第156回国会 外交防衛委員会 第15号
平成十五年七月十日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月九日
    辞任         補欠選任
     吉岡 吉典君     畑野 君枝君
     大田 昌秀君     田  英夫君
 七月十日
    辞任         補欠選任
     河本 英典君     近藤  剛君
     畑野 君枝君     吉岡 吉典君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                阿部 正俊君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                山本  保君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                近藤  剛君
                佐藤 昭郎君
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                若林 秀樹君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                広野ただし君
                田  英夫君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  秋山  收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       増田 好平君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       防衛庁人事教育
       局長       宇田川新一君
       外務省総合外交
       政策局長     西田 恒夫君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     安藤 裕康君
       外務省条約局長  林  景一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公聴会開会承認要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保
 支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)

    ─────────────
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨九日、大田昌秀君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案の審査のため、七月十八日午後一時三十分に公聴会を開会することとし、公述人の数及び選定等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(松村龍二君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官増田好平君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君及び外務省条約局長林景一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○桜井新君 自由民主党の立場で、イラク対策法案について質問をいたします。
 まずその前に、昨日明らかになった長崎市の中学一年生による殺人事件は、心のやり場のない衝撃でありました。今年に入ってから毎日のように起こる殺人事件や自殺事件は、イラク対策どころではない思いであります。大人の世界として国家非常事態宣言をして対策を立てるべきではないかとさえ思っております。
 福田官房長官、あなたの昨日の夕刊のコメントも読ませていただきました。しかし、本当にこれは異常事態としか言いようがないわけでありますが、福田長官としてはこれにどう対処するつもりだか、あなたの考えを聞かせてもらいたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおり、昨日中学生が、中学一年生というんですけれども、殺人を犯して補導されたと、こういうふうなことでございまして、私どもといたしましても本当に衝撃的であると、こういう事件であったわけでございます。
 また、事件そのものが、その中学生が、人を殺すということについてどのぐらいの重大な意味があるかということについて認識があったのかどうか、もし認識が薄かったとすれば、これはやはり私は、家庭の問題があるのか、若しくは社会の問題があるのか、私は社会の問題も非常に大きいと思います。
 特にこの社会の問題ということになりますと、昨今、ただいま委員から御指摘ございましたとおり、犯罪が発生数が増えております。急増しております。これは平成十年ごろから急激に増えているというのは、私もグラフを見てそれが分かったんでありますけれども、ちょっと異常な状態にあるというように私も思っております。
 これ、青少年問題ということもあるかと思いますし、それからまた取締り面の問題もあるかもしれぬ。これ両面のことだろうというふうに思っておりますので、その辺をどのように考えていくべきか。これは私も政府として取り組むのはちょっと遅いのではないかというように思っておりますが、これは早急な対応を考えなければいけないと、こう思っておるところでございます。
○桜井新君 余りにも戦後、物欲、お金、そのことに振り回され、特に最近は、時価会計とか減損会計とか、そういうことで企業の経営もお金に振り回される。毎日鉄板の上で鉄板焼きをさせられているような思いであおられていることは我々の日本人の習性に合わぬことだと。生まれてから子供を育てる家庭の中の文化というものが全く無視されてきてこうなっているんだと思うので、我々自由民主党は、与党として、このことで特別小委員会まで作って今討議をしておりますが、ある意味で大人たちが本気になって、何が人生で一番大切なのかということをもう一回思いをそこに寄せて、私は、自警団のようなことを、みんなで立ち上がらないと、大人が立ち上がらなかったら、学校の先生方だけに任せておいても駄目だと思う。そういう意味で、是非真剣にこれは閣議として考えていただきたいと注文を付けておきます。
 それから、さて、六月の会期延長が決まって以来、イラク対策法案で努力されておる政府関係者には心から敬意を表します。これまで衆議院における審議の模様を勉強させてもいただきました。また、去る七日の参議院本会議の代表質問への総理並びに関係大臣の答弁も聞かせていただきました。しかし、釈然としない点が幾つかありますので、今日は、昨日の連合委員会のことも含んでただしたい、たださせていただきたいと思います。
 その前に、並みいる野党の皆さんも含んで皆さんどうお感じだったか知らぬが、この間の本会議の小泉総理の答弁は余りにも事務的過ぎて、国民に対して失礼千万だと私は思っております。もう衆議院でさんざん説明してきた、また同じことをやるのかと言わんばかりに、原稿棒読みのような粗雑な態度は参議院に対する無礼であると苦言を呈しておきたいと思うので、官房長官は総理にこのことはきっちり言っておいてください。やっぱり院が別なんですから、院が別なんですから、ここへ来たら参議院を通じて国民にどう語り掛けるかという態度が必要だと、こう思っております。予定よりも三十分も時間を余しておりますから、これは私の方からの苦言だということでありますから、答弁は結構です。
 さて、本題に入りますが、昨日の質問にもあり、小泉総理も再三にわたり声を荒げてまでその正当性を主張しておりましたイラク攻撃への日本の支持表明については、私は賛成であります。今の国際情勢の中で日米安保を基軸として日本の安全を守る立場からやむを得ない選択であったと思います。そうであれば、一刻も早い表明が効果的であり、外交戦略としては評価すべきものだと思っております。
 次に、フセイン政権を倒し、ひとまず攻撃を収めたことは誠に良かったと思っております。しかし、現地ではいまだに連日のようにゲリラ的なテロが発生し、英米軍やイラク人の犠牲者が続出しております。せっかく四半世紀に及ぶ独裁者による圧制から国民を解放し、安心して暮らせるイラク人の生活を願っての戦闘であったはずであります。占領軍の努力でイラク人の理解を得て、一日も早い暫定政権の樹立を祈ってやみません。現地視察に行かれた議員さんの報告を聞かせていただき、イラク一般国民の安心を願ってやまないところであります。
 さて、本論に入りますが、質問の第一は、隊員の拉致対応についてということでございます。
 まず最初に、福田官房長官にお聞きをしますが、あなたは昨年暮れ、あっ、拉致対応じゃありません、別のことでした。失礼しました。あなたは、昨年の暮れ、明石さんを座長とする国際平和協力懇談会を設置し、三項目に要約される答申まで得ていながら、イラク法のような個別法でなく、恒久法に踏み切れなかったのはどういうわけですか。小泉総理の説明を昨日聞いたが、理解できなかった。せっかくのチャンスを生かせなかったような気がしてなりません。これはどういうわけでしょうか。お聞かせ願いたい。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のように、昨年の十二月に明石レポートというものが提出されました。これは、総理が昨年の春だったと思いますけれども、オーストラリア、ニュージーランドでしたかな、でスピーチをしまして、(「シドニー」と呼ぶ者あり)あっ、シドニーですか、オーストラリアですね。シドニーで昨年の五月でございますが、政策演説を行いました。その中で、我が国が紛争に苦しむ国々に対して、我が国としても平和の定着とか国づくりのための協力を強化して国際協力の柱とするための必要な検討を行うと、こういうような内容のスピーチをいたしました。これを受けまして、明石さんを中心とした懇談会を設立いたしまして、これは総理の懇談会でございますけれども、そのレポートが昨年十二月にまとまりました。
 もちろん、これをすぐ法制化するというようなことになりますれば、今回のものに間に合うということでありますけれども、しかし時間的にいいましてもそうはならないということでもって、この検討は実は、今検討は進めておりますけれども、本格的にはこれからその大綱を作っていこうと、大綱を作ってその上でその大綱に基づいて法律を作っていこうと、こういう考え方でいるところでございます。
 ですから、今回の法案については間に合わないということでありますけれども、しかし考え方は基本的には同一方向だろうと思います。しかし、細部いろいろ点検しなければいけないところがある、自衛隊はもちろんそうでありますけれども、国際協力法とか、それから地方公務員にもお願いするとか民間の方にもお願いすると、それぞれの法律というか体系、法律体系の中にそれぞれを取り込んでいくということになりますと、相当大きな法律になる可能性があるというように予想されます。
 これは私は、これからの日本が国際社会の中で生きていくためにどうしてもこういうことはしていかなければいけないんだと、そしてこれが日本の国際社会に対する一つの大きな役割なんだと、それもまた国家としての役割だというような位置付けを是非ともしてみたいというように考えて、これは総理もそのように考えておられるんでありますけれども、そういうことであれば、慎重にこの分については検討していきたい、その上で立派な法律にまとめ上げていきたいというように考えております。これは日本がこれから生きていく道筋を示すことにもなろうかと思いますので、これは極めて大事な法律になるんだろうというふうに思っております。
 そういうことで、今回のイラクのこの復旧には間に合わなかったということでありますけれども、そちらの方はそちらの方で急いで成し遂げたいというように考えておるところでございます。
○桜井新君 私はこれは、あなたが今言ったのはもちろん言い訳で言っているわけですが、言い訳のための言い訳だと思うんですよ。六か月もあるんですから、あれから六か月待ったんです、半年あったんですよ。本気でやる気であればできるんで、さっき冒頭に話をした教育のことも、外交防衛のことも、治安のことも、やっぱりこれだけの変化をしているときですから、それは野党の皆さん、我々だって国民のために何をしようということにそんなに大きな差があるわけじゃないんですから、本気で私は話し合う、今からだって、この法案の中でまだ期限のことも含んで、あるいは暫定政権をどうするかということにも含んで、やっぱり本気で話し合うべきだと私は思っておりますから、もうちょっと真剣に取り組んでいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(福田康夫君) お言葉でございますけれども、これはただいま申しましたように大きな法律だと思っております。そしてまた、自衛隊法の改正とか警察法の改正とかいろいろな法律の改正も含むわけでございますので、そう簡単にはできません。法律を作る前にこの道筋をきちんと立てなきゃいかぬ。そのためにはやはりこれは与党の中は当然でございますけれども、野党にも声を掛けて、そしてできるだけ多くの方々がこの考え方に賛同していただけるような、そういうような大きなものを考えていきたいというように考えておりますので、そう半年やそこらでどうこうというわけにはいかない。大綱を作るにしても、半年やそこら掛かるんじゃないかと思っております。
○桜井新君 これは現にアフガニスタンだってイラクだって、今から憲法でさえ大急ぎで作らなきゃならぬ。それは必要に迫られれば人間何でもやるけれども、ゆとりがあると思ってやっているうちにほかに支障を起こさなければいいけれども、子供たちの事件のようなことが起きてからじゃ間に合わないんですよ。ですから、あえてそのことを再度重ねて注文をしておきます。
 次に、もし現地に派遣された兵隊さんが拉致をされた場合のことを昨日もどなたかが触れられておったようでありますが、念のためにもう一回聞かせていただきたいと思うんですが、舛添要一委員の七日の本会議における質問に対して総理の答弁は、言葉としては分からないではないけれども、余りにも簡単に要約されちゃって、抽象的過ぎてとても理解が得られるようなものじゃなかったと思う。六月の二十四日の衆議院における石破長官の中川議員に対する答弁で、派遣隊としての隊長の下、組織的に情報収集や保安、防備体制、万全を期すと述べておられるが、これが本当にやれるのかどうか。隊員が輸送業務中もし反占領軍勢力などに拉致をされた場合に自衛隊はどう対応するのか、またその際、武器使用はどこまでやるのか。法文的な説明ではなく、石破長官、国民に分かるようにひとつあなたの言葉で説明してみてください。
○国務大臣(石破茂君) 拉致というようなことが起こらないように情報の収集に努める、そういうことが生起しないように万全を尽くすということは当然のことでございます。しかしながら、全くそういうことがないということは私はあり得ない、そういうことは排除されないものだと思っております。
 昨日も御質問がありましたが、じゃ、そのときに奪還ができるのかという御議論がございます。私は、昨日、捜索には行けるというふうに申しました。そういたしましたらば、何だ捜索なのかと、捜しに行くのかと、その後どうなるかといいますと、捜索をした結果、あるところに監禁をされているというような場面に遭遇をしたといたします。そのときに、我が日本の隊員であると、返してくれということを強く要請をし、交渉するという行為をいたします。奪還はできるのかというお話なのですが、奪還という言葉はそれが何を指すのかよく分かりませんが、その奪還という言葉の中に武器の使用を行ってまで奪還するという意味だといたしますと、それはこの法文には予定をされておりません。
 武器の使用というのは、あくまで自分の身を守るためにということに限りまして認められております。これはこの法案に限ったものではございませんで、ほかの法律でもそうでございます。そして、捜索に行きました結果、自分の身に危害が及んだ。そういう場合には、本法案第十七条に基づきまして武器の使用を行うことはあり得ます。しかしながら、この条文の構成といたしまして、最初から武器の使用を予定をして奪還をするということまでは予定をいたしておりません。
 じゃ、なぜ捜索に行けるのだということでございますが、捜索に行ける根拠といたしましては、それは硬い言葉で言いますと、組織としての自己管理機能という言葉を使わせていただいております。すなわち、隊員がいなくなるということは、それによって組織が維持できない、維持管理ができないということを引き起こすことでございます。
 自衛隊という部隊の維持管理行いますために、その重要な構成員である隊員が拉致をされた、それを捜索に行く。そこにおいて、仮に説得、要請等々が功を奏さず、向こうが武器を撃って使った場合、こちらから使うことはあり得ません、その場合に、十七条に基づく武器使用はあり得るということを答弁を申し上げておるわけでございます。
 実際に拉致をされる、現場で拉致をされそうになったという場合は、それはもう十七条というものは使う場面が出たといたしますと、そこの場で正当防衛、緊急避難で武器を使うことはあり得ます。
 以上でございます。
○桜井新君 そういう程度のそういう説明ではなかなか隊員や我々が納得できない。
 拉致をされた隊員を捜しに行くことはできても、捜しに行った人が危険にさらされなけりゃ武器使えないなんていったって、そんなことは、現場へ行っている人たちはそんなこと一々やっていられる話じゃなくて、本当に捜して助け出すというのであれば、最初の、十七条の条文に、自衛隊の隊員とそこに所属する人たちの身体を防衛するためにやむを得ないとなっておる。十七条の一だか二にそのことが書いてありましたね。そこに一緒に働いている人たちも守る、そのために必要であれば武器を使ってもいいと書いてあるんですが、その範疇の話だと思いますよ。
 最初に、あんた、拉致されていっちゃったと。それを捜し出して、武器を使っても捜し出して助け出すという責任でなければ、だれが組織的にそんなところへ行かれますか。そうであれば、そういう危険状態があるとすれば、元々、私は、暫定政権ができるまではこのテロが続くんだろうし危険があるんですから、テロというのは地域の指定なんかできないんでしょう。
 あの九月の十一日だかのテロ事件が起きた後で、アメリカのブッシュ大統領は、これからは国家対国家の戦争じゃないと言われましたね。そういう限定はできなくなると、そういう話をされた。正にそのとおりだと思う、どこで何が起きるか分からないんですから。
 だとすれば、暫定政権ができるまではなかなかそういう指定というのはできないと思う。それだけに、出ていく兵隊さんたちは相当の装備とそれから情報収集、監視、監視というか、歩哨というんですかね、昔の言葉で言えば。そういうことがきっちり組織的にできる、そして安全な作業が守られるという保証がなければ、そんなところへ兵隊さん出せますか。NGOと違って国家の命令で出ていくわけですから。
 私は、そういう意味で、この拉致事件に対する防備の仕方はやっぱり十分再検討していただきたいと、こう思います。
○国務大臣(石破茂君) よろしいですか。桜井先生、よろしゅうございますか。
○桜井新君 はい、どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) 御指名いただきましたので、お答えを申し上げます。
 先生の御指摘はそのとおりだと思います。
 まず、問題は、拉致をされないようにということでございます。私どもは、当然、非戦闘地域でなければ活動はできません。そして、その中で実施区域を定めるに当たりまして、やはり比較的治安のよろしいところといいますか、自分たちが持っていく武器や権限、それで安全が確保される、そういうことでございます。丸腰で行くわけではございません。当然、自分たちを守るという範囲におきまして、限度におきまして武器も持ってまいります、権限も与えてまいります。したがって、拉致がされないようにということに万全の配慮を尽くしてまいるわけでございます。
 それで、それにもかかわらず、なお拉致をされた場合に、これは私の理解が間違っておるのかもしれませんが、最初から撃つ、すなわち向こうが撃たないのにこっちが銃を使って奪還をするという行為までは予定をいたしておりません。やはり本当に捜索をし、発見をし、説得をし、交渉し、要請をし、その中でなお向こうが武器を撃ってきたと、武器を使ってきたと、そういう場合に正当防衛、緊急避難で撃てるということでございます。
 まず第一に、そういうような場面にならないように活動する。そのような場面に、そのような場所において活動したとしても拉致をされるような場合には、当然、正当防衛、緊急避難というものを使って武器が使えることもあり得るということでございます。
 したがいまして、全く隊員のことを考えずに、そうなったら知らないよということではございませんで、そうならない地区で、仮にそうなったとしても正当防衛、緊急避難で武器が使える場面がある。そして、捜索に行ってそういうような場面に遭遇すれば、十七条で武器は使えるということでございます。
○桜井新君 私は政治家になる前は建設業、自分の技術は建設工事の方ですから、仕事をやってきました。それで、新潟の田舎だから、関東や関西まで出稼ぎに歩いてきた。橋も架けてきたし建築もやってきた、トンネルも掘ってきた。そういうときの安全管理というのは、安全六法なんか見ちゃやっちゃいられないんだよ。やっぱりたくみの技と同じで体で覚えて、職人でなければ使えないんだよ。そういうのが何人かいなければ、みんなを守れないんだよ。兵隊さんだって、そういうことを体で覚えさせているんだから、こういうことは使ってもいいと。
 それで、あんたが言ったようなことじゃなくて、臨機応変に、それは隊長の下で組織的にどう行動してもいいという話がなければ、安心してなんか行けるものか。だから、そういうことをしっかりやってくださいと、こう言うんですよ。条文なんか幾ら書いたって、野党の皆さんに責められないように責められないようにという法文ばかり書いているんだから、現場では役に立たないんだよ、こんなのは。だから言っているんですよ。
 だから、私は、そういう意味で、暫定政権ができれば、日本に親日感情のある国なんですから、あの国は。少なくとも英米とは違うんですから。それぐらいのことは努力をして、どっちみち準備や調査の間に一、二か月掛かるんですから、私は、急いで暫定政権を作らせてやるというようなことをこの際、約束をしてもらいたいと、その上で出ていくというふうにしてもらいたいと、こう思っております。いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 確かに、その場で六法を見ながらというような、昔「宣戦布告」という小説がございました。そしてまた、映画にもなりました。多分に劇画的なものですが、そのときに官僚が出てきまして、安全保障六法でこれはできるとかできないとか言っておって、こんなもので現場に対応できるのかというようなものがございました。そういう意味で、先生の御指摘というものはよく考えなければいけないと思っております。
 ただ、私どもは、法律に書いていない、法律に根拠を持たない、そういうような行動は一切しないというのが法治主義の国の実力組織の在り方だとも思っております。法に書かれていないことであれば、自衛隊は一メートルでも動けない。これはやはり、私は、しゃくし定規だというおしかりをいただくかもしれませんが、やはりシビリアンコントロール、国会でお決めをいただく法律に基づいてしか実力組織である自衛隊は行動しない、これはやはり動かせないものだと私は思っております。
 しかしながら、じゃ、それで現場に役に立つのかいという先生の御指摘でございます。
 この場で幾ら法律的には大丈夫ですと言いましても、現場に行く者の身になって考えろという御指摘は本当にそのとおりでございます。私は、そのことは、この法案を作りますときも、また御審議をいただいておりますときも役所の中で朝から晩まで言っておることでございまして、現場に行った者が迷うことがないように、一瞬の迷いによって大きな被害が出る、これはもう工事でも一緒だと思います。一瞬の迷いや一瞬の判断の遅れによってそういうことがないように、きちんとした訓練、それは積むようにいたします。
○桜井新君 かつて栗栖さんという統幕議長が言っておったね、超法規的行動をやるしか日本を守れないという。やっぱり私は、ある程度の、現場は法律の中にアローアブルがなければ動けないと思うんですよ、ある程度のことがなければ。ですから、そういう、隊員にこれだけの範囲のゆとりがある中で自分の判断で身を守れということをきっちり言えるような条文にすべきだと思うんですよ。回りくどい話じゃなくて、そうしてもらいたい。
 それから、あくまでも日本としては、暫定政権を作ってもらって、その上で出るようにしていただくことが隊員に安心してしっかり働いてこいと言えることになると思うので、是非これは官房長官、ひとつ閣内で相談してください。
○国務大臣(福田康夫君) 暫定政権ができるまで自衛隊を派遣はしないということになりますと、暫定政権が早期に立ち上がるようにということで米国も当然考えていることだと思いますし、また我々もそれを期待をいたしております。
 しかし、では暫定政権、いつできるか分からない暫定政権ができるまでは何もしないでいいかどうかということになります。その辺は、やはり現地の情勢というものもございますし、また、そういう状況の中でも日本ができることはあるというのであれば積極的にむしろやるべきではないのかなというように思っておりますので、それはいろいろなこの法律で枠組みがございますので、その枠組みの中で安全を旨として自衛隊に活動してもらう、また文民の方にも安全性が増してくればそこにまた入ってもらうというようなことで、日本がイラクの復興のために全力で努力しているんだという姿勢は、姿勢だけでない、姿勢と実質を伴うわけでありますけれども、そういう姿というものはやはり必要なのではないかというふうに考えておるところです。
○桜井新君 私、九一年のたしか四月の末だったかと思うんですが、バングラデシュにサイクロン災害というのが起きましたね。あの年はたしか湾岸戦争のときだった。湾岸戦争終わって引き揚げた人たちが、アメリカはいち早くバングラに入って、テントまで張って、兵隊さんがたくさん来て、救助作戦を整えた。しかし日本は、これだけの交流がありながらどうしても自衛隊の派遣ができないと。
 そこで、私は、今日葬儀なんですが、亡くなられた櫻内先生に、あの方は幹事長もやられ、外務大臣もやられたので、お力をおかりして、そして相談をして、東京と大阪の消防庁、それでヘリコプター二台出させた。あなたのお父さんにも随分知恵出してもらった。そういうことで、初期の段階は間に合った。それから、後からは別の手を出したけれども。
 そういうことで、本気になってやろうとすればいろいろ知恵はあると思うんですよ。だけれども、できるだけ自分たちの今の立場に身の危険や負担のないようにしようとすれば、どうしてもだらだら先へ延びちゃうと、こういうことだと思うので、真剣に検討していただきたいと。これは注文です。答えは要りません。
 次に、戦闘地域の認定の話ですが、アル・ジャジーラという中東の放送局がございますが、そこでサダム・フセインとおぼしき人物のメッセージが放送され、抗戦を呼び掛けております。報道によれば、米国のCIAはフセインの可能性があるとしているようであります。昨日はある人から断定しているとまで聞かせられました。
 連日のように米軍などに攻撃が加えられ、その指導者が生存していると思われるような状況は、米国が戦闘の終結を宣言しようとも、国際法的には交戦団体としてのフセイン勢力は活動していると考えなければならないんじゃないんでしょうか。このような状況でも、戦闘行為は行われていないと認められて非戦闘地域という指定ができますか。重ねて、しつこいようだけれども、聞かせていただきたい。
○国務大臣(福田康夫君) これはもう御案内のとおりでございますけれども、五月一日にブッシュ米国大統領が主要な戦闘の終結を宣言する演説を行いました。イラクの国内は大規模な戦闘は終了したと。ということは、この宣言もそうでありますけれども、それ以後の状況を見てもそういうことは言えるんであろうと思います。
 しかしながら、一部地域におきましてフセイン政権の残党による抵抗運動がまだいまだに行われていると、こういうようなことでございまして、戦闘は完全に終結したと、こういうようには認められない状態にある、こういうことでございます。
 したがいまして、この法律に基づきまして対応措置を実施する区域でございますけれども、これは非戦闘地域と、こういうことになりますけれども、この区域の指定に当たりましては様々な情報を収集、分析した上で、この要件を満たすようなそういう地域を選び出す、そういうことになります。これは、この作業は安全との関係でございますので、極めて慎重に対処していかなければいけない、そのように思っております。
○桜井新君 長官はどこか時間の都合で座を外す時間があるんだそうですが、あと何分ある。
○国務大臣(福田康夫君) あと十分あります。
○桜井新君 ああ、そうですか。
 それじゃ、続いて、順序を変えて、あなたにもう一回、しつこいようですが、お聞きさせてもらいますが、時限立法の問題で、テロ特措法の延長も度重なるものとなっているが、国際紛争に期限付で対処することには、初動の遅れ、派遣期間に応じた体制確保のための努力に対する誤った認識などを与えることとなる。本来、いつでもこの種の事態に対応できる法体系を安全保障基本法、集団的自衛権、解釈変更も含め、整理すべき時期であると先ほどから何回も繰り返して申し上げているんですが、私は、この際、せっかくこの法案をやるときですから、このことについてももう一度、参議院は良識の府ですから、参議院の野党の皆さんと十分話し合って、恒久法になる努力をしてみませんか。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほどの答弁と重なることになりますけれども、やはり我が国として、自衛隊が活動すると、これは、自衛隊が海外で活動することについてはこれは限定的なことでございますので、そういうような自衛隊の活動というものが、一体何のために活動するのかといったようなその趣旨、理念、そういったようなものがまずなければいけないんだろうと思います。そういう理念ができますれば、自衛隊のみならず、ほかのいろいろな方々にも参加をいただく、地方自治体の方々にも参加していただけるというような仕組み、そういうものがあってしかるべきではなかろうかと。
 今、このように自衛隊も、PKOでも十回ぐらい出ていますでしょうか。そういうような大変国際的な活動ということについては国際的な理解も今得られつつあると。むしろもう既に得られていると。国際社会から自衛隊の活動については非常に優れた活動をするということで高い評価を得ているわけでございますから、我が国の、何といいますか、国際社会に対する顔と申しますか、またそのことによって国際平和に尽くすということについては、これは国民だれしもが異存がないことなんだろうというように思いますので、そういうことについて、委員御指摘のような恒久法のような形でしっかりした体系がまとまればこれはもうすばらしいことだというふうに考えております。また、そういうことで政府としても努力してまいりますので、どうぞ御理解いただき、また御支援を賜りたいと思っております。
○桜井新君 せっかくのこの法案を作る機会ですから、衆議院では話し合ったかもしらぬけれども、参議院の与野党の話合いもしっかりやらせていただいて、どうですか、皆さん、この際、やっぱりそういうこと。そして、その都度法案を作らなければ動けないなんということでは、あなたが今おっしゃったようにこれだけの貢献もしておる、そういうことですので、是非もっと日本の立場を国際社会に理解していただきやすいように努力をしていただきたい。もう私、あなたに対する質問はこれで終わりますから、どうぞ。
 次に、隊員の処遇のことでちょっとお伺いしたいんですが、これから私が申し上げますことについては、先般、火曜日だったかな、自民党の総務会で山中貞則総務から、この人は皆さん御承知のように一番古い防衛庁長官も経験されておるわけでありますが、この山中総務から山崎幹事長に再度にわたって強い要請があった。そして、法案通過までに決着をさせよということで注文があって、そういうことで検討いたしますという約束もあったことでありますから、そういうつもりでひとつ聞いて御答弁を願いたいと思います。
 派遣隊員は安全を確保された状況で派遣されると認識しているが、発砲事案などが発生している状況から、テロですね、派遣隊員が標的にされる可能性は全くないとは言えない。あってはならないことですが、起きる。あのアフガンでも、あるいはカンボジアでも亡くなっておられるわけでありますので、そういう意味で私はそう申し上げている。決して隊員の死傷を想定するものではないが、万が一を想定して準備すべきものであると思います。手当などについてはそれなりの配慮がなされているように聞いてもおりますけれども、名誉や及び遺族、特に遺児の進学など、育児などについての確認をしたいと思っております。
 米国においては、戦死者の遺族を選挙区の上院議員が軍の士官学校に推薦する制度及び国家の大義に殉じた者に対する最大の敬意を払った顕彰など制度が完備されていると聞いておりますが、我が国ではどういう体制になっておるのか。やっぱり隊員の処遇と顕彰、名誉ということをしっかりやってあげることが家族もみんな誇りを持って送り出してやっていただけることになると思いますので、お聞かせをいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(石破茂君) いろいろ先生にも御配慮をいただいております。また、山中先生のお話は私も即日承っておるところでございます。重く受け止めて対処をしていかねばならないというふうに考えております。
 今、先生から、アメリカにおきまして上院議員が軍の士官学校に推薦する制度があるというようなお話がございました。これは特定の要件を満たす者、例えば現役の軍人又は八年以上継続的な勤務経験のある退役軍人の子弟でありますとか、陸軍、陸軍予備役、陸軍州兵の下士官でありますとか、殉職した軍人、職務に従事中に障害を負った退役軍人、行方不明又は捕虜になった軍人若しくは連邦職員の子弟、さらには勲章を受けた者の子弟などが対象となっておるわけでございます。この人たちは、副大統領あるいは上院、下院議員を通じて応募することになるわけでございまして、今申し上げましたような特定の要件を満たす者につきましては議員等を通じた応募とは別の応募区分が設けられておるというふうに承知をいたしておるところでございます。
 我が国はそのような制度はございません。先生も御案内のとおり、私ども、自衛隊記念日というものがございます。そのときに、殉職した、不幸にして殉職した隊員の追悼式というのを内閣総理大臣臨席の下に毎年行っております。執行者は防衛庁長官でございます。
 また、陸海空の自衛隊にはそれぞれ御遺族の会がございます。それと各部隊あるいは各自衛隊、緊密に連携を取っておりまして、御指摘のような進学でありますとか、あるいはいろんな悩み事、そういうものには必ず対応するようにいたしております。私も、そういうような会の役員の方々と必ず懇談をするようにいたしておりまして、そのときに、本当に何か不都合はないですか、言いにくいことはありませんかということを聞くのですけれども、本当にきちんとやってもらっているというようなお話でございます。
 そういうことで、私は、現状におきまして相当の対応をしておると考えておりますが、更に万全を期すべく努力をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
 あるいはまた、先生から仮に万が一のことがあった場合の手当等々はどうだという御指摘でございます。
 今の枠組みについて申し上げれば、退職手当につきましては、普通退職の場合のおおむね五割増しの水準が適用されることになろうかと思います。また、あるいは公務災害補償につきましては、通常の補償額に五割を加算した額の補償が行われるというふうに考えております。さらには、賞じゅつ金という制度が私どもございますが、これの活用というものも考えておるところでございます。更にこれを超えまして新たな制度を作るということになりますと、これは制度の考え方そのものを変えることになってまいります。
 やはり、今回のイラクの場合でも、国会で仮に法案が御可決をいただいたといたしますと、その法律に従いましてイラクに赴くことに相なります。そうしますと、ほかにもPKOもございます。国内でも危険な任務に従事しておる自衛官はたくさんおります。そういう人たちとの整合というものも考えてみましたときに、何が一番いいものなのか、今私どもが考えておるもので仮に不十分な点があるとすればどういうことなのか、桜井先生、また山中先生の御指摘も踏まえながら、私どもとして、本当に国の法律に従って国の責任を果たすために赴いた人がそういうことに遭遇したときに、きちんとした名誉、そして誇り、それを国家としてお与えするような方向で万全を尽くすよう努力をいたしたいと考えております。
○桜井新君 昨日あなたの部下の皆さんから表も見していただいたり詳細も聞かしていただいたんだが、そのことが徹底できますように、また新しい法案にも十分対応できますようにお願いしたいし、家族の皆さんとしては、この間のアフガンだか何かでたまたま、勤務じゃないけれども、勤務じゃないけれども不幸につながってしまったと。しかし、家族にしてみれば、そのために現地へ行った、現地へ行ってなければこんな目に遭わなかったと、こういうことですね。そういうことのときにどう処遇してあげるかということも再検討しておいていただきたいと思うし、かりそめにもその子供たちが非行に走ったなんということにならないように十分な目配りが組織の中でできるようにお願いしたいと思う。これは答弁要りませんから。
 次に、時間もなくなってきましたから、外務大臣にお願いします。
 この法案が成立してイラク派遣が決定されたとき、日本の活動内容は米英に支配されない独自なものと盛んに昨日も言っておりましたね。米英に支配されない、自分たちの選択で、米英もそう言っている、アメリカも日本が自分で考えてくれと言っておると、こういうことを盛んに言っておりますが、米英軍の方針を支持する内容と私はならざるを得ないと思うんですよ。同じところへ行って同じ復興に向けてやるのに、連絡も取り合わぬでやるなんということはできないと思うので、それは日本の立場として今そうは言っても、現地では十分連絡を取り合って、特に拉致事件なんか起こさないためにも、あるいは起きた場合の対処についても、これは米英軍のみならず、そこへ出ている部隊とは全部連携を取り合う、情報の交換をするということは大変大事なことだし、それから復興の中身についても協議することは大切なことだと思っておりますので、そのようにやっていただきたいと思います。
 しかし、そうであっても、日本は被占領経験の国として、この半世紀たった今、悲喜こもごもの思いを持っておる。いろんな経験をしているんです、日本は。今、子供たちが非行に走ったり大人たちが金の奴隷になるようなばかげた事件が次々起きることも戦後の私は後遺症だと思うし、そして、世界一の経済になったことも喜ばしい面の戦後の私は先輩たちの努力の遺産だと思っております。いろんな経験を持っております。
 そういう意味で、この間も川口大臣に、前のこの会のときにお話を少ししたんですが、再びお願いをさせていただきたい。それは、英米人と違った親日感情を増進することにも大いに役に立つと、こう思っておりますので、是非聞いてみてください。それは、給水支援は当然のことでありますが、長期的な国土復興に役立つチグリス・ユーフラテス川の治水それからかんがい事業、及び石油で生きるようになる以前に唯一の食糧対策だった農業基盤、この農業基盤の整備などに貢献する計画は考えておられますかどうか。単なる英米軍の示したメニューのみではなく、是非積極的に、イラク人がグッドウイルとでもいいますか、好意を持っていただけるような方策をいろいろ検討していただくことが良いことじゃないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員のおっしゃられることは、すべておっしゃるとおりだと思います。
 我が国が、この法案に基づいて、あるいはそれ以外にも既に経済協力等でイラクの国民に対して協力をしている部分というのはあるわけでございますけれども、例えばユニセフを通ずる教育等ございますが、そういったすべての我が国が行っているイラク国民に対する協力については、関係のところと緊密に連携を取りながら行っているわけです。我が国として、我が国の能力にふさわしい国際貢献、イラクの人たちに対する協力をしていかなければいけないわけですけれども、同時に、それは我が方だけの片思い的な、イラクの人たちのニーズに合わないものであってはいけないわけでして、そういう意味で、実際に今までも、今後も行うに当たっては、関係者の方々あるいは実際のニーズ等を踏まえてきちんとやっていく必要があると思っております。
 それで、そういう意味で、主体的に判断をし、同時に緊密な連携を取りながら行うということですけれども、委員がおっしゃられた農業基盤、あるいは治水、かんがい、それぞれ非常に重要なニーズのあるテーマであると私は考えます。
 具体的に、今後いろいろな段階で支援をやっていくことを具体化していくわけですけれども、それに当たりましては、今、委員がおっしゃいましたことをきちんと踏まえつつ、参考にしながら、どういうことを我が国としてやることが我が国に最もふさわしく、またイラクの人たちのためになるかということを考えて具体化していきたいと考えております。
○桜井新君 今度、与党も野党も調査団を派遣して、いろいろ調査をしてきた結果を報告していますね。あなた方の耳にも入っていると思うんです。その中で、水、食糧、医療、いろいろ言っておりますが、その中に仕事というのが自民党の報告の中にあるんですよ。要するに求職ですね。働かれるようにしてくれと、こういうことがあるんですが、正にそういうことがそのままイラクの人たちのお役に立てれば幸いなんで、日本の戦後の復興もそこから始まったんですから、今すぐにも働いて所得が得られるようにしてもらいたいという希望なんだと思うので、今度のイラク対策法案とは別に、ODAであなたのところはこういうことがどんどんできるわけですので。
 私も二十二年ほど国会へいさせていただいておりますが、この間、ほとんど人口・開発会議ですね、国連のUNFPAの関係で仕事をさせていただいてきた。そんな中でこの中東地域のこともアラビアのこともいろいろ勉強させてもらったけれども、元々はここは自給体制の整ったところだったそうでありますから、私がこの質問をするのも実は現地へ行ってきた人たちからの注文で、是非これも言っておいてくれと、こういう話でやっているのでありますから、外務省として本格的にそのことも取り上げて、取り組んでいただきたい。
 今、WTOのルールで食料品まで競争の場にさらされるようになっておりますけれども、どこの民族でも、あらゆる生物がみんなそうでありますが、食べ物を通じて社会理念というのを教えているんですね。ライオンでもオオカミでも、小さいうちから親が食べ物を通じて、やっちゃいかぬことをやると、きばで強いおきゅうをしながらやるんだそうですよ。その食べ物が他人任せになったらその社会は治まることがなくなってしまうと、こういうことだそうでありますから、そういう意味でも、食糧というのは生産のことも食文化のことも大変大切だと、こう思いますので、重ねてあなたに注文をしておきたいと思いますが、是非やっていただけますか、積極的に。
○国務大臣(川口順子君) 仕事ということは私は大事なことだと考えております。魚を与えるのではなくて、魚を捕る道具を上げるということが重要だと思います。
 これは、我が国も既にそういう考え方に基づいて、例えばアフガニスタンですと略称でREAPというプログラムを作っておりまして、これは、日本のある世代から上の方は御記憶いただいていると思いますが、昔、ニコヨンと言われることがございました。一日働いて日給幾らということでやるプログラムが、日本がそれをやった時期がございましたけれども、そういう同じようなことをイメージしていただければいいわけですけれども、アフガニスタンの人たちにスコップあるいはシャベルというのを渡して、復旧、道路等が非常に壊れておりましたので、それをやって、やった人たちに日給幾らということで生活をするお金を給与として渡し、それを持って市場でいろいろ買物をしてもらえるようにするということでやっております。
 それで、イラクの場合においても既に同じような、規模が十分に大きいとは言えないかもしれませんが、国連開発計画を通じてそういったプログラムも日本は支援をいたしております。そういう意味で、魚よりは釣針を、魚よりは釣りざおをということでやっているということでございます。例えば、瓦れきの除去、あるいはごみの収集、建物の修復を行うということで現在既に動き出している。このために日本は六百万ドルを既に支出をし、延べ三・五万人の雇用創出を既に行っているということでして、引き続きこのプログラムの重要性にかんがみ、これも一つのやり方として考えていきたいと思っております。
 それから、おっしゃった、食糧を通ずる社会らしい社会を作っていくということについては、これも委員がおっしゃるとおりだと思います。
 様々な御意見を十分に参考にさせていただいて、今後のイラクの復興のプログラムを日本として考えていきたいと思います。
○桜井新君 ありがとうございました。
 石破長官から何か付け加えたいことがあるそうですが、どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど先生から御指摘をいただきました米国の陸軍士官学校の制度でございます。
 少し誤解を招きかねない答弁をいたしました。もう一度御説明をお許しをいただきたいと思います。
 アメリカの士官学校では、同校への入学を希望する者は、米国副大統領、上院又は下院議員の推薦を通じまして、推薦を得て応募をすることになりますが、特定の要件を満たす者につきましては、そのような副大統領や議員などを通じた応募とは別の応募区分が設けられておるということでございます。ですから、先ほど申し上げましたような殉職した軍人さん、あるいは職務の従事中に障害を負った退役軍人、行方不明又は捕虜になった軍人等々の御子息、御息女、これはそのような推薦を得なくても直接応募できる資格を持つというのが米国の制度だと承知をしておるということでございます。
 失礼いたしました。
○桜井新君 ありがとうございました。
 最後に、委員の皆さんに、生意気な言い方かもしらぬが、この法案が通って日本の自衛隊さんが出ていくようになったときに、これは一部の連中が通した法案で行くんだなんということでは余りにもかわいそう過ぎると思うので、どうぞひとつ、先ほどもちらっと話をしましたが、お互いにもっと議論をし合って詰めるところは詰めて、是非あの有事法制のように与野党が一緒になって良識の府としての答えを出してやっていただきたいとお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○佐藤道夫君 それでは、続いて私からお尋ねいたします。
 基本的な問題、いつも私、言うことでございますけれども、国民が大変注目をしている、あるいは関心を持っている、そういう問題についてのお尋ねでありますので、どうか大臣、その質問を横投げしないで直接御自分の口からお答え願えれば。
 それから、この問題について、所管があっちだこっちだということもないと思います。これは全世界が今注目をしているような問題ですから、当然、政治家として仲間内で議論をする、あるいはまた閣議の席でもこういう議論をしているはずですから。選挙区に帰ればまた選挙民が、先生、あれはどうなんでしょうか、おかしいと思いますよと質問をしてくる、それについてお答えをする。それはおれの所管ではないからと、そんなことを言う政治家は次の選挙は間違いなく落選だろうと、こう思いますけれども、それやこれやで、どうか申し訳ありませんけれども、直接お答えしていただければと、こう思います。
 そこで、桜井議員がただいま最初、トピックスということで何かちょっとした質問をいたしました。私もトピックスを三つほど挙げてお尋ねしたいと思います。
 実は、昨日の委員会でも出た質問であります。それからこれは党首討論でも菅民主党代表に対して小泉総理が答えていたことでもありまして、例の大量破壊兵器が発見されないじゃないか、あれはイラクになかったんじゃないかと。アメリカがいろんな理屈を付けて、口実を付けて戦争を開始したけれども、そもそも大量破壊兵器は存在していなかったんじゃないかと、こういう質問に対して小泉さん、どう答えたかというと、からからとうち笑って、何を言いますかと。フセインだって今いないだろうと。それじゃフセインはイラクに存在していないことになるのかと。同じ問題ではないのかと。これは党首討論のときにも使いまして、私ね、ふざけてこれ言っているんだろうと思った。まともな大学を出ている人の言うようなことじゃありませんからね。しかし、昨日も言っている。どうも小泉さんはこれ自分で考えて、これ間違いないと、この答弁で国民全体が、さすが小泉総理だ、我々の思っていることを言ってくれた、ありがとうよと、こう考えているに違いないと、こう思っているんでしょうね。でなければあんなことを二回も続けて言うわけがない。
 皆さん方も閣僚と一員として、恥ずかしいことだと、こんなばかげたことをうちの総理大臣が言っていると、すぐ、私ね、ひざ詰め談判をして、ああいうことは二度と言わないでくださいと言ったかと思うんで、多分言ったでしょう。それにしても、二度とも小泉さんがまた言っていることを見ますると、閣議では議論も何もしていないんじゃないかと。
 この話はね、何でもない、法律論でも何でもない、子供の常識なんです、子供の常識。いいですか、フセインがイラクにいたことを疑う人は世の中だれ一人いないわけですよ。あそこの大統領をやっていたと。それがいなくなったと。あれどこに行ったんだと、こういうことを聞いているわけですよ。こういう問題、それだけの問題。だれ一人疑っていないことなんですね、フセインがイラクにいたと。疑っているのは小泉さんだけなのかなと、こういう気もしないわけではない。
 でも、大量破壊兵器は全然問題が別で、アメリカはイラクは大量破壊兵器を保有していると口を酸っぱくするほど大声でどなり立てておりますけれども、見た人はだれもいないし、それを出して、普通テレビでこういうものが放映されてね、ここにちゃんと隠匿してあると、どうだといって世界の人たちに示してくれるはずですけれども、そういうことも一切ない。それから、フセインの命令で大量破壊兵器はあそこに隠しましたと言って出頭してきた者がいて、それの案内に従って現場に行ってみたら破壊兵器があったと。これならば世界の人も、間違いなくイラクは大量破壊兵器を隠していたと、こう考えるでしょう。そう考えることについてだれもまた異論を挟まないでしょう。
 しかし、いかなる証拠もなしに、イラクは大量破壊兵器を隠していたと。それは証拠がないじゃないか、あなたうそ言っているんじゃないかと。こういった、それに対する答弁として、何を言うかと、フセインだって今いないじゃないか、あいつはイラクにいなかったことになるのかと、こういう答えをすれば皆笑い出すでしょう、あなた何言っているんですか、問題が全く違うでしょうと。
 この点について、小泉内閣の閣僚であるお二方はどう考えておられますか、この小泉答弁について。やっぱり正当だと、拍手喝采したと、そういうことですか。それならそれでいいですよ。
○国務大臣(川口順子君) イラクに大量破壊兵器がかつて、少なくともかつて存在をしたということはだれも疑っていないわけですね。これは、イランに対しても使い、それからクルドに対し、クルド人に対しても使ったということでございます。それから、その後、国連の査察団、これが入っていろいろ調査をした結果として、これは様々な疑惑が具体的にある場合には、数量を含めて提示をされているわけでございます。そういった様々な疑惑については、国連の決議一四四一を見ても分かるように、これについては国際社会が一致をして存在をしている、疑惑が存在をしているということの認識をしているということであります。
 したがいまして、我が国としてはイラクにおいてその大量破壊兵器が存在をしなかったというふうに想定をするということは難しいというふうに思っているわけで、それをずっと申し上げているわけですけれども。
 小泉総理の御発言について、これは具体的に私が小泉総理に成り代わって解釈をするということはふさわしくないと思いますが、そういった我が国の大量破壊兵器についての考え方、それを非常にシンボリックにおっしゃられたんだろうと私は個人的には考えております。
○国務大臣(石破茂君) 外務大臣がお答えになったとおりだと思いますが、それに加えまして、総理は、六七八、六八七、これはいろんな御議論があることはよく承知をしておりますが、六七八、六八七、一四四一ということに基づいてイラク攻撃の正当性を支持したというふうにおっしゃっておられるわけでございます。
 したがいまして、総理全体の答弁の整合からいたしますとそれは論理の通ったものだというふうに私は考えておるところでございます。
○佐藤道夫君 フセイン大統領の存否について国民に分かりやすく説明したつもりでおるんでしょう、彼はね。あの大量破壊兵器との問題を絡ませて、あなた方皆間違っていますよ、大量破壊兵器は間違いなく存在したんですと。フセインはいなくなった、じゃ、こっちがなくなったのか、そんな問題じゃありませんよと、そういうことを分かりやすく説明したつもりでしょうけれども、聞いている国民は、一体何をこの男はしゃべっているんだ、もっと分かりやすくきちっと説明しろ、フセインが出てくる問題でもないだろうと。
 今のような、いろいろ国連決議がありました、何でしたこうでしたと言うんですけれどもね。私、今度はイラク戦争が、戦争を始めているわけですから、ただ単にかつて持っていたに違いないとか、国連が間違いなく持っていたと決議までしているじゃないかと、そんな問題ではないわけですよ。大事なことですけれども、軍隊を派遣して、その結果としてイラク人民の何千人、何万人という何の罪とがもない者が命を落とすこともあるべしと。それから、派遣したアメリカ軍隊の中からも戦死者、血を流す者が出てくる。それだけ重大な問題なんですよ。それならば、何ら疑念の余地のないぐらい調べに調べ上げまして、世界にその事実を示して、こういうことで幾ら言っても言うことを聞かない、やむを得ず軍隊を派遣するんだ、御理解いただけますかということをやるべきでしょう。
 それを何か、何年も前の国連決議を持ち出してどうだこうだとか、十年前に持っていたから今も持っているはずだとか、まじめに査察に協力しない。しかし、国連の査察委員長、何て言いましたか、彼ははっきりとイラクは査察に協力的だということを言っていましたよ、新聞にも大きく出ておりましたしね。それにもかかわらず、査察団をはねのけましてアメリカ、イギリスは軍隊を送り込んで、そして何千人、ひょっとしたら何万人という死者まで出ている。何ら証拠もなしに殺人事件を犯したと、こう言われても仕方がないように思うんですけれどもね。
 やっぱり、軍隊を派遣して血を流すこともあるべしと言うならば、アメリカの全国力を挙げてイラクを徹底して調査を行って、そしてその結果としてイラクはこういう核兵器、大量破壊兵器を保有していたことは間違いないということを全世界に示した上で軍隊を派遣する、そして戦後復興にも協力してくれと言う責任があるわけですよ、当然のこととしてね。それを分かったような分からぬような、うじゃうじゃうじゃうじゃと言いながらいつの間にか軍隊を派遣して、さあ、おまえらも協力しろと。一体これは何なんでしょうかね。
 ただ単に国連の会議で議論する、おれはあったと思う、いや私は保有していなかったと思う、そんな議論することは一向自由なんですけれどもね。先ほども言いましたけれども、軍隊を派遣して徹底して妨害を排除して捜すんだと言う以上は、それだけの証拠を国民の、全世界の人たちの前に示すべきでしょう。
 犯罪だってそういうことなんですよ。地域社会で犯罪が起きる、窃盗事件でも起きると、一体だれだ、あいつが怪しいよ、あのどら息子がやっているに違いないよと、地域の人たちはそう言って、そう言えば何かそれらしい書類を持ち歩いていたよということを地域社会の人たちは言う。それを聞き込んで、警察がどら息子を捕まえて署に引っ張っていって、さあ自白をしろ、おまえやったんだろうと。おまえ無罪だという証明をしない限りおまえはもう有罪だからな、地域の人があんなことを言っているんだから、おまえの有罪は間違いないと。こんな調べをしたら、本当に警察は非難されますよね。当たり前のことなんです、これ。
 だれだって自分の言っていることは自分で証明しなきゃいかぬわけです。特に、軍隊まで派遣して血を流してまで探索をやるという以上はですね。まあ多分持っていたろう、取りあえず行ってみて、なかったらまあそのときはそのときだと、そんな発想だったんじゃないでしょうかね。そうとしか思えない。その点、いかがでしょうか、お二方。
○国務大臣(川口順子君) イラクが国連の決議、例えば六八七というのは停戦の決議でありますけれども、それに違反をしている。これは大量破壊兵器を持ってはいけないということも含めて違反をしているということは、国際社会全体が一致をして決定をしているわけです、これが決議一四四一であるわけですけれども。
 そういう意味で、国際社会全体としての認識が、イラクの大量破壊兵器の疑惑についてはあったということであります。
○国務大臣(石破茂君) 私は、国内法的に見ればそういうこと、委員の御指摘のとおりなのだろうと思います。それはもう検察官でいらっしゃった、今一番専門家でいらっしゃいます。しかし、それを今回、国連の決議に基づいて攻撃を行っておる米英軍とパラレルに論じるということは、私はそれは少し違うのではないかなという印象を持っております。
○佐藤道夫君 全く同じ問題なんですよ。末端の警察官ですら、人を有罪と言う場合には、それだけの証拠を集めた上で、皆さん、この男は犯人に間違いありませんということを言うわけです。ましていわんや、国家が他国に侵入、侵略する場合にはその理由をきちっと説明する責任がある、もう十八世紀や十九世紀と違うんですからね。何や、イラクなんて勝手なことをやっているに違いないと、ちょっと行って調べればすぐ出てくるに違いないと、だから行くよと、そういう何か本当にやくざと同じじゃないでしょうか、そういう発想自体はね。こんな言葉で言いたくないんですけれども、アメリカのやっていることはそうだと。
 現に、行ったら何にもないと、一体どうなっているんですかと皆さんが疑問を持って聞くでしょう。国会でもそういう疑問があって、なかったんじゃないのかと、そう聞きますと、フセインを持ち出してきて茶化してしまうと。これは許されることだというふうにお考えのようですから、私も許すことにしますか。いやいや、冗談ですよ。とてもこれは納得できない問題で、やっぱりはっきりさせる必要がある。
 それから、今、立証責任、泥棒なら泥棒で、おまえ、無実を証明しろと、そうじゃないと有罪だと。そんなことはあり得ないわけで、これは法律用語として立証責任、人を殺したといえば証拠を突き付けて、おまえは間違いなく人を殺したといって裁判所は有罪にするわけで、無罪を証明、無実を証明しない限りおまえを有罪にする、そんないかな低開発国だってそんな裁判をしているところは今ありませんからね。
 それで、ブッシュ大統領と、それを受けて小泉さんもそうだと思いますけれども、イラクは証明しない限り、核兵器がない、大量破壊兵器がないということを証明しない限り持っていたものと考えてよろしいと、これは泥棒の断罪についてだって使えない論理なんです。それを、一国の大統領と総理がにやにやしながらそんなことを言う。
 私の去る学生時代の恩師でもう九十歳近い大学教授が電話を掛けてよこして、おれはテレビを見ていたら本当に腹が立って腹が立って仕方がないと、あの総理大臣は大変失礼だけれども学校出ているんだろうかと、君知っていたら教えてくれたまえと。
 今のフセインと大量破壊兵器を引っ掛けた論理、それから立証責任を加害者と疑われている者に転換しようとする考え、外務大臣もそういう発言しておりますよね、もうイラクが説明すべきだと。今でもそういうことなんで、国連が何回も何回もイラクは保有している、そういう決議をしている以上は、もうイラクが本当に持っていなかったことを証明しない限り、これはやむを得ない、今回の戦争もやむを得ないことなんだと、小泉さんと歩調を合わせて同じ答弁をしておりますけれども、これは本当に大学の一年生だって知っている法理論ですからね。人の有罪あるいは人の間違ったところを追及する場合には、おまえ、潔白を言わない限り、おまえは間違ったことをしたと認めるぞなんて、そんなことを言う大人があるいはいるからこそ、ああいう福岡辺りであんな事件でも起きるのかな、十二歳の子供が子供をつかまえて投げ捨てちゃったなんてね。やっぱり大人が毅然として、そういう考え方は違っているんですよと、世の中の物事、道理というのはこうやって判断していくんですよということを教える義務があるんだろうというふうに思います。
 それから、これは立証責任で、イラクに説明しろ、持っていなかったことを説明しろなんと言うことは絶対におかしいことだということだけを記憶しておいてください。
 その次の……
○国務大臣(川口順子君) 委員長。
○佐藤道夫君 いや、結構です。私が問題と考えているのは法律の明文化。法律というのは国民に対して適用され、国民に権利を与えたり国民に義務を課したり手足を縛ったりする。ですから、国民に非常に分かりやすいものであることが要求されるわけです。
 そして、今度イラクに派遣するが戦闘地域には行かせないようにするということをしきりに言っておりますけれども、それを一体、今のイラクを頭に浮かべて考えてみて、どこが一体戦闘地域なんだ、どこが戦闘が行われていない地域なのか、それを分かる人はまず一人もいないと思いますよ。テロがある、じゃ、あそこどうなんだ。自爆テロがあって五、六人死んだと、あそこは戦闘が行われているのかと。それから、フセイン派が今暴れ回っているというようなことを言われています。一体あそこは戦闘地域なのかどうなのか、自衛隊の一人一人が皆考えるでしょう。我々行くと、ここは一体どうなんだと。上官に聞きますと、そんなことおれはよく分からないな、自分らで考えろというしか答えられないんじゃないかと、こういう気もするわけです。
 一人の自衛隊員の背後にはやっぱり何十人、何百人という友人、知人がいるわけで、彼らも心配でしょう。そして、おまえ、これからイラクに行くのか、本当に心配だ。いや、大丈夫だと。政府はもう法律を作って危険地帯にはやらないと、こう言っているから、おれはけがすることはない、命は守れるはずだと。そうかな、そうかなと言って親兄弟の心配はなくならない。そのときに法律を持っていって見せて、法律はこうなっているから、おれは危ないところには、我々は危ないところに行かないんだよと、それで済むんだよと。
 こういうのが法律というものなんですね。適用を受ける人に分かりやすい書き方をする。これは幾ら議論、国会で幾ら議論をしても、その辺はさっぱりあいまいもことしているんじゃないですか。そのときの上官のあるいは防衛庁の気分次第で、おまえらあそこに行けと。危険地帯に行って、そして何人かが亡くなったと、不幸にして戦死したと。戦死という言葉今使えるかどうか分かりませんけれども、不幸にして死んでしまった。
 今は国家賠償の時代ですから、隊員が死んだとすると、すぐ国を相手に裁判が起きますよ。安全なところにしかやらないと言ったのに、彼らはあそこで死んじゃったじゃないかと。ゲリラが何人か出てきて、テロリストが一杯出てきて殺されたんじゃないかと。そんなところに送り出したのはおまえらの責任だと、国家、何億円賠償しろと、こういう時代。そのときに賠償を課するかどうかということは、裁判官が法律を見て、分かりやすい法律を見て判断をするわけです。
 それはもう戦地同様だから、そこに行くのも危険は織り込み済みだと、やむを得ないことだと、それを承知で行ったんだと、こう言うか、政府は絶対そういうところにやらないと言っておきながらやったんじゃないかと、やっぱり政府、つまりは国家に賠償責任ありと判断するか。法律というのはそういう意味を持ってくるわけですよ。目先で国会だけごまかしておけばそれでいいやと、そんなものじゃないんであって、現実に適用を受ける人たちの将来を縛るわけですから。
 そういうふうに、戦闘をこう幾ら議論してもはっきりしない。一体どこまで行けって、ここから先は行かないのかということを、何か防衛庁長官はよくジェスチャーで、ここは戦闘地域、ここは戦闘地域ではないと、そういう区分けはしておりませんと、こういうことを言います。その気持ちも分からぬじゃないんだけれども、ただ国民のサイドから見たら、そんなことを言ったって、あそこでテロが、ここでゲリラがやっている、いやどうだこうだと、こういう議論、疑問が出てくるわけで、それにこたえる、国会の場を通じて国民の疑問にこたえる、それもまた政府の義務ですからね。
 今の点、いかがでしょうか。分かりやすい法律を作っていくという気持ち。
○国務大臣(石破茂君) 先生御指摘のように、ここが戦闘地域、ここが非戦闘地域というような、そういうことを明示的に定めることはこの法律は予定をいたしておりません。この条文にはそのようなことは書かれておりません。
 ここの第二条に書かれておりますのは、我々の活動は非戦闘地域で行わなければいけないということが定めてあるわけでございます。二条はそういう書き方をしてございます。それは、日本国憲法によって我が国は海外における武力の行使をしてはならないということを制度的に担保をするためにこの第二条というのを設けてあります。これは、日本国は海外においては武力の行使をしない、逆に申し上げれば、この自衛隊の活動は非戦闘地域、すなわち国又は国に準ずる者による組織的、計画的な、国際的な武力紛争の一環としての武力の行使が行われていない場所でなければやってはいけないという、憲法の要請を制度的に担保をしたものでございます。そのことは法律家である先生は御理解をいただけることだと思います。
 加えて、では安全なのか、そうではないのかということと非戦闘地域という言葉は、そのままぴったり重なる概念ではございません。非戦闘地域だからイコール安全なのか、それはおかしいじゃないかということに基づいていろんな御議論がございますが、私は衆議院でも答弁を申し上げましたし、参議院でも答弁を申し上げておりますが、私、防衛庁長官が定めます実施区域というものは、非戦闘地域であることは当然でございますが、その中で丸腰で行くわけではございません。
 そして、現地の状況というものをよく把握をした上で、自らの身を守るために必要な権限、あるいは自らの身を守るために必要な武器、十七条に基づきます、それを持っていって危険が回避できる、一般の全くの訓練も受けていない普通の市民であれば危険であるけれども、日ごろから訓練を積み、自らの身を守るために必要な権限を与えられ、自らの身を守るために必要な武器を携行していく自衛官であれば回避できる危険というものもあるのでございます。一般人にとって安全なところと自衛官にとって安全なところ、それは当然異なるものでございます。そうでなければ一般人が行けばいいというお話になってしまいます。この考え方に基づきまして私どもは御説明を申し上げておるわけでございます。
○佐藤道夫君 戦後のイラクで憲法が予想していたような戦闘が起こる、そんなばかげたことはあるわけがないんであって、もう皆、一応、国家対国家のぶつかり合うような、あるいは国家と準ずるような組織と国家とのぶつかり合うような戦争なるものが起こるわけはない。やっぱりテロ活動、それも一人の自爆テロと、それから十人、二十人と組んだような、施設の、米軍の詰所を襲撃するような事件、せいぜいそんなものだろうと思うんですよね。その場合に自衛隊の詰所だって襲われないとも限らない。二十人ぐらいのテロリストたちが襲ってきました、それで防戦しましてお互いに相当な死傷者が出ましたと、こういう場合には一体どうなのかという議論が必ず起きるわけですよ。
 それを解決しておくのが法律であって、戦争のことを、戦争以外なら何やってもいいように聞こえるんですよ。そんなこと一々細かな議論をする必要もないように聞こえるんだけれども、現実に起こり得るというのは、私、今例として挙げた、二十人、三十人のテロリストたちがグループを組んで軍隊の詰所、自衛隊の詰所を襲ってくる、その場合にどうするのか、そこまで派遣した上官の責任はどうなるのか。あそこは危ないからやめておきましょう、いや構わぬ、どんどん行け、おまえらが行けばテロリストたちも逃げていくから襲われることはあるまいということで送ったりする、そのときに一体どうなるのか。賠償責任の問題に関連して議論になるわけです。
 それをあらかじめ解決しておくのが法律の責任なわけですよ。上官のそのときの気分次第で、おまえらあっち行け、こっち行け、あそこはちょっと危険だけれども、まあ大したことはない、おまえらは武器を持っていればそんなやつが五人、十人、ひょっとして二十人襲ってきたって大丈夫だ、行ってこいと、これだって大変問題になりますよ。一体どっちに入るのかと。
 そういう事態しか考えられないのがイラクの現状なんでして、言葉の上で、国又は国に準ずる者とのぶつかり合い、これが戦争で、それには参加しないと、そんなことはイラクで起こるわけもないんですからね。あなたの説明まつまでもない。やっぱり、私が挙げているような例が起きたらどうするのかということをあらかじめ法律で解決しておく、それが国の義務、仕事、最大の仕事なんですよ。
 いざ起きてみてから考えようやと、そういう気持ちなんでしょう、多分。何回もこういう議論しておりながらさっぱり話は進んでいかない。もう私も多少うんざりぎみなんですけれどもね。やっぱり文章に書いて、法律の上に明文化しておいて、そしてそれは入りません、これは入りますということをこの場できちっと説明してほしい。この地域には派遣するようなことはいたしません、読めば分かるでしょうと。これが、何度も言いますけれども、国の責任なんですよ。それがないような法律、これは悪法と昔から、明治以来、悪法、悪い法律、悪法の代名詞。起きてしまってから法律の解釈がいろいろ出てきて、こうだああだ議論するわけですよ。こんなの作ったやつはだれだと、最後はそういう議論になりまして、あいつか、あのばかかと、いやいや失礼、利口かと、利口過ぎてこんな法律作ったのかとも言いたくなるんでしょうけれどもね。
 やっぱり法律というのは作るときにあらゆることを想定して解決しておく、そういうことを気を付けていただければと、こう思います。
○国務大臣(石破茂君) 私が役所でよく申しておりますのは、裁判になってみなければ分かりませんみたいなことは絶対に言ってはならないということは何度も申し上げております。そのときになってみなければ分からない、そのような法律を作ってはいけないというのは先生御指摘のとおりだというふうに私は思います。
 実際に行くのは自衛官であります。その自衛官に迷いが生じたり、あるいは判断の遅れがあって犠牲があってはならないということは私も、そしてまた自衛官の命を預かっておる幹部たちも、これはもう制服の人たちも含めて、それは防衛庁では制服も交えまして朝から晩まで先生がおっしゃったようなことが起こらないように議論はいたしております。政府としてそのようないい加減なつもりでこの法律を出しておるわけではございません。
 先生にはそのように映るのかもしれませんが、防衛庁におきましては、本当に制服自衛官、実際に行く人間たち、そういう人たちも併せまして、本当に先生が御指摘になったようなこと、この場合にはどうだ、この場合にはどうだということを、それは命が懸かっておることでございますから、そのことはきちんと議論はいたしております。先生がそのようなことをお思いにならないようにきちんとした形で派遣ができますよう今後とも努めてまいりたいと考えております。
 ただし、ルール・オブ・エンゲージメントと申しますが、このときにはどのように行動するかということも定めます。そういうことを定めずに出すということはあってはならないと考えております。しかし、この場合にどのように行動するかというようなルール・オブ・エンゲージメントは、これは表に出すものではございません。交戦規則というふうに訳す場合もありますが、私どもは部隊行動基準というふうに申しております。この場合にはどうするか、この場合にどのように判断するか、シビリアンコントロールの下で指揮官が判断に誤りがないように、これがルール・オブ・エンゲージメントでございます。このことは、表に出しますと、非常に俗な言葉で申し上げれば手のうちをさらすことになりますので、このことまで全部明らかにしておる国はございません。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のようなことが起こらないように、お説を踏まえまして今後とも努力をしてまいりたいと存じます。政府がそのようにいい加減なことを考えておるものではないということだけは申し上げさせていただきます。
○佐藤道夫君 長官の御答弁、具体的なようであって最後は抽象的になって何かよく分からないと。
 私、言いましたけれども、三十人、五十人の集団テロリストが自衛隊の詰所にいきなり襲ってきて、そして戦争まがいの戦闘行為になって、お互いに二十人、三十人の戦死者というのか死亡者が、死傷者ができたと、この場合は一体どうなるんですか。これぐらいは教えてくださいよ。
○国務大臣(石破茂君) 委員は、先ほど、日本国憲法が予定しているような武力の行使というものが起こるはずがないとおっしゃいました。私は決してそうは思っておりません。
 そういうことがなければ大変に結構なことでございますが、私どもは、憲法九条からいたしまして、我が国が武力の行使と評価されるような、そういうことがあってはならない。少なくとも私どもは憲法の下で行動いたしておりますし、憲法の改正もいたしておりませんし、解釈の変更もいたしておりません。そういたしますと、日本国憲法九条において、海外における武力の行使と評価されるようなことは断じてしてはならない、そのことは変わっておりません。
 その上で、先生が御指摘の三十人、四十人のテロリストが襲ってきたらどうなのかということは、その三十人、四十人のテロリストというものが国際的な武力紛争の主体足り得る者かどうかということで判断をされることになります。
 このことは何度か答弁を申し上げましたが、例えばバース党の残党、フセインの残党というものがいたとして、それが組織性や計画性や継続性や国際性、それはそれぞれまた御要請があれば答弁を申し上げますが、そういう形で国際的な武力紛争の主体として現れました場合には、これに対して私どもが武力を行使するということはあってはならないことでございます。
 他方、これが相手がそのような者であれそのような者でないとしても、そういうような武力紛争の主体であったとしても、あるいは強盗、野盗のたぐいであったとしても、この法律十七条に定められた武器使用の権限は何ら変わるものではございません。すなわち、相手がどんな者であったからといって自分の身を守るための武器使用の権限は十七条において変わるものはございません。
 したがいまして、その場合の対応というのはどうなるか。それは戦闘行為というふうに判断をされる、あるいはそのおそれがあるということになれば、活動を一時休止し、危険を回避し、防衛庁長官が実施の区域の範囲、実施の区域を変更する等々のそういうような指示を待つということになります。それは憲法に抵触しないということは、きちんと担保をすることは、先生がそんなことは起こり得ないとおっしゃるかもしれませんけれども、この法律を作りますときにきちんと制度的に担保をしておくことは私は必要なことと考えております。
 三十人、四十人のグループというものはそれがどういう性格であるかによって違いますが、しかし、部隊が自分の身を守るために使える武器使用というのは十七条、いずれにしてもそこに根拠を持つということでございます。
○佐藤道夫君 もう余りこういう議論はしたくないんですけれども、結果として、バース党の残党だとかフセインの残党だとかそういう連中が武器を、一つのグループを作って武器を持って襲ってきたらこれはどうも入るみたいだと。しかし、地域住民がアメリカにあるいはまた日本の自衛隊にちょっとやってみようかということで有り合わせの武器を持ってやってきたらこれは一体どういうことになるのかと。いや、それは入るんだ、いや入らないんだ、法律見たって分からないでしょう。それを書きなさいということを言っているわけですよ。そして、自衛隊に、君たちの仕事はこういうことなんだと、この範囲内でやることなんだということ、安心感を持たして送り出してやると。
 今、隊員の親たちは大変心配していると思いますよ。政府の説明幾ら聞いても、一体何をやるのか、どこに行って、残党が、バース党の残党が来たらどうもドンパチはやるのかやらないのか、そんなことだって本当は法律で一目瞭然分かるようにしておかなきゃならないわけですよ。
○国務大臣(石破茂君) 委員長、委員長。
○佐藤道夫君 もう結構です。いや、いいです。いいです。
 そこで、これまでトピックス、これで時間が大体半分たっちゃったので、今度いよいよ本論に入りたいと思いますけれども、皆さん方はイラクが大量破壊兵器を保有していたと、間違いないと、こういう考えなんですね。それじゃ、なぜ発見されないのか、その理由を付してちょっと答えてください。あるいはまた、間もなく発見されますと、そういうふうにアメリカのさる高官から聞きまして、いろいろ疑問も呈したけれども間違いないと思いまして、今月中には発見されることになっておりますということなのか、もう少し具体的に分かりやすく説明して、今日は傍聴席もたくさん来ておりますから、皆さん方にも分かるように答えてもらえれば有り難いと思いますよ。
○国務大臣(川口順子君) まず、結論から先に申し上げますと、私は、政府としてはと申し上げていいと思いますけれども、大量破壊兵器、これそのもの、あるいはそれを隠匿をした証拠、あるいは査察団に通告をしないで廃棄をしたその証拠等が最終的に発見をされないということは想定し難いというふうに考えております。
 なぜかということをこれから申し上げますけれども、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、イラクは過去において現実に大量破壊兵器を使った、これは全員が、国際社会すべてが知っていることであります。クルド人に対して使った、イランに対して使ったという事実があるわけです。少なくとも、その時点で持っていたということはこれは事実であります。
 それで、その後、六八七という決議ができまして、イラクはこれを従うということを約束をしたわけで、その中の一つに入っていることというのは、イラクが武装解除の義務を持っている、それを遵守しなければいけないということであります。
 それで、その後、いろいろな国連の査察団が、最初はUNSCOMというふうに呼ばれ、その後UNMOVICというふうに名前を変えましたけれども、国連の査察団が入ってこのイラクの武装解除の状況について様々な報告を出しているということです。もうそれについてはいろいろなもう事細かに例示を挙げることができますが、時間の限りもあるでしょうから、例えば例を幾つか申し上げたいというふうに思います。
○佐藤道夫君 一つ、二つでいいよ。
○国務大臣(川口順子君) 例えば生物化学兵器用の特殊弾頭、これについて言いますと、UNSCOMの時点でこれはイラクが七十五発持っていますとイラク自身が申告をいたしました。それで、これに対して三十発をUNSCOMの監視下で廃棄をしました。そして、残り四十五発あるということでして、イラクはこれは自分で廃棄をしたということを言いましたけれども、それは未確認であります。これについてUNMOVICは例えば何を言っているかといいますと、信頼性に疑問があるということを言っております。
 このほか、例えばVXガス、これをイラクの申告した量では三・九トンあるということを言いました。そして、廃棄の実績、これはイラクが申告をしただけということですけれども、一・五トン廃棄をしたとイラクは言いました。それで、UNSCOMの評価としては二・四トン以上が未確認であるということを言っています。そして、UNMOVICの報告では廃棄量については検証ができていないということを言っています。
 さらに、例えば化学剤の前駆物質、これについて言いますと、イラクの自己申告をした生産量、これは三千九百二十トンあります。そして、廃棄実績、これはUNSCOMの監視下で廃棄をしたものですけれども、これについては二千六百十トン、廃棄を現実にいたしました。UNSCOMのその後の評価として、約一千三百トン以下、これが残っているわけで、これについては未確認であるということを言っている。そして、UNMOVICの評価としては、VXの主要な前駆物質の計量に重大な不一致が存在をする、タブン等の前駆物質の申告、説明は不十分である。
 これは、私が今読み上げておりますのは実際に、国連のUNSCOMあるいはUNMOVICが実際に外に出した報告の一部を御説明をしているわけでございまして、これについて時間があればもうたくさん申し上げますが、二十九項目の未解決の武装解除問題ということで、UNMOVICの評価については、最後の、武力行使に入る前の最後の段階で出したものを申し上げているわけです。
 これだけ、これは国際社会として先ほど全会一致でイラクが武装解除の義務を怠っているということを決定をしたというふうに申し上げました。これが一四四一でありますけれども、にそう書いてあるわけですが、それの中身というのは、UNMOVICの報告書の評価でいえば、一例を挙げれば、二十九分の三ですからまだまだたくさんありますけれども、そういうことであるわけです。
 それで、我が国としては……
○佐藤道夫君 簡単にしてよ。
○国務大臣(川口順子君) そういった疑惑について、関係国の情報を参考にしながら、基本的には今申し上げたような累次の国連査察団による報告書に基づいて評価をしているわけでございまして、したがいまして、先ほど申し上げましたように、そういった報告等に照らせば、大量破壊兵器そのもの、それを隠匿した証拠、あるいは査察団に通告をすることなく廃棄をした証拠等が最終的に発見されないということを想定することは難しいというふうに考えています。今査察団、失礼しました、米英を中心としまして大量破壊兵器については捜索が行われているわけでして、我が国として、それを引き続き注視をしていきたいというふうに考えております。
 あえて誤解を恐れないで、先ほど委員が有罪であるということを証明しなければいけないということをおっしゃいましたが、先ほど申しましたように、国際社会は一四四一において、イラクが武装解除の義務を怠っている、義務の重大な違反をこれまでも犯し、また依然として犯していることを決定するということを言っているわけでして、あえて誤解を恐れず委員の使われた比喩を使えば、国際社会が一致してイラクが有罪であるということを言ったということであると思います。
○佐藤道夫君 官房長官が戻られましたので、一番最初にお二方に聞いた問題についてお伺いしておきたいと思います。
 昨日の特別委員会での、合同委員会での審査でも出ましたし、それから、この前の党首討論会でも菅代表との間で小泉さんが答弁として使った言葉でありましてね。大量破壊兵器は今まで発見されないと、これはもうなかったとしか言いようがないじゃないかと、こういう問い掛けに対して、そんなことを言ったら、フセインが今どっかに消えちゃったと、じゃ、フセインは地球上に存在しなかったのかと、こういうことを言って、みんな、かかかっと大笑いをして、聞いた人も唖然として、それで話は終わっちゃったと。
 こんなばかげたこと、あるわけないでしょう。問題が全然別でしょう。改めて説明するまでもないんだけれども、フセインがイラクにいたということを疑う人は地球上だれ一人いないわけですよ。それはそれでいい。それがいなくなったと、それでどうしたと、こう言っているだけのことなんで。
 ところが、イラクが大量破壊兵器を保有していたということについては、国連の決議は一杯あるけれども、やっぱり一枚の写真でもいいから、どうだと、こういうことを示してもらえれば、ああ、なるほどなと。そして、アメリカが侵攻してもう三か月ぐらいにもなるんだけれども、大量破壊兵器を発見したよ、やっぱり隠していたんだよという話も一切出てこない。
 ここまで来ると、これ、なかったんじゃないかと、世界の人たちは皆、首かしげていますよ。アメリカがいろんなことを言っているけれども、そんなことは信用できないと。何か分厚い国連の決議があるにしても、そんなこと言うまでもないと。写真一枚で分かることを何で余計なことに逃げているのかと。やっぱり自信がないからだろうと。軍隊を派遣して、イラクの人民、全然、罪とがのない人たち、何千人という人が死傷したと。それから、アメリカの従軍した軍人の中からも相当な戦死者が出ていると。こういうことについて、もっとはっきり説明すべきではないのかと。
 いずれにしろ、小泉さんの説明、フセインがいなくなったことと大量破壊兵器とを関連させて議論して、はははと笑っている、あれはとても許し難いという国民の見解だと思いますけれども。
 これ、閣議でもやっぱり議論が出ているんでしょう。首相、あれは、あの答弁おかしかったですよ、問題が違いますよと。ところが、党首討論でも言っておるし、昨日もまた言っておるし、全然反省していない。また言うかもしれませんよね。一度、官房長官が提案をしまして、そして閣議で、一体こういう、率直に言うと人を食ったような、人をばかにしたような答弁、総理大臣としておかしいんじゃないかという立場で議論、その立場取られるかどうか分かりません、あなたもフセインいないのと同じだと、こう言うかもしれませんけれどもね。お考え聞かせてもらえればと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 大量破壊兵器がイラクにあったのかなかったのかと、こういったような議論はいろいろ今されておりますけれども、ただいまの外務大臣の答弁にもありましたように、国際機関があるということを、これを証明というか報告をしているわけですね。これはもう国際社会の共通認識と考えていいのではないか。そのすべてがどうかということについて一つ一つ検証されているかされていないかというようなことについて、議論はあるかもしれませんよ。しかし、それはその時点において皆が認めたことであるというように考えていいのではないかというように思います。
 そういうことを前提として、今までずうっと過去の経緯というのは流れてきているわけでありまして、したがいまして、今イラクに大量破壊兵器が全くなかったんだというようなことを、これはなかなか言えないことじゃないかと思います。そういう認識の上に立って、いろいろな重大な判断をされてきたということであります。
 まあ大量破壊兵器のこととそれからフセインのことと一緒にしてどうかという、そういうお話でございますけれども、まあフセインという名前が、個人名が出てきて唐突だったので、それは皆さんもどういう受取方されたか分からないけれども、分かりやすい例示ということでいろいろ努力をされて総理も発言をされたんだろうというように思います。
 しかし、そのことはともかくとして、大量破壊兵器は、これはあったと、そしてその疑惑が、疑惑を解明するための努力をイラクに対しても求めてもそれに応じなかったということが武力行使の原因になったんだというように考えても、これは問題はないんであろうかというふうに私は思っております。
 そういうことでありますので、今後、大量破壊兵器の有無については、これから国際機関が中心になって徹底的な捜査をしないとこれは分からないものだというふうに思います。ですから、それはそれでやってもらわなきゃいけないと思います。これは、その結果を必ず報告してもらわなければいけない、明らかにしてもらわなければいけない、それはそういうふうに思っております。
 今までの経緯については、これは経緯的に言えば問題はなかったことだというように思います。戦争することが問題だといえばそれは問題かもしれませんけれども、あのときの、あの時点においてそういう判断というのはなかったわけではない。じゃ、戦争しなければどういうことになっているのかということについて各国の意見が一致していたわけではない。やはりイラクという国の体制、フセインがしいていた独裁体制、そのことによっていかにイラクの国民が虐げられていたか。また、殺りくも平気で行われていたというようなことも聞いておりますので、そういう状況を国際社会が黙視するわけにはいかないと。こういうことで、この解決のための決断をしたのだというように考えております。
○佐藤道夫君 小泉総理に対して、あのような茶化したような言い方は少なくとも神聖な国会の場ではやめてほしいということだけはお伝え願いたいと思います。私からのたってな願いでありますので、よろしくお願いします。
 そこで、これから、これもまたお二人に聞いたことですけれども、間もなく発見されるのかされないのか、どちらだというふうに今、日本の政府は考えておるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、千三百人とも四百人ともいうように言われております専門家の調査団がだんだんと入っていくんだろうというふうに思います、一挙にということではないと思いますが。そういう調査団による調査結果に基づくものでございますから、いつそれが分かるのかというようなことについて、それから程度の問題もございますので、それはある程度の時間が必要なんだろうというように思っております。
○佐藤道夫君 アメリカの情報機関というのは、何と何と十二万人もおるんですね。年間予算も膨大なものであって、それを使って、例えばイラクなんかの場合には、政府関係の職員を金をやって買収して情報を聞き出す、もうお手の物です。本当に、私自身もちょっと知っているんですけれども、我々の知らない日本国内の情勢まで彼らはもう逐一把握している。ですから、大量破壊兵器をどっかに隠したと、そうすれば、隠したときに運搬の役に当たった政府職員だとか、あるいは運送の人夫、現場作業員ですね、そういう者、簡単に買収して聞き出して、ああ、そうかということでぱっと発掘、発見しちゃうと。これがアメリカの情報機関の実態なんですよね。
 イラクにも、恐らく戦争前からアメリカの手足となって動くスパイ、何十人、何百人といたはずですよ。それらから何の情報も上がってこない。何か空理空論みたいにして、昔の調書を見るとあれがあったはずだから、国連も決議をしているとか、そんな昔のこと言っているんじゃなくて、わざわざ軍隊まで派遣して、関係者の血を流してまでやったわけですからね。何の成果も収めないと、これは本当に真面目にやっているんだろうかと思いたくもなるわけですよ。昔の日本の武士、腹を切ってもう自害をすると、そういう問題だと思います。
 イラクはけしからぬ、大量破壊兵器を隠している、それで侵攻、戦争をして摘発するんだと。それが、三か月もたってまだ何も姿を現していない。聞いてもはっきりしないわけですよ。皆さん方、アメリカの首脳の方々と会えば必ずこの問題は出すでしょう。一体どうなっているんだと、説明してほしいと。具体的に国連の決議がどうだこうだなんて、そんなことはみんな分かっていますからね。国民だってそんなことは知りたくない。あそことあそことあそこに隠していたと、それを今こうやってやっているんだと、具体的な説明があるでしょう。それについてこの場で御説明していただければ、アメリカも若干の手違いはあったけれども、こういうことがあってもう見当が付いているから、今月中には五か所、十か所ぐらいで発見があるはずだと、それを期待しておいてくださいと、それぐらい説明する義務は彼らにあるわけですよ。どうなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) 私も米軍が実際にどういうふうにやっているか分からない。ですから、想像と私が聞いた情報というものをミックスして申し上げるんでありますけれども、米軍は今までやっている仕事というのは、これはもう主に治安活動なんですね。治安活動、また物資の輸送、必要物資の輸送といったような、そういうことが中心でございまして、大量破壊兵器の捜査ということは本務では、本来の任務ではないということです。ですから、このことについて米軍がどの程度やっているかということは、私は余りやられていないんではないかというふうに思います。
 また、仮に米軍が捜査をしたと、それは専門家でない人が捜査したということで、それで信頼性があるかどうかという問題もあるわけですね。それからもう一つ申し上げれば、米軍がありましたと言って、信用なさいますか。信用しないというふうに言われる可能性もあるわけですね。やっぱりこれは国際機関が入って、そして調査をするということがいいのではないかというように思いますので、私はこれからの調査というものが非常に大事だというふうに思っております。
○佐藤道夫君 国連の調査団、これを追い出したのはアメリカでしょう。退去を要求しまして、そして侵攻していったわけで、この侵攻した、当然のこととして専門家を何百人となく世界じゅうから集めて連れていって、我々は戦闘行為だ、君らはすぐに調べろということにしたはずですよ。当然のことですよ。それが終わってみて、まだやっていないんですか。あきれた話だね。一体何なんですか、これは。
 何かもうイラクも民情が安定しつつあるからいいじゃないかとか、民生安定のためにやっている戦争じゃないんですからね、これは。あくまでも大量破壊兵器を発見すると、イラクが隠していることは間違いないと、それも調べた結果、あそことあそことあそこに隠している、これはもう軍隊を派遣して専門家を連れていって、あっという間もなく発見するんだと、こういうことだふうに、こういうことのようにみんな世界の人たちは思っていたわけです。それが何にも出てこない。何だ、一体何なんだと。
 石油に、やっぱり石油利権かと。何か、イランの石油については、アメリカは日本がイランと協定を結ぶことについては反対だと、こういうことまで言い出してくる。やっぱり彼らのねらいは中近東の石油にあるのかなと、こういうふうに考える人もいるわけです。
 そこで、次の問題は、フセイン大統領は一体どこに行っちゃったのか、これも不思議としか言いようがない。
 不思議でしょう。あれは、もうそういうことまで想定の上、大統領官邸を急襲して、ぱっと押さえてしまうとか、これ、初歩的な軍事常識と言ってもいい。私がああしろ、こうしろと言う問題でもないんであって、当然に米軍が考えて、こうやって急襲して、フセインの身柄を確保しようと、うん、そうだと。そんなことをやらずしてやったとすれば、一体何なんだと。素人の集まりかと、こういうふうに言われても仕方がない。
 そこで、フセインは一体どうなったんですか。どこに連れていかれたのか、あるいは、どこかに隠れているのか、それがなぜ発見できないのか。簡単でいいですよ、あなたの説明は長くなるから。
○国務大臣(川口順子君) できるだけ分かりやすく御理解をいただけるようにと思って御説明を申し上げておりますけれども、フセイン大統領の生死については、これはその生死は確認をできていないということをアメリカもイギリスも言っているというふうに承知をいたしております。
 例えば、七月の二日にフライシャー報道官が言ったことですけれども、もしフセインが死んでいるんであれば彼は脅威ではない、これはそういうことだと思いますが、生きているならば身を隠しているのであり、以前のようなミサイルの発射、大量破壊兵器の保持といった現実の真摯な脅威ではなくなったということを言っているわけです。
 ごく最近のテープについては、CIAの判断として、これはフセインの肉声の可能性が大きいというふうに言っていると承知をしていますが、ただ、どの時点でこのテープが作られたかということについては判断できない、分からないということを言っているわけです。
 今、米英軍等がフセイン大統領については懸賞金を付けてこれを情報収集をして探索をしているということをやっていますので、我が国としてはこれを注視をしていきたいというふうに考えています。
○佐藤道夫君 実はアフガニスタンでも同じことが起きているんですね。もう忘れている人が多かろうと思いますけれども、あそこの米軍が侵攻して、オサマ・ビンラディン、九・一一テロの黒幕だと言われたラディン、それからオマルですか、あそこの、アフガンのタリバンの指導者であるオマル師、あれも所在不明になっちゃったんですね、もう二年余りたつのにかかわらず。一体どこへ行っちゃったのかと。何か、米軍が侵攻するところのリーダーはどこかに行っちゃうと。不思議な気がするわけでしてね。余り日本の人も忙しいものだから、もう前のことは、そんな昔のことは知らないと、こういうようですけれども、絶対これ不思議ですよね。いないんですもの。
 そして、仮にどこかに隠れているとすれば、これは次第次第にうわさとなってアメリカの情報機関の耳に入るわけです。金を使って、どうだどうだと、情報を何か持っているかということをやっているわけですから。こういう情報がありましたと、あそこにいるようですよと、それですぐぱっと情報局員が行って取り押さえてくるということも可能なわけですよ。
 ところが、そういううわさが出たというのも、たまに一件、二件ぐらいありますけれどもね。そんなうわさが出る前に、耳に入ったらすぐ情報局あるいは軍隊が飛んでいって、取り押さえ、フセインやあるいはオサマ・ビンラディンなどを取り押さえるということをするんでしょうけれども、そういうことが一切報道されていない。
 私の知り合いにあるアメリカの推理作家がおりまして、彼は、それは米軍が始末しちゃったんだと、そんなこと信じ難いと、でもそうとしか思えないでしょうと、こう言うんですよね。なぜかと、こうだれだって聞くでしょう。彼らを身柄を拘束したら裁判にかけねばならないと、まさか無罪放免というわけにもいかぬ。しかし、フセインを罰する証拠というのはないんですよね。
 国連の規定に違反したと、あるいは大量破壊兵器を隠していたと、そんなこと犯罪じゃないでしょう。大量破壊兵器を持っているのはアメリカだって同じことですからね。あるいは、インドとかパキスタンなんかで、あれだって同じことなんですよ。なぜフセインだけが犯罪になるのかと、こういう基本的な問題も出てくる。
 それで、彼らをかける裁判所というのは、多分軍法会議か、軍法会議か国連が特別裁判所を創設して、そこで裁判をする。しかし、証拠がゼロなんですよ。いかな軍法会議といえども、証拠がないのにおまえは死刑だと、こうやるわけにはいかぬ。大量破壊兵器を隠し持っているだろうと、国連の命令に従わなかったろうと、そんなことはもう国家の考え、自由ですからね。それが犯罪だなんということは聞いたこともない。
 太平洋戦争で、東京裁判で死刑の判決が出たりして日本の指導者が罰せられました。あれは、戦争を始めて、理由もなしに戦争を始めて世界を征服しようとしたと、そういうことで特別に犯罪と、こういうふうにしたわけですけれども、今回のケースは何も証拠、何の証拠もないわけです。イラク国内で暴政をしいたと、権力を濫用して人民たちを虐殺した、そんなことはイラクの問題であって、国際裁判所で裁く問題じゃないわけでしょう。
 それやこれやで、一体この問題をどう考えればよろしいのか。あなた方も当然これは問題だということで議論をする、あるいは海外に行って向こうの指導者たちに会うと、一体どうしたんですかと当然質問投げ掛けるでしょう。それに対するアメリカの指導者あるいはイギリスの指導者の回答はどういうことだったのか。自分ながら、なるほど、それはもう当然のことだ、フセインがいない、それはそういうことかとそれなりに了解しておられると思いますけれども、その辺のところ、自分の考えをベースにして答えていただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 佐藤委員もこのイラクの問題については大きな関心を持っていただいているわけですから、当然に、クルド人が子供も含めてイラク軍の使った化学兵器の犠牲となって町ぐるみで倒れて死んでいるという写真をごらんになったと思います。それから、今イラクのあちこちで政治犯が大量に処刑をされたそれの遺体が発掘をされているという記事も十分に写真も含めてごらんになっていると思います。一体、じゃそういうことがだれの犯罪であったのか、これはもちろん今ここで断罪をすることは当然できないわけですけれども、いろいろな問題がイラクの過去のフセインの政権下であるわけです。こういったことに目をやらずして、フセイン大統領は全く罪を犯していないということをここで明言をするということは私は非常に難しいことであるというふうに思います。
 いろいろなお考えはあるかもしれませんけれども、こういったフセイン大統領の犯した罪、リーダーとしての罪、これは今後国際社会において十分に明らかにされていかなければいけない問題であるというふうに私は考えております。
○佐藤道夫君 アメリカは非常に気が早い国で、もうイラクの復興、そして日本の自衛隊も参加をする、こういうことになっているようでありますけれども、私、昨日もしきりに使われていましたけれども、リンカーンの言った人民の人民による人民のための政治、これが民主主義の根幹だと。ですから、イラクについても、イラク人のイラク人によるイラク人のための改革、復興ということで、これはもう外部から、速やかにもう本当はアメリカは撤退すべきなんですよ。大量破壊兵器を発見すると大言壮語して出ていって何も発見していないんですから。
 失敗しました、申し訳ありませんでしたと言って撤退して、その後のイラクの復興はもう国連にお任せしますということで国連が乗り出してやることであって、それも、食うものもない、水もない、何もない、そんなことを言い出したら切りがないんです。彼らはもう砂漠の中で何千年と生きてきた民族ですから、もう頑張っておまえらでやってみろと。それに尽きるわけで、中には殺し合いもするかもしれません。本当に残虐な殺し合いが毎日続いておれば、国連がやっぱりもう少し落ち着いて話し合う機会を持ちなさいよ、そして国家再建ということを考えなさいよということで、すべてをイラク人の手にゆだねて進んでいくべきなのにかかわらず、私、その辺も理解できない。何でアメリカが乗り出して、それに日本がまた参加をするのか。
 しかも、戦争が終わって三か月ぐらいたって、もうやるべきことは大体終わっているんじゃないですか、軍隊が乗り込んでいってやるべきことは。今も、法律をどうしましょう、いやいやここを修正しましょうかという議論をしている。
 備えあれば憂いなしというのは小泉さんの常套語ですよ、あれも。ですから、こういう問題が想定されたら、もうイラク戦争が始まったときからイラクの復興ということを頭に描いて、どうするのかと。我が方も自衛隊を出すべきだ、それならすぐ国会でイラク法案を出して、そして議論をして、もうイラクの戦争が終わった、自衛隊を派遣しよう、もちろん国会が否決すれば駄目ですけれども、そういうことを備えあれば憂いなしと、こう言うんですよ。やるべきことはやっておく、そしていざとなった場合に慌てないと。
 小泉さんという人は、言葉は知っているけれども、それを実地に生かす気は全然なさそうですね。それも閣議の際にちょっと言っておいてくださいよ。あなたのああいう言葉はいろいろ変に使われていますよ、やっぱり自分できちっと、そういうことを言うのもまた閣僚の私責任だと思うんですよ。偉いやつがこうしろと言うからやっています、それだけの問題じゃないんであって、やっぱりいろんな意見があればきちっと申し上げて、そして閣議で議論をしてやっていくと。
 本当におかしいですよ、今ごろ自衛隊派遣の問題について、派遣の可否は別としまして、議論をして、法案をこれから作ろうとしているなんて。世界じゅうから笑い物ですよ、これ。しかも、これから何か月後かに初めて自衛隊が行く。何でおまえら来たんだ、今ごろ来やがってと。それだけのことでもう相手にされないと思いますよ。
 そういう意味で、今ごろこの法律を国会に出している理由を簡単にちょっと説明していただけますか。
○国務大臣(福田康夫君) お気持ちはよく分かります。また、その御趣旨は総理にもお伝えをしたいと思っております。
 我が国の自衛隊の活動については、これは非常に限定的であるということがございます。したがいまして、何かの根拠がないとこれは出動できないんですね。今回は五月二十二日に国連決議一四八三というものが出ましたので、これに基づいてイラクの復興に貢献しよう、こういうことになったわけであります。それから、いろいろとその必要性、法律の必要性、内容等について検討して行ったということでありますので、随分早く作業は進んだというように思っております。
 御指摘のとおり、何だかの法律があって、自衛隊の活動について何かこういうニーズがあれば、それも国際平和協力のためだというのであればすぐ飛び出せるというような法律があれば、それはそれにこしたことはない。しかし、このことについては、ようやく私は、自衛隊の国際的な活動についての国民的な認知また国際社会の中における理解というものが進んで、ようやく今こういうことがお願いできるようになってきたということでございますので、本格的な自衛隊の活動というのはこれから平和活動に限りできるんではないかというふうに考えております。
○佐藤道夫君 大体時間でありますので、これで終わりにいたしますが、なお気持ちは全然晴れておりませんので、次の機会にお尋ねさせてください。よろしくお願いします。
○委員長(松村龍二君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。昨日の連合審査に引き続いて、今日も質問させていただきたいと思います。
 昨日、省エネルックでしたけれども、今日はちょっと、別にテレビに映っているときだけそうしようと思ったわけではありませんので、まだ一着、ワイシャツ二枚しかないので、それで回っていかないので取りあえず今日はこういう格好をしておりますので、また改めて作ろうと思っていますので、よろしく。
 現実に朝は、午前中二十三度でしたから、とてもじゃないけれども半袖はやっぱりちょっと寒いんじゃないかなという感じはしますので、二十八度にすべきだなと思いますけれども、さっき委員長が、五十度にすべきじゃないかと、そしてイラクと同じ温度で考えたらちょっと違う発想も出るんじゃないかというような話もありましたけれども、正に温度とか気候というのは非常に考えとか風土、文化を作るのに重要なことじゃないかなという感じはしているところでございます。
 もう一つ、参議院の役割でございますけれども、確かに衆議院は通過しておりますけれども、参議院は参議院の役割がありますので、慎重審議すべきではないかなというふうに思っています。
 午前中、桜井委員の御意見を伺いながら、与党の立場でありながら、やっぱり不備を直そう、正すべきは正そうということに対しては私は賛辞を送りたいなというふうに思っています。そういう意味では、武器使用基準等、本当に変えるべきことがあればむしろここで議論して変え、衆議院に送り返すぐらいの、やっぱりそれを行動で示すことじゃないかなと思っています。民主党の場合にはちょっとほかの面で引っ掛かるところがありますので、ちょっと難しい面があろうかというふうに思いますけれども、(発言する者あり)はい、はい、ということでございますが、一生懸命質問してまいりたいと思いますので、緊張感を持ってまたお答えいただきたいなというふうに思っています。
 もう一つ、午前中でちょっと感じたのは、今回のイラク支援法を通じて、やはり恒久法というんでしょうか、基本法の必要性の認識がやっぱりかなり全体で高まってきたんではないかなというふうに思っております。私もやはり、昨日申し上げましたように、かなりテロ特措法のころからやっぱり限界が来ていた、やっぱり原理原則をきちっと作った上で今回の法律もやっぱり審議すべきだというふうに思っているところでございます。
 先ほど官房長官の方から、大きな法律になるのでおいそれとは簡単にはいかないんだというようなお話もありましたけれども、じゃ、昨年から本当にじゃ審議をし始めたかというと、必ずしもそういう形跡は残念ながら見えないということでございます。昨日も小泉総理が、時期が来たらとか議論が煮詰まったらとかというお話がありましたけれども、今回のイラク支援法を機にすぐやるべきだというふうに思いますけれども、冒頭、ちょっと福田官房長官にお伺いしたいのは、じゃ、いつになったらやるかということについて具体的にお答えいただければ有り難いなと思っています。
○国務大臣(福田康夫君) 私も、恒久法と申しますか、自衛隊の活動を含めた国際平和協力活動について更に恒久的な法体系を持つべきであるという、こういう御意見がこの法案審議の中でかほど与野党問わずいろいろな方々から提案と申しますか要望があったということに実は驚いているんです。ここまでやっぱり国際平和のために日本がやっぱり何かしなければいけないんだというその意思が明確になってきたんではないかというように思いますので、そういうような御意向を受けて、政府としてどういうふうに取り組むか、それも早くというお話ございました。国会日程その他ございます、また、この政権がいつまで続くかという問題もありますので、にわかにお約束し難い問題がございますけれども、しかし、ただいまの御発言はしっかりと受け止めて頑張ってまいりたいと思います。
○若林秀樹君 今おっしゃられたことを私なりに判断すると、できる限り早くということで承ったというふうに理解しておるところでございます。
 本題に少しずつ入りたいと思うんですけれども、大量破壊兵器の問題については私はやはり大きな問題だというふうに思っておりますし、我々もイラクが大量破壊兵器を使用しないというふうに思っているわけでは全くありませんので、確かに、使用しあるいは持っていたという事実は現実にあるわけです。しかし、あの時点で本当にあったかどうか、やはりそれはいろいろ議論の分かれるところだというふうに思いますけれども、先ほど、午前中、官房長官の発言で気になったのは、アメリカが調べて発見しても信用できないというようなお話もありました。現実にIAEA等、UNMOVICも含めて、排除したのはアメリカであり、それを支持したのは日本政府であります。
 私は、四月の時点だったと思いますが、それではもうバグダッドは陥落したんだから、国際機関を入れてインスペクションしたらどうだということを私は川口大臣に申し上げました。そうしたら、川口さんは明確に、明確ではなかったかもしれませんが、それを是としないような発言をされましたので、私はここは非常に矛盾するところではないかなというふうに思いますけれども、その辺について、川口さんの御見解があればお伺いしたいなというふうに思います。その前に、はい。
○国務大臣(福田康夫君) 川口大臣にこの後答弁をお願いいたしますけれども、その前に、私、午前中に質問ございまして、答弁いたしました。それで、そこでもって、これから千三百、千四百というそういう要員が行く、これは国連の調査団だと、こういうふうに申し上げました。これは実際にはそうじゃないんです。これは間違いでございまして、後で話を聞きましたらば、千三百、千四百というのは米英豪の要員から成る調査団と、こういうことでございます。イラク監視グループという組織が大量破壊兵器の捜索活動をこれは行っている、そして我が国もその動向を注視をしているところである、こういうことでございます。これが正確なところでございまして、もうその監視というか捜索を始めている。
 そして、じゃそれを、じゃそのまま信用するかどうかということになりますと、これは、これは私どもは信用しますよ、だけれども皆さん方は信用しないということはあるんだろうというふうに思いますから、それはやはり可能な状況が生まれてくれば、最終的な検証というのは国連等の何らかの国際的な関与が重要である、こういうことになると思っております。そうすればいろいろな議論をしなくても済む、信憑性について議論をしなくても済むと、そういうことでございますので、そういうことになるだろうというように思います。そういうことについては国連決議の中にも、はっきりとではないけれども、その趣旨が盛り込まれているというように承知しております。
○国務大臣(川口順子君) 今、官房長官が、あるいは先ほど官房長官がおっしゃったことを今御説明更にございましたけれども、そういうことと違うことを今まで申し上げているわけでは全くございませんで、私が今まで申し上げ、ごく最近でもそういうふうにお話をしていますけれども、調査、査察について、今後そういった査察が可能な状況になれば、少なくとも最終的には、最終的な確認ですね、国際的な関与が重要であると、これはずっとこういうことを申し上げてきているわけです。
 それで、一四八三、これが通りましたけれども、その中で、イラクが武装解除の義務を果たさなければならないことを再確認をするということを一四八三で言っています。そして、イギリス及びアメリカに対してこの点についての自らの活動、今アメリカが千人、米英を中心としてやっているわけでして、この活動を安保理に報告するように慫慂するということを決議で言っているわけですね。
 それからさらに、UNMOVICやIAEAの権限を再検討する安保理の意思を強調をするということを言っている。したがいまして、国連の決議で、今アメリカやイギリスが中心になっているということを前提にして、それを報告を国連にしなさいというのが国連の今の立場であります。
 我が国としては、それに加えて、最終的には、査察が可能なような状態になれば、国連、国際的な、最終的には国際的な関与をして確認をするということが重要だということを、これはずっと言ってきていると、そういうことでして、特に官房長官のおっしゃったことと私の今まで申し上げてきていることと違いがあるというふうには私は感じておりません。
○若林秀樹君 確かに、一四八三後の話だと今思います、今のお話は。ただ、私が申し上げたのは、四月九日の時点で、その時点でもう既にやっぱり国際機関を入れてインスペクションすべきではないかということに対して、川口さんはその必要はないようなことをおっしゃられたんで、私はちょっとそこは違うんじゃないかということを申し上げただけでございますので、今おっしゃった一四八三のことを中心にそのお話は理解できましたので、それで終わらせていただきたいと思います。
 それで、もう一件、大量破壊兵器のことで、昨日の新聞報道で、ブッシュ大統領が一月の一般教書演説で言及したイラクのウラン購入疑惑、ニジェールからイラクへのウランの移転について箇所があったんですけれども、それはでっち上げの情報に基づいていたということをアメリカがやっぱり正式に認めたわけですね。これはやっぱり大変なことだというふうに私は思いますけれども、まずこのこと自体について日本政府としての御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 報道官がどのような説明をしたかということについては後で安藤局長の方から話をしてもらいますけれども、基本的に、確実でない情報に基づいた説明が一般教書の中にあった、ただ、基本的なそれが立場、問題についての立場を変えることになったかというとそうではないということを報道官として言ったというふうに私は承知をいたしております。そういうような部分があったということであると思いますが、そういうような確実でない情報に基づいた文章が一般教書の中に入ったということは事実だと思いますけれども、問題全体の方向性あるいは重要度がそれによって変わったわけではない、それがあったか、なかったかということによって問題の本質は何ら影響を受けていないというふうに考えます。
○政府参考人(安藤裕康君) フライシャー・ホワイトハウス報道官の発言ぶりでございますけれども、これは九日の日に、現在訪問中の南アフリカにおけるプレス懇談の中でこの問題について言及しておられるわけですけれども、ちょっと引用させていただきますと、一般教書の演説後、偽の文書に関する情報を入手した、イラクによるウラン入手に関するこの情報は大統領演説のレベルまで上がるべきではなかった、しかし、対イラク戦争は、フセインによる化学及び生物兵器といった大量破壊兵器の保有と核関連プログラムの再構成の試みに由来する脅威に基づいていたのである、フセインに対する戦争を開始する理由は一般教書演説が行われた日と同様今日も正しいものである、後になって分かったことにより、現在、我々はウランとニジェールの関係は正確ではなかったことを承知している、ウランに関する特定の一文が間違っていたからといって根本的な主張が正しかったことが変わるわけではないということを理解するのは重要である、こういうふうに言っておられるわけでございまして、正に今、大臣が言われたように、このことが間違っていたからといって根本的な主張が正しかったことが変わるわけではないというふうに言っておられるわけでございます。
○若林秀樹君 分かりました。
 しかし、根本的な主張が変わるわけじゃないというのは、これはアメリカ政府の立場ですから、それを日本政府が是認して、私もそう思いますと、本当に今、政府の見解として言うんですか、それを。遺憾だと思わないんですか、この事実に対してねじ曲げて入れたということ自体は。それは、はっきり答えてください。
○国務大臣(川口順子君) ここの部分については、IAEAのエルバラダイ氏もしばらく前に、もっと早い時期に確報、確定された情報ではないということを言っているわけでして、米国政府としてこの部分についてもう少しきちんとした精査があってよかったという気は私としていたしております。
○若林秀樹君 遺憾だということだというふうに思いますけれども。
 私は、やっぱりこれ一つ取っても、事実じゃないことを予算教書に入れるというそのもののこと自体やっぱり体質じゃないかと。要は、それを、いろんなことを捏造してやっぱり事実として作り上げていくんではないかということも思ってしまうわけで、日本政府としてはそういう情報を信じるしかないという中で判断しているわけですから、私はやっぱりこういう事実は非常に重要な問題だなというふうに思いますし、日本政府としてもしっかりとしてそれをアメリカに言うべきではないかなというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(川口順子君) 前にも申し上げましたけれども、我が国のこの問題についての判断、これは基本的に、先ほど別な委員の方からの御質問でもお答えをしましたように、査察団の累次の報告等をベースにいたしまして、そして英米等の情報を参照にして我が国としては判断をしてきているわけです。
 それで、その査察団の報告について言えば、それは先ほど別な委員の方に御答弁を申し上げたとおり、様々な疑惑があるということは全くそのとおりであるわけでございます。
 先ほど言いましたように、アメリカとしてもう少し、これほど重要な文書、一般教書というのは世界が注目している文書ですから、そこに入れる情報についてはもう少し精査をしてもらったらよかったというふうには思いますけれども、我が国のこの問題についての判断がこれによって何ら変わるわけではないということでございます。
○若林秀樹君 これ以上この問題で言及は避けますけれども、一般教書という極めて重要な、世界が注目している、アメリカはこれからこうするんだという話の中にこういうことが平気でホワイトハウスの中で上がってくるということ自体は、私は体質に非常に問題があると。そのほかの件についてもこういうことがあったんではないかということを、疑念を生じるような私は行動ではなかったかなというふうに思います。
 その上で、いずれにせよ、今後また大量破壊兵器のことについては引き続き問題にしていきたいと思いますけれども、今回の米国の対イラク攻撃、結局のところ現時点では大量破壊兵器が見付かっていないわけですから、これだけ見ますとやっぱりイラク政権の打倒、サダム・フセインの排除ということを本当に目的とした今回の対イラク攻撃ではなかったかということを、現実としてそうなっていることに対して、福田官房長官として国民にこれをどう説明するのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 現在、大量破壊兵器について、先ほど申しましたように捜索が行われているわけですね。今までもしたかもしれないけれども、専門的な捜査でなかったということもあったと思います。これからは相当な人数、千人以上の人数を投じてやると、こういうことでありますから、その結果を待つべきだろうと思います。
 しかし、じゃこの戦争がそれでどうだったのかという、こういう評価になりますが、それはその武力行使を決定するまでの経緯というものから考えて、それは妥当性は十分にあったというように考えるべきではないのかなと、こういうふうに考えております。
○若林秀樹君 いつになったら発見できるのかという感じはします。アメリカは、イラク攻撃の大義ということでは、直前になってサダム・フセインの排除だということを明確に言っておりましたので、ややそこはすり替えていると。ただ、我が国政府としての根拠は、やっぱり大量破壊兵器が問題であるということになっていますから、この辺は大分アメリカとまた事情も違うんではないかなというふうに思います。
 私は、一定の時期に来たら客観的な評価を下すのは筋だというふうに思っておりまして、仮に相当期間が経過してもなお大量破壊兵器が発見されないとしたら、一体じゃどのように判断を下すんだろうかということについてどう考えるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま私からお答えしたんですけれども、大量破壊兵器の捜索が行われる、そしてそれも最終的には国際機関が承認するというような形で公表される、その結果に基づいて判断をすべきものでありますけれども、しかし、この武力行使を行ったこと、これも繰り返しになりますけれども、これは、そういう決議の、六七八からずうっと来ているいろいろな決議に基づいて、その筋道を立てて武力行使に至ったという経緯がございます。
 そして、武力行使についても、それはいろいろな、決断をするときにいろいろな意見がありました、いろいろな判断があったわけですね。ドイツもフランスも、またほかの国もいろんな考え方を持っていた。じゃ武力行使をしないでどういう方法があったのかということについて、意見は決してまとまっていなかったと、こういうふうに思います。
 また、もう少し私見も交えて申し上げれば、それでは、あの武力行使を決断するときに、米英軍が二十万以上、中東地域に集積されたといったようなそういう事実、そしてそのことがあったからこそ、イラクも嫌々ながら査察に、程度問題でありますけれども、ある程度協力をしたと。こういうこともあったわけでありまして、やはりそういうような武力的な圧力というものが、査察をきちんとやるためにはその後も必要なんだろうと。そうすると、だれがそういう部隊を維持するかと、こういったような問題もございます。そういうことについて具体的な方策、あの段階で集約できなかったということが、やはり武力行使に踏み切らざるを得なかった一つの大きな原因だろうというように思っております。
 そういうようなことを申し上げて、私は、これがその正当性があるのかどうかということに、これはいろいろな議論があるかもしれませんけれども、筋道としてはそういう説明ができ、またそれは妥当性は十分にあるというように考えております。
○若林秀樹君 今おっしゃられたことは、仮に大量破壊兵器が見付からなかったとしても、政府としては米軍の対イラク攻撃を支持するという御発言ですか、今のは。そういうふうにちょっと聞こえたんですけれども。
○国務大臣(福田康夫君) それはもう支持しちゃったんです、しちゃったんですよ。それを取り消すことはできないですね。
 しかし、それはきちんとした体系を持って考えて、その結果であるということでありまして、じゃ、あのときにほかの判断があって、それがもっと正しかったんだと、より正しかったんだということが言えたのかどうかということになろうかと思います。
○若林秀樹君 ただ、支持をしたといっても、仮に大量破壊兵器が見付からなかったということに事実として認定されたならば、それでも支持するかということに対しては、これは非常に大きな問題だというふうには思いますので、そこはやっぱり政府として何らかの責任を問われるようなところだというふうに思いませんか。
○国務大臣(福田康夫君) しかし、大量破壊兵器の存在については、国連決議にもございましたし、またそれから以降、一四四一以降も数度の査察もあったと、その結果も出ているわけであります。そういうことを根拠にして、大量破壊兵器はあるんだというのは国際社会の一致した見解であったのではないかと思っております。
○若林秀樹君 国際社会の一致した見解では私はなかったと。そこで分かれたからいろいろ問題があったということで、あの時点でですね。何かありますか。
○国務大臣(福田康夫君) それは、大量破壊兵器の存在についてはほとんどの国際社会の国々が同様の見解を示したというふうに思います。
○若林秀樹君 この問題については、また引き続き同僚議員の方から質問をさせていただきたいと思います。
 次に、質問に移りたいというふうに思いますが、今回の法律のそもそも論の中で、何ゆえにPKO法が法律を修正してでも使えなかったのかどうかということについてちょっと伺いたいなと、率直な疑問としてですね。
 確かに、PKOを適用するときには相手国政府の同意というものが必要だというふうに思います。今回の法律で派遣をするときに、法律の文言上はイラク施政を行う機関の同意ということで、CPAにこれはなるんでしょうか。多分そういうことであれば、CPAの同意をもって自衛隊等の派遣が可能になるということであるとしたならば、なぜゆえにPKO法を修正をしてCPAの同意を得て派遣できるようにしないのか、その辺の理由についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 今回の一四八三を踏まえた上で自衛隊を派遣するということにつきましては、これは今、委員も御指摘になりましたけれども、CPAというものが決議一四八三でもってその任務を与えられたということになるわけでありまして、それに基づいて行動すると、こういうことになります。
 じゃ、PKOでこの活動ができないのかということになりますと、これは御案内の合意、同意、それから中立、撤収、武器と、こういったような五原則ですね、これがありまして、その要件に、少なくとも停戦合意ということについては、これは要件が満たされたというようには考えにくいだろうと、今の状況において。ということがありますから、PKO法を適用するのはこれは困難であると、これが政府としての判断でございます。
 この状況については、将来、治安の状況とかそういうようなものが変化があり、また同時に、暫定政府が立ち上がるといったようなそういう状況の変化があれば、またその段階で考えられることはあるかもしれないけれども、少なくとも、その一四八三でもって、これでもって活動ができるということになれば、PKO法の発動が更に必要だという状況ではないというように考えるべきだと思います。
○若林秀樹君 そう言われますと、今回の自衛隊の派遣も主体的に活動するということが原則ですよね。じゃ、何ゆえにCPAの同意を得なきゃいけないのかということを法的に書くのは、どういう論理なんですか。
○政府参考人(増田好平君) CPAの同意、若しくは、原則は当該外国の同意というところでございますけれども、これはいわゆる国際法上の領土主権というものとの関係において、その国の政府の同意を必要であると。今回の場合、この法案の場合には、イラクにあっては正に正統政府がございませんので、今、先生から御指摘のような施政を行う機関の同意ということで足りるということに解して、このような規定を置いているところでございます。
○若林秀樹君 分かりました。取りあえず、基本的には領土主権としてのCPAを一四八三が国際社会として認めているんであるから、そこの同意を得て自衛隊を派遣するという理解ですね。取りあえずそれを承って、一度頭の中で整理して、また質問があればしたいというふうに思っています。
 今回、衆議院等の議論を通じて意外と出ていない質問が、仮に今回の法律が成立したとして、この法律によって掛かる経費の見込み、そしてその財源がどのぐらいになるのかについて余り言及がなかったと思いますので、それについてちょっとお答えいただきたいと思います。
 これは官房長官でよろしいでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 一言で申し上げますと、現時点で復興費用の規模などについてはっきりしたことを申し上げると、これは困難です。したがいまして、額は決まらないから、どういう調達をするかというそういう問題も、これは今申し上げるような段階になっていないと、こういうことであります。
 現在は八千六百万ドルの対イラク支援、これは実施決定をいたしております。これは、当面の課題として教育、保健、電力等の生活基盤の再建を優先する、そういうふうなことでもって支出を決めているわけであります。今後の復興支援にかかわる経費ということになりますと、本年の十月に開催予定の支援国会合までに、国連又は世銀が中心となって行うニーズアセスメントがございます。また、CPAによります予算の編成作業がございますので、そういうものを通じて明らかになってくると、こういうことになります。
 そういう中でもって、我が国がどの程度の支援を行って、又はその財源を調達するかということはこれからの課題なのでありますけれども、そういう今言いましたニーズアセスメント、CPAの予算の作業というものを見ながら考えていきたいと考えているところでございます。
○若林秀樹君 確かに、これからニーズアセスメントをしていろいろなパッケージを決めて予算額がだんだん決まってくるんだと思いますが、ただ、現実的に自衛隊の派遣についてはもう十月末までかなりの装備の調達とか訓練とか、私は、様々なことがやっぱり掛かるんじゃないか。それは予備費で充当されるんでしょうか。お答え、長官。
○政府参考人(増田好平君) 官房長官からのお答えに尽きているわけでございますけれども、正に対応措置、具体的な活動内容がこれから決まっていくわけでございますので、その正に必要となる費用の規模等に応じまして財源手当てをどうするかもまた考えていくべきものと考えておりまして、現時点でどのような形でその財源を手当てするかということを申し上げるのは困難であるということを御理解願いたいと存じます。
○若林秀樹君 ただ、基本計画をまとめるためにいろいろな作業をやっていくわけですよね。当然、そこに掛かる費用というのは出てくるだろうし、取りあえず当面持っていくものについての装備が本当に今のこれで足りるかどうかということについては、これは現実的に費用掛かりますよね、これからいろんなことを準備して基本計画が行われるまで。
 じゃ、基本計画ができるまで一銭もお金は掛からないんですか。そんなことないでしょう。それは何で、じゃ、充当するんですか。それは予備費ですか。じゃ、それはちゃんと予備費ですと言ってもらわないと、今の答えにはなっていないですよ。
○国務大臣(福田康夫君) これも金額によるわけです、どういうような規模で活動を開始するか。しかし、その前にやらなきゃいかぬのは調査団を派遣しなきゃいかぬ。これはもう徹底した調査をするわけでございますけれども、当然そういうお金が掛かるわけです。こういうのは、この程度であれば防衛庁の今の予算の中で処理できるのではないかと思いますけれども、それを超える、要するに本格的な支援が始まるということになれば、まあそれは規模にもよりますけれども、予備費で取りあえずは対応するということになると思います。
○若林秀樹君 予備費ということになるんでしょうけれども、当然、予備費で足りなければまた秋の補正予算等で、そういうことで手当てするということになるんじゃないかなと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) はい。そのようにお考えいただきたいと思います。
○若林秀樹君 いいですか、石破長官。不思議そうな顔をされている。
○国務大臣(石破茂君) それは官房長官がお答えになったとおりで予備費で見るべきものですが、それが非常に大きな金額になれば、それは当然補正予算ということになろうかと思います。
 ただ、先ほど来お答えを政府としていたしておりますように、幾ら掛かるかというのは実際現地のニーズを見なければ分かりません。これであれば幾らとか、これであれば幾らみたいなことは、それは机上の計算はできますが、実際にそれが、例えば浄水ということにいたしましても、どのぐらいニーズがあるかでどれほど持っていくかは変わりますので、ここで確定的なことが申し上げられないのはそういうわけでございます。
○若林秀樹君 そういうことで取りあえず理解をさせていただきます。
 次の質問に移りたいと思いますけれども、先日、矢野外務副大臣が韓国に行かれたということで、外交通商相と会談をされて、今回の有事法制からイラク法制等については、平和憲法や専守防衛の原則の下、透明に進められることを期待するということで、先ほど官房長官が、自衛隊を派遣することについては国際社会から理解は得られているというようなお話もありましたけれども、本当にそうなのかなと。やっぱり懸念する声もいろいろあるんじゃないかなというふうに思いますが、副大臣としてこの会談を通じてどういうふうに感じられたか、そして、我が国としてアジア諸国あるいは中東周辺諸国に今回の措置についてどういうふうにこれから説明していくのか、その辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(矢野哲朗君) 七月の三日、四日、韓国を訪問してまいりました。
 私の思いでありますけれども、湾岸戦争後、PKO法、そして周辺事態法、そしてテロ特措法、有事法制、今回ということで、一連の経緯があったわけでありまして、この推移というものをやはり近隣諸国に正確に伝えなければいけないなという思いがまず一点であります。
 そして、特に韓国の場合に、先般、盧武鉉大統領が訪日されて、あの国会演説で、本当に未来志向の下にひとつやっていこうという、私なりに感銘を受けた演説でありましたけれども、そういう一つの演説の中に、過去を振り返って、すべて過去が清算されたわけではないというふうな私なりの思いもあります。ですから、誠意を尽くしていきたいというふうな一つの思いもありました。
 それでもって、先方、潘基文大統領外交補佐官と、それから羅鍾一大統領国家安全保障補佐官、そして尹永寛外交部長ですか、お会いさせていただきました。それぞれに同趣旨の、正に憲法の枠内で、専守防衛という一つの思いの中でのひとつ今回の決定でありますということを正確にお伝えし、先方としてもその旨了解したというふうなやり取りだったと思っています。
○若林秀樹君 それは今、韓国に行ったときの御感想だと思いますけれども、ほかの周辺諸国あるいは中東諸国もこの自衛隊の派遣についてはそれなりに理解が得られるだろうという御認識なのか。もし、川口大臣、中東を訪問されていますので、もちろん一か国一か国聞いているわけじゃないと思いますが、その辺の御感想をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 韓国については、今、副大臣がおっしゃったとおりでございます。
 それから、中国についても、これは中国側の記者会見での場の発言ですけれども、日本が専守防衛政策を着実に遵守をし、平和発展の道を堅持することは、日本自身の利益に合致し、地域、世界の平和と安定に寄与するという旨の発言があったというふうに承知をしておりまして、基本的にその考え方としては、日本がそういうことでやるという説明をしているわけですから、そういうことであれば理解をするという趣旨の、意図の発言であるというふうに思っています。
 総理も近隣の国に行かれて、エジプトそれからサウジに行かれて、あるいはほかの方々も大勢その地域は訪問していますけれども、きちんと説明をして日本の意図を理解をしてもらうということは何よりも大事だというふうに思っております。そういった考え方で説明をし、それぞれの理解はもらっていると私は思っております。
 引き続きいろいろな側面で、いろいろな場で説明を続けることは大事だと考えておりますので、その努力も今後やっていくつもりでおります。
○若林秀樹君 ありがとうございました。是非、引き続きそういう説明努力を続けていただくようお願い申し上げたいと思います。
 次に、今のイラクの治安状況でございますが、私が訪問させていただいたのは六月初旬でありまして、アメリカからの説明は、前と比べると少し良くなりつつあるというような説明もありました。ただ、現実には、その後のいろいろな衝突等発生して、現実に亡くなられた方が多いという状況の中で、今現実に日本政府として治安状況をどういうふうにとらえているのか、具体的な数字も含めて教えていただきたいと思います。
 もし、ちょっと細かいですけれども、可能であれば五月一日前と後に分けて、戦闘で死んだのか事故で死んだのか、そしてその中でイラク人の人の数も分かれば概要を教えていただきたいと思います。安藤局長。
○政府参考人(安藤裕康君) 治安でございますけれども、現時点におきますイラク国内の情勢についてちょっと申し上げますと、全般的な情勢といたしましては、フセイン政権の残党による散発的かつ局地的な抵抗活動というものが行われているわけでございます。
 地域で申し上げますと、まずファッルージャあるいはラマーディ等の西部地区でございます。それからティクリート等があります中部、それからクルド人地区を除きます北部、この中にはモスル等も入ってまいりますけれども、この辺が治安が不安定であるということでございますけれども、ただ、それら地域全部が不安定ということではなくて、今申し上げたような特定の地区の限られた地域ということが言えるかと思います。
 具体的な最近の事件といたしましては、ラマーディ西部でございますけれども、ここで武装したイラク人の襲撃によって米兵四人が死傷しているということでございます。それからまた、バグダッド市内そのものでも米兵をねらった事件がかなり発生をしておるような状況でございます。他方、バグダッド以南でございますが、ここの地域では、先般、アマーラ付近でイギリス人の兵隊六名が死亡いたしましたけれども、こういうふうな散発的な事件を除きますと、基本的には現地警察と米軍の協力によりまして治安が改善されつつあるという現状でございます。
 それから、死者の数等で見てみますと、米軍につきましては、七月七日まで全体で二百七名が米軍の死亡者でございますが、このうち五月一日以降ということでいいますと六十九名でございます。したがいまして、五月一日以前は百三十数名でございますけれども、五月一日以降が六十九名ということでございます。イギリス人につきましては、イギリス軍の死亡者につきましては、六月二十四日まで、これちょっと古い数字でございますけれども、全体で四十三名、これは五月一日以前も含んでおります。他方、五月一日以降になりますと十名ということでございます。
 その後、五月一日以降の死亡者数を月別に見てみますと、米軍は、五月が三十七名、六月が二十八名、七月が四名ということでございまして、ただいま委員御指摘のように、六月はちょっとその数が減っていることは事実でございます。ただ、七月になって増えているかどうかというところは難しい点でございまして、七月の三分の一で四人ということでございますから、そんなに死者の数が大幅に増えているという状況ではないのかなというふうに考えております。
 それから、民間人でございますが、イラクの民間人でございますが、これについては、何しろイラクの現在政権ができておりませんのできちんとした数字を把握することはできません。したがいましてマスメディアの報道等を通じるしかないわけでございますけれども、ちょっと古い数字では、現在まで少なくとも三千人を超える方々が、イラク人がお亡くなりになったというふうに認識しております。
 それから、全体の、こういう散発的な抵抗運動が組織化されているかどうかという点でございますが、これについてはブレーマーCPAの長官が、最近の攻撃は戦略性のある脅威ではなく、自暴自棄となった小規模集団による散発的な行為であるというふうに述べられております。
 以上でございます。
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 数字上は若干減っているというようなお話だったというふうに思いますけれども、本来であればこの治安はもっともっと良くならなきゃいけないんですけれども、ある意味じゃ相変わらず高いレベルでそれなりに散発は続いているのかなという印象を、私もそういう、取ってもいい数字ではないかなというふうに思います。
 そういう意味では引き続き大変な状況にあるということだと思いますし、一方、今まではイギリス人は余りねらわれなかったというか、死亡者がいなかったんですけれども、この間のアマラですか、六名、そして、聞くところによると最近も何か亡くなられたというお話もありますので、最初は米軍だけねらわれているのかなと思うと、必ずしもそうではない状況がありますし、物取り等、別に米軍だけということではなくて、とにかくチャンスがあらばということになるんじゃないか。そういう意味では、非常に危険性は、どの軍隊が行っても起こる可能性、私もあるんではないかなという感じはしているところでございます。
 次に、我が国の支援を考える上で、やはり最終的にはイラク国民のためになっているかどうか、どういうニーズがあるのか、そして我が国の国際的な社会の位置付け、あるいは日米関係等も考えなきゃいけないと思いますが、重要なのは、我々はどういう能力があるのか、どういう力があるのか、どういう支援ができるのかという見極めもこれは非常に重要なことではないかなというふうに思います。行ってみたものの全然役に立たなかったとか全然違うことをしてしまったとかいうことになると大変ですので、そういう意味で、やっぱり自衛隊の能力、どこまであるかというのは一般国民にはほとんど分からないところであります。
 私は、例えば地雷の除去というのは部隊として自衛隊ってできるんじゃないかというふうに思っていましたところ、聞くところによると、部隊として地域を与えられてそれをやるというのはできないという話をいろんな人から伺いました。そういう意味では本当に、いろんな、後方支援以外で何が本当に自衛隊ができることがあるのかということについて、水の浄化というお話もありましたけれども、それ以外に何か考えられるようなことというのはありませんでしょうか。当然いろんな検討をされているとは思います。
 済みません、官房長官。かなり後ろの質問に行ってしまいましたので探すのに苦労されているというふうに思いますが、お答えいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(石破茂君) 自衛隊の能力ということでございますが、昨日、委員の御質問に対しまして水の御説明をいたしました。これは、昨日も申し上げましたが、民間ではほとんど持っていない、そして他国の部隊でもそんなものは持っていない。私どもは災害派遣という任務がございます。阪神大震災のときもそうでございますが。そういう能力というものを他国の軍隊に比べてもかなり高いレベルで有しておると思っております。
 では、ほかに何があるのだというふうに問われますと、これは実際に現地でニーズがあるかどうかということとは直接関係ございません、例えば発電というような能力がございます、あるいは医療というものがございます。本当に、いわゆる人道支援、イラクの方々に喜んでいただけるという意味で申し上げるとするならば、発電でありますとか医療でありますとか、そういうことを挙げることができると思っております。
 私どもが持っております能力というのは、ほかに比肩し得る、あるいはそれ以上のものを持っておると考えております。
○若林秀樹君 地雷除去はやっぱり難しいという認識でよろしいでしょうか。私はかなりニーズはあるんじゃないかなと思ったんですけれども、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、私どもの装備といたしまして、例えば地雷原があります、地雷原を通っていかねばならないと、そのときに通路を確保せねばならない、私どもの部隊が通りますための通路を確保しますためのそういうような地雷除去能力というのは持っております。ところが、面的に、広い面で地雷を除去するということを考えてみましたときに、そういう能力を私どもは有しておりません。
○若林秀樹君 分かりました。
 あと、現地に行って実際どういうニーズがあるかどうかは調べないと、最終的にはそれはマッチするかどうかというのはこれからの話ではないかなと思います。
 その中で、やはり私は、やっぱり人間が行く以上、コミュニケーション能力というんでしょうか、必要じゃないかなというふうに思います。コミュニケーションというのは、単に言葉だけじゃなくて、現地の習慣、文化あるいは生活スタイル等様々なことを理解していないと、全然違うことで衝突してしまってお互いに理解ができなかったりしますと、これは非常に大きな問題になるんではないかなというふうに思いますが、聞いたところによると、語学、しゃべれる人も非常に少ないようですし、今まで駐在でそこへ住んだことはもちろんないわけだというふうに思いますが、この辺、どんなふうに考えて、どういうふうにこれから訓練されるつもりでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 語学は、これはもう、今のところ、私どもでアラビア語圏に在勤をしておった防衛駐在官、これの数が八名でございます。私ども、アラビア語をしゃべるということを元々予定をしておらなかったものでございますから、これはもういかんともし難い話でございます。英語がしゃべれるとかフランス語がしゃべれますとかドイツ語がしゃべれますとか中国語がしゃべれますとか、そういうのは大勢おりますが、アラビア語というものをなかなか想定しておらなかったことは事実でございます。
 しかしながら、行きまして全然言葉が通じないということになりますとコミュニケーションも何もできません。仮に法案が通りまして派遣をされるということになりますと、そういう語学の習得は当然必要でございます。ただ、ぺらぺらとアラビア語がしゃべれるようになるにはこれは大変な時間を要しますので、基本的なコミュニケーションができるような、そういうような、何というんでしょうか、日常会話程度というふうによく申しますが、そういうものはきちんとできるようにしていきたいと思っております。それもきちんとした教育課程を通じ、課程といいますかね、そういうようなプログラムに従ってやりたいと思います。
 それからあと、イスラムの文化というものは、これはお詳しい先生方もいらっしゃいますけれども、やはり我々の文化とは違うところがあるだろうと。それは生活風習もそうですし、それから宗教の理解というものも私は必要なのだというふうに思っております。最低限、向こうに行って、文化の違いあるいは宗教の違いから無用の混乱が生じないようにということには万全の配意をしてまいる、そのように考えております。
○若林秀樹君 日常会話と簡単に言いますけれども、日常会話を実際に使いこなすというのは、これ相当大変ですし、そんな簡単なことじゃないな。通訳雇うといっても、じゃ自衛隊で一緒に行きますといったら行かないと思いますよね、多分。外務省の人もアラビア語がしゃべれる人一杯おられるようですから、もし本当に安全ならそういうことも考えられないわけじゃないと思いますけれども、非常に私は重要なことだと思います。
 本当に、じゃ、砂漠において、あの暑さの中で武器等が本当に、あるいは自動車等が動くのだろうか。仕様はほとんどそのものになっていないと思いますから、その辺もいろいろあるんじゃないかなというふうには思いますけれども、あえてもうそこは聞きませんけれども、そういう準備というのは非常に私は大変なんではないか。そして、なおかつ、やっぱり人間が行くということですから、全然知らないところに行って何が起こるか分からない、そのときの精神状態、コントロールも、非常にこれも大きな問題じゃないかなというふうに思います。
 是非、私が今、コントロールするというのは民主党の立場とはちょっと違うことで、もし行くんであればということで御理解をいただきたいというふうに思います。(「賛成、賛成」と呼ぶ者あり)賛成じゃないことを言いますが。
 米国の指揮下に入るということをさんざんこれまでおっしゃっていましたけれども、昨日も申し上げましたように、安全なところへ行って米軍の指揮下関係なく主体的に活動をするんだというすごいきれいなお話がありますけれども、実質的に、逆に、やはり米国の協力を得ないと、いざというとき、あるいは活動を円滑にするとき、もうとてもじゃないけれども、やっぱりできないはずですよね。
 その辺に、米国の指揮下と協力を得るという、やっぱり線引きというのは何らかの考え方があるんじゃないかなというふうに思いますけれども、もしその辺、お考えを聞かしていただけるなら。
○国務大臣(石破茂君) それは、我々の行います活動につきまして調整をすることはございます。それぞれの軍隊が復興人道支援をやっておるわけでございますから、それぞれ勝手な判断で勝手なことをやると整合が取れなくなる、昨日お答えをしたとおりでございます。したがいまして、その調整ということは行います。
 また、米軍に守ってもらってということがよく言われるわけでございますけれども、米軍に守ってもらうということを前提として参りますと、これは自己完結性というものと整合が取れなくなっちゃうわけですね。我々が自己完結性というふうに申しておりますのは、それは、例えば電気にしても、水にしても、食糧にしても、住居にしても、医療にしても、それは自分たちでできますということでございますが、基本的には、自分たちの安全、身を守る安全は自分たちでやるということも含んでおる概念でございます。したがいまして、アメリカに守ってもらうということを前提にして、我々は、仮に法案が通って派遣をするということになりましても、そういうことを考えているわけではございません。
 しかしながら、米軍は米軍で、自分たちは活動をします。結果としてそういうことは生じるかもしれません。米軍が存在しておることによって我々の安全が更に高まるということは当然あることでございます。しかし、そういう状態があるということと米軍の指揮下に入るということは全く別のことでございます。要は、我々がやりますオペレーションが米軍の命令によってではなく、我々が主体的に、しかしながら調整の下に行われるということでございまして、指揮命令という形にはこれは入るものではない、そういう認識でございます。
○若林秀樹君 もう一つだけ、じゃ、その関連で、米軍が、仮に守ってもらうとしたら、何の根拠でそういうことが可能なのか、あるいは協定を結ぶのか。当然、日米安保ではないというふうにそこは思いますけれども、その辺はどうなんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、実際に行ってみないとこれは分かりません。どういう形で、これ、協定という形になるのか何になるのか、これまた外務省との協議が必要だろうと思っております。
 しかし、私が今申し上げましたのは、合衆国は合衆国を守る、合衆国の自己完結性というのがあるわけでございます。そういう中にあって我々の安全に資するという場面は生ずるだろうということでございまして、米国とどういう関係を結ぶか、これは協定も含めましていろんな形があり得るだろうと思っております。これは今後の検討でございますが、基本的に、そのことは我々が米軍の指揮下に入るということではございません。
○若林秀樹君 取りあえず理解しました。
 先ほど来、戦闘行為はどういうものなのかということについては、これまでの議論で伺っているところですが、じゃ、具体的にその戦闘行為かどうかということを現場でどのように判断するのか、どういう指針を出すのか、現実問題としてそういうことが可能なのかどうか、非常に分かりやすいようにちょっとお答えいただきたいと思います。
 長官は、計画性、組織性、継続性、国際性を、どうやって現場で瞬時にこれを判断するのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 先ほどのお答えに付け加えることをお許しをいただきたいと思いますが、これ、米英軍は治安の維持という任務も負っております。それはイラク全般の治安維持ということも併せて負っておりますので、そのことによって我々の安全ということに資するということもありますことを申し添えさしていただきたいと存じます。
 国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し又は物を破壊する行為に該当するかどうか。そのときに、私は、計画性、組織性、継続性、国際性というようなことを申しました。そんなことは現場でどう判断できるんだいということだと思います。
 これは、本当に長い時間掛けて、どうだろう、どうだろうといって考えて判断するようなことには当然ならないわけでありまして、その場における、瞬時のとは申しませんが、極めて限られた時間での判断が必要だと思っております。
 そのときに、現場の指揮官が判断いたしますときに、そのよりどころとなるようなもの、すなわち、こういう場合には、こういう場合にはとにもかくにも一回休止あるいは退避ということを行いなさいというようなことですね。ある意味、抑制的なものでございます。これこれしかじか、こういうような場合には、それは外見もございましょう。それから、規模もありましょう。そしてまた、その者たちが何を言っているかということもございましょう。そういうような、ある意味、外形標準にならざるを得ないと思っております。こういうような場合には、とにかく一回引きなさいということ、そういうような基準を示すことが必要なんだろうというふうに思っております。
 それは、何をもって継続性といい、何をもって国際性といい、何をもって組織性というか、言葉にしますと、これはそういうふうになりますが、実際にそれを判断するというのは、繰り返しになりますが、ある意味、外形標準という形になるだろうと思っております。
 大事なことは、私どもが、午前中の答弁でも申し上げましたが、国際的な武力紛争の一環としての武力を行使したというふうに評価をされないことが大事だと思っております。
 その場合に、やはり瞬時、瞬時といいますか極めて短い時間で判断できる。そして、最終的にその実施区域を変更するでありますとか、そういうものは防衛庁長官が判断をするわけでございます。防衛庁長官がその場に行って見ておるわけではございませんし、テレビ画像でそれを送ってきているわけでもございません。実施区域を本当に変更するということになってまいりますと、これは本当に政治の判断ということもございます。もちろん、実施区域の変更というものが、戦闘が行われているということだけで決められるものではありません。あるいは、戦闘ではないけれども、そこでは非常に危険が高まっておる。よって、実施区域を変更するということも当然あり得ることでございます。
 ですから、それはそういうような形で行う、私は、今、このように考えております。
○若林秀樹君 言葉ではもちろん分かるんですけれども、現実問題に、攻撃に遭えば、それは正当防衛で反撃しますよね。そうしたら、もうそれはほとんど攻撃の開始であり、ずっと継続しているわけですから、そこで一時避難、中断なんということは、ほとんど私はそれは現実問題として無理だと思います。そんなことはあり得ないんじゃないですか。だって、どうやってそれを一時中断して、避難して、向こうから攻撃してくるのを、できるんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、近傍において戦闘が行われた場合というものも含んでおるわけでございまして、その場合にも一時避難しということになるわけでございます。ですから、それは、実際に我々の部隊が攻撃を受けていなくても、近傍において戦闘が行われる場合ということが条文にも書いてございますが、その場合には当然避難するということになるわけですね。そしてまた、実際に我々が襲われたというときも、十七条によって武器が使えることは御承知のとおりでございます。
 そこで、相手が国又は国に準ずる者、若しくは本当に単なる、もう一人で、その食べ物よこせとかですよ、その金をよこせとかですね、明らかに違うと。国又は国に準ずる者ではないという場合においては対応は違うわけであります。
 そこで、グレーみたいな部分、どちらか分からないねという部分は当然存在するわけでございまして、その場合には、やはり正当防衛、緊急避難で武器は使いながらも、やはり対応というものは、一人二人の相手、明らかに組織的、計画的に行われているものではない者とは異なるわけでございます。
○若林秀樹君 余り理解できませんね。回答になっていないような気がしますので。
 今回、武器使用基準、いろいろ御指摘ありましたけれども、私は、やっぱり長官の話を伺っていると、本来この法律でも武器使用基準は緩和した方が良かったんではないかというふうに本当は思っていらっしゃるんじゃないかなと思っていますけれども、その辺ちょっとお伺いしたいと思いますが、正直に答えていただきたい。
○国務大臣(石破茂君) なるべく正直にお答えをしておるつもりでございますが、いや、なるべくではない、絶対正直にお答えをしておるつもりでございますが、足らざるところがあれば御指摘をいただきたいと思います。
 今、委員が御指摘のように、緩和すべきだという議論がありますね。あるいは国際標準に合わせるべきだという議論がございますね。例えばPKOであればSOPという武器使用コードがあります。しかしながら、SOPというものは示されておりますけれども、それぞれの例えばUNTACとかUNMISETとか、それぞれのPKOによってまた武器使用基準は異なるわけであります。その国連SOPがそのままどれにでも適用されるというものではございません。そしてまた、それに参加する各国が、午前中の答弁で申し上げましたが、我が国はこのように武器を使用しますというルール・オブ・エンゲージメントというものは、どの国も原則明らかにいたしません。
 したがいまして、これが今回のような、PKOではございませんので、PKOではない今回のような場合の、ある意味世界初演みたいな話ですね、そういうような場合の標準的な武器使用というのはこういうものだというのが明確な形で存在するわけではございません。したがって、国際標準に近づけよという議論は、じゃそのすき間というのは何なのでしょうかということになってまいります。
 もう一つは、私どもが考えておりますのは、なぜ正当防衛、緊急避難に限っているかということを申し上げますと、それは決して武力の行使にはつながらない、少なくともそういうような法的評価は受けないということを考えておるわけでございます。
 では、例えて言いますと、こういう評論がございました。自爆テロが近づいてきたときに警告射撃なんかしている暇があるのかという御指摘がありました。そうしますと、じゃ警告射撃をしないで撃っていいのかということに逆に言えばなるわけでございます。あるいはBタイプの武器使用、任務遂行を妨害する行為に対する武器使用というものが、じゃ一体何があるのだろうか。すなわち、十七条の規定にも該当せず、自分の身にも危険が迫らず、かつまた自衛隊法九十五条武器等防護、この規定にも該当しない、しかしながら任務遂行を妨害する行為というのは一体何なんだろうか。
 じゃ、それに対して我々は武器を使用することが要請をされているだろうかということを考えてみましたときに、我々が行います活動を考えたときの武器使用の緩和というのは、一体どの場面で何を緩和をするのだろうか。そして、我々が武力の行使と評価されない部分は何なんだろうかということを私はきちっと議論すべきだと思っているのです。
 我々が議論をいたしまして、本当にこれ以上緩和すべきものがある、それはこれなのだということが、我々が現地において行います行動の範囲において考えますと、なかなかそれは見いだし難いというのが正直なところでございます。
○若林秀樹君 そこまで言われるとまた言い返したくなるんですけれども、やっぱり今回はその具体的な任務遂行のために行くわけですよね。その任務遂行を妨害する人に対して攻撃できないということは本当に致命的じゃないですか、それは。
 だって、例えば他国の、自国の物資だったら分かりますが、他国の物資を運ばなきゃいけない、他国の物資を盗もうとした人に対して何にもできないわけでしょう、それは。正にこれは任務遂行できないじゃないですか、それは。
○国務大臣(石破茂君) いや、ですから、そういうことに対して武器を使うということを予定しているかしていないかということなのです。
 つまり、これも委員十分お分かりいただけると思いますが、じゃ他国の物資が盗まれるということに対して我々は本当に武器を使用すべきなのだろうか。あるいは我々のトラックが走っていたといたします。その任務を妨害しようとした場合に、隊員の生命・身体に危害を加えず、かつまた我々が持っておる装備に危害を加えずにその任務遂行を妨害するということは一体何なんだろうかと、そういう概念が本当にあり得るだろうかという判断なのでございます。
○若林秀樹君 私はそれもあり得ると思いますよ。これまでは日本の自衛隊は普通の武器使用基準でやっていると思うから逆に襲わなかっただけであって、使えないと思えば、ただ荷物を盗み出してどんどんそれは逆にするんじゃないでしょうか。それに対して何もできないとしたら、他国の物を運ぶなんということに対して信頼感逆に失いますし、武器弾薬なんて言っていますけれども、そんなこともできないんだったらそんなの運ばせるわけにはいかないというのが普通の考え方では私はないかなというふうに思いますので、ここで使用基準を緩和しなければ、ほかで何が緩和するんですかという形に、将来的に禍根を残す可能性も私はあるんではないかなというふうに思います。その辺どうですか。
○国務大臣(石破茂君) それは御議論として成り立つというか、ある議論なんだろうと思っております。当然我々の部内でも、今、先生がおっしゃいますようなそういう議論はいたしております。
 しかし、それを認めた場合に、では一体どこで歯止めを掛けるのか。いわゆる自己保存的な正当防衛、緊急避難というものに限りまして、抑制的と言われれば抑制的です。しかし、そういう自然権的なというふうに申し上げてもよろしいが、それに限って武器使用をするというふうに我々は考えてきたわけです。海外において自衛隊が出る、そして武力の行使はしない、武器の使用は自然権的なものにとどめる、正当防衛、緊急避難、あるいは九十五条というふうに連綿と今まで考えてきたわけでございます。
 それを、任務遂行を妨害する行為に対しては武器が使えるということになりますと、これはどこで歯止めを掛けていくのだろうか。自然権的と言ってきたものを、それを任務遂行を妨害する行為に対しても武器が使えるということになりますと、次に歯止めを掛けるべきは一体いかなる概念においてであるかという議論が私は併せて必要なのだろうと思っております。
 確かにおっしゃるように、それじゃ武器弾薬を運んでよなんと頼む国はいないじゃないかと、そういうことはあるのかもしれません。しかし同時に、我々は、日本の国が自衛隊が出るということに対して国内的な御理解は今までの範囲でいただいておるわけでございます。そして、国際的にも、自衛隊は出るけれども、自分たちを守るためにしか武器は使わない、そういうふうな形で御理解もいただいてきたわけです。それとの兼ね合い、そして憲法に抵触しないようにということは、私は議論が必要なことだと思っております。
 委員の御指摘を私は全面的に否定するものではございません。議論する価値があるものだと思っております。しかし、今回の法案はそういうようなものまで予定をいたしておりません。あくまで本法十七条、そして自衛隊法九十五条の範囲でやりたい、そのようなお願いをしておるわけでございます。
○若林秀樹君 私はやっぱり正直言って詭弁だなという感じはしています。
 石破長官の発想であれば、まず任務を遂行するためにどうあるべきかと、その上で歯止めを掛けるのが石破長官の私は普通の考えじゃないかなというふうに思いますし、今回の議論をいろいろ聞いても、それぞれ議員もその必要性は分かっているわけですよね。ですから、最初からそういうのをくぐり抜けるようにするということ自体が私はちょっと本末転倒だなというふうに思いますし、一回かけてみて、議論をしてどうなっていくかということがやっぱりやるべき通過じゃないかなというふうに思いますので、恐らく本気で与党三党の皆さん方が変えようと思えばここで変えられるわけですから、是非そういうことも議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
 いずれにせよ、時間に近づいていますので、これ以上ほかの質問に入りますと中途半端な形で終わりますので、引き続きまた質問させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。
 イラク特措法案について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、イラク戦争の最大の要因となりました大量破壊兵器の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 小泉総理大臣は繰り返しイラクは大量破壊兵器を保有してきたということを断定してまいりました。この問題について、じゃ断定した根拠は何かと、こういうふうに問われると、何かフセインがいないことは存在を否定することにはならないとかいういわゆる詭弁を使って、昨日も同じような詭弁を弄して、私が詭弁だとやじりましたら、詭弁じゃないと私に答弁をいたしましたけれども、こういうふうなことを使って私はごまかすのは非常に大きな問題だと思います。私は、この大量破壊兵器がきちんと発見をされ、それが廃棄をされること、ここがやはり戦争の大義上、私は絶対にこれはあいまいにしてはならないというふうに思います。
 先ほども、この点について同僚委員から議論があって、福田官房長官は何か、支持をしたので支持は撤回できないんだというような御答弁でありましたが、私はアメリカのイラクの戦争は不法な戦争だと思っておりますが、政府は正当だと言っている。私はたとえイラクでの戦争を正当だというふうに主張されている方でも、私は大量破壊兵器が発見され、これが廃棄をされるということがないと、これ私は戦争の大義はないというふうに思いますが、まずこの点、官房長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 大量破壊兵器があったかないかということ、これは今調査している段階ですから、それはその調査を見ればいいんじゃないでしょうか。
 しかし、武力行使をしたことについて、その武力行使をするという決断をした段階において大量破壊兵器があるという前提は当然あったんですね。その上でそういう行動をしたわけでありますし、そしてまた、その大量破壊兵器があるということについては、国際機関もそれを承認し、そしてまた国連もそのための決議も出していると、こういうことからも明らかなことだというふうに思っております。
○小泉親司君 それじゃ、見付からなくても戦争の大義は成立するということなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと、何ですか。
○小泉親司君 いや、ちゃんと聞いていてくださいよ。
○国務大臣(福田康夫君) いや、ちょっとこっちで話していたから。
○小泉親司君 外務大臣に教えてもらわなくても私は答えられる質問だと思いますので。じゃ、戦争の、大量破壊兵器が見付からなくても戦争の大義は成立するということなのかと。
○国務大臣(福田康夫君) 大義というのは具体的にどういう意味合いになるか分かりませんけれども、しかし、武力行使をするという背景に大量破壊兵器があった、若しくは大量破壊兵器の疑惑もたくさんあったと、こういうことによるものだということだけは間違いありません。
○小泉親司君 私は、この問題についてはやはりきちんと、疑惑だとかいうような表現で私はごまかさないで、保有していたとあなた方は言っていたわけですから、この点、やはりきちんと明確に私はさせる必要があると思います。
 そこで、今回の法案は、原案段階で大量破壊兵器の捜索、処理、言葉は正確には、法案化されておりませんでしたので、要項として入れるのは、そうしたことが入っていたと。これが削除されたわけですが、なぜ、これ削除したんですか。
○国務大臣(福田康夫君) まず第一に、安保理決議一四八三に基づいて今回の自衛隊のイラク派遣ということが可能になるわけでありますけれども、このイラクの大量破壊兵器の処理について、一四八三ではこれは国連加盟国に要請をしておりません。したがいまして、現時点において我が国として何らかの具体的な措置を想定しているというわけではありません。
 この法律を出すに当たりまして、与党との調整過程において、いろいろな御議論を踏まえまして、この大量破壊兵器処理活動を法案に盛り込まないと、こういうようにしたわけでございます。
○小泉親司君 国連決議、安保理決議一四八三というのは、まず冒頭に、イラクの領土の保全を始めとすることを明記すると同時に、「大量破壊兵器の武装解除及び最終的には武装解除を確認することの重要性を再確認し、」というふうに言っているんじゃないんですか。なぜ、これがその加盟国に課せられていないんですか。安保理決議ですから当然拘束されているので、大量破壊兵器の廃棄がないなんという、そんなことになるわけがないじゃないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員が引かれたところは安保理決議の前文であるわけですね。それで、大量破壊兵器の武装、主文のところでは、これは比較していただきますと、例えば安定及び安全の状態に貢献するように訴える、それから人道上その他の要請を満たすよう支援するように要請するということで、加盟国に対して要請が行われているということであります。
 それで、大量破壊兵器の武装解除については、これは、イラクがその武装解除の義務を果たさなければならないことを再確認をしということが主文の十一で書かれていて、それをイギリス及びアメリカに対して、この点についてのその活動について理事会に報告をするように慫慂をしているというふうに書いてあって、大量破壊兵器のその武装解除について、それぞれの加盟国にそれを、例えば捜索するように、例えばそれを行うように訴える、あるいはそれを要請をするというような書かれ方をしていないという、そういうことです。
○小泉親司君 CPAも大量破壊兵器の捜索の任務を持っているんじゃないんですか。
○国務大臣(川口順子君) それについて、今ちょっと正確にCPAのその仕事の範囲、これはまあ抽象的に書かれているわけですけれども、その中に具体的に大量破壊兵器の捜索を行うということが書かれているかどうかは確認をいたします。
○小泉親司君 重要なことですから是非確認していただきたいと思いますが、外務大臣がよく主文で、答弁をされている、この統合された司令部、当局、つまりCPA、このCPAの任務として、アメリカ合衆国とイギリスの国連大使が安全保障理事会あて文書の中でどういうことをCPAが行うかということが書いてありますが、その中に明確に大量破壊兵器の廃棄と、捜索、廃棄ということが明記されているんじゃないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 確認をいたします。
○小泉親司君 私、確認していただかないと先へ進めないんだけれども。何でそんなことが分からないんですか。これは私が外務省のいただいた資料を読んでいるだけで、別にどこかから持ってきたものではありませんので、この点は、私、なぜそんな外務省がそんな基本的なことが分からないのか。
 しかも、官房長官の答弁で何と言っておられるかというと、大量破壊兵器の廃棄は今度の法案の中に国連決議にないから削除したんだと言っておられる。国連決議にちゃんと書いてあるじゃないですか、大量破壊兵器の廃棄というのは。それだったら、何でこれをやったのか。これ官房長官の答弁だっておかしいですよ、これ。明確にこれはおかしい。
 この点、ちょっと大至急確認してください。
 ちょっと速記止めてください。
○委員長(松村龍二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(松村龍二君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(川口順子君) いずれにいたしましても、そのCPAのマンデートに入っているかどうかは今確認中ですけれども、明らかなことは、先ほど申しましたように、加盟国、すなわち日本のような国に対してそれは要請をされていないと、そういうことでございます。
○小泉親司君 私は、この五月八日付けの外務省からいただいた米英の安保理議長あての書簡というのが書いてあります。この書簡というのは、非常に詳しく書いてあるのは、CPAの任務がどういう性格を持ったものなのか、この点について具体的にアメリカとイギリスの占領軍がどういうことをやろうとしているのかということを安保理議長に対して出した書簡なんです。
 それは、先ほども読み上げましたように、アメリカ合衆国及びイギリス、これはちょっとやめますが、安全保障理事会議長あて二〇〇三年五月八日付け書簡に留意するとともに、統合された司令部の下にある占領国としてのこれらの諸国の国際関係法云々かんぬんと、つまりこれが基本になっているわけですよ。その基本になっている中に、これ何て書いてあるかというと、CPAの三つの任務として、一時的な統治権力を行使すること、必要なら安全の提供を行うこと。二、人道援助の提供を行うこと。三、大量破壊兵器の廃棄だと。こういうことがちゃんと明記されている。これCPAの任務として、いわゆる占領軍と──ちょっといいですよ、占領軍の任務としてやっているわけで、ちょっとそれは明確じゃないので次に進みます、仕方ないから進みますが。
 米英司令部は、じゃ、記者会見で大量破壊兵器の現状はどうかという質問を何遍も何遍もやられているんです。私この間ずっと、アメリカ中央軍及びアメリカ国防総省がやっているブリーフィングをずっと毎日毎日読んでおりますけれども、その読んだ中で、繰り返しやっているときに米英占領軍は何と言っているかというと、現在は文書の分析だけやっているんでこれ以上具体的なコメントはできないんだと。つまり、全く捜索活動が、さっき官房長官がお話しになったように、まともにやられていない。
 これは私は、CPAの任務としても非常に重大な問題で、現実問題として、この大量破壊兵器の問題については米英軍もやらない。だから、自衛隊もこれ削除しましたから、自衛隊は大量破壊兵器の捜索活動については支援活動をしないわけですよね、そうですね。ですから、実際にどこが明確にこの大量破壊兵器の捜索、廃棄、こういう問題について責任をするのか、私非常に不明確だと。だから、そこを私指摘したい。
 私、この点では非常に重要だと思うのは、今、国連のUNMOVIC、つまり査察委員会、こういうものの活動を私は早急に再開すべきだと思うんですよ。ところが、現実に国連安保理でも、私ちょうど国連のUNMOVICとIAEAのホームページを見ました。このホームページを皆さんに御紹介しますと、UNMOVICのブリクス委員長は、四月二十二日ですが、イラク戦争後初めて安保理(非公開協議)で発言し、国連査察団の復帰の必要性を訴えた。これが六月二十二日ですか、ちょっと日にちは正確じゃありませんが、同じ発言があります。それから、国連原子力委員会、IAEAは、安保理非公式会合において、同機関が早急にイラクでの活動を再開すべきだとし、活動復帰の指示を待っているとの旨を発言した。
 ところが、なかなかUNMOVICもIAEAも査察に入らないんですよ。事実上、米英軍が、私は邪魔しているとは言わないけれども、事実上これを入れないような状態に追い込んでいるんじゃないかと。この点を私は、この大量破壊兵器の捜索、廃棄と、これをしっかりとやはり戦争の大義ということを、政府がしっかりと処置を取る上でも、私は米英軍に対して、アメリカとイギリスに対して、このUNMOVICのいわゆる活動をイラクにおいて直ちに再開できるような条件、環境を直ちに整えるべきだと、こういうことを日本政府として私要求すべきだと思いますが、官房長官、いかがですか。この点、政府としてそういうことをすべきだと思います。
○国務大臣(川口順子君) 先ほどから伺っていますと、委員の御質問の焦点がずれていっているんですが、まず先ほどの御質問にお答えをさせていただきたいんですけれども、この法案から大量破壊兵器の部分を除いたことということと、CPAがその権限としていかに大量破壊兵器のことをマンデートとして書いているかということは、全然これは別な問題であるということをまずきちんと申し上げたいと思います。
 加盟国は、日本は決議によって大量破壊兵器の捜索をすることを要請されていないということであります。
 それから、CPA、すなわち英国、米国で、豪州もこれにかかわって今捜索をやっていますけれども、これはその決議の十一、主文の十一、一四八三の十一によりまして、英米、この点に対して、大量破壊兵器の捜索、武装解除の問題についての活動につき理事会に報告をするようにということが慫慂されているわけです。したがって、英米等はこれに基づいて報告を恐らくすることになるだろうというふうに思われます。そういう意味でこれをやっているということであります。
 現実問題として、先ほど分析だけをしているというふうにおっしゃいましたけれども、私どもが承知をしているところでは、千人規模の人を送り込んで分析をするということももちろんやっていますし、実際に捜索ということもやっているということです。
 それから、IAEAとUNMOVICが戻るということについては、これはこの主文の十一で同じく、この権限を再検討するという理事会の意思を強調するというふうに書かれております。今、UNMOVIC、それからIAEAがイラクに査察に入るということのオーソライゼーションは決議によってなされていないということであります。
○小泉親司君 私の質問がずれているんじゃなくて、外務大臣の質問がずらしているんだと思います。
 私が言っているのは、CPAの任務に書いてありながら、CPAは大量破壊兵器の捜索、廃棄活動に非常に不熱心だと。だから、私は、何よりも大事なのは、今まで国連が、UNMOVICがやってきたことが戦争によって中断された。しかし、私は、先ほど官房長官もお認めになったように、アメリカが幾ら発見してもこれは疑問だと言う方がおられるかもしれない、私は思います。疑問だと思います。
 だから、国連の機関が入るべきだと官房長官がおっしゃったんですよ。だから、そうであるならば、私は正確にずらさないで答えていただきたいと思いますが、日本政府としてアメリカとイギリスに対して、とりわけ、当然のこととして国連安保理に要求することはもちろんですが、アメリカとイギリスが現実に今イラクを施政下に、事実上の施政下に置いているわけですから、この国々に対してUNMOVICやIAEAの査察を再開すべきだと日本政府としてはっきり言うのかと、この点を明確に外務大臣、これくらいは私答えていただかないと、日本外交、これは失墜しますよ。
○国務大臣(川口順子君) まず、現状が、そういう今おっしゃったような形でアメリカ、イギリス等が中心となってこれを捜索をしている、そしてそれは国連の決議によって報告を国連安保理にしなさいということが慫慂されているという状況でやっているわけです。
 それで、委員がさっきおっしゃった点について確認をしましたところ、米英が安保理に送った書簡の中で、CPAの業務として必要に応じ大量破壊兵器を廃棄するということが書いてあるということであるそうです。したがいまして、英米としてはこれに取り組んでいるということであるかと思います。
 我が国の立場というのは、先ほど官房長官もおっしゃいましたように、そういった取組で、最終的な段階では、これの廃棄、武装解除についての確認、これを国連等の国際機関がやることが望ましいというふうに考えております。それは今までも発言をしているということであります。
 今、現状は、先ほど申し上げたような形で、CPAを中心として大量破壊兵器の捜索が行われているという状況であるということで、この現実を踏まえて考えれば、我が国の立場である最終的な廃棄の確認ということを国際的な関与、国連等ですね、国際的な関与をやるということが望ましいというのが我が国の立場であります。
○小泉親司君 私、長い割には核心をついていないと。つまり、私が言っている核心は、再開するのか、それを再開せよということを何でアメリカとイギリス政府に言うぐらいのことができないんですか。ちょっと官房長官ね、そこを明確にしてくださいよ。そこは一番大事な問題だと私は思いますよ。どうですか、官房長官。外務大臣、いや、外務大臣要らない。そんな長いこと言ったって核心ないんですから、あなた。駄目だよ、そんな時間、膨大なやつは。はっきりさせてください。おかしいよ、そんなの。
○国務大臣(川口順子君) ですから、先ほど来申し上げているように、焦点をずらすことなく申し上げているように、現実的に今CPAといいますか、英米で捜索がなされていて、それを国連の安保理に報告をするということが慫慂されている状況にあるわけです。これが現実であるわけです。
 したがって、我が国の考え方としては、委員がおっしゃったように、初めからUNMOVIC等々が入って捜索をするということを今要請するということを言っているわけではなくて、我が国の立場というのは、現実的に考えれば、最終的な検証には国連等の何らかの国際的な関与があるということが重要であるということが我が国の立場、当面のいろいろなことを考えれば、探索とか、それから廃棄とか、そういうことを、現地の安全状況もありますから、連合軍が、コーリションがやることが現実的であるということが我が国の考え方であります。
○小泉親司君 いや、私は外務大臣の答弁としては大変情けないと思います。こんな戦争の大義にかかわることを明確にできないと、私は米英軍が邪魔しているということを言いましたけれども、これは日本の外務大臣もこの大量破壊兵器の捜索、特にUNMOVICの活動を再開するということに対して非常に消極的だということが私よく分かりました。この点では、私は、引き続きこの再開を私は求めるべきだと、日本政府として。この点、ちょっともう長い時間の答弁で非常に核心がつかない答弁でございましたので、私は次に移りたいと思います。
 次に、CPA、先ほどもお話ししました占領軍の問題について、占領軍と自衛隊の関係、自衛隊とイラク国民の関係、派遣される自衛隊とイラク国民の関係、この点について私少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の法案は、自衛隊をアメリカとイギリスの占領下に派遣するということを主たる内容にするものであります。問題は、米英両軍と自衛隊の関係はどうなるのか、自衛隊の国際法上の地位はどのようなものなのか、この点について幾つか質問をいたします。
 まず、国連決議一四八三に明記された当局、英語ではオーソリティーとなっておりますが、占領機構であるこれはCPAの組織図であります。(図表掲示)これは、こちらは私が勝手に訳した日本文で、こちらは英文で、これはアメリカのブッシュ政権に影響のあります外交問題評議会がホームページに掲載しているものであります。これは与党調査団の報告書の組織図とほぼ同じでございますから、極めて私は正確なもの、与党のものが不正確だと言っているわけじゃありませんが、正確なものだというふうに思います。これは外務大臣がもう既に、衆議院でも議論になっておりますので、この組織機構についてはお認めになっておられると思います。
○国務大臣(川口順子君) 認めていないですよ。
○小泉親司君 いや、まあいいや。
 それで、私は、このCPAの組織図がこれありますが、この組織図をちょっと御説明しますと、いわゆるCPAがこの枠であります。ちょっと小さくて悪いですが、この枠の中に軍事部門と非軍事部門が存在している。軍事部門は、第七統合軍部隊がいわゆる中央軍に指揮をされる関係でここに存在していると。この軍事部門と非軍事部門が存在し、軍事部門は主にいわゆる治安活動、戦闘活動を行っている。非軍事部門は主に人道復興支援活動を行っている。
 自衛隊は、人道復興支援活動と治安維持活動を行うということになっていると今度の法案には書いてありますが、この自衛隊はこのCPAのこの図でいきますと、どの部門に入るんですか。
○国務大臣(川口順子君) まず、そのお示しになられた図表、それは確かに前、別な委員から御提示ありまして、そのときに私が申し上げましたのは、これのソースは外交評議会、外交問題評議会ということになっていまして、そのホームページのその更なるソースは国防省というふうに書いてありました。それで、国防省自体がCPAの機構図を発表しているということはないわけでございまして、外交問題評議会が様々な国防省の多分情報の、様々な情報のピースを継ぎ足して出したものが、作ったものがその表であろうというふうに思います。
 それで、そもそもが、例えばその表の中にORHAということが入っているわけですけれども、例えばこのORHAというのは既に存在をしていないわけですね。それからも分かりますように、そのCPAの組織自体がこれは現実のニーズにこたえて柔軟に変わっていくということでありますから、それが今の時点で正しいということを我が方として確認をすることはできない。違う、既に現実と違う部分も入っているという、そういう図であります。
 そもそも日本の組織ではありませんから、我が国として有権的に言うことができないということはありますし、それから現実問題として、その組織自体が今の時点でもなお流動的に動いているということであるというふうに思います。
 それで、自衛隊でございますけれども、いずれにしてもこれは、これは私が御答弁申し上げることではないかもしれませんが、今まで官房長官や防衛庁長官がお答えになっていらっしゃいますように、派遣をしたとしても、この法案に基づいて派遣をしたとしても、米英軍の指揮下に入るということではないということははっきりと今までもおっしゃってきていらっしゃるわけです。
 それから、我が国が持っている情報から判断をしましても、イラクに軍隊を派遣をしている各国の、ほかの国の代表が米英の指揮下に入っていると、そういうことでもないと、これは米国政府からも聞いております。
○小泉親司君 この図を否定されたわけですが、先ほども言いましたように与党調査団と同じ資料ですから、与党調査団のやつも違うというような趣旨を……(「違う」と呼ぶ者あり)違う、どういうふうに違います。同じですよ。言葉が違うだけですよ。(「上の方はないよ」と呼ぶ者あり)いや、上の方はないのは、そんなの、そんなことは分かっていますよ。下の方は同じじゃないですか、CPAは。(発言する者あり)同じですよ。何を言っているんだよ、同じだよ。いや、まあいいです、時間がないから。
 私は、その問題は、CPAの問題については、私、この点については外務大臣がこれまでも議論してきたことで、いわゆる政府は占領機構のCPAと自衛隊の指揮命令の関係はないんだ、協力関係だけなんだと、こう言っておられる。私は、アメリカ、米英占領軍のいわゆるCPAと、米英占領軍というとあれですからCPAというふうにちょっとしますと、CPAの国際法上の地位については、例えばこれが合法か非合法かという点については確かに議論がある。
 ただ、政府は合法だと言っておりますが、私は合法とも非合法とも今度の国連決議の中では規定されていないというふうに考えておりますが、たとえ占領軍が合法、非合法にかかわらず、現在イラクにおいてイラクとイラク国民を事実上管理するといいますか、そういうことが国連決議で私、認められているというふうに思います。
 そこでお聞きしますが、政府は、自衛隊は占領軍に加わらないんだ、協力だということを説明しておられますが、それじゃ派遣される自衛隊というのはどのような国際法上の法的地位を持つんですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど別な委員の方の御質問に対してお答えが内閣官房からありましたけれども、国際法上、我が国の組織、自衛隊、この場合自衛隊ですけれども、国の組織ですね、それが外国に行くということのためには、国際法上同意が必要であるということであります。これについて法案にも書かれていますし、この同意を今の状況でおいてはCPAから得るということになります。
 それをすることによって、国際法上、自衛隊が現地で活動をするということについては何ら問題は生じないということであります。
○小泉親司君 いや、私がお聞きしているのは、問題があるか問題がないかということを聞いているんじゃなくて、それじゃ、自衛隊はCPAの同意……(発言する者あり)ちょっと、静かにしてよ。
○委員長(松村龍二君) 静粛にお願いします。
○小泉親司君 CPAの同意ということを取っていきますが、じゃ、その同意によって自衛隊は国際法上どういう権能を持つんですか。
○国務大臣(川口順子君) これは私がお答えすることではないかもしれませんけれども、いずれにしても、この法案の範囲での活動をするわけでございまして、そこの何を、いかなる措置を現地で行うかということについて当局等から同意を得て活動をするということであります。
○小泉親司君 私ね、そんないい加減なことで主権国の軍隊を送るなんということは、これは問題だと思いますよ。
 いいですか。じゃ、例えば軍隊派遣については、小泉総理大臣もお認めになっておりますように、軍隊派遣を国連決議は要請しているわけじゃありません。日本の自衛隊派遣というのは、政府の自主的な行為だと言っております。それは政府が言っていること。それから、イラク政府の同意はありません。となると、CPAが同意を受けるわけですね。じゃ、CPAの同意によってそれが、どういう自衛隊の法的地位が発生するのか。CPAの同意を受ける場合は、例えば一般旅行者もNGOが入るときも一応CPAの同意を受けるんでしょう。そうなってくるけれども、自衛隊という主権国の軍隊が同意ということになって、今度はイラク国民との関係が当然のこととして地上軍が入ってくれば出てくる。そのときにどういう法的行為が起こるのかという権限が明記されなかったら、自衛隊は実際にイラクの領土内でイラク国民との関係での法的地位が発生していない限り活動できないじゃないですか。そこを明確にすべきなんじゃないですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほどから申し上げていますように、国際法上、政府の機関、自衛隊の部隊等ですけれども、これがよその国の主権下にある領土、よその国に行って活動するときには同意が必要である。そのときにどのような活動をするかということについて同意を得るということであります。どのような活動をするかというその中身については、当然にこの法案に基づいてやるわけです。
 それで、同意が得られた。この場合、当局、相手は当局である、CPAであるわけでして、そこから得られた場合、それで国際法上全く問題はないわけでして、イラクの国民との関係というふうにおっしゃいますけれども、そこは当局との間の同意を得て、そこで整理がされているわけですから、イラク国民との間で何らかの別途の手続を自衛隊が取る必要というのは全くないということです。
○小泉親司君 じゃ、国連決議によりますと、当局に対して課せられている仕事というのは、領土の実効的な統治を通じて、占領軍に課せられているのはイラク国民の福祉を増進することの権限だと、これは小泉総理大臣が私の本会議質問で答弁されていることであります。ということは、自衛隊は、CPA、米英占領軍の同意を受けたことによって、イラクの領土の実効的な統治を通じてイラク国民の福祉を増進するという仕事を携わると、そういう権限を持つんですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど来申し上げていますように、自衛隊のやる仕事というのはこの法案の範囲内で行うということです。
○小泉親司君 だって、それはおかしいのは、CPAの任務は、先ほど言いましたように、CPAの仕事と法案の仕事というのはダブっているんですよ、外務大臣。ダブっているじゃないですか。人道復興支援活動と治安維持の支援活動なんだからダブっているじゃないですか。同じことをやっているじゃないですか。現実問題としてどこが違うんですか。
 いいですか。それじゃ、私もう少し具体的に聞きますが、川口外務大臣はもう既にこの問題については答弁をされておる。どういうふうに言っているかというと、当局は、つまり占領軍であるが、国連安保理決議一四八三によって合法的な関係をイラク国民との間で持っている。その姿勢を実行しているわけでして、我が国はその当局の同意を得て入るわけです。したがって、イラク国民の抵抗、これはイラク国民が例えば給料の支払などで占領軍に対してデモをやりました。そのときに占領軍はイラク国民に対して銃口を向けました。二名が、発砲して二名がこの事件では亡くなりました。そういうふうなイラク国民の抵抗、それは事実上全くないということを申し上げるのは難しいかもしれませんが、法的にはその抵抗は合法的ではないと、こういうふうに答弁されました。
 ということは、いわゆる自衛隊に対するイラク国民の抵抗に合法性はない、つまり非合法であるということでありますが、自衛隊が例えばイラク国民の抵抗が起きた、こういう問題についてこれを排除するということも、法的に自衛隊の、自衛隊は国際法上の権能といいますか、可能性、こういうものはあるんですか。
○国務大臣(川口順子君) いろいろな、少し混乱があるように思いますけれども、先ほど来申し上げていますのは、自衛隊は、この法案に明記されていますように、イラクの中で活動するに当たって、そのたしか対応措置について何を、入ること自体これは国際法上同意が必要であって、入って、そこで何をするかという対応措置について同意を得るわけですね。その対応措置が何かということは、これはこの法案の範囲内での対応措置でしかあり得ない。それ以上のことをやるということはあり得ないわけです。
 それから、先ほど合法性云々ということの議論というのは、これは私の今記憶では、今引用なさったことについては、ジュネーブ条約の適用の問題について議論をしていたときの話ではなかったかという記憶がございますけれども、いずれにしても……
○小泉親司君 違います。
○国務大臣(川口順子君) 失礼しました。
 自衛隊が現地でやるということについての対応措置の中身は法案の範囲内であり、それから、ですから、具体的な個別個別のことがそれで読めるかどうかということは、法案のそれぞれのその個別個別に応じ、それが法案で読めるかどうかということで判断をしていくということであるわけでして、CPAがやっていること全部を自衛隊がやるということでイラクの中に行くわけでは全くないということです。
○小泉親司君 私はCPAの全部と言っておりませんので、CPAの一部を自衛隊がこれは仕事として担うことになるんでしょう。法的にそういうふうなことになる。
 例えば、じゃ、例えばPKOのときに、これは指揮があるかどうかという議論がありました。そのときには私は指揮があると言ったんだけれども、政府の方はこれは指図であると言った。しかし、指揮があるか指図かというのは別にしまして、PKOの場合には、停戦合意があり、同意があり、中立性が保たれて、事実上国連という旗の下で、国連のお墨付きの下で行っているんですよ。ステータスは青い帽子をかぶり、国連の旗の下にいるわけです。
 ところが、今度の場合については、CPOについては指揮命令権は存在しないけれども、いわゆる協力の関係だと。じゃ、協力の関係というのはどういうふうに自衛隊がその法的立場があるのかと、ここが一番大きな問題で、これ防衛庁長官は、いわゆる日の丸を持っていくと昨日もおっしゃったから、つまりそういうことであると思いますが、じゃ、例えば今度の問題で自衛隊がイラクに行きますと、今度はイラク国民と自衛隊の関係ということが発生するわけですね。これは発生しないと幾ら言ったとしても、客観的にはイラク国民と自衛隊の関係が発生する。
 川口外務大臣は、自衛隊に対するイラク国民の抵抗があるということをお認めになっている。じゃ、ではイラク国民との関係では、占領軍とイラク国民との関係では、先ほど言いましたように、いわゆるイラク国民の抵抗に対して米英がこれを、抵抗を排除するということになった、した、現実にやっている。それじゃ、自衛隊に対するイラク国民、自衛隊とイラク国民との関係では、これは占領軍とイラク国民との関係と自衛隊とイラク国民との関係というのはこれは変わりがないんですか、それとも違いがあるんですか。そこをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) これは総理も何回も言っていらっしゃると思いますけれども、日本の自衛隊は占領軍としてイラクに行くわけでは全くないわけです。そういうことではない。ですから、そのCPAの同意を得て入るということですけれども、それは入ることについての同意。
 それで我が国が、我が国として、自衛隊としてイラクの復興人道支援、あるいはその法律に書いてあるような仕事をするために、そういった対応措置を取ることについての同意であって、CPAがやることを我が国の自衛隊がやるわけでもなければ占領軍として入るわけでもない。我が国の自衛隊というのは、日本の自衛隊として復興人道支援、それから安全確保支援を行うことをやりに行くためであって、事実上イラクの人たちと接触があるでしょうということは申し上げました。それは事実上の話であって、国際法の仕組みとして関係は全く、そこは関係はないわけです。
 国際法上の仕組みとしては、我が国の自衛隊は先ほど言った、他国の領土に入ることについて、政府機関として入るということについて同意を得、そこでどのような対応措置を取るかということについて同意を得る、それで国際法上の仕組みの問題としては完結をしているわけであって、実際にイラクの人と触れ合って話をする、あるいは何かある、触れ合いがあるでしょう。そういった、その事実上の関係、それは事実上の問題であって、国際法上の問題とは全く別の話であるということです。国際法上は同意を得た時点で完結をしているということです。
○小泉親司君 大分、外務大臣は混乱してきている。なぜ混乱しているかといいますと、それじゃ、自衛隊は一般旅行者と同じなんですか、自衛隊の派遣というのは。いわゆる外交官が行っているのと同じなんですか。違うでしょう。これは、主権国家の独立と平和を守る軍隊がいわゆる主権国家の主権の行使として事実上行くんでしょう、軍隊なんだから。そのときに自衛隊が、自衛隊員がその権利を持たない限り、どうやってそれじゃイラク国民との関係で活動をするんですか。
 私が言っているのは、イラク国民と仲良くすると、これはそういうことになるでしょう。そういうことを言っているんじゃなくて、現実に自衛隊の活動はCPAの仕事を全部担うわけじゃないけれども、少なくともCPAがやっている仕事を支援する仕事をするわけですから、そのときにイラク国民からどうやって見られるかといえば、当然これは法的、実態的にもこれはイラク国民から見ればCPAの一部になると。その一部を担うことになることは当たり前なわけで、これがじゃ、一部にならないというふうな根拠というのは一体どこにあるんですか。
 同意を得て入るという意味を私はさっきお聞きしましたが、そうなれば、当然のこととしてこれは一般旅行者とは違う。いわゆる主権国の軍隊として当然のこととして、占領軍の全部とは言わないけれども、少なくとも支援活動という問題ではその一部を担うという権能と地位を持たなかったら何にもできないんじゃないんですか。その点いかがですか、それは。外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) どのように御説明をしたら混乱をほどくことができるだろうかというふうに悩んでおりますけれども、我が国の自衛隊は人道復興支援を例えばしに行きます。それで、結果的にはたまたま我が国の行う人道復興支援はCPAの行う人道復興支援と人道復興支援という言葉においては同じであるかもしれない。ただ、我が国はCPAの支援をしに行くわけではないんです。我が国の人道復興支援というのはイラクの国民の人道復興支援をやりに行くわけであって、それを、我が国の自衛隊は日本政府の機関ですから、日本政府の機関が外国の領土の中に入っていくというときに、国際法上、領土主権との関係で同意を得なければいけない。同意を得れば、国際法上の問題はそこで解決をするということを申し上げているわけです。
 ですから、その同意というのが先ほど来申し上げている同意であって、自衛隊が入るということ、そこでどういう対応措置を取りますということについてCPAの同意を得る、これはたまたま今はCPAである。これがもしよその国であるということを考えたらば、それはその国の政府であるということであって、国際法上それが必要であるということを申し上げているわけです。
 それで、たまたま中でやる仕事はカテゴリーとしてはCPAがやっている仕事と同じ部分もあるかもしれない。それは、だけれども、結果論であって、CPAのやっている仕事自体を支援しに行くわけではないということを先ほど来申し上げております。
○小泉親司君 私、先ほどこれ機構図を示したのは、実際に今、安全確保支援活動も人道復興支援活動も主な担い手はCPAなんですよ、でしょう。だから、CPAの活動を具体的に支援する、つまりCPAが包括的にアンブレラの下でやっている、これは国連決議でも当局の下に活動するということを言っておりますから、当然のこととして当局の下で活動している。だから、私は、指揮命令がどうだと言って聞いているんじゃないんですよ。現実問題として自衛隊が現実に同意を得て入って、国際法上の地位を獲得するということになれば、当然占領軍の、米英占領軍の一部を担わざるを得ない活動になるんじゃないかと、なるだろうということを言っているんです。そこはどうなんですか。
 いや、例えばですよ、例えば、米軍の抵抗と題する資料が外交問題評議会の、アメリカの、資料の中であります。その中で例えば何と言っているかといえば、イラクのレジスタンス、これは六月三十日付けの報告ですが、イラクのレジスタンスは日増しに組織化され、拡大している多くの兆候を示していると。だれが米軍を攻撃するのかという点については、攻撃者はしばしばイラクにおける連合軍の存在と行動に怒った普通のイラク人を含んでいるように見えるんだと。つまり、普通のイラク人もアメリカの占領政策に反対していると。
 例えば、じゃ、自衛隊に対して、先ほど私これ質問しましたがお答えないので、イラクの国民が自衛隊のいわゆる様々な治安活動の支援、こういう問題に対して抵抗の戦い、抵抗をした、こういう問題については、自衛隊はこれは排除する権限があるんですか、それはどういう権限に基づいてそれはあるんですかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) CPAは一四八三によって、何をするということが一四八三に書いてあるわけですが、我が国の自衛隊が行くのは正に同じ一四八三が要請をしているから、我が国として主体的に判断をした結果、自衛隊を送るということが適切だろうという判断があって、今この法案の審議をお願いをしているということでありまして、我が国の自衛隊が行くのは、先ほども申しましたけれども、占領軍あるいは占領当局に協力をするために行くのではなくて、我が国としての判断に基づいて人道支援、人道復興支援ないし安全確保支援をするために行くということであります。そのための国際法上の手続は、同意を得る、当局の同意を得る。この場合、たまたま当局であるということであって、相手国政府、一般的に言えば相手国政府の同意を得て、それで入っていくということになるわけです。それで、それは国際法上の仕組みの話であります。
 それから、我が国は、先ほど言っているように、占領をしに行くわけではないわけです。人道復興支援ないし安全確保支援のために行く。自衛隊としてやることについていえば、それは法律の範囲内でやる、武力行使をしに行くわけではないわけです。これも総理が何回もおっしゃっているとおりであります。
○小泉親司君 CPAに協力するんじゃないんですか。あなた、協力するために行くんじゃないと言ったけれども、協力しないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 一四八三の要請を得て、我が国としてはイラクの安保理の決議の要請をしているようなことのために行く。CPAも同じことをやっている。CPAと我が国は緊密に連携をし、調整をしながらやっていくということであります。
○小泉親司君 私、今回のイラクの事態というのは、これまでの歴史の上でも極めて特殊な状況なんだと。
 占領と言いながら、実際にはイラク政府との間は御承知のとおり停戦合意がないと。防衛庁長官も衆議院でお認めになっているように、法的には戦争状態だとこれは言っておられる。となると、これまでの軍事占領とは性格も実態も違うと。政府は、占領軍には加わらないとか、占領軍の指揮命令は受けないから憲法上の交戦権行使にはなることはないというふうにしておりますが、私はこれは自衛隊を派遣することによって、川口外務大臣も言っておりますが、イラク国民の抵抗を事実上認めて、その法的地位、法的にはその抵抗は合法ではないという答弁をされている。となれば、当然のこととして、イラク国民を排除するということも自衛隊は当然合法的に認められるというふうな論理になると思うんですが、その点は外務大臣、お認めにならないんですか。
○委員長(松村龍二君) 小泉委員、もう一度質問をお願いします。
○小泉親司君 ちょっとね、混乱していて、答弁、私質問しているわけですから、ちょっとね、これはちょっとひどいですよ。(「質問が分かりにくかった」と呼ぶ者あり)じゃ、分かりにくかったんだったら向こうへ言ってください、そんなこと言うんなら。(発言する者あり)そうだよ、そんなこと言うんなら向こうへ言ってください。
○委員長(松村龍二君) 小泉親司君、もう一度質問をお願いします。
 委員長の指名以外の方は発言しないようにお願いします。
○小泉親司君 時間がないんですから、正確に聞いておいてください。
 あなたは、イラク国民の抵抗、これは事実上全くないということを申し上げるのは難しい、つまりイラク国民の抵抗が自衛隊に対してある可能性がある、これは法的にはその抵抗は合法的じゃないんだと、つまり非合法だとおっしゃっているわけですよ。ということは、自衛隊がそれを排除すると、これは先ほども繰り返し私言っているように、そういう可能性というのは非常に高いわけで、そのときに──ちょっと聞いてくださいって。自衛隊が、よろしいですか、自衛隊がそれを排除するということは合法なんですかとお聞きしているんですよ。その点については全然答弁ないじゃないですか、これ、これまでも。基本的な問題についてお聞きしているんですよ。
○国務大臣(川口順子君) 自衛隊がそういう抵抗が事実上あったときに、その可能性は論理的には排除できない、すべて全くないということは言えないという意味で申し上げたわけですけれども、当然に武器使用、要するにその自然権的な権利として自らを守る、これは防衛庁長官が再三再四おっしゃっていらっしゃいますけれども、そういうことを行うということは、これはあり得るわけですね、これは排除できない。それは状況、個別的、個別具体的な状況によって何が起こるかということで、仮に行った人が、行った人が何か突然に襲われたとしたら、身を守るために排除をするということが否定できないかもしれない。
 ただ、申し上げているのは、占領しに行くわけではない、武力行使をしに行くわけではないわけです。人道復興支援、安全確保支援をやるということで行っているわけですから、そういったおっしゃるような抵抗を、どこかでデモがあった、それは排除するということは業務ではない。したがって、再三再四言っていますように、自衛隊がここでやることというのはその法律の範囲内でやるということを先ほど来申し上げてお答えをしているつもりでございます。
○小泉親司君 まあ、要するに排除されていないということを、その武器使用の権限の範囲内でとおっしゃったから、それは排除されていないということだと思いますが、私が言っているのは、日本が、自衛隊が例えば私は人道復興支援だけに参りましたと言ったって、イラク国民から見れば他国の軍隊が来たことになるんですよ。これはお認めになるわけでしょう。そうしたら、当然のこととして、イラク国民との関係が生じるでしょうと。だから、私は、そのイラク国民が抵抗、イラク国民の抵抗として自衛隊を攻撃しないなんという可能性は、私は可能性としては非常に高いし、私はあり得るというふうに思います。だから、そのときにイラク国民が、イラク国民の抵抗に対して自衛隊がこれを排除、それは合法だと外務大臣言っておられるわけですから、当然それは排除するということにならざるを得ないと、こういうふうなことなんでしょう。それ、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) 先生のおっしゃっておられる設定がちょっとよく理解できないのですが、要は自衛隊が、例えば給水活動をしていたといたします。浄水活動や給水活動をやっていたとします。それに対して自衛隊出ていけというような、そういうような抵抗運動のようなものがあった、もう自衛隊はもう人道活動しかしていないけれども、それに対して出ていけというようなものがあったとします。それを排除するということ、つまり、それに対して我々は人道的な活動で来ているのだと、したがってそのような妨害はやめてくださいということを要請し、説得しということはございます。
 しかしながら、実力をもって、実力をもってというのは武器をもってという意味でございますが、それを排除するというようなことは当然考えられておりません。それに対して武器を使ってきたというような場合には、何度も申し上げておりますとおり、十七条の範囲内で武器を使用することはございますが、それを実力をもって排除するということまでは私どもとしては想定をしておらないところでございます。
○小泉親司君 私は、具体的に給水したからどうだということをそう細かくお聞きしているんじゃなくて、自衛隊の法的地位、実態の中での法的地位というのはどういうことを持つのかと、これは基本的な問題なんですよ、先ほども繰り返し言っているように。つまり、自衛隊という軍隊が他国に乗り込んでいくわけですから、これは一般旅行者がその国の同意を得てちょっと国に入るというのと違うんです。それは防衛庁長官だってお分かりになるでしょう。
 じゃ、あなたの部下が、自衛隊という主権国家の軍隊が国際法上の権能を持たないでイラクで何で活動できるんですか。そんな給水活動云々かんぬんということを私は言っているんじゃないんです。そこを、だからイラク国民から抵抗を受けたら当然それを排除するということも、当然のこととして自衛隊としてないということにならないだろうと、論理的に、そこを言っているんです。
○国務大臣(石破茂君) これは当然旅行者とは違います。なぜならば、旅行者は国連決議の要請を受けて行くわけではございません。我々は一四八三の要請、そしてまたこの法律の根拠に従って行くわけでございまして、当然旅行者とは立場が異なるわけでございます。
 私どもが何に従って現地で活動するかといえば、国内法的には今御審議をいただいている法律でございます。そして、国際法的には国連決議に従いまして、私どもはその要請に従いまして、あるいは求めに応じまして国内法を整備をし、お認めをいただきました段階において現地で活動する、そういう仕組みでございます。
○小泉親司君 私はこれの点については引き続きちょっとこの問題についてはやりたいと思いますが、実際にやはり私は、先ほども繰り返し言っておりますように、一国の主権国家の軍隊が他国に入るということになれば、当然これは国際法上の明確な地位がないと様々な活動、これできないということは明確なわけで、その意味で私、その法的地位が具体的にどういうことになるのかという点についてはこれ引き続き追及したいと思いますが、私は、この自衛隊が行けば当然やはり占領軍との協力もしないんだといっても、それは軍隊としてCPAの下、これは当然のこととして占領軍の占領機構の下にこれはあるんだというふうなことをイラク国民が考えることは当然のことでありますから、その点で私はこういうふうな自衛隊の派遣というのは占領軍の一部とならざるを得ないということを私指摘して、もう一つの問題についてだけお尋ねしたいと思います。
 問題は、次は、戦闘行為とは何かと、この問題であります。
 今日、秋山法制局長官に、お見えになっておられますのでちょっと幾つかお尋ねしますが、その前に、今度の法案の中には第九条で配慮事項というものが書かれております。つまり、自衛隊員の安全について配慮しなくちゃいけないということが書かれている。これはテロ特措法にもPKO法にも存在しない規定であります。つまり、私がお聞きしたいのは、今まで防衛庁長官の説明は戦闘地域と非戦闘地域を分ける、まあ分けると言うとなんですが、非戦闘地域で実際に自衛隊は活動するから大丈夫なんだと言っていた。ところが、今まではそのような仕組みの中であるにもかかわらず、今度の法律の中では九条で安全のための配慮ということを規定している。これ、なぜこういうふうな規定が、PKOやテロ特措法にはない規定が今度の問題では加わったんですか。どこにその根拠があるんですか。
○国務大臣(福田康夫君) ただいまの質問でございますけれども、イラクの情勢、これはもう何度も申し上げているとおり、国内の戦闘は基本的には終了していると、大規模な戦闘は行われていない。しかし、一部地域においてはフセイン政権の残党による散発的、局地的な抵抗活動が見られるということで、必ずしも治安が良好でない地域もあると、こういうような理解をしておるところであります。
 したがいまして、法案九条におきまして、そういうようなイラクの国内情勢も踏まえまして、対応措置の実施に当たりましては、イラク復興支援職員及び、自衛隊だけではないです、復興職員の、部隊の、自衛隊の部隊の安全の確保に万全を期すべきことをより明確にするためにこういう規定を設けたものでございます。
○小泉親司君 私、先ほど言いましたように、元々自衛隊の活動地域は非戦闘地域に限られているんだと、だから問題はないんだと。これは、PKOや実際に戦争が行われたところに派遣したテロ特措法でも同じ説明がされてきた。ところが、本法案では、この安全に対する配慮という規定を置かれた。私は、この意味というのはどういう意味なのか、これが今の官房長官の私、答弁ではちょっと非常に理解し難い。
 そこで、この点について、私は、この規定を置いた根拠というのは一体何なのか、もうちょっと防衛庁長官、説明していただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これ、繰り返してもう申し上げて恐縮ですが、別に非戦闘地域で活動するから問題ないんだということは、問題ないんだと私は申したことはありませんが、第九条の趣旨というのを制度的に担保したものであって、安全かそうでないかということがぴったり重なる概念ではございませんということは再三答弁を申し上げているとおりでございます。
 そして、なぜこの九条のようなものが、テロ特措法にはないものが設けられたのかという御質問でございますが、これは隊員の安全により万全を期すために設けた規定というふうに私どもは理解をしておるところでございます。
○小泉親司君 私、こういう、非戦闘地域だから大丈夫だと言いながら、こういうふうな、また更に安全区域を決めるんだと。これはテロ特措法にも、先ほど言いましたようにPKOにもないんで、この点について私は、いかにこの危害が、危険な区域がたくさん存在しているということを、私、法案の仕組みとしてこれは示したものだと、もちろんと言っておられるので、そういうものだというふうに私も理解をいたします。
 そこで、私──ちょっと待ってください、私の質問なんだから。戦闘地域という点について、秋山法制局長官が来られているので、ちょっと法制局長官にもお尋ねしたいと思いますので、ちょっと時間がないので申し訳ない、長官。
 秋山法制局長官は、いわゆる治安の悪い地域におきましては、他国の軍隊が盗賊団に対して実力を行使している、そのような状況におきましても、それは国際紛争を解決する手段としての武力行使ではないので、武力行使と無関係の行為なので憲法九条との関係で一体化の問題を生ずることはないんだと、こういう御答弁をされた。
 そうすると、今のところは危険な区域がたくさん存在する。実際に、相手が盗賊団かそれともフセイン政権やバース党の残党なのか、先ほども防衛庁長官も答弁しておりましたけれども、どこで頻発的に起こるか分からないというふうな状況の下で、これ、こういうふうな私、答弁をしますと、それじゃ相手が盗賊団なのかそれともフセイン政権やバース党の残党なのか、一体どこでどういうふうに確認するのか、どこでどうやって切り分けするのか、この点については、これ全く分からない下で憲法にかかわる問題として重大なことを私、発言されるというのは非常に問題だと思いますが、その点は法制局長官はどういうふうにお考えなんですか。
○政府特別補佐人(秋山收君) 法律論として基本的な考え方は今御質問の中で出ていたとおりでございますけれども、私が申し上げましたのは、憲法九条が禁止しておりますものは国際紛争を解決する手段としての武力の行使でございまして、従前申し上げております武力行使との一体化の問題もこの枠組みの中で考えられるべきものと考えます。
 この法案は、周辺事態法それからテロ特措法などで確立いたしました骨組み、すなわち、いわゆる非戦闘地域で支援を行う、二条三項、それから、そのような要件が失われるような状況においては、活動を一時停止し、あるいは実施地域を変更するというようなことで、今の武力行使との一体化の問題を避けるような定型的な担保を作っているわけでございます。
 したがいまして、九条との関係で、戦闘行為とは、「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。」、それから、国際的な武力紛争とは、国又は国に準ずる組織との間において生ずる武力を用いた争いをいうものと考えているところでございます。
 私が申し上げましたものは、論理の問題としてお答えすれば、米英軍等の他国による実力の行使の相手方がおっしゃるような盗賊団のようなたぐいの場合には、これは国又は国に準ずる組織に評価されるものではない。したがいまして、国際的な武力紛争には当たらず、したがって、そのような行動が行われております地域で仮にいろいろな支援活動、あるいは支援活動を行ったとしましても、それにつきましては武力の行使との一体化の問題が生ずることはないというふうに申し上げたわけでございます。
 それで、そんなことを言っても、とっさの場合に、突然起きた紛擾事態が、相手方が盗賊団なのかあるいは国に準ずる組織なのか分からないではないかという御質問でございますが、観念的には、もちろん国に準ずる組織と申しますのは国際的な紛争の当事者たり得る実力を有する組織体ということでございますが、とっさの場合に分からないという状況がありましたら、それは正に運用の問題といたしまして、法案第八条第五項の考え方に沿いまして、その見極めが付くまでの間、取りあえずその活動は一時休止するなどして活動の継続を差し控えて、それで法律上の要件が満たされていることが確認された後に活動を再開するということであるべきであると考えます。
○小泉親司君 中央軍のニュース発表を見ますと、米英占領軍は、例えば砂漠のサソリ作戦とかガラガラヘビ作戦などをやっております。これは、武装した米軍が家々を回って残党狩りをやるという強制的な捜索軍事活動であります。
 私、この作戦を米軍のホームページで詳しく見ますと、これは国際的な紛争じゃないと。そうすると、政府が根拠に挙げている人や物を破壊する行為を伴わない場合も存在すると。ということになると、こういうものは戦闘行為に含まれないと、こういうことになるんですか。
○政府特別補佐人(秋山收君) 結局、その相手方が国に準ずる組織であるかどうかということで、そこは今お尋ねの作戦がこの法律の戦闘行為あるいは国際的な武力紛争に該当するかどうかということが決まるわけでございますけれども、その見極めは、正に具体的な個別具体の事案の事実関係に即して判断されるべきものであると考えますが、当該行為の主体が一定の政治的な主張を有し、相応の組織や軍事的実力を有するものであって、その主体の意思に基づいてその破壊活動が行われているというような場合には、その行為が国に準ずる組織によるものに当たるとされることがあるのではないかと考えます。
○小泉親司君 となると、そのガラガラヘビとか砂漠のサソリ作戦とか、こういうふうな行為は戦闘行為になるんですか、ならないんですか。長官、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) それは米軍が行っている場合と我々とは違います。
 私どもが戦闘行為として判断する場合には、日本国憲法第九条により禁止されている武力の行使に該当するような戦闘行為にならないということでありまして、先生御指摘の、そういうガラガラヘビはあるいはサソリは戦闘行為なのかということはなかなか正面からお答えをすることが困難な御質問かと思います。
 それによって、そういうことが行われている地域は、じゃ戦闘地域と言うのかねという御質問であればそれはまた別のお答えがありますが、そのこと自体は戦闘行為なのかというふうにお尋ねいただきますとなかなかお答えが難しゅうございます。
○小泉親司君 時間が参りましたので、私、この点についてもちょっと引き続きやりますが、ちょっと具体的な問題をもう少しやはり調査していただいて、そういうガラガラヘビやサソリやそういうものが実態としてどういうふうになっているのか、この点についても私は明確にすべきだと。
 つまり、そんなこともよく分からないでこういう法案を私は粛々とやるのは問題だというふうに考えておりますので、その点をひとつ強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、河本英典君が委員を辞任され、その補欠として近藤剛君が選任されました。
    ─────────────
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私、これからいろいろと質問を今日させていただきますけれども、先ほど小泉委員のいろんな議論を聞いておりまして、私がこれから聞く質問にもかかわることも含まれておりましたので、私のちょっと見解を述べたいというふうに思いますけれども。
 いわゆるこの法案が可決した際に、自衛隊をイラクに派遣をすると。その派遣された自衛隊の法的権能と、特に先ほどの議論で焦点になっていたのはイラクの国民との関係ということであると思うんですけれども、確かに可能性として、私も、イラクの国民が派遣をされた自衛隊に対して抵抗をする、あるいは激しく抗議をするといったことが可能性としてはあり得るというふうに思っております。ただ、その可能性があるから自衛隊は派遣することができないとなりますと、私、これ自衛隊だけではなくて、例えばJICAの職員もこれ駄目になっちゃうと思うんですね、同じような論法で。つまり、だれも行けなくなる。政府の関係者はだれもイラクの人道復興支援に行けない。自衛隊だけじゃないですよ、先ほどの論理でいけば。私はこれおかしいと。
 そうなると、私の考えは、これは自衛隊にしても自衛隊以外の政府の関係者にしても、イラクに派遣をする際は、我々日本は国連の加盟国として国連が出した一四八三の決議に基づいて行くんだと。仮に、それが自衛隊であれ、自衛隊以外の日本政府関係者が復興人道支援のために行った場合に、治安上の、さっき言った抵抗というのは治安上の問題ですね、治安上の問題が起こったときには、現在あるいはその起こった時点でイラクの治安に責任を持つ当局がその問題を一義的に処理するんだと。
 例えば、それが、CPAが、つまり国連決議一四八三によって当局として認められた、施政権が認められたCPAがイラクの国内の治安状況全般に責任を持っているならば、私は、当然取るべき、日本の自衛隊にしろ政府の関係者にしろ、まず取るべき手続は、現場でおかしな事態にならないように対応するのは当然として、その治安に責任を持つ当局に通報をして、今こういうふうに遭っています、自分たちがこういう目に遭っています、何とかお願いしますという通報をする。
 例えば、その時点でイラクの文民警察ができていれば、ちなみにこれは、イラクの文民警察については、国連決議一四八三の中で事務総長がイラクの国連の特別代表を任命をして、この特別代表がしなければいけない(h)の項目にイラクの文民警察の能力を再建することと書いているわけですから、ですからこれは国連の特別代表の責任でイラクの文民警察は再建されなきゃいけないんです、決議上。そこのイラクの文民警察が来て、そこでもしいろんな混乱があればそれ収拾すると。あるいは、もしこういう混乱が起こった段階でイラクの暫定統治政権なるものができていたら、当然にこのイラクの暫定統治政権、これはCPAとの関係もありますけれども、が治安に対して責任を持つ段階に至っていれば、それはそこの当局に連絡をして、そこの当局が一義的な責任をその混乱に対して負うということだというふうに私は思っておりますので、先ほどの議論で、やや外務大臣、歯切れの悪い御答弁になっておりましたけれども、それは当然、自衛隊で、だれであれ、向こうが武装勢力で何かやってきたら、それは正当防衛、自然権的権利として正当防衛はできるわけですから、それは当然に正当防衛の行為はその範囲でやると。
 しかし、治安問題が起こるから自衛隊を送れませんよというのは、私は、この国連加盟国の一員として行っている以上、これはほかの国の機関とか政府の職員にも全部当てはまる話で、根っこから全部、じゃ人道支援、一切イラクでやるなという話になってしまいますから、私はそういうふうに思っております。
 この点については、政府の中でしっかりと議論していただいて、明快な御答弁をしていただけるように、私からもお願いを申し上げます。
 私の質問に移らせていただきますが、まず官房長官にお聞きをいたします。
 自衛隊の派遣の必要性については私も先日の代表質問でも主張させていただきましたが、イラクでの活動環境は大変厳しいと。私も六月の初めにイラクへ行きまして、四十五度から五十度の気温の中で難民キャンプも私、三つ視察いたしましたけれども、二十分、三十分歩いたらくらくらになってしまう。そういう意味で、私は、自衛隊員の方々がそういった環境で、自衛隊の方でもかなり大変な作業を強いられるんではないかというふうに思っているわけでありますけれども。
 また、食事にしても水にいたしましても、あるいは電力のたぐいにいたしましても、全部自分で自給をできる能力がなければいけないという意味で、私は、日本が、特に政府が持っている組織の中でそういう能力を持っているのは自衛隊しかないだろうと。また、これは種類はちょっと違うかもしれませんけれども、過去十年余り国際協力業務に日本の自衛隊が参加をしてきた、それで経験や実績を積み上げてきた、また日本の国内でも災害救援等で実績があると。そういうことで、私は、自衛隊が人道復興支援のためにイラクに派遣されるということは十分に正当化できるというふうに思っております。
 ただ、今日、私最初に質問したいのは、この自衛隊を派遣する際の派遣の期間の問題なんですね。
 私が今つらつら申し上げたのは、復興の初期段階ではこういう自己完結性を持った組織じゃないと復興支援のためにまともに活動ができなくなると、かえって現地に迷惑を掛けるという意味で私は自衛隊が必要だという話をしたんですけれども。将来、いずれかの時点において、イラクの治安状況が改善をされて社会インフラが整って、例えば文民が行ったりしたときはホテルがちゃんと泊まれるところがある、二十四時間電力もあるというふうになった場合には、もう必ずしも自衛隊じゃないと復興支援できないというわけじゃないという段階に至ることが将来あり得るわけです。そうなったときに、日本政府の判断として、これはもう自衛隊じゃなくても復興支援できますねと、じゃ、ついては速やかに自衛隊を撤収しましょうかという段階が来ると思うんです。
 今議論している法案の有効期限は四年間となっているわけでありますけれども、必ずしも四年待つ必要性はないわけですね、理論的には。ですから、まず最初の質問は、この四年たつ前に、もう自衛隊じゃなくても、自己完結性を備えた自衛隊じゃなくても復興支援できると、政府の主体的な判断で自衛隊を撤収するということが私はあり得ると思うんですけれども、これ、官房長官、御見解はどうでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 委員御指摘のとおりでございまして、これは治安状況が回復し、また緊急的なインフラの整備とかそういうものがだんだんと整備されていくということになれば、これは何も自衛隊でなくてもいいよと、むしろ専門家の、インフラ整備専門の建設会社が行くとかいったようなことも考えられるわけですね。それはもう、一つにはインフラの問題と、それからインフラが悪くてそして緊急的な対応をしなきゃいかぬ、正に自己完結性のある、また防御能力を持つ自衛隊が出動する場面であるというように思います。
 したがいまして、時間がたって治安が回復され、そしてその必要性がなくなるときには、これは当然のことながら、撤収と申しますか、この基本計画の対応措置の中止ということになるわけでございます。これはあくまでも閣議決定によって基本計画を変更する、こういう形において派遣を終了すると、こういうふうなことになります。これはもうあくまでも我が国が当然のことながら主体的に判断することでありますけれども、当然、その判断の中にはCPA若しくは関係諸国、国際機関等との相談ということも当然あるわけでございます。
 この四年になる前に終了するということにつきましては、本法案の附則第二条において、この法施行後四年経過した日より前に対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときは法律自体を速やかに廃止する旨、規定がございます。そのようなことでもって委員の御指摘の点については対応できるというように考えております。
○遠山清彦君 よく分かりました。
 それで、基本計画を変更することによって日本政府の主体的な判断で自衛隊の撤収ができるということなんですが、ただ、最後に官房長官が、附則のところで法案自体を廃止できるということだったんですけれども、私の理解では、この法案によって取られる対応措置というのは必ずしも自衛隊のみによるものだけではありませんね。
 ちょっとだけ確認なんですが、要するに対応措置が、例えば自衛隊の隊員によるものと、それから他の政府機関の職員、あるいは場合によっては民間の団体の協力も得られることに今回なっていますので、民間の方々を派遣をして、政府の責任でやっている対応措置があるとした場合に、自衛隊による対応措置は終了しましょうと、しかしこちらの、文民というか他の政府機関が行っている対応措置については継続しましょうといった場合には、これは法案を廃止してしまうわけにいかないというふうに思うんですけれども、その際は基本計画の中で細かく、これはやる、継続するけれども、これは終了するといった形で変更するということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) そのとおりでございまして、自衛隊はもう撤収していいと、しかし、復興支援職員ですね、復興支援職員の活動はこれは十分にあるというような状況であれば法そのものは存続する、しかし自衛隊の派遣については基本計画の変更ということで対応するわけでございます。
○遠山清彦君 よく分かりました。
 次に、外務大臣に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 私、何度もほかの場所でも申し上げているとおり、今回のイラク復興支援というのは、私は、国連決議一四八三に貫かれている精神というのは何といっても人道上の要請であるということだというふうに思っております。冷戦時代の考え方でいえば、たとえ人道上の理由があっても、国連、特に国連じゃなくて他の主権国家がある主権国家の内部に入っていって、いろんな国づくりを事細かに支援をするとか、あるいは治安維持の業務をやるということは、これはなかなか抵抗が実際あったわけでありまして、一九九〇年代に入って、いわゆる人道的介入という言葉が大分定着をしてきたわけでありますけれども、いわゆる、本来であれば、厳密に言ってしまうと内政干渉の原則に触れるんではないかと、これは今でも一応国際法上の大きな原則になっているわけでありますが、しかし、その内政干渉の原則という制約と比較したときに、例えばルワンダのケースがよく国際社会で挙げられるわけですけれども、国際社会が中で何を起こっているのかを分かりつつ放置したときに起こる被害、これは人道的に甚大だという場合には、やはり知恵を出して、また他国が介入する、介入される側の意見もできる限り最大限尊重して。
 ただ、最近は破綻国家増えておりますので、その国の国民の利益とか意見を正当に代表できる機関さえないと。これはソマリアのケースしかり、それからルワンダのケースしかり、あるいは旧ユーゴスラビアの幾つかのケースしかりということだったわけでありますが。
 そういう、ですから私は、九〇年代からのここ十年ちょっとの流れの中で、人道上の、これをほうっておいた場合、それは我々日本だって、これ別にイラクの復興支援手伝わないで何にもしなければ、お金も使わない、あるいはいろんなリスクも回避できるということあるかもしれません。しかし、そうやってほかの国が全部そうなってだれもイラクにかかわらないとなったときに、イラクの今後がこれからどうなるのかと、人道的にどういう被害が起こるのかということを考えた上で、私はこういう決議が今出てきているんだというふうに思うんですね。
 ですから、私自身は、旧来の考え方からいったら確かに引っ掛かるところがある。だけれども、国際社会では少なくとも十年以上積み上げられてきた議論の上で、人道上の要請が大きい場合にはみんなでできることをやろうというのが今国際政治の流れだというふうに思っております。
 ですから、よく私も国会で議論を聞いていておかしいなと思うのは、このイラクの復興支援に日本がかかわるのは日米同盟があるからだとか、日米関係を国際協調に優先しているからやっているんだという議論があるんですけれども、これは私おかしいと思うんですね。時々小泉総理もその議論に乗っけられて、何か、アメリカしか守ってくれないでしょうみたいな、いこじな何か発言しているんですが、そんなこと言う必要ないんですよ。このイラクの復興支援にかかわるというのは、私が今申し述べたように、要するに国際政治、社会の中で主流となりつつある、人道的な理由で、ある国の国づくりを助けるという要請が一番先に来ているというふうに私は思っております。
 ただ、日本の世論調査を虚心坦懐に見ますと、確かに反対が、この日本が自衛隊を派遣すること、あるいは復興支援にかかわることに反対が賛成を上回るものもあるわけでして、これは、なかなかまだ日本がイラク復興支援に参加することの意義というものが理解されていない証左でもあるのかなというふうに思っております。
 国民の中には、いやこれは日本の国益のためにどうなるんだという、やや功利主義的でありますけれども、ある意味正当な、これは国民の税金を使ってやるわけですから、御意見を述べられる方もいらっしゃるわけでして、外務大臣に、ちょっと長い前置きになりましたけれども、お聞きしたいのは、今回イラクの国家再建と復興に日本が取り組んでいくことということと日本の国益というものの関係について、外務大臣、どういう御認識を持っていらっしゃるのかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) これが日本の国益でございますと言って幾つか挙げることはできますし、これはちょっとその後でいたしますけれども、物の考え方、その基本的な流れとして、国際社会の全体の秩序あるいはその安定、平和ということを考えるときに、世界が全体として豊かになるにつれ格差があるという認識が生まれ、そして、今まで余裕が出てきた分、人権問題、人道問題、これについての関心が高まってきているということは、私はおっしゃったようにあると思います。それで、それのさらに背景としては、グローバリゼーションということでお互いにその連携が非常に深まってきたので、一国であることを看過すると自分の国に実際に影響が及んでしまう。アフガニスタンの麻薬というのがいい例だと思いますけれども、というようなこともあるというふうに考えております。
 といったことが委員がおっしゃったように、この問題の背景にあると思いますけれども、イラクについてなぜ日本が支援をすることが必要かということで言うと、私はまず第一に申し上げたいのは、それは日本のような世界の中で力を持った国、大きさを持った国として当然のことであるからということであると私は思っています。その当然なことという意味には、委員のおっしゃったような人道、人権的な配慮というのももちろんありますし、それから日本として国際協調、それからイラクに起こることは日本と全く無縁のことではないというような考え方があると思います。そういうことで支援というのはやるべきだと、それから現にやっていると思いますけれども、委員もおっしゃったように具体的に幾つかのメリットというのもあると思います。
 そのメリットの話になるわけですけれども、やはり一番大きいのは油の問題があると思います。これは中東地域への原油の依存度が九割近いということから分かるように、特にイラクというのは潜在的に非常に大きな産油国であり、かつては日本に対して大きく供給をしていた国であります。その国が安定をしていって発展をしていくということは、日本にとってもメリットであるということ。
 それから、もう一つ挙げられるのは、先ほどちょっと触れましたけれども、我が国として国際社会と協調をしていく姿勢ということが非常に大事であるということだと思います。これはその国連決議が出ているわけでして、国連によってアピールがあるわけでして、それに対応していくということは大事なことである。これは、我が国として国際社会を大事にしていくという姿勢の表れであるというふうに思います。
 それから、その次に挙げられるのは、日本として中東地域というのはアラブ、イスラムの国全体とのかかわり合いであって、イラクの国民を助けるということはアラブ、イスラム社会の人にとって歓迎をされることである、その姿勢を見せるということが大事であるということだと思います。
 それから、さらに大量破壊兵器の問題というのがあります。これは大量破壊兵器の脅威を除去し拡散を防ぐということは、我が国にとって重要なことであって、イラクの問題の背景にずっとこの問題があったわけです。
 それからもう一つ、日米同盟、委員もおっしゃられましたけれども、日本と米国が手を組んで正に世界の中の日米同盟というのは、この間、小泉総理とブッシュ大統領が話をなさったことですけれども、そういう世界の秩序作り、平和作りをしていく二つの重要な国としてやっていくという関係、これを実践に移していくという、細かく申し上げればそういったことがあると思います。
○遠山清彦君 分かりました。
 是非、今いろいろとお話ありましたけれども、大量破壊兵器のところはずっとこの委員会でも焦点になっているわけでありますけれども、いろんな機会通じて国民の皆さんに、やっぱりなぜ日本がイラクの復興支援に、景気の問題もいろいろ内政上の問題もある中で、かかわるのかということをいろいろと説明をいただきたいと思います。
 それで、防衛庁長官、後でまとめて聞きますので、外務大臣、続けてお伺いをいたしますけれども、私に寄せられたメールの中にこういうものがございました。イラクの現状については日々テレビのニュース等で報道されているけれども、とにかく私たち国民にとって本当のところがよく分からない、テレビのニュースというのは断片的な情報であるとか、米兵がどこかでこういうふうに撃たれましたという、ある意味センセーショナルな事件だけを扱っているかもしれないと、そうすると現地の実際の実情というのはなかなかよく分からない、分からない中で政府がこの法案を出してきても国民として判断しかねると、いいか悪いか判断する材料自体が少ないという苦情というか話がありました。私、これ、ある意味、正鵠を得た指摘だなというふうに思っているわけですけれども。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 そこで、外務省の方もいろんなイラクについての情報提供というものを努力されてきたと思うんですけれども、私は率直に申し上げて、もうちょっとできるんじゃないかというふうに思っているんですね。外務省の職員の方、大変夜遅くまで仕事されていて、この間もテレビの番組で何か外交官が朝一時とか四時まで仕事をしているのをドキュメンタリー見て感銘を深くいたしましたけれども、新しい仕事を言うようで申し訳ないんですが、例えば外務省のホームページに、今イラクでこういうことになっているわけですから、毎日じゃないにしても週に一遍ぐらい、過去一週間イラクでどういうことが起こったのかを、余り主観交えずに客観的にこの情報を載せるようなページを作って、例えば国民が、今政府がこんな法案出しているけれども、本当にこんなの必要なのかと思ったときに、そこクリックしたら、ああ、こういうことなのかということが分かるようにしたらいいんじゃないかと。
 実は、そういう情報を、じゃ外務省として作ろうとしたときに独自にやったら結構大変だと。実は国連、私、調べてみたら、今インターネットで特に英語だと相当有益な情報いろいろ出ています。
 例えば、このUNオフィス・オブ・ザ・ヒューマニタリアン・コーディネーション・フォー・イラクという、人道支援に対するコーディネーションをやっている国連の事務所は、週に一回、これは週に一回じゃないですね、定期的にヒューマニタリアン・シチュエーション・リポートということで、人道に関するシチュエーションリポートというのを、これ今私、手元にナンバー四〇持っていますが、これ出しています。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 それから、こっちにはもっとハンディーな情報があって、イラク・ウイークリー・アップデートという、正にそのとおり、その一週間イラクでどんなことが起こったかということをまとめたものも同じ機関が出しております。
 それから、米兵の襲撃事件等に関しても、これ、どうも最近何かアップデートされていないので、もう使えないかもしれませんが、ユナイテッド・ネーションズ・イラク・セキュリティー・オフィスというところが出している情報があって、これは非常に分かりやすくて、二枚目なんかはバグダッドの市内を区画で割って、何月何日にどこの区画でどういう事件があったかというのを非常にコンパクトにファクトだけ、事実だけ載せています。三ページに行きますと、今度はイラク全土になりまして、番号が地図の上に一、二、三、四、五、六、七と振ってあって、一番とか見ると、何月何日に、例えばそのチェックポイントで自爆テロがあったと、何人が亡くなったとかというようなことが書いてある。
 こういう情報を、日本国民みんなが英語を読めるわけじゃありませんので、外務省の方でちょっと翻訳、統合して、これは著作権の問題ないと思いますので、ソースを明らかにすれば、それを国民が日本語で見れるようにすると。
 昨日の審議でも、官房長官自ら、イラクの状況というのは刻々と変化すると、だから今の時点で、例えば何人ぐらいの自衛隊の規模でどういう具体的な活動をするのか言い切れないところがあるということをおっしゃって、それはもっともだと思うんですね。
 ただ、じゃ、その刻々と変わるイラクの情勢の変化というものをやはりある程度国民に広く、これは英語ではもう一般に公開されているわけですが、ちょっと外務省で骨折っていただいて、日本語でホームページで提供するようなことを、週に一遍でもいいから考えていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 大変にイラクについての情報の必要性についてのいい御指摘だと思います。
 イラクで武力行使が始まる前後、前ぐらいから、イラクについての情報については特に入念にお知らせをするように外務省のホームページで工夫をしています。それで、今後この法案を通していただいて、自衛隊がイラクに行くというような状況になったときに、御家族の方、友人、あるいは日本の中でイラクの情報をもっと正確に知っていたいという情報、欲求というのはもっともっと需要が高まると思います。
 御案内のように、委員の方々の中にはホームページを持っていらっしゃる方、多いと思うんですけれども、これをアップデートしていくときのエネルギーというのは相当なものがございます。今、外務省の中で正にこの問題でもう徹夜に毎日近い仕事をしているわけですけれども、これは外務省の問題でもありますし、それから防衛庁、内閣、政府全体として、日本がこれだけ深くかかわっているイラクの問題に対してどの程度正確に頻繁に国民の皆様に情報提供するかという話であると思いますので、防衛庁長官あるいは福田官房長官、今おいでに、お立ちになりましたけれども、と政府の中で相談をして、政府全体としていい情報提供ができるような工夫をしたいと考えております。
○遠山清彦君 是非よろしくお願いします。これは私の意見でもありますけれども、元々は一人の国民からの意見ですので、重く受け止めていただければというふうに思います。
 続きまして、外務大臣にやはりお聞きしたいんですが、先ほど来ずっとお話ありますように、イラクでは五月以降も米軍の兵士を中心に死傷者が出ております。先ほどのお話ですと、最近ちょっと減ってきたということではあるんですけれども、これで一部の専門家が指摘しておるのは、やはり米兵ばかりが、人数が多いですから当たり前といえば当たり前なのかもしれませんけれども、米兵ばかりが襲撃の標的になっていると。自衛隊を派遣しようという政府として、この事実をどう分析をされているのかと。
 イスラム教国においては、極端な場合、宗教上の命令でありますファトワというものを出して、例えば、これは全く私の仮想の質問でありますけれども、モスクの中で宗教指導者が米兵を襲えと、これはファトワであるということになりますと、かなりこれはイスラム社会では大きな影響力を持つ話になってしまうと。あるいは、米兵が襲われているということは、サダム・フセイン政権の残党がいわゆる組織的な指示系統を持ってやっていることなのかと。
 実は、これは今日一紙にしか載っておりませんけれども、毎日新聞ですかね、毎日新聞が、これはどこまで信憑性あるかというのはそれぞれとらえ方が違うんですけれども、イラクの、この新聞によりますと、「バグダッド周辺で米軍へのゲリラ攻撃を続ける武装集団のうち最大級とされる組織の幹部」、二十八歳なんですけれどもね、がこの毎日新聞のインタビューに応じて、「日本の自衛隊がイラクに来て米軍に協力すれば、占領軍とみなし、攻撃対象にする」ということを言ったという記事が朝刊に今日出ております。
 この話はこの話で一つの参考なんですけれども、これ、外務大臣ともし防衛庁長官も何かコメントあれば聞きたいんですが、やはりこの米兵がずっと襲撃されているということの背景にどういうものがあると現状では分析、認識をされておられるのか、ちょっと聞きたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) これはいろいろな要因があるだろうと思いますけれども、ちっとも生活が良くならない、物事が前に進んでいかないという感情というのは背景として強く流れていると思います。
 そういう意味で、今、国際社会としてやらなければいけないことは、できるだけ早く、できるだけたくさんの支援をして、イラクの生活が良くなるという、目に見えて良くなるという状態にしていくということであるかと思います。そういう意味で、今が大事であって、三か月後に同じことをするのではなくて、今しなければいけないという感じが私には強くございます。
 それで、我が国として、今、既に、例えば経済協力その他で、現行法でできることについては既に取り組んでいるという状況であるわけでして、我が国として、国力にふさわしいということはございますけれども、より多くの支援をしていかなければいけないというふうに思っております。
○遠山清彦君 じゃ続いて、ちょっと関連するので防衛庁長官に聞きたいと思うんですが、この米兵襲撃事件、死者の数が減ったという統計がさっき出たわけですけれども、しかし他方で、昨日なんかも七人ぐらいですか、負傷したというような、ほぼ連日何かあるというのが実情でございまして、そういったイラクから来る報道を受けて、例えば、今審議している法案が仮に成立しても、やはり米兵などへの襲撃事件が止まらない場合、海上自衛隊とか陸上自衛隊で輸送業務をやる、これはいいでしょう、しかし、陸上自衛隊の地上部隊というか普通科連隊というか、そういう部隊をやはり送るのはやっぱり困難なんではないかという意見が例えば我が党内でもちょっとある。
 ですから、私がちょっと聞きたいのは、この米兵に対する襲撃事件の問題と、日本政府がこの法案が成立した後に、当然調査の結果次第でもあるんでしょうけれども、陸上自衛隊の要員を送るということをリンクして考えてやっぱりいかざるを得ないのか、それとも必ずしもそうでないのか、ちょっとその点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) この法案が成立を仮にいたしました後に、現地に調査団を送ります。そこでニーズ、治安状況等々勘案をいたしますし、それをいろいろ受けまして基本計画を定め、更に実施区域を定めますときに、防衛庁長官が総理大臣の承認の下に、いろんな要素が重なり合いますが、一つは、非戦闘地域でやらなければいけないということが法案に書いてありますわけで、その米兵に対する襲撃が組織的、計画的な国又は国に準ずるという、いつものやつでございますが、そうでないところを選ばなければいかぬだろうと。でなければ非戦闘地域というのを満たさないわけでございますし、仮にそれが野盗、山賊、強盗のたぐいであったとしても、それが余りに頻度が多くて、とてもではないが町にも出られない、いかな自衛隊をもってしても、訓練を積み、権限を持ち、装備を持ったいかな自衛隊であったとしてもというような事態があるとするなら、これはあくまで理屈のお話でございますが、そういたしますと、野盗、強盗のたぐいであるから、非戦闘地域とはいいましても、それは、今度は安全確保義務というものに対してそれが履行できないという状況が発生をいたしますわけで、それは考慮要素たり得ることだと思っております。
 それは、やはり私どもは、憲法に書いてある非戦闘地域でなければいけないということ、そして権限、武器を持った上で安全を確保する、そして任務をきちんと行う、これを充足する活動でなければいけない、そのために一つの考慮要素にはなるというふうに考えておる次第でございます。
○遠山清彦君 分かりました。一つの要素になるということで。
 長官、ちょっと角度を変えまして、これはこの間の本会議で舛添委員の方からお話があったことで、やはり自衛官がイスラム文化あるいは現地の慣習といったものをやっぱり理解していなければいけないと。総理も先日の本会議では前向きな答弁をされていたわけでありますが、防衛庁長官として、具体的にどういう方法で派遣される隊員に対して研修をされるおつもりでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これはまだ、確定して、こういうやり方で教育をするというのをコンクリートしてやっているわけではございません。当然、まだ法案も成立をいたしていないわけでございます。
 しかしながら、やはりイスラムというものを理解する上において、一つは言語というものがございます。先ほど若林委員から、日常会話なんてそんな簡単なものじゃないぞというおしかりをいただきましたが、それは、もちろんぺらぺらと日常会話をしゃべれるわけではなくて、しかしながら、最低限の意思疎通ができるような、そういうものはしなければいかぬ。──意思疎通と言ってもいけませんか。全く何もしゃべれないということではなくて、こんにちは、さようなら、ありがとう、ごめんなさいとか、そういうような、それにもう少しプラスしたような、そういうものはできなければいけないというふうに認識しています。
 それからもう一つは、いわゆるイスラム圏に赴任をする方々、これは自衛官だけではなくて、外交官もそうでありましょうし、あるいは商社マンにしてもそうでしょうし、あるいはメーカーの方々もそうかもしれません。そこにおいてイスラムというものを理解するための一つのやり方というものが、スタンダードがあるわけではございませんが、大体こういう形で研修をしてイスラムの地に行って商売をし、あるいは事業を行い、物を作るというようなことがあるだろうと思っています。そういうものの中で、きちんとした理解、最低限の理解、少なくとも文化の誤解による、基本的な誤解によるあつれき、摩擦、そういうものを起こさないようにということで考えております。
○遠山清彦君 分かりました。
 次に、今、長官が言及になったんですけれども、語学の問題ですね。
 先ほどの若林委員との議論の中で、自衛隊員でアラビア語できるのは八名ぐらいじゃないかというお話でしたけれども、──一名増えました、まあ一名増えても二名増えても大体十名ぐらいかなと。それぞれのまたアラビア語がどれぐらいのレベルなのかというのは、これは全然分からないわけですが、はっきり言うと、何人の自衛隊員が行くかにもよりますけれども、少ない、極めて少ないことはこれは間違いないわけで、ただ、ただし、当然考えておかなきゃいけないのは、CPAとかあるいは米英軍とかその他の国連機関と連携する際、これは英語でできるわけですから、これはいるでしょうと。ただ、先ほどもちょっと御議論になっていましたけれども、やっぱりイラク国民との関係という、これは私も大事だと思っているんですね。
 ですから、語学要員というのはそれなりのアラビア語、さっき意思疎通で、さようなら、こんにちはという、それは何というか、活動を円滑にするという潤滑油的な意味では、それはもう日常会話ぐらいみんな覚えていかなきゃいけないと思いますが、トラブルが起こったとき、起こりそうなときとかにやっぱりぱっと出ていって現地語で交渉できる人、いるといないとでは大きな違いが私はあると思うので、それで、聞きたいのは、これは、例えば自衛隊として自前でアラビア語の語学要員が足りないといった場合に、この法案に基づいて、例えば他の政府機関職員でアラビア語できますよとか、あるいはもう場合によっては民間からアラビア語の高い能力を保持する方々、当然本人たちが同意した場合に限ってですけれども、の自衛隊に対する協力、これを仰ぐ可能性というのは、これはありますか。
○国務大臣(石破茂君) 更に詳細は運用局長から答弁をいたさせますが、それはあると私は思っています。
 それはもう、やはり今までもそういうのを活用した事例はございますし、それは自衛隊員が、例えば、今八名と申しました。その八名が全員行くわけではございません、もちろん。その中の一人か二人かもしれません。ですから、その現地の方、あるいは日本人でもそういうアラビア語に堪能な方にお願いする、自衛隊員ではなくてもお願いする、そういうことはあり得ると思っておりますが、詳細、運用局長からお答え申し上げます。
○政府参考人(西川徹矢君) この点、お答え申し上げますが、現時点において任務がまだ明確じゃございませんので、どれだけの通訳が必要だとかどういう場面で必要だとか、先ほど先生おっしゃいましたように、英語で、いわゆる各機関の関係はほとんど英語で通じますので、これからの任務の形態とか、そういうものによって大分違ってくると、こういうことをちょっと前提に置かせていただきまして、我々としましても、今回の準備の段階で、自衛隊の行った部隊が現地の方とうまくコミュニケートできることは大変大事なポイントであると、こういう認識はやっております。
 先ほど大臣から申し上げましたように、アラビア語のできる、できるといいますか、アラビア語圏に勤務した防衛の駐在官でございますか、八名おりますが、残念ながらどれだけできるかというのは我々ではちょっとどの程度というのはよく分かりません、大変に失礼でございますが、ある程度できるというふうに我々見ておるんですが。
 それから、先ほど大臣の方からお話ございました現地で雇うということですね、これにつきましては、一つ東ティモールでPKOやっておりますが、今、あの際に、現地の人で日本にも留学したという経験のある方で、ティトン語、インドネシア語、それから英語、日本語の分かる、こういう方を現地で雇って大分活用させていただいたというのがございます。ただ、先生御指摘の、残念ながらその日本人、こちらから通訳としてどなたかを隊員以外で連れていくというのはちょっと過去には例はございません。
 ただ、語学がそれでいいというふうには、要らないというふうには考えておりませんで、大臣の方から今御指示ございました、そういうことも含めての検討をこれから考えていきたい。とにかく意思が通じることは大変、特にトラブル的なときにいち早くそういう手が打てるということは大事であるということは十分認識しております。
 以上でございます。
○遠山清彦君 是非、やっぱり私、語学の問題というのはなめちゃいけないと思うんですね。もしかすると、自衛隊の中にも、最終的には、国際的な活動が多いから英語でいいじゃないかということにもなるんですが、これ英語も、実は私もイギリスに六年三か月住んでいましたので、そういう自分の体験上からも言えるんですが、例えば、私も英語は使いますが、しかしやはり母国語が日本語でして、そうすると英語は母国語じゃないと。例えば、私も今年イランに二回、イラクに一回行っていて、結構英語できる人と話を英語でしているわけですが、しかし向こうもやっぱり英語母国語じゃないと。そうすると、双方英語母国語じゃない人間が英語でコミュニケーションすると、意外に単純なことで誤解をしたり、全く違う趣旨に受け取ったり、人間弱いものですから、先に結論があったりするとそっちに有利なように解釈をしたりすることも間々あるわけですし、日本語でも、母国語でしゃべっていても、昨日の総理の答弁で、野盗なのか野党なのか分からないような答弁もありましたし、駄じゃれじゃないですが。
 ですから、それが英語になれば余計そういう確率上がるわけですから、そういう意味で、このアラビア語をできる人を確保するということに関してはあきらめないで、結構いろんな手を使って探していただいて、でき得る限りその強化をして、これはもう隊員の、私は広い意味での隊員の安全のためにもなると思いますので、そこを申し上げたいというふうに思います。
 それで、次に、防衛庁長官、これは私の要望なんですけれども、ある程度十分な語学、この語学の問題をある程度クリアしたと仮定して、仮定をして、次に私考えていただきたいのは、この自衛隊の活動、自衛隊がイラクに入った際にその活動の目的及び内容についてイラクの国民の皆さんに幅広く正しく御理解をいただくと、これをやっぱりしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。でき得れば、私の考えでは、現地に行く自衛隊の部隊の中に広報宣伝あるいは渉外、これはイラクの現地の住民対処ですよ、を専門とする、小さくてもいいんですが、チームを作った方がいいんじゃないかとさえ私は思っているんです。
 じゃ、こういうチームを作ったときに何やるのかと。例えば私、具体的にサジェスチョンとしてあるのは、今バグダッドの市民の情報源の大きなものの一つは新聞です。これは、サダム・フセインがいたころは新聞は御用新聞が三つあっただけです。ところが、私が調べたところ、フセイン政権が崩壊した後に次々と新しい新聞が発刊されて、今バグダッドでは十四紙あるというふうに聞いているわけです。
 例えばですけれども、自衛隊が仮にバグダッド近郊あるいはバグダッドの中で活動するとなったときに、この自衛隊の広報宣伝あるいは渉外を専門とするところが当然に外務省と連携をして、外務省の方で全部やっていただくということも当然あり得ると思いますが、このイラクで発行されている、現地語で発行されている新聞に日本の自衛隊はこういう活動をやりに来ましたということが載る、載って、それを読むだけでも私は、例えば、ああ、突然日本の自衛隊員が現れた、町のどこかにと。彼らは何をやっているのか全然分かんないと。そこで悪い意図を持った人が違う宣伝してしまえば、それは信用されるということもあり得る。
 そういうことからも、やはり、今の時代、情報戦というか、情報は非常に大事ですから、是非、これは外務省の方でやるという話なのかもしれませんけれども、防衛庁としても、そういう自衛隊の活動の目的と内容を幅広く、特に実施区域周辺の住民には伝えるという活動をやっていただきたいと思うんですが、御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 大変貴重な御示唆をいただきました。実は、イラクの情報が一体何によって伝わるのか、またアメリカによって空爆を受けたテレビ局って一体どうなっちゃったのか、一日どれぐらいテレビが放映されておるのか。また、私はまた別の方から聞きました話では、テレビもある、新聞もあるが、イラクにおける情報というのは実は口コミがすげえんだという話も聞いたことがございます。
 何が一番、いろんな伝達方法がございましょう、しかし、自衛隊が来たことがきちんと伝わる、理解される、誤解を招かない、そのためには何がいいのかということは、危険を避けるという意味からも重要なことであると思っております。私どもは、納税者の御負担とそして自衛官のいろいろな献身の下、挺身の下に行おうとしておる事業でございますから、それが正当に評価をされなければ、これは納税者に対しても自衛官に対しても申し訳のないことだと思っております。外務省とよく相談をいたしまして、私どもその辺はよく心していかねばならない。
 ただ、一つは、私ども、PKOに出ました部隊は、例えばもちつき大会ですとか盆踊り大会みたいなこともやって、現地の方とも交流しますが、それは、これはPKOではないということもきちんと理解をした上でやらなければいけない、両々相まってできるだけのことをしてまいりたいと思っております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。いろいろとまた知恵を出していただいて、検討していただければと思います。
 続きまして、これはもう避けられない、この委員会で避けられない話題で、もう既に今日もいろんな方が触れたこの戦闘地域と武器使用の問題について、若干防衛庁長官に質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず、私の理解では、派遣される自衛隊の要員が武器使用できるのは、ある種の攻撃が発生した場合でも、それが組織性のある、計画性のある攻撃ではなく、また、国又は国に準ずる者による武力行使でなく、また国際紛争に発展するようなものでない場合、その自衛隊員に対するある種の攻撃というのは戦闘行為ではないと。戦闘行為ではないけれども自衛隊員が自然権的自己保存の権利に基づいて武器使用をすると。そうすると、これは非常にまどろっこしいんですね、一般的に言うと。
 私は、これは政府の答弁で今まで出てきたのかどうかはちょっと不勉強で分からないんですが、要するに、一言で言えば、自衛隊員は正当防衛行為として武器使用を、使うことは認められているんだと。ですから、私が何が言いたいかというと、一般的に言ったら、さっきの、何か自衛隊に対する何かある種の攻撃があって、それに自然的権利がどうのこうのというまどろっこしい話を付けると何だかよく分かんなくなっちゃう。そうすると何が出てくるかというと、戦闘行為じゃないけれども武器使用をするってどういうことなんだと。素朴な一般的な疑問ですよ。だから私は、いや、それは戦闘行為じゃなくて正当防衛行為なんだというふうに説明するしかない、として武器使用するんだというふうに、急迫不正の緊急避難もあると思いますが、これは防衛庁長官、よろしいですか、それで。
○国務大臣(石破茂君) ちょっと私の説明の仕方が悪かったら申し訳ありません。ただ、これは本当に憲法上の要請を満たすために、これは昨日も分かりにくいというおしかりを随分いただきました、分かりにくかろうが何だろうがと、こう言っちゃいますとまた誤解を招きますが、私どもはとにかく法律的にきちっと憲法の要請を満たすということは担保をしなければなりません。そしてまた、それが同時に、現場の自衛官が迷うようなことがないようにという、この二つの要求を充足させなければいけないと思っております。
 その上で、そのことをよく分かった上で申し上げますと、相手が国又は国に準ずる者であってもそうでなくても、正当防衛、緊急避難に基づく、本法案十七条に基づく武器使用はできるのでございます。相手が国であろうが国でなかろうが、そうでなかろうが何であろうが自分を守るための武器使用はできますということでございます。
 では、正当防衛、緊急避難とは何なのだということを申しますと、これは違法性阻却事由として、刑法に定められております違法性阻却事由としてございます。私どもは、武器の使用をいたしますのは、それは正当行為としてやるわけでございまして、違法性阻却事由として正当防衛、緊急避難に限るということを申し上げておるわけでございます。法的にはそういう構成になっておると承知をいたしております。
 そういう訳の分からないことを言われても困ると、こういうようなことでございますが、要は、相手がどのような者であれ、自らを守るために必要な武器の使用はできるのだと。で、武器の使用はなぜ武力の行使ではないかと、こう言われますと、武器の使用は武力の、武力の行使は武器の使用を含んだ概念でございますがという、これまた非常に寿限無寿限無のような話になってしまうわけでございます。
 しかし、これは私は本当に憲法上の要請を満たすために必要なものでございまして、要は、自衛官がその場で逡巡をすることがないように、判断の遅れがないように、そのことはやはりきちんとした訓練、そしてまたROE、それに基づいて確保すべきものと考えております。
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、じゃ、ここでちょっと相手、攻撃主体が犯罪集団であった場合に限ってお話を聞きますが、相手が犯罪者あるいは犯罪集団、これはよく答弁では、御答弁では例の野盗、泥棒のたぐいというやつですが、その野盗、泥棒のたぐい、つまり言い換えると犯罪者、犯罪集団が攻撃してきた場合は、これはいかなる状況でも戦闘行為とか武力行使に当たりませんね。
○国務大臣(石破茂君) 当たりません。
○遠山清彦君 当たらないと。で、自衛隊は、ですから、この当たらない行為をやることは禁じられていないと。
 次に聞きたいのは、じゃ、これはもう仮定の話で申し訳ないんですけれども、この攻撃主体が犯罪集団であることが明白な場合に、自衛隊の部隊そのものではなく、近在する他国の部隊を犯罪集団が武装して攻撃をしてきて、その部隊から自衛隊の部隊に救援要請があった場合には、これは自衛隊は、例えば救援要請を受けてこの他国の部隊を助けて武器使用することは可能ですか。
○国務大臣(石破茂君) 不可能でございます。
○遠山清彦君 しかし、これ戦闘行為じゃないですよね。戦闘行為じゃないから憲法で禁じられている武力行使に当たりませんね。それは何でできないんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは憲法には抵触をいたしません。しかし、そのような、例えば第三国の部隊がやられておると、その連隊から救援要請があったと、それに対して行くという権能をこの法案は与えておりません。そしてまた、相手が犯罪者集団であるかないかということと本法案第十七条というのは、それはもう相手が犯罪者集団であれ国又は国に準ずる者であれ、十七条というのが使えることは先ほど来申し上げておるとおりでございますが、要するに、先ほども委員が御指摘ありましたが、そういう場合は基本的にどこの国の部隊も自己完結でございます。自分の国のことは自分でやる。
 そしてまた、治安を維持する組織というものが、現地の警察であれ、現状におきましては米英軍であれ、そういうのが負っておるわけでございます。そうしますと、憲法に抵触するものではございませんが、この法案によって権能が与えられておらず、かつまたその国の部隊若しくは治安当局が行うべきものである。現在、私どもそのような整理をいたしております。
○遠山清彦君 大体想像したとおりの御答弁だったんですが、要は、確認したいのは、要するに、攻撃主体が組織性、計画性を持っておらず、国又は国に準ずる者でなくて明白に犯罪集団だと、つまり強盗のたぐいだと分かっていて、それが自衛隊以外のある者、団体を襲っているときに自衛隊がそれを助けに行くことは憲法には触れないということですね。
 ただし、この今議論している法案ではそういう治安維持というか安全確保を直接的にやる任務を付与していないと。ということは、裏返して言うと、付与する法律が出てくれば憲法に抵触せずにできるということですね。
○国務大臣(石破茂君) それは更に詳細な議論が必要かと思いますが、武器使用に関して言えば抵触はしないということでございます。武器使用に関して抵触いたしません。ただ、それを第三国の部隊を助けに行くという行為それ自体がどうなのだろう。そして、それが武器使用を伴うのか伴わないのか、いろんなケースがあるだろうと思っております。
 相手がとにかく、野党、失礼、野盗ですね、発音は。野盗、強盗のたぐいであったとするならば、憲法に抵触はいたしません。ですから、そういう任務を与えることが果たして妥当なのかどうかという判断になってこようかと思います。
○遠山清彦君 私は二度目に、防衛庁長官、聞くときは、意図的に他国の部隊と言わずにある団体とか、そういう言い方をちょっとしたと記憶しておりますが、いずれにしても、NGO、よく言われるのはNGOのスタッフが自衛隊の近くで襲われて助けてくれといった場合とか、そういう場合も含めて考えなきゃいけないのかなと私は思っておりますけれども、いずれにしてもこの点については、御存じのとおり私も内閣法制局ともいろいろと議論をしておりますので、またいろいろと議論をしていきたいと思いますし、もし仮に、この委員会でも言及がありましたが、自衛隊を海外に派遣をして様々な国際平和協力業務をやる恒久法を作るとすれば、これは大きな議論になっていかざるを得ないというふうに思っておりますので、自分なりの論点整理の意味も込めて質問をさせていただきました。
 次に、これも先ほど来議論になっているところですが、例の自衛隊員が誘拐、拉致されて、それを奪還はできないけれども捜索には行けますよ、武器を携行してと。行って、仮に見付け、その自衛隊、その行方不明になった自衛隊を見付けた、場所をロケートしたと、返してくれと。いや返さないと、返さないどころか撃ってきた、武器で攻撃してきた。で、攻撃受けた場合は、これは当然自己保存の権利で応戦できるわけですが、ただ、向こうが撃ってこないときにこっちから撃っていって仲間を助けるということはできませんよというのが私が先ほどの防衛庁長官の御答弁で理解したピクチャーなんですが。
 しかし、現実に行方不明になった自衛隊員がいて、仮に居場所が分かったと。しかし、そこを武装した勢力が、何というか、まあ守っていると言えませんね、拉致した状態で囲んでいると。そこにいるのは分かっていると。それで、やっぱり分かっていたら助けに行かないわけにいかないわけで、ただ、我々の今の自衛隊の法的立場からいうと、攻撃仕掛けるわけにはいかないと。じゃ、交渉だといって交渉したら撃ってきたと。で、撃ってきたことに対しては応戦するけれども、しかしそれでまたぱたっとやんだら、まあ英語で言うとゼン・ホワットという感じになるわけですね。つまり、そこから立ち去るわけにもいかないし、でも何もできないという状況というのはこれあり得るわけですが。
 防衛庁長官は、そういう想定され得る事態に対してどのような、何というか、方策が、それはもう交渉しかないですか。相手の、拉致した人のお母さんか何かを連れてきて説得工作したりなんかして。それしかないですかね、もう。お願いします。
○国務大臣(石破茂君) そういういろんなケースを、実は私どもの内部でもそういういろんなケースを想定して一体どうなんだという議論はいたしております。実は、そういうことを全然考えないで、全く非現実的なものを自衛官に与えて、行って後はおまえら自分たちで考えなと、そんなつもりは私ども毛頭ないわけでございます。
 しかし、最初から武器を使用することを前提として、向こうが撃ってくるということを予測して、それに対する反撃としてではなくて、こちらから撃つことあり得べしといって行くことは、それを多分奪還と言うのだと思うのですね。やはり、返してくれと言い、要請し交渉しということがまずなければ私どもはいけないと今思っているのです。おまえ、そんな悠長なことがというふうなおしかりをいただくかもしれませんが、この法律はそういう仕組みになっておりますし、向こうが撃たないのにこっちから撃つということは私どもとしては考えられないことでございます。
 そういたしますと、やはり、先生、今交渉しかないのかというふうにおっしゃいますが、あるいは武器を使わないでということもあり得るわけですね。──いやいや、そうではなく、空手ということではなくて、ここまで言うともう何を考えておるのだというおしかりをいただきますから申しませんが、救出する手だては何も武器を使ってというだけではないということでございます。
 ですから、それはいろんなことがありますが、いずれにいたしましても、これが非現実的ではないような対応、そしてまた現地の治安がどのようになっておって、それが我が国でできない場合にはそれをどこにまた依頼をするか。いずれにしても、隊員が拉致をされるというのは大変なことでございますから、それに対してきちんとした対応ができる、我々が法の限界があるとするならばそれをどこでもってその部分を埋めるかというようなこともきちんと考えなければいけないと思っております。
○遠山清彦君 分かりました。
 防衛庁長官の苦渋はよく分かっておるつもりですけれども、お話を聞いていたら、実は自衛隊の中には空手特殊部隊みたいなのがいて、武器を一切使わずにそういう作戦を遂行できるのがあれば別なんでしょうが。
 ちょっと角度を変えてお聞きしたいんですが、よく最近、報道でも、武器使用基準の緩和は今回行わないけれども、いわゆるROE、これは訳がいろいろありまして、通常、普通に訳すと交戦規定ということになると思うんですが、武器の運用基準マニュアルなんという用語も報道では出ておりまして、これを作成して隊員に配付をするということがあります。
 この中に、聞くところによれば、仄聞するところによれば、この中には警告射撃とか威嚇射撃という、つまりこちらがまだ攻撃を実際されていない段階から何らかの基準を満たす場合には威嚇射撃、警告射撃という手続を取っていいと。(「当たり前だ」と呼ぶ者あり)当たり前という御議論も当然あるんですが、この攻撃を受ける前から実際に武器を使用する、これは威嚇射撃でも使用ですからね、武器を使用するのは、これは現行法上問題はないんですか。
○国務大臣(石破茂君) これは問題はないと考えております。先生御指摘のように、武器の使用というのは何もばんばんと撃つことだけではございませんで、例えば構えるということも、あるいは警告射撃をするということも、これは武器の使用という概念の中に入るわけでございます。したがいまして、それは当然向こうが撃たなくてもということになります。
 もう一つ、これは先生よく御案内のことかと思いますが、要は急迫不正のといいました場合に、この急迫不正を充足をしますのは、何も向こうが実際に攻撃をすることまで完全に要求をするものではございません。例えば、急迫不正というものを満たしますためには、例えば銃を取り出すためにポケットに手を入れた、これでももう急迫不正は満たしたとする判例もございます。したがいまして、向こうが撃たなくても武器の使用はしてよい、そういう場合はございます。
 さらに、詳細は運用局長から答弁を申し上げます。
○遠山清彦君 短めに。
○政府参考人(西川徹矢君) はい、分かりました。
 大臣の方の最後のところの急迫不正の場合というので、これはもう既に最高裁判例等々で、急迫不正の場合は必ずしも相手から実際的な攻撃を受ける前であっても、そういうふうな明らかな危険があった場合には対応できるというのが確定しておりまして、そこが時々、撃たれないと撃てないとか、こういうふうな言葉で単純で分かりやすいので言うことがございますが、確定されているところでございますので、わざわざ拡張したとかいう話じゃないと思います。
○遠山清彦君 そうしたら、ちょっとさっきの、防衛庁長官、さっきの拉致の話にちょっと戻っちゃいますが、例えば、じゃ誘拐、拉致をされて、生存していることが分かるか分からないか、これ状況によりますけれども、その隊員の命が脅かされているような状況で、他の自衛隊員が助けに行ったときに、さっきは向こうが撃ってこないとこっちは応戦できないから武器使えないという話ですが、例えば今の論理に従って、拉致された自衛隊員の立場に立てば十分急迫不正の侵害状況で武器使えると、ですよね。だけれども彼は持っていない。それ、代わりにほかの自衛隊員がその権利を行使するというのは駄目なんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、正当防衛というのは、自己又は他人のためと、こういうふうに条文にございますから、それは満たす場合があり得ると思っています。ただ、ただ、──いやいや、ただそのことを最初から前提として、前提として行くことはできない。その場合に、正当防衛の要件というものを満たす、つまり今の先生の論で申しますと、急迫不正を満たす場合にはこちらから武器の使用はあり得るということでございます。
○遠山清彦君 もう時間がなくなったのでこの議論で今日はやめますが、今の長官の、長官の今のお話だと、これ、場合によっては、場合によっては捜索行って、武器使用して奪還できる法理論に何かなりつつありません。
○国務大臣(石破茂君) いや、なりつつありません。
○遠山清彦君 だって、拉致されている自衛隊員の自衛権を代替行使するという形でほかの自衛隊員が、同じ現場にもいますし、それ、行使するという形になればできちゃうんじゃないですか。
○国務大臣(石破茂君) これまた先生、時間取って議論させていただきたいと思っておりますが、十七条はどういうような構成になっているかと申しますと、「対応措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員、イラク復興支援職員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防衛するためやむを得ない必要があると認める相当の理由が」云々と、こういうことになってまいります。そうしますと、「自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員」と、こういうことになっておるわけでございまして、それは、その場合において共に所在をしなければいかぬわけです。──いやいや、ですから、いやいや、拉致されたと、例えば遠山隊員が拉致されたと。それでは、その二キロ、三キロ離れたところから遠山隊員救出のために行くぞということをやった場合に、この十七条に言いますがところの「共に現場に所在する他の自衛隊員」というものを、何キロか離れている例えば本部において、その条件が満たされているかというと、それはそうではない。
○遠山清彦君 だけれども、その前に捜索をする権利はあると言っている。捜索して同じ現場になっちゃうんですよ。同じ現場になっちゃったら、その根拠法でできるんじゃないですか。
○国務大臣(石破茂君) ですから、私、何を言葉の遊びをしておるんだとおしかりをいただくかもしれませんが、それは、それは奪還と言うのです。捜索をして、捜索に行った結果として自己と共に所在するという状況になったとするならば、それは十七条というものがワークする場面が発生するということでございます。
 しかし、それは捜索に行った結果として現場性が発生をし、自己と共に所在するという条件を充足したということでございまして、捜索、正当防衛、武器使用と、こういうものが積み重なって、結果としてはそれは同じようなことが生じますが、しかし奪還というものを目的としてそういうことをやるということはこの法案は予定をしておらないということを申し上げておるわけでございます。
○遠山清彦君 もう時間が来ましたので終わりますけれども、この今のお話は、何というか、奪還という言葉を使わないけれども、三段階でそれはできますと御答弁をされたのかと私理解をしておりますけれども、またこれからも機会あると思いますので、御議論させていただきたいと思います。
 以上です。
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国会改革連絡会の広野ただしです。
 昨日の総理の答弁等を聞いておりまして、やはり非常に問題だなと思いましたのは、こういう自衛隊を海外に派遣をするということは極めてやはり慎重に抑制的に考えなきゃいけない。実力部隊を海外に派遣するというのは、やはり国家主権の究極の行為、行使というようなことでありますから、そういうふうに思っておるんですが、総理が言われますのは、その時々のものを積み上げていって、その経験を積み上げていくことによって国民の皆さんの思いが出てきて、そして基本法といいますか、そういうものを作っていくんだと、こういう考え方を言われるんですが、私はこれは、かえってこういう考え方は国を誤るというふうに思います。
 やはり実力部隊を海外に派遣をするというのは極めて重い判断でありまして、そのときの原理原則あるいは基本理念、そしてまた考え方というものがしっかりしていて、そういう中で個別のものを判断をしていくということでありませんと、これは歴史に学んで、どの今までの海外派遣、海外派兵というものでも、自衛権の発動あるいは自国民を守る、そしてまた国益を守る、人道主義、民主主義を守るという大義の下に出ていって、それがある意味で泥沼化をしていくということにつながるわけでありまして、そこが特措法といいますか個別法の積み上げでやっていくということは、やはり私は極めて日本の進路を誤る危険が非常に強いと。
 私たち自由党は、元々、根本的な安全保障基本法というものをきちっと作って、そういう下に、どうしても出すという場合はきちんと理念に沿って、そしてまた役目もしっかりと与えて、そしてまたきちんとした装備の下に派遣をしていく、またしかも、これは国連の下に派遣をしていくという考え方を持って、もう既に安全保障基本法を衆議院に提出をいたしておりますけれども。
 そういう中で、一つ確かめさせていただきたいと思うんですが、アフガンの国連のPKO、官房長官にお伺いしますが、アフガンでは国連のPKOに日本は参加をしなかった。これは陸上自衛隊を派遣をするということについていろんな判断があったんだろうと思いますが、それが今度は、どうして今度、正にまだ戦争状態がある意味では続いている、私はスティル・アト・ウオーだと思っておりますが、そういうところに陸上自衛隊を今度は派遣するのか、ここのところの見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) アフガンとイラクとどう違うかと、こういうことだと思います。
 アフガンは、これも局地的に戦闘状態というものは継続されております。また、もう一つは、今御指摘のPKO、これは実施されていないんです、アフガンでは。イラクもこれは実施されておりませんけれどもね。日本の軍隊、軍隊というか自衛隊がアフガンに行くことは、これは今困難な状況にある、不可能な状況にある、こういうことであります。
 イラクの場合には、これは全体的な戦闘状態、これはもう終わったという認識、ただし、部分的に戦闘行動、戦闘というか衝突が散発しておる、こういう状況であると。そしてまた、国連決議一四八三というものが出たということによりまして、自衛隊が国際的には出ていく、あの地域で活動する、もちろん一四八三の範囲の中でございますけれども、活動するという根拠はできたわけですね。その根拠に基づいて、今御審議をいただいておりますこの法案で国内的な根拠を生むことができると、こういうことでございます。
 アフガニスタンは戦闘状態が各所で起こっているという現状からして、まだ我が国が出ていけるというような状況にないと、こういう判断でございます。
○広野ただし君 アフガンも非常な危険な状態である。しかし、私はイラクも、昨日も申し上げたんですが、タイムが言うようにポストウオー・ウオーということで、戦後の戦争、そして、ザ・ウオー・ザット・ネバー・エンズ、終わりのない戦争、こういうことが、やっぱりそういう状態にあるということが言われているわけですね。
 そういうところへ、アフガンの場合は暫定統治機構がまだありますね、発足をしている。今度は、イラクの場合は暫定行政機関がまだない状況ですね。連合占領軍、CPAが、暫定統治機構、暫定、何といいますか、占領軍といいますか、それがある、そのCPAがあるということで、まだイラク国民による暫定行政機構がない状況の中で言わば占領軍が治安を見る、その状況の中に何で今度は陸上自衛隊を出していくのかと、何のために出していくのかという原点をもう一度伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) イラクに出すと、こういうことですね。
 これは、イラクの復興を支援するということは、これはイラクの、何というんですか、復興、安定ということ、そしてイラクがその復興、安定を果たした結果あの地域が安定化するということ、これが極めて大事なことだろうと思います。
 まずはイラクが今非常に悲惨な状況になっているというその状況を回復するということ、そのために我が国としてどういうような貢献ができるのかということであります。言ってみれば、我が国のそういう貢献はイラクの安定化に向けて取り組む問題である。そのことが中東地域全体の安定につながるということを期待をいたしておるわけであります。
○広野ただし君 この安全確保の支援活動、あるいは治安についての支援活動という、言わばまだ治安状態がしっかりしていないところへ、しかも国連が必ずしもはっきりと要請をしているわけではないんですね。人道支援についてはすべての参加国に対してコール・アポン、要請をしている。しかし、治安活動については、これは占領軍が、CPAがまずやると。それに対する協力をウエルカムするということの要請なんですね、国連決議一四八三というのは。
 ですから、何も前のめりになってこの治安活動、安全確保の活動の支援のために出ていく必要がどうしてあるのか、ここのところをちょっと明確にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) そういうような人道復興支援活動、ひいてはイラクの復興そして安定化というようなことについて我が国が何もしないでいいんだというんであればしなくていいんです。
 しかし、国際社会において、これは明らかにそのことを願い、諸外国が貢献をもう既に始めているということでありますし、なおかつ、その前提として、この安保理決議一四八三において、これはイラクにおける安定と安全の確保に貢献するよう我が国を含む国連加盟国が明確に要請を受けていると、こういうように認識をいたしておりますから、当然我が国もその対象であり、かつまたその復興支援活動に協力をするということであります。その目的、何かといいましたら、先ほども申し上げたことであります。
○広野ただし君 官房長官、そこが、人道支援、経済復興支援、ここのところについてはしっかりやればいいんだと思うんですね。しかし、この安全確保あるいは治安活動の支援については必ずしも全加盟国にコール・アポン、要請をしているわけじゃないんですよ、この決議は。そうですから、そこのところを何で前のめりになってやっていくのかということを。
○国務大臣(川口順子君) 英語で動詞が違うというのは、これはおっしゃるとおり、英語の文章は違うわけですけれども、我が国の政府の理解としては、その動詞の違いということはそれに対して要請をしているということに対して影響を与えていない、動詞が違うからといって片方は要請をし、片方は要請していないというふうに理解すべきではないというふうに考えています。両方とも、アピールもそれからコール・アポンも、文脈からずっと読んでいただくと、両方とも我が国に対して要請をしているという理解をしているということです。こういう理解をしているのは我が国だけではないわけです。
○広野ただし君 そこはちょっと間違っていると思いますね。人道復興支援、ここのところはすべてのオールメンバーズに対してきちんと要請をしているんです。ところが、安全確保、治安活動、安全、安定の分野については、これはそういう意思をウエルカムすると、歓迎をするという、しかもオールメンバーじゃないんですよ。そういう表現になっているわけで、同じ、同列になっているとは私は解釈しておりませんが、そこの点、官房長官、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 英文見ていないので、外務大臣から答弁します。
○国務大臣(川口順子君) このオールというのが入っているかどうかというのは、これは主文ではオールメンバーズにコールズ・アポンとなっているということはおっしゃるとおりですけれども、そういった要請を受けて我々としてどのように対応するか、正に主体性の問題であるわけですね。我が国だけではなくて、例えば幾つかのほかの国、例えばホンジュラスですとかウクライナですとかオランダですとか、そういった国は一四八三を根拠として治安維持活動を説明をしているということでありまして、我が国だけが独特の理解をしているということではございません。
○広野ただし君 これも総理が言っておられるんですが、海外のたくさんの国々が出すから私たちも応分のことをやるんだと。海外の国々はそれは海外の国々でいいと思いますよ。ですけれども、日本は日本としての考え方でやっていけばいいんで、日本は例えば人道支援と復興支援のところにしっかりとやっていくんだと、それはそれとしての識見であり、もう一つ、例えば暫定行政機関、イラク国民による暫定行政機関ができて、そして国連が例えばPKOの要請があれば、それはちゃんとしたPKO法に基づいて、国連平和協力法に基づいてそのときには出せばいいわけで、今何で前のめりになってこの治安の支援のために出していかなきゃならないのか、その点、官房長官にもう一度伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これは国連平和協力、PKOが国連でもって実施するということが決定をする前にこの決議が出ております。この決議が出れば、国連PKOでやる分も同じことができるわけでございますから、この決議で十分であるというように考えます。
 今、見通しとしてPKO実施するという、そういう見通しはございません。
○広野ただし君 やはり非常な混乱状態にある中に、今度は、日本が主体的な責任、判断でもって陸上自衛隊を出すというのはこれは初めての行為だと思うんですね。PKO法じゃなくてですね。
 ですから、私は、今度の場合にしっかりとした大義、そしてしっかりとした明確な役割、また出すからはしっかりとした、きちんとした国際標準に基づく装備で出ていくという堂々としたものにしなければ、何かすき間を縫ったようなそういう形で出ていって、今度、万が一自衛隊に被害があったりあるいは犠牲者が出たり、また逆にイラク国民に思わぬ被害を及ぼしたり犠牲者を出したりと、こういうことがやっぱり大いにあり得るんじゃないかと思うんです。
 そういうときの責任について、官房長官、どうお思いですか。
○国務大臣(福田康夫君) そういうことがございますから、ですからこの法案の中では厳格なる規定を設けて、その範囲で自衛隊が活動できるようにするということが、これが大事なことだと思います。十分なる調査、また情報収集、そういうことも必要でございます。
 そういうことを基にして所期の目的が達せられるように政府として全力を挙げてまいりたいと思っております。
○広野ただし君 これは国内の有事法、この場合は我が国民の、国内における我が国民の生命、身体、財産にかかわる、あるいは人権にかかわる問題です。
 しかし、海外に出ていきますと、先ほどからいろんな議論がありますように、海外に出ていったときに、それぞれの国の歴史、習慣あるいは民族、宗教、また文化も違いますし、それこそ正に言語が違うと、こういうことです。
 ですから、よく言われるように、ヒンズー教であれば牛は食べちゃいけない、そしてまたイスラムであれば豚は食べないと、そういうようなこともありますし、実際例えば、じゃ日本が明治維新を迎えたときに西洋人が入ってきた。そのときに、肉をばんばん食べると。これは江戸時代だったかもしれませんけれども、日本では肉を食しないのにがんがん食べると。何て残酷な人間だと、こういうふうな受け止め方があるわけですね。
 そしてまた、イスラムでは公開処刑、こういうことだってあるわけです。誠に日本からいえば残酷じゃないかと。こういう言わば習慣の違いということによっていろんな受け止め方があると思うんですね。
 だから、日本の中だって、地方によってはイエスと言っているのかノーと言っているのか分からない表現が一杯あります。京都に行って、じゃお上がりやすと言われて、さっと上がっちゃいますと、これは何とまあぶしつけな人間なんだと、こういうふうにやはり受け止められることだってあるわけですね。
 これは、海外においてはそんなことが山ほどあるわけで、それによって、先ほど防衛庁長官もおっしゃいましたけれども、誤解とかそういう誤認とか、そういうことがいろいろと起こるからこそ、海外に自衛隊、陸上自衛隊が出ていった場合にいろんな問題が起こるということだと思うんですよ。
 ですから、やはりそれが基になってどんどん、例えば、だれも元々戦闘行為を、あるいは武力行使をしたいと思っているわけじゃないんですよ。ところが、我が例えば同僚が、先ほどからありました、拉致された、それを助けなきゃならない。これは当たり前の感情なわけですね。そういう中でやっぱりのめり込んでいくということだってあるわけですよ。それが今までの歴史でしょう。そういう歴史を踏まえて、私たちは歴史に学んでしっかりとした体系の下にやっていかなきゃいけない、こういうことだと思うんですよ。
 ですから、先ほど言っておりますように原理原則、あるいは明確な役割、そしてちゃんとした装備というものを踏まえて出すなら出すということでありませんと、大変なことに、結局ずるずると泥沼化にしてしまうということがあるんじゃないかと私は思うわけです。
 ですから、実際問題として、本当に自衛隊職員あるいは自衛隊隊員、あるいは自衛隊に対する被害、あるいはイラク国民に対するそういう思わぬ被害、あるいは犠牲者が出たというときの責任、これは本当に私は官房長官、総理に大きな責任が出てくると、こう思いますが、もう一度、そこのところを伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 特に、安全面についていろいろと御懸念をおっしゃったものと思います。
 その面につきましては、これはやはり事前の調査、それから情報収集、また現地に参りましては、CPAはもとより、他国との情報交換、また国際機関との連携といったような様々な情報交換等によりまして、より安全な業務が実施できるように、これは政府として全力を挙げなきゃいけないということであります。
 そういう意味で、この法案においても、その分については十分な配慮をするというような規定も設けておりますし、非常に重要な点でございまして、この点は、防衛庁においてもその必要性をもう十分認識しながらこの職務を遂行すると、こういうことになろうかと思っております。
○広野ただし君 もう一度伺いますが、それが大規模に起こった場合、これはどういう責任を取られますか。
○国務大臣(福田康夫君) そもそも、そういう例えば戦闘行為とか、そういったような必然性のあるようなところには行かないということでございます。現在も非戦闘地域、また将来にわたっても非戦闘地域であると、そういう見通しを立ててこの派遣を行うと、こういうことになっておりますので、そういうことは絶対起こらないというような考え方をして、大規模なということであれば、そういうことは絶対に起こらないということを前提に考えていかなければいけないと思っております。
○広野ただし君 それが絶対起こらない、起こるかもしれない、そのことを考えるのが危機管理の最たることだと思うんですね。やはり、何も迷路に入っていくような、そのことを私は言うわけじゃなくて、やはり万全の策を講じておかないと大変なことになるんだということだと思います。
 そしてもう一つ、実際、例えば、このイラクを現在三分割をして治安維持をしております。アメリカ軍ですね、そしてイギリス軍、そしてもう一つ、ポーランド軍が指揮をしていると。これは、ポーランド軍の指揮の下に約二十か国、これはバグダッドの南、ヒッラに本部を置いて、これ大体総勢九千人ぐらい、まあ各国があれしておりますから、ということであります。そういう、ポーランドは米軍と協力をする、またいざというときには米軍に協力を仰いで、そしてそこで守ってもらうと、こういうやはり協力関係を持っているわけです。
 そしてまた、スペイン・グループというのもあると。これは総勢四千三百人出る。それとウクライナ単独軍、これは千六百人出ている。それと英国軍の下に、オランダですとかチェコですとかデンマークですとかイタリア、九か国。これは南の方を治安を担当をすると。こういう中でオランダも、緊急時、緊急事態に備えて特別協定をイギリスとの間で結んでいると、こういうことであります。
 じゃ、日本が出ていって何か起こった場合はどうされるのか。私は、こういう特別協定というのが場合によっては必要なんじゃないのかと、私が言うことではないんですが、思いますが、いかがでしょうか、官房長官。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど来、官房長官から御答弁がございますように、非戦闘地域で活動する、そしてその中でも我々が与えられた権限あるいは武器持って安全に任務が遂行できる地域を実施地域として指定するということでございますが、それでも万が一ということは不可避でございます。全く排除するわけにはまいりません。
 それに対してどうするかということでございますが、一つは、先生がおっしゃいましたような前のめりということはございません。そうならないようにこのような法律が作ってございます。戦前の盧溝橋のようなことをおっしゃる方もございますが、戦前の天皇陛下の軍隊であった旧日本陸軍と、そしてまた現在の民主主義的なシビリアンコントロールの下にあります我々自衛隊とはそこが違うところだと思っております。
 この法案も、そういうことにならないように、ならないように、例えば近傍において戦闘が発生した場合とか予想される場合には、それは回避し、指示を待つ、そこまで規定をしてございますのは、そういうことにならないようにどうするかということをまさしく民主主義的な文民統制の下に法律で書いておるということでございます。
 先生お尋ねの協定等々どうするかでございますが、これは具体的に我々がどういう活動をするか、そして現地において治安を担当しておりますところの当局、英米軍、それがどのような治安という形を取っておるか、そういうことを全部勘案いたしまして具体的に検討することになります。今の時点で、このような形として協定を結ぶということが具体的にお答えできる段階にはございません。
○広野ただし君 私はこういう形で出すことに反対ですから、何もそこで深入りして言う立場にはないんですが、そういうことはちょっとお話をしておきます。
 ところで、もう一つは国連の問題です。今度のイラク戦争に当たって、国連安保理あるいは国連が十分な機能を発揮しなかったと、こういうことであります。実際、私たちも、安保理に何か余り聞いたことのない国が入っておって、そういう国にこの世界の運命を託していいんだろうかと、日本も全く安保理にも入っていなくて、そういう感じを実際強く受けたわけであります。
 国連に対してあんな役に立たないところはもうほっておけと、また二〇%も、二〇%近くも日本は出しながら何にも役に立たないんだからというような議論がありますが、私はそれにはくみしません。やはりしっかりと、いざというときに、この長年の、二十世紀の、戦争の世紀の中から出てきた国連であります。やはり国連を、もう不十分ながらそれを何とか改革をしていいものにしていくと、そして国連の下に世界の国際平和あるいは安定というものを保っていくということが根本だと思うんですね。ですから、安保理改革、そして国連改革というものについてしっかりと取り組んでもらいたいと思うんです。
 安保理改革については、九三年以来もう十年間、ワーキンググループ、作業部会が作られて、この大体十月、今年の十月ぐらいに十年の一区切りになりますから、何らかの方向付けというものを出すような時期に来ているんだと、こういうふうに思うわけですが、まずその安保理改革の問題と、もう一つ、日本、ドイツ、イタリアですね、このかつての枢軸国といいますか、ここの敵国条項というのが相変わらず残っておる。国連憲章のこの敵国条項を早く、これだけ五十年、日本は一生懸命国連にも協力をし、世界の平和のために貢献をする、世界の発展のために貢献をしようということでやってきているわけですから、ここのところは、まず最初に国連憲章敵国条項の削除をしっかりとやっていただきたいと思いますが、官房長官、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 国連が重要であり、それから国連の改革が重要であるというのは私は委員と全く同じ意見を持っております。
 考えてみますと、今回の一連のイラクをめぐる問題をめぐって、なかなか国連でまとまりが付くのに時間が掛かったりいろいろあった過程で、日本が何で安保理の理事国になっていないんだろうかということを思った日本人というのは、私も含め非常に多かったと思います。
 考えてみますと、国連の仕組みからいって、常任理事国の五か国が意見がまとまらないような状況、あるいは逆に言えばまとまる状況において国連の機能というのは今まで最もよく発揮をされてきたわけですし、逆にまとまらないような状況ではなかなか国連として難しかったというのは、冷戦期を考えてみればこれは自明であるかと思います。それで、ということですけれども、全体として今回の決議の一四四一あるいは一四八三ということを見ても、国連はいろいろな中でその機能を発揮すべきだと考えた国が多く、またそのための努力をしてきたということだと思います。
 それで、安保理の改革について言えば、おっしゃるように二つの問題、十年を経てまだ安保理の改革、それから敵国条項、これについてはまだ解決を見ていない。
 敵国条項について言いますと、これを削除されるべきであるということを賛成をしている国は多いですし、現にそういった決議もございます、通っています。ただ、実際にそれを実行に移そうといたしますと、若干パンドラの箱に近いところがありまして、いろいろ、この際ほかの問題を持ってきて一緒に国連の憲章を変えようという動きがあるので、なかなかこれだけを取り出して削除をするというふうに現実の政治が動いていないという部分がありますが、我が国として、敵国条項の問題、それから安保理の改革、今までに増してもっともっとやっていかなければいけないと思っております。
 総理からもこの間、ブッシュ大統領との会談のときにおっしゃっていただいて、アメリカとしても理解をし、一緒にフォローしていこうということになっておりますので、今後、引き続き努力をしていきたいと思っています。できることからやっていくということが大事だと思います。
○広野ただし君 私は、安保理の改革についても、これはどこの委員会でしたか、話もしたことがあるんですが、日本は安保理改革、今現在十五か国ですが、二十四か国案というのを持っている。アメリカは二十一か国案ですね。私は、十八か国という私の私案を持っております。
 実際、常任理事国五か国にプラスの旧枢軸国三か国を加える、そして印パももう既に核兵器を持っているわけですから印パも加える、またサミットのカナダも加える、また大国のブラジルあるいはオーストラリアも加える。この十三か国を常任理事国にし、そして非常任を五大陸から出てもらうと。これは選出ということで、例えばアメリカの方であれば、メキシコが出たいと言えば出てくればいいでしょうし、アフリカからであれば、エジプトが出たいと言えば出たいといい。アジアからは、インドネシアが出たいと言えばインドネシアが出る。あるいは東欧の方から、ヨーロッパからも、スペインが出たいと言えばスペイン。あるいは、東欧あるいは中近東の方からもう一つというような考え方を持っております。
 そして、もう一つ、何といってもビートー、拒否権でありますけれども、この拒否権を五大国に任すのではなくて、どうしても拒否権は三か国以上で、常任理事国三か国以上でないと拒否権は発動されないというふうに、三か国だったら引っ張ってこれるというふうに皆さんお思いじゃないかと思うんです。また、それぐらいでないと、五大国の拒否権だけですべてが覆る。
 ですから、五か国が何とかのむような案でないと、すべて安保理決議にはならない、こういうような実態であるわけですから、そういうところから拒否権も、三か国以上が集まったときに拒否権が発動できるというような考え方で安保理改革というものをやっていったらいいんじゃないかというふうに思っておりますが、二十四か国というその案が何かもう独り歩きしているかのごとくに私は思いますが、それは何か政府決定に基づいてやっておられるのかどうか。ここの点について外務大臣に伺いたいと思います。
○政府参考人(西田恒夫君) 今の御指摘の二十四という数字でございますけれども、背景としてちょっと御説明させていただきますれば、御案内のように、いわゆる安保理改革のメンバーについて増やすということについては、多くの加盟国、意見の方向性については一致があろうかと思いますけれども、その数の幅につきましては相当程度開きがあるというような実態でございます。
 多くの場合、今、百九十ぐらいの国がございますけれども、ほとんどはいわゆる開発途上国でございますので、彼らからすれば、やはりしかるべき安保理のメンバーにおいては相当数の開発途上国が言わば参加を得られてしかるべきだと考えておりますので、また日本が仮に言っております、日本が言っております二十四という数字でも、これは少ないという意見もこれは多々あるというのが現状でございますので。
 他方、憲章の改正につきましては、これも御案内のように、百八条でございますけれども、総会の構成国の三分の二の多数でもって採択され、かつ安保理の常任理事国を含む国連加盟国、すべての安保理の常任理事国を含む国連加盟国の三分の二によって批准されなければ、改正というものは発効しないというのが実態でございますので、そのような意味におきましては、やはり現在のメンバーの多数を占めます開発途上地域の方々の御理解を得ないと、実際問題として話は進まないというような状況がございます。
○広野ただし君 総理もこの安保理改革あるいは国連改革に熱心だと。しかし、私はこれを心底やってもらいたいと思うんです。単なる格好で、パフォーマンスでやってもらっているんでは駄目なんで、しかも見た目はパッケージなのはいいでしょうけれども、私、ちょっとパッケージでというのはなかなか難しいんではないかと。まず、敵国条項から外すというふうに割り切ってやっていく、そういう順序の方がいいんではないかと、こう思っておるわけなんですが、官房長官、外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) まず、合意できるところから合意をして進めていくというふうに考えております。
 ということは、例えば安保理の改革の問題であれば、国の数、拒否権の数、合意できるところからしていきましょうということでございますし、それから敵国条項のことについて言えば、これを削除しましょうということについて決議も通っているわけですので、それ自体には問題はないわけでして、実際にそのチャーターを変えるという段階で、先ほど申しましたように、他の問題が一緒に付いてくるということをどうやってそれを処理するかということであるわけですけれども、いずれにしても、そういったことも含めて、できることからやっていくという委員の御意見には賛成でございます。
○国務大臣(福田康夫君) 今、川口大臣からも答弁したとおりでございますが、総理も、例えば敵国条項についても、先般の日米首脳会談でブッシュ大統領とその話をするといったようなこともございますし、積極的な取組をする、その意欲を十分に持っておりますので、また委員の御意向も十分総理の方に伝えたいと思っております。
○広野ただし君 日本はやはり国連中心主義ということを言ってきて、また、確かに欠陥はあるんですけれども、国連に代わるものを、もし国連が全くワークしなくなったらば、これはまた世界にとって大変な財産を失うということだと思うんですね。ですから、これは本当に真剣になってやってもらいたい。
 このイラク特措法をやる以前にこちらの方にもっと力を入れてもらいたいと、こういうふうに思っておりますので、申し述べまして、終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○田英夫君 一九五四年の六月二日、参議院、正にここ参議院の本会議場で、防衛庁設置法それから自衛隊法、この二つが可決、成立しております。つまり、自衛隊がここで発足をしたと。
 その同じ本会議の後で、本会議の中で、自衛隊の海外出動をなさざることの決議というものが可決されております。これは、鶴見祐輔さんが、この方は緑風会のメンバーですが、当時、緑風会が参議院の第一党であったわけですけれども、その緑風会を中心にして議員から発議された決議でありますが、その冒頭に、鶴見祐輔さんが提案者を代表して趣旨説明をされております。
 決議そのものは、「本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。」と、こういう決議であります。
 さらに、鶴見さんは、提案理由の説明の中で、陸上自衛隊は、その名称のいかんにかかわらず、その数量と装備、武器に至っては、軍隊の内容に近づきつつあることは否めないと。「すでに憲法第九条の明文に違反するとの議論が生じております。」、「我が国が再び、戦前のごとき武装国家となる危険すら全然ないとは申せない」、こういう警告を発しながら、海外出動はしてはならないという提案をされ、それを受けて、社会党の羽生三七さんが賛成討論をしておられるんですが、その中で、羽生さんは、「自衛隊の海外出動を認めないという一点で各派の意思が、最大公約数でまとまつたことは、参議院の良識として、誠に欣快に存ずる次第であります。」と、こういうことを述べておられます。
 私も、正に参議院、良識の府としての参議院の在り方、つまり、衆議院は自衛隊を発足させるということだけで参議院にそれを送ってきた、それを受けて、自衛隊の創設を可決すると同時に、このような海外出動をなさざることの決議というのをしたということは、本当に二院制の参議院の役割をこれほどはっきりとさせたことはないと言ってもいいと思いますが。
 そして、それを受けて、木村篤太郎、初代防衛庁長官ですね、国務大臣木村篤太郎氏が政府としての態度を表明しておりますが、「申すまでもなく自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接並びに間接の侵略に対して我が国を防衛することを任務とするものでありまして、海外派遣というような目的は持つていないのであります。」と、こういうことを政府として答えておられます。
 これが自衛隊発足の原点ですよ。このことを、防衛庁長官、どのように受け止められますか。
○国務大臣(石破茂君) お答え申し上げます。
 憲法九条をどのように考えるかということに帰着をする問題だと私は思っております。憲法九条は、海外における我が国の武力の行使というものを禁じたものでございます。要は、この憲法九条の趣旨に合致したものなのかどうなのかということを我々は憲法に立ち返って考える必要がございます。
 もちろん、自衛隊創設時にいろいろな思いがあってそのような参議院の決議ができた、今もそれは生きておると私は思っております。しかし、それは憲法九条を考えますときに、今申し述べましたような、これは政府として確定した解釈でございますし、そしてまたこの法案の中にも、もうずっとこの法案を審議いたしますときに議論になりますのは、非戦闘地域なぞというものはあるのか、そんな概念が設定できるのかというような御議論が随分ございます。しかし、なぜ非戦闘地域というものを作ったかといえば、それは憲法上の要請をきちんと担保するための措置としてこういう条文を設けておるわけでございます。
 私どもは、海外において武力行使をしない、その憲法の趣旨というものをきちんと守っていく、その方針は参議院の決議に何ら反するものだと私は考えておりません。同時に、憲法ができましたとき、そしてまた、自衛隊というものができましたときと現在と、それはやはり国際的な環境というものは大きく変わっております。
 日本の国が武力の行使をしない、その憲法の趣旨をきちんと守りながら、国際社会のためにいかなる責務を履行し得るか、自分の国のことだけを考えないで、どうやって国際社会の要請にこたえ、国際的な有力な国家としての責任を果たし得るか、それは憲法の前文とも関連することでございますが、私は、その辺りをきちんと考えながら、参議院の決議の御趣旨を守っていく、それが必要なことだと考えております。
○田英夫君 ちょうど、私事ですが、当時、新聞記者として参議院のクラブをたまたま持っていたものですから、私はこの本会議を鮮明に覚えておりますが、その当時の本当に空気は、憲法ができてまだ十年たっておりませんし、敗戦から九年ですか、そういう状況の中で、正に鶴見祐輔さんが言われたような、そういう気持ちが多数を占めていた。ところが、ここ、今日からさかのぼって十年ぐらいの間に、そうしたものが極めて意識的に崩されてきたんじゃないかという気がしてなりません。
 今、改めて、やはり原点に返って、自衛隊は海外には出さないんだということを私はあえて警告をしたいと思って取り上げたのですが、今回、イラクに自衛隊、特に陸上自衛隊が初めてPKO以外で戦場と言えるような、そういう状況の中に行くということ。そのことは大変問題が多いわけで、今日も同僚委員がいろいろ意見を言われたとおりなのでありますが、私は、やはりどうして今あのような状態のところに、しかも陸上自衛隊のかなりの数の人が行く、海上自衛隊で船の中にいて、インド洋ですね、あそこでいるのとはちょっと訳が違うと。現地の人に直接接触するというようなことを含めて、その現地の人たちは、元々イラクの人は、私も何度かイラクへ行ったことがありますが、日本人に対して好感を持っている。しかし、自衛隊という形のものがあそこに行くとどういう影響が、どういう受け止め方をされるだろうかということは本当に心配になります。これは本当に、アメリカ、イギリス軍を支援するということも、後方支援するということもはっきり任務の一つとして持っているわけでありますし、そのことは、イラクの人たちからすれば敵ですね、そういう感情になってしまう。
 イラクの現状についていろいろ話が出ましたが、私どもの仲間も最近行ってきた。その報告を聞くと、本当に自衛隊でいいのかという感じが強くいたします。むしろ、既にNGOの人たちが活躍、活動をしておられますね。日本ボランティアセンターとか、そういう人たちが主として医療とかイラクの国民の皆さんの生活のために活動をしておられますが。
 そういう報告も含めて、実はこれも私個人ですが、アフガニスタン戦争をきっかけに子ども平和基金というものを作って、私は責任者をしているものですからそうしたNGOの人たちとの接触もありますけれども、そういう人たちの中には、自衛隊に来てもらいたくないんだと、自衛隊という軍隊のような形のものが来れば、せっかくイラクの皆さんの気持ち、日本人が助けに来てくれているという気持ちが自衛隊という姿で消されてしまうんじゃないかという、率直なところ、そういう話をしている人が多いのです。
 本当にイラクの国民の多数に自衛隊が支持されると思われますか。どうぞ、どなたでも結構です。
○国務大臣(石破茂君) 一点、これ、用語の問題でございますが、戦場というものの定義というものは別に私どもできちんとしておるわけではございませんが、これが戦闘行為が行われている場所というふうにもし先生が定義しておっしゃっておられるのであれば、私どもはそういう地域では活動はいたしません。戦闘行為が行われている場所を戦場というのであれば、そういう地区で行動するということは憲法の予定せざるところでございます。したがいまして、非戦闘地域で行うということでございます。
 なお、その中において、私どもは、先ほどの広野議員との御議論にもございましたが、やはり国連の要請に従って我々は法律を作り、そしてまた一四八三の要請に従って行くということでございます。そういうような活動である。そしてまた、先生もイラクに何度も行っていらっしゃいますので、御案内のとおり、非常に過酷な環境であると。そして、水も出ない、電気も来ない、病院は満杯、下水もあふれている、そういうような状況で活動ができるという組織は自衛隊しかございません。確かに、NGOの方々が非常に尊いお仕事をなさっておられることはよく存じております。しかし、本当に医療も住居も水も電気も、そういうものが自己完結的に組織としてできる、面的に活動ができる、そして法律に従って国際的な国家としての責務の履行としてできるという組織は私は自衛隊だけだというふうに今でも考えております。
 国民の負担、そしてまた自衛官の挺身、これによって実現される行為というものは、先生がおっしゃいますように、イラク国民の方々の支持を得るものでなければいけません。先ほど遠山委員からも、きちんとした広報をするようにという御指摘がございました。もちろん、NGOの方の中に、私ども与党の調査団でもそういうような意見を聞いて帰ってきた人もおります。私もその報告は受けました。しかし、自衛隊に来てもらいたいと言っている人もいることもまた事実でございます。
 我々は憲法に従って、そして国際社会の要請に従ってイラクの国民の方々に本当に喜んでいただけるようなことを国家としてやるべく自衛隊を派遣いたしたいと思っております。そのために、国民の方々、イラクの国民の方々に御理解いただけるような最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
○田英夫君 防衛庁あるいは自衛隊の皆さんには言いにくい話なんですが、例えば自衛隊が初めて海外に出ましたのはカンボジアのPKOだったわけですね。当時、私もその法案にかかわりましたが、その後、結局、自衛隊は主な仕事は道路補修をやられたんですね。私は、日本カンボジア友好協会という、余り御存じないかもしれませんが、小さな組織、佐々木更三さんがシアヌーク国王との間で作られて、両方にできておりますが、現在私はその理事長というのをやっておりますので、カンボジアへ何回も行っております。
 残念ながら、自衛隊が行かれたタケオというところの、ここは比較的安全ということもあって場所を選ばれたんだと思いますが、道路補修したその道路は一年後には完全に元のもくあみになってしまったんですよ。というのは、カンボジアの調査、これはもう外務省も大使館があったわけですから知っているはずなんですけれども、五月から十一月までほぼ半年間、雨季にはもう連日バケツをひっくり返したような豪雨が降ります。その結果、川幅が全く変わってしまって、あるいはトンレサップ湖という大きな湖がありますが、そこももう景色が変わってしまう。空から飛行機で見ると全く別の国じゃないかと思うぐらい雨季と乾季では景色が違う。道路が雨季にはもう川のようになってしまう。そのことをよく調べてあれば、ああいう舗装をしないでもっと別の仕事があったのではないかと思いますけれども、残念ながら、自衛隊の補修された道路は翌年にはもうほとんど元のもくあみになっていました。
 そういうことを見て感ずることは、本当に今度イラクに行って米英軍の後方支援というのは私はやるべきでないと、まず、もし仮に行くことを認めたとしても。日本が今やるべきことは、あの戦争で悲惨な目に遭ったイラクの国民の皆さんの生活を立て直すために、復興のために貢献するということだと思います。したがって、日本が貢献するということについては全く賛成なんですけれども、それはなぜ自衛隊なのかということに疑問を持ちますね。
 率直に言って、例えば防衛庁長官も先ほどから言っておられる水の問題、これは今本当に現地調査の報告を聞いても非常に大きなイラク国民の困っている状態の一つですね。自衛隊が浄水器を持っておられるということも承知していますが、民間の中にもある意味でいえば非常に、テレビでもコマーシャルをやっている会社もありますけれども、海水を水に変える、普通の水に変えるということを含めて、そういう進んだ機械を開発している会社もあります。
 それで、それを送って、むしろイラクの人たちの力をかりて水を作る。つまり、先ほどもありましたように、就職の問題、仕事がないという問題の解決にも役立てると。万事そういう発想をすべきではないか、水の問題に限らずね。
 そういうふうに思いますけれども、これは官房長官、防衛庁長官でもいいですが、どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) そのことは私ども内部でも議論をいたしております。
 昨日も委員会で答弁申し上げましたが、例えば国連の緊急アピールというのが出ておって、水道というものが回復するまでに最初九月という期限が切ってあったのが、これが十二月ということになって、そして何十億という、邦貨にして、それぐらいのものが必要であるというふうになっております。
 私どもは、本当に緊急に必要な水、今、水は出るけれども、出る時間はあるけれども、それは飲めないということでございます。それでは本当にインフラとしての上水道が回復するまでの間、そういう能力を本当に何万人分と持っておるのは、確かに民間にもそういう能力あるところはございます。しかし、何万人分というものがきちんとできる、そして泊まるところもお医者さんも、あるいは薬も全部イラクの方々に迷惑も掛けない、よその国にも迷惑を掛けない、そういう形でできるのは自衛隊だということを申し上げておるわけでございます。
 民間の方でもできるようなことがあれば、それは民間の方々にお任せすべきでありましょう、治安の問題も含めての話でございますが。そして同時に、本当にイラクにも水道が出るようになったと、それで雇用というものが生まれ、そこで治安も回復し、上水道等が復旧するようになった、そうすれば、もちろん自衛隊がそこで浄水活動をやることもないわけでございます。
 この治安が回復するまでの間、混乱した状況、暑い中にあって、あるいは私どもが活動しますのはもっと後になるかもしれませんけれども、そこにおいて本当に必要とされるもの、そして自衛隊でなければできないもの、そういうものをこの法案によってやるべきだというふうに政府としては考えておるわけでございます。
○田英夫君 この機会に改めてお願いしたいのは、本当に各党の調査団、それぞれ何か結論が違ってしまっているところがありますが、共通にやはり冷静に見ると、医薬品とか医療ですね、これも非常に急を要する。
 例えば、私どもの仲間の報告によりますと、麻酔薬さえ非常に不足していると。今、麻酔薬はあの状態の中で非常に重要だとは思いますが、特に悲惨なのは、子供さんを産むときに帝王切開の比率が非常に多いというんです。それは、もちろん環境が悪い、食料とか水とかいろんなこと、それからストレスがあるというようなことが原因になっているんでしょうが、お産をする力すらないお母さん。そのときに、したがって帝王切開が比率からいうと多いという報告が女性議員からの報告としてありました。それは緊急を要すると思いますね。そういうことにも配慮をしていただきたい。そういう意味で、民間の力でもそれはできるわけでありますから。それから看護師が、昔の言い方では看護婦さんですね、が非常に足りない。これも緊急を要する問題として提起されております。
 こういう状況を見ておりますと、さらにもう一つ大きな問題は劣化ウラン弾の問題なんですね。劣化ウラン弾は、もう御存じのとおり、ウランから核兵器用のウラン235を取り出した残りという意味で劣化なんですが、もう堂々たる放射線物質でありますから。
 これは衆議院で参考人で意見を述べられた藤田慶応大学助教授の現地調査の結果を私も聞きましたけれども、本当にこのまま放置すると、イラクの国民生活、ほぼ未来永劫と言っていい、劣化ウランの半減期は四十二億年と、四十二億年という専門家の話ですからほぼ未来永劫ですが、それがイラクの各地に不発弾として地中に刺さっていたり、あるいは戦車が撃たれて焼けて、それがそのまま放置されている。その中には強烈な放射能がまだ残っているという状況の中で暮らしていかなければならない。それは、生まれてくる子供さんの影響は計り知れないものがあるというのが専門家の報告であります。
 特にそれが実証されるのは、実は劣化ウラン弾は、御存じのとおり湾岸戦争のときに非常に多用された。その結果、ちょうど十年くらいたっているんで、その湾岸戦争の直後に生まれたような、今十歳になるかならないという子供さんの間に奇形とかあるいはがん、小児がんが多発しているということです。
 ですから、私どもの仲間の報告、現地調査の報告によると、小児がんセンターのようなものを日本が費用を出して早急に作るべきではないかということが言われております。
 そういう劣化ウラン弾が今度また使われました、大量に使われました。それで、藤田助教授の報告によるとイギリス軍も使っているんですね。イギリス軍の守備範囲のところで戦車が水平射撃で焼けてしまっていると。中に乗っていた兵士は、イギリス軍兵士は、人間の炭になっていると。そういう、炭化してしまっていると、体が。そういう形で、悲惨な姿で戦車の中に残っていたということですが、それはまた放射能を持っているわけですね。
 それから、先ほど申し上げたように、道路に、戦車を撃ったのが外れて道路に突き刺さっているという状況が間々、そのまま放置されているわけです。これは地下水の中に放射能が沈殿していくという、そういうことになって、本当に未来ほとんど永劫と言っていい状態で放射能が残ってくると。これも何とか日本の力で助けてあげることができないだろうか。
 自衛隊もこれは、劣化ウラン弾を処理するということはちょっと不可能でしょう、長官。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおり、私どもは劣化ウラン弾というのを保有をいたしておりません。保有をいたしておりませんので、これを処理する知見というもの、能力というものを有しておりません。
○田英夫君 この問題は、日本政府として、全体として自衛隊にはその能力は保持していないということでありますし、対応をお考えいただきたいと思うんですね。
 もちろん、藤田助教授というのは物理学者、放射能専門の物理学者ですから、そういう知識を基にして、まず発見をするということも一番技術的なものを伴っていかなければなりませんから、大切なことです。ほぼ全土、特にバグダッドの市内は非常に多いと言われています。この劣化ウラン弾の問題も政府全体として対応をお考えいただきたいと思いますが。
 もう一つは、戦争が終わると必ず今、最近も、アフガニスタンもそうですし、カンボジアでもそうですが、地雷の処理ということが問題になりますね。この問題も、政府全体としてお考えいただきたい。
 これは、先ほど防衛庁長官が言われたように、自衛隊もそうですし、各国の軍隊も、軍隊的な組織の地雷処理というのは線をやればいいんで、しかし平和になったときは面をきれいにしなければいけないのであります。
 現在、私がちょっと、仲間が作ったもので仲立ちをしましたが、カンボジアでは日本の四台の地雷除去機が今ODAで活動をしているということがありますが、これは国によって地形が違いますし、性質が違いますから、やり方も変えなければいけないかもしれませんが、カンボジアは、もう高温多湿ですから、灌木などが生い茂っている中に地雷が入ってしまって、それを除去するために今道路工事用のシャベルカーのようなものを改良して作ったのが行っているんですが、イラクの場合、恐らく地形上そうはいかないだろうと思いますが、この地雷処理の問題もイラクの人たちにとっての一つの平和への大きな条件だと思いますが、この点、何か計画があるかどうか。防衛庁長官ですか、どなたでも結構です。
○国務大臣(石破茂君) 計画につきましては外務大臣からお答えがまたあろうかと思いますが、先生御指摘のように、線でしかできません。私ども、九二式地雷原処理車でありますとか九二式地雷原処理ローラーでありますとか、そういうものを持っております。
 私も、対人地雷の問題を議論いたしましたときに、そういうことができないのかというのは政府部内でもさんざん議論をいたしました。これ、私の記憶に間違いがなければ、文部科学省の予算であったと思いますが、千葉大学でしょうかどこでしょうか、無人で地雷の処理ができるような、捜索ができるような、そういうようなロボットのようなものを開発を政府も援助をしてやっております。
 そういう形でどういうものができるかでございますが、現在、自衛隊としては、先生御指摘のように、面で処理をする能力は有しておりません。
○国務大臣(川口順子君) 地雷の処理については、日本は今までいろんなところで、特に日本のNGOを中心にして貢献をしています。私自身、スリランカで、アンゴラで、アフガニスタンで、地雷処理の現場を見ました。みんな日本のNGOがかなりそこに出て一生懸命やっているわけです。
 それで、イランについていろいろな、例えば、今NGOの人たちが行って地雷処理ができるような状況になっているかどうかという問題もあります。それから、国際的なNGOあるいは国際機関の取組がどうかというような問題もあります。ほかにどういった重要な急がなければいけない課題があるかどうかということもあります。
 そういったことをいろいろ勘案をしながら、我が国としてどの分野でどういう取組ができるかということを考えていきたいと思います。
○田英夫君 全く問題が違うんですけれども、今回のイラク特措法を見るにつけても、ここ十年来の日本政府の安全保障問題についてのやり方、考え方、これが段階的に私は非常に変わってきている、危なくなってきているというふうに思えて仕方がないんですが、ちょうどいわゆる日米ガイドラインの問題辺りから顕著になってきたと思います。結果は、日米ガイドラインというものができて、これは政府間の、日米の政府間の取決め、それを裏付ける日本側の法律はできましたけれども、条約でも何でもないわけですね。しかし、その結果、日米安保条約というものが変質してしまったんじゃないかなというふうに感じています。
 今度、イラクの戦争に在日米軍が日本から出動していると思いますが、外務省、どういうものが行っているのか、キティーホーク、空母を始め、詳細に報道はされていませんから分かりませんが、外務省はどういうふうに把握しておられますか。
○政府参考人(海老原紳君) ただいまの御質問で、在日米軍のどのような例えば艦艇あるいは航空機というようなものがイラクにおける作戦に参加したのかというお尋ねでございますけれども、これは結論から申し上げれば、我々、これはもう軍の運用に関する問題でございますのでその一々については承知はいたしておりません。ただ、今、田委員がおっしゃいましたような、例えばキティーホークなどが現地に赴いていたことは事実でございます。
 ただ、これは日米安保条約との関係で申せば、これはもう田先生よく御存じのとおりでございますけれども、日米安保条約の運用として現地に行ったということではなくて、これはあくまでも軍隊の特性にかかわる移動ということで日本の施設・区域から現地に赴いたというふうに考えております。
○田英夫君 それは、日米安保条約の原点に返ってみると、違うんじゃないですか。やはり事前協議という制度がありますね。本来なら、陸上だと、陸軍だと師団クラスということになりますけれども、空母が移動するというような形になると、これは日本政府に連絡をする、事前協議をするというのが本来の姿じゃないかと思うんですけれども、最近は全くそういうことを、事前協議の問題などというのは全く出てまいりませんね。そして、アフガニスタン、イラクと、在日米軍が、日本の国民が、我々が全く知らないうちに行っていると。
 本来、安保条約の条文からすれば、在日米軍の活動の範囲は極東とはっきり明記されているんですね。極東の範囲ということで、私もやりましたけれども、随分与野党で議論をしました。佐藤内閣のときに政府の統一見解ができて、フィリピン以北、日本の周辺、韓国、台湾を含むという統一見解が出されたと、こういうこともやはり先輩たちが議論をした、そしてはっきりと国民の前にそれを示したことですから、改めて大切にその後を守っていただきたい。
 この問題はとても五分や十分で議論できることではありません。残念ながら時間が来ましたので深く議論することができませんでしたけれども、注意を喚起しておくということにとどめたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十分散会