第157回国会 予算委員会 第2号
平成十五年十月二日(木曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 九月三十日
    辞任         補欠選任
     有馬 朗人君     尾辻 秀久君
 十月一日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     輿石  東君
     高橋 千秋君     内藤 正光君
     森本 晃司君     荒木 清寛君
     林  紀子君     小池  晃君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         片山虎之助君
    理 事
                岩城 光英君
                木村  仁君
                伊達 忠一君
                保坂 三蔵君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                平野 貞夫君
                渡辺 孝男君
                大門実紀史君
    委 員
                阿南 一成君
                愛知 治郎君
                尾辻 秀久君
                扇  千景君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                田中 直紀君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                三浦 一水君
                森田 次夫君
                山崎  力君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                輿石  東君
                佐藤 道夫君
                辻  泰弘君
                内藤 正光君
                平野 達男君
                藤原 正司君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                荒木 清寛君
                高野 博師君
                山本 香苗君
                井上 哲士君
                紙  智子君
                小池  晃君
                福島 瑞穂君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     麻生 太郎君
       法務大臣     野沢 太三君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   河村 建夫君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   亀井 善之君
       経済産業大臣   中川 昭一君
       国土交通大臣   石原 伸晃君
       環境大臣     小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策、食品安全
       ))       小野 清子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、個
       人情報保護、科
       学技術政策))  茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、産業再生機
       構))      金子 一義君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        井上 喜一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   佐藤 剛男君
       防衛庁副長官   浜田 靖一君
       外務副大臣    阿部 正俊君
       財務副大臣    石井 啓一君
       厚生労働副大臣  谷畑  孝君
       厚生労働副大臣  森  英介君
       農林水産副大臣  市川 一朗君
       経済産業副大臣  坂本 剛二君
       経済産業副大臣  泉  信也君
       環境副大臣    加藤 修一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        森元 恒雄君
       総務大臣政務官  世耕 弘成君
       外務大臣政務官  荒井 正吾君
       財務大臣政務官  山下 英利君
       文部科学大臣政
       務官       田村 憲久君
       文部科学大臣政
       務官       馳   浩君
       厚生労働大臣政
       務官       竹本 直一君
       農林水産大臣政
       務官       福本 潤一君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  秋山  收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
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○委員長(片山虎之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(片山虎之助君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は百三十八分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・保守新党五十五分、民主党・新緑風会四十五分、公明党十四分、日本共産党十四分、社会民主党・護憲連合五分、無所属の会五分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(片山虎之助君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 それでは、これより質疑を行います。輿石東君。
○輿石東君 おはようございます。
 質問に先立ちまして、二十六日の未明、北海道の十勝沖地震に被災されました皆さんに心からお見舞い申し上げたいと思います。総理並びに政府は事後の対策に万全を期していただきたいと、こう思っております。
 今朝、総理、私は麹町の議員宿舎から歩いて登院をしてきたわけですが、途中、自民党本部の入口に、総理が腕を組んで立っておられる格好いい写真のポスターを拝見してきました。そこには「元気を出そう、ニッポン」と、こう書いてあるのであります。
 総理、今、国民の皆さん、私たちを含めて全員、早く日本に元気を取り戻したい、その気持ちで一杯だと思います。本当に、総理、元気にできますか。元気にできる自信がありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ようやく日本の経済状況にも明るい兆しもかなりの部分で出てまいりました。余り暗くならないで、明るく元気にならなきゃいかぬと。
 ある経済人が私にこう言ったんですよ。私は若い社員を前にして訓辞だとか講釈は余り長くしないんだと。いつも言っている言葉がある。どういう言葉ですと言ったら、人間、明るく元気で声が大きければ何とかなるんだ、その気持ちで頑張れと。なるほどなあと。
 政治家の顔ぶれを見るとこれにみんな当てはまるな、こうでないと当選はできないなと。明るく元気で声は大きく、この気持ちで何事にも頑張れと。もうくだくだ言う必要はない。
 余り悲観的にならないで、常に前向きに、日本の潜在力、可能性はあると信じながら、やる気を持って取り組む、これがやっぱり日本の経済活性化、ひいてはこれからの国づくりに大事な視点ではないかと。そのための施策を進めて、こういう元気ある日本にしていきたいと思います。
○輿石東君 今、総理は、元気で明るく声は大きく、そうすれば元気になると。明るく元気で声の大きいのは総理だけじゃないですか。
 では、お伺いをいたしますが、総理の所信演説でも同じようなことを言われたと思います。構造改革なくして日本の再生も発展もないんだと。続いて、今の痛みに耐えて明日を良くするために変化を恐れず新しい時代に挑戦しようと、こういう、そして結びの言葉は、司馬遼太郎の言葉を引用されて、悲観論からは新しい挑戦は生まれない、今のお話と通じることを言っているわけですけれども、本当に明るく元気で声を大きくしていられる状況かどうか。
 自殺者は五年連続三万人を超えていると。一日に計算すれば九十人。その三分の二は中小企業の経営者という実態で、本当に明るくなるのか、元気になるのか、もう一度認識をお示しいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 物事には表もあれば裏もあり、プラスもあればマイナスもあると思います。円高になるとマイナス面強調されますが、プラス面もあると。円安になりますとこれまたプラスマイナス両方ある。低金利状況でもこれまたプラスマイナス、株が上がって金利が上がるとまたこれプラスマイナス、いろいろな、プラスマイナスはどんな現象でも出てくると思います。
 そのマイナス面をいかに減らしてプラス面を伸ばしていくかということが政治でも大事でありますし、最近、今まで一千万円ないと会社を立ち上げることができなかったのを、一円でも会社を作ることができるという、そのような結果、この半年間でもう既に四千社を超える企業が誕生したと。やっぱりやる気のある人は出てきているんだなと。
 また、株価も八千円を切ったころ、七千六百円になったころは、これはまだ下がるという見方が大勢だったと思います、専門家の間では。ところが、今はもう一万円を超えて、最近ようやくあのころが底だったのではないかなという見方が大勢ではないでしょうか。
 企業の収益も上がってきて、最近は設備投資も増えてきたと。まだまだ失業率も厳しい状況ではございますが、五・三%から五・一%に減ってきたという状況を見ても、前よりはやっぱり明るい指標も出てきたんじゃないかなと思っております。
 この状況を更により良い方向に持っていくために、引き続き金融規制、税制、歳出面の改革を進めていくことが重要だと思っております。
○輿石東君 今のお話は、一昨日の本会議での所信でもそのように、経済指標の上向きというか、それを幾つか並べられております。今はもう、総理が言われたように、雇用も若干上向いた、設備投資も上向いている、それから倒産件数も十二か月連続で減少しているんではないか、経済成長率も一年半、名目成長率もずっと成長してきたと、こういうお話でありますけれども、この経済指標の好転の兆し、これは経済界では企業のリストラによって、経営努力によって出てきたものではないかというのが一般的な見方であり、この上向いた指標の要因は特殊要因的な要因があると。
 例えば、たばこ、酒等の値上げ、それから排ガス規制でもってトラックの買換え需要が出てきたとか、そんなものも含みながら本格的な景気回復につながっているかどうか、それはこれからだ、ようやく総理が言うように明るい兆しが出てきた今だからこそ、確かな民需回復につなげるために政策転換が必要ではないかと、一昨日の橋本派参議院会長の上杉会長もそういう要求をされておるのであります。その点についてもう一度御答弁いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は政策転換の意味が分からないんです。もっと国債を増発しろ、公共事業を増やせというんだったら、その方向は取り得ない。前年度一般歳出、実質以下に収めていく、できるだけ企業、民間の活力を上げていこうという、そういう改革を進めていかなきゃならない。今どき政府に依存して借金を増やして公共事業を増やせば景気が回復するとは思っておりません。
 そういう中で、今、改革を進めながら、雇用・中小企業政策等、今まで進めた路線を進めていくのが民需主導の持続可能な経済成長につながると思っておりますので、いわゆる政策転換の中身はよく分かりませんが、もっと国債を増発して公共事業をやれというのが政策転換だったらば、それは取り得ないと。
○輿石東君 今お話をいただいたように、我々も、どんどん公共事業をやって財政の出動をがんがん我々の税金をぶち込んで、そして景気が本当に回復できる、構造改革ができるとは思っておりません。しかし、今、この景気回復が、なかなか日本が元気にならない最大の原因は、私は何しろ、あれじゃないですか、もう雇用不安、それから将来への不安、そういうものを取り除いてやらない限り、GDPの六割を占めると言われる個人消費も拡大をしていかない、これは共通認識だと思うわけであります。
 今、世の中、そして総理は所信でも、変化に恐れずに新しい時代に挑戦していこうと。変化に応じた新しい時代への挑戦、これは今の現状をどう分析するかにすべてが懸かっていると思うわけであります。
 それで、私は一つ、一枚のパネルを作ってまいりました。ごらんいただきたいと思うわけであります。(資料を示す)総理、これをちょっとごらんください。
 これは昭和二十二年―二十五年、戦争直後、右側が十二年から十四年の現在、こう見ていただいて結構だと思います。そして、人口七万八千、一億二千を超えた。平均寿命に至っては、人生わずか五十年、八十年時代に入った。女性の場合はこの半世紀に三十一年も平均寿命が延びてきた。特殊合計出生率は逆に、一人の女性から四人か五人赤ちゃんが生まれてきたのに、二人まで生まれてきてくれない時代になった。六十五歳の高齢者は五%満たなかったのが、一七%、二〇%に近づいている、四倍強になっている。教育の面でいえば、二人は一人に大学生という時代になった。しかし今、大学は出たけれども、雇用不安に若者は明るく元気になんという状態ではありません。産業から見ても、第一次産業、外で働く人たちが二人に一人はいた。十分の一に落ち込んでしまった。そしてGDP、これはアメリカに次ぐ経済力を持つようになったとはいえ、見せ掛けの豊かさの中で将来不安はますます募る。
 このパネルを見て総理はどのような感想を持たれ、あなたの言う構造改革をどのように進めていくか、もう一度お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この昭和二十二年から二十五年、そして平成十二年から十四年、五十年から六十年たって大きな変化目の当たりにしますと、人間というのは難しいなと、政治というのは難しいなということを感じます。
 というのは、昭和二十二年の人から見れば、人生八十年なんてそういう時代が来るんだろうか、世界一長生きできるような国になるんだろうかというようなのは夢の時代だったと思うんです。これが現実化したと。平均寿命五十歳、五十三歳からもう八十歳になっている。今は百歳を超える人が二万人を超えると。大学進学にしてももう二人に一人と。十人に一人が二人に一人と。高校進学もうほとんどと。これは食糧不足も解消されていると。男性も女性も、身長においても体重においても伸びていると。それと同時に、第一次、第二次、第三次、これには移動がありますね、大きな変化が。しかし、GDPにしてもこれはアメリカに次ぐ第二位になった。これだけ豊かな時代になったけれども、国民は不安を持っていると、豊かさを感じていないと、正に欲望は無限だと。政治として一つの目標を立てる、その目標を立てた瞬間、まだまだこれでは十分でないと、ここにやっぱり政治の難しさがあると思います。
 世界一長生きできる国にしようとしたのはこのころです、目標。というのは、世界一長生きできる国はいい国だとみんな思ったんです。食糧が全部行き渡っている、栄養失調で亡くなる人はいない。水もきれいな、提供しなきゃならないと。病人になったらお医者さん掛かれるような、病院もお医者さんも増やしていこう。だから、世界一長生きできる国はいい国なんだということで、この当時世界一長生きできる国にしようという目標を立てた。しかし、実際実現しちゃったんです。だけど、最近は長生きできればいいってもんじゃないという声も出てきている。そこが政治の難しさ、人間の欲望に限りがないという。そういう努力すれば一つの目標に到達するけれども、このいい国になったというだけで不十分だと、もっと高い目標を掲げて努力しなきゃいかぬということを示していると思っています。
○輿石東君 人間の欲望は無限だ、長生きすればそれでいいというものではない。それでは、それが総理の感想ですか。
 私は、このように激変していくこの日本の社会の中で、今、五つの神話が崩壊し、三つの不安が生まれたと言われています。
 五つの神話とは、まず、総理が所信演説で「世界一安全な国、日本」を目指したいと、こう言ったじゃないですか。治安の悪さはもう目をみはるばかりになってきました。そうした安全神話、そして土地はもうかるものだという土地神話、銀行はお金を、お金は銀行へ預けておけば安心だという銀行神話、それに学校も子供たちの居場所でなくなったという学校神話、子供は風の子、子供が遊ばない、遊べないという五つの神話が崩壊し、代わって、今を生きる不安、大学は出たけれど雇用がないと、雇用への不安、安全への、治安への不安、そして最も顕著なのは、人生六十年で一線を去って、あと二十年、二十五年、三十年をどう生きるかという人生設計が描けない、将来への不安。
 したがって、今、小泉改造内閣のやることは、この将来不安を払拭することとデフレを克服することだということに尽きると思いますけれども、この点についてはどうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 将来への不安、いろいろあると思います。今言った社会保障に対する不安あるいは治安に対する不安、あるいはこれほどの財政状況で果たしてもつだろうかという不安、あるいは健康に対する不安、人様々あると思います。そういう中で、デフレを克服し、経済を活性化していき、もろもろの改革を進めて、新しい時代に適応できるような改革を進めていかなきゃならないと思っています。
 今、表でお示しされました過去五十年間の変化を見ても、大きな変化の指標が出ております。そういう状況に今我々は、新しい二十一世紀、立たされているんではないかと、今のままが続くとは思わないと。今後四十年、五十年先を見ると、恐らく過去この五十年以上の大きな変化が起こっているんじゃないかと思います。そういう変化に対応できるような体制に作っていかなきゃならないと思っております。
○輿石東君 では、今回の小泉第二次改造内閣を総理自身はどう評価されますか。
 今のあなたの後見人である森前首相は、今回のこの内閣、総裁選に圧勝し、内閣改造をした、これを称して、まるで小泉総理は手品師のようだ、安倍幹事長という大きな花火をどんと打ち上げて、それを見上げている間に組閣が終わった、こういう表現をしておられます。
 この総裁選と第二次改造内閣について、総理自身はどう評価をされ、この内閣の最大の課題は何だと分析をしておられますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 手品師というので、どういう意味で言われたのか、私はまだ、ただ、問いただしたことはないんですが、恐らく予想に反した人事をしたということだと思うんです。考え付かなかったような人を幹事長にしたということでありますが、それだけ自由民主党は人材が豊富だということも言えると思うんですね。それと、これは改革を推進していくための内閣であると、新世代育成内閣であるとも言えるかもしれません。
 今後、今まで二年数か月進めてきた構造改革路線を堅持しながら、国民の期待にこたえられるよう頑張っていきたいと思っております。
○輿石東君 本会議で千葉質問にも同じようなことを答えられました。自民党は人材が豊富だ、そして、あっという間に予想外の人事をやったので、見事ですばらしいことに驚いて、やっかみもあるのではないかと、こういう総理の発言。国民は、自民党の皆さんでもそうは思っていない。(発言する者あり)いや、現に上杉会長が言っているじゃないですか。
 じゃ、そのいい内閣にそれぞれお尋ねをしたいと思います。
 先ほど示しましたこの表で、まず、「世界一の長寿国 老後が心配」と、この真ん中の黄色いところの記事は私が言葉を勝手に作らしていただきました。ここは、老後の心配のないように年金制度をどう変えていただけるのかと国民は相当期待をしています。
 坂口大臣は在任期間の記録を更新中だそうであります。もう千日を超えたと。これだけ期待をされている。その坂口大臣に、今こういう状況の中で、あなたの所管する最大の課題は何なのか。
 そして、教育の問題でいえば、二人に一人は大学生という状況になった。河村大臣、教育の課題を述べてください。
 さらに、どうする日本の農業。WTO、十日から十四日ですか、メキシコであったあの会議で、会議はついに決裂をしたという。亀井大臣は、このことも踏まえて、今の農水省の最大の課題は何ととらえているのか。
 GDP、見せ掛けの豊かさの中で、竹中大臣は多くの反対を押し切って支える小泉内閣の中核だと言われる。どういう考えを持って今後この改造内閣に臨まれるのか。
 それぞれお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 現在の厚生労働省が抱えております問題は各般にわたっておりまして、いずれも大変大事な問題でございますが、現在の緊急性からいうならば、やはり年金をどうするかということが一番最も大きな問題だというふうに思っております。医療改革も道半ば、現在進めているところでございますし、介護の問題も進めていかなければなりません。
 そうした中で、この年金改革につきましては、これこそ、この少子高齢社会が予想を超えて進んできているわけでございますから、今日だけではなくて、次の世代、次の次の世代も安心をして、そして負担と給付が受けられる体制を今どう確立するかということにある、その一事に尽きるというふうに思っている次第でございます。
○国務大臣(河村建夫君) 輿石委員御指摘のように、大きな社会変化の中で教育もあらゆる課題を今抱えておるところでございます。特に、少子高齢化という時代を迎えておりますし、核家族化、そういうことで家庭の教育力の低下とか、こういうような問題も既に起きておりますし、また科学技術の進歩も非常に大きいものでございますし、さらに地球環境の問題等々も出てきておる。そうした中で、国民全体の意識も大きく変わっております。特に、輿石委員がここで御指摘のように、二人に一人は大学生という大きな変化の中にございます。
 こうした中で、最近の現況を見ますと、やっぱり青少年が夢や希望を持ちにくくなっているという状況があると思います。これは、追い付け追い越せの時代、とにかく働いて豊かになっていい大学、勉強していい大学に行って、行けば夢があると、こういう時代から、豊かさを獲得したけれどもその先の目標がない、こういうことだろうと思うんでありますが、まずそうした中で、やっぱり規範意識が落ちている、あるいは道徳心、倫理観が落ちている、そういうことが学校、教育現場においても、いじめであるとか不登校であるとか、あるいは学級崩壊であるとか、あるいは青少年のいろんな犯罪の問題というのに結び付いているということもございます。
 家庭や地域社会がそれをきちっとカバーできない状況がある、そういうこともございますし、特に心配なのは、これはアンケートでございますけれども、世界各国の子供たちと比較してみても、いわゆる学ぶ意欲が低下しているということ、これは大きな問題だと、こう思っております。
 さらに、二人に一人が大学に行く時代でありますが、大学の競争力というものが低下している。今度は国立大学を法人化するというのもその一つの大きな変革でございますが、そうした課題に積極的に教育が取り組んでいかなきゃなりませんし、教育力を高めることによって日本の再生を図っていく、こういうことで教育改革に取り組んでいかなきゃいかぬと、このように考えております。
○国務大臣(亀井善之君) 委員御指摘の社会状況の変化、こういう中で、第一次産業十分の一と、こういうような就業率になっておるわけでありまして、我が国農業におきましては、就業人口の減少あるいは高齢化、また副業的農家の比率の増大と、こういう状況にあるわけでありまして、国内総生産に占める農業生産の比率は約一%であります。
 しかし、外食産業を含むいわゆる食料産業を全体を見ますと、およそその国内総生産は約、全産業の一割を占めておる規模であります。総体として国民の食糧の安定供給や地域の経済の活性化と、これに大きな役割を果たしております。また、国土の保全や自然環境の保全、農業の多面的機能の発揮という面では極めて重要な役割を担っておるわけでありまして、このような機能や役割を踏まえまして、農業の持続的発展を図るために、消費者、実需者のニーズを的確に把握し、食の安心、安全の確保を図りつつ需要に即した農業生産を進めることと。
 また、農業生産の生産性の向上と、こういう面から、農産物の安定供給を実現できる望ましい農業構造の確立を急ぐ必要があるわけであります。こうした観点から、米改革の政策を遂行するにつきまして、消費者や市場のニーズに即応しつつ地域の特性を生かした産地作りや担い手の育成を推進することが必要でありますし、これにとどまらず、農業生産、農業の法人化の促進等による意欲と能力のある農業経営の育成と、この構造改革を進める必要があるわけでもあります。
 今後、平成十七年度を目途といたしまして新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向かって、今日までの検証とそして見直し、これをスピード感を持ってこの取組に向かい、消費者、国民の期待にこたえる我が国農業、農村の実現に向かって全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の問題に関しては、様々な御意見がある中で総理が留任して仕事を続けろというふうに命ぜられたと、これはまさしく総理の構造改革に対するすさまじいその思い、姿勢を示しておられると思っております。私自身、その期待にこたえられるよう全力で取り組みたいというふうに思っております。
 あるアンケート調査によりますと、私の政策に十人反対する人がいると。これは、改革というのは現状否定の部分を伴いますから必ずこれは反対が出てくると思います。反対があるということはむしろ改革が進んでいるということの証左であります。その十人反対する人がいれば、その一方で二十人賛成する人がいると、こういうアンケート調査がありますので、そういうことを信じて私としては改革を進めるつもりでございます。
 GDPは見せ掛けかと。これは決して見せ掛けではないと思っております。気が付いてみると、この三四半期連続して日本の経済成長率が先進国の中で一番高い。これを更に浸透させていくという努力を今進めなければいけない。デフレを克服しながらこの効果を各地域、各部門に浸透させて民需主導の持続的な経済成長を実現していく、そのために全力を尽くすつもりでおります。
○輿石東君 今、四人の大臣がそれぞれ抱負を語ってくれましたけれども、これを聞いて国民の皆さんが、これなら第二次小泉改造内閣で日本の将来は明るい、元気になる、そう思うでしょうか。
 そして、竹中大臣は、すさまじい反対を押し切って私を指名し、自信を持ってやれと、全力を尽くす、十人反対があれば二十人賛成者もいるんだと、こういうアンケートもあるんだと。まあどこのアンケートを引用されたか知らないですけれどもね、そうは思っていませんよ。
 総理、こういう状況の中で、私は国会運営も担当をしていますので大変心配になるのは、ここで一つ聞きますけれども、二十六日に始まったこの国会、三十一日まで会期三十六日間あるんだけれども、この間、総理の政治日程見ると、六日の夕方出て、七、八、ASEANの会議に行かれる、そして十七日にはブッシュ大統領を迎える、こういう政治日程ですね。
 ブッシュ大統領が訪日されるとき、国会は開会されていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の会期は十月の三十一日まででありますので、審議が順調に進んでいれば会期内だと思います。
○輿石東君 聞き間違いかもしれぬけれども、審議が慎重にされていれば、順調にされていれば何ですか。どう答えられたですか。会期は、会期中ということですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 会期中であります。特別のことがなければ会期中であります。
○輿石東君 それを、そういう、もう少しまじめに答えたらどうですか。十日に解散と、もうそれでみんな走っているじゃないですか。
 もう一度答えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 走っているの方は衆議院の方で、参議院の方は落ち着いているんじゃないでしょうか。まだ選挙は来年ですし、全然走る必要ない。じっくりと審議する状況にあると思っております。
 国会運営のことについては私が余りあれこれ言う立場にはありませんが、提案されました法案の成立に私としては精一杯努力をするつもりでございます。
○輿石東君 だとすれば、参議院ではしっかり、十分審議をさせていただくということに当然なりますね。じゃ、なぜこんなに国会日程が窮屈で、七時過ぎから向こうは頑張ってテロ特も始まっている、こういう状況の中でよもや強硬に物を運んでいくということは、総理、ないでしょうね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会のことについては、今、国会のその場その場で委員長、理事始め国会対策等で努力されている方がおりますので、その努力を見守りたいと思います。敬意を表しております。
○輿石東君 それでは、国会日程に絡んで、ASEANでは会議、インドネシアのバリ島で行われるそうですけれども、この六日に出掛けられて九日の朝でなければ帰らない、こういう総理の日程に合わせざるを得ないような国会日程になっているわけであります。その中で行かれるASEANの会議というのはどのような意義があり、どういう中身で、どう対応されてくるおつもりか、御答弁いただきたいと思う。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アジア近隣諸国との友好関係を維持発展させていくということは日本にとっても極めて重要な課題だと思っております。
 特に、今年は日本とASEANの交流年であります。毎月毎月それぞれの国が特別な事業を展開しております。十二月には日本で日本・ASEAN特別会合も行われます。今回、インドネシアで行われるASEAN会合には中国の温家宝首相も出席されます。韓国の盧武鉉大統領も出席されます。日中韓の首脳の会談も行われる予定であります。同時に、日中韓首脳がそろってASEAN諸国との会合もあります。あるいは日本とASEANだけの会合、中国とASEANだけの会合、韓国とASEANだけの会合、またインドの首相も今回は参加されると聞いております。
 そういう極めて、日本としてアジア外交ということを考えますと、国会があるとしても、日本外交の重要性を考えると、お許しをいただきましてその会議に出席することが日本国の総理大臣として必要ではないかと思っております。
○輿石東君 総理は所信の中で、日本の外交の基本を日米同盟、国際協調、これを基本にやられると、こうおっしゃいました。このASEANの会議で、アジア諸国から総理に対する見方は、非常に疑義がある、どちらか、アメリカ一辺倒の外交ではないか、足下のアジア、東南アジアに対する外交姿勢というものが不信感を持たれる、そういうことも言われているわけですけれども、そのような指摘や批判に対してどのようにとらえられていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アジアに行ってお話しされると分かりますが、そのような批判の声はほとんどなく、日本に対しての感謝の言葉、日本との協力は重要だという声が圧倒的です。やはりここまで進めてきたASEANの外交、これは大変高くASEAN諸国で評価されているなと、これからも日本はASEAN重視、ともに歩み、ともに進むという基本精神の下にASEANとの協力も関係強化していかなきゃならないなと。そして、将来、経済連携構想も視野に、いろんな分野で日本とASEANの関係は深めていくべきだと思っております。
○輿石東君 十七日に来るブッシュ大統領に対する対応ですけれども、総理、三つの点が言われております。
 一つは自衛隊のイラク派遣、年内に派遣するのではないか、そうした約束、二つ目は資金援助の問題、そういう、そしてテロの延長、特措法の二年延長、これをブッシュ大統領にプレゼントするのではないかというふうにちまたで言われております。
 これに対して、組閣が終わった直後の主要閣僚会議の会議、NHKでの番組の中で、福田官房長官はこれにかかわって、ブッシュ大統領は軽く小泉総理と夕飯でも取るという気持ちで来るんです、夫人同伴です、そんな、今言ったような堅い話を女性を入れてやるでしょうか、NHKの番組でそう言われました。福田官房長官、今もそのような認識でおられますか。
○国務大臣(福田康夫君) 元々ブッシュ大統領はバンコックに行く前にちょっと立ち寄りたいという軽い気持ちでおられたようでございます。ですから、私はその時点においてはそのようにお答えしました。しかし、まあ日米という両国の首脳がお会いして、食事だけして、はい、さようならというわけにもいかないだろうというようには私は思っております。何か話があるかもしれません。しかし、それは今特に予定をしていることではございません。そのときの必要に応じてというように、恐らく総理も考えていらっしゃることと思っております。
○輿石東君 そのくらいの認識でアメリカの大統領を迎えるという日本の外交姿勢ですか、総理。官房長官、もう一度。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど申しましたように、これはブッシュ大統領の御希望としてそういうような意向が示されたもので、ただ、まだ米国の方は公表いたしておりません。ですから、私はこういうふうに申しました。あくまでも予定ということでございますけれども。
 その中身、話を、どういう話の中身あるかということは、その時々の、日米間ですから、いろいろの大事な話もあるかもしれぬ。しかし、そういう大事な話は別途解決しているものもあるし、また話合いをしているということもあるかもしれぬ。ですから、それはそのときに判断すべきことであろうかというふうに思います。
 何か提案があれば、また日本からもその際にお話をしておいた方がよろしいというようなことがあれば、それはちょうど、当然のことながら考えておかなければいけないと、こう思っておりますけれども、今、総理がどのようなことをお考えになっているか、私には分かりません。総理にお尋ねください。
○輿石東君 それじゃ、総理は考えているということですから、総理、何を考えていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけ打ち解けた雰囲気の中で会談をしたいという意向でありますので、その希望に沿うように今、日本としても準備しなきゃいかぬなと思っております。
 会談につきましては、世界の中の日米同盟という大きな枠組みの中で、イラクの問題あるいは北朝鮮の問題等いろいろ意見交換してみたいと思っております。
○輿石東君 そのイラク問題で、九月十一日のあのテロ以来、フセインに対してやったあの戦争、その大義は何だったのか。あれは大量破壊兵器を持っている。そして、核拡散という問題についても非常に危機がある。それで米英共同して戦いに入った。それを小泉総理はいち早く支持をした。しかし、今そのアメリカやイギリスでさえ、世論は、大義なき戦いではなかったのか、これ以上イラクへ軍隊を送ることはいかがなものかという世界的風潮や世論に押されて、ブレア首相やブッシュ大統領も次の選挙を考え、大変、国連を中心に、国連の新決議というのも求めるという状況にある。
 率直に話せる仲ならば、日米同盟の基本にのっとって、そういう空気を、世界の空気を日本が主張をし、ブッシュ大統領に考え直させると。それも大きな小泉総理の使命ではありませんか。その点はいかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本には日本独自の考え方があります。アメリカは軍隊を派遣した。イギリスも軍隊を派遣して戦闘に派遣した。日本は、戦闘には参加いたしません、武力行使には参加しませんと。しかし、イラクの復興支援、人道支援に対しましてはできるだけの貢献をしたいということで、各国とそれぞれ対応が違うわけです。
 今、フランス、ドイツ、ロシアともにやはりイラクの復興支援が必要だということで、アメリカと協力しながら、どのような支援が必要かということを考えていると思います。この時点でアメリカに手を引けという意見はないと思っております。やっぱりイラクの安定のためには国際社会が協調して当たらなきゃならない。そういう中で、日本としても国際社会の責任ある一員として人的支援、さらに資金支援、日本にふさわしい支援を行っていくべきだと思っております。
○輿石東君 アメリカは手を引けという国はない、そういうことを私は尋ねているのではなくて、アメリカが、米英が、自ら国連を中心にした多国籍軍、そういうものについての派遣を要請をし、それで米議会でも相当の予算を費やさなければならないピンチになってきたと。今更、今度は国連を中心に、皆さんのおっしゃるとおりにしたいのでというようなニュアンスで来ているじゃないですか。これに対して、アメリカの一国主義的なイラクへの方針を変えなさいとなぜ小泉総理は言えないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は今までも国際協調体制の構築、これは重要だということを会談のたびに申し上げてきましたし、アメリカも今、各国の支援国会合、積極的に取り組んでおります。どのような決議がなされるか、まだ定かでありません。
 多国籍軍の話が出ましたけれども、多国籍軍が国連で決議されたとしても、それに自衛隊が参加するかどうかというのはまた別の問題であります。いろいろ日本には日本の事情があります。そういう国際会議の状況を見ながら、日本としてふさわしい貢献をすべきだと思っております。
○輿石東君 私は、多国籍軍へ日本の自衛隊を送るか送らないかと、そういうことをお尋ねしているんではなくて、もうイラクの復興への道はイラク国民にお任せをする、そういう方向へシフトをしていくという流れになってきているのではないかと、そう申し上げているわけであります。まだまだそんな状況じゃない、今手を離したら大変なことになる、もう一度また混乱が起きる、そういう要素もあるでしょう。
 しかし、方向は、大きな方向はやっぱり国際社会の中で国連を中心に世界の平和を求めていくという、そういうものへ基本を置かなければ、武力で、力で抑えようとしていても、このテロ始め紛争はなかなか片が付かないではないですか。もう一度お尋ねします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、アメリカが手を引いてイラクが治安を回復し、イラク人の政府が自らの国づくりに立ち上がっていくことができるような状況にあるとは私は思っておりません。アメリカ、国際社会、協力してできるだけ早くイラク人によるイラク人のためのイラク人の政府をつくる、そういう努力を傾注していくことが必要だと思っております。そのためには時間が掛かるのもやむを得ないと思っております。
○輿石東君 まあ時間が掛かることは仕方がない。
 最後に、この問題について再度お尋ねをいたします。
 資金援助、幾らお出しになるのか。自衛隊は年内に派遣をするのかしないのか。その二点についてお聞きをし、次に移りたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 資金援助につきましては、今、国際間でそれぞれ協議を進めております。日本としても日本の国力にはふさわしい資金援助をすべきだと思っていますし、自衛隊派遣も、状況が許せば、自衛隊でできることがあれば自衛隊を派遣します。
○輿石東君 それでは、先ほど坂口大臣、あなたは「世界一の長寿国 老後が心配」と、こういうパネルを見ていただいて、最大の課題は年金にある。しかし、坂口大臣も試案も出されました。経済界からもこの年金問題については、労働組合の結集体である総評からも四つほど案が出ていますけれども、坂口大臣は自分の試案を含めどのように年内にはまとめる、来年の通常国会には法案を出すという手順です。どういうふうにまとめ、どのようにやっていくのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 私が試案を出させていただきましたのは、とにかく年金に対する様々な御意見をちょうだいをして、そして議論がひとつ進むことを誘導をしたいというふうに思ったことが一つございます。最近、多くの御議論をいただいておりますことに敬意を表したいというふうに思っております。
 年金のことでございますから、いろいろな方の御意見を聞いて、万機公論に決して、そして決めていかなければならないというふうに思っておりまして、そういう意味では多くの皆さん、これは各政党の御意見も聞きながら決定をしていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、この十一月末までの間に厚生労働省が法案を出すわけでございますから、厚生労働省としての案はどういう案かということをまとめなければならないというふうに思っておりますし、そうしたことを、今度はまたもう一つたたき台にしていただいて、そして最終的、政府の案を年末にはお決めをいただきたいというふうに思っているところでございます。
○輿石東君 今回の年金制度について、私どもも政権公約、マニフェストとして民主党も案を出させていただいているところであります。それは本会議でも千葉議員の方から提起をし、新しい二階建て方式で、一階は税方式、基礎年金部分、二階の、所得比例年金という仮称ですが、ここは所得に応じた組立てをする。この案に対して、坂口大臣はどのような判断をされているか。
 また、総理にもお尋ねをしたいと思いますが、この問題にかかわって、この方法だと、答弁ですと、自助自律の社会保険制度のメリットを放棄するものではないかと本会議答弁をされましたけれども、その意味は具体的に何を意味しているのか、総理にお尋ねをします。
○国務大臣(坂口力君) 昨日の衆議院における予算委員会におきまして、初めていわゆる骨格をお示しをいただきまして、拝見をさせていただきました。しかし、まだ具体的な数字が全然入っておりませんので、これがどういう案なのかというところまで私にはまだ分かっておりません。
 しかし、この基礎年金のところが、弱者のところに対しましては全額負担、そして多くなればそれが斜めに切ってありまして、そして徐々に減らしていくということでございますから、少なくとも、私が昨日図柄を拝見したところによりますと、少なくとも五、六兆の基礎年金に対する予算必要があるのではないか。現在の二分の一だけでございますと二兆七千億でございますが、少なくともその倍ぐらいは必要なのではないかというふうに拝見したところでございます。
 そして、上の方は所得比例になっております。これは、いわゆるすべての年金を一元化するということでございますので、そういたしますと所得の把握をどうするかという問題がございまして、あれを実現をしようと思いますと、所得把握をするという意味から、これは納税者番号等の必要性というものも出てくるのではないかというふうに思っているところでございます。
 個人単位ということのように聞いておりますので、個人単位でございますと、働かない人、この御家庭におみえになる人は全額国庫負担、そして働く人に対しましてはかなり厳しい額になる可能性があるなというふうに、昨日ちょっと見せてもらっただけでございますので、そういう感じを持ったということを申し上げたいと存じます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 坂口大臣が答弁されたとおりでございますが、基礎部分を全額税方式にした場合にその財源をどこに求めるのかと、それと生活保護との関係はどうなるのかと、給付水準もまたどうなるのかと、それと所得と資産の把握をどのように把握するのかと、いろいろ問題点があるとは思います。
○輿石東君 坂口大臣も総理も同じようなことを二点言われたと思います。
 その五兆円にも上る基礎年金の部分で、その財源どうするの、こういう反論だと思う。総理と後半の坂口大臣は、昨日、一昨日言われた自助自律の社会保険、保険料を積み立てた者が老後にそれを返してもらうというか給付してもらうと、これが社会保険制度の原則だろうと、こういう話で、そしてもう一つ、所得の把握、捕捉が難しいのではないか。正にそこなんですね。所得の捕捉、把握が難しいから、この今の現状の基礎年金制度で来ているんだと。そして、給付と負担のところを小手先を上げたり下げたり、これが現行の問題点じゃないですか。
 それと総理、自助自律の社会保険制度、それは確かにそうでしょう。しかし、今の保険制度の、これが間もなく崩壊する。その証拠には、国民の八割は今の保険制度に不安を持っている、六割は当てにしていない、こういうデータもあるわけです。なぜそうなるのか。じゃ、坂口大臣、四割は未納者、納めていない、すぐに破綻をするじゃないですか、この制度自体。その辺、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 年金に加入しておみえになります方は七千万人からおみえになるわけでございます。今、御指摘の四割というふうにおっしゃいましたのは、国民年金に加入しておみえになる方でありまして、その中には払えない人と払わない人があるわけであります。払えない人は除かなきゃならない。これは社会的には問題あると思いますよ。しかし、年金としてはやむを得ない。払えるけれども払わない人がどれだけかというと、三百九十万人ぐらいおみえになる。ここに対しましては、これから改革を加えていかないといけないというふうに思っております。
 先ほども、少し言い残しましたけれども、民主党の案で、その財源は将来は消費税ということをおっしゃいましたが、当面はいろいろの税制、財政、予算上のその無駄を省いてというお話でございました。私は、それは一見いいように思うんですけれども、無駄を省いて四兆なら四兆、五兆なら五兆の金を出す、それを現在の年金、現在の人の年金にそれを使うということは、それは現在の予算が健全財政のときならそれはいいと思うんです。三十兆も三十五兆も国債を発行しているときでありますから、私は、そういうお金が出れば、それはまずその赤字国債を返す方に回すべきであって、それを、出ましたものを年金に、現在の人の年金に使うということは、取りも直さず、その分後世にそれは回すということに私はなると思うんですね。
 だから、だから総体として見れば、私は、それは現在の人の年金に使って後世にそれは回すことになって、いいように見えるけれどもそうではないというふうに私は思っております。
○輿石東君 私の質問にまとめて答えていただきたい。
 今の年金制度は間もなく崩壊する、これに対してどうするんだと。そんなことはないと、こう言っている。じゃ、四割も未納している人たちの原因分析をどうしているのか。時間ももう迫ってきましたので、ひとつ総理に。
 総理は、この消費税問題を抜きに日本の財政確立や地方分権もできない、三位一体の改革もできない、それを、そういう意見が多い中で、あんたは、在任中は消費税は絶対上げません、二〇一〇年にはプライマリーバランス、基礎的収支は黒字にしていく、こういう話ですね、二〇一〇年初頭に。これは、こうして消費税については、こんなものは私の後の人に任せればいいんだ、越権行為だと、そう言いながら、プライマリーバランス、基礎的収支、財政、それを一〇年ごろ、自分がやっていないころは黒字にするんだと、できもしないことをやっている。
 三位一体の改革は、片山大臣もやり切らないでそちらの席へ座っているが、この三位一体の改革について、その一番かかわりのある義務教育国庫負担制度、負担金、これを総務、それから財務、文部の三大臣合意というのがあるわけですけれども、日本の教育を考えるときに、その三大臣合意を踏まえてこの問題をどう考えておられるのか、それぞれ文部、総務、財務、三大臣からお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 義務教育費国庫負担制度の在り方についてでございます。
 就任に際しまして総理からも御指示ございまして、今年六月の閣議決定されましたいわゆる骨太の方針二〇〇三、あるいは昨年十二月の総務、財務、御指摘ございました文部科学三大臣合意と、こういうものを踏まえて見直しに当たって改革の方向で対応するようにと、こういうことでございます。
 この見直しに当たりましては、私は当時副大臣として遠山大臣に仕えておりましてその報告もいただいておるところでございますが、この問題は単なるまた財源論だけで済まない問題がある、特に教育の問題でありますから教育論としてもしっかり議論をしてもらわなきゃいかぬと、こう思っておりまして、中央教育審議会におきましてもこの問題について既にこの在り方をどう考えていったらいいかということを検討もいただいておるところでございます。
 御案内のように、義務教育は憲法の要請もございまして、知育、徳育、体育、それから最近は徳体知ではないかと、こういう言われ方もしておりますけれども、そうした調和の取れた児童生徒をつくり上げていく、養成していく、国民として共通してこれだけは身に付けていかなきゃいけないという基礎的なものをしっかり身に付けさせるという、正に基礎的な資質を培うという大きな役目がございます。国はすべての国民に対して無償で一定水準の教育を提供するという責任があるわけでございます、最終的な責任を負っておるわけでございます。そういうことでありますから、この義務教育を進める上で考えていくと、その成否は大きくはやっぱり教員の資質にも懸かってくるということになりまして、そういうことを考えますと、全国すべての地域にやっぱり優れた教員を一定数確保すると、このことも非常に大事なことになってくるわけでございます。
 そういうことを考えながら、私はこの制度の見直しにつきましては、地方のやっぱり自由度を高めるということ、教育に対する自由度を高める。総理からも、予算編成等々についても、国は金は出すが、まあ口は出すなとは書いてありませんでしたが、要するにできるだけ使い道については国が使いやすいようにするように、こういう基本精神で取り組めということでございますので、私も地方のいろんな教育に対する取組をしっかり支えていく、文部科学省はそういう立場であろうと、こう思っておるところでございますが、義務教育の水準を確保していく、日本がこれまで誇ってきたこの高い義務教育の水準の高さをこれからも維持していくと、こういう基本概念に立って国の責任を全ういたしたい、こういう考え方でこの問題に取り組んでいきたいと、このように考えております。
○委員長(片山虎之助君) 私は十分事務引継をいたしましたので。
○国務大臣(麻生太郎君) 事務引継をいただいたことは確かですけれども、それを十分に消化するほど頭脳の方がいまいち、片山大臣ほどあるかどうかはちょっと保証の限りではありませんので、あらかじめお断りを申し上げておきますが。
 今、三大臣の合意の事項の内容というのは、もう今、河村大臣言われたとおりでありますが、これ基本であります。ただ、言われましたように、地方の自由度を増やしました場合に地方に差が出てくるということをやっぱり懸念しておかにゃいかぬところだと思っております。
 ただ、自由量につきましては、きちんとはめた、四十人なら四十人とか何十人なら何十人と決めた話で、それ以外一歩も動かすなということが果たしてそれだけでうまくいくかといえば、先生もう、先生というのは学校の先生じゃない、輿石先生も学校の先生をしておられたことがおありなんでよく御存じのところだと思いますが、自由度を増やした場合に、子供の場合にどこかで差が付き始めるのは分数が始まったときと因数分解が始まったときと大体よく言われているところでありますんで、そういったときには、良くできる、すっと分かる子と分からない子との間は、そこだけ一定期間等々の自由度を与えるというのは必要なことかなという気もいたしますんで、いろんな意味で自由度を与えるというのは大事なポイントかなという感じはいたしますが、いずれにいたしましても、所要の見直しを行って着実に推進させていきたいと思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私の役割は財源分担をどうするかということなんですが、しかし今、文部科学大臣から御答弁がありましたように、財源だけで片付けるわけにはこれは教育の問題はいかないということがあろうかと思います。やはり地域社会の創意工夫といいますか、そういうものを重視しながら、地域やあるいは両親の期待にどうこたえていくかということをよく考えなきゃいけない。そのときに、今、麻生大臣がおっしゃった御議論の中にもありましたけれども、国と地方の役割分担はどうあるべきか、何が一番いいのかという議論をしていかなきゃいかぬと思います。
 いずれにせよ、三大臣合意の中にいろいろもう基本は書いてございますし、工程表もできておりますので、それに従って議論をして、きちっとした決着を付けたいと思っております。
○輿石東君 総理が最初の内閣をスタートしたときに、小林虎三郎のを引用されて、米百俵、これは人づくりなくして国づくりなし、これを我慢せよと、そういうふうな引用の仕方をしたと思います。
 やっぱり国づくりの基本は人づくり。憲法や教育基本法の要請によって、無償で機会均等の精神に乗って、これは交付金とか補助金というような性格ではなくて、国の責任でどんなことがあっても財源措置はするという、その基本を三大臣に御確認をいただきたかったわけであります。
 最後に、税金の使い方、使われ方が最大の今、日本の政治の課題だと思います。そういう意味で、二院制の問題も問われていますけれども、参議院では、参議院改革として四十年以上前に河野謙三議長の下に協議会を作り、そして今回やっと年度内に予算委員会並みの審議ができました。
 これは、わけてもその決算委員会の結果を次の予算編成に反映させることがなければ何の意味もない、こういう視点で、総理もその方向でいきますと、こう言われたわけですけれども、その点について確認をしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二院制の趣旨を生かして、やっぱり衆議院とは違った審議の在り方があっていいのではないかと。そういう点から、決算重視という形で皆様方が鋭意努力され、その決算の審議の結果というもの、これを今後の予算編成に生かしていかなきゃならないと私も思っております。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。内藤正光君。
○内藤正光君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 本日は、国民の最大の関心事であります年金に絞って、総理を始め皆様方に御質問をさせていただきたいと思います。
 我が国の年金制度は、改めて言うまでもなく、厚生年金制度におきましては世代間の大変な格差、そして国民年金の空洞化等々、大変な矛盾なり問題をそこに抱えているわけでございます。そんな現状を見て、総理は、さきの所信表明において、年内に年金改革案を取りまとめ、来年の通常国会に法案を提出しますと所信の中で明言をされているわけでございます。
 ところが、現状はどうか。今日は十月二日でございます。今なお厚生労働省は、現状の枠組みを維持しよう、そして一三・五八%の保険料率を二十年間掛けて二〇%に引き上げていこうと、こういう主張。片や財務省は、財政の立場から給付水準をもっと引き下げるべきだと。これは完全にもう哲学の対立がそこに見えているわけでございます。そして、経済産業省からは、企業負担を抑制せよと、こういうような主張があるわけでございます。私は、こういったいろいろな意見があること自体は否定しません。これは大事なんです。
 ただ、大事なのは、それを年末までにどういうふうにまとめていくのか。最終的な責任者は総理大臣であるということは言うまでもありませんが、実務上一体どこが責任主体となって、そしてどんなスケジュールで年金改革論議を進めていくのか、最終案をまとめていくのか、この辺を明確にしていただきたいと思います、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の年内中に取りまとめなきゃならない年金改革案、これは、現状のまま維持していきますと少子高齢化社会でとてももたないということから改革が必要だということで、今、懸命に取り組んでいるわけであります。また、五年ごとに改正してきた、これも余り頻繁に変えないでいいような制度にしていかなきゃならないと。今後、今言われました厚生労働省が試案を出しておられます。また、財務省には財務省の考え方があります。また、各地域におきまして年金に対する意見交換、会議、ミーティング等行われております。国民各界からの関心も非常に高い分野でありますので、各方面の意見を聞いて、給付、どの程度の水準を維持したいのかと。この水準によっては負担がどの程度、負担というのは保険料だけじゃありません。じゃ、税金どういうふうに投入するのか。
 そして、これから将来八十歳という平均寿命を考えますと、人生五十年のときでさえも支給開始年齢は六十歳、六十五歳、これがもう人生八十年ですから、それで六十歳、六十五歳で、長期間持続可能な制度にするためにはどうしたらいいかという議論も出てくると思いますが、いずれにしても、年内に取りまとめるように、よく調整するように、そして私に判断でき得るような材料を与えてくれと。私が出るまでもなく、各方面調整がうまくいって、これだというんだったらばそれでもよろしいと。そうでなくて、どうしてもまとまらないという場合には、これはまた一層知恵を出してまとめるような努力を私自身していかなきゃならないと思いますが、まだ時間がありますので、年内、予算編成時期までにはしっかりといい案をまとめていきたいと思っております。
○内藤正光君 総理は、衆議院の本会議におきまして、公明党の議員に対する答弁だったかと思いますが、経済財政諮問会議で国民の意見も聞きながら議論し、結論を年内に出していくというふうにおっしゃったかと思います。ところが、厚生労働大臣もおっしゃっているように、厚生省としての結論は、考え方は十一月末に出されると。年内といったら十二月末です。一か月しかないんです。経済財政諮問会議の場でと言っている。一か月間ですよ。
 私が恐れるのは、諮問会議で会議をやる、意見は聞く、しかしこれは単にガス抜きであって、最終的に厚生労働省の案がそのまま政府案になっていくんじゃないかと、こういったシナリオがもう透けて見えているわけなんですが、経済諮問会議は、そのメンバー、いろいろ、財務大臣もいらっしゃるわけなんですが、そういったメンバーの意見を十分反映させた上で改革案をまとめて、そしてその財政諮問会議の場でまとまった改革案をベースに政府案として昇華されてくると、そういう理解でよろしいんですか。
 つまり、厚生労働省の案もワン・オブ・ゼムとして聞くけれども、あくまでそれは一つの案として、財務省からの案も聞く、経済産業省からの案も聞く、国民からの案も聞く、そして各党からの意見も聞く、そしてまとまった改革案を政府案に、最終的な政府案にまとめていくという、そういう理解でよろしいんですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりでございます。
○内藤正光君 竹中大臣にお伺いしたいと思うんですが、経済財政諮問会議の問題は大変山積しているわけでございます。そしてまた、体制からいっても、もう、ここにもありますが、一枚紙で済んでしまうぐらいな体制で、民間の議員も、実質、年金問題に一番精通しているのは本間先生と、あと吉川先生ですか、というぐらいなところで、大変十分とは言えないわけなんですが、そこで、今後どんなスケジュールで年金改革論議を進めようとされているのか、そして十一月末に出される予定の厚生労働省案との調整をどういうふうに進めていこうと考えているのかお答えいただきたいんですが、ちなみに、いろいろ、「経済財政諮問会議の今後の課題」ということでいろいろ書き連ねてあるんですが、年金についてはただ一言、「年金制度の抜本的改革」、これだけなんですね。
 本気でこの財政諮問会議の場でちゃんとこの年金の抜本改革、経済財政諮問会議はそれを議論する場なんですから、やっていく気があるのか、実際そういうスケジュールを考えられているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは総理から、経済財政諮問会議でその中の非常に重要なテーマとしてこれをしっかりとまとめろという命を我々受けているわけですから、当然これはしっかりとやっていきます。
 今、一行しか書いていないじゃないかというのは、これは正に大きなテーマだからしっかりと一行書いているわけで、昨今の骨太の方針の中にも、既にどういう方向でやっていくのかということはかなり詳しく書いているつもりでございます。
 いずれにしても、明日、この諮問会議で実質的に議論をまた始めますが、明日、これは坂口大臣も当然おいでいただいて諮問会議でその年金の議論をかなりしっかりとやる。どういう手順でということでありますけれども、これは、諮問会議、民間議員の専門家もいらっしゃいますけれども、我々としても必要に応じていろんな試算も含めてこの議論をしっかりと行っている体制を既に持っているつもりでございます。諮問会議の議論は大変オープンでありますので、そうした中でそのプロセスまでオープンにして、最終的には国民に非常に大きな選択をしていただけるような、そういうしっかりとした土台に立った議論をしていくつもりでおります。
○内藤正光君 巷間、間もなくの解散・総選挙が言われているわけなんですが、よもや解散・総選挙に配慮して、万が一解散になったらその間は財政諮問会議では議論をしないと、十一月末に厚生労働省試案が出てくるのを待ってから本格的に議論しようということはないですね。
 実際に、もう十月から、もう厚生労働省試案が出てしまったら私はある意味でおしまいだと思うんです。その前に、十月、そして十一月の初めもしっかりと議論をして、そして十一月は厚生労働省試案ともちゃんとぶつけ合って議論をしていく、これが必要だと思うんですが、その辺のお考えをお尋ねします。
○国務大臣(竹中平蔵君) どういうようなことになっても、政治状況になっても、行政に休みなしであるということは総理が常に我々に命じていることでございます。行政に正に休みなし、これはもうしっかりと継続的にやっていくつもりでおります。
○内藤正光君 総理、この件については最終的に確認をさしていただきたいんですが、あくまでこの最終的な改革案をまとめ上げる場は経済財政諮問会議であると。そして、十一月末に出される予定の厚生労働省の試案はあくまで一つの考え方であって、経済財政諮問会議の場で財務省だとか、あるいはまた経済産業省だとか、あるいは国民各層、あるいは各党、こういった意見をちゃんとそれぞれ真っ向から議論をして取り扱って、そして最終案を取りまとめ、そしてそれを最終的な政府案にしていくと、こういう理解でよろしいですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは内閣が一体で取り組むべき問題ですし、与党との調整もあります。各党の意見もある。国会での審議も待っているわけであります。全体の意向というものをよく勘案しながら政府案をまとめていく、その間で各党との調整もされるのは当然でございます。
○内藤正光君 しっかり、竹中大臣、経済財政諮問会議という場でいろいろな意見を検討をして、本当に持続性のある年金改革というものを再構築をしていっていただきたい、このことをお願いを申し上げます。
 さて、次は基礎年金の二分の一への引上げについてお尋ねしたいと思います。
 御案内のように、平成十二年の年金改革の際に、この法律の中の附則に明確に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合を二分の一へ引き上げるというふうに明記されているわけでございます。
 総理、確認しますが、このことは次期の、つまり来年ですね、そしてつまり、もっと言うならば今年末にまとめ上げる案に、案の中に盛り込むというふうに考えてよろしいわけですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三分の一から二分の一へ引き上げるのを一年で一挙にやるかどうかというのはまた別問題です。これは、安定した財源を確保して、どういう安定した財源があるかどうか、もうそれも含めて議論しなきゃならない問題だと思っております。
○内藤正光君 ただ、この附則は、この五年間の間にこれを徹底的に考えて、そして平成十六年度にはちゃんとその財源を確保した上で、ちゃんと三分の一から二分の一へ引き上げるべきことと書いてあるのがこの附則なんですよ。附則とはいえ、これは法律ですよ。
 要は、私が聞いているのは、プロセスを聞いているわけじゃないんです。二分の一へ引き上げるかどうか、法律を守るかどうか、ここを聞いているんですが、再度確認を求めます。──いや、総理です、それは。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、もう委員よく御承知のように、附則には、基礎年金については、給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討して、当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとすると。
 ですから、給付水準をどうするか、それから、財政方式ということになりますと、御党でもいろいろ御議論があると思いますが、どこに税をどういう形で入れるのか、そして安定した財源はどこにあるのかと、これは一体で解決していくということだろうと思います。
○内藤正光君 正にその解釈は詭弁ですよ。この主文はどこにあるのかといったら、国庫負担の割合を二分の一へ引き上げると。そして、その前にある二行は、こういったことを十分検討した上で、そして財源を確保した上で平成十六年度には二分の一へ引き上げるべきと、附則はこう書いてあるんですよ。これ英語に直しても、どこにもイフなんて入り込む余地はないんですよ。改めて答弁を求めます。
○国務大臣(谷垣禎一君) イフではなくて、一体として解決すべきものというふうに書いてあると私は読んでおります。
○内藤正光君 総理、お答えください。厚生労働大臣でも財務大臣の話でもないんです。これは総理がお答えすべきことなんです、内閣のトップとして。二分の一へ引き上げるかどうか。
 総理はかつて、公約なんて守らなくたって大したことじゃないとおっしゃったんですが、今度あれですか、法律守らなくたって大したことない。そして、これ二〇〇三年骨太方針にも、閣議決定されている二〇〇三年骨太方針にも出ているんですよ。閣議なんてどうでもいい、そういったことをおっしゃるということですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 繰り返し申し上げておりますように、この附則には、給付水準や財政方式もきちっと検討しろと書いてあるんですね。検討して、検討してやはり新しい方向を出していかなきゃいかぬということを当然ここには書いてあるわけです。その上で安定した財源を確保し、安定した財源が確保できなければ一番の問題は年金の将来性に対する不安があるからと、もう先ほどからの御議論のとおりでありますから、安定した財源を確保するということは極めて大事であります。それに向けて一体で努力をしていこうという読み方が間違っているというふうには私は思いません。
○内藤正光君 じゃ、財務大臣、お尋ねします。
 じゃ、この財源の確保を総理からちゃんとオーダーを受けて、そして今、必死になってその財源確保に向けて努力をされているわけですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、財源確保はやはり税制全般にわたることでありますから、今、一生懸命議論をしながら努力をしていると、こういうことであります。
○内藤正光君 昨日も、衆議院予算委員会で小泉総理は、このことは税制改革も考慮しながら進めていかなきゃいけないと。これは当然なプロセスですよ。これはやらなきゃいけないことですよ。私たちが聞いているのは、そのプロセスがどうのこうのと言っているんじゃなくて、このプロセスを経た上で、最終的にこの法律に書いてあるところの二分の一への引上げをちゃんと守るかどうか、小泉内閣は法律を守るのかどうか、ここを聞いているんですよ。
○国務大臣(谷垣禎一君) いやいや、委員のお読みになり方は、二分の一のところだけをおっしゃいますけれども、この条文の書き方は明らかに、全部を検討して一体で見て、そうして結論を出せということを書いてあるんだと私は思います。
○内藤正光君 時間の関係もあります。小泉内閣は余り法律を重視しない内閣だということを理解した上で、次に移りたいと思います。
 さて、その年金改革に向けた基本的な考え方を議論させていただきたいと思います。
 今の厚生年金によりますと、こうなっています。(図表掲示)
 一九四〇年代、四〇年生まれの方、保険料負担は二千五百三十三万円、対して、平均寿命まで生きた場合の年金給付額は六千七百九十七万円、いわゆる給付と負担のバランスは二・六八倍ですね。ところが、少子高齢化の進展によってこれはだんだんだんだんバランスが崩れてきまして、一九六〇年生まれは保険料負担がぐっと上がる。大事なところは給付と負担のバランスですが、一・〇五、ちょうどとんとんになる。しかし、これ以下の世代についてはもう〇・七三、〇・六一。これが現状です。厚生年金の現状でございます。
 それに対して厚生労働省試案は、向こう二十年間掛けて保険料をちょっとずつ上げていって、そして二十年後には二〇%に引き上げる、その後は給付水準を削減していくということをおっしゃいました。その案によってどうなるのかというと、この括弧して厚生省の案というところです。確かに、保険料負担は二〇〇〇年生まれの方で七千六百五万円だったものが六千七百三十九万円と大分下がっています。ところが、大事な給付と負担のバランス見ますと、一九四〇年生まれの方は二・六八から二・六三程度に下がるだけなんですが、二〇〇〇年生まれの方は〇・六一から〇・六〇。そしてもっと大事なことは、先の話になるとかなりぶれがありますから、最悪で〇・五〇になり得るという、これが厚生年金の現状です。ちなみに、これは一九九九年時点での貨幣価値にすべて直してあります。
 そして申し上げたいのは、年金に対する信頼感というのは五十歳を境に大幅に変わります。五十歳までの方々はどちらかというともう年金は不信だと、信じないという方が多いです。それこそ二十歳の方は六七%信用しない、三十代の方は七二%が信頼しない、四十代の方は五四%が信頼しない。一方、五十以上は逆に信頼するのが多くなってくるんです。五十歳の方は五八%が信頼する、七十歳の方は七一%が信頼する。なぜそこで五十歳で分かれるかといったら、正にここですよ、給付と負担のバランスが一倍以下かどうか。
 厚生労働省が出したたたき台、昨年末に出したたたき台は、こういった二十代から七十代の方々の、特に二十代から四十代までの不信に対する答えを出していると思いますか、厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) その今お示しになりました案と厚生労働省の案との違いは、厚生労働省の案は実質賃金上昇率を少なくとも一・〇%これは上昇させていくという前提の上に立っております。それはそういう経済運営をしていかなきゃいけない、それは前提です。
 ですから、実質賃金上昇率一・〇%というものを中心にして書けばそういう数字にはなりません。二倍は維持できるというものでございます。
○内藤正光君 結局、そういったことを加味しても、正直言ってそんなのはもう将来分からないんですよ。そして、ほとんどこの傾向は変わらないんですよ、基本的には。変わらないんですよ。このことが若い人たちの不信感にこたえたものとなっているのかというのが私の質問なんです。本当にこたえているんですか、この傾向このまま持続することに対して、若い人たちは。
○国務大臣(坂口力君) ですから、私が出しました案は、今、百四十五兆円のたまっております積立金を今後の次の世代、次の次の世代に使わせていただくと。そして、なだらかな線になりますまで、間もなくこの年金世代に入ってまいります団塊の世代、そしてそのお子さん方が今度は入ってまいります二〇三〇年ぐらい、それを通り越えた二〇五〇年までの間はたくさんの額が必要でございますから、その皆さん方にその積立金を使わせていただいて、そして満遍なくその将来の皆さん方にも負担と給付がいくような案をお示しをしているところでございます。
○内藤正光君 厚生大臣は正にもう本当に負担を先送り、今さえよければいいという、これじゃもう年金制度そのものに対する信頼感は到底戻りませんよ。
 そこで、ちょっと給付水準に対する考え方をお尋ねしますが、厚生大臣はあくまで現役時代の賃金代替ということを、主軸を置いています。ところが、六十歳になれば大体の人が退職をすると分かっているわけなんです。失業のケースとは違うんですね。にもかかわらず、なぜ六十歳以降も現役時代の給与を一つの基準に置いて賃金代替という考え方を持ち出して給付水準を決めなきゃいけないんですか。その考え方、哲学なりをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 給付を行います場合には、その人の若いときにその人がどれだけの賃金をもらったかということを中心にして、その少なくとも五〇%を確保をすると。それはお若いときから、あるいは高齢になられたときから、それはいろいろの差があるでしょう。平均をいたしましたその所得の、賃金のその五〇%を確保するということを中心にして計算をしているわけでありまして、そういうふうな計算をすれば五〇%を確保することができ得る。
 ただし、この何の方は、負担の方は、それは徐々に段階的に上げていただいて二〇%まではお願いせざるを得ないというのが私の案でありまして、それは二〇%はえらいから一九%で収めてくれという意見もあるでしょう。一八%にしてほしいという意見もあるでしょう。しかし、それはそういうふうな一つの図柄を示したわけでありまして、そこで御議論をしていただきたいと、こういうふうに思っている次第でございます。
○委員長(片山虎之助君) 内藤正光君、もう時間ありませんから、はい、簡潔に。
○内藤正光君 もう時間、切れてしまいました。この辺りでやめなきゃいけませんが、しかし年金という問題は国民の最大の関心事であります。本当に一厚生労働省の試案だけで政府案が決定されることは何としても避けなきゃいけない。そんな思いで私はこれからも年金制度の問題、党を挙げて、全党を挙げて取り組んでいくことをお誓いを申し上げさせていただき、終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(片山虎之助君) 以上で輿石東君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、尾辻秀久君の質疑を行います。尾辻秀久君。
○尾辻秀久君 質問に先立ちまして、去る九月二十六日早朝に発生いたしました十勝沖地震により被災されました皆様方に衷心よりお見舞いを申し上げます。
 早速、質問に入らせていただきます。
 先日の自民党総裁選で私は小泉純一郎と書きました。しかし、しかし前回の、すなわち二年半前の総裁選のときには、正直に言いますが別の名前を書きました。なぜ今回、小泉支持なのかと、こういうことでございます。
 これは私は、何事も中途半端で投げ出すのはよくない、これでもう一度振出しに戻したら大混乱するだろう、ここはしっかりと小泉内閣を成し遂げていただきたい、そう考えたからであります。
 そこで、まずお尋ねをいたします。小泉構造改革、今何合目まで来ておるのでありましょうか。これ逆に聞きますと、率直に言います、あと何年ぐらい痛みに耐えればいいのでしょうか、お尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 痛みはそれぞれ人によって違うと思いますが、そういう痛みといいますか、失業率あるいは雇用の問題、地域の問題、民間におきましても合理化、リストラの問題、それぞれ痛みは様々だと思います。
 こういう中にあって、現状ではいけないということから、新しい時代に合ったような、企業にとっても、また役所にとっても地域にとっても体質改善をしていこうというのが改革でありますので、私は、厳しい状況の中にも最近ようやく明るい兆しも見えてきたなと。
 それは、企業の収益増加を見てもそうですし、あるいは構造改革特区というものを設けて、地方が財政支援、税制支援を受けないで、自らの知恵を出して規制を緩和する、改革することによって特色を出していこうという機運も出てまいりました。
 また、倒産件数、かなりの額に上っておりますが、件数においては前年に比べて減ってきている。一円でも会社できるよという、そういう制度にした結果、五千近くの会社がもう立ち上がってきた。やる気も出てきたな、そういう起業意欲も出てきたなということから、私は明るい兆しも出てきたんではないかと。
 だから、この間、改革の必要性を訴えて種をまいて、芽が出てきた段階だ。何合目か分かりません。千里の道も一歩からと言いますから、私は何合目かとは言いませんが、少なくとも芽は出てきたなと。この芽を育てていくのがこれから三年間の間、木に育てていけば、あとはほっておいても見事な枝葉を付けて、改革の成果、実もなっていくのではないかと思っておりますが、これから厳しい状況の中でも、多くの国民の協力によって改革を実現して、デフレを克服して、経済、やっぱり日本は強いなと。可能性、潜在力を発揮させて、やはり世界の中にとって、日本の国力というのは特に経済力でありますので、多くの国々と一緒になって国際社会の責任ある一員としての役割を果たしていければなと思っております。
○尾辻秀久君 是非しっかりと改革を進めていただきたい、そう思います。
 そこで、今いろいろお話も伺いました。特に、冒頭で痛みについてのお話もございました。どうぞお願いしたいのは、謙虚にいろんなことに耳を傾けていただいて、そしてやっぱり総理の座におありですとなかなかお耳に届かないことも多いでしょうから、そうしたことにもできるだけ、そうしたことといいますのは、多くの庶民の声にも耳を傾けていただいて進めていただきたいと、こう思うわけであります。
 そこで、決して揚げ足取ろうとは思わないんですが、裸の王様になられても困ると思うものですから、一点質問をさせていただきたいと思います。
 総理は所信表明演説で、「医療、教育、農業分野への株式会社の参入を認める改革も着実に進んでいます。」、こう胸を張られました。いきなり少しというか、たくさんと言った方がいいかもしれませんが、意地の悪い質問になることを承知の上で坂口厚生労働大臣にお尋ねをいたします。
 厚生労働省の医政局長は、つい先日、正確に言いますと九月の十一日ですが、就任の会見で、医療と経済はそぐわないと考えている。株式会社の病院を作りたい人がいるのであって、患者の声としてこの病院を株式会社にしてほしいと言っているわけではない、こういうふうに言われたわけであります。ですから、まあちょっと意地悪く聞くことになるんですが、厚生労働省としては医療の株式会社への参入というのは順調に進めておられるのでしょうか。こういう質問をしてみたいわけであります。
○国務大臣(坂口力君) 医療に対します株式会社の参入につきましては、総理からもいろいろと御提言をいただいておるところでございますから、私もできる限りそれに従わなければならないというふうに思っているわけでございます。
 ただ、一方におきまして、この医療保険という保険制度の中に今医療はあるわけでございます。この医療保険制度の医療保険を破壊をさせてしまうようなことがあってはならない。これを今後も継続をしていかなければならない。そういう中でどうそこに軟着陸をさせるかということが大事だというふうに思っておりまして、まず自由診療のところにおきまして株式会社の参入をやらせていただく、そして自由診療の中の先端医療をおやりになるようなところにまずやらせていただくというようなことを今やらせていただいて、そしてそこをスタートさせていただいたところでございます。
○尾辻秀久君 またいずれ、医療保険制度というのは、これはもう国民皆保険として私たちが正に死守しなきゃいけないものだと思っておりますから、お尋ねもしてみたいと思います。
 総理は、一昨日、我が党上杉議員の代表質問に、自民党は一部特定団体のための政党ではない、国民全体の政党ということを自民党国会議員は考えてほしい、こう答えられました。素直にお聞きしたいと思います。そこで、どうぞ行政も一部特定団体のためのものではありませんので、総理、足下を固めていただいて、政府一体となって改革を進めていただきますように改めてお願いをさせていただきます。
 先ほど、総理、芽が出てきたと言われました。それについての総理なりの御説明もあったと思うのですけれども、もっと具体的に何かこういう芽が出てきました、更に御説明いただくことがありましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、金融改革一つ取りましても、就任以来、不良債権処理を進めなきゃいかぬということで進めてきました。今、逆に速過ぎるのではないか、進め過ぎるのではないかという批判が出るぐらい処理は進んできております、残高についても比率についても。予定の平成十六年度ですか、十七年には不良債権問題終結できるような状況になっております。
 また、就任以来の経済成長率、実質においても名目においても見通しを上回っております。株価も、四月に八千円を切って七千六百円台になったときには、これはもう底なしになると。大方の専門家の皆さん、評論家の皆さんはまだまだ下がると言っていました。今そういう声は消えてきましたね。やはりあのころが底だったんじゃないかということで一万円台を回復しております。
 決算期になりますと常に金融危機、金融危機と言われましたけれども、この九月の決算前にはその声も聞かれなくなりました。政府の公的資本形成投入が減っているにもかかわらず、民間設備投資は増えております。言わば財政出動をしないと需要が出てこないという状況と変わってまいりました。むしろ民間にやる気が出てきて、民間の設備投資の意欲が出てきた。企業の業績も増収になっております。さらに、倒産件数、前年に比べて十二か月連続減ってまいっております。失業率も、わずかではございますが五・三%から五・一%に最近なってまいりました。私が就任時は、小泉の構造改革進めると失業率が二けたになると言われました。
 そういう観点からも、やはり改革を進めていかなきゃならないなと。当然、雇用・中小企業政策は進めていかなきゃなりません。中小企業にもなかなか資金が回らないという点につきましても、担保主義から売り掛け債権担保とか、あるいは融資拡大の方法、今までとは違ったやる気のある企業には融資しようという動きも出始めております。
 税制改革一つ取ってみても、これは単年度均衡主義では、こういう財政状況、なかなかできるものもできないということで多年度で考えようということから、こういう財政赤字の状況にもかかわらず、今年度は研究投資・開発中心に二兆円の減税を先行しました。酒・たばこ二千億円の増税分差し引いても一兆八千億円の実質先行減税です。このような税制改正によりまして、来年度も一兆五千億円の減税が実施されます。だから、決して単年度財政均衡主義じゃないんです。
 私は、経済は生き物だから、五十兆円が税収ならば三十兆円枠にとどめるべきだと言っておりましたけれども、税収が減ってきた段階ですから柔軟に対応する必要があるといって、三十六兆円に今年も国債を発行しております。
 規制改革、これまた今まで教育の分野においても福祉の分野においても農業の分野においても株式会社は参入しちゃいかぬと、何でなんだと、どちらがサービス提供するか、失敗したらやめればいいと、良かったら続ければいいと、まず失敗を恐れずやっていれば、やってみればいいじゃないかということで、そういう意欲が出てそれを認めてまいりました。
 さらに、歳出改革におきましても、これだけ厳しい状況で増やせ増やせという陳情はたくさん来ます。ところが、減らせという陳情はめったに来ない。そういう中で、科学技術は増やさなきゃいかぬと、あるいは福祉も増やさなきゃいかぬと、言うなればということで、前年度実質以下にしながら予算を編成していく歳出改革。
 なおかつ、これから行政の無駄をなくそう、官の分野の無駄をなくそうと。このまま官業を肥大化させていくと、ますます後になって税負担が多くなる。
 典型的なのが道路公団民営化。私は総理就任以来、民営化のミの字も出ていませんでした。言った途端にだんまりです。いつの間にか党が認めてくれて、閣議決定して、来年にはもう法案を出す段階に来ております。
 郵政民営化しかり。民営化の議論もしちゃいかぬと。三月の党大会で、郵政化の議論をしてはいかぬし、公社のまんま国家公務員でなきゃいかぬという決定された四月に私は総理になったんです。私は、堂々と民営化の議論をし、来年の一年間で民営化案をまとめて十九年に民営化するということを公約出しています。これは今度党の公約になります、必ず。選挙で審判を受けます。
 自民党は役人集団の票を当てにしない政党になるんです。正に国民政党にならなきゃいけない。自民党は変わった。官の分野の構造改革。民間分野の構造改革は実に進んでいます。一番遅れているのが役所の機構の構造改革、官の分野の構造改革。そういう際に、役所の方々は既得権益を守ろうという人、たくさん、多いと思います。そういう段階にあって、役人の皆さんの票を当てにするような政党で改革ができるか。
 それは、郵政民営化、道路公団民営化、一番今まで多く税金負担しているところですね。官の分野の不良債権が一番たまっているところが郵政、郵貯、簡保から資金来ている財政投融資、特殊法人、道路公団。道路公団一つ取ったって、民営化の議論が始まった途端、非常電話が一台二百五十万円掛かっていた、それが四十万円でできるようになった、四兆円のコストを削減することになった。料金もこれから一割以上下げようじゃないかと、経費も削減しようじゃないか、人員も削減しようじゃないか、実に改革は進んでいます。
 こういう部分にあって、将来引き締まった官の分野の体質、そういうことによって私は民間の活力を発揮させて、地方の個性ある特色を発揮できるような、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にということを進めていくならば、必ず経済活性化、強い経済の下に日本は今後とも発展できるのではないか。その改革をこの三年間の任期の中でやり遂げたいと思っております。
○尾辻秀久君 大変情熱を込めて語っていただきました。そのことは大変有り難いことでございます。ただ、委員会の進行のことを申し上げますと、この参議院の予算委員会というのは片道方式でございまして、私がしゃべりませんと、あの時計の数字が減らないわけでございます。私は有り難いんですが、皆さんに全体の進行が遅れて御迷惑を掛けるわけにもまいりませんから、どうぞ御協力をよろしくお願いを申し上げます。
 今、総理がお話しになったそのことはよく分かります。そして、総理が芽が出てきたとおっしゃっておられることも分かります。ただ、総理のその表現をおかりして言いますと、辺り一面が緑になって豊かな森に育っていけばいいけどな、枯れ木、枯れ葉の山の中から何本かだけの木が育ってきて大木になっても、それは余りいい姿ではなかろう、そういうふうに思うわけであります。
 ですから、この後、小泉改革というのが大きくどっちに向かうのかな。それは、私もそうですが、国民の多くの皆さんの関心のあるところだろうと思います。それをお聞きしてみたいと思うものですから、まずちょっといきなりで変な質問になるかもしれませんが。
 私は、戦後の一時期、日本という国は実にうまく日本型社会主義国家を作り上げた、そう思っています。総理がどういうふうに思っておられるか、お尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全く焼け野原から出発した戦後、これは多くの国民の努力によって今日まで平和の中で発展してきた、大変な国民の努力だと思います。同時に、政府もそのような国民のやる気を引き出した、いろいろな改革、制度を作ってきた。
 そういう中で考えてみますと、高度経済成長のときには、いろんな要望聞いても、見込んだ税収よりも多かったものですから配分できたわけですね。そのときに減税と公共事業を中心に日本の経済は発展してまいりましたが、やっぱり財政というのは限りがありますから、成長も止まると税収が少なくなってくる。予定した税収が上がってくると、石油ショックのとき以来、大転換したと思うんです。その当時ですね、昭和四十八年が第四次中東戦争、あの石油ショック以来税収が上がってこなくなった。そこからやっぱり国債を発行し出しましたね。
 そのとき、予定より税収が上がった分を今までの国債返済、借金返済に回せば良かったんですが、これは公共事業に回すと税収が上がってくると、減税すれば税収が上がってくるんだという状況ではなくなってきた。むしろ税収が上がるように、減ってくるようになったものですから、国債を発行し続けちゃった。そこが今も苦しんできたものですから、そういう中でやるべき分野はたくさんあるんですが、今までのように全部うまく丸く収まる状況じゃないと。どこかが増えればどこか減らさなきゃならない。こういう状況に今陥って、非常に難しい政治、経済、財政状況になっていると思います。
○尾辻秀久君 総理も同じように考えておられるというのが分かりました。
 そこで、私があえてその質問をしたのは、お分かりだろうと思いますけれども、そこから今、構造改革でほとんど全部を否定してしまって、経済構造改革ですし、金融構造改革ですし、財政構造改革ですし、社会保障構造改革ですし、ありとあらゆる構造改革で、言うならば、日本抜本改革に取り組んでいる、こういうことだと思います。そうすると、社会主義的な手法からばんとこっちにもし振れるんだとするとどうなるかなとついつい思うわけであります。
 今、改革のキーワードの一つはグローバルスタンダードだと思いますけれども、果たして本当にそれが、今言っているものがグローバルスタンダードなんだろうか。アメリカンスタンダードではないかなと思ってみましたり、こういう短い時間で申し上げると舌足らずになって誤解を受けるおそれがあることを承知の上であえて言いますけれども、規制緩和というのはやっぱり弱肉強食という面を持つことも否定できない。今私が何だかんだと言っているのは、そんなことを言っていると、日本社会というのが冒頭申し上げたようにうんとこっちにばんと振れてしまうということになるのかなと。
 はっきり言いますと、アメリカ型社会の勝ち組と負け組に二極化するような社会になっていくのかなとつい思うものですから、今日はそのことを率直に申し上げて、総理がどういうふうに考えておられるんだろうかとお聞きをしてみたいのであります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よくアメリカ型社会を目指しているのではないかと言われますけれども、それは、日本は日本の良さがあります。アメリカにもアメリカの良さがあります。ヨーロッパにもそれぞれの良さがあるんです。市場万能主義でもいきません。さらに、社会主義政権みたいに政府がどんどん関与していけばいいという問題じゃない。それと合わせていかなきゃいかぬと。
 日本には、アメリカにない年金の公的年金、医療の公的医療保険、公的介護保険、この社会保障をしっかりしているんですよ。決して弱者切捨てじゃない。アメリカは公的年金ありませんよ、年金も医療も介護も。そういう日本独自のすばらしい社会保障制度を持っているんです。これをいかに持続可能な充実したものにしていかなきゃならないか。
 特に、日本としては、専守防衛という中で平和を維持し、独立を守り、その中で経済発展を期そうということでやっているわけでありますので、私は、日本が今アメリカ型の社会を目指しているということじゃないんです。日本独自の、日本型の充実した平和国家、福祉国家を目指そうということであるということを御理解いただきたいと思います。
○尾辻秀久君 是非、そういうものを更に具体的に示していただいて、国民に説明をしていただく、それに向かって邁進していく、そういう姿勢をお見せいただくと有り難いと思いまして申し上げたところであります。
 私も総理のおっしゃるとおりだろうと思いまして、医療にいたしましても国民皆保険というすばらしい我々は財産を持っていますから、これを何とか守らなきゃいかぬと思いますし、先ほどの民主党の質問の中でも年金どうするんだということがございました。私も同じようなことを聞いてみたいなと思っておったんですが、あれだけ聞いていただくと年金のことはほとんどお聞きすることはないなと思っておるんですが、今申し上げているのは、総理がおっしゃったように、私たちが持っているすばらしい財産をしっかり守りながら次の世代に伝えていく、この努力をしたいと思います。
 そこで、これは正直に言うんですけれども、小泉改革の目玉みたいになっている郵政民営化について、やや判官びいきとでもいいましょうか、ばっさり切捨てというのもいかがかなと思ったりしますし、総理がこのごろおっしゃっておられることをお聞きしていて、例えば、税金の無駄遣いをなくすのが構造改革のかなめである、そのとおりだと思います。ただ、その一番の無駄遣いの大物が郵政と道路だと、こういうふうに言っておられるわけですが、郵政に特に限って言うと、そこまで税金の無駄遣いしてきたのかなとついつい思ったりもするわけであります。
 私なりに理解しようと思って総理の言っておられることを見てみました。恐らく、総理が言っておられるのは、私はこう理解したんです。そこの部分について言えばです。
 郵政が三事業のうちの一つとして郵便貯金を持っている、郵便貯金で郵貯を集めていく、その集めたのを財投を通して特殊法人等いろんなところで使われる、むしろここで無駄遣いがある、よって根っこも良くないんだというようなことを言っておられるのかなとつい思ったんですが、その辺についてはどうなんでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、入口と出口、一体で改革すべきだと言って、郵政三事業、財政投融資、特殊法人、言ってきたわけです。
 確かに、必要な民間のやらない事業、特殊法人、あるでしょう。しかし、それも原資は郵貯から来たり簡保から来たり、有利な、民間よりも低利で融資を受ける場合、その部分、もし郵貯に有利な利子を付けるとしたら、どこで負担しているのかと。あるいは不良債権になった場合、特殊法人が、税金を負担しなかったら、預金者で負担できるのかと。できないんですね。結局、財政投融資を通じて、特殊法人に赤字が出た、その負担は今まで国民が税金で負担している。郵貯は全然していませんよと、悪いことしていませんよと。当然ですよ。しかし、一体でこの融資考えれば、これだけ有利な投融資ができるのは、郵貯資金があるから、簡保資金があるから。郵貯、簡保を民間より有利にしたら、どうやってその有利な部分できるのかと。結局、税負担になるでしょう、これ。
 今、財政投融資と特殊法人については不良債権どれだけあるか。道路公団一つ取ったって四十兆円の債務をどうやって返すのか。住宅金融公庫だって廃止を決定いたしましたけれども、これだって民間より有利な条件で融資できたということは、毎年毎年税金の負担があったからこそ民間より有利な低利で資金供給できたんですね。これ廃止と言ったら、それに負けず劣らずの民間の商品が出てきたでしょう。だから、この資金をもっと成長分野に回さないと、もう保護する分野、後で税金負担する分野に回していたら、幾ら税金あったって足りませんよ。だからこそ、私は根っこから、郵貯、簡保を根っこからやっていかなきゃならない。
 郵便事業、民間参入させるだけでもどれだけの反対がありましたか。自分たちの役所の事業が民間に奪われちゃいかぬ。そういう中で民間の宅配便は何の援助もなく自分たちの金で宅配サービスはやってきたわけでしょう。今全国やっている。
 簡保だって、お金があるから旅館を建てる、ホテルを建てる。事務次官を辞めると簡保の理事長なり総裁になる、また給料をもらう、退職金になる、またすぐ。何で、民間が旅館なりホテルやっているのに、簡保の宿とか簡保のホテル、過疎地ならいいですよ、都会に建てているんじゃないですか。それでやっている仕事はもう安くやっていて民間の仕事を奪っている。これで民間元気出せますか。一方は税金払えないでやっているんですよ。税金使う。民間は税金納めてやっているんです。それをやられたら、民間、それじゃもうやる気なくしますよ。
 だから、民営化すれば、これは今まで税金使っている分野から、今度税金納めてくれる。それはもうJR見ても明らかであります。国鉄の場合は税金投入していたんだよ。それが今度は税金を納めているような状況になっている。電電公社だって、NTTになって電話はなくなったわけじゃありません。
 私は、民営化すると郵便局なくなると批判される方がたくさんいますけれども、私はもっと活発な郵便局、三事業出ると思いますよ。土地を見ても一等地にあります。東京、大阪だけじゃありません。あの三事業しかできない一等地に、民間にやらせたらどんな再開発ができるか分からぬ。あらゆるサービスを自由にやっていいと言ったら、意欲のある人、今まで以上仕事したくないという人は困るかもしれないけれども、もっといろんな仕事をしたいと言ったら、縛られた手足を放すことになるから、もっと活発な郵便局の仕事というのはいろいろ展開されると思います。
 そういう意味において、今眠っていると、国有財産が。もっと民間の知恵、税金を払わないで、税金を納めてくれて、国民により良いサービスが私は民営化することによってできるような案を考えていきたいと。決して郵便局をなくせと言っているんじゃないんです。
○尾辻秀久君 総理のおっしゃることもよく分かるんです。ただ、入口出口一体論だとおっしゃるんですけれども、こっちで集めた人が、この人たちが使ったわけではなくて、別な人が使ったわけで、それをおまえたちが集めたのが悪いと言われると、さっき判官びいきと言いましたが、判官びいきでなくても、何となく気の毒な話だなと、こう思うことも事実であります。したがって、その辺の話というのは、やっぱり総理、よく御説明いただいた方がいいのではないかということを申し上げておきます。
 それから最後に、これもよくある話なんでお聞きしてみたいんですが、郵便局をなくすわけではないとおっしゃいました。そのとおりだと思うのです。ただ、民営化されたら、採算の合わないへき地の郵便局、これは一体どうなるんだろうなというのが一番気になることなんです。ここのところだけは、総理、お答えいただけますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これも、郵便事業を民間参入させるときの反対論が、民間に参入させるといいとこ取りだと、採算の取れるところしか配達しないと言って反対していました。今どうですか、民間の。どんなへき地、離島、採算取れなくても配達していますね。
 民間企業は利益の上がるところしかやらない、これもうそだったんですよ。利益の上がらないところをやらないと、お客さんはいろんなところに頼んでくれなくなる。あるところでは利益の出るところもないとやっていけないと同時に、じゃ、利益の上がらないところはやらないというんじゃ、その会社の信用にかかわる。うちの会社はどこでもできますよという信用があって初めて注文が来るんだということで、今、民間の宅配業者は、どんな離島、へき地も全部ネットワーク作っちゃった、自分で研究開発投資を使って。税金使わないでですよ。
 で、現にあの宅配便始めて、サービスはすべて民間が上だったんですよ。夜間配達始めたのも、民間がやったから、後から郵便局でしょう。生鮮食品、冷凍食品、これも民間が自分の金で、あの、夏でもアイスクリームが解けないような車を開発して、運ぶようになった。
 そうしたら、郵便局は、予算要求で税金使って保冷庫を作りたいと言ってきた。こういう、民間は全部、税金も使わないで、税金を納めながら郵便局よりもいいサービスを提供してきたんですよ。だから、民間はいいとこ取りなんというのは、これは参入を拒否したい論理であって、それは全く違うと。
 しかも、複数なんですよ。一社じゃない。あの企業はもうけると思えばほかの企業が参入してきますから、より安くいい商品をどうやって提供するかというのが民間サービスなんです。それを競争することによって、確実に私は、宅配便のサービスで恩恵を受けている国民はたくさんいると思いますよ。だから、こういう形にして、私は、民間が入るとサービスがなくなるんじゃなくて、民間を参入させた方がはるかにサービスは良くなると思っております。
○尾辻秀久君 これらの議論というのはこの後もしばらく続くでしょうし、しっかりした形で私たちが何がいいのか結論を出していかなきゃいかぬと思います。
 竹中大臣にお尋ねいたします。
 先ほど来総理にお聞きしておる同じ質問にもなるんですが、構造改革を進めていけば、いつ明るい将来が訪れるのかということであります。
 そこで、竹中大臣には、今年の一月に経済財政諮問会議が「改革と展望」を新しく出されました。二〇〇二年度改定版というやつですか、出されました。細かな数字いろいろあって、その数字を挙げてもいいんですけれども、今日この場で細かな数字を挙げることはしません。ちょっと荒っぽ過ぎるかなと思うんですが。
 私は、私はあの中身読んで、いろんな数字が書いてあるんですが、読んで、二〇〇五年、平成十七年になったら景気が良くなりますよ、あと二年我慢してください、こういうメッセージで書かれているのかなと読んだんですが、その読み方について竹中大臣の考えておられることをお教えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 「改革と展望」は、委員よく御承知のように、昨年、第一回目を出しまして、これ年次改定していくと。財政とマクロ経済を整合的にと。この仕組みそのものが実は小泉内閣になってから始まった、新しい、そのシナリオをしっかりと国民に示していこうという姿勢の表れでございます。
 お尋ねの点でありますけれども、我々はあと約二年、一年半ぐらいですけれども、この間を集中調整期間として、その間に負の遺産である不良債権の処理の決着を付けたいと。そうすることによって、日本が持っている本来の成長力に戻っていくはずであると。そうすると、二%近い成長にあと、二〇〇五年ぐらい、二〇〇五年ぐらいから達成されるであろうと。そのようなシナリオを描いております。
 委員、その二〇〇五年になると景気が良くなるのかというお尋ねでございますが、それまでに負の遺産を解消して本来の成長軌道に復帰できるような姿に努力したいと、そういう趣旨でございます。
○尾辻秀久君 今その集中調整期間というのが出ましたけれども、二〇〇二年度の改定版でこれ一年延ばされましたね。その一年延ばしたことについての説明というのは余り書いていないと私は思うんですが、どうですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、この一月の、二月の時点でもいろいろ御審議いただいたことだと思いますが、世界的な、イラクの問題に象徴されるような世界的な地政学的な不透明性が世界を覆って、世界経済全体が沈滞する中でその目標年次を一年延ばさざるを得なかったと、非常に大ざっぱに言いますとそういうのが実情であると思っております。
 いずれにしましても、不良債権につきましては、その解決に向けて今動き出しておりますので、この方向で、この枠組みで是非その経済運営を実現したいと思っています。
○尾辻秀久君 そこで、先ほど来議論されておりますプライマリーバランスであります。
 今日はテレビでも放映されているものでありますから、プライマリーバランスといってもそれは何だと思いながらお聞きいただいている方もあると思いますから、まずは私なりにプライマリーバランスの、竹中大臣に説明しようなどと大それたことは全く思いませんけれども、させていただいて、もし間違っていたらまた後ほどの答弁の機会に御指摘をいただきたいと思います。
 今、日本という国は、借金を返すのに新しい借金をしてきてその借金を返す、この借金のやりくりをしているんですけれども、プライマリーバランスの回復というのは、それ以上借金が増えない、総額の借金が増えないようにしてやりくりをする、そうなったときにプライマリーバランスの回復と、こういうふうに極めて平たく言えばなるんだと思っておるわけであります。もし間違っていたら後ほどの御指摘をください。
 そこで、プライマリーバランスの回復についてなんですけれども、まず、このプライマリーバランスの回復の、プライマリーバランス回復の意味するものは何だろうと、こう思うんですけれども、財政構造改革のこれで一つのゴールと理解していいのかなと。竹中大臣、どういうふうにこのことは思っておられるのか、まずそこからお尋ねしてみたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) プライマリーバランスの意味につきましては、もう委員おっしゃったとおりでございます。借金がこのままでいくと無限大まで増え続けている、ある一定以上には増えないようにしなければ、これは、これを止めないともうどうしようもないわけですから、そういうふうに、借金がこれ以上増えないようにするというのがプライマリーバランスを回復させるという意味になります。
 じゃ、それで目的は全部達成させられるのかということになりますと、これはある意味で最低限実現しなければいけない控え目な目標ということになると思います。この目標がしかし達成できないとこれは財政が大変なことになる。しかし、より後世の負担を少なくするために、更に効率化するためにやらなきゃいけないことはそれ以上、財政が目指すべきものはたくさんあると思っております。
 最低限の控え目の目標である、取りあえずしかしこれは何としても実現したいと思っているわけです。
○尾辻秀久君 まず、時期の確認からさせていただきますが、もうこれは確認するまでもないと思います。繰り返し二〇一〇年代初頭と言っておられるし、それから塩川前大臣などは、大体その二〇一〇年代初頭というのが二〇一三年ぐらいでしょうということは委員会の質疑の中でも言っておられるわけであります。これが今更変化しているということはないはずでありますから、大体二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの回復と、こういうことになるわけですが、私が一番知りたいのは、私が一番知りたいのは、そのときに大体歳入歳出どのぐらいの規模になっていてプライマリーバランスが回復するんだろうか。それによって、正にさっきから小泉改革どこに行くんですかと聞いていますが、その小泉改革の目指すものが見えてくると思うわけであります。
 そのことをお聞きしたいわけでありますが、まずお答えいただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 「改革と展望」に明記しておりますが、プライマリーバランスを回復させるには二段階でこれを行おうというふうに考えているわけです。
 第一の段階というのは二〇〇六年までの段階で、これはとにかく政府の規模をこれ以上大きくしない、歳出を一定、これまでより全体としては大きくしない中で経済の再生、税収の増加を待って少しずつこの収支を改善していこうと。
 じゃ、二〇〇七年以降どうするかということになるわけでありますが、これはどちらにしても同じような改善のペースを続けなければいけない。しかし、その改善のペースを続けるに当たって更に歳出を切り込んでいくのか、いや、受益と負担の関係を重視しながら少し負担の方に求めていくのか、これは国民の選択であるということになるわけです。
 つまり、負担をもっと重くして、それで、つまり財政をこれ以上切らないでくれと、そういう選択もあるかもしれませんし、いや、負担をこれ以上重くするのはやっぱり困ると、だから歳出を更に切り込んでいってくれというふうに考えるのか、これは国民の正に選択ということになります。それは国民の選択によってそのときの、正に政府の規模がどのぐらいになっているのかというのはそのときに決まると。
 総理もおっしゃっておられますように、二〇〇六年、在任中は消費税は引き上げない、それ以降どうするかということについては、受益と負担の関係をそれまでにしっかりと議論して、国民的な選択をしていこうではないかと、そういうことになるわけでございます。
○尾辻秀久君 それから先は国民の選択だとおっしゃると、率直に申し上げて無責任になると思います。やっぱり、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスが回復しますと言う以上は、プラス・マイナス・ゼロになりますとおっしゃるだけでは無責任なんであって、どの辺のところでプラス・マイナス・ゼロになりますというのは、これはおっしゃるべきだろうと思うわけであります。
 そこで、プライマリーバランスの回復については、前の質問のときにも私は竹中大臣に申し上げました。一つは、税収が伸びるという条件が要る。一つは、公債金が四十兆円ぐらいで頭打ちになるという条件が要る。もう一つが、地方のプライマリーバランスが大きく黒字になってくれなきゃいけない。今、竹中大臣が言っておられるプライマリーバランスの回復というのは、これ地方を入れての話でありまして、決して国が完全に回復するという話ではないと理解しておりますから、特に地方の大幅な黒字化が必要である、こういう条件が要るんだと思います。
 そこで、今、二〇〇六年という話が出ましたからちょっとお尋ねしてみたいんですけれども、政府がいろんな数字出しますよね。その二〇〇六年度で財務省の税収見込みというのは四十四・八兆円なんですね。それから、竹中大臣のお示しになっておられる数字は四十八・三兆円。この違いが出るというのはよく分かるんですよ。ある意味分かるんです。この財務省の数字というのは、単純、機械的に伸ばした数字だと言っていますから、そういう数字。竹中大臣のおっしゃるのは、そこに、さっきの話じゃありませんけれども、努力が加わった数字。
 そうなると、その差の三兆五千億がまさしく努力の入った数字だと思うわけでありますけれども、余り、通告していないんで細かな数字でお聞きするとお困りかもしれませんが、要するに、税収を伸ばすというこの努力をどこに求めるかというのは、やっぱり基本的にお尋ねしておかなきゃいかぬと思うもんですから、そこのところだけお答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっとこれ、細かい数字は今手元では確認できないのでありますけれども、基本的には、デフレを克服していく、かつ経済の再生に自律的な成長軌道を実現していく、そうする中で名目成長率をしっかりと確保できるような形になって、それによって税収を確保していく、正に構造改革を進めることによってそれを実現していくということになると思います。
○尾辻秀久君 この議論を続けていきますと時間がたつばっかりだと思いますので、もう余りくどくどは言いません。ただ、私どもが、私どもって、私がと言うべきでありましょうが、非常に単純、素朴に思いますのは、じゃ、平成十四年度どうだったの。税収を中心とする国の収入というのは五十一兆円。支出が八十一兆円。正に、普通の言い方すると、赤字が三十兆円。じゃ、平成十五年どうなるか。確定したわけじゃありませんけれども、予算で見て、四十六兆円の収入に対して八十二兆円使う。更に赤字幅六兆円拡大して三十六兆円。今まだどんどんどんどん赤字が増えていくのに、一体どこで急にぱっとそれが回復するのかなという、素朴に思うわけであります。
 ですから、どうぞもう少し、国民の選択ですなどとおっしゃらずに、積極的に小泉改革はこういう方向に向かうんですという数字が具体的にお示しいただきますようにお願いだけしておきます。
 何かおっしゃいますか。いいですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) その国民の選択というのは、その二〇〇七年以降の税制の在り方とかというのは、そのときにやはりきちっと国民は選択していただかなきゃいけない、そういうことで申し上げているわけであります。
 いずれにしても、そういったプロセスについては「改革と展望」で年次別に数字も示しておりますので、その中で国民にはできるだけ分かりやすく示しているつもりでありますが、御指摘の点も踏まえて更にしっかりと分かりやすく説明するような努力はしたいと思います。
○尾辻秀久君 年次別に示しておられるとおっしゃるんですが、プライマリーバランスが回復するところまでは示していないんですよね。途中で切れているわけですよね。だから、私が申し上げているように、プライマリーバランスが回復するところまでその年次別の数字をやっぱり入れていただくのがいいのではないですかということを申し上げておるわけであります。これ以上は言いません。
 次に、外交防衛問題について質問いたします。
 まず、イラクへの自衛隊派遣についてお尋ねします。このことについては、議論が盛んなのでありますが、今朝の民主党の御質問の中でもいろいろ質問されておりました。
 私は、二つ気になる新聞報道があるんです。一つは、政府内に、財政負担を少しでも減らすには自衛隊の派遣しかないという声がある、こういうものであります。もう一つは、万が一自衛隊に犠牲者が出ると選挙に悪影響がある、だから選挙後に派遣しよう、こういう考え方もあるというものであります。申し上げればお分かりだと思いますけれども、余りにも行ってくれという自衛隊の隊員にかわいそうな話だと思います。一体、人の命どう考えるんだということになります。
 去る七月の外交防衛委員会で、私は、あれは本当に失礼だったと思うんですが、石破長官に、こんな話があるものですから、隊員の命と長官の選挙の当落とどっちが大事でしょうかという質問をいたしました。非礼はおわびしたいと思います。そのときに、長官が毅然として、もちろん部下の命が大事ですとお答えをいただきました。
 どうぞ、まず基本的に、いろんな意見もあるし、出すか出さないかはあるけれども、どうぞ、行く日本の若者たち、もし行くということになったら、隊員たちを大事にしてやってくださいということだけは冒頭にお願いをさせていただきたいと思います。
 そこで、更にもう一つ確認をさせていただきたいのでありますけれども、今のイラクが戦争が終わった状態なのか終わっていないのかということであります。
 国際法上で言うと、平和条約もないし講和条約もないし、まあやっぱり戦争は終わっていないと言うべきだろうと思います。実態はどうかというと、アメリカの司令官が戦争だと言っているわけですから、これまたまあ戦争は終わっていない状態。国際法上も実態もまだ戦争は終わっていないところにもし行くとすりゃ行くことになりますねと、これも七月の委員会で長官に申し上げたら同じ認識だとおっしゃったんで、大きくです、余り細かなことは言うつもりもありませんから、大きくですが、同じ認識だとおっしゃったので、これももう今日は質問するものではありません。
 そこで、今こんな話をしたのは、今度のイラク派遣、これは今までの海外派遣と比べて安全性の観点から一つ違うと私は思うわけでありますが、長官、どういうふうに感じておられるか、お聞きをするところであります。
○国務大臣(石破茂君) 基本的な法律のフレームとしては、これはテロ特措法と似たような構造を持っていると思います。
 ただ、テロ特措法の場合に実際何をオペレーションとしてやっているかというと、インド洋において補給を行っておるわけであって、パキスタンに上がっているわけではございません。今回、いろんなことが考えられますが、やはりイラクの国内における活動ということが想定をされております。
 そこは、いわゆる国際法上の戦争、これはもう違法化されているわけでございますけれども、例えば実際に停戦条約とか休戦協定とか、そんなものが結ばれているかというとそうではない。主要な戦闘は終わったけれども、しかしあちらこちらで散発的なことは続いているという状況。
 つまり、そういうような状況の中で、まさしく陸上においていろんなオペレーションが想定をされているという点において、これはもちろん憲法に反するものでもございません、国会における法律に基づいて行うものでございますけれども、その点で、あるいはPKOのように完全にピースというものが到来をし、停戦の合意が行われ、受入れの同意がありというようなものともまた違うという意味において、先生の御指摘はそのとおりだろうと思っております。
○尾辻秀久君 私が質問したかったのは、お尋ねしたかったのは、今度イラクに行くとすると、今度の派遣は、従来の派遣と比べて安全性という観点でやっぱりちょっと違う厳しいものになるんじゃないでしょうかということを、私はそう認識するんですがということを申し上げて、長官のお考えをお聞きしたかったわけであります。まあしかし、もう結構であります。次の御答弁のときにもしあればお答えを下さい。私はそう認識しているんです。だからこそ準備が大変だと思っています。もう行くんなら十分な準備して行ってほしい、そう思うわけであります。
 その立場から、その例としてということでお尋ねをしてみたいわけでありますけれども、C130輸送機、これは派遣しようという、検討されているということは盛んに言われておりますから、もしC130を持っていくのであればということでお尋ねをするわけであります。
 まず、チャフは必要ですね、アルミ箔をばっとばらまいてレーダー攪乱してしまうというあの装備。あるいはフレア、火玉を放り投げて赤外線で追い掛けてくるミサイルをごまかしてしまう。こうした装備は必要だと思います。
 そこで、じゃ、まずそこまでお尋ねしますが、そうしたものが必要であるということは、これはもう長官お認めになりますね。
○国務大臣(石破茂君) 先生御案内のとおり、時々こう議論が錯綜いたしまして、イラクに非戦闘地域なんかあると思っているのかというお話がございますが、非戦闘地域というのは必ずしも安全な地域ということを意味するわけではございません。非戦闘地域であるけれども危険な地域という概念はちゃんと存在をするわけでございます。
 先生まさしく御指摘のとおり、我々に求められておりますのは、この法律によって求められておりますのは、イラク特別措置法九条に、防衛庁長官は派遣される隊員の安全に配慮をしなければならない、このことをきちんと尽くしているかどうかということが問われているのであって、非戦闘地域でなければいけないというのはこれは憲法上の要請であって当然のことでございます。ですから、まさしく先生はその九条における安全配慮義務というのを問うておられるのだろうと思います。
 C130というものを仮に飛ばしましたときに、バグダッド空港で米軍のC130が何者からか攻撃を受けました。これは熱源感知の場合にはチャフでありますとかフレアでありますとかそういうもので攪乱をすることはできます。しかし、もっとプリミティブなもので、そういうような高級な仕掛けではなくて、単にどんと飛んでくるだけのものであったとするならば、これはチャフとかフレアでは難しいだろう。そうすると、防弾板のようなものが必要になるということは可能性として考えられます。あるいは、上空から降りてまいりますときに、そういうものを避けるために、じゃ、C130というのは普通下に窓が付いているわけではございませんので、どこから撃たれたかというものを下から見るわけにはまいりません。そうしますと、そういうような撃たれたものがどこから撃たれたかということを見るために必要なそういうような窓のようなもの、これは必要であるというお話もございます。
 これは、イラクにおいてもどこも全く一緒というわけではございませんが、例えばそのようなロケット、ミサイルではなくロケットを避けるために何ができるか、それが当たったときに落ちないためには何ができるか、そういうことをきちんと配慮をするということがこのイラク特措法九条において与えられた防衛庁長官の配慮義務の内容だというふうに私は理解をしておるところでございます。
○尾辻秀久君 日ごろは長官と議論すると議論が極めてうまくかみ合うと思うのですが、今日のところは余りかみ合っていないようでもあります。まあいいんです。
 今のC130の話も、我々も聞かぬわけではありません。通常の、ゆっくり降りていけばそれは当然すぐやられるわけでありますから、通常よりも急角度で降りなきゃならない、また急角度で出ていかなきゃいかぬ。そうしたら、何か出窓みたいなものを、まあ分かりやすく言いますが、作っておいて、そこからのぞき込んで降りなきゃならぬから、そうした装備が要るということも聞いてはおるわけであります。
 じゃ、まず、そういう装備が要るということで、私が今質問しているのは、準備期間、十分時間を取ってくださいねということを申し上げるために、どのぐらいの準備期間が要るでしょうねということを探るための質問をしているわけでありまして、まあこの質問をするわけでありますけれども、今言ったようなC130一つを取ってもいろいろと装備をしなきゃならぬ。
 そして、さっきの最初に言った装備でも、私が知っているところでは、その装備をしているC130というのは三機しかいないから、もし言われるように五機持っていく、その五機持っていくという意味も、三機を常駐させるためには五機ぐらいでローテーションしなきゃいかぬということかなと思ったりもしていますが、そんな細かなことはいいわけでありまして、ただ、それにしても、五機にすりゃ、あと二機はどうするのかなとか、いろんな問題が出てきますから、あれやこれや言って、今度、その必要とされる準備期間を長官はどのぐらいだと思っておられますか。
○国務大臣(石破茂君) どうも御質問の趣旨の理解が足りなくて恐縮に存じます。
 それは、私が申し上げたいのは、まだ調査団が行っておる最中でございますから、どういうニーズがあるかは分かりません。それに合わせてどのような装備を持っていいかどうかもこれは分かりません。
 しかしながら、じゃ仮にニーズが決まった、政府の方針が決まった、じゃすぐ自衛隊出なさいと言われても、これは出られない。なぜならば、それに見合った装備は何なのか、調査団も帰ってきていない、何のニーズがあるかも分からない、その段階で装備を整えるということはできませんし、だれに行けというふうに決めるわけにもまいりませんし、だれに行けというふうに決まっていないのに訓練をすることもできません。シビリアンコントロールというのはそういうものでございまして、私ども防衛庁が勝手にやっていいということにはならないわけでございます。
 例えば、今の先生御指摘のチャフでありますとかフレアでありますとか防弾板ですとかそういうものは、電話一本掛けたらすぐ届いて、はいあしたから使えますというようなものではございません。これはその調達にも、入札をどのような形でやるか、契約をどのような形で行うか、これも適正にやらなければいけません。これも三日や四日、一週間や十日でできるというわけではございません。可能な限り急ぎましても、ある程度の期間は掛かります。
 あるいは、あの砂漠地帯で浄水の作業を行いなさい、確かに浄水キットは持っておりますが、じゃ自動車を持っていくといった場合に、それが砂漠地帯で使えるようにするためには、これ、すぐにできるというわけではございません。
 加えて、訓練というものを積まないままで行かせるというようなことになりますと、これはまさしくイラク特措法九条の、あなたはきちんと派遣される隊員の安全に配慮しましたかということに反するわけでございます。
 私は、出すからには、政府の方針が決まり、御指示が出て、出すからにはきちんとした装備を整えて、きちんとした訓練を行って、本当に日本が日本の国益のために、イラクの国民のために、世界平和のためにきちんとした仕事をしたというふうに言われるように出すのが、私は法によって定められた政府の務めであるというふうに考えておる次第でございます。
 ですから、いついつということは今の段階では申し上げられません。しかし、言われたからすぐに出られるというようなものではないことは先生の御指摘のとおりでございます。
○尾辻秀久君 いや、まさしく私もその最後のことを言いたかったわけであります。そして、いきなり130の、C130の話なんかしたから、あるいはまた長官も誤解されたのかもしれません。
 それじゃ、具体的な話をするとお答えのしようもなくなるのかと思いますから、一般的に、一般的に準備の手続と、それから過去ゴラン高原とか東ティモールとか出していますね。そのときにどのぐらいの準備期間が要ったか、これだけは答えてください。
○国務大臣(石破茂君) これは、今までのPKOいろいろございます。その時々によって違いますが、やはり準備の指示という一つの形式的な行為が政府としてございます。これはそういうような形で、これはいろんな場合がございますが、一つの政府の意思の決定としての準備の指示というものがございまして、それから一か月ないし二か月、多い場合には三か月程度を要することがございます。通例数か月というものを要しております。それは半年とかなんとか、そういう長いものではございませんが、一か月ないし二か月、多い場合には三か月掛かる例もございます。
○尾辻秀久君 恐らく最低三か月は見なきゃいかぬのじゃないでしょうか。長官、どうでしょう。じゃ、答えてください。
○国務大臣(石破茂君) これはまさしくニーズによります。どの地域で何を行うかということですから、そういう非常に、今あるものでも十分できる、装備もそんなに改善しなくてもよい、訓練もそれほどなくてもいいということであれば短い場合もあります。
 しかしながら、先生御指摘のように、極めて困難、しかしながら、イラクの方々にニーズがある、そしてまた法の条件を満たしておる、自衛隊の有する装備、権限、訓練でいけば危険が回避できて、きちんとオペレーションは遂行できるというものがあった場合には、先生御指摘のように三か月ということは十分あり得ることでございます。
 ただ、これが通例三か月ということを申し上げるわけではなくて、くどいようでございますけれども、どういうようなニーズがあるかということをまず把握をしなければここで確定的なことは申し上げられないということでございます。
○尾辻秀久君 石破長官も大臣になられたなと思います。私が言っている意味は実にうまく答弁しておられる。何かそれはどういうことかはっきり決まらなきゃ答えようもないじゃないかとおっしゃりゃそのとおりなわけでありますが、過去の例や、それから今度考えられることや、そんなことを正に考えれば、三か月というのはもう最低限のことかなとつい思うものですから申し上げたわけであります。
 何も期間にこだわるわけじゃありません。さっき言いました、とにかく十分な準備をして行ってくださいと。年内に行かにゃいかぬとかそんなことで無理するとか、ブッシュ米大統領が来られるから、何かそのときに返事しなきゃいかぬ。返事するのはいいですが、それでまた無理するとか、もうそんな無理はしないでくださいということを申し上げたいわけであります。
 武器使用の問題だとか地位協定の話だとかいろいろしたかったんですけれども、私の持ち時間の方が余りなくなってきていますので、次に外務省への質問をしたいと思います。
 九月の上旬にドミニカに行ってきました。これは、前のこの委員会でも質問をいたしましたドミニカの移住問題に、調査をしようと思ったわけであります。このドミニカの移住問題というのは改めてひどいと思います。外務省は、私に表現させてもらうならば、同胞を、我々の仲間の日本人をうば捨て山に捨てに行ってしまった、そしていまだにそのことに対する謝罪もない、そんな問題だと思っております。
 その調査に行った中で、そのことも一問だけ後で聞きたいと思うんですけれども、まずお尋ねしたいのは、極めてずさんなODAの使い道がまた出てきた。無償援助の支出についてであります。これはどんなものかというと、在ドミニカ日本大使館が日本・ドミニカ友の会に対して、地域の発展と活性化のため、営農技術、職業教育、いろいろ書いてあるんですが、そんなことのセンターとして二階建ての建物を無償援助した、こういうものであります。
 私、行って、大使館で聞いたわけであります。その建物が建った土地の所有者はどういう人ですかと聞いたら、もうそのところから、土地の所有者名が二転、三転するわけであります。じゃ、その土地の所有者とどういう契約をして建物が建ったんですか、契約どうなっているんですかと言ったら、口約束ですと。こんなむちゃくちゃな話がありますかと言ったんだけれども、そうなんですね。じゃ、登記簿ぐらいあるでしょうと言ったら、そんなものはありませんと、こういうことであります。建物の登記簿もないんです。建物のところへ行くと、その友の会の建物のはずなのにドミニカ農地省というマークがどんと入っているから、びっくりしてこれは何だと聞いたら、その大使館の一緒に来た人の説明では、これはドミニカ農地省の宣伝でありますというんですけれども、どこに自分の家の正面玄関に人様の宣伝を書くところがあるんだろうとついつい思いました。
 とにかくひどい話でありまして、しかもその建物というのは、もうとても使った形跡はない。泥だらけでありまして、いすも泥だらけ。二階に上がると小部屋があるんですが、どうも宿泊に使う予定だと言うんですが、現地の人に聞いたら、こんなところへ泊まったら命が幾つあっても足りませんと、こう言っているわけでありまして、まあそんな話なんです。
 これ、草の根無償援助で建てられているんですが、まず聞いてみたいのは、途中で財務省と協議をすることになっています。財務省、来ておられると思うので、どんな協議をしてこの建物が建ったのか、教えてください。
○委員長(片山虎之助君) 外務省、だれが来ているんですか。財務大臣答えるの。外務省と言ったのに何で財務大臣答えるの。
○尾辻秀久君 いや、済みません、財務省と言ったんです。ごめんなさい、財務省との協議が……
○委員長(片山虎之助君) それでは、谷垣財務大臣。
○尾辻秀久君 はい、済みません。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったドミニカのこの交流センター、個別の案件では外務省から特に協議を受けたわけではありません。受けたことはございません。
○尾辻秀久君 草の根無償援助がどういうふうに実施されるかというのをもらうと、途中で必ず財務省との協議というのが入っているんですよ。あれ、じゃ、実際にはやっていないんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成、今のは平成十二年度の案件のようですが、平成十二年度当時は、草の根無償、このドミニカの事案も草の根無償ですが、これ、草の根無償に関して一千万円以下の案件は協議の対象としていなかったと。それは、少額案件まで協議の対象とすると事務量が膨大であるとか実施のときの弾力性が失われるとか、あるいはいろんなことがあったようですが、その後、平成十四年度に財務省が実施した予算執行調査を踏まえまして、少額案件といえども財政当局として何らかのチェックが必要であるという考えの下に、平成十五年度以降、それまで協議の対象となっていなかった草の根無償の少額案件についてもリスト化して内容を審査することとしたところであります。
○尾辻秀久君 それじゃ、とにかく今後は協議するということでありますから、しっかりと協議をして、こんなこと二度と起こらないようにしていただきたいと思います。
 そこで、改めて外務省にお尋ねしますけれども、こういうものというのはフォローアップすることになっていますね。ちゃんとこれも、表をもらうと最後にフォローアップと、こう書いてあるわけであります。どんなフォローアップになっているんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) この案件につきまして御質問があるということで、私も調べてみましたけれども、幾つかの点で確かに十分でない部分があるというふうに私も思います。
 フォローアップ、これは場所が首都の三十分ぐらいからのところにありますので割に近くて、この土地を見に大使館員はしばしば行っているようでございます。ただ、この案件が終わった後、最終報告書、これは平成十四年八月に開所をしまして、そのときには大統領ほか三百人ぐらいの方がいらっしゃって盛大な開所式を行ったようでございますけれども、終わった後、出すべき最終的な報告書、これがまだ出ていなくて、これは今催促中であるということでございます。
 それで、先ほど、使用について、実績についてお話ございましたけれども、最初の目的は、この地区非常に貧しい地区、おっしゃられたように、でして、そういった地域全体の活性化、発展ということも目的に入れて様々な講習会等をやるということで考えたようでございますけれども、講習会等は今のところまだ行われていない、集会が三回ぐらい行われたということでして、いずれにしても、この施設、これは税金を使って造った施設ですから、本質的なそもそものそのねらいという意味では非常に善意を持って、いい、この日本・ドミニカ、日ドの会が造ったわけです。日ド友の会が造ったわけですけれども、そういった当初の意図どおり必ずしも今運営をされていないというところもあるかと思います。
 最終報告書、これの督促も含め、善処をしていきたいと私は考えています。
○尾辻秀久君 この問題、これ以上くどくどは言いません。ただ、建って二年もう経過しているわけです。建って二年たって最終報告書も出ていなければ、今極めて正直にお答えになりましたけれども、利用回数が三回という、じゃ何のために造ったんじゃと、こうなるわけであります。──もういいです。
 こういう無償援助の使い方について、これはやっぱり困りますということだけを指摘して、午前の質問、終わりとさせていただきます。
○委員長(片山虎之助君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(片山虎之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。尾辻秀久君。
○尾辻秀久君 私の最後の一問にします。
 ドミニカ移住の際に、特にドベルヘ、ネイバですが、移住地についての事前の調査がなされたのか、なされたとすればどのような調査報告がなされたのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(川口順子君) ドミニカの移住募集に当たりまして、政府は当時、数回にわたりまして調査団を現地に派遣をしております。全体のうち、その移住をする方の募集の前に調査ができたところがほとんどですが、そうでなかったところが二つ。ただ、そこの場所についても、その移住者の募集前に現地の公使館からは入植地の情報を得ていて、ほかにドミニカ政府からも資料、情報の提供を受けております。そうした調査の結果、幾つかの、三つの地域については移住にふさわしくないということで外したという経緯がございます。
 それで、調査の内容でございますけれども、それぞれ概要で一つ一つ申し上げるということであれば申し上げますけれども、例えば入植をしたダハボン地区、浸水対策、かんがい施設の整備が必要であるが、土壌は埴土及び埴壌土、石灰分に富む。入植をしたコンスタンサ地区、盆地であるがため排水が悪いが、土壌は暗褐色の埴土で腐植に富む。入植をしたネイバ地区、乾燥と炎暑の半砂漠性の地区で、土地は石灰岩の破片より成る転石をやや多く含むが、農耕に支障なし。表土深く地味良く、水さえあれば作物はでき、極めて有望な地区。水路は既にあるが、将来の水不足を考え、さらに水路を計画中。
 あと幾つかございますけれども、必要でございましたら全部申し上げます。
○尾辻秀久君 私はドベルヘ、ネイバについて特に報告をしてほしい、答えてほしいと申し上げました。
○国務大臣(川口順子君) ネイバは先ほど申し上げましたので、ドベルヘ地区、乾燥と炎暑の半砂漠性の地区で、土地は燐酸及び置換性に富み、水さえあれば豊穣な土地になる。かんがいが農業生産のすべてを支配し、大規模かんがい工事を実施中、概要はそういうことでございます。
○尾辻秀久君 当時のドミニカの吉田大使が藤山大臣にあてた報告書があります。最後の方に何と書いてありますか。
○国務大臣(川口順子君) この書簡が入植候補地の調査結果についての書簡のことをおっしゃっていらっしゃるんでしたら、ちょっと現物を今手元に持っておりませんので、最後のところで何が書かれているかということを私は今の時点では承知しておりませんけれども、調べて報告をさしていただきたいと思います。
○尾辻秀久君 さっきからの話というのはずるいんですよ。一番いいところの報告を大臣は読んだんです。
 今私が申し上げた、時の吉田大使が藤山大臣にあてた報告の最後に何と書いてあるか、読んでみます。
 結局、移住者が数か年定着してみなければ実際のところは分からないのであって、余り細かい点、例えばドベルヘの土地に塩分があるとの点を強調せられることは移住者に不安を抱かしめるおそれあり。この点、ドミニカは天国なりとのイリュージョンを抱かしめると同様、弊害ありと思われるから、この辺移住者に対し本省担当官において要領よく御説明相なるよう特にお願いする。
 こう書いてあるじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、その手紙については調べたいと思いますけれども、ドベルヘについての塩分を含んでいるかどうかということにつきましては、現在、訴訟の争点の一つになっていると承知を私いたしております。当方としては、これが農業ができない土地であったというふうには承知をいたしておりませんけれども、今、先生が読み上げられたところについては現物に当たってみたいと思います。
○尾辻秀久君 大使が大臣に塩分があると書いているじゃないですか。なぜそれを認めないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 現物に直接当たってみたいと思います。私が今、このお話があるということで勉強をした範囲では、当方はそういうふうには考えていないという話を聞いております。
○尾辻秀久君 昨日通告をしたのに、何でそんな答弁になるんですか。しかも、大使の手紙に書いてあることをなぜ認めないんですか。もう一回答えてください。
○委員長(片山虎之助君) 川口外務大臣、しっかり答えてください。
○国務大臣(川口順子君) 繰り返しになりますが、手紙自体というのは私は現物を承知をいたしておりません。このことについて私が受けました説明、これは昭和そもそも三十年代のことでございますので、現物に当たってその手紙を見たいと思っております。
○尾辻秀久君 とにかく、そういうずるい答弁はありません。ちゃんと答えてください。
 しかし、まあここで頑張ってももうそれ以上答えないんでしょうから、最後に申し上げておきます。
 これが外務省がやったことなんですよ。移住地の土地に塩分があることを知りながら、何と言ったか、カリブの楽園と言って連れていったんですよ。それで、二けたに及ぶ自殺者を出したんじゃないですか。少しは申し訳なかったと言っていいんじゃありませんか。要領よく説明をしてくれなんて、塩分があることを隠して要領よく説明しろと書いているじゃないですか。これ、ちゃんと認めてほしいと思います。
 最後に、外務大臣、何か言ってください。
○国務大臣(川口順子君) ドミニカの植民の件につきましては、今年の初めに委員から御質問があったことをよく覚えておりますけれども、今、裁判が係属中でございまして、今の塩分の点については、現物は当たってみますけれども、正に争点の一つだというふうに承知をいたしております。そういったことも頭に十分に入っておりますけれども、取りあえず私としては現物を見てみるというのがまず先決であるというふうに思っております。
○尾辻秀久君 私も、現地に行ったんですよ。辺り一面、塩吹いているんですよ。行った人は、雪が降ったかと思ったと言うんですよ、南の島に。何にも生えていませんよ。草が生えていて、草ちぎってかじったら、生えている草をかじって、口じゅうが塩だらけになるような、そんな草しか生えていないところですよ。
 大臣、それじゃ、最後にお願いしますが、現地、見に行かれますか。そのぐらいは言ってください。
○国務大臣(川口順子君) これ、昭和三十年代の初め、三十一年から三十四年にかけて移住が行われたことでございまして、これは五〇年代の終わりの話、後半の話になりますので、今から五十年以上たっているときの話でございます。したがいまして、今、私が現地を訪れたとして、五十年前の状況を今の時点で私としては知るということは難しいかと思いますけれども、取りあえずそのときの情報、これについては現物に当たって調べてみたいというふうに思います。
○尾辻秀久君 五十年たったら農耕できた土地が農耕できなくなったり、農耕できない土地が農耕できるようになったり、五十年でそんなに土地が変化しますか。そして、昔のことだからいいみたいな話はやめてください。それは無責任です。
 これ、以上言って、質問は終わります。
 何か答えますか。
○委員長(片山虎之助君) いいの。
○尾辻秀久君 いいです。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。岩城光英君。
○岩城光英君 岩城光英です。関連質疑を行います。
 地方分権が進む中で、住民にとって一番身近な行政主体であります市町村の果たす役割、これはますます重要になってくるものと思っております。午前中に元気な日本という話が出ました。私は、全国に三千二百近くある市町村が正に元気を出すことが日本の活力につながっていく、こう常々考えております。そういった意味で、三位一体の改革に対する期待は大きいものがございます。この改革は地方分権型の新しい行政システムを構築するものでありまして、正に断固として具体化を進めなければいけないと思っております。
 また、地方自治体から見ましても、税源の移譲、これには大きな強い期待がございます。平成十六年度は実質的に改革の初年度に当たるわけでありますけれども、それにふさわしい成果を上げなければいけないと思います。
 また、この改革の入口に当たるものが国庫補助負担金の改革でありまして、これらを含めましてどのようにお取り組みになられるのか、総理の御決意、基本的なお考えをお伺いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方にできることは地方に、この芽を出していこうということで、地方の裁量権をいかに拡大するかという方法はいろいろあると思いますが、今まで補助金は各役所がいろいろかなり細かい分野にまで介入していたと、そういう点、一々役所に、中央の役所にお伺いを立てないで地方に任せてくれた方がいいんじゃないかと。かといって、補助金だけの問題だけでは済まないと、交付税の在り方にもかかわってくると。都道府県、市町村それぞれ自ら税源を与えられて見付けることができるところと、全然税源、財源なんかないところもあるじゃないかと。同時に、国の仕事と地方の仕事をどうやって分けていくのかという問題もあります。
 その際に、国の仕事を地方でやっている部分がかなりあると。それを、仕事だけ地方に任されて税源をくれなかったら何の改革にもならないという地方の声もあります。そういう声を受けて、それでは、一つ一つこういう問題にぶち当たって今まで改革が進まなかった、それを全部一緒にやろうと、じゃ補助金も、交付税も、税財源も一緒にやろうというのが今回の三位一体の改革の趣旨なんです。
 そこで、それぞれの、これは地方の言い分と単に財務省と総務省の言い分だけじゃないんです。各役所の事業、それを地方が担っている部分、また、この地方の仕事をやるためには中央の役所に相談しなきゃならない仕事、いろいろあったものですから、なかなかもめたわけであります。
 最終的に、地方にできることは地方にということで、まず補助金の問題、三年間で約四兆円削減できるんじゃないかと。そういう中で、それじゃ税財源、これも財務省、なかなか難しい問題でありますけれども、税財源をともかく地方に与えると。額はまだ決まっていません。項目もまだ決まっていませんが、そういう中で、各役所の中央官庁が握っていた役所の仕事を地方にどれだけ渡すかというのが、今後年末の予算編成に向けて具体的に項目と額を決めていかなきゃなりません。
 そこで、まず三年間で四兆円の補助金を削減しましょうと、そして、それに見合う財源をどこの税目でどの程度やるかということも含めて、今後、年末の予算編成で三年間で四兆円削減できて、なおかつ税源も移譲できるような改革をしましょうという方針が決まったわけです。具体的に額と項目が決まってくるのは年末の予算編成になります。そういう中で、今、役所の中で調整しています。いずれ大方針が決まっていますから、この方針にのっとって、地方の声を聞きながら、中央官庁、相談してこの方向で改革を進めていきたいと思います。
○岩城光英君 今、総理から税源のない自治体もあるというお話も伺いました。確かに、国庫補助負担金を削減し、そして税源移譲、これを行うということに対しまして、税源の乏しい自治体から不安の声があることも事実であります。補助金だけが削減され、そして財源が少なくなってしまうと、そういう心配であります。
 そういった自治体が頼りにしていますのが交付税の制度だと思います。地方自治体からは財源保障機能あるいは財源調整機能を有する交付税、これを堅持してほしいという声が強く聞かれております。こういった声を大切にしていくこともまた三位一体の改革については大切かなと、こんなふうに考えておりますが、総務大臣、この辺のところについての基本的な認識についてお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 岩城先生、市会議員、県会議員、市長、もうやっておらぬのは知事ぐらい、あとは皆やられたので、地方自治のことにはえらくお詳しい方なので、お詳しい方から私の方がテストされているみたいな立場なんだと思っているんですが。
 基本的には、今言われたように、三千百のあります行政体は、もうそれこそこんな海にあるところから離島から山の中から、地域格差がえらく大きいと思っておりますので、基本的に税源を簡単に移譲されても、税を取る対象がないところ、法人がないなんというところに法人税を自由にと言われても、それはなかなかさようなわけにいきませんので、そういった意味で、地域間格差をやるために、きちんとした交付税によってある程度のレベルを維持するという調整機能というのは交付税に与えられていると思っておりますので、その意味では交付税というものの本来の趣旨は踏まえて対応していかねばならぬものだと思っております。
 いずれにしても、これ、これだけ先にやりますというような種類の話ではありませんので、三つ一緒にどうやってやるかというのがこれは最も頭の痛いところかなと思っております。
○岩城光英君 先ほど総理からもお話がありました、地方の声をよく聞いてこの改革を進めていきたい、もっともなことだと思いますので、これは強く要望しておきたいと存じます。
 また、地方財政が大変厳しい中で、来年度も巨額の財源不足がこれが予想されております。その一方、平成十三年度から始まりました財源不足の補てんルールですね、これが今年度期限切れとなってしまうわけであります。そこで、地方の財政運営に支障が生じないよう、年末の地方税対策、この中で、地方財政対策の中で、交付税を含めまして必要な一般財源をきちんと確保できるように、これも併せて要望しておきたいと存じます。
 さて、三位一体改革の先、延長線にあるものは何でしょうか。私は、この国の地方と国の在り方を抜本的に変える道州制がそうではないかなと思っております。
 市町村長さんからよくこんな声を聞きます。合併については理解もでき、自分たちも努力はしなければいけないと思っている、ただ、それなら国はじゃどうするんだ、県はスリム化に向けてどういう汗を流すんだという問いであります。その答えもまた道州制ではないかなと思っております。国は外交とか防衛といった基本的な役割を担い、そして住民に身近な行政は基礎的な自治体、市町村が担い、中間の広域的な行政を都道府県の枠を超えた道州、これが担う、これが道州制の姿だと思います。
 ところで、新聞報道によりますと、小泉総理は、九月の十三日、札幌で、道州制モデル特区構想に関連しまして、北海道開発局を道庁に統合する構想、このことについて前向きな考えをお示しになられたということでございます。
 確かに、北海道は地理的にも社会経済的にも一つの道州の形態をもう既に成しているわけで、改めて現行の都道府県の枠組みを変更する必要がありませんので、先行的に導入することができる地域かなと、こんなふうに思うわけでありますが、総理の道州制一般に対するお考え、認識と、それから北海道にいわゆる道州制特区というものを導入することにつきましてはどのように現在のところお考えなのか、併せてお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方分権の話が出たりあるいは市町村合併の話が出ると、昨今では必ず道州制の問題が議論になります。そういう中での議論で、じゃ、国民一般に道州制のイメージ、どういうものがわくかと。なかなかわきにくい。今の知事が幾つぐらい集まって、どのぐらいブロックに分けて、五つか六つでも、幾つでもいいんですけれども、知事が全部なくなった場合に県議会がどうなるのかとか。
 そこで、北海道を考えますと、仮に道州制が実現した暁にも北海道は一つの道単位で道州制になるんじゃないかと、仮に実現したとしてもですよ。というのは、北海道の地域によその県を付ける発想は浮かばないだろうと、あるいは北海道の一部を切り取ってほかの県にくっ付ける発想も浮かばないと。となると、北海道というのは今でも道州制のモデルとして考えていいんじゃないかと。
 かつて、北海道開発庁、この職員は外務省の職員よりも多いと。北海道、それ皆さん信じられないと思ったけれども、実際そうだったんですよね。何でそんな仕事、要るんだと。北海道開発庁なくなったと。ところがなくなっていないんだ。国土省にちゃんと何とか開発局って残っているんだよね、北海道開発局。やっている仕事はこれ道庁でできる仕事、ほとんどだ。それだったら北海道に任せればいいじゃないかと。そういうのを考えてみたらどうかと。
 私に何でもやらせるなと。やれば独裁者、ヒトラーと言われると。丸投げと言われてもいいから、少しは、北海道の知事もいるんだし、知事は、今、通産省じゃなくて経産省出身者、通産局もあるんじゃないのか、北海道に。財務局あるんじゃないのか、北海道の道庁でできる仕事をやっているんじゃないのかと。
 そういうものを含めて、北海道独自に道州特区みたいなのを、案を出してきたらどうかと。良かったら私は受け入れると。だから、重複する仕事はたくさんあるはずだと。そういう整理をして具体案を持ってきてください、そうすれば私はよく検討して、実現できるもの、中央の役所が出張ってやらなくても北海道道庁でやれるんだったら道庁に任せていきたいと、そういう趣旨の発言をしたんです。
 ですから、何でもお上の言うことを待っていないで、北海道も自分たちの知恵を働かせて、こんな仕事は中央の役所がやらなくても自分たちでできますという案ぐらいは持ってきていただきたい。
○岩城光英君 自民党の中にも道州制を実現する会というのがありますし、また国家戦略本部でもいろいろ検討しております。私どもも北海道と一緒になって一つのプランを作ってみたいなと考えておりますので、その節には総理には是非ともよく御検討をいただきたい、こう考えております。
 では、農業問題に移ります。
 まず、WTO農業交渉についてでありますが、カンクンでの会議は投資と新分野交渉、この部分で途上国と先進国との折り合いが付かず、閣僚会議は決裂し、農業交渉に入れないまま終了してしまいました。
 我が国の取組について、またその経緯についていろんなことがあったと思いますが、もう終わってしまったことです。今後、これからどういうふうに対応していくかがこれは極めて大事なことでありまして、真剣に考慮していかなければいけないと思います。
 そこで、亀井大臣は今後、開発途上国との連携を重視されると、こういうふうなおつもりだということを伺っております。途上国の主張は自分の国の輸出、これを促進することにあるわけですので、我が国にとりましては、EUとかアメリカと違って、それ以上に不利となる主張も我が国にとって少なくないわけであります。そうした中で途上国との連携をどのように取ろうとされるのか、まず一点。それから二点目は、今回の経緯を踏まえ、今後EUとはどのような連携を取ろうとされるのか。そしてまた、今回最後まで主張をともにしてきました十か国との共同歩調、これをどう取っていかれようとするのか。合わせて三点お伺いいたします。
○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。
 もう委員御承知のとおり、WTO加盟国は百四十六か国でございまして、これは国、地域が所属をしておるわけであります。そのうち百か国が途上国でございまして、御承知のとおり、今回の会議におきましてもその途上国の発言力が大変強くなったと、こういうことであります。
 そういう視点に立ちまして、御指摘のように、また私も、途上国との関係を更にいろいろな関係で密接にしていかなければならないと、こう思っております。途上国も食糧の輸出国あるいはまた輸入国もあるわけでございます。そういう面で、G10、スイス、ノルウェーあるいは韓国等々十か国で、我が国の考え方、非貿易的関心事項を含めたいろいろの問題につきまして共同修正案、こういうものも提出したわけでもございます。そういう中にも、モーリシャスあるいは台湾、途上国もあるわけでございますので、そういう国々との関係、さらにはいろいろな関係を途上国と我が国、いろいろ持っておるわけでありますから、日ごろからいろいろの接触をしていく必要があるんではなかろうかと。
 そしてさらに、EUとの関係につきましては、いわゆるアメリカなど、農業につきましてはほぼ、助成水準の大幅かつ画一的な削減を要求しておるわけでありますし、EU、我が国共々、この農業の持つ多面的な機能、非貿易的関心事項を重視した考え方、こういうものは共通しておるわけでありまして、私も、私が主催をいたしまして、EUなど、その多面的機能のフレンド諸国との会議もいたしたりもいたしました。
 しかし、この関税、上限関税の問題等々につきましては我が国とも考え方が違うというようなところもございまして、これまた、我が国と共通する点、あるいはまたそのような違う点、それぞれこの辺をうまく牽制し合って理解を深めていくということが必要なことではなかろうかと。今後もそのような点につきまして更に努力をしてまいりたいと、こう思っております。
 そして、御質問の三番目のいわゆるG10、スイス、ノルウェー等々の国々、これ共同歩調を取ってやってまいったわけでありまして、その中でも、この上限関税の問題、関税割当ての拡大の問題と、こういうことにつきましては反対をしてきたわけでありまして、そしてその中で、括弧書きでありますけれども、我が国の主張、非貿易的関心事項を加味した形で、その例外品目というような形のものを括弧書きであの第三次案に入れることができたわけでありまして、この十か国、その後もいろいろ、会議があのような状況に終わりましたけれども、スイスの代表とも私お目に掛かりまして、是非これからもこの十か国、そしてさらに、この関係国がいろいろまた努力をして一緒にやっていこうと、こういうような話もしたわけでございまして、今後ともそのような考え方の下に、途上国あるいはまた我々と考え方をともにする国を増やす努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○岩城光英君 大臣の御苦労も大変かと思われますが、農家のために、そして日本の国益のために御活躍をいただきたいと思っております。
 次に、冷害対策に移ります。
 今年の夏は北日本を中心に記録的な異常気候が続きました。農作物に対する影響も極めて大きなものがございます。特に水稲は大幅な減収が予想されております。それだけに、農家の皆様方の御苦労も大変なものがあろうかと思いますし、地域経済に与える影響も大きなものがございます。
 そうした中で、農水省といたしましてこの対策にどういった取組をなされようとしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 本年のこの日照不足、低温と、こういう点で大変農家の皆さん方が一生懸命御努力をされて、にもかかわらず作柄が、特に東北地方が厳しい状況下にあるわけでありまして、全国的には、九月十五日現在、平年作を一〇〇といたしますと九二と、このような数字でありますけれども、東北地方につきましては大変厳しい状況にあるわけであります。
 我が省といたしましても、対策本部を設置をし、また更に今回、市川副大臣並びに木村政務官にも再度現地に赴いていただきまして調査をいたしておるところでもございます。
 これらのことにつきまして、地域経済にも大変影響を与えるわけでございますので、被災農家を支援するために米の安定供給を確保すると、これらを含めて、共済金の早期円滑な支払、年内の支払、この体制を確立してまいりたい。また、被災農家の資金需要への対応、経営資金の円滑な融通及び既貸付金の償還猶予の問題、あるいは来年度の種子の確保の問題、さらには米の安定供給のため集荷、流通対策、これら在庫米の適時適切な販売、あるいは流通関係者に対する適正流通の問題、これらにつきまして万全な体制をしいてまいりたいと、このように思っています。
 平成五年に比較をいたしましていろいろ考えられるわけでありまして、現在、平年作に比較をいたしまして九二という数字、そして百五十万トンの在庫を持っておるわけでございますので、米の需要に対する問題につきましては、その供給体制というのは確立されておるわけでありますので、心配のないような流通をしてまいりたいと。そして、被災農家の方々にはいろいろな面で万全の体制をしいてまいりたいと、このように考えております。
○岩城光英君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、教育の問題に移らせていただきます。
 次の世代を担う子供たちの教育、これは極めて重要な課題だと思っております。しかしながら、連日のように新聞等で子供たちをめぐる悲惨な事件等が報道されて、誠に憂慮に堪えないわけでございます。
 戦後の教育が、本当に物事に感動したり、あるいは人を思いやる心を育てたり、あるいは日本人としての気概を育成してきたかということになりますと、大いに疑問が残るわけであります。これも午前中お話がありました、国づくりや町づくりは人づくりからであると、私もそう思っております。とりわけ、自分が生まれ育った地域あるいは日本の歴史、伝統、文化、そういったものを正しく理解し大切にすること、そしてまた、それらを誇りに思うことが地域づくり、国づくりの原点である、こんなふうに考えております。
 教育基本法は昭和二十二年に制定されましたが、それから半世紀以上たちまして社会経済情勢も変化してまいりました。当時は、生涯学習といった概念もございませんでした。そしてまた、教育基本法の中にない日本の伝統、文化を大切にしようと、あるいは国や地域を愛する心、そしてまた道徳心、さらに、社会のために貢献しよう、こういった視野が欠けているわけであります。
 総理は所信表明の中で、教育基本法の見直しについては、国民的な議論を踏まえ、精力的に取り組むと、こう述べられていらっしゃるわけでありますが、担当であります河村大臣のこの教育基本法の見直しについてのお考えをおただしいたします。
○国務大臣(河村建夫君) 岩城委員、教育基本法の問題について御指摘をいただいた、御所見をということでございます。お話を聞きながら、私も全く同じような思いでお話を聞いておりました。
 御指摘のように、教育基本法が昭和二十二年以来手付かずでずっと今日まで来た、紛れもない事実でございます。これまでの内閣におきましても、この教育基本法の在り方について、構造改革の一環だというような形でも随分取り組んでこられた課題でもございます。
 今のこの大きな社会の変化の中で、またあの戦後のときの、状況下の変化を見たときに、今あらゆる構造改革がなされようとされている、やっぱり教育も同じでありまして、いま一度ここで教育を根本から見直していこうという強い声があるわけでございます。これは必ずその教育基本法に行き着いていく課題でございます。
 委員が御指摘になりましたように、ふるさとを愛し、あるいは伝統文化を愛する、そうしたものでやっぱり日本人としての誇りを持っていく、そういうような視点を大事にもっとしていかなきゃいかぬと。
 この問題につきましては、この三月に、文部科学省の中央教育審議会におきましても、一年有余のいろんな角度からの御議論の中でそうした、委員も御指摘ありました公共の精神であるとか、あるいは日本の伝統文化の尊重、あるいは郷土を愛する、あるいは国を愛する心、そういう重要な視点といいますか、そういうものをやはり明確にしていく、そういう意味で教育基本法の見直しといいますか、改正を行うことが必要であるという視点の答申をいただいたところでございます。
 そういうことで、文部科学省としても、これは一つの大きな課題でもございます。国民的な議論、また国民的な理解、そういうものが必要でございますから、そうしたフォーラムを全国的に展開するなど取組を進めてきておるところでございます。
 また、この私も文部科学大臣就任に当たりましては、総理から、現時点においては与党三党においてこの問題についての検討会が行われておりますので、その協議についてもその推進方に汗を流すようにという指示もいただいておるところでございまして、この行方も見ながら、更にこの教育基本法の見直しについて私も精力的に取り組んでまいらなきゃいかぬと、このように思っておるところでございまして、さらに、これは国民的な大きな議論も踏まえていかなきゃいけない課題でございます。まず与党の皆さんの御意見、さらに野党の皆さんの御意見も十分拝聴しながら、この教育基本法の見直しについて積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○岩城光英君 大相撲の千秋楽をごらんになっての、総理の感動したというあの言葉が非常に大きな反響を呼んでおります。
 私は四十六歳からトライアスロンを始めました。今もレースを楽しんでおります。水泳それから自転車、ランニング、三種目終えてゴールのテープを切ったときのあの感動は何とも言えないものがあります。今の子供たちにもそういった感動をもっともっと味わっていただきたいと思いますし、また、スポーツだけでなく、芸術、音楽の面でも子供たちにいいものを味わっていただきたいなと、こう思っております。
 スポーツの面でいいますと、今、少子化のためにチームの編成ができない、こういった問題もありまして、これは総合型地域スポーツクラブの活用ということで補っていっていただきたいと思っております。そしてまた、子供たちが農業体験とかあるいは山とか川とか海といった自然に触れ合い、そして自然体験活動の中で、生きる力をはぐくむ自然体験活動、これも全国的で、全国で活発になってきておりまして、それなりに成果を上げております。地域の教育力、これも大事にしていきたいと思っています。
 そうした中、私は、集団活動の中で子供たちをはぐくむ、これが非常に大事なことだと思っております。
 総理は、米百俵の故事を以前例に挙げられました。
 白虎隊で有名な会津の藩校日新館。ここには子供たちは十歳で正式に入学することになっておりましたけれども、その入学する前に、それぞれの地域で藩士の子供たちが十人ぐらい集まって、什という、什というんですが、組の、グループを作りました。そこで、地域で教育が行われていたんですね。年長者を尊敬する、あるいは礼儀等を正しく覚える、そういった知識を身に付ける集まり、集いがあったわけです。
 ここで申合せがありまして、什のおきてと申します。例えば、年上の人の言うことは聞かねばなりませぬ、うそを言ってはなりませぬ、ひきょうな振る舞いをしてはなりませぬなどであり、最後必ず、ならぬことはならぬものですと、こう結ばれておったといいます。こうした集団での教育の中で、自然な遊びを通して社会のルールを学んでいたようです。
 我々も、子供のころ、餓鬼大将の下で、一つの遊びの中で社会の仕組み、ルールを学んだ、そんな気がしております。
 今、少子化が進んでいる現在、ボーイスカウトとかガールスカウトの活動、そういった集団での活動、私は、これを群育、群れの育ですね、群れの育、群育というふうに以前から呼んでおりますけれども、非常に大事だと思っております。
 総理は所信表明の中で、知育、徳育、体育に加えまして、心身の健康に重要な食生活の大切さを教える食育を推進すると、こう述べられました。食育も確かに大切で、私も大賛成であります。できることならば、それに加えまして、心身ともにたくましい青少年の育成のために、集団での活動を通して子供たちを教育するという群育も目標の一つに加えていただきたいと願っておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 群育という新しい言葉でありますが、これは学校、地域、家庭、それぞれ持ち味があると思います。役割も別でありますが、こういうものを総合的にとらえた教育が大事ではないかと思っております。
 また、最近の子供たち、町内で野球チームを作ろうとしても、かつては一丁目、二丁目、三丁目のチームができたんだけれども、最近では少子化の影響で何丁目かを一緒にしないと一チームできないというぐらい減ってまいりました。サッカーもそうでありますね。
 だから、学校の活動あるいは地域のそういう活動、こういうものを総合的にとらえていく必要があるのではないかと。今、例に出しました娘子隊、ああいう時代と大きく時代も環境も変わってまいりました。必ずしもそれが同じように通ずる時代ではありませんが、家庭と学校と地域、この一体と取組が大事だと思うんであります。
 私が食育と言うのも、食べることをおろそかにしちゃいかぬ、すべての基本だ、薬や注射で健康になるものじゃありませんと。まず食べること、食事をしっかり取ること、これはもう文化、基本ですから、人間の。
 こういう点についても、食事の大切さというものを、親子関係もあるでしょう、親御さんのいない場合は学校でどういうふうになるのか、あるいは保育園、幼稚園でどうやってこの食生活の重要性を教えていくのかと。
 お金だけもらって買い食いしていればいいというものじゃない。食べることから礼儀も教えていかなきゃならない。よくかんで食べることによって、健康にも良くなると。バランスの取れた食生活、あらゆる活動の基は健康です。心身を健康にするのはまず正しい食生活からと、そういう点から、私は食生活の重要性というものを改めて見直すべきじゃないかということから、あえて知育、徳育、体育に加えて食育という言葉を入れたわけであります。
 今言った群育ということについては、学校、地域、家庭の中で、それぞれの地域の仲間と、友達と、どういう共同活動なり共同訓練の場を考えていくかという中で取り上げてもいいのではないかなと思っております。
○岩城光英君 伝え聞くところによりますと、お独りで考えお独りで行動される傾向のお強い総理でありましたので、ちょっと余りいい御返事いただけないかと思っておりましたけれども、安心いたしました。これからよろしく御指導いただきたいと思います。
 次に、自転車の利活用についての質問に移らせていただきます。
 地球温暖化対策といった観点からも、自転車の活用が叫ばれております。これは、交通渋滞をなくす、あるいは環境に優しい、そして何よりも健康の増進に役立つと、そういった効用があるわけであります。
 資料の配付をお願いいたします。
   〔資料配付〕
○岩城光英君 イギリスでは一九九六年に国家自転車戦略を定めまして、自転車を公共交通機関と並ぶものと位置付けて交通政策を進めておりますし、ヨーロッパ、アメリカでもそういった取組がなされております。日本でもここ数年、エコサイクルシティーといった自転車政策、これに取り組まれておりますが、まだまだ現実は後れております。
 そこで、このパネルをごらんいただきたいと思います。(図表掲示)
 まず、上の方が一人当たりの自転車保有台数ですけれども、オランダが一・二、ドイツが〇・八、日本が〇・七と比較的多いんですね。
○委員長(片山虎之助君) もうちょっと上げて、向こう、向こう。
○岩城光英君 これをまずごらんいただきたいと思います。ところが、下の方の自転車道の整備状況を見ますと、総道路延長に対する割合、オランダが、ここですが、八・六、ドイツが四・七なんですけれども、日本は〇・六と極めて低いんです。国土面積当たりの延長を見ましても、三百四十九、六十五、十八という数字でありますので、時間の関係上ここまでにしますが、よくごらんいただきたいと思います。
 それから、もう一枚のパネル、こちらだとよりはっきり分かるんですが、名古屋は日本の都市の中では自転車道路の整備が比較的進んでいる地域なんですけれども、例えば、同じ面積、ほぼ同じ面積のドイツのミュンヘンと比べますと、名古屋の自転車走行空間延長が三十六・三キロメートル、それに対しましてミュンヘンが二百八十四・三キロメートル、こういう数字になっております。この図の中の、地図の中の青線、赤線が自転車道路、赤線はサイクリング専門の道路、ミュンヘンにしかありませんけれども、なんですけれども、ミュンヘンの方はクモの巣のように張っておりますけれども、名古屋はまだほんの少しだということがごらんいただけるものと思います。
 そしてまた、自転車には、こういった現状のほかに放置自転車、モラルの問題でございますけれども、さらにまた、一つの歩道を自転車と歩行者が走る、そういう空間もありますので歩行者にとっては自転車が加害者となる場合がある、こういうことがございます。
 そこで、放置自転車問題について頭を悩ませている自治体が全国自転車問題自治体連絡協議会を結成してその対策に当たっておりますけれども、自治体ではどうしようもない部分がございます。ですから、国全体の大きなビジョンの中で自転車政策に取り組んでいただきたいと思っております。
 具体的に申し上げますと、国レベルの総合計画を策定する、またそれを受けて地方自治体も総合計画を策定する。そして、自転車は、内閣府、国土交通省、経済産業省、環境省、文部科学省、厚生労働省、総務省、警察庁などあらゆる省庁にわたるものですから、やはり自転車を担当する担当主務大臣を一人置いて総合的な自転車政策に当たっていただきたい、こう考えますが、総理のお考えをお願いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 自転車については内閣府で総合調整をいたしておりますので私から答弁いたしますけれども、これは昭和五十五年に自転車安全利用促進法を作りまして、そしてそれを累次改正をいたしております。
 自転車というのは、環境に優しく、そして身近な住民の足としてその利活用は今後ますます重要になると、こういうような観点から今後もこの問題について総合的な政策の推進、それから安全ですね、安全の確保などの政策を実施してまいりたいと思っております。
○岩城光英君 谷垣大臣がにこやかに笑っていらっしゃいましたけれども、大臣は超党派の自転車活用推進議員連盟の会長でいらっしゃいますので、大臣の方から総理によくお話をいただければと、後ほど、思います。
 さて、二〇〇五年に愛知万博が開かれますが、このテーマが「自然の叡智」、循環型社会もサブテーマの一つとなっております。自転車の理解を深めていただくのにいい機会だと思っております。
 会場の中での自転車の活用は決まっているようでありますけれども、会場へのアクセス手段としては自転車それから電動アシスト自転車等の活用を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。経産大臣、お願いいたします。
○国務大臣(中川昭一君) 先生が自転車のその有意義な面について大変御熱心なことは私もよく承知をしております。
 そこで、二〇〇五年の三月から愛知県名古屋市で行われます万国博覧会、いわゆる愛・地球博でございますけれども、これは「自然の叡智」というものを大きなテーマにして環境等にも十分配慮をした形で開催をする予定になっておりますので、この自転車の活用というものは正にこの万博の一つのテーマといいましょうか、目的達成のために大いに活用しなければいけないことだろうというふうに思っております。
 具体的には、駐輪場を既に設けておりますけれども、今の段階の駐輪場の数ではひょっとしたら足りないのかなというふうにも思っておりますし、またこの中での自転車の利用等々、先生の御指摘を受けまして、この趣旨にも十分合致をしておりますので、より積極的にこの愛・地球博覧会におきまして自転車をできるだけ利用できるように大いにまた知恵を絞って活用していきたいと思いますので、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
○岩城光英君 全世界から訪れる方々にPRになるような施策の展開をお願いしたいと思っております。御指導よろしくお願いします。
 最後の質問でございますけれども、高速道路の整備についておただしをいたします。
 道路の整備は住民の利便性の向上だけでなく、例えば高速道路でありますと、観光客の増加とか、それから大雪、災害等の代替道路、そしてまた第三次救急医療機関への搬送等、様々な用途があるわけであります。もちろん、無駄をなくしながら地域にとって必要な道路の整備は進めていただきたいと思っております。また、全国の知事さん、市町村長さんからその要望が非常に強いわけであります。
 そこで、整備計画区間の九千三百四十二キロはもちろんのことでありますが、法定予定路線であります一万一千五百二十キロ、この整備も国民に約束しているものでありますので、是非とも整備を進めることが必要だと考えておりますが、石原大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) 岩城委員にお答え申し上げます。
 岩城委員はもう国土交通省の大臣政務官もお務めになられまして、このいわゆる一一五二〇の決定過程というものは十分御承知のことだと思いますけれども、昭和六十二年に全国的な自動車交通網の主要部分を構成するものとして全会一致で国土開発幹線自動車道建設法等に位置付けられております。
 そのときの時代背景を考えてみますと、ちょうど昭和六十年がプラザ合意、円が二百四十円から百七、八十円にどんと高くなりまして、正に日本の国力というものがこれから日の出の勢いであったと思います。ちょうどそのとき、阪神が優勝したわけでございますけれども、今年もまたくしくも阪神が優勝いたしました。その間にこの日本は本当に大きく経済的に変わったと思います。昭和から平成に移り変わるときには株価が四万円をうかがうというような時代も経験いたしました。
 そして、やはり、当時の私建設大臣がどなたか調べてまいりませんでしたが、当時の建設大臣は幸せな方だなと思います。分かりました、一一五二〇造りましょうと、間違いなく与野党問わず言う大臣がよしとされたと思うんでございますが、その間、国の財政事情はといいますと、GDPの一四〇%の借金を抱えるに至っているわけでございます。当時の政治を分配の政治とするならば、これからの政治は真に必要なものだけ以外は我慢していただく我慢の政治、そういう政治状況になっている、大きな変化があるような気がいたします。
 ただ、委員が御指摘されましたように、病院の、基幹病院への到達距離によって死亡率が五%以上も違うというようなこともデータとして出ておりますし、今後の高速道路の整備については、委員が御指摘になりましたように、無駄な道路は造らないで真に必要なものを造っていくという基本方針を掲げ、地方自治体や地域の住民の方々から寄せられる意見も聞き、また委員のように地方の行政というものに造詣の深い方々、知事さん、市長さんの意見も聞かせていただいて、その高速道路の整備というものがその地域に対してどういういい影響があるのかないのか、しっかりと客観的に判断して、地域の課題の解決に役立つ、個々の事情も十分に考慮しながら検討していく課題であると考えております。
○岩城光英君 大臣も十分に御承知かと思いますが、高速道路の場合は特にネットワーク化が完成してこそ初めてその整備成果が発揮できるという部分もありますので、十分に御検討いただきたいと思います。
 最後の質問になります。
 民主党さんが出されようとしております政権公約の中で、高速道路につきまして、道路公団の廃止、また高速道路の原則無料化がうたわれております。これにつきましては、一昨日の代表質問の中で総理が収支のつじつまが合うかどうか心配だという答弁がなされておりますけれども、石原大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) この点につきましては、昨日も衆議院の予算委員会で議論があったところでございますが、民主党のマニフェストを拝見させていただきますと、総道路予算がおよそ九兆円、そして道路特定財源の一般財源化ということが指摘されております。
 どういうことかと申しますと、例えばいわゆるガソリン税、揮発油税等々で暫定税率等々がございます。自動車重量税等々等もありますし、軽油引取税等々がある。一般財源化するというときは、必ずその暫定税率を本則に戻さなきゃなりません。その合計だけで二兆八千億。そしてまた、民主党の案を読ませていただきますと、いわゆる地方税の取得税ですね、これも廃止しようと言っております。暫定税率分を除いても三千億ありますから、それだけでもおよそ三兆数千億。ですから、九兆円から三兆円を単純に引き算しますと六兆円残ります。そして、地方分権の推進ということを言っておられますので、もうこれも岩城委員の専門分野だと思うんですが、地方単独の道路の整備というものは大変重要な仕事で、これがおよそ四兆円ある。で、六から四を引くと二兆円しか残らないで、高速道路の維持管理費が二兆円弱ありますと、もう二兆円返すということができませんし、また新たな国道の整備は全くできなくなる。
 ですから、具体的な数字をということで論戦をさせていただいたんですが、政調会長の御答弁の中で、特定財源はやめるけれども、一般財源から高速道路は造るんだと、そういうお話もございましたので、特定財源とどう違うのかという疑問はありますが、詳細が詰まった段階で国民の皆さん方に議論をさせていただきたいですし、個人的なことを申しますと、私の住んでいるところは東名高速と中央高速がある、すぐそばなんですね。そこが無料になって、一般交通が下に降りてきたら、幹線道路、整備されておりませんので大きく環境破壊される。私は体を張っても反対しようと思っています。
○委員長(片山虎之助君) 以上で尾辻秀久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛でございます。
 まず、総理にお尋ねをいたします。
 小泉内閣の構造改革が支持をされているということは、一つには、不況だから財政支出をして公共事業をやる、そうしたことを国民は余り期待をしていないということであろうかと思います。もちろん経済政策の理論は大事でございますし、公共社会資本の整備はまだまだ不十分でございますが、しかし、際限なく国と地方の借金が増えることについては大変不安を抱かれているということであろうかと思います。
 我が党は、これまで個別公共事業の見直しや行政評価法の制定等、一連の公共事業改革を通しまして無駄な公共事業費の削減に取り組んでまいりました。また、本日、公明党のマニフェストの最終稿を確定をいたしましたが、その中でも、この公共事業費につきましても、国の公共事業費につきましても、経済動向を勘案しつつ、二〇〇七年度までの今後四年間で一般公共事業費一兆円以上を削減をするという具体的な数値あるいは達成期限を明示をしたところでございます。
 そこで、政府といたしましても、今後、国の公共事業をいつまでにどのレベルにするのか、このことをきちっと明示すべきであると考えますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから公共投資あるいは国道、高速道路について御議論がいろいろございましたけれども、財務省としては、公共投資につきましては、「改革と展望」に沿って、景気対策のための大幅な追加が行われていたその以前の水準を目安に総額を段階的に抑制すると、こういう方針でやっておりまして、平成十四年度予算では一般会計、国の一般会計、当初一〇%削減、それから平成十五年度は三%削減と。それで、来年度予算についてはシーリング上、今三%の削減ということでこれから作業をまたしてまいるわけでございます。
 しかし、他方で厳格な、そういうことで段階的にやっているわけですが、他方で、ある程度の期間にわたって厳格な数値目標を設定するということは、経済情勢を踏まえた機動的な対応ということから見て少し問題もあるのかなという気がしているわけでございます。
 それから、今コスト削減についてもお触れになりましたけれども、これは平成九年以降、政府の行動指針というものを決定いたしましてコスト縮減に取り組んでおります。その結果、平成十四年度は平成八年度と比べまして各省庁の自己努力による工事コスト縮減が一二・九%、それから物価等の下落も含めた実際の工事コスト縮減は二〇・六%というところまで来ております。しかし、現在の厳しい財政事情の下では、引き続きコスト縮減を図っていくことが必要であるというふうに考えておりまして、新たに平成十五年度以降、こちらの方は五年間で一五%のコスト縮減を達成すると、公共事業コスト構造改革プログラムというものを作ったところでございます。
 この厳しい財政事情の中で社会資本整備を進めるために、これまで以上こういった取組も強化をして、無駄を省いて、コスト構造改革の名に値するような取組をそれぞれの各省庁にもお願いして予算を作っていきたいと、こう考えております。
○荒木清寛君 このコスト縮減のお話は次にお尋ねをしようと思っておったんですが、いずれにいたしましても事業費を減らすわけでありますから、そのことが必要な社会資本整備に影響を、悪い影響を与えてはいけませんので、我が党も四年間で二〇%のコスト縮減をする、政府は五年間で一五%ということでありますが、もう少しこれをいろいろ工夫をして加速をしてもらいたいということを要請をいたします。
 そこで、国土交通大臣にお尋ねをしますが、このコスト削減をする場合に下請業者に不当な影響がないような工夫を是非していただきたいんです。要するに、同じ工期で、同じやり方で、同じ設計で、同じ材料でコストダウンということになりますと、もうこれは間違いなく一番現場の末端の下請業者が不当にもこのしわ寄せが来るということになりまして、これは私も容認できません。
 そこで、発注者側におきましてこうしたことにならないための真摯な工夫と努力が要ると思いますし、さらには元請と下請の関係の一層の適正化のための様々な法的な施策等も必要であろうかと思いますが、この点、国土交通大臣はどうした対応をされますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 荒木委員の御指摘は大変ごもっともであり、忘れがちなポイントで、重要であると認識しております。
 すなわち、コストの切下げ合戦が下請に行って、そこでそこの賃金あるいは素材というものが悪化することによって良質な社会資本の整備を妨げる、また、このしわ寄せが一部の社会的に立場の弱い方々になる、そういうものには、やはり受注側、発注側、両方がしっかりとした契約を結ぶ形においてこういうものが起こらないようにしていくということが肝要であると考えております。
 小泉内閣になりまして、このコスト縮減ですけれども、例えば道路なんかでもローカルルールを作りまして、計画は四車線ですけれども二車線だけにするとか、あるいは追越し車線は何キロのところだけ造るみたいな、そういう努力によって、二年間だけで、物価下落も入れますと、もう六%近く削減しております。
 御党の掲げる目標というものは大変すばらしいものであると個人的には考えております。
○荒木清寛君 次に、中部国際空港のコスト縮減努力について石原大臣の評価をお尋ねをいたします。
 中部国際空港の整備では、旅客ターミナルビルの設計変更等様々なコスト縮減策により、当初見込みより一千二百四十九億円もの事業費が縮減をされ、民間企業に任せるとやはりできるではないかという評価を得ました。もちろん、これは低金利の中での金利負担の低下が三百四十億円という幸運もあるんでありますが、しかし、平成九年のいわゆるこの事業の設計当時は、とてもこの当初の事業費の見積りであります七千六百八十億円ではできないであろうというふうに言われておったんでございます。ところが、できないどころか、更に一千二百四十九億円も削減をしてしまったというわけでありまして、今後の空港整備あるいは公共投資の在り方について一石を投じたものと私は考えます。
 こうした中部国際空港における一連のコスト縮減策への評価について大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘されましたように、一千二百億円を超える事業費の縮減、総事業費が七千六百八十億円と言われていたものがおよそ六千四百億円でできると。
 関空を例に出しては恐縮なんですが、関空は当初予定よりも多くお金が掛かっている。一つ大きな要素としては、岩盤が良かったということと、深度が五メートルぐらいで深かったという関空と名古屋の違いはあるんですけれども、個人としても、やはりこのトヨタ方式というんですか、非常に細かいところまで気を付ける、こういう方式で、民間が入るとこれだけ削減することができる。高く評価をさせていただいております。
○荒木清寛君 そこで、そうした努力が報われるようにしていただきたいんですが、この工事費を縮減をしたことが空港の国際競争力の強化、すなわち日本の空港の着陸料は非常に世界一高いと言われておりますけれども、これが中部空港において低減されるような工夫を国土交通省もしていただきたいんです。
 要するに、このコスト縮減につきましては、地元も痛みを感じております。施工業者も大変であったという話も聞きます。そういう努力をした削減の成果が一定の程度で地元に還元されるということを私は必要であると考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) もうこれは委員の方が詳しいと思うんですけれども、総事業費のおよそ四割を国、地方自治体、その地方自治体の負担を委員は地元の負担ということで言われたと思いますが、それと民間がいわゆる四対一対一で、六割でございますね、有利子資金の六割を無利子、失礼いたしました、割合で無利子の資金の方について支払うという方法で建設されたわけであります。
 その内訳は、国が千六百七十億、地方公共団体が四百二十億、民間が四百二十億となっているわけでございますが、中部空港、二〇〇五年の万博目指して着々と工事が進んで、今年度の末には施設の整備が完成するということで、平成十六年度の概算要求は一切行っておりません。建設が終了した後に、委員御指摘のように、予算要求していなくても予算が一度閉じていますので、当初の支援方法というものを他の年度で変えるということはなかなか非常に難しいものがある。
 この空港が国内的にも国際的にも利用客が多く来ていただけるような環境整備を行うという側面支援ではございますが、そういう形でこの努力、一千二百億円を削り、また先ほど言いましたように、地方公共団体も無利子資金の四百二十億円、民間も四百二十億円出しているということに報いていきたいと考えております。
○荒木清寛君 今回の中部空港がコスト削減ができましたのは、要するに建設費を抑えまして着陸料を相当安くしたい、そういう強い意思がインセンティブになったと言われているんです。したがいまして、これは今後の公共事業の在り方にも大いに参考になるわけでありまして、予算を余らしたといいますか、残額を出した場合には、その部署に一定程度戻すといいますか、自由に使わせるといいますか、そういうシステムも今後考えていったらどうかと考えますが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) やはり委員御指摘になりましたように、努力して損をするみたいなことではいけないと思います。やはり公共事業のコスト縮減を図るためには、国などの事業者側、そして請負業者の双方にそのインセンティブが付与されるといったような、委員が今御指摘のような制度を用意することは私どもとしても大切であると考えております。
 そんな中で、例えば一億円の事業を国とある業者が結んで、仮にこれが九千万円で、その設計変更などをして安くできたと。そうしましたら、その一千万円を受注した会社と頼んだ国とで五百万円ずつ仮に還元する、こういうようなことが試行ではございますが行われておりますので、こういうものをその大きな、中部空港というのは本当に国家事業でございますね、このような大きな事業でも行えるようなことをやっていかなければならないのではないかと思います。
 言ってみるならば、委員の御指摘は、従来の発想を、大きく発想の転換しろというような御指摘だと受け止めさせていただきました。
○荒木清寛君 次に、小泉総理にお尋ねいたします。
 私は、総理の構造改革、公共事業改革、官から民へ、中央から地方へ、全面的に支持をしておりますし、大きな成果があると思います。しかしながら、雇用あるいは中小企業といったセーフティーネットの部分につきましては、もっと頑張ってもらいたいという気持ち、意見を持っております。
 そこで総理、再挑戦が可能な社会ということを総理もおっしゃいますが、この社会の実現に向けてこれまでどうした成果が上がったのか、そしてまた、今後どう取り組んでいかれるのか、総理の決意をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 就任以来、五百三十万人の雇用創出計画、これに沿っていろいろな新しい分野に雇用をつくっていこうと。かなりそれも進んでおりますが、同時に倒産等、企業の合理化、リストラ等で失業せざるを得ないような方も出ているわけであります。そういう方に対してこれから、雇用対策等今までも進めてきましたので、どこが足らないのかということを総合的に考えなきゃいかぬ。
 特に若年者、フリーター等ずっとフリーターでいいわけではないということから、若年者に対して若年者向けの特別の職業紹介所とか、あるいは今、高校を出ても大学出ても、いざ勤めてみて全然思っていたのとは違ったと、すぐ辞めてしまう方も多いとよく聞きます。それでまた、小学校、中学校から、これから実際の職場体験というものが必要じゃないかと。小中学生の段階から仕事はどういうものかというようなことも、これは教育現場でありますけれども、こういうのも授業の中で取り組んでいこうと。また、企業においても、学生を短期間受け入れて、仕事とはこういうものですよというような、実際自分で体験してもらうことによって、仕事の重要性、また仕事の喜び、それから自分が思っていた職場というものはどういうものかというイメージも実体験してもらおうと。
 総合的に取り組んでいく必要があると思いますので、厚労省だけじゃなくて、厚生労働省、経済産業省、文部科学省一体でこの雇用づくりに本格的に乗り出さなきゃいかぬということで、今鋭意取り組んでおります。今後も、この雇用創出については、改革を進めていく上において非常に重要な分野でありますので、力を入れて展開していきたいと思っております。
○荒木清寛君 そこで、私は経済産業大臣に一つ具体的にお尋ねをするんですが、公明党は今回のマニフェストの中で、金融機関が中小企業者に対して個人保証を求めない融資を推進ということを挙げております。いわゆる金融機関が融資をするときに第三者保証を求めるというのは、そういう慣行はもう日本だけである、このように承知をしております。
 破産をすると第三者の保証人も含めて全部の財産がなくなるわけですから、もう一回チャレンジをしようという気持ちは起きません。アメリカでは破産経験者の四六・四%がもう一回経営者に復帰をしているが、日本では一三%にすぎないということも、そこに一つの大きなネックがあると考えております。
 そこで、我が党はもう従来から、まず政府系金融機関から保証人を取らない融資に改革をせよということを何度も迫ってまいりましたが、現在の取組状況はどうなっておりますでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 融資というのは原則、今までは担保とか保証が原則でございましたが、今先生御指摘のように、これからいったん厳しい状況になった後もまた再び頑張れるという体制を作っていくためには、その保証というものをできるだけ限定的といいましょうか、見直す方向で現在我が省としても検討をしているところでございます。
 具体的には、これは若干前向きの話から御説明をいたしますけれども、国民公庫におきましては、ビジネスプランというものを創業者がきちっと提示した場合には無担保無保証、それから経営者本人の保証もないという制度ができておりまして、現在、平成十四年一月からスタートいたしましたが、六千四百件、融資金額が二百五億円という実績が上がっております。
 それから、信用保証協会におきましても同様の無担保無保証、それから経営者の個人保証なしの資金供給ということで、金融機関が中小企業の発行する私募債を引き受ける場合にも、平成十二年四月から実施をしておりますけれども、十四年の四月からこの要件の緩和、つまり、その企業の純資産額五億円以上というものを三億円以上というふうに引き下げまして、より柔軟な対応をしているところでございます。
 また、中小公庫、商工中金につきましても、親戚、友人等の保証に関して、現在ほとんど現実には求めておりませんけれども、この廃止について検討をしております。
 なお、もう一度やり直すという意味では、我が省から法務省の方に強く要望いたしまして、破産法の方の適用についても今検討をしているところでございまして、例えば生活費、今二十一万円、月額ということ、これも数字を今見直すように検討しているところでございますけれども、これ一か月ということを期間を延長して三か月程度にしたい、あるいはまた、裁判所が判断する自由財産というものの裁判所の判断もより柔軟に、つまり起業、再起動しやすいような体制にしていくように、そういう破産法の世界からも柔軟な立ち上がりという先生の御趣旨の方向でいろいろな対策を現在取らせていただいているところでございます。
○荒木清寛君 経済産業大臣にもう一つお尋ねしますが、全国に信用保証協会がございますが、そこに申込みをしますと保証料を取って保証してくれるんですけれども、更に保証人を付けろと言われるわけですよね。こんなことはやめるべきだと思いますし、おかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 保証というものは、ある意味では金融機関、一般金融機関を中心にした貸出しに対するある意味では担保措置の一つになるわけでございますから、こういう経済状況、あるいはまたやる気のある企業に頑張ってもらうという観点からその手続の簡素化等々、あるいはまたその保証人について、先ほど申し上げましたように、保証についての保証人ということについては、できるだけこういう、全体として我々は、特に政府系金融機関が中小企業向けに貸す我々の所掌については、担保、保証といったものについてはできるだけ簡素化、あるいはまた軽量化といいましょうか、廃止も含めた方向でやっておりますので、保証についてもそういう流れの中で考えていかなければいけないというふうに思っております。
○荒木清寛君 財務大臣にも要請をいたしますが、公的金融機関におきましてこの保証人を不要とする融資が、そうした枠組みが増えるように特段のそうした予算的な、財政的な措置をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私はこの御質問に対しては二つの顔がございまして、一つは国民生活金融公庫を主管している大臣といたしまして、この国民生活金融公庫では、今おっしゃった無担保無保証の貸付制度、これ新創業融資制度といいまして平成十三年度から始まっている。それからもう一つ、第三者保証人を不要とする貸付制度も、これは平成十五年一月だったかと思いますが、スタートしております。それをもう少し、上限をもう少し、何というんでしょうか、広くする必要があるんじゃないかという議論がございまして、国民金融公庫の主管大臣としては来年度そういう要求をしておる立場でございます。
 一方、国庫大臣としましてはこれを査定しなければならない立場にございますのでよく研究していきたいと思っておりますが、一つは政策金融機関のセーフティーネットとしての意義はどうなのかということがあろうかと思います。それから、国民負担の発生についてどう考えるかという問題がもう一つございます。それから、三つ目に民間金融機関との関係をどう考えるかという問題がございまして、私、二つの立場は矛盾をいたしますんですが、この三つをしっかりこれから煮詰めましてきちっと結論を出してまいりたいと、こう思っております。
○荒木清寛君 竹中金融担当大臣にも要請をしておきますが、そもそも民間銀行がそうした物的な担保やあるいは保証人に依存した融資しか行わないというところに大きな問題があろうかと思います。銀行と質屋は違うんですから、担保じゃなくてもっとプロジェクトというようなことを査定をして貸すべきだと思いますし、そういう人材も養成をしなければいけないと思います。
 そうした意味では、大臣としましてもガイドラインを設けるなりいろんなことをされまして、民間金融機関がそうした意味での担保に依存をしない融資を実現をするように改革を奨励、督促をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 荒木委員の御指摘、誠にごもっともだと思います。それが金融機関であろうということだと思います。
 金融再生プログラム、昨年作りまして、これ、ともすれば不良債権を減らすためのプログラムというふうに思われているんですが、その中に、銀行はやはりもっと目利きを生かして担保や第三者保証によらないちゃんとした目利きの金融をやるべきだということを厳しく書いております。
 実は、そういうことを重ね重ね要請してきておりますんですが、最近、集計しますと、これは私も驚いたんでありますが、四メガのうちの一行のこれ例なんですが、一年少し前に始めた担保を取らない、第三者保証を取らない、ビジネスセレクトローンというんだそうでありますが、それがこの一年ちょっとの間に実に四千五百億円の融資実績をこの銀行に関しては持ったんだそうでございます。先ほど、これ政府系金融機関で国民金融公庫二百億云々、これの積み重ね、大変大事だと思いますが、やはり何といっても商業銀行が大変大事で、この四千五百億という数字はこの銀行に関しては昨年の全体の貸付けの二%に当たるんですね。私はこの銀行はよく頑張っていると思います。これはほかの三メガにも是非、これいい意味で競争してもらってこのようになっていってもらいたい。
 御指摘のように、これが正に銀行の役割でありますから、これはしっかりと我々としてもそういう重ねて要請、指導をしていきたいと思っております。
○荒木清寛君 次に、高齢者雇用の問題につきまして厚生労働大臣にお尋ねいたします。
 我が党はマニフェストの中で六十五歳までの雇用保障ということをうたっております。若年者の雇用情勢が厳しい中でという意見もございますけれども、しかし今後労働人口は減少していきます。少子高齢化社会の中で、少子高齢社会の中で二〇一五年までには八百四十万人労働人口が減少するということでありまして、早くこうした改革、いわゆる私なりの言葉で言えば六十五歳現役社会に向けての改革に着手をすべきだと、このように考えます。こうした年齢にかかわりなく意欲と能力に応じて働ける社会を作っていくことが、今後の高齢社会の中で日本経済が活力を維持をするという大きなポイントであろうかと思います。
 そうした意味では、今、高年齢者雇用安定法では六十歳定年の義務ということになっておりますが、これも法改正をして引き上げる必要があろうかと思いますし、あるいは雇用対策法におきましては求人募集や採用に当たって年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう企業に努力義務ということでございます。実際、新聞のチラシ等を見ておりますと、ほとんど四十歳以下というような求人ばかりでございまして、なかなか六十歳、六十五歳というふうな求人はございません。
 そうした意味で、坂口厚生労働大臣に高齢者の就業確保につきましての決意と取組をお尋ねいたします。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のように、六十歳代前半の皆さん方の失業率が六・一%になっておりますし、有効求人倍率も〇・一六でございますから、非常に低い。現在の経済の状況もございますが、大変低くなっておりますし、六十五歳まで雇用をしている企業というのは全体で三〇%ぐらいにとどまっております。
 したがいまして、ここを何とかもう少し上げていかなければならないというふうに思っているわけでございまして、厚生労働省といたしましても、そこに少し知恵を絞らなければいけないというふうに思っているところでございます。そして、法改正も含めと言うと少し言い過ぎになるかもしれませんけれども、若干前進をさせなければいけないというふうに今考えているわけでございます。
 ただ、一番ミスマッチの大きいのは、やはり賃金のところがかなりある、そこをどうするかということがございます。
 それからもう一つは、技能訓練もやらなきゃいけないんだと思うんですけれども、ここのところは、いわゆる技術を持っている皆さん方は、ある程度技術進歩というのがありますから、それに対すること必要でございますが、ホワイトカラーの皆さん方に何をなすべきかということございます。むやみやたらにいろいろのことをやってもらっても、これなかなか効果がないわけでございますし、この年齢の方々というのはかなりいろいろのことで技術もすべてを身に付けておみえになる方でございますから、若い人にやろうとしておりますデュアルシステムのように、何かこう、どこどこに行くということをある程度目標を決めていただいて、そしてそれに対する技能訓練と申しますか、支援というものをやっぱりやっていくようにしないと無駄が多いというふうに考えておりまして、そうしたことも念頭に置きながら、これからひとつこのところをしっかりやっていきたいというふうに思っております。
 ここは年金のだんだんとこれから年齢も引き上げられていくわけで、六十五歳までこう行くわけでございますから、是非それまでにこの年齢層の皆さん方の雇用というものを考えていきたいというふうに思っております。
○荒木清寛君 坂口大臣にもう一問お尋ねしますが、こうした高齢者雇用を確保する上でも、あるいは若い人の失業問題の対応の上でも、私は、ワークシェアリング、要するにより多くの人で仕事を分かち合っていくというシステムを国民的な合意の下で実現をしなければいけないと思います。坂口大臣が大臣に再任をされました折の会見の中でも、ワークシェアリングをあえて言及されましたのは、しかしなかなか進んでいかないという危機感を私はそこに感じたわけでございます。このワークシェアリングを導入、定着させることについての大臣の決意をお尋ねいたします。
○国務大臣(坂口力君) これは、小泉総理からも、ワークシェアリング、しっかり取り組むようにというふうに指示を受けましてから、もう既に一年経過しているわけでございまして、早く何とかしたいというふうに思って様々な企業にも働き掛けを実はしているわけでございます。中には導入をしておみえになるところもございます。
 経団連と連合の皆さんにもお話合いをしていただいて、少しここが前進できるように議論をしていただいておるわけでございますが、このお話合い、なかなか実は進まないわけでございます。よくよく考えてみますと、経団連という雇う側と、そして連合という現在既に雇われている人たちとの間で現在雇われていない人の問題を議論するわけでございますから、なかなかそこはうまく話がいかないのかなというふうにも実は思っておりまして、もう少し我々の方も積極的にその中に入らせていただいて、そして話を進めさせていただく以外にないというふうに思っておるわけでございます。
 しかし、それだけではなくて、やっぱりこのワークシェアリングを導入したときのメリットというものもやはり国の方も少し考えないといけないんだろうというふうに思っておりまして、様々な労働に対する施策をやっておりますが、少し整理をして、そしてこのワークシェアリングに少し集中する形で何かをしなきゃいけないというふうに今考えておるところでございます。
○荒木清寛君 そこで、総理にも同じ質問をいたしますが、これは総理の指示で政労使の検討が始まって、去年の年末に政労使合意ができたわけでありますから、このことは大変評価をしております。ただし、坂口大臣が言われたように、なかなかそういう中で進んでいかないというネックもあるわけでありますから、ここは総理大臣にもリーダーシップを発揮していただきまして、国民的合意の成立に向けての努力をしていただきたいと考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、坂口大臣からお話ししましたように、経団連、連合、そして政府側と、一体となって努力しておりますので、難しい点もありますが、これがうまく機能するように、今後とも連携を取りながら進めていきたいと思います。
○荒木清寛君 最後に、イラクの復興支援について、これは総理大臣にお尋ねをいたします。
 イラクの治安情勢は、もう言うまでもなく深刻な状況にあると言わざるを得ません。しかしながら、こうした状況であればこそ、何とか国際協調の下、イラクの復興を成し遂げなければいけません。もしイラクが破綻国家となってしまえば、正にテロリストの思うつぼでありまして、国際社会は地球的規模のテロの横行を許す結果になってしまいます。米国と激しく対立をしたフランスのシラク大統領でさえ、米国に対して、だから言ったじゃないかという言葉は口にするなと命じているとのことでございます。
 私は、このイラクの復興をもう是非国際的な協調の枠組みの中で今後推進していく必要が高まっていると思います。今日の報道等では、アメリカもそうした意味での国連安保理決議も準備をしているというようなことも、報道にも接しました。私は、総理にも各国に対しまして働き掛けていただきまして、そうした国連の枠組みを重視した中での今後のイラクの復興という体制が整うように、すなわちそうした決議が成立をするように外交努力をしていただきたいと考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク復興支援につきましては、国際社会が協力して当たらなきゃならないということについては、フランス、ドイツ、アメリカ等、開戦前には意見の対立がありましたけれども、この協調して取り組むということについてはほぼ同じ方向で今調整が進んでいると思います。これから支援国、国際社会のイラク支援国会議も開かれますし、国連において新たな、国際社会が国連に対して今よりも関与を強めた形での協力、こういう決議案も安保理理事国の間で進められているようであります。
 こういう状況の中で、日本政府としてもイラクの復興支援のためには人的貢献、資金的貢献を含めて国際社会の中で責任ある一員としての役割を果たしていかなきゃならないと思っております。
○荒木清寛君 そこで、その人的貢献でありますイラク新法に基づく自衛隊派遣問題でございますが、これは、仮に行っていただくとしましても、戦争をするために行くんではなくて人助けをするために行くんである、この原則をしっかり確認をしておかなければいけないと思います。しかし、そうは言いましても、自衛隊員の安全の確保は非常に大事な問題でございます。私は、そうした意味で慎重に検討しなければいけないし、あるいは段階的な派遣ということも考えられるかもしれません。
 私、いろいろ皆様とお話をしていると、総理に現地に行っていただいて自分の目で調査をしていただいたらどうかというような意見も聞いておるわけでございますが、いずれにいたしましても慎重に熟慮の上この問題を決していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) やはり状況等、分野分野によって、もちはもち屋という言葉があります。目利きじゃないとどんないいものを見ても分からない。猫に小判ということわざもありますけれども、小判見て全然有り難がらない。どの品物がいいのか悪いのか分からない。私が現地に行って、これはどこが危険かどこが安全かというのは、率直に言って専門家じゃないから、視察はできますよ、しかしそういう詳しい専門的知識を持っていませんので、そこは専門的な知識を持った方々に行ってもらわなきゃならない。現在行っております。そういう専門家の意見を聞いて、状況が許せば自衛隊員の皆さんにも、また民間人の皆さんにも政府職員の皆さんにも日本としてふさわしい役割があれば行っていただきたいと、その方向で今準備を進めております。
○荒木清寛君 終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 年金の問題について今日はお尋ねをします。
 内閣府が六月に発表した世論調査では、六七%もの人が日常生活で悩みや不安を感じていると答えております。悩みの中で最も多いのは老後の生活設計。老後の生活を支える年金への不安、これにほかなりません。しかし、政府から出てくる年金の改定案はもうどれもこれも大幅な削減ばかりであります。これでは本当に不安が募るばかりではないでしょうか。
 そこで、総理に最初に現状の認識を私はお伺いしたいんです。削減ありきの議論、横行していますが、現在の公的年金の水準を総理はどう見ておられるか。
 最近で言うと、二〇〇〇年度で厚生年金平均月額十七万七千円、国民年金の平均で月額五万一千円、自営業者だとこれ四万四千八百円にすぎない。今年九月に発表された日銀の世論調査でも、年金だけでは日常生活費程度も賄うのが難しい、こういう回答がこれ増えてきているんですね。五割超えているんです。これが国民の声だと思うんですが、総理は現状の水準をどう考えていらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現状の水準のままずっと維持していきますと、これは給付の分を考えますと、保険料の負担者の負担が重過ぎると。やはり現状の給付水準だけを見るのではなくて、これは負担の側の方も見なきゃいけないと。給付と負担と、そして税金をどれほど投入するのかと、両面を見なきゃいけないと思うのであります。
 特に最近は、加入者が、加入できるのにもかかわらず加入しないという人も増えておりますので、そういう公的年金に対する信頼性も維持していかなきゃならない。税制としてこの制度を支えるための安定した財源というのはどうあるべきかという点も考えなきゃならない。もう多方面のことがあるわけであります。
 しかし、現状の給付水準を維持するということになりますと、とてもこの制度を支える若い人の負担は負担し切れないであろうという面も考えなきゃいかぬ。そこにこの改革の難しさがあるんだと私は思っております。
○小池晃君 現状でも暮らしていけないという声に全く答えていないじゃないですか。将来のことがあるからということで、私が聞いているのは、現状をどう見るのかということなんです。全くそれに答えていない。
 さらに、今もう給付の削減が不可避である、削らなきゃいけないんだというふうにおっしゃった。どんな今削減案が出ているかというと、これは保険料を毎年引き上げていこうと。二〇二二年までに二〇%にした上で、二〇三二年以降は、現役世代の所得の六〇%を保障している年金をこれ五二%まで引き下げる、これ厚労省の案。モデル年金なら、月二万八千円、年間三十四万円もの減額ですね。さらに、財務省の案では、年金は最低限の生活を保障できればよいと。塩川財務大臣は四〇%程度を保障すればいいんじゃないかと発言している。これでは三割以上の年金削減ということになるんですよ。
 総理に私お尋ねしたいのは、こんなふうに給付削減、給付削減の提案ばかりでいれば、これ、ますます年金不信募るでしょう。そうすれば、将来の不安から消費を冷え込ませる、ますます景気を悪化させて、結局、将来のこと将来のことというふうに総理おっしゃるけれども、年金財政の将来をどんどんどんどん火の車にしていく、そういう私は削減提案ではないかというふうに思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、先ほども言いましたように、今の給付水準を維持しますと、負担し切れないような保険料を負担しなきゃならない、そういう点も考えなきゃならないということを言ったわけであります。
 だから、保険料はこの程度が限度ですよ、そうすると給付水準はどうなりますかと。そこで、給付水準を五〇%がいいのか何%がいいのかというのはこれからの議論でありますが、そのためにはどういう安定した財源を確保するかというのが今後まとめていかなきゃならない主要な論点だと思います。
 今の保険料を払っても、それよりも少ない給付しかもらえないという意見がありますが、決してそうじゃないんであって、例えば一〇%の保険料でありますが、今は給付水準は給料の五〇%程度をもらっているわけでありますので、決して今の公的年金が民間の年金に比べて損だとかなくなるとかいう話じゃないんです。この公的年金には必ず税金投入されておりますし、今後お互いが支え合っていかなきゃならない制度でありますので、給付だけでなくて負担の面も両方考えて改革案を取りまとめなければいけないと思っております。
○小池晃君 社会保障の問題、総理と一緒に議論をすると、いつもそうなんですよ。給付と負担だと。負担が嫌、給付を増やしたいんだったら負担我慢せよと、負担嫌なら給付を我慢せよと、こういう議論で、国の役割というのは全然ないんですよ。私、これでは本当に国の責任果たしたことにならないと思う。
 そして、おっしゃいますように、年金の保険料を払っていない人が増えている。加入しないんじゃないんです、加入できなくなっている。そういう実態を是非見ていただきたいと思うんですね。
 年金財政が今急速に悪化している原因を明らかにすることなしに私は改革の方向というのは出てこないはずだというふうに思うんです。そこで、どうしてこの年金財政が急速に最近悪化してきているのか、その原因が一体どこにあるのか、これを議論したい。
 パネル持ってまいりました。(図表掲示)最近、年金財政が悪化した最大の原因は、政府のリストラ支援、中小企業つぶしのせい。この結果、年金の支え手が急速に減っているわけですよ。これは一九九九年に政府が立てた見込みと比べて、ごく最近立てた見込みと比べて、二〇〇〇年度、わずか一年後で二百十一万人減っている。それから、二〇〇一年度には二百八十二万人厚生年金の加入者減っているわけです。その結果、保険料収入、賃下げの影響もあります、二〇〇〇年度で一兆一千億円、二〇〇一年度で一兆八千億円減っている。たった二年間で入るべき保険料が三兆円も入っていないわけなんですね。
 これだけじゃありません。見込み違いはもう一つあります。積立金の運用の失敗です。この二年間で運用収入がこれまた二兆八千億円予想より減っているわけなんです。これ書いていませんけれども、パネルには。合わせると六兆円でしょう。私、前回改定からわずか二年で大幅に六兆円も見込みが狂っている。足下がどんどん今崩れているわけですよ、総理。
 そもそも、総理、この景気の悪化とリストラの支援ということで年金収入が急速に悪化していると、これ重大な事態だというふうに思われませんか。ここを直ちに立ち直らせなければ、私は年金の制度の未来はないというふうに思うんですが、総理、いかがですか。総理ですよ、これ総理答えてください。今日は全部総理に聞きたいんです。
○国務大臣(坂口力君) 今見せていただきましたその数字というのは、それはそうなるかもしれません。これは景気が非常に停滞をしたときでありますから、働く人の数が一時的に減った。しかし、これは一時的な現象でありまして、景気の回復されればまた働く人の数は増えてくるわけでありまして、長期的な展望で見れば、その上下は確かにあると思いますけれども、それはなくなっていくものだというふうに思っております。
 そして、先ほど運用のお話もされましたけれども、運用の面も、確かに昨年は株式が低迷いたしましたので下がりましたけれども、今年はかなり上がってまいりまして、四月から六月だけでも二兆円を超えるもう増益になっているわけでありますから、減りました分は取り返しているというふうに思っているところでございます。
 そうしたことで、短期的に見れば出入りはございますけれども、年金というのはもう少し長期的な展望でやはり見ていかないといけないというふうに思っております。
○小池晃君 景気はこれから良くなるでしょう、株価も上がってまいります、全く根拠のないそんな見通しで今起こっている事態を正面から見ない。本当に無責任だと私は思う。こういう事態が起こっているのは私はそんな一時的な現象じゃないと思いますよ。これは非常に深刻な事態なんです。
 これ、なぜこういう厚生年金の加入者が減少しているんだろうか。これ一番減っているのは、これ、パネルをごらんください。(図表掲示)最も減少しているのは二十代の青年であります。二十代の青年労働者が、厚生年金の加入者が激減をしているわけです。これ見ていただくと、九六年度には九百七万人の加入者だったのが二〇〇一年度末には、これは予想は九百万人だったんです、ところがこれ百万人も下回っているわけです、八百八万人。そして、さらに二〇〇一年度、二〇〇〇年度末には七百六十八万人までなっている。九六年には四七・四%だった加入率が四二・九%まで下がってきている。恐らく現在、四割切っているかもしれない。これは、言うまでもなく雇用の流動化政策がもたらしているんです。一時的な現象じゃないんです。政府の政策的に進めている問題がこういう事態を作ってきている。
 この層が加入者が減っていることによって厚生年金の基盤が急速に崩れてきているわけですよ。若年者で、保険料の支え手が若年者で減るというのは、一つは当面の年金財政、保険料の支え手が減ることによって当面の財政が悪化する。それだけじゃありません。不安定雇用が増えれば晩婚化、少子化が進んでくる、そうすればこれは将来の支え手も減らしていくんです。正に現在の支え手を減らし、将来の支え手を減らす、正に二重の悪循環が起こっているわけですよ。
 こういう深刻な事態が進行しているときに、それに手を打たずに年金制度の安定なんて図れるんですか。総理、お答えいただきたい。
○国務大臣(坂口力君) その表が示しておりますのは、現在の二十代前半の皆さん方の雇用の問題に関係しているというふうに思います。
 確かに、その時点におきます雇用というのは、非常に今状況が悪いことは事実でございまして、それに対して我々は今一生懸命手を打っている、先ほど総理からもお答えのあったとおりでございます。そこの雇用の問題を解決をしていくということにこれからも努力をしたいというふうに思いますし、そのことによって、その二十代、特に前半の皆さん方の低い加入率を上げていかなければならないというふうに思っております。
 これは可能だというふうに思っておりまして、来年からもデュアルシステム、そうしたものを新しく導入をして、そしてお若い皆さん方にも一部勉強をしてもらいながら、そしてまた、お勤めをいただけるような課程も作りながら、その部分の雇用の回復に努めていきたいと考えているところでございます。
○小池晃君 青年雇用対策を進めているなんとおっしゃいますけれども、内閣府の国民生活白書でも、フリーターの増加の原因というのは、企業が新卒正社員採用を厳しく抑制しているためとはっきり書いてあるんですよ。
 ところが、今御紹介になった政府のこの若者自立・挑戦プランというんですか、これは若者自身に頑張って挑戦しなさいよというだけの話で、これ企業に対して新卒者の採用、若者の採用枠を増やせ、こういう施策一つもないんですよ。あるんだったら挙げてくださいよ。全くないんですよ。政府が大企業に対して若者の雇用責任を果たすよう働き掛けることこそ今求められているんです。そういう施策を一切打たずに、こんなふうに雪崩を打って雇用環境が悪化している状況に歯止めを掛けることなんて決してできないですよ。
 私は、本気になってやらなければ、今大変なことになっているんだということを申し上げたいんです。こういうことに本気で取り組むことこそ年金制度の立て直しにつながっていくんですよ。
 しかも、年金財政を悪化させたのはこれだけじゃありません。支え手を減らしたということを一つ私は挙げましたが、三つ原因があるというふうに思っています。
 年金財政が急速に悪化した原因、まず、先ほども議論ありました基礎年金に対する国庫負担二分の一への引上げ、これ先送りであります。これ九四年の国会で、これ自民党も賛成して九九年までにやると附帯決議を上げて、実はこの間やるべきことだったんだ。ところが、それを先送りしたんですよ。そして、先ほども議論あったように、来年度やらなければいけない二分の一の引上げをまた先送りしようとしているじゃないですか。これは国民に対する約束ですよ。
 これを、歳出見直しのあらゆる努力を行って、これ来年度やるべきことではないですか。いかがですか、総理、お答えいただきたい。財政の問題ですよ。総理ですよ。
○国務大臣(坂口力君) 二分の一への引上げにつきましては、これは先ほどからほかの皆さんからもいろいろ御質問がございましたように、それに対しまして政府として全力を挙げて取り組んでいるということでございます。
 今日、財務大臣からもお話ございましたとおり、それは今後どういう年金制度にするかということともかかわってくる話でありますから、それを決める中におきましてその基礎年金の国庫負担の問題も決着を付けると、こういうことでございます。
○小池晃君 全くごまかしですよ。これは五年前にもうやるって決めたんですよ。昨日今日決めたことじゃないんです。平成十六年までに財源を準備して二分の一に引き上げる。五年間準備期間があった。それをやらなかったのは政府の責任じゃないですか。そして、今もう十月ですよ。来年までにこれをやれるんですか。先送りまたしようというんですか。こんなことは断じて許されない。
 それから、二番目、積立金の運用の問題です。
 先ほども議論あったように、これ株式の問題で大変な穴を空けているわけですよ。これは六兆円穴空けて、五年後までに積立金をこれ全部自主運用、回そうとしている。私は、これで一体どれほどの損失出るか。
 今日、もう一つの損失の問題を取り上げたいんです。年金資金、掛金を、もうどぶに捨てるように無駄遣いしてきた箱物造りの問題です。これはグリーンピアの問題ですね。
 これは年金掛金を利用してレジャーランドを造ったわけですよ、全国十三か所に。それが大規模年金保養基地と言われている、通称グリーンピアであります。
 先日、ある新聞で鹿児島のグリーンピア指宿についてこれを特集していましたが、見出しには百万坪の廃墟、マムシが出るんだという紹介をされていた。
 これは経営不振で、政府は再来年までにすべて廃止をする、売却をするという方針だと言いますが、これは売却できたんですか。売却の見込みが立っているところはあるんでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) グリーンピアは、大規模年金保養基地につきましては、昭和もう四十年代後半から、年金の被保険者あるいは受給者のための総合的な保養基地、施設ということで構想がございまして、昭和五十五年から六十二、三年にかけまして全国十三か所で開所をいたしております。
 現在の方針で申し上げますと、平成十七年度までに事業を廃止をするという方針でございます。
 指宿につきましては、これは建設費につきましては年金福祉事業団が賄うということでございますが、運営につきましては基本的には地方自治体にお願いをいたしまして、運営については独立採算でやるという方針でやっておりましたけれども、指宿につきましては、最近の状況の悪化といいますか、運営についても赤字が出だしましたので廃止をいたしております。廃止をした後、一度地元のホテルのような方にも公募をいたしましたけれども、公募が今不調でございまして、現在、地元の指宿市を中心に公的にこれを活用していただけないかということで検討をしていただいているところでございます。
○小池晃君 売却の見込みが立っているところはどこですかと聞いているんです。
○政府参考人(吉武民樹君) 現在、今年の秋に二か所、地元の自治体を中心にこれを活用しようということで協議が進んでいるところがございます。
 その一か所は、ホテルにつきましては、いわゆる介護老人施設に活用していこうということでございます。それからもう一か所は、地元の住民の方のための総合的な……
○小池晃君 どこかと聞いているんです。
○政府参考人(吉武民樹君) 公園的な機能としてやっていこうと……
○小池晃君 どこかと聞いているんです。(「場所は」と呼ぶ者あり)
○政府参考人(吉武民樹君) 場所は──失礼いたしました。どうも失礼いたしました。
○委員長(片山虎之助君) 質問をよく聞いて。
○政府参考人(吉武民樹君) 一か所は岩沼基地でございます。これは宮城県でございます。もう一か所は福島県の二本松基地、この二基地でございます。それから、それ以外の基地につきましても、先ほど申しましたように、すべての基地につきまして地元の自治体を中心としてこれを利活用しようということを、検討体制ができております。
○小池晃君 そのほかは見込み全然立ってないんですけれどもね。売却が決まっているグリーンピア岩沼、グリーンピア二本松、ここにつぎ込んだ年金掛金、建設費等、維持管理費、過去どれだけになるんですか。お答えいただきたい。
○政府参考人(吉武民樹君) 先ほども申し上げましたけれども、岩沼基地、二本松基地、いずれも昭和六十三年に開所をいたしておりまして、その前から建設をいたしております。岩沼基地は建設費が七十七億でございますが、減価償却がございますので簿価は四十九億でございます。維持管理費につきましては、修繕それから固定資産税の負担を中心に出しておりますが、これが累計で九億でございます。二本松基地につきましては建設費が八十億、簿価が四十八億、それから維持管理費が累計で九億でございます。
○小池晃君 それぞれ幾らで売却する予定なんですか。
○政府参考人(吉武民樹君) これはただいまその地元の自治体と売却についての協議を行っているところでございます。その売却の最終的な考え方を申し上げますと、基本的には時価評価による売却でございますが、自治体が活用される場合には二分の一に減額して譲渡をするという形でございます。まだその売却の契約が終わっておりませんので、最終的な譲渡額は確定をいたしておりません。
○小池晃君 これはそれぞれの市議会ではもう発表されているんですよ。こういう数字を発表しないところに本当に年金不信をあおっていると私は思いますよ。国民の掛金じゃないですか。それを自分たちのもののように使っている。本当に許し難い。
 岩沼市ではこれは三億六百八十五万円ですよ。それから、二本松市は市議会で三億三千百九十万円。九十億円掛けて造った施設ですよ。それを三億円で売るんですよ。維持管理費九億円掛かっているんですよ。維持管理費の三分の一だと。私は、こういうやり方をしておきながらだれも責任を取っていない。年金掛金を次から次へと株式に投資をし、あるいはこういう箱物造りに投資をし、そして赤字で行き詰まったら二束三文で売り払う、こんなやり方をしていて、国民に対して年金を削減する痛みを押し付ける。総理、こんなことができるんですか。私は、こういうことについてきっちり責任取るべきだと思っている。
 ところで、これは昭和六十三年に造った施設なんですよ。昭和六十三年に総理は何をされていましたか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 六十三年は自民党の国会対策筆頭副委員長だったかな。そして、平成元年に厚生大臣だと思います。
 それで、今の話でもっともな点あるんですよ。私が厚生大臣のとき、何でこの年金福祉事業団の仕事が必要なのか、廃止しろと言ったら、もう慌てて、とんでもないって飛び上がるほどみんなびっくりしましたよ。こういうことをやる必要ないんですよ。ところが、これ難しいところは、全部賛成するんですね、地元の人も。造ってくれと言う。当時、造ったころは与野党反対する人いなかったですよ。しかし、できちゃって、なると、この赤字等で本当にこれはやる仕事かと。年金保険が、資金が、積立金がたくさんあるから、こういうものを造っていっちゃう。
 私は疑問に思ったから、二回目の厚生大臣やったときに廃止しなさいと言って、こういうことをするなと。これ続けていくと、ますます維持管理費が上がっちゃうんです。安くても売れるんなら早く売っちゃった方がいいんです。これを廃止して、無駄なグリーンピアなんてもう国がやる必要ない、事務次官の天下り機関にすぎないじゃないかと言ったのは私なんですよ。
○小池晃君 昭和六十三年に総理は厚生大臣やっているんですよ、これ造ったときに。今度二束三文で売り渡すところを。その後の厚生大臣になって、そのときに、ああ間違ったことをやったのかなと思ったのかもしれないけれども、あなたが厚生大臣のときにこういうことをやっていたということははっきりしているんです。
 そして、野党は賛成したなんておっしゃいますけれども、私どもは積立金持つこと自体に、これはおかしいんだということをずっと言ってきていますから、そういうゆがめた言い方はしないでいただきたい。私どもは積立金にきっぱり反対していました。
 改革したとおっしゃるけれども、じゃ何が変わったんですか。年金福祉事業団、確かになくなりました。年金資金運用基金と名前は変わりましたよ。でも、年金資金運用基金の理事長はだれですか。厚生労働省の事務次官が天下りしているじゃないですか、いまだに。そして、株式運用をして大変な赤字を出している。何も変わっていないじゃないですか。総理の言う改革というのは看板替えれば改革なんですか。この年金の問題ではっきりしていますよ。やっていることは全く同じです。名前が変わっただけじゃないですか。
 私は、総理、はっきり答えていただきたい。これが今の年金制度をめちゃくちゃにしてきた三つの原因なんですよ。総理はこれからこれをどうやって、これを変えるつもりあるのか、きっぱり改めるつもりはあるのか。基礎年金に対する国庫負担、国民に対する約束です。来年、きっぱり引き上げる、これは断固としてやるべきじゃないですか。そして、積立金でこれだけの損失を作ってきた。これきっぱり反省して、積立金なんというのは取り崩していく、そういう方向へ行くべきですよ。
 そして、支え手、何といってもリストラ支援の今の政策を根本から改めて、やはり雇用を守っていく、大企業に対してきっぱり責任守らせる。こういう仕事をやらないで国民にだけ痛みを押し付けるなんという議論が通用すると思うんですか。はっきりお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今挙げたその三つの部分だけが年金財政悪化の理由じゃありませんが、雇用の問題、そして経済成長の問題、加入者の問題、それから給付と負担の問題があるので、引き上げろ引き上げろと今一番、税金を引き上げろ引き上げろと言うと共産党は絶対引き上げること、いざ具体的になってくると反対でしょう。どういう税金、じゃどこを税金引き上げるのかという議論はこれからなんですよ。
 それほど、給付と負担というと負担の方は反対するけれども、年金にしても医療にしても介護にしても、給付だけでもたないんですよ。どこかでだれかが負担しなきゃもたない。(「無駄遣いやめろ」と呼ぶ者あり)それは、無駄遣いをやめようとしているのは小泉内閣、一番今それを進めているんです。
 だから、そういう中で給付は一杯の方がいい、保険料は少なくていい、じゃ公費を上げろ。じゃ税金なんですから、じゃ、これ税金をどんどんどんどん下げろ下げろといって、どうやってこの年金制度もつのか。そういう点を総合的に考えなきゃならないのがこの社会保障の難しさなんです。
 今、日本は予算の中で社会保障に一番金使っているんですよ。公共事業は八兆九千億円だけれども、福祉だけで十九兆円使っていますから、今年度も。こういう点において、福祉の方はどんどんどんどん金を入れなきゃならない。そこで、お互い給付だけのことは考えないでくれと。高齢者は給付が多ければ多くと言うに決まっている。ただ、若い人、保険料、二〇%以上負担できるのかと、まあ企業と折半だけども。こういう負担と給付を両方考えなきゃいかぬ。
 で、保険料払っていれば損だということは絶対ないと。だって、どんなに上がったって保険料負担する人は一〇%以上上げないと、企業と負担、企業もありますから。給付の方は五〇%がいいか四〇%がいいかと考えているんだから、保険料より給付の方が多いのに決まっているんです。だから、保険料を払って損するということは絶対ないんです、この公的年金について。
 そういう点も考えながら、長生きできる時代になったんですから、これもお互い若い人と高齢者が支え合うような制度に総合的に考えて、二分の一へ税金を引き上げるんだったらどういう税金を引き上げるのか、そんなに税金引き上げるのが嫌だったらばどれだけの給付でいいのかという、保険料、どの程度にするかと、それはやっぱり総合的に考えなきゃこの問題というのはなかなか解決しない問題なんです。
○小池晃君 総理は保険料で取るのか税金で取るのかと、右のポケットから取るのか左のポケットから取るのか、取ることしか考えていないんですよ。私が言っているのは税金の使い方変えなさいと言っているんです。保険料で取るのか税金で取るのかじゃないんだ。税金の使い方を変えろと。
 そもそも、国民が国と地方に納めている税金のうち、社会保障として返ってくるいわゆる見返り率、ありますよね。これ見ると、アメリカは四七%です。イギリス四三%です。ドイツ四四%です。税金の四割が社会保障として戻ってくるんです。ところが、日本は二九%ですよ。サミット諸国で最低なんです。だから、これを公共事業なんかに無駄遣い続いているわけですよ。これが原因なんです。これをやれば、やめれば、欧米並みにすれば、私は年金財源、十分生み出すことできるんだと。
 私、今のお話聞いて、もう質問しませんが、もう今のお話聞いて、小泉内閣にはもう年金財政立て直すことはできないということ、はっきりしたと思います。この三つを改めることこそ年金財政立て直す道なんです。国庫負担引き上げる、徹底的な歳出の見直しであります。それから、巨額の積立金の浪費を、ヨーロッパなんかじゃ二、三か月分しかないんです。ここをしっかりと活用していくと。そして、本気になってやはり大企業に雇用責任を果たしていく、雇用を守っていく、そして……
○委員長(片山虎之助君) 時間だよ。
○小池晃君 深刻な年金制度の空洞化、これをやはり解決するために、やはり全額国と大企業の負担による……
○委員長(片山虎之助君) はい、時間超えました。
○小池晃君 最低保障年金制度、これを作っていくことを、私ども全力を挙げて進めてまいりたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 時間厳守でお願いします、今後は。ちゃんと付けておきますよ。
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。戦争と国民生活の安定の二点についてお聞きをいたします。
 今、イラクは戦争状態です。治安は戦前よりも悪くなっています。六百人いた国連の職員がほとんどもう国外へ出ようとしています。
 イラク特措法に社民党は反対でしたけれども、この法律を前提としても、非戦闘地域という、そういう前提そのものが失われているというふうに考えます。行かされる自衛隊員は本当に気の毒です。自衛隊のイラク派遣は行われるべきではないのではないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 状況が許せば、日本としては自衛隊でできることがあれば自衛隊を派遣いたします。
○福島瑞穂君 私は、イラク特措法をきちっと解釈し、今の時点で戦争状態であるというふうにだれでも言っているわけですから、イラクへの自衛隊派遣はすべきでないと考えます。
 米英の占領軍に協力してきたイラク統治評議会のチャラビ議長でさえ、イラクへのこれ以上の外国軍隊の派遣を拒否すると述べています。つまり、向こう側がもういいと、軍隊、そういうものが行けばテンションが高くなって余計テロも起きるわけですから、要らないというふうに言っています。
 自衛隊の派遣は要請されていないのに、なぜ出そうとするのでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは国際社会がイラクの安定、国づくりのために復興支援をしようということで今取り組んでいるんです。日本としてこのイラクの安定というのは人ごとではありません。国際協調の重要性、そしてイラクの安定、復興というのは、日本だけでなくイラク人のためにもなるし、さらにはここが不安定になると世界も不安定になります。
 そういう点から、日本は武力行使にも参加しません、戦闘行為にも参加しません、治安活動にも参加しませんが、イラク人の人道支援、復興支援のためには国力にふさわしい役割、貢献をしなきゃならないと思っておりますので、今、国連におきましてはより一層国際社会が協力しなきゃいかぬと。開戦前の意見の違いはともかく、このイラクの安定のためには、世界の安定にとっても必要だということで、今協議が進んでおります。
 ここで、他の国際社会がイラク人のためのイラク人の政府を作ろうとして努力しているときに日本だけやるなということは、日本の国益を考えても、やっぱり国際社会の責任ある一員としても、これは私は不適切ではないかなと思っております。
○福島瑞穂君 イラクにおける世論調査を取ると、アメリカ、イギリスに対して嫌いと言う人が、反感を持っている人たちの比率が大変残念ながら高くなっています。それには理由がはっきりあると思っています。日本が国際社会で貢献できることがあるとすれば、それは本当に国連を中心とした、あるいはイラクの人たちによるイラクのための政治のために貢献をすべきであると。
 もう一つ、自衛隊が戦闘行為にかかわらないというふうにおっしゃいました。イラク特措法は確かにそのようになっています。しかし、現状はそうではありません。安保理の決議いかんにかかわらず、イラク特措法をきちっと厳格に解釈すべきであるというふうに考えます。戦争状態に関与させる、もし犠牲者が出た場合、総理大臣としてはどう責任を取られるおつもりでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、自衛隊が行く場合には安全に十分配慮して、そして自衛隊の能力にふさわしい活動ができるような準備をして派遣したいと思っております。その状況が許せば、自衛隊員の皆さんにも民間人の皆さんにも行っていただくことがいいと思っております。
○福島瑞穂君 憲法違反あるいはテロ特措法違反で出ることになれば、それは憲法違反、法律違反をして命の危険をさらすということになると思います。そういうことに責任は取れないと。イラク国民、チャラビ議長、それから日本の多くの国民、それから国会の声を是非本当に聞いてほしい。
 国際紛争を解決する手段としては武力行使をすることを憲法は禁止をしています。小泉総理が憲法違反、国際紛争を解決する手段として武力行使をするということになればそれは憲法に違反する総理大臣となり、それは即刻退陣すべきであるというふうに考えます。
 いわゆるイラク復興支援、戦費負担について日本は行うのでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、イラク支援法は憲法違反じゃないんです。それは社民党福島さんの意見だったら、自衛隊も憲法違反だとは思っていないと思いますが、自衛隊はイラクに……(「思っているんだよ」と呼ぶ者あり)思っているんですか。自衛隊も憲法違反と思っていたんじゃこれちょっと話が合わないけれども、ともかく自衛隊は武力行使に行くんじゃないんです。戦闘行為にも参加するために行くんじゃないんです。治安活動にも行くんじゃないんです。復興支援活動に行くんです。人道支援活動に行くんです。そういう自衛隊もイラク復興支援のために派遣できるというのがイラク支援法案だったんです。
 だから状況を見極めて、自衛隊の能力を生かすことがあれば自衛隊を派遣しますよというのであって、資金も今お尋ねでございますが、これは日本も資金的な援助、今、これから支援国会議が開かれます。そして各国どのぐらいの資金を負担しようかと。イラクの政府ができるまでにはどのような資金額が必要かという協議も内々始まっております。その中で、日本は復興支援額を、日本の国力にふさわしい資金の負担はしようと思っております。しかし、これは戦費じゃありません。復興支援のための資金であります。
○福島瑞穂君 EUは、アフガン五年間で十億ユーロを負担しました。EUは、一年間二億ユーロを今回についてはEU全体として負担し、二百六十億円ということを、拠出を言っております。
 私が大変懸念を思うのは、日本がアフガン、湾岸戦争のときは国連負担金二割に応じて多額の負担をいたしました。日本が今この不況下、多額の費用負担をするのではないか、それは不適切であるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、国連が力を合わせてイラクの復興、安定のために支援しようとしているときに、日本は人的派遣もしない、資金も出さない、それで本当に国際社会の責任を果たすことができるんでしょうか。
 イラクからはるか離れた日本も、イラク、中東安定というのは日本の安定にとっても重大な影響を及ぼします。イラクの安定というのは日本の安定にとっても必要であります。これは世界の安定にとっても中東の安定にとっても、イラク自身の安定にとっても必要なんです。それを、今イラク人自身が統治する能力がない、だからこそ国際社会が力を合わせてイラクが自力で立ち上がることができるように支援をしていこうということでしょう。そのとき日本は、資金の提供もしません、人の派遣も嫌です、これは国際社会から孤立する道ですね。私は、日本の国益を考えてそういう選択はあり得ないと思います。
○福島瑞穂君 中東地域において日本は手を汚してこなかった国であるというふうに言われています。中東、アラブの人たちの日本への親日感情も大変あります。だからこそ私は自衛隊を派遣すべきではないと。それは、日本には憲法があり、戦力行為に加担しないというふうになっているわけですから、出すべきではないと考えます。
 先日、ところで、日比谷公園に行きました。青いビニールのテントがたくさんありまして、私は、以前見なかったにもかかわらず、あっ、日比谷公園にもホームレスの人たちがたくさん出てきたのだという、改めて大変ショックを受けました。
 厚生労働省が三月にまとめたホームレス全国調査によると、四一%が直近まで正社員や役員として勤めていたことが明らかになっています。所得格差も拡大をしています。ホームレスの増加、所得格差の拡大をどう考えられますか。
○国務大臣(坂口力君) ホームレスの問題につきましては、各地域で様々な御提案をいただいて、法律もできたところでございます。できる限り皆さんの雇用の問題も考えていきたいというので、今努力をしているところでございます。
 また、お住まいになる場所も、できるだけひとつ入っていただこうというので、住まい場所もちゃんと造りまして、そして皆さんにお勧めをしているところでございます。
○福島瑞穂君 やはりこのホームレスの増加、やっぱり直前まで正社員だったという人が半分近くいると。また、所得格差がこの間拡大をしています。私は、これは弱肉強食、一部の勝ち組とその他という経済政策の問題であると、経済政策の失敗、雇用政策の失敗であると、これは政治の失敗であるというふうに考えます。
 何に税金を使うかという問題ですが、先ほどイラクへの資金の提供についてお聞きをいたしました。人の命を生かす方で税金を使うべきであると、年金、医療もそうですし。
 DV防止法の予算についてもちょっとお聞きをします。
 この金額は大変少なくて、十六年度予算概算要求でも十五億円、一時保護委託でも、これは厚生労働省分ですが、二億七千百万円です。NGOへの予算などについてきちっと増額をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) ドメスティック・バイオレンスの問題、これは近年非常に重視されておりますので、被害に対してどういうように保護をしていくかということ、これについてお金も大分使うようになり始めました。
 十四年度からこの制度始めましたけれども、保護実績に優れているというような一定の要件を満たしたような民間団体に対して自治体が支援をする。その自治体に対して、実績を見て国費を地方財政のという観点から支援をすると、こういうような仕組みになっておりまして、これは必要に応じて今後力を入れてまいりたいと思っております。
○委員長(片山虎之助君) はい、時間です。
○福島瑞穂君 じゃ、是非、人の命を大事にするところへの税金の使い道についてしてくださるように要望して、私の質問を終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。
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○委員長(片山虎之助君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。
 本日は、中国残留孤児、残留婦人の問題に絞って総理の御見解を問いたいというように思います。
 昨日来の議論を聞いていますと、確かに大きな変わり目に来ているし、変わらなきゃいけないということは国民も分かっていると思うんです。しかし、政治に必要なことは、やはり弱者に対するぬくもりといいましょうか、優しさ、思いやりだと思うんですね。
 去年、北朝鮮問題で小泉さんがピョンヤンに行かれて、それ以降、国民はやはり小泉さんというのはドライな方と思ったけれども、この前も総裁選挙で情がないという発言をされた方もおられたわけですけれども、やはり心のぬくもりのある人だという思いでほっとしたんだろうと思うんですね。
 ところが、中国残留孤児、残留婦人に対する我が国の対応、誠に冷たいものがありました。「冷たい祖国」という、こういう本が八月に出ました。総理、これごらんになりましたですか。ごらんになっていないと思うんですけれども、この中で、せっかく日本に帰ってきた、今、日本に帰っている中国残留孤児二千四百人、それから残留婦人が三千七百人、合わせて六千百人。しかし、家族を含めると二万人近いものが帰ってきています。しかし、どんどん高齢化が進んで、言葉もしゃべれない、職業にも就けない、七割が生活保護ですよ。それで、国民年金は二万二千円から六万七千円、こういう状態で本当に母国である日本は冷たい国だというふうに思っているんですよ。
 しかし、彼らが発生したのは彼らの責任じゃないんです。広田内閣のときに、五千万の満蒙の人口の一割、日本人が行っていこうと、五百万。二十年間で五百万にしようと。ところが、終戦で挫折して、当時百五十五万いました、日本人が。そのうち百五万は帰れたけれども、二十一万、そのとき死んでいるんですね。それで、特に満蒙開拓団は二十七万行って、三割が死んでいますよ。国策で行っているわけでしょう。
 ところが、第一回はそこで棄民されて捨てられたと。二回目は、岸内閣のときに、とにかくこれは一度整理しなきゃいかぬと、独立国になったんだからということで、戦時死亡宣告、これで一万数千人いたんだけれども、そのときに二回目の遺棄をされたと。それから日中国交回復があったけれども、その後、結局二十年ぐらいほうっておかれて、それで五十四年から身元捜しでやっと今の現状になっているんですよ。
 この問題についての国家の責任ですね。それと、やはり彼らの話を聞いてみると、北朝鮮の方々は非常に手取り足取りやってもらえる、我々はどうしてこういうふうにほったらかされるんだということに対してどういう説明をしたらいいのか、日本人として。これについてのお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も厚生大臣時代にこの中国の残留孤児の方とお会いしたことがございますが、本当にお気の毒な境遇だと思い、身につまされました。大体私と同じ年代なんですよ。あのような境遇で家族、両親離されて、どんな気持ちだったかなと。また、自分の子でもない方、中国の方々が引き取って育ててくれた、中国人の広い心にも感謝をすると同時に、長年中国で生活し、そして日本に帰りたいと思ったところが、思うように日本での生活がいかない。本当にお気の毒だと思っております。
 これに対して、やはりしっかりとした支援策を講じなきゃいかぬということで、それぞれ厚生省を通じまして対策を進めてきたわけでありますが、最近になって、やはり言語の問題、また、帰ってきた御家族との関係も思ったようにうまくいっていないとか、様々な事情があります、これを聞きますと。
 本当にお気の毒な立場なんですが、できるだけ、祖国なんですから、温かく迎えるような対策を講じなきゃいかぬと思っております。
○松岡滿壽男君 総理は厚生大臣時代に、日本に帰ってきてよかったと言ってもらえるようにしたいという答弁を国会でもしておられます。しかし、残念ながら現実は、孤児たち千二百人が国家に対して損害賠償請求をしている。二千四百人の半分がそれやっているんですよね。
 彼らは、しかし、そんなもの求めているんじゃないんですよ。十七万ほど今度は北朝鮮の方々に手当が出ております。せめて十五万ぐらい、生活保護じゃなくて。これをやりますと、軍人恩給一兆数千億、一時ありましたけれども、今、毎年六百億円減っていますよ、財源が。その中で、全部手当出しても八十億ぐらいの金なんですよ。やはり日本の国民というのは優しい国民やと、思いやりのある国民やというためには、これを是非やっていただきたいと思うんですけれども。
 私はこの前、国会で質疑いたしましたら、局長がこういう答弁をしました。北朝鮮問題は平時にできた問題ですと。ところが、残留孤児の問題は戦時の問題ですと。ところが、北朝鮮はまだ戦争中だということを言っているじゃないですか。
 すると、総理は、それでは局長が言っている平時なのか、今、北朝鮮との関係は戦時なのか、その辺についてはどのような御認識をお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いまだ国交正常化しておりませんので、国交正常化に向けて努力しているわけでありまして、決して正常な状況だとは思っておりません。
○松岡滿壽男君 私は、そういう点では平等な立場だと思うんですね、国家政策の犠牲になり。
 しかし、彼らの切実な願いをこの「冷たい祖国」の中で、小泉首相に請願の連中が頼みに行ったんですよ。そうしたら、「有名になっていた大物秘書官は次のように答えて「何も分かっていない」と菅原さんを憤激させた。「中国帰国孤児には二万二〇〇〇円を支給する。それで足りなければ生活保護で暮すことに決まっているはずだ。いまごろ、老後保障など持ち出されてもダメだ。小泉の秘書がそう言ったと言っておいてくれ。」」、こういう答弁をしておられます。
 これ、事実関係がこの本の中に書いてあるんですけれども、総理はどのようにこれを受け止めておられますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はそんなことを言ったことはありませんし、私が言わないことはもう報道ではあちこち報道されています。よくもまあこううそが書けるなと、切りがないほど。それで、秘書官に聞いてみました。そんなこと全然言っていないということでありまして、もうこのごろいろんな記事見せられると、よくもこううそを書けるなとあきれていますよ、私。やっぱり、もっと気を付けていただかないと報道機関も困るなと思っております。
○松岡滿壽男君 小泉首相は温かい心を持っていたということになりますように、ひとつ中国残留孤児、残留婦人の問題に対しまして適切な施策を推進していただきたい。心からお願い申し上げまして、終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十九分散会