第156回国会 予算委員会 第6号
平成十五年三月五日(水曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 二月五日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     藤原 正司君
     森 ゆうこ君     平野 達男君
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     高橋 千秋君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     山下 善彦君     尾辻 秀久君
 三月四日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     入澤  肇君
     高橋 千秋君     高嶋 良充君
     辻  泰弘君     直嶋 正行君
     福本 潤一君     木庭健太郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                大門実紀史君
                平野 貞夫君
    委 員
                阿部 正俊君
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                国井 正幸君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                朝日 俊弘君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                高嶋 良充君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                松 あきら君
                森本 晃司君
                井上 哲士君
                紙  智子君
                林  紀子君
                高橋紀世子君
                平野 達男君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   大島 理森君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     鈴木 俊一君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (産業再生機構
       (仮称)担当大
       臣)       谷垣 禎一君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)
       (科学技術政策
       担当大臣)    細田 博之君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣
       (防災担当大臣) 鴻池 祥肇君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       内閣府副大臣   根本  匠君
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       総務副大臣    加藤 紀文君
       法務副大臣    増田 敏男君
       財務副大臣    小林 興起君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  岸  宏一君
       法務大臣政務官  中野  清君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
       内閣法制局長官  秋山  收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   法制局側
       法制局長     河野  久君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  栗本 英雄君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       外務大臣官房文
       化交流部長    糠澤 和夫君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       財務省主計局長  細川 興一君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省医薬
       局長       小島比登志君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    河村 博江君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省政策
       統括官      青木  功君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
   参考人
       日本銀行副総裁  藤原 作彌君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

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○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(陣内孝雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁藤原作彌君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は基本的質疑を総括質疑方式により行うこととし、質疑の割当て時間は二百八十分とすること、各会派への割当て時間は、自由民主党・保守新党百五分、民主党・新緑風会八十二分、公明党三十一分、日本共産党三十一分、国会改革連絡会二十四分、社会民主党・護憲連合七分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。直嶋正行君。
○直嶋正行君 おはようございます。民主党・新緑風会の直嶋正行でございます。
 今日から参議院の予算委員会ということでございますが、我が国が直面する幾つかの重要課題について総理の御見解を承りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、質問に入る前に、一言、大島農水大臣が国会答弁の応答を衆議院法制局に作成させたとされる問題について触れさせていただきたいと思います。
 これについては、本院の代表である倉田寛之参議院議長が、去る二月二十七日の記者会見におきまして、他院のことなのでとしつつも、禁断の実に手を付けた、三権分立の基本にかかわることと批判したと報道されましたが、私どもも全く同じ思いでございます。これは著しく大臣としての適性を欠く行為と申し上げざるを得ません。
 大臣には後刻同僚議員から質問をさせていただきますが、まず御自分からけじめをお付けになることを求めておきたいと思います。
 それでは質問に入りますが、まず最初に、総理にお伺いしたいと思います。
 昨日でありますが、自民党衆議院議員の坂井隆憲議員の秘書二人が逮捕されました。これはやみ献金ということでございます。また新たに政治と金にかかわる問題が浮上してまいりました。ちょうど昨日は、同時に、長年にわたりましたリクルート裁判の判決も出ました。私は、やはりこの機に政治とお金の問題についてきちっと取り組まないと国民の皆さんの政治に対する信頼は回復できないと思います。
 今回の坂井議員の件とは直接関係はございませんが、やはり最も基本は企業・団体献金の在り方ではないかと思います。私どもは、もう既に企業・団体献金について、公共事業受注企業等からの献金を禁止する、こういうことを法案として国会にも提出させていただいております。総理は自民党内で検討すると、指示をしたと、こうおっしゃっていますが、一向にこれが見えてこないのであります。私どもは、今私どもが出している案に決してこだわるつもりはありません。例えば、一億円でも十億円でも線を引く手もあると思います。
 いずれにしても、お互いに与野党が案を出し合って、どうでしょう、総理、この国会で成立をさせる、そういう目に見える形で国民の皆さんにお示しをしようではありませんか。でないと、私はますます政治に対する信頼は地に落ちていくと思うのでありますが、是非、御決意も含めて総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治資金の在り方について、それぞれ、与党におきましても野党におきましても案を出し合いながら、どのように政治資金を調達し、そして不正が起こらないような政治資金の集め方、使い方、そして政治活動の在り方、そういう点につきましては私は与野党と話し合う必要があると思っております。そういう意味におきまして、一定の制限がどうあるべきか、これは大変大事な問題だと思っておりますので、自民党におきましても、与党におきましても野党におきましても案を出し合いながら、それぞれの政治活動につきまして、より一層国民から理解が得られるような結論をできるだけ早く出していかなきゃならない。
 で、この政治と金の問題は古くかつ新しい問題であると思いますので、政治家同士が胸襟を開いて今国会中に少しでも改善できるような措置を講じなければならないと思っております。
○直嶋正行君 はっきりおっしゃらなかったかもしれませんが、この国会中にやりたいという御意思が示されたというふうに受け止めたいと思います。是非よろしくお願いをいたします。
 それじゃ、具体的な質問の方に入らせていただきます。
 まず、イラクの問題についてでありますが、これはもう連日状況が変わっておりますが、まず最初に、やはり総理に御確認させていただきたいと思うんですが、今国連安保理に出されております、アメリカ、イギリス、スペインによる新たな決議案の提出がされました。これに対して日本政府は、もう直ちにこの決議案に対する支持表明をされたわけであります。
 政府は、イラク問題は国際社会対イラクの構図であって、米国対イラクの構図、問題ではないと、こういうふうに繰り返しおっしゃっているわけですが、米国などが提出したこの決議案へ、なぜこんなに間髪を入れず支持を表明されたのか。これは、国際社会やあるいは国際世論、我が国世論も含めて、そういうものに余り考慮せずに判断をされたんじゃないかと、このように思うのでありますが、その辺のところからまず総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく国際情勢を判断しながら判断したわけであります。
 私は、イラクが国連安保理決議を遵守せず、今まで協力してこなかったということは、国連加盟国、安保理も認めているわけであります。そういう中にあって、国際社会が結束した対応を示していないということは、イラクに誤ったメッセージを与えるのではないか。それはよろしくない。圧力が強まると小出しに協力姿勢を見せる。何年間この決議を守ってこなかったかと。そういうメッセージを与えて、分裂しているんだと、国際社会が分かれているんだ、イラクに味方しているんだという誤ったメッセージを与えてはいけない。速やかに、無条件にイラクは国連決議を遵守すべきだと、そういうメッセージをアメリカ、イギリス、スペインが出したわけであります。日本としても、私はそれを理解し、支持したと。
 今後も、国際社会が結束してイラクに働き掛けて、戦争か平和かというのはイラクが握っているんだと、イラクが全面協力すれば戦争は起きないんですから、そういうメッセージを今後も与え続けるべきだと思っております。
○直嶋正行君 今、国際社会が一致してイラクに圧力を与えるんだと、こういうふうに御答弁されたわけですが、マスコミ等で報道されていることは、もちろんその面はあると思いますが、これは、イラクは最後のチャンスを失ったということで、いずれ武力攻撃につながる、武力行使につながると、こういうふうに、どちらかというとそちらを報道されているわけでありますね。
 これは、今の総理の圧力を掛けるんだという話とは世論の受け止めも違うんじゃないかと思うんですけれども、この点はどうなんでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あくまでも平和的解決を続ける努力は必要だと思っております。しかし、昨年十一月から安保理決議一四四一、最後の機会を与えると言っているんですよ。それに対してイラクは最後の機会と思っていないところに問題がある。そこをどう考えるか、その点が私は一番大事だと思います。
 イラクも甘過ぎるんじゃないか。国連の決議をいい加減に考えて、全面協力しなくてもいいんじゃないかというような誤ったメッセージ、もうそういう時間はないということをこの際しっかりとイラク側に伝えるべきだと思います。
○直嶋正行君 しかし、私が今言ったように、例えば国内のマスコミ各社の世論調査を見ましても、圧力の部分はいいんですよ。しかし、これは最後の機会を失った、それは、だから総理がおっしゃるように、イラクが改めなければいずれ次はこういうことに、武力行使ということになってくるんじゃないですか。それに対して日本国民の大体世論調査を見ると七割から八割は反対だと、こう言っているわけですね。
 もしこのままそういう事態に立ち至った場合、総理はこの世論とのギャップをどうやってお埋めになるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 世論は世論であります。尊重しなけりゃならないと思いますけれども、世論の動向と日本全体の利益を考えてどう判断すべきかというのは、政治の責任に当たる者として十分配慮しなきゃいけないと思っています。世論の動向に左右されて正しいかというのは、歴史の事実を見ればそうでない場合も多々あるわけであります。
 私は、そういう面におきまして、戦争か平和かと問われれば、だれだって平和を望みますよ。それは私は、イラクにおきましても、今まで一四四一の決議、十分協力していると言っていながら、圧力を掛けると協力していなかった分を新たに出してくる。全然言っていること、やっていること違うじゃないですか。圧力を掛けると小出しに協力して、今までないと言っていたものを出してきた。こういうことをよく判断しなきゃいけない。
 私は、そういう面におきまして、世論が、ある場合は正しい場合もある、ある場合は世論に従って政治をすると間違う場合もある。それは歴史の事実が証明しているところであります。
○直嶋正行君 何か前段と、答弁の前段と後段で少しニュアンスが変わったような気がしますが、ただ、私は総理に申し上げておきたいんですけれども、やはり国民世論の理解と納得を得ない政策というのは私はやはり成立しないと思うんですよ。もちろん世論が間違っているケースもあると思うんです。しかし、最終的には総理が国民の皆さんにきちっと説明をして、そして納得をしてもらわなきゃいけないし、それでも国民の皆さんが納得しないということになると、やはり私はその政策はうまくいかないと思うんですよ、いいか悪いかは別にして。この点はやはり確認しておきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民主主義の時代におきましては、世論の理解と協力を得なきゃならないというのは、これは当然のことであります。しかし、世論という場合に、それは戦争がいいか平和がいいかと言われれば、私だって平和がいいと言いますよ。みんな言いますよ。それを避けるために今努力をしておるんです。そこを理解いただきたいと思います。
○直嶋正行君 それでは、時を同じくして提案されたフランス等の覚書というんですかね、もう少し査察をやろうという、これについては政府内ではほとんど検討された形跡がないんですけれども、これはどうなんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) フランスのは、フランス等のは覚書ということで出されているわけでございますけれども、これについては、一定の期間をイラクに与えようと、百二十日間ということを基本的に言っているだけであるわけですね。
 それで、総理が先ほど来おっしゃっていらっしゃいますように、こういったことが本当に意味を持つのかどうかということは、イラクが積極的に査察にこたえるという態度を見せるかどうかに懸かっている。査察官が、ブリックスが言っていますように、査察官は証拠をこっちから出す必要はないわけですね。イラクが出すということがなければ、日本の一・二倍ある国土で何年掛けても査察はできない。
 ですから、基本的にイラクの態度に懸かっている。そのイラクの態度が、先ほど来総理がおっしゃっていらっしゃいますように、そういうふうには見えないということで、私どもは、日本は査察の継続の有効性に疑念なしとはしないということは原口大使もおっしゃいましたし、私も言ってきまして、それは引き続きそういうふうに考えております。検討は十分にいたしました。
○直嶋正行君 それで、川口外務大臣にちょっとお聞きしたいんですが、アメリカもそうですしフランスもそうですが、同じようにブリクス委員長を始めとする査察の報告を受けているわけです。当然、日本もそうだと思うんですよ。同じ報告を受けて、今真っ向から真っ二つに分かれているでしょう、アメリカとフランスが。間に入った非常任理事国は右往左往しているわけですよ。これはもう連日、今テレビで報道されていますよ。
 同じ査察報告を聞いて、同じものを聞いているんですよ、国連安保理で、なぜこんなに違うんでしょう。そういうところは御検討されたことはないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 同じ紙を見て意見が違うということはよくあることではないでしょうか。民主党と自民党でも私は随分違うと思います。
○直嶋正行君 一々反論するのもばかばかしいんですが、それは私は論理のすり替えだと思うんです。国連の場でお互いに、お互いに共通認識でしょう、イラクの大量破壊兵器は脅威だと。だから、おっしゃったように、イラクが努力して査察に協力をしなきゃいけない。みんな同じことを言っていますよ。民主党と自民党のように違うことを言ってないですよ、みんな同じことを言っているんですよ。で、何で違うんですか。ちゃんと答えてください。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃいますように、英米、それから仏独、考え方が共通なところはあります、違うところもありますが。
 それで、同じところが何かということは、これはもう日本も含め全部一緒ですけれども、大量破壊兵器が大きな問題である、これを廃棄させなければいけない、イラクがそれをやらなければいけない、積極的にやらなければいけない、それは同じですね。それからもう一つ、これを解決する場合に最終的に武力の行使が必要である、これも仏独も言っていることでございます。そのことについては同じです。
 で、違うところは何か。今、イラクの態度を、先ほど来申し上げていますように、これが積極的であるかどうか。十一月以降、三か月時間を最後の機会といって与えて、イラクがこれを使ってきているかどうか、あるいはまだ使う余地があると思うかと、その判断の違いだと、そういうことです。
○直嶋正行君 川口大臣にちょっとお聞きしたいんですが、ちょっと今の件ではないんですが、茂木さんがイラクへ行かれましたよね。それで今、多分、今の日本政府の考え方をお話しされたと思うんですが、イラクの考えは変わったんでしょうか。変化の兆しがありますか。どうなんでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 私、茂木副大臣と昨日の朝、電話で話をいたしました。茂木副大臣がアジズ副首相にお会いになった、会った後です。
 それで、イラク側との違いの一点は、これがどれぐらい差し迫った状況かということについての認識の相違であるかと思います。
 で、何でそういうことになったかというと、イラクは、それがイラクの今までの査察に対応してきていない対応、態度に正に表れているわけですけれども、イラクはまだまだ時間があると思っている、それで小出しにしている、それはそういうことではないということを茂木副大臣は厳しくイラクに迫ったということでございますけれども、イラクが残念ながら、どかっとその証拠を出してくると、そういうふうにしなさい、最後の翻意をさせることはできていなかった、できなかったと、そういうことでございます。
○直嶋正行君 恐らく今、外務大臣がお答えになったその時間の、何といいますか、どれぐらい余裕があるかというところの認識の差というのが、これはイラクだけじゃなくて、多分フランスやドイツとの差でもあるんじゃないかと思うんですよ。
 私は、そこのところが国民から見ていると、よく見えない。そういうことをきちっと整理しないままにアメリカの決議案を支持される。これはひょっとしたら、今それが国連の安保理でまとまるかどうか分からないですよ、二つに分かれていますから。ですから、私どもから見ていると、これはひょっとしたら、この米国の出した国連の決議案がまとまらなくても、やはり米国が武力行使に及んだときに日本政府は支持するつもりなんじゃないかと、こういう思いがあるんですよ。だから、世論はすごく心配しているわけですよ。
 どうなんでしょう、総理。そういうことになっていくんでしょうかね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 昨年十一月、最後の機会を与えるといって、十分協力していると言っていながら、アメリカのイギリス、スペインとの決議案が出てきたら、十分協力していると言っていながら、また新たな協力を出してきたと。圧力が利いてきた一面もあるんです、この決議案を出したことによって。そして、七日にブリックス委員長が報告するわけですね。
 そういう報告が出た後、じゃ、アメリカがどういう対応に出るか、フランスがどういう対応出るか、常任理事国がどういう対応出るか、あるいは非常任理事国もどういう協議をしてくるか。そういう動向を見て、日本も総合的に判断しなきゃいけません。同時に、イラクもこの状況を見守っていると思います。そういう総合的な国連の協議の状況とか各国の対応を見ながら、日本としては最終的な判断をしたいと思っております。
○直嶋正行君 総理ははっきりおっしゃらないんですが、例えばこれは昨日の夕刻ですが、外務省幹部の発言ということでこういう趣旨のことが流れました、ニュースとして。今日、恐らくどこかの新聞に載っていると思うんです。朝鮮半島有事の場合、最終的なよりどころは日米安保体制である、国連軍が来てくれるわけじゃない、したがって、半島情勢が深刻になりつつある、であるからして、政治的に米国を支持する、せざるを得ないんだ、こういうことを強調したと。外務省幹部ですから、どなたか分かりませんが、恐らく政府の中に、全員の意見じゃないかもしれません、やっぱりこういう思いがあるんじゃないかと思うんですよ。
 ですから、これも巷間よく言われている話でありまして、総理は、国連決議が望ましいと、こう前におっしゃいましたが、やはり国連できちっと決議をして、その上で最終的な対応をするんだと、このことはやはり守っていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、国連決議が採択されることが望ましいと思っております。同時に、日本としては日米同盟、国際協調、これをいかに両立させるかということはこれからも追求していかなきゃならないと思っております。北朝鮮問題のことを考えましても、日米安保条約、これが大きな抑止力になっている、日本の平和と安全を図る上において欠かすことができないものだと思っております。
 そういう点から、今、直嶋議員が言われたような議員が、政治家の間でも、あるいは各方面から出ていることも承知しております。それは私は、今後も日本としては日米同盟の重要性と国際協調体制の重要性をよく考えながら対応していきたいと思っております。
○直嶋正行君 さっき外務大臣がブリクス委員長の報告について、フランスと日本の違いは、受け止めの違いは自民党と民主党と同じようだと、こうおっしゃったんですが、私がさっき申し上げましたように、これは発言に注意してください。これは国際外交と、やはりまずいと思うんですよ。ちょっと、どうぞ。
○国務大臣(川口順子君) 違いがあるという分かりやすい例として申し上げたんですけれども、適切ではなかったと思いますので、撤回させていただきます。
○直嶋正行君 総理、ちょっと見解言っていただけませんか、今の話。分かりやすくとおっしゃったんですが、全然分かりやすくないんです。誤解なんですよ、あれ。誤解を招くだけなんです。(発言する者あり)総理の御見解を聞いているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今言ったので、同じとは言っていると思っていませんよ、違いがあると。同じ見解に対して、それぞれが見方が違うという場合は多々あるという例を出したんだと理解しております。
○直嶋正行君 私は、ちょっと今、国際平和の話をしているわけですよね。ですから、そういうお答えは、同じものを見て違うことはよくありますよ、その話とは違うと思うんですよね、やはり。
 それで、あと一つイラク問題に関して御見解を承りたいんですが、このまま行ってイラクの態度が変わらなければ、国連決議が、あるかないか別にしまして、あって、武力行使ということになるんだと思うんですが、その場合に、ブッシュ大統領、それから米国政府の関係者は、イラクの大量破壊兵器の武装解除よりもむしろフセイン政権の打倒、これを口にされているんですよ。このフセイン政権を打倒する、つまり独立国の政権を倒すことを目的に軍事行動を取るということは、これは国連の枠組みあるいは国際法と、こういうことから考えて私は疑問があると思うんですが、総理、御見解いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ブッシュ大統領はいろいろな場で考えを述べておられますが、私は、ブッシュ大統領は、完全な武装解除の結果として体制変更がもたらされるとは述べていると承知しております。しかし、体制変更が目標であると述べたことは一度もないと承知しております。
○直嶋正行君 昨日、これも夕刻の、三日の定例会見で、昨日流れてきたんですが、フライシャー米大統領報道官、武力で大量破壊兵器の武装解除をした上で、サダム・フセインが指導的地位にとどまり、後に再武装するという事態はあり得ない。で、ブッシュ大統領もおっしゃっていますよね。イラク攻撃後にもうイラク復興計画までお話しされているわけですよ、これは民主的な中東を作るんだということで。これは当然、政権を替えるということにつながる、を目的にしないとこんなこと言えないんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) フライシャー、ホワイトハウスの報道官は次のように述べたと言われております。決議一四四一が完全に履行されれば異なった種類の政権となるだろうと。これが体制変更と取られているんだと思っております。
○直嶋正行君 総理、私の質問に答えていないんです。これは、そういうケースは、これを目的とした武力行使は国際法上あるいは国連の活動としても疑問があるんじゃないですかと、こう申し上げたんですが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 安保理決議の一四四一、これは正にイラクの武装解除、これを言っているわけでございます。そして、イラクの体制変更をするということについては言っていないわけです。この点について日米の意見の差はないということです。イラクの国民はイラクの国民が欲する政府を持つ、そういうことであると考えます。
○直嶋正行君 日本政府とアメリカ政府はその部分は私は考え方が違うと思います。そういうふうに申し上げた。今のは日本政府の見解だと思います。ですから、日本政府の御見解に沿って対応するように強く要望しておきたいと思います。
 ちょっと時間の関係もありますので、またイラクの問題は改めて議論させていただきますが、北朝鮮問題についてお伺いしたいと思います。
 まず、昨日もアメリカの偵察機と北朝鮮の戦闘機の異常接近ということがありましたが、今、北のこのこういう行動も含めて、北朝鮮が盛んに核開発、核兵器開発に向けて動いているわけでありますけれども、それに対する日本政府として今どのように判断されていますか。
 これは総理と、安全保障の面で防衛庁長官の御見解も併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 北の核開発につきましてはいろんな情報がございます。ただ、私どもといたしましては、諸般の情報を総合いたしまして北が核開発をしておるという可能性は決して排除できないものだというふうに考えておるところでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 北朝鮮側が現在行っている各種の行動なり発言なりというのは、今までの経緯を見ますと俗に言う瀬戸際外交の一環ではないかと私は判断しております。どの点までがその瀬戸際外交の一線かというところは非常に難しいところでありますが、その瀬戸際外交の一線を越えないように日本政府としても対応していかなきゃならない。また、アメリカ、韓国と連携しながら、その一線を越えさせないような働き掛けが是非とも必要だと思っております。
○直嶋正行君 今の総理の御答弁ともかかわるんじゃないかと思うんですが、巷間、特にアメリカなんかの言っているのは、このままもし北が燃料棒を再処理してプルトニウムを手に入れれば、六個から八個の核兵器を手にすると、こういうことも言われているわけですけれども、そうなりますと、ノドンミサイル等含めて、私は日本にとっては極めて深刻な事態になると思うんですね。
 ですから、私はそうならないように、今の総理の話はそうならないようにということだと思うんで、そうならないように、どうやってこれを外交的に断念させていくかといいますか、そうならないようにしていくかと、そういう状況を作っていくかということが一番基本だと思うんですけれども、そういうお考えでよろしいわけですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは大事なことだと思っておりまして、私も盧武鉉新政権と、就任式典に出席した際に会談いたしました。これは盧武鉉政権も、核、これは容認できないと。
 これに一番脅威を感じているのは日本であり韓国であり、また、アメリカもそうだと思いますが、中国もロシアもそうなんです。そういう点から、日本一国だけの問題ではないと。韓国とアメリカとの緊密な連携は当然必要でありますが、同時に、ロシア、中国との連携、あるいはEUとの連携、これが極めて重要になってきていると私は判断しております。
○直嶋正行君 ちょっと今の総理の御答弁もあったので、韓国との関係を後ほど聞こうと思ったんですが、先にお伺いします。
 今おっしゃったように、確かに盧武鉉さんもそのようにおっしゃっているんですが、一方で、盧武鉉さんは、とにかく金正日体制を保持しながら対話で交流と平和を、金正日体制との関係を保ちながら対話をして平和を醸成していくんだと、こういうお考えだと思うんです。ですから、基本的にはそこからは対話、一方でいかなる軍事的緊張もあってはならないと、こうおっしゃっている。
 ところが、それは、一つは、韓国は今既に三十八度線を挟んで、これはアーミテージ氏が上院外交委員会で証言していますが、約四〇%の、人口の四〇%まで通常兵器で北の脅威の範囲内に入っている、日本はゼロです。ですから、今の核の問題を比較すると、日本の、北朝鮮からの日本の脅威は飛躍的に高くなるわけです、韓国と比べても。私は、日本と韓国の間にはそこは違いがあるというふうに思います。
 それからもう一つは、さっき言った盧武鉉さんの対応に対してアメリカ側は、昨日もブッシュ大統領が発言されているようですけれども、軍事的オプションも捨てていないわけですね。いかなる事態にも対応する、こういう手段を行使すると、こうおっしゃっているわけです。そこは、私は、日米韓の連携が非常に大事だと思いますがゆえに、これを実際はどう埋めていくかということが一番大変じゃないかと思うんですよ。日本はそこでどういう役回りをして、どう対処していかれるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本と違って韓国は核兵器だけの脅威じゃないんですね。三十八度線付近に大量の軍隊と、通常兵器においても大量の兵器が展開されていること自身が非常に脅威を感じているわけです、韓国は。これはアメリカ政府も十分認識しております。韓国にとっては核兵器だけの問題じゃないと。
 そういう中で、今、核の問題というのは更に別の形での、韓国だけではない、日本に対する脅威であり周辺諸国に対する脅威でもあるという認識を我々は持たなきゃならないということで、盧武鉉大統領との会談におきまして、要点を申し上げれば、確認された三点といえば、まず一点が核は容認できないということ、そして第二点はあくまでも平和的、政治的解決を追求していく、そして三点が日米韓緊密な連携を取って北朝鮮に当たる、この三点が確認されたわけで、共通の認識を持って今後やっていこうということでございますが、私はこの考えを堅持しながら今後も北朝鮮側に当たっていきたいと思っております。
○直嶋正行君 それで、その関係でお伺いしたいんですけれども、一つは、この原子炉の稼働、それから昨日のああいう状況を含めて、平壌宣言との関係なんです。
 これについて総理は、先日の衆議院の方では守られているとは言えないというふうな言い方もされましたが、私は、もう既にこれはかなりもう前提がだんだん崩れつつあるんじゃないかと、一〇〇%崩れるとは言いませんが、もう相当崩れる方向に向かって進んでいるんじゃないかと、こう思うんですけれども、そうすると、どういう対応をこれから考えていかれるおつもりなんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日朝平壌宣言が完全に今履行されていれば、日本と北朝鮮側は正常化になっております、関係は。これがならないところに今交渉が停滞している。
 私は、この日朝平壌宣言の精神にのっとって、あくまでもこれが実現した暁、誠実に実行された段階に日朝国交正常化があるんだということをこれからも粘り強く働き掛けていきたいと思っております。
○直嶋正行君 ということは、崩れ掛けているけれども、崩しちゃっては意味ないんで、とにかくそれを崩れていないという形にして、それが実現できるように持っていきたいと、こういうことですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、北朝鮮もこの日朝平壌宣言を誠実に履行したいという意思は持っていると思っております。そうでなくしては正常化なり得ないんですから、この精神を尊重したいと。性急に今守っていないからもう御破算だという態度は取りたくありません。時間が掛かるかもしれませんが、お互い、この合意は御破算だと、北朝鮮側も今言っておりません。いろいろな交渉を通じて、水面下の交渉を見ても、この合意は尊重したいという意図は読み取れる面も随分あるんです。それを期待しながら日本としても対応していきたいと思っております。
○国務大臣(川口順子君) 今、総理が言われたことに一つだけ事実関係としてお話をさせていただきますと、金正日総書記の誕生日がついこの間ありました。そのときに金正日総書記の今までの成果として挙げられたものの中にこの日朝平壌宣言というものが入っているわけです。北朝鮮はこれを総書記の成果として高く評価をしているということがこれに出ていると思います。
 したがって、我々としては、これをてことして、ここに書いてある、そこに書いてある精神、それから基本原則にのっとって問題を解決をしていくということが意味があると考えているわけです。
○直嶋正行君 これもまた改めて議論したいと思います。
 ただ、今、金正日さんの成果と、こうおっしゃったんですが、同時に私は小泉さんの成果でもあると思います。ですから、これはそういう意味でも政治的意味合いは持っていると思います。ですから、これが崩れることを私は望んでいるわけじゃありません。ただ、なかなか厳しい状況にあるということは事実だというふうに思います。
 それから、北朝鮮問題の最後にお尋ねしたいんですが、この核の問題が平和裏に話合いで、しかも安保理も含めて、日米韓、安保理、多国間でと、こういうことなんですが、一方で、北も、韓国もロシアも中国も、米朝で話し合ったらどうだと、こういう声が出ています。私もさっき申し上げた、アーミテージさんの外交委員会での証言を見ても、いずれ話し合わなきゃいけないと、こうおっしゃっているんですよね。だから、私は、突破口になるなら、今かなり手詰まりですから、米朝の話合いというのも日本から勧めてみるというのも一つの案だと思うんですが、この点はいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アメリカ側も米朝間で話し合うということに対して否定はいたしません。しかし、今の時点で、現時点では直接交渉する時期ではないとアメリカ側が判断しております。日米韓、あるいは中国、ロシア含めて対応した方がいいのではないかというアメリカ側の判断になっております。
 しかし、アメリカ側は、いつでも対話の門戸は開いているんだということを言っておりますので、私は、時期を考えながらアメリカは判断されますし、日本としても米朝間で話合いの必要性は常にアメリカ側に伝えております。
○直嶋正行君 今の点にもうちょっと申し上げますと、アメリカは、対話はするけれども交渉はしないと、こう言っているわけですね。北は、交渉しろと、こう言っているわけですよ。まあ、政治の世界でもよくあるんですけれども、一方から見たら対話だけれども、一方から見たら交渉に見えると。これはよくある話ですから、小泉さんはそういうところの知恵を上手に出せる人じゃないかなと思いますので、どうでしょう、ちょっとやって……。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは一般から考えますと、対話と交渉どう違うんだというと、難しい面ありますよね。同じじゃないかという、思う人は、私はこれは普通じゃないかと思うんですが、そこは外交的な駆け引きがあるんですね。
 交渉と対話というのは、私も、厳然とどう区別すべきかというと、難しい点もあるということは認めます。しかし、現にアメリカ側は、対話するためにケリー国務次官補を送って対話した経緯もあるわけですから、これからも、その交渉と対話の違いというのは難しいんですが、交渉の前にしかるべき対話の時期も来るのではないかと。それは、アメリカも、日本の意見をよく聞きたい、韓国の意見をよく聞きたいと、そういう中でアメリカは判断を下したいと言っておりますので、その点はよく心得ながら日米韓の緊密なる連携を取っていきたいと思っております。
○直嶋正行君 それじゃ、これ以降、経済問題をお伺いしたいと思います。
 ひとつ最初に、また恐縮なんですが、世論調査の話から入りたいと思うんですが、その前に、総理は今のこの状況、今の、今現在の日本経済の状況というのをどんなふうにとらえておられますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済問題につきましては、それぞれの指標を見ましても、極めて厳しい状況にあると思っております。
 こういう厳しい状況の中で、政府としても、予算、一日も早く成立させて、しかるべき対策ができるような措置を講じていかなきゃならない。同時に、今までの行財政改革あるいは金融改革、税制改革等を進めまして、将来の成長につなげていかなきゃならない大事な局面に来ておるのではないかと。注意深い各状況の配慮が必要だと思っております。
○直嶋正行君 総理はデフレ克服ということをおっしゃっているんですが、いろんなマスコミの世論調査でも、小泉内閣に一番不満な点は経済対策だと、こういう声です。特に、これはある新聞の二月の世論調査ですが、小泉内閣がデフレを克服できるかという問いに約六五%の人が難しい、こういうふうに答えているんですけれども、私はちょっとこういう雰囲気が国民の中にあるんじゃないかと思うんですが、総理はどうなんでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、すぐデフレが克服できると思っておりませんが、恐らく今私の代わりにだれが総理を担当しても、デフレを克服すると思っている国民は少ないのではないかと思っております。
○直嶋正行君 多分、民主党が政権に就けばもっと早くできるんじゃないかと思いますが、まあ議論させていただきますけれども。
 私は、今一番問題なのは個人消費だと思うんですよ。消費がすごく落ち込んでいまして、だからさっき言ったようなコメントにも出てくるんですけれども。これ配ってください。
   〔資料配付〕
○直嶋正行君 これちょっと見ていただけますか。(図表掲示)総理、今、税制改革の話もされたんですが、これは十五、十六、十七年の社会保険料を含めた国民負担です。減税はほとんどが企業減税で一・八兆円なんですが、この負担増は強烈な数字ですよ。大体二兆円超えているんですよね。これは企業分外していますからこうなっていますけれども。
 それで、この累計欄見てほしいんですけれども、いったん上がったやつは全部根雪となってどんどん積み上がっていくんですよ。平成十七年、これは約三兆円ですよね。まだその先あるんじゃないかと思います。ここがやはり一番国民が今先行き不安に感じている部分じゃないかと思うんですよ。こういう不安が、個人にとってみるとこうやって累増していくということについて、総理、どのように見ておられますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この負担の面におきましても、私は、酒の税金にしてもたばこの税金にしても増税分を言っておりますが、同時に他の分野で二兆円減税しているわけですね。この酒とたばこ等の増税におきましては二千億円です。他の分野の二兆円の減税差し引きますと一兆八千億円の減税しているわけです。同時に、これが後になって増税してくるんじゃないかと言いますが、これは例えば医療の三割負担を今止めても、将来これまた負担となって持ち上がってくるのは、高齢少子社会を見てみれば分かることだと思っております。そういう意味において、当面のこういう負担増だけでなくて、総合的に考える必要があるのではないかと。
 私は、経済対策におきましても、十五年度におきましては増税よりも減税が大きいわけでありますが、そういう点におきまして、このような負担増だけ見るというのは疑問に感じております。(発言する者あり)
○直嶋正行君 そうなんですよ。今ちょっと、僕は総理の認識間違っていると思いますよ。減税は一・八兆円ですが、ほとんど企業減税なんですよ。ここは個人の負担です。
 竹中さん、一つお聞きしますが、この先行減税の経済効果というのはどのように見ておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先行減税の経済効果、例えば平成の十五年度においては、今、総理がお話ありましたように二兆円の減税と税負担の増加が〇・二兆円、一・八兆円、それだけの効果というのを取り出して実は計算をするというのはなかなか難しいのでありますが、同時に、その景気循環の中で経済がどのように影響していくか、特に今、委員御指摘の、ないしは御心配の個人消費がどのようになっていくかということに関しましては、政府の経済見通しの中で数字を出しております。これは、GDPに関しては〇・六%の増加、これを成長を見込んでおりますが、個人消費に関しては〇・四%という数字を見込んでおります。
○直嶋正行君 今、減税の方の話、はっきりした数字ないということなんですが、負担増の方は影響をはじかれていませんか、社会保険料を含めた負担増の方は。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今申し上げましたように、委員御指摘のこの数字そのものを、ちょっと正確性というのを今確認はできませんが、御指摘のように家計に対する負担増はあります。一方で、総理御指摘のようにその減税の効果がある。その効果全体としてどのように表れるかということを見越して先ほどのような数字になっている。委員御指摘のような負担増についても織り込んでそういった数字を出しているということです。
○直嶋正行君 私は、全くそこはもう違うと思いますね。
 例えば、直近の家計調査見ても、もう勤労世帯見ると実収入はこれマイナス四・七、これは実質ですが、十か月連続下がっているんですよ。可処分所得もマイナス四・八で、これは八か月連続ですよ。私、今何か個人消費は〇・四増えるんだとおっしゃったんですが、私はむしろ逆じゃないかと思うんですね。
 例えば、第一生命の経済研究所の分析データを見ますと、この社会保険料の負担も入れて考えますと、大体個人消費はマイナス一兆三千億と、こういう数字も出ています。ちょっとおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いろんな試算があるということは存じ上げておりますし、繰り返しますが、委員が御指摘のように、家計に負担が掛かって、それが消費が減るのではないかというような御心配も理解できる点だと思います。
 しかし、例えば企業に対する減税等を通しても、それは最終的には消費者の利益になってくる。例えば、雇用を増やす、給与が上がるというようなこともあると。そういうことを総合的に勘案をして、マクロ的に考えて、マクロ経済の全体のバランスの中で消費は実質で〇・四%増加するというふうに見込んでいるわけであります。
○直嶋正行君 あのね、一月のこれ家計調査、十か月連続で、しかもマイナス四・七ですよ。どうやって増えるんですか。ちょっとこれ、もう一回ちょっとよく見てほしいんですよ、これを。この十五、十六年というのは、小泉内閣の今度の計画見ると、これは構造調整期間ですよ。構造調整期間というのは、不良債権加速処理して一番デフレ圧力が高まるんですよね。そのときに何でこんなに家計負担を集めるんですかね。わざと悪くしているんじゃないかと思うんです。(発言する者あり)そうですよ。さっき、向こうからおっしゃったように、減税はもうほとんど企業減税なんですよ。だからもう家計が本当に参っちゃっているんですよ。しかも、今おっしゃったですけれども、構造調整期間の十五、十六年でこんなに集中するんですよ。これが根雪になって先も負担がつながっていくわけですよ。なぜこんな政策を取っておられるのか、私はもう訳が分からない。これ、どうなんでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 後ほど竹中大臣からも答弁あると思いますが、不良債権処理を進めていくと、それは景気悪化すると言いますけれども、恐らく民主党も私は不良債権処理を進めるということについて反対はされていないと思っています。これは必要だと思うんです。
 そういう中にあって、十五、十六年度というものはいわゆる不良債権処理を加速させていかなきゃならない時期。企業の減税は関係ないと言いますが、私はそうじゃないと。企業を活性化させることによって、それは失業も減りますし、雇用も増えますし、これは個人に関係ないどころでなくて、今の日本社会は企業社会ですから、企業が活力を得ることによって個人も活力を得ていく。だからこそ企業に対して減税が必要だと、研究投資が必要だという点につきましては、私は民主党の皆さんも御理解は得られると思います。
 消費が大事なことは分かっておりますが、そういう点については、今後、規制改革等、あるいは今言いました歳出の見直し等の点から改革を進めていくことが是非とも必要であって、今の現時点で不良債権処理を進めるということは、マイナス効果が出るということを承知でやっているわけですから、しかし、これを進めない限りは私は将来の成長はあり得ないということも御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、総理の御答弁にありましたように、正に、企業に対する減税も、結局は家計に対して雇用等々、給与の安定等々を通して非常に有利になってくるんだという点がやはり非常に私は重要な点だというふうに思います。この点を御理解いただきたいということと、その点に対する総合的な、踏まえた経済の見通しになっているということを御理解いただきたい。
 それともう一つは、家計調査の話を直嶋委員なされるわけですけれども、この家計調査というのは正に家計簿を付けている家計でありまして、経済全体で見ますと、家計調査、これ、実質の数字おっしゃったのか名目の数字おっしゃったのかちょっと定かではありませんでしたが、GDP、国民経済ベースで見ると、この十四年度の消費というのは、実質消費というのはかなり実は安定的に比較的上昇してきております。これは統計上の事実でありますので、御確認をいただきたい。
 それと、なぜ今の時期にという御指摘がありましたが、だからこそ先行減税をするわけであります。
 この二年間が調整期間で大変厳しい状況であるからこそ、ネットで見て一・八兆円の先行減税を今年行う。正に集中調整期間であるからこそ、この期間、厳しいここをしのぐために先行して、減税を先行させているんだという点を御理解いただきたいと思います。
○直嶋正行君 話が要するに違うんですよ。
 だから、総理も不良債権処理が必要だと、それはそうなんですよ。企業の活性化も必要なんですよ。僕は否定しているわけじゃないんですよ。だけど足下は、家計は大変なんですよと。企業だって、幾ら元気になったって、消費者が物を買ってくれなきゃ業績なんか上がりっこないわけですよ。もう冷えに冷えていますよということを言っているんですよ。
 これは、しかもここは集中調整期間なんですよ。一番デフレ圧力が掛かるところなんです。何でこのデフレ圧力が掛かるところにこんなに個人の負担を増やすんですかと、これは政策になっていないんじゃないんですかと、こう私は言っているんですよ。どうですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この点はもう本当に、先ほども申し上げましたが、だからこそマクロ全体で見ると減税になるような形に持っていっている。企業部門に対して、これは、企業部門に対する減税も、繰り返し申し上げますが、結局はそれは雇用や給与の安定を通して家計に戻っていく、そういうメカニズムを通して日本の経済を強くしていくことが自律的な経済成長への道であるというふうに考えているわけであります。(「だから駄目なんだよ」と呼ぶ者あり)
○直嶋正行君 そう、駄目なんですよ、だから。
 企業活動が家計に回っていくのに時間掛かるんですよ。だから、足下からもう今駄目にしているじゃないですか、私はそう言っているわけですよ。
 それで、しかも、これは結構ひどいですよ。減税から、さっき減税減税とおっしゃっていますが、減税は全部時限措置なんですよ、今度のやつは。ここは、保険料も増税部分も全部これは恒久措置なんですよ。だから、それで幾ら企業が元気になりますとかいろいろおっしゃっても、本当に国民はこれ先行き安心できますか。減税はいずれなくなるんですよ。これはどうなんですか。そういう政策で本当にいいんですか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 減税だけして増税考えなかったら、もっと先行き不安になると思います。そこをどう考えるのか。それほど、それこそ問題の先送りじゃないでしょうか。先送りはしていけないという責任ある政府の立場、私は単年度で増減税はしておりません。今までだったら、減税をするんだったら増税分、帳じり合わせなきゃいかぬ。単年度にこだわらないで多年度で考えようと。
 今、集中調整期間といいますか、当然、不良債権処理に伴って、企業の倒産も出るかもしれない、失業者も出るかもしれない、雇用対策もしなけりゃならない、中小企業対策もしなきゃならない、企業も活性化しなきゃならない。それがひいては家計にもいい影響を与えていくということでありまして、今、今が駄目だから減税だけしようといったら、今までの方法と何にも変わりません。目先のことばかりにとらわれて、将来を考えるということが大事だということで、将来のあるべき姿を望んで現在を講じているということを御理解いただきたいと思います。
○直嶋正行君 私が言っているのは、総理はもうわざとそらしているんですよね。減税は時限措置で、増税は全部恒久ですよ。だから、減税部分は消えちゃうの。これが税収中立なんですか。おかしいじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) したら、減税だけやって、あとどうするんですか。借金して、また負担を先にツケ回すんですか。かえってその方がおかしいんじゃないですか。
○直嶋正行君 答えていないですよ。
 減税は消えてなくなるんですよ、二、三年たつとね。制度そのものが復活して増税になるんです、その部分も。そうでしょう。今回のやつ、全部時限措置ですよ。そこを私は言っているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私もそこを言っているんですよ。今、減税だけして将来の増収を考えない、それこそ無責任の最たるものじゃないですか。国債増発にしたってそうですよ。国債は将来の、先のツケ送りですよ。
 今厳しい状況だから、あえて減税分を同時に増税はしない。だから、調整期間は減税を先行させましょうと。将来、持続的成長が上がったときには増収を図らないと、かえって国民に不安を与えるし、若い世代にどんとこのツケを回してどうなるのかと。目先だけのことを考えてやっていたら、ちっとも改革は進まないということなんです。
○直嶋正行君 これは総理は全然違う理解されていますよ。
 時限減税は時限的に減税になりますが、その時限措置の期限が切れるとそれは復活するわけですよ。これは増税ですよね。そうですよね。だから、例えば今回の研究開発とか設備投資減税は時限措置ですから、それが切れればその分は増税になるわけですよ。だから、総理はそれは減税だと、こうおっしゃっているけれども、それは減税じゃないですね。時限、限られた減税なんですよ。
 その上に今度は、個人の増税部分は全部恒久措置ですから、どんどん残っていくわけですよ。社会保険料もそうなんですよ。だから、それは余りにもひどいんじゃないか。しかも、それを集中調整期間であるこの時期からなぜおやりになるんでしょう、これじゃ減税した意味もないじゃないですかと、そう言っているんですよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は今までの議論を聞いていますと、どうももう皆さん方の質問の中で集成の誤謬というのがありますね。何かこれは正しい、これは正しいと、こう言っているけれども、全部合わせてみると矛盾だらけのことをおっしゃっているような気がする。どうもおかしいんですね。
 それはなぜかといったら、国会で減税しろ減税しろとおっしゃった、その減税を受けて今度減税をやった、そうしたら、減税やったら国民は困るじゃないかと。これじゃどうすりゃいいのかということになりますよね。僕はこれを集成の誤謬と言うんですよね。そこはちゃんと議論してもらわないと困ります。
 だってですよ、何で減税が先行したかと、そして増税と併せてやったかということの議論をいたしますと、今日までですよ、ずっといきまして、財政がこんな状況になっておる、五〇%近くですよ、五〇%です、国債に依存しなきゃならぬというような財政の状況にあって、更に減税減税減税進めたらどないするんですか。何を減税、財源にするんですか。こんなことを僕は議論しておったら、本当に国民は笑っちゃうと思いますよ。
 そうではなくしてですよ、そうではなくして、国会も減税もする代わりに増税もきちっと認めてやる、そういう習慣が国会にあるならば、これは国民信用しますよ。減税したって、今度、増税するとき、国会は一銭の増税だって反対するじゃないですか。現に、今度たばこ一本一円上げるのにこれだけぎゃあぎゃあ反対、ここがある、世間では反対はありませんが、国会ではぎゃあぎゃあ反対がある。これ一体どうなるんですか、これは。(発言する者あり)
 それを見ると、やっぱりセットで出しておく、そうして、これは、五年とおっしゃいますけれども、今度は七年になるんです。七年の、七年の調整期間で増減税が合うようになるんです。そうして、経済が良くなってくれば、経済良くなってきたら、国会の権威においてまた税制を変える提案されてもいいじゃないですか。税を決めるのは国会なんですよ。
 ですから、政府が出しておることに対して、経済が変わってくれば、変わってくれば、また今度国会が発議されて、こういう具合にしようとされてもいいじゃないですか。それのことをやらないで、国会は政府が出したのが意にかなわぬと、これはおかしい議論だと思いますよ。(発言する者あり)
○直嶋正行君 ちょっと委員長、静かにさせてください。
○委員長(陣内孝雄君) 質疑の妨げになりますから、質疑者以外の方は御静粛にお願いいたします。
○直嶋正行君 答弁聞こえません。
 財務大臣、財務大臣、財務大臣、集成の誤謬じゃなくて合成の誤謬でしょう。まず、それ、修正してください。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは一度よく調べて、訂正するものは訂正いたします。
○直嶋正行君 それでは、ちょっと今の、税金の話出ましたから、ちょっと先にこれやりましょう。(図表掲示)そのペーパーの、お配りしたペーパーの三枚目です。
 これは今、財務大臣がおっしゃったんですよ。多分、あれですかね、あんな調子で経済財政諮問会議でもまくし立ててこうなったんですかね。もうひどいもんですよ。
 だから、財務大臣、最初に伺いたいんだけれども、ちゃんと議論しましょう。
 まず、多年度税収中立というのはどういう意味ですか。答えてください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 税の改正案の中において、実施の時期を、実施の時期を調整することによって増減収を調整したということであります。
○直嶋正行君 実施の時期をどういうふうに調整したんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 例えば、ここにございますように、配偶者特別控除と、あるいは住民税の増税と、こう書いてございますね、十五年、十七年。これは実施を遅らせて、全部十五年にしてしまったら増税が先行する額が少なくなってしまいますので、増税、減税額をできるだけ多くするという意味においてこういう時期調整をしていったということであります。(発言する者あり)
○直嶋正行君 そうです。今そう、今、後ろから言うとおりなんですよ。増税の実施時期を調整しただけじゃないですか、今の話は。
○国務大臣(塩川正十郎君) もしですよ、もし、このときに、この機会に例えば配偶者特別控除やとか住民税の増税であるとか、こういうことを盛り込んでおかないとするならば、今度、来年度でもこの増税の分、例えばですよ、今度、あれですね、消費税の免税点を引き下げることをしましたね。ああいうのは、もう実施を、十七年から実際は稼働するわけですね。
 そういう具合にしておきますと、今一緒にこれをしておかないと、個々に今度、来年度これを出したって絶対国会通りませんよ。だから、これをセットにしておかなきゃ、こんなもの絶対認めますかいな。それがために国会止まってしもうて審議にならぬようになる。だから、私が言うのは、そういうときには、よし、税金が落ち込んできたら今度増税も認めてやろうと、素直にそれを、応じていただけるならばこんなことにならないんですよ。
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど私はちょっと言い過ぎまして、国会は通らないと言いましたが、増税法案は通らないと言いましたが、通そうと思うと大変な難しいことが起こる、このことを申し上げたいということであります。
○直嶋正行君 だから、大臣、よく見てくださいよ、その表をちゃんと見てくださいよ。これは財務省が発表した数字ですよ。ここが三年間減税です、十八年度以降増税です、これは多年度税収中立ですと、こういうふうに説明しているんですよ。しかし、これは、税収中立というのはプラスとマイナスでゼロという意味ですよ。そうでしょう。ところが実際は、さっきから私言っているように、この中身はほとんど時限措置ですから、要するにいずれこれ皆プラスに変わっていくんですよ、この時点から見ると。そうすると恒久措置ばかりが残るんじゃないですか。だからこれは多年度税収中立じゃないんですよ、今度の政府のは。正直に説明しないといかぬですよ。どうですか、財務大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 七年間の間で、私たちは五年間で計画したんです、計画したんですけれども、酒税とたばこの方で増税額を、増収額を全額認めてくれなかったものですから、ですからこの分を、あ、失礼しました。そうすると、五年で増減税というやつを、増減税というやつが七年になったんです。七年で大体増減税することになります。
 そこで、直嶋先生、ちょっとその表を上げてごらんなさい。上げてごらんなさい。ちょっとそれ上げて、上げて、上げて。そこでですよ、この赤と青のところが、それが、その辺の、平成十七年ごろまで景気が良くなればですよ、増収額の方を少し削っていこう、それで減税をもう少し幅広くしていこうということ等は、国会が判断されてそういうことも考えられたらいいじゃないか。国会は税の発議権があるんですから、また決定権があるんですから。そこをですね、何か一回決めてしまったら、これが不磨の大典のようにおっしゃるけれども、決してそうじゃないんですから。
○副大臣(小林興起君) 大臣の補足説明をさせていただきます。
 税収中立、これがずっと言われておりまして、単年度に片っ方で減税をし、片っ方で増税をする税収中立、これでは景気対策上効果がないという皆様方の御意見もございまして、(「皆様方ってだれだ」と呼ぶ者あり)国民の声がございまして、大幅に今回は、単年度でいいますと減税がスタートすることになりました。
 しかし、財務省の考え方として財政の規律ということがございます。したがって、こんなに減税をして将来の財政はどうなるんだ、財政規律はどうなるんだという、こういう問題がございますので、その財政規律という考え方に立ちますれば、今、先生がこの表でお見せいただきましたように、やがて後年度に税の増収が上がる形になっております。したがって、このくらいで見ますと、財政規律上、多年度にわたって税収は中立でございますという考え方を示しているわけでございます。
 それと、その先について、じゃ、国民の税負担はどうなっていくのか、どうだこうだという議論につきましては、大臣が申されましたとおり、その先の年度年度についてまたお話をさせていただくということで、当面財政規律という考え方はきちっと守られておりますということが一つでございます。
 それと、それともう一つは、景気対策上いろいろなことをやりますと、やがて日本全体としては、先に行きまして日本の経済は成長するという考え方になっております。また、そういうところから新しい税収も起きてくるわけでございますが、それについては現在のところ確たることが言えませんので、その数字には示していないということで、財政規律の問題と景気対策というのを分けて御議論いただきたいと思います。
○直嶋正行君 ですから、財政、結局これは財政の論理なんですよ、私に言わせりゃ。減税はやりますと言っているけれども、これは全部時限措置ですよ、さっきから言っているように。増税は全部恒久措置ですよ。だから、これはここから先書いていませんが、それで、国会で変えりゃいいというのはそれは無責任ですよ。ですから、これは結局、減税をやると言いながら、実は増税をやっているんですよ。そうじゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、それでは、今、多年度税収中立じゃなくて、この減税に見合う財源を措置しないで、減税法案だけ出したらどうなりますか。これも恒久減税、恒久増税ですよ。国債発行も将来の恒久増税につながっていくんですよ、負担に。減税するんだったらば、それに見合う財源を常に確保して出さなきゃならないというのは原則です。これはもう、減税だけやれば、後のことはもう後の人に任せようという、これほど無責任なことはない。私は、もし、それはこの減税分だけ出してやったら反対する人いないでしょうね。後の政権、どうなるのか。こんな無責任なことはないと。それは、全部、減税法案だけ出して、増収見合わない、出しても、これは後の国民、若い方々がどれだけ負担に苦しむか、そこをよく考えていただきたい。
○直嶋正行君 ですから、総理が今の発想でおやりになる限りは、だったら、もうこういう経済対策というのは要らないんですよ。だから、それがあるから、小泉内閣になってから一つも景気よくならない。経済がどんどんどんどん縮む一方なんですよ。だから、デフレ克服は大事だと言って、今度もこういう減税措置入れたりいろいろ手を打たれたわけでしょう、そうでしょう。そんなことをやったら駄目になるんだから増税ですよなんて言っちゃえば、そんなもの、経済政策の意味がないじゃないですか。デフレ克服なんか永久にできないですよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、よく減税の中身を知らない話なんですよ。だからよく考えてくださいよ。これは、企業を活性化するための減税と、それから個人が、皆さんがおっしゃるじゃないですか、お年寄りは金を持っているのを、何とかそれを活用する方法を考えろと。それがために相続税とか贈与税を緩めて、それで個人の資産が経済活動に入ってくるようにしようという、そういうことをやっていると。これを一回見てごらんなさい。中身を言わないで、ただ表だけの減税をどうのこうのとおっしゃるのはおかしいと。
 今、経済に要請されていることは、減税も大事です。大事ですけれども、もっと大事なことは、やっぱり日本の国全体の構造改革を変えていく、いわゆる規制緩和して民間の力をもっと発揮さすというところにある。その制度を今度やろうとしているんですから、そこをよく見てもらわなけりゃ減税の意義が分からない。
○副大臣(小林興起君) 再三御説明させていただいておりますとおり、その表というのは財政規律について論じている表でございます。
 今回、減税をいたしましても、それでは財政の規律がどうなるかというそういう御質問に対しまして、政府としては、制度上、将来このような形になっておりますので税収中立が保たれておりますという話を、今年の税制改正についてお話を申し上げているだけでございまして、来年、再来年以降、日本の経済の状況を踏まえて、例えば更にもっとこういう減税をしたらどうかとか、あるいはこういう増税をしたらどうかという、そういう御議論は毎年毎年させていただいて、それが本当の税に対する制度になるわけでございますが、今年の税制改正案について財政規律はどうなるんだということに対しまして、このような形の減税と増税とが組み合わされた制度を今考えておりますということを申し上げているわけでございます。
 したがって、これは財政規律論だということで御議論いただき、もっと例えば景気を良くするためにはどうするんだ、こうするんだと、本当に例えば減税の効果によって日本の景気が回復するのかという、当面はこの現在の決めました減税案に注目していただきまして、それでもって景気対策は論じていただく。
 それから、財政規律につきましては、政府としては、今、総理も申し上げておりますとおり、税収と増収が、考えて多年度では財政規律は保っておりますという、こういう御説明でございますので、景気対策は別に議論をしていただきたいと思います。
○直嶋正行君 まあ来年になったら適当にやってくれというのは、さっきの総理の話と全然違うじゃないですか。また変えてもいいなんていうのは。
 だから、財政の論理が強過ぎるんですよ。こうやって合わすから駄目なんですよ。
 いいですか、総理。総理は、せっかく減税した、減税したとおっしゃっていますが、これ来年度になると、もう十六年度以降これ増税なんですよ、ずっと。そうじゃないですか。(発言する者あり)増税なんですよ。十五年から見たら〇・三兆増税なんですよ。(発言する者あり)〇・三兆増税になるんですよ、十五年から見ると。(発言する者あり)当たり前じゃないですか。よくこれを見たらどうだ。経済というのはそういうふうに見るんですよ。だから、こういう絵をかいちゃ駄目なんですよ。
 さっきの小林さんがおっしゃるようなことにするんなら、これは調整期間はしっかり減税します、立ち直ったところで財源は別途議論しますと。総理がおっしゃるように、規制緩和でも何でもやればいいじゃないですか。こういう絵をかくから駄目なんですよ。これ、年々増税ですよ。ずっと後はもう増税が続くんですよ、十五年以降は。変化率、全然見ていないんですよ。よくこんな政策を出すなと。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 本来だったらば、単年度で一兆八千億円の減税をするんだったらば、同じような一兆八千億円の増税策を講じなきゃならない。それを、来年度は二兆円の減税をやって、酒とたばこの増税をして二千億円、差引き一兆八千億円の減税、先行しようと、十五年度は。さらに、十六年度も一兆五千億円の減税であります。
 そこで、減税だけやればいいじゃないかと、将来は増税があるからこれはいかぬと言っているけれども、たとえ将来の、じゃ今の減税に見合う財源を今示さない、これほど政府は無責任を主張されることないですよ。そうしたら、減税だけやったら景気に良くなるか。とんでもない。税収五〇%ない、五〇%割るんですよ。国民の税収がないのに、五〇%を将来若い世代に、先に、負担先送りして、若い世代に増税してもらいましょうということと同じですよ。
 民主党は三十六兆円の国債発行を認めています。三十兆円枠をしなさい、しなさいと言いながら、組替え予算を動議しながら、三十六兆円の国債発行を認めているじゃないですか。組替え予算を出していますよ、民主党よく考え、民主党自身考えてくださいよ。組替え予算において三十六兆円の国債発行をしなさいと言っています。(「しなさいと言っているんじゃないの」と呼ぶ者あり)それだったら組替え予算を撤回していただきたいんですが、私はそういう意味におきまして、これは減税だけやれば将来の増税はないということは大間違いだと、減税だけやったらば更に大きな増税はこれは将来しなきゃならないということを国民も分かっているのではないかと。
 私は、今の厳しい経済状況だから、あえて減税を先行させているんです。本来だったらば、この減税に見合う財源を一緒に措置しなきゃならないのが今までの例なんですが、そこは厳しい経済状況を考えて減税を先行させようということでありまして、減税法案だけ出せばいいという、そこは全く違います。かえって無責任な、将来にツケを先送りすることになるということになると思います。
○直嶋正行君 あのね、いいですか、何回も言いますよ。
 来年は減税なんですよ。だけれども、ずっとこれ増税なんですよ。だから、こんなもので、例えば構造調整期間二年でどうやって経済良くなるんですか。国民から見たら、これ全部増税ですよ。ここは一兆円、ここは一・三兆円の増税ですよ。なるじゃないですか。
 だから、こういう政策を作ったらこんな経済成長なんかやれっこないですよ。本当にデフレを克服するんならこんな政策言っちゃ駄目ですよ。私はそれを言っているんですよ。何も私は財政規律を否定しているわけじゃない、小泉政権のデフレ対策を含んだこの政策を批判しているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済対策は減税だけじゃありません。金融改革もあります、規制改革もあります。この税収だけを見て経済対策にはなり得ません。税制改革も確かに重要な柱です。今の財政規律を考えた議論をしておりますが、当然、財政規律というのは大事であります。しかし、現在の経済状況を見ながら、あえて三十兆円枠を取っ払って三十六兆円の国債発行をしている。
 公約公約と言いますけれども、民主党は三年間、三十兆円に縛れと言いながら、今回の組替え予算で民主党が出している案は三十六兆円の国債発行を認めているじゃないですか。
 そういうことを考えて、私は、今の景気情勢にも配慮して、当面、増税もしなきゃならない、今までの状況だったら減税をするんだったら同時にどこかで増税しなきゃならないのを、あえて来年度は減税を先行させるという措置を取っているわけであります。
○直嶋正行君 そうですか。何か民主党の案を見てあれですか、国債発行を決めたんですか、総理は。
 我々は違うんですよ。同じ財源でも我々は、小泉政権とは違う使い方でこうなりますよ、だからこんな増税する必要ないですよと言っておるわけですよ。適当にいい加減なことを言わないでください。(発言する者あり)それで、もし総理がおっしゃるように……(発言する者あり)後でやりましょう、ちょっと。
 総理がおっしゃるように、論理だったら今回の予算で税制、減税なんか必要ないんですよ、もし総理の論理でいけば。こんなのもう逆ですよ、さっきから言っているように。国民から見たら本当にそうですよ。どんどん上がっていく一方じゃないですか。それは、規制改革もあるよ、それは僕は否定しません。しかし、これを見せられたら、さっきのあれですよ、社会保険料負担のところで数字をお示ししたでしょう。あれもどんどん根雪になってたまっていくわけです。個人がお金使う気になんかなりませんよ、幾ら企業が頑張ったって景気良くなりませんよ。ここに言っている十七年、十八年、こんな数字はとてもじゃないですけれども達成できませんよ。だから、そのやり方が悪いんですよと言っているんですよ。話をそらさないでくださいよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、今までのおっしゃるのを、それは、角田先生がそこで不規則発言で言われた、一つの目安なんだとおっしゃるんですね。そうなんですよ、一つの。七年間にわたる、あるいは五年間で一つの目安なんですよ。
 ということは、ということは減税の法案で、減税の法案で年限切っています。切っていますけれども、国会では必ず延長しているじゃないですか。減税でぷつんと切ったということになると、租税特別措置法なんかみんな延長延長やっていますよ。増税の方は、もし延長なんということをやったらとんでもない、国会では難航します。
 そのように、そのようにこれは一つの、角田先生言っているように一つの目安なんです。だから、これを経済の進行状態に応じてどういうふうに考えるかということは、国会が考えられたら一番いいということなんです。
○直嶋正行君 だから、これは要するに今おっしゃったんですよね。こういうちゃんとした絵かいてやったんじゃないと、たまたまこうやって作ってみたらこうなりました、あとはまた来年考えてくださいと、こういうことですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、税収というのは、見通しどおりにいく場合も、見通しが外れる場合もあります。それは、外れる場合は税収が余計に入ってくる外れる場合もあるし、かえってマイナスになって外れる場合、両方あるんです。これは御承知のとおりだと思います。
 しかし、今の時点で、やはりこれだけの、三年間減税を先行させるんですから、それに見合う将来の財源を確保しなきゃならないということで、この七年間に限って、減税だけやるのは無責任だから財源を考えてやらなきゃならないという見通しであります。
 あくまでもこの見通しどおり全部いくということは、これは私もはっきりは申し上げません。しかし、今の時点で考えられる最善の見通しは国会に提出しなきゃならないということで出しているわけでありまして、私はこれは政府の立場として、責任ある方法として当然だと思っておりますし、この方向で、今までの異例の措置で、単年度にこだわらないで多年度で税収減をいかに補てんするかという案であるということを御理解いただきたいと思います。
○直嶋正行君 要するに、ちょっとつじつまを合わせて作ったから、年が変わって経済が悪かったらまた考えてくれりゃいいわと、こういうことですか。これではもう作らぬ方がましですよ、そんなことなら。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、経済は生き物であります。現に民主党は国債発行枠を三十兆円に縛れと法律を出したじゃないですか。それを私はあえて法律で縛ることはないと、経済は生き物だから柔軟に対応したいということで、十四年度は三十兆円枠を守れましたけれども、私は、十五年度も守るなんて全然言っていませんよ。大胆かつ柔軟に対応するといって、十五年度は三十六兆円、この不況だから増税だけするのはいかぬということで国債発行を三十六兆円まで拡大した。しかし、既にこの財政状況というのは大変厳しい状況にありますので、これはあくまでも減税だけやるというのは無責任過ぎるから、そのような税収中立を考えたわけであります。
○直嶋正行君 結局、三十兆円枠もおっしゃったんですけれども、今度三十六兆円出さなきゃいかぬわけでしょう。じゃ、もう元々三十兆を守らなくても、守らなかった方がひょっとしたら国債発行額少なかったかもしれません。
 要するに、小泉内閣になって、今おっしゃったように三十兆円とおっしゃって結局経済がシュリンクしちゃって、今度は三十六兆円発行しなきゃいかぬ、そういうことなんじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは私は十四年度のことを言ったんですよ。十四年度は三十兆円枠を守ろうということを言ったんですよ。それ以上のことを言っていませんよ。よく、誤解しないでくださいよ。
 それはなぜか。十三年度でまだ二兆円以上の、二十八兆円程度の国債発行枠だった、だからまだ二兆円増やせる。その程度の三十兆円の枠というのは財政規律を考えると重要だから、十四年度予算においては三十兆円の枠を守って厳しく歳出を見直そうということでやったんです。その以後のことを、その当時、私が言ったことに対して民主党は、十四年度だけじゃ足りない、三年間法律で縛れと言いました。私はそれを拒否しました。経済は生き物だ、そんな法律で縛ってがんじがらめにやって経済というのは柔軟に対応できないから私は拒否したんですよ。それをよく考えてくださいよ。
 だから、十五年度におきましては今の経済状況を考えながら柔軟に対応しなきゃならないということでやっているんです。減税だけやれば景気が良くなる、とんでもないですよ。減税だけやって財政を破綻させて、もっと四十兆、五十兆、六十兆国債発行して、どうして景気が良くなるんですか。国債価格暴落につながりかねない、金利が上がるかもしれない。総合的なことを考えなきゃなりませんよ。狭い道なんです。
 今までの景気回復策、減税を先行させて公共事業を拡大してどうして景気回復したんですか。景気回復するからそうやってきて、ちっともしないから構造改革が必要だと。あえて目先の問題にとらわれないで将来の若い人のことも考えようということでやっているのが小泉内閣だと。だから、多少の痛みに耐えて明日を良くしようということでやっているんですよ。
 今、減税だけ、減税だけやれ。今は、目先はいいです。若い人、どうなるんですか。高齢者がどんどん増えて、若い人がどんどん減っていく。若い人にどんどんどんどん、これ、後、おれたちは死ぬから若い人負担してくれと言うほど、これほど無責任なことはないです。
○直嶋正行君 聞きもしないことをあれこれ言わないでください。
 要するに、もう総理はそうやって全部人に振って、だから小泉内閣になってからいいこと何もないじゃないですか。何か良くなったんですか。実績を示してくださいよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 行財政改革にしても、金融改革にしても、税制改革にしても、あるいは規制改革にしても、歳出の見直しについても着実に進んでいるじゃないですか。(発言する者あり)それは、野党の皆さんは、それは立場があるから政府のやることは批判すると、これは分かりますよ。しかしながら、私は将来を見越して、現在は良くならなくても将来の成長につながる改革をしていると。
 例えて言えば、私が言ったように、郵政、財政投融資、特殊法人、これを一体的に見直そうと。多くの抵抗があったけれども、郵政公社一つの法案とっても、みんな反対したけれども、最終的には自民党も賛成してくれたんですよ。政府が出した法案を自民党は認めなかった。それを成立させてようやく民間参入が入ってきた。公社も、これは企業会計原則を導入して、実質的な民営化の第一歩を踏み出した。道路公団にしましても、これまた税金の負担をしてくれ、公団方式だとますます将来の負担をつながるということについて、反対があったけれども民営化の方針は決まったじゃないですか。そして、手続を踏んで、今着実に民営化の方向に動き出している。特殊法人におきましても、それぞれの公団も廃止等が始まっている。不良債権処理も始まっている、規制改革も始まっている、税制改革も始まっているじゃないですか。
○直嶋正行君 しかし、小泉内閣になってから、失業者は増える、株は下がる一方、倒産件数は増える、自殺者も増える、全部これまだ増えるばっかりじゃないですか。下がっているのは株だけじゃないですか。一つも上向いてないじゃないですか。国民生活にこんな負担掛けて、何が痛みに耐えろですか。先の展望、一つも見えないじゃないですか。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) 御静粛にお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しかし、不良債権処理を遅らせてどうやって将来、成長の見込みあるんですか。この現在の激しい変化に対応するような改革をしなくて、どうして雇用が増えるんですか。非常に、生き残れないような企業を助けて、どうして雇用が増えるんですか。
 私は、不良債権処理を進めていくと、ある程度現在の変化に対応できない企業というのは倒産のやむなき、余儀なくされる場合もあるでしょう。しかし、それに対しては雇用対策をやっている、中小企業対策もやっている。そういうことで、最近、企業もこの時代に対応して生き残らなきゃならないということで必死に努力を始めて、現にやる気を出して伸びている企業もあるんです。
 私は、そういうやる気のある企業を伸ばしていくことによって将来雇用も増えるし、そして企業が利益を上げられることになれば税収も伸びるし、そしてそれに雇われる人も増えれば雇用にもいい影響を与える。目先の、今だけを現状維持でやって、将来はますます落ち込むばかりだから、あえて今のやるべき改革をやらなきゃ将来の発展は見込めないということで、この二、三年というものは改革に邁進するべきだと、将来の発展を期さなきゃならないんだと。
○直嶋正行君 総理の話だけ聞いていると、もう今ごろはバラ色になっているはずですよ。就任以来同じことを言っているんですよ。だけれども、国民生活はどん底ですよ。これはもう事実が示していますからね。間違いないですよ。どん底ですよ。どんどん悪くなっていますよ。
 話題変えましょう。
 まず、税収の話をやりましょう、税収の話をね。まず、今、今回の政府の予算書の中にも出ていますが、この税収の見積り方というのをちょっと説明していただけますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) まずは、当初予算において税収見込みとして所得税と法人税の個別の税収を精算いたしました。予算編成時までの課税の実績を勘案いたしまして作成したもので、進行年度中の税収見積りを土台としてやっておるということでございます。
 それから、政府経済見通しの中身に関する指標でございますが、その指標を応用いたしまして見積りを行ったということであります。
○直嶋正行君 つまり、政府の経済見通しと実績から税収見積りを作っていると、こういうことでよろしいんですかね。
 この税収見積りが狂った場合、去年のように税収見積りがショートした場合はどういう対応になるんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 極力、予定、予算どおり税収があることを期待しておりますけれども、もしやむを得ない事情がございましたら、いろんな財源の捻出を考える。それでもまだ対応し切れない場合には、補正を要請して、追加発行、国債の追加発行をしなきゃならぬこともあろうと思いますけれども、十五年度につきましてはその大きい見積り違いはないと思っております。ということは、十五年度に四十一兆六千億円程度の非常に厳しい見積りをいたしたものでございますから、私たちとしてはそういう不測の事態が起こらないように配慮したと思っております。
○直嶋正行君 今お話しあったように、歳費を切り詰めるとか財源手当てするとか、大体、今まで税収見積りがショートするケースというのは、やっぱりさっきおっしゃった、経済がうまくいっていないものですから、補正予算組んでいるんですよ。平成十四年度がいい例なんですが、二・五兆円の税収見積りで、補正予算で五兆円。だから、総理が一番嫌な国債を二・五兆円出しているわけですね、足らず前を。
 つまり、税収見積りが狂ってくるということは借金を重ねる一つの要因になっているんですよ。その辺はどうですか、感覚的には同じですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 確かに、税収の見積りが甘かったこともございました。その分が予測以上に減収となりまして、例えば、十三年度から十四年度へ申し送ってまいりましたのが、二兆五千億円の減税の言わば集積の赤字がございました。そこへもってきて、十三年度の法人税の還付が更に五千億円追加するというようなことになりまして、減収額が非常に大きくなって、それが今回、補正で国債発行で処理をさせてもらうということになった次第であります。
○直嶋正行君 つまり、総理ね、総理、税収見積りが狂うと、今申し上げたように、大体、補正予算でいろいろ対策を打っているんですよ。だから、税収見積りが非常に大事だということなんですよね。今のような時代になれば、なおさらそうなんですよね。言わずもがなという声はあるんですけれども、大体そこら辺がいい加減なんですよね。
 ちょっとこれ、お手元の二枚目ですが、見ていただきたいんですけれども。(図表掲示)これ、上の表は、さっき大臣がお答えになった政府の経済見通しと実績、これはその誤差です。それから、その隣は税収とその実績、その乖離率になっているわけですね。過去十年くらいの間、ほとんど政府の経済見通し、これ名目で取っていますが、下へ狂っているわけですよ、下へ。つまり、経済見通しを経済成長が下回っている、こういう状況になっているんですよ。ですから、税収見積りもそうなんですが、経済見通しが非常に大事なんですよ、そういう意味でいいますと。
 ですから、私がさっきから議論しているのは、そこの部分も含めて議論させていただいているんですけれども、この十五年度の政府の見通しはさっきのやり取りから見ると僕は難しいと、こう見ているんですけれども、どうなんでしょうかね。大体これ外れてきているんですよ、過去の例見ると。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済見通しを担当しておりますのでお答えさせていただきますけれども、確かに九〇年代に入ってから経済の動向を読むのが非常に難しくなった、それが、実績が政府見通しの、よりも下回っているという数字にはっきり現れているんだと思っております。小泉内閣になってから私どもで作成した経済見通しに関しては、これは十四年度ですから、それについてはそういうことは起こっていないということがこの中で示されているわけですが、これも、来年度についてもこれはいろんな見方がございます。
 しかしながら、我々は、十四年度においても、むしろこれは、先ほど直嶋委員は日本経済はどん底だと言われましたけれども、むしろこれ、世界経済が非常に厳しい落ち込みの中にあって、株価の下落に見ても失業率の上昇についても、これ国際比較していただくと日本経済はむしろ健闘しているんですね。そうした中で、そうした、これは正に総理おっしゃったように、構造改革が徐々に定着しつつある中で、厳しい状況ではあるけれども、相対的に日本の経済は諸外国に比べればむしろ改善している状況にあると。そういう中で、私たちは十五年度の経済についても、先ほど申し上げましたように、実質で〇・六%程度の見通しだというふうに思っているわけであります。
○直嶋正行君 まあ経済見通しの議論はやりたいんですが、ちょっとここではおいておきましょう、時間の関係もありますので。
 ただ、一つだけ付け加えておきますと、今、竹中さんおっしゃったんですが、政府の経済見通しはやれると、こういうふうにおっしゃったんですが、ほとんどの民間のシンクタンクの見通しは政府の経済見通しより読みは低く見ていますよね。
 それからもう一つ申し上げますと、政府部内でもやっぱりそういう意見があるんですよ。例えば、内閣府のいわゆる実際に実務もやっておられる方のレポートなんかも私、目を通したんですけれども、この小峰さんという方なんですけれども、日本経済、今年の日本経済は、政府の経済見通しは達成できない。いや、本当にそうですよ、達成できない。その議論はどっちにしても終わってから結果が出るでしょうから。そのとき小泉内閣があるかどうか分かりませんが。
 いずれにしても、一つ、もう一つ申し上げたいのは、特に、さっき塩川大臣は四十一・六兆円は堅めに見積っていると、こうおっしゃいました。まず、だから必ずその経済見通しを達成できるように。これは、下の表は、これは経済見通しの誤差です。こっちは税収のそれに見合った当初との誤差です。だから上へ出ているときもあります。経済見通しは少し狂っているけれども税収は上へ出ているときもあります。ここは減税やったんで、これはちょっと参考外です。ですから、ここのいわゆるノーマルなところ見ると、こういう凸凹ありますが、大体経済見通しの達成度と税収の関係というのはほぼ相関しているんですよ、相関しているんですよ。ですから、特に経済見通しと税収の見積りというのは、これ来年もし四十一・六兆円がショートしたらもう大変ですよね。総理がおっしゃった四四・六の国債比率どころじゃなくなっちゃいますよ。だから、もうこれは非常に厳格にやっていただきたいと思うんですよ。
 それで、もう一つちょっと。ここで網掛けしていますが、ちょっとイレギュラーなんです、去年は。さっき竹中さんおっしゃったように、十四年度は政府は経済見通し達成しているんです。しているんですけれども税収は五・四%も下がっている。これは一体何ですかね。何か分析されていますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それが実は実質経済成長と名目成長率との乖離といいましょうか、そこにデフレの進行が如実に顔を出してきているということでございまして、それだけにデフレの現象を、一刻も早くこれを抑制しなければ改善がされてこないということでございますので、私たちは、デフレ解消の更に一層の努力をして、それが不安でないようにいたしたいと思っております。
○直嶋正行君 ちょっとぴんとこないんです。これデフレ、余り関係ない。名目成長率と税収の比較ですからね。なぜこんなに違うんでしょうかね。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは財務省の所管ということになりますけれども、私の方で認識しておりますのは、この平成十三年度の実績見込み、平成十三年度の税収の実績見込みが大幅に違った、その平成十三年度の実績見込みに基づいて十四年度の税収の見積りがなされているので、その十四年度にそのままそれが繰り越されて大きくなったというのが実態であろうかと思います。
 しからば、十三年度の実績見込みがどのような形ではっきりした差が出てきたか。これは、今、財務大臣おっしゃったようにいろいろな要因があると思いますが、この十三年度には例の同時多発テロの問題等々で世界経済が大幅に萎縮したというのも一つの要因でありましょうし、ここはまだ我々自身勉強中でありますけれども、例えば時価会計の導入とか時価評価等々によっていろんな企業の収益構造に大きな構造の変化があったのではないかというふうにも考えられる。まだ勉強中でありますけれども、そのような要因が十三年度の実績見積りの狂いに出てきて、それに基づいた十四年度の予測についてもそれが引き継がれたというふうに認識をしています。
○直嶋正行君 一つだけ付け加えておきますと、十四年度の補正で、今、法人税の話を強調されましたが、十四年度の税収のショートを見ると、個人所得税も法人税も同じぐらい減少しているんですよ、ショートしているんですよ、見込みに比べると。だから、さっきから私が言っている個人のところがすごく大事なんですというのは、もう一度これは確認しておきたいと思うんです。
 もう一つ、これ、総理、ここは実は国債三十兆円枠を総理がおっしゃったときなんですよ。十四年度ね。今までは大体、経済成長と税収、こうリンクしているんですけれども、ここだけちょっと違うんですよね。これは三十兆円枠に合わせて税収も見積りを見込んだと、こういうことじゃないんですか。
○副大臣(小林興起君) 先ほど来大臣もお話をされておりますとおり、税収の見込みは経済成長率そのものに直接リンクしてするわけではございませんで、個々の法人税であるとか所得税であるとか消費税であるとか、それぞれの税目につきまして見通しを過去の実績等を踏まえて立てて、そこにそれぞれの経済指標を勘案して掛けるという形になっておりますので、直接経済成長率と税収の見込みとは必ずしも一致しないということになっているわけでございます。
○直嶋正行君 まあお答えしにくいところでしょうけれども、今のお話聞くと、経済成長率とは直接関係ない、だからいろいろ見込みをやっているんですと、こういうことですから、若干疑問は感じるんですけれども、これはそのぐらいにしておきましょう。
 それで、塩川大臣に、これからの話でちょっと確認をしたいんですけれども、今、よく為替が言われています。例えばデフレ対策とか、こういうことで、大臣も何か、購買力平価と今の実売とを見るともっと円安でもいいんじゃないかと、こういうお話されているんですが、私は、本気で今の為替レートを円安の方向にやはり誘導した方が日本経済全体にとってはプラスになるんではないかと、こう思っているんですけれども、大臣の御見解、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、国会でそういう質問が出るということは非常に私としては歓迎したいと思っております。
 実際は、我々として、政策担当者としては、そういう円安、円高ということを直接自分らの手で介入して操作をするということは、これは実は避けるべきである。国際間の信義ということもございますから直接的なことはできないんでございますけれども、そういう意見が多いということ、特に国会でそういう意見が出ておるということは非常に私たちにとっては有利な発言であると思っております。
 そのようなことの中で、できるだけ私はその実勢がその方向で動いてくれればいいと思っておりますけれども、あえて政府として直接介入していくという今の考え方はございませんが、しかし、余りにも一時的に乱高下が激しい場合は、これはやっぱり経済の安定を図るために調整の行動を取らざるを得ないということでございますけれども、これを乱用してはいかぬと思っておりまして、だから、日々相場の、為替相場の変動には十分な関心を持って対応しておるというところであります。
○直嶋正行君 日銀の副総裁、来ていただいて──はい。
 今私が申し上げた円安についてなんですが、特に物価との関係含めて御見解を承れればと思うんですが、どうぞ。
○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。
 先ほどの御質問の為替政策ですけれども、為替政策は政府・財務省の所管でありまして、私の立場から具体的にコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として言いますと、円安につきましては輸出面を通じて企業収益等のプラスの影響が及ぶということがあります。一方で、輸入物価の上昇を通じて物価下落を抑えるといった効果が考えられます。
 ただ、為替相場の誘導といったことを政策手段として議論する場合には、先ほど大臣からのお答えもありましたように、諸外国への影響ということがありますし、さらに、国際資本移動が極めて活発の中で為替相場を持続的に誘導していくということがどこまで可能かどうかということも十分考える必要があるかと存じます。
 いずれにしましても、為替相場は結局その国の経済力に対する市場の見方を映す鏡のようなものでありまして、経済のファンダメンタルズ、基礎的条件に沿って安定的に推移していくことが望ましいということに尽きるかと思います。
○直嶋正行君 今、日銀副総裁の方からもお話ございました。それは、急に乱高下させるとか、そういうことがあってはいけないと思うんですが、私はやはり、今の日本の経済状況からすると、円安の方向に導いていくということは相当大きな効果があると思います、経済効果の面と物価の上昇という意味ですね。
 ちょっと私、実は自分で計算してみたんですけれども、例えば公共事業を一兆円プラスをするケースと、為替を十円円安にすると、こういうケースで比べますと、名目で比較いたしましても大体三倍、倍ぐらい、二年目以降は三倍ぐらい、マクロ、これ、かなりマクロモデルを正確にまあしたつもりなんですけれども、今日はあえて細かい数字言いませんが、それくらいの効果が今あるんではないかというふうに思っていまして、政府の方でこういうことをやられた、おやりに、実際に効果を測定されたようなことはあるのかどうかということと、是非この円安方向に具体的に何か政策的にお考えになっているのかどうか、この二点をちょっとお聞きしたいんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 二つの御質問のうち、最初の方の計測の話は私の方からお答えさせていただくべきだと思いますが、そういうふうな形で一兆円と十円を比べるのがどういう意味があるのかという問題はあろうかと思いますが、為替が減価した場合に、円が安くなった場合にGDPや物価にどれだけの影響があるかということは、これはマクロ分析を内閣の方でやっております。ただし、ちょっと注意していただきたいのは、これは長期的には、国民の購買力を下げますから長期的には円安というのはマイナスの面もある、ただし短期的には輸出を増やしてプラスの面がある、その短期的な効果だというふうに御理解いただきたいですが、これは円が一〇%減価した場合ですね、だから十二円ぐらい、十一円ぐらい減価した場合にはGDPを一年目では〇・一六%引き上げる、二年目では〇・九九%引き上げる、そのような試算は一応短期の効果としては持っております。
○直嶋正行君 大体似たような数字だと思います、私が言ったのと。ですから、今、期間限定というお話もありましたが、やはり当面ひとつ真剣に考えていただいていいんじゃないかというふうに思います。
 それで、ほかに、特に総理から民主党予算のことを随分言われましたので反論もしたかったんですけれども、ちょっと時間の関係もありますので、今日は差し控えます。
 ただ、一つだけ申し上げますと、私どもは今回の予算は総額を意図的に動かしませんでした。というのは、中身の政策を比較したいということで。ですから、さっきの総理の発言は事実とは違うということを御了解、御認識いただきたいと、意図的におっしゃっているのかもしれませんが。私どもは、政府の政策とは違って、やはり潜在需要をもっと活性化させると、そこに力点を置きまして、雇用対策だとか、むしろ雇用に実効性のある政策を提案しているつもりでございます。補助金についてもそういうかなり思い切ったことを提言していると思います。ですから、反論も結構ですけれども、やはりいいところはまた取り入れていただくと、こういうことをお願いしておきたいと思います。
 それで、余り時間ありませんので、残り、名古屋刑務所の事件について今日はちょっと、総理来ておられますので、御質問さしていただきたいと思います。
 この名古屋刑務所において発生した看守による受刑者の暴行事件ということなんですが、特に一番最近明らかになりました平成十三年十二月に発生した十二月事件なんですが、これはもう非常に残虐な事件だと思います。このまず残虐な事件について、総理の、どのように受け止めておられるか、御所見を伺いたいと思うんですが。
○国務大臣(森山眞弓君) 三月四日に、かねてから平成十三年十二月の事案で逮捕されておりました乙丸副看守長が公判請求されたとの報告を受けました。改めて、被害者、御遺族及び国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと存じます。二度とこのようなことは起こさないように努めてまいりたいと考えております。
 名古屋刑務所で起きた刑務官による一連の受刑者致死傷事件につきましては、全くあってはならないことと受け止めておりまして、深い憤りを感じますとともに、法務大臣としての責任を痛感しております。国民の矯正行政への信頼は大きく損なわれまして、矯正行政を預かる者としてざんきに堪えないところでございます。また、被害者や御遺族、御家族の方を始め皆様方に誠に申し訳なく、重ねて心からおわび申し上げます。
 このような残虐な事件が二度と起きないようにするためには、矯正の現場で働いている職員の抜本的な意識改革がなくてはならないと考えます。私は、塀の中の常識が世間の常識とは違っているのではないかということを現場の職員一人一人に改めて思い起こさせまして、私が先頭に立って真剣に矯正行政の立て直しを図るほかは国民の信頼を回復する道はないと考えております。決して容易なことではございませんけれども、そのように職員の意識の抜本的改革を図ることが私の責任であると考えまして、職務に専念してまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 総理、ちょっと御所見いただけませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 名古屋刑務所の事件につきまして、法務省としても、また刑務所行政としても、反省すべき点が多々あると思います。こういうことが起きないように今後しっかりと対応していかなきゃいかぬと思っております。
○直嶋正行君 それで、一つお願いがあるんですが、この件については、国会の方にほとんどまだ調査データ等も報告していただいていないし、報告書も出ていないんです、ほかの五月事件、九月事件も含めてですね。ですから、こういった報告をきちっと国会にしていただくと、こういうことで御確認いただきたいと思うんですが。
○国務大臣(森山眞弓君) これらの事件につきましては、検察において今捜査中でございましたり、また公判に付与しているところでございますので、それらが、捜査が決着いたしまして、事実が確定いたしましたときに御報告させていただきたいと存じます。
○直嶋正行君 もう既に十二月事件の被告も起訴されたんですよ。だから、私はちょっと法務大臣の今の答弁はおかしいと思うので、十分出せるはずなんです。ですから、出せるものはきちっと出すということで是非お願いしたいんですが、総理、どうでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 法務大臣の答弁どおりいたします。
○直嶋正行君 きっちり出してください。法務大臣、お願いしますよ。もう一回答弁してください。
○国務大臣(森山眞弓君) 捜査を遂げまして、出せるようになりましたものは出させていただきます。
○直嶋正行君 私は、本当にちょっと人権感覚おかしいんじゃないかと思う。この事件の重要性を余り認識されていないんじゃないかと思うんですよ。
 私は、今回の事件を振り返りますと、三件ともこれは森山法務大臣の在任中に起きているんですよ。一遍に起きたわけじゃないんですよ。順次起きているんですよ。それから、例えば情願制度のような受刑者の人権侵害からの救済に道を開く唯一の制度が機能しなかった。それは、申し訳ないですけれども、大臣は一年以上その制度の存在すら知らなかった、それを官僚が握りつぶしていたと、こういうことでしょう。
 私は、やはりこれは法務大臣は、失礼ですけれども、職責を果たしていない、これだけのことが起きて、そういうふうに思いますけれども、総理、どう思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今までのことをよく反省して、こういうことが起きないように改めてしっかりとした対応をするように指示しております。
○直嶋正行君 失礼、日銀副総裁、申し訳ありません。忙しいところ、ありがとうございました。これで結構でございます。
 それで、もう一つは、これはまた引き続き今の点も、責任の問題も議論させていただきたいと思います。
 もう一つは、今、参議院に継続審査で人権擁護法案というのがあるんですよ。私、率直に一人の議員として申し上げますと、このような事件が起きて、今のような所管庁の状況を見ますと、正直言ってこの法案をまともに審議する気にはなかなかなれないです。それからもう一つは、この法案の中に、実は人権擁護委員会というのを作るんですよ。そういう、あるんですよ、それを法務省の外局として作る。そんなもの、今のようなことで、そんな制度を作ることは私はできないと思うんですよね。
 むしろ、人権委員会は法務省じゃなくて別のところへ置くべきじゃないですか。今回の状況を見れば、そのことをよく証明しているんじゃないかと思うんですよ。どうでしょう、ちょっと感想でも結構ですから。
○国務大臣(森山眞弓君) 人権擁護法案の中にあります人権委員会というのは非常に独立性の高いものでございまして、法務大臣の指揮を、監督を受けるものではないわけでございますので、そのような御心配はないのではないかと思います。
 人権を擁護しなくてもいいということはないわけでございますので、是非ともこの新しい時代に即応いたしました人権擁護の制度について御審議をいただいて、一日も早く成立させていただきたいというふうにお願い申し上げます。
○直嶋正行君 今、人権を擁護しなくていいとは、いいことではありませんのでとおっしゃいましたが、まず自分のところできっちりやってください。それをきちっと国民の前に報告して明らかにしてください。私は、今の状況だと本当にこういう制度を作ることには反対です。これはいろいろ意見もあるところですから、あえて申し上げておきたいと思います。
 ちょっとほかに経済特区の話とかいろいろお聞きする予定でしたが、総理と塩川財務大臣との議論で熱くなりましてそこまで届かなかったということでございまして、私の質問はこれで終わらせていただきまして、委員長、高嶋議員に関連質問をお許しいただきたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。高嶋良充君。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 総理は、我が党の菅代表の三大公約違反追及に対して、この程度のことは大したことではないというふうに開き直られました。テレビを見ておられる国民の皆さん方ももう失望を通り越してあきれられているんではないかというふうに思うんですけれども、そういえば総理、もう一つの総理の公約でございます地方にできることは地方に任すんだと、これは実現をいただけるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方にできることは地方にということで、現在、補助金の問題、交付税の問題、税源、財源移譲の問題、これを一体的に改革していこうということで、鋭意努力をしているところでございます。
○高嶋良充君 税財源の関係は後でお聞きしましょう。
 私は、地方に任せるという以上は、きちっと地方分権を進めることが大切だというふうに思っているんですけれども、地方分権の推進の状況を含めて総理はどういう認識をお持ちですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方分権一括推進法というのが平成十二年の四月から施行になりまして、私はそういう意味では一歩も二歩も前進したと、こう思います。国の関与の縮小だとか機関委任事務をなくしまして自治事務と法定受託事務にしたとか、相当な前進を見たと思いますけれども、しかしそれで権限移譲が終わったかというとまだまだ一杯残っていると思います。
 それから、今、総理も言われましたが、特に一番地方が望んでいるのは仕事に見合った税財源の移譲なんですよ。仕事は六四%も五%もやって、税は四〇%ですから、この状況の改善を強く望んでおりますから、こっちの方はしっかりやらにゃいけません。そういうことであります。
○高嶋良充君 この表、もう以前に見られておると思いますから、もう資料は配っておりませんけれども、国民の皆さん方には見ていただくということで。(図表掲示)
 民主党が一括交付金制度というのを今回やっているんですけれども、この一括交付金制度を、私どもは、財源についてはひも付き補助金を廃止をして十五兆円規模でやろうと、こういうことで提案をしています。画期的なことなんですね。これによって地方が個性のある町づくりができるということと、もう一つは、午後に申し上げますけれども、政官業の癒着も断ち切れると。正に一石二鳥だというふうに思っているんですけれども、総理の見解をお伺いしたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方に裁量権をゆだねるということについては私は賛成であります。
 ただ、どの程度裁量権を与えて、一律民主党の案は二割削減というんでしょうか、これについてはやっぱり地方の考え方もあるし、今後具体的な手順をする際にはもっと議論があってしかるべきものだと思っております。
○高嶋良充君 地方に裁量権を与えるという問題で、国土交通省と農林水産省に改革派知事と言われる十五知事が要望書を出されていますよね。全国一律の国の基準に縛られた公共事業を地方の実情に合った効率的な事業に変える具体的な提言だと、こういう形で出されているんですけれども、民主党のこの一括交付金案、この改革派知事の皆さん方を含めて、地方の首長の皆さん方は非常に絶賛をいただいておるわけであります。
 そこで、総理、そこでお聞きしたいんですけれども、総理も補助金の改革はやると、こういうふうに先ほど言われました。じゃ、総理が閣議決定でされている数兆円の補助金の改革について、その結論は一体どうなっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 片山総務大臣。
○高嶋良充君 総理に聞いているんですよ。総理大臣。委員長。
○国務大臣(片山虎之助君) いやいや、高嶋委員、これは事実の説明ですから、私で十分だと思いますよ、事実の関係ですから。
 そこで、六月の経済財政諮問会議で議論を始めまして、そこで一応の三位一体の改革をやると、これは諮問会議で決め、閣議で決定したんですよ。そこで、年末にどの程度やるかと。それは数兆円規模でやろうと、こういうことでございまして、十五年度の当初予算で芽を出す、芽出しをすると。芽出し、芽出しをすると。
 それともう一つは、夏ぐらいまでに、できれば六月なんですけれども、三位一体の改革の工程を含む計画を作ると。作ったものを「改革と展望」の期間である平成十八年度までに実現をすると。こういうところまで決まっておりまして、現在、今、関係の省庁を中心に議論しておりまして、地方分権改革推進会議も意見を言うでしょうし、そういうことを踏まえて、夏までに工程を含む計画を作ります。
○高嶋良充君 総理にお聞きしたんです。総理、今のことでいいんでしょうね。
 それで、もう一度聞きますが、総理は先ほど直嶋委員の提案に対して、着実に改革は前進しているのだと言われましたけれども、今のことで着実に前進をしているんだと、そういうふうに取っていいですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 着実に前進しております。現に、補助金、交付金、税源含めて、専門家の意見も聞きながら進めていこうということでやっているわけであります。
○高嶋良充君 総理、補助金の改革というのは総理が言われている三位一体の入口なんです。だから閣議決定で、六月二十五日ですか、この閣議決定は、国庫補助金の改革については年内をめどに結論を出すと閣議決定されているわけでしょう。年内というのは昨年の十二月ですよ。今何月ですか。もう平成十五年の三月なんです。その平成十五年の三月になっているのにまだできていない。強盗みたいな目出し帽か何か知らぬけれども、そんな五千億ぐらい出したところで、そんなものは、これは実行されているということにならないですよ。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 芽を出して、事実、具体的な方向は出てきているわけですよ、実際の予算の面においても。
 それから、今後、三位一体というのは、一挙に政府が考えてこうやれと言ったって、地方の事情もあります。地方の意見も聞かなきゃなりません。補助金一つ取っても、二割削減しろと言いますが、具体的に医療費とか教育費とかどうやるのか。それは地方の考えもありますよ。民主党の案だって、方針というのは分かります、私も。しかし、具体的な手順になると、すぐ政党の言うことを、右向け右と言ったって聞くような状況じゃ地方はないでしょう。それはよく専門家の意見を聞いて、現場の人の意見も聞いて対応するのが私は妥当ではないかと思っております。
○高嶋良充君 補助金改革は、地方の反対ということよりも、地方はそのことを願っておるわけですよ。補助金改革で一番抵抗の強いのは、省庁と族議員だというふうに言われている皆さん方の抵抗が強いわけでしょう。だから総理ができなかったんじゃないですか。そうじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だからやっているんですよ。できなかったことをやろうとしているんですよ。
○高嶋良充君 私が言っているのは、閣議決定で十二月までにめどを出す、年内までにめどだということができていないと、こう言っているんですよ。
○国務大臣(片山虎之助君) 十二月までに出すというのは、地方分権改革推進会議で原案を作ってもらいまして、それについて各省庁で更に詰めた案を作ってもらおうと、こういうことを実は考えたわけですが、分権改革会議の方の作業が遅れていまして具体の案がなかなか出なかったんですよ。
 そこで、十五年度予算では芽出しをしようと、全体の計画は今年の夏と、こういう二千四百億の国庫補助負担金の削減と。最近ではないですよ、二千四百億円ですよ。それを削減をして、それに対する財源は地方特例交付金と地方交付税でしっかり手当てをして、結果として、一番大きい教職員の給与の関係については、学級編制や教職員の定数配置については地方の自治体がずっと上がったじゃないですか。それから、市町村道の補助の細かいものは全部やめて、それを税源移譲して市町村が自分で自分の道路を選んでやれるようになったんですよ。
 そういうことで、私は芽出しや成果があったと、こう思っております。
○高嶋良充君 六月二十五日に閣議決定しておいて、それで地方分権会議の答申が、報告がうまく出なかったからって、丸投げ、またそれじゃ、そんなの。総理お得意の丸投げじゃないですか、そんなの。そんなの審議会の責任にすべきではないですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 物は言いようで、任せるべき人に任せると丸投げと、当たり前じゃないですか、任せる人の場合は。私は全知全能じゃありませんよ。各省庁、そのために各役所があって、担当大臣があって、総理大臣というのがあるんです。そういう役割を無視して何でも総理やれと。細かいことまで口出せ、そうすると独裁と言う。任せる人に任せると丸投げと言う。それこそ勝手な論理ですよ。任せるところは任せるというのが総理として大事だと私は心得ております。
○高嶋良充君 それなら、そういう意見がまとまってから閣議決定すべきなんですよ。閣議決定しておいて、それで丸投げしているというのはおかしいじゃないですか、そんなのは。
 六月までに、先ほど片山大臣の方から出ました三位一体の改革の、改革案出すんだと、こういうこと。これは閣議決定で決められているわけですね。
 そこで、総理と財務大臣にお伺いしますけれども、国庫補助負担金の改革案、本当に六月までにきちっと、努力をして取りまとめられるのかどうか、その決意を伺いたいと思います。どっちからでも結構です。
○国務大臣(塩川正十郎君) 総務大臣も言っておりますように、六月ごろまでに基本的な問題をきちっと決めたいと、こう思っております。高嶋さんおっしゃるように、こういう制度がもう何十年と続いてきた制度でございますから、これを変えようとしたら、ようかんをかみそりで切っているように、そこからすっと変わるというようなわけにいかない、なかなか。ですけれども、制度はそちらの方に動いてきたと。制度が動いてきたということです。それが芽出しというやつなんです。
 ですから、それを、芽出しを一つの中心にして、これから三位一体、いわゆる地方財政に関する三位一体の議論を深めて六月までに大体基本的な方針はきちっと決めて、それを実施するについてはまた国会にも相談しなきゃならぬでしょうし、推進委員会にも、あるいはまた地方自治体にも相談しなきゃならない。やっぱり時間掛かる。けれども、改革が全然できていないという言い方は間違っておるんで、改革が動いておるということはもう事実であります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も、きちんと方針を打ち出していますから、それに従って各役所が動いていると。私はとやかく具体的なことまで口出す、すべきものではないと思っております。
○高嶋良充君 かみそりと言われる塩じいがおられるわけですから、実現をするとは思いますけれども、しかし各省庁の抵抗は非常に強いんでしょう。まあ、扇大臣おられるけれども、国土交通省なんか強いというふうに聞いていますが。
 三位一体が、総理、三位一体が省庁の抵抗で三すくみになる可能性があるわけですよ。もし、今約束をされている六月に基本方針どおりまとまらないということになれば、これはやっぱり、総理、責任問題、政治責任が発生しますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、今言いましたように、地方にできることは地方に任せよという趣旨で、しっかりやれと指示して出しておりますので、そのとおりにやるように私も全力を尽くします。
○高嶋良充君 財務大臣にまず伺いますけれども、今の国庫補助負担金の改革の意義については、財務大臣はどういうふうにお考えですか。あわせて、総務大臣もお聞かせください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、かねてから自分の議論でございますけれども、この地方財政と国との関係というものを、これが根本的な構造改革の問題に触れてくると思っております。でございますから、これはもう政府として非常に意欲的に取り組みたい。
 その際に一番大事なことは、一度、シビルミニマムとナショナルミニマムと、これがどの程度の責任を負うていくべきものなのかということの見直しをちゃんとしてもらいたいと思っております。例えば、先般、機関委任事務を法定委任事務にされましたときにも、まだまだ十分にそのミニマムの議論がされておらないように思っております。
 ですから、このことをきちっとして、言わず、一言で言いまして、負担と給付の関係、これをきちっとした上で負担をどうしようかと。そのことにつきまして、政府としては地方と国との間にいたしたいと。ですから、ただこの三位一体の、財政論だけの議論ではない、分権問題もここに結び付いてきておる。そこを、総理も構造改革を進めるということを言っておる、地方に任すものは任そうと。ここが非常に大事なところでございまして、その分権に伴って財源を動かしていくべきだと。
 でございますから、財務省としても、財源移譲を一言で何もノーと言っているんじゃありません。これは三位で考えてもらう、特に地方交付税との在り方等を真剣に議論していただくことによって財政の仕組みを変えようと。こういうことでございますので、あくまでも分権と財政、一体となって結論を出していく、それには時間がやっぱり掛かりますから方針だけは六月までに出したい、こういうことを言っておるということです。
○国務大臣(片山虎之助君) 国庫の補助負担金というのは三種類あるんですよ、御承知のとおり。一つは、奨励的補助金ですね。国の都合でこれをやってもらいたいから補助金を出すと。もう一つは負担金で、これは国と地方に関係あるから両方が出し合う、割り勘ですね。公共事業や社会保障や義務教育が正にそうですよ。それからもう一つは、国の仕事を委託する。国の選挙や何か、外国人登録や。
 三種類あるんですが、一番の問題は、やっぱり地方の自主性が害されるんですよ。補助金が来れば、負担金が来れば、それだけ楽ですから、財政的に。それは、来たのをまず優先して予算に付けちゃうんですよ。だから地方が自分で選択しないんですよ。国に任せちゃう、霞が関に。これが一つ困る。それからもう一つ、責任がどっちの責任かはっきりしない。それからもう一つは、補助金を配るために国の中に課が要ったり、まあ局まで要りません、係が要ったり、いろいろするんですよ。しかも手間が大変ですよ。申請を取って中間報告をして検査をして、わずかな補助金で。だから、こういうことは、どうしても必要なもの以外は全部やめたらいいんですよ。
 それから、今、それは財務大臣が言いましたけれども、分権とかかわるのは当たり前なんですよ。その制度は今一応しっかりしているんですよ。機関委任事務のことも多くは自治事務になったんですよ。どうしてもというものだけが法定受託事務で受託として残っているんですよ。
 そういうことで、基本的には進めていくべきですが、これも委員御承知のように、総論賛成各論反対なんですよ。だから、これからまとめるまで大変ですよ。だけど、是非、これは閣議でも決めましたし、総理の構造改革の大きな目玉ですから是非やってもらいたいと、こう思っております。
○高嶋良充君 お二人とも非常に模範答弁をいただきまして、これは評価をしておきます。
 そこで、片山大臣が今言われた、国の都合で地方にやってもらうという奨励的な国庫補助金、これについては財務大臣、全廃できるんですよね。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは個々の中身によって違うと思いますので、精神としてはやっぱりその方向でいかなきゃならぬと思いますけれども、個々の問題について検討させていただきたいと思います。
○高嶋良充君 「改革と展望」の期間中にこれを全廃すれば、数兆円お金が浮いてくるわけですよ。だから、是非これはやっていただきたい。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、一言で言いまして受皿の問題もありますので、したがって私は個々の問題と申し上げておるのは、行政の質とそれから受皿の関係と考慮して、方向としては私はおっしゃるような方向に行くべきだと思っております。
○高嶋良充君 税財源の移譲について財務大臣に確認だけさせていただきたいんですが、この廃止された国庫補助負担金の対象事業の中で引き続き地方が実施する必要があるものは地方の自主財源として移譲していきますということが閣議決定で決められているんですけれども、そのとおりでよろしゅうございますね。
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろん自主財源でございますが、しかし、そこには急に全部自己財源でというわけにもまいりませんので、調整的な措置を取って一部は交付税の措置を取ったということもございますけれども、方向として自主財源を移していく。それだけに税源移譲を急がなきゃいかぬと思いますが、そうしようとすると、やはり補助金の問題とそれから地方交付税の在り方と三位一体として考えていかないとバランスが取れないということでございます。
○高嶋良充君 片山大臣は税源移譲案で片山プランというのを発表されていますけれども、ちょっと中身を教えてください。
○国務大臣(片山虎之助君) 去年の六月に経済財政諮問会議に私が持ち出した案でございますが、先ほども言いましたが、今全部の税の配分の割合は、国が六割、地方が四割ですね。ところが、実際使っているのは、地方が六〇、年によって違いますが、三、四%から五%、国が使っているのが三四、五%から七、八%ですね。そうすると、二十何%が国から地方に流れているんですよ。そのうちの半分が補助金、負担金ですよ。半分が交付税なんですよ。そこで国税として取ったものを補助金や負担金でまだ配っているんですから、二重の手間ですよ、取っておいて配るんだから。だから、そのうちの必要度が低いものはやめたらどうか、それは税源そのものにしたらどうかと、地方に取らせたらそれで一発で済むんですから。そこで、それを、六対四をせめて五対五に当面すべきではないかと、当面ですよ、実際は六十何%使っているんだけれども。
 しかし、五・五というのも大変なんですよ。そこで、五・五も一遍にいきませんので、第一次ステージとして五兆五千億を国税から地方税に移したらどうか、その五兆五千億は国庫補助負担金を削ったらどうかと、これが私の案ですよ。
 それはどういう移し方をするんだといったら、国税の所得税から地方の個人住民税に三兆円移す、地方の方の住民税はフラットな税率にする、もう一発の税率にすると。もう一つは、消費税が御承知のように四対一なんですよ、五%で取って、国が四で地方が一なんですね。これを、一を二にしてもらったら三対二になる。この一%が二兆五千億なんですよ、グロスで。だから、これで当面五兆五千億やると、第一ステージは。
 第二ステージは、景気の状況を見ながら地方交付税を減額して、それも税源にすると。ただ、税源移譲をしますと地方の税収の格差が拡大するんですよ。東京や大阪は増えちゃう、地方のずっとほかのところはなかなか増えない。そこで、そうなると財源の調整をせにゃいけませんね。そこで交付税というものがどうしても相当な量要ると、こういうことになるので、その辺の見合いですね。
 そういうことを申し上げておおよその考え方では御了承いただいたわけでございまして、それが三位一体改革の閣議決定の基になっていると、こういうことであります。
○高嶋良充君 今の案については財務大臣、考え方ありますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これを行うについて基本的な方針をきちっと決めなきゃなりませんので、そこをおろそかにして議論が進んでしまったら継ぎはぎの家ができてしもうて、ちょっとした地震でつぶれてしまいますから、ちゃんとしたものを構築させなきゃいかぬと、そういうことです。
○高嶋良充君 ということは、余り賛成できないと、そういうふうに受け取れたんだけれども、財務大臣は税源移譲をどういうふうに考えておられるんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は先ほども言ったじゃないですか、三位一体でやるんだと。それには、分権問題、中身も一緒に議論してやっていかないと、やっぱりこれは無責任な移譲になってしまう。財政論だけじゃない。国と地方との権限移譲、正にこれは地方でできることは地方に任せていこうという精神でやっていこうということですから、これはもう必ずその方向でやっていきます。
○高嶋良充君 信頼しておきましょう。
 市町村合併の問題です。
 市町村合併は自主合併が原則だというふうに思っているんですけれども、いやしくも国や県から強制されることがあってはならないというふうに思うんですが、総務大臣の基本的な考え方を改めて確認させてください。
○国務大臣(片山虎之助君) 市町村合併が国の方針として決まりましたのは平成十二年の十二月であります。そのときに、市町村合併を大いにやろうと、ただし自主的な合併だとはっきり書いています。
 そこで、数値目標じゃないんですけれども、どういうことを大体念頭に置くかというと、与党三党が行革協議会で千を目指せと、こういうことを言われたんですね。だから、与党三党の言う千を踏まえてと、こう書いていまして、これは政府としてのもちろん数値目標でもありませんけれども、それを念頭に置きながら今進めている。
 自主的な合併ですけれども、何かのたたき台が要るということで、都道府県に、それぞれの都道府県内の合併のパターンというたたき台を作ってもらって、それに基づいて議論してもらっておりますが、これはもう相当違っています、実際は。昭和の大合併は、国と県が合併計画を作って、従わない場合には勧告をして、それでも従わない場合には住民投票にかけたんですから。それからいうと、今度は極めて自主的な合併であります。
○高嶋良充君 自主合併というなら、千の目標を定めること自身おかしいんですよ。閣議決定されていますね、行革大綱の。その閣議決定の趣旨とこの千の目標というのはどういう関係ですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 行政改革大綱が閣議決定なんです。
 だから、そこが、千を踏まえてと書いてある。与党が言われる、千を踏まえて、踏まえるんですからね、念頭に置くということで、目標という意味ではありません。数値目標なんかではありません。
○高嶋良充君 数値目標じゃないということをはっきり言われましたので、大臣、この自主合併を改めて徹底をいただきたいというふうに思っております。
 そこで、交付税の段階補正などの見直しをやっておられるんですけれども、これで市町村が合併に追い込まれているという部分もあるんですね。そこで、控除の措置を更に縮小するようなことがあってはならないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 段階合併というのは御承知のように、市町村が小さくなるほど、地方団体が小さくなるほど行政経費が割高になる、割増しする制度なんですよ。大昔決めたんですよ。
 そこで、最近の状況について、ちょっとやり過ぎではないかという、優遇し過ぎではないかという議論があるものですから、実態を調べまして、今どういう割増し率にしているか、全国の全部の市町村の、都道府県も若干ありますけれども、全部の市町村の平均なんです。だから、それはやっぱり現状維持なんで、やや護送船団方式的なんで、頑張っている、コストを下げている上位三分の二の団体の平均を取ったんです。そうしますと、一六%割高だとなったんですよ。だから、一六%を三年間で割り落とそう、こういうことでございまして、二千億ですから、二千億を三年で削減しておりまして、これは合併に関係ありません。交付税の合理化なんです。
 実態に合わせる、こういうことでございますので、これをもって合併の何かにする、むちにする、そういうことは一切考えておりませんので、御理解をいただきたいと思います。
○高嶋良充君 交付税の見直しそのものがやっぱり小規模町村に対して非常に圧力になっているんですね。
 そこで、もう一つその問題で、自民党の地方自治のプロジェクトが出されました、さらに西尾私案でも出されておるんですけれども、人口一万人以下の自治体に対して権限と交付税を縮小するという考え方、検討がされていますけれども、これはやっぱり合併に踏み切らせるための非常に強い強制になっているというふうに思うんですが、私は、自治体には合併する権利もあるし、合併しない権利も持っているというふうに思うんですよ。そういう観点で片山大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 自民党の方は自民党内にあります地方行政調査会の中のプロジェクトチームが出した案ですね。これは一万人と書いています。それから地方制度調査会に出した西尾先生の西尾私案は、これは一万人とか何にも書いていません。何人という数字はない。
 そこで、こういうことなんですね。これからは市町村中心の地方自治にすると。基礎的自治体に、市町村にできることは全部やってもらうと。総理が言うように地方にできることは地方に。その地方は基礎的な自治体である市町村だと。そうなると、市町村にある程度のというか、ある程度の以上の行政能力や財政力や、ある程度それだけの専門的な人材がいないとできませんよ。だから我々は、市町村を元気にしよう、大きくしようと、強くしようと、こういうことで今合併ということを言っているんです。
 そこで、一応合併が一区切りしたときに、強いところと強くないところが残ったときに、権限移譲したときに、強いところはできますよ、弱いところはできないんだから、弱いところはできないものをどこかで面倒見てやらにゃいかぬじゃなかろうかと。それが例えば県であったり隣の大きな市であったりするというのが西尾私案や、ちょっと、自民党PTの考え方はちょっと違うんですけれども、まあ大体そういうことなんですよ。
 これは市町村をやっつける案じゃない。市町村に仕事をやらせる、権限を与える、税財源を与えるための案なんですよ。
 ただ、いろんな意見あります、正直言いまして。そこで、町村会、町村議長会からもいろんな意見がありますので、地方制度調査会の中で大いに議論してもらったらいい。その中で議論を深めて、一定の意見の集約をしたらいいと、こう思っております。
 もちろん、地方自治なんだから、合併する自由もあれば合併しない自由もある。しかし、合併しないところはどうやって住民の負託にこたえるか。どれだけの仕事をどれだけの自前の金でやれるかということについて、志と決意を持ってもらわにゃいけません。人に頼るような、そういう市町村じゃ私は困ると思っております。
○高嶋良充君 だから、私は最初に質問をしましたね。政府が地方分権のための三位一体改革をきちっとした姿を地方自治体に見せてあげないと、合併をした方がいいのかそのまま単独でいった方がいいのかという選択ができないわけですよ。だから税財源の移譲が先決ですよと。そして、権限も財源もきちっと与えて、それで市町村が判断をすると、そういう状況を作ることが必要なんではないですか。
 そこで、総務大臣、最近、合併特例法の延長に言及されているようですけれども、その真偽を聞きたい。
○国務大臣(片山虎之助君) これも和歌山県かどこかで申し上げましたのは、そのセミナーでもいろんな意見が出、記者会見でも出たものですから。
 実は合併特例法は十七年三月で期限が切れるんですね。私は、合併は永遠だと思っていますよ。しかし、今の合併特例法は相当な優遇をする、これが十七年の三月で切れますので。ところが、どういうのが対象になるかというと、合併が完了せにゃいかぬのですよ、合併の手続が。あと二年しかないわけですから。そこで、幾ら何でもせわしな過ぎる、もう少しゆとりが欲しいと、こういう話があるんで、それじゃ、十七年の三月までに正式に合併の意思決定して、ただ手続だけが後に残ったところについては、優遇を全く認めないというのもかわいそうなんで、そこのところはどういう経過措置があるか検討しましょうと。
 合併の意思決定をしたと、手続が後残っていると、一年か何かの。いや、面倒なんですよ、割に。市町村議会の議決をして、都道府県に持ち上げて、都道府県の知事が都道府県の議会にかけて、かけたものについて、市については中央に協議をして、最後は官報に載せるとか、県公報に載せるとかと、こういうことなものですから。そこで、意思決定をしたら、意思決定をした市町村については法律が切れても手続だけ残っているものは考えると、こういうことを言ったわけでありまして、これはこれから役所の中でも議論し、地方制度調査会等でも御検討いただいて、まとまれば、法律改正として、次の国会ぐらいになるんでしょうか、出させていただきたいと考えております。
○高嶋良充君 再度伺っておきますが、私が言っているのは、六月に三位一体改革の基本方針が出るわけですから、その時点でこの合併特例法の問題はもう一度考えられたらどうですかと、そういうことで、の趣旨でどうでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) それは、三位一体の改革と関係あるといえばありますけれども、ないといったらないんですよね。それから、三位一体の改革は、案は作りますけれども、実現するには何か年と掛かるんですよ、これは。いろんな制度を直すんですから。だから、合併の方は、特例法の方については十七年の三月で私どもは一応おしまいにさせていただきたい。これだけの優遇措置をエンドレスで続けることは、ちょっとやっぱり私個人は問題があると思っています。ただ、十分検討いたします。
○委員長(陣内孝雄君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十五年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。高嶋良充君。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございますが、午前に引き続いて質問させていただきたいと思いますが、まず冒頭に総理に確認をしたいと思います。
 総理は午前中の直嶋議員の御答弁で、三十兆円枠は平成十四年だけだという約束をしたと、こういうふうに言われましたけれども、それは間違いじゃありませんか。訂正いただけませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 平成十四年度だけのつもりであります。そう答弁しました。そして、その方針に行っていましたから、民主党が三年間法律で縛れということに対して私は否定したわけです。
○高嶋良充君 間違いだから訂正してくださいと言っているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何を間違えたんでしょうか。
○高嶋良充君 私も時間ないから困っているんですが、総理、平成十三年の五月九日の本会議、これは総理が施政方針演説、最初に総理になられたときの施政方針演説で、私どもの枝野議員の質問に対してこうお答えをされていますよ。十四年度以降も三十兆円以下に国債発行を抑制するのかとの御質問がございました。私は、この方針は十四年度以降も堅持していきたいと思っています。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その方針を堅持していきたいという気持ちは変わりありません。
 しかし、経済は生き物である。情勢を見て大胆かつ柔軟に対応したいということでありまして、私は、財政規律を維持するという点からも一つの枠をはめるということは有効だと、また必要だと思っております。
○高嶋良充君 全く言っていることが違うじゃないですか。
 私どもは、総理が堅持する、堅持するという答弁をされたから、十三年のときに、だから民主党は三十兆円枠の法案で縛ったらどうかと、こう言ったんですよ。そうなると、全然それだったら何の公約ですか。やっぱり、大したことないというのと同じじゃないですか、そんなもの。総理、それは全く言っていることとやっていることが全然食い違っているということですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は同じことを言っているつもりでありまして、一部だけ取り上げて報道するのはワンフレーズポリティックスと言われますが、それはマスコミの報道でありまして、全部取り上げてくれたことなんかほとんどないですよね。一部だけ取り上げて、そして、私は、方針は堅持していきたいと。これ、枠は大事であります。だからこそ、民主党が三年間法律で縛れということに対して私は否定したんです。そして、大胆かつ柔軟に経済状況を見て対応するという方針も一貫して言っています。柔軟に対応する。縛るんだったら、私は民主党の法案にも賛成しているはずですよ。ところが、民主党も三十兆円取っ払って、いつの間にかあの法案出したことを忘れて、今回の組替え案においてももう三十六兆円発行しているということを出しているじゃありませんか。(発言する者多し)
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
 高嶋良充君、もう一度質問をしてください。(発言する者あり)高嶋良充君。
○高嶋良充君 総理は、午前中の、私が聞いていた、速記録を改めていませんけれども、私が聞いていた分ではこう言っておられるんですよ。平成十四年度だけ三十兆円枠と言った、あと二兆円の増があるから。十四年以降は約束していないと、そう言われた。だけれども、十三年の本会議では、その方針は堅持をするというふうに言われているんだ。だから、違うと、こう言っているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、違っていないんですよ。その方針、精神は大事です。これからも維持していかなきゃならない。できるだけ財政規律ということを考えて、経済状況を見ながら柔軟に対応しなきゃいかぬ。それは五十兆円程度の税収がある段階ではという前提があるんですよ。一部だけ取り上げて、ワンフレーズポリティックス、私じゃない。勝手に取り上げるのは一部だけ。全体見て分かるんです。だから、十四年度はまだ二兆円の枠がある。そのぐらいの枠があるんだから、三十兆円の方針は堅持すべきではないかということを言って、ぎりぎり歳出見直したんです。ところが、五十兆円の税収がなかった。
 よく、一部だけでなく、ワンフレーズだけでなく、全体見てくださいよ。
 そういう状況だから、私は、法律で民主党が三年間法律で縛れということに対しても、私は否定したんです。経済は生き物だと、税収の状況も、経済状況を見なきゃいかぬ、柔軟に対応しなきゃいかぬということでやっているわけでしょう。
 それじゃ、今まで民主党が三十兆円法律で縛れと言ったのに、今度、組替え要求出して三十六兆円国債発行している。どう説明するんですか。一部だけ与党のところをとらえて、いかぬ、いかぬと言って。民主党どうなの、そこを聞きたいよ。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) 質問をしてください。高嶋良充君。質問を続けてください。(発言する者あり)質問を続けてください。高嶋良充君。
○高嶋良充君 もう一度言いますよ。総理はワンフレーズだと言われたけれども、ワンフレーズじゃないんですよ。堅持をすると、その中で歳出の徹底した見直しをやりますと。ね、そうでしょう。そこまで言われているんですよ、この本会議で。本会議で言っていることがうそになるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 歳出を徹底的に見直しているじゃないですか。五十兆円の税収があるときに、二十八兆円しか前年度国債発行していない。そういう前提の下で三十兆円枠というのは、私は今でも正しいと思っております、そういう枠はある。しかし、それを民主党が三年間縛れと言うから、それは違うと。もう経済は生き物だし、状況を見て柔軟に対応する必要があるということで、むしろ民主党の三十兆円枠を法律で縛れというのを私は否定したんですから。それをむしろ民主党が、今回はこの政府案はいかぬと言って組替え案を出した、それはいいと思いますよ。しかし、そこであの三年間縛ると言った三十兆円枠を突破して三十六兆円国債、政府と同じように認めているじゃないですか。それをどういうふうにするの、批判するのはいいですよ。批判だけして、自分たちの言ったことはどうなるのかと、それじゃ。
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。──速記を起こしてください。
○高嶋良充君 総理、私が質問をしているのは、総理が午前中に言われた平成十四年度だけ三十兆円枠をと言ったと、あと二兆円の増加があるから、以降は約束をしていないと。そして、さらに民主党でも認めているじゃないかと、三十六兆円。それと、法律で縛れと、こう言ったと。こう言っていることについて、一応、総理の質問ですから私が答弁をさせていただくけれども、本来は、答弁席はここですから、質問席は。私は向こうへ行って答弁せにゃいかぬのだけれども。
 それで、申し上げますけれども、一つは、三十六兆円を民主党が認めているというのは、今年の予算で組替えとして出しただけであって、三十六兆円は政府の方針をそれを組み替えるだけですから、それを認めて出したということではないということだけは明確に言っておきます。それと、中身の組替えをしているんですから、三十六兆円を認めてないんですから、認めて出しているんじゃないんですから、私どもの組替えについては。それは明確にしておきます。中身を見てもらわなきゃ困るということですよ。
 それから、法律の枠で縛れと言ったのは、総理が平成十三年の本会議で、堅持する堅持する堅持すると何回も言われているから、どうぞそれなら法律の枠で三年間縛ったらどうですかと、こう申し上げているのであって、それは総理は、それはあくまでも方針であって柔軟に対応するなんてここに一言も答弁で言っていないんですよ。これを堅持をするから行財政改革を徹底するんですと、そう言って、歳出削減を徹底するんだと、そういう決意を示されておるわけですよ。
 だれが見ても、国会の中も、あるいは国民の皆さん方も全部、総理は十四年以降も三十兆円枠を堅持をしていかれるんだと、みんなそういう約束だ、公約だというふうに思っていますよ。本会議で答弁されているんだから。そのことを言っているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その質問に対して今再三答弁しているんであって、十四年度は三十兆円枠を堅持します、しかし経済の状況を見て大胆かつ柔軟に対応しますということでやってきたわけです。そういうことでありますので、私は民主党が法律で縛れと言うことに対しても否定したんです。経済は生き物だと、がんじがらめに考えて三年間も維持できるとは限らないから、私はあえて拒否して、経済の状況を見て大胆かつ柔軟に対応する、そのようにやっているんです。それは、三十兆円枠というのは、十四年度は、十三年度から五十兆円の税収がある、国債発行は二十八兆円程度だと、二兆円程度の枠がある、五十兆円の税収があるんだから三十兆円の枠というのは大事な方針じゃないかといって十四年度はやってきたわけであります。
 経済は生き物だ、柔軟に対応しなきゃならないというのは、私は十分わきまえているつもりであります。
○委員長(陣内孝雄君) この問題につきましては、後刻議事録を精査して論議をしていただきたいと思います。
 先へ進んでください。
○高嶋良充君 政治と金の問題に移らせていただきますが、総理、昨日、坂井衆議院議員の二人の秘書が逮捕されましたけれども、政治と金の問題、またまた事件が起こりました。総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治と金の問題、これは常に政治家としても、また秘書としても心して対応して、国民から信頼される対応をしていかなきゃならないと決意を新たにしております。
○高嶋良充君 逮捕された政策秘書は会計責任者の職務代行者だというふうに言われているんですが、そうなると議員本人も政治資金規正法の第二十五条の二項の違反に問われる可能性もあるんですが、議員本人の責任については総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現時点において捜査がどのように進展するかまだ分かりませんが、これは議員それぞれ一番よく分かっているわけでありますので、今後、事態をしっかりと把握して議員本人がしかるべき判断をされるべきだと思っております。
○高嶋良充君 坂井議員は元労働政務次官、現在、衆院の厚生労働委員長、辞表を出されておるようですけれども。それと労働者派遣業界から一億二千万円ですよ。昨日のリクルートの事件を想起をいたしますけれども、刑事局長来ていただいておりますが、この事件の捜査の現状について御説明いただけませんか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 現在捜査中でございまして、検察活動の具体的な内容にかかわるものでございますからお答えを差し控えさせていただきますけれども、あくまでも一般論として申し上げますれば、検察当局におきましては、本件事案の解明に必要な捜査を遂げ、法と証拠に基づいて適正に対処するものと承知しております。
○高嶋良充君 捜査は捜査で続けていただくとして、国会でも解明の必要があるというふうに思いますので、本予算委員会に坂井隆憲衆議院議員の参考人招致を求めます。
○委員長(陣内孝雄君) 後刻理事会で協議いたします。
○高嶋良充君 大島大臣、あなたは鈴木宗男被告に次ぐ第二の疑惑のデパートだというふうに言われているんですが、反論はございますか。
○国務大臣(大島理森君) 様々な御批判、様々な御意見、これに、言われる人はそういうふうに言うこともあろうと思いますが、自らを律して職務に専念してまいりたいと、こう思っております。
○高嶋良充君 大臣の疑惑は、八戸の市民病院建設疑惑、さくら商事疑惑、医療技術専門学校建設疑惑、そして今回の六百万円献金疑惑、法制局の答弁書作成、まだ細かいことをいえば一杯あるんですけれども、その問題で今資料をお配りをいたしました。(図表掲示)
 まず、スーパーのイトーヨーカ堂に関する六百万円の献金の問題について伺いたいというふうに思います。まず、この表を見てもらって、間違いございませんか。大臣。
○国務大臣(大島理森君) 簡単にその絵を見せて間違いがありませんかと言われましても、これ、委員からどういう点が間違いがないのかどうか、これ言われませんと、絵を見て、おまえ間違いないかと言われてああだこうだというのは、ちょっと答え方がないんでございます。
○高嶋良充君 じゃ、この表、この図表を見ていただいて、まず、イトーヨーカ堂にビルを貸しているビルの所有者が大臣にイトーヨーカ堂が撤退しないように要請をしたと、そして大臣がイトーヨーカ堂に存続要請をしたと、このことについては事実ですか。
○国務大臣(大島理森君) どの地域でもそうでございますが、市街地の中心地にございまして、そして、市長さんあるいは地元の商工会議所さん、そして御本人等も来て存続のお願いをされ、様々な形で運動しておりました。その一環として、私にも協力してほしい、こういうことで、平成、そうでございますね、十、十一年か十二年ごろからそういう陳情があり、そういうふうにお願いされたことはございますし、そのことを受けてヨーカ堂さんにお願いしたことはございます。
○高嶋良充君 済みません。存続の存が間違っておりました。訂正を申し上げます。
 そこで、このビル所有者が大臣に働き掛けをしてもらった謝礼、お礼として、二〇〇〇年六月、この六月というのは衆議院選挙の公示日の前日の十二日、に六百万円を選挙事務所に持っていって藤田元秘書に渡したということについては事実ですか。
○国務大臣(大島理森君) 一年半後にそういうことがあったことを報告として受けております。
○高嶋良充君 じゃ、その元公設秘書が宮内前秘書官に六百万円を渡しているという、この点線の部分はどうですか。
○国務大臣(大島理森君) 平成十二年の六月に、先ほどお答えしたように、そのことがあった報告を後で受けたわけですが、平成十三年の暮れ近くになりまして地元の方からそういうふうなうわさが流れ、そして宮内がそのことを彼に問いただし、そしてそのことが、彼自身、そういうことがありましたということですから、早速に私のところに、これは大変なことだということで私のところに来て、そして私の親戚でもありましたし、信用して二十年も使ってまいりまして、大変な私は驚きと同時に怒りました。そして、すぐ返しなさい、君の責任で用立てをして返しなさいと言って、その後、その藤田から宮内に渡して、そしてオーナーにお返ししたと、こういう流れでございます。
○高嶋良充君 点線は渡っていなくて、この元公設秘書が使い込みをしたと、こういう主張をされているわけですけれども、藤田元秘書は使い込みの調査も受けたことないと、こう言っているんですけれども、それは今のところ水掛け論ですよね。後日、藤田さんに来てもらいましょう。
 そこで、刑事局長。大臣が主張されるように藤田元秘書が使い込んでいたとすれば、当然、業務上横領になると思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。
 犯罪の成否は収集された証拠に基づきまして司法の場で判断されるべき事柄でございますので、なかなか一概にはお答えいたしかねるのでございますが、あくまでも一般論として申し上げますと、横領罪は自己の占有する他人の物を不法に領得することにより成立しますし、またお尋ねの業務上横領罪は、業務上自己の占有する他人の物を不法に領得することにより成立いたしまして、その法定刑は十年以下の懲役と定められているものと承知しております。
○高嶋良充君 今のとおり、大臣、使い込んでいたということでしたら、なぜ横領容疑などで刑事告訴しないんですか。
○国務大臣(大島理森君) 先ほど申し上げましたように、委員、平成十二年の選挙のときだそうでございますが、これは要するに私ども、私としても政治資金団体あるいはまた後援団体、政党支部、個人、私個人に来たという事実すら知らないまま一年半おったわけです。したがって、私どもに来ているという認識は、そういう団体にも入っているという事実もありませんし、実態もないと。したがって、すぐ返しなさいということで私は処置させました。
 したがって、それがどういうふうなことに、その罪に云々ということについては私は断定するものではございませんが、いずれにしろ、私どもの資金団体あるいは選挙母体の資金の中あるいは政党支部、そういうものに実態として入っていないというふうな認識でございます。
○高嶋良充君 大臣、この想定問答集と今同じような筋書の答弁をされたんですが、大臣はこの答弁書の中で本人を厳しく叱責した上で罷免したと、こう述べておられるんですよ。にもかかわらず、告訴もしないで逆に就職あっせんしてあげたんでしょう。なぜ告訴しなかったんですか。
○国務大臣(大島理森君) 今、委員が多分、週刊文春等のその記事からそういうふうに彼がそう言ったと、委員が確かめたものではないと思うんです。週刊文春の記事だと思います。
 私自身がそこに呼んで、厳しく叱責をし、そして本人も辞めますと。そして、そういうことから当然であるねと、そういうことを言ったわけです。非常に大きい声でした。国対委員長室だったと思いますが、外にいた人は、温厚な大島がえらい大きい声出しておったというふうに後で言われましたんですが、正にそういうことで辞めさせたのでございます。
 したがって、まず第一大事なことは、そういうオーナーの方がそういう思いでそのお金を持ってきたとして、そのことがその趣旨に生かされていない状況になっていたわけですから、すぐ返却するのがまず第一、こういうことで君の責任で返却するように、返しなさいと、これがそのときの私の判断でございました。
○高嶋良充君 返却しなさいというふうに指示をしたのは、大臣がだれにしたんですか。
○国務大臣(大島理森君) 本人にいたしました。そして、その後、そのようにいたしますということですから、そういう経過を当時の秘書である宮内に言って、彼からお金を返してもらったらすぐにそのオーナーに返すようにしなさいと、こういうふうに言いました。
○高嶋良充君 実際に金をビル管理者に返しに行ったのは宮内秘書官ですよね。違いますか。
○国務大臣(大島理森君) 先ほども申し上げたように、宮内が預かって返すようにといって返させました。
○高嶋良充君 ほぼこの疑惑の構図が点線のところを除いて事実確認がされたわけですけれども。
 そこで、まず総務省に伺います。
 五万円以上の寄附の届出はしなければなりませんが、報告義務違反等についてはどういうことになりますか。
○政府参考人(高部正男君) お答え申し上げます。
 政治資金規正法におきましては、政治団体の会計責任者は、収支報告書には当該政治団体のすべての収入、支出について所要事項を記載することとされておりまして、寄附につきましては、同一の者からの寄附で年間五万円を超えるものにつきましては、寄附者の氏名、住所等の内訳を記載することとされているところでございます。
 また、同じ法律におきまして、故意又は重大な過失によりまして収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者につきましては、「五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する。」旨の定めがあるところであります。
○高嶋良充君 六百万円という金額は量的制限にも違反するんじゃありませんか。
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。
 政治資金規正法におきましては、寄附の量的制限に関する規定といたしまして、寄附をする側は個人と企業・団体等に、寄附を受ける側は政党・政治資金団体とそれ以外の政治団体とに分けて規制がなされているところでございます。
 企業・団体等につきましては、平成十一年の法改正によりまして、資金管理団体に対する寄附は禁止されておりまして、政党又は政治資金団体に対する寄附のみ、資本金、労働組合の構成員の数等に応じまして、年間七百五十万円から一億円以内の総枠の範囲内で政治活動に関する寄附をすることができるとされているところであります。
 また、個人につきましては、個人は年間二千万円の総枠の範囲内で政党又は政治資金団体に対し政治活動に関する寄附をすることができるとされております。また、個人は年間一千万円の総枠の範囲内で、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、年間百五十万円以内で政治活動に関する寄附をすることができるとされているところでございます。
 いずれにいたしましても、総務省は具体的な事実関係を承知する立場にはございませんので、個別具体のお答えはいたしかねますので、御理解をいただきたいと存じます。
○高嶋良充君 議員本人も会計責任者の監督を怠ったとみなされた場合は罰せられると思いますが、どうですか。
○政府参考人(高部正男君) 会計責任者等が、ただいま申し上げましたように、罰則、規定に違反した場合に代表者がどうなるのかということでございますけれども、そのような場合におきましては、「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、五十万円以下の罰金に処する。」という旨の定めがあるところでございます。
○高嶋良充君 いずれにしても、全部合わせると三つの罪というか犯罪になるわけですけれども、ただ、いずれにしても、こちら側はもうはっきりしているわけですよね。大島事務所の中のこの三人の部分が魑魅魍魎というか、ここは分からないと、こういうことなんです。これは大島事務所だけでなしに、加藤紘一、辞められた加藤紘一衆議院議員のときもそうだった、井上裕前参議院議長もそうだった。みんなこの事務所内部の問題なんです。今回の衆議院の坂井さんの問題もそういうことですね。
 だから、この部分をどうきちっと説明できるかということに大島大臣は懸かっているんですが、いかがですか。
○国務大臣(大島理森君) 先ほど委員に、ちょっと御質問があったときに一言だけ申し上げさせていただきたいことがありましたが、私は、事実としてあったことは事実として今日までも答えてまいりました。調査すべきはしてきたことも答えてまいりましたが、今回の場合に、先ほど申し上げましたように、平成十二年の六月十二日、これは後で聞いたことでございます。そういう事態があり、実際に資金管理団体、あるいは先ほど選挙母体、あるいは政党支部、あるいは私個人、彼しか分からないわけです。それが一年半後に発覚をし、私自身が問い詰め、そして私的利用があったと確信に至るまで、本当にだれも分からなかったんです。本当に分からなかった。
 したがって、私としては、資金団体や後援団体あるいは政党支部、あるいは選挙母体として受け取ったという、この実態は私はないと思うんです。私にもその認識はございません。だから、返しなさいと、返却しなさいと申し上げたんです。
 そういうふうなことがこの事実でございますので、そのようにお答えをさせていただきます。
○高嶋良充君 今の答弁を聞いていても、この事務所内部の問題の不透明さが解明されたということでは全くないと思います。
 そこで、委員長、六百万円の受領の真相を解明するために、宮内寛前秘書官、藤田典久元秘書、そして、民間人ですから名前を伏せますが、ビル所有者を、の参考人招致を求めます。
○委員長(陣内孝雄君) ただいまの高嶋良充君の要求につきましては、その取扱いを後刻理事会で協議いたします。
○高嶋良充君 大臣、衆院で問題になりましたけれども、この想定問答集、これは衆議院の法制局で作成されたようですけれども、大臣が依頼されたんですね。
○国務大臣(大島理森君) 私は、国務大臣であると同時に衆議院議員でございます。議員という立場で、私は、今問われている問題が既に週刊文春等で取材に来ておったということですから、十五日から既にスタッフが論点整理、それらの事実関係を調べてまいりました。WTOのミニ閣僚会議が終えた後、私もそこに参画し、弁護士さん、そして私のスタッフ、それらの事実関係に基づいて論点整理をしておりました。
 その論点整理を私自身も見て、議員立法等も経過がありますので、議員として、こういうことで、こういう政治資金規正法あるいはこういう問題等々について、僕はこう思うけれどもどうであろうかと、法律的正確性を持つために問いただし、お尋ねし、そのお答えをいただいたと。
 それが、今ちらちらとお見せになりましたが、衆議院でも同じものが出ましたので、多分同じものだと思います。
○高嶋良充君 個人的な問題、週刊文春に載った部分ですから、それを法的な解釈を問い掛けるということは許されるわけですか。
○国務大臣(大島理森君) 私は、報酬、国務大臣としての報酬と衆議院議員の報酬、両方もらっております。議員として法律的解釈を尋ねるということにおいて、私は、それは明確に間違っておると、そういうことではないと思います。あくまでも衆議院議員としてお尋ねをしたわけでございます。
○高嶋良充君 参院法制局に伺います。
 参院法制局でも、このような議員個人の問題の法的解釈を求められれば便宜を図るんですか。
○法制局長(河野久君) お答えします。
 個人に関する法律問題については、当局においてはお引受けをすることはございません。
○高嶋良充君 当たり前ですよね。そんなのは弁護士に相談すりゃあいいんだ。もし参院出身の片山大臣や扇、鴻池大臣、三人おられますけれども、この皆さん方が議員として求められた場合でも断りますね。
○法制局長(河野久君) お答えします。
 議員としての立場でありましても、個人に関する問題でありますれば、同様お断りをいたします。
○高嶋良充君 参議院では大臣をかさに着て聞いても、議員であっても駄目だと、こう言っているんです。
 法制局、今までこのような問題を持ち掛けた議員が参議院でありましたか。
○法制局長(河野久君) これまでそのような依頼を受けたことはございません。したがって、応接したこともございません。
○高嶋良充君 参議院の倉田議長ははっきり言っていますよ。大島大臣は禁断の木の実を食ったって。そんなのは、さすが、今答弁をされましたけれども、参議院はやっぱり良識の府ですよ。それに比べて大島大臣、あなたは衆議院の権威をおとしめたんですよ。弁解の余地もないじゃありませんか、そんなの。他人に頼らないと自らの疑惑の説明責任も果たせないというのは、よくそれで大臣務まりますね。
○国務大臣(大島理森君) 法律上の個人的なことに関して云々ではなくて、論点整理をして法的解釈を、あるいは法的なその正確さを持つために私は問いただしたことなんです。したがって、個人何々というそういうふうなことでの問いただしではなくて、論点整理があって、政治資金規正法上どうであったとかなんとかという、そういうふうなことについて法律上の問題を問いただしたことでございます。
○高嶋良充君 何言ってるんですか。この一ページ目、あなたの私的なことじゃないですか、これ。そんなものまで書かせているわけでしょう。週刊文春の記事まで渡して、次長に渡したんでしょう、法制局の、それで書かせているじゃないですか、これだけのものを。二時間か三時間、職員がこれをみんなで作ったと、こういうことになっているんでしょう。
 大臣、いずれにしてもあなたは不当な行為をやったんですよ。そうでしょう。まず国民の皆さん方にここで謝罪をされるべきじゃありませんか。
○国務大臣(大島理森君) 議員として、そして自分なりに法律の正確性を一層持つために問いただしたことでございます。
○高嶋良充君 そんなへ理屈や言い訳は衆議院で通用してもこの参議院では通用しないんですよ。謝りなさいよ。
○国務大臣(大島理森君) 衆議院議員として私自身法律の論点整理をしてそういうふうな意味でそのことについて問いただしたことでございます。
○高嶋良充君 そこまで言われるなら衆議院の法制局を呼んでください。私は昨日から来ていただくように申請はしていますけれども、どうも呼んでいただけないようですから、是非、委員長、その取り計らいをしてください。
○委員長(陣内孝雄君) 後刻理事会で協議いたすこととします。
○高嶋良充君 衆議院の職員に聞かないと分からないじゃないですか。これ以上質問できませんよ。呼んでくださいよ。すぐに呼べるんですから。五分で来るんだから。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) 衆議院法制局につきましては、今朝、理事会において協議いたしました結果、合意が得られなかったため、今日は出席を求めておりませんので、御了解ください。
 質問を続けてください。
○高嶋良充君 要求したのに拒否をされた。じゃ、先ほど言っているように、衆議院の法制局が来ないんですから、これは来たら、やっぱり間違ってたって、こういうふうに絶対言いますよ、大島大臣。衆議院の方から来ませんので、あなたはやっぱり謝罪される方が一番いいんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(大島理森君) 衆議院議員として法律上の問題を確かめるためにお願いしたものでございます。
○高嶋良充君 即刻理事会で協議して、呼んでいただけませんか。これでは前へ進めません。(発言する者あり)
○委員長(陣内孝雄君) ただいま今日の理事会の結果を御報告したとおりでございます。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
 質疑を続行願います。
○高嶋良充君 努力をいただけるようですから、大臣は問題ないというふうに答弁をされたんですけれども、総理に伺います。
 総理、参議院はこういうことは一切駄目だと、こう言っているんですけれども、常識に考えてやっぱり不当行為ですよね、衆議院でやられたことは。総理、一体どのような措置を取られるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大島大臣の答弁を聞いていますと、個人の問題を尋ねたことじゃないと。衆議院議員として法制局に問い合わせるというのは、いろいろあると思います。法的な問題、法制局として見解を、法的な問題を論点整理で問い合わせたということでありますので、大島大臣は個人の問題を問い合わせたわけじゃないと言っておりますので、私はそれはそれでいいのではないかなと思っております。
○高嶋良充君 私の質問に全く総理答えられてないじゃないですか。個人の問題でも、の法解釈も含めてそういうことは一切参院はやっていないと、こう言っているんです、参院は。先ほど聞いてもらったでしょう。それに、衆議院でやられてきたということは、それは衆議院も含めてそれは不当なことをやったと、こういうことに当然なるわけです。それは一般常識でしょう。それに対してどう処置を取られるんですかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは個人の問題ではなくて法律の問題でしょう、政治資金規正法とか。こういう問題については、私は、法制局というのがあるんですから、それは議員個人は法的な問題、いろいろ問い合わせというのはふだんに行われているんじゃないでしょうか。
○高嶋良充君 総理、そんな、もうそういうかばい方をしていたら、やっぱり総理の任命責任を問われることになりますよ。だれもそんなもの納得してないじゃないですか。何が一般論ですか。個人のスキャンダルをそのまま週刊誌を持っていって作ってもらったんでしょうが。そんなことは絶対参議院ではやっていないと言っているじゃないですか。
○国務大臣(大島理森君) この経過を委員に少しお話し申し上げますと、要するに第一点は、答弁を作ってほしいとかそういうことを依頼したことはないということが一点。
 そして、既に私どもは、十五日から、その法律、いろんな論点整理をして、いつもこの委員会できっちり調査をし、そして答えなさいと言われておりますから、そういうこともあり得るかもしれないということで既にいろんな事実関係を調査から入りました。そういう中で、この法律はどうであろうか、こうであろうかという論点整理はもう既にしておりまして、私自身、議員立法その他のこともございますから、やはりそういう法律上のことを衆議院議員として尋ね、そしてお答えをいただいたと、こういうことでございます。
○高嶋良充君 総理、幾ら説明聞いても分からない、へ理屈ばっかりなんです。聞けば聞くほど疑惑が深まるんですけれども、こういう不正な答弁作りも含めて、全く説明責任を果たせないという大臣、即刻更迭すべきではないかと思うんですが、総理はどういうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 農林水産問題、問題は大変多岐にわたっておりますし、国際交渉、WTOを始め、日本の農業改革等重大な問題を控えております。職務に責任を持って対応してもらいたいと思います。
○高嶋良充君 総理はつい最近まで、こういう問題の自民党的な体質をぶっ壊すと言っていたんですよ。一体そういう、その総理はどこへ行ったんでしょうね。
 総理ね、この実態をちょっと見てください。(図表掲示)資料ありますけれども、これ、長崎県連にかかわる問題ですけれども、諫早湾干拓事業の政官業癒着の構図なんです。総事業費二千四百九十億円、業界にその金が建設費として流れて、政治献金が自民党長崎県連に十五年間で六億三千九百三十万円、そして農林水産省からは四百人を超える天下りが受注ゼネコン三十一社、関連企業も含めてですが、行っている。この実態をどう思われますか。──総理に聞いているんですよ。大島さんはいいんです。(「よく論点整理してから答えてください」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(大島理森君) 論点整理をしておりますので、答弁に立たさせていただきました。
 まず、今、高嶋委員がお話しされた、その具体的な天下りの人数をおっしゃられましたが、その数字はどこで、どういう形でということはあえて申し上げませんが、私どもは、天下りの実態につきまして、私ども自身が把握している平成八年から十三年の文書においては、退職時において二十一名が再就職しているということだけはちょっと申し上げさせていただきたいと思います。その後、退職した後どこかにおられて、またそういう建設会社に入ったかとかなんとかというのはあるのかもしれませんが、それはもう民間人ですから、私ども把握できません。このことだけは事実としてちょっと申し上げておきたいと思って、今、立ちました。
○高嶋良充君 天下りって何ですか。金の流れもみんな聞いているんです。天下りを聞いたのと違いますよ。この構図をどう思いますかと、こう言っているんだよ、この実態を。総理に聞いているんです。あなたにじゃない。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、容疑者が逮捕をされ、起訴されていると承知しております。その捜査の結果も見なきゃいけませんが、いずれにしても不正を許さないような対応が必要であると思っております。
○高嶋良充君 予算が業界に流れて、政界の方に六億三千九百三十万円も正に税金が還流されているわけでしょう。こういう実態を改めましょうということで、民主党ほか野党が法案を、公共事業受注企業の政治献金を禁止する法案を提出しているわけです。それをあなた方は賛同しないと。本来それを、政官業の癒着をなくすというか、そういう法案を成立させるべきだというふうに思うんですが、総理、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治献金の問題、企業献金の問題、団体献金の問題、あるいは政党助成交付金の問題、税金投入の問題、総合的に今、自民党でも与党でも野党でも検討されております。これはよく話し合って、改善の歩を進めていきたいと思います。
○高嶋良充君 もう一つ、天下りの実態。農水省から受注ゼネコン三十一社に四百三人、これは全国農業土木技術者名簿、そこから取ったものですから間違いないでしょう。大島大臣言われておる二十一人というのはキャリアを中心にした最高幹部だけでしょうが。それだけ入っているんだ。一人一千万円の人件費として、四百人であれば四十億ですよ。これの方が税金の無駄遣いじゃないですか。総理、どう思われますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 天下りの問題は、キャリア、ノンキャリ含めて、これは今後どのように改正していくかというのは与野党共通の認識を持っていると思います。私は、今、公務員制度改革に党としても取り組んでおりますが、公務員が退職後、再就職に当たってどういう基準を設けるべきか、それについて今議論を重ねております。
 これは大変大事なことだと思うんです。だからこそ、私は特殊法人の改革も財投の改革も郵政の改革も主張しているわけでありまして、これは公務員、有能な公務員が民間に行くというものをすべて否定できませんし、この問題はキャリア、ノンキャリ含めて対応していく必要があるんじゃないかと思っております。
○高嶋良充君 これも民主党と野党は法案出しているんですよ、天下りの禁止法案。現行の、政府の現行と改正案これだけ違うんですよ。これをやらないと駄目だと言っているんです。賛成されませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは改正するように取り組んでおりまして、天下りの問題は全公務員に及んでくる問題なんです。それは与野党問いません。その辺も含めてどういうことかということで今やろうとしているわけですから、基準を作って公務員制度等改革に取り組んでいるところでありますので、今後どのような改善措置が必要か、やっぱり与野党協力しながら進めていくべき問題だと思います。
○高嶋良充君 公務員制度でも言われているけれども、今やらなきゃ駄目なんですよ。だから法案を出しているんですよ、もう去年、おととしに。全然乗ってこないじゃないですか。
 坂口大臣、昨年五月、私は本予算委員会で国立病院の談合疑惑に関連して追及したときに、大臣は、これからは天下りさせませんと、そう答弁されましたけれども、それ以後させておられませんね。
○国務大臣(坂口力君) 前回、ここでそういう議論がありまして以来、職員にも徹底的に守るように言っております。また、独立行政法人国立病院機構法案におきましては附帯決議にも盛り込んでいただいたところでございまして、これからもそれに従うつもりでおります。
○高嶋良充君 できるじゃないですか。さすが坂口大臣だ。政権の中枢に入って、で、もう総理替わってもらった方がいいんです。それは別にして。
 こういう実態、時間がありませんからあれですけれども、こういう受注企業への天下りをやっぱり改善していかにゃいかぬ。人事院総裁、改善策はありませんか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今お配りになりました資料を見せていただきました。天下りに関しましては、いろいろ議論する、すべき問題があると思います。諫早干拓事業に係る受注の実態と、また天下りの実態というのがもう少し明らかになりました段階で、そういうそれぞれの検討すべき項目について考えなきゃならないというふうに思います。
○高嶋良充君 総理は先ほど、公務員制度改革で天下りの規制を強化すると、こう言われた。石原大臣、天下りの承認基準は徹底的に厳しくするんでしょうね。
○国務大臣(石原伸晃君) 天下りの問題に対しまして、国民の皆様方、また高嶋委員を始め厳しい批判があるということを真摯に受け止め、民間企業への天下りは、押し付け型の天下り、すなわち権限、権利を持って、あるいは後輩の方々に対して自分の職責上優位であったことを使って仕事を持ってくるような天下りは、もう既に厳に戒めたところでございますが、委員御質問の承認基準につきましても、国民の皆様方の厳しい御批判に堪え得るものを内閣が責任持って作らせていただきたいと考えております。
○高嶋良充君 民主党や野党が求めていますけれども、その基準は法律で定めるんですね。
○国務大臣(石原伸晃君) 政令で定めることを念頭に検討している最中でございます。
○高嶋良充君 大臣、何ばかなことを言っているんですか。政令で定める。そんなもの、官僚がまた作るだけの話じゃないですか。何言っているんだ。あなたはそのために行革担当大臣やっているんでしょう、そういうような目付役に。
 大臣は記者会見でこういうふうに言っているんですよ。これからの公務員制度改革の原点は法律にしていくんだと、政令のような立法府の目の留まらないところで疑念を持たれる改革は望ましくないと。政令にするということはそういうことにするということでしょう。駄目ですよ、そんなのは。
○国務大臣(石原伸晃君) 天下りの問題につきましては、国民の皆様方の厳しい御指摘あるいは問題があるということを十分認識しているつもりでございます。
○高嶋良充君 法律で書くんですね。
○国務大臣(石原伸晃君) これからの制度というものはできる限り法律で書くということが原点であるということを私は申し述べているとおりでございますし、その気持ちに変わりはございませんが、すべてを法律で書けるのか、どこまで、どこを政令にするのか等々、現在鋭意検討をしていると御答弁をさせていただいたところでございます。
○高嶋良充君 こんな実態が改まらないから、そうでしょう、だから法律で書けと言っているんですよ。国会で審議をして、国民の目にきちっと入るような形で法律で書かないと駄目ですよ。もう一回答弁してください。
○国務大臣(石原伸晃君) 書けるものを法律で書き、国民の代表でありますこの立法府で審議をするというのがこれからの制度改革の私は中心的位置であると考えております。
○高嶋良充君 石原、片山、坂口の各大臣に伺います。
 ILO勧告が出たんですけれども、政府は三月中にILOに対して統一見解を出されるようですけれども、一体どのような見解を出されるんですか。順番に。
○国務大臣(坂口力君) ILOに対しまして、ILO勧告に対しまして、我々といたしましてもそれに対する対応を現在進めているところでございます。
 ILO理事会は、今月の六日、七日、結社の自由委員会、それから、十日から二十四日に計画財政運営委員会等の各種委員会が開かれるものというふうにお聞きをいたしております。それに対しまして、日本の国として現在取りまとめておりますものを報告を申し上げて、そして理解を得たいというふうに考えているところでございます。
 また、ILOの方が現在、過去に、過去と申しますか、今日まで主張しておみえになりましたことと今回の御意見というものがかなり違ってきておりますので、それらのことにつきましても問いただしたいと考えているところでございます。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、坂口大臣が答えたとおりでございますけれども、何点かのILOとしての疑義を表明されておりますから、それについての政府の見解を関係のところでまとめたいと。それから、追加情報の要求もありますので、それにもこたえられる範囲でこたえると、こういうことで現在、事務レベルで協議をいたしておりまして、三月中には出したいと、こういうふうなことでございます。
○国務大臣(石原伸晃君) この問題につきましては、さきの衆議院の予算委員会等々でも取り上げられた重要な問題であるという認識に立ちまして、厚労省、総務省、そして公務員制度改革を取りまとめております内閣官房の公務員制度改革室を中心に事務レベルの今、国としての見解を、取りまとめ作業に従事しているところでございますが、この週末の六、七にジュネーブの方で結社の自由委員会が開かれるということでございますので、審議官クラスを派遣して、現在の検討状況につきましても事細かく報告するように今調整をさせていただいているところでございます。
○高嶋良充君 政府は、三大臣、勧告において指摘されている六事項について、政府の考え方、こういうことだということでまとめている、これを再度出されるというふうに今の答弁だと言っているんですが、そんなことでは全く通用しませんよ。
 消防職員の問題にしても、一貫して消防職員の団結権をILO言ってきているじゃありませんか。人勧制度は、一度だってILOは人勧制度でオーケーだというように言ったことはございますか。全くないんだ。そんな認識でこういう文書を作っていたら話にならない。
 そこで、総理に伺います。
 ILOは労働基本権付与で一致しているということはもう事実なんですから、日本政府の方が誤解しているんですよ、三大臣ともに、総理は誤解していないと思うけれども。総理が、今まとめようとしている見解では国際的に袋だたきに遭いますよ。今、イラクに対して日本は何と言っているんですか。国際常識を守ってきちっとやれと、こう言っているんでしょう。逆に日本が今度はそういう状況に遭うんだから。国際労働基準に沿った改革を行うという態度表明をすべきなんですよ。
 そういうことを含めてILO勧告を尊重するというふうに約束をいただけませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ILOを尊重してまいりましたし、これからも国際機関としての重要性は認識しております。
 今、担当大臣が申し述べましたように、担当省庁で協議をしておりますので、その取りまとめ状況をよく見て、政府として判断を下したいと思っております。
○高嶋良充君 絶対に国際的に孤立しない、そういう方向できちっとまとめるというふうに約束してください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては国際機関と協調していく、これは基本方針であります。日本の立場、国際機関にも理解してもらえるように努力すると。また、国際機関の主張にも十分理解を示しながら、日本としては国際社会の中で責任ある一員としての対応をしていきたいと思います。
○高嶋良充君 官房長官、二月二十四日の連合との会見で、公務員制度改革は強行するつもりはないと、こういうふうに述べられたと聞いておりますけれども、そのとおりですね。
○国務大臣(福田康夫君) 私、かねがねその公務員制度改革については職員団体とよく話し合っていかなければいけないと、こういうふうに申しております。
 先月下旬に連合の方が来られました。そのときにお話ししましたのは、これは連合の方から申入れというか、お話あったんでございますけれども、労使間の協議の場の設置をしてくれないかと、こういうふうなことでございました。そこで、私の方からは、今後の議論の進め方はこれはよく考えてみたいが、公務員制度改革を担当している石原行政改革担当大臣との間でもよく話し合っていただきたいと、こういうふうなことを申し上げました。
○高嶋良充君 強行しないという考え方は表明されていますよね。
○国務大臣(福田康夫君) よく話し合って決めていかなければいけないということは申し上げました。
○高嶋良充君 これ、そのときのメモなんです。官房長官は、強行しない、野党の皆さんも努力されている、対決色にならないようにする必要があると。対決、強行しないし、対決法案にもしないというふうに非常にまじめで立派な回答をされているわけですよ。だから、そういう方向でこれから組合と誠実に協議をやっていくと、そういうふうに理解してよろしいですね。
○国務大臣(福田康夫君) 対決とかそういった、対決しないとか、そういうようなことを私、言ったというような記憶ないんですけれども、しかし趣旨は、そのお持ちの記録はそのとおりかどうか分かりませんよ、私が言ったのと正確かどうか分かりませんけれども。私が言った趣旨は、これ、お互いに対立したような格好で、その後、先に作ったけれども、その後うまく機能しないようでは困ると、こういうような趣旨のことは申し上げました。
○高嶋良充君 どうも答弁聞くとぼかされるんだけれども、ちゃんと書いていますからね。対決法案ではない、今の国会論議ではある程度枠がはまっているからああいう答弁もするけれどもと、こういうことを言っておられるんですから、それはもうまとめてちゃんとしてください。
 石原大臣、交渉の当事者らしいですけれども、誠実に協議するということは、組合との合意点を見付け出すと、そういうふうに理解してよろしいですね。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま福田官房長官が御答弁されましたように、福田官房長官に連合の皆様がお会いしました後、翌日の午前中であったと思いますけれども、私のところに担当の丸山本部長以下皆様がおいでいただきまして、私の方からは、先方の皆様から労使協議の場を設置する旨のこの要請がなされ、それに対しまして、御光栄なことに私を窓口にと御指名をいただきましたんで、今後の交渉協議については誠実に対応していく旨お答えしたところでございます。
 今お話し、その前の質問で三大臣から御答弁をさせていただきましたように、ILOの直接の担当は旧労働省、現在は厚労省でございますので担当大臣は坂口大臣でございます。そして、公務員制度改革を持っている原局は人事・恩給局でございますので片山総務大臣。私のところではこれからのあるべき公務員制度改革のグランドデザインをかかせていただいておりますので、この三省、三部局が協力をしまして、今、先ほど片山大臣が御答弁いたしましたように、ILOに対しまして政府側の正式的な考え方というものも月内にはお届けしなければならないと準備をしておりまして、その準備の、並行して、これから、この場合、必要とあるならば官房長官の下に三大臣集まりまして、この問題についても協議を深めてまいりたいと考えているところでございます。
○高嶋良充君 既にもう協議の場を設けられているんですか。
○国務大臣(石原伸晃君) この前の質問でお答え申し上げましたように、二月のたしか二十六日だったと思うんですけれども、おいでいただいたときに、私のお名前を出されて、労使協議の場を持っていただきたいというお願いがございまして、私の扉はいつでも開いていますよとお答えをさせていただいたところでございます。
○高嶋良充君 私の扉はいつでも開いていますよって、協議の場というのはそういうものなんですか。大臣のところへ陳情に行くという、来いと、こういうことですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 私のところに御陳情には絶対おいでにならないで、真摯にこれからの公務員制度改革、特に私どもの方から今考えております能力等級等々の話につきましても、こんなことを考えているという事務折衝も事前にさせていただきまして、連合としてこの制度についてどう考えるのか、具体的なこともお話をさせていただこうというような有意義なお話も持たせていただきましたし、さらに、私と組合の幹部の皆様方と議論をするのと並行して、事務局レベルでも綿密に話し合うという場を設けようということで両者が合意をしたところでございます。
○高嶋良充君 というか、きちっとしたテーブルを設けて、メンバーも決めて、何をいつまでにこういうものを話し合っていきましょうと、そういうことを明確にして協議を行っていくというふうに理解してよろしいですね。
○国務大臣(石原伸晃君) ちょっと御答弁が重複して誠に恐縮でございますが、ILOの勧告、昨年の十一月に出されました。正直申しまして、私は、これまでILOの方々から聞いていた話とは百八十度違うと思うぐらいびっくりしたという率直な感想は申し述べさせていただいております。
 それに対しまして日本国として、この勧告をどう考えていくのか。この中で、やはり私は一番個人的に疑問に考えた点は、やはり公務員の方々にスト権を本当に今付与するということを国民の皆様方がどう考えるんだろうかと。
 私は東京都の出身でございますが、東京都でストやったんですね。そうしましたら、やっぱり、ストを二回ぐらいやったんですけれども、都民の皆さん方はだれも拍手しなかったと、そういう状態。これは違法ストだとは思うんですけれども。
 そういうことも考えて、びっくりするようなものが出ておりますので、政府としてどういうふうに考えていくのか、どういうふうにあるべきものなのかということを真摯に議論していく重要な問題であると考えております。
○高嶋良充君 あなた、何言っているんですか。憲法二十八条、分かっていますね。労働基本権は、働く者に、公務員であろうと何だろうと、全部保障されているんですよ。それがたまたまああいう形で代償措置と、こういうことになっておるだけであって、その労働基本権を認めよという勧告が出ているわけですよ。何がびっくりしただ、何がストライキやっているかだ。そういうストライキを、ストライキ権があってもストライキができない、ストライキをやらないような、そういう労使関係をきちっと作っていくというのがあなた方の仕事じゃないですか。
 もう一度答弁しなさい。
○国務大臣(石原伸晃君) なぜそんなにお怒りになるのか私には理解に苦しむのでございますけれども、現に東京都の職員の方がストをやって都民の方々が拍手をしていないという現実を目の当たりにして、その基本権を今公務員の皆様方に与えるということが本当にいいことなのか悪いのことか。人事院の代償措置というものがあるわけですから、もしそのことを進めていきますと人事院をなくす必要が出てくるわけですね。人事院、七百人の方が一生懸命働いていて、それを外国の国際機関の勧告が、拘束力のない勧告が出たからといって、一っ飛びに労働基本権を認めろというのは非常に乱暴な議論だと私は考えておりますので、中期的にじっくり議論をする重要な問題だと考えております。
○高嶋良充君 大臣、あなたの頭の、労働基本権イコールスト権なんですか。労働基本権には三権があるわけですよ。団結権を認められてない消防職員だっているわけだ。そういうことをきちっと話し合う場を持とうと、こう言っているんでしょうが。そんなこと、あなたが言われていることは、あなたが言われていることはあなたのホームページに皆載っているじゃないですか、東京都の職員が何々と。そんなのはないですよ。もう一度答弁してください。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。最後の答弁をお願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) 労働基本権には三権あることは承知しておりますし、団結権につきましても、平成七年に消防委員会というものを二十五年間掛かって苦労して作って、今この消防職員の問題も今動き出している最中ですね。さらに、先ほども御答弁がございましたけれども、監獄の問題につきましても、これは検察に準拠するということで、これまでそれがILO違反であるという明確なことはILOの側から言われてきたという認識を政府としては持っておりませんので、そのILOの勧告に対してどう日本国として考えるかということを片山答弁から御答弁いたしましたように、三月中にしっかりとしたものをお送りさせていただくと、誠実に対応させていただいているところでございます。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
○高嶋良充君 総理、最後に質問……
○委員長(陣内孝雄君) では、まとめてください。
○高嶋良充君 総理、公務員制度改革は正に基盤行政なんですよ。ということは、文字どおり一党一派の利害を超えた国民的な課題なんですね。今のような答弁されると困るんですが、総理、官房長官も対決法案にしたくないというふうに答えておられるんですよ。官房長官の考え方は当然だというふうに思います。総理の英断で大綱を全面的に見直して、十分に連合とも協議して関係者が合意できる法案にするように最大限の努力をしてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は対決好きじゃないんですよ。よく話し合ってやるということが大事だと思います。
○高嶋良充君 終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で直嶋正行君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、尾辻秀久君の質疑を行います。尾辻秀久君。
○尾辻秀久君 イラク問題からお尋ねをいたします。
 午前中に民主党の直嶋委員よりも御質問ありましたけれども、私なりに整理をして質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、政府はイラクに挙証責任がある、すなわちイラクの方が身の潔白といいますか、大量破壊兵器は持っていないよと、このことを証明しなきゃいけないんだ、こういうふうに言っておられます。一方からいうと、持っていることの証明は簡単です。ここにありますと、こう見せればいいんですが、持っていないことの証明は難しいんじゃないか、こういう声もないわけではありません。このことから説明をしてください。
○国務大臣(川口順子君) 持っていないことの証明というのは一見難しいように思えますけれども、過去においてイラクは持っていたという懸念を持たれている。それから、実際に二度にわたり使ったわけですね。したがって、イラクが今しなければいけないのは、それらを廃棄しましたということでございまして、それをやるためには、例えば廃棄のときには科学者がそれをやっているだろうとか、廃棄をした多少物証があるだろうとか、そういうことで証明ができるはず。科学者については、今までイラクは、その一四四一においては科学者を無条件で査察団と話をさせなければいけないということになっているわけですが、今までのところはわずか数人、三人最初やりまして、あと二人ぐらいでしょうか、それぐらいのことしかやっていないということで、挙証責任を十分に果たしていないということが国際社会によって疑われているということでございます。
○尾辻秀久君 こういうことだろうと逆に私が説明して申し上げます。
 イラクがクウェートに侵攻しましたね。それはけしからぬことでありますから、国際社会はこぞって非難した。そこで、安保理決議の六百七十八が出た。これはもう絶対けしからぬよと、こんなことをしていると武力攻撃で止めるよと、こう言った。それに対して、イラクがごめんなさいと言って、もうしません、分かりやすく言えば、こう言ったわけですよね。それで、安保理決議の六百八十七が出てきて、とにかく停戦になった、こういうことですよね。今、外務大臣がおっしゃったのは、それから十二年間、イラクはその約束を守ってこなかったじゃないか、盛んにこう言っておられる。私は、これはフランス、ドイツも含めて国際社会の共通認識だろう、こういうふうに思います。このことについては、外務大臣、どう思われますか。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃるとおりでございまして、このことは決議の一四四一、これは全会一致で採択を、安保理で採択をされたわけですが、これにそのように書いてございます。
○尾辻秀久君 正しくそのとおりなんです。そして、そのことといいますか、イラクはイラクでちゃんと破壊、廃棄したと言っているわけですから、それが本当かうそか、白か黒かを調べるために査察団が行っているわけですよね。この査察団が確定的な証拠を見付ければ、まあこれは問題がないと言うと変な言い方でしょうが、言うならば、日本国民もアメリカが攻撃するのはしようがないかな、こういう一定の理解をすると思うんですね。ところが、今、その確定的証拠がないところが私は一番の問題だというふうに思うんです。その議論が分かれるところになると思うんですね。
 もう一回ですけれども、外務省は十二年間イラクが不履行であったということを言っておられるわけですから、そこはもう一回よく国民に分かるように、なぜ不履行なんだということは説明しておかれる必要があるだろうと思うわけです。もう一回説明してもらえますか。
○国務大臣(川口順子君) 説明の機会をいただきまして大変に有り難く存じます。
 そういうことで、イラクは廃棄をしなければいけないということは、先ほど委員がおっしゃった湾岸戦争の停戦を決めた六八七に書いてあるわけですね。それをイラクが守ってきていないということが、先ほど言いましたように、一四四一で全会一致で決定をされたということです。
 それで、査察団が入りまして査察を行っていくということでございますけれども、査察団の役目というのは自分から見付け出さなければいけないということではない。これはブリックス委員長なんかもはっきりとそういうことを言っている。イラクが証拠を見せなければいけない。
 そのイラクが証拠を見せなければいけないということの根拠は、これはやはり決議の一四四一に書いてございまして、イラクがUNMOVIC、査察団ですけれども、及びIAEAに即時、無条件かつ積極的に協力することを要求すると書いてございます。要求されているわけですね。そして、同じその一四四一ですけれども、イラクが申告書で虚偽の供述等をすること及びいかなる時点であれこの決議の履行、実施のための完全な協力を行わないことは、イラクの義務の更なる重大な違反を構成するというふうに書いているわけです。
○尾辻秀久君 どうもその辺のところが分かりにくくて、いろいろ、先ほどの民主党の質問の中で、アメリカの攻撃を支持するかしないかという世論調査の結果なんかも出ていましたが、やっぱりああいう数字になるのかなと思うんです。
 それで、外務省のホームページも、私、引っ張り出して見ました。説明しておられる。正直に言って余りうまくないなと思いました。例えば、イラク協力により疑惑は解明されたか、こういうところで何て書いてあるかというと、査察の手続面での協力に関しては、各事務所の立ち上がりや施設への立入り等についておおむね協力的であったと書いてあるんですね。とりあえずですよ、またちょっと続きますけれどもね。最初におおむね協力的であったと外務省のホームページに書いてあるわけですよね。それから、後ろの方では、実質的な面に関する協力については、決議一四四一はイラク側の積極的な協力を要請しているが、イラク側からそのような協力はまだ得られていない。こんなふうに書かれると、それではしばらく待ってなきゃしゃあないじゃないかなと、どうしてもこう思ってしまうんですよ。
 ですから、もうこれ以上は言いませんけれども、どうぞ外務省、少し説明能力を高めてください。何か答弁なさいますか。どうぞ。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員が引用なさったところは、この前、ブリックス委員長が国連で報告をしたことを引用したところであるということなんですけれども、私は、この問題については国民の方に御理解をいただくということが何よりも大事だということで、外務省のホームページの入口のところからすぐイラクのところを見られるように、たくさん何回もクリックをしていかなくてもいいようにということを言ってありまして、必ずしも、外務省の国家公務員が、役人が役人の文章らしく書いてあるというところでございまして、いろいろ工夫は必要なんですけれども、特にスピーチライターあるいはホームページを分かりやすく書くといった専門家がいるわけではございませんので、これからも、これはイラクのみならずほかのことも該当することですので、より注意深くやるように注意をしていきたいと思います。
○尾辻秀久君 緒方さんの言葉をかりて言うと、納得度が低い、こういう表現になるわけですが、そういうことにならないように、こんなことで国論が分かれても国益の損失につながるだけでありますから、そのことを申し上げておきたいと思います。
 今度は少し理屈っぽい質問をさせていただきます。
 もし、アメリカがイラク攻撃をしたとして、これは戦時国際法上の戦争の定義になりますか、なりませんか。
○国務大臣(川口順子君) なかなか、米国がまだ軍事行動をすると言っていないときに、どういう根拠に基づいてアメリカが軍事行動をするのかということを第三者が予断をして言うということは非常に難しいわけですけれども、いずれにいたしましても、今、国際法上、武力行使ということが認められているのは二つございまして、一つは国連憲章、安保理、国連憲章で安保理が武力行使を認めて行うということが一つ、それからもう一つは自衛権の行使、その二つであるわけですね。
 したがいまして、委員がおっしゃるような、いわゆる昔のといいますか、以前の戦時国際法に基づいていわゆる宣戦布告をして戦争をやるというような、そういうタイプの武力行使といいますかいわゆる戦争、そういうことは禁止をされていると、そういうことでございます。
○尾辻秀久君 私が戦時国際法と言いましたので、あるいはそういう御説明になると国際人道法と言わなきゃいかぬかな、このごろは国際人道法と言うようでありますからそう思いますが。じゃ、今後は国際人道法という表現にします。
 ちょっと先走って答えられてしまったなと思うんですが、まず、どうしたってこれは、国際人道法、実質的な戦争という定義になる部分だろうと思うんですね。そうでないとアメリカも困る。これは、国際人道法が適用されないと、戦闘が始まれば米軍だって当然捕虜を出しますから、出す可能性大と正確には言わなきゃいかぬのでしょうが、捕虜を取られたときに、これはやっぱり国際人道法の適用がなければ捕虜がどんな目に遭うか分からない。アメリカの都合を言ったってそんなところがありますから、これはやっぱり戦争ということになると思うんですね。そこはもう通説だろうと思いますからお認めになるだろうと思います。
 そこでです、そこで、そうすると、開戦できるというか、戦闘を始める条件については既に二つお述べになりました。相手からやられたときに自衛のために戦う権利、これは一つ持っている。それからもう一つは決議がある、国連決議がある場合、この二つですね。そこまで整理すると、新しい国連決議がないときにアメリカが攻撃したときにどうなるのという話が必ず出てきますね。私は恐らく、さっき申し上げたように、最初の、最初の決議六七八でしたかね、に戻るんだろうと思うんですね。停戦がもう崩れた、停戦が崩れたから、すべて御破算になったから最初の武力攻撃を認めた決議に戻るんだと、こういう解釈なんだろうなと思っているんですが、外務省はその辺のこと、また仮定の問題だとおっしゃるかもしれないけれども、どういう解釈なさるのか、お尋ねをしておきます。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃられますように、今、現実にそういう事態になっていないものですから、どういう法的な根拠に基づいて戦いが、武力行使が行われるかというのはなかなか申し上げられない。これは、正にイラクが今後きちんと対応していくかとか、それについて安保理がどういうふうに議論を進めていくかということによると思います。
 そういうことで前提を置かせていただきたいと思いますけれども、その一連の安保理の決議、それと武力の行使の関係について純粋に理論的に申し上げるということでございますと、委員がおっしゃいましたように六八七という決議が湾岸戦争の停戦の条件を決めているわけですね。それで、その停戦の条件、これを重大な違反を犯したということになってその停戦の基礎が失われた場合、その場合には、その決議の六八、失礼しました、六七八に戻って武力行使が正当化をされるということは可能性はあるというふうに考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、今後安保理で、イラクの態度あるいは今後の査察団の報告等を踏まえてどのような議論が安保理において行われるかということによるというふうに考えます。
○尾辻秀久君 そうした説明責任は、さっきから申し上げているようにきっちり果たしてくださいということを重ねてお願いをいたしておきます。
 いろんなことがいろんな場所で言われるものですから、悪口を言う人は二枚舌外交だというふうに言う人もいますけれども、そんな外務省の中で非常に歯切れ良く発言している人がいまして、田中外務審議官であります。先日も日本の新聞のインタビューに答えて何と言っておられるかというと、米国支持を鮮明にしたのかと、こういうふうに聞かれて、だれも武力行使を望んでいるわけではないが、それくらいの決意がないと平和的解決もできない。日本の安全保障は米国との同盟関係に大きく依存しており、同盟国の態度として日本がアメリカを支持するのは当然の態度であると。朝鮮半島情勢にも影響をすると。こういうふうに、これ極めて分かりがいいんですね。外務省もこのとおり思っておられると考えていいですよね。
○国務大臣(川口順子君) その田中外審の新聞記事というのは残念ながら見ておりませんけれども、我が国として、田中外審が言いましたように、この問題を極力平和的に解決をしたいと思っています。
 そして、その平和的に解決できるかどうかはイラクに掛かっているということでして、そういう意味で、茂木副大臣を総理特使としてイラクに送ってアジズ副首相と会ってもらって、イラクがきちんと対応すべきであるということをきちんと言いました。そして、それに対して、イラクのその点についての認識は必ずしも同じではないということは非常に残念なことでございます。
 そして、我が国としては、アメリカとは同盟関係にあるわけでございまして、同盟関係にあるという意味は、様々な価値、民主主義ですとか自由ですとか、あるいは大量破壊兵器というものが二十一世紀の世界にどのような問題をもたらすかといった様々な点について考え方を一にしている、そういう国であると思います。
 我が国は、この大量破壊兵器、イラクの問題は正にそういうことでございますので、その問題にどのように我が国として対応をすべきかということを考えるときに、やはり同じ価値判断を持つ国々と協調していくということは非常に重要なことだというふうに考えております。
○尾辻秀久君 イラク問題の最後に総理にお願いをしておきたいと思います。
 最後の最後まで平和の努力だけは続けていただきたい、そのお願いであります。今度その努力の一つとして外務副大臣をイラクに送られた。いろいろ言われるけれども、私はやっぱりその努力は必要だ、こういうふうに思います。
 あえて余計なことを言いますと、私のおやじも戦死をしております。やっぱり戦争は良くない、そう思いますから、とにかく最後の最後まで平和の努力だけはしていただきますように心からお願いをしておきます。もう御答弁をいただこうとは思いません。
 イラク問題の次に北朝鮮の問題についてお尋ねをします。
 実は私、振り返って調べてみたんですが、平成三年の決算委員会で拉致問題について質問をしておるんです。もう十二年前です。そのとき既に拉致は北朝鮮の仕業だと警察は認めているんですね、平成三年。そして外務省へも連絡済みだと、そこまで言っておるわけであります。人を責めようとは思いません。それにもかかわらず、無力であった自分を恥じたい、恥じている、そのことを申し上げておるわけであります。
 北朝鮮へ自ら出向かれて解決の糸口を作られた総理は私はやっぱり立派である、こういうふうに思うわけであります。そして、日本という国を国民の安全ぐらいはちゃんと守れる国にしておかなきゃいかぬなと、改めてそう思うわけであります。
 そこで、北朝鮮のノドンですけれども、日本を向いていると言われているこのノドン、保育していると思われる数、ごめんなさい、保有していると思われている──何か最後に保育問題を質問しようと思っていたものですから、何か急に保育になってしまって申し訳ありません──保有していると思われておる数、それから何分で日本に飛んでくるかということまで含めての性能それから精度、そういったようなものについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 保有しておる数ですが、これはいろんな諸説ございます。ジェーンズ辺りを見ますと十基というふうに書いてありますし、米軍筋だと百基というのもございまして、これは全部見えるわけじゃありません、地下のやつは見えませんこともあります。とにかく十基ないし百基、とにかく相当数が配備をされておるということは事実であろうと思っております。
 それから、どれぐらいの精度かといいますと、これは半数必中界という言葉を使うんですが、要するに、どれぐらいの半径のところに当たるだろうかってこう言いますと、ピンポイントみたいな精度は持っていないと思っております。しかし、ノドンが飛んできましたときに、半径二・五キロ、二千五百メートルぐらいの円をかきまして、そのうち、例えば百発打ったとします。そうすると、五十発ぐらいがその二・五キロの半径の中に入るだろうというふうに考えられております。
 どれぐらいの時間かと申しますと、大体七分から十分ぐらい、これは千三百キロ飛びますので、日本のほとんどが射程に入ります。ですから、西から東まで、北から南まで、日本列島も広いですから少しの誤差はありますが、大体七分から十分ぐらいで落ちてくるであろうというふうに考えておるところでございます。
 あと、どれぐらい積めるかといいますと、大体、ペイロードと申しますが、七百キログラムから千二百キログラムぐらいのものが搭載をできるというふうに私ども考えておるところでございます。
○尾辻秀久君 私も今のその説明は先日聞いたんです。一番びっくりしたのがその精度の二・五キロなんですね。これはたまらぬと正直思いました。
 山手線が、これ完全な円じゃありませんけれども、その話聞いたものだから、半径どのぐらいか聞いてみたら、大体四・五キロというんだそうですよ、半径が。そうしますと、山手線の真ん中をねらって向こうが撃ってくると、今の話じゃありませんけれども、百発のうちの五十発は完全に山手線の内側に落ちてくる、これはまあ本当にとんでもない話だなというふうに思ったわけであります。
 今、重さの話まではされましたけれども、さらにその話聞きますと、じゃ核弾頭は積めるのと、あるいは化学兵器、生物兵器をその上に載っけて飛ばしてくる能力があるの、これはやっぱり聞いてみたくなるものですから、答えてください。
○国務大臣(石破茂君) 核が積めるかどうかというのは、その国がどれぐらい小型化ができたかによるのだろうと思っております。これは、完全に小型化できるような技術を持っておってノドンに搭載できるというふうに断定はできません。
 しかし、核兵器の開発をしておる、そしてミサイルの開発をしておる、それは全然別個なものだとは思っていないのです。核兵器というものをそのミサイルに搭載すべくそれは努力はしておるだろう、決してそれは侮ってはいけないというふうに私は思っています。
 かてて加えまして、生物兵器、化学兵器についてでございますが、それは八百キロから千二百キロぐらいというふうに先ほど申し上げました。そうしますと、これは搭載することは可能であろうというふうに思っています。
 ただ、気を付けなければいけないのは、不必要に不安をあおることもしてはいけないと思っておりまして、それが落ちた場合に、例えば生物兵器であれば相当の熱で落ちてくるわけです。その場合にどれぐらいの被害があるだろうか。化学兵器であった場合には、風の方向とか温度とかそういうものによって全く被害は違うわけです。ここで詳細申し上げませんが、不必要に不安をあおることもない、しかし過小評価をするべきではない。
 これがミサイルに搭載されて落ちた場合にどういうような被害があるだろうか──今、委員が、委員が、いやいや、こういう予期せぬことが起こるわけですが、委員が御指摘になったように、先ほどの半数必中界のお話も含めまして、きちんとしたことを私どもでは分析をして、国民の皆様方にも御説明をする、そしてしかるべく対応するということは必要であるというふうな認識を持っておるところでございます。
○尾辻秀久君 よく総理が言われるように、備えあれば憂いなしでありまして、正に備えなきゃいけない話だということだけを取りあえず申し上げておきまして、ノドンはひとまずおいておきます。
 今朝の新聞各紙でありますけれども、ブッシュ大統領が四日付け全米主要十四紙のインタビューで、北朝鮮について、外交努力が実を結ばない場合は軍事行動があり得る、こういうふうに言明したというふうに報道されております。
 ブッシュ大統領がここまで踏み込んで発言したというのは、これが初めてだというふうに思います。ブッシュ大統領は昨年の秋に北朝鮮の核開発が明らかになった後、外交的決着を目指すことを強調しておりまして、最近では、米朝二国間対話を転換して多国間対話を呼び掛けたりもいたしておりますけれども、いずれにしても、ブッシュの今まで言ってきたこととちょっと違うことがある。今回の発言はブッシュ大統領の方針転換を指すのかどうか、そして日本はこの話聞いていたのか、米国の意図をどうとらえているかということについてお尋ねをいたします。
○国務大臣(川口順子君) ブッシュ大統領のこの発言については、私も報道で承知をしております。
 アメリカはずっと今まで、いろいろな問題に対応していくときにすべての選択肢を排除しないということをずっと言っておりまして、そして、このことは既にイラクとの、失礼しました、北朝鮮との関係でもブッシュ大統領は既に言っております。したがいまして、今回の発言が今までの発言を変更するものであるというふうには私どもとしては理解をしていないということでございます。
○尾辻秀久君 とにかく、このところの北朝鮮の動きといいますと、黒鉛実験炉を再稼働するなど、挑発的な行動をエスカレートさせています。いわゆる瀬戸際外交を展開しておるわけであります。テポドンの発射基地でのミサイルエンジンの噴射実験、経済制裁に踏み切れば戦争行為とみなすなどと挑発的な行動を繰り返しておりまして、要するに最近の北朝鮮の行動というのは目に余るものがあります。
 今後、使用済核燃料棒の再処理施設稼働によるプルトニウムの抽出だとか、あるいは弾道ミサイルの発射などのカードを切ってくることが考えられますけれども、その場合、日本は北朝鮮に対して経済制裁など何らかの制裁を加えるつもりかどうか、これはお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃったようなシナリオが今後展開をしていくというふうに私どもは必ずしも予測をしているわけではございませんけれども、万が一何かありました場合には、そしてこれは今までずっとやっていることですけれども、日米韓を中心に国際的に連携をして、そして国際機関、国連ですとかIAEAですとか、そういうところとも連携をして対応していくということになると思います。
 経済制裁ということについては、今、国際社会で議論されているわけでは全くございません。
○尾辻秀久君 いずれにいたしましても、毅然たる態度は取らなきゃいかぬ、こういうふうに思います。
 そこで、ノドンの話にも戻るんですが、防衛庁長官に、何となく一問一答風になるかなと思いますが、何問か一連の質問しますのでお答えください。
 まず、ノドン攻撃を受けたら日本は守れますか。
○国務大臣(石破茂君) これは法的にどういう枠組みで対応するかにもよるだろうと思います。
 仮定を置いて考えますと、正しくそれが我が国に対する組織的、計画的な武力の行使であるということであれば、これは防衛出動で対応することになります。しかし、これが先回のテポドンのように、衛星ですというふうに向こうは言ったと、ところが間違って落ちちゃいましたというような場合は、これは我が国に対する組織的、計画的な武力の行使というふうに判断できるかというと、それはそうでもないだろうと。だとするならば、これ、落ちてきたときに災害派遣という枠組みしか今のところはないということになる。
 ですから、これは私どもは、先ほど来御議論がありますように、武力の行使というのは自衛権の行使に限るわけですね。そして自衛隊法の防衛出動というのをやるわけです。そうしますと、これは閣議によってそれを決することになります。それには時間的にも相当掛かります。ある程度は掛かります。その場合に本当に対応できるかどうかということになりますと、これは法的にはそういうような枠組みは可能ですが、現実的にどうなんだという議論はあろうかと思っております。
 加えまして、今、委員がおっしゃいますことを、これは推測でお答えして恐縮ですが、じゃ能力的にあるのかということのお尋ねだとしますならば、そのミサイルはマッハ二十で落ちてくるわけです。そうしますと、それを撃ち落とすという能力は、これは合衆国も含めまして世界じゅうどこも持っておりません。我が国だけが持っていないわけではありません。
○尾辻秀久君 難しくお答えになったんで、私からまた単純にお聞きをいたします。
 今の話の中で言っておられる、こういうふうに暗に言っておられた、こう思うんでありますけれども、座して死を待つのが憲法の趣旨とするところではない、これは有名な鳩山総理の答弁であります。正に今のその御答弁のある面で核心の部分だと思うんで、これについての、もうもっとはっきり言うと、先制攻撃できるのかできないのかという見解についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(石破茂君) 先制攻撃はできません。それは、自衛権の行使でなければできないという意味で申し上げておるわけでございます。これは、鳩山総理の御答弁でもそうですが、私どもは、攻撃されるおそれがあるということだけで自衛権の行使として武力は使えない、しかし、実際に被害が発生してから、犠牲が出てから初めて自衛権が行使できるということではないだろうと、ほかに手段がないとするならば座して死を待つのが憲法の予定するということは当然思われないというのが鳩山総理の答弁であろうと思っています。
 そうすると、じゃどういうことなのかといいますと、これは、おそれがあるだけでは駄目だ、被害が発生してからでは遅過ぎる。だとするならば、攻撃の着手というものがあったときには、着手です、着手というものがあったときには自衛権の行使として我々が武力を行使をするところを憲法は妨げていないということだと理解をいたしておるところでございます。
○尾辻秀久君 何か理屈でいえばそうなるんでしょうが、現実にそんなことはできるのかなとついつい思います。
 そこで、そこでですが、ちょっとまたその話をおいておいて、その先制攻撃の意思を、先制攻撃というのは今のおっしゃった意味でですよ。どうもうまく言わないと揚げ足取られて大臣に答弁されているような気がするんで、今、大臣がおっしゃった意味での先制攻撃と、こう思ってください。その意思を持ったとしてですよ、正にさっき言われた、自衛隊にその能力ありますかね。
○国務大臣(石破茂君) その能力は自衛隊にはございません。つまり、私どもが保有をしております航空機はそのような空対地の攻撃能力を有しておりません、ミサイルという意味では有しておりません。あるいは護衛艦というものは、巡航ミサイル等々によりまして敵の国を、相手の国をですね、攻撃するような、例えて言えばトマホークというようなものを保有はいたしておりません。したがいまして、先生おっしゃるような意味での攻撃が私どもができる能力を持っておるかというふうなお尋ねであれば、それは持っていない。
 それは、私どもは無責任に持っていないのではなくて、今までずっと長い議論の積み重ねの末にそれは持つべきではないということが我が国の意思であったのであって、我が政府として決して無責任にそんなものは持たなくてもいいのだと言ってきたわけではないというふうに私は理解をしておるところでございます。
○尾辻秀久君 今のお話はもうそのとおりでありまして、専守防衛というのは我々が選んだ道であります、方法であります。だから、出向いていって攻撃する能力はそもそも自衛隊にはない、もう攻めてこられたときに近くに来た敵に対して守る能力しかない、これはそのとおりであります。その話もまた、これを進めていってもどうにもなりませんから、取りあえずおいておいてですね。
 さっき大臣が言われたその話なんですが、ミサイルが撃ち込まれたとして、この前の北朝鮮による弾道ミサイル発射事態対応方針ですか、これによると災害派遣だと言うんですね。私はやっぱりミサイル撃ち込まれて災害派遣はないだろうと思うのですが、大臣、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) 先ほどの答弁で若干不十分なところがございました。
 それじゃ日本はどうするのかというと、これは米軍にそれは依存するということになっている。これは防衛協力の指針でも確認をしており、必要な打撃力の行使を考えるということになっておるわけでございます。
 今の委員御指摘のミサイルが落ちて災害派遣とは変じゃないかということは、確かにそうなのだろうと思います。
 ただ問題は、ある国が本当に、どの県でもいいのですが、日本に対してミサイルを撃ち込む、これが組織的、計画的な武力の行使であるとすれば、それは防衛出動だと。しかし、それがある国から撃たれたことは分かるのだけれども、それが一体どういう意図なのか。例えば、人工衛星を打とうと思ったらば推力が足りなくて落ちてしまった場合もある、あるいは全く意図が不明の場合もある。そういうときに、じゃ防衛出動を掛けるということは、逆に相手からすると、日本の側から戦争を仕掛けてきた、我々は衛星を打っただけなのに日本の方は防衛出動を掛けてきたというようなことにもならないとも限らない。そういう場合には、実際に着弾しちゃったとするならば、そして、向こうの意図が分からないとするならば、我々としてやることは、警察や消防や自治体と協力をして、いかにけがをした人を早く救済をするかということにならざるを得ないわけであります。
 ですから、そこで、おかしいじゃないか、防衛出動でいくべきだという御議論はあるだろうと思いますが、それが国際関係にどういう影響を与えるだろうかという判断もしなければいけない。そして、そのときにどういうような対応をするかということも考えていかねばならない。
 難しいのは、ミサイルであれ衛星であれ基本的には一緒だということなんですね。ところが、それが核や生物や化学でなくても、通常の弾頭であったとしても、通常の火薬を積んでおったとして、どんと爆発をしたとします。これが災害派遣というのはやはり妙だろうということに相なります。
 ただ、私ども、一度もやったことはありませんが、防衛出動というのを下令するということは本当に慎重に考えねばならない。しかし、余りに非常識なこともいかぬのだろう。これは、総理を中心としてきちんと政府の中で議論をしていくべきものであります。
 ただ、本当にそこらはもういろんな場合がありますので、どうか国会の場におきましても、それは法律上はそうかもしれない、しかし実際は非常におかしなことになるのではないかというような御議論は是非とも御教授を賜りたいというふうに思っておる次第でございます。
○尾辻秀久君 何か今のお話、聞いていても、結局分からないような気もするんですが、防衛庁長官のお立場というのは、いろんなケースが考えられるでしょうが、その中の最悪のケースに備えるというのがお立場じゃないのかなと。であれば、今のお話というのはいかがかなとも思います。
 そして、これは嫌みを言うつもりじゃありませんが、長官になられたときの訓辞で、ケネディの言葉を引用されて、私は国民をギャンブルに懸けるわけにはいかない、こう言っておられるのであります。ただ、言っておられますよねということだけを申し上げておきます。
 いずれにいたしましても、皆さんからの声もありましたけれども、やっぱりこの一連の質問で私が理解しましたのは、有事法制、急がなきゃしようがないなと、こういうふうに思うわけであります。
 今申し上げた長官訓辞の中で長官は、民主主義国家を守るために民主主義国家においてこそ必要なものである、こういうふうにも述べておられるわけでありますが、改めて有事法制についてその必要性を説いておいてもらいたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、あるいは官房長官からお答えになるのが適切なのかもしれませんが、私の訓辞をお引きいただきましたので私からお答えすることをお許しをいただきたいと思います。
 専制独裁国家であれば有事法制なんか要らないのです、こういうふうにやる、国民はこう動けというふうに言えばそれまでですから。しかし、民主主義国家、法治国家においては、いかなる自衛隊の行動も、それは法律に基礎を置かねばならない。いざとなったら超法規なんぞという、そんな無責任なことは民主主義国家においては口が裂けても言ってはいけないことだと。
 今の法体系は平時を予定をしておりますから、有事において自衛隊が行動するときには差し障りのある部分が出ます。いろんな、道路法でもそうでしょう。あるいは河川法でもそうかもしれない。森林法でもそうかもしれない。そういう場合に、有事においてはそういう除外規定を作っておかなければ、動くこと自体が法律違反だということは法治国家としてはおかしいだろうということが一点でございます。
 もう一点は、じゃ、ミサイルが飛んできました、あるいは有事になりました、どのように警報を出しますか、どのように国民の皆様方に避難をしていただきますか、どのように交通を整理していきますかということが何にも決まっていないわけです。そうすると、右往左往になってしまう。
 正しく、私は、有事法制というのはよく戦争をするための法律だと言う方がありますが、そうではない。いざ、そういうような攻撃を受けたとしても、国民は整然と避難をします。そして、自衛隊は法律に基づいて整然と行動します。そういう国家であるならば混乱は起きない。そうであるならば、攻撃を仕掛けようという気もないかもしれない。
 しかし、有事法制が何も決まっていなくて、いざ攻撃を仕掛けたらば大混乱に陥って、市民はどう避難していいのか分からない、あるいは自衛隊はいろんな法律の制約があって行動できない。そうであれば、そういうふうな大混乱が引き起こされるのであれば、やってみようかという誘惑を助長をすることにもなりかねない。
 だから、戦争をしないための有事法制であって、戦争をするための有事法制ではないということは是非とも御理解をいただきたい、こういうように思っておるところでございます。
○尾辻秀久君 いや、私もそのとおりだと思います。特に最後のところは、これはやっぱり武力を持っている立場として、使うために有事法制をやるのではない、このことだけは改めて私からもお願いをしておきたいと思います。
 今のノドンの話だけじゃありませんけれども、さっきから申し上げている北朝鮮をめぐる情勢見ますと、もう一つ、これ避けて通れないのが集団的自衛権の議論かなと、こういうふうに思います。まず、この集団的自衛権とは何か、長官に御説明をいただきたいと思います。
 先に申し上げておきますけれども、集団的自衛権の本質を集団的正当防衛権と認識してその定義を定めるべき、これが長官の日ごろの御持論でありますが、それはそれとして、そんな難しい話じゃなくて、今日はテレビも見ていますし、私の後援会の人たちも楽しみにして見てくれておりますので、私の後援会が知的水準が低いと言ったらたちまち怒られますけれども、とにかく分かりやすくその集団的自衛権というものを説明していただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、平たく申しますと、我が国が密接な関係のある国が攻撃を受けているとします。で、我が国が直接攻撃を受けているわけではないのだけれども、あるいは我が国が直接攻撃を受けているわけではないのにもかかわらずというのが政府の言い方なのですが、受けていないんだけれども、とても密接な関係のある国が攻撃を受けたので、それを我が国に対する攻撃であるというふうにみなして武力を行使する権利ということだと理解をいたしております。
 要するに、友達がやられた、仲良しの友達がやられたと。だとするならば、それは自分もやられたことなんだと。だから助けましょう。もう非常に平たく言っちゃうとそういうお話なんだろうと思っています。
 そして、私どもの解釈といたしましては、それは、憲法上、そのような権利は、主権国家である以上、保有をしているがその行使はできないのだというような解釈をしておるところでございます。
○尾辻秀久君 集団自衛権に関する最後の御説明は分かりが良かったと思います。要するに、日本は攻められていないけれども、日ごろ日本と仲良くしている国がやられた、助けに行けるか行けないかと、まあこんな話であります。
 もう、これもまた先にお答えいただいたんですが、日本はその権利は持っているけれども、憲法の解釈上、行使はできないよと。これはもう政府が繰り返し答弁してきたところでありますから、防衛庁長官としては、日ごろの御持論はいざ知らず、防衛庁長官としては必ずそうお答えになるものである、これはもうそのとおりだと思うんです。
 ただ、あえて私が今日ここで議論をしなきゃいけませんよねと言ったのは、テロ特措法のときの話もありますし、周辺事態法のときのいろんな議論もありますけれども、そういうまだ法律で議論しているときはいいんですけれども、いよいよきな臭くなって差し迫ってきたときに、やっぱり置いておいていいのかな、こう思うものですからあえて議論にしたんです。
 そこで、もう端的に言います。これで海上自衛隊はもちますか。私の質問の意味はお分かりいただけるだろうと思うのであえてずばっと聞いてみるんですが、防衛庁長官としてお答えになれる範囲で率直なお答えを。
 それじゃもう申し上げますが、結局何か有事が発生したときに、日本の陸海空の自衛隊、それぞれ大分違いますよね。陸は恐らく陸だけで行動することに基本的になるだろうと思うし、海は米軍と半分ぐらいかな、恐らく領空の外は米軍が守って領空内は日本が守るとか、そんなことになるだろうと思うんですが、この海上自衛隊に関しては完全に一体になって行動することになると私は思っているんです。すなわち、もっと言うと、アメリカの空母を日本の自衛艦が守って、出動という言葉はやや正にきな臭くなるかもしれないけれども、いったん有事のときにはそういう事態になりますね。
 それで、周辺事態法のときの議論を蒸し返すつもりはありませんけれども、途中から日本だけは帰らしていただきますと言って帰ってくることになったらこれはまずいと思うものですから、あえてどうですかねということだけを申し上げておるわけであります。
○国務大臣(石破茂君) 実は私は衆議院で同じ質問をしたことがありまして、どうなんだと。つまり、周辺事態法でもそうですが、要するに、そういう武力行使の一体化という議論がありますよね。つまり、そういうようなところでは活動はしないんだと。仮にそういうような事態になったらば中断して待つんだということになっている。本当にそういうような地域になったらそこから下がるんだと、平たく言えばそういう話になっているわけです。そのときに、例えば、後方支援しかしないわけですけれども、ともに戦うわけではないのですが、例えば水、油、そういうものの補給を受けている、本当にそれが必要なオペレーションである、米軍にとっても必要なオペレーションである。そのときに、ここは危なくなりましたからさようならといった場合に何が起こるんだということであります。同盟国とは何なんだろうということなのだろうと思っています。
 その話は法律では確かにきちんと整理ができます。そういうところには行かない、そうなったらば行動は中断して退避する、法律的にはそういうふうにきれいになるのです。しかし、実際の現場でそれが本当にもつのか、合衆国においてそのような国をどう思うのかというお話は、私ども政府として、本当にそれは日本の平和と安全のために何をすべきなのかということで、きちんと議論をしていかなければいけないことだというふうに思っておるところでございます。
○尾辻秀久君 最後にはっきりと言っていただきましたから、正しく議論すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 次に、大きく防衛庁のシビリアンコントロールについてお尋ねをいたします。
 まず、今日は何回も長官訓示を引用させていただいておりますけれども、実は見たものだからついつい引用したくなるんですが、この訓示の冒頭で次のように言っておられます。
 内閣総理大臣より特に二点につき御指示がございました。第一点として、国民の信頼を回復するため、綱紀の粛正に努め、内局と制服が一体となった組織運営に努める。第二点、三自衛隊の総合運用や有事法制への対応を含め、我が国の安全保障体制を一層充実させ、強化する、こういう二点であったと言っておられます。
 今日はそのことについて少し具体的にお尋ねしたいと思っておるんですが、まず二点目の方からのこの統合運用についてであります。
 本当に統合運用というものはどういうものかについてもう一度検討し、早急に総合運用の実を上げたい、こういうふうに長官御指示なさったようでありますから、そのことで統合運用に関する検討が進んでいるところだと、こういうふうに承知をいたしております。
 もうずばっとお尋ねいたしますが、いつからどんな形でこれ統合運用始められるおつもりか、お尋ねいたします。
○政府参考人(西川徹矢君) 先生お尋ねの統合運用のいわゆる検討につきましては、十四年の四月の五日に長官から指示がございまして、七月の十二日に中間報告という形で報告をさせていただいて、そして先般の十二月の十九日の日に一応成果、最終成果という形で、成果報告という形で大臣の方に上げられました。これは、大臣から統幕の議長、そして三幕長さんの方に対して検討せよという形の指示が出たところでございます。
 そして、もう一つお尋ねのいつからやるかということでございますが、これにつきましてはまだまだ、取りあえず今最終成果という格好でやっておりますが、今後、法律的な問題とか、そういうところをいろいろ詰める点が多々ございますが、それについて、いわゆる中長期的なものはこれから検討し、その成果を踏まえて今後の予算等で、あるいは、失礼しました、在り方検討会でやっておりますので、そこで反映させた上でやる、早急にできるものにつきましては単年度予算からやっていくと、こういう気持ちで今組織としてはやっているところでございます。
○尾辻秀久君 運用局長がお答えになったんでちょうどよかったんですが、この統合運用というのはどういうものかといいますと、防衛庁長官が自衛隊を指揮する、この指揮は各自衛隊に直接行くんですね。海上自衛隊を直接指揮し、陸上自衛隊を直接し、航空自衛隊を直接指揮する。したがって、この三軍をちゃんとこうまとめて制服の人が、言うならば、今度の言葉で言うと幕僚長という言葉になり、今までは幕僚会議議長。この会議議長じゃなくて、やっぱり三軍取りまとめる、分かりやすく言うと、法律的に言うといろんな補佐するとかなんとかという言葉を使わなきゃいけなくなってまた揚げ足取られそうですが、とにかく三軍を取りまとめる制服の人をつくろうと、こういう話ですよね。その話は私はそれでいいと思うし、進めるべきだと思うんです。そうでないと、やっぱり三軍ちゃんとまとめる人がいないとまずいよねと思うわけです。
 ただそのときに、運用局長が今御答弁になったんだけれども、内局の運用局という存在がありますね。正に局長ですよ。この内局の運用局と、じゃ統幕長と、この二人の関係をどうするんだというところの議論は整理されていますか。
○政府参考人(西川徹矢君) 今回の統合運用の検討につきましては、取りあえずはいわゆる軍事的事項についての運営面について検討するということになりまして、実際にはもちろん内局とも意見交換十分しながらやっておりますが、今回のところは取りあえずそういうラインでまとめたものでございます。そして、そういう意味では中の、いわゆるこの報告の中でどういう形になるのかというところまで、実はそこまではまだ触れないで、これは今後の課題という形でも残してあるところでございます。
○尾辻秀久君 そこでですが、防衛庁長官に、シビリアンコントロールの正しい意味。なぜ私が正しい意味と言ったかというと、御自身が、あれは「我が国防」ですかね、に書いておられる中で、シビリアンコントロールの正しい意味はこうだと、こう言っておられるのでそのとおり申し上げているんですが、正しい意味。
 それから、文民統制の名の下に戦後の防衛庁の中でつくられてきた背広組と、言うところの背広組と制服組との関係の実態。私が何を言おうとしているかはもう全部お分かりいただけるだろうと思いますが、後で私もどうせ触れる、もっとはっきり表現することになりますけれども、まずはその関係の実態という表現にしますが、それを防衛庁長官がどういうふうに思っておられるか。
 それからまた、あえて総理が内局と制服が一体となった組織運営をやれと、こういう指示をなさった。この意図というか、思いは何なんだということをどういうふうに思っておられるか。
 三点お尋ねをいたします。
○国務大臣(石破茂君) シビリアンコントロールというのは、もう委員御案内のとおり、戦前の日本にはなかったお話で、占領軍がシビリアンコントロールを入れろと言われて、何なんですかその言葉はということで大議論になったようなものだそうでございます。
 要は、よく政治の軍事に対する優越というふうに言われます。逆に言えば、軍というものが、日本の場合には自衛隊ですが、とにかく大変な武力を持った集団というものが、その力を背景として政治の方向をねじ曲げるようなことが決してないようにということなのだろうと思っています。それだけ、確かに警察でも武器は持っています、しかし、軍あるいは自衛隊の場合にはそれが非常に強力なるがゆえに、その力をもって政治を左右することがないように、戦前の場合には、特に陸軍大臣、海軍大臣というものに現職の軍人がなりましたから、じゃ出さない、大臣出さないというようなことで何度も内閣がぶっつぶれました。そういうことがないようにという趣旨なのだというふうに私は理解をしています。
 そしてもう一つ、総理が御指摘になられたことでございますが、私は、防衛庁長官というものを、軍事の専門家として、昔でいえば軍令というものだと思います、軍事の専門家としていわゆる制服組が支える、そして予算であるとか法律であるとか、そういうものの専門家として内局、背広組が支える。両方が両々相まって支えるという体制をきちんと作りなさいと。片一方が走り過ぎて片一方の意見がないがしろにされる、どっちがどっちであろうともです、そういうことがないように、支えられる長官としてその二つの車の両輪の上にきちんと乗りなさいと、そういうような意識を持ちなさいというようなお話であったかと思っております。
 加えて申し上げますと、正しく政治の軍事に対する優越ではあるのですけれども、それは政治と軍事の話であって、背広が制服をということではないのだろう。それが時々文官統制という言葉になって現れることがあります。しかし、シビリアンコントロールの主体というものは、第一義的にはあくまで私ども選挙によって選ばれた者なのだということは間違えてはいけない、私はそのように理解をいたしておるところでございます。
○尾辻秀久君 最後におっしゃったとおりでありまして、シビリアンコントロールは文民統制とは訳しますけれども、文官統制とは訳さないわけであります。これはもうおっしゃったとおりに、あくまでも政治と軍事との関係について述べたものであって、軍事に対して政治の方が優先するよという、もう言わば民主主義の原則を述べたものだと私は思っています。
 ただ、それが、今もちょっとおっしゃいましたけれども、戦後の防衛庁では戦前の反省もあったりして、また防衛設置法の理屈を言うといろいろ理屈がありますけれども、それはおいておいて、どういう実態になっているかというと、シビリアン、すなわち文官がどうしても制服組よりも偉いというか、偉いというのがいい表現かどうか、まあしかし、やっぱり背広組上位、制服組下という関係ができ上がってしまったことは、これはもう否定できないところだろうと思うわけであります。
 そこで、今日、運用局長来ておられますので、さっき軍令という話が出ましたから、軍令、軍政のやっぱり、そういう言葉遣いをもうしなくなったところもありますけれども、防衛庁における整理というのがどうしても付いていないような気もするものですから、あえてお尋ねするんですが、運用局長、改めて運用局というのは何をするところですか。
○政府参考人(西川徹矢君) ちょっと説明させていただきますが、運用局にありましては平成九年に作られた局でございますが、これは冷戦の終結等に伴いまして環境が大きく変わったという形で、防衛庁、自衛隊が多様な事態に対応しなければならないと。こういうふうなことを受けまして、自衛隊の運用にかかわる政策課題に対する検討体制を充実強化する、こういうことを目的に作られたと、こういうことでございまして、現在の運用局で何をしているかということでございますが、自衛隊の行動、部隊訓練、それから保健衛生の基本的な事項、これについて所掌しておりまして、もう少し具体的に言わせていただきますと、これらにかかわる法制面の検討、あるいは制度の立案や国会に対します説明、それから関係省庁との連絡調整などの言わば政策的、行政的な側面の強い業務、これを担当しております。そして、これを、この面を通じて長官の補佐をすると、こういうふうな役割を持っているところでございます。
 それから、そういう意味では、自衛隊、いわゆる制服との絡みでございますけれども、我々といたしまして、この運用局の今果たしております行政あるいは政策的な面の役割というのが、自衛隊が実際に様々な場面で活躍することへ最近とみに期待が高まっておりまして、こういう高まりを踏まえますと、今後ますます増えるんではないかと、こういう考え方をしておりまして、とりわけ統合運用体制が強化された後でも、このいわゆる政策的、行政的な事項に精通した行政官を主体とする内部部局、それと軍事専門的な事項に精通した自衛官、これを主体とした統合幕僚組織、これが相互に密接な連携を取りながらそれぞれの観点から長官の補佐をすると、こういうことがより強く求められるんではないかと、こういうふうに考えております。
 いずれにしましても、運用局──いいですか。はい、済みません。そういう格好で今後とも引き続き。
○尾辻秀久君 長々と答弁してもらいましたが、一番分かりやすい質問をしようと思います。
 英語で何と言いますか。
○政府参考人(西川徹矢君) ビューロー・オブ・ディフェンス・オペレーションと、こういうふうになっております。
○尾辻秀久君 オペレーションズですよね。軍事用語でオペレーションズというのはどういうことを意味しますか。
○政府参考人(西川徹矢君) 私は、作戦行動と、こういうふうに考えておりますが、はい。
○尾辻秀久君 要するに、部隊運用、作戦ですよね。──いや、もういいです、いいです。
 ということは、ここでいろいろやり合おうとは思いませんが、部隊運用、作戦を統括する場所というのは、正に参謀本部ですよ。その参謀本部を背広がやっている国は、私は日本以外にないんだろうと思います。その辺の問題がありますよねということだけを言って、だんだん時間がなくなってきていますので先に急ぎます。もうこの問題はここでおいておきます。
 それで、あと外務省に一点、ドミニカ移住の問題について。これは鹿児島の人たちが随分関係しているものですから、そして私も鹿児島だものだから、お尋ねをいたします。どんなものであったかだけを答えてください。
○国務大臣(川口順子君) これは、昭和三十一年に開始をされた移住でございます。そして、いろいろな問題に絡みまして、現在、国家賠償の訴訟になっている事件でございます。
 そして、当時の実施情勢の下で、ドミニカ共和国政府から与えられた情報、あるいは日本政府の実施した調査等によって得ました情報で、これをその移住なさる方にその時点で誠実に御提供を政府としてはしたということですけれども、入植当初予期しなかったことが、経済的な、政治的な変化がありまして、そして政府が昭和三十六年に閣議決定をして、移住者の方々の希望に即して日本に帰国をしていただく、あるいは南米に更に移住をしていただくということを決め、引き続き現地に残っていらっしゃる方もいらっしゃいます。そういう帰国及び南米移住に、御希望なさった方について援護の措置を講じたということでございます。
 この件については、政府は、そういった訴訟の問題とは別に、現在残っていらっしゃる方、あるいはその移住をなさった方々に対して、JICAを通じて、あるいは日本政府の予算で様々な支援をさせていただいていると、そういう問題でございます。
○尾辻秀久君 今お話しのとおりに訴訟にもなっておる件でありますから、三点だけ事実確認といいますかお尋ねをいたしますので、答えてください。
 ドミニカ政府の公文書の中に、昭和三十一年二月に日本政府に対して、かんがいが間に合わないので移民計画は見合わせるべきと通知したのだけれども、日本政府より、移住者は乾燥地の耕作経験があり問題はない、そういう返事があったと、こういう記述がありますが、これが事実であるかどうか、まず一点です。
 それから、二点目です。
 昭和三十三年七月にドミニカ側が移民受入れ中止を決定しました。それにもかかわらず、日本側は昭和三十四年九月、ドミニカ移住が終わるまででありますが、終止符を打つまででありますが、二回にわたり更に合計四十六家族を募集して送り出したということが言われておりますが、これがまた事実でありますか。
 それから、今の最後の方で触れられた部分なんだろうと思いますが、なぜか平成十年になって急にドミニカ政府より無償譲渡されることになった土地があるのですが、今残っている本当にもう年老いた入植者の皆さんは、やっと生き抜いてきた我々をまただますのかと怒りの声を上げておられて、それが訴訟につながっているんですけれども、この土地、外務省は見に行かれたことありますか。
 この三点です。
○国務大臣(川口順子君) 誠に恐縮でございますけれども、その三点については私は存じませんので、調べたいと思います。
 それで、三点目の土地の問題につきましては、これは私が外務大臣になってからの話として、ドミニカ政府がおっしゃった、入植当時土地が不足であるという話がありましたので、それを補完をするということで、ラ・ルイサというところの土地を無償譲渡をするということで決定を、決定自体は九八年のことですけれども、二十七家族、これが受入れを表明をいたしました。
 そして、今その二十七家族への地籍の証明書の発給手続、これをやっていまして、これが最終段階に来ているということで、私自身も昨年の十一月にドミニカの大統領が日本にいらっしゃいましたときにこの話をいたしまして、その地籍の移転の証明書をできるだけ早く出してほしいということを言ったことを記憶をしております。
 御質問の三点については至急調べたいと思います。
○尾辻秀久君 そのことはまた調べてお答えください。
 最後に一点、聞きます。
 何人自殺者が出たか御存じですか。
○国務大臣(川口順子君) 申し訳ありませんが、聞いておりません。
○尾辻秀久君 お教えをしておきます。十人であります。十人の自殺者が出るような移民をした外務省は責任を、裁判の結果が、訴訟がどういうことになろうとも、これは強く感じるべきだ、まず先にそう申し上げておきます。
 それでは、大きく問題変えまして、経済問題、聞かせていただきます。
 まず、塩川大臣に、私、副大臣としてお仕え申し上げましたので大変恐れ多いのでありますけれども、質問をさせていただきたいと思います。
 大臣は、先日、パリで開催されたG7の財務大臣・中央銀行総裁会議に、大変お忙しい中、合間縫って出席されました。御苦労さまでございました。
 今回の会議では、イラク情勢等を背景に世界経済の先行きに対する不透明感が漂う中で、先進国がどのような経済政策運営を行っていくのかという極めて重要な問題が議論されたと聞いております。我が国の経済政策について、大臣、どんな説明をなされたのか、まずお聞かせください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほどは誠実な尾辻先生の質問聞いておって、私は本当に重大な関心を持って聞いておりました。こういうことが議論できる委員会になったんですね。今までこういう質問したら野党が騒いでしまってもう議論にならなかったことが多かったけれども、これが粛々として、しんとみんな聞いて、そして今までのカーテンで引いておったやつをさっと取って、レースのカーテンにしちゃったと。僕は非常にこれは大きいいい意義があったと思っております。
 ついては、問題のG7の話ですが、これはG7の話をしますと……(発言する者あり)いや、G7の話をこれからするんです。(発言する者あり)いや、私にだって発言の権利はありますからね、そう抑えるものじゃありませんよ。
 御指摘のG7では、まず第一に、湾岸地域における地政学的な不正確性があるから、これに対して、もしいろんな事態が起ころうとも、世界経済、G7の各国はお互いが提携して一層の経済繁栄を図ろうと。そのためには、各国がそれぞれの立場に立って経済成長の実証の上がる政策を強力に押していこうと、これが一点でした。
 それから、一番問題となるのは貿易の問題でございまして、そういう場合は。貿易を活発に、より一層活発化していこうということ、そしてできるだけ為替の安定を図っていこうと、こういうことが大きい議題でございました。
 それで、我が国の方としては、私はこういうことを申し上げました。経済の活性化についてより一層の努力をしておると。しかし、なかなかデフレ的な状態からの脱出は非常に苦労しておるけれども、おいおい努力して早く脱出したい。そのために、本年度で補正予算を成立させたということ、それから予算の配分は極端に重点の、配分の主義を取ったということ、それから先行減税をして設備投資等をして経済の活性化に図るということをした、それから不良債権の整理をするために新しく産業再生機構を設置して、これを加速することをしたということ、さらには構造改革を具体的な生活の中に生かしていくということのために構造改革特区を創立することとしたと。こういうことをして、日本、我々は経済の活性化のために一層の努力をしておると。ついては、金融状態についても、日銀と一体感を持って、より一層の不良債権の処理、デフレの対策というものに努力すると、こういうことを申し上げた次第です。
○尾辻秀久君 デフレの話もされたと聞いております。これもまた大変な話なんですが、どういう話されたか、お聞かせください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど申しましたように、まず日銀と一体となって金融の緩和ですね、マネーフローを非常に豊かにするという、そのことを、政策は強力に進めるということ、そして設備投資を促進するための税制の誘導措置を取ったということ、それから不良債権処理のための、先ほど申しました産業再生機構の発動をするということ、こういうことを併せ総合的にデフレ対策を講じるということを言ったのでございまして、ただ金融だけでこのデフレは解消できるものじゃないということの主張も併せてしておきました。
○尾辻秀久君 今申し上げましたけれども、デフレの問題というのは本当に厄介な問題であります。今日は、できるだけ分かりやすい質問をしたいなと思って努力をしているつもりなんですが、やりながら、なかなかうまくいかないものだと思っております。
 ただ、またデフレの問題で分かりやすくということで、今度は竹中大臣にお願いしたいんですが、デフレといっても、我が家の話をして申し訳ないんですが、我が家の家内なんかは、ある面喜んでいるんですよね。物が安くなって喜んでいるんですよ。ハンバーガーは安くなりますし、牛丼は安くなりますし、百円ショップへ行けば物が並んでいるし、価格破壊といえば消費者にとっていいことじゃないぐらいの感覚もありまして、デフレが悪い悪いと言うと、何で悪いんだといって、さっぱり分からぬわけであります。
 今日は大学教授としてではなくて、デフレがなぜ悪いのか、改めて、テレビを見ておられる皆さんに分かるように易しい経済学の講義をしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレという言葉を内閣府が正式にといいますか、使ったのは、今からちょうど二年ぐらい前だというふうに思います。一種のデフレであるという宣言をしたわけでありますが、それから実は半年か一年ぐらいの間は、尾辻委員御指摘のように、デフレというのはむしろいいんじゃないかという議論がむしろ積極的になされていたと思います。
 御指摘のように、日本の物価というのは高い高いと言われていた。それが下がるんだからいいじゃないかと。実際、安いものがたくさん買えるようになった。しかし、気が付いてみると、こういう議論非常に分かるんですけれども、暗黙のうちに、多分自分の給料は下がらないということを前提にしている。給料が下がらないで物の値段だけが下がるんであるならば、それはそれで大変結構なことであるということになる。ところが、気が付いてみると、そうするとやっぱり企業の収益を圧迫して、今度は賃下げというか給料も下がってくると。これはやっぱりなかなか不安だなということになってくる。
 しかし、加えて、より本質的な問題はその先にあるのだと思います。これは、私の実家なんかが小さな商売をしておりますからよく使うんですが、今まで千円で物を売っておりました、千円のものを売っておりました。それが、物の値段が下がって八百円で売るようになりました。しかし、多くの場合、仕入価格も今まで八百円だったものが六百円に下がって、そのマージンそのものはそんなに変わらないかもしれないね。これがデフレの今の姿なのかもしれないんですが、気が付いてみると、どうしても下がらないものが一つありますね。それは、これはたまたまその三年前に店を改装するために一千万円銀行から借金をしていた、この借金だけはどうしても下がってくれません。これはつまり、物の値段が下がるということは実質的に借金の負担が増えるということを意味している。
 日本の企業、多く、大きな債務に悩んでいるわけでありますから、その中で日本企業全体がやはりデフレによって非常に厳しいマイナスの影響を受けている。これが、専門家のみならず、多くの方々のやはり認識になりつつあるのではないかというふうに思っております。
○尾辻秀久君 塩川大臣がよく分かったとおっしゃったので、テレビを聞いておられる皆さんもよくお分かりになったんだろうと、こういうふうに思います。
 そこで、塩川大臣にもう一回お尋ねするんですが、ずばりの表現になりますけれども、我が国の財政、本当に追い込まれてきました。そして、かなり大ざっぱな数字でいって、平成十五年度予算、歳入四十五兆円、歳出八十一兆円、借金三十六兆円、この予算を財務大臣としてどんな思いで組まれたのかな、一遍お聞きをしてみたいわけであります。
○国務大臣(塩川正十郎君) この件につきましては、尾辻先生も副大臣として何遍も国際会議で出ていただいて、国際的に各国がどういうふうに日本の財政を見ておるかということを肌で感じておられるから、国会の議論とは違った感覚でもっておられると私は思います。
 確かに、各国から見ましたら非常に異常な状態にあるということでございまして、したがって、どうしても各国から聞きますことは、日本のプライマリーバランスをどういうふうに考えておるんだと、この一点の質問が非常に厳しく出てまいります。それに対しまして私たちは、できるだけ早く、二〇一〇年のできるだけ初頭の時期に解消したいということを言うんですけれども、これを信用さすために鋭意努力していかなきゃならぬと。そこに現在の非常に財政上の苦しい状況があるということをお察しいただきたいと思います。
○尾辻秀久君 もう正に心中お察し申し上げますとしか言いようがない、もう本当にそういう状況にあると思います。
 そこで、今プライマリーバランスの話が出ました。「改革と展望」を見ますと、今のお話じゃないんですけれども、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスの黒字化を目指す、こういうふうになっているんですね。正直に言いますが、もう私にはそれがどうしても分からないんです、なぜそうなるのか。今日は少しそこを入口のところで議論させていただければと思うんですが、まずプライマリーバランス、これ、もう一回易しい経済学の講義を、説明してください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 実はこれ、なかなか説明が難しいのでございます。
 簡単に言いますと、国は借金をしております。借金をしていますから、これは当然それに関連して金利を支払わなければいけません。税金を中心とする歳入があります。いろんなことを、社会福祉、公共事業、歳出があります。プライマリーバランスというのは、この金利の支払を行う前の収支のバランスのことであると。金利の支払だけちょっと忘れていただいて、あとのしかし税金等入ってくる額と、歳入と歳出はバランスをするようにする、それがプライマリーバランスを回復させるということの意味になります。
 したがって、プライマリーバランスが回復したとしても、実は財政収支そのものは金利支払分だけまだ赤字が残る、そういうような状況になります。
○尾辻秀久君 今の御説明は本当に分かりやすかったと思います。要するに、借金がたくさんある、こっちから借りてきてまたこっちを返す、要するに借金をぐるぐる回しているわけですが、そこで金利分以外は増えないようにしようと、そうなったときにプライマリーバランスが回復したというかゼロになった、こういうことであります。
 そこで、またさっきの話なんですが、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスが黒字化するという話なんですけれども、今、毎年、国債発行高、すなわち借金総額は物すごい勢いで増え続けていますね。それがなぜ二〇一〇年代初めになったら急に黒字化するのか。よく分からぬものですから、私も、内閣府がお出しになった「改革と展望」のあの推計の数字ですね、一生懸命見てみたんです。正直に言うと、どこかにからくりがあるんじゃないかと思って探したんです。結局、私なりに、三つ条件があるんだ、黒字化する条件は三つだと。
 一つは、やっぱり税収が伸びなきゃどうしようもありませんから、もう税収が伸びるというのが大前提ですよね。
 それから二つ目に、公債金がほぼ四十兆円で頭打ちになる。あの推計の数字を見ると、もう最後は四十兆円のところでこういくわけですね。ですから、総理が三十兆で我慢しようとおっしゃったんだけれども、四十兆のところではもう絶対我慢するという数字になっていると思います。したがって、公債金が四十兆円でもう頭打ちになるということと。
 それから三つ目が、私が、ここは正直に言ってちょっとからくりじゃないかなと思っているんですが、地方のプライマリーバランスが大きく黒字になる、これが三つ目の条件なんですね。何と言っているかというと、あれは国と地方を合わせてと、ここがみそなんだなと思うんですね。国がとは絶対書いていないですよね。あれは国だけのプライマリーバランスの数字、ずっと見ていくと、全然、途中から、もう二〇一〇年代になっても減らない。赤字幅が減らないという意味ですよ、プライマリーバランスのマイナスの数字が同じ数字で推計になっているわけですから。
 と理解していて間違いないと思いますけれども、そういうことだなと思ったんです。私がこういうふうに理解しましたと言ったら、竹中教授は何点の採点をされますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 差し当たりは百点ということでいかがかというふうに思います。現象として、「改革と展望」の参考資料を非常に丹念にお読みいただいて解説をしてくださったと思っております。
 政策の観点から言いますと、私は、からくりがもしあるとすれば二点であると思います。
 それは、歳出をやはり切り詰めていくということです。具体的には、今の一般政府、これは地方等々を入れた一般政府の大きさをGDP比で見て今より大きくしないということです。これは、全体で見た歳出に緩やかなキャップを掛けている。経済成長分ぐらいは伸びるんですけれども、それ以上は伸ばさないというシーリングを掛けている、キャップを掛けている。それが第一点。
 もう一つは、これは四本柱の改革で経済を活性化していく、経済を活性化することによって税収がじわじわと伸びてくる、それによって少しずつ少しずつ財政のバランスが改善していくということになろうかと思います。
 尾辻委員御指摘の第三点の国と地方については、これは若干技術的な問題がございまして、片山大臣、御答弁あるかもしれませんが、交付税特会の部分を全部一応国にということで、仮にそういう形で計算をしておりますので、そこは今後いろんな制度改革の中で見ていくということではないかと思います。
○尾辻秀久君 その地方のプライマリーバランスの話でありますが、私も必死になって計算してみたんです。いろんな計算をしたんですが、ここで申し上げるのは国庫負担二分の一のケースで、二〇〇四年度は地方のプライマリーバランスが、二〇〇四年度でもうプラス一・五兆なんですね。二〇〇五年度には急にこれが一・六兆円増えてもうプラス三・一兆円になりますし、その後、二〇〇六年度にはプラス四・二兆円、二〇〇七年度にはプラス四・八兆円になる。あの「改革と展望」の中から計算するとこうなるんです。
 そこで、今、片山大臣、顔も合いましたし、地方財政が今後どうなるんだろうという、こんな数字になるんでしょうかねというのが率直な質問なんですが、お尋ねをいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、竹中大臣からも話がありましたように、プライマリーバランスの計算は前提が一杯あるんですよ。そうでしょう。
 とにかく今言われました、ちょっと数字はあれですが、平成十四年度、二〇〇二年度は地方はマイナス〇・一なんですよ、プライマリーバランスが。ところが、二〇〇七年ですね、平成十九年度にはプラス〇・八になるんですよ。
 ただ前提が、とにかく二・六の名目経済成長になるということですから。そうでしょう。それから、経費は、特に投資的経費は落としていくわけですから、私どもは地方財政計画を十八年度までとにかく単独事業マイナス五%ずつやると、こういうこのいろんな計算なんですね。
 それともう一つ国と違うのは、国は六十年なんですよ、国債を返していくのが。地方は二十年なんですよ。たまりが違うんですよ。こっちは早く返していくから。そこが一つあるんですよ。
 それからもう一つは、交付税特会の借入れの話もありますし、地方は義務的な経費が多いもので、法律上それを全部財源措置をしているんですよ、財源措置を、いろんなものに。それをカウントしますから、表づらの数字はいいんですが、実態は平成十五年で経常収支が十三兆四千億赤字。穴が空いている。減税分まで入れますと十七兆ですよ。それから、今約二百兆です、百九十九兆累積の借金がある。
 そういう意味からいうと、見掛けの数字よりもずっと悪いんで、しかも三千三百の地方団体全部集まった財政ですから。国は単一の財政ですよ。地方はアジサイの花みたいに一つ一つといったから全体が花なんだから。三千三百の総合的財政で大変財政は悪うございますので、是非御認識を賜りたい。
 まあ計算上の数字ですよ、プライマリーバランスも。しかし、それはしかし大きな目標にせにゃいけません。
○尾辻秀久君 最後が本音だろうと思うんですが。
 そこで、もうこの質問の最後に竹中大臣にやっぱり聞いておきたいんです。二〇一〇年代初頭というのが二〇一三年を指すというのが、これはまあ言わば公然の秘密ですよね。そこで、二〇一三年に本当にプライマリーバランス、回復していると思われるか思われないか、答えてみてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 二〇一三年というのは実は塩川大臣がおっしゃっているわけで、私は、実はこれは大変、申し上げたいのは、大変リーズナブルなというか、根拠のあるお話だというふうに思っております。
 基本的に、そこに数字が、書いておりますように、今プライマリーバランスはマイナス五・三%、GDP比です。この計算は二〇一〇年までしかやっておりません。二〇一〇年はマイナス一・三%です。八年間で四%改善する、つまり毎年毎年〇・五%ずつ改善していくというシナリオでいくと二〇一三年ぐらいになると、そういう根拠で塩川大臣はおっしゃっているんだと思いますが、これは正に、こういうふうに目標を実現していかないと日本の財政は大変なことになるわけでありまして、そのために我々はもう最善の努力をするし、是非とも実現をさせたいというふうに思っております。
○尾辻秀久君 はっきり答えていただけば、今度は二〇一三年、間違いなく竹中大臣は生きておられるでしょうし、私も何とか生きておきたいと思いますから、採点表をお送りできるのになと思ったんですが、今の御答弁では何か採点のしようがない答弁であるな、こういうふうに残念に思いますと申し上げておきます。
 時間がたつのは本当に早いものだなと思いまして、私は六十分という表示の辺りで、ですから、あと五分ぐらいしか残ってないんです。中での仕切りがそうなっているものですから、私、あと五分ぐらいしか残されていません。
 それで、社会保障の問題、いろいろまたお尋ねしたかったんですが、もう時間がそんな状態です。それで、医療制度です。
 総理は、平成九年、厚生大臣でありまして、そのときに、二十一世紀の医療保険制度として、医療提供体制から医療保険体制に至るまでの幅広い課題についての抜本改革案を出されました。あのときは自民、社会、さきがけ、自社さのときでありまして、この自社さでプロジェクトチームを作って与党案も作ったんですね。そのときの一員が私でありますから思い出すんです。もう隔世の感があるなと思います。
 当時は医療費全体に占める薬剤費の割合というのは三割でした。それから、掛かり付け医なんと言おうものなら医師会に怒られるものだから、これも言葉として使わなかった。包括払いなんといったら、もう禁句も禁句でした。それが今日になってみると、薬剤費の占める割合は三割から二割、一割落ちています。掛かり付け医機能としか表現できなかったものが、今や医師会の方が積極的に掛かり付け医と、こう言われる。あるいはもう包括払いにしたって、もう平成十五年度からは大学病院、国立病院なんかで導入される。やっぱり世の中というのは変わるものだなと、こう思うわけであります。
 ただ、とはいえ、この抜本改革、道半ばであります。厚生大臣にお尋ねしなきゃいかぬのかもしれませんが、とにかく総理のリーダーシップでこの抜本改革だけはきっちり進めなきゃいかぬと思うし、厚生大臣のときにお出しになった案であるから、これは一遍決意をお聞きしておきたい、こういうふうに思うわけであります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、尾辻議員言われたように、着実に改革は進んでいるんですよ。
 薬価にしても、国会の与野党の議員の指摘にこたえて、できるだけ今、同じ効用だったらば安い薬を使うようにしなさいと。薬価に、全体の医療費に占める薬価の割合も確実に減っている。同時に、出来高払が一番良くて、一つの病気に対してこのぐらい費用を決めるのはとんでもないという大反発が起こった。しかし、慢性的な病気だったらば包括払いを導入してもいいんじゃないかと。今、着実に今導入が進んでいます。
 そして、今後、保険全体のことも考えながら、高齢少子社会に向けて医療保険制度をどう持続可能な制度にしていけばいいかということも、改革が進んで、近いうちに基本的な方針が厚生労働省でもまとめられると思っております。
 さらに、三割負担のことばっかり挙げて負担ばっかりではないかと言いますが、これは、ますます医療費が増えていく中で、病気にかかった場合の患者さんの負担と、病気にならない人の保険者の負担、さらに税金投入、そして今、医療提供体制の場合にも、診療報酬だっていろいろ技術料、難しい、専門的な議論の。この診療報酬を引き下げること自体なんというのはもう画期的なことですよ、これ。引き上げるの当たり前だと。薬価も切り下げられた、診療報酬も切り下げた、とんでもないというのを両方やったでしょう。こういうふうに改革は着実に進んでいるんです。
 今後、このような自民党、社会党、さきがけの三党で組んだときの方針、これは基本的に尊重しなきゃならない面がたくさんあります。これをどうやって実行に移すかということなんです。これを多くの皆さんの理解を、協力を得ながら進めていきたいと思っております。
○尾辻秀久君 もう全くそのとおりだと思います。
 先ほど保有を保育と間違ったのは、最後に保育のことを聞こうと思って、そればっかりが頭にあったのであります。
 残された時間、最後に少子化対策と保育のことを、もう時間ありませんので、簡単にお聞きをいたしたいと思います。
 次世代育成支援対策推進法なるものを厚生労働省は考えておられます。これ、簡単にどういうものか。私は、興味があるのは、この中で保育所がどういう位置付けになるかなというのが最大関心事でありますから、その辺の御説明をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 次世代育成支援対策推進法案を出させていただきたいというふうに思っております。御承知のとおり、エンゼルプランをやらせていただいておりますが、地方におきましては約千三百団体ぐらいにとどまっておりまして、だから市町村におきましては半分以下だったと思うんですね、あのプランができておりましたのは。それを地域、どの地域におきましてもこれが行き渡りますように、地域の子育て支援と、それから企業の中で、企業は企業で計画を組んでいただいて、そして対策を立てていただく。地域と企業、両方とを相まってこれから進めていきたいというふうに思っております。
 最後に御質問ございました保育所も、今までの保育所、それを時間を更に延長しなけりゃならない、そういう問題もございますし、それからまた、ただ単にお勤めになっている奥様方のお子さん、そういうことだけではなくて、これはもう少しお勤めになっていない皆さん方のお子さんの御相談にも乗らなければいけない、あるいはまた短時間労働をしておみえになる皆さん方の一時預かりといったようなこともしていかなきゃならない、そうしたことを多面的にやっていけるようにしたいと、そういうふうに思っておる次第でございます。
○尾辻秀久君 今度のことで厚生労働省が言おうとしておられること、基本的に私は賛成であります。
 まず、ひところ少子化対策というと、少子化対策イコール保育の充実だったんですね。何かもう全部保育所におっかぶされて、保育所が悪いから子供が生まれないみたいな話になりがちでした。そういうのを、とにかくやっぱり少子化対策というのはもう国全体で、もう教育のこともあるし住宅のこともあるしという、そういう全体の中で少子化というのを考えなきゃいかぬ、言い出されたことは全くそのとおりだと、まず思います。
 それから、そういう子育て支援という中で、概念的な組織図はできているんですが、具体的な組織図が一体どうなるかなと思うんですね。
 もう私から一方的に言います。
 保育所の役割というのは、これはもう戦後大きく変わってきました。最初は、戦災で親を失った子供たちが、いわゆる浮浪児が町にいたから、これ何とかしなきゃいかぬといって、そしてまさしく措置をしたのが保育所ですよね。そこから始まって、時代の変化とともに保育所の役割というのは大きく変わってきた。最近はどうなったかというと、子育て支援センターを保育所がやりますというように、何も子供を預かる施設としてだけではなくて、地域全体の子育ての支援をする組織になってきましたよね。
 であれば、今度のこの改革、改革とは言いません、その新しい考え方を進めようという中で、やっぱりそのど真ん中にもう保育所を据えてもいいんじゃないかと。子育て支援センターだとかファミリー・サポート・センターだとか、もう一杯言葉だけが出てくるんで、まあ実態もないわけじゃありませんが、そんなのは一遍もう保育所に、本当にもう保育所に集中してやってもらうということでいいのではないかなと思いますということだけを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。谷川秀善君。
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。
 ただいま我が党の尾辻委員が外交、安全、防衛、そして内政の一部について質問をさせていただきました。私は、したがいまして内政、景気対策、その他安全の問題等、内政を中心に質問をいたしたいというふうに思っておりまして、まあ衆議院で大変、小泉総理以下、御苦労をお掛けをいたしました。それで、疲れているのかなと思って心配をいたしておりましたが、今度のこの参議院の予算委員会、大変総理もお元気、特に塩川財務大臣は大変なお元気でございますので、私も安心をいたしまして、これからゆっくりと与えられた時間、質問をさせていただきたいというふうに思っておるところでございます。
 ただ、一点だけここでイラク問題について是非お伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
 単純に、戦争がいいのか悪いのかと聞いたら、悪いと言うのに決まっていますわね、これ、だれでも。それを何か、いいのか悪いのか、いいのか悪いのか、議論ばっかりしているような気がしてなりません。それで、総理は大変気を遣われて、茂木外務副大臣を派遣しているわけですね。同時に、中山、また高村という外務大臣経験者もそれぞれ周辺諸国に派遣をして、何とか戦争を回避できないか、ぎりぎりの努力を私はされておられると思います。その辺のところが余りマスコミも何も評価されないというところがどうもこの日本の国のおかしなところかなというふうに思いますが、非常に残念に思っておりますが、やむを得ません。
 そこで、もし不幸にして安保決議、新しい決議を今提案をしておりますが、それなくして不幸にして戦争に突入したとしますね。もし突入したとした場合に、これはやっぱり北朝鮮の問題もありますし、日米安保同盟の問題もあります。そのときに、そんなの知りませんよ言えませんわね、これ、正直言うて。そうすると、やはり支援せざるを得ないと私は思います。支援せざるを得ない。そのときに、国民に対して、いわゆるなぜ支援するのかということの説明と、いわゆるじっくりとした理解、これを是非求める必要が私はあると思います。その点について是非これを求めていただきたい。
 そうしませんと、四月に統一地方選挙があるんですよ。いや、選挙のためじゃないですよ、ためじゃないですけれども、大いに影響するというんです。影響する。影響する。そうすると、自民党、自公保政権にとっても大いに影響するわけです。そういう意味では是非説明責任と理解を求める仕事をしていただきたいというふうにお願いしたいと思っておりますので、どうぞよろしく御答弁をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 総理大臣としての立場で国民の理解と協力を得るような説明をしなければならない、当然であります。私は今までもはっきりと説明してきたつもりでありますが、とかく報道の方では戦争賛成するのか平和に賛成するのか、また国民も戦争か平和かという二者択一で迫ります。
 しかし、今、戦争を避けるための方法を国際社会は工夫して、毎日努力しているわけです。イラクに対しても、武装解除を進めるためにこの十二年間余にわたってイラク側に対して協力を求めてきた。なかなか協力しないからどうやって協力させようかということで、国際社会が結束して今イラクに戦争を回避するための説得を続けているわけであります。私は、こういう段階において、戦争になったらどうするのかということを聞かれますが、最後の段階まで平和的解決を努力していようとするこの国際社会を後押しするのが日本の立場だと思っております。
 そういう面において、私は、イラクに対してもこの国連決議を尊重し速やかに武装解除するように働き掛けをしております。また同時に、イラクの周辺国に対しても特使を派遣しております。また、アメリカのブッシュ大統領に対しましても国際協調体制を構築するように最後まで努力するということを言っておりますし、日本の方針として、この戦後五十年間、平和のうちに繁栄できた基礎は日米同盟と国際協調体制であります。これからもこの国際協調と日米同盟の重要性を両立させるために引き続き努力していくのは当然だと思います。
 そして、これから最後、本当に戦争になるのかどうかという段階においては、今後、七日にはブリックス委員長が国連で現在の状況について報告されます。同時に、アメリカ、イギリス、スペインが採択案を、決議案を出して、採択されるかどうか働き掛けております。こういう状況を見て各国がどう判断するか。これを見て私は判断するのが現在の日本国の総理大臣として当たり前じゃないか。あいまいでも二枚舌でも何でもない。
 国際協調体制と日米同盟の重要性を両立させる努力は、現在も将来も変わりません。過去もこれが日本繁栄の基礎になってきたことを忘れてはならない。日本国民の我々の先輩は、この同盟の信頼性を高めるために、国際協調体制を堅持していくためにどれほどの努力をしてきたか。この培われた基盤を日本が失っては日本の平和と繁栄はあり得ないと思っていますので、今後とも日本としては、日米同盟の重要性と国際協調体制の重要性をよく考えながら判断をしていきたいと思っております。
○谷川秀善君 今、総理のおっしゃったとおりだと。不断の、最後までの努力を是非していただきたいと思いますし、それを国民の皆さんに理解ができるようなPRも大いにやっていただきたいというふうにお願いをいたしておきます。
 それで、去る二月の十八日に、韓国の大邱市における地下鉄第一号線で大変な事故が起きました。死者だけで百八十二名、負傷者百四十六名、乗客は二つの電車で四百三十名のうち三百二十八名の方が何らかの形でお亡くなりになったり負傷されたということで、非常に残念なことだと思いますし、お亡くなりになられました方々に対し心から御冥福をお祈りを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りをするところでございます。
 ところが、この原因を調べてみますと、報道でございますが、五十六歳の男性が、何か、自殺したい、一人で死ぬのはかなわぬから連れ誘った方があの世へ行きやすいやろというようなことで、何かガソリンまいたというんですな。これはとんでもないことで、これは防止するといったって、これ、しようがないわね、そんな人が地下鉄に乗って。しかし、私は、今こういうことが日本でも起こらないとは限りませんわ、あなた、今大変な状況でございますから。
 そういう意味で、今、日本における地下鉄の車両はどういう形に、大概、不燃、燃えないというような形になっているんだと思いますがね、材料を使って、どうなっておるのかということと、あれですね、まず地下鉄の車両、現在の車両はどういう状況になっておりますか、副大臣、済みませんが。
○副大臣(吉村剛太郎君) 今、委員おっしゃいましたように、二月の十八日、大変な惨事が起きたわけでございます。我が国も十一事業者三十八路線、毎日全国で一千三百万人の人が地下鉄を利用しておるわけでございまして、我が国でもこのような惨事が起こらないとは限らない。
 そういうことで、今お尋ねの車両につきましては、屋根及び床板は金属製又は金属と同等以上の不燃性とすること、また客室の天井、外板及び断熱材は不燃性とすること、また座席の表地それから詰め物は難燃性とすること、さらに車内に通報装置、消火器等を設置すること等を義務付けておるところでございまして、不燃化、難燃化されておるという次第でございます。
 以上です。
○谷川秀善君 車両は年々、何といいますか、進歩していると思いますが、できるだけ燃えにくい車両を使っているようでございますが、地下鉄の建物の安全基準ですね、地下鉄の駅、駅等の安全基準、これはどうも昭和五十年ごろに定めたと聞いております。したがいまして、それ以前のものはちょっとその安全基準が緩やかであったようですから、安全基準に達していない駅も相当あるやに聞いておりますが、その安全基準は二つありまして、いわゆる建物を不燃化するということと、避難路ですね、もし何か事故が起こったときに避難する場合に、避難路を二系統を造るというふうな基準になったようです。
 ところが、大分古い地下鉄はまだそこまで改良がされていないように聞いておりますが、その二点はどういう状況で今現在あるか、お伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(吉村剛太郎君) 委員おっしゃいましたように、確かに地下鉄に関する排煙設備や避難通路等の基準は昭和五十年に定めております。しかしながら、それ以前のものにつきましては、現時点では基準に達していないというところもかなりあるわけでございますが、従来より、大規模な改修などの機会あるごとに火災対策設備の、設備は行ってまいりましたが、周辺の土地利用の制限等により新たに排煙設備や避難通路を設けることがなかなか難しい場合もありまして、基準を満たしていないものが一部にあることはそのとおりでございます。
 今申しましたように、国内十一の地下鉄事業者を対象として、国土交通省といたしましても調査いたしましたところ、全五百七十四駅、全国の地下鉄駅が五百七十四ございまして、うち百五十駅で排煙設備が基準を満たしておりません。また同様に、避難通路についても九十九駅が基準を満たしていないというのが現状でございますが、現在、我が国の地下鉄について、個々の駅の状況を詳細に把握しながら調査を行っているところでございます。
 現状では、そういうことで、いまだ基準を満たしていないところが今の数字のようにまだあるということでございます。
○谷川秀善君 ただいま副大臣の方からお答えをちょうだいをいたしましたが、排煙設備の基準が満たしていない駅が五百七十四駅中百五十、大分ありますね、これ。それで、避難経路の基準を満たしていない駅が五百七十四駅中九十九駅。これはやっぱり命にかかわる問題ですからね、できるだけ、それはいろいろ、土地の条件とかいろいろあるんでしょうけれども、私は、やっぱりできるだけ早く、これ五十年にその基準ができているというんですからね、もう大分たっていますわね。
 そういう意味で、是非できるだけ早く基準に満たすように御努力をいただきたいということと、まあこれ大変難しいんだろうと思いますがね、基準に満たしていない駅、これ公表、命にかかわりますからね、公表してはどうか。ところが、逆に公表すると、あの駅危ないというようなことで、その駅から乗らなくなるとまた、これまた困るんで、いろいろ、両方あると思うんですが、その辺のところ、何かそういう不安を感じさせない方法で注意を喚起するということも必要だと思いますので、その辺のところどうお考えでございましょうか。
○副大臣(吉村剛太郎君) 今、現状についてお答え申した次第ですが、排煙設備については、旅客の方々が利用するホームやコンコースには排煙設備はございます。しかしながら、職員が詰めます駅事務所には排煙施設がない等も先ほどの数字の中に入れておるわけでございまして、お客様の方は今の数字よりも随分いい数字があると、このように御認識いただきたいと思います。
 また、避難路についても、二つ以上の避難通路は確保されているんですが、基準の、ホームの端までの距離が五十メートルを超えておるというのも、一応基準に満たしていないという中の数字に入れておる次第でございます。
 こういうことを詳細に把握するために、先ほど申しましたようにいろいろと調査もしているところでございますが、この基準に適合させることが可能なものについては早期に改良をしていきたいと、このように思っております。
 今、公表について、基準に達していない公表についての御意見ございましたが、これはやっぱり前向きに公表を、ありのままのものをお客様に知らせるということが筋ではないかなと、このように思っております。
○谷川秀善君 まあ、できるだけよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それと、地下鉄と同時に、これは都会だけの問題かも分かりませんが、ここ二十年ぐらい地下街が非常に発達をしてきたわけです。東京もそうですし、大阪はよく、特に地下街が発達をいたしておるわけでございますが、この地下街は地上と違いまして、方向感覚が非常に難しいんです。だから、いざいうたときに、例えば停電をしたり、何か事故が起こったりしたら真っ暗になりますね。そうすると、なかなかこれは大変な犠牲者が出るのではないかというふうに思います。我々は、普通の状態のときでも、こっちへ上がる、上がれるのかなと思って上がったら、全然違うところへ上がっている場合もありますので、そういう意味で、是非、この地下街の安全対策という、火災対策というのはどうなっておるのでしょうか。
○副大臣(吉村剛太郎君) 委員おっしゃいましたように、確かに地下街は、一度入りますと方向感覚を失うようなところがございますし、また密閉性も非常に高うございますので、いざこういう火災が起きますと大変な惨事につながると、こういうことでございますので、国土交通省といたしましても、建築基準法において厳しい安全対策を講じておるところでございます。
 具体的には、避難、安全を確保するため、火災による煙を排除し、停電時の照明を確保する排煙設備及び非常用照明設備を設けること、また地下街の各店舗棟から地上に通ずる直接階段への距離を三十メートル以下とすること、さらに地下街の各店舗棟ごとに耐火性能を有する壁等で防火区画するとともに、各店舗と地下道の間を防火区画すること等の規制を行っているところでございます。
 今後とも、関係部局と連携を図りながら、地下街の防火安全のために尽力をしていきたいと、このように思っております。
○谷川秀善君 その火災と同時に、最近もう、その地下街のある周辺はもう土がありませんから、道路全部舗装してございますので、最近集中豪雨が増えてまいりました。そうすると、どか雨が降りますと、だっと、よう道が水をよう吸収しませんから、地下街へどっと流れ込んでくるわけですね。地下街へどっと流れ込む。昔、四国かどこかで大変な事故も起こりましたね、博多でも起こったのかな。だから、大阪でもそういう可能性が、東京でもあると思うんです、どか雨が降りますから。だから、その浸水対策も十分やっておかないと大変なことになるわけです。
 そういう意味では、浸水対策、地下街の浸水対策というのはどういうふうになっておるんでしょうか。
○副大臣(吉村剛太郎君) 実は私の地元でございます福岡でも、平成十一年にビルの地下で死亡者が出るというような大変な惨事がございました。委員も地下街について大変関心を持っておられるということは私も同じでございます。
 このために、国土交通省といたしましては、地下空間の浸水対策を重要な課題と認識して、治水安全向上のための河川整備を推進するとともに、平成十三年七月に水防法を改正し、地下空間の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、洪水情報の伝達方法について定められるよう措置をしているところでございます。
 これまで東京都、名古屋市等において自治体と地下空間管理者との連携体制が整えられ、情報提供が始まっているところでございますが、また適切な避難活動などの実施のための雨量、水位などのリアルタイムの河川情報について、平成十三年六月よりインターネットや携帯電話を利用して提供をしているところでございます。さらに、平成十四年三月に、地下空間の設計又は管理を行う者に対して、浸水対策上留意すべき指針を示したいわゆる地下空間における浸水対策ガイドラインを作成、公表するとともに、国土交通省の地方整備局において関係自治体、また地下空間管理者等から成る連絡会を設け、情報の伝達方法や避難の方法等、地下空間の利用者への周知の徹底に積極的に努めておるところでございます。
 以上でございます。
○谷川秀善君 その地下街対策、どうぞ万全を期していただきたいと思います。
 それで、ちょっとこれ、考えられぬまた事故が起こっているわけですね。先般、JR西日本の居眠り運転であります。これはいかに新幹線が安全、優秀であるかという、こんなことで証明してもろうたら困りますわね、これ。こんなことで、本当に。これは安全で優秀やから良かったと思いますが、これなんかも大変な事故が起こったらえらいことですけれども。
 そういうことで、やっぱり、国民の安全、安心というのは、外から攻められることも守らにゃいけませんけれども、中でどうするかということはまずこれやっておかないといけないのではないかと思いますので、最後に、この問題についての締めくくりとして、扇大臣、安全についてどうお考えでございましょうか、御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(扇千景君) 今御指摘の二月二十六日、山陽新幹線で発生しました居眠り運転、これは、昭和三十九年に開業以来、御存じのとおり、三十八年間、七十億人の乗客を無事にそしてなおかつ安全に運行してきたということの実績が崩れるような、信頼をなくすような事故であったということ。少なくとも、新幹線一編両大体千三百人乗っている列車でございます。一日平均約七十五万人余りを輸送しているわけですから、そういう意味では高速大量輸送機であることから、運転中の居眠りは本当にぞっとするような事件でございましたけれども、国土交通省といたしまして、二十七日に中国の運輸局がJRの西日本に警告書を交付しております。それから、二十八日にJR西日本の鉄道本部長を鉄道局に呼び、厳重注意を行いました。
 そして、たった今でございますけれども、この結果報告が参りまして、この居眠りの原因を調査中でございましたけれども、JR西日本から、十六時三十分、この運転手が睡眠時無呼吸症候群であるということ、専門医の診断が出たところでございます。
 無呼吸症候群というのは御存じのとおり、御存じない方もあるかもしれませんけれども、大体三十歳から六十歳の男性には四%います。女性は二%でございます。そういう意味で女性の方が少ないんですけれども、これは本当に笑い事ではなくて、ふだん気が付かないものですから是非気を付けていただきたいということと、鉄道局において、本日中に、全国の鉄軌道事業者に対しまして、睡眠時無呼吸症候群等に起因する可能性があるかないかということで事故と事例等を再調査することに今いたしました。
 そして、運転手の健康管理、対応について必要な措置を講ずるということはもちろんいたしておりますけれども、少なくとも、この検討を、結果としまして、昨日ですけれども、連絡検討会議を省内に設置して横断的な検査をしようと。と申しますのも、今回は新幹線ですけれども、国土交通省、陸海空なものですから、どうしても今まではこれが検査項目に入っておりませんでした。けれども、今申しましたように男性で四%あるということですので、厳重に今後検査したいと思っております。
 それから、今おっしゃいましたように、JRにつきまして、新幹線にはATCが設置されておりました。在来線にはATSが付いております。また、御存じのとおり、ATSやデッドマン装置、EB装置などが付いておりますので少しは進歩しているんだとは思いますけれども、皆さん方に不安がないように頑張っていきたいと思います。
○谷川秀善君 四%といいますとこれは大きいですね、比率からいいますと。是非その健康診断項目に付け加えていただくということと、これ、それだけあるということになりますと、自動車運転、皆していますね。その運転中にまたこれ無呼吸症候群がどんどん出てきたらこれは大変なことになると思いますから、これは今日、質問用意しておりませんけれども、これは運転免許時にどうするのかということも、自治大臣も、質問しませんけれども、ちょっとお考えいただいておいたらなというふうに思います。これ、四%、大きいですよ、非常に大きい。全人口からいいますと非常に大きいと思います。それじゃ、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それで、今、我が同僚の尾辻先生から経済の問題について非常に分かりやすいコンメンタールみたいなことをやっていただきました。私も是非それをお願いをしたいと思うんですが、月例経済報告というのがございますね。毎月閣議に、関係閣僚会議におかけになっておるようでございますが、この二月十九日の月例経済報告も報告されました。私は経済報告を読むたびにさっぱり分からぬのですわ、何を書いてあるのか。皆さん分かりますか、あれ。私は非常に分からないんです。これが日本語かなと思っているんです。
 この二月の月例経済報告ですが、こう書いてあるんですね。「景気は、引き続き一部に持ち直しの動きがみられるものの、このところ弱含んでいる。」、これは日本語でしょうかね、これ。日本語ですけれども、これ意味が分かるのかな。
 それで、ずっと読んでみますと、だから前月の判断そのまま据え置いているわけですね。それが、「一部に持ち直しの動きがみられるものの、このところ弱含んでいる。」というのは、結局あかんということなんです、一言で言うたら。それだけなんです、これ。だから、結局、個人消費がだんだん下がっているんですよ。下がっているから、ちょっとはようなっても具合悪いと。だったら、そんなら具合悪いと書いた方がよう分かりますわな、これ。
 だから、竹中大臣、この月例経済報告、大学で生徒さんに教えておられたようですけれども、これ、生徒さん理解できるでしょうかね、この月例経済報告。そういうことで、何とかこれ分かりやすい、少なくとも皆が読んで、はあ、来月もちょっと具合悪いねんなというぐらいに分かるような表現になりませんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 月例の表現については、御指摘のようにこれ非常に分かりにくいという御指摘も確かにあることは存じ上げております。一方で、専門家で経済を見ている人が、毎月これを見ている人は非常に微妙なところをよく書いていると、そういう表現もございまして、要は、今正に谷川委員御指摘のように、消費がどうなっているのか、アメリカがどうなっているのか、考えなければいけないのが随分たくさんある中で、担当者は毎月毎月非常に苦労して書いているというふうに認識をしております。
 私としてもできるだけ分かりやすくということは引き続き努力したいと思いますが、月例報告の基調判断というのは実は三つのパートに厳密には分かれておりまして、今、委員がお読みいただいたのは一番最初のリードの部分であります。そこで何かできるだけ全部詰め込んで言おうとするからなかなか難しいんでありますが、二番目のところにそれぞれ、特に消費はどうだ、消費は確かに弱含んでおります。企業収益は改善しているんですね、企業収益は改善している。これは輸出は横ばいであるとか、そういうことを割と箇条書的に書く、これは二つ目の部分。第三番目の部分で、先行きどうだと、アメリカ等々、正に地政学的な問題等々が、注意していかなきゃいけないというふうに、その三つを組み合わせて見ていただくと全体が分かるような仕組みにはなっているんですが、そのリードの部分につきましては、引き続き委員の御指摘を踏まえてできるだけ分かりやすく努力をしたいというふうに思います。
○谷川秀善君 だから、何のためにやるのかということと、だれのためにやるのかということなのですよ、これ。専門家だけのためにやるなら専門家だけでよろしいがな。だけれども、少なくともこれはやっぱり国民のため、最終的には国民のためにやるんでしょう。
 だから、それは弱含みとか強含みというのは日本語ちゃうんですよ、あれは。そんな、あんなの日常会話で使いますか、弱含みとか強含みとか。あんた、あの人けんかが強いかといったら、弱含みちゃうかと、そんなこと言いますか。やっぱり少なくとも日本語で書いてくださいよ、日本語で。これをお願いをいたしておきます。
 だから、専門家は専門家で使うのは専門用語でやりはったらよろしいがな。だから、やっぱり一般国民が理解をしてどうと。ところが、そう書くから新聞も解説できぬもんやからそのまま写しているんですよ、弱含み、強含みとかね。だから、やっぱり新聞もそのまま使えるように書いてやってください。そう思います。
 それで、これは総理にちょっとお伺いしたいんですけれども、総理は、平成十五年度の税制につきましては、まず一兆八千億減税した、それで増税は二千億やないのと。だから、二兆減税して、あれですから、二千億の発泡酒とたばこですから、そうすると一兆八千億減税していると。ところが、なかなかそれが余り理解されないんですね、これ。
 このごろ大阪は大体世の中先取りしているでしょう。大阪、皆どない言うているかいいましたら、このごろは、もう減税は要らぬと言うておる。税金を納める、だから納められるような景気回復してくれと言うんだ。もうけさせてくれと言うておるんです。これが私は本当に国民の切なる願いではないかと思うんですよ。だから、このごろずっと、塩川先生も大阪へ毎週帰っておられると思いますけれども、中小企業は皆、会いますと、減税要らぬで、何でや、いや、わしは赤字やから税金納めてへん。そこまで行っておるんですよ、もう、そこまで中小企業は。そうすると、もうええから景気良うしてえな、それでもうかったら税金何ぼでも納めるがな。これが私としては本当に、まあまあそれはいろいろあるでしょうけれども、あるけれども、本当に今そこまで、何といいますか、それぞれ企業経営者は苦しんでいる面があるということなんですよね。
 だから、その辺をやっぱり総理、御理解していただいて、これはもう減税も大事ですよ、こんなのね、ええことやっていただいたと思うておるんですよ。ところが、余り、何となく末端行くと評価されていない。これは非常に残念やなという気はするんですけれども、それよりも、まず今の景気回復、何とかしなきゃいかぬということについて、現在の景気状況について総理は今どう御判断されておられるのか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ、弱含んでいるとは言いませんけれども、確かに分かりにくい言葉は、分かりやすく表現するのは、経企庁、経済、内閣府だけでなくて全役所が心掛けなきゃいけないと思っております。しかし、今月はあかんということまでは書けませんけれども、そういう点につきましてはどういう言葉が適切かというのは十分考えなきゃいけないと思っております。
 この今回の減税におきましても、よく政府としては説明しているんですが、取り上げるのはもう増税分だけでしょう。発泡酒増税、たばこ増税。しかし、発泡酒だって一缶十円ですよ。たばこ一本一円の増税ですよ。これ、二千億円の増税ばっかり言って二兆円の減税というのはほとんど報道されない。これは、経済活性化のための投資、設備投資あるいは研究開発、あるいはお金持っている人にもっと使ってもらわなきゃならないから、相続税なり贈与税なりを住宅投資なんかにも使ってもらいましょう、そうすると一般の若い人にも影響が出て消費にも刺激が出るでしょうと。こういうところはもう省いてしまって、増税の二千億ばっかり言って減税の二兆円は報道しない。これはやっぱり事実でしょう。
 これは、私は経済活性化のための減税ということで今、税制改革を先行減税させたわけでありますので、確かにすぐには効果はありませんが、これは私はじわじわと効果が出てくるものだと思っています。そして、減税だけやって景気良くしてくれと言いますけれども、減税今まで十年間やってきて公共投資増やして景気が回復してこなかったという反省を踏まえて、もっと根本的な構造にメスを入れようとしてやっているわけであります。
 私は、そういうことも御理解いただかなきゃなりませんが、これからもあと一、二年、十六年度中に不良債権処理を終結させるという方向に沿って、今、企業もやる気を出して、こういう不況の状況におきましても業績を上げている企業はずんずん出てきています。これをいかに伸ばすか。そして、持続的な民間のやる気を引き出すような改革に取り組んでいって、平成十七年度にはプラスの成長に持っていきたい。そのための今、痛みを伴いますけれども、是非とも国民にも御協力をいただきたいと思ってやっているところでございます。
○谷川秀善君 今、総理のおっしゃるとおりでして、私はもうそろそろ、やっぱり税の在り方の中で、税の在り方の中で増税をどう考えるかという議論もそろそろやらないと、減税減税減税といったって限界ありますよ、これは。私はそう思っている。私は、これは私個人の考え方ですよ、何もそれを強要するとかそういう気持ちはありません。ただ、景気が非常に落ち込んでいることだけは間違いがございません。これは、それが国税にも影響し、地方税にも影響しているわけです。だから、構造改革をやりながら景気を良くしないと、私は本当に、総理が三十兆円と言っておられた国債発行額、それがどうしてもやっぱり難しくなってくるわけです。
 そういう意味では、やっぱり増収をどう図るか、そのための根本は景気でありますから、そういうことをやっぱり是非そろそろ考える時期に来ているのではないかということと、そのために、もうそろそろ時間ですな、あしたにわたりますが、再生、再生機構、これがどうも再生の、産業再生の切り札やと、こういうと、これはあしたの質問にしたいと思いますが、そろそろ時間でございますので、今日の質問はこれで終わらせて……(発言する者あり)中途半端になるんやな、これ。
 そういうことで、今日はこれで終わらせていただきます。(拍手)
○委員長(陣内孝雄君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十二分散会