第156回国会 国土交通委員会 第13号
平成十五年五月十五日(木曜日)
   午前十時二分開会
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   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     富樫 練三君     吉岡 吉典君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     続  訓弘君     加藤 修一君
     吉岡 吉典君     富樫 練三君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                加藤 修一君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       安田  実君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       国土交通大臣官
       房長       安富 正文君
       国土交通省国土
       計画局長     薦田 隆成君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定都市河川浸水被害対策法案(内閣提出)
○密集市街地における防災街区の整備の促進に関
 する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出
 )

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○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十四日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君が選任されました。
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○委員長(藤井俊男君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定都市河川浸水被害対策法案及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官安田実君、厚生労働省老健局長中村秀一君、国土交通大臣官房長安富正文君、国土交通省国土計画局長薦田隆成君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省河川局長鈴木藤一郎君、国土交通省道路局長佐藤信秋君及び国土交通省住宅局長松野仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(藤井俊男君) 特定都市河川浸水被害対策法案及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田博美君 御指名いただきましたので、質問に参りたいと思います。自由民主党の吉田博美でございます。
 今日、我が国は常に自然災害において多大な被害を被っております。特に風水害は毎年のように発生をしておるわけでございますが、自然災害が多発する我が国は他に例のないような状況でございまして、この言葉がいいかどうか分かりませんが、自然災害大国と言っても過言ではないかなと思っておるところでございます。
 自然災害におきまして、残念なことには、尊い多くの人命を失っているところだと思います。平成五年に北海道南西沖地震で、また平成七年に阪神・淡路大震災で多くの尊い生命を失ったわけでございますが、それ以外は、自然災害は風水害によって最も多くの尊い人命を毎年なくしているという現状がございまして、風水害対策は極めて大事だと思います。
 そして、最近特に都市部におきましてヒートアイランド現象あるいは地球温暖化などによりまして局地的な集中豪雨が多発をしておりまして、都市の浸水被害が多くなっている現状の中でこの問題をどう解決するかということが極めて重要ではないかと思いまして、そうした中で今回の法案はある意味では待ちに待った法案ではないかなと思っておるところでございます。
 まず初めに、特定都市河川浸水被害対策法案についてお尋ねをいたします。
 大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、災害はいつ来るかは分かりません。したがって、備えあれば憂いなしと、転ばぬ先のつえとか言われるわけでございますが、風水害対策、災害防止ということに対する大臣の理念と申しますか、心構えについてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 まず、吉田議員から今冒頭に、今回の法案はむしろ遅きに失したぐらいだと言っていただきましたけれども、私も大臣に就任させていただいてからいろんな災害の現地を見てまいりました。また、今、吉田議員がおっしゃいましたように、特に日本は災害列島と言っても過言ではない。何とか大国というならいいですけれども、今、議員がおっしゃったように災害大国というのは情けない話だなと思いますけれども、現実的にはそういうものが日本にあるわけでございまして、我が国は国土の面積の、少なくとも、一割にすぎない洪水のはんらん区域に五割の人口が四分の三の資産集中、こういう過密状況で都市の災害があったときには甚大な、人的にも資産的にも財産的にも大変大きな被害が出るというのが今の現実でございます。
 そして特に、今、吉田議員がおっしゃいましたように、最近は気象現象の異常なんでしょうか、少なくとも今までと違いまして、最近は時間の雨量、とにかく一時間に百ミリを超すというような豪雨が頻繁に起こっております。そのために、平成十二年の東海の豪雨、これは私もすぐ翌日行きましたけれども、あの都市の集中したところに、はんらんした水によってほとんどの、六千戸だったと思います、住宅が浸水し、なおかつ防災のために土のうとかあるいはお米とか、そして乾パンとかを全部積んであったのが一階だったために、その非常食、非常用のものまで全部水につかってしまって多くの皆さんが困るというような体験も私は貴重な経験として、今回もそういうことも法案に生かしていただけるということで、まず今おっしゃったように、少なくとも愛知県の例を一つ取ってみても、あのときに六千億という被害額が試算されました。そういう意味では私は、本当にまれに見る大洪水だったわけですけれども、それとても我々は、何としても洪水に遭ったことだけよりもその後始末、お掃除をしたり、あるいはもう使えなくなった家財の処分等々の、その廃棄に困ってしまうというようなことも後で後遺症として起きました。そういう意味では、日本の地形というものはそういうことがあり得る地形であると。
 また、吉田議員はスイスにもフランスにも留学されていますから、スイスなんかは特に日本の地形と山ありということで似ているところがあるかも分かりませんけれども、私は外国の治水対策というものをどの程度というまだ勉強が足りませんけれども、ほとんどが河川のはんらんということからの起こっている原因がある。そういう意味では私は、ふだんから河川のはんらんの防止ということ、そして私は、東海のあの大水害のときに行ったときに、本当に治にあって乱を忘れずという言葉が大事なことだ、何もないときにこそ私は防御すべきである、また対策をするべきであるということを実感してまいりましたので、そういう意味では今回、特定の都市河川の浸水被害対策法というのは、私は都市の浸水あるいは今の都市型水害の予防のためには、本当に、今遅きに失したというお言葉をいただきましたけれども、今からでも遅くない、まだ間に合うというつもりで法案を提出させていただきました。
○吉田博美君 大臣の、東海地方の豪雨のことにつきましても、非常に災害に対する理念と申しますか、取組姿勢というものに熱きものを感じたところでございますが、そうした中で是非お願いを申し上げたいことは、国土交通省といたしましても、河川と下水道がやはりともに力を合わせながら一緒になってこの対策を講じていただかなきゃいけないんじゃないかなと思っておるところでございます。
 次に、特定都市河川の定義は分かりますが、本法で指定する要件に該当し、実際に指定を考えている河川の数はどのぐらいあるのでしょうか。また、その対象を都市部に限定する理由は何なのでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 特定都市河川の指定件数等についてのお尋ねでございます。簡潔に申し上げます。
 この要件については第二条で規定しているところでございますが、現時点では鶴見川、神田川、新川、寝屋川等の三大都市圏あるいは政令都市を中心として全国で三十河川程度を想定しております。
 また、都市部に限定している理由でございますが、簡潔に申し上げれば、都市部以外の河川については、ダムや遊水地、引き堤といったこれまでの従来型の対策によって対応することが十分可能であり、しかもその方が効率的であり効果的であるということから、この法案の対象は都市部を流れる河川に限定したものでございます。
○吉田博美君 おおむね三十程度の河川だということでございますが、特定都市河川の指定は大臣又は知事ができることになっておりますが、大臣と知事との区分はどうなっているのでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) いわゆる一級河川の直轄区間をこの都市河川に、特定都市河川に含む場合はこれは大臣、それ以外、一級河川であっても県管理区間のみである、あるいは二級河川については都道府県知事、こういうことでございます。
○吉田博美君 直轄事業と今までのような、同じような土俵の中でそれを判断をされるということでございますね。
 特定都市河川の指定をするときは、関係地方公共団体の長の意見や、まず下水道管理者の意見を聴かなければならないということになっておりますが、このことについてもう予備的な折衝等はされているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 本法律の制定につきましては、かねてより多くの地方公共団体から要望があったところでございます。したがいまして、本法律案については、各関係地方公共団体に対して適宜情報提供を行っているところでございます。
 また、現在は、都道府県、政令市の河川担当官との会議の場がございますので、そういった場を通じて法案の骨子について説明し、周知を図る、あるいは意見交換をする、このようなことを行っておりますが、今後、法案の成立を待って、関係する都市河川流域の地方公共団体との具体的な河川指定について積極的に調整してまいることとしております。
○吉田博美君 やはり地域の皆さん方が、地元の皆さんが一番よく理解をされているので、よくお互いに連携、コミュニケーションをしていただきたいと思うわけでございますが、知事が特定都市河川を指定する場合や河川管理者が流域水害対策計画を定める場合には、国交大臣と協議の上、同意を得なければならないということになっておりますが、同意の必要性とその要件についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 特定都市河川の指定等に関する国土交通大臣の関与についてのお尋ねでございます。
 まず、特定都市河川の指定の同意の必要性でございますが、知事の特定都市河川の指定や流域水害対策計画における国土交通大臣の関与は、河川法において河川整備計画の策定等における国土交通大臣の関与と同様、これに倣って国土交通大臣が適正な河川行政の執行を担保するために行う、これが必要性ということでございます。
 また、その同意の要件でございますが、特定河川の指定の要件に該当するかということを判断するわけでございますが、具体的には、全国の河川の被害状況と比較した被害の程度ですとか、あるいは従来型の河川改修による被害解消の可能性等を基に判断していくことになります。
 なお、また流域水害対策計画の策定につきましては、河川法におきまして河川整備計画等河川管理の基本となるべき事項との整合性という観点を中心に、国土交通大臣が計画の妥当性を判断するということになります。
○吉田博美君 また、河川管理者は、雨水貯留浸透施設を設置し又は管理することができることになっておりますが、その規模や構造はどのようなものを想定されているのでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 河川管理者の設置する雨水貯留浸透施設の規模、構造についてのお尋ねでございます。
 具体的な規模、構造については、各河川ごとにあるいは各流域の状況によっていろいろ異なってまいります。これにつきましては、今後、先ほど言いましたああいうような調整の場も使い、活用しながら詰めていくことになりますが、大体数万立米から数十万立米、そういったものを積み上げていくことになろうかと思っております。
 また、その構造についても、オープンのタイプのものあるいは地下タイプのもの、いろいろが考えられるわけでございますが、特に設置箇所周辺の土地利用状況等を勘案しながら具体的に詰めていくことになります。
○吉田博美君 雨水貯留浸透施設については、テニスコートなどの多目的利用を促進すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、各建物や家庭レベルの貯留浸透機能の確保に併せて、雨水をためて利用する対策を講ずるべきだと考えておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御指摘のように、多目的利用をするということは大変望ましいことというのが基本的な考え方でございます。したがいまして、河川管理者等公的主体がそういった調整池を設置する場合には、必要に応じて通常時にはテニスコートなどの活用ができるというような具合になるように、地方公共団体との連携調整を図りながら指導あるいは要請していくということを考えております。
 また、公的主体以外が設置する雨水貯留施設、浸透施設についても同様でございますが、これも地方公共団体等と相談しながら、当該施設の管理者と協定を結んで多目的利用が行われるというようなことは大変望ましいことでございますので、事例集を作成するなどというふうなことを通じながら、この啓発を図ってまいりたいと考えております。
 また、雨水の利用についてのお尋ねがございました。雨水貯留浸透施設は、雨水を一時的に貯留浸透する、これによって洪水の増加を防ぐというものでございますから、一時的に貯留浸透するわけでございまして、これを平常時に利用することはできないわけでございます。平常時にはむしろ空になっていないと困るというものでございます。ただ、各建物や各家庭レベルの貯留施設と雨水の利用施設を実際に並べて設置するということによって、例えばその隔壁を一つ省略できるとか、これは大変経済的にも有利な方法ではございますので、関係機関とも連携して、公共団体に周知してまいりたいと考えております。
○吉田博美君 先ほど、最初に冒頭で申し上げましたように、異常気象の中で非常に局地的な豪雨になる場合と、また水が全くなくなって水不足の状況になってしまうようなときがありますよね。そうしたときに私は、雨水をためて有効利活用することによって、中水道として車の洗車だとかあるいはトイレの水だとか、いろいろなことに有効利活用できると思うわけです。やはり、これからの循環型社会の中で、そういう雨水に対しても有効利活用するということが極めて大事ではないかと思っておりますので、よく検討していただきたいと思います。
 次に、雨水貯留浸透施設の設置費用等を他の地方公共団体に負担をさせることができるというふうになっておりますが、これはお金の問題になりますと何か紛争の種になるんじゃないかなと思っておるわけでありますが、合理的な調整方法等はあるのでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) ただいまのお尋ねにつきましては、むしろ、今回この負担調整規定を置くことによって、そのような必要な調整がより円滑にいくようにという趣旨で入れさせていただいております。
 下水道が、例えば下水道管理者が雨水調整池を造る、あるいは市町村が校庭などを利用して雨水貯留施設を造る、そういう場合につきましては、市町村によって、A市、B市、C町というふうなことを考えたときに、市町村によっては用地確保が容易なところもあれば非常に難しいところもある、それから、個別に造るよりはまとめて造った方がいいと、まとめて造っても治水効果は同じだというようなことがありまして、市町村の境界を越えまして、例えば河川の左右岸でまとめる、あるいは河川の上下流をまたぐような格好でまとめるというふうなことで施設配置をすることが効率的になる場合が非常に多いのが実態であります。
 現在でも、一例挙げますと、上下流で隣接する二つの都市が協定を結びまして下流側の市が設置する、水は下流に流れますから下流側の市にポンプ施設、それによって河川に吐くと。それから、それにつなぐ雨水管を作るという場合について、上流側の市から下流施設に流入する量に応じまして上流側の市が費用負担をするというようなことで現にやっている具体的な事例もございます。
 こうした取組も踏まえまして、今回、流域水害対策計画の中で、河川管理者、関係都道府県、それから関係市町村の長並びに下水道管理者が共同してこの計画を作る中で、公共団体間の費用負担調整がより円滑に行われるようにこの規定を置いたものでございます。
 いろんな事例もありますので、そういった事例も情報として提供させていただいて、こうした取組の円滑性を期していきたいと思っております。
○吉田博美君 今の説明で理解はできました。
 次に入らせていただきますが、既存調整池の保全のために所有者が埋立てをする場合などには届出・勧告制度が盛り込まれておりますが、勧告では不十分ではないでしょうか。また、雨水浸透阻害行為の許可制度などを特定都市河川流域以外にも広げてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 特定都市河川流域における規制等についてのお尋ねでございます。
 まず、既存の調整池があるわけでございますが、これはあくまでも開発事業者の任意により設置されたものであるということから、既存調整池の埋立て等を禁止するような強い規制は現状では困難かなというふうに考えているところでございまして、助言、勧告にとどめているところでございます。
 ただ、今までは何ら、こういった調整池については何ら法律上の位置付けがなかったものでございます。この本法律を通していただきますと、法律上保全すべき性格のものとして指定される、そして標識の設置等により広く周辺住民等に認識される、あるいは調整池の所有者は埋立て等の行為を極力避けることに、そういったことを通じて極力避けることになるものと期待され、実態上の効果としては届出・勧告制度でも政策目的をかなり達成できるであろうと、このように考えているところでございます。
 また、こういった施策を特定都市河川流域以外にも広げてはどうかということでございますが、必要なところにつきましては基本的には本法案の指定がなされるものと考えております。ただ、特定都市河川以外の地域についても、河川の整備がなされるまでの間、流出量の抑制が必要な地域については、宅地開発指導要綱による防災調整池の設置指導等によって水害対策の補完がなされるものと考えているところでございます。
○吉田博美君 現状ではということでございますので、今後の成り行きによったらもう少し厳しいような制度になる可能性もあるんじゃないかと思いますので、それはよく今後の状況等を判断していただきたいと思います。
 次に、都市洪水想定区域等の指定はどのような単位でなされるのでしょうか。例えば、町内会単位のようなものでされるのでしょうか。また、想定される雨量や水位などとの関係はどうなっておるのでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 都市洪水想定区域等の指定方法についてのお尋ねでございますが、都市洪水想定区域等の指定は、河川や下水道の現況についての情報、まずこれが一つございます。それから、想定される雨量である流域水害対策計画において定められた目標となる降雨、それが生じた場合に、どういうところで破堤し、どういうところで溢水し、あるいは流出するかということを、数量をまず想定、次に想定いたします。
 そういったことを計算モデル上で明らかにした上で、行政単位で示すとかということではなくて、二千五百分の一から一万分の一の地形図に線を引いていくということになります。
○吉田博美君 地形図で線を引くということでございますが、都市洪水想定区域や都市浸水想定区域として指定をされますと、もうここは、あなたのところは危険ですよということで指定されたようなもので、ややもすればその地域の土地の値段というか地価が下がるんじゃないかという心配があるわけですね。そうすると、指定された住民の皆さん方から反対運動みたいなのが起きるんじゃないかという危惧もあるわけでございますが、そのような動きはないのでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) これは、ここでは都市洪水想定区域あるいは都市浸水想定区域ということを新たに示していきたいということでございますが、今までに、もう二十年ぐらい前になりましょうか、新河岸川において最初にこういった浸水想定区域というのを公表したときに、やはり私たちはそういったことを大変、御指摘のようなことを心配したわけでございますが、実際には、やはりそういったことを知っておいてよかったということが、市町村の関係者から特にそういった声がございましたし、住民の方々からも、これによって困るというような、そういった反対というようなことについては今までは話は聞いておりません。
 この都市洪水想定区域あるいは都市浸水想定区域の指定は、仮に都市洪水や都市浸水が生じても、事前に避難したり、あるいは動かせるものを浸水を避けることを、移動することができると、そういった情報に資するものでございますので、浸水被害が実際に起こっても大幅にそれを軽減することができるというものでございますので、今後、そういったことを大いに進めてまいりたいと考えているところでございます。
○吉田博美君 都市水害におきましては、特に地下街での被害が受ける危険性が高いと思われるわけであります。たしか一九九九年の六月には福岡で、そして七月で新宿で、立て続けに地下街での尊い人命を失っておるわけでありまして、そうしたことの中で地下街に何かの対策を考えておられるのでしょうか。
 また、本法の対象外の地方都市の地下街においても同様の対策を講ずる必要があると考えますが、いかがでしょうか。福島にはないそうでございますけれども。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 本法案では、特定洪水想定区域等の中に地下街等不特定多数が利用する地下空間がある、そういう場合には、利用者の円滑かつ迅速な避難の確保が図られるように洪水情報等の伝達方法をまず定めるということにしております。さらに、不特定多数が利用する地下空間の所有者又は管理者が利用者の円滑な避難を確保するために必要な計画を策定するという努力義務を定めてございます。
 この計画には、浸水防止設備に関することですとか避難誘導方法あるいは訓練、様々なことを定めることが想定されますが、何を計画に定めるかについてのマニュアルを作成するなど適切な計画の作成が促進されるように努めてまいりたいと考えております。
 最後に、本法案に位置付けられない地域においても必要に応じてやったらどうかということでございますが、本法案の趣旨にのっとり必要な地下街対策が講じられることが重要であると考えられるため、必要な対策についての周知を図るなど地下街の浸水対策に努めてまいりたいと考えております。
○吉田博美君 やはり、いかに尊い人命を守るかということが、被害のときに、また風水害のときには大事ではないかと思うんですけれども、そうした中で、都市洪水想定区域等で円滑かつ迅速に避難するために洪水等情報を発信するわけですが、その発信によりまして、注意報、警報、あるいは避難勧告などのように、危険の度合いによって丁寧な情報を発信するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御指摘のとおりでございまして、市町村が危険の度合いに応じて丁寧な情報が発信できるようにする必要がございます。
 そのため、国土交通省としましても、具体的には、リアルタイムで分かりやすい河川情報、更に具体的に申しますと、水位、雨量、またあるいは、私どもはレーダー雨量計というのを持っておりますが、そういった情報をインターネット及び携帯電話を通じて提供するですとか、洪水時の河川監視カメラ画像を報道機関に提供するなど、そういったことを通じて河川情報の提供を進めることによって、御指摘のような丁寧な情報発信ができるということに協力してまいりたいと考えておるところでございます。
○吉田博美君 時間の関係もありますので、次の密集市街地に入りたいと思うわけでありますが、一つだけお願いをしておきたいと思いますが、先ほど大臣が、本当に国土の一〇%のところに五〇%の人口と七五%の資産が形成されていると。そうした中で、この特定都市河川浸水被害対策法案は極めて重要な法案であろうと思いますし、遅きに失したと、しかしまだまだこれからだと大臣の決意のほどをお聞かせいただいたわけでございますが、私は、この河川のじゃ源はどこかと。福島だとか長野だとか、そういう山が源になっております。そして、神代の時代から政をつかさどる者は山を治め川を鎮めると、こう言われておりますが、正しく私は、その山を治めるという意味では、治山事業は林野庁の仕事でありますが、砂防事業とまた治水事業というのは地方においてしっかりとやはりやっていただかなきゃいけないと思いますし、もう都市河川も大事でありますし、またそうした地方のきちっとした対策も講じていただきたいということをお願いをするところでございます。
 次に、密集市街地に入らせていただきますが、密集市街地における防災街区整備促進にかかわる法律等の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
 私は、八年前の阪神・淡路大震災がいまだに鮮明に記憶に残っております。だれしもそうでありますが、二度とあのような災害を起こしてもらいたくない、しかし、もしかしたら防げたのではないかなという二次災害もあるんではないかなと思っておりまして、そうした一つ一つをこう思い起こしておる我が気持ちでありますが、実は地震列島という我が国におきまして、ああいうような大震災はいつ来るかは分かりません。たしか防災会議の発表によりますと、東南海地震あるいは南海地震が発生いたしますと、あの淡路・阪神大震災を上回る被害が想定をされておるわけでございまして、そうしたことの中で、密集市街地にお住まいの皆さん方は日々不安な毎日を送っておられるのではないかなと思っておるところでございます。
 しかしながら、一人でこの対策を講じようと思ってもとてもできるものではありません。やはり密集市街地全体を、構造を災害に強い構造作りにしていかなければならないと思うわけでございまして、先ほど来、これも同じでございますが、本当に我々が待ちに待った法案の改正案ではないかなと思っておるところでございます。
 そこで、まず最初にお伺いいたしますが、あの阪神・淡路大震災にかかわる復旧のまちづくりの過程において、スムーズにいかなかった点だとか支障を来した点というものがあるのではないでしょうか。その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(澤井英一君) 阪神・淡路大震災の被災市街地におきましては、被災市街地復興推進地域というものを指定しまして、これと併せまして、土地区画整理事業、市街地再開発事業を始めとする各種の復興関連事業を実施いたしました。復旧復興という観点から緊急に対応してきたこともありまして、既に完成を見ている事業もあるなど、一般の場合に行われる事業と比べまして、総じて迅速に事業が進んでいると認識しております。
 特に、この大震災で被害が発生した地域の一つであります神戸市でありますが、これは震災前から地域住民の方々、NPO法人、地方公共団体などが連携して行うまちづくりの活動が非常に盛んでありまして、その意味で全国でも先進的な取組が行われてきております。
 その中でも、その神戸市の中でも、まちづくりについて十分なこうした協議、調整が前から行われていた地域では、復旧事業に対する取組という場面でも大変その立ち上がりが早かったと思っておりまして、こうした地域が全体の復旧を先導したということも言えるだろうというように認識しております。
 お尋ねの、スムーズにいかなかったこと、あるいは支障となった点ということをどういう経験を得たかというふうに置き換えて申し上げますと、一つには、今申し上げましたような地域住民やNPO、公共団体などの連携の下で日ごろからまちづくりに関心を持って取り組むことが、いざ災害のときなどの対応としても非常に有効であり、また不可欠だなということが一点ございます。
 また、防災上危険な町を作り直していくためには、これはやはり、土地をいじり建物をいじりということでありますので、様々な権利調整が重要になります。そのときに、様々な方々のニーズにこたえるいろんな選択肢というものを用意して、できるだけその権利調整を円滑に進めていける方法を更に充実するべきだなというようなことがございます。
 こうしたことを踏まえまして、今回の改正案では、多様な権利調整を可能とする柔軟な事業の仕組みを導入するということとか、それから、密集市街地の整備に関する情報の提供、あるいはその整備の相談とかノウハウの提供とかいろいろございますけれども、そういったことを役目としております防災街区整備推進機構というのものが法律上の位置付けがございますが、これは従来いわゆる民法法人だけがその資格があったんでございますけれども、今回の改正で防災、まちづくり活動などを行いますNPOも更に位置付けたというような工夫をしております。
 また、法律とは別でございますが、まちづくりへの支援として非常に各地から要望の高いまちづくり総合支援事業という統合補助金制度がございます。この中でも、NPOあるいはまちづくり協議会など、民間の方々が行うまちづくり活動を補助の対象といたしているところでございます。
○吉田博美君 次に予定しておりました阪神・淡路大震災の教訓をどのように生かされているかということでございますが、大体今お答えをいただいたんじゃないかなと思っておりますので、次の質問につきましては今の答弁でよきといたしますが、その次に入らせていただきます。
 密集市街地は東京や大阪に多いわけでありますが、その他の地域にも密集市街地はあると思います。この改正案の効力は当然その他の地域にも及ぶものと思いますが、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(澤井英一君) 一つ先ほどの答弁に付け加えさせていただきますと、やはり非常に大きな教訓として、これは議員が最初に御指摘のとおりでありますが、町全体の作りを災害に強い作りにせにゃいかぬということでございます。
 特に、阪神・淡路大震災の場合には大きな火事が起こりましたけれども、その火事がどこで焼け止まったかというと、大きな公園ですとか道路ですとか、公園の小さいものでも焼け止まっております。それから、耐火建築物がかなり固まってあるというような、その都市の作りで災害がそこで止まったということもありますので、今回の法案の中ではそういうことの整備の促進ができるようにということも柱の一つとさせていただいています。
 また、地域につきましては、御指摘のとおり、東京、大阪に特にこういう密集市街地が多うございますが、それは事実でありますけれども、全国にいろんなところにございます。そういったところを幅広く対象として、全国的に安全度の向上を図っていくという構えで進めていきたいと思っております。
○吉田博美君 たしか二万五千ヘクタールですか、あって、一万二千が、六千、六千というのが東京と大阪で、あとは一万三千ですか、が地方にあるやに聞いておりますので、やはり、別に私が地方の出身だからというわけではございませんが、地方の密集市街地にもよくしっかりと目を向けていただきたいなと思っておるところでございます。
 次に、防災街区整備事業の対象となる地域の要件はどういうことでしょうか。また、その要件に該当する地域はどのくらいあると考えているのでしょうか。実態の把握には調査が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) 防災街区整備事業を実施できる地区といたしましては三つ要件を考えておりまして、一つは、道路、公園等、防災上重要な公共施設の整備あるいは建物の耐火性能の向上、さらには古い建物の共同建て替えの推進などによりまして安全性を高めにゃいかぬという地区として都市計画で定められた場所の中にあると。それから、地震等によりいったん火災が発生すると容易に延焼する木造の建物が多くの割合を占めている。それからもう一つ、こういったところの特徴といたしまして、狭い道路にしか接していない、あるいは建ぺい率をオーバーしている、そういう建物が非常に多くて、そういったところで自主的な建て替えをしようとしても、今ある建物より相当小さいものしか建て替えられない。結果、実質的な建て替えが進まない。こういった三つのことをこの事業ができる地区の要件としております。
 先ほど先生仰せのように、木造家屋比率等の定量的使用ベースとして公共団体がそれぞれ把握している実態調査の結果によりますと、全国で二万五千ヘクタール、特にその中で延焼危険性が高くて緊急に対応せにゃいかぬところが八千ヘクタールというふうに推計しておりますが、一方で今の、最初に御説明しました防災街区整備事業を施行できる地区については、法律の位置付けとしていろんな柔軟な権利調整の手法を導入しながらも、最後には事業に反対する地権者が一部存在しても強制的に事業が進められるという仕組みにしておりますので、こういった木造等の物理的な条件に加えまして基準法との適合性等の別の要件も付加して厳格に決めております。したがって、先ほど言いました二万五千あるいは八千と、厳密な対応関係にあるわけではありませんが、特にこの八千というものとは大体対応するんではないかなと思っております。
 今回の法改正を成立いただければ、これを契機といたしまして、一段と施策を進める観点から改めて公共団体とも連携してより詳細な実態調査に取り組んでいきたいと思っております。
○吉田博美君 時間もかなり参っておりますけれども、密集市街地の整備については、個々の地権者だけではなく、地方公共団体はもちろん、民間事業者の資金やノウハウが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 特に、民間事業者を事業に参画させる誘導策はあるのでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 密集市街地の整備につきまして、地方公共団体あるいは民間事業者の資金、ノウハウというものが必要ではないかということでございます。御指摘のとおりだと思います。住民だけでこうした事業を実施していくということはかなり難しい問題がございます。
 公共団体につきましても是非この事業に積極的に支援をしていただきたいと考えております。当然、公共団体も施行可能なシステムにはしてございますが、そのためにも防災街区整備事業に対する補助制度をこの平成十五年度予算において公共団体も可能なように創設してございます。それから、法律上この事業に対する公共団体の技術的援助の規定を書き込んでございます。また、民間事業者につきましても、一定の条件を満たします株式会社につきまして防災街区整備事業の施行者となることができると。これは、再開発事業並びでございます。
 それから、民間事業者が事業の段階から参加して費用を負担するということで、最終的には保留床を取得するというようなことで助けることになるわけですが、その参加組合員制度、あるいは特定事業参加者制度というものも設けてございます。
 それから、保留床を取得するということを前提に防災施設建築物、再開発ででき上がる建築物のことですが、その建築を行います特定建築者制度という、資金リスクなども負うという、民間事業者が負うというような仕組みも導入してございます。
 それ以外にも、現在、都市基盤整備公団と言っておりますが、その機構になるような予定になっておりますが、そうした公団あるいは機構もその事業の施行あるいは支援ができるような仕組みにもしてございますし、今後とも公団も助けていけるようなことも考えております。
 また、まちづくりのノウハウを有しますいわゆるNPO法人、こういった人たちの、先ほど答弁ございましたが、防災街区整備推進機構の指定対象ということで、NPOも加えるというようなことも整備してございます。
 こういったことで、民間事業者の資金、ノウハウの活用が図られるようにやってまいりたいと考えております。
○吉田博美君 いずれにいたしましても、官は官、民は民じゃなくて、官と民がお互いにいい知恵を出し合った中での事業を推進するということはこれからの一つの流れで大事なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして、密集市街地にはお年寄りや費用負担の困難な方々がかなり多く住んでいらっしゃるのではないかと思います。こうした方々に対する負担の軽減措置は何か考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 御指摘のとおり、こうした密集市街地にはお年寄りあるいは借家権者の方が大変多いという特性がございます。その方々の居住の安定の確保ということも重要な事業の課題でございます。したがいまして、この法案におきましても、施行者及び国、地方公共団体に対しまして、借家人の居住の安定の確保に関します努力義務を課してございます。
 まず、その事業に対する負担、施行者の負担軽減というのが結果的にはやはり権利者の方々にも及ぶということがございますので、様々な計画策定費、あるいは除却・整備費、それからでき上がる施設建築物の共同施設、こういったものに対する費用を補助するという制度も用意しております。また、当然、権利者が保留床を取得したいというときには、住宅金融公庫の都市居住再生融資ということで、長期低利の融資が受けられるように措置してございます。また、お年寄りにつきましては、その資金の返済に大変困るというケースもございますので、これは死亡時一括償還と称しておりますが、亡くなるまで取りあえず元金償還は抑えて、金利だけ払っていただいて、返済額を通常の三分の一ぐらいに抑えて、亡くなったときに一括償還をしていただくという制度も用意してございます。
 いずれにいたしましても、そのほかに、従前の言わば借家権者等の方々が外に出なければいけないとなったときの従前居住者対策の住宅も整備できるという仕組みも用意してございます。
 こういったことで、お年寄りの方あるいは借家権者の方々に対する措置も講じてまいりたいと考えております。
○吉田博美君 防災街区整備事業は、従来の共同建て替えの仕様とはどう違うのでしょうか。何か利点はあるのでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 従来はこの密集市街地では任意の権利者の方々の共同建て替えということで整備をするということを主としておりました。ただし、結果といたしましては、先ほど委員御指摘のとおり、高齢者が多い、あるいは借家権者の方々も多いということで、必ずしもその方々の賛成を得られないというケースがございまして、事業が遅延するということがございました。
 今回は、こうしたことを踏まえまして、計画の策定の段階から、計画についてその都市計画の手続をちゃんと経るというようなことで、住民の方々の意見をくみ上げるということ、それから組合の設立とか運営のルールを今回定めましたので、それによりまして地権者の方々の合意、あるいは意見聴取を行う手続を整備するということでございます。
 どうしても一部反対の方がおられたとしても、その方々も一緒になって事業はやっていただくと。ただし、その結果として出ざるを得なくなった方々に対しては様々な優遇措置、あるいは従前居住者に対する住宅の整備をするといったことで救済措置をするという、講じるということで、事業がスムーズに実施できるようなふうに考えているところでございます。
○吉田博美君 先ほどの質問の中に、お年寄りや費用負担の困難な皆さん方がおられたときどうするかという問いで、いろいろな考え方、いろいろな対応策を考えていらっしゃるわけでありますが、この整備事業にどうしても参加できない人に対する対応はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。地区外へ転出する場合に何らかの補償はあるのでしょうか。その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 防災街区整備事業は、基本的には今回、仕組みとしては再開発事業と同様の権利変換という仕組みを導入いたします。したがいまして、原則は土地所有者、零細権利者の場合もあります、小さい土地という意味ですが、土地所有者は従前の資産に対応して、新しくできます防災施設建築物と言っておりますが、これの一部を権利変換で取得する。あるいは借家権者の方はそのまま権利変換で借家人として家主のところに借家権を取得するというようなのが原則でございますけれども、その方々が権利変換によらず保留床を取得するというようなケースもあります。そのときは公募によらず優先的に購入することができる。
 あるいは、その方々がどうしても参加はできないというようなケースもございます。そのときには、その土地を持っておられる方、あるいは借家権の方々、それに見合う補償をするということになります。補償を出して、この方々が補償金を受けて転出するということがベースにございますが、居住の安定の確保という観点から、どうしても出ざるを得なくなって、例えば借家権者が補償を受けて出るけれども、その方々に対する従前居住者用の賃貸住宅制度ということで居住の安定を図るということも考えているところでございます。
○吉田博美君 この密集市街地整備法の一部改正は都市再生に大きく寄与するものと考えますが、大臣はその効果をどのように期待をされているのか、御所見を伺いまして、時間も参りましたので、私の質問を終わります。
○国務大臣(扇千景君) 二法について広範な御質問をいただき、御理解も賜ったのではないかと思いますけれども、少なくとも、先ほどからお話出ましたように、備えあれば憂いなしとか、あるいは私も治にあって乱を忘れずとかというような言葉を申しましたけれども、阪神・淡路大震災の例をお取り上げになりました。私も神戸出身ですから、今の、あの八年前の忌まわしい思い出は今でも頭から離れません。
 あっという間に七千五百棟の建物が焼失いたしました。あの七千五百棟で焼け止まったという、いわゆるその原因は何かという焼け止まった理由もこれあるわけでございまして、本当であればもっと焼けていたかもしれないということも言われるわけですけれども、焼け止まった例といたしましては、少なくとも私たちは、道路、鉄道で焼け止まったのが四〇%、公園とか空き地で焼け止まったのが二三%、耐火建築物が高いものがあったので焼け止まったというのが二四%、そして消防活動で焼け止まったというのはわずか一三%なんですね。
 けれども、これらを総合しますと、これらの延焼阻止ができたというのは全部合わせますとこれで八七%ということで、数としては七千五百棟が焼失しましたけれども、今申しましたような理由で焼け止まったというのがありますので、それから見ますと、今の密集市街地というものの整備というものがいかに大事であるかということを私は物語っているものだと思っておりますので、少なくともこれらの要因になりました道路、公園等のオープンスペース、又は先ほども、河川のときにはんらんは山にあるというお話ございましたけれども、少なくとも密集市街地の整備というものは何としても必要である。
 例えば、東京を例に挙げましても、東京の都市計画というのは、戦後すぐ、二十一年にできたにもかかわらず、いまだに五五%で、四五%は都市計画すら実行できていないというのが現実です。それは、道路も狭くて、これだけ高い建物ができたのにまだ都市計画が実行されていないということは、防災上も大変な問題だと思っていますので、あらゆる面で、この法案が河川と密集市街地の両案をセットでお出ししたというのは、そういう災害を防止する、両方の密接、これが両輪で初めて安全が少しは確保でき、不安をなくすということに役立つということで、両法案を一括して出させていただいた理由がそこにございますので、是非、今るるにわたって御質問いただきましたけれども、私たちはその実現方、しかも安心と安全を確保するための大事な法案だと認識して御質問にお答えしたわけでございます。
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 吉田議員に続いて質問をさせていただきますけれども、吉田議員も私自身も、密集市街地とか都市河川とか、全くどこを見ても、長野県にも密集市街地はないし福島県にも密集市街地はないし都市河川もないと。そういう地方出身の者が都市の問題についてこう熱っぽい議論をしているというのが正に国会であるなと改めて感激をしておりまして、この姿を石原慎太郎知事によく見てもらって、地方の者がこれほど都市のことを心配しているんだから都市の者もまた逆に地方のことを心配しなきゃ駄目だよと、あえてそんなことを申し上げておきたいと思います。
 私も、当選させていただいて五年目でございますが、終始一貫、最初は国土・環境委員会、それから国土交通委員会と名称も変わっておりますが、その中で、最近つとに都市政策についての法案が非常に多くなっております。この五年間で約十五本お出になっているわけでありますけれども、私は、それだけにやっぱり都市の持っている様々な災害を含めた病巣というものが深いものがあるのかなと、そんな思いをします。
 先日、統一地方選挙がありまして、これは東京のある区長さんの政策課題、急増する人口対策をどうするか、そんなことが一つのスローガン、その政見放送の公約になっておりまして、そんなことを考えると、一方では過疎問題で悩んでいる中で、国土政策全体の中での都市政策をどうするかということを是非お考えいただきたいなということでございます。
 さて、この二つの法案、極めてこれ長い法案でございまして、あえて都市河川とそれから密集市街地と言わせていただきますけれども、今ちょうど、大臣、選挙区に帰ると、東北新幹線で宇都宮駅から白河に入って、福島県に入ると、ちょうど田んぼに水が張ってあって田植の直前でございます。そうすると、本当に水の恵みというものをあえて改めて感じさせられまして、そしてまた、山間地方を回っておりますと、緑が一層濃くなっている。
 となると、私は、十五年前ですかね、「水の旅人」という映画がありまして、山崎努さん、これは自民党の参議院議員じゃありませんけれども、山崎努さんの主演の映画でございまして、一滴の雨水が山に降って、それが植林を、植物を育てて、それから沢に入って、それから小川になってせせらぎになって、大きな大海になって海に流れ、海に流れたものがまた蒸発して雨になっていくという、正に循環型の中で、どれぐらいこれ水がまた人の生活に大事なものか、ある意味では水と空気というのは代替するものがない、本当に必要条件であろうと。
 そんなことをいろいろ考えている中で、今度の都市河川の浸水被害の問題でありますけれども、罪の方であるなと。しかし、昔からことわざで、地震、雷、火事、おやじと。最近はどうもおやじじゃなくて、火事、母ちゃんかも分かりませんけれども。そんなことを考えると、何か水害というのが入っていないんですね。
 ですから、水害というのが入っていないということは、やっぱり水は正に功の方が多いということを考えると、これは最近の水害、これ台風は別でありますけれども、人的な要因が非常に多いんじゃないかなと、そんなことを思うんです。それは、先ほどのヒートアイランドの話から、いろいろ気象変動枠組み条約の中でのCO2の削減の温暖化の問題を様々含めておりますけれども、私はここで申し上げたいのは、今度のこの都市河川の浸水被害に関する問題は、これはやっぱり単なる都市政策じゃなくて、先ほども申しましたように、片方ではやっぱり過密で非常に悩んでおるんです。過密というのはどういうことかというと、今の都市政策の中でもほとんどがもうコンクリート詰めで、それがヒートアイランドの最大の原因になっていると思うんです。それが、結果的には集中豪雨。ですから、最近の災害というのは台風よりも大雨の方が多いですからね。そんなことを考えると、その原因は何だということになると、やっぱり過密状況、一極集中状況であろうと。
 そういうふうなことを考えたときに、まず、私はなぜそういう今のこの都市河川の議論をしなきゃいけないんだということを、やっぱり一つの過密状況が起こしているというふうなことも大きな一因になっているわけですから、国土政策全体を考えた中でこの都市政策を考えていかなきゃならないんだろうかと、そんな思いをしますが、まず大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 一極集中ということを今おっしゃいました。例えば、どの程度一極集中になっているかという例を挙げさせていただきますと、どうして一極集中になるんだろうと。
 今、少なくとも東京圏の占める割合なんですけれども、GDPは東京圏では三〇・五%占めています。金融機関の預金残高が三二・九%、東京圏が占めています。なお、東証一部上場の企業数、六二・四%が東京圏が占めています。
 そういう意味では、今おっしゃったように、首都圏に日本におけるGDP、今申しました預金残高、それぞれの三割が東京に集中しているというのがこれ現実でございます。それによって、もしその集中しているところに災害が起きればどうなるかということで、日本の経済の失速はもとより、少なくとも世界の経済状況にも重大な影響を及ぼすというほどの集中度であるということが、今、佐藤議員がおっしゃった一極集中という意味が、私が挙げた数字だけでも一極集中になっているなというのがお分かりいただけると思いますけれども。
 それだけに、防災政策というものがいかに大事であるかということ、なおかつ、それがいい意味なのか悪い意味なのかスパイラルになって、集中しているから人が来る、人が来るから集中するという、こういう大都市スパイラルが起きているというのは事実ございます。
 ですから、それだけに今までと違った防災対策あるいは防震対策、あらゆる面でしなきゃいけないし、また都市再生ということを、先ほど都市の法案が多いとおっしゃいましたけれども、そういう事情の中でいかに安全性を確保するか。日本の経済の安定にも影響するということで、我々は、今の都市がそのままでいいかということで、あらゆる面での安全と安心と。
 そしてなおかつ、世界じゅうから集まってくる人に東京は怖いところだなと、日本は怖いんだという印象を与えたのでは、少なくとも日本は孤立する。サリン事件のときに、ちょうど同じ八年前に阪神・淡路大震災が一月に起こって、続いてサリン事件が起こりました。そのときに、日本の安全神話は壊れたと言われたんです。けれども、それでは日本が経済的にもあらゆる面で安全、安心を取り戻そうということから始まっておりますので、いろいろな理由はあろうと思いますけれども、我々国土交通省としては、まずそのことへの対応をおさおさ怠りなくするというのが基本であるということを是非御理解賜りたいと思います。
○佐藤雄平君 経済的なファクターももちろんでありますけれども、人口も、私も何回かこれ質問させてもらっておりますけれども、この三年間で東京の人口は二十万人増えている、十年間で関東地方の人口が百五十万人増えている。しかも、出生率で言いますと、一・三四の中で東京は一・〇一ですからね。ですから、社会的要因ですね。東京は出生率が低いのに、しかも日本の人口が少なくなってくるのに東京の人口が増えるというのは正に地方から来ているということで、様々な都市の病巣があると思いますし。
 また、私は最もこれ大事なことは、今、六本木ヒルズとかたくさんの新しい高度な土地利用をしておりますけれども、ほとんどが超高層ビルなんです。ここにやっぱり児童生徒もいるんです。今、一生懸命、情操教育が大事だと言いながら、それこそ教育基本法も含めて変えなきゃいけないと言っているけれども、これ、情操教育なんというのは、大臣、ビルの谷間に生まれた子供に情操教育ができないでしょう。
 大臣も多分歌はお上手でしょう、私も下手な方ではありませんけれども。今、大臣、童謡とか唱歌、こういうふうなのが一番私は情操教育でうんと大事だと思うんです。ところが、東京の子供に「赤とんぼ」の歌とか、こんなのを歌えと言ったって、その情景が浮かんでこないんですよ。ビルの谷間から太陽が昇って、ビルの谷間に沈んでいくわけですから。
 そういうふうな、もう本当に私は今、明日の都市のさっき言ったように病巣というか、テロも含めて様々なことがありますから、その原因は何だというふうなことを十分考えて、これもう総理に直言しながら、やっぱり最終的には均衡ある発展というふうなことになるんですけれども、これ、済んでからではもう遅いと思いますので、そんなことも考えながら都市政策を是非進めていただきたい。
 次に、本論に入りまして、これ、先ほど吉田議員の方からも話がありましたが、ラップするかも分かりませんが、正におとといから沖縄も含めて梅雨に入ってまいりまして、梅雨に入ってくるとどうしても大雨の問題、それから災害の問題になります。いろんな教訓からこの都市河川の浸水被害法案が出ていると思いますけれども。
 まず、その都市河川の指定に当たって、これから三十、四十の河川を指定していくわけでありますけれども、どのような知見に立った上で、さらに私、何年に一回の災害というのを想定してこの法案を作っていったのかというその裏付け。特に山で大型開発するときなんかは砂防事業を、砂防を造りなさいという話になる。百年に一回の災害を想定する場合があったり、五十年に一回の災害を想定する場合がありますけれども、この今度の都市河川の防災のこの法案はどれぐらいの年次の災害を想定した中での法案なのか、まずこの御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 都市河川の指定の考え方、基本的な考え方ですとか、どのような降雨を対象に考えるのかという御質問でございました。
 この法律では第二条で都市河川について定義をしておりまして、都市部を流れる河川であって、その流域において著しい浸水被害が発生し、又はそのおそれがあるにもかかわらず、河道又は洪水調節用のダムによる浸水被害の防止が市街化の進展により困難なもののうち、若干省略いたしますが、国土交通大臣又は都道府県知事が指定するものというふうになってございます。
 どういったことを今後指定していくかということになりますが、その具体的な基準というものについてはこの法律では今も述べたところにしか書いてございません。ただ、どのようなところにこういったものを適用していくかという指定に当たっては、全国の河川の被害状況と比較した被害の程度、あるいは従来型の河川改修による河川被害解消の可能性等を基にして、特定都市河川の要件に該当するかどうかということを個別具体に判断してまいりたいということでございます。
 したがいまして、その基準で、これだけの数字以上であったら指定するけれどもこれ以下であったら指定しないというふうながんじがらめな基準というものは避けておりまして、ただ、こういった指定が円滑に進みますようにガイドラインを定めまして、基本的な考え方あるいは参考的な数値、そういったものを含めて示していきたいと考えているところでございます。
 さて、そういった特定都市河川の指定の、指定でなしに、それでは、安全度と申しましょうか、どのような降雨を想定していくのかということになりますが、これについては、基本的にはこの計画は、下水道管理者、河川管理者、あるいは関係の地方公共団体等々が共同して策定するということでございますが、その基本となる治水の洪水の処理の部分については河川法の河川整備計画の考え方が基本となるわけでございまして、それでは、河川整備計画ではどのようなものを考えているかということになりますが、これはおおむね二十年ないし三十年に、ある程度見通しが付く範囲内にというふうに考えた方がいいと思いますが、二十年ないし三十年内に実際に実施できる仕事の量というものを想定いたしまして計画を作るということになっています。
 そういったものを全国平均的に考えてみますと、大体三十年に一回ですとか四十年に一回といった洪水というものが対象ということになります。当然、この流域水害対策計画ではそういった降雨を対象に考えていくことになります。
○佐藤雄平君 天変地異というか、本当に最近の水害というのは思いも寄らない突然襲ってくるものでございますから、十分そこを考えていただいて、それぞれ水防のために頑張っていただきたいと思います。
 次に、この対策法案が今日になってしまった理由はどんなところにあるのかということの質問をしたいと思いますけれども、我が県も、平成十年、福島、栃木、大変な集中豪雨があって、大変な犠牲者が出ました。また、次の年に福岡県、さらにまた東海の集中豪雨があって、さらに、十二年の河川の審議会の中で都市型水害についての対応というのもかなり言及されたわけでもありますし、また、防災法は、あれは水防法が、去年、おととしですかね、私も質問をさせていただきましたけれども、何でこういうふうなことが想定されながらも平成十五年のこの今日の審議になってしまったのか、その辺の経緯と今後の対応というか、これについて御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) なぜ遅れてしまったのかということでございますが、今までこういった都市型の水害につきましては、委員御案内のとおりでございますが、いわゆる総合治水対策ということをもう四半世紀前、二十五年以上前からやってきているわけでございます。そして、いわゆる流域対策というようなものを講じながら、河川改修だけではなくてそういったことをやってきて、これについては一定程度の成果は上げてきたというのが私たちの認識でございますが、ただ、これもまた現在になってみますと、既に造られた調整池が埋められているとかいろんな事情がございまして、言わば頭打ちの状態になってきたということが一つございます。
 今、委員御指摘のように、東海水害を始め大きな水害が起こったというようなこと、今申しました総合治水対策が頭打ちになってきているというようなこと、あるいは東海水害というような事例も起きてきた、地下水害も起こってきた。そういうことを踏まえまして、先ほど御紹介あったように、水防法の改正も行ってまいりました。
 ただ、この都市水害対策については、更に幅広く総点検を私どもとしては行ってきた、そういったものを元にして、そういったいわゆる総点検を踏まえて本法案を提出しているというところで御理解をいただきたいと存じます。
○佐藤雄平君 理解はしますけれども、ただ、もう十三年の水防法の改正のとき、従前、十二年、十一年、十年とずっと起きているわけだから、これは早急な対応というのが強いられると思うんですよね。だから、私なんかは、どうしてもうがった考えをすると、余り一遍に法案出しちゃうと役所で次の国会で何も出す法案なくなっちゃうから、小出しに出しているんじゃないかなんというふうなことも考えるときもあるんですけれども、決してそうではございませんね。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 決してそういうことではございません。鋭意、今まで省内でも詰めてまいりましたし、それから各省ともいろんな相談してまいりました、関係府県とも相談してまいりました。大臣からは、省庁統合の実を上げろ、今年はそれを具体の形にすべき年だというようなことで、私どもも大変気合も入れられたわけでございまして、そういったことも一つの原因でございますが、今回、特に下水道と河川行政との連携ということについて大変重視しておりまして、そういったことも含めて、関係府県、河川管理者のみではなくて、様々な関係者が協力して計画を作る、その実施についても幅広く国民の参加を求めると、このような法律とさせていただいて、御審議をいただいているところでございます。
○佐藤雄平君 都市再生法で、先ほどの話とまたラップしますけれども、もう本当に限りなく空に近付く超高層ビルと、限りなくアルゼンチンか何かブラジルに近付く地下を掘りながら、それがある意味で私は土地の高度利用かなと思うんですけれども、こうなってきますと、平場ではとてもやっぱり考えられないような災害を想定しなきゃいけない。ですから、ある意味では建築基準法とか、その安全対策とかいうのは、今までとは全く違ったものも必要であろうかな、そんな思いをするところでもあります。
 ですから、結果的には、私は土地の高度利用のある意味では想定できないような災害というのは、ある意味ではこれは人為的なものでもある可能性も十分考えられるんで、そういうふうな中で、河川、火災じゃなくて河川の中で、特に私は、地下をどんどんどんどん掘っている、また地下街がどんどんどんどん掘っている、こういうふうな中で特別の安全策、また建築についての規制、そういうふうなものがあるんであれば御説明を願いたいと思います。
○副大臣(中馬弘毅君) 委員御心配の向きでございますが、我が国は戦後、かなり官主導でいろいろな法律を作り規則を作って、こうして高度成長を成し遂げてまいりました。その結果、逆に言えば、自由度をもう少し欲しい、もう少し社会的な活動、もう少し経済的な活動ということで、今、小泉内閣が進めております規制緩和、これが非常に大きな世論となって、現実にその流れの中で我々としても行政をやっているわけでございますが、しかし、生命あるいは健康等にかかわる問題につきましては、これは逆に規制を強めるべきだと私どもも認識をいたしております。安全、安心の問題、環境の問題につきましては、規制は逆に厳しくあるべきだということで、強くそのことも主張しておりますし、またそのような施策を取っているわけでございます。
 都市の高度化の問題、これは今、大臣からもお話がありましたように、こうした日本の流れの中で、それがいいか悪いかは別として、都市集積のメリットを追求しながら、しかも高度利用という形で、六本木ヒルズじゃございませんが、こういったものがどんどんと建ち出している。そうしますと、これを一般的な建築基準法やその他の消防法等で規制するよりももう少しきつい規制が必要ではないか、そのように認識をいたしておりまして、現実問題といたしましては、主な超高層建築に関する建築基準法の規定は普通よりも少し厳しくいたしております。
 これ、たくさん読みますと大変でございますが、例を申し上げますと、高さ六十一メートル以上の建築物の構造計算における高度な計算法の適用とか、あるいは高さ三十一メートル以上の建築物における非常用昇降機、エレベーターですね、これの設置の義務とか、十五階以上に通じる直通階段を特別避難階段としなければいけないといったようなこと。それから、地下空間、地下街等に適用する建築基準を一般よりも厳しくいたしておりまして、地下街の各店舗から地上に通ずる直通階段までの距離は三十メートル以内とする、あるいは地下街の地下道には排煙設備、非常用照明の設置が義務付けと、こういったようなもろもろございますが、こうした一般よりも厳しい規制を掛けていることも御理解をちょうだいいたしたいと思います。
 ただ、根本的なことを言いますならば、東京には関東大震災、二度目が、地震が想定もされているところで、国会そのものも首都機能移転を決議したんですが、これが最近、石原慎太郎さんのかなり反対論もありまして、ちょっと国会では余り大きな議論になっていないことは少し私は残念に思っている一人でございます。
○佐藤雄平君 中馬大臣の今の話、ですから、国土全体を考えた中での都市政策というのは、正に国会移転も含んだ首都機能に含んでくるのかなと、そんな思いをしますし、今、大臣、頭をひねっておりますけれども、本当に今、都市政策、特にそうなんでございますが、現象面の対策になっていって、元は何なのかと、何か靴の底から一生懸命足をかいているような感じで、なかなか功を奏していかないというのはそこかなとも思いますので、正に国会移転については、本当に何かあったんでは遅いんで、もう阪神・淡路の十二年前のときなんか、もうあのときなんかは逆に何か、八年前、都市部とか中央政府の人が何かそれぞれの県にお願いしながら国会移転頼むよというような雰囲気であったんですけれども、のど元過ぎればということで、何か風化しているような状況でございますので、これもいずれ都市防災とか都市災害を考えた中での国土政策になっていくかなと、そういうふうな思いをします。
 次に、都市河川の法案の中での事業面での政策効果についてちょっとお伺いをさしていただきたいと思います。
 これは、先ほどから話しておりますが、今までのいろんな水害、災害の教訓の中でこれがおできになっていると思うんでありますけれども、今度の法改正でどのようなことが今までと違った改正の主になるのかと。それと同時に、福岡、東京、東海の水害のときの教訓、例えばここをこうしていればこんな水害、被害、人災も起こらなかったんじゃないかというようなこともあろうかと思うんですけれども、その件について御答弁を願いたいと思います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) まず、前半部分の事業面における政策効果という点についてからお答えしたいと存じます。
 本法案の中身を今ここで改めて御紹介することはいたしませんが、河川管理者が、特にこの法律の中では従前の河川改修等の手法だけではなくて、河川の外においても調整池を設置する等によって洪水対策に資する、洪水対策を行うということを言わば考えているわけでございまして、そういった効果を、一級河川の鶴見川において試算データも持っております。そういった試算をいたしますと、費用、工区ともに大幅に軽減されるということが、そういったデータを持っております。
 それから、今までの水害対策としてどのような、何が欠けていたのか、教訓は何かと、それを踏まえてどういったことを今回盛り込んでいったのかということでございます。
 これにつきましては、福岡水害では、あるいは東京の新宿の地下室において発生した事故等々もございますが、いずれにしても、都市部において大きな降雨があった場合に、河川のはんらんなどによって生じる浸水以外にも、下水道を開始することによって生じる内水被害が生じている、さらにそれが地下に及んでいるというような問題も生じているということでございます。
 そういった対策が求められているわけでございますが、そのために、今までの、先ほど私、総点検ということを申し上げましたが、一つは、浸水被害対策を合理的、効果的に行うためには、河川行政と下水道行政の一元化、一体化が不可欠である、そのために関係機関が一体となった計画を作るということが大事だと、こういった点を言わば教訓として学んだわけでございます。
 次に、市街化の進展によって、河川区域内の整備だけでは十分かつ効率的な浸水被害対策を講ずることができないということでございますが、そのためには、先ほど申し上げましたように、河川区域以外の流域内でも河川事業者が治水対策を行うことができるようにする。さらには、民間事業者につきましても、一定の責任を明確化して雨水貯留浸透施設の設置の義務付けを行うですとか、あるいは現況施設を前提に計画降雨時に発生する浸水を明らかにし円滑な避難を可能とする都市洪水想定区域を指定しなきゃいけないんじゃないかと、こういった点が各種言わば教訓として学んだということでございまして、そういったことをこの法律の中に盛り込んだということでございます。
○佐藤雄平君 吉田議員の質疑の中でもありましたけれども、地下街、それから地下鉄等のいわゆる地下利用に対するそのときの災害対策でありますけれども、先般の本会議に私、ちょっと質問の中で、ちょうど韓国の地下鉄の火災の事故があった直後でありましたから、正にその地下の恐ろしさを披露さしていただきましたけれども、これは、今度は水害になるわけでありますが、特に今の時代、高齢者の方が非常に多い。もう電車の利用とバスの利用、それからまた地下街になんということは非常に高齢者が多いわけでございまして、その中で、私は、避難マニュアル、避難対策の中で特に高齢者についてはどのような避難の対策というのがあるのか、その件についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 高齢者に対する対策ということについては、ハード面でもそういったところの各種治水上の対策を重点的に行うということを実施しているわけでございますが、基本的にはそういった特に地下街ですとか、最終的には、私どもが用意します浸水の想定区域等を基に市町村が各種避難計画ですとかそういったものを作るわけでございますが、そういったものの中で具体的に反映されていくことになろうかと考えております。
 地下街の点について若干申し上げれば、国土交通省といたしましては、地下空間の浸水対策を重要な課題と認識しておりまして、地下空間の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、洪水情報の伝達方法に定められるように措置したところでございますし、あるいは地下空間の設計又は管理を行う者に対する浸水対策上のガイドライン、こういったものも住宅局と共同しながら作っているというようなことでございまして、こういったものの中でも御指摘の高齢者に対する配慮等々を盛り込んでいるところでございます。
○佐藤雄平君 次に、ヒートアイランド現象に対する対策はどのような講じ方をしているかということについてお伺いしたいと思います。
 今の集中豪雨、これそのものはヒートアイランドに大きな影響の一因となっているということも一部取りざたされているわけでありますし、またその都市の、先ほどからも話の中で言っておりますけれども、都市水害というのは、もう本当にコンクリートで固められた中で、これはとても、本来ならば地下にはける、吸収されるべき雨水が吸収されなくてはんらんしているというふうなことも大きな理由になっていると思うんです。総合的にこのヒートアイランド現象、またコンクリートで固められた今の都市の現況についての何か対策があれば答弁願いたい。
○国務大臣(扇千景君) 一般に言われておりますヒートアイランド現象というのは、現実的に数字として出ております。それは、東京の平均温度、これ百年の間に三度上昇しております。これも今おっしゃった、佐藤議員がおっしゃったヒートアイランド現象、あるいはコンクリートで固められたという、そういうこともあろうと思いますけれども、少なくとも私たちは、都市環境の大きな影響を与えるというのはもう現実的にこの数字を見ただけでも分かるわけですけれども、言ってみればもうだんだん冷房が必要になってくるというようなことで、特に冷房等々で電力の消費ですね、そういうものの増加等によってもあるいは二酸化炭素の排出増加が広がるという、そういうことで、あらゆる面に関連性を含んでおりますので、これだけでヒートアイランド現象が起こったとは言い難い、複合的なものがあると思っておりますので、あらゆる面でこのヒートアイランド現象の一つ一つを我々は都市政策の中で、集中豪雨も回避するということでも整理していきたいと、また対処していきたいと、そう思っておりますけれども。
 建築物の断熱性の向上、これも一度ここで議論されましたけれども、大変断熱材というものが新たに建築材料として使われて熱の発出を防ぐ、またそういう意味での技術の向上というものができておりますし、少なくとも人工の排熱の抑制ということで、これ例を挙げますと、公園と緑地というものがいかにこれを、ヒートアイランド現象を防御するかということで、例えば東京の普通の平均温度が三十度というときに、明治神宮は二十五度なんですね。
 ですから、いかに森林というもの、あるいは緑というもの、そういうものが、ヒートアイランド現象と言われるまでに、効果があるかということは、もう如実にこの温度一つもってみても分かっておりますので、できれば民有地ででも屋上あるいは壁面等と、町見ますと時々やっています。けれども、屋上の緑化、それから壁面でも段々にして緑化していらっしゃるビルもございますけれども、あるいは水面、少なくとも水を吸収するということで、水面積等々で、水と緑のネットワークの形成とか。
 あるいは、コンクリートでも保水性のあるものもありますし、あるいは透水性の舗装というものもございますので、そういう雨水を貯留、浸透の拡大の各種の施策、これを総合的にしなければならないということで、緑があればいいというもんじゃなくて、降った雨を吸収するということも必要でございますので、あらゆる面で総合的な施策を講じていくということが私は大事であろうと思いますので、ただヒートアイランド現象に、これがやればということではなくて、複合的な政策の実行をして、様々な行政の取組を私たちは総合的に進めてまいりたいと思っております。
○佐藤雄平君 公園は来ているんだっけな、公園。
 緑化対策やりましたですね、都市緑化。このときも当然ヒートアイランドも考え、それとあとCO2の吸収というのも考えてやったと思うんですけれども。
 通告していなくて恐縮なんですけれども、これの緑化対策の法案のときの、いわゆる数字的なというよりは、どれぐらい、それこそCO2の削減と、それから、何というのかな、今、大臣の申されたヒートアイランドに対する効能、効果、これが考えられたのか。分かっているところだけで結構ですから、教えていただけますか。
○政府参考人(澤井英一君) まず緑化、特に最近ヒートアイランドとの関係で屋上緑化ということを一つの施策として立てまして、進める方策をいろいろと考えております。
 特に、屋上緑化の場合のヒートアイランドを緩和する原理というのは、一つには葉っぱから水分が蒸発散する、それによる気化熱の吸収で冷える。それから、その下に当然土があって水を含むという状態があって、そこでも水のやり取りが空気中との間であるという二つの意味で非常に効果は大きいだろうと。コンクリートで覆われた屋根をそういうもので覆うことによって、もちろん周辺の温度も下げますし、また屋内の温度、断熱効果という意味でも効くんだろうと思います。
 これは東京都などではかなり先進的な取組の中で、東京都のビルの屋上の何割を屋上緑化すればこのぐらい下がるであろうというような試算もされておりますが、一番分かりやすいのは、先ほど大臣も御答弁申されましたように、明治神宮の真ん中とその外側、市街地が三十度ぐらいのときに明治神宮の真ん中に行きますと二十五度という観測記録が現にございまして、緑のそういう気象緩和効果は非常に大きいと思います。
 それから、緑化によってCO2を吸収するというもう一つの側面でありますが、これは京都議定書に続く一連の施策の中でも、都市の緑化によってこのぐらいCO2削減すると、数値は今ちょっと明確に記憶しておりませんが、一定の位置付けを与えられておりまして、それはもう一つの緑化行政のこれからの大きな目標だと思っております。
 そういったことを含めて、公園の整備、公共空間の緑化、また民有地の緑化、あるいは緑地の保全といったことを正に横断的に一体として進めていきたいというのが、今、私どものスタンスでございます。
○佐藤雄平君 そうすると、局長あれですか、だから京都議定書で二〇一〇年までのマイナス六%ありますよね。これ、産業界も行政も努力しなきゃいけない。その一環というふうなことでとらえてもいいんですかね。
○政府参考人(澤井英一君) ただいま申し上げました都市公園の整備、あるいは公共空間、道路とか河川とかいろいろございます。そういったところの緑化、植樹、それから民有地の緑地を保全したり、あるいは更に緑化をするということで、一定程度以上の高さの木を、ちょっと数字は覚えていませんが、たしか数千万本のオーダーでやっていくということを計画的に進めることによりまして、もちろん六%のうちの三%とかそういうオーダーではとてもありませんが、一定の数的な位置付けも与えられているものでございます。
○国務大臣(扇千景君) 今、佐藤議員がおっしゃったヒートアイランド現象のみならず、CO2の排出量で国土交通省ということで、これは今、局長が申しましたように、あらゆる面でヒートアイランド現象のモデル地区というのを作っておりまして、そして具体事業とそれから誘導施策、そして現実的に実験的プロジェクトと、こう三つに分かれておりまして、それを各都市あるいは各密集地に実験しております。
 木を植えることも屋上緑化も今、局長が言ったとおりですけれども、そのほかにもCO2対策としては、ここの委員会で御論議いただきました高速道路のETCの設置、これもCO2排出量に大きな役目を果たすと。交通量の渋滞の三割が料金所でございますから、その渋滞を解消するためにETCも設置して、そして渋滞緩和をしてCO2の排出量を抑制しようという、あらゆる面で、このヒートアイランド現象のみならず、あえてCO2というお話が出ましたので、国土交通省としてはあらゆる面でそういう総合政策と、今申しました具体事業とあるいは誘導施策と実験的プロジェクトの総合結果を今後、また改めて私たちは多くの資料を集め実験をしているというのが今の現状でございます。
○佐藤雄平君 そういうふうな中で都市政策を是非進めていただきたいと思います。
 次に、都市型水害、これも含めてでありますけれども、これと市街地の開発、また宅地開発、いわゆる大型開発事業との因果関係について、その例があればお示しいただきたいと思いますし、これもまた我が県のことで恐縮でありますけれども、平成十年のときの大変な災害も、これはすべてではありませんけれども、その上流に、何でこんな大変な水が、鉄砲水が流れてきたんだといういろんなその町、村での議論があったときの中で、県も含めてそうでありますけれども、まずその上流の方にゴルフ場の開発があったと。あれが結局は水の吸収をなくした中での大きな理由になっているんじゃないかと。そういうふうな中で、都市の水害というのは正に大型開発と非常な因果があると思いますので、その因果についてのお伺いと。
 それから、今度の法案を見るに至ったことは、市街化が進んで通常の河川整備ができないということが大きな一つの理由になっておりますけれども、現実問題として市街化が進むよりも、やっぱり人命というのを考えたら、ある意味では河川事業が人命のためになるというふうなことであれば優先してというか、河川の災害をも考えたまちづくりというふうなこともうんとこの都市部の中で大事であろうと。ある意味では、都市計画と言うとちょっと問題があるかも分かりませんけれども、町の安全、安心対策を考えた場合には、河川事業の方が先行したまちづくりというふうなこともある意味では考えてもいいかなと、そんなことも思いますし、またさらに、その大型事業の中で千平米以上のというのがありますけれども、雨水の浸透施設というのは、これも先ほどの話のとおり、どれぐらいの雨量を想定した中での都市の水害対策になるのか。この三点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) ただいまの御質問の中の三点のうちの最初の部分と一番最後の部分について、まず私の方から御説明させていただきます。
 まず第一の、因果関係についてのお尋ねでございました。
 これは、都市水害にかかわらず、水害が起こるという原因については、一つ私どもが大変懸念しておりますのは、先ほどからいろいろヒートアイランド化とかというような御指摘もございましたが、最近、私たちが今までちょっと考えてきたこともないようなとんでもない大雨が降るケースというのが非常に増えてきていると、これは大変懸念しているところでございます。それと、残念なことに、まだまだ治水面のハード対策というものが十分ではないという点、これがやはり基本にはあろうかと存じます。
 ただ、都市の今回の法案でお願いしているような流域につきましては、委員御指摘のように、市街化が進展することによって森林ですとか農地といった保水・遊水機能が高い、現にある、そういう機能があるところがなくなるということで遊水機能が低下し、降雨による出水が大きくなる、これは一つの大きな原因としてございます。
 もう一つは、低いところに人が、治水対策が進んでまいりますと、今までは人が住まなかったようなところまで人がどんどん住んでいくことになる、市街化開発も進むというようなことで人口や資産が集積するということで、都市河川については、いったん浸水すると、一般資産被害額が大変大きなものになる、あるいは更には地下鉄や通信機器が浸水するというような都市機能を麻痺させるような重大な被害をも生じているということでございまして、そういったことに対処するように、この法案では、全部は申し上げませんが、河川管理者と下水道管理者等が連携して浸水被害対策を行う。あるいは、民間の開発に対しても、遊水場に対する対策工事を義務付けるというような措置を講ずることをお願いすることとしているわけでございます。
 もう一点、雨水浸透阻害行為に伴って、今申し上げましたように、雨水貯留浸透施設を義務付けるということにしているわけでございますが、それはどの程度の降雨を想定しているのかということでございます。
 この際の基本的考え方をまず御説明いたしますと、雨水浸透阻害行為、例えば宅地にするですとか、舗装するとか、そういうことでございますが、その際に貯留施設の対策工事を義務付けるわけでございますが、これは現状より悪化させない、そういう行為によって現状より悪化させないというところまでは義務付けても妥当であろう、それ以上の部分は当然河川管理者、下水道管理者が責任を持つべき部分であろう、これを基本的な考え方としております。
 ただ、現状より悪化させないというふうに考えるわけでございますが、実は、そのために必要な容量でございますね、池の容量でございますが、これも想定する降雨によって大きさが随分違ってくるわけでございます。じゃ、それを現状より悪化させないという降雨の基本として何を考えるかということになりますが、それについては、現状の河川の安全度というものが全国の都市河川の現況の流下能力が平均おおむね十年に一回程度の規模の対象降雨であるということ、そういったことを勘案いたしまして、雨水貯留浸透施設を設置する場合に想定する降雨量についても、今申し上げたような意味で、十年に一度発生する程度の降雨規模を想定しようということでございます。
○政府参考人(澤井英一君) まちづくりの中での河川整備という御指摘でございます。
 もちろん、まちづくりの中で水害対策を始めとした防災対策というのは非常に基本的な重要な視点でございます。具体的に都市計画の中でどのような取組が行われているかという例を御紹介申し上げますと、東京都で幾つかのところで行われておりますが、河川整備を行おうとする場合に、道路はおおむね都市計画決定をして幅の線を引いて、そこに、道路ができる前でも、あるいは買収される前でも、建築制限なんか掛けてやっていきます。河川についても、同じように都市施設として都市計画決定を行いまして、今申し上げました都市計画道路の場合と同様に、例えば堤防を広げるというその部分の計画が決まっていれば、そこの土地の所有者は建物を建てる場合には、例えば低層の木造だけというような、都市計画制限と申しておりますが、そういう制限が掛かります。そういうことによって、実際に堤防の整備を行う場合にできるだけ河川事業が円滑にいくようにするというような取組を行っている例が一つあります。
 それから、多くのところで、例えば個別の宅地造成が行われる場合に開発許可制度がありますので、この開発許可制度によりまして、河川への負担の増大という観点ではなくて、むしろ開発区域がしょっちゅう水が浸るような、水がはけなくて浸るようなことにならないようにというような、そういうチェックを行う。そんなような取組を都市計画の中でも水害あるいは水という観点からやっているということがございます。
 今後、今回この新法を成立いただければ、これを契機といたしまして都市計画の方でも更に対応したい。都市の将来の姿をトータルに示すものとして都市計画に関するマスタープランという仕組みがございまして、そこで将来の町の目標とか基本方針というものを定めることになっておりますが、その中に、例えば都市の水循環に配慮したまちづくりの基本方針というようなものですとか、あるいは河川局長も度々答弁申し上げておりますけれども、河川と下水道について治水対策の面でどのような連携を図っていくかという整備の方針、あるいは例えば公園の整備ということを例に取りましても、公園の整備と遊水地機能の確保ということをセットにするとか、あるいは公園というかなり面的に広い面積のところでよりよく雨水を浸透させるとか、そういったようなことをその取組の方針としていこうよというようなことをトータルなプランであります都市計画マスタープランの中で織り込めないかなということを実は現在検討もしております。そんなことでこれからも取り組んでいきたいと思っております。
○佐藤雄平君 次に、雨水貯留浸透施設建設に当たっての、これは自治体間の共同施設の件についてであります。
 広域行政というのが今ずっと進んでおりまして、広域行政の中でいつも問題になって、我々相談を受けるときもあるんですけれども、負担金の問題というのがどうしても相談を受ける事例としてあるんですけれども、これも、ややもすればそういうふうなことがお互いの自治体の中で起こりやしないかなということを危惧するものであります。
 それは、人口が一万人のところと三千人のところが一緒になったと。当然のことながら、受益者は一万人のところが多いんで、じゃ、そっちの方が負担率を高くしろという話があったり、また場所が東と西でどっちが近いかなんというふうなこともあったりすると、様々な議論が出るであろうと。それも、これは、その町村長とか自治体の首長はこれは理解できても、そこに住む住民側からすると、人口が少ないのに我々の方が安全性の近いところがあるからといっても、なかなか負担率からいって問題を呈することがあると思うんだけれども、そういうふうなときに、まずその負担率の一つのマニュアルというか基準というか、これは直接国土交通省には来ないと思うけれども、町村長、町村が県に相談する。すると、県はやっぱりどうしても何かどこかその基準ありますかとか事例がありますかというふうなことでこれは国交省の方に来ると思いますので、その辺に対する一つのマニュアル。それからまた、そういうふうな場合にどのような御指導というか、指導をしていくのか、この件についてのお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(澤井英一君) 先ほど吉田先生の御質問についても申し上げましたけれども、今回、負担調整の規定を入れたのは、そういった、今仰せのような調整をより円滑に進めるベースにしたいということでございまして、現に今やっている例を一つ紹介しますと、いろんな施設に遠いか近いかというよりは、雨水をどう吐くかというのは、どのぐらいの雨水がそこから流れるかということで、割と数字的に計算がしやすいという点がございまして、上流と下流の二つの市で一緒にポンプ場とか雨水管を作ろうというときに、実際に作られる場所は下流側の公共団体にできるけれども、上流についていえば、そこの雨水管に流れ込む流域面積というのはこれはかなり正確に計算できますので、その流域面積に応じてどのぐらいの流入量があると。それから、実際に作るところの公共団体からその雨水管なりポンプ場に行く雨水の量はこのぐらいあるということが比較的正確に計算できますから、その計算結果に応じて費用をアロケーションすると。場所は、用地を確保でき、一番安く施設が整備できるところを選ぶということで、上流の市にとっても下流の市にとっても最も有利な方法になるということで、現に協定を結んでやっている例がございます。
 ただ、必ずしもそういううまくいく場合だけではありませんので、一つには、法律の中でそういう負担調整ができると、負担を別のところに求めることができるという規定を設けながら、もう一つには、今までそういう例もある、又は流域下水道と関連公共下水道の費用負担というふうな例もありますので、そういった参考になる事例をたくさん集めまして、これから必要とするところに具体的に情報発信をしていきたいと思っております。
○佐藤雄平君 分かりました。
 この都市の水害等についてはひとまずここで終わらせていただきますが、今日、内閣官房の方から安田さんお見えになっていただいておりますよね。今、正に有事立法のことでいろいろ議論している中でありますが、我々いろんなことを、百に一つのことをどうしても想定してしまうんです。今の今日の河川の災害、これと今度逆にまた農林省では林業、林野、これも治水とか治山とかそれぞれセパレートされておる。さらにまた、火事が起きるというようなこと、消防になるとこれは総務省になって。こういうのが場合によっては一緒に起こる可能性もあるしね。さらにまた、今度はテロの問題なんかもある。それで、何かどこかの国がまた攻めてくるなんというようなこともあって、これ同時的に起きたとき、それぞれの役所の話なんというのはしていられないんで、これは今法案というか有事の法案のとき、民主党の方でそれぞれ独立した危機管理庁という話をしておりますが、正に私は、今のこの不穏なというか、地球全体も何かおかしくなっている。
 国の外交も問題、そしてまた治安の問題、そこに災害の問題、こんなことを複合的に考えると、やっぱりどこかの一つのきちんとした専門の省庁というのは必要のような感じしますけれども、答弁できるところまでで結構ですから、その点についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(安田実君) ただいま危機管理の体制につきましてございましたが、現在、災害やテロなどの緊急事態におきましては、関係省庁間の協力、連携、こういったものを図りますとともに、これらの組織の総合調整を機動的に行いますために、内閣官房に関係省庁の危機管理部門を統括いたします内閣危機管理監を設置するなどいたしまして政府全体として危機に対する体制を整えてきたところでございます。しかしながら、国及び国民の安全に重大な影響を及ぼす緊急事態に迅速かつ的確に対処するということにつきましては、このような体制を構築することにつきましては国家の当然の重要な責務と考えているところでございます。
 今回の法案の協議でも様々議論がございましたところを踏まえまして、政府といたしましては、このような体制を構築するためにあらゆる観点から不断の検討を重ねていく必要があると考えておりまして、かかる検討の中で組織の在り方についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○佐藤雄平君 しっかりやっていただきたいと思いますし、命令系統というのはきちっと一本じゃないとこれも対応できないというようなことが様々な事例の中でありましたので、官僚の一人としてもしっかり頑張っていただきたいと思います。
 次に、密集住宅についてお伺いしたいと思います。
 密集住宅というと、我々も本当に時代劇を思い出して、八さん熊さんの長屋、あれが一つのある意味ではいい意味で町民文化を作ったり、一つの地域社会を作っている大きな私は幹になっているのかなと、そんな思いをしながらも、一方では、火事になったらもう本当これは大変だなと、一網打尽でもう全部焼けてしまうなと、そんな思いをしておりますが。
 今度は、正に火災防止、また地震防止、災害防止のための法案だと思いますが、その中でも、私はずっと見ると、本当に、先ほどの河川災害のときもそうなんですけれども、いわゆる社会的な弱者というか、特に高齢者の人は、そこに住んでいて、本当にもうあと何年かの中であえて変えてもらいたくないなというふうな気持ちがなって、最大の、私はこの法案を施行するについて一番の問題というのはやっぱり高齢者の問題であろうかなと思いますが。
 まず、その中で、密集市街地の高齢者率、正に今国交省がやろうとしている地域で結構です。その中の借家率、借りている率、それから、独り暮らしの老人というのも相当いると思うんですね、この人の統計的な数字というのはどれぐらいになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(澤井英一君) なかなか場所を明確に、これからこの制度によって地区をきちっと指定をしていって、都市計画で、それが大体全国で出そろったという段階になれば本当に正確な調査ができると思うんですが、現在のところ、主として密集市街地の測地的な存在については、建物が古いとか道路が狭い、公園が少ないという物理的な状況で主として押さえております。
 したがって、なかなか全国的な数字を明確に申し上げることはできないんですが、東京都で比較的それに近い数字を把握しておられまして、それによりますと、まず高齢者でございますが、そうした地域には六十五歳以上の住民の方の割合が、二十三区全体の平均では約一五%でございますけれども、そうした地域では二〇%を超えているという数字が一つございます。
 それから、借地と借家、この割合でございますけれども、借地の割合が東京都全体では平均大体一四%ぐらい、これが約五〇%ぐらいこういった地域にはありそうだと。
 それから、借家人の方でございますけれども、これも借家人が何人ということではなくて、借家人の方が居住しておられるだろうというところの民間の木造賃貸住宅、これが区部全体では平均二割ぐらいのところ、こうした地域には約三五%あると。
 こういったような実態が分かっておりまして、正確性は別として、性格上、こういう場所は通常よりもなかなか物事を進めるのは難しい場所だということは十分に知られるところでございます。
○佐藤雄平君 持家は。
○政府参考人(澤井英一君) 持家率は、申し訳ございません、ただいま数字を持っておりません。
○佐藤雄平君 本当にお年寄りの方とそれからこういうふうな状況、多分、持家も相当のパーセントが場合によってはあるかなと、そんなことを思いますと、この整備事業を進めるについて、その高齢者、特にやっぱり土着性が強くて、高齢者ですから経済的な負担という、先ほど吉田議員の方からも質問がありましたけれども、また改めて質問させていただきますけれども、経済的な負担というのも本当に相当な、過重に掛かってくるであろうと、そんな思いをしますので、まずその年寄り、高齢者対策、しかも高齢者の中でも経済的なもの、それから独り暮らしでいる人に対しての対策、こんなことはどのように考えているか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 委員御指摘のとおり、防災街区整備事業の対象となるような密集市街地におきましては高齢者の方々が多いという傾向がございます。御指摘のとおり定住志向が強いという傾向がやはりあると思います。
 今回の防災街区整備事業におきましては、例えばお年寄りが割合ゆったりとした戸建て住宅に住まわれておられると、なかなか防災街区整備事業によりましてできます集合住宅の中には入りたくないというようなケースもあるかと思います。
 そういうときには、宅地を宅地に権利変換するというような柔軟な手法も用意しております。また、全体としてコストの軽減によりまして権利者の方々の負担も軽減できるということもございますので、計画作成費や除却・整地費、共同施設整備費につきましても国と公共団体が共同で補助するというようなことを用意してございます。
 また、保留床を取得する、あるいは増し床をするというケースもございますが、そういった公庫の長期低利の資金を使うというケースもございます。その際に、お年寄りにつきましては死亡時一括償還ということが可能なように、当面金利だけお払いいただいて元金は据置きをするということで、通常の返済額の三分の一程度で済むというような制度も用意してございます。
 また、借家人の方につきましては、原則は家主の方のところに権利変換、借家権として権利変換されるという原則でございますけれども、場合によっては転出されるというケースもございます。そのときは補償金を受けて転出されると。その際に、例えば地方公共団体が用意いたします従前居住者用の住宅に入ると。その際の所得に応じた家賃対策補助も受けられるというような様々な措置を用意しているところでございます。
○佐藤雄平君 是非そういうことでお願いしたいと。
 次に、組合施行の場合、この事業を行うのに三分の二ということになっておりますが、この三分の二のまず根拠。それから、これは事業として行う際のやっぱり赤字を出したくないというふうなことになると思いますが、今まで区画整理事業とかそういうふうな中で、組合施行の場合は本当に赤字を出しているケースがうんと多いんです。特に、また今、経済の変動というものも大変あるわけですし、今、仮に計画したことが、例えば土地が十万円で売れる予定だったというのが、完成時は、三年掛かって、三年後それが五万円に、極端な話五万円になってしまったというと、その五万円の差額というのは組合でどこかで工面しなきゃいけなくなるような事態というのは起こる可能性が十分あるんです。
 かつて区画整理事業でそういうようなところ、何件か実はありまして、結果的にはその組合員の皆さんがもうとんでもないことをやってしまったというふうなことで苦労している実態というのはあるものですから、そういうふうなことを考えると、今の経済事情、それから二年後、三年後の完成時の経済状況というのをよくちゃんと教えておいてあげないと、その事業者が、民間会社の不動産会社がやるなら別として、組合の方というのはもうそれこそまた高齢者ですから、なけなしの金を出しながらやる、また借りながらやる、ローンを返さなきゃいけないというような事態があるので、この辺についてはもう十分配慮をしていただきたいと思いますので、その件についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) まず最初に、組合施行でこの事業を実施する場合に、同意を三分の二以上ということにしております。これは、従来の任意の共同建て替えを前提として整備を進めていただくという手法の場合は、やはり一部反対者がおられて、例えば事業をやろうとする真ん中にお一人お二人おられるとなかなか事業ができないという実態がございまして、その方々もやはり参加していただいて事業はやっていくという必要が、どうしてもやらなければいけないケースがございます。したがいまして、一部少数の方々の反対者も参加していただいてやるということ。
 それから、かといって、単なる過半数ではなくてかなりの多数の方の同意を得るということからすると、やはり三分の二以上の同意というのが必要だろうということで、これは区画整理組合とか市街地再開発組合とか同様の数字を用いております。これを参考として三分の二以上という数字にさせていただいております。
 それから、採算の問題でございます。
 確かに、採算の、楽々と、かつての再開発事業、駅前再開発事業のように保留床をどんと作って売るというようなことがなかなか近年難しいし、それから、ここは基本的には住宅地でございますので、高層で保留床をたくさん作るというわけにもいかないという実態がございます。したがいまして、十分助成措置も講じて、全体としての事業の採算を良くするという必要がございます。
 したがいまして、その事業の事前の、実施する事前段階の様々な計画策定費補助でありますとか、それから除却費、整地費、それから共同施設整備費、当然この補助対象にしますが、さらに、通常ならば補助対象としないような地区内の小規模な道路、公園を整備する、そういったことも密集市街地特有の補助として用意させていただこうと思っております。それから、やはり一つは保留床の処分というのがなかなか難しいということがあり得るわけですが、基本的に住宅地でありますから、住宅を保留床にするケースというのは多いと思います。
 これは一つの方策としてあり得ることだと思うのですが、公共団体が、例えば借家権者が転出される、その転出されるときの従前居住者用賃貸住宅制度、これをその保留床を公共団体が買ってあげてそこに入っていただくというようなことも実は可能な、つまり、そうすると結果的に一石二鳥というようなことになりますけれども、そういった方法で採算を確保するというようなことも可能なように、これからいろんな措置を含めて考えてまいりたいと思います。
○佐藤雄平君 いずれにしても、今日の二つの法案をきちっとやっていただいて、経済的にも機能的な都市づくり、そしてやっぱり快適な都市の生活ができる、なかなか目標達成というのは難儀のところもあると思いますけれども、全力で頑張っていただきたいと思います。
 時間があと七分ほど残っておりまして、答弁側には誠に恐縮でありますけれども、この辺で終わらせてもらいます。
 ありがとうございました。
○委員長(藤井俊男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時二十分まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後二時二十分開会
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定都市河川浸水被害対策法案及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○森本晃司君 どうも御苦労さまでございます。公明党の森本でございます。
 まず最初に、密集法について質問をさせていただきたいと思うところでございます。
 平成十三年の十二月に第三次都市再生プロジェクトが決定しましたが、その中に密集市街地の緊急整備、こういった問題が取り上げられました。地震時に大きな被害が予想される地域、東京、大阪、それぞれ約六千ヘクタール、全国で二万五千ヘクタール。その中で特に大火の可能性が高い危険な市街地、東京、大阪、各二千ヘクタール、全国八千ヘクタールあるという、そういうところを対象に、延焼を防止して安全性を確保するために重点整備することになったということは、私は非常に緊急で、朝も議論ございましたけれども、緊急でかつ重要なことだなと思っております。
 二日前に、夜の一時前に、私はちょうど連絡を取らなきゃならないことがあって起きておりましたら、突然地震が揺れてまいりました。私の部屋は七階だったものですからかなり揺れました。そのときにちらっとやっぱり頭の中かすめたのは、あの残念ながら阪神大震災のことです。同時に、ちょうど今この法案が我々いよいよ参議院にかかるというときだったものですから、この法律が早く整備されて、そしてこの密集地がうまく、公園等々があって類焼を免れることになっていたならばなというふうに思いました。
 また、先日、私は埼玉県の三芳町というところへ行ったんですが、ここは江戸時代に田んぼをずっと開発されまして、そこに端の方に家や住宅がずっと並んで、その前の道路が極めて広いんです。その両側に木がずっと植わっている。これはどういうことかと聞くと、当時の知恵で、火災が類焼していくことを免れるためにそういう幅広い道路とその木が植えられたということを聞きながら、ああ、昔からみんなそうした知恵を発揮しながらやってきたんだなと、いつの間にか都心部においてはただ便利良さだけでまちづくりをしてしまった結果今のような状況になったんではないかなと思いました。
 今またもう一度こういったことを、密集地を整備しようということ、これはもう私も緊急の課題と認識していますが、この整備について、現行制度では防災再開発促進地域こそ全国で百二十四地区で指定されているものの、防災街区整備地区計画の策定というのはわずか五地区にすぎなかった。その他の措置についてはほとんど活用されていない。このように、今までの手法が活用されずに密集市街地の改善が十分に進まなかった理由を国土交通省としてどうとらえておられるのか。
 一つには地域の将来ビジョンが明確に示されていないということもあったんではないかと思いますが、朝も出ましたけれども、遅きに失した、だけれども、大臣は、だから今、今であれば間に合うとおっしゃっておられましたけれども、今回この法律が導入されると事業がどのように展開されていくのか、その点についてお伺いします。
○政府参考人(澤井英一君) 御指摘のように、平成九年に現行の密集市街地整備法が制定されましたが、これが住民の自発的な取組による密集市街地の整備改善を支援すると、そのための仕組みはかなりきめ細かく措置しておりますけれども、御指摘のとおり、現在この制度が十分に活用されていないことも事実だと考えております。
 これは、一つには、現行の建築物の共同建て替えのシステムが全員合意を前提としておりまして、なかなか全員合意に至らないケースが多いというようなこと、それから自発的な取組を促す前提となります道路とか公園のような基幹的な公共施設の整備とそれから今の法律による建物の建て替えが制度的に言わば十分にリンクしていなかったということ、さらに御指摘のとおり、当該地域をいかに防災上安全な都市構造に改善していくかという将来ビジョンを地域の皆様に対して明確に示す仕組みとなっていなかったことというようなことから、自発的な取組への支援だけでは限界があったためだというふうに認識しております。
 こうした認識を踏まえまして、今回の改正案におきましては、一つには、地域の皆様に密集市街地整備の将来ビジョンを示す防災街区整備方針の制度、これを充実させまして、特にその内容に、主要な道路、公園などの防災公共施設の整備及びその周辺の建築物の不燃化といった計画の概要をまずビジョンとしてきちんと示すということが一点であります。
 それから、建物の建て替えにつきましては、住民合意を極力速やかに形成する観点から、柔軟で多様な権利調整を可能としながら、いざというときには強制力を伴った事業ができる新たな事業制度を作るということが二つ目であります。
 三つ目に、先ほど言いました防災上重要な公共施設につきましては、その周辺の不燃建築物と一体となった確実な整備を促進する観点から、先ほど言いましたような基本方針に具体的に位置付けるということに加えまして、計画から、都市計画決定で位置付けたときから事業に着手するまで、これは特に都市計画法上、現在、何年以内とかいう仕組みはございませんが、だれが何年以内にやるということを都市計画で明らかにする、そういうことができるような仕組みも入れております。
 また、こうした道路や公共公園等併せまして周辺を不燃化することで全体として延焼遮断効果等が非常に高まりますので、そのために必要な建物の在り方というようなこともきちんと決められる制度を入れております。
 こうした制度を含んだ今回の改正法を成立いただければ、従来のきめ細かな仕組みと相まちまして、また併せて予算措置等の支援の充実も図りながら、より効果的な密集市街地の改善ができるし、そうしなければいけないというふうに思っております。
○森本晃司君 今の局長の答弁の中にもありましたけれども、いざというときには強制力を発揮するということがありました。だけれども、この事業を推し進めていくのにそれはあるものの、一番大事なことは住民との合意形成を作っていくこと、これが事業が成功するかどうかということでありますけれども、これに対する取組はどのように考えておられますか。
○政府参考人(松野仁君) 委員御指摘のとおり、従来の単なる任意の共同建て替えではなかなか進まないケースがあったということで、いざという場合には強制力が使えるという制度を今回整備しようとしているわけですが、とはいえ、やはり合意形成はできるだけ取ってスムーズに進めていくべきだと考えております。そのためには、都市計画の段階から都市計画手続の中で広く住民の意見をお聴きするということ、その上で計画策定をする、それから組合の設立あるいは権利変換計画の策定につきましても、その組合の設立等の手続を含めてルール化をして、地権者の合意あるいは意見聴取を行う手続を整備しております。
 また、従来ですと、どうしても建物に全部権利変換という原則でございましたが、例えばややゆったりした戸建て住宅に住んでおられる方もいらっしゃるだろう、その方々はやはり戸建てに引き続き住みたいという御希望もあります。そういった場合に、宅地を宅地のまま、宅地に権利変換する、土地から土地への権利変換を認めるというような柔軟なシステムを用意いたしまして、できる限り合意が取りやすいという仕組みにしておるわけです。
 また、全体としてやはり地権者の方々の負担を軽減する必要があるということで、様々な助成措置も用意してございます。公庫融資も含めて用意してございます。
 また、その居住の安定を図るということから、この事業に参加し難いという方にも、従前居住者用住宅の提供ということも含めてできるだけ合意を取りやすいような措置を講じているところでございます。
○森本晃司君 密集地の整備事業で非常に大事なこと、また、表現はどうかと思いますが、今最大のネックになっているのはやっぱり借家人への対策をどうしていくのかということではあるかと思うんです。
 密集地には比較的高齢者の方々も多い、それから、あるいは所得で低い方々も多いわけでございます。高齢者の方々、新しいところへ移るようにと言っても、なかなかこれは新しいところではなじめません。これは阪神大震災の神戸の人たちのいろんな意見を聞いても、すぐに移れと言われたってなかなか移れないと。これは高齢者になればなるほど動きたくないという思いがあるわけでございます。私の母親も、引っ越しすると言ったら、あんただけ行って、私はここにいてると言ってしばらく踏ん張った時期もあったわけでございますけれども、それほど自分の住んでいるところになじみがある。
 そういった人たちをどうしていくのかということが大事でございまして、殊に、この五年間の家賃の軽減措置はあるというものの、それが過ぎると今度はまたその家賃をきちんと払わなければならないとなると、今度生活がまたできにくくなるということを考えたときに、そういったことのために公営住宅というものが私は大事な役割を果たしていくんではないだろうかと、そのように思っております。
 そこで、従来の都市再生住宅の制度に加えて、借家人などの零細な権利者に対して従来よりも手厚い配慮がなされるべきではないだろうかと、このように思います。公営住宅の活用、それから公営住宅の整備、それから都市基盤整備公団が都市再生の観点から、国費補助を受けて、そして従前居住者用の住宅整備の支援を行うと、こういうことをして、従前居住者に対する万全の対策を講じて安心して住み続けられるように、こういうことをすべきが極めて大事なことではないかと思いますが、これについてはどのように考えておられるか、住宅局長。
○政府参考人(松野仁君) 御指摘のとおり、零細権利者、特に借家人の方の居住の安定の確保ということが大変重要でございまして、本法案の第二百六十七条におきましても、借家権者の居住の安定の確保に関する施行者、国及び地方公共団体の努力義務を規定しております。
 原則は権利返還によって借家権が従前、従後、移り変わるということでございますけれども、やはりそのまま事業に参加することが困難だと、家賃が上がり過ぎるというようなケースを想定いたしまして、都市再生住宅というような従前居住者用の住宅制度を用意してございますが、先生も御指摘のように、公営住宅をうまく活用するということも十分考えられます。
 大阪の寝屋川市萱島東地区におきましても、種地を活用して受皿として公営住宅を整備すると。任意の建て替えではございますが、除却に伴うものでございますから特定入居をさせるというようなことをやっております。
 また、公営住宅制度は、現在は借り上げとか買取りもできるようなことになっておりますので、再開発、この防災街区整備事業の中でできます、床を買い取る、あるいは借り上げるといったことも可能でございます。したがって、現地にまた引き続き住むということもでき得る制度になっております。是非活用を公共団体にしていただきたいと思っております。
 それから、都市基盤整備公団につきましても、自らその事業を施行する場合に、当然、従前居住者用住宅の整備を行うことができますとともに、公共団体が実施します場合等の委託に基づいてその事業を、従前居住者用住宅の整備を行うことができるという規定もございます。この辺も是非活用してまいりたいというふうに考えております。
○森本晃司君 もう一つ、その地域内に高齢者が多いということを考えますと、この事業と福祉部門との事業、これをうまくリンクさせていく必要があるのではないだろうか。例えば、デイサービスセンター等々の福祉施設と防災施設建築物や従前居住者住宅との合併施行、こういった問題を積極的に行っていってはどうかと思いますが、御答弁願います。
○政府参考人(中村秀一君) 厚生労働省の老健局長でございます。
 福祉推進の立場から、従来、今、先生お話ございましたデイサービスセンターなど福祉施設とほかの施設、学校でございますとかそういった他施設との合築の推進については、我々も前向きに取り組んでいるところでございます。
 今御指摘のございましたお話は、公共住宅との合築、この法律のスキームに基づくものだと思いますが、従来から国土交通省の方と連携を取らせていただきまして、社会福祉施設と公共住宅との合築につきましても私ども、道を開いてきたところでございます。
 具体的には、平成十二年に、都市基盤整備公団が住宅と施設を併せて建設していただいて、その施設を社会福祉法人の方が買い取った場合、社会福祉法人に対しまして、私どもの方から、社会福祉施設整備費の補助の対象となるということで、社会福祉法人がデイサービスセンターなどをそういった部分に作りやすくするとか、あるいは都市基盤整備公団から社会福祉法人が建物を賃借して施設を運営するということも社会福祉法人ができるというようなことをいたしまして、こういった形態の合築と申しますか、地域に高齢者の福祉センターができやすいような方策を進めているところでございますので、一層、介護保険の枠組みの中でもそういったことに配慮して、地域の福祉施設基盤の整備に努めてまいりたいと考えております。
○森本晃司君 大臣にお伺いしますが、この取組、今後十年間でやれるかどうかというのは、これは地方公共団体がどうするかという問題があるかと思います。財政が非常に厳しい中で、これに協力して、そして人材をも送っていただくように、どれだけの資金と人材を地方公共団体が投入するかということが重要なことであります。
 そういった意味で、国としても積極的に支援を行っていくべきだと思いますが、大臣、あと私もう一問だけございますので、一言で御答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(扇千景君) 一言でというのも大変なんですけれども。
 先ほど例を挙げられました八年前の阪神・淡路大震災、少なくとも死傷者が約五万人です。先ほどからも例が出ておりました、死者だけでも六千四百人。こういう事態で復旧・復興と一言に言いますけれども、少なくとも、地方自治体は別といたしましても、国全体としても五か年間で約五兆円、大ざっぱに、それだけの費用を掛けてもまだ完全に復興していないと言えると思います。
 そういう意味では、金額のみならず、私は、精神的あるいは物理的なものというのが大変大きゅうございますから、予算は当然必要ですけれども、何か起こったときには、申し訳ないですけれども、都市機能移転よりも災害復旧の方に回さなきゃいけないなというふうに考えています。
○森本晃司君 それじゃ、河川浸水被害対策法関係で、あと私の方から一問。まず、この制度の実効性がどこまであるかということでございます。これは、殊にその中での保全調整池の問題でございます。
 保全調整池の指定等の諸制度によって、これまで法的に野放しの状況であった防災調整池の機能保全が着実に図られるようになったことは、これは大いに評価をしたいと思いますが、しかしながら、見ますと、届出義務や助言、勧告という緩やかな規制になっておりまして、罰則による担保もないことから、管理協定の締結にも応じず無届けで保全調整池の埋立てなどを行う者に対して実効性を確保できるかどうかというのは、私はやはり疑問ではないかと思います。
 この施行状況を見ながら、今後、保全調整池の買取りによる公的管理あるいは相当な補償の下に規制を強化するなど、より実効性を確保する措置を検討すべきではないかと思いますが、御答弁願います。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 保全調整池の機能維持のための法制度についてのお尋ねでございます。
 既存の調整池はあくまでも開発事業者の任意の意思に基づくものでございます。中には河川改修をされるまでの間の暫定的な措置としてお願いしたものもございまして、こういった設置の経緯を踏まえますと、恒久的に保全するため埋立て等を禁止するまではいたしておりません、御指摘のようにしておりません。このため、保全調整池として指定し標識を立て、機能を損ねる工事についてはあらかじめ届け出る義務を課すとしたわけでございます。ただし、この際、この義務違反者に対しては、この届出義務違反者に対しては罰則規定を設けております。
 この届出がなされた場合には、流域の置かれている状況の説明、保全の要請等に加えて、機能維持の助言、勧告等を行うこととしております。今まで何ら法律上の位置付けがなかったこの防災調整池が、本法案によりまして法律上保全すべき性格のものとしてきちんと指定され、さらに標識の設置により広く周辺住民等に認識されることから保全調整池の所有者は埋立て等の行為を行うことが難しくなるということが想定され、実態上の効果としては政策目的をかなり達成できるものと考えております。
 なお、地方公共団体による公的管理への移行は、民間所有者の管理費負担をしなくても済むようになるということから、これについては地方公共団体への移管の促進が図られるように進めてまいりたいと考えております。
 委員御指摘のように、この制度を運用する中でその効果等々十分いろいろ点検しながら、今後更にこの法律が有効に働くように措置してまいりたいと考えております。
○森本晃司君 終わります。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 特定河川の関係について質問をいたしたいと思います。
 一九七七年にいわゆる総合治水ということが言われ始めまして、いわゆる治水の方向を大きく変えたという意味では画期的なことであったんでないかなと私は思っています。そしてまた、計画洪水量以上のいわゆる大洪水、そういった面について対応を計画の視野に入れてやっていくという意味では、一九八七年の超過洪水対策、こういった対策についても極力やってきた。あるいは九〇年に始まる多自然型の河川工法の採用、これは私も経験してきたわけでございますけれども、あるいはさらに九七年の河川法改正、あるいは九八年に始まります健全な水循環系の構築、そういった意味でのいわゆる連絡会議設立に向けて大きく足を踏み出したというふうに私も理解してございます。
 そういった中で、いわゆる流域治水のこういった面についても国土交通省は一生懸命やってきたと私は理解しておりますが、それにかかわる問題であるのが今回のケースであるというふうに理解してございます。
 それで、私、いわゆる都市水害対策としては、やはり貯留のみだけではなくて、いわゆる地下水への浸透を促進することも大きな効果があるというふうに考えております。やはり今回の法案の中においても必要に応じて下水道の排水設備に浸透機能を付加する、そういったことの義務付けを条例により可能にするという、そういった措置もございますし、私、それはそういった意味では非常に高く評価しているのが今回の法案でございます。
 そこで、都市化の進展によってやはり透水性が下がってくるということが当然あるわけでありますけれども、やはり私はそういったものに対して十分対応を考えていかなければいけない。そこで大臣に質問なんですけれども、いわゆる道路や公園等、いわゆる公共施設における透水性の舗装ですね、そういったものについて、透水性材料、そういったものを十分活用していく、いわゆる非浸透性の土地の透水性化の促進についても特定都市河川の水害対策の手段としてきちっと位置付けるべきであると、そういうふうに積極的にとらまえていくことが極めて重要でないかと思っておりますが、この辺について大臣の御見解を示していただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、加藤議員からの非透水性と透水性のある舗装及び材料というようなお話で、既に道路とか公園等の公共施設におきまして、御存じのとおり、透水性の舗装でありますとか透水性材料というものを使用しているのは御存じのとおりでございます。
 今、加藤議員がおっしゃいましたように、雨水を地下へ浸透させ、土地からの、土自体からの流出量を減少させるという効果があることは、もう専門ですから御存じのとおりですし、また、都市の水害対策の重要な施策の一つとして我々も認識しておりますし、それを舗装等については、今現段階で私の手元にありますのは、歩道部ですね、歩道で浸水性舗装というものを既に全国で六百二十キロ、これは導入済みでございます、テストしております。
 それから、車道につきましては、舗装の強度、それからコストの課題、これもございますけれども、本年から本格的に全国の十か所でこれも試験に着手しております。試験施工をいたしておりますので、今後も技術開発を進めていこうということで頑張っておりますけれども、今回の法案につきましても、今御意見が出ましたように、流水の、いわゆる流域の水害対策、そういう意味では、計画の基本方針において道路とか公園等の公共施設におきまして、浸水性舗装とかあるいは浸水性材料を活用した、そういうものを促進すべきであるということを定める、こう明記してございますので、その旨地方自治団体に対しても施行通達等を通じて周知していきたいと、そう思っております。
○加藤修一君 極めて重要な答弁であったと思いますし、非常に私は積極的な答弁であったと思います。
 さらに、道路局長いらっしゃいますか。道路局長にお願いしたいんですけれども、今、大臣答弁の中で、車道については舗装の強度、コスト等の課題もある云々という話で、本年から十か所程度でやっていくという話になっているようでございますが、私は、手元の資料では昭和六十二年にそういった試験施工なんかも始まっているわけなんですね。その辺からその試験施工をやっていると。それを考えますと、今から十六年ぐらい前にもう始めている話であって、今更にこれから試験をするような段階ではないように私は理解しておるんですけれども、この辺についてやはり既にそういった道路についても透水性の舗装ができるぐらいの技術が開発されている部分もあるわけでありますから、積極的にそういった調査もして、対応を十分やっていくことが極めて重要であると思いますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生、二点お答え申し上げたいと思うんですが、一つは、昭和六十二年ごろからいろいろな実験もやりと、こういう部分の主たるものが、現在高速道路なんかで雨が降っても水がたまらないような、これ高機能舗装と言っていますが、これは私どもの用語で恐縮ですが、排水性舗装と申しまして、一番上の層、表層の舗装の部分を排水性にすると、これで道路の表面に水がたまらないようにする。これを積極的にまずやり始めまして、現在では高速道路の普通の舗装はそうした機能の高い舗装、こういうことで、本格化しているわけであります。
 車道部の透水性の舗装となりますと、路盤の下まで透水性にせないけない、路床に漏れていきますと路床がうんだりする、こういう問題がございますので、先ほど大臣からも御報告申し上げましたが、今年度十か所、そうした施工をやってみて、そして路床に影響が出ても大丈夫かと、こういうふうなこともやってみたいと思っております。
 もう一つは、いろんな工夫があると。こういう問題で申し上げますと、歩道の方を透水性舗装にしておいた場合に、車道と歩道の境界のU字溝を側溝と申しておりますが、この辺を歩道側に水が漏れ出し得るような構造にしますと、ここからも浸透が図り得る、こういうこともございますので、そういう意味では、先生御指摘のように、いろんな工法を積極的に施工してみながら早くいい透水性の確立といいますか、工法の確立、こういうことを目指してまいりたいと思っております。
○加藤修一君 国土交通省からいただいた資料、透水性舗装と保水性舗装に関してということで、その二枚目にはカラーのコピーがありまして、これは保水性舗装については蒸発をさせる部分もあったりして、そういった意味ではヒートアイランドに対して緩和効果があると思うんですね。こういった面についてもやはり積極的に私は対応していただきたいと、そう思います。
 それで、時間の関係がございますので、都市局長に対する質問はスキップさせていただきたいと思ってございます。
 それで、健全な水循環を考えていかなければいけない、これはもちろん環境の保全を考えていくことにもつながってくるわけでありますけれども、環境に対する負荷をなるべく低減させていかなければいけない、積極的にやっていかなければいけない。そういった意味では、建築資材の関係とかあるいは工法の関係とか、様々な形でいわゆる保全、環境負荷が低減するように積極的にやっていかなければいけないということになるわけでありますけれども、この辺、河川局長、環境負荷が低減するような様々なアプローチをどういうふうに考えているか。私は、もう積極的にこういった面についてはやっていかなければいけないと、そういうふうに理解しておりますけれども、この辺についてよろしくお願いいたします。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) ただいま、健全な水循環系というようなお話がございました。環境負荷の軽減、そういったことに関連して御説明いたします。
 その中で、特に環境負荷の低減に資する建設資材の利用ということについては、大変、循環型社会の形成のために重要な措置でございます。本法案の施行に当たりましても、河川管理者が設置する雨水貯留浸透施設の設置だけではございませんが、そういった等の際に、御指摘のとおり、環境負荷が低減する建設資材等を積極的に使用するように努めるとともに、下水道管理者や関係する地方公共団体に対しても、趣旨の理解の上、使用に努めるように働き掛けてまいりたいと考えております。
 この健全な水循環系ということに関して若干申し上げれば、これは、人間が循環系に、水循環系に様々な働き掛けをしている結果、様々な問題が起こっている、それに対する取組をどうするかということでございますが、本法案は、ある意味では、治水面での影響を健全な水循環系という観点に立って、広く国民の参加を得てその健全化を図るという措置でございますので、よろしくお願いいたします。
○加藤修一君 河川行政についても、やはり私は、新しい法律でありますけれども、グリーン購入法ということについてもかかわって、関係してくる話だと思うんですね。だから、こういった面についてもやはり積極的に対応していかなければいけないと。もちろん、これは河川行政にかかわらず、公共事業一般について私は言える話だと思うんですね。
 ですから、例えば、いわゆる建設資材の関係、建設の関連機器の関係、あるいは工法だの新技術について積極的にそういったグリーン購入という立場からやっていくべきだと思っておりまして、今、状況としてはどういうふうになっているか、まず、その辺について簡単にお示ししていただきたいと思います。官房長にお願いします。
○政府参考人(安富正文君) 今御指摘ございました、公共事業において環境負荷を低減する建設資材等の利用ということで、先ほど先生からもお話がありましたように、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律、いわゆるグリーン購入法というのがございます。これについて我々としても積極的に取り組んでいるところでございます。
 具体的に申しますと、平成十三年度にこのグリーン購入法が施行されまして、当初は十一品目でございました、公共工事関係に関連します特定調達品目としては。その後、追加されまして、平成十五年度には四十一品目となっております。この中には、先ほど来出ております透水性とかあるいは排水性の舗装なんかも追加になってきております。
 このいわゆるグリーン購入法に基づく公共工事への適用については、事業ごとの特性とかあるいは強度、耐久性、機能確保といったようなことをいろいろ考慮していかないといけないと思っておりますけれども、その調達については積極的に推進しているところでございます。
 具体的に、平成十三年度の国土交通省における調達実績は、既に平成十四年度に調査を行いまして、その結果を公表しているところでございますが、一例を申し上げますと、例えば高炉セメントにつきましては、セメント全体の中の六三%、あるいは生コンの中の八二%といったような形で実施しておりますし、さらには、建設機械等では、排出ガス対策型の建設機械につきましては八六%という実績がございます。
 ただ、まだ一年だけの実績でございまして、今後、十四年度、十五年度という形で調達実績については今後調査を実施して、それを公表していきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 公共事業は、災害復旧を含めて二十兆七千億円ぐらいあり、そのうち国費は六兆を超えるわけでありますけれども、私は、公共事業についても、実はこういうグリーン購入法の関係については数値目標を立てるべきであるというふうに書いてありまして、地方自治体は努力義務でしょうけれども、この辺のことが明確に私はなっていないと思います。
 ですから、例えば大阪府においてもそういった、明確に数値目標を設定へという話になっておりますし、あるいは兵庫県におきましても、公共工事費には環境枠ということで、大型案件については五%以上そういった面について使っていかなければいけないと、こんなふうに考え方をきちっと示しているわけなんですね。国土交通省については、この数値目標、これを私はきちっと立てるべきであると。
 それから、関連の、環境負荷を低減するような新技術というのは、国土交通省の新技術情報提供システムと、こういう極めて優秀なデータベースがあるわけでありますから、この中から十分選択してやっていくことも可能なわけなんですね。
 問題は、やはり数値目標をいかにきちっと立てるかということが大事であると思いますので、この辺について積極的な答弁を是非お願いしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) いわゆる公共工事における調達目標、数値目標の設定についてお尋ねがございましたけれども、この数値目標の設定につきましては、やはり事業の目的であるとかあるいは工作物の用途、さらには施工上の難易度といったことで資材等の使用形態にいろいろ差が出てくる、さらには、実際に調達品目自身が調達可能な地域とか、あるいは数量等にもいろいろ限度があるというようなこともございますので、そこら辺の事情をいろいろ考慮しながら今後検討していきたいと思っております。
 ただ、いずれにしましても、先ほど言いましたように、平成十三年度の一年間の実績しかまだ我々としても把握しておりませんので、これは是非、複数年の実績把握を行いまして経年変化を着実に把握するということが必要だと思っておりますし、更に事業ごとの工事の発注規模、内容、さらには、いわゆる特定調達品目の調達量が変化することといったようなことも含めて総合的に判断する必要があると思っておりますが、いずれにしましても、そういうところを我々として十分検討した上で、数値目標の設定について引き続いて積極的に検討していきたいというふうに考えております。
 それから、先ほどの新技術のデータベースのことがございました。御存じのとおり、新技術情報提供システムという、NETISというシステムがございまして、我々としても、環境負荷にも注目した新技術の活用というのが必要だと考えておりまして、このNETISの中にも新技術の活用という形で環境負荷型の低減技術について登録されております。我々としてもこれを活用していきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 ちょっと不満な答弁だと思うんですね。
 私はやはり、いろいろ検討していくといいますけれども、ほかの自治体が既に努力義務でありながら積極的に対応している話なんですよ。これは国が率先してやるところに意味があって、国がそういう弱腰では、私は非常に普及の度合いが低くなってしまうと。いろいろ事情を言っていますけれども、そういう事情ばかり言っているようじゃ駄目で、問題は、やっぱりやっていくという意思を明確にすべきだと思うんですよ。どうですか。
○政府参考人(安富正文君) 数値目標の設定につきましては、先ほど、いろいろ課題があるということを申しましたけれども、私、言い訳で言っているわけじゃなくて、ひとつ数値目標を設定するという方向でいろんな課題についてこれから検討していかなきゃいけないというふうに考えておりますので、数値目標の設定という目標に向かって、我々としても、先ほど言いましたいろんな課題について、いわゆる実績等も踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 いつまでに検討できるんでしょうかね。
 それで、政府のIT戦略でありますけれども、これは分野が違う話でありますけれども、医療などに数値目標を掲げなければいけないと、例えば二〇〇五年までにとかあるいは二〇一〇年までとか。そういった意味で、明確に数字を示して、年限を示して、それまでに何とかしようという、そういうことなんですよ。
 官房長のおっしゃっているのは、分からないわけではないんですけれども、やっぱり後ろ向きだと思うんですね。いろいろ検討した結果どうこうなったときに、やる場合もあるしやらない場合もあるというようなとらえ方をされてもしようがないと思うんですね。そこは、やっぱり何年までという明確な目標を立てて、それをやはり国の、いわゆる、何というんでしょうか、国はこういうふうに考えていますよということで環境ビジネス関連の産業とかそういったものに対して発信をしていくということも極めて重要なことだと私は思いますので、もう一度答弁をお願いします。
○政府参考人(安富正文君) 現段階で、この四十一品目、更に追加される品目があるかと思いますが、全部についていつまでというのはなかなか申し上げにくいわけでございますが、ただ、先生おっしゃいますように、これは段階的に、やはりそれぞれの例えば品目に応じて調達目標を設定していく必要があると思いますので、我々としては、例えば、十五年度あるいは十六年度にも、できるものについては数値目標を設定するという形で順次やっていきたいというふうに考えております。
 したがって、全体について何年というのはなかなかお答えしにくいんですが、積極的にその数値目標が設定できると我々が判断した場合には、その設定に向けて段階的に実施していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
○加藤修一君 私は、一挙に全体を、目標数値をきちっとしてという話はしていないんですね。だから、やれるものについては結構あるわけなんですよ。結構あることについてきちっと調査をして数値目標を明確にすべきだと。是非やってください。
○政府参考人(安富正文君) 正に今、先生おっしゃったように、我々、できるものについては積極的に順次やっていくということで考えていきたいと思っております。
○加藤修一君 終わります。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、特定都市河川浸水被害対策法案についてのみ質問したいと思います。
 御存じのように、東海豪雨に見られた今日の都市水害の被害は非常に人命と財産を大きな被害にもたらしました。この法案が都市水害を、災害を、被害を最小限に食い止めることに、対策になるのかどうか、また雨水をためて地下に浸透させる効果のある緑と土を失わせる開発行為と水害対策のイタチごっこをどれだけ断ち切れるか、こういう角度からこの法案の内容について質問をしたいと思います。
 まず、この法案の対象となる特定都市河川とは何かという点についてですが、法案二条に書いてありますけれども、一つには都市部を流れる河川であり、二つにはその流域で著しい浸水被害が発生し、またそのおそれがある、三には、河道やダムの整備による対策が市街化の進展によって困難なもののうち、国土交通大臣が、都道府県知事が指定するものとなっています。そうすると、この私が言いました一から三の条件には該当するけれども、指定されない河川とはどういう河川になるのか、まず教えていただきたいと思います。
 もう一点は、この法案では、河道の整備による浸水被害の防止が市街化の進展により困難なものとなっています。法案の説明資料で、対象になると想定されている東海豪雨で大きな浸水被害が起きました愛知県の新川も、東京の神田川も、現に護岸工事もされていますし、河川改修も実施されています。そうすると、この法案の第二条の規定はどういうことになるのでしょうか、まずお聞きいたします。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 まず、この特定都市河川の指定についてのお尋ねでございますが、この指定の要件に該当する河川につきましては、地方公共団体の意向はございますが、基本的には指定が行われるものと考えております。これに漏れるものはないということで考えてございます。
 次に、市街化の進展によって河川改修等による対応が困難な場合というのは一体どういうことかという御質問だと存じますが、河川改修をやる場合に一般的に一番やりやすい方法は、しゅんせつをするという方法、堤防を広げるという方法、余り好ましくないんですが堤防をかさ上げするという方法、ダムを造ったり遊水地を造ったりと、こういう方法があるわけでございますが、まずこういった都市河川においては、神田川などを考えていただければ自明でございますが、これはダムを造るようなところは全くございません。至るところ市街化されているというような状況でございまして、流域の一番高いところまで行っても百メーターとか二百メーターとかいうような川でございますから、神田川がちょっとどうかというのは多少ございますが、そういうことでございますので、全く考えることはできません。
 したがいまして、河川改修が一般的な方法になってくるわけでございますが、例えば堤防を広げるということになりますと、とんでもない用地費が掛かるわけでございます。あるいは、河川をしゅんせつするということになりますと、そのために、橋梁が、たくさんの橋梁が架かっております、そういったものを全部根継ぎと申しましょうか、橋を全部架けなきゃいけないようなことになってくる。ましてや、堤防かさ上げなんということになってまいりますと、もう一連ずっと道路の架かっている橋梁をその前後にわたってやり直しをしなきゃいけないというふうなことを考えますと、そういったことに関する事業費というものを考えますと、事実上やってやれないことはない、物理的にやってやれないことはない、ということではございませんが、事実上とんでもないお金が掛かってしまって、それがそういう意味で、そういう対策を取ることができないという意味でございます。
 したがいまして、この法律では河川管理者が自ら流域の中へ出ていって調整池を造るというようなことを盛り込ませていただいているわけでございますが、通常の河川ではこういうようなことをやることは大変不経済でございます。都市化が進んだ、こういった限られた流域においてこそそういったことが成り立つ、そんなような説明で御理解をいただきたいと存じます。
○大沢辰美君 では、今頻繁に都市水害が見舞われている自治体がたくさんあるわけですが、その自治体の皆さんは、護岸の整備やら調整池、そして分水路の設置にいろいろと取り組んでいると思うんですね。また、雨水浸透阻害行為である開発行為には保全調整池の設置を現に求めてやっていますね。各家庭での雨水の浸透ますだとかそういう設置についても、条件のあるところでは自治体が工事費の補助を出したり助成を出したりして実施しているところがあるわけですけれども、新法ができることによって、現状に比べてこれだけ対策が前進する、改善されるという点、何がどれだけ違ってくるのでしょうか。
 端的に、この法案で第二章、第三章、第四章と、三つの柱の対策が出ているんですが、事例を一点示していただけますか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 法案の中には各種施策が盛り込まれておりますので、それをすべて紹介することはここで避けさせていただきたいと存じますが……
○大沢辰美君 端的に。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 骨格部分を申し上げますと、浸水被害対策を合理的、効果的に行っていくためには河川行政と下水道行政の一元化と申しましょうか一体化、そういったことが不可欠でございまして、そのために関係機関が一体となった計画に基づいて施策を推進することができるようにする、これが大変大きな点でございます。
 さらに、市街化の進展によって河川区域内の整備だけでは、先ほど申し上げましたが、十分かつ効率的な浸水被害対策を講ずることができないため、河川区域以外の流域内でも河川事業者が治水対策を行うことができるようにするという、これが全くこの新しい法律で措置されるものでございます。
 さらに、民間事業者についても一定の責任を明確にして、雨水貯留浸透施設の設置の義務付けを行う、さらに現況施設を前提に、計画降雨時に発生する浸水を明らかにし、円滑な避難を可能とする都市洪水想定区域等を指定するといった、こういった対策を講ずることによって、今まで総合治水対策を中心に、もちろん河川事業が中心でございますが、総合治水対策ということをこの四半世紀やってまいりましたが、そういった施策が言わば頭打ちと申しましょうか、手詰まり状態になっていたというようなことに風穴を空けるわけでございまして、大きな効果が期待されるというふうに考えております。
○大沢辰美君 では、具体的にですけれども、国土交通省を通じていただいたんですが、神田川の流域浸水の予想区域図というのがあります、これは皆さんにお配りしていませんけれども。これは東京都の都市水害対策検討会が作成しているんですが、現時点での神田川流域での河道の、河川ですね、整備状況や洪水調整池、下水道の整備状況に基づいての、これは東海豪雨並みの大雨が降った場合の洪水状況のシミュレーションを出しているんです。私は、相当広い箇所で二メートルから五メートルもの浸水が起こるとこれには想定されています。
 この法案では、神田川の水害対策で、現に発生した、被害をもたらした東海豪雨を想定した対策になっているのか、この神田川の水害対策はこれで、この法案で事足りるのか、その点について見解をお伺いします。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 神田川の想定されている浸水想定区域というものは、正に東海豪雨で降った雨のような降雨のパターンと申しますか、どういう時点でどういうふうに降ったという、その降ったままの雨の状況を神田川の上にそのまま持ってきまして、もちろん計算機の中ででございますが、そしてそれを降らした場合にどのような浸水が生じるかというものを示したものでございます。
 神田川でも他の通常河川でもそうでございますが、通常、河川の、現在、当面目標とする事業規模と申しましょうか、対象の降雨規模というのはどういうふうに考えているかと申しますと、おおむね二十年とか三十年という期間内に完成できる事業量というようなものを想定した事業量というものをまずイメージするわけでございます。
 これが大体平均的に申し上げますと、三十年に一回とか四十年に一回という洪水でございます。それを当面の目標として、まず二十年か三十年のうちにはそういったことをやって、流域の安全度を三十年に一回とか、現状では実は十年に一回というような程度でございますが、それを三十年に一回とか四十年に一回というものまで引き上げようということでございます。
 ところが、東海水害の降雨というのは、この降雨の規模をはるかに上回るものでございます。したがいまして、現在どこの河川でもそうでございますが、東海水害程度の降雨が降った場合に浸水被害が全く起きないというような河川はほとんどございません。それは、したがいまして、治水事業というのは一気にやることはできないわけでございまして、当面、先ほど申しました三十年に一回とか四十年に一回というようなものをまずは完成させて、その上更にそれのレベルアップという形で更に時間を掛けてやっていく必要があると。
 そういうものをやっていくことになるわけですが、そういったことを強力に補完する施策として今回の各種流域対策、簡単に言えば流域対策というものをこの法案の中で盛り込んでいるということでございます。
○大沢辰美君 言わば二十年、三十年に一回豪雨があった場合は防ぐことができるけれども、東海並みの豪雨があったら、この今神田川を示した例ですけれども、防ぐことができないというのが今の答弁だったと思うんですが。
 私は、本当に、少なくともこの法案を作るならば東海豪雨並みの降雨量の予測を想定した法体系にすべきだということを強く今指摘をしておきたいと思います。
 その中で、私は、この東海のときに内水の被害があったわけですが、その点について述べたいと思いますが。
 それについて、今、局長、どうですか。私は指摘だけしましたけれども、せっかく作る新しい法案が二十年、三十年のいわゆる一回降った豪雨には耐えることはできるようにはやるけれども、東海豪雨並みには耐えることはできないんだという点では、この法案の私は期待というものができないわけですが、その点についてもう一度。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 現在の日本のこの治水の安全度の状況というのはまだまだ大変低い状況ということでございまして、それをすべての河川に一気に高いレベルまで引き上げるということは、これは事実上大変困難なことでございます。
 私どもといたしましては、当面の目標としては、現状での安全度が十年に一回浸水するというふうな状況、これをクリアするために、三十年ないし四十年に一回の降雨に対応できるようにする、それをまずは達成し、その上で更に引き続き、例えば東海豪雨のようなものが来ても対応できるようにする、こういったのが基本的な考え方でございます。
○大沢辰美君 非常に私は分かりにくいんですが、十年に一回の雨量、二十年、三十年に耐え得るもの、そして東海豪雨には対応できないような今の現状だと。随分この新しい法律に何か私はちょっと希望が持てないような感じをしたんですが、その辺も深く今討論することはできませんが、そういう法律だということは私は強く指摘をしておきたいと思います。
 そこで、東海の豪雨のときに非常に問題になったのが内水被害だったと思うんですけれども、この内水被害はポンプによって下水道から河川に排出する扱いが大きな問題になったのが東海豪雨であったと思うんですが、現在でも河川の水位が大体基準になっていて、水位がある限界に達したらポンプ排水をストップするという仕組みになっていると思うんですね。
 法案の説明を見せていただきますと、現在はポンプ排出をしているので内水被害は解消されているけれども、下流の河川のネック部で外水はんらんを起こすおそれが出てきますと書いてありますね。そこで、新法によって排水制限を制度化して、排水制御を制度化して排水ポンプ周辺で内水被害を起こすおそれに代えるという意味のようでありますね。これが私、都市河川の浸水対策になるのかなという疑問を持ちました。しかも、本法案は相当長期にわたる対策のはずだと思いますね。その仕組みを見てみますと、公聴会などを開いて住民に内水被害が起こる可能性を説明することになっていますね、この文を見ましたら。こんな仕組みで住民に私は何年間にもわたってこの浸水対策、内水被害ですか、このことが私は本当に対策になるのかどうか非常に疑問に思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) 抜本的には治水安全度を高めていくということが最も基本的な対策であるわけでありますが、それぞれの河川の現状を見て、今回この排水ポンプの運転調整ルールというものをあらかじめ決めておく必要があるだろうということで法案に盛り込ませていただいているわけであります。
 あえて御説明いたしますと、現状の河川の整備水準を超えるような大雨が現に来た場合にはその河川の管理者からしますと、ポンプ施設からの雨水をこれ以上受け入れるとあふれるかもしれないと。逆に、ポンプ施設の管理者はポンプを稼働させないとそこは水につかってしまうということで、その場になっていろんな対立なり混乱が生ずるということが最も良くない事態だということがまずあると思います。
 こうした現場の混乱を回避するために、あらかじめ河川の水位等を一つの基準といたしまして、排水ポンプの放流量、あるいは放流するかどうかも含めて制限する規定を定めるというのが今回の排水ポンプの運転調整ルールであります。
 運転調整ルールを定めるに当たりましては、これだけを独立で定めるということではありませんで、そのポンプが停止いたしますと河川に放流できなくなる雨水がたまりますので、それを貯留する雨水貯留浸透施設というものをやはり整備しなきゃいけないだろうと。また、その整備までの間、現に内水で水につかる部分についてはハザードマップの作成、公表を行うというソフトの対策も必要だろうと。そういう対策と併せまして、言わば内水被害の軽減を踏まえつつ、流域全体として内水によって起こる被害と、それを吐いたときに場合によったら下流が溢水して更には破堤につながるかもしれない、これはかなり大きな被害が起きますから、そのどちらなのか、あるいはそのトータルで最小化するにはどうしたらいいかという観点からこれを決めるわけであります。
 実際にその決める段取りといたしましては、今のような被害最小という観点から、調整池とかハザードマップとか、そういうソフト、ハードの様々な施策との有機的関連の上に立って行われるわけでありまして、関係住民を含む流域全体でその必要性を理解あるいは容認するということが基本的に大事だと思っておりますので、この法案の中では、運転調整ルールをそのような手順を経て決められます流域水害対策計画の計画事項の一つとして位置付けまして、流域住民の皆様の意見、また先ほど言いましたような専門的な意見も必要でありますので、専門家の意見を聴くなど、いろんな方々の、関係の方々の参加の下で運転調整ルールを定める言わば場を設けるという趣旨と御理解を賜りたいと思います。
○大沢辰美君 多数の住民が生活地域での内水はんらんを起こすことが水害対策だということが私は容認できない。そのことはもう強く申し上げておきたいと思う。その対策についてはまた今後指摘をしていきたいと思いますけれども。
 昨年のある論文に、ポンプによる強制排水しか方法のない内水地下の地域の下水道排水ポンプは放流先河川が中小河川で、洪水ピークが重なる場合は特に十分な対応策を講じておかなければならない、これは重い責任があることを肝に銘ずべきだと言って、これは国土交通省の都市・地域整備局の流域下水道計画調査官の論文に載っていたんですが、私はこのとおりだと思うんですよね。
 こういう点からいたしましても、本当にこの問題について、今るる局長が言われましたけれども、私はこの第四条、法案の第四条に書かれていますが、この都市下水道のポンプ施設の操作の条文がありますね。これは河川管理者や下水道管理者の責任を軽減するものではないことは確認できますか。
○政府参考人(澤井英一君) 先ほども申し上げましたとおり、抜本的には全体としての治水安全度を上げるということが大事でありますけれども、今、先生仰せの責任という意味でいえば、現状を前提といたしまして、いろんな条件も踏まえてできるだけ早くその安全度を上げていくということに尽きるわけであります。
 それから、いざ大雨が降ったときの対応としては、流域全体の被害を最小化するために、現場での対立を回避してお互いに連携協調して最善の解を探るということで、それをあらかじめのルールとして決めておこうと。決める際には、流域全体の理解、あるいはやむを得ないという意識を作りつつやっていくと。これが現状で取り得る、特に緊急事態に対応して取り得る最善の道だろうと。もちろん、それだけじゃなくて、先ほども言いましたけれども、はけない水をためておく、一時ためておくというようなハードの施策も相まっての、その上での話でございます。
○大沢辰美君 では、次の第六条についてお聞きしたいと思います。
 「河川管理者は、流域水害対策計画に基づき、」「雨水貯留浸透施設を設置し、又は管理することができる。」と書かれています。都市の中小河川での水害対策上も重要な位置付けがされていると思われる防水調整池のうち、河川管理者や下水道管理者が整備する調整池の役割や位置付けがよく見えてきません。
 何年までにどれだけの調整池を整備し、これにこれこれの雨量に耐えられるようにするという目標を計画に入れるのかどうか。新法ができると、国や自治体が実施する調整池の整備がどのように前進するのか。例えば河川局の予算のうち調整池の整備のためにどれほどの予算が確保され、どの程度の事業規模が想定されていくのか、教えていただけますか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 河川管理者等が設置する雨水貯留浸透施設の整備についてのお尋ねでございます。
 この法律に明記してございますように、河川管理者が設置する雨水貯留浸透施設は、本法律によって河川管理施設とみなすというふうになってございます。その整備は河川工事とみなされるわけでございます。通常の河川改修事業費によって当然措置されることになります。
 具体的な、いつまでにどういう予算でどのぐらいの事業でというお尋ねでございますが、具体的な事業については、個々の河川において流域水害対策計画をこの法律に基づくメンバーで相談しながら作成された段階で、その効果等を含めて事業量が確定することとなります。このため、現段階で予算額を示すというようなことはできませんが、特定都市河川は通常の河川整備のみでは対策が困難な河川であって、本法律に基づく対策によって、従来の手法のみで対処する場合に比べて格段に経済的かつ早期に整備が可能となるものと考えているところでございます。
 先ほど、東海水害の件でというお話がございましたけれども、申し上げたいことは、当面の三十年とか四十年とかいう安全度を確保するという施策、これすらまだ道半ばでございますが、そういったものがこの本法律を措置していただくことによって格段に前進することになるということを確信しております。
○大沢辰美君 内容については明らかにされないということですけれども、私から、この法案を読み取ることができないと、そういう本当に良くなるんだなという読み取りができないこの指摘をさせていただいて、最後に、雨水の浸透阻害行為の、開発行為の許可問題についての質問をしたいと思います。
 ある開発地域に降った雨は、その一定量は地下に浸透し、貯蔵されたり、またゆっくりと外部に流出すると、その残りは異方面を流れて短時間で河川に流れ込むようになりますね。だから、まず、開発行為によって増加する土地からの流水、雨水量の計算は技術的に解決しているのでしょうか。
 また、開発行為の許可の条件である流出の雨水量の増加を抑制するために必要な措置というのは何%をカバーしたら安全なのか。計算の基礎となる降雨量ですね、例えば何年に一回、一時間に何十ミリというような、そういう数字を前提にしているのでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 前半の方が少し私聞き取れない点がございました。もし答弁漏れがございましたら再度お答えさせていただきますが、雨水浸透阻害行為、例えば宅地用にするとか、現在山林であるところを宅地にするとか舗装するとか、そういう阻害行為の許可をする場合に九条の規定によって対策を義務付けるということでございますが、その際の考え方の基本的な考え方を申し上げますと、その行為によって現状よりも水をたくさん下流に出すことになる、現状より悪化させるということについてはその原因者の責任を取ってください、これが基本でございます。本来、河川管理者が実施すべきもの、あるいは下水道管理者が実施すべきもの、つまり、現状より安全度を上げるというようなものについては基本的には、基本的にはそれは義務付けとしないということでございます。
 それでは、そういったのに対して具体的にどんなことなのかということでございますが、全国の都市河川の現況の流下能力が、先ほどもちょっと申し上げましたが、平均的に十年に一度という降雨の対応規模でございますので、この雨水浸透阻害行為の許可に伴う流出量の抑制の基準となる降雨量も同じ十年に一度発生する降雨というものを想定することといたしております。
○大沢辰美君 私は、そういう開発行為が現状より悪くしないという、言葉が適切なのかなと思って聞いたんです。私は、現状より良くするという、そういうこれからの開発であってほしいと思うんですね。
 そういう点からすれば、流水量とか降雨量というのは本当に判定は難しいと思いますけれども、やはりそういうものを想定して、私たちが今基準にできることは、これまでの都市水害の例を参考にしながらしか発言できませんけれども、そういう状況を作っていくことが今回課せられた私は都市水害の対策であろうと思います。
 最後に、時間がありませんので、ちょっと三点ほどまとめて大臣にお伺いしたいと思います。
 今述べました開発行為に対する許可の条件などに雨水の貯留浸透機能の設置ということを位置付けられました。こういうことだけじゃなくて、先ほどからも出ていました、やはり緑だとか土などを残して、そして調整池だけに頼っていくような開発では駄目だということは共通していると思うんですが、そういう問題。
 そして、私は、これだけじゃなくて、今この都市部に、東京を見ればビルだとかマンションが非常に乱立して建設されているわけですけれども、やはりこういうところに、今質問もありましたけれども、私は、道路だとか歩道などに、高速道路には浸水性、そして歩道には透水性の舗装が効果があるということを聞きました。先日も新宿の方からお話を聞いたんですけれども、歩道に透水性の舗装がされているところを見ると非常に早く水を引いている、管理は大変だけれども非常にこれは効果があると、広範囲に作ることができるということを言われておりました。こういうことも大いにこれから実施していただく、設置していただくということを提案させていただきたいと思います。
 大臣、今まで局長からの答弁で、三十年、四十年に一回という水害対策で、そういう十年に一回の水害対策とか、本当に年度にしたらこれはどういう形で連携したらいいのかなという思いもしましたけれども、こういう開発の対策の中でイタチごっこになるようなことがないように、そして開発業者への私は規制をもっと厳しくしていただきたいと。
 仮にこの法案が通ったといたしましても、やはり私は不十分であるし、この雨水の洪水、それから対策ができるとは思えないんです。少なくとも開発規制を通じてこれ以上の水害、被害の拡大を防ぐという点が大事だと思います。だから、これで事足れりということではないと思いますが、そういう点について大臣に最後答弁をいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(扇千景君) 今、いろんなことで大沢議員がお話がございまして、これで終わることはないと最後におっしゃいました。そのとおりです。けれども、一歩ずつ前進しなければいけないと。一挙両得にできていれば今まで水害起こっていません。一〇〇%もありません。けれども、我々は最大限今できる、でき得ることの中で最大限にしていこうと。
 御存じのとおり、今、歩道に、いろいろ浸水性の歩道もしているということで、舗装が効果的であるという実例もおっしゃいました。そのように一つずつすることが大事なことであって、今回まで、今まで河川行政の枠組みということから考えますと、少なくとも河川部局あるいは下水道部局、都市政策部局、今までは考えられなかったことが全部国土交通省になって連携しまして、御存じのとおり、この河川法というのは旧河川法ですけれども、明治二十九年なんです。それから考えれば、本当に今百七年ぶりという言い方が悪いかもしれませんけれども、三十年に一度だ、十年に一度だといってもあしたが十年に一度なのか、あさってがもう三十年に一度なのか分からないという、そういう不安を私たちは最大限に努力しようということで、一歩ずつであり、今、大沢議員がおっしゃるように、これで一〇〇%ということはありません。そのとおりです。けれども、我々は今回改めて、国土交通省だから、各局統合できたからできるということで、この百七年ぶりという旧河川法から、明治二十九年でございましたか、それから考えれば、私は今の大沢議員がおっしゃった歩道一つ取ってみても、少なくとも私は浸水性の歩道なんというのは昔だったら考えられなかった。そういうものも取り入れているということだけは是非一歩ずつ前進しているということに御賛同賜って、こういうことは遅きに失したけれども、さっきお話ございましたけれども、遅きに失したけれども早く今手を打とうということで御協力いただければ、より快適な、安心した生活ができると思っています。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。密集市街地問題について質問をさせていただきたいと思います。
 今度の法案で、密集市街地の整備について一部法改正をすると、こういう内容でありますけれども、そもそもその密集市街地というのは大体どのぐらいあるものなんでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) 平成十三年十二月の都市再生プロジェクト第三次決定においても示されていますように、まず地震時に大きな被害が想定される危険な密集市街地が全国で約二万五千ヘクタール、そのうち特に東京、大阪に多く存在していて、それぞれ約六千ヘクタール。さらに、この二万五千あるいは六千のうち、特に大火の可能性の高い危険な密集市街地が全国で約八千ヘクタール、東京、大阪で各々約二千ヘクタールずつ存在しているというふうに認識しております。
○富樫練三君 東京の場合でいいますと、東西にこうあるようなんですけれども、特に山手線の外側ですね、西側でいえばちょうど環状六号線、七号線の辺りに沿って南北にずっとベルト地帯というか、こういうふうにできているというふうに資料にありましたけれども、これはいつごろどんな形でできたのか、どういう経済情勢の下でそういう状況ができたのか、この辺はどういうふうに認識されていますか。
○政府参考人(澤井英一君) 御指摘の東京都区部の西側の密集市街地につきましては、大正末期から昭和初期にかけて道路などの基盤が未整備のまま市街地が形成され始めまして、第二次世界大戦直後から昭和三十年ないし四十年代のいわゆる高度経済成長期にかけて急速に宅地化が進んだものと理解しております。
○富樫練三君 そうしますと、確かにちょうど昭和三十年代の後半から四十年代にかけて高度成長政策というのが取られまして、東京に人口が集中すると。関東一円、中には東北からも含めてですね、東京に集中する、あるいは関西では大阪に集中してくるという、都市に、大都市に一極集中型というか、こういうことが行われたというふうに私は理解しているんですけれども、こういう点から見ると、やっぱりあのときの経済政策というのがそういう意味では人口集中を結果として招いたし、そういう点で、人口が増えた場合の住宅の受皿が十分整わないまま、道路がうまくできていないとか、あるいは河川改修や排水がきちんと整っていないとか、ところが住宅だけはどんどんどんどんできていくという、いわゆるスプロール化と、こう言われているわけですけれども、そういう状況の中で出てきたとすれば、これはやっぱり政治の責任は非常に大きいのではないかというふうに私は感じているわけなんですね。
 したがって、この問題というのはやっぱり政治が解決すべきだろうということで法案ということにもなっているんでしょうけれども、かなり、そういう意味では住んだ人の責任というよりは、むしろ経済政策の結果として都会に人が集まって、住む場所が確保されないままスプロール化が進むと。この受皿づくりの後手後手というか遅れ、ここに政治の責任があるのではないかというふうに認識しているんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) まあどれもこれも政治の責任だと言ったら一言で終わってしまうので余り全部が政治の責任とは私は言いたくなくて、やっぱり今日まで鎖国状態であった日本が、今もお話ございましたように、まあ少なくともあらゆる面で大正末期から昭和初期、いわゆる明治で開国してからすべからく日本が今日を迎えるまでの途上で、やっぱり子供が成長するのと同じで、背が伸びるときと筋肉が付くときとアンバランスの時期があるんです。
 全部、骨格とか肉体がすべて順調に成長するのではなくて、ある時期はぱあっと背が伸びる、骨が大きくなって背が伸びる子もいれば、あるいは横にうんと太ってその後で背が伸びる子もいれば、やっぱり筋肉と体と同じだと思うんですね。日本の国という体が、ある意味では全部平均して成長していれば今おっしゃるようにすべてがうまくいったのかもしれませんけれども、ある意味、鎖国から開放されて近代化になる日本の中ではいびつな面があったというのは私はやむを得なかったこともあろうと。
 政治という言葉で私は一つには片付けられない、国民が今日を迎えるためには大きないびつの中でも右が出たり左が出たり、背が伸びたりしながらも今日を迎えたと言わざるを得ないでしょう。また、それが全部政治が見通せるだけの偉大な政治家が出ていればそういうことも早く処置できたかもしれませんけれども、それは神のみぞ知るで、神でも予知できないものがあるということを私は言わざるを得ないと思いますけれども。
 今、私は、富樫議員がおっしゃったように、大都市ということから考えますと、東京のように、例えば東京都区部、先ほども私申しました戦後できた都市計画でも今まだ五五%しか達成できていないということで、富樫委員がおっしゃったように、東京で言ってみれば木賃ベルト地帯なんて言われましたね。そして、御存じのとおり、今の中野ですとか、あるいは高円寺ですとか、そういうところで、三軒茶屋の方もそうですけれども、東京都のベルト地帯におきまして出稼ぎの皆さん方が木賃住宅という木賃のいわゆるアパート、当時のアパートですね、木賃アパートに住んだということで木賃アパートベルト地帯という言葉もそういう意味でできたんだと思いますけれども、そこでは今おっしゃったように都市の在り方自体に対して政策が貧困であったということも、それは一つの大きな要因であろうと思いますし、私たちも反省をし、今こうして籍を置く者が一緒になって新たな二十一世紀づくりに努力していきたいということの一助でこの法案も出ていると御理解いただければ有り難いと思います。
○富樫練三君 成長するときにアンバランスのときもあると、私もそう思います。ただ、高度成長というのは昭和三十年代なんですよ。ですから、一九六〇年代ですね。そうしますと、それから四十年たっているんですよ。いっときアンバランスだということは、これはあり得ることでしょうと。ただ、ずっとアンバランスのままでくると、ここが問題なんだというのが現在の問題点なんだと思うんですね。
 そこで、密集市街地というのは、住む住民にとっても安全対策あるいは災害問題、こういう点からも重要だというのは法案が指摘しているとおりなんだけれども、どういうふうにしてこれを解決していくのかというところが問題なんだろうと思うんです。今度の法案を見ますと、一言で言うと柔軟かつ強力な事業手法を用いると。これは二つの側面があると。柔軟でかつ強力ということなんですね。
 そこで、柔軟なというところについて最初に伺いたいわけですけれども、その中の一つに借家人の権利の保護について伺いたいと思います。
 シャクヤ人と言うかシャッカ人と言うのか、国土交通省の方に伺いましたところ、皆さんの方はシャッカ人というふうに呼んでいるそうですので、私もシャッカ人で統一させていただきたいと思うんですけれども。
 現在、そういう借家人の比率というのはおよそどのぐらいになっているか、分かりましたら教えていただきたいんですが。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 東京都を例に取りますと、借家人が居住しております木造賃貸住宅につきましては、区部平均が約二〇%という、全体としてはそうなんですが、密集市街地ではこれが三五%程度と。それから、借家世帯の比率につきましては、全国平均で約四割が借家世帯ということでございます。そのうち、四割ということですが、三割弱が民間賃貸住宅ということでございます。東京都の密集市街地では、民間の木造賃貸住宅が全体の五割を超えている地区もあるというような状況でございます。一般に、密集市街地では借家人が多いというふうに考えられます。
○富樫練三君 東京都の例は先ほどもちょっと伺いましたので、三五%ですね。この法律の二百九条の中で借家権の保障ということがうたわれています。借家権の保障というのは、整備される地域の中に住んでいる、家を借りて住んでいる方が、新しい建物ができたときに、その中の一室にその人は新たに借りて住むことができると。持ち主は、元の大家さんが新しい建物の中でも大家さんがその持ち主になる、そこに引っ越すことができますよと、こういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(松野仁君) 委員のお話しになりましたのは、多分原則のことだと思います。権利変換システムを今回この事業に導入してそれを原則としておりますので、御指摘のとおり、借家権者は家主が権利変換を受ける床の中に借家人として位置付けられるということが原則になっているわけですが、今回、私どももその原則のタイプにつきましても、予算上の措置として、その借家人が原則どおり施設建築物を、防災施設建築物と言っておりますが、施設建築物の一部に床を借家権者として与えられる、そのときの家賃が多少上がるということを想定しておりますので、激変緩和措置を講じるというような助成措置を用意しているところでございます。
○富樫練三君 そうすると、家を借りて住んでいる方も住まいについては保障されるのかなというふうに、今度の法律ではそうなるのかなというふうに思いますけれども、その場合に、大家さんとたな子がこの家賃で折り合いが付かないというか、もめちゃうという場合には、施行者である第三者が裁定するというふうになっていますね。施行者というのは、その事業主体が組合であれば組合であるとか、あるいは事業会社であるとか、そういうところ。まあ地方自治体や公団ということもあるとは思いますけれども。そういう人が、大家さんとたな子の家賃がなかなか定まらないときに、そこの中に入って、あなたの家賃はこのぐらいにしなさいという裁定を下すだけの権限というのは、どの法律によってそういう権限が与えられているんですか。
○政府参考人(松野仁君) 今御指摘のとおり、原則に基づきまして権利変換で家主の床に借家権が与えられるという権利変換が定められると。そのときに大家とたな子で家賃についての交渉があるわけです。これはまあ、家賃という問題ですから民民の交渉ということが原則でございます。その当事者間で協議をしていただくということでございますが、余り交渉が長引いてトラブルが引き続きあるという、長く続くということも問題でありますので、密市法の第二百四十六条第二項の規定に基づきまして、第三者であります施行者が裁定すると。
 ただし、委員の御指摘のとおり、施行者は、地権者が組合を作るケース、個人施行者といろいろとございます。それで、この施行者は勝手に裁定をするということができないシステムになっておりまして、その裁定をする際には、審査委員若しくは公共団体等の施行の場合は防災街区整備審査会という組織を作らなければいけませんが、その中で土地建物にかかわります評価を、可能ないわゆる第三者の専門家を選ぶことになっておりますが、その専門家による第三者の公平な判断、それを受けて裁定をするという仕組みになっております。
○富樫練三君 あっせんしたり仲裁に入るということはあると思うんですけれども、家賃を決めるというのはあくまでも民民の問題でありますよね。ですから、どうしても決まらない場合には、それは調停もあるし裁判もあるわけですから、そこに住む権利は借家人には保障されているということがもう大前提ですけれども。
 じゃ、幾らで住むのかということになった場合に、第三者機関である審査委員会とか、あるいは施行者がそれを決めるという権限は、元々そういうものはないだろうというふうに思うんですね。もちろん相談やあっせんに乗るということは、仲介をするということは、これはあり得ることだろうと。したがって、この裁定というのは適切ではないというふうに、法律上こういうふうにもうきちんと文章で書いちゃいますとこれ自身は問題だというふうに思います。
 その上で、借家人の借家権、例えばその人は新しい建物にはもう住まないで地区外に移転をしますという場合に、その借家権が査定をされるというか評価されて、幾ら幾らということで、それで補償金をもらって外に出ていくということはこれは当然あり得るわけなんですね。そのこともこの法律に入っているわけですけれども、その借家権の評価、これはだれがどういう基準で行うことになりますか。
○政府参考人(松野仁君) 借家権の価額、つまり御指摘のとおり、転出するといった場合にその価額を決めて支払わなければいけないわけですが、この法律上は、権利変換計画におきまして、審査委員等の同意、議決を経た上で、他の権利と同様に、近傍類似の取引価格等を考慮して定める相等の価額を基準として定めるということでございまして、実際には、それぞれの地区の借家権の取引慣行などを十分踏まえまして、施行者が不動産鑑定評価等々に基づき適正に定めているというふうに考えております。
○富樫練三君 これはあれですか、審査委員会が決めた場合には、不動産鑑定士とか専門家の意見も伺った上で決めるんだろうというふうに思いますけれども、これは最終決定で、それには借家人は従う義務があると、こう理解されるものなんでしょうか、性質として。
○政府参考人(松野仁君) これは、言わば権利変換に対する、縦覧をいたしますので、それに対する意見書を提出することが可能でございます。施行者がその意見を採用するのかあるいは採用しないのかといったことがあるわけですが、その際にも、施行者が勝手に判断するわけではありませんで、審査委員若しくは防災街区整備審査会の同意又は議決を経て判断するということになっております。
 その意見書が採択されなかった場合、更にそれについて言わば異議があるという場合は、収用委員会にその裁決の申請をすることができるという仕組みになっております。
○富樫練三君 借家人の立場というのは、そういう意味では、地権者ではない、それから借地権もないということですから、法律上大変に弱い立場にあるんですね、客観的に見ますと。したがって、こういう密集市街地の整備を行う場合に、こういう弱い立場にある人たちがどれだけ保護をされるかということが非常に大事だと。しかも、比率も高いわけですから、そういう方々の。
 したがって、そういう角度から今伺っているわけですけれども、それらも含めて、二百六十七条との関係で、国と地方公共団体が努力義務として借家権者の居住の安定の確保を行うということになっているんですけれども、それには大体項目としてはどんなものがあるんでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 今回、施行者あるいは国、地方公共団体に居住安定の確保の努力義務を課したということで、できる限りのことが可能なように私どもも予算措置、制度などを用意したところでございます。
 先ほど、最初に申し上げましたように、原則に従って、家主の床に権利変換、借家権者が権利変換を受けるという場合のその家賃につきましても、新しく家賃が上がった場合のことを想定いたしまして、従前家賃との差額について家賃対策補助を行うという制度を用意しております。さらに、転出する場合も考慮しておりまして、その補償金について当然その施行者の負担になるということもございますので、全体の権利者に対する、借家権者も含めて、残る借家権者も含めてもその負担を軽くするという意味から、施行者に対する補助も用意してございます。それから、従前居住者用賃貸住宅という制度を用意しておりまして、これに対する整備補助ですね。
 それから、融資につきまして申しますと、保留床の取得をするというケースもあり得ます。一応権利変換で、借家人ということではなくて言わば持家になる、持家を取得するというケースもございます。その際は金融公庫の長期低利融資が活用できると。
 その際に、お年寄りである場合には、その返済額がかなり大きくなるということを考慮いたしまして、死亡時一括償還制度が活用できるということで、取りあえず金利だけ支払っていただいて元金は据え置くというような措置によって、返済額が三分の一程度に圧縮されるということがございます。それから、場合によっては公営住宅を活用するということができるわけです。この場合は、当然特定入居が可能でございます。
 それから、先ほど保留床を取得するというケースを申し上げましたが、それは公募によらず優先譲渡を受けられるという制度になっております。
 いろんな借家人についての様々なケースを想定して、私どもとしてはあらゆる可能な助成措置を用意したということでございます。
○富樫練三君 いろいろな対策が講じられているということは分かりましたけれども、最終的にこのことによって、そこの地域が区画が決められて整備がされるということによって、結果として借家人が追い出されたり、あるいは路頭に迷うというか、そういうことは絶対にさせないと。生活の保障は、少なくとも住まいについての保障は万全であると、こういうふうなふうに言えるんでしょうか、どうでしょう。
○政府参考人(松野仁君) ただいま御説明申し上げましたように、借家人についてかなりのいろんなケースを想定いたしまして、それに伴う借家人の負担の軽減措置というのを、あらゆるケースを想定するというようなことで措置いたしましたので、借家人がしかるべき居住の地を確保するということが可能な制度になっているというふうには理解しております。
○富樫練三君 いろいろな制度をやって最後に、先ほど局長が公営住宅もあるということなんですけれども、特定入居、優先的に入居させるというか、こういう制度もあるんだと。
 ただ、これ以前にもここの委員会で私申し上げましたけれども、マンション建設のときに申し上げましたけれども、公営住宅でいえば、東京圏、東京周辺の場合、東京都も含めて、これはもう今から三年前の段階でも十二倍の倍率ですよ。ですから、こういう人を優先的に入居させられるような余裕は残念ながら実態としてはないんだと。局長が言わんとしている気持ちは分かるんだけれども、実態はもう全然そういうところは余裕はないと。これから公営住宅をたくさん造るというのなら、これは話としては分かりますけれども。
 だから、そういう点で、この法律を活用していく上では大いにそういう受皿というか、セーフティーネットというか、ここのところを万全の対策が必要だというふうに思うんですね。
 あと五、六分ですので、次の問題、強力な手法というやつですね。この柔軟かつ強力という、この強力の方について伺いますけれども。
 これは、組合を立ち上げたり、あるいは事業会社を立ち上げるときには、一定の区画について、その区画の中の三分の二の地権者やあるいは借地権者の賛成があれば立ち上げはできるということですね。ということは、最大限三分の一の人たちは、住民は、私はそれに参加する意思はないと、反対ですよという場合であっても、これができ上がってしまえば、半ば強制的にというか、いやでも組合員になってしまう、あるいはその会社、事業会社を構成する一員になってしまうと、こういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(松野仁君) 今回は、いざというときに強制権が行使できるという制度を作りました。これは、元々の合意だけを前提にしたまちづくりですと、たった一人あるいは二人の方が、例えば真ん中におられることによって事業を断念せざるを得ないというケースがあったということで、どうしても公益上必要な事業整備をしなければいけないケースには、いざとなれば強制権が行使できるという制度を作ったわけです。
 そのときに、じゃ、どのぐらいの同意があればいいかということですけれども、やはり過半数だけではなくてかなりの同意を取っていくべきだろうということで三分の二以上の同意を取るということ、これは再開発事業とか区画整理の組合施行の場合の数値がそういう数値になっております。それを採用させていただきましたが、そういうことでございます。
 で、三分の二以上ということでございますが、実際は、先ほど申し上げましたように、いろんな関係権利者の合意を取るべくいろんな制度を用意しておりまして、できる限りの合意を取るべく努力をしてまいりますが、どうしてもその三分の一反対者がおられると、法律上どうなのかと聞かれますと、法律上はそういう場合に三分の二以上ということで事業はできるということでございますが、可能な限り同意は取っていきたいというふうに思っております。
○富樫練三君 いざというときには、三分の二以上あればオーケーということですね。したがって、場合によっては三分の一の意見は切り捨てられる場合もあり得ると。
 この事業会社であるとか、あるいは組合が設立されて事業が進展していく過程で、当然のことながら権利変換計画というのが作られると。だれはどこの、例えば五階の一番端っこの部屋になるよとか、あるいは今度は区画整理のように土地での換地というか、これもあると。建物のいわゆる権利書をもらうというのもあると。この二つの方法を取り入れたということなんだと思いますけれども、その権利変換の計画については過半数で決定されるということのようです。
 そうしますと、五〇%、五一%あれば決定できるわけですから、その場合に、私はこの権利変換計画、権利換える計画については反対だという人が仮に四九%いたとしても、それは決定されればそれに従わざるを得ないと、こういうことになりますね。そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 権利変換計画をその組合の過半数で決定できるという仕組みにしてございます。これは元々、先ほど申し上げましたように、設立の段階で三分の一以上というかなりの多数の者の方の同意で事業をスタートすると。で、多数の方の意思決定で事業をスタートした以上は、事業の施行を円滑に進める必要があるということで、過半数でこの権利変換計画を決められるということにしてございます。これは、従来の市街地再開発組合あるいは土地区画整理組合に準じた方式でございます。
○富樫練三君 区画整理もそうだと、再開発もそうだと。そうだと思います。三分の二なんですね。で、区域決定も計画決定ができます。
 その結果、例えば、今全国で約二千か所ぐらいで区画整理計画が進められているわけですよ、大ざっぱですけれども。その中で反対運動が起こっているのが約五百か所もあるんですね。四分の一ですよ。これは、そもそもスタートの段階で三分の二で見切り発車でスタートしちゃうもんだから、そこから、いやそれは納得できないという人たちが、運動が始まってしまうと。そのことが区画整理を長引かせているんですね、事業を、ずっと。十年、十五年、中には二十年、三十年掛かっているところもあると。そこが問題なんだろうと思うんです。
 私は、こういうまちづくりを早く進める一番のかぎというのは、そこに住んでいる人たちが計画から参加する、理解、納得の上で進めるということが一番早く進む方法なんですよ。そのことにまず時間を取る。三分の一は切り捨てるとか、四九%は切り捨てるというのは、やっぱりちょっと乱暴なやり方だと思うんですね。こういうやり方は改めるべきだろうというふうに思うんですね。住民の合意や理解、納得、これを基本に進めるべきだと。
 こういう密集市街地というのは改善しなけりゃなりません、消防自動車も入れないようなところですからね。改善しなけりゃならないだけに、そのことがとっても大事になっているというふうに私は思うんですけれども、大臣、最後にいかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 富樫議員のおっしゃることも分からないではありますけれども、十人いれば十人、明日は我が身でございます。そのうちの一人が反対して、あとの九人が犠牲になってもいいかということには当てはまらない。その一人を救うためにも、三分の二以上ですから少なくとも七人が賛成なすって、一人が反対であってもあとの三人も一緒にみんなで助かろうと、よくしようということでございますから、今、図らずも富樫議員が、反対のために何年掛かって区画整理ができないところもあるとおっしゃいました。
 私は阪神・淡路大震災の結果においても、先ほど申し上げましたように、まだ私は完全に阪神・淡路大震災の後の兵庫県は復興はし切れていない、それも住民の賛成が得られないと。あれだけの災害を経験したにもかかわらず、まだ反対、賛成で合意が得られないところがあるということが、私は八年たっても残念でならない部分がございます。ですから、そういう意味では、二度とああいう災害に身を置かないように、みんなで助け合おう、大火にならないようにという、特に密集市街地は居住者の人数が狭いところに多いわけで、だから密集なんですから。
 ですから、今、大沢議員がおっしゃったように、私はあらゆる面で一〇〇%賛成をいただこうということは、やっぱり一番難しいことであるというのはよく分かっています。そして、今おっしゃったように、最初の計画から国民の皆さんの意見を入れて、合意をいただいてというのがもう理想です。けれども、その合意をいただくまでにまた延々と掛かってしまったのでは、これもまた大火が起こるかも分からない、災害が起こるかも分からない。
 そういうことで私たちは、少なくとも先ほどから局長が申しましたように、今までのあらゆる事例を見ましても、少なくとも私たちは防災街区の整備事業とかあるいは市街地の再開発事業、そして土地区画整理事業等々の三分の二というものを基準にして、お互いの災害からの予防し得る条件というものをぎりぎり選んだということでございますので、お互いに明日は我が身ということで譲り合う、また助け合うということの基本でこの法案を提出させていただいて、みんなが少しでも安心してハッピーなような世の中づくりをしていきたいと思っています。
○富樫練三君 終わります。
○大江康弘君 国連の大江康弘でございます。
 最後になりまして、先ほど脇先生が、ちょっと用事があるからと言うので、私、今日早く終わりますよと言ったら、おれが戻るまでやれということで、普通早くやれって、早く終われという要望があっても戻ってくるまでやれという要望も珍しいなということで森本先生と話しましたら、質問前に戻られまして、もうそれは質問するなということかなということで、国土交通委員会で拍手をたくさんいただけるというこの状況を見ておったら、これは質問の内容がいいとか悪いとかじゃなくて、いかに質問の長短かということがこの拍手の基準かなと、そんなことも思いまして、もう本当に万策尽きるというのはこのことかなと。昔の戦国時代であったら、もう戦う前から刀折れ矢尽きるといいますか、もうそれほど今朝からいろいろ勉強もさせていただきましたので、若干の期待にこたえたいと思います。
 最後を、最後をやるというのは大変プレッシャーなんです。私は、幸い家庭教育が良かったものですから、最後をやるということを何で最後に回したんだと取らないんですね。ここまでお付き合いをいただいて本当に申し訳ないという、実はそういうふうに、(「いい心掛けだ」と呼ぶ者あり)はい、これも本当にいい両親を持ったなと感謝をしておるんですけれども、ありがとうございます。
 もう本当にごくごく簡単に、ちょっとまとめだけをさせていただきたいと思います。
 この二つの法案は大賛成でございます。今日は、肩の凝りが取れるぐらい手を大きく挙げようかなと、こんなふうに思っておるんですけれども、やっぱりどうしても実感として当事者意識がわいてこないのは、今朝ほども佐藤先生からもありましたが、やはり我々地方に住んでおって、都市の在り方というのを見ておったときに、今回のこの二つの法案もそうであります。ただ、教訓として、八年前の阪神・淡路大震災、これはやはり我々は本当に多くの犠牲の中で教訓にしないといけませんし、あの地震があったときに思ったのは、やはり都会の方というのは大変高度な文明とか、あるいは便利さを享受する代わりに、田舎で住む人よりも危険と裏合わせだという、やっぱりこれは本当に大変なことであると思います。それだけに、我々田舎にすればむしろ密集促進法みたいなものを作ってくれた方が有り難いわけでありますけれども。
 しかし、この法律を見ておりますと、震災が終わって二年後に密集市街地におけるこの法律ですか、でき上がったという。今あれから六年たって、今日こうした形でまた新たに防災地区の整備の改正ということが出てきたわけでありますけれども、簡単に、この改正になったというこの一番の大きな部分は何だったのか、ちょっと簡単にそこの部分だけ局長にお答えいただけたらというふうに思います。
○政府参考人(澤井英一君) 御指摘の、平成九年に現行の密集市街地法できましたけれども、この施行状況を見て、やはり基本的に全員合意で建て替えをしていく、それをいろいろと支援をしていくということが基本的にまず大事ではありますけれども、先ほど来いろいろ御議論ありますように、基本的に町の作りを強くしていくための公共施設をしっかりやる、また必要なところではいろんな手法を用意しながら、いざというときにはきちんとできるようにするという辺りの措置を法案の内容にきちんと盛り込むべきであろうというようなことで、今回提案を申し上げているわけでございます。
○大江康弘君 当時は、東京、大阪で六千ヘクタールずつの一万二千ですか、全国の二万五千が対象だということで、今回はそのうちの東京、大阪で二千ヘクタールずつの四千で、全国で八千ということであるんですけれども、なかなか我々密集地というか、先ほど大臣が木賃住宅と言われ、大阪では名前とはほど遠いんですが、昔、文化住宅というようなものがありまして、もう今となればどこが文化かなというような時代の流れも感じるわけで、副大臣、よく地元で御存じかと思うんですけれども。
 結局、二千ヘクタールずつという東京、大阪、全国で八千というその境目というんですか、むしろ僕は密集市街地が全体が対象だと思うんですけれども、特に二千、二千というようなこともこの法案で見るんですけれども、そこの違いというのは何かあるんでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) 木造住宅が大変多くて、密集していて地震のとき危ないという、一番広めに取った場合に二万五千という数字ございますが、その中でも特にそういった木造住宅が多くて、また公園とか道路のようなオープンスペースも少ない。これ、数量的には不燃領域率というような名称で表示しますが、それが特に低いというところを選んでいきますと、八千あるいは二千、二千と、そういうところからまず当面、緊急に対応していくべきだろう。したがって、質的に全く異なるわけではありませんで、連続的なものでございます。
○大江康弘君 そこで、先ほどもちょっと御議論がありましたけれども、この法案の審議を聞いておりますと、かつてやりましたマンションの建替えだとかあるいは都市再生法や都市再開発法だという、そこらあたりと非常にリンクをしておるわけでありますけれども、やはりどう同意を取っていくか。それと、老朽化とか、あるいはまた密集というこの定義というのがもう一つそこはやはりきちっとできないというところに難しさというものがあるのかなと。
 ただ、先ほどの大臣の答弁でもございましたけれども、反対というのは分かりますけれども、やっぱり反対することによって全体がという、その部分をどう法律で救っていくかという、もう正にここが大事な部分であろうかと思います。それだけに、同意というものを得るという、これを今後やっぱりどう政府として、行政として、この法律というものを知らしめていくというか理解してもらって、できる限り少ない反対の中でやっていくのかという、そういう方向性というのは何かありましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(澤井英一君) どうしてもここは事業をやらなければいけないというときに、いざというときに強制力という手法を用意はさせていただこうとしておりますけれども、御指摘のように、まずそこにお住まいの方々がこの町をいかに安全なものにしていくかということを本当にいろいろと研究され、工夫され、そういったところから出てきた建物建て替え計画、町の改善計画というものをベースにしてこの密集市街地の改善がされるというのが最も望ましい姿であるということは、一方でそのとおりだと思います。
 今回の法改正の中で、説明ではどうしても都市計画的な位置付けとか防災公共施設が大事だとか、もちろんこれは基本的に大事なところでありますが、一方でそのソフト面についても内容のかなりの充実を図れるんではないかと思っております。
 端的に言いますと、防災街区整備推進機構といいまして、住民の皆様方がこの町を安全にするためにどうしたらいいかというときに、勉強するようなときに、専門家を派遣して、いろんな事例とかいろんな知識とか、これは防火技術というのはいろんな知識が必要でございます。そういう知識というのは、私ども含めて普通の国民というのは日常的には持ち合わせていない部分も多いわけでありますから、そういう人材の派遣あるいはワークショップの開催のようなことで一緒になって勉強して、そういう勉強の中からここをこうしていこうと、この道路を早く広げてもらおうと、この辺の地域を早く建て替えることにしようということを住民の皆さんが考えて、たまたまですけれども、昨年の都市計画法の改正で提案制度というものを導入いたしました。地権者の皆さんがいろいろ相談をしてアイデアを整理した上で、これを都市計画決定権者にこうしてほしいという提案ができることになっておりまして、これは今年の一月から施行されております。
 したがって、一つの考えられる方法としては、先ほど言いました防災街区整備推進機構のお手伝いの中で住民の皆さんがこうしたいということを考えて、それを都市計画の案にまで高めて、その案を提案して、それを受け止めて都市計画決定権者は都市計画決定をして、それに従って地域住民の皆さんが主体となって町の作り直しをする。そこに、例えば今で言いますと都市基盤整備公団、今国会にも都市再生機構ということで提案させていただいていますが、そういった今までのいろんな難しいことに対処するノウハウを持っているところの応援も得るというような流れが、一つの私どもも望ましい流れかなというようなことも考えております。そういう動きを高めていくことが、先生御指摘のような同意の下に進めていくという姿に一歩でも近付ける方法ではないかというふうに思っております。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 先ほどもちょっと言いましたけれども、やはりマンションの建替えのときの話でもありませんけれども、建て替えの期間中どうするかと。いわゆるその再開発をしている間に住むところをどうするかとか、あるいはそれに付いていけなかった人に対するそういう一つのケアというのをどうしていくかということも当然現実問題として出てくると思いますので、ひとつそこらは当該の自治体に十分指導をいただいて、ひとつ早急に実現をしていただくように要望だけしておきたいというふうに思います。
 次に、特定の都市河川についてでありますけれども、これは、お聞きすれば、今まで外水のハードは河川法、そしてソフトは水防法、そして内水のハードは下水道法、そしてソフトはまた都市計画法という、この四つの法案というものがあって、それが折り重なっておった。この際、すっきり新法でやろうじゃないかというようなことの概略も聞かせていただいたんですけれども、そういうふうな解釈で、局長、よろしいんでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) そのとおりでございます。
○大江康弘君 もう少し長い答弁を期待をしておったんですけれども。済みません、答弁をしていただいている間に次を考えようかなと思っておったんですけれども。
 昔はこの都市の河川もこんなに流域が市街化しておらなかって、やはり川としてはいい川でもあったんかなというふうに思うんですけれども、やはりこういう都市化とともにこういうことになってしまったと。
 ただ、我々、河川というののイメージというのは、どうしてもやはり大きな上流に山があってという。それだけについ、それぞれの省庁というのは対症療法の形になりがちで、今回もそういうこともぬぐえない、これはもう仕方がないことであります。
 しかし、やっぱり今我々が考えなければいけないのは、今朝ほど来からも、水というのは循環をしていくという形の中で、やはり今なぜいっとき水が田舎でも多いかといえば、山自体が、私は日本の森林政策、植林政策の誤りだということをずっと言ってきたわけであります。保水機能がない、涵養、水源の涵養の機能のないような山を作ってきた。それがやっぱり災害を、川下の私は災害を大きくしてきた。今、いっときに水がどっと出てきますから、そんなに準備する時間もないわけですね、避難をしたりとか逃げていくというような時間もない。それだけにやっぱりそういうスピードをも求められるという、このいわゆる避難とか被害を少なくするという。
 そういうことを考えたときに、確かに今回のこの法案は、これはこれとして私は是でありますけれども、やっぱり元に返れば、それぞれの山であれば農林水産省、あるいはそれぞれの下水道であるとか、あるいは厚生労働省、いろんなそれぞれのまた省庁間がお互いに河川をどうしていくかという総合的な対策というものが片一方で求められるというふうに思うんですけれども。
 ここらの部分で、この都市河川ということに限らず、今後、河川災害というそのことを考えたときに、こういうやっぱり省庁間の正に壁を乗り越えた中での一体的な対策というものの必要性、感じていただいておるんですけれども、そういう部分は局長、ひとつどうでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) この点についても全くそのとおりでございますが、河川の立場で申し上げますと、山のてっぺんから河口まで、もっと広げて海岸まで含めて様々な行政が関与しているわけでございます。そこには都市もございます、中山間地もございます、ダムもございます、河川改修もやっております。そういった様々な施策は連携を取って進めていくということが誠に必要だというふうに考えておるわけでございます。
 この都市河川においては、特に都市河川のような市街化が八〇%とか将来は九〇%を超えるような市街化が想定されるというようなところを、これをまた昔の山林に戻すというようなことはなかなかかなわないわけでございますが、それにしても、そういったところをできるだけ保全するとか、あるいはそういったところを開発するに当たっては、この法律に盛り込ませていただいていますように、様々な流水が増えてくるわけでございますので、そのための措置を責任、その開発者の責任も持っていただいて講じていくというようなこと、あるいはハード対策もございます、ソフト対策もございます。都市においては地下街というような問題も、の災害というようなことも大きな問題として取り上げられております。そういったことを今回、先ほど来申しましておりますように、今までの四半世紀やってまいりました総合治水対策の総決算と申しましょうか、総点検というものの中からこういった法案を用意させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
○大江康弘君 どうも局長、御丁寧にありがとうございます。
 最後に大臣、今日はお願いをしておらなかったんですが、こういう中でやはり全般的にこの治水対策をどうしていくかということ、最後に大臣の、大臣のやっぱり答弁もなかったら寂しいですので、ひとつお願いをいたしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 寂しがっていただいて光栄でございますけれども。
 冒頭に申しましたように、少なくとも日本の国土、一〇%にしかすぎません、その洪水のはんらん区域ですね。そこに人口が五〇%住んで、そしてそれらの資産というものが七五%あるということで、このはんらんの恐ろしさ、これは御存じのとおり、名古屋のあの集中豪雨のときにも既に例が出ておりますので、もうこれは大都市だけが怖いわけではなくて、今おっしゃいましたように、これは都市も地方も込めて、やっぱり災害というものの恐ろしさ、地方は地方なりの災害があって、稲作が全部駄目になったという例も多々ございます。
 そういう意味では、我々は、ある意味で全国が災害列島と言われ、あるいは全国地震列島と言われる中で最大限の防御をしよう。我々は、国民の安全と安心というものをいかにして構築していくかというその基本前提に立って、我々は最小限のお金で最大限の効果を上げていこう。
 そして、でき得る限りは、時代の変化とともに予知能力というものが大変優れてできるようになりました。けれども、これもやっぱり一〇〇%ではございませんけれども、その予知能力も、情報を把握しながら、ある意味では、アメダス等々利用して、地域の皆さん方に、この地域は地盤が低い地域ですよとか、あるいはこの地域はこういう川と川の間にあるんですよというような、自分の住んでいるところの地域の在り方とも知らない若い夫婦が大勢いらっしゃいます。安かろう悪かろうというところに住んでいる人もいます。
 ですけれども、我々は、そういう意味で、すべからく都市も地方も、安全と安心のために最大限の努力と最大限の行政の中で皆さんに供与できる部分は何かということで、今回の、一つずつではございますけれども法案を出させていただいて、少しでもお役に立ち、なおかつ有効な施策というものを実行していきたいと思っています。
○大江康弘君 ありがとうございました。
 それから、松野住宅局長、済みません、せっかくお越しいただいたのに、ちょっと答弁の機会がございませんでした。また次回に。
 これで終わりにさせていただきたいと思います。
○委員長(藤井俊男君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、密集市街地における防災街区の整備促進に関する法律の一部改正案に対して反対の討論を行います。
 密集市街地の多くは、東京の例に見られるように、住宅としての受皿が不十分なまま、高度経済成長政策などにより、人口の一極集中、それなどの結果であります。高度成長から約四十年たった現在でも、防災対策の遅れや都市機能の整備等がいまだに改善されていないことは重大であります。
 この問題の最も早い解決の基本方向は、そこに住んでいる住民の合意と理解、納得であります。しかし、本法案は、この点で重大な問題を含むものとなっています。
 以下、反対理由を申し上げます。
 第一に、本案は、宅地所有者及び借地権者の三分の二以上が同意し、その面積が区画の三分の二以上あれば事業施行のための組合又は事業会社を結成できることとしています。これでは、三分の一の地権者などが同意をしない場合でも事業が進められることになります。三分の一の住民の意思が切り捨てられるというやり方は余りにも乱暴であります。これは一人や二人の反対ではなく、三分の一、あるいは権利変換では四九%ということになるわけであります。
 第二に、この権利変換との関係でありますけれども、反対の権利者の意見書提出、これが認められるといっても、最終的には過半数の多数決によって決定されます。この計画は個人の財産を左右する重大な決定ですが、これが五一%以上の賛成で決まると、四九%の住民の意見が無視される場合もあり得るということであります。この点でも余りにも乱暴な決め方であります。
 私は、密集市街地の整備はまちづくりの基本である計画段階からの住民参加、理解と納得に基づいて行うことを基本に据えることを主張し、討論といたします。
 以上であります。
○委員長(藤井俊男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、特定都市河川浸水被害対策法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下八洲夫君。
○山下八洲夫君 私は、ただいま可決されました特定都市河川浸水被害対策法案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定都市河川浸水被害対策法案に対する附帯決議(案)
  今後、都市化、市街化の一層の進展が予想される中で、都市水害対策は、治水政策に加え、都市政策、住宅政策、環境政策等の多面的視点を要する政策課題として検討されるべきである。
  このような考え方の下で、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、都市河川流域における宅地造成等については、流域住民の安全性の確保を図るため、計画的な整備が行われるよう措置すること。
 二、防災調整池等の雨水貯留浸透施設については、多目的複合利用を積極的に推進するなど、その有効かつ効率的な整備・運用を図ること。
 三、都市部における適切な水循環を図る観点から、雨水の生活用水等への再利用を始め、その一層の有効利用を図るための方策を検討すること。
 四、流域水害対策計画の策定に当たり、学識経験者及び住民の意見が十分反映されるよう努めること。
 五、都市河川流域における住民に対する洪水等情報が的確に伝達され、周知徹底が図られるよう努めること。
 六、雨水浸透阻害行為に係る許可、保全調整池に係る届出、必要な助言又は勧告に関して、その実施状況等を踏まえ、適宜見直しを検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤井俊男君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
○国務大臣(扇千景君) 都市河川の浸水被害対策法案につきまして、本委員会におきましては大変皆さん方に御熱心に御討議をいただき、全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げたいと存じます。
 また、今、附帯決議を提起されましたけれども、この雨水貯蓄浸透施設の多目的複合利用の推進、そして流域の水害対策計画策定に当たっての住民の意見の反映、そして住民に対する洪水等の情報の的確な伝達等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め各位の御審議と御協力に心から御礼申し上げたいと思います。
 ありがとう存じます。
○委員長(藤井俊男君) 次に、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下八洲夫君。
○山下八洲夫君 私は、ただいま可決されました密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、密集市街地の解消は長年の懸案であり、補助、融資、税制等の財政支援を含め、幅広く事業の支援策を検討すること。
 二、防災街区整備事業の推進のためには、種地が重要であることにかんがみ、国公有地、遊休地等の活用を含め、その確保に十分な配慮をすること。
 三、事業を円滑に遂行するため、関係権利者間、とりわけ借家権者の合意形成が図られるよう努めること。
 四、事業執行に当たり、借家人及び高齢者等社会的弱者の意向・要望等に十分配慮し、その居住の安定の確保が図られるよう努めること。
 五、防災街区整備事業等を円滑かつ積極的に推進するため、プランナー、コーディネーター等の人材を育成・活用するための支援策を講じること。
 六、関係権利者、事業施行者、地方公共団体職員等の理解の促進に資するよう、防災街区整備事業等に関して、その分かりやすい解説書、事例集及び運用マニュアル等を作成すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤井俊男君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
○国務大臣(扇千景君) 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたこと、心から深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における各委員の御高見でありますとか、また、ただいまの附帯決議において提起されました密集市街地の解消に対する補助、融資等の支援策の検討等の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め委員各位の御指導また御協力に対しまして深く感謝の意を表しまして、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとう存じました。
○委員長(藤井俊男君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十五分散会