第159回国会 本会議 第25号
平成十六年五月二十八日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二十五号
  平成十六年五月二十八日
   午前十時開議
 第一 障害者基本法の一部を改正する法律案(
  衆議院提出)
 第二 コンテンツの創造、保護及び活用の促進
  に関する法律案(衆議院提出)
 第三 特許審査の迅速化等のための特許法等の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
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○本日の会議に付した案件
 一、金融機能の強化のための特別措置に関する
  法律案及び預金保険法の一部を改正する法律
  案(趣旨説明)
 一、農業協同組合法及び農業信用保証保険法の
  一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
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○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。竹中国務大臣。
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹中平蔵君) ただいま議題となりました金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 現下の経済情勢の下、地域経済の活性化等が課題となる中で、我が国の金融機関等においては、企業再生や不良債権問題への対応など、リスク対応のための体力を高めることが重要となっております。
 こうした状況に対応して、金融機能の強化を図るため、金融機関等の資本の増強等に関する特別措置を講ずることにより、金融機関等の業務の健全かつ効率的な運営及び地域における経済の活性化を期し、もって信用秩序の維持と国民経済の健全な発展に資することを目的として、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、金融機関等は、合併等の組織再編成を行う場合を含め、平成二十年三月末までの間、預金保険機構に対し自己資本の充実を図るために株式等の引受け等に係る申込みをすることができることとしております。また、金融機関等を子会社とする銀行持ち株会社等も、当該子会社である金融機関等の自己資本の充実を図るために株式の引受けに係る申込みをすることができることとしております。
 第二に、金融機関等は、株式等の引受け等に係る申込みに際して、収益性等の経営の改善の目標、当該目標を達成するための方策、責任ある経営体制の確立に関する事項、信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策等を記載した経営強化計画を主務大臣に提出しなければならないこととしております。その際、合併等特定の組織再編成を行わない金融機関等の場合には、経営の改善の目標が達成されない場合における経営責任の明確化に関する事項も記載することとしております。
 第三に、主務大臣は、経営強化計画の実施により収益性等の経営の改善の目標が達成されると見込まれること、経営強化計画に記載された方策の実施により地域における金融の円滑化が見込まれることその他当該方策が地域経済の活性化のために適切なものであること等の要件に加え、合併等特定の組織再編成を行わない金融機関等の場合には、当該金融機関等の経営基盤の安定のために必要な措置が講じられていること等の要件を満たす場合に限り、株式等の引受け等を行うべき旨の決定をするものとしております。
 第四に、株式等の引受け等の決定に従い金融機関等が発行する議決権制限株式の発行の特例等商法等の規定の特例、経営強化計画の公表及び変更、経営強化計画の履行を確保するための監督上の措置、経営強化計画の実施期間が終了した後の措置、株式等の引受け等が行われた金融機関等が行う株式交換及び合併等について所要の規定を整備するとともに、預金保険機構の業務の特例及び金融機能強化審査会等について所要の規定を設けることとしております。
 第五に、協同組織中央金融機関がその会員の協同組織金融機関から引き受けた優先出資等を信託する場合において、平成二十年三月末までに協同組織中央金融機関から信託受益権等の買取りの申込みを受けたときには、所要の要件を満たす場合に限り、主務大臣の決定を経て預金保険機構の委託を受けた協定銀行が信託受益権等の買取りを行うことができることとすること等所要の措置を講ずることとしております。
 次に、預金保険法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 金融危機に対応するための公的資金制度である預金保険法第百二条第一号措置においては、金融機関への直接の資本増強のみが可能とされております。
 こうした中で、金融危機への円滑な対応を確保するため、預金保険法第百二条第一号措置の必要性の認定を受けた金融機関を子会社とする銀行持ち株会社等に対する資本増強を可能とする等所要の措置を講ずることを目的として、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、預金保険法第百二条第一号措置について、当該措置の必要性の認定を受けた金融機関を子会社とする銀行持ち株会社等に対する資本増強を可能とし、その際、銀行持ち株会社等は自らが受けた資本増強と同額以上の資本増強を子会社である当該金融機関に対して行わなければならないこととすること等所要の措置を講ずることとしております。
 第二に、預金保険法第百二条第一号措置において金融機関等が発行する株式の総数の増加並びに当該金融機関等が発行する議決権制限株式及び優先出資について、商法等の規定の特例を設けることとしております。
 第三に、経営健全化計画の適切な履行を確保する観点から、預金保険法第百二条第一号措置により株式等の引受け等が行われた金融機関等が株式交換及び合併等を行う場合について認可を受けなければならないこととすること等所要の措置を講ずるとともに、優先株式等の引受け等に係る資金援助についても同様の趣旨の規定の整備を行うこととしております。
 以上、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
○平野達男君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました金融関連二法案に関しまして、総理始め関係大臣に質問いたします。
 今国会、年金国会とも言われております。
 冒頭、今や国民的関心事となった総理御自身の年金加入に関して確認させていただきます。
 昨日のイラク特において、総理は、七〇年四月から約四年半、国会議員の在職期間も含め、総理の言葉をかりれば、太っ腹の社長の下、勤務実態のない幽霊社員として厚生年金に加入されていたことを認めたと思ったのですが、官邸では、再び、勤務実態があったと言っています。この問題に関しての総理答弁の変貌自在ぶりと腰の定まらなさには、ただただ頭が下がる思いです。御健在である元太っ腹社長の墓参りをしたいとの発言については、コメントのしようもございません。
 当選することが仕事と言われたそうですが、どういう仕事をもって勤務実態があったというのか、どういう仕事の対価として給料をもらっていたのか、国民に分かりやすく説明していただきたい。
 今でも、国会議員の身分を持ちながら厚生年金に加入している国会議員がいるとの情報がありますが、その実態は別として、一般論として、国会議員が厚生年金に加入し、国民年金に加入しないことについてはどう思われますか。
 ちなみに、総理は、七四年十二月以降は厚生年金に加入したことは本当にありませんか。
 さらに、多くの閣僚経験者が閣僚在職中に国民年金は納めていなかった中で、閣僚経験の多い総理はきちんと国民年金を納めていたとのことですが、特別、手続に何か気を付けておられたのかどうか、後進の我々のために是非教えていただきたい。
 さて、明治初期の大ベストセラーとして、幕臣であった中村敬宇、中村正直の「西国立志編」があります。英国の著述家サミュエル・スマイルズの「自助論」を翻訳したものであります。福沢諭吉の「西洋事情」や「学問のすすめ」と並び、この時期の代表作とも言われております。
 独立心を持て、依頼心を捨てろ、自主的であれ、勤勉、倹約であれと「西国立志編」で説かれる徳目は、清教徒以来のプロテスタンティズムの精神そのものであるとも言われております。キリスト教そのものは別として、この精神は明治の人々の気質によほど合ったらしく、本は数十万部が売れたと言われております。歴史、風土、宗教などが根本的に異なる西洋で書かれたものが原本とはいえ、この本が説くところを受け入れる倫理的風土あるいは精神的気質が日本社会には既にあったということでもあります。私は、こうした風土、気質が日本人の遺伝子の中にしっかりと組み込まれ、現代に生きる我々の中にも脈々と受け継がれていると信じている一人であります。
 さて、政府内には、最近の株価動向や日銀短観などの経済指標から、日本経済は回復の方向に向かいつつあるとの判断があるようです。これを受け、構造改革の成果が出てきたと吹聴しているのが小泉総理であります。正に自画自賛を絵にかいたような姿であります。
 確かに、景気は大きな底割れなく推移し、一部に明るさが見え始めてきたことは事実であります。しかし、景気低迷の根本原因であるデフレ脱却の道筋も見えず、特に地方の景気の先行きは不透明という実態には何ら変わりはありません。政府の楽観的景気見通しと現実との間にはまだまだ大きな差があることを直視しなければなりません。
 だとしても、小泉改革の成果とは一体どういう意味なのでありましょうか。
 そもそも、小泉改革とは、将来の国家像といった大きな構図を示さないままの各論に終始する、およそ改革の名に値しないものであります。その各論でさえ、結果らしきものは出ていません。あえて言えば、大量の企業倒産、リストラ、失業率の増大、そして中小企業を経営する方々などの追い詰められた末の自殺という大きな犠牲と引換えに不良債権処理を進めたことぐらいであります。
 言行一致、内外隔てなかるべきとは「西国立志編」が説いているところです。しかし、これとは全く逆のことをやってきたのがこれまでの政府なのであります。
 国債三十兆円枠堅持を掲げながら、その維持が困難と見るや、大したことはないと発言した憲政史上に残る開き直り公約違反。政策破綻であるペイオフ完全実施の延期を、旧大本営発表よろしく政策強化と言ってのけた大本営発表公約違反。単なる国民の負担増を改革と言った、数字合わせ、負担転嫁医療制度改革。骨太方針などどこ吹く風、当初の総理の勢いとは裏腹に、なし崩し的に抵抗勢力との間で妥協に妥協を重ねた骨抜き道路公団改革。準備室を作り準備体操だけはするが、それだけに終わりそうな、常に準備中郵政民営化改革。財源とセットで地方ができることは地方へと、もっともなスローガンを掲げながら、補助金と交付税の大幅削減、薄くしかも都市部優先の税源移譲と国の歳出削減中心、地方切捨てが実態であり、その神聖なる名をも冒涜した三位一体ならぬ三悪一体改革。
 現行制度にはほとんど手を付けず、出てきたのは単なる現役世代の負担増。制度の一元化はいいことだと言いながら、結局遠く先送り。抜本的改革案を提示したはずが、現行制度の抜本的な問題が明らかになっただけ。挙げ句の果て、民主党議員の潔さとは対照的に、多くの与党未納議員がそのけじめも付けず、改革法案の提出者になるという、けじめなき課題先送り暫定年金改革。どれを取っても改革の成果などは出てきようがないはずであります。
 それでも、日本経済が大きな困難に直面しつつも、デフレスパイラルといった深刻な経済危機に陥ることなく何とか持ちこたえて推移し、最近になって確実に業績を伸ばす企業も出てきたのはなぜか。
 それは、バブル後の経済危機が迫る中、日本人の底に流れる自助自律の精神がしっかりと働き、自力再生との固い覚悟の下、国民の懸命の努力と犠牲によって経済状況の悪化を何とか防いできたというのが本当の姿ではないでしょうか。
 もし総理が貢献したとすれば、政府の経済政策や総理の言うことはもう当てにできないということを明らかにすることで、頼るのは自分のみと国民の覚悟を固めさせ、自助の精神の発揚をより刺激したということかもしれません。だとすれば、これは改革の成果ではなく、失政の成果と言うべきであります。
 自分が何もしなくてもいい結果が出ると、自分がやった成果だとほらを吹くのが政治家には多いと言われております。総理はその典型とまでは言いませんが、経済が上向いていると信じておられるとしても、それを改革の成果などと言うのは幾ら総理でも不遜と言うほかありません。
 小泉改革の成果が出ているとあくまで主張されるのであれば、これまでのどんな政策がどういう道筋で景気に作用し、どんな成果が出ているのか、分かりやすく説明していただきたい。
 しかし、そんな無理な説明をするのではなく、今総理がすべきは、経済不況という艱難辛苦に耐えながら、その中で懸命に努力し日本経済を支えてきた国民に敬意と感謝を表することであります。総理の肉声での見解を伺います。
 経済金融情勢一般に関してお聞きします。
 大企業対中小企業、都市対地方というように、経済の二極化が際立っているとの指摘があります。総理の現状認識と、これからの対応の基本的考え方をお聞きします。
 さらに、我が国経済が回復局面に向かう際、幾つかの大きなリスクがあると言われております。国債の長期金利の上昇、原油の値上がりに見るようなデフレ下での物資の価格上昇についての今後のリスク評価と対応の基本的考え方を、それぞれ、財務、経済財政担当大臣にお聞きします。
 国債の長期金利については、財務大臣はいつも、一概に言えない、市場の動向を注視したいという答弁に終始していますが、景気回復局面に入り資金需要が増えれば金利は上昇すると考えるのは当然であります。中長期的な観点に立っての考え方をきちんと示していただきたい。
 以下、法案に関して基本的なことだけを伺います。
 平成八年から実施された預金等全額保護制度下の金融機関の破綻処理が平成十四年三月で終わり、本来であれば市場には健全金融機関だけが残っているはずでありました。
 しかし、その後、りそなが事実上の破綻状態とも言える過少資本に陥り、資本注入を受けました。さらに、足利銀行については、金融庁検査に端を発した債務超過に陥り、一時国有化がされました。
 いずれも金融危機対応会議の開催による対応であり、金融危機はないとしてきた政府の信頼性がここでも大きく揺らぐ結果となりました。
 こうしたやさきに出てきたのが本法案であります。金融危機対応でなくとも資本注入を可能とする予防的資本注入は、これまでの公的資本注入からは大きく逸脱するものであります。健全な金融機関が資本増強する場合、市場調達が基本であることは論をまちません。にもかかわらず、あえて国が資本参加をする仕組みを導入する理由は何なのか。今は金融危機ではないとする政府の見解とも矛盾するのではないか。金融担当大臣の見解を伺います。
 法案では、資本注入は金融機関の申請に基づくとしています。しかし、経営健全化計画の公表、計画の履行状況の公表、数値目標未達成時の経営責任などのリスクを取ってまで資本注入を国に申請する金融機関とは一体どういう金融機関なのでしょうか。
 想定されるケースは大きく二つです。一つは、経営は健全であるが、金融機関として更なる発展、信用供与の増大などによる地域貢献を願って申請する企業精神旺盛な金融機関。もう一つは、資本注入をしなければ、当該金融機関が今後の引き当ての増加や不良債権処理などによって深刻な経営状況に陥ると見込まれ、これを回避するために資本注入をする、言わば経営に不健全さの兆候が見え隠れする金融機関。
 しかしながら、前者のような企業精神旺盛な金融機関であれば、そもそも国の資本参加やそれに伴う金融庁の余計なお世話など、当てにするはずがありません。とすると、後者のケースが多くなると考えざるを得なくなります。その場合、資本注入は、政府が言うような金融機能の強化による地域経済の下支えではなく、単なる個別金融機関の救済という色彩が強くなってきます。
 こうした金融機関に資本注入したところで、信用供与の増大にどれだけ結び付くのかも全く不透明です。また、個別金融機関の救済に公的資本を投入しないというこれまでの政府の見解とも矛盾します。
 以上について金融担当大臣の見解を伺います。
 また、法案は金融機関の合併も想定しております。
 昨年、合併によって低下した自己資本率の回復を図る金融機関等の組織再編促進に関する特別措置法を制定したばかりにもかかわらず、今回の法案では、合併に際し、自己資本率の低下回復だけではなく、資本増強のための資本注入を認めています。資本増強を言わばあめとして、合併を金融庁主導で進めようとの意図を感じます。そこまでして金融庁が合併を進める理由はどこにあるのでしょうか。併せて金融担当大臣にお聞きします。
 足利銀行の破綻やUFJ決算に見る唐突な不良債権比率の増加などに見るように、金融検査が銀行経営に与える影響は極めて大きくなっています。銀行のガバナンスと検査の在り方の関係が金融庁検査の権限強化の方向に向かっているのではないかとの指摘がありますが、金融担当大臣の見解を伺います。
 この法律を制定すれば、金融庁はいかようにでも使える大変強力な道具を与えられることになります。金融機関の破綻にもつながる金融検査という手段に加え、金融機関を生かす予防資本注入という手段を併せ持つことで、正に金融庁は金融機関の生殺与奪の権を握ることになるからであります。今が金融危機でないとするならば、これは異常なことです。
 金融機関からの申請を建前としながらも、金融検査によって金融機関の資本注入や合併の申請に追い込むことも十分可能です。強力な手段を持った行政による裁量行政の肥大につながることになれば、正に時代が求める改革の流れに逆行することになります。
 総理の答弁を伺って、私の質問を終わります。
 なお、答弁によっては再質問もあることを申し添えます。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 平野議員にお答えいたします。
 年金に関する御質問についてでございますが、一昨日の本会議でもお答えしたとおり、不動産会社での勤務実態がなかったということはありません。社長は、あんたの仕事は次の選挙で当選することだと言って私を支えてくれた実にいい方でした。
 また、国会議員の厚生年金への加入については、現在と三十数年前とでは状況が異なると思いますが、会社員との兼職という個々人の事情に基づくものであり、これを一概に否定すべきものではないと考えます。
 なお、私は、一九七四年十一月以降、厚生年金に加入したことはありません。さらに、これまできちんと国民年金保険料を納めてきたのは、私の事務所スタッフがしっかり対応してくれた結果であると考えております。
 構造改革の成果でございますが、私は、政治で一番大事なことは、自助と自律、自らを助ける精神と自らを律する精神の下に、国民一人一人や企業、地域が安心してその持てる潜在力を十分に発揮できる環境を整えることだと考えております。このため、私は、就任以来、改革なくして成長なしとの考え方の下、雇用や中小企業のセーフティーネットには万全を期しつつ、金融、税制、規制、歳出の各分野にわたり、民間や地方のやる気を引き出す改革に全力で取り組んでまいりました。
 こうした中、金融仲介機能の回復に向けた不良債権処理は着実に進展しているほか、十五年度税制改革による先行減税は、研究開発、設備投資の増加に寄与するなど、経済活性化に向けた効果は着実に発現しつつあります。また、構造改革特区や都市再生、一円起業を始め、地方や民間の意欲を生かした挑戦は目に見える形で大きく動き出しております。さらには、公的部門の無駄、非効率を除去し、財政資金を有効に活用することを目指した歳出改革も着実に進めてまいりました。
 今日、経済が、国主導の財政出動に頼ることなく、民需が主導する形で回復してきたのは、厳しい状況の中にも、痛みに耐えて、国民、企業、地域が自らやる気を出して新しい時代に挑戦してきたたまものだと思います。
 経済の現状認識と今後の政策でございますが、日本経済は、平成十五年度の実質成長率が三%を超える伸びを示し、名目成長率も三年ぶりにプラスとなり、設備投資の増加や個人消費の持ち直しにより、民間需要が主導する形で着実に回復しております。このような回復の動きは各地域に徐々に及びつつあり、全体として持ち直しの動きを見せておりますが、地域の産業構成や輸出競争力の違いなどを背景として地域差が見られるところであります。また、企業マインドや収益については、輸出が回復する中で大企業製造業が先行して回復し、中小企業においても持ち直しの動きが見られます。
 政府としては、これまでの改革の成果を地域や中小企業にも浸透させることができるよう、引き続き日本銀行と一体となって、デフレ克服を目指しながら、民間や地方のやる気を引き出す構造改革を更に加速し、民間需要主導の持続的な経済成長を図っていく考えであります。
 本法案が裁量行政の拡大につながり、改革の流れに逆行するのではないかとのお尋ねですが、新たな公的資金制度は、現下の経済金融情勢に対応した時限的措置として、経営改革を行い、地域における金融の円滑化など、健全な金融機能を発揮し得る金融機関に対して、申請に基づき厳正に審査を行った上で国が資本参加する仕組みであります。
 金融機関の選別に必要な審査基準については、法令等に可能な限り明確に規定し、審査の透明性を高めるとともに、民間有識者から成る審査会の意見を聴く枠組みも設けており、御指摘は当たらないと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野議員から五問質問をいただきました。
 まず、原油価格上昇などの物資の価格上昇リスクと我が国経済の先行きについてのお尋ねでございます。
 原油価格、最近上昇しておりまして、五月半ばには湾岸戦争時の水準を上回り、また史上最高値を更新いたしました。これは、世界経済の着実な回復に伴い、アメリカ、中国等を中心とした需要増が主な要因であると認識をしております。
 我が国経済は緩やかなデフレが続いており、現下の原油等の素材価格の上昇につきましては、特に消費者に近い川下の業種では価格転嫁が進んでいない状況にございます。一方で、経済全体として見ますと、エネルギー消費も格段に効率化が進んでおりまして、原油価格上昇の影響は以前よりも小さなものにとどまるというふうに考えられます。
 いずれにしましても、世界経済が過熱を防ぐという形で軟着陸をし、持続的な成長を維持することが我が国経済の先行きにとっても極めて重要であり、政府としても、原油価格の動向につきましては今後とも注視をしてまいる所存でございます。
 新たな公的資金制度の導入の理由についてお尋ねがございました。
 我が国経済の明るい兆しを地域経済、中小企業にも浸透させて、持続的な経済成長につなげていくためには、資金供給の担い手として民間の経済活動を支える金融機関が一層リスク対応力を高めて、地域等における金融が十分な安心感を持って円滑に行われるように、その環境整備に万全を尽くしていくことが重要であると考えます。
 新たな公的資金制度は、こうした観点から、金融機関の自己資本の自力調達が必ずしも容易ではないという現下の状況に対応して、時限的に、地域等における金融の円滑化に向けた金融機関の取組に対して国が資本参加をして、金融機能の強化を図るということを目指すものでございます。
 個別金融機関の救済ではないのかというお尋ねがございました。
 この法案は個別金融機関の救済を目的とするものではございません。金融機能の強化を目的に経営改革を行って、地域における金融の円滑化等、健全な金融機能を発揮し得る金融機関に対しまして国が資本参加するものでございます。
 具体的には、国の資本参加に当たって、経営改革の内容でありますとか金融の円滑化に向けた取組を織り込んだ計画の提出を求めた上で、地域における金融の円滑化等が見込まれるかどうかなどについて厳正に審査をいたします。また、結果責任の仕組み等によって、資本参加後において計画の着実な実施を求めることとしております。このような仕組みは、金融システムの安定強化に加えまして、地域の中小企業金融の円滑化、中小企業の再生を通じて地域の活性化につながるものであるというふうに考えております。
 金融機関の合併を進めようとするものではないかというお尋ねがございました。
 本法案は、現下の経済金融情勢に対応しました時限的な措置として、地域等における金融の円滑化に向けた金融機関の取組に対して国が資本参加するものでありまして、合併それ自体を目的としたというものではありません。したがって、合併だからといって無条件に資本参加を行うというのではなく、収益性、効率性の向上等が見込まれるかどうか、基本的には合併以外の場合と同様に基準を適用した上で資本参加を行う仕組みとなっております。ただし、合併はそれ自体が相当の経営努力を伴うものであり、地域集中リスクの軽減等金融システムの安定強化の観点から評価できるものであることを踏まえまして、合併の場合とその他の場合との基準に合理的な差異を設けているという仕組みになっているわけでございます。
 最後に、金融検査についてお尋ねがございました。
 金融検査は、金融機関の自己責任原則の徹底と市場規律とを前提として、銀行法等の法令に基づき、法令に定められた権限の範囲内で、会計基準でありますとか検査マニュアル等の明確なルールにのっとって実施をしております。
 いずれにしても、金融庁としては、今後とも、法令に定められた権限の範囲内で、明確なルールにのっとって適時的確な金融検査を実施してまいりたいというふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
○国務大臣(谷垣禎一君) 平野議員にお答えいたします。
 長期金利の上昇についてお尋ねがございました。
 一般的には、実体経済が回復して資金需要が増加していくことを通じて、金利が緩やかに上昇していくことが自然な姿と判断される場合もあります。ただし、実体経済が回復する前に金利が過度に上昇することは、景気回復に悪影響を及ぼすことが考えられます。
 いずれにせよ、金利の動向については、景気や物価の動向、あるいは国債の需給、財政金融政策等の複合的な要因によって変動するものであり、今後の動向について一概に申し上げることは困難ですが、市場の動向については今後とも引き続き注視してまいります。(拍手)
○議長(倉田寛之君) しばらくお待ちください。
 平野君から再質疑の申出があります。これを許します。平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
○平野達男君 先ほどの総理の答弁で、当選することが仕事だと言われました。この答弁は国民から見たら全く分かりづらい。こういう答弁を続けている限り政治不信を招くということをまず申し上げておきます。
 政治活動を対価として給料をもらうとすれば、今で言う政治資金規正法に該当する政治資金に当たります。ただし、当時は政治資金規正法は制定されておりませんでした。ただ、法は制定されておりませんが、政治活動と会社の経営というのは基本的に分離されてしかるべきだというのは当時からあった通念だったんじゃないでしょうか。その通念を後で法律化したのが政治資金規正法だと私は思っております。
 つまりは、当時の総理の勤務は、会社とは全く関係のないことをやって、勤務実態はなくてもいいよということで認められた社員であって、つまりは勤務実態がなかったということになるのではないかと思いますが、再度この点に関しまして国民に、よろしいでしょうか、国民に分かりやすいように、なぜこれが勤務実態なのか説明していただきたい。
 以上であります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 既に答弁したつもりでありますが、あえて再質問されたので、再び答弁いたします。
 私と社長とは親しい間柄にありましたから、社長は私を応援してやろうという気持ちだったと思います。そういうことから、あんたの仕事は次の選挙で当選することだ、しっかりやりなさいと、極めておおらかな、人情味の厚い、見返りを期待しない、いい方だったと今でも私は感謝しております。
 会社によってはいろいろな会社があります。中には、別の会社でありますが、一、二年何もしなくていい、旅行でもしていろという会社もあるそうであります。私の場合は、毎日毎日会社に出勤して机を並べて仕事をするといういわゆる一般のサラリーマンとは違いますが、社長との懇意な関係からこのような形になったんだと思いまして、そのような支えてくれた方があったからこそ今日の私があると思って感謝しております。(拍手)
    ─────────────
○議長(倉田寛之君) 池田幹幸君。
   〔池田幹幸君登壇、拍手〕
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法一部改正案について、小泉総理及び竹中金融担当大臣に質問します。
 バブル崩壊後の長期にわたる不況の中で、一部の大企業が史上空前の利益を謳歌するに至っていますが、他方、中小企業、地域経済は依然として冷え込んでいます。これに対する対応はもはや待ったなしの課題となっており、なかんずく中小企業、地域経済の発展にとって不可欠な地域金融の再生が急がれています。
 周知のとおり、日本共産党は、一昨年四月以来、大銀行に公共的な役割を果たさせるとともに、地域金融機関を育成する地域金融活性化法案を本院に提出し、その実現に努めてきました。今、国民が政府に求めているのは、金融行政を百八十度転換すること、すなわち不良債権早期最終処理を強制して中小・地域金融機関を窮地に追い込んできた金融行政を中止し、中小・地域金融の支援、育成政策を進めることであります。
 本法案は、こういった国民の声にこたえたものでしょうか。確かに、本法案は、その目的に地域経済の活性化をうたい、地域金融機関の体力強化を図るとしています。しかし、その内容は、資産査定に大手行並みの厳しい基準を持ち込み、中小・地域金融機関を締め上げてきたこれまでの金融行政のやり方が基本的に受け継がれたものとなっています。これでは、地域金融機関の再生も地域経済の活性化も望めないではありませんか。正に羊頭を掲げて狗肉を売るものと言わざるを得ません。
 以下、その点について具体的に伺います。
 まず、地域金融機関本来の役割についてであります。
 本法案は、公的資金で資本注入を行い、地域金融機関の再編成を進めようというものです。そして、資本注入を受ける金融機関は、収益性、効率性の向上が数値目標で求められ、合併などの抜本的組織再編成が義務付けられることになっています。
 政府は、一昨年十月以来実施してきた金融再生プログラムにおいて、銀行に対し不良債権の査定を厳しくし、今年度中に不良債権比率を半分に減らす目標を課しています。しかし、これはあくまで大手行を対象にするものであり、中小金融機関を対象にするものではないと竹中金融担当大臣が再三言明してきたところであります。
 総理、それは、中小・地域金融機関においては、担保や保証人を重視した融資をするのではなく、借り手企業との長期にわたる付き合い、人間的関係の中から、経営者の資質や事業の将来性など、定量化が困難な信用情報を活用して判断し融資するといういわゆるリレーションシップバンキングの機能を強化すべきだという考え方を基本にしているからではなかったのですか。
 ところが、本法案は、資本増強を申し出た地域金融機関に対して、収益性や効率性に関する数値目標を立て、その目標を達成することを義務付けています。これでは、大手行に対して取られているやり方と何ら変わらないではありませんか。
 これまでも金融庁は、地域金融機関に収益性の向上を求めつつ、厳格な審査で経営を締め上げてきました。そのため、既に地域金融機関では、店舗の統廃合、人減らし、賃金の抑制など労働者へのしわ寄せ、金利の引上げなど借り手に対するリスク転嫁が行われています。例えば、三つの信金、信組を事実上吸収した東京東信用金庫では、この一年間に支店の数を百三から六十九に減らしています。合併前の東京東信用金庫が保有していた八十二店舗から見てもその削減は極端ですし、従業員も一割近く大幅に削減されています。店舗と従業員は、地域経済に根差し、中小企業を支える地域金融機関の核心であります。これらを削減して経営の効率化を図ることは、小泉内閣が掲げるリレーションシップバンキングの機能強化を自己否定するものではありませんか。
 総理、本法案に盛り込まれた収益性、効率性を上位に置く組織再編を進めれば、地域金融機関の本来の役割をゆがめるものとなることは明らかではありませんか。これでは、本法案の目的に掲げた地域経済の活性化に資することとは全く反する結果をもたらすのではありませんか。
 なお、店舗や従業員については、金融機関等組織再編特別措置法では、経営基盤強化計画の認定の条件として、従業員の地位が不当に害されるものでないことが要件の一つに挙げられていましたが、本法案ではその要件が外されています。どうして外されたのか、金融機関の再編を進めるためには労働者の生活を無視してもよいということなのか、答弁を求めます。
 次に、合併による経営規模の拡大についてであります。
 竹中大臣は昨年の衆院予算委員会で、しっかりとした財務基盤を持つという意味では合併は大変有力な手段になり得ると答弁しておられます。合併による経営規模の拡大は収益性向上につながるとお考えのようですが、一体これはいかなる根拠に基づいているのですか。専門家の実証的な研究によっても、規模が小さいから非効率的だと単純に言えるものではなく、地域に密着した金融機関として役割を果たすための適正規模があり、やみくもな経営規模の拡大は収益性をむしろ低下させることが明らかになっております。公的資金をつぎ込んでまで合併、再編を誘導し、規模拡大を図る本法案は、地域経済にとって重大な禍根を残すおそれが大きいと言わなければなりません。竹中大臣の見解を求めます。
 次に、公的資金についてであります。
 本法案では、資本増強のための財源として、今年度二兆円の政府保証枠が用意されています。これまで公的資金注入は、信用秩序の維持に重大なおそれがあること、あるいは金融危機への対応というそれらしい公共目的が掲げられ、合理化されてきました。しかし、本法案の資本注入の要件には信用秩序維持などの事項は一切なく、ただ金融機関の体力強化のために公的資金を注入するものとなっております。金融機関は高い公共性を持つものではありますが、個別の民間金融機関の体力強化のために国民の税金を投入することが許されるでしょうか。ここにはいかなる大義名分があるのか、明確な説明を求めるものであります。
 さらに、本法案による公的資金は投入額には上限がなく、幾らでも投入できることになっています。一昨年の組織再編法の場合は、公的資金の投入額は合併によって下がった自己資本比率の回復分に限定されていました。ところが、本法案ではそのような限定すらないではありませんか。
 資金投入の上限についての金融審議会の答申は、将来的なリスク増にも対応し得る十分な自己資本とされております。これは、国内銀行に適用されている自己資本比率である四%を更に上回ることを意味していると思われますが、どの程度の自己資本比率まで資金投入を図ろうとしているのか、明確な答弁を求めます。
 しかも、投入される公的資金の財源は最初からすべて国民の税金で賄われる仕組みとなっていることは重大であります。本法案による公的資金は、損失が生じた場合、すべて国民負担となるのではありませんか。預金保険法の金融危機対応措置の場合には、損失が発生した場合、金融機関から負担金を徴収する仕組みとなっていることに比べても問題と言わなければなりません。
 本法案による公的資金の負担の在り方については、金融審議会でも国民負担説と業界負担説の両論があったと言われています。にもかかわらず、法案では安易に国民負担としているのであります。なぜ政府は金融審議会で出された金融システム内で賄うことが原則という正論を退けたのか、その理由を明らかにされるよう求めます。
 最後に、国民に一方的に資本注入の損失リスクを負わせるこのような国民負担法案は決して認められないことを指摘し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 池田議員にお答えいたします。
 本法案の数値目標の設定の考え方、地域経済の活性化への効果についてでございますが、金融機関が中長期的に安定した金融機能を発揮するためには経営改革が確実に行われる必要があります。この点は、大手行でも中小・地域金融機関でも何ら変わるものではありません。本法案においては、こうした経営改革の実行を評価するための一般的な指標である収益性や効率性について数値目標の設定を求めているところであります。
 また、本法案は、組織再編の促進それ自体を目的とするものではなく、中小企業金融の再生や地域経済の活性化に向けた金融機関の取組を支援するものであります。こうした考え方の下、国が資本参加する金融機関には、経営強化計画に中小・地域金融機関の機能強化との整合性を踏まえた信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策を盛り込むとともに、その着実な実施を求めることとしております。
 このような枠組みは、金融システムの安定強化や地域における金融の円滑化を通じ、地域経済の活性化につながるものと考えております。
 本法案における従業員の地位に関する要件についてでございますが、組織再編のための制度である組織再編成促進特別措置法においては、直接的に従業員の地位への影響が懸念されることから、御指摘のあった要件が法律上明記されたところであります。一方、本法案においては、組織再編を直接の目的としたものではないことから、同様の要件を明記しなかったところであります。
 もちろん、本法案に基づいて組織再編が行われる場合においても、労働組合等との必要な協議等を通じて従業員の地位が不当に害されないことが必要であることは何ら変わりなく、審査に当たっては、経営強化計画の円滑かつ確実な実施が見込まれることとの包括的な要件の中で、従業員の地位への影響を適切に勘案することとしております。
 本法案における資本参加の考え方、資本参加の額及び損失負担の考え方についてでございますが、本法案における国の資本参加は、個別の金融機関の体力強化を目的とするものではなく、現下の経済金融情勢に対応し、時限的に金融機能の強化を図ることを通じて金融システムの安定強化や地域経済の活性化を図るものであり、国民経済的な意義は大きいものと考えます。
 こうした制度の趣旨、目的を踏まえ、本法案による資本参加の額については、金融機関が地域経済において現状よりリスクを取って金融機能を発揮するため十分な資本の量を確保するという考え方の下、例えば業界の中堅クラス以上の自己資本比率も一つの参考としながら、金融機関からの申請に基づき、案件ごとに厳正に審査することとしております。
 また、国が資本参加した場合には、金融機関が提出する経営強化計画の履行状況等を適切にフォローアップすること等により、損失が発生しないようにすることがまずもって重要であります。したがって、最終的に必ずしも損失が発生するとは考えておりませんが、万が一損失が発生した場合には、必要に応じて予算措置を含めて対応することとしており、他の金融機関に負担を求めることはかえって金融機能の低下を招きかねないことから適当でないと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹中平蔵君) 池田議員から、合併が収益向上につながる根拠は何か、また、その地域経済への影響をどう見るかという双方の質問をいただいております。
 合併を行うかどうかは、言うまでもなく、これは個々の事情に基づいて経営判断なされるべき問題でございます。ただし、一般に合併には、規模の経済や範囲の経済を働かせることによる経営効率の向上効果が大きいと考えられ、こうした効果を期待して正に個々の金融機関は経営判断を行っているというふうに考えております。
 合併の具体的な効果につきましては、個々の金融機関やそれらの金融機関を取り巻く環境等によって異なることから、一概に申し上げることは困難でございますが、いずれにせよ、この法案におきましては、合併だからといって国が無条件に資本参加を行うものではございません。
 金融機関に収益力改善等に向けた経営改革の内容や金融の円滑化に向けた取組等を盛り込んだ計画の提出を求めます。その上で、収益性、効率性等の向上が見込まれること、地域における金融の円滑化等が見込まれること等を厳正に審査することとしているところでございます。
 こうした取組は、金融システムの安定強化や地域経済の活性化に資するというふうに考えているところでございます。(拍手)
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 農業協同組合法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。亀井農林水産大臣。
   〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕
○国務大臣(亀井善之君) 農業協同組合法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 農協系統は、農業者の協同組織として、組合員に対して営農及び生活に関するサービスを総合的に提供してきたところでありますが、今後とも組合員や消費者のニーズ等に的確に対応し、地域農業の振興等についてより積極的な役割を果たしていくことが期待されているところであります。
 また、農業協同組合が行う共済事業及び農協系統の信用事業等に係る保証を行う農業信用基金協会の事業について、その健全性の確保を図っていくことが重要であります。
 このような状況を踏まえて、農協系統の改革に向けた自主的な努力を支援するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、農業協同組合法の改正であります。
 組合員や消費者のニーズの変化、改革が急務となっている経済事業の見直し、信用事業及び共済事業の高度化、複雑化等に対応するため、全国中央会が中央会の行う指導事業に関する基本方針を策定、公表することとするほか、農業協同組合に対する決算監査等の機能を全国中央会に集約することとしております。
 また、農業協同組合が行う販売事業につきましては、農業協同組合間の連携を通じてその充実を図るため、農業協同組合が定款の定めるところにより自己の組合員の農産物と他の農業協同組合の組合員等が生産した農産物を併せて販売する場合、員外利用規制の対象外とすることとしております。
 さらに、農業協同組合の経営状況についての組合員自身による適正な判断、行政による適正な監督等に資するために、全農・経済連等について一層の経営情報の開示を義務付けることとしております。
 このほか、農業協同組合が行う共済事業につきましては、その経営の健全性の確保を図り、共済事業の利用者の保護及び機動的な事業運営を確保するための措置を講ずるとともに、共済利用者の保護の観点から契約条件の変更を可能とする手続の整備等を行うこととしております。
 第二に、農業信用保証保険法の一部改正であります。
 農協系統の信用事業等に係る保証を行う農業信用基金協会の健全な運営に資するため、主務大臣は基金協会がその経営の健全性を判断するための基準を定めることができることとする等の措置を講ずるとともに、基金協会が合併・事業譲渡を行うことができることとしております。
 以上、農業協同組合法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。郡司彰君。
   〔郡司彰君登壇、拍手〕
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表しまして、ただいま議題となりました農業協同組合法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産大臣に質問をいたします。
 法案の審議に先立ちまして、食の安全ひいては農政そのものに対する信頼を大きく損なう事態を招来しているBSE発生後の牛肉買上げ事業についてお伺いいたします。
 この事件は今も連日のようにマスコミをにぎわしており、その中で特定の政治家の名前が取りざたされたり、農水省職員の関与が報道されています。このような事態の中で、農水省が提案しているすべての法案について国民の多くは懐疑的になっております。
 亀井農水大臣は、さきの委員会で私の同様の質問に対して、厳正に対処してまいりたい旨の答弁をされましたが、改めて国民の皆様に説明責任を果たしていただきたいと考えますが、答弁をお願いいたします。
 さて、提案の農協法改正案は、本法案のみで全体が理解できるものではありません。私は平成十年に参議院議員となりましたが、翌年の十一年には食料・農業・農村基本法が成立をし、十二年の第二十二回JA全国大会、十三年の農協改革二法、十四年の「食」と「農」の再生プラン、同年の農協のあり方についての研究会設置、十五年の同研究会による農協改革の基本方向の取りまとめと続き、昨年十月の第二十三回JA全国大会で動き出した一連の動きと歩調を合わせる格好となっています。
 今年は一八四四年に英国のロッチデールで二十八名によって協同組合運動が発足をしてちょうど百六十年目、また、一九四七年の農協法制定より五十七年目となりますが、国際的な協同組合原則とは若干異なる発展を遂げてきた日本版の農協の検証から始めることが必要ではないかと考えています。
 事業ごとの詳細にわたる質疑は委員会に譲ることとし、以下の点について質問をいたします。
 日本の農協は、戦前の農会時代を含め、幾多の困難な時代を農民の経済的利害を軸に結合され、階層として貧しさからの脱却を図ってきました。つまり、農業生産の向上に直結する営農指導、経済事業や農家組合員の生活全般にわたる各種事業を総合的に実施し、農業生産の基盤であります農家経営を支え、ひいては地域の雇用・産業や地域社会に大きく貢献したことは確かであります。その中で、農民の声を政治に反映させる手段としての、圧力団体としての側面と併せ、政府の施策を代行するという役割を背負ってきました。
 このことは、これまで行政は安易に系統を利用してきたと農協改革の基本方向で農水省自身も認めている点ですが、こうした国際的協同組合原則からいえば、行政からの中立を求めるべき農協に逆な立場を政策的に取ってきたことへの反省は十分になされているのかを農水大臣にお尋ねします。
 また、日本型農協の特質としての地域性、総合性、系統三段階制について変化を求める声が上がっていますが、この点について、一方的に農協にその責任を帰すことはできないのではないかと考えますが、これから指導する観点からの答弁を求めます。
 協同組合原則は政治的中立を求めています。今般の法改正に当たり、行政代行的業務の見直しを進める一方で、次の点はどう見直しをすべきでしょうか。あらゆる階層、業界、地域代表が政治に期待をするとき、時の政権に要求をするのは当然の理であると思います。しかし、我が国においては、不幸なことに政権交代を可能とする政治状況が長い間存在しませんでした。農民層においても、農協を窓口として農政活動をする過程で政権政党イコール自民党という構図が定着し、日常ふだんに自民党との太いパイプを作る、あるいは農協そのものが自民党と同一視されるように変質したことを騒ぎ立てるものではありません。
 問題は、この変化を求める時代に、農水省が農協を特別扱いすることを見直そうとする法案を提出するに至ったにもかかわらず、事選挙に関しては、これまで同様、農家に農水省OBの支援を求める政治の側の体質であります。
 今回の法改正では、農協系統以外の生産者団体のイコールフッティングの必要性が指摘されていますが、これまでの行政代行的業務を通じた補助金の種類はどれほどだったのか。今度は、補助金と絡めたと取られかねない選挙運動を改めるべきことが日本における協同組合運動の正しい方向と考えますが、大臣の御見解をお尋ねいたします。
 本来、農協自らが行うべき改革を、農協法という制度レベルで変えようとすることに現在の農協の悩みが現れています。農家組合員の意識の中には、何のために加入をするかという自覚よりも、生まれながらにして組合員であったとの思いがあり、また、系統三段階は他の生協などと異なり、行政の三層構造に照応したピラミッド型で、上意下達はうまくいくが、参加意欲を失うことにもつながっています。
 そのような中で、農協は幾つかの事業を行っていますが、経営の実態は信用事業の構造的な黒字と経済事業の赤字と言われています。信用事業は、余裕金、預り金の外部運用で利ざやを稼ぎ、特利、特配として単協へ還元されています。しかし、現在は、信用事業も他の金融機関同様、低収益、高リスクの時代に入っており、現在の収益バランスを変えることが不可欠であります。
 私は、これまでも農業センサスを生かせる地域ごとの具体的事例ごとの波及効果を促すべきと主張してきました。今般の農政改革基本構想にはそのことも触れていますが、そのためには、霞が関での全国の一律農政では、気候を始め各種条件の異なる日本農業の実態には合いません。思い切った分権型農政への転換が必要と考えますが、大臣の考えをお聞かせください。
 あわせて、営農指導、経済事業の重点化が急がれますが、何を優先して行うべきか、答弁願います。
 農水省研究会報告では独禁法適用除外にも触れていますが、元々この定めにはそれなりの歴史的理由が存在しています。しかも、現在でもすべての行為が適用除外ではありません。昨今の論調は、一方的に系統農協があたかも違反する行為をあえてしているかのごときであります。もちろん、明らかになった違反事件は消費者の信頼を失い、まじめな多くの農家組合員を裏切るものであり、看過できるものではありません。農水省は、今後どのような防止策を講じようとしているのか、見解をお尋ねします。
 また、系統農協の信用を損なう事件も、全農チキンフーズ事件、全農八女茶事件などが続きました。農協が組合員のためのものではなく農協のための農協になっているとの指摘もあります。JA職員の中にも、生活関連事業の推進などで疑問を感ずることもあると聞いております。一昨年の予算委員会での参考人質疑に、全農幹部は子会社の半減に取り組むと明言しています。現在、その進捗状況はどのようになっているのか、また農水省はこのことに関しどのような指導をしてきたのか伺います。
 国は、今後の農政における視点の中で選択と集中を掲げています。限られた予算の中で効率的、効果的な成果を導き出すために、食料の安定供給については四十万戸の担い手農家への支援を、また環境保全、循環型農業や、国土保全、多面的機能を発揮できる分野への傾斜配分になると考えます。一方、農協の理念は、一人は万人のために、万人は一人のためにであり、選択と集中と必ずしも相入れるものではありません。一連の流れと今回の法改正は、政府から農協への絶縁宣言であると思われますが、大臣の明確な答弁を求めます。
 系統農協は、この間の大型合併により、当初の目標であった全国一千農協構想を上回る合併を遂げ、五月現在では九百四農協と示されています。今後更に合併が進むことが予想され、三段階制についても既に大きな変化をしつつあります。大臣は、この動きの行き着く先に農協の将来像はどうなると予測をしておりますか。各県一農協が望ましいとお考えですか、あるいは全国の農協職員数はどの程度が適切と考えていらっしゃるか、お答えください。
 農協は農業者による自主的な組織であり、その構成員は農業者である正組合員が原則でありますが、実態は正、准の組合員資格が農協法十二条で用意をされ、正、准の区別をしています。また、平成十四年度の時点で正組合員が約五百十六万人であるのに対し、准組合員が約三百九十一万人と、全体の四三%にも上っております。正組合員は、出資者、利用者であるのと同時に農協の管理運営にも参画をするのに対し、准組合員は、出資者、利用者に限られています。これまであいまいな解釈を続け明確な位置付けを怠った結果、新しい形の協同組合運動に後れを取りました。しかも、実態として准組合員を除いては組合運営ができなくなっているのではないでしょうか。全組合員の中で准組合員の占める割合が全体の四割以上に達することについての認識と、農協の事業における准組合員の位置付けについてお伺いいたします。
 また、長野県のJA北信州みゆきでは、地域に開かれた組合を目指し、組合員の家族や地域住民も参加できる年代別、目的別の組合を新設する方針ですが、大臣はどのようにお考えか、お伺いいたします。
 最後に、過去の農業政策の総括についてお伺いいたします。
 現在、食料・農業・農村基本計画の見直し作業が農林水産省で行われております。これは、農政の基本的方向性を示す食料・農業・農村基本法に基づく同計画が、策定後五年をめどに見直されることを受けた見直し作業であります。正に従来の農政の抜本的転換と言える食料・農業・農村基本法の趣旨を真っ正面から実行するための見直し作業であります。その際、最も重視されているのが農業者や農協の自主性、自己責任であり、この農協法改正案もその延長線上の措置であります。
 しかし、例えば国内初のBSE、牛海綿状脳症の発生を契機に次々と明らかとなった重大な失政や、旧構造改善局の不祥事、さらには企業モラルの低下や消費者軽視、企業重視の行政の実態は、さきの大阪の府肉連の補助金詐欺事件でも明らかなように全く変わってないのではないでしょうか。農業者や農業団体の自己努力、自己責任を言うなら、こうした消費者軽視、企業重視の過去の農政を率直に反省し、謙虚にこれを評価していく姿勢も同時に求められているのではないでしょうか。
 農林水産大臣の御見解を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕
○国務大臣(亀井善之君) 郡司議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、牛肉在庫の保管・処分事業についてのお尋ねでありますが、消費者の不安を払拭するための本事業が悪用され、行政、食肉業界に対する国民の信頼感を揺るがすこととなったことは誠に遺憾であります。今回の事件については、捜査当局の事実解明に全面的に協力することが真相解明につながると認識しております。捜査の状況を見極めたいと、このように考えております。
 また、農水省といたしましては、国民の信頼を回復するため、消費・安全局の創設など、大幅な組織改正や職員の意識改革の徹底により、消費者重視の政策決定システムの構築や適正な食肉行政の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 次に、農協の行政からの中立及び日本型農協の農協の特質についてのお尋ねでありますが、これまで行政は農協系統と連携して政策を推進し、一定の成果を上げてまいりましたが、農協系統の自主的な努力や取組を妨げてきた面があったことは否定できないと考えております。このため、今後は両者が安易な相互依存しないようにすることが肝要と考えております。
 また、農協の事業・組織等の在り方については、農業者の自主組織であります農協が、農協法の下でその本来の使命を発揮すべく、自ら決していくのが基本であると考えております。
 次に、農協への補助金と政治的中立の確保についてのお尋ねでありますが、農協系統を経由して農業者に交付した補助金は、平成十三年度の場合、水田農業経営確立助成等補助金を始め五種類で、金額は合計で三千五百六億円となっております。
 また、政治活動については、農協は他の民間法人と同様に、公職選挙法等に反しない範囲で許容されております。しかし、農協には思想や信条の異なる様々な方が組合員として加入していることを踏まえれば、誤解や混乱を招くことのないよう節度を持って行うべきものと考えております。
 次に、分権型農政への転換及び営農指導事業等の重点化についてのお尋ねでありますが、我が国の農業は多様な自然・経済条件の下で営まれており、今般の農政改革においても、意欲的な生産者・地域を後押しし、地域自らの発想により創意工夫が発揮される政策体系を構築してまいりたいと、そのように考えております。
 また、農協は、営農指導や経済事業など、農業関連事業に基本的な存在意義があると認識しております。これを第一として改革していくことが重要と考えております。
 次に、独占禁止法違反の防止措置についてのお尋ねでありますが、農林水産省においては、農協指導に係る事務ガイドラインを改正し、公正取引委員会との連携を図るとともに、行政検査においても、独占禁止法違反の有無を平成十六年度の統一検査事項に定める等の措置を講じたところでありまして、こうした取組により、独占禁止法違反が生ずることのないよう対処してまいります。
 次に、全農の子会社数半減の取組についてのお尋ねでありますが、全農においては、平成十七年度末を目標に子会社を半数程度に再編することとしております。十五年度末までの累計で四十一社の子会社の再編を行ったところであります。農林水産省といたしましても、全農に対する業務改善命令の中で子会社の大幅な整理統合を命じているところでありまして、これが確実に実行されるように指導してまいりたいと、このように考えております。
 次に、選択と集中の問題についてのお尋ねでありますが、今後の農政は、農業の重要な役割が一層効率的、効果的に発揮されるよう、選択と集中の観点から真に必要な支援を重点化することを基本として取り組んでまいります。
 農協改革においても、農協系統自らが選択と集中により事業範囲を見直し、農業者、消費者に選択してもらえる農協に脱皮することが基本であります。今回の改正法案は、このような農協系統による改革を支援することにより、農業の構造改革を加速化しようとするものであります。
 次に、農協の将来像についてのお尋ねでありますが、農協系統組織では、広域合併の促進に取り組んできた結果、現在では農協数は九百四、職員数は約二十六万人にまで減少するなど合併が進んでおります。農協組織の将来像につきましては、組織内において十分に話し合い、自らが合併構想を策定することが必要でありますが、農協と組合員の結び付きの希薄化などを招かないよう十分配慮する必要があると考えております。
 次に、農協の准組合員についてのお尋ねでありますが、准組合員制度は、農協の地域事業体としての性格も踏まえ、地域住民の利用の道を開くものですが、近年、この准組合員の割合が大きくなってきております。これは、農家数が減少する一方で、各農協が地域住民の准組合員加入を促進しているためと、こう認識をいたしております。
 また、御指摘のJA北信州みゆきは、組合員の家族や地域住民が参加できる組合内組織を新設するとのことであり、准組合員の声を組合運営に取り入れる試みとして意義あることと考えております。しかし、准組合員の増加により正組合員のメリットが損なわれることのないよう十分配慮する必要があると考えております。
 最後に、過去の農業政策の総括についてのお尋ねでありますが、BSEの発生等を契機に、それまでの農業施策の大胆な見直しを行い、消費者サイドに大きく軸足を移した農政の展開に努めてきたところであります。特に、冒頭申し上げましたように、農林水産省の組織を見直しをし、省内の産業振興部門から消費者行政部局を分離、独立をし、消費・安全局を設置したほか、消費者の方々と意見交換を重ねるなど、開かれた透明性のある政策決定の過程を作り上げるよう努めてきたところであります。
 現在進めております農政の改革においても、消費者の視点を重視をし、国民に開かれた議論を進め、新しい食料・農業・農村基本計画の結実をさせてまいりたいと、このように考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(倉田寛之君) 日程第一 障害者基本法の一部を改正する法律案
 日程第二 コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長和田ひろ子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔和田ひろ子君登壇、拍手〕
○和田ひろ子君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、障害者基本法の一部を改正する法律案は、最近の障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等にかんがみ、基本的理念として障害者に対して障害を理由として差別その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない旨を規定し、都道府県及び市町村に障害者のための施策に関する基本的な計画の策定を義務付け、中央障害者施策推進協議会を創設する等の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院内閣委員長山本公一さんより趣旨説明を聴取した後、障害のある児童生徒の意思を尊重した教育の実現に向けた環境整備、障害者の雇用の確保策、障害者差別禁止法制定に向けた検討の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 昨日、質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し七項目から成る附帯決議を行いました。
 次に、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案は、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及びコンテンツ制作等を行う者の責務等を明らかにするとともに、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する施策の基本となる事項並びにコンテンツ事業の振興に必要な事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院内閣委員長山本公一さんより趣旨説明を聴取した後、コンテンツ産業の振興が国民経済等に与える効果、コンテンツ産業振興における官の役割、中小のコンテンツ制作事業者等の処遇改善等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 昨日、質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           百七十  
  賛成             百七十  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(倉田寛之君) 日程第三 特許審査の迅速化等のための特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長谷川秀善君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔谷川秀善君登壇、拍手〕
○谷川秀善君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特許審査の迅速化を図るため、先行技術に対する調査を実施する機関を指定する制度から登録する制度に改めることにより、民間参入に道を開くほか、特定登録調査機関が交付する調査報告を提出した場合には出願審査請求手数料を減額するとともに、企業等に勤める従業者の発明に対する対価が適正に定められるよう規定を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、我が国の知的財産戦略の在り方、特許審査体制の強化策、職務発明に係る対価の適正な決定方法等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して緒方委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本法律案に対し四項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百七十一  
  賛成            百五十一  
  反対              二十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十八分散会