第159回国会 総務委員会 第5号
平成十六年三月二十四日(水曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         景山俊太郎君
    理 事
                柏村 武昭君
                岸  宏一君
                山崎  力君
                内藤 正光君
                広中和歌子君
    委 員
                狩野  安君
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                世耕 弘成君
                山内 俊夫君
                小川 敏夫君
                高橋 千秋君
                松岡滿壽男君
                鶴岡  洋君
                日笠 勝之君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     麻生 太郎君
   副大臣
       総務副大臣    田端 正広君
       総務副大臣    山口 俊一君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       次長       磯部 文雄君
       内閣府男女共同
       参画局長     名取はにわ君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       総務大臣官房長  平井 正夫君
       総務大臣官房総
       括審議官     大野 慎一君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       総務省自治行政
       局長       畠中誠二郎君
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
       総務省自治財政
       局長       瀧野 欣彌君
       総務省総合通信
       基盤局長     有冨寛一郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     北井久美子君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       高橋  満君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十六年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十六年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣所管(人事院)、総務省所管(日本学術
 会議及び公害等調整委員会を除く)及び公営企
 業金融公庫)
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○委員長(景山俊太郎君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 去る二十二日、予算委員会から、本日一日間、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣所管のうち人事院、日本学術会議及び公害等調整委員会を除く総務省所管並びに公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
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○委員長(景山俊太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室次長磯部文雄君、内閣府男女共同参画局長名取はにわ君、内閣府内閣府国民生活局長永谷安賢君、総務大臣官房長平井正夫君、総務大臣官房総括審議官大野慎一君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省行政評価局長田村政志君、総務省自治行政局長畠中誠二郎君、総務省自治行政局選挙部長高部正男君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、総務省総合通信基盤局長有冨寛一郎君、厚生労働大臣官房審議官北井久美子君、厚生労働省労働基準局労災補償部長高橋満君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(景山俊太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(景山俊太郎君) 予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○内藤正光君 おはようございます。民主党・新緑風会の内藤でございますが、一時間の時間をいただきまして、何点かにわたって質問させていただきたいと思います。
 まず、過日のソフトバンクBBの大量の個人情報の流出に絡んで、この分野における個人情報保護の在り方について何点か質問をさせていただきたいと思いますが、御案内のように、過日、当社が抱える四百五十万件もの個人情報、もう過去なかったほどの大量な個人情報が流出してしまったわけでございますが、そもそも今回のこれだけもの規模の個人情報の流出、漏えいが起こってしまった原因は、総務省としてはどのように、何だとお考えでしょうか。まず、その点をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) ソフトバンクBBのいわゆる二次代理店というところから基本的には派遣社員として出ておりましたいわゆるソフトバンクBBのいわゆるサポート部員に勤務していた者に恐喝未遂事件というのが基本的な流れだと思っておりますので、情報の流出経路につきましてはまだ警察でいろいろ調査中というところが正直なところです。細目につきましては有冨の方から説明させます。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の大量の情報の流出事案でございますが、先生今御指摘のように、ソフトバンクBB社が、警察から提供を受けた資料を照合いたしますと、約四百五十万件の顧客情報が流出しておったということが分かったわけでございます。これ今大臣からもお話がありましたけれども、このソフトバンクBBの流出事件、事案でございますが、そもそもは第二次代理店の役員でありました者あるいは派遣社員として同社のサポート部門に勤務していた者、これによる恐喝未遂事件、これが端緒となったものでございます。
 総務省といたしまして、個人情報の流出が判明をした時点におきまして、直後から、ソフトバンクBB社に対しまして、個人情報の流出の原因の究明や利用者対応あるいは情報、流出情報の特定、委託先を含めた個人情報の安全管理の徹底等につきまして指導をしてきたところでありますけれども、なおその情報の流出経路につきましては警察において捜査中でございますので、現時点では具体的な点掌握をしておりません。
 しかしながら、ソフトバンクBB社におきまして流出経路につきましてあらゆる可能性を想定をして社内調査を行ったということで報告を受けましたけれども、外部からの不正な侵入の形跡は残っていないと。そういったもののアクセス状況の監視体制が不十分だったり、あるいはサポート部門の従業員が一度に多くの顧客情報へのアクセスが可能となっていたというようなこと等問題があった旨の報告を受けているところでございます。
 現時点までにソフトバンクBB社によりまして相当の改善策が講じられているというふうに受け止めてはおりますが、これまでの同社の個人情報管理体制等見ますと、平成十年に改定を行いました電気通信事業法における個人情報保護に関するガイドラインに照らしますと明らかに多大な問題があったというふうに承知をしておりまして、まだ捜査中ではありますけれども、捜査中でありますので捜査の動向を見なきゃなりませんけれども、ソフトバンクBBからの取組状況等の報告を求めながら、実施状況を把握をして必要な措置は講じていきたいというふうに考えておるところでございます。
○内藤正光君 後半の方では良くなったんですが、若干私の質問の趣旨をちょっと誤解されているようなところも見受けられました。私がちょっとここで取り上げたいのは、ソフトバンクBB、あくまで一例ということで、こういった事件を教訓にして社内体制をどういうふうに整えていかなきゃいけないのか、私が興味示しているのは正にそのところでございますので、どうぞ誤解なきようにお願いをしたいと思います。
 新聞報道を見てみましても、今回の大量の流出事件を受けて、業種別に指針策定、ガイドラインの策定を積極的に各省が進めていくというふうにも聞いておりますが、総務省といたしましては、郵政省時代に出しました、平成十年に出しました先ほどおっしゃったような電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインが出されているわけでございます。しかし、これできたのが平成十年、今から五年前ですか、ということで、今から見てみますと、アクセス権等だとか社内の情報管理に関する具体的な記述が盛り込まれているようには見受けられないわけでございます。これでいいはずはないわけです。これを早急に、これをベースにして改定作業を進めていかなきゃいけないというふうに私は思っておりますが、片や経済産業省は、これまた新聞報道によりますと、この四月、来月にも新たなガイドラインを公表するというふうに聞いております。伺っております。
 そこで、総務省としては一体いつまでにどのような方向性でガイドラインの改定作業を進めていくのか、それを確認をさせていただきたいと思います。
○副大臣(田端正広君) お答えいたします。
 ガイドラインの改定につきましては、現在、電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会、座長は中央大学の堀部先生でございますが、ここで昨年以来ずっと議論をしていただいているところでありますが、特に今回の事件を受けまして、三月十日における懇談会では具体的に三つの方向性を議論していただいたところでもございます。
 それは、一つは、情報漏えいが発生した場合の利用者に対する対応をいかに充実させるかということでありますが、そういう意味では、例えば苦情、問い合わせ等の専門の窓口を設置するとか、情報流出が確認されたそういう加入者に対しての連絡をきちっとするとか、こういったことが必要であろうということが第一点でございます。
 第二点は、いかに安全管理を具体的にどう規定していくかということでありますが、一つは、例えば今回のアクセス権限の問題でありますけれども、IDを共有していたのが百三十五人もいたということでありますから、二百人ぐらいが利用できたという意味でありますけれども、ソフトバンクの方では今回それを三人に絞るということも先般発表されておりますが、そういった制限をするということが大事であろうと。それから社内におけるチェック、監視ですけれども、そこの部門をきちっとするということ、あるいはアクセスログの長期保存ということ、あるいは入退室の管理体制といった社内的な具体的な管理の規定ということが必要であるというのが第二点でございます。
 それから第三点目は、社内の従業員の問題でありますが、従業員及び派遣社員に対しての教育、個人情報保護に関する教育の実施という、こういう大きな三項目にわたって追加する方向で先般も議論が行われまして、具体的なそういうことが必要ではないかと、こういうことになっております。
 先生御指摘のように、できるだけ早く、早い時期に改定をするということで、私たちもその認識で一致しているところでございますが、改定する場合には、パブリックコメントといいますか、広く皆さんの御意見を伺いながら改定していく必要がある、こういう認識でおります。
 以上でございます。
○内藤正光君 大変いいポイントで進めていらっしゃるとは思うんですが、ただ時期ですね、問題は。できるだけ早くというその意気込みは分からないでもないんですが、こうしている間に次から次へと個人情報の流出事件が続いていくわけですね。やはり、早く総務省としてもガイドラインをしっかりと決めてもらわなければ、やっぱり問題だと思うんです。実際に、経済産業省さんはもう四月に公表すると言っているわけですから、ある程度ちょっと期限を、目標期限を、トップダウンでもいいですから、お示しいただけなければ困るかと思うんですが、どうでしょうか。
○副大臣(田端正広君) できるだけ早くという意味で、夏までにはそういう方向をきちっとしたいと、こう思っております。
○内藤正光君 夏までに原案を出して、そしてそれ以降パブリックコメントを取るということですか。
○副大臣(田端正広君) その方向で考えております。
○内藤正光君 大手の情報通信産業は既にもう始めているかと思いますが、この分野、次から次へと新規参入事業者が入ってきているわけでございます。そういった事業者に対しても、やはりちゃんと厳格な体制、管理体制をしっかりしてもらわなきゃ困るということで、総務省としてもそれを所管する省庁でございますから、是非ともしっかりしたものをできるだけ早期にまとめ上げていっていただきたいというふうに思います。
 そして、この項目においては最後なんですが、昨年成立をいたしました個人情報保護法において、参議院側の附帯決議においては、情報通信分野の個別法の制定について、全面施行時、すなわち来年の四月までに少なくとも一定の具体的結論を得ることというふうなことが書き込まれております。そして、この個別法の制定については、さきの総務大臣も力強くその方向性で進めていくという答弁をいただいたかと思うんですが、麻生大臣は個別法の制定についてどのようにお考えになられているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、ITと言われるものがどんどん進化、発展をしてまいります中において、この電気通信事業者が取り扱いますいろいろな情報というのも急激に膨らんでいくという傾向にあって、かつ複雑なものにもなってきておりますので、今まで以上にこの種の取扱いというのは非常に大事なもんなんだというところが一番の大事なところだと思っております。
 したがいまして、今お話がありましたように、電信事業分野の個人情報保護の在り方につきましてということで、今、田端副大臣の方からお話もありましたように、電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会というのをこれは立ち上げておりまして、今、参議院の附帯決議にもありましたように、平成十七年の四月でしたかね、までに出すという方向でこの個別法の要否につきまして検討をさせていただいておるところですけれども、いろいろ、個人情報保護というのをこれはより強化せないかぬというところで方向としてはきちんといたしておるところだと思っております。
 そして同時に、この個人情報というものを保護すると同時に、これはどこまで活用できるかという方も併せて考えないと、ただただ閉じ込めればいいという話とも思いませんので、そういった意味では、この要否というか配慮というか、バランスというものを見極めるところが一番大事かなという感じがいたしております。
 いずれにいたしましても、これは附帯決議が衆議院、参議院それぞれ付いておりますけれども、参議院の方では平成十七年四月までという日にちがこれ書き込まれて附帯決議が出されておるということも踏まえまして、その方向できちんと結論を出したいと思っております。
○内藤正光君 ということは、まだ大臣としても、まだ本当に個別法を制定すべきかどうかというまでは判断は付いていらっしゃらずに、その出すか出さないかは四月までに結論を出すということでよろしいわけですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 個人的には、申し上げる、考えていることはありますけれども、これ、仮にも正式にこの懇談会にお願いをした立場でもありますので、その結論を見た上で答えを出さねばならぬものだと思っております。
○内藤正光君 やはり情報通信の分野あるいはまた医療の分野、あるいはまた金融の分野というのは、やはり昨年成立したいわゆる包括法ではやはり不十分だと思います。やはり業態に特化した個別法の制定が私は是非とも必要だと思いますので、是非その方向性で進めていただきたいというふうに思います。
 さて次は、テーマは変わりまして、独立行政法人の業績評価について、その在り方についてお尋ねしたいと思います。
   〔委員長退席、理事山崎力君着席〕
 独法の業績評価の在り方といたしましては、まず第一段階といたしましては、各省の独立行政法人評価委員会というものがチェックをする、そして次に、総務省の管轄にあります政策評価・独立行政法人評価委員会というものがある。すなわち、二段階評価システムというふうになっているわけでございます。そして、この二段階評価システムというものが運用され始めて、はや二、三年が経過しているかと思います。そこで、私は、そろそろこの二段階評価システムの有効性、実効性について検証すべきときに来ているんだと思います。
 そこで、実は今日、本当はその任に当たられていらっしゃいます村松委員長の御出席を求めたわけでございますが、ちょっとそれがかなわなかったわけでございます。非常に、ちょっと残念であるというふうに思っております。そこで、そういったことも踏まえながら、ちょっと大臣あるいは副大臣に、この二段階評価システムの実効性をいかに高めていくのかという観点でいろいろ議論をさせていただきたいというふうに思います。
 そこで、私の手元に、平成十五年十一月に発行された独立行政法人の評価結果についての意見等という出版物がございます。その中の前半にあります、平成十四年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見についてというところがあります。その冊子のほとんどをそれが割いているわけです。各独立行政法人ごとに総務省の政策評価・独法評価委員会というものの評価がいろいろ記述されているわけでございます。
 しかし、もう大臣もこれお目通しいただいたかとは思うんですが、全体的な印象を一言で申し上げるならば、まず個別に、指摘が総じて抽象的なんですね。そしてまた、よく目に付く表現があるんですね。どういう表現かといいますと、各省評価委員会の評価結果を活用する必要があるといった旨の記述であったり、あるいはまた各省評価委員会の適切な措置の検討を要請するというような表現が随所に見られるわけでございます。
 そして、更に言うと、所管法人共通の指摘というものもあるわけですね、各省庁ごとに。それを見ますと、皆ほとんど同じ内容なんですね。更に言いますと、この第二部として、既に中期目標を終えたものとして教育研修センターというものが、終えようとしているものとして教育研修センターというものがあるんですが、この各省の評価委員会が出したものと、この政策評価委員会が出したものとを見比べてみますと、はっきり言うと焼き直しに近いものかなという気がしてならないわけです。こういった現実を見てみますと、どうも本当にこれで果たして二段階評価システムというのがうまく機能しているんだろうかという疑問を持たざるを得ないんです。
 本当に、これはその任に当たられている委員長に本当はじかに問い合わせてみたいことなんですが、その責任者であります大臣あるいは副大臣等からちょっと御認識をお伺いできればと思うんですが。
○副大臣(山口俊一君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思いますが、今先生御指摘の行政評価の在り方なんですけれども、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、これにつきましては各府省の独立行政法人評価委員会が法人の適性に応じて行った一次評価の結果について、府省横断的な立場から二次評価をさせていただくということでやらせていただいておりますが、御案内のとおり、実は大変数の多い中でやはりこういうシステムがいいんじゃないかというふうなことでやらせていただいておりますが、正直なところようやく定着をしてきたのかなというふうな感じを実は持っております。
 この導入後間もない時点におきましては、全政府レベルでの評価水準の向上を是非とも図りたいというふうなことで、この総務省の評価委員会による二次評価におきまして、各府省の評価委員会の評価手法等の改善に関する意見も実は述べさせていただいております。また、こうしたことに加えまして総務省の評価委員会、独立行政法人評価委員会として、各府省の評価委員会の評価において、政策目的との関係とか、あるいは予算、組織が妥当なのかどうかとか、あるいは民間、地方等との役割分担だとか費用負担の妥当性等々、事業の在り方まで踏み込んで実は評価を行うということを求める意見を述べさせていただいた、いただいておるというふうなところでございます。
 そして、この同委員会につきましては、本年度末に中期目標計画が終了いたします教育研修センターというのがありますが、この業務の改廃につきましても、昨年十一月に初の勧告の、これは初めての勧告の方向性ということを述べさせていただきました。これにつきましても、現在、文科省においてその具体化のための検討が進められております。来年度以降、中期目標期間が終了する法人数が実は急増いたします。その業務の改廃についても厳正に対処いたしたいというふうに考えております。
 今後、独立行政法人の数が増加をいたしまして、その評価の対象になる業務の内容もかなり専門化、複雑化をしておりますような中で、できるだけ迅速かつ有効な評価を行うためには、まず今のこの現行の仕組みの組織をいかに十分発揮をさせていくかということなんではなかろうかと思っております。
○内藤正光君 正に副大臣がおっしゃったように、これからこの総務省の政策評価委員会に求められる役割というのは今後ますます複雑化してきますし、また作業量も膨大になっていくわけですね。これから特殊法人だとか国立大学の独法化が行われているわけですから。
 私はそもそも、ちょっとこの組織の在り方自体に無理があるんじゃないかなと思うんです。というのも、各省評価委員会というのは、それなりに各省を専門的に見ていらっしゃる方々が評価しているわけです。そういった意味では専門性を持っていらっしゃるんだろうと思います。それを、横断的にというその理念は分かります、十分分かります。ただ、必ずしも各省の事情に精通していない人たちがあって、そして数も足りない中で、果たしてどこまで踏み込んだ評価ができるんだろうかという、組織論的に見て私はちょっと大いに疑問を感じざるを得ないところがあるんです。いかがなんでしょう、その辺は。
   〔理事山崎力君退席、委員長着席〕
○副大臣(山口俊一君) 先ほど申し上げましたように、私どもとしてはようやく形が見えてきたのかなというふうな感じを実は持っておりまして、それぞれ一生懸命努力をいたしながら実はやってきておりまして、さっきも申し上げましたように、かなり踏み込んだ評価もさせていただくというふうなことになってきておりまして、いずれにしても、いよいよ定着をしつつあるということでございますので、しっかり今後とも頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○内藤正光君 いよいよ定着ということなんですが、このそもそも評価の目的というのはこれを予算に反映させるということであるわけですよね。そのためにはもうちょっと確度を高めていかなきゃいけないという、と私は思うんです。定着してきただけじゃ駄目で、よりもっと厳格なものにしていかなきゃいけない。じゃ、どうすればいいのか。
 一つの提案として考えられるのが、はっきり言えば、今の総務省の評価委員会は手足がないわけなんです、実質的に。ないんですよね。そこで、例えば現に評価の任に当たっているところが幾つかあるわけです。例えば、総務省の行政評価局における行政監視機能というのがあるわけですね。もう一つは、会計検査院における検査機能というものがあるわけなんです。やはり私は、これらのものを活用しない手はないんだろうというふうに思います。いろいろ確度が違うとはいうものの、これをうまく取り込んで総務省のその評価委員会の評価に活用していくべきだと思うんです。そうすれば、その手足の少なさも補うことができるし、より突っ込んだ評価ができる、より確度の高い評価ができるというふうに私は思うんです。そうであれば、私が言うような本当にこの二次評価システムというのが機能しているのというような疑問も持たれないんじゃないかと思います。しっかりとした評価をしているんだなという評価をいただけるんじゃないかなと思います。
 そこで、二段階評価システムの実効性を高めていくために、私はそういう提案を申し上げているわけでございますが、大臣、いかなる改善が必要だというふうにお考えでしょう。まだまだ、定着していたからしばらく様子を見守るというスタンスなのか。私の提案も受け止めながら、より信頼される評価体制の確立に向け頑張っていくんだという決意を示されているのか。ちょっとお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
○副大臣(山口俊一君) もう正に内藤先生御指摘のとおりだろうと思います。
 確かに、定着をしつつあるというふうな理解はしておりますが、先ほどお話がありましたように、これは国立大学の件とかこれから正にもう独立行政の数がもうだっと増えてまいりますし、法人のそれぞれの業務の内容も専門的になり複雑化をしていくというふうなことは私ども十分承知をいたしておりますので、もう定着しつつあるから見守ってくれというんじゃなくして、御指摘のとおり、いかにこれからより機能するように改善をしていくかということも考えております。そういった中で、委員数の数、委員数の増加だとかあるいは専門家の確保等を今実は進めさせていただいております。
 あるいは、各法人の業務の特殊性に応じまして、業務類型別に評価方法の研究を実施をするということで、特にさっきちょっと申し上げ掛かっておりましたが、水資源機構等が行っております公共事業の関係の業務だとか、あるいは雇用・能力開発機構等が行う補助金融資関係の業務等々、従来の独立行政法人には見られない業務の評価方法の研究を開始をさせていただいております。
 この評価委員会につきましては、先生の御指摘にもありましたが、各府省の評価委員会の屋上屋になることなくしてその機能をいかに十分うまく発揮をしていくかというふうなことであろうと思っておりますので、この審議を行う際のニーズへの的確な対応だとか、委員会の指示を受けて調査分析を行う事務局体制の充実等々、この委員会活動の支援を図っていきたい。そして、しっかりとそれをフィードバックするような格好に持っていきたいというふうに考えております。
○内藤正光君 確かに、副大臣がおっしゃるように、人数を増やすとか専門性を持った人を配置していくとかいうのも一つの手だとは思いますが、ただ、現実を考えたときに、行革の流れの中でそれが本当に簡単に許されることなんだろうかというやっぱり疑問も一方では出てくるわけです。やはり、今あるこの機能なりシステムを使うというのがやっぱり現実的なんだろうと思います。
 そういった意味で、先ほど申し上げましたように、行政評価局の行政監視機能だとか会計検査院の検査機能、こういったものも私は十分取り入れるような大胆な評価のシステムの在り方そのものの見直しまで踏み込んでいくべきだと考えるんですが、これであれば私は別に人数を急激に増やす必要もないわけですし、今あるシステムをそのまま有効活用できるわけです。そして、同じことを二重三重にやっているなんというそんな批判も受けないわけですから、いかがなんでしょう、そこまで踏み込んだ改革も選択肢の一つとしてあるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○副大臣(山口俊一君) 基本的には今のような二段階方式でやらせていただきたいとは思っておりますが、お話しの、確かに評価局だとか会計検査院ですか、そこら辺ともやはりいろいろと連携を取りながらやっていくということも必要だろうと思っておりますので、先生の御指摘、大変参考になりますので、またそういった方向でちょっと研究もさせていただきたいと思います。
○内藤正光君 副大臣からかなりいい答弁いただいたかと思うんですが、大臣はよろしいですね、その方向性で。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、あります人材、有効に活用するのは当然でありますので、会計検査院に限らずいろいろその他のところ、使えるべき人は大いに使った方がいいに決まっておりますので、幅広く人材は使わせていただいた方がよろしい、組織は使わせていただいた方がよろしい、他の省庁にまたがるものであろうとも使わせてもらう方がいいにこしたことはないと私も基本的にはそう思いますが、なかなか組織上、今度はそこのかりてきた人のところを査察するという立場にも今度ありますので、そこのところはなかなか難しいところであろうとは存じます。
○内藤正光君 難しいのは私自身も理解しているつもりなんですが、要はいかにこの評価の在り方を信頼の持たれるものにしていくか、そしてまた予算に反映していけるほどの確度の高いものにしていけるのか。私は、これは総務大臣の大変重要な責務だと思っておりますので、是非、困難があるのは百も承知なんですが、そういった困難をすべて乗り越えて信頼される評価体制の確立に向けて頑張っていただきたいと思うんですが、もう一度前向きな答弁をひとつお願いしたいんですが。
○国務大臣(麻生太郎君) 今でもある程度会計検査院等といろいろやらせていただいておりますけれども、今後とも、今、内藤先生おっしゃるように、急激に今五十九法人が九十五法人に膨れ上がることでもありますし、大学を数えますと三百法人を超えるような急激な数の増加にもつながりますので、今言われましたように会計検査院含めて綿密な連絡を取って評価をし、結果としてその評価が予算につながっていかぬと意味がないと思っておりますので、そういった形で事を進めたいと存じます。
○内藤正光君 大変いい答弁をいただいたかと思いますが、是非その方向性でこれからも取り組んでいっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 さて、次、テーマは変わりまして、この公益通報者保護法について、特に公務員に関連して幾つか質疑をさせていただきたいと思います。この質疑は主に内閣を相手に行わさせていただきたいというふうに思っておりますが。
 今回の法案でございますが、対象は民間人のみならず公務員もこの中に含めているわけですね。ただ、公務員を含めたことで、公務員に関してあった既存の法律との関係で、私はむしろ公務員について言うならば、この公益通報の保護が弱まってしまうんじゃないか、そんな懸念を持っております。
 そんな観点から質問をさせていただきたいと思うんですが、まずこの法律を見てきますと、公益通報の対象となる犯罪行為が、法律の最後、別表という形で掲載をされております。具体的に言えば、刑法から始まり食品衛生法、証券取引法等々、具体的な法案としては七つの法案が、法律が列挙されているわけでございます。いいですね。つまり、公益保護の対象とする犯罪行為をこのように限定しているわけですね。
 そこでまず、これは公務員に関連してはいないかもしれませんが、一つ気付くのは、ここに商法が入っていないんですね、商法が。商法というのは、もちろん代表的なものを言うと総会屋への利益供与を禁じているわけですね。ということは、ここに商法が入っていないということは、仮に総会屋への利益供与に関しての通報をやった場合、この法律によっては守られないということですか。お答えください。
○政府参考人(永谷安賢君) 今、内藤先生おっしゃいましたように、この法律の中では通報の対象法令を七つの法律に限っておりまして、実はそれ以外の残余の法令については政令で指定するというふうに書いてございます。残余の法令、政令の中に入れ込むべき法令をどうするかというのをこれから一つずつ精査してまいりますけれども、今おっしゃっておりました商法につきましても特別背任罪等の規定がありまして、そこには刑罰が掛かるという仕組みになっておりますので、私ども事務方としては、当然商法の規定も政令の中に入ってくることになるんじゃないかというふうに思っております。
○内藤正光君 ただ、商法という代表的な法律がここに掲げられていないというのはいかにも不自然な気がしてならないんです。逆に言うと、じゃここに具体的に挙げた七つ、どうやって選んだんでしょうか、どういった基準で。
○政府参考人(永谷安賢君) この制度を考え始めましたきっかけというのが、食品の偽装表示の問題でありますとか、車のリコール隠しの問題とか、そういうところからこの制度を構想したということであります。したがいまして、私どもの関心としては、専ら人の生命、身体、財産にかかわるようなものをその対象にしてこの制度を考えたということでございます。
 人の生命、身体を代表する例として刑法と食品衛生法、それから財産にかかわる法律の代表例として証取法とJAS法、それから環境関連の分野ということで大気汚染防止法と廃掃法、それからその他国民の生命、身体、財産に密接にかかわる分野ということで個人情報保護法という代表例を個々の法律の中では書かせていただいてあるということであります。
○内藤正光君 ただ、総会屋への利益供与もやはり財産にかかわる問題ですので、やはり何度言われても、私はちょっとすんなり、はいそうですかと言うわけにはいかないんです。ただ、政令にそういったものもしっかりと書き込むという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(永谷安賢君) これ、当然のことながら、政令を作っていく際には先生方ともいろいろ御相談させていただきながら作っていきたいと思っております。
○内藤正光君 その政令の策定の際にも是非ともいろいろな意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 さて、公務員に関連してということで戻りたいと思いますが、そもそも公務員については職務遂行上の法令遵守義務があったりとか、あるいはまた犯罪の告発義務等が既に既存の法律でもあるわけですね。そして、更に言うと、これらの法律については何も制限がないわけなんです。片や今回のこの新しい保護法には七つの法律を列挙しているという制限がまずあるわけですね。更に言いますと、通報先について言うと三段階に分かれているんですね。公務員の場合は実質二段階ですね。つまり、雇用主と行政機関が同じですから。ですから、一言で言うならば、通報先は原則的には自分の上司とかそういったことになるわけですね。そして、それ以外への外部通報、すなわちマスコミ等への通報ということになろうかと思いますが、そうなると厳しい条件付で例外的に認めるということになっているかと思います。
 そこでなんですが、公務員は、先ほども申し上げましたように、法令遵守義務があったり告発義務があったり、そして更に言えば不利益処分についての身分保障もなされているわけですね。私は、これはもう公務員については、実質的には既に公益通報者保護というのはあるんだろうと思います。あるんだろうと思います。
 しかし、今回のこの法律で公務員も加え、ただ加えただけじゃなくて、対象とする犯罪行為を制限したり、あるいはまた通報先を厳しく制限したりとか、逆に制限が加わってしまって、ただでさえまれな公務員による告発がこの法律ができたことでより萎縮してしまうんじゃないか、より抑制されてしまうんじゃないかという懸念があるんです。その辺、どういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。そういうことはないんでしょうか。
○政府参考人(永谷安賢君) 今先生おっしゃいましたように、公務員につきましては、国家公務員法等で身分保障でありますとか、あるいはその分限、懲戒事由が法定されております。それから他方、これもおっしゃいましたように、刑事訴訟法で犯罪行為の告発義務が課されているということであります。
 したがいまして、現行の公務員法制においても、公益通報をしたことを理由として免職その他の不利益な取扱いを受けることはないというふうに考えられます。そういうことを、入念的に今提出させていただいております法律の中でその趣旨をより明確にするということで、公務員の任命権者等は公益通報を理由として免職その他不利益な取扱いがなされないよう公務員法制を適用しなければならない旨を規定させていただいているということであります。
 先ほどおっしゃいましたように、通報先が限られるじゃないかとか、公益通報の要件が変わってきて、かえって公務員の通報が狭められることになるんじゃないかということをおっしゃいましたけれども、これ法律の別の規定で、この法律の要件に乗っからない通報というのは一般法理でもって判断されるという、これも入念規定を置いておりますので、別にそういう、この制度に乗っかってこない通報とか何かを制限するという趣旨では毛頭ございません。
○内藤正光君 じゃ、ちょっと確認答弁をいただきたいんですが、既存の法律でも公務員にはしっかりとした公益通報保護というのがあると。しかし、今回の法律が施行されたからといって、決してそれが狭められるということはないという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(永谷安賢君) そういうことでございます。
○内藤正光君 じゃ、そういったことを確認をさせていただいた上で更に進みたいんですが、公務員は何度も言うように既存の法体系の下においても公益通報が保護されているという、実質的にですね、保護されているということだろうと思います。
 しかし、北海道警に端を発する警察の不正経理問題の告発が一大センセーショナルにいろいろニュースで報道されたわけですが、これショッキングなことであると同時に、これが大々的に報じられたということは、すなわち、それだけ公務員による内部通報というのが今までなかったということですね。難しかったということだろうと思います。私はそれがなぜかということを考え抜かなければ、私はこの法律を作ったところで事は改善されないんだろうと思います。
 私は、民主党としては、もう既に御案内かと思いますが、やはり幾ら保護する保護すると言葉で幾ら書いても、実効的に保護する体制、枠組みがなければ、安心して通報することはできないんだろうと思います。やはり、もう辞職を覚悟でやはり通報しなければ、通報に臨まなければできないというのが実態なんだろうと思います。
 そこで、我が民主党としては、駆け込み寺、第三者機関の設置を通じてそこはしっかりと体制的にも守ってあげましょうという案を出そうとしているわけでございますが、私たちが、それが私たち民主党の考え方なんです。
 そこで、ちょっとお尋ねしたいのは、公務員のこれまで公益通報を妨げてきた要因は一体何だというふうにお考えなんでしょう。法律はあるんですよ。法律はあっても、なぜしてこなかったのか。もう一大決心をしなければ、ああいった警察の不正経理というのは告発できなかったんですね。なぜなんでしょう。
○政府参考人(永谷安賢君) 非常に難しい問題であります。
 その組織の中から当該組織の不祥事等を告発するということは、ある種これまでの日本社会にあっては、伝統的な文化、風土の中でそういうことが非常にしにくいような雰囲気というのはあったんではないかと思います。
 今回、私どもこれ考えておりますのは、本当にその組織の中から公益のために通報した人が、その組織の中で不利益を被らないようにするという必要最小限の法整備を考えたということであります。それは、民間の労働者であろうと公務員であろうと同じということで制度の設計をさせていただいているということであります。
○内藤正光君 もう法律案は出てきてしまっておりますので、今更それを変えろというのは難しいのかもしれませんが、例えばそれを実効的に保護する仕組みとして第三者機関あるいは窓口のようなものを設置するお考えはないんでしょうか。
○政府参考人(永谷安賢君) 今の私どもの案では民事ルールという形で保護を考えている。つまり、通報したことを理由として解雇しては、解雇したらそれは無効ですと、それから通報を理由として不利益な取扱いをしたらそれは禁止しますというような、民事ルールという形で制度設計させていただいております。
 それは、制度の設計の仕方によっては内藤先生がおっしゃるような中立的機関云々という議論もあるんだろうと思いますけれども、取りあえずは私ども、国民生活審議会での御議論を踏まえてこういう形の民事ルールでもってスタートしようじゃないかということであります。
 したがいまして、これから制度の運用状況等を見ながら、もし必要があれば、将来において制度の変更を考えていくというのはあり得るということではないかというふうに考えております。
○内藤正光君 分かりました。
 じゃ、ちょっとこの項目最後になるんですが、通報者の保護ということでお尋ね、確認させていただきたいんですが、行政機関への通報では、当然、通報者の個人情報の保護というのが特に重要になってきます。
 私がイメージしているのは、例えば原子力発電所で出入りしている業者がいたとします。いろいろ内部の問題を告発しようとして、当然その所管をする経済産業省へ通報するわけです。その個人に関する情報を預かることになるわけですね、経済産業省が。
 じゃ、この個人情報がどうなるかということなんですが、これですね、たとえ通報者の氏名を例えば電力会社の求めに応じて漏らしたとしても、昨年成立した行政機関個人情報保護法では処罰の対象にはなり得ないんですね。その処罰の対象になるのが行政機関個人情報保護法の五十三条から五十四条なんですが、これ、どう見てもこのケースは処罰の対象にはならないんですね。
 私は、じゃ、そういう場合どうやって保護できるのかと考えたときに、これもまた一つの提案なんですが、通報者の個人情報の保護については国家公務員法にあります守秘義務規定の適用対象とすればそれはクリアできるかと思うんですが、いかがでしょう。どのように守っていけるんでしょう。
○政府参考人(永谷安賢君) 今の御質問、総務省の所管にかかわる部分もあると思いますので、そっち側から後ほど補足していただければと思いますけれども、国家公務員が通報を受けたら、当然のことながら国家公務員の守秘義務というのが掛かってまいります。したがいまして、この法律の中にそうした守秘義務をあえて書くまでもなく、そこの部分は、通報を受けたこと、その内容を外に漏らすようなことがあってはいけないというふうに考えております。
○副大臣(山口俊一君) ただいまお話ございました個人情報保護法の絡みでありますけれども、これに関しましては行政機関の個人情報保護法、もう先生御存じのとおりですけれども、利用目的を具体的に明確にさして、その上で行政機関における利用目的の達成に必要のない個人情報の保有とか目的外利用あるいは提供というのを厳しく制限をいたしておりますので、また行政機関法第五十三条から第五十五条に規定する罰則の対象にもなり得るんではないかと。
 ですから、公益通報をした方の個人情報につきましても、この法の趣旨にのっとって各機関において適切に取り扱われるであろうというふうに思っております。
○内藤正光君 時間の関係でちょっと余り時間も割けないんですが、どう考えても、五十三条というのは対象になるのは個人情報ファイルですから、この通報者をファイル化するということは到底考えにくい。ですから、五十三条は適用できないだろうと。五十四条も「不正な利益を図る目的で」というところが果たしてここに引っ掛かるかというと、どう考えても引っ掛かりにくいんです。私は、昨年の審議の中で、正直言ってこの行政機関個人情報保護法に罰則を設けてもはっきり言って意味がないという私は主張を展開したかと思います。
 ですから、やっても私は処罰の対象にはこの法案ではならないんだろうと思います。ですから、やはり処罰もしするとしたならば、それはあくまで国家公務員法の守秘義務規定違反なんだろうと思います。そういったことでよろしいですね。これは内閣だと思いますが。
○政府参考人(永谷安賢君) 基本的には先生おっしゃるとおりだろうと思います。
○内藤正光君 それで結構かと思います。
 最後の項目に移らさせていただきたいと思いますが、残された時間でどこまでちょっとできるか甚だ心配ではございますが、公務員制度改革大綱の見直しについてお教え、質問をさせていただきたいと思います。
 これは内閣官房に何点かお尋ねすることになろうかと思います。
 既に御案内のように、二〇〇一年に閣議決定された大綱に基づいて、昨年、公務員制度の改革の法案が一度はでき上がったんですが、多くの批判があったわけですね。その最も大きなものが、これじゃ天下りの規制が逆に緩くなってしまうんじゃないか、そういったたぐいの批判がどんどんどんどん出てまいりまして、結局は提出されなかったと。そして、この三月の初めの決算委員会だったかと思いますが、小泉総理が、いや大綱の見直しもやるんだという、認める旨の発言をしたかと思いますが、当然そこから指示が下っているかと思いますが、ちょっとこれ通告なかったんで申し訳ないんですが、具体的にどういった方向でどういった部分が変更されるというふうに理解したらいいんでしょうか。
○政府参考人(磯部文雄君) ただいま御質問の大綱の件に関しましては、御指摘のとおり、決算委員会で主として天下りの問題につきまして見直す可能性もあるというような御答弁だったと思います。
 そういう関係で、我々としましては、その辺りを中心に、特に天下り問題について内閣の適切な関与を含めて国民の信頼を確保するルールを作るといった観点から検討を進めているところでございます。
○内藤正光君 まだその程度ですか。ほかにもっと何か踏み込んだ内容というのは答弁できないでしょうか。
○政府参考人(磯部文雄君) いろいろな問題が公務員制度の中にありますので、現在のところ申し上げられるのはこの程度でございます。
○内藤正光君 何か時間的に間に合うのかなという気がしてならないんですが、たしかこれは自民党のマニフェスト、二〇〇四年度中に実施するということだったと思うんですが、そうなりますと、少なくともこの秋の臨時国会召集されたならば、その辺りでやっぱり提出されないと間に合わないんだろうと思うんです。
 今現在、まだ内閣の適切な関与を通じて国民の理解を求めていくというこの程度の方向性しかまだ出ていないということですね。再度ちょっと確認させていただきます。
○政府参考人(磯部文雄君) 先生の最初に御指摘のありましたように、ある程度の法案的なものは昨年の段階でできておりますので、それを全体的にもう一回見直すというようなことでやっております。
 ただいま申し上げられる法案のあるいは大綱についての修正の可能性といった点では、今申し上げたところということでございます。
○内藤正光君 分かりました。
 そこで、具体的に天下りのことについてお伺いしたいんですが、内閣の適切な関与ということなんでしょうが、天下りの承認が当初各省大臣となっていたものが、恐らくこれが内閣官房の扱うマターになるんだろうということになるんだろうと思います。ただ、具体的なチェック体制を内閣官房としては持ってないわけですよね。
 そうなると、懸念されるのが、結局は実質的には変わらないと、各省から示された内容がそのまま追認されることになるだけに終わるんだろうという懸念があるわけなんです。
 そこで、どうすればいいのか。じゃ、内閣官房の体制を強化すればいいのかというのも一つの案かもしれませんが、ただ、今現在は人事院が天下りの是非について判断を下しているわけですね。そこをやはり活用しない手というのはないんじゃないかなと思います。
 ですから、具体的に言うならば、内閣が最終的に判断をするとはいうものの、人事院の意見に十分耳を傾け最終決定をするという仕組みが私は一番妥当なんだろうと思いますが、ほかにそれに代わる天下りをしっかりと規制していくという仕組みがあればそれはそれでいいんですが、今現在のお考えをお聞かせいただけますか。
○政府参考人(磯部文雄君) 内閣がどのような形で関与していくかというのは、正に今検討中でございますので、断定的なことはもちろん申し上げられないわけでございますが、内閣によるチェックをどういうふうに実効性のあるものにしていくかということにつきましては、先生御指摘のように、体制の強化その他いろいろあろうかと思います。その中で人事院にどのように関与していただくかということにつきましてもいろいろあろうかと思いますが、基本的には人事行政の公正の確保や職員の利益の保護などの観点から人事院の関与の在り方についても検討するということになるのではないかと考えております。
○内藤正光君 やはり今回、立案作業も含めて人事院が関与しないと私は憲法違反にもなるだろうし、また最高裁の判例にも背くことになるんだろうと思います。
 大体、労働基本権が制約されているその代償措置として人事院が設置されているわけですよね。そして、いつも何をやるにも労働条約の変更にかかわることをやるときには人事院が中心となって労働者側の意見を聞いて、そしてまとめ上げるという、こういうプロセスを経ているわけです。
 ですから、今回の立案作業においても重要な私は勤務条件の変更が加わるわけでございますから、人事院もしっかりと関与していかなきゃいけないと。
 実際にちょっと人事院総裁にお伺いしたいんですが、この立案作業において人事院もしっかりとそのテーブルに加わっているというふうに理解してよろしいんですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) おっしゃるように、公務員制度改革につきましては内閣官房の方とよく議論を今しているところでございます。その点は御安心いただいていいだろうというふうに思います。
 勤務条件につきましては、代償機関として人事院も職員団体の意見をよく聞いて、それを反映させるように努めていかなきゃならないというふうに思いますけれども、職員団体の方も職員全般の意見を十分把握していただくと。あるいはまた、最近、勤務条件の在り方について国民世論も非常に関心が高まっておりますので、国民世論の方向性というのも職員団体もしっかり把握して我々に意見を言ってきていただきたいというふうに思います。その上で、よく意見を闘わせた上で、意見を公務員制度改革の中に反映させていくように努めていきたいというふうに思います。
○内藤正光君 内閣官房もそういうことでよろしいんですね。
○政府参考人(磯部文雄君) そのとおりでございます。
○内藤正光君 ちょうど時間が参りましたので、これで終えさせていただきます。
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。
 まず最初に、最近ちょっと話題になっております件について若干お伺いをしたいと思います。
 それは、地方自治体の預貯金とも言われる財政調整基金、これを使って約二億円ほどを上限に株式の運用をしたと。また、不動産ファンドも上限二億円で運用しておると。これは静岡県の函南町というところだそうでございますが、一体全体こういうふうな運用の仕方は是か非なのか。もし非ならば、どういう法令上の下で非となるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
 地方公共団体の基金に属する現金の取扱いについてのお尋ねでございますが、これにつきましては、地方自治法の規定によりまして歳計現金の保管の例によるというふうにされているところでございます。そこで、歳計現金の保管はどうかということでございますが、これも地方自治法の二百三十五条の四という規定がございまして、歳計現金は、「政令の定めるところにより、最も確実かつ有利な方法によりこれを保管しなければならない。」というふうに規定されておるところでございます。
 そこで、静岡県の函南町の例でございますが、株式投資を行ったということでございますが、株式は、御案内のとおり元本が保証されているわけではございませんので、その最も確実な方法とは言えないんじゃないかと、現金の運用形態として株式を保有することは地方自治法の規定に抵触するというふうに私どもは考えております。
 総務省といたしましては、今後、各地方公共団体における基金の運用等について、様々な機会をとらえまして適切に運用されるよう要請してまいる所存でございます。
○日笠勝之君 不動産の賃貸料等々を元にした不動産ファンドですね、これも同じですか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 不動産ファンドにつきましては、その安全、確実かつ有利な、確実な方法かどうか、そこをきっちり把握した上での判断になろうかと存じます。
 なお、地方公共団体が株式そのものを保有することは禁止されておりません。議会の議決によりまして株式会社に出資することは許されておりますので、この町長さん、ちょっと誤解があって株式投資も許されるものと思ってされたんじゃないかというふうにまた推測しますが、ファンドにつきましては、この規定の趣旨に沿うものかどうか、その上で適切に対応したいというふうに考えております。
○日笠勝之君 ともに二億円を上限に株式の売買と不動産ファンドを運用していると、こういうことですから、両方ともしっかりと実情を調査した上で、法令上に基づいて毅然たる態度でお願いしたいと思います。
 そこで、じゃ、なぜこういうふうなことをしたのかというと、何かペイオフ解禁の、ペイオフ解禁の財政上の防衛だと、こういうふうに何かおっしゃっているようでございますが、確かに、この地方公共団体、いろんな預貯金、基金等もございますね。これらは、ペイオフのときには、解禁となれば、場合によっては直撃をされる場合もあるわけですが、今、総務省とすれば地方自治体に、来年ペイオフ解禁になるという予定でございますが、ペイオフ解禁に向けた地方公共団体への対応をどうすべきかと、どういう指導をされておられますか。
○政府参考人(大野慎一君) 自治体が預かっております公金というのは、本来は住民の方から預かった税金でございまして、それを金庫に置く代わりに様々な、地元の指定金融機関等に預金をするとか預けると、こういったことになっているわけでございますけれども、残念ながら、ペイオフ解禁ということになりますと、自治体の公金といえども他の預金者と同じ扱いになってしまうと、こういうことでございます。
 そこで、預金保険法の改正などもございまして、十七年の三月末までは当座預金とか普通預金、別段預金については全額保護されるということでございますが、十七年四月からは、全額保護の対象となりますものは、無利息、要求払い、それから決済サービスを提供できると、こういう三条件を満たす決済用の預金だけに限られると、このようになっております。
 そうしますと、一千万以上のその他の預金の場合にはペイオフ解禁に伴って様々な問題も生ずるわけでありますので、私どもといたしますれば、公金預金の保全策といたしまして地方団体は地方債を発行しておりますので、そういう借入金ですね、地方団体から見ますと、こういった債務との相殺を考えたらどうか、あるいは、指定金融機関に預けているということになることが多いわけでありますので、この金融機関からの担保の充実でございますね。それから、先ほど行政局長の方からも申し上げましたような債券運用の場合でも、国債等の元本割れがないような債券運用に限って考えたらどうかと、このようなことで通知を出しておりまして、地方団体が基本的には自己責任で対応するということではございますが、適切な対応ができるように周知をいたしているところでございます。
○日笠勝之君 時間はどんどんどんどん来るわけですし、このように、基金を預貯金というものであれば、もし地方銀行に云々ということがあれば大変な痛手を被るわけですから、しっかりと、何回も何回も、間違ってもそういうところへ運用しないようにということを踏まえながらきっちり対応をお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、続きまして、本日も、机の上に資料として平成十六年度総務省所管一般会計歳出予算各目明細書というものをいただきました。
 実は、私、この各目明細書には若干思い入れがございまして、若かりしころ、三年間にわたって全省庁の各目明細書を隅から隅まで閲覧をしたことがあります。その中で、各省庁ごとに提出する各目明細書、伝統的なこともあったりしてばらばらな記述がたくさんあるじゃないかということで、このことを当時の大蔵委員会で指摘いたしました。最終的には当時の大蔵省も、これはやはり各省庁から出していただいたものを大蔵大臣と、今じゃ財務大臣が国会へ提出すると、こういう、財政法上ですか、予決令でしたかね、そういうふうになっておるわけですから、見ずにそっくりそのまま国会へ出しておったと、大体まくらぐらいの高さぐらいが各省庁集めたらありますね。
 そこで、そういう記述がばらばらだということで、当時、大蔵大臣の、大蔵省の予算総括係は、事務連絡ということで、各目明細書の記載についてということで毎年マニュアルを出しておるわけですね。このようにきちっと各省庁統一して、国民の税金の使い道である各目明細書でありますから、国会の重要な予算の参考資料でもあると、こういうことでもありますからマニュアルを出しております。
 私も久しぶりに総務省の各目明細書、今年は見させていただきまして、何点かありますけれども、一点だけ申し上げておきたいと思いますが。
 今日、電子政府ということで、いわゆる情報関係の予算がどんどんどんどん増えております。そういう中で、いわゆる官庁会計の、官庁会計事務データ通信システム経費というものがこの積算内訳の中に記述されておるわけでございますが、これがどうも、庁費の中に入っておったり専用通信料という目のところに入っておったりばらばらなところがあるわけですね。
 そこで、是非ひとつ、例えばの話でございますが、こういうふうな官庁会計事務データ通信システム経費なるものは、一体全体どこへ積算内訳に入れるべきなのか、どの目のところに入れるべきなのかというふうに、是非このIT、電子政府の先導的な総務省でございますから、これ財務省と一度相談をしていただきたいと思うんですね。財務省の方は来年度はきちっと対応したいと、このように内々返事をいただいておるわけでございますが、いかがですか。
○政府参考人(平井正夫君) 先生御指摘の、官庁会計事務データ通信システム経費と、問題でございますが、この内容については先生御指摘のとおり、いずれも帳票汎用用紙類の消耗品ということでございまして、予算上は庁費の類といいますか、庁費のたぐいというような分類項目の中に○○庁費というようなことで入っているものも許されておるものでございます。
 行政、管区行政評価局につきましては、管区行政評価局の個別経費に係る目として、情報処理業務庁費という名前で計上いたしております。一方、総合通信局、地方の総合通信局につきましては目、情報処理業務庁費の予算計上というのがございませんで、当該経費は少額であることから一般の目である庁費という分類枠でやっておるところでございます。
 先生御指摘のとおり、財務省がその辺の分類等をやっておりますので、財務省ともよく相談をさせていただきまして統一できる点については統一してまいるということで検討してまいりたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 予算書というのは分かりにくいというのが通例でございますが、ざっと見てなるほどなるほどと、各省庁統一しているなと、こういうふうなものが非常に分かりやすいわけですから、是非ひとつその方向で御尽力いただきたいと思います。
 さて、ここで閑話休題でございますが、お手元に私の資料が、ペーパーが行っているかと思いますが、これは岩手県が非常に財政厳しい折柄、何とか知恵を絞ってこの財政厳しい折柄乗り越えていこうということで、職員から経費削減の標語を募集したそうでございます。何か百四十三点の応募があって、そのうち八点が入選したそうでございます。それを岩手県の方から送っていただきまして、岩手県財政品質向上運動標語入選作ベストエイトということでございます。
 この八つの入選作でございますが、一つは、例えば「低コスト 知恵と工夫と 行動で」とか、「「金」無いと 嘆く「暇」無し 「知恵」を出せ」とか、「アイデアで 無理ムダ斑の ない予算」、次は「先ずは問え これでいいのか この予算」、五番目が「改革は 未来へつなぐ 合言葉」、六番目「効率の 論理の影の 思いやり」、七番目「チョットまて ほんとに必要 その事業」、八番目「今一度 見つめ直そう その目線」。そのほかの中にも、入選にはならなかったようでございますが、「我が家でも 経費節減 発泡酒」なんというような、また「改革と 税源移譲で 親離れ」、「親」というのは中央省庁だそうです。こういうふうに、各地方も本当に血のにじむような努力をしておるということはもう御承知のとおりでございます。
 そこで今日は、私もさきのこの委員会で申し上げました、政府に行政効率化連絡会議というのができまして、我が公明党の中にもムダゼロ推進委員会というものをカウンターパートとして作りました。私がその委員長ということになりましたので、今日はこれから無駄ゼロという観点で、無駄の削減という観点で何点かお伺いをしたいと思います。
 まず、ちょっと通告した順序が若干異なりますけれども、お許しいただきたいと思います。
 まず、総務省は今年度、LANの端末を更改、更新したと聞いております。いただいた資料によりますと、総務省の導入したOS、アプリケーションを三年間借り入れた場合の一台当たりの単価は、七万一千円ぐらいだそうでございます。一方私の試算では、オープンソースのOSとかアプリケーション、これもまた、これを導入した場合であれば一台当たりの単価は一万七千円ぐらいだそうでございます。その差額は五万四千円ということでございます。平成十四年度の資料を、いただいた資料を見ますと、総務省全体で八千台のパソコンが導入されておるわけでございます。これをざっと、本当に目の子といいましょうか概括的に計算すると、オープンソースのOSの場合であれば四億三千万ほどの経費削減ということになるわけであります。
 そういうことでございますので、今後導入するシステム更改の際には、オープンソース等々を導入を進めるということが経費削減の一助になるんではなかろうかと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(平井正夫君) 御指摘の総務省のLAN端末でございますが、今年度更改を行ったところでございまして、この際はマイクロソフト社の基本ソフト、ウィンドウズXPと、同社のビジネスソフト、オフィスXPを標準搭載するとしたところでございます。これは、従来のLAN端末に搭載していました基本ソフト及びビジネスソフトとの互換性を配慮したものでございます。ちなみに従来のLAN端末は、基本ソフトはウィンドウズ二〇〇〇、ビジネスソフトはオフィス二〇〇〇というのを使っております。
 ただ、御指摘のとおり、オープンOSを使って経費節減を図る、あるいはセキュリティーの向上を図るというのは大変各方面で指摘されておるところでございまして、我々も問題意識持ちまして、セキュアOSに関する調査研究会、情報通信担当の政策統括官の主宰で村岡早稲田大学の副総長が座長をやっていただいている研究会を実は開催いたしまして研究を行っているところでございまして、近日中に報告が出ることに実はなっております。
   〔委員長退席、理事山崎力君着席〕
 その委員御指摘の総務省のLAN端末へのオープンOSの導入という点につきましては、こういうOSの研究会、せっかく各方面から知恵を出していただいておりますので、この辺の検討結果を踏まえまして、先生御指摘のコスト的な視点というのも非常に大事な視点でございますけれども、それに加えまして既存ソフトとの互換性の程度の問題ですとか、利用者の利便性、今までの機能が変わってまいったりしますものですから、機能の違いですとかセキュリティー、それから、今このオープンOSの関係についてはサポート体制が必ずしも十分でないというような御指摘もございますんで、そういうサポート体制など幅広い視点から検討してまいりたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 官房長、今御答弁いただきましたように、価格のみならずいろんな問題点があることは承知しておりますが、大臣、今、国全体の機関として所有しているパソコンは、資料いただくと九十三万六千七百二十台だそうでございます。これだけのパソコンが国の機関として借り上げたり一括購入等々であるわけでございますが、先ほど申し上げました無駄排除、行政効率化という観点から、コストということは非常にこれは大事なことでございまして、大臣も経営者出身の方でございますから、いかにしてこのOS、アプリケーション、安くいいものを、セキュリティーのあるものを導入するかということは、総務省だけじゃなくて国全体から見ても大変な大きなコスト削減になるかと思うんですね。
 そういう意味では、これ大臣も政府、電子政府の本部か何かの副本部長ですかね、なっておられますね。また、電子政府を先導しなければいけない総務省の大臣として、是非この辺の御決意をお聞かせ願えればと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、OS含めていろいろコンピューター等々の例を引かれましたけれども、これはもう日進月歩、物すごい勢いで事は進んでおります。よく例に引かれる社会保険庁のレガシーシステムの極みみたいなのを含めて、いろいろよくこのところ新聞なんかにも出ているところだと思いますが、これをひとつ阻んでおります大きな理由は、やっぱり一つはこの種のことに関する知識が基本的に欠落しておる、これはもう非常に大きな理由と。これの、進んで、もうこんなことまでできるというところまでの理解が余り得ていないのが一つ。
 もう一点は、予算の編成がこれ単年度方式になっておりますので、そういったので、実はやりたいんだけれどもという話で、どうしても単年度予算ということになっておりますので、今年度の予算からこれは複数年度にできる部分になったりして、その辺の部分は従来に比べて随分とコストが下げられるようなシステムは一応導入されておりますので、今後とも日笠先生御指摘のように、この種の問題につきましては、新しい、進んだ、いわゆるオフィスオートメーションという、機器に切り替えていくオープンシステム、いろいろ今も新しいものが出てきておりますので、そういったものを含めまして、今後、コストという面、それから利便性という面を含めまして、徹底して研究させていくべきものだと思っておりますので、その方向で頑張りたいと思っております。
   〔理事山崎力君退席、委員長着席〕
○日笠勝之君 是非、この件は推進をしていただきたいと思うんですね。いっとき多いときには国、地方合わせて二兆円弱ぐらいのIT予算が付けられたわけですから、一割カットでも一千億とか二千億とかいう大きな単位が削減、縮減されるわけですので、是非その決意を、是非今後とも、経営者出身の麻生大臣に期待をするところ大でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、次は各省庁、内部監査体制ということでいろいろ強化をしていただいていると思います。ただ、先にお聞きしましょうか、総務省自体の内部監査体制はどうなっておりますか。
○政府参考人(平井正夫君) 総務省といたしましては、内部監査の客観性、公正性を確保するために、平成十四年一月に会計監査要綱を策定したところでございます。この要綱に基づきまして、監査計画の中で重点監査項目を選定いたしまして、この点、厳正で重点的な監査を実施してまいっております。
 また、監査項目のポイントを明確にいたしました、明確にいたしまして、監査の統一性を図るためということで、重点事項のチェックリスト、マニュアルを作成し、監査を実施しておるところでございます。さらに、監査結果につきましては報告内容を具体的な記述をもって監査報告という形で作成いたしまして、報告しておるところでございます。
 ちなみに、平成十五年次監査対象は全地区行政評価局、及び全総合通信局等を、二十九官署につきまして行ったところでございます。今後とも、一層内部監査の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 その二十九の官署をやられまして、特段指摘すべきといいましょうか、改善すべき事項というのは、具体的にはいいですが、何点ぐらいあったんでしょうか。
○政府参考人(平井正夫君) 具体的な監査の項目につきましては、項目数は、申し訳ございません、ちょっと手元に用意してございませんので。
○日笠勝之君 じゃ、また後日同じことを質問するかもしれませんので、用意はしておいてください。
 そこで、内部監査というと監査する方もされる方もどちらもいわゆる同じ職員の方ですよね。そこで、本当にこれ有効に機能しているのかなということが、疑義が生ずるわけですね。ですから、何件ぐらいありましたかと聞いたんですが。
 例えば最近の事例でいくと、これは悪い方の事例ですよ、当然。広島県労働局が裏金をプールしてそれを着服したと、一千三十万ほどだそうでございます。自殺者まで出ておるわけですね。そのお金、一体全体何に使ったんだというと、官官接待に使ったと。中央の方から偉い人が来るときのために使ったとか、ないしは中央に行くときの手土産に持っていったとか、こういうなれ合いの中で本当に内部監査というのが有効に機能するのかなと、こういうふうなことでございますが、行う側ですね、監査に行く人、こういう方々の規律、規範とかいうようなマニュアルはあるんでしょうか。例えば、国税庁であればお茶、コーヒー一杯飲まないとか、税務監査で、税務調査で行っても。こういうのあるようでございますが、行く方の側は、マニュアルですね、こういうことは受けちゃいけませんよと、そういうのはあるんでしょうか。
○政府参考人(平井正夫君) 今御説明申し上げましたように、監査マニュアルを作りまして……
○日笠勝之君 行く方。
○政府参考人(平井正夫君) はい、監査やらせていただいておるところでございます。
○日笠勝之君 規律ですよ。お茶、コーヒーまではいいとか、弁当はどうだとか、夜の官官接待は駄目だとか、そういういわゆる規律、規範です、行く方の側の。監査に行くわけですから。弁当ごちそうになったり夜御招待を受けたりお土産もらって帰ったんじゃ、これ本当の内部監査にならないじゃないですか、先ほどの広島の労働局と一緒で。そういう行く方の、監査する側の方の規律、規範のマニュアルはあるんですかと聞いております。なけりゃなくて、あればあるで、どちらかで返事ください。
○政府参考人(平井正夫君) 現在、策定しておりません。
○日笠勝之君 ですから、そういうものを、大臣、大臣、行く方のマニュアルがなかったらどういう監査しているか分からないじゃないですか。規律、規範がなければ。常識論ですよ。しかし、国税庁の税務職員なんかではちゃんとあるんですよ。会計検査院だって持っているんですよ。ですから、当然これは、よその省庁があるかないかじゃないんですよね。総務省がいいことはどんどんどんどんこれ率先垂範してやればいいんですから。私は、そういう規範を作るべきである、規律を作るべきであると。透明性、公開性、こういうことから見ても、する方もきちっとやっているんだなと、こういうふうに思いますので、提案しておきます。
 それからもう一つは、監査に行く場合は、通告して行ったんじゃこれ意味ないんですよ、何月何日行きますよじゃ。チャレンジ監査、チャレンジ監察で、ある日突然行くと、その監査する方が来ていて、金庫の中にびしゃっと封をして、ここから先は私が全部やりますから資料だけ出してくださいと。こういった監査をしなければ、何月何日行きますよと言ったら口裏合わせちゃって、本当の監査にならない。
 そういう意味では、どういう監査ですか、これは。通告して行っているんですか、それとも突然行くんですか。どうぞ。
○政府参考人(平井正夫君) 先生御指摘の無通告で行く監査というのは、現在のところはやっておりません。ただ、そういう、今先生のお話の中にございましたような、内部告発があるとか、個別に具体的な問題が指摘されたところにおいてはそういうふうな監査のやり方についても行いたいというふうに考えておるところでございます。
 通常の監査というのは、書類がきちっと整っているとか、適正に処理されているかという重点でやっておりますので、それを中心に現在のところはやっておるところでございまして……
○日笠勝之君 適切にやって処理がいつも相当でというのは、公務員の職務として当たり前のことなんですよ。だから、チャレンジで突然行って、ばっと金庫を封をして、はい、預金通帳見せてください、勘定帳はどうなっていますか、物品台帳はどうですかと、そこでやるのが本当の監査ですよ。突然来て、分かっていません、書類がありませんいうのはおかしいわけですから。
 そういう意味ではひとつ、元経営者の大臣は、恐らく自分の会社の内部監査というのはそれぐらい厳しくやっておられたと思いますよね。そういう意味では、ひとつ総務省が、率先した内部監査の有効な今後の在り方について、更に検討いただければと思います。
 終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 まず初めに、愛知県瀬戸市にあります愛知職業リハビリテーション自動車教習所について伺います。
 この自動車教習所は、宿泊施設を備え、医師の健康管理を伴う施設としては全国唯一の教習所として設置されたもので、公安委員会指定の全国唯一の障害者専門自動車教習所ということであります。これまで全国四十七都道府県から、すべての都道府県から二千百八名の方が入所され、一千八百八十名が運転免許を、いろいろな障害をお持ちなんですけれども、取得をして、現在、各分野で活躍をしておられます。皆さんのお手元に資料をお届けしたんですけれども、この資料をごらんいただければ、出身地区とかあるいはどんな内容であるか、ホームページの表紙も付けてありますので、ごらんください。
 この施設なんですけれども、実は七年前、閉鎖の危機となって、時の橋本総理が参議院の決算委員会で、一般身体障害者に対する施設として、この機能を有効活用できるように、関係方面と調整を図りながら、労働省がその受皿を含めて今検討している、こうおっしゃったんですが、その後どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(高橋満君) 御指摘の愛知職業リハビリテーション自動車教習所でございますが、元々労災被災者の社会復帰を目的といたしました施設として昭和四十六年に設置をされたものであるわけでございますが、平成九年に、御指摘のとおり、そうした目的の施設としては廃止をすると。ただ一方、この施設の有効活用という観点から、平成九年から愛知県障害者雇用促進協会に暫定的に運営を依頼して、今日に至っておるところでございます。
 現在のこの施設、自動車教習所の利用をされております障害者の方々の状況、実態ということを見ますと、一つは、利用者のうち、労災被災者の割合でありますとか、あるいは教習を終えましてその後就職を希望される方の割合、これが極めて低い状況にあるという実態も一方にあるわけでございます。確かに、身体障害者一般に対する施設としてどうなのかと、こういう御指摘なり御意見もあることは承知をいたしておるところでございますが、私どもといたしましては、当施設をこれまでと同様な形で運営していくということはなかなか困難な状況にあるものと理解をし、認識をいたしております。
○八田ひろ子君 機能を有効活用できるように検討していると、こういうふうに総理大臣がおっしゃったわけなんですよね。
 二月に実は新聞報道がありまして、独立行政法人化する、廃止の危機と、こう言われて、また三月十八日には、また違う新聞報道がありまして、運営は半年間延長へと、こういうふうにありますけれども、内閣総理大臣が機能を有効活用できるように検討と、これはどうなんでしょうか。
○政府参考人(高橋満君) 今申し上げましたとおり、これまでと同様な形で公的な形で運営をしていくという観点から申し上げますとなかなか困難な状況にもあり、私どもとしてはその役割は終えざるを得ないのではないかというふうにも考えておりますが、一方で、この障害者に対します自動車運転教習機能、これを存続を何とかできないだろうかという観点から、どのような運営形態が可能か、現在鋭意検討を進めさせていただいているところでございます。
○八田ひろ子君 ずっと検討し続けているということなんですかね。
 今日皆さんにお配りしましたこのホームページですけれども、障害があるからあきらめておられませんかと、「あきらめないで相談を」と、「体の不自由な方のための自動車教習所です。」と。
 私もこの施設伺ってきましたけれども、脊髄損傷の方とか脳性麻痺や小児麻痺の方も運転免許証を取得して立派に自立される。そしてここの卒業生、若葉マークの初心者がこの二十年、無事故無違反ということなんですね。
 私は、本当に丁寧な指導で一般の自動車学校では担えない分野、やっぱり公的な責任で、この橋本総理の当時に言われたようにきちんと存続をされるべきだということを強く求めて、次の質問に移ります。
 次は、NTTの家族的責任を負う労働者の強制配転問題にかかわって、幾つか総務大臣を始め担当の省庁に伺いたいと思います。
 NTTは、御承知のとおりに、一八七〇年に工部省から始まりました。一九八五年に逓信省、一九四九年に電子通信省、一九五二年に公共企業体日本電信電話公社、八五年には日本電信電話株式会社になりました。インフラは国民の共有財産で、その国民の財産を使って利益を上げている企業で、国が四五・九四%の株を持ち、普通の民間企業とは違うわけなんですね。
 日本電信電話株式会社等に関する法律では、その責務として、第三条、会社及び地域会社は常に経営が適正に行われるよう配慮し、公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない、公共性を持った企業です。だからこそ、第十六条では、総務大臣はこの業務に関し監督上必要な命令をすることができる、第十七条では、総務大臣はこの業務に関する報告を徴することができる、こう書かれております。
 今、国際的にILOを中心としたディーセントワーク、つまり人間として尊厳を保てる仕事、これが目指され、九八年のILOの労働における基本的な原則、権利宣言でもうたわれているのは御存じだと思うんですけれども、このNTTもこういったディーセントワークの方向で法令の精神遵守して、特にこういった国が責任を持つ部分がありますので、きちんと模範的な企業でなきゃいかぬ、こういうふうに思いますけれども、大臣の認識を伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) 抽象的でよく分からぬのですけれども、ディーセントワークという定義をもう一回言ってください。
○八田ひろ子君 これは予算委員会で私、厚労大臣にも聞いたんですが、人間として尊厳を保てる仕事を目指そうと。これは日本の労働基準法第一条第一項等も相共通する、人たるに値する生活を営むための労働、これと共通しているということなんですけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 通常のディーセントという、ふさわしいとかそういう意味が法律用語になったということですか、これは。私、ちょっとこれは国会でこの言葉を聞くのが初めてですから。ディーセントワークというのは、何でふさわしい仕事と訳さずディーセントワークと片仮名に直されるのか、よく分からぬのですけれども、何で片仮名でなくて日本語にされないで、片仮名に当てて使われるのか。最近の流れとしてはいかがなものかと、これは総務委員会で片仮名はやめた方がいいという御意見が多分出ていたと思うんですけれども。ディーセントワークと言われると、ヒー・イズ・ア・ディーセントマンとかいうようなときによく使う話でありますけれども、初めてこれは法律用語として伺いましたので。
 ちょっと今、模範的な会社であるべきだと思うというのは、NTTというのは売上高十兆円ぐらいかな、それで社員も二十万人以上いるところでもありますので、いろんな意味で日本を代表するような企業であることはもう間違いないと思っておりますので、労働環境等々につきましても、いろいろ、何というのかな、先導的な役割というべきものを担うべきものだと思っておりますので、そういった意味では労使間でいろいろ、これNTT、先ほどNTT元社員も、労働組合社員もいらっしゃいましたけれども、あちら、さっき質問しておられた方、こっちに、使用者側かどっちか知りませんけれども、こっちも同じく元NTTのかまで飯食った方もいらっしゃいますけれども、労使間で協議することなんだと思いますので、これはNTTの労使間において真摯に討議をされてしかるべき問題だと存じますが。
○八田ひろ子君 やっぱり国にも責任ある、ILOがディーセントワークを提唱していまして、まだ適当な日本語訳ができていないんじゃないかと私は思うんですね。ジェンダーイコールも日本で言うと男女共同参画と、こういうふうに法律の名前にはなっているものですから、そういう世界の流れということだと私は思うんですね。
 そこで、日本の法律、男女共同参画社会基本法では男女共同参画社会実現のために事業主の責務、これが示されていると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(名取はにわ君) 委員御指摘のとおり、男女共同参画社会基本法では第十条に国民の責務を規定しておりますけれども、この国民には自然人及び法人が含まれるので、事業主も入ると解されております。
○八田ひろ子君 そうなんですね。
 そこで、男女共同参画社会実現のために仕事と家庭の両立が非常に大事だと思いますが、その点ではいかがでしょうか。
○政府参考人(名取はにわ君) 委員御指摘のとおり、仕事と子育ての両立を支援し、労働者が育児、介護等の家族的責任を果たせるようにすることは、男女共同参画社会を実現する上で重要であります。
 このため、男女共同参画社会基本法におきましては、基本理念の一つとして、家庭生活における活動と他の活動の両立が盛り込まれ、男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行わなければならないと定めております。
○八田ひろ子君 本当にそれが実現できる、そうあってほしいなと私も思い、その推進のために国会は責務を果たさなければいけないなと思っています。
 そこで、厚生労働省にもおいでいただいておりますけれども、男女共同参画社会、これは内閣の最重要課題というふうに位置付けられているんですけれども、仕事と家庭の両立ですね。そして、事業主にも責務がある。この育児・介護休業法では家族的責任のある労働者の配置についてどのように規定されていますでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 育児・介護休業法は、子供の養育あるいは家族の介護を行う労働者の雇用の継続や、あるいはそういうことでいったん退職された方の再就職の促進を図ることによりまして、仕事と家庭生活との両立に寄与するということを目的とした法律でございます。その育児・介護休業法の中に今御指摘の育児や介護を行う労働者の転勤についての配慮規定がございます。
 この配慮規定の趣旨でございますけれども、これは子供の養育や家族の介護を行っている労働者にとりましては、住居の移転を伴う配置転換、特に転居を伴う配転ということによりまして、その状況次第によりましては雇用の継続が困難になったり、あるいは職業生活と家庭との両立についての負担が著しく大きくなったりする場合があるということにかんがみまして、この規定が設けられております。具体的には、第二十六条におきまして、就業の場所の変更を伴う労働者の配置の変更をしようとする事業主に対して、労働者の子の養育や介護の状況に配慮しなければならないという規定でございます。
○八田ひろ子君 ありがとうございました。会社は労働者の配置に当たっては介護の状況に配慮しなければならない。介護の責任を持つ労働者と一口に言いましても個別にいろんな事情が違うんですね。
 そこで、今日は大臣に三人の方の例をお示ししながら伺っていきたいと思います。
 とりわけこの方たち、一刻の放置も許されない本当に緊急だと思うんですけれども、そのお一人、今NTTの西日本名古屋支店で働いておられる村上淳一さんという五十七歳の方。この方は一昨年十一月に大阪から名古屋へ遠距離通勤になった、遠距離配転ですね。当時、妻の未沙子さんが肺がんを発病されて肺の一部を摘出するという、家族みんなで奥さんの体調も気遣いながら支え合ってこられた、こういうときだったんです。村上さんは手術直後でもありますし、毎日妻の未沙子さんを見ていないと心配だということもありますし、これ以上負担を大きくしたくもないということで、この転勤困るんだと、どうしても転勤になったらせめて通勤ではどうかという訴えをされたんですけれども、それを拒否されて単身赴任になったんですね。
 ところが、手術直後は何とかいいとお医者さんもおっしゃっていたんですけれども、昨年十一月に再発でがんは肺全体と骨と脳にまで移転をして、村上さん、すぐに会社に今すぐ大阪勤務に戻してほしいという緊急の配置転換要望書というのを出されたんですけれども、今現在はそれが認められていないんですが、奥さんは入退院を繰り返して、そのたびに休暇を取ったりして、村上さん行かれているんですが、高額な医療費負担と単身赴任でも生活費がかさみますし、看病のために自己負担で大阪―名古屋の往復、精神的にも経済的にも大変だったんですね。今はこういう状態なので新幹線通勤だけはオーケーになったんですが、奥さんはがんと闘って治療や抗がん剤で本当に体力的にも精神的にも大変な状態で、食欲もなくて水分を取るのも無理やり押し込む、副作用で頭髪がないのでいつも帽子をかぶっていらっしゃるとか、こういうときにいろいろあっても御夫婦ですから、お連れ合いがこういうときは支えてあげたい、できるだけ長くそばにいたいと思うのは当然だと思うんです。
 今、介護二時間、毎日、介護休暇というのがあるそうですけれども、しかし新幹線を使っても往復五時間、これ御自宅から掛かるんですね。で、新幹線代というのは三か月で三十七万円、定期券だそうです。これは無論会社が支給するんですけれども、高額の通勤手当も所得税や社会保険料の算定基準になりますから税金はたくさん取られるということで、会社はそもそもこの村上さんでなければならないというわけではないけれどもといって遠隔地配転の必要性もない仕事、それから人選の合理性もないというのはそういうことなんですけれども、手続的にも欠陥があるというふうに思うんです。
 大臣、さっきの内閣府とか厚労省の法律の説明を聞かれたと思うんですけれども、こういう精神からいっても、人道上でも、こういう例がどうなのかなと私は思うんですけれども、率直にどうでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 個別の事業、事業体、会社の個別の案件を大臣に質問されるというのは、それは余りディーセントな質問ではないのではないかというのが率直な感想です。
 それで、これは基本的にはこれはやっぱり配置転換等々、これはその会社ごとにみんな就業規則というのは多分あると思いますので、それでそれに基づいて実施をされておるところなんで、ちょっとこれNTTの話ですので、これはちょっと実態をよく分からぬ上で何とも申し上げられませんけれども、一般論で申し上げる以外に手がないんだと思いますので、就業規則等が、普通ですと労使間協議とかいうのが普通締結されている、組合と締結されていると思いますので、その労働協約というのがそこに確実にあるはずですから、に基づいて業務上必要だということを勘案して多分実施されているというのが通常ですから、そういったところで対応されるべきものなんだと思いますので、ちょっとその適正に行われているかいないかという個別の案件について、大臣として答えるという立場にありません。
○八田ひろ子君 私、大臣に配転の是非を聞いているんじゃなくて、こういう方の例をどう思われるかとさっき質問したんですね。
 今、NTTの出向規定というのがあるんですよ、おっしゃるように出向規定。NTTはいろんな会社が、持ち株会社でいろんな会社がありますでしょう。これの社長達第三十一号というところの第四条にも、出向社員の選考に当たっては、社員を出向させるに当たっては意向把握に基づく出向希望、本人希望、本人の希望を聞けということ、それから本人の適性や業務の必要性、家庭の事情、経験等を総合的に勘案して行うこととするんだと、こういうふうに内部規定もちゃんとあるんですよ。これはさっき両方がお示しいただいた法律とか、民法に従ってあるので、これ言えばそうだと思うんですけれども、こういうのがあるのにこういう例がある。
 私、どうしてこういう質問しているかというと、今の方だけじゃないんですよ。もう一人、神野康坦さんという、これも西日本の名古屋支店に今働いていらっしゃるんですけれども、この方も五十六歳で同じく二〇〇二年の十一月に大阪から名古屋へ遠距離配転になった方なんです。この方は今、新幹線通勤していらっしゃるんですけれども、毎朝五時に新幹線で大阪から名古屋へ通勤していらっしゃるんですよね。
 実は、配転の命令が出る前から実は両親の健康状態が思わしくないので、自分が世話しなくちゃいけないから大変なんだとこの上司には常々おっしゃっていたらしいんですよ。で、名古屋の配転を命じられたときに、自宅にその当時引き取ってお世話されているお父さん、八十六歳なんですけれども、脳梗塞とパーキンソン症候群というんですか、これを、歩くのにも壁伝いに体を支えなければならないほど不自由で、無論そのほかに府内に実家で独り暮らしをされているお母さん、こっちは八十四歳なんですよ、こちらのお母さんの方は以前に患った脳梗塞の後遺症があって痴呆の症状も出始めているんだと、だから困るんだというふうにおっしゃっているんだ、おっしゃったんですけれども、実際にはこの名古屋配転、家庭状況から見てこの神野さんが介護しなければならないんだけれども、そういう状況があるわけです。
 名古屋の配転後、お父さんの容体が悪化して昨年九月には入浴中に脳梗塞で亡くなったんですね。神野さん自身は、もう少し気配りできる時間があればと遠距離通勤の中で自分を悔やんでおられるんですけれども、こんなお気持ち、本当に切ないと思います。こうした中で、今度、お父さんが急に亡くなったということで精神的なショックもあるんでしょうけれども、突然脳梗塞の後遺症の痴呆症状が急速に進行されちゃって、最近では子供さんの顔、お母さんがね、それで子供さんの顔も見分けの付かないときがあったり、当然火の消し忘れや薬の飲み忘れも目立って、特に夜、非常に物音なんかするとパニックになるので夜中に電話を掛けまくると。こういう状況なので、お母さんが安心できるようにと今、新幹線で実家に帰って、大阪の、食事、入浴などの介護をして、お母さん自身は神野さんを本当頼りにしているわけなんですけれども、朝五時に出ちゃうもんですからやっぱり心配なんですね。
 さっきも言いましたように、神野さんでなくてはならないということではないけれども、リストに入っているから配転なんだっていうことなんですけれども、介護というのは総力戦なんですね。大臣はそういう御経験あるかどうか分かりませんけれども、御本人も家族ももうこれではもたぬのじゃないかなというような状況がある。やっぱり、こういう状況がどうして一杯出てくるのかということなんですよ。たまたまそういうふうになっちゃった方が配転になったというんではない状況があるので、私は大臣に、こんな状況どう思われるんですかと、こういうことを聞いているんですよ。
 神野さんにしても大変だと思うんですよ。だから、本来なら、法的なところでいけば当然保障される。先ほど北井審議官がおっしゃったように、仕事が継続できるように配慮するという、未来永劫ではないですからね、こういう介護の場合はね。だから、そういうのが私は必要だと思うのになぜこんなことになっているのか。こういう、神野さんなんか本当にお気の毒だと思うんだけれども、大臣はどう思われるのかなという質問なんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 総務委員会で私の感情を聞かれても余り意味がないような気がいたしますが、少なくとも、今、NTT西日本のところとの話ですので、それは今の話でいきますと、労働協約とか出向規定とかいう話がさっきあっておりましたのでその種の話だと思いますので、これは総務省の管轄よりこれは厚生労働省の所管の話になるんじゃないかしらね。基本的にはその会社の労働協約の話ということになりますので、そういうことになるんだと思いますので、お気の毒という点に関しては、お気の毒と申し上げればそれでいいという話を期待しているわけでもないようですけれども、基本的には、今申し上げたように、その会社の中において起きた個別の案件ということでありますので、その個別の案件についてこの総務委員会という場でそれに対する感想を聞かれても余り意味がないと思いますし、具体的にそれをやろうとする場合は、それは出向規定若しくは労働協約との関係なんだというような感じがいたします。
○八田ひろ子君 NTTだから私は総務大臣に伺っているんです。それは最初に申し上げましたでしょう。
 このような例の場合、配転が長期化するにつれて、経済的には無論ですけれども、御本人や家族の心身に耐え難い苦痛というのが拡大するんですよ。そうであるからこそ日本ではきちんと法律も作って、さっき育児・介護休業法の第二十六条を読んでいただいたんですけれども、そういうのがあって一刻も早く是正が必要な例があるんだと。
 私、すごくおかしいと思うのは、今の二人は二〇〇二年に大阪から名古屋へ来られたんですよね。その方が必要なということではなくって、配転命令が出ているんですよ。今度は、その名古屋で介護している方もありますよね。名古屋支店に勤めている方です。ところが、今度、その名古屋に勤めている方が今度は大阪に配転をするということで、今ちょっと大混乱になっているんですよ。
 例えば、名古屋支店に今勤めていらっしゃる飯田栄さんという方があるんですけれども、この方は親御さんを、夫婦の親御さんですから三人同居していらっしゃるのですね。お母さんの方は今年三月二日に急に脳梗塞で倒れて、ベッドから起きられなくなって、突然痴呆症が発生して記憶がなくなったり夜パニックが起きたり大変で、半身不随のために入浴や着替えや食事の介護も必要なんですよね。急性期は病院なんですけれども、病院ですと話し掛けがないのでより病気が進行していくというのは御承知のとおりですけれども、飯田さんは今までも三人の高齢者がいるので転勤はとてもできないよというお話を上司にされていたんですけれども、三月十六日に、実は耳打ちなんだけれども大阪へ在籍出向なんだよと。飯田さんびっくりしてもう何度も、行けないと。要請書も出したんですけれども、取り合われないと。どうして自分が行かなくちゃいけないのか、業務上のことですね、どんな勤務でどんな労働条件かというのがその説明がなくて、家庭の事情を考慮するはずなのにそれはどうなっているかと言うと、上司は自分では分からないと、こうおっしゃるようなんですよ。本人の希望も家族状況も無視した一方的なやり方で、無論まだ正式辞令は出ていません。
 大臣のところにも資料をお付けしているんですけれども、これが今度のこの飯田栄さんなんかのいらっしゃる、広域配転の人たちなんですよね。四月一日から子会社への出向で、プロジェクトを立ち上げるということで広域配転で、その名簿見ていただきますと、一番最後のページ、半数ぐらいが、NTTに残った五十歳以上の方でいわゆる六十歳満了型を選択した方なんです。今分かっているだけをお示ししているんですけれども、遠隔地配転が半数に及びます。大阪のプロジェクトという名目で新たに名古屋の人を大阪に、その配置転換の補充で今度は北陸、静岡、三重から名古屋へ、それから山口、岐阜、四国、愛知、兵庫、京都から大阪、玉突き配転になるんですよ。だから、家族的責任を持って困難抱えている方にますますこの飯田さんのような事例が出てきちゃうわけです。
 だから、どうしてこういうことをやるのかという説明も実はきちんとないものですから、二〇〇二年に大阪で大異動でいらっしゃった方でどうしても帰らなくちゃいけないという方が帰ればこのようなことは起こらないわけなんですよね。だから、会社としてそういうふうにやっている、国策で作ったNTTという会社で。
 総務大臣、一番最初に私も申し上げましたけれども、やっぱりきちんと国としても責任持たなくちゃいけない。一番の株主も国なんですよね。そういう企業で法にもとるようなこと、人間にとって一番切ないようなこと、これを一杯作り出しているというのは私は問題だと思うから、最初に申し上げましたように、介護というのは個別にいろんな事情があるものですから具体的な話をお示しして、どうしてこんなことが起こるのか。起こらないために一生懸命国は法律を作って、そして労働者保護をしているのに、国が大株主の企業ではそういうことが、どんどんと冷たいことが行われる、人道上許されないことが行われる。これはおかしいんじゃないかなと私は思うから総務大臣に伺っているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 何度も申し上げるようですけれども、こういうときのために、こういうまとまっていた場合は、ある程度労働組合というものはこういうときに会社側と交渉されるというのが本来の労働組合の立場なんだと思うんですね。労働組合と会社側との間の労働規約、協約に基づいていろいろ交渉をされるべきで、NTTで今組合ありますでしょう、電電というたしか組合があったと思いますので、それこそそこが基本的には交渉されるべき話なのではないのかなというのが率直な実感ですし、NTTという会社といえどもこれは法律上におきましてはこれは一般の企業と基本的には同じ立場ですから、そういった意味においては一般の企業以上に、これは民間会社である以上いわゆる協約に基づいた、規定に基づいた以上の責務を負っているわけではないということに多分なると思いますので、その個別の事例が何となくまとまっているのをこれだけ見ていると何となくそうかなという感じがしないでもありませんけれども、ただ、だからといって、総務大臣としてと言われてもこれはそれで扱える種類の範疇の話ではないと、基本的はそう思います。
○委員長(景山俊太郎君) 時間が来ておりますのでおまとめください。
○八田ひろ子君 はい。
 やっぱり、そもそもこの方々の労働契約そのものは勤務地域が限定されて職種も限定されているのに、遠隔地配転だと。
 私、一番問題にしているのは、介護を、親をほかっておけないからと言ったら、じゃ辞めろというような、そういう嫌がらせとも受け取れるような中身を天下の大企業がやっていいのかと。そういうことをさせないために、いろんな法律を作って家族的な責任を果たさせようと今やっている最中なんですよ。だから、そういった面ではやっぱりILOの方針とか今の日本のやっていこうという方向と違うやり方、人間を大事にしない、こういう企業はやっぱりきちんとさせるというものが必要だと思うんですね。
 労働組合が交渉されるのは当然なんですよ。それは労働組合でやられることは大事なんですけれども、私たち国会としてもやっぱりこれは看過できないやっぱり重要な問題だということで、とりわけNTTですから、総務大臣もよくお心に留めておいていただきたい。
 私はきちんとされるべきだという責任が国にあると思うから質問しているので、またこういうような中身は質問するかもしれませんけれども、今日は時間がないということで、これで終わります。
○委員長(景山俊太郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(景山俊太郎君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十六年度総予算の委嘱審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○又市征治君 社民党の又市です。
 初めに、公務員制度について伺いたいと思います。
 公務員制度改革の名の下で、残念ながら天下りの放任、あるいは特権エリートの養成と抱き合わせで能力等級制を打ち出した政府のいわゆる大綱路線、これは国民から大変厳しい批判を受けましたし、その結果、今、一とんざをしているわけですが、その意味では国民にとってじっくりと考える良い機会だとも言えるんではないかと、こう思います。
 その中で、特に能力評価の問題につきましては、事務部門では大変難しいと、こう言って撤回をするような民間企業も今日出ているのが現状であります。もちろん、評価をする以上は、結果を昇進や給与に反映させるというのは当たり前でしょうけれども、そこまで縛るという場合にあっては、事前に職員団体や全職員に周知をして、制度設計にかかわるべきは当然のことだろうと、こう思います。
 この点で、今日は春田室長に来てもらっていますが、ここの点、どういうふうに御認識されておるか。秋の国会に出すために準備されているんでしょうけれども、また、拙速にやってミスであるというのは、これ駄目ですから、その点申し上げて、見解をお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(春田謙君) お答え申し上げます。
 公務員制度改革につきましては、現在、能力実績主義の人事制度の導入など改革の内容を具体化するための検討を進めているところでございます。御指摘のように、能力実績主義の新しい人事制度、有効に機能させるためには、公正で納得性の高い評価システムを導入すると、これを任用や給与に活用するということが必要であるというふうに考えてございます。
 新しい人事制度の検討に当たりましては、御指摘のように、職員団体を始めとする関係者の間で幅広く意見交換を行っていくということが重要であるというふうに考えております。特に、職員団体、公務労協等からは私どもに対しまして政労協議の開催の要請がなされていることを受けまして、二月からは連合、公務労協との間で関係行政機関の局長レベルで事務的な打合せを開催するというようなことも行っているところでございまして、その中で幅広く公務員制度改革についても意見交換を行っているというところでございます。
 いずれにいたしましても、職員団体とは今後ともよく話し合ってまいりたいと考えております。
○又市征治君 十分な労使協議と合意に基づいて制度設計をやりませんと、現在、勤評制度があるけれども全く機能していない、こういうことにも陥ってしまうわけですから、この点、重ねて申し上げておきたいと思います。
 今日は人事院総裁にもお見えいただきました。総裁、長い間、中立機関の責任者として、国民に奉仕する公正公平な公務員人事制度に御尽力をされてこられました。今回、勇退される由ですけれども、長年の御労苦に心からの敬意を表したいと思います。
 中でも、今申し上げた公務員制度の問題で、天下り規制の緩和、つまり大臣承認でよいという政府の行革大綱のお手盛り性の危険性などについてはかなり前から御批判をなさってこられましたし、これが国民の厳しい批判と相まって、政府側もようやくこれは無視できなくなったということもあって、この公務員制度改革の問題が今見直しになっている、こういうことだろうと思います。また、さらには、エリート偏重の採用実態の改革の問題についても、さらにはまた、政府が不備を承知で拙速に出された、今も出ました能力等級制の案についても一定の見解を示されて、大きな意味を持ったなというふうに私は受け止めています。
 もちろん、私は総裁とは立場は全然違いますから、幾らか見解を相違もあることは事実でありますけれども、ここで改めて総裁というか人事院としてのお持ちになっている公務員像、そして特権官僚の自己増殖システムではなくて、国民に奉仕をする、開かれたチェック可能なあるべき公務員制度像について、その要点は何だとお考えになっているか、憲法第十五条、これも踏まえて現代にどう生かしていくか、こういう観点から総裁の御見解を承りたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 公務員制度というのは行政の在り方を通じまして国民生活に大きな影響を及ぼす、こういう制度改革でございますので、この制度を改正するに当たりましては、やはり一つは広く国民の意見を聞く必要があるだろうと、そして行政の責任者である各省庁の意見を聞く必要があるだろうと、そして最後に、これによりまして勤務条件に影響を受ける一般公務員の意見、特に職員団体の意見というのは十分聞いて、それにこたえていく必要があるだろうというふうに思います。
 そこで、今の時点において公務員制度を改革するというのは一体どういう歴史的な意味があるんだろうかということをしっかり考えておく必要があるだろうというふうに思います。明治の二十年、あるいはその以前から日本の公務員制度というのは百年以上の歴史を持っているわけですが、この歴史を通じて見た場合に、日本の公務員制というか官僚制というのは、戦前戦後を通じて三つの欠陥を持っているというふうに言われております。
 一つは、やはり特権性だろうということです。もう一つは割拠性、いわゆるセクショナリズム。そして、三番目に閉鎖性というふうに言われております。この三つの日本の官僚制が抱えてきた欠陥というものを是非ともこの際に正す必要があるといいますか、少なくとも正すための糸口をつかんでおく必要があるだろうというふうに思います。そして、この歴史的に持っている欠陥というものに並びまして、現在、国民が公務員制度を改革するとしたら、何をやってほしいかというふうに国民が望んでおる、何を望んでいるかということをしっかり受け止める必要があるというふうに思います。
 そこで、私たちは、大新聞の投書欄に出た国民の声というのを子細に目を通して読んでみました。そうすると、先ほど申し上げました日本の官僚制というのが歴史的に持っておる欠陥というものとダブるわけですね。具体的に申し上げますと、今先生がお話になりました天下りの問題についてしっかり解決してほしいという国民の声、あるいはまた、セクショナリズムを是正するためにキャリアシステムというのを見直すべきだという国民の声、あるいはまた、公務の世界においては年功主義的だから成績主義あるいは能力主義というものを導入すべきだという声がございます。そういうものを受け止めながら公務員制度の改革というものを進めていく必要があるだろうというふうに考えております。
 それがすなわち全体の奉仕者としての公務員というものを実現していく基礎的な検討課題じゃないかというふうに考えておりますので、そういうことで、やはりせっかくの機会でございますので、最後は国権の最高機関である国会でお決めいただくわけですから、国会の方でも機会を見て集中的に議論をしていただきたいというふうに私は考えております。
○又市征治君 ありがとうございました。
 傾聴すべき見解として承りましたし、今大臣も春田室長もメモをお取りになっていましたから、是非今後の中に生かしていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 総裁もますます御健勝で御活躍いただきますように御祈念申し上げます。もう退席いただいて結構でございます。春田さん、結構でございます。
○委員長(景山俊太郎君) 中島人事院総裁、どうぞ御退席ください。
○又市征治君 それじゃ、続いて、先日来やってまいりました三位一体改革問題について伺ってまいりたいと思います。
 二〇〇四年度の予算及び地方財政について政府の答弁をずっとこれまで聞いてまいりましたが、本音がだんだん明らかになってきたのかなと、こういう感じがいたします。一言で言えば三位一体改革と言ってきたけれども、交付税は別枠で大幅な削減という極めて重大なごまかしがあったんではないかと私は言わざるを得ません。
 もう一度伺いますけれども、三位一体の三つというのは一体何だったのか、局長、どうぞ。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 三位一体と申しておりますのは、地方財政の基幹的財源でございます地方税、地方交付税、国庫補助負担金、この三つでございます。
○又市征治君 そのとおりでありまして、交付税も確かにこの三つの中の一つだったわけですが、三位一体といえば、当然今おっしゃったこれが密接不可分、つまり三つでバランスを取るというのが、これはだれもがそういうふうにみんな受け止めた。常識だろうと思うんですね。総務省も最初、つまり昨年の六月ごろまではそのようにずっとおっしゃってきたんじゃなかったでしょうか。この点、どうですか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) こういった三者につきまして、相互に密接な関連があるということで一体的な改革をしたいということでございますが、そういった中で三位一体の改革、主眼はあくまでも地方分権の推進ということではございますが、それと同時に、行財政改革とか財政健全化ということも同時に触れてきたつもりでございまして、例えば平成十四年五月に出しました地方財政の構造改革と税源移譲についてという試案におきましても、やはり国と同一歩調によります地方歳出の削減と、こういうことによる地方財政収支の改善は必要ではないかということは地方分権推進とともに触れてきたつもりでございます。
○又市征治君 ところが、現実はそういうことで、昨年の六月ごろまでは総務省も三位一体、文字どおりのそういう立場でおられたんですが、どうも中身は、出てきたものを見てみると、正にスリム化の問題が全くの本命になってしまったという、こういう感じを受ける。だから、そういう点で、先日も申し上げましたけれども、地方自治体の多くの首長の皆さん方は、これは全くだまし討ちじゃないか、やみ討ちじゃないか、全然違うじゃないかという形で大変な反発を強めている、こういう格好になっているんではないかと、こう思うんです。
 そこで、大臣にお伺いをいたしますけれども、私はむしろこれは認識を改めてほしいなと、こう思うんです。そのスリム化なるものは、主に交付税の需要額削減の操作によってなされておるわけですね。補助金削減の数倍の規模に今年の場合現実に上がっておる、こういう状況になっているわけですが、しかも、交付税削減は、税源移譲とかあるいは地方税の増収とかの埋まる材料は全くない、こんな格好であるわけですが、この点、大臣、どのように御認識なさっているのか、まず一つはこれをお聞きをしたい。
 しかも、単年度で二兆八千六百億、需要額ベースで一兆五千億円もの大幅な削減ですよね。昨年、塩川財務大臣が交付税一兆円削れと、こう言われたときに、多分今日ここにお見えの委員がほとんどがそのときの総務委員会だと思いますが、これに対しては猛反発をいたしましたし、総務大臣もこれを大問題にして交付税制度を守るという立場で押し返した、こういう実は経過にありました。
 総務大臣、十一月に御就任されたわけですけれども、この交付税削減、莫大な削減になっているわけですけれども、これは麻生大臣の裁断だったのか、それとも前の片山大臣のときにもうそういう裁断をなさったのか、ここはどういうことなんですか。経緯を是非お知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、又市先生おっしゃいましたように、三位一体の改革が閣議決定されましたのが平成十五年六月ということであろうと思いますが、そのときにも、そのときの閣議決定された内容を読みますと、その中に既に地方歳出の抑制という言葉が明記されております。それに基づきまして、昨年の十一月ということになろうかと思いますが、御存じのように一万人の、一兆円とか一万人とかいうのが出たのはこのときなんですが、元々はこれは三年間で四兆円、三年間で四万人というような話だったんですが、とにかく昨年の十一月のときに基本的には何もしないで三年間じゃとにかく話にならぬということで取り急ぎ一兆、目先一兆、削減は一万人という話が出たものですから、それでかなりなものになった、これが一つです。したがって、その点に関しましては間違いなく私どもの方で決定をさせていただいたということになろうかと存じます。簡単に言えば前倒しした、三年でやるところを二年でやるように前倒ししたという表現にもなろうかと思いますが、具体化するべくは、事務方の方に私の方から指示をいたしております。
 それからもう一点は、いわゆる昨年の十二月、地財の方はこれは下から積み上げていく話ですから、最初からどおんと答えを切って一万人とか一兆円とかいうんじゃなくて、これは地財の積み上げの話ですから、こっち側の方はこれは基本的には下からずっと積み上げていっておりますので、その結果ああいうような額になったということですが、御存じのように補助金の削減という部分でスリム化する話と、いわゆる税源を移譲させるという、今回の三位一体の中で一番の基になります税源の移譲という問題と二つあるんですが、この質の話であります税源の移譲の方は、曲がりなりにも譲与税とかいろんな名前がくっ付きましたけれども、間違いなく一歩そっちへ踏み出したというのは、これは物すごく大きな変化だったと思っておりますし、前進だったと思います。
 傍ら、スリム化する話の方はこれは量の話であって、質の話じゃなくて量の話なんですが、量の話につきましては、基本的には交付税だけで約五十兆超します赤字、地方全体で二百四兆円を超します赤字の分の削減をどうしてもこれはせないかぬということが一緒になりましたものですから、質の話と量の話と一緒に来たものですから何となく三位一体という話の方が、量の話の方にばあんとどうしても目が行くものですから、非常に話を、焦点が、質の話としていい話があるんですけれども、量の話の方に偏ってどうしても見られがちという点だと私どもは基本的に理解をしておりますので、その点につきましては、いろいろ地方の中でも人口五万人以上の市町村というところはそうはありませんけれども、五万人以上の人口を抱えた行政体ではおおむね評価ということになっておりますけれども、五万人以下というところの行政体が約八〇%、八五%ぐらいあるかな、人口でいきますと約七十万人ぐらいは五万人以上のところに住んでおられるんですが、そうじゃない区町村で、町村の数でいきますと八五%になりますので、総じて私どもの選挙区を含めてそういうところは多いものですから、一斉に今いろいろ御意見が来ておるというのが実態だと理解をいたしております。
○又市征治君 そこで、今日はさっきお座りになったんですが、片山前大臣、せんだっても私ちょっと触れましたけれども、予算委員長として発言をされておる中身ですね、三位一体の改革とは関係ないんだよ、交付税を切り過ぎたんだよ、それだけの話なんだよと、こう以下同じ趣旨で三度予算委員会で発言されておりまして、これ不規則発言かなと思ったら全部議事録に載っておりますから。これは総務省の責任だよとも言っておられるわけですね。これが本当だとすると、ちょっとこれは御確認いただきたいんですが、一つは、片山大臣在任の十一月までは交付税で一兆五千億円もの削減は考えていなかったと、こういうことになりますね。二つ目に、その後で総務省は三位一体と何の関係もなく交付税の大幅削減をしたということになる、こういうことになるんじゃないでしょうか。しかも、三つ目には、これは財務省の圧力でなくて総務省独自に判断をしたんだと。この三つ、これは相違ございませんか。ここのところの認識、違うなら違うとまた教えていただきたい。
○国務大臣(麻生太郎君) 少しずれておるところがあれば瀧野の方から細目言わせますけれども、先ほど申し上げましたとおりに平成十四年の五月の段階で、地方財政の構造改革と財源移譲についてというのがいわゆる片山プランと言われるものだと思いますが、そのときにも地方の歳入と歳出の自由度を高めていくということが大事だということで、国と同一基調で、とにかく地方歳出の削減により地方財政収支を改善するということはこの段階で位置付けられております。これは資料が残っておりますので。したがいまして、私どもは平成十四年十一月の三位一体改革につきましても、十八年度まで先ほど申し上げたような具体的改革に基づいたんであって、私どもとしては一方的に後からぽっとそれだけ出したというわけでは決してないと理解をいたしております。
 細目につきましては瀧野の方から言わせます。
○又市征治君 時間ですから、あっという間に時間が来てしまいましたので。
 地方にとっては血の出るような一兆五千億、あるいは二兆八千六百億ということですよね。要するに、いろんなことをおっしゃいますが、本当に地方に自由度が広がったり、その意味で地方に元気が出たりということになっているかどうかというのは私、大臣、政治的な判断として非常に大事なんだろうと思うんですよ。
 そういう意味では、確かに、私は全否定ではありませんよ、確かに移譲という問題については一歩前進をしているということはそのとおり認めますけれども、しかしトータルで見れば、非常に多くの自治体が予算が組めないとかなんとかという大変な問題になって、国のやり方が、さっき申し上げたような、だまし討ちだ、やみ討ちだと、こうおっしゃる。こういう空気になっていること事実。こんなことを含めて、やっぱり交付税制度のやはり大きな問題点、浮き彫りになってきたように私は思えてなりません。
 したがって、それらの問題は、今日は時間が来ましたから、今日はこれ以上論議できませんけれども、引き続きまた、ここらの問題はいろいろと論議をさせてもらいたい、このことを申し上げて、終わりたいと思います。
○山崎力君 今、又市先生の方からも質問ありましたが、私の方からも三位一体の改革と市町村合併について幾つか、何点か質問させていただきたいと思います。
 三位一体、いろいろニケアの宗教会議で云々という、キリスト教の神と子と聖霊とという話ございますけれども、今の我々の中での話は、いわゆる地方分権推進の中の、特に財源といいますか、基盤的なところでの話として、地方への税源移譲と、そしてもう一つは国庫補助金、国庫補助負担金の削減ですね、それから地方交付税の改革と、これを切り離せない、この三つを切り離せない一体のものとして改革を進めていくんだと、バランスを取っていくんだというふうに理解しているわけですが、そこからいろいろな、今、又市先生も出てきたような問題が出て、なるべく重ならないような形で質問したいと思いますけれども。
 今度の予算において、税源移譲ということで、所得譲与税という名目で、国税である所得税の一部を人口基準、人口配分といいますか、人口を基準として地方へ分配するという形を取ったということなんですが、これは、見方を変えれば、国税の一部を一定の基準で地方公共団体に配分するということですから、それじゃ事実上地方交付税と似たようなものじゃないかと、同じようなものじゃないかという考え方もできようかと思うんですが、どうこの今までの地方交付税と今度の所得譲与税が違うのか、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) お答え申し上げます。
 地方譲与税というのは、基本的に今までの国税だった部分で来ていた部分とこれは全然違って、地方税ということになりますんで、その地方税を割り振るときにはそこの人口比、人口で均等に配分をいたします。したがいまして、東京にも来ます。
 傍ら、地方交付税の場合は、そこの財政水準に基づいて配分をいたしますので、いわゆる東京のようなところには地方交付税は来ません。
 そういった意味では、基本的に基の割り方のあれが違うと思いますんで、根本的に違うと思っております。
○山崎力君 そこから発展してといいますか、進んでいきますと、こういうふうにも言えるわけです。新しい形の地方交付税を作ったんじゃないかと、今までの交付税でない人口割の地方交付税作ったんじゃないかと、それがしかも一番財政力の豊かな東京にも行くんだと、取り分が地方には少なくなると、こうも見られるわけでございまして、その話から、要するに受取方が、立場立場もあるんでしょうけれども、大分この三位一体の受取方が違ってきていると、言葉といいますか仕組みに対する受け止め方なんですが、理解が不十分じゃないのかなというままこの議論というのが進められてきているんじゃないかなという私、危惧を持っております。
 例えば、今回、いろいろ言われておりますが、地方公共団体を中心とした公共事業、ここのところが、国ももちろんそうなんですが、カットされたと。これは別次元で、別の政策でカットされたということは分かるんですけれども、地方からとってみれば、これも国庫補助負担金という形のものが付いてくるものが切られると。要するに、公共事業に来る、それに補助金が来ると。これが基がなくなったから補助金も来なくなったと。
 そうすると、さっきの、それを三位一体に頭に入っていますと、国庫補助負担金が下がるんだから、その分税源移譲かに何かにで地方にお金くれるはずだったんじゃないのと、それが来ないよと、これはちょっと何かおかしいんじゃないのという気持ち、これは端的に言って本来の三位一体を誤解しているというふうに言えるとは思うんですが、お金を当てにしている地方自治体から見ますと、何か裏切られたような、だまされたような気がしないでもないだろうと、非常に同情するところもあるんです。
 ですから、その辺、税源移譲の対象にすべきだとまではとても言えないわけですけれども、そういうことを見る見解について大臣等のお考えを、この辺は違うからこれはやってくれというところをお聞かせ願えればと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 山崎先生、基本的には三位一体の話というのは、これは極めて今まで例がなかったような質的なかなりな変換、国税を取り上げて地方税に回しちゃうという話は今までの財務省では考えられなかった話ができ上がっておりますんで、その間、その間、御存じのように、今退職金のあれで一部やっておりますが、あれが何で譲与税という名前になったかというと、今定年退職がずらっと出てくるところが多いのは今から出てきますので、そこの分が決まる前に今年で額を決められますと、地方にとりましては、後、退職者が増えてきた分は今度は自分でやらないかぬということになりますので、ある程度人数が確定するまでの間は譲与税という名前でしておるだけのことであって、最終的には、これは一応数字が分かった段階では地方税になります。移すまでの便法上そういう名前が付いていると御理解いただければよろしいんで、新たな交付税とは全然違う種類で、これは基本的には地方税に将来組み込まれる予備の譲与金という名前、譲与税という名前になっていると御理解いただければと存じます。
 それからもう一点の件につきましては、基本的には広義の三位一体と狭義の三位一体と多分二つ一緒になっていますもんですから話が、どうも役人がやると頭がいいもんですからどんどんどんどん話が難しくなり過ぎていて、私の頭でもなかなか付いていかぬということになっておるんで甚だ迷惑しておるんですが、基本的には、質的大転換の話と量の話とを一緒にしたんだと思うんです。
 この質の話は大体片山先生の話だったんで、この量の話は、いわゆる地財をずっと積み上げていった結果、これもいいあれもやらなくていいでしょうということで、ずっと地財計画に基づいていろいろな公共工事等々、不要不急のものをちょっと減らしてもらった。そこの分が非常に大きなものになりましたし、前年、前と比べますと、あのときは地方税の収入が約二兆円ぐらい景気が悪かったんで減っておりますが、今年は逆に去年に比べたら微増いたしておりますので、その微増した分だけは交付税が出ないということになる。しかし、地方の中小零細のところを見たら、どのみち地方税が入ってきていなかったところは同じことですから、非常にきついことになったというのが一緒になっておりますので、私どもとしては、その量的な部分につきましてはいろんな意味できめ細かな対応を迫られておると私どもも理解をしておりますので、先生のところやら私のところやら、かなり過疎地の多いところは結構しんどいことになっておることはよく理解をしておるつもりでございますので、きめ細かな対応をしていかねばならぬと思っております。
○山崎力君 今大臣からいろいろお話しになって、やっぱりよく分からぬのが、大臣も全部分かったっていう感じでのお答えでなかったんで安心したところもあるんですけれども。
 それではもう一点。広義と狭義、広い意味での三位一体、狭い意味での三位一体、これもあるのかなと思っていたら、やっぱり大臣御自身から、考え方としてあるんだと、質と量の問題でということで非常に、私なりにはある程度アウトラインといいますか、今度の改革が見えてきたと、今の御答弁で見えてきたとは思うんですが、問題は、この現場の県や市町村がそこのところをはっきり理解して、議会の、地方議会の議員さんたちも含めて、その辺のところを踏まえた上で、これからの三位一体の改革をどう取り組むかというふうになるかならないかということの方が一番肝要だと思います。
 先ほどの地財計画の問題ありました。この削減というものがどういう根拠で行われたのか、合理性がどこにあったのかという疑問も当然、一緒にやる必要があったのかという疑問も出てこようかと思います。
 いずれにしろ、これからどうやってこれをやっていくのかということは、なお一層、特に地方の関係者に理解してもらう努力が必要だというのは私の率直な感想でございますので、その辺を含めて御回答願えればと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 誠にごもっともな御指摘だと思っておりますので、私どもとしては、これは、こっちに座っていて聞きに来いと言うだけでは駄目と思います、思っておりますので、総務省といたしましては、今回、幾つか地方で会議を開催をいたします。総務省主催で四月から五月にかけまして、今、八ブロックに分けて実施をいたします。それから、全国市長会主催で同じようなことを全国の九支部で実施をしていただきますので、総務省といたしましては、職員を派遣して、その市長会等々で。また、各ブロック会長会、これは全国町村会長会の方ですが、こちらも同じように四月から七月にかけていろいろ会議をされる予定で、要請をいただいておりますので、私どもとしては、可能な限り総務省の職員を送りまして、具体的な例を説明していきたいと思っております。
 また、こういう本ができておりますので、これ、御自分のところでいろいろ内容が、青森県弘前市ではこういうことやっておるとか、例えば青森県の脇野沢村ではこれとか、種類がこう書いたのがありますので、こういうの、立派なの作ってさっさと売って金もうけようと思わないところがこの赤字になる理由だと思っておるんですけれども、こんなものは、これだけ立派な資料集めたら売りゃいいのにと思うんですけれども、これ全部ただだそうですから、これはお持ち帰りいただいて、これ参考にされたら、これはすごく私どもとしても参考になりました、これは。なるほど、こういうことやれるのかと思って、正直参考にもなりましたので、是非、そういった意味でごもっともな御指摘だと思いますので、対応させていただきたいと存じます。
○山崎力君 よろしくお願いしたいといいますか、しないと大変なことになると思いますので、お願いいたします。
 まあそこのところでもう一つ、それに輪掛けて地方を混乱、同時進行なものですから、混乱させているのが市町村合併でございまして、いろいろ問題点もあるし指摘もあるわけですけれども、結局、地方財政が悪化する中で、地方自治体として、これからの地方分権、言葉を換えれば競争の時代に、スケールメリットを生かした市町村合併して強い自治体作らなきゃ大変なことになるよという本音の部分が余り伝わらないうちに、合併すればこういうふうなお金が入るよとかいうようなあめの部分が先に先行した嫌い、これは地方でいろいろあるかと思いますが、そういうことがある種の誤解を与えて、それで、よしやろうといって、金もらえる方でやっていったら、最後の方になったら、財政突き合わせてみたらやっぱりむちの部分もあって、これは大変だということで、今になって滑った転んだ、さあ、やるかやらないかというところが出てきているというのも事実だと思うんですが、それはそれぞれの事情として、共通として考えられる。私が受け止めて考えられることは、やはり地方のこれから分権の時代、競争の時代といっても、競争するなら、同じスタートラインで同じ条件でさせてくれるならともかく、もう財政力も違えば、地域性はどうしようもないとしても、そういったところのいわく因縁からの格差というものが、地域間格差というのがあるままで、それでスタートさせても困る、困るといいますか、やってられぬぞと。しかも、そこのところを総務省なりほかの国の方でスタートラインを一緒にするような形の、用意ドンで競争できるようなところまでやらせる政策というものが見えてこないと、こういうことに対する不満というものが市町村長の中にも見受けられて、それはもっともだと思うんですが、そういったところで、むしろそれだったら合併しなくてもいいんじゃないかと。もう野たれ死にするかどうか知らぬけれども、死ぬことまでは行かないだろうと、この際あえて言わせていただければ、いろんなことで頭使って、気遣って、胃の中痛くしていろいろな改革をやって生き延びるという算段をやるよりも、このまま淡々と、安楽死じゃないけれども、財政再建団体になって、後は県なり国なりで面倒見てもらおうと、そうすれば職員の給料も下げる心配もしなくていいし、人員カットの方も労働組合からせっつかれなくても済むと、それから、みんなやっていたのを、来年からこの予算厳しくなったからやめてくださいというようなお願いをしないでも済むと、どうせ町村合併になればおれはそこの合併したところの首長にはなれぬのだと。だったら、今の村長、町長なりで淡々とやって、責任取って切腹して、辞めればいいと。冗談半分ですけれども、酒の席でそういうことを言う人も私の地元には、仲のいいとそういう人もいるんです。冗談半分だと思いますけれども。もう、ちょっと脱線するかもしれませんけれども、年金払って将来これっぽっちもらうんだったら、その分払わないで、年取ったら生活保護やなんか受けりゃいいって、全く同じ発想なんです。
 良くないとは思うんですが、その辺のところをどう対応して、どうやって希望を持たせていくのかと、あるいはそれこそ活性化するための地方の活性化のグランドデザインに対して国や総務省としてももう少し一歩進めた地域づくりをアドバイスしてやっていってもいいんじゃないかと。
 これは、中央から地方に対するそういったことというのは、何ていうんでしょう、中央集権化の一つの姿で好ましくないと、正に地方の自主性に基づくそういった地域づくりをやるのが正にこれからの地方の時代の基本じゃないかといえばそれまでなんですけれども、そうやってほっておくと、さっきみたいな話になると、これはもう、ちょっとまずいぞという気も私いたしておりますので、ちょっと二問、質問通告の二つを一緒にした形になりますが、御回答いただきまして、早いようですけれども、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) ちょっと合併の関係を少し事務的に、大臣の答弁の前に御説明したいと思うんですが、私どもは、地方分権を進めていく上で、やはり一定の規模と能力を持った基礎自治体でなければ住民の方々に対する十分なサービスが提供できないと、このように思っておりまして、まずは規模なり能力を拡大していくと、そのための工夫が合併の推進ということになるわけですが、そこで、しからば、合併する場合に、その地域の中でも当然、従来の市町村の中でも、合併する自治体でも格差があるわけですね。合併した市になったとしても、またほかのところでは格差があるかもしれませんが、まず合併する市町村の中でも格差があるわけですから、これを何とか一体的に行財政運営ができるようにするために、それぞれの自治体が合併しようとするときに市町村建設計画というものを作っていただくと。これはまあ、一体となるべき地域で、例えば公共施設などについては適正に配置をしていくと、こういうふうになるわけですが、このために必要な財源が合併特例債というものになっていまして、これについては、少なくとも今の合併特例法でやる限りについてはきちんと責任持って国の方で手当てをすると、こうなっているわけですので、ここのところは、合併をしようとすれば、その地域の中のまあ格差を是正し、一体感をもたらすような工夫はできるということだろうと思っております。
 その上で、今度は、その全体の基礎自治体の中での、やっぱりそうはいっても差があるではないかと、これをどうするかと、こういうふうになるわけでございます。
 これは大臣の方から答弁させていただきます。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃいましたように、何となく、確かに言われるように、今の話だけ聞くと、まあ簡単に言えば、このまま行けば、このまま試験勉強しなきゃ、おまえ、落第するよという話ですから、やっぱりある程度、やっぱりやることはやらぬといかぬということなんだと思っておるんですけれども、今、地方自治体によって、これは今後とも、ある程度、合併を仮に千五百なり千なり進んだといたしましても、私は、その後も地域の格差はある程度付くことは避け難いと思っております。
 なかなかそんな簡単にいきませんので、そういった意味では、ある程度地方交付税というものの本来持っておりますバッファーとしての役目は、これは今後とも必要でありますし、そのための財源処置もこれは必ず必要と私も思っております。
 ただ、いわゆる小さな村というのもいろいろ、何となく極端な話で、ちょっと、一万になるかならないかぐらいの市も、北海道の例えば歌志内とか、福岡の山田とかいうところはもう人口一万ぐらいで市なんというところもございますんで、こういったところが今のままでいけるかといいますと、これは行政手続がすべてオンライン化されるなどということになってくると、地域住民が本来受けられるべき行政サービスを全然受けるだけの能力がもう基本的には欠けておるということになりますんで、そういったところはある程度のサイズにしていただいて、人材も含めましてということをやっていただかないかぬでしょうし、また議員さんの数も、正直申し上げて、今のままでいきますと二市八町で百八十人そのままなんというわけにもとてもいかぬでしょうし、そういった意味では、ある程度給料を上げてもいいからもっとスリム化していただくとかいうのがむしろ住民の希望するところでもあろうと思っております。
 そういうところで、これだけの規模になったところで、この町の特徴というのは均衡ある町づくりから特色ある町づくりに多分世の中変わってきていると思いますんで、そういった意味で、いろんな意味で、あそこの、先生のところの選挙区のあのビオトープって、トンボ専用の池を作ったりして、あれ随分人が今行き始めていますけれども、ああいったようなものを含めていろんな形のアイデアというものが出しても、余り規模が小さいとそのあれを実際にアイデアは出てもそれ現実に移せませんもんですから、そういった意味ではある程度の規模にしていただくというのは必要。
 ただ、今言われましたように、極端な例の方がいいと思いますが、八丈島のもっと南に青ケ島という島が、人口二百人弱の日本で今一番小さな村だと思いますが、この村に人が住んでいるおかげであの竹島みたいな話にはならぬわけで、ここはやっぱりきちんと人が住んでいるということがやっぱり大事なところですから、そういったところには、頑張ってもらっている人に対して国が何らかの形で支援をしていくというのは私は、あの大陸棚の話とかいろいろありますけれども、そういったものを含め大変大切なものだと思いますんで、何となく画一的に全部というように聞こえるような話もよくありますけれども、私はこういう国において、長い歴史のある国において、その地域によっていろいろ差ができて、おれのところは小さなまま残った、ただし、うちはシティーマネジャーが一人いて、議員は全部三人しかいなくて、みんな無給だと、町長は全部三人で回り持ちみたいなような話をこの間されておられた方がいらっしゃいましたけれども、私はそれはそれなりの一つの見識だとも思いますんで、いろいろこれからやっていきます間、いろいろ出てくるとは思いますけれども、私はそれを、その村にいる人たちがそれでええと、うちはそれでそこそこ黒なんだから、みんなであとは出し合おうというような話になれば、私はそれはそれなりに一つの見識だとも思っております。
 いろんな意味で、決して強制的にやれという発想だけは避けたいと思っておりますんで、いろいろまた知恵をかしていただければと存じます。
○委員長(景山俊太郎君) 以上をもちまして、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣所管のうち人事院、日本学術会議及び公害等調整委員会を除く総務省所管並びに公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(景山俊太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十四分散会