第156回国会 外交防衛委員会 第9号
平成十五年五月八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     舛添 要一君     上杉 光弘君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     舛添 要一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                山下 善彦君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                若林 秀樹君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       防衛庁防衛参事
       官        大井  篤君
       防衛施設庁施設
       部長       大古 和雄君
       防衛施設庁建設
       部長       生澤  守君
       防衛施設庁業務
       部長       冨永  洋君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     安藤 裕康君
       水産庁資源管理
       部長       海野  洋君
       国土交通省航空
       局次長      星野 茂夫君
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  本日の会議に付した案件
○児童の権利に関する条約第四十三条2の改正(
 千九百九十五年十二月十二日に締約国の会議に
 おいて採択されたもの)の受諾について承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関す
 る条約第二十条1の改正(千九百九十五年五月
 二十二日に締約国の第八回会合において採択さ
 れたもの)の受諾について承認を求めるの件(
 内閣提出、衆議院送付)
○国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約
 の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (イラク情勢に関する件)
 (中東和平に関する件)
 (テロ対策特措法に基づく協力支援活動に関す
 る件)
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (陸上自衛隊の出張旅費不正使用問題に関する
 件)
 (防衛装備品の調達に関する件)
 (在日米軍の水中爆破訓練に関する件)

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○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 児童の権利に関する条約第四十三条2の改正(千九百九十五年十二月十二日に締約国の会議において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約第二十条1の改正(千九百九十五年五月二十二日に締約国の第八回会合において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件及び国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま議題となりました児童の権利に関する条約第四十三条2の改正(千九百九十五年十二月十二日に締約国の会議において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この改正は、平成七年十二月にジュネーブで開催された児童の権利に関する条約の締約国の会議において採択されたものであります。
 この改正は、児童の権利に関する条約に基づき設置される委員会の委員の数を増加することを目的とするものであります。
 我が国がこの改正を受諾することは、児童の権利を保障し及び促進するための国際的な取組を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
 次に、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約第二十条1の改正(千九百九十五年五月二十二日に締約国の第八回会合において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この改正は、平成七年五月にニューヨークで開催された女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の締約国の第八回会合において採択されたものであります。
 この改正は、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約に基づき設置される委員会の会合の期間について、一定の条件の下に締約国の会合において決定し得るようにすることを目的とするものであります。
 我が国がこの改正を受諾してその早期発効に寄与することは、男女の権利の平等を促進するための国際的な取組を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
 次に、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成十二年十一月にニューヨークで開催された国際連合総会において採択されたものであります。
 この条約は、国際的な組織犯罪を防止し及びこれと戦うため、重大な犯罪を行うことを合意すること等一定の行為の犯罪化、裁判権の設定、犯罪収益の没収、犯罪人引渡し等につき規定するものであります。
 我が国がこの条約を締結して早期発効に貢献することは、国際的な組織犯罪に効果的に対処するための国際的な取組に寄与するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(松村龍二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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○委員長(松村龍二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君、防衛庁防衛参事官大井篤君、防衛施設庁施設部長大古和雄君、防衛施設庁建設部長生澤守君、防衛施設庁業務部長冨永洋君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君、水産庁資源管理部長海野洋君及び国土交通省航空局次長星野茂夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村龍二君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
 外務大臣そして防衛庁長官におかれましては、外国訪問精力的にこなされたこと、まず敬意を表したいと思います。
 さて、イラク問題についてまず御質問させていただきます。
 ブッシュ大統領による正に洋上でのドラマチックなイラクの終結宣言が出されたわけでございます。私といたしましては、始めた以上早く終わることを願っていたわけでして、それにしても全くあっけない幕切れでございました。
 その結果として、死者、負傷者も多分当初の予想よりは大分少なかったんではないかと思いますけれども、実数が分かりましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(安藤裕康君) お答え申し上げます。
 まず、米側でございますけれども、アメリカの国防省の発表を累計いたしますと、三月二十日よりイラクの自由作戦を展開している米軍人の死亡者は、五月七日までに百四十二名というふうになっております。それから、イギリス軍につきましては、これは正式発表はございませんけれども、報道ベースによりますと三十二名、英軍人三十二名が死亡したというふうにされております。
 それから、イラク側でございますけれども、この人的な被害状況につきましては、当時のフセイン政権が発表を一時行っておりましたけれども、あくまでも例示的なものというものにとどまっておりましたので、我が国といたしましては、当事者でない関係上、その全体像を把握することは実際上は困難でございます。ただ、報道ベース等では、イラク軍兵士の死傷者については四月現在で二千三百二十人以上というふうにする報道もなされております。
○広中和歌子君 民間人はいかがでございますか。
○政府参考人(安藤裕康君) 民間人につきましても、今申し上げましたように、我が国としてその必ずしも正確な全体像を把握することは困難でございますけれども、四月三日にサブリ外相が発言しておりますその発言によりますと、民間人千二百五十名が死亡したということでございます。また、別の民間の団体、イラク・ボディー・カウントというところがインターネットで公表している情報といたしましては、民間人の死者数は、五月三日までで最大で二千六百八十九名というような数字もございますけれども、申し上げましたように、正確な全体像はちょっと私どもの方としても把握しておりません。
○広中和歌子君 武力行使を開始した理由というのは、アメリカやイギリスなどによって武力行使を開始した理由というのは、大量破壊兵器が存在するということだったわけですが、それは、それが見付からなかった、少なくとも今までに見付かっていないことについて、外務大臣はどのように思われますか。
○国務大臣(川口順子君) 今、大量破壊兵器については、米、英、まあ連合軍ですけれども、が捜索をしている段階であるというふうに聞いています。
 いろいろな報道がなされておりますけれども、基本的には、やはりこれは、イラクは日本の一・二倍という広大なところでありますから、それなりの情報を持って調査をする、捜索をするということで、そう簡単に見付かるものでないということはアメリカ政府の当事者も話をしているところでありますし、私もそういうことだろうと思っています。
○広中和歌子君 仮に大量破壊兵器が存在しているとします。そうしたときに、攻撃を行うということ、爆撃を行うということは、もしかして誤ってそうしたものにぶち当たるかもしれないと、そういう危険があるわけでございますけれども、あえて武力行使、攻撃を行ったということはどういうことなんでございましょうか。つまり、多分ないだろうという予想の下になさったのか、それとも、あり場所を十分に察知してのことなのか、そこのところを防衛庁長官、お伺いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 突然のお尋ねではございますが、私は、今回のイラク攻撃については相当に、湾岸戦争のときと比べて極めて精度の高いピンポイントの攻撃がなされたというふうに考えております。
 委員がおっしゃるように、どこだか分からないということであれば攻撃をして誤って当たっちゃったらどうするのということの御懸念かと思いますが、そういう疑いがあるようなところ、これは事前に、これも正確に私も存じているわけではありません、報道ベース等々で知っておる限りでございますが、事前にある程度疑いのあるところというものは把握をしておったのだと思っています。そういうような疑いのあるところにはピンポイントで撃つということはやっぱり控えたのではないだろうか。おっしゃるように、その疑いのあるところに誤って、誤ってというのか当たってしまって大量破壊兵器が拡散をしたりというようなこと、そういうことは慎重に避けたのではないかというふうに私は推測をいたしておるところでございます。
○広中和歌子君 国連の査察の継続について、昨日のNHKのテレビ番組、何でしたっけ、それによりますと、国連査察委員会のブリックス委員長は、当時も、つまり武力行使開始前後も、そして今も査察の継続というのを望んでいるわけでございますが、こうした立場を日本としては支持なさいますか、それともアメリカを中心とする独自の査察を行うことに対して支持をなさっているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃったNHKのテレビ番組は、私も全部ではありませんけれども一部ちらりと見ましたけれども、その中で査察についてはいろんなことをおっしゃっていらっしゃいましたが、同時に、これはどこかの会合での御発言であったと記憶をしておりますけれども、ブリックス委員長は、今のイラクの状況、まだ治安的にも問題がある状況で国連の査察団が入って査察ができる状況ではないということもおっしゃっていらっしゃいまして、今までの形で大量破壊兵器の捜索ができるという、その前提が異なってしまっているということもおっしゃっていらっしゃるわけでございます。
 それで、査察を今そういった状況でコアリションが中心になってやっているわけですけれども、発見されたときにどういうふうにするかということについては、何らかの、我が国の政府としては国際的な関与が必要であるというふうに思っています。ただ、それを具体的にどういう形でするかということについては、これはやはり国連の安保理で話合いが行われるということが国連の査察が入っていくという意味では重要なことであるというふうに考えておりますので、我が国の立場というのは、何らかの国際的な関与というのは必要だと、どこかの段階で必要だというふうに思いますけれども、現実的には今かなり多くの米軍がいて、それでその査察を、そこで捜す、捜索をするということは現実的なことなのであろうというふうに思っています。
○広中和歌子君 日本はイラクへの武力行使について事前に国連の決議が必要という態度であったわけですけれども、次善の策として、それがまとまらない以上、次善の策として武力行使への支持を表明したというふうに私どもは理解しているわけですよね。
 しかしながら、ですから基本姿勢として、日本は国連重視であるというふうに理解してよろしいのかと思いますが、目下国連は機能不全に陥っていると、そのような状況にあるのではないかと思います。そういう中で日本は国連機能修復にどういうような働き掛け、努力をしていこうとなさるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 武力行使の前、私が国会で申し上げておりましたのは、武力行使が行われる際には国連の決議があることが最も望ましいというふうに申し上げておりました。それで、そういった中で、御案内のような事情で武力行使が行われて今に至ったということであります。
 国連がその機能不全ということでおっしゃられているわけですけれども、安保理の常任理事国の間でこの過程でできた亀裂については、これはまだ亀裂は存在をしていると言わざるを得ないと思います。ただ、国連の安保理がそれで機能不全に陥っちゃったかというと、それは必ずしもそこまでは行っていないと私は思っていまして、例えばオイル・フォー・フードの決議を、これは何日前だったか決定をしているわけでございますので、そういった必要な決議をやっていくという機能は引き続き安保理としては維持をしているということでありますし、また、次の決議について今国連の安保理で議論が行われている最中でもあるというふうに聞いています。
 それで、我が国としてどのような努力をするかということですけれども、これは特に安保理のP5の国々の間の亀裂をどうやって修復をしていくかということが大事であるわけですけれども、当初我が国が考えていましたことは、私がヨーロッパに四月の初めに行った時点で考えておりましたことは、できるだけ早くこの亀裂を修復をしなければいけない、それをやるためには早期にだれでもが賛成できるような基本的な原則、例えばイラクの領土は分割されてはいけないとか、そういった原則を国連決議として合意をするということがその亀裂の修復のために意味のあることではないだろうかということを考えて、ヨーロッパに行きましたときにイギリス、フランス、ドイツとそういう話をいたしましたけれども、そのときの私の印象としては、やはりまだそれが可能な時期ではないだろうということでございました。
 それで、今回、総理が連休のときにヨーロッパに行ってくださって働き掛けをした、ということをしていただいたわけでして、そのような形で、亀裂は時間を掛けて修復をしていくという、日本として後押しをすることが、働き掛けをすることが大事だろうと思います。
 それから、国連においてはそういった必要な、OFFという例を先ほど申しましたけれども、そのような具体的な必要な決議が今後出てくるわけでございますから、そういった個別の問題について議論をし、合意をしていくというやり方がいいのではないかというふうに我が国としては思っているわけでございます。
○広中和歌子君 この際ですね、多分これから国連改革ということが当然話題になってくるんではないか、大きな国際的なテーマになってくるんではないかと思います。その際に、日本が今までどおりの敵国条項を適用されていることであるとか、それから分担金は非常に払いながらそれなりの発言権をもらっていないことなど等々、取り組むべきことが一杯あるんではないかと思いますけれども、お考えはいかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 委員が今おっしゃられたような点について国民、日本の国民は、そしてその政府としても矛盾を感じているということであります。
 国連の改革については政府としてはずっと議論を積極的にリードをしてきておりまして、その議論も既に十年目に入って、なかなか動いていないということであります。
 例えば、何が問題かといいますと、拡大を、安保理は今現在の国際政治における各国の状況を反映していないと日本としては考えておりますが、安保理を拡大をした場合に、そのときに幾つにするかという数の問題、そして、そのときにさらに常任理事国が増えたとしてその常任理事国をどうやって選任をしていくかという問題、こういった点について各国の意見が収れんをしないという状況にあります。
 安保理の改革、あるいは国連の、広く国連の改革については、これは重要なことでございますので、合意できるところから一つ一つ合意を積み重ねていくということが重要であると思っております。
 今までにも増して国連の場、あるいは国連の改革でかぎを握っているアメリカを始めとしまして関係国との協議に今まで以上に精力的に取り組んでいきたいと考えております。
○広中和歌子君 私は、国連の役割というのは非常にやはり大きい、二十一世紀には非常に大きくなるのではないかと思います。例えば、今度のイラクの復興問題にいたしましても、やはり国連の、国連中心とまでは言いませんけれども、国連が大きく関与することによって機能する部分が一杯あるのではないか。
 例えば、アメリカ、イギリスとフランス、ドイツとの間に国連の関与についていろいろ意見が分かれているようでございますけれども、例えばイラク復興支援には、国連によるイラクへのこれまで科されていた経済制裁の即時停止が必要であるというようなことで、もうすぐに国連の役割というんでしょうか、決議なりそういうものが必要なんではないかと思いますけれども、それをフランスが提案しているわけですが、それについて日本の態度というのはどういうことなんでしょうか。日本はその方向でやはり働き掛けていくんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) イラクに対しての国連が今科している経済制裁をどうするかということは、委員がおっしゃっていらっしゃるように、今、国連の安保理として取り組んでいかなければならない重大なテーマ、課題であると思います。そして今、国連の安保理の場ではこれをどうするかということで議論がいろいろなされているわけです。
 我が国の立場ですけれども、経済制裁をこれは停止をするのかあるいは撤廃をするのか、各国の意見は非常にまだ乖離がある状況であります。我が国としては、イラクの国民のニーズを考えれば経済制裁はできるだけ早くなくすことが重要であると思っています。そのために国連の何らかの決議が必要であるというふうに考えていまして、それの、そのための議論ができるだけ早く安保理で収束をしていくということを期待をいたしております。
○広中和歌子君 ちなみに伺いますけれども、今、安保理はレギュラーに、定期的に開かれているんですか。
○国務大臣(川口順子君) 安保理の会合は今開かれているかということであれば、かなり最近は頻繁にいろいろな形で開かれている、会合が持たれていると思います。公式な会合、非公式な会合、両方あると思います。
○広中和歌子君 つまり、国連は常時開かれていると、国連の場は絶えず、いわゆるリセスということではないんですね。
○国務大臣(川口順子君) ということではないと理解をしています。総会は開かれて、総会は九月からセッションが始まるということですけれども、安保理あるいはほかの委員会がたくさんございますけれども、そういったものについては開かれているというふうに理解をしています。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。余り新聞で読むことが少ないものですから。ありがとうございます。
 イラクの復興支援についてでございますけれども、ORHAというんですか、今混乱の極みにあるイラクをどのように復興していくかと。日本がどのような形で具体的に支援をしていくかということが当面のテーマではあろうかと思いますけれども、日本の支援の今までの状況はどのようなものでしょうか。
○政府参考人(安藤裕康君) 我が国のイラク復興人道支援についての協力実績でございますけれども、これまでに総額で約二億二千七百五十五万ドルの支援を決定しております。
 その内訳を少し詳しく申し上げますと、まず、これは人的な協力ということで、米国の復興人道支援局、ORHAを通じたイラク支援といたしまして、現在、三名の日本政府職員を外務公務員の資格で長期出張させているところでございます。
 また、ユネスコとの協力ということで、イラク国立博物館収蔵物やその他の文化遺産の修復・保存作業等を行うために、ユネスコ文化遺産保存日本信託基金に百万ドルの供与をいたしました。
 同じくユネスコとの協力でございますが、ユネスコ人的資源開発日本信託基金を通じた教育関連プロジェクトに百万ドルまでの協力を決定いたしました。
 それから、人道支援でございますけれども、我が国のNGOを通じた支援といたしまして、ジャパン・プラットフォーム傘下のNGOが行う緊急医療活動に対し約三百三十万ドルを拠出いたしました。
 また、国際機関等を通じた支援といたしまして、国連の緊急統一アピールにこたえる形で一億ドルを上限とする支援を表明いたしまして、この一億ドルのうち約三千二百万ドルの拠出を現在までに決定しております。
 以上が実績でございます。
○広中和歌子君 ORHAというのは米国の国防総省が中心となって作られているようでございますけれども、復興のシナリオというのは、まず暫定的に、暫定政権を作ると、それで、暫定的にまず統治をして、ORHAによる暫定的に統治があって、それからイラク人による暫定政権ができ、その後本格的政権ができるというような形になっているわけでございますが、と理解しておりますが、今、日本としては二、三人のレベルでそこに参加しているということですが、もう少し積極的な参加というのは、日本の現行の体制というんでしょうか、法制度の下で可能なんでしょうか。例えばPKO法の適用などについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(安藤裕康君) まず、御指摘のORHAについての日本からの協力でございますけれども、委員御指摘のとおり、現在三名の職員がバグダッド入りしてORHAとの連携を通じた協力を行っているわけでございます。将来は、これに加えまして、更に関係省庁から申出もございますので、この人数を増やして更に協力を拡大していきたいというふうに考えております。
 それから、今御指摘の国際平和協力法に基づく協力ということにつきましては、現在、いろいろあらゆる角度から検討をしているところでございまして、イラクの復興のために何ができるかということで、今後総合的な観点から見直していくべき問題だというふうに考えます。
○広中和歌子君 PKO法が適用されるためには、まず前提として、その紛争が国連決議によって行われたということ、それから停戦合意が必要であるということですけれども、フセインが行方不明ということであれば停戦合意というのはないわけですよね、今のところ。そうするとPKO法は適用できないと。そうすると、それ、というようなこともあり、今後、参加五原則とか武器使用の基準を見直すなど、新しいこれからのいろいろな紛争に関して日本が協力できる形というものを、つまり新たな国際貢献協力法みたいなものを新たに立法するお考えは政府としてはおありになるかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) まず、イラクについて、その復興について我が国として積極的に貢献をするということは望ましいというふうに考えております。
 それで、PKO法で例えば自衛隊を派遣するとかそういう状況に現在あるかといえばそういうことではないわけでございまして、今後、イラクにおいて我が国としてどのような形で自衛隊あるいは文民による協力が可能かどうかということについては、今局長が言いましたように、幅広い見地から所要の検討を進めるということにいたしております。
 それで、そのときに新しい法案を作成することが、するかどうか、その点については、今後の事態を見守りながら判断をする問題であるわけでございまして、今の時点ではっきり何かが決まったということではございません。そして、その新たな法律の下で貢献が必要となる場合には、そのときには国会にお諮りをするということでございます。
○広中和歌子君 それでは、川口外相の中東御訪問についてお伺いしたいと思います。
 シリアのアサド大統領との会見で、外相は、包括的核実験禁止条約、CTBTに入ってほしいと発言され、そしてシリアはそれに対して、考えていない、考えられないというようなお答えをしたというふうに報道で聞いているんですけれども、どのようなことで外相はそのような提案をなさったのか。そして、受け止められた感触というのはどういうものであったのか。その御質問の中には米国がテロ支援国家とシリアをみなしていることを十分に考慮しての御質問であったのか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) シリアで私は大統領と首相と、そして外務大臣のお三方とお会いをしてお話をいたしました。
 それで、大量破壊兵器の問題につきましては、私から、CTBT、それから化学兵器禁止条約、生物兵器禁止条約に入ってほしいということを言いました。ちなみに、シリアはNPTには既に加盟をしております。これに対しまして、バッシャール大統領からは、シリアは国連安保理に対しまして中東地域非大量破壊兵器地帯の決議を提出をした、シリアはNPTの締結等この大量破壊兵器ということでは努力をしてきているけれども、イスラエルはこれにこたえなかったのでシリアとしてはこれ以上進められない、この地域の包括的な平和の達成が重要であるという発言がございました。
 私は、イスラエルにも同じような、イスラエルはNPTも入っておりませんので、それも含めて同じことを言いました。その背景は、やはり大量破壊兵器の問題というのが、イラクについて武力行使に至った経緯からも分かるように、人類にとって非常に大きな脅威である、これをなくすということを我が国として努力を続けるべきであると、そういう考え方からそのような発言をいたしました。
○広中和歌子君 次に、パレスチナも御訪問になったと伺っておりますけれども、ちょうどその御訪問中にアッバスというんですか、新内閣が誕生したようでございますが、どのようなメッセージをそこに送られたんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) パレスチナでは四人の方と会談をいたしまして、それは、アラファト議長、まあ会談というより表敬でございましたけれども、それとアブ・アラPLC、議会ですが、の議長、それからシャース、今は外務大臣になりましたけれども、次期外務担当長官との会談、そしてアッバース次期首相との会談ということでございました。
 それぞれ申し上げますと、アラファト議長に対しましては、これは首相職の設置をしましたわけで、それに対して、アラファト議長が英断を持ってそれを設置をしたということを評価をするということと、アッバース首相を支援をしていく、アッバース首相に協力をするということが重要であるということを言いました。特にその改革の推進と治安の改善ということでございます。
   〔委員長退席、理事山本一太君着席〕
 それから、アブ・アラPLCの議長との関係とのお話については、基本的に、このちょうど私の行った日が、先ほど委員がおっしゃったようにアブ・アラ、首相が、PLC、議会によって承認をされて首相になったという日でございまして、実はなった直後に会いたかったんですけれども、時間が、PLCで時間が掛かって、なる二時間前ぐらい、ただ実質的にはもうなるということが分かっていた時期でございましたけれども、そのときにお会いをいたしましたけれども、我が国としてロードマップの履行ということが大事であって、パレスチナに対しては暴力の停止をし、改革を進めるということが重要であるということと、それから、PLCとして首相を承認をするという権限を行使をするということですから、今後ますます大きな力を持っていくということになります。そういったそのPLCの機能及び責任も、機能も高まり責任も高まったんだということをきちんと認識をして行動をしてほしいということも言いました。
 それから、シャース外務長官ですけれども、シャースさんとの関係では、基本的にロードマップを進めるということが重要であって、その暴力を停止をし、改革を進めるということが大事であり、我が国としてもそれを支援をしていきたいということでお話をいたしました。
 そして、アッバース首相との関係では、今まで言ったことを全部まとめてお話をしたということで、改革を進めるということの我が国の支援として二千二百二十五万ドルの支援をしたい、これは信頼醸成、そして人道支援、それから改革支援、三つの部分に分かれていますけれども、それを行うということを言いました。
 以上でございます。
○広中和歌子君 イスラエルに次に、順番はどちらか分かりませんけれども、イスラエルに行き、そしてそこで外務大臣にお会いになりますね。そして、要するに平和的な解決ということをお話合いになったと思うんですけれども、その三日後の五月一日にイスラエルはパレスチナ自治区に侵攻して、パレスチナ人十人以上が死亡していると。こういうようなことで、外務大臣の思いは通じないと。非常にやはり、御努力は非常にすばらしいと思うんですが、なかなか非常に難しいような状況でございますね。
 それから、ロードマップという言葉を使われましたけれども、これはアメリカ、ロシア、EU、国連で新たに最近提案したロードマップとは違う日本独自のロードマップということを言っていらっしゃるんですか。
○国務大臣(川口順子君) イスラエルのシャローム外務大臣、御案内のように、シャロームという名前自体が平和という意味、ヘブライ語でですけれども、と平和の話をしたわけでございます。
 それで、非常に、初めてお会いをしたわけですけれども、人間と人間の関係としては私はいい関係を作ることができたというふうに感じております。
 そのシャローム外務大臣とのお話の中では、イスラエルとしてパレスチナ側が暴力を停止をするということを、これはアッバース首相も演説でそれをやるということを言っているわけですので、それを支援するということが大事だ、アッバース首相が改革を進め、暴力を停止をすることができるような環境作りをイスラエルとしてするべきである、具体的には侵攻の停止ですとか、あるいは包囲をしていることをやめるとか、人の移動、これを緩和をするとか、そういうことでありますけれども、それから入植の話もありますが、そういったことを言いました。
 それで、今、委員がおっしゃいましたように、その直後にテルアビブで、これはイギリス国籍のパレスチナ系の人ですけれども、のテロがあり、そしてイスラエル軍がガザに侵攻したということで、これは非常に残念なことだと思います。
 ただ、この過程というのは、そう簡単にぱっと結果が出るものではないということは今までの何十年の歴史が物語っているわけでして、各国が粘り強く働き掛けるということが非常に大事であると思います。特に信頼醸成、信頼のある関係を両者の間で作っていくための努力が非常に大事であると思っています。
 ただし、ただ、今回、非常に機会であると私は思っていまして、それはなぜかといいますと、イラク戦争が終わって中東和平問題がこの中東の平和と安定のための、ヨルダン首相の言葉をかりれば、問題の母親である、この問題が解決できればほかの問題は落ち着いていくんだという重要な問題であって、パレスチナに新しい内閣が、改革をしようとする内閣ができ、そしてイスラエルもそれにこたえようという動きがある。それから、周辺のシリア等の国についても過激派に対して支援をしていることをやめていこうという動きが見られるという中で、周りの国がそれを後押しをしていくということが非常に大事であると思って、一日にして結果が出るわけではありませんが、いろいろな国が働き掛けていくということが重要であり、日本もその重要な役割を果たしていくべきであるというふうに思ったということです。
 それで、ロードマップですけれども、我が国からいえば二つロードマップがあります。
 我が国のロードマップというのは、昨年私が提示をしたものでございまして、我が国が支援をしますという、言ったときに、それは、パレスチナ側がそのロードマップに従って一歩一歩進んでくれることに対して支援をしますと、そういう意味でございます。
 それから、アッバース内閣ができた後、カルテットのロードマップというのが発表になって、これは、暴力を停止し、入植をやめるということから始まり、二つの国家の併存を認めましょうということで、三つの段階に分かれているロードマップですけれども、我が国としては、このロードマップをやっていく枠組みの中で、ある一つの、地方自治についての具体的な役割を担って、この部分の議長もしております。
 ですから、両方に関係をしているということです。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 私、川口大臣のお話を伺いながら隔世の感があるなと思いましたのは、私が政治の世界に入りました、十数年前ですが、イスラエル大使館から、日本の要人というんでしょうか、大臣経験者、あるいは事務次官レベルの方でもイスラエルをなかなか訪問してくださらないと、そういうことで、つまり日本は余りにもアラブ寄りであるということで不満を漏らしていらした。そういう中で、次第次第に外務省とそれからイスラエルとの関係が密になり、それと同時にパレスチナともコミュニケーションを持っていると。そういうことで、今まで利害関係がなかったからうまくいくんだという考え方もあるわけですけれども、ここ十数年積み上げられてきた努力が結びつつあるのかなと、そして更に大きな役割をこの中近東で果たせたらすばらしいなと思って応援させていただきたいわけです。
 そういう中で、東京で、日本、パレスチナ、イスラエルの関係者が集って信頼醸成会議が開催されるんですけれども、これはどういうレベルの方が集まられるんですか、お伺いします。
○政府参考人(安藤裕康君) 今月の下旬に御指摘のように東京で信頼醸成の会議を開きまして、イスラエル、パレスチナ双方からの関係者を招いて会議を開催して自由な意見交換をし、両者の間の信頼を更に深めていきたいと、そのために日本としても寄与したい、場所を提供したいということでございます。
 出席者につきましては、今、イスラエル、パレスチナ側と両方詰めを行っている最中ですので、いずれ確定した段階で発表させていただくことができると思いますけれども、これは、民間の方と一部政府にいらっしゃる方、あるいは元政府にいらっしゃる方が入ると思います。有識者ということでございますけれども。レベルにつきましては、ちょっといろいろな方が入っておりますので一概に申し上げられませんけれども、一部には閣僚の経験者とかあるいは公務員の局長レベルとかいろんな方が入っております。いずれこれは確定次第発表させていただきたいと思っております。
○広中和歌子君 様々なレベルの交流、民間それから公式なもの含めて日本がイニシアチブを取れることはすばらしいことだと思っております。
 さて、テロ特措法の延長に関しては多分九日に閣議決定されるということでございますけれども、その前に、何か事件が起こっておりますよね。イラクに参戦した米空母キティーホークのマーシュ・モフィット司令官は記者会見で、海上自衛隊から米軍の補給艦経由で間接的に約八十万ガロンの燃料補給を受けたと発表なさっている。これはテレビで映像も映っておりますから発言は正しいことだろうと思います。
 我が国がテロ特措法の下に補給船などを、ペルシャ湾じゃなく、どこでしたっけ、インド洋に派遣しているのはイラクの戦争とは無関係なはずでございますけれども、これはテロ特措法違反ではございませんか。そして、このような違反がというか、つまり、テロ特措法が拡大解釈され利用されるということは、この延長に関して非常に問題があるんではないかと思いますが、防衛庁長官、お伺いいたします。
○国務大臣(石破茂君) そのような事実はございません。これはもうまさしく委員がおっしゃいますように、イラクとの戦争に私どもの補給艦から補給を受けた船が参加をする、あるいは私どもの補給艦から米側の補給艦に補給したものをイラクとの戦争に従事しておる艦船に使われたということになりますと、これはテロ特措法には反するものだというふうに考えております。再三答弁申し上げておりますように、日本と合衆国との間に交換公文を結びまして、そういうようなことがないようにということをお互い確認をいたしておるところでございます。
 テレビの報道等もございました。一部そのような御指摘もいただいております。昨日付けで私どもの防衛局長にあてまして合衆国の在京大使館首席公使からレターというものをちょうだいをいたしました。私どもの方からも確認をさせていただいたわけでございます。
 個々の概要でございますが、これ全文読み上げるようなことはいたしませんが。
 日本から提供された支援は、これまでも述べてきたとおり、テロ特措法の目的にかなった活動に用いられるべきであるとの点について米国政府は十分に承知をしておると。五月六日のキティーホーク戦闘群の横須賀帰還に関し、第五空母群司令官のモフィット少将、これ、テレビに出ておるのはこの人物でありますが、モフィット少将が同戦闘群の数隻の艦艇が米海軍の補給艦を経由して海上自衛隊の補給艦から給油を間接的に受けたと報道関係者に語ったと示唆する日本側報道がある。しかしながら、少将の発言を確認したところ、キティーホーク戦闘群は海自艦艇から燃料の給油を受けていないと少将が述べたことは明らかである。さらに同少将は、米海軍の補給艦がオマーン湾において海自艦艇から燃料の供給を受けたと述べた上で、対テロ戦争への日本政府の支援について謝意を表明していると。同少将の意図が、不朽の自由作戦に参加している米海軍艦船への海上自衛隊の支援について感謝することであったことは明らかである。これまで米国政府と米海軍は、海上自衛隊から提供を受けた燃料についてテロ対策特措法の趣旨と目的に外れた活動に使用したことはなく、今後も使用することはあり得ないと。
 昨日付けの文章で、米側からこれを受領しておるところでございます。
○広中和歌子君 それを防衛庁としては納得されて政府として了承したと、そういうことでございますか。
○国務大臣(石破茂君) これは昨日の答弁でも申し上げましたが、昨日も決算委員会で答弁を申し上げたことでございますが、個々の艦船について、いつ、どれぐらいということは、これは私どもとして申し上げることは差し控えたいと思っております。しかし、トータルとして、私どもの艦船、補給艦から給油を受けた船というものが、その給油をもってイラク戦に従事をしたという事実はございません。それは、私どもとしてそういう事実はないというふうに申し上げることができます。
○広中和歌子君 私は現場にいたわけでもございませんからその御答弁をお受けする以外にないわけでございますけれども、余り拡大解釈されて使われるようなことが頻発いたしますと、やはり問題ではなかろうかなということは御理解いただけると思います。
 では、北朝鮮問題。いよいよもうイラクが終わると北朝鮮問題だということで、事実、アメリカの関心もシフトしているようでございますけれども、そういう中で日朝交渉というのはどうなっているのかということでございます。
 昨年の九月十七日、日朝平壌宣言が採択され、そして十月十六日、ケリー、アメリカの長官が、北朝鮮が高濃縮ウランの核開発計画を認めたというようなことでアメリカが発表すると。そういうところから次第に日朝関係も、それから北朝鮮とアメリカ等の関係も非常に険悪になってくるわけでございますけれども、その間、拉致被害者の方々が帰ってきて、そして二週間という期限を過ぎても帰らないということで、ますますその関係が悪化していると、そのような理解でよろしいんでしょうか。
   〔理事山本一太君退席、委員長着席〕
 そういう中で、日本は北朝鮮に対してどのようなアプローチをし、平壌宣言を実効あらしめるために何らかの進展が見られるのかどうか、そのことについて詳しくお知らせいただければと思います。
○政府参考人(薮中三十二君) 今御質問の件でございますけれども、日朝の国交正常化交渉がどうなっているのかということでございます。
 九月十七日の平壌宣言発出の後、一度だけ正常化交渉が行われたのは御案内のとおりでございます。その後の状況でございますけれども、残念ながら二つの大きな問題、一つは拉致をめぐる問題でございます。これにつきましては我々の方から、真相の徹底的な究明、そしてまた御家族の日本への帰国ということを強く求めてきておるわけでございますけれども、それについて残念ながら北朝鮮側から全く回答がない状況が続いているのは御案内のとおりでございます。
 もう一つ、今、委員御指摘のとおり、核の問題がその後十月以降大きくなってきたわけでございます。北朝鮮側が濃縮ウランの開発計画についてこれを認めたと、これはアメリカのケリー次官補が当時北朝鮮に行きましたときにそういう発言があって、それ以来、御案内のとおり、核問題というのが非常に大きな問題として出てきたわけでございます。
 そして、昨年の十二月以降、北朝鮮側は一方的にNPTの、今年の一月になってでございますけれども、NPT体制からの脱退を表明するとか、そして、それまで行ってきました凍結を、核兵器開発に関連する施設の凍結ということを解除するということで推移してきているわけでございます。
 そういう中で、ようやく先般、三者協議というのがございました。これは日本もこれまでそういう会議を何とか持てないのかということでいろんな形で努力をしてきたこともございます。これは北朝鮮に対しても直接働き掛け、あるいはアメリカ、韓国、中国等、そういう形での努力をし、そうした中で日本の問題についても解決をしていこうと。結果的にはまず、その対話のプロセスの第一歩として三者でそういう集まりがこの間あったわけでございます。これはあくまで第一歩でございます。
 日本そして韓国は、多国間協議と言っておりますけれども、その枠内に入って、そこでも拉致の問題も取り上げる、そして核の問題についても正面から向き合うという形での問題の解決を図ると。並行して、そうした中で、日朝の国交正常化交渉についても、やはりこれは平壌宣言ということで、相手にも守らせなければなりませんけれども、その枠内の中での交渉も行い、そして拉致問題が解決すると、そういう道筋を付けるべく今後とも努力していく必要があるということでございますけれども、残念ながら今までのところ大きな進展がないというのが現状でございます。
○広中和歌子君 当然、私ども日本としては、第一回目の会談から、米中それから北朝鮮だけではなくて、韓国そして日本も入ってというようなことを期待する。当然のことだと思うんですけれども、それについてはうまくいかなかったというふうに理解してよろしい、努力はなさったけれどもうまくいかなかったということですか。
○政府参考人(薮中三十二君) 正に本件は、日本、韓国が最初から当事者として入るべき問題であるということは、もう委員御指摘のとおりだと思います。我々もそういう方向で努力はしてきたわけでございますけれども、他方、北朝鮮、御案内のとおり、アメリカとの直接対話ということだけを自分たちはやるのだということで、ずっと米朝対話を直接に求めるというのが北朝鮮の立場でございました。
 結果として、中国が間に入る形で三者協議がスタートしたわけでございますけれども、これは正に対話のプロセスの始まりであって、アメリカは、ブッシュ大統領も先般、小泉総理に、これは日本そして韓国が絶対に早期に入る、そして本格的な協議が始まるということであるべきであり、またアメリカはそうした形で努力をすると。実際、先般の三者協議におきましてもそのことは非常に強くアメリカ側が主張したと、中国もそれをサポートしているということでございますので、引き続き我々としては努力をして、日本と韓国が当然、当然これは我々の重大な、日本に直接重大な脅威を与える問題であるわけでございますから、最初から我々が入れるようにということで引き続きの努力をしていきたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 伺うところによりますと、三者協議の中で北朝鮮が一括提案をしていると。その中に米国や日本との国交の正常化と、それから、一杯ある中で、それから特に本格的な経済支援と、その二つも入っているわけなんですね。だけれども拉致問題は入っていないということなんですが、拉致問題に関しましては、日本は今の段階ではアメリカに付託しているというんでしょうか、お願いして、その問題を忘れないでほしいというような形でやっているんでしょうか。それとも、もう拉致問題はらち外に置かれちゃっているんでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) 日朝正常化交渉を行う際には、拉致問題の解決、これがなくして正常化はあり得ないというのが日本の基本的な立場でございます。この点につきましては、各国にもすべて間違いなく伝わるような形でメッセージとして伝えてございます。
 実は、この三者協議を行うに際しましても、アメリカに対し、日本の関心事項として拉致の問題があると、この解決なくして全体的な日朝の正常化もないのだから、この点は大いに北朝鮮側にもこの場で伝えてほしいと。我々がいれば当然そこで言うわけでございますけれども、取りあえず三者で始まったものでございますから、そういう意味でアメリカを通じて指摘したということでございます。実際、アメリカはその点を、拉致問題ということをこの協議の中で指摘したということを聞いております。
 今後でございますけれども、今、委員御指摘のとおり、北朝鮮側が一つの提案というか、全体のいろんな要素をそこに内容とした提案を出したということでございますけれども、日朝関係についても触れられていると。これは当然のことながら、我々が先ほど申し上げましたように、日本が入ってそして議論をすると。その中では当然のことながら拉致問題を解決していくということ、それなくして日朝の正常化はあり得ないということでございます。これはアメリカもみんなよく知っておりますので、我々としてはそのラインで努力をしていくと、その実現を図っていくということでございます。
○広中和歌子君 アメリカはイラクに対して武力行使をしたばかりでございますけれども、アメリカが北朝鮮に対して同様の動きをする可能性に対しては、どのような考え方というんでしょうか、見通しを持っていらっしゃいますか。
○政府参考人(薮中三十二君) 先般、四月二十九日の小泉総理とブッシュ大統領との電話会談が最近ではございました。その中でも、ブッシュ大統領の方からはっきりと、本件については、もちろんすべてのオプションというのはテーブルにあっても、本件についてはイラクと違い平和的解決、外交努力による解決というのが可能であるというふうに信じているという発言がございました。
 平和的解決を図ろうというのがアメリカの考え方でございますし、そして、日本は当然のことながらこの問題は平和的に解決をすべきであるという立場で引き続き努力をしていくということでございまして、やはり状況状況、イラクと北朝鮮とその置かれている状況が違うものでございますから、問題も違うということで、取組姿勢、解決方法が違うという中で、アメリカもこの点については平和的解決を目指していこうと。そして、それについて日本、韓国、中国等々と共同してやっていこうというのが現在の立場であるというふうに承知しております。
○広中和歌子君 私も当然平和的解決ということを望みますし、また韓国もそれを望んでいるということでございますけれども、何かアメリカのダブルスタンダードみたいなもの、イラクに対しては武力行使を行うと。その理由が、核兵器を持っている可能性があるということで武力行使しちゃうわけですよね。片や北朝鮮は、核を持っているということを国自身が認めている。そういうようなことで、片や交渉相手にイラクはならないし、片や北朝鮮はなり得るというのが不思議でしようがないんです。
 私のところにある方から手紙が参りまして、私は北朝鮮の政府に対し、北朝鮮の人々のために日本政府、人々のためですよね、人民ですよね、日本政府が国際社会と連携して、以下の要求を武力以外のあらゆる平和的手法を用いていくことを求めます。一つ、表現の自由を認めること。普通選挙を実施すること。国連の人権監視団を受け入れること。秘密警察を解体すること。この手紙から透けて見えることは、やはり北朝鮮というのは大変にひどい国であると。イラクもひどい国だったかもしれませんが、でしょうが、この北朝鮮も大変にひどい国であります。
 この国にどのように対応していくかというのは、これからの非常に緻密な外交努力が必要なところだろうと思いますけれども、何かコメントがあったらお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) まず、イラクと北朝鮮は決して同じではないと思います。
 イラクについて言えば、これは十二年間国連が、安保理がずっとかかわって幾つかの決議を出して、それをイラクが守ってこなかった。そして、その最後、一四四一を出して最後の機会、イラク自身が態度を改めて自らの潔白を説明をする最後の機会を与えたけれどもやってこなかった、やらなかったということであったわけで、北朝鮮はそういった十二年にわたる決議を踏みにじった歴史、あるいはそういうことで、例えば六八七に当たるような決議というのは北朝鮮との関係ではないということであります。したがって、アメリカも国が違えばその対応策は違うんだということは、ブッシュ大統領も一般教書演説でたしか今年の初めに言われたと記憶をしていますけれども、対応法は違うということであると思います。
 それで、今後のどうやって北朝鮮に対応していくかということですけれども、おっしゃるように、非常に外交努力を慎重に考え実行していくということが必要であると思います。それで、その段階で、日中韓、場合によっちゃあれですね、日中韓じゃない日米韓、そして中国、そしてロシアといった国を入れた連携、これが非常に重要であると思います。こういう国々で話合いを行い、情報を交換し、決して北朝鮮の恫喝に屈することなくこの外交をやっていくということが基本的な我が国の考え方であるということです。
○委員長(松村龍二君) 広中委員、時間になりましたが、おまとめいただきたいと思います。
○広中和歌子君 ちょっと一言。はい、まとめます。済みません。
 イラクと北朝鮮の違いは、イラクの、隣国である韓国とか日本に核施設があるということ、つまり原子力発電所があるということ、そして多くの人口が密集しているという、そのことの違いではなかろうかなと思う次第でございますが、時間になりましたので、このコメントをしまして、終わりにいたします。
○吉岡吉典君 昨日の決算委員会で我が党の小泉議員が自衛隊の空出張問題を取り上げました。これは決算上も重要な問題ですけれども、この事実は、自衛隊の内部でどういう出来事が起きているのかという点でこの委員会にとっても重要な問題だと思いますので、私は最初に、防衛庁長官に、私の要望も含めて二、三、この問題について言及させていただきたいと思います。
 私は、昨日、小泉議員が明らかにした、また提起した問題の中身を繰り返すことはいたしませんが、この空出張をめぐる問題で、防衛庁長官、調査を約束されました。その調査に当たって、私は二つほど念頭に置いていただきたいことがあるわけです。
 その一つは、この事件というのは、ある自衛官が命令によって残業を行っていた。ところが、その時期に出張したことになっていたと、空出張ですね、そういう問題ですが、これ自体大変ですけれども、その事実を突き止めた会計監査隊、本来そういう不正をただすべき任務を持っているはずの会計監査隊がその事実をつじつまが合うように文書の改ざんを命じて、それで文書上それが外にばれないような措置が取られたという点で、これは僕は、会計監査隊というものが一体どういうことになっているかということを含む問題であります。
 したがって、この問題の調査というのは、そういう事実を念頭に置いて調査をしないと、本来そういう任務を持っている者によってそういう措置が取られたという、改ざん措置が取られたということですから、この捜査はそういうことを念頭に置いて全貌を明らかにする見地でやっていただきたいということです。
 その場合に、私は、依拠すべきは、自衛隊の中からそういう不正をなくそうと心掛けて意見書を出し、上申書を出し続けていた、言わば正義の士とも言える自衛官もいたということであり、私どもはそういう人の文書も提出もされていたわけですから、そういう人のやっぱり、に依拠しながら調査もしていくということによって私はこの実態は明らかになるであろうと思います。
 二番目の問題は、昨日、小泉議員が提起した一例にとどまらず、自衛隊の中の空出張についても、その他の不正経理についても、私ども大量の容疑を明らかにする文書を目にしております。したがって、私どもはそれを一々ここでこういうことは事実かどうかとただすまでもなく、防衛庁長官がやっぱり指導性を発揮して、自衛隊・防衛庁の自浄力を発揮する方向でそのような問題の全貌に向かって明らかにして、自衛隊にそのような疑惑はもはやないということが大手を振るって言えるような調査にしていただきたいと。
 この二点を昨日約束された調査のやり方について私は要望し、同時にこれは委員長にもお願いしますが、やっぱりこの問題はこの委員会にも重要だと思いますので、その報告書は決算委員会とともに当委員会にも提出していただきたいということでございます。長官。
○国務大臣(石破茂君) 昨日、小泉委員から御指摘をいただきまして、調査をさせていただきたいというふうにお答えをいたしました。また、その結果について理事会に御報告をする等々、また理事会において御協議をいただくことになったというふうに承知をいたしております。
 今、委員から二点ほど御指摘をいただきました。一つは、監査隊というものは一体これは何のために存在をしておるのかということでありまして、そういうふうな正義の士というのか何というのか、これは表現はいろいろあろうかと思いますが、そういう人が言ったことに対して、私は聞いたわけじゃないから知りませんが、内容証明の郵便物の文面によれば、もっと大人になれとか、そういうようなことを言ったというふうなことが言われております。
 そういうことは望ましくないのではないか、監査隊というのはそういうものではないのではないかということでありまして、監査隊というのは本来そういうものではなくて、本当にきちんと国民の税金が不正に使われることがないかということを監査するためにあるものでございますから、監査隊の存在意義というものも含めまして、この件、昨日御指摘をいただいた件がどのようなものであったか、きちんと調査をいたしたいというふうに考えております。
 第二点の、これはほかにも多くあるのではないかと、自衛隊にそういうふうな不正はないというふうに胸を張って言えるようにちゃんと調査をしなさいということであります。
 これは本当にこれ一点かどうか、まだほかにもあるのではないかということもこれは分かりません。分かりませんが、これもよく調べてみまして、そのような国民の税金が不正に使われたことがないということがきちんと言えるような防衛庁・自衛隊であることが国民の信頼を得るために必要なことだというふうに考えておりますので、御指摘を踏まえましてきちんと調査をいたしたいと思います。
○吉岡吉典君 私はこの際、そういう調査を行っていただく上でも、自衛隊の在り方の根本、自衛隊員をどういう精神で教育するかという問題に立ち返って、長官にもひとつ考えていただきたいと思うことがございます。
 私はかつて長官に、夏目防衛大学長が卒業式で元吉田茂首相が行った発言を紹介したその文書を読んでいただきたいということを申し上げたことがございます。防衛大学生みの親だということで紹介されている吉田首相の言葉というのはこういう言葉です。「……君たちは自衛隊在職中決して国民から感謝されたり歓迎されることなく自衛隊を終るかもしれない。きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。ご苦労なことだと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときとか、国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉をかえれば、君たちが「日蔭者」であるときの方が、国民や日本は幸せなのだ。耐えてもらいたい。……諸君の先輩は、この言葉に心を打たれ、自らを励まし、逆風をはねのけながら、ひそやかな誇りを持ち、報われることの少ない自衛官としての道を歩んだのであります」と、こういう言葉を付け加えて夏目校長が紹介したと。
 私はこの文書を読みまして、この精神から離れなければ空出張だどうというような問題が起こることはないなと思いました。長官、私、かつてこの文書を読んでいただきたいということを要望したこともありますので、今この時点でどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員からその文書をちょうだいをいたしました。私はそのときに委員とお話をしたと記憶をいたしておりますが、杉山さんの「兵士に聞け」という中にその記述がございました。私も以前それを読んだことがありまして、委員から御指摘をいただいて、もう一度読んでみました。
 正直申し上げまして、私は、じかに聞いたわけではありませんから前後の状況が分かりませんし、雰囲気も分かりませんが、私はその夏目校長が言ったと言われるその内容には違和感を相当に覚えております。といいますのは、君たちは日陰者であれと、日陰者でよいのだ、それに耐えなさいというような訓示は、それは夏目校長の御見識だとは思いますが、私は違和感を覚えるということでございます。
 私が訓示をさせていただくことがありますけれども、そのときに申し上げるのは、事に臨んでは身の危険を顧みずという宣誓をする自衛官に対して、国家が、社会が少なくとも尊敬の念、感謝の念を持つという国家であるべきだ、そういう国家でありたいということを申し上げております。それはちやほやするとかそういうものとはまた異質のものではないでしょうか。私は、感謝されなくても一生懸命頑張る、そういうのも美しいことだと思います。ただ、人間みんなそんなすばらしい人ではないし、やはり何のために働くのかといえば、それは国のためなぞというそういう大それたことではなくても、家族のためであり、地域の人々のためであり、そういう人のために身の危険を顧みずということがあるのではないでしょうか。私はちやほやするというつもりはありませんが、事に臨んで身の危険を顧みずと宣誓している人たちに対して、私は社会は尊敬の念と感謝の念を持つべきだというふうに思っております。
 同時に、シビリアンコントロールにおいて一番大事なことは、自衛官が政治を信頼してくれるかどうかということだと思っています。自衛官が政治を信頼しないでシビリアンコントロールというものは機能すると思っておりません。こんな政治なんか信じられるかという思いを自衛官が持つ、それは私はとても恐ろしいことだと思っています。私は二・二六も五・一五も決して肯定するものではありませんけれども、政治は信用できないというふうに武力集団が思ったときが、私はそれが一番怖い。そうでないようにしていくのもまた私どもの務めではなかろうかというふうに思っております。
 また委員の御教導をいただきたいと思っておりますが、何がシビリアンコントロールのあるべき姿か、そしてこのような不正が仮にこれが事実だといたしまして、まだ分かりませんが、そういうことが起こらないために何ができるかということは、まさしく委員御指摘の本質論にかかわるものだというふうに私も認識をしておるところでございます。
○吉岡吉典君 私はこの機会に、それでは長官にもう一つ問題を考えていただきたいと思います。
 私が赤旗記者として防衛庁に取材に入り浸っていた時期がありました。そのときに、私は防衛庁の幹部にもこういう立派なことを言う人がいるなと思った人に言われたことです。それは、自衛隊やら防衛庁に軍国主義の危険を感ずることがあったら警鐘を乱打してくれと言われました。あなたの言う軍国主義とは何ですかと言ったら、その幹部は、自衛隊や防衛庁の主張することが全部通らないと不満を持つことが軍国主義の始まりである、その不満はやがていろんな形で通そうとするところへ来て、それでほうっておくと危険になるんだと、こういうふうな話で、私は軍国主義についてのそのような定義は初めて聞きましたけれども、しかし、重要なことだなと思って聞きました。
 私は今の、昨日の空出張も含めてこの近年、防衛庁の様々な問題が問題になってきました。それを軍国主義だとは私は言いません。しかし、防衛庁や自衛隊が自分の要求、自分の願望を通そうとするためには法も無視し、そしてまた時には文書の改ざんもやるというような含めて事を進めているということについては、私は、かつて私にそのようなときには警鐘を乱打してくれと言われた幹部の言葉を思い出さざるを得ません。私は、この問題もきちっと自衛隊が本当に自浄力を発揮して立派に解決しなければ、これはやはり自分の思うことを通すためには手段を選ばないというところへ進む芽になりかねないということを含めて、長官に、今の、私に幹部が言った言葉を含めてどのようにお考えになるか、お答えを願います。
○国務大臣(石破茂君) これは、委員は私の人生の大先輩でいらっしゃいますし、戦前のこともよく御案内です。そして、自衛隊ができたときのこともよく御案内だと思います。私は昭和三十二年の生まれでございますから、そのようなことを存じません。存じないものですから、いろんなことを教えていただきながら、正しいシビリアンコントロールの在り方なり正しい実力組織の在り方なりというものを自分として認識をしていかなければならないというふうに常日ごろから思っておるところでございます。
 自分たちの言うことがすべて通らなければ嫌だというようなことがあるとするならば、そしてそれを通すためには法を曲げてもいいということであるとするならば、それは決してあってならないことだということは私も認識を同じくいたします。
 それは、法があるいは制度が実力組織に本当にふさわしい、ふさわしいというのは言い方が少し誤解を招いてはいけないのですが、その実力組織に対してあるべき制度なのかということもまた問われなければいけないことではないかと思っております。私は、だから曲げていいとか、そんなことを申し上げているわけではありません。制度とか法とかいうものはそれに合わせて常に検証されねばならないものだというふうに考えております。
 もう一つ余計なことを申し上げますが、私は雪祭りというものを視察をしたことがございます。恐らく委員もごらんになったことだと思います。あれのほとんどの部分は自衛官たちが作っているわけであります。そして、温度が下がれば、雪が降って重さでまた形がつぶれてしまうのではないか、だから夜の夜中ずっと温度計を見ながら、温度が下がったら雪をのけに行く、あるいは温度が上がったら解けたところを直しに行く。本当に徹夜で自衛官たちはあの雪祭りを作り、見ておる、管理をしておるわけです。だけれども、にぎわっているときには自衛官はそれを一切見ることがない。家族も見ることがない。私は、「菊作り菊見るときは陰の人」という言葉を視察をしながら本当に思い出したのでありますけれども。
 そういうような、本当に目に見えないところで努力をしているということも私は多くの国民に御理解をいただきたいなと思っているのであります。そういう人たちに対して、本当に社会がどういう思いを持つべきなのだろうか、そしてそれは金銭で量れるものだとは決して思いませんが、そういうふうなことを併せて考えていかねばならないなというふうに考えておるところでございます。
○吉岡吉典君 予定していた問題外で時間を取りましたので、あらかじめ事前にお願いしていた人への質問は後回しになりましたけれども、私は、今日残された時間で一点だけ、事前に通告していた問題で質問したいと思います。
 私は、前回、ここで米軍及び自衛隊の隊員の輸送、物資の輸送に民間機を使う問題について質問しましたが、それを全面的に今日お尋ねしようと思っていましたけれども、時間が来ました。そこで一つだけ、これは通告はしておきましたけれども、沖縄の米海兵隊の本土移転訓練の際の輸送問題について質問します。海兵隊員、つまり訓練人員ですね、それから車両、砲及び弾薬、これらの輸送はどのように行われているか、報告お願いします。
○政府参考人(冨永洋君) 防衛施設庁は、在日米軍からの調達の依頼を受けまして、民間企業と輸送役務契約を締結しております。そして、その契約の相手方であります民間企業がその輸送を実施しているというところでございます。その際、兵員につきましては、沖縄から演習場近傍の民間空港等までの間を民間航空チャーター便あるいは民間定期便によりまして、また武器、車両等の物資につきましては、沖縄から演習場近傍の民間港湾等までの間を民間船舶によりまして、また実弾を含む弾薬につきましては貨物自動車等によりまして輸送が実施されているというところでございます。
○吉岡吉典君 最初の海兵隊員と、武器と車両はよく分かるんですが、弾薬はどういうふうになるか、もう一度ちょっと、弾薬も沖縄から輸送してくるんですか、そこはどうなるんですか。
○政府参考人(冨永洋君) 弾薬につきましては、国内の弾薬庫から輸送されてくるということでございます。
○吉岡吉典君 この弾薬輸送についても、これは米軍がやるんですか、日本の、施設庁もその間にかむわけですか。
○政府参考人(冨永洋君) これにつきましては、輸送役務契約を締結いたしまして民間企業が、防衛施設庁が輸送役務契約を締結いたしまして、民間企業が輸送を実施しているということでございます。
○吉岡吉典君 かつてそれを否定されていたことがあるように私は思っていますけれども、今のでその事実関係はよく分かりました。
 今のようになっているということ、これは、それで民間の業者というのはずっと変わらないわけですか、変わっていますか。民間のその契約を結んでいる相手は私は日通だと聞いていますけれども、ずっと日通でやって、大体日通で固まっていくのかどうなのか。
○政府参考人(冨永洋君) 従来は日本通運株式会社と随意契約を結んでいるというところでございますが、将来的には、現在のこの契約に参加する意向を示している企業もございますので、競争契約になるという可能性もあると思っております。
○吉岡吉典君 私がそのことを今確かめてお伺いしましたのは、何回か繰り返すごとに同じ作業が物すごく能率良くなるようになって、今では初期に比べると半分の時間、もう三分の一ぐらいの時間でできるようになったということで、施設庁の関係者はえらい喜んでいるという話も聞きました。
 つまり、そういう民間輸送をなぜやるかというのが、実際上それ訓練、訓練になっているんじゃないかということですが、民間で輸送するのはどういうわけでですか、米軍に輸送手段がないからなのですか。
○政府参考人(冨永洋君) 本件につきましては、沖縄県の県民の負担を軽減するという考え方の下に、本土で分散して実施するということを決めたわけでございますけれども、移転につきまして政府として経費を負担するということで、防衛施設庁が移転の関係の経費負担あるいは手続を取ったということでございまして、軍用機を使うよりむしろ民間のコマーシャルの航空機を使って経費を負担するということが適当であろうということで対応しているということでございます。
○吉岡吉典君 ほかの問題を聞く時間がなくなりましたから、私は、これは防衛庁長官になるかどうかですが、民間の航空機を米軍の輸送の際も、例えば九州でやる場合は大分空港にまで輸送している、それから北海道でやる場合には中標津空港まで米軍、民間機で運んでいるわけですけれども、自衛隊もたくさん民間機を使っているわけですけれども、民間機というのは、事実上そういうふうになっちまうと軍事輸送の一部分にもう最初から民間というのが織り込まれていると、そういうふうに見るしかないんですが、そういうふうな考え方の上に成り立っているわけですか。軍事輸送を民間機でやるということ、それだけ、時間がありませんから。
○副長官(赤城徳彦君) ちょっと委員の御趣旨、的確にお答えになるか分かりませんけれども、これは委員からのお尋ねがありましたので実際調べてみましたところ、自衛隊の輸送についても、平素から民間の航空機とか船舶を使っております。それは、組み込んでいるというよりも、例えば訓練のときに必要な人員の移動とか物資の輸送をするに当たって、より円滑、効果的にできるという実態的な理由から、その場合場合に応じて民間航空機や民間船舶を利用しているということでございまして、特に他意があるということではないというふうに思っております。
○吉岡吉典君 時間が来ましたので、終わります。
○田村秀昭君 防衛庁長官にお尋ね、御質問ですが、数年前に防衛庁、調達の不祥事があって以来、急に一般競争原理を導入するというようなことで今日まで至っているわけでございますけれども、せんだってもこの点について長官に御質問いたしましたら、一般競争入札は件数的には増えているが金額的には余り増えていないということで御答弁がございました。
 防衛の装備品というのは特殊なもので、飛行機とか艦艇とか戦車とか、そういうものを一般競争原理を導入するといっても、ファミリーマートや何かで売っているわけじゃありませんので、なかなかそういう原理は、大切なことだと思いますけれども、防衛の装備品には非常になじまないというふうに私は考えているわけですが、長官のお考えを再度お尋ねさせていただきます。
○国務大臣(石破茂君) これ、大きなものだけ保護すればいいと、そういうことを私は申し上げたわけではありませんが、あるいは言い方が不十分であったかもしれません。
 契約額がたとえ小さいものであったとしても、委員御指摘のように、防衛装備品というのは、これはもうその辺に売っているものではございません。これは極めて特別なものでございます。これを保護するといいましょうか、それを守っていくということは、これ必要なものだというふうに認識をいたしております。これはそういうものにはなじまないわけでございまして、なじみますのは、例えば衣類でありますとか一般の車両、本当にその辺に売っておる車両ですね、自衛隊が使っておる特殊な車両ではなくて、普通の車両ですとか、そういうようなものについては競争原理を導入しようということで、平成十一年四月にできました防衛調達改革本部において定められました調達改革の具体的措置、そこにおいて定められましたのは、そういうような一般競争というものに見合うもの、なじむもの、そういうものについて競争原理を導入しようというふうに決めたということだと思っております。
 冒頭申し上げましたように、そういう特別なものについて、それの生産ライン、技術というものを守っていかねばならない、これは事柄の性質上、当然のことでございまして、そのように認識をして今後も進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○田村秀昭君 長官、非常によく理解されておられて、と思っております。
 私、航空機の開発を自衛隊にいたときに手掛けてまいりましたけれども、航空機の場合は技術試験や実用試験や試験運用、それから運用試験と、段階を経て量産の仕様を確定しているわけですが、ソフトウエアについては、納入後も運用者に適合するように、この航空機の開発と同じような段階を経ているわけではありません。したがって、納入後に改修必要な場合には防衛産業の企業の側が負担していると。
 私は、こういうのはやっぱり良くないことで、きちっと予算を取って発生した費用を支払うというのが当然だと思っているんですが、長官、いかがお考えですか。
○政府参考人(大井篤君) 今御指摘のありましたソフトウエアに関する契約でございますが、一般的に納入の前段階において、受注企業が機能の確認試験、また必要に応じ、現地における確認試験を実施して、不具合の発生しないということを確認した後に納入することになっております。
 したがいまして、一般的に申し上げますと、防衛庁のソフトウエアの開発等に係る契約でございますけれども、納入後に不具合が発生して、瑕疵補修として処理されるものというものは極めて少ないというふうに認識しております。
 ただ、納入後に不具合が発見された場合、それがもし瑕疵ということであれば、これは防衛庁の契約におきましても通常の民間の契約と同じように瑕疵担保責任条項がございますので、それは瑕疵は瑕疵として企業側の負担で直してもらう、これは通常のことではないかというふうに考えておるわけであります。
○田村秀昭君 私が振り返ってみますと、航空機とか艦艇とか戦車とか、そういう問題の調達については余り問題が起きない、起きていない。何が起きているかというと、ここ十年、十五年ぐらいですか、情報産業の発展がありまして、それの納入・調達、そういうものについてきちっとした基準が定められてないために、そういう情報産業のITというんですか、そういうソフトの問題その他もきちっとした基準がないような気がするんですね。
 だから、そこのところを、もう十五年ぐらいたっているんですから、きちっと防衛産業を行政指導するのは防衛庁の責任ですから、それを育成していかなきゃいけない。そういう立場に立った施策というものの基準をきちっと定める必要があるんじゃないか。業者泣かせみたいなことを余りしない方がいいと私は思っているんですが、大井参事官、いかがですか。
○政府参考人(大井篤君) ただいま御指摘のあった点は、恐らく瑕疵か瑕疵でないかというそこの判断をどうするのかということであろうというふうに思います。
 私どもといたしましては、やはり発注仕様との関係で、それが満たされないということであれば、それはまあ瑕疵ということになると思いますけれども、いずれにいたしましても、私どもちょっとざっと調べたところによりますと、平成の十一年度から十三年度、中央調達における防衛庁のソフトウエア開発等の契約件数でございますけれども、三年間で百十八件ほどあったというふうに聞いております。その中で、三年間に発生した瑕疵補修件数というのは二件ということでございますので、基本的には極めて限られたものに対して適用しているということだと思います。
○田村秀昭君 瑕疵だけの話を私しているんじゃないんですが、まあ結構です。きちっとした行政指導を行って、ソフトウエアの、防衛に貢献している企業の育成ということも心掛けていただきたいと。
 外務大臣にお尋ねいたします。
 新聞紙上でにぎわしている新型肺炎について中国の、中国、香港、カナダの現状を見ますと、患者数や死亡者数等が直線的に増加して、全く減勢傾向にありませんと私は考えておりますけれども、厚生労働省はそれなりの水際作戦的な対応を取っていると思われるんですが、外務大臣としてどのような認識をこの件に対して持っておられ、どのような対策を考えておられるのか、お尋ねいたします。三分しかありませんので、お答えになって、質問を終わります。
○国務大臣(川口順子君) これは非常に、特に中国は日本の隣の国であり、我が国とも人の往来等で関係が強い国でございますので、中国に増えてきているということについては問題だと考えております。
 外務省として幾つかのことをやっております。
 一つは、その中国ですけれども、これについては、我が国から中国側からの要請を受けまして二億五百万円相当の医療機材の供与を決定をいたしまして、今日、その一部についての現地での贈呈式が開かれることになっております。
 それから、中国だけではございませんで、近隣の国につきましても、フィリピン、モンゴル、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ベトナムといったところに様々な医療機材の供与、それから人の派遣ですね、専門家チームの、そういったことを支援を行っております。
 それから渡航情報ですけれども、これについては、感染の状況に併せて渡航情報を適切に出しております。
 病気そのものに即してということでありますとそういうことでございますけれども、今後、この広がりの状況を注視をしながら、例えば経済への影響その他いろいろなことがあり得ると思いますので、状況を見て適切に手を打つ必要があると思っております。
○田村秀昭君 終わります。
○大田昌秀君 外務省にお伺いいたします。
 現在、沖縄では米軍の水中爆破訓練をめぐって県漁業協同組合連合会を中心に反発が高まっておりますが、そのことについて外務省は御存じでありますか。
○政府参考人(海老原紳君) 米軍が行いますこの訓練に関連いたしまして、そのような懸念が表明されているということは十分承知をいたしております。
○大田昌秀君 それではなぜ反発が高まっているのか、その経緯について御説明ください。
○政府参考人(海老原紳君) これは、この訓練でございますけれども、これが水中起爆訓練というようなことで発表されているというようなこともありまして、それが漁業に与える影響が懸念されているということからそのような申入れが行われているというふうに承知をしております。
 それで、ちょっとこの訓練の内容を、よろしければちょっと、また米軍に更に照会をいたしましたので、ちょっと御紹介をさせていただければと思いますけれども、米軍の方は、訓練の内容は変わらないけれども、これは正確に呼べば音響作業と、英語でアコースティックオペレーションズと言っておりますけれども、というものであるという説明を受けております。
 その内容は、少量の爆発物、これは確認をいたしましたところ、一キロ未満ということでございます。ですから、ごく少量の爆発物を内蔵した器材、これはノイズメーカーということでございますけれども、それを水中に投下をいたしまして、水中における音の伝播状況を確認するというものだということを確認をいたしておりまして、基本的には、よほどそばで漁船が作業をしているというようなことでなければ漁業に対する影響はない訓練であるという説明を受けております。
○大田昌秀君 私がお伺いしたのは、なぜ反発が起こっているのかということをお伺いしたわけでございますが、沖縄の地元の一方の新聞は水中爆破訓練が実施されると、そして他の新聞は中止になったということで、そういう混乱状態を巻き起こした言わば責任の所在が非常にあいまいになっているところから起こっていると思うんですけれども、そのことについては後ほど申し上げますが。
 外務大臣にお伺いしますけれども、一般的に、沖縄の米軍基地は在日米軍専用施設の七五%ということをよく言われておりますが、そのほかに訓練水域と空域というのがありますけれども、その実情については御存じですか。
○国務大臣(川口順子君) 実情についてという……
○大田昌秀君 何か所ぐらいの訓練水域が沖縄の近海に設定されているか、それから沖縄の空域はどれぐらい、どの程度米軍によって管理されているかといったことです。
○国務大臣(川口順子君) パーセントあるいはその個数、箇所数という意味では存じませんけれども、民間航空機の飛行あるいは漁業との関係では、特に飛行の面ではかなり注意を要するような状況であるという認識は持っております。
○大田昌秀君 大変、あえてこういう御質問を外務大臣にするということの意味は、日ごろから政府は沖縄の県民が負担している過重な米軍基地の負担をできるだけ削減する、軽くするということをおっしゃっておりますけれども、やはりそういった実態を御存じないと削減されるかどうかということについての認識が異なってまいりますので、是非その辺りは、お忙しい中で大変だと思いますけれども、基本的な点については是非御理解しておいていただきたいと要望申し上げます。二十九か所の訓練水域が設定されておりますほかに、空域は四〇%米軍の管理下に置かれているという実情があります。ですから、その辺は是非御理解いただきたいと思います。
 昨年の十一月十四日から二十日まで、島根県の西方海上において米軍が実施した水中爆破訓練では、関係地域の漁業者や自治体、議会、さらには当時の農林水産大臣の中止要請にもかかわらず実施されました。
 米軍がこのような水中爆破訓練をする法的根拠をお示しください。
○政府参考人(海老原紳君) これは国連海洋法条約、これはもう既に国際法の一般規則となっているわけでございますけれども、排他的経済水域、今回の訓練は排他的経済水域で行われておりますが、ここにおきましては、沿岸国は、例えば天然資源に対する主権的権利、典型的には漁業でございますけれども、等を有しておりますけれども、それ以外の事項につきましては基本的には公海の性格を有しているということでございまして、公海におきましては、それぞれの国が公海の利用の自由の原則というものに立ちまして、このような訓練も含めて海洋を利用する権利があるということでございます。
 ただ、その権利を実施いたしますときには、沿岸国の権利に、利益に対して妥当な考慮を払わなければならないということがございまして、そのような限定は付いておりますけれども、基本的には排他的経済水域におきましてもこのような訓練が国際法上許されているということでございます。
○大田昌秀君 関連して伺いますが、日米地位協定と海洋法との関連について御説明いただけますか。簡潔にお願いします。すなわち、地位協定と海洋法の規定との対立関係があるのかないのか、矛盾する点があるのかないのか、その辺についてお伺いします。
○政府参考人(海老原紳君) 地位協定、これは当然国際法にのっとった形で合意されているということでございますので、基本的には海洋法を中心といたします国際法に矛盾するというようなものはないということであると思います。
○大田昌秀君 日米地位協定の第二条は、米軍に対する日本の施設・区域の提供と返還を定め、具体的な使用については日米合同委員会で協議するようになっています。この規定からしますと、米軍の水中爆破訓練を実施する場合、その件についての日本側の責任省庁は外務省ですか、別の省庁ありますか。
○政府参考人(海老原紳君) 基本的には、二条に基づきまして施設・区域として提供いたしました公用水面におきましてこのような訓練を行うということにつきましては、そのこと自体については外務省、それから防衛庁が主管ということになって提供をしているということになると思います。
 なお、そこで例えば損害が出るとかそういうことになると、それは十八条、地位協定十八条の規定に基づいて処理されるということで、これはいろんな場合がございますけれども、基本的には、省庁ということであれば、むしろ防衛施設庁の主管ということになるというふうに理解しております。
○大田昌秀君 去る四月十六日の衆議院外務委員会で、この米軍の水中爆破訓練問題と関連して海老原局長は、沖縄水域であっても公海上であれば水中爆破訓練について米軍側にも行う権利があると、行うというのは付け足しですが、と答弁なさっておられますが、公海上とは我が国の排他的経済水域も含まれるんですか、それともそれ以外の公海ということを意味されているんですか。
○政府参考人(海老原紳君) それは、私はあくまでこの訓練の関係で御答弁申し上げたと思いますので、先ほどもお答えいたしましたけれども、排他的経済水域のことを申し上げました。排他的経済水域であっても、天然資源あるいは海洋汚染というものについては主権的権利あるいは管轄権というものが沿岸国にあるわけでございますけれども、それ以外の事項については、基本的には公海としての性格を有しているということで、排他的経済水域であっても、公海としての性格からこのような利用が許されるということを申し上げたわけでございます。
○大田昌秀君 我が国の排他的経済水域内ではもちろんですが、そうでない公海上で万一米軍の訓練などによって我が国の漁業者などが被害を受けた場合、その補償措置なんかというのはどの省庁が行うんでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) これは、公海でそのような事故が発生したということであれば、これは恐らく日本とアメリカの政府と政府の間の問題ということになりますので、恐らく一義的には外交関係の処理に責任を有しております外務省が担当するということになると思います。
○大田昌秀君 農水省いらっしゃいますか。お伺いしたいと思います。
 沖縄海域の漁業問題に関連して、沖縄県漁業協同組合連合会の要請書によりますと、北緯二十七度以南の海域は排他的経済水域が設定されていないために沖縄県の漁船と台湾の漁船との競合、トラブルが多発しているので、台湾側との間で領海中間線を設定してほしいという要望が出ております。この点について去る三月二十六日の参議院沖縄・北方問題特別委員会で農水省は、日本、台湾の民間団体間で協議を重ね、漁業秩序の維持、漁業資源の管理の枠組み作りに努力中と答弁されておりますが、この枠組み作りはいつごろ実現されるめどですか。めど付けはいつごろですか。
○政府参考人(海野洋君) 御質問の日本と台湾との間の周辺水域における漁業をめぐる問題について、これは外交関係ございませんので日台双方の民間窓口団体の間で協議が進められておりまして、水産庁としてもこの協議にオブザーバーという形で参加しております。
 これまでの協議において日本側は、国連海洋法条約に基づく現在の海洋秩序を踏まえて、日台間の操業秩序の確立などを目指して鋭意協議を行ってきております。しかしながらまだ協議は途中でございまして、今後も協議において最大限の努力を行ってまいりたいと思っております。
○大田昌秀君 時間が来ましたので、短い質問をあと一問だけお願いいたします。外務大臣と防衛庁長官にお伺いします。
 ついせんだっての普天間飛行場を抱えている宜野湾市の市長選挙で、県内移設に反対する市長が誕生いたしましたが、外務大臣、どのように受け止めておられますか。防衛庁長官も同じ質問でお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) そういった選挙の結果については承知をいたしております。普天間基地の移設の問題につきましては、移設・返還の問題につきましては、これは政府として平成十一年末の閣議決定に従ってこれを行っていくということで考えております。
○国務大臣(石破茂君) 基本的に外務大臣のお考えと同じであります。宜野湾市民の皆様方のお考えが示されたということにつきましては、これは私どももよく考えていかねばならないということだと思いますが、政府の方針といたしましては、現在決められておりますことが着実に実行されますよう今後とも努力をしてまいりたいという方針に変わりはございません。
○大田昌秀君 ありがとうございます。
 終わります。
○委員長(松村龍二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十七分散会