第156回国会 経済産業委員会 第22号
平成十五年六月十日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月十日
    辞任         補欠選任   
     片山虎之助君     森元 恒雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                魚住 汎英君
                加納 時男君
                松田 岩夫君
                木俣 佳丈君
                平田 健二君
    委 員
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                福島啓史郎君
                保坂 三蔵君
                森元 恒雄君
                直嶋 正行君
                中島 章夫君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                鶴岡  洋君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  高市 早苗君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       桜田 義孝君
       経済産業大臣政
       務官       西川 公也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       資源エネルギー
       庁長官      岡本  巖君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      迎  陽一君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等
 の法律案(内閣提出、衆議院送付)



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○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に資源エネルギー庁長官岡本巖君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田浦直君) 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○近藤剛君 おはようございます。自由民主党の近藤剛でございます。
 今日は、電気並びにガス事業法に関連をいたしまして、先週の質疑を踏まえて、幾つかの点につきまして確認をさせていただきたいと存じております。
 なお、本題に入ります前に一言申し上げたいことがございます。
 先週の金曜日、六月の六日でございました。平沼大臣は自ら新潟県に入られ、今般の原子力発電に係るトラブルにつきまして、国の不手際について陳謝をされるとともに、これからの原子力発電の安全確保に向けた決意を示されたわけであります。大臣の誠意は現地でしっかりと理解され、評価もされたと信じております。
 また、このような形で原子力発電に対する国の意思を明確に示されたことは、直面する当面の問題の解決のみならず、今後、我が国のエネルギー政策の推進に大きな力になると確信をいたします。この場をおかりいたしまして、大臣の御尽力に心からの敬意を表したいと存じます。
 それでは早速、電気事業法に関連いたしまして質問をさせていただきます。
 まず、原子力につきまして平沼経済産業大臣にお伺いをいたします。
 改めて申し上げるまでもございませんが、バックエンド事業も含めた原子力推進は、国のエネルギー政策の基軸でございます。特にバックエンド事業につきましては、従来からの原子力発電及びバックエンド事業の円滑な推進の観点に加えまして、制度改革を進める中で投資環境を整備する観点から、バックエンド事業全般にわたるコスト構造、原子力発電全体の収益性等を踏まえて国の責任を明確化する。そしてその上で、官民の役割分担の在り方をしっかりと議論し、経済的措置等の具体的な施策を講ずる必要があると考えておりますが、この点につきまして、平沼大臣に政府の見解を改めて確認をお願いをいたしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 原子力は、安定供給の確保と環境への適合を図る上で優れたエネルギー源でございまして、今後ともエネルギー小国の我が国の基軸エネルギーであると、このように思っております。その推進のためには、これまで申し上げてまいりましたとおり、安全と信頼の確保が大事な前提になると、このように思っております。
 今回の自主点検記録の不正等によりまして、多くの国民の皆様方に御迷惑、御心配をお掛けしていることは大変残念なことでございまして、申し訳なく思っているところでございます。こうした信頼を回復することなく、原子力を推進していく上で最も大事な課題と私どもは認識をしておりまして、信頼を回復することが大変大切だと、こんなふうに思っております。
 今般の法改正に関しましては、原子力発電は安定して発電できれば経済性を発揮することができますけれども、投資回収に長期を要するために、小売自由化においても原子力の推進が図られるように、制度改革においてもこの強みである長期安定運転を確保するための環境整備として各種の措置を講ずることにいたしているところでございます。
 特にバックエンド、御指摘でございましたけれども、この事業につきましても、これまで高レベル放射性廃棄物の処分に関する法制度の整備を始めとして様々な対策を講じてまいりました。これらに加えまして、更なる投資環境の整備の観点から、バックエンド事業全般にわたるコストの構造でございますとか原子力発電全体の収益性等を分析評価をいたしまして、官民の役割分担等を整理の上、平成十六年末までに経済的措置と具体的な制度、措置の在り方について透明性を持って議論をいたしまして、検討を行って必要な措置を講ずる、このようなことにいたしております。
 なお、言うまでもなく、この十六年末までを待たずに早期に結論を得られるように私どもとしては努力をしていかなければならないと思っております。今後とも、プルサーマルの推進を含め原子力の推進に全力を尽くさなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
○近藤剛君 極めて明快に御答弁を賜りまして、ありがとうございました。
 ただいまの御答弁に関連をいたしまして、資源エネルギー庁長官に補足的に確認をさせていただきたいと思います。
 岡本長官は、先週の本委員会の質疑に当たりまして、再処理に関連して、電力業界自身が民間の事業としてやりたいとして強く要望をしていたと、そのように答弁をされておられます。確かに、もう随分昔の話でございますが、昭和五十三年でございます。当時の平岩外四東京電力社長は、衆議院科学技術振興特別委員会におきまして、確かにそのような趣旨の見解を表明をされているわけでございますが、ただ、その当時は現在のような制度改革は当然視野に入っていなかったわけでございます。したがいまして、国の再処理政策の下で、地域フランチャイズと総括原価主義と制度という、将来リスクを担保できる制度を前提とした上で事業効率性の観点からの御見解の表明であったと、そのように理解をするわけでございます。
 御承知のとおり、諸外国におきましては、民間、純粋に民間で再処理事業を行っている国はないわけでございます。自由化範囲の拡大によりまして、総括原価によるコスト回収の範囲が狭まってくるという現実も考えますと、国の役割は相当に大きくならざるを得ないと思うわけでございます。
 また同様に、岡本長官は、再処理事業につきまして、国の立場から必要な指導監督を厳格に行っていくんだと、そのように答弁をされておられます。しかしながら、原子力関連の国際的な二国間協定というものも諸外国は国を信用して締結をしているわけでございます。再処理事業は単なる民間事業で、政府は指導監督だけを行うということであるとすれば、国際的にも大きな問題を引き起こす可能性があるのではないかと、そのように危惧をいたします。
 ただいまの大臣の御答弁を踏まえまして、一度これらの点につきまして、岡本長官から、整理をした上での御答弁をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 再処理事業につきまして、経緯的には、今、先生も御指摘になられましたとおり、使用済燃料の再処理の事業というのは民間の電気事業者の方々が自ら自分たちの事業として進めていくんだということで取組を始められて今日に至っているという、そういう経緯が一方であるところでございます。他方で、今、先生も御指摘になられましたように、今回の制度改革に伴いまして、いわゆる将来に発生する費用を含めまして、総括原価で解消できる範囲というものが段階的に狭まっていくという、そういう方向にある中にあって、電気事業者の方々が将来のリスクというものに対して非常にセンシティブになってきているという状況がございます。
 再処理あるいは核燃料サイクルということに関しましては、再処理の準備金でありますとか、高レベルの廃棄物の処理、処分費用というものに充てるための国民の方々に御負担をいただく一種の拠出金、それについての税の措置というようなことを準備してまいっているところでございますが、他方で、これから再処理を実際にやっていくに当たりまして、新たな廃棄物、TRUと言われておりますような廃棄物の処理の問題が出てくる。あるいは再処理プラントそのものについての、デコミと言っていますが、解体処分費用、そういったものについてどういう費用というものがどういうタイミングで出てくるかということについて事業者の方々が心配を募らされているという状況がございます。
 私ども、先ほどの大臣の答弁にもございましたように、こういった点を含めて核燃料サイクルあるいは原子力の利用というものを進めていくに当たって、こういう将来リスクというものについてどういうものが実際にまず予想されるんだろうかということについての知見をしっかりと集め、それから、そういったものを処理するについての技術的な方法ということについてもこれまた知見を、内外の知見というのを集め、その上で費用の負担ということについて、審議会の答申にもありますように、官民の役割分担というものの見直しを含めた議論をやっていく必要があるというふうに考えておりまして、従来の経緯というものは、それはそれとして私どもも重く受け止めますが、他方で、将来に向けて核燃料サイクルあるいは原子力が着実に進むそのための環境整備というものをいかに進めていくかということで鋭意これから私どもも勉強をし、その上で、先ほどの大臣の御答弁にありましたように、透明な形で議論ができる場というものに、できるだけ早くそういうものを立ち上げて、そこでの精力的な御議論をお願いをしたいというふうに考えているところでございます。
○近藤剛君 御確認ありがとうございました。先ほど大臣が言われたとおり、平成十六年末を待たず、できるだけ早くしっかりとした議論を行いまして成案を得られるようにお願いをしたいと存じます。
 次に、今般の電力・ガス改革と規制改革推進三か年計画との関係につきまして確認をさせていただきたいと存じます。
 平成十五年三月に閣議決定をされております規制改革推進三か年計画におきましては、新規参入者を一定程度育成するための措置の一つとして、市場で支配的地位にある既存事業者を規制する、いわゆる非対称規制の検討が提言をされております。しかしながら、安易な非対称規制による弊害は電気通信分野におけるNTTのその後の苦戦ぶりなどを見ておりますと看過し得ないものがあると、そのように思います。
 今次、電力・ガス改革におきまして非対称規制を採用しないことにつきまして、政府の基本的な考え方を大臣からお伺いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 今回の電力・ガス改革というのは、安定供給の確保を大前提として、ネットワーク部門の公平性、透明性の向上を図ること等によりまして供給システム全体を強化してまいり、需要家の選択肢の拡大を図るための各種の措置を講ずるものでございます。
 規制改革三か年計画では、新規参入者を一定程度育成するための措置を、非対称規制を含めて検討することが必要である、御指摘のようにこのように指摘されております。しかし、今回の制度改革の趣旨はただいま申し上げましたとおりであり、新規参入者の育成を目的とするものではありません。したがって、あえてそのための非対称規制も採用していないと、こういうふうに御理解をいただきたいと、このように思います。
○近藤剛君 ありがとうございました。
 それでは続きまして、時間の関係もございますので、ガス事業法関連の質問に移らせていただきたいと思います。
 総務省統計局家計調査年報の統計によりますと、二〇〇〇年において家計に占めるガス代の比率は二%以下と決して大きくはありません。そのような事実から判断をいたしましても、多くのガス需要家は、競争を一層激化させることによる更なるコスト削減を望むよりは、むしろこうした激烈な競争によりまして、保安も含めたサービス水準が低下することを危惧しているのではないかと思われます。この点につきまして、資源エネルギー庁長官に基本的な御見解をお伺いをいたします。
○政府参考人(迎陽一君) ガス事業の小売自由化を進めるに当たりましては、需要家が実質的に供給の選択を行うことが可能になる環境の整備ですとか、あるいは供給の信頼度の確保、さらには適切な保安の確保が必要不可欠であるというふうに考えております。今後の自由化の進め方に当たりましては、段階的にこれらの課題を解決しながら進めていくことが適切であると考えております。
 特に、家庭を含む小規模需要につきましては、ガスが国民生活にとって必需な財であること、またその安全面での配慮が極めて重要であるという御指摘の点を踏まえまして、今後、自由化の拡大の成果、問題点を検証、評価しながら、その拡大を、検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
○近藤剛君 よく分かりました。要はバランスの問題でございます。情勢をしっかりと分析をしながら次に進む段階を考えるべきだと、そのように思います。
 それでは次に、ガス事業の自由化とそれが一般ガス需要家に及ぼす影響につきまして、平沼大臣にお伺いをしたいと思います。
 海外におきましては、御承知のとおり、アメリカ、イギリス、フランスなどの欧米諸国におきまして、一九八〇年代から九〇年代にかけまして小売の自由化が実施をされております。イギリスにおきましては、五年前の一九九八年に小売の完全自由化が実施をされております。また、アメリカのジョージア州におきましては、一九九九年からガス事業は完全に自由化をされているわけであります。
 しかし、ジョージア州の場合、完全自由化の結果、供給停止や料金の過大な請求などによります苦情件数が、それまでの年平均約四百件から約一万二千件にまで実に三十倍に急増をしておると。また、料金支払遅延などを理由とするガス供給停止が二〇〇一年十二月時点では約五万件、これは実に客先の三・三%、三十件に一件という割合でございますが、そのような数字もあるわけであります。したがいまして、ガスの自由化は少なくともジョージア州においては失敗したのではないかと、そのように評価をされております。
 今回のガス事業法改正に当たりまして、このような自由化の弊害が消費者にしわ寄せをされまして、それが現在まだ続いているという、このような今申し上げましたような海外の失敗事例をどのように考慮されておられるのか、念のためお伺いをいたしたいと存じます。
○副大臣(高市早苗君) ジョージア州の失敗例につきましては近藤先生も十分にお調べになっているようなんですが、経済産業省といたしましては、今回のジョージア州の例について、まず天然ガス価格の高騰があったということ、それから当局がガスの小売自由化を早急に進めたので事業者の準備不足、それから消費者への周知徹底不足というものを招いてしまった、それで料金請求の混乱など消費者からの苦情が急増したんじゃないかと、これが市場混乱の理由だと考えております。
 ですから、ガス事業制度の改革に当たりましては、こういった混乱を生じた海外の事例を他山の石といたしまして、安定供給が害されたり消費者にしわ寄せがされるようなことがないように細心の注意を払って制度設計を進めております。ですから、まず段階的に自由化を進めていくということが何より大事だと考えております。
○近藤剛君 分かりました。ありがとうございます。
 ガス事業者は大手の事業者から中小の事業者まで様々でございます。事業者間の規模の格差が大きいことは否定できない現実であります。また、天然ガスを中心といたしました高カロリーガスへの燃料転換を現在実施中若しくは今後実施しようとしているガス事業者が九十社近くにも上るという業界の実態がございます。これらの事業規模格差や燃料転換の動きなどを十分に勘案をした制度設計を行うことが必要であろうかと思います。今回のガス事業法改正に当たりまして、このような業界の実態をどのように勘案して制度設計を行ったかにつきまして、資源エネルギー庁長官に念のためお伺いをいたします。
○政府参考人(迎陽一君) ガス事業につきましては、地域に密着して事業を展開する中小のガス事業者の方が多くおられるというふうなことは先生御指摘のとおりでございます。それから、その燃料転換についても、まだ未着手のところが七十九事業者あるいは現在実施中のところが十四事業者あるというふうな実態にございます。
 私どもといたしましては、その中小ガス事業者の特性を勘案いたしまして、従来より高カロリーガスへ転換をすることを促進するための補助金ですとかあるいは税制措置を整備している。あるいは、天然ガス製造をいたしましたり天然ガスを調達するためのパイプライン等については、低利の融資や税制上の措置等を設け供給基盤の整備に努めてきておるところでございます。
 また、今般の制度改革におきましても、大口供給の結果、急激な需要の減少を来し、地域のガス事業者の経営が悪化し、需要家に悪影響を与えるおそれがあるというふうな場合には、変更ないし中止を命令できるような制度を整えておるところでございます。このように、競争環境が変化する中でも中小事業者が的確に事業運営を行っていくことができるよう、制度上必要な環境整備を行ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○近藤剛君 御確認ありがとうございました。
 これから自由化が進みますと、事業者にとりまして、売上げの見通し、特に長期の売上げ見通しは従来と比較いたしまして極めて困難になると思われます。もし長期の売上げ見通しが付きにくいとなりますと、都市ガス事業者は天然ガス調達に関連いたしまして長期契約がそれだけ困難となるわけであります。その結果、海外の天然ガスプロジェクトの立ち上げもこれまで以上に困難となってまいる懸念があるわけであります。これはこれからの日本にとっての天然ガスの重要性を考えますと、日本のエネルギー政策上極めて重大な問題を惹起すると思われます。
 ガス事業の自由化の進展と上流対策との関係につきまして、大臣から基本的なお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 国内のガス供給の大宗を輸入で、しかもLNGで賄う日本にとりましては、供給源であるアジアや中東などの上流のLNGプロジェクトの円滑な開発というのが安定供給確保の観点から極めて重要であると、こういうふうに思っております。また、こうした上流LNGプロジェクトの立ち上げには、御指摘のように比較的長期の需要見通しに基づく長期の引取り契約、これが重要な役割を果たしているところであります。こうした点を踏まえまして、今般の制度改革においても、自由化範囲については可能な限りスケジュールを明確にしながら段階的に進めていく、このようにさせていただいております。
 具体的に申しますと、一つは二〇〇四年に五十万立方メートル以上まで、二〇〇七年、これは平成十九年になりますけれども、十万立方メートル以上までそれぞれ拡大をすると、こういうことにいたしております。さらに、家庭用を含む小規模需要の自由化の在り方については、その後それぞれ、それまでの自由化の成果や御指摘の上流市場への影響等も踏まえて検討を行うと、このようなことにさせていただいています。これによりまして、ガス事業者や需要家などの市場関係者は、将来の制度改革の方向を見定めながら想定される市場変化に的確に対処していくことが可能なものとなると思っております。
 また、自由化範囲拡大の検討に当たりましては、経済産業省といたしましても常に上流のLNGプロジェクトの開発動向や、あるいは国際的な天然ガス市場の動向を注視をいたしまして、御指摘のようなエネルギー政策上の影響を勘案をしながら検討を進めていかなければならない、このように思っているところでございます。
○近藤剛君 ありがとうございました。
 正に制度改革は我が国のエネルギー安全保障にも直接かかわる問題でございます。是非、今お話しございました段階を踏んでの検討をお願いをしたいと思います。
 続きまして、LPガスに関連して質問を申し上げたいと存じます。
 今回のガス体エネルギーの制度改革は、あくまでも都市ガス、天然ガスをその対象としております。しかし、これからの我が国のエネルギー政策の検討に当たりましては、重要なエネルギーであるLPガスも含めたガス体エネルギー全体の在り方についてのしっかりとした議論を行うべきであると考えております。
 LPガスにつきましてより具体的に申し上げますと、LPガスは全国世帯数の約半数の二千六百万世帯に供給をされております。国民生活に密着した分散型エネルギーと言えると思います。その調達先の多角化の必要性なども含めまして、安定的な供給の確保は国民経済の観点からも極めて重要でございます。
 一方、家庭にLPガスを直接届ける立場のLPガス販売事業者は、全国に約二万七千を数えるわけであります。そして、その大半は中小零細企業であります。今後ともエネルギー間の競争が激しくなると予想をされますが、過当競争の結果、地域に密着したLPガス販売事業者の多くが成り立たなくなってしまっては、これまた国民生活に甚大な影響が出てまいるわけであります。
 LPガスの安定的な供給確保に向けました、国の取組方針とLPガス販売事業を適切に支援する方策なども含めまして、平沼大臣に基本的なお考えをこの際お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、LPガスは全国の約半数の世帯において使用されているほか、さらに工業用、自動車用等、広範な分野で使用されておりまして、御指摘のように国民生活に大変密着した重要なエネルギー源だと思っています。他方で、供給の約四分の三を輸入に依存しておりまして、そのうち輸入の約八割を中東に依存していると、こういうことから、LPガスの輸入が途絶あるいは大量に減少した場合には国民生活及び国民経済に重大な影響を与えることが想定されるために、LPガスの安定供給を確保することがエネルギーのセキュリティー対策としては非常に重要な課題だと、こういうふうに思っております。
 経済産業省といたしましては、民間法定備蓄の着実な実施に加えまして、二〇一〇年度に百五十万トンを目標とする国家備蓄の整備を推進しているところでございまして、現在全国の五地点、これは石川県の七尾市、長崎県の福島町、愛媛県の波方町、岡山の倉敷市、それから茨城県の神栖町におきまして基地建設を今鋭意推進をしております。
 今後ともこうした取組を通じましてLPガスの安定供給の確保を図りまして、そして国民生活の安定、これに資していくように努力を傾けていきたいと、このように思っております。
○近藤剛君 ありがとうございました。時間が参りました。
 本法案の成立によりまして所期の目的が達成されることを期待をいたしまして、私の質問を終わります。
○藤原正司君 民主党・新緑風会の藤原でございます。
 質問がこれまでいろいろ出ておりますので、若干重複するところがあるかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、今回の制度改定に当たりましては、エネルギー政策基本法というものを踏まえてということに、これは提案説明の中でも言っておられるわけでありますけれども、この点について、基本法との整合性がどのように図られているのかということ。
 それからもう一つは、大臣が電気事業分科会の方に諮問された内容においても、あるいは今回の提案説明の中においても、目的とするところに料金低減やコスト削減ということが織り込まれていないわけでございます。消費者利益ということを考えるならば、安くて、しかも安定的でサービスがいいというのを、これを消費者利益というふうに考えるわけですけれども、この料金削減というものが織り込まれずに、むしろ需要家選択肢という、逆から見れば競争促進、そういう観点から目標が設定される。これは、目標というよりも一つの方法論であって、法の目的ということにはならないのではないかと。この点も含めてお考えをお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藤原先生にお答えさせていただきます。
 昨年策定されましたエネルギー政策基本法におきましては、エネルギー政策遂行上の基本方針が定められているところでございます。今回の制度改革に当たりましては、この基本方針に基づきまして、さらに、過去の制度改革の成果も踏まえつつ、供給システムの更なる改革による安定供給の確保と環境への適合を図りまして、これらの下で電力供給に関する需要家選択肢の拡大を図ることを理念としているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず安定供給につきましては、次のように具体化をいたしております。
 一つは、まず川上から川下まで一貫体制にて電気の供給を行う責任ある供給体制としての一般電気事業者制度を維持をすると、こういうことにいたしております。二つ目は、また、一気に全面自由化を行うことをせずに、引き続き部分自由化の枠組みを維持することによりまして規制需要家への安定供給を確保してまいりたいと、このように思っています。三つ目は、さらに、全国の供給力を有効に活用するために、連系線の整備などによる広域的な電力流通を活性化させるための措置を講じております。四つ目としては、このほか、一般電気事業者には引き続き供給計画の提出等を求めることといたしまして、事業者の設備形成について政府が確認し、必要な場合には勧告等を行うことにしております。
 次に、環境適合については、まずCO2を排出しない原子力、水力等の電源の推進が必要なところ、これらの電源は初期投資が大きくて投資回収期間が長いために、特に小売自由化の進展下におきましては投資環境の整備が重要に相なります。このために、全国的な電力流通の円滑化でありますとか卸電力取引市場の整備などに加えまして、需要が著しく落ち込んだときに原子力発電等を優先的に給電させる優先給電指令制度の整備など、これらの電源の強みである長期にわたる安定的な運転が行われるように環境整備を行うこととしております。
 このように、今回の電気事業制度改革におきましては、エネルギー政策基本法の基本方針に基づきまして、供給システムの改革によります電力の安定供給の確保と環境への適合を図り、これらの下で電力の供給に関する需要家の選択肢の拡大を図り、電気事業の更なる効率化を促すための措置を講じるものでございます。
 御指摘がありました料金低減やコスト削減は、それが実現されることによって我が国の高コスト構造の是正や消費者利益の増大につながるものでありますので、やはり一つの目的であることには間違いありません。しかしながら、単なる料金低減やコスト削減のみではなくて、繰り返しになりますけれども、安定供給と、そして環境適合を図りながら、需要家の選択肢の拡大でありますとか電気事業の更なる効率化によりまして、最終的にはエネルギー需要者の利益の最大化が図れることが重要であると、こういうような考え方に立っているということでございます。
○藤原正司君 率直に言うと、分かりにくい部分があるわけですね。
 ですから、いろいろ需要家の選択肢を拡大するためにどんどん参入の条件を緩和し、様々な企業が参入してくるということが目的であったとしたら、結果として、そのことによって例えば市場混乱とか市場支配とかいう問題が起きて料金が上がったとしても、それは目的ではないということになれば若干おかしい問題が出てくるわけでして、結局、一番の目標は、いかに料金を抑制するかという中の方法論として論議されないと、方法論が目的になると、やっぱりどう考えても理解できない部分があるということだけ申し上げておきたいと思います。
 二つ目の問題として、三年後の見直しについてでございます。
 前回の改正のときも、三年間の実績を見た上で検討しますと、こういうことになっておったわけですが、実際は二年足らずで検討が始まると。そうすると、その実績の検討ということに関してどれだけ実績が踏まえられたのかとか、あるいは諸外国の動向というのを十分織り込むだけの余地があったのかということも懸念されるわけでありますけれども、今後、この制度においても三年後に見直しをすると、こういうことになっているわけですけれども、まず、この三年後の見直しに当たってどういう物差しで評価をしていこうとされるのか、できるだけ具体的にお聞かせ願いたい。
○副大臣(高市早苗君) これまで、二度にわたります電力制度改革の下で我が国の電気事業者は効率化努力に取り組まれまして、電気料金の引下げ、それから新規事業者の参入が見られるなど、一定の成果を上げてきていると思います。ただ、国際的に比較すると、まだ我が国の電力部門におけます高コスト構造の是正は道半ばだと考えております。
 この三年ごとの見直しということですけれども、例えばこの三年間の間に、我が国に先んじて電力制度改革を進めている欧米諸国の事例も見てまいりました。先回御紹介申し上げましたカリフォルニアにおける混乱、あのようなことも含めて、やはり海外の事例を参考としつつ検討を重ねてまいりました。
 これまでの、先ほど申し上げましたような料金が下がったとかいうようなメリットも含めて、そしてまた海外の動向も含めつつ、先ほど大臣が御答弁申し上げました今回の制度改革の目的、つまり安定供給の確保、環境への適合を図って、その下で電力供給に関する需要家の選択肢の拡大、これを図るというこの目的につきまして、その目的も含めて検討をしてきたというのがこれまでの道のりでございます。
 それで、じゃどうやって評価されていくんだと、今後。やはりそれも、今申し上げました目的がきちっと達成されているかどうかということに尽きると思います。
 以上でございます。
○藤原正司君 その目的から説き起こした指標というのはどういうものですかというのを聞いたわけで、目的といえば安定供給と需要家選択肢の拡大、これしかないわけで、それが果たされているかということについてどんな指標を持って評価されるんでしょうかということを聞いているわけです。
○政府参考人(岡本巖君) 先生お尋ねの点は大変難しい面があるんですけれども、大きな目的は、先ほど副大臣がお答え申し上げた安定供給、環境適合それから事業者の効率化ということになってくるわけでございますが、私ども、これから先の見直しに当たりまして少なくともこういった点は十分に見る必要があるというふうに、現在私感じておりますところをもってお答えに代えさしていただけたらと思うのでございますが。
 一つは、全面自由化ということが一応アジェンダにはなっておりますけれども、これに向けて、ユニバーサルサービスの議論でありますとか最終供給責任というものをどうするかというところのしっかりとした議論というのがこれから行われていく必要があろうかと思いますので、段階的な自由化範囲の拡大ということの結果、安定供給、ひいてはそれがユニバーサルサービスなり最終供給責任との関係でどういうインプリケーションを持つことになるかということについての慎重な見極めというのが一つは必要かと思っております。
 二つ目は、原子力について、バックエンドを含めて十六年末まで、できるだけ早い時期までにということで、官民の役割分担の見直しを含めて成案を得るということになっておりますが、これの制度の議論というものと、それから併せまして、電気事業者における原子力発電あるいは核燃料サイクルの事業それぞれについての取組、将来の投資の計画というものがどういうふうに推移していくということになるであろうかと。そのことが安定供給なりあるいは環境適合ということを考える場合の非常に大きな指標ということになってまいりますので、それへの影響というもの、あるいはそれがどういうふうに今後進捗することになりそうかという点も一つの大きな判断をする際の材料として考える必要があろうかと思っております。
 それから三つ目に、各需要家の選択肢の拡大ということでございますが、全国大の流通が、供給区域を超えてのいろんな電気事業者の間、あるいはPPSと既存の電気事業者の間で、需要家にとっては選択肢が拡大するという形で全国流通拡大に向けての動きというものがこれから期待されるところでございますが、そのことが実際にどういうふうに進捗をして、その結果として、既存の一般電気事業者を含めまして事業の効率化、ひいてはそのことが、料金という面で広く全国の需要家にとって裨益するような形での効率化のメリット還元というものがどう進んでいくだろうか、そういったところもこれからの検証に当たっては一つの大事な材料になってまいろうかと思います。
 必ずしも、突然のお尋ねですので、ちゃんとは整理しておりませんが、以上申し上げましたような諸点については、少なくともこれからの検証に当たりまして十分に吟味をする必要があると考えているところでございます。
○藤原正司君 突然でも、予告をさしていただいておりますし、予告のついでにできるだけ簡略にということも併せて申し上げておりますので、よろしくお願いしたい。
 私が、今言われたような問題は、例えば自由化、全面自由化の議論であるとかバックエンドの問題というのはこれからどうするかという論議であって、実績を踏まえてどうするかというものは、強いて言えば、全国大の流通が活発化しているかどうかという程度のことをおっしゃったわけです。
 私がちょっと心配しますのは、前回のときもそうですし、今回の場合も、その検討が十九年四月からスタートをすると。そうしますと、実際に五十キロまで拡大された実績は一年間だけしかないんですね。それから、全国流通の状況といいましても、例えば連系線の整備をしようとしても一年や二年でできるはずもないわけで、要は実績を踏まえて次にどう行こうかという論議ではなく、元々方向があって、そのための論議をしていくというふうにしか私は聞こえないと、普通に聞いておりまして。ですから、そういう面で、ちょっと今の制度がいいのかどうかというその検証というのをしないで行かれてしまうのではないかという懸念があるということであります。
 ですから、そういう意味でどういう指標をお持ちなんですかということをお聞きしたわけでして、どうもこれから検討の内容であって評価の尺度をお答えいただいていないというふうに思うわけでありますが、私は余り時間がありませんので、次へ行きます。
 次に、今回の電事法改正の中で、責任ある供給主体ということが言われております。そのために、一般電気事業者制度というものを存続する、すなわち発送一貫体制を持つ電力会社を責任ある供給主体ということで存置をした上で制度の見直しを行っていくと、こういうことになっているわけですけれども、この責任ある供給主体として一般電気事業者制度を存置、存続をするというその根拠という、どういう理由に基づいて残されるのか、その点についてお聞きしたい。
○副大臣(高市早苗君) 電気は、その特性といたしまして、その貯蔵が困難でございますので、瞬時瞬時に需給が均衡していないとシステム全体の機能不全をもたらすおそれがございますから、こうした電気の特性を踏まえますと、短期、長期を問わずに電気の安定供給を図るために発電設備と送電設備の一体的な整備運用が必要であるということでございます。
 それから、特にエネルギーセキュリティーの確保ですとか環境負荷軽減の観点から、その役割が期待されております原子力発電それから水力発電などの長期固定電源につきましては、初期投資が大きくて投資回収期間が長いといった特徴を有しておりますので、これらの電源を引き続き推進していくということが不可欠であるという我が国の固有の事情に照らしましたら、この長期固定電源の開発と、そこで発電する電気を送電する大容量の設備形成との一体的な実施が不可欠であるということでございます。
 一方で、送配電、導管といいましたネットワーク部門の公平性と透明性の確保というものも重要な要請でございます。このためには、ネットワーク部門と他の部門間の内部相互補助や情報漏えいなどを防止する必要がございます。ところが、これらは法律に基づく行為規制や中立機関の設立などを行えば、あえて発電設備と送電設備の一体的な整備運用が効率的に実施されるか否かについて懸念のある発送電分離などを行わずとも確保することが可能でございます。
 それから、カリフォルニアの海外事例を申し上げましたけれども、すべての電力取引をスポット市場を通じて行わせた、これがカリフォルニアの事例なんですけれども、この電気事業制度改革に当たりましては、一度制度設計を誤ってしまいますと、電気の安定供給に重大な影響を及ぼしてしまう、国民生活に大きな損害を与えてしまうということで、今回の制度改革におきましては、今申し上げましたような点を総合的に勘案いたしまして、現行どおり、発電、送電、販売を一貫して行う一般電気事業者の概念を維持するということにしたわけでございます。
○藤原正司君 今、副大臣がおっしゃったのは、電力の一つの特性ということと、それからその中でも我が国の特殊性、そういうものを踏まえたものであると。特に原子力の場合は、経営のしっかりした大きな基盤がないと、それを推進していく企業としては心もとない、だからしっかりしたものが要るんだと、こういう理解をしたわけでございまして、問題は、そういうものは今後、その時々によってごろごろ条件が変わっていくという性格のものではないんだというふうに理解をしたわけでございます。
 次に質問さしていただきますと、先ほど近藤先生も、三か年計画とのお話をされました。私の方からは、内閣府が物価安定政策会議特別部会基本問題検討会、この中で公共料金の構造の在り方について、その中でOECD勧告も踏まえた構造分離の必要性を説いているわけでございます。
 私は、これまでも、例えば規制改革会議とか、片側で電気事業審議会が進んでいる、こっちは規制改革会議がいろいろ言う、もう政府の中でも様々な論議、結論といいますか、そういうものが出されてきている。私は、電力というのは極めて特殊な財であるだけに、一般の経済原則の中で市場というものを設計しても本当にいいのかどうか、極めて技術的な検討が必要なんだということで、大臣の下で電気事業審議会であるとか分科会であるとか、極めて専門的に長期にわたって検討、論議をされてきたというふうに思っているわけであります。
 片側の方は、公共料金という中でも一からげにした中でこうだああだというふうにさばかれると。それも一つの結論。これは、我が国のエネルギーの基本政策を、あるいは基本制度を決めていく上に当たって、ちょっと不幸なことではないかというふうに思うわけですけれども、所管される大臣として、今回の制度改正とこの内閣府の、ちょっと名前が長いのでやめますが、報告書の関係についてどういうふうにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 内閣府の、長いわけですけれども、物価安定政策会議特別部会報告におきましては、電気、ガス、鉄道、それから電気通信などのボトルネックの施設等へのアクセス改善のための方策について、OECDが提示をいたしました所有権の分離あるいは会計分離などの幾つかの手法を引用しておりまして、これらの手法の各事業への適用に当たっては、それぞれの手法のメリット、デメリットなどを総合的に比較考量しまして、各事業の特質を踏まえて個別に望ましい方策を検討することが重要だ、こういうふうにされております。
 この点、電力・ガス事業制度におきましては、まず電気、ガスの供給を確実に行うためには、電気につきましては発電から送配電、小売まで、ガスにつきましてはガスの発生から導管による配給、販売までを一貫して行うことが言うまでもなく重要でございます。
 他方、小売自由化が進展をいたしまして、多数の事業者が送配電ネットワークや導管ネットワークを活用する中で、その利用の公平性でありますとか透明性の確保は不可欠でございまして、そのためには、今般の制度改革では情報遮断、内部相互補助の禁止、差別的取扱いの禁止といったネットワーク部門における行為規制を法律によって担保することによってネットワーク部門のアクセス改善の方策は確保可能と、こういうふうに考えられます。
 これらを勘案をいたしまして、構造分離によらずに行為規制によりますこととしたわけでございまして、このような考え方は、御指摘のOECD勧告でございますとか、内閣府報告とも整合的である、こういうふうに私どもは考えているところでございます。
○藤原正司君 OECD、ヨーロッパとかアメリカの場合、大変広い地域でありまして、日本のように細長い南北に連なる国ではないし、当然その地理的背景も違う。だから、OECDが言っておるから我が国がどうということにはなかなかならないというふうに思っておるわけでございます。
 そこで、今ずっと出てきておりますのは、そのネットワークの透明性、公平性の問題と片側の安定供給という問題があたかもてんびんに掛かった上で重い方に行くんだというような感じに私は受け止めれるわけですけれども、私は、参入というのは、競争の導入というのは、そのとき、その時代その時代の一つの価値であります。だから、競争がいいかどうかというのは時代によって必ずしも一様ではない。
 しかし、片側の安定供給といいますか、もっと広げて言えばエネルギーの安全保障、特に原子力の場合、担っているために今後ともやるんだとおっしゃっているわけで、このエネルギーの安全保障というのは、軍事だとかあるいは食糧と並んで国が存立していく上でのこれはもう絶対的な価値観であります。
 そういう価値観と時代的なものはてんびんに掛かるというものではない。私は、エネルギー政策基本法の中で三つの原則はありますけれども、最も大事な原則というのはやっぱり安定供給である。その安定供給、これを言い直してエネルギーの安全保障とも言うべきものと、片側のその一時、時代的な価値観とを同列に並べて、そしててんびんに掛けるという性格のものではないというふうに思うわけですけれども、ちょっと質問の言い方が変わっていると思いますが、どなたでも結構ですから。
○政府参考人(岡本巖君) 安定供給という点は、エネルギー政策基本法に照らしましても私どもも非常に大事な課題であると思いますし、そのことの重要性というのは先々とも変わらないものだと考えております。
 他方で、競争を通じた事業の効率化ということも同じように並べるかどうかという点については、これは御議論あろうかと思いますけれども、そのことを通じて我が国の高コスト構造の是正につながるという、広く国民の皆さんに裨益していただけるような効果というのも、これも大事な課題かと思います。
 私ども、安定供給というものは、先生御指摘のように非常に大事な課題、テーマであるという点は正にそのとおりかと思いますが、そのことをもって今ある事業の体制というものについていささかも変化を加えるということに必ずしもならない。安定供給というものを大きくにらみながらも、その中において効率化を促すような仕組みということも併せ考え得るのではないだろうかということで、逐次、電気あるいはガスについて制度改革というのを段階的に行い、その効果というものを検証しながら次のステップに進んでいくという形で、安定供給ということを損なうことなしにそれと両立する形で事業の効率化あるいは環境適合への取組というものを更に促していくような、そういう制度の工夫、設計というものをやっていくという余地が十分にあろうかと考えまして、逐次これまでの改革、それから今回御提案申し上げているものもそういう考え方の下に御提案させていただいているところでございます。
 重ねて申し上げますが、先生おっしゃいました安定供給ということがまず最初に来る重要な課題であるという点については御指摘のとおりかと考えております。
○藤原正司君 次に、原子力の関係につきましては近藤先生の方からいろいろお話がございまして、答弁も含めてお聞きをしたわけでございます。
 ただ、私、原子力の推進に当たって、経済的リスクというものもあるわけですけれども、政治的といいますか社会的といいますか、金と、経済的なリスクとそれ以外を完全に分離することは難しいかもしれませんが、強いて言えば、政治的、社会的リスクというものも背負うわけであります。
 これまでは、電力は地域独占、総括原価という中で様々なリスクを吸収することが可能な体制であったと。ところが、今度は競争の社会に一般電気事業者も入っていくということになりますと、そういうリスクを吸収できるかどうかと。しかし一方で、例えば原子力の場合は我が国のエネルギーセキュリティーやあるいは地球温暖化対策ということを考えてみても不可欠の大きなエネルギーの柱である。この問題と今回の電気事業法改正というものが両立し得るのかどうか、いわゆる電力会社が原子力発電を推進していくということと両立し得るのかどうかということが一番大きなポイントで、本来この電気事業法の改正と、そして原子力も両立し得るような制度というものはセット問題でなければならないというふうに思うわけです。
 アメリカの例などでもそういうことがなされているわけでして、そういう点から考えて、もう一度この点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) これも御指摘は非常に重要なことだと思っております。特に、バックエンドということが非常に重要な問題だと思っておりまして、これまで低レベル放射性廃棄物の処分につきましては、青森において着実に事業を実施をしてきております。高レベル放射性廃棄物の処分については、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づきまして、制度や実施体制を整備をしまして、必要な資金の積立てや適切な処分のための研究開発を実施をしまして、原子力発電施設の解体ですとか廃棄に必要な費用の引当金制度、こういうものを整備する、様々な措置を講じてきているところでございます。
 他方、バックエンド事業につきましては、これまで対策を講じてきたもの以外にも、事業の見通しが不確定である等の理由によりまして措置の具体化ができていないものが存在しています。そこで、新しい市場制度の下で、いわゆる小売自由化範囲が広がることによりまして、従来の取組に加えまして、原子力発電の投資環境の整備の観点から、バックエンド事業に関して更にいかなる措置が必要になってくるかについて検討を行うことにいたしました。
 したがいまして、まず制度改革の審議を先行していただきましたけれども、バックエンド事業については、事業全般にわたるコスト構造等を分析評価をしまして、官民の役割分担を整理の上、予断を持つことなく平成十六年末までに検討を行って必要な措置を講じることにしているわけでございまして、そういう意味では、やはりこの原子力という非常に国にとっての基幹的なエネルギー、そういうものを展開するに当たりましては、今御指摘のように経済原則、そういうことも、今、資源エネルギー庁長官から御答弁をしましたように、やっていかなければなりませんけれども、そういう枢要な部分については、今までは、先ほど藤原先生おっしゃったように、そのリスクというものは今までの体制では事業者が吸収すると、こういうようなこともできていたわけでありますけれども、今言いましたように、バックエンドというものを代表例として出しましたけれども、やはり予断を持つことなく必要な措置を講じていく、こういうことで私どもは担保をしていく、このことが必要だと、こういうふうに思います。
○藤原正司君 問題は、一般電気事業者のよって立つ基盤に大きな変化が出てきているということなんですよね。片側で、それを担うべき、担当していくべき原子力発電というのは、先ほども言いましたように、我が国のエネルギーセキュリティーにとって極めて重要な問題である。
 エネルギーの安全保障というのは国家の存立にとっても普遍的な価値観であるということであるならば、一つは、経済的負担の面から見ても、それは市場制度の中に組み入れられて、広く国民がセキュリティーコストとして負担するという考え方もあるんではないかということが一つ。
 もう一つは、先ほど近藤先生の質問にもありましたけれども、原子力というのは、元々エネルギー源であると同時に、排出、使用済みの燃料から出てくるプルトニウムというのは極めて軍事的な色彩を持っておりまして、民間がすべてということには元々なりづらい性格のものがある。さらに、これからは、競争していくということになると、もういつまでも電力会社があるかどうかも分からない、一般企業であれば。分からないという前提の中で、国の責任というものが単なる指導監督ということだけでいいのかどうか。例えば、今後検討されるエネルギー基本計画の中に原子力発電の国策性でありますとか、あるいはバックエンド事業にかかわる国の責任というのは例えば明確に出されることになるのかどうか。
 今までのずっと長い私、国会の論議を聞いておりますと、事業者が申請して、これを認めて、それを指導監督するという形を取っておると言われているわけですけれども、現実には取らざるを得ない制度の中で、形の上ではそういうふうになっているけれども、いつまでもそういう申請しているから認めたんだという形ではなくて、国自身がきちっとした持つべき責任の分野というものをこのバックエンドの検討の中においても今後出てくるのかどうか、もちろん基本計画もそうですけれども。その点について、この二点についてお尋ねしたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) いろいろ今後、いわゆる電力事業、これの検討の中では国の関与の仕方でございますとか、あるいは官民の負担の在り方等について議論をしていくことに相なると思います。
 国としては、御指摘のように、原子力を推進するという基本はしっかりと持っていなければならないわけでありまして、同時に、国民の皆様方の理解を得ながら進めていくこと、これが大変私どもは重要だと思っています。
 具体的には、バックエンド事業全般にわたる例えばコストの構造あるいは原子力発電全体の収益性などをやっぱり分析して、そして評価をして、そしてバックエンド事業のコスト負担が果たして事業者に耐え得るものかどうか、あるいは仮に耐えないことが判明した場合には、それが国民の皆さんに御負担をいただくべきものなのかどうか、予断を持たずに、こういうことについては私どもは透明性を持って十分にこれから議論を行って良い結論を得ていかなければならない、こういうことでございまして、私どもとしては確かにそれは重要な御指摘でございます。ですから、そういう面では私どもとしてもこの件はやはりしっかりと国の関与の在り方、そういうものについてもしっかりと議論を興して結論を得ていくべきものだと、このように思います。
○藤原正司君 予断を持たないというのは、まあ聞きようによっては、国としてきちっとした責任を持ってというものがないというふうにも聞こえる。ですから、国策として原子力政策を進めていくということを、そうすると、その国策として我が国のエネルギーの安全保障のためにきちっと原子力を進めていくと、これは国民の利益なんだ、エネルギーの安全保障というのは国民の利益なんだ、安定供給のための国民の利益なんだと。そうすると、それを維持するために広く国民が必要なコストを負担するという考え方は国の方からきちっと出て当たり前の問題ではないかというふうに一つある。一民間企業というのはコストに限界がある。将来どうなるか分からない、コストがどうなるか分からないという中では事業に踏み出せないわけですよね。だから、一定の限界があって、限界内においてちゃんと経営が成り立つのかどうか。
 だから、今までの一般電気事業者のバックグラウンドとは変化が起きているわけですから、その変化に対してきちっと国としても、今後とも原子力やるというんであれば、その立場に立ってどうあるべきかということを言ってもらわないと、何か予断を持たないでと。何か自由化に伴って一般電気事業者が経営が厳しくなったらちょっとぐらい助けたろかと、そういう論理のものではないんではないかというふうに思うわけですけれども、この点について、ちょっとあらかじめ質問予告していませんけれども。
○政府参考人(岡本巖君) 私ども、この点については、先ほど大臣が御答弁申し上げた線で、文字どおり今具体的な中身というのをこれから準備をいたしているところでございますが、今、先ほど大臣が御答弁されました予断を持たずというところの実は意味は重いものがあろうかと思います。
 先生御案内のように、今の原子力長計の下では、使用済燃料の処理というものは、これは事業者の負担においてやっていくということになっておりまして、他方で、先ほど来先生御指摘のように、自由化範囲が段階的に拡大をして総括原価で費用回収できる部分というのが段階的に狭まっていく、そういう中にあって、事業者の方々が、特に将来発生するリスクということについて大変不安視をしていて、そのことが原子力の推進の一つのブレーキになるやもしれずという、その点を私どもも懸念を共有をし、それがゆえに、今度の分科会の取りまとめに当たって、十六年末までということで期限を区切り、かつバックエンドを中心にしてということで、検討対象のアジェンダを明確に設定した上で、先ほどの大臣の御答弁にありましたように、予断を持たずにこの点について官民の役割分担というものを真摯に議論していくということで、この法案提出に当たってはその方針というものを明確にさせていただいたところでございます。
 そこから更に踏み込んで、例えば国策だからということで、よく事業者の方々もおっしゃるんですけれども、国策としてやるということで事業者の方がおっしゃる場合には、したがってすべて国が面倒見ろという、そういうところにすぐ行ってしまいがちなんですけれども、これまた先ほど大臣の御答弁にありましたように、どういう費用がどれぐらい、どうして発生するかと、その費用というのは事業者の負担に耐えられるものなのかどうか、広く薄く国民の皆さんに御負担していただくに適しているものなのか、やむを得ないものなのかどうなのか、そういった点について、具体的な材料というのを整理をした上で透明な場で御議論をいただいてその方向というのを得るのが、私どもこれから追求すべきアプローチの方向かと考えておりますので、そういう意味において、先ほど大臣の御答弁にございましたように、場としてそういう場で透明な形で議論をしていきますし、それから、あらかじめ予断を持たないで真摯に議論に臨んでいくということで、この問題、非常に先生先ほど来御指摘のように大事な問題であるがゆえに、私どもも正にそういった形で広く国民の皆さんに御理解いただけるような成案が得られるべく、早急に、かつ真摯にこの点についての検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○藤原正司君 今の答弁で、今までの考え方とか原則にこだわらないということ、それから透明性の問題は極めて大事な問題だと思います。これは、ともすれば原子力の場合、特にバックエンドの問題について、不確かなまま、あるいは国民の前に情報が十分開示されないまま来た嫌いがありますし、今後、根本的に官民の負担をどのようにしていくのか、その中で国民の皆さんはどういう負担をお願いするのかというときには、徹底した、公開といいますか、透明論議というのは極めて大事なものだというふうに思うわけであります。
 次に、振替供給料金、いわゆるパンケーキ問題の解消についてちょっとお尋ねしたいんですが、電力会社の供給エリアを超えて電気を送る場合に、現在、振替供給料金、三十銭程度のお金が掛かる、これを廃止するということであります。この考え方の基本についてお尋ねをしたい。できるだけ簡単にお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回、振替供給料金を廃止することにいたしましたのは、電気の安定供給を確保する観点から、広域的な電力取引を円滑化しまして全国の発電所の供給力を有効活用することが重要だと判断をしたことによるものでございます。振替供給料金の廃止は、原子力発電等が強みを発揮し得る長期安定運転を確保するための環境整備に資するものだと、こういうふうに思っております。この廃止は、電気の安定供給を効率的に達成することを目的とした措置でありますが、この結果、全国大での事業者間競争も促進されると、このように考えております。
○藤原正司君 一般的にはよく分かるんですけれども、変な話ですけれども、電線って余り電気流れない方がいいんですよね。電気流すために電線があるのに何で電線に電気流れない方がいいかと。電力というのは、結局発生したところと消費するところが一番近くていい。極端な話、自家発電、自分の工場の中で発電して消費すれば、これは一番ロスが少ない。これがどんどん離れていけばいくほど送電ロスが出てくる、あるいは送電線建設費用が出てくる。
 ですから、我が国のように、北海道から、沖縄はちょっと別にしまして、九州まで、縦長の中で何か全国的なネットワークの中を電力が縦横無尽に流れているというようなのが非常に活性化した状況だというふうにイメージを持つと、それはちょっと違うんではないかと。できるだけ消費と需要、生産と消費というものが近接している方ができるだけそれは安いと。その意味では、連系線問題というのは、これはまあ緊急のときだとか、あるいはロスがあってもなおそれは十分経済的にペイできるという状況に限ってあるというふうに思うわけですけれども、これちょっと話は横におきまして。
 では問題は、今までは電力会社のエリアを超えるたびに支払っておったその振替供給料金について、これは今までは受益者が払っていたと。今度は、そのお客さんがいる、例えば中部電力から東京電力に電気を送った場合には、東京電力のそのお客さんじゃなくてすべての東京電力のお客さんが負担する、電気を買った例えば何とかデパートが払うんじゃなくて、すべてのお客さんが負担をすると、こういう考え方が出されているわけですけれども、これは考え方として一体どういうことなんでしょうか。受益のない人にとって、何でおれが料金払わないかぬのと、こういう問題になりはしないか。この点について。
○政府参考人(岡本巖君) 振替料金を廃止をすることに伴いまして、その部分の投資回収というものは、先生御指摘のように、送り先の需要家の方々に系統利用料金という形で薄く広く負担していただいて、従前振替料金収入があった事業者には電力会社間精算という形で戻すという形を考えているところでございますが、需要家の皆さん、送り先の需要家の皆さんにとって、まず負担という点は非常に薄いものにとどまろうかと思っております。
 今、電力会社の間で振替供給ということが行われているのが、料金支払を伴いながら行われる四百億キロワットアワーということは相当大きいものですが、今PPSの方々の供給区域をまたぐいわゆる振替料金を払っているものは一億キロワットアワーにも届かないという、そういう実態にあるわけですが、仮にそれが百億になったとした場合に、キロワットアワー当たりに直しますと一銭には届かないという、その程度の非常に薄い、薄く広くの負担増にとどまろうかと思います。
 他方で、こういった形での広域流通というものが拡大することによって、これは規制需要家の方々を含めて、その効率化のメリットというのは広く皆さんに享受していただけるものが期待できますので、そういう趣旨において、私ども今回、振替料金は廃止をするということにさせていただいたところでございます。
○藤原正司君 ポステージカードのように、九州から北海道へ郵便物を送ろうと、あるいは九州の中で動こうと料金は一緒だという方が、その移動は容易なのかもしれません。しかし、それは、一つの企業体の中でやられていることですから、トータル的に収支が均衡すればいいと。
 しかし、それぞれが別々の場合に、先ほど言いました受益者負担の問題と、それとその設備を設置してそして運営管理しているところの回収の問題と、そしてだれが負担するのかと、ここら様々な問題があるわけでございます。しかも、遠くても近くても料金一緒だということになると、遠いところに造ろうとする。それを阻害するために、それをやめさせるために遠隔地立地を抑制するような料金制度を設けますと。
 こういうことをやっていきますと、それが、元々現在のパンケーキ方式とどこが違うのと。パンケーキ方式は、必然的にエリアをくくることによって遠隔立地を抑制する効果を持つと。しかも、その振替料金というのは、そこの事業者が設置した設備の、設備費用の回収から維持管理費の回収も妥当に行える。しかも、この料金というのは、規制のお客様も非規制のお客様も基本的にこのコストは均等に負担している。こういうことを考えると、なぜパンケーキを廃止するのか、あるいは廃止するために廃止するような感じがして、それは供給エリア内でPPSの方が電源を用意されれば別に問題はないし、それほどなぜ遠くにしなければならぬのかという必然性が我が国の国情の中で妥当なのかどうかという、よく分からないわけでございますけれども、これについても今後評価をされるということになっておりまして、この評価のポイントについて簡単にいただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 評価に当たりまして、今、先生御指摘のように、私ども、これによりまして、一つは、連系線を含めまして、送配電の連系線を中心とした投資回収というのが間違いなくできるかどうかという点が一つでございます。それからもう一つは、先ほど私が申しました電力会社の供給区域を超えた流通拡大ということによる効率化のメリットというものが、どういうふうに具体化し消費者の方々に目に見える形で享受していただけるに至っているかどうか。それからもう一つは、三つ目に、今、先生御指摘の遠隔地送電を抑制するということも審議会の答申でも一つの眼目として位置付けられておりますので、その点における進捗の状況、以上三点を今後の評価に当たって見ていきたいと考えております。
○藤原正司君 そこで、広域連系といいますか、全国レベルでのネットワーク、これを利用した流通というものを促進していくというお考えであるわけでありますけれども、今回、関東圏において需給の逼迫問題が出たために、よその電力会社との供給、連系の容量の問題とか、あるいは周波数が違うところでの周波数変換所の容量の問題だとか、様々な論議が出ているわけでありますが、先ほど申し上げましたように、できるだけ連系線というのは、長距離の送電線というのは電気が流れない方がいいというのが一つ。もう一つは、送電線建設が極めて高いと。よその電力会社との連系、二、三千億ぐらい一本要る、さらに周波数変換所ということになりますと数千億のレベル、これだけの高いコストを掛けてやるということの問題と、できるだけ電源立地を近くに持っていくということとの、どちらが本当に得なのかという精査を十分やらなければならない。
 今度、送電線の建設計画といいますか、ルール作りについては、中立系の組織が、中立組織がお作りになるということになっているわけですけれども、こういう要素が十分入ってくるのかということが一つ。もう一つは、このルール作りというのはあくまでもルール作りであって、設備の設置は一般電気事業者の判断に基づくものであるということでいいのかどうか、この点についてお尋ねしたい。
○副大臣(高市早苗君) 先生がおっしゃるとおり、やはり一般論としては需要地に近いところ、近接を基本とした電源開発を行うという方が送電ロスの低減など、効率的な供給を行うことを可能にいたします。
 しかし、電源の立地場所につきましては、先生がとても御存じだと思うんですが、地域の事情ですとか、それから燃料調達ですね、港に近いですとか、そういった燃料調達の可能性など総合的に考慮して、需要地から離れた遠隔地に立地せざるを得ないというようなケースも出てきます。このようなときに、どうしても需要地に電気を届けるための連系線の整備というものが必要になってきますし、既にもう遠隔地にある電源を全国で有効に活用するために連系線の整備が必要なんだと考えております。
 そして、この中立機関において、費用対効果にも十分留意しながら円滑に連系線が整備されますように、ルール策定等を通じてその環境整備に努めるわけですけれども、この中立機関では、連系線整備も含めた設備形成に係るルールを策定いたします。ルールに基づく詳細な設備形成に係る計画策定やその実施については、各事業者が個別に行うということになります。政府は、毎年度各事業者からのこの供給計画の届出を受けまして、その妥当性を審査するということになります。
○藤原正司君 私は、この連系線というものの充実を否定するものではありません。ただし、ヨーロッパやアメリカのように、何といいますか、丸いといいますか四角いといいますか、かなり面積が偏っていないといいますか、どういう表現すれば、日本のように北から南まで細長い線と対照的な地形。持っているところはネットワークを整備して、そのネットワークの中を電力が需要に流れるというのは当たり前のことです。ところが、日本のように一番北から南まで細長いところで、ところどころブロック別に大きな消費地といいますか、経済的に発展した地域がある、これをつないでいるような日本の場合に、ヨーロッパやアメリカのような広域連系といいますと、同じようなイメージで物を考えることが、本当にこれはエネルギー的に効率的に見ても、経済的、効率的に見てもいいのかどうかということは冷静に判断しておく必要があると思います。そのことを申し上げたいと思います。
 ちょっと時間がないんですが、一つは、この自由化の範囲についてひとつお尋ねしておきたいんですが、十九年以降、更に自由化を拡大するかどうかについては、この審議会の答申では小売全面自由化を最終目標としつつという中で、様々な検討の視点というもの、それは供給信頼度、エネルギーセキュリティー、環境保全、最終保障、ユニバーサルサービス、様々な点を十分検証しながらやっていくと、その是非を検討していくということになっているわけですけれども、仮に全面自由化をやっていった場合に、最終保障あるいはユニバーサルサービスという概念というのは一体どうなっていくのか、あるいは今電力会社が持っている地域という、責任ある供給主体という考え方、地域における責任ある供給主体という概念はなくなってしまうのか、この点について簡単に。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 一つは、今回の制度改革においては、全国の供給力を有効に活用し得るように広域流通の活性化を図ることとしておりまして、なお小売分野におきましては部分自由化を前提としております。その下で、係る一般電気事業者に供給区域内の規制需要に対する供給義務と自由化対象需要に対する最終保障義務を担っていただくことになっております。供給区域の概念や意義は、引き続き責任ある供給主体である一般電気事業者の実際に供給責任を担う範囲を明確にするものとして何ら変わりないと、このように私どもは思っております。
 また、電気は国民生活に必要不可欠な財でございまして、その安定的かつ低廉な供給を実現することが電気事業制度の基本であることは申すまでもありません。特に、家庭を含む小口需要家への小売の自由化については、今回の制度改革によりまして需要家の実質的な選択肢が十分に確保されているかどうかを踏まえて慎重に検討を行うこととしております。
 その際には、供給信頼度をどのように確保するのか、またエネルギーセキュリティーや環境保全等の課題との両立をどのように図るか、また最終保障の在り方や離島等におけるユニバーサルサービスの確保、さらには計量器といった実務的な課題についても十分な検討が必要と考えております。
 このように、まず需要家にとっての実質的な選択肢が十分に確保されない限り、自由化範囲を拡大することは私どもは適当でないと、このように考えております。また、仮に全面自由化を行う際にも、最終保障やあるいはユニバーサルサービスの確保などの需要家保護の要請は決してなくなることはないと思います。むしろ、これらの要請に的確にこたえられるように、事業者が供給責任を全うする適切な仕組みについて十分に検討することが必要だと、このように思います。
○藤原正司君 また、結局は、参考人の荻野アンナさんもおっしゃっていましたように、一般の人は自由化というのは何にも知らない、知らないというのはいいことなんだとおっしゃった。これは大変私は含蓄のある言葉ではないかというふうに思っております。
 最後に、私は電力の職場におった人間でありますけれども、よく供給責任というお話が出るわけでございます。確かに電気事業法の十八条に、正当な理由なく電気の供給を拒むことはできない、こういうもの、それらしきものはあるわけですけれども、それ以外に供給責任というようなものはないんですね。しかし、この条文が本当に我が国の電力の供給を支えているのかといいますと、私はそうではないと思います。
 私は、阪神・淡路大震災のときに関西電力労働組合の役員をしておりましたし、家も神戸に住まいをいたしておりました。あの阪神、激烈な地震によってあらゆるライフラインは寸断をされ、当然電力系統も未曾有の被害を受けたわけでございます。組合員の中には、家族が不幸に見舞われ、あるいは自宅が倒壊し、こんな中で家族やら家のことも顧みずに、あるいはまたいつ崩れるか分からない社屋の中で復旧作業に、ほとんどもう簡単な仮眠しか取らないという中で不眠不休の復旧をやってきたわけでございまして、そのことによって奇跡的に一週間で応急復旧を完了したわけでございます。
 これらを支えてきたのは、決して電事法の十八条ではありません。それは現場に働く人の仕事に対する誇りであり、社会あるいはお客さんに対する使命感というものでございます。その本になっているのは何かといえば、供給エリアの概念であります。自分の地域の電気は守る、こういう地域エリアの概念あるいは発送一貫体制であります。発電所で働こうと変電所で働こうと用地交渉しておろうと、自分の作った電気が、自分のかかわった電気の一番先にはお客さんがいると。自分のところのお客さんがいるという感覚が、私はこの二つの使命感であり働きがいというものをもたらしたというふうに思っております。
 エネルギーにとりまして最大の公益は安定供給でございます。制度設計というのは様々な問題ありますけれども、是非、この思いを今後の検討に当たって生かしていただきたいと思います。
 長くなりまして、申し訳ございません。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 東京電力の原子力発電所における点検あるいは検査等の一連の不正問題に端を発生いたしまして、今回関東圏におきましては、この夏、まさかないとは思いますけれども、停電というそうした心配も起こってきているわけでございます。
 先週の六日には、平沼大臣自ら新潟県の柏崎市に赴かれまして、そして皆様に陳謝とともに原子力発電所の再開の理解を求めてこられました。この御努力に対しまして、私も深く敬意を表するところでございます。柏崎の七号機、あるいは福島の六号機は近々再開されるものと私自身も期待をしているところでございます。
 ところで、私は今日はこういったものを持ってまいりまして、これは寒暖計でございます。ちなみに今この委員会の部屋は二十四度でございます、ちなみに。
 何でこれを持ってきたかと申しますと、私とお隣の西山先生、女性二人、今日は副大臣にもいらしていただいていますけれども、今日は外が寒い、寒いといいましょうか二十二度でございまして、余り暑くないんです。ちょうどいいというか少し涼しいぐらいに感じます。そうしますと、委員会の部屋はそんなに寒くないんです。外が非常に暑いですと、二十六とか七度とか八度になりますと、がんがんに冷えるんです。今日は、ですから実は二十四度で、私どもはそれほどふだんの委員会の部屋にしますと寒くないんです。これが二十四度。ふだんは、ですから私どもは寒い寒いと何回もいつも申し訳ないぐらい二人で順番に訴えに行くんですけれども、全館が一緒になっているそうで、ですから、ふだんは多分二十度ぐらいだと思います。今日は残念ながら、外が暑ければふだんぐらいに利かせるんですけれども、たまたま今日は外がこれから曇り、雨ということで利かせていないんですけれども、二十四度なんですね。この現実をまずお分かりいただきたいと。
 ですから、ふだんは実はこれは二十度近くになっております。でも、これはある意味では致し方ない。なぜならば、男性の先生方は皆さん背広にネクタイ、これは拷問ですよ、真夏は。やっぱり日本の気候に合わないんですね。それで、私は、もちろん知っておりますよ、参議院先例録では、「議員は、議場においては必ず上衣を着用する」、つまり上着を着ていなさいというふうになっているんですね。別に法律で決まっているわけじゃないんですけれども、先例録にそういうふうに記載されていますので、ですから、これは皆さん暑くても上着も脱げないし、ネクタイも取れない。
 しかし、今回まさかということが起きて、しかも経済産業省は率先をして二十八度、官庁含めて二十八度にいたしましょうというキャンペーン大々的に張っているんですね。それで、そんなことを言いながら、この部屋ではふだん二十度ちょっとですよ、ほとんどこの委員会。今日は二十四度、今日はいいんです、ちょうど。でも、二十四度。
 ですから、私はやっぱりこういう緊急事態におきましては、本来ならば経済産業委員会だけは率先してと言いたいんですけれども、全館一緒だということで。こういう緊急事態におきましては、最初はしようがない、着ていらしても、あるいはネクタイ締めていらしても、緊急事態においては、委員会の上着を脱ぎましょうとか、あるいはそのときによってはネクタイも外しましょうとかということを大臣に提案していただいて、少し二十四度よりも、二十八度とは言いませんけれども、皆様方が苦しくない程度に少し上げるというふうにすれば、大分私は変わってくるんじゃないかというふうに思うんですね、やっぱり省エネということに対しまして。やはり、まず国が率先して節電、省エネ対策を実践して、国民に範を示していくということが極めて重要であるというふうに考えますけれども、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変重要な御指摘だったと思っております。
 衆議院の経済産業委員会では、先週やっぱり暑い日がありまして、皆さん方は上着を、委員長率先して上着を脱いで審議をさせていただいた、そういう実績がございます。そのときも同様の御意見がありまして、いっそのことネクタイなんというのもやめたらどうだと。ただこれは、かつてそういうことがありまして、ネクタイ業者の方が非常に困られたという実績もあるわけでありまして、そこはやっぱりいろいろな業界がありますから、そこはいろいろ配慮しなきゃいかぬと思いますが、今の御指摘というのは非常に大切でございまして、私としても、今経済産業省の中に関東圏電力需給対策本部作りまして、本部長として率先してやらせていただいています。
 そういう意味では、国会も御協力をいただくということは非常に大切なことだと思っておりまして、私も所管の大臣として国会の方にお願いをする、こういうことはさせていただければと、こういうふうに思っております。
○松あきら君 ありがとうございます。
 やはり経済産業省ともなりますと、ネクタイということにも配慮しなきゃいけない、やはり大変でいらっしゃるなと思いました。
 衆議院と参議院は違うのかなということで、多分冷房の入れ方、冷暖房の入れ方も違うのかなという思いですけれども、参議院は非常に寒い。暖房完備で私ども女性議員は来ているということを是非お分かりいただきたいと思います。
 電力不足のおそれに対しましては、製造業等の一部企業におきましては、稼働日数、例えば休日を増やしましょうとか、あるいは夜間にずらしたり、首都圏以外にも生産をシフトするなど、万一に備えた対策を検討している企業も少なくないというふうに聞いております。またこのほかに、例えばレインボーブリッジの夜のライトアップの時間を少し短くする、あるいはデパートの外壁の夜の照明をちょっと早く消灯するとか、電力消費のピーク以外の夜間のそうした節電、省エネも実施されている。
 一つ、私このあれを見ましたら、京王線の調布駅近くの、調布駅、市役所から歩いて一分のところ、街路灯が二年間昼間もついたまんま。これ、市民の方が見かねて東電の出張所へ連絡すると、市役所へ電話してほしいと言われた、まだ掛けてないんだけれどもということ。まあ、一番悪いのは近所に住んでいる無神経な住人じゃないか、あるいは長時間点検しない市の担当課じゃないか、あるいは節電アピールをしているのに大変な無駄遣いと市の広報などでも協力を呼び掛けるべきだと、最近こういう投書なども多いんですけれども、やはり、多分日本全国そうした、ここだけではない、つけっ放しという、昼間もつけっ放しの街路灯などもきっとほかにもあるんではないかななんというふうに思っております。
 さきの参考人質疑、とてもすばらしい参考人質疑でございました。藤原先生もお話を出ましたけれども、私も、特に慶応大学の荻野先生は、荻野アンナ先生ですけれども、消費者代表ということでいらっしゃいまして、もうお聞かせしたいというぐらい、もうすばらしかったんですね。本当にみんなおなかを抱えて笑いながら、皆様を楽しませながらいろんなお話をしていただいた。
 外国にも随分出掛けていらして、いろいろなところのお勉強もなさっていらっしゃるということで、やはり今回の電力不足、これはテレビでもちろん東電はキャンペーンしておりますけれども、あなたに言われたくないよと思うと言うんですね。あなたが原因でこれなったんじゃない、何で東電に私たち言われなきゃならないのって。一つは、実はあなたには言われたくないという思いはあるんだけれども、しかし、まあ無駄なエネルギーを使わない、少しスローデーというものも、日本の中でそうしたことを、今回を契機に少しそうした省エネ型というんでしょうか、スローデーということも見直して、あんまり急いでどこ行くのということじゃない日本にしてもいいんじゃないかなんという御提案もいただきました。
 しかし、夏場の昼間の電力消費のピークに需要の平準化をいかに図っていくか、これ課題なんですけれども、意外と多くの国民に理解をされていないんじゃないかというふうにも言っていらっしゃいました。やはり、今回危機的な状況にあるとすれば、やはりこの節電の効果を行うためにも、それを消費者、需要者にきめ細かく情報提供していくこと、これが必要なのではないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 節電につきましては、本当にいろいろな形で取組をしなければならないと思っております。
 まず、当省自身が率先行動といたしましては、エレベーターの一部停止でございますとか昼休みの一斉消灯、節電を実施しておりまして、これは他省庁にもこれ広げてやらせていただいております。また、当省の所管だけではなくて、広く産業界、これは既に二千五百社に要請をさせていただきました。また、関係団体の節電の要請も行っております。
 それから、関東圏の都県に対しましても、直接出向いた上で、庁舎での、今、調布の例を言われましたけれども、節電でございますとか自治体の広報誌などを通じた節電の呼び掛けも要望しております。
 そういう中で、国民にやはり積極的に提供をするという形で我々としてはテレビの媒体等を通じましてやっておりますし、また節電隊というのを組織いたしまして、既に一万三千五百件のオフィス、こういうこともやらせていただいておりまして、その必要性は十分認識しておりますので、これからも徹底的にやらせていただきたいと、こういうふうに思っております。
○松あきら君 ちょっと質問が前後いたしますけれども、やはりその荻野参考人、先生から、我が国では原子力産業と消費者との、十番です、番号で言えば、仲介役が必要という御意見もいただいたんですね。やはり、電気はもちろん安ければ有り難いけれども、それもあるけれどもやっぱり安定供給を望みますと、スイッチを入れたら電気がつく、テレビが入るというのも当たり前だというふうに思っている。しかし、ただ安ければいいというわけではないわけで、そうした安全供給を確保した上で自由化というものを考えていただきたいというふうにおっしゃっておりました。
 私はもういろいろお話を伺っていて、フランスでは例えば教育に原子力のこともしっかりと教育をしていると。子供たちの副読本、高校生の副読本には、フランスではこの、これがあるそうです。やはりある程度小さいときからそうしたエネルギーに対する、あるいは原子力等に対する教育というものも必要なんではないかと。
 その上二点、私は言いたいことがあるとおっしゃいました。これはシステムの整備、省庁間の役割分担をきちんとする。そしてまた二つ目には地域連絡委員会、これも作っていただきたいという、非常にまあ、そのお話しているともう時間が終わっちゃうんであれなんですけれども、エネルギーはただ作ればいいというのではありませんよということでは非常にいいお話をいただきました。
 やはり私は、もちろんその原子力産業と消費者の仲介役、これも必要。ですけれども、立地地域の皆様と消費者の相互理解、これがやっぱり非常に重要になってくるんじゃないかなと思うんですね。こうした点につきまして国及び事業者、一層の努力をしていただきたいというふうに思いますけれども、これに対しましていかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) そのとおり大変大切なことだと思っております。立地地域と消費地域との相互理解、これは私どもも非常に重要だと思って認識しておりまして、相互理解を進める上でまず必要なのは、電力消費地域における電力や原子力についての認識だと思っております。
 今般の自主点検の記録の不正問題をきっかけとしたことは大変残念なことでございますけれども、首都圏を中心に福島や新潟のこと、あるいは原子力発電のことについて意識をし、考える人が増える契機にはなったと私どもは思っています。オイルショックが過去のものとなりまして、日ごろ電力のことについて学び考える機会が少ない環境を放置させたままでは、相互理解がはぐくんでいくことはできないと思っております。
 そこで、私自身も実は昨年、これ二月でございます、本年も三月、東京と大阪という大消費地で開催をした「エネルギー・にっぽん国民会議」、ここに生産地及び消費地の知事とともに参画をしまして、そして国民の皆さん方の意識を喚起する、そのような努力をしてきたところでございます。
 また、エネルギーや原子力教育の推進も相互理解の基礎として重要でございまして、文部科学省の御協力をいただきながら、例えば副読本、これはもう既にあるわけでございまして、更に徹底するように支援をしていきたいと、こういうふうに思っておりまして、やはり御指摘の点、重要なものですから、しっかりとやらせていただきたいと思っております。
○松あきら君 副読本というのは私も忘れておりまして、政務官させていただいたときにはたしかあったなと、今思い出したんですけれども、あのときは皆さん先生方、え、そんなのあるの、いいことだねと皆さん思ったわけでございまして、やはりこれも徹底していくということが大事であるというふうに思います。
 実は、今日は質問はたくさんあるんですけれども、一時から再開ということでなるべく十二時近くまでで終わった方がいいという皆さんの御希望だそうで、やはりこれは、私も拍手されちゃいましたけれども、一杯あるんですが、何からやろうかなと。
 東京電力と中部電力の間の周波数変換設備、これは長野県朝日村周波数変換施設、これはもちろん六十ヘルツ交流電流が五十ヘルツ、これが三十万キロワット。そのほかにも佐久間にあります合わせて九十万キロワットしかないんですね。しかし、ここで現在更に約三十万キロワットの変換能力を持つ東清水変電所が稼働予定とされていると聞いています。この東清水変電所につきましては送電線の建設がまだ完成してないということで、その建設状況とその建設の効果についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 先生御指摘のとおり、現在三十万キロワットの周波数変換装置及び関連の送電線の建設をしているところでございます。中部電力から本年三月末に届出がありました供給計画によりますれば、平成十六年九月からの共用開始予定ということになっております。
 しかしながら、送電線の建設につきましては、その建設予定地周辺の住民の方々の反対というのを背景に、現在まで二回にわたって建設ルートの変更を余儀なくされるというふうなことで、計画が順次繰り延べられてきておるところでございます。早期計画達成に向けて鋭意努力しているものと認識しておりますけれども、現状なお反対があるというふうな状況でございます。
 こういう周波数変換装置の建設は、その東西の電力融通の拡大にとっては必要不可欠なものでございますし、効率的な電力供給の拡大に寄与するものである。また、今般のような電力応援融通が必要となる場合にも大変寄与するものであるというふうなことでございますので、事業者の着実な取組というのを促してまいりたいと、こういうふうに思っている次第でございます。
○松あきら君 その御地元の反対等々で遅れているということは、私ども消費者にとりましては残念ですけれども、しかしある意味では致し方ないようなところもあります。しかし、これもこれもすべては、富士川からこちら東京は五十ヘルツ、そこから西は六十ヘルツという、こういうことでやはり富士川を挟んでこういうふうに周波数が異なっている。くしだんごのようにブロック化されちゃって、本当にこれは、それぞれが明治時代ですね、明治時代にそれぞれ導入した発電機の違いに由来されているそうでございます。
 これは質問じゃないんです。けれども、分かっているんです、私も。一緒にした方がいいに決まっているんですよ。だって、自由化ということになれば、やはり広域、先ほども何回も大臣もおっしゃっていらっしゃるように、そしてこんなに狭い日本でちょん切れちゃっているというのはどういうことなのということで、できれば変換などしなくても一つになれば一番いいと。でも、ちょっとこういう報道にも書いてありますように、難しい統一だと。これ全部やろうと思うと、まあこれ本当かうそか知りません、数十兆円掛かるんじゃないかというような話もありまして、科学、技術がいかに進んでもそんなになってしまうのかなという思いで一杯です。できれば、こうしたやはり電力の広域流通の円滑化のために、全国的な競争環境の整備の前提条件にもなるという、できれば周波数の統一というのができればいいなと、これは希望でございまして、これは伺っても恐らく無理だということを思っておりますので、ちょっとこれは伺いません。そういう思いがみんな国民の間にはあるということは申し上げておきたいなというふうに思います。
 じゃ、次は電源開発の民営化まで飛びます。
 政府といたしましては、電源開発株式会社を民営化することの目的あるいはそのメリットについてどのように考えていらっしゃるのかなと。この点、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会報告では「卸電力市場など制度改革による新たな仕組みのなかで重要な役割を果たすことが期待される」とされておりますけれども、産業政策という観点から、経済産業省としては今後の電源開発株式会社に対しましてどのような役割を期待していらっしゃるのか、これ短く御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 電源開発につきましては、民営化をして効率的な企業運営を期待をするということでございますけれども、基本的には更なる効率化を図りながら創意工夫を発揮して事業を展開していくことを期待しておるわけでございます。
 同社の役割といたしましては、現在千六百万キロワットに及ぶ発電設備というのを有しておるわけでございまして、こうした設備を活用した卸電力供給ですとか、あるいは広域的な電気流通に不可欠な連系線等の設置、管理をやっておるわけでございます。こうした分野で引き続き安定的、効率的な供給に寄与をしていってもらいたいと。それから、今般の改正で出てまいります卸電力取引市場への供給主体としても重要な役割というのを期待をしたいと考えているところでございます。
○松あきら君 今回、電源開発株式会社につきましては、平成九年の閣議決定では九電力による保有株式の売却等の措置を講ずるとされております。現在、九電力会社が保有している株式はすべて放出されることになるんでしょうか。この点では経営の独自性確保の観点から、九電力との資本関係は今後の競争の中で新規成長の障害となるという見方もあるようです。これについてはいかがでございましょうか。
○副大臣(高市早苗君) 確かに、九電力の保有株式、これはもう売却していただくということで閣議決定されております。これは特に電源開発の経営の自立性を確保するために、今もう三三%、九電力が出資比率を持っておりますので、これは売却していただくということでございます。
○松あきら君 ぽんぽんと参りますけれども、次に原子力発電所の立地に対する新たな課税としまして、使用済核燃料税の導入に関してお伺いしたいと思います。
 原子力発電所立地自治体の新たな財源確保策として使用済核燃料税を創設しようという動きがあります。新潟県の柏崎市では本年十月から、また鹿児島の川内市では来年度からの導入を目指しているとされておりますけれども、この新税導入についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 一般論として申し上げますれば、原子力関連施設に対して安易に課税するということは避けるべきものと私ども考えております。特に、地方自治体が使用済核燃料に対して課税する場合には、納税者が事実上一社に限定されることとなり、徴税者は納税者に対して財政事情を始め課税の必要性について十分な説明を行い、納税者の理解と合意を得ることが必要だと考えております。
 現在、使用済核燃料に対する課税を検討中の自治体におかれましても、今申し上げました点を十分認識していただきつつ、検討を進められているものと理解しておりまして、当省としても引き続きその動向を見守ってまいりたいと考えております。
○松あきら君 今、動かないような状況の中で、これを考えているというのも心情的には私分かる気がするんですね。やはり、その川内市の使用済核燃料税導入に対しては、例えば九州電力も同意をしているというふうに伺っております。もちろん、その立地、この原子力推進につきましてはその立地地域の方々の理解と協力が不可欠でございます。やはりこうした中でこの問題が出てきたのかなというふうに思います。
 他方で、今回の改正案と併せまして、電力自由化の下で原子力発電の投資環境を整備するという観点から、そのバックエンド事業について経済的措置等の在り方を平成十六年度末までに検討するとの考えが示されております。
 これらによりまして、原子力発電に係るコストは全体として大きく上昇するのではないかというふうに言う方もおります。これも御見解をお願いいたしたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 先ほど来の御議論にありましたように、バックエンドを中心に官民の費用負担を含めまして今後議論をしていくということで、十六年末までのできるだけ早い時期に成案を得るべく精力的に検討をお願いしたいと思っております。
 その場合に、原子力発電全体の収益性とかコスト構造というのを私ども見ていくことになりますけれども、今、先生御指摘のように、大きく原子力発電のそのコストを押し上げるというような、そういうことには必ずしも至らない、そういう中でこれからの事業をしっかりやっていくという可能性を最大限探っていくということにいたしたいと考えております。
○松あきら君 その点、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、いろいろあるんですけれども、最後にいたします。
 やはり参考人で新日鉄の千速会長に来ていただきました。あちらの会社では電気の小売事業に新規参入しておられまして、平成十三年度四月から首都圏及び九州地方で業務用ビルを対象に電気の小売、もうこれを開始されているんですね。その中でのお話で石炭火力についてお話しなさいまして、クリーンエコロジーというお話もなさいました。
 そこで私は、すばらしいとは思うんですけれども、やはり石炭火力につきましては、一般国民から見ると環境適合性に問題があるんじゃないかと、こういう意見もありますけれどもいかがでございましょうかと申し上げましたら、今までのような環境問題は起きないですよと、技術が非常にもう進歩しておりますからね、もう全くクリーンでございますと、そしてこれは際立っていると、ここまでおっしゃいまして、長期にわたって付き合っていかなければならない、これは効率よく使っていく非常にいいエネルギーだというふうにおっしゃったんですけれども、やはり私自身は、ああ、そうなのかと、皆さん多分あのときに思われたと思うんですけれども、やはり輸入炭の火力発電も捨てたものじゃないのかななんというふうにも思います。
 今回の危機とその反省もあり、この石炭についてどういうお考えなのか、ちょっとお伺いいたしたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) 石炭火力発電についてのお尋ねでございます。
 燃焼時に生じる硫黄酸化物でございますとか窒素酸化物については、千速会長が言われたとおり、各事業者において積極的な環境対策が施されている結果、非常にかなり低くその排出が抑えられております。SOxについては最新鋭の脱硫装置によりましてほぼ一〇〇%除去可能になっておりますし、NOxについても九五%除去可能と、こういうことになっています。しかし一方、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量は単位発電量当たり天然ガスの一・七倍あるなど、他の化石燃料に比べて多いのが現状でございます。
 このため、供給安定性が高くて経済性に優れている石炭については、今後とも主要なエネルギー源の一つとして位置付けつつも、過度な依存には慎重であるべきだと、こういうふうに思っています。また、その利用に当たっては、環境に調和した石炭の利用技術、クリーンコールテクノロジーの開発を進めて環境負荷の抑制を図ることが極めて重要だと思っておりまして、このクリーンコールテクノロジーの実用化に向けて技術開発等を促進するために、今年度は約八十五億円の予算を計上をさせていただいております。
 こうした施策を今後とも積極的に取り組んで多様化を図っていく、こういうことにしていきたいと思っております。
○松あきら君 脱硫あるいはNOxという点についてはオーケーですけれども、しかしCO2ということに関しては一・七倍と、それが本当のところかなというふうに思います。
 やはり原子力とともにクリーンエネルギーという推進も是非よろしくお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○委員長(田浦直君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 前回、私は、この法案の趣旨説明のところに六行、重要な問題が書かれていて、中身はないと、法案の中身にはなっていない、たかが六行だけれどもその内容は非常に大事だということを質問させていただきました。
 今日はその続きを質問させていただくわけですが、その間に参考人質疑がございました。これはとてもすばらしい、先ほど来同僚の議員もおっしゃっておりますけれども、私もこのような楽しくてそして意義のある参考人質疑というのは小柴さん以来じゃないかなと思っております。とりわけ荻野アンナさん、特にフランス文学の研究者であり、作家でもございます。その作家の荻野さんが、日本一エネルギーについて詳しい作家になろうとして頑張っているという、ペレットなんかも持って、私たちに非常に示唆に富んだ、ギャグに富んだといいますか、そういうお話もいただきました。
 私は、作家がこのようにエネルギーに詳しいということはどういうことだろうと思ってちょっと考えたんですけれども、やはり作家というのは問題の核心をとらえるという目をしっかり持っていらっしゃるんだなということ、そしてその目と同時にそれを表現する能力も非常にすばらしい能力をお持ちで、非常に分かりやすく消費者に伝えるということをしていらっしゃるということに大変感銘を受けました。
 中身につきましても、特に感銘を受けましたのは、自由化についてですけれども、第一に自由化に関して望むところは、是非安定供給を確保した上でということだということで、御自身が調査をされたお写真を見せていただきました。横浜の給電技能訓練センター、これは私も初めてなのではっと思ったんですけれども、非常に動脈だけじゃなくて毛細血管のようなものが、ずっと電気が通っているんですね。そこがぷつっと切れても大変なことになるということで、次はどこかからか持ってくるということで、非常に怒号飛び交うような迫力のある職場だというようなことを言われまして、送電というものが非常に大切だということ、発電は点であり、送電線、つまり線だと。この発電の点とそれから送電の線が相合わさって面になって安定供給ができているんだということを深く、私も印象深く受け止めました。
 そこで、長官にお伺いいたしますけれども、今回の改正で振替供給料金が廃止されるわけですけれども、そしてその新規参入者にとっても託送料金だけでよくなるということなんですが、これによってだれがどの程度料金が安くなるメリットを受けるのでしょうか。説明してください。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 今回の制度改革では、振替供給料金を供給区域をまたがる個別の電力取引から徴収することをやめることといたしました。このことによりまして、託送制度を利用する新規参入者等につきましては、これまで支払っていた振替供給の料金、キロワットアワー当たり三十銭程度でございますが、これが安くなることになります。
 それから、この振替供給料金を通じて回収しておりましたコスト相当分というのは、送り先の需要家が存在する地域のすべての需要家から広く薄く回収することを考えておりますが、こうした措置により広域流通が活性化され事業者間の競争が進展すれば、電力会社の一層の経営効率化が進むことが見込まれておりますので、全体としては規制部門の需要家の方々にも成果の均てんというのは期待できるというふうに考えているところでございます。
○西山登紀子君 新規参入者、それから大口需要家というのは、この振替供給料金が廃止されてそして託送供給料金に一本化することによって非常に利益を受けるということなんですけれども、例えば新規参入の増加に対応して大口需要家の分が減ったりいたしますと、結局電力会社の分が過剰になる。そういった分の費用というのは、自由競争の部門の赤字を規制部門の赤字で埋めてはいけないというふうになっているというふうにお聞きはしているんですけれども、しかし、やはりこの薄く何とかということで一般家庭などにも負担をさせられるということで、これは割が合わないじゃないかということになると思うんですけれども、この点はやっぱり負担をさせないように担保しなきゃいけないんじゃないでしょうか。
○政府参考人(岡本巖君) 今、先生御指摘の、振替供給料金を廃止をして、それで送電の投資回収ということで、廃止した後におきまして送り先の需要家が存在します区域の系統利用料金というものに広く薄く乗せるということで、規制需要家の方々、今、先生の御指摘の小口の需要家の方々を含めて広く薄く御負担いただくということを考えているんですけれども、その割合というのは、今、いわゆる新規参入者の方々が供給区域をまたいで売っておりますのは一億キロワットアワーにも満たないんですけれども、仮にそれが百億キロワットアワーというようなオーダーに増えたといたしました場合にも、御負担いただく増分というのはキロワットアワー当たり一銭にも届かないという、そういう薄いものになろうかと思います。
 他方で、これまで自由化を進めてきた中で、何十銭というオーダーで規制の需要家の方々の料金を含めて料金値下げということにつながる効率化が行われてまいっておりますので、そういうことにかんがみますと、私ども、事業者間あるいは新規参入者と既存の事業者との間の供給区域をまたいだ競争が活発化する、そのことによって更なる効率化が促されるメリットというのは相当のものがあろうかと思っておりますので、十分に多少の負担というものを更に大きく上回る効率化のメリットというのが期待できるんではないかというふうに考えているところでございます。その上で、なお実際に進めてみて不十分という場合には、その負担の部分の在り方というのを将来において見直すということも検討してまいりたいと考えております。
○西山登紀子君 この新規参入者というのは供給義務は負っていないわけですよね。自由勝手に参入してきて撤退することもできる。私は、こういういいとこ取りを認めるのが果たしていいのかどうかと。やはり責任ある供給主体というものは必要であるというふうに考えます。
 次に、大臣にお伺いしたいわけですけれども、カリフォルニアの轍を踏まないという問題です。
 無理な自由化代償は三兆円とも言われたカリフォルニアの電力危機のような、電力の卸売価格の逼迫によって価格の乱高下が起こるというふうなことを回避することができるのかどうか。それからもう一つ、カリフォルニアでは電力の需給が逼迫して計画的な停電の実施に追い込まれたということもございました。また、エンロンのように、発電や小売というよりもむしろ電力市場の売買差益を追求する、こういう巨大企業も生まれて、そして破綻というふうな問題もあった。
 こういうエネルギーの供給というものを市場原理にゆだねた場合に非常に問題が起こったということ。このカリフォルニアの轍を踏まない。ここでしっかりとどまってよく考えるべきだと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) カリフォルニアの電力危機に関しましては、平成十三年に現地に調査団を派遣をいたしまして評価をさせていただいた結果、複合的な要因が絡み合って生じたと、こういうふうに評価が出ているところでございます。
 具体的には、もうこれ先生御承知だと思いますけれども、IT経済化の進展等を背景として電力需要の増大が見られる中、電力制度改革の先行きが必ずしも明確でなかったことや、厳しい環境規制等を背景に発電所建設のための投資が十分に進まなかった、構造的に需給が逼迫傾向にあった。こうした状況の中で、半ば強制的に電力会社の発電資産を売却させて、すべての電力取引をスポット市場を通じて行わせたために、他に電力の調達手段を持たない事業者というのは市場価格の変動に対するリスク管理ができなくなった、そういうことがございまして、更にこれに加えまして、小売料金を凍結をしたことによりまして、自由化された卸電力取引所での価格高騰が電力会社の経営を圧迫したこと、こういったことが要因として分析されました。
 今般の改革に当たっては、このカリフォルニアの混乱を他山の石といたしまして、やっぱり安定供給が一番大切でございますから、安定供給が阻害されないように慎重に制度設計を行いました。例えば、今回の改革の中では、現行の一般電気事業者による発送電一貫体制を維持する、このことを原則として、電力取引市場についても相対取引の併存を前提とする任意市場、こういうふうにすることにいたしました。
 こういった点を含めまして、電力制度改革の失敗はカリフォルニアのような重大な危機を招くおそれがあることを十分に踏まえまして、今後とも私どもは細心の注意を払って検討していきたい、このように思っております。
○西山登紀子君 参考人の荻野さんもこういうふうに述べておられます。私の印象としては、電気というのは市場原理ではすくい切れない、今の資本主義経済における無限の可能性を秘めた、同時に大変な限界も持っているブラックホールのようなものだと思うというようなことで、やはりこの全面自由化ということについてはいろんな問題があるということでございます。
 最後に、短くお伺いします。
 ガスの問題ですけれども、やはりガスの方向も自由化していくということになりますと、中小の業者の経営基盤が非常に不安定になるじゃないかと心配がございます。
 また、天然ガスの利用環境を整備する上で、導管網の連系やガス導管事業の創設というのは意味はあるんですけれども、この天然ガスの供給に偏重して、現在、コンパクトで分散型ガス供給設備で、全家庭の半分、二千五百万件に供給しているプロパンガスが軽視されはしないか、淘汰されはしないか、こういうおそれがあるわけですけれども、大臣、これ、自由化が先にありきで、国民に対する安定供給がなおざりにされる、こういう不安がないと言い切れるでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 経済産業省といたしましては、中小の都市ガス事業者につきましては、天然ガスの導入を支援するために低利の融資、税制上の優遇措置、こういったことを講じてまいりました。今後とも、これらの各般の施策を進めながら、供給基盤の整備や効率的な供給の確保に努めていきたいと思っております。
 今般の制度改革におきましては、大口供給を行う際には経済産業省に届け出ることとしておりますけれども、その結果、急激な需要の減少などにより当該地域の都市ガス事業者の経営が悪化をしたり、また需要家に悪影響がある場合には変更又は中止命令が発動できるように措置をしているところでございます。このように、競争環境が激化する中で中小の都市ガス事業者が今後とも的確に事業運営を行うことができるように制度上も必要な環境整備を行う、このことが必要だと思っています。
 また、御指摘のLPガス産業につきましても、これは御指摘のように、国民生活に密着したエネルギーの供給の担い手としてこれらの販売事業者の安定的な経営基盤を構築することが必要であると強く認識をしておりまして、流通の効率化を促進するために、LPガス充てん所の統廃合の支援でございますとかLPガス産業構造改善支援を講ずることによりましてLPガス産業の健全な発展を図ってまいりたいと思っております。
 ガス事業制度改革を進めるに当たりましては、こういった諸施策を講じつつエネルギーの安定供給に万全を尽くしてまいりたい、このように思います。
○西山登紀子君 終わります。
○緒方靖夫君 今回のガス事業法の改正に関連いたしまして、近年、都市ガスの保安上極めて重要な問題になっていると指摘されております白ガス管などの経年埋設管の腐食漏えい問題について質問したいと思います。
 これはもう御承知のことなんですけれども、ガス管には大きく分けて、耐久性に優れ、そして腐食にも強いポリエチレン管など新しいタイプのガス管と、白ガス管に代表される鋼管に亜鉛メッキで被覆を施した古いタイプのガス管があります。
 白ガス管は戦後間もなく使われ始めて、新型のガス管が一九八〇年前後に登場するまでの約三十五年間、ほぼ全国で都市ガスの配管に使用されてまいりました。しかし、埋設使用をした場合、土中の水分などの影響で腐食が進んでガス漏れの危険があることから、ガス事業法の技術基準の改正によって九六年から埋設使用が全面禁止された、こういう経緯がございます。
 この白ガス管の腐食問題が重視されるようになりましたのは、九四年に東京品川区の小学校あるいは新宿区の分譲マンションで起きた爆発事故、これが大きな原因で、私、どちらも当時現地調査に参りましたけれども、本当にガスの爆発の力というのはすごいなと。車を吹き飛ばすんですね。それから、スチール製のドアをぼんと吹き飛ばす。そういうもので少なくない死者、負傷者が出た、そういう事案でございました。いずれの事故も白ガス管の腐食によるガス漏れ、これが原因だったわけですね。
 私は、六年前の参議院の決算委員会で事故調査を基にして白ガス管の保安対策を急ぐように要求いたしまして、これに対し、当時の佐藤通産大臣は、ガス事業者をしっかり指導していきたい、そう御答弁されました。
 そこで、お尋ねしたいんですけれども、現在、全国で未対策のまま埋設されている白ガス管はどれだけあるんでしょうか。また、ガス事業者の資産であります本支管、供給管、それから消費者の資産である内管の別に、それぞれ未対策の残存量を示していただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 昨年七月に原子力安全・保安院及び各経済産業局がガス事業者に対しまして実施した調査によりますと、昨年三月末現在におきまして未対策の亜鉛メッキ鋼管、いわゆる白ガス管でございますが、本支管は約二万七千キロメートル、供給管は約二百六十万本、内管は約三百七十万本となっております。これは簡易事業者も含んでおります。
○緒方靖夫君 埋設されてから相当年数が経過して腐食等の対策を講じなければならない白ガス管がいまだにこれだけ未対策のまま大量に放置されている。これはやはり大変重大なことだと思います。
 資料配付をお願いしたいんですけれども。
   〔資料配付〕
○緒方靖夫君 経済産業省が提出いたしましたこの資料は、資本金順位上位二十社のガス事業者ごとの未対策の白ガス管の埋設残存量を示したものでございます。
 これによると、事業者資産である本支管では、九州地区の西部ガス、東海地区の東邦ガスの千七百キロを筆頭に、およそ一万キロの白ガス管が未対策になっております。供給管でも、東京ガスの三十二万一千本など百三十三万本が放置されている、そういう状況です。消費者の資産の内管を見ても、二百八万本残っている状況でございます。
 この間も白ガス管の腐食によるガス爆発事故が相次いでおります。九八年には福岡市のマンションで六名が死傷する事件が起きており、二〇〇〇年にも千葉県の松戸市のマンションで七名が死傷する爆発事故が発生しております。このような惨事をもたらす危険なガス管、いまだに未対策のまま大量放置されている。これはやはり何といっても、大臣、重大なことだと思うんですけれども、その点、どう御認識でしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 経年管に係る取組といたしましては、平成八年一月から、省令におきまして土中埋設部への白ガス管の新規使用を御指摘のように今禁止をしてきております。
 しかしながら、禁止時に既に埋設されていた導管が多数存在をしておりまして、昨年の三月末時点におきましても、本支管については全体の約一七%、それから供給管については全体の約二七%が対策の検討が必要な経年管となっております。
 これら白ガス管等につきましては、事業者の資産でございまして、事業者自ら計画的に交換すべきでありますけれども、国においても平成三十二年に対策を終了するという目標を立て、さらに平成十三年十月には、原子力安全・保安院及び各経済産業局等から事業者に対して経年管対策の計画的な推進を指示をいたしております。
 また、平成十四年度から、経年管対策を促進するため、すべての都市ガス事業者に対しまして、危険度に応じた交換の優先度を踏まえた毎年度の交換計画と完了予定年を経年管対策進捗状況調査として毎年提出をさせております。その実施状況を立入検査などによりまして確認をしておりまして、計画的な交換を促しているところでございます。
 また、経年管対策を促進するために、平成十年度より、経年導管の交換費用の削減を図るために、埋設場所を掘り返さずに漏えいを防止する非開削工法の技術開発を平成十五年度を目標に今進めているところでございまして、一生懸命、今対策を講じております。
○緒方靖夫君 平成三十二年というとあと何年後になりますか。十七、八年後ということになるわけで、これはやはりよく考えなきゃいけない問題だと思うんですね。
 危険なのは白ガス管だけじゃないんですね。大阪を中心にアスファルト布巻き鋼管と呼ばれる白ガス管と似たタイプのガス管も未対策のまま多く残されております。先ほどお配りした資料をもう一度見ていただきたいと思うんですけれども、アスファルト布巻き鋼管は、鋼管に麻布を巻いて、その上からアスファルトを塗ってあるもので、白ガス管と同じく、埋設使用をすると腐食する危険があるものなんですね。しかし、資本金順位上位二十社のガス事業者ごとの埋設残存量を見ますと、大阪ガスでは本支管で約一万キロ、供給管、内管で合計して二百五十万本が未対策のまま残っている状況です。大阪ガス以外にも、本支管部分では東京ガスでも三千キロなど、相当量が放置されていることがこの資料からも、これは役所からいただいたものをまとめたものですけれども、明らかになるわけですね。
 アスファルト布巻き鋼管をめぐっても、二〇〇〇年に大阪市の事務所ビルでガス漏れが発生いたしまして、会社員ら約三百八十名が避難する事故が起きております。アスファルト布巻き鋼管も、白ガス管同様、早期対策を講じる必要があることは明らかだと思いますが、にもかかわらず、これだけ多くの未対策の鋼管が放置されている、これはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘のアスファルトの布巻き鋼管、これは耐食性を有する部材として昭和五十年代半ばまで幅広く使用されてきたものでございますが、使用環境によって樹脂の皮膜鋼管に比べて劣化が速い場合もあり得るということでございまして、原子力安全・保安院の昨年の調査において残存数とともに事業者における改善の検討状況を把握することとしたものでございます。
 本年度以降も、保安院といたしましては、継続調査を実施いたしまして、必要に応じて計画的な改善を指導したいと考えております。
○緒方靖夫君 改善の検討状況ということですね。白ガス管は、さきにも述べたとおり、ガス事業法で九六年から新規の埋設使用が全面禁止されております、法に基づいて。ところが、アスファルト布巻き鋼管の方は、業界団体の自主判断によって二十八年前の七五年がちょうど今答えがあったように五十年の半ばということになりますけれども、埋設使用が中止されただけで、国として法律で禁止措置を講じてこなかったわけですね。国として早い段階から禁止措置が講じられていたならば、これだけの未対策の管が今日まで放置されることなかったと思うんです。
 大臣、その点で、私は率直に申し上げますけれども、経済産業省、もっときちんとした指導が必要だったんではないかと思いますが。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今御説明を申し上げましたが、アスファルト布巻き鋼管につきましても、私ども、事業者への立入検査等を通じまして、今後とも改善の検討状況を把握しながら必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○緒方靖夫君 それしか答弁されることないんですよね。業界の自主的判断にゆだねたということは、やはり私は役所として問題があったということをきちっと指摘しておきたいと思うんです。
 なぜかというと、業界の自主規制には当然のこと罰則がないわけです。そのために、七五年に使用を中止したといっても、何が起きたかというと、例えば東京ガスでは七七年まで、鹿児島県では、日本ガスと言いますが、日本ガスでは八一年まで、千葉では八四年まで使われ続けていたんですよ、業界でやめようと言ったものが。このことを見ても、業界団体任せで法律により早期段階で使用を禁止しなかった、このことの問題性は明らかだと思うんですね。
 白ガス管でもアスファルト布巻き鋼管も、ガス事業者の資産である本支管及び供給管で大量の経年管が埋設されたまま放置されている、これが現状です。この部分は文字どおりガス事業者の責任に属するものであって、直ちに対策を講じさせる、大臣、このことは本当に必要じゃありませんか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは先ほど来の御答弁で、その安全性にかんがみまして指導を強化をして、我々も検査等、それから連絡を密にしてやっているところでございまして、更にこれはしっかり徹底していかなければならない、こういうふうに思います。
○緒方靖夫君 私は、先ほどから検討を、改善の検討を促進するとかやるとか、そういう話が出ていますけれども、私はもっと強力な大臣の指導監督、これが求められている、そういう事態だということを率直に痛感するわけです。白ガス管などの経年埋設管の保安対策を促進する上でも最も重要なこと、それは事業者にガス管を埋設した使用責任をきちっと果たさせること、このことだと思います。
 総務省の行政評価局が行った、ここにありますけれども、二〇〇一年九月の行政評価・監視結果報告書では、抽出調査した事業者の中には、経年埋設管の位置、延長、本数などを具体的に把握していない者、本数などを把握しているけれども新しいガス管への交換計画を策定していない者、計画はあるが実施が遅れている者などなどが指摘されておりまして、結論的にはずさんな実態、これが総務省の行政評価局の調査によって指摘されているわけです。保安院が昨年十二月に出した調査結果でも、対策計画を持っていない事業者があるなど、このことも指摘されております。
 事業者のこうした無責任な姿勢を徹底して改めさせる。大臣、やはりこれは大臣の責任としてきちっとそれを進める必要があるんじゃありませんか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今御指摘のように、平成十三年の九月に総務省が行った行政評価・監視結果報告書において、全国で約二千の都市ガス事業者のうち七十事業者を抽出をしまして調査した結果、今御指摘のようなそういう調査結果が出たわけでございます。
 我々としては、原子力安全・保安院から先ほど御答弁もさせていただきましたけれども、平成十三年十月に事業者に対して経年管対策の計画的実施等を指示したところでございまして、今、業者はこの指示に基づいて取り組んでいるところでございますけれども、我々は更にそれをきちっとやっていかなきゃいかぬと、こう思います。
○緒方靖夫君 事業者の無責任な姿勢という点では、さらに看過できない問題があります。それは、事業者によるガス供給支障事故の報告隠しの問題です。
 ガス事業法では、ガス管の破損などで三十戸以上にガス供給停止などの影響が出た場合、経済産業省への報告義務を課しておりますけれども、この間、事業者が報告を怠っていた事実があるのではありませんか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今御指摘の点でございますけれども、東京ガスにおきまして、平成十一年から平成十三年にかけまして四十八件の供給支障事故を報告しなかったということがございまして、当省として、調査をし、必要な改善指導を行っているところでございます。
○緒方靖夫君 四十八件、これはやはり大変多いと思いますね。
 その中で、白ガス管などの経年管による腐食、漏えいが原因となる事故はどのぐらいあるんですか。何件ですか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 未報告でございました四十八件の事故の中には、導管の腐食、漏えいによりますものが二十件ございました。
○緒方靖夫君 埋設経年管の保安対策を責任を持ってやるべきガス事業者が、そこで発生した供給支障の事故を、法を破って国に報告もせず隠ぺいしていた、そういうことですよね、今のケースは。私は、本当にゆゆしきことだと思うんですね。国民の生命、財産にかかわる問題であって、大臣、これは、東京ガスのこうした行為は単なる報告漏れとして済まされるものではないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、このガスというのは、その取扱いを間違えたり、またそういう腐食管等において事故が発生した場合には、大変大きな、人命を損なう、そういう事故につながりますから、これは決してなおざりにすべきではないと思っております。
 そして、今、東京ガスの具体例で四十八件未報告があったということは、非常にこれは大きな問題でございまして、私どもとしてもこれは厳しく指導をしているところでございまして、こういったことが再び起きないように我々としては徹底的な指導を更にやっていかなきゃいけないと、こういうふうに思います。
○緒方靖夫君 東京ガスに見られるガス事業者の無責任な姿勢というのはほかにもあるんですね。
 そもそも東京ガスなど多くの事業者は、ガス事業法で新規埋設が禁止されている、される以前から、白ガス管などの腐食等に弱いことを把握して、その使用を自ら中止していたんです。例えば、白ガス管では、一九七九年に消費者資産である内管部分での白ガス管の使用を中止しているんですね、自ら。しかし、調査したところ、東京ガスは、今でこそ広報活動として消費者に対して白ガス管の危険性を呼び掛けているんですけれども、七九年当時はそうした活動を全く行っていない、このことが分かりました。
 そうすると、大臣、白ガス管の危険性を把握している、自ら使わないようにしている、しかし消費者の内管部分には白ガス管は使うことは放置する。私は、自ら埋設管の使用、これは自分のところは中止しておいて、消費者にはその時点で何の告知も行わない、その事業者の責任というのは問われる必要があると思いますが、その責任はどうお考えになりますか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今御指摘の、需要家の敷地の中にあります老朽内管の改善を進める取替えの必要性について、これは内管を保有する需要家がまず理解をしていただくことが必要でございます。
 事業者は、法令に基づきまして、需要家の内管の漏えい検査を経年管の場合にありましては四十か月に一回行うことが義務付けられております。これに加えまして、埋設年度が古く、土壌の関係で腐食が進みやすい場所につきまして、需要家に対する改善折衝を行ったり、需要家を啓発するためのパンフレットの配付を行うなどの取組を行っております。
 原子力安全・保安院といたしましては、事業者に対して交換についての目標を毎年提出させる、そしてまた毎年、六百事業所程度の立入検査を行っておりまして、このような取組の実施状況を確認をいたしております。
○緒方靖夫君 保安院の取組じゃなくて、事業者、ガス事業者の取組を言っているんですよ。
 要するに、需要家が、消費者が理解するといったって、どう理解するんですか。ガス事業者がそのことを知らせなければ、理解できるはずないじゃないですか。あるいは、役所がやる、それをやらなかったわけですよ。私はそのことを大臣に問うているんですよ。
 いいですか。九六年には法律で禁止された。しかし、七九年の時点でもう危険だと分かっていた。自分たちは使わない、しかし消費者の財産になる内管の部分には白ガス管を使うことを放置していたんですよ。消費者に理解を求めるといったって、役所がやるか、事業者がやるか、それしかないじゃないですか。その責任を私は今問うているんです。
 今の答弁は全然見当違いなので、大臣にそのことをはっきりお答えいただきたいと思います。
○委員長(田浦直君) 佐々木院長、まず答弁してください。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 事業者は、今申し上げましたように、四十か月に一回、経年管の場合には内管の漏えい検査を行わなければならないことになっております。
 また、需要家に対して事業者はガスの安全点検やっております……
○緒方靖夫君 同じ答弁ですから、いいですよ。
 先ほどパンフレットで知らせた等々言っていましたけれども、私、全部調べたんです、当時のことを。
 東京ガス自身は、当時は広報活動をやっていなかったということを認めているんですよ。ですから、何もやっていないんです。それなのに、危険なことを承知で消費者にそうしたことを進めた、自分たちは、自らです、自分たちのところの係る問題についてはその使用を禁止しておきながら、それを放置したという。やはり私は、そこのところはガス事業者の責任、そのことはきちっと調べる必要があると思うんですね。
 大臣はここで初めてお聞きになったかもしれません。ですから、やはり大臣におかれましては、やはりそうした問題について、過去までさかのぼって一体どういう経緯があったのか、そして問題があったならばその責任をきちっと指摘する、そのことをお願いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、今正に緒方先生御指摘のように、初めて率直に申し上げてそういう事例を聞かせていただきました。
 いろいろ、技術的な見地だとかいろいろ、よく私、まだ分かりませんけれども、その背景にはあったかもしれません。そういったことも含めまして、私はよく調査をさせていただいて、またもしいろいろなことが明らかになったら、私どもとしてもしっかり指導していきたいと、こう思っています。
○緒方靖夫君 その機会に是非もう一つ見ていただきたいことがあります。九州地区の西部ガスでは、自社の白ガス管使用を東京ガスと同じく七九年で中止しているんですけれども、西部ガスでは、その時点はおろか、ガス事業法で九六年に埋設使用が全面禁止されて以降も、内管部分では消費者に交換を働き掛けてこなかった、そういう問題があるんですね。ですから、これも含めて、今、大臣から調査して対応するという、そういう御答弁いただきましたので、是非このことも含めてお願いしたいと思います。
 事業者はこうした自らの瑕疵責任を棚上げする一方で、消費者の資産である内管部分の交換では、ガス供給規程を盾に内管はお客様の資産だなどと、消費者に交換費用を全額負担するよう強いております。交換には一戸当たり十数万円、分譲マンションでは数千万円の負担となります。その結果、消費者との折り合いが付かずに、交換も、先ほどお話ありましたように実際上なかなか進まない、それが現状なんですね。
 しかし、大臣、そもそもガス供給事業はガス事業者の独占的事業であって、ガス管の品質や種類の選定もすべてガス事業者に一任されている、これが実情だと思います。ましてガス管が腐食しガス漏れを起こすなど、消費者にとって思いも寄らないことで、マンションの場合、修繕計画の項目に含まれていないことが実際に多いんですね。
 内管部分の交換を促進するためにも、大臣、経済産業省として、腐食する危険性のあるガス管を埋設した事業者側の責任も踏まえて消費者が納得できる何らかの対応、これから、待てませんよ、平成三十何年まで。ですから、何らかの対応をやはり大臣の責任において検討していただきたい、そう考えますが、大臣の御所見を。
○国務大臣(平沼赳夫君) 需要家の敷地内にあるそういう老朽管、老朽化した内管の改善を進めるためには、取替えの必要性については、その保有する需要家の理解を得ることが必要であり、そのための取組というのは先ほど保安院長からもるる御説明したとおり一生懸命やっているところでございます。
 したがって、私どもは、需要家の負担というものを軽減するために、例えばホテル、飲食店など多数の人が出入りする建物などを対象に取替えに係る経費の二分の一を補助する制度を平成十五年度から設けて交換を促進するようにいたしておりまして、予算も十億円計上させていただいています。
 加えて、更に取替えコストを軽減するための技術開発も実施をしているところでございまして、比較的圧力の低い管を対象に、内部に樹脂の管を挿入することによって簡便に漏えい対策を行うことができるようにするための技術開発、こういうことも平成十七年度を目標に取り組んでいるところでございますけれども、本当に、先ほど来の御答弁、答弁を申し上げましたように、やっぱりこれは安全性に関する問題ですから、今言ったような措置も含めて一生懸命私ども取り組んでいかなければならないと思っています。
○緒方靖夫君 私の方で要望しておきたいのは、やはり事業者の責任も踏まえた消費者が納得できる何らかの方法、これは何になるか分かりません、私の方からこうだと言うわけでもありません。ですから、大臣の責任で是非これをお願いしたい、要望しておきたいと思うんです。
 最後に、もう一つ付け加えたいことがあるんですが、こうした事業者の無責任な対応がなぜ生まれてきたのかという問題です。
 その背景として、私は、経済産業省自身の指導監督の在り方に問題がある、率直にそう思います。保安院が提出いたしました資料には、白ガス管など経年埋設管の残存調査については、国としては昨年開始したところ、過去の交換進捗状況については把握していない、そういうふうに書かれております。経年埋設管によるガス漏れ、爆発事故で尊い生命が失われている、そうしたにもかかわらず、そういうことで書かれているんですね。また、ガス事業法で何年も前から埋設使用を禁止していながら、実態を把握してきたのが国としてやっと昨年のことなんですね。
 ですから、私は、そうしたことを考えたときに、ガス事業者にその責任をきちっと果たさせていく、その点からも交換計画をきちっと進めていく、その点からも大臣始めとする役所の責任ある指導監督、これが正に必要だということ、このことを指摘して、もし大臣から何かお言葉があれば伺いますけれども、私の質問を終わります。
○委員長(田浦直君) 平沼大臣、簡潔に。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変重要な御指摘だと思っておりますので、私どもとしては先ほど御答弁したように一生懸命取り組んでいかなきゃいかぬと思っております。
○緒方靖夫君 終わります。
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 電気事業法、ガス事業法の改正の最後の締めくくりの質問になろうかと思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、中小水力の問題について伺いたいと思います。
 風力ですとか太陽エネルギーですとか、自然エネルギー等に今非常に脚光が浴びていますが、国産エネルギー、純国産エネルギーとして中小水力も非常に包蔵力がありまして、実際三万キロワット以下の地点を、二千六百か所ぐらいあるんでしょうか、全部足し合わせますと一千万キロワット以上になるんですね。特に中小水力の場合、地域エネルギーとして、何か地震が起こったりあるいは有事、いろんなことがありましたら、すぐその地域で使えるということなわけで、私は、いかに小さいといえども非常に大事なエネルギー源ではないかと、こう思っております。
 そのことについて、まず大臣の見解を伺いたいと思います。
○副大臣(高市早苗君) 先生から中小水力の重要性について御指摘がございましたけれども、確かにエネルギー資源のほとんどを海外に依存している我が国にとりましては貴重な純国産エネルギーでもありますし、エネルギーの安定供給ですとか地球温暖化防止対策の観点からも、着実に推進する必要はあると思います。
 数字につきましては、大体先生おっしゃいましたとおりなのでございますけれども、今後のポテンシャルということで考えますと、平成十三年度末現在で二千六百七十六地点、約一千五万キロワットとなっております。
○広野ただし君 そのところで、現在も電源特会で五千キロから三万キロワットのときは一〇%の補助金、それと五千キロワット未満が二〇%、しかもそれぞれ非常に経済性が悪いという場合に一〇%のかさ上げができるということのようでありますが、私は、もっと国産エネルギーという観点から、風力ですとか太陽エネルギーにそれなりの補助をしているわけでありますから、中小水力にもう一回見直しをしていただいて大いに助成措置を高めてもらいたいと、こう思っております。
 そしてまた、今いろんなことで、最近の技術水準といいますか、いろんな知恵が出てきております。それで、いろんなところから水力のエネルギーを活用しようということで、東京では下水道の落差を利用して下水道まで使おうという考え方があります。そしてまた、地域の今までは単なるかんがいダムと、農業用水のかんがいだけをやっているダムがあるわけですが、そこからも水力を使って電気エネルギーを取り出すということもできますし、実際いろんな農業用水が一杯あります。私どものふるさと富山ですと、立山連峰からどっと水が落ちてきますから、どの農業用水も大変急流なんですね。そこへチューブラー発電機というのでどぼっと入れますと、何もダムを造らなくても発電ができると。
 特に、この間も私ちょっと申し上げたんですが、県営の水力、県営の考え方だけでやっておりますといろんな知恵が出てきません。公営の考え方では出てきません。民間にいろんなものを任せる、あるいは農業法人に任せていくということをやりますと、小さいものでもどんどん電力が起こって、しかもそれは地域エネルギーとして、純国産エネルギーとして私は非常に使いでのある、いざというときに非常にまた役に立つ大事なものだと思いますが、まず助成措置を見直すお気持ちはないか、大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(高市早苗君) 助成措置でございますが、今、先生から御指摘あった中小水力発電、水力発電開発費の補助金、これは建設費の補助でございますけれども、事業者が水力開発への取組をちゅうちょする要因というのが、もちろんこの初期投資のコストが非常に高いということが非常に大きいと思います。それで、建設費の補助を今、先生がおっしゃったような補助率でやっているんですけれども、恐らくそれ以外の理由、例えば運転段階でのメンテナンス等の費用ですとかと売電価格との関係ですとか、それから開発地域におきまして自然環境保護の要請が非常に強いというようなことが挙げられるかと思いますので、恐らく要因というのはこの補助率のみで解決できるようなものでもないんじゃないかと理解いたしております。
 もちろん、この中小水力発電の必要性というのは先ほど答弁申し上げたとおりでございますので、今後も開発地域の発展の姿に係る調査ですとか、あとは自然環境保護対策の調査実証、これも応援していきますし、冒頭に申し上げました事業者の中小水力開発に対する財政的な支援措置も引き続き行ってまいります。
○広野ただし君 そこに欠けている観点が、国産エネルギーとしての危機管理ですとか安全保障という観点が抜けているんじゃないか。単なるマーケット的な考え方でなされている。あるいは環境といいましても、今のような、先ほど言いましたようにダムを造るとかそういう大げさな工事じゃないんですね。もうこういう非常にコンパクトにでき上がったチューブラー発電機をどぼっと中へ入れて起こるということですから、そんなに環境破壊が行われるわけでも何でもない。
 ということで、そうしますと、コスト的な問題からなりますから、先ほど言われた電力会社との引取り価格の問題になります。しかし、そこで、地域エネルギーとしての危機管理の考え方ですとか安全保障の考え方で、もう少しかさ上げをしてあげるとちゃんとやれるということだと思いますので、是非また検討をお願いしたいと思います。
 それと、今度の電力事業法の改正の中で電力取引所の構想があります。電力取引所、もう一つ私も今度初めてになりますから具体的イメージがわかないんですけれども、相対取引だけじゃなくて幅広く取引を行うということで是非前向きにやっていただきたいと思いますが。
 そのときに、現在も商品取引所があります。これは先物取引ということでありますけれども、そういうところで扱うということがなぜできないのか。今の構想ですと、中間法人を作ってそこでやるということのようでありますけれども、例えば電力でも、じゃ今年の夏非常に暑いというふうに気象予測がなされて、じゃどういうことになるんだということから先物取引的なことが、何も前日の取引ばかりを前日に決める、そういうものではなくて、先物取引というものは出てくるんじゃないかと。商品取引所ではいろんな意味で新商品をどんどん開発をしてやっていこうと、こうやっているわけで、そこでなぜこの電力取引所というのは別途にやらなきゃいけないのか。その点について、大臣の見解を伺います。
○副大臣(高市早苗君) 電力の取引所の取引は、各市場参加者のニーズにまず柔軟に対応すること、それから効率的な運営を担保するという意味から、法令の規制による公設の市場とするのではなくて、私設の任意の取引所として発足させることが適当だと考えております。
 商品取引所を活用、なぜしないのかということでいいますと、今回の制度改革では、現物取引であります一日前スポット取引及び相対取引をベースといたしました先渡し取引を扱うこととしておりますので、商品取引所の商品でありますいわゆる先物取引というのは扱わないことから、別途、私設の市場を設けることが適当だと考えたわけでございます。
○広野ただし君 今度のものは、まず前日に翌日のものの取引をやるということのようでありますから、ちょっと、確かに商品取引の先物的な考え方はないですけれども、これは必ず、今年の夏場はどうなるだろうとか冬場がどうなるだろうかということが出てきて、そこに民間の知恵というのがやっぱり物すごく働いて、どうやってヘッジをするかということになるわけで、ここがやはり私は場合によってはもう一つ踏み込んでいっていいんじゃないかという思いがいたしますが、まずはスタートということで、将来展望もよく考えてやっていただきたいと、こう思います。
 それと、今日午前中からもありましたが、この電力自由化に絡んで連系の問題ですね。これはもう大臣からも何回も前向きの答弁もいただきました。実際、北海道と本州の間は現在六十万キロワット融通できるようになっていると。それで、本州と四国の間は、これは本四架橋なんかができましたから、交流で百二十万キロワット、それと和歌山との間で直流でこれ百四十万キロワットということであります。ところがまた、九州との間では、九州から本州へ持ってまいりますときはかなり大きな容量です。二百七、八十万あります。しかし、本州から九州へ行くときは三十万キロワットしか行かないと。これはちょっと電圧の問題とか高圧の問題がありましてですね。ですから、万が一、九州で何か地震ですとかいろんなことが起きた場合に、融通するものが、非常にその関所が狭いということなんですね。
 ですから、この間からも申し上げておりますように、じゃ六十ヘルツと五十ヘルツの間のところも非常に関所が狭くて、今度の東電の場合でも九十万だけしか融通できないと、こういう問題があるわけですね。
 実際、それぞれの電力会社は自分たちのやっぱりテリトリーに入ってこられるのはそれなりに心理的に嫌ですから、ある意味でそういう連系を、関所を広くしようという考え方は余りないわけです。ですから、そこを、今までは政府系ということで電源開発株式会社を使ってそういうことをやらせていたと思うんですね。ところが、今度そこが民営化をされるということとなりますと、ただほっておけばその連系パイプが太くなるというものでは決してないわけですね。なかなかそこは稼働率が低いんですね。私も調べてみましたら、比較的一〇%内外のところでしか使われない。これではまずだれも作ろうとはしないと。
 ですから、連系は極めて重要で、危機管理上も、いざというときに非常に大切だと言われていながら、市場原則に任せておきますとだれもやらないと、こういうことになりますので、是非助成措置も含めて、危機管理上極めて大切なことであるということで、大臣に再答弁をいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 広野先生から何回か同様の趣旨の御意見がございました。
 今回の東京電力の不正事件に端を発する電力の需給のインバランスの問題で、例えば非常に余力がある中部電力から御指摘のように九十万キロワットしか来ない、こういうことを考えますと、やっぱり危機管理上そういう融通がし合える、そういうシステムを作っていくことというのは非常に私は重要なことだと思っております。
 御指摘のような連系線の整備につきましては、それをどうやって支援していくか、国の関与の在り方についても私どもはよく検討をしていかなきゃいかぬと、こんなふうに思っているところでございます。
○広野ただし君 特に電力自由化の中にあって、それぞれ電力会社間の連系というのは、ある意味で帰趨を制するような、自由化にとって物すごく重要なファクターだと思いますんで、そこのところの助成措置も含めて、危機管理の考え方も含めて大いに検討をいただきたいと、こう思います。
 それと、同じような危機管理の考え方からの観点なんですけれども、電力でもガスでも大規模エネルギーシステム、ネットワークシステム、大規模なそういうネットワークシステムと、まあガスは非常にはっきりしてきているんですが、分散型のLPGですとか、そういう分散エネルギーシステムというものとあるんだろうと思うんですね。私は、エネルギー源の方もエネルギーミックス、ベストミックスというのが安全保障上もあるいは市場原理あるいは環境適合性の問題においても、そういう中で競争し合えばいいというふうに思いますし、危機管理上の問題も、大規模ネットワークシステムプラスの分散と、いろんな意味でそういうことがあっていいんじゃないかと思っております。
 特に、最近は技術開発がどんどん進みまして、これが例えば燃料電池、あるいはコジェネということで、コジェネなんかで、マイクロガスタービンで電気も起こす、またその熱も使って冷房あるいは冷凍にやると。しかも、そういうものが非常にユニット化されたものをどんどん積み重ねてやっていくということですから、平成十七年に五十キロワットまで自由化されるということになりますと、コンビニエンスストアとか大きな、あるいはレストランとか、そういうところでそういう分散電源としての、何といいますか、熱電気供給システムというものがかなり入ってくるんじゃないかと思います。
 これがネットワークを組まなきゃならないのか、場合によっては分散でいいのか。これは分散のエネルギーシステムについての考え方によってその普及度が大きく変わってくるんではなかろうかと、こう思うわけですが、大臣に、そのネットワークシステム、大規模ネットワークシステムと分散エネルギーシステムとのこの両方についての評価はどういうふうにお思いか、伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 今般の制度改革におきましては、エネルギー政策基本法に基づきまして、安定供給とそれから環境への適合、これを図ることにしておりまして、その下で需要家の選択肢の拡大を図って電気事業の更なる効率化を促すことにしております。
 コージェネレーション等の分散型電源というのは、御指摘のように、大規模電源で集中的に発電を行い、送電ネットワークを通じて供給を行うネットワーク型の電力供給を補完するものと言うことが私どもはできると思っています。今回の制度改革におきましても、このような認識の下で、分散型電源から自由化対象となる需要家に対して自前の送電線による供給を原則自由化することとしたところでございます。
 政府といたしましては、これにより電力供給手法の一層の多様化が図られまして電力の安定供給の確保に資するものと、こういうふうに期待しておりまして、今後、更に時代を先読みしてみますと、例えば燃料電池というようなものの分散型電源というのも非常に大きなポテンシャリティーを期待できます。
 そういったことを含めて、私どもは、やはり需要家の選択肢を広げて、そして安定供給とそれから危機対応と、そういったいろいろなことに対処する、そういうシステムを構築していくことが望ましいと、こういうふうに思っております。
○広野ただし君 今、大臣が燃料電池のことも言われまして、それで、例えば五十キロワットクラスになってまいりますと、このときに、今までの考え方ですと、自家用電気工作物という形でそこで発電をするものですから、そこに主任電気技術者を置かなきゃいけないと、そういう義務付けがあるわけですね。ところが、じゃ、コンビニですとかレストランということになりますと、主任電気技術者をそこにまた雇うとなりますと、そこでもうコスト的にとても駄目で、せっかくの普及をある意味では阻害してくるような問題も出てくるんじゃないか。
 ですから、私は、それが危険であれば、それはまた社会的規制は必要だと思いますが、もう非常にコンパクトにでき上がってきて問題ないようなものになってまいりますと、それは正に規制改革によって新しい産業が立ち上がるというようなことになるわけで、その点、現在の主任電気技術者必置規制といいますか、ここのところを直してもらわないと、規制改革をやってもらわないと進まないと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘のとおり、特にコジェネの設備のうち小規模なものにつきまして、設備の構造あるいは技術面の安全性について十分検討を行った上で合理的な規制が必要でございます。
 現在、構造改革特別区域の基本方針の別表におきましては、家庭用の燃料電池導入については十キロワット未満、マイクロガスタービンについては三十キロワット未満につきましては電気主任技術者の必置義務を外しておりまして、どなたか保安の監督ができることを前提にということでやっております。
 実例が少しずつ積み上がってまいりますれば、更に我々の方もこれを一般化していきたいと思いますけれども、今後、一般用の電気工作物として取り扱う場合に満たすべき技術基準の整備なども併せて実行してまいりたいと考えております。
○広野ただし君 是非前向きに規制改革も進めていただきたいと、こう思います。
 それと、技術の進展に合わせてどういうことになるか分かりませんが、LPGもそういう面では、LPGから燃料電池ということだってあるかもしれませんし、どういうコジェネのようなものができるかも分からない。そういう面では、非常に分散型のエネルギーシステムということではそれなりに私は大事なものじゃないかと。
 ところが、今までエネルギー統計を取りますと、LPGというのはもうエネルギー統計に出てこない、何か石油の一部に入ってしまっているような。今朝も同僚議員から御指摘もありましたが、正に全世帯の半分は一般ガス事業者、そして片一方はLPG業者と。もうLNGは確かに五千四百万トンですか、輸入されている。LPGでも実際千八百万トンぐらい使われているということでありますので、LPG業界の将来の展望といいますか、そういうエネルギー全体においてどういう役割を占めるのか、占めるべきなんだろうかと。べきということもないでしょうけれども。そういうものがしっかりとあって、私は、先ほど言いました大規模エネルギーシステムと分散型のものとがミックスしてそれぞれの役割を果たしていくということではないのかなと。何といいますか、サンショウは小粒でもぴりりとそれなりの役割をきちっと果たしていくと、それが日本のエネルギー構造を極めて強いものにすると、こういうふうにも思っておりますので、最後に大臣の見解を伺いまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) やっぱり、今、広野先生御指摘のように、LPGというのはもう半数が家庭用に入ってきているわけでございますし、いろんな利用も、燃料電池のこともお話になられましたけれども、そういったことも含めていろいろ考えられるわけです。
 現在、LPガスというのは輸入の約八割を中東に依存しておりまして、民間備蓄、これ着実に実施をしていただいていますけれども、さらに二〇一〇年度には百五十万トンを目標とする国家備蓄、この整備を推進をしているところでございまして、国としても安定供給の確保というような観点から、エネルギーの、非常に重要に位置付けて、そういう施策を進めております。
 それからまた、LPガス事業者というのはもう非常に中小の事業者が多いと、こういうことでございまして、その経営の基盤の強化ということも、これはエネルギーの安定供給、そういうことを考えたときには非常に必要なことだと思っておりまして、LPガス充てん所の統廃合支援等による流通の効率化を図る、このことも促しているところでございますし、それからLPガスコージェネレーションの導入支援、これは言ってみれば分散型エネルギーとしての導入支援と、こういうふうに言ってもいいと思うんですけれども、こういったことも効率的利用の促進、こういう観点で取り組んでいるところでございまして、私どもとしては、今後とも都市ガスと、そしてLPガスを合わせたガス体エネルギーについては、それぞれの供給特性を踏まえつつ、必要な政策というのは着実にやっていかなければいけない、こういうふうに思っているところでございます。
○広野ただし君 昔、「スモール・イズ・ビューティフル」という本がありまして、やはり何も大規模なことばかりがいいんではないんだと、それなりにきちっと役割を果たすということだろうと思いますので、大規模エネルギーシステムだけではなくて、そういう分散型、あるいは小規模でも積み重なると物すごくなりますから、そこのところは是非よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは終わります。ありがとうございました。
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○委員長(田浦直君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として森元恒雄君が選任されました。
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○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べいただきます。
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案に対して反対討論を行います。
 本法案は、原発の建設、バックエンド費用について国が別途必要な措置を講ずることを電力自由化推進の前提条件にして提出されたものです。その中身が不明のまま電力自由化を促進することは、将来に禍根を残すものであります。
 以下、反対理由を述べます。
 本法案に反対する第一の理由は、自由化の拡大は、一部企業の利潤追求の利便を図るために一般国民、消費者に負担をさせるものだからです。
 電気の振替料金の廃止などは、新規参入者、電力会社、大手ガス会社など自由化部門の供給事業者にとっての送電網、導管網の利便を図るものです。その廃止にかかわる費用をすべての需要家の電気料金に上乗せし、一般家庭などに負担を押し付けることになります。また、新規参入の増加による送電網、導管網の増強、あるいは結果として過剰となる電力会社の発電設備の維持の費用は、総括原価方式の下で電力料金を押し上げ、一般家庭など小零細需要家に転嫁することは明らかであり、認められません。
 反対理由の第二は、自由化の拡大により大口需要家をめぐる新規参入者と電力会社、ガス会社間の競争が激しくなり、発電所や送電網、導管網など長期的設備投資が抑制され、将来的な安定供給基盤が確保されないおそれがあるからです。
 既に、自由化が始まって以来、電力会社、ガス会社は、人員削減、投資抑制、あるいは修繕費まで抑制しています。この現状が更に拡大して、安定供給に危惧を持たざるを得ません。
 第三は、一般ガス事業者すべてに託送供給義務を課すことは、公営を含む中小ガス会社まで大手ガス会社や大口供給に参入している電力会社などとの競争にさらし、経営基盤を不安定にするからです。さらに、家庭の半数に供給しているプロパンガス業者を一方的に淘汰することにつながり、一般家庭を含む需要家にその負担を押し付けることになるからです。
 第四に、国家資金による発電所建設などを行ってきた電源開発を民営化し、自由化されている発電市場に投入することは、国民の財産を民間の営利企業とする電力版官業払下げと言うべきものであり、認められません。
 最後に、電力自由化で、いいとこ取り、クリームスキミングを進めれば、どこでもだれでも共通の条件で電力供給を受けられるユニバーサルサービス等の責任ある供給主体、送電一貫体制の崩壊につながりかねません。
 以上、反対理由といたします。
○委員長(田浦直君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 木俣佳丈君から発言を求められておりますので、これを許します。木俣佳丈君。
○木俣佳丈君 私は、ただいま可決されました電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
    電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  国民生活と経済活動の基盤となる電気事業及びガス事業の制度改革については、エネルギーの安定供給の確保や環境への適合を図りつつ、エネルギー需要者の利益を十分確保するため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 我が国のエネルギーセキュリティと環境保全等の両立の観点から、原子力発電を中核的な電源と位置付け、原子力発電の開発・利用を推進するため、優先給電指令制度の整備など電力供給システムの一層の整備を図ること。
   特に、原子力発電のバックエンド事業については、国の責任を明確化した上で、徹底した情報開示と透明性の高い国民的議論の下で、官民の役割分担の在り方、既存制度との整合性等を整理し、経済的措置等具体的な制度・措置の在り方について早急に検討を行い、平成十六年末までに必要な措置を講ずること。
 二 電力・ガス事業の将来の小売自由化範囲の拡大については、ユニバーサル・サービスや最終保障の在り方等の観点を踏まえ、今後、十分慎重に検討すること。
 三 電力・ガスの安定的かつ効率的供給を確保するため、川上から川下まで一貫した体制で確実に電力・ガスの供給を行う「責任ある供給主体」が必要であることにかんがみ、一般電気事業者制度及び一般ガス事業者制度を存続させるとともに、本法施行後三年経過時に予定される本改正の検証の際も、当該制度を存続した趣旨を十分尊重すること。
 四 卸電力取引所の整備、託送制度の見直しなど本制度改正の具体的制度設計に当たっては、安定供給と環境適合を大前提に、公正かつ公平なルールに基づく市場環境の整備を行うこと。
   また、振替供給料金の廃止に当たっては、送電線建設等に要するコストの公平・確実な回収、送電費用の負担に関する適切な精算、遠隔地電源立地の抑制の確保に留意して制度設計を行うとともに、消費者の理解が得られるような仕組みとすること。
   なお、振替供給料金の廃止後の状況の推移を見て、これらについて不具合が生じるような場合には、直ちに振替供給料金の廃止の見直しを含めた振替供給制度の見直しを図ること。
 五 送配電等業務支援機関については、いわゆる中立機関として送配電部門の公平性・透明性を確保するための機関であることにかんがみ、基本的な指針の策定等の支援業務の実施に当たっては、公平・透明な運用と安定供給の確保の観点に留意すること。
 六 地球環境問題への対応等の観点から、分散型電源の導入が、地球環境負荷を高める電源に偏ることのないように配慮するとともに、燃料電池や太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの開発・利用を推進すること。
 七 エネルギーセキュリティの確保や地球環境保全等に配慮したベストミックスの観点から、天然ガス利用の拡大を図るとともに、ガス体エネルギー確保のための積極的な資源外交に努めること。
 八 電源開発基本計画の廃止に当たっては、電源立地の停滞や困難化を招来することのないよう、電源開発の円滑化のため引き続き必要となる地元合意形成の促進や関係省庁における許認可の円滑化など、これまで電源開発基本計画が有してきた意義や機能を承継する代替措置を講ずること。
 九 電源開発株式会社については、民間会社としての自立的な経営基盤を早期に確立して同社を効果的かつ積極的に活用するため、指定会社による財務基盤の強化のための措置を確実に達成するとともに、完全民営化の趣旨にかんがみ、資本、人事の面において一層自主的かつ責任ある経営体制の確立が図られるように努めること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いします。
○委員長(田浦直君) ただいま木俣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、木俣君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
○委員長(田浦直君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十一分散会