第156回国会 外交防衛委員会 第4号
平成十五年三月二十六日(水曜日)
   午前十時一分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                山下 善彦君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       防衛庁防衛局長  守屋 武昌君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       防衛施設庁業務
       部長       冨永  洋君
       法務省人権擁護
       局長       吉戒 修一君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省総合外交
       政策局長     西田 恒夫君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       審議官      堂道 秀明君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       外務省条約局長  林  景一君
       海上保安庁次長  津野田元直君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十五年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十五年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(防衛本庁、防衛施設庁)及び外
 務省所管)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

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○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての審査及び在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長瀬川勝久君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛施設庁業務部長冨永洋君、法務省人権擁護局長吉戒修一君、外務大臣官房長北島信一君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局アフリカ審議官堂道秀明君、外務省経済協力局長古田肇君、外務省条約局長林景一君及び海上保安庁次長津野田元直君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村龍二君) 去る三月二十日、予算委員会から、三月二十六日の一日間、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題とし、順次予算の説明を聴取いたします。
 まず、外務省所管予算について説明を聴取いたします。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) 平成十五年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。
 外務省予算の総額は七千三百五十八億四千八百万円であり、これを平成十四年度予算と比較いたしますと百七億円の減額であり、一・四%の減となっております。
 我が国の財政状況は引き続き極めて厳しいものがありますが、流動化する国際情勢の中、山積する外交課題に有効に対処していく必要があります。
 このような観点から、平成十五年度予算においては、重点外交課題の推進及び外務省改革の二点を最重要事項として予算の効率的配分を図っております。
 まず、重点外交課題の推進に関する予算について申し上げます。
 重点外交課題の推進の三つの柱は、安定した我が国周辺環境の構築、国際社会全体の平和と繁栄の実現及び日米関係を始めとする二国間、更に国連等のマルチの外交的枠組みの強化であります。
 安定した我が国周辺環境の構築につきましては、韓国、中国、ロシアとの関係強化・促進のための経費、朝鮮半島情勢への対応のための経費、アジア太平洋地域におけるコミュニティー形成のための経費等に総額百億円を計上いたしております。
 次に、国際社会全体の平和と繁栄の実現でありますが、グローバルな安全保障問題への対処のための経費、地域紛争への対処のための経費、第三回TICAD等人間の安全保障への取組のための経費等、総額七百三十五億円を計上しております。
 また、外交的枠組みの強化でありますが、日米関係、日欧関係の維持強化のための経費、国連等マルチの枠組みの強化のための経費、多角的自由貿易体制の維持強化のための経費、FTA、経済連携の推進のための経費等に総額四十五億円を計上しております。
 次に、外務省改革に関する予算について申し上げます。
 まず、外交実施体制の強化につきましては、危機管理体制、在外公館警備、情報収集能力の強化のための経費、IT化の推進のための経費等として二百十一億円を計上しております。
 次に、国民のニーズに沿った外交実施体制ですが、広報・広聴体制の再構築のための経費、領事サービスの改善・拡充のための経費等、四十一億円を計上しております。
 ODAについては、我が国の外交政策遂行の最も重要な手段であり、アジアの安定と成長、紛争予防や平和構築のための活用など、国益上重要な地域・分野への重点的実施、環境を始めとする人間の安全保障、国民参加のODA実施、ODA改革の推進を重点としております。
 その上で、一般会計予算において、政府全体でのODA予算が対前年度比五・八%減となる中で、外務省のODA予算は対前年度比四・二%減の五千百六十五億円となっております。このうち無償資金協力予算は、対前年度比一八・四%減の千八百九十五億円を計上しております。また、我が国技術協力の中核たる国際協力事業団につきましては、対前年度比三・六%減の千六百四十億円を計上しております。このようなODA予算の下に、ODAの戦略性、透明性・効率性の向上、国民参加のODA実施に努めてまいる所存であります。
 最後に、機構、定員の整備でございますが、まず、機構面では、在東ティモール大使館及び在チェンマイ総領事館の新設等を予定しております。また、定員につきましては、本省及び在外公館合計で六十八名の増員を図り、平成十五年度末の外務省予算定員を合計五千三百九十名といたしております。
 以上が外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(松村龍二君) 次に、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁の予算について説明を聴取いたします。石破防衛庁長官。
○国務大臣(石破茂君) 平成十五年度防衛庁予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十五年度防衛関係費については、中期防衛力整備計画の第三年度目として、防衛計画の大綱に定める体制への移行、防衛力の合理化・効率化・コンパクト化を図りつつ、必要な機能の充実と防衛力の質的向上を行い、防衛力整備の着実な進捗を図るとの考えの下、編成しておるところでございます。
 まず、防衛本庁について申し上げます。
 平成十五年度の防衛本庁の歳出予算額は四兆三千七百十九億千六百万円で、前年度の当初予算額に比べますと八十四億四千二百万円の減少となっております。
 新規継続費は、平成十五年度甲W型警備艦建造費等で一千八百十八億九千七百万円となっており、また、新規国庫債務負担行為は、武器購入、航空機購入、弾薬購入、装備品等整備等で一兆四千九百五十三億九千九百万円となっております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十五年度防衛本庁の予算において特に重点を置いた事項について申し上げると次のとおりでございます。
 第一に、平成十三年九月十一日の米国での同時多発テロ事件や炭疽菌事案、十二月二十二日の九州南西海域不審船事案等を踏まえ、不審船等への対策、ゲリラ・特殊部隊の侵入や生物兵器等への対策を重点的に実施するとともに、各種災害に適切に対処し得る態勢を保持することといたしております。
 第二に、必要な情報を適時適切に分析、配付するため、情報本部等における情報収集・分析体制を強化することといたしております。
 第三に、統合運用に関する検討の成果を踏まえつつ、統合運用態勢の充実を図ることといたしております。
 第四に、ITを活用した情報指揮通信機能の強化や情報セキュリティーの確保等の各種施策を推進することといたしております。
 第五に、軍事科学技術の動向を踏まえ、重点化を図りつつ、先進技術開発を推進するとともに、弾道ミサイル防衛に関する日米共同技術研究等を継続することとしております。
 第六に、人事教育・訓練施策を推進し、高い規律と士気を保持した質の高い要員を確保することといたしております。
 第七に、安全保障対話・防衛交流、国際協力活動等を引き続き積極的に推進し、より安定した安全保障環境の構築に貢献することとしております。
 第八に、防衛力の合理化・効率化・コンパクト化を推進するに当たり、防空能力、周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保能力、着上陸侵攻対処能力について必要な整備の更新、近代化を行うことといたしております。
 次に、防衛施設庁について申し上げます。
 平成十五年度の防衛施設庁の歳出予算額は、後述のSACO関係経費を除き五千五百四十二億五千七百万円で、前年度の当初予算額に比べますと四十五億五千七百万円の減となっております。
 また、新規国庫債務負担行為は、九百九十三億八千万円となっております。
 この予算の内容についてでありますが、平成十五年度予算において特に重点を置いた事項は次のとおりであります。
 第一に、基地周辺対策経費につきましては、基地の安定的使用を図るため、引き続き周辺環境整備事業の充実に努めることといたしております。
 第二に、在日米軍駐留経費負担につきましては、在日米軍の円滑かつ効果的な運用に資するため、提供施設の整備を行うとともに、労務費、光熱水料等及び訓練移転費を負担することといたしております。
 また、このほかにSACO関係経費として、SACO最終報告に盛り込まれた措置を着実に実施するため、歳出予算に二百六十四億九千万円を、新規国庫債務負担行為に百六十億六千六百万円をそれぞれ計上しております。
 以上申し述べました防衛本庁及び防衛施設庁予算に安全保障会議予算三億五百万円を加えました平成十五年度防衛関係費の総額は四兆九千二百六十四億七千七百万円となり、前年度の当初予算額に比べ百三十億円の減となっております。なお、これにSACO関係経費を加えますと四兆九千五百二十九億六千七百万円となり、前年度の当初予算額に比べ三十億三千百万円の減となっております。
 また、平成十五年度における自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数の変更、防衛局次長の新設に伴う書記官が充てられる職の範囲の拡大、第五師団の第五旅団への改編、特殊作戦隊員手当の新設につきましては、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を提出し、別途、御審議をお願い申し上げております。
 以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。
○委員長(松村龍二君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 この際、お諮りいたします。
 外務省及び防衛庁関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○月原茂皓君 おはようございます。自由民主党・保守新党の月原です。
 ただいまから予算について質問させていただきますが、冒頭に、我が方は大変工夫をされた両省庁の予算に賛成であります。今、国際情勢、大変流動しておる。国民の期待は両省庁に集まっていると言って過言ではありません。適切な予算の執行をお願いしたい、そのことをお願いしておきます。
 さて、外務大臣にお尋ねいたしますが、日朝平壌宣言、これは大変国民の大きな期待によって進められたわけでありますが、この中で、御承知のように、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため関連するすべての国際的合意を遵守することを確認したと。さらには、ミサイル発射のモラトリアムを二〇〇三年以降も更に延長していく、こういうようなことが規定されているわけであります。
 ところが、北が、その後ケリーさんが行って、話によれば、認めたと。こんなことで、また一連の行為が行われておるわけですね。NPTから脱退することを宣言したり、あるいはその前ですが、IAEAの検査員を出て行けと、こう言ったり、さらにその前には黒鉛の搬入を始めたと、こういうようなことなんですね。
 こういうことに対して、外務省はどういう態度で臨まれたんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 一連の北朝鮮の核関連の行動があるわけでございますが、これについては阻止をしなければいけない、核開発については阻止をしなければいけないというふうに考えています。五メガの黒鉛減速炉の再稼働というのもございましたし、それから、いろいろ取りざたされているということもございますけれども、こういった一連の行動については懸念を持っております。
 それで、平壌宣言というのは日朝の首脳が署名をしたものでございまして、我が国としてはこれは今後の日朝関係を進めていく上での方向性を示す重要な文書だと思っています。北朝鮮も、北朝鮮側の発言を聞いていますと、これは歴史的な文書であるということを言っているようでございます。
 それで、この中に、北朝鮮の行動について、核問題も含めてですけれども、北朝鮮の行動を求める、正しい行動を求める事項が多く入っているわけです。したがいまして、これをてこに、平壌宣言をてこに懸案の解決を図っていきたいというふうに考えております。
 北朝鮮との関係で、拉致問題あるいは安全保障問題に関連して従来から申し上げている基本方針、これに変わりはございません。
○月原茂皓君 でありますけれども、さらに国民の声からすれば、これから先、弾道ミサイル発射したらどうするんだと、それからまた核処理施設の再稼働というようなこと、そこまで進んだ場合でも同じような態度でいいのかという声も強いわけですね。それについて外務省としては、外交当局としてはどういうふうに考えているのか。そして、私は、それに対する態度というものをはっきり示すことによって、今後、北朝鮮のする行動に対する大きな抑止になっていくのでないかな、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮にどのように対応するかということについては、国の中でいろいろ御意見があるということは承知をしています。
 それで、委員がおっしゃったように、北朝鮮の弾道ミサイルの発射実験の可能性、あるいは使用済燃料の再処理の可能性、そういうことについて我々として今確たる情報を持っているわけではないんですけれども、そういうことは断じて行ってはいけないということは北朝鮮に対して繰り返し繰り返し伝えてきています。そして、仮にそういうことが起こった場合、これに、この場合には関係国、これは日本だけではなくてほかの国も関係する問題ですから、関係国と連携をして厳しく対応をする必要があると考えています。
 それで、ただ、今必要なことは、そういったことが起こらないように平和的な外交努力をしていくということでして、これについては、我が国が自らやっている北朝鮮への働き掛けに加えて、日米韓を中心とし、あるいは更に中国、ロシアといった関係国も一緒になっての外交努力、それからIAEAや国連の場での国際機関における努力、そういったものを総合的に行いながら働き掛けをしていく、平和的な解決に向けての努力をしている、それが大事であると考えています。
○月原茂皓君 お話は分かりましたが、今、大臣のおっしゃった更なる弾道ミサイルの実験、さらには再処理の稼動、そういうことは一つの重要なステップに踏み込むという印象を国民は持っているわけです。だから、今までの単なる延長線上、本当いえば、このことで最初の行動自身も、既に一連の行われた行動自身についても、もう違反じゃないかとすら言う声が大きいわけでありますから、それはそれとしても、この二つのことが今後出た場合には重大な局面を迎えるんだということを、我が国も心しておかなければならないし、相手方にも伝える必要があると思います。
 特に私が思うのは、イラクのことについても言えることと思いますが、核を持った国と持つ前の国とでは大変違うわけでありますから、そしてその核を持つということについては非常にもう短い時間でその可能性さえ議論されているだけに、毅然たる態度で臨んでいただきたい、このように思うわけであります。
○国務大臣(川口順子君) 今申し上げたその二つのこと、それについては断じて行ってはならないということについては、北朝鮮に対しては繰り返し伝えてきているということでございます。
○月原茂皓君 その姿勢を堅持していただきたい、このように思います。
 次に、防衛庁の方にお尋ねいたしますが、これは非常に細かい話かとも思いますが、防衛庁長官の指示に従って、今、自衛隊の方では、自衛隊の内の施設について大変警備を強化している、このイラクの問題に関連して。それはそのとおりだと思うんですが。
 ただ、ここで、武器使用の判断なんですが、法律を読んでみると、自衛官個人の責任というような形になっているわけですね。他の多くの法律、その後作られた警備、警護出動の問題とか、あるいはまたPKOのものでもそうですが、そういうところでは上官の命令とかあるいは部隊の指揮官の命令とか、そういうふうに書かれているわけです。
 自衛隊自身は警察官と異なって、団体で行動するということ、そういうことで訓練を受けているわけであります。そういうことからいって、この現在の、現在というか、それぞれの法律が発動されるまでの、単なる基地の管理と申しますか、今、大臣の指示に従って施設等の警備の強化、この場合の武器使用について、具体的に自衛官個人にそういうことを判断させるのではなくて、運用上何らかのことを考えるべきだと、こういうふうに思うんですが、担当の局長で結構ですからお答え願いたいと思います。
○政府参考人(西川徹矢君) 先生の今のお答えにつきましては、まず、適用されております規定といたしまして、自衛隊法の九十五条の二のお話かと思います。これは、基地等の施設の警護ということになっております。
 これで、実はこの規定は、いわゆる九・一一の米国同時多発テロというものが発生いたしまして、この際に、従来は容易でないと考えられておりました施設に対する大規模な破壊活動が平時においても現実に起こり得ると、こういうふうなことが示されましたもので、自衛隊の施設についても一定の武器使用権限を伴う警護を平素から行う必要があるんじゃないかと、こういう観点から、一定の要件に該当します自衛隊の施設については武器使用権限を伴った対応により警護を可能にすることとしたと、こういう経緯で作られたものでございます。
 同条につきましては、自衛隊の施設の警護のために武器を使用し得る権限というものを、施設の警護任務を付与された個々の自衛官、確かに自衛官というふうに書いております、先生御指摘のように書いておりますので、個々の自衛官に与えられてもおります。例えば、当該自衛官が単独で、実際には単独で施設の警護に当たると、こういう場合も考えられますのでこういう規定の仕方をしておりまして、単独で当たるような場合には当該自衛官が上官の命令によることなく同条に基づく武器使用を行うということもあり得るのではないかと、こういうのが一つの考え方でございます。
 他方で、先生の御指摘のとおり、組織行動を本旨としますのが自衛隊の特性でございますので、この特性上、警護任務を付与された複数の自衛官、これが上官の命令に従い武器使用を行うというのはこれは十分考えられるところでございますし、そういうことも我々は念頭に置いて、この条文がそういう場合を排除しているというふうには考えておりません。要するに、上官の命令でやる場合もあると、こういうふうに考えておるところでございます。
 ただ、個人で、単独でやらせる場合もあり得ますのでと、こういう形でこういう規定の仕方をしたというのが経緯でございます。
○月原茂皓君 現に長官の命によって施設等の警備が強化されておる現在、今、運用局長のお話しのような点を十分徹底していただきたい、このように思います。
 次に、かつて法律のときに大変議論されたことですが、警備出動では、御承知のように、自衛隊とそれから米軍施設以外のものについては自衛隊の対象に、警護の対象になっていないということになっているわけでありますね。そうすると、しかし、重要なその他の施設はやはりたくさんあるわけであります。
 私が思うのは、治安出動というと、かつて、古い話ですが、私が昭和三十五年に防衛庁へ入ったときはちょうど安保騒動、樺美智子さんが亡くなる、そういうころでありまして、治安出動一歩手前まで赤城宗徳長官が決断されると。駒門の方ではもう戦車がエンジンを吹かしておったと、こういうような状態だったわけですね。
 そういうことから考えると、治安出動というと大変大きなことだと。こういうことで、むしろ自衛隊の武器の使用という、その普通の人が持っていない実力部隊としての武器の使用というものを前提にしておるんじゃないかなと。こういう印象が非常に強いし、強く今も残っておると、こういうふうに思うんです。
 ところが、警察力をもってしては足らない場合に治安出動するんだという規定になっておりますから、私がいろいろ部隊等の方々と話しておると、どうも量的に不足する場合、警察官がですね、地域によっては。そういうときに自衛隊の、よく現地を知っておる自衛官の部隊が出てくれた方が、非常にうまく国民の不安を防ぐことができるんじゃないかなと、こういうふうな考え方があるわけですね。
 そういう意味で、私は、これは要望に近い、要望というか、防衛庁長官にお願いし、またお考えを聞きたいと思うんですが、治安出動というと非常に高い敷居だというふうなことではなくて、単に警察官の量的不足を補うという面でも治安出動をすることがあるというふうに判断する場面が出てくるんではないかなと。なぜならば、重要施設というのは非常にたくさんあるわけでありますから。その点について大臣のお考え方をお伺いしたいと、こう思うんですけれども。
○国務大臣(石破茂君) 先生御指摘なさいましたように、この警護出動という規定を設けるときに、これは例えば原子力発電所であるとかあるいは国会であるとか、そういう政府の重要施設等々も含めるべきではないかという議論がございました。
 ただ、そうしますと、これ一体どこまで入れるんだと。どこまで入れて、どこから先を入れないんだと。仮に政令で定めるとしましても、その範囲が非常に難しいことになるだろうというお話がありました。もう一つは、これも前からある議論でございますが、領域警備、マイナー自衛権みたいなものとの兼ね合いをどのように考えるんだというお話もございまして、自衛隊並びに米軍というふうに、限ってやっておるわけです。
 じゃ、そのほかのものはどうなるんだということになりますと、御指摘のとおり、じゃ、治安出動というものを、これが条文には書いてあるけれども実際一度もやったことはないわけですね。一度もやったことはない。だけれども、日本国の法律としてきちんとある。そうだとすれば、この運用というものをどうするか。単に書いてあるだけではなくて、実際、どういう場合にこれが下令をされることになるのか。
 そして、小説なんかにありますように、警察が全滅してしまってもう死屍累々と、そのときにおもむろに自衛隊がやってきて治安出動ということであれば、これはおかしいのだろうというふうに思っております。そこにすき間、間隙を設けずに、警察力をもってしては対処し得ないような事態になれば自衛隊がちゃんと出るということ。そして、そこの判断というものが適切になされるということ。もう一つ、国会にお認めいただきました例の情報収集出動というものをきちんとワークさせるということが私は大事なんだろうというふうに思っております。
 先生御指摘のように、治安出動というものは単におそれだけで下令することはできません。そしてまた武器の使用権限も、警察官職務執行法以外のものも使えるわけでございます。したがって、これが軽々に発動されるようなことは決してあってはならないことでございますが、しかし、それが遅れることによって事態の拡大を招いたり、あるいは犠牲が出たりとかするようなことがあってはならないことだというふうに考えております。
 今、警察との間で訓練というものも、図上でございますが、行わせていただいております。そして、あらゆる場合、どういう場合に治安出動が下令になるのだというようないろんなケースを想定をしながら、そして、そこへ本当に部隊がきちんと行けるのかという運用面も配慮をしながら、今、私どもとしては検討を行い、検討だけではなくてそれがきちんと動くように準備、準備といいますか、それは治安出動の準備という意味ではなくて、法律に定められた行動ができるような、そういうような体制を検討しておるところでございます。
○月原茂皓君 今、大臣のお話で分かりましたが、北海道北部方面総監と北海道警を始めとして着々とそういう問題について緊密な連絡、勉強会も、勉強というか、CPXのようなものも行われておるということは心強いことだと思います。
 で、私が重ねてお願いしておきたいことは、すき間があってはならない、そしてその場合に、かつての観念だと、武器使用というような観点に余りにも重点が置き過ぎて、発動が遅れる、そういうことがあり得る。だから、そういうのではなくて、量的な補う場合もあり得るんだと、そういうのが、警察力の足らないところで、ちゃんと呼んで、すき間のない行動をするようにお願いしたいと、このことを要望しておきます。
 次に、今日たまたま我が党の部会で議論になった、私があらかじめ質問する予定だったのが今日部会で議論になったので、ちょっとあれですが。
 自衛隊は基地をたたく能力がないということは既に言われておるわけですね。しかし、国民一般から見たら、こういうふうに言えるわけですね。空中給油機が入ってくるじゃないかと、これが整備されたら、座して死を待つということないんだから、向こうに一発ぐらいちゃんとやれるぐらいの力はあるんだろうと、こういうふうに多くの国民は思っておる。しかし、それはそうではないんだ。大変なことで、能力を必要とする。ただ単に飛んでいきゃええという話でない。
 ある国会議員はかつて、コンパスでかいて、F4がこれどこまで飛んでいけるんだとかいう議論をして、進入する場合のいろんな障害、整備すべき点、そういうことを抜きにして、ただ単に油一杯詰めたらどこまで飛ぶんだという議論で、国会でF4の給油装置まで外させたということもあった。これは国会議員の方も国会議員だけれども、防衛庁の方も防衛庁の方だったと、こう思うんですね。金掛けて飛行機の性能を悪くしてやっておるということなのであります。(発言する者あり)
 今、そちらの方からも声援があって心強く思っておるわけですが、しかし、とにかくそういう意味で、私は、防衛当局としてはそういう点について、着手するとかそういう意味ではなくて、勉強はしておかぬといかぬと思うんですね。
 そこで、一般論として、諸外国の資料等それから勉強されているところからいって、敵基地をたたくといった場合にはどういう機能を必要とするのか。そのことをより具体的に説明していただきたいと、このように思います。
○政府参考人(守屋武昌君) 今、月原先生が御指摘になりましたように、敵基地を攻撃するためには、航続距離があるとか、あるいは敵基地に行ってミサイルを撃てば、そういう、敵基地攻撃能力があるんじゃないかという議論が行われがちでございますが、これはそういうものではございませんで、装備体系全体として見なければいけないという、やや専門的な話になるわけでございます。
 我が国としてどういうものを持ったらいいかということでございますけれども、私どもの今の防衛庁の自衛隊の装備体系は、そういう敵基地攻撃を行うということを前提とした装備体系にはなっておりません。そのような検討を具体的に行っていないことから、正確なお答えをするということは大変難しゅうございますけれども、今、折しもイラクにおいて米国が、航空機による攻撃力ということはあるわけでございますが、そういうことから申し上げまして、一般論としてその代表的な機能ということで申し上げさせていただきたいと、そういうことで御了解いただきたいと思います。
 まず、一番最初に機能で必要なのは、相手国が航空機の進攻から自国の空を対空レーダーとかそういう、対空ミサイルとかというもので守っておるわけでございますから、その、他国の防空用レーダーの機能を停止させるという機能が必要になりまして、そのための、防空用レーダーを目つぶしにするという妨害や、あるいはそういうレーダー基地そのものを破壊するという機能、具体的にはレーダーの基地、レーダー基地の機能をなくす電子戦用航空機と、あるいはレーダーサイトをつぶす特殊なミサイルと、こういう能力が必要になります。
 その上で、現実に二つ目に必要な機能というのは、そういうふうな網を張り巡らしておるわけでございますから、その防空網を避けて低空で進入する航空機が必要なわけでございます。それは地形を読んだり、レーダー波から逃れるステルスのような航空機とかいう、やはり特殊な航法システムあるいは能力を装備した航空機が必要になると考えております。
 それから三番目には、そういう上空に進入したときに目標の施設を正確に破壊するため、破壊するために必要な空対地誘導弾、対地用誘導爆弾あるいは巡航ミサイルという、アメリカは精密誘導兵器と申しておりますけれども、こういうものが必要になると考えております。
 それから、攻撃に当たって、これはもう前提となるわけでございますが、あらかじめ敵基地がどこにあるかということを正確に、所在、位置を正確に把握しておく必要がございます。これは日ごろからそういうものの情報を収集して分析して、敵基地の、弾道ミサイル基地なら弾道ミサイル基地の所在を正確につかまえておくという、日ごろからの情報の積み重ねが必要だということで、大体以上述べました四つの機能が必要になると考えております。
○月原茂皓君 私が思うのは、これからミサイル防衛の議論も出てくるわけですね。昨年暮れに防衛庁長官が行かれて、米国の方が発表した。ちょうどいい相手が来たなと思って、話し相手が来たと思ってやったんだと思いますが、とにかくそこで、いろいろな検討もされ、防衛庁も勉強されると思うんですが、私は、ある段階が来たらやはり、スタディーの段階でいいんですが、限られた予算の中でどういう体制が我が国の防衛にとってベストなのかということを、いろいろな障害があると思いますよ、議論はあると思います。しかし、議論の中にも、かつて私はある米国の方と議論したときに、じゃ日本すぐ助けてくれるんだなと、俗な言葉で言えばですね。それはしかし、安保条約に両国の憲法の手続に従ってということが書いておるじゃないかと。そこにクッションがあるんですよね、やはり。いろいろなことを言って、我が国は基地も提供する、それから緊密ないろいろな、指針から始まって一連の法律を作る、そして訓練もする。そういうことで緊密にしておるけれども、やはり向こうの、向こうも国会があるわけですから、戦争権限だれが持っておるかという議論はここで抜きにしても、向こうの国がやっぱり納得するようなときでなければ発動はできないと私は思うんですよ。それはすぐ、例えばアーミテージさんが胸張ってくれたって、それで済む話ではない。
 ということを考えた場合、やはり日本としてはどういう形が一番、万一のときにでも、ちゃんとミサイルの基地をたたく、ミサイルを防衛する、どういう組合せがいいのかという勉強ぐらいはしておかぬと、私は防衛当局として国民に申し訳ないことじゃないかと、こういうふうに思っているわけであります。
 そういう点で、要望ですが、それを公表するとかそういうことじゃなくて、こういう形を取れば、我が国の技術水準からいってどのくらいの期間を必要として、どのくらいの経費が掛かるんだ、そしてミサイル防衛とのコンビネーションを、ミサイル防衛一本でいった方がいいという結論が出るかもしれない、いろんなケースをやはり考えておく必要がある。
 私は今までは思考停止だったと思うんですね、あらゆるものが。もう最後はそういった、俗に言う、私たちの田舎の言葉では、お父ちゃん助けてって駆け込むところがあったら、もう何も解決するように思っておる。そんな甘いもんじゃない、国際情勢というのは。だから、我が国は独立国としてちゃんとした機能をどういうふうにしたらいいかというスタディーだけは私はしていただきたい、そのことを防衛庁長官始め防衛当局に強くお願いしたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) いみじくも先生が、思考停止というふうにおっしゃいました。そういう面が私は否めなかったんだろうと正直言って思っています。これを、例えばミサイル防衛もそうですし、いわゆる敵基地攻撃能力もそうですが、これを入れるか入れないかというのは、一に掛かって政治の御判断でございます。
 ミサイル防衛も、かねてから申し上げておりますように、一体幾ら掛かるものであって、その効果はどれぐらいあるのであって、それはもう我が国の防衛力の中でどのような位置付けになるのであってというようなことは、政治に御判断いただくための必要な材料として必須のものだと思っています。
 しかし、それを勉強すること自体が、勉強すると言った途端に、もうそれを入れるつもりじゃないかということですぐつぶしてしまう、つぶされるのは嫌だから議論もしない、そのうち思考停止ということになってしまう、そういうようなことだったんだろうと思います。
 攻撃能力にいたしましてもそうでありまして、入れるか入れないかは一に掛かって主権者の負託を受けた政治の皆様方が御判断になることです。そのときに、正しく一体幾ら掛かるものなのか。バスやトラックを買ってくるわけじゃございませんから、注文したらすぐ届くというものでもありません。それを例えば米国が売ってくれるかどうかというのも、また生産能力との兼ね合いもございます。向こうの政治判断もございましょう。我が国でじゃ国産をするのか、あるいはライセンス国産をするのか。その場合に一体幾ら掛かり、どれぐらいの期間が掛かるのかということを勉強しておきませんと、御判断のいただきようがないんだろうというふうに思っております。
 そういうことをしないで、いざ政治が判断するときに何も材料ありませんと、こんな無責任な話は私はないと思っているのです。本当に政治の場で、主権者の負託を受けてどうするんだというふうな御判断をいただく材料というものは、私どもとして責任を持って勉強していかねばならぬ、そして御判断を仰ぐということが私は正しい在り方だというふうに考えておりますので、今後とも御指導賜りますよう、お願いを申し上げます。
○月原茂皓君 今、防衛庁長官がおっしゃったこと、全く同感であります。
 国際環境あるいは国民の感情というものも変わってきておるわけですから、かつてのように、三矢研究じゃないが、その場で、もうそれで、それ以後もうお蔵入りで、言った途端に首が飛ぶと。こういうことで思考停止の状態に追い込んだのは、政治の責任も私はあると。そういう意味で、今、防衛庁長官、ちゃんと政治の責任というものも認識されながら行政当局を指導して、ちゃんとしたスタディーをやっていただきたい、そのことを強く要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○広中和歌子君 民主党の広中でございます。
 昨日に続きまして質問させていただきます。
 まず、外務大臣、予算書でございますけれども、国際社会全体の平和と繁栄の実現という項目におきまして、いろいろな、七百三十五億円が計上されております。これはODA予算とは別に考えていらっしゃるんでしょうか。
 例えば、人間の安全保障への取組のための経費等というふうにおっしゃっていますけれども、ODA関係ではなくて、別に七百三十五億円を計上していらっしゃる。その中にはTICADV、東京アフリカ開発会議も含まれております。それから、グローバルな安全保障問題への対処のための経費、地域紛争の対処のための経費というふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、こうした予算の中には今度のイラク問題等も、復興支援も含めて人間の安全保障にかかわりますから、含まれていると考えてよろしいんでしょうか。これは質問通告しておりませんけれども、たまたま伺ったので、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) まず、国際社会全体の平和と繁栄の実現、これに七百三十五億円ということですけれども、これの中身はいろいろございますが、グローバルな安全保障問題への対処の経費、例えばアフガニスタンの復興支援、和平プロセスの促進の費用とか、それから、そうですね、中東和平の推進を支援する費用とか、そういうものが入っております。それから、その中に人間の安全保障的なものも入っているというふうに書いてありますが、例えば世界エイズ・結核・マラリア基金拠出金とか、そうですね、麻薬対策無償とかそういうことが、感染症への対策とか、入っています。
 それで、ODAとの関係では、ODAという項目で予算項目一つ立てているわけではありませんので、この今申し上げた国際社会全体の平和と繁栄の中には、ODAに分類されるものもあるし分類されないものもあるという考え方だと思います。
 それから、イラクへの費用、これも具体的に何かということによってこの中で支出できるものもあるというふうに思います。
○広中和歌子君 それでは今度、防衛庁長官にお伺いいたしますけれども、この予算でございますが、GDP一%の範囲内に収まっていると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そう御理解いただいて結構です。
○広中和歌子君 GDPが去年から今年に掛けて下がりましたし、今後の推移というのも心配なところでございますけれども、ともかくそういう中で防衛費のGDP一%ルールというのは、これまで我が国が守ってきたルールであり、守るべきではなかろうかと思うわけでございますが、そういう中で是非効果的な、効率的な運用をお願いしたいと思います。もしコメントがあればお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) GDP一%を超えたことはございます、かつて。これは先生御案内のとおりであります。今年は超えておりません。
 確かに、一つの目安というのか、それとしてGDP比一%という議論は意味のあることだろうと思っております。しかしながら、本当に四海波静かで全く脅威がないというようなことであれば、それは防衛費はどんどん減らさなければいけません。しかし、我が国に対する脅威というものが、危険というものが、あるいは懸念される材料というものが増した場合に、しかしながらGDP比一%なんだからというふうな議論というのは、これはまたいかがなものかというふうに考えております。
 私ども政府といたしましては、いずれにせよ、節度ある防衛力の整備ということを言っております。それは、侵略的なものも持つことはいたしませんし、そしてまたやみくもに防衛費を増やすというような考え方は持っておりません。そういう意味で一%ということは、積極的な意味を私は否定をするものでは決してございません。
 しかし、周りの状況というものに防衛費というものはやはり関連を持つものであろう。あわせて、経済が非常に厳しい中にあって、その中における防衛費の在り方というものも、当然私どもは無駄遣いをしないように、合理化、効率化というものに努めていかねばならないというふうに心しておるところでございます。
○広中和歌子君 大変重要な御発言をなさったと思いつつ、しかし、おっしゃることも理解いたしますので、願わくば、これから我が国が直面する危機というものが、何というんでしょう、直面するであろう危機が重大なものでないことを期待する以外ないということなんではなかろうかと思います。
 それから、この二ページですけれども、「この予算の内容について申し上げます。」という第二の項の第一というところで、同時多発テロ事件や炭疽菌事件、それから九州南西海域不審船事案等を踏まえ、不審船等への対策云々と書いてございますけれども、ということは、我が国の海域を守るのは一義的には海上保安庁の役割であったわけでございますけれども、この方面にも積極的に目を光らせていただけると期待してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、第一義的に海上保安庁が担うべきことは今日においても全く変わりはございません。
 しかし、例えて申しますと、九州南西沖で起きました不審船・工作船事案のように本当に強力な装備を向こうが持っているというような場合に、海上保安庁だけでは対応できないということがあり得ることであります。海上警備行動の下令ということが必要になることもあるわけでございます。そうしますと、私どもが持っております例えば海の装備というものが、非常に俗な言葉で申しますと重厚長大であって、そういう本当の、向こうの駆逐艦であるとか巡洋艦であるとか、そういうものには対応できるが、ああいう工作船のようなものには対応できないというようなことであるとするならば、それは海上警備行動という条文があっても実際の実効性を持ち得ないというようなことだろうと思っております。これは、陸上におきますテロやゲリラにおいても同様のことでありまして、いきなり戦車が出てくる、こういう話には相なりません。
 そうしますと、そういうような非対称的脅威のようなものにも対応できる装備というものをきちんと作りまして、もちろん二重投資のようなことは避けるべきだと思っているんです。海上保安庁も持っているようなものを自衛隊も持つとか、あるいは警察も持っているようなものを自衛隊も持つ、そういうような二重投資は国家資源の有効配分という観点からもいかがなものかというふうには思っておりますが、治安出動や海上警備行動という、条文に定められた私どもの任務がきちんと果たせるようなものは、節度を持って整備をしてまいりたい、そういうことでございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございます。期待しております。
 それでは、平壌宣言のその後についてお伺いさせていただきます。
 まず第一に、平壌宣言で触れられていたと思うんですけれども、以降、不審船の出没というのはあるんでしょうか、伺います。
○政府参考人(津野田元直君) 海上保安庁の方におきましては、日朝平壌宣言以降にいわゆる不審船を確認したということはございません。
○広中和歌子君 防衛庁の方でもそうですか。確認していらっしゃいませんか。
○国務大臣(石破茂君) さようでございます。
○広中和歌子君 南シナ海に撃沈し、引き揚げられた船は北朝鮮のものであったということでよろしいんですね。
○政府参考人(津野田元直君) 北朝鮮籍であるというふうに特定いたしております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 それで、平壌宣言以降なんでございますけれども、福田官房長官がこういうふうに発言していらっしゃるということが新聞に書いてありました。つまり、北朝鮮が弾道ミサイル発射をし、あるいはプルトニウムの抽出を行ったならば平壌宣言の破棄もあり得ると。これは、真意はどういうところなんでしょうか。官房長官にはここにいらしていただいておりませんけれども、外務大臣の範囲でお答えいただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今、広中委員が引用なさった福田長官の御発言が、参議院の予算委員会でなされたもののことを指していらっしゃるんでございましたら、その真意は、日朝平壌宣言を破棄することを検討するということではなかったと私は考えます。
 これは、北朝鮮の一連の行為、行動が日朝平壌宣言の精神に反するのではないかという意見が多いというのは当然だということをおっしゃった上で、北朝鮮の行為が日朝平壌宣言の精神に反しているかどうかという判断は、まず全体の状況を見て行う必要があるということ、そして他方で、今の時点で、現時点でそのような判断を行うべきではなくて、これから粘り強く交渉をしていく、引き続き粘り強く交渉をしていくということが、そういう姿勢が重要であるということを述べられたと、そういう答弁であったというふうに思います。
 いずれにしても、私、日本国政府のこの日朝平壌宣言あるいは北朝鮮との関係についての方針、これは先ほど別な委員の御質問で申し上げましたけれども、今後の日本の日朝関係を包括的に、包括的に取り進めていく上での方向性を示した重要な文書であるという認識を持っていまして、これをてこにして、北朝鮮側がそこに書かれているいろいろな事項を実行していく、実行させていく、そういうことのてこに使っていく、そして履行を求めていくと、そういうことでございます。
○広中和歌子君 平壌宣言が結ばれました後、国民はそれを期待したわけでございますけれども、現実には、拉致被害者の一部が日本に帰国されたことから、要するに日朝関係というのはむしろ暗礁に乗り上げていると、そういうような印象を持つわけでございますけれども、これから先はどういう進展があり得るのかお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 平壌宣言以降、五人の拉致された方が日本に帰っていらしたというのは一歩前に進んだということですけれども、残念ながら、そのほかのことについては進展を見ていないということです。
 それで、今、拉致の問題については、政府としては、この五人の北朝鮮に残された家族の方々が日本に帰ってきて自由な環境の下で意思決定をしてもらうということが重要であると考えておりまして、北朝鮮に、家族の人を日本に戻すようにということと、それから拉致問題について、ほかの方もいらっしゃいますので、事実関係の解明を強く求めているということです。
 それから、安全保障については、これは日本だけではなくてほかの国も非常に関係、関連を持っていますので、この地域の平和と安全が増すような形で安全保障問題については取り組んでいくということで、これは韓国、アメリカ、そして中国、ロシア等とも話をしながら、またIAEAや国連の場での議論をしながら対応しているということでして、粘り強く進めていくということが大事であると思っています。
○広中和歌子君 何か、これは新聞情報でございますけれども、ともかく北朝鮮というのは日本を相手にしていない、アメリカが相手なんだというふうに言いますけれども、要するに日本というのは当事国でございますから、当然日本がイニシアチブを取らなきゃいけないんではなかろうかと思います。そういう中で、米韓はもちろんですけれども、中国、ロシアなどとの話合いというものを既に始めていらっしゃいますか。
○国務大臣(川口順子君) 日本がイニシアチブを取らなければいけないということはおっしゃるとおりで、外務省としても、私もそう思っています。
 それで、そういう観点で韓国、それからアメリカ、中国、ロシア等と北朝鮮の問題についての話合いは緊密にやっています。また、IAEAや国連、IAEAの場では特にそうでしたけれども、我が国が相当のイニシアチブを取りました。これ以外の国々とも北朝鮮の問題については時々話合いをやっておりますし、この問題についての我が国のイニシアチブは、国際的にもこういった関係国の中ではきちんと認知をされていると考えております。
○広中和歌子君 アメリカのパウエル国務長官は、北朝鮮が核兵器開発の放棄をすることなくしては協議なしと言いつつ、しかしながら北朝鮮とは平和的な解決を目指すと言っているわけなんですけれども、イラクと北朝鮮へのアメリカの対応の差というのはどういうふうにとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮に対しては、今、委員がおっしゃったように、それから先ほど別な委員もおっしゃいましたけれども、再処理施設、これの稼働をしてはいけない、そしてもう一つはミサイルの、弾道ミサイルの発射実験をしてはいけない、この二つはしては絶対にならないというメッセージは日本も送っていますし、ほかの関係国もみんな送っています。そして、問題を平和的に解決する必要があるということについても、世界じゅうの国と言ってもいいと思いますが、みんな一致をしているところです。
 それで、このイラクとの違いですけれども、そういう意味では世界の国々が全部この問題は北朝鮮は平和的に解決をする必要があると思っているということです。大量破壊兵器にかかわる問題についての懸念、これはイラクの場合には生物兵器、化学兵器である方が核よりは大きな問題になっているわけですし、北朝鮮の場合には各国の懸念は核にあるわけですけれども、そういった違いはありますが、大量破壊兵器の問題についての懸念であるということは同じ懸念であるかもしれませんが、解決方法について、これは異なるということはみんなが共有している認識だと思います。
 それはなぜかというと、イラクについては、一連の十二年間の、イラクが国連の過去の決議を守ってこなかったという実態があるわけでして、昨年、最後の機会を与えられて、それでもなお動かなかったということがあるわけですが、北朝鮮の場合には、例えば六七八に当たる決議があるわけではないというようなことで、問題の、それで査察も最近まではいたわけでして、大分形態といいますか、性格が違うということだと思います。
○広中和歌子君 片や疑惑であり、片や本当に核を持っている国、その、それによっての対応の違いではなかろうかななんて思ってしまいます。
 ところで、防衛庁長官にお伺いしたいんですが、一九九八年でしたか、ノドン、テポドンでした、テポドンが撃たれましたよね。そのとき、防衛庁はどういうふうにそれを受け止められ、そして、その後どういう対応を取られたのでしょうか。そして、今後そうした、彼らの意図なりなんなりは実験だというようなことなんですけれども、またそのような脅しともからかいともつかないようなことをされたときの、我が国の対応というのはどういうことになるんでしょうか。
○副長官(赤城徳彦君) お尋ねの、まず平成十年のミサイル発射のときの対応についてでございますけれども、八月三十一日にミサイルが発射されました。防衛庁としては、平素から警戒監視に努めておりまして、海上自衛隊の哨戒機、P3Cですけれども、これが我が国周辺の海域における状況を監視するとか、そういう艦艇を配備しております。そのときの、弾道ミサイルの発射に関する情報を得た場合、その艦艇や航空機の監視体制を強化すると、こういうことでやっております。
 お尋ねのこの八月三十一日、ミサイル発射でございましたが、八月の中旬ごろから情報収集体制を強化しておりました。最終的にはいろいろ状況の変化ありましたけれども、最大規模として、海上自衛隊のイージス艦一隻を含む護衛艦二隻、航空自衛隊の早期警戒機E2C等航空機四機を配備して情報収集活動を実施したということでございます。
 なお、発射後、九月一日と二日の二日間、物体が落下した可能性のある海域に艦艇、航空機を派遣して落下物の捜索を行ったわけですが、落下物の破片などは発見されなかったと、こういうことでございます。そのときは、北朝鮮側が衛星の発射だとか、いろいろこう言ったわけで、なかなかその意図というのは量りかねるところがございます。
 今後、そういうことがあった場合どうかと、こういうことでございますけれども、そのときも、その当時もそうでしたけれども、どういう意図、またどういう形でその発射が行われるかということがなかなか一概には言えないところがございますし、また、北朝鮮という国が閉鎖的なところがございますので、なかなかそれを推し量るのが難しいということがございます。
 その上で、弾道ミサイルの発射が我が国に対する武力攻撃であると、こういうふうに判断された場合には、自衛隊法七十六条の規定に基づきまして防衛出動によって対処すると、こういうことになります。
 一方、武力攻撃であるということが判断できない場合には、自衛隊としては最大限取り得る対応を考えた場合には、弾道ミサイルの着弾又は落下によって生じた被害を最小限にとどめるという観点から、災害派遣を実施したり、あるいは情報収集体制を強化して事態の把握に努めると、こういうことになろうかと思います。
○広中和歌子君 もし、仮に本土、我が国本土をねらうものでなかったとしても、どのような意図があるにせよ、我が国の方に向かってきたそれ、弾道ミサイルに対して、我が国は独自で防衛能力を持っているのか、対応能力があるのか、防衛庁長官に伺います。
○国務大臣(石破茂君) 今、副長官からお答えを申し上げましたが、よく、ミサイルが飛んできて災害派遣とは何事だと、こういうおしかりをいただくことがあるのですが、これが本当に、我が国はですね、我が国はというのはかの国のことですが、我が国は衛星の実験を行うのである、衛星を打ち上げるのであるとか言われて打った、それがたまたま着弾してしまった、そこにはもう弾薬も何もありませんで、本当に事故かもしれなかったという場合に、これ防衛出動というのは相当無理があるんだろうと思っています。
 つまり、防衛出動というのは、我が国に対する組織的、計画的な武力の行使ということになっておりますわけで、これで防衛出動で対応するというのは極めて難しい。
 ただ、先生御案内のとおり、防衛出動というのは、おそれがある場合でも下令はできます。おそれがあるということで、それはもちろん相当の蓋然性というか客観的にそういう状況が高まらなければいけませんが、防衛出動を下令することはできます。
 しかし、それに対して、防衛出動を下令しても、我が国が自衛権の行使として武力を行使しますためには、御存じのとおり、急迫不正の侵害があり、ほかに取るべき手段がなく、かてて加えて必要最小限ということが自衛権発動の三要件として必要なわけでございます。
 お尋ねの、じゃ何ができるんだと。我が国に対して本当に組織的、計画的な武力の行使としてミサイルが発射をされたという場合に、何ができるかといいますと、これは、実際にそれを撃ち落とすような能力は我が国は持っておりません。我が国のみならず、世界じゅうどこもそんなものは持っておりません。
 現在、イラクで行われております戦争において、北、失礼、イラクが発射したミサイルが落とされておるではないかというふうな御指摘もございますが、あれは射程の短いスカッドのような、五百キロとか、そのような射程の短い、よって落下速度の遅い、そういうようなミサイルを撃ち落とすことができる能力を、確かにパトリオットのPAC2あるいはPAC3というのは持っております。しかし、北朝鮮から、例えば日本のように、千三百キロということになりますと、それは射程も長い、よって落下速度も非常に速い、それを撃ち落とすようなミサイルシステムというものは、合衆国も含めて世界じゅう、どこも持っておりません。
 ただ、昨年の暮れ、アメリカ合衆国において、そのようなミサイルシステムというもの、つまり洋上配備型、そしてまた地上固定型、地上移動型、その三つの組合せによるミサイル防衛システムというものを今後導入するというような発表があったところでございます。
○広中和歌子君 アメリカの我が国に存在していること、我が国が基地を提供し、アメリカが我が国の沖縄を中心として存在していることが、それだったら抑止力というんでしょうか、になっているとお考えでございますか。
○国務大臣(石破茂君) これは抑止力だと思っております。
 すなわち、総理がよくおっしゃいますように、日本を攻撃するということは、すなわちアメリカ合衆国を攻撃するということなのだという表明を合衆国は行っておるわけでございます。それは日米安全保障条約もそうでございますし、三木総理大臣とフォード大統領が会談をいたしましたときも、そのことの言明はございます。そしてまた、日米防衛協力の指針におきましても、必要な打撃力の行使を考慮するというような形になっております。
 そういたしますと、日本に対する攻撃をした場合には、合衆国が打撃力を行使する、弾道ミサイルについては打撃力の行使を行うということになっておりますわけで、それは私は抑止力なんだというふうに思っております。
 ただ、この抑止力というものが、核抑止力というものと通常兵器による抑止力というものがある。核兵器による抑止力でも、懲罰的抑止力と拒否的抑止力と、いろんなものが分かれます。
 日本の場合には、それは核の抑止力というものも、当然、日本には核兵器というものは持ち込まれておらないという前提において申し上げるので、沖縄にあることがそのままそれにつながるということを申し上げるつもりは私は全くございませんが。そういう通常兵器による抑止力あるいは米本土、あるいは艦船等々からの核抑止力というものを考えましたときに、それは抑止力として効果を表しておるというふうに私は考えておるところでございます。
○広中和歌子君 実を言うと、テポドンが飛んでまいりましたときに、私が非常にある種の危機感を一素人なりに持ったのは、多分北朝鮮だけじゃないだろうと、そういう弾道ミサイルを持っている国というのは。そういうことに対して、我が国がどういう形で防衛されるんだろうかということであったんですが、それについて防衛庁長官は何かコメントがありましたら、お聞きしたいと思います。
 それから、ついでに聞かせていただきます。
 イージス艦を日本は四隻持っておりますよね。一隻千三百億という非常に高価なものでございますけれども、それが情報収集とそれから対応能力があるといっても非常に限定されたものであると。あの導入が決まったときは、日本が非常に貿易摩擦をアメリカに対して起こしているときでして、大幅な貿易黒字を持っているその解消として何か約束ができたような気がいたしますけれども、イージス艦のような高価なものを買って、そして今二隻が日本海側にいるんですか、だけれども、どのような役に立っているのかという、そういうことも含めまして、ともかく日本というアジアの極東にある国が自分たちを守るということがどういうことで可能なのか。本当にそういうことが可能なのかどうかというお考えを伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 特定の脅威というものを想定をしておるわけではございません。ただ、北朝鮮について申し上げれば、かつてノドンミサイルが日本海に撃ち込まれたと。そしてまた、テポドンというものが日本列島を飛び越えて太平洋に着弾をしたと。あるいはケリー次官補の発言のように、次官か発言のように、核というものを開発を進めておるということがある。私どもは、脅威だというふうに申し上げておるわけではございませんが、そういう事象というものに重大な懸念を持っておるわけでございます。
 じゃ、そのほかについてはどうなのかというふうに問われますと、これは、これも特定の国を指して脅威というものが存在するということを前提に私どもは防衛政策を組み立てておるわけではございません。ただし、新しい時代の新しい脅威というものを考えましたときに、本当に想像もしないような、つまり国家というものであれば守るべき国土や守るべき国民を持っております。そして、国家というものであれば、例えばNPTであってもCTBTであっても、条約というものの縛りが利くわけでございますし、国連というものも機能するわけであります。
 ところが、これがテロリストとか集団とかいうことになりますと、守るべき国家とか守るべき国民というものを持っておりません。また条約とか国際組織というものの制約も受けるものではございません。そういう勢力に大量破壊兵器というものが拡散をしていく、あるいはその運搬手段たるミサイルというものが拡散をしていくというような脅威に対して、私どもはどのようにして国の独立と安全を守るという観点から国民に対して責任が果たせるかということは考えていかねばならないことだと思っております。
 それから、加えましてイージス艦の御質問でございますが、確かにイージス艦は一隻千二百億ないし千三百億するものでございます。通常の護衛艦に比べまして、単純な比較は困難でございますが、倍以上するというようなことだというふうに思っています。導入の経緯は、委員が御指摘のように、貿易摩擦を減らすためだというような御指摘もありました。それが事実であったかどうか私は存じませんが、そのような御指摘もありました。何のためにこんな船入れるのという話もありました。
 しかし、今日考えてみますときに、イージス艦が一つは持っております高い防空能力あるいは高い水上索敵能力というものは、何も我が国の脅威はミサイルだけではございません、今も、例えばジェット戦闘機というものもあるわけです。そうしますと、イージス艦というものは、それが高い防空能力、今までの護衛艦であれば、従来型の護衛艦であれば索敵ができなかったような目標をとらえ、そして回避をすることができる。そして、仮に日本船籍の船を護衛しておるとするならば、こういうものが近付いているからここにいてはいけないというような、そういうような情報の提供もすることができる。やっぱり私は、高い防空能力あるいは高い水上索敵能力というものは私は今後も高い価値を持つものだというふうに思っております。
 ミサイル防衛について、よくイージス艦は万能だみたいな議論がございまして、イージス艦があれば何だってできるんだというようなお話がございますが、それは間違いでございます。イージス艦一隻だけでミサイル防衛ができるようなことであれば、こんなにミサイル防衛の議論が難航するはずはございません。イージス艦だけでミサイル防衛というものはできません。
 ただ、テポドンが発射されましたときに、日本のイージス艦が、北朝鮮があれは衛星であるというふうに申しましたが、それは違うと、これは弾道ミサイル実験の可能性が高いということを指摘をいたしました。すなわち、その弾道ミサイルというものがどういうような軌跡をたどり、どういうような航跡をたどって、どの地点に落下をするかというようなことを識別する能力というものはある程度イージス艦は有しております。そういう意味で、イージス艦が我が国の防衛力あるいは抑止力、果たす役割というものは私は大きなものがあるというような認識をいたしておるところでございます。
○広中和歌子君 いずれにしても高い買物だなと思います。
 先ほど長官もおっしゃいましたように、これからの戦争というのは、どちらかというと国際条約なり様々な枠組みの中で戦争をまず起こさない形を取るという中で、しかしながら、正規軍による戦争よりも、ゲリラ戦とか不審船とか拉致とか、何か今までの形とは違った戦争が起こり得ると。それに対する対応というのは、必ずしも高度な装備を必要としないといったような新たな時代に対応して、防衛予算なりそれからいろいろ、何というんでしょうね、素人なものですから言葉が出ませんけれども、ともかく防衛の今までのやり方と違った形があり得るんではないかなと。もう既にそういうことを考えながら予算に反映していらっしゃるのか、装備に反映していらっしゃるのかということをお伺いします。
 先ほど、海上保安庁だけではなくて海上自衛隊も一緒になって我が国の沿岸を守るというような御発言をなさいましたけれども、これは是非やっていただかなければならないと本当に思います。幸いにして、我が国は他国と国境を陸で接していない。それは本当に有り難いことなんですけれども、しかしながら、海というのは、我が国は島国ですからどこからでも入り込まれるという、そういう意味におきまして、海上における防衛というのでしょうか警備というのは非常に大切だと思いますが、コメントをお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 冒頭、予算に対するお尋ねのところでも少しお答えを申し上げたところでございますが、例えていいますと、今、舞鶴に配備をいたしておりますが、二百トンクラスのミサイル艇というものを、はやぶさ型と申しますが、それを配備をいたしております。例えば、工作船のようなものに大きな護衛艦を出しましても、これはもう向こうは何しろ四十九で走るような船ですから、やたらめったら速いと。護衛艦が四十ノットも出して走れるわけはございませんので、もちろんそういう工作船というものを阻止しますために護衛艦というものが果たす役割もございますが、それがメーンではない。速いスピードで走ることができ、そしてまた小回りが利いてというような船を導入をいたしております。
 あるいは、もちろん海上保安庁だけでは対応できない場合にどうするのだというときに、では私どもの海上自衛隊員がそういうような能力を持てるかという議論もございました。そういうような能力というものも持っていかねばなりません。それは陸においても同様でございまして、これを仮称、仮の呼び名で特殊作戦群というふうに申しますけれども、そういうものを新編を行っておるところでございます。
 これは重ねて申し上げますが、何でもかんでも自衛隊がやるというようなことを私どもは考えておるわけではございません。もちろん治安出動にいたしましても海上警備行動にいたしましても、使うのは警察権であって自衛権ではありません。しかし、外目には、外目には軍隊が出てきたというふうに映るわけです。自衛隊は自衛隊だと、軍隊であるというふうは国内的には言っておりませんが、それは外目には軍隊が動いたというふうに見えるわけであります。
 そうしますと、その出動というものは非常にこう慎重であらねばならないということだと思っています。海上保安庁では対応できない、警察では対応できないということになった場合に自衛隊が出るということだと思います。
 ただ、それが慎重である余り事態の拡大を招いてしまったとか、無用な犠牲が生じたとかいうことであってはなりませんので、先ほど月原委員の御質問にもお答えをしたことでございますが、そこのところは海上保安庁や警察ともよく連携をしながら国民の生命、財産に責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 じゃ、今度は外務大臣にお伺いいたしますけれども、今回のアメリカのイラク攻撃については戦費の負担はないというふうに今までおっしゃっていたわけですが、今日ラジオで聞いたところによりますと、アメリカは当然それを期待するというふうに、特に日本を名指しでじゃないですよ、戦費が非常に掛かるという中で、ほかの国にも負担を求めてくることが考えられるというようなことが報道されておりましたけれども、それについてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 日本は戦費を負担するということはありません。
 それから、米国からそれを求められたこともありません。
○広中和歌子君 前回の湾岸戦争のときに、日本は百三十億あるいは百四十億のお金を出しましたよね。
 アメリカは、その部分が戦費でどの部分が戦費じゃないというようなことはいたしませんで、全体のその掛かった戦費の中で、アメリカ自身が国家予算の中から払ったのは五%で、残りはよその国から払った。クウェートも払ったでしょうし、サウジアラビアも払ったでしょうし、その中には日本も含まれているんじゃないんですか。それプラス戦後の復興というのがあるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 前回は基金を作って、それで基金に沿って日本がその支援のための拠出をしたということでございます。それで、その拠出金の使途を資金協力、それから資機材の調達、輸送、据付け、要するに物資協力ですね、ということでやったということです。
 それで、今回について、例えばその掛かったお金の何%とか、そういうお話は全く今、日本には来ていません。
 いずれにしても、日本は戦費を負担するということは考えていないということです。
○広中和歌子君 ただ、同盟国でもありますし、支持も表明したということであれば、当然それなりの負担をしなければならないというのは国として覚悟を決めていらっしゃるんじゃないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国としては、政府の対応方針でも発表させていただきましたけれども、難民支援ですとか周辺国支援ですとか、それからいずれ復興をするという段階になったときには復興の支援といったようなことについてはやる考えを持っております。
 ただ、いずれにしてもその戦費の負担をするということは考えていません。
○広中和歌子君 戦費ということに、名前にこだわっていらっしゃるんじゃないかと思いますけれども、ともかくトータルの中で日本は応分の負担をしなければならないということなんではないかと思いますが、その復興支援という形を取りましても、そのお金の出どころというのはODA予算では到底足りませんよね。どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(川口順子君) その難民支援、周辺国支援、例えばヨルダンに向けて一億ドルという発表をさせていただきましたし、パレスチナに対しても五億円ですけれども、発表させていただきましたけれども、そういったお金は、これはODAの中から支出をしているということです。
 それで、その復興について、日本として応分のといいますか、日本がやるのにふさわしい国際的な役割を果たすつもりはありますけれども、今の段階でどのような復興、復旧の形になるのかということは全く分からない。これは戦争がどのように、どれぐらい続いてどれぐらい、どういう終わり方をするかということによるわけでございまして、今の段階で具体的にそのために日本は何をするとかというふうには考えてまだおりません。
○広中和歌子君 ともかく、今朝のテレビで、アメリカの政府は議会に対して九兆ドルの、九兆ドルですよ、新たな、(発言する者あり)あっ、円ですか、ごめんなさい。九兆円ですよね。いずれにしても、ごめんなさい、九兆円を議会に対して求めているということが言われておりました。ともかく、私たち日本の国はそれなりの覚悟をしなければならないんではないかと思います。
 ところで、片方、我が国の防衛費というのは一%、よその国に比べて非常に少ないと思います。しかしながら、我が国としては人間の安全保障を含めまして様々な形でODAをやっていくということで、それこそ貿易摩擦の時期に戻りますと、日本はODAで一%ぐらいをしてもいいんじゃないかと。特に、環境とか貧困とか、そういった問題に関して一%ぐらいしてもいいんじゃないかというようなプレッシャーがアメリカの議員の中から掛かったことがあるんですけれども、日本はODAはGDP比で〇・二%台でございますよね。決して減ることはあっても増えないような状況でございますけれども、それについて川口大臣としては積極的な予算に関して働き掛けをしていただきたいと思うんでございますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) ODAの予算、ODAというのは、私は我が国が外交をやっていく上で非常に重要なツールであると思います。
 人間の安全保障という話がありますけれども、それですとか、あるいは平和の定着とか、我が国が外交の柱として重要だと考えていることを実際にやっていくためにODAは必要でございます。そういう意味で、そのODAが過去五年間で約二割減ったということは私は大変に残念だと思っていまして、来年度の予算についてはODAの減り幅を極力少なくするということで、財務大臣の御理解もいただいて、今まで一〇%ぐらいという減り方だったのを、その前の年、二年ぐらい続いて一〇%ずつ減ってきましたのを五%台の減り方に抑えることができたということで、今後引き続き予算の確保については全力を注ぎたいと思っておりますけれども、是非、民主党もODAの予算を半分にするというような予算案をお作りにならないで、御支援をいただきたいと思います。
○広中和歌子君 いや、もしそういう議員がいたとしたらもう私は口を利きませんけれども。
 国際問題調査会でODAについていろいろ議論したことがございます。多くの議員にとっては、やはりODA予算を増やすということは決して票にはならないというようなことで、心の中では思っていてもなかなかその活動に反映されないということがあるわけでございますけれども、是非この部分に関しては外務省頑張っていただきたいと、もう応援団でございます。
 例えば、草の根支援が今、百億円、九十九億円ですか、に達したということですけれども、これはもう是非それを少なくとも十倍にしていただきたいということです。それから、NGOを通じての支援、これもまだ、むしろ去年よりも減っているような感じで、額も非常に少ないわけです。この点についても、やはりこれからの分野として是非頑張っていただきたい。お金の額としてはそれほど多くなくても、与えるインパクトというんでしょうか、それは非常に大きいんではなかろうかと思います。それから、国際機関を通じての支援というのも、特にユニセフとかUNEPとかUNDPとか余り減らないところもありますけれども、大幅に減らされているところもある。非常に残念なことだと思っています。
 それから、昨日あるところから聞いたんですが、ハンガリーという国で、共産党政権から新しい政権になった、冷戦後、一%法というのを作ったそうでございまして、国民が払う税金、その一%を自分が望むNGOに寄附をすると。必ずしもすべての人がそういうデジグネーションというんでしょうか指定をしないんですけれども、今現時点でハンガリーでは三〇%ぐらいの人がそういうことを行っていて、それがひいてはNGO活動を活性化させていると、そういう結果になるという、そういう話を聞いてまいりました。
 日本でも是非そうした法案が少なくとも議員立法で生まれればいいなと思っているところでございますけれども、そういうことも含めまして、外務省の御方針というのを伺わせていただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) ODAについての温かい御理解と応援をどうもありがとうございます。NGOについては重要だと思っております。
 それで、十五年度の予算では、NGO支援の無償ということでは二十二億円で、厳しい中でこれは前年比二億円増にいたしました。それから、草の根・人間の安全保障無償、これは前年度から五十億増やしまして百五十億円と、この分野には非常に力を入れた、全体ODAの減る中でめり張りの配分にしております。それから、国際機関、これは残念ながら全体として減らさざるを得なかったんですけれども、重要なところとそうでないところとめり張りを付けたということでございます。
 外務省としても引き続き、予算を増やすということのためにいろいろな努力をしていきたいと考えております。特に、NGOの支援ということは重要だと思います。日本全体として、本当に、国会でのいろいろな御議論も始め、NGOの支援をどうやってしていったらいいかということの議論が高まっていくということを期待をいたしております。外務省も頑張りたいと思っています。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
○高野博師君 それでは、北朝鮮の問題についてお伺いをいたします。
 まず最初に、韓国の金大中大統領の太陽政策についての評価についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 金大中大統領はずっと太陽政策を取られて、それは朝鮮半島をめぐる問題の解決のためには北朝鮮を国際社会の責任ある一員としていくことが重要であると、そういう考え方で、韓国自体は米韓安保条約ということをきちんと持ち、安全保障については注意をしながら、そういう対話を北朝鮮との間で重視をし、北朝鮮を国際社会の一員としていくという政策を取られたわけでございまして、我が国もこの金大中大統領の太陽政策は一貫として支持をしてきております。
 今度、盧武鉉新大統領が、名前を変えてはいますけれども、基本的に前大統領の太陽政策の基調を継承するというふうにおっしゃっていらっしゃいまして、そこで平和と繁栄政策というふうに呼ばれているわけでして、我が国もこの方針を高く評価をしたい、そして韓国とも緊密に連携をしながらこの地域の平和と安全の確保に努力をしていきたいと思っています。
○高野博師君 今のお話だと評価しているということでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) そうおっしゃっていただいて結構です。
○高野博師君 私は、これは評価はしておりませんで、むしろ失敗ではなかったかと思っております。というのは、正に今、大臣がおっしゃったように、安全保障に関する合意というのは、二〇〇〇年の六月十五日の南北共同宣言には全く入っておりません。正にそこが問題だと思うんですね。この安全保障に関する合意事項がなかったということと、これはいろんな動きが、例えば現代グループ等のいろんな動きがあったと。不正なお金が二億以上動いていたとか、これは透明性に欠けていたという問題があると。そういういろんな企業家グループとの癒着もあったと言われているんですが。
 金大中大統領の五年間というのは、平和であったけれども、一方で正に安全保障に関する合意がなかったために北朝鮮はミサイル開発を着々と進めてきたと、そして濃縮ウランの計画も含めて核開発もやってきたというマイナス面が非常にあるわけで、私はこの太陽政策を簡単に評価はできないと思っておりまして、それが盧武鉉政権に継がれるとすればまた同じ誤りを繰り返すんではないかと、そういうふうに思っているんですが、もう一度お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 太陽政策あるいは盧武鉉大統領の平和と繁栄政策、これについての韓国内でのいろいろな議論があるということは承知をしております。
 それで、金大中大統領も盧武鉉大統領も、米韓安保条約、要するに安全保障については、アメリカとの間ではきちんと体制を作り、かつ自らもきちんと安全保障のための政策は持っている、それから北との間では南北の朝鮮半島の非核化宣言ということもやっておりますし、これについては近隣の諸国みんな支持をしているわけです。
 それから、先ほど透明性のお話をなさいましたけれども、盧武鉉大統領の平和と繁栄政策、これは具体的には四つぐらい分かれておりまして、柱の一つに、内外との関係で透明性を高めて国民の参加を拡大をして超党的な協力を得るということは原則の一つに入っています。ほかの原則としては、すべての懸案は対話を通じて解決をする、それから次に、相互信頼を優先し、互恵主義を実践していく、また南北当事者原則に基づいて円滑な国際協力を追求するということがありまして、安全保障ということについてもきちんと視野に入れて、その上で北朝鮮を国際社会の一員として責任ある役割を、行動を取ってもらうためにどうしたらいいかという発想から出ているというふうに考えております。
○高野博師君 恐らく、盧武鉉政権ではその辺も踏まえてきちんと対応するんだと思いますが、平壌宣言の評価あるいは意義にもかかわってくると思うので、僕は太陽政策についてはきちんとした評価が必要かなと思っております。
 もう一つ、この間、今月初めに神崎代表とアメリカに行きまして、アナン事務総長にお会いして、アーミテージ副長官にも会ったんですが、そのときに、両者には拉致問題について尽力していただきたいということを強く要望いたしました。そのときに、アナン事務総長が、ストロング特使を近々派遣するということで、これについても協力したいというお話がありました。
 そこで、報道によりますと、ストロング特使がピョンヤンを訪問したと。報道そのものは非常に短いんですが、米朝交渉が失敗すれば半島で戦争の可能性もあるというような発言しか報道されていないんですが、このストロング特使がどのような交渉、対話をピョンヤンと、ピョンヤンでやったのかという情報は持っておられるんでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。
 ストロング特使でございますけれども、三月の十八日から二十二日まで北朝鮮を訪問し、そして金永南最高人民会議常任委員会委員長及び白南淳外相等と会談したということがまず事実関係でございます。
 会談の内容でございますけれども、今、委員御指摘のとおり、簡単な記者発表がこれまで行われているところでございますけれども、その全体像につきましては、今まで言われているところでは、核開発問題の平和的解決という観点から米朝協議の必要性ということがいろいろと言及があったということでございますけれども、現在まだストロング特使一行は海外訪問中でございまして、それ以上に詳しいことについてはまだこれから入手するというか連絡を取るということになってございます。
○高野博師君 その中で拉致問題というのを取り上げたのかどうか、是非確認していただきたいと思っております。
 北朝鮮が日本よりもアメリカとの交渉を重視しているということは言えるんでありますが、ちょっとこの拉致の問題でいいますと、この間、拉致家族の会の皆さんと外務大臣が懇談をされたんですが、その中で拉致というのは国家テロか否かという若干のやり取りがあったと思うんですが、テロリズムとは何かという定義そのものは国際法上何もできていないということでありますが、アメリカは拉致はテロだと認めているんですが、アメリカはどういう法律を根拠にして拉致をテロだと言っているのか、これちょっと、是非教えていただきたいと思います。
○政府参考人(薮中三十二君) アメリカ政府は、一九七九年の輸出管理法、武器輸出管理法及び海外援助法という三つの法律がございますけれども、この法律の中でテロリスト、テロリスト国家ということで、テロリストあるいはテロ支援国ということの認定を行うことということが規定されており、その下で国務長官が決定をしているというのが状況でございます。
○高野博師君 そうすると、その法律の中にはテロリズムとは何かという定義はないということでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) この法律の中では、正にテロリストを国内にかくまうこと、あるいはテロリストに武器、爆発物を与えたりその他の便宜を図ること等々がございますが、テロとは何かという具体的な定義ということでは私どもは承知しておりません。
○高野博師君 しかし、拉致はテロだと認めているということなんですが、外務大臣は、拉致はテロかそうでないかということについては、念のため確認をしたいと思いますが。
○国務大臣(川口順子君) この前、御家族の方に言いましたことは、これは、北朝鮮による拉致というのは本当に人道上も許せない行為、生命と、生命と安全にかかわる行為ということで、こういうことというのは一般的にはテロって言うんでしょうねと、普通にはテロだというふうに思いますというふうに言いました。
○高野博師君 そこで、今、イラクとの問題でいいますと、大量破壊兵器の拡散というのが、これは世界の平和にとって大変重大な脅威になっているわけですが、その大量破壊兵器がテロリストに渡るということが最も懸念されるわけですが、いろんな状況を考えますと、日本もそのターゲットに十分なり得るということが言えるんだと思うんですが、このテロの問題に関して国内法をきちんと作るべきではないかと思うんですが、例えば包括的なテロ対策法というような法律、国内法を作るという必要性は十分あるんではないかと思います。そして、その中で、日本なりのテロリズムは何かという定義をきちんとした上で、あるいは例示的に拉致というのはテロだという言及をしてもいいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私は個人的には、ある論文にも書かせていただきましたけれども、日本が今までいろいろな問題に、テロに関連する問題に対応するときには、それぞれ別々な法律を引っ張ってきて対応しているということでして、まとまった形でそれを取り扱うということには今なっていないわけですね。
 それで、仮にまた不幸なことに九・一一に匹敵するような、あるいはそれ以上の新しいテロが発生をして国際社会と協調して何か行動することが必要だというようなときに、我が国として果たすべき役割を果たすことができる、そういうふうになっているということは大事なことであると。ですから、個人的にはそういった法整備の必要性も含めて早急に議論を進めていくことが必要だというふうに考えております。
○高野博師君 是非、そういう方向性で御尽力をいただきたいと思います。
 それでは、もう一つ。今後、北朝鮮がテポドン等の弾道ミサイルを発射したとかあるいは核の開発をまた進めるというようなことがあったときに経済的措置を発動するという、そのために政府が黒田内閣官房参与をアメリカに派遣したと。これは、そういう事態になったときに、送金の停止とか日朝間の貿易の停止とか、あるいは貨物船万景峰の入港規制などを想定して制裁が実行できるように法整備を進める方針だと、こういう報道があるんですが、日本だけ一方的に措置を取っても効果がないということでアメリカの協力ももらうということだと思うんですが、私は、アメリカと日本だけでは十分じゃなくて、韓国にもこれは同じように経済措置に加わってもらわないと効果はほとんどないんではないかと思うんですが、そういう、この事実関係含めてこの件について外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 黒田参与がアメリカに行ったことについてそのような報道がなされたということは私も知っていますけれども、事実関係としては、黒田参与は就任後のごあいさつに行かれたということで、新聞に報道されたようなことをやるために行ったということでは全くございません。
○高野博師君 そうすると、これは誤報なんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) その記事自体を直接全部読んでいませんので、今おっしゃったようなことであれば事実関係とは異なるということです。
○高野博師君 分かりました。
 それでは、黒田参与が行ったことは別にしまして、そういうことを日本としてやる意思があるのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 現在、例えば外為法ですとか、それに基づく輸出貿管令ですとか、そういったような法制で、例えば外為法ですと、ちょっと細かいことは薮中局長から今補足してもらいますけれども、国際的なある種の合意があったときには対応ができるというような、個別法においてできるということになっていると思います。
○政府参考人(薮中三十二君) 法律上は正に外為法あるいは貿管令において、国際条約あるいは国際平和のための努力ということで、そういう必要があるときに適切に資金の流れあるいは貿易の流れについて対応するという措置がございます。それは具体的には、各々資金の流れあるいは物の流れについて許可制に置いて、その下で厳しく対応するということが法律の手前でございます。
 いずれにしましても、そうした厳しい事態、あるいは再処理の問題であるとかあるいは弾道ミサイルの問題であるとか、そうした事態になったときには当然、関係国ともよく連携をして、そして厳しく対応するということは、必要があるということは委員御指摘のとおりだと思います。
○高野博師君 北朝鮮の大量破壊兵器の開発等については、やはり資金というのは非常に大きな意味を持っているわけで、私は経済制裁なりをきちんと毅然とやる必要があるのではないかということを申し上げたいと思います。
 もう一つ北朝鮮との関係で、IAEAが二月の十二日に緊急理事会で、北朝鮮に対して深い懸念を表明する決議を採択した。これを受けて、アメリカが安保理議長声明案としてより厳しい重大な懸念という、これを表明する案を常任理事国に提示していたという報道があるんですが、これについてはアメリカから相談があったんでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) 今、委員御指摘のとおり、二月の十九日、安保理において、北朝鮮の核兵器開発問題に関する協議のため、専門家レベルに付託するという決定がございまして、これは元々IAEAの決議を受けてのことでございますけれども、現在、ニューヨークにおいて様々な協議が行われております。そして、日本は、当然のことながら、アメリカとも非常に緊密な連携を取って協議をしてきておりますけれども、現在までのところ、まだ具体的に決議案についてこれが固まって、そして上程される、そういった状況にはございません。
○高野博師君 これに対する北朝鮮の反応は、何か情報はお持ちでしょうか。例えば、これを宣戦布告とみなすとかという報道が若干ありましたけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) 今のIAEAの報告を受けての安保理での審議というのは、非常にまだ慎重に各国とも取り扱っているということでございまして、そのことについて北朝鮮の側から特段のこれについての反応ということは承知しておりません。
○高野博師君 それでは、イラク攻撃、イラク問題との関係で、これが北朝鮮にどういう影響を与えるのか、あるいは連動するのかということについて。
 日本政府は米英の行動を支持すると。それは、大量破壊兵器の拡散を阻止する、あるいはテロの脅威に対応する、そういう中で日米同盟の信頼関係を、これをきちんと築いた上で、確保した上で、北朝鮮も大量破壊兵器を持っているということで、これに、この脅威に抑止力をきちんと働かせる、こういうことなんですが、国民でこれを納得いっているというのは北朝鮮との関係で納得いっている人というのが大半なわけですが、この明示的に対北朝鮮との関係で日米同盟を前面に出したということについて、これは北朝鮮に対して牽制になるのか、それとも北朝鮮はこれは挑発と取るのか、それは北朝鮮に聞いてみなきゃ分からないんですが、政府はこれをどういうふうにとらえているんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) イラクについての問題は大量破壊兵器の問題である、そして、北朝鮮に関してもその大量破壊兵器についての国際社会の懸念があるということですけれども、これ、それぞれ我が国にとっては大量破壊兵器のもたらす脅威、もたらし得る脅威という観点では我が国は懸念を持っている問題ですけれども、実際にイラクにおける行動、国際社会の行動が北朝鮮の将来の行動にどういう影響を与えるか、与えているか、与え得るかということについては、今の時点では確たる情報には接してはおりません。ということで、分からないということですけれども、我が国としては、北朝鮮のいろいろなあり得べき行動を念頭に置いて引き続き注視をしていくことが必要だと思います。
 再三再四申し上げておりますけれども、対応については、北朝鮮との関係では平和的に対応する必要があるというのは国際社会全体の今認識でございます。ということで、違いはありますけれども、北朝鮮が今後どういう行動を取っていくかということについては引き続き注視をしたいと考えています。
○高野博師君 この点については私は、抑止という点から北朝鮮に対しては牽制、抑止力がむしろ、日米同盟を前面に出すというのはより抑止力を高めるという、そういう見方をしております。
 いずれにしても、北朝鮮との関係でいいますと対話と抑止というのが基本的な日本側の政策ですから、そういう意味ではこれはきちんと出していいんだと思います。
 時間ですので、終わります。
○委員長(松村龍二君) 午後一時半に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管を議題といたします。
 この際、石破防衛庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。石破防衛庁長官。
○国務大臣(石破茂君) 発言の訂正をさせていただきます。
 先ほど私が御説明を申し上げました平成十五年度防衛庁予算の説明の防衛本庁の予算の中で、「必要な整備の更新」と申し上げましたが、「必要な装備の更新」と訂正をさせていただきます。
 どうも大変失礼いたしました。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
 イラク戦争は戦争と平和の問題にかかわる重大な問題でありますが、同時に、世界にもまた日本にも経済面でもその他あらゆる分野で大きな影響を及ぼしそうであります。予算にも当然また重大な影響を及ぼしかねないという論議が既に始まっております。
 そこで、イラク問題を今日は質問させていただきます。
 対イラク戦争は、国連憲章と国連の役割を世界諸国民の前に示し、国連憲章の規定するルールに沿って解決せよという声、戦争の即時中止を求める声が全世界に広がっています。国連とはそもそも何であったのか。私は次の言葉を特にいつも念頭に置いております。それは国際法学者の石本泰雄さんが国連憲章五十周年を記念して書かれた論文の中で述べられていることですが、原始国連は太陽であったということから始まった文章です。国連憲章が戦後世界を照らす灼熱の理念だったという意味で国連は太陽にほかならなかったと、こう書いておられます。
 私は今回の米英によるイラクへの軍事攻撃は、その国連憲章の平和のルールを真っ向から踏みにじるものであり、戦後世界を照らす太陽であるべき国連憲章に影を差そうとする、そういう重大な出来事だったと思っております。同時に、私は今ほど世界で国連憲章のルールを守れという声が大きくなったこともないと思います。その声は二十一世紀が国連憲章に沿って平和を固めていく力になるだろうと思っております。そういう点で私は、国連憲章に基づくイラク問題の解決ということがまずできなくて、査察の中止、開戦に至ったということを考えながら、幾つか質問させていただきます。
 まず最初に、事務的に確認しておきたいんですけれども、国連安保理事会で査察に関連して、一四四一号決議以降新しい決議は行われていないと私は思いますが、そうでよろしいでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 そのような決議はございません。
○吉岡吉典君 それを踏まえて質問させていただきます。
 アナン国連事務総長は、二十日に発表した対イラクの開戦に関する声明の中で、平和的解決の可能性もあったことを改めて指摘して、次のように述べております。私たちがもう少し長く辛抱していればイラクを平和的に武装解除できるだろうし、そうでなくても、世界はこの問題を集団的決定で解決する行動を取り、その行動により大きな正当性を与え、今の事態よりもより広い支持を得ていたであろうと、こう言っております。イラクの侵攻は合法性を欠き、国際的支持もないという見方も併せて示しております。
 要するに、国際社会がもう少し辛抱して査察を継続すれば平和的に武装解除する可能性もあったと。また、その可能性がない場合には武力による解決を図らなければならなかったであろうことも予想しつつ、それも、今と違って国際的な支持の下に行うことができたではないかというふうに言っているわけであります。私は、筋の通った説得力のある声明だと、そう思って読みましたけれども、外務省はどのようにお考えですか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 ただいま委員御指摘の二十日のアナン事務総長の発言でございますが、ただいま御引用がありましたけれども、アナン事務総長は、多分もう少し長く耐えたならばイラクは平和的に武装解除されることもできたであろう、そうでない場合にも、世界は集団的な決定により今よりも大きな正当性を持って、したがって、より広範な支援を得てこの問題を解決するための行動を取ることができたかもしれないと、こういうふうに述べたと承知をしておりますが、アナン事務総長は今回の武力行使の正当性を否定したというふうには考えておりません。
○吉岡吉典君 私がお伺いしたかったのは、どちらの道を取るにしろ、もう少し辛抱して査察を継続する方が賢明であったというのがアナン事務総長の言っていることだと思います。そうでなく早く打ち切るべきであったという、今の時点でもお考えですか。
○政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりに、安保理のメンバーの中におきましてもその点について意見は分かれていたということはそのとおりであろうと思っております。
 日本としましては、累次、総理、外務大臣よりお答えしているとおり、今回の米英の判断というものは、これは正しいものとしてこれを支持したということでございます。
○吉岡吉典君 この武力行使に踏み切る国連の安保理事会の決議なしに武力行使を行う問題については、世界的な大きな反対の声が広がりました。それは世界じゅうへ広がったし、アメリカ国内でも強い声がありました。例えばカーター元大統領も、いろいろな論文を次々発表しておりますが、その中では、こういうことに踏み切れば、それは文明国の歴史の中でほとんど例のない誤った行為と言わざるを得ないという批判を行っております。
 カーター元大統領だけでなく、私が注目して読みましたのは、現ブッシュ大統領の父であるブッシュ元大統領、アメリカの新聞ではパパ・ブッシュと書いておりますけれども、このパパ・ブッシュもまた二月二十六日、アメリカのタフツ大学の講演で、国際社会の協調なしのイラク侵攻に反対し、アメリカの単独侵攻に反対する人々の意見には道理があると、こういうふうに言っております。
 そういう声をも無視して、なぜあの時点で査察を中断に追い込み、武力行使に踏み切らざるを得なかった、そういう新たな、何か緊急な、一刻もほっておけないような平和への脅威があったというふうにお考えかどうか、お伺いします。
○国務大臣(川口順子君) これについて国際社会でいろいろな意見があるということは承知をしていますけれども、この、問題は大量破壊兵器を廃棄することができるかどうかと、そういうことであったわけですね。それで、ブリクス委員長も言っていますように、このまま査察を続けていって、イラクが、それが数か月でできるかもしれないけれども、その条件が二つある。一つはイラクがプロアクティブに協力をするということ、それからもう一つは圧力が掛かっている状況、強い圧力が掛かっている状況。それで、現実に何が起こっていたかというと、二十数万のアメリカの軍が周りに張り付いていて、それでもなおのこと、イラクは小出しにしかやってこなかった、前向きに、全面的な協力はしなかったということであるわけですね。
 意見の違いというのは、この現状をどういうふうに認識をするかということであったかと思いますけれども、我が国としても、これは、総理特使を送って、そして二時間、副首相と話をしました、私も大使と話をしました。それから、そのブリクス委員長の報告もありました。ほとんどのことについて、今、二十九のその項目がありますけれども、イラクは答えてこないというのが状況で、イラクがプロアクティブに協力をしているというふうには考えられない。それから、圧力を数か月このまま張り付けておくということも、現実的には、現実的ではありません。
 そういう状況の下で振り返ると、一四四一はイラクに対して最後の機会を与えた。これはイラクに対して今までの違反を是正する機会を与えたわけですね。それで、その是正する機会を与えられてもなおかつイラクは協力をしなかった。そういう事態があるというのが私どもの認識であります。
 したがって、武力の行使というのはやむを得ない選択肢であったというふうに考えております。
○吉岡吉典君 意見の相違があったことは事実ですが、その意見の相違は、圧倒的多数は査察の継続を主張していたと私は理解しております。
 そしてまた、イラクがこの時点で全面的な協力に応じていなかったということも事実であります。しかし、その事実が何らか、一日も、一刻も早く新たな措置を取らなければ、何らかの重大な危険をもたらすというようなせっぱ詰まった問題があったわけでもなかったと私は思います。
 そういうときに国連として取るべきことは、あくまで国連の安保理事会の決定に基づいてそれにどう対処するかということであります。もし、その時点で国連安保理事会が決めることができなかった。決めることができなかったということは決めることが無理であったということです。
 私は、国連憲章について外務省でも勉強させていただいたし、いろいろな学者さんにも聞きましたけれども、安保理事会の決定によってということは無理をしないということでもあるんだということも教わってまいりました。そういう点からいうと、私はアナン事務総長がもう少しの辛抱と言っていることの持つ意味は非常に重要だったと思います。
 そして、更にお伺いしたいと思うのは、一体、安保理事会の決定で行われているUNMOVICのイラクに対する査察を、ある特定の国が最後通告を行って、事実上それを中断に追い込むと、そういうことが国連憲章上できるかどうかと。これは国連憲章の重要な問題でもあると思いますけれども、どう考えますか。
○国務大臣(川口順子君) 後段の方の質問については条約局長か、あるいは総政局長からお答えをしますけれども、最初におっしゃられた一日でも、あるいは二、三日でも続けていたら、査察を続けていたら、大量破壊兵器の廃棄ができただろうかと、これが問題だと思うんですね。フランスは百二十日、あるいはその後もうちょっと縮めましたけれども、そのときに、フランスが言わなかったことというのは、それだけ延ばせば可能になりますというせりふは一言もなかったわけです。
 それから、私はフランスに対して、じゃ、米軍に代わってフランスは軍を配置、並べて圧力を掛けますかということを聞いたら、それもほかの国はだれもやらない。
 そういう状況の下で、一日延ばせば、あるいは十日延ばせばサダム・フセインの態度が変わったかということを考えると、我々がそのサダム・フセインについて直接話、イラクと直接話をして得た印象はそうではないということで、平和的に解決できなかったのは残念ですけれども、そういう判断は私は正しい判断であったというふうに思います。
 それで、後段についてはお話をさせていただきます。
○政府参考人(林景一君) この一四四一の履行のための査察が行われておったわけでございますけれども、これについてどういう手続で中断するかといった規定がないこと、特にあるわけではございませんけれども、この先ほど大臣からも御答弁ございましたとおり、そもそもこの今の状況におきましてこの武装解除を確保するために、これはその決議によって求められておるわけでございますけれども、そのための正当な武力行使が行われるということが前提でございまして、そういう正当な武力行使が行われるに当たって、事実上、これはアナン事務総長が危険を回避するために要員を退避、退去させた結果として事実上中断という結果が発生したということでございまして、そういう意味においては、実態の問題としてそれはやむを得ないことであったというふうに考えるべきものだろうと思っております。
○吉岡吉典君 最後の通告が行われてどのような事態が起こるか分からない事態で、アナン国連事務総長がそういう措置を取ったことはやむを得なかったと私も思います。
 しかし、そういうところへ追い込んだということは、私は、国連安保理事会で決定した査察を英米などが、米英などがそれを中断に追い込むということは、これは国連憲章上許されない行為であり、それは国連よりも自国を上に置くとんでもない出来事だと思います。
 そして、その後、武力行使に踏み切ったわけですが、私は六七八のことを詳しくここでお聞きしません、時間ももうありませんからね。ただ、ここでお伺いしておきたいのは、あの武力行使はもう国連憲章上、いかなる非もない完璧な、完全に正しい、合法性を持った立派なものだったというふうにお考えなのかどうかということ、及び今行われている武力行使というのは、法律上、国際、国連憲章上はどのような性格を持つ行動だとお考えになっているか、この点だけお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(林景一君) 御質問は、決議六七八についてその採択の手続に問題があったかどうかという、その手続論でございましょうか。
 当時……
○吉岡吉典君 いや、今の時期に六七八で行われているその今の武力行使は、六七八の正当性じゃなくて、今の武力行動は国連憲章上、もう完璧なものであっていかなる論議の余地もないものだとお考えかどうか、結論だけで結構です。
○政府参考人(林景一君) 完璧というところがどうお答えしていいのか難しいところでございますけれども、確かに根拠にはならないのだという主張があるということは承知しておりますけれども、私どもの見解といたしましては、これは米英等も同様でございますけれども、一四四一の成立経緯、あるいは一四四一の規定ぶり、前文、前文で六七八、六八七を引用していること、それから、その主文におきまして重大な違反という事実を認定、決定していること等を併せ読みまして、これは十分合法性について説明し得るものだというふうに考えております。
○吉岡吉典君 小泉首相は、アメリカもイギリスも同じ解釈だということを盛んに強調されております。アメリカとイギリスの解釈と日本のその説明とが、どっちが先輩であったか、私はよくそこまで調べておりませんけれども。
 いずれにしましても、アメリカとイギリスは武力行使をやった当事者なんですね。当事者ですから、自衛かそれとも国連に何らかの根拠を求めなければ、自分自身で違法行為をやっていますということになるわけですから、そういう理屈、当事者は思い付くかもしれません。しかし、日本は当事者でもありませんし、それを客観的に見る目を持っていただきたいものだと私は思います。
 そして、世界じゅうが、もっと査察を継続しろ、武力行使には反対だと、世論だけでなく多くの国がそう言っている状況の下で、六七八を持ち出して、これが正当なものだというふうに言う根拠には私はならないと思います。
 しかし、これは意見が分かれるところですからあれですけれども、もう一つの、さっき言いました、その行動の性格、これはどういうものなのか。ある説明ではこういうことがありました。国連安保理決議に基づくところの強制措置だという説明がありましたけれども、そういう見解ですか、今、米英が行っている行動は。
○政府参考人(西田恒夫君) 今言及されております六七八、六八七等、関連の決議は、これは皆いわゆる憲章の第七章の関係を踏まえて作られておる決議でございますので、そういう意味におきましては、今回の武力行使は正にそのような強制措置の意味での安保理決議に従った合法なものというふうに私たちは理解をしているところでございます。
○吉岡吉典君 私は、そこまでおっしゃると、その意見というのは、もう世界の中で全く特殊な、だれも相手にしない意見になってしまうと思います。そういうことは、僕は、日本外交にとっても余り、余りどころじゃない、非常に誤った結論だと思います。
 小泉総理は、日米同盟、日米同盟ということを繰り返し一方では強調しておられます。私は、日米同盟とおっしゃることに関連して、同盟とは何かということをこの委員会でも問題にしたことがあります。
 かつて、ベトナム戦争の最中には、日米は安保条約があるから中立的立場は取れないんだということが言われたこともあります。また、防衛庁の幹部の一人は、同盟を結ぶということは生死をともにすることだとお書きになっている人もありました。
 私、そこで考えてみるのに、日米安保条約があるから日米は同盟関係にあるんだというなら、中立に立てないとかどうとかいうことでなく、少なくとも条約を結んでいるとすれば、その条約の枠内での協力ということは当然条約上の義務になると思いますけれども、それ以上の義務が出てくるというふうになるとは思えません。それを、同盟だからということで無理をして米英に、私は、同調して、世界からも批判されるような見解を出しているのが現状で、それは日本を誤らせると思います。
 日米安保条約に基づく協力ということを仮に言うならば、第一条はこれは、国際連合の目的の、平和的に解決する努力をやるということを、日米安保条約は第一条で長々と取り上げているわけですね。「国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、」云々というふうに書いているわけですね。
 西村熊雄さんのお書きになっている本によると、アメリカが結んでいる同盟条約でこういう安保条約第一条のような取決めがあるのは日本だけだと書いておられます。せっかく第一条で国連憲章に基づいて平和的解決の努力を結ぶと言っているんだったら、私は、アメリカが、国連安保理決議もなしに、中断させて武力介入に踏み切ろうとするときに、安保条約第一条の精神に沿って、国連憲章の真っ当な解決方法とはそれを違うということを言うことこそ、日本の責任ではなかったか。そういう態度を取らないことは日本の将来を誤らせる重大な失敗であったというふうに思います。
 結論的に、私の言いたいことにどうお考えになるかお聞かせいただいて、終わりにします。
○国務大臣(川口順子君) 私は、日米同盟関係というのは日米安保条約の権利義務の関係で考えるだけではないと思っています。
 日米安保条約というのは、我が国の外交のずっと基軸でありますから、それはもちろん、日本としては、アメリカに対しての、負っている義務に対しては当然そういうことをやるであろうという全幅の信頼は置いていますし、これは相互にそういうことであると思います。それで、同時に、同盟関係というのは、私は、いろいろな考え方をともにする国であるからこそ同盟であり得るというふうに思っています。
 それで、今回の話についても、小泉総理は、日米安保条約がある同盟関係だからアメリカを支持するというふうにおっしゃっているということでは必ずしもないと思います。同盟関係の基礎にある、ということは同盟関係そのものと言ってもいいかもしれませんが、相互の強い信頼関係あるいは物の考え方の共通性、大量破壊兵器が問題であるということについてもそういう意味では共通であるわけですけれども、そういう意味で日米同盟関係は非常に大事な関係であるということだと思いますし、同時に、同盟関係というのは、お互いに信頼関係を築き続けるように、お互いに努力をしていく関係でもある、相互に、お互いに相手を必要としているときには助け合うという要素も含んでいると思います。
 いずれにしても、安保条約があるからここでアメリカを支持するということではない。そういう単純なことを小泉総理がおっしゃったわけではなくて、もうちょっと幅広く考えていらっしゃると思います。
○吉岡吉典君 結論、一言だけ。
○委員長(松村龍二君) もう時間が過ぎております。
○吉岡吉典君 じゃ、いいです。
○田村秀昭君 防衛庁長官が四時ちょっと過ぎにお帰りになるので、長官にお尋ねしますけれども、この対イラク戦の、今、英米が攻撃をしておりますが、どの程度の期間を見積もっているのか。当初、一か月ぐらいというふうにも考えられていたんですが、長官はどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(石破茂君) これは、二十日の日にブッシュ大統領が開戦の演説をいたしました。そのときに、戦いは長引くかもしれないということを発言しておられました。
 私は、非常に早く終わるというようなことをマスコミ等を中心に喧伝をされておりますが、決して合衆国自体も早く終わるというようなことは言っていなかったと思います。これからどういうような戦況の変化があるか分かりません。
 ただ、報道等々で知ります限り、トルコが使えないということ、あるいは民間人を盾に使うというような、本来ジュネーブ条約、イラクはその第一次条約に入っていませんから適用がないと言っちゃえばそれまでなんですが、民間人を盾に使うというようなこと、あるいは生物兵器、化学兵器を使うかもしれないというようなこと、あるいは、真偽のほどは定かではありませんが、本当に他国から最新鋭の予想されていないような兵器が入った、そういうようなこと等々を考えました場合に、決してあっさりと短期間で終わるというような楽観的な見通しは、合衆国も持っておらないと思いますし、私自身も決して持っておるわけではございません。早く終わってもらいたいと思う気持ちと、そうはいってもということ、両方思っておるわけでございます。
○田村秀昭君 長官に別の件でお尋ねいたしますが、今、防衛庁の調達は一般競争原理を挙げておられますけれども、戦車だとか船だとか軍艦だとか飛行機、戦闘機というのは、相手の国よりもいいものを造らなきゃいけないので、そんな一般競争原理を表に立ててやれるような問題ではないと私は思っておりますので、その点、どういうふうにお考えになっているのか。
 それから、一般公務員と同じような基準で自衛隊員の倫理規程を決められて、準じさせておられるけれども、平時に役立つ人間は有事には余り役立たないというのが多いので、こういう倫理規程もちょっとおかしいんじゃないか。有事のときに役立つような人間を育てていないんではないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 前段の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 このことは委員が一番よく御案内のことでございますし、委員の御所見も私も何度か拝読をさせていただき、今後とも理解をするように努めたいと思っております。
 その上でお答えを申し上げるといたしますならば、確かに一般競争契約というものの比率が増えてはおります。件数ベースで申し上げれば、九年度が二八%であったものが十三年度は六一%ということになっております。ただ、これを金額ベースで見ました場合には、九年度が三・七%、十三年度が七・九%ということでありまして、確かに倍にはなっておりますが、正しく戦車でありますとか、そのようなものはどの企業でも造れるというものでもございません。ライセンス生産である場合には、元々の企業との契約というものが必要でございますし、これはどこもそういう契約ができるというわけでもございません。
 私は、実際に件数的には一般競争契約というのは増えておりますが、防衛調達の性質上、金額ベースでそういうものはこれから先も増えていくだろうかといえば、性質上、それはかなり難しいことなんだろうというふうに思っております。
 要は、一般契約というものを、競争契約というものを進めました場合に、防衛産業の寡占化というものがどれぐらい進んでいくかということなんだろうと思っております。寡占化がどんどん進んでいった場合には、それは決して好ましいことだとは思っておりません。ただ、例えば戦車ということであれば、これは三菱重工業、ほかにどこかができるかといえば、それはなかなか難しいことなんだろうと思っております。
 いずれにいたしましても、防衛産業の在り方というものは、防衛力、抑止力のかなり大きな部分を占めるものだというふうに私は思っておりまして、就任以来、防衛産業の言ってみれば本音というものを聞いてみなければいけないだろうと思っております。
 基本的にユーザーが防衛庁・自衛隊だけでございます。そうしましたときに、私どものように武器輸出三原則というものを持っておる、そういう国の防衛産業の在り方というのはどういうものなのか。だれもボランティアでやっておるわけではございませんので、本当に防衛産業の在り方というものを真剣に考えていかないといけないのだろうというふうに強く認識をしておるところでございます。
 それから、後段の御質問でございますが、私は、正しく委員と同じ考えだと自分では思っております。
 要は、自衛隊法によりまして服務というものは決められておる。そして、その中の根幹は、事に臨んでは身の危険を顧みずというところが一番大事なんだろうと。身をもって、そして国民の負託にこたえるという部分がございます、正確ではないかもしれませんが。要は、そういう方々に対して国家としてどのようにこたえていくかということは、私は非常に大事なことなんだと思っております。先般の防衛大学の卒業式におきましても、小泉総理大臣からそのような御発言がございましたし、私もそのように申しました。
 それは何も軍国主義とかそういうお話ではなくて、本当にいざというときに身の危険を顧みない方々に対して、国家が、国民が正当な尊敬の念を払うというのが私は健全な国家の在り方だろうというふうに思っております。
 その上で、危機に強い指揮官をどうやって育てていくかというお話であります。危機に強い指揮官というもの、確かに長い間、自衛隊・防衛庁というのは平和の中におりました。ただ、これはもう委員一番御案内のことかと思いますが、本当に安逸の中で惰眠をむさぼったわけではないと思っております。その間も、航空自衛隊も陸上自衛隊も海上自衛隊も、本当にぴりぴりとした緊張感の中でやっておった。それが日米安保と相まって私は戦後の平和を構築してきたのだろうと思っております。さらに、諸情勢の変化に従ってそれを更にきちんとしたものにしていくためにどうすればよいかということは、私も日々心掛けております。
 現場を御存じの田村委員の御指導を今後ともお願いするゆえんでございます。
○田村秀昭君 大変よく防衛庁長官は勉強されて、すばらしい長官だと私は思います。
 時間ですので、次の質問にします。
○大田昌秀君 外務省のODA予算についてお尋ねします。
 現在、参議院では、平成十年度決算と平成十五年度予算案の審議が並行して行われています。そこで伺いますが、去る二月に会計検査院は平成十三年度決算検査報告の概要を発表していますが、外務大臣、お読みになりましたでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 全部を読んだというわけではございませんが、外務省に関係して問題が何があるかという程度のことの把握をいたしました。
○大田昌秀君 同報告で外務省関係ではどのような点が指摘されておりますか。主な点で結構でございますので、その内容について御説明ください。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 大きく五件ございまして、無償資金協力が三件、それから文化無償が一件、有償資金協力一件、こういうことでございます。
 無償資金協力におきましては、フィリピンの民生用の水供給計画について実施状況が不明であるという御指摘でございます。それから、モザンビークの漁船修理施設の関連で稼働状況が悪いという御指摘でございます。それから、食糧増産援助に関連しまして、様々な手続の遅れ等によりまして農薬等の一部が未売却のまま、保管されたままになっているという御指摘もございました。文化無償でございますと、エチオピアの国立劇場に対する音響照明機の機材供与でございますが、エチオピアとエリトリアの間の紛争勃発によりまして機材が止まったままになっているという御指摘でございます。それから、メキシコの大気汚染対策計画でございますが、メキシコの環境政策が変更された結果、所期の脱硫装置が必ずしも必要でなかったんではないか、こういうような御指摘で、合計五件、いただいております。
○大田昌秀君 それらの問題点の改善策というのは、本年度の予算案に生かされておりますか。
○政府参考人(古田肇君) 一つ一ついろいろな国ごと、案件ごとによって事情がございますが、もう少しフォローをしっかりやるべきであったという案件もございますし、もう少し事前調査について丁寧にやった方がよかったんではないか、あるいは先方の政府との意思疎通をもっと図った方がよかったんではないかとか、そういう運用面に当たる面もございますが、いずれにしましても、今回の予算編成に当たりまして、こういった指摘を十分踏まえて検討させていただいた次第でございます。
○大田昌秀君 ODAに基づく援助事業の計画、実施についてはいろいろな御批判がありますけれども、ODAはどういう手順で計画され、具体的に実施される過程について、簡潔に御説明ください。
○政府参考人(古田肇君) 政策全般という意味で申し上げますと、まずODA大綱がございまして、それからその下に中期計画がございまして、その下に国別の援助計画、それから分野別の援助計画というのがございまして、そういったものがまずODAを進める上での大きな枠組みになっておるわけでございます。
 その枠組みの中で、毎年、予算を踏まえながら各国とそれぞれのニーズについて政策協議を行い、そういう中で熟しているプロジェクト、適切なプロジェクトを順次選んでいくと、こういうことでございます。
 個別具体的なプロジェクトを選んでいく過程では、もちろんプロジェクトを形成するための調査でありますとか専門家の派遣でありますとか、そういった手順を踏んで十分精査をして優良な案件を選んでいくということでございます。そして、案件形成について先方と合意ができますれば交換公文を交わし、円借款でありますればローンアグリーメントを交わしていくということになるわけでございます。
○大田昌秀君 外務大臣の諮問機関である総合戦略会議の答申においては、従来のODAの要請主義等を反省するという方向のようでございますが、ODA大綱を大幅に見直してODA基本法みたいなものを作るお考えはございませんか。
○国務大臣(川口順子君) ODAの大綱については今、見直しを始めたばかりでございまして、各省と御相談をしながら、今年の夏ぐらいを目途に解決を、終わらせたいと思っています。それで、例えば要請主義とか今までのやり方について見直すということを考えておりまして、この見直しの基本方針については、ついこの前、対外経済協力関係閣僚会議において了承を、決定をしております。
 それで、基本法ですけれども、基本法については今までいろいろ御議論をいただいていて、ODAの透明性を増すとか、いろいろな観点から国会の場でも御質問をいただいているわけですけれども、私どもが考えておりますのは、ODAというのは、やはり相手国の、二国間の関係を含む総合的な外交政策についての外交的な判断が必要であるというふうに思っておりまして、それから、ODAというのはやはり機動的に柔軟に対応をしないといけないという性格でもございます。そういう観点から、基本法の策定については慎重であるべきだと考えております。
○大田昌秀君 これは外務省でも防衛庁でも結構でございますが、思いやり予算とは何ですか。定義を教えていただけますか。一般に思いやり予算と普通言われるわけですが、これはどういうふうに定義なさいますか。
○国務大臣(石破茂君) 思いやり予算という言葉は、これが正式な言葉ではございません。そういう言葉がいいのかどうかという議論はございますが、要はホスト・ネーション・サポートを中心にするものだというふうに私は理解をいたしております。
○大田昌秀君 ホスト・ネーション・サポートというのは一般的に駐留経費という言い方をされるわけですね。
 日米安保条約に基づく地位協定二十四条一項には、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は日本国に負担をかけないで合衆国が負担すると規定し、例外として、施設及び区域は日本が無償で提供するとの基本原則を決めておりますが、一般的に、思いやり予算とは地位協定で米側負担と決まっている費用を日本側が負担している分を言うと私は考えるわけですが、間違いですか。
○国務大臣(石破茂君) 失礼しました。
 さればこそ、思いやりというふうな表現が使われておるのだと思います。
○大田昌秀君 平成十五年度予算案の駐留経費に占める思いやり予算の比率は大体どれくらいになりますか。あらましで結構ですから。──結構です。約四〇%くらい占めると聞いておりますが。
 防衛庁にお伺いします。
 平成十五年度予算のうち、新しい芽出しをした予算費目、それと予算額について御説明ください。
○国務大臣(石破茂君) 個々具体的にはまた後ほど資料を取りそろえまして先生のところに御説明に上がりたいと思いますが、午前中の質疑来、答弁をさしていただいておりますように、特にテロ・ゲリラ対策、サイバー対策、そのような新しい脅威に対応するようなそういう予算が新しく付けられておるというふうに承知をいたしております。
○大田昌秀君 午前の委員会で民主党の広中委員から防衛庁長官に御質問がありましたのと関連してちょっと伺いますが、防衛費ですね、防衛予算というのが国内総生産の一%を超えたことはないという趣旨の御発言がありました。
 平成十五年度予算案を見ますと、内閣官房の予算で情報収集衛星関連経費が六百四十四億円組まれております。この種の予算というのは一般に第二の防衛費とも言われておりますが、防衛庁ではそれを防衛費の中に勘案しておられないでしょうか。もしそれを防衛費の中に入れられるとすれば一%を越すと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) あるいは私の御説明の仕方が悪かったのかもしれませんが、六十二年度、昭和でございますが、六十二年度は対GNP比一・〇〇四、六十三年が一・〇一三、平成元年が一・〇〇六ということになっておりまして、過去、この三年間が一%を超えております。
 一%という意味は、広中委員の御質問にも答弁を申し上げたとおりでありまして、一つの目安としては必要なものだというふうに考えておりますが、じゃ、本当に周りの状況が厳しくなったときに、一%があるんだからこれを超えてはいけないという議論は私としては取り得ないものだというふうに考えております。
 それで、今の御質問の点でございますが、この部分は防衛費に含めておりません。今度、政府が打ち上げます情報収集衛星は、これは偵察衛星という言い方をしておりません。専ら安全保障の目的のために使われるものではなくて、多目的衛星とも言われますが、多くのニーズにこたえるものでございます。したがいまして、これを防衛予算の中にカウントし、それを加えたら一%を超えるではないかという御議論には、大変恐縮でございますが、私としては賛成し得ないところでございます。
○大田昌秀君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 以上をもちまして、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 この法案は、基本的に我が党も賛成でございますので、幾つか具体的なことを聞いてまいりますので、簡潔にお答えを願いたいというふうに思います。
 平成十五年度の予算の柱の一つが外務省改革であるということ、そして、この法案もその一連の外務省改革との絡みで位置付けるべきだというふうに考えますけれども、質問に入ります前に、その外務省改革の一端として、昨日、新聞に載りましたことについて大臣にお伺いしたいんですけれども、西村六善氏が昨日付けでメキシコ兼ベリーズ大使に任命をされたという報道がございましたが、それに相違ございませんね。
○国務大臣(川口順子君) そういうことでございます。
○榛葉賀津也君 どこかで聞いた名前だなと思っていたんですけれども、西村さんは平成十四年四月二十三日に更迭をされているということでございますね。当時の、いわゆる国後島緊急避難所兼宿泊施設、通称ムネオハウスに関与し、鈴木宗男被告ともつながりがあったということでOECD日本政府代表部大使から更迭をされた方でございます。
 このように、いわゆる不祥事ということで更迭をされた方が今回、一年もたたないうちにまた大使に任命をされるということは、今まで続けてきた外務省改革、そして、大臣が日ごろおっしゃる改革をしていかなければならないというメッセージ、加えて、変わる会や変える会の今日までの歩みを見ますと、国民に、一体、外務省改革は進んでいるのかと、外務省は改革する気はあるのかという思いが出てくると思うんですけれども、この任命に関する経緯、若しくはどういったルールでこの任命がされたのか、御説明していただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) そのときに処分をしたということは事実です。その処分は、OECDの大使をしていたときの仕事に係ることではなくて、その前の欧州局長、欧亜局長ですか、のときの関係で処分をしたということでございます。
 それで、西村大使はスペイン語の人間でして、メキシコの大使というのはスペイン語ということですから、そういう意味でふさわしいというふうに考えたということでございます。
 処分との関係では、それなりの時間もたっておりますし、適材適所という観点から、ほかの人間はいなかったというふうに考えておりまして、この大使の任命の経緯というのは官房長から説明をさせますけれども、官邸なりとか幾つかのステップを踏んで、日本政府といいますか、私として決定をしたということでございます。
○榛葉賀津也君 鈴木宗男被告が依然、裁判の真っ最中であるということ、そして、時間がたったとおっしゃいますけれども、まだ一年たっていない。そして、この鈴木宗男事件、ムネオハウスの問題というのがまだ国民の感情として生々しくやはり残っている問題でございます。
 西村さんが語学に堪能であるという点、そして、適任者が彼以外にいらっしゃらなかった点ということもあろうかと思いますけれども、やはり今、外務省が一番取り組まなければならないのは、正に大臣が午前中お話しになりましたように、外務省改革ということが大きな国民から注目を受けている点でございます。私自身、個人的には、この任命に一連の経緯を考えると少し納得をできないという思いが正直なところでございます。
 それでは、本題の質問に入らせていただきたいというふうに思います。
 外交官のモラルの問題ということが大きくあると思うんですけれども、私は、今の話ではないですけれども、外交官同様に政治家がしっかりとモラルを考えていかなければならない、私たち政治家一人一人もこの問題に自戒をしていかなければならないというふうに考えております。
 とりわけ、海外に行きまして、在外公館の外交官の方々に様々な便宜供与を我々も頼むことがあるわけですけれども、外交官の方々は本来の業務ができなくなるほど不適切な便宜供与があるというような話も先輩から聞いたことがございます。
 こういった点で、実際にどのような不適切な便宜供与が過去においてあったのか、若しくは、そういったものをなくしていくようなシステム作りをどういうふうに考えていらっしゃるのかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北島信一君) 国会議員の先生方が外国を訪問される際の便宜供与でございますけれども、外務省としましては、基本的に、国会議員に対する便宜供与については公私の峻別をきちっとするということで、公務を目的とした外国訪問に対しては便宜供与を行う、他方、私的用務を目的とした訪問に対しては便宜供与を行わないという原則の下、対応しております。
 具体的には、特に昨年の九月から、便宜供与を依頼される国会議員の先生方に対しまして、事前に私どもの考え方、国会議員の外国訪問に対する便宜供与についての考え方を示した説明文書を示しまして、その上で公私の峻別を旨とする便宜供与の原則を説明して認識の共有に努めているということでございます。
 外務省としましては、今後とも、このような原則を維持しまして適切な便宜供与に努めていきたいというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 現実にこの問題、しっかり考えていかなければいけないと思うんですけれども、やはり議員からいろんなものを頼まれれば、現場では、いやそれは便宜供与できませんというようなことはなかなか言いにくいんだろうと思います。だからこそ、我々政治家自身がしっかりとモラルを持ってこの問題に取り組んでいかなければいけないということを指摘しておきたいと思います。
 次に、住居手当の件についてお伺いをしたいと思いますけれども、住居手当の自己負担分、これは平均二万四千円という額なんですけれども、これは民間と比べてどうなんでしょうか、適切なんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) 事実関係ということでお答えさせていただきたいと思います。
 二万四千円程度の自己負担額の問題でございますけれども、そもそも在外職員の住居につきましては、日本国内に比べて治安が悪く、そういう場合の多い外国において、安全面に問題がなく在外職員が公務に関するお客を招くことができ、さらに、緊急時には公館に駆け付けられるような場所にある物件である必要があるというふうに考えておりまして、住居手当の限度額については、在外職員がこのような条件を満たす物件をそれぞれの職務と責任に応じて選択できるようにまず設定されているわけです。
 他方、在勤諸手当、これは住居手当を含むわけですが、これまでも必要に応じて見直しを行ってきたところですけれども、今般、現下の我が国の厳しい経済財政事情等を踏まえて、国内に勤務する公務員が公務員宿舎を利用するに当たり宿舎使用料を支払っていることとの均衡等を勘案しまして、家賃の額が住居手当限度額以下であっても在外職員が家賃の一部を自己負担する制度を導入したということでございます。
 その際に、二万四千円という金額でございますけれども、これは国内で外務省職員が公務員宿舎の使用料として負担している額の平均に当たる額であるということで、要するに、国内勤務との均衡の観点からこの水準を設定したということでございます。
○榛葉賀津也君 次に、住居手当に関する配偶者の扱いについてお伺いしたいんですけれども、これ、単身の場合は限度額の八〇%が限度額ということですね。そして、配偶者が一緒ですと限度額の一〇〇%、限度額がそのまま出るということでございます。館長代理なんかもできる偉い職員の方は限度額の一一〇%が限度額ということですけれども、単身の方が八〇%で配偶者の方が一〇〇%、個人と結婚しているということで、様々な人生があっていいと思うんですけれども、それによって八〇%、一〇〇%、変わるというのはどのようなあれなんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) これも具体的な事実関係でございますので、私からお答えさせていただきたいと思います。
 元来、外交活動の中での交際ですけれども、配偶者同伴が通例であります。外交活動の場としての住居に係る住居手当の限度額についても、その性質上、配偶者同伴という前提でそもそも設定されております。他方、配偶者を同伴していない在外職員の住居につきましては、一般的には、配偶者同伴の職員よりは延べ床面積等の点から考えてもより低額な家賃額になるもの、そういうふうに考えましたので、配偶者同伴の住居手当限度額との間には二割の差を設けているということでございます。
 もう一点、委員からの御指摘のありました在外公館長の事務代理をすべき者ということでございますけれども、これは、御指摘のとおり限度額が一割増しとなっております。これは、こうした職員は職務上、館長を代理して外交工作、情報収集、人脈形成等において特別の役割を果たす場合が多いということで、住居の選定について一般の職員よりも一定の配慮を行っているということでございます。
○榛葉賀津也君 御丁寧な答弁ありがとうございます。
 ただ、この住居手当にはただし書がございまして、ただし、在外職員が平成十五年三月三十一日現在で現に居住する住居に引き続き居住するなどの場合においては居住手当の金額は法改正後も従前の例によるということなんですけれども、これは、限度額内であれば、この三月三十一日前に住んでいれば二万四千円の自己負担はしなくてもいいということですか。
○政府参考人(北島信一君) さようでございます。
 要するに、今度、住居手当の制度を変えることとしたわけでございますけれども、同時に経過措置について考えたいということでございます。平成十五年の三月三十一日現在、在勤している在外職員については、経過措置として、原則として同一の住宅に居住する間に限っては自己負担を伴う新しい制度を適用しないということでございます。
 これは、理由は、現行制度を前提として住宅を選定した職員は自己負担がないということを前提に現在の住居を選定していることにかんがみまして、自己負担を施行日より適用することは厳し過ぎるのではないかということで、そういう経過措置を取らせていただいたということでございます。
○榛葉賀津也君 私もサラリーマンの経験がありますけれども、民間だったら多分すぐ出せということになると思うんですけれども、この引き続き居住する職員というのは実際どれぐらいいらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) 新しい制度の導入当初においては、住居手当の支給対象となる在外職員約二千九百名のほとんどが経過措置の対象となるということでございますけれども、以降、時間の経過とともに職員の交代によりこの人数は当然減少していくということで、数年後には対象者は皆無となる、経過措置の対象者は皆無となるということでございます。
○榛葉賀津也君 ここに、引き続き住居するなどと、などと書いてあるんですけれども、このなどということは、これ以外にはどういったケースが考えられるんですか。
○政府参考人(北島信一君) 官費借り上げ宿舎の場合の例外措置の規定ということがございます。官費借り上げ宿舎につきましては、また別の扱いを考えております。
○榛葉賀津也君 次に、子女教育手当の最大支給額について質問させていただきますけれども、様々引き下げられる中で実質これだけがアップだというふうに解釈しているんですけれども、この子女の教育手当の支給年齢を引き下げ、六歳から四歳にしまして、幼児教育への需要を考えるということですけれども、これ、これまで月額一万八千円が最大八万一千円までというふうに資料ではなっているんですけれども、最大八万一千円はどういうケースがあるんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) 御指摘のとおり、子女教育手当につきましては適用の年齢を今度下げさせていただいたわけですけれども、そもそも支給額については月額一万八千円を定額支給するということでございますけれども、場所によって授業料等の教育経費が同額つまり一万八千円を上回るような高額な場所に就学する子女については上限六万三千円を限度として加算支給が可能となるようにしているということでございまして、若干の例を申し上げますと、例えばベトナム、ニューヨーク、アルゼンチン、イランなどにおいては日本人学校の授業料等が月額五万円を超過しております。また、在外外国人子女を対象として英語等で授業が行われているアメリカンスクールそれからインターナショナルスクールといった場所の授業料等に至っては月額十五万円を超えることも珍しくないということでございます。
 このように、教育経費が定額を超えている場合に六万三千円を限度として加算支給を行うということにしております。
 なお、年齢の非常に若い幼稚園児の場合、これについては一万八千円のみということでやっております。
○榛葉賀津也君 お子様も連れながら公務に励んでいらっしゃる方々に本当に心から敬意を表したいというふうに思います。
 これらの子女教育手当や館長代理手当というのは、あらかじめ予算を正確に把握するというのはなかなか難しいというふうに思うんですけれども、余った予算というものはプールされることなく当然本庁に返ってくるわけですね。
○政府参考人(北島信一君) 御指摘のとおりでございます。
 予算科目に余剰が生じる場合、これは私どもとして支給額等を細かく見積もっているわけですけれども、実際の執行の場合には、算定時に想定できなかった事情の変更、例えば為替相場の変動とか人事異動にかかわる変化、そういったものが出てくるわけですけれども、当然のことながら、予算科目に余剰が生じた場合、これは全額、国庫に返納するということにしております。
○榛葉賀津也君 次に、チェンマイ総領事館の設置に伴う費用についてお伺いするんですけれども、これ、チェンマイには従来から出張駐在官事務所というものがあるんですけれども、これをそのまま利用するという解釈でよろしいんですね。
○副大臣(矢野哲朗君) 私も現地に行ってまいりましたので、私から答弁をさせていただこうと思いますけれども、御案内のとおり、チェンマイはタイの第二の都市でありまして、正にタイの北部地域の政治、経済、文化の中心である。なおかつ、日本からの進出企業が大変多くに至っている。ですから、その企業のそれぞれの関係者から大変、総領事館の設置に対しての強い要望もいただいた経緯もあります。
 また、御承知のとおり、チェンマイは大変な観光地でありまして、年間約十万人以上の邦人の観光客も訪れるタイ屈指の観光地であります。近年、在留邦人が急増しておりますし、要人の訪問も大変増加傾向にあるということで、今回、総領事館の設置を決定させていただきました。
○榛葉賀津也君 その場合の、ここに物件費として一千九百二十万円が計上されているんですけれども、この使途はハード面で使われるわけですか。
○政府参考人(北島信一君) 今御指摘の物件費でございますけれども、平成十五年度の予算政府案において物件費として計上していますのは、館員のための出張旅費、それから任地、チェンマイに赴任するための旅費、それから事務所、公邸用の備品に係る経費、それから光熱、それから水に係る経費、そういったものを計上しているということでございます。
○榛葉賀津也君 館員が七名のうち新規が三名ということで、新規分の人件費が約一千百八十一万円ということに計上されているんですけれども、これ、ちょっと教えてほしいんですけれども、一人当たりにすると三百九十三万六千円ということになるんですけれども、そういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(北島信一君) 御指摘の金額は、恐らく赴任帰朝の旅費ということだと思います。
 これは、今、駐在官事務所がございます。総領事館になるということで人が増えるわけですけれども、四人の職員の分につきましての旅費を、移転費、航空運賃、そういったものでございますけれども、ワシントンを基準地として、これは通常、私どもそういうふうに計算しているわけですけれども、ワシントンを基準地としてその種の費用を計上しているということでございます。
○委員長(松村龍二君) 時間でございますので、おまとめいただきたいと思います。
○榛葉賀津也君 済みません、時間を間違えました。
 最後に、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、今、現地に、各国に大使館、在外公館があるんですけれども、外務省改革もしくは行動計画の一環で七つの公館を廃止していくというような形なんですけれども、私は、外務省改革というのは、いろんな人的問題やITの問題等で効率化を図ることは極めて重要だと思うんですけれども、在外公館の数というものは基本的に私は減らすものではない、むしろ、我々が平和外交、国連中心の外交主義でやっている以上、少なくとも国連に加盟しているすべての国々には何らかの形で日本を代表する施設があるということが一番望ましいと思うんですけれども、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 私、考え方としてはおっしゃるとおりだと思うんですね。
 我が国がその国を承認をしたらば、できるだけその国に大使館を置きたい。現に、ほかの大国、フランスとかイギリスとかアメリカとかに比べると、日本の在外公館の数というのは非常に少ないです。
 それで、ただ日本としては、やはり国際情勢とか行政需要とか、あるいは財政事情とか、いろいろなことを考えながらやっていかなければいけないという現実もございまして、その中でできるだけ大使館については適切に配置をする、そして機構や定員の面で、あるいは予算の面で努力をしていきたいと考えています。
○榛葉賀津也君 終わります。
○吉岡吉典君 昨年の在外公館の改正案審議の際、私は、在外公館の活動に新しい分野を一項目設けてもらいたいというお願いをしました。
 それは、華信という私企業が、コンゴ民主共和国と契約を結んでいるという触れ込みで日本で出資を募っている。それに対して出資者の中から、これは本当だろうかという疑問が出てきて、何とかそれを調べる方法はないだろうかという要望を受けましたので、在外公館の活動として、外国の私企業まで全部は無理としても、国相手のものというような場合は何か調べる方法はないだろうかと、そういうことを、経済が国際化した時代の在外公館の仕事の一つとして考えてもらいたいということでした。
 これは快く受け入れていただきまして、その後いろいろ調査もしていただき、中間的な報告も受けてきましたけれども、コンゴ民主共和国の政府側から、現在の時点でどういう返事が来ているでしょうか。
○副大臣(矢野哲朗君) 吉岡先生から昨年の三月二十八日の同委員会でこの問題が指摘があったというふうに理解をさせていただいております。当時、私まだこの立場じゃなくて、同じ委員としてこの問題を聞かせていただいたんでありますけれども、やはり大変深刻な問題だというふうなことで聞かせていただきました。
 外務省といたしましてというふうな今度は答弁になるわけでありますけれども、コンゴ民主共和国政府に対して、華信が同国で行っているとされる投資プロジェクトに対して、コンゴ民主主義政府が実際出資しているのか否か照会をさせていただきました。その後、様々な機会をとらえてキンシャサ及び東京において先方政府からの回答を累次督促をさせていただきました。
 その督促でありますけれども、大変多くにわたりまして、在コンゴ大使館から外務国際協力省、先方への、政府への照会十五回等々、都合三十回ぐらいに及んでの督促もさせていただきまして、その結果、今般、先方政府より、コンゴは国家として、コンゴ開発会社の資本について株式は保有をしていません、そして同社の運営にも資金調達にも関与していない、その旨の回答をいただいたわけであります。
○吉岡吉典君 今報告を受けまして、事実関係がはっきりと分かりました。私は、今、副大臣からもお話がありました、三十回にもわたっていろいろ問い合わせていただいたという、外務省と現地の大使館の方のお骨折りに感謝したいと思います。
 しかし、今お聞きした事実というのは、実は投資家から見ますと、だまされていたということが明らかになった大変深刻な事実であって、私はある意味では悲しい心情にならざるを得ないという状況でもあります。
 華信という私企業ですけれども、ここはホームページを見ますと本当にびっくりすることが次々出てまいります。それは、秘密扱いの外交文書をホームページに載せているというようなこと、あるいは、そういうものを紹介しながら、日本の外務省はうそをついており我々の事業はコンゴ政府との間で正式に進めている事業だという、そういう趣旨の主張も載せておりました。しかし、そういうものが今の報告ですべて偽りであったということが明らかになりました。
 この華信の問題については、警視庁の方でも捜査をなさっていたと、千葉県警が全国で二十か所以上の華信関係事務所などの強制捜査を実施したということの報道もありました。それは、詐欺容疑も視野に入れながら当面は出資法違反ということで捜査を進めているという報道でありました。テレビでもこれは取り上げられ、私のところへも、出資金の返還請求をしても返してくれないとの相談が寄せられ、巨額な金額が示された大橋会長名の預かり証も提供されております。
 捜査はどうなっておりますか、警察庁。
○政府参考人(瀬川勝久君) お尋ねの株式会社華信に係る出資法違反容疑事件でございますが、千葉県警察におきましては、本年の一月の二十九日と二月四日の両日にわたりまして、同社の事務所など四十数か所の捜索を行っておりまして、多数の証拠品を押収しております。
 現在、関係者の取調べ、それから押収いたしました証拠品の分析など、事案の全容解明に向けた捜査を推進しているというところでございます。
○吉岡吉典君 私が心配していることをもう一つ付け加えますと、現在、華信について巨額の出資をした人々、あるいは会員として友人、知人から出資を募った人を含めて、出資金の返還要求を掲げている人が多数あります。ところが、華信は、驚くべきことに、返還請求をした人々の一部をホームページにおいて実名を挙げて攻撃しております。それは、会長にこんなに世話になったのに裏切り者だとか、自分だって金を預かって返していないとか、あるいは、狂っていると言われても言い過ぎではないだろうというふうなホームページです。これは本当にひどいことを、よくもこういう形で個人攻撃がやれたものだなと思うものです。
 私は、今日こういう事実が明らかになると、出資金返してくれという動きは強くなる可能性もあると思いますし、そうすると、こういう攻撃というのが一層激しくなることも予想されます。最近、インターネット上でのいろいろなこの種の事件が取り上げられているときでもありますので、こういうことに対して、やはり人権を守る、名誉も守らなくちゃいかぬと思いますので、こういう点について法務省、どのようにお考えいただけるでしょうか。
○政府参考人(吉戒修一君) お答え申し上げます。
 インターネットにつきましては、不特定多数の者に対する情報発信によりまして、今、委員御指摘のとおり、個人のプライバシーに関する情報が非常に無秩序に流れておるというような状況がございます。これは人権擁護機関といたしましても看過できない問題であるというふうに考えております。
 そこで、私どもの方では、こういうふうな被害に遭われた方から人権救済の申出がございましたら人権侵犯事件として調査をいたしますし、また、個々の事案に応じまして、行為者に対しまして啓発をする、それからそういうふうな情報の削除を求めるというふうな処置を講じることとしております。さらに、これに関しましては、いわゆるプロバイダーの団体とも話合いの機会を持つなどしております。
 したがいまして、委員の御指摘の事案につきましては、具体的に被害を受けたというふうな方から私どもの方に人権救済の申出がございましたら、事案の内容に即しまして是非適切に対処いたしたいというふうに考えております。
○吉岡吉典君 恐らく相談が行くだろうと思いますから、その際は親切に対応していただくようにお願いいたします。
 私は、去年もこの問題を取り上げたときにも言いました。私は華信という企業については調査したこともありません、持ち込まれたこと以上には知りません。したがって、個人の企業をあれこれしようということでは、私企業をどうこうしようということでなく、以前にもこの種の問題を持ち込まれたことがありますので、事情を知らない海外との関係において、こういうトラブルが起こったときに在外公館で親身に取り扱っていただきたいということで、これは今回大いに積極的にやっていただいた例ですけれども、今後ともこの種の問題について在外公館の活動でいろいろ便宜を図っていただけるようにお願いしますが、あわせて、今度のこの件で、去年提起したのと違った問題が提起されている問題について、提起せざるを得ません。
 それは、在外公館の仕事についての今の問題と別に、同企業が外国政府要人に執拗に接近して迷惑を掛けているという問題であります。
 例えば、タイ国政府要人に対して勝手に写真などを撮影して親密ぶりの証拠にしようとするなど、相手に迷惑千万な行為をしております。私のところへタイ国要人と共通の友人から相談が持ち込まれております。それによると、タイ国政府要人、相当困っている模様なんですね、執拗に付け回されたり接近されたりして。これは、ほっといて、こういうことが結果で外交問題になるようなことになってもならないとも思いますし、政府としても実態を把握して解決に乗り出すべきだというふうに思います。
 これ、外国政府要人との関係ということでいえば外交上も問題がありますので、外務省、これ大変答えにくいことかもしれませんけれども、こういう事件についてどのように対応していただけるか、一言お伺いします。
○副大臣(矢野哲朗君) 委員御指摘の華信との、華信とタイ国の要人との、何というんですかね、華信がタイの要人に対する、積極的に接近したということですかね、その問題については外務省としても承知しておりまして、当時、外務省としても、外交上支障が生じてはいけないという観点から、直接連絡を取らせていただきながら、もし対応が必要とするならば対応しようというふうなことで、相談もさせていただきました。しかしながら、現在のところ、タイ国からは特段の反応はないということで、外交関係には支障がなかったと理解はさせていただいています。
 いずれにせよ、外務省としましては、日タイ二国間関係の一層の発展の観点から、今後とも注意を払いつつ、必要に応じてしかるべく対処していきたいと考えております。
○吉岡吉典君 こうした疑惑が明らかになって以降、重要な関係者である大橋会長はもう一年にわたって日本から姿を消し、コンゴ、中国、タンザニア、そして現在はタイ国に居所を移動していると聞いております。そして、行く先々から会長の言葉なるものを発して、日本国内の会員に指示を出しているという状況です。
 私が心配するのは、タイ国には、日本で退職した高齢者が第二の人生を始める場にしており、現地では日本人社会が大きくなってきたため、こうした場でまたもや華信が相手政府との関係を口実にしてトラブルが起こるようなことがあってはならないということでございます。
 こういう点については、今、外務省の対応はお伺いいたしましたけれども、警察庁もこういうことをも念頭に置いて今後の捜査をしていただくように要望するものであります。警察庁、一言。
○政府参考人(瀬川勝久君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、本件は千葉県警察におきまして捜査中でございまして、警察といたしましては、事案の全容解明と被疑者の早期検挙を期するべく、迅速かつ適正な捜査に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○吉岡吉典君 もう時間が来ましたからあれですが、私これ決して、さっきも言いましたように、ある私企業をどうこうということで問題にしただけじゃなくて、経済の国際化に伴っていろいろな事件が国境を越えて起こるものだなということを、この数年いろいろ持ち込まれる相談で感じました。
 私、元大蔵委員会におりましたので、そのころ金融をめぐっての国際、国境を越えての事件も何件か持ち込まれましたので、それで日本人の保護の面からも、新しいケースでは、いろんな企業があって、ほっといて知らずにいるうちに外交問題にまでなるようなことも起こりかねないんだなということを感じましたので、そういう問題として取り上げさせていただきましたことを付け加えて、終わりにします。
○田村秀昭君 外務大臣にお尋ねいたします。
 北朝鮮の拉致問題について、大臣の外交防衛委員会における所信の中で、拉致問題については、被害者及び御家族の立場を踏まえ、問題の全面解決のために引き続き全力を尽くしますと言われているんですが、この拉致問題を国家主権の侵害というふうには受け取っておられないんですか。
○国務大臣(川口順子君) これは我が国の領域主権の侵害だと思います。
○田村秀昭君 国家主権が侵害されているというふうに理解されているわけですね。
○国務大臣(川口順子君) 領域主権の侵害、ですから国家主権ですね。
○田村秀昭君 それではイラクの問題についてお尋ねいたしますが、まず、どういう状況になったときにこの戦いは終結するとお考えになっているのか。例えば、サダム・フセインの一族が全部拘束された。あるいは、大量破壊兵器の在り場所も把握したと。何か、どういう状況になったらこの戦いは終えんをすると。もちろん日本が戦っているわけじゃありませんから、こういう状況だというふうには言えないかもしれませんが、アメリカ軍は、アメリカ、米英軍はどういう状況になったら戦いをやめるのか。どういうふうにお考えになっているのか、外務大臣のお考えで結構ですので。
○国務大臣(川口順子君) これは、イラクの武装解除ということを目的にして行ったわけですから、イラクの武装解除がなされる状態になる、そしてその地域の平和と安全が回復をした、そういう状態だと思います。これが具体的に、今戦争が、武力行使が行われていますけれども、具体的な形としてどういうふうになったらということで申し上げるのは非常に難しいかと思います。
○田村秀昭君 そうすると、イラク軍が武装解除したと、全部。そういう状況ですか。
○国務大臣(川口順子君) 武装解除、国連の決議に従って大量破壊兵器をなくすということですね。ですからそれ、そういうことの目的で始めたわけですから、その目的が達成をされ得る状態になったときと、そういうことだと思います。
○田村秀昭君 そうすると、大量破壊兵器を英米軍がどこにあるか見付けて、それを確保したときと、そういう意味ですか。
○国務大臣(川口順子君) 具体的にどういうそれが物理的な状況かということを申し上げるのは難しいと思いますけれども、その武装解除が可能になる、その目的が達成されるとき。ですから、どういう状況で、実際に、例えば全部されていなくても、それが可能となるような状態になったときということで、それが具体的にはどういう形かというのは、今正に武力行使をやっていますので、今後の進展で、どういう形になるかということを予測をして申し上げるということは不可能だと思います。
○田村秀昭君 そうすると、余りよく分からないということですね。まあいいです。
 次に、二十日の日にイラク攻撃があったときに、我が日本国の小泉総理は、この英米軍のイラク攻撃を支持するという表明をされた。これは、言っておられる方は、言っておられる総理はそういう認識をされているかどうかは知りませんけれども、戦後の我が国の政治の中で初めてのことなんですね。今までは、戦争は悪で平和は善と言っているだけの話で、この戦は、まあよく分からないけれどもこの戦はよろしいと言ったのは初めてなんですね。ということを、御本人は、まあ普通の国になったということですね、私から言えば。そういう認識があるかどうかは知りませんよ。
 それで、そのことについて外務大臣にお尋ねしますけれども、イラクから見ると日本は敵であると思いますね、それは。戦争しているんだから。そういう認識は日本の政府はあるんですね。イラクの敵だ、イラクから見たら敵なんだと。だから、イラクがもし力を持っていたらいつでも攻めてくる、そういう状況になってもちっともおかしくないという決意は我が政府はお持ちなのかどうか。
○国務大臣(川口順子君) まず初めに、前提となさった、戦後日本が他国がやった武力行使を支持するのが今回初めてかというと、そうではないと思います。過去に幾つ例があったかというのはちょっと私、今ここで具体的に申し上げることはできませんが、必要なら調べますけれども、少なくとも、例えば九八年の武力行使がイラクに対してなされたとき、このときも日本は支持をいたしております。ですから、そういう意味では初めてではないということをまず申し上げたい。
 それから、支持をしたからこれはイラクにとって日本は敵になったかという御質問ですけれども、支持をした国は四十幾つ、四十ぐらいあると思いますけれども、その支持の具体的な内容ということはこれは様々であって、例えば我が国の場合には、武力行使は自らはいたしませんということを言っているわけですね。いろいろな形、いろいろな国がいろいろな具体的な支持の仕方で連合を作っているわけですから、このことをもってイラクが日本を敵と考えるかどうかということは疑問があると思います。現に、九八年の後、イラクは日本のことを敵と考えていたかというと、そうではないと思います。
○田村秀昭君 そういう、外務大臣のようなお考えだと、戦争をしても敵味方がはっきりしないということと一緒なんで、だれが敵でだれが味方、みんな味方だというのと一緒なんで、支持はするけれども何にもしないというのは同盟国じゃないと私は思うんですが。確かに何もしていないんですよね、支持だけしただけで。そういう国は非常に珍しい国だなと私は思うんですが。支持をしたんなら、そういう意思を持っているんだから、何かしないとおかしいなと思いますよね。
 それで、そういう点も非常に、支持だけして何にもしないというのも非常に私はおかしいと思っているんですが、支持だけして何にもしないということも非常にいいことだというふうにお考えなのかどうなのか、ちょっとお尋ねさせていただきます。
○国務大臣(川口順子君) 支持をして、当然、我が国は憲法の枠内で行動をするということですから武力行使には参加をいたしませんが、周辺国の支援とか難民の支援とか、それから将来、復興、復旧の段階があったときに、我が国としては我が国にふさわしい役割は果たすということは申し上げているわけです。それから、具体的には例えば機雷の除去とか、政府として対応方針を発表いたしましたけれども、そういうことは行う、ただ、武力行使は行わない、そういうことです。
○田村秀昭君 復興支援をおやりになるというふうにも言っておられるんですが、私は、実戦に参加しないで復興支援というのはできないと。結局、それは何を言っているかというと、お金だけ出すということを言っているんではないかと私は思うんですが、そういう御認識はあるのかないのか、ちょっとお尋ねします。
○国務大臣(川口順子君) そういう認識は持っておりません。復興段階ということでは、これは、支持した国もあるいは支持しない国も、国際社会が協調して国連が関与する形で行うことが必要だというふうに我が国は考えております。
 そういった形の中で、日本として、日本は過去、自らが戦後の破壊の中から立ち上がったという経験も持っているわけですから、単にお金だけ出すということではなくて、いろいろな知恵も、それから具体的な支援もできるというふうに考えます。
○田村秀昭君 ちょうど時間ですから、また次の機会に。
○大田昌秀君 外務省にお尋ねします。
 在外公館の廃止、改編の一つに挙げられているスペインの在ラス・パルマス日本総領事館の廃止についてでございますが、ラス・パルマス島は我が国の漁船の漁業基地として大変重要な島であります。総領事館の廃止によって、そこで漁業を営む水産会社や社員らに不自由を掛ける結果となってはならないと思います。
 この島を基地として操業している水産会社と漁船の数及び乗組員はどれくらいいますか。また、総領事館がこれまで果たしてきた業務は今後、どのように支障なくやれるのか、御説明ください。
○政府参考人(北島信一君) 事実関係でございますので、私から説明させていただきます。
 まず、ラス・パルマスを拠点にしている日系企業の数でございますが、これは十三社ございます。それから、漁船は約百三十から百五十隻、乗組員の数は約三千人ということでございます。
 今後でございますが、総領事館廃止に伴いまして、今後、ラス・パルマスには在スペイン大使館の出張駐在官事務所を設置したいというふうに思っています。その上で最低限の、船舶検査それから管海事務といった不可欠な最小限の機能、これを維持していきたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 現在、世界における我が国の在外公館の数と人員について数字を教えてください。また、在外公館の運営に係る予算額について教えてください。
○政府参考人(北島信一君) これも事実関係ですので、私から御説明させていただきます。
 まず、お尋ねの在外公館の数でございますが、平成十四年度末の時点で、予算上の手当てがなされている我が国在外公館、実館と言っていますけれども、この数は、大使館が百十六、総領事館六十六及び政府代表部七の合計百八十九公館でございます。
 さらに、兼館を含む在外公館の数ですが、兼館を含む場合には、大使館が百八十九、総領事館が七十二、政府代表部が八ということで、合計二百六十九公館になります。
 さらに、お尋ねの予算額でございますが、在外公館の運営経費の予算額、これは概要を申し上げますと、平成十四年度外務省予算のうち在外公館の運営に係る経費は約千二百四十一・八億円でございます。具体的には、職員の諸手当、これが約三百四十三・四億円、現地補助員の給与、これが約百五十四・七億円、それから職員の基本給、これが約百五十一・七億円、最後に在外公館等の借料、これが約百四十三・七億円ということでございます。
○大田昌秀君 これも外務省にお尋ねします。
 在日米軍の軍人軍属による事件の数ですね。事件事故の総件数は、過去十年くらいで結構ですが、あるいは五年くらいで結構ですが、教えてください。そのうち、公務中と公務外の内訳はどうなっておりますか。
○政府参考人(海老原紳君) 今、外務省ということでしたけれども、これは統計が施設庁の方なので、施設庁からの方でよろしいでしょうか。
○政府参考人(冨永洋君) 米軍人等によります事件事故の発生件数そのものについては私どもは承知しておりませんけれども、防衛施設庁としまして、地位協定十八条に基づきます損害賠償の事務を実施しておりまして、その損害賠償事務を実施する立場から知り得た件数ということで申し上げますと、昭和二十七年度から平成十三年度までの間におきまして、全国ベースでは約十九万七千件、そのうち公務上が約四万八千件、公務外が約十四万九千件となっております。
 以上でございます。
○大田昌秀君 そのうち、在沖米軍基地について、一九七二年の復帰の時点から昨年の二〇〇二年までに発生した軍人軍属による事件、事故というのの数はどれくらいになっておりますか。そのまた内訳の、公務中と公務外の内訳についても御説明いただけますか。
○政府参考人(冨永洋君) 米軍人軍属によります事件、事故の沖縄県におきます先ほどの立場から知り得た数字でございますけれども、その件数につきましては、昭和四十七年の五月十五日から平成十三年度までの間におきまして約三万九千件、そのうち公務上が約七千件、公務外が約三万二千件ということになっております。
○大田昌秀君 次に、在沖米軍基地における軍人軍属の家族による事件、事故の総数はどうなっていますか。
○政府参考人(冨永洋君) 私どもの方は、軍人軍属の家族による事件、事故の件数につきましては承知いたしておりません。
○大田昌秀君 軍人軍属の公務中の事件、事故に対する被害者への補償措置は法的、制度的にどうなっていますか、教えてください。
○政府参考人(冨永洋君) 米軍人等の公務上の事故につきましては、地位協定第十八条第五項及び民事特別法の規定によりまして、国が被害者からの賠償請求を受けまして、米国政府との協議の上、我が国が賠償金額を決定すると、そして、被害者の同意を得て賠償金の支払を行うということになっておりまして、その後、米国政府から償還が行われるということでございます。
○大田昌秀君 一九五二年から昨年までに、日本側が負担した金額はどれくらいになりますか。そして、そのお金は、費用は予算のどの費目から支出されるんですか。
○政府参考人(冨永洋君) 米軍人等の公務上の事故につきましては、我が国が支払いました金額、これは昭和四十七年度から平成十三年度までの三十年間でございますが、その賠償金の累計額というのは約五十一億三千万でございます。その支出項目につきましては、項、施設運営等関連諸費、目、施設運営等関連補償費でございます。
○大田昌秀君 軍人軍属の公務外の事件、事故に対する被害者への補償措置は法制度的にどうなっていますか。
○政府参考人(冨永洋君) 公務外の事件、事故につきましては、原則として加害者が賠償責任を負うということになっておりまして、当事者間の示談により解決することとなっております。ただ、示談が困難な場合には、地位協定第十八条第六項の規定によりまして、米国政府が補償金額を決定し、被害者の同意を得た上で補償金の支払を行っているということでございます。
 その際、我が国としましては、被害者から補償請求を受けまして、その内容を審査した結果を米国政府に送付しているということでございます。
○大田昌秀君 我が国が負担した額はどれだけになりますか。
○政府参考人(冨永洋君) 公務外の事件、事故につきまして米側が補償金の支払を行いました場合には、日本国政府からの支出はございませんので、負担はありません。
○大田昌秀君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(松村龍二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 広中和歌子君から発言を求められておりますので、これを許します。広中君。
○広中和歌子君 私は、ただいま可決されました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  米国等によるイラクに対する武力行使が開始されるなど、我が国を取り巻く国際環境が大きく変動し、外交を担う外務省の真価が問われている今日、外交実施体制、外務省における危機管理体制の強化は喫緊の課題であり、そのためにも機構改革を含む外務省改革の早期実現が必要不可欠である。また、長引くデフレ不況の下、多くの国民が失業に苦しみ、構造改革の痛みにさらされる中で、外務省においても手当や休暇の見直しにおいて引き続きこうした事実を重く受け止めていく必要がある。これらを踏まえ、政府は本法の施行に当たり、次の事項について検討の上、適切な措置を講ずるべきである。
 一、外務省においては、外交機能強化のための抜本的な組織・制度の改革の早期実現に向け全力で取り組むこと。
 二、在外職員の在勤基本手当を始めとする在勤手当については、国内の財政状況や外交活動を推進する上での必要性を踏まえ、定期的に在勤手当全般にわたる内容の見直しを行うこと。
 三、在勤諸手当についてはその算出根拠を明確にするとともに、手当の改正に際しては各任地における諸外国外交官及び日本企業駐在員の給与制度及び水準を参考としつつ、勤務条件・現地の生活環境や物価水準等に配慮した適切な水準・内容となるよう努めること。
 四、現下の国際情勢にかんがみ、在外公館においては、緊急事態における邦人の救援保護を含む在外邦人安全対策についてより一層の機能強化を図ること。
 五、以上の項目に関する具体的な実施内容・状況・結果などについて、当委員会に対し、定期的並びに当委員会の要請に応じて報告を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(松村龍二君) ただいま広中君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(松村龍二君) 全会一致と認めます。よって、広中君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、川口外務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を可決いただきまして、誠にありがとうございました。
 法律案と同時に可決されました附帯決議は、これを厳粛に受け止めます。
 在外公館に勤務する外務公務員の給与については、今般、在勤諸手当全般にわたる集中的な見直しを行った次第ですが、今後とも、在勤諸手当の内容及び水準が適切なものとなるよう努めてまいる所存です。
 外務省の組織・機構改革については、新たな時代に対応し、我が国が国際社会でリーダーシップを発揮し得る、戦略的、かつ、機動的な体制を構築する必要があるとの観点から、様々な議論を行っており、近日中に最終報告を発表する考えです。
 外務省としては、附帯決議の御趣旨をも踏まえて、今後とも全力で取り組んでまいります。
 誠にありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十分散会