第156回国会 内閣委員会 第16号
平成十五年七月三日(木曜日)
   午前十時十三分開会
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   委員の異動
 七月二日
    辞任         補欠選任
     松井 孝治君     榛葉賀津也君
 七月三日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     八田ひろ子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
    委 員
                阿南 一成君
                岡田  広君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                榛葉賀津也君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                八田ひろ子君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
   衆議院議員
       発議者      中山 太郎君
       発議者      荒井 広幸君
       発議者      西川 京子君
       発議者      福島  豊君
       発議者      井上 喜一君
       発議者      五島 正規君
       発議者      肥田美代子君
       発議者      近藤 基彦君
       修正案提出者   逢沢 一郎君
       修正案提出者   山内  功君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       森田 次夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       人事官      佐藤 壮郎君
       人事院事務総局
       総務局長     平山 英三君
       内閣府大臣官房
       長        江利川 毅君
       内閣府政策統括
       官        山本信一郎君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       財務大臣官房審
       議官       加藤 治彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     有本 建男君
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       文化庁文化部長  寺脇  研君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   鈴木 直和君
       厚生労働大臣官
       房審議官     青木  豊君
       厚生労働大臣官
       房審議官     渡辺 芳樹君
       厚生労働省政策
       統括官      水田 邦雄君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○少子化社会対策基本法案(衆議院提出)
○参考人の出席要求に関する件
○連合審査会に関する件

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○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、松井孝治君及び吉川春子さんが委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君及び八田ひろ子さんが選任されました。
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○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 少子化社会対策基本法案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、人事官佐藤壮郎君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小川敏夫君) 少子化社会対策基本法案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広であります。少子化社会対策基本法につきまして質疑をお願いしたいと思います。
 まず始めに、前文でありますが、この要綱の中に「未曾有の事態に直面している。」と、かつてないという、「有史以来」という言葉が書かれております。そういう中で、さきの衆議院の内閣委員会で修正案が出されました。「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」という言葉が新たに挿入をされたわけであります。
 そういう中で、これは、この議案とは直接関連はありませんけれども、この少子化という言葉が使われたのが、一・五七ショックという、一九九二年ということで伺っておりますが、それ以来十三年という歳月が流れました。その中で、いろんな少子化の議論がありましたが、人口問題審議会というのが平成九年の十月に、結婚や出産は当事者の自由な選択にゆだねられたものであり、社会が個人に押し付けてはいけないという言葉が書かれてあります。そして、十一年の十二月、少子化対策の推進関係閣僚会議で、「結婚や出産は、当事者の自由な選択に委ねられるべきものであること。」ということで、個人という言葉は消えていますが、今回のこの修正案は個人という言葉が使われております。人口問題審議会とか関係閣僚会議では当事者という言葉が使われていますが、当事者と個人、個人というのは、憲法にも個人の尊厳ということで、人間ということを意味してあるのだと思いますが、どうも少子化対策の個人というと女性を連想させるという、そういう考え方もないわけではないと思っております。
 そういう中で、余りやっぱり個人を強調するとどうなのかなという考え方が私は一つあると思います。やっぱり、少子化という人口の問題ということよりも人口構成の問題ということが大事なんだろうと、そう思っています。そういう中で、社会的責任というのが薄れていくのではないかなという、そういう考え方も持っているわけでありますが、まず、その個人というこの言葉の考え方についてお尋ねをしたいと思っております。
○衆議院議員(逢沢一郎君) 修正案の提出者でございますが、お答えを申し上げたいと思います。
 委員御指摘のように、衆議院の段階で、前文に一部修正を加えたところでございます。「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」という修文を加えさせていただきました。そして、委員先ほど御指摘のように、少子化対策の様々な議論の中で、今、私の手元にも、「少子化対策推進基本方針について」、これ政府のペーパーでございますが、この中には、「結婚や出産は、当事者の自由な選択に委ねられるべきものであること。」、確かにこのような指摘があるわけであります。
 そこで、この当事者と、そして個人はということについて御質問、御指摘をいただいたわけでございますけれども、修正を加えさせていただきました、私どもが使っておりますこの「個人の決定に基づく」、この個人というのは、意味合いといたしましては、結婚する男女、結婚する男女、そして子供を作った男女という意味でありまして、政府の文書に記載がございます当事者と正に同じ意味で使用させていただいている、当事者と同じ意味で使用させていただいている、そのように御理解をいただきたいというふうに思います。
 当事者でなくなぜ個人という文言を用いたのかということになるわけでありますが、今申し上げさせていただきましたように、両者の相違を意識して使い分けたのでは決してないんだ、「個人の決定」という表現で修文を与野党間で合意をしたという経緯につきましても是非御理解をいただきたい、そのように申し上げておきたいと存じます。
○岡田広君 この人口問題審議会の報告の中には個人という言葉が使われていまして、括弧して「(男女)」という項目だけ使われているところが一か所だけあります。そういう意味で、個人を男女というそういう意味だろうと思うんですが、やっぱり国民から見た場合に、そこのところの説明がなかなかされないと私は分かりづらいのかなという、そういう考え方を持っているものであります。
 そういう中で、もう一つ言葉の問題ですが、人口問題審議会のこの報告書の中では「少子化の進行」という言葉、そして「進展」という言葉が使われています。辞書を引きますと余り差はないような気がしますけれども、ちょうど時を同じくして出されました次世代育成支援法には「進行」という言葉が使われています。今回の議案は「少子化の進展」という言葉が使われています。
 そういう中で、さきの衆議院の内閣委員会の修正案の賛成討論の中でも「進行」という言葉が使われていますが、これ別に大した問題ではないと思いますが、私は、国民から見た場合分かりやすいという、次世代育成支援法と直接のこの議案はかかわりがないのかもしれませんけれども、片っ方が、国民から見た場合に、進行と使ったり進展と使う、こういう一元化というそういう考え方はないのかなという、そういう観点に立ちましてこの進展と進行というその考え方についてお尋ねするとともに、先ほど個人というお話を伺いましたけれども、そういう中で、この社会的責任というのは私は最大ではないかなと申し上げました。そういう中で、「歯止めをかける」という言葉もこれ使われています。話し言葉では確かに歯止めを掛けるという言葉を使いますけれども、活字にしたらこの歯止めということはどうなのか。やっぱり産むことを奨励をするという、産めよ増やせよという、そういう考え方にもとらわれるというふうにも思うんですが、この二点についてお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 今、委員から御指摘のように、「進行」と「進展」という言葉が用いられているのは一体何だろうという御指摘がございました。
 結婚される男性、女性、この方々がお考えになることは、私は、御夫婦になられる方の人生の幸せと希望、そういったものを中心にお考えになっていらっしゃる方がほとんどの若い男性、女性の方だろうと思います。
 一方、私ども、国全体の姿というものを絶えず統計に基づいて国家がどうなっていくのかということを考える立場にある者から見れば、このままの少子化というか、子供の出生率が落ちていくということが進行していけば、社会の活力というものが、生産年齢人口は二〇〇七年から減少し始めますから、やはり社会全体がどうなるか、百年先の人口予測を人口問題統計所、統計の厚生省関係機関からのデータを見ると、六千四百万から七千万ぐらいになってしまうと、人口全体が。そういう国家の活力というものは一体どうなるのかというのを考えるのは、国民から選ばれた先生方のお立場ではないか、また我々の立場ではないか。
 だから、夢と希望に満ちた結婚される若い男女の考え方と、我々国民の代表する人たちが我々の国家の姿というものを統計に基づいて予測して、どういう国になっていくかということを絶えず検討し、その良き方向を求めていくというのが政治家の大きな仕事ではなかろうかと思いまして、進行と進展というものはさほど大きな格差のないものと思いますが、個人の若い御夫婦から見るとまた違ったお考えをお持ちじゃないかと、私はそのように考えております。当面、燃えるような愛情と夢の中に生きる若い男女でありますから、冷静に国家百年を見ている、政治を行われている先生方のお立場とはおよそ違ったものであろうと、私はそのように思っております。
○岡田広君 はい、分かりました。
 それで、施策の基本理念の中に、男女共同参画社会の形成と相まって、今も中山先生から夢というお話が出ましたが、夢という言葉についてはまた後で質問させていただきたいと思いますが、男女共同参画社会が進んでいくと少子化も進むんだという考え方がないわけではないと思いますが、この辺の関係について、この法案の最大の問題点だろうと思いますが、考え方をお聞かせいただければと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 男女共同参画社会というものは避けて通れない日本の人口問題だろうと思います。
 そういう人口問題というよりも労働問題、そういった中で、働きながら家庭生活を続けられる御婦人たちはやはり子供が欲しい方もたくさんいらっしゃいます。しかし、子供を生み、育てることについてはいろいろな精神的、経済的な負担も同時に発生をしてまいることは言うまでもないと思います。
 その場合に、お母さんが早い会社へ出勤される場合、職場へ出勤される場合に、保育所へ子供を預けに行こうと思っても、早朝保育をやってくれる保育所がなかなか見当たらない。また、勤務時間中に保育所から電話が掛かってきて、子供さんが熱を出して引き付けているといった場合に、お母さんのお気持ちとしてはすぐに飛んで帰りたいというお気持ちが起こる可能性がございます。そういった場合に、やはり保育所、託児所には十分な小児科の医師との連絡網、そういったものがまだ設置されておりません。また、通勤途上のお母さん方が子供を預けて職場に行くときに、遠い保育所に行ってから駅へ行くということでなしに、駅の周辺にできるだけいい保育所を作ってさしあげるということが、働く御婦人たちのために、奥様方のために極めて大事なんではないかと。
 それを進めるための基本的な法律としてこの基本法を作りまして、政府の次世代の育成の法案とダブルにして、社会の中での男女共同参画社会の在り方が円満に進行できますように考えてこの法案を準備させていただきました。どうぞ御了承を願いたいと思います。
○岡田広君 男女共同参画社会の実現は大変重要な課題だろうと思っています。そういう中で、少子化の進行というのは社会の元気をなくしていく。当然、社会保障のいろんな充実のためにもいろんな問題が生じてくるという、そういうことだろうと思うんですが、そういう中で景気も先細りしている。
 私、元気がなくなるという、元気の元という漢字にうかんむりを付けますと、完全という字になります。少子化、高齢化という、化けるという字にくさかんむりを付けると、花という漢字になります。これはかんむり語と言うそうです。その国で一番偉い王様が頭にかぶる冠は王冠という冠だそうです。だから、元気がないと完全はあり得ないという、そういう言葉の持つ意味だろうと思っています。そして、元気の気というのも、気持ちが一番私は大事な時代ではないかなと今思います。
 よく私、市長時代から文部省、今文科省ですけれども、陳情に行くたびに、元気の気をもう十年前から昔の元の字に戻すべきだという話をしています。現在の景気の気という元気の気は、きへんに〆という漢字です。景気がしめ切っているからなかなか広がらない。私は意識的に、手紙を書くときに、お元氣ですかときへんに米を書くことにしています。米という漢字は四方八方にいい気が広がっていくという、そういう言葉の持つ意味だと私は理解をしています。ですから、お化粧をする、化粧の粧も左側、こめへん、日本の基幹産業は農業です。やっぱり米が基幹作物だと。そういうことから考えると、私はこれ、こめへんに戻すべきじゃないかなという、そういう考え方を持っています。
 徳川家康から四代将軍に仕えたという林羅山という人は、気は性の入れ物なりという言葉を本に説いています。性というのは性格の性という漢字です。正に気持ちの持ち方、気の置きどころで周りの環境は変わる、また変えることができるという、そういう言葉の持つ意味だと思っています。
 間もなく相撲も始まります。野球もやっていますが、正に気力とか気分とか気合、この気が付く漢字たくさんあります、気品、気性とか。気が後ろに付く漢字、本気でやる、根気強くやる。少子化対策に、今回のこの法案を成立した後は、内閣府や厚労省中心に本格的、本気でこの少子化対策に取り組んでもらいたいという考え方を持っている一人です。
 これを、根気強くやる、士気を高める、生気をみなぎらせる、英気を養う、のん気の気も時には大事な気です。色気の気という言葉もあります。これはほんのりとしたすごくいい気です。しかし、この気という漢字が前に来ますと、気色悪いという言葉に変わります。これは、先ほど言ったように、気持ちの持ち方、置きどころで全く周りの環境は変わる、また変えることができるという、そのためには、少子化のこの法案を成立させて環境を変える、はずみというのは大変私は重要だと思っています。
 ですから、大事なのは、やっぱり、今日の質疑を通じて私もたくさんいいことをインプットして、そして自分の気持ちを充実させて周りにいい気を広げていく。気を配るとか気を回すとか気を付けるとか、日本は気付き文化です。気の話すると長くなりますからこれ以上しませんけれども、アメリカに渡ったイチロー選手なんか毎日精進努力しておりますから、人の気、人気の気という気が付いてくるんだろうと思っています。
 そういう意味合いを込めて、是非これは文科省にお伺いしたいんですが、気という漢字をきへんにこめへんに直したらどうだろうかという考え方を私は常々持っていますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(寺脇研君) お答え申し上げます。
 気という字の書き方についてでございますが、今、委員の方からございました米という字を使うというのは、これはもう従来から使われてきた非常に長い歴史を持つ字の書き方でございます。いわゆる康煕字典体、中国で康煕帝のときに編まれました康煕字典にもきちんとそういうふうに書いてあるわけでございます。
 ただ、戦後、当用漢字というのを定めるというようなことが御案内のようにございまして、そのときに、できるだけ簡略な字を採用しようではないかというようなことがあり、国民の間で戦前は米というのが一般的に使われておったわけでございますが、米の部分を今御指摘の〆というような形で書くというような書き方も一部で使われていたものですから、そちらの簡単な字体の方に標準を定めようというのが当用漢字の考え方でございました。
 ただ、この考え方については、やはり古い字の考え方をきちんと大切にしていこうじゃないかというようなこともあり、昭和五十六年に常用漢字、現在は当用漢字ではなくて常用漢字表というようなことで対応をいたしておるところでございますが、こちらの方でも引き続いて気をいわゆる〆という形で示す中に、元々の字は米であるということをきちんと括弧書きで示して、こちらももちろん正しい字であり、元々はこれなんだということを示す形で常用漢字表が作られておるわけでございます。
 ただ、確かに常用漢字表の中で簡略な〆の形を取りましたものが一般的に法律の文章でございますとか公用の文章あるいは新聞等の字体に使われることを原則としておるわけでございまして、これについて改めるというのは、当用漢字以来五十年使われてきて、〆の形を書いたものの方が広く生活の上で定着しているという考え方に現在は立っておりまして、そういう意味で、常用漢字表をこのような形で引き続いて使わせていただきたいと思うわけでございますが、実はこの常用漢字を定めますときにも、当用漢字のときとの考え方の違いとして、伝統的な字体というのは文化の継承の上で非常に大事なものであると。だから、伝統的な字体を否定するものではないし、その意義というものは広く国民にも分かっていただくように考えていかなければならないという考え方に立っておりますので、様々な場面で、元々がそういう意味合いであること、また正式な字体は米であることというようなことについて国民の皆さんに御理解をいただけるような方策というものも考える必要はあるのではなかろうかと思っております。
○岡田広君 是非、先ほど話しましたように、日本は気付き文化。気付くというのは、あいさつをするときにあいさつが先ではないんですよね、相手がいることを気付いたからおはようとかこんにちはってあいさつができるわけですから、是非この点について御検討をお願いしたいと思っております。
 それでは、この基本理念の中の国の責務ですけれども、国の責務、そして地方公共団体の責務、事業主の責務ということでうたわれておりますが、少子化に対処するための施策を総合的に策定をし、及び実施する責務を有すること、そして国、地方公共団体そして事業主ということで書かれてあります。今までは厚労省でやっていたんだろうと思いますが、この施策を総合的に策定をする場所というのは後に出てくる少子化対策会議、ここでやるということになるのか、この事業主につきましても、父親の育児とか家事参加とか、育児休業などの労働環境の整備など、少子化に対するいろんな施策の答えは出ているんですが、なかなかそれが実行されていない。育児休業につきましても、一〇%という目標値は定めていますが、恐らく一%に行っていないんではないか。なかなか実行がされていない、施策だけ定める。そういう中で、今回のこの国、地方公共団体、事業主の責務ということに関しまして、具体的にどんな組織でどういう展開をするのか、お尋ねをしたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 今、委員御指摘の問題点につきましては、御指摘の、育児休業制度はございましても、女性の利用率というのは大体五七%でございまして、男性は〇・五%ぐらいしかございません。やはり御主人になる方々は自分の職場で全力を挙げて働く、そしてやはり家族のためにも自分のためにも努力をして、認められて、そしてやがて管理職になっていきたいと、これはもう皆さん方の共通の気持ちだろうと思います。そういう中で、雇用者側がこの育児に対する認識を改めて、やはり御主人である男性の育児休業の取得のしやすいような社会環境を作るように努力をしていただかなければこの問題は解決していかないと、私はそのように思っております。
○岡田広君 それで、第十条で、雇用環境の整備の施策ということで、今お話しになりました育児休業制度あるいは時短、そして私、特に大切なのはこの再就職の促進。女性が子育てで会社を辞める、そして子育てがある時期終わったときに、さあ、またお勤めをしよう、そういうときに職場が確保できない。これは大変再就職の促進というのが大事なことであると思いますが、こういう方策につきましては具体的にどんなふうに展開していくのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 今、先生御指摘のとおり、非常に出産後の女性の職場復帰の問題というのは大事な問題だというふうに思っております。
 第十条に具体的に述べておりますが、短時間の勤務制度の問題だとか、あるいはフレックスタイム制、始業終業の繰上げ、繰下げ、所定外労働の免除、あるいは託児施設の設置運営、あるいは育児費用の援助措置、深夜業の制限、さらには、今御指摘ございましたように、育児休業給付の支給といったような面での雇用の継続を図るための制度というものを我々は必要だというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、これらの問題につきましては既に法律において定められているところでございますが、今後、よりそうした問題が解決できるように、そうした法が変えていかれることを望むわけでございます。
 いずれにいたしましても、日本というのはまだまだ、どういいますか、企業が中心、企業優先の社会というものが続いています。そうした中において、この問題について解決していかなければいけない問題は数多くあると思いますし、あるいは育児・介護休業法の中において努力目標として掲げられている、例えば子育て中の夫婦に対する遠距離の転勤の廃止義務と、長距離の転勤に対する禁止条項といったような問題、そうした努力目標ではございますが、そうした問題についても企業が積極的に取り組んでいっていただくということを望んでいる内容でございます。
○岡田広君 雇用環境の整備、大変重要な柱であろうと思っております。次世代育成支援法にも、今回の法案の中では事業主の責務ということで三百人以上の企業に対しましては少子化の行動計画を義務付けるということがうたわれているようです。なかなかしかし、今経済低迷している中で、企業の自助努力だけではこの育児休業一つ取ってもこれが実現できるか大変疑問だと思いますが、これはまた次世代育成支援法が通過をした後、これは厚労省ですか、是非指導をしていただきたいと考えております。
 次に、十一条でありますが、保育サービス等の充実ということでうたわれておりますが、これもまた大変重要な柱の一つだろうと思っております。三位一体の改革、骨太方針というのがこの保育関係に関しましては幼保の一元化、あるいは補助金の一般財源化、これにつきましては十八年度までに議論をするということになったようですけれども、この幼保の一元化は特区構想の中でも申請というか相談が上がっているようです。しかし、この補助金の一般財源化ということになりますと、それぞれの地方自治体から考えますと、地方自治体の中で保育所に対して幾ら、どのぐらいを付けるかという、そういう考え方になりますので、なかなか財政の、豊かという言葉、使っていいのかどうか分かりませんが、財政のある程度、財政のいい市町村はいいですけれども、なかなか地域の格差が出てくるという、そういう心配もないわけではありません。
 そういう中で、片っ方で保育サービス等の充実をうたいまして、補助金をやめようと、そういうことになりますと、充実をうたいながら地方に任せるということはどういうものか、これはこれからの議論だろうと思いますが、そういう中で多様な需要に対応した良質な保育サービス等、休日保育とかあるいは夜間保育、延長保育、一時保育のそういう充実ということがあると思いますが、この保育サービス等の充実に関してのお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。
 厚生労働省といたしまして、先生今お尋ねの保育サービス等の充実に関する基本的な考え方と併せて、昨今の三位一体改革等の議論の流れ等々併せてのお尋ねであったかというふうに考えております。
 近年、子育てニーズが地域の中で様々に多様化しておることは大きな流れであるというふうに理解をしております。その中で、地域の社会資源、これは保育所のみならず幼稚園、あるいは最近では特に子育てサークルを始めとした様々な地域の子育て支援の取組などなど様々な動きが出てまいっております。そうした地域における子育て資源を総合的、効率的に活用する中で、そしてその中でも保育サービスというものが更にその役割と機能を果たしていけるようにしていく、こういうようなことが基本ではないかと思っております。
 幼稚園との問題につきましても、先生御承知のとおり、それぞれ保育所と幼稚園の役割と機能の違い、そしてそれぞれの特色の発揮ということが一方において大変大事な基本であろうと思っておりますが、その上で、地域の中で地域の事情に応じて子供の視点に立って相互の連携を一層強化すると、こういう知恵はないものかということで、ここ数年来様々な工夫がされてきて、更にまた議論が続いていると、こういう状況であると思っております。
 今般の骨太の方針におきましても、幼保の一元化ということとは別の切り口であろうとは思っておりますが、総合施設という一つの、教育、保育を一体としてとらえた施設の設置を可能とできるような検討ということが三年程度の時間の中で関係省庁での検討と、こういうことも言われておりますが、いずれにしても、現場の、先ほど申し上げましたニーズと社会的資源、その取組、そういうものを十分踏まえまして、児童の視点に立って検討していくべきものというふうに考えております。
 なお、財源面での話で、保育所運営費の一般財源化というお尋ねの部分がございましたけれども、先般の閣議決定におきましては、一般財源化など国と地方の負担の在り方についての検討ということで、私どもは国と地方の負担の在り方というものがどうあるべきかということを幅広く検討させていただくべき性質のものではないかというふうに理解をしております。
 待機児童ゼロ作戦を推進しており、また今、次世代育成支援対策推進法案、児童福祉法改正法案などを審議していただいている最中でもございます。次世代育成支援対策に関する一層の政策的努力が求められているという中でございますので、国の関与という点についてもこれが引き続き適切に行われるべきものと考えております。
 総じて申しまして、保育サービス等の充実に関連いたしましても、大事なことは我が国の次代を担う子供たちの幸せを第一に考えること、保育施策等が後退することのないようにしていくこと、これが基本であろうかと考えております。
○岡田広君 保育サービスの低下を招かないように是非ひとつ御努力をお願いをしたいと思っております。
 次に、十二条でありますが、子育て支援体制の整備ということでありますが、この中で、地域において拠点の整備を図るということでありますけれども、この拠点の整備というのは子育て支援センター、いろんな形のもの、併設とか新設とかあろうと思いますが、これをという意味なのかと思っておりますが、その中で民間団体の支援、特にお願いしたいのは子育て支援センター、全国いろんな市町村で行われていますけれども、水戸市なんかはNPO法人に委託して各公民館とかいろんな集会所を造ってやっています。しかし、なかなかそういうお金を出せない町村もあります。全くのボランティアで、子育てのお母さんたち、子供を集めて、子育て経験者の人たちがいろんな指導をしている、話合いの場を設けていると。全くのボランティアです。お金、町からも予算が出ていない。そういう中で、やっぱりペンギンくらぶとか、くじらランドとか、いろんな名称が付けられて全国の市町村でやられていると思っておりますが、そういう予算措置が余りされていないということですけれども、こういうことに関して、今後、やはり予算措置も大事だし拠点の整備も大変重要だと。私は、つまり、よりどころというのは非常に大事だと思っています。
 この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。
 この十二条に関連して、地域の子育て支援拠点ということでございますが、これもよく御承知のとおり、近年の家族の形態の変化あるいは周辺環境の都市化の進行と、こういうことによりまして、現時点では、子育て中の親の子育てのプロセスにおける孤立化と言われるような問題あるいは心理的な負担感の増大、こういうものがたくさん指摘されるような時代になっておるかと認識しております。そういう意味で、在宅で子供さんを養育しておられる親御さんも含めて、子育て全体を社会が広く全体で支援していく、こういう考え方の重要性が増しているように考えております。
 このため、かねてより地域における子育て拠点ということでは、今、先生御指摘のような保育所等に併設された地域子育て支援センターという事業などもございますが、最近では、さらに子育て中の親子、つまり親も含めてでございますが、が相談、情報交換及び交流のできるつどいの広場というような事業など、各市町村の状況に応じて様々な工夫がなされ、そうした事業が運営あるいは設置されている、こういうような状況にあると理解しております。
 御承知のように、児童福祉法の改正法案が、現在、次世代育成支援対策推進法と併せて御審議を賜っておるところでございますが、この児童福祉法改正法案のポイントの一つが、まさしく市町村における多様な地域子育て支援の事業に関しまして事業実施の努力義務を市町村に課することとしている、これが一つのポイントとなっております。
 その上で、次世代育成支援対策推進法案に基づく仕組みでございます市町村の行動計画の中で、こうした地域の子育て支援の拠点あるいはネットワーク、こういったものが具体的に位置付けられていくことが期待されるというふうに考えておりまして、それらを併せて全体として支援を図ってまいりたいと思っております。
○岡田広君 次に十三条でありますが、特に医療の関係、マル福とかいろいろあろうと思いますが、この母子保健医療体制の充実ということで、小児救急医療体制の整備というのがこれからは大変重要になってくると思っています。特に、救急ということですから夜間、休日、平日と、そういうことの体制の整備をどう進めていくのか、お尋ねしたいと思います。簡潔にお願いします。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 小児救急医療等の小児医療の問題につきましてでございますが、診療報酬というような側面におきましても近年大変その重要性が指摘されており、昨年度の診療報酬改定におきましても様々な工夫による加配が行われているところでございます。
 また、供給体制面におきましては、小児救急医療に関しまして、第一は、二次医療圏単位での小児救急医療支援事業というものを整備していく、国として援助していくということのほかに、二次医療圏単位での体制構築が困難な地域におきましては、複数の二次医療圏ごとに小児救急患者を受け入れる小児救急医療拠点病院の整備を図るということで支援をさせていただいているところでございます。
 そのほか、小児科以外のお医者さんに活用していただくための外来診療マニュアルの作成でありますとか、小児科の若手医師の育成に関する調査研究につきましても努力をしておりますが、さらに、来年度からは御承知のように新たな臨床研修制度で、すべての研修医が小児科を必修科目として、三か月を目安に少なくとも一か月以上の研修を行う方向で検討が進められているところでございます。
 様々な対策を講じて、更に小児救急医療等の小児医療の確保充実に努めてまいりたいと考えております。
○岡田広君 是非、少子化の進行と相まって、小児のお医者さん、当然もう医療も経営ということもありますので、なかなか各市町村ではこの政策を実行するお医者さんがいないということで大変苦労していると思うんです。私どももようやく、休日はやっておりましたが、平日も医師会の協力を得てようやくスタートしたところでありますから、この小児のお医者さんの育成というんでしょうか、これを是非ひとつお願いをしたいと思っております。
 十六条であります。経済的負担の軽減ということで、これは児童手当とか奨学事業あるいは子供の医療に係る措置とかあろうと思いますが、この中で税制上の措置ということがうたわれております。
 御承知のように、中国は一人っ子政策というのをうたい文句にしています。中国の一人っ子政策というのは、日本人のほとんどの人は知っているんではないか、世界の人たちが中国は一人っ子政策だということを知っていると思います。それだけこのうたい文句が広く浸透しているということだろうと思っています。そういう中で、やっぱり私は、うたい文句とか、選挙でもそうですが、キャッチフレーズとかスローガンというのは非常に大事だと思います。
 そういうことから考えますと、分かりやすく、少子化社会を克服していくと、そういう考え方の中では、日本は二人っ子政策というのを打ち出したらどうかという考え方を一つ持っています。二人っ子政策、結婚した御夫婦は二人ぐらい産んでいるんだと思います。特殊出生率は一・三二ということでこの前発表がありました。推計予測も、二〇五〇年は一億六十万です。二一〇〇年になるともう六千万台になってしまうという、現在の五〇%強の人口が将来推計予測、減るということを予測を、人口問題研究所ですけれども、予測をしています。
 そういう中で、二人っ子政策というのをうたい文句にする。その中で、私は、二人目の子供が生まれたら中学校を卒業するぐらいまで、義務教育終わるまで所得税を免除するぐらいの抜本的な政策があっていいんではないか。保育料を三千円軽減する、いろんな市町村で、子供三人生まれたら十万円、四人十五万円とか、商品券で上げている、お買物、その市内の商品券で上げている市町村もあります。あるいは、結婚の相談員に結婚が成立したら三十万円やっている。いろんな市町村があると思いますけれども、やっぱり抜本的な考え方、損して得取れという考え方も昔からあると思います。
 そういう中で、この所得税、税の控除、恐らく扶養控除という話になるんだろうと思うんですけれども、そういう考え方について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤治彦君) 御議論ございますように、少子化対策、総合的な取組ということで、税制面におきましても従来から子供の扶養につきましては扶養控除がございます。また、扶養控除におきましても、その扶養親族の状況等に応じまして割増しとか加算の措置を講じてきております。
 実は、先般、政府税調、三年に一回の中期答申を出しまして、これは正に少子高齢化における税制ということをメーンテーマにいたしまして、特にこの扶養、少子化に関連して扶養についての税制の配慮につきましては、少子高齢社会における子育ての重要性を考えて、今後、児童など真に社会として支えるべき者に対して扶養控除を集中することが考えられるというふうに指摘しております。
 したがいまして、これから扶養控除など人的控除の基本構造の在り方というのは、正に少子高齢化における個人所得課税の基本的な負担構造ということという大きな問題として、今後更に勉強していきたいと思っております。
○岡田広君 子供を産まないとか産めないという理由の中に、やっぱり経済が大変だ、お金が大変だということが大体一番に挙げられています。そういう中で税の、税制の控除というのは真剣にやっぱり考えるべきときが来ていると思っていますので、是非よろしくお願いしたいと思っています。
 次に、この十七条です。「教育及び啓発」、これ、私は一番これからの少子化対策にとって大変重要なことではないかなと思っています。組織にしても、私、茨城県ですけれども、茨城県では少子化対策室という、少子化という言葉が市町村の組織に使われているのは茨城県の日立市で、そしてこの三月に、私、市長を辞職してきましたけれども、四月に、三月辞めるときに少子対策課という課を設置してこちらへ出てきました。茨城県でも二つしかありません。高齢福祉課とか男女共同参画課とか女性課とか、これは正に市町村に課が設置をされてきている。正にこれは普及している。そういう中で、特にやっぱり教育が大事だということで私は考えるわけであります。
 結婚とか子供を持つことへの意義等を考えるということは大変重要なことで、結婚とか子育ての楽しさ、あるいは子供たちのメッセージなどをつづった作文等を一般募集しまして、そしてこれを学校教育の中で教育の読本として使っている、これ茨城県で日立市だけです。残念ながら、まだ水戸市では少子対策課、今年四月に設置したばかりです。こういう本、中学一年から三年まで、そして道徳の時間の中でこれを教えています。そういう、やっぱり少子化は今いろんな税の面とかあるいは救急医療もみんな大事なことです。しかし、長期的な展望に立ってこの少子化対策というのはやっていかなきゃならないと思います。
 そういう中で一番大事なのは教育、今の子供たちのうちから結婚あるいは家庭、子供を持つことの意義、そういうことを教えるというのはとても大切なことであろうと思いますが、こういうことを、やっぱり厚労省ですかね、こういう指導というのはどんなふうにやられているのか、ほかの県でやっているかどうかちょっと分かりませんけれども、是非ひとつお願いしたいと思います。
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 学校教育におきましては、児童生徒が将来親として必要な資質や能力を身に付けることができますよう、児童生徒の発達段階に応じて、子育ての意義や家庭の役割等について理解させることが大切であると考えております。
 このため、学習指導要領におきましては、中学校の技術・家庭科で保育に関する内容を必修といたしまして、幼児の心身の発達の特徴や、子供が育つ環境としての家族の役割について理解させることといたしております。また、高等学校の家庭科では、男女が相互に協力して家庭を築くことの重要性について認識させますとともに、家庭における親の役割の重要性や、子供を生み、育てることの意義などについて理解させることとしているところでございます。
 さらに、道徳の時間におきましても、例えば中学校の道徳では、家族の一員としての自覚を持って充実した家庭生活を築くことができますように、自分と家族とのかかわりや家庭生活の在り方が人間としての生き方の基礎であることを十分理解させることとしているところでございます。
 ただいま日立市の取組について御紹介がございましたが、各学校におきましては、教育委員会等が作成した資料などを必要に応じて教材として使用するなどにより、このような指導を行っているところでございます。また、文部科学省におきましては、児童生徒が身に付ける道徳の内容を分かりやすく著し、自ら考えるきっかけとなるよう「心のノート」という教材を作成いたしまして、全国すべての小中学生に配布しているところでございますが、例えば中学校用の「心のノート」におきましては、「いつかはあなたも新たな家庭をつくる」というタイトルの下で、家庭の役割等について子供に考えさせることとしておりまして、各学校における道徳の時間などで適宜活用していただいているところでございます。
 今後とも、各学校において子育ての意義や家庭の役割等について適切に指導がなされますよう努めてまいりたいと存じます。
○岡田広君 是非、指導方お願いしたいと思います。
 その中で大切なのは、日立市の中では、それぞれ子供たちに書き込む欄がたくさんあります。それぞれ一つのテーマテーマごとに書き込ませる、自分の考えを書かせる。やっぱり書くということはとても私は大切なことだと思っていますから、是非、見せるという、読ませるというだけではなくして書くということを大切にして考えていただきたいと思っております。
 それでは次に、この次世代育成支援法のことでお尋ねしたいんですが、市町村では合併論議進んでいます。この次世代育成支援法が通りますと平成十六年度までに計画を義務付けという話になると思います。その中で、今回、全国で五十の市町村を選んでモデル的にこの行動計画を作れという指示を出されていると思います。そういう中で、大体事業費が五百四十万で、そのうち半分は補助しますよということでやっていると思うんですが、これが通りますと、来年、全国の三千二百ぐらいあるんでしょうかね、その市町村に対してそういう行動計画の義務付けができます。
 その予算は交付税で措置をするということになると思うんですが、まだエンゼルプランを作って、昨年、一昨年始めたばかりのところもあります。エンゼルプランを作っておいて、またこの計画を作れということになると思うんですけれども、このことについて議論するつもりはありませんけれども、この中で合併とのかかわり合いはどうなるのか、合併問題とこの計画策定、どのように今後考えているのか、これちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。
 現行の既存の法律におきましてもあるいは新規の法律におきましても、市町村を対象とするものは、法律上は現にある市町村を前提として規定を設けざるを得ないというのはやむを得ない前提であると考えておりますが、現実問題といたしまして、合併を予定しております市町村において、この次世代育成推進支援法案に基づく行動計画を策定していただく場合には、合併予定の市町村が共同で一つの行動計画を策定するという方向で御努力賜ることが適切だというふうに考えております。
 合併に向けての準備、その合併の時期に応じましても様々な状況が当該市町村にはあろうかと思いますので、そういう事情も含めて弾力的に実情に応じた運用を指導してまいりたいと考えておるところでございます。
 来年度に全市町村にお願いする行動計画の策定につきまして、今年度のモデル的な五十市町村の計画策定とはまた趣旨が違う正式のものでございますので、十分、地方交付税による措置を含めて、総務省と相談してまいりたいと考えております。
○岡田広君 分かりました。
 そして、この法案の最後に、少子化社会対策会議というのが組織される。このメンバー見てみますと、関係閣僚と役所の方ということになると思いますが、一般の学識経験者の意見はどこで聞くのか、そしてエンゼルプランとか次世代育成支援法との関連はどうなるのか、この少子化社会対策会議のことについてお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 政府がやります少子化社会対策会議のメンバーでございますが、これはもう先生御案内のように充て職になっております。私は、充て職は決して好ましいことではないと思っているんです。事によってはいろんな構成要員を考えなけりゃならない。特に男女共同参画社会ということが大きな前提になっているわけでありますから、少なくとも半数近い方には御婦人を就任していただくというような考え方を持つべきじゃないかと私自身は考えておりまして、是非そういうふうな方向で政府も行動してもらいたいと私は思っております。
○岡田広君 是非、中山先生お話しになったように、半数は女性というこの考え方を基本にひとつお願いをしたいと思っております。
 そして、時間が来ました。最後になりますが、この法案の中で「家庭や子育てに夢を持ち、」という言葉が書かれています。今年、高校生の体育をする人たちの夢は高校総体です。今年は長崎で開かれます。去年、茨城で開かれましたから、終わった後に旗を届けに長崎へ行きました。長崎総体のキャッチフレーズは「長崎ゆめ総体」という言葉が書かれていました。長崎というのは漢字です。総体も漢字です。だから私は、ゆめという言葉が平仮名で書かれていました。お互いに両側が漢字だからゆめという、柔らかさを取ってゆめということを、私たちが使う夢ではなくして平仮名にしたのかなと思って長崎の助役さんに聞いてみましたら、それは分からないということでした。
 正にゆめ総体。夢という言葉は、ここに書かれてあるように、家庭や子育てに夢を持つというこの漢字です。しかし、辞書を引いてみますともう一つゆめという言葉があります。おんなへんに右に又って書いて力って書きます。努力のドと読みます。ツトメルとも読みます。もう一つの読み方がユメです。辞書にはこの二つしかゆめという漢字は書かれてありませんでした。努力の努は、努力のドとツトメルとユメ、この三つの読み方しかないと思います。
 だから、厚労省の人たち、これ内閣府がこの基本法は所管をするのかと思いますけれども、いずれにしても、やっぱり私は、はずみとか契機というのはすごく大事だと思っています。野球の話して申し訳ありませんが、イチロー選手は愛知工大名電高校、ドラフト四位で卒業してオリックスに入団をしましたけれども、一年二年、鳴かず飛ばずです。イチロー選手がスタープレーヤーになったのは三年目、名前を漢字の鈴木一朗から片仮名のイチローに改名をしたという、これをはずみにして、三年目から七年間パ・リーグで首位打者で今はアメリカで活躍している。
 そういうことから考えると、はずみとか契機。少子化対策が叫ばれてこの言葉が使われて随分なりました。しかし、この法案をはずみにして、契機にして、やっぱり夢を持つ、今日の気持ちをゆめゆめ忘れないで少子化対策に精進をすると、そういうときに使うゆめゆめは努力の努を二つ重ねてユメユメと読みます。だから私は、夢は努力によって実現される、夢は努力によって達成されるという、そういう言葉の持つ意味だと思っています。女性、努力の努っておんなへんが入っていますよね。始まりっておんなへんに台って書く、この話をするともう時間ないですからしません、また次の機会しますけれども。是非夢を持ってこの少子化対策に取り組んでいただきたい。そういう意味で厚労省と内閣府の決意をお聞きしまして、終わりたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 次代を担う子供たちの育ちに関することでございます。自立した、そして支え合う心を忘れない、夢を持った人間に育っていただきたい、これが私たちの気持ちであり決意でございます。
○政府参考人(山本信一郎君) 先ほど来御議論をいただいておりますように、少子化の進行といったのは我が国の社会、経済、非常に広いかつ深いいろんな影響を与えているという具合に認識をしておるところでございます。そういうことから、この法案では内閣府に特別の機関として総理を長とする少子化社会対策会議を置くということになっておるわけでございます。
 本法案が成立をしました暁には、この法案に盛られております先ほど来の基本理念あるいは基本施策の方向といったようなものにのっとりまして、施策の大綱作りなど関係省庁一体となって誠実に取り組んでまいりたいという具合に考えております。
○岡田広君 是非お願いしたいと思います。
 時間が参りましたので終わりたいと思います。
 家庭や子育てに夢、夢を持つというのは私たちもうすべての生きることということだろうと思っています。そういう意味では、この漢字の夢を平仮名にしてもいいのかなと私思っていますけれども、これは私のこういう考え方ということで御理解をいただければいいと思いますが、この基本法を長い時間を掛けて、時、大事です。時という字は一日を大切にしないとお寺に行ってしまうという、日と寺が組み合わさって言葉ができていますから、正に長い間の御労苦に心から敬意を表しまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。
 この審議に当たりまして、私たち女性たちは本当にこの法案の方向性、いろんな意味で心配をしてまいりました。なぜかといいますと、少子化社会対策基本法は女性の生き方に大変大きな影響を与えるものだからでございます。ところが、この多くの女性の団体の皆さん、いろんな様々な活動をされている皆さんたちが、この法案は反対だという意見を寄せております。また、国会の中でも女性議員を中心にして大変厳しい意見が表明されております。
 そういう中で、六月二十六日、鹿児島市内におきまして、これは全国私立幼稚園の連盟、森前総理が会長になっております集まりだそうでございますけれども、その中で多くの幼稚園の、子供たちを幼稚園に送っているお母さんたち、あるいは幼稚園の先生たちが集まっているという、そういう会合の中において、これは公開討論会だそうでございますけれども、この中で、まずは太田発言、集団レイプ、犯罪ということがありますのに、元気があっていいじゃないかの発言がありましたり、あるいはまた大変驚きましたのは、森前総理が、一人も子供を産まない、そういう女性を将来税金で面倒を見るのはどうか、こういうような発言がございました。
 私は、内閣委員会としましては、男女共同参画担当大臣の福田官房長官に是非おいでいただいて、官房長官御自身も集団レイプ擁護というような、今日の発売の週刊誌に書かれているという状況がございますので、是非御意見を伺いたいということで、理事の皆さんに御努力をいただき、正午過ぎにこの委員会においでいただく、その努力をしていただいたということでございました。その御努力に対して心から感謝をしたいと思っております。
 それでは、この法案の中身について順次質問をしていきたいと思いますが、先ほど多くの団体から反対の声が寄せられたということでございますが、その批判点は、少子化に歯止めを掛けようとすることがともすれば産めよ増やせよの人口政策になりかねない、国は子供を産んだり育てたりしたい個人やカップルが安心して子育てをできる環境に徹するべきだという考え、そして、結婚や出産は個人やカップルの選択にゆだねて自己決定の原則を貫くべきだと、こういうものでございました。
 これらについては、衆議院の方でも大変議論をされておりましたので、重要な点でございます。参議院の審議の始めに当たりましても、この点について確認をしておきたいと思います。結婚、妊娠、出産は個人の選択、決断によるものであるということの確認を、まず中山会長の方にしたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 委員御指摘のとおり、個人の結婚、出産、それは全く、結婚の場合は両性の合意ということは規定されておりますけれども、出産については御夫婦で相談をしていただく、こういうことが原点ではないかと思います。しかし、あくまでもお産みになるのは奥様の方あるいは御婦人の方でございますから、それは当然、御婦人の意思というものが尊重されております。私はそういうふうな考えを持っております。
○岡崎トミ子君 個人の決断、自己決定権、私たちはこうしたことを自己決定権というふうにこれまで言ってきておりますけれども、会長の御答弁の中にはこの自己決定権という言葉を使われることがこれまでなかったように思いますけれども、今おっしゃられたことは自己決定権というふうに解釈してよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(中山太郎君) 同じ趣旨であると考えております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 続いて、修正者に伺いたいと思います。
 修正で入った文章で、もとより結婚や出産は個人の決定に基づくものであるがとされました。この「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」の「が、」というのが逆説ではないかというふうな意見もございましたので、それは逆説ではないということを確認しておきたいと思います。
○衆議院議員(山内功君) 逆説ではございません。
 これは、そもそも議連の皆さんの原案提出者の方の法案には元々は書いてなかった言葉なんですね。衆議院の内閣委員会で、私たちも自己決定権について書くべきではないかというような問題意識を持って中山先生以下原案の提出者の皆さんにいろいろと質問をさせていただきました。原案提出者の皆さんも、その自己決定権については、自分たちが出している法案にもその前提としてその精神は生きているんだということを言われるものですから、修正協議に入らせていただきまして、こういう「もとより、」云々というような規定を書かせていただいたということでございまして、これが「が、」ということで打ち消しの、否定の「が、」ということでは全くございませんということを申し上げておきたいと思います。
○岡崎トミ子君 結婚をするかどうか、子供を持つかどうか、この多様なライフスタイルを認める、こういう社会の中において個人が決定していくということを国が私は関与すべきではない、こういうことを繰り返し多くの女性の皆さんたちが指摘をしていると思います。
 そして、結婚や妊娠、出産が個人の自己決定権にゆだねられるべきだということについては、カイロ人口会議などを経て国際的に認められておりまして、日本でも、例えば一九九七年に既に、人口問題審議会の「少子化に関する基本的考え方について」という報告書でも、「妊娠、出産に関する個人の自己決定権を制約してはならないことはもとより、男女を問わず、個人の生き方の多様性を損ねるような対応はとられるべきではない、」、こういうことが基本的な前提となっているというふうになっております。
 ここに、私は気持ちとしては、結婚や出産は個人の決定に基づくものであるというところで丸を付けるということが非常に分かりやすい。「が、」というふうに入って、今、そうではない、否定ではないというふうにおっしゃったとすれば、ここで丸を付けて完結しておくということが、私は、大変に分かりやすいのではないか、その方が今の御答弁の趣旨にも私たちの考え方にも合致するものではないかというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか、その点に関しては。
○衆議院議員(山内功君) これ、この書きぶりについては随分衆議院の内閣委員会でも相当議論が出ましたし、女性の議員の皆さんからも法案の質疑、修正案についての質疑も相当いただきました。十分衆議院の中で議論をして、委員会や本会議で大方の賛同を得た表現であると思っております。
 「もとより、」と書くということも、これは随分、前の原案からすれば私たちはもう物すごく進展した書きぶりだと思うんですね。もとよりというのは元々ということですから、元々自己決定権があるということを前文の中に書いたと。一条以降の各個の法案の中に書くんではなくて、この法律をこういう精神で読み込んでいこうという前文の中に書いたということが、そして、もとよりという表現まで付けたということは、私は法案修正提案者としては随分な表現を原案提出者に認めていただいたと思っています。
 その上で、先生のお話に答えさせていただきますと、自己決定権というのは、自己決定権があるから自己決定は男女にあるんだということじゃないと思うんですよ。つまり、自己決定するためのいろんな労働環境はどうなのか、保育サービスはどうなのか、地域で子育てはしっかりと支援していくのかとか、そういうことがきちんと社会的に整備されていて初めて、そういう状況に日本があるならば女性としては子供を産もうか産まないか、何人産もうかということが自己決定できると思うんですね。そうすると、やっぱり並列的に書いておかなくてはいけないんじゃないかと私たちは思ったんです。そのためには、並列的に書くということは、最初にまず個人の意識、個人の決定ということを書いて、その次に社会的な基本的な整備ということをこの「が、」でつなげていくという書きぶりでこれは御理解賜りたいと思っております。
○岡崎トミ子君 大変丁寧に御説明をいただいたと思っておりますが、この私たちの心配といいますのは、つまりこの法案がどういう意図、今のような意図があったとしても、成立してしまったその後で、子供を持たないというふうに決定した個人が産む方向で、是非持たないというふうな人たちがどういう影響を持つようになってしまうのか。国家が直接個人の自己決定権を制約したり、価値観を損なうような、多様性を認め合う、そういうようなことだということを言ってはおりますけれども、やはり女性というのは子供を持って当たり前という圧力が強くなっていくのではないかという、そういう心配なんですね。この心配に関してはどのようにお考えでしょうか、肥田議員。
○衆議院議員(肥田美代子君) 本人の意思に反しまして社会的な圧力で結婚とか出産を行うとすれば、それはもう本当に不幸なことでございまして、こういうことはあり得ないし、また結婚は本人の意思に基づいているということは日本憲法の下で社会通念となっております。若い世代もそのことは承知していると思いますけれども、したがって社会的な圧力を加えるということは民主主義の崩壊にもつながることでございます。
 今、議員が御心配なさっていらっしゃいますことでございますが、この法案では、要するにそういうことを望む方に対しては、社会の意識、慣行、制度を是正して子育てをしやすいように、そしてまたそのために総合的な方策を作ろうということでございまして、出産に関する個人の自己決定権を云々するものでは決してないことを重ねて申し上げたいと思います。
○岡崎トミ子君 それでは、結婚をしない、子供を産まないというライフスタイルを選択した女性やカップルに対しては、この法案が成立することによって社会的な圧力があってはならないということを改めて明らかにしておいていただきたいと思います。
○衆議院議員(肥田美代子君) 確かに、大変これは心の中のナーバスな問題でございまして、いかに法律でどう言おうと、やはりそのことで心を痛める方もいらっしゃいますでしょうし、圧力を感じる方もいらっしゃると思います。
 そこで、我々は、子供を持つ意思のない人、それから子供が欲しいけれども得られない人、その人たちを心理的に決して追い詰めることのないよう、今後も見守っていきたいし、この法律の前文におきまして、先ほど議論がございました個人の決定に基づくものであるというふうに明言をさせていただいておりますので、そのことはきっちりと担保されているというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 この法案が成立してから、やはりお互いにありとあらゆるところに行って、この趣旨をきっちり徹底していただかなければいけないと思います。
 ですから、私は、専門の方々だけあるいは活動されている方々だけではなく、もっと一般の多くの女性の人たちも意見を述べられる、そして私たちが聞くことができる、そういうこともこれからはもっと実現していかなければいけないというふうに私自身も感じます。
 そこで、六条にあります「国民の責務」なんですけれども、先ほど太田議員もいろいろ夢ということで御意見を展開していらっしゃいましたけれども、私自身は、この「国民は、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に資するよう努めるものとする。」とされていることについても、大変、批判、疑問、この声が集まっている。
 つまり、夢にまで国が介入するかと。国民の責務として夢の内容まで決められるのか、まさかという、そういう思いがございます。
 この六条について、「かつ、」の方の前ですね、家庭や子育てに夢を持つ、これ自体国民の責務なんでしょうか。
○衆議院議員(肥田美代子君) 単一の家庭、そしてその家庭の中の夢を法律で決めることはもちろんできません。
 それで、この六条の読み方なんですが、家庭や子育てに夢を持つことを国民の責務として規定したものではなく、これはっきり申し上げたいと思います。国民も少子化社会の現状を理解し、要するに、「家庭や子育てに夢を持ち、かつ、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現」という、「社会の実現」というところにつながるというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 この「夢を持ち、」のところに大変違和感を感じている、何回読み直しても違和感を感じるというところから、やはり、一九八九年に国連総会でも採択されておりますけれども、国際家族年宣言、この中でも、一国内あるいは国によって理想の家庭像を、大きく違ってきている。そこで政府は、家庭にかかわる政策の遂行において、明示的であれ非明示的であれ、唯一の理想的な家庭像という追求を避けるべきであるというふうに述べられておりまして、結果的には子供のいる家庭という家族像を押し付けるものにならないか、こういう心配がございますが、これはありませんか。
○衆議院議員(肥田美代子君) これは、私は思うんですが、ここまで成熟してきた社会の中で、それぞれの生きざまも違います。そして、それぞれの夢も違う。理想も違う。そうなれば、私はあえて申し上げたいと思いますが、法律一つでそういうことにくくられるようなことはもう女性も考えないだろうと。
 だから、私は、今、議員がおっしゃるその危惧は分かります。危惧を持っていらっしゃる方の気持ちは分かりますけれども、もうちょっと社会は成熟してしまっているんじゃないかという思いもするわけでございまして、是非、子育てに負担感がないような社会づくり、子育てに夢が持てるような社会づくりをする責務があるということでございまして、これは国にも自治体にも求めていることでございますので、やはり私は、国民の一人として、社会構成員の一人としてある部分の責務を持つことは環境を作る意味で大事だと思っておりますけれども、おっしゃるように、夢を持つことが責務であるということは決してないことを断言申し上げたいと思います。
○岡崎トミ子君 先ほど、私は岡田議員を太田議員というふうに申し上げたでしょうか。
 岡田議員が解字で、努力、それは努めると、その夢が実現ということについておっしゃっていたわけですけれども、今の肥田議員の御答弁はありましたけれども、私は、努力の努という、努めるのは力の方にないと。上の方だけだと粘り強い、つまり奴隷というふうな使い方だと、そういうふうな表現もございますので、私はここをもう一つ粘り強く聞いていかなきゃならないんですね。
 つまり、カイロ人口会議の行動計画の七の十二の項目に、国家による人口政策に対する反省が記述されておりまして、過去の世紀において多くの政府が子供の育成や子供の人数についての個人の決定に影響を与えるような様々な政策を試してきた。しかし、ほとんどの場合には取るに足らない効果しかなく、逆に、時には逆効果であったというふうにこのカイロ人口会議の中では、国家が人口政策を言ったときに、これは反省の弁として述べているわけなんですけれども、このカイロ行動計画に記された反省をこの法案は踏まえているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 一九九四年のカイロ会議におきまして、その中身は人口爆発への対応を中心に取りまとめたのでございますが、性と生殖に関する健康と権利として、自己決定権の尊重という考え方が提唱されました。そして、翌年の北京会議におきましてもこの考え方が確認されています。
 この法律も、こうした国際的に承認されている自己決定権の尊重というそうした基本認識を前提として成り立っているものでございまして、例えば戦前の産めよ増やせよといったような人口政策と発想は全く異なったものであるというふうに考えております。
 多くの国におきまして、人口政策、これは様々な形の人口政策がございますが、そうした人口政策は、議員御指摘のように、国家によってやったことによって結果的に何らかの大きな矛盾を来してきたということはそのとおりでございます。
 ただ、問題は、その社会において国民が希望する形で子供を持っていく、あるいは子供を安全に育てていく、そういうことができないということによって起こってきたひずみも大きゅうございます。そうした問題を取り除いて、そして、子供を持ちたい人たちが社会的状況の中で子供を持つということにためらっている状況を解消していきたいということがこの法案のねらいでございます。
○岡崎トミ子君 それではその次に、「生命の尊厳」という言葉が入っておりますけれども、これは母体保護法の改正の論議の際に、中絶の経済的な理由を削除するために言われたことを思い出しておりますが、つまり、注意すべきはということで、多くの女性の皆さんたちがこの法案の審議に当たって私どもにおっしゃっておりましたことは、この生命の尊重ということは中絶禁止運動のスローガンになっていて、生命を尊重するというのは、だれでもこれは反対する人はいないわけなんですけれども、そういうような運動の中で中絶規制強化を望む声が起きているということもございまして、改めて自己決定権に触れなくてはならないんですが、産む、産まないというこの自己決定を侵害することにつながらないかという心配もされております。
 「生命を尊び」、「生命の尊厳」という文言が盛り込まれた趣旨、背景、経緯というものについて明らかにしていただきたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) この点は、衆議院におきましてもそうした御指摘をいただいたわけでございますが、確かにそうした非常に一部の方々から中絶禁止という主張の流れの中でこの言葉が使われたことがあるということは承知しておりますが、ここはそういう意味でもちろんこういう言葉を使っているわけでございません。とりわけ、昨今、子供の命というものが非常に、どういいますか、尊重されない、あるいは子供の社会の中において命の尊さというものが、気付かないまま育っているという状況がございます。児童福祉法におきましてもあるいは児童の虐待防止に関する法律においてもこうした問題について指摘されているところでございまして、昨今のこうした児童虐待やいじめという深刻な社会問題、そうした中から、幼い命をはぐくんでいく、あるいはその根底にある命の尊さというものに対してやはりもっともっと我が国は気を付けていかなければいけない問題だろうというふうに思っています。
 そういうふうな意味におきまして、生命が尊重されるということは人間社会の当然の前提であるということにおいてこの文言を使われているところでございまして、提案者としては、社会の少子化に対処しなければならない今こそ、この生命の尊厳ということについて国民全体がそうした意識を高揚させていくということを求めているわけでございまして、決して、優生保護法をどうこうする、あるいは堕胎を禁止していくということの目的のために使っているわけではございません。
○岡崎トミ子君 そうすると、私たちが、これまでの母体保護法改正論議の際に言われたこととは趣旨が違っているということを確認をいたしました。
 そうしますと、私は、生命の尊厳ということであれば、ここに、バースコントロールを始め性教育が大切なのではないかということがありますし、また婚外子の差別をなくすことも求められているのではないかと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○衆議院議員(五島正規君) バスコンを含めた、そうした望まない妊娠を避けるためのそういう知識の啓蒙というのは当然必要でございますし、また、そうした関係を通じての男女それぞれの身体の健康を維持するということは今極めて大事だろうと思っています。
 そういう意味におきましては、委員のおっしゃることについては、そのとおりだと。既にそのことについては、例えば昨今、非常に不妊が進んできています。不妊の原因についても、これはもう非常に深刻な状態になってきている。男性不妊が非常に増えてきている。女性の不妊についても従来とは違った原因による不妊が増えてきている。そうした問題を考えた場合に、そうした知識の啓蒙というのは大変大事だろうと思っています。
 そういうことを含めまして、この問題を一つのきっかけにして、もっとやはりそうした安全なそういう夫婦関係あるいは望まない妊娠の回避ということについての知識の普及ということは進めていきたいというふうに思っています。
○岡崎トミ子君 婚外子差別、婚外子差別については。
○衆議院議員(五島正規君) 婚外婚につきましても、この法律の中におきまして、婚外婚そのものを、嫡出子であるか非嫡出子であるか、あるいはその子供が養子であるか里子であるか、そうしたことについて一切差別をするということにはなっておりません。婚外子を積極的に認めていくためには、こうした法律の以前にやらなければいけない問題はたくさんあるというふうに考えています。
 私個人の意見で言うならば、嫡出子とそれから非嫡出子との間における差別というものは一切解消すべきであるというふうに考えています。
○岡崎トミ子君 そうした方向で私たちも運動をしていかなければいけないというふうに思っておりますし、きちんと法律の中にこうした婚外子差別をなくすことを明記していくように、民法改正の中でも私たちは働き掛けていかなければならないというふうに思っております。
 条文に対する心配はたくさん寄せられておりますけれども、もう一つ、二条の四項、これは「社会、経済、教育、文化」、この後で「その他あらゆる分野における施策は、少子化の状況に配慮して、講ぜられなければならない。」というふうに、非常にここのところの表現が何を指すのかよく分からない。つまり、方向性、これが、法律が成立して、そして少子化という問題に関して配慮するということになりますと、これまで自己決定権とか個人は尊重されるようなことで言ってきましたけれども、この後の「あらゆる分野における施策」というのはどんなものであるのか、お尋ねしておきたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 正にここに書いているとおりでございまして、子育てに対して、あるいは子供を持ちたいという希望する人が子供を持つことに対して、それが制約にならないような、あるいはそのことが子供を持つことのちゅうちょにならないような、そういうふうな問題につきまして、社会、経済、教育、文化、幅広い意味において実施をしていこうというふうに述べているところでございます。
 岡崎議員はそのようには今おっしゃらなかったわけでございますが、このことを一つの武器として人口政策を遂行するという意図ではないということを申し添えておきます。
○岡崎トミ子君 これは五島議員にお聞きする趣旨ではないんですけれども、つまり森議員の発言の中に、子供をたくさん作った女性を将来国が御苦労さまでしたといって面倒を見るのが本来の福祉、子供を一人も作らない女性が自由を謳歌して楽しんで、年取って税金で面倒を見なさいというのは本当におかしいというふうに語ったということですが、そうすると、少子化の状況に配慮して講ぜられるときに年金の問題とかにいろんな影響を来してくると思うんですけれども、こうした発言は全くこの法律とは逆行するような発言でありまして、今までの議論が全く無にされるような発言だというふうに思うんですけれども、ちょっと感想を一言お伺いしておきたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 私は民主党に所属しておりまして、決してその森さんの発言についてどうこう言う立場にないわけですが、そういう意味においては個人の意見になります。
 基本的に社会保障というのは、この国に生まれ、そして生活していく、そして年金というのは、その中において、社会に生活をし、そして労働あるいは子育てあるいは消費という行為を通じて高齢期に達した人に対して最低限の、あるいは老後の生活に足りる、そういう金額を年金という形で提供をしているという問題であって、子供を産んだか産まないかということによって年金問題が云々できるということではないだろうと思いますし、現在、年金問題についても様々なところで議論されていることを承知しておりますが、森さんの発言というのは、私その場におりませんでしたので正確には存じませんけれども、今、岡崎議員が紹介されたような内容でもし森さんは言われたとしたら、そんな議論はどこでされているのかというふうに思うところでございます。
 前総理の発言ということで、私としても大変心外な発言だというふうに思っています。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。全然質問通告していないことについてお答えいただきました。
 さて、先ほど、国民の責務というところで触れておりますけれども、この法案が言っております家庭や子育てに夢を持つことができる社会というのはどういう社会で、日本の社会の現状、今とどう違うのかについてお聞きしておきたいと思います。
○衆議院議員(荒井広幸君) 現在の日本社会においては、若い男女、特に女性にとって、結婚、出産、子育て、それに伴う負担感が非常に大きいわけでございます。
 議連の様々な場面でのヒアリングや、あるいは地方公聴会までやってまいりました。そしてまた、衆議院でも御審査いただいて、いろんな皆さんの参考人の御意見も、先生方の御意見もいただきましたけれども、非常に両立問題、いわゆる仕事とそして子育てという分野と、そしてまた負担感、一つは経済的、二つは精神的、三つは肉体的と、こういうところが非常に代表される負担でございますけれども、そういったことが非常に重いものですから、重いと感じるものですから、女性の皆様方にとって、また男性もそうなんですが、晩婚化ということになってきていると。そして、同時に、御結婚された夫婦にお尋ねいたしますと、大体二・六、七人子供を持ちたいなと思いつつ二・一人程度で終わっているというようなところを、ちゅうちょさせるものがあります。
 こうしたことから、家庭や子育てに夢を持つことができる社会というものはどういうものかということですが、そうしたちゅうちょさせるような様々な弊害があれば、そこを社会全体、国民皆さんとともに意識を共有して、そして取り除いていこうではないかと、そういう方向付け、考え方をこの基本法ではうたっているわけでございます。
 ですから、子育て社会の不安を、子育て世代の不安を取り除いたり、安心して子供を生み、育てることができる環境を整備するという社会、これが、どう違うのかというふうに言われれば、そういう社会になっていくだろうというふうに期待をしているところでございます。
 また、家庭、私の子供、漢字論になりましたが、夢子というふうに、娘に夢子と付けているんです。それは、我々夫婦の期待、願いというのはありますが、しかし娘にそれを押し付けるものではない。しかし、娘もその期待というものは理解してもらいたい。しかし、そういったところから自分が結局は道を選んでこう進んでもらいたいと。
 こういうことですから、親が押し付けるものではありませんが、先ほどの議論と非常に似ているところでございますが、夢をどういうものであるかと形にはめるものではありませんし、みんなが問題意識を持っていたらそこを取り除く、その結果出生率が上がっていくというところに非常に期待をしているわけでございまして、そういった意味では新しい社会というようなイメージで、漠としたイメージでございますけれども、男性も女性もともに家庭の中で協力したり、そしてまた多様な価値観を持つ男女が一緒に子育てに責任を持ちながらその喜びを分かち合っていく、そういうような新しい家族観といいますか、そういう意識も形成していくことも一方では必要かなと個人的には思っている次第でございます。
○岡崎トミ子君 この法案では、例えば前文で、少子化の進展が「二十一世紀の国民生活に、深刻かつ多大な影響をもたらす。我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している。」、物すごく何か脅されているような感じがしちゃうんですけれども。また、「我らに残された時間は、極めて少ない。」というふうに危機感をあおるような表現を使っている一方で、現状分析に立って具体的な課題に整理をして網羅的な対応策を打ち出したいというふうになっているようなんですけれども、この具体的な課題は個別に解決していくことが大切なのであって、「夢」という表現で一くくりにしない、ごめんなさい、夢子さんで私はそれぐっと伸ばしていただきたいと思いますけれども、この法案では私は一くくりにしない方が適切だったというふうに思って、ましてや「国民の責務」の中に入れるべき言葉ではなかったというふうに思うんですが、この少子化対策法案、未曾有の事態に対応するものとしておりますけれども、この対象、法案によりまして取られる措置を総動員して少子化を回避することができるのかどうか、一応お聞きしたいと思うんですが。
 実は、中山会長の、議員の朝日新聞のインタビューの記事で、法律を幾ら作っても産まない人は産みませんというような、こういう答え方で締めくくられている記事を見まして、総動員しても、そういうふうに会長がおっしゃいますと何か大変矛盾を感じたりもしておりますけれども、これはどうなんでしょうか。こういうあらゆる措置、今、荒井議員などもおっしゃったこと総動員して少子化の傾向を回避することができるんでしょうか。五島さんですか。
○衆議院議員(五島正規君) 御指摘のように、高度に消費国家になった地域というのは世界じゅうやはり少子化の流れというのはあります。そういう意味において、中山会長がそのようにマスコミで言われたことについては私もそうだと思っています。
 問題は、そのスピードが日本の場合に、高齢化もそうでしたが、非常に急激であるということだと思います。一・五七ショックから一・三二というところまでに十年ちょっとしか掛かっていません。こういうふうな急激な少子化が進行してくる中において様々な、例えば先ほども例に出されましたけれども、年金制度を始めとしてのそういう社会保障制度、もうせいぜい二、三十年もすればとてもじゃないがこれまでのシステムの下においてはそういう制度を維持できないということは、これはもう数字の問題として明らかになってきます。
 また、今から三十年前の、個人の家庭ではなくて、国全体としての現役労働者とそれからいわゆる非労働世代の人たちの比率、現在と比べてみて余り変わらないという説もあるわけですが、その中において圧倒的に若年者の被扶養人口が多かった。これからは圧倒的に高齢者の被扶養家族が増えてくる。どちら側が活力ある社会なんだろうかということを考えた場合に、やはり日本の人口がもう少しなだらかに行くことが望ましいのではないか。
 北欧においても様々な試行錯誤をしながら、もちろん少子化は進んでいるわけですが、出生率は一・八ぐらいで続いてきています。せめて政治的にも行政的にも対応が可能なスピードまで、こうした子育ての環境を変えることによって出生率の低下を抑えることができるのならば、まだそれほど大きな、どういいますか、国民影響なしに対応していくことができるかと思いますが、こういう十年間で〇・二五ポイントも落ちていくようなこういう少子化の中においては、恐らくこれから様々な制度がそのことによって破綻していくのではないかと私自身は心配しております。そういう意味においてこういう表現になっているということを是非御理解いただきたいと思います。
○岡崎トミ子君 中山議員の方はどうでしょうか。真意というか。
○衆議院議員(中山太郎君) 私は、やはり先ほども申し上げたように、この法律の目的自身が女性に出産を強要するものではないというのが原則でございます。それがもう原点。しかし、このお産みになるかならないかというのもまたこれ女性御自身の御決断でございます。ここで、私は子供が欲しいと思っておられる方々のために社会で欠落している部門は何なのか、何を用意すればそういう希望を持った御婦人たちがこの社会で活躍していくことができるのかと、ここに問題点の原点が私はあると思います。
 だから、すべて女性たちだけが、例えば育児休業制度を利用している率が高い、男性はそういうことはなかなかしない、その分御婦人に負担が掛かるわけです。育児休業を主人はほとんどやっていない。こういう問題を考えると、原点は、やっぱり御婦人が原点になっていると私は思っております。結婚するしないも御婦人の意思で決まります。それで私はすべて問題は網羅されているのではないかというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 今の御答弁に関して、雇用環境というものを考えてみましたときに、政府も育児休業の改正を考えているというふうに聞いておりますけれども、質問が飛びますが、これは厚生労働省の方に是非聞いておきたいと思いますが、有期雇用が一年から三年になる、それから政府の現行制度でも有期雇用者も対象にすべきではないかということの意見があります。
 男性の取得率の向上も必要ではないかと思います。今、もう女性だけというふうにおっしゃったわけですけれども、育休に関しては男性も取得することができる。しかし、女性は公務員の場合は九一%取っておりますけれども、男性の場合も〇・数%ということで全く取れない。内閣府の調査では内閣府ではゼロだということでもございますので、厚生労働省にこの取得率の向上について一言お伺いしておきたいと思います。
○大臣政務官(森田次夫君) 先生御指摘のとおり、現在は有期雇用者に対しましては、育児休業ですとか介護休業ですとか、介護保険ですとか、これは適用をされていないわけでございますけれども、そういったことで、最近はおっしゃるように一年が三年になったり、また再雇用になったり再々雇用というような形であるわけでございますので、やはりそういったこともこれから検討していく必要があるだろうと。
 そういうことで、育児休業制度の見直しにつきまして、本年の四月に労働政策審議会において検討が開始されまして、今後は国会で議論も踏まえまして幅広く検討をされるんだろうと思うんですけれども、その中でやはり有期の雇用者も当然その検討の対象に入ってくるのではないだろうか、私はそんなに考えております。
○岡崎トミ子君 まだまだ民間でも公務員関係でも男性の取得ということの向上では、もっと啓蒙し、もっとその推進措置というものもきちんと徹底していかない限り、多分、出産から育児の面は女性の方に大きなウエートが占められていくということにつながっていきますので、雇用環境の整備、そして育児休業の改正の中身についても前向きの検討をお願いをしたいというふうに思っております。
 福田官房長官はまだですか。もう十一時半に記者会見が終わっておられて、正午ぐらいまでにはおいでいただけるということでございましたけれども、ここで……
○委員長(小川敏夫君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(小川敏夫君) 速記を起こしてください。
○岡崎トミ子君 それでは、ただいまの育児休業のところから、実は、出生を、産むということを、出産奨励制度ですか、地方においてはそうした市町村で展開をされているわけですけれども、これについて、実は実態がどうなっているか。
 そして、そのデータをきっちり調べた上で、様々にこれまで取ってきた政策、そして例えば一時金ですとか、どこのところだったでしょう、金塊を子供を産むと与えるというような、金塊と赤ちゃんとどう関係あるのかというと、それは将来子供が大きくなったら、大学入試のときとか大人のときに何か使ってほしいというような、そういうことを考えた、そして子供を産んでもらおうというふうに考えたということがありましたけれども、この地方版エンゼルプランの内容の成果の評価、出生、出産奨励策の効果、これについて伺っておきたいと思います。
○大臣政務官(森田次夫君) 金塊のことまでちょっと私は承知しておりませんけれども、出産の奨励策でございますね、これでちょっと事例を幾つか申し上げますと、割合と手厚く出しておるところをちょっと申し上げますと、出産祝い金、助成金ということで、第三子以降については一時金として十万円、そして第五子以降については三十万円出すと、そういった市町村もございますし、また第三子の出産児童につきましては一人について五十万円出すとか、第三子以降の児童が満三歳になったときには二十万円出すとか、それから六歳になったら三十万円出すとか、そういうようなことで、それも市町村で大変まちまちのようでございます。
 また、いろいろと結婚の奨励金ですね、こういったものを出している市町村、そういったところもありますので、必ずしもそれが地方のエンゼルプランとして位置付けられるのかどうかということはちょっと疑問のようなものもございます。
 そして、効果ということで御質問でございますけれども、それぞれ自治体の独自の判断でやっていただいておるわけでございまして、その効果までは国としては評価はしていないというか、そこのところまでは、効果はどうなっているかということまでは把握していない、これが現状でございます。
○委員長(小川敏夫君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(小川敏夫君) 速記を起こしてください。
○岡崎トミ子君 福田官房長官、イラク新法の審議のところから駆け付けていただきまして、ありがとうございました。
 実は、少子化社会対策基本法案というこの問題は、男女共同参画担当大臣、福田官房長官には是非お聞きいただきたい内容のものでございました。
 ちょうど私が質問する一週間前、六月二十六日に、鹿児島市内におきまして、これはちょうど幼稚園の皆さんたちのお集まりだそうです、全国私立幼稚園連盟の主催で、会長は森前総理であります。そこで公開討論会が行われたわけなんですが、この中で二つのことが問題になりました。一つは、太田誠一元総務庁長官が、早大生らによる集団暴行事件において、まだ元気があるからいい、こういう発言をした、そして翌日陳謝いたしました。もう一つは、子供を一人もつくらない女性の面倒を税金で見なさいというのはおかしいと発言をした森前総理の発言でございます。少子化の審議ですので、改めてこの中での問題でありますけれども、子供を一人もつくらない女性が、好き勝手とは言っちゃいかぬけれども、正に自由を謳歌して、楽しんで、年を取って、他の税金で面倒を見なさいというのは本当におかしいんですよ、こういう発言でございました。
 森前総理というのは自民党の少子化問題調査会の会長をしていらっしゃって、今回の法案に対しても大変大きな影響を与える存在でもいらっしゃいまして、しかも討論会の後の記者団のインタビューに答えて、討論会の対象は幼稚園の母親ら、経営者らで、女性を蔑視した話をするわけがない、少子化問題調査会でこういう意見もあるということを申し上げたと、謝罪するどころか、ここで反論をしたわけでございます。
 私は、男女共同参画大臣として、前総理のこの発言に関しましては、多くの女性の皆さんたちが怒っています、この問題に関して、女性差別に当たるのではないでしょうか、どのような見解をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 今、国会議員の発言をめぐって様々な報道がなされているということでございまして、詳細、今特定の国会議員の発言について、その内容を私、承知いたしておりません。国会議員として個人的な見解を述べられたものというふうに承知しておりますけれども、私からコメントをする、そういうことは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、我が国の少子化の進行をめぐりましては、国民の間に様々な御意見があるということは、これはもう御案内のとおりでございます。そういう中で、今般、党派を超えての議員立法によりまして少子化社会対策基本理念、主要施策の基本的な方向が定められたことは、国民的な広がりを持った取組を進めていくと、そういうふうな観点から大変重要なステップを踏んだというような認識を持っております。政府といたしましても、これを重く受け止めて、この法案に規定された基本理念に沿って諸施策の推進に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○岡崎トミ子君 そんなふうに考えをまとめられてしまうと困るんですけれども。
 つまり、森前総理の発言というのは、子供を産まない女性には価値観がないというふうに言ったと同じようだと、こういうふうにみんなとらえておりますし、結婚しないこと、子供を持たないこと、そういう選択をした女性たちをも傷付ける、そういう発言でもあった。
 あなたは男女共同参画担当大臣として、このことで、今申し上げたことがすべての発言ですよ、このことに対して触れないというのは大変重大な、無責任なことだというふうに思います。私が今申し上げたことがすべてだと。そのことをとらえて、この方は自民党の少子化問題調査会の会長でいらっしゃるから、そうした意見があるということについて私たちは大変遺憾だというふうに思っています。
 すぐに反応することができます。女性の、あるいは男性の基本的な人権を守って、そして一人一人を尊重する社会を作っていかなければならない男女共同参画のあなたは責任者ですよ。このことについて御意見をやはり言っていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(福田康夫君) いや、一国会議員の発言についてどういうふうに思うかと言うから、そういうふうにお答えしたんです。
 正直申しまして、発言の内容を私は承知しておりません。ですから、今言われたことだけについて私の考えを申し上げれば、それは、男だって女だってそれぞれの人生があり、それぞれの価値観があり、またいろんな状況があるわけです。身体的な問題もあるかもしれぬ。様々な事情がありますから、そのことについて外からとやかく言えるものではないと思います。それぞれの立場で一生懸命この世で生きていくという人を傷付けるようなことをこれは言うべきでない、それは当然のことだと思います。常識の範囲でお答えいたしました。
○岡崎トミ子君 それでは、福田官房長官御自身のことについてもお聞きしたいと思います。
 おとといの夕刊紙にも出ました、今朝の発売の週刊誌にも、福田官房長官が太田議員の発言に関しての集団暴行事件、レイプ容認発言をしていたということが載せられておりまして、私どもも手に入れておりますけれども、この中で福田官房長官は、裸のような格好をしている方が悪いといった趣旨の発言をされておられまして、つまりレイプを受けた人間は被害者です。そうすると、その被害者が責められる図式を官房長官はおっしゃって、加害者の責任を弱者に転嫁する発言をされているというふうに思いますけれども、この発言に関して、一連に、こういうふうに週刊誌で取られた、新聞に書かれたこの内容の事実関係について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) まあ、私がレイプを擁護したというような記事が載っておりまして、私がそういうことを言う人間だと思いますか、まず第一に。長いお付き合いしていますけれども……
○岡崎トミ子君 いえ、ジェスチャーも交えてなさったという話ですけれども。
○国務大臣(福田康夫君) ジェスチャーかどうか知りませんけれども、例えば裸のようなとか、そんなことは私は言っておりません。
 私は、レイプの犯罪、これは犯罪ですからね、犯罪行為ですから。これにつきまして、私は、六月二十七日の記者会見でもはっきり言っております。レイプは犯罪行為だと、それも凶悪犯罪であると、こういうふうに言っているんですよ。ですから、私も、いまだかつてレイプを擁護したということは一回もありませんよ。そういうことですから、それで理解をしていただきたいと思います。
○岡崎トミ子君 そんなことを言っていない、誤解だというのであれば、それはどのようなことから誤解の原因が生まれたのかについて正確におっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) それは私に聞かれても困るんですね。これは、私、いろいろな会合がありますから、そういう会合の中でいろんなことを私も話をします。皆さんもそうでしょう。そういう中で出たことに、話の中身について誤解があったら、どうしてその誤解をさした方が悪いのか、誤解をした方の問題もあるわけですから、両方から聞いていただきたいと思います。
○岡崎トミ子君 それは数人の記者に、その場に居合わせた皆さんたちに、このような発言があったかどうかについてはお聞きをしております。ですから、一応確認を取ったつもりでございますから。もしそれがないということであれば、官房長官は抗議をされますか。
○国務大臣(福田康夫君) 私、何回も申し上げましたけれども、私がレイプを擁護するような発言をしたことはないということを申し上げます。
○岡崎トミ子君 それでは、私は、こういうようなことが新聞に報道されるような、男女共同参画担当大臣として、そして今私たちが真剣に少子化社会対策基本法という、この問題は多くの女性たちが本当に危惧をして、これを廃案にしたいという女性たちが今日は傍聴にもいらしていらっしゃるわけですけれども、その一つ一つの誤解を解くような質問をしているさなかにこういうことが起こったわけです。
 つまり、太田発言は女性の性は男の快楽の対象、森発言は子供を産む道具として女性を見ている、福田発言は被害者が責められる図式で加害者の責任を弱者に転嫁するようなことにつながっていくと、こういうことでございまして、これはこの少子化対策基本法の根幹、つまり本当に本音が現れてしまったというふうに私たちは思っております。
 ですから、是非とも、そういうような問題に関して、本当に新しい法律を作っていこうということであれば、基本的な担当大臣としての見解をそれではお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(福田康夫君) また繰り返せというならば繰り返しますけれども、いずれにしても、国会議員がいろいろな発言をすることは、これはもう当たり前の話でありまして、そういう国会議員が、そのときのいろいろな状況の中でいろんな発言をするということも、これも事実であります。そういう中に不適切なる発言があるということもあるんだろうと思います。ですから、それは個々の国会議員が心していかなければいけないことであるというふうに思います。
 いずれにしましても、少子化対策というのは、これは本当に大事な政策でございますから、ですからこれは着実に進めていく。こういうように総合的な観点から今回法律をおまとめくださりつつあると、こういうことでありますから、これは私は大変そういう活動に対しまして敬意を表したいというふうに率直に思っております。こういうことは前にも申し上げましたけれども。
 いずれにしても、私もこういうような、例えば今言われるような発言はしていないし、私の真意と全く違うということだけは重ねて申し上げておきます。
○岡崎トミ子君 個々の議員についての見解は避けたいということでしたけれども、それでは最後に、これから、今日から始まりましたけれども、この後連合審査がありましたり、参考人質疑がありましたり、また総括質疑などもございますので、その参考として申し上げたいと思いますが、自民党の少子化問題調査会の中では一つも男女共同参画社会あるいは性別役割分業の解消ですとか、あるいは子育て支援ですとかそういう文言は一言もここに書かれておりません。
 つまり、森会長の下でこれが出された少子化問題調査会の趣旨はこのようです。国家論、社会制度論、家族制度論、教育論として考え、タブーを恐れず、日本の将来のため広い視野で考えることを目的とするということでありまして、私たちが望んでいる方向のことと全く違う、そういう土壌の下にああいう発言をされているということでございますので、これからのやはり官房長官、担当大臣として、こうした発言が自民党の中からなされているということ、そしてこの法案が本当にみんなが望むような方向で成立させていくためにより一層の御努力をしていただきたいというふうに思っております。
○委員長(小川敏夫君) 答弁は。
○岡崎トミ子君 終わりにします。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、少子化社会対策基本法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 多数の提案者がいらっしゃる中で、どなたに御答弁いただくかについては適宜お考えいただいてよろしかったわけでありますが、特定の答弁者でないと困る質問についてはあえて指定をさせていただきました。そういう前提で御質問をさせていただきます。
 まず、この少子化問題というのは深刻な課題でありますが、さてこの少子化の進行によってどのような問題が起こってくると考えられるのか。従来、どちらかというとマイナスの面が強調されておりまして、今回の対策基本法も、言わばそのマイナス面をどう克服するかということで様々な対処措置というものが考えられているようであります。しかし、私は、マイナス面もさることながら、このプラスの面は果たしてないのかと。マイナスの面ばかりが国民に強調されますと、非常に暗い、重い、そういう受け止め方が生じてしまいます。ですから、果たしてプラスの面はないのかということも含めて、このプラス、マイナス、少子化によってどのような問題が起こってくると考えられるか、これを提案者にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) 先生御指摘のように、決してその少子化というのはマイナス面ばかりではないということが様々な方から指摘をされているわけでございます。具体的に挙げますと、環境負荷の軽減、様々な形でエネルギーの消費ですとか、また廃棄物の問題ですとか、これは少子化が進むことによって負荷が減っていくと、こういうこともありますし、また大都市圏では土地の面積が限られておりますけれども、少子化が進むことによって逆にこういった土地の利用できる面積が一人当たり増えていく、住宅問題、都市問題の解決に資するのではないかというような指摘もありますし、そしてまた一人当たりの社会資本の量の増加、例えば同じ道路を走るにしましても、人口が減った方がゆったりとした道路を走ることができるというようなこともございます。そしてまた、教育にしましても、一人一人、例えば少子化が進めば二十人教育ということも実現できるかもしれません。そうなると、密度の濃い教育を受けることができるのではないかと、こういった指摘があるわけでございます。
 しかしながら、こういったことも短期的にはそういうことが起こり得るにしても、むしろ長期的には、こうした一人当たりの社会資本でありますとか土地の面積ですとか、それが改善するよりも、更に日本の経済の縮小の方が加速度を増して進んでいくんではないかと。となると、かえって生活に余裕がなくなるのではないかというような指摘もありますし、そしてまた教育に関しましても、人口が減るということで教育密度が高くなるかもしれないけれども、そのことは将来的には逆に教育の水準を下げてしまうのではないかといったような御指摘もあるわけでございます。
 いずれにしましても、プラスの面がないというわけではございませんけれども、こうしたことが急速に進みますと、そしてまた我が国のように高齢化の急速な進行と相まって人口構造に大きなゆがみを与えるということになりますと、プラスの面はあるにしても、全体として考えれば日本の社会に対して大変大きな影響を与えると、このことは間違いがないのではないかというふうに思っております。
○山口那津男君 当然のことでありますが、我々政治家は所与の現状を前提に様々な対策を考えなければなりません。したがいまして、今御指摘のあったプラス面はどう生かしていくかと、そしてマイナス面はどう克服していくかという両面から今後の在り方を検討すべきであると、こう思っております。
 さて次に、少子化の問題は、その進行のスピード、これは先進国で様々な違いがあります、各国で違いがありますけれども、しかし少子化そのものは先進国共通の現象であろうと思われます。一方で多産の国というのもあるわけですね。こういう国々と比べて、少子化の進む先進国が子供を産んで育てる環境が劣っているとは私は言えないと思うんですね。そう見てきた場合に、先進国共通の少子化の要因というのは一体どこにあるんだろうかということを確認をしたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) むしろ発展途上国ではなぜ多産になるのだろうかという側面からまずお答えをしたいと思いますけれども、発展途上国においては、まず子供というのは貴重な労働力でございます。ですから、多ければ多いほどいいということになるわけでございます。そしてまた、老後の生活を支えてくれるのも子供であると。もう一つ付け加えるならば、乳幼児の死亡率は発展途上国では高いわけでございます。したがって、これはできるだけたくさん子供を産んでおいた方が安全であると、そういうリスクの回避ということも当然あるんだろうと思います。そういうことが相まって発展途上国においては多産化の傾向が生まれてくると。
 逆に言いますと、先進国におきましてはこの一つ一つの条件が全く逆になるわけでございます。子供は労働力かといいますと、労働力ではありません。むしろ経済学的には消費財であるという、そのようにもとらえられているわけでございまして、子供は家庭生活を豊かにするためにあるのであって、労働力の源だというふうには思われていないと。そしてまた、老後の生活を支えてくれる、こういう側面がないわけではございませんけれども、先進国におきましては社会保障制度の整備というものが進んでおります。したがって、子供に頼らずとも老後の生活を安心して暮らすことができると。そしてまた三点目、乳幼児の死亡率が先進国では軒並みこれは低い水準にございます。したがって、そのリスクを回避するというような行動を取る必要がないと、こういったようなことがあって、発展途上国の多産化に対して先進諸国では少子化という形になっているんだというふうに理解することができると思います。
○山口那津男君 先進国ではそういう子供を生み、育てる、いわゆる社会資本の整備が整っているにもかかわらず少子化の問題が起きていると。この点について、今後どうあるべきかというのは国際的な取組ということも必要だろうと思います。これは今後の検討課題の一つであろうと思いますが。
 それで、今、途上国の多産化という御指摘もありました。今、国際社会が直面している問題はむしろその人口の増加によって食糧あるいはエネルギー供給、こういうものの限界を生み出すということとか環境の負荷といった問題、むしろそちらの方が問題でありまして、バランスの取れた少子化というのはむしろ望ましいという一面もあるのかもしれません。こういった点についてどのように、グローバルなこの人口問題についてどのようにお考えになられるか、お聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) この人口問題というのはグローバルな社会の中で考えると、地域によって、そしてまた国によって何を目的とすべきかということは大きく異なっているということは事実だと思います。
 先ほども申しましたように、発展途上国でございますと、これは多産に対してどのようにブレーキを掛けていくのかということが大きな課題になっているわけでございます。人口の増加そのものが、例えば低成長の経済にとりましてはかえって負担となって、そして社会の貧困化をもたらしているという指摘もございますし、そしてまた十分な社会インフラのない下での人口爆発というものは、かえって伝染病の蔓延ですとか様々な社会的にマイナスの現象をもたらしているという指摘もあるわけでございます。ですから、こういった地域におきましては人口をいかにコントロールするかということが大切であると。
 しかしながら、先進諸国におきまして少子化が進んでいるということは、これは世界全体で平均して幾らだからいいという話にはならないわけでございまして、むしろ先進諸国は先進諸国としてその少子化がその国に対してもたらす影響というものに対して、それをどう評価し、そしてまたその評価に基づいて対応というものが求められるというふうに私は思っております。
 とりわけ、日本では、少子化が急速に進行すると同時に高齢化も急速に進行している。人口構造のこの大きなひずみというものは今まで人類社会が経験したことのない程度にまで達するのではないかというふうに予想されているわけでございまして、少子化というのが、他の地域におきましては人口のコントロールが必要だとしても、日本におきましては、むしろそうではなくて、少子化というものに対してどのように取り組むのか、このことが大切だというふうに私は考えております。
○山口那津男君 先ほど来、先進国共通の少子化の要因等々をお尋ねしてまいりました。
 それは、我が国ももちろん免れないことではあるわけでありますけれども、我が国で何ゆえ少子化に対する対応が必要なのか、この我が国特有の特徴的な要因というものはどういうことなのかということを改めて浮き彫りにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(福島豊君) 先ほどから申し上げておりますことを、具体的に数字を申し上げたいと思っております。
 我が国におけます合計特殊出生率は、一九九〇年には一・五七を割り込みまして、二〇〇二年には更に一・三二にまで減少いたしております。これは減少の一途をたどっていると。一方で、高齢者人口は増加の一途をたどっておりまして、二〇〇〇年に一七・二%でありました高齢者人口割合は、二〇五〇年には三五・七%まで上昇すると考えられているわけでございます。正に鏡像的な少子化の進行と急速な高齢化の進行と、どちらか一つでも社会に対して影響あるわけでございますけれども、それが二重に重なってきているというところに我が国社会の大きな特徴があるというふうに言えると思います。
○山口那津男君 今、正に御答弁のあったところでありまして、この少子化の問題が、少子化対策の対象となるべき世代、あるいはその世代を頭に以下の将来の世代に投げ掛けられた問題というのが本来は解決すべき課題だろうと思います。しかし、我が国の場合は、急速な高齢化との関係で問題視される部分が非常に大きいわけであります。
 しかし、この密接な関係があるということではありますが、高齢化問題を解決するために少子化対策を講じなければならない。例えば、産めよ増やせよという政策を取らなければならないと、そういう高齢化解決のための手段化として少子化対策があるというような考え方をするとすれば、これは大きな誤りだろうと私は思います。
 その点の基本的な考え方を確認したいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) 先生御指摘のように、少子化対策は高齢者対策として行われるというものではないというのはそのとおりだというふうに思っております。両者が無関係だというわけではございません。
 例えば、少子化が進めば高齢者の年金制度をどうやって支えていくのか、支え手が少なくなるのではないかという関連はありますけれども、本来はそれぞれが別個に考えられてしかるべきものだろうと私は思っております。
 そして、法律としてどのような関係にあるかといいますと、高齢化に対処するための法律としては高齢社会対策基本法というものがあるわけでございます。高齢社会対策基本法と少子化に対処するための私どもが今回提出をさせていただきました基本法、その視点を異にするものでございますけれども、この両者が車の両輪となって総合的な施策が策定、実施されることによって国民が豊かで安心して暮らせることのできる社会が実現すると、私どもはそのように考えております。
○山口那津男君 今、中山太郎議員がいらっしゃいました。提案者の代表として非常に御苦労されたその努力に深く敬意を表したいと思います。
 そこで、中山議員の発言に対していろいろな報道がなされまして、中山議員でなければお答えできない部分があったものですから、御多忙とは存じましたけれども、あえてお越しいただきました。まず、お伺いしたいと思います。
 朝日新聞の六月十二日号の記事の中に議員の発言が引用されておりまして、「法律をいくらつくっても、産まない人は産みません」と、こういう発言があります。午前中の御答弁にもそういうお言葉が出てまいりました。これをとらえて、提案者が自ら法律の効果、法案の効果を否定しているようなものだ、だからこの法案は不要であると、こうやって批判をする人もいらっしゃるわけであります。しかし、前後の関係や様々な考え方を総合すると、果たしてそのような批判が正鵠を射ているかどうかは直ちには分かりません。
 そこで、提案者の御真意を分かりやすく御説明いただきたいと、こう思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 一部報道でその記事が出ていることは私も存じております。
 私も、元小児科の専門医として、やっぱり子供たちを本当にかわいいと思っている人たちと、そう思わない人たちもいらっしゃるわけでございまして、やっぱり自分の子供が欲しいという方は、本当にお育てになるのに御苦労されています。特に、今、小児科の医者が不足しておりますから、緊急な事態でも非常に小児救急の問題が課題になってきておりますし、また、小児科教室に入る卒業生の数もうんと減っております。
 こういった中で、子供たちが欲しいと思っている御婦人と、生涯自分は独身で暮らしたいというお考えの方もいらっしゃいます。また、結婚しても子供を育てるのが、もうはたを見ていても大変だというお気持ちの方もいらっしゃいます。そういうことで避妊をやっていらっしゃる方もいらっしゃると思います。一方では、外国まで行ってでも、人工授精をしながら出産をしたいということも現に行われておりますし、国内でも、公式、非公式でそういうことが言われております。
 私は、全く御婦人が自分の生き方、それぞれの自分の考えに基づいて、結婚するとかしないとか、あるいは結婚しないけれども子供は私は欲しいと、また、結婚しても子供は欲しくない、もう子育てをやっている人たちの苦労を見れば嫌というほどそれは自分は感じると、こういった方もいらっしゃいまして、私は、子供を欲しいと思っていらっしゃる方々が、やはり男女共同参画社会の中で、お勤めに出ていただく方が多くなるわけですから、そういう方が勤務先で安心して働けるような保育設備を、保育施設を全国に作るべきではないかと、私はそういうふうに思っております。
 特に、定時の午前九時から五時までじゃなしに、早朝保育で朝早く駅へ行かなきゃならないお母さん方が子供を連れて電車に乗る前に近くの保育所に預けられる、こういったこと、また、夜遅くなって、会社五時に引けてもすぐに保育所へ引き取りに行けないといった方のためには、延長保育あるいは小児保育と、延長保育とか深夜保育、こういった制度が社会の中で既に既成の概念として育てることができるようなことができれば、そういう御婦人のために大変プラスになると、こういう考え方で、先生方と一緒に法案を準備させていただきました。
 そういう趣旨でございます。
○山口那津男君 ありがとうございました。御予定があるようですから、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
 さて、そこで、今の中山議員の御答弁にも表れておりましたけれども、女性が自己決定をする、そういう権利を持つということは当然尊重されなければならないと思います。また、自ら選んだその決定に対する結果についても自らが負うというのも、これも原則だろうと思います。
 そうではありますけれども、少子化対策を推進するその反面として、無言の圧力が加えられたり、あるいは産まない自由を選択する者に対して、その人の将来不利益な取扱いがなされるということに対して大きな懸念を持つ人もいるわけであります。
 午前中の質疑の中で、森喜朗元総理大臣の鹿児島のシンポジウムにおける発言が取りざたをされておりました。あそこに報道されているような考え方、この考え方に対する懸念とも共通する懸念だろうと私は思います。しかし、そういう懸念を持つ人たちに対して、そうではないという、その懸念を払拭するような対応というものも必要だろうと思います。
 この点について、提案者としてはどうお考えになりますでしょうか。
○衆議院議員(福島豊君) 結婚や出産に関して、個人の自己決定権、これを決してこの法案は制約するものではないと、そしてまたそこに介入するものではないということを、衆議院におけます委員会の質疑におきましても私ども提案者として繰り返しこれは説明をさせていただいてまいりました。そういう意味で、是非なぜこの法案が提出されたのかということをそうした観点から御理解をいただければというふうに私は思っております。
 そしてまた、一方で、子供を生み、育てると、これは自己決定に基づいて選択されるべきことでありますけれども、その自己決定に基づいた選択そのものが、例えば我が国の社会、この働き方、子供を持つということによって仕事をし続けるということに対して不利益になると、こういうようなこともあります。これは、本来その人の持っている自己決定権が実は十分に発揮されているんだろうかと、むしろその働き方、職場環境、こういったものによって逆に制約を受けているということが起こっているわけでございます。ですから、そういう制約はできる限りこれは私は外していくべきだと思います。そしてまた、経済的な困難、これによって産みたいけれどもあきらめようということも起こるわけでございます。となれば、経済的な支援をすることによって、その自己決定というものが十分に実現できるような、そういう社会を作るべきであると。
 この法案には様々なことが書かれておりますけれども、それは一つ一つ、産みたいと、産もうと、こう決断した場合に、それを、その自己決定というものを実現することを支援をすると、そのためにこういう施策が行われるべきであるというふうに私は思っております。
○山口那津男君 先ほど、自己決定は尊重され、かつ決定の結果については自己責任が原則であると、こういうことを申し上げました。しかし、一たび決定をしてそれが将来自らにとって必ずしも利益でない結果を招いたからといって、それがすべて自己責任に帰せられるということではもちろんないだろうと思うのであります。ですから、一定のその配慮された措置というものは当然考えなければならないと思いますが、この自己決定というのはあらゆる場面で私はこれから尊重をされる、そういう施策が推進されるべきであると、このように思います。
 そこで、少子化社会と密接な関係があるのがこの高齢化社会であります。また一方で、男女共同参画社会というものも相互に三者は関係があるわけであります。それぞれについて基本法がこのたび整うことになりました。しかし、相互の関係というものは、お互いの制度を作るときは意識はされているものの、相互の調整をするということが十分になされているかどうか、これは再検討しなければならないと思います。
 例えば、男女共同参画社会と少子化というものは本当は両立しなければならないものだと思います。しかし、男女共同参画を推進すること、推進しながら、特に男性が子育てや家庭生活に参加する度合いが一向に変わってこないということから、かえってその負担が女性や子供にいってしまっていると、こういう現実もあるわけですね。
 ですから、この高齢化、そして男女共同参画、また少子化、それぞれの施策を進めるに当たって、相互の関係を総合的に調整をするということは必要だろうと思います。これは単に心構えとして言うのではなくて、やはりそういう仕組みを、例えばこれらの対策を内閣府あるいは関係実施省庁で行うとしましても、総合的な調整の仕組みというものをこれから作る必要があると思います。例えば、男女共同参画担当の大臣というのはいらっしゃるわけでありますが、これから少子化対策担当の大臣というものも設けるのでしょうか。私は、むしろ今言ったような高齢化、男女共同参画、少子化、これらを総合推進、調整するような仕組み、ポスト、こういうものを考えるべきであろうと思っておりますが、提案者としてどのようにお考えになるでしょうか。
○衆議院議員(福島豊君) 先生の御指摘は誠にそのとおりだと思っておりまして、高齢社会対策、そしてまた男女共同参画社会の実現のための対策、そしてまた、この少子化社会対策基本法に基づく対策、こういったものは緊密な連携の下に進められる必要があるというふうに思っております。
 また、具体的に、例えば法案の第二条の第一項には、少子化に対処するための施策は、男女共同参画社会の形成と相まって、講ぜられなければならない、このように具体的に規定をいたしております。そうした条文上の問題と、そしてまた、あと組織の問題がもう一つはあると思います。
 本法案に基づきまして、少子化社会対策会議という会議が置かれることになっております。この会議は、内閣総理大臣が会長でございまして、委員は関係大臣のうちから内閣総理大臣が任命するということとなっております。これは全く高齢社会対策会議と同じ構成になっておるわけでございます。また、男女共同参画会議につきましては、議長は内閣官房長官でございますけれども、議員は関係大臣及び有識者のうちから内閣総理大臣が指名又は任命する者をもって充てるということで、いずれにしましても、内閣、これが中心になって高齢社会対策、そしてまた男女共同参画社会の実現、少子化対策ということを進めていくというふうに思っております。
 そのそれぞれの施策を実現するに当たって、実際に担っておりますところは内閣でございますし、関係大臣も基本的には私は重なっているというふうに考えておりますから、それをもって連携というものを十分図っていくことができるというふうに思っております。
○山口那津男君 今、基本的に内閣で調整機能をというお話でありました。私は、これをやはり仕組み、形というものを作るというのは大事なことだろうと思います。せっかくの議員提案でありまして、これまでの役所の言わば所管に縛られないで施策を進めると、こういうきっかけになるだろうと我々も応援しますので、是非とも提案者として積極的にその方向性を探っていただきたいと、こう思います。
 次に、本法案の前文の中に「生命を尊び、」という言葉が出てまいります。また十七条には「生命の尊厳」という文言もあります。これについて午前中も質疑がありました。
 この文言に対して、アメリカなどでは人工妊娠中絶に対して、ある特定の宗教団体をバックにして訴訟も起こされていると。大統領選挙の主なテーマにもなるというぐらいの非常に重要な課題となっております。こういう現象から、この文言に宗教観が反映されているのではないか、あるいはある種の宗教的価値観を強要することにつながっていくのではないかと、このような批判をする方々もいるわけですね。
 これに対して提案者としてはどのようにお考えになるでしょうか。
○衆議院議員(福島豊君) 御指摘のこの「生命を尊び、」、また「生命の尊厳」といった文言は、特定の宗教的価値観を前提として規定したものでは全くございません。
 昨今、児童虐待やいじめが深刻な社会問題となっておりまして、昨日の新聞の報道でも、四歳の子供が誘拐されて、そのままビルから落とされて命を落とすというふうな悲惨なことがあったわけでございますけれども、こういった社会の今のありようというものを見ておりますと、幼い命をはぐくむといったことに対しての認識、そしてまた、率直に言いまして、この命というものは大切なんだということが、やっぱり再確認をする必要があるんだろうと私は思っております。
 少子化社会といいましても、子育て支援といいましても、その根っこにあるところの命を大切に思うということがやはり前提となって進められるべきであるということから、私どもはこの言葉を条文の中に盛り込んだ、前文の中に盛り込んだということでございます。
○山口那津男君 趣旨説明のときに配られた資料等によりまして、人口推計によりますと我が国の平均寿命はますます延びていくということが予測されております。高齢化も著しく進展することが予測されております。こういう予測を前提にいたしますと、高齢者が現役世代に依存する、現役世代が高齢者を支える、こういうことのみでは明らかに高齢者、高齢化社会を乗り切ることは不可能である、限界があると、このように思います。
 そこで、高齢者が自立できる、つまり自らの生活は自らの所得で賄うと、こういう職業をこれからたくさん作り出していく必要もあるでありましょう。さらにまた、雇用の今、年齢制限というものが横行しているわけでありますが、これをやはり廃止していくような努力も必要だろうと思います。そして、これが定着していけば、いずれは年齢差別による雇用の、雇用の年齢差別というようなものを禁止すると、これはアメリカでは既にそのような法律ができているわけでありますけれども、この年齢差別禁止というようなことも考えていく必要がある、そのような社会へ徐々に転換していく必要があると、このように思います。
 この点の少子化と雇用の在り方の関係についてどのようにお考えになるでしょうか。
○衆議院議員(福島豊君) この点も先生御指摘のとおりだと私は思っております。二〇五〇年には高齢者の人口割合は三五・七%、三人に一人ということになるわけでございます。こうした割合になってまで高齢者の方々を現役世代に全面的に依存するという仕組みが成り立つだろうかと。私は、それは持続可能性というものがないんだろうというふうに思っております。
 したがって、生涯現役社会という言葉が語られておりますけれども、高齢者の方々もできるだけ健康で長生きしてほしいと、健康寿命を延ばすということが一つあると思います。そしてまた、その中でできるだけ社会に参加をして、そしてまた働く人は働くということを選択できるようにしていただきたいと思っております。これは、働かなきゃいかぬというとまたこれはいろんな意見があると思うんですけれども、働きたい人がきちっと働けるような環境づくりをしなければいけないというふうに思っております。
 雇用年齢の制限の撤廃、年齢による差別の禁止と、このことも一つの目指すべき方向性として私はそのとおりだというふうに思っております。ただ、日本の場合には様々な雇用慣行というものがまたアメリカと異なるような点もございます。今の雇用慣行そのものが見直されていく中で生涯現役社会に向けて必要な改革というものが進められていくべきであると、そのように考えております。
○山口那津男君 主として高度成長期に作られた雇用慣行あるいは年金その他の諸制度、これにむしろ制約されてこの急激な高齢化の現実に対応し切れていないという側面も私はあるだろうと思います。だからといってドラスチックな改革を直ちにやれというものではありませんけれども、やはり将来の社会の変化に対する覚悟を決めた上でその制約要因というものを取り払う、これはかなり強力にやっていかなければならないというふうに思います。
 さて次に、保育サービスの充実ということが本法でも指摘されているわけであります。これは当然のことでありますが、十一条の規定の中には、幼稚園を特別扱いしている、これは不当なことだと言って批判する人たちもいるわけであります。しかし、現実の問題として、保育園と幼稚園の園児一人当たりの公的助成というものを数値で比較いたしますと約十対一の格差があるということが事実として存在するわけであります。現状でのそれぞれの親の所得や資産の格差というものは十対一の開きがあるとは到底言えないわけであります。そうすると、この十対一の格差が本当に妥当なものかどうかというのは極めて疑わしいことだろうと私は思っております。
 主として幼稚園に対する施策というのは福祉の側面から充実強化が叫ばれてきたと、そしてかなりそれが進んできたということは言えるわけでありますけれども、少子化対策をすべきであるという観点からすれば、保育園と幼稚園で区別する理由は私は全くないと思います。その上で、この園児一人当たりの公的助成というのは、所管の省庁が違っているという面もありますけれども、それを超えてこの格差の是正というものが私は図られなければならないと思います。
 この法律はそういう格差の是正に役立つのかどうか、格差を是正すべきかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) この法律の十一条で幼稚園のことが規定されているわけでございます。それは、今まで、保育所というのは親の就労等により家庭で保育をなし得ない児童に対して家庭に代わって保育を提供する児童福祉施設だという位置付けだと、また、幼稚園は親の希望によって教育を提供する教育施設であるという位置付けだったわけでございます。しかしながら、少子化対策、次世代育成対策、子育て対策と、この中で、幼稚園は今まで教育ということが中心でありましたけれども、それだけでなくて、もっと幅広く子育て支援を担っていく主体であるというふうに大きく私は転換していくべきだろうと思っておりますし、その役割というものを明確にするためにこの条文を盛り込んだということでございます。
 そしてまた、先ほど支援の在り方には大きな差があるという御指摘ございました。これはそれぞれ所管省が違うわけでございますけれども、一言私の個人的な意見を申し上げれば、十対一ということでございますけれども、幼稚園に対しての支援がまだまだ十分でないという御指摘であれば幼稚園に対しての支援を更に拡大すべきであると、そのように考えております。
○山口那津男君 是非、今の個人的な御指摘を政策にまで高めて実行していただきたいと思います。
 次に、児童手当に対して、この児童手当というのは少子化対策には十分な効果はないんであると、言わばばらまきの政策の典型例であると、悪い政策であると、このように批判する人たちもいるわけであります。しかし、この法律を作るに当たってこの児童手当の在り方について基本的にどうお考えになるか、そして今後どういう施策を取るべきであるとお考えになるか、この点のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) この児童手当につきましては、子育ての経済的支援の中核となる施策であると私どもは思っております。
 調査によりますと、理想の子供の子供数を持てない理由として第一にまず挙げられるのが経済的な要因でありまして、六三%の方が挙げております。理想の子供数は二・五六人、それに対して実際の平均出生児数が二・一三人と、〇・四人ほどの開きがあるわけでございます。そして、その六割方の理由というのが経済的な理由であると。ということであるならば、私どもは経済的な支援というものをしっかりすべきだと、そして児童手当の拡大ということを叫んできたわけでございます。
 また、昨年十二月の配偶者特別控除の見直しに際しまして、平成十六年度に児童手当の支給対象年齢等の見直しを行うと、更に拡充をするという方向性が与党の中で合意をされたわけでございます。
 こうした児童手当の拡充ということにつきましては今まで段階的に進めてまいりましたけれども、ヨーロッパ諸国の水準に比べると私はまだまだ日本の児童手当というのは低い水準にとどまっているというふうに思っておりますし、そしてまた、児童手当を出せば子供の数がすぐ増えるのかと、そういう議論の仕方ではなくて、子育てを社会がしっかり支援をするという観点から、この児童手当というのは私はヨーロッパ諸国に比べて遜色のないものにまで育てていく必要があると、そのように個人的に確信をいたしております。
○山口那津男君 今の御答弁で、ヨーロッパ諸国でも我が国でも一定の効果が認められるし、その重要性があると、こういう御指摘でありました。是非とも私はそれらに倣ってこの施策の拡充を希望したいと思います。
 次に、法案十三条に不妊治療の指摘があるわけでありますが、様々な少子化対策を考えたときに、この不妊治療の部分だけがいかにも具体的に過ぎて突出している印象を受けると、これは基本法であるからそこにここまで書き込むということは無言の圧力を感じると、こういう批判もあるわけであります。しかし、これをあえて法案に盛り込んだその考え方と、今後の具体的な施策の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) 不妊治療に関しましては衆議院でも様々な御議論ございました。こうした不妊治療に関しての規定を置くことによって、それは圧迫、そしてまた何か強制されるのではないかという指摘もございました。
 先ほども申し上げましたことと同じことでございますけれども、現に不妊治療を受けておられて、子供を産みたいということで不妊治療を受けておられて、経済的な負担の大きさに大変苦しんでおられる方もたくさんおられることは事実でございます。そしてまた、周囲からの圧迫という話に関して言えば、不妊治療をこの法律があるなしにかかわらず受けるようにということで、無言の圧力を感じる方もたくさんおられることも事実でございます。
 ですから私は、大切なことは、不妊治療に当たって子供のいない御家庭の方が自分で望まない不妊治療を強制されないようにしなければいけませんし、そしてまた、実際受ける場合でもいろんな悩みがあります。そういった悩みに対してきちっとカウンセリングができるような、そしてどういう道を選ぶべきかということが本人の自己決定というものを生かしながら実現すると、そういう体制を取ることが必要だというふうに思っております。
 そしてまた、その場合に、不妊治療を受けて、そしてまた体外受精、顕微授精のような複雑なものも受けて子供を産もうとする場合に、経済的に困難だからそれが受けられないということではなくて、少しでも支援があって受けられるようにしたいというような思いからこの条文を規定をしたわけでございます。
 そしてまた、経済的な支援に関しましては、先般、与党内の協議におきまして、来年度から経済的な支援を行うという枠組みについての決定をいたしました。その具体的な中身につきましては十六年度の予算の編成の過程で詰まっていくと思いますけれども、こうした多面的な支援をすることによって、決して自己決定を妨げる、また介入するということではなくて、自己決定の実現を支援するという観点から不妊治療の条文を理解していただければと私は思っております。
○山口那津男君 最後に、男性の職場における就業慣行というのは戦後それほど大きな変化がないように思われます。男女平等の教育が進み、女性の社会進出はどんどん進んでいるにもかかわらず、男性社会というものが変化をしていない。男女共同参画が進められつつも、現実はなかなか厳しいということだろうと思います。
 育児休業制度を作っても、男性の利用率は極めて低いのであります。これは制度が周知されていないからではありません。やっぱり職場においてこれを利用しよう、あるいは利用させようという理解がないからであります。したがって、子育ての職場に父親は帰ってこない、母親も離れていく、子供は踏んだりけったりと、これが現実であります。
 私は、この母親に負担を押し付けている現状の方が大きな問題だろうと思っております。もっと父親も、またその父親を囲む職場の男性も全員が考え方を変えて、男がもっと家庭へ帰れと、こういうスローガンの下に様々な施策を具体的に実行していく必要があるだろうと思います。
 提案者として決意をお述べいただきたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) 誠にそのとおりでございまして、私も子育ての最中でございますが、しっかりと、妻にだけ任せるのではなく、かかわるべきであると、そのように思って子育てに取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○山口那津男君 是非、実行を期待して、質問を終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 今日は、この法案の審議の参議院ではスタートでありますけれども、午前中来、審議の中で、提案者の代表として中山議員は、子供を産む、産まない、あるいは結婚する、しない、これは御本人の意思、女性自身のお考えと繰り返され、これは女性の自己決定権と、こういうのと同じ考えであるのかというふうな質問に対し、正に同じ趣旨であると。これはリプロダクティブライツということ、これをきちんと守るんだというお答えだというふうに私は受け取りました。
 ところが、その自民党の少子化問題調査会の会長でもあります森前首相が、これは午前中にも議論がありましたけれども、子供を一人もつくらない女性が歳を取って、税金で面倒を見なさいというのはおかしい、こういう発言、個人の結婚や出産の自己決定権を認めず、女性を差別する許されない発言だというふうに思います。
 この法案に対しては、このような女性の自己決定権を認めないのではないか、あるいは特定の考え方を押し付けるのではないか、こういう危惧から反対の意見が私どもにもたくさん来ておりますけれども、法律案というのはそういう趣旨で作られているのか、御認識を改めて伺います。
○衆議院議員(西川京子君) 先ほどからずっと審議を通してこの法案に対する私たち提案者の思いは十分お分かりいただけていると思います。
 森総理のその発言に関しましては、私もその場に居合わせたわけではございませんのでその真意のほどはよく分かりませんが、多分にこの少子化社会というものに対する危惧の念を大変お持ちでいらっしゃる余りの一つの、女性にできたら子供を産んでもらいたいなという思いがあったんだろうと思いますが、明らかにその発言に少々行き過ぎな点があったことは事実だろうと思います。
 ただ、この法案提案者のみんなの思い、それは本当に、女性、男性、結婚に関しても、子供を産むということに関しても女性も男性もそれは明らかに個人の決定権だということは、はっきりと私ども共通した認識でございます。
○八田ひろ子君 行き過ぎがあったという程度の問題だと私は認識できません。この場で、どんな場で発言があったのかというのは午前中からも言われていますけれども、元はといいますと太田元総務庁長官が集団レイプする人は元気があるなどという暴言を行った、これも大変許されない発言なんですけれども、それを受けての発言で、これはテレビで放映をされている中身であります。
 また、午前中、お昼にもこのお二方の発言を受けて福田官房長官が、あのレイプの問題ですけれども、いかにもしてくれという格好の女性もいるじゃないか、僕だって誘惑されちゃうぞと、こういう報道がありまして、裸のような格好でいる方が悪いということですが、こういう太田元長官を擁護するような発言の問題について、先ほど官房長官は、自分はレイプ擁護を言ったのではないと、こういうふうに真意は全く違うと答弁されました。
 今も、真意は分かりませんがというふうに言われたんですが、レイプは凶悪犯罪であるにもかかわらず被害者にも罪があるかのような発言をした、これは私は重大だというふうに思うんです。ですから、提案者の方、この問題についてはいかがでしょうか。
○衆議院議員(西川京子君) レイプを恐らく政治家として、人間として擁護する人はいないと思います。多分に開放的な服装をしていらっしゃる人がいるという、それはまた別の問題であって、そういう方がいるというのは事実でしょう。しかし、そのこととこのレイプの問題とを結び付けての発言だとは私は、官房長官がそういうことでおっしゃったとは私は思いませんが、少なくともこの提案者の一致した意見で、もうそのレイプを擁護などというのはとんでもないというのは一致していると思います。
○八田ひろ子君 御本人も、それからその場にいらっしゃった方も、いろいろこの法案で心配をされている方も、いろいろと意見があると思うんですね。ただ、この法案を作られていく過程の中で今こういう話題になっている方々がかかわってできたということは周知の事実でありまして、本当にこの法律が女性の人権を尊重した法律であるのかどうか、更に大きな疑問とか不安とかが広がっている現状が私はあると思います。
 報道では、次から次に暴言乱発で、女性べっ視は自民党の党是なのかと、こんなことまで書かれているわけでありますけれども、私は、こういう問題が次から次へと、その真偽はともかくとして出てきているということは、やはりこの委員会の審議の中でしっかりと慎重に審議をしながら、この法案の詰めていくことを、徹底審議が大変必要だと思いますので、委員長の方には是非その要望をお願いをしたいと思います。
 私、時間が短いのでこの問題だけをやるわけにはいきませんので、次に労働問題に関する質問に移させていただきたいというふうに思います。
 少子化社会、これは日本では七〇年代後半、特に八〇年代から日本の社会で起きてきた、自然現象とは全く違うと私は思うんですね。この二十年間余りの間に日本社会に作られてきた子供を育てることへの障害、これをいかに取り除いていくか、これを真剣に探求をしていかなければならないというふうに思いますし、今、リストラ、合理化で、雇用破壊、厳しさを増す雇用環境とか、社会保障が次々と後退して将来への不安を抱えている男女労働者、ゆとりも奪われていく、こういう既に多数派になっている共働き家庭の仕事と家庭の両立に苦闘している現実があるわけです。
 そこで、私は、雇用と労働条件の問題を改めて問い直すことが必要だというふうに思って、若者を取り巻く問題をまず伺いたいと思います。
 現在、十五歳から二十四歳までの青年完全失業率は一二・〇%、青年の八・三人に一人が失業者ということであります。内閣府が二〇〇三年版国民生活白書を出されました。これで、パート、アルバイト、派遣を含むフリーターと呼ばれる若年不安定雇用労働者、これがどんどん増加して二〇〇一年四百十七万、一九九〇年には百八十三万ですから激増です。フリーターの七割の方は実は正社員を希望されているというのが同じ白書にありまして、このことを放置すれば日本経済の成長を阻害すると白書、指摘し、さらに若年の雇用が悪化し、経済基盤が弱くなってきているため、子育てへの経済的な負担感がますます高まり、少子化が更に進むことが懸念されていると言っています。
 私ども参議院では、二〇〇一年の六月に全会一致で少子化対策推進に関する決議というのをさせていただいておりまして、そこには、若者が自立し、次代を担う子供を安心して生み、育てることのできる社会を実現することと決議しているんですけれども、少子化社会を克服するのに今必要な一つとして若者が自立できる社会の実現、こういうふうに思うんですけれども、本法案もそういった目標があると思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(西川京子君) 質問者の御指摘、多分に共感できる部分があります。今の厳しい経済状況の中で伝統的に守られてきた日本の雇用という制度がかなり崩れてきている、そういう中で経済至上主義だけを推し進める中でのこういういろんな問題というのはかなりあると思います。私は、やはり日本経済の発展を本当に考えていかなければいけない中で、やはりその責任者の方々の社会全体の責任というところもやはり私は考えていただきたいと思っております。
 そういう中で、若い人たちが本当にきちんとした仕事が持てない。それは多分に政治の責任もありますし、やはり経済人の責任もあると思います。その中ではやはり行政としてどういうことができるかといいますと、やはり将来に対する経済的な不安あるいは心理的な全体、未来に対する不安、そういうものを少しでも取り除いていくのはこれ政治の大きな課題だと思っております。
 そういう中で、委員のおっしゃいました子育て支援をするための諸方策の推進を図っていくことが一番大事なことでございますけれども、本当に子供を産んで育てていっていいんだという安心な未来像、それを描いていただくことが本当に政治の責任だと思います。そういう中で、今回の参議院の安心して子供を生み、育てることのできる社会の形成を目指すというこの決議、これと全く趣旨を同じくするものであると思っております。
○八田ひろ子君 本当にそうだと思うんですね。しかし、現実はどうでしょうか。
 この間、政府とか財界というのは安定した雇用ではなくて、雇用の流動化だといって、とりわけ若年労働者は雇用が不安定化してくるということです。
 九五年から二〇〇一年にかけての雇用者で見ますと、若者、いわゆる十五歳から二十四歳までの正社員、これは二百七万人減っているんです。パートやバイトというのは六十六万人増えているんですけれども、正に正社員から不安定化、低賃金化、こういうのが進んでいるのが数字です。
 そこで、今日、厚労省にも来ていただいておりますので伺うんですけれども、労基法の改悪で有期雇用の契約期間の上限が三年になりました。これは若年定年制の復活と批判をされていますが、契約時間の期間が短ければ社会保険にも入れませんよね。それで、三年後には解雇、先ほども育児休業も取れない。再就職の見通しがなければこれは結局将来不安が大きくなるわけで、結果として少子化に歯止めを打てないです。
 ですから、やっぱり有期雇用、三年で首切りとか、こういうことに対しては規制が必要だと思うんですね。有期雇用というのは、私どもは、代替的とか短期的とか季節的とか、季節ですね、こういう特別な業務で期間を定めることにとりわけ合理的な理由がある、こういうものだけに限定すると、こういうことが必要だと思うんですけれども、この有期雇用の労働者が増えると少子化社会は促進されるんじゃないかと私が心配はしているんですけれども、厚労省はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 有期契約につきましては、それぞれの労働者側あるいは事業主側、双方にとってそういった契約を望む、あるいは有期契約労働のままで実際的に三年四年と引き続き雇用されているというような実態があることから、今回の労働基準法の改正でもそういったことを踏まえてなされたというふうに理解をしておるわけであります。
 今申し上げましたように、労使当事者間でそれぞれ意義を見いだしまして期間を定めて契約を締結するということでありますので、それ自身、これを規制するというのはなかなか難しいというふうに思っております。
 少子化社会にどういう影響があるかということについては確たることは言えないとは思いますけれども、ただ、そういった期間契約で締結をしている労使労働契約で、今、委員おっしゃいましたような契約期間が終わることについて様々なトラブルが生じないように、そういったことにつきましてはいろんな相談窓口を作ったり、あるいはいろんな指導をいたしまして、できるだけそういったトラブルが生じないように努めていきたいというふうに思っているところであります。
○八田ひろ子君 トラブルの問題ではないんですね、私が聞いているのは。
 将来にきちんと安定したそういう希望が持てるかどうか。フリーターの七割が現に正社員を望んでいるというのは政府の調査ですよね。また、研究会報告では有期契約自体を望んでいるという労働者はどこにもないんですよ。パート労働者の七二・六%は期限が定められていると言っているんです。私は、ここを規制しないでどうやって、男女カップルが子供を持てる、男女が働いて子供を持つという当たり前の生活をしっかりと展望を持てるかどうか。三年後、じゃ就職できるという保証あるんですか。どうお考えなんですか。再就職できるんですか。
○政府参考人(青木豊君) 企業のサイドからいえば、採用ということになりますし、これは労働契約全般についてそうでありますけれども、企業の採用の自由というのは事業活動を行っていく上で保障されているわけでありますので、労使におけるそれぞれ納得して契約を締結していただくということが最も基本であるというふうに思っております。
 ただ、その契約を締結するに際していろんな条件についての明示をして、納得してきちんと契約ができるようにするということは大切だろうというふうに思っておりまして、そういう面できちんと労働条件を明示するとか、あるいは契約についても、例えば更新ですね、契約期間の更新についてそういうことがあるのかないのかというようなことについてもきちんと説明するようにというようなことも大切だというふうに思っておりまして、そういったことがきちんとなされるように指導しているということでございます。
○八田ひろ子君 本質的な問題には全然お答えにならないんですが、この法案には雇用の継続というのがあります。当然だと思います。しかし、一方では、今、企業の自由のようなことを言われましたが、日本経団連などは有期雇用の労働者を増やしていこうと、これは人件費削減ということですね。これで本当に少子化社会に歯止めが掛かるんだろうかと。こういう有期雇用を規制しなかったら掛からないと私は思うから聞いているんです。
 じゃ、提案者の方に伺うんですけれども、アルバイト、パート労働者、年々増加していますね。とりわけパートは女性が多いと言われていますが、働いている女性の四割はパート労働者、女性の五人に二人はパート労働者で、男女の平均でも、男女全部で二三・二%、四人に一人がパートということです。
 今、パートの賃金が本当に生活できるかということなんですが、二〇〇二年の平均、これしか私、手元にないんですが、時給八百九十一円です。一年間一千八百時間働く。これ賃金が低いものですから、御承知のように、二つ働いたり、ダブルとかトリプルとか、三つ働いたりって、本当に労働時間長いんですけれども、一千八百時間働いたとしても百六十万三千八百円です。これでは経済的に自立して、それこそ子供も産んでという希望を持てるか。私はこんな低賃金、大変だと思うんですね。
 こういうパート賃金で出産、育児、安心してできるなあと、提案者はどんな御感想をお持ちでしょうか。
○衆議院議員(西川京子君) こういう厳しい経済状況の中で、その労働、雇用の流動化という現象は確かに起きております。この中で、私も流動化して本当に企業の論理だけでどんどん切っていくというのは明らかに少々問題があると思っています。ただ、そういう企業にもこの経済状況の中で生きていかなければいけないという厳しい条件もあるわけでして、この間の問題というのは本当に政治として考えていかなければいけない問題だと思っておりますけれども、本当にパートタイムの、今質問者がおっしゃいましたこの賃金だけで子供を一年、例えば母一人、子一人のもし状況だと考えますと、多分無理だろうと思いますね。そのために行政側では様々な子育て支援の制度がいろいろあるわけで、少しでもそういう環境の中で行政側で対応できること、今後一層しっかりと充実させていくことが大切だろうと思っております。
○八田ひろ子君 社会保険にも入れない、子供を育てるのにマスコミでは一人三千万円ぐらいは掛かるとか言われていて本当に大変だと思うので、やっぱりこういう現状がこの白書に言っているように少子化につながっているというふうに思うんです。パートの賃金、こんなに低いのは、やっぱり私は最低賃金制度というその金額が低過ぎるというふうに思うんですけれども、私はこの最賃を生活できる水準に全国的に引き上げる、こういう改善が必要だと思いますが、いかがでしょう。厚労省。
○政府参考人(青木豊君) 最低賃金でございますが、地域別の最低賃金額につきましては公益側、労働側、使用者側という三者の、三者構成によります各都道府県ごとに置かれております地方最低賃金審議会、こういったところでそれぞれ労働者の生計費でありますとか、あるいは類似の労働者の賃金あるいは通常の事業の支払能力、この三つに基づいて賃金実態調査を行いまして、そういったことによって実態把握をした上で、そこの審議会で十分審議を行って決定をされております。ということで、まあその金額は妥当なものというふうに考えておるところであります。そういうことで、それぞれのところで、それぞれの地域ごとに最低賃金額がそのように慎重な手続で決められているというふうに理解をしております。
○八田ひろ子君 正規社員とパート、アルバイトとの賃金格差が実際には年々拡大していまして、パートタイム労働法ができた九三年には、女性で一般労働者とパートは時間は七〇・一%差があったんですね。しかし、二〇〇二年にはこの格差が広がっている。男性と比べるともっと格差があるわけですね。私はこういう同じ人間、労働者、こういうことで雇用形態による差別は許されないというふうに思いますし、若い方や女性にこうした低賃金で働かせることを放置するということが私は問題だと思うんですね。
 厚労省、今、最低賃金はどうしようもないようなことを言われましたが、そうではないと私は思います。「人たるに値する生活」というのが労働基準の基本だというふうに思いますので、今年の六月の労働基準法の審議でも、附帯決議で、正社員との均等待遇など、有期労働契約の在り方について、早急に検討を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずると、こういうふうに出されました。
 雇用形態による賃金差別をやめて、類似の労働、同一労働であれば同一基準で賃金や一時金など労働時間に比例して支給することを義務付ける均等待遇、これは私は法制化すべきだというふうに思います。また、この法律によってできます大綱にもこういうことをきちんと入れ込む、明記するという方向でお考えいただくことが必要だと思いますが、厚労省、どうでしょう。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 今御審議いただいております少子化社会対策基本法案第七条に規定されている施策の大綱に関しまして今御質問ございましたが、法案成立後、内閣府に設けられる少子化対策会議において立案されることとなる、そういう性質のものだと思っておりますので、具体的な内容がどのように盛り込まれるかについては、現時点で私ども政府の側としてはしかとしたことを申し上げる段階ではないと思いますし、法案成立後政府部内で適切に検討されるべきものと考えております。
 御指摘のパート労働者の均等処遇の問題につきましては、御承知のとおりとは思いますが、現在労働政策審議会におきまして正社員とパートタイム労働者との間の均衡を考慮した処遇の考え方を、報告書を三月にいただいておりますので、その流れに沿いまして現在その具体的な必要な措置に関しまして審議会において議論が更に行われていると、そういう状況でございます。
○八田ひろ子君 まあ憲法は健康で文化的な生活を営む権利というのを明記しておりまして、そのためにこの労基法も作られ、そこには労働条件は「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの」と定められております。やっぱりパートを差別して低賃金で働かせるというのは遺憾というふうに思いますし、こういった法律がもし成立するということになったら、それを追い風にしてしっかりと確立をしていただきたいなと私は思いますし、大綱の問題もそういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 時間がありませんので、次に、現状の長時間労働、これを是正するという問題の角度から伺います。
 衆議院の審議の中で、我が党の児玉議員の質問に対して青木審議官は、長時間労働の比率が高い地域ほど出生率が低いんだと、そういう相関関係が見られるとして、少子化については長時間労働の抑制が大変重要だと述べられました。この認識につきましては私も全く同感です。
 そこで伺いますが、まず、長時間労働を抑制するために最近五年間、厚生労働省が行った施策の柱を簡単にお示しください。
○政府参考人(青木豊君) 今お話ありましたように、長時間労働の抑制というのは大変重要なことだというふうに思っております。で、厚生労働省としては、過去をさかのぼりますと平成十年の労働基準法の改正におきまして、労働基準法第三十六条に基づいて時間外労働の限度基準というのを定めて時間外労働協定の内容がその基準に適合したものとなるよう指導を行ってまいりました。
 それから、年次有給休暇につきましては、付与日数を引き上げまして取得しやすい職場環境の整備が図られるよう労使に対する普及啓発に努めてきたところであります。
 今後とも、政府目標年間総労働時間千八百時間ということでありますので、その達成、定着に向けまして、特に所定外労働の削減ということも大事ですし、それから年次有給休暇の取得促進というようなことも大事でありますので、そういったことで労働時間の短縮、長時間労働というものを少なくしていく、なくしていくというふうに努力をしていきたいというふうに思っております。
○八田ひろ子君 長時間労働をなくしていく努力、それは大変私どもも同感であります。
 しかし、実態はどうかというのを伺いたいんですね。確かに一千八百時間を目標、しかし、これサービス残業はその中に実は入ってませんし、先ほど来話していましたパート労働者が増えますと本人は働きたくても労働時間が短くなりますから全体に一千八百時間に近づくという、こういう数字は出てくるかもしれません。
 しかし、問題は、一般労働者、正規雇用の労働者、ここで効果が上がっているかどうかということです。一つは、労働時間週六十時間以上の雇用者の割合、先ほど挙げられました労働基準法の改正ですね、その後は九七年、そして二〇〇二年、これが直近の数字だと思います。もう一つは、今有給休暇もおっしゃいました、九七年と二〇〇二年、これそれぞれ取得率どうなっていますか、お答えください。
○政府参考人(青木豊君) 総務省の労働力調査によりますと、男性従業者で週三十五時間以上就労する者のうち週六十時間以上就労する者の割合というのは、一九九〇年以降は、今お話しになりました、もう一回前の労働基準法改正で四十八時間制が更に短くなって四十六時間制へとずっと移行してきたということもありまして減少傾向にありました。今お話ありました、しかしながら、一九九七年には一七・六%でありますが、二〇〇二年に至りましては二一・一%というふうになっております。
 それから、年次有給休暇の取得率でありますが、就労条件総合調査によりますと、一九九七年は五三・八%、二〇〇一年には四八・四%というふうになっているところでございます。
○八田ひろ子君 週六十時間以上、これ年間に直すと三千時間以上ですね。超長時間労働ですね。事態は悪化しています。
 週六十時間以上働く長時間労働者の雇用者は、五年間で増加し続けて五人に一人以上ですね、今お示しになったとおり。有給休暇の取得率というのは逆に低下をして、そのために過労死や過労自殺が増える異常な労働実態です。
 先ほど私が、最初に申しました八〇年代からのこの少子化の現象ですが、八〇年代というのはこの過労死の蔓延が顕在化して大問題になっている。なぜかというと、さっき労基法の改正で労働、残業の上限を法的根拠のあるものにしたと、時間外労働の限度基準、年間三百六十時間ですね、今。しかし、特別協定があれば残業は何時間でもいいわけでしょう。合法なんですよ。青天井。だから、ここに長時間労働、サービス残業が蔓延する根本的な原因があると思う。
 私、長時間労働を調べていったらそこにサービス残業があったというので本当に驚いたんですけれども、これは現場の労働基準監督署でも同じあれですね。トヨタ自動車の本社のあります、トヨタ自動車関連の集中している豊田労働基準監督署の調査でも、年間総労働時間、多い方で三千六百五十時間です。とんでもない数字です。これは監督官でさえいつ寝ているんだろうと。実際にこの地域では、異性と出会うこともできない、デートもできない、ましてや、子供を生み、育てることはできないという、これ全国的にもそうです。今お示しになったのは、全国的に五人に一人以上が三千時間以上ですから、これはサービス残業なくてです、カウントしなくてですね。
 だから、やっぱり労働時間の短縮を始め、こういう労働実態を改善しなかったら少子化社会対策に私はならないというふうに思うんです。
 今日は内閣府にも来ていただいていますが、二〇〇〇年の男女共同参画審議会の答申でも、一日当たりの実労働時間の短縮、官民挙げて取り組む必要が述べられています。
 坂東局長はこれを、今のやり取りを聞いていてどう思われるでしょうか。この基本法でも一日当たりの実労働時間の短縮ということを言われているんですけれども、男女共同参画計画においても私は位置付けていかなきゃいけない、こう思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、長時間労働を抑制していくということは、職業生活と家庭・地域生活の両立を実現するために極めて重要な課題だと認識しております。また、男女共同参画基本計画におきましても、重点目標の一つとして、男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援というのを挙げておりまして、その中で労働時間の短縮等就業条件の整備を挙げております。
 また、平成十三年に閣議決定されました仕事と子育ての両立支援に関する方針についての中でも、第一の柱として、他の保育サービスの充実等の前に、まず「両立ライフへ職場改革」ということを挙げておりまして、所定外労働時間の削減あるいはフレックスタイム制、短時間勤務等の導入への支援が盛り込まれているところでございます。
 今後とも、労働時間の短縮にかかわる対策を的確に推進していくことが男女共同参画社会を実現する上で大変重要なことではないかと認識しております。
○八田ひろ子君 そうですね。私はもう本当にこの機会に労働基準法三十六条を抜本的に改正して、労働時間の上限、とりわけ一日の労働時間を、もうどんどん長くなっている、これを抑えるという、こういうことをやっていただきたいと思うんですね。三六協定なんかでも労働時間の上限規制を罰則付きで企業に義務付ける、こういうことをやらなかったらできないんですよね。
 今言われましたように、男女の就業、登用機会が平等な国ほど、いわゆる男女共同参画社会が進んでいるところほど出生率が高くなっているのは世界的な傾向だということは周知の事実であります。今そういうのが阻まれているのが長時間、超過密労働であり、また夜勤労働、夜間とか交代制、変形労働なんですね。だから、こういう労働実態を私はもう是非早期に改めていただきたいというふうに思います。
 次に、まだ労働問題いろいろ伺いたいんですが、時間がだんだん少なくなってまいりましたので、法文にひとつ入りたいと思いますが、前文と第二条と第六条に規定されております、大変問題があるという言葉、「家庭や子育てに夢を持ち、」という規定についてであります。特に六条、「国民の責務」と書いてあるので問題だという声も高くなっておりますが、衆議院でも、日弁連の代表の方が、これはライフスタイルに対する国民の価値観、生き方に対して一定の考え方、価値観を持つことを一律に国民の責務とするんだと、あるいは国連総会で採択された国際家族年宣言、ここで言われている、唯一の理想的な家族像の追求を避けるべきだ、国家が押し付けてはいけないという、こういう精神にも反しているんじゃないか、だから削除が望ましいという、こういう意見も出ています。これに類似したのはたくさん出ているんですけれども。
 私、民主党の提案者にちょっと伺いたいんですけれども、この家庭というのがどうしても、両親がいて子供がいる、こういう家庭のイメージで言われているんですが、今現実には母子家庭も、先ほど御答弁もあったように、母子家庭もあれば父子家庭もあるし、法律婚もあれば事実婚とかいろんな形態が現実にあります。そういう在り方、選択が否定されるのではないか、これが今問題になっていると思うんですね。私ども日本共産党は、野党の皆さん方、民主党や社民党の皆さんと一緒に選択的夫婦別姓も含む民法改正案を国会に提出しております。
 午前中の中で、非嫡出子の差別をするものではないという御意見もありましたけれども、この規定ですね、前文、二条、六条にあります。これは夫婦別姓とかいろんな結婚形態、あるいはいろんな家族の在り方、これを否定する、選択の幅を狭める、こういう役割を果たすわけではないですよね。それは当然この法律でも認められると、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。
○衆議院議員(肥田美代子君) 委員おっしゃいますように、家族の形、それから家庭の形はもうそれぞれ千差万別でございます。父子家庭もある、母子家庭もある、シングルもあるということで、これはもうそれぞれの人々の生きざまの問題でございます。
 そこで、先ほどおっしゃいました夫婦別姓の問題ですね、このことをもちろんこれから私も進めていきたいと思っておりますし、民主党としましては、選択的夫婦別姓、これはもう本当にもう遅いぐらいだと思っております。
 実は、私は、三十数年前ですが、結婚するときに、親に、是非自分の姓を継げと言われましたけれども、夫の方は嫌だと言う。そこで私は、本当に結婚というのは大変なことだなということで、やめようかと思ったほどでございますので、是非皆さんと一緒にこの法律の制定、頑張ってまいりたいと思います。
○八田ひろ子君 本当にそのとおりで、私もこの参議院で選択的夫婦別姓の提出者の一人として答弁もさせていただいたんですが、こういう法律がもしできるとすれば、きちんと、選択的夫婦別姓含む民法改正もこの委員会で審議をするわけですから、成立したいというふうに思います。
 自民党の提案者の方にも、もう一度確認でございます。ある一定の家庭像を押し付けるものであってはいけないと私は思いますが、そのとおりでしょうか。
○衆議院議員(荒井広幸君) 全くそのとおりでございます。
○八田ひろ子君 今後、いろんなところで啓発活動もされるということでしょうが、その中には必ずそういう観点を入れていただく、また自己決定権の問題も入れていただきたいというふうに思います。
 そこで、時間も余りないんですけれども、前文ですね。これも非常に問題になっている、「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」の衆議院段階での修正の問題ですね。衆議院の議論の中でも答弁をされておりますように、個人の自己決定権が尊重される、これは提案者の方も異論はないと何度もおっしゃっておられます。しかし、この修正の方法は、「個人の決定に基づくものではあるが、」と書いてあるので、少子化の進展に歯止めを掛けることが最優先なんだと読めなくもないという御意見が何度も出てまいります。
 そこで、今回の基本理念について、先ほどの、参議院の本会議では、これは「あるが、」じゃなくて、「結婚や出産は個人の自由な選択に委ねられるべきものである。」と、こうなっているんですね。今回の基本理念について、少子化に対処するための施策は、結婚及び出産は個人の決定に基づくものであることを前提として講ぜなければならない、こういうのが当然であると、ここのところを確認をしたいと思いますが、いかがでしょう。
○衆議院議員(肥田美代子君) 結婚、出産が個人の選択に基づくということはもう自明の理でございますが、私は、この文章を読みまして、「決定に基づくものではあるが、」、その後、じゃ反対のことをしゃべっているとは思いませんし、「あるが、」で止めようという先ほどの御意見もありましたけれども、私は、「ものではあるが、」でも私は同じように意味が通るように考えております。
○八田ひろ子君 私にいただいた時間はもう残り少ない、ないですね。
○委員長(小川敏夫君) もう終わりました。
○八田ひろ子君 はい。
 じゃ、最後に、この法律は妊産婦及び乳幼児に対し良質かつ適切な医療が提供される体制の整備、子供の医療に係る措置、税制上の措置その他の必要な措置を講ずるものと、こういうふうにも書かれておりまして、私どもは就学前の子供たちの医療費も国の制度として助成するようにという法律も出しておりますけれども、現在、国はこういう医療費助成を行っているすべての地方自治体に対してペナルティーをやっている、四十九億円も補助金カットしている、こういうことも是非やめていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○島袋宗康君 国会連絡会議の島袋宗康でございます。まず、提案者の皆さん方にちょっと質問をいたします。
 少子化対策ではなく少子化社会対策基本法案とした理由は何か。また、単に対策法案ではなく対策基本法案とした理由も御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(荒井広幸君) 本法律では、少子化社会対策も少子化対策も基本的には重なり合うものと考えております。
 少子化社会対策という、社会を入れた場合には、出生率が低下して子供の数が減少しつつある社会において何をどう講じたらいいかということを指しておりますし、少子化対策と、社会がない方でございますが、こちらは子供を生み、育てやすい環境を整備することによって少子化の進展に歯止めが掛けられると、そういう施策を指すだろうというふうに大きくは言えるんだろうというふうに思いますけれども、少子化社会対策、社会対策の方も、主たる内容はやはりそうした環境整備をすることによって、結果、少子化の進展に歯止めが掛けられるというふうに考えておりますので、先ほど、少子化社会対策も少子化対策も基本的には重なり合う部分が多いと、こう申し上げた次第です。
 いずれにいたしましても、その中で、第二条第三項、「子どもがひとしく心身ともに健やかに育つことができるよう配慮しなければならない。」と、こういうふうに入れておりますのは、子供を育てる側、産む側ばかりでなくて、ひとしく生まれた子供がという子育ちの観点も非常にここは入れているところでございまして、そういう観点に立ちますと、非常に幅広い内容になっておりますので、言ってみれば、社会というようなことの方がふさわしいだろうということを考えております。
 また、第二条第四項、先ほど申したのは三項でございますが、第二条の四項には、社会、経済、教育、文化その他あらゆる分野における施策が少子化の状況に配慮して講ぜられるべきということを規定しているわけでございまして、そういった幅広い、また包括的であるというところから少子化社会対策と、このようにした次第でございます。
 そしてまた、基本法というふうにちょっと大上段じゃないかというようなお話なのかもしれませんけれども、委員の先生方から様々に御指摘していただいて確認させていただいたような内容でございますけれども、国民すべてが共通した、共有したやっぱり意識を持たないと、これはなかなか成果が上がらないというような、国民に向かっても申し上げる、そういった性格を有しておりますし、また同時に、基本理念を欠いたままやってまいりますと、これはやっぱり縦割り行政というようなことになりまして、なかなか成果が上がらないんではないかと。
 ちょっと口幅ったい言い方でございますけれども、この法律は既に四年前に提出をいたしました。議連といたしましては六年前に議連を結成しておるわけでございます。その間、この法律が議論されておらなかったわけでございますけれども、残念ながら合計特殊出生率は一・三二に下がっていると、こういったことで、ますます総合的理念の下できちんと進めていくという対策が必要であろうと。そういったことで、総理大臣を長とする少子化社会対策会議を置きまして、その中で有機的に実効性が上がるようにしっかりしていかなければならないというふうに思っております。
 そして、大綱を作っていくわけでございますが、その大綱を作っていく中で様々に、各省庁あるいは自治体あるいは企業、それぞれの役割というものが中身が深く実施されていくんだろうというふうに思います。そして同時に、第八条は、必要な法制・財政上、その他の措置を講じるようにと、こういうことも言っておりまして、これができますことによって、各関係の機関、そういったところも非常に目的達成のためのスピードあるいは必要な措置がいろいろと講じられるバックボーンができ上がると、こういったことで基本法というふうにしているところでございます。
○島袋宗康君 そこで、第百五十一回国会に提出をされながら今日まで審議が遅れた理由についてはどのようにお考えなのか、それを御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(荒井広幸君) 是非早く御議論いただきたいということでお願いをしてまいった次第でございますが、途中で解散などもございました。そういったことがございましたけれども、先ほども申し上げましたように、先生方と共有の、共通の認識を持ちつつも、様々な国会の審議上の都合等々、いろいろあったかと思いますけれども、少し遅かったなと、もっと早く先生方、委員の先生方と御議論をして、実のある基本法を成案していただければいいんではないかなというふうに思っておりますので、長期的にやっぱりこの少子化対策は時間が掛かるということで、問題ではあるが、今すぐにと言ってもなあというようなところも若干国民全体にもあったのかもしれませんけれども、国会通して、今こうして参議院の先生方に御審議していただいているということで、実のあるものにしていただいて、いい成果がある法律にしていただきたいというふうに思っている次第でございます。
○島袋宗康君 我が国において急速な少子化が進行するとの見通しが初めて示されたのはいつごろですか、承りたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) 我が国の少子化に対しての認識の経過について簡単に御説明いたします。
 我が国におきましては、昭和四十年前後には合計特殊出生率はほぼ二・一程度で安定しておりました。しかしながら、昭和五十年代以降減り続けまして、一九九〇年、平成二年には、ひのえうまでありました一九六六年、昭和四十一年を下回りまして、いわゆる一・五七ショックという言葉を生んだところでございます。ここのところが一つの転換点に私はなっているというふうに考えております。
 その後も我が国の出生率は低下を続けまして、そうしたことを反映して、平成十年版の厚生白書では「少子社会を考える」という特集を組まれました。そして、少子化についての認識が深められたわけでございます。その後も出生率の低下は続きまして、二〇〇二年、昨年には、二・〇八、これは人口置換水準でございますけれども、それを大幅に割り込む一・三二となっております。
 以上、御説明させていただきました。
○島袋宗康君 本法案の前文において、少子化は社会における様々なシステムや人々の価値観と深くかかわっているとの認識を示すとともに、同時に、提案者におかれては、この事態を克服するべきとしておられますが、この事態が人々の価値観に根差すものであるとするならば、ある意味では歴史の趨勢であるとも言えるのであります。その克服は可能なのでしょうか。提案者の皆さん、御意見を承りたいと思います。
○衆議院議員(肥田美代子君) 確かに最近は、子供をつくるという言葉がございまして、子供を産むとか育てるとかということの価値観が随分変わってきたと思います。ですから、議員おっしゃるように、確かに歴史の趨勢ではあろうかと思います。
 ただ、それじゃ、世論調査によりますと、若い人たちが子供を産みたいけれども産むことをちゅうちょする、それから、たくさん、三人以上産みたいけれども一人で我慢する、そういう結果が出ておりますけれども、これはやはり、生み、育てることの環境整備ができていないということの証左でございますので、このことをやはり克服しなければ我々の政治家としての役目を果たせないと思っておりますので、そこのところをこの法律でもって環境整備をしたい。そうすれば、必ずやとは申し上げませんが、少子化を克服することはできるのではないかと、総合的な施策がこれから図られると私は信じております。
○島袋宗康君 政府側の皆さんに質疑したいと思います。
 平成十一年十二月十七日の段階で少子化対策推進関係閣僚会議は少子化対策推進基本方針を策定しているにもかかわらず、平成十三年に本法案が議員立法として発議されるまで政府が内閣発議の法案を提出しなかったのはなぜなのか、その理由を承りたいと思います。
○大臣政務官(森田次夫君) 経緯でございますので提案者から御説明いただいた方がいいのかなと思うのでございますけれども、御指名でございますので御答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、先生御指摘のとおり、政府の少子化対策推進基本方針でございますね、これが十一年の十二月の十七日に決定されておるわけでございますけれども、実はその前に、平成十一年の十二月十日にこの少子化社会対策基本法案がこれ議員立法で提出をされておられまして、ただ、十二年の六月に衆議院が解散になりまして、そこでもって廃案になったと。そしてまた、その後、十三年の六月に再提出されて、そしてその後、継続審議ということでもって今日に至っていると、こういう経緯であるというふうに私は承知をいたしております。
○島袋宗康君 少子化対策推進基本方針の中で、少子化対策の推進に当たっては次の基本的視点に立つことが適当とした中に、結婚や出産は当事者の自由な選択にゆだねられるべきであることとの一項がありますが、本法案ではその趣旨は生かされているのかどうか、見解を承りたいと思います。
○大臣政務官(森田次夫君) 御指摘のとおり、少子化対策推進基本方針におきましては、「結婚や出産は、当事者の自由な選択に委ねられるべきものであること。」と記述されておりまして、少子化への対応を図る際におきましてはこうした考え方を踏まえることが前提であると、このように認識をいたしております。
 本法案の内容についてでございますけれども、政府としてコメントする立場にないわけでございますが、こうした点につきましては衆議院における審議過程におきましても大いに議論がされ、提案者から、結婚、出産に関する個人の自由、決定権を制約するものではない、そういった旨の重ねて明確な答弁がされたというふうに承知しております。
 また、前文におきまして、もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものであるがという文言を加える修正がなされたものと承知しておりまして、基本方針の基本的考え方と合致しているものと、このように考えておるわけでございます。
○島袋宗康君 厚生労働省は平成十五年度予算で子育て生活に配慮した働き方の改革を掲げ、約七十八億円の予算を計上し、新規事業として、育児休業を取得しやすい職場づくりや、多様就業型ワークシェアリング導入モデル開発事業の実施や、就業生活活性化のための年単位の長期休暇制度導入に向けた取組等に取組を始めているが、その予算額は少なく、いささか心もとない気もいたします。今ごろやっとそんな取組を始めたのかと、これまたいささか遅きに失したのではないかというふうな気がいたします。
 それぞれの事業の現状と今後の見通しについてお話をいただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答えいたします。
 少子化の流れを変えるために子育てしながら働き続けやすい環境を整備すると、これは大変重要な課題だという考え方に立ちまして、今年度の予算において、今御指摘の子育て生活に配慮した働き方の改革というふうにくくりましたけれども、その中に幾つか新規予算を盛り込んでおるところでございます。ただいま先生御指摘いただいたようなポイントが入ってございます。
 そのうちの一つ目でございますが、育児休業を取得しやすい職場づくりにつきましては、男女別育児休業取得率等の目標達成に向けて事業主等に対して広報啓発を行う、それとともに、育児休業の取得促進に積極的な企業に対する育児休業取得奨励金制度の創設等を行うこととしたと、こういうものでございます。平成十五年度、本年度の予算額といたしましては二億八千万円をこれに充てておりますが、子供を安心して生み、育てられる職場づくりに向けて社会全体の機運醸成を図る、こういうことによりまして、育児休業を取得しにくい職場の雰囲気を変え、従来、少子化の要因の一つとされてきた子育てと仕事の両立の負担感というものの軽減に資するものではないかというふうに考えております。
 先生御指摘のもう一点でございますが、多様就業型ワークシェアリング導入モデル開発事業の実施についてでございます。
 平成十四年十二月の政労使合意を踏まえて選定された業種団体及びモデル事業所において短時間正社員制度等の多様な働き方の導入に取り組んでいただくこと等により、多様就業型ワークシェアリングの普及促進を図ろうというものでございます。予算額はこれも二億七千万円ということでございますが、男性を含めたすべての労働者が仕事時間と生活時間のバランスが取れる多様な働き方を選択することに寄与するというものではないかと考えております。
 さらに、職場生活活性化のための年単位の長期休暇制度導入に向けた取組についてもお触れになりました。
 これは、我が国における年単位の長期休暇制度の在り方や導入のための条件などについて検討するための研究会の開催や国内外の年単位の長期休暇制度に関する先進的な事例紹介を含んだシンポジウムの開催などを実施することとしております。予算は九千七百万円でございます。
 年単位の長期休暇を付与する制度の導入に向けた取組を行うことにより、一面では子育て体制の再構築など、個人の全生涯を見据えた働き方と生活の在り方の見直しの機会を確保すると、こういう便に資するところがあるのではないかというふうに考えており、今年度の予算でございますので、しっかりこれを執行してまいりたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 この法案に関連しての予算の新規事業でありますけれども、金額を見ますと、非常に心細いような感じで、これで本当に少子化対策というふうな予算の組み方であるのかというふうなことについてはちょっと疑問に思いますけれども、その辺のいわゆる対策がこれで十分にいけるのかどうか、もう一度説明願いたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 金額の多寡という点でございますけれども、今申し上げましたそれぞれの事業につきましては、それに必要な所要額を計上しておるというものでございます。また、これは職場の中の雰囲気なり働き方という労使の話合いに属するもの、あるいは職場の中の職員同士の意識改革というような問題にもかかわるもの、こういう性質のものであろうかと思いますので、いわゆる金額的にどんどん積み上げればただそうなるという性質のものともちょっと違う側面ございますので、労使の関係や意識改革という側面に照らして所要額を計上してあるものでございます。
○島袋宗康君 母子家庭の現状、すなわち母子家庭数、母子家庭児童数、母子家庭の母の就労状況等、日常生活支援事業の拡充対策においてどのようになっておるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 母子家庭の就労支援あるいは福祉の向上という点も、こうした子育てあるいは少子化のための様々な対策の中で重要なポイントであるというふうに認識しております。今お尋ねございましたけれども、母子家庭の現状に関するちょっと基礎的な数値を申し上げさせていただきたいと思います。
 直近の全国母子家庭等調査というのは、平成十年度のものになるわけでございますが、母子世帯数が九十五万四千九百世帯で、その五年前に比べますと二〇・九%の増加となっております。こうした母子家庭における、母子世帯における児童、二十歳未満の児童の総数でございますが、約百五十二万人に上っております。母子家庭のお母さんたちの就労の状況でございますが、八四・九%が就業しており、一三・六%が不就業ということでございました。就業している方の中で常用雇用者が五〇・七%、臨時・パートは三〇・八%という数字になっておるのがこの調査の結果でございます。
 こうした状況を踏まえまして、母子家庭対策につきましては、これも先生御承知のとおり、昨年の秋の臨時国会におきまして、十一月でございますが、母子及び寡婦福祉法等の改正が行われました。この中では、特に母子家庭の就労支援に主眼を置きながら、子育て生活支援策等を総合的に展開すると、こういうこととしたところでございます。そういう中で、ヘルパーを派遣して行う家事援助の関係の事業につきましても内容を拡大するということをして対応しているところでございます。
○島袋宗康君 時間ですので、最後に、この少子化社会対策会議はいつ開催されるのか。
○委員長(小川敏夫君) 答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(山本信一郎君) 法の施行につきましては、公布の日から六月を超えない範囲で政令で定める日となっております。現時点で具体的な時期を申し上げる段階にはございませんけれども、この法律が成立をいたしましたら、関係省庁ともよく相談をして、できるだけ速やかに会議を設置し開催したいという具合に考えております。
○島袋宗康君 時間ですので終わります。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩でございます。
 私は、今回のこの少子化社会対策基本法案ですか、この審議に当たって、一九八五年、私が大学に入学したときのあることを思い出しました。私の下宿先の御主人が、これは自分の書いた本だと言って一冊の本を私に手渡しました。その本を探して、ちょっとなかったんですけれども、要は、我が国においても人口爆発を抑制せよという、そういう趣旨の本なんですね。データは八〇年代だったと思うんですけれども、我が国の合計特殊出生率は二・二幾つでした。当時一番低いところで西ドイツが一・七五。その御主人が言うには、黒岩君、とにかく子供は二人までだよと。そういう教えを受けまして、残念ながら私、その教えのままに今独身で子供おりませんので、教えに背くことできず残念に思っているんですが。
 私が申し上げたいのは、それから二十年もたたないうちに、本当に正に未曾有だと思います、このような急激な少子化が進んでいくという、そのことに対して、私は、経済的に、そして社会的に憂慮しているという点では、この法案、こういったものが必要ではあるかと思っております。ただ、やっぱり読めば読むほどいささか以上の問題があるなという、その視点で私は今日質問させていただきます。
 まず一点は、やはりこの法案の条文を見る限り、幾ら基本法といえど、実効性がどのくらいあるんだろうという、このことが懸念の一点目です。もう、二点目は、これも再三今日も議論されていますけれども、やはりどこか結婚をせよ、子供を産めというような価値観というものが、どうしても私はこの法案の中からにおいがかぎ取れて致し方ないんです。今日は時間ありませんので、ざっくりと大まかにこの二点を解きほぐしていきたいと、そう思っております。
 まずは厚労省に御質問をいたします。
 この法案、十条から十三条、ここは厚労省マターだと思うんです。一個一個丁寧に細かく書かれているんですが、しかし、やはりよく読むとこの対策というのは、私からすれば今までもやってきたのではないか、そして今もやっているんじゃないかと思うんですね。逆にやっていないと言われれば、私は少子化に対する役所の怠慢だと思うんです。
 どうでしょうか。厚労省として、この十条から十三条にいろいろと記載されている施策については対応を取ってきたのかどうか。お答えください。
○大臣政務官(森田次夫君) 十条から十三条は厚労省関係でございますけれども、これらにつきましては今までも実施をしてきております。今後一層の充実を図っていく必要があると、こういうことでもって条文化をしたと、こういうことでございます。
○黒岩宇洋君 関連してくどく聞きますけれども、この基本法がなければ今後より一層充実していくことはできないんでしょうか。
○大臣政務官(森田次夫君) 何というんですかね、ばらばらに、やはり省庁ごとにばらばらで今まではやってきた嫌いもあったんではないかなというふうに思います。そうした中で、やはり一本化して総合的にやっぱり推進していく必要があると。そういう点で、この私は基本法はいいんではないかな、このように理解をいたしております。
○黒岩宇洋君 これはもう質問しませんけれども、ばらばらと言いますけれども、これ十条から十三条って厚労省の中で完結する話だと思うんですよね。ですから、私は関係各省庁というのは今まで一生懸命取り組んできたと思うんですよ。そういう意味で、これが新たに基本法として成立して何が変わるのかなという、これは疑問として呈しておきます。
 さらに、これ進んで十四条。これ文科省マターなんですけれども、ここになると、もう読めば読むほど私、今まで文科省がきっちりやってきたことだと思うんですよね。副大臣笑っていらっしゃいますけれども、私はそう思うんですよ。
 同じ質問をします。この十四条に書かれている施策というのは今までやってこなかったのか否か。お答えください。
○副大臣(河村建夫君) ゆとりある教育の推進ということで第十四条を定めていただきましたが、ゆとり教育といいますか、いろいろ御意見あるのでありますが、教育にゆとりをという言葉が出始めましたのは、実は昭和五十二年から五十三年の新しい学習指導要領を作りましたときに、ゆとりある充実した学校生活の実現ということで、それは学習負担の適正化という言葉を使っておりますが、そういう形で出てきておるわけであります。
 やっぱり、子供たちが心豊かに育つ、やっぱり心に余裕を持って、学校が楽しいところであり、そしてやっぱりそのためにも、しっかり学ぶためにも時間的にも精神的にもゆとりある教育が必要だ、やっぱり詰め込み教育は良くないというのがあのころからのずっと声であったと思うんですね。そういう形で進めてきたわけでございますから、やっていないのかと言われればそうじゃなくて、そういう方向で進めてきたところでございます。
 特に、ゆとりある学校教育の実現ということで、今申し上げましたように時間的にも精神的にもゆとりを活用して学力もちゃんと付けるようにしなきゃいかぬと。そのためには、習熟度別教育といいますか、教職員の定数も改善をしてできるだけきめ細かな教育ができるようにということもやってまいりましたし、さらに、その成果をすべて小中学校に普及していきたいということで学力向上フロンティア事業なんというようなことで実施もしてきておるわけでございます。そしてさらに、子供の豊かな人間性をはぐくんでいこうということで国や地方公共団体にも推進体制の整備をお願いする、あるいはモデル事業をやっていただくというようなこと。特にこのたび、このたびといいますか、昨年から学校五日制という問題が出てまいりまして、そこにおいてはそうした社会的体験といいますか、そういうものをしっかりやっていく。さらに、少子化対策等も含めて子育てのヒント集として家庭教育手帳を作る、そういうものを配付する、そして子供たちの発達状況に応じた子育て講座の実施とか子育てサポーターというようなことで実は家庭教育の支援も図ってきたところでございます。
○黒岩宇洋君 ありがとうございます。もう副大臣にはお聞きしません。
 副大臣が文科省を代表してやっぱり一生懸命やってきたということをとうとうと述べれば述べていただくほど、じゃこの基本法要るのかしらという反比例した結果が私、何となくくっきりと見えてきたような気がします。
 これはちょっと通告していないんですけれども、荒井先生にちょっとお答えいただきたいんですが、今日午前中、岡崎委員の質問にもあったんですが、中山会長が、会長がいらっしゃったら私、中山先生にお聞きしたいんですが、要は法律を幾ら作ったって産まないものは産まないと。これ、物すごいこと言っていると思うんですよ。じゃ法律要らないということかという、そういう話なんですよね。ですから、その真意は中山会長しか分からないので、荒井先生お答えください、法律を幾ら作ったって産まないものは産まないんですか。
○衆議院議員(荒井広幸君) 価値観についてそれぞれお持ちでございますから、それについて環境整備をする、その環境整備をした結果、それが例えば法律あるいは予算、いろいろな意識の問題もありますね、周りの、支援体制というのもあります、そういう結果、自分の持っていた価値観というのが変わり得るということはあり得ると思うんです。ただ、私たちが、先ほど中山会長がおっしゃったことは、結果的には、最終的には御自身の御判断と、こういうことになりますので、判断される方が産まないとすれば環境を整備しても産まないということはあり得るんだろうということをおっしゃっているのだろうというふうに私は思いますが。
 しかし、私たちが目指しているところは、今までもやってきたから基本法要らなくてもいいんじゃないかということではなくて、それぞれの役所がやってきましたけれども、やはりそれは力を合わせることによって効果が二倍、三倍になるものもある。
 それから、基本法の場合は、参議院でも高齢社会対策基本法というのを作っていただいたのが一番いい例だと思うんですが、国民の皆さんと一緒に様々に考えていきましょうよと、そういったことを呼び掛けながら、法律という形でそれらを考え方をみんなで課題があれば協力していきましょうと、そういう姿勢を表す、そういったものが一つの基本法だというふうに思います。そういったところのみんなの協力、それぞれの立場を尊重し合いながらの協力というものを、価値観を認め合いながらの協力というものを呼び掛けていく、そういったことが私はむしろ二十一世紀の政治の在り方の一つだろうというふうに思うんです。
 そういったところに成果が出てくるということですから、中山会長が先ほど御自身でお話をされましたと思いますけれども、大変誤解があるという趣旨のお話をされておられましたので、この法案を皆さんと御一緒に審議していただいて内実のあるものにしていただければ、結果、選択してみよう、産んでみようと、こういうふうにしていただける、そういった夢のあるそういった社会を作っていく、みんなで協力する環境を作っていくと、そういったことの努力をしていく、問題があるところを取り除いていこうというようなことでは非常に意味のあることだと思います。また、会長もそのような趣旨を言っておられます。
○黒岩宇洋君 そうしましたら、ちょっと引き続きこの質問を荒井先生にまたお答えいただこうと思うんですが、価値観についてちょっと私も踏み込ませていただきます。
 やはり、産みたいけれども産めないと、ですから産みたいと思った人に対して環境を整えると、これは私、法律であり政治だと思うんですね。当然、産みたく思えという、これは法律でもないし単なる倫理観なり価値観だと思うんですね。私は当然、提案者の皆様も産みたいと思えとは言わないと、そう思うんですけれども、ならばやはり特にこの「国民の責務」のところの「家庭や子育てに夢を持ち、」、今日も何度も何度も議論されてきました。私は、じゃこれが文言上、持つ社会の実現と、よろしいでしょう、確かに持てとは言っていないと、社会の実現と。
 ここで、午前中これも岡崎委員の質問であったんですけれども、荒井先生お答えになった、要は、じゃ家庭や子育てに夢を持つことができる社会とは一体何かというときに、荒井先生はこうおっしゃられたわけですね。経済的、精神的、肉体的な負担、こういったものを除去するんだと、ちゅうちょなく、ちゅうちょさせる要因を取り除くんだと、こうおっしゃられました。私、それだったら、それこそこの文言で言うと、それは「安心して子どもを生み、育てることができる社会」だと思うんですね、だと思うんですよ。
 だから、私何が言いたいかというと、これ、「家庭や子育てに夢を持ち、」がなくても荒井先生のおっしゃるような社会というのは私、実現できるし、そのことを指していると思うんですね。あえてやはりここに「家庭や子育てに夢を持ち、」となると、要は産みたい人に対してのという後段じゃなくて、その手前のやはり産みたいと思ってくださいという、先ほどから私申し上げているメルクマールの上段の部分がここでちょっとむき出しになって出ていると思うんですね。
 その点で、質問の仕方としては、これ、「家庭や子育てに夢を持ち、」という文言がなくてもこの国民の責務、目指す社会の実現というのは変わらないと思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(荒井広幸君) これは、二〇〇一年の参議院の方でも先ほどのお話がございました決議という形で、夢とそれから幸せを感じる、喜びを感じるでしょうか、そういった違いはあると思うんですが、一つ軌を一にするものだというのが先ほど来からのお話であったことだと思うんです。
 私たちは少なくともそういう環境を整えるように、先ほどの夢というのは努力という意味もあるということでございますけれども、そういうふうにしていくことが、これは別に少子化社会とか少子化対策ということだけではなくて、我々が人間としてそれぞれが尊厳を持って生きていく上で非常にそこは理想に近い形になるんじゃないだろうかと。その中で一つ少子化というものも選択の幅が広がって、じゃ産んでみようかという人も増えてくるということを期待するわけでございます。
 実際に、じゃちょっと少子化だけにかかわってまいりますと、結婚された皆さんが、やはり二・五三人程度産みたいけれども、実際には二・一、二ぐらいでございますか、その差はなぜあるんだということになると、先ほどの一くくりで言えば負担感というのは確かにあるんですが、もう一方の両立問題というのは、先ほど来から御議論が出ているように、みんなの意識、社会の意識、様々な意識改革の成果としてそういうものが成果を上げるわけですから、みんなでそういうものを共有してそういう問題に取り組んでいきましょうと、そういう意味での努力という意味でいう夢もあるでしょう。そういったことを取り込まないと、今までもやってきたけれども、現実的には少子化が進んでいるという皮肉な結果にも取られてもいいんだと思うんですね。
 ですから、そういったことをみんなで意識を持って協力し合いましょうと、しかしそれぞれの価値観押し付けるものではない。しかし、みんなが共有すれば、これは私の私見でございますけれども、恐らくどのような環境、様々な問題に対応しようという、それらの問題を除去する私は非常に望ましい社会、ひいては日本という国になっていくんじゃないかなと、そういったことを期待しながら私個人は携わっている次第でございます。
○黒岩宇洋君 ちょっと私なかなか理解しづらいんですけれども、殊更強調するのは、私、先ほど申し上げましたが、結婚もしていないし子供もつくっていないんですが、そのこと自体にはじくじたる思いでおります。ただ、やはり「家庭や子育てに夢を持ち、」という文言になると、これはやっぱり相当違和感を覚えることは確かなんです。そこまで責務として言われるのかというのが率直な気持ちです。
 先に進みます。
 それで、じゃもう一つお聞きしたいんですが、今日も幾つか議論には出ていましたけれども、いわゆる未婚の女性、母親が子供を産むという、このことについてはどうお考えですか。
○衆議院議員(肥田美代子君) 未婚の母であろうと既婚の母であろうと、私はそれぞれの女性の生き方だと思っております。ですから、この法律がかぶせる子供たちは、既婚の母の子供だろうと未婚の母の子供であろうと同じでございます。
○黒岩宇洋君 多様な結婚観というものを肯定されたということもあるでしょうし、裏を返せば、少子化対策になるんだったら既婚だろうが未婚だろうが子供を産みやすい環境にしていくという、そういうことですね。──分かりました。これもまた個人の価値判断なので、ちょっと確認で聞いたんですが。
 それで、これ十七条に、やはり教育というところで触れているんですけれども、私、ここにどうしても、この「家庭が果たす役割」というところがいわゆる標準家庭じゃないかという議論がありました。その見解については聞きません。
 ただ、私は、今の未婚云々についてやはり重要なのは、そのことに対するやっぱり差別感ですね。要するに、片方の親御さんしかいないお子さん、そしてその片方の親御さんに対してやはり社会的な差別意識があれば、なかなかこういった多様な結婚観で子供というものが生まれてこないと思っているんです。
 ですから、むしろこの教育の中に、こういった啓発をうたうんだったら、未婚の親や子に対する偏見を除去させる、そういう教育も文言で入れてほしいと思ったんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○衆議院議員(五島正規君) その点については御指摘のとおりでございまして、先ほど肥田議員からもお答えいたしましたように、子供を育てていく、社会全体で育てていくということ、そのことの中において差別というものは最もその子育てを困難にする一つの大きな要因だと思っています。そういう意味で、そういう偏見があってはならない、差別があってはならないということは当然でございます。
 そういう意味において、ここに規定しております「安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成について」の国民の教育及び啓発というのは、個人の自由を尊重する、そういう教育及び啓発が含まれているものというふうに考えております。
○黒岩宇洋君 分かりました。
 そうしましたら、これ、ちょっとおぼろげな質問で恐縮なんですけれども、確かに少子化の原因というのはいろいろとあると思うんですね。確かにたくさんあるでしょう。それについての対応がこの法案にも書かれているんですけれども、答弁者、どなたになるんですかね、これやっぱり、端的に一つ挙げるならば、今多くの国民が子供を産まない原因というのを、最大の要因が何かと聞かれたら何を挙げますでしょうか。
○衆議院議員(五島正規君) やはり今子供を産まない最大の原因というのは、子供を持つことに対する負担感、恐怖、あるいはそのことによる様々な社会生活の束縛ということを非常に大きく感じておられるということが一つあると思います。そのことをどのように解決していくかということが本法の大きなねらいでございます。
 加えまして、やはり今非常な勢いにおいて、女性にもでございますが、男性不妊が非常に増えてきている。この原因は非常に衆議院段階においても議論されましたが、不妊治療ということを生殖補助医療というふうに曲解しての議論が大変あったわけでございますが、この不妊の非常な増加というものに対してはやはりきちっと対応していかなければいけない。
 そういう意味においては、望まない妊娠の防止と併せて、自らの健康を守っていけれる、そういう学校における、あるいは社会における教育というものが必要なのではないかというふうに思っています。
○黒岩宇洋君 私、何で今の質問をしたかというと、五島先生が最初に答えられた、やっぱり子供を持つことへの負担感、恐怖、私はやはり簡単に言えばこれが一番大きい原因だと思うんですよ。
 私の同世代も今、子育てしていますけれども、やはり田舎から出てきて社宅か何かで暮らす人たちは、要するに三世代同居もしていません。地域が子供を預かってくれることもありません。とにかく子供とずっと一緒にいるという、この負担感というのは非常に大きいわけですね。
 ここの第二条の基本理念で、「父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有する」という認識、言い換えれば、実はこの第一義的責任の重過ぎが私は子供を産まない最大の要因だと思っているんですよ。
 ですから、私は、この基本理念に第一義的責任という、父、母、そして保護者に対してこのことをうたうことというのは、私、最大に今の現状を認識していないんじゃないかという、ちょっときつい言い方ですけれども、だと思っているんです。やはり今の本質をちょっと見誤っているんじゃないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○衆議院議員(五島正規君) 子供に対して、どのような表現をしようとも、親が、男性であれ女性であれ、親が第一義的責任を持つということは、私は当然だろうと思っています。それを否定したところにおいては、親子関係あるいは子孫の繁栄というのはあり得ないだろうと。
 問題は、社会の構造によって、その親の責任というものを、親の単独の、独自の努力だけにおいてはなかなか果たせないと。そのギャップというものはその時代その時代において様々に現われてきますし、今日の日本においては、特に企業社会と言われている中においては非常に大きなものになってきているというふうに思っています。
 そういう意味において、国、地方、そして企業の責務というものを述べているのであって、そのことと子供に対する直接的な第一義的な責任が親にあるということとは矛盾しないものと考えています。
○委員長(小川敏夫君) 時間が過ぎていますので、もうまとめてください。
○黒岩宇洋君 分かりました。
 これ、内閣委員会で取り扱った食品安全基本法案に同じような文章が出てくるんですね。これ実は、食品の安全は生産者が第一義的責任だと。私、これとダブってしようがないんですよ。食の生産者と親というものが同じように述べられているような気がして仕方ないんです。
 私、やはり一義的責任というものをここまで強調されて、そしてなおかつ子育てに夢を持てというのは、私、明らかに論理矛盾だと思っていることを指摘して、質問を終わらせていただきます。
○委員長(小川敏夫君) 本日の質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 少子化社会対策基本法案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、少子化社会対策基本法案について、厚生労働委員会から連合審査会開会の申入れがありました場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 次に、本連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会