第156回国会 決算委員会 第9号
平成十五年六月二日(月曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     鈴木  寛君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木  寛君     神本美恵子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中原  爽君
    理 事
                岩井 國臣君
                佐々木知子君
                中島 啓雄君
                川橋 幸子君
                佐藤 雄平君
                八田ひろ子君
    委 員
                荒井 正吾君
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                後藤 博子君
                田村耕太郎君
                月原 茂皓君
                常田 享詳君
                藤井 基之君
                山内 俊夫君
                山本 一太君
                神本美恵子君
                榛葉賀津也君
                谷  博之君
                松井 孝治君
                山根 隆治君
                山本 孝史君
                荒木 清寛君
                遠山 清彦君
                山下 栄一君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
                広野ただし君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   亀井 善之君
       国土交通大臣   扇  千景君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   米田 建三君
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       総務副大臣    若松 謙維君
       総務副大臣    加藤 紀文君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       財務副大臣    小林 興起君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
        ─────
       会計検査院長   杉浦  力君
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   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        山本信一郎君
       総務省情報通信
       政策局長     高原 耕三君
       法務省民事局長  房村 精一君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       財務省主計局次
       長        勝 栄二郎君
       財務省理財局長  寺澤 辰麿君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省研究
       開発局長     白川 哲久君
       厚生労働省職業
       安定局次長    三沢  孝君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       水産庁資源管理
       部長       海野  洋君
       資源エネルギー
       庁次長      肥塚 雅博君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       国土交通省港湾
       局長       金澤  寛君
       国土交通省政策
       統括官      鷲頭  誠君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     白石 博之君
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
       会計検査院事務
       総局第四局長   重松 博之君
       会計検査院事務
       総局第五局長   円谷 智彦君
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  本日の会議に付した案件
○平成十三年度一般会計歳入歳出決算、平成十三
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十三年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十三年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)

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○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 平成十三年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、締めくくり総括的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○川橋幸子君 おはようございます。月曜日朝から大変御苦労さまでございます。
 今日は、大分日程が立て込んでいるところの締めくくり総括でございまして、もう前置きはやめまして、片山大臣お急ぎの御用があると伺いましたので、まず最初に二問伺わせていただきます。
 地方財政は国の財政悪化と同じようにといいますか、あるいはもしかしたらそれ以上にかも分かりませんけれども、悪化しているわけでございます。そこで、補助金を減らす、交付税を減らす、財源移譲を増やすと、この三位一体論は合意されているわけでございますが、各論では時々塩川大臣と片山大臣の間でちょっとニュアンスの違う御発言があるように伺いましたし、この参議院の決算委員会でもございましたし、また何というんでしょうか、この三位一体につきましては今度は量的目標、数値目標を経済財政諮問会議の方で立てるというような案が民間議員の中から提案されるというやに伺っておりますが、その辺りにつきましてまず一問目の問い、片山大臣にだけ伺いまして、あとの大臣はまた元の質問どおりに戻らして伺います。
○国務大臣(片山虎之助君) 済みません、私の都合を考えていただいて最初に質問していただきまして、誠に恐縮でございます。
 三位一体の改革は、去年の骨太方針二〇〇二で今年の六月までに結論を出そうと、工程表を作ろうと、こういうことになりまして、今、川橋委員言われましたように、国から地方への税源移譲と国庫負担金・補助金の整理合理化と地方交付税の見直しを三つ一緒にやろうと、こういうことでございまして、それはいろんな意味があるんですけれども、一つはやっぱり地方にできることは地方にやらせると。地方の行財政の基盤を強化する、特に税財政の基盤を強化する。
 これは何度も同じことを答弁しておりますが、十二年四月から施行された地方分権一括法で権限移譲は、百点じゃないですよ、何点か議論がありますが、やっぱり六、七十点の権限移譲や国の関与の縮小や機関委任事務の廃止はできたわけですね。ただ、その際に税財源が残ったということで、衆議院では法律の修正があり、参議院では全会一致の附帯決議があったんですね。税財源をやれと、次は。それが今日まで来ておるわけでありまして、やっぱりそういう意味では決着をしっかり付ける必要があるんですが、それはやっぱり地方を強くするという観点がどうしても要ると、地方分権を進めるという観点が要ると、こういうふうに思っておりまして、三つをバランスよく一体で改革していくと、こういうことが必要じゃなかろうかと。現在、関係省庁を中心にいろんな議論をしておりますし、関係の審議会等でも議論しておりますから、いずれにせよ六月までにはしっかりした結論を出したいと、こういうふうに思っております。
○川橋幸子君 そういたしますと、塩川大臣ともぴったり呼吸が合われ、あるいは経済財政諮問会議の方針とも呼吸を合わせて六月までにしっかりとした結論を出すことに御賛成ということでございますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 呼吸というのは合ったり合わなかったりするんですよ。これがまあ面白いので、時に合ったり時に合わなかったり。それはやっぱり立場がありますから、私の方は地方の財政、地方分権を進めるという立場、塩川大臣の方はやっぱり国の財政ということがありますし、竹中大臣の方はまた経済をどうするかというような観点もありますので。できるだけ合った方がいいですね。合わなんだらお互いくたびれるから、できるだけ合わせるということでやるんですが、税源の移譲というのがメーンですから、これを抜きにしてほかのものをやるということだけじゃ余り意味ないですよ。ただ、各論になりますといろんな抵抗や御議論が出てまいりますので、やっぱりじっくりと説得し、調整をしてまとめていく必要があるんではないかと思っております。
○川橋幸子君 本日、地方分権推進委員会の神野委員の方から、塩川大臣がたばこ、酒でしたでしょうか、それを中心の地方移譲を主張されているけれども、本筋はやはり所得税、消費税の移譲が本来型ではないかというような、こういう御主張もあるわけでございますが、地方自治の観点からこられますと、神野委員のおっしゃる主張には非常に根拠があるような感じがいたしますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これは神野先生も言われておりますが、去年の経済財政諮問会議で、まあ片山プランってちょっとおこがましいんですが、そういう名前で出させていただきましたものは、やっぱり税源移譲する場合は安定的で各地方で地域で偏在性がない、偏りがない、そういうものがいいと。そうなりますと、消費税と所得税なんですよ。
 私は、所得税から地方の個人住民税、地方消費税が今一パーですから、その比率を上げてもらうと、こういうことを提案しましたが、塩川大臣は塩川大臣のお考えで酒やたばこはどうするんですかと言われて、私はしかし税源移譲に言及して、しかも具体の税目を挙げられたというのはこれは大変な前進だと、こう思っておりますが、税目をどうするか、どういうふうに何をどうするか、これはこれから大いに議論していくべきことだと思っております。
○川橋幸子君 それでは、あと一点、総務省の政策評価についてお伺いしたいと思います。
 本日は、平成十三年度の決算審査でございますが、平成十三年度から各行政機関におきまして政策評価制度が導入され、また十四年四月から、これに関する法律も施行されて、その所管が総務省になられるわけでございます。
 各省を束ねる総務省の立場から、今のところの各省の取組の内部政策評価というのをどのように総務省としては受け止めておられるか。総務省としてはまだこれからという答弁を大臣から何回かお伺いいたしましたが、それでは、これからどのような総務省としての政府全体の評価をお進めになるのか、所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 国の行政機関の政策評価法は去年の四月から施行になったんです。一年ちょっとたったんですね。私は、一年はトライアルだと。その前から実は事実上やっておったんですが、法律上は去年からですから。そこで、各省がそれぞれ評価したものを私どもの方がまとめとして客観性担保の再評価をやるんです。
 それから、もう一つは、各省に横断的につながるものがあるんですね。そういうものについてはまとめてやると、こういうことでやらしていただいておりますが、今年やるものは来年度の私は予算編成や組織、定数の査定に生かされなきゃ意味がないと。
 法律の中にも、予算要求や施策を作るときには政策評価の結果を生かせと書いてあるんです。それから、予算を作成するときにもそれを生かせと書いてあるんです。それが十五年度予算編成では必ずしも十分ではなかったという反省がありますので、関係各省とよく相談して、特に財務省や会計検査院も関係あるんでしょうが、そういうところと十分相談して結果が生きるように、そうしないと何のために手間と金を掛けてやるのかと、こういうことになりますから、時間を。是非、そういうふうにいたしたいと考えております。
○川橋幸子君 結果が生かせるようにということで、大変名答弁、優等生の答弁ちょうだいいたしました。
 それでは、どうぞ、電波の日の行事と伺いましたので、公務の方をおいでください。
 それでは、また出直しまして、通告いたしました質問のとおりに質問さしていただきたいと思います。
 まず、平成十三年度はどんな年であったのかをざっと回顧をしてみますと、小泉総理が誕生されたのが十三年の四月二十六日でございました。大変な高い人気といいましょうか、細川護煕さんをしのぐ高い支持率で誕生されたわけでございます。
 その後、骨太方針が発表され、そして工程表、緊急対応プログラム、デフレ対策と、一連のものが打ち出されていったわけです。しかしながら、残念なことに、BSEが発覚するとか、それから九・一一には同時多発テロが発生しますとか、そしてそれを受けて十月にはもう英米軍によるアフガン攻撃というものがやられた年であったわけでございます。大変、小泉総理も大変な事件に歓迎されたという、こういう年であったわけでございます。
 経済面では、残念ながら夏以降、完全失業率が五%を突破すると、そして株価は一万一千円を割ったというのが大きなニュースになったわけでございます。しかし、今やその一万一千円も大きく下回りまして八千円割れと、こういう状況になっております。地価の下落が続いて、日銀は量的緩和に踏み切りましたけれども、デフレに悩んだ年で、今も悩みつつありますけれども、そういう年であったわけでございます。
 そこで、まず財務大臣に現下の財政状況の悪化についてお伺いしたいと思います。
 これに関しましてはお手元に資料を提出させていただきました。その資料をごらんいただきたいと思います。
 元はこういう緑色の表紙の付いた資料でございまして、今回、参議院における決算重視の趣旨をできるだけ生かしたいということで、私ども現場も、委員長以下、理事、それから全体委員を含めて努力いたしました。その際、決算調査室の方も、決算については政党会派にとらわれず大いに勉強して決算重視、予算への反映の趣旨から共通認識を得たいということで勉強を重ねたときの、もっと分厚い資料だったんですけれども、その中から、メーンになって非常に分かりやすいものをお出しさせていただきました。
 まず、一枚目の「一般会計歳入・歳出決算の概要」というものがございます。左側が歳入でございまして、右側が歳出でございます。真ん中辺の上に書いてございますように、いわゆる歳入欠陥が五億円という、こういう金額でございます。戦後五度目だったそうでございますし、特にこの平成十三年度につきましては、二度にわたる補正を組んだにもかかわらず、やはり税収見込みに大きな狂いが生じたということでございます。
 左側の方の下、公債金二十九兆云々という金額が出てまいりますけれども、これは公債三十兆枠、三十兆円の総理の公約を打ち出すものになっているわけでございますけれども、この後、四ページほど後ろに、昭和六十年度から平成十五年度までの数字、年次推移がずっと掲げてございます。
 公債金というのは歳入の二番目に入ってくるところでございますが、十三年度だけ三十兆、しかも、これは私どもの主張では、NTT株の売却で隠れ借金の処理をしたんじゃないかということを申し上げたわけでございますけれども、十四年度、十五年度になりますと三十五兆、三十六兆という、こういう公債金の発行になっていくということで、これは本当にもう少し、デフレの問題あるいは財政悪化の現状を抱えるなら、むしろカムフラージュせずに国民にしっかり伝えるべきことだったのではないかと思うわけでございます。
 そこで、まずこうした財政悪化の現状につきまして、財務大臣に御所見伺いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、公債費の問題について重点で御質問ございましたが、これで見ていただいて分かりますように、今のいただきました資料の四ページです、平成十年のところから急激に公債費がずっと膨らんできております。
 それは何かといえば、やっぱり公債発行してでも、どんどんと発行してでも景気対策に重点を置けということで、そういう経済活性化のための事態をやったのでございまして、このことによって私は破局的になっておった日本の経済の底割れしないで維持してきたということは、これでもう我々もその政策を是認しておるわけでございますけれども、その結果として国債が異常に膨らんでしまいましたこと、そして財政需要も依然として国債発行を続けてきたその水準においてやっぱり考えられるということになってまいりましたこと等が非常に財政を窮迫化してきたことになると思っております。
 そこで、小泉総裁のところで取りあえず国債の発行を見直して、それによってそこから財政の健全化と、それから行政の効率化を図ろうという思想に基づきまして、一応、国債の発行を三十兆円で抑えようということにしたのでございまして、そのことは決して日本の経済にとって有利になるとは、当面、有利になるとは思いませんけれども、そのことを通じて精神的に構造改革への入口を開こうということでございましたので、それなりの意義は私は十分あったと思っております。
 現在、そのようなことで、その延長線にあることから見まして、財政状況は非常に悪いということは私たちも十分承知いたしておりますけれども、これを構造改革、つまり予算執行の在り方、あるいは予算を計上する行政経費の見積方、こういうことによって財政の中身を変えていく、いわゆる構造改革を進めていくことによってその効果は必ず後年度に発揮されてくるであろうということを信じてやっておるところであります。
○川橋幸子君 聖域なき構造改革、改革なくして成長なし、改革断行内閣、大変歯切れ良い登場だったわけでございます。
 三十兆枠についてはそう有効ではなかったかもしれないけれども、精神面の教育効果を今、塩川大臣の方は強調されたわけでございますが、本筋の改革断行、まず骨太方針が発表されまして、不良債権処理ですとか規制改革ですとか、しかし雇用は大丈夫ですよ、五百三十万人の新規雇用をサービス業を中心に創出すると、そういう公約を掲げられてさっそうと竹中大臣が登場されたわけでございますけれども、いかがでございましょうか、そうした公約は履行されているというふうに思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 雇用の問題は経済政策の課題の中でも最も重要であるということは我々十分に認識しているつもりではございます。
 五百三十万人の雇用のその数値そのものは、委員御承知のように諮問会議の専門調査会の中で、諸外国等の実例等々を参考にした場合これだけぐらいの潜在的な可能性があるのではないだろうか、そこを是非、規制改革等々で掘り起こしていこうではないかと、そのような一つの参考数値として出されたものでございます。
 これ、どのように進捗していくか。進捗している部分もあるし、進捗なかなか難しい部分もあります。対個人のサービス等々で雇用がかなり伸びている部分もあるんですけれども、一方でなかなか規制等で伸びていないという部分もある。
 その一つの分野として、例えば、潜在的な需要があるはずなのに観光とかそういった関連の分野の従事者が伸びていないではないか、そういうことも一つ踏まえまして、観光立国を目指した総理を中心とする官邸の懇談会を立ち上げて、今それに向けて、さらに内閣全体で取り組もうというような前進をしているところであります。
 これは潜在的な可能性でありますから、それを実現していくプロセスというのは大変難しい問題であるということも承知しておりますけれども、坂口大臣始め関係省庁の関係大臣とも是非協力をしながら、一歩でもここに近づけていきたいと、そのための方策を是非引き続いて展開していきたいというふうに思っております。
○川橋幸子君 五百三十万人の新規雇用の創出という掲げられたキャッチフレーズと今の竹中大臣の御答弁との間にはかなりの乖離があるような、そういう感じを私は持つわけでございます。五百三十万人というところは新規雇用創出によってもこれはカバーし切れない痛みがあるわけでございます。
 さてそこで、決算に入る前に一つやはりどうしてもこの決算委員会でも取り上げなければいけないことがりそな問題ではないかと思います。
 やはりそうした小泉内閣の経済失政によってこのりそなの問題は起きたのではないかというのが野党の方のスタンスでございます。
 これは経済危機だったのか危機でなかったのか、おそれだったのかと言うと、何だか事態特を思い出す言葉になって、言葉遊びのような感じがいたします。もう少しやはり言葉遊びではなくて、なぜ二兆円もの巨額な公的資金を投入しなければならないのかという、ここを知りたいと思うのが国民感情ではないでしょうか。
 さて、こうした問題は衆参の予算委員会で先日論じられたところでございますが、その後の動きといたしましては、三十日の日に経営健全化計画というものが出されております。まず、この経営健全化計画につきまして、竹中大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今御指摘がありましたように、この間の経緯を我々としてもしっかりと説明する責任があるというふうに思っております。今日はその説明は繰り返しをいたしませんですけれども、今お尋ねがありました五月三十日の経営健全化計画、これ、御承知のように五月十七日に金融危機対応会議を開いて、我々は公的資金の注入の必要性を認定いたしました。それに基づきまして、期限と定められた五月三十日に先方から、預保を通してですけれども、公的資金についての申請がございました。その申請と併せて、このような形で、次のような形で経営を良くしていくんだという経営健全化計画が提出されたところでございます。
 経営健全化計画に関しましては、これに基づいて我々しっかりと審査をしていくという段階にあるわけですけれども、基本的には、これ十七日の日にりそな自身が、例えば人件費総額の三割カットでありますとか、そのリストラの基本的な計画を発表しておりますけれども、それをベースにしまして、現りそなとして考えられる最大限のものを織り込んだものになっているというふうに認識をしております。
 今後、我々はこれをしっかり審査していきますが、同時に、五月三十日には新会長を中心とする新たな経営陣が発表されております。今後、この経営陣によって更に大胆なビジネスモデルの構築等、より抜本的な議論がなされていくというふうに思っておりますので、新経営陣にはこの経営健全化計画を更に深掘りしていただきたいというふうに思っている。我々としては、現りそなとして最大限出されたこの経営健全化計画を、その将来性を見据えて、この公的資金という非常に重い政策決定を踏まえて、是非しっかりと審査をしていきたいというふうに思っております。
○川橋幸子君 今後しっかり審査していただくということでございます。深掘りなさって、しっかり審査していただけるということでございます。
 少し辛口の聞き方になりますが、これはメディアで報道されているところでございますので、そのように国民の関心も向くのではないかと私は思いますので、そのような聞き方をさせていただきます。
 例えば、これ五月三十日の朝日新聞に載っております堺屋太一さんの竹中氏批判ということなんでございますが、猿ぐつわをさせて白状を迫るようだという表現なんですね。資産デフレを止めずリスクを分担する金融市場を作らないでむちをたたいたら銀行が前に行かないので切って捨てたという、こういう表現をされております。それで、新聞の方は、りそな分岐点というような書きぶりで、ドライな経営で健全化を迫るか、それとも追い貸し体質を強めるか。追い貸し対策というのは、この新聞によればですよ、債務免除されて身軽になったゼネコンが公共事業の受注を続けて、ゾンビゼネコンって書いてあるんですね。というような、それと同じように、こちらもまあ様々、族議員というのもいることでございましょうし、中小企業向けに、中小企業向けの融資を締めると言われてもこれまた困るわけですけれども、そこのところは大変野方図にやられるのではないかと、これが分岐点だというようなことが書いてあるわけでございます。
 いかがでございましょうか。そういうメディアの評を竹中大臣はどのようにお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いろんな論評があるということは承知をしております。しかし、これはあえて申し上げれば、我々やはり今前に進もうとしている、前に進もうとしているときに生じるいろんな御意見であろうというふうに思っております。したがって、我々としては信念を持って引き続き是非真っすぐと進みたいというふうに考えています。
 猿ぐつわをはめて云々て、何を言っているか私にはよく分かりませんが、基本的には資産デフレを止めるということはこれは重要なことであろうかと思っております。問題は、その資産デフレを止めるにはどうしたら良いかということなんだと思います。
 恐らく、資産デフレを止めるためにはまず財政を拡大しろというような御意見を持っておられる方もいるとは承知しておりますが、私はそれは間違った意見だと思っております。資産デフレは非常に複合的な要因で起きている。我々としても、内需拡大のために特区を始めしっかりと、その一時的な財政拡大に頼らないで持続的な内需拡大が生じるような道は一生懸命講じているつもりです。
 一方で、マネーサプライが増えるようにしなければいけない。これは、日銀の努力も重要ですけれども、結果としてやはり金融機関の不良債権が処理されてその信用創造の力が高まることがマネーサプライが増えてデフレを抑えることになるわけですから、これはやはり、原因と結果についてやはりしっかりとした議論をしていただきたいものだというふうに思っております。
 さらに、二番目の点でありますけれども、これは本当にりそながどのような形で再建をしていくかと。自らの収益性、健全性を高めながら、同時に地域に密着してこれまで展開してきた、特に中小企業のネットワークを重視しながら再建していくかということは、その姿こそがやはり日本経済再建の姿そのものになっていくのだと思っております。その意味でも、新経営陣には非常に大胆でかつ野心的なビジネスモデルに基づいて、自らは健全化していく、しかししっかりと、貸すべきところにはしっかりと貸していく、そのためにも十分な自己資本が確保できるように我々としては用意をするつもりでありますので、是非ともその高い経営能力を新経営陣には発揮をしていただきたい。
 我々は経営健全化計画等を通して、さらに今回は三分の二を上回る議決権を持つ株主にもなるわけでありますから、しっかりと、本当にしっかりとそれを監督していきたいというふうに思っております。
○川橋幸子君 二十九日の参議院予算委員会の中で、ちょっと私の資料がぱっと見当たらないのですけれども、記憶に間違いがなければ、中小企業に向けた融資はしっかりしてもらうと、りそなグループに対してですね。それを経営健全化計画の中にも明記してもらうという趣旨の御答弁があったような気がいたしますが、今回の出された経営健全化計画の中にはそのような著述はあるのでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 詳細、我々はこれ正に審査を始めたところでございますが、りそなから発表されました資料の中にも、中小企業に対する貸付けについては言及がなされていたというふうに承知をしております。
○川橋幸子君 りそなといいますのは、私は余り詳しくはない人間でございますけれども、大阪中心にしまして地域のリージョナル・トップ・バンクとして大きな力を持つと言われているところでございます。直接の融資を受けていた、いなかったにかかわらず地域経済に対して大きな影響を持つといたしますと、いかがでしょうか。今日は経済産業大臣は近親の方の御不幸で御欠席と伺っておりますけれども、中小企業向けの融資というのはこれからもしっかりこの地域経済に対してはちゃんと担保されるのでしょうか。お伺いします。
○副大臣(西川太一郎君) ただいま先生からお話がございましたように、平沼大臣がお答えすべきところでございますが、事情がございますので私が代わって御答弁を申し上げますことをお許しいただきたいと思います。
 私ども、りそな問題が起こりましてから、中小企業者に無用の御心配をいただいてはいけないと存じまして、五月十九日の日でございますが、各経済産業地方局、例えばさいたま市にございます関東経済産業局を始め、そうしたところに特別な相談窓口を持ちました。また、商工会議所、全国商工会、政府系金融機関、それから保証協会、こういうところにも相談窓口を設けまして、中小企業金融に対してはしっかり対応していこうと、こういう体制を整えました。
 また、ただいま竹中大臣から御答弁がございましたように、りそなホールディングスが発表いたしましたプレスリリースの中に、中小企業向け融資をしっかりやる、増強すると、こういう趣旨が盛り込まれておりますので、資本増強によって中小企業者に対する融資はしっかりできるものと期待をいたしております。
○川橋幸子君 やはり問題は、このデフレをどうやって食い止められるかということにあるわけでございますね。
 塩川大臣にお伺いいたします。
 こうした金融問題というのは、資産デフレの問題があり、土地価格のずっと引き続いている下落があり、株価の低迷というものが銀行の体力を弱体させるということで直撃しているわけでございます。
 こうした株価の問題について、今、小泉内閣発足当時は一万一千円割れがニュースになったのが今や八千円割れということは先ほど申し上げましたけれども、このところの総理の発言を拝見しておりますと、メディアの発言、拾ったものの中から紹介いたしますと、去年の十月は、もう底だな、もうこれ以上下がらないよ、もう底だなという発言がありました。その一か月後にぐっと下がったわけでございますが、そのときは、経済状況は変わっていないのに株価が下がるのが本当におかしいんだよという発言が報じられました。今年の四月には、三月危機はまたしのいだと。余り心配なさっていらっしゃいませんね。
 最近でも総理は、株価対策に即効薬、万能薬はないという、こういう言い方をされているわけでございますが、株価の問題に対して財務大臣はどのようにお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 株価はやはり経済の動向を示唆する非常に大事な係数であると私たちは認識しておりますので、毎日のこの動向を非常な関心を持って見ております。
 下がりましたことは非常に残念でございますけれども、私は、このことにつきまして財務省の経済研究所の中で過去の例をずっと調べさせました。ずっと百年も前から株価というものはどのように動いていくかということを見てまいりまして、一番変動の多かった昭和四、五年ごろでございますけれども、そのときでも、最高の株価から三〇%割れるということ、言わば六割以上の下落ということは余りなかったようでありますが、今回は昭和六十二、三年ごろがピークとしまして、そのとき三万八千円、九千円付けたんですが、そのときから見ましたら今二〇%になっているということはもう非常に異常な状態であるということ。そういう意味におきまして、株価はもう底をついているんではないかということを言われます。
 この係数をほかの経済係数に比べますと、土地がちょうど最高のときの値段から今二〇%に、つまり八〇%下落して二〇%になっているということ。そうすると、いろんな経済の指数を調べましたら、そこに何かしらもう底割れ一杯のところへ来ておるような状況でございまして、その意味において、私たちはここで底になっておるから、ここからははい上がっていかないかぬと。
 最近におきまして、いろんなシンクタンク等が見ましたら、経済は堅実な底固めをしつつある、しかしながらまだ浮上するだけの活力がないということで、そこで先行きは若干不透明感あるけれども、強く認識しておるという、強い方向に認識しておるということを言われておりますので、我々もこの際、一層その方向に向かって努力をしたいと思っております。
○川橋幸子君 今、財務大臣、株価対策は大事だと強調なさったことは私、理解しましたのと、その後るるお答えになられましたところから見ると、どうやらもうここが底でこれ以上のことはない、不透明なところはあるけれども、これからはい上がっていくだろうという、そういう割合楽観的な、そういう期待の持てるような御答弁に伺いましたけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、決して楽観はしておりません。けれども、現実はそういう、要するに底固めのような状況に来ておるということでございまして、一般の経済学者あるいは実業界の方々が見ておりますのは、まだまだ不透明感だ、あるいは不確実性はあるけれども、やはり多少とも構造改革が進み、グローバリゼーションが進んできたから、この際、世界的な活力が生み出されてくるであろうという見方をされておる。
 しかし、G7等で見ました場合でも、その会議の中で言われておりますことは、やはり世界全体のデフレ傾向にあることを、ここを食い止めなけりゃいかぬ、そのためには国際協力が必要である、そのためには貿易の振興がまず第一で、これによって世界の経済が活性化し、繁栄の経済成長が期されていくんじゃないかということを言っておりまして、そこらにおいては世界の認識は一致しておりますので、日本もその流れに沿って努力していくべきであると思っておるところです。
○川橋幸子君 サミットでは小泉総理はそのように世界経済の中での復調を訴えられたというふうに報じられているわけでございますけれども、いかがなんでしょうか、即効薬、万能薬はないにしても、もうここが底だという、そういう判断に立ったときに、日本は日本として柔軟かつ大胆に、何も大ぶろしき広げて、また借金財政に戻れということではなくて、改革路線を放棄しちゃうということではなくて、大胆かつ柔軟な方針転換というのがあってもよろしいのではないでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 大胆な方針でこれで有効だということがあったら、私はもう是非ひとつ教えてもらいたいと思うてあっちこっちそういう御意見を探索しておるんでございますけれども、なかなかやっぱり難しい状況があるということ。それは一つは、やはり私はずっと意見を聴いてまいりましたら、規制問題といわゆる法律の問題とぶつかってくるということが非常に厳しい状況にあると。しかしながら、我々は民主国家であり自由主義国家であるということでもある以上は、やっぱり法治国家としての真髄は守っていかなきゃいかぬということでございます。
 そうすると、いろんな経済政策の手は、法律の問題、つまり規制との関係、あるいは古い商慣習の打破という、そういうことをどうして変更していくかというところに地道な努力をしなきゃならぬだろうと思っておりまして、その意味で現内閣におきまして構造改革を訴えておるということは御理解していただき、これが経済活性化への一つの大きい決め手だということで御協力願いたいと思います。
○川橋幸子君 さて、この決算委員会の役割に質問を移したいと思います。決算の早期審査と予算編成への反映についてということでございます。
 一月二十九日の参議院改革協議会の結論を受けて、現場も大変努力いたしました。そして、今日が、省庁別の審査を国会会期内で終えまして総括一回目ということでございます。これで二回目の総括質疑が総理出席の下に行われれば、何十年ぶりでございましょうか、本当に長い間の課題がクリアされるということでございます。
 さて、十三年度決算を今やっているわけでございますけれども、十四年度決算についてはいかがでございましょうか。国会提出を早めていただいて、そして二月中に省庁別の審査、決算審査が進めば、ちょうど参議院の予算委員会の審査のときに省庁別の決算の問題点が提起できるわけでございます。いつも言われる無駄、無理というようなところの問題点は、そうしたところで予算と決算と両委員会を突き合わせながら問題提起して議論することが可能でございます。
 十四年度決算について、いかがでございましょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この決算を急げということはこの決算委員会で毎回御提案のあることでございますし、我々もそのことがより決算の真実性を訴えるのに、理解していただくのに私は非常に有効だと思っておりますが、いずれにしても官庁、各省庁が非常に多岐多様にわたっております。しかも、すべての役所が地方支所とか、あるいは地方に随分展開しておりまして、非常に組織網が細かくなっておりますので、決算をいたします場合にやっぱり民間の企業とは若干違う複雑性と多様性がございます。
 それで、決算時期が五月とは言いますけれども、実際に締めくくってくるのは七月ごろになってくるという、計数が上がってくるのは。そういうこと等から決算書の提出が遅れておりますけれども、これはできるだけ民間の実情に合わすように、早くいたすようにしたいと。
 つきましては、十四年度につきましても、何とか早く会計検査院にこの報告を送ることができるんだろうかと思って、鋭意努力しておるところでございます。
○川橋幸子君 さて、それではできるだけ早くということで御努力いただけるということで、期待をさせていただきたいと思います。
 それから、二回目総括について総理出席ということを随分何回も繰り返してこだわっておりますけれども、その気持ちをお伝えさせていただきたいと思います。
 そもそも、参議院における決算重視といいますのは、私どもの党の亡くなりました今井澄さんがとても強調して発言していたことでございます。あるいは財務大臣も御記憶かと思います。
 最後まで本当に闘いながら亡くなられたという感じがするわけでございますが、その際、今の参議院の決算委員会の状況を憂えて、本来ならば冒頭から総理が出席されて、全大臣出席の下しっかり審査すべきではないかということを発言されました。そして、それを受けて理事懇の協議を始めたわけでございますけれども、それまでは総理は一番最後の締めくくりの二回目にほんの二時間ばかりお見えになるということだったんですね。その問題を主張いたしまして、幸いにいたしまして、参議院改革協議会の結論を受けまして、初回は総理出席の下ということで実現したわけでございます。
 しかし、やっぱり決算というのは出口が大事なわけでございます。今国会の会期内、限られておりますけれども、是非、総理の出席がスムーズにまいりますように私ども現場、もう与野党問わず努力いたしますし、委員長も努力してくださいますし、是非、内閣の方でも国会からその要望がありました場合には御協力賜りたいということでございますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題は、本来的には国会の問題としてやっぱり御意見をまとめていただかなければならないと思っておりますが。
 総理も、皆さん方が想像以上に多忙なときでございまして、私なんかでもちょっと相談したいことがあってと思うて面会を申し込みましても、そうですね、三回に一遍ぐらいですね。なかなか時間が取れないんで、中途半端な時間になってしまっても実際はできませんので、それでまあ電話でということになりましても、なかなか十分な意思疎通ができませんので、ちょっとお会いしてと思うけれども。
 そのような余りにも私は政治家のスケジュール、特にトップに立っておる者のスケジュールが過密過ぎるんじゃないかと思ったりしておりますが、そこらは国会の方は最優先しておりますので、国会で決めていただいたならばそれに順応してスケジュールを組んでいくと思っておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
○川橋幸子君 ありがとうございました。
 国会最優先というお答えいただきましたし、わけても決算最優先ということで、是非御理解、御協力賜りたいと思います。
 さて、今決算委員会、大変精力的にやってまいりましたけれども、各委員の発言が共通して出てまいりましたのは、会計検査院の検査というのはどういう役割を持つのであろうかとか、それから、冒頭もう総務大臣からはお答えいただきまして、政策評価、新しくスタートした政策評価というのはどう有効に予算編成にしっかり結果を反映できるのだろうかということとか、それから大蔵省の方で始められている予算執行調査でございますが、これにつきましては、恣意的で、何かカットしたいと思うような予算をねらい撃ちしてやっておられるのではないかという、これは私どもの質問というよりも与党の方もそういう危惧を持たれて質問をしたということがあるわけでございます。それに加えまして、最近よく新聞等で拝見しますのが、経済財政諮問会議の方でも、事後的な政策評価を行って次年度の予算編成の基本方針の作成に役立てるというようなことがあるわけですね。
 さて、これらの各種調査、検査、評価の相互の役割分担といいましょうか、整合性と、最終的にはどこが総合調整して予算に反映するのだろうかというところが大変分かりにくうございます。屋上屋のような感じもいたしますし、評価にそんなにお金を掛けるよりも、思い切って政策の優先課題というものを選定する方が必要なんじゃないかと私なんか思ったりもすることがございます。
 そういう関係についてお伺いしたいと思いますが、ということで、まず順番といたしましては会計検査院にお伺いしてよろしゅうございますでしょうか。
 会計検査院というのは、合規性の調査、規定に合っているかとか無駄がないとか不正経理がないかという合規性だけではなくて、既に法律を改正されまして、経済性、効率性、有効性、三つのEと言っていらっしゃるようでございますが、それについても権限が明記されている、できることになっているんだと、こういうことでございますけれども、会計検査の方を拝見いたしますと、予算等の限界もあるのでしょうか、抜取り、無駄発見の検査に終わっているかのような印象がございます。
○会計検査院長(杉浦力君) 先生御案内のことだと思いますが、会計検査院そのものは、憲法上、国の決算を確認するという役割を持っております。そして、その決算の確認のやり方といたしましていろいろな観点がございます。
 先ほど先生がおっしゃいましたように合規性の問題が、元々そこからスタートしておりますが、その後、経済的に金が使われておるか、あるいは効率的に使われておるか、あるいはさらに役立つものに使われておるかというような経済性、効率性あるいは有効性という点につきまして検査をいたしておるところでございます。そして、私どもの検査の重点も、徐々にでございますが、経済性、効率性、有効性の観点の方にまいっております。もちろん、その合規性につきましては、これは一番基本でございますので、今後ともきちんとやりますが、そのほかにも経済性、有効性の観点について議論してまいりたいと思っております。
 それから、先ほどお話、後でまた御質問あるかも分かりませんが、財務省の予算調査あるいは総務庁の行政評価、こういった点との関連で申し上げますといたしますと、それぞれの調査なり評価なりはそれぞれの行政目的に基づきましておやりになっておるわけであります。ただ、私どもといたしましては、大変似通った部分がございます。したがいまして、こういった動きと私どもの検査がそごを来さないということが大切だと思っておりまして、累次、両省との連絡会等を開きまして、情報収集あるいは意見の交換を進めておりますし、今後もより一層進めていくつもりでおります。
 以上でございます。
○川橋幸子君 五月十二日の決算委員会で大蔵省のその予算執行調査が質問されたわけですが、そのときの塩川大臣の御発言を見ていますと、やはり検査院の機能強化が必要ですねとおっしゃっているんですね。私もそう思うのですよ。
 今、杉浦検査院長は大変遠慮がちに、各省と連絡しながら、各省の動きを見守りながらとおっしゃいましたけれども、第三者機関としてちゃんと憲法にも決められているこうした会計検査院こそが、しっかりとそうした各省の上に立って、上というのは変ですね、第三者機関としての良識ある予算に対するチェック機能、予算編成に対するチェック機能を持つべきだと思うのでございますけれども、塩川大臣、十二日の答弁どおりでございますか。やっぱり検査院は強化すべきだと、こういう結論でしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、財務大臣就任後、間もなくいたしまして閣議で提案いたしましたことが一つございまして、それは、今の行政機構全体の中で、プラン・ドゥー・シーのプランとドゥーは一生懸命やっているけれども、シーの方はさっぱりしり抜けトンボで、これが親方日の丸と言われる原因なんだと。ですから、このシーの方をしっかりとやってもらわなきゃならぬと。その意味において、主税局の方で、予算執行に際しての単価と経費ですね、の単価を重点にした見直しを一回一応しようということを決めましたと。
 しかしながら、これは政府の機構の中で、会計検査院もあり、また総理府の中で行政評価局もあることでもあるので、一体政府としてどのようにシーの機構を強化するかということをできるだけ一元化してもらいたいということが一つで、そして同時に、そのシーの効果をドゥーの方に、あるいはプランの方に生かしていく方法を取らなきゃなりませんので、そのことを実は進言したことが実はございまして、現在、官房の中でその方向を検討してもらっておると思っております。
 その意味において、私は、会計検査院が現在、不当支出であるかあるいは不正支出であるかという、その法の、法に準拠した点を指摘しておられることが多いと思いまして、そういうことから、私は、検査機能の中に、そういう不当と不正だけではなくして、予算そのものが適正な、いや、適当なものであるかどうかの判断も併せてどこかに提言し得る権限等を付与されたらいいんではないかなと思っておりますが、これは各省の主務大臣の権限が強過ぎるものでございますから、現在なかなか手の付けられるところじゃないと思っております。
○川橋幸子君 一番最後のところがちょっとしりつぼみのように拝聴いたしましたけれども、検査院の機能強化と各省大臣の権限が強過ぎるというの、ちょっと現実とこれからの進むべき方向を入れ替えてお答えになられたような感じがいたしますね。是非初めの方の持論、塩川財務大臣の持論どおり、内閣官房の中で今御検討が進んでいるということでございますので、シーの部分、プラン・ドゥー・シーのシーの部分を機能強化が図られますように、検査院の機能強化について御尽力いただきたいと思います。
 さて改めて、経済財政諮問会議で予算の編成方針につきまして事後評価、事後評価というふうに私なんかメディアの報告見たような気がするのでございますけれども、これはどういう目的で何をなさりたいということでございましょうか。今の三つの、検査、調査、評価との関連も含めて竹中大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政諮問会議におきまして、今年の前半の議論のテーマの重要な項目の一つとしまして、予算の編成プロセス、これは小泉内閣になってから実は私自身はかなり変わったというふうには思っておりますけれども、それをよりしっかりと強固なものにしていくためにはどうしたらよいかということを何度か議論をしております。
 先ほどからプラン・ドゥー・シーという言葉が出てきますが、別に諮問会議の中では、宣言、実行、評価というふうに呼んでおります。
 重要な点は、やはり政策をやるに当たってはしっかりとした成果目標をまず掲げると。どういう成果をもたらしたいのか、成果目標。お金が幾ら必要だということではなくて、こういう政策を行った結果、こういう成果をもたらしたいと、アウトカムというふうに言いますが、そういう目標をやはり掲げることだと思います。実は今まで骨太方針というのを二年間掲げてきますけれども、こうしたものをやはりより今後更に、これは時間は掛かると思いますが、精緻にしていくということがそれだと思います。
 二番目の実行は、これは担当省庁、担当の大臣に本当に大胆に柔軟に実行していただく、そういう権限も持っていただくということなのではないかと思っております。諸外国の例では、その中で使い残した、自分の努力によって使い残したお金を、今後、ではどのようにより有効に使えるようにするのかと。どうせ使い残しても全部吸い上げられてしまうんだったら年度末にばたばたと使ってしまうであろう、そういった点も踏まえて、やはりしっかりと実権を持っていただいてインセンティブを持っていただくような仕組みを作らなければいけない。
 最後に、しかし、目標を掲げて柔軟に実行するんであれば、当然のことながらそれは事後的に厳しく評価をしなければいけないということになる。その評価が更にその先の予算の編成につながっていかなければいけない、そういう観点からの議論を実は進めております。
 委員御指摘の評価は大変重要で、その中で会計検査院も非常に重要だと。様々な視点がこの点についてはあろうかと思っておりますが、今、諮問会議の中で一つ提案されておりますのは、これ一遍に、今申し上げたこと、宣言、実行、評価を一遍にがらっと変えるというのはこれはとても難しいことである、とりあえずは特定の幾つかの政策ないしはその項目について一種のモデルケースとしてそういうものをやってみて、その中で評価について、例えば会計検査院がどのような役割を果たすのか、財務省がどのような役割を果たすのか、総務省がどのような役割を果たすか、そういう一つのケースの中で具体的な事例を作っていってはどうかと、そのような実は案が今議論をなされております。
 私としては、今回の骨太の方針の中で、そういったことも含めて、是非予算のプロセスがより有効で、結局そうすることが財政の健全化にもつながっていくというふうに思いますので、そのような方向を是非目指したいと思っているところでございます。
○川橋幸子君 シーの部分が重視される、これは大変結構なことでございますし、アウトカムと言っても同義語かなと思います。
 もう片山大臣、言いっ放しで御退席されましたので四人突き合わせることはできませんけれども、是非、内閣官房の中でこうした総合調整は取られるということ、このように理解してよろしいのでしょうか。もう一遍にどういう枠組みでどういうプロセスでいくかというのは時間が掛かるとして、会計検査院の機能強化にしても時間が掛かるとして、その方向については内閣官房の中で、先ほど財務大臣がそのようにお答えになられたように理解いたしましたが、もう一度、それじゃお願いします。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、そういうことを閣議で提案したことございますけれども、まだなお一層強力にその方向を推進してもらうようにお願いしたいと思っております。
○川橋幸子君 それでは、なおそのように、財務大臣の御主張なら多分そのテーマは進捗、進むと思いますので、これまた期待させていただきたいと思います。(「どうかな」と呼ぶ者あり)何か後ろで、かなあという声が聞こえましたけれども、そういうことではなく、是非お願いしたいと思います。
 さて、総務大臣に初めに伺った部分、地方財政の課題、地方財政の課題に向けまして三位一体の改革ということが言われているわけでございます。先ほど総務省の方のお答えだけ伺ったわけでございますが、まず竹中大臣の方から、今回、民間議員、経済財政諮問会議の民間議員の中からこの三位一体の改革について何らかの数値目標を出したいと、あるいはもう出されたのかもしれません、提案されたのかも分かりませんが、その辺の状況についてお尋ねいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 三位一体、正にその三位一体でなければならないと。補助金、助成金の削減合理化と、それと税源の移譲と、それと交付税の改革、これがどれ一つ欠けても実は制度としては機能しないわけでありますから、これを一体的に正にやろうというのが三位一体の改革。しかしながら、三位一体の改革、ともすれば三すくみになる懸念もある。向こうが動かなければこちらが動けないと。これはまあ担当省庁の気持ちとしては分からなくはないところでございまして、それを動かすためにやはり大枠を決める必要があるのではないかというのが実は民間議員から出された一つの提案でございます。
 例えば、補助金の削減額の、これは片山プランの中でもその額は既に示されてはいるわけですが、具体的に何年間でこのぐらいの目標を決めて削減していってはどうか、その際に、あるいは例えば一定割合の税源移譲をやるということをもう建前にしてしまってはどうだろうか、そういう枠組みをはめることによって三すくみにならないようにしてはどうかと、そういう提案がございます。
 しかしながら一方で、これに対しては、そういうふうに枠組みを決めるとかえって物事は動かなくなるのではないだろうか、枠組みを決めるというのももう少し時間が掛かるのではないだろうかという御議論もありますし、その一定割合、削減額の一定割合を例えば税源移譲するということになる場合に、その一定割合の合理的根拠はどこにあるのだと、そういうものは示せるのかというような御意見も出されました。
 これは民間議員の提案を受けまして、今後引き続き、どういう形で正に三位一体の改革を実現するか、三すくみにならないような形でこれを実現していくか、残された時間で一生懸命調整をしたいと思っているところでございます。
○川橋幸子君 報道によりますと、六年度、二〇〇六年度ですね、までに、ですから十五年度でしょうか、平成十五年度までに補助金は六兆円削減、税源移譲は四兆円超、超える部分を移譲すると、そのうち、来年度はその三分の一ぐらいを実現するというようなことなんですね。地方交付税については今後三年間で六%削減していきたいということのようですが、粗筋、間違いはないのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今御指摘になったような詳細な数字が諮問会議で議論されたという事実はございません。
○川橋幸子君 ございませんですか。
 片山大臣お出掛けになりまして、副大臣がおいでだと思いますが、残っていただいていると思いますけれども、そもそもこうした考え方は総務大臣の方のアイデアとしておありだったんだというような、そうしたまくら言葉の御答弁がちょっと竹中大臣の方にあったような感じがいたしましたけれども、そうでしょうか。それが間違いだといたしましても、総務省というのはこうしたあらあらの考え方について、方向性について同意していらっしゃるのでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 片山プラン、昨年の五月に出されていましたが、私もその前提となる考え方をまとめた、いわゆる税源移譲も含めたものを四月に若松試案なり出させていただいて、現在世に問うている次第でございますが、いずれにしてもこの片山プランというのは、三位一体、これは大原則でありまして、それを一つ崩すということは大きな私どもは事実の変化でもありますが、しかし、この三位一体というのは、御存じのように、総理指示でも、また閣議決定でも決まっている大変重いものでございますので、私どもとしては、非常に期間は限られていると思いますが、この枠組みの中で結論を出していただきたいとは考えております。
○川橋幸子君 結論を出していただきたいと思いますという副大臣の答弁でございまして、やはりこの結論は塩川大臣の方に期待されるのではないかと思いますけれども、塩川大臣は今のような動きに対してどのようにお考えでしょうか。
 ともすれば、税源移譲については大蔵省は手放したがらないというようなことが報じられているわけでございますし、あるいは補助金の削減については各省の力が強いですからねというようなことをしばしば大蔵大臣もおっしゃるような気がいたしますけれども、そうした三位一体の地方財政改革につきまして、はっきりとした御答弁ちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 三位一体論を現実に議論します前に大きい前提が抜けられているんですね。その前提は何かといったら、今、国が持っておりますところの事務事業を支配する権限ですね、この権限を地方に譲っていくということが大前提なんですね。
 それに伴って財源を三位一体で解決していくんだと、こういうことでございまして、今の段階はどうかといいましたら、先ほど総務大臣も言っておりましたように、地方分権法が三年ほど前ですか、法定委任事務に切り替えられたんですね。そのときにも実際の事務事業は全然動いていないんです。財源だけが三百億ほど移譲したという状態でございまして、実際実行されてこなかったんです。それはなぜかといいましたら、やっぱり事務事業の言わば権限を地方に譲ることが、中央省庁が絶対にこれに対して賛同しない、同調していかないというところに問題が実はございます。
 でございますから、今の三位一体論を議論いたします場合に一番大事な問題は、中央省庁が自分自ら執行してきておる事務事業の分担を、これを地方に移管していくということ、これが一番大事でございまして、その移管します事務事業、行政需要に対しまして財源はどのぐらい要る、その財源の中身は三位一体で解決していくんだと、こういうことでございますので、その点は十分に御理解していただきたいと思っております。
○川橋幸子君 財務大臣のお答え聞いていましたら、先ほど竹中大臣が三すくみとおっしゃった、ああ、そのとおりのことなのかなというふうに思いましたけれども、若松副大臣、いかがでございましょうか。これ、すくんでいるようでございますけれども。
○副大臣(若松謙維君) すくんでいるといえばすくんでいると思うんですが、何かこういう言い方をすると片山大臣に似てまいりましたけれども、ただ、もう論点は出ているんです。ですから、あとは政治決断だと思います。そういう意味で、正に三大臣はそれぞれの責任を負う立場は明確ですし、その最高責任者に小泉総理がいるわけでありますから、結論はもう半日、一日で十分だと思います。
 そういう意味で、機は熟しているということで、私は必ず六月までにはすばらしい三位一体の結論が出ると期待しております。
○川橋幸子君 それでは、重ねてで恐縮でございますが、竹中大臣、塩川大臣の御順で、今、若松副大臣の答弁は大変明快で分かりやすかった。この夏には明快な政治決断が出るということですが、それについての両大臣のお答え聞きたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 六月までにそういった方向性と工程表を作るということは、三位一体で作るということは、これは昨年閣議決定した骨太方針に決まっていることでございます。内閣としてそのように是非持っていきたいと思っております。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはやはり内閣全体の責任ですよ。ですから、私は何遍も言っていますように、事務事業の分担を、これを譲っていくことがなければ財源は譲れないじゃないですか。そこを私ははっきりとよく考えていただかないと、川橋さんのように金だけ譲っておいたらいいじゃないかという、そういう思想ではこれはできませんので、その点はしっかりとした議論をしないと。
 これは内閣で、やっぱり中央省庁と、私と、何か総務省と財務省の対立のようにマスコミは言いますので、これは非常に皆、国会議員まで誤解してしまっておる。もっと国会議員は政治家として正確に理解してもらわないかんのです。そこは私は訴えたい。
 要するに、今までやっております、国でやっております事業が、これが中央集権でいかぬ、これを地方に分権していかないかぬということなんですよ。それをやるについて、財政を三位一体で解決していこうと。だから私は、税金はいつでも譲るよ、補助金だって譲るよと、こう言っておるんです。また、地方交付税の見直しもするよと。だからこそ私は、この中央の持っておるいわゆる委任事務を、これをしっかりと移してほしいと言っておりますが、ところがこれが、省庁だけやのうて、このバックになっております国会のなかなか改革は難しいと。ここに、ここに進まないところの原因があるということも皆さん方しっかりと自覚をしていただきたい。
○川橋幸子君 何か質問権をお隣の岩井筆頭にお譲りしたいような気もしますけれども、そういうお答えですと、やっぱりもう一回、もう次に移ろうと思ったんですけれども、蒸し返さなくてはいけませんね。
 若松副大臣、いかがでございますか。仕事もよこさないで、仕事も移譲してないのに金だけよこせというのはちょっと変じゃないかという、簡単に言えばそういう話です。
○副大臣(若松謙維君) でも、話は何か蚊取り線香みたいに、だんだんだんだん、なっているんですが、だんだん核心に近づいているのかなと思っております。
 今、塩川大臣が税源は譲ると、こう言っておりますのは、これは大きな私は前進だと思います。だから、事務方で反発しているということがありますので、そういう事実があれば、それはもう大臣の権限ではっきりと首を切っていただければいいと、そういうことでしょうし、いずれにしても、先ほどの塩川大臣が言っておりますいわゆる権限というか事務を移譲、これも地方分権会議の方で十二項目出ているんですね。それに対して、じゃ、どう財源を調整していくかということで、これもかなり項目としては詰まっております。
 ですから、何度も申し上げますが、でも、だんだんだんだん議論は煮詰まっておりますけれども、あとは結論です。そういう意味で、これは時間は十分に間に合うと期待しております。
○川橋幸子君 蚊取り線香のようにと言いますが、夏が来るから蚊取り線香ということもあるのですけれども、何か迷路に入って燃え尽きちゃうのかなという心配がちらっといたしますけれども、いいところだけちゃんと評価なさったんで、私もそうしようと思います。税は譲るよというお話もあったことですし、政治決断ということもあったようでございますので、是非、もう改革断行の小泉内閣ならせめてこの部分について結論を出していただきたいと思います。
 それでは、決算本来の質問の方に移らせていただきます。
 一つは、たくさん課題がございまして、省庁別審査の中でも随分様々なことが議論されたわけでございますけれども、後ほど若年の問題を取り上げますので、本日は文科省、ちょっと大臣が今日おられないということでございますが、文科省の方でやっておられます育英事業について伺いたいと思います。
 このデフレの中で、非常に教育費負担というものが大きくなってきているわけでございます。また、ちょっと言い方、これは誤解を招かない、誤解しないでいただきたいのでございますけれども、もし若年失業が高まるとすれば、その部分少し修学しようかと、それで高い技能を身に付ける、知識、技能を身に付けるということもあるわけでございますが、今回、今、参議院で審査中だそうでございますけれども、日本育英会が廃止されまして独立行政法人化されるということでございます。今後における育英事業の方向性というのはどうなるのでしょうか。やはり無利子の奨学金をという声が非常に強く出ているわけでございます。
 日本の制度というのは、このメディアの報道によりますと、どうも欧米に比べると貧しさが目立つというふうに書いてございます。日本の場合は、優れた学生や生徒を対象として成績による資格制度を取っている、戦後のエリート養成の理念が続いているんじゃないかと。それに比べまして、米英両国の場合は、何というんでしょうか、必要な生活費、授業料や必要な生活費などが賄えるようなそういう標準的学費を設定していると、このような報道があるわけでございます。
 今こそ、長岡藩の米百俵を私は実施すべき時期だと思いますし、将来の日本の人材育成のためにここにこそ投資すべきだと、このための借金なら国民はいとわないというふうに思うわけでございますが、文科省の方のこの育英会の廃止と独立行政法人化、それに伴う今後の育英事業の在り方についてお答えいただきたいと思います。
○副大臣(河村建夫君) 御指摘をいただきました日本育英会が今後、これからいよいよ学生支援機構という形で独立行政法人に変わっていくわけでございますが、これまでの日本育英会の奨学事業、今御指摘のように、いわゆる教育の機会均等とそして人材の育成、育英と、こういう両面で学生のいろんなニーズも対応しながら、無利子の奨学金とそれから有利子の奨学金と、こういう二本立てで充実を図ってきたところでございます。
 先ほど御指摘のように、最近は有利子の方にというお話でございますが、確かに高等教育、御案内のように大学進学五割を超えるという状況になってまいりまして、これにできるだけ多く対応したいということから、御案内のように有利子事業については財投資金を活用いたしておる関係もございまして、これを拡充することによって資金を確保しようということで、もちろん無利子の事業も伸ばしておるわけでございますが、相対的に有利子の奨学金の方が伸びている。四、六であったものが今は五分五分という段階には来ております。しかし、引き続き、やっぱり無利子でできるだけ学生に負担を掛けないでという思いでございますので、有利子事業、有利子奨学金も増やしてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。
 日本育英会の独立行政法人化によって日本学生支援機構ということで、留学生も含めて全体の学生を支援しようという機構に変わっていくわけでございますが、その中の根幹はこの奨学金事業になります。勉強意欲と能力のある学生を支援するということで、私は御指摘のように、その奨学金を希望する学生には、それにほとんどの、全員にそれは上げたいと、こう私は思っておりまして、そういう点では有利子に対応ということもあるわけでございますが、今後その方向で取り組んでまいりたいと思っておりますし、今回の法人化によって経営そのものも運営効率化を図ってまいりますし、万一にも奨学事業が後退するというようなことがあってはなりませんので、この奨学事業を更に進めるという観点で今回の独法化を進めてまいりたいと、このように考えております。
○川橋幸子君 今の河村副大臣の御答弁で、大学に行きたい人には、本当に意欲があって経済的に困っている人なら全員にでも上げたいと。ちょっと言葉は正確ではありませんけれども、そういう御趣旨と受け止めさせていただきまして、早く大臣になっていただきたいなと。本当に求められているのはこういうことなんだと思いますね。
 私も、そうした方向で、もし独立行政法人化によって、来年度はちょっと法案審査中もあってこのような案はできないのかも分かりませんけれども、できるだけそうした方向に近づきますように要望させていただきたいと思います。
 もう一点は、文部省の場合でございますが、こちらの方はちょっと余りうれしくない話でございます。頻発しております大学教授による研究費流用事件、この経緯を伺いたいと思います。
 厚生労働大臣にも申し上げたんですけれども、ちょっと厚生労働省の方から出ている補助金はその一部でございますので、まとめて文部省の方からお答えいただきたいと思います。
 まず、今年一月には、広島大学大学院教授が科学技術振興事業団から支給されました研究費の一部、これを不正流用していたと。それから、東京大学医学部教授による科研費補助の不正流用事件が出ていた。また、五月には、埼玉医科大学助教授による、これは科学技術振興事業団でしょうか、の研究費の一部が不正流用ということで、不正流用事件が頻発しているわけでございます。これらについてお調べ中だと伺いましたが、調査結果はいかがでございましょうか。
 それから、これはたまたま起きたことではなくて、どうも制度上の問題があるのではないかという、そういう気持ちがいたします。もらいました資料から見ますと、競争的研究資金制度一覧ということで、文科省だけではなく、あるいは厚生省だけではなく、総務省、農水省、経済産業省、国土交通省、環境省というように、様々な省庁からのそうした資金によりましてベンチャー振興ですとか産官学の連携強化ということが図られているわけでございますが、予算は増えているけれども、どうもこの辺がずさんな使われ方がしているのではないかと思います。
 制度上の問題もないかということも含めまして、文科省の方にお伺いいたします。
○副大臣(河村建夫君) 川橋委員御指摘のような大学において研究費の不正使用・流用事件等が起きている、私は極めて遺憾なことだと思っておりますし、大学ともあろうところがどういうことかという思いもあるわけでございますが、こうした今年の一連の先ほど御指摘の各大学のケースのような場合、伝票処理が非常に不適正であったとか、勤務実態がない謝金が出ておる、あるいは二重支払がされているようなこと、それから納入業者等の架空の支払等が出ておるような、不正請求を受けたとかいうような、そういうようなことが現実に起きておるようでございます。
 こういうことのないようにということで、これまで、事務局長会議以下、いろんな会議を通じて内部監査をもっと充実するようにとか、綱紀粛正の問題、絶えずそういうことを注意を喚起してきたところでございます。
 一義的には、これはやっぱり教官といいますか、そこの責任教授のモラルの問題でございますけれども、特にこうした不正行為がないようにということで、会計会長通知で、特に会計事務、そういうことが大学の先生方は苦手だといいますか、うまくいかないケースもあるようでございますので、会計事務の適正な執行についてということを昨年五月に発出いたしまして、内部検査体制の確保とか、また意識向上、これを徹底させておるようなところでございます。
 こうしたことが起きるということで、さきの東京大学のケースにつきましては、不適正な経理でありますから返還額を確定させる、今これ最終調査をやってきたりいたしておりまして、これで不適正というものはきちっと返還させるというようなことを処置をいたしておるところでございます。
 このようなことが二度と起きないようにということで、今先ほど御指摘のような手続上といいますか、そうしたところに問題があるのではないかという御指摘もございますので、そういうことをもっと分かりやすくといいますか、処理の仕方等々をもっと分かりやすく通知して、二度とこういうことが起きないようにということで、再発の防止のために更に徹底してまいりたいと、このように思っております。
○川橋幸子君 次は、外務省でございます。
 平成十四年二月に、川口外務大臣御就任いただいて、この年は、いわゆるプール金事件の問題がありましたり、鈴木宗男氏のNGOをめぐる事件があったり、様々あったわけでございます。こういう大きなことはそれぞれ省庁別審査のときに議論になったわけでございますが、ここでは二点取り上げさせていただきたいと思います。
 NGO事業補助金の不正受給の話が一つでございます。どういうことかといいますと、中国におけますボランティア植林の草分けとして知られている日本沙漠緑化実践協会、大変これは歴史があるところのようでございまして、様々な表彰を受けたところのようでございますが、額は少ないといえ、二百五十万円の不正受給があったということでございます。なぜ外部監査が行われなかったんだろうかというのが一つ単純な疑問でございます。
 もう一点は、在外公館の問題が本決算委員会では議論になったわけでございますけれども、やはり在外公館における土地の長期未使用問題、これは大きな問題なのではないかと思います。使用していない土地が七か所、三万三千平方メートルですか、リース権を取得をしたまま使用していない土地が六か所、二万八千平米だと、十三年度の会計検査報告で指摘されているわけでございますが、こうした土地の総面積は換算しますと東京ドームの一・三個分というぐらいの大きな大きな財産になるそうでございます。
 この点につきまして、どう対処していこうとしておられるのか、この二点につきまして川口大臣にお伺いいたします。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御質問の最初の点でございますが、日本沙漠緑化実践協会につきまして、御指摘のような不正受給問題があったことは事実でございます。私どもとしてはこの本件の審査の過程で領収書の偽造を発見できなかったということは大変遺憾でございまして、本年二月にこの不正受給に関する情報を入手した後、領収書の真偽の確認でありますとかあるいは事情聴取、立入検査ということを進めてまいりまして、最終的に問題を把握し、近日中に加算金を加えて補助金の返還請求をするということになっております。
 御質問の外部監査の点でございますが、今回のようなことが再び生じないように、平成十四年度からは全案件について外部監査を義務付けたところでございます。残念なことに、本件、十三年度におきましては一千万円以上の事業規模のものについて外部監査をしておりまして、今年度から、十四年度からはすべてについて外部監査というふうに切り替えたところでございます。
○政府参考人(北島信一君) もう一点の、在外公館における会計経理に関しての会計検査院の指摘、具体的には先生が指摘されました国有財産等の土地の未利用の件でございます。
 私どもとして本件指摘を非常に重く受け止めているわけですけれども、これをどうするつもりかというお尋ねでございます。
 会計検査院から指摘されました十二件の未利用地につきましては、現地情勢等も踏まえ検討してきた結果、在ハガッニャ総領事館公邸用地等三件につきましては引き続き施設建設用地として適当であるというふうに判断しております。また、在ドイツ大使館事務所分室用地等三件につきましては、当該用地の利用の必要性が薄れたこと等から売却を進めること、それからさらに在セルビア・モンテネグロ大使館事務所用地等六件につきましては、更に綿密に現地の情勢等を調査した上で平成十五年度中に方針を決定することとしたいというふうに考えております。
 外務省としては、以上の具体策を進めることによって、国有財産等の一層有効な利用、活用を図りたいというふうに考えております。
○川橋幸子君 時間がないので次に行こうかと思ったんですけれども、大臣、せっかくお見えでございますので。お答えにならなくていいですか。一問、簡単なことを申し上げましょうか、それじゃ。
 その立入検査結果で間もなく返還額が決まるということですが、メディアによると告発するかもしれないというようなことが報じられておりますが、その辺りの御見解はどうでしょう。まだ先のことだから言えないということでしたら、もうお答え結構でございますけれども。
○国務大臣(川口順子君) 答弁をする機会をいただきましてありがとうございます。
 告発につきましては、今、平成十三年度よりも前の時点につきましてどういう状況であったかということについて調査をしております。その結果を踏まえまして今後考えていきたいと思っております。
○川橋幸子君 次は、防衛庁長官にお伺いさせていただきます。
 防衛装備品の水増し請求と過払い事案が頻発しておりました。調達制度を改革されたわけでございますけれども、なおこうした事案が後を絶たないわけでございますが、こうした調達契約における計算方式の見直しの必要性も言われているところでございます。これについても、公認会計士を入れてちゃんと外部の目を入れた監査をしてはどうかというような御意見もあるわけでございますが、防衛庁は特別でございましょうか。何となくそんな感じがするわけでございますが、石破大臣の御意見をお伺いします。
○国務大臣(石破茂君) 別に、当庁が特別だということを申し上げるつもりはございません。これ、世に盗人の種は尽きまじなんてこと言うつもりもございませんけれども。これは、今回の日本飛行機のようなものは本当に帳簿、元帳そのものが改ざんされていて、とても見抜けるようなものではなかったとは申しませんが、非常に巧妙であったということだと思います。私ども、制度調査というものを入れておりますが、元帳まで改ざんされますとこれはもう分からないということがございます。そうしますと、これはもう感じとして、これは高いなという感覚、これをちゃんと持つ以外にないのだろうと思っています。
 先生御案内のとおり、倍返しといいますか、過払い金額の倍と同じだけをいただくということですから、そうなりますと、これやっぱり犯罪抑止効果というのはあるのだろう。
 そしてまた、先生御指摘になりましたが、公認会計士さんでありますとか、弁護士さんでありますとか、大学の先生ですとか、そういう方を入れまして委員会というものを作っております。
 どういう形でこういうものをなくしていくか、どうすれば納税者の方々にきちんと御納得いただけるか。調本改革で調本も解体をいたしました。今後、できることというのを庁内でも更に議論をして、更に徹底をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○川橋幸子君 ありがとうございました。
 お帰り、海外からお帰り間際で大変お疲れのことだったと思いますが、できることはしっかりやってくださるということでございます。どうもありがとうございます。
 さて、本当に残り時間少なくなってしまいましたが、若年の問題が非常に大きくなったということを申し上げさせていただきたいと思います。
 取りあえずは、何回も、作りまして、もうそれは何回も見たよと言われるかも分かりませんが、これ一件作るにも結構お金が掛かりますので、費用対効果を増すために使わせていただきます。(資料を示す)
 本当にもう、高卒求人が十年間で七分の一、需要はこれだけ減ったということなんですね。こういう状況、一目瞭然で分かるわけでございますが、国民生活白書がちょうどタイミング良く出まして、デフレが若年雇用を直撃している、技術習得に遅れが出て社会に悪影響を及ぼすという、こういう分析なわけでございます。
 私は、雇用保険制度といいますのは、雇用者になって雇用保険に加入してからようやく様々な給付が受けられる、三事業の恩典も受けられるということでございますが、若年失業の場合、これは学卒未就業者がそのままフリーターになって保険の適用者にならずに不安定なまま過ごしてしまう、あるいは失業してしまうという、そういう問題なわけでございますね。やはり雇用保険三事業というのは限界があるんじゃないかと。
 これは内閣委員会の方では伺わせていただきまして、担当の局の方から説明もらったわけでございますけれども、そのとき私は、各国を見ると公費支出というのがかなりあるわけでございます。日本は残念ながらそうした雇用保険制度にゆだねるということで、そうした一般会計からの支出というのは非常に少ないわけでございますが、やはり何が問題かといえば、国民生活白書が指摘するように、日本の次の世代が危ないよと、次の日本の社会が危ないよという、そういう問題。それから、年金にしろ社会保険制度にしろ──どうぞ、石破長官、どうぞ御退席ください。お疲れさまでございました。空洞化していってしまうと、こういう問題。それから、さらには、若年の場合は社会不安を起こすこともあるでしょうという問題。
 そういうことを考えますと、やはりここは一般会計で何とか考える必要があるんじゃないか、若年ニューディールをやる必要があるんじゃないか。あるいは、雇用保険三事業の方も今決算委員会ではスパウザ小田原の例が大分やり玉に上がったわけでございますけれども、三事業は事業主負担ということであれば、特別の、一人一人の従業員、かつて従業員だった人に対する支出だけではなくて、その業界が人材育成をするなら未就業者に対しても雇用保険三事業の適用を広げてもいいではないかと、そういう意味で雇用保険三事業を見直していいんじゃないかということを考えているのですが、坂口大臣のお答えをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 高校卒業の皆さん方の就職の問題をお出しいただきました。
 確かに、七分の一ぐらいに減ってきているわけでございますが、これには、これはもうもちろん経済が停滞しているということもあります。しかし、それだけではなくて、やはり質も変わってきておりまして、採ります方の企業の方が、今まで高校生を採っておりましたその中で、いわゆる非常にレベルの高いところのところというのは、即戦力ということで、大学、短大のところに取って代わられているわけでございます。そして、一般的な事務ですとかそういうところは、今度はこれはパートに取って代わられている。だから、高校生が今までやっておりました仕事の非常に高レベルのところは大学、短大、専門学校に取られ、下の方はパートに取られと、こういうことで非常に高校生の求職というのが難しくなってまいりました。
 また、高校生の場合には、これは雇用保険に関係ないと言えばしかられるかもしれませんが、ほとんど関係ないものですから、ここが一つの空洞になっているということもございまして、現在、経済産業大臣、それから文部科学大臣、それから国土交通大臣等々と今お話合いをさせていただきまして詰めているところでございますが。
 この皆さん方に対しまして、やはり高等学校を卒業をされて、そして、その後就職をしていただきますときに、すぐにそれができないということであれば、半分、週のうち半分訓練を受けていただく、半分働いていただく、あるいは一日のうちで午前中働いていただいて午後にそういう訓練を受けていただくと、そうした組合せの期間をある程度作ることが大事ではないかというので、これは一般会計の方にもお願いをしたいというふうに思っているところでございますが、今そういう計画を練っているところでございまして、間もなく、六月にはまとめたいというふうに今思っているところでございます。
 そうしたことによりまして、高校卒業の皆さん方、あるいはまたフリーターに既になっている皆さん方含めまして、一部は大学の皆さんも入ると思いますが、その皆さん方に対する対応を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○川橋幸子君 お配りしました資料の最終のページだけちょっと御説明させていただきたいと思います。統計数字ですので、ちょっと見にくいかと思いますが、一番最後のページの雇用者数、雇用形態別の雇用者数とその割合が書いてありますが、非正規社員が千五百万に及ぶ、あるいはそれは全労働者の三〇%を占めているというのが上でございます。本当にこの実数の増加、それから割合の増加というのは驚くべきものがあると思います。
 この中の中身がどうかということになるわけですが、今、坂口大臣からもお話がありましたように、両極端、両極化するわけですね、労働市場が両極化する。パートが増える、左側の方でございます。右側の方は、逆に今度は長時間労働が増えるということでございます。五百人以上の企業規模を見てください。一―二十九人規模よりもむしろ週六十時間働く人が増えている。特にこれが若年に増えていまして、このごろ若年の長時間労働、若年過労死、過労死といえば中高年と思われましたが、若年過労死と言われるんです。塩川大臣、是非覚えていただきたいと思います。そして、そういうことがあるから賃金格差が増えるということでございまして、男性の賃金格差も増えてきている、これが労働市場の実態でございます。
 あと一分しかないそうでございます。
 本当は一番ここのところを聞きたかった、あるいは傍聴席にお見えかも分かりません、文科省にお伺いして終わりたいと思いますが、今、国公立大学の独立行政法人化が進みます。そうしますと、来年からは民間の労働関係法がそのまま適用になるわけでございますね。パートタイム労働者の通常の労働者との均衡を図る、それからガイドラインも適用になるということです。それから、私学ももちろん、当然のことながらそうですし、それに従わない私学に対しては、これも憲法上に根拠があるそうですが、国は法的な支配権を持つということで、人事や予算変更権について介入できると。
 こうした国公立の非常勤講師の問題について明快な御答弁、先ほどのような明快な御答弁をちょうだいして、ちょっとオーバーして恐縮でございましたが、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(中原爽君) 川橋先生、お時間になっておりますが。
○川橋幸子君 答弁だけお願いいたします。
○副大臣(河村建夫君) それじゃ、時間が来ているようでございますから簡略に申し上げますが、これまで一般職員の給与に関する法律で適用してまいったわけでございます。講師と非常勤講師の場合には、やはり講師の方は学校の研究、指導等々に当たられる時間がありますから、一概にそういうわけにいかないんでありますけれども、しかし御指摘のような点は、これは是非、それぞれの法人からいたしますと、大学側が自律性を持って、自主性を持ってやるということになっておりますが、これは法人化前における今までの実績がございますから、それを踏まえて、それが後退することのないようにということで取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○川橋幸子君 終わります。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、二〇〇一年度の決算に当たりまして、港湾整備の問題についてお伺いしたいと思います。
 初めに、公共事業の中での港湾整備の実施状況ですけれども、国土交通省の港湾整備の予算を見てみますと、現在、審査の対象になっています二〇〇一年度は決算三千四百六十三億円ですね。そして、二〇〇二年度は三千八十九億円、今年度は二千九百七十四億円となっていますが、まず事実関係について何点か教えていただきたいんですが、国土交通省は、外国貿易のコンテナを中枢国際港湾、中核国際港湾、地域の港湾の三種類に分類しているようでございますが、この決算の二〇〇一年度と今年度で結構でございますので、それぞれについての、深い大深度のバースの整備などで幾つのコンテナターミナルバースに予算を投入していますか、まず教えてくださいますか。
○政府参考人(金澤寛君) お答えいたします。
 二〇〇一年度予算におきまして予算を投入しております大水深バースでございますが、中枢国際港湾に八バース、中核国際港湾に二バースでございます。それから、今年度予算におきまして予算を投入しております大水深バースですが、中枢国際港湾に六バース、中核国際港湾に一バースを投入しております。
○大沢辰美君 港湾整備の重点化として、今回、スーパー中枢港湾整備を進めているように聞いていますが、その政策目的と、また対象となる港湾名、候補ですか、挙げていただけませんか。
○政府参考人(金澤寛君) スーパー中枢港湾の政策目的でございますが、現在、アジア諸港との激しい国際競争の中で、我が国の港湾の相対的な地位が低下してきておりまして、競争力の強化が喫緊の課題でございます。このため、アジア主要港をしのぎますコスト、サービスの実現を目指しまして、港湾コストを現状より三割低減させること、及び港湾のリードタイムを、現状三、四日掛かっておりますものを一日程度まで短縮させることを目標にいたしまして、先導的、実験的に、官民一体となりました施策の展開を図る港湾構造の改革モデル港湾と位置付けまして、スーパー中枢港湾の育成を図ることとしていることでございます。
 平成十五年三月に、スーパー中枢港湾の候補といたしまして、東京港、横浜港、名古屋港、そして神戸・大阪港、神戸、大阪は連合といいますか、一体化して申請してきておりますが、神戸・大阪、そして北九州港、博多港、そういうものを選定したところでございます。
○大沢辰美君 では、そのスーパー中枢港湾候補、現在、名前今挙げられましたけれども、そのコンテナターミナルバースの数と、そこに設置されているクレーンの数を、それぞれ合計数を示していただけませんか。
○政府参考人(金澤寛君) 順次申し上げます。
 東京港につきましては、コンテナターミナルが九バース、ガントリークレーン数が二十三基でございます。横浜港につきましては、コンテナターミナルが十二バース、ガントリークレーン数が二十八基、名古屋港につきましては、コンテナターミナルが八バース、ガントリークレーン数が十八基、大阪港につきましては、コンテナターミナルが八バース、ガントリークレーン数が十七基、神戸港につきましては、コンテナターミナルが十七バース、ガントリークレーン数が三十六基、北九州港につきましては、コンテナターミナルが二バース、ガントリークレーン数が三基、博多港につきましては、コンテナターミナルが二バース、ガントリークレーン数が四基でございます。
○大沢辰美君 バースとクレーンの数字を今示されたんですが、その中で、全体で取り扱っているコンテナ数の二十フィートの単位のコンテナ換算で、TEUの数字で示されるそうですが、その全体量は幾らになりますか。
○政府参考人(金澤寛君) ただいま申し上げました港の全体といたしまして、これ二〇〇一年の数字でございますけれども、一千百十四万TEUでございます。
○大沢辰美君 日本の中枢港湾の主なバース、そしてクレーン、そして貨物量の扱い量が示されたわけですけれども、そうしたら、今世界で港湾別にコンテナ取扱個数のランキングを見ましたら、一位がやはり中国の香港、そして二位がシンガポール、三位が韓国の釜山となっていますね。それぞれ三つの港ごとにこのコンテナターミナルバースの数、クレーンの数を示していただけますか。
○政府参考人(金澤寛君) 世界一位の香港港でございますが、コンテナターミナルが十八バース、ガントリークレーンの数が六十七基でございます。二位のシンガポール港につきましては、コンテナターミナルが三十七バース、ガントリークレーン数が百十八基、第三位の釜山港につきましては、コンテナターミナルが二十バース、ガントリークレーンの数が五十基でございます。
○大沢辰美君 今配付させていただきました資料を見ていただきたいと思うんですが、この一ページですけれども、今、国土交通省が数字をそのまままとめてみたものです。
 御存じのように、二〇〇〇年のコンテナ取扱個数を見ると、香港が千八百十万TEUですね。シンガポールが千七百四万TEUです。三位の釜山港は少し離れていますけれども、七百五十四万TEUになるわけですね。だから、三つの港を合わせると四千二百六十八万TEUになるわけですね。
 日本の港で見てみますと、今数字を出して、一部出していただいたわけですが、東京、横浜、神戸、名古屋、大阪、福岡、北九州の上位の七大港合計しても一千百十四万TEUですか、今説明ありましたね。ですから、貨物取扱量は四分の一になると。しかし、ターミナルバースの数は香港の三・二倍になっていると、シンガポールの一・五七倍になっていると。クレーンの数で見たとしたら香港の一・九倍になっているわけ、一・九倍あるわけですね。シンガポールの一・一倍あると。そういう実態が浮かび上がってくるわけですが。
 次に、配付資料の二を見ていただけますか。これは国土交通省が作成した資料なんですけれども、中核国際港湾の看板を掲げていますけれども、ほとんどの航路が近海また東南アジアとの行き来で、その半分以上が韓国との行き来になっています。以前は地域国際流通港湾と呼んでいた地域の港湾に至っては、四十一あるわけですが、四十一の港があるわけですが、大部分の港が韓国との行き来で済んで、行き来になってしまっているという状況がこの数字を見ていただいたら分かると思うんです。
 この日本の国際コンテナ取扱個数を全部合わしても、中枢そして中核そして地域の全部合わしても千三百六十二万TEUになるわけですね。だから、香港一港の七五%なんですよね。貨物量も香港やシンガポールにはるかに及ばないと。七港合わせてようやく釜山港一港を上回る程度になっていると。
 私は、この少ないパイを中枢国際港湾、そして中核国際港湾、四十一の地域の国際、これもコンテナ港湾と言っているわけで、存在しているわけですね。何が起こるかということはもう明らかだと思うんです。
 だから、私は国際競争以前の問題がここにあるのではないかと思うんですね。国内の港同士が貨物の取り合いをしているということになっているわけですね。
 だから、当然のこととして、私はコンテナターミナルの設備能力は貨物量に比べて過剰になっているのではないかと、そういうふうに私はこの数字を見て思うのですが、どう認識していますか。その点をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(金澤寛君) ただいま先生おっしゃいました事柄につきまして、まず、分類いたしますと二点の問題についてお答えしたいと思うんですが、我が国のコンテナ港湾の整備につきましては、確かに中枢港湾、中核港湾、中枢港湾は東京湾、伊勢湾、大阪湾、北部九州でございます。それから、中核港湾というのをそれぞれのブロック別に八港程度位置付けております。その他の地域におきましても、現時点で四十六港の港が稼働しております。
 これは我が国、我が国といいますのは、先ほど御指摘されましたシンガポールや香港などに比べますと国全体といたしまして非常に大きな経済圏を形成しております。例えば、東京湾、大阪湾、伊勢湾、北部九州というのは巨大な経済圏を有しております。そういうところについて、いわゆる基幹的な、大型の船舶が行き交うような拠点港として位置付けております。
 その他、国全体として効率的な輸送を図るという観点で、それぞれ、地域地域の港におきましても、やはり中国や韓国との取引におきましてコンテナ輸送が必要となっております。それぞれの港で荷主がおりまして中国と取引をしている、韓国と取引をしている。日本の港で、例えば陸上輸送で、例えば横浜港あるいは例えば神戸港に集めて、それをそこで積み替えて輸送するとなりますと物流コストが非常に高くなります。地域地域で必要な最小限の輸送をやはり確保していくということも私どもの責務だと思っております。
 そういう意味で、全国に、港の規模は違います、中枢・中核港湾で実は九五%のコンテナ貨物が集まっております。地域の港は四十六ありますが、全体では四%ぐらいの貨物です。そのように、全国展開をしながら、かつ重点的に整備を進めているということが一点でございます。
 それからもう一つ、御指摘の香港やシンガポールが非常に大きな貨物量を扱っていると。しかし、比較的バース数は、相対的にワンバース当たりの取扱量は我が国に比べて非常に大きいという御指摘でございますが、香港とシンガポールと我が国の港の性格というのは実は大きく異なっております。
 これらの港というのは、我が国の港湾のように、いわゆる自国で生産したり、自国で消費される貨物の取扱いを主体とするものではございませんで、他国で生産、消費される中継貨物の比率が非常に大きくございます。例えば、シンガポール港では、中継貨物が実は八割を占めております。
 こうした中継貨物は、これは貨物統計上の問題なんですが、よその国から集めてきまして、それをまた国の中に入れないで埠頭で扱って、次に来た船にまた載っけるということでございますので、貨物が、何といいますか、入ってくるやつと出てくるやつと二倍に計上されているというところもございます。これは統計上の問題でございます。
 そのようなことを精査いたしましたり、それから中継貨物といいますのは、先ほど申し上げましたように、国の中に入っていきませんので、埠頭地域で処理されるという非常に効率性がいい、それから埠頭を長期間占有することがないといったような意味で埠頭の回転率が非常に高くなる、まあそのような理由、そのようなことで、バース当たりの取扱能力が非常に大きく見込むことができます。
 そのようなことをもろもろ計算していきますと、例えばシンガポールで計算いたしますと、見掛け上はシンガポールの貨物というのはワンバース当たり我が国の港の数倍の取扱いを示しておりますが、貨物量を二倍に計上しているとか、あるいは中継貨物の割合が八割を占めているとかいうことを計算いたしますと、約バース当たり二十六万TEUぐらいになりまして、日本の港の東京港とか、先進的なバースでございますが、それと比較して見合いといいますか、少しもちろん効率は高いんですが、そういう感じになっているということでございます。
 また、私ども、そうは申しましても、やはり私どもの港というのは、そういうアジアのいわゆる新しい港に比べますと、港湾諸手続のワンストップサービス化が後れたとか、あるいは船舶の大型化への対応がやはり後れてきた。というのは、四十年代から整備した港が随分ありましたので、その改造ということがやはり少し後れてきたという、そういうこともございまして、現在、ソフト、ハード両面にわたりまして港の構造改革を果たしていかなければいけないと、こういう認識の下に、先ほど申し上げましたスーパー中枢港湾の構想を鋭意進めているところでございます。
○大沢辰美君 貨物量の計算云々ということもおっしゃったわけですけれども、私は、本当にこの点を見ても、港湾の、香港の実態、そして全体、日本のこの七大港の実態から見て、非常にこの容量がそのバース、クレーンの設置に比較して、もう私は二倍の容量をこれから貨物量を扱うことができるという数字が読めるんじゃないかなと思うんですけれども。
 そこで、国土交通省は二〇一〇年ですか、今から七年先になりますか、大体この貨物量の扱いは、日本に出入りする量は二倍から二・五倍に伸びるという予想をされているようですけれども、私は、こういう将来像も描いて、そして逆算してこの港湾の建設ありきというのをやられているんじゃないかという危惧を持っています。
 そういう点から見て、この港湾の設備というのは見直すべきではないかということをまず一点指摘をしたいと思うんですね。
 ここに、国土交通省の方が書いた論文があるわけですけれども、地域国際流通港湾が荷主企業の輸送費の削減に大変貢献していることは述べた上で、次のように指摘していますね。地方のコンテナ港湾の利用は地域の荷主にとっては物流のコスト削減の上で魅力的なものになっていると。今答弁された内容ですね。その一方で、中枢・中核国際港湾への大型コンテナ船の寄港頻度に悪影響を与えることも懸念されると。非常に、少し遠慮したような表現もあるわけですけれども。
 私は、中枢港湾にも中核港湾にも、そしてまた地方港湾にも、やはり二重、三重に税金がつぎ込まれて、そしてこれは両立しない状況を作り出しているのではないかと。割合をおっしゃいましたけれども、こういうやり方は本当に軌道修正するべきではないかということを強く望みたいと思いますが、これからのその見直しですか、対策はどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(金澤寛君) 私ども、港の整備というものにつきましては大変な資金とそれから長い年月が掛かるものですから、あらかじめ十年ぐらい先を予測しながらやっているということは事実でございまして、経済指標等々を使いまして予測はいたします。そして、大体アウトラインを描きまして、グランドデザインと申しますか、そういうものを描きながらやらせていただいております。
 ただ、御指摘のように、我が国の港というものを客観的に現在見てみた場合に、いわゆる香港にしろ、韓国の港、釜山にしろ、あるいは中国の港にしろ、非常に急激なスピードで大型化なり港の効率性の向上等図っております。私ども、今、危惧しておりますのは、我が国の港のコストなりサービス水準が低いままで推移すると、例えば韓国の港と日本の港というのは、北米から見たりヨーロッパから見た場合にそんなに位置付けが変わるわけではございません。距離的にはほとんど同じところにあります。
 したがって、例えば韓国の港でサービスをして、それが、ハブポートと一般的に言っておりますが、ハブ港化して日本の港が支線サービスを受ける、日本経済が韓国から支線サービスを受けるということになってはいけないということがありますので、日本の中枢港湾をより重点化し、より強化していくと。それはハードの施設整備ということのみならず、むしろソフト改革をしっかりやっていきたいという視点でスーパー中枢港湾構想を打ち出しまして、それに重点的な政策展開を図っていこうとしているわけでございます。
 地域の港はそれなりの役割を果たしておりますが、それはきちっと貨物量を推計し、そして費用便益分析をやり、必要に応じて必要なものを着実にやっていくというスタンスでおります。
○大沢辰美君 客観的にしか、私たちは数字を見てしか見れないわけですが、第九次の港湾整備に当たって、やはり見直すべきことは私は軌道修正すべきだということを強く申し上げて、次の個別の具体的な質問に移りたいと思います。
 そこで、私は、日本で最高の整備を誇る神戸港なんですけれども、今この数字でも明らかなように、バース数、クレーン数も最高の設備を持った神戸港についてお聞きしたいと思います。
 御存じのように、私は、ここは阪神・淡路大震災で非常に大きな災害を受けたわけですから、その復興という点では非常に私たちも努力をしてまいりましたし、また政府も努力をしてきたと思うんです。でも、今そういう状況の中で非常に大きな影響を受けています。
 経済の影響が大変厳しい点があるものですから、大臣にお伺いしたいと思うんですが、私、四月二十三日に神戸市が発表しました二〇〇二年度の神戸港の港湾の貨物取扱量、外国の貿易貨物が阪神・淡路大震災前の一九九四年に比べて約七割になっていると。また、今言われました中継港、指標となるコンテナトランシップ貨物が約二割まで落ち込んでいるという報道がありました。
 神戸港を私は再生するためにはどうするかと、この問題で大臣に質問をさせていただいたときに、この原因について四点あるということを指摘をさせていただきました。一点は、やはり今言われたように、アジアの港湾が発展して神戸港のトランシップ機能が低下したのが一点。二点目は、国内生産拠点の海外移転などでいわゆる産業空洞化による輸出貨物などの減少したと。三点目は、国内地方港湾の整備が進んで神戸港へ集まっていた貨物が来なくなったのが三点目。四点目は、輸入貨物の大消費地に近いところに、港へシフトをされていったという、四つの原因が分析されています。
 これに対して、扇大臣は、それは今おっしゃったとおりですということをおっしゃられました。その中で、私は、大臣が強調されたのは、一点目の原因のアジアの港湾の発展に関することだったと思いますね。これは港湾コストの割高、それから利便性の問題が最も強いと強調されましたが、その上で対策として言われたのが、今アジア諸国の主要港湾を仰ぐ港湾を造りたいと。それは、時間的なコストやら港湾のコストの実現を掲げたスーパー中枢港湾の推進だということをおっしゃられたと思うんです。
 例えば、私は、日本列島の西と東に一港ずつ国際中枢系の港湾を整備するという話なら港湾の関係者もそういう実現性のあることを感じ取れるかもしれないんですが、今出されました日本の七大港湾合わせて香港一港の四分の三しかならない貨物量の取扱量で、それぞれの港が共存できるはずが私はないと思うんですね。共倒れの危険性も大きいと思うんですが。この問題についてはもう、ちょっと深く入らないでおきたいと思うんですが。
 今日はその神戸港の問題についてお伺いしたいと思うんですが、今、神戸港で働く人たちも、また事業者も非常に努力をしているわけですが、今の設備で新規に設備投資をしなくてもストックの有効利用で活性化することができるという今体制に入っているようですが、そこで大きな問題として、ポートセールスに力を入れているという、それは入れなければいけないわけですが、そのことについて、本当に阪神・淡路大震災以来の壊滅的な被害からの再生、復興という点で特別な事情を抱えているこの八年間ですけれども、このポートセールスに対して国として何らかの支援を、これまでも考えてきていただいたと思うんですが、思い切った支援について大臣の見解がありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、大沢議員の御質問は国交委員会でも既に話題になったところですけれども、御存じのとおり、今のアジアの各港湾とすさまじい競争が行われておりますし、大沢議員がおっしゃいましたように、阪神・淡路大震災以前は少なくとも神戸港はかつて御存じのとおりコンテナの取扱量世界第四位でして、それはもういつも言うことですけれども、それが二〇〇二年にはこれが世界の第二十七位にまで落ちてしまったということは、私は、国際競争力の強化が必要であるとともに、神戸港のみならず今の国際港湾というものはどうあるべきかということをさっきも局長から申しましたけれども、今までは手続が複雑、そして港に入っても時間が掛かる、諸外国では二十四時間以内、早いところは二、三時間が日本は三日も四日も掛かる、そしてアクセスが悪い、そういう意味では大変大きなハンディキャップをしょった、今の国際港湾としての果たして役割が果たせるかどうかということに大きな問題点がございました。その意味では、港湾のワンストップサービスということ、あるいは道路とか鉄道等のアクセスの改善、そして港湾そのものの国際競争力を高めるということが一番大事なことだというのは私がいつも申し上げているところでございますので、大沢議員もその認識は共通に持っていただけるものと思っております。
 そして、そのポートセールスということも非常に重要である、不可欠ですけれども、少なくとも私はこのポートセールスに関しましては、神戸市においても力を入れていらっしゃいますのは、大沢議員、地元ですから御存じのとおり、私も神戸出身ですから聞いておりますけれども、これには三つございまして、既に今、民間からこのポートセールスについて、海運業あるいは物流業、民間から三名の人を採用しまして、国土交通省としましてもこの活動を支援して、民間の活力を入れようということをしております。
 一つには、ポートセールスを行うための必要となる指針を作ろうということで、この民間を入れて港湾の管理者に提供する。二つ目には、諸外国のポートセールス活動についての情報を併せて提供する。そして、皆さんにそれに倣ってそれ以上のものを考えていただく。三つ目には、ポートセールスについて担当する職員の研修会を開催するということで、このポートセールスについての対応をしておるところでございますけれども、このポートセールスを含むハード、ソフト一体となった支援が必要であるというのは御存じのとおりでございますので、現段階ではそのように国土交通省関係では取り扱っているというところでございます。
○大沢辰美君 本当に努力をしている成果が少しずつ出てきているんですが、二十四時間体制になったと、そして利用料も三割減にしたとか、あらゆる施策を講じているわけですが、もう一点検討いただきたいことがあります。
 大臣はよく御存じだと思いますけれども、市民にとってこの神戸港というのは大切な雇用の場なんですね。市民の五・五人に一人がこの港湾関連にかかわっているという、そういう実態があるわけですね。港湾地区の有効利用の対策として、増大する輸入製品や原料に対応する物流加工基地、加工基地と言わずに加工団地という表現でもいいでしょうか、整備が各方面から提案されているんです。これも倉庫だとか上屋だとか港の中に既にある施設を活用して、貨物の物流とその原材料を加工する物流加工施設、それを一体にした整備、それをやりたいと構想を持っているわけですけれども、その場合、貨物を扱うノウハウは蓄積しているわけですね。
 だから、資金面での投資力が弱い中小企業ですね、私は特に中小企業にこの港湾施設の賃貸料や使用料金を軽減するとか、融資制度、支援制度が必要だと思うんです。個々にばらばらに施設を作ったんでは大変な事態になりますから、これは本当に一体化した企業団地のようなものを作っていくというのは他の地域でもやられているわけですが、この神戸港においてもこれは必要だということで、今学識経験者だとか港湾関係者、特に神戸港二十一世紀懇談会というのを立ち上げまして、国土交通省の近畿地方整備局の副局長ですか、そして神戸海運監理部長も参加してやっていただいているわけですが、今年の三月に、貨物を集める施設の誘致に、対策として、例えば今言ったような資材などの流通加工産業や輸入貨物の物流センターなどを港に誘致することによって貨物の増加を図ることができるという提案されています。
 この提案を実現する上で、具体化をする上で、私はこの港湾行政も先ほど言った土木工事中心で終わるんじゃなくて、今のこの大変な経済状況もありますから、雇用に重点を定めた、港全体をどう活性化するかという対策が、進めていくことが今求められているのではないかと思いますが、この物流加工団地、基地という表現ですが、この構想を実現するために、国はどのような支援が可能なのかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今おっしゃいましたように、あらゆる面で神戸港の活性化の施策、こういうものをしておりますけれども、一つには、都市再生の特別措置法によります、今年の五月に法案成立させていただきましたね、これによって、少なくとも無利子の貸付け、あるいは港湾法改正もいたしました。それから二つ目には、民活法によります物流施設への補助金、これも制度として新たにできました。
 全国の臨海部におきます、そして低未利用地、これを活用していくということで、神戸港を含む、東京湾、約五千ヘクタールでございますので、その中で約八百ヘクタールというものを、一八%ですね、大阪と神戸含めまして、これを活性化させていくと。この制度等を活用しまして、御存じのとおり、今申しましたように、都市再生の緊急整備地域、これを指定して、神戸ポートアイランド西地区におきましても臨海部の更なる活性化を図るということでございます。
 神戸港におきます港湾関連産業の活性化というので、今、大沢議員がおっしゃいましたように、流通加工、それから情報化等の機能を一体化にして、それを備える物流拠点、そういう意味で物流高度化の基盤施設を、これを整備するということが有効であるということを分かっておりますので、今おっしゃいましたように、国土交通省としてこの施設を民活法の特定指定整備事業の対象としてこれ位置付けております。
 それで、税制あるいは財政上の支援を講じ、御存じのとおり、神戸港におきましても平成六年とそして十一年、十五年、これは三施設が既に完成しております。そして、今週の土曜日でございますけれども、神戸港の活性化の重要性にかんがみまして、今後この神戸港の水深を十五メートルにしようという、大型のためにですね、それが今週の土曜日でございますけれども、この水深十五メートルのコンテナターミナルを供用開始の式典がございます。これも私がこの重要性にかんがみまして、土曜日は神戸の供用開始に、式典に出席するつもりでございますけれども、今申しましたように、大沢議員がおっしゃるように、この物流高度化基盤施設、この重点化というものを図るために、更なる私は官民一体となった重要性というものの認識の下に促進していくということが重要だと思っております。
○大沢辰美君 着々と整備が進められているわけですが、私は、先ほども言った土木工事中心の港湾整備じゃなくて、それはもう間に合っていると、だけど、中小企業の皆さんが本当に港湾を使っての整備に重点を置いていただきたいことを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 最後に、港の関係で、私も初めて言葉を聞いたんですが、SOLAS条約というのが実施に向けて準備をされているようでございますが、もう時間がありませんので、簡単にその準備状況と内容についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鷲頭誠君) 簡単に御説明させていただきます。
 去年の十二月に、国連の専門機関の一つでございます国際海事機関というところにおいて、海上保安の確保に関して海上人命安全条約、これはSOLAS条約と言っておりますが、それの改正が行われまして、来年の七月一日に発効することになっております。
 その中身は、一つは、船舶、港湾施設に対して保安計画というものを作らせて、その計画に基づいてその保安措置というものを義務付けます。それで、基準に適合しない船につきましては、従来からのポートステートコントロールに加えまして、急迫不正の侵害のおそれがあり、ほかに手段がない場合には、入港拒否とか港湾外退去といったようなことを命じることができるというものでございます。
 それで、この条約の中身というのは、国土交通省海事局、港湾局、海上保安庁、広くまたがるものでございますので、現在プロジェクトチームを省内に立ち上げまして関係局と連携しつつ鋭意検討を進めているところでございまして、港湾における保安の確保というものも十分に図られるように制度を検討してまいりたいと考えております。
○大沢辰美君 初めて聞いた言葉でもあって、大事なことだとは思うんですが、非常に自治体の皆さんも心配をしておりますので、具体的に財政負担のことなども、非常にそのことが一番の課題のようでございましたけれども、そのことについても十分な自治体に理解できるような形での対策、準備を進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 最後に一分だけなんですが、私、港からちょっと農水問題で一点だけお聞きしたいんですが、通告しておりますけれども、一点だけお願いします。
 中山間地域の直接支払制度については、これまで論議を重ねて、私もこの制度を設置するときに参加をさせていただいた一人なんですけれども、来年度が見直しになるということで中間的な点検をされたようですけれども、やはり財政面においても何か今年は百億円減らされたとかいうことも聞きましたけれども、やはりこの制度の目的からいって進んでいない地域があるということは、そこが一番条件的に不利なところが進んでいないという実態も現われているようでございますので、これからの見直しに当たって、中山間地で農業を続けたい人たちはすべて続けられるような要件緩和というんですか、そういう形を進めていただきたいということを一つにまとめまして質問させていただいて、大臣に一言、答弁をいただいて終わらせていただきたいと思います。
○委員長(中原爽君) お時間になっておりますので、簡明にお願いいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 今御指摘のとおり、全国で三万三千の集落協定が締結をされ、六十五万五千ヘクタールの農用地においていろいろ行われておるわけであります。見直しが十六年度あるわけでございます。
 これらの問題につきまして、いろいろ地方公共団体の御意見も伺う、また先進的な取組の評価をいたすと、こういうようなこと、さらに中立的な第三者委員会の意見も伺った上でいろいろ検討してまいりたいと、こう考えております。
○委員長(中原爽君) 午前の審査はこの程度とし、午後二時四十分まで休憩をいたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後二時四十一分開会
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十三年度決算外二件を議題とし、締めくくり総括的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は決算の総括質疑ということでございますけれども、私は、過去のことも含めまして、日本の若者の対策というか、青年政策について重点的に今日はお聞きしたいと思います。
 最初に、坂口厚生労働大臣、お忙しい中、冒頭だけ出席をしていただいておりますので大臣にもお伺いしたいわけですが、その前に、今現状ということで確認をしたいんですけれども、今、日本の若者は大変に多くの深刻な問題を抱えております。最も注目をされているのは、若者の失業の問題でございまして、先週の金曜日には閣議に提出をされました国民生活白書、ここでも、戦後初めて若者の雇用の問題が主要なテーマとして挙げられたわけでございまして、デフレが若者雇用を直撃しているという話が詳細に載っているわけでございます。
 この若者の失業率でありますけれども、一番直近では、十五歳から三十四歳までの若年者の失業率がもう一二%ということでありまして、全国平均の二倍強という状況でございます。県によっては二〇%を超えるところも出ているというふうに聞いております。
 また、更に深刻な問題としては、いわゆる無業者と言われている方々が若者の間で増えているというふうに言われているわけであります。この無業者というのは、文字どおり学校を卒業した後に就職もしない、進学もしない人のことを指すわけでございまして、この方の割合、今どれぐらいいるかといいますと、文部省の学校基本調査、これは昨年のデータでありますけれども、高卒で一一%、大学卒業生で二六%という数字が出ているわけです。つまり、大学を卒業する人の二六%ですから、四人に一人は取りあえず最初は無業者であるということでございます。
 こういう人たちが増えるということはどういう結果をもたらすかといいますと、年金や健康保険など社会保障関連の支払ができないということで、日本の社会保障制度の財政基盤に大きな影響を与えることが懸念されております。また、若い貴重な時代に社会経験を積むことができない、あるいは親から自立することができないまま中高年時代を迎える人が増えるということでございまして、今までの日本社会にない新しい問題が生じる懸念もあるわけでございます。ある研究者は、このまま放置しておきますと若者イコール社会的弱者と、若者であることがもう社会的弱者だと、こういう時代に入ってしまうのではないかということが言われているわけでございます。
 そこで、坂口大臣に最初に、このような深刻な問題、これからもっと更に深刻化するんじゃないかと言われている問題を背景にお伺いしたいのは、なぜ今若者の失業率が高いのか、また高いまま止まってしまっているのか、その背景と原因について大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今朝も少し触れさせていただきましたが、若い皆さん方の失業が非常に多くなっております。先ほどお触れになりましたように、十五歳から二十四歳までですね、これで一二%、一二・〇%になっております。したがいまして、全体の五・四%のことを思いますと二倍以上になっているわけでございまして、非常に心配な数字になっております。
 この原因につきましてはいろいろのことが言われております。一つは、もちろん経済の停滞、ここに大きな原因があるというのはそれはそのとおりだろうというふうに思いますが、それだけではなくて、やはり最近のこの日本におきますとりわけ製造業の内容というものが非常に高度化されて、そして高いレベルのことが要求されるようになっている。そしてまた、企業の方はただ単に高いだけではなくて、即高いレベルを要求すると。もうすぐに一軍で働けるような人たちを要求をするということになってまいりました。今までのように企業が中で、自分たちのところでいろいろと研修を行って、そして自分ところの企業に合うような人を養成するというようなことがもうなくなってまいりました。すぐ役に立つ人を雇い入れるということになってきたものですから、今まで高等学校の例えば工業科などを卒業した人たちを雇っておりましたところも、これは大学とかあるいは高専辺りのところを卒業した皆さん方を採ってそれに代えている。そして、今度は一般的な事務ですとかそうしたことをお願いをしていた部分もあるわけでございますが、そうした部分は今度はパートに取って代わっているといったようなことがございます。それが一つ。
 それからもう一つは、やはり若い人たちの労働に対する意欲が低下してきているということも見逃すことができない。よく七五三というふうに言われますけれども、大学を出た方の三割、高校の五割、そして中学校の七割がわずか三年、五年の間に辞めていかれるといったようなことがございまして、これらの問題も一体どうするかという問題もあるわけでございます。
 企業の側もある程度反省をしてくれておりまして、やはり中小企業におきましては、例えば家族経営的な側面もなきにしもあらず、そうしたことが若い人たちに対して決していい影響を与えていないので、そうしたところも我々も直そうじゃないかといったような動きも出てきていることも確かでございます。
 それらの問題を含んでおりますし、その人たちがじゃ将来どうなるかということは、先ほどお触れをいただきましたとおり、社会保障もないままで進んでいくといったようなことになったときに一体どうなるかといったような問題もはらんでいるわけでございます。
 そうした背景であることをまずお話を申し上げておきたいと思います。
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、大臣、このことを前提に、一点だけ、もうお時間ないみたいですので、五月二十七日、先週でありますけれども、このような状況を受けて大臣が、坂口大臣が私案として若年者自立支援プランというものを発表をされたわけでございます。これは経済産業省の平沼大臣、文部科学省の遠山大臣、そして竹中大臣などとの協議のたたき台にするというふうに聞いておりますけれども、私は若者の自立を支援するということが本当に必要な段階でこういうことが出てきたこと、大変に坂口大臣のイニシアチブに敬意を表するところでありますけれども、今後このプランをたたき台に、中身については後ほど鴨下副大臣にいろいろお伺いしようと思いますが、このプランをたたき台にいつまでにどのような枠組みの支援策を、若年者支援対策を決めていくおつもりなのか、その点をお聞かせください。
○国務大臣(坂口力君) 平沼大臣に中心になってもらいまして、私、そして遠山大臣、竹中大臣、それぞれ集まりまして、そして若者の雇用をどうしていくかということを話し合っているわけでございますが、六月の初旬って、もう初旬でございますが、近いうちに、そう遠からぬうちに、恐らく一週間か十日以内と思っていただいて結構でございますが、もう一度会合を持たせていただくことになっております。その中で大体方向性を決めさせてもらいたいというふうに思っておりまして、先日、我々、私が私案として出しましたものもその中に提出をさせていただいて、そしてそこでいろいろ議論をして、こういう方針でいこうじゃないかということを決定させていただきたいというふうに思っているところでございます。
 それぞれ、遠山大臣も平沼大臣もそれぞれお考えをいただいているようでございますから、そうしたものを持ち寄りたいというふうに思っているところでございます。
○遠山清彦君 大臣、どうもありがとうございました。もう御退席くださって結構でございます。
 続けて鴨下副大臣の方にお聞きしたいと思いますけれども、この若年者自立支援プランの中身についてなんですけれども、先ほど来お話ありますけれども、今、企業というのは即戦力を求めていると。今の日本の教育の中では、学校を出た直後になかなか実は即戦力というものがない。これは戦後の古い世代の方でも、実は会社に入ってからいろんなオン・ザ・ジョブ・トレーニングで訓練をされて、何年かたってからようやく会社で一人前の企業戦士になったというのがあったわけですけれども、今、企業はもうそれをやる経済的、時間的余裕はないんだと、もう即戦力で入ってこられなきゃ困るんだと、しかし学校の側はそれになかなか対応できないと、そこを改善しようということだと思うんですけれども、ドイツで、私は詳しく知らないんですが、ドイツにあるデュアルシステムというものに模して教育連結型実践訓練システム、日本版デュアルシステムというものを導入したいということがここに書かれてあるわけですけれども、この概要と期待される効果をちょっと御説明願いたいと思います。
○副大臣(鴨下一郎君) 今、大臣からもお話をさせていただきましたけれども、若年者の自立支援プランの中で主要な骨格になるところに、今、先生おっしゃった教育連結型実践訓練システム、いわゆる日本版デュアルシステムと、こういうようなことで銘打ってあるわけでありますけれども、背景につきましてはもう既に先ほど大臣が答弁いたしましたので省略させていただきますが、この日本版デュアルシステムというような、今のような若者の就職状況等も含めまして、特に高卒者やフリーター等の若年者が早期に職場に定着を図ると、こういうようなことを目的にして新たな仕組みとして活用したいと、こういうようなことでございます。
 具体的には、若年者が企業実習による実務能力の習得、さらに教育訓練の受講による職業に必要な知識の習得を組み合わせて行うことで若年者を一人前の職業人に育成していこうじゃないかと、こういうようなことでありまして、この仕組みを実際に活用することによりまして、特に高校を卒業してフリーター、それから先ほど先生御指摘にありましたいわゆる無業の方々をできるだけ減らしていこうと、こういうようなことと、もう一つは、既に長いことフリーターを続けているとか無業になっている、こういうような若い方々に安定的な職業のスキルを身に付けていただいて、そして就業に移行していただこうと、こういうようなことでありまして、これは先ほどの経産省、そして文部科学省、あるいは多くの企業に御協力をいただかなければいけないわけでありまして、これから早期に制度の内容を固めていきたいと、かように考えております。
○遠山清彦君 分かりました。
 これは要するに職業訓練と教育訓練を並行して行う新しい制度というふうに理解をしておりますけれども、今、正に鴨下副大臣おっしゃったように、これは学校教育訓練を同時に行うという意味では文部科学省、それから当然、企業が共同でこのプランニングをして、それに乗っかってやっていかなきゃいけないという意味では経済産業省の、企業側の協力を取り付けるという意味でですけれども、経済産業省、両省の協力がなくてはできないわけでありますけれども、そういう意味で、遠山文部大臣、それから経産省の西川副大臣に、どういうふうに取り組んでいかれるおつもりなのか、お話伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来委員御懸念いただいておりますように、これからの若者たち、やはり自分の生涯にわたる職業についてしっかりした価値観も持ってもらいたいわけですし、そして必要なスキルも持ってもらいたいというのは私どもも同感でございます。そのようなことで、今、四大臣会議をやっておりまして、実務的な詰めを行ってもらっているところでございます。
 文部科学省といたしましても、これまでともすれば学業中心ということで参りましたけれども、これからはやはり子供たちに望ましい職業観、勤労観というのもしっかり身に付けてもらい、人間として職業にどのような気持ちとそれからどのような技術、知識を持って当たるべきかというようなこともしっかり教えていこうということで、今幾つかのことを始めております。
 一つは、学校がインターンシップのようなものを利用いたしまして、学校に在籍しながら職業の場に行って働いてみるというようなことも、様々な企業あるいは厚労省の御協力も得まして進めております。それからさらに、学校にキャリアアドバイザーという、そういう機能を持つ人を配置いたしまして、子供たちに就職相談などを支援するということで、地域の人材を活用したそういうキャリアアドバイザーを活用したりいたしております。それから、目下、専門家会議を設けまして、キャリア教育について一体本当にどうしたらいいのかということで、新たな角度から専門的な御検討をいただいております。
 こういうことをやっているわけでございますが、このキャリア教育というものを更に内実あるものにいたしますには、我が省だけではなくて、厚生労働省、経済産業省ともしっかり連携を取っていくことが大事だと思っております。その意味におきまして、厚生労働省の方でお示しになりましたデュアルシステムでありますとか、あるいはキャリアコンサルタントのようなことは私どもとしても大変有意義でありますし大事だと考えております。是非とも、例えばキャリアコンサルタントのような資格を持ったような方が学校に来ていただいて、そしてキャリアアドバイザーとともに、あるいはその仕事を助ける機能も持つ貴重な存在として私どもとしても活用させていただきたい。
 いずれにしましても、その四省間の連携、特に厚生労働省あるいは経産省との連携をしっかりやっていきたいというふうに思うわけでございます。
○副大臣(西川太一郎君) お答え申し上げます。
 四月の二十一日の日に、四月十日からの四大臣会議を受けまして、日本商工会議所の山口会頭、日本経団連の奥田会頭に平沼大臣から、産業界としてどういう政策的な提言をしていただけるか、また具体的にどんな取組をしていただけるか、お願いを申し上げました。そして、五月十三日に御回答をいただきまして、その中身は多岐にわたりますが、簡単に申し上げれば、ただいま文部科学大臣がおっしゃいましたように、学校教育の中で、例えばトライアル教育とかインターンシップとかそういうものについて産業界が協力する、それからもっと地域で、キャリアセンターというものがございますけれども、これに産業界が協力する、それから職業情報をもっと流す。
 そしてまた、お勤めになるだけじゃなくて自分で社長になりたいという人がいますから、こういう人に起業を、起こす業をどういうふうにするか、そういう創業支援、こういうものについての教育もするなどなど、大変実のある御回答をいただきましたので、四大臣の下で六月初旬にこれを立ち上げる努力をしてまいります。
○遠山清彦君 両省とも大変前向きなお答え、ありがとうございます。
 そこで、今、遠山大臣が既に言及されましたけれども、これは坂口大臣が以前から言っているわけでありますけれども、やはり若い人たち、仕事で悩む若い人たちにきめの細かい仕事に関する相談のできる人材、今キャリアコンサルティングのできる人材、キャリアコンサルタントという人材が必要だという話になっておりまして、この先週のプランにもそれが明記されているわけでありますけれども、聞くところによれば、米国にはこのようなキャリアコンサルタント、プロですね、これが十八万人いるということなんですが、これ厚労省にお聞きしますけれども、現状、日本ではこういうプロのキャリアコンサルタント、若い人たちにきめ細かく、もう、あなたの趣味は何ですか、あなたはどこで生まれて、どういう教育を受けて、どういう特技がありますかというところまで突っ込んで、あなたにマッチする仕事はこれですねということを若年者労働市場から探してこれるような指導員というのは何人ぐらいいて、今後どれぐらいの人数を目指して頑張っていくのか、お教えいただきたいと思います。
○副大臣(鴨下一郎君) キャリアコンサルティングというのは、先生おっしゃるように、一つは、こういう多くの職業のメニューがある中で自分がどういうような職業に就くかということを選択しないといけないわけで、非常にみんな悩むわけでありますね。
 ですから、そういうことでいうと、自分がどんな今までスキルを持っているのか、そしてどういう職業に就けば一番いいのか、こういうようなことをある意味で一緒に考えていくと、こういうようなことでありまして、実際にそのキャリアコンサルタントをプロとする人ということじゃなくて、専門家として例えばハローワーク等で働いていらっしゃる方、こういうような方々をできるだけ増やそうということ、そういうことで昨年度から五年間で五万人にしていこうというようなことで、今キャリアコンサルタントの養成を推進しているところでありますが、今の段階で、十五年の三月末までのキャリアコンサルタントの累計養成数は約一万人でございます。
 これをできるだけ五年間で増やしていかないといけませんけれども、先生おっしゃっているように、アメリカ並みの数というのはまだまだこれから先は遠いわけでありますけれども、ただ、そういう意味では今回の若年者の自立支援プランにおいても、キャリアコンサルタントを含めて多くの職業のメニューの中からある意味で若者たちがデシジョンメーキングできるような、そういうコンサルティングをしていくというのが非常に重要だというふうに思っております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 五万人を目指すということで、是非、公明党としても全力でバックアップしていきたいと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 このキャリアコンサルタントを増やした場合の課題なんですが、これはもう実は文部大臣先ほどお答えになっていたので、もう御答弁いいんですけれども、この就職相談の専門家が学校現場にやはり行って学校にいる段階の若者に対していろいろ相談に応じていくということが大変大事だと。今まで日本の教育現場では、必ずしも労働市場の動向とかあるいは社会の実情に詳しくない、はっきり言えば教員は教員しかやったことない人もたくさんおりますので、そういう人が学生の進路相談、就職相談を目一杯やってきたと。
 しかし、これが時代に合わなくなってきているという指摘があるわけでありますから、是非、もう文部大臣、先ほどおっしゃっていましたけれども、文部科学省としても、この厚労省が中心になって育成をするキャリアコンサルタントが学校に派遣される場合は是非受け入れて活用していただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 ちょっと時間の関係で、若干厚労省のこの政策から離れて、よりちょっと大きな青年政策ということで内閣府の方にお聞きをしてまいりたいというふうに思いますけれども。
 先ほど、坂口大臣の方から、若者の失業率が高い背景として不況の問題が一つあると。よくこれは一般的に言われていることですが、不況になって最初に犠牲になるのは若者でありまして、逆に景気が良くなると最初にその恩恵を被れるのも若者だという話があるわけであります。
 しかし、他方で、多くの専門家は、若い人が仕事になかなか昔のように正社員として就かない背景にはもっと複雑な要素もあるというふうに言われております。指摘しております。
 今、日本では学校を卒業しても親と同居する若者が増えておりまして、俗にパラサイトシングルなどというふうに呼ばれておりますけれども、経済的に、あるいは場合によっては精神的にも親の世代に依存する期間が長期化をしております。これに対しては大変に批判的な意見がいわゆる大人の世界で多いわけでありますけれども、他方で、東京などの都会では家賃を始めとした生活費が大変高くて、もう親と同居しないとやっていけないという構造的な、構造的に若者がそういう状況に追い込まれているという実情も実は否めないわけでございます。
 それからもう一点、私も若い世代の代表として言わせていただくと、いわゆる一人前の大人とか成功した人のモデルが従来と変わってきたんではないかというふうに私は思っております。よく、就職して、結婚して、子供をもうけて初めて一人前の大人だという主張があるわけでありますけれども、今はこれに同意しない若者も多くなっております。また、一流の大学に行き、大手の一流企業に勤め、そこで死ぬまで働いて出世するのが成功した人間だという標準的成功モデルも色あせて久しいわけでありますし、終身雇用制度も大きく崩れてきております。
 私が今話している話というのは何も真新しい話ではなくて、この十年間、多くの人に指摘されてきた点なんでありますけれども、政府の対応となりますと、ややこれに対して省庁横断で取り組むという姿勢がなっていなかったんではないかと、この点まず最初に米田副大臣にお伺いをしたいと思いますけれども。ここまで青少年問題が深刻化してきている中で、やはり政府としては省庁横断で包括的、総合的にこの青少年行政に取り組むべきなんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(米田建三君) お答えいたします。
 先生お説のとおり、青少年というふうに一言で言いましても、青少年個々の状況、あるいは時代の状況、あるいはその青少年それぞれを囲む環境、様々な要素があるんだろうと思います。したがって、画一的な施策で対応できるものではない。しからば、我が国の命運を左右するとも言える青少年施策をどう展開していくのか。もう言うまでもなく横断的な取組をどれだけ強化できるか、これに私は掛かっているんだろうというふうに思います。
 政府は最善を尽くしてまいったというふうに私は理解をしておりますが、しかし言葉の性格上これで良しということはないわけでありまして、常に不断の努力を重ねる必要があるだろうというふうに思います。
 そこで、現在、内閣府では、内閣府の事務次官を長といたしまして、関係省庁の局長クラスをメンバーとする青少年育成推進会議を開催をしております。今後は、この推進会議の在り方も含めまして、青少年行政を更に一層強化するにはどうすればよいのか、このことを迅速に検討しながら、御意見にあるようなお考え、誠にごもっともだと思いますので対応してまいりたいと、このように考えております。
○遠山清彦君 そこで、続けてお伺いいたしますけれども、私、先日、自民党の藤井議員、お世話になりました、一緒に国際麻薬統制サミットに出席するためにスウェーデンに行ってまいりました。実は、この麻薬統制サミットの今年の会議でも若者の薬物乱用の問題が主要のテーマとなっていたわけでありますけれども、実はスウェーデンというのはイギリスと並んで欧州諸国の中でも最も青年政策に力を入れている国として有名でございます。
 実はこのスウェーデン政府の内閣の中には、一九八六年から青少年問題担当の大臣、いわゆる青年大臣と言われるものが設けておりまして、現在は何と二十九歳の女性のハレングレンさんという人が大臣をしております。私も海外いろいろ回りましていろんな大臣に会いましたけれども、自分より年下の大臣に会ったのはこれが初めてでございましたけれども。私、今回、この会議の合間にこのハレングレン青年大臣と会うことができまして、一時間ぐらい懇談をしてまいりました。さらに、この青年大臣の下には国家青年問題庁という独立行政法人がございまして、決して大きくありませんけれども、そこが青年政策の総合調整を行って、特に一九九〇年代後半から現場の様々なニーズにこたえる取組をしております。実は、この、私、青年問題庁にも行って、そこの開発部長とも会って、やはり一時間ぐらいお話を伺ってきました。
 私は、この日本の現状を見たときに、一応、福田官房長官、官房長官が青少年問題担当ということになっているわけでありますけれども、また先ほど副大臣おっしゃったように、内閣府の事務次官中心に会議開いているということでありますけれども、私はもっと政府が積極的にこの青少年の問題にまた総合的に対応していく。教育の問題、雇用の問題、あるいは犯罪を犯した若者の問題、いろんな問題掛かっているわけですから、やはり総合的にこの青少年の問題に対応するために、私はもっとはっきりとした形で青少年問題担当の大臣というものを内閣は設けていくべきじゃないかというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(米田建三君) 内閣府の青少年担当の副大臣の立場からだけでは、しかとお答えを申し上げにくい、しかし大変有り難い貴重な御意見であるというふうに思いますが、私が申し上げるまでもなく、中央省庁の改革がついせんだって行われたばかりでありまして、その流れの中で今日の体制があるわけでございます。
 しかしながら、今日の官房長官のリーダーシップの下に、内閣府が言わば横断的なその取りまとめの役をさせていただいておるというこの枠組みを目下は最大限実のあるものにせねばならない。その意味におきましても、先ほどの御質問にお答えをしたとおり、中身をしっかり見詰めながら充実強化を図っていくと、この姿勢に変わりはございませんので、御意見に込めていただいたお気持ちにおこたえをできるように頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 米田副大臣がそのまま格上がって青年大臣に、二十九歳の女性じゃないですけれども、なっていただいても私は一向に構わないんですが。
 今、官房長官のリーダーシップの下と言いましたけれども、はっきり言って、官房長官、肩書多過ぎるんですね。今日だってここに呼んだんですけれども、隣で武力攻撃事態特、私もこの後、質問しに行かなきゃいけないんですが、忙しいんですよ、官房長官は。
 だから、青少年問題担当とか、そういう意味でいったら女性問題もそうですよ。世界じゅう見たら、実は青年担当大臣、珍しくないんです。スポーツ大臣というのもよくありますけれども、青年担当大臣とか女性開発担当大臣というのは、私もそんなに多く行っていませんけれども、海外回るとよくいます、内閣に。
 私は、これ今、日本が景気悪くなって、その成長が落ちてきている、生産性これからどうするんだ、若者の問題大変だ、それから女性がもっと社会に出て頑張らなきゃいけないと言っていて、経済界も、あと女性が、今主婦やっている女性が百万人外に出ればあと十五年は何とかもつとか、いろいろ話はあるわけですけれども、政府はそういうことを言っていて担当の大臣決めていなかったら、今でもそれは文部大臣も頑張っている、厚生労働大臣も頑張っている、経済産業大臣も頑張っているけれども、扇のかなめになる人が政府の中でいなかったらやっぱりいかぬと。
 私は若い世代を代表する政治家としてはっきり言わせていただきますけれども、やはり今の肩書が二十だか三十ある官房長官の一つの肩書でやっているようじゃ日本の青少年政策はよくなりませんよと。やはり青少年担当の大臣ということをはっきりと、兼任でもいいです、位置付けていただいてやっていただきたいということを、これは米田副大臣にがなり立ててもしようがない話で、いずれ機会のあるときに官房長官に言いますが、是非政府の方では検討していただきたいと思います。
 次に、スウェーデン政府の話にまた戻っちゃうんですけれども、スウェーデン政府は、スウェーデン政府も実は同じような問題に九〇年代直面するんですね。青年大臣は一九八六年に作ったんですが、次の話は、一九九八年にスウェーデン政府は、ナショナルユースポリシーって英語で言いますけれども、包括的な青年政策を決めました。これはただ単に政府が決めて出しただけじゃなくて、翌年には国会で審議されて、国会が了承する、承認した、つまり青年政策に関する基本法的な性格の政策大綱でございます。
 このスウェーデンの青年政策の基本理念は三つございまして、簡単に言いますと、一つは、青少年には自立した人生を送るための適切な条件が与えられるべきである。自立原則ですね。二番目は、青少年には参加して影響力を行使する真の機会が与えられるべきである。つまり、社会の中に政治も含めて参加をして影響力を行使する機会が与えられるべきであると。三番目の柱が、青少年の関与、創造的能力及び批判的思考は社会のリソースである、資源として活用されるべきであると。こういう三つの柱を国会も承認する形で政策大綱で決めまして、この三つの理念の下に三十二の具体的な政策目標が掲げられて、これが十六の政府の機関に振り分けられて取組がなされているわけです。
 私、もう時間余りないんですけれども、青年大臣から直接お話聞いてびっくりしたのが、この青年政策、スウェーデンの青年政策の中には住宅政策まで入っている。それはなぜかというと、さっきの話のとおりなんです。スウェーデンでも、ストックホルムの今家賃は高いんです。だから、地方にいる有能な若者が親から自立して、自分の能力を生かして、ストックホルムに来て何かやりたい、しかしもう家賃が高くて来れない、そのために機会が奪われている。あるいは、首都に住んでいる若者はそのまま親と同居し続ける。そのために、エリクソンじゃないですけれども、モラトリアム期間が長くなって親から自立できない。経済的にも自立できない、精神的にも自立できない、そのまま三十代に突入すると。
 それを改善するには、スウェーデン政府はもう住宅政策に目を付けている。地方公共団体が作る住宅の中で、若い、ある要件付けなきゃいけないでしょうけれども、学生に家賃を安くして貸すことを検討し始めております。そういう包括的な政策文書というのを私は日本も作らなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。
 そして、そう思っていたら、たまたま小泉メールマガジン、私めったに読まないんですが、九十二号に、官房長官が実は、最近、今年の四月ですけれども、官房長官の下に置かれておりました青少年の育成に関する有識者懇談会報告書というのがありますけれども、この報告書を受けて、官房長官が仮称青少年プランというものを今年の夏までに策定をしたいということを小泉メールマガジン九十二号に書いてあった。私、それを発見をいたしまして、なかなかやるじゃないかと。是非やっていただきたい。
 そこで、私は、もしかしたら戦後初めてになるのかもしれませんけれども、政府として青少年にかかわる包括的な、この政策プランでも名前何でもいいですけれども、をこの夏まで出すということがメールマガジンに書いてありましたので、これはどういう中身のものになるのか、本当に出していただけるのか、それ、お願いします。
○副大臣(米田建三君) なかなかやるではないかというお褒めの言葉でございます。正におっしゃるとおり、なかなかやるわけであります。やる決意でありまして、この仮称の青少年プランは、もう紛れもなく、夏にこの青少年育成政策大綱という名称で策定をさせていただく、こういう予定であります。
 そして、今の御質問の中でも触れていただきましたが、本年の四月に取りまとめられた青少年の育成に関する有識者懇、この報告書で提言された内容等を参考にさせていただくわけでありますが、その中身といたしまして、言うまでもなくその基本理念、そしてさらには中長期ビジョンなどを示してまいりたい。そして、一つには分野横断的な重点課題、また二番目には年齢期ごとの施策の基本的な方向なども盛り込んでまいりたいというふうに考えておりまして、具体的には関係各方面とより一層の綿密な調整をこれから行いたいと思っております。
 以上でございます。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 青年育成政策大綱という名前になるということでありますけれども、青年の育成というタイトルが付いておりますけれども、私、先ほど私の質問の最初の方で、文部省とか経産省とか厚労省が中心になって若者の自立支援プランというのを作っているわけですけれども、そういう政策ともリンクを是非するような形で、政府が取る、各省庁が取る、青年に関する、若年者に対するいろんな政策が統合されて大きな効果が上げられるように是非頑張っていきたい。頑張っていただきたい。そのためにも是非、米田副大臣、格上げで結構ですから、青少年担当大臣というものを作っていただいて、なおかつ内閣府の中で、今、第七統括官の下でこれ調整しているということですけれども、聞くところによると、青年政策だけじゃなくて障害者の政策と高齢者の政策も一緒に兼ねてやっていると。それじゃ駄目だと。青年、青少年政策のみを担当する部局も是非、政府に作っていただいて、この青少年政策の充実というものを図っていただきたいということを強く申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○中島啓雄君 自由民主党・保守新党の中島啓雄でございます。
 決算委員会も、参院改革協議会の方針に従って、是非会期内に上げたいということで今日まで参りまして、省庁別の審査が終わりまして、今日は締めくくり総括の第一回ということで、政府の皆様にも大変御協力をいただきましたことを御礼申し上げたいと思います。
 経済問題等について若干質問をさせていただきたいと思います。
 資料が、もうお配りしてありますか、資料がお配りしてあると思いますが、恐縮でございますが、三枚目のグラフの方から先に見ていただきたいと思います。ここに名目GDPの項目別の推移が八五年からプロットしてございますが、国内総支出、民間最終消費支出等々とございますけれども、国内総支出、五百二十一兆をピークにして、後ちょっと下がりぎみかなと。これは名目でございますので、そういう形になっていると。それから民間消費は大体二百八十六兆ぐらいで横ばいと。民間の企業設備が、九一年をピークに、九十三・七から七十二・三と、これは三割近く下がっていると。政府消費支出の方は順調に伸びておりまして、最近は塩川大臣の締めで多少伸びが鈍っておりますが、消費支出も伸びておると、こういうことでございまして、公的固定資本形成の方は、今度は九五年をピークに、これは相当急ピッチで下がっておる、こんな格好でございます。
 で、一ページに戻っていただきまして、こういう傾向を比率にしてみますと、なかなか日本経済、構造がかなり変わってきたのかなと。一ページの上の表で、日本だけは九一年から二〇〇一年までのGDPの構成比を取ってございますが、ごらんのように民間消費支出はかなり増えているねと。それから政府の消費も増えているねと。国内の総資本、総固定資本形成はかなり減っているねと。こんな感じで、どちらかというとフランスとかドイツとか、あるいはイギリスとか、こういうヨーロッパ型の、言ってみれば政府の消費支出も民間の消費支出もかなり高いと。福祉国家型といいますか、社会保障の支出でかなり政府の消費のウエートが高くなっていると、こんな経済になってきたといいますか、ヨーロッパ型の成熟社会になりつつあるのではないかと、こんな感じがいたしますが、竹中大臣の御意見をお伺いさせていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 中島委員御指摘のとおり、GNEの、国内総支出の構成を見ますと、この特に十年間でやはり非常に大きく変化したということが分かるかと思います。一つには、消費が増えて、消費が増えてその分実は裏で貯蓄が減ってきているということがあります。貯蓄から投資がなされるものですから、その投資に当たる部分も当然のことながら減ってくると。これは国内の総固定資本形成が民間も低下をしておりますし、住宅についても、一時高くなるわけでありますけれども、最近については低下の傾向が見られると。これは経済のまさしく成熟を表しているという面があろうかと思います。
 特に、単に質的な成熟だけではなくて、経済の成長率、伸び率が低下しますときには投資項目というのは非常に大きく変化する、加速度的に変化する傾向がありますものですから、そういうものがこの支出の中に、支出構成の中に非常に端的に表れている。正に委員御指摘のとおり、その意味では数値の大きさから見ましてもヨーロッパ的な支出構造に少しなっているというふうに私も認識をしております。
○中島啓雄君 そこで、二枚目を見ていただきますと、これは財務省のホームページの中で財政上の問題をいろいろ指摘しておる中の一つでございますが、「国民負担率の国際比較」ということで、日本の場合は二〇〇三年度三六・一%だ、これに財政赤字の部分を入れますと四七・一と、こういうことでございますが、表面上は大体アメリカ並みだと。あと、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンと、五一・二からスウェーデンに至っては七六・五と、こういうふうな非常に大きな国民負担率になっているわけであります。
 さらに、日本の場合を見てみますと、平成二年の、下の表ですね、下の表の平成二年の真ん中辺に「国民負担率」とございますが、これ三八・八だったんですね。若干出入りがございますけれども、十五年は三六・一ということですから、むしろ平成二年より下がっていると。平成二年よりGDPは多少なりとも名目でも上がっておりますから、むしろ国民の負担感としては本来的には今の方がバブルの絶頂期の平成二年よりも下がっていると、こういうような状態であります。これはちょっと減税のやり過ぎかなと、こう思うので、そんなこと言うと与党の方には怒られそうでありますが。
 四枚目を見ていただきますと、(発言する者あり)野党の方には、ちょっと反対でしたかな。四ページ目に一般会計の歳出と税収の数字、それから公債発行額が載っておりますけれども、一般会計の歳出は、ちょっと最近鈍っておりますが、伸びておると。税収の方は、九〇年度の六十・一兆から四十一・八兆まで、これ三割近く落ちているわけですね。その穴埋めに公債が使われて、六・六兆から今や三十六・四兆と、こういうようなべらぼうな数字になっていると、こういうことでありまして、仮に今六十兆の税収があったとすれば、ほとんどいわゆるプライマリーバランスというのは均衡しているような状態であったと思います。
 さらに、最近の経済財政諮問会議における有識者の試算では、このまま現状維持程度に推移すると潜在的な国民負担は六〇%以上になるんではないかというようなことでありまして、要するに歳出の構造がヨーロッパ型に向かっているのに国民負担の構造はアメリカ型ではこれはとてももたないと思うんですが、これをどういうふうにしていったらよろしいか、竹中大臣のお考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な歳出と歳入の構造につきましては、今、正に中島委員御指摘のような問題が九〇年代以降日本経済で生じてきているというふうに思っております。
 よく政府は危機感がないというふうな御批判を受けるわけですが、実は、財政がこれだけ、財政需要がどんどん拡大していく中で財政赤字、国債残高がここまで累増してきているということに関して、実は我々は非常に強い危機感を持っております。であるから、この厳しい経済状況の中でも、財政に関しては、これは年金の問題も含めて本当にしっかりと対応をしていかないといけないと。ここ一、二年の特にマクロ経済の運営が非常に大きく問われていると思っております。
 それに対してどのように今後運営していったらよいかということでありますが、御承知のように、まずマクロでいえば、個別の問題幾つかありますが、マクロでいえば、プライマリーバランスをしっかりと回復させるような道を目指していかないとこれは財政は破綻してしまうわけでありますから、これは最低限そのマクロの枠組みをしっかりとしていかなければいけないと思っているわけであります。
 その第一歩として、当面は一般政府のやはり規模を大きくしないことであると。その意味では、緩やかな歳出の方に、歳出の方に緩やかなキャップをはめると、上限を設定していくと。その中で、経済を自律的に再生させていく中で、税収が少しずつでも上昇してきて、プライマリーバランスが十年程度で回復していく、そういうシナリオを「改革と展望」の中では描いております。
 同時に、それ以降、二〇〇六年までにその歳出のキャップをはめて、それ以降の問題については、正に政府がどのような、どの程度の仕事をするべきなのか、それに対して国民はどの程度の負担をすべきなのか、そういった点をやはり二〇〇六年ぐらいまでにはしっかりと結論付けるようなことをやっていく必要が同時にあるというふうに思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 もう一つは、これはむしろ財務大臣の方に伺いたい問題なんですが、投資の問題でございます。
 先ほどの説明でも、民間・公共投資とも最近非常に減少しておる。特に公共投資は九五年からぐっと締まってきまして三割ぐらい減っておる、こういうことでございますし、新聞報道では、最近も、来年度の予算は公共投資を三%ぐらい削減するんだと、こう大臣は言っておられるようでございますが、ちょっとやっぱりテンポが激し過ぎるのではないかと。この辺で少し、増やせとは申しませんけれども、少しブレーキを掛けてもいいのではないかと、こういうような気がいたします。
 もちろん、公共投資の効果という、投資効果なり効率というのはもっともっと高めなければならないので、政策評価等々の結果を利用して優先度をきちっと決めると。本当に効果のあるものに集中するということは必要でございますし、本来ならば民間の投資がもっと盛り上がってくれれば一番いいわけなんですが、このまま民間、公的部門ともに投資が減少を続けてくると、かなり設備が陳腐化してきて、韓国や中国はどんどん今追い付け追い越せで投資をしておりますから、六〇年代にアメリカで鉄鋼産業の投資が後れて日本に追い越されて経済摩擦になったというような事実もございますし、もう少し民間投資が盛り上がってくれればいいわけではありますけれども、これ以上公的部門の投資というのを減らすというのもいかがなものかという気がいたしますが、その辺の財務大臣のお考えはいかがでございましょう。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問の趣旨は、民間投資はもっと上げていかないかぬけれども、これも上げられぬが、そうであるとするならば公共投資をもう少し上げたらどうだろうと、こういう御趣旨と取ってよろしいんですか。
○中島啓雄君 これ以上下げるのはいかがかと。
○国務大臣(塩川正十郎君) そうですか。
 私たちはこう思っております。公共事業のコストと仕様書、それから様式等、こういうもの全体を一回見直してほしいと。公共事業の必要性は私たち十分認識しておりますし、まだまだ社会資本の充実は必要でありますけれども、ちょっと無駄が多過ぎるんじゃないかなという感じがしまして、その無駄をできるだけ節約してほしいと。そのためには数%の削減でそれは対応できる、節約の対応ができるんではないかなという目標でもってやってきておるのでございまして、公共事業を圧縮して社会資本を遅らせていくという、そういう考え方はないということを御承知いただきたいと思います。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 なかなかその辺は難しい議論だと思いますが、投資の効果と併せて日本経済の成長を阻害しないように、是非バランスを取った予算をお願いをしたいと思います。
 それでは、ちょっと戻りまして、全体の経済の問題で、「改革と展望」二〇〇二年度の改定においては、政府の大きさは現在の水準を上回らない程度にするんだということで、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを黒字化することが望まれると、こういうことでいろいろ試算が出ておるわけですが、どうも具体的な道筋がなかなか分からない。
 デフレをどうやって克服するのか、それから名目二・五%の成長ということが載っていますけれども、どうやって成長を高めるのか、社会保障のレベルをどうするのか、国民負担の議論も五〇%程度という数字が躍ってはおりますけれども、本気でそこで抑えるのかと。そんなことを、やはり先ほど二〇〇六年以降についてはこれから考えると、こうおっしゃいましたけれども、やっぱり今から十年ぐらい先まで見通してこういうような経済構造、社会構造にしていくんだということを示していくべきではないかと。そうしないと国民の将来不安というのはなかなか解消されない、したがって消費が盛り上がらない、盛り上がらなければ投資も盛り上がらないというような悪循環に陥っている可能性もかなりあるんじゃないかと、こう思いますので、今後の見通しということについてもう少し具体性のある展望を示すべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のような点、我々もよくいろんなところで御指摘を受けている点だと思っております。
 実は、「改革と展望」に示された十年の道筋、これはマクロ経済と財政を整合的に見たものでありますから、これ自体実は小泉内閣になって初めて示されたものでありますので、我々としては従来にはなかった一つのビジョンを示しているつもりではあるんですが、さらに、そういうマクロのいわゆるスケルトンの部分だけではなくてもう少し社会の様子が見えないものかと、そういうふうな御指摘があるということは確かに承知をしております。
 しかし、これはなかなか難しい仕事でもございます。我々としては、目指すものとしては骨太の改革で、正に自助自律の精神に根差した信頼に足る政府を作っていく、その中での日本の経済が本来持っている潜在力を十分に発揮できるようなプロセスを経ていく、そういうことは理念としては書かせていただいております。
 さらに、それを実現するためには、やはり突き詰めていろいろ考えていくと、どうしても四つの改革を同時にやっていかなければいけない。金融システムの改革、規制の改革、歳出の改革、歳入の改革、今それを正に骨太第三の中で更にしっかりと具体的な姿として示していこうというふうに思っているところでございますので、御指摘のような点も踏まえて、常にそういった説明責任をしっかり果たしていけるように努力をしていきたいというふうに思っております。
○中島啓雄君 是非よろしくお願いをいたします。
 ところで、消費税絡みの問題で税制の問題について少しお伺いしたいと思いますが、五月二十九日の参議院の予算委員会で、総理はまた、消費税は総理の在任中上げないんだということを繰り返しておられました。これは安易な増税に頼らずにまず歳出削減をやろうと、それから構造改革を進めるという趣旨でありますし、もう一つは、言っておられましたのは十四年度の経済成長、当初の見通しではゼロ%であったのが一・六%、これは実質でですね、というようなことで、成長を促進をしていけば税収も増えると、こういう御趣旨が含まれているのではないかと思いますが、ただ、確かに成長すれば税収は増えるには違いないでしょうが、例えば二%成長を十年間継続していたとしても、増える税収は十兆円そこらぐらいだと思います。十六年度から基礎年金の二分の一国庫負担ということで三兆円弱増えるとか、財務省が出された中期財政試算では、来年度にもこのまま推移すれば国債による収入が税収を上回るようなことにもなりかねないというような数字が出ているんで、こういった自然増による増収を考慮に入れても、簡単に財政が健全化すると、あるいはプライマリーバランスが均衡するというところまではとても行かないんだろうと思います。
 現在、十五年度の予算では、プライマリーバランスの赤字が十九・六兆ということですから、大体二十兆ですね。十年後どうなるか分かりませんが、例えばマイナス三十兆ぐらい、放置すればマイナス三十兆ぐらいになる。こういうことになりますと、経済成長だけで十兆ぐらいカバーできたとしても、まだ二十兆のプライマリーバランスの赤字が残るということでありますから、やはり歳出削減と経済成長と増税と、こういった問題を適切に組み合わせないと、増税はみんなうれしくない目標ではありますけれども、これはやっぱり政府としてもメニューの中に入れて考えていかなければいけない課題なんだろうと思います。
 小泉内閣として改革を掲げるからには、やっぱり国民のある程度の負担増についても今から理解を求めていく必要があるんじゃないかと。消費税を導入した際には、これは大変な問題になって、大平内閣、中曽根内閣、竹下内閣と三代の内閣を経て、やっと竹下総理が退陣と引換えに実現をしたというような経緯がございますから、今から急いで準備をしたとしても事実上平成十九年度以降になるかもしれませんけれども、私は、今からその辺の総合的な財政の均衡についてはよく国民の理解を求めていくというのが政府としてあるべき姿ではないかということで、どうも総理は最後の御答弁のときに、私が辞めた後の総理が考えればいいことだというような御発言があったんですが、これはどうもいささか無責任ではないかと。選挙を控えて増税発言は控えた方がいいというんだったら、正にこれは大衆迎合のポピュリズムと、こういうことになるんで、そんなことも含めて両大臣のお考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 後ほど塩川大臣の方からもお答えがあると思いますけれども、基本的な「改革と展望」等々での考え方というのは、やはり歳出の削減、歳出の無駄をなくすことが何といっても財政構造改革の基本でなければならないと。確かに、総理は国会において、在任中消費税を引き上げることは考えていないというふうにおっしゃっておられて、歳出の見直しが先であるというふうに言っておられると。同時に、将来の税制の在り方については、少子高齢化の進展であるとか財政状況等を踏まえて国民的な議論が必要であって、その中で消費税について議論をすることは歓迎すると、そういう発言も総理はしておられるというふうに承知をしております。
 我々としては、財政、歳出の改革等々をきっちりと進めていって、先ほど申し上げましたように、緩やかな、歳出に緩やかなキャップをはめていくと。その中で、経済が活性化する中での緩やかなペースでの財政収支の健全化を見込む。しかし、それは二〇〇六年度までそういうシナリオを描いているわけですけれども、それ以降の受益と負担の在り方全般については、二〇〇六年度までに、その後も同じような、二〇〇六年までと同程度の収支改善を続けていかないと、これはプライマリーバランスは改善、回復できないものですから、それまでにしっかりと結論を出す必要があるというふうに思っております。
 今からいろんな理解を深める必要があるという委員の御指摘は、それはそのとおりだと思いますし、総理も議論することは歓迎すると、そのような趣旨でおっしゃっておられるんだと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、竹中大臣の発言は政府の代表した統一見解でございますので、私も同様であります。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 じゃ次に、金融安定化対策に伴う公的資金の扱いということで、りそなの問題を一つのモデルとして、りそなについてお聞きするということではなくて、この辺の公的資金の流れの問題点について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 りそなホールディングスが一兆九千六百億円、通称二兆円の公的注入を申請をしたと、こういうことでございまして、これで何か公的資金イコール国費イコール税金と、こういうような、新聞情報だととかくそう誤解をされやすいわけでありますが、現実は預金保険機構が危機対応勘定から二兆円を拠出して、その資金でりそなの株式等を購入をすると。その財源は民間なり日銀なり、あるいは債券の発行等による借入金で取りあえず賄うということで、この借入金には十五兆円の枠内で政府保証が付いているんだと、こういう流れではないかと思いますが、こういう理解でよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な問題を御指摘くださったと思います。お答えは、まさしく今、委員の御指摘のとおりでございます。
 公的資金の注入というふうに言いますと、そのまま政府が何かお金を、税金等々でお金を入れるというようなイメージでとらえられがちでございますが、要するに預金保険法百二条第一項一号に基づく資本増強というのは、政令で定める金額の範囲内で日本銀行、金融機関その他の者から資金の借入れを預保が行うことができるんだと、それについては危機対応勘定で十五兆円の政府保証枠が予算措置をされているんだと、そういう形で株式等の引受け等に係る払込みを行うことになるという、そのとおりの措置でございます。
○中島啓雄君 そこで、二兆円の資本注入を得てりそなが無事に再生をして、株価が上昇し、預金保険機構が取得した価額よりも株価が高くなって売却できると、こういう状況になればめでたしめでたしで、これでいわゆる国の負担というのはなしで済むわけでありますが、仮に取得株式の価額が下がってしまって、何年後になるか分かりませんが、資金を回収できないと、こういった場合にどういうことになるのか。
 法律上からいいますと、まずは金融機関からの負担金で補てんをするんだと、それでも足らぬ場合は国の補助金の支出、あるいは今言った十五兆円の政府保証の保証を実行すると、こういうふうなことになろうかと思いますが、その手続についてはどのようになっておるんでしょうか。
○副大臣(小林興起君) おっしゃるとおり、将来、利益が出ることもあるわけですけれども、損する場合もある、あり得るわけであります。そのときには、まず負担金を金融機関にお願いするということになっておりますが、その負担によって更に信用秩序に問題があるということになりますと、金融機関に負担をお願いすることはできないというときは最終的に国が引き受けるわけでございますが、これは別に予算措置で講ずればいいことになっておりますので、そのための特別な立法は必要ないという形になっております。あくまでも予算措置で、のみでできるわけでございます。
○中島啓雄君 予算措置でできるという御答弁でございましたので、それならばかなり早急な対応が可能は可能と、こういうことであろうかと思います。
 ところで、預金保険機構のいろいろな勘定の中で、破綻金融機関のペイオフコストを超える資金援助については、今まで特例業務勘定というのがありまして、ここに十三兆円の国債が交付をされて、その償還をすることによって破綻金融機関に対する金銭贈与の一部を賄う財源と、こうされておったわけでありますが、十四年度末で廃止をされてしまったということで、今、預金保険機構としては、りそなのような場合に、いざとなったら国の資金を使えるというような枠は当面の話としてはなくなってしまったわけであります。
 預金保険機構が債務超過で倒れるということはないと思いますけれども、仮定の話として聞いていただきたいと思いますが、十三年度末で預金保険機構は一般勘定、特例業務勘定で三兆八千億の欠損金を抱えております。その他の勘定も含むと四兆七千億ぐらいになるんじゃないかと思いますが、銀行の株式を取得、大分しておりますから、これが価格が下がれば更に欠損は増えるということで、基本的には保険料収入で賄うということになっておりますけれども、もし保険料収入では賄えない場合にはどういうふうに措置をするのか教えていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今のお尋ねの件に関しては、基本的にはそれは将来の保険料収入で賄うべきものであると、短く申し上げればそのようなお答えになろうかと思います。
○中島啓雄君 将来の保険料収入で賄えればこれはハッピーなことでありますし、今、保険料収入五千億、特別保険料も含めて五千億ぐらいありますから、三・八兆円ぐらいならできるのかもしれませんが、これがどんどん膨らんでくるとなかなかそうもいかないだろうと思います。
 一般的な問題として、特殊法人が仮に破綻をした場合にどうするかというのは、どうも法制面の整備というのは非常に不備ではないかと私は思っております。
 十三年度末で政府保証債務の残高というのは五十八・六兆円という数字があると思いますし、そのうち預金保険機構は二十兆円というような膨大な額の政府保証をしてもらっているわけでありますが、これが資金繰りに行き詰まって保証債務を実行してもらおうとしても、予算で承認をされていない限りは国からはお金は出てこないと。それから、こういう特殊法人等の解散についても、一般的には解散については別に法律で定めると、こういうような条項でおしまいでございますから、何らかの特別法を作るか、その法人の成立法を改正をしてもらわない限りは解散もできないと、こういう仕掛けになっておるわけです。
 その間に、事業法人、例えば国鉄とか本四公団などは典型的な例だと思うんですが、赤字の事業法人がどんどんどんどん債務が膨らんで、処理をしようとしてもなかなか議論が進まない、その間に利子がまた膨らんでと、こういうようなことで、国鉄の清算事業団債務というのはむしろ当初の債務残高よりも最終的に処理した場合の債務残高の方が増えてしまったというような例もあるわけでありまして、私は、やっぱり特殊法人等の措置についても、何年以上赤字が継続した場合とか、あるいは債務超過になった場合とかという場合には必ず債務の処理計画を立てるんだとか、あるいは国としてあらかじめ準備金を積み立てて緊急の措置に備えるというような、言わば財務面の有事立法というようなものを整備をすべきではないかと、こう思いますが、その辺について御見解を、これは財務省と法務省と両方からお願いしたいと思います。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 まず、原則論でございますけれども、各省庁は所管の特殊法人を財務の健全性などをチェックしまして、それで適切な監督を行っております。また、一般論としましては、業務の実情や必要性に応じまして補助金とか補給金を措置しておりまして、特殊法人の財務の健全性に配慮しております。
 なお、お尋ね、その一般的な破産処理手続法みたいなものについてですけれども、まず特殊法人等が破産といった事態に陥った場合には、先生おっしゃいましたように、現在の法体系におきましては、各特殊法人等の根拠法令では解散につきましては別に法律で定めると規定されているのみでありまして、一般法はございません。その理由でございますけれども、いわゆる特殊法人等はそれぞれの事業内容とか資産、負債の状況等に応じてまちまちでございますので、そういう状況に応じて最も適切な方法で処理をいたしております。
 例えば、具体的な話申し上げますと、先ほどおっしゃいました本四公団の話でございますけれども、これにつきましては債務が三・八兆ございまして、それで、十五年度予算におきまして、そのうち一・三兆円を切り離しまして国債整理基金特別会計に引き継ぎました。その債務は一般会計から、いわゆる自動車重量税の一部を使いまして平成十九年度まで返すことになっております。これが一つの例でございます。
 例えば、ほかに基盤研究技術促進センターというものがございます。これは十五年度、NEDO、TAOに変わりますけれども、出資金は合計で三千百四十八億円ございました。これにつきましては、それぞれ、国、産投特会ですけれども、また政策投資銀行、また民間企業がそれぞれ出資しておりまして、それにつきましてはそれぞれ減資いたしまして、プロラタ方式ですけれども、それで三千百四十八億円の出資を三百八十七億円まで減資いたしました。
 そのように、特殊法人につきましては、例えば民間の場合の破産処理法のプロラタ方式みたいなものは国の関与の仕方等はすべて違いますので、なかなかそういう一般法を作ることにつきましては難しい面もあるんじゃないかと思っております。
○政府参考人(房村精一君) 特殊法人に対する破産法等の適用の関係でございますが、これにつきましては、現行法上、明文の規定がございません。したがいまして、そういった特殊法人の設立根拠法に何らかの規定があれば、それが当然優先するということになります。
 そういう規定が一切ない場合でございますが、これは考え方になりますが、考え方としては、その特殊法人の事業の公共性にかんがみ、事業の解体、清算を目的とする破産法等は適用されないと、こういう考え方もございますし、公共性といっても様々な程度がございますので、事業の内容等が私企業に近いものについては破産法の適用があると、こういう考え方もございます。
 そのような状況にあります。
○中島啓雄君 ありがとうございました。まあ、なかなか難しい問題だと思いますが、今後の課題としていただきたいと思います。
 次に、実はその十三兆円の国債の扱いについて情報開示がなかなか分かりにくいということを御質問しようと思ったんですが、時間もございますので、これは五枚目の表に「金融安定化対策のための交付国債の処理状況」というのがございますが、なかなか交付から償還までいろいろな過程がございますが、今後の課題として、その辺の情報開示についてはもう少し明快にしていただければということで省略をさせていただきます。
 ちょっと、りそな問題について一つお伺いをしておきたいと思いますが、この資料の五枚目に健全化フォローアップデータということで四行グループの業務純益と不良債権処理損失額と不良債権額というのが載っております。十四年三月までのデータは金融庁のデータなんですが、十五年三月はちょっと余りはっきりしませんで、まだはっきりデータが出ていないので、日経のデータでございますのでちょっと数字の継続性については問題があるんですが、これを見ていただきますと、ほとんど各行、りそなを含めて、業務純益よりも毎年の不良債権の処理損失額の方が多くなっているんですね。特に、十四年三月と十五年三月期は、金融庁の強力な御指導もあって思い切って不良債権の処理を加速をしたということで、なお増えているわけですから、不良債権額は十四年三月より十五年三月の方がどうも多少減っているようでありますが、りそなの場合も業務純益よりも不良債権処理の必要額の方が多いという状況が今後ともずっと続いたんでは、これは再生できるはずがないわけですね。
 三十日に出されましたりそなの経営の健全化のための計画というような、退職金、役員の退職金払わないとか人数削るとかいうのが出ていましたが、一体財務的にどのくらい業務純益が改善する見込みなのかというような数字は出ておりませんので、本当に改善されるのかどうかというのはどうもよく分からない。これは金融庁でよく監督をしていただきたいと思いますが、伝えられるところによれば、経費は三百億から四百億円ぐらい削るんだと、これではまだまだとても足りないという気がいたしますが、その辺の見通しなり今後の監督の在り方、どういうふうに考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員に御提出をいただいております表でございますけれども、委員御自身もおっしゃいましたけれども、ちょっと別のデータをお持ちになっているようでありまして、我々の数字とはかなり実は十五年三月期は違っております。りそなに関して申し上げますと、十五年三月期は三六六四、三千六百六十四億円という数字になります。その下の三井住友に関しては八千三百六十四億円、それでみずほにつきましては一兆六千二百三十七億円、UFJに関しましては五千六百四十六億円という数字になります。
 いずれにしても大きな数字であるということは事実でございますが、実は我々、この不良債権処理が本当に我々が目指しているようにあと二年で半減できるかどうかということを考える場合に、これは二つの点をチェックしていくことが大変重要だと思っております。
 一つは、不良債権のオフバランス化、正に不良債権の処理をどのぐらい進めていくのか、それに対して新規に発生する不良債権がどれだけあるのか。このバランスが逆転すると不良債権は増え続けるということになりますので、これだと実は問題の解決にはなりません。実は、その結果として、先般の決算の短信によりますと、不良債権比率は着実に減少しておりますので、今期に関しては処理額に比べて新規発生額ははるかに小さいものになっていって、その意味では不良債権の残高はちゃんと減っていくようなプロセスに乗っているというのが一つのポイントです。
 もう一つのポイントは、今、正に御指摘になった点で、業務純益と不良債権の処理損との関係であります。不良債権の処理をするに当たっては、基本的には、どこかの含み益を持ってきて処理するというような状況ではありませんので、言わば業務純益の中でやっていけるかどうかというのが、これは基本的には、営業をきっちりと続けながら、銀行としてきちっと活動を続けながら不良債権の処理を進められるかどうかの重要なポイントになります。
 この点に関しては、昨年の三月期で特別検査で非常に大幅な不良債権額の洗い出しを行いました。今期もディスカウント・キャッシュ・フローとかで洗い出しを行っております。結果から申し上げますと、実は一部、これは特にみずほ等々がそうでありますが、不良債権の処理損を前倒しをして今期に一気に行ってきたというところがありますので、全体の数字で見ますと少し膨らんでおりますんですが、そういう一部の銀行を除いては不良債権の処理損が業務純益の中におおむね収まるという姿が今期の決算では確認されたというふうに思っております。
 したがって、大変厳しい状況であることは間違いありませんが、今のペースを我慢強く続けて、不良債権の処理を進めて、目標である二年後に不良債権比率をその前の年の半分にすると、半分程度にするというのを是非とも実現したいというふうに思っております。
 あともう一点お尋ねになられた、正にコストの削減等リストラ、要するに業務改善の計画をどのように見ていくかということでありますが、今出されております業務改善の計画というのは、現りそなにおいて考えられる最大限のものを出してきたというふうに一応理解しております。もちろんこれから厳しく審査をいたしますが。同時に、新たに就任される経営陣の下で大胆なビジネスモデルの構築とか野心的に取り組んでいただいて、この計画を是非深掘りしていただきたい。我々はそれを含めてきっちりと監督をしていきたいと思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 じゃ次に──竹中大臣、それから法務省、よろしければ結構でございます。公会計制度の改革の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 昨年の十一月に財政制度審議会に公会計基本小委員会というのが設置をされまして、財務省としていろいろ研究をしておられるというふうに聞いております。現金収支主義から発生主義に直すというのが眼目であろうかと思いますが、そのねらいなり目的なりについて教えていただければと思います。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 まず、国の会計は、税財源の配分を国会の議決を得た予算を通じた事前の統制の下で行うということを目的にしております。こうした国の会計の基本的な考え方と、それに基づきます予算書等の持つ基本的役割はこれからも変わらないと思っております。
 他方で、今や行政活動の多様化、また厳しい財政状況等を背景にしまして、行政の説明責任の向上やディスクロージャーの充実を図る観点から、財務情報の充実を図ることが求められてきております。このため、その発生主義等の企業会計の考え方を活用しまして、平成十三年度から国の貸借対照表、これは試作でございますけれども、やっておりまして、また特殊法人等につきましては行政コスト計算書の作成を行っております。また、新たな特別会計財務書類の作成等に取り組んでおりまして、やはり先ほど先生が言われましたように、財政制度等審議会の下にあります公会計基本小委員会におきましては、これまで、今まで申し上げました個別の取組を踏まえまして、一般論として公会計の意義、目的を検証するとともに、今後の公会計の充実についての基本的方向性を包括的に議論するということをいたしておりまして、今月末を目途に公会計に関する基本的考え方を取りまとめる予定でございます。
    ─────────────
○委員長(中原爽君) 質疑の途中ですが、この際、御紹介をいたします。
 参議院の招待により訪日されましたトルコ共和国大国民議会議長御一行が本委員会の傍聴にお見えになりました。
 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと存じます。
   〔総員起立、拍手〕
○委員長(中原爽君) 御着席ください。
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○委員長(中原爽君) 質疑を続けます。
○中島啓雄君 今、御答弁ありまして、貸借対照表などは試算をしておるということでございます。損益計算書というのは、企業会計の場合は正に期間損益を計算をするというのが主目的でありますが、公会計の場合は期間損益の計算というのはやや違うところがございますので、その辺、企業会計そのままというわけにはいかないでしょうが、やはり、例えば公会堂を建てたといたしますと、これは公会堂を建てて年間の使用料収入で人件費なり維持費なりが賄えればいいということではなくて、本来ならば減価償却費とか資本費とかいうのも入れて効果を考えるべきだと。そういうことも含めますと、やはりいわゆる損益計算書的なものも重視をすべきだと思うんですが、今後の方向について、若干、今考えておられることを教えていただければと思いますが。
○政府参考人(勝栄二郎君) 先ほど申し上げました小委員会におきまして、大きく申し上げまして三点につきまして今議論を行っております。
 一つは、公会計の目的としまして、その目的は何か、意義は何かということでございます。この点につきましては、まず、公的部門の財政活動に対する議会による統制管理という観点がございます。さらに、公的部門の活動が広範囲かつ複雑化しておりますので、公的アカウンタビリティーの必要性の高まりが挙げられます。三点目につきましては、効率的な財政活動や政策評価の前提となりますいろんな情報の提供が三点目でございます。
 もう一つ大きな点は、公会計の範囲でございます。これは、先ほど先生がおっしゃいましたように、公会計の目的に照らしまして、どこまで対象ととらえるかということでございまして、これは、国は当然ですけれども、一般会計、特別会計。独立行政法人、特殊法人、認可法人までは当然だと思っていますけれども、公益法人もそうかもしれません。じゃ次は、NPOとか学校法人はどうか。また、民間企業で財政資金を受けているところはどうかと。最後は、地方公共団体をどう考えるかという範囲の問題が二つ目でございます。
 それで、三つ目は公会計として開示すべき情報等でございまして、これにつきましては単体でどこまで情報を求めるか。先ほどおっしゃいましたように、ストック情報は当然ですけれども、フロー情報としましては、損益計算書又はキャッシュフローですか、それまでも必要かどうか、又は政策実現コストとして何が適当かという点でございます。また、連結としまして、どこまで連結にするかという問題がございます。これは、公会計全体の財務情報、セグメント情報をどうするかという点でございます。そういうものを今包括的に議論をいたしております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 是非、アカウンタビリティーの強化あるいはディスクロージャーという面で、いい会計制度に向けていただきたいと思います。
 次に、多年度予算制度の問題と決算早期化の問題をもうまとめて、時間もございませんので、質問をさせていただきたいと思います。
 多年度予算制度といいますか、今は単年度主義でございますから、工事の契約をするのが大体四月からいろいろ検討を始めて夏ごろになると。そうすると、実施をするのは秋から冬だと。特に、雪国になれば正に雪が降り出してから一生懸命工事をしている、こういうような状況については当委員会でもいろいろ指摘があったところでございます。
 継続費とか繰越明許費とか債務負担行為とか、いろいろ制度はあるんですが、各国の制度を見ますと、例えばイギリスの場合は三か年のセットで予算を提出していると。それから、オーストラリアとかニュージーランドは四か年だと。国会の議決は単年度を議決するというようなことのようでございますが、やっぱり三か年、四か年、セットで、大体これで行くんだよということを示すことによって長期的な計画もできますし、何か三月の年度に集中するということもなくなるのではないかと思いますので、そういった中期予算の組み方というようなことを検討してみたらどうかと、こう思いますが、それに対する御意見をお聞かせいただきたいということと、午前中は川橋委員の御質問でも話題になりましたが、決算早期化への取り組みでございますが、現在、いわゆる出納整理期間というのが七月三十一日までということになっておりますから、これは現金主義で、法人税の税収などは五月三十日までに入ることになっておりますけれども、それの税収の計数整理というふうなことで七月まで掛かる、こういうことなんだろうと思いますが、発生主義会計に直せば必ずしも現金の収納が確実にできたからということではないので、もう少し早められるのではないか。あるいは、検査院への決算の送付期限が十一月三十日、これも財政法で決まっているわけですが、このコンピューター時代に七月三十日から四か月間いろいろ計数整理に掛かるというのもいかがなものかと思いますので、この辺を短縮していただければ、参院改革協議会でも話題になりましたように、秋の国会に提出をしていただいて、もう秋の国会から決算の審議ができる、そして翌年度の予算編成に役立てるというようなことができるのではないかと思いますが、この二つの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 まず最初の御質問の方でございます。
 現在の予算編成におきまして、今でも一つは中長期的な展望を持った上で各年度の予算編成を行っております。これは、当然いろんな年金等制度を前提にしまして予算編成を組んでありますので、その意味では、単年度主義とはいいつつ、中長期的な展望を持った各年度の予算編成を行っております。
 またもう一つは、効率的な予算執行につきましては、先生がおっしゃいましたように、予算の柔軟かつ効率的な執行を確保する観点からいろんな制度を利用しておりまして、繰越明許費というものを一つ設けております。具体的に申し上げますと、十五年度における繰越明許費の対象経費は十二兆円でございまして、実績としましても、繰越実績は十三年度で四兆円ございます。
 さらに、おっしゃいましたように、そのほか国債、債務負担行為、継続費といった制度もございまして、これは現実に活用されております。
 次は、将来の展望の話でございますけれども、一つは、毎年度、予算委員会に予算審議の資料としまして、現在の制度、施策を前提にしまして後年度の歳出歳入の影響額を出しております。これがいわゆる後年度影響試算でございます。さらに、内閣府は、「改革と展望」審議の際の参考資料としまして内閣府試算を出しております。
 ということでございますけれども、効率的な財政資金の活用等を進めていくためには、スウェーデン等、オーストラリア等の参考のお話伺いましたけれども、予算編成プロセスの在り方につきましては不断に検討を行ってまいる所存でございます。
 早期提出につきましては、おっしゃいましたように、三月決算の法人の税収を五月まで取り込むということで、ある意味では発生主義にのっとった処理を行っておりますけれども、そういうこともありまして、今、会計簿、決算簿の締切りは七月になっておりますけれども、これにつきましては、今般、参議院より、平成十五年度決算以降は、決算の提出時期を早め、会計年度翌年の十一月二十日前後に国会に提出するよう要請がありました。これにつきまして、我々としてもこの要請を重く受け止めまして、会計検査院とも協力しつつ、平成十五年度決算から実施できるよう努力してまいりたいと思っております。
○中島啓雄君 じゃ最後に、会計検査院に、変革の時代における会計検査の在り方というようなことで、正確性、合規性に重点を置いた検査から、当然、効率性、有効性というような方に重点を置いておられるんだと思いますが、今後の検査院の在り方の問題、それからもう一つ、先ほどの決算の早期化の問題についても触れていただければ、一緒に触れていただければ有り難いと思います。
○会計検査院長(杉浦力君) 決算の早期化につきましては、ただいま財務省の方からもお話ございましたんですが、私どもも決算の結果が早く予算に反映することは非常に大切だと思っておりまして、今までも連絡会等でいろいろやっておりましたんですが、今後、参議院の方針もございまして、なるべく早く出したいということでございます。
 ただし、私どもはいろいろなことを考えておるんですが、問題は、その早期化する場合に、検査のサイクルというものが実はあるわけであります。四月以後大車輪で実態を調べなければいけないということでございます。そして、それをやるためには、私どもの検査の体制を見直すとか、あるいはいろいろな関係者の御協力を得るということがまず必要でございます。
 そして、もう一つは、時期的な問題といたしましては、夏場に実は本省庁等の審査があるわけです。このときに、その相手方の皆様方が実は予算の編成とか、こういった点で大変お忙しいというふうなこともございます。しかし、財務省始め関係の方々の御協力を得まして、この点はクリアしてまいりたいと思っております。
 したがいまして、十五年度の決算報告からは、先ほどからお話ございますように、早く出すということで、検査体制を組み直してまいりたいと思っております。それが、第一点。
 そして、二つ目の検査の態様の話でございますが、先生御案内のとおり、私ども合規性あるいは制度に合っているかどうかという検査からスタートいたしておりますが、最近におきましては社会の要請あるいはここでの御意見等ございまして、このほかに経済性、効率性につきまして尽力をし、そして成績を上げておると私どもは自負いたしております。
 例えば、前にもここでお話し申し上げたかも分かりませんが、例を申し上げますとすれば、最近では地方空港の関連を調べたことがございます。地方空港を造りますときの需要の計画と実際飛ばした後の乖離が大きい問題があったとか、あるいは各省が事業のために公益法人等にお金を出しまして基金を作らせた。そして、その基金に基づいて事業を援助したりするわけでありますが、基金の事業が終わっておったとか、あるいは基金で行う事業がどんどんなくなってきたということ等があってもそのまま基金が滞留したり、あるいは同じような額の基金を出しておったというような点を分析したり、あるいは、具体的な話でございますが、都市整備公団が実施する新住宅市街地開発事業で造成いたしました土地が処分ができずにそのまま残っておるということで、非常に投資効率が悪いというようなこと等を載せた経緯もございます。このように、有効性とかいう観点から一生懸命やりまして、検査報告に載せてございます。
 今後も、検査の在り方につきましては、先ほども申し上げましたんですが、正確性、合規性の観点はもとより、経済性、効率性又は有効性の観点からの検査を一層充実してまいりたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
○委員長(中原爽君) よろしいですか。
○中島啓雄君 はい。
○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございます。
 本日は、財政再建について質問させていただきたいと思います。
 アメリカなどでは、十年ほど前には大幅な財政赤字があったわけでございますが、財政再建を果たすとともに安定した経済成長を達成してきました。一方、我が国では、ここ十年間国の債務が著しく増加する結果、将来の税負担について国民の不安が高まり、また経済活動に反映する、また財政に余裕がないために経済対策などで十分政策出動ができないという状態が続いておるように思います。
 これらの違いを踏まえて、我が国の財政再建を民主主義プロセスの中でどのように達成するかはやはり重要な課題でございます。財政再建のプロセスの中で一番重要なのは、国の債務の内容について正確な国民の理解を得ることが大事だと思います。国民が理解したいのは、どこまでが国の債務となっているのか、またそれはどうしてそのような額になったのか、さらに、これについてはこれからどのようになっていくのかといった大変基本的な問題だと思います。
 ところで、国民の理解を得るという点では国会も重要な役割を果たしているわけですが、その国会に国の債務について国民が理解できるような十分なアカウンタビリティーのあるような情報開示がなされているかどうかというのが第一の質問でございます。
 現在、国会に提出されている正式の国の債務に関する報告書は、今お手元に配付していただきたいと思いますが。
   〔資料配付〕
○荒井正吾君 一般会計及び特別会計の国の債務に関する計算書と呼ばれるものでございます。
 その一ページ目でございますが、十三年度末の債務の現在額の合計額、合計が書いておりませんが、六百七十七兆六千五百七十四億円ということでございます。国の債務については財政法やその他法令に明確な定義がないわけでございますが、本計算書の内容は、単に国会が政府に権能を与えた債務負担についての総計の数字の報告書のようにも見えるわけでございます。そのような整理された種別によりますと十一種別になるわけでございますが、その種別の項目を見ますと、債務発生手続の違いや債務の管理場所の違いを表しているだけのように見えるわけでございます。
 私は、政府の予算編成上の重要な約束や目標、例えばある年度の公債発行額は三十兆円以内にするとか、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスの黒字化をある年度までに達成するというようなことは、その結果や経過が国会に提出される決算書で明示的に記載されるべきものと考えますし、また国の財政状況の深刻さを、財政再建の必要性についても決算書で納得のできる説明をされることが必要だと考えております。それらの点について、国会に提出される決算書では、今ごらんになっていただいておりますように不十分なような内容のように思うわけでございます。
 国の債務に関する報告書は、国の債務について国民の理解を求めるという目的は入っていないのでしょうか。この計算書の目的はどういうようなものなのでしょうか。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 まず、財政構造改革に取り組むに当たりまして国民の理解と協力が不可欠でありますので、その前提としまして、国民に対し、財政状況を分かりやすく開示するのは当然のことだと思っております。
 お尋ねの国の債務に関する計算書についてでございますけれども、これは、財政法四十条第二項によりまして、歳入歳出決算に添付して国会に提出することになっております。
 それで、この債務についてですけれども、国の債権は国の債権の管理等に関する法律ということによっておりますけれども、これについては具体的な債務の定義がございませんで、今一般的に言われていますのは、国の後年度の財政負担となる債務又はその可能性がある保証あるいは損失補償債務であること、及び計上する金額の計数が計算書の作成時までに制度的に把握できるものというふうに一般に言われております。
 それに基づきまして、具体的には、国の債務に関する計算書の内容でございますけれども、一は予算総則で債務負担の限度額が定められているものに係る債務負担額、二番目は歳出予算の繰越債務負担額、三、継続費による債務負担額、四、国庫債務負担行為、五、法律、条約等で債務権能額が定められているものに係る債務負担額、六、公債、七、借入金、八、保証債務及び損失補償債務負担額でございます。
 以上でございます。
○荒井正吾君 ありがとうございました。
 要は、この国会に提出される資料では財政状況がなかなか見えにくいんじゃないかということをちょっと申し上げたかったわけでございます。
 これについて、今後、改善について議論が進むことを期待するわけでございますが、この債務の報告の中でも、国民負担、いわゆる租税の負担がどの程度入っているのかということを類推したいわけでございますけれども、この種別の二の繰越債務や十でございますか、未納付益金のように債務消滅の財源が既に確保されているけれどもここで切ったら債務になっているというようなものや、借入金の中の郵便貯金特別会計の借入金のように、預かった金融債権があるけれども一応、国、特別会計の債務になっておるといったように、余り心配しなくてもいい債務もあるわけでございます。
 しかし一方、建設国債、特例公債、普通国債と言われるものは、これはだれが償うのだろうかという心配が生じるわけでございますが、一緒になっているという特徴があるわけでございますが、この国の計算書に、債務の計算書といっても、今後の租税収入によらざるを得ないものはどのように読み取っていくのかというようなのが疑問に思うわけでございますので、その点についてどのように見ておられるのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(勝栄二郎君) 国の債務に関する計算書におけます平成十三年度末の国の債務の現在額は六百七十七兆円になっております。このうち、今後の租税収入等によらざるを得ないものと考えられるものは、例えば一般会計の公債、これ約四百三兆円ございますけれども、ございます。また、歳出予算の繰越債務負担額は約四兆円ございますけれども、これについては既に消滅のための財源を既に確保してございます。また、特別会計の公債、ここは四十五兆書いてありますけれども、これは財投四十三、外為二だと思いますけれども、これにつきましては見合いの金融資産はあると考えられます。
 ただ、先生ももう御存じのように、すべての債務を、既に財源を確保したもの、また見合いの金融資産あるもの、また今後の租税収入等によらざるを得ないものというふうに明確に分けることは若干難しい面もありまして、例えば政府保証債務、これは五十九兆というところに今入っていますけれども、政府保証債務は、例えばどのくらいが最終的に政府の債務として確定するかは不明でございます。
 そういうことで、現在、国の債務に関する計算書類は具体的な金額をもって明確に定められている債務を掲示しておりまして、その償還方法ですかというものは、国の債務は多種多様でございますので、それとは必ずしもリンクしていないということを御容赦いただきたいと思います。
○荒井正吾君 確かに、明確性という観点から現金の出納が明らかになるものを挙げたという従来の伝統的な計算書というような感じがするわけでございますが、そこからは国の財政の困難さ、あるいは困難の増加ということが直ちに読み取れないんじゃないかという指摘もあるわけでございます。
 これは債務形成のフロー面、年度年度の報告が明らかになるのと、一般会計と特別会計に限られているということでございますので、国からの出資がなされて、例えばいろいろな公団でありますとか運営の失敗の責任が国に帰属する可能性のある特殊法人などの債務が含まれていなかったりして、言わば本社とその事業部門だけの決算で、連結子会社、民間に連結子会社なんか財務を随分財務省厳しく言われるわけですが、国の財務の決算というのは少々まだ改善の余地があるんじゃないかというふうに感じるところでございます。
 そのような議論を踏まえて、本院においては平成八年、九年度の決算審査の結果、内閣に対する特別警告が出されております。政府会計について貸借対照表の作成を検討するなど国会に対する財政事情の開示に一層努めるべきであるという警告書でございます。
 このような背景と経緯を踏まえて、財務省において財政事情の説明手法に関する勉強会が持たれて、国の貸借対照表試案というのをここ数年間発表されておりますが、この国の貸借対照表はこういう疑問に対してこたえ得るものでございましょうか。その項目はこの配付資料の二ページ目に添付しておるわけですが、この作成目的はどのようなものであるんでございますか。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 国の貸借対照表、これは試案でございますけれども、平成十三年度から試験的に行っております。これは、国の財産を、資産を企業会計における貸借対照表の手法を用いまして、財政事情の開示ということで、国民に対する説明責任を果たすために、その財政の資産・負債を基礎的、総合的に情報として提供するということでございます。
 また、具体的に申し上げますと、まず一般会計と特別会計を連結することによりまして国全体の財政事情を開示しております。さらに、去年ですけれども、さらに、試験的に特殊法人まで連結いたしております。参考資料として出させております。また、これまで個別に作成されて国会に提出されていた国の資産・負債、例えば国有財産とか国の債務とか、そういうものについての各報告書の情報を統合して全体像を示すというのが二つ目の目的でございます。また、例えば公共用財産等、従来、報告の対象外とされていた情報、つまり、例えば道路とかダムとか河川、海岸ですね、こういうものの公共用財産等につきましても、いろんな工夫をしまして貸借対照表の形で一体的に示しているというものが三番目でございます。また、未収金、前受金、減価償却後の資産額、退職給与引当金等、企業会計のための手法を考慮した資産・負債情報を新たな情報として提供いたしております。
 そういう意味での目的を果たしているのではないかと考えております。
○荒井正吾君 国の財政事情をこのような形で開示しようという努力はある程度評価させていただきたいと思うわけでございますが、まだまだ改善と活用の方策を研究する余地が残っているように思います。
 どのように読めばいいかはなかなか難しい。例えば、国の有形資産を幅広く計上されているわけでございますけれども、国民負担を類推するという観点からは、もう川やら山など森林をすべて計上しても、処分可能でないものを資産と計上しても債務の償還には役に立たないわけでございます。一緒くたになっているというふうに思うわけでございますが、アメリカのように、処分可能資産だけを計上するというふうにしないと、資産と負債の差額を、いわゆるネットポジション、国民負担額を類推するということが難しいんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 このBSを基に国が債務超過だとか超過でないとかいったって、そういう議論が発表されたときがあったわけでございますけれども、余り意味がない議論がなされて物議を醸す面もあったんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 また、地方との連結制のことでございますが、特7殊法人を連結の中に入れるというのは、それは大変結構なことだと思いますが、道路や空港などの公共インフラの場合で、国が建設国債を発行して、地方公共団体に補助金を交付して、その資産を当該地方公共団体が取得した場合は、負債は国のバランスシートに計上されて、資産は地方公共団体の資産に計上される、国の資産は形成されないというようなことになっておるわけでございますが、負債と資産の対照というバランスシート本来の目的からいえば、そういう表を作っても、ただ債務が膨らんでいるということを示すだけで貸借対照表の意味が成さないものが入っているようにも思うわけでございます。
 私ども決算委員会としては、財政再建の観点から、この国の貸借対照表をどのように利用しようかということを頭を悩めておるわけでございますが、どのように読めば今後の租税収入によらざるを得ないものというのはにじみ出てくるんでございましょうか。
○政府参考人(勝栄二郎君) 去年出しました国の貸借対照表試案は平成十二年度版でございまして、その資産・負債差額は平成十一年度版と比べまして二十三・六兆円、その差額は悪化しております。
 これについては一つの参考になると考えておりますけれども、ただ、先生おっしゃいましたように、資産につきまして一つ取ってみても、その試算のやり方ですけれども、河川なんか一つ取ってみても、今までの公共事業を積み重ねて、それから減価償却を差し引くというようなやり方でございます。そういうものは果たして売れるかどうかという問題はございますし、負債についても、どこまで本当の国民の負担になるかどうかというのも必ずしも一義的には決まっていないという欠点はあると思っています。
 さらに、その資産・負債差額そのものについて申し上げますと、国は営利活動により利潤を得ることを目的としているわけではないこと、また、企業の倒産処理手続のように財産を清算することを予定していないということもありまして、こういうものの意義付けやその差額の数字の評価というものは極めて困難なところがございます。
 したがって、そういうものを直ちに財政再建に活用することは困難だと考えておりますけれども、この貸借対照表もまだ試算、試案の段階でございますので、皆様いろいろの御意見を踏まえまして改善に努めたいと思っています。
 ただ、個人的に、一つだけ意義あるとすれば、やはり継続性じゃないかと思っております。平成十二年度版は十一年度よりも二十三兆円悪化しましたということで、各年度の継続性による対比というものは可能になるのではないかと考えております。
○荒井正吾君 私は、このような財務諸表が国の財政の今後について建設的な議論をなされる基になるんじゃないかというふうに思うわけでございます。今、大変不十分な点は内外とも認められておるわけでございますが、不十分な資料なり人たちと付き合うのが人生でございますので、お互いに我慢をして改善に努めるということをしないと財政再建のような大きな仕事はなかなかいかないんじゃないかというふうに思うわけでございます。そのために、こういう貸借対照表のようなものを大きな切り口にして改善していってほしいと思うわけでございます。
 その改善の覚悟をお聞きしたいんでございますが、細かいことを言えば切りはないわけですが、大きな論点でも、今度、連結子会社とすべき法人が含まれたというわけでございますけれども、これ、すべてが含まれているのかどうか、あるいは一般会計と特別会計のやり取りが少々隠されて、余り隠しておられないかもしれないけれども、隠れ借金というようなものがその中にあるんじゃないかとか、あるいは先ほど申しましたように、アメリカなどに比べて地方と国の連結性が、財政の連結性が大変深い、先ほどの三位一体論でも歴史と経緯の中で形成された国と地方の資産・負債になっているわけですので、それが含まないでなかなか国の財政はうまくいかない。さらには、今後の話にもなりますが、年金などの社会保障基金について国民の負担はどのように考えればいいのかというような重要な点がこの財政諸表に、財務諸表に除かれているように思うわけでございます。そのようなことは計算できない困難はあるけれども、取り組んでいくんだという覚悟を持っていただきたいと思うわけでございますが、その点、改善の方向、あるいは意思というものについて、いかがでございましょうか。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 それぞれ非常に難しい問題でございますけれども、まず、特殊法人との連結のお話でございますけれども、十二年度版におきましては八十一法人の特殊法人、認可法人と連結いたしております。その特殊法人から除かれておりますのは、例えば日銀、またNTT、たばこ、これは株式会社形態でございますが、また、現物出資の形を取っております中央競馬会は除かれております。
 それで、その特殊法人等によって連結することによりまして、全体として約十兆円収支が、というか差額が悪化しております。それぞれの特殊法人の性格によるものでございます。
 次は、地方との関係でございますけれども、おっしゃいましたように、地方公共団体に補助金を交付した場合に、その当該団体が資産を取得するので、見合いの資産なしに負債のみが計上されるんじゃないかということでございます。これにつきましては、それを是正するということであれば地方公共団体と連結する必要があると思いますけれども、都道府県におきましても貸借対照表作成の試みはございますけれども、必ずしも作成手法が統一されていない、まして市町村の連結が行われていない。また、国との貸借対照表の作成も、作っている場合でも、三千三百ものの地方公共団体がございますので、必ずしも国と完全に一致していないということがございますので、地方公共団体との連結につきましてはまだ相当な検討、調整が必要ではないかと考えております。
 次は公的年金の話でございますけれども、これ、我々の国の貸借対照表試案でございますけれども、実はこれ、アメリカとか主要先進国とは違いまして、国の貸借対照表の中には公的年金預り金ということで位置付けております。それで、これに基づきまして、別表で第一案、第二案、第三案まで作っておりまして、第一案は公的年金預り金だけを債務として計上しますということでございます。それで、一番極端なのは第三案でございまして、これは過去期間に対応した将来の年金支払の金額を負債として計上するということで、この場合の資産・負債の差額が八百三十兆円以上になりますけれども、ということで、第一案、第二案、第三案でそれぞれ区分して掲示しております。
○荒井正吾君 数字の作成、なかなか困難な面があると思いますが、意味が明確でなく数字が出ると、漠然とした不安が漂うような気が、これこんなに債務が増えそうで大変だというような不安が漂う一方、政府税調で、将来消費税率のアップが必要だという議論がされるわけでございます。
 開示されている情報では、今お聞きしたように、既に発生し、また将来発生する今後の国民負担を、どの部分が租税負担として必要なのか、それはどのくらい必要なのか、それはまた国民が負担するのに妥当なのかどうかという議論の取っ掛かりの情報が、恐縮ですが実に少ないように思うわけでございます。一方、二けたの消費税率アップって何のためにと、こう聞きたいわけでございますので、増税議論だけが先走ったような感じが、国民に与えかねない議論のアンバランスと情報開示のアンバランスということがあるんじゃないかというふうに思う面もございます。
 小泉総理は、在任中は消費税率はアップしないと言っておられるわけでございます。一方、財政規律の重要性も強調しておられます。この意味はどういうことかというふうに考えるわけでございますが、財政再建には財政規律だけで十分で、消費税率のアップは必要ないからしないのか、必要あるけれども、今一応しないと言っているだけなのか、結果的に財政再建の処理を先送りにならないことを実に希望するわけでございます。
 外国の例でございますが、アメリカの場合、一九九二年の米国大統領選挙でクリントンがブッシュに圧勝いたしました。彼は、そのとき選挙公約として、財政赤字を四年間で半減するという公約をいたしました。そして、一九九四年度の予算教書で具体的な数字で発表いたしました。五年間で歳出削減が三千七百五十億ドル、増税が三千二百八十億ドル、削減総額七千四十億ドルの予算を議会に提出いたしました。これが一九九三年、包括予算調整法という効果的な立法につながり、一九九八年度に単年度の連邦財政が黒字に転換するわけでございます。クリントンの財政再建策は、増税を明示したというのが特徴だと言われておるわけでございます。
 また、英国では、二〇〇〇年七月に政府資源及び決算法という法律が成立して、会計原則がそれまでの現金主義から発生主義に歴史的な転換が行われるとともに、下院に議会の最上級委員会として決算委員会が設置され、大幅な歳出削減により財政を立て直したと言われております。
 米国でも英国でも財政再建のために政府の決算制度に目をみはるような改革が行われ、客観的な資料を基に政府と議会が一体となって財政再建のための知恵を出してきているように思うわけでございます。
 我が国では、財政再建のプログラムの全容がまだ明示されていないように思います。財政規律の確保、プライマリーバランスの確保も、財政再建の終末のまだ一歩、一里塚であるように思えます。我が国では、財政再建のための情報開示は国民がその必要性を納得するためにまだ不十分であると思われますし、国会に対しても十分な説明責任を果たしておられないように思うわけでございます。
 今、述べられたような困難は分かるわけでございますが、今後のより一層の情報開示、また本院が特別、内閣に対する警告として発しました、政府、財政情報の開示に一層努めるべきであるというこの特別警告の重みを感じていただき、今後の情報開示をどのようにされるのか、お聞き申し上げたいと思います。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えをいたします。
 まず、財政構造改革に取り組むに当たりましては、国民の、先ほど申し上げましたが、その理解と協力が不可欠でございますので、その前提としましては国民に対し財政状況を分かりやすく開示することが何よりも大事だと思っております。
 今までこういう観点も踏まえまして、現在は財政法等に基づきまして国会及び国民に対しましては予算書、決算書等の財政状況について報告を行うとか、先ほども申し上げましたように、国の貸借対照表、また特殊法人については行政コスト計算書類、特会については更に今は企業会計法に基づく計算書類等を準備したり、また今は財政制度審議会の小委員会におきまして今後の在り方について議論を重ねておりまして、今月末に報告を行うつもりでございます。
 さらに、現在は、もろもろのパンフレットとか、特に財務省のホームページ、インターネットも相当充実させておりまして、アクセス数も非常に多くなっております。
 また、いろんなところで地方公聴会を積極的に活用しておりまして、大臣始め副大臣等も、よく地方の方々と意見交換をさせていただいております。
○荒井正吾君 分析力のない情報は、情報としてなかなか使い勝手が悪いものでございます。今まで拝見した感じでは、借金がこれだけ増えるよと。まあ、できの悪いと言いませんが、家でだれかが借金をして、大蔵大臣であるお母さんなりお父さんに、これだけ借金できたと言ったときに、分かった、すぐ払うよとか、これから払うよと、すぐに返事が返ってくる家はなかなか珍しくて、どうしてそんな借金ができたんだ、これからできないのか、おまえも、自分もちょっと考えろというような会話が普通なわけでございます。
 国の借金は数百兆になれば、余りそのような情報の交換がないようにも思うわけでございます。その点を、是非覚悟を決めてといいますか、外国の例を見ても、この再建、財政再建の時代がやはりここ十年、二十年、外国でも続いておるわけでございますので、是非国民を信頼し、国会を活用して、工夫をした情報開示を行ってもらいたいというふうに思うわけでございます。
 具体的な話が、もう少し細かくなりますが、少々突っ込まないと、情報開示情報開示と言っても、大きい、小さい、どうしてかぐらいで終わってしまうものでございますので、また困難な面が多々あると思うんでございますけれども、例えば、国民負担がどのくらいあるのか、今後どのくらいになるのかという関心の下にこの財政情報を聞いておるわけでございますが、既に発生したもの、国債のように既に発生したもの、あるいは、それも国民負担の額としてどのくらいのものかということが少々輪郭がきっちりはしないと。これは財政法上、国の債務についての定義がないということからもあるかもしれませんが、若干あいまいにしてきたという面があると思います。
 もう一つは、民間に対して将来のリスクを今計れということを、盛んにここを言っておられるわけですが、国の債務の危険性というものをどのように計っていかれるのか。その意欲というものが少々、民間に対する要請に比べて国の内部に対する財政監視規律というのかが弱いように思うわけでございます。
 将来、国民負担として発生する可能性を計測するのは困難な面があると思いますが、政府の活動、多様であるのは分かりますが、活動の中で、活動が失敗したことにより国の税負担に転嫁される可能性のあるもの、リスク債務でございますが、例えば、ざっと普通に考えても、政府が出資した法人の借入れ、先ほど中島委員の御質問で、特殊法人には破産がないのか、破産があったときはどうするのかという単純な疑問になかなか答えられるシステムになっていないというような面。同じようなことが、政府の信用保証や金融機関への公的資金の導入に対するリスクというのはどのように計測されるのか。
 先ほどの、地方公共団体、国の地方公共団体に対する補助金の場合もありますが、地方公共団体が破産したときに、それは破産ですと言っていいものか、国の債務に、責にならないものか、あるいは今度、郵便貯金や年金積立金が自主運用するというふうになったわけで、これが、特別会計が自主運用の結果、大損をしたという場合にはもうどうするんでしょうか。
 あるいは先ほどの議論の繰り返しになりますが、公的年金負債の将来への税負担、大きな将来のリスク負担が余り議論に上がってこないというようなことで、民間に対しては引当金を積め、何か健全性が四%だ、八%だ、商売できないと、部局は違うかもしれないけれども、大変厳しく言ってこられたのと、フォローして、国の債務について、今、国債はまだ消化されていますが、国の財政状況あるいは財務償還能力について厳しく転換されて、その会計、国に対する検査方針が厳しく転換されたときは、あっという間に金利が上がるかもしれない、これこそ恐ろしいことになるんじゃないかということを心配しておるわけでございますが、今、明らかでないという説明があるかもしれませんが、どのように今、把握していかれるのかを、主計局にばっかり聞いてもいけないのかもしれませんが、よろしく。
○政府参考人(勝栄二郎君) 個別の話を申し上げる前に、全体の話をさせていただきたいと思います。
 まず、国の貸借対照表十二年度版におきましては、十二年度末の国の一般会計及び特別会計の重複部を除いた負債は九百二十一兆円でございまして、内訳はここに書いてありますように、民間保有公債が約二百六十六兆円、郵便貯金が二百四十九兆円、公的年金預り金が約百五十六兆円でございまして、また、この負債に対しましては、資産が七百三十四兆円ございます。
 この負債がどの程度国民負担になるかという肝心の御質問でございますけれども、このことにつきましては、まず一つは、負債の償還財源につきましてどの程度税金という形で国民の負担を求めるかにつきましては、個々の負債の性質に応じて御議論いただくものでございます。
 一つの例を取りますと、例えば公的年金でございますけれども、公的年金につきまして、果たして税で全部見るのか、また保険料で見るのか、どの程度の組合せでやるのか、またもう一つは、年金の給付水準についてどう考えるか、そういうこと全部関係するものでございまして、一義的にこれだけの債務、国民負担というのを必ずしも今、現段階では言えないものが多々あるというのを御理解いただきたいと思います。
 二つ目、じゃ、その国の資産、償還財源としての国の資産ですけれども、これをどの程度充てられるかといいますと、これ、先ほど先生からもおしかりをいただきましたけれども、個々の資産の性質に応じてまちまちでございまして、例えば先ほど申し上げました、果たして河川、こういうものは償還財源として資産計上していいかどうかという議論はあると思っていますので、今、一義的に、すぐ国民負担はどうなっておるかということは、ちょっと今はお答えしにくいところがございます。
 また、個々の話でございますけれども、まず、おっしゃいました政府が出資した法人の借入金でございますけれども、これについては、政府出資法人のすべての借入金、つまり民間借入れを含めてのデータ、今は手元にはございませんけれども、財投機関である政府出資法人の財投融資資金からの借入金、これは平成十三年末で百八十一兆円ございます、八十一・五兆円でございます。
 ただ、これにつきましては、財投融資による特殊法人等への貸付けそれ自体につきましてはこれまですべて回収されておりまして、いわゆる延滞債権等の不良債権は今はございません。もちろん、余りにも楽観的な需要予測じゃないかという問題指摘されているのは承知しておりますけれども、だからこそ今、特殊法人等の行う事業につきましていろんな見直しを行っているところでございます。
 二つ目は信用保証ですけれども、これ、十四年度末の保証残高は全体で三十三兆円ございます。いわゆる特別保証といいますか、安定化分はそのうち六兆九千億円ございます。それで、今まで中小企業信用保証制度について、出資金として累計二兆四千億円いたしております。この今後の負担の見通しですけれども、これにつきましても、それぞれの回収率、事故率によって随分違いますので、ここでも確定的なことはまだ言えないということでございます。
 地方公共団体の債務は全体で、十五年度末で百九十九兆円ございますけれども、これについては、将来地方税などの財源、すなわち住民の負担で償還していくものと我々は考えております。
 郵貯と年金でございますけれども、郵便貯金の運用につきましては、全体として赤字ではございませんので、自主運用の失敗により将来国民負担が生ずるような事態にはならないんじゃないかと考えております。
 年金積立金の運用につきましては、多様な資産への分散投資を行っていると承知しておりますけれども、基金について申し上げますと、十三年度末で三兆百億円の累積利差損がございます。ただ、反面、積立金全体の運用状況は、例えば十三年度で預託利子収入が四兆九百億円もございますので、全体としてはその数字を含めてプラスでございます。
 また、公的年金の負債の税負担でございますけれども、これにつきましては、厚労省が昨年五月の将来推計ございますので、これにつきまして、年金の公費負担につきましては二〇一〇年度で九兆円、二〇二五年度で年金につきましては十三兆円を見ているということでございます。また、医療、介護を含む社会保障は別にございます。
 さらに、もう一つのお尋ねは、政府の活動の失敗のリスクをどのように評価し国民に情報を開示するのかということでございますけれども、これは一つは、おっしゃいましたように、的確な情報開示に努めるということが何よりも重要でございます。また、具体的には、例えば特殊法人につきまして、また独立行政法人につきましてですけれども、その所管している各省におきまして、独立行政法人評価委員会などを活用して監督を行っておりますし、また政府系金融機関の貸出し債権につきましては、金融庁の検査を導入するという取組をやっております。
 また、情報開示につきましては、国の貸借対照表とか特殊法人の行政コスト計算書等を、不十分でありますけれども、今まで申し上げましたように行っておりまして、財政制度審議会におきまして今月末、基本的考え方を取りまとめるという方針で行っておりまして、財務省としても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○荒井正吾君 勝次長ばっかりのお答えで大変恐縮なんでございますが、広範な責任者ということでございます。
 お手元の資料の真ん中の、内国債の内訳の中に、日本国有鉄道清算事業団承継債務借換国債、こういうのがあります。このような数字を見ると私も、多分中島委員も心が痛む数字が残っているように思います。また、この部屋にも心が痛む方もおられるんじゃないかと思うわけでございますが、これは国鉄が経営失敗をしたときに財政投融資から郵便貯金を原資に借りていたお金が償いが取れなくなって一般会計負担にした額の残滓でございます。このような形で、しかも全体の中に潜り込ませないでこういう名前を付けて麗々しく位牌のように飾っていただいておるのは大変結構なことだと私は思っております。
 これをかみしめて、こういうような項目ができれば二度と立たないようなことを、財政運用あるいはリスク管理をしていただきたいというようなのが、よく当時は第二の国鉄を作らないというようなことを言ったわけでございますけれども、いろんな特殊法人、政府の活動から生じるリスクというものを、財政投融資を借りると、三階に大蔵省の多分部屋があって、三階から二階の主計局に債務が移ると一般負担になると。三階から二階へ降ろすのがなかなか大変な仕事だと。そういうような仕事で、二階に降りた債務は五階の主税局に上がると国民負担になるというような感じがしたわけでございますが、そのような、組織で負担をたらい回しというわけじゃないですけれども、付け替えるだけで全体が良くならないように思うわけでございますが、リスクの事前チェックと、そのリスクが発生したときのコントロールマネジメントというシステムを国の中で作っておかなければいけないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 そのシステムの一番基になるのが、くどいようで、先ほどからお聞きしておる情報の開示。当時から進展したのは、各特殊法人なり独立行政法人の個別の情報開示を進めると、この情報開示が世間、できればマーケットの判断が仰げる体制になってきたというのがシステム上の進歩じゃないか。中央統制から個別の情報開示というのも大事かなというふうに思うわけでございます。
 しかし、全体の、先ほどの国の貸借対照表試案の議論でも、財政再建の必要性を直視する国の姿勢が、意欲というようなものが、すぐにその全部を入れ込むというような、ちょっと二律背反なわけでございますが、入れ込めば分からなくなるというようなことになるわけでございます。
 一つのアイデアでございますが、国民負担の額を直視するようなバランスシートができて、それをいつも見ているというような監視体制ができないかというふうにも思うわけでございます。
 例えば、発生済みの国民負担と国民負担となるリスクの高い債務を例えば引当金のような概念で負債項目としまして、処分可能な財産、国の持っております株とか売却可能な財産を資産項目とする。その差額は、ネットポジションは要手当額というふうになるわけでございますが、その要手当額をいつも注視をして、その負担額がゼロになりマイナスとなるような財政運用を監視すると。そのような書類を正式な書類として決算の議論の場に出されて国会が監視するというようなアイデアもあろうかと考えておるわけでございますが、そのような考えはいかがでございましょうか。
○政府参考人(勝栄二郎君) 国の貸借対照表につきましては、三年前に初めて試作を作りまして、それで、先ほど申し上げましたように、貸借対照表の目的はもろもろございますけれども、一つは、いろんな資産・負債に関する国又は特殊法人の情報、それ今までばらばらに出ていましたので、それを総合的に基礎的な資料として提出するという目的でございまして、作成当時は必ずしも、それが目的でございましたので、国民負担に直結するものとしては、実は最初はそういうことはなかったと思うんです。今は、総合的な情報を開示するということで、先ほど申し上げましたように、去年ですか、十二年度版におきまして特殊法人まで連結をいたしております。
 先生おっしゃいましたように、国の貸借対照表につきまして、国の負担、それは租税による負担も入っていると思うんですけれども、それを、そういう貸借対照表を作るべきじゃないかということにつきましても、まだ貸借対照表は一つの試案でございますので、いろんな御意見があると思いますので、それを踏まえましていろんな検討をさせていただきたいと思います。
 また実際に、今の財政制度等審議会における小委員会におきましても、公会計の在り方、方向性についての議論が行われておりますけれども、さらに、どういう部署で総合的に監査するかという議論も当然そういう中で行われると考えております。
○荒井正吾君 今日は勝次長一辺倒でいきますので、あともうしばらくお付き合い願いたいと思いますが。
 繰り返しになりますが、財政再建の必要性に、やっぱり国民の理解というのはもう大基本でございます。どこまでが将来の私の負担になるのかという視点に立った国の債務の全体像、それがまた外国とはこう違うんだけれどもこうだといった国際比較が可能な形で国民に示す必要があろうかと思います。
 国民が増税を嫌悪しているのは、増税しても必要な公共サービスが自分の生きている間に供給されない、ただ過去の浪費の後始末である公債償還に消費されてしまうことをやはり嫌がっているんじゃないかと思います。だれでもそういうことは嫌なわけでございます。
 国の債務が発生した理由を十分述べずに、あるいは説明しないで、国の債務の額はこれだ、将来増える、あるいは一方で増税の必要性を隠微に示すだけではどうもすっきりしないというようなのが、経済運営とか世の中の安心といいますが、なかなか安心できないような風潮になっているように思います。
 国民は、必要な公共サービス、将来の公共サービスのために公正な負担に応じる良識は我が国民は持ち合わせていると信じております。増税なしに財政再建は可能なのか、増税が不可欠とすれば、経済再生との関係でいつどのくらい必要と考えるべきかといった極めて重要な議論が正面切ってなされないわけで、債務がこんなに大きくなればいつか増税というお化けが出るよといった、何とも不明確な雰囲気で財政再建問題がマスコミなどで扱われているというようなのはやはりストレートじゃないというふうに思います。
 財政再建を民主主義のプロセスの中で達成するには、憲法と財政法の規定する決算法制の中に必要な連結制が確保されている、国のストックの形成、経緯について説明力がある、政策評価、いろんな分野の政策評価に寄与する情報を含んだ正式な決算書類に基づいて、国会による決算審査機能の飛躍的な向上が必要だと考えます。
 決算が単なる予算の結果報告でなく、次年度の予算審議の前提となる決算の議決と提言を行っていくことが財政再建に役立つものと考える次第であります。そのような観点に立った情報開示の必要性と、今後の情報開示の在り方について、財務省、主計局が財務省を代表してお答えになるなら、それで大変心強い面はあるわけでございますが、財務省としてどのようにお考えでおられますでしょうか。
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生おっしゃいましたとおり、例えば要国民負担額など財政の現状を国民に御理解いただくため、財務諸表その他の情報開示につきましては積極的に取り組む必要があると考えております。
 先生がおっしゃいました国の貸借対照表をそういう形に改善しまして決算委員会に提出するという点でございますけれども、国の貸借対照表につきましては、先ほど再三申し上げましたように、試案でございまして、更なる内容の見直しを進めて財務諸表としての位置付けについても検討を行うことは当然だと思っております。
 ただし、これも再三申し上げていますけれども、要国民負担につきましては、個々の負債の償還の在り方、先ほど申し上げましたように、公的年金の在り方の問題とか売却可能な資産の範囲などについて、先ほど申し上げましたように、河川をどういうふうに見るかという話でございます。御議論をいただくなど更なる精査を行う必要があることから、直ちにそういうものを提出するということについて、いささか困難だということを御理解いただきたいと思っております。
○荒井正吾君 国の、国民負担になるという額を明確にするのは、こう言っては失礼でございますが、主計局は伝統的にやはり先送りしたいというお気持ちがあるんじゃないかというふうに疑うわけでございます。直ちに自局の責任になるということでございます。そのような情報の開示は財務省独自でしていいものか、独立した監査法人が国の債務の危険性を判断すべきじゃないかという議論もあるわけでございます。
 今、財務省としてそういう情報開示の、お努めになりますかということであるわけでございますが、独立した機関が作成した会計基準によって、独立した機関が国の財政を監査することによって、国民に財政の客観的な状況を説明するということも、外国でそういう傾向もありますので、主計局の荷が軽くなるのか重くなるのか分からないわけでございますが、そのような考えもあろうかと思います。
 一方、内閣に対する質問でございますので、担当部局をお聞きしましたら、国の債務の計算書は主計局、国の貸借対照表、債権の管理という観点からは理財局、先ほど少々冷やかしております増税の必要を訴えられるのは主税局ということで、その脈絡性がある面、ちょっとバランス、情報開示のバランス、あるいは戦略性というものが必要、私どもが必要と言うのも変なんですけれども、うまく提示していただければいいかというふうに思うところもございます。
 財務省の中でそういう会計標準を、会計基準を作られるか、自分でやるか外かという議論は、それはそれといたしまして、財務省内においてそういう長期的な対処方針を財政再建に対して考えられる責任部局が明確になって、これがミスター財政再建だという人がいて、その提示される情報を独立して監査する機関がある、あるいは国会もいろいろ勉強して監視するというような、情報提示と監視とアドバイスというこの掛け合いがないと、なかなか財政が分からないままにある日突然増税だ、また内閣が倒れるというような、シナリオのない財政再建に向かっていくんじゃないかというふうに危惧するわけでございますが、財務省以外に聞く場所もまだないわけでございますので、最後の質問になりますが、その点についてのお考えをお聞きして質問を終わらせていただきたいと思います。
○副大臣(小林興起君) いろいろと御心配、御配慮をいただいておりまして、感謝を申し上げるところでございます。
 ただ、財務省といたしましては、この予算の編成について責任を持ってやっておるところでございまして、そういうところに、財政の状況、いろいろな長期展望、またバランス考えてやっているわけでございまして、自分で自分のことがチェックできないということを言われますと、これは非常に恥ということになるわけでございまして、今のところ我々としては自分たちできちっとできると、また努力もしていくと、そういう決意でまずございます。
 問題は、将来の増税論とかいうことに対して、あるいは財政再建論との絡みできちっとした解答が出てこないじゃないかというようなことに関しましては、御承知のとおり、将来の例えば増税論にしましても、少子高齢化社会の中で社会保障費が伸びていくだろうと。年金であるとか老人医療であるとか介護であるとか、こういうものが伸びていく中にあってこの水準をどうするか、それはすなわち国民負担にも直結してくるわけでございますから、そういう社会保障についての明確な展望を築きませんと、それについてのお金の話は出てこないということになっている。これが私は最大の問題だろうというふうに思うわけでございまして、今それについて鋭意政府としては取りまとめをしているわけでございますが、こういうところの見通しが立ちますれば、それに伴って必要なお金はこうなると。もし足らなければもちろん、あるいは増税ということにもなるかもしれませんけれども、いずれにしても、そのための手当ての議論が初めて出てくるということになるわけでございます。
 そういう社会保障のようなことを別にいたしますれば、御承知のとおり、今は非常な財政の改革の中に、無駄なお金は出さないというようなことで非常に、かつての国鉄の御心配もございましたけれども、そういうことは二度と起こらないようにきちっとした予算の執行調査、あるいは各省からの政策評価とか、ありとあらゆる角度から、あるいはまた、不十分でございましょうけれども、バランスシートを出すとかいろんな形でやっておりますので、そういうことからいいますと、そんなに問題が大きく起こる可能性は実はないというふうに思っているわけでございます。
 もちろん、更に一層明らかにするために努力していかなければなりませんが、早急に、そういう御心配等も踏まえますと、やはり社会保障についての展望を政府は作らなければならない、そんなふうに感じているところでございます。
○荒井正吾君 ありがとうございました。
 以上で質問終わります。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。
 本日は、締めくくり総括的質疑ということで、私も今までいろいろ質問させていただいたことの取りまとめというような形で質問をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。したがいまして、今までとダブる部分もかなりあるかと思いますけれども、その辺のお許しをお願いいたしたいと思います。
 まず、会計検査院にお願いいたしたいんですが、私はかねてから、いわゆるODAの実地検査といいますか、会計検査ということについて質問をさせていただいたんですが、これは要するに相手の国を信用するとかしないとかという問題でなくて、むしろ、端的に言えば鈴木宗男先生の問題とか、そういう日本の人が関与して、ODAに関与して何かいろんな、いろいろうわさが上がるというようなことに対して、何か防げないかというような気持ちから、それは会計検査の方でいろいろと厳しくやっていただくと、あるいはこういうものが避けられるんじゃないかというような思いからいろいろと質問をさせていただいたわけですが、これは前回といいますか、去年になりますけれども、八月二十九日だったですか、この決算委員会でその辺についていろいろ質問させていただきました。
 会計検査は外務省と違いますから、外国に対しての付き合い方も大変難しいということは分かるんですが、何らかの格好で、そういう外国で日本のODAを使った事業に対しての検査をもう少し国民が納得できるような、納税者が納得できるようなスタイルでできないかなというようなことで質問をさせていただいたわけですが、院長の御答弁として大変前向きに御答弁いただいたと思っております。会計検査院も国際的なつながりがあって、国際的機関があるからそういうところを利用したい、あるいは相手、被援助国の会計検査院を研修といいますか、非常にそういう人たちに対する検査のやり方等をお教えになるというようなこと、さらにはまだまだやるべきことがたくさんある、そういうことを一つ一つ努力していくというようなお話でございましたが、もうそろそろ一年近くたちますので、その後どういうような進展を見たのか、会計検査院の院長に御答弁をお願いいたします。
○会計検査院長(杉浦力君) 昨年、今、委員がお話しのような御答弁を申し上げました。そのために、私ども一生懸命その後対応を考えてみたわけでございます。
 まず、御案内のことでありますが、ODAの検査の考え方を一回一つ、もう一度おさらいさせていただきたいと思います。
 ODA自身は、援助の相手国が主体になっていろいろなことをやっておるということがまず一つございます。そして、そういったところで入札やいろんな契約をされているわけでありますが、その中身について私どもがなかなか直接関与できないという点も御理解をいただいておるかと思っておりますが、私ども、ODAの検査につきましては、まず国内の責任官庁というんですか、ODAの実施機関が検査の対象でございます。したがいまして、ここに事業の計画とかそういったものを確認をするわけであります。そして、その確認をする一つの手段といたしまして、援助国にも参りまして、いろいろな出来形とか利用状況とか、こういったところを拝見してくるわけであります。もちろん、相手国につきましては権限ございませんので、相手国の協力の下に行われるというのが現状でございます。
 しかし、この前申し上げましたんですが、私ども少しでも検査の精度を上げたいということでございまして、今年は実は、ODAの検査に相手国に参りましたときには、その職員に、相手国の会計検査院に伺って、そして、ODAに関する相手国の検査についての状況あるいは意見の交換等をすることにいたしまして、全部ではございませんが、幾つかのところには行っております。
 そして、もう一点といたしましては、ASOSAI、アジア地域の会計検査院の組織でございますが、この内部での方々の検査の技術向上のために職員を私ども日本に招待いたしまして、いろいろな研修もしておるということがございます。
 いろいろまだやらなきゃいけないこと、今後検討しなきゃいけないことがあると思いますが、当面、あの後何をしたかということにつきましては、以上のような御報告でございます。
○岩本荘太君 その後何をしたかといいますか、今お答えの御答弁は前回お聞きしたのと同じなんですけれどもね。
 そういうようなお考えでおられるというから、一年間たったら具体的にもう少しどういうふうにするのかなと思いまして私は御質問したんですけれども、何か具体的な例というのはないですか。
○会計検査院長(杉浦力君) 先ほど申し上げましたその実地検査の際に、実は四か国ほど相手の会計検査院に参りまして意見の交換をしたり今後もするということで具体的にいたしておりますが、交換の中身とか、どこの国かというのは、まだ検査の最中でありますので、今すぐ私の手元に申し上げるものがございませんが、そういうことで少しでも前に進みたいと思っております。
○岩本荘太君 今のでも何かもう一つしっくりしないんですが、お答えづらいところがあるんでしょうけれども、まず私、先ほど言いましたように、こういう問題の解決は、それは国際的な問題ですから本当は外務省なのかもしらぬ、会計検査院では御無理なところもあるのかもしらぬと、そういう気持ちは持っておりますから、場合によっては質問の矛先を別の機会を見て外務省に持っていくべきかなと。その前段としていろいろお聞きしているつもりなんです。
 そこで、前回も、前回といいますか、平成十二年の決算ですか、決算書に記述がございました、いわゆる限界があるからというような記述をされているわけですよね。今のお話の中でも、やっぱり相手、国際的な関係だからということでございますけれども、基本的にはやっぱり日本の国民の税金を使っているわけですから、やはり国民が納得しなければ、幾ら国際関係だからといっても相手の思いどおりになるということはおかしいんじゃないかというような気がするわけです。
 そこで、それじゃ、限界があるというその限界を生ぜしめているというか、何で限界があるかというふうに会計検査院はお考えになっているのか。これは国際的な条約なのか、あるいは国際的な信頼関係といいますか、信義の問題なのか、あるいはそうやることが主権の侵害になると何かに書いてあるのか、その辺の御解釈をお聞かせ願いたいと思うんですが。
○会計検査院長(杉浦力君) 法律上、特に障害の中身が書いてあるわけじゃありませんが、先ほど申し上げましたように、ODAの検査につきましては、私ども、国内の対象については責任を持っていろいろなことをやっておるわけですが、問題は、その実施官庁の持っておりますデータ、それが相手国からいただいておるものであるということで、その相手国の中身が本当に正確かどうかという点については実は検査する権限がありません。
 したがいまして、相手国の御協力に基づいてバックデータを私どもはいただいてくる、その上で判断をするという点で、どうしても国内のように帳簿を提出していただいて中身を見るというようなことはちょっと難しいということでございますけれども、それがその検査報告にも書いてございます限界の点でございます。
○岩本荘太君 お話お聞きしても、何があるからそういうことができないのかというのがちょっと理解できないんですけれどもね。
 要するに、そういう根拠がなければ国際的に協定結んだらいいじゃないですか。外務省に結んでもらったらいいわけですよね、日本の国の金を使ってやっているんですから。だから、そういうことを詰めていくためには、やはり会計検査としてはここが問題なんだということを正直に言ってもらうのが私は一番いいんじゃないかという気がするんですがね。
 私、不勉強でよく調べ切れないんですけれども、日本も援助を受けたことありますよね、戦後。あのMSAとか、いろんな援助、PL四八〇ですか、そういういろんな援助の仕方があった。あのときにどうだったかというのを、これ、ひとつ調べる必要もあるかなというふうに私は思っているんですけれども、その辺、そこまでは御答弁、通告していませんから結構ですけれども、何が障害だったかというのをもう少し正直に言っていただけると有り難いんですが。
○会計検査院長(杉浦力君) なかなか具体的な議論が申し上げられないのが大変心苦しゅうございますが、先ほどお話がありました、例えば、相手国との事業を行うために日本政府と相手国政府との間でいろいろな取決めあるだろう、その取決めの中に何か書けるかとかいうような議論を先生今御指摘だと思いますが、私ども、いろいろな検査をいたしまして、そういう問題点を整理をいたしまして、一応、毎回、検査報告の中に問題点としては個別に出しておるわけであります。トータル的にこういう条約を作りなさいとかいったことは申し上げておりませんが、問題となる事項は一応提示いたしておるわけであります。
 ただ、先生おっしゃるように、会計検査院が責任持ってこういう条約を結べとか、こういう交換公文を結べとかというのは、なかなか今の段階では私ども判断ちょっとし切れない状況でございます。
○岩本荘太君 くどいようですけれども、結べと言っているんじゃないんですよ。今、限界があると言われているその障害は何ですかと私は聞いているんですけれども。もうこれ恐らく外交上の問題だろうと思います。これ以上言ってもしようがないと思いますので。ただ本当は、外務省に突っ込むよりは、やっぱり会計検査院の本当のところを教えてもらうのが我々一番やりやすいんですよね。その辺で、本当はもっと教えていただきたいと思っているんですが。
 それともう一つ、不当事項については前回の決算委員会でもいろいろお話を伺いました。これは本当に知識として教えていただきたいんですけれども、不当事項というのは、結局は実地調査をした結果ですね。それ以外からは不当事項というのは出ていないということだと認識していいものですか。
○会計検査院長(杉浦力君) 相当多くのものは実地調査できちんと見てくるわけでありますが、書面調査に基づいて明らかに間違っているというようなものもございます。
○岩本荘太君 そうでしょう。ですから、やっぱり外国のODAについても、きちっとやるには実地調査、どこまでやるかというのはこれいろいろあると思いますよ、国際的な問題ですから。しかし、それをやるべきではないかなと。会計検査院御自身も思っているんじゃないかなと思うんですよ、どこか足りないところ、踏み込めないところがあるということは。
 そういう面で、会計検査院の皆さんは、いわゆる日本の国民の税金がいかに適正に使われているかという観点から日夜一生懸命お仕事をされていると。そういう面からいって、今のODAはもう一つ踏み込めないところがある。この辺に対してどういう思いか、ひとつ院長、その思いを、思いだけをお聞かせ願いたいと思うんですが。
○会計検査院長(杉浦力君) 国民の税金を使っておる中身でございますので、国内、国外問わず私どもきちんとその検査をしたいと思っておりますが、先ほどから申し上げましたように、ODAにつきましては、その実施援助国、主体が実施援助国にあるものと、それから国内にあるものとありまして、そこで、どうしても実施援助国に主体があるものにつきましては、国と国との間できちんとした約束を作らない限り、なかなか検査をしろと言われても非常に難しい状況があるかなと思っております。
 関係のところとまたいろいろ勉強しなきゃいかぬ部分があると思いますが、御指摘の中身、ちゃんとやれという話は実は身にしみておりますので、今後とも努力いたします。
○岩本荘太君 国内も国外も一緒だということ、その辺を酌み取って、それ以上の追及はやめたい、追及といいますか、質問はやめたいと思っております。
 次に、農水大臣お見えですので、私、農水委員に所属しておりまして、こんなところで質問するのもどうかという気もあるんですが、質問すればするほど、いろんな今の農政問題というのは広がっていくもので、こういう場も利用してひとつ質問させていただきたいということと、今、私質問として取り上げたいのは国内自給率の問題なんですが、これはやっぱり農水委員会だけでやっている問題じゃないと思うんですね。日本全体が、国民が全体が考えなきゃいけない問題であると思いますので、あえてこういう場に持ち出した次第でございますが。
 かねてからいろいろと質問はさせていただいているんですけれども、まず、なぜ自給率を上げなきゃいかぬか、国内の食料自給率というのをある程度確保しなきゃいけないのか。これはその点から、自給率確保の目的というところから農水委員会ではいろいろ詰めさせていただいて、亀井大臣も、先日、最終的にはやはり食料の安全保障だということですし、前の大島大臣もそういう御答弁されていました。
 確かに、農業を守る、日本の農業を守るという大きな面があると思いますけれども、最後のところへいけば、やっぱり国内の自給を守るということはそれになるんじゃないかなというような気がいたします。ところが、やっぱりこの自給を守るという場合に、どのぐらいを守んなきゃいけないかということをしっかりしないと、国民全体のコンセンサスが得られないと腰砕けになるという気がするんですね。
 その点では、今、皆さん御存じだと思いますけれども、カロリー自給率で四〇%、半分を切っているわけですよね。これを当面四五%に上げると。それは現実問題としてそういう数字しかできないのは分かりますけれども、やはり日本国民として、このぐらいの国内自給率というのは確保しないと安全保障の面から危ないと。小泉さんは備えあれば憂いなしと言っておられますけれども、これは何も軍備ばかり、軍というか、そちらの方面ばかりじゃなくて、食料が一番大事だと思うんですよね、これ食えなかったら即座にやられちゃいますからね。
 そういう意味で、どのぐらいに設定しておくかということを検討されるのがまず、検討されるのもいろんな条件があると思うんですね。天候が、相手の輸入している先の天候が悪くて、日本に持ってくるよりも自分の国で食うのでもう足りなくなっちゃうというような場合、あるいは最後は戦時態勢になって入ってこないというような場合、それぞれきちっとした数字は出ないんでしょうけれども、ある程度こういう議論をもう少し活発にして、国民的なコンセンサスを得る御検討が私は必要なんじゃないかなと思うんですけれども、自給率のそういう計算といいますか、そういう検討について、もう農業基本法は二年前ですかね、自給率向上ということを打ち上げているんですから、それでもなおかつ四〇%は変わらない、今。
 そういう中にあって、やっぱり過去の決算を反省して新しい方向に向かう意気込みというのがおありかどうか、その辺を大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。
 この間から委員会でもいろいろ御議論をちょうだいしております。正に食料の安全保障と、御指摘の戦争の場合もあるでしょうし、あるいはまた異常気象と、あるいは輸出国の高騰、あるいは港湾のストライキだとか、あるいはまたいろいろこれ、食品衛生上いろいろ問題のあるケース等々、いろいろなケースがあろうかと思います。
 そこで、食料・農業・農村基本法、この中で、基本計画四五%と、このように目標を平成二十二年持っておるわけでありまして、本来であれば過半数、五〇%を超えるというのは私は是非維持をしたいなと、こういう気持ちをかねがね持っておるわけでありますが、そういう面でやはりいろいろ消費者や生産者あるいは食品産業の関係者、こういう関係の皆さん方がやはり一体になった形でこの自給率を上げる努力をしなければならない、こう思います。
 あわせて、量の問題、例えばやはり何といっても四〇%を四五%に上げる、一%上げるにつきましてどうするかと。米でどうだとかあるいは野菜でどうだとか、いろいろ考えますときに、野菜で一%上げるって、これは大変なことでありますし、米で一%上げると、これは数字的には国民が一日一口余計食べていただく、こういうことになりますと、一%何とか可能ではなかろうかと、こういうように考えるわけでありまして、それぞれ国民の理解、そして関係府省と緊密な連携を取り国民運動と、そういうような形で考えていかなければならないんではなかろうかと。また、自給率と同時に、私はこの依存率、食料の依存率と、こういう面でも海外に六〇%依存をしていると、こういうことでありますので、こういう面からもやはり考えていく必要があるんではなかろうかなと。
 そういう面でいろいろの努力をし、そしてその目標達成のために頑張ってまいりたいと、こう思っております。
○岩本荘太君 おっしゃるとおりでございますけれども、要するに依存率が危ないということが、これは自給率を考える根拠になるんじゃないかなと私は思うんですが、私のこれはアプローチの仕方としては、まず要するにどのぐらいの自給率でなきゃいけないか、これをしっかりと担当部局である農林省あるいはその関係機関が検討をしていただいて、それを国民の皆さんに周知徹底しなきゃいかぬ、同意を得なくちゃいかぬと。その上に立って、じゃ、どういう方法で上げていく方法があるかというアプローチじゃないかなと思うんですけれども。
 これ大臣に申すまでもなく、それは自給率を上げるというのはこれ簡単なことでないですよね。今、WTOで全部縛られているわけですから、ちょっとおかしなことをやりゃ全部違反で提訴されちゃう危険があるわけですから、それは簡単なことではないんですけれども。
 私は個人的に言えば、これが結局安全性といいますか、食品の安全性、地産地消とか身土不二とかいろいろ言われておりますけれども、ああいうことの根底は安全性じゃないかなと、こういうような気がするわけでございまして、そういう意味から是非とも、そういうアプローチがいいかどうか分かりませんけれども、そういう国民的なコンセンサスを得ていただきたい。
 WTO交渉も、これ前にも申し上げましたけれども、日本の国民が全員がこれじゃなきゃ困ると言ったら、それはもう農林省の大きな力になるわけですよ。そういっても、やっぱり安いものでも安全じゃないかと、食べられるということであれば、守れないわけですよね、どんどんどんどん減っていっちゃう。そういう意味で、国民の意識というものが私は一番大事じゃないかなと思うんであります。
 その辺で、農林省の方がどういう御努力されているか。御努力はされていると思うんですけれども、実はこれ調査部に調べてもらって、ちょっと国民の意識という面で調べてもらいましたら、幾つかあるんですけれども、平成十二年十月に農林省資料として出ている中に、これちょっと古いんですけれども、こんな古いのをまだ持っているというのが、私はちょっともう少し更新してもらいたいなというような気もあるんですが、これは総理府の広報室の調査ですね。農産物貿易に関する世論調査というのがありまして、一つは食料の国産品支持、食料を買うときはどっちを選ぶかというアンケートをしてあるんですね。
 そうしたら、国産品選択というのが六四・九%ある。それと、どちらかというと国産品一七%、合わせて八二%あるわけですよ。これと現実の四〇%のこの乖離はどう説明したらいいのか。やはりしっかりと今の四〇%じゃまずいんだということの説明がいいんじゃないか、いや、すべき課題じゃないかなという気がするんですね。
 要するに、一般の消費者の方は安い方を買いますよね。あるいは、このアンケート、これは何か三千人か四千人ぐらいのアンケートですけれども、これが一般消費者の方はこういう意識が高いけれども外食産業はそうでないと、安いものを使うという結果かもしれないと私は分析しているんですけれども、そういう面も含めて、この辺をしっかりと国民の意識をつかまえてもらいたいなと思うんですね。
 ちなみに、これ選択した理由、これは複数回答ですけれども、一位が安全性なんですね、八二%。たまたま設問になかったのかもしれませんけれども、安全保障というのはない、そういう項目ない。しかし、これは国民の意識としては、本当にそういう面で安全保障を考えていただきたいなというふうに思っております。
 それと、食料自給率四〇%を低いと思うかという質問で、低いというのが三二・九%、どちらかというと低いというのは一九・九%、五三%あるんですね。だから、本当にもう少し意識を高めれば上がっていくんじゃないかなというふうな感じがいたします。
 それともう一つ、これはJA、全農が調査して、これはフォーラムなんかやったときの参加者、数少ないケースで、二年ほどの資料をいただいたんですけれども、日本の食料自給について高める必要があるというのは八〇%、これ平成十二年九月から平成十三年三月までの間。その翌年の平成十三年九月から一四・三%、これ九〇%に上がっているんですね。だから、国民の意識もかなり上がっている。
 あとは、どうやってこれを農水省がうまくコントロールしていくかということじゃないかと思うんですけれども、そういう意味で、農林省御自身が施策をやられるのも結構ですけれども、もう少し国民との情報の交換を密着にして、この自給率というのを上げるという御努力をしていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(亀井善之君) 今いろいろ御指摘をいただきました。
 現実に我が省もいろいろな施策を進めておるわけでありますが、比較的行政専門の立場にいる者がおりますから、どうも国民の皆さんに理解を得るような情報の伝達が比較的うまくないんではなかろうかと、こういうことも指摘をしておるわけでありまして、いろいろタウンミーティングであるとか、いろいろなパンフレット等を作りまして周知をいたしております。あるいは、もう御承知のとおり、自給率がこういう形になってきているというのはやはり食生活が変わってきていると。やはり脂質、いわゆる脂、動物たんぱく、肉類等々の消費が大変増えてきておるわけでありまして、米が昭和三十七年、四十年ぐらい前は年間百二十キロくらいが今六十キロくらいと。そうなりますと、これだけ下がっただけでも大変自給率は下がるわけでありまして、一方、肉等々の脂質が増えていますから、それだけまた自給率が下がってきていると。
 こういうことで、日本型食生活、大変高く評価されておるわけでありますが、そういう面での食生活の改善と申しますか、やはり国民の皆さん方に世界の食料事情、あるいは我が国の食料の自給率、またこの自給率を上げるために食生活の見直しであるとか、身近で食べられるものを大切にすると。食べ残しですとか、そういうものも大変多いわけでありますし、いろいろの情報を提供すると、こういうこともやらなければなりませんし、さらには食育、食の教育、子供のころからやはりそのような教育を通じて自給率を上げる努力をしていくことが必要なことじゃなかろうかなと、こう思っております。
○岩本荘太君 今、大臣いみじくも言われました脂を取るとか、食生活が変わったというのは、物の本によりますと戦後のアメリカの小麦戦略だそうですね。小麦戦略というのはパン食に変えただけじゃなくて、要するにパンとみそ汁じゃ済みませんから、副食もどんどんどんどん変わっていったと、それによって今のこう食生活が変わっていったと。この短期間に、戦後になって変わったと。だから、農林省はひとつ新しく米戦略というのを立てて元に戻してもらえればなというような気もあるんですが、その辺ひとつよろしくお願いいたしまして、農林大臣には質問を終わりにします。
 次に、国土交通大臣、どうもちょうちん持ちみたいな質問になるかもしれませんが、公共事業について、私、かねてからこの決算委員会でも申し上げていたんですけれども、例えば道路なんか、私、地方におりまして、何といいますか、いわゆる都会の規格のコンクリートジャングルみたいな道路ができると本当に景観なんてもんじゃないんですね。だから、地元の人なんか道路の陳情に見えましたときに、あなた方本当にこういうの要るのと言うと、言葉に詰まるところもあるんですよね。それに引き換え、例えば主要地方道なんというのは、あれは信号の数も少ないですし、道路の利便性というものからいったら非常にいい、高いわけです、すべてとは言いませんけれども。
 だから、地方ではそういう工夫が必要じゃないかと、こういうことをかねがね言っておられて、道路局長等から、それには何というか、待避線といいますか、時々横に道路を付け加えるとか、右折レーンとか。あるいは私申し上げたんですけれども、地方の山地に行くと簡単に立体交差ができるようなところが、道路の造り方一つあるんですよね。そういう面でローカルルールというんですか、そういうことでやっておられるというお話聞いたんですが、きょうは締めくくり総括ですので、大臣にその辺の御決意といいますか、ちょっとお聞きをしたいと思っております。
○国務大臣(扇千景君) 地方によっては、今おっしゃるようにあらゆる面で日本の場合は道路を造りますときに、特に高速道路の場合は必ず土盛りをいたします。そして、それはなぜ土盛りするのかと私も言うんですけれども、それは農道と交差するのでどうしても農道等々地方道をトンネルにしなきゃいけないと、高速道路が通るからといって地方道なり農道を閉鎖されては困るというので、何としてもこれ高速道路を造るときには土盛りをすると、こういう方式が日本の場合は万やむを得ないと。
 狭い国土の中に高速道路を造るわけですから、農道の皆さん方が逆に高速道路が通って自分たちの仕事ができなくなるというようなことがあっては困るというような御要望もございまして、これは地方道であり、あるいは一般国道であり、農道であり、町道であり、あらゆる面との交差というものが大事なことなので、今、岩本議員がおっしゃるように、何か道路ができるとコンクリートの塊が目の前へ来て邪魔になって景色が悪くなる、もう当然のことでございます。
 けれども、我々はそういう中で少なくとも、今、地方道の全延長というのが全国で百十一万キロメートルということで、地方道が全長の約五%に当たる五万八千キロメートルがこれ指定されております。ですけれども、主要地方道というのは、地方道の中でも幹線道路の立体化とかあるいはそういう機能を発揮するために、立体交差化あるいは追越し車線、今おっしゃいました、そういうものを造って、バイパスの整備などの交通を円滑化に資するということで今しているわけですけれども。
 先ほども先生もおっしゃいましたように、我々は均衡ある国土の発展ではなくて個性ある地域の発展という二十一世紀のコンセプトをかいております。そういう意味で、それぞれ国が一律にこうしなさい、こうしましたということで押し付けるのはやめましょうと。それよりも、それぞれの地域がその自分たちの地元の特性に合った道路なりあるいは景観なりを入れた道路を造ってほしいということで、今申し上げたように、ローカルルールというのを取り入れようと。地方からこういうふうにしてくれというふうなことで、我々もローカルルールを取り入れて様々な形で地方の道路の特性に合ったものを造っていく、それが一番いいのではないかということで、今、政策的にはローカルルールの導入というのを取り入れているのはそういう趣旨でございますので、是非、地元で皆さん方で知恵を絞ってこういうのがいいというのも言っていただければ、コストダウンにもなるし、また利便性も、地方の知恵を出していただくということで大いに私は個性のある地域が出てくると思っています。
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 私、こういう提案をするのは実は地元から怒られるかもしれないんですけれども、私の独断的な発想なんですが、今、大臣言われた均衡ある発展でなくて、特色のあるというんですけれども、特色のある発展というのが均衡あるんじゃないですか。何もかも同じものを都会も地方も造るということじゃなくて、それに合った、だから道路というのは利便性でしょう。利便性が高まれば、都会と同じであれば、それは均衡ある発展なんですよね。
 それで、あと一分だそうですが、ちょっと至急、もう少しあったんですが、一つ、公共事業、今盛んに縮小という、財務大臣も御苦労されるんだろうと思うんですけれども、縮小という方向がもう世の中の趨勢になりつつある。ただ、そういうときに、一番抵抗があるのはやっぱりそういう今までの公共事業の業者、肥大し過ぎたといいますか、ずっと膨らんだその業者をどうするかという問題だと思うんですね。国土交通省、公共事業の担当部局として利用するときだけを利用するんでなくて、それがうまく変わるときには、変わるためにはどういうようなことをお考えになっているのか、それだけお聞きします。
○国務大臣(扇千景君) 今、岩本議員がおっしゃいましたように、御存じのとおり、建設投資、これは、ちょっと例を挙げますと、平成四年、これが八十四兆円でございました。それが今、平成十五年、五十四兆、その数字を見ただけでもピーク時に比べて三分の二になっているというのはお分かりいただけると思います。そういうことで、建設業の倒産件数、これも平成十四年度で五千八百六十三件、これだけの倒産件数が出ております。約三分の一に上っています。そういう意味では、大変苦しい時代を過ごしていますけれども。
 御存じのとおり、地方の中小とか中堅建設業、これらがすべて公共事業への依存度が大きいというのは岩本議員御存じのとおりでございますけれども、公共事業の量自体が三割減っているわけですから、それなのに中小零細企業が増えているという、この逆ざやに建設業界自体がそうなっているというのはお分かりのとおりでございます。
 そういう意味で、国土交通省においてもそれらの再生に向けて幾つかの提案をし、また政策的にしております。それをちょっと、三つございますので三つばかり御披露させていただきたいと思いますけれども、これは一昨昨年に入札契約の適正化法ということで、談合だとか丸投げ、これを禁止しよう、それはコストアップになっているからということで、これは法律を作っていただきまして、不良不適格業者をこれを作らないと、そういうことで、これが第一でございます。
 二つ目には、コスト削減、これを徹底しようということで、分業とかあるいは外注、それらによって事業の効率化を図ると。あるいは資材の購入というようなことも、少なくとも設計等の協業、ともにする、いわゆる一緒になるというようなことも、私たちは企業の間の連携をしております。
 それで三つ目には、福祉ビジネスとかあるいは環境関連ビジネスといったような新たな事業分野への進出も考えなさい、これが二十一世紀型だということで、新たなそういう業務への参入を自ら買って出ると。そういうことで、今までの公共工事に依存するだけではなくて、自ら事業の創生をしていくというようなことを指導しながら、なるべくなら今までの、悪い悪いと言われながらも、私は日本の技術というのはここまで来たという自信を持っておりますので、それらの技術が逆に公共工事がなくなったからといって会社とともにその良くなった技術もなくなってしまっては大変ですので、それらを今後の二十一世紀に活用するために、技術の保存も含めて新産業に転換をしながら図っていくということを念じております。
○委員長(中原爽君) 岩本先生、時間が来ました。
○岩本荘太君 時間が来ましたので、終わります。どうもありがとうございました。
○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、今度の決算委員会では特別会計の問題点をずっと取り上げてまいりましたが、今日はさきに取り上げました、初めに関西電力の黒部川ダムの、黒部川の出し平ダムの大量排砂問題、これについて引き続きお聞きをしたいと思います。
 一九九一年に関西電力が富山県の黒部川の出し平ダムで大量の排砂をして、ヘドロが下流の海にまで大量に流れて漁業被害を起こした。今も海は回復していないという状況にあるわけです。これの反省をどうしたかということなんですが、地元と協議会を作って、以後円満にやっているというわけですけれども、実際は漁業者が昨年六月に富山県公害審査会に提訴をして、国土交通省と関西電力はその調停を実は拒否をしたと。その結果、昨年十二月から訴訟になっているわけですね。
 問題は二つあるわけで、一つは、九一年の関西電力の補償、これは現在も続いているらしいんですけれども、これが大変不明瞭で、かつ違法ではないかという点。それからもう一つは、訴訟のさなかに今年また排砂を行おうとしておるわけで、これは大変住民、被害者の側が不信を抱いておる、こういう問題です。
 そこで、まず初めに、電力会社を所管する経済産業省にお伺いをしますが、第一に、漁業者は補償金などが不明瞭だと、こう言っている。関西電力は漁業振興費というものを県漁連に、県漁協に支払っているようですね。電力会社として、補償ではなくて、こうした漁業振興費名目で年間八千万円も払っておるということは経理上適正なのかどうか、これが一つ。第二に、それを含めて経済産業省は関西電力のダム推進のためにこの補償なり振興費について何らかの助言をされたのかどうか。この二点、先にお伺いをいたします。
○政府参考人(肥塚雅博君) 御指摘の漁業補償契約の内容については、富山県漁業協同組合連合会と関西電力の両当事者間の関係にかかわるものでございますので、当省としてコメントするべき性格のものではないというふうに認識しております。
 それからまた、個々の補償契約の内容についても助言や指導を行うといった性格ではないというふうに考えております。
○又市征治君 えらいそっけない話でありまして、大変にこれは後々問題の点がたくさんあるんですが、今日全部やれるかどうか分かりませんが。
 そこで、次に農水省にお伺いをしますが、昨年四月の農水委員会で、武部当時の農水大臣が、こういうことが起こる以前に国土交通省等の関係機関に対して特段の配慮を払うようにしなきゃならぬ、しっかり申入れをしてきた、こういうふうに答えているわけですね。してきたという時点はあいまいなんですが、農水省、これはいつどういう申入れをされたのかというのがまず第一点。それから二つ目に、この昨年の四月の農水委員会で、関電としての補償はともあれ、漁業振興費というのは違法ではないかという質問が出されて、これに対して水産庁長官は、改めて富山県に問い合わせると、こう答えられたわけですが、どういうことになったのか、これが二つ目です。また、武部農水大臣は国土交通省、関電、富山県に事実関係を確かめた上で視察を考えたい、こういうふうに答えられたんですが、これについてはどうなったのか。
 以上、三点お願いいたします。
○政府参考人(海野洋君) お答えいたします。
 当時の武部農林水産大臣の申入れを行っていきたいという答弁の趣旨は、排砂により漁業への影響が想定されるような場合には、関係機関に対して、漁業への支障がないよう特段の配慮を求めていく必要があるという基本姿勢を述べたものと認識しております。具体的な申入れとしましては、平成十三年七月に、黒部川宇奈月ダムに関する操作規則の策定について北陸地方整備局長から協議を受けた際に、排砂を行うに当たっては、今後とも関係機関等の意見を十分踏まえつつ、漁業への支障がないように特段の配慮をお願いする旨の申入れを行っております。
 それから、二つ目のお尋ねでございます。富山県への照会でございますけれども、昨年の四月十八日、水産庁から富山県庁及び富山県の漁連に対しまして、関西電力から支払われた金銭の内訳について改めて確認を行いました。その結果、漁業被害補償のほか、漁業振興費に係る金銭が含まれていたという報告を受けております。
 三点目、大臣の視察の件でございます。当時の武部農林水産大臣は、でき得ることならば現地を見たい気持ちはあるがと、その気持ちを答弁しておられますけれども、現実には諸般の事情により視察は行われなかったというふうに承知しております。
 以上です。
○又市征治君 大変問題が起こっているわけですが、今年も七月になればこの関西電力は出し平ダムの、そしてまた国土交通省は宇奈月ダムをこれ連携して排砂をするわけです。両ダムの排砂を一緒にやりますと、これは訴訟のさなかにこういうことをまたやるということで、ますます事態を悪化させる、こういう状況が明らかなわけですね。ダムという手法が大変限界に来ている、排砂という後始末の難問も出てきている。こういう状況は全国的にも出ているわけですから、実際に被害を受けている地元住民とよく話し合って、漁業や環境と両立できるように、例えば排砂ダムゲートの常時開放など、ダムの運営を是非研究していただくように強く求めておきたいと思います。
 次に、関連して、電源開発促進対策特別会計について伺ってまいりたいと思います。
 これについては毎年のように検査院報告で指摘されてまいっています。二〇〇〇年度は柏崎刈羽原発の地元で交付金の不正使用があって返還がされたわけですが、それに絡んで、国の交付金の膨大さと種類のおびただしさ、迷路のような金の流れ、それらが多数の特殊法人の利権になっている実態が明らかに実はされました。また、原発立地の交付金を市町村を通じて住民にばらまく際に、受取拒否者のブラックリストが出回っているというこんな問題まで実は明るみに出てきたわけです。
 二〇〇一年度の会計検査院報告はこの電発特会を特定検査対象に指定をしまして、毎年多額の剰余金が新たに積み上がっていることを厳しく指摘をされています。ところが、政府は今年三月に法律を変えて、剰余金を名称だけ資金というふうに変えてしまった、こんな状況ですね。しかし、これじゃ、検査院が指摘をしたこの本質は変わるかというと何も変わらない。検査院報告も、その結びで、MOX燃料のデータ改ざん事件、JOCの臨界事故、原発の自己点検記録の不正など様々な問題が生じていると述べて、今後の原発立地を非常に悲観的に述べていますね。
 災い転じて福となすと、こう言いますけれども、多額の剰余金、改めて資金というふうにしていますけれども、そして様々な腐敗を生んできた原発のためのばらまき会計システムであるこの立地勘定そのものをこの際抜本的に見直して、住民ともやっぱり共存できる自然エネルギーや、あるいは燃料電池などへ転換をやっていく、こういうふうに努力をされる考えはないのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○副大臣(西川太一郎君) 又市先生に御答弁申し上げます。
 私どもとしては、ただいま先生から厳しい御指摘がございました部分について十分に反省もしながら、過去のそうしたことについては誠に遺憾に存じております部分も多々ございます。率直にまずそのことを申し上げたいと思います。
 その上で、私どもとしては、この電源立地三法につきましては、通常の工場立地などの補助金に比べますと、工場立地の手法などに比べますと発電所というのは雇用の面などでは地域にそんなに大きな貢献ができないと、こういうメリットの少なさを感じておりまして、これを補っていくという意味では、今後この交付金制度の改正につきましては、複数の交付金制度の一本化でございますとか人材育成でございますとか地場産業の振興、福祉サービスへの提供といったソフトな部門へも範囲を広げていって、ただいま先生御指摘の、地域と共存できる、そういう制度に変えていくということで、会計検査院の御指摘を謙虚に受け止めて、私どもとしては、社会的に必要なものである、こういう御理解をいただくように努力をしていきたいと思っております。
 それからもう一点につきまして、新エネでございますが、これにつきましては大変、エネルギーのソースをそういう石油一本やりではなくていろんなところに、環境面からも広げていくということは大変重要だと心得ております。
 風力、太陽光、バイオマス等々ございますが、これは大体、今、先生御案内のとおり、全エネルギーの石油換算にして一%程度でございます。これを大体十年後ぐらいには三%を超えるものに、これは申し訳ありません、平均でございまして、多いものは一五%ぐらいになるものもございます。風力などはかなり高くなります。平均として三%でございますが、鋭意、先生の御指摘を踏まえ努力をしてまいりますことをお約束させていただきたいと思います。
○又市征治君 そこで、そういう努力をされているということですが、今年の法改正問題で更にもう一点お伺いをいたします。
 自治体に対する立地交付金が、従来は発電所の能力、つまり出力だけで決めていたのを、今度は実際の発電実績による方式に改めるということにされたわけですね。これがどういう矛盾を生むかは、衆議院で我が党の大島議員も追及をしたわけですが、つまり、事故があったり市民が納得しなかったりして原発が止まった場合、交付金が下りないことになるんではないか。これはペナルティーというか、露骨な協力ノルマ制ではないかということを衆議院でお聞きをしました。
 これに対して、岡本資源エネルギー庁長官の答弁は、安全上の理由で、つまり電力会社の都合でということですが、止める場合は運転しているとみなして交付金は払いますと。一方、住民が、つまり自治体が拒否した場合、それは駄目だ、動かしちゃいかぬと、こうした場合は御理解のための手順を尽くします。その状況を見ながら判断をする、こういうあいまいなことで、どうもノルマで釣るという、こんな格好とも取れるような答弁になっているわけですね。
 そこで、伺いますが、長官のこの交付金の限度額の設定を通じて運転を強行するような交付金運用がなされないよう算定方式を、方法を決めるという、こういう答弁はこれどういう意味なのか、お答えをしっかりいただきたいと思います。
○政府参考人(肥塚雅博君) 交付金の限度額算定に発電電力量の実績を加味する際には、今、先生お話がありましたように、発電施設の事故やトラブルへの対処、それから安全性の確認など、安全上の問題を解消するために運転が停止している場合については運転を行っているものとみなして発電電力を計算いたします。
 それで、この計算方法については、先般、長官が大島先生の御質問に対して申し上げましたように、明確に交付金の交付規則に書きまして新たな制度を運用していきたいというふうに思っておりまして、これによって安全の確保がおろそかになる、おろそかにして発電所の運転を迫るというようなことに決してならないように制度を運用していきたいというふうに考えております。
○又市征治君 どうも、まともな返答じゃなくてよく分からぬのですが。
 どうも、この間から、やり取りいろいろと事前にしていますと、改正した地元交付金制度は発電実績、つまりノルマ部分を少なめに抑えて、固定給の部分を十分大きくするから全体として運転強行にはならないんだ。どうも、こういう弁明のように聞こえてしようがない。ここら辺のところは本当に厳密にしっかりやってもらわぬと、大変なことだろうと思います。
 ともあれ、相変わらず算定基準の数が従来とほぼ同じ十数項目あって、とても住民や市町村には算定プロセスをフォローできる代物じゃありません。不透明で政治加算の余地の大きいシステムだというふうに言わざるを得ません。したがって、今後もこれは注視をしてまいりたいと思います。
 さて、再度、決算に戻って支出先を見てまいりたいと思いますが、電発特会の立地勘定、多様化勘定ともに、歳出の九割が補助金、委託費、出資金なわけですね。つまり、典型的なトンネル会計だというふうに言わざるを得ません。ここで見過ごせないのが特殊法人核燃料サイクル機構への出資だというふうに私は思います。
 同機構の出資金が三兆百六十一億円、このうち一兆四千六百九十億円を多様化勘定から出資をしていて、一般会計からの一兆四千五百三十五億円と合わせると、資本金の九七%が政府出資ですね。
 ところが、同機構の貸借対照表だと、この正味資産は六百四十二億円しかないわけで、資本金の七九%が現実にはもう毀損している。政府出資分でいうと、二兆三千五百億円余りが実質上消えている、こういう実態になっているわけです。
 この点をどういうふうに御説明をなさるのか、二〇〇二年度以降、何か変更をされるようですから、これはまあお聞きをしましたからいいですから、二〇〇一年度決算ベースでこの問題についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(白川哲久君) お答えいたします。
 核燃料サイクル開発機構の貸借対照表上、多額の資本金が毀損しているのではないかとの御指摘でございました。
 核燃料サイクル開発機構のような研究開発法人が行います研究開発につきましては、その成果が将来にわたり、国民の有形無形の資産として残り、国民の経済社会の発展に寄与するものであることから、研究開発に出資金が充当されてきたものであると理解をしております。
 核燃料サイクル開発機構は、旧動燃事業団時代を含めまして、高速増殖炉やウラン濃縮あるいは軽水炉燃料再処理などの核燃料サイクルに関する研究開発を実施してきたところでございますが、こういった原子力等の最先端の研究開発を行います場合に、研究開発の成果の実現には長期を要し、その成果が直接には、直ちには収益に結び付かないということがございますので、通常の企業会計原則に従って経理をした場合、すなわち、先生御指摘の貸借対照表上は、形の上での欠損金が累積することとなっておると、こういうことでございます。
○又市征治君 この間から何回か他の特別会計も取り上げてきたときに、この出資金の問題、これは財務大臣、前にも申し上げたんですが、この電源開発促進費、促進税でやっても、電力会社が払うと言えば電気料金に含まれている、国民の実際は負担になるわけですね。それを特定財源として囲って原発造りのためにばらまくという、こんな仕組みになっておるわけですが。
 あるいはまた、特殊法人等への出資という名目、これ大臣、是非お聞きをしたいんですけれども、つまり国民の財産を何兆円単位で、こういう格好で、毀損という格好で出てくる。出資金という、今も話がありましたけれども、この出資金という言葉自身がおかしい。だから前回、私は、これは補助金なら補助金にするんならする、明確に変えるべきじゃないか、こう申し上げた。今度は他の会計でいうと委託費だとかという言葉に変わったり、今度はここの場合は資金というふうに名前が変わっていく、こういう格好であるわけですが、やはりこういうのを本当にしっかりと言葉も含めて国民に分かりやすいようにしてもらう、こういうことが大事なんだろうと思います。検査院の指摘は、これらを改める非常に良い機会なのじゃないか。
 どうもこの臭いものを、逆に法改正をやって、ふたをして分からなくしてしまう、このような格好がどうもあるわけでありますから、公共サービスの本旨に沿った行財政システムに改めるように、これは是非強く求めたいと思いますが、最後に、せっかく締めくくりですから、財務大臣、この間から申し上げてきたような出資金というこの制度そのもの、ここらのところについて本当にしっかりと実態に合ったものに、出資金だから、何か回収されてくる、利益が還元されるような錯覚を起こすようなこんな格好になっている。補助金にするなら補助金にするという、こういう形を含めて改めるということについていかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはなかなか民間のセンスと言わば公共の金の支出のセンスの違うところがもう明確で、私も実はこういうことについては非常に疑念を持っておりますが、しかし出資金をしたということは、やはり将来に財産的なものを有形無形に残していこうという趣旨がやっぱりその機構の中にはございますので、あながちこれは補助金だけでやるべきものでもないと思ったりいたしますが、そこらの支出の支払については今後とも十分研究させてやってまいりたいと思っております。
○又市征治君 終わります。
○委員長(中原爽君) 他に御発言もないようですから、本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後六時二十三分散会