第156回国会 国土交通委員会 第7号
平成十五年四月十七日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     直嶋 正行君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     池口 修次君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       国土交通省総合
       政策局長     三沢  真君
       国土交通省海事
       局長       徳留 健二君
       国土交通省港湾
       局長       金澤  寛君
       国土交通省政策
       統括官      鷲頭  誠君
       海上保安庁長官  深谷 憲一君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)
○海上衝突予防法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図る
 ために平成十五年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

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○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案及び海上衝突予防法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長三沢真君、国土交通省海事局長徳留健二君、国土交通省港湾局長金澤寛君、国土交通省政策統括官鷲頭誠君及び海上保安庁長官深谷憲一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(藤井俊男君) 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案及び海上衝突予防法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○野上浩太郎君 おはようございます。自由民主党の野上でございます。
 今日は、油濁と海上衝突予防法、この二法でございます。
 まず、油濁でございますが、油濁といいますと、国民の多くの皆さんがイメージをされますのは、湾岸戦争のときに原油にまみれたウミウの姿であろうと思いますし、国内的には、ナホトカ号のときに本当にひしゃくとバケツを持って、あるいはマスクを付けて油の防除作業に当たられた地元住民あるいはボランティアの皆さんの姿であろうと思います。
 油濁事故を思いますときに、環境ですとか生態系に与える影響の深刻さですとか、あるいは漁業、観光に与える被害の甚大さ、大変深刻なものがある。私の地元も富山県でございますので、ナホトカ号のときは正にその渦中にあったわけでございますが、その重大さを思いながら質問に入らせていただきたいと思いますが。
 まずは、今改正が行われました背景についても関連をいたしますが、今改正、平成六年の改正に引き続きましての限度額の引上げなわけでございますけれども、前回の引上げに対応できないほど最近の事故というものは大型化をしているのか。もしそうであれば、最近の事故の特徴を踏まえながら、その理由をお伺いをしたいと思いますし、また併せまして、まず何よりも大事なのは、油濁の補償も大切でございますが、それが起こらないように、どのように安全防止策を施していくかということであろうと思いますが、昨年のプレスティージ号の事故をきっかけとしまして、フランスですとかスペインでは老朽タンカーの航行規制などにも踏み切っておりますし、各国で安全強化策に対する機運が大変醸成されつつあるということでございまして、その動きといいますか、実情と、また我が国の周辺においても老朽タンカーというものは運航していると思いますが、どの程度運航しているのか、また我が国の安全防止策等々についてもお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(徳留健二君) 最近の事故の大型化あるいは欧州での規制強化、そして我が国の安全に対する取組等についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げたいと思います。
 御指摘のとおり、平成六年に油濁損害賠償保障法は改正されておりますが、その改正後におきましても、我が国で発生いたしましたナホトカ号事故、これは一九九七年一月でございます。それから、フランス沖で発生いたしましたエリカ号事故、これは一九九九年十二月でございますが、そういった大規模な事故が発生をしておりまして、多額の被害を生じさせておるというところでございます。ナホトカ号事故につきましては、補償総額二百六十一億円、エリカ号事故につきましては、まだ補償額は決着しておりませんが、二百四十億円程度ではないかというふうに予想されているところでございます。
 これらの事故は、その後の調査によりますれば、いずれも荒天下におきまして老朽タンカーの強度の不足による船舶の折損が原因ではないかというふうに言われております。ナホトカ号、エリカ号、いずれも船齢が二十六歳とか二十五歳と非常に古い船でございました。
 そして、先ほどもお話ございましたが、昨年十一月にはプレスティージ号事故が起こりました。これに対応しまして、ヨーロッパにおきましてはいわゆるシングルハルタンカーによる重油等の輸送を禁止するとか、あるいはシングルハルタンカーをダブルハルタンカーに改造するといいますか、シングルハルタンカーの運航をできなくなる、そういう年限が今決められておりますが、それをもっと前倒しにすると。フェーズアウトと言っておりますが、そういったことを前倒しするといったような、そういう規制強化策を検討しているところでございます。EUにおきましては、このような規制強化策を国際条約の改正提案といたしまして、国際海事機関、IMOと言っておりますが、IMOに提出をしたところでございまして、今後、これらの対策につきましてIMOにおいて検討がされていくということとなっております。
 次に、我が国周辺におきます船齢の高いタンカーの運航状況に関する問い合わせでございますが、世界のタンカーの平均船齢というのは約十五歳でございますが、我が国に入港したタンカー、これを私ども、ポートステートコントロールということで外国船の監督を行っておりますが、その際の調査によりますと、平均年齢は約十歳ということで、我が国に入ってくる船は比較的新しい船といいますか、若い船舶が入港しておるということでございます。
 いずれにしましても、老朽タンカーによる海洋汚染ということを防止することが非常に重要でございまして、我が国におきましては、以下申し上げますような対策を国際的に、各国と協力しながら実施をしているところでございます。
 三つほどございますが、まず第一点目は、国際基準を強化していく、全体として国際基準を強化していくということでございまして、船の構造基準とかあるいは船の検査の基準を厳しくして、そういう強度等が足りなくなるというようなことのないように、まず制度的に対応するということでございます。
 それから二番目は、先ほども申し上げましたが、シングルハルタンカーのフェーズアウトを促進すると。要はダブルハルタンカーへの切替えをできるだけ早くするように促進をすると、こういうのが第二点目でございます。
 それから第三点目は、アジア太平洋地域におきまして、ポートステートコントロールという制度がございまして、域内の韓国、中国あるいは東南アジアの諸国等と協力しながら、入港してくる船、外国の船が基準に合致しているかどうかということをきちっと検査をすると、こういう制度がございまして、こういう制度を活用しまして、今後は、特にアジア地域に入ってくる船につきましては船齢が十五年を超えるようなタンカーについて重点的にそういうチェックをしていくということを決定しておりまして、今実施中でございます。
 こういった措置によりまして、我が国に入港する船舶はもちろんでございますが、沿岸を航行する船舶につきましても質の悪い船というものが徐々に排除されていくというふうに考えておるところでございまして、老朽タンカー事故の防止に役立つと思っておるところでございます。
 以上でございます。
○野上浩太郎君 是非、その制度の厳格な適用というものをしっかりとお願いを申し上げたいと思います。
 エリカ号とナホトカ号の具体的な事故についての言及がございましたので、ちょっと次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、エリカ、ナホトカ号の事故においても議論となっておるんですが、その限度額を超えた場合の話とも関連をするんですが、九九年のエリカ号の事故に続いて、昨年のプレスティージ号の事故というものは欧州に大変な衝撃を与えました。そして、その対応としまして、現在の国際油濁基金の限度額を超える部分を追加的にカバーする欧州独自の基金を設立するための対応がフランスを中心にEUで進んでおります。このように欧州独自の基金が設立されるという地域的な、地域に限定的な措置が進みますと、これは国際的な油濁補償制度ですとか条約体制を大きく損なう可能性がございますし、あるいはその負担に耐え切れない国がその基金を脱退をしてしまうと。そうした場合、その負担のしわ寄せというものは最大の拠出国であります日本に波及をしてまいります。
 一方、これに対しまして国際油濁基金は、国際的な制度を守るために任意の追加基金の設立案というものを検討しておりまして、この五月にも採択がされるのではないかということもお聞きをしておりますが、問題は、その補償限度額を十億ユーロ、約千二百億円ですか、と主張しておると。これはもう最大限の、現実的な最大限の額の四億ユーロというものから懸け離れたものでありまして、これも大きな懸念事項となっております。
 このような動きに対する今後の見通しと、この最大の拠出国であります日本はやはり国益を踏まえた対応をしていかなければならないわけでありますが、我が国に対する影響あるいはその対応等々、どのようにお考えであるか、扇大臣にお聞きをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 本当に、今お話が出ましたように、過去の事例を見ましても、ナホトカ号、エリカ号等々、いったん油タンカーが事故を起こしますと、船の事故そのもの自体はさることながら、沿岸の漁民、漁港、そして陸等々に甚大な被害を及ぼすということは過去の例をもってしてももう明白でございます。
 また、今、野上委員がおっしゃいましたように、かつての、思い出しても、ナホトカ号のときに、あらゆる油の駆除方法というものがまだ日本では足りませんで、それによって油濁の汚染を排除する船を新しく造ろうとまで日本はしたわけでございますけれども、現実的にこのナホトカ号の事故等々、今おっしゃいましたように、周辺の地域に甚大な被害を及ぼすので、お互いに、一九七九年に国際油濁補償基金、これが創設されまして、油濁の損害を補償する制度が、これによって国際油濁補償基金には世界七十四か国、これが加盟しております。我が国は最大のこの拠出国でございまして、全体の二〇%を我が国がここの基金に拠出をしております。
 そういう意味で、御存じのとおりの今お話ししましたようなナホトカ号の事故、エリカ号の事故等々といった大規模な事故に関しましては、二〇〇〇年の十月、この基金によりまして補償の限度額、これは二百十六億円から三百二十五億円という、倍増、五〇%引き上げたわけでございます。
 けれども、この条約によって我々は改正が採択されて、今回の法律改正にまで、私たちはこの条約改正を国内法にしようということで決意したわけでございまして、海洋王国と言われて日本じゅう船が行き来している我が国にとっては、この補償の確立と基金の確立と、これを国内で改正するということは、私は今後の安全、安心のためにも大きな私は改正であろうと思っておりますし、また被害者への補償というものも今後事故があったときに充実する、そして一部の国から補償限度額の更なる上乗せについてもあるいは提案されておりますけれども、追加される補償額と、そのための負担の在り方については我が国としても今後議論を尽くしてまいりたいと考えておりますので、今回の改正は大変多くの将来に対しても意義のあることだと存じております。
○野上浩太郎君 是非その方向で御検討を続けていただきたいと思うんですが。
 ちょっと時間がございませんので、次の質問、ちょっと御要望にとどめさせていただきたいと思うんですが、日本の国益を踏まえた対応というときに、日本はダブルハルタンカーを就航させましたり多額の資金を充てて大変安全航行に努力を傾注しておるわけでございますので、事故率も大変低いわけであります。ですから、拠出金の算定等々において事故を起こさないようなインセンティブが働くように優良業者とそれ以外の業者を区別をする、そういう制度設計をしましたり、あるいは税制上の優遇措置を考えたり、こういう対応も必要ではないかと思いますので、これは御検討をお願いをしたいと思います。
 次の質問に移りたいと思いますが、こういう油濁問題につきまして、やはり行き着くところは、いかに海洋の環境を守っていくかというところに行き着くわけでございます。四方を海に囲まれる日本にとって、その対応というものは本当に生命線であろうと思いますが、まずはこれについてどのような取組をしているのか、そしてまたあわせて、特に閉鎖性の高い国際海域の環境保全のために、いわゆるUNEP、国連環境計画によって地域海行動計画が提唱されておりまして、我が国におきましては、日本海を守るために、日本、韓国、中国、ロシアの四か国でいわゆるNOWPAPが九四年に採択をされました。
 実は、このNOWPAPの事務局、日本側の事務局が私の地元の富山県に設置をされることとなりましたけれども、このNOWPAPの担う役割につきまして、その期待あるいはその役割に対する思い等々につきまして扇大臣にお伺いをしたいと思いますし、またあわせて、これは三沢局長になるのかもしれませんが、NOWPAPの富山オフィスの設置について今UNEPと我が国の間で合意文書の協議が続けられているということでございますが、今後のその見通しと、それともう一つは、国土交通省所管で日本海難防止協会富山連絡事務所というものが設置をされますけれども、国交省とNOWPAPとの連携あるいは支援策等々についてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今お話にありましたように、我が日本海というものは、豊富な漁業の資源を始め、あらゆる、レクリエーションでありますとか観光、すべて日本の資源の財産でございます。
 そういう意味では、我々は、今おっしゃったようなこの資源というものの環境保全というものがいかに今後大事になってくるかというお話が今ございましたけれども、少なくとも今おっしゃいましたように、この日本海、黄海を取り巻く日本と韓国、そしてロシア、中国によります海洋環境の保全のために国際的な協力の枠組みとして、今、北太平洋、北西太平洋という意味での地域海行動計画、これが今おっしゃったNOWPAPでございますけれども、具体的には海洋の環境のモニタリング、これが第一の大きな役割でございます。
 二つ目には、油流出の緊急時の対応マニュアルの策定というのが大きな役割でございまして、このNOWPAPの実行と、そしてこの具体策の連絡あるいは緊密な関係国との連携というもの、そして日本海の海洋環境の保全というものにこのNOWPAPが果たす役割というのは大きいと思いますので、この内容と国土交通省の関係は三沢さんから聞いていただきたいと思います。
○政府参考人(三沢真君) NOWPAPの本部事務局である富山オフィスにつきましては、NOWPAPがUNEPの地域海行動計画の一環として設けられているということから、その設置に当たりまして、UNEP、国連環境計画と我が国との間でホスト国協定を締結する必要がございます。現在、このため、国連環境計画と外務省の間で富山オフィスの設置に関して協定書の協議を進めているところでございます。私ども国土交通省としても、できるだけ早く、早期に開設できるように尽力してまいりたいというふうに考えております。
 それから、富山オフィスへの支援、連携につきましては、海洋汚染防止に関しまして実績と深い見識を有する社団法人の日本海難防止協会がNOWPAP富山オフィスの業務を支援するということにしておりまして、新たにこの協会の富山連絡事務所というものを設けたところでございます。この富山連絡事務所におきまして、NOWPAPオフィスの日常的な業務運営の支援を行うとともに、海洋汚染防止に関する専門的、技術的な助言あるいは情報提供を行うなど、密接な連携を取っていくということにしているところでございます。
○野上浩太郎君 是非早期の対応をお願いをしたいと思います。
 ちょっと質問を残しましたが、時間でございますので、この質問はちょっと次の機会に譲らさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 こういう油濁関係あるいは海の汚染関係あるいは海の防災関係、こういう関係につきまして、これで三度目になります。森田大臣のときに、三年前に一度やらせていただきましたし、昨年の年末に、十二月十日に独法関係のことでやらせていただきました。おかげさまで随分この海の関係につきまして勉強させていただきました。そしてまた、今、野上先生が富山県出身ということでありまして、私も富山県ということで、富山県が続くということになってきますと、なかなかいいなというふうに思うんですが。
 そこで、法案について少し、これまで海の状況については過去やらせていただきましたので、法案につきまして少し触れさせていただきたいと思います。
 そこで、今のこの法案の提案説明の中にナホトカ号あるいはエリカ号が一つの大きな原因になっているというふうに出されております。そこで、問題は今進行形でありますが、進行中ということで、スペイン沖のプレスティージ号の遭難といいますか、事故、こういうものが今進行中で、まだ油が流れている、こういうことが今言われております。
 この問題につきまして、今どういうふうな状況にあるのか、その概況をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(徳留健二君) プレスティージ号事故の概要について御説明を申し上げます。
 昨年の十一月十三日、スペインの北西部の沖におきまして、バハマ船籍のプレスティージ号、これタンカーでございますが、プレスティージ号が荒天によりまして難破、漂流をいたしました。その後、同月十九日、スペイン沖の約二百七十キロメートルの海上におきまして船体が二つに折れ、沈没をしたということでございます。
 本船は約七万七千トンの重油を積載をしておりましたが、そのうち現在まで約四万トンが流出をして、スペイン、フランス、ポルトガルといった沿岸に大きな被害を与えているというふうに聞いておるところでございます。まだ被害総額が幾らかということは確定をしておりません。なお、本船は船齢二十六年のシングルハルタンカーでございました。
 以上が、私ども今承知している状況でございます。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 まだ進行中で、もう被害額が相当になるというふうに思われますし、金額に表せない環境問題に非常に影響があるというふうに思うというところでございますが。
 そこで、法案の関係に入っていきますが、まず、この油濁関係の事故といいますのは原因者負担主義、これが国際的にはもう当たり前でありまして、そういうことからいきますと、この法案がこれからどういう位置付けになっていくのかということになるわけでございますが、そこでまずお聞きしたいのはこの対象、私はタンカーに限って対象になるというふうに思うんですが、間違いございませんか。
○政府参考人(徳留健二君) そのとおりでございます。
○谷林正昭君 タンカーに限ってこの法律が適用される、あるいはこの国際条約が適用されるという確認でございます。
 続いて、問題は、事務方の方から説明を受けたときに、こういう図、簡便な図を示していただいて、今こういう状況で、これからの、ナホトカ号だとかエリカ号の事故を見ると非常に大きな金額が損失、損害になるということから、少し、五〇%割増ししようよという単純なお話を聞いたわけでございますが、勉強すればするほど、この法律、条約、こういうものは一体あいまいなところがたくさんあるんではないかというふうに思ってきました。
 それはどういうことかといいますと、一つはこの基金が補償する具体的損害範囲についてどういうことになっているのかよく分からない。マニュアルがあるのか基準があるのか。例えば、これは後ほどまたお聞きしますが、例えばナホトカの例を取りますと、二百六十一億という金額、総額の積算がされました。二百六十一億のうち、じゃ、だれがどのように負担したのか。これは、先ほど言いましたように、原因者負担主義ということを取っておりますが、私の知る限りによりますと、百五十一億がこの基金から出されたというふうになるわけですね。
 ところが、その百五十一億というのはどういう積算なのかということになってきますと、単純にこの表や図に表されているような中身ではございません。それは、ナホトカ号の船主に大きな責任があるという観点から裁判になって、その裁判で最終結論が出されたというふうに実は聞いております。
 そうなってきますと、この法律の具体的な範囲、これは補償範囲というのは一体どこでだれが決めるのか。これからの問題である環境問題についてはどう取扱いされるのか。非常に私はあいまいなところがあると思いますので、その辺をしっかりちょっと聞かせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(徳留健二君) 基金が補償する損害の範囲についてお答え申し上げたいと思います。
 基金が補償する損害の範囲につきましては大きく分けて二つございまして、一つは船舶からの油の流出等による汚染の損害、二つ目はその損害を防止するために要した費用、そういったものを補償すると、こういうことになっております。
 具体的には、船舶からの油の流出等による汚染損害ということにつきましては、例えば養殖魚の死滅あるいは汚染、あるいはノリ網の汚染等の漁業被害といったこと、それから旅館の休業、海水浴場閉鎖に伴う被害といったような、こういったものがございますし、また今度は、油が流出した際に、その流出をできるだけ範囲を抑制するとか、あるいはその損害を防止するための費用ということで流出油の広がりを防ぐためのオイルフェンスを展張したりする費用、あるいは流出油を実際に除去する費用、あるいはその回収した油を処理する費用と、そういった費用などでございます。
 なお、この損害の範囲につきましては、国際油濁補償基金がそういう請求、こういうものが対象になるということを請求の手引という形で作っておりまして、そういうものに基づきまして査定を行って、損害の範囲を統一するように努力しているというふうに理解をしております。
○谷林正昭君 そういう手引があるということでございますが、その手引の中に、それじゃ環境を復元するそういう費用、あるいはボランティアの人たちが集まってくる交通費、あるいはそれに必要な手袋とかかっぱとか、こういうものはどうなんですか。
○政府参考人(徳留健二君) 実際に補償する際には、その補償の請求がその油の流出あるいは損害と関係があるかどうかということを実際に査定をされていくわけでございますが、そういうものとして申請をされて、その因果関係といいますか、確かにそうであるということであればそういうものも補償の対象になるというふうに私どもは考えております。
○谷林正昭君 補償の対象になるかもしれないというふうに、それは国によっての請求の仕方になるということですか。
 私の心配するのは、条約の中で、それぞれの国が法律を作って、そこに請求をする、被害を受けた国が請求をするということになれば、国によってその請求の仕方が違ったらこれはちょっとおかしいんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(徳留健二君) 国際基金では、先ほど申し上げましたように、一定のそういうマニュアルといいますか、そういう基準を作って運用していると思います。そういうことで、若干その申請の要請の仕方とか等々によって、若干そういうのがあるかどうか私ちょっと承知しておりませんが、仮にあるというようなことであれば、そういうことのないように私どもとしてはこれからも基金にいろいろ働き掛けをしていきたいというふうに思っております。
○谷林正昭君 それはやっぱりしっかり手元に置いて、マニュアルといいますか、手引を手元に置いて、他の国との違い、こういうものをしっかり私は調査するべきだというふうに思いますよ。
 そこで、なぜこんなことを言うかといいましたら、ナホトカ号のときに六億三千万、これ支払ができなかったんですね。最終的には国が負担をしたと、こういうことになっているんですね。そのうちの三十億でしたっけ、橋を架けた金が認められなかった。油を早く止めるために橋を架けて、そこから油を抜こうという作業をやる予定でしたが、一回波に流された、それからまたやった。そういうような作業経費、こういうものがこの基金で認められなかった、こういう事実があるんですね。
 じゃ、なぜそれが認められなかったのか、あるいはなぜそれを認めさせようとしなかったのか、そういう話は一切聞こえてきません。この法律を勉強しておりましたら、そういうところに行き着きました。国によって、あるいはその事案によって、あるいはその手続の仕方によって変わるというのは非常におかしい、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 先生御指摘のナホトカ号事故での油防除措置の中での仮設道路の関係についての御指摘をいただきましたのでお答えを申し上げますが、先生御案内のように、海岸に漂着をしましたナホトカ号の船首部、これからの油の回収が必要であるということで、現場海域の当時の気象状況、それから緊急性、こういったことから、海上におきます船舶からの、船舶によります油の回収、これに加えまして、御指摘のように、仮設道路を造りまして陸からの油の抜取り、これもしようということで並行して行うことに当時いたしまして、海上保安庁長官が当時海上災害防止センターにその防除作業を指示をいたしました。
 海上災害防止センターは、その要しました費用につきまして船主、それから国際油濁基金の方に請求をしたわけでございますけれども、今、先生御指摘のとおり、仮設道路の建設費用の一部などにつきましてこれが認められなかったと、最終的にという事実がございますが、この理由につきましては、船首部からの著しい汚染、これにかんがみまして陸上からの油抜取りのために仮設道路を建設をして、陸上からも油抜取りをしようということの措置そのものにつきましては理解が基金からも得られたわけですけれども、現場の悪天候で、仮設道路を造ったわけですが、先生御指摘のように、被害を受けて造り直したりなんかをしていたという経緯がございますが、そういったプロセスの中で計画の再検討をすべき部分があったのではないかというふうなことなどを国際油濁基金としてはお考えになったようでございました。
 最終的には、言わば、先ほども海事局長の方から御答弁ございましたけれども、査定の一つといたしまして、その建設費用の一部については認めるに至らなかったという経緯でございます。
○政府参考人(徳留健二君) 谷林先生御指摘の件につきましては、今後とも私ども基金に、しっかりとチェックをいたしまして、私どもとしても一生懸命ばらつきがないように働き掛けをしていきたいと思っております。
○谷林正昭君 今、長官がおっしゃいました、問題は、交渉力なんですか、それともそういう基準に沿ってやったら駄目だったんですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 交渉力というよりも、基金におきましては、基金としての防除作業、これを進めていく上で有効かつ効果的な作業が的確に行われたかどうかという視点も持つようでございまして、過去の諸外国におきます事例の決着を見ましても請求額のすべてが認められたというケースは余りないという、請求額についていえば、やはり一定の基金の考え方あるいは基準によって査定を受けているというふうに承知しております。
○谷林正昭君 それではお聞きしますが、その橋、仮設道路を造るに当たってどれだけの費用が掛かって、どれだけ認められたんですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 当時、仮設道路の造るその直接の費用につきましては二十八億円だったというふうに記憶しております。──それで、失礼しました、認められたのは二十億、ほぼ二十億円というふうに承知しております。
○谷林正昭君 私の言いたいのはそこなんですよ。八億というのはなぜ認められなかったのか、それを聞いているんですよ。それが不適切だったと、日本の判断がという意味なのか、それとも、その辺が分からないんですね。
 二十八億掛かった道路、仮設道路で一生懸命一日でも早く油を、被害を止めようという作業を行ったにもかかわらず二十億しか認められなかった。ここが分からないんですね。これはどうしてなんですか。波で流されたからその分は元に戻しましたよという意味なのか、それともそれは日本の現場の担当者の判断が甘かったんだから、これは国際的に見ても認められないというふうに判定を下されたのか。その辺を聞いているんですよ。
○政府参考人(深谷憲一君) 若干その基金との関係のプロセスを申し上げますと、このナホトカ号の海からの油抜取り作業、それから陸からの油抜取り作業、先ほど御説明いたしましたように、私どもといたしましては緊急性から勘案して、仮設道路を建設してでも陸からの油抜取り作業も必要だろうということで措置をしました。そのことにつきましては、先ほど申し上げたように、最終的には基金の理解が考え方としてはいただけたものということでございますが、ただ、基金との当時の調整過程の中では、最初はこの陸からの仮設道路、これはそもそも必要なかったんではないだろうかというふうな指摘もある中、先生先ほど御指摘のいわゆる交渉と申しますか、そういうことを経まして、考え方、それから仮設道路がいったん、気象、海象が荒かったものですから一部流されたりいたしました。それで造り直したりいたしました。そういう積み重ねの中での約二十億円が認められたと、こういうふうに御理解いただければと思います。
○谷林正昭君 八億円がなぜ認められなかったのかと聞いているんですよ。二十億円認められたという話は分かったんですよ。認められない理由を聞いているんですよ。だから、交渉力なのか、それは国際基準に当てはまらないのかということを聞いているんですよ。
○政府参考人(深谷憲一君) 先ほど御説明申し上げましたように、この仮設道路の建設費の一部についてその費用が認められなかった、この点につきましては、現場の悪天候、あるいは仮設道路が被害を受けたという事実があるわけですが、そういった際に、その油抜取り計画、陸上からのこの計画について再検討して対応すべき余地があったのではないかというのがどうも最終的には油濁基金のお考えのようでございまして、そういったお考えに基づいて全額を、先ほど申し上げた全額を油濁基金としては認めることはできないというふうに最終的に油濁基金の方では判断したものと、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○谷林正昭君 これ、どれだけやっても結論が、というよりも答えが返ってきませんね。
 六億三千万、その分を税金で穴埋めしたんですね、簡単に言いますと。そこが、私、その国によって申請の仕方、交渉力、そういうことで、その削られたものを税金で負担をしなきゃならない。本来税金で負担する必要はないんですよ、原因者負担ですから。船主に請求なぜしないんですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 損害、いわゆる損害額全体につきましては、先生もう御案内のとおり、裁判に訴えまして、裁判の手続が進められておったわけですが、最終的には裁判所の方からの和解の御指導がございまして、最終的には裁判所の和解で決着を付けたということで、私どもといたしましては尽くすべき手段を尽くしたというふうに考えております。
○谷林正昭君 裁判所が判断したのは被害額総額なんですよ。その被害額総額で二百六十一億。そして、それの案分、最終的には案分四二%と五八%。案分をして、船主には四二%、あなた側は大変な過失ありますよ。だから、こんな図は当てはまらないんですよ。四二%船主払いなさい、あとは基金で面倒見ましょう、こういうことになったんですね。そうしたら、その間に、そこからはみ出た分が六億三千万あったんですよ。その六億三千万、海上防災センターでは負担できないから、仕方ないから独法にするときに国の税金で穴埋めして、独法に荷物を担がせない、こういうことで昨年の十二月の法律改正で決まったんですよ。
 では、六億三千万、税金で賄うから、それでもうどこへも請求しないんだということなんですね、今の長官の答弁では。私に言わせれば、なぜ国民が負担するのか。これをなぜ、裁判で決着したものは決着したものとして、それからはみ出たものについては船主に請求してもいいんじゃないかというのが私の考えなんですよ。これはしないということですか。私の理屈、違っていますか。
○政府参考人(深谷憲一君) 船主への請求すべきもの、そういったものも含めて裁判に訴えをいたしました。最終的には、先ほど申し上げましたように、裁判所の和解の御指導もございまして、和解に国としても海上防災センターにしても応じたと、それが裁判上の決着でございますというふうに御理解いただければと思います。
○谷林正昭君 もう少し私これ勉強させていただいて、後日やらせていただきます。こればかりやっていますと、ちょっとこの後の問題も少し聞いてみたいと思いますので。それでは、これは了解という意味じゃないですよ。この後また勉強させていただいて、機会があればしかるべきところでやらせていただきたいと思います。
 そこで、問題は、この基金というのをだれがどういう単位で支出するのかというのが一つの大きなポイントになってきます。
 今ほど言いましたように、世界のどこかで起きた事故をそれぞれの国、あるいはその国の采配でだれかが負担、基金を負担している、こういうことになるわけですね。毎年毎年幾らずつか出し合って積み立てていくというものじゃないんですね。事故が起きたときにそれをみんなでカバーしようというのがこの精神でございますから。
 仮に、今、エリカ号、まだ裁判、まだ最終的に損害額をどこがどれだけ払うか決まっておりません。エリカ号、一万九千九百何十トン、仮に二万トンとします。それが、恐らく二百億円をはるかに超えると思いますけれども、二百億円の損害が積算で出たと。こういったときに、その船舶所有者、これ裁判でないと分からないというふうに思いますが、仮にこの法律といいますか、この国際条約の改定、これに基づいてなったときに、船主が幾ら払う、基金が幾ら払う、そのうち基金から日本に対して幾ら請求が来る、そうしたら日本はその請求した金額をどういうふうに振り分ける、これをちょっと聞かせてください。
○委員長(藤井俊男君) その前にちょっと、海上保安庁長官、答弁の方はどうもかみ合わない状況がございますので、明快にひとつ答弁の方はお願いしたいと思います。
○政府参考人(徳留健二君) ただいまの想定につきまして、ちょっと数値を御説明申し上げたいと思います。
 まず、船舶所有者と基金の負担関係でございますが、船舶所有者に故意等がない場合には一定の限度に責任を制限することができるというのがこの法律の趣旨でございますが、この限度額が法六条で規定をされておりまして、五千トン以下の船でありますと、新しい改正後におきますと四百五十一万単位。四百五十一万単位。これはSDRでございますが、四百五十一万単位でございますと。その後、トン数が増えるごとに一トンにつき六百……
○谷林正昭君 それは分かっています。
○政府参考人(徳留健二君) ということになりますので……
○谷林正昭君 二万トンという想定したでしょう。
○政府参考人(徳留健二君) ですから、二万トンですから、そういう計算をしますと、船主が責任を持つ限度は二十二億円という計算になります。
 そして、先ほど先生、トータルとして補償額は二百億円だということでございますので、基金が支払うべき補償額は、二百引く二十二億で百七十八億円というのを基金が負担する。この基金の補償額を今度は世界の石油を引き取った方々がその引取り量に応じて、シェアに応じて分担をすると、こういうことになります。日本全体でいいますと、日本の受取量のシェアが大体二〇%になりますので、百七十八億円の二〇%を掛けますと約三十六億円というのが日本の石油を引き取った方々が負担をすると、こういうことになるということでございます。
 これは、基金が個別の石油会社とか電力会社、石油、油を引き取った方々に直接請求をして、その方々が基金に支払うと、こういうことになるということでございます。
○谷林正昭君 日本では何社ありますか、その割り振りされる会社は。
○政府参考人(徳留健二君) この分担する会社は年間十五万トン以上を超える油を引き取った方と、人ということになりまして、大体、日本の会社でいきますと大体五十数社、年によって違うと思いますが、五十数社が対象になっておるというふうに理解しております。
○谷林正昭君 そういった場合、アメリカ資本、アメリカはこの条約に入っていないんですね。アメリカ資本で日本で商売をしている石油会社はどうなりますか。割り振りにいくんですか、いかないんですか。
○政府参考人(徳留健二君) 拠出を行うのは先ほど申し上げました油を受け取った者でございまして、アメリカ資本であろうがなかろうが、国内の会社であればそれは当然分担するものであると。
○谷林正昭君 それでは、ナホトカ号のときに、もう決まりましたから、幾ら日本に分担金が来て、それを何十社で分けた、その内容を少し発表できる範囲で聞かせていただけますか。
○政府参考人(徳留健二君) ナホトカ号事故につきましては、先ほど申し上げましたが、漁業者、観光業者、電力会社等々、総額二百六十一億円で補償が終了したということでございます。そして、その二百六十一億円のうち百十億円は船主が支払いましたので、基金が支払ったのは百五十一億円でございます。これに対して、日本の分担金といいますか、拠出金は約五十億円でございました。そして、その五十億は、五十億を日本の会社が分担金として基金に拠出をしているということでございます。
○谷林正昭君 何十社になりますか。
○政府参考人(徳留健二君) この分担、出した会社数、今ちょっと数字を持っておりません。
○谷林正昭君 先ほど、これは年によって違うんですね、毎年毎年、前年実績でいきますから違うんですね。
 今、五十億とおっしゃいましたけれども、間違いないですか。三十億と違いますか。
○政府参考人(徳留健二君) 五十億でございます。
○谷林正昭君 先ほどは約二〇%ということになりましたので、その年、前の年はすごい、そうしたら取引したってことですか。
○政府参考人(徳留健二君) 現在、先ほど二〇%と申し上げたのは、現在国際基金に加盟している国数が七十四か国でございます。ただ、このナホトカ号事故当時、まだ、当初の基金から九二年の条約で新しい基金が、改正になりまして、新しい制度へ移行する期間でございました。そのときに加盟国はまだ十七国でございまして、当然そのときに日本のシェアが三三%ぐらいというふうに高かったという事情によるものでございます。
○谷林正昭君 私の認識不足でした。
 それで、なぜこんな細かい話まで出させていただいたかといったら、やはり、それだけもう世界のどこかで、海でそういう事故が起きることによって、非常にそういうリスクを石油業界というのは負っている。まして、このナホトカ号が今五十億支払った。この後出てくるのは、エリカ号も出てきます。それから、プレスティージ号も日本に分担が来ます。ひどい、非常に大きなお金が分担として来ます。その分担が果たしてどこへ転嫁できるのか。
 今、石油業界というのは恐らくそれは全部商品に転嫁していると思うんですよ、そうしないと石油業界の利益がどんとそれだけ落ちますから。そうなってきますと、今度は、果たしてそういうものが透明性を持って転嫁したものだということを国民に分かってもらえるのかどうか、私はそこが大きなポイントだと思うんですよ。
 ただ、わずかかも分かりませんよ。全体の取扱量の中から五十億、三十億というのはわずかかも分かりませんが、それだけ石油の価格に、油の価格に上乗せされていくというのがポイントだと思うんですよ。
 そういう意味で、私はこの基金というのも大切だというふうに思いますが、先ほど野上議員がおっしゃいましたように、そういう意味で事故をなくする、止める、最小限にやっぱり早く解決する、こういうものが大きなポイントになってくるということを実は言いたかったんですよ。
 そういうことで、是非日本としてでも世界にそういう協力をする。あるいは、石油というのは日本にありませんから、全部海を通って日本に入ってきている。当然それぐらいのリスクを覚悟で取引をしているというふうに思いますけれども、そういう国際的なそういうものについて、こういう単なる国際条約が変わったから日本の法律も変えなきゃならないという、これだけの、法案、勉強させていただいただけでもこれだけ実は分かったということで、国民の一人として大変な勉強になったなというふうに思いますし、それが石油価格に転嫁されているということも勉強になりましたので、こういうことを考えると、少し怖い話にもなってくるわけでございます。
 そこで、ちょっとこの法案と離れますが、ちょっと、ああ、さすがだなと思ったのがありますので、その後どうなっているか聞きたいんですが、私、昨年の十二月十日に防災センターの関係で質問いたしました。そのときに、放置船の話を十二月十日にやらせていただきました。
 そうしたら、早速、恐らく大臣の指示だと思うんですが、十二月の十三日に検討会が作られまして、その検討会、今日来ていただいていると思うんですが、鷲頭政策統括官がキャップになって、座長になって、早速、今後そういうものを一体どうすればいいんだ、障害がたくさんある中でそれをどう取り除いていけばいいんだという検討会が設けられておりますので、せっかくでございますので、この検討会がひとつ何の目的で、何を検討して、どういう結論を出す。そして、非常にハードルが幾つも幾つもあるということは分かっています。分かっていますが、それを積極的に今やっている、いろんな方からヒアリングをしているということも実は伺いました。是非そこら辺りを少しお聞かせいただきたいなというふうに思います。
○政府参考人(鷲頭誠君) ただいま先生からお話ございましたように、昨年末に大臣の指示を受けまして放置・座礁船舶等に関する検討会というのを内部に立ち上げました。
 契機となりましたのは、今お話ございましたとおり、船舶の座礁等によって被害が生じた場合には、それはもう船主の責任なんです、船主がどけなきゃいけないと。こういうのがルールなんですが、船主が、無責任な船主がいたり、あるいは保険に十分に入っていなかったりということで、そのまま座礁船の状態になっているか、あるいは地方自治体がやむを得ず撤去をするということが生じている。それが、昨年のチルソン号という日立沖の船もそうでございましたが、そういう実態があると。これは大変なことであるということで、国土交通省として、こういう状態を非常に何とかしなきゃいかぬという意識を持ちまして御指摘の検討会を設置したところでございます。
 私ども、今二つのことをやっておりまして、一つは、そういう船、保険に入っていない船とか、あるいは不十分な船を、入港規制を含めて、要は入らない、要は入れないとか、入った場合にも出ていくようなことを命令することをできないか、そういう法制度ができないかということを検討しております。
 それからもう一つは、自治体が実質的にやむを得ず費用負担をして撤去をしているという点について、国も関与をして支援をする形で新たなそういう撤去に係る補助制度のようなものができないかというようなことを検討をしておりまして、こちらにつきましては、平成十六年度に立ち上げるべく、その補助制度を立ち上げるべく、関係省庁と協議をしているところでございまして、できる限り早期に結論を得たいというふうに思っております。
 以上でございます。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 これは是非、国民も注視しているというふうに思いますし、精力的に結論を、まあ早く出すというのは難しいと思いますが、議論をしていただきたいなというふうに思います。ありがとうございました。
 そこで次に、これも法律はいかがなものかなと思っているんですが、時間ありませんね。
 海上衝突予防法の号鐘を、十二メートルから二十メートルの間のものは号鐘を要らなくするという、この法律でありますけれども、私はこれは全くナンセンスな法律だなというふうに思うんですよ。
 それは、号鐘をなくすることによって、じゃ代わるべきものも用意しなさいということを言っているんですね。その法律は残っているんですね。そうしたら、その代わるべきものは何かと聞いたら、金だらいだとかドラム缶だとか、そういうものをたたいて代わるべきものにしなさいと、こういうようなことなんですね。それなら号鐘を載せておけばいいじゃないかと、こういうふうに思うんですよ。ところが、この号鐘を取ってもいいですよという提言をしたのは日本なんですね。それ、よく分からないんですね。
 そこで、私、一方的に意見だけ言わせていただきますけれども、号鐘というのは絶えずそこへぶら下げておくんじゃないんですよ。どこかに箱に入れてしまっておくんですよ。そして、座礁したり、霧で、座礁したりエンジンが止まったりしたときに、それを取り出してぶら下げてたたくんですよ。それが号鐘なんです。平生からぶら下げておくと、さびて駄目になっていくんですよ。
 だから、そういうものが、スペースがないからとか重たいからとかといって十二メートルを二十メートルにする理由が分からない。ちょっと理由だけ聞かせてください。あと、ちょっと済みません。
○政府参考人(徳留健二君) お答え申し上げます。
 号鐘は、霧等によりまして視界が制限された状態において、船が座礁又は錨泊した場合に、自分がここにいるよということを他の船に知らせるために使用されるものでございます。
 流さ二十メートル未満の船舶につきましては、主として航行区域が沿岸を航行するということで、大型船と行き会う機会が非常に少ないということでございまして、仮にこれら小型船舶が座礁又は錨泊した場合でも、大型船がその近辺を通るということは少ないわけでございます。
 他方、小型船舶は、そういう意味では、自分がここにいるということを知らせる対象の船は小型の船でございまして、そうしますと、大型の船の場合にはかなり、一キロぐらい前から知らせておかないとなかなか止まれないということがございますが、小型の船ですと四、五十メートルから百メートル以内で十分に回頭もできるということがございまして、そういう、鐘は一キロメートルぐらいの範囲で届くわけですが、そういうものを持たなくても、例えばサイレンだとか笛とか、そういうものによって十分に位置を知らせることができて、衝突を避けることができるということから、一応二十メートル未満については号鐘の備付けを強制することは要らないのではないかと、こういうことになったということでございます。
 これは、いずれにしろ国際的な規則でございまして、国際条約で定められたものでございまして、国際的にこういう合意がされたということでございます。
○谷林正昭君 済みません、時間がありませんから、言わせていただくことだけ言わせていただきます。
 これは日本が提言して言ったんですよ。そして、法律の提案理由は、国際条約が変わるから日本の法律も変えましょうよと、こういう法律なんですね。そういう提案理由なんですよ。
 だから、私は、なぜ日本がそういうふうに提言をしたんですかと。号鐘というのはこういう趣旨のものですよと。それがちょっと変じゃないですかと言ったので、これは答弁もういいです、これ以上答弁できないと思いますから、はっきり言って。
 それで、終わります。ありがとうございました。
○続訓弘君 公明党の続でございます。
 先ほど来、野上、谷林両委員から御質問がございましたので、なるべく重複を避けまして何点か御質問申し上げます。
 先ほど野上委員の御質問に大臣がお答えになられました。国際油濁補償基金に支払う拠出金は日本が二〇%を占めているんだというお話がございました。
 今回またそれが改定されれば更に日本の負担は多くなるわけでございますけれども、こういう負担の重い原因の一つは、アメリカが条約に加盟していないということが挙げられるとの指摘もございます。アメリカは独自にOPA九〇という法律を作って対応しているとのことでございますが、なぜアメリカは条約に加盟せずに独自路線を取っておられるのか、御見解を伺います。
○政府参考人(徳留健二君) お答え申し上げます。
 米国の油濁損害賠償保障制度は、従来から各州法がございまして、この州法が優先されているということ等の理由から、新たに国際油濁関係の条約にアメリカは加盟をせずに、独自の制度を採用してきているというふうに承知をしております。
 我が国としては、国際油濁補償基金制度は条約発効以来多くの国の参加を得て、今日まで二十五年間、油タンカーによる油濁損害に対する国際的な被害者救済制度として大きな役割を果たしてきたものと理解しておりまして、我が国としてはその充実、発展のために貢献していきたいと考えております。
○続訓弘君 分かりました。
 続いて、先ほども御質問がございましたけれども、エリカ号事故や、昨年起きましたプレスティージ号事故によりまして、フランスを中心としました欧州諸国では、被害者に対する補償限度額を現行基金の限度額を上回る損害補償等を目的とした欧州独自の油濁補償基金設立のため動き出していると伺っております。
 国土交通省で認識されている現状を御説明ください。また、もしこのような基金が設立されましたら、国際油濁補償基金や日本に与える影響はどのようなものになるか、併せてお答えください。
○政府参考人(徳留健二君) お答え申し上げます。
 欧州独自の油濁補償基金につきましては、エリカ号事故を契機といたしまして、被害者への補償の更なる充実を図るため、現行基金制度を前提として、更なる上乗せの制度として提案をされたものでございます。現行の油濁補償基金制度の上乗せとして提案をされたものでございます。
 しかしながら、国際油濁補償基金におきましても新しい任意の追加基金の設立ということについて検討が開始をされましたことから、現在、欧州独自の油濁補償基金設立への動きというものは中断をしているというふうに承知をしております。
 また、仮にこの欧州油濁補償基金が設立された場合にはどうなるかということでございますが、これは、現行の国際油濁補償基金はそのままでございますし、また我が国に対してその拠出金が増える、欧州の基金に日本は加盟するということにはならないと思いますので、その部分においては拠出金が増えるということにはならないと思います。
 あくまでも仮の話でございます。現在は基金の中で追加基金の話が今進んでおるという状況でございます。
○続訓弘君 ありがとうございました。
 続いて、日本は今二億七千万キロリットルほどの石油を輸入していると言われております。そこで船舶の安全対策が非常に重要な課題になってくると思われますが、その一つに、先ほど来御説明がございましたように、タンカーの、ダブルハルタンカーというか、二重底といいますか、そういう推進がなされております。
 現在、日本と世界におけるダブルハルタンカー化がどの程度進んでいるのか、お答えください。また、日本に入港してくるタンカーについて、ダブルハルの割合も併せて伺わせてください。
○政府参考人(徳留健二君) お答え申し上げます。
 日本と世界におけるダブルハルタンカーがどの程度進んでいるかということでございますが、最近の統計によりますと、隻数ベースでございますが、世界のタンカーの約四〇%がダブルハル化されております。世界の五千デッドウエート以上の、一定の、五千デッドウエート以上のタンカーが世界全体で三千七百隻ほどございますが、そのうち約千五百七十隻程度がダブルハルになっておるという状況でございます。また、日本の商船隊のダブルハルタンカーの比率は約五割、五〇%となっております。
 それから、お尋ねの日本に入港しているタンカー、どの程度ダブルハルかということでございますが、これも約五〇%がダブルハルであるというふうに私どもは認識しております。
○続訓弘君 ありがとうございました。
 次に、安全対策と並んで、万一の事故が起きた際に対応できるかどうか、これは我が国の危機管理の観点からも重要だと考えます。このため、我が国の油流出事故に対応した防除体制の現状についてお答えください。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 委員御指摘のとおり、大変重要な問題でございまして、政府といたしましても、油の流出事故、これに対しましては油汚染事件に対する準備あるいはその対応、こういったものに関する我が国の体制を体系的に取りまとめた国家的緊急時計画、これを平成七年に閣議決定をいたしておりまして、その後、必要に応じて改定をいたしておりますが、こういったものができておりまして、この計画に基づきまして関係機関が緊密な連携を図りながら迅速かつ効果的に対応しようというふうになっておるところでございます。
 やや具体的に申し上げれば、例えば海上保安庁におきましては、平成九年のナホトカ号事故を踏まえまして、外洋においても対応可能な大型の油回収装置、この整備、こういったものや、大規模油流出事故に対応すべく必要な防除資機材、こういったことの整備を図る一方、こういったことを含めた体制の整備、これに努めておるところでございますが、また国土交通省本省の港湾局の方におかれましても大型の油回収船を整備、配備するなど、大規模油流出事故に備えておるというところでございます。
 当庁としましては、日本近海における油流出事故について、様々な関係機関と連携しながら、今後とも的確な対応を図ってまいりたい、かように考えております。
○続訓弘君 万全の対応を特にお願いを申し上げます。
 次に、油濁二条約のうち民事責任条約は、船舶からの貨物としての油の流出によって生じた油濁損害について、船主の無過失責任、責任限度額、強制保険となっていることから、この加入証明書を所持しない場合、条約に加盟している国の港には入港できないものと思います。
 他方で、貨物船の場合はこのような体制がないために、日本周辺にはタンカー以外の座礁外国船が放置されているのではないだろうかと。新聞によりますと、平成元年から二十八隻もの外国船の座礁があると、こういう記事がございましたけれども、現在の放置状況と今後の対応についてお聞かせください。
○政府参考人(鷲頭誠君) 船舶の座礁等によって被害が生じた場合には、その賠償やその船舶の撤去につきましては船主の責任というものは明確でございまして、船主の責任により処理されるのが原則でございますが、先生今御指摘のとおり、油タンカーですね、油タンカーにつきましては強制保険がございますが、一般の貨物船につきましてはそのような強制保険制度がないということもございまして、無責任な船主がその対応を行わないような場合というのもございまして、地方自治体がやむを得ずその座礁船を撤去したり、あるいはそのまま放置されているという例があるのが現状でございます。今、先生、二十八隻と申し上げましたが、現在、我が国沿岸には十二隻放置された状態の船がございます。
 このため、国土交通省におきましては、現在、放置・座礁船舶等に関する検討会というものを昨年末に設置いたしまして、放置・座礁外国船等による損害に船主が対応しない場合や、あるいは無保険の船舶等への国としての対策につきまして、入港規制も含めて幅広い検討を行っておりまして、できる限り早期に結論を得たいというふうに考えて作業を行っているところでございます。
○続訓弘君 今年の一月の十四日の読売新聞の報道によれば、先ほど谷林委員から御質問がございました例の、鷲頭さんを筆頭に、海事局や港湾局や海上保安庁などで検討会を開いていると。その発端は、正に今の無責任船の問題から端を発していると。それは、先ほどの御答弁ございましたように、日立港沖で起きた北朝鮮船籍のあの貨物船の座礁でありました。茨城県は、これに要した費用が、重油の回収費に約二億円、漁業被害の補償に四千四百万円を超える補償をしておられると、こういうことで、一自治体としてはどうにもならぬ、何とかしてくれと、こんな悲鳴から国土交通省では重い腰を上げられたと、こう新聞に報じられております。そして、先ほど私が、この記事によりますと、平成元年から二十八隻、うち八隻は船主の責任保険で撤去されたけれども、十二隻は地元自治体が撤去を強いられていると。そしてさらに、今なお放置されたままのものが全国で十隻の外国船があるというような記事がございます。
 いずれにいたしましても、この問題は一地方自治体ではどうにもならない、財政的にも大変な負担があるということで何とかしていただきたいというのが地方自治体の声でありますので、是非この点も考慮していただいて、本年の三月末までに新たな法制度に向けたたたき台を作るという記事も書いてありましたけれども、先ほどの答弁ではまだそのたたき台もできていないようでございますけれども、是非これの問題について、これらの問題について、大変壁は厚い壁があると思いますけれども、御検討賜りたいと思います。
 次に、海上衝突予防法に関連をして御質問申し上げます。
 参議院の国土交通委員会調査室の資料に、大変貴重な資料を私ども法案審議のためにいただいております。この資料の中から、私は、旧運輸省船舶技術研究所において、平成三年から、表面効果翼船、今回の法案においては特殊高速船と定義されておりますが、この研究を行っているということでございますけれども、この研究成果の概要と表面効果翼船の実用化の見通しについて伺います。
○政府参考人(徳留健二君) 御説明申し上げます。
 旧運輸省の船舶技術研究所、現在は独立行政法人海上技術安全研究所ということになっておりますが、平成三年度から平成七年度にわたりまして、水面上すれすれを高速で航行することによりまして、翼の下面と水面との間の空気、この空気圧が上昇し揚力が非常に高まるという、こういう、表面効果現象と言っておりますが、これを利用しまして、時速百キロメートルを超える超高速と高効率を実現する表面効果翼船につきまして性能及び安全評価に関する研究を行ったところでございます。
 この研究におきましては、風洞実験あるいは水槽試験あるいは理論計算等によりまして表面効果現象の発生メカニズムというものを解明し、高効率性等の諸性能も定量的に確認をするとともに、実用化に際し整備が必要となります安全上の関する要件の取りまとめといったようなことを行ったところでございます。
 現在のところ、我が国におきまして商業利用等本格的な実用化の取組ということにつきましては承知をしておりませんが、表面効果翼船は波の穏やかな湖沼等での利用においてその効果が大いに発揮されるということでございまして、今後、内水面等における利用の可能性はあるのではないかというふうに認識をしておるところでございます。
○続訓弘君 この国土交通委員会の調査室の資料によりますと、今の高速船は大変アジアにおける有望な、将来が有望視されると。技術国日本がこの問題に真剣に取り組んで、やはり技術立国としての日本の、何といいますか、技術力を世界に問うべき、そしてまた同時に大変経済的な効果ももたらせるんではないかというようなことがこの資料の中に書いてございました。これは是非研究していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、今度の油濁損害保障法改正案、海上衝突予防法改正案、いずれも海の環境や安全を守る国際条約に準じた改正であると思っていますが、先ほども質問にありましたように、国際海事機関に我が国の提案でやられた、一点だけちょっと確認のために聞きたいと思うんですが、この海上衝突予防法では、号鐘の件ですね、今言われた、船の長さを十二メートルから二十メートル未満に拡大しているわけですけれども、船舶のいわゆる海難事故の隻数ですか、これはやっぱり衝突が一番多いわけですし、そういう点で本当にこのことが、日本が提案したわけですけれども、安全を脅かすことにならないのかという点を、一言、法案についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 今般、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則、この改正を踏まえまして号鐘の備付け義務を緩和するということになるわけですが、これに伴いまして、御指摘のように、長さ十二メートル以上二十メートル未満の船舶についての号鐘の義務付けがなくなるわけでございますが、ただ、長さ十二メートル以上二十メートル未満の船舶につきましては、海上衝突予防法三十三条でございますけれども、これまでと同様に汽笛の備付け義務は残ります。
 したがいまして、視界制限状態のようなところにおきます万一の座礁中の船舶、こういったものにつきましても、そうした汽笛を用いることによってそういった衝突の、御懸念のような衝突の防止が図られるのではないだろうかというふうに考えますし、また万一汽笛が使用できないような場合でありましても、サイレンあるいは笛、こういったものによりましての有効な音響、こういうことを出すことによっての手段も海上衝突予防法に規定されておりますが、そういうことによっても可能ではないだろうかというふうに思っておりますので、備付け義務が十二メートルから二十メートル未満のものにつきまして緩和されましても安全上は大丈夫ではないだろうかというふうに考えています。
○大沢辰美君 国際的なことだというけれども、日本が提案したのはなぜなのかというのは、もう質問でもあったわけですけれども、やはり私は、海上船舶の海難事故というのは衝突が一番多い中で、やっぱり安全には安全を期すという立場から指摘を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 今、国土交通省が持っている大型のしゅんせつ兼油回収船の問題についてお聞きしたいと思うんですけれども、日本はもう御存じのように海に囲まれているわけですけれども、数年前までは大型の油回収船は一隻しか持っていませんでしたですね。これは名古屋港に配備されている清龍丸という船ですけれども、日本海で起きた九七年の一月のナホトカ号事故の問題、それから東京湾の九七年の七月のグレース号事故などの契機となって、この国会でも何度かそのことが、質問もしてきたわけですけれども、全国でそういう事故が発生した場合、四十八時間以内に事故現場に駆け付けるようにできるような体制ということで、現在、北九州市に海翔丸、新潟に白山、そして名古屋港に清龍丸の三隻の船を配備することになったわけですが、このことは本当に沿岸の住民やら漁業関係者の皆さん、多くの方が望んでいたことであって、大変評価のできる体制になったと思うんです。
 そこで、ナホトカ号事故がきっかけとなって三隻の配備がされたわけですけれども、この中の一つとして、九七年のこの事故のときに、清龍丸が本当に日本海のあの荒波の中で、自分の船が座礁するかもしれない危険な中で長期間休みなくその任務を果たしたわけです。そのときの概要、清龍丸が果たした役割ですか、その点について簡単に報告をいただけませんか。
○政府参考人(金澤寛君) お答えを申し上げます。
 ナホトカ号事故におきまして清龍丸がどのような対応をしたのかというお尋ねでございますが、御承知のように、一九九七年一月二日、ロシア船籍のタンカー、ナホトカ号が島根県の隠岐島沖で折損いたしまして、積荷の重油が流出したわけでございます。
 清龍丸は即出動準備態勢に入りまして、一月四日に海上保安庁から出動要請を受けまして、同日中に名古屋港を出港いたしました。その後、二月の二十五日、帰港するまで約五十三日間でございますけれども、若狭湾沖などにおきまして油流出、浮遊油の回収作業を行ったわけでございます。この間、清龍丸が回収しました油水の総量はドラム缶に換算いたしまして四千六百九十本に相当いたします。九百三十八キロリットルの回収をすることができました。
 以上でございます。
○大沢辰美君 本当に休みなく五十三日間、任務を果たしたということでは、職員の皆さんに私は敬意を表したいと思うんですが、この清龍丸が老朽化して、代替船ですか、新しく改造されるということで、二〇〇二年度の補正予算組まれて、二〇〇三年の予算で認められて、二〇〇五年に新しい船ができるそうですが、これは本当に喜ばしいことだと思います。
 その清龍丸の運航体制ですね、本当にこんなに重責を負ったこの清龍丸が、現在どういう運航体制、そして乗組員の数字ですか、業種別に教えていただけませんか。
○政府参考人(金澤寛君) 清龍丸は、通常は名古屋港におきまして航路のしゅんせつ作業に従事しております。
 乗組員の構成は、船長が三名、機関長が一名、甲板部員が十五名、機関部員が八名、通信部員が二名、事務部員が五名、総員三十四名となってございます。
 また、運航体制は、毎週月曜日に出港いたしまして金曜日に帰港となっております。一日三交代で二十四時間稼働している船でございます。
○大沢辰美君 私も先日現場に行ってきたんですけれども、三交代で二十四時間、週五日間ですか、本当に緊急時に備えての体制の中で、本当にチームワークを考えながら、三つの何かワッチという分かれた形でやられるそうですけれども、大変な勤務形態であるなということを認識したんですが。
 そこで、私は、三十四名今いらっしゃって頑張ってくださっているというんですが、問題は、この二〇〇二年の年度末で三人が欠員が出たということを聞いたんですが、もうこれ以上減らされたら緊急時にも対応できないという実態をお聞きしてきたんですが、そういう中で、この特殊な任務の中で体制をどう作っていくかという点での、私は今日、含めて質問をしたいと思うんですが。
 この大型のしゅんせつ油回収船というのは特殊性の私は船だと思うんですね。この船が他の船と衝突しないで安全に運航させるにはレーダーだけでは無理だという、やはり見張りをきちっとしないといけない、目で確認をしないといけないのが大事なんだそうです。今度、この法案が、問題になっている海上衝突予防法でも規定されているわけですけれども、この法律の第五条はどううたっているかということと、併せて、港則法の十八条もどう規定しているかということを説明いただけませんか。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明を申し上げます。
 まず、見張りの関係でございますけれども、御指摘の清龍丸のようないわゆる大型のしゅんせつ船兼油回収船、こういった船につきましても他の船舶と同様に、先生御指摘の海上衝突予防法第五条で、「周囲の状況及び他の船舶との衝突のおそれについて十分に判断することができるように、視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならない。」というふうに規定をされておるところでございます。
 また、港則法の関係の御指摘もいただきましたけれども、念のために申し上げますと、清龍丸のようなしゅんせつ作業を実施している船舶、これはなかなか他の船舶の進路を避けるというのが作業中は難しいという面がございますので、海上衝突予防法でも操縦性能制限船、こういうふうに位置付けられておりまして、基本的には海上衝突予防法の十八条で、他の船舶はそうした操縦性能制限船の進路を避けなければならないというふうに規定されておるところでございます。
 また、先生御指摘の港則法第十八条、これでは、その港則法の適用港内におきましては、汽艇でございますとかはしけであるとか、いわゆる雑種船、これはそれ以外の船を、それ以外の船、清龍丸も当然該当しますが、の進路を避けなければならないというふうに規定されておりまして、特に喫水の深い船舶が出入りできる港又は外国船舶が常時出入りするいわゆる特定港のうち、さらに、名古屋港のように船舶交通が著しく混雑する特定港、これにつきましては、五百トンを超えない範囲内で省令で定めるトン数以下の船であって、いわゆる先ほど申し上げました雑種船以外の、小型船と言えばいいんでしょうか、これにつきましても、小型船以外の船、これは清龍丸も入りますが、そういったものを避けなければならないというふうに規定されているところでございます。
○大沢辰美君 清龍丸自身は本当に限定された地域の中でのしゅんせつ作業をしているわけですから、日常はですね、航路を行き交う船をかわしながら、何かもう本当に微速の前進、後退、そういうのを繰り返しながら作業をしているようでした。
 だから、したがって、通常航路を進む船舶が行く場合の見張り、そういう本当に高度な技術が求められると。しかも、しゅんせつ計器の操作とか操縦、しゅんせつの記録、そういうのを行いながら見張りをやっているという状況だそうです。ですから、近くにいる漁船や小型船舶にも肉眼で確認して気を遣いながら作業をしなければならないという実態ですね。
 大臣も現場を見てこられたということをお聞きしているんですが、私も今申し上げましたように見てきましたけれども、やはり船の先端で安全を確認する人、船の、合図に従ってかじを切る人、すべてがチームワークで仕事をしているわけですけれども、すべての息が合ってというんですか、その船の、そういう安全な運航が保障されなければいけない職場だなということを思ったわけです。
 特に夜間の見張りなんかが、二十四時間体制で夜間も仕事をしているわけですから、名古屋港というのは湾になっているわけですけれども、陸の車の明かりと船の、小さな船の明かりなんかを区別しないといけないという、そういう何かもう本当に、そんなこと分かるじゃないかじゃなくて、やっぱりそれも熟練した慣れというんですか、そういうものが必要だということをお聞きしたわけですが。
 こういうしゅんせつを今日常的にやっている大型船の清龍丸、そういう特殊な船についての私は特別な体制というんですか、それが本当に求められると思うんですが、この名古屋港というのはもう貨物取扱量もすごく多いですし、外航航路も非常に多いということを数字で示していただいたんですが、安全上も特別な体制、そして船の作業の中でも特別な体制が要るということを私は強く申し上げたいんですが、大臣の見解、認識は、どうお感じになっていらっしゃいますか、お聞きします。
○国務大臣(扇千景君) 今いろいろ御論議が行われておりますけれども、このしゅんせつに関しましては、私は白山の命名も、それから竣工も立ち会いましたし、また新潟に配備されましたものも改めて私は見に行きました。
 そういう意味では、今たまたま名古屋港の清龍丸のお話が出ておりますけれども、これは清龍丸の方が大先輩でございますから、白山はまだ生まれたてでございますけれども、そういう意味では、名古屋港は、外国の船舶、そういうものが大変に、出入りの隻数が国内でも、日本で二番目なんですね、名古屋というのは。
 そういう意味では、今おっしゃったような船舶の交通量が大変多いという名古屋港の特性から見て、清龍丸がそのような港内で大型の船舶の出入り港に必要な深水、水の深さですね、これを確保するために絶えず海底を掘るしゅんせつ工事を行っていると。しかも、今、大沢議員がおっしゃったように、船と船の航行の間を縫ってこのしゅんせつ作業を行っているということで、私は仕事大変だろうと思いますけれども、運航時間が、御存じのとおり、安全確保を特に注意しながらやる、またしかも、今お話出ましたように、二十四時間体制で稼働するということで、いわゆる三回転交代にしております。
 先ほども局長からお話ございましたように、三交代で、少なくとも一日四時間ごとで三交代で三十四名ということになっておりますので、この三十四名の乗組員が三交代でしゅんせつ作業を工事し、なおかつ安全性確保のために留意しながらという大変厳しい仕事もしていただいておりますけれども、この業務の特殊性に十分配慮して、ただ有り難いことには、昭和五十三年の、名古屋に、名古屋港に配船以降、この清龍丸が名古屋に配船されまして以降、一度も海難事故がないんですね。
 そういう意味では、この清龍丸の果たしている役割というものが大変大きいと私も思っておりますので、大変、二十四時間、一日三交代で三十四名で常時勤務しているという厳しい状況ではございますけれども、彼らの果たしてくれている役割というものが、少なくとも五十三年以来事故がないということをもって私は皆さん方の仕事ぶりが証明されるのではないかと思っていますので、今後とも安全を期しながらその作業をしていただきたいと思っております。
○大沢辰美君 そういう認識でやっていただきたいということなんですが、もう一点、私は技術的に、今安全で一度も事故がなかったという体制で頑張ってきたということはもう本当にすばらしい評価ができると思うんですが、いったん、船の私も中に入らせていただいて、本当に機械のメンテナンスですか、もうすごく特殊だなと。何か工場に来ているような、そういう思いの機械化された船になっているわけですね。だから、それを習得するために職員の皆さんが随分期間が掛かるということを聞きました。船長自ら、今四年目になるけれどもまだ全体が分からないんだと、機械のですね、そういう、機械のですよ、事態があるというぐらい大変な習得が必要だということの一つの例ですけれども。
 これは限られたしゅんせつ区域の中で、ドラグヘッドというんですか、それを掃除機みたいに海に下ろして作業をされるわけですけれども、そういう操舵技術が非常に求められるということも言っておられました。ですから、幾ら大型の船舶の経験者であっても、この技術を習得するには大変な日数が掛かるということもおっしゃっていました。
 ですから、そういう中で、信号や計器類が多くて、間違った操作を行ったら安全にやれない、大事故につながるという事態ですから、私は、国土交通省が、そういう体制を作るために、そしてこんな特別な技術を習得するために時間が掛かる、そして技術者の確保という点で、今三十四名の人員で仕事をしているということを報告があったわけですけれども、二〇〇二年度で三名の方が退職されることに至っているわけですが、その特別の体制を崩してはならないと思うんです。だから、そこで私は三十四名の正規職員による確保ということは絶対に欠かしてはいけないと思いますが、その点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(金澤寛君) 清龍丸の操船あるいは作業、しゅんせつ作業につきまして、いろんな計器類がございまして、機械類の習熟にかなり時間が掛かるというようなことを御調査なさったということでございます。
 おっしゃいますように、いわゆる三十四名の乗組員を配置してしゅんせつ作業をいろいろやっております。私どもも、特別な、どうやってそれを効率的に、しかも安全裏にやっていくかということで、乗組員の方々、現場の乗組員の方々と御相談をしょっちゅうしながら、新しい機械の改良、より扱いやすく、より安全な機械の改良、あるいはその説明書の配備、そしていわゆる専任職員によるいわゆるオン・ジョブ・トレーニングと申しますか、そういう訓練、そういうことを常日ごろやって今までまいりました。
 その成果が、先ほど大臣から申し上げましたように、大変厳しい環境の中でありながら、五十三年以来事故なく仕事が万全に進められているということでございます。
 なお、欠員の補充等の問題につきましては、その職員の勤務体制あるいは仕事のやり方ということを十分勘案して、決して安全が損なわれないように努力してまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 以上で終わります。
○大江康弘君 国連の大江康弘でございます。しんがりを務めさせていただきます。
 案の定といいますか、予想どおりといいますか、すべて聞きたいことを先生方聞いていただきまして、これで終われば皆さん喜んでいただくんでしょうけれども、田名部先生がおらないと思ったら入ってきまして、おまえ、まじめにやっておるかとまた後で怒られますから、若干聞かせていただきたいと思います。
 海事局長、少し教えていただきたいんですが、復習の意味で。国際油濁補償基金、これ、私は基金といいますからお金をずっと積み立てて置いておくのかなと思ったら、そうじゃなくて、聞けば事故が起こった時点で集めてということで、十五万トンを超えるこの油をという、であったりとか、そんないろいろ規約があるんですけれども、ちょっと聞かせていただけますか。
○政府参考人(徳留健二君) 御説明申し上げます。
 国際油濁補償制度は、一たび油タンカーから油が流出したといった場合に非常に周辺地域に大変な被害をもたらすということがございますので、船舶所有者が一定限度まで、重大な被害をもたらすということがございますから、船舶所有者が一定限度まで責任を負うということはございますが、その限度額を超える場合が往々にしてあるということでございまして、その超える部分については国際油濁補償基金というものが補償をする、こういう言わば被害者救済制度でございます。
 現在の基金が補償する限度額といいますのは、船主の支払う賠償額も含めて、トータル、合計して二百十六億円ということになっておりますが、今回の改正によりまして三百二十五億円まで補償がされるということになるということでございます。その他、被害国が九二年の国際基金条約に加盟をしておりますと、例えば事故を起こした船がその国際基金条約に加盟している国のものでない、加盟していない国のものであっても、基金がその限度までは補償する、こういう仕組みになっております。
 なお、先生も先ほどお話しになりましたように、基金は事前にお金をプールしておくということではございませんで、事故が起こった、その事故が起こったその補償額は幾らかということを決まった時点で、その油の引取量に応じてそれをシェアして拠出していただく、こういう仕組みになっておるところでございます。
○大江康弘君 我が国がこのIMOの中でどれだけの発言力があるのかも分かりませんが、今回見直しという一つのきっかけというのがこのナホトカ号、エリカ号、それからプレスティージですか、昨年の、こういう大きな一連のタンカーの事故がきっかけであったと思うんですけれども、余り日本自体は直接関係ないんですよね。ナホトカのように、いわゆる日本の近海でサブスタンダード船のようなものが事故を起こしたというこれはきっかけもあったんでしょうけれども。
 私は、例えばお金を拠出する側、これは石油業界とか、いろいろあるんですけれども、先ほどの大臣の答弁でしたら、二〇%強、日本が一番よく出しておると。このまま日本が石油文明をずっと続けていって、資源のない国で、九五%も中東からずっと石油を輸出する限り、日本が一番払わないかぬという、この順位は私は変わらぬと思うんですよね。
 そうしたときに、何で欧州が特別に欧州油濁補償基金という制度を作ろうとしておるのか。先ほど続先生の答弁の中で日本はそれには参加しないということでありましたけれども、私はある意味では、キャッピングというんですか、上限を設けておいてもらわないと、いつまでたったって日本がずっと一番で払い続けていって、上限なしで払い続けるというようなことはちょっとこれ不公平じゃないかなというような気もするんです。
 ですから、追加基金の見直しとか、そういうこともあるそうでありますけれども、やはりそういうことを考えたときに、私は石油業界とか払う皆さんがどんなに思っているのか知らぬですけれども、私が石油業界の人間でしたら、こんなもの上限でも作っておいてもらわぬことにはこれかなわぬなと。大臣、今あるんじゃないかということですけれども、ちょっと分かりませんが。そういう、あるんであればあるで、ちょっと一回説明していただいて、そういう危惧は無用なのかどうか、ちょっと教えていただけますか。
○国務大臣(扇千景君) 本来は、事故を起こしたときにはその船舶の所有者が面倒見るというのは、これは原則なんです、本来は。けれども、事故によっては船舶の所有者がこれを支払能力の限度額があると。会社がつぶれてしまって払えないと言われてしまったらそれまでということで、それではいけないということでこの基金を、限度額以上のものを、まず船舶が、所有者が払って、それ以上のものはこの基金でしようということで、今までは二百十六億円、これ現行の、約ですよ。けれども、今回は、この改正によってこの補償額が約三百二十五億円というものを超えないんですよ。
 ですから、これが上限だと思えばいいことであって、本来は、船舶を持っている以上は、その事故は船主が、その会社が補償するというのが原則であるということをまず一義的に大江先生に御理解いただいておいて、その会社が払い切れない分をみんなで、少なくともこの民事の責任の条約の加盟国数が九十一か国、そして今度の国際基金の条約加盟国数が七十四か国でございますので、これ二〇〇二年の十二月現在でございますけれども、これらでお互いに補い合おうということなので、まず船舶の所有者が全部責任持つという第一義的なことを是非御認識賜っておきたいと思います。
○大江康弘君 もう大臣が答弁いただいたら、もうそれ以上はおまえ聞くな、もう、こうやろうということだと思いますし、よく分かりました。
 日本もこれ海洋国ですから、やっぱりそれなりの、九五%ですか、これも飛行機よりも船で入れておるという、そういうことですから、それなりの責任を果たしていかないかぬと思うんですけれども、いずれにしましても今回のことはこれはいいことであると思いますので賛成をさせていただきたいと思います。
 次に、先ほど少しありましたが、鷲頭統括官、済みません、もういろいろ聞かせていただいて、もう分かって聞くのもあれですけれども、私はやはり、今回のこの法案というのは直接タンカーとかということでありますけれども、やっぱり船が近海で座礁したり何かのことでということで、二次的な災害として燃料が流れるというようなこともあって、いろいろ困っておると。
 ですから、特に私は北朝鮮という国を名指しをさせていただいて、やはりこういういろんなことの条約にも加盟もしておらないそういう中で、その支払能力もないというか、国交省の方ではそういう船のことを何か責任無能力船舶というんですか、これ何か非常にいい言葉だなということで、さすが鷲頭さん、タコ部屋で頑張っておるんだと前回言われておられましたけれども、タコ部屋で頑張られた成果というのがどのぐらい出ておられるのか。
 やはり大臣が時々強い意思を持ってそういうことを言われておられるわけでありますから、やはりある程度時間も掛かりますけれども、もう本当に、やっぱりこういう、都道府県にとれば船が入ってくればこれはお金ももらえるからいいということにもなるんでしょうけれども、やはり全体的なことを考えれば、やはり国がそういう能力のないところあるいは無責任なところに対してはしっかりとした、断固とした処置も取らないかぬと思うんですけれども、もう一度鷲頭統括官の信念を聞かせていただけたらというふうに思います。
○国務大臣(扇千景君) ちょっと、その前に。
 先ほど鷲頭さんから答えましたけれども、今の、特に改めて大江委員からお話ございまして、私が昨年十二月にこの委員会で、何をどうすべきかという四項目ございますので、その四項目をまず御了承いただきたいと思います。
 この委員会で何を検討するかと。今、タコ部屋とおっしゃいましたけれども、それくらい、タコ部屋にするぐらい一生懸命やってほしいということで、第一には座礁と放置船等に係る問題の現状、また諸外国での取扱い等の整備をどれくらいしているかということを第一義的に第一に調べろということと、二つ目には現行制度で対応することができる事項の整理、これを今の現状でどうできるかというのが、これも出すということ、それから三つ目には現行制度では対応できない問題を解決するための課題の摘出、これをしなさいと、そして四つ目には課題解決方法の検討、この四項目で今おっしゃった一生懸命タコ部屋というところでやってくれているんですけれども。
 問題は、これは我が国土交通省のみならず、ほかの省庁、農林水産省もそうですし、また地方自治体もそうでございますので、そういうところとの意見調整と、今言った四項目に係る調査が必要でございますので、それを一生懸命やっているということで、現状でどれくらいできているかということは本人からお答えさせていただきたいと思います。
○政府参考人(鷲頭誠君) ただいま大臣が答えました点を中心に私ども詰めているわけでございまして、この問題、そういう意味では、今、先生からお話しありましたとおり、タンカーについては一応国際制度ができております。タンカー以外の船舶について、要は強制保険がないんでこういう問題が生じているということでございまして、私どもその二つの点で検討をしております。
 一つは、入港規制のような形で保険に入っていない船あるいは少ない船を入れないことができるかどうかということでございます。それにつきましては、今、大臣から話がありましたように、関係省庁あるいは自治体、要は港によりましては泊められちゃ困るという人たちもおりますので、そういうような状況がどうなっているかというようなことを調べながら実施可能な方策というものを検討しているというところでございますし、もう一つは、先ほど北朝鮮の船とおっしゃいましたけれども、そういう現に北朝鮮のチルソン号のように座礁しちゃっている船、これを今は自治体の費用で、特別交付税なんか出ますけれども、自治体の費用で処理しているものを国としても支援する制度が作れないか、これは関係省庁を中心にやっているわけでございますが、その二つの点について作業をしております。
 先ほど、続先生のお話で、三月三十一日までにというお話もあったんですが、ちょっとその関係者との調整をやっておりますのでやや遅れてはございますが、できるだけ早く結論を得たいというふうに頑張っておるところでございます。
○大江康弘君 統括官、頑張っていただきたいと思います。
 最後に、せっかく金澤港湾局長来ていただいたんで、こういう法案でなければ、関連というか、ちょっと聞けませんので。
 今、局長のところが行っておる海洋環境整備事業ですか、これがあるかと思うんですけれども、こういう油の事故も含めて今浮遊ごみ、こういうこともやはり大変多いかと思いますけれども、この油の回収船というのは先ほどの中で三隻、新潟、名古屋、それから九州ですか、これは今三隻備えていただいておるわけですけれども、これで十分回っていくのかどうかということ、それから海のこの環境で頑張っていただいておる皆さん、今大体全国でどのぐらいの人数の方がおられて、船が何隻ぐらいおるのか、浮遊ごみ回収船ですね、それ今ちょっと教えていただけますか。
○政府参考人(金澤寛君) お答えいたします。
 海洋の環境の整備ということで私どもでは直轄でごみの回収船、ごみと油の兼用船というのが多うございますけれども、ごみを回収しながら一朝事あるときには油の回収にも従事すると、そのような船舶を所有しております。大型のしゅんせつ船は、先ほど申し上げましたように、しゅんせつ兼油回収船は三隻でございますが、そのほかに小型といいますか、小さい環境整備船が、東京湾では横浜港に一隻、それから伊勢湾で名古屋港に一隻、大阪湾を含みます瀬戸内海に神戸港などに七港に八隻、合計で十隻を配備しております。
 その従事している職員は、正規の職員、それから非常勤の職員もおりますけれども、合わせまして六十九名でございます。
○大江康弘君 これ、私の地元の和歌山にも置いていただいておるわけですけれども、結構自治体が今国に意見書を出しておると思うんです。それは、国の行政改革ということもあるでしょうし、公務員の縮小ということもあるかと思うんですけれども、やはりこの海の仕事、海の男の仕事といえばそれなりのやはり責任感、強い意思、またそれらはやっぱり士気というものが非常に影響してくると思うんですけれども、私は、見せていただいたら正規の職員の人と非常勤の職員の人との割合というもの、正規の職員の人の方が少ないところが全国で四か所ぐらいあるわけですね。
 その割合がどうだということではないですけれども、やはりせめて百歩譲って十人おればまあ五対五、和歌山弁ではこれちょっぺちょっぺと言うんですけれども、その五対五というぐらいまでは分かるんですけれども、これが正規が四で非常勤が六とか、三が七とかということではなくて、少なくともやっぱり正規の職員の方の方がある程度そこの現場で多くという比率というものが必要になってくるんではないかというふうに思うんですけれども、今後のちょっとこの人員配置の方向というか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。これは局長、無理かな。
○政府参考人(金澤寛君) 環境整備船の運航でございます。
 大事な仕事をしていただいているわけですが、この運航体制の確保について努力しておりますけれども、国家公務員の定員というものをめぐります環境というのは非常に厳しいものがございまして、やむを得ず必要な人員すべて正職員で確保することができない状況にございます。そのため、正職員で確保できない人員について非常勤職員、従来からそこで勤めていた人で定年退職した方なんかを本人の御希望によって非常勤として採用しているということもございますけれども、そういうことを採用しながら、結果的には職務体制としてはきちっと仕事ができる体制ということを確保したいということでやらせていただいているわけでございます。
 今後とも、こういう職務の執行体制が整えるようにいろいろと努力してまいる所存でございます。
○委員長(藤井俊男君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより順次両案の採決に入ります。
 まず、油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、海上衝突予防法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(藤井俊男君) 次に、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 まず、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案につきまして申し上げます。
 本州四国連絡橋公団の平成十四年度末における有利子債務は約三兆五千億円となる見込みであり、管理費を上回る料金収入があるものの、利払いが大きいために、支出が収入を大きく上回っており、その財務状況は極めて厳しいものとなっております。
 このため、道路関係四公団の民営化に関する当面の措置として、本州四国連絡橋公団の有利子の債務の一部である約一兆三千億円を切り離し、国の道路特定財源により早期に処理すること等により、将来における国民負担の膨張を避けるとともに、本四架橋としての自立的経営を可能なものとすることとしたところです。
 この法律案は、これを受けて、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき措置として、政府による公団の債務の承継に関する特別措置について定めるものです。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために、政府は、本州四国連絡橋公団の長期借入金及び本州四国連絡橋債券に係る債務の一部を一般会計において承継するものとしております。
 次に、高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 高速自動車国道においては、これまで日本道路公団が有料道路制度を活用することによりその整備を進めてきたところですが、我が国の社会経済情勢の変化等に対応して、必要な高速自動車国道を整備するためには新たな整備手法を導入する必要があります。
 このため、道路関係四公団の民営化に関する当面の措置として、平成十五年度より、新会社による整備の補完措置として、必要な高速自動車国道を建設するため、国と地方の負担による新たな直轄事業を導入することとしたところです。
 この法律案は、これを受け、適切な地方負担の下に国が高速自動車国道の整備を行うことができることとするための改正を行うものです。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 高速自動車国道の管理に要する費用について、国がその四分の三以上で政令で定める割合を負担し、都道府県がその余の割合を負担するものとしております。
 以上が、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案を提案する理由でございます。
 これらの法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○委員長(藤井俊男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会