を出したときに同じ質問をしていただきたいと思います。
○辻泰弘君 二十年間補正で計上したものを今回計上しない。十三年度、十四年度分について将来にツケ回しと、それを財務大臣も認めたわけですね。そのことをどうするかという方針をやはりここではっきりさせるべきだと私は思います。実際持っていらっしゃるわけですから、二十一年度まで平準化ということでやるとおっしゃっているわけですから、じゃそれをはっきり明示したらそれで一つ私は済むと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(扇千景君) 今申しましたように、こういう、私が丁寧にこういう考え方で法案化すると、法案に明記すると言っているのであって、私は今ここに明示するということをまだ決定しておりません。これをこうしなければならないということを御説明申し上げているのでございます。
○辻泰弘君 そうすると、法律には何を明示されるんですか。返済計画を明示されるんですか。
○国務大臣(扇千景君) 明示いたします。
○辻泰弘君 私は、さっきオープンにしているとおっしゃったわけですから、やっぱり今の段階で今おっしゃった考え方をはっきりさせるべきだと思いますよ。
○副大臣(小林興起君) 法案には十六年から五年間で返済をどうするかということを措置すると書くわけでございまして、それぞれの金額につきましては、その考え方に沿って幾ら幾らというのは後で決めるわけでございます。
○辻泰弘君 何度も同じようなことになりますけれども、二十年間もやってきた措置を変えるわけです。そして、ツケ回しになるわけです。ですから、そのことについて、これについてはどう措置するということをやはりはっきりとこの補正予算の審議の中で財務省としては明らかにすべきだと思います。文書で出すべきだと思いますが、いかがですか。
○副大臣(小林興起君) 補正予算は、今補正として立つべきものについて御説明を申し上げ、決めたことを御説明するわけでございまして、あれが付いていない、これが付いていないと言われましても、今回それを必要と考えなかったと言うしかないわけでございます。
 じゃ、やがてそれはどうするんだということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、独立行政法人に移行した結果、今回は特に出さなくなっているわけでございますから、独立行政法人の審議の中で初めてそのときのお金は、じゃ、今、国土交通大臣が言われましたとおり、じゃ家賃はもう補給しないのかとかいう議論の中で、引き続き補給はさせていただきます、したがって補給金は必要でございます、それは法律に明記しているとおり五年間でやることになっておりますので、そのときの財政事情で、今年はこのくらい、来年はこのくらい、とにかく五年のうちには必ず措置をするというふうに、そのときの数字については、私はそのときの財政状況等で決まるべき話だと。毎年毎年、予算は審議するわけでございますから、そうなろうかと思います。
 ただ、必ず、法律で書いた以上、五年で必ず返しますという形には明記されるわけでございます。したがって、最後の五年度は、四年で返した残りが幾らであろうとも必ず五年度中に返す、これが国家、政府としての責任だろうと思うわけでございます。
○辻泰弘君 今、財政状況で、財政事情でやるんだとおっしゃいましたね。それで、将来に分けて分割でやるという、実質的には赤字国債になるわけですね。
○副大臣(小林興起君) それは、何で措置するか、お金ですから決まっていないけれども、普通は一般会計で措置するということになるだけでございます。
○辻泰弘君 将来のその年度における何で充てるかという意味ではなくて、本来であれば、財政上は経常的経費であるところの部門に対して充てるわけですから、今年度補正で税収が見積もれないならば赤字国債を発行してでも対応すべきものを、しないで将来にツケ回すということですから、実質的な赤字国債になるんじゃないですかということを申し上げているんです。
○副大臣(小林興起君) これはもう約束をしたものを払うわけでございますから、一般会計で普通にやっているわけでございますが、そのときの財政状況でそのときの国債がどうなっているかは、それはその時々だと思うわけでございます。
○辻泰弘君 さっき言いましたように、昨日、財務大臣は正直な方法を取ったとおっしゃるわけですけれども、やっぱりこのことについても正直な方法といいますか、あるいは状況についても経緯についても正直に言っていただきたかったと私は思いますけれども、いずれにしましても財政の問題は大きな問題ですから、やはりしっかりとありのままを伝えるといいますか、そういうごまかしというのはしないようにしていただきたいと思います。
 そのことについて御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、赤字国債とひっ付けて言っておりますけれども、全く赤字国債とひっ付けられる性格のものじゃございませんで、こういうようなものは、結局、二十一年までかかって政府としては義務的経費に算入されるという性格のものであるということです。
○辻泰弘君 それだったら、今までの予算のときに、今後措置を要する経費ということに入れられることになりますね。
○国務大臣(塩川正十郎君) 義務的経費ということは予算処理上の問題であって、予算項目じゃございません。
○辻泰弘君 予算委員会提出資料の中で、今後措置を要する経費ということでいわゆる隠れ借金という中に費目があるわけですから、その中に入るんでしょうねということを申し上げているんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは国庫負担金と違いますから、そうじゃなくして、言っておりますように義務的経費として計上される、将来発生すべきものとしての政府の負担になるというものでございますから、要するに国庫負担金とは、何といいましょうか、政府の法律によるところの負担金ではございません。
○辻泰弘君 ちょっと財務大臣、まだ御理解いただいていないようですけれども、予算上、将来これだけ負担になるよというのを一般会計、特別会計で借金しているのがあるわけなんですね。そのことに入れられるかどうかということをお聞きしたんですが、これは今度にしておきますけれども、申しましたように、やはりありのままの予算、正直な方法とおっしゃった、そのことを貫いていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 では、次のテーマに移らせていただきますが、まず扇国土交通大臣にお伺いいたします。
 昨年の九月に、記者会見でこのような発言をされております。空港問題についてです。
 関西の関係ですけれども、大臣は、伊丹に取って代わるくらいのすばらしい国際空港なりせばというような神戸空港を造る、伊丹に取って代わる空港、一年間に十万回の乗降をするような神戸空港を造る、立派な神戸空港にするんだという意気込みがあるが、私はもう大賛成して、私も政治生命懸けてでも応援したいと思っていますというふうな発言があります。また、伊丹がなくなれば意味があります、このような発言をされているんですけれども、今もそのように思っていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) そのとおりでございます。
○辻泰弘君 そういたしますと、昨年の十二月に答申が出ていますけれども、それに沿ったお考えじゃないんでしょうか。昨年の十二月に答申が出ておりますけれども、その中の関西の空港についての位置付けがございますね。それとお考えとは違っているわけですか。
○国務大臣(扇千景君) 私は、日本の航空行政、どうあるべきであるかと。私は、今、国土交通省で少なくとも百年のグランドデザインというものを出したことございません。けれども、図らずも私がこういう地位に立たせていただいたので、二十一世紀末に日本はどうあるべきかという大前提のグランドデザインがなければ公共費の無駄遣いと言われるようなものが発生する。予算がなくても、少しずつでもそのグランドデザインに近づくというような基本的な百年のグランドデザインというのをこの三年間掛けて作りつつあります。
 もう若手、そしてシニア、あらゆるところで三案ぐらい出ておりますけれども、どれに絞るかは今まだ発表できませんけれども、私は、関西に三空港、関空、伊丹、神戸、これが果たして二十一世紀の日本の航空行政にどういう影響を及ぼすのか。また、管制空域、関空の管制空域、伊丹の管制空域、もうほとんど狭いそのすき間を縫って神戸空港の管制空域を図ろうとしております。私は、そういう意味で今見直すべき時期ではないかと。
 また、言わせていただければ、関西国際空港という、伊丹、関空じゃなくて、大阪国際空港という伊丹ですけれども、少なくとも、千六百億台で米軍から払い受けて、今まで六千億以上の騒音対策費、周辺整備費にお金を掛けております。空港本体よりも周辺整備に五倍もお金を掛けて果たして空港行政が成り立つのかどうか。
 そして、関空は二十四時間オープンという、日本で初めての二十四時間オープンの関空を開いて、けれども、二十四時間オープンで国際線を降りても国内線に乗り換えるところがない。これでは国際空港の役目を果たさないんです。
 ですから、成田と羽田もそうでございます。成田は十一時でクローズ、その十一時から朝の六時までは羽田にチャーター便を降ろそうということも、発着しようということも、これも初めてできたことです。
 ですから、関空が二十四時間だという、あれだけお金を掛けて二期工事もするわけですけれども、本当の国際空港というのであれば、二十四時間オープンをして、そして国内線なりあるいはホテルの整備等々全部できてこそ私は二十四時間オープンの意義があると思いますけれども、空港管制の、管制空港の安全性と、そして関空に、三つ飛行場が必要かどうかという疑問点と、そして今までの空港に使った経費、トータルで考えて、私は、考えを見直す、あるいは検討するということが私は必要であるということを提案しています。
○辻泰弘君 その記者会見の御発言を今もそうだとおっしゃったわけです。そうすると、伊丹がなくなれば意味がありますということは、そういう御認識だということですね。
○国務大臣(扇千景君) 私は、去年の暮れに神戸空港に予算を付けるのをやめようと思ったんです。三つ必要ではないのではないかと。神戸の調査費をどうするかという問題に私は行き当たったときに、辻議員も神戸のお生まれでございますから、神戸空港というものができたときにコミューターだとか貨物用の小さな空港で神戸が復興したと言えますか。神戸港、港一つ取ってみても、震災前は世界で四位だったんです、荷降ろしが。今二十四位なんです。
 だったら、空港と港湾と一体となって、関空の二十四時間、少なくともこれは公共工事でトンネル通ったら十五分です。国際線と国内線と乗り換えるのがこんなに便利になってお金も掛からない。これが、日本が二十一世紀に開かれた国際空港として役に立つというのが日本のためになるのではないかという提案をしているんでありまして、ですから、私は、兵庫県の知事さん、神戸市の市長さんに、関西に三つ空港が必要かどうか、大阪も京都も含めて近畿圏で協議会を作って論議してください。そして、伊丹を今のように必要ないというのであれば、今の十万回を神戸が取って代わるぐらいの空港を造るんだったら、国際線と国内線、トンネルをそれこそ政治生命懸けても十五分でつないだら、日本の玄関口として立派に二十四時間のオープンが役に立つんですから、伊丹を取って代わるだけのことが、同じ兵庫県の中なんですから、知事さんと市長さんあるいは財界、近畿圏で相談をして協議会を立ち上げてくださいという条件付で予算を付けたというのが現実でございます。
○辻泰弘君 大臣は、国内線と国際線が同じ空港にあるというのが世界の常識だという認識でおられて、それも一つの考え方なんですが、しかし現実に、伊丹の空港は新幹線の代替といいますか、そういう意味を持っているわけですね。その部分はちょっと私は違うところもあると思っていますし、現実に地元はそうではないんですが。
 しかし、要は、十二月の答申で、関西国際空港は国際拠点空港だ、伊丹空港は国内線の基幹空港だ、神戸空港は地方空港としての役割を有すると、この三つの位置付けがあるんですけれども、そうすると、大臣のお考えはこの答申とは違うんでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 答申は答申としていただいて、それを勘案して政策に実行するということで、どれがいいかということは、地元とそして今の日本の状況と財政状況とよく考えて判断するというのが私は最後の行政の仕事であろうと思いますから、答申は答申でいただくのが大事なことだと思っています。
○辻泰弘君 これは事務方からしますと、この発言、大臣の発言ははっきり言いまして独り歩きしている、政治家として故郷のあるべき姿を語ったにすぎないと、こんなようなコメントが出ているわけでございまして、答申とも違うというトーンのようなんですけれども、少し、思い入れと言ったら失礼ですけれども、少し大臣のお考えで先へ走っていらっしゃるような気がするんですけれども。
 やはり、中央からの、しかも事務当局も付いてこないような一方的な発信ではなくて、当事者とか地元とか、やはり十分意思疎通を図って進めるべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(扇千景君) 私は、少なくとも責任ある立場で、全く無謀なことを言ったつもりではありません。国の在り方の根本を言っているんです。でして、事務方が付いてこれないというのは、なぜ付いてこれないか。辻議員御存じだと思います。関空ができたときには伊丹を廃止すると文書あるんです。関空できたときには、伊丹が行かないでください、置いてくださいと。今までは出ていけと言って、少なくとも六千億以上の環境対策費を作って、これをやめますという一文があったものを、関空ができたら今度は行かないでくださいと言って今も年百億近い環境対策費を、これをどう見るかということです。
 私はそういう根本的なことを議論しようというので、役所の役人は、関空できたときにやめますというのを、置いてくださいという地元の要望で置いて今も百億近いお金払っているということに関して役人は、私は、責任というよりも私が判断するという意味でございます。
○辻泰弘君 大臣の熱意は分かりますけれども、一方的な発信でないというか、やはり意思疎通を図って、いろいろ議論も積み重ねながら決めていただきたいと思います。この問題、このときに終わりますけれども。
 次に、テーマ変えまして、セーフティーネットについてお伺いしたいと思います。
 まず、竹中経済担当大臣にお聞きしたいんですけれども、骨太の方針が去年、おととしと示されたわけですけれども、おととしの骨太の方針ではセーフティーネットということが明示されて、それなりの対策になっていたわけですが、昨年の骨太の方針にはセーフティーネットという言葉が消えているわけですね、表看板から。そのことはどうしてでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) セーフティーネットの中身としましては、雇用、失業に対する問題、中小企業の対策等々が考えられますでしょうし、個人の生活に安心感をもたらす社会保障の問題等々が考えられると思います。
 骨太の方針というのは恐らく二〇〇二年の第二弾のことを言っておられるんだと思いますけれども、それについても今申し上げたような問題は非常に重要な問題として入っておりまして、セーフティーネットの問題というのは、今申し上げたような具体的な問題として経済戦略の中で議論されているということでございます。
○辻泰弘君 今ちょっと触れていただきましたけれども、セーフティーネットが張られるべき政策領域というか、そのことをちょっと御説明いただけませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) セーフティーネットはいろんな意味で使われていると思いますけれども、基本的には自助自立の原則を前提としながらも、やはり個人一人一人、一つの企業、中小企業は弱いものという立場にありますから、一人だけではリスクを背負えない、そのリスクを社会全体で担おうではないかというのがセーフティーネットの考え方であろうかと思います。
 したがって、失業、雇用の問題、中小企業に対する手当ての問題、さらには年金、医療、介護等々の社会福祉、社会保障の問題、そういうものを総括して考えているわけであります。
○辻泰弘君 竹中大臣は、かつて、構造改革に伴うセーフティーネットの整備に関連してということで、失業者の子供の教育資金を対象に何らかの優遇策を検討するということをおっしゃっているわけですが、それもやはりセーフティーネットの対象ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な項目であるというふうに思っております。
○辻泰弘君 そこで、セーフティーネットの具体的なところについて幾つかお聞きしたいと思うんです。
 厚生労働大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、事前にお渡ししておりますけれども、昨年の十一月に、連合がハローワークの前で全国の四十都道府県のアンケートをしまして、この結果、政府に望む雇用対策と。失業してハローワークの前の方にアンケートを取った、六千四百人の方から。その中の一番の要望が、緊急の雇用創出ではなくて、失業中の医療、年金、保険料免除だったというのが出ているわけですが、そのことをどう感想として受け止められたでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 御承知のように、失業されますと、その皆さん方は国民健康保険になるわけであります。国民健康保険になりました場合に、それは、それぞれの市町村長さんがそれをそういう皆さん方に対してどういうふうに対応するかということをお考えになるわけでありまして、条例がそれぞれできております。
 九五%の市町村におきまして条例ができておりますし、その中で、やはり所得の低くなった場合に、経済的なそうした理由で低くなった場合にその人たちをどうするかということをお取り上げているところ、いわゆる収入減として取り上げておみえになるところがある。あるいはまた、特殊事情として何かが起こったときに、それはその減免の処置の対象にしようということをお取り上げているところがあるということでございますが、九五%でありまして一〇〇%というふうに至っておりませんから、今後、こういう失業の多いときでございますから、その皆さん方に対応できるようにと。これは、私たちの方も、厚生労働省として市町村に対しまして、是非そういう条例が全体的にできますようにお願いをしていきたい、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 九五%なので残りのところに条例化するように進むということも大事なことですけれども、しかし、現実に国保法の七十七条という減免の措置が適用されていないといいますか、それにちゃんとあずかっていないがゆえにこういう結果になっているんじゃないかというふうに思われるんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、条例ができておりまして、条例の中には、どういう理由のときにその条例を発動するかということが決められているわけであります。その理由の中にこの収入減といったようなことをちゃんと掲げておみえになるところがありますけれども、中には、災害があったときとかというようなことを入れておみえになるところもありますから、その条例の中にもしもないとすれば、そうしたこともありますから、十分な配慮をしていただくようにということを私たちも申し上げたいと思っている次第でございます。
○辻泰弘君 十分な対処をお願いするというのは、市町村に働き掛けるという意味でしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そういうことでございます。
○辻泰弘君 私は、それは非常に大事なことで、周知徹底を図るといいますか、そういう制度があるということを一般の方が知るということも大事ですし、市町村がそのことを意識してやっていただくということが大事だと思うんです。
 前に私、厚生労働委員会で聞いたときには、政府サイドとしては、市町村で適時適切に対処していただいている、だから別に何もしないんだというふうな答えだったと思うんですけれども、今の御答弁だと、新たに何かをその意識を持ってやるということでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 前にどういうふうにお答え申し上げたかちょっと今記憶はありませんけれども、しかし、こういう時期でありますから、市町村に対しましてもそうした配慮というものが大事でございますから、そのことを私たちも伝えたいと、こう思っております。
○辻泰弘君 是非それは、担当の課長会議とか全国よくやっていらっしゃるわけですから、是非そういうことをやっていただきたいと同時に、一般の方もこのことを知らないこともあるんじゃないかと思うんですね。国民年金の保険料だと、新聞広告などをされて、こういうリストラのときは減免の措置がありますよという広告を出したりされているんです。国年は直接社会保険庁がやっているということがある、国保は違うという、主体が違うということはありますけれども、しかしやはり国民の生活を預かるということがあるわけですから、そういう意味で、周知徹底という意味で、政府広報を含めてそういうことをやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申し上げましたとおり、市町村に対しましてはそうしたことを私たちの立場から徹底したいと思います。
○辻泰弘君 そうすると、一般の方への周知徹底ということは別に何もしないということになるんですね。
○国務大臣(坂口力君) 市町村に徹底するということは市町村がそのことをまた徹底してくれるということでありますから、一般の皆さん方もそれでお分かりをいただけるようになるということになるだろうというふうに思います。
○辻泰弘君 その国保のことについては是非しっかりとお取り組みいただきたいと思うんですが、もう一つ、リストラに遭ったときの保険料納付の形としては、国保と同時に任意継続があるわけですね。
 その任意継続のことについてお伺いしたいんですけれども、これは現実に任意継続加入していらっしゃる方について、現場でどういう文書が配られているか、実態としてどう運用されているかということになるんですけれども、保険料は必ず一日から十日までに納めてくださいと。それはそれでいいんですけれども、この期間を過ぎると自動的に資格がなくなります、十一日以降納めても資格は継続しませんと、こうなっているわけなんです。余りにも機械的だ、冷たいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しの問題は、今まで健康保険にお入りになっていて、そして失業されました、まあ失業というか、失業された人もあるでしょうし、ほかの人もあるだろうというふうに思いますが、いわゆる任意継続保険者制度にお入りになった人という意味だろうというふうに思います。
 ですから、企業を一時お辞めになったりして勉強されるとか、あるいはいろいろ職を身に付けられるとか、いろいろ立場はあるだろうと思いますが、その場合には国民健康保険にお入りになるか任意継続被保険者におなりになるかということになるわけでありまして、この被保険者になりますときには、今お話しのように、二年間ということになっておりまして、毎月十日なら十日までに払ってくださいということになっていることは事実でございます。それはそれでお守りをいただくということにしていかないといけないというふうに思っている次第でございますが、それがなかなか守れないということでございましょうか。
○辻泰弘君 私は、もちろん納期までに納めるというのは基本ですし、それはそうなんですけれども、普通の保険料納付であれば、督促があって、延滞金とかも加算されるわけですけれども、そういうことがあっても、制度に、意思があって、それなりにちゃんと払う意思がある、今まで例えば納付している、そういう人であれば継続できるべきだと思うんですけれども、この制度は機械的に駄目になるんです。それは少しほかのものと比べてやはり冷たいといいますか、そういうことになりませんか。
○国務大臣(坂口力君) ちょっと調べてみますと、九十万人ぐらいお入りになっているそうでございますから、かなりな人数でございます。ですから、その皆さん方が継続してこの制度にお入りをいただきますためには、毎月々そういうふうに保険料をお支払いをいただかなければならないということは、これは当然でございますが、委員のおっしゃることも僕も全く分からないわけではないんです。こういう時期でございますから、例えば銀行から振り落としと申しますか、月々落ちるようにできないかとか、まあいろいろ、多少方法は私もあるのではないかというふうに思ってこの制度のことを聞いたところでございます。
 事務当局の話は、もうそれは認められません、ちゃんと払ってもらいますと、こういう話でございますが、私は若干やっぱり、多少のことはやっぱり考えてもいいんじゃないかと思っておりまして、そこはちょっと検討させてください。
○辻泰弘君 御理解いただいているというふうに理解しますが、念のため言いますと、国保であれば、当然ですけれども、納付期限までに完納されないときはその翌日から納付の日までの期間の日数に応じ一定の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金が加算されますということなんですけれども、それを払ったらまた返るわけですね。この任継の場合は、機械的に十一日以降だったら門前払いで絶対駄目だという冷たい制度でございまして、ほかに多分こういう制度はないだろうと思います。御検討いただくということなんで、是非よろしくお願いしたいと思います。
 同時に、この任意継続に入ったら自分の意思でやめることができないと。自分で国保に入りたいというときにそれができないようになっている。これもおかしくありませんか。
○国務大臣(坂口力君) やめれば国民健康保険にこれは入られるわけでありますから、それはやめるという御意思があれば、もうお支払いにならなければ即それは国民健康保険の方に移られる、こういうことでございますから、その受皿はあるわけでありまして、そこは選択の話だというふうに思います。
○辻泰弘君 今この任意継続から外れようとすれば滞納する必要があると、こういうことになるんですね。その考え方はやっぱりおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) 滞納すると申しますか、いや、それは意思表示をされるということも私はあるんだろうというふうに思いますけれども、それは、この制度にお入りにならないということは国民健康保険の方に行かれるということになる、これはもう自然にそうなるということでございます。
○辻泰弘君 いや、それは少し認識が違うと思うんですよ。この現実に配られているやつですね、一般の方に、社会保険事務所から。再就職、死亡以外の事由による資格喪失の申請はできませんと、こうなっているわけなんです。非常にやっぱり何か偏ったといいますか、少し普通の考えではない。資格喪失の申請ができないんですよ。そこは認識違うんじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) ですから、先ほど申しましたように、その意思がなければそれはもう国民健康保険に入るということだというふうに理解をいたしております。
 ですから、月々お支払いをしていただいている間は二年間はそれは継続できますよ、それが切れましたときには国民健康保険ですよと、こういうことだと思うんですね、その制度の成り立ちというのは。したがって、この制度によりますとそういうことになっているわけでありますから、そこを、この制度を一つの制度としてもう一度、別途作り直して、そしてどういう人が入りたいか、どういう人がやめたいかということを、作るということになれば今おっしゃったようなことになってくると。それをどうするかという問題はあると思っております。
○辻泰弘君 これは健康保険法自体が非常にがんじがらめになっているのでそれを投影しているわけなんですけれども、見直しを御検討いただいたわけですけれども、言っていただいたわけですけれども、このことも含めて、任意継続の制度自体非常に何かこう、ほかの保険と比べますと何かがちがちになっているといいますか、非常に冷たいような制度になっていると思いますので、是非その点については十分御検討いただいて、現実にこれで、私自身知っているんですけれども、門前払いを食ってどうしたらいいかという方がおられますので、ちゃんと納付、継続する意思がある方でですね、是非取り組んでいただきたいと思います。一言お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 今の制度の原則は原則でございます。しかし、今後、この健康保険全体の見直しがこれからやられるわけでございますから、そうした中でどうしていくかということも検討してまいりたいと思います。
○辻泰弘君 健康保険法の改正、医療保険制度の見直しということですけれども、これは非常に当面の運用の問題ですし、現実に起こっていることですから、そのことについてはちょっと別に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(坂口力君) 保険制度の問題ももう目前の問題でございまして、すぐにやらなきゃならない問題でございますから、決して先の話ではございません。すぐに取り組むべき問題でございますから、併せてこの問題もその中に入れていきたいと思います。
○辻泰弘君 その点については是非御善処賜りたいと思います。
 次に、もう一つ、私がセーフティーネットの一つだと思うことについてですが、未払賃金の立替払制度についてでございます。
 昨年一月から、未払賃金立替払の上限、百七十万から三百七十万に引き上げられたということで、退職労働者のかなりの部分が受取が可能になったということは評価できると私も思っておりますが、しかしその上限額と同時に、やはり対象となる期間を、今六か月ですけれども、それを拡大するとか、その対象となるのが今、定期賃金と退職金に限られているわけですけれども、解雇予告手当を入れるとか、そういう部分の対処も必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) もうこの未払賃金の立替払制度につきましては、昨年の一月から、例えば四十五歳以上の人でありますと、従前の百七十万から三百七十万に引き上げたところでございますし、現在のところ、これを更に緩和をするという考えはございませんが、むしろ現在のこの制度が徹底されるということが大事でございますから、そのことに力を入れていく方が今大事というふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 今国会で民法の改正が行われて、労働債権の範囲について制限がなくなるというふうにお伺いしているわけですけれども、そういうことを含めて、この未払賃金の立替払の対象となる期間とか対象を充実していただくように御要請申し上げておきたいと思います。
 同時に、この迅速な処理、未払賃金の立替払の迅速な処理というのも大事なわけですけれども、私、前にも質問させていただいておることでありますけれども、やはり管財人とか清算人に周知徹底を図って、迅速な処置に努めるようにすべきだと思うんですが、そのことについてお願い申し上げます。
○国務大臣(坂口力君) これは迅速な処理をやらないと、やはり生活に困っておみえになる皆さん方でありますから、そこはできる限りやりたいと思いますが、しかし事務的な手続もありますので、これを余り簡略化するわけにもまいりませんから、踏むべきものはちゃんと踏んでやっていくということもしなければなりませんので、そのことを理解をしていただいて、我々の方もしっかりと取り組んでいくということでございます。
○辻泰弘君 この部分は管財人とか清算人が消極的なゆえに遅れているということでございますので、是非その点についてもお取組いただきたいと思います。
 時間もございませんけれども、この点、もう一点お聞きします。
 未払賃金立替払は、現実には労働保険特別会計の労災勘定で計上されているわけです。すなわち、労災保険料でもって充当されているわけですが、元々、労働災害が発生するというリスクの率に応じて取っているその金を倒産のときの未払賃金に充てるというのは、やはり本来の趣旨と違う。やはり本来、独立会計とすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 労災保険は災害が起こりましたときにその企業等により多く負担をしていただくということもございますが、福祉事業につきましては皆さん同じように支出をしていただいている面もあるわけでございますので、この未払払いのものだけまた別の保険というのも、これもまた大変煩雑になるということを思いますと、やはりこの中で一番近いのはやはりこの労災保険だというふうに思いますし、そしてその中には、福祉事業等の問題も中には含まれているわけでございますから、ここで取扱いをさせていただくという以外にないのではないかというふうに思っております。
○辻泰弘君 私、この制度、労災も大事ですし、この未払賃金立替払も大事だという認識の上で申し上げているんですけれども、やはりしっかりと明示すべきだと。すなわち、特別会計から事業団に行っている、今度の新しい機構にも行くんでしょうけれども、その費目も未払賃金の立替払というふうには見えるようになってないんですね。そういうことというのはやっぱりおかしいんじゃないかと、労災保険で取っていながら、その使い道としてそういう形はおかしいんじゃないかということで、やはり少なくとも予算で明示すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこは、もしも、我々かなり分かっていただいているというふうに思っておりますが、そういう御意見があれば、私たちもそういうことにもこの保険は使わせていただいているということを明らかにしなければならないというふうに思います。
○辻泰弘君 私は、基本的には独立会計であるべきだと思いますので、その点、お取り組みいただきたいと思います。
 それで、最後になりますけれども、文部科学大臣にお聞きしたいと思うんです。
 奨学金の問題ですけれども、現実にリストラ等々ある中で進学を断念したり退学を余儀なくされる高校生が多いということですけれども、現実に私、奨学金を見まして、前も聞きましたけれども、高等学校の高校生に対しての奨学金が少し充実されていないんじゃないかというふうに思っているんです。育英奨学金の有利子対象に高校生を加えるとか、そういう形を講じて高校生に対する奨学金、しっかりとやってほしいと思うんですが、文部科学大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(遠山敦子君) 誠に委員御指摘のとおりに、親のリストラ等に伴いまして家計が苦しくなって学校へ通えなくなるというような状況に子供たちが置かれるというのは大変問題でございまして、私どもとしても精一杯対応をいたしているところでございます。
 特に、今申しましたような保護者の失職、あるいは倒産などによって家計が急変して学業の継続が困難となった高校生に対応いたしますために、高校生だけではないんですけれども、年間を通じて随時受付を行いまして無利子で貸与を行います緊急採用奨学金制度を実施いたしておりまして、これは希望者全員に今渡っております。まだ枠がございますので、随時でございますからいつでもこれは御利用いただきたいと思っております。
 それから、それ以外にも一般的な奨学金の中で高校生に対する無利子の奨学金を用意しておりまして、今年度も希望者全員を採用したところでございます。平成十五年度の予算案におきましても、貸与人員十二万二千人で二百八十一億円を計上しているところでございます。
 いずれにいたしましても、高校生を始めとする学生たちが、学ぶ意欲を持つ者は経済的な理由で学業を断念することのないように、精一杯奨学金の問題については対応していきたいと考えております。
○辻泰弘君 おっしゃるのはそれだけ、まだあるよとおっしゃるんですけれども、実際その額で十分かということもあるわけでございます。
 それで、昨年度から高等学校奨学事業費補助ということが地方の方でやられたとき二分の一補助というのがあるわけですけれども、この制度が日本育英会の奨学金との併給が駄目だということになっている。これも現実に一年生のみの対象なんですけれども、やはり併給を認めるということも考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) これにつきましては今年度から新たに措置をした制度でございまして、必要な予算額の増額を図って、これは各都道府県において実際の状況を見ながら対応できるようにということで新たに開いた制度でございます。
 いろんな制度を活用しながら子供たちの勉学を支えていきたいというふうに考えます。
○辻泰弘君 最後に、坂口大臣、年金で高校生向けの利子というのを、奨学金をやるということをおっしゃっているようですけれども、そのことについて聞いておきたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 年金制度の在り方、今年一年掛けまして検討いたしますので、そうした中ですべてのことは考えていきたいと思います。
○辻泰弘君 以上で終わらせていただきます。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で辻泰弘君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
○櫻井充君 塩川大臣にまずお伺いしたいんですけれども、補正予算というのは毎年毎年組まなきゃいけないものなんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、毎年やはりいろんな一年間の長い経過の中で、状況の変化等、特に経済の状況、社会的あるいは機構の変化等いろいろございますから、そのときに応じてやっぱり編成するのが当然だろうと思います。
○櫻井充君 そうしますと、憲法の八十七条に予見し難い予算の不足に充てるためにという形で予備費が定められております。この予備費というのは何のためにあるんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 正に予見し難い事態に対する経費として計上するということであります。
○櫻井充君 つまり、補正予算を組まなくても、予備費で充てるというわけにはいかないんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことをしたら、もう正に議会軽視だということで大変なおしかりを受ける、議会制民主主義の根幹をつぶしてしまうようなことになってしまいますので、我々は、予備費は極力予見し難いもの、あるいは突然支払の義務が生じたものに対する費用に充てるということにいたしております。
○櫻井充君 予見し難いというお話でしたが、今年の予算の中に、外為特会から一千五百億円剰余金をまず先に繰り越して予算に組み込んでいるわけですけれども、これ、剰余金が出るんですかという話をしたときに、大臣は、為替レートが一ドル百二十二円だから大丈夫なんだというお話をされていました。
 今、一ドル百十八円なんですけれども、これで剰余金というのは生じるものなんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在の予定では、大体予算計上しました当時の見積りに等しい余剰金は出てくると思っております。
○櫻井充君 一つ問題になってくるのは、その当時も見通しが一ドル百二十二円なんだというお話だったわけです。しかし実際は、今の為替レートはそういうふうになってきていない。つまり、当初の予定と随分狂っていることがあるんだろうと思うんですね。
 その意味で、もう一つは、税収が随分落ち込んできているわけですが、その税収の落ち込みに関して、どのような原因で落ち込んでいるとお考えなんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 為替の変動と税収の落ち込みと、お互い相関関係はございますけれども、直接的な要因ではございません。しかし、為替は変動いたしますんで、毎年、大体年に二回ぐらい、日銀とも相協議した上で外為の会計の実態を評価をし直して、実態をつかんでおるということをいたしております。
 それから、経済の点につきましては、これは為替だけの問題ではなくして、やはり産業構造全体の問題に影響が大きいものであると認識しております。
○櫻井充君 ちょっと質問の仕方が悪かったんですが、為替もなかなか合っていないと、しかも税収の見積りも甘かったということなわけですね。その税収が見積りどおりにいかなかった理由は、一体どこにあるとお考えですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、十四年度におきましては、税収の見積りが、いたしましたときの経済状況とそれから現在とは、世界的にデフレが進行いたしましたこと等によって企業会計が非常に悪かったということでございます。経済全体のファンダメンタルズはそんなに変わっていないんでございますけれども、企業は確かに底を打って活力はもう盛り返しつつありますけれども、過去において膨大な赤字を各企業が背負っておりますので、その方の償却に吸収されてしまって、税としてそれが反映されなかったということでございました。
○櫻井充君 済みません。これ、世界的なデフレが進行しているということですけれども、その認識でいいんでしょうか。改めてお伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 中国、シンガポール、日本、香港、ちょっとこれは期間の取り方にもよりますけれども、こういうところでは物価の上昇率はほとんどゼロかマイナスでありますし、アメリカ、ヨーロッパにおきましても、いわゆるインフレ率、これはまだ物価上昇率はプラスでありますけれども、かなり中期的に低下をしてきていて、デフレ的な要因が強まっているというのは多くの専門家の認識であろうかと思います。
○櫻井充君 しかし、デフレが進行しているというその世界の国々で、果たして景気が悪くなっているというのは、どこの国もそういうふうになるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) それぞれ国によって事情は違います。物価が下落する原因も日本と中国ではちょっと違っていると思いますので、なかなか一概には言えないわけでありますけれども、いわゆるIT関連株が予想以上に大幅に低下したということとか、一昨年の九月十一日以降の不確実性の高まりとか等々で、少なくとも昨年についてはヨーロッパ等とも非常に成長率が低かったし、そういう意味で経済が大変厳しい状況にあるというのは事実であろうかと思います。
○櫻井充君 いつも世界のことが原因でというお話をされているんですけれども、日本国内での景気が悪くなっている原因はどのように分析されているんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の経済は、根底的なところで不良債権の問題でありますとか財政の赤字という負の遺産を抱えて、非常に今技術、イノベーションの力が弱まっている。その意味での根本的な成長率が弱まっているというのがまず根底にございます。
 その上で、現状では輸出等々に非常に大きく影響を受ける形で循環的な変動が起こっておりまして、ファンダメンタルを強くするために構造改革をしようとしているわけですけれども、そのファンダメンタルの九〇年代以降の弱さと外需の動向でかなり経済が低いところで揺れ動いているというのが日本の現状だと思っております。
○櫻井充君 大臣は、この解決のためによく不良債権の処理を加速しなきゃいけないという話をされていますけれども、根本的に考え直さなきゃいけないと思っているのは、不良債権が生じるからそれを処理するということではなくて、不良債権がなぜ発生するのか。もちろんそれはゼロにはならないことは確かですけれども、発生を抑えること、医者的に言うと、大変申し訳ないんですが、要するに予防医学だと思うんですよね。その発生が、なぜそういう不良債権がどんどん出てきているのか、そこをまず分析しない限り、出てきているものを幾ら処理してもしようがないんだと思うんですよ。
 そういう意味で、不良債権というのはどうして発生しているとお考えなんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、現状から言いますと、不良債権という負の遺産が既に多額にあるという事実がございます。この中にはバブルの崩壊によって生じてきた割と長期、中期的なものと、委員が今御指摘しようとしておられる新規に発生していくものというのがあるわけでありますが、これは大変大ざっぱな見込みでありますけれども、近年の状況を見ますと、不良債権の発生のうちのやはりかなりの大きな部分が、今まで隠れていた部分が表に出てきたという面が非常に大きいと思っております。経済が悪化したことによって新たに生じる部分も確かにございます。しかし、それが主流を占めるというふうには認識をしておりません。
 不良債権を大量に抱えていることによって企業も銀行もリスクが取れなくなって、それが先ほど申し上げましたファンダメンタルな日本の経済の発展力を弱めているわけで、やはりその部分を取り除かないと新たな発展はないというのが基本認識でございます。
○櫻井充君 そこが私と大臣との認識の違いでして、じゃ具体的にお伺いしますが、新規発生というのは一体どのぐらいの割合で、それからあったものがその後でいろんな検査で見付かったというのは何%ぐらいなんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、これ実は技術的にオフバランスされたものとかいろいろありますから、これは大変実は何%というのを厳密に言うのは難しいものがございます。
 直近の例えば十四年三月期に発生した、これはかなりの新規発生がございますけれども、それに関して言うならば、これは非常に大ざっぱで恐縮でありますけれども、先ほど言ったオフバランスをどう見るかということをラフに取り除いて、特別検査等々によって新たにあぶり出されたものが三分の二からそれ以上、七割ぐらいあるのではないかというふうに思っております。新規発生が三割程度なのかなと。
 非常にラフな数字でございますけれども、そのような認識を持っております。
○櫻井充君 この間、銀行業界の方々が来られた参考人質疑のときには決してそういうふうにはおっしゃっていませんでした。今のデフレ経済の中で新たなる不良債権がどんどん出てきていることの方が問題なんだというふうにおっしゃっていましたけれども、そこの中でもう一点、私は、やっぱり実態に合わないBIS規制がある限り、銀行の貸出しは増えていかないし、経済は活性化していかないんじゃないかと思っているんですね。
 そのBIS規制に関して、現状のままでいいと大臣はお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) BIS規制は、もちろん日本も参加していろんな議論で成り立ったいわゆるバーゼルの銀行監督委員会での基準であります。
 世界の金融市場というのはやはりつながっているものですから、我々が日本で安心して取引できると。それは、金融市場が海外とつながっていますから、海外の銀行もやっぱりしっかりとして不安を起こさないようにしていただかないと国内で我々も安心できないと。それがBIS規制の基本的な考え方であります。
 これは基準でありますから、例えば八%がいいのか七・五がいいのか八・五がいいのか、そういうことを言い出すと、これちょっと水掛け論的にはなるわけでございます。
 したがって、常に見直しはしていかなければいけないとは思います。しかし、やはりある程度のめどとして必要なものであるというふうに思っております。
○櫻井充君 ここで議論はやはり分けて考えなきゃいけないと思ったのは、大臣はいつも念頭に置かれているのは大企業であって都市銀行だと思うんですよ。私が考えているのは中小企業であったりとか地域金融を預かっている信金とか信組なわけですよ。果たしてそこのところに、これまで世界的な基準だからといって、従来どおりのBIS規制というものを押し付けていかなきゃいけないのか。
 改めてお伺いしますが、地域金融に関しても同様のお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは大変難しい問題ではありますけれども、私は基本的にそこはかなり違う基準が、むしろ社会的な価値とかそういうものが必要な分野であるというふうに思っております。
 したがいまして、金融担当大臣に就任した当初の記者会見から、当面、主要行の不良債権処理に力を注ぐと、しかし、地域の金融、中小企業の金融はリレーションシップバンキングとして違う観点からビジョンそのものから見直す必要があるということで、リレーションシップバンキングに関するワーキンググループを金融審に新たに設けまして、今、その根本的な在り方を別の観点から、正に委員言われたように別の観点から議論しようとしているところでございます。
○櫻井充君 昨年、流行語大賞で貸しはがしというのが選ばれたようですけれども、大臣、これ、貸しはがしというのは実際行われているとお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 貸しはがしの意味するところは、事実、問題として、融資の残高が減っているわけでございますけれども、その融資の残高そのものがバブルのときに一気に高まって、それが前の水準にまだ戻っていない、今途中であるということで、そういった調整という側面はマクロ的にはございます。
 しかし、恐らく、個々の例を取ってみますと、大銀行が非常に収益力が弱くなっていく一方の不況的なところに、業種的なところにどんどん貸し込んでいって、その分健全な部分に、中小企業に残念ながらお金が回ってこなかったという点は確かにあったというふうに思います。
 それをとにかく今なくそうと思って様々なできる限りの措置を講じているわけでございますけれども、そういう問題というのは、ミクロの問題では、これは当事者を呼びますと、貸す貸さないというのは一種の押し問答的な議論にはなるわけでございますけれども、やはり社会的な現象としてはそこはある程度はあるということを認識しながら監督行政を行っているつもりでございます。
○櫻井充君 私はマクロで貸しはがしが行われていると思っているんですけれども。中小企業の方々からお伺いするとそういうことをおっしゃいます。
 経済産業大臣、その辺の、中小企業からどういう意見が来ているでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 中小企業庁の方で直近も二十六の道府県、ここに幹部を派遣して貸出し状況というものも調査をいたしました。そういう中で、非常にやっぱり厳しいと、こういう認識が出ておりまして、私どもとしては、地方の金融機関を含めて貸し渋り、貸しはがしというのは現実には行われていると、このような認識でございまして、そういう面からも政府系金融機関を総動員して、やはりしっかりとしたセーフティーネットを張っていかなきゃいけない、こういうふうに認識をしております。
○櫻井充君 そうしますと、平沼大臣、先ほど竹中大臣が、バブルのころに貸し込んでいて、それが調整的に減らされているんだというお話でしたけれども、その認識とは違うということですね、そうすると。
○国務大臣(平沼赳夫君) 調査の結果は非常に厳しくなったと、こういう所見でございます。
 したがいまして、その中で具体的に、例えば正規に貸していたものを貸しはがすというような、そういった事例というのは明確には出てきませんけれども、しかし、地元等に帰りまして中小企業者から聞きますと、例えば、ある意味では正規に利息も払っているけれども、やはり厳しい条件が出てきて非常に困っていると。こういう声は私の地元だけじゃなくて、皆様方の地元へ帰られればそういう声を聞いていられるんじゃないかと、そういうことを思っておりますので、私は、やっぱり実態的にはそういう厳しい状況になっていると、こういうふうに思っております。
○櫻井充君 大臣、もう一つ。そうすると、本来であれば融資を受けてもいい企業が融資を受けられない状況にあるということですよね。改めてお伺いしたいんですが。
○国務大臣(平沼赳夫君) 非常に今、例えば、政府系金融機関に対して例えば特別保証制度で百七十二万社もお越しになられて、そして、セーフティーネット保証させていただいた、さらにそういう特別保証ということをやらせていただいた。それから、現在いろいろそのセーフティーネットというのをやっておりますけれども、こういったところに対して大変皆様方の御要望が強いと。こういうことを考えますと、やはりなかなか新規というものに関して厳しい状況に私はなっていると、こういうふうに思っております。
○櫻井充君 そうすると、大臣の立場から見て、金融機関側が中小企業に貸出しをしないという原因はどこにあるとお考えですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、金融機関というのは、やはり一つは、不良債権を処理をする、こういうことになりますと、ある意味では自己資本率を高めておかなきゃいけない、そういう背景がありますから、そういう中でやはり一つはシュリンクをするということ。それから、今、土地担保ですとか資産価値というものが、資産デフレの中で大変価値が目減りしております。そういう中で土地担保を提供できないとか、あるいは中小企業は非常に今厳しい状況に置かれていますから、そういう意味ではやはり貸出しにシュリンクすると。いろいろな私は側面があると、このように思っております。
○櫻井充君 今そこの中で、不良債権の処理を加速していくために自己資本を上げなければいけないから貸し出せないんじゃないかというお話がございました。
 不良債権を抱えているから、竹中大臣といつもやり合っているんですけれども、不良債権というものを本当に処理すると経済って活性化されていくんでしょうか。もう一度そこのメカニズムをきちんと教えていただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の経済は、八〇年代四・五%ぐらい成長していたものが九〇年代一%であると。これが、いろいろ我々で推計してみても、単に需要の不足ではなくて潜在的な成長力そのものが一%程度に下がってきていると。これだけ高い労働力と技術を持った国で何でこんなことが起こるんだと。
 これはいろんな専門家の分析等々もございますけれども、やはり基本的な考え方は、負の資産を、遺産を、不良債権持っているために、これ企業、リスク取れないですね。不良な資産を持っていたら、ここに、目の前に本当はやりたい事業があるんだけれども、やっぱりこれ、今抱えているから今できないよなと、前向きの投資ができない。それが言わば日本全体でそういうことが起こってしまう。これが企業にとってのバランスシートの問題であり、それが実は裏表の関係で銀行にとっての不良債権の問題になってしまっているということだと思います。したがって、やはりこれが日本経済の潜在力そのものを低めている一番の要因である。
 ちょっとこれは一つの考え方として、じゃ不良債権の、私たちは処理を加速しようとしているわけですが、不良債権を、じゃたくさんあれば経済は強くなるのかと。そんなことはあり得ないわけですね。したがって、やはり不良債権を低くしていくということは、これはやはり、これはどこの国でも頑張ってやってきたことでありますし、やはりどうしてもくぐり抜けなければいけない道であるというふうに思います。
○櫻井充君 私は、不良債権があるから貸し出せないんではなくて、実態に合わない自己資本規制を課しているから貸し出せない部分というのは随分あると思っているんですよ。
 例えば、企業を再建しようとして、金利を減免してあげる、返済期間を延長してやると、こういうことをやってやると助かる企業もあるわけですよ。ところが、それをやると要管理債権に格下げされるから、引当金を積まなきゃいけないんで、大臣、首かしげられていますけれども、私は金融庁からペーパーでいただいていますよ、そういうことですと。大臣の答弁とは違いますからね、私ペーパーをいただいているのは。そういうことをやっているからお金を貸し出せないんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に、これは実態判断です。貸し出す貸し出さないというのは、あくまでも実態判断に基づくということしか言いようがありません。
 元々、条件緩和をやるというのは、条件緩和をやらなければいけないような実態があったということが基本にあるというふうに考えられますから、それがどういう状況であったかということによって債権区分の判断はなされるわけであって、これは、金融庁がどうこうとか、そういうことではない。基本的には、個別の経営判断、銀行が貸出しを行うに当たっての経営判断、実態判断に基づいてそういった区分が行われているというふうにお考えいただくべきであろうかと思います。
○櫻井充君 金融庁からいただいたペーパーではこう書いてあります。要するに、条件緩和が行われる前の時点において債務者の経営実態の悪化や返済能力の低下が存在していたと考えられるので、そのような場合には債務者区分が下位に遷移しと書いてあるわけですよ。
 ですから、大臣が前に委員会で私に対してそんなことはあり得ないとおっしゃったのはうそなんですよ。実態を知らな過ぎるんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いや、私が申し上げたのは、条件緩和をしますと、その限りにおいてはその区分は要管理になるわけですけれども、それによって一体どのくらい良くなるかどうかによるわけです。
 委員言われるように、緩和をして良くなる、良くするために条件緩和をするわけですから、それによってどのような区分がなされるかというのは、これは実態判断であるというふうに申し上げているわけです。
○櫻井充君 大臣がおっしゃっているのと金融庁から私がいただいたペーパーは違う。条件緩和が行われる前の時点でどうだったのかということが大事なんだとここに書いてあるじゃないですか。大臣の認識が違うんですよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) そもそも、条件緩和が行われる背景には、条件緩和が行われる前の時点において債務者の経営実態の悪化や返済能力の低下が存在していると考えられるので、そのような場合には債務者区分が遷移すると、そういうことですから、これは私が申し上げていることと別に矛盾することではないと思います。
○櫻井充君 この書き方ですと、銀行はどうとらえるかというと、全部結局のところは要管理先にしろと言われているのと同じなんですよ。
 そうじゃなくて、本当に経営が健全化されると考えられる場合には、それは下位にしなくても構いませんよとか、そういう一文を先に書くべきであって、こんな書き方だけされれば、銀行側はもう、お上の言うことに従わなきゃいけないからみんな不良債権扱いせざるを得なくなっているわけですよ。
 改めて、そこの部分をきちんとこの場で明確に、こういう必要はないんだということを明言していただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に、条件緩和をするというのは、緩和しなければいけないような実態があるというのが普通の場合なわけですね。そういう悪い実態があるから緩和すると。その時点では不良債権として一時は認定されるんだけれども、その意味においては、本当にこれが良くなるかどうかというのは、これは実態判断でありますから、良くなれば、これはそのような判断をなされる。
 私が申し上げているのは、その意味では実態判断が重要なのであって、条件緩和の結果どのようになるかと、そういった実態判断をそもそも経営判断の一部として銀行は行っているということであります。
○櫻井充君 金融機関の方にお伺いすると、中小企業が不良債権かどうかの実態判断をするのは極めて難しいと、そうおっしゃっていますよ。ちょっと手形の不渡りとかを起こすとそれだけで経営は悪化しますけれども、一つちょっとした仕事が入ってきてうまくいくと、あっという間に正常に戻ったりするわけですよ。
 そういう意味において、しゃくし定規に測って全部やっていることが貸し出せなくなってきていると、私はそう思っているんですけれども、申し訳ないんですけれども、小泉総理になって、竹中大臣になってから、地域経済というのは僕はどんどんぼろぼろになっていると思っているんですよ。
 それは、不良債権の加速だ何だといって負のもので全部駄目なものは切り捨てなさいという、そういう政策では地域は勝ち残って、生き残っていけないんじゃないですか。違いますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私も地方出身者でありますので、委員がおっしゃるまでもなく、地方の経済のことについてはいろいろ心を痛めております。であるからこそ、繰り返し申し上げますが、私は金融担当大臣を拝命したその日に、地域の金融の問題は別に考えるということを、今までとは踏み込んだ姿勢で申し上げたつもりでございます。
 そのためにもまず、まず主要行の不良債権については、これはもう国際的な競争をしているところでありますからきちっとしていただかなければいけない。しかし、その地域の金融については別途その基準を考えていくようにする、そのためのワーキンググループも作りました。
 同時に、その間地域の金融が疲弊しないように、これは経済産業省にも御努力をいただいて、様々なセーフティーネットの保証でありますとか、政府系金融機関の活用でありますとか、新規参入を促進するための新しい仕組み作りでありますとか、いろんなことの今手当てをしているわけでございます。
 セーフティーネット、失礼、リレーションシップバンキングのワーキンググループにつきましては、年度内に何らかの報告をいただくことになっておりますので、この点は是非しっかりと議論をしてもらいたいというふうに思っております。
○櫻井充君 谷垣大臣にお伺いしたいんですが、要するに、私はやっぱり、不良債権と認定された企業を破綻させて、その上で大臣のところの産業再生機構に行くということではなくて、その金融機関のレベルのところで再生できるような、もっときちんとしたシステムを作っていったら大臣のところの機構って僕は要らなくなるんだろうと思うんですね。
 その役割を果たせないから、今度はまた公的な機関のようなものを作って、そこに債権を移していくというやり方はおかしいんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、櫻井委員が御提起されたその債務者区分の問題は、私もこの機構の制度設計をしますときに随分いろいろ実務に携わっておられる方のお話を聞きまして、その一つ問題がそこにあるのかなと思っております。
 ただ、今まで見ますと、今も竹中大臣御答弁がございましたけれども、結局はその企業がいろいろな条件変更によって生き残っていけるかどうか、生き残っていける力があるかどうかの判断になるんだろうと思います。そこは金融担当大臣が今まで適切に御判断をされてきたものというふうに私は思っております。
 そして、そこのところをちゃんとやれば我々の今準備している組織は要らないんじゃないかというお問い掛けですけれども、ただ、現実には債権者が、債権者といいますか金融機関がたくさん関与していて、その間の利害調整がなかなか難しくて進んでいかないという事例は私はあると思います。
 したがいまして、我々が、中立的という言葉が本当にいいかどうかは別ですけれども、言わばモデレーターの役割をしてその産業再生の歩みを加速するということはできるのではないか、またその意義はあるのではないかと思っております。
○櫻井充君 竹中大臣、一つ提案したいことがあるんですが、二〇〇六年からBIS規制が要件変わります、変わるということで今議論されていて、中小企業向けの貸出しに関して言うと、リスクウエートが今の一〇〇%から七五%になるのか七〇%になるのか、引き下げられるという議論がされています。これを前倒しで、しかも都市銀行ではなくて地銀や第二地銀、そして信金、信組など地域金融を預かっているところに対してもう適用してしまうようなことを考えてはいかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、そのバーゼルの銀行監督委員会では、今年第二・四半期に第三次案を公表して、本年中に最終案を公表するという見直しを行っております。
 言うまでもなく、これは大銀行といいますか国際行を相手にしたものでありますけれども、その中で、これまた御指摘のように、小口であるためにリスク分散が利く中小企業、個人向けの貸出しについてはそういったリスクウエートを下げるということを検討している。
 ただし、これ、全体としては平均的に現行規制よりも資本の水準、所要自己資本の水準を重くも軽くもしない方針であると。つまり、リスクウエートを低めるところもあれば高めるところもあって、全体では前と余り変わりませんよというやり方なわけですね。したがって、その部分だけを取り出してどうするかということは、やはりこれは私は問題があるのではないかと思います。これは、いずれにしても、まだ検討中のことでありますので、これは検討は検討としてしっかりしていきたい。
 もう一つ御指摘は、これは取りあえずはその地域に、これの銀行に当てはめてはどうかという御指摘だと思いますが、そういう考え方もあるということは、先ほど申し上げましたワーキンググループの中でも一度紹介して専門家に議論をしていただきたいというふうに思います。
○櫻井充君 要するに、融資が増えなければ経済って活性化しないわけですよ。そうすると、今のシステムだと、どうも貸し出さない方向、貸し出さない方向に行っているような気がしまして、そこのリスクウエートを一つ下げてやるだけでも銀行関係の方々は貸出しが増やせるとおっしゃっているんですよ。ですから、是非、日本の国内ルールとして先行させていただけないのかどうか、御検討いただきたいんですが、改めていかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) バーゼルの監督委員会、BISの規制についてはいろんな議論があるところでありますので、これは先ほど申し上げましたように引き続き検討が必要です。
 御指摘は、その地域の金融に関してもっと融資が増えるような仕組みが必要なのではないかということでございますけれども、これはまさしくリレーションシップバンキングの在り方をどのようにするかという大問題でもありますので、そういう御提案もあるということをワーキンググループで御紹介して、是非とも専門家にいろんな観点から御議論をいただきたいと思っております。
○櫻井充君 済みません。これ通告してなくて申し訳ないんですが、もう一つは、いつも言っている話ですけれども、要するに健全度だけ金融機関に求めるから間違っている方向に行っているのであって、やはり地域にどれだけ貢献しているのかということをきちんと評価するようなシステムって作るべきだと思っているんです。その意味で、我々は地域金融の活性化に関する法律案を今提出しております。廃案になりましたけれども、おかげさまで今自民党の方々と、先生方と議論して、こういう考え方を盛り込めないかという話になってきているんですね。
 つまり、健全度だけ求めるのではなくて、公共性という観点からの法律というのは私必要だと思っていますし、アメリカに地域再投資法があって、このことによって少なくとも中小企業に向けての貸出しとか住宅に向けての貸出しとかが増えているという、こういう実績があるわけですから、そのような法案、そういう制度というものも作っていくべきではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 地域金融円滑化のための櫻井委員を中心とする提案につきましては、私も勉強をさせていただきました。その法案そのものについてもう今日は申し上げませんですけれども、そもそもリレーションシップバンキングについて別に考えようというのは、単に経済原則だけではなくて、やはり社会性とか、今公共性とおっしゃいましたけれども、社会性とか、そういう多面的なやはり判断が必要だろうと。そうした観点からそもそもワーキンググループで議論をお願いをしております。その中には地域への再投資と、地域で集めたお金は地域で使うというような観点が必要なのかどうかという点も入りますし、その御趣旨を体してワーキンググループで、これは専門家を集めておりますので、是非とも幅広く検討をさせたいと思っているところであります。
○櫻井充君 以前より前向きになったので本当に有り難いことだと思います。以前は柳澤大臣も竹中大臣もこの法律というのは規制だとおっしゃっていたんですけれども、今はその点に関してまだ規制だというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) あえて、櫻井さんが中心になって作られた法案についてでありましたので、その中には規制的な部分がやはり多いというふうに認識をしております。しかし一方で、社会性というその目的、趣旨と、それと効率性といいますか、経営の自主判断というのとどのように調和するかと、これはやはり政策上の重要な判断だと思いますので、専門家を中心にしっかりと議論をさせたいと思っております。
○櫻井充君 誤解のないように申し上げておきますが、我々は銀行に情報公開を求めるだけでして、規制しているわけでも何でもありません。政府の方針は、公的資金を入れたから二兆九千億中小企業に貸し出せとか、銀行にこういうことを、課題を課していることの方が明らかに私は規制なんじゃないだろうかと、そういう気がいたします。
 それでは次に、こういう景気の状況の中で四月から医療費のサラリーマンの三割負担が始まるということになりそうなんですが、坂口大臣は以前から、景気の悪い時期に、悪ければ個人負担を求めていくことは考え直さなきゃいけないというお話でしたので、四月からその三割負担をこのまま導入されるのかどうか、その点について御答弁いただけますか。
○国務大臣(坂口力君) 昨年の医療制度改革におきまして三割負担のお願いを申し上げた張本人でございますから、それはもう今年になりましたから結構でございますということは私から言うわけにはそれはまいりません。
 これからの医療制度改革を考えていきましたときに、やはり現在の皆保険制度を守っていきますためには、それはどうしましても皆さん方に御負担をいただかなければならない。そういう安定した制度を作っていくということが皆さん方に安心感を与えるということもあるわけでございまして、そこは御理解をいただきたいというふうに思っているわけでございます。
 一方、経済的な問題、医療制度としました場合にはそういうことでございますが、一方、経済的な問題は、今お話しございましたように、いろいろの問題があるわけでございますので、経済的な問題はひとつ経済的な面から、ひとつこれが回復するように努力を重ねていかなければならないんだろうというふうに思っております。
 お願いを申し上げましたことは、是非お願いをしたいというふうに思っている次第でございます。
○櫻井充君 大臣は、ハンセン病のときもクロイツフェルト・ヤコブ病のときも大胆な御決断をされて、あれだけの解決を見たわけでして、この法案を確かに提出されたときもかなり苦しんで提出された経緯は私はよく存じ上げております。
 別に政策転換でも何でもなくて、あのとき大臣はこう明言されているわけですよ。景気が悪ければ考え直さなければいけないんだというお話をされているわけでして、これだけ景気の悪い時期にまたサラリーマンの方々に負担増を求めるというのはやはりおかしいんじゃないだろうかと、私はそう思うんです。坂口大臣であれば私は見直していただけるんじゃないのかなと思って御質問させていただいているんですが、改めていかがでございましょう。
○国務大臣(坂口力君) お褒めをいただいたときには後が怖いというのが世の中の常識でございますので、ひとつ後お手柔らかによろしくお願いを申し上げたいというふうに思いますが。
 この医療制度に関しましては、確かにいろいろの問題ございますし、そして多くの皆さん方が悩んでいただいていることも事実でございます。しかし、ここは国民の皆さん方の面から見ましても、あるいはまた医療に従事をしておみえになる皆さん方の立場から見ましても、これはもうぎりぎりのところでそれぞれ御辛抱をいただいて、そしてこの制度を守っていくということが今どうしても大事なところでございますから、私も心を鬼にしまして申し上げているわけでございます。
○櫻井充君 今回の個人負担を求めることによって一番大変なのは、要するに中小企業で働いているサラリーマンの皆さんだと思うんですね。窓口負担増えるだけじゃなくて、保険料も上がりますから。そういう点で経済はますます減速していくんじゃないかと思いますけれども、竹中大臣、いかがお考えでございましょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) こういうセーフティーネット関係に関しては、やはり将来にわたってどのように制度が安心できるかというのがやっぱり一つの重要なポイントであると。それが消費者心理等々に与える最も大きな重要なポイントじゃないかというふうに思っております。
 同時に、短期的な負担についてもこれは考えなければいけないわけでありますけれども、この短期的な負担に関しては、むしろ財政全体として、財政全体が民間部門に対して負のインパクトを大きく与えないように、そこは今回の補正、先行減税等々通して比較的きめ細かく管理できるような体制になっているというふうに思っております。
○櫻井充君 大臣、財政再建大事なんですけれども、財政再建をやる時期を間違うと更に財政は悪化しませんか。つまり、平成九年に財政構造改革法を出して、あのときに財政再建をやろうとして赤字国債の発行額増えているじゃないですか。その点についてどうお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 重要な点は、今既に財政赤字のGDP比が七%とか、六%とか七%とかになっていて、プライマリーバランスの赤字もマイナスの五%を超える。このプライマリーバランスの赤字は、やっぱり我々が責任を持てる十年ぐらいの間にゼロにしなければいけない。これはやはりどうしても避けられない問題だと思います。したがって、そういう中期的な目標をしっかり持つということが重要です。
 一方で、短期に非常に経済が悪いときに極端に財政が負のインパクトを民間経済に持たないようにしなければいけない。もしそういう御指摘でありましたら、私はそのとおりであると思います。
 現実問題としまして、我々は、財政が民間経済に与える影響を貯蓄投資差額というふうに試算しまして、これは「改革と展望」の参考試算にも載せさせていただいておりますけれども、この一年に関して言うならば、貯蓄投資差額から見て政府が民間経済に負のインパクトを与えるということはございません。その意味では、非常に厳密なチェックを行っても、これは断じて緊縮財政ではなくてほぼ中立、ややプラスの予算編成を我々としては行っていっているつもりでございます。
○櫻井充君 平成九年に財政構造改革、財政再建に失敗した理由は、じゃ何だとお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 要因は複合的であろうかと思いますが、最大の要因は、やはり銀行の不良債権問題に関して、情報開示を含めて我々の社会全体が十分な情報を持っておらず対応ができていなかったということだと思います。
 単にもし、もう一つは、財政に関して、財政の問題とマクロの経済の問題に関して整合的な見方がやはり当時は今ほど整備されていなかった。財政は財政当局で考えて、経済は経済の、経済企画庁で考えるというような体制でありましたから、その点も若干あったかとは思いますけれども、基本的には、私は、九七年の問題というのは、その根底にある金融、不良債権の問題について十分な見地を我々の社会全体が持っていなかったからであるというふうに思っております。
○櫻井充君 金融の問題が主でしょうか。あのときに、消費税が三%から五%に引き上げられた、医療費の自己負担が一割から二割になった、特別減税が打ち切られた、九兆円の個人負担増を求めた。このことが消費を冷え込ませたんじゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) もし単純に財政バランスの問題だけであるとするならば、その後、小渕内閣の下でかなりの財政拡大もしておりますから、その時点で戻っているはずであります。しかし、戻らなかった。それは、それ以前に隠れていた金融に関する不安定な問題がむしろ財政の当時の緊縮をきっかけとして一気に顕在化した、そのように考えるべきであろうかと思います。
○櫻井充君 患者さんはある状態であって、そのときにこの治療法をやれば助かったかもしれないけれども、もっと病状が悪化したら同じ治療法をやったって良くならないんですよ。つまり、日本の国の経済というものが随分悪くなったから、今、大臣がおっしゃったようなやり方では解決しない、そういう状態になったというだけの話じゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 医療の例え話でいきますと櫻井委員にはかなわないというふうに思いますけれども、確かに経済も人間と同じ有機体でありますからそういう側面はあろうかと思います。しかし、やはり何かショックがあって、ショックが戻ったけれども、やっぱり元々悪いところがあったということが今日の経済の原因であるというふうに私は考えております。
○櫻井充君 この点について、以前、財政金融委員会で質問したときに、塩川大臣は、海外の問題が大きくて運が悪かったとおっしゃっていたんですよ。そういう、運が悪かった、そうおっしゃっていたんです、財政構造改革できなかったときは。そのコメントに関してどうお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 塩川大臣の御発言でありますから、大変いろんなことをお考えになって、深くお考えになってコメントされたんだと思っております。
 そういう意味では、例えば本当の意味での疾患といいますか、不良債権問題があるということを我々自身やっぱり知らなかったんです、当時。そういう情報もなかったんです。その意味では、やはりいろんな意味での不幸があったということではなかったかと思います。そのようなコメントであったのであろうというふうに思っております。
○櫻井充君 不良債権知らなかったとおっしゃいますけれども、宮澤大臣は不良債権の問題があるって知っていたと言っていましたよ。違いますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権の問題が全くないというわけではもちろんなかったわけです。既に九五年にはその住専の問題等々について起こっているわけですけれども、しかし、これは例えば不良債権の情報の開示等々が今の基準できちっと整ったのは平成十一年でございます。十一年というと九九年ですね。この不良債権問題が本当に大きな社会的存在感を持って、それなりの信頼できる情報量を持って我々にこれが認識できるようになったのは考えてみるとやはり比較的新しいと。
 これは、もちろん我々全体が反省すべきことではございますけれども、決して不良債権問題を知らなかったわけではありませんけれども、やはり今とは情報量が全く違っていたというふうに思っております。
○櫻井充君 竹中大臣、そのころどこかの教授でいらっしゃいましたね。経済学者でいらっしゃいましたね。大臣は、その当時は不良債権の問題は御存じだったんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権の問題がなぜこんなふうに経済を悪化させるのかと。先ほど申し上げました、これはリスクを持っているんだから新たなリスクは取れないんだというふうに申し上げました。そういうメカニズムが、デット・オーバーハング、つまり債務を引きずる現象というふうに、というような形で専門家の間でもきちっと認識されるようになったのは、私は九〇年代の半ばから後半であったろうというふうに思います。専門家でもそういうことでありますから、まだ行政の体制としてないしは現実的な政策論議としてそういうものがやはり未成熟であった。
 そのころ、私は、不良債権の問題というのはそういった意味でのリスクがあるというふうには思っておりましたけれども、デット・オーバーハングとかそういう専門家の定義も残念ながら日本ではそんなに定着しておりませんでしたですし、やはり議論は非常に未成熟であったと。これは社会全体として反省すべき問題であるというふうに思っております。
○櫻井充君 私は国会に来たのは九八年なので、それ以前のことはよく分からないので教えていただきたいんですが、住専問題のときには不良債権の問題というのはもう明らかになっていたんじゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権の問題があると、これだけの資産デフレが起こったんであるから不良債権の問題というのは何か非常に怖いのではないかというような思いは持っておりましたが、先ほど申し上げましたように、開示の仕組みがきちっと作られたのは平成の十一年、まだ住専の段階ではそこまで議論が行っていなかった。
 私、ちょっと新聞記事の検索をしたことがあるんですけれども、新聞記事の検索でやっても九五年ぐらいは不良債権問題というのはほとんど出てこないんです。住専問題というのは出てくるんです。住専の個別問題として、残念ながらまだ社会全体がマスコミを含めて、議論をしていたということではなかったかと思います。
○櫻井充君 その当時、もう一度改めてお伺いしますが、大臣は不良債権のことに関してどのように、それでは、授業なりなんなりで教えていらしたんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権の問題というのは重要な問題であろうと思う。しかし、それがどのぐらい大きいかということはまだだれにも分からないような状況である。しかし、預金を預かる銀行、金融機関が万一金融危機に陥った場合には、これは決済システムという社会インフラが崩壊することになるから、その場合に限って公的資金の投入も必要になるであろう、そういう議論をしていたと思います。
○櫻井充君 竹中大臣は、私の記憶が正しければ、小渕内閣のときも森内閣のときもいろいろ提言される立場にいましたよね。そのときに、小渕内閣のときに竹中大臣、どういう、そうすると提案されたんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そのときは、もうはっきり言いまして、金融危機の入口に立っておりましたから、とにかく急いで公的資金を注入すべきであるという議論をいたしました。国会で参考人にも呼んでいただいてその旨のお話をさせていただきました。
○櫻井充君 そうすると、竹中大臣も不良債権の問題を認識したのはその当時だということになるわけですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 認識のレベルの問題だと思います。
 宮崎さんが書かれた「複合不況」という言葉が九〇年代の最初にありました。その中で実は不良債権の問題というのはもう今読んでもかなりはっきりと書かれている。しかし、宮崎さんにしてもそれがどのぐらいのマグニチュード、大きさであるのかということは当時やっぱり分からなかったわけです。その意味では、日本全体が何かやはりバブルの後の後始末におびえながらも、しかし決定的な証拠といいますか確たる処方せんもなかなか見いだせなかった、そういう時期であったと思います。
○櫻井充君 この問題についてもうちょっと勉強してから、今度、後日質問をさせていただきたいと思います。
 もう一つ、医療費の負担に関してですけれども、昨年の十月から老人の方々、高齢者の方々の定率負担が始まりました。これによってどのぐらいの方が受診抑制が起こっているのか、その点について教えていただけますか。
○国務大臣(坂口力君) 昨年の十月からの問題につきましては、まだ集計少しできておりませんで、これができますのは大体二月の中ごろぐらいになるだろうというふうに思っております。
 この十月からの問題も私も注目をいたしておりまして、早く、できるだけ早くその状況を把握したいというふうに思っております。
○櫻井充君 これは東北六県の保険協会の調べなんですけれども、支払基金の老人保健支払確定状況で見ますと、昨年の十月の時点で前月比一一・三%のマイナスなんですよ。これだけ多くの人たちが受診抑制されている。
 大臣、これは今まで無駄な医療を受けていた人たちが掛からなかったのか、本来医療を受けるべき人たちが受けなくなったのか、この点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そのデータだけではなかなかそこまで分からないというふうに思います。
 今まで必要以上に掛かっていたのか、あるいは必要な人が掛からなくなったのかということは、今お示しになりましたデータだけではなかなか分かりにくい、もう少しそこはよく見ないと分からないというふうに思いますが、いずれにいたしましても全体の状況がどうなっているかということは早くつかまなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○櫻井充君 医療費のこういう自己負担の引上げのときには、やはり本来受けなきゃいけない人たち、軽いうちに受ければ何とか処置できた人たちが行かなくて重症になってから受けに行くと、そういう方が前から指摘されるわけであって、なるだけ早期にデータを取っていただきたいと思います。
 そしてもう一つは、来年の四月から今度は介護保険、今年の四月ですね、介護保険料も引き上げられると。そうすると、自己負担も増える、医療費の窓口負担も増える、介護保険料まで引き上げられるということになってくると、やはり本当に大変なんじゃないかなと思うんですね。
 そういう意味においてくると、もう少し税負担というものを増やしてくることの方が私は大事ではないかと思うんですが、厚生大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 社会保障の財源というのは、保険料と税と個人負担、この三者によっているわけでありまして、そこをどうしていくかがそれこそ最大の問題でありまして、年金の問題もその中の一つでございます。
 したがいまして、この四月から三割負担なり、あるいはまた介護保険の問題もあるわけでございますから、そうした問題を考慮に入れて多分税制改革の方も、私は税制の方は担当ではございませんけれども、これは各党全体、この税の問題をお考えをいただくだろうというふうに思います。
 割合をどのぐらいな割合にしたらいいかということは、これまたいろいろ御意見のあるところでございますが、現在のところは後期高齢者医療、そして基礎年金、そして介護保険、この五割は、五〇%は税でお願いをするというところまでは早く行く方がいいのではないかというふうに思っている次第でございます。
○櫻井充君 個人消費が伸びないのは、やはり将来の不安を抱えているからでしてね、塩川大臣。そうしてくると、その部分を払拭していくためには、ある部分でやはり税金を投入していくことが極めて大事ではないのかなと思うんですが。
 社会保障に関して税の投入を増やすと、そういうお考えはございませんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 税制に余裕ができれば当然増やしていくべきだと思うんでございますが、現在の財政の状況においては非常に苦しいということでございます。
○櫻井充君 増税の仕方によるんだと思うんですよ、もし増税するとすればですね。それをどうするかというと、今、日本の国民負担というのは極めて低いわけですから、ある程度これから負担をお願いしなきゃいけないと思うんですけれども、じゃなぜ増税すると皆さん重税感を感じているかというと、使われ方がおかしいからですよ。
 アメリカは寄附税制が発達していますから、所得の二〇%を寄附した、そういうものは全部税金を納めたことと同じになりますよね。それと同じように、日本もこれから、だれが負担するかじゃなくて、だれがその税金の使い道を決められるかと、そういう議論が必要じゃないかと思っているんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 税金を最終的にお決めになるのは国会でしょう。国会の決定によって、我々は、法律が成立し、その法律に基づいて税の課税も徴収も執行しておるということです。
○櫻井充君 それは財務官僚が皆決めているだけの話でして、国会でお決めになっているというわけにはいかないんじゃないでしょうか。
 そういう意味で、個々人にそういう権利を持たせることの方が私は大事だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、やっぱり行政と立法とが相協力して解決すべき問題でございまして、どちらに主導権があってどうこうという話ではない。ただし、税の問題を発起するのは言わば財務省でございます。けれども、最終的にお決めになるのは国会であるという、この原則は変わりません。
○櫻井充君 御検討いただけるかどうかということです、私は。私の提案に対して御検討いただけるかどうかということをお伺いしているんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、もう絶えず我々は負担と給付の関係について考えております。ですから、負担だけを考えるというわけにはいかない、やっぱり給付の内容も併せて考えていくべきだと思っております。
○櫻井充君 是非御検討いただきたいと思います。そして、我々、もし民主党が政権取れれば、そういう寄附税制をもっと発達させていきたいと考えています、と言い切っていいんでしょうか。
 次に移りたいと思いますが、ちょっと学校保健法について文部大臣にお伺いさせていただきたいんですが、例えば健康診断を受けると、健康管理というのは、幼稚園は厚生労働省、小学校、中学校は文部科学省、高校生になるとまた、それ以降はまた厚生労働省が管轄することになっています。何でこういう作りになってきているんでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 学校保健法の考え方は、学校におきまして学校医が子供たちの健康状況を見て、そこで診断をして、そして必要な治療をし、もし経済的に困難な子供については医療費の援助をするという、そういう仕組みになっております。
 ということで、学校における児童生徒の健康を学校の仕組みの中で判断をしてやっていくという一連の作用の中での問題でございまして、文部科学省といたしましては、もちろん医療の関係でもございますし、いろんな意味での厚生労働省との連携は要るわけでございますけれども、これまでの仕組みとしてはそういうことでやってまいっておりますし、今後とも連携は強めていきたいと思います。
○櫻井充君 文部科学省に医療のこととかそういうことがきちんと分かる方というのは何人ぐらいいらっしゃるんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 職員といたしましては厚生労働省からも出向していただいておりますし、また、大学関係の医学の、医学教育の問題について担当している課にももちろん職員はおります。
 ただ、私どもといたしましては政策を判断するわけでございますので、政策を判断するに際しましてはいろんな方の、専門家の意見を広く求める、そういう仕組みを用いながら政策判断に当たっているところでございます。
○櫻井充君 学校保健法の中に準要保護の生徒のことに関して定められているものがございます。そこの中に、こういう病気の場合には医療費を免除しますよという中で、いわゆる医科のものに関して言うと全く治療の内容に関して言及していないんですが、歯科に関しては、齲歯、要するに虫歯は、乳歯は抜歯と書いてあるんですね。今の時代に乳歯は抜歯しないんですよ。これはいつまでこういうことをお続けになられるんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 正に委員の専門分野でございまして、この件につきましては昨年末の厚生労働委員会で御指摘があったと聞いております。
 御指摘の点は、私も、それはやはり専門的な角度からきちんと見直すことが必要であれば見直した方がいいと思っておりまして、この問題につきましては、現在、子供たちの、何といいますか、疾病の状況についての実態を調査をいたそうとしております。できるだけ早い時期にその結果を得まして、そして専門家の御意見も聞きながら、何を負担していくべきかについての補助要綱についても見直したいと思っております。
 ただ、これにつきましては予算にも絡むわけでございますので、関係省庁とも連携を取りながらやっていく必要があると思っております。
○櫻井充君 もう一つ。どうして医科の部分は治療法は書いていなくて、歯科の領域だけ治療法が限定されるんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 正に歯の部分についての記述の仕方は確かにほかの疾病の場合と違うようでございます。
 そういうことも含めまして、こういう問題についてどういう対応を取っていくべきかについての、全体の学校の保健にかかわる問題の調査会を今進めておりまして、そこにおいても御議論をいただきたいと思っております。
○櫻井充君 私の質問は、なぜ歯科だけこうやって治療法を明記しているのかということをお伺いしているんです。
○国務大臣(遠山敦子君) ちょっと専門的な話になりましてあれでございますけれども、虫歯という、齲歯の治療法に関しましては、当初、早期発見あるいは早期治療の観点から、永久歯のアマルガム充てんのみを対象としておりましたけれども、その後に、齲歯の重症化した場合の対応とかあるいは治療方法の改善に伴って、二度にわたってその対象を拡大してまいったところでございます。
 しかしながら、委員も御指摘のように、今日いろんな治療方法の発達も速いわけでございますし、こういった限定の仕方がいいかどうかということにつきまして、今後、専門家の意見も聞きながら対応していきたいと考えます。
○櫻井充君 答弁になっていないんですよ。何で、理由になっていないんですよ。答弁になっていない。そういうことじゃないんですよ、これは。そういうことじゃないですよ。委員長、答弁になっていません。なっていない。なぜなのか。そういうことじゃなくて、なぜなのか。なぜなんですか。なぜ治療法を限定しているんですか。
○委員長(陣内孝雄君) 質問者の質問に対して御答弁ください。
○国務大臣(遠山敦子君) 歯科の治療の方法としては、あるものを充てんをするというような方法というのが主流だろうかとも思いますし、その辺はむしろ委員が御存じでございまして、私どもといたしましては、要するにその補助対象になる疾病の在り方というのはどういうものかということについての専門家の判断が、今まではそういう形で結論を得ていたものでございます。
 したがいまして、今日いろんな治療の方法の進歩等の状況がございますので、これについては今検討を始めているところでございます。(「納得した」と呼ぶ者あり)
○櫻井充君 納得していない。いや、ちょっと大事なことなんです。
 要するに、中耳炎は、じゃ、中耳炎と書いてありますよ。抗生物質を投与したって切開したっていいんですよ。治療法を書いていないじゃないですか。なぜ歯科だけ治療法を書いてあるんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 内科と歯科等の疾病、それぞれの疾病に対する治療の方式ということもあるのかもしれませんけれども、私どもとしましては、やはり虫歯については、早期発見それから早期治療という観点から、そういう治療の、アマルガムの充てんのみを対象としていたのに対しまして、その後の進歩に従ってその方途を拡充したということでございます。
○櫻井充君 その経緯を教えてください。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) 質疑者の質問の趣旨に的確にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) これは、学校保健法施行令第七条の改正経緯というのがございまして、昭和三十三年に施行令が定められましたときには中耳炎についても乳様突起炎を伴わないものに限るというふうな限定がございました。そういう限定、ほかの蓄膿症につきましても慢性副鼻腔炎に限るというような限定があったわけでございます。その中に齲歯についてもアマルガム充てんということで書いてあったわけでございますが、次第にそういうものを改良してまいりまして、そういう治療方法に限らず、例えば中耳炎については昭和三十七年の改正で取りましたし、それから蓄膿症につきましては四十八年ですか、にその限定を取ったという形で、次第に拡充をしてまいっております。歯科についてはその拡充の仕方が少しテンポが遅かったということが言えるのかもしれません。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
 質疑を継続してください。
○国務大臣(遠山敦子君) 私といたしましては先ほど考え方及び経緯について御説明したつもりでございます。しかし、専門家でいらっしゃいます委員が更に専門家から御意見を聞きたいということでございましたら、今後検討をしてまいりたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
 遠山文部科学大臣、再答弁をお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 検討いたします。
○櫻井充君 昨年の厚生労働委員会の中で、これは実情にもう合っていないって政府参考人は答弁されているんですよ。じゃ、これいつまでに大臣、見直してもらえますか、この制度を。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど申しましたように、これはこれから実態を調査いたしまして、できれば六月中にその実態調査の結果を得て、専門家の判断も得て、できれば私どもとしては、来年度の予算要求に盛り込ませていただいて、十六年度から実施することができればいいなと思っております。
○櫻井充君 実態調査とおっしゃいますけれども、「合っていない現状はあろうかと思います。」と答弁されていますよ、この間。違いますか。
○国務大臣(遠山敦子君) そういうことも含めて実態を調査いたします。
○櫻井充君 坂口大臣、こういう方が子供たちの健康を預かっていいんですか、どうお考えですか。
○国務大臣(坂口力君) 歯の痛むような話でございますけれども、学校における健康診断というものと成人あるいは幼児のときの健康診断と一貫性がなければならないということは、委員の御指摘のとおり。
 それで、学校におけるどういう健康診断のやり方をするかは、これはまさしく文部科学省で今、過去の法律なりなんなりに乗っかっておやりをいただいているわけでございますので、これから先、この一貫性がなければならないということだけは間違いのない事実でございますから、よく文部科学省と連携を密にさせていただきまして、そして健康診断につきましての全体として改めるべきところ、どういうふうにしていけばいいかといったようなことを含めて、全体でひとつ議論をさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 健康21で歯科のことも取り上げられているわけであって、そのことから考えてきたときに、全体の流れ、きちんと一本化していただきたいのと、もう一点。健康診断が極めて重要だという話になっているにもかかわらず、厚生労働省で働いている皆さんが、定期健診のときにその歯科の方の定期検診を受けられているんでしょうか、大臣。
○国務大臣(坂口力君) いや、この質問は一番痛いわけでございますが、健康診断、確かにこれはもうちゃんとやっておりますけれども、歯科の方はこれは任意になっておりまして、相談を受ける者は相談を受けるということになっているわけでございます。これを正規のルールに入っていないことは御指摘のとおりでございます。
 今日そういう御質問が出るということを今日、朝聞いたわけでございまして、これは今日の質問の中で一番きついと、うちにとりましては。厚生、健康のことをつかさどっている厚生労働省が歯のことを全然、これだけ大事だということを主張しながら健康診断の中に入れてないというのは、いささかここで答弁しにくいなと、こういったわけでございますけれども、事実は事実として申し上げる以外ないものでございますから申し上げているわけでございますが、これは厚生労働省だけの問題では決してございません。
 国民全体の問題、そうしていかなきゃならないというふうに思いますけれども、まずは隗より始めよということでございますから、厚生労働省から是非歯科の検診も始めていきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 前向きな御答弁、本当にありがとうございます。
 それでは、ちょっと話題を変えまして、自衛隊が海外に派兵されているようになっていて、その自衛隊の皆さんの身分がどういう形で保障されるのか、その点についてお伺いしたいんですけれども、まず、ジュネーブ条約の第三条約において、日本の自衛隊というのはどういう位置付けになっているんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ジュネーブ諸条約でございますけれども、これは武力紛争における病者あるいは傷者、捕虜になった人等の待遇について人道的な考慮に基づいて作成された、そういう方がどういうふうに扱われるかということを決めた条約でございますけれども、そのような趣旨、条約の趣旨にかんがみれば、ジュネーブ諸条約に言う軍隊でございますが、これは武力紛争に際して武力を行使することを任務とする組織一般を指すということで考えられると思います。
 それで、お尋ねの自衛隊でございますけれども、我が国を防衛することを主たる任務として、自衛権の行使の要件が満たされる場合には武力を行使して我が国を防衛する組織であるということから、一般にはジュネーブ諸条約上の軍隊に当たると、そういうふうに考えられると思います。
○櫻井充君 そうしますと、例えばPKO活動などで自衛隊が派兵されている場合に捕虜になった場合には、これはジュネーブ条約の適用になるんですね。
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。
 御質問がどのような場合を想定しているのか、必ずしも明らかではございませんけれども、いかなる場合にジュネーブ諸条約上の捕虜となる事態が生じるかは、我が国と関係国との間のジュネーブ諸条約の適用関係の有無、個別の事案における具体的事情のいかん等に応じて検討されるべきものでございまして、一概にお答えすることは困難であると考えております。
○櫻井充君 そうしますと、その捕虜になったときには自衛隊の方々の身分というのはどうやって守られるんですか。
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 今、同僚から御説明いたしましたとおり、具体的な状況におきまして捕虜となるとおっしゃった状況がどういうふうに生じるかということは個別の状況いかんでございますけれども、特にPKOというふうにお尋ねでございますが、PKOの場合は、御案内のとおり、PKOの参加五原則の下でこの派遣というものはなされるだろうという前提でございますので、そういう状況におきまして自衛隊員が他国に適法な形で捕虜として捕獲されるといったようなことは想定されないということを従来から申し上げているところでございます。
 ただ、じゃ、そう言いながらも、しかし万々が一、実際上の問題として身柄を拘束されるといったようなことが起こるじゃないかという御議論というのがあるわけでございますけれども、そういう場合には、これは、我が国の自衛隊員はこれは正に国連の枠の下でPKOに参加しているという状況でございますので、これはいわゆる武力紛争の当事者となっているというわけではございませんので、そういう自衛隊員、そういう平和維持の活動を行っている自衛隊員を捕獲するということはそもそもあってはならないことだということでございます。
 ただ、ではそういう場合にどうなるんだということでございますけれども、そういう場合には我が国としては、もちろんあってはならない国際法上違法な行為でございますので、即時の解放を求める。それから、じゃ、解放までの間というものにつきましては、当然のことながら、いわゆる普遍的に認められております人権に関する基準、最低限の人道的な取扱いをすべきだといったような基準、あるいは国際人道法の原則的な考え方、そういったものに従って取り扱われるべきだと、そういう立場を取って主張してまいるということでございます。
○櫻井充君 そうしますと、今、派兵されている自衛隊の方がジュネーブ条約の適用になる場合というのはどういう場合ですか。
○政府参考人(林景一君) ジュネーブ条約の適用という、適用とおっしゃる言葉の意味いかんにもよりますけれども、厳密な意味に、法的な意味におきまして、我が国の今行われています、今行われていますのはテロ対策特措法に基づく派遣ということかと思いますけれども、あるいはその他のPKO活動、そういうような場合におきまして、我が国がこのジュネーブ条約、諸条約におきますところの武力紛争の当事者になっておる、そういう状況にあるということは想定されておらないというのが従来から申し上げている説明でございます。
○櫻井充君 そうすると、例えばこれからアメリカ、イラクを攻めていった、そのときに後方支援するかどうか分かりませんが、そういうものも含めて全部一切ジュネーブ条約の適用にならないんですか。改めて御答弁いただきたいんです、大臣。
○政府参考人(林景一君) 今、御質問の趣旨が、ジュネーブ第三条約におきます捕虜としての待遇というものが与えられるべきなのかどうかという御質問かと思いますけれども、そういう限りにおきましては、これは我が国の自衛隊員というものは武力紛争の一環としての活動をやっているわけではございません。
 これはあくまで平和維持活動であったり、あるいはテロ特措法に基づくような場合でございますれば、戦闘地域等から一線を画するようなところで活動を行うわけでございますし、戦闘が及ぶような場合には、休止したり、あるいは退避したりするといった形で戦闘に直接関与することを避けるようになっているわけでございますので、そういう意味において、武力紛争の当事者として、あるいは当事者の要員としてジュネーブ条約の捕虜の待遇を付与されるべき立場というものには立たないということを申し上げているわけでございます。
 ただ、それにもかかわらず、万々一先ほど申し上げましたような拘束されるというような場合には、それは不当な拘束ということでございますので、当然のことながら、解放あるいはその間におきます人道的な取扱いというものを要求するということでございます。
○櫻井充君 いずれにしても、これから海外派兵が増えてくるんでしょうか。そういう意味できちんとした形で自衛隊の方が守られる、そういう体制を取っていただきたいと思います。
 次に、内部告発のことについてお伺いしたいんですが、今、政府で内部告発者の保護制度について御議論されているということですが、どの辺まで議論されているのか、それについて教えていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 食品の偽装表示でありますとか自動車のリコールでありますとか、消費者の信頼を裏切るような企業の行為が出てきた、それらは実は従業者等からの通報を契機として明らかになったと、こういうもう明らかな事例がございます。
 このような状況を踏まえまして、これは消費者政策の一環として、国民生活審議会の消費者生活部会において昨年十二月に中間報告を出しております。中間報告の内容は、公益通報者保護制度を整備することが必要である、制度の具体的内容について早急に検討を進め、必要な法制化を図るべきである、この二点です。
 これを受けて、今年からこの国民生活審議会の消費者生活部会の下に、専門家で構成、幅広い関係者によって構成される公益通報者保護制度の検討委員会というのを発足させました。その具体的な検討を開始したところでございます。
 検討状況は今申し上げたような状況でございます。
○櫻井充君 牛肉の偽装事件で、西宮冷蔵の社長が内部告発していろんな不正が分かってまいりました。これによって税金の無駄遣いというのは幾ら防ぐことができたんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 内部告発がなければどのぐらいの補助金が無駄となったのかということであろうと思いますが、二百八十トンの申請のうち、十三・八トン分の豪州産牛肉を国産牛肉と偽装して申請しており、これは約三千二百万円分に相当いたします。
 さらに、その事件が発覚した後に雪印食品に対して市場隔離牛肉の焼却によらない消却を申し入れたところであり、その結果、二百八十トン分、約六億四千三百万円が不要となっております。
○櫻井充君 六億。
○国務大臣(大島理森君) 六億。これは雪印食品でございます。
○櫻井充君 税金として全部ですか。税金は三千幾らですか。
○国務大臣(大島理森君) だから、税金として、先ほど申し上げましたように、十三・八トン分の豪州産牛肉を国産牛肉と偽装して申請したわけですね。その分は三千二百万円。
○櫻井充君 そうしますと、ここの社長が告発したことによって税金の無駄遣い三千二百万円防ぐことができたんですね。
 ところが、扇大臣、ここの会社が一週間の営業停止になったんですよ。なぜですか。
○国務大臣(扇千景君) 西宮冷蔵、これは倉庫業法、これがございまして、営業停止処分を命じたのは、少なくともこの西宮冷蔵がオーストラリアの、今お話しになりましたように、オーストラリア産の牛肉を国内牛と偽って不実の在庫証明書を、これを発行しております。
 本来、倉庫業界というのは、この在庫証明書というのが第三者にいかに影響を与えるか、これは信用の問題でございます。今までも倉庫業界でこういう不実、証拠証明というものを出した人たちには、おおむね今までは一か月ということの営業停止をしております。けれども、この今、櫻井委員がお話しのように、西宮冷蔵の社長は、少なくとも雪印食品に強要された部分があるということ、それから、自ら警察に、当局にこのことを明らかにしたと、そういうことをもって、本来は一か月というものが今までの例ですけれども、その分を情状を参酌して七日間ということにしたというのが現実でございます。
○櫻井充君 大臣、実はこの七日間の営業停止でこの会社が倒産したのを御存じですか。
○国務大臣(扇千景君) 倒産したかどうかは私まだ存じませんけれども、少なくとも倉庫業界の信用を全部失墜するということに関しては今までと同じような、これだけを特例にする、内部告発したから許されるということではないんで、不実記載というものがいかに倉庫業界に与える影響があるかということからすれば、我々は今申しましたような二つの事情で、本来は、一か月でも倒産したかもしれません。ただ、私、倒産したというのは聞いておりませんでしたけれども、七日間に参酌したということだけは事実でございます。
○櫻井充君 税金の無駄遣いを防げた、そういうことを申し出た、それでも結局それが原因になって破綻してしまうとなってくると、いろんな不正があってもそれを暴いていくことというのはできないんじゃないかと思うんです。
 これは、西宮冷蔵の社長と私は話をしましたけれども、要するに、大企業側からいろんなことを言われれば、我々は、自分たちは最初目をつぶらざるを得ない立場にあるんだということをおっしゃっているんですよ。でも、それでもやはりまずいと思ってそのことを全部表に出したということなんですよ。
 ちょっと違うんですけれども、僕は川口外務大臣にお伺いしたいんですが、昨年、鈴木宗男さんの件がありました。ムネオハウスがありました。あの件に関していえば、外務省の人間だって、鈴木宗男衆議院議員からいろんなことを言われて、その立場の差において何も言えずに結局従っていたわけでしょう。違いますか。そしてそれを実行しているわけじゃないですか。
○国務大臣(川口順子君) そういう雰囲気はあったと思います。当時、園部参与に内部調査をしていただいて報告書を書きましたけれども、その中にも、外務省の中に鈴木議員の意向を受けてそれを実現をしなければならないという方に動くという雰囲気があったというふうに書かれていると記憶をいたしております。
○櫻井充君 つまり、立場の差でそれを実行せざるを得ないということは一杯あるわけですよ。
 それで、じゃ、外務省の官僚は何らかの処罰を受けたんですか。
○国務大臣(川口順子君) 当時、これを受けまして内部調査をした結果といたしまして、たしか昨年の四月の初めだったと思いますけれども、中の、内部の処分はかなり大幅にいたしました。
○櫻井充君 もう一点、これは刑事訴訟法上お伺いしたいんですが、二百三十九条で、官吏、公吏は犯罪と思料する場合にはこれは内部告発しなければならないという、こういう規定がございます。この規定に沿って内部告発された例というのはここ十年でどのぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。
 お尋ねは、官吏又は公吏の告発義務を定めております刑事訴訟法二百三十九条二項に基づく告発の件数に関するものと思われますが、同条第一項は一般的な告発権限について定めておりますところ、捜査当局におきましては特定の告発が二百三十九条一項によるものか、同条二項によるものかを区別して把握することが困難でございまして、御指摘のような観点からの数値的な把握はしておりません。
 しかしながら、参考までに関係省庁の公務員や監督公務員等が捜査機関に対しまして告発を行いました最近の事案につきまして把握している範囲で申し上げますと、例えば、一つには、食品用香料等製造会社に係る無認可食品添加物製造事件に関しまして保健所関係官が立入検査により違反を確認し食品衛生法違反により警察官に告発した事例、また、裁判所の職員が架空の出張を口実に小切手をだまし取ったという詐欺の事案に関しまして裁判所長が検察官に告発を行ったという事例などがございますが、必ずしも網羅的に把握しているものではないということを御理解願いたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十四年度補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 この際、午前の櫻井充君の質疑に関し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。遠山文部科学大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) 櫻井委員からの午前中の質疑に関しまして、補足して御説明申し上げます。
 齲歯の治療法に関しましては、当初、早期発見、早期治療の観点から永久歯のアマルガム充てんのみを対象としておりましたけれども、その後、齲歯の重症化した場合の対応や治療方法の改善に伴いまして、二度にわたってその対象を拡充してまいりました。ただ、齲歯、虫歯の治療につきましては、他の疾病と異なりまして、治療の材料の費用が多様でありますために、その当時の実情に即して一般的に使用される材料に限定してまいりました。
 しかし、今日におきましては、助成対象となる齲歯の治療方法が実態に即していないとの御意見も踏まえまして、今後、速やかに児童生徒の治療の状況の実態を把握いたしますとともに、専門家の意見も聞きながら必要な見直しを図ってまいりたいと考えております。
○委員長(陣内孝雄君) 櫻井充君。
○櫻井充君 ありがとうございました。子供たちが困っていますので、是非早期に見直しをしていただきたいと思います。
 それでは、政治不信の問題についてお伺いします。
 大島大臣にお伺いしたいんですが、なぜ政治不信を皆さん、国民の皆さん感じていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 信頼ということは、ある意味じゃルールを共有するところに一つの信頼というものが生まれるんではないかと思います。
 そういうことが私は大事なことだと思って今日までやってまいりましたが、政治には、委員御承知のように、様々なプロセスがございます、結果を出すに当たって。そして、そのプロセスから一つの結論が生まれるわけですが、なかなかにそのプロセスが理解し得ないというふうな面も絶えず国民の側から問題提起されておるような気がします。そういうふうなこと等々があって不信というものがひょっとしたら生まれる原因になるのではないか。もちろん政治とお金の問題もあるでありましょう。あるいは様々なことがあると思いますが、そういうふうな基本的なことが根底にあるのではないかと私は思っております。
○櫻井充君 大臣、以前、問題取り上げられて秘書の方がやられたというような話をされていましたけれども、大臣にとって、秘書というのはどういう関係にある、そして秘書というのはどういう立場の方だと思っていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 政治家、特に国会議員の場合でございますが、地元とそれからこの国会を中心にした活動と二つあるわけでございます。
 そういう中にあって、地元対応とかあるいはまた様々な多くの方々の陳情、そういうふうなものもあろうかと思います。したがいまして、信頼をしながら、そして、そういう中にあって、自分が直接時間の関係上あるいはまた様々な制約上タッチし得ないことを自分に成り代わってお世話することもあろうかと思いますし、また、そういうふうな本当に多様な仕事が周辺にあるものですから、そういうものに対応する。しかし、そこにはやはり信頼関係というものを持ちながらやっていかなきゃならぬ。一方、秘書とはいえ、そこには一つの人権、個人的な人格というものがあると思います。
 したがって、どこまでその秘書を管理監督できるかという問題は絶えず提起されているとは思いますが、そういうことを踏まえても、やはりそこは信頼関係に立って仕事をするのが秘書と代議士あるいは国会議員の関係ではないかと思います。
○櫻井充君 そうしますと、秘書の方が会社を起こされるということに関しては、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 多分、櫻井委員は週刊文春の方から情報をいただいてそういう質問をしておると思いますが、当然に……(「何も言っていない」と呼ぶ者あり)いや、大体想定されますが、私は、それは秘書とてそういう仕事をするしないという問題については、相談があれば受けて、それが合法であれば当然許可する場合もあるでしょうし、やはり知っておくということが大事だと思います。
○櫻井充君 どういう根拠をもって週刊文春から情報を得てという御発言になっているんですか。
○国務大臣(大島理森君) 年末年始を除いて文春の方が地元に入り込んで、私に言わせると本当に何というか、ストーカー的取材というんでしょうか、そういうふうなものも含めて、今想定されるような案件について取材されておったというようなことを伺っておりますから、そうではないかと思いました。
○櫻井充君 ストーカー的という発言は問題ではございませんか。
○国務大臣(大島理森君) 例えば、自宅の前にタクシーを止めて、そして家内が出てくるのを待っておったとか、そういうふうな事実を私は報告として受けております。
○櫻井充君 それでは、ちょっと昔の話になるんですが、秘書の方がさくら商事という会社を作られました。この会社はどういう会社なんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 正にそのことでございまして、十年前、平成四年でございます。当時、恥ずかしながら私の事務所は大変、資金的にもそんなに潤沢ではございません。そして秘書が八名おりました。中選挙区でございまして、そのため、先ほど来委員が御質問された私の高校時代からの友人で秘書をやっている山本というのが、私設秘書がこのままでは本当に、私設秘書の立場というのは不安定でございます。したがいまして、安定した生活を確保するために、どこかの会社に何かを頼むというんじゃなくて、自分が考えて、そして後輩の秘書たちにも例えば社会保険や厚生年金、こういうものをしっかりさせたいんですと、そういうために会社を起こしたいと思いますという相談を受けました。
 そういうことで、それは一つは公共事業とかそういうものに絡んじゃいかぬよと、そういうきちっとしたものができるのであれば、それは何らかの形でお手伝いすることもあるし、秘書たちの本当に立場を、生活の基盤をそうしたいんですという思いから設立をしたということが経過でございました。
○櫻井充君 そのために御自分の地元の事務所を貸したということになるんですか。
○国務大臣(大島理森君) 仕切りまして、確かにその事務所の一部をそのように使わせた、これはそのとおりでございます。
○櫻井充君 取締役の中に奥さんも入っていらっしゃいますよね。秘書の方が自分でそういう会社をするとすれば、基本的に余り関係ないんじゃないのかなと思うんですが。
○国務大臣(大島理森君) 当然、秘書だけではなくて私自身が名前を出すという、そういう信用関係もあったんでしょう。奥さんの名前を貸してくれませんかと言うから、それはいいじゃないかと、こういうふうに言ったのは記憶にあります。
○櫻井充君 公共事業と関係なしにというお話でした。ここの、さくら商事というところの業務内容についてもう少し詳しく教えていただけないですか。
○国務大臣(大島理森君) そこでどういう仕事をするのかということを聞きましたら、水産加工業が非常に八戸は多いところでございまして、その資材を、ビニールでありますとかそういうものを納める、そしてお願いしたら、そういうことじゃいいよと言ってくださると、そういう仕事だけでございました。
○櫻井充君 そうしますと、仕入れ販売業と考えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 主にやっておった仕事はそういうことだと思います。
○櫻井充君 しかし、こういう指摘もあるんですが、仕入れ販売業といっても在庫を持って事業展開されているわけではなかったという指摘もございます。実質上ペーパーカンパニーではないかという意見、こういう指摘もあるんですが、それについていかがですか。
○国務大臣(大島理森君) 私が承知しておりますのは、その事務所の中の一室を借りて実務はしておったと、このような記憶にございます。
○櫻井充君 商売したことないのでよく分からないんですが、仕入れ販売業というのは在庫なくしてできるものなんですか。
○国務大臣(大島理森君) 十一年前、十年前の話でございますが、いずれにしろ、その仕入先と売り先の間でのやり取りはしておったと、このように思います。
○櫻井充君 この当時の帳簿とかそういう書類というのはもう一切残っていないんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 大変申し訳ありませんが、ほとんどないということでございました。
○櫻井充君 いろんなところで不透明な部分が多いので、この地元の秘書の、現秘書の山本肇さんという方を参考人として呼んでいただきたいんですが。
○委員長(陣内孝雄君) ただいまの櫻井充君の要求につきましては、その取扱いを後刻理事会で協議することといたします。
○櫻井充君 それでは、もう一つ、「もんじゅ」の判決についてお伺いしたいと思います。
 この判決で敗訴しているわけですけれども、上告されるおつもりでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 判決の詳細につきましては、過去の判例等との関係について、問題を含め検討中でございますけれども、私どもとしては、国の安全審査の考え方や内容が十分理解されていない、こういうふうに考えておりまして、大変遺憾だと思っております。
 お尋ねの今後の対応についてでございますけれども、私どもとしては、関係省庁とも協議をしながら、判決の内容、非常に膨大なものでございますので、更に精査をさせていただいた上で、上訴するかどうかについては今後検討をしていきたい、このように思っております。
○櫻井充君 大臣、そうおっしゃいますが、要するに、これは化学的活性が高いナトリウムを冷却材に用いるなど技術的にかなり難しく、そして核拡散防止条約の点からアメリカは撤退している、フランスも撤退していて、このことをやり続けているのは日本だけかと思っているんですけれども、技術的に本当に可能なんでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 私ども、この「もんじゅ」の技術につきましては十分な安全審査をしてまいったわけでございます。そういう意味で、これはまだ研究開発段階炉でございますが、技術の見通しについては十分な審査を行った上でやっております。
 その上で、今、議員御指摘の技術の見通しはあるのかということにつきましては、安全を担保しながらこの技術開発は可能だというふうに考えております。
○櫻井充君 世界ではどういう認識なんでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 確かに、世界の情勢ではフランスも今撤退の方向にあると、ロシアでの現実の開発というものが存在をいたしておりますが、世界ではこうしたナトリウム冷却炉の高速増殖炉については撤退の方向にあることは事実でございます。
○櫻井充君 安全委員会で確認されていると言いますけれども、事故の想定自体を間違っていたんじゃないですか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) むしろ、先ほど申しましたのは、高速増殖炉を取り巻く問題は、私どもは安全上の問題ではなく、それぞれの国におきますエネルギー政策やあるいは経済的な観点からのいろんな論証を経た上でというふうに理解をいたしております。
 そしてまた、事故の今想定でございますけれども、特にこうした高速増殖炉につきましては、通常の一般の原子炉よりも更に厳しい想定をいたしまして、それでもいろいろな防止対策を講じれば安全上の問題がないかについて確認をさせていただいているところでございます。
○櫻井充君 しかし、その想定があったにもかかわらず、裁判所からはそうではないという指摘を受けているわけです。この点についていかがですか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) これは、私どもも裁判の判決についてこれからよく精査をさせていただきたいと考えておりますが、私どもの国の判断についてこうした裁判の判決がありましたことは誠に遺憾だというふうに考えておりますし、私どもは、私どもの主張といたしまして十分な検証を行っているというふうに考えております。
○櫻井充君 その検証が十分行われていないから、こういう問題になっているんじゃないんでしょうか。
 言っておきますが、私は原発は必要だと思っている人間です。だけれども、安全に運転しなければいけないと考えています。ですから、質問をさせていただいているわけであって、もう一点、この「もんじゅ」というのは元々はプルトニウムを作るために開発されたものではないんですか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 「もんじゅ」のそもそもの開発につきましては、これはプルトニウムを燃焼させ、入れたプルトニウムよりも多くのプルトニウムを生産することによってエネルギーが得られる炉であるということで、当初、核燃料サイクルの確立の炉の一つとしてこうした新しい次世代の炉の開発を行おうということが決定されて進められてきたものと理解をいたしております。
○櫻井充君 いつから方向転換したんですか。そして、その方向転換した理由を教えていただけますか。
○国務大臣(細田博之君) 方向転換はしておりません。
 それは、「もんじゅ」のような高速増殖炉につきましては、軽水炉というのは御存じのように、ウランの中で核分裂をいたしますウラン235を取り出して、それを核分裂させることが中心でございますけれども、それに使われないような、核分裂しないウランに中性子を当てることによりましてプルトニウムが内部的に発生をし、それが更に燃えていくという仕組みを利用したものでございますので、非常に資源の有効利用に役に立つという科学的観点から、核燃料サイクルの観点で非常に資源的にも有効であるということを方針としても決めて、炉を建設しているわけでございます。
○櫻井充君 時間が来たので終わりますけれども、国民の皆さん随分不安を感じていらっしゃるので、きちんとした説明をしていただきたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。櫻井議員に引き続きまして、質問をさせていただきます。
 今年に入りまして小泉内閣の支持率がやや陰りを見せ出しましたが、小泉政権発足当時は非常に高い支持率でございました。もう皆さん御案内のとおり、構造改革なくして景気回復なし、また自民党をぶっつぶす等々のワンフレーズキャッチコピーに加え、私は、大変小泉内閣の支持率が高かったことに対して大きな要因になったのは、ハンセン病問題に対する控訴断念という大変大きな政治決断だったというふうに思っています。その政治決断をされた直後、やはり国民は、小泉内閣に対する、ひょっとしたらやってくれるのではないかという大きな希望と期待を持ったというふうに思っております。
 ところが、現実一年半ぐらいたちまして、小泉内閣は非常に仕掛かり品が多いと。やり掛けたままでそのままというような問題も多いですし、現実にこの補正予算をずっと見ておりますと、本当にこれで構造改革進むのかどうかという議論もあります。
 というような観点から、今日は少し小泉内閣のこれまでやられてきたことについて確認をしながら議論を進めさせていただきたいというふうに思います。総理はいらっしゃいませんが、各閣僚の先生方、どうかよろしくお願いいたします。
 一つは、ハンセン病問題でございます。
 いわゆる一昨年五月の小泉総理の決断から、非常にこのハンセン病問題について国民の世論も高まったと。しかしながら、私、一向に何も進んでいないとは申し上げません。現に、療養所に入られている方に対する一時金、和解の話、それから原状回復、それから啓蒙、啓発の問題等について進んでいないとは申し上げませんが、幾つか全く進んでいない問題もあります。
 まずは、このハンセン病問題対策協議会の位置付けについて、厚生労働省、お答えください。
○副大臣(木村義雄君) ただいま委員からハンセン病問題の対策協議会等の位置付けのお話が出ました。
 ハンセン病問題対策協議会は、平成十三年五月二十五日のハンセン病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話におきまして、「患者・元患者の抱えている様々な問題について話し合い、問題の解決を図るための患者・元患者と厚生労働省との間の協議の場を設ける。」こととされたことを踏まえまして設けられたものでございます。
 平成十三年十二月二十五日のハンセン病問題対策協議会における確認事項では、「今後のハンセン病問題の対策を検討するため、厚生労働省と統一交渉団との間で当面一年度に一回ハンセン病問題対策協議会を開催する。」こととされており、これを受けて本年一月二十日に平成十四年度のハンセン病問題対策協議会を開催されたところでございます。
○福山哲郎君 この協議会の座長はどなたでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) 私でございます。
○福山哲郎君 二つの実は全く手に掛かっていない問題があります。
 平成八年度、いわゆるらい予防法廃止が決まる前に療養所を退所された方、患者の方々です、平成八年以前に療養所を出られた方に対する一時金の支払というものがあります。この問題に対しては、今、正に座長である副大臣が言われたように、ハンセン病問題対策協議会における確認事項にこういう表記があります、「平成十四年度中の実現に最大限努める。」と。これが平成十三年の十二月の二十五日に締結をされたわけです。
 平成十三年の十二月の二十五日に締結をされたということは、もうその年の平成十四年度の本予算には入らないと。本予算には入らないから、「平成十四年度中の実現に最大限努める。」という確認事項が交わされました。ところが、この補正予算は、平成十四年度の補正予算にもかかわらず、この問題については全く触れられておりません。
 私は、この補正予算に本来は政府としては入れるべきであったものを、入っていないのではないかというふうに思っておりまして、その点についてお答えをいただけますでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) 今お話しになりました慰労・功労一時金につきましては、平成十三年十二月二十五日の確認事項におきまして、「慰労・功労の趣旨の一時金支給について、方法・金額を含めさらに検討し、平成十四年度中の実現に最大限努める。」こととされているところでございます。
 慰労・功労一時金は、和解一時金との整理など難しい問題が多い課題でありますことから、これまでハンセン病問題対策協議会の作業部会等の場において検討が進まず、平成十四年度補正予算計上に至らなかったところであり、また平成十五年度予算においても同様の状況から予算を計上していないところでございます。
 慰労・功労一時金につきましては、こうした難しい問題はございますけれども、今後とも作業部会などの場で患者・元患者の方々と協議を重ねてまいりたいと、このように思っておるような次第でございます。
○福山哲郎君 この協議会は、本来はいつに開催される予定でしたか。先ほど言われた一月の二十日ではなくて、本来はいつの予定でしたか。
○副大臣(木村義雄君) 予定は昨年の八月ということになっておりました。
○福山哲郎君 八月をなぜ一月まで開催ができなかったんですか。
○副大臣(木村義雄君) ハンセン病問題対策協議会につきましては、平成十三年十二月二十五日に取り交わされましたハンセン病問題対策協議会における確認事項に基づき、今後のハンセン病問題の対策を検討するため、厚生労働省と統一交渉団との間で当面一年度に一回開催されているところでございます。一年度に一回でございます。
 厚生労働省としましては、昨年八月の事前協議のほか、四つの作業部会を計二十数回にわたり開催してきたところでございます。平成十四年度の協議会については、厚生労働省と統一交渉団との間の日程調整が付かず、本年一月の開催となったところでございます。
 このような事情につきましては、統一交渉団とも相談してきたところでございますし、十分に御理解をいただいているものと認識しております。
 今後とも、ハンセン病問題の早期かつ全面的な解決に向けて協議会においてしっかりと協議を行ってまいりたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 実はこれ、内閣が替わられて副大臣に就任されてから実は、大変失礼な話なんですけれども、事の成り行きのスピードが遅れているんです。前の副大臣でいらっしゃいます桝屋副大臣のときは、平成十三年の十二月の二十五日の議事録があるんですが、麦谷疾病対策課長から桝屋副大臣同席の下でこういう発言があるんです。予算措置をどのように行うか、幾らにするかということを検討して、平成十四年度中に具体的な案をお示しするというふうに御理解いただきたいと思いますというふうにお話があるんです。
 具体的な案をお示しになられましたか、じゃ。
○副大臣(木村義雄君) 現在、作業部会で検討しているところでございます。
○福山哲郎君 じゃ、平成十四年度中に具体的な案をお示しいただけるんですね。
○副大臣(木村義雄君) 特に慰労・功労一時金の問題でございまして、先ほども述べたように難しい問題も多いのでございますけれども、作業部会などの場で患者・元患者の皆様方とも協議をしつつ課題を一つずつ解決し、粘り強く検討を進めてまいりたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 だから、平成十四年度中にお示しをいただけるんですねと。私が聞いたところによりますと、この一月の二十日の協議会では決裂をしているんです。厚生労働省からはゼロ回答なんです。だけれども、桝屋副大臣も含めて平成十四年度中に出すという発言もあれば、更にはこの確認事項にもあるわけで、出されるのかと聞いているんです。
○国務大臣(坂口力君) 今お話のございましたのは、一つはこの平成八年の四月以前に退所をなさった方、それからもう一つは入所を一度もしなかった人、この二人の問題でございまして、今、木村副大臣から答弁いたしましたとおり、再三この皆さん方とのお話合いはしているわけでございます。決して話をせずにずっと引っ張ってきているというわけではありません。再三、話を実はいたしております。
 ところが、この話はしてきているんですけれども、なかなか話の妥協点が見付からないということがございます。一つなぜそういうことかということを申しますと、既にこの平成八年の四月以前に退所された皆さん方に対しましても、これは八百万から千四百万の一時金というのは出ているわけでございます。また、入所歴のない方に対しましても、七百万から五百万の間の一時金がこれは既に支払われていると。で、今問題になっているのは社会復帰、社会生活支援に対して更にどうするかという、この平成八年の四月以降に出た人に対しましては、二百五十万ないし百五十万、若干違う人もありますけれども、そういう支援金が出ている、その問題をどうするかということになっているわけでありまして、入所しておみえにならないような方と、入所されていたがゆえに今いろいろのこの問題があった人とをどう整理をするかという難しいそこに問題があるということでございます。
 これは双方の意見ございまして、歩み寄らなきゃならないわけでございますけれども、現在のところまだ妥協点が見付かっていないということでございまして、これからひとつしっかりとまた努力を重ねたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 坂口大臣から御丁寧に御答弁いただきましたが、僕はその問題は分かっておるつもりでございます。非入所の方と、それから療養所に入られて、平成八年度以前に入られた方の話は、僕は別に今質問させていただいているつもりでございまして、今は平成八年度以前に退所された方に関しての話を副大臣にお伺いをしていて、その問題に関しては具体的な案を示すと厚生労働省が桝屋副大臣のときに言われています。坂口大臣も一生懸命取り組まれたことも僕は分かっているんですが、ところが、この半年間、実はスピードが一気にダウンをしていて、現実問題としてゼロ回答だということに対して、平成十四年度中、平成八年以前に退所された方について具体的な案は出るんですねとお伺いをしているので、お答えください。
○副大臣(木村義雄君) 慰労・功労一時金の創設には和解一時金との整理などが難しい問題が大変多いんです。
 現時点で具体的にどうだこうだとか、いつとかいうことをお約束することは難しいんでございますけれども、最大限努力をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 でも、じゃ、この確認事項にある「平成十四年度中の実現に最大限努める。」ということはどうなるんですか、副大臣。
○副大臣(木村義雄君) 最大限努力してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 先ほど、正に副大臣言われたように、平成十五年の本予算にもこの話はないわけです。患者の皆さんは高齢化をしています。そういう状況の中で、あのときになぜ世論が、国民が小泉総理の決断に拍手を送ったかというと、そういった状態が分かっているからこそ、その政治決断に拍手を送ったわけです。それをまたごちゃごちゃごちゃごちゃ、障害があるとかいろいろな問題があるから最大限とかいう話をしていたら、あのときの政治決断の意味がないじゃないですか。その政治決断を踏まえているから、坂口大臣も桝屋副大臣も平成十四年度中という話をこの確認書に入れているんじゃないですか。それをまた最大限などと言って、平成十五年も本予算に入っていなかったら、またずるずるずるずる行くんですか。だから、いつまでかと聞いているんです。
○副大臣(木村義雄君) 政治決断を踏まえまして、最大限努力をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 では、もう一つ、非入所の方の話についてお話をします。
 非入所の方に対する経済支援を含む恒久対策というのは、国は裁判の中で認めているわけです、協議をするということを認めているわけです。これは私は対策について協議をするというレベルでも結構なんですが、その協議すら実は行われていません。
 非入所の方のヒアリングの申出、面談の申出等を副大臣は受けたことありますね。
○副大臣(木村義雄君) 協議はしているという認識でございます。
○福山哲郎君 非入所の方との面談、ヒアリングの申出を受けられたことはありますね。
○副大臣(木村義雄君) 事務的にはしておるそうでございます。事務的にはやっております。
○福山哲郎君 副大臣が面談の要請を受けたことがあるかと聞いているんです。
○副大臣(木村義雄君) 御要請を受けたことはございます。
○福山哲郎君 坂口大臣も、面談の御要請を受けられたことは御理解いただいていますよね。
○国務大臣(坂口力君) 直接いただいているかどうか分かりませんけれども、そういうあるいは文書をいただいているかもしれません。いずれにいたしましても、これは事務的にある程度詰めていって、そしてお会いをさせていただくということにしなければなかなか詰まらない話でございますから、まずは事務レベルにおいてこの皆さん方とのお話もある程度詰めてもらいたいというふうに申しているところでございます。
○福山哲郎君 面談をしてくれと言っているわけです。話をしてくれと言っている。話を決めてくれと言っているわけではありません。要は、協議をするという前提の中で、副大臣にお目に掛かって話をしたいという面談に対して、事務方、事務方とずっとこの副大臣は言いっ放しなわけです。そして、先ほど言われたように、八月のやる予定が一月までずれ込んでいるわけです。
 このことに対して、副大臣、じゃ、面談を受けていただけるということ、これは協議ですからね、私は、協議をする場として、場ではなくて、まず非入所の方に会って事情を聴いてもらえるぐらいの誠意は示していただきたいんですけれども、そこはいかがですか。
○副大臣(木村義雄君) 大臣又は副大臣と非入所者との面談を求められていたということでございますが、非入所者の方々の現在の生活実態を把握するためには、まずは事務的に十分にお話を伺うことが重要であると考えてございます。したがって、引き続き事務方で十分に話を伺わせていただきたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 いいですか、平成十四年の一月の三十日の口頭弁論、被告は国です。原告との間に、入所歴なき原告に対する恒久対策について引き続き協議することを含むかということに対して、含むものと認識しているというふうに国は答えているんです。その中で非入所の方々が面談をしてくれと、事情を聴いてくれと言われたのを何で政治家の副大臣が聴けないんですか。何で聴けないのか、具体的に答えてください。
○副大臣(木村義雄君) 先ほどからお答えをしておりますように、これいろいろとやっぱり実態の把握等を、事務的にまずすべきことがあるんですよ。その後、それを十分に踏まえていただいて、お話を十分詰めていただいて、協議の場は設けられているんですから、そして先ほど言ったように昨年も二十数回、本年度ですか、本年度は二十数回やっておるんです。ですから、そういう場で引き続き十分にお話を詰めていただくことが私は大切なことではないかなと、こう思っておりまして、是非それを実行していっていただきたいと、こう思うわけであります。
○福山哲郎君 実態を把握するために副大臣に会っていただきたいと言っているわけです。何でそれを事務方だけで詰めるわけですか。実態を把握するのに副大臣が事情を聴いて何が悪いんですか。
 協議の場では一度も国は具体的には何も示していないんですよ、具体的な案も何も。話をして、難しい難しいの一点張りで。じゃ協議の場の前に、とにかくやっているけれども、副大臣に会わせてくれという患者側の、非入所側の気持ちが何で副大臣としてあなた分からないんですか。何で面談することもそうやって逃げるんですか。
○副大臣(木村義雄君) この問題はやっぱり事務方で私は十分詰めていただく必要があるんではないかと、これは私自身がそう判断しているからでございます。
○福山哲郎君 いいですか、厚生労働省の事務方だけでは詰まらないからこそ何十年もハンセン病の患者の人は苦労してきたんじゃないんですか。役人が何もやってこなかった結果としてこういう結果が出て、国が負けて、そして小泉総理の判断になったんじゃないんですか。それをまた戻して事務方事務方、じゃ事務方の判断を聞いたらあなたはそこで判断をそのまま受け入れるわけですか。自分の判断は一体どこで入るんですか。
○副大臣(木村義雄君) この問題に関しましては、やはりしっかりと事務方で詰めていただくことが非常に大事だと私自身考えております。
○福山哲郎君 あなたは協議会の座長なんですよ。責任があるんですよ。どう考えているんですか、事務方事務方事務方事務方と。
 坂口大臣、どうですか。僕、坂口大臣はこれ動いてきたときの状況を分かっていますから、桝屋副大臣とともにこうやって一つ一つ階段を上げてこられたことに関しては非常に有り難いなというふうに思っています。しかし、こういう状態で本当に、政治決断が要るからこそこの問題はここまで来ているんじゃないんでしょうか、大臣。
○副大臣(木村義雄君) 座長として責任があるからこそしっかりとした判断を決断をするためにもしっかりと詰めていただきたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 もういいですけれども、しっかりとした判断で、直接に非入所の方と面談をされるのはしっかりした判断のためには必要ないとおっしゃるわけですね。
○副大臣(木村義雄君) 十分に詰めていただいて、協議をしていただいた後で、そこから判断をする、こういうことになるんではないかと思っております。
○福山哲郎君 でも、その協議会も延び延びになって今年の一月なわけですよ。それで、補正予算にも現実には入っていない、本予算にも入っていない状況なんです。患者の方はみんな本当に苦労してこられて、今、高齢の中でみんな生きているわけですよ。
 何を考えているのかよく分かりませんが、坂口大臣、最後に少し希望の持てる御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 木村副大臣も会わないということを言っているわけではなくて、手順を踏んでその先で会うと、こういうことを言っているわけであります。
 非入所の皆さん方には、私、最初のときに一度お会いしたことあるんです。これは沖縄でお会いしております。ほとんどが沖縄の方でございまして、沖縄の療養所にお邪魔をいたしましたときに、その非入所の皆さん方で、いわゆる診療所のようなところで診療をずっと続けておみえになる方々でございまして、間違いなければ楓の会とかなんとかという名前が付いていたというふうに思いますが、そこに皆さんお集まりをいただいて、その事情につきましても十分お聞きをしてまいった経緯がございます。
 したがいまして、今、木村副大臣中心になりまして、そしてこの会もあるわけでございますし、そして事務レベルでの積み重ねもこれ待ちまして、木村副大臣のところで決定してもらいたいというふうに思っている次第でございます。
○福山哲郎君 この一月の二十日の協議会は実は非常に異様な形で閉じられていまして、協議会に参加されている政府側以外の者は途中で退席をしています。それはなぜかというと、余りにも厚生労働省からの回答が、あの副大臣からの回答だったんですが、ゼロ回答が続いたので、これでは話にならない、協議会成立しないと言って途中で退席するような状況になっていますが、それに対して、この協議会、今後の在り方について副大臣、今どう考えているのか、お答えください。
○副大臣(木村義雄君) 一つ一つ丁寧に解決をしてまいりたい、このように思っております。
○福山哲郎君 先ほどから全く具体的な話がないわけですが、本当にそこのところは、このハンセン病の問題について小泉総理に国民世論が拍手喝采をしたのとはちょっと方向がずれてきていますから、そこについては今後ともしっかりと監視をしながらいきたいというふうに思いますが、鋭意厚生労働省も努力をいただきたいと思います。
 それから、二つ目へ行きます。
 やはりそれは人権の問題に関係しますが、いわゆる人権擁護法案が昨年の通常国会で上程をされました。通常国会、臨時国会、二回の国会で与野党法務委員会の理事の先生方の努力も残念ながらかなわず、継続審議となりました。二回の国会で継続審議になったことについて法務大臣はどのように今認識をされているか、お答えをください。
○国務大臣(森山眞弓君) 人権擁護法案は、人権擁護推進審議会の長年にわたる御審議を経まして、その結果立案されたものでございます。人権尊重社会を実現するためには是非とも必要な法律であるというふうに考えておりますので、委員御指摘のような状況となっていることは誠に残念だと思っております。
 したがいまして、この国会におきまして十分御審議をいただきまして、一日も早く成立させていただきたいと考えております。
○福山哲郎君 この問題は、内容、要は人権救済機関の実効性の問題と、もう一つ大きな問題として報道規制の問題と、二つの問題で世論が噴き上がりまして、二回継続になりました。
 今この法案について、抜本的な修正も含めてこの国会で通過をさせるべきだという声がかなり大きく上がっていますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 私といたしましては現在の法案が最善のものと考えて国会に御提案させていただいているわけでございますが、できるだけ多くの方に御理解いただけるように、そのような形で法案が成立するということが望ましいというのは申すまでもございません。今国会では、そういう御意見も踏まえまして十分に御審議をいただいて、一日も早く成立いたしますようにと願っているところでございます。
○福山哲郎君 大臣、じゃもう一度お伺いします。
 二回の国会を通じて継続審議になるぐらいいろんな議論が紛糾をいたしました。大臣は今、最善だと思われていると言われましたが、最善の案だと言われている法案が、報道規制や中身の実効性も含めて疑義が出てきたからこそ、逆に言うと二回の継続になったわけです。その事実に対してどのように認識をされているか、もう一度お答えください。
○国務大臣(森山眞弓君) 大変残念ながら、立案の者たちの考え方が十分御理解いただいていないのかなというふうに思っておりますし、もっと努力をして説明を申し上げ、御理解をいただくように努力しなければいけないというふうに考えております。
 昨年十一月十二日にこの法案に対する参考人の質疑がございまして、例えば実際に報道の被害に遭われた参考人の方からその被害の状況などをお話しいただきました。私も実効的救済を可能とする仕組みを整備する必要性を改めて認識したところでございますが、もっともこの法案の報道被害に関する規定につきましては各方面に様々の御意見があることも承知しておりますので、それらも踏まえて十分に御審議いただきたいと考えているところでございます。
○福山哲郎君 内容と報道規制以外に、実は昨年末に名古屋刑務所の受刑者の死亡事件というものも起こりました。これも実はこの法案の状況には影を落としていまして、公権力による人権侵害について本当に実効性を伴えるのかどうかという議論も出てきています。
 抜本修正も含めて、多少法案を修正をしてより良くして通すというお考えは、大臣、ございませんか。
○国務大臣(森山眞弓君) 名古屋の刑務所の事件につきましては、本当に遺憾でございまして、矯正行政を預かる私としては深くおわび申し上げたいと思うところでございます。
 しかし、検察におきまして、同じ法務省傘下の矯正部門で発生した事件であるからといって手心を加えるというようなことは全くございませんで、厳正に対処するものと確信しておりますし、検察の不偏不党については国民からも高い信頼を得ているのではないかと思います。
 まして、新たに設置されることになる人権委員会は、法務大臣の指揮監督を一切受けることがないということになっております独立行政委員会ですから、矯正部門で起こる人権侵害についても十分適切に対応できるものと考えておりまして、この問題、あるいはそのほかの問題、全部含めまして様々な御意見やお知恵をいただいているところでございますので、それらを含めて是非今国会で成立できますようにお願いしたいと思います。
○福山哲郎君 そしたら、別の観点でいきます。
 国連の人権規約委員会からの勧告に基づいて二〇〇二年の十月に我が国は報告書を提出をするはずになっているはずですが、これは報告書はもう提出をされましたでしょうか、法務大臣。
○国務大臣(川口順子君) 残念ながらまだでございます。
○福山哲郎君 理由はなぜでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私も、今朝この話を聞きましたときに、どうしてかと思いまして聞きました。それで、これは言い訳をするわけではないんですが、といって実際は言い訳ですけれども、本当にそうなものですから申し上げたいと思いますけれども、非常に物理的な作業が多くあって、これだけをやっているわけではございませんので、事実上パンクをしているということで、国連に対しての様々な報告をしなければいけない量が非常に多いということが事実ということでございます。
 ほかに理由はないかと私しつこく聞きましたら、ないということでございましたので、これはできるだけ早くやるように督促したいと思います。
○福山哲郎君 法務大臣、外務省が報告書を出していないことについては御存じでしたか。
○国務大臣(森山眞弓君) 承知しておりましたけれども、今、外務大臣が御説明申し上げたような理由だというふうに聞いております。
○福山哲郎君 なぜ人権行政を携わる法務省が報告書の作成には携わらないんですか。
○国務大臣(川口順子君) これは政府全体としてやっておりまして、当然法務省も関係しておりますけれども、まとめているのは外務省だと、そういうことでございます。
○福山哲郎君 法務大臣、本当は法務省がやるべきことなんじゃないでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) もちろん、人権にかかわることですから法務省も大いにかかわっているわけでございますが、最終的にまとめて国連にお出しになるというのは外務省の仕事ということになっております。
○福山哲郎君 法務省はその作業にはかかわっていますか。
○国務大臣(森山眞弓君) はい。当然かかわっております。
○福山哲郎君 どのような状況でかかわられていますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 関係者の意見などを聴取いたしまして、それを法務省として取りまとめるということをやっております。
○福山哲郎君 非常にあいまいなんですが。
 じゃ、二〇〇三年、人種差別撤廃委員会の報告書の提出の見通し、一月の末が期限だと思いますが、これに対して、法務大臣お答えください。一月末に、期限に提出できそうですか。法務大臣お答えください。
○国務大臣(森山眞弓君) 大変残念ながら、期限どおりにはできることはなさそうでございます。
○福山哲郎君 外務大臣、お答えください。
○国務大臣(川口順子君) 法務大臣がお答えになられたようなことでございまして、理由も先ほど申し上げたようなことでございます。
○福山哲郎君 これ、恐らく両方とも余り、ほかの仕事もあるのかもしれません、本当にお忙しいかもしれませんが、やはり人権擁護法案が通っていないことも大きな理由のうちの一つだというふうに思いますし、更に言えば、これは法務省と外務省が、先ほど意見を聴取してとかおっしゃられましたけれども、現実問題としてはそれぞれが別個にやっているというか、外務省が出しているか出さないか、法務省も実は、昨日聞いたところ分からないみたいな答えが実は法務省からありまして、これ、だからこそ内閣府等で、法務省だけではなくて全体として、こういった問題については国際要請もあるから内閣府に置くべきではないかと、人権擁護の救済機関を置くべきではないかということを我々は主張しているわけです。
 それで、官房長官にお伺いしたいんですが、今みたいなやり取りとか、現実に人権擁護法案が二回の国会で継続していることも含めて、官房長官、この問題についてはどのように今お考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 遅れているという事実があるようでございます。これはできるだけ早めなければいけないと、これはそういうふうに率直に思います。
 だからといって、じゃ内閣府に持ってくるかどうかということについては、これはまたちょっと違う事情もございますので、やはりこういう人権の救済手続に関するような法律的な知識とか経験を有するそういう人たちを持っている法務省でもって、に置いておくという方が、この方が的確な仕事ができると、こういうことであります。もちろん、しかし、その前提としては、この擁護委員会ですか、これの独立性と、こういうものは厳に守られなければいけないと思っております。また、その方法は講じられていると思っております。
○福山哲郎君 我々は抜本修正を基にこの国会で人権擁護法案通していきたいと思っていますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 時間がないので少し早めます。
 補正予算の中身についていきます。
 まず、雇用の問題が非常に重要になっていますが、昨年、総合雇用対策の中で鳴り物入りで退職前長期休業支援助成金というのができました。さらには、建設業労働移動支援助成金というのができました。
 まず、退職前長期休業支援助成金の当初の政府の利用見込み人数をお知らせください。
○国務大臣(坂口力君) これは、平成十四年度当初予算の利用見込額は、約二千五百名でございました。
○福山哲郎君 実績をお答えください。
○国務大臣(坂口力君) 平成十四年十二月末までで十一名認定申請がなされたところでございます。
○福山哲郎君 見込み数二千五百七十三で実績十一人でございます。
 次、建設業労働移動支援助成金、見込みの数を厚生労働大臣、お答えください。
○国務大臣(坂口力君) 一万人でございます。
○福山哲郎君 度々、大臣恐縮なんですが、実績をお答えください。
○国務大臣(坂口力君) 十四年十一月末までに二十九名でございます。
○福山哲郎君 最初の去年、鳴り物入りで総合雇用対策だといって出てきた退職前前期休業支援助成金、見込み数二千五百七十三人で実績十一名、建設業労働移動支援助成金、見込み数一万人に対して実績二十九名でございます。この状況について、厚生労働大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) この退職前の長期休業助成金制度でございますが、これは希望退職の募集をされました皆さん方が、できればお辞めになります前にその企業に依頼をして、何か月間かの間、次にお勤めになるところのその技術を身に付けていただくということができればというふうに思って作ったものでございまして、ただ、いつかのマスコミにも言われましたとおり、その期間が七日間という非常に短な間にやらなければならなかったということがございまして、これは三か月に既に延長をいたしておりまして、今度、リストラになりますとき、リストラに対しましてはまた六か月というふうに延長したいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、予想しておりましたほどこの申込みがなかった。
 これは、その退職希望を募ったときにもう少し企業の方も、その人たちがその次に勤めるまでの間に何らかの技術を身に付けさすということにもう少し積極的になってくれるかなというふうに思いましたのが若干我々としては甘かった。そこで、ここを期間を延長し、規制緩和をいたしまして、そして受けやすくしたということでございますけれども、これは二千五百というのは十六年末までの話でございますからまだ期間のある話でございまして、一年間でというわけでは決してございません。
 ですから、この期間をもう少し規制緩和をいたしましたし、いたしますので、もう少し状況を見て、なおかつこれが申込みがないということであれば、内容につきまして少し検討し直したいというふうに思っているところでございます。
○福山哲郎君 制度設計の見誤りにしては余りにも僕は落差が大き過ぎるというふうに思っているんですが、竹中大臣、こういう状況を見てどう思われますか。
○国務大臣(坂口力君) ちょっとその前に、少し。
 済みません、話が混乱しまして、七日間というのは建設の方の話でございまして、済みません、ちょっと期間、間違えました。
○国務大臣(竹中平蔵君) 直接の所管ではございませんので情報量も十分ではございませんが、PR等々も含めて更に厚生労働省の方で努力をいただけるものというふうに思っております。
○福山哲郎君 今回も、厚生労働省を見ますと、早期再就職者支援基金事業というのが二千五百億円予算が計上されています。これは、中身はともかくとして、この二千五百円がどこに行くかというと、一回財団法人を経由します。これは高年齢者雇用開発協会というところなんですが、ここは実は何と、公益法人の見直しによって、事業の一部は独法に移管した上で早晩解散の方向が決まっている財団法人にこの二千五百円が、二千五百億円が行くことになっています。
 こういう財団法人等を通じて基金を作ることによって、今のようなことも含めて実効性がまるで上がらなくなっているのではないかというふうに私は思っているんですが、この件について、厚生労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) この早期再就職者支援基金につきましては、十六年度末までというふうに決まっております。十六年度末になりましたらこれは終わる、一応これで終了することになりますし、そしてこれが終わり次第と申しますか、終わると同時にと申しますか、この財団は解散をすることにいたしております。
○福山哲郎君 財務大臣、ちょっと、財務大臣、済みません、申し訳ありませんが、早晩解散になる、平成十六年に解散になる財団法人に二千五百億円お金を入れて雇用対策事業をするということについて、私はちょっと理解ができないんですが、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、話を聞いておりまして、私もその事実を初めて知りました。よく一回実態を調査いたしまして返事いたします。
○福山哲郎君 石原行革担当大臣、独法に移行して、解散移行のところに今回補正で二千五百億円ぶち込まれます。極端な話で言うと、この高年齢者雇用開発協会というのはもう御案内のとおりです。理事長は前労働事務次官。厚生省、労働省の、大蔵省の天下りの方がたくさんいらっしゃいます。こういう実態について、石原行革担当大臣、いかがお思いになられますか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま厚労大臣から御答弁ありましたように、これは、この早期再就職者支援基金事業が、今のこの不良債権処理を進めることによって、セーフティーネットとして上積みをしている基金なんですね。そして、もう解散するということは所管されている厚労大臣がはっきりおっしゃいましたし、私は、本当にしっかり十六年度末、不良債権処理が終わった段階でこの財団が解散されることを見守っていくというのが私の立場でございます。
○福山哲郎君 今の答えはよく分からないんですが、ただ、基本的に、本当に政府のやろうとしている雇用対策というのが本来実効性が伴っているのかとか、この二千五百億円が解散予定のところに入れられることに対する本当に正当性が一体どこにあるのかとか、こういった点はしっかりと検証していただかないと、国民の税金が入り、なおかつこの補正予算で雇用が膨れ上がるんだ、雇用が増えるんだということを政府は一杯言っているわけですよ。それにもかかわらず、実態として昨年のも惨たんたる結果でございまして、実際の話、こういう点についてしっかりともう一度吟味して、財務大臣言われたように、一度調査して、また御報告をいただきたいと思います。
 それから、もう一個行きます。
 法務省の補正予算、全部で三百三十億円近くなんですが、このうちの構造改革推進型公共投資の予算は幾らですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 二百九十八億円余りでございます。
○福山哲郎君 構造改革推進型公共投資の促進というお金が、今、法務大臣言われたように、二百九十八億でございます。そのうちの環境問題等緊急対策費は幾らですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 二百九十八億余りが全額、環境問題等の緊急対策になっています。
○福山哲郎君 中身をお教えください。
○国務大臣(森山眞弓君) この構造改革推進型公共投資の促進の中には環境問題等緊急課題への対応という項目がございまして、防災、治安対策等に積極的に取り組んで地域生活の維持向上を図るということになっておりますが、その地域生活の安全の維持向上に資する環境整備の一つといたしまして、法務省関係としては刑務所等施設の緊急整備がございまして、法務省では、現下の刑務所等の過剰収容に対処するために、その新築、増築を行うものでございます。
○福山哲郎君 私は刑務所の整備をすることが駄目だと言っているわけではありません。昨年の名古屋の受刑者が暴行で死亡事件があったことも含めて過剰収容だというのも分かっています。しかし、今回の補正予算は重点四分野ということを財務大臣もよく言われて、構造改革推進型公共投資の促進の環境問題等緊急対策費で、何と法務省施設整備がほぼ全額の二百九十八億で、その整備施設名は福島刑務所、福井刑務所、沖縄刑務所等が全部刑務所でございます。これはやっぱり名目としてはインチキなんじゃないですか。法務大臣、どうですか。
○副大臣(小林興起君) 予算でございますので、法務省と十分に財務省も打合せをさせていただきまして、決定をさせていただいたところでございます。
 今回の補正予算のバックグラウンドを成しますのは、御承知のとおり改革加速プログラムでございまして、この中の構造改革推進型の公共投資の中に刑務所というものが出ているわけでございまして、それほど緊急性が高い環境問題に、これは地域生活の安全の維持ということでしっかりと書かれているところを受けて、今回これを取り上げたところでございます。
○福山哲郎君 何で環境問題なんですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 最近の犯罪情勢の悪化を背景とした被収容者の増加ということは先生も憂慮していただいておりますが、過剰収容状態でございまして、これが大変深刻でございます。このような状態を緩和することによりまして、被収容者の更生教育及び職業訓練に適切に対応するとともに、社会復帰の円滑化、再犯防止等を推進するということは、地域生活の安全の維持向上に資するものだというふうに考えております。このように構造改革の加速に合わせて緊急に措置することが必要な施策であるということで、この法務省の予算が計上されていると考えております。
○福山哲郎君 冒頭私も、先ほど申し上げましたように、この質問の前に、私は刑務所の施設整備が必要なのは認めているんです。収容が過剰なのも認めているんです。では、そう書きゃいいじゃないですか。何が構造改革推進型公共投資で環境問題等緊急対策費なんですか。これ見たら国民はみんな、ああ環境問題で新たにできるんだなと。確かに地域の治安、環境問題かもしれません、大きい話で言えば。でも、そんな議論したら何でもありじゃないですか。法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは物の考え方でございまして、ということは、刑務所であるとか、あるいは拘置所、それから一部は留置場にも今回予算を増額いたしました。それは治安対策も一つはありますし、同時に、この種の事業というものは、言わばスケールの割合小さい事業がたくさんあるんです。箇所付けが多いんです。このことは地元の建設業界に活力を与えることにもなるし、また新しい、新しい……(発言する者あり)まあまあ聞いて。新しい需要を作っていくということにもなりますので、そこでそういう予算の使い方、公共事業といったら何でも道路だとか河川だと思っておられるかも分かりませんが、最近の公共事業は、言わば配分の質が変わりまして、そういう大型の公共事業よりも小さい配分をするということ、そうすることは結局地域の安全を確保することにもなり、安定にも広がってくるから環境も良くなるということで、総合的にやるということであります。
○福山哲郎君 そんなのむちゃくちゃじゃないですか。何で地域の小さい小さい箇所付けになって地域の建設業が公共事業が増えますからみたいな話、私何にもしてないじゃないですか。ちゃんと正直に書けば、治安に対して国民もちゃんと法務省が動いているんだなと理解できるでしょうと。それを法務省が環境問題等とか構造改革とか言うから、それは違うんじゃないですかと。大臣それはちょっと違いますよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことは、結局今度の補正予算は雇用の安定確保でしょう。セーフティーネットと同時に公共事業を通じて、公共事業を通じて少しでも経済を良くしようということでしょう。それが大型に偏ってはいかぬから、小さく分配するということになります。その際に、何を目的にしてそういう予算を分配するかといったら、文教施設の改善であるとか、あるいは治安対策をやるとか、地域の環境を改善するとか、そういういろんな名目を付けてやっておるわけでございまして、だから、そういう点からいって、それは一々議論してそれを決めていこうということはむしろ、それはむしろこじつけた話でもっておるという。
○福山哲郎君 いろいろ名目を付けて公共事業を通じてやろうと、くしくも財務大臣の本音が出ちゃったわけですけれども、これはやっぱり国民をだましていると私は思いますよ。僕は別にここに、刑務所にお金を使うのが駄目だなんて一言も言っていないですよ、先ほどから。これはやっぱりおかしいですよ、補正予算の我々審議をやるときに。
 それから、もう一つ。じゃ、もう一個行きますね。
 環境省の補正予算は補正総額、わずかなんですが、百七十億円なんです。このうちの、中小企業対策といって何が五十億円計上されているか。百七十億のうちの五十億ということは約三分の一です。これは、中小企業対策だといって何が出されているかというと、環境事業団の中小企業者に対する債権のうちの償還困難となっている債権の貸倒引当金の積み増しなんですよ。要は、過去における負債の言わば焦げ付いたやつを、今回五十億円ぶち込んで環境事業団の決算を少しきれいにしましょうという話なわけです。
 百七十億円のうちの五十億円は、こういう前の負にこんなどさくさに紛れてお金を入れて中小企業対策だという議論は僕は非常に乱暴だと思うんですが、環境大臣いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今御指摘をいただきました環境事業団に対する貸倒引当金の積み増し、五十億のことでございますが、これは、環境事業団の不良債権に対する処理というのはこれは確実に進めなければいけませんが、今回の補正予算におけるこの交付金は、中小企業組合に参加する企業の連鎖倒産を防止することを目的とするものでありまして、現下の経済社会構造の変革に備えた中小企業のセーフティーネットの構築の一つと認識をしております。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参っております。
○福山哲郎君 あのですね、ほかにもいろいろ指摘をしたいと思ったんですが、こういった形の付け替えとか、今本当に、財務大臣が言われましたけれども、名目だけ付けて公共事業を細かくばらまくみたいな話がありまして、本当にこういった形で、国民が期待をしている景気回復とか構造改革とか、それから雇用が増えるとかいうことには僕は到底まだまだ及ばないというふうに思っておりまして、もっときっちり詰めたいと思いますが、時間がなくなりましたので、これで終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、福本潤一君の質疑を行います。福本潤一君。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 昨日、山本委員の方から、経済、雇用問題中心にお話しさせていただきました。今、環境問題もやっておられたようでございますので、最初、環境問題から私も始めさせてもらおうと思います。
 今まで政治の環境問題に対する対応というものを見ましたときに、私なりに三期に分けて考えてみますと、一期目は、問題が発生して、それに対して事後対応する。公害国会のときもそうでございますし、水俣病、イタイイタイ病の対策のときもそうでございました。二期目と申しますのが、未然防止とか予防というものを目指した時期、これは公明党、大いにダイオキシン対策法、また循環型社会規制法を通させていただいた時期でございますし、三期目は、いよいよこれから予防原則というものを確立していこうという時期に入ってきておるんではないかと思います。予防というものを、ある意味ではプリンシプル、原則にまで高めていって対応していかないといけない。地球温暖化もそういう中で作っていったわけでございますし、これから環境ホルモン、有害化学物質に対する対策もそういう形でやっていく必要があるだろうと思います。
 これは、ある意味では、地球の人口増加と相まって食糧とか資源とか環境、水の面から、一九八〇年にアメリカ合衆国政府が大統領への報告書でも、このままでは人類は滅亡するという認識が指摘されたところでございますし、こういう時期に一番大事なのはやはり環境教育という問題だろうかと思います。さきのヨハネスブルクの地球環境サミットでも、やはり持続可能な開発のための教育の十年というものが採択されたところでございます。
 そこで、環境教育についてお伺いさせていただきますが、一人一人が環境保全に対する意識、これを高めるために、環境教育なり環境学習というものを今後重要施策として推進していくべきだというふうに思いますけれども、環境大臣のその点に対する所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境教育、環境学習の重要性に対する認識は、福本先生と私、全く同じでございます。
 自然と共生する持続可能な社会、環境に負荷の掛けない、そういう持続可能な社会を作っていくためには、国民とか企業とかそれぞれ主体主体ができることをきちっと取り組んでいかなければできないわけでありまして、それだけに国民一人一人が環境に対する関心と理解を深め環境に配慮した行動を取るようにすることが求められておりまして、その根幹を成すのが環境教育であり環境学習であると、そのように認識をいたしております。
 環境省も平成十二年に、十二月でありますけれども、改定をいたしました環境基本計画におきまして、環境教育の推進を戦略的プログラムの一つとして位置付けております。関係機関と連絡しつつ、今後とも環境教育、環境学習の推進のために積極的に取り組んでいかなければならない、取り組んでまいりたいと思っております。
○福本潤一君 決意を伺わせていただきましたけれども、環境教育、環境学習と申しますと、文部科学省も今後この問題に対応していく必要があるだろうと思います。
 両省の間で副大臣間で協議会を作って議論されているというふうに伺っておりますが、文部大臣の姿勢、また環境副大臣の考えをお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 誠に、将来を担う子供たちが環境について深く理解をし、また行動できるように教育をしていくことは大変大事だと思っておりまして、まず、我が省でも従来からそういうことに意を用いてまいりましたが、特に昨年四月から実施されております新しい学習指導要領の中で抜本的なこの面についての重点を、重点的に取り上げているところでございます。社会科や理科などの各教科における環境に関する内容を充実いたしますとともに、総合的な学習の時間、これは私も幾つかの学校を訪問いたしましたが、子供たちが生き生きと学習いたしております。
 それから、環境省と我が省と両方で一緒にやっていこうということで、両省の副大臣、大臣政務官、それから関係局長から成ります環境教育・環境学習推進に関する協議会を立ち上げまして、そして意見交換を行ってきているところでございます。
 また、平成十五年度予算では、両省の連携事業といたしまして、情報提供体制を総合的にやる、それから指導者研修についても共同でやっていくなどのような仕事を考えておりまして、こういう環境省との連携を更に進めてまいりたいと考えております。
○副大臣(弘友和夫君) 今、遠山大臣から御答弁がございましたけれども、環境省といたしましても、環境教育、環境学習というのは特に次代を担う子供たちを対象として行うことが重要であり、教育行政を所管する文部科学省との連携協力は不可欠なものと認識をいたしております。
 このために、私の前任の山下副大臣の発案で、昨年の六月に環境教育・環境学習推進に関する協議会、これは両副大臣をヘッドといたしましてこれを設置いたしまして、意見交換を行っているところでございます。
 平成十五年度予算では、今御答弁ありましたように、指導者の育成ということで二千百万、また環境教育情報の提供等の事業、三千八百万計上しているところでございまして、これを共同で実施することなどでこの協議会を通じた両省の協力というのは着実に進んでいるものと考えております。
 また、昨年十二月に国連総会におきまして、二〇〇五年からの持続可能な開発のための教育の十年の実施が決議されたところであり、今後とも、この協議会の開催等を通じまして文部科学省との連携協力を一層推進いたしまして、環境教育、環境学習施策の拡充強化を図っていく所存でございます。
○福本潤一君 そういう意味では、環境庁が環境省になって様々な取組、国民の環境意識は高まっておるようでございますが、現状では、やる気があっても具体的に何をしようかというようなこともありますし、サポートをする人材がいないとか、いろいろ問題も現場ではあるようでございます。そういう意味では、環境教育、大事なわけでございますが、環境省、環境保全活動の推進に向けての取組、考え方、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど申し上げましたとおり、持続可能な社会を作っていくためには、国民、NPOあるいは事業者、こういう各主体がそれぞれ自発的な環境保全活動を推進していくということが不可欠でございますので、環境省といたしましては、こうした活動をしやすい整備、環境の整備というものを進めていきたいと思っております。
 このため、具体的な施策について中環審、中央環境審議会に諮問をいたしまして、国民やNPO等からも幅広く意見を聞きながら検討をいたしました。そして、昨年十二月に中間取りまとめをしたところでございます。
 こういった検討の中で様々な検討課題がまだ残されているということが明らかになりましたが、こうした課題を克服して環境保全活動のより一層の活性化を図るため、例えば地球環境基金の効果的な活用、それから税制優遇措置の在り方、また更なる人材育成などの施策を推進してまいるための仕組み作り、枠組み作り、こういったものについて引き続き検討してまいりたいと思っております。
○福本潤一君 と同時に、農水省、国土交通省も農村や山林、河川、湖沼の保全、こういった問題で自然を掛け替えのないものだという身をもって知る場を持っておるわけでございますし、環境省や文科省と連携してやるべきだと思いますけれども、両大臣のお考えもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大島理森君) 今、先生のお話伺って、私、前、環境庁長官やったときエコクラブというのがあって、大変ネットワーク作っているんですね。できればそれをアジアの人たちにも勧めたらどうかと言ったことがありますが。
 今、我が省として環境教育という視点でどういうふうなお手伝いあるいは実践をしていくかという観点ですと、農山漁村というのは正に命と循環と共生というものを担っている、そういうふうな視点に立ってまず、子供たちだけではなくて、大人の人たちも含めて都市との交流ということをまず第一点にして考えていきたい。
 それから、グリーンツーリズムというものを始めとして、先ほど申し上げた交流、それから農村の情報を発信したい、さらに農地と森林、海辺を利用した体験学習、環境教育への支援を積極的にやってまいりたいと、このように思っております。例えば、先生、是非活用していただきたいというのは、森林環境教育活動の条件整備促進事業というのがございまして、これは今二年目になっておりますが、やっぱり一番環境を身近に感ずるのは山だと思います。子供たちに山に入ってもらう、山を感じてもらう、そういうこと等々も含めて、積極的に私どもも環境省あるいは文科省と相談しまして努力してまいりたいと、こう思っております。
○国務大臣(扇千景君) 福本議員が日ごろから環境問題に大変御熱心に、またその筋の専門家でもございますけれども、御熱心に御論議いただき、私たちも知恵をいただいておりますけれども。
 国土交通省といたしましても、今、各省からお話ございましたように、国土交通省の河川ですとか港湾でございますとかあるいは公園、それらを利用していかに子供たちに環境学習をしていただくかということで、文部科学省あるいは環境省と一緒になりまして「子供の水辺」という再発見プロジェクト、こういうものを作っておりまして、そして、ここにちょっと持っておりますけれども、先生もお持ちかどうか分かりませんけれども、子供たちが、子供の水辺の再発見ということで平成十一年度にこれを創設されまして、多くの子供たちが、全国で百九か所で登録されているんですけれども、川を使ったり、あるいは水辺で新たな生態の発見でありますとか、そういう子供たちが環境に親しみ、なおかつ環境によって新たな発見をするという、大変そういうことで、私たちも、この子供の水辺の連絡会というのができておりまして、都道府県の教育委員会とあるいは河川管理者と一緒になってこれを推進しているところでございます。
 また、子供の水辺の推進会議というのもございまして、連絡会は都道府県、あるいは推進会議は文部科学省と国土交通省と環境省が三省一緒になってやっておりますので、まず身近なところから、こういう子供に小さいときからの環境意識というものをはぐくむことが大人になってより環境に興味を持ち、国を守るということでは一番大事なところだと思って力を入れております。
○福本潤一君 現在、公明党、教育の十年の採択も受けまして、議員立法で環境教育推進法を考えておりますので、今の御決意を基に、また各省の協力もいただきたいというふうに思っております。
 続きまして、環境と税の在り方の問題で、政府の税制調査会が環境問題に対する税制面の対応ということで積極的に検討を進めていくことが望ましいという答申を出しております。
 いわゆる環境税の導入等に関しまして、環境施策全体の中で大変大きな位置付けが必要ではなかろうかというふうに考える時期に至っていると思いますが、財務大臣、経済産業大臣、農水大臣、環境大臣のこの環境税含めて御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 環境税の問題はかねてから議論がございます。そしていろんな提案も出てきておりますけれども、私たちといたしましては、一番根本の問題で、一九九〇年のCO2排出ガスを二〇一〇年ごろをめどに六%減らすといういわゆる京都議定書を、あれの計画が実際どのように具体的に示されて、今進行しておりますけれども、それが国民の了解を、やっぱり納得と協力を得ることが前提だろうと思っております。
 その上に立って原因者負担の原理に基づいて税を考えていくべきだと思っておりまして、といって、この約束を履行するためにはそればかりの措置でも難しいであろうから、それに伴うところの財政的な絡み合いも考えていかなきゃいけないと思っておりますけれども、取りあえず税をお考えいただく場合には、基本の問題、国民の理解というものがどこまで進んでおるかということ、ここを主体にして考えていただきたいと思っております。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 昨年、総理からの指示に基づきましてエネルギー全般にわたりまして、環境対応でございますとかあるいは効率、安定供給、こういった面で見直しを進めてきたところでございます。
 こうした見直しに伴いまして、やはりエネルギー特別会計についてもその歳出、歳入、これも再構築を進めてきたところでございまして、具体的には、石特会計におきましては、その歳出について申し上げますと、エネルギーを起源といたします二酸化炭素の排出抑制対策を環境省とともに行おうと、こういう考え方で、共管という形で地球環境対策の一層の強化を図っていこう、これが一つでございます。
 それから二つ目は、やはり地球環境に優しい天然ガスにシフトをする、こういう政策も取らせていただき、三つ目は、当然のことでございますけれども、省エネルギー、そしてこれから地球環境に優しい新エネルギー、こういったものに重点的に力を入れていこう、こういうことでございます。
 もう一点は、こういう歳出の見直しに伴いまして、歳入についても、負担の公平という観点から、石炭への新規課税を含め負担構造の在り方も組み替えて検討していかなければならないと思っております。
 今、財務大臣からお話がございました京都議定書で示された目標を達成する、こういうことはやはりエネルギー起源の二酸化炭素の排出を減らす、こういうことですから、特に第一ステップ、二〇〇二年から二〇〇四年、この間の施策を確実に、そして円滑に行うためにはやっぱり全力を尽くしていかなければならないと、こういうことで、その政策の見直しが、今回の見直しがその実施に十分な効果を上げるように私どもは取り組んでいかなければならないと思っております。
 そして、お尋ねの環境税についてでございますけれども、経済産業省としては、昨年三月に策定をいたしました地球温暖化対策推進大綱にあるとおり、他の手法との比較を行いながら、環境保全上の効果でございますとか、あるいはマクロ経済、産業競争力等、国民経済に与える影響でございますとか、あるいは諸外国における取組の現状等について国際的な連携にも配慮しつつ、私どもは様々な場で引き続き前向きに検討していかなきゃいけない、このように思っているところでございます。
○国務大臣(大島理森君) 我が省としましては、いわゆる環境保全のための役所として農水省としての施策としては、まず森林の整備保全というものがあるんだろうと思います。さらに、バイオマスの利活用と地球温暖化防止をいたしていかなければなりませんし、そういう施策を講じていくことが今非常に重要である。だとするならば、あらゆる経済的な手法の可能性というものを総合的に議論していく必要性があると、このように思っております。
 そういう基本的な考え方に立ちまして、環境税等の税制上の措置が必要とされた場合には当然にその活用を積極的に検討したい、このように思っております。
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境税、これは環境負荷に応じて価格を変えることによって、その価格インセンティブ効果を通じて消費者でありますとか事業者が自主的に自らの行動を環境負荷の少ないものにしようと促進するものでありますので、環境対策を進める上で大変効率的な手法であると、そのように認識をしております。
 また、環境税の使途につきましては、ただいまお話ございましたとおり様々議論があるわけでありますが、環境省といたしましては、税収を適切な環境対策に幅広く活用することによりまして、燃料電池でありますとか省エネなどの環境保全技術の開発普及、さらに環境産業の発展を通じて我が国の経済活性化と新たな雇用の創出にもつながるものと考えております。
 温暖化対策でありますけれども、こうした環境税を始めとする経済的手法の有効性というものは大変期待をされているところでありまして、温暖化対策、これはステップ・バイ・ステップで進めるということになっておりますけれども、第一ステップ、二〇〇四年まででありますが、そのときまでに第二ステップでの対策、施策全体の検討を行いまして、必要とされた場合には二〇〇五年以降早期に温暖化対策のための環境税を導入するとの方針に基づいて具体的な検討を進めたいと思っております。
 また、財務大臣からお話がございましたとおり、国民の理解を得るということも大変重要でございますので、その面につきましても鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
○福本潤一君 さらに、国土交通大臣、税制改正で、低公害車を購入すると自動車税が軽減されるグリーン税制、今回、内容が後退しておるのではないかと思われるところがありますけれども、この点について御所見をお伺いします。
○国務大臣(扇千景君) 地球環境問題あるいは大都市圏を中心とします大気汚染問題、これを考えますときには、環境負荷の小さな低公害車にするというのは御存じのとおりでございますし、低公害車の第一号、総理のところへ納めましたし、また、十六年度を目途に公用車はすべて低公害車にするということも政府として決めております。そういう意味では、自動車税のグリーン化を平成十三年度より導入しているのは福本委員御存じのとおりでございます。これは、グリーン税制の効果もありまして、平成十四年度でございますけれども、上半期、新規の登録車の約六割までが軽減の対象の低公害車となったということも大きな私は成果であったと思っております。
 このように、低公害車の普及状況を踏まえまして、平成十五年度税制の改正に当たりましては、最も環境に優しい自動車を重点的に普及促進しようということで等級を決めました。そして、これは従来の一つ星から三つ星まで、少なくともすべての低公害車を対象にしたところでございまして、三つ星かつ低燃料費の車に対しましてはこれを絞ってやろうということで、名前を言うと悪いかいいか分かりませんけれども、三つ星の対象にしましたのはプリウスとエスティマでございまして、これを対象に絞りまして、燃料の電池自動車等に、新たな低公害車についても今後対象にしていきたいと。
 今、日本の自動車各社こぞって低公害の研究が行われておりますけれども、現段階では世界一だと思っておりますので、推進していきたいと思っております。
○福本潤一君 環境の中でも特に水の問題、今年三月に第三回世界水フォーラムが京都で行われます。今年は世界淡水年ということで、国連からも推進していくことでございますし、京都議定書を日本でやったということが地球温暖化の問題の対応に大きく役に立ったわけでございますので、これに取り組む意欲、意識、これをお伺いさせていただければと思います。
○副大臣(中馬弘毅君) 先生、もう水の専門家でございますから御承知のとおりでございますが、世界水フォーラムは世界水会議が主催をいたしておりまして、世界各国から国、関係機関、企業、NGO、それから学識経験者、こういった方々がお集まりになりましての議論をする場でもございます。第一回が一九九七年にモロッコで開かれまして、第二回が二〇〇〇年にオランダで開かれました。三年ごとでございまして、今回、三回目が日本で開かれるわけでございます。場所は京都、滋賀、大阪、すなわち琵琶湖及び淀川流域ということでもございます。
 先生が御指摘のように、意義は水問題に対する国民的な関心を高めること、これも非常に大きな意義だと思いますし、また、かつて洪水やあるいは公害の問題で水質汚濁に直面してまいりました我が国といたしまして、これを克服してきた歴史も関係しまして世界の水問題の解決に貢献できると、このように考えております。
 会は皇太子殿下を名誉総裁に就任していただくことになりました。平成十三年の三月の六日に閣議了解で、第三回水フォーラムには関係行政機関は必要な協力を行うということも決めております。併せて、我が政府が主催の閣僚級の国際会議も併せて開催することにいたしておりまして、関係省庁会議を設置もいたします。
 国交省は全力を挙げてこれに取り組んでまいることを決めている次第でございます。先生もひとつ御協力のほどお願いいたします。
○福本潤一君 環境の面で、大気、水、土壌ありますけれども、この水の基本法も必要だというふうに私ども思っていまして、これも立法作業進めておるところでございますけれども、国際的な水による紛争も懸念されるという中で、国内の問題で若干、水利権の問題、非常に大きな問題としてございます。
 これで省庁挙げて、かつて河川法のときに農水省と建設省、大戦争したりしたこともございますけれども、この水利権の転用という、各省庁分かれて、利水者、監督官庁ございますけれども、この転用について具体的に実態としてどの程度進んでいるか、これをお伺いします。
○国務大臣(扇千景君) 今御指摘の水利権の問題でございますけれども、これは、昭和四十年度から昨年度までの間に特に重要な水系であります一級水系に対して水権利の転用の許可処分を行った実績は全部で百四十六件ございます。転用元は、農業用水、これが百六件、そして工業用水、これが三十五件などでございまして、転用先は、主に水道用水、これが百二十二件ございます。
 既存の水資源の有効利用を行うことは資源の確保という面では有効な対策の一つでございますけれども、少なくともこれまでも水域の実情に応じて関係者の相互の理解と合意に基づいて用途をまたがった水の転用が行われてまいりました。
 そういう意味では、本件につきましては、まずは水道用水の必要な松山市が主体となって、お地元の愛媛県など他の水利権を有しますところからよく話し合って私は解決していただきたいと愛媛県にも望んでおりますので、是非御協力賜りたいと存じます。
○福本潤一君 具体的な問題も含めてお答えいただきましたけれども、瀬戸内海、また一九七七年の福岡、西日本、大変な水不足のときに、もうダムが建設できない、利水は無理だけれども治水だけオーケーと。脱ダム宣言等々も起こっておりますので、水利権の新しい転用、また再編等々も今後考えていただくことも具体的に必要かというふうに思います。
 さらに具体的な問題で、循環型社会基本法、二〇〇〇年、循環型社会元年というときに作りました。一見リサイクル法のように思われておる、誤解されている面もありますけれども、新しい社会作りの法律でございますが、そのときに、三兆円が絡んでいる、三兆円が関係しているという予算案の中身がございました。そのうちの半分ぐらいは下水道。水も地球上循環、また河川を通して、大気として、また雨として循環しておるわけでございますが、この下水道行政、具体的に、三省庁またがっていますので、財務省、具体的に、どれだけの費用が下水道に年間使われているか、これについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(小林興起君) お答えさせていただきます。
 今、十五年度予算の提出準備をしているわけでございますけれども、その配分額は、下水道、国交省には下水道という名になっているわけですが、九千二百五十億円、これは対前年四・六%減でございます。それから農水省に対しましては、農業集落排水という形になっておりますが、七百九十三億円、対前年三〇・三%減でございますが、環境省等に出しますいわゆる浄化槽、これにつきましては、金額は二百十九億円とまだ少のうございますが、対前年では三三・九%増という形で、浄化槽に力点を置くという形の配分にしております。
○福本潤一君 今は国費が出されている比率で言っていただいておるわけでございますが、やはり無駄ゼロというのを、公明党、三つのゼロ、無駄ゼロ、エゴゼロ、ごみゼロという大きな三ゼロ社会政策というのを打ち出して与党入りしたときがございますけれども、この無駄をゼロにするために、下水道行政も、環境省、浄化槽も含めて効率的に使うという考え方で比率を高めていただく方向も考えていただければと思います。
 と同時に、流域の管理という問題を水の問題でもやはり今後考える必要があるなということで、私、国会議員に学者からなったときの一九九五年、即座に中水道促進法というのを提出させていただきましたけれども、野党時代でしたから日の目見ませんでしたけれども、この中水道促進法も流域を踏まえた上での法律として今後提出する必要があるなというふうに思っておりますので、関係省庁のまた御協力もいただきたいと思います。
 環境問題これぐらいにさせていただきまして、具体的に、予算委員会でございますので景気対策、またデフレの問題、昨日、我が党の山本委員されましたけれども、お伺いさせていただこうと思います。
 昨年、物価値上がりのことで、インフレターゲットの導入について総理自身は慎重な発言だったということでお伺いさせていただきました。現在のデフレ進行という現状に対して今後どういう対応をされるか。要するに、今の対策は景気対策なのかデフレ対策なのか、どちらが重点なのかと、この点をお伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレ、物価の下落を抑えるために、今朝ほども議論ありましたように、債務者が大変これによって困るわけですから、そのためにどうするかと。基本はやはり経済活性化ということになると思います。経済活性化のために、歳出の改革、歳入つまり税の改革、金融改革、それと規制改革を一体として行っていく、それが基本的な考え方でございます。
 それに加えて、やはりこのデフレというのは金融的な要因でありますので、一層の金融緩和を日銀、日本銀行に期待しているというのが今の状況であろうかというふうに思っております。
 それと、景気かデフレかということでありますけれども、デフレというのは物価の下落現象でございますから、基本的には経済活性化をいろいろ我々は行おうとしているのである、経済活性化に加えて、特に金融的な面ではマクロの金融政策も重要なのであると、そのように位置付けをしております。
○福本潤一君 そういう意味では、具体的に金融、大きく景気にも影響しておりますので、昨年一月に銀行等保有株式取引機構を設立されました。そういう意味では、買取り業務を開始しておりますので、現在までの株式の買取り実績、今後の見通し、これを金融大臣に、また日銀にも同じようにこの株式買取り実績、今後の見通し、両者にお伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 銀行等保有株式買取機構の実績についてのお尋ねでございます。
 御指摘のように、これは株式保有制限の導入に伴う市場の混乱を回避するセーフティーネットとして作られたもの、昨年一月に設立されたものでありますが、昨年の十一月一日までの間に、合計千四百九十六億円の株式の買取りを行っております。
 さらに、新たに昨年十一月五日から今年の四月二十五日までの期間に株式買取りを実施することが決定されておりまして、現在、その株式買取りの業務が行われている段階でございます。
○参考人(速水優君) 私の方で昨年の十一月二十九日から始めております日銀による銀行保有株式の買入れの実績でございますが、本年一月二十日現在で、買入れ累計額は二千八百億円に達しております。
 今後どれぐらいの見通しになるかは、ちょっと今のところは何とも申しかねるということでございます。
○福本潤一君 両者でこの問題に対応しておるわけでございますが、別々に、ある意味では組織が二頭立てで実施しているという状況でございます。
 そういう意味では、先ほどの成果でいいますと、取引機構の方が若干うまくいっていないのかなとも思いますけれども、この二頭立てで実施しておる状況、また今後の課題につきまして、それぞれ、このままでいいのかどうか含めて、金融担当大臣、また日銀総裁にお伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 確かに類似の業務は行っているわけでありますが、基本的には違う目的を持って補完的に業務が行われているというふうに思っております。
 株式買取機構の方は、先ほど申し上げましたように、保有制限があって、それで株式が売られるときに市場が混乱しないようにというセーフティーネットであると。日本銀行の方は、株価変動が銀行のリスクをもたらすと、それをコントロールするための信用秩序の維持であるということで、これは補完的であるというふうに思っております。
 株式買取機構については、さきの臨時国会でこの制限法の一部改正によって事業法人の保有する銀行株の買取りも可能になっておりますので、この持ち合い解消の動きに対応するという点で更に役割を果たしていくべきであるというふうに思っております。
○参考人(速水優君) 私どもの方で昨年の十一月二十九日から始めておりますのは、金融機関の株価変動リスクの軽減を促進するといいますか、自己資本として株を銀行はたくさん持っておりますが、それが値下がりしていくと自己資本が圧縮されていく。それで、やはりこれからの銀行の経営にも、あるいは不良貸出しの償却等にも非常に差し障りがあって、金融機関としては非常におっかなびっくりという状況で株価を見ていたわけです。
 そういう中で、株価を上げるというのでなくて、銀行が自分の持っている自己資本のうちの中核資本といいますか、ティア1と言っておりますが、それを上回って株を持っている銀行からは、金銭信託を中に立ててもらって売却をして、銀行としてはなるたけ高く売りたいけれども、この辺で売って日銀に買い取ってもらうというようなことを話を付けて持ち込んでくるわけでございまして、その目的が非常に違いますことと、株式取得機構の方はセーフティーネットのようなものでございますから、こちらの方はそういう特定の目的の下に、しかも、だから限られた銀行になってくるわけで、買入れの銘柄につきましても上場株式に限っております。
 そのほかにも、こちらの一般の株式取得機構の方は会員制のようなことにして八%の拠出金を取ったりするようなことがあるわけでございますが、こちらの方は目的が非常にはっきりしておりまして、買った株は私どものところで最短五年は持っておるということになっておりますので、別に拠出金も取っておりませんし会員制度を取っているわけでもございません。
 それで、自己資本比率の規制上のリスクアセットの削減ということが私どもの方には多少ありますが、期限を一応十五年の九月までと、今年の九月です、ということに決めておりますので、その辺のところは目的をはっきりさせて、今困っている銀行が保有株が減価して、そのことによって自己資本が減っていくことを防ごうというのがねらいでございます。
○福本潤一君 機構と日銀、それぞれ目的持ってやっておるわけでございましょうけれども、若干お元気がないような気もしますので、日銀総裁、もうちょっと元気に、本来の銀行の安定のためにも対応をしっかりやっていただければと思います。
 引き続き、若年雇用問題について、これも大きなテーマで我々よく聞かれるわけでございますが、若い人が高校を卒業した後、現在六〇・三%と過去最低を記録しているということでございます。したがいまして、厚生労働大臣、これの対策、また文部大臣にも、若者がある意味では就職後三年以内に中卒者七割、高卒者五割、大卒者三割離職していると、七五三現象だと言われていますので、これに対する対策、両者にお伺いします。
○国務大臣(坂口力君) 若年者の問題、大変大事な問題でございますから、もう少ししっかりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
 一つは、若い人たちを雇う側の方が即戦力を求めているということでございまして、そういう意味で高校卒が敬遠されがちになってきているということがございますので、その点のところもこれ力を入れていかなければならない、それに対応していかなければならないというふうに思っております。
 また、十五歳から二十四歳ぐらいのところの失業者のところにつきましては、若年者のジョブサポーターを配置をいたしまして一生懸命取り組む、あるいはまたヤングワーク、ハローワークの中にヤングワークプラザなどを設置をいたしましたというようなこともやっている、あるいはまたトライアル雇用の活用をするといったようなことを推進をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(遠山敦子君) 新卒者の早期離職につきましては私も大変憂慮しているところでございます。早期離職の背景としましては、職業選択のミスマッチもあろうかと思いますが、御指摘のように、子供たちにしっかりした職業観が身に付いていないという面があることも確かでございます。
 このため、我が省としまして幾つかの施策を取っておりますが、一つは、就業体験を学生時代にやってもらうということでインターンシップを進めております。高校生に対して職業体験を持たせますと、やはり職業についての意識が変わってまいります。これで今は大体四割ぐらいの高校で実施いたしております。
 それから、キャリアアドバイザーを学校に置きまして職業の中での振る舞い等につきまして教育をする、そういうことについて調査研究を行うキャリア教育実践モデル地域指定事業を実施いたしております。
 また、私はキャリア教育につきましては就任以来大変心を痛めておりまして、この点につきまして更に進んだ政策を立てますために目下専門家による協力者会議を開いておりまして、キャリア教育の推進、それから手引の作成等に力を注いでいるところでございます。今後とも、厚労省とも連携しながらこの問題に対処してまいりたいと思います。
○福本潤一君 もう一つ、障害者の雇用問題、経済厳しい中で解雇数が史上最高という数字が出ておりますし、授産施設等々におきましても受注する仕事の量が減ってきて大変であるという状況も聞いております。行政として具体的な支援が必要と思います。ですので、坂口厚生労働大臣、この障害者雇用の問題、きちっとした対応をお願いしたいと思いますが、御所見をお願いします。
○国務大臣(坂口力君) 障害者雇用につきましては、こういう経済状況の中でかなり厳しくなっていくこと事実でございますので、できるだけ皆さん方にお願いをして回っているわけでございます。
 こういう状況の中でも大変多くの障害者をお雇いいただいているところもございますし、そうでないところもございます。そこで、先日も東京や大阪で発表をさせていただきましたが、現状どれぐらい、何%ぐらい雇用していただいているか、我々が目指しております目標に達しているかどうか、そうしたことをもう事業所名を明らかにさせていただくということで踏み切らせていただいたところでございます。これから皆さん方にお願いをしていきたいと思います。
○福本潤一君 雇用の問題では厚生労働省、大変大きな使命あると思います。今、緊急地域雇用創出特別交付事業八百億円増額しておられますけれども、今後、この実績と、問題あれば具体的にどういうふうに改善されるか、この方針をお伺いします。
○国務大臣(坂口力君) この緊急地域雇用創出特別交付金、各地域で大変これはいい案だということを言っていただいているわけでございますが、もう少し使い勝手が良ければ更に良いというようなことでいろいろの御意見を寄せていただいているところでございます。特に、半年で終わりになるというのは非常に厳しいので、もう少し、これを一年にならないかという御意見が一番多いわけでございまして、これにつきましては、林業に従事をされる方等を始めといたしましてかなり改善をさせていただきました。一々今日もう申し上げませんけれども、多くの分野でこれを改善をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。そうしたことでこれをもう少し使いやすい形にして皆さん方に御提示したいというふうに思っております。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参っております。
○福本潤一君 いずれにしても、経済の問題、また金融の問題、雇用の問題、大変な状況でございます。経済学者という、自信を持って論説言われてもなかなか現実にうまくいくのかどうか分からない深刻な状態でございますけれども、立派な大臣そろえておられますので、全力で取り組んでいただくように要望いたしまして、質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で福本潤一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、西山登紀子君の質疑を行います。西山登紀子君。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 私は、まず最初に、今社会問題になっております貸し渋り、貸しはがし問題について質問をいたします。
 一月二十日の経済財政諮問会議で、小泉首相は貸しはがしの事実を否定するかのような発言をされています。内容はこうです。「(小泉議長) 一部しか報道していないのではないか。」「野党やマスコミのいう「貸し剥がし」などに乗せられてはいけないと忠告された。」、こういうふうな言葉をわざわざ紹介をされまして、むしろ野党やマスコミが故意にあおっているかのような、そういうような物言いを議長の立場でされている。私はこの神経が本当に分かりません。
 今、貸しはがしや貸し渋りに遭って苦労していらっしゃる中小企業の皆さんは本当に疲労こんぱい、精神的にも追い詰められています。こういう気持ちを逆なでするような発言だと思って、私はとても許せない気持ちで一杯でございます。
 そこで、お伺いいたしますけれども、午前中も質疑がありましたけれども、貸し渋り、貸しはがしに対する平沼大臣と竹中大臣の御認識をお伺いしたいと思うんです。まず、平沼大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山先生にお答えさせていただきます。
 午前中の質疑の中でも私、答弁させていただきましたけれども、中小企業に対する金融情勢というのは非常に厳しいものがあるわけでございまして、私も地元に帰りますと、やはり中小企業の経営者の方々から非常に厳しい実態はじかに耳にしておりますし、また同僚議員も同様にそういうようなことを実際に地元に帰って聞いていると思っております。
 小泉総理の発言に関しては、私も経済財政諮問会議の場にいましたけれども、全体の流れの中で一方だけに耳を傾けなくて両方聞けというような、そういうニュアンスもあったかなと、こういうふうに私も聞いておりました。したがいまして、今の中小企業の状況が厳しいと、こういうことで、私はそういう認識の中で総理も補正予算を組んだんではないかなと、こういうふうに思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現状認識に関しましては、平沼大臣おっしゃいましたように、大変やはり中小企業の金融環境が厳しく更になっているというふうに思っております。これに対応するためにもやはり銀行にまずしっかりしていただかなきゃいけないというふうに思って、我々行政に当たっているつもりでございます。
 御紹介いただいた諮問会議のは要旨でございますので、その前後の会話が抜けている部分がございますが、平沼大臣の話にもありましたように、これは借りる側から見ると貸してくれないというふうに言うし、貸す側から見るとなかなか貸すところがないんだというふうに言うし、そういう押し問答をやっちゃ駄目なんだと。やっぱり少しでも時代を良くしていこうと、そういう議論の中で総理もバランスよく見ていこうというような趣旨でおっしゃったものでありますので、貸し渋り、そういったものの認識がないということではございません。
○西山登紀子君 竹中大臣も、貸し渋り、貸しはがしについては今はもう社会情勢になっている、社会現象になっている、そういう御認識でしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 午前中も御紹介いただきましたが、こういった言葉が社会の流行語になっているという意味も含めて言うと、やはり社会現象として深刻に受け止めなければいけないのだと思います。ただし、個々の問題については、これはやはり立場立場で言い分がございますから、深刻に受け止めると同時に誇張し過ぎてもいけない、しっかりと事実を見極めて対応をしていかなければいけないと思っております。
○西山登紀子君 今、現場では貸し渋り、貸しはがしという言葉よりももっとえげつない貸しえぐりという言葉がむしろ流行している。そういう認識をしっかり持っていただきたいと思うわけですね。
 それで、実は私たち日本共産党は、国会にもこの貸し渋り、貸しはがしの状況が大変だということで地域金融活性化法案を提案しております、既に。あわせて、地方でもしっかりとやっていこうということで、私の地元は京都なんですけれども、京都では貸しはがし・貸し渋り防止条例、ちょっと非常にショッキングなネーミングでございますけれども、分かりやすい条例の方がいいだろうということで貸しはがし・貸し渋り防止条例、こういうものを作りまして、分かりやすいものを作って、各金融機関それから各中小企業団体にも申入れをさせていただいているんです。私、これちょっと遠いですけれども、大臣、お渡しします。(資料を手渡す)
 実は、そういうものを持ちまして金融機関に参りましても、そういうものを持っていくと言っても金融機関は私たちに会ってくれます。会ってくれて、どういうお話になるかというと、ある常務は、貸しはがしという言葉は我々にはきついが、現場で仕事をしている者の感覚はおたくと同じ、おたくって私たち、同じだと、こういうふうに言っています。それから、都銀が悪いんだと、こういうことも率直に言われます。
 そして、これは特に竹中大臣にお分かりいただきたいんですけれども、これは私たちだけが言っているわけではありません。京都府の中小企業団体中央会の会長で渡邉隆夫さんという有名な方がいらっしゃいます。その方が、中小企業向け金融円滑化についての要望というのを、去年の十月の四日に地元選出国会議員、もちろん与党の方に出している。その文章を少し御紹介したいと思うんですね。
 現下の政府が推し進める不良債権の早期最終処理は、金融機関の貸し渋りと貸しはがしを加速させ、不況の痛みに耐えながらも前向きに事業活動を行おうとしている中小企業を倒産に追い込み、大量の失業者を生み出しました。少し飛びます。さて、現下の金融をめぐる状況、貸し渋りや貸しはがしの根本原因は行政、特に金融監督庁にあると思わざるを得ません。国際業務を展開する大銀行と地域の金融機関とを金融監督庁が同列で一律に監督していることが問題なのであります。さらに、金融機関が多過ぎるとしてその淘汰を進める政策は異常の極みであります。このような政策の下では、地域に根差し地元の発展に貢献する金融機関がもはや存在し得なくなることでしょう。
 こういうふうな非常に危機感を持って告発をされております。これが京都の中小企業団体中央会の方の告発でございます。
 平沼大臣に次の質問をしていきたいと思うんですけれども、配付されております資料を見ていただきたいと思います。
 これは、帝国データバンクの調査で、しにせ倒産を示したグラフでございます。九〇年には四百六十三件、七・二%であったものが、〇二年には件数は五千二百十三件と約十一倍です。構成比率は約四倍にもなっています。
 これは、私、このグラフを見て本当にびっくりします。倒産は増えているということは物すごい危機感は持っておりましたけれども、しにせ倒産がこのように増えているということにつきましては、これは大変異常な事態だと思うんですけれども、大臣の御認識はどうでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 業歴三十年以上、こういったしにせ企業の倒産というのは今お示しいただいたデータのとおりでございまして、二〇〇一年、二〇〇二年の割合というのが二四・三、二六・八、非常に異常に増加をしております。
 私どもとしては、このしにせ企業というのは非常に地域の文化を担い、そして地域経済の屋台骨として本当に活動してきた企業ですから大切にしていかなきゃいけない。そういう面で、こういう厳しい中でセーフティーネットをしっかりと張って、そして倒産防止の窓口、そういったものも開設しておりますけれども、相談に応じさせていただいてきめ細かく対応させていただかなければならない、本当に厳しい状況だという認識は私どもも持っております。
○西山登紀子君 平沼大臣の御答弁を竹中大臣もお聞きになったと思うんですけれども、このしにせ企業というのは三十年以上、中には百年以上もある企業もございます。
 このしにせの企業というのは、なぜ今まで銀行もちゃんとお金を貸してきたかといえば、それは信用です。信用という看板があって……(「のれん」と呼ぶ者あり)そう、のれんです。お客さんからも信用されていると。地域経済や文化や伝統や技術力の伝承という点でも非常に優れたものがある。雇用を支えている。中核の企業、今、屋台骨と大臣はおっしゃいましたけれども、正にその屋台骨であります。そして、銀行は今までは業績不振であっても、しにせ企業であれば信用力もあるし地域経済に与える影響もあるし技術力もあるから倒しちゃいけないということで一生懸命融資を続けてきたと思うんです。ところが、今はこれらのことは全く考慮されずにとにかくつぶされていっている、このデータはそれを示していると思うんですね。
 竹中大臣にお伺いしますけれども、このしにせ企業の役割、高い技術力や信用力で地域経済を担って支えてきている、このような役割、どのように受け止めていますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) しにせ企業の前に一言だけ。中小企業の銀行ですね、同一基準で大銀行、監督していると、そういうことはございません。かつ、その企業数が多過ぎるからそれを編成するというような考えを持っているわけでもございません。
 後で御質問あるかもしれませんが、ちょっとそのことだけ申し上げた上で、しにせ型の倒産というのは私たちも大変これは憂慮しておりまして、この帝国データバンクの関係者を呼びまして私たちもヒアリングをさせていただきました。その中で口頭で指摘あった点で、指摘されましたのは、しにせの中でも近年において新しい分野等々に積極的にやはりやっていっている、進出しているところが実は比較的やはり生き延びていると。そういうイノベーションが残念ながらできなかったところが苦しい状況に追い込まれているというふうな話がございました。ここはやはり時代の変化とその古いものを守るということをいかにミックスさせていくか、今のビジネスの難しさを象徴しているのではないかと思います。
 平沼大臣の中で、やはりしかし重要なのは文化という言葉がございましたけれども、その地域の社会性とか、そういう点はやはり私は大事であろうかと思います。私の生まれ故郷でも、小さいころあこがれていた地方百貨店が店を閉めるということが起こって、大変私も驚いたことがございます。
 そのような意味で、今リレーションシップのバンキング、別の基準からの議論を進めているところでございます。
○西山登紀子君 しにせが残っているのはただ古いやり方をそのまま踏襲して残っているわけではありません。そういう理解では困るんですね。新しい分野にどんどんどんどんイノベーションしている、そっちだけが生き残っているんだよと、従来型の古いやり方にやってきているのはつぶれても仕方がないんじゃないかという御答弁だったんですけれども、私はやっぱり竹中大臣、しっかり見ていただきたいと思いますのは、大臣はベンチャー、ベンチャーと、こう言われますけれども、その技術の大本は一体どこにあるか。
 京都を代表するベンチャー企業といえば京セラだとか村田製作所、またノーベル賞を受賞された田中耕一さんのいられる島津製作所、それから世界の堀場というのがあります。堀場製作所というのがございますけれども、そういった技術が京都の伝統産業の技術が本にあるということを御存じでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 言わば、その京都の伝統というのが、それが築かれた時点ではいわばその時代の最先端であり、それを常に磨いてきたから今日の京都の蓄積があるというようなことをかつてエッセイで書いたことがございます。
○西山登紀子君 大臣がもう少し理解を深めていただくために御紹介したいと思うんですね。島津製作所ですけれども、これは島津の、ホームページを見るとこういうふうに書いてあります。伝統産業をルーツとして産声を上げたと。近代京都の物作りの源流となった我が国のベンチャー企業の草分けだと自慢をしていらっしゃるわけですね。
 それで、世界の堀場、先ほど言いました堀場の社長さんがあるシンポジウムでこういうことを言っていらっしゃるんですよ。セラミックは清水焼から、これは京都の清水焼、大臣も御存じだと思います。それから、IC産業は京友禅の製版技術、私どもやというのは、堀場さんのこれは測定器なんですけれども、私どもや島津さんは京仏具の金属加工、表面加工の能力を生かしたものなんですと。三百年、四百年と積み上げてきた伝統産業の技術力は世界レベルであると。そのベースの上に新しい産業へと乗り換えていくわけですと。
 また、別の世界的な技術で注目を集めております工作機械のメーカーの社長さんは、自分のところは三百年前から続いてきた三面ずり工法という非常に高精度の伝統技術を用いて工作機械の製造をやっていると、こういうふうにも述べていらっしゃるんです。
 しにせ、技術力、こういったものは、長い伝統の中で断ち切られることなく、いろんな連鎖の中で積み上げられてきた技術なんですよ。ベンチャーといったって、やっぱりそういう伝統を引き継いだ上でのベンチャー企業の発展なんですよね。
 ところが、今やられている、このデータにも見られるように、どんどんどんどんしにせがつぶされていっているこの事実というのは、あなたがやっている今の不良債権処理というのは、加速策というのは、そういう技術の連鎖とか技術力の継承というものを全く見ないで断ち切っているんじゃないですか。しにせ企業などの技術や蓄積や人材を評価しない、単に帳簿づらで評価をして、採算がうまくなってないからということで数値だけで処理をしているのではないでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員のその技術の蓄積、技術の蓄積が新しい最先端の技術を生んでいくということに関して、私は全くそのとおりであるというふうに思っております。そのことを否定するつもりは毛頭ございません。しかし、それと、不良債権の処理をだからやるべきではないというのがどのように結び付くのかということに関しては、甚だ疑問のように思われます。
 これは、やはり目利きの問題だと思います。その技術がどのように今後生かされている可能性があるのか、それをまた生かして企業化していくような企業家精神があるのか、その辺を見抜く目が本来の銀行家の目であって、そのような目を持った銀行家にしっかりとなっていただくと、そのための改革をしているわけでございます。
○西山登紀子君 不良債権の、一般的に処理に反対しているわけじゃないんですよ。不良債権はやっぱりない方がいいわけですよ。しかし、そのためには、やっぱり景気を良くしていく、消費購買力を高めていく、そして、しかも不良債権と言われていても、やっぱり高い技術力を持っている、信用力を持っているところだとか、そういったものも含めて総合的に評価をしていかなきゃいけないと。ただ、もう業績が悪いからといってばっさばっさと切っていくようなことをやって、累々としたしかばねが重なっていくというようなことをやっちゃいけないということを言っているわけですね。
 実態はどうかと。否定するものではないと言うけれども、実態はどうか。一つ例を挙げたいと思うんです。
 京都の向日市というところで、昨年の十月の十五日ですけれども、創業一九一二年、明治四十五年のしにせの井上電機という企業が突然倒産をいたしました。一億円の資金融資をみずほ銀行に拒否されて自己破産に追い込まれたわけですけれども、社長は、もう万策尽きたということで、正に突然のことですから、朝の八時二十分に従業員、パートも含めて二百人、食堂に集めて、万策尽きたと。そこで何を社長が言ったかというと、政府の不良債権早期処理方針の影響だというふうに述べたわけですね。なぜかといえば、実は翌日、その倒産する翌日には実は改善策というものが取られる予定になっていたんです。フランスの方から営業権の譲渡ということを相談、ちゃんと技術力を見込んで営業上の相談に乗ることになっていて、うまくいくと社長は踏んでいたんですけれども、いきなりみずほは融資を断るということになってきて、そういう倒産という事態になりました。
 大臣は、否定するものではないし、ちゃんと面倒見ているというふうにおっしゃるんですけれども、実際、大手銀行の担当官はどう言っているかといいますと、これは大門議員の事務所で担当官にヒアリングをしたわけですけれども、その方がどう言っているかというと、技術や人材を評価することはできないと、中小企業版の検査マニュアルは考慮しておりません、独自の自己査定のマニュアルでやっていますと、今の加速策では中小企業への配慮などは到底実施できませんと、こんなことまで言っているんですよ。どうなさるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私はその方のおっしゃることを特に聞いておりませんから、それについてちょっとコメントを求められても困るわけでございますけれども、基本的に、もしも銀行たるものが、公的な役割を担っている銀行たるものがきちっと企業を見る姿勢すら失っているというのであれば、これはもう何をか言わんやであります。
 これは、やはり資産査定とかコーポレートガバナンスとか、今我々が進めているプログラムをしっかりと進める中で、もし本当に銀行がそうであるならば、必ずその中で問題がある銀行としてあぶり出されてくるでありましょうから、我々としてはそういうことがないようにしっかりと行政を進めたいと思っているわけです。
○西山登紀子君 このテーマの最後に平沼大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、いわゆる今、大手銀行のこのヒアリングは、国会議員の事務所に来て担当官がきちっと言った言葉でございます。いわゆる中小企業編マニュアルなんというものは今や絵にかいたもちで、そんなものもう考慮の余裕はないんだということを言っています。
 このままでは、京都の伝統産業技術を持った中小企業だけではなくて、大田区とか東大阪の高い技術を持ったところ、これは今アジアとかいろんなところから買いにも来るぐらいのすごい技術力のある中小企業もばさばさと倒されていきますよ、倒産に追い込まれていきます。そのことは、今現在の日本の経済の土台を突き崩していると同時に、将来に向かっての日本の物作りの技術を失うことになるんじゃないかと思います。それでいいとお考えでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大田区でございますとか東大阪というのは、高度な日本特有の物作りの技術が集積している世界でも希有なそういう地域であります。そういったところの企業の倒産がどんどん増えているということは非常に私は憂慮をしております。それは、やはり安い賃金を求めて、そして中国等へ移転をする、そういう中で大田区や東大阪の企業がどんどんどんどん倒産をしていくということは非常に残念なことでありますので、やはりそういった物作りの日本の基盤というものを私どもは大切にしていかなければなりませんので、そこはしっかりと応援をしていかなければならないと思っております。
 せんだって、東大阪地区でタウンミーティングをしたときに、東大阪の中小企業の皆様方にも集まっていただいていろいろ議論をさせていただきました。そういう中で、やはり厳しい中でも、例えば東大阪の技術力を持っている中小企業の皆様方が自分たちで小型人工衛星を打ち上げようと、こういうような目標を掲げて大変頑張っておられると、こういった動きも出てきておりますし、私どもはそういった非常に蓄積されたそういったものを大切にしなきゃいけない、そういう意味ではやはりしっかりとセーフティーネットを構築して私どもは手助けをしていきたいと、このように思っております。
○西山登紀子君 不良債権の加速策を風上できちっと止めないと、その技術力を断ち切るというこの横暴な政府のやり方ですね、きちっと断ち切りませんと技術力が断ち切られてしまうということを申し上げまして、次の質問に行きたいと思います。
 借換え融資制度についてお伺いしたいと思うんですけれども、私も今、経済産業委員をしておりますが、京都と全国のこうした中小企業の窮状に対して救済措置を平沼大臣にいろいろ提案をしてきたところでございます。
 中でも、中小企業者や団体の切実な声というのは、いわゆる貸し渋り対策三十兆円、金融安定化特別保証の存続、延長、復活、そういうことに併せまして借換え融資制度の創設が非常に強い要望でございました。ようやく今回、この資金繰り、名前がちょっと変わりましたね、資金繰り円滑化借換え保証制度というように変わったわけですけれども、この点は非常に現場でも喜ばれているところでございます。
 問題は、中小企業者が本当に切実に望んでいたこの安定化特別保証に匹敵するようなものなのか、あるいはそういう過去の特別保証で借りていたものをすべて借換えを認めるような対策になっているのかというようなことが非常に皆さん心配しておられて、期待感もあるわけですけれども、大臣にお伺いいたします。
 今回、創設される資金繰り円滑化借換え保証制度は、そのような中小企業者の皆さんの期待にこたえる内容になっているのでしょうか、お答えください。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは経済産業委員会の御質疑の中でも、西山先生からも京都の例等お出しいただいて、いろいろ審議をさせていただきました。
 今回のこういう、私どもは、長いわけですから、資金繰り円滑化借換え保証制度を借換え保証と、こういうふうに呼ぶつもりでございますけれども、これは、特別保証のみならずセーフティーネット保証、さらには一般保証を受けている中小企業者のうち計画的な返済可能性のある中小企業者に対しては既往の保証付借入金の借換えあるいは複数の借入金の一本化を行うほか、個々の事業者の実情に応じて、更に枠の中では増額保証、これも行わさせていただこうと、非常に柔軟に対応する仕組みを考えさせていただきました。そういう意味では、中小企業、零細企業の皆様方の御要望に十分おこたえできるのではないか、このように思っております。
○西山登紀子君 私もこの制度の発足は評価をいたしております。私も要求してきたことの一つでございます。
 お伺いしますけれども、今度の補正予算でのこの五兆円規模というのは、期間はどれだけなんでしょうか。来年の三月末までの期間有効ということでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の補正予算では、特に中小企業の、金融のいわゆる不良債権の加速化に伴って非常に中小企業の皆様方が厳しい立場に置かれる。そのためにセーフティーネットを構築しようということで四千五百億、そして十兆円の枠、こういうことでやらせていただきました。ですから、私どもとしては、今、当面、私どもはこの補正で手当てをさせていただいております。かつて、特別保証制度というのをやらせていただいて、これは三十兆で三年ということでございました。
 ですから、そういう意味では今おっしゃった十五年度というものを想定しておりますけれども、私は、やはり小泉内閣も、柔軟かつ大胆にと総理自身も言っておりますから、やっぱりこれから厳しい状況が出てきたときには、私は、やっぱり中小企業者に対しては柔軟に対応する、そういう基本姿勢は私は必要だ、こういうふうに思っております。しかし、今回の補正では今言ったような一つのことを想定してやらせていただいている、こういうことであります。
○西山登紀子君 ちょっと重ねて確認をしておきたいんですけれども、その借換えを申し出るというその期限というのはいつまででございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) この借換えというのは補正予算で手当てをさせていただきました。ですから、そういう意味では一応十五年度が対象になりますけれども、さらに、私どもはその枠はやっぱり確保しておかなきゃいかぬと思っておりまして、その辺ちょっと、今この借換え制度を構築中でございまして、今やっておりますので、今ちょっと、その期間については後刻御報告をさせていただきたいと思います。この場で御報告できると思います。
○西山登紀子君 十五年度も含めてということは確認をさせていただいてよろしいですよね。それより短くなることはないということですが、どうですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) それはそういうことで結構でございます。
○西山登紀子君 非常に厳しい状況だからこそ、私はこの五兆円というのは非常に少な過ぎると。平沼大臣も安定化保証に匹敵するような制度を作りたいということを去年の十一月にマスコミにも言われておりましたし、それにしては五兆円とは少ないなと私は思うんですけれども、今回の資金繰り円滑化借換え保証制度の対象にしているのは四百四十六万件、保証残高約三十五兆円、そしてそのうちの特別保証は百十四万件で約九兆円ほどあるわけですから、私はやっぱり五兆円は少な過ぎると。
 今、柔軟にとおっしゃいましたけれども、やっぱり、枠がなくなったからやりませんと、そういうことは言われませんね。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えがダブりますけれども、これは十五年度は当然やらせていただきますし、枠がなくなったら我々としては更にやらせていただくと、こういうことでございまして、私どもは今、一年限りとか、そういうことは想定しておりません。
○西山登紀子君 確認をさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。
 京都府と京都市が全国に先駆けて昨年の一月の二十八日から独自に京都府中小企業経営改善借換融資制度を実施をしてきたわけですけれども、担当の行政の方に伺いますと、安定化特別保証関係というのは国の借換えの対象ですから、その分が今回の制度で国が面倒を見てくれるということになれば、車の両輪で機能して倒産から救われる業者が非常に多くなるというふうな期待感が非常に強うございます。京都では、一月二十七日から更に期間も八年に延長した中小企業あんしん借換融資制度という新制度がスタートをしておりますけれども、確認をしておきたいと思いますが、特別保証の借換えというのは国が一〇〇%面倒を見てくださる、こういうことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特別保証の場合には、信用保証協会が代位弁済を行ったときには国が全額負担をすると、こういう前提が設けられた制度でありまして、その具体的なやり方については、国が負担すべき部分を各保証協会に基金を設けましてそれを積み立てて、そして代位弁済に至った場合には保証協会はその本基金を取り崩して損失補てんをすることができると、こういうことになっていた制度でございます。
 私どもは、今回準備している借換え保証制度において、特別保証付きの借入金を一般保証やセーフティーネット保証で借り換えた後にそれが代位弁済となった場合も、これまでと同様に本基金を取り崩して損失補てんをすることができるようにしたいと、このように考えておりまして、委員から御指摘のとおり、信用保証協会がそういう形で損失を被らないように責任を持ってやっていきたいと、このように思っています。
○西山登紀子君 それで、借換えの条件なんですけれども、すべてセーフティーネットで、セーフティーネット保証で対応すると、こういうふうに理解していいんでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 経済産業省では、極めて厳しい金融経済情勢の中で、やる気と能力のある中小企業の皆さん方が破綻に追い込まれることのないようにこれまで累次のセーフティーネット保証の拡充を行ってまいりました。
 具体的には、このセーフティーネットの保証の対象の拡大や手続の迅速化、これに心を砕いてきましたところ、昨年の秋の臨時国会で、私どもとしては中小企業信用保険法を改正をさせていただきまして、金融機関の店舗統廃合等の経理、経営の合理化に伴って貸出し減少に直面している中小企業者等に対しては新たにセーフティーネット枠を広げて対象にさせていただいたところでございます。したがって、こうした措置によりまして金融経済情勢の急変により苦境に陥った中小企業に対して、大胆かつ広範なセーフティーネットを構築してきたところであります。
 御指摘の点については、今般の借換え保証を利用される場合に、セーフティーネット保証の要件に該当しない者につきましては、セーフティーネット保証ではなく一般保証で借り換えていただくことはある意味ではやむを得ないと、このように考えておりますけれども、けれども、既にセーフティーネット保証の要件を大幅に広げているわけでございまして、実際には非常に多くの中小企業の方々がセーフティーネット保証の枠で借り換えることができるのではないかと、このように考えておりまして、やはりそういう中でもしこれをやるということになりますと、いろいろ法律、そういった問題もあります。しかし、枠を広げてきましたから、相当大きなものがここにちゃんと網の中に入ると、こういうことで積極的にやらせていただきたいと思っています。
○西山登紀子君 制度の設けた趣旨が中小企業を本当に倒産から救っていくという趣旨で作られたわけですから、是非とも、できるだけそういうことで救っていくということで実効を求めておきたいと思います。
 そこで、残り二つ聞いておきたいと思います。一つは、条件変更をやった後、なかなかうまく借りられないというような御意見がありまして、せっかくいい制度を作っても窓口に行ってそういう条件変更をやった事例が拒否されるということでは困りますので、その点についてどうなさって、きちっとやってほしいというのが一つと、もう一つは、地方自治体が更に地元の実態に合わせて横出し、あるいは縦出しのいい制度をやった場合には、是非それを大いに奨励をしてやっていただきたいと、この二点についてお伺いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 条件変更の実績というのは、昨年十二月末までで十八万件に達していまして、相当私どもは条件変更に応じさせていただいております。このガイドラインにおきましては、条件変更を行った中小企業者から再度、保証申込みがある場合には、当該条件変更のみを理由として保証対象外とはしないと、こういうふうに規定されておりまして、経済産業省としてはこれに基づいて条件変更を受けている中小企業者の個々の実情に即して、きめ細やかな保証審査に取り組むように信用保証協会を指導してきているところでございまして、今回の借換え保証制度におきましても条件変更している中小企業者にも借換え保証の対象に加えておりまして、従来と同様、信用保証協会等の関係者に対してこの点の徹底は図っていかなければならないと、このように思っております。
 それから、地方にそういう動きがある場合には、私どもとしては連携を密にさせていただきたいと思います。
○西山登紀子君 それでは、私の質問はこれで終わりにさせていただきまして、関連質問を大門議員の方からさせていただきます。
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。大門実紀史君。
○大門実紀史君 大門実紀史です。
 関連質問をさせていただきます。
 竹中大臣にだけお聞きいたしますけれども、私、今までの議論をお聞きしておりまして、今回の補正予算、何のために出されたのかというのがさっぱり分かりません。もう一度確認させていただきますが、今回の補正予算というのは、竹中プランといいますか、昨年出された、十月に出された不良債権処理加速に伴うデフレに対処するために出された補正予算だということだと思うんですが、もう一度確認のためにお願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平成十四年度の経済については、我々当初〇・一%見通しだったものが、実は実績はそれより少し良くなりそうだということは申し上げました。
 しかし、その間に新たな変化も起きております。一つ、一番大きな変化は、やはり世界経済の不確実性が非常に高まってきたこと。特に、十五年度はアメリカの問題等々もあるし、国内では不良債権処理の加速に伴う不確実性が予想をされる。そうした状況に対応するために、今回の補正予算をもって改革を加速させながら経済を安定化させていくと。そのために補正予算をお願いした。したがって、セーフティーネットと構造改革加速のための社会資本をその中身としているわけです。
○大門実紀史君 国内の方で、そうしますと、要するにリアルに具体的に考えますと、特に主要行に対して不良債権処理の加速をやりなさいということでありますから、そこから生まれる、具体的には主要行の不良債権処理加速から生まれる失業だとか倒産だとか、種々の問題に対処することが今回の、特にこの三月期決算を前後としていろんな事態が起こると思いますが、それが一番の補正予算の私は目的でなければいけないというふうに思うわけですが、実態はどうもそうなっていないという点を指摘しながら質問したいと思いますが。
 一つは、何が起こるかというと、もう貸し渋り、貸しはがし等、具体的にはその不良債権処理で整理に追い込まれる企業、特に中小企業の問題がこの三月を境にしていろいろ起こるわけです、三月決算へ向けて。その点で、二つの問題だというふうに思うわけですけれども、それにどう政府が手を差し伸べるかということが問われているわけです。
 二つ申し上げました一つ目の貸し渋り、貸しはがしの問題ですが、竹中大臣は今までの議論で、銀行に対しては、一方で不良債権処理は加速しなさいと。一方で、我が党、他党もそうですけれども、指摘した貸し渋り、貸しはがしはやめさせなきゃいけない、指導するんだとおっしゃってきましたけれども、この二つのことは矛盾いたしませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) その二つが矛盾しないように、総合的な金融の強化のプログラムを知恵を絞って組んだということでございます。
○大門実紀史君 資料を既に配付してもらっていると思いますが、矛盾するんです。
 それで、ちょっと大臣から説明してもらった方がいいと思うんですが、不良債権処理を加速すれば自己資本比率がどうなるのかと。貸出しを努力しなさいと言ったら自己資本比率がどうなるのかと。私のこれ、参考にしてもらってもいいですから、大臣から分かりやすく説明してもらえますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、不良債権処理でありますけれども、不良債権処理というのは、処理損が出るかもしれないという意味では自己資本を小さくする可能性がある。しかし、その分、オフバランス化を同時に進めるということであれば総資産も小さくなる。その進め方によってどのようになっていくかということである。
 中小企業に対する貸出し云々というのは、これは総資産、分母を大きくいたします。その分、様々な形でリスクをうまく管理して、リスク管理に見合って収益を上げていけば分子の自己資本も上がる。したがって、非常に多様な動き方をしますので、これをうまく、非常にうまくバランスさせていこうと。それで自己資本比率という世界の基準をクリアしていこうというのが金融再生プログラムの考え方です。
○大門実紀史君 私、そういう手品みたいなことはできないと思うんです。どうやって不良債権処理を、もう本当に倍の速度でやろうとしていますよ、この三月決算までに。もう今までと違う、むちゃくちゃやれと言っておいて、どうしてうまくとか総合的にって、どうやってやるんですか。具体的に説明してください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 決してむちゃくちゃやれと言っているわけではなくて、以前から金融庁で指導しているいわゆる二年、三年ルール、今あるものは二年でオフバランス化、新規のものは三年。五割八割ルール、一年目で五割云々という、それをきちっとやっていくということです。
 あえて言えば、資産査定については、これまでの自己査定と金融庁査定の間で乖離があって甘い部分があったから、そういうのは埋めてくれと。できるだけ市場に評価されるような資産査定はしてくれと、そういうことを言っているわけでありまして、むちゃくちゃなことをやっているわけではございません。
 具体的には、自己資本を充実されるように、ちゃんとガバナンスを発揮して利益率を高めろと。総資産についても、むしろ証券化等々がしっかりと行えるような形で、貸出しに影響が余り出ないようにしろと、そういうことをかなりきめ細かく可能な範囲で考えて金融再生プログラムは作られております。
○大門実紀史君 二年、三年ルールですと、今度の三月期まで約五・二兆円の処理をすれば、主要行ですよ、大体そのルールに乗っているわけですね、あと五割八割ルール合わせても。ところが、今大体その倍の処理をやろうと。むちゃくちゃな数字になっているわけです。
 大臣いろいろ言われましたけれども、そういうふうにいろいろ総合的にやっていたら何で実際に貸出しが減っているんですか。減っていますよね、この間、みずほだってUFJだって。それで業務改善命令を受けたり、みんな減らしていますね。うまくやっていれば何で減ったんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 銀行は、とにかく二年以内に不良債権問題を解決しようと思って今いろんなプランを発表しつつあるところです。我々はそれが本当に着実に実行されるか、かつそれが実体経済に過度な負担を与えないかということを今慎重に見極めているところです。それぞれ三月期の決算期でそういったものが出そろいますので、それに向けては、実体経済に対して過度な負担が掛からないように我々としても本当に注意をして見ていこうと思っております。
○大門実紀史君 これは簡単な分数ですよね。小学生でも分かる分数なんですよね。
 今、政府は、竹中大臣が言われているのは、要するに自己資本比率、これは不良債権の処理どんどんやれば処理損が出て小さくなるわけですよ。一方で、貸出しを減らすなと、中小企業減らすなということになると、総資産が減らせないわけですよ。増やせというふうになっているわけですよね、あの業務改善命令で。そうしたら、自己資本比率がごそっと下がりますよ、これ、分母が大きくなって分子が小さくなるんだから。それで、一方では八%、自己資本比率が、(資料を示す)別にパネルというほどではないんですけれども、八%を切ると公的資金を入れると。国有化されるんじゃないかというので銀行はもうなりふり構わず今資産圧縮をやっている、だから貸出しが減っているということなんです。どうしてそれが認識されていないんですか、金融庁が。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず我々が解決しなければいけない問題として、自己資本比率というのはやはりきちっと守っていかなければいけない、これはやはり国際的に見たら、少なくとも主要行についてはそれを守らなければいけない、これはやっぱり私たちにとっては与件だと思います。いろんな御意見があるかもしれないけれども、与件だと思う。
 もう一つ、資産の査定については、本当に不良債権があぶり出されているかどうかということに関して常にやはりマーケットから非常に厳しい目がこの数年来寄せられてきた、この問題は解決していかなければいけない。したがって、資産の査定はしっかりと行っていかなければいけない、これもやはり私は与件だと思います。その中でこれをどのように解決していくか。
 したがって、不良債権処理、処理と言いますけれども、まずしっかりと資産査定をやって、そのとき処理損を出すというのは、これは一つあります。もう一つ処理の意味は、オフバランス化するわけでありますけれども、例えばオフバランス化するときに、証券化していったりという形で別の資産の所有者を見付けていくような方法を取れば、これは全体としての貸出しとか、そういったことに対しては影響を与えないわけですね。
 したがって、金融再生プログラムでは、繰り返し言いますが、まず収益力を高めて自己資本もしっかりやりなさい、本当に必要な場合は政府も公的資金を使うという、それで金融から底割れさせないというふうに言っていると。資産については、とにかく資産査定をしっかりやりながら、しかしながらオフバランス化のための証券化等々の手法も取り入れて、様々な形でこの狭い道を歩んでいけるようにしていると、私が申し上げているのはそういうことでございます。
○大門実紀史君 私、先ほど西山議員言われましたけれども、この二日間で四大メガバンク、UFJ、みずほ、三井住友、東京三菱、全部私の部屋へ来てもらって、本店の担当者にこの加速策で何を今やろうとしていてどうなっているかというのをすべてヒアリングをいたしました。
 大臣言われた証券化とかは限界があるんだと、今ローン担保証券とかいろいろ作っていますけれども、デリバティブ作っていますけれども、いろいろ全部やったってそれはすべて限界があるんだと。余りやり過ぎると、資産が劣化していますからね、相場が下がっていますからね。
 だから、結局あれこれやったけれども、もう貸出しそのものを減らすしかないんだということをもう担当者がこちらに、日本共産党に泣き付くような言い方で言うような状況になっているんですよ、今。だから、あなたの言われたようなあれこれとか狭い道とかじゃなくて、もう道はふさがれているんです。道はふさがれているんです。貸出しを減らさない限り、結局、自己資本が下がって公的資金入れられると、ここまで来ているんです。どうしてそういう認識を、本当にないんですか、そういうことが、分からないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私はそういう認識は全く持っておりません。
 石油ショックのときから、例えば日本の製鉄業は本当に乾いたぞうきんを絞るような形で省エネ化を行って、その詰めた詰めた詰めたところで競争力を高めて今日の日本経済を築いてきた。それに比べれば私は日本の銀行はまだまだやれる余地があると思っております。これは、そうした中で例えばみずほが非常に大規模な増資をするということを、これ計画し出したと、我々はこれを注目をしております。銀行に関しては経費の面も含めて、ないしは様々な、これはプロフェッショナルですから、金融の手法などもいろいろ考えられると。それについては大いにこれは知恵を絞る余地があると思っております。
○大門実紀史君 もう少し現場をつかんでほしいし、大手行は特にあなたが出された追い込み策で今慌てふためいてなりふり構わずやっているわけですから、できるのかできないかぐらいちゃんと話を聞くべきですよ、こちらが聞いているんですから。あなたが聞くべきです。そんなふうになっていないです、本当に今。
 もう、はっきり言いまして、金融庁は貸せと言うのか貸すなと言うのか分からないと。それぐらいの状況ですよ。貸したいと、銀行だって。大銀行だって貸したいと。貸すに貸せないという状況に今なっているわけです。
 ちょっともう一度ちゃんとヒアリングをしてほしいのと、とにかく不良債権処理、この無理な加速策をやめない限り、幾らいろいろセーフティーネットだとかあれこれ言ったってなくなりませんよ、貸し渋り、貸しはがし。もう貸しえぐりと言われたその状況、もっとひどくなりますよ。あなたが起こしているんです。銀行じゃないんです、ここまで来ると。あなたの加速策が起こしているという認識を是非持ってもらいたいと思います。
 もう一点、そのヒアリングのときに聞いたことで御指摘したいと思いますけれども、まず、これは銀行の担当者も言っていましたけれども、改革先行プログラムの中で、オフバランス化のときに、銀行がオフバランス化する、最終処理すると、そのときに中小企業への配慮というのはどういうふうに書かれていますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平成十三年十月二十六日の改革先行プログラムのお尋ねだと思います。それの金融庁関連部門では、オフバランスに当たっての配慮として、その際、次のような点を留意するように要請すると。「中小企業については、その特性も十分に考慮し、再生可能性、健全債権化について、キメ細かく的確な判断を行う。」、そのようなことを述べております。
○大門実紀史君 主要行が今先ほど言ったように不良債権のオフバランス化を急いでいますけれども、その中でこのことは配慮されておりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは正に今、各行が一生懸命全体としての不良債権を減らす中で、中小企業等々の対応としてもいろんな改善を、取り組んでいるところでございますけれども、各行における例えば主な取組例としましては、債務者の経営改善のための組織や専担者を設置するとか、債務者に対する経営改善計画策定に関する助言をより一層強化するとか、銀行からの人材派遣、外部コンサル等の紹介、活用を通じて再建のてこ入れをすると。これ、やはり銀行からとっても、自らの債権を保全して将来にわたって長く付き合える企業を育てるということでございますから、それはそれで努力の面もあるということだと思います。
○大門実紀史君 それでどれぐらいの中小企業が再生される見込みなのか、つかんでおられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはオフバランス化の内訳とか個別の話の積み上げでありますから、そういうことに関するところまで金融庁が把握しているわけではありません。
○大門実紀史君 私がヒアリングしましたら、再生に持っていくというふうな中小企業というのは、中小企業の中でも中堅の方ですけれども、一支店当たり一社か二社というレベルです。ほとんどできませんと。こんな加速策が言われている中でそんなことできませんと。もしもやれというんだったらば、二年、三年ルールを、二年、三年で中小企業を、破綻懸念先の中小企業を処理に追い込むこの二年、三年ルールを外してほしいと。それ以外、二年、三年で中小企業なんか立ち上げる、再建すると言われても無理だということを言っていますが、無理じゃないですか、二年、三年を大企業も中小企業も当てはめたら。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、不良債権処理をしっかりと今の段階で加速しなければ、銀行システム全体から、世界全体が、世界の市場から物すごい危機にさらされているということなのではないかと思っております。
 その意味では、今までのルールにのっとってやるべきことは粛々とやっていく。しかしながら一方で、いわゆるリレーションシップバンキング、地域等々については、これは別の基準、何度も申し上げておりますけれども、これについて今、金融審でワーキンググループを立ち上げて、その在り方を検討しているところでございます。
○大門実紀史君 私が聞いているのは当面の主要行、大銀行のことです。リレーションシップは関係ありません。
 じゃ、竹中大臣にお伺いしますけれども、あなたも中小企業の息子さんですよね。中小企業がこの不況でのどん底のときに、二年、三年で見通しが立つんですか。二年、三年で立ち上がらないと、はい上がらないと整理に追い込むというのが二年、三年ルールでしょう。中小企業がそんなものに対応できるんですか、そんな物差しに。どう思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の親の企業は都銀からお金を借りられるほど立派なところではございませんでしたですけれども、基本的には、そういう事業の見通しもなくやはり債権を管理するということは、これはこれで結局国民の負担になるような不健全な面がもたらされる。
 その意味では、これは様々な形、要因を考慮しながらも、やはり経営判断でしっかりやっていかないと、繰り返し言いますけれども、これは日本の主要銀行そのものの存在が世界のマーケットで問われることにもなるわけでありますから、そこはしっかりとバランスを取りながら十分な配慮をすべきところはする。その配慮は、先ほどから平沼大臣がいろいろ御答弁になっているように、政府系機関の活用でありますとか、それなりの新しい措置でありますけれども、そういうものを組み合わせてこの難局をやはりしのいでいくしかないというふうに思います。
○大門実紀史君 大事なのは銀行じゃないんです。経済で、中小企業で、大企業も含めたっていいですよ、会社が大事なんですよ、銀行が大事なんじゃないんですよ、勘違いしちゃいけませんよ。経済を支えているのは銀行じゃなくて、実体経済を支えているのは企業ですよ、ほとんどが中小企業ですよ。銀行だけさっぱりして中小企業をばたばたつぶしてどうするんですか。おかしいでしょう。
 それで、大体この話の始まりですよ。竹中大臣は、不良債権問題というのは特定業種の特定大企業の問題だとずっとおっしゃってきました。木村剛さんも、問題は三十社、五十社だとおっしゃってきました。この前、メガバンクに全部聞いたら、三十社、五十社は全部めどが付いた、残っているのは中小企業です、それをやれと言われるのは仕方がないんだ、二年、三年ルールでと、こう言っているわけですよ。だから、その二年、三年ルールを外さない限り、あなたは中小企業問題じゃないと言っていたんだから救わなきゃいけないんじゃないんですか、なぜその決断できないんですか。外しなさいよ、二年、三年ルール、中小企業は。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。はい、じゃ簡潔に。竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大門委員が言われるように、大切なのは企業であります。その企業に対して安定的な資金供給ができるような銀行にできるように頑張って行政を行いたいと思います。
○大門実紀史君 最後に一言言っておきますけれども、とにかくあなたが大臣になられてから日本経済むちゃくちゃになるばかりです。先ほど、立派な学者だからという話がありましたけれども、それだったらもう一日も早くどこかの研究室に戻られて、好きな研究、有意義な研究をやってもらいたい、一刻も早く辞めてもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で西山登紀子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 国会改革連絡会(自由党)の平野達男でございます。
 竹中大臣にまず質問したいと思います。
 最近、竹中大臣はいわゆるマクロ金融政策といいますか、マネーサプライに関する発言を積極的にやられております。先般、ダボス会合にも出席されて、これは非常に短い出張だったと思うんですが、その中でもマネーサプライの増加が最重要との趣旨の発言がされたという報道がなされておりました。
 この発言の意味、背景、趣旨、こういったことについてまずお聞かせ願えるでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 当面の経済のマネジメントにおいてマネーサプライが極めて重要であるというのは、これは決して私の独自の意見ではなくて、ダボス会議等々でもそういう意見が非常に強かったし、専門家のおしなべて共有されている意見ではないかと思います。
 一九八〇年代、日本のマネーサプライの伸びは一〇%ぐらいあった。九〇年代、二・六%であった。日本の潜在力等々を考えて、マネーサプライがもう少し伸びるような状況でなければいけない、その点を特に物価問題との関連で強調させていただいているわけです。
○平野達男君 お手元に資料を配らせていただいております。今、マネーサプライの話がされていますが、これとのセットでよく議論されるのがマネタリーベースです。今、竹中大臣が言われたのは、マネタリーベースが最近では二〇%ぐらいの伸びで伸びているにもかかわらず、マネーサプライ、いわゆる銀行、金融機関から市場に流れるお金の伸びが数%にとどまっていると、この状態を危惧しているということだろうと思います。
 このマネーサプライというのは、上の図で書かれたM2プラスCD、この折れ線グラフがそうなんですが、その一方で銀行貸出しはずっとマイナスの状況を続けている、これが実態でありますね。
 そこで、このマネタリーベース、いわゆる日銀からずっと、ハイパワードマネーとも言われていますけれども、出されているお金が金融機関から出ていかない。この事情につきましては財政金融委員会等についてもいろいろ議論させていただいておりますが、需要側の問題、金融機関の問題、最たる問題は不良債権だと思いますけれども、もう一度ちょっと竹中大臣、御所見をお伺いさせていただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日銀から銀行にかなり潤沢な資金が行くんだけれども、その先、銀行から先に資金が行かない。正にこれは銀行が本来持っている金融仲介の機能が非常に大きく損なわれている。一体、日銀が出して、お金出して、それがどのぐらいマネーサプライ増やすかという信用乗数ありますが、乗数そのものが半分ぐらいに落ちていると。その大きな要因として銀行の不良債権の問題が考えられるというふうに思います。
○平野達男君 これに関してはいろいろ言われていまして、不良債権というのは企業側から見ると過剰債務でありまして、幾ら稼いでも稼いでも借金の返済に回してしまって再投資に向かわないと、こういった事情もあるということ、いろいろ言われております。
 ちなみに、こういうふうに潤沢に資金供給されていても、一方でコール市場がほとんど冷え切ってしまって、銀行はいつでも資金調達できますから、コール市場が最盛期の半分ぐらいの状況にしぼんでいるというようなそういう状況にあります。
 そこで、先ほど竹中大臣言われた不良債権の話に移っていきます。
 午前中の櫻井議員の議論にもございました。私は、この不良債権の種類につきましては二つあるんじゃないかと。要するに、今までの経済活動の中でたまったもの、これが洗い出しが遅れてきたというこの認識、これ竹中大臣言われておりますね。
 それからもう一つは、経済の悪化に伴って、今資産デフレが進んでいますから、その経済の悪化に伴って不良債権がどうしても出てくる。こうなってきますと、今度は不良債権がフローという形で動いてきます。これはストックとフローという二つの概念があると見る方が正確かと思うんですが、こういう見方でよろしいでしょうか。確認をちょっとさせてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) ストックとフローというのは、かつてからたまっていたものと、経済が悪いことによって新規に出てきたものと、そういう御趣旨であるならば、そのとおりだと思います。
○平野達男君 そこで、今、ストックの今までたまってきたものの洗い出しを一生懸命やるという意味で金融再生プログラム、資金手当ても一緒にやりましょう、引き当てもしっかりやる、資産査定を厳格化すると。そういう中で進めるんだろうと思うんです。
 そこで、お手元の資料の二ページ目を見ていただきたいと思います。これが主要行の破綻懸念先以下債権の状況ということで整理してあるわけでありますが、新規発生、新規発生、新規発生で来まして、十四年三月期に六・九兆円。これは、午前中の櫻井委員の質問に対して、先ほど言ったフローとストックで見た場合の比率はどうですか、どれぐらいですかということに対して、竹中大臣、今回初めて数字を出していただきまして、七、三だというふうに言われました。これはこれで、このとおりでよろしいでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この数字は、財政金融委員会で私一度お話ししたことがございますので、初めてではございません。七、三なのか、三分の二、三分の一程度なのか、その十四年三月期に関してはそのぐらいであろうというめどを持っております。
○平野達男君 これ、私が質問したときには、そのときには大部分という言い方で数字は言っていないんです。今回初めて出されたんです。
 それで、平成十四年九月期、二兆円出ました。では、これはどういうふうに見られますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましためどは、銀行からのアンケート等々によって洗い出ししているものですので、まだ新しいものについてはアンケートはまだ取っておりません。ただ、今回に関しては、かなり洗い出しがなされているということに関しては、経済が悪くなったというもののウエートは十四年三月期よりは当然高まっているというふうに思っております。
○平野達男君 ちょっとこれは通告申し上げませんでしたけれども、そのときの財政金融委員会の答弁では、六・九兆円の中身についてはこれは大部分で、よくこの割合については精査する必要がある。それから、私は、新規、景気が悪化したことに伴って不良債権が出てくる、この割合が増えてくるはずだと。これはどうなりますかと言ったときに、十四年九月期の数字を見て精査をする。それから、六月にもう一回特別検査があります、その数字を見て、その結果を見て判断すると言われています。そういった意味で、この二兆円というのはどのように見られているかという質問をしたつもりだったんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今御答弁申し上げましたのは、これは理由というのは、向こうに聞いてアンケートを取らないと分かりませんので、決算の数字は出ておりますが、アンケートはまだ集計されておりませんので、それを見て判断をしなければいけないと思います。
○平野達男君 私は、この不良債権の種類をどういうふうに見るかというのは、いろんな政策の中で非常に重要だと思っています。それが今アンケートを見てやるというのではなくて、竹中大臣の所見としてはこれはお持ちにならないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはしかし不良債権というのは個別の事案の積み重ねですから、私はその個別の事案を全部積み上げるというのはやっぱりできませんですから、その個別の事案に近いところで一義的な判断をやはりしていただかないと、ちょっと私としては、全体の数字からはこれはとても判断のしようがないと思います。
○平野達男君 これは私は、個別の積み上げでもやるべきだと思います。
 というのは、今のストックとしてある洗い出しの不良債権というのは、今、竹中大臣言われているように、資産査定の厳格化でぎちっとやっているわけです。それが洗い出しがだんだん終わってきて出てくれば、もうこれは新規の不良債権になってしまうんです。そうしますと、今不良債権処理の加速と言っていますが、ある加速というところで、洗い出しのところが終わりますと、不良債権というのは、資産査定さえしっかりやっていけば、言わば自動操縦的な、表現が適切だかどうか分かりませんが、出てきたものは資産査定をしてきっちりオフバランス化する、こういう作業に入ってくるんです。
 そうすると、何が変わってくるかといいますと、不良債権処理の加速ではなくて、今度は不良債権処理の発生を抑える方にもっともっと軸足を置かなくちゃならなくなってくるんです。この判断をするのはこれは竹中大臣なんです。
 だから、この不良債権の新規発生の種類はきちっきちっきちっと厳格に見ていかなければ全体の経済政策の中で方向を誤るんじゃないですかという、そういう認識を持っているから言っておるんですが、もう一度御答弁願います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員と私も全く同じ認識を持っております。だから、今精査をしております。ただ、今回、十五年三月期に関しては、一部ディスカウント・キャッシュ・フロー等、導入等々ありますから、そういうものについてもこれは別途考慮しなければいけないと思います。
 ただ、いずれにしても、おっしゃったように、いわゆる定常状態といいますか、自然発生的に経済が悪くなってくることによって、洗い出しの部分ではなくて出てくるものがどのぐらいあるかということは、これは経済政策の判断基準として大変重要であると思いますので、その点はしっかりと把握するつもりです。
○平野達男君 そのアナウンスメントというのはやりますか。──ちょっと済みません、ちょっといいですか。関連をし過ぎたかもしれません。
 今、不良債権の割合が、いわゆる洗い出し部分ではなくて、景気に伴う、あるいは銀行が、これはどうしてもリスクを取っていますから、リスクを取って貸したけれども結局駄目になったと、新たな、いわゆる洗い出しではない不良債権だという、そういった筋のものだというふうなものが多いということが明らかになった段階でそれはアナウンスしますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 例えば、平成十四年三月期における金融再生法開示債権の増減要因というのを発表しております。それと同じようなものについては、引き続き、その数字が入るたびにきちっと公表をしていきたいと思います。
○平野達男君 是非そういうことでお願いしたいと思います。
 それで、もう一つ、資金が出ていかない、市場に出ていかないという理由の中にやはりデフレの問題があると思います。要するに、将来の見通しが付かないから投資ができないという、そういうことだと思うんですが。
 このデフレ、現象面で見ると物価の下落ということで出てくるわけですが、竹中大臣は、物価下落は金融要因と物的要因がある、しかしすぐれて金融要因である、金融現象であるというふうに言っておられますが、これはどういう考え方で言っておられるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一昨年の経済財政白書でこの点についてかなりしっかりと分析をさせていただきました。需給ギャップ要因は確かにある、しかし需給ギャップは今そんなに過去の不況期に比べて大きいわけではない。だから、これが過去に比べて決定的に大きな要因であるというふうには思っておりません。ほかに、供給側の要因がありますけれども、例えば安いものが外から入ってくるとか、これも確かにあると思います。しかし、これはアメリカやヨーロッパにしても中国の安いものが入っているわけですから、これだけで日本のデフレは説明できるのかと。
 そうしてみると、やはりマネーサプライの伸びが日本は非常に低いと、こういった情況証拠から日本のデフレに関しては金融的な側面が大きいのではないだろうかというふうにやはり推察されるわけです。
 それともう一つ、経済の成長率が比較的高かった例えば九六年とか、GDPデフレーターの低下というのは九〇年代半ばから始まっていますから、九六年は成長率が高かったと、それと九九年、二〇〇〇年も高かったと。そのときも物価は実は下がっているわけでありますので、そういった点から考えてもやはり金融的要因は否定ができないというふうに思っております。
○平野達男君 そうしますと、単純な話、マネーサプライが伸びれば物価もそれに伴って上昇すると、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 要因は複合的でありますから、単純にこれだけよいという打ち出の小づちを想定しているわけではございませんが、やはりマネーサプライが伸びるということは大変重要なことだと思います。
○平野達男君 そのマネーサプライのコントロールをやっているのが日銀であります。今日は日銀総裁においでいただいております。
 その物価の下落はすぐれて金融現象であるという、これは竹中大臣の御主張でありますが、速水総裁はどのようにお考えになるでしょうか。
○参考人(速水優君) 物価の下落は貨幣的現象であるかどうかと。
 この貨幣的現象という言葉は、昔、フリードマンという学者が使った言葉だと思いますが、正確には、インフレは貨幣的現象と、こう言ったように思います。本来、この言葉は、極めて長い期間で見た物価とお金の関係をあくまでも事実として示すものであります。お金の量が変わればそれで物価が動くといった因果関係を必ずしも示すものではありません。
 現在、日本銀行が前例のないほどの金融緩和をしまして、マネタリーベースの方は先ほどおっしゃったように伸び率、水準とも未曾有の高水準になっております。前年比二〇%。マネーサプライの方も、銀行の信用仲介機能が十分に回復していないこと、それから企業の財務リストラの影響などもあって、マネタリーベースほどの伸びはございませんけれども、GDPとの対比で見れば高めの水準であると言えると思います。しかし、こうした下でも物価や人々のインフレ予想というのは高まっておりません。このことは物価とお金の量との関係がそれほど単純ではないことを示しているように思います。
 今の物価下落の背景としましては、エマージング諸国の工業化などに伴って世界的な物価低下圧力が働いているということ、しかし、やはり民間の経済活動がなかなか高まらなくて需要不足が大きくなっていること、こういうことがあるんだろうと思います。
 したがいまして、今大事なことは、規制改革とか税制改革などを通じて成長期待が高まって、前向きの経済活動がどんどん起こってくれば、物価も自然に上がっていくと思っております。日本銀行は、そうした前向きの経済活動の芽を金融面から最大限後押しするように今後とも中央銀行としてできる限りの努力をしてまいりたいと思っております。
○平野達男君 竹中大臣とはもうほとんど一致しない見解ではあったかと思います。
 そこで、マネーサプライが、この量を拡大することが重要だということなんですが、今持っている手段として、仮にこのマネーサプライを増やすとすれば、今どういう手段がありますか。日銀は今国債を買っております。あるいはETFを買ったらどうかとかいろんなことを言われておりますが、この手段として、竹中大臣、どういうことを日銀に期待し得るというふうに思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 政府と日銀というのは政策目標を共有して協力しなければいけない、しかしデフレ克服というようなこと、デフレ克服であるならば、具体的にどのような政策手段を取るかに関しては、政府は軽々に日本銀行に対して圧力を掛けるということはやはり私は慎むべきであろうと思います。正に政策手段の選択が日銀の独立性の問題であろうかと思っております。
 ただ、一般論として言えば、マネーを出すには資産を買えばいいと。今国債という資産を買うというのはその一つでありますけれども、その意味でいろいろの工夫の余地があるのではないだろうかというふうには思っております。
○平野達男君 今、竹中大臣は一般論で言われたと思います。
 それではまた恐縮ですが、日銀総裁、このマネーサプライを増やすための政策の余地というのはまだありますか。
○参考人(速水優君) マネーサプライを増やしていくためには、不良債権問題への取組などを通じて金融仲介機能を向上させていくことが大切だと思います。それと同時に、規制の改革とか税制の改革などを通じて企業や家計の活発な支出構造が引き出されていくように持っていくことが大事だろうと思っています。我々はそういった状況を後押しすべく、中央銀行として最大限の努力を払っていきたいと思っております。
○平野達男君 そこで、竹中大臣、国債を買うというのは一般論で言われました。資料の一ページ目の三番目をちょっと見ていただきたいと思います。
 いわゆる十年物長期国債のこれは金利です。最近つるべ落としに落ちています。昨日のニュースによりますと、長期金利〇・七五五五ということで過去最低の金利まで下がったと。金利が下がったというのは、要するに国債が高騰しているということですね。ある方に言わせれば、金利が一・〇を下回るような状況になれば国債のバブルだというような言い方をされている人もいます。
 そこで、国債を幾ら買っても、今例えば日銀が金融機関の持っている国債を買う、それで当座預金にそのお金が行きます。当座預金からまたお金が行かない。当座預金からお金が行かないやつがどこに行くかというと、また新たな国債のところに回ってくる。国債を中心にしてお金が動くという状況が今できているんじゃないかと思うんです。こういう状況の中で国債を買うということが、竹中大臣、これを一般論でという形で今言われましたけれども、まだお進めになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども申し上げましたように、どの資産を買うかというのは、日本銀行の政策決定会合でやはり御議論をいただくようなテーマであろうかというふうに思います。国債を買うのが適切であると思えば国債を買うし、そうじゃない資産が適切であると思えばそのようになさると。私がこの国会の場で申し上げることは控えさせていただきます。
○平野達男君 ちなみに、塩川財務大臣、よろしいでしょうか。よろしいですか。
 この長期金利が〇・七五五%という低利にまで下がったことに対して、国債政策管理上どのような影響があるというふうに思っておられますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今すぐにぎりぎりしたものは起こってこないと思っております。ですけれども、非常に金利が下がってくるということにつきましては、やはり国債政策上、十分な監視をしておかなきゃならぬと思っております。
 幸い、これだけ金利が下がったのでございますから、私は、もっとやっぱり経済界全体で、物価の問題等に関連しまして私思うのは、最近、倉荷証券が物すごい減ってきましたね。それは何かといったら、在庫投資が全然行われていないということなんです。異常なんです、これは。ですから、もう少し経済の安定的な状態を保つためにも在庫投資、やっぱりこれマネタリーの問題があると思いますので、私はそういう点で、これだけ金利が安くなれば少し在庫投資に入れてくれて、それで物価の安定を図るということも一つは努力してくれてもいいんじゃないかなと。極端に在庫が減ってきているということ、これ私は、やっぱり財界に要請もしたいなと思ったりしております。
○平野達男君 私は、財務大臣としては非常に気になるのは、これだけ金利が下がったら長期国債ますます人気なくなりますよね。ますますもって国債を買うときは短期に集中してしまう。長期国債の人気がなくなりますと、財政運営は非常に大変になりませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) ですから、我々は国債の発行を極力少なくしていくということと、それからもう一つは、これだけなってきて、金利が安くなってまいりましたけれども、機関債に引き受けてもらうというんじゃなくて、個人に、国民が国債を持ってもらうという、国債の所有を分散さすということが非常に大事になってきた、金利が下がってくるということは。それで、今度三月から個人向け国債を発行することにいたしました。これによって多少とも金利が下がることによって起こってくるところの国債への不安というものを停止していきたいと、こう思っております。
○平野達男君 日銀総裁、マクロ経済というか、低金利、これだけの金利が下がったことに対してどういう影響がありますか。ちょっと御所見をお願いします。
○参考人(速水優君) 長期金利が昨年末以降、低下傾向がかなり大きくなってきまして、足下では、十年物国債金利で見て、今、二十八日で〇・七八五%、既往のボトムは九八年に〇・七四というのがございますけれども、これだけ下がってきておるわけで、その背景としましては、日本銀行の潤沢な資金供給の下で市場の資金余剰感が極めて強いということ、それから経済の先行きをめぐって不透明感が強くて貸出しなどが減少を続ける中で、安全資産である国債に資金が集まりやすくなっている、銀行の方も預金は膨らむけれども貸出しが増えない、その分は国債を買うといったようなことになりがちであります。長期金利は企業の資金調達コスト、さらには設備投資などの企業活動に、経済活動にも大きな影響を及ぼします。したがいまして、経済の実態を反映して安定的に金利形成がなされることが望ましいと思います。
 いずれにしましても、長期金利の動向につきましては、やはり引き続き注意深く見ていく必要があると思っております。
○平野達男君 私は、これだけ金利が下がってしまいますと、今後、例えばこういう長期国債を保有していた場合に金利が、市場金利がちょっとでも上がってしまいますと、いわゆる国債を放出することが非常に難しくなってくると思います。つまり、金利が、市場金利が上がることは国債が暴落してくることですから、その利差を含めた高い金利を設定しないと、金利を設定した貸出しをしないと金融機関が駄目になってしまうんです。これ以上、私、金利が下がってしまいますと、いったん景気が向かったときにその国債をどう取り扱うかということに対して物すごい難しい問題が迫られると思います。
 ですから、今、国債を発行するというよりは、国債の買い圧力をこれ以上強めない政策が必要じゃないかと。これ以上、下げていきましたら、今の中では国債を保有するのはいいんですけれども、いずれ日本経済はどこかで必ず先行き向上するはずですから、その段階で大きな混乱が生じないようにするというためにも、このマネーサプライを安易に増やすというような政策を取るべきではない。むしろ、日銀総裁が言われた成長なくして物価上昇なし、これは私は重く受け止めたいと思います。
 以上申し上げて、金融問題については一段落をちょっと付けたいと思います。この問題については、また引き続き不良債権等については財政金融委員会その他でちょっとやりたいと思いますが。
 今日は、それから、日銀総裁、もう私の方は結構でございます。委員長、結構です。
○委員長(陣内孝雄君) どうぞ御退席ください。
○平野達男君 そこで、先ほど不良債権の話が出ましたけれども、産業再生機構の話にちょっと移りたいと思います。
 お手元の資料に、三枚目に「整理回収機構と産業再生機構の企業再生の概略的枠組み」という資料を付けさせていただきました。これは、私は、日経新聞の記事から勝手に使って、かなりちょっとモディファイしたものなんですが、概略的に問題はないと思っております。
 上が産業再生機構で非メーンの債権を買って、ここで、産業再生機構でいわゆるバイアブルかノンバイアブルか判断する。一方で、整理回収機構、預金保険機構の下にある整理回収機構、RCCなんですが、これは企業再生ファンドというのを持っています。これは、投資家から投資は入れるんですね。ところが、産業再生機構は要管理先債権、これは生きている企業ですね、これは政府保証を付けるということをやっています。
 実は、この企業再生ファンドは、RCCは今のところ要管理先債権を相手にしているんじゃなくて、破綻懸念先を相手にしています。そのごみ箱、ごみ箱と言ったら、がらくたの中から生き残れるものを集めて、それで産業再生をする、それで市場に掛けて企業ファンドをやるという意味において投資家からお金を集めているわけです。ところが、要管理先債権といって、これは生きている企業です、これがなぜ政府保証枠なのかという、買うときに。これがちょっと制度的に矛盾ではないかと。
 それからもう一つ、今回の産業再生委員会の中でどういう判定基準でバイアブルかノンバイアブルかを判定するということは非常に難しいということで大変議論になっています。一方で、整理回収機構には再生検討委員会というのがあるんです。この連携、何もここで二つ分けておく必要はないんじゃないかという、今日はこの二つの基本の質問だけちょっと谷垣大臣にしておきたいと思いますが。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、平野委員がおっしゃいました、RCCが企業再生ファンドというのを民間から集めまして取り組んでおられる努力というのは、私は高く評価すべきものがあると思います。そして、今おっしゃいましたように、破綻懸念先以下の言わばなかなか砂金を探すようなものが難しい中から再生するものを見付けてきてやっておられる努力というのも、私は高く評価しなきゃならないと思います。
 しかし、なぜそうなりますと、産業再生機構が必要かという結局議論になってくるわけですが、私は、この議論は、今日は参議院の予算委員会でこれを発言させていただくのは初めてでございますので、ややそもそも論みたいなことになると思いますが、こういう問題は民間中心に進んでいくのが望ましいことは言うまでもないと思います。そういう中で、RCCが民間からファンドを集めてやっておられるというのは、正にその方向に沿った御努力だというふうに私は思うわけですね。
 ところが、現実には多数の金融機関が関係していて、なかなかその処理が進んでいかないと、こういうこともあります。また、再生マーケットというものがまだ必ずしも十分ではないということがあろうかと思います。それに加えまして、金融機関が違った、違った金融機関にまたがった事業再生みたいなものもなかなか民間だけの努力では難しいという状況があると思うんですね。
 そういたしますと、産業再生機構というものが、私は必ずしも中立的という言葉は本当にふさわしいかどうかよく分かりませんが、中立的な立場から、言わばモデレーターみたいなことで調整役を果たしてやっていく余地が十分あると思います。それが産業再生機構というものが設けられるまず第一の趣旨だと思うんですね。
 そうしますと、今、委員のおっしゃったRCCもいろんなことで努力をしているじゃないか、調整の努力をしているじゃないかということになるわけですが、そこは、委員が御指摘のように、主として現実にはまだ破綻懸念先に限られておりますし、必ずしもまだ数、十分に挙がっているわけではありません。
 その調整機構も、実はこれはRCCと産業再生機構の役割分担、これからどうしていくかというのは極めて大きなテーマでございますけれども、RCCのお話をいろいろ伺いますと、やっぱり企業再生ファンドでやっていくものは、それぞれがお話合いをして、メーンも非メーンも合意してあそこに持っていこうというような場合にやっぱり機能するわけでございまして、そこが必ずしも合意が十分でないと現実には進んでいかないという制度的な問題がやっぱりあろうかと思います。
 産業再生機構の場合は、そこを、法案、法律をこれから御審議をいただくわけでありますが、そこを一時停止の議論とか、あるいはつなぎ融資みたいな制度も整えましていろいろ機能しやすくしているという面があるわけでございまして、そこでぎりぎりなぜこういう制度を設けるかということになりますと、確かにまだ再生マーケットもできていないんだが、一気呵成にこの際やる必要があるということになってくるんじゃないかと思います。ここがこれからのまた御議論だろうと思うんですね。一応そういうものとして産業再生機構を我々は作ろうとしているわけです。
 そこで、今度は、今、整理回収機構の中にも再生検討委員会というものを設けてやっているではないかということでございますが、企業再生検討委員会、RCCの企業再生検討委員会はどちらかというとアドバイザリーグループというような性格のものではないかと私は思います。
 それから、我々の産業再生機構というのは、その機構の中で事業支援をするかどうか、債権買取りあるいは処分などの意思決定を行う、そういう重要な機関として法的に位置付けることとしているわけでございますので、若干性格が違うところがあるのではないかと思います。
 それから、産業再生委員会、今、実際同じようなことをやるんではないかというお話でございますし、確かにこの分野は、もう一つはそれだけ人材がいるのかどうかというのも実は非常に大きな問題なんですが、若干そういう性格の違いがありますので、産業再生委員会の人選をどういうふうにしていくかということはこれから十分に議論して決めていきたい、考えていかなきゃならないことだと思っております。
 いずれにせよ、そのRCCと産業再生機構がどういうふうに役割分担をし、そして切磋琢磨をしながらいろんな物事を進めていくかということは我々十分考えながらやっていかなきゃいけない、こう思っております。
○平野達男君 丁寧に御答弁いただきました。
 ただ、今のお話聞いていきますと、例えば債権者がたくさんいますよという状況は、これは整理回収機構が直面していることも全く同じなんです。RCCが一番苦労するのは、メーンもさることながら、非メーンあるいは別な債権者に対してどういうふうに説得するか、これに日々苦労していますね。これは全く同じなんです、規模の大小はあるかもしれませんが。だから、ここに対しては、今、役割分担というふうに言いましたけれども、役割分担というよりは、むしろどうやって協調していけるかという力点にまず置いてもらいたいと思います。
 それからもう一つは、先ほどの答弁の中で政府保証枠に対してのマーケットがあるかというお話だったんですが、企業再生ファンドというのは、繰り返しますけれども、できているんです、幾つか。
 もう一度繰り返しますが、要管理先の会社というのは生きています。破綻懸念先に対して、がらくたを集めてこうやって、がらくたと言っては失礼ですけれども、その中で再生ができるというものに対してお金が集まる、それで市場の要するに評価にさらしているんですね。なぜ生きている会社に市場の評価をさせないのかという、これ根本の原因、疑問があります。
 今日はこればっかりやりますとちょっと時間がないんで、要はそこに対してちょっと最後、政府保証枠についてのコメントをひとついただきたいのと、私の要望は整理回収機構とできるだけ情報を共有してもらいたいということ、縦割り行政に絶対ならないこと。これは私いろんなヒアリングをしている中で両者の間の情報がうまくいっていないなと強く印象を持ちました。これは要望を申し上げておきます。
 この政府保証枠の方にだけ少しコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員が御懸念いただいた点は払拭するように、RCCとはいろんな面で協調もしながら切磋琢磨をしていくという運営を是非したいと思っております。
 それから政府保証枠の方は、先ほど委員ちょっと首をかしげられましたけれども、最終的にはやっぱりこういうことを取り入れて一気呵成に進めていくためにやはりそういう枠が必要であるというふうに私は考えております。
○平野達男君 一気呵成は不良債権でも同じでありまして、二年、三年ルールというのがありますから、その中でこれが動いているということを是非忘れないでいただきたいと思います。
 それから次の質問に、通告申し上げた順番をちょっと変えまして、厚生労働大臣、厚生労働省にお伺いしますが、早期再就職支援基金事業、この概要について御説明願えますか。
○政府参考人(戸苅利和君) 早期再就職支援基金事業でございますが、これは失業者の早期再就職を促しまして失業の長期化を防ごうということを目的にいたしまして、平成十六年度までの時限事業として実施しようというふうに考えているものでございます。
 具体的には、離職後早期、雇用保険の受給期間、これを三分の二以上残して早期に就職された雇用保険の受給者に対しまして、その再就職時期等に応じて支援金を支給しようというものでございます。基金の規模は二千五百億と、こういうことでございます。
○平野達男君 二千五百億ということで大変な資金をこれに投入することになっています。
 そこで、ちょっと通告申し上げませんが、失業手当もこれはセーフティーネットというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) セーフティーネットというのは広く解釈をしたり狭く解釈をしたり、解釈の仕方によっていろいろでございますけれども、お互いに助け合いをしているというふうな意味からいきますと、広い意味ではその範疇に入るというふうに思います。
○平野達男君 それで、それでは今回の措置がマクロ的に見た場合に雇用の拡大にどのように役立っているんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど局長から答弁いたしましたとおり、早く職に就いていただくということができ得ればそれは非常に効果があるというふうに思っております。
 今、全体として賃金も下がってきているものですから、雇っていただきます企業の方も最初から多額の賃金を出すことはでき得ないということになりますと、今まで勤めていただいていたところの賃金と新しく雇おうというところとの格差が生まれてくる。雇います方の新しい企業の方も一年なら一年、二年なら二年というふうに少し経過を見ていただければ我々もまた頑張るというところもかなりあるわけでございます。そうしたところをこれで埋めるということでは私は意味があるというふうに思っております。
○平野達男君 それは確かにこの政策が物すごい有効だと思うのは、求人がたくさんあります、失業手当を受けている人がいます、だけれども、失業手当を受けていてどうしてもこの手当がいいものだから、ちょっと求人に応じかねますという場合に、背中を押すという意味では効果はあると思います。
 しかし今、三百四十万人の失業者がいて失業手当を受けているのは百万人です。その百万人、二百万人の中には失業手当が切れている人もいるわけです。この人たちから見た場合には、失業手当をもらって職に就く、今、有効求人倍率が物すごい低いんですね、一種のクラウディングアウトじゃないですけれども。この二千五百億を使って、セーフティーネットに掛かっている人に対して、かつ二千五百億のお金を投資する、かつ失業手当というのがない人がまだいる。この政策というのは、先ほど言いましたけれども、失業手当もセーフティーネットというふうに私、確認しました。この政策、考え方からいきますと、ちょっと逆行しておりませんか。
○国務大臣(坂口力君) 今おっしゃいましたように、既に雇用保険をもらい終わったと申しますか、期限の切れた人もおみえになりますし、それからいわゆる自営業の皆さん方で、そしていわゆる雇用保険を掛けていない人で、そして自営業をお辞めになって、そして職を失っている人たちもおみえになる、今これからいよいよもらおうとする人たちもいて、大きく分けて三種類あるだろうというふうに思っております。
 もらい終わった人に対しまして、集中的にこの人たちに対しては、今キャリアカウンセラーをどんどん養成をいたしておりますが、その人たちに、集中的にこの皆さん方の御要望をじっくり聞くと。それで、皆さん方、再就職できないのはできないだけの理由はあるわけですから、それをよくお聞きをして、これはかなり丁寧にお聞きをしないといけないというふうに思っておりまして、この人たちに対応したいというふうに思っております。
 もう一つ問題は、自営業をなすっている方がどんどんどんどんずっと減ってきているわけでありまして、その皆さん方に対する対応をどうするかという問題がもう一つございます。
 今回作りました事業の中には、そうした地域における皆さん方も、新しいまた企業を起こそうとする皆さん方に対しては、それに対しまして創業経費というものを三分の一ぐらい見ますよとか、あるいはまた、一人お雇いいただきますと三十万なら三十万出しますよといったようなことも今度は作りまして、その皆さん方のバックアップといったことも実は考えているわけでございます。
○平野達男君 私が言いたいのは、今、職場の需給環境からいきますと供給過剰になっているわけです、マクロ的に見ますとね。そこで、供給過剰で職に就いていない人の中で失業手当をもらっている人といない人がいる。そこに、どういう人が職に就くかについては政府は一切介入すべきじゃないと思っているんです、これはイーブンですから。ところが、わざわざ二千五百億も使ってセーフティーネットを持っている人に対して職に就きなさいと言っているわけです。
 この背景には、失業の、要するに雇用保険の保険料を上げたくないという国の財政の事情があるんですね。これは、セーフティーネットの拡充と言いながら、労働保険特別会計の都合だけを優先させた二千五百億なんです。そういうふうに思いませんか。思うとは言えないでしょうけれども。
○国務大臣(坂口力君) 独り言のようにつぶやかれましたとおり、そうはなかなか言えないわけでございまして。
 しかし、極力やはり失業者を減らしていくということが大事でございますから、やはりそういう意味で一つの私は大きな力になるというふうに思っておりますが、御指摘のように、この中だけで、全部これで失業者を整理できるかと言えば、そうでないということもよく分かっております。
○平野達男君 ですから、一番最初の質問に戻りますが、マクロ的にどういう効果があるんですか、雇用効果があるんですかという質問をしたんです。ですから、これはあくまでも雇用保険をもらっている方々に対して効果があるんです。マクロ的に見れば職場の数は限られていますから、そこに対して二千五百億という金を投入して、その人たちにだけ支出をする。これを失業手当ももらっていない人から見たら、失業手当ももらっている、かつ二千五百億そちらに投入したと、そういう職に就いて、そういうふうにとらえられると思うんです。非常にこれは私は政策としては偏った政策だと思います。
 今回やるべきは、失業手当もずっと取りたいというんなら、これは失業手当のやり方の問題はありますが、これは今回の補正予算とは一切関係ありません。これがおかしいんであれば、厚生労働省がしっかりした不断の見直しをしておくべきなんです。ずっと取りたい人に対しては、予算が、お金が、労働保険の資金が足りなくなるのであればこれに国費投入をすればいい、あるいは借入金をやればいい、これでニュートラルにすべきなんです。これが補正予算の意味じゃないんですか。
 二千五百をわざわざ上乗せをするというよりは、二千五百を労働保険の中に入れる、足りなければそれで借入金をやればいいんです。あるいはもっと国費を入れればいいんです。それが、そうすることが失業手当ももらっていない、かつ職を探している人たちも片っ方でいる、そういった中におけるイーブンハンデッドということになるんじゃないでしょうか。
 もう一度御所見をお伺いします。
○国務大臣(坂口力君) ですから、先ほどから申し上げておりますように、その失業をしておみえになります内容は様々でございますから、それぞれの立場の皆さん方に対する対応の施策も講じているということを申し上げているわけでございます。
 この二千五百億だけについて言えば、今御指摘いただいたように、雇用保険を掛けて、そしてこれから払おうとしておみえになる皆さん方に対するこれは施策であることに間違いはございません。しかし、ほかにもいろいろの準備をいたしておりますということを申し上げているわけです。
○平野達男君 そろそろ時間になりましたけれども、いずれ、これを何か非常にいい政策だというふうに言っている方もおられますけれども、私は今回の補正予算の趣旨からいけば全然別だというふうに思います。
 それで、最後、塩川財務大臣にお伺いします。
 三十兆円枠を守れなかったこと、財政演説で一言も触れなかった理由についてお聞かせください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 間接の表現できちっとうたっております。「やむを得ざる措置として」ということで言っております。
○平野達男君 それは事実関係を言っただけです。御所見をという意味で言いました。
○国務大臣(塩川正十郎君) 守ろうと一生懸命努力いたしましたけれども、やはり経済の実勢、それから国民的な要望、特に国会から補正を出せと強い要望があって、それにこたえるためにセーフティーネット等活性化のための資金を出したということ等ございまして、この措置をしたということであります。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
○平野達男君 時間ですので、まとめます。
 いずれ、三十兆円枠を守れなかったこと、あと、時間がありませんからあれでしたが、例のペイオフの完全実施延期、いずれにせよ、説明責任を私全く果たしていないと思います。いずれにせよ、どんな政策をやるにせよ、国民にしっかりとした安心感を与えること、メルクマール、メルクマールでやった三十兆円が守れない、ペイオフ解禁も守れない、こういったことを繰り返していますと、どんな政策をやったとしても国民は信用しなくなりますので、ここの点だけを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(陣内孝雄君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 「もんじゅ」高速増殖炉について設置許可が無効の判決が出ました。裁判所は、変更許可申請によって瑕疵が是正するものではないこと、「もんじゅ」の安全審査は全面的なやり直しが必要であると判決を出しました。これについては上告検討中ということですが、上告理由はあるのでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 福島先生にお答えさせていただきます。
 私どもとしては、今過去の判例等を精査をして、そして関係省庁と今検討をしております。したがいまして、上訴を含めて今精査をしていると、こういうことでございまして、今の御質問のその根拠、そういったことについても今精査をしていると、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○福島瑞穂君 御存じのとおり、上告をするためには判例違反とそれから憲法違反二つが必要です。判例違反はありません。憲法違反も、憲法論争はありません。つまり、上告理由はこの「もんじゅ」の判決においてはあり得ないというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもとしましては、やっぱり法治国家でございまして、そういう上告というものがやっぱり大きな法の中で認められていることでございます。そういう意味でも、私どもはしっかりと精査をして国としての態度を決めていきたいと、このように思っております。
○福島瑞穂君 上告理由は大変制限をされております。判例違反そして憲法違反しかありません。判例はこれは伊方最高裁判決に沿ったものですし、判例違反の面も、憲法違反の面、憲法が争われている面はありません。去年、国が敗訴をした控訴審の四十二の事件で上告をされているものは一件もありません。いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、繰り返しになりますけれども、関係省庁と連携を取りながら、過去の判例等も検討しながら、私どもとしては国として精査をいたしておりますので、今の段階ではそれだけしか申し上げることはできません。
○福島瑞穂君 精査といいながら新聞では上告するとすぐ出たりしますよね。
 是非お願いがあります。これは、上告受理申立ても去年は三件しかありません。上告はゼロです。つまり、最高裁は事実認定をするところではありませんから、判例違反でもない、憲法違反でもない、理由が立たないにもかかわらず上告をすれば、これは政治的上告以外にはありません。
 控訴審判決ははっきりと安全審査をやり直せと言っています。それをしないで無理やり上告あるいは上告受理申立てをして、引き延ばして工事をするなど絶対的に許されないと考えますが、官房長官、よろしくお願いします。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま平沼経済産業大臣が答弁をしたとおりでございまして、精査の上結論を出す、こういうことであります。
○福島瑞穂君 判決は大変画期的なもので、無効の理由、違法の理由、そして論点としなかった点について明らかにしています。
 また、判決は、当該原子炉は付近住民にとって重大な脅威とならざるを得ない。この場合において、脅威にさらされるのは人間の生命、身体、健康、そして環境であり、換言すれば人間の生存そのものであると。安全審査に重大な瑕疵がある限り、比較の対象にはならないというふうにして、住民の人間の生存ということを極めて重視をしております。
 上告理由はないということから、また、この判決が本当に真摯に安全審査をやり直せということから、再び、済みません、経済産業大臣、上告について踏み込んだ意見をお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) これまた繰り返しになりますけれども、私どもとしては、その審理の中におきまして、例えば設置許可の手続あるいはその設置の施設の安全性については私どもはできる限り立証したつもりでございますし、説明もしたつもりでございます。そして、今回このような判決が出たということは私どもとしては遺憾に思っているところでございますけれども、私どもとしてはやはり、繰り返しになりますけれども、今関係省庁と連携を取りながら精査をしておりますので、私どもとしてはこの上告、上訴をするかしないか、これは今明確に申し上げるべきではない、このように思っております。
○福島瑞穂君 ナトリウム漏えい事故については絶対に起きないと言われていた事故が現実に起こりました。安全審査が本当に無力であったということです。七年間、今「もんじゅ」は運転をしておりません。にもかかわらず、年間百億円お金を使い、ナトリウムを温め、人員を投入しています。夢の原子炉どころか、本当に物すごい金食い虫で、最高裁に無理やり上告をして、そして判決を確定させないで無理やり工事をやるということについては絶対にないように強く要望したいと思います。
 最高裁に無理やり上告をして、確定しないで、つまり安全審査を見直さないで工事の再開をしないように強く要望しますが、いかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これに関しましても、繰り返しになりますけれども、私どもとしましては上訴を含めて今精査中でございます。そして、先ほどの答弁でも申し上げましたように、私どもとしては、その安全性そして設置の許可のいわゆる手続、こういったところについては十分やってきて、このような判決が出たということは遺憾に思っているところでございまして、私どもとしてはしっかりと吟味をしながら、私どもは国としてその判断を確定していきたい、このように思っております。
○福島瑞穂君 食い下がる理由は、遺憾である、遺憾である、遺憾であると言われるので、上告理由がないにもかかわらず遺憾であるというふうにおっしゃるので、是非上告をしないように、法律にのっとってやってくださるように、また住民の健康が守られるように心からお願いをします。
 もう一つ、この判決の中で言われていることは、世界の中でもう高速増殖炉が行われていないということです。主要国は、もうアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの主要な先進国は高速増殖炉の研究開発を中止若しくは断念している。これに対して我が国は、これまでのところ高速増殖炉の実用化を目指す方針を堅持している。日本のみが十周遅れのランナー、世界じゅうがやめているのに、見通しのない、しかも七年間止め、しかも裁判所からは全面的安全審査をやり直せと言われているものを無理やり動かそうとさえ考えている。これについては、もうこういう金食い虫、無駄、危険、そして最低最悪、こんな公共事業はもうやめるべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) アメリカ、フランス、そういったヨーロッパの諸国、これはやめるということは私どもよく承知しております。ただ、ロシアというのはまだ継続をという、そういうこともありますけれども、私どもとしては、そのやめた国というのはそれぞれやっぱりほかのいろいろな事由もあったと思っております。
 しかし、いわゆる高速増殖炉というのは、やはりプルトニウムというものが、資源の乏しい国に、この日本にとって、増殖をしながら、そして例えば燃料資源的に言っても数百年ももつというような、そういう側面もあるわけでございまして、もちろん安全性は担保しなけりゃいけません。原子力行政では、何にも増して安全を担保することが大切でございますけれども、しかし、そういう意味で、天然資源のそういう乏しい我が国にとっては、私どもとしてはやはりしっかりと検証をしながら私どもは推進をしていく、こういった基本的な原子力の政策というのはあるわけでございまして、そういった意味で、今の御意見というものも私どもはしっかりと承りながら国の基本方針というものは進めていかなければならないと、このように思っております。
○福島瑞穂君 全く高速増殖していないんですよね、御存じのとおり。つまり、東電のプルサーマルの計画は宙に浮いておりますし、一兆から二兆円掛かると言われている再処理工場も全く動いておりません。「もんじゅ」もお金だけ使いながら、年間百億以上使いながら全く動いていないと。どこも高速増殖炉も何もやっていないわけですね。
 また、プルトニウムの問題に関して言えば、北朝鮮の核が問題になっておりますが、日本の再処理プルトニウムの量は世界の核兵器用プルトニウムよりも多くなることが予想されていると。日本がプルトニウム政策を放棄しないのは核武装するつもりではないかという意見さえ、でも実はあります。
 プルトニウム政策を続けていくのかどうかということについて、特に今、公共事業に対して物すごく批判があります。原子力全体は十兆円以上お金をつぎ込んでいる。私は、原子力政策についてはいろいろ意見があるかもしれない、しかし、これほど裁判所から批判され、安全審査をやり直せと言われた、無効だと言われたわけですから、せめて高速増殖炉「もんじゅ」のこれについては安全審査をきちっとやり直すと、そこからしかもう信頼を獲得できないというふうに考えております。「国破れて菩薩ほほえむ」と言った人もいますけれども、是非、安全審査をやり直す、できれば廃炉をきちっと目指すということをお願いします。
 次に、横須賀の原子力空母の問題についてお聞きをします。
 二〇〇八年にキティーホークが廃船になります。ですから、横須賀はキティーホークが退役をしてしまいますから原子力空母になるのではないか、そういう新聞報道もあります。これについては、外務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 今、委員のおっしゃいましたように、既に米国の国防報告におきまして、現在のキティーホークが二〇〇八年会計年度において退役するというふうに書かれております。ただ、キティーホークの退役後の後継艦につきまして米国が何らかの決定をしたというふうには承知いたしておりません。
○福島瑞穂君 ただ、キティーホークが退役すると残りは原子力空母になるのではないか。
 では、住民は大変懸念を持っているのですが、アメリカから申入れがないとすれば、月に二回開かれている日米合同委員会の中で、横須賀を原子力空母にしないように、あるいはこのことを議題としていただきたいのですが、それ、お約束していただきたいのですが、いかがですか。
○政府参考人(海老原紳君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在のキティーホークの退役というのは米国の会計年度の二〇〇八年ということでございますので、正確に申し上げれば二〇〇七年の十月から始まる会計年度の中で退役が決まるということでございまして、しかも、今のところ米側から何らかの決定も行われていないし、話もないということでございますので、現時点では日本側から合同委員会においてその問題を取り上げるということは考えておりません。
○福島瑞穂君 二〇〇八年、キティーホークが退役すれば、横須賀の空母化、これはやめるのでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) 今の御質問は、空母化ということではなくて、恐らく母港化ということをお尋ねではないかと思いますが、これも従来から政府は何回も答弁を申し上げておりますけれども、母港という言葉につきましてはいろいろな意味合いに使われておる言葉でございまして、政府といたしまして母港というような言葉は使っておりませんけれども、これは、いわゆる米国政府の海外家族居住計画というのがございまして、ある艦船の家族をどこに居住させておくかという計画でございますけれども、これをキティーホークの場合は横須賀に置いておるということはございます。
 繰り返しになりますけれども、後継艦につきまして、その海外家族居住計画がどのようなふうになるのかということについては我が方は承知いたしておりません。
○福島瑞穂君 後継艦は原子力空母しかないという指摘もあります。ですから、キティーホークが退役した後、原子力空母の母港化となるのではないか。
 是非、横須賀の人たち、あるいは周辺の自治体の人たちの大変懸念がありますので、是非日米合同委員会でこのことをきちっと確認をしていただきたい。それは日本の住民の命を守る本当に義務だと思います。そのことについて、分からない、知らない、聞いたことがない、それでは何のために外務省があるのかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(海老原紳君) 今、委員からお話しのようなもし協議が米側から行われるという事態になりますれば、それは政府といたしまして日米安保条約の効果的な運用という観点から、また当然のことながら、国民の皆様の御理解も得ながら適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
○福島瑞穂君 適切に対処ではなく、物を言う外務省、きちっと日本の住民の命を守る外務省で、日米合同委員会できちっと提起をしてください。お願いします。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会