第156回国会 国土交通委員会 第19号
平成十五年六月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     斉藤 滋宣君     宮崎 秀樹君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     宮崎 秀樹君     斉藤 滋宣君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
       国土交通省政策
       統括官      河崎 広二君
   参考人
       地域振興整備公
       団総裁      藤井  威君
       地域振興整備公
       団理事      林  桂一君
       都市基盤整備公
       団総裁      伴   襄君
       都市基盤整備公
       団理事      古屋 雅弘君
       都市基盤整備公
       団理事      那珂  正君
       都市基盤整備公
       団理事      中臣敬治郎君
       都市基盤整備公
       団理事      中田 雅資君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人都市再生機構法案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人都市再生機構法案の審査のため、本日の委員会に国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省住宅局長松野仁君及び国土交通省政策統括官河崎広二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人都市再生機構法案の審査のため、本日の委員会に地域振興整備公団総裁藤井威君、地域振興整備公団理事林桂一君、都市基盤整備公団総裁伴襄君、都市基盤整備公団理事古屋雅弘君、都市基盤整備公団理事那珂正君、都市基盤整備公団理事中臣敬治郎君及び都市基盤整備公団理事中田雅資君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(藤井俊男君) 独立行政法人都市再生機構法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田博美君 私は自由民主党の吉田博美でございます。委員長の御指名をいただきましたので、独立行政法人都市再生機構法案について質問をさせていただきます。
 政府は、平成十三年十二月十九日に閣議決定をされました特殊法人等整理合理化計画に基づきまして、民間にできるものは民間に任せるために、各特殊法人の業務を徹底的に分析をし、そして見直して、また非常に、整理統合し、業務内容を民間の活力や潜在力を引き出すための業務に絞った上でこの法案をまとめられたことに対しまして敬意を表するところでございます。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、この都市再生機構法案は都市再生に民間を誘導することを目的としたものと思いますが、大臣は民間による都市再生についてどのような理念あるいは見解をお持ちでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、吉田議員からおっしゃいましたように、小泉内閣として、少なくとも今後、特に二十一世紀という世紀を迎えて、民間にゆだねられるものは民間にゆだねるという基本的な方針を決めておるところでございます。
 御存じのとおり、都市の魅力というものは、私は、総合的にはあらゆることを考えて都市を作っていかなきゃいけない。私は二十一世紀の負の遺産というものがこの都市にあると思います。利便性はあるというものに、一方、考えてみますと、あらゆるところで都市の潤いがない。コマーシャルじゃありませんけれども、東京砂漠なんというコマーシャルもありますけれども、私は砂漠までとは思いませんけれども、あらゆる商業とか、あるいは業務でありますとか、文化、アミューズメント等々、どれを取ってみても、私は、都市というもののこれらの整備ということには民間の皆さんの知恵というものが一番私は加わっていくべきである、またそれを活用すべきである、民間の皆さんの知恵というもので新たな都市づくりができると、そう思っております。
 例えば霞が関、見ていただいたら分かります。今日も見学の方が大勢朝から、子供たちが霞が関へ来ておりますけれども、国会の周辺に果たしてゆとりがあるかどうか。霞が関の我々が仕事場としておるところを一つ取ってみても、余りにも私は潤いがない霞が関だと思います。
 それ一つ取ってみても、我々は、今後、民間の活力と知恵とノウハウを生かした都市づくりをしていかなければいけない。それには、この法案によって、少なくとも基盤となります街路とかあるいはそれらの機能を、あらゆる機能を導入しましたものを前提として、安全やゆとりのある、潤いのある都市づくりを今後していくためにこういう法案を提出させていただいて、より、公園とか緑地とかあらゆるものの、人間がそれこそあくせくしないで、それを見るとほっとするというような住まいを造る、町を作るということで、私は、二十一世紀型の環境と、なおかつ年寄りが多くなったバリアフリー、これも完備した都市づくりというものを私は作っていかなければならないと思っていますので、少なくとも官による骨格的な基盤というものは二十世紀にできたんです。けれども、それにプラスアルファの民の知恵というものを私は加味していくことが今後あらゆる面での、法案によって民の活性化、そして民の活力、あらゆる知恵をこの法案によって加味していけるということで、二十一世紀の新しい都市づくりというものが目に見えてくるのではないかと思っております。
○吉田博美君 また、今日は都市基盤整備公団の総裁と地域振興整備公団の総裁がお越しいただいているわけでございますが、まず最初に都市基盤整備公団の総裁にお伺いいたしますが、これまで都市基盤整備公団が都市政策推進の観点から果たしてきた役割についてどのような評価をされているのでしょうか。また、公団の資産あるいは職員、ノウハウ等をどのような点に留意して新法人に引き継ぐお考えでしょうか。
○参考人(伴襄君) お答え申し上げます。
 まず、都市公団等が今まで果たしてきた役割でございますけれども、そもそも昭和三十年に、大変住宅不足、二百七十万戸に及んでおったわけでございますが、その中で日本住宅公団として発足したものでございますが、その後、高度経済成長期を通じまして、特に大都市地域を中心として良質な住宅あるいは宅地の大量供給を行ってまいりました。その中で、ステンレス流し台とか、あるいはダイニングキッチン、そういったスタイルの普及に代表されるように、住文化あるいはライフスタイルのパイオニア的な役割を果たしてまいりまして、我が国の住宅事情の改善なり、国民生活の安定、向上に大きな役割を果たしてきたところでございます。
 また、公団は単独の主体といたしまして再開発事業、あるいは区画整理事業をやっておりまして、例えば多摩、港北、千葉といったようなニュータウン、あるいはつくば、関西の学術研究都市、学研都市、それから隅田川沿いの大川端とかあるいはみなとみらい21、さいたま新都心といったような大規模な再開発を始めといたしまして数多くの実績を有しておるところでございますし、近時におきましては、阪神・淡路大震災がございましたが、それに対応した震災復興事業をさせていただきましたし、あるいは大都市地域の土地の流動化対策が叫ばれましたので、それに対しまして、土地有効利用の実施等々、その時々の我が国のまちづくりあるいは都市政策に貢献してきたものと思っておるところでございます。
 今般、民間を都市再生に誘導する独立行政法人として本法案で審議いただいているところでございますけれども、我が国の内政上の重要課題である都市再生、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、民間がもちろん主体でやるわけでございますけれども、事業リスクとかあるいは基盤整備とか複雑な権利関係の調整といった面では、民間事業者だけではその推進に限界あるいは障害があるケースが多いということも事実でございます。
 幸い、都市公団、これまでこういった課題に対応できるようなまちづくりについての技術、ノウハウ、経験、あるいは人材、権能とかあるいは公的機関としての信用等々の経営資源を持ち、培ってきたところでございます。それによって、例えば関係者の合意形成、権利調整を図る等々、中立公平な立場によるソフト面のコーディネートの経験あるいは能力を有しておるわけでございますし、それから再開発、区画整理等によりまして敷地の整備を行ったり、あるいは直接施行によりまして関連公共施設を整備する等々、今度はハード面の実績、経験もございます。
 また、公的機関として、民間私企業と違いまして短期の利益追求を求められることはありませんので、中長期的な採算性の下に長期的な事業実施が可能であるといったようなところが経営資源だと思っております。
 新機構移行に当たりまして、これらの経営資源、更にこの強みに一段と磨きを掛けて、新しい機構にしっかりと承継するとともに、その使い方、生かし方も、我々バックアップ型と称しておりますけれども、プロジェクトの特性に応じまして各事業段階において民間事業者に最適な支援、補完ができるメニューを提供するということによりまして、民間の事業機会を積極的に創出したり、あるいは民間の潜在力を最大限引き出したいと思っておるところでございます。
 こういった取組によりまして、限られた同じ投資量に対しても、誘発される民間投資を加えたトータルとしてより多くの事業効果あるいは政策効果を実現できると思っておりますので、そういう形で都市再生に貢献していきたいというふうに思っておるところでございます。
○吉田博美君 都市基盤整備公団の総裁からは決意とも取れるような答弁をいただきました。
 続きまして、地域振興整備公団の総裁にお聞きいたしますが、これまで地域振興の観点からやはり果たしてきた役割をどのように評価をされているのでしょうか。また、公団が築いてきた信頼関係と申しますか、公共団体との信頼関係などの貴重な財産をどのようにして新法人へ引き継ぐお考えでしょうか。
○参考人(藤井威君) まず、地域公団がこれまでにやってまいりました事業についての評価からお答え申し上げたいと思います。
 この公団は、主に三大都市圏以外の地域におきまして、地域振興という観点から良好な環境を備えた総合的なまちづくり、そういうことをやるということでやってまいりました。公団発足以来、総計で六千八百ヘクタール、山手線の中よりもちょっと広い面積なんですが、これだけの面積を既に譲渡済みでございます。譲渡相手は産業界の事業主体あるいは民間の方々という、それから公共団体あるいは学校教育機関、それぞれの地域の特性に応じた都市計画、あるいは産業開発計画、そういうものに基づいた分譲を行ってまいったつもりでございます。
 そのうち、都市再生機構、今御審議いただいております都市再生機構に承継される分、つまり地方都市開発整備事業について申しますと、現在まで二十三地区、約五千六百ヘクタールにおいて事業を実施してきております。過去の実績だけ申しますと、約六万六千人の定住人口、コミュニティーが築かれていると。それから、産業業務機能の導入によって約二万六千人の雇用機会が作り出されたと。先ほどちょっと触れましたが、高等教育機関、六つの高等教育機関を誘致しまして、約三万人の学生、研究者が学んでいるというような実績を上げてきております。
 先生の御指摘になりました、我が公団のこういう事業を実施していくノウハウ、将来につきましては、今、大臣あるいは伴総裁がお答え申しましたとおり、民間活力ということを中心に置いた都市再生ということに主眼を絞りまして、それに対するサポートということで我々が開発してきたノウハウを十分生かしていけるし、これからも生かしていかなきゃいけない、そういうふうに思っております。
 そういうノウハウとしましては、もちろん伴さんがお話しになりましたような総合的な開発計画の策定のノウハウ、あるいは関係者、地元住民との信頼関係とか総合調整とか、そういうことを図っていく能力、あるいはでき上がりました開発計画に基づきまして企業誘致などを行う全国的なネットワーク、さらには都市関係の基盤を整備していく上での技術力、こういった貴重な資産を今公団は持っていると私は考えておりまして、これらの資産を円滑に新しい機構に引き継いで、都市とか、三大都市圏とか地域とか、そういうことではなくて、全国的に北から南まで一つの機構がこれらの資産を引き継いで事業を進めていくと、そういう体制に我々も是非協力したいし、そうしなければいけないというふうに思っております。
○吉田博美君 この法案において特殊法人改革の趣旨は具体的にどのように反映されているのでしょうか。また、都市再生機構に移行して何がどう変わるのでしょうか。
○政府参考人(河崎広二君) 今回の改革でございますが、冒頭、先生お触れになりました平成十三年十二月に閣議決定をされました特殊法人等整理合理化計画におきまして、都市再生に民間を誘導するため新たな独立行政法人を設置する、その際、都市基盤整備公団並びに地域振興整備公団の既存の業務につきましては徹底的な見直しを行った上で新しい法人に引き継ぐということとされたところでございます。
 これを受けまして、新法人の役割といたしましては、都市再生分野におきまして民間の潜在力を最大限に引き出すための誘導業務あるいは条件整備に重点を置くこととしたところでございます。また、事業の実施方法につきましても、従来の権利調整や用地取得から敷地の整備、関連公共施設の整備あるいは建築物の建設といったすべてを自ら行うフルセット型から民間の事業を支援するバックアップ型に転換をするということにしたところでございます。
 具体的な業務の見直しといたしましては、整理合理化計画に沿いまして、まず業務エリアを既成市街地に限定をしますとともに、ニュータウン事業や国営公園内の有料施設でございます特定公園施設整備事業につきまして新規着手はしない、既に着手済みのものに限り経過措置業務に位置付けるということにしたところでございます。また、賃貸住宅につきましても、自ら土地を取得して建設、供給を行うことからは原則として撤退をするということにいたしました。そして、このような見直しの内容を法律上明確に規定をしたところでございます。
 そして、このような業務見直しの結果、新法人の主たる業務は、都市再生に民間を誘導するため、例えば大規模な工場跡地の土地利用転換による新たな都市の拠点づくりや、密集市街地の整備を行うに際しまして複雑な権利関係の調整あるいは事業計画の提案などを行うコーディネート業務、さらには関連公共施設の整備、区画整理事業等の実施によりまして民間事業の条件整備を行うこと、さらに賃貸住宅につきましては、敷地を機構が整備をいたしまして、賃貸住宅経営が成り立つような地代で定期借地を行う、それによって民間による供給を支援をするということでございます。さらに、大規模なまちづくりの初期段階では実は町が熟成をしていないという点がございまして、初期段階では賃料などのキャッシュフローが不安定であるという特徴がございます。そういう場合には、民間だけではなかなかその事業が成立しないという場合が想定されるわけでございまして、こういう場合には参加組合員、再開発事業の制度としてございますが、参加組合員制度とかあるいは特定建築者の制度を活用いたしまして民間の都市再生事業の完遂を支援をするなどなど、幅広く民間の事業者を支援することに重点を置くこととしたところでございます。
 なお、現在、都市公団が管理をしております約七十五万戸の賃貸住宅ストックにつきましては、二百万人の居住の安定を図り、国民共有の財産として住宅政策に有効活用するため、引き続き、新法人について、建て替え等を実施しながら適切な管理をすることとしたところでございます。
○吉田博美君 新法人に移行される二つの公団は現在どのくらいの国の財政支援を受けているのでしょうか。また、それが新法人になってどうなるのでしょうか。
○政府参考人(河崎広二君) 現在、都市公団、地域公団の両公団におきましては、用地の先行取得のための出資金、あるいは家賃の低減を図るための補給金、さらには再開発事業や公共施設整備に要する国庫補助金など、国費による支援を幅広く受けております。例えば、平成十五年度予算につきましては、都市公団に対する国費は、出資金、補給金、補助金等を含めまして千三百三十七億円が計上されております。また、地域公団につきましては、同様に約十六億円が計上されているところでございます。
 そこで、新法人でございますが、先ほども答弁させていただいたとおり、民にできるものは民にゆだねる、あるいは民間による都市再生事業を幅広く支援することに業務の重点を置くということになりますので、比較的収益性の高い分野は民間事業者が担う、新法人は大規模な工場跡地の土地利用転換あるいは密集市街地の整備といった長期間を要しまして収益性も低い業務が多くなるというふうに考えておりますので、これらの業務を実施していくためには、公共性の高い事業を行うという観点から、出資金や補助金といった国費の投入も必要になってくると考えているところでございます。
 ただ、これはあくまで公共性の高い事業を実施するという観点からの出資金、補助金等でございまして、単に赤字だから経営支援をするといったものでないという形で御理解をいただきたいと考えているところでございます。
 ただ、一方で、業務の見直しの中で、ニュータウン事業あるいは賃貸住宅の新規供給に関する業務の撤退等の見直しが行われまして、そういったことで補助金が削減をされる、あるいは、一方、今金利が非常に低下しておりまして、これからも現在の公団自身のコストはだんだん下がってくるわけでございますが、そういう中で、賃貸住宅の補給金も減少するといったような形で、国費投入もかなり減少する要素もあるわけでございます。
 いずれにしても、機構といたしましては、限られた財政援助の中で効率的な経営を行いまして、採算性の確保を図り、都市再生の成果を最大限に上げれるよう努力していくことが必要であると考えているところでございます。
○吉田博美君 次に、新法人の、なぜ民営化しないかということをお聞きしようと思ったんですけれども、大体答弁の中で、公団の総裁からも、今も答弁の中でいただきましたので、その次に移させていただきます。
 新法人は政策的に実施の必要性が低下した業務から撤退するとのことですが、具体的にどのような業務でしょうか。また、撤退に伴う経過措置というか、従来の業務の後始末というか、どうするのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(河崎広二君) 都市公団並びに地域公団の業務につきましては冒頭少し触れましたけれども、特殊法人等整理合理化計画に即しまして、いわゆるニュータウン開発事業、それから自ら土地を取得して行う賃貸住宅の新規建設、それから国営公園内の有料施設の整備を行います特定公園施設整備事業からは撤退することとしたところでございます。
 これらの業務につきましては、例えばニュータウン開発事業につきましては、現在、人口及び世帯数の伸びが鈍化をしてまいっております。そうした中で、今後の宅地需要は低減の方向に向かうということが予想されますし、また我が国の土地利用の重点が既成市街地の有効利用を図る方向に変化をしてきているということがございまして、都市の外延的拡大に対応する状況ではこれからなくなってきたのではないかということが背景にございます。
 また、賃貸住宅の直接供給について申し上げますと、従来、民間では土地を取得してファミリー向けの規模の賃貸住宅の建設供給を行うというのは、我が国の賃貸住宅市場の特色から採算性が取れないというのが問題でございましたけれども、それを一段、敷地を民間賃貸住宅経営が可能な地代で提供するといったような条件整備を行えば民間事業者による経営も可能ではないかということを今回考えまして、そのような形に変えるというふうにしたということでございます。
 それから、国営公園の有料施設につきましては、国営公園計画上必要な施設、サービス水準が確保されれば民間事業者によっても整備、管理されるんではないかということを考えたところでございます。
 そういうことで撤退の方向を示したわけでございますが、これらについては既存の、既に着手したものがございますので、当然、本則の業務から外しますが、既に土地を取得して工事に着手をしている事業が終息するまでの当分の間、経過措置業務という形で本法の附則に位置付けるという形にしたところでございます。
 ただ、できるだけ早めに、特にニュータウン事業については終息を図っていく必要があるというふうに考えておりまして、ニュータウン事業については、事業の初期段階の地区につきましては、進捗状況や宅地需要見込みを踏まえまして、事業の中止や区域の縮小、あるいは造成工事を行い、代替区の設定という抜本的な見直し、あるいは民間との連携により一層の販売促進、地方公共団体と連携した土地の有効利用を図るということで、早期に事業完了を目指すということにしているところでございます。
○吉田博美君 懇切丁寧な答弁でございましたので、次の質問の都市の既成市街地がなぜ限定されるかという質問も今答弁にあったんじゃないかと思いますので、また次に移させていただきます。
 都市再生に係る再開発業務について、民間の潜在力を引き出すために新法人は具体的にどのような誘導業務を行い、どのような場合に民間との共同事業という形で都市再生を進めるのでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) 都市再生機構は、自らすべてを行うフルセット型から民間投資を誘発するバックアップ型への転換を図るということで、都市再生分野における民間の新たな事業機会を創出し、民間の潜在力を最大限に引き出すための条件整備を行うことといたしております。
 例えば、臨海部の大規模工場跡地等は今後の都市再生の核となる土地として大変重要だと考えておりますが、これが細分化されることなく、一体的、計画的に活用していくということが非常に重要だと思っております。このためには、関連する基盤整備などを総合的に行う必要がありまして、投資を回収して十分な収益を得るに至るまでには非常に長期間を要するという事情がございます。
 また一方で、密集市街地、地上げ跡地などの虫食い土地あるいは中心市街地につきましては、権利者が多く、権利関係が複雑であり、その調整に長期間を要する場合が非常に多うございます。したがって、こうした土地につきまして、以上申し上げました、例えば二つの典型的なパターンを申し上げましたけれども、こうした土地につきましては民間だけの自発的な取組を行うことが難しい場合が多いというのが現状だと考えております。
 そこで、こうした土地を活用した再開発に民間を参画させるための条件整備として、おおむね二つの方法を考えております。
 第一は、これまで計画策定や権利調整等のコーディネートから、用地取得、敷地整備、建築物の建設までをすべて公団が実施していたところ、機構はコーディネートから例えば敷地整備までを行いまして、建築は民間にゆだねるという方法でございます。
 第二は、民間の発意で再開発が起き上がったと、そういう再開発事業につきまして、主体となっている民間に機構が補助的に参画して事業を成立させるという方法でございます。
 まず、機構がコーディネートから始めて事業を行う場合には、第一に、事業計画の提案、あるいは関係権利者、公共施設整備及び福祉施設を始めとする公益施設整備の担当部局などの公的機関との調整を中心といたしますいわゆるコーディネート業務、さらに、民間の再開発に必要となる道路、公園等の関連公共施設の整備、再開発、区画整理等による敷地の整備、細分化土地の整形集約化という辺りまでが敷地整備ということになります。
 そこで、機構が整形集約化して整備した敷地等につきましては、これを原則として民間に譲渡して民間が建築物を建築するということ、それからまたその土地の上で機構が市街地再開発事業を自ら実施するという場合におきましても、上物については、特定建築者制度とか特定事業参加者制度を積極的に活用いたしまして、建築物の整備を民間にゆだねていくといった方式で民間が建築物の建築を行う際の条件整備を図るということを考えております。
 一方で、民間発意で再開発が進められる場合でも、民間だけでは事業全体の費用負担や床処分すべてを担うことが困難なときに、逆に機構の方から参加組合員制度や特定建築者制度を活用して事業に参加していくという方法もあると考えております。この場合におきましても、収益が安定してきた時点で、証券化の手法なども活用しながら床を機構から民間に譲渡していくということを基本的なスタンスとしたいと考えております。
 以上でございます。
○吉田博美君 フルセット型からバックアップ型に変えられるということでございまして、民間の潜在力をいかに引き出すかということは極めて大事なことでございますが、やはり国民の皆さん方が一番心配されていることは、民間に任したときに、やはり、我々が安心して住宅の確保だとか、あるいは住まいの確保だとか、そうしたものに対する安心感というのは、非常にやはり国という意味の中で法人に対する期待もあると思いますものですから、バックアップとはいうものの、やはりある意味では全面的なバックアップをしていただきたいと思っておるところでございます。
 そして、新法人は、いわゆる公団賃貸住宅を、引き続いて賃貸業務は行う一方、新規の賃貸住宅の建設からは原則的に撤退するとのことですが、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 都市再生機構が都市公団から承継いたします約七十五万戸の賃貸住宅は、昭和三十年代から現在に至るまで、良質な賃貸住宅の不足を解消するということで、直接供給という手法によりまして政策的に推進してきた結果として形成されたストックでございます。特に、四大都市圏における全賃貸住宅ストックの約七%、それから公的主体が管理する賃貸住宅ストックの約四〇%に相当するというものでございまして、こうして政策的に形成されました賃貸住宅、公団の賃貸住宅ストックは国民共有の大変貴重な財産であると考えております。
 特に、大都市圏を中心に依然として良質な賃貸住宅が不足しているという現状におきましては、引き続き、都市再生機構が保有、管理し、都心居住の推進あるいは高齢者の居住の安定、子育て環境の整備など、大都市圏の居住環境や少子高齢社会を踏まえた住宅政策上の課題に対応するための政策実現ツールとして有効に活用していくことが必要であると思います。
 一方、機構が新規の賃貸住宅の直接供給からは原則として撤退するということにしたわけでございますが、これは民間にできることは民間にゆだねるという行政改革の基本方針に従いまして、賃貸住宅の供給主体を公的主体から民間事業者を中心とするということにしたためでございます。
 機構は直接供給からは撤退いたしますが、機構が整備しました敷地を定期借地という形で提供することによりまして、民間事業者の初期負担を軽減いたしますとともに土地取得費を回収するという必要がなくなるということから、既に土地を所有している者と同等の条件で民間事業者による良質な賃貸住宅供給が可能になるというふうに考えているところでございます。
○吉田博美君 次に移らしていただきますが、都市公団の賃貸住宅の家賃はどのようにして設定されているのでしょうか。新法人に移行されても設定方法に変更はないのでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 賃貸住宅の設定方法いかんということでございますが、現在の公団住宅の家賃は、近傍同種の住宅の家賃の額、いわゆる市場家賃を基準として設定することとされております。都市再生機構におきましても同様となるように、法案におきまして同様の規定を設けたところでございます。
 具体の近傍同種家賃の算定方法につきましてはいずれ都市再生機構法の施行規則を定めることになりますが、今の都市公団と同様に、機構が管理します賃貸住宅の近隣地域等に存在します民間賃貸住宅の事例収集を行いまして、これらの事例と機構が管理する住宅とを、駅からの距離等の立地の地形あるいは床面積の大小、建築後の経過年数の差などに基づいて総合に比較考量いたしまして近傍同種家賃を求めるということでございまして、不動産鑑定評価基準に基づきます賃貸住宅比較法により、客観的、合理的に定めることとなると想定をしております。
 また、都市公団におきましては、居住者の代表も含みます有識者で構成されました家賃部会におきまして家賃改定の具体のルールを定めております。これによりまして、新規に募集をする家賃の改定は毎年行っておりますが、継続家賃につきまして三年ごとに改定をするというルールになっておりますが、現支払家賃が近傍同種家賃を上回る場合には、近傍同種家賃まで直ちに引き下げると。支払家賃が近傍同種家賃を下回っている場合には、三年ごとにそのギャップですね、乖離のおおむね三分の一を引き上げて格差是正を行うことということにしております。
 新法人移行後は、新法人の自主的事業運営の一環として家賃改定も行われることになりますが、この現在の基本ルールに大きな変更はないと考えております。
 なお、その家賃の設定に当たりまして、居住者が高齢者あるいは身体障害者等、特に居住の安定を図る必要がある者がその市場家賃を支払うことが困難であると認められる場合には、都市公団と同様に家賃の減免ができるよう所要の規定を整備しているところでございます。
○吉田博美君 都市公団の賃貸住宅は管理業務の一部をアウトソーシングしていると思いますが、その進捗状況はどうなっているのでしょうか。また、新法人はできるだけ民間委託を広げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(古屋雅弘君) 都市公団の賃貸住宅の管理業務につきましては、その効率化を図るために、管理方針の策定でありますとか家賃の設定でありますとか、根幹となる業務は公団自らが行いますけれども、居住者からの書類の受付、入居者の案内、苦情処理、空き家査定といった居住者の方々と接するような現地管理業務については、先生御指摘のとおり、外部化を現在推進しているところでございます。
 外部化の進捗状況でございますが、平成十一年度から段階的に進めてまいりまして、現在、七割に相当する賃貸住宅の現地管理業務を外部化しているところでございますが、今年度、十五年度につきましては、すべての賃貸住宅の管理業務の外部化が完了する予定でございます。
 また、十三年十二月の閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画によりますと、可能な限り民間委託の範囲を拡大して、管理業務の効率化を図るべきであるという御指摘をいただいているところでございますので、公団といたしましても、先ほども申し上げましたような外部化した業務のうち、民間事業者にゆだねることが適当な業務につきましては民間事業者の創意工夫も活用しながら積極的に委託をし、業務の効率性の向上に努めてまいりたいと考えております。
 なお、民間委託の範囲の拡大に当たりましては、居住者の方々にとりましては管理業務の継続性を確保するということも大事でございますし、また民間業者を監督する、指導監督するという体制の整備も必要でございますので、当面は新規団地、新規供給団地からこの民間委託をやっていこうということで十四年度から着手を始めたところでございまして、今後、段階的にその対象団地を拡大してまいりたいと考えております。
○吉田博美君 次に入りますが、都市公団の賃貸住宅の居住者のうち、高齢者等で家賃の減免措置の対象者の割合はどのくらいあるのでしょうか。
○参考人(古屋雅弘君) ちょっと古くなりますが、平成十二年度に私どもが実施しました居住者の定期調査によりますと、管理戸数のうち、世帯主が六十五歳以上の高齢者世帯の割合は約二一%ということになってございます。
 公団では、この居住者が高齢者だけでなく身体障害者、その他、特に居住の安定を図る必要がある方々で家賃を支払うことが困難な方々につきましては、家賃の減免を行うという法律の規定に基づきまして減免の運用を行っておるところでございます。
 具体的な運用としましては、継続して居住している方々の家賃改定時におきまして、高齢者、身体障害者のみならず母子世帯、心身障害者世帯、それから生活保護世帯等であって、特に所得が低くて公営住宅階層に当たるような世帯の方々につきましては家賃の上昇を一般の方々より抑制するという特別措置を講じているところでございまして、これによりますと、平成十五年四月に実施しました家賃改定時におきましては、こういった方々で五万九千八百世帯、約、十五年四月の管理戸数七十六万戸でございますが、八%の割合となっております。
 ただいま申し上げました数字は家賃改定時の減免でございますが、これ以外に、こういった低所得高齢者世帯につきましては住戸をバリアフリー化しまして低廉な家賃でお貸しする高齢者向け優良賃貸住宅といった供給も行っておりまして、これによる減免は七千五百世帯でございます。
 さらに、建て替えにおきまして、建て替え事業で新しくできました住宅に従前居住者が戻られる場合に低所得高齢者世帯等につきましては家賃の減免措置を行っておるわけでございますが、これにつきましては三千八百世帯が該当しておるところでございまして、これらを累計いたしますと七万一千百世帯、約、十五年四月一日現在の管理戸数七十六万戸に対して九%程度になろうかと思いますが、家賃の減免を適用しているところでございます。
○吉田博美君 都市公団の賃貸住宅の入居率と家賃の推移はどうなっているのでしょうか。今後は常に入居率を高めて健全な管理運営を図る必要があると思いますが、何か工夫等をされているのでしょうか。
○参考人(古屋雅弘君) 公団の賃貸住宅の入居率、裏返して申せば空き家率ということになろうかと思いますけれども、公団住宅につきましては設備水準の向上だとか住戸の改善を進めるために政策上必要で空けているという住宅もございますけれども、そういった住宅を除きまして、入居者を募集しているにもかかわらず一定期間空き家になっているものの状況を申し上げますと、平成十五年三月末時点では三千七百四十七戸、これは管理戸数約七十六万戸に対しまして〇・五%、二百戸に一戸といったような割合でございます。過去、この三年間程度の動きを見ておりますとほぼ同水準で推移しておりまして、この空き家率につきましては落ち着いた動きになっているんではないかというふうに理解をいたしております。
 また、家賃の関係でございますが、公団の賃貸住宅の家賃につきましては、過大な空き家が生じたりあるいは入居の競争倍率が高くなったりというような弊害を除去するといったねらいも込めまして、新公団設立以降は市場家賃との調和を図る家賃制度を取っておるところでございます。それで、具体的に見ますと、この間のいろいろな社会情勢を反映いたしまして、空き家が生じたときの募集家賃は三年連続して引き下げているといったような状況でございまして、こういった家賃制度の運用等も相まちまして、空き家の水準が先ほど申し上げたような状況になっておるわけでございます。
 それで、今後につきましては、今後とも家賃制度の的確な運用を図ると同時に、大変居住者の方々のニーズが多種多様化しておりますし、あるいは少子高齢化でありますとか情報化でありますとか、様々なニーズや住宅政策上の課題等も抱えておりますので、こういったものに的確に対応した居住設備水準の向上でありますとか間取りの改善でありますとか、バリアフリー化でありますとか高優賃の供給でありますとか、こういったストックの活用事業を計画的に実施いたしますと同時に、入居者の募集に当たりましても、募集案内所あるいは現地案内所を開設する、あるいは入居促進キャンペーンを打つ、あるいはインターネットによる情報提供等によって入居の申込みを容易にするといったような形で国民共有の資産であります賃貸住宅の有効活用を進めまして、入居率を高めて健全な管理運営に努めてまいりたいと考えております。
○吉田博美君 ただいまの説明をお聞きしますと〇・五%の空き家しかないということでございますが、今私どもが一番心配しているのは、もちろん経済の活性化というものも大きな課題でございますが、やはり少子化問題というものは本当に二十一世紀の我々の最も大きな課題の一つではないかと思うわけでありまして、この問題はまた取り組んでいかなきゃならないわけでありますが、少子化とともに高齢化が必ず進んでくるわけでありますが、先ほど来御説明ございましたように、六十五歳以上の世帯主が二一%入っているという現状を考えたときに、これから少なくなることはなくて、この割合がより増えてくると思うわけでございますが、そうした中で空き室が生じる可能性がこれからはあるんではないかなということを危惧されるわけでございますが、高齢化社会の進展によりバリアフリー化などの住宅政策が求められていると思いますが、もうそれに既に取り組んでおられると思いますが、この面の対応はどのような対応をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 公団賃貸住宅におきましては、まず新規建設住宅につきましては平成三年度よりバリアフリー化を推進しております。さらに、平成八年度以降は長寿社会対応仕様ということですべて完全にバリアフリー化をしております。また、既存の賃貸住宅につきましても、空き室、空室になったところをうまく活用しまして、昭和六十二年度より高齢者等向けの特別設備改善住宅等において手すりを設定しまして、さらに平成十一年度以降はリニューアルを実施して段差解消を図るということでバリアフリー化をそれぞれ実施しているところでございます。特に、高齢者向け改善が可能な構造の団地の一階、主として一階でございますが、に存する住宅におきまして空室が生じた場合には、バリアフリー化あるいは緊急通報装置の設置等、高齢者向け優良賃貸住宅として整備しているところでございます。
 こうしたことを実施しました結果、平成十四年度末時点で公団賃貸住宅におきますバリアフリー化の進捗状況は、完全バリアフリー化、つまり段差の解消とか廊下の幅でありますとか手すりでありますとか、こういったものがそろったバリアフリー化された住宅の戸数は約十万七千戸ということで全体の一四%、一部バリアフリー化された住宅の戸数は約二十一万二千戸、約二八%ということになっております。
 また、建て替えに際しましては、地方公共団体から公営住宅あるいは社会福祉施設の併設について申出があった場合には建て替えに支障のない範囲で土地の譲渡を行う、あるいは低所得高齢者など居住の安定を特に図る必要がある場合には併設される公営住宅への入居が容易となるような特別の配慮をする、あるいは建て替え後の公団住宅に再入居される方につきましては長期安定的な家賃の減額措置を講じておりますが、特に低所得高齢者等の方については更に減額する特別家賃措置を取っております。こうしたことによりまして高齢者の居住の安定に配慮しているところでございます。
 今後、仮に少子化によりまして公団住宅の応募者数等に影響を及ぼすようになったとしても、御指摘のとおり、他方、高齢化社会の進展がございます。高齢者も暮らしやすい賃貸住宅の需要は今後増大してくるものと考えられますので、管理する賃貸住宅のバリアフリー化等、措置を引き続き積極的に講じていく必要があると考えております。
○吉田博美君 新法人に移行するに当たって資産の評価を行う必要があると思いますが、これはどのような手順、方法で行うのでしょうか。また、地価の下落に対してはどのように対処しようと考えているのでしょうか。
○政府参考人(河崎広二君) 独立行政法人制度におきましては、新法人設立に当たりまして承継する資産については法人設立時点での時価評価を行うということにされております。したがって、正式な時価評価の方法及び具体の評価額は、本法案の規定によりまして選任される資産評価委員によって、平成十六年七月に発足を予定しているわけでございますが、その時点での時価を評価するということになっておるところでございます。
 他方、両公団が保有する資産でございますが、多種多様かつ大量でございますし、また定期借地といったような評価方法が十分確立していないような資産もございますので、その時価評価の準備段階といたしまして、まず都市基盤整備公団内に不動産鑑定士と公認会計士から成る資産評価研究会を設置をいたしまして資産の時価評価方法について検討を行いまして、今年の二月に報告書が取りまとめられたところでございます。
 この報告書によりますと、膨大な不動産を個々に鑑定評価するというのは大変長い時間と多大な鑑定費用を必要とするということから非現実的であるということから、これらの不動産を用途、規模、事業の進捗状況等などから幾つかのグループに区分をいたしまして、グループごとに現行の不動産鑑定評価基準に即した鑑定評価手法を適用して、効率的かつ客観的に時価評価を行うということが適当であるということとされたところでございます。
 そこで、現在、両公団におきまして、このような評価方法に従いまして来年評価がされるわけでございますが、資産評価委員による正式な資産評価の前段の準備作業に着手をしているところでございます。
 なお、御指摘のとおり、地価の下落によりまして販売用不動産等につきましてはかなり厳しい状況にあるということは事実でございます。ただ、それに対して安易な国費の投入で支援をするということではなくて、そうしたものにつきましては事業の徹底的な見直しや新法人全体の経営コストの削減、あるいは組織、定員のスリム化など、経営の合理化、効率化を図りまして、新法人全体の収益によって対応していくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○吉田博美君 大臣にお伺いいたしますが、新法人の目的として都市再生を図るとありますが、都市の再生を図られた状態とはどのような状態をイメージされているのでしょうか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 御存じのとおり、都市というのは少なくとも国際社会で競争していくということが大事であろうと思いますので、そういう活力の原点というのがどこにあるのかということですけれども、多くの人が住んで、そしてそこで育って、なおかつ学んで、働いて、そして集い、人々が活力ある生活をしていくということが私は都市として求められる大きな要素であろうと思います。
 では、じゃ国際社会の競争力に果たしてどの程度ということで少し例を挙げさせていただきますと、国際競争力という面で手元に資料がございますけれども、国際会議の開催件数、これは東京が世界の国際会議の開催率が三十三位です。一位がパリで、二位がロンドン、そして香港が十六位、日本は三十三位という大変残念な数字でございます。
 それから、外国からの旅行者の数は、もういつも言われておりますけれども、少なくとも、パリが一千三十五万人、日本は、東京だけ見ますと二百四十九万人、全国で見ましても五百万人弱ということで、香港でも一千百七十万人、ニューヨークが四百五十三万人ということで、これも残念ながら大きく数字では立ち後れています。
 また、少なくとも、全国に密集市街地というものがあるんですけれども、全国に二万五千ヘクタール存在します密集市街地においては道路等の整備が不足しているということで、緊急車両の通行ができない、それほど道幅が狭いということになっておりまして、緊急車両も通れないようなところに、密集市街地に果たしてそのままでいいのかという問題も残っております。
 そういう意味では、少なくとも、いかな都市であろうと、安全で安心であるというところに住まいしなければ、我々は、最低限皆さん方に安全と安心を保障するという点では私たちは十分ではないという今の現状がここにございます。
 そういう意味では、将来、今もるるお話が出ましたように、国際都市としてあるべき姿というものをどのようにしていくかということでは、私は少なくとも、今申しましたような数字から見ても、国際競争力に勝ち得るような国際都市を作らなきゃいけない。なおかつ安全、安心が最大の第一条件であることは言うまでもありませんけれども、少なくとも私たちは優れた都市のアイデンティティーというものを持ち、そしてそれに即したような法の整備と実行をしていくということが私は大事であろうと思っていますので、住まいと職場が近住しているということが一番時間の無駄がなく、なおかつ家庭の潤いということ、あるいは子育てに、親が子供に接するということで考えますと、少なくとも住まいと職場が近くにあるということが理想ではありますけれども。
 そういう意味で、その理想であるところが狭くて、そして潤いがなくて緑もない、バリアフリーもできていない、消防車も通れないと、これでは何もなりませんので、すべてを兼ね備えた私たちは二十一世紀型老齢社会あるいは少子社会にも対応できるように、少なくとも職に近いところでも保育所があり、あるいは老齢者の憩いの場があるというようなまちづくりに私たちは環境整備をしていかなければならないと思っていますので、そういう意味で、都市再生が図られるという条件というものはそのように整えていきたいと思っています。
○吉田博美君 世界第二位のGDPを誇り、また一人当たりの国民所得も、ちょっと前の資料でありますが、ルクセンブルク、スイス、ノルウェーに次いで世界第四位、また個人金融資産も一千四百兆円ある、対外資産も世界一と、かなりの数字を残している日本が、何と国際会議が三十三位、悲しい限りではないかと思います。
 やはりグローバリゼーションの中で世界に通用する都市というものを作っていかなきゃいけないと、大臣の御所見のとおりではないかと思っているところでございますが、時間も参りましたので、次に移らせていただきますが。
 大臣、新法人への移行についていろいろとお聞きをしてまいりましたが、これはいずれも現法人でもやる気になればできたのではないかと思います。ですから、新法人は常に業務内容を見直して成果を評価しながら事業を進める必要があると考えますが、大臣の御所見を伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(扇千景君) 吉田議員のおっしゃるとおりでございまして、今まで、少なくとも独立行政法人となることによって、その業務とかあるいは組織というものが見直しが定期的に行われなかったということも私は大きなる反省であろうと思います。そういう意味で、今回はこの都市再生機構、独立行政法人となることによりまして、新たな私は業務運営の仕組みと、それから絶えず、これを導入した結果、評価というものが私は図られなければならないと思っています。
 そういう意味で、明快な目標を設定して、そして少なくとも中期計画、あるいはその中期計画の期間を三年から五年ぐらい、それを目標にして、私は、その終了時点で独立行政法人の評価制度というもので、評価委員会を第三者にゆだねる、評価委員会に第三者委員会制度というものを入れて、そして第三者の評価を入れていくと。そして、業務の評価を確実に公表する、情報公開するということによって、私は、組織とかあるいは業務の全般の存廃を決めた見通しを出していくということが、今までと全く違う方法で私は国民に開示していくということが、今回の新たな法人として私はこれを見られるんじゃないかと思いますので、外部監査の実施というものがいかに大事であるか、第三者の目というものをいかに大事にしていくかということによって、民間企業並みの私は財務会計制度というものを導入するべきであると思っておりますので、そのような意味で今までと違った、都市再生機構というのを独立法人化するということの、今までと違った法人化であるということを御認識賜って、そのように指導していきたいと思っています。
○山下八洲夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 都市再生機構法案について若干審議をさせていただくわけでございますが、私は、この法案を審議するに当たりまして、どうも私自身の気持ちがぴたっと落ちてこないんです。何で落ちてこないんだろうかなというふうによくよく考えてみますと、岐阜県で、山の中で、今でも庭にタヌキの来るようなところに住んでいるからなかなかぴたっと来ないのかなというような気もいたしているわけでございます。
 だからといいまして、率直に言いまして、もう二十一世紀でございますし、そういう中で考えてまいりますと、心の豊かな文化的な生活を営むためには、やっぱりこの住宅というのは大変重要な位置を占めるわけでございます。そういう重要な任務を持ちながら、それこそ、この新機構に移っていくわけでございますが、住宅政策をこのような格好でそれこそ新機構に任せて大丈夫だろうかなと、そういう不安も正直ございます。
 特に、先ほど大臣も密集市街地のお話されたわけでございますが、三大都市圏といいますのは本当にまだ大変環境の悪い、住宅環境の悪いところが、地域がたくさんございますし、首都圏におきましても本当に大変住宅環境の悪いところ、たくさんございます。同時に、豊かになったといいながら、まだまだ住宅が一戸につき首都圏辺りは五十平米強でございますか、そんなまだわずかな状況になっているというようなことを考えますと、住宅政策というのはもっと力を入れないといけないというのも一方にございます。
 もう一方では、昔の住宅公団にいたしましても、私は特に景気対策には大いに貢献してきただろうと思うんです。例えば、賃貸住宅の集合住宅であろうと、戸建てのニュータウン開発であろうと、それぞれある意味では、景気対策から国も応援をしてそういう政策を進めていくというようなこともございましたし、そういう中で、もう一方では、もうニュータウンからは撤退しておりますが、それこそ、もう一方ではいろんな意味で本当に多くの貢献をしてきた。それが、実際の都市再生機構までの変遷図を見ますと実にどんどんどんどん変わっちゃっているんですね。
 昭和三十年の七月、日本住宅公団ができ、それからもう一方では産炭地振興事業団が三十七年の七月にでき、その後いろいろと変わっていき、また新たに昭和五十年九月には宅地開発公団ができ、宅地開発公団と日本住宅公団が一緒になりまして住宅・都市整備公団が五十六年十月一日にスタートした。そして、ついもう四年前でございますか、都市基盤整備公団に変わり、そして今度いよいよこの産炭地域振興事業団等々も一緒になって都市再生機構に変わっていく、このような状況なんです。
 世の趨勢だからやむを得ないといえばそれまでかも分かりませんが、それこそ、先ほど申し上げましたように、独立行政法人の都市再生機構の設立の流れを見てきますと、それこそ国の住宅政策をしっかりと推進してきたあの住宅公団事業が、民間にできることは民間へと、そういう行革の方針だけで私は後退しているんではないかなという不安も持っております。それこそ、今日、何か私はよく知りません、多くの皆さんが傍聴にも見えていらっしゃるようでございますが、国民の心配はここにあるんじゃないかというような気がするんです。
 新機構に本当に任せて、大臣、自信を持って立派にやりますよと言えますでしょうか、大臣。
○国務大臣(扇千景君) 今、山下議員からいろいろこの歴史も言われました。
 都市基盤整備公団が、少なくとも、昭和三十年に発足いたしましてから今までも、先ほども総裁が今日は来ておりますので御報告申し上げましたように、少なくとも七十五万戸、そして二百万人の皆さん方に利用していただいたということでは、私は戦後の住宅不足というものをこれによって解消し、なおかつ国民に夢を与えてきた、そして私は、そのことによって多くの皆さん方が利用されて、今日も脈々と皆さん方に愛されてきたということに関しましては、私は今おっしゃったとおりだと思いますけれども、少なくともこれで問題がなくなったかというと、そうではありません。
 先ほどからも吉田議員がお話ございましたように、世の中は高齢社会になり、あるいは少子社会になって、今までの居住の様式だけでは済まない、やっぱりバリアフリーもしなきゃいけないし、あるいは働く両親ということで託児所も設置できたようなものもしなきゃいけない。そして、何よりも、今までは衣食住ということの住に重点を置いて、居住環境がどうだったかというと、狭くて、そして環境も良くなくて、不便で、まああらゆるマイナス点もなきにしもあらずなんですね。それをやっぱり、今おっしゃったように、数さえ足りればいいという時代は私はもう二十世紀であったと思います。
 そういう意味で、先ほどからも吉田議員と御論議いただきましたけれども、私は、今、山下議員がおっしゃったように、不安を解消するとともに一歩前進しなきゃいけない、また前進して変えていかなければ国民の皆さんの要望にこたえ得ないと、公団としての役割も私は変わっていかなきゃいけないと思うんですね。そのために今回はこうして皆さん方に、新たに法案を出して、そして賃貸住宅の直接の供給からは撤退いたしますけれども、その撤退した中でも、私は、新法人は、都市公団と、なおかつ住宅政策上の重要な役割を引き続き担っていくと。
 先ほども総裁言っていました、自分たちのノウハウは、ノウハウをきちんと継承しながらという総裁の話もございましたので、私は改めて、大都市地域においては依然として不足しております今のファミリー向けの良質な賃貸住宅、これはさっき申しました、本当に手すりを付けたり、あるいは廊下の幅を広げたり、非常ベルを押したりというようなことも、二十一世紀型でしなきゃいけないということの改革は私は是非必要である、でなければ、何にもしないで今までの数だけでいいということではなくて、良質な改革というものには私は果敢に挑戦すべきだと思っています。
 そういう意味で、今自信があるかとおっしゃいましたけれども、少なくとも私は、賃貸向けのリニューアルだとか、あるいは建て替えに関してのバリアフリー化、そして高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備、そして老人福祉の施設とか子育ての支援施設というものを併設するということで、少子高齢化社会に対応するための我々は指導はあくまでもしていきたいと思いますし、今までのノウハウをすべて捨てるというには余りにも国民の皆さんに不安を与えますので、まず不安を与えないで二十一世紀型にするということは確実に指導するということを言明しておきたいと思います。
○山下八洲夫君 今、大臣がおっしゃったようなことは、例えば手すりを付ける、そしてベルを付ける、そして良質なファミリー住宅を提供する、これはなかなか民間にできないんですよ。公団だからやれるなというような気持ちで今私はお聞きしておりました。一歩前進さすというのであれば、民間がそういうものをどんどんどんどん提供していくと、それも安価でということになれば不可能になってくると。民間はいかにコストを下げて、手すりの一本もいかに節約をするかというのがやっぱり民間企業だというふうに思います。
 そういう中で、公団の役割といいますのは、それこそ住宅に困窮しました中堅勤労者のための集合住宅を造ったり、あるいは宅地の大規模な供給によるニュータウン建設等を取り組んでみえたんですね。確かに一定の役割は終わったかも分かりません。先ほども出ておりましたように、団地はかなり先行して国民の皆さんにすばらしい住宅様式を確立したと思うんですね。それはダイニングキッチンであり、それこそそういう中から住宅の様式や設備の導入、あるいは最近ではスケルトン住宅ですか、このような健康で文化的な、そしてすばらしく衛生的な都市生活のための牽引的な役割をしてきたと思っておりますし、今日もまだしていると私は思っているんです。そういうことを今後も新機構は継承していかれるんでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) これも先ほど私が申し上げましたとおり、今日も総裁が自分たちの今までのノウハウを生かしたい、そしてそれを民間の活力と民間の知恵と一緒になって前進するんだということを先ほども総裁も言いました。
 ただ、一つ私が今まで感じていることの中で、やっぱり高コストなんですね。そして、どんな資材も新しいものがどんどん出てまいります。けれども、一定のものを決めたら、枠でこれっていったら、これ使うんですね。私は、どんどん民間の人たちが新しい資材を使い、新しい材料を使い、そして低コストで、より便利なものというのは、世の中変わっているんです。けれども、やっぱりある一定の枠を決めますと、それを柱一本の何センチ変えるのにもすごい時間掛かるんです。私はそういう時代は過ぎたと思います。
 そういう意味で、私は、先ほど総裁が言っておりました自分たちの民間のノウハウ、そして困った人たちに低料金で繰延べをするというような、そういうサービスは今後もしていくけれども、私は見ておりましても、やっぱり新たな老人向けの対策というものも一歩前進し、なおかつ新機材を堂々と導入するというような、今までの公団の枠から私は一歩前進するという意味では、民間の活力を見るということがより私はコストダウンにつながるし、そして入る人は便利だし、こんなことがなぜしょっちゅうできないんだろうと、そういう歯がゆさも今まで感じております。
 そういう意味では、大いに反省しながら、なおかつ住まいのパイオニアとしてのノウハウというものを活用しながら私は提供できると。また、現実的にも横浜で少なくともボナージュ横浜というすばらしい福祉施設を完備したものを造っていますから、そういう意味では新たな第一歩という意味が、私はあらゆる機材の導入ということのコストダウンも図って民間と一緒になってできるという、私は大いな利点が今後開けてくると思っています。
○山下八洲夫君 確かに日進月歩で、新しい、すばらしい、例えば台所一つ取りましても次々といろんな部材が出てくると思いますし、またどんどん低コストになると思うんです。そのようなことが公団であれ機構であれ、新機構であれ、取り組めるようにしていくのが今までの責務だったんでありまして、それが硬直してできなかったというんであれば、そこを正していくのが一番大切なことだったろうというふうに私は理解をします。
 ここで、このようなことをいつまでもやっておれませんので、次に移りたいと思いますが、それこそ、地域振興整備公団は、その前身でございます昭和三十七年に設立されました産炭地域振興事業団から始まりまして、工業再配置促進や地域振興の役割を担い、地域づくりに大きな役割を果たしまして、地方の時代を築く七つの業務を持つ地域公団でございまして、この七つの業務を見ましても、中心市街地活性化とか、あるいは地方拠点振興とか、あるいは地方都市開発整備、そんな等々と、たくさんすばらしい業務を行っていらっしゃるんです。
 そういう歴史を持っているわけでございますが、やっぱり苦情を申し上げれば、若干天下りの弊害もあったかな、そういうところは正すべきでもあるだろうというふうに思いますが。ただ、先ほども申し上げましたように、行革やあるいは合理化計画、そういうことで、国土の均衡ある発展や地域住民の福祉等を確保するためには私はなくてはならない公団だなというふうに今もって思っているんです。
 それこそ、私のような田舎はこういうことは大いに来てもらいたいなというぐらいな気持ちを持っているんですが、それこそ、そのようなことにつきまして局長はいかがでしょうか。
○政府参考人(澤井英一君) 地域公団は、これまで三大都市圏以外の地域におきまして、地域社会の経済、文化等の中心としてふさわしい都市づくりを図るため、居住、商業、工業、流通、研究開発、教育文化、医療、福祉等の機能を備えた総合的な都市開発を推進するとともに、地方拠点法に基づく拠点地区や中心市街地法に基づく中心市街地において都市機能の更新を図る再開発を推進してきたところであります。
 これまでに全国約五千六百ヘクタールで事業を実施してきておりまして、これらの地区におきまして良質な宅地供給を行うことにより約六万六千人の定住に貢献するとともに、広島大学等の六つの高等教育機関が立地し、学生、研究者等が約三万人活動しておられ、さらに福祉施設、研究施設等の立地が図られているなど、地域振興に一定の役割を果たしてきたと考えております。
 これらの事業を実施してきた地域公団の地方都市開発部門が都市再生機構に承継されるという法案の内容でございますが、この承継に当たり、既存事業地区についてまず全般的な見直しを図ることとしております。
 まず五地区について、事業の中止、区域の縮小等の抜本的な見直しを予定しており、このうち一地区につきましては中止を決定したところであります。
 また、これら地区を含む全地区におきまして、例えば、同じような種類の工事を集約して一つの工事として発注するというようないろんな工夫をしまして工事費を削減すること、また販売促進の観点から公団とハウスメーカー等の民間事業者が一緒になって取り組むことによって販売促進をすることなどを含めまして販売の促進も進めていきたい。こういう現状の仕事の仕方の見直しをするということを今懸命に取り組んでいるところでございます。
 その上で、都市再生につきましては、地方都市におきましても、空き店舗の増加ですとか居住人口の減少等による中心市街地の空洞化、あるいは大都市だけでなく全国的に賦存いたします危険な密集市街地の解消、さらには鉄道等によって分断された市街地の一体化というような多くの課題があると考えております。
 こうした課題につきまして、都市再生機構は、地域公団としてこれまで培ってきました権利調整等のノウハウ、また公共団体始め各地域の経済界や企業、地域社会、住民の皆様などとの信頼関係、あるいは企業誘致につきましてかなり全国的なネットワークを既に形成しております。そういったものを生かしまして、コーディネートあるいは基盤整備を行うことによりまして、それぞれの地域の活力と個性を生かしたまちづくりのお手伝いを今後ともしてまいるということでございます。
○山下八洲夫君 今、局長、随分すばらしいことをたくさんおっしゃったんですが、やっぱり失敗例もたくさんあるんですね。それを私は触れたいんですけれども、時間がありませんから、サービスして、この失敗例は割愛しますわ。長岡のニュータウン始め、たくさんあるんですけれども、割愛します。
 そういう中で、都市整備事業団と地域振興整備公団の地方都市開発機構部門が一緒になるんですね。そして、今日まで多くの役割を果たしてきておりますし、しっかりと新機構も継承して、十分行ってくれるだろうと私は確信をしているんです、ある意味では。
 ただ、そこで大事なことは、新法人の移行によりまして、それこそ、これまでしっかり維持されてきた精神や技術、あるいは公団職員の雇用の安定を含む良好な労使関係なども当然継承されていくというふうに思われますし、またこういうことも大変大切だと私は思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(河崎広二君) ただいま先生から御指摘がありましたように、都市公団並びに地域公団から都市再生機構への移行が円滑に行われる、都市再生機構がその役割をしっかりと果たしていくためには、現在両公団に雇用されております職員の方々が安心して働き、これまで培ってきたノウハウを十分発揮していただくことが大事であるというふうに考えておりまして、新法人の移行時に両公団との雇用契約や労使関係が新法人に円滑に承継されることが必要であるというふうに考えておるところでございます。
 特に、特殊法人等整理合理化計画、一昨年の十二月の合理化計画におきましても、特殊法人等で現在働いている職員の雇用の安定に配慮するということが示されておるということもあるわけでございます。
 そこで、このため、本法案におきまして、こうした雇用関係も含めまして、現在都市公団並びに地域公団の地方都市開発整備部門が有する権利義務関係につきましては新法人が承継するという規定を整備をしておりまして、これにより雇用の安定が図られるよう措置したところでございます。
 したがいまして、就業規則でありますとか労働協約、労使慣行など、現在両公団に雇用されている方々の雇用の安定、労使関係の承継につきましては基本的に保障されるというふうに考えているところでございます。
○山下八洲夫君 是非、新しくまたスタートをするわけですから、そこで働く職員の皆さん方が安心して、そして積極的に働ける、そういう職場環境にしていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 そして、新法人に移行しまして、設立後大体千人ぐらい人員の削減を行うというようなことになっているようでございますし、衆議院でもそのような答弁がなされているわけでございますが、この人員の削減方法というのはどのような方法でなさるのか。また、五千人規模が、今四千七百人ぐらいでございますかね、現在五千人規模が四千人規模になっていくということになってきますと、それこそ人員が削減されて、今までの事業がしっかりと展開されて、そして支障がなくより発展していく、そういう配置が可能なんでしょうか。
○政府参考人(河崎広二君) 今回の改革は、業務の見直しということもございますが、一方で簡素で透明なあるいは効率的な行政組織を実現をするという行政改革の一環として行われるという趣旨もございます。したがいまして、新法人の設立に当たりましては、都市再生に集中する観点から徹底的な見直しを行い、定員につきましても、五千人というのは整理合理化計画策定時点、平成十三年度の定員でございますが、両公団を合わせて五千人から、新法人設立後の五年後までに約千人の削減を実施するということを考えているところでございます。
 このための具体的な削減計画につきましては、今後、新法人発足に当たりまして策定される独立行政法人通則法に基づく中期目標あるいは中期計画の策定作業の中で検討していくということでございますが、新法人においても雇用の安定というものに十分配慮しながら計画を考えていかなきゃならないというふうに考えております。
 そこで、現段階においてでございますが、現に雇用している方々に退職を求めたり、あるいはその意に反して退職をさせるといったような事態が生じないように配慮しながら、例えば定年退職等による退職者の不補充でありますとか、あるいは新規採用の抑制と。例えば来年度は取りあえず新規採用をゼロにするということになっておりますが、そういったことが想定されるところでございます。
 それから、人数が減って業務の執行は十分やっていけるのかというような御指摘でございますが、やはりその中で簡素で効率的な組織を作っていくということも一つありますし、また現在やっております事業についていろいろ見直しを行いまして、例えば外部委託を促進をすることによって本体の業務のスリム化といったようなことも努力をしていかなきゃいけないということ、また、これはもうあれでございますが、業務の見直しで当然縮小する事業もございますので、それに対する人員の抑制ということで対応できるという点もございますので、都市再生機構におきまして、そうした定員削減の中で十分事業が展開されるようにいろんな工夫をしながら対応していかなきゃならないというふうに考えているところでございます。
○山下八洲夫君 正直申し上げまして、先ほど答弁の中で来年は新規採用ゼロというような御発言ありましたが、私は、自然減の半分ぐらいは新規採用を入れていくということをしないと、長い目で見ますと人事のひずみが必ず起きるというようなことになってきまして、またそこからおかしくなっていくきっかけにもなりますので、これは要望しておきたいと思います。
 そういう中で、ちょっと急いで質問させていただきたいと思いますが、都市再生機構が用地を整備して民間に用地提供を行い、そして民間による良質な賃貸住宅の供給を支援することになる。先ほど良質なファミリー住宅等々のお話が大臣からもあったわけでございますが、良質な賃貸住宅というのは先ほど大臣がおっしゃったようなことを指すのかなと思いながら聞いておりました。それはそれでもういいでしょう。答弁要りません。
 そういう中で、もし新機構の敷地で賃貸住宅を経営する民間事業者が倒産した場合、どのように新機構は対応するんでしょうか。
○参考人(那珂正君) お答えいたします。
 基本的には、当該民間事業者が健全な賃貸住宅経営を行っていただいて、倒産というような事態に至らないよう期待しているわけでございますが、そのため、最初に民間事業者の募集、選定に当たりましては、その事業者の賃貸住宅経営に関する知識、経験、あるいは資力、信用、また賃貸住宅経営の状況について十分審査いたしまして、その実施能力を有しているということを確かめた上で選定することとしておりますし、併せてまた、事業者が提出する事業計画書において管理とか経営等についての計画を出してもらっておりますが、それについても適切な、それに基づく適切な事業運営を求めているわけでございます。
 しかし、万が一、先生御指摘のように、その民間事業者が倒産するなどの事態、事業撤退というような事態となる場合には、いろいろな対応が考えられるわけでございますが、公団が承諾できる他の民間事業者にその賃貸住宅をお譲りいただくというのが最も現実的な対応だと思いますので、新機構もそのようなことがスムーズに実現できるように、側面からいろいろ支援すること等によりまして、決して入居者の居住の安定に不安を与えるようなことはないようにしていきたいと思います。
○山下八洲夫君 幾ら今御答弁されるようなことをおっしゃっても、大手の銀行にしたって、大きな生保にしたって、あるいはゼネコンにしたって、いつ倒産するか分からない、このような状況でございますから、事前に幾ら立派であっても、その後、もしというときに、その後のフォローの方が私は大事だと思うんです。そうしないと、そこへ居住なさっている住民が一番困るわけでございますから、その辺は是非しっかりとお願いしておきたいと思います。
 そういう中で、本当は居住者のことを、見えているから、質問したいなと思うんですけれども、一つだけ簡単に質問しますと、それこそ公団に居住している皆さん方の居住の安定確保、このことが一番大切だと思うんです。
 特に、建て替え後、それまでに入居をされておりました皆さん方がやはり家賃の据置措置なんかでまた戻ってこれる、こういう環境を作ることが大切だと思いますし、そういう皆さん方はそれこそコミュニティーももう持っていらっしゃるわけですから、そういうものも維持していかないといけない。これがやっぱり公共的に責任のある機構が行うべき任務だと私は思うんです。
 何か全国自治協のアンケートを見ますと、どうも世帯主が六十歳以上の方はもう四九%公団住宅にお住まいになっている、あるいは平均でいきましても六十歳以上がもう三〇%から居住なさっていると。かなり高齢化も進んでいるということであれば、そう簡単に建て替えもいかないと思いますし、コミュニティーも相当できていると思いますし、高齢になれば収入も落ちてくるでしょうし、いろいろな面で私は相当フォローしていかないといけないというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○参考人(中田雅資君) 公団の建て替え事業につきましては、居住水準の向上と敷地の適正利用を目的として現在まで行ってきたところでございます。これまでに約九万八千戸に着手いたしまして、五万八千戸供給しているところでございます。
 特に、その実施に当たりましては、居住者の居住の安定というふうなことで、仮住居の提供、それから戻り用の住宅の確保、公営住宅へのあっせん、それから移転料の支払、それから家賃減額措置等を行っておりまして、これらについて説明会を開催して周知するとともに、時間を掛けて個々の相談にきめ細かく対応しているところでございます。
 また、従来からの良好なまちづくりの視点に立って、地方公共団体との連携を図りながら、周辺の市街地を含む一体的なまちづくりに必要な公共施設の整備、それから地域生活拠点に資する社会福祉施設、それから生活支援施設等の整備、それから地域の住宅需要に応じた多様な住宅の整備、そういうことを併せて実施しているところでございます。
 ということで、この機構になりましても、これらの居住の安定や良好なまちづくりに必要な措置は継続してまいりたいというふうに思っております。
○山下八洲夫君 納得はしないんですが、時間がありませんので、次へ進めさせていただきたいと思います。
 若干、新機構の業務内容について一、二点、お尋ねしたいと思います。
 新機構の業務内容でございますが、ニュータウン建設といった郊外での住宅や宅地造成はもうやらないと。既成の市街地で、大規模な工場跡地とか密集市街地で民間が再開発を進めるための条件整備ですね、条件整備に重点を絞って民間業者を誘導する、このような考えだと思われるんですね。
 まず、この条件整備の業務の内容なんですが、コーディネート業務がそのうちの一つになると思われるんですが、この内容を見てまいりますと、事業計画の提案、権利者間の調整、関係行政機関との調整など、そのようなことをなさるというふうになっています。その中にマンションの建て替え事業支援も、マンションの建て替え事業支援ですね、これも当然私は含まれていると判断しますが、それで間違いございませんでしょうか。
○政府参考人(河崎広二君) これはもう言うまでもないことでございますが、我が国の分譲マンション、昭和四十年代後半から大都市を中心に急速に普及をいたしておりまして、平成十三年度末で約四百六万戸供給されているということで、今後、老朽マンションあるいは狭小マンションの建て替えというのが大変大きな課題になってくると。それで、マンション建替え円滑化法といった法律も施行されているというところでございます。
 この場合、多数の権利者により区分所有されているマンションの建て替えを実現するということは大変な問題がありまして、大多数の権利者が建て替え前のマンションの問題点でございますとか建て替えに必要な費用負担、あるいは建て替えの実施方法について理解をし、了解をしていくことが大事になってくるわけでございます。
 このため、建て替えの実施に当たりましては、住宅建設とかあるいは権利調整の業務に精通した者が適切にコーディネートするということが効果的になるということでありますので、マンション管理組合等からコーディネートの委託がございましたら、機構といたしましても受託業務として支援をするということが大事だなというふうに考えているところでございます。
 ただ、この場合、マンション単体の建て替えの場合には現在でも民間事業者がかなり対応される場合がございます。したがって、余りしゃしゃり出て、民間、民業圧迫だという御批判を受けることのないようにしなきゃいけませんが、ただ、マンションの建て替えの場合にも、周辺の市街地整備と一体的に行うといったような場合にはなかなかこれは民間では難しいという点がございますので、そういう場合には機構が積極的な対応をしていくということが必要になろうかというふうに考えています。
 いずれにしても、御指摘のような事業も機構のコーディネート業務に含まれるというふうに考えているところでございます。
○山下八洲夫君 昨年、マンション建て替え事業を支援するためのマンション建替え円滑法及び区分所有法が改正されたわけです。既に施行されているわけでございますが、建て替え組合の設立など事例はどうなっているか、分かる範囲で教えていただきたいと思います。また、国交省へそのような相談が、私の聞くところでは二十五件ぐらいあると聞いているんですが、あると思うんですが、その相談内容はどのような相談内容か、もし披瀝できたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 御指摘のように、マンション建替え円滑化法が昨年成立いたしまして、十二月に施行されたところでございます。したがいまして、まだ現在のところ組合の設立というようなところまで至った実例はございませんが、既にこの建て替えの組合設立まで、準備に入っているということで相談をしに来ている件数が数件あるということで、年内に組合設立を予定しているものがあるというふうに聞いております。
 それから、事業推進上の問題がございますけれども、一般的に言われておりますのは、民間のマンションにつきましては、容積率に余裕がないというようなこと、それから権利調整あるいは補償について同意がなかなか得られない場合がある、それから自己資金が少ない権利者がいる、建て替えに伴う費用がなかなか負担ができないというようなことがあるというようなことが言われております。
 したがいまして、これに対応する支援策を用意しておりまして、優良建築物等整備事業というのがございまして、設計費、建物除却費、廊下、階段、エレベーター等の共用部分の整備に対する補助、それから借家人等の転出者の居住安定措置として公営住宅への優先入居だとか、あるいは従前居住者用住宅の整備に対する補助、あるいはそれに対する家賃対策補助、それからお年寄りのために金融公庫融資の中に死亡時一括償還制度というようなものも用意をいたしまして、建て替えに向けた合意形成がやりやすくなるような措置を講じているところでございます。
○山下八洲夫君 時間がありませんので、二つまとめてちょっとお尋ねしたいと思いますが。
 密集市街地の整備やマンションの、マンション等共同住宅建設に伴う再開発事業は、建て替えの組合設立前は資金が大幅に不足しているんです。そういう中で、機構のコーディネート業務でこれをカバーすることが可能なのかどうか、これが一点です。
 それから、国交省は、資金の手当てについて、制度的には優良建築物等整備事業などの補助を準備しているようなんですね。地方公共団体での制度整備が遅れているために実効性がほとんどない状況になっていると思うんです。例えば、最高で一戸につき三十五万円の優良建築物等整備事業の補助金が付くと。だけれども、国が三分の一、東京で申し上げますと、東京が三分の一、そして区が三分の一。それぞれ三分の一ずつ、そういう状況なんです。だけれども、東京都にこのような制度がなければ活用できないんです。それについては早急に改善してもらいたいと思いますし、もう改善されているんなら結構な話ですが、それについて簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 確かにマンション建て替え、初動期の資金が必要だと。特にコーディネーター、コーディネート費用というものが必要になりますけれども、公団のコーディネーター、コーディネート機能ですね、これをうまく活用するというケースがないかということもお尋ねだと思いますが、通常、マンションの建て替えというのは言わば自助努力で行うものでございます。したがいまして、公団がその費用を負担してコーディネート業務を行うということは基本的にないと思いますが、少なくとも委託を受けてコーディネート業務を行うということはあり得ると思います。
 ただ、そのときに、国土交通省としては組合サイドに対する補助制度を用意しておりまして、それによって組合の側の負担が軽減されるようにしていきたい、その結果として公団が委託を受けるということはあるというふうに思います。
 それから、お尋ねのように、マンション建て替えを進めていく上に公共団体からの先ほど申し上げましたような様々な補助制度を用意しておりますけれども、例えば、御指摘のように、東京の場合には都と区が両者で補助をするというケースがあると聞いております。したがいまして、国が補助をするときに、都だけでなかなかできないというケースもあって、区でそういう補助制度を整備して出していただかないとなかなか都もできない、結果的に国もできないということがあり得るわけです。
 したがいまして、そういった事例が出てきて、まだ整備されていない区があるということであれば、私どもとしてもそのような区に対しても補助制度の整備をしていただくように強力に働き掛けていきたいというふうに考えております。
○山下八洲夫君 是非働き掛けていただいて、早急に改善できるようにしてもらいたいと思います。
 都市再生緊急整備地域についてお尋ねをさせていただきたいと思います。若干飛ばします。
 都市再生特別措置法の第二条に基づきまして都市再生緊急整備地域が指定されました。第一次指定が十七地域、第二次指定が二十八地域ですが、このような指定地域は政府が特に緊急でかつモデル地区として力を入れていると思うんですね。条件整備を法令の運用や資金面など、総合的、弾力的に推進するわけだと思うんです。
 その中には、国や地方公共団体と当然連携するだけではなくて、新機構も積極的に参入するというふうに私は判断いたしますが、それでよろしいですか。
○政府参考人(河崎広二君) 都市再生機構の業務を行う区域は、特に都市再生特別措置法に基づく緊急整備地域に限定されているわけではございませんが、ただいま先生御指摘ありましたように、この緊急整備地域というのは、国家的な観点から見て都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域であるということで、特に国が自ら指定をするということで、国策として推進をしているものでございます。
 また、現在指定されている緊急整備地域の中には、都市再生機構が主に業務の対象と考えております例えば臨海部の工場跡地の土地利用転換が必要な区域でありますとか、あるいは防災上、危険な密集市街地というものが大変多く含まれているところでございます。
 こうしたことから、国の機関としての都市再生機構でございますので、緊急整備地域内の都市再生を図るプロジェクトについては積極的な役割を果たす必要があると考えておりまして、いろいろな事業、市街地の整備に係る幅広いコーディネート業務とか、あるいは関連公共施設の整備、あるいは区画整理、再開発等による敷地の整備、細分化した土地の集約整形化といった民間の開発の条件整備というものに積極的に取り組んでいくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○山下八洲夫君 これは都市再生緊急整備地域の指定なんですね。都市再生緊急整備地域、第一次指定が十七地域で三千五百十五ヘクタールですか。東京都を見てまいりますと、七地域、二千三百七十平米。東京駅・有楽町駅周辺地域を始め、二千三百七十ヘクタールといいますと、市街地、密集市街地が大体二千ヘクタールでございますから、これよりちょっと多いというような状況で、ここはオーバーラップしているところも多少はあろうかと思いますが、また違ったこれも緊急性を持っているというものが東京で七地域指定されているんです。その面積が二千三百ヘクタールと、こういうふうになっているんですね。
 そういう中で、平成十四年にマンション建替え支援二法が成立したことは先ほども申し上げたんですが、再出発の協議がいろんなところで始まっているんですね、この法案をきっかけにいたしまして。マンション管理組合やマンションの住民は、前は、バブルのころは等価交換でやりたいというような気持ちがあったんですけれども、今はもう等価交換、大変もう無理だ、もう等価交換でなくてもいいと。自己資金は少々持ち出してもいいから、今やっていらっしゃる、指定されたこの再開発と一体となって建て替え事業推進を望んでいるところもかなりあるんではないかというふうに私は感じます。
 そして、せっかく再開発と一緒にやれば、今直ちに建て替えしなくてもいい、まだあんまり古くなくても、この際、一緒に都市再生に寄与していけば、まちづくりに住民も参加をした、そしてまたマンションも建て替えた、そういうことで、いろんな面で町並みもきれいになる、その町に合わせてまた建て替えを行うというようなことになってきますので、是非そのようなことについて、そのような事業を進めようとするところに応援してもらいたいなというような気も私はするんです。
 そういう中で、特に国交省やあるいは機構はそのような気持ちを持ったところにどのような解決策やあるいは支援策をお持ちなのか、それぞれお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) お尋ねのケースのようなマンション建て替えと、それから周辺を含んだ再開発といいますか、単にマンションの単体の建て替えではなくて、周辺の市街地整備を緊急にしなければいけないというような、一体として例えば市街地再開発事業を実施するという必要があるというようなケースのかなり公共性が高い事業の場合には、新しく機構が市街地再開発事業を実施する、あるいは組合再開発の場合に参加組合員として参加するとかいう援助の仕方があると思います。
 当然、市街地再開発事業として実施される場合には、設計費、除却費、それから建物の整備費の一部補助、あるいは従前居住者用の賃貸住宅の整備に対する補助、家賃対策補助、公庫融資の死亡時一括償還、都市居住再生融資といったものがございます。こういったものをフルに活用していくということが可能ではないかというふうに思います。
○参考人(那珂正君) ただいまの政府参考人の答弁にもありましたように、そういうお尋ねのようなケースでは、当公団ないし新機構は積極的に民間事業者あるいは民間地権者の方々の再開発事業を立ち上げるために取り組んでいくつもりでございます。
 今のような場合は、とりわけやはり当該マンションの管理組合のメンバーの方々含めた周辺の地権者、あるいは参加する事業者の方々のみんなの合意形成をまず図っていくということが何よりも肝要かと思いますので、そういう合意形成に向けたコーディネートということが、負担の問題は別にいたしまして、それは是非そこからまず始めるということが一番重要だと思います。
○山下八洲夫君 マンション建替え法の改正で、それこそ五分の四の賛同者で議決がオーケーになったわけでございますから、そういう意味では環境も随分良くなっていると思います。
 この地図を見ますと、都市再生緊急整備地域、第一次指定の東京都のを見ますと、例えば秋葉原・神田地区、ここにも随分古いマンションがたくさん建っておるなと思いますし、環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地区、この辺りもマンションだらけですよ。古いのたくさんありますから、そういう希望者がどんどん増えてくると思うんです。是非、機構といたしましても最大限の積極的な協力をしていただいて、きれいな町並みを一日も早く一緒になって作っていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 もう時間がありませんので最後にさせていただきたいと思いますが、都市公団のコーディネートの役割がそういう意味で大変重要になっていると私は思います。公団には土地有効利用事業もありますが、新機構になってもその事業は、その業務は当然引き継がれて、当該地方公共団体との協力も含め、再開発事業の実現にどのような指導的な役割を果たされるんでしょうか。特に、土地有効利用事業、この辺についてお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○参考人(那珂正君) 土地有効利用事業の再開発事業等についての活用についてのお尋ねでございますが、この事業は、四大都市圏にあります細分化土地とか工場跡地などの低未利用地の土地を民間単独では有効利用できないという場合に、公団が取得して整形集約化し、あるいは基盤整備を整備したりして、民間に更地で譲渡するということを原則としている事業でございます。
 具体の土地の取得に当たりましては、周辺地域の地権者の意向とか権利関係などを含めた調査を行いまして、その土地が本当に有効利用できるかということを十分、価格なんかも肝心な点なんですが、十分見極めた上で買うこととしております。
 したがいまして、お尋ねのようなケースで、再開発事業にこの土地有効利用事業を有効に使うというような場合におきましても、今申し上げました取得条件に見合うかどうかというようなものを見極めた上で取得して、その上で地方公共団体や関係権利者の方々と地域全体の再開発あるいは区画整理等の市街地整備事業をどういうふうに進めるかということを十分合意形成を図りながら進めていきたいと思います。
○山下八洲夫君 終わります。
○委員長(藤井俊男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、独立行政法人都市再生機構法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。私は出身は富山県でございまして、富山県の方はおいでにならないと思いますけれども、もし親戚がありましたらよろしくお願いいたします。
 そこで、午前中は山下委員の方からこの整備公団の歴史が語られまして、そしてそのたびにやっぱり国民の期待、そしてその時代時代に合った役割、こういうものを担ってきた、私もそれは大変すばらしいことだというふうに思っております。
 そこで、ちょっと歴史を見ましたら、平成十一年の六月八日に、第百四十五回の国会、そして当時、国土・環境委員会で議論が交わされております。そのときに、新しい整備公団になるに当たって附帯決議が付けられております。その附帯決議を改めて読ませていただきましたところ、そこに住んでおいでになる方々、それからそこに働いている方々、そして委員の皆さんも、気持ちの上では新しい都市基盤整備公団しっかりやれ、頑張れ、応援するぞ、こういうような附帯決議が付けられております。
 そして、二年たちました平成十三年の、一年半ですが、十一月二十七日の一時から開かれました委員会において私が質問をさせていただきました。それはどういう質問かといいましたら、突然行革推進本部の方から金融公庫、道路公団、そしてこの都市基盤整備公団、そしてほかの公団も含めて扇大臣に総理の方から、正にトップランナーとして行革の先頭に立ってもらいたい、こういうメッセージがその日の朝に出されました。私は、それを受けて質問をさせていただきました。そのときに、大変失礼でしたけれども、伴総裁にもお見え、来ていただいて、そのときの心境あるいはこれからの自分の気持ち、そしてどうやってそこに二百万人の皆さんの気持ちを、新しい、もしこうなった場合ということを含めてその意気込み、心意気を話していただきました。そのときに扇大臣も、心底そこに住んでおいでになる方、今そこで頑張っておいでになる方、そしてこの後も住み続けたい、そういう方々のことを思いながら自分の考えを述べておいでになります。その述べておいでになる言葉の中には、なぜ私だけがこんなつらい目に遭うのというようなものも少しはにじみ出ておりました。それが今度新しい法律になって出てきたところであります。
 その新しい法律になる前にどういう葛藤があったか、それもちょっと見させていただきました。それは、行革推進本部が作った事務局案、これに対してこれまでの歴史やこれからの心配、あるいは大臣がおっしゃいますように、そこに住んでおいでになる方々の心を一番大切にしたいという、そういう思いから事務局案といわゆる所轄官庁の意見がまともにぶつかり合って、そして一歩も引けないような状況。しかしながら、今の日本を考えたときに、行革というものも大事だ、あるいは小泉総理がおっしゃる構造改革も大事だ、そういう中にあって新しい組織というのはどういうことなのかというものが意見がぶつかり合って出てきて、それがこの法律だと私は思っております。
 そういう意味では、この法律を残念だ、勝った、負けたで論ずるよりも、これからそこに住んでおいでになる方、あるいは住もうと思う方、そしてそこで頑張って新しい町を作ってきた、こういう自負心や心意気に是非こたえるような、そういう新しい機構に私はなっていくべきだというふうに思います。
 そこで、質問に入らせていただきますけれども、この小泉総理が言う特殊法人改革する必要がある、いろんな問題点がある、また第三者機関、いろんな委員の先生方の意見などもたくさん出てまいりました。そこで、今この時点になって都市基盤整備公団として抱えている問題点、それからやはりこうしていくべきだった、いや、こうしてこれからはいくべきだという、そういうしっかりとした自覚、こういうものが私は今この法律を議論するには必要だというふうに思いますので、まず都市基盤整備公団の今抱えている問題点、そしてその自覚を持って将来どうするかということを聞かせていただきたいと思います。
○参考人(古屋雅弘君) 今回の特殊法人改革の様々な議論が行われる過程におきましては、私どもの総裁も、また大臣の御配慮もいただきまして、現在の公団住宅にお住まいの方々の居住の安定ということ、それからいろんな事業を各地で展開しておりますけれども、関係権利者や関係自治体と大変緊密な信頼関係を築いてやってきておりますので、そういったものに十分配慮した、目配りをした改革、議論を深めていただくようにお願いをしてまいったところでございます。
 それで、先生お尋ねの件でございますけれども、都市公団は、前身、日本住宅公団、昭和三十年に発足しまして、当時住宅不足が二百七十万戸にも及んでおりました。その後、高度経済成長期を通じまして大都市地域等におきまして良質な住宅宅地の大量供給、あるいは拠点的な再開発事業を実施し、また近年では阪神・淡路大震災に見られますような震災復興事業、あるいは土地の流動化に資するような土地有効利用事業といったようなことを展開してまいりまして、大都市の住宅事情の改善あるいは都市対策にも大きな貢献をさせていただいてきたんではないかというふうに考えております。
 これまでに二度の改革を経まして、私どもの事業もいろんな新しいニーズに対応した転換を図ってまいりました。例えば、既成市街地への業務の重点化でありますとか、分譲住宅業務からはこれを撤退をするといったような政策課題に対応する業務の見直しを行ってまいったわけでございますが、近時、大変都市問題が外延的な、人口とか産業の集中の受皿として外延的な拡大を図っていくというよりは、都市内の再生をどうやって図っていくかということが非常に大きな政策課題として浮上をしてまいった、それに応じて我々の役回りというものもやはり見直していかなければならないんではないか。
 それから二点目に、民間にできることは民間にゆだねるといったような基本方針の下で、やはり私どもの事業を通じて、仕事を通じて民間の潜在的な能力が最大限引き出されるようなやり方というものを考えなければならないんではないか、こういう御要請もございました。
 それから、さらに、独立行政法人制度というものができまして、より一層業務の透明で効率的な執行体制を整えるような、そういう組織形態という形もできましたので、そういったことを踏まえまして、今回、都市再生に民間を誘導するための独立行政法人を設立するというふうに至ったものと理解をさせていただいております。
 それで、この都市再生の仕事でございますけれども、言うまでもなく大変我が国の内政上の最重要課題の一つでございます。ただ、民間ですべて行えるかというと、大変権利関係がふくそうした地域におきまして、敷地の整備でありますとか公共施設の整備といったような基盤の整備をしつつ、民間ではなかなか短期間で取れないリスクを私どもが分担をしていくといったような役回りというのが依然としてあるわけでございまして、この辺につきましては長年のノウハウ、公的機関としての信頼性を得ているというふうに思っておりますので、こういった経営資源に一段と磨きを掛けてまいりたいと思います。
 ただ、今まではどちらかというとプロジェクトの立ち上がりから最後まで一気通貫で、自らフルセット型でやってまいるというのが典型的な仕事の進め方でございましたけれども、同じ投資量の中でも最大限に民間の力を引き出すという意味で、プロジェクトの各段階に応じまして最適なメニューで臨機応変にバックアップをしていくという形に変えていくことが求められているんではないかというふうに考えております。
 また、公団が建設をいたしました賃貸住宅につきましては、今回の法案の中でも継承させていただきまして、機構に継承いたしまして、その安定的な確保を図るという位置付けをさせていただいております。私どもとしましても、入居者の方々の居住の安定というものに最大限の配慮をしつつ、住宅政策上の課題に対応した有効な管理、適切な管理というものを展開してまいりたいというふうに考えております。
 なお、先生、課題ということを御指摘いただきましたので、一言触れさせていただきますと、公団が実施してまいりました従来事業の中には、機構として今後、機構が実施する意義が薄れているということで廃止をしようという事業が少なからずございまして、例えば郊外部のニュータウン開発等につきましてはそういうものと位置付けられておるわけでございますが、これは大変厳しい経営環境下にございます。私どもとしましても、抜本的な見直しを行うなどしまして、こういう継続事業の早期完了に道筋を付けていくことが大変重要な課題ではないかなというふうに思っております。
 また、最後に、経営面につきましては、独立行政法人という組織形態の下で、今まで以上に透明で効率的な経営を図るということが求められているものと考えておりまして、このため、スリムな体制の下で業務運営の一層の効率化を図りつつ、国民の皆様方に提供するサービスの質の向上に最大限の努力を果たしていきたいというふうに考えております。
○谷林正昭君 今、理事の方からるる御説明がございましたが、大体そういうものは法案を読めば、私、分かっています。分かっています。
 やっぱり内面の部分をもう少しお聞きしたかったなというふうに思いますが、例えば、今、居住の安定ということをしっかりやっていきたいという話がございました。行政改革委員会の事務局案では、民間でできることはできるだけ民間にゆだねる、こういう原則の下に、新しいものは作らない。そこでもう一つ最後に付け加えていたのは、また、既存の賃貸住宅については、可能なものから、順次、売却するなど業務形態を見直す、こういう事務局案が出てきたんですね。
 それに対して、この事務局案が出てきたときに、そこに住んでおいでになる方は、私たちが住んでいるところがどこかへ売っ払われてしまって、じゃ、私たちこれからどうするのという気持ちにこのときはなったんですよ。しかし、そこでいろんな方々が議論をしながら、それじゃ駄目だと、やはり建て替えということも事業の中に入れていくべきだというところに今来ているんですよ。そういうことを考えたときは、私は、ただ一口で居住の安定という言葉ではなくて、もう少し心ある答弁をいただきたかったなというのが私の感想でございます。
 一方、今度一緒になります、いわゆる地域公団と言わせていただきますけれども、この地域公団、これまで幾つもの事業をやってまいりましたが、その一部をこの都市基盤整備公団と一緒に新しい新機構になるということになっております。今日はその地域公団の方からも来ていただいておりますので、その問題点、そしてお気持ち、自覚、こういうものを聞かせていただきたいと思います。
○参考人(林桂一君) 地域公団は昭和四十九年に発足しておりますけれども、それ以来、地域振興の観点から、良好な環境を備えた総合的なまちづくりを進めてまいったところでございます。
 そういうことで、私どもは地方都市開発整備事業と言っておりますが、こういう事業を現在までに二十三地区、約五千六百余の、五千六百ヘクタール余の事業を実施しているところでございます。この成果といたしまして、いろいろございますけれども、地域の実情に応じたモデル性あるいは先導性の高い良質な都市基盤の整備あるいは宅地供給が行われたと自負しているところでございます。
 具体的には、例えば六万六千人の方々が定住するコミュニティーが築かれております。また、産業業務機能を導入することによって約二万六千人の新たな雇用の創設も図られました。また、広島大学等の六つの高等教育機関を誘致しておりまして、現在、ここで約三万人の学生あるいは研究者が学んでいるというようなことでございます。
 そのような成果を得ておりますけれども、また一方、現在の状況を考えますと、昨今において特に全国的に地価が低迷しているというような状態、また地域の経済につきましても活動がやや停滞しているという状況がございます。そこで、すべてではございませんが、特に宅地需要が長期的に低迷している地域におきます一部の事業においてはそれが長期化してきているというケースも見受けられる等、公団の事業の取り巻く状況が厳しいものになっているということが一方であるわけでございます。
 こうした中で、事業の公共性あるいは公益性、先ほども申しましたような点については十分発揮しながらも、同時に、統合の合理化を積極的に進めていく必要があるということで、平成十三年十二月の閣議決定でも特殊法人等の整理合理化計画が示されておりますが、こういった計画に従って、個別事業の見直しを進めながら、一方、全体的にも事業コストの縮減あるいは分譲の促進に全力を尽くすということで、採算性の向上、事業の早期完了化というようなものを図っていきたいと考えておるところでございます。
 さらに、今後のことを考えましたときには、今後の都市再生の大きな課題にどう対応するかということであると思いますが、地方の都市におきましては、稚内から石垣まで、全国にわたる都市再生が求められるというような現状の中で、特に地方都市につきましては、具体的には、中心市街地の空洞化とか、あるいは場合によりましては鉄道等による市街地の分断等のいろいろな問題、共通する課題を抱えているわけでございますが、これらの課題に対応しながら、特に地域の特色を生かしまして、個性的なまちづくりを進めることが肝要であるというふうに思っています。
 地域公団としましては、これまで培ってまいりました地方公共団体とか地元の経済界あるいは地域の住民等の方々との信頼関係というものも相当あると思いますし、また企業誘致に関しましては全国的なネットワークというものを持っております。さらに、都市基盤の整備につきましては技術力とかあるいは権利調整におきますノウハウというようなものもございます。そういうものを一つの貴重な財産と考えておりますが、こういった貴重な財産を職員すべての共有の財産といたしまして活用して、新法人へ引き継ぎ、地方の都市再生を進めていきたいと、いく必要があるのではないかと、そういうふうに考えているところでございます。
○谷林正昭君 非常に厳しい状況で、そして何かスリムにしていかなければならないというような御答弁だったように私は思います。ちょっと気合い足りないんじゃないですかね。もうちょっと気合い入れて、少し頑張っていこうという思いが私は欲しかったなというふうに正直言って思います。
 そういうことを含めまして、そこで、国土交通省にお尋ねいたしますが、先ほど、午前中の質問の中にも新機構への出資金、補給金、補助金どうなっているのかというような質問もございましたが、過去の、十五年度でしたっけ、出資金、補給金、補助金合わせて一千三百三十七億という御答弁がございましたが、今度は新機構になったときに、この一千三百三十七億プラス十六億、これよりも十六年度予算は増えるのか減るのか、ここが一つポイントだというふうに思います。その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(河崎広二君) 機構への出資金、補給金、補助金ということでございまして、今、先生から言われましたように、午前中も吉田先生の御質問にお答えしたわけでございますが、これからの機構は民間による都市再生が推進されるように、民間の新たな事業機会を創出する、あるいは民間の潜在能力を引き出すための誘導業務、条件整備を行うということになっておりますので、具体的な業務といたしましては、収益性があって民間による実施が期待されるような業務からは撤退をいたしまして、密集市街地の整備とかあるいは大規模な工場跡地の土地利用転換といった非常に時間の掛かる、あるいは収益性が余り高くないものが中心になるわけでございます。したがいまして、これを着実に実施していくためには、そうした公的な役割に応じた出資金、補助金あるいは補給金といった国費投入というのはこれからも非常に大事だというふうに思っております。
 これは、公共的な、公共性の高い事業をこれから専らやっていくんだという観点から、今後とも国費の確保というのを努めていかなきゃならないというふうに考えているところでございます。
 量的なものを考えるときに、一方で新法人の業務を見てまいりますと、今回の業務見直しの中で、ニュータウン事業とか賃貸住宅の新規供給の業務から撤退をするということになっておりますので、これに関連する補助金が削減をされる。それから、低金利時代になりまして、まだ都市基盤公団の場合には古い高金利の財投の資金の借入れが残っておるわけでございますが、これが徐々に低金利に置き換わるというふうなことによりまして、賃貸住宅に対する補給金が引き続き減少すると。これは、補給金について例を申し上げますと、平成十一年度の都市基盤公団発足時点で大体千百七十七億あったやつが十五年度予算では五百十九億というふうになっているというようなこともございまして、そういう減少する要素もあるわけでございます。
 そういうふうなことで、当面その国費投入額が、例えば十六年度ということになりますと当面国費投入額がそれほど大きく伸びるということは私はないというふうに思いますが、長期的に考えますと、今後の事業展開との関係でかなり国費の確保というものを考えていかなきゃならないというふうに考えているところでございます。これもあくまで、しつこいようでございますが、単なる経営支援ということではなくて、公共性の高い事業をとにかく積極的に前向きに取り組むという観点からの話でございます。
 ただ、いずれにしても、財政が非常に厳しい折でございますので、限られた財政支援の中で最大限に都市再生の実が上げられますように、経営の合理化とか効率化に一層努めながら、努力をいたしまして、国民の御理解を得ていきたいというふうに考えているところでございます。
○谷林正昭君 よく分かりませんね。減らしたいけれども減らせないというような答弁なんですか。
○政府参考人(河崎広二君) 来年度、取りあえずどういう予算になるのかということにつきましては、これから来年度の財政も含めた要求の方針とか、いろんなことがございますので、すぐ、今年度、先ほど言いましたように、千三百三十七億の国費を投入しておりますが、これが増加するのか減少するのかというのはなかなか現時点では申し上げられないんで、先ほども申し上げましたのは、中長期的にこういう観点からは減少する要素がある、ただ一方で、都市再生の実を上げるための事業を展開すればそれなりの金は確保しなきゃならないというようなことで、なかなか現時点で今の国費が増加するのか減少するのかということを明快に答弁することは難しいというのを申し上げた次第でございます。
○谷林正昭君 法案審議に当たりまして、やっぱり行政改革の流れの中での出てきた法律だというふうに私は思います。今のような答弁では、はっきり言って国民の理解が得られないのではないかと、やってみぬと分からぬという話ですからね。そうではない、やっぱりしっかりした行革の流れの中ということを一方ではしっかり打ち出すべきだ、私はそういうふうに思います。
 そこで、じゃ、お聞きいたしますけれども、地域公団と都市基盤整備公団が、二つが一つになって新しい機構を作るということになりますと、どれだけの資産をお互いに持ち寄るのか、一方、どれだけの負債を持ち寄るのか。言っちゃ失礼ですけれども、りそな銀行のようにどこかとどこかがくっ付いて、さあ頑張ろうと言った途端に、一か月後に二兆円の国費投入、弱いところと弱いところがくっ付くからそんなことになるって初めから分かっていたような話が、失礼だけれども、これに当てはまるということになると大変だと私は思います。
 したがって、道路公団は、今日の新聞にも出ておりましたけれども、債務超過じゃないかという国民の声がありました。しかし、しっかり調べてみたらぎりぎり債務超過じゃないというような、あれも正直言って私も危ないと思いますよ。そういうような話を今しっかりしておきたいなと私は思います。どうなんですか。
○政府参考人(河崎広二君) 新法人は、都市公団と地域公団の地方都市開発整備部門の資産及び負債につきまして、すべてこれは時価評価を来年の七月の一日時点ということでいたしまして、承継し設立をされるということになっております。現在の資産規模でいいますと、都市公団十七兆七千億、約でございます。それから、地域公団については三千七百億ということでございますが。
 それで今、この場合、承継する資産についての御指摘があったわけでございますが、両公団につきましては、御承知のとおり、公企業会計による決算を行ってきておりまして、これが特殊法人の個別の事業特性というものを踏まえた独自の処理がなされているということで非常に分かりにくいというふうな御指摘が従来からあったわけでございますが、平成十二年度決算から財務省の要請がございまして企業会計原則を試行的に適用した行政コスト計算書を作成をしているところでございます。
 その中で、民間の企業会計原則と同じように、販売用不動産について大幅な資産価値の下落があった場合に強制評価減をするということを行っております。これによりますと、十二年度、十三年度の二年間、このコスト計算書を作成しておりますが、十三年度末の販売用不動産につきまして、都市公団で五千三百九十億、地域公団で五十八億、両公団合わせて五千四百四十八億の強制評価減が計上されておりまして、その結果、準備金等差し引きまして四千二百四十四億円の欠損金を計上しているということでございます。
 この欠損金については、これから採算性に問題のある事業の徹底的な見直しあるいは事業コストの削減というものを徹底的に行います。一方で、資金調達によるコストの低減ということも図る、あるいは定期借地の供給拡大、あるいは民間事業者との連携強化というようなことに取り組みまして、新法人全体の収益をもって解消していくということを考えているところでございます。
○谷林正昭君 どれだけの資産になって、どれだけの負債になるかってよく分からないという話ですが、ちょっと、じゃ一つの例を挙げて言わせていただきますが、私は債務超過になっているという断言はできませんけれども、非常に心配なものはたくさんあるというものもあるんですよ。
 それはどういうことかといいましたら、例えば地域公団の事業の中に地方都市開発整備業務というのがあります。これは、こういうパンフレットをいただいたんですが、その中に、事業の概要の中に、全部で十九の事業をやっております。十九の事業をやっているんですけれども、その事業完了、いわゆる分譲して、土地をならしてそれを分譲した、それが四つしかないと。あとは全部、造成中だとか、あるいは造成終わっても、公募をしたけれども売れないとか、そういうところがほとんどなんですよ。こういうところがこの後どうなっていくか。これは地域公団ですね。
 一方では、時間がございませんので続けて言いますけれども、都市基盤整備公団が元々そこに団地を建てよう、賃貸住宅を建てよう、こういうふうに考えて土地を確保していた。その土地を確保していたものを、新しい法律に基づいてというのかどうか分かりませんけれども、それを売り出した。民間に任せようということで民間に売り出した。そこで賃貸住宅を建ててくださいよという条件で売り出したけれども、こんなところで賃貸住宅造っても採算合わないから買手が付かない、公募に応じない。全部で十五あるうちの三つしか、三か所しか買手が付いていない、こういうような今現状なんですよ。
 じゃ、一体こういうところはこれからお荷物になっていくんですか。私は、お荷物になるんじゃないの、こういうふうに思います。そういうことを考えたときに、この一つの例として、地域公団の進めている地方都市開発整備業務のこの内容、それから基盤整備公団が進めているこの事業の状況、こういうことを含めてちょっと御答弁をいただきたいと思います。その見通しを御答弁いただきたいと思います。
○参考人(林桂一君) 地域公団がこれまで手掛けてまいりました地方都市開発業務、事業の地区については、先生のおっしゃるとおり、十九地区が事業を実施中でございます。その中で、これも先生の御指摘のとおりでございますが、工事あるいは分譲ともに完了したものは四地区ございまして、残りにつきましてはまだ分譲までの完了を見ていないわけでございますが、幾つかの段階がございまして、造成は完了し今分譲中の地区というのが三地区ございます。また、造成を進めながら一方で分譲もしているというような、同時に行っているところが九か所、それから造成中あるいは造成の準備段階ということで、これからそういったことに掛かろうという地区が三地区あるわけでございます。
 それで、特に分譲がなかなか進んでいないという一部の事業は確かにあるわけでございまして、事業開始後かなり長期間を経過しているということで、分譲を中心とする努力と、それから全体としての早期完了というものに心掛けていきたいというふうに思います。
 特殊法人の合理化計画におきましても、既に取得した土地の早期処分を進めるということを指摘されておりますので、そういうことに関しまして、例えばハウスメーカー等の民間事業者との連携を図りまして、建て売り住宅等の形で分譲を進めるというような分譲促進の方策、また最近定期借地権の要望がかなり高くなってきておりますので、こういった定期借地権方式を大幅に活用、取り入れるとか、あるいはその用途に応じまして、新たなニーズに必ずしも対応できていないというような場所もございますので、土地利用計画を大幅に変更いたしまして、そういった新たな需要に対応するとか、あるいは企業誘致関係につきましては地元の公共団体と一体となった連携した企業誘致活動を行うことによりまして、産業系等の分譲を進めるといったような努力をしてきておりまして、今後ともそういう努力を積極的に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○参考人(那珂正君) 先生お尋ねの後段の点でございますが、御指摘の民間供給支援型賃貸住宅制度は、定期借地によって民間事業者に敷地を提供している、そこにファミリー向けの賃貸住宅を作っていただくという制度でございます。売買ではございません。この制度は十四年度からスタートしたものでございます。
 ただ、御指摘のように、十四年度は十五地区募集いたしまして、三地区においてのみ契約が成立いたしました。十二地区はまだ残っているという状況でございます。
 これの理由でございますが、定期借地制度を活用した民間によるファミリー向け賃貸住宅というこの制度は、民間事業者にとってはもちろんですが、私ども公団にとっても全く新しい仕組みでございまして、制度の立ち上がりから公募開始まで時間が、昨年度時間がなかったというようなこともありまして、確かに制度普及が十分ではなかったということが主な理由として挙げられますし、また、先ほど先生御指摘でありましたけれども、そもそも十四年度に対処したこれらの地区は、公団が自ら賃貸住宅を建設して事業経営をするという予定で土地を取得し敷地を整備してきて計画を進めてきた地区でございますので、例えば計画の条件であります敷地の規模とか、こういうものが、募集の敷地の単位が民間事業者にとってはやや大き過ぎたというようなこともその応募しにくかった理由の一つであろうと思います。
 今後は、十五年度からでございますが、民間事業者などの協議会を事前にスタートさせまして、また事前にその地区ごとに登録をしてもらうというような制度も導入することによりまして、可能な限り民間事業者の意向というものを計画に反映させていこうという措置を取って民間誘導の実を上げようと思っております。
 御指摘の、具体的に昨年度公募いたしました残りの十二地区については、都市計画の制限とか、そういうことでどうしても計画条件変えられないものを除く八地区につきましては、規模を割って、一つの地区で募集したものを二つにする等の措置によりまして、もう一度公募を本年度実施して民間事業者の賃貸住宅供給につなげていきたいと思います。
○谷林正昭君 済みません。私も性格上、気が短いものですから、何かそういう答弁を聞いているといらいらしてくるんですよ。要は、責任の所在がどこにあって、命に懸けてでもこれは完売するとか、そういう意気込みがなかったら、今新しい機構を作って、さあ再出発だといったときに、これまでのそういう残ったものをどうしていくかという話ですから、見通しが甘かった、あるいは大き過ぎて売れないとか、そういうような話を今してもらっちゃ困りますよ。何としてでもやっていくという、そういうものを今出していただかなかったら、法案というのはなかなか審議進みませんよということを申し上げて、時間の都合もございますので、もう一方の事業であります建て替え事業、この建て替え事業について少しお話をさせていただきたいというふうに思います。
 実は、私は富山の田舎なものですから、こういう住宅公団というのはなかなかありません。ところが、一つだけ勉強させていただいて分かったのは、家賃というのはすごく高いと思いました。私の息子は去年結婚しまして、新婚で、アパートに入りました。四万五千円でも高いと言っています。ところが、話を聞いたら、十一万から十二万という家賃だと、大体二DK、どこかその辺で、そういうことだというふうに聞きました。
 そういうことを考えたときに、基本的には家賃をもっと下げてあげてもらいたいなというふうなことを思うんですけれども、こんなでたらめなことを委員会で審議していても始まりませんが、問題はここなんですよ。
 一つお尋ねいたしますけれども、今聞いているところによりますと、新制度と旧制度という言葉があるそうであります。私、よく分かりません。でも、勉強させていただきました。
 新制度というのは、一九九八年以降に、大臣が御心配をされている所得の低い高齢者の方だとか、いわゆる住宅弱者と言われる方々に対しての措置がそれなりに行われまして、新制度というのは、ああ、いい制度できたな、こういうふうに思って、今日来ておいでになる方の中にもおいでになるというふうに聞いております。ところが、一九九八年以前に建て替えて、そこに戻り入居をした、しかしそのときのいわゆる、失礼な言い方になりますが、住宅弱者、所得の低いような人たちについて、高齢者の方だとか、こういう方については、措置はあるんですけれども今の新制度に比べたら大きな違いがある、こういうことを聞きました。
 じゃ、どうしたら皆さん方の役に私、立てますか、率直に聞きました。そうしたら、分かりやすく言っていただいたのは、さかのぼってその新制度に合わせてもらいたいと。さかのぼってお金を返せというんではないんです。これから新制度にみんな、古い制度、措置になっている方々も新しい制度に合わせていただいたら、私たちは本当に安心してそこに住むし、これからのことも考えても、建て替えられる団地の方々も戻ってこれるんではないか、端的にそういうふうに伺いましたので、私は端的に質問をさせていただきます。
 いわゆる措置に対する新制度と旧制度、その遡及をして新制度に是非していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(中田雅資君) 当公団におきましては、昭和六十一年度の建て替え事業開始当初から、従前から居住されている方々について居住の安定を図るために家賃の減額措置、さらには一定の要件を満たす高齢者世帯の方々を対象として特別家賃減額の措置を講じてまいりました。この家賃減額措置につきまして、平成十年度に着手する団地から制度拡充を行ったところであります。平成九年度以前の建て替え事業に着手した団地については、従前居住者に対する家賃減額措置については十年度改正後の措置というのは適用できていないというのが今の実態でございます。
 なぜそれが一体化できないかということが今お問い合わせの事項でございますが、旧制度によりましては、建て替え事業に着手した団地の方々に、改正前の家賃減額制度を含めて、当時公団が示した条件で言わば合意していただいて、建て替え後の賃貸住宅あるいは他の公団の賃貸住宅、あるいは民間の住宅へ移っていただいたというふうなことになっております。そんなことで、既に住み替えが完了されている方々の中で建て替え後の賃貸住宅へ戻り入居された方々だけが遡及適用を受けるというふうなことになりますと、他の住宅に移転された方々との公平性という意味で非常に問題があるというふうなことで、現在のところ実施は困難ということでございます。
 旧制度に関連しまして、旧制度は旧制度の時代にいろいろ、家賃制度自身もいろいろ、傾斜家賃があったりとか、いろんな制度が違っております。そういう意味で、現在、傾斜家賃もない十年度以降の家賃制度の中でやっていることとどうしてもそれを一体で公平に扱うということがなかなか難しいということで現状のような形になっているということでございます。
○谷林正昭君 大臣、この辺が大事なところなのでよく聞いてください。
 今、新制度で措置をされている最低所得といいますか、お年寄りの方々の所得は、二人夫婦で六十五歳以上の人が五百二十八万以下だったら適用になるんですよ、新制度の適用になります。理事さん、間違いないですね。旧制度というのは三百五十四万九千円以下でないとこの適用に、旧制度の適用にならないんです。言うならば、三百五十五万があったら、三百五十五万あって、旧制度の措置を受けていて三百五十五万になったら措置の対象にはなりません。
 そういうことを考えたときには、私は、今五百三十万弱のラインを引いて、そして新しい制度の措置の適用になる。一方、そこに入って、違った団地でもありますけれども、同じ公団の中で、日本の公団を利用して活用している、そういう中にあって、その旧制度、いわゆる三百五十万、この古い方が条件が悪いというのは、これはやっぱり納得いきませんよ。やっぱり、そういう町を作ってきた心意気、あるいはそこに住み着いて、みんなで食事をして、まちづくりをして、その木がだんだん大きくなる、そして建て替えるときにこの木を残そう、私たちが植えた桜だからこの桜を残そう、こういう思いでまちづくりをしてきた。しかし、この新制度と旧制度ということがあることによってそこに戻れなくなる。
 旧制度でやられた方々は、六十五歳以上の立場で、新しい制度になって、そのときは新しい制度なんですけれども、ああ、いい措置をしていただいたと思って見てみたけれども、十年たったらもっといい制度ができた。だけれども、それが公正さをそこで保っていたというふうにおっしゃいますけれども、私はこれからのことを考えたときは、やはりそういうものはこの機会に、何も整備公団ずっと続いている間に途中で切り替えせというわけじゃないんですよ。この新しい組織になるときに、補給金も増えるか減るか分からないというような話をしているときに、私はそういうところにしっかり補給金を出してでもラインを合わせた方がより信頼を増して居住安定というところにつながるんではないかというふうに私は思って、こういう質問をさせていただきました。
 大臣、御所見あったら、通告はしておりませんけれども、大臣のお気持ちを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 一番最初に谷林議員がおっしゃったいわゆる制度改革、この中で少なくとも七公団改革していこうという中で六公団までが国土交通省であったということで、私は、ここでも住宅金融公庫の話も随分皆さんに論議していただきました。すべからく国民が不安を感じないように処置するということが、私が総理からこの七公団の中の六公団、国土交通省に宿題を言われ、そしてトップランナーになれと。言葉はいいけれども、一番苦しみがあるのがこの国土交通省関係の六公団。直接国民と、石油公団は、あれは一部の人ですから、悪いけれども。そうしますと、住宅金融公庫にしてもこの都市基盤整備公団にしても、みんな直接国民とかかわっているものですから、私は、なぜうちだけが一番苦しい思いをしなきゃいけないんだと言ったのはそこにあるわけですね。
 ですから、今、谷林議員がおっしゃいましたように、今住んでいる人に私は不安を与えないように処置をするということを保証しなければ、私はこの改革はできないと。ただ、対国民ですから、住んでいる人たち、あるいは住宅金融公庫のときの論議も含めて、皆さんが不安を与えないようにとすることは第一義的ですけれども、だったら私は、今日は、今、谷林議員も住んでいる国民の皆さんの側に立って御論議をいただきました。
 私は、逆に、公団自体の体質の在り方、それも私は今回大いに反省をし、なおかついろんな数字ありますね、今、時間が余りたつと申し訳ないので言いませんけれども、関連の子会社あるいは関連会社等々で役人の天下りがあったり、あるいは公団がこれだけのお金を使っているにもかかわらず子会社、関連会社がプラスになっているという面も、私は、対国民だけではなくて、公団自身の体質も変えていってコスト縮減等々を図り、なおかつ今おっしゃったような利便性が、何で新制度と旧制度で区別されなければいけないのだというようなことも住んでいる人たちがはっきりと納得できるような説明の仕方をするということが私は公団としての、飛ぶ鳥跡を濁さずという言葉がありますけれども、新制度に入るまでにそういうことをきちんと国民に理解できるように説明することこそが私は今公団の一番大事なところだと思う。
 ですから、皆さん、不安があるからこそこうして傍聴にもいらっしゃる。こういう不安のないようにするのが今の公団の私は一番、新制度に入るときの大きな私は役目だろうと思っていますので、公団自体の体質改善も含めて、私は、今日、体質改善が御議論にはなりませんでしたけれども、今、そういったことで、我々はこういう論議をするからこそ初めて公団はこういうところが欠けているんだなと自己反省もするべきだと思っていますし、国民にそのことによって不安を与えないような対処法というものを私は編み出すべきだろうと思っています。
○谷林正昭君 済みません、あと一分しかありませんので最後にお願いをさせていただきますが、平成十一年のときの法案審議のときに附帯決議が付いて、その附帯決議の中にそこに住んでいる方々、いわゆる居住者の方々とよく連携を取ってやってくださいという附帯決議が付いております。そこで、やってきたことは、居住者団体の全国公団住宅自治会協議会と定例的に懇談会等を開催をする、そしてこれまでもやってきた。そして、話を聞きますと、その公団自治会協議会とは非常に綿密に、そして協議会の人たちも公団に大変な協力をしている、こういうことにも聞いておりますし、現実にそうなっておるということに聞きました。
 そういうことを考えたときに、やはりそこに住んでいる方々とよくいろんな話をしながら、より良い方向性をやっぱり出すべきだというふうに思いますし、公団も正に心機一転といいますか、これからが新しい機構でより綿密な連携を取るべきだというふうに思いますし、まだ今日も明日も、私、質問をさせていただきますので、そこら辺りを少しまた勉強させていただいて、とりわけ新制度と旧制度の措置について少し議論をしていきたいというふうに思いますので、私は簡単には引きませんよ、是非よろしくお願いをいたします。
 終わります。
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 独立行政法人都市再生機構法案が今日、朝から審議されているわけでございますけれども、私は、この法案審議に先立ちまして、今日は大臣、せっかくおっていただいておりますので、ちょっとこのこととは直接関係ありませんが、是非大臣に確認と進めていただくことをお願いしたいと思って取り上げさせていただきます。
 それは、昨日、盧武鉉大統領、韓国の大統領が国会にお見えになりまして、そして衆議院の議場で日本と韓国の在り方、また世界の在り方、東南アジアの在り方について非常に私は歴史的な演説をしてくださったと思っておりまして、心から敬服し、またそのお話を聞かせていただいておった次第でございます。そこで、これは私がかねがね申し上げていたことが大統領の演説の中にもありまして、そのことについて私は今日は扇大臣に確認をさせていただきたいと思うところであります。
 大統領の演説の中に、両国間には毎日約五十の航空便が飛んでいますが、それでも足りないほどですと。これは世界でもまれな活発な交流でありますと。今後、早期に両国民がソウルと東京を結ぶシャトル便に乗ってビザなしに自由に往来できることを期待してやみませんと、こういう演説がございました。
 私は非常にその大統領の思いを受けながら演説を聞かせていただいておりましたが、実は三月の国土交通委員会でも私は大臣にこのシャトル便をやるべきではないだろうかというふうなことを申し上げましたし、三月の末の予算委員会でもそのことを取り上げて大臣にもお話をさせていただいた次第でございます。いよいよ、私は、昨日の大統領の演説を受けて、我が国もよくそのことを理解して、日韓友好のためにシャトル便が一日も早く実現するときがやってきたのではないかと、このように考えておりますが、このシャトル便に、日韓シャトル便に関する昨日の演説を受けて、国土交通省の考え方、大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 昨日の盧武鉉大統領の国会における演説、しかも私は大変感無量といいますか、それは昨年皆さんもまだ御記憶にあろうと思いますし、まだ若者たちはあのときの興奮を忘れ得ないでいる、それはあのワールドカップサッカーを韓国と共催したという、これは世界で初めてのことでございました。そして大成功裏に終わり、観客動員数も今までのワールドカップ開催上世界三位の記録をし、そして、初めてでしたけれども韓国の金浦と羽田の間を五十八便、昨年は一か月でシャトル便を飛ばすことができました。そして、大変多くの若者があの感慨を忘れることなく、しかも日本が負けたにもかかわらず韓国を最後まで、準決勝まで応援したという、あれこそが私は若者たちの将来の日韓関係の現実であろうと思います。
 ただ、あれはワールドカップサッカーだったからこそ実現できたと。なぜなれば、今おっしゃいますように、成田とそれから仁川、インチョンと言いますけれども、あの韓国の仁川と成田との航空、これは少なくとも一日に十六便、年間で今成田と仁川で百六万人の輸送をいたしております。けれども、ワールドカップサッカーの期間だけという限定だったシャトル便を果たして飛ばすことができるかどうかというのが私の大きな課題でございましたし、私はその実現方を何としても実行しようということで、事務方も韓国と日本の事務レベルで随分話合いをしてくれました。そして、やっと今トップ同士、盧武鉉大統領と小泉総理の間でこのシャトル便がトップ同士の会話にまで上がるというまでなってまいりました。
 そして、一番問題は、なぜこれが私が必死になってやったかといいますと、残念ながら仁川空港から成田に入ってきますのに大体一時間四十分、二時間弱です。ところが、成田に降りてCIQの通過しますのにみんな一時間並ぶ。そして、国内線に乗り換えるのに成田から羽田まで、ひどいときにはタクシーで二万円以上掛かって、一万七千二百円の、高速料を払って一時間半掛かる。韓国から日本に来る飛行機時間よりも国内に入ってから、成田に着いてから所要の目的地に行くまでに時間とお金が韓国から日本に来る以上に掛かるということでは、二〇一〇年に来日の観光客を今の五百万人から一千万人にしようというこの観光計画自体も、やはり相手の、来る人の身になって考えなければこの倍増計画が達成できないんです。
 そのために私は何としてもこれをしようということで、とにかく成田空港は都心から大体六十六キロあります。それから韓国の中心から仁川までがこれは五十キロあります。ですから、何としても便利なように金浦と羽田を直接往復すれば、少なくとも今までよりも一、二時間お互いの距離感が短縮できます。
 そういう意味で、大変難しいことはたくさんございますけれども、羽田に降りるということはCIQで法務省、農林水産省、外務省全部協力してくれなければ羽田のCIQを開けることができません。そして、なおかつ成田が夜十一時から朝の六時まで、これは成田、クローズでございます。その間も私は、若者たちは夜でも飛んできたい、近いんですから。だったら、成田が十一時から朝の六時までクローズしている間は羽田をということで、今、週七十便夜チャーター便を開けております。
 けれども、これ昼間も少なくとも四便は私はオープンにしたいということで、これは管制も含めて総合的に、各省庁の連携をして初めて可能であるということで、私は今、森本議員がおっしゃってくださいましたように、これは国際の定期便の運航については国際的な規定がございますから、一国だけに羽田の門戸を開けるわけにいきません。窓口を開けるわけにいきませんけれども、これは二国間協議ということで、私はある程度今後も進展できるであろうと思いますので、是非このことに関しては、私は新たな日韓関係の二十一世紀を構築するという意味においても是非皆さん方の御協力をいただき、そしてお互いの距離感を、また距離だけではなくて心を通わすためにもこれを実行していきたいと思っております。
○森本晃司君 大臣、いろいろと前座のお話、度々聞かせていただいておったんですが、私は今伺いたいことは、要するにこの演説を受けてシャトル便をどうするのかということなんです。その辺になるとちょっと何となく、御協力いただきたいということなんですが、極端に申し上げますと、年にきちんとそのことができるのかどうか、何便ぐらいあるのか、その辺についてははっきりと答えてください。
○国務大臣(扇千景君) まずは定期便ではなくてチャーター便でこれを実行しようと思っています。そして、昼四便、そして今日も私申し上げましたけれども、これから両国の事務レベルで解決しますけれども、夏休みまでに実行したい、遅くとも秋のシルバーウイークまでにはこれを実行可能なように私は両国間の話合いをしたい。昼間一日四便というのは、韓国の二航空会社、そして日本の二航空会社で、お互いに一便ずつ持てば四便になると、そういう計算でございますので、今後詰めていきたいと思っています。
○森本晃司君 大臣の口からチャーター便というお話がございましたけれども、大統領も、あるいは多くの人たちがやっぱり期待しているのはシャトル便なんですよ。要するに、シャトル便とチャーター便とは大きく違います。チャーター便であれば一杯になるまで待たなきゃならない。これは極めて不安定な状況なんですが、その点についてはどう考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(扇千景君) シャトル便だと一日に四便というのは少ない、それはシャトルと言えないと思います。シャトルというのはバス代わりで絶えずいつ行っても乗れるということで、これが一日四便ですとお昼の時間、五時間ですかね、五時間もならないかな、お昼の間四便ということですから、シャトル便と今、森本議員がおっしゃいますが、それは理想でございます。絶えず行ったら、関空と羽田、一応シャトル便ありましたね。それも、同じように行って、予約しないで行っても絶えず乗れると、これが私完全なシャトル便になると思いますので、そこへ行くまでには私はまだもっと便数を増やさなければシャトルという言葉にはならないと思いますけれども、まずチャーターから始めてシャトルへ成長していくという段階でございます。
○森本晃司君 今日、この後の本法の問題がありますので、是非シャトル便に向かってやっていただきたいんです。四便でもシャトル便と言えば、言おうと思えば言えるんですよ。チャーター便となるといつ出るか分からないという状況の中では、やっぱりなかなか利用者も不便でありますから。その辺に向かっては明確に、これ以上の議論、今日、後の方は今日は大事なところでございますので、この辺で止めておきますが、是非そういう思いで取り組んでいただければと思うところでございます。
 それでは、本法の質問に入らせていただきたいと思います。
 昭和三十年に日本住宅公団発足いたしました。それ以来、昭和五十六年、さらに平成十一年、二度にわたる大きな改革が今日まで行われてまいりました。その上で、今般、自主性、自律性を重視した独立行政法人化として生まれ変わることになりまして、多くの人が新しいまた機構でスタートするんだということで期待をしている旨もあります。
 しかし、一方、大きな課題もたくさんこの問題については残っているんではないかと思っております。その時々に改革が行われてきましたが、考えられる大きな課題として、例えば一つは財務体質の改善ということを大きくやらなければならないんではないだろうかと。平成十三年度末の長期借入残高約十五兆、支払利息約六千億、平均利率四%という状況。二つ目には売れ残りの土地の処分をどうするかということでございます。朝からの議論の中で出てきた、重なるところもあるかと思いますけれども、平成十年から十四年までの取得土地百十三ヘクタール、三千二百二十一億円、譲渡土地二・七ヘクタール、二百六十四億円、処分率、面積で二・四%という状況。それから、三つ目に現在居住されておる皆さんの居住が安定するようにしなければならないという点について幾点か課題がございます。
 よく聞くんですけれども、せっかく慣れ親しんできた人は、そうでしょう、昭和三十年以来ですから、公団という名前が何とか残らないものだろうかという思いが、それでもその住宅の総称としてあるわけでございまして、今の、漢字使ってあるのは明らかに、これはもう機構が変わるんですから、例えば片仮名でコウダンとするとか、何かいいそういう、そういう思いの人たちも例えばいてるということ。それから、高齢化に伴う居住安定対策をしっかりとやらなきゃならない。それから、賃貸住宅の民間売却不安及び家賃制度と。
 依然大きな課題が残っているわけでございますが、今回の再生機構に移行するに当たりまして、公共性を維持しつつ、かつ効率性を図れるように更なる改革にどのように取り組むのか、総裁のお考えをお伺いいたします。
○参考人(伴襄君) 先生からお話ありましたように、都市基盤整備公団、これまで二度にわたりまして改革をやりました。平成十一年、四年前の改革でも、既成市街地内での業務への重点化とか、あるいは分譲住宅業務から撤退するといったような、その時々の社会経済情勢に応じた、政策課題に応じた見直しを行ってきたところでありますが、今回は特に特殊法人全体の徹底見直しの一環ということでございまして、業務の徹底見直しと、特に組織形態につきましても地域公団の地方都市整備部門との統合というようなことで、業務のあるいは法人の経営等の定期的あるいは評価、見直しを受ける独立行政法人となるというふうに設立される予定のものでございます。
 特に業務につきましては、これまで公団、二つの大きな柱でございましたニュータウン事業と賃貸住宅建設事業につきまして、ニュータウンの開発の方は新規事業は全面的にやめる、それから賃貸住宅は、民間賃貸住宅の支援を中心にして、自らの新規建設からは原則撤退するといったような措置を取りまして、また都市再生分野で役割を担うわけでございますけれども、その場合にも、度々ここで出ておりますけれども、今までのようなフルセット型からプロジェクトの特性に応じてバックアップ型へというふうに仕事の仕組みを変えようとしております。
 それから、七十五万戸の賃貸住宅、これにつきましては新機構に承継されることになりますが、先生から御指摘ありましたように大事な問題でございまして、本機構法案の目的におきまして賃貸住宅の安定的な確保を図ることが位置付けられ、明示されておるところでございまして、大変我々にとりましても有り難いことだというふうに思って受け止めております。
 今後とも、現にお住まいの居住者の皆様方の居住の安定に最大限配慮しながら、国民共有の貴重な財産として、都市居住の環境向上や、あるいは先生からお話ありましたように少子高齢化対応等の住宅政策上の住宅対策のツールとして貢献していきたいというふうに思っておるところでございます。
 財務体質等につきましてもお話がありましたけれども、経営面につきましては、公団事業はどうしても長期性を有するものでございますので、現在、住宅宅地の需要が低迷しておりましてなかなか当初計画どおり進捗していない事業もありまして、厳しい経営環境にあるものと認識しております。このため、特に郊外部のニュータウン事業の継続事業につきましては、新法人移行を契機といたしまして、事業初動期のものを中心に事業中止とかあるいは区域不使用といったような抜本的な見直しを行うことにしておりまして、現在、関係公共団体あるいは地権者等の理解を得ようということで努力をしているところでございます。
 また、厳しいこういう経営環境の中でございますので、工事費、修繕費等の事業コストを縮減するとか、あるいは事務費等の経費節減等々経営改善に努めますとともに、組織、定員の大幅なスリム化ということで、新法人設立五年後までに定員千人減らすというようなことを考えておりますし、子会社、関連会社等の再編等もやりまして、簡素で効率的な組織にいたしたいというふうに考えております。
 さらに、独立行政法人という組織形態でございますので、やはりコスト意識とか意思決定のスピード化等々民間の企業的経営思想あるいは感覚の発揮が大いに期待されているというふうに思っておりますので、今後、一層の効率的な業務運営あるいは国民の皆様に提供するサービスの質の向上に努めまして、新しくできる独立行政法人の設立の道筋を付けることに全力でもって取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○森本晃司君 都市再生ということなんですけれども、我が国都市の状況を見ますと、国際競争への低下、あるいは都市の魅力というのも低下しています。それから、臨海部における工場、これが、いろいろと社会の機構、経済の機構が変わってきたので移転してしまったと、その跡地の問題、そういうこととか、あるいは防災上いろいろな問題があります。これをやはり再生、しっかりと再生していくことが我が国経済の発展にもつながっていくわけでございますけれども、この再生を今民間の力をおかりして、民間の力をまた生かしてやっていくことが一番ではないかと思うんですが、こういった情報化あるいは国際化、あるいは少子高齢社会に対応する二十一世紀型の都市を作るために、民間をしっかりと、その力を発揮していかなければならない。しかし、それはなかなか一朝一夕でできる問題ではありません。
 そこで、伺うわけでございますけれども、是非、こういう機構という形になっても、公団、かつての公団が持っている役割というのは十分にあると思いますので、民間事業者の賃貸住宅の建設の状況等々を見ながら、それを十分勘案して、その供給に対する支援もやはり新たな機構もやっていかなければならない、さらにまた良質な賃貸住宅が確保されるように補完的な役割もその機構がやっていかなければならないと私は思っておりますが、都市再生において機構はどのような役割を果たしているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(伴襄君) 都市再生につきましては、重要性についてはここでしばしば出ておりますが、やはり都市再生、基本的には民間主導で、民間に存在する資金とかノウハウを発揮していただくということが重要でありますし、基本であろうと思います。
 ただ、民間主体の都市再生だけでは能力が十分発揮できないケースもあるわけでございまして、特に大規模かつ長期にわたる事業であるということから、事業リスクが大きいといったような場合とか、あるいは複雑な権利関係の調整を必要だといったような場合とか、根幹的な公共施設等の基盤整備が不十分といったようなケースがあるわけでございまして、このような場合において機構は、新機構は、これまで培ってきましたノウハウ、人材、あるいは権能、公的機関としての信頼性等々の経営資源を活用していくべきだというふうに考えておりまして、そういう強みを活用することが期待されていると思っております。
 これまでもまちづくりにおいて公団は枢要な役割を担ってきておりましたが、今回、民間を都市再生に誘導するという新しい役割を担うわけでございますので、仕事の進め方を抜本的に見直しまして、いわゆるバックアップ型へということにしておりますけれども、言わばこういう事業手法を大胆に転換しまして、都市再生においては民間が主役、新機構は黒子役というような役割を分担をしていきたいというふうに思っております。
 こういうことによりまして、民間の事業機会を創出したり、あるいは潜在力を引き出すといったことに最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
○森本晃司君 是非、そういったノウハウをお持ちでございますから、住宅公団創設以来、それをもうしっかりと補完的役割で生かしていっていただきたいと思うんです。
 都市再生といえば、ともすれば商業地域あるいはまた業務機能、そういったところを再生するということになりがちではありますけれども、昨今のいろんなことを考えてみますと、都市への回帰、都市へもう一度戻ろうという気持ちも多くの皆さんの中にあります。そこで、そこに住んでおられる方々の住環境を更に良くしていくということが極めて大事ではないかと思うんです。
 居住環境の向上という面については、ここ三十年間住都公団がいろいろとやってきた役割というのは私はあったと思いますし、果たしてきたのではないかと思うんです。しかも、同時にそれだけのノウハウをしっかりと持っておられるわけでございまして、どうぞ、特に居住環境の向上、こういう点についてノウハウの蓄積を生かして貢献をしていただきたいと考えておるわけでございますが、いかがでございますか。
○参考人(伴襄君) 都市再生は実は都市再生特別措置法で定義がございまして、都市機能の高度化とそれから都市の居住環境の向上と両方を言うということになっております。
 したがいまして、居住環境の向上というのは都市機能の更新とともに都市再生の両輪であると思いますし、これからのまちづくりも住宅、商業、業務、福利施設等々含めた総合的、複合的なものであるべきだというふうに思っておりますが、中でも、先生御指摘のとおり、これからまちづくりは住の要素が欠かせないものと思っております。オフィスとか職場とか商業機能だけではなくて、人の住み暮らす町、あるいは生活、暮らしのにおいがする人間本位の町というようなことを一層志向することになるのではないかなと思っております。
 公団は、これまで住宅を中心としてまちづくりに取り組んできたわけでございまして、ある場所あるいはある空間に住機能を導入する、そういうことによって、居住者を集めて長期にわたって管理運営するといったようなハード、ソフト両面にわたるノウハウ、あるいは実績等を持っているところでございます。郊外のニュータウンづくりや賃貸住宅団地は正にその典型でありますけれども、都市の既成市街地部分における再開発におきましても、例えば大川端地区のように工場街であった町の姿を大きく変えて、立地と魅力に優れた都心居住の住宅市街地として変えたという例だとか、あるいは恵比寿ガーデンプレイスとか晴海トリトンスクエアのように商業・業務ビル群に住宅棟を併設いたしまして、職、住、遊の複合的なまちづくりをしたというような例もございます。
 また、先進的な住宅を開発、提案するということで、例えばSOHO住宅、在宅ワークができるようなSOHO住宅とか、あるいはペットの共生住宅、あるいは環境との共生住宅、SI住宅と称しまして耐久性の高いスケルトン、骨格部分と、それから可変性の高いインフィル部分を分けるような住宅、あるいはデザイナーズ賃貸住宅等々、具体のプロジェクトで今でも実現しているところでございます。
 このように、人が暮らす居住地への作り替えとかあるいは住まいづくりそのものに関するノウハウ、経験、人材等が組織として大事な経営資源であるということを認識しておりますので、機構移行に向けましてこれらの経営資源を総合的に活用していきたいというふうに思っております。
 さらには、公団から承継いたします七十五万戸の賃貸住宅、これにつきましても大変な資産でございまして、昭和三十年の日本住宅公団発足以来蓄積してまいりました国民共有の貴重な資産でございます。政府が決定いたしました都市再生プロジェクトでも公的賃貸住宅の活用計画が取り上げられておりますけれども、その中でも取り上げられているわけでございまして、こういうのを活用いたしまして、少子高齢化に対応したリニューアルとかあるいは高齢者向けの改善、周辺のまちづくりと一体となったような建て替え、その際に高齢者の福祉施設とか公営住宅の併設というようなことをやりまして、安全で安心して住み続けることができる居住環境を創造するということに力を入れまして、都市再生に寄与していきたいというふうに思っております。
○森本晃司君 都市再生を進めるに当たりまして大事なことは密集市街地の整備改善、こういったことも極めて大事なことではないかと思っております。
 私はさきの密集法のときにも申し上げたわけでございますけれども、こういった場合、非常に大事なことは、従前居住者の方々、こういった方々をいかにするかということ、ここにやはり心をきちんと置いてやらなければならないと思うんです。私は、そのノウハウは、従来の三十年からやってきた日本住宅公団の流れをくむ皆さんの中に私はその機能は、そのノウハウはあると思うのです。
 今、新しくなりました都市公団の横浜のすばらしい建物がありますが、あそこから見ますと、あそこには何軒かもう、港のところでかつて公団があったところが今数軒もう空き家状況になっていて、新しい恐らく建物に変わろうとして、そういうときもいろいろとやっぱりノウハウを持っておられるからこそ手厚くやってこられたんだと、私はそのように思っております。
 したがいまして、今度のこういった機構、これが承継する場合に、従前居住者の住宅整備始め、密集市街地の整備改善に積極的な役割を果たしていくべきではないかと私は思っておりますが、いかがでございますか。
○参考人(伴襄君) 防災上危険な密集市街地の存在、ここでも度々出ておるようですが、二十世紀の負の遺産の代表だろうと思いますので、都市再生本部でも再生プロジェクトとして密集市街地の緊急整備が決定されている非常に大事な事柄かと思います。
 密集市街地の難しさは、幹線道路はもとより、生活道路さえも十分に整備されていない、それから権利関係が零細でふくそうしている、老朽建築物の自力更新の速度が非常に遅いといったような、民間の取組だけでは限界があると思います。このため、新機構としても大変大事なフィールドとしてこの密集市街地に取り組みたいと思っておりますが、その場合に全般的にやるわけにもまいりませんので、整備の緊急性が高い地区であって、先導的な意義や波及効果が大きい地区につきまして、地元地方公共団体と連携あるいは役割分担の下に、防災上の都市の骨格を形成して、民間による連鎖的な建物更新を誘導していくということにしたいと考えております。
 新機構が実施する密集市街地の整備は、実は今国会で成立いたしました改正密集法、あそこで創設されました防災街区整備事業という面的整備事業手法ができましたが、その施行者として新しい機構も位置付けられております。そういった事業だとか、あるいは関連して整備が必要となる道路、公園、緑地等の公共施設整備をやるわけでございますが、いずれの事業におきましても、先生御指摘のように、事業に伴って移転をお願いする従前居住者、特に零細権利者であります借家の方ですね、借家権者をどのように保護して生活再建を図るかということが事業の円滑な実施に大きなかぎになると思っております。
 したがいまして、新機構がこれから密集市街地の整備を自ら進める場合、その場合は必要に応じまして新機構が従前居住者の住宅施設を整備いたしますが、そのほかに地方公共団体が行われる密集市街地も整備がございますので、そういう場合は地方公共団体からの委託に基づきまして従前居住者用住宅を整備したいというふうに思っておりまして、こういうようなこと両々相まって、居住、営業の継続の確保を図りながら円滑な密集事業の実施に努めたいというふうに思っております。
○森本晃司君 次に、良質な中堅勤労者向け住宅あるいはファミリー向け賃貸住宅、こういったものは都市部の場合には非常に要求されるわけでございますけれども、また同時に、そういったことが共通の課題になっています。
 我が党はかねてから、公共住宅の一元化、ソーシャルミックス、これを主張してまいりました。
 今まで公団は中堅勤労者向けに住宅供給をすることを目的にしてまいりましたけれども、都市再生機構というのは、自ら土地を取得して、そして賃貸住宅を新規建設することはできない、行わないということになっています。しかし、民間が経営ベースに乗りにくい場合には機構が民間賃貸住宅を供給することは可能とも言われているわけであります。
 そこで、私は、二十一世紀のいろんな経済状況、住宅政策等々を考えてみたときに、ちょうど今、汐留で一部を民間が所有しているように、例えば機構がスケルトンを所有して、一部を民間住宅、一部を公団住宅、一部を借り上げあるいは買上げ型公営住宅、一部を福祉施設をインフィルするとソーシャルミックスになって、ノーマライゼーションの促進にも役立つ実践的な供給方式を展開する必要があると、また、することができると考えておりますが、いかがですか。
○政府参考人(松野仁君) ただいま委員からの御指摘は、機構がスケルトンを所有して、その一部に民間住宅あるいは公営住宅等をインフィルするという方式はどうかということでございます。
 委員御指摘のとおり、新規の賃貸住宅建設については、原則、民間の賃貸住宅建設を支援するという形になりますので、原則としては民間の賃貸住宅が建つということでございますが、御指摘のように、どうしても民間が出てこられないときに機構が賃貸住宅建設をやるというケースがあるわけでございます。御指摘のとおり、汐留のようなケースで、そうした機構が賃貸住宅供給をするときに、その中で、一部スケルトン供給型ということで民間賃貸住宅を中で供給してもらう、あるいは公営住宅に借り上げていただく、あるいは福祉施設等を経営していただくとかということはあり得ることではないかと思います。
 ただし、これはやはり例外的に機構が、民間に代わって機構が自ら賃貸住宅を建設するというケースの場合と考えております。
○森本晃司君 今、松野局長から御答弁がございましたが、先ほどの話の従前居住者の対策もいろいろと時間が掛かります。これについては私はしっかりと国も応援をしていかなければならないと思っておりますので、しっかりとした取組をお願いいたします。
 次に、高齢者の居住安定策でございますけれども、今、公団住宅世帯の平均年齢五十一・八歳、世帯主が六十五歳以上の高齢者世帯の割合は二一・三%。これらの居住者の方々が年を取られても安心してそのコミュニティーに住み続けられることが極めて重要でありまして、一つは、低所得高齢者等への家賃減額措置の継続、それから賃貸住宅建て替えに合わせ公営住宅の併設、公団賃貸住宅の借り上げによる公営住宅及び要請型高齢者優良賃貸住宅の供給、こういうのを行うときに公共団体と積極的に連携を図るべきではないだろうかと思っております。
 公営住宅への居住の希望者は多いわけでございますけれども、建設戸数は減少しておりますので住宅困窮者の対策も必要であります。
 こういった課題を処理するためにも、南青山の公営住宅で実施したPFI事業を公団の建て替え事業においても展開すべきだと考えておりますが、住宅局長、いかがでございますか。
○政府参考人(松野仁君) 公団の建て替え事業、特に従前居住者の方が戻られる住宅につきましては、そういった基本的な建て替え事業は居住者との信頼関係もございますので、やはり公団、機構自らが今後も実施していく必要がございます。
 ただし、それ以外の余剰地ができて、例えば公営住宅用地として譲渡すると、地方公共団体の要望があって譲渡するというようなときには、公営住宅サイドの建設の中でPFI事業を活用して様々なものが入ってくるというようなことをその公共団体と連携をして実施していく必要があろうかと思います。そういったケースもあろうかと思います。
 それから、御指摘のとおり、公団の賃貸住宅の建て替えに当たりましては、市場家賃ということが基本ではございますけれども、特にお住まいになっております継続居住者としての高齢者、低所得高齢者等の方々に対する家賃減額措置の継続は引き続き行っていくべきものと考えております。
○森本晃司君 引き続いて住宅局長にお尋ねをしますが、やはり居住者の最大の関心は何といっても家賃にあると思います。今いろいろと、家賃改定に当たっては激変緩和や低所得高齢者世帯等の家賃上昇を抑制する特別措置法が機構移行後は継続されないのではないかという心配をされている向きがあります。私は、機構移行後も低所得高齢者等々への家賃減額を含めた現在の家賃制度を継続すべきであると、このように考えておりますが、家賃制度に変更はないと考えていいんですか。
○政府参考人(松野仁君) これまでも建て替えあるいは建て替えにおける戻り入居者の家賃対策あるいは継続居住者の家賃変更の際の減額措置等ございます。
 これらの措置につきましては、機構に変わったとしても同様の措置を継続して実施していくことになります。
○森本晃司君 時間がなくなりましたので、簡単にポイントだけを申し上げさせていただいて大臣のお答えを伺いたいと思いますが、賃貸住宅の売却に当たって、居住者の方々、いろいろな不安が広がっております。
 公団賃貸住宅ストックというのは、これは国民共有の貴重な財産である。それからまた、住宅政策上も極めて重要な観点から考えましても、一つは慎重に考えるべきではないだろうかと思います。
 もう一つ、居住者の居住の安定でございますが、新機構になって家賃が大幅に引き上げられるんではないか、あるいは売却されるんではないだろうか、こういったことを不安を思っておられる居住者の方々もいらっしゃいます。信頼関係を維持して、引き続いて居住の安定が図られることが極めて大事だと思いますが、大臣のお考えを最後にお伺いさせていただいて、質問を終えさせていただきます。
○国務大臣(扇千景君) 今朝からるる御論議いただきましたように、少なくとも七十五万戸、そして二百万人の居住者というものを考えますときに、特に今、森本議員がおっしゃいましたように、これら貴重なストックをいかに生かしていくか、また住民に不安を与えないようにするかということは、先ほどからも御論議いただいておりますけれども、私は何よりも、高齢者の入居率もさることながら、私は、子育てという新たな局面で人生の貴重な時期をその住宅でお過ごしになる方もいらっしゃいますので、先ほどからもるる総裁も話しておりましたように、私は、今後これを整備するときに多くの皆さん方に、今も局長が家賃の、今までどおりの家賃の考え方をするということ、言明もしております。そういう意味では、私は、今回の新たな機構に不安があってはならないし、何のための機構になるんだと、今までより悪くなるんだったら新たな機構にする必要がない、そして二十一世紀型にする必要がないと、そう思っておりますので、今回、この法律によって新たな機構が責任を持って管理し、なおかつ今まで以上にサービスの向上に努め、不安を与えないというようなことをこの委員会の御論議の中でそれぞれが私は明言しておりますので、そういう意味で居住者の皆さん方に不安を与えないように、また、公的な主体が管理する住宅として当然のことでございますけれども、都市公団の独立行政法人化に当たりましては、現に公団住宅にお住まいの方々の居住の安定を確保するということに心掛けていきたいと思っております。
○森本晃司君 終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 最初に、公団の経営の問題について二、三伺っておきたいと思いますけれども、公団の経営の現状の中で、賃貸住宅管理部門について、すなわち家賃収入等、賃貸住宅の管理、修繕とか掛かる経費、それの差引き、さらにはそれに関連する金利の支払、それらを差引きした場合に、現状では賃貸住宅の管理部門は赤字なのか黒字なのか、そこをまず伺います。
○参考人(古屋雅弘君) お尋ねの件でございますが、賃貸住宅勘定につきまして、まず家賃等の収入とそれから賃貸住宅の管理に係る直接的な管理諸費の差引きベースで見ますと、平成十三年度におきましては、収入は五千七百十六億円、修繕費、共益費、減価償却費等の管理諸費は二千七百九十四億円ということでございますから、差引きでいいますと二千九百二十一億円の余剰があるように見えます。
 ただ、この二千七百九十四億円の中から利息でありますとか一般管理費等を支弁いたしますので、先生のお尋ねの二番目の問題になろうかと思いますけれども、こういった利息や一般管理費を除きますと、二百五十六億円の十三年度は利益でございました。
 それから、最終的な損益はどうかということで、準備金等の特別損益等の出入りがございますので、このベースで見ますと、平成十二年度及び十三年度については、二十七億円、二百二十二億円の利益を計上しております。この二か年間につきましてはこの最終損益ベースでもって黒となっておりますが、十一年以前は賃貸住宅部門はマイナス基調でございました。
○富樫練三君 要するに二百億以上黒字だということですね。
 もう一つは、宅地管理・市街地整備部門、こちらの方はどうですか。
○参考人(古屋雅弘君) 宅地部門を含みますところの市街地整備改善勘定の数字を申し上げますと、敷地等譲渡収入など市街地整備改善に係る収入は五千二百九十三億円、これは十三年度の数字でございます。それから、敷地等の分譲原価などの費用は四千八百七十九億円、この差引きを機械的に計算いたしますと四百十四億円の余剰でございました。ただ、この中には、先ほどと同じでございますが、支払金利や一般管理費が除かれておりませんので、これを除きますと二百二十四億円の損失でございました。
 ただこれも、このような譲渡差損に備えるために過去の宅地の販売からの益部分を準備金として積み立ててきておりますので、これを取り崩して対処いたしまして、最終の当期損益では二十億円の黒字を計上しているところでございます。
○富樫練三君 要するに、準備金で穴埋めをした結果、黒になっているんだけれども、それがなければ赤字だと、こういうことですね。
 今日は、公団が発行しております年報、年次報告ですね、これに基づいて私の方で資料を作成してお配りをさせていただきました。
 九六年から二〇〇二年までのものでありますけれども、これは賃貸住宅部門については、この事業の中心であります家賃等の収入、支出の中心であります管理費など、併せて支出の部分にはそれに伴う金利の分、これの差額をこの表に載せましたけれども、二〇〇二年では私の計算ではプラス四百二十二億円、これは先ほどの説明と違うのは、構成している要素が若干違いますので数字が若干違っています。
 それから、宅地管理と市街地整備部門では国と地方からの補助金などがかなりの金額入っているんですけれども、これを除いて、更に引当金、先ほどの準備金ですね、これらを除きますと、かなりの赤字になりまして、二〇〇二年度では九百四十五億円の赤字と、こういうことになります。
 したがって、公団の中心的な仕事であります賃貸住宅の事業と、もう一つは市街地の整備事業、これが二つの大きな、分譲住宅とか公園とかあるんですけれども、これが二つの大きな事業になっていると思うんですけれども、賃貸の方は黒字部門、市街地整備の方は赤字部門というように大ざっぱに言えばそういうことが言えるんじゃないかと、傾向としてですね。
 その上で、なぜ市街地整備部門の方が赤字なのか、土地関係の方が赤字なのかと。どうもバブルのときにかなり土地を買っているという資料はもう既に出されています。例えば八六年から八九年の四年間の間に四百三十一ヘクタール土地を買っていると。ところが、九〇年以降のバブル崩壊後九九年までの十年間で、それ以上の膨大な、この時期は民間の方はバブルが崩壊して不良債権にならないようにみんな土地を放出したんですね。この時期に公団はどんどんどんどん土地を買っていると。この十年間でどのぐらい土地を買いましたか。
○参考人(古屋雅弘君) お答えを申し上げる前に、宅地・市街地整備部門では赤字計上だという御試算をお示しいただきましたけれども、先ほど申し上げましたように、市街地整備勘定は公共的な仕事もございまして、補助金等の収入というものもカウントし、それから過去、利益を蓄積してまいりましたので、その準備金を取り崩していろいろな売却損の損失に充てるといったような経理処理というのは適正な処理が行われているんではないか、その結果、最終損益のベースでは黒字ということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
 それで、今、ただいまの御指摘のバブル崩壊後の平成二年から十一年までの十年間にどれぐらいの土地を買ったかということでございますが、宅地開発部門を中心に住宅宅地の供給のために必要な用地として約二千三百ヘクタール程度の土地を取得してきたところでございます。
○富樫練三君 先ほどの宅地・市街地整備部門、私が赤字だと言いましたら、今お話がありました。私は適正であるとか適正でないとか言っていないんです。事実としてこれは赤字部門ですねと、こういうふうに言っているんです。
 その上で、バブル期にそのぐらいの土地を買っているということなんですけれども、非常にこれが経営を結果としては圧迫することになっているんだと思うんです。
 今日、その資料の中に一番右端の欄に宅地・市街地改善整備等資産推移というのを九六年から二〇〇二年まで出させていただきました。これは金額で、単位は億円であります。
 九六年の段階では七千百十四億円であった資産、財産が二〇〇二年には二兆三千二百九十九億円まで膨れ上がっていると。財産が殖えるからいいようなものなんですけれども、これは使いようのない土地も含めてどうしようもない土地を抱え込んでしまったと、こういう結果でもあるということが言えると思うんです。そういう点でいえば、金額でいえば、九六年から何と三・三倍に膨れ上がっていると、こういうわけであります。
 しかも公団は、未利用地、中には塩漬け土地というか、使いようのない土地ですね、そういうのもたくさん持っているというふうに言われています。その中で、一九九九年現在で公団が取得した土地が七千三百十三ヘクタール、これは既に公団の方から資料が出されているのを私が見たものであります。そのうち半分の三千三百八十一ヘクタールは未造成、基本方針未決定地区、どう利用するかが決まっていない、こういう地区ですね。その未利用土地の大部分は山林原野、これが二千二十四ヘクタール、田畑が八百六十三ヘクタールなどという資料が既に発表されています。
 これらの土地の大部分は処分の対象になっているんだけれども、なかなか処分し切れない。公団としては、毎年どのぐらいの処分計画を持って、実際にはどのぐらい処分されていますか。
○参考人(中臣敬治郎君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の三千三百三十一ヘクタールの未着手、未造成の土地という御指摘ございましたが、これは先般、山口参考人が意見で申されました中に出てくる三千三百八十一ヘクタールというのがございますが、これは対象土地が再開発等も入っておりますので、そういったものを除きまして、更に時点の修正を加えますと、十三年度末現在で約二千七百ヘクタールの土地、造成未着手の土地がございます。
 これ、内訳を申し上げますと、二千七百ヘクタールのうち千四百ヘクタールは既に事業に着手している地区でございます。事業施行中の地区でございまして、千三百ヘクタールが事業準備中の地区でございます。事業施行中の千四百ヘクタールにつきましては、これは私ども、土地区画整理事業が非常に大規模なものですから、一般地権者の土地も含めて順次段階的に街区ごとに整備をしていくということでございまして、最終的には造成をする予定、造成をしまして処分をするということで計画を立ててやっているものでございます。
 それから、千三百ヘクタールの事業準備中の地区につきましては、これは現在まだ事業に着手していない土地でございまして、このうち約七百ヘクタール余りがいわゆる五年以上事業に着手していない、言わば長期未利用の土地でございまして、これについてはいろいろな方策を講じて経営改善をしていきたいというふうに考えております。
 それから、御指摘の、御質問の毎年どのくらいの処分計画を立てているのかということでございますが、過去五年ぐらいの実績は大体二百ヘクタールから二百五十ヘクタールでございまして、昨年度は二百四十一ヘクタールの土地処分の実績を上げておりまして、今年度、十五年度についても同様の土地の処分計画を立てております。
 以上でございます。
○富樫練三君 要するに現状で七百ヘクタールは塩漬け土地だということがはっきりしましたね、この点は。この塩漬け土地というのは、五年以上売るもできない、利用もできない、いかんともし難い、そういう土地だと。しかし、それについては、そのとき買ったお金については、金利はどんどん増えていくわけですから、利息だけは払っている、ずっと払わなくちゃいかぬということになります。全部払い終わったとしても、土地はちゃんと残る、その土地は利用できない、こういう状況だということが分かったわけです。
 そこで伺いますけれども、全体として見て、黒字部門を増やして赤字部門を減らしていけば、これ経営は良くなりますよね、当然のことですけれども。ただ、今度機構に移すというのは、賃貸部門についてはこれ以上増やさない、場合によっては売却も、こういうことですね。縮小の方向です。黒字部門は縮小の方向です。それで、この土地の売買や再開発を含めたいわゆる市街地整備事業の方は、これは赤字部門なんだけれども、この部門を中心とした機構に作り替えていこう、こういうことですね。そうすると、赤字部門を増やして黒字部門を縮小していくんだから、これは大臣、今後の経営はどうなりますか。
○国務大臣(扇千景君) 後で、責任者の総裁が見えていますから、前途の見通しは総裁から直接聞いていただきたいと思いますけれども、私は、少なくとも今回の機構改編ということで機構に移った以上は、その縮小あるいはこれを維持するかどうかということは、まず、先ほども私、谷林議員のときに言いました、本体の改善どうするのかと。お客様に対しては当然責任を持たなきゃいけませんけれども、今までの公団なりあるいは機構、今回の新たな機構に移るについての体質改善というものをいかにしていくかということも私は大変大事だと言っておりますので、その辺からもどれくらい縮小できるか、赤字縮小で改善が、役に立つかということは、これは今数字としてきちんと言えませんけれども、あと伴総裁の計画、機構に対してお答えをいただきたいと思いますけれども、私はまず改善をすべきだと思っています。
○富樫練三君 せっかく大臣が指名していますから、じゃ総裁に、どうぞ。
○参考人(伴襄君) 御指摘ありました今までの継続事業でやっておったものにつきましては、これは一昨年の十二月の閣議決定でも速やかに見通しを立てて処理するようにということになっておりまして、現在、先ほどの塩漬けとおっしゃった土地も含めて、例えば中止するとかあるいは大幅に縮小するとかというような方策を、これ、それぞれ地元の地権者あるいは公共団体が関係しておりますので、その方々と話を進めて迅速に措置を急いでいきたいというふうに今思っているわけでございます。
 いろいろな努力をしてそういうことをするわけでございますが、先生からお話がありましたように、これからの部門、特に土地再生部門につきまして、赤字部門を更に拡大するんじゃないかというような御指摘があったかに思いますけれども、ここで度々申し上げていますけれども、これからの民間を誘導するというバックアップ型に徹していこうと思っておりますので、要するに収益性があって民間ができるものといったものにつきましては手を出さないということになります。そうすると、本当に公団がこれからやるものにつきましては、国の政策上必要だけれども採算性が低い業務を行うと、こういうことになるわけでございます。
 したがって、独立行政法人になりまして、いろいろ採算性についても厳しい評価が行われる中で、その採算性の見極めはきちっとやりたいと思っておりますけれども、もし本当に国の政策上必要で、民間でできないものにつきましては、やはりその業務内容の採算性とか公共性に応じたような、そういう出資金とか補助金とか、一定の必要な国の政策的支援を求めなきゃいけないかなと思っておりますが、いずれにしましても、業務全般においてやはり事業コストの縮減を図ったり、あるいは事務費の節減を図ったり、あるいは組織の、あるいは定員のスリム化を図ったりしまして、何とか体質改善をきちっとやっていくということに努力していきたいというふうに思っております。
○富樫練三君 危ないことには手を出さないということのようですから、危ないことには手を出さないでもらいたいと思うんですね。少なくとも、塩漬け土地になるようなものをどんどん買い取るとか、こういうのはやっぱり健全じゃないというふうに思います。
 私は、最も健全な方向というのは、黒字である賃貸住宅部門、これは今住んでいる方々が家賃として払ったことによってこの黒字が出ているわけなんですね。ですから、少なくともその黒字部分については住んでいる方々に還元をするというのが、これが道理だと思うんですよ。これは公団のやるべきことなんだと思うんですね。総裁、この点は大丈夫ですよね。そう思っていますよね、総裁。
○参考人(伴襄君) 賃貸住宅経営に当たりまして一番大事なことは、もう先生御指摘になっていることだと思いますけれども、居住者にとって安全、安心、快適な住環境を維持する、あるいは向上するということが必要だと思っておりますので、やはりそういった面に第一義に考えるということで、今おっしゃったような収入も、まずはそういったことを賄った上で実行するということだと思います。
○富樫練三君 その上で伺いたいと思いますけれども、先ほどもちょっと出ましたけれども、家賃軽減制度についての二つほどちょっと伺いたいと思います。新旧制度の関係ですね。
 これは、説明会当日に世帯主が五十五歳以上六十歳未満である場合に、その世帯主の所得に応じて、六十五歳になったときから軽減措置が適用されると、こういうことのようであります。私は、説明会当日の年齢による制限を撤廃して、だれでも六十五歳になったらその収入に応じてもちろん軽減措置が受けられるようにするのが当たり前ではないかと。何で説明会の当日に五十五歳でなければならないのか。何でですか。
○参考人(中田雅資君) 公団の賃貸住宅の建て替え事業の実施に当たりましては、居住者の居住の安定に配慮するということで、戻り用の住宅に入居された場合にまず全員の方の家賃減額を行います。それから、特に低所得の六十五歳以上の高齢者世帯、母子世帯、それから障害者世帯及び生活保護世帯につきましては、更に特別な減額を行っているということでございます。
 この高齢者世帯に係る特別措置についての御指摘でございますが、高齢期に向けた生活設計を準備する時期というふうなことで説明会時点で五十五歳以上の世帯の方々に特に対象を広げてきたということが今までの経過でございます。以前はこの五十五歳が六十歳というところにしていたというところでございます。
 なお、それ以外の方々について、賃貸住宅の特性としまして、ライフスタイルのいろんな変更があるとか、そういうことに柔軟に対応できるとかいうふうなこともありますので、一定のラインを設けたということでございます。
○富樫練三君 何の説明にもなっていないですよ。何で五十五歳なのかって一言も今言わなかったでしょう。強いて言えば高齢期に入る準備だと。公団に、あんた五十五歳になったから、高齢期にそろそろ入りますからそろそろ準備をしてくださいと。公団に言われなくたって、みんな老後のことはよく考えていますよ。何で五十五歳になったら公団から言われなくちゃいけないんですか。ちゃんと答えてくださいよ。
○参考人(中田雅資君) なぜ着手時の年齢にこだわるのかということでございますが、公団が行う居住の安定措置といいますか、というのは住宅の建て替えの実施、実際には着手というこの時期ですね、これを契機として将来の居住に不安を抱かれる居住者の方々に対して配慮しようという趣旨であります。そのために説明会時点の年齢に着目をしてこういう措置をすることにしたということでございます。
○富樫練三君 大臣、分かりました、分からないでしょう、今の説明じゃ。
 何で五十五歳になったらそういうことを公団から言われて老後の心配をしなくちゃいけないのか、これは理屈はないんですよ。何でかというと、これは公団が建て替えるときに、新しく建て替えるときに、戻ってくる人の戸数だけは確保しなくちゃいけないからなんですね。
 例えば、百軒の団地があったとする。いったん退去して新しいものを建ててそこに戻ってくる人が三十軒しかいなかったら、三十軒分造ればいいじゃないかと。あと、プラスアルファで十軒、十五軒造ることはあるかもしれないけれども、最低三十戸は造らなくちゃいけないねと。これを計画立てるときに早く決めなくちゃいかぬ。だから説明会、建て替えの説明会のときに、あんたは出ていっちゃうのか、戻ってくるのかはっきりせいと、こういうことを言わんとしているわけでしょうがね。
 そういうことをやっているから私は理屈に合わない、道理に合わないことをやっていると、こういうふうに言われているわけですよ、公団は。まあ、しょっちゅうこういうことがあるんですけれどもね。
 もう一つ伺います。
 新旧で、以前は二DKまでの人についてはこれは軽減の対象になっていたんだけれども、これからは五十平米以上の人も軽減の対象にすると。ただし、軽減は五十平米までであって、五十を超える部分は軽減の対象外ですよと。広くても全体としては対象になるけれども、対象の範囲は限られていますよと、こういうことなんですね。
 こういうことをやめて、例えば家族構成で、三人、四人いれば一定の広さはどうしても必要ですよ。そういう人についても五十平米までなどということをしないで、全部が軽減の対象にするというのは当たり前じゃないですか。どうしてそういうふうにしないんですか。
○参考人(中田雅資君) 今御指摘のように、家賃減額措置の対象面積は五十平米を上限としております。
 この措置の根拠でございますが、大型住宅を選択した方々と小型住宅を選択した方々の間で減額総額に大きな格差が生じるというふうなことがありますので、このことに配慮したということが一点でございます。それからもう一つは、適正な居住水準となる住宅の規模が確保できるではないかということで、これは八期五か年計画、住宅建設の八期五か年計画の最低水準ということで五十平米という規模がございますので、このラインで線を引いたということ。それから、減額後の家賃が戻り入居者の負担可能な額になるように下げたんだというふうなこと。これらを根拠としまして、現在、四人世帯の最低居住水準面積である五十平米にラインを引いたということでございます。
○富樫練三君 それも理屈に合わないんですよね。格差が生じると、格差が生じるんだったらいい方に統一すりゃいいじゃないですか、格差が生じないように。どうしてそういう発想にならないのか、ここが不思議でしようがないんですよ。
 本当に公団が居住者の人たちのことを考えている、一番最初に私、総裁に聞きましたけれども、居住者のことを第一に考えるんだというように総裁は言っておきながら、実際には全然やっていることが違うじゃないですか。こういう点は直ちに改善をしていただきたいと思うんです。
 そこで、国土交通省に伺いますけれども、こういう新制度や旧制度の格差が生じているものを、いい方向というか、新しい制度に統一した場合に、これは補助金などで一定の国の負担も出てくる可能性があるわけですけれども、新制度に統一した場合、どのぐらいの負担が増えることになりますか。これは国土交通省。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 仮に、あくまでも仮定のお話でございますが、仮に新しい家賃減額特別措置に統一をする、新旧統一をした場合の試算でございますが、平成十四年度における新制度の適用額から二DK五十平米の住宅で試算しました結果、おおむね国の負担は年間二億円となる見込みでございます。
○富樫練三君 二億円あればできるじゃない。統一できるじゃない。そういうことにけちけちしないで、ちゃんとやるのが当たり前じゃないですか。
 次に、居住者からいろんな声が出されているんですよ、改善とか修理とか修繕とか。こういう点についてもどうも公団はいまいち誠意がきちんと示されていないんではないかと。改善をしていただきたいと思うんですけれども。
 例えば、アンケートによれば、鉄製の部分のさびとか、そういうのを防ぐために塗装をやっているわけなんだけれども、例えば今までならば、九七年は九万戸やったとか九八年は九万三千戸やったとか、そういうのが最近になって、二〇〇二年になると五万四千戸というふうにがくんと減っているわけなんですよね。実際には、長期にわたってベランダの手すりの塗装がはげ落ちているとか布団が干せないとか、いろんな不便を感じながら生活しているわけなんですよ。こういうことぐらいはその場その場ですぐ対応してもらわないと、何のために家賃値上げされて、何のために高い家賃を払っているか、これは住んでいる人たちから不満が出るのは当たり前だと思うんですよ。どうしてそういうことをやらないんですか。
○参考人(古屋雅弘君) 賃貸住宅の性能といいますか、設備水準も含めまして、これを的確に維持していくというのは非常に重要なことでございます。したがいまして、日常的な不具合があります場合には私どもも速やかに修繕をいたしますし、それから、計画修繕と呼んでおりますけれども、例えば外壁の性能でありますとか、屋根防水でありますとか、給水管の取替えでありますとか、こういったものは周期を決めて点検をしながら実施をしておりますし、それからさらに、リニューアルでありますとか高優賃でありますとか、一段と、窓枠のアルミサッシ化でありますとか、そういった性能向上といったような事柄についても重点的に取り組んできておりまして、そういった修繕を的確に実施をしているところでございます。
○富樫練三君 的確に実施していれば布団が干せないだとかそういう事態にはならないんです。的確にやっていないからですよ。
 この四月から値上げしたでしょう。値上げの総額は五十億円ですよ。値下げ分の差引きをして三十億円が増えたんだと、こういうふうにこの間私答弁いただきましたよ、三十億円だと、新たな負担が。三十億円も住んでいる人たちから家賃を多く納めさせておいてそういうことがきちんとやられないなんということで、私は大家としては不適格だと思うんですよ、大家さんとしては。
 大家さんというのは、たな子のことをよく考えて、何か困っていることないかと、こうやって次から次へとちゃんと手を打つのが大家さんの仕事じゃないんですか。そういうことはもう抜かりなくきちんとやっていただきたいと思うんですが。
 そこで、これは総裁に伺います。
 この値上げした分について、何に使うかという説明がないんですよ、住んでいる人に。私、この間、前回のときに総裁に、どうして値上げするのか、あなたの家賃は今回二千円値上げされますよという場合に、なぜ二千円値上げなのかということについて総裁に聞いて、総裁は答えられなかったと思うんです。私が数式を説明をして、それは企業秘密だというふうに総裁言いました。秘密でも何でもないですよ。何で値上げするかというのは、それは家賃納める人に説明するのが普通ですよ、当たり前ですよ、秘密でも何でもないです。
 ところが、今度は、値上げをしましたけれども、その値上げ分を何にどういうふうに使うかということをどうして居住者の皆さんに説明しないんですか。その理由をおっしゃってください。
○参考人(伴襄君) 家賃の値上げ分を含めまして、先ほど申し上げたように、居住者の今の生活環境の改善、向上のために使うというのは当然のことだというふうに思っております。
 先生御指摘のように三十億円、本年四月の改定で増収になっておりますが、実はこれは平成十五年度の収入予算が約六千億、要するに六千億円収入入るわけです。そのうちの〇・五%に当たるわけでございまして、この中から三千億円を住宅管理業務に要する支出に充てておるわけでございまして、こういうふうに、改定前の家賃収入も、それから新規の賃貸収入、今三十億とおっしゃった、それも合わせて一体的に管理されているものでございます。
 どのように修繕を実施するかにつきましても、公団の事業計画で住宅改良の実施戸数を明らかにする等々、主な計画修繕項目、先ほどいろいろおっしゃった修繕項目等の実施数量について計画的に、いつまで、どこで何をやるかといったようなことを居住者団体等にも説明を行っているわけでございます。
 ちなみに、今三十億の話になりましたけれども、前回の三年前の継続家賃改定、十二年度に行っておりますが、このときは八十億円でございました。しかしながら、当該の増収額は、平成十三年、十四年、これは毎年下げる方は下げておりますので、十三年、十四年度の募集家賃の見直し等々で継続家賃の引下げもやりまして、既に八十億円が払底しておりますけれども、その八十億円増収のときにお約束しました、居住者の要望強かった、重点七項目と言っておりますが、先ほどのアルミサッシの取替え等も入っておるわけでございますが、そういうものは継続して推進を図ってきたという状況でございます。
○富樫練三君 居住者にはよく分かるようにきちんと説明するのは、私は公団の説明する責任があると思うんですね、家賃を徴収する方の、側の。その責任をきちんと果たしていただきたいということと、情報を居住者に公開をするということが大事だというふうに思います。この点についても是非改善をしていただきたいというふうに思います。
 最後に、今後の住宅政策について何点か伺っておきたいと思います。
 一つは、公団の建て替えに伴って、高層化した場合に土地が、余剰土地が出ると、その土地を効率的に公共用に使うという点についてですけれども、法案の二十六条の第二項に公営住宅や福祉施設などの公共目的への活用、これがうたわれています。これをきちんとやる上で、伺っておきたいのは、この中で「土地の譲渡その他」というふうになっておりますけれども、これは地方自治体などに対する譲渡と、及び「その他」という場合には、借地というか、地方自治体がその土地を借りるという方法も含まれているのかどうか。
 それからもう一点、譲渡する場合に、地方自治体に対して譲渡する場合に、そこに公営住宅を造るとか、そういう場合ですけれども、その価格について、地方の今の財政の実態を踏まえてなるべく安い価格で譲渡をするということが求められていると思います。
 この方向についてどう考えているかということと、場合によっては、土地を買い取る場合に地方自治体に対する国からの補助、公営住宅を造る場合、土地代についての補助、これについても考える必要があるというふうに思いますけれども、この点についてどうかという点を伺っておきたいと思います。
 あわせて、四大都市圏のコミュニティーづくりというか、新しいまちづくりというか、そういう点についてなんですけれども、四大都市圏ではファミリー向けの住宅は不足しているというのが、以前、当時の住宅局長から答弁がございました。四大都市圏で二百五十万戸ほど不足していると、こういう答弁があったわけですけれども、戻り入居以外に、建て替えのときに、戻り入居以外にきちんと戸数を確保して、新規の募集、これができるような体制を大幅に増やす必要があるというふうに思うんですけれども。あわせて、若い方々がそこに入れるように、家賃での減額措置、こういう制度もきちんと作るべきだろうというふうに思いますので、これについてはどう考えているのか、これは国土交通省の方になろうかと思いますけれども。
 三つ目、最後に、高齢者向けの優良賃貸住宅、いわゆる高優賃住宅でありますけれども、これを大幅に造る必要があるというふうに思います。特に、これについては計画があるんだけれども、実態は計画どおり進んでいないというのがあります。公団は比較的造っているんですが、民間や公社がほとんど造っていないという事態があります。この点については、機構に行った場合にも当然高優賃を積極的に造るというのと、あわせて、国土交通省としてこれをきちんと造っていくという保証、裏付け、これをどう考えているのか、お答えいただきたいと思います。
 以上です。
○政府参考人(松野仁君) 委員御指摘の法案第二十六条第二項に規定しております措置、つまり地方公共団体から要請があった場合に、公営住宅併設のために土地の譲渡等の措置を講じなければいけないと。
 これは、公団住宅の居住者の方が高齢化が進行して、建て替えに伴って公営住宅への移転を希望する方が増加するという場合があるということで、公営住宅との連携の強化を図ることが不可欠、あるいは、その地域において公営住宅がそもそも不足していると、その供給を促進する必要がある場合、それから公営住宅等の併設を促進しまして多様な世代や階層が交流できる良好な地域コミュニティーが形成されると、こういったケースがあるということでございます。
 お尋ねの譲渡その他の措置ということで、「その他」というのはどういう措置かということで、御指摘のとおり、譲渡以外の措置として借地で提供するということも論理的にはあり得るということでございます。
 それから、そのときに、公営住宅が、公営住宅サイドが土地を買うというときに国の補助制度がないのかと、できないかということでございます。これは、公営住宅は基本的に用地費に対する補助制度はございませんで、今はその代わりに家賃対策補助をするということでございます。したがいまして、制度的に国からの補助金というのはないということでございます。したがいまして、土地を譲渡するときも時価で譲渡するということが基本でございます。
 それから、建て替えのときに都市勤労者の賃貸住宅需要を更に満たすべきではないかという御指摘でございます。建て替えに伴いまして、建て替え事業の基本は、従前居住者の方々の戻り入居に対応するという必要があるということでございます。その適正な土地利用を図った上で、容積率を有効利用しまして、棟単位で見るとそれを上回る戸数が供給されることがございます。これは、そういう意味で一般的なファミリー向け賃貸住宅として活用されるものでございますが、更にそれ以上に敷地に余地が生じるというときには、その地域の実情に応じまして、その土地を公共団体あるいは民間等に譲渡するケースもありましょうし、あるいは賃貸住宅需要がかなり大きいということであれば、そこで民間による賃貸住宅供給を支援するという措置を講ずることがあると思います。
 それから、建て替え時に若者世代、子育て世代が入居しやすくなる家賃制度面での対策ということでございますが、これは低所得高齢者の方々には特別減額措置というのがございますが、それ以外の方々につきましては、若者世代、子育て世代を含めまして一般的な減額措置で、通常二〇%ということでございますが、二〇%減額措置で対応しているところでございます。そういう措置で今後も対応してまいりたいと考えております。
○委員長(藤井俊男君) いいですね。
○富樫練三君 高優賃。
○政府参考人(松野仁君) 高優賃でございますが、たくさんございましたのでちょっと忘れましたが……
○委員長(藤井俊男君) 簡潔に。
○政府参考人(松野仁君) 確かに、予定した、計画した実績にまだ現在の実績から見ますと十分に対応し切れていないということが実情でございます。したがいまして、今後、公団も含めまして頑張っていかなければいけないと思いますが、公団は大体予定の高優賃の戸数、達成をしていただいております。さらに、それ以外の民間事業者による供給等、これを達成していかなければいけないということで、今年からは買取り型という制度も設けまして、例えば供給公社が、地方住宅供給公社が再開発によってできました保留床を買い取ってこの高優賃制度を適用するとか、そういったこと、それから社会福祉法人のような民間事業者からの制度に関する関心がかなり高くなってきて、問い合わせがかなり来ております。そういう意味で、そういった民間事業者にも周知をして、これらの制度が活用してもらえるように周知をしてまいりたいというふうに考えております。
○富樫練三君 終わります。
○大江康弘君 国会改革連絡会(自由党)の大江でございます。今日は御苦労さまでございます。
 大事な法案でありますので、委員長、それなりに御配慮をいただきまして、質問時間も多くしていただいたり、明日は参考人の方に来ていただいたりということであります。私どももそれなりの気持ちで取り組んでおるわけでありますけれども、今日は、お見受けをしますと、たくさんの傍聴者の方が今朝から私どもの委員会にお付き合いもいただいて、しかし傍聴されておられる皆さんにとりましては、やはり毎日生活をされておられて本当に切実な問題も抱えておられるかと思いますし、また今日の一日のこの私どもの委員会の審議も聞いていただいて、一生懸命国会もやっておるなということも、意のあるところをそれぞれの先生方が多分お聞きをされたと思います。何度も言いますように、一番最後に質問をさせていただくのはもう残りかすをすするようで、もう大体聞きたいことを聞いていただいております。
 その分、今日は、大臣、早く終わりまして、できれば早く終わって、これはもう公式ではありませんから、委員会閉じた後でも、せっかく皆さん来られておりますので、一言二言傍聴者の皆さんとひとつお話をしてあげていただいたら、庶民派の大臣ですから、皆さんもやはりそれなりに今日の委員会を見られて満足されるんじゃないかなと。お忙しい日程ですから、私、気を遣って早く終わらせていただきたいな、そんなふうにも思ってございます。
 まず、その前に大臣にお礼を申し上げたいと思います。お礼というのはおかしいんですけれども、本来なら御苦労さまということであると思います。この法案とは直接関係ありませんが、昨日、北朝鮮の万景峰号、入港を取りやめた。大変いいことであると思います。それなりにいろいろ今日は新聞等を見ておりますと、各社ともやはり一番大きかったのは、我が国土省、我がと言ったらおかしいですけれども、この国土交通省が、いわゆる今回の入港阻止の決め手となったPSC、いわゆるポートステートコントロールですか、これをやっぱりしっかりやるぞという、この思いがやはりいろんな各省の中に伝わって、今回は一致してそういう一つの対応をされた。しかし、特別に新しい法律を作ったわけでもなしに、現行にある法律をそのまま執行、遵守しようとしたわけですから、そういうことを思えば、ありがとうございますじゃなしに、御苦労さまになるわけであります。
 ただ、今までそういう環境に至らなかったということが問題なのであって、しかしこれを機会にいろんな、かの国の我が国の主権を侵すこういうような状況というものはやっぱり一つ一つ、日本も独立国家でありますから、やっぱり主権を守るという立場の中でしっかりしたこれから対応もしていただきたいと思います。万景峰号が来なくても、今、日本のそれぞれの港に約三十隻近い、数十隻近い北朝鮮籍の船がまだおるようでありますし、聞けば、年間、延べ一千四百、昨年は十五隻来たと。百五十隻余りの北朝鮮籍の船が行ったり来たりして、何をしておるのか知りませんけれども。
 そういう意味では、やはり今回の対応というものに対して私は国民の一人として敬意を表させていただきたいと思います。これはもう答弁は結構でございます。
 そこで、やっぱりせっかくですから大臣に、今後のこともありますから、ちょっと法案とは別で恐縮なんですけれども、大臣のひとつ変わらないその信念を一回聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、大江議員がおっしゃいましたように、このポートステートコントロールというのは国際法上当たり前のことなんですね。
 そして、この万景峰92というのは、名前が付いておりますように、一九九二年に造成されて、九三年に日本に参りました。第一回の九三年にこのポートステートコントロール、PSCというものを実行いたしました。
 ところが、そのポートステートコントロールの中で国際的な基準というものが、IMOというんですけれども、この基準が、例えば船にはその当時なかったんですけれども、九四年には火事が行かないようにスプリンクラーを設置しなさいよ、これが九四年。そして九七年には、少なくとも煙を探知する、火災、これも火災予防ですけれども、煙が探知したらピーと鳴る装置を付けなさいよというのが九四年。そして九九年には、衛星通信装置の施設を義務付ける、そうすると海難防止になるということで、これも新たに九九年に衛星の送信装置を、受信装置を付けなさい。そして最後に、二〇〇〇年なんですけれども、これは高速救助艇というものはそれぞれ設置しなければいけませんよと。それは、もし何かあったときに高速艇で、乗組員なりお客様を高速艇で送るためにこれを設置しなさいというふうに年次ごとに改正が義務付けられました。
 けれども、それを、そのたびごとに検査していればよかったんですけれども、今申し上げますような毎年、二年ごとですね、偶数年、九二年、九四年、それから九七年、九九年、二〇〇〇年と、こう改正してきたものですから、そのたびに検査をしなかったと、していなかったと。けれども、今申しましたように、最初が九三年ですから、ちょうど今年が十年目に当たりますので、まとめて今回は検査をさせていただくということを、前もって北朝鮮に検査をさせていただきますよということを、これも親切に言い過ぎたと言われる向きもなきにしもあらずなんですけれども、やっぱりこれは開港している港でございますから、少なくとも年間に百四十七隻というものが北朝鮮から来ているわけですし、少なくともこれが千三百四十四回にも及んでいるということですので、千三百四十四回、毎回これが検査できるだけの体制の人数がそろっていないというのも実情でございます。
 今回は、少なくとも海上保安庁が四十名、そして北陸の運輸局が二十名という体制で改めて検査をさせていただくと。法改正も何もしていませんけれども、これ決まったものをするということだけを北朝鮮に通知をさせていただいたということで、あちらがその趣旨をどうお取りになったかは知りませんけれども、いらっしゃらなかったということでございます。
 私たちは普通のことを普通にさせていただくと、遅きに失した点もなきにしもあらずですけれども、そのような改正が国際法上ありましたので、IMOの規定に従って検査をさせていただきたいということでございますので、今後もこの姿勢は変わらなく、なおかつ、今回は新潟港の万景峰だけでございましたけれども、今申しましたように、年間で少なくとも百四十七隻がいろんな港に来ているものですから、それはできる限りの検査を怠らないようにさせていただきたい。
 それと、お客様を乗せた貨客船と貨物だけの、これ条件がまた違ってまいります。ですから、全国に来ております中には、お客様を乗せないで貨物だけで来ているものもあります。これはまた検査体制が変わりますけれども、それに適応した検査体制を、やっぱりできるだけの人員と、そして的確な検査をさせていただいて、これに努めていきたいと思っています。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 それぞれの国交省の担当の皆さんも頑張っていただいたことでありますし、海上保安庁のあのきびきびした行動を見ておりますと大変頼もしく思うわけであります。それもこれも大臣のそういう強い意思の中でやっぱりそれぞれが職務を果たしていただいておるというふうに理解をしておりますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、法案に少し入りたいと思いますけれども、昔から名は体を表すとよく言います。そういうことからいいますと、私は、今回の都市再生機構という名前ですか、先ほども少し森本先生の方からも若干ありましたけれども、何かここから住宅というものをどうしていくとか、あるいは、私はやはり前回の金融公庫のときにも申し上げましたけれども、人間の生存権である居住権というものをやはり国家がきっちりしていかないと、やっぱりこれは国というものはだんだんおかしくなるということも前回申し上げましたけれども、それだけに都市再生機構というこの名前を見る限りは、一体日本の住宅政策をどこへ持っていこうとしているのか。
 今まで、先ほど、昭和三十年ですか、住宅公団ができたときにステンレス流し台やとかDKスタイルでパイオニアを果たしてきたと胸を張られました。私は、そういう意味では、整備公団もそうですけれども、やはりまだまだ国の意思として私はしっかりと責任を果たしてもらわないかないという立場であります。それだけに、独立行政法人になってどんな方向へ行くのかというのは、非常に不安に思っておる一人であります。
 やはり世の中の時代の流れの中で、国民の皆さんが求めるもの、また居住される皆さんが求めるものというものがこれ違ってくるわけでありますから、それだけにやはり国がしっかりとこういうことを作り上げていくという意味においては、何も公団を新しい機構に一緒になってしないでもよかったんじゃないかなというふうに思います。新しくしたからといって問題点が解決するわけではなしに、やっぱりそれぞれの機構の中で責任を持って組織の中でやっていくという、このやはり責任、使命感があれば私は十分にやっていけるんではないかと。
 それだけに、こうして昭和三十年から住宅公団、それからこれ宅地開発公団ですか、そしてまた住宅・都市整備公団、そして都市基盤整備公団、こういうものが名前が今日まで四回変わった。変わるたびに結局最後にこの住宅という名前が消えて、何か住宅政策の基本というものがどこに行ったのかなと、こういうふうに不安に感じるわけでありますけれども、私はやっぱり名前は変わっても基本的なことはこれ変わらない、変わっちゃいかぬというふうに思うわけですけれども、ここらはどうでしょうか。ちょっと、局長、お答えいただけますか。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 新しい法人は、特殊法人等整理合理化計画におきまして、都市公団が行っております市街地整備改善事業及び地域公団の地方都市開発整備等事業を都市再生を図るものに限定する、あるいは業務の徹底的な見直しを行った上で、都市再生に民間を誘導する独立行政法人として設立するとされたものでございます。したがいまして、都市再生を目指して事業を実施するための組織であるということを新法人の名称上も明確に示すために機構という名前を用いまして、独立行政法人都市再生機構というふうにしたものでございます。
 また、法人の名称に住宅という言葉は入っておりませんが、これは現在の都市基盤整備公団も住宅というものは使っておりませんが、これは都市における住宅というのが都市基盤というものの一つであるということでそういうふうになっております。今回も、既存の機構が管理する住宅につきまして、必要な修繕あるいは建て替えを行っていくということで、都市の賃貸住宅ストックの改善に直接、間接に資するということでございますので、都市再生に資する業務としてこれは含まれるというふうに考えております。
 また、新規の建設については、賃貸住宅を直接供給するということはございませんが、民間による賃貸住宅供給を支援するというようなことで、その住宅政策の実現を図っていくということでございまして、都市再生機構になっても住宅政策におけるスタンスが変わったわけではないということでございます。
○大江康弘君 変わらないということでありますけれども、今回、地域振興整備公団ですか、これと一緒になるということでありますから、そういう意味からしますと、一足す一は二になって、それで北海道から沖縄まであまねくそういう都市再生をされていくということであろうと思います。
 もちろん、今朝ほど山下先生からもありましたけれども、私なんかも和歌山の方に住んでおりますから余り都市というもののイメージはないわけでありますけれども、和歌山県民は、大臣、高所恐怖症が多いんですね。なぜ多いかといいますと、十階以上の建物がないんです。それで、都会へ出て十階以上の建物に出たら、みんな目を回して帰ってくるという、そういう建物に慣れておりませんから。それだけに、我々やはり地方都市とよく、都市、都市といいますけれども、やはり三大都市、とりわけ東京そして大阪、この二大都市ですよね、これをやっぱりどうしていかないかぬ。
 今まで、都市再生法だ、あるいは都市再開発法だ、いろんなことで国交省の方向も聞かせてもいただきました。しかし、今回、私は、都市基盤整備公団がやっぱりやってきたことというのは大変意義があったというふうに評価をしておる一人であります。それだけに、この今回の新しい機構の中で、今まではやはり新しいニュータウンを造ったり、そこから町おこしをしたりということでありますけれども、新しくできるこの機構によってどういう責任を果たされていくのか。いわゆる都市と言われておる、地方も都会もというその名前の付いているところを開発をしていく、やっていくということなんでしょうけれども、私は、やっぱり大都会という東京や大阪に求められる都市像と、地方の、我々が本当に、私なんかも小学校、中学校の同級生を思い出したら、もう半分ぐらいがイノシシか猿かなというぐらいしか思い起こさぬぐらいの田舎に住んでおるようなそういう人間にとって、やっぱり都市というこの二文字でくくってしまうというのは余りにも私は無理があるんじゃないかと。
 だから、そういう意味ではしっかりとそこのところの振り分けはしておかないと、私は、スタートの時点でごっちゃにしてやっていくと、いろんな、私は、進んでいく中において、ちょっとこのやっていく方もおかしいなというようなことになっていくと思うんですけれども、いわゆる地方の都市と大都市である東京やあるいは大阪の都市という、この定義のちょっと違いというのがあれば、局長、教えてもらえますか。
○政府参考人(澤井英一君) 都市再生ということについて、大都市、地方都市、それぞれどのような課題があるかというお尋ねと思いますが、都市再生、しばしば議論になっておりますように、大都市だけでなくて地方都市も含めましていろいろな対応が今進められております。
 概括的に申しますと、文化と歴史を継承しながら、活力に満ちた、あふれた都市を作っていこうということでありますが、具体的には、例えば三大都市圏について言いますと、長時間通勤ですとか慢性的な交通渋滞、防災上危険な密集市街地等の言わば二十世紀の負の遺産というような問題とともに、一方で、国際空港、環状道路のような重要なインフラ整備をしたり、都市における居住環境、あるいは商業、文化等の機能の向上といった様々な課題があると思います。
 一方、地方都市におきましても、同じく防災上危険な密集市街地はかなり広範囲に分布しておりますし、また地方からのいろんな提言なり課題意識を調査いたしましても、例えば中心市街地の空洞化、あるいは鉄道等による市街地の分断等のかなり共通的な課題も顕著に出ております。地方都市におきましては、こういう課題を解決いたしまして、地域の豊かな歴史と文化を生かした個性あるまちづくりを行っていくということが必要だと考えております。
 現に、現在の都市再生の取組全般の中でも、一つには、関係省庁あるいは公共団体一緒になって実施すべき都市再生プロジェクトの推進という流れが一つございます。また、民間事業者の力を生かして都市を作り直していこうという意味での民間都市再生事業の推進という流れもございます。これに加えまして、全国都市再生ということで、全国から寄せられました提案を基にいたしまして、例えば歴史的なたたずまいを継承した町並み、まちづくりをどうしたらいいか、あるいは今後の重要な課題として環境と共生したまちづくりをどう進めたらいいかというようなテーマを幾つか設定いたしまして、関係省庁あるいは公共団体から成ります協議会を設けまして、いろんな制度の見直しの必要性等々を含めて取組を進めているところでございます。
○大江康弘君 そこで、我々、今非常に心配になるのは、言われておるところの、例えば東海、南海の地震だとか、あるいはいつ来るか分からない災害対策ですね、災害に対する対策、そして、先ほどからもいろいろ意見がありましたけれども、この密集市街地というものを災害に強いまちづくりとしてこれをどうしていくのかという、この一つの観点の中からやり上げないかぬ。
 こういうことを考えたときに、私は、やっぱり公共性というものが高いですよね。だから、公共性というものが高いということは、裏を返せば、採算性が低い、あるいは効率性も低い。しかし、やっぱり、何というか、必要度というものが非常に高いということになっていきますと、これは国家として、政府としてやっぱりしっかりとそこのところはやり上げていかなければならない。
 だから、民間を誘導することによってということが、今朝ほど来からもいろんな都市再生の中での言葉がありましたけれども、例えば我々田舎におって、あるいは田舎で何するにしたって、これ自治体とのいろんな、調整にしても何にしても、やっぱり一番関与が強いわけですよね。
 ですから、それはそういうことをのけていくのがこれ規制緩和だ何だということになるんでしょうけれども、しかし、この規制緩和とか自由化という、民間導入というのは、例えばたばこやお酒を自由に売るという話とこれは違うわけですから、これは即国民の命とか、そういうものにかかわってくる話でありますから、私は、民間誘導というのは、言葉はきれいですけれども、やはりしっかりと本当に国が責任を持ってという、このやっぱり私は姿勢なり裏付けがなければ進んでいかないんじゃないかなと、実はこんなふうに思うんですけれども。
 いわゆるこの新しい機構というものは、今申し上げましたように、密集市街地の再生とか、密集市街地をどうしていくだとか、あるいは災害対策に強いまちづくりをどうしていくということにやっぱりこれは正面から取り組んでいくわけですよね。
○政府参考人(河崎広二君) ただいま先生が御指摘になりましたように、密集市街地の整備というのは、とにかく狭小な敷地が大変多い、あるいは公共施設の不足をしている、権利関係も大変複雑であるというようなことで、それを克服しながら事業を展開するという意味では、民間だけではとてもじゃないけれどもこれは対応できないという点があるわけでございます。
 そういうところで、実は、確かに都市再生というのは民間が主人公であるということはあるわけでございますが、その様々な課題の中で、やはり密集市街地のようなものに対応していくためには民間事業者あるいは地方公共団体だけでは十分な対応ができない。
 特に、都市再生というのが国家的な課題になっているというふうな現状におきましては、都市再生機構が有しているようなまちづくりの豊富な経験で培ったノウハウあるいは組織、人材を有効に活用していく、そういった形で積極的にこういったものに対応していくことが重要であるというふうに考えているところでございまして、具体的な事業としては、今朝ほど来何回も言っておりますが、例えば細分化された敷地の共同建て替えを行うため、今、地権者あるいは借家人等の関係権利者の調整、あるいは関係行政機関との調整といったようなことがございまして、そういったようなコーディネート業務をやる、あるいは密集市街地の中にはたまたま工場がありまして、その工場が廃止になるとしますと土地が出てまいりますので、それを密集市街地の整備に充てるために先行取得をする、あるいは関連する公共施設の整備を行うといったようなことを展開していくことが必要であります。
 また、先般、本委員会でも御審議をいただきました密集法が成立をしたわけでございますが、その中でも、防災街区整備事業という事業が創設されまして、機構も施行者の一人と位置付けられたわけでございます。この事業が、権利変換手法によりまして土地建築物の共同化を図る、そういうことによって、防災上危険な建築物を除去し、防災性能の高い建築物を整備する、併せて公共施設の整備を行うという事業でございます。
 そういった意味で、密集市街地の整備、改善に向けて機構の果たす役割は今後一層期待されるというふうに考えておりますので、十分責任を果たしていくことが必要であると考えているところでございます。
○大江康弘君 この間、六本木ヒルズができましたですよね。あれは聞きますと、十七年の歳月で地権者の方が四百名ということで、あれだけのものを造り上げていくということは、それはもう確かに民間のいろんな業者にしてもそんなに私は数がないと思うんですよね。森ビルという、あの専門にやってきたからできたという。しかし、あの十七年掛かったということを短いと見るのか長いと見るのか。私は、やっぱりそういう十七年というこの長い年月を掛けて都市再生をやっていくということは、これ分かりませんよ、僕は想像ですけれども、やはり民間でやっていくところの限界が、あの長い年月、長いか短いかというのを先ほどから言いますように、私とすれば、これ、おぎゃあと生まれた子がもう高校出るぐらい、これ掛かっているわけですから、長い年月ですよね。だから、やっぱりそういうことから思いますと、民間、民間と言いますけれども、こういう一つの都市再生というものに関してはやっぱりしっかりと国が関与をしていった方が私はスムーズにいく部分があるんではないかなと、こんなふうに実は思うんですけれども、そこらはどうですか。大臣、首かしげられたけれども。局長、じゃ。
○政府参考人(河崎広二君) ただいま先生御指摘になりました六本木ヒルズ、地区面積十一ヘクタール、地権者は四百人と、大変大規模で複合的な都市開発プロジェクトでございます。これを民間の事業者が十七年という歳月、これは今、長いのか短いのかという御議論がありましたけれども、私は大変、民間の感覚からいいますと長い期間を掛けたものだというふうに認識をしております。これを実現をされたというその御努力に対しまして大変敬意を表する次第でございます。
 しかしながら、一方で、一般的に申し上げますと、民間事業者の場合、特に株式を上場しているような企業の場合には、特に市場の評価、収益に対する市場の評価というのは非常に今厳しくなってきておりまして、近年、特に投下資金の早期回収が求められるようになってきております。また、多額の資金が長期にわたって投下されまして、そこからキャッシュフローが出てくるのがまた大変長い期間を要するというふうな事業には、一般的には民間のみで対応することは困難な状況になってきているというふうに思っているところでございます。
 したがいまして、例えば周辺地域の公共施設整備を伴うような大規模な臨海部の工場跡地の土地利用転換、あるいは先ほども話が出ました密集市街地の整備というような権利関係が複雑で調整の難しい事業、あるいは長期間を要するような事業、収益性の低い事業につきまして、これを民間ですべてやるというのはそれは基本的には困難だというふうに考えておりまして、このような場合には、そのプロジェクトの中の建築物の建設、管理というのはこれは民間で積極的に対応していただくということにいたしまして、都市再生機構がその前提条件の整備、すなわち区画整理事業なんかで細分化した土地の集約整形化を図るとか敷地の整備を行う、あるいは関連施設、関連公共施設の整備を行うと、あるいは事業計画等に関してコーディネート業務を行うといったような業務を積極的にやることによって、公と民との適切な役割分担によってそうしたプロジェクトは順調にこなしていけるというふうに考えておりますので、そういった部分における機構のこれからの役割は大変重要であるというように認識をしているところでございます。
○大江康弘君 これ、局長、要望しておきますけれども、済みません、総括官、要望しておきますけれども、やはりしっかりと、すみ分けと言ったらおかしいですけれども、そこらの国としてのしっかりと関与をしなきゃいかぬ部分は私はやっぱり責任を果たしていってほしいというふうに思います。
 私は、本来、内閣にあるこの都市再生本部なんかも、本当言えば公団がやってくれるぐらいのやっぱり意気込みを持ってほしいわけであります。そういう意味で、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 もう時間がありませんので、ちょっと最後に、イギリスのあのゆりかごから墓場までと言われた福祉国家を支えてきたその基盤は、やっぱり福祉政策の一環として住宅保障をしてきた、これは前にも申し上げましたけれども。やっぱり、その中であのサッチャー政権が賃貸住宅制度を取りやめて、しかもその賃貸住宅を売却しにいった。そこからちょっとイギリスがおかしくなっていったというようなこともある本で読みましたけれども。
 今、そういうことからいいますと、日本がそうならなきゃいいなと。この賃貸住宅政策というものをどういうふうにこれからも維持して育てていくのかということを考えてみましたときに、今日来られておられます多くの皆様方、昭和三十年前半からやはりこの日本の高度成長期の中で一生懸命、地方から出てこられた方もありましょうし、やっぱりこの日本の繁栄を支えていただいた。もちろん、我々田舎におる者もこういう発展を支えてきたという自負心を持っておるんですけれども。やっぱり、かばん一つで東京へ出てきて、住むところがなかった、公団の住宅があった、そこに入った、そこから一生懸命国づくりのために頑張っていただいたと。
 お見受けをしますと、それなりに皆さん美しくお年を取られて、歴史の重みというものを感じるわけでありますけれども、こういう皆さんがこれから不安に思うようなことになれば、これはやっぱり私は政策の失敗だというふうに、こう思うわけであります。
 それだけに、この賃貸住宅政策は、朝から、七十五万戸はしっかりと守っていって、二百万人の方にということもありますけれども、しかし、そうはいいましても、今回のこの新しい機構の中で、先ほど私言いました、この住宅という名前が外されたということも、何かそういう意味ではちょっと機構自体が冷たい名前になって、本当に住む人のためにやってくれるのかという不安もよぎるわけですけれども、最後に、大臣、こういう賃貸住宅政策というものを今後やっぱり国の責任としてどう進めていくのか、ちょっと最後、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 日本人の基本的な考え方も私は随分変わってきたと思います。一番最初、狭い国土、無い物ねだり。広いアメリカは持家制度という感覚がありません、アメリカ人は。いつでも賃貸で、ペンキ塗り直してどこへでも替わっていく。そして、年を取っても、退職金を全部つぎ込んで家を造るなんてことはアメリカ人はばかにします。先行き短いのに何で退職金全部つぎ込むんだと。それよりも、キャンピングカー一台で、寒いときには南に行こう、暑いときには北へ行って涼もうと。それが、やっぱりアメリカ人は、国土が広いですから、持家制度という感覚がまずない。日本はどうしても狭いところでございますから、一軒住宅、庭付きの家が欲しい、隣の芝生はきれいだなという、そういう何か夢があるんですね。
 ところが、今日に至っては、全体の国民の意識改革が、変わってまいりましたとともに、二世帯とか三世帯同居という家がほとんどなくなりました。それぞれが結婚すると独立していくということで、賃貸住宅の必要性、また賃貸住宅をうまく活用しよう、そして、できればその賃貸住宅が気に入ればついの住みかにしたいと、そういう私は国民全体の空気というものも変わってきたと思うんですね。
 そういう意味では、私は、先ほどから皆さんがおっしゃっていましたように、戦後、今日まで、住宅公団から出発しまして都市基盤整備公団、こうして七十五万戸、しかも二百万人の人たちに夢を与えて、生活の安定を、そこに基盤を持って働いていただいているということから考えれば、私は、大問題になってきたのが、今日も御議論にありました、七十五万戸、二百万人の中の二割が高齢者になってきたということですね。
 それで、退職されたり、あるいはいろんな事情で会社がつぶれたり、また体が不自由になられて家賃も苦しくなってきたと。そういう人たちには今まであらゆる手を打って処置を講じてきたけれども、今回はこういう新しい法案で、今おっしゃるように、住宅という名前が消えて、機構なんて何か難しそうなものになってええかいななんという気がたくさんの方がお持ちですけれども、私は、そういう意味では、今まで現に公団住宅でお住まいの皆さん方、そして今まで同様に住んでいる人たちの居住の安定と、そして安心と、そういうものは私は、当然、名前が機構であろうが公団であろうが、それは国民に対することには変わりはないということ自体は、伴総裁がずっと総裁でいるかどうかは別ですけれども、新しい機構になりますから、でも精神はみんな持っています。
 ですから、今こうして皆さんいらしていますけれども、関係者が、やっぱり二つのものが一つになって、それぞれの持ち味を生かして、二つが一つになって機構になったけれども、より便利になって、より安心していられるなということを実現することが今の二つの責任者の私は大きな責務だと思っております。
 また、我々も国土交通省としてそれを指導していく立場にありますから、そういう意味では機構という何か冷たそうな名前になるななんて思っていらっしゃいますけれども、私は、都市公団から承継した賃貸住宅の管理に関する業務というものはきちんと私は責任を果たしていただくと。
 そういう意味で、今日一日、朝から御論議をいただきましたけれども、こうして皆さん方も御心配で、初めて委員の傍聴もしてくだすった方もいらっしゃいますし、先ほど大江議員が美しく年を取られた方もいらっしゃるとおっしゃいましたので、皆さんもいいところに住んでいらして、安心があって初めて笑顔があるんです。
 そういう意味では、今日の委員会の御論議をいただいて、公団と今までの皆さん方の御論議で、独立行政法人の都市再生機構という名前になりましても、今までの安心と、そして笑顔が絶えないような、ここへ住んで良かったなと、この賃貸住宅にずっといたいなと、さっき申しましたついの住みかとしたいと思うようなものにしていくことが私は今日の御論議の結論だと思いますので、そのように指導もし、また心してみんな今日の委員会の審議にかかわらせていただいたと思っています。
○大江康弘君 大臣、どうもありがとうございました。
 それから、公団、お越しいただいたんですが、ちょっと時間の関係で質問できませんでした。御苦労さまでございます。
 以上で終わります。
○委員長(藤井俊男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人都市再生機構法案の審査のため、明十一日、午後零時四十五分に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会