第159回国会 法務委員会 第19号
平成十六年五月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     小野 清子君
     平野 貞夫君     江田 五月君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     小川 敏夫君
     大渕 絹子君     千葉 景子君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     大渕 絹子君
     樋口 俊一君     直嶋 正行君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山本  保君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                角田 義一君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                岩井 國臣君
                鴻池 祥肇君
                陣内 孝雄君
                野間  赳君
                今泉  昭君
                小川 敏夫君
                大渕 絹子君
                千葉 景子君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     野沢 太三君
   副大臣
       法務副大臣    実川 幸夫君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野  清君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   中山 隆夫君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   大野市太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       司法制度改革推
       進本部事務局長  山崎  潮君
       法務大臣官房司
       法法制部長    寺田 逸郎君
       財務省主計局次
       長        佐々木豊成君
   参考人
       京都大学教授   山本 克己君
       弁護士
       日本弁護士連合
       会日本司法支援
       センター推進本
       部事務局長    小林 元治君
       消費生活専門相
       談員       岡田ヒロミ君
       弁護士      松本 三加君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○総合法律支援法案(内閣提出、衆議院送付)
○行政事件訴訟法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(山本保君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、平野貞夫君及び愛知治郎君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君及び小野清子君が選任されました。
 また、昨二十四日、大渕絹子君及び江田五月君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子君及び小川敏夫君が選任されました。
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○委員長(山本保君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 総合法律支援法案の審査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君及び財務省主計局次長佐々木豊成君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本保君) 総合法律支援法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 今日は、総合法律支援法につきまして、私と後ほど角田理事も併せて午前中質疑をさせていただくということになりますので、多少、時間の多少のぶれはあるかと思いますけれども、まず前半の部分、質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 さて、まず冒頭でございますけれども、この総合法律支援法、この最も基本であろうかと思いますが、この法第一条によりますと、総合法律支援というのは、裁判その他法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに弁護士等のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援というふうに位置付けられております。
 そういう意味で考えますと、この支援、地域的あるいは経済的な格差がなく、だれでも質の高い充実した法的サービスが提供されるということがやっぱりこの法を作るに当たっての一番の基本になろうかというふうに私は思いますが、大臣、やはりそういうことを目標にしてこの法案、そしてこれからの体制を目指していくというふうに考えてよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(野沢太三君) 今回の司法制度改革の一番のねらいといいますか、目的、趣旨は、司法制度全体を国民の皆様のより身近なものにするということ、そして公平公正な裁判が迅速に行われる、そういったことを目標にして他の裁判員制度その他も作られているわけでございますが、国民の、利用される国民の皆様にとって、まず第一に、どこに行って相談したらいいか、だれに頼んだらいいのか、何が問題で、どのくらいの時間と費用が掛かるのかという、一番実はその入口のところでこれまで国民の皆様御苦労をされておったと、私自身もそういった経験もあるわけでございますが。そこで、今御指摘のとおり、国民の皆様が、地域的あるいは経済的な障害がなくて、だれでも質の高い充実した法的サービスの提供が受けられるようにするということが非常に重要なことであると考えておるわけでございます。
 そこで、本法案におきましては、民事、刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供を受けられる社会を実現することを目指して、今回、総合法律支援の実施及び体制の整備が行われる旨の基本理念を定めているわけでございます。そして、資力の乏しい者に対する民事法律扶助事業の適切な整備及び発展が図られるということも規定をいたしておるところでございます。
 そこで、総合法律支援構想の中核となる運営主体としましても、日本司法支援センターを設けまして、このセンターが既存の各種相談窓口や弁護士会、裁判外紛争解決機関などと連携協力しながら、まず第一に、法による紛争解決制度の有効な利用に資する情報提供の充実強化の業務、また民事法律扶助事業関係の業務、これまでもやってきたところでございますが、これを取り込んで進めてまいりますし、それから国選弁護人の選任に関する業務、さらにはいわゆる司法過疎地帯における法律事務に関する業務、それから本委員会でもしばしば指摘されました犯罪被害者の支援に関する業務などの業務を一体的に行うこととしておるわけでございます。
 本法案におきましては、これらの方策によりまして、地域あるいは経済的な障害がなく、国民だれでも質の高い充実した法的サービスの提供が受けられるようにすることを目指しておりまして、冒頭でございますので、ちょっと丁寧なお答えをさせていただきました。
○千葉景子君 ありがとうございます。
 さて、そういう質の高い充実した法的サービスの提供ということがこれから実施をされていくということになるわけですけれども、この総合法律支援の実施と体制の整備に考えてみますと、これまで日弁連等が取り組んできた諸施策、例えば各地における法律相談センター、あるいは過疎地における公設事務所、また被疑者段階からの当番弁護士制度、また法律扶助協会が実施している民事法律扶助活動の支援、こういうこれまでの施策あるいは取組というのは、この法律支援法の理念、こういうものを言わばこれまでも、まあ先取りしてといいましょうか、具体的に実施をしてきたという評価もできるのではないかというふうに思っています。そういう意味では、これまでのこれらの対策とか取組をこれからどう新しいこの法律支援法に基づく事業に言わばスムーズに移行させていくか、あるいはその関係をどう整理していくのかということなどが大変これから重要なポイントになっていくだろうというふうに思っております。
 この実施の状況を私も少し伺わせていただきますと、例えば日弁連は会員の特別会費と、私も取られているのかなと思うんですけれども、そういうもので過疎地にひまわり基金公設事務所、これが平成十六年五月六日現在で具体化されているのが三十一か所、そしてそのうち弁護士がいて稼働中のものが二十五か所、また任期終了で後任を募集、後任者を募集しているというところが二か所、また今年度中稼働予定が四か所と、こういう形で過疎地に対する取組を既に展開をしてきた。それから、過疎型の相談センター、これが二百七十五か所、これも平成十六年四月現在ですけれども、これも設置をされて、これも過疎地の皆さんへの法的サービス、巡回などをしながら窓口を開いていると、こういうこともございます。
 こういうことをやるに当たりましては、二〇〇〇年四月一日から二〇〇四年三月末日までひまわり基金、支出累計額でおおよそ七億円くらいの資金が投入をされているというふうに言われているところでもございます。しかし、そうであっても、まだゼロワンと言われている地域がございまして、ゼロのところが十七、ワンというところが三十六ぐらいなんでしょうか、こういう状況でもございます。
 しかし、ここまでこういう過疎地対策、相談センターあるいは公設事務所などの形で展開をされてきている、こういうものをどのように評価をし、そして今後のこの法律支援法の下での事業などに移行したり、あるいは既に行われているものとどううまく連携を作りながら先ほどの目標達成に向けていくのか、この辺はどんなふうに考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(野沢太三君) 御指摘のように、日本弁護士連合会が従来から取り組んできております諸施策につきましては、総合法律支援の理念に適合するものであると考えておりまして、一層これまでの御努力がいい形でこれからの仕事にも取り込まれるように連携協力を取っていただければいいと思うわけでございますが、この総合法律支援の実施体制の整備に当たりましては、支援センターと既に様々な取組を行っております各組織や団体との間の適切な連携協力を保ちながら進めていく必要があると考えております。そして、これまでいろいろと積み重ねてこられました様々な実績やノウハウにつきましても御参考とさせていただきながら、その実を上げたいと考えておるところでございます。
○千葉景子君 もし既に事務方の方で少し、こういう連携なりあるいは方向性ということなどを念頭に置かれているのであるとすれば、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) ただいま大臣から総論的に申し上げましたとおり、この今回の総合法律支援は、基本的には、日本司法支援センターが行う事務というのは様々なこれまでの取組というものを踏まえた上で、今後はそれを連携を保ちつつキーポイントとしての役目、あるいはそれを補完するサービスの提供者、こういう位置付けでなされるものでございます。
 それで、各地もいろいろ実情もございますけれども、これまで日弁連の方でいろいろ取り組まれたところは、当然のことながら非常に貴重な経験ということでもございますし、また考え方、進め方においても得るところが非常に大きいだろうというふうに考えているところでございます。
 それで、今御指摘のありました公設のいわゆるひまわり事務所、自らの資金で運営をされているわけでございますけれども、あるいは法律の相談センターというようなものは、それらの地域でも大変歓迎をされておられますし、非常に若い方を中心にして大きな事務所でそれなりの訓練を施された上でそれぞれ過疎地に行っていただくような、言わばシステムとして成り立っているようなところもございます。
 そういうような経験というものを十分にそしゃくして、日弁連ともこの司法支援センターができた後も十分に御協議申し上げた上で過疎地の対策というものに取り組んでまいりたいと、このように考えているわけでございます。
○千葉景子君 先ほど私が申し上げましたように、日弁連の方でもこれだけ努力をされてこられまして、それのやっぱり成果、そして評価、高い評価されている、こういうものをできる限り尊重しながら、また新しい事業がそれを更に押し上げていくという形になることを期待をさせていただくわけですけれども、今、現状、これだけ努力をしながらも、まだ本当に相談センターも残念ながら開設できない、あるいは、当然のことながら公設事務所も開設できないゼロワンと言われているところがまだまだ残っているということになります。
 目的の、だれもがあまねく経済的に地域的に格差がなくということになりますと、このゼロワンをどうやって解消していくかというのも大変重要なことになりますが、この辺りはどうなんでしょうか。例えば、どういうところを優先的に拡充をしていくとか、あるいはその順番はどうやってすそ野をきちっと広げていくかとか、この辺りなどについては何か一定の方向性というのは既にあるのでしょうか、それとも今後検討されていくということになるのでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) これは大変に難しいところがございます。これまでいろんな努力をされてきたにもかかわらず、なおおっしゃいましたように五十か所以上いわゆるゼロワンというところが残っているわけでございます。日弁連の方でも相当力を入れてやってこられているわけでありますけれども、しかし、いろんな事情でなお力が及ばない部分がおありになるというようなことも伺っているわけでございます。
 この支援センターでは、今御指摘がありましたように、あまねく全国に法律サービスをということでございますから、当然このゼロワン地域の解消、あるいは弁護士さん自体じゃなくても、いろいろな隣接法律専門職種と言われる方々の御協力ということを前提にしても、なお法律サービスが行き届かない地域というのがあるわけでございますので、そういったものの解消というのは相当力を入れてやっていかなきゃならないということは当然のことながら意識しているわけでございます。
 ただ、具体的に、現段階において今後どの地域にどういう形で事務所を過疎対策として置くかということについては、なかなか一概に申し上げられること残念ながらできないわけでございますが、基本は何といいましても、どういうその地域におけるニーズがあるかということでございますから、現在その地域にどういう法律サービスを得られる可能性があるか。具体的に申し上げますと、一番近いサービス提供者から一体どのぐらい離れているのかというようなところがございますし、どのぐらいの量的なあるいは質的な意味での仕事のボリュームというものがあるかということも当然のことながら基本的に考えていかなきゃならないことでございます。
 そのほかに、地元のやはり具体的に要望の強さというものをこれは非常に慎重に客観的に量っていかなきゃならないと思いますし、具体的な可能性というようなものも念頭に置かなければなりません。そこには地域の実情というようなものも当然のことながら考えていかなきゃならないわけでございます。
 これは、司法支援センターが行うということになりますと、司法支援センターが私どもでは行き届かないいろいろな民間的な発想というようなものをまた加味した上でお決めになるところもございますが、今言ったようなところを基本といたしまして、そういう支援センターで具体的にお考えいただく、こういうことになろうかと考えております。
○千葉景子君 お聞きしただけでは結局何だかよく分からないといいましょうか、どうやってこれを解消していくのかな。いろんな意見を聴いて実情をと、これはこれまでもやってきていることでもあり、それをやっぱり超えて本当に過疎対策を、そしてあまねくサービスを提供していくというのは相当大変なことではないだろうかと思います。是非そこは、今日はこの程度にはいたしますけれども、この法律支援センターが設置をされるやっぱり意味が、ただこれまでの事業を束ねてセンターができたというだけだったら別に新しいものを作る意味はないわけですので、その辺十分に、この意義を踏まえたこれから事業の展開というのが求められてくるのではないかと思われます。
 さて次に、やはりこれも今後の大きな課題でもある民事法律扶助に関してお尋ねをしておきたいというふうに思います。
 これまで、この法律扶助も法律扶助協会などが基礎になりまして民事法律扶助事業が行われてきたわけでございます。これも評価をされるところなんですけれども、ただこれも、これまでも度重ねて民事法律事業に対する国の助成等々予算の確保と、こういうことでこの委員会などでもしばしば取り上げられてまいりました。しかし、なかなか十分なものではございません。
 欧米諸国などと比べても、民事法律扶助事業の対象事件の範囲、それから対象者の範囲等がまだ限定的でもありますし、今申し上げましたように予算規模というのもなかなか大きくはなっておりません。憲法でも裁判を受ける権利というのが認められているわけで、それを実質的に保障するという観点から考えますと、いささかこの民事法律扶助という事業もこれまではまだ不十分だったなという、そういう私も受け止め方をさせていただいております。
 そういう意味で、民事法律扶助事業、これから法律支援センターを中心にしてこれまた大変大きな重い課題になるわけですけれども、これについて一体どういう方向性をやっぱり持っているのかということをお聞かせをいただきたいというふうに思っています。
 ちなみに、諸外国をちょっと、法律扶助協会の方で調査をされました資料を私も拝見をして、いやいや、アジアの諸国から考えても日本は貧弱だなということを考えます。
 例えば、これは何年になるんでしょうかね、日本と例えばお隣韓国などを比べてみますと、国庫の支出、これが日本が三十五億円、二〇〇三年、そして韓国は二〇〇二年で十六億円ということになります。ただ、これは総額でございますので、例えばこれを同じ人口比に換算をいたしますと、日本が三十五億円に対して韓国の場合は同じ人口比で考えると四十五億円の規模ということになるという計算になります。同じように、例えばアジアの一国でもあるシンガポール、ここは、総額とすれば国庫の支出は三億円程度なんですけれども、これも人口当たりで換算をいたしますと、日本の三十五億円に対してシンガポールで九十六億というくらいの規模になると、こういうことでもございます。
 国民一人当たりということになりますと日本は非常に低いという計算になるわけで、これを、この数字を見ましても、これから相当この予算額の面でも、それから先ほど申し上げましたような対象の範囲、事件の範囲、対象者の範囲等々充実をさせていくと、こういう必要が大変あるだろうというふうに思っております。
 これまでもなかなか国費、そう支出をいただけないという状況があったわけですけれども、これを見ますと、この総合法律支援に対しては相当な額の支出も、予算措置も必要だなというふうに思いますが、この民事法律扶助について、この総合法律支援センターでの事業の展開、それから充実、どんなふうに展望をなさっておられるのでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま法律扶助に関しまして予算的なお話、諸外国との関係ございました。それを聞きますと、なかなかちょっと私もどうお答えしていいかという問題はございますけれども、ただ、我が国においてこの五年間で、本年度は予算を承認されまして四十億でございますけれども、この五年間でやっぱり四倍に拡大しているわけでございまして、着々と必要なものについて増強をしていくと、こういう流れにあるということは御理解を賜りたいというふうに思っております。
 それから、今回、将来の業務範囲等についてどうするかということ、これも一応検討の対象ではございましたけれども、まず、私どもといたしましては、この総合法律支援という大きな枠組みをどう構築して、これを全国的にどう安定的に運用をしていくかと、これをまず最優先にしたいということで、これの構築を第一次的に考えたということでございまして、そういう意味で、この支援センター等を作りまして、この中でかなり効率的な運営を行いまして実質的にその扶助の関係が拡大するようにということを図ったわけでございます。
 今後、やはりこれをやっていく上でいろいろなニーズが出てくることになろうかと思いますけれども、そういうものについても当然視野に入れながらその拡大について検討していってもらえると、こういうことを、要するに将来の課題であるということをしっかり認識しながらやっていくと、こういうことになろうかというふうに考えております。
○千葉景子君 これが、これまでの法律扶助に対する事業の展開、そして厳しい財政事情の中でも、これが実質的に裁判を受ける権利の言わば担保として取組をされてきた。この努力の上に立って、これがまた拡充をされない、このまま推移していくんだっていうのであれば、一体この法律は何だろうと、これまたそういうことになってしまうわけでございまして、やはりこの趣旨を十分に生かすためには、これまでの法律扶助事業、それを更に充実をしていく、そして財政の面でも、やっぱりこれだけの総合法律支援センターというものを新しく立ち上げるわけですから、それに対する本当に抜本的な財政の在り方と、こういうことも考えていかなければいけないというふうに思っております。
 これは、司法制度改革審議会の意見の中でも、総合的に体系的な検討を加えて一層充実せよと、こういう意見が取りまとめられているわけでもございまして、例えばそういうことを考えますと、これまで限られていた法律扶助ではありますけれども、今後、例えばADRなどが更に発展をしていくと思います。そうした裁判外手続への援助とか、それから資力基準の緩和、それから、例えば初めから費用の立替えということではなくて負担なしの援助を提供していくような給付制度のようなものもやっぱり念頭に置きながら、総合的な判断、そして検討が加えられていく必要があるのではないかというふうに思います。
 特に、ADRとか様々な今、援助、サポート体制というのがございます。例えば、労災の問題、あるいは介護保険に係る審査、あるいは精神保健審査手続、それから社会保障給付に対する様々な審査、あるいは家庭内の暴力とか雇用、犯罪、学校生活でのトラブル等々、いろんなやっぱりADRや行政手続などを使っての支援体制、サポートと、こういうところなども、やっぱり裁判を受ける権利ということで、裁判というだけではなくしていろんなサポート体制ができること、それに対して法律の、民事法律扶助、何というんでしょうね、法的なサポート、財政的なサポートということが求められてくるのではないかというふうに思いますが、こういう辺りもどうぞきちっと視野に入れながらこの展開をこれから実務上も考えていってほしいと思いますが、その辺りは当然念頭にも置かれてこの仕組みがこれからできていくと考えてよろしゅうございましょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、御指摘のとおり、社会の法的ニーズがいろいろ変わってくるわけでございますので、その方法、在り方についても変わってくる。そういうことに対応してこの法律、民事法律扶助につきましても、その在り方をどうすべきかということは当然考えていかざるを得ない課題であるというふうに考えております。
 それ以外にも、ただいまいろいろな御指摘ございました。いろんな角度からこの制度の充実発展について今後議論をして、きちっとした対応をしていかなければならないということ、これについては我々としてもそこのところは十分意識をしながらこの法律案をお願いをしているということでございますので、その点は今後の課題とさせていただくということで御理解を賜りたいというふうに思います。
○千葉景子君 是非、このセンターも設立をされ、そして展開を、事業展開をされる過程の中で、そしてそれを立ち上げるまでの間でこの国会、委員会等でもいろいろとまた問題点の整理等が必要になってくるのではないかと思いますので、是非そんな議論を十分にこれからも展開をしながら、より良いセンターの事業の展開に向けて取り組んでいきたいものだというふうに思っております。
 さてさらに、この法律、総合法律支援の中身として公的弁護、被疑者段階での公的弁護というものも、またこれもこの事業の大きな柱になってくるわけでございまして、考えてみると、本当に過疎地への窓口サービスを提供する、それからこういう法律扶助、法的サービスをしっかりと確立をしていく、さらには被疑者段階での公的弁護、これの体制を整える、このセンターの本当に仕事、そして役割というのは極めて本当に重い、幅広い大変なものだなということをこうやってみたらしみじみ感ずるわけでもございます。
 この被疑者段階の公的弁護、これにかかわりまして、この間、日弁連なども、それを補うという意味で、いわゆる被疑者段階からの当番弁護士制度ということを実施をいたしております。これも本当に、なかなか十分な制度がない中で、手弁当でといいましょうか、自己資金を投入をしながら展開をして、多くの被疑者の皆さんの権利を保護し、保障していくということをやってまいりました。
 大変、これもまた金目の話になって恐縮でございますが、この当番弁護士制度、これもやはり会員からの特別の拠出ということで、当初は二千八百円、そして現在では四千二百円、これを拠出をしながら当番弁護士の制度を日弁連は支えているということでございます。約二万人の会員ということになりますので、年間約八億円ぐらい、そして当初が二千八百円でございましたので、これがスタートをして十一年、約六十億ぐらいのやはり費用を自ら捻出をしながらこの当番弁護士制度というのをこれまで充実、そして進めてきたということがございます。こういうものをどうやってこれからもやっぱり評価をし、そしてまた被疑者段階での国選弁護の制度とどう連携をさせていくかということも大きな問題ではないかというふうに思っています。
 今回創設される被疑者弁護制度というのは、勾留時点からということになります。逮捕から二十四時間から四十八時間の間に、資力のある人はまず私選の弁護士を探すということになります。そして、弁護士会で結局、私選の弁護人を紹介できなかった、いろんな条件がありますよね、費用の面等で。そういう場合には国選への切替えをすると、こういうことになるわけで、その間、短時間の間にいろんな手順を踏み、あるいは手続を進めなければいけないというふうになります。
 そうでない場合の、無資力要件、この間私もお尋ねをいたしましたが、どの程度になるか分かりませんが、無資力の場合には手続はすぐ直ちに被疑者国選ということになっていくわけですけれども、こういう、逮捕直後、そして二十四時間から四十八時間という大変極めて短い時間の中でいろんな手続を取ったりしなければいけないと、こういうことになりますと、弁護士会でこれまでやっていた当番弁護士制度というものとの連携とか、あるいはどの部分は当番弁護士がきちっと関与するのか、いや、関与しないのか、いろんなその辺の整理あるいは連携の在り方というのも必要になってくるかというふうに思うんですが、この辺りはこの当番弁護士制度の評価の上に立って、この公的弁護制度、被疑者段階の公的弁護制度とどういう整理がされていくものなんでしょうか。
 その点について考え方があれば、お持ちであればお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) 当番弁護士制度につきまして日弁連の方で御努力されているということ、これは我々としても高い評価をするということでございまして、その点につきましては我々も理解はしております。
 じゃ、この公的弁護制度との関係をどうするかということでございます。これにつきまして、私どもの方の検討会のテーマは、意見書によりますと、結局、公的弁護制度は裁判所が弁護人の選任、解任を行うものという位置付けでスタートを切っておりまして、そういう関係から直接の議題にはならなかったわけでございますが、ただ、中で議論はされております。これとの関係をどうするかということでございます。結局、そこのところについては、議論はいたしましたけれども、結論的にはそのリンクについては法的なものは何も置かなかったということでございます。
 これにつきまして、その考え方でございますけれども、そのリンクしなかった理由が三つほどございます。例えば、一律に被疑者が当番弁護士と面会しなければ国選弁護人を選任することはできないとする、こういう点についてはなかなか合理的な説明が難しいだろうということ、それから資力のある被疑者に国費で援助を行うことの説明がなかなか難しいだろうということ、それから三番目に、仮に資力のない被疑者だけを対象にするといたしましても、その資力を判定する方法が直ちにはないということから、国費による当番弁護士制度、これは今回に関しては導入をしないと、こういう結論になったわけでございます。
 引き続き、今後どうしていくかという問題は検討していくことになろうかと思いますけれども、現段階ではそこのなかなか法的な問題についてクリアができないということから導入をしなかったということで御理解を賜りたいと思います。
○千葉景子君 御説明は分かりましたけれども、やはり今私が申し上げましたような、被疑者段階での非常に複雑というか、短時間でのいろんな対応があるわけで、そういうことを考えたときには、是非この当番弁護士制度、そしてこの公的弁護制度、その選任等とのやっぱり連携をきちっとしながら、被疑者にとっても権利にそごがないような、そういうことをしていく必要があるだろうというふうに思っています。
 制度ができたがゆえに、逆に手続ばかりが煩雑になってちっともその実が上がらないということになっては困るわけでございますので、是非その辺の連携、そしてあくまでもやはりサービス、それから公的弁護制度も被疑者のやっぱり防御権を保障するということの趣旨、これが積極的に生かされる方向で運用されますことを心から私も期待をするところでございます。
 さて、ちょっと時間になっておりますが、お聞かせをいただいておきたいというふうに思っております。
 今、何点かお尋ねをさせていただきましたこの総合法律支援の体制、これを実施をしていく上で、それをこれまで先取りをしながら、そしてその実質化を図る意味で進めてきた日弁連を中心にした取組というのは非常に重いものがあるだろうというふうに思います。これらの努力が今後生かされるか、あるいはむしろ後退をしてしまうのか、この辺り、本当に厳しく見ていかなければいけないというふうに思っております。
 総合法律支援法第十条によりますと、日弁連及び弁護士会は、総合法律支援の意義並びに弁護士の使命及び職務の重要性にかんがみ、総合法律支援の実施及び体制の整備のために必要な支援をするという形で責務を負うようになっております。国選弁護、民事法律扶助、過疎地における法律事務など、実際の業務の中心はやっぱり弁護士がどうしても中心になっていくということにもなるわけでございまして、日本司法支援センターが業務を適切、円滑に遂行するためには、当然日弁連の協力というのは不可欠であろうというふうに思います。
 総合法律支援法案では、日本司法支援センターの理事長や監事の任命、業務方法や法律事務取扱規程、国選弁護人の事務に関する契約約款の認可、中期目標の制定、変更や中期計画の任期、中期計画終了時の検討など、いろいろな形で法務大臣の権限行使が規定をされております。法文の条文上は、これらの事項について法務大臣が権限を行使するに当たっては、あらかじめ最高裁判所の意見を聴かなければならない、こういうふうになされております。
 しかし、先ほどから申し上げましたように、この事業を遂行していく上ではやっぱり弁護士等が中心にならざるを得ないわけですし、事業にとっても、これまで日弁連等が行ってきた事業のやっぱりノウハウ、そしてその蓄積、そういうものを十分に新しいものに生かしていくということが大切であろうというふうに思っています。
 ただ、残念ながら、あらかじめ最高裁判所の意見は聴くんだけれども、日弁連の意見を聴くという規定にはなっておりません。この日弁連や弁護士会等々の、別に私、日弁連の手先ではないんですけれども、その担う責務とか役割のやっぱり重要性、これはもう大臣も御承知のところだというふうに思います。こういうことを考えれば、これらの事項についてやっぱり規定はございませんけれども、あらかじめ日弁連の意見を聴くという運用が私は当然なされるものだというふうに思います。
 どうでしょう、大臣、やはり当然、この日弁連の意見を聴くということは念頭に置かれているものだと思われますが、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(野沢太三君) 御指摘のとおり、今回の法律サービス提供の主要な担い手の方がもう弁護士さんであることには間違いございませんし、支援センターのその業務を円滑に運営するには、適宜日本弁護士連合会の御意見を伺うなどしながらその協力を得ることが不可欠であると考えております。そこで、支援センターにおきましては、業務の運営に当たりまして、日弁連等に対して意見の開陳その他必要な協力を求めることができるとしているところでございます。
 それから、法務大臣権限として幾つかのお仕事を御指摘いただきましたけれども、これにつきましても、支援センターを円滑に運営するためには、大変経験豊かな弁護士さん、これまでの様々な実績をお持ちの日本弁護士会の御意見、これはもう御意見を伺いながら御協力をいただくことが非常に重要でございまして、支援センターの今後の円滑な運営のためには、日弁連の皆様と実質的な意味で二人三脚のこれから運営をせねばならない、こう考えております。
○千葉景子君 終わります。
○角田義一君 まず最初に、副大臣にお尋ねしますけれども、五月二十日の当法務委員会における副大臣の御答弁に何か間違いがあった、訂正したいというお話が私どもに来ておりますけれども、大事なことですし、まず冒頭、訂正するなら訂正してもらって、どうしてそうなったのか御説明願いたいと思います。
○副大臣(実川幸夫君) さきの五月二十日の法務委員会におきまして、私の年金加入状況について江田先生からお尋ねがございました。その際、国会議員になる前の九一年に三か月間の未納期間があったとお答えしましたけれども、これは八六年に三か月間、また九〇年に一か月間の未加入期間があったと答弁すべきでしたので、この点を訂正させていただきます。
 なお、国会議員になった九三年以降はすべて完納しておりまして、この点は前回答弁したとおりでございます。
○角田義一君 ここは厚生労働委員会じゃないですから余り年金のことを聞きたくないんだけれども、私も偉そうな質問できないので、大臣に聞いておきたいと思うんですが、私は国家基本政策委員長を辞任したんです。なぜ辞任したかというと、私は弁護士で、二十七歳で弁護士になりましたけれども、弁護士というのは独立自営、独立不覊、老後は自分で自分の面倒を見なくちゃならない、こういう信念が大変強かったんですが、弁護士会は、おかげさまで、私が開業した後五年後に弁護士互助年金制度というのを独自に作りました。そこに私はもう最初から入って、六十までやりくり算段しながら大変な積立金を積んできまして、自分の老後は自分で保障しなきゃいかぬという気持ちが強かった。
 幸いにして、群馬県議会三期十二年やらしていただいて、若年停止でしたけれども、年金までいただけるというので有り難いことだと。したがって、国会議員に八九年に当選しましたけれども、うそも隠しもなく、そのときは、国民年金というのは、基礎年金制度はできましたけれども、あくまで任意でいいんだ、入りたい者が入ればいいんだと、こういう認識でおって、今回の一連の大事件を見て初めて、あれ、えらいことだなと思ったんです。
 それで、社会保険庁に問い合わせたら、私は該当者なしというんで、無国籍者みたいなもので、該当者なしと。だから、したがって、一遍も催告も来なきゃ、あれですな、入れというあれもないんですけれども、ただ、私は制度のせいにしたくはない、国会議員として、自主申告であれ、義務を履行しなかったということの責任は非常に重いというふうに思いました。しかも、国家基本政策委員長ですから。総理大臣と菅代表がやるわけで、菅さんは未加入、小泉さんも後で聞いたら何か未加入だという。委員長も未加入じゃ、これはどうにもならない、さっさと辞めた方がいいと思ってぱっと辞めたということであります。
 と同時に、私は、副大臣も政治家ですからお尋ねしたいんですけれども、各党は全部公表したんですね、おたくの党以外は、自民党さん以外は。やはり、事がここまで来ると、私は、結果はどうであれ、やっぱり公表した方がいいと思うんですよ、この年金法案を審議するについても、政治に対する信頼を確保する意味でも。
 あなた自身は、政治家として自由民主党が公開した方がいいというふうにお思いですか、お思いでないですか、政治家としての存念を聞きたい。
○副大臣(実川幸夫君) 私も、大変うっかりとはいえ本当に未加入であったということは大変申し訳なく思っております。また、先生御指摘の、党として発表した方がどうかということでございますけれども、でき得れば、私も国民の皆さんがそういうお考えであると思いますので、その方が自然かなということは思っております。
○角田義一君 それから、もう一つお尋ねしたいんですけれども、副大臣の場合も、この八六年、三か月、あるいは九〇年に一か月未加入だったということですね。この保険料、今の制度だと受け取ってもらえないと思うんですよ。
 私も、自分は今更国民年金をもらおうとは思わないけれども、制度の趣旨からすると、自分の、年配者に対する責任だとか、あるいは後から来る人の責任を考えると、その制度に対して迷惑掛けた、国民に対して迷惑掛けたと、けじめを付けたいと。別に私は年金をもらいたいとは思わないんだ。
 したがって、私の場合は十年近くになるんだけれども、恐らく百四、五十万になるでしょうけれども、それは年金会計なりなんなりにきちっとペナルティーとして私は払いたいと思っている。その法律を民主党は今中心になって成文化して、各党にお願いをしているんです。今自民党と公明党がやっているのとちょっと違います、ニュアンスが違います。けじめとして私はきちっとやりたいと。
 副大臣の場合、どうですか。たとえ八六年、三か月、あるいは九〇年、一か月と、金額は大したことじゃないかもしれないけれども、やはりこれきちっと、ペナルティーじゃないけれども、納めたいというお気持ちがあるんじゃないですか。それは、制度ができたらきちっと納めますでしょう。どうです。
○副大臣(実川幸夫君) 御指摘のとおり、その四か月間は当然私も払うべきだと、このように考えております。
○角田義一君 今の制度でこれは払えますか。
○副大臣(実川幸夫君) その期限までの、今は二年間ですか、そういうあれがありますけれども、そういう法的な、できれば私も払うつもりでございます。
○角田義一君 はっきりさせておきたいんだけれども、今払えないです、これ。持っていったって、今持っていったって、受け取らないですよ、社会保険庁は。受け取らないですよ。そういう制度になっているんですよ。
 だから、僕が言っているのは、ペナルティーとして、これは国会議員だけです。けじめだから。皆さんにお願いをするのに、まず国会議員が公開して、そして払うべきものはきちっと払ってしまうと。それからスタートだと。これは、私ども民主党の考えで、私の考えなんですね。
 それについてはどうですか。今これは、あなた持っていったって、受け取ってくれませんよ、今の制度では。
○副大臣(実川幸夫君) 今の段階ではお支払、受け取っていただけませんけれども、そういう法的に改革できれば、段階になれば、当然払うべきだというふうに思います。
○角田義一君 分かりました。その辺は基本的には同じ考えですから、私どもは、是非それは各党に御理解いただいて、そういう法律を作りたいと、けじめを付けたいというふうに思っておることを申し上げておきたいと思います。
 では、本論に入りますが、大臣、この法律は作るべくして作られたと思うんですけれども、何でこの独立行政法人の一つとしてこれやらなくちゃいけないんですか。これ、どうも私は分からないんだな。
 これ、一種独特の制度ですよ、これは、司法に関する。それを、独立行政法人一般の通則を全部当てはめて、例えば評価委員会のものまでここへ入ってくるというのが理解できない、僕は。党議拘束がなきゃ、これはいちゃもん付けて反対したいくらいだな、うん。いや、本当ですよ。
 何でこんな、こういうものが独立行政法人で通則が適用になるんですか。理解できるように説明してくれませんか。
○国務大臣(野沢太三君) この種の新しい制度を始めるに当たって考えられることは、国がやるか、民間がやるか、あるいは今回のように独立行政法人でやるか、様々な選択肢があろうかと思っております。
 今回は、やはり何よりも、これまで十分でなかった国民の皆様に対する司法サービスができる限り公平公正に、かつ透明な形で行われるということを考えましたときには、今一斉に民間にできるものは民間へという中で、これまで公的サービスとしてやってきたことを一歩でも二歩でも近づける、民に近づけるという意味での独立行政法人の在り方、これが非常に的確ではないかということで選択をされたものと解しておりまして、趣旨としては、やはり民間のこの法律サービスにできる限り近づいた形で、主役は弁護士さんがやっていただくんだと、こういう理解で考えております。
○政府参考人(山崎潮君) この問題を考えるその基本でございますけれども、現在、政府で行政改革大綱ですか、これを定めております。基本的には民間でできるものは民間でという考えでございます。
 ただ、民間でできないものについてはやはり国家がやっていくということになろうかと思いますが、その中で、国家が直接やるべきものと、それから直接ではなくて別の形でやっていくもの、この仕分けをするわけでございまして、私ども、この総合法律支援につきまして、国家が直接それをやっていくという、そういうふうな業務として位置付けを必ずしなければならないというものでもございませんし、これは外の、公的な業務でございますので、もちろん別の法人を作ってそこでやるということになりますけれども、そういう形でやるということですね。これについて、やはりそういう枠組みであるということで直接国家がやる必要もないものであると。
 そうなると、じゃ、どこでやるのかということでございますけれども、現在の枠組みの中では、これは、特殊法人はなくしていこうという流れでございますし、そういう中で、もしそういうものが必要であれば独立行政法人の枠組みで行っていくという流れでございます。したがいまして、大きな枠組みといたしまして、独立行政法人の枠組みを使わせていただくということになります。
 ただ、この法人に関しましては、純粋に行政だけのものではございません。司法に大きくかかわりのあるものということになるわけでございますので、したがいまして独立の法律を作りまして、行政と司法にまたがるものでやっぱり独特のいろいろな特徴を備えたものであるということから、個々の規定を全部置いて、基礎的なものについては独立行政法人の通則に従うと、こういうふうに考えたわけでございます。
○角田義一君 これはもう大問題なんで、これを議論しておると私はこの法律に反対せざるを得なくなっていっちゃうんで、まあこれやめておくけれども、やめておきますけれども、おかしいよ、私はおかしいと思っているんだよ。これはどこにもない制度なんですよ、これは。初めて日本で作るんですよ。初めて日本で作るんだから、独立行政法人の枠なんか関係ないんです。私は、別に司法は孤高を守れとかそんなことを言っているんじゃないけれども、こういう特別ななんというのがあれば、何も独立法人の通則なんか要らないんだよ。この法律一本で法律作ればいいんだよ。それで、これを見ると効率化でしょう。何を効率化するんだよ。国選弁護とか法律扶助だとかと効率化はどう関係あるんだよ。説明してくださいよ。何で効率化が出てくるんです。
○政府参考人(山崎潮君) ただいまの御指摘でございますと、これはまあ司法にかかわるもので独立行政法人の枠組みを使う必要はないということになれば、これは全部書き下ろすということならば、これは特殊法人という位置付けになるわけでございまして、そうなりますと、現在、その政府全体の考え方として、特殊法人は限りなくなくしていこうと、必要であるものについては独立行政法人の枠組みを使って、効率化もございますけれども、透明な経営、運営をしていくと、こういう枠組みでやっていこうという大きな政策決定があるわけでございまして、その政策決定に従ってこれを考えたということでございます。
○角田義一君 山崎さんとこれを議論しておったら一晩掛かっちゃうからあれだけれども。これは、特殊法人を作るのはやめていこうという国家の基本方針があるというんだよ。だけれども、特殊法人だっていろいろあるんだよ。すべての特殊法人が悪いわけじゃないんだよ。これは何も特殊法人なんて、特殊なんて付ける必要はないんだよ、これは。特殊なんていう名前を範疇に入れなきゃいいんだよ。特別でも何でもいいや、その特殊と特別は違うんだよ。特別法人、特別独立法人だよ、これは一種の。特別独立法人という形でこの日本何だ、法律センターなんか作ればいいんだよ。何でそういうそれじゃ発想にならないんだ。小泉さんに言われてあれかい、もう特殊法人駄目だからこうするんだと、こういう発想じゃ情けないよ、司法をつかさどる者として。大臣、どうですか。情けないよ。
○国務大臣(野沢太三君) 今行われております一連のこの規制改革あるいは特殊法人の問題、今御指摘がございましたが、様々なやはり取組がございまして、純粋に民間に近いような形のものもありますし、なかなか公的な部分をやはり大事にしなきゃいかぬ部分もあるということで、同じ独立行政法人でも相当幅のある運営で今進められておるわけでございます。
 今回、この採用されます支援センターの在り方については、正にこれから手作りでやっていくような形でございますので、これから決めて取り組むんだという中では、平均的に見ると今の独立行政法人の姿が最も手ごろではないかな、活動しやすいのではないかと。司法制度ともかかわりのある中での法人ということもこれあり、一方で、民間に対するサービスという面でのこの民間に近い部分、そして担い手である弁護士さんの活動をより一層担保するということでの様々な諸制度ということで、これは大局的に見たときにこの辺が取りあえずスタートの位置付けではないかなと、こう考えております。
○角田義一君 それはね、私がなぜこだわるかというと、なぜこの問題をこだわるかというと、この第九条に御案内のとおり、日本司法支援センター評価委員会というのができるんだね。それで、その条文を見ると、法務省に、法務省ですよ、司法センターに関する事務を処理する、させるためであると、日本司法支援センター評価委員会を置くものとすると。それで、今度は、評価委員会は、支援センターの業務の実績に関する評価に関すること、その他この法律によりその権限に属せられた事項を処理する事務をつかさどるものとすること。
 えらいものができるんだよ、これ。何を評価するんだい。さっき言った国選弁護とか法律扶助協会、何、何を評価するの、何を。
○政府参考人(山崎潮君) 確かにこの評価委員会というのを置いているわけでございますけれども、これは法人のその業務の実績評価に関する事務をつかさどるというふうに規定されておりますけれども、具体的には、中期計画の実施状況などの実情の把握、それから中期計画の達成度などの実施状況の分析とか評価、これを行うことにしているわけでございまして、この個々の事件における弁護活動の内容、これを評価の対象にするわけではございませんで、それを、そこを評価の対象にするのではなくて全体的な中期計画等の達成度、それから今後どうあるべきかと、こういうことを評価していくと、こういうものでございます。
○角田義一君 私もまさか個々の事件について評価委員会が立ち入るなんということは考えていないですよ。そんな大それたことをやったらどうしようもないよな。司法の独立もへったくれもないよ。吹っ飛んでいっちゃうよ。
 例えば、ここに書いてあるのは、中期計画だ、これまたえらい問題だ。中期目標、中期目標というのがあるんだ、四十条で。それで、法務大臣は、三年以上五年以下の期間において支援センターが達成すべき業務運営に関する目標、以下中期目標、を定め、これを支援センターに指示する、おまえこれやれと、こういうことだよ、指示する。公表しなければならない。そして、中期目標において定めるべき事項等について所要の規定を設けると。
 先ほど、同僚の千葉議員がした、その目標を定めるときには最高裁判所、評価委の意見を聴かなきゃならない。日弁連は書いてない。条文上は書いてない。先ほど大臣は、聴きますと言って、相提携してやっていくと言ったから、まあ二人三脚と言うから腹にそれは収めていきますが。
 例えば、ここに書いてある中期目標というのは一体具体的には何を指すんだね。三年ないし五年間に何を、何をやるんだよ、中期目標というのは。
○政府参考人(寺田逸郎君) これは運営にかかわることでございますので私の方から答えさせていただきますが、この中期目標は、今御指摘のとおり、一定の期間において支援センターが達成すべき業務運営に関して大臣の方で指示する目標と、こういう位置付けをされておりまして、それから中期計画というのは、その中期目標を達成するために作成する計画と、こういう構成になっておりますが、この中期目標は、「総合法律支援の充実のための措置に関する事項」、「業務運営の効率化に関する事項」、「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」、こういうことを規定するものとされておりますので、今後具体的にこの中期目標をどう定めるか、あるいはそれに従って中期計画をどう立てるかということを検討してまいりたいと思うわけでございますけれども、決してこれは効率化のみについて目標を立てるわけではなくて、具体的なサービスの在り方全体を考慮いたしまして目標を立てると、こういうことになっております。
○角田義一君 駄目。私が理事でなかったらこれでもう止めるよ、悪いけれども。でも、理事だから委員長に協力する責任もあるからだけれども。
 それ、答弁になっていないですよ、あなた。私は、何を目標にしているんだと聞いているんだよ。例えば、あれですか、支部を作る、支部が例えば北海道は幾つできたと、あと三年の間にこれは倍に増やせとか、そういうのがこの目標なのかい。それから、法律扶助、外国に比べてこんな程度じゃどうしようもないと、もっと増えるように金も付けようじゃないかと。そういうことが中期、中間、中期目標か、ということなのかと、こう聞いているんです。
 こういう法律を作った以上は、何かイメージがあるでしょうや。頭の中にあるでしょうや。こういうものが中期目標だというものがなきゃ、こんなもの作んなさんなよ。どうぞ答弁してください。
○政府参考人(寺田逸郎君) もちろんこの中期目標というのはいろんな定め方があるというふうに私どもは理解いたしておりますので、決して今おっしゃったことのみだとは限りませんけれども、しかし、おっしゃったように、具体的にサービスがどういうところに行き届くかというようなところを目標に立てることももちろん可能だというふうに思っておりまして、今おっしゃいましたように、例えば先ほど千葉委員の方から御質問がありましたゼロワン地域の解消というようなことがございますけれども、それにかかわることを中期目標に掲げることももちろん可能だろうというふうにイメージはいたしております。
○角田義一君 あのね、もちろん可能でございますなんという答弁じゃないよ。第一に、何だ、法律センターというのは何のために作ったんだい。あまねく国民が法律のサービスを受けられるようにするために作ったのと違うのかい。とすれば、その目標の中の中心課題は私が今指摘したということじゃないんですか。それは当然含まれるでしょう、あなた、そんな他人事みたいなことを言ってちゃ駄目だよ、あなた。もう一遍答弁してください。
○政府参考人(寺田逸郎君) 今おっしゃいましたような、具体的なその地域におけるサービスの在り方を直接定めるというのも一つのやり方でございますけれども、しかし、トータルといたしましてどういう地域にどういうサービスを提供するかということを抽象的に定めるのも一つのやり方だろうと思いまして、それは今後具体的に検討してまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○角田義一君 この程度の認識でスタートされちゃたまらないな、私に言わせりゃ。もうちょっと具体的なイメージが本当はあってさ、それで国会の中で堂々と、こういうふうにやりたいんだと、国民の皆さんのところに全部あまねく、ここに行きたいんだと、そういう年度計画を作るなりなんなりするのが中期目標でございますと、すぱっと答えられないのかい。もう一遍やってください。
○政府参考人(寺田逸郎君) なかなか現段階ですぱっと申し上げられないのは誠に申し訳ないんですけれども、おっしゃるとおり、この司法支援センターを中心といたします総合法律支援というのは、あまねく全国に法律サービスの手を届かせるということが目標でございますので、究極的にはそのことを目標にいたしまして、それは中期目標を定めるということはもう言うまでもないことでございます。その定め方を、具体的にゼロワン地域をどういうふうに解消していくかということとの関係でどこまで具体的に決めるかということは今後検討してまいりたいと、こういうことを申し上げているわけでございまして、目標が全国にサービスを行き届かせるというところに中心課題が置かれるということはこれはもう間違いないところでございます。そのために頑張ってまいりたいと思います。
○角田義一君 じゃ、聞きますけれども、あれですな、評価委員の意見を、中間目標を定め、これを変更しようとするとき、あらかじめ最高裁判所及び評価委員の意見を聴かなきゃならぬと、こうなると、この評価委員会の意見というのは、この評価委員がどういう人が評価委員だというのはえらいことだと思うんですね。私は、だれだ、だれだと、こういうことを聞く必要、聞く気持ちはないけれども、これはどういう範疇の人ですか。どういう範疇の人が評価委員になるんですか。
○政府参考人(山崎潮君) 私どもで……
○角田義一君 委員の選任な、委員の選任の基準。
○政府参考人(山崎潮君) 私どもの考えたところで申し上げますけれども、これは、評価委員会は客観的、専門的な見地からその法人の業務の実績に関する評価を行うわけでございまして、そういう意味では非常に重要な役割を果たすということでございます。
 それで、十九条の四項に定められておりますとおり、評価委員会の組織、それから所掌事務及びその委員、その他の職員、それからその他評価委員会に関して必要な事項については政令で定めるということになっているわけでございますが、この委員の人選につきましては、業績の実績に関する評価を適切に担当していただける方、そういう方を人選をしていくということで、これはまだ具体的にどういうジャンルでどういう方をというところまでまだ分析はいっておりませんけれども、やっぱり評価をするわけでございます。それから、司法にかかわる問題であるということですね。この二つ、この要素から人選をしていくと、こういうことになろうかというふうに考えております。
○角田義一君 それは立法当局の怠慢だよ。政令でやるんだったって、現にそういう評価委員会の意見を聴いて評価委員長が決まっていくんでしょう。そうしたら、政令でやるにしても、今すぐ政令出せと私は言わないよ、政令出せとは言わないけれども、どういうジャンルでどういう人たちが出るぐらいのことははっきり今の時点でさせなきゃ、これだけのものを作って国会に提出する意味がないじゃないですか。
○政府参考人(山崎潮君) この十九条では、司法に密接な関連を持つものであるという、そういう業務でございますので、評価委員会の中には裁判官が含まれるという規定が置かれております。これは三項でございます。それ以外の評価委員の方についてでございますけれども、これはやはり客観的、専門的な評価が可能になるよう、学識経験のある方、これを中心に人選をしていくということになろうかと思います。これにつきましては、司法の問題について理解もある、それからまた組織でございますので、組織運営についても理解がある方と、こういうことになろうかと思います。
○角田義一君 じゃ、ずばり聞きましょう、ずばり。裁判官は入るね、評価委員に入ると言ったな、あなた、今。そうしたら、このセンターの仕事はほとんど弁護士さんがやりますよ、もちろん司法書士さんもかんでもらうけれども。国選弁護にしろ法律扶助にしろ、代理は全部弁護士ですわ。そうすると、弁護士は評価の対象だ、これは、対象物だ。まあ対象物、対象物にしちゃ悪いな、対象だよ。そうすると、その評価する方には弁護士は入らないわけだ。弁護士の元老、まあ元老級の人もいるわな。学識経験もある弁護士もいますよ。そういう人はおまえたちの仲間だから、評価する方だからおまえさんは駄目だと、こういうことになるんですか。裁判官だけ、司法関係者は。私は、検察官の中だって立派な検察官いるから入ったっていいと思いますよ。
 ずばり聞く、ずばり。どうなの。弁護士は、弁護士の元老級とか学識経験の立派な弁護士は排除しちゃうんかい。
○政府参考人(山崎潮君) 弁護士も対象になります、当然。──そういう方がおられれば対象になります。人選の対象になるということでございます。
○角田義一君 人選の対象になるんだな。入れるとは言わないんだな。
○政府参考人(山崎潮君) これは運用でございますので、これは今後──運用でございますので、それから政令で定めますので、それを見ていただきたいと思います。それは排除するものではないということは断言できます。
○角田義一君 じゃ、まあ今日はそこまでにしておくか。後はまた見てみる。
 それで、失礼ですけれども、大臣にお尋ねしますけれども、二十条、二十一条に「設立」というところがあって、「法務大臣は、支援センターの長である理事長となるべき者及び監事となるべき者を指名する。」ものとすると。これはよろしいわな。「法務大臣及び最高裁判所は、それぞれ設立委員を命じて、支援センターの設立に関する事務を処理させる。」ものとする。あれですか、法務大臣及び最高裁判所は設立委員を命じるんだね。設立委員というのは何人ぐらい予定しているんですか。まずそれ聞きましょうか。
○政府参考人(山崎潮君) まだこの現段階でどのぐらいの人数が必要かと──どのぐらいの人数が必要かということは決めてはおりません、現在。
○角田義一君 ちょっと待ってください、あんた。これだけの法案を出して、設立に、これから法律作ったら設立に入るんですよ、設立に。事務方が何人にするか、三人にするのか五人にするのか七人にするのか十人にするのか、それも答えられないの。これから決めるんですか、法律ができてから。冗談じゃないよ。そんなことで通らないですよ、この法律。およその見当付くだろうがね。委員長。
○政府参考人(山崎潮君) 具体的にこの法律でも決めておりませんので、これは最終的にはこの設立にかかわった方、それから場合によっては正式な理事長になるということも、理事とか理事長の候補になるということもございますので、その辺の人数が大体イメージとしてあるということでございます。
○角田義一君 じゃ、ちょっとシステムを聞いておきましょう。法務大臣は支援センターの長である理事長となるべき者、監事となる者を指名するんだよね。これはまあいいや、指名する。そうすると、設立委員というのは理事なんですか。理事予定者なんですか。どうなんですか。理事とは別に設立委員というのが存在するのか。どうなのかね。
○政府参考人(山崎潮君) 理事は理事長が定めるということになりますので、最初からアプリオリに理事が決まっているわけではございません。したがいまして、設立の関係の委員というのは別でございます。ただ、現実に、私が申し上げているのは、その就任していく理事あるいは理事長の人数がありますので、大体、その辺の大体数として、イメージとしてはそのぐらいは必要であろうということでございます。
○角田義一君 あなたの言うシステムとすると、理事と、あるいはこの設立委員というのは別だと、こういうことだ、設立委員というのは独立しているわけでしょう、設立委員というのは。そして、その設立委員を法務大臣と最高裁判所がそれぞれ設立委員を命じるというんだよ。
 じゃ、大臣、あんた何人命じるんだね。最高裁判所から偉い人来ている。じゃ、あんた後で聞こう。大臣、何人任命するんですか。
○国務大臣(野沢太三君) この法律の御了解をいただいた段階で選任をしまして、適切なやはり人数並びに運営をやっていただくつもりであります。
○角田義一君 最高裁。
○最高裁判所長官代理者(中山隆夫君) この法律が成立いたしまして、その上でしかるべき機関から裁判所に対して何名指名してもらいたいと、こういうことがあって初めて動ける立場にあるかなというふうに思っております。
○角田義一君 大臣、この三つの法律を三位一体で、我々苦労して、これ今日通そうという話なんですよ、午後。通そうとするにはもうちょっと踏み込んだ答弁してもらいたいね、僕は。設立委員は七名、七名なら七名、そのぐらいのことが言えなきゃ設立にもならないじゃないですか。法律が通ったらゆっくりみんなで相談して何人にして、そんなことじゃあんた、これ先が思いやられるよ。
 そうすると、まさか最高裁判所は弁護士さんなんか設立委員に命じないだろうから、法務大臣はじゃ弁護士さんは入れるんですか、入れないんですか。腹はどうなんですか。それだけ聞いて午前の質問は終えるわ。
○国務大臣(野沢太三君) 弁護士さんも含めて、これは広く検討の対象として考えていく必要があろうかと思っております。
○角田義一君 委員長、終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 先日、地方公聴会で宮城に行きました際に、宮古のひまわり公設事務所の所長さんの陳述を聞きまして、大変この司法支援センターに対する強い期待が述べられました。
 言われておりましたけれども、ああいう司法過疎の地域に行きますと、やみ金の違法取立てなどがもうやり放題になっていると、無法地帯だというふうに言われておりました。こう言われたんですね。幾ら利息制限法を国会が作っても、使う方法を知らなかったら役に立たないんだと、こういうふうに言われました。本当にそのとおりだと思いまして、立法府に身を置く者としては、法律作ったからそれでいいんじゃなくて、実際にそれが使われるような手だてを取らなければ、正に絵にかいたもちになると。そういう点で、いい制度を早く作ってほしいというのがその宮古のひまわり公設事務所の所長さんのお話でありました。
 全国どこでも市民が法的な救済を受けられる網の目を作るということは本当に急務でありますし、そういう点でこの法案は大きな一歩になると思います。より良く機能をして、そして本当に役立つものにするために更に何が必要なんだろうかという点で幾つか質問をいたします。
 まず、大臣にお聞きをいたします。
 先ほど来の審議にありますように、この法案の土台には、これまで日弁連が行ってきた当番弁護士であるとか、ひまわり基金による公設事務所であるとか、また司法書士会や地方自治体なども含めましたいろんな法律相談の活動があります。こうしたこれまで行われてきた様々な法的サービスというものをどういうふうに評価をされているのか、そして、そうしたそれまでの様々な活動と今度のこのセンターとはどういう関係になっていくのか、まずお願いします。
○国務大臣(野沢太三君) 司法制度がより身近なものになるようにと、このことが今回のこの支援センター設立のこの法案の最大のやはり目標であり、趣旨であるわけでございます。そして、今委員御指摘のとおり、過疎地帯ではなかなか法律があってもその恩恵に浴されないということから、過疎地帯に対する司法サービスも充実をしたいということでございまして、これまで弁護士会を始めいろんな団体、篤志のある方々がサービス業務をやっていただきましたが、これ十分ではないと。これ、あまねく全国でサービスを拡充しようというところに今回の法律の趣旨があるわけでございますので、これまでの御苦労をいただきました皆々様の様々な実績、それからこれからも御一緒にお仕事をしていただくという見通し、それを含めて、これを有機的かつ総合的にまとめる形で今回の制度を構築していくということでございますので、一層幅広くかつ重層的な御協力関係を構築することが非常に大事であろうと思っております。
 しかも、これから取り組む方はもちろんですが、これまで既に実績のある方は、それぞれの御経験の中からこのようにしてほしいという御意見なり御希望なり、あるいは要望なりがあろうかと思いますので、そういったものも取り込みながら、かつまた独自性も発揮していただき、競争をしながら共存をするということもあろうかと思いますので、これまで以上に実はそういった関係の皆様の御活躍を期待しておるということでございます。
○井上哲士君 これまで日弁連を始めとした様々な取組が行われてきた、それを有機的、総合的にまとめるんだと、こういうことでありました。そうしますと、それにふさわしい組織形態というのが必要だと思うんです。
 この法案では、独立行政法人に類似をした形態となりまして、いわゆる理事会などの意識決定機関については設けられておりません。国がやるべきことを独立行政法人としてやる。その場合に、この言わば行政的なピラミッド的な組織というのはあると思うんです。ただ、今回のように、これまでにいろんな実績があって、それを有機的、総合的にまとめるということになりますと、そういう皆さんの意見、合意、これを尊重した組織運営というのが非常にこれまで以上に大事になると思うんですね。民事法務協会などもそういう運営がされてきたと。
 そういう点でいいますと、理事会などの集団的な意思決定機関、執行機関と、こういうものを設けるべきだったと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) その支援センターに対しましては国費が投入されるということになりますので、その運営について法人の自主性を尊重する一方で、その業務運営に対する責任を明確化する必要があるという要請がございます。この二つの要請を抱えることになるわけでございますが、ここでその理事長に権限を集中したということでございますけれども、この法人の運営に関する意思決定の権限及び責任を理事長に集中させるとともに、その理事等につきましてはその業務内容等に応じて必要と認められる数にとどめているわけでございます。言わば責任の明確化ということですね。
 それから、それを中心にこういう制度を設けているわけでございますが、ただ、その理事長が業務運営に当たりまして、その業務、適当な機関が必要と考えた場合には、その裁量によりまして、例えば理事会ですか、こういうものを設けてやっていくということも、これは妨げるものではないという構成になっておりますので、今後現実にやっていくところで必要であるということであれば、内部の規定として置いていただければそういう体制になっていくだろうというふうに考えております。
○井上哲士君 是非そういう民主的な意思決定と執行の体制で運用していただきたいと思います。
 それで、今も申し上げましたように、実際の業務を支えるのは弁護士さんなどがかなりの部分を占めていきます。もちろん、隣接法律専門職種者の方もいらっしゃいますけれども、やはり中心は日弁連ということになろうかと思います。
 ただ、先ほどありましたように、役員の任命とか中期目標の策定、最高裁の関与は法定をしておりますけれども、日弁連などには支援、協力ということのみになっておりますが、なぜ日弁連の関与ということは法定をしなかったんでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) これは典型的には国選弁護事務でございまして、国選弁護事務に関しましてはこの支援センターがやる事務と、それから裁判所がやる事務というふうに分かれるわけでございますけれども、裁判所はこの国選弁護に関しまして選任と解任という役割を負うわけでございます。実質的にここ、この関係の制度の運営についても一部責任を負うという形になるわけでございますので、そういう意味で経営に密接に関係があるということから、法的にも意見を聴くと、こういう形を取らせていただいたわけでございます。
 日弁連の方も現実に弁護士さん、いろいろお願いをしてやっていくということになるわけでございますけれども、これはまあお願いをしていろいろやって協力をしていただくわけでございますが、経営に直接何か意思決定をするという形にはならないわけでございますので、そこの違いがあるだろうということからこのような規定を置かなかったわけでございますが、ただ、やっぱり実際にやっていく上では弁護士会の御協力が非常に、それから御意見、これが重要でございますので、この三十二条の五項でも支援センターが意見の開陳を求めることができるというふうに規定をしているわけでございます。その、また運用上、その支援センターがその業務を円滑に運営するために必要なものにつきまして、日弁連の意見をお聴きして協力をしていただくということが当然必要になってくるだろうというふうに考えております。
○井上哲士君 実際を担う大半はやはり弁護士の方々ということになるわけですから、私はきちっと法定をすべきではなかったかと思います。運用上しかしそれはしていくんだという答弁でありました。
 そうしますと、実質的な関与ということを運用上確保するという点で役員の問題が大変大事だと思います。理事長、理事の中にきちっと日弁連の推薦する弁護士などを選ぶということが必要ではないかと思うんですね。衆議院の参考人質疑を見ておりましても、日弁連の代表の方が、今後も日弁連として独自の事業を続けるけれども、ばらばらにやるんではなくて、よくセンターと協議、連携が必要だということ、それからセンターの事業に関与についても、例えばスタッフ弁護士としてはこのぐらいの規模を用意してほしいと、こういうことも早めに言ってもらわないと対応ができないんだというようなことも言われておりました。そういう意味での風通しが必要で、役員のうち一人ぐらいはという気持ちもあると、こういうことを参考人が意見を述べられております。私はこれ当然だと思うんですね。
 理事長は大臣が指名をして、理事は最終的に理事長が選任をするということだと思いますが、このセンターの運営が十分適切に行われるという点でいいますと、やはり理事長ないし理事の中にそういう弁護士の方が入るということが必要だと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 運用にかかわる問題でございますので私の方からお答えさせていただきます。
 今御指摘のとおり、ここの二十四条におきまして、支援センターが行う事業に関して高度な知識を有し、適切、公正かつ中立な業務の運営を行うことができる者のうちから任命するというように規定が置かれております。しかし、実情を確かに見ますと、ただいま委員が御指摘のとおり、この業務の運営上あるいはそれを理解する知識の面から見まして、やはり弁護士の皆さんの、何といいますか、アドバイス、あるいは弁護士会との連携というようなものは必要不可欠であろうと、このように認識しているわけでございます。
 そういう弁護士さんの皆さんの御協力を得るのにどういう形がいいのかということは様々なレベルで考えられるわけで、この理事のレベル以外のところでもいろいろ連携を考えなければいけないわけでございますが、この理事のレベルでそういうことを図っていくのも一つの考え方でございますし、一般論として、現段階であくまで申し上げるわけでございますけれども、この適任者として規定されている者の中の有力な候補というのが弁護士さんであることはもう否定し難いことだろうというふうに考えております。
○井上哲士君 是非、しっかり関与ができるような役員の選任を求めたいと思います。
 もう一度大臣にお聞きをいたしますが、先ほどの質問の中でも、理事長の任命とか法律事務取扱規程の認可、中期目標の指示、法務大臣がその権限を行使することが法定されています。それに当たって、最高裁の意見を聴くだけでなく、日弁連の意見をしっかり聴くべきだと、こういう指摘がありました。大臣からは二人三脚という答弁もあったわけでありますが、是非、決まったから聴くんではなくて、あらかじめ聴くという点が大変大事だと思うんですね。その点、日弁連の関与や協力の実を上げるためにあらかじめしっかり意見を聴くと、こういう運用をお願いしたいんですけれども、大臣、お願いいたします。
○国務大臣(野沢太三君) 枠組みに関しては、やっぱりこうして法律を作り、あるいは大臣としての権限で関係者の指名、そういったこともございますが、担い手はやはり弁護士さんが主体になってやるというのがこの支援センターの一番の特徴でございますから、そういう意味で、支援センターが業務を円滑に運営するためには、適宜必要な段階で日本弁護士連合会の御意見を聴取して協力を得るということは不可欠と考えております。
 当然、その適宜と私申し上げました中には、事前にもございますし、事中、事後にもあろうかと思いまして、ここはもう正に運営の一番大事なポイントでございますので、御指摘のとおりに進めていかなきゃならぬなと思っておるわけでございまして、今度の法律支援構想、総合法律支援構想におきます日弁連の責任、役割、さらにはこれまでの経験されましたノウハウの蓄積等の御協力は非常に重要なことと考えておりますので、これはもう、こちらからももちろんチャンスは作っていかなきゃいけませんが、日弁連側におきましても、それぞれ自発的、自主的な御提言はお待ちをしておると、こういうことでございます。
○井上哲士君 このセンターにおいて弁護士活動の独立性がどのように確保されるのかということが繰り返し議論になってまいりました。十二条で、「職務の特性に常に配慮しなければならない。」と、こういう規定も置いてあるわけですが、この独立性を確保するという点でどういう措置がこの法案でされているのでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) これを受けまして、一番大きなものにつきましては、弁護士業務に絡む審査等を行うために、これを特に支援センターが直接行うということにしないようにするために審査委員会、これを設けまして、その中で審査をしていくということ、それから弁護士の業務ですね、個々の弁護士の業務については、その独立性を有するということを法律上明確化する、こういう手当てをしているということでございます。
○井上哲士君 この独立性が大変一番求められているのが刑事弁護だと思います。
 国選弁護のことでお聞きをするんですが、これはすべて支援センターが担い、支援センターと契約した国選弁護人契約弁護士が担当する、こういうことになります。法定上は日弁連は採用に関する権限がありませんし、個々の事件に、この国選弁護人の選任に関与する権限も持たないということになっております。
 ただ、これは、これまでこの国選弁護人制度の中でずっと日弁連が関与してきた、そういう実績を無視をするものだという指摘があります。例えば、今、迅速化法案というのができましたけれども、そういう迅速な審理に非協力的な弁護士であるとか、それから検察や裁判所の側から見れば不適切な弁護を行うような弁護士であるとか、こういう人たちが排除されるような恣意的な運用をされるんじゃないかという危惧の念が随分私たちのところにも寄せられております。
 この間の審議のときに山崎局長は、嫌な方は別に契約されなくても結構でございます、決して強制するものではございませんと、する意味でもないと、こういう答弁もされたわけですね。しかし、これまで国選弁護をやっておられた方が引き続きやろうと思いますと、これは契約するということが必ず必要なわけですから、ある種強制なんですね。嫌な方は契約されなくても結構でございますといいますと、どうもこの政府の法案に疑問を持つような人は、もう国選やってもらわなくても結構と、やっぱり排除するようなものとして聞こえるんですね。やっぱりあの発言は私は適当じゃなかったと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) やや発言がきつかったということは反省はしております。若干、売り言葉に買い言葉のようになったことは認めます。
 ただ、私が申し上げたいのは、この法案の中で弁護士の業務の独立性についてはきちっといろいろ手当てをしておりますので、いろいろ御指摘がされましたような心配はないということですね。それを十分に分かってこの制度に参加をしていただきたいということでございます。
 契約といっても、これ、事前に何かもうこの一年間どうするかとか、そういうような契約を結ばなくても結構でございまして、その必要が起こったときにそこで契約を結ぶという形でも結構なわけでございますので、それは、今までは弁護士会等から名簿等の推薦がございまして、それで裁判所の方で選任していくということになるわけでございますが、それとそれほど大きく変わるわけではないシステムでございまして、ここに独立行政法人が入りますので、選任は裁判所でございますけれども、そのほかの事務はこちらの法人でやるわけでございますので、そこでそういう関係から契約を結んでほしいと言っているわけでございますので、決して縛るようなものでもないということで御理解を賜りたいと思います。
○井上哲士君 売り言葉に買い言葉だったと言われましたが、やはりいろんな疑問、危惧の声についてはよく説明をしていただくということが基本でありまして、嫌な方は結構でございますというのはやはり非常に不適切だったと思いますので、是非しっかりこの趣旨をよく理解をしていただくし、独立ということに気を付けた運用をお願いしたいと思うんです。
 それで、実際やっぱりこの危惧にこたえるような運用が大事だと思うんですね。これまで弁護士会が国選弁護人については準則を決めて、それで推薦をするという扱いが多くの弁護士会で行われてきましたけれども、様々な危惧にこたえる点でいっても、こういうこれまでのやり方を尊重するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) この点については、支援センターと弁護士会でいろいろお話をしていただくことになりますけれども、私どもの認識といたしまして、従来行われているやり方、これは尊重されるべきものだというふうに考えております。
○井上哲士君 この契約弁護士の規模ですけれども、これは、希望があってそういう準則などを満たす人は基本的にすべて契約するのか、それとも何か一定の定員みたいなものを設けるんでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) これにつきましては、特段、人数の制限とかそういうものを考えているわけではないということでございます。
○井上哲士君 次に、事件への割当ての問題なんですが、個別事件についての弁護士候補の割当てというのは、これは地域の弁護士会の規模などによっていろいろ事情は違う、関与の在り方は違うようですけれども、これまではこの割当てについても弁護士会が関与するということもかなりのところで行われてきました。これも、やはりこういう連携が後退しないような運用がされるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 姿は変わりますけれども、今までの基本的な実務ですね、これは尊重してやっていくということを念頭に置いているということでございます。
○井上哲士君 このセンターの常勤弁護士なんですが、判事や検事の職にあった人が一定期間弁護士になって、そしてこの常勤になると、こういうこともあり得るんでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) これは将来の運用の問題でございますけれども、一般論として申し上げれば、非常に幅広い法律事務を行うこの支援センターに、いろんな形のバックグラウンドを持った、あるいは年齢的にもそういうバラエティーのある法律家が職務に従事するということは望ましいことだろうというふうに考えております。
 裁判官ですとかあるいは検察官が一定の期間こういうことに従事するということもあり得ることだろうというふうには思っておりますが、現在のところ具体的にはまだ考えてございません。
○井上哲士君 二つほどあると思うんですが、一つは、この司法センターに期待されるのが、刑事弁護に強い弁護士を養成もするし、その蓄積を生かすということも言われております。そうしますと、一定期間やってまた戻るという方であれば、その蓄積を生かすという趣旨からは外れる。そういうことでいいますと、やっぱり常勤というのはいささかふさわしくないんではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、これは将来のことでございますので、いろんな考慮をしていかなきゃならないわけでございますが、今御指摘にありますとおり、何といいますか、必ずしも全面的にこれはふさわしいというようなことが言えるかどうかについては、いろいろな問題点を検討していかなきゃならないわけでございます。しかしながら、一つの考え得る道だということで申し上げたわけでございまして、おっしゃるような論点というのはいろいろクリアしていかなきゃならないところはあるというふうに考えております。
○井上哲士君 もう一つ論点があるんですね。独立性という問題があります。
 これまでもいわゆる判検交流というのがやられてきまして、国相手の行政訴訟で、国側の担当者だった人が同じ裁判で裁判官になったというような例もあります。いったん身分を離れているとはいえ、かつて同僚であり、また将来も同僚になる者と果たして裁判の場でしっかり対峙して被告人の権利を守ることができるんだろうか。公正らしさという点でも様々な疑念を生じかねないと思うんですね。
 元総理経験者の方が自分の裁判に検事出身者をたくさん固めたこともありまして、手の内を知っているから逆に強いだろうと思ってそういう弁護を依頼するというのは自由ですけれども、常勤弁護士や国選ということになりますと断れないということに事実上なりますので、この点はやはりそういう点で問題が生じると思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) これはいろいろな点から御指摘をいただくところでございますが、仮にでございますけれども、いったん判検事の経歴がある、あるいは将来そういう立場に立つ者が弁護士として法廷に立つ、あるいはいろいろな弁護士としての仕事をする場合に、そのことだけで刑事事件を扱うのは不適当である、公正さを欠くということはないのではないかというふうに思うわけでございます。
 これは、例えば弁護士任官を考えてみましても、将来弁護士に、失礼、裁判官になる直前の方が弁護士をするのは不適当だということもなかなか言いにくいわけでございますし、いろんなバラエティーがある法律家、バックグラウンドがある法律家というのは一般的に望ましいわけで、ただ、その仕事、その仕事に立つ場合に、法律家としての自覚を中心にいたしまして、不公正さがないように、これは御本人の自覚だけの問題じゃなくて、周囲の環境の問題もございますけれども、そういったことを計らうことが大事であって、そのこと自体で不公正でもう一切まかりならぬということはないのではないかというふうに基本的には考えております。
 ただ、いろいろな配慮をしなきゃならないということは御指摘のとおりでございます。
○井上哲士君 私も、検事であった人が刑事裁判にかかわるべきでないと、こう申し上げているんじゃなくて、常勤という形がどうなるんだろうかということを申し上げています。
 もう少しその辺を掘り下げたいんですが、その点で、最高裁、来ていただいていますが、接見禁止決定、この件数のこの十年間での変化、かなり増えているわけですが、その理由、これをお願いをいたします。
○最高裁判所長官代理者(大野市太郎君) 接見禁止決定の人員につきましては、平成五年度では一万八千六百八十四名、平成十四年につきましては四万七千四百五十五名となっております。
 接見禁止決定の増加につきましては、個々の事件における裁判体の個別的な判断の結果の集積ということでありまして、その原因につきまして統計的な裏付けを得ているわけではありません。ただ、刑事の裁判官としての経験から申し上げますと、そもそも、この十年間の間に事件数自体も相当増加しております。それに伴いまして接見禁止の付される事件も増加したというふうに考えられること、さらに、罪証隠滅を防止する必要性の高い組織的、計画的犯罪や悪質な共犯事件が増加していることといったような、こういった事情が影響しているのではないかというような感じを持っております。
○井上哲士君 今、数を出していただきましたけれども、十年間で二・七倍に増えているんですね。事件数も増えているとおっしゃいましたけれども、やはり接見禁止の数の二・七倍というのは大変大きいと思うんです。
 その中でどういうことがあるかということで、鹿児島の選挙違反事件で起きていることをちょっと紹介をしますけれども、昨年の十一月三十日の朝日の記事ですが、ちょっと紹介します。「鹿児島県議選で、買収された疑いで逮捕された女性の目に、娘の筆跡が飛び込んできた。 「やってないんだったら、きちんと否定しないとダメだよ」 警察署の接見室のガラス越し。家族との接見が禁止されているため、国選弁護人がとった「非常手段」だった。」と、こういうことが起きたそうであります。
 これに対して、検察側が弁護活動に行き過ぎがあるということを指摘をして、鹿児島地裁がこの二人の国選弁護人を解任をしたんですね。これに鹿児島県の弁護士会が猛反発をして、約二か月間、地裁に対する国選弁護人の推薦を停止をした、こんなことが起きたということが報道をされております。証拠隠滅の内容ならともかく、励ましの手紙を見せて何が悪いのかということが言われているわけですが、正に被告人の権利という点でこういうぎりぎりのことが現場で行われているという状況があります。
 それだけじゃありませんで、保釈という問題でもいろんなせめぎ合いがありますが、同じく保釈率、この十年間の変化、率がかなり下がっているかと思いますが、その理由について、最高裁、お願いします。
○最高裁判所長官代理者(大野市太郎君) 保釈率につきましても、平成五年度につきましては二一・二%、平成十四年度につきましては一二%というふうになっております。この保釈請求に対する保釈の許可率というものにつきましては、長年ほぼ五〇%前後で一定しているという、そういう状況にあります。
 したがいまして、保釈率の低下につきましても、保釈請求の数が減少しているということが主な原因であろうかと思われます。その保釈請求の数が減少した原因ということになりますと、もとより私どもが統計的な裏付けを得ているわけでもございません。したがいまして、正確なところは不明でありますが、今までの経験からいたしますと、貧困その他の事由によりまして国選弁護人が選任される事件が増加している、そのような事件では保釈金の納付が困難なことなどもありまして保釈請求がされにくい、また、身上関係が安定していない外国人の事件も増加しているということに加えまして、この十年間というわけではありませんが、長期的に見ますと刑事裁判の審理期間が短縮化しているといったようなことなどの事情が影響しているのではないかという印象を持っております。
○井上哲士君 この点も先ほど紹介した記事で特集をしているんですが、確かに資力の乏しい被告に付く国選弁護人の割合が増えたということも一つの理由に挙げられていますが、現場の弁護士さんの言葉としては、否認というだけで安易に判断されるようになっていて保釈制度が機能しなくなった、そういう現実の反映として被告弁護側の保釈請求率も下がっているんじゃないかということが指摘をされております。
 同じ記事の中では、これは神戸地裁姫路支部の総括判事の談話として、自分自身、若いころに比べると保釈に慎重になっているということが出されております。例えば、保釈の内容が分かってくると捜査当局が勾留を請求する必然性も理解できるということも書いてありますし、ほかの裁判官の本音として、身柄が拘束されている事件の方が断然審理がしやすいというような言葉も出されております。
 こういうふうに、言わば法廷だけじゃなくて、その前の接見とか保釈請求という段階で本当に被告人の権利を守るというために激しいやり取りがあるという下で、正に時には検察や裁判所などと厳しく対決するということが必要だという状況がある中で、こうした活動を判事や検事、そしてまた元職場に帰っていくような方がしっかりできるんだろうかという疑念はやはり被告の側から私は出てくると思うんですね。
 こういう点、改めていかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 今御指摘になられましたのは、一般的に今の刑事事件についての一つの手続上の問題の見方でございますけれども、それにつきましてはそれといたしましていろいろのまた御議論があり、また検察、裁判所、弁護士会の間でも今後いろいろまたそういう問題点を一つ一つ解決していかなきゃならないところはあるわけでございますけれども、ただ、先ほどおっしゃいました、一定の裁判官の経歴を有する者あるいは検事の経歴を有する者がこういう形で出向するということに本質的な支障があるかということになりますと、それはやはり弁護士に仮になった以上は、それは弁護士として独立性を持ってやられるということが大前提でございますので、先ほど申しましたように、周りの環境ということを整備しなきゃならないことも当然でございますけれども、本質的な支障があるというふうには私どもは考えておりません。
○井上哲士君 この記事の中でも、保釈がなかなかされないということに関連してあるベテラン裁判官の言葉として紹介しています。身柄拘束の悲惨さの感覚がないと勾留の厳格な運用についての心構えは生まれないと。若い裁判官に一泊程度の監獄経験があった方がいいんじゃないかなんということも書かれております。
 私たちは、法曹一元化ということも主張してまいりましたし、判事や検事をされた方、またされる方が被告人、被疑者の立場を経験するということ自体は大変重要だと思っております。ですから、刑事事件一般にかかわるべきでないということじゃなくて、常勤という形態はやはりいろんな問題があるんじゃないか、今後、その上でやはりよく検討していただきたいということを改めて強く申し上げておきます。
 次に、今回、被疑者段階の国選弁護が入るわけですが、範囲も大変限定をされましたし、逮捕時から必要だということも随分言われてまいりましたけれども、これは見送られました。
 先ほど当番弁護士、国として当番弁護士制度をやるべきでないかということに対して、資力の審査等に時間が掛かるというような理由も挙げられておりました。しかし、今、日弁連などがやっておりますように、一回分だけ、初回の無料接見をするというやり方でありますと、こういう資力の審査等は必要もないわけでありますから、身柄を拘束された時点での適切なやっぱり法的なアドバイス、非常に大事なことを考えますと、もっと前向きに検討していただきたいと思うんですけれども、改めていかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) これにつきましては、今回、私ども直接の検討対象に入っていなかったということでございます。したがいまして、議論はいたしましたけれども、なかなかその先の進展に至らなかったというところでございます。
 先ほど理由は三点ほど申し上げましたけれども、ただいま一回だけ無料でということでございますけれども、そうなりますと、例えば資力のある人についても無料でということになるわけでございまして、現在、被疑者あるいは被告人の国選弁護につきましてやっぱり資力要件を設けているわけでございますので、その考え方と若干外れてくるわけでございます。
 したがいまして、それとどう整合的に組み立てていくか、議論をしていくかという問題が残っているということでございまして、現段階でこの制度とそこをどういうふうにつなげていくかという議論はまだ未成熟であるということでございまして、将来の課題だというふうに考えております。
○井上哲士君 是非、積極的に検討していただきたいと思います。
 午前中、終わります。
○委員長(山本保君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(山本保君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(山本保君) 総合法律支援法案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、お手元に配付の名簿のとおり、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、京都大学教授山本克己君、弁護士・日本弁護士連合会日本司法支援センター推進本部事務局長小林元治君、消費生活専門相談員岡田ヒロミ君及び弁護士松本三加君でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお伺いいたしまして、今後の審査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 議事の進め方でございます。まず、山本参考人、小林参考人、岡田参考人、松本参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し添えますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
 なお、参考人の方の意見陳述、質疑、答弁とも、着席のままで結構でございます。
 それでは、山本参考人からお願いいたします。山本参考人。
○参考人(山本克己君) 京都大学の山本と申します。
 司法制度改革推進本部事務局の司法アクセス検討会の委員を務めておりました関係でこのような機会を与えていただいたものだというふうに理解しております。発言の機会をちょうだいいたしまして光栄に存じます。司法アクセス検討会では、司法をより利用しやすいものにしていくためにはどのようにすればよいかを検討してまいりました。その際の議論も参考にしながらお話をさせていただきたいと存じます。
 私の専攻が民事訴訟法である関係で、主として民事司法を中心とした話題になりますが、その点、御容赦いただければと存じます。私の申し上げることを御審議に役立てていただければ非常に幸いでございます。
 平成十三年六月十二日に答申されました司法制度改革審議会意見書は、裁判所の裁判にとどまらない広い意味での民事司法の分野におけるアクセス改善を提言いたしました。そして、意見書には、そのアクセス改善の手段として、裁判所制度、訴訟制度の改善やADR機関の充実、活性化など広い意味での司法機関内部の改革とともに、その外部にアクセスポイントを設けて国民に民事司法についての様々な情報を提供することも提案されておりました。この構想を具体化すべく司法アクセス検討会では様々な検討を重ねてまいりました。そして、その成果をも踏まえて今国会に総合法律支援法案が提出されたことは大変喜ばしいことだと考えております。
 この法案の目的を実現する中核となるのは、独立行政法人に準じた組織である日本司法支援センターでございます。支援センターの業務内容は、情報提供を中心とするアクセスポイント機能にとどまらず、より包括的なものとされておりますので、支援センターはあまねく全国で必要な情報や法律サービスの提供を受けられる体制の整備という司法ネット構想の目的を実現する主要な担い手であると位置付けるのが適当であろうかと考えられます。
 法案においてセンターが営むことが予定されている事業のうち、広い意味の民事司法に関連するもののうち主たるものは、相談窓口業務、民事法律扶助、司法過疎対策と犯罪被害者支援の四つであると考えられます。以下、この順序で私の考えを申し上げたいと思います。
 まず、窓口相談業務は、意見書においてアクセスポイントの中核的な機能として想定されていた業務でございます。
 相談を依頼してきた国民等に対して、相談窓口業務において提供される情報には一次情報と二次情報が考えられます。
 一次情報とは、例えば離婚相談であれば、相談依頼者の具体的なケースにおける離婚の成否についての情報のように、相談依頼者の相談内容に直接役立つ情報です。もっとも、一次情報は弁護士会、司法書士会等の法律相談などプライベートセクターでも行われておりまして、支援センターがあらゆる場面で一次情報の提供を行うことは民業圧迫のおそれがあるという意味で妥当ではございません。また、支援センターの人的・物的資源が限られていることを考えますと、そのような機能を負わすのは無理であるというふうに考えられます。
 法案では、支援センターがみずから一次情報を提供するのは、基本的に民事法律扶助として、民事法律扶助の一環としての法律相談と、いわゆる司法過疎対策としての法律相談に限定されており、これが適切であると考えられます。
 これに対して二次情報とは、一次情報を獲得するために必要な情報であります。
 法案ではこの二次情報の提供をセンターの本来的な業務として位置付けておりますが、アクセスポイント構想において想定されていたのは二次情報の提供であったことを考えますと、これが本来的な業務とされたことは適切なことだと考えられます。支援センターを通じて必要な情報を容易に入手できるような仕組み、言わば支援センターがインターネットにおけるポータルサイト類似の機能を果たすことが求められているというふうに考えられます。
 また、支援センターがこのような機能を十分果たすためには、支援センターの提供するサービス内容が広く知られていなければなりません。政府を始め関係機関、関係団体には十分な広報活動をお願いしたいと、このように考えております。
 支援センターにおける二次情報の提供方法に関しましては、インターネット上のウェブサイトを通じての情報提供が重要であると考えられます。これを充実させることによって、安価かつ迅速に、しかもセンターの業務時間の制約なしに二次情報を手にすることができるようになります。もっとも、いわゆるデジタルデバイドが生じないように、つまりインターネットを利用できない方々が情報提供の面で不利益を受けることがないように、口頭での情報提供ができる体制作りも欠かせないというふうに考えられます。
 続きまして、民事法律扶助について申し上げます。
 現在、資力が乏しい国民等に対する民事法律扶助は、平成十二年制定の民事法律扶助法に基づき、法務大臣が指定する指定法人である財団法人法律扶助協会が行っております。法案では、民事法律扶助法を廃止するとともに、今後は支援センターが民事法律扶助の業務を行うこととしております。これは、意見書が民事法律扶助の拡充に向けて運営主体の在り方を含めて抜本的な再検討を行うべきであるということを提言したことを受けてのことであると考えております。
 法律扶助協会の組織的、財政的な基盤は必ずしも十分であるとは言えないと思います。組織面で申しますと、法律扶助協会の各地での事業は、単位弁護士会の事務組織に依存しているのが現状でございます。今後の民事法律扶助に対する需要の増加などを考えますと、法律扶助協会を運営主体としたままでは民事法律扶助の拡充にも限界があるように思われます。また、財政的な基盤につきましても、行政改革の一環として公益法人に対する補助金の適正化が進んでいることを考慮いたしますと、公益法人のやる法律扶助協会を運営主体としたままでは限界があるというふうに考えられるところであります。
 法案では、支援センターが国民等と司法の接点を充実させる業務をより広く包括的に行うこととされております。このことにより組織規模のメリットが出て、管理費用等の固定費の効率的な利用が実現され、より安定した組織基盤と財政基盤を獲得することができると考えられます。もっとも、財政基盤の安定のためには、国や地方自治体に財政支援等の面で配慮していただく必要があろうかと思います。他方で、支援センターが公的資金により運営されることを考慮いたしますと、より一層効率的で効果的な業務運営を行う必要があると考えられます。
 現在、事件数で見ると、法律扶助事件のおよそ七割はいわゆる自己破産申立てでございます。現在、法律扶助は、開業弁護士、開業司法書士がサービス提供を行い、その報酬や実費を法律扶助協会が立て替えるという方法、いわゆるジュディケア制となっております。この法案では、従来のジュディケア制に加えて、支援センターがスタッフとして抱える弁護士等が法律扶助事件を取り扱うことが可能になっております。
 スタッフの弁護士等にどの範囲の法律扶助事件を取り扱わせるかは今後の検討をまたなければなりませんが、大量かつ定型的な業務をこれにゆだねることは、業務運営を効果的、効率的にするための一つの有力な選択肢であります。スタッフの弁護士等が取り扱うのが望ましい典型的な例として、自己破産の申立てを挙げることができようかと思います。
 次に、司法過疎対策について申し上げます。
 司法過疎、とりわけ弁護士過疎対策につきましては、従来、日弁連がひまわり基金を設けて、地方裁判所の本庁、支部の管轄区域内の弁護士の数がゼロ又は一の地域、いわゆるゼロワン地域に公設事務所を開設するなどの活動を行っており、相当の成果を上げてこられました。しかし、資金が必ずしも潤沢ではないことや、公設事務所に勤務する弁護士の確保が必ずしも容易でないことなどの理由により、日弁連の活動にも限界があるのも確かであるように思われます。
 平成十四年の司法書士法の改正により、司法書士に簡易裁判所での訴訟代理権が認められ、司法過疎の問題には一定の対策が施されました。しかし、司法書士の数にも地方によって偏りがあること、地方裁判所、家庭裁判所での訴訟代理については、司法書士法の改正はそれを射程に含んでいないことなどを考えますと、司法書士法の改正だけでは司法過疎問題の抜本的な解決を望むことはできないというふうに考えられます。
 このようなプライベートセクターに基礎を置いた解決策に限界があることを考慮して、法案はセンターに司法過疎を解消する役割を担わせることにしております。このことによって、司法過疎地域における安定した法律サービスの提供が可能となると期待されるところでございます。もっとも、法科大学制度の創設など、現在、質と量の両面において法曹を充実させるための施策が次々と取られつつあり、弁護士の数の増大によって、近い将来、司法過疎問題、とりわけ弁護士過疎問題がある程度解消されることも考え得るところでございます。したがいまして、センターの司法過疎対策業務には定期的な見直し作業が必要であると、かように考えております。
 次に、犯罪被害者支援について申し上げます。
 犯罪被害者を支援することが重要的な社会的課題であることは大方の認識になりつつあると思われます。しかし、被害者支援のための制度、特に犯罪被害者等給付金制度、警察、検察等の公的機関や弁護士会などの民間団体の個別的な取組は必ずしも周知性を有しているとは言い難い状況にございます。したがいまして、これらの取組について情報提供を強化するとともに、より包括的な枠組みを用意する必要があるというふうに考えられます。
 しかし、一つの機関なり団体が犯罪被害者支援に関する事業をすべて行うことは適切でもなく、可能でもないと思われます。と申しますのも、犯罪被害者の支援には、被害者が刑事手続に適切に関与するための情報を提供すること、被害者が犯罪そのものによって受けた精神的なショックやその後の捜査、公判の過程で被害者が受ける心理的なストレスを軽減すること、そして犯罪によって被害者が被った財産的な被害を回復することなど、様々な要素が含まれております。そこには、刑事司法や民事司法に関連するものばかりではなく非法律的なものが含まれているため、これを一つの機関なり団体がすべて行うのは事実上難しく、また適切でもないというふうに考えられるところです。
 法案では、支援センター自体が犯罪被害者支援に関する情報を提供するだけではなく、より適切な情報やサービスを提供できる団体等についての情報を提供することになっており、犯罪被害者支援の面でも支援センターがポータルサイト類似の役割を果たすことが予定されております。このことによって、犯罪被害者は、支援センターにアクセスすることだけで問題の解決を得ることができるとは限らないものの、支援センターを最初の道しるべとすることによって犯罪被害者救済に精通した弁護士等にたどり着くなど、問題解決に一歩も二歩も近づくことができるようになると考えられます。相談窓口業務について申しましたのと同様に、センターが最初の道しるべとして十全に機能するためには、センターが犯罪被害者支援の業務を行っていることを周知するための施策が取られる必要があると考えられます。
 最後に、四つの事業内容以外に一点申し上げておきたいと思います。
 司法や司法に関する情報等の利用者である国民にとって、今後ますます重要と思われる司法教育について申し上げます。
 意見書は、司法の国民的基盤を確立するために司法教育を充実させることが必要であると述べております。司法教育は、基本的に公教育の問題でございまして、教育機関が主体となって行うべきであると考えられますが、支援センターが司法教育の援助を行うことには十分な合理性があり、このような面での支援センターの活動にも期待したいと、かように考えております。
 以上が私の意見でございます。
 御清聴ありがとうございました。
○委員長(山本保君) ありがとうございました。
 次に、小林参考人にお願いいたします。小林参考人。
○参考人(小林元治君) 小林元治でございます。
 本日は、参考人として意見陳述の機会を与えていただきましたことに対しまして、心から感謝と御礼を申し上げる次第でございます。
 私は、現在、日本弁護士連合会に設置されております日本司法支援センター推進本部の事務局長を務めております。この本部は、総合法律支援の運営主体となる日本司法支援センターが民事、刑事の各種情報や法的サービスの中心的提供を弁護士、弁護士会が担うことの重要性にかんがみ、日弁連会長を本部長とし、日本全国の五十二の弁護士会会長等を委員といたしまして、日本司法支援センター発足に備えもろもろの準備に当たっているところでございます。
 現在、既に成立した国民の司法参加を目指す裁判員制度、司法による行政チェックを拡充する行政訴訟改革、また本年四月からスタートしております新たな法曹養成制度としての法科大学院の設置など、明治以来、三度目の大改革と言われる司法制度改革が進んでいます。その中にありまして、法的紛争解決のための身近で利用しやすく、かつ頼もしい司法を実現しようとするこの総合法律支援法は国民生活に最も大きな影響を持つ重要法案であります。
 これまで法律扶助は、昭和二十七年設立の財団法人法律扶助協会が運営主体となり、平成十二年十月に至り民事法律扶助法が施行されて、同協会が指定法人として民事法律扶助を実施しています。民事法律扶助法が施行されてから、関係者の御努力によりまして着実に補助金は増大しているものの、事件増に補助金が追い付かず、法律扶助協会は援助事件を絞り込み、窓口を閉鎖せざるを得ないといった事態が起こったことも記憶に新しいところでございます。
 その原因は、国は予算の範囲内で事業の一部しか補助をしない、不足の事業資金を民間に依存をしていること、人件費、家賃などの管理運営費への国費の支出がなく、これらはすべて弁護士会等からの寄附によって賄わざるを得なかったということが挙げられると思います。
 これは、指定法人スキームを取ります民事法律扶助法の限界でもあります。このたびの総合法律支援法はこれらの限界を克服し、事業費はもちろんのこと、管理運営費も原則として国が負担することを前提に、民間の事業から新たに国の事業として位置付けたものと評価しております。
 総合法律支援法は、刑事訴訟法の一部改正と相まちまして、運営主体である日本司法支援センターを通じ、被疑者の公的弁護制度を導入し刑事司法の公正を実現しようとしていることも大きな前進であります。これまで、日弁連及び弁護士会は、当番弁護士等緊急財政基金を創設し、法律扶助協会への資金援助を行ってまいりました。その資金をもちまして、法律扶助協会は被疑者弁護援助や少年保護事件付添援助を実施し、また弁護士会は、当番弁護士による初回の無料接見、外国人通訳費用、これらを支出してまいりました。被疑者への公的弁護制度は段階的に実施され、平成二十一年ころにはいわゆる必要的弁護事件について確立されるに至ったことは、国際的にも立ち後れていました刑事被疑者の人権救済に大きく貢献するものと考えられます。
 さらに、支援法は、具体的業務として、相談窓口、司法過疎対策、犯罪被害者支援などを新たに業務としており、民事、刑事を含む広範な司法ネットが全国に設置される基盤が整うことになります。
 私どもは、これまで、法律扶助の拡充はもちろんのこと、法律相談の全国展開や過疎地公設事務所設置による司法過疎の解消、当番弁護士を始めとする刑事被疑者弁護、少年保護事件付添いなどを心ある全国の弁護士とともに展開してまいりましたが、これらの活動の延長にあるこのたびの総合法律支援の制度を積極的に評価するとともに、今後も主体的に制度設計にかかわり、国民、市民のため身近な司法を実現してまいりたいと考えているところでございます。
 ところで、この法案に対するこれまで申し上げました基本的評価を前提にしまして、以下、五つの点につきまして、課題と要望を述べさせていただきたいと思います。
 一つは、弁護士活動の独立性が十分に確保されることでございます。特に、刑事弁護では、言うまでもなく国家から訴追された被疑者、被告人の人権擁護を使命とする弁護人の活動は、国や日本司法支援センターからも干渉されてはなりません。同じく、国などを相手とする民事訴訟、行政訴訟の場合にも同様でございます。
 法案では、第十二条におきまして弁護士の職務の特性に常に配慮し、第三十二条一項では契約弁護士等が独立してその職務を行う旨を規定し、センターからの指揮命令を受けないことを明確にしていますが、このことは具体的に業務方法書、法律事務取扱規程、国選弁護人の事務に関する契約約款を定めるに当たっても考慮されなければなりません。
 二つ目でございますが、日弁連及び弁護士会の制度運営への関与についてでございます。
 支援法第十条は、日弁連等の責務規定を置いております。その中で、総合法律支援の意義並びに弁護士の使命及び職務の重要性にかんがみ、基本理念にのっとり、会員である弁護士又は弁護士法人による協力体制の充実を図るなど総合法律支援の実施及び体制整備のために必要な支援をするよう努めるものとしています。
 しかしながら、支援法は、三十二条第六項で、支援センターが業務の運営に当たり、弁護士会及び日本弁護士連合会等に対して意見の開陳その他必要な協力を求めることができると規定するのみで、唯一弁護士である審査委員会委員の解任についてあらかじめ日弁連会長の意見を聴くという規定を置く以外、運営に当たり日弁連の意見を聴くという明文規定は置いてございません。
 他方、支援法には、日本司法支援センターの役員の任命、業務方法書、法律事務取扱規程、国選弁護人の事務に関する契約約款の認可、中期目標の制定や変更、中期計画の認可など、法務大臣が権限を行使するに当たり、あらかじめ最高裁判所の意見を聴かなければならないと規定していますが、これらについて日弁連、弁護士会の担う責務、役割の重要性を考えますと、日弁連の意見を聴く運用が是非とも必要であります。この運用は先ほど第一に述べました弁護士活動の独立性を担保するという意味でも極めて重要なものでございます。
 三つ目、業務範囲の見直しは法案成立後も引き続き行わなければならないことでございます。
 三つ申し上げます。
 民事法律扶助につきましては、政府の司法制度推進計画でも、対象事件、対象者の範囲、利用者の負担の在り方につきまして一層充実すべきとし、推進本部設置期限までに所要の措置を講ずるとしておりますが、検討未了のまま積み残されております。老人への介護保険審査、労災保険、精神保健手続など行政手続にも適用を広げ、現在、生活保護受給者などを中心とする限られた範囲の扶助から、法の予定する国民所得二割層や、更に中間所得層までにも利用対象を広げる努力をしていくべきでございます。
 二つ目、今次の改革では見送られました国費による当番弁護士制度は、身体拘束された被疑者にとっては最も弁護人のアドバイスが必要な時期であり、その実現が望まれるところでございます。
 三つ目、犯罪被害者支援については、情報収集・提供から、衆議院で、被害者等の援助に精通する弁護士を紹介する等の業務に拡大されましたことは一歩前進でございます。しかしながら、更に刑事告訴、検察審査会への申立て、法廷傍聴、意見陳述の支援、犯罪被害者等給付金の申請、マスコミ対応など、現在の民事法律扶助の対象外とされているものをも支援すべきであります。
 第四でございます。補助金対象外事業、いわゆる自主事業の実施についてでございます。
 支援法三十条第二項で、弁護士会等からの委託により日本司法支援センターが行う委託方式を採用しております。
 これまで、法律扶助協会は、日弁連等の資金援助の下、全国的な自主事業として被疑者弁護援助、少年保護事件付添援助を実施し、また地方支部では、地方のニーズに合わせて児童虐待等子供の人権救済、精神障害者の入退院、処遇改善、高齢者、障害者への出張相談など様々な事業を行っております。このたび、被害者弁護が公的弁護に取り入れられたことは、今後も自主事業への公費投入の道筋が付けられたという意味では歓迎すべきであります。しかしながら、自主事業の要件とされます本来の業務に支障のない範囲内という要件は、厳格に解釈されますと自主事業が行えず、国民の司法救済を閉ざすことになるため、柔軟な運用を望むところでございます。
 また、資金は弁護士会等の自主財源で手当てをすることになります。これまで扶助協会への寄附金につきましては免税措置が取られていますが、弁護士会が資金を準備するにいたしましても弁護士会への寄附は免税措置はなく、果たしてこれまでと同様の寄附が集められるか大いに危惧しているところでございます。早急に制度手当てが望まれるところでございます。
 第五に、財政措置の拡充であります。
 我が国の扶助予算は、イギリス、アメリカなど扶助先進国と比較するとけた違いの差がありますが、アジア諸国と比べても日本は極めて貧弱なのでございます。例えば、お隣の韓国は、日本との人口比較で二〇〇二年度におきましては約四十五億、シンガポールは九十六億でございます。日本が約三十三億であったのと比較しても、いかにこれらの国に後れを取っているかということは明らかでございます。
 最後に、総合法律支援法の実施に伴って、各地方自治体で行われている行政サービスとしての無料法律相談などへの財政措置の削減がなされることのないよう適切な対応がなされることを要望し、私の意見陳述といたします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(山本保君) ありがとうございました。
 次に、岡田参考人にお願いいたします。岡田参考人。
○参考人(岡田ヒロミ君) 消費生活専門相談員の岡田ヒロミと申します。
 本日、身に余る機会を与えていただきましたことに深く感謝いたします。
 私は、昭和五十二年に当時の通商産業省に消費生活相談員として就職しましたのを機に、本年まで、二十八年を本年迎えたんですけれども、ずっと相談業務に一筋で専念してまいりました。
 そのような私が司法制度とどういうかかわりになったかということになりますと、私は、司法制度改革推進本部の法曹制度検討会の委員を受けました。法曹制度検討会と申しますのは、裁判官、それから検察官、そして弁護士の制度の改革を討議するところなんですが、まず私が最初に感じたことは、本当に私自身、司法に関して知識がなかったということと、やはり法曹界というものがとても私たちにとっては驚くことばかりだったということなんです。つまり、私たち国民にとって司法制度というのがかなり距離があるという感じをいたしました。しかし、途中から最高裁判所、そして法務省、日本弁護士連合会の司法改革に取り組むその真剣な姿を見まして、司法改革が掛け声だけではないということを感じました。
 本日の総合法律支援法は、正にこの法曹三者の努力と協力なしでは実効性はないものと思います。そういうことを考えますと、私は、必ずやこの法律が成立して、そして法曹三者に加えて地方公共団体又はそれ以外の団体の強力な提携の下に、私たちにとって司法アクセスの強い味方ができるんではないかというふうに期待しております。
 本日は、私は消費生活相談員の視点でこの法案について意見を述べたいと思います。
 まず、衆議院で修正されたことについて述べさせていただきます。
 修正の中で高齢者又は障害者に対して手当てがされたこと、そして被害者に対して手当てがされたこと、この二つは高く評価したいと思います。と申しますのは、今、障害者ないしは高齢者又は障害者の高齢者が消費者相談の中で大変被害を受けております。悪質商法と言われるものなんですが、元々悪質商法というのは詐欺的であったり、強引であったり、そういう商法で被害を受けるということなんですが、高齢者ないしは障害者に対しての商法は、もう商法とは言えるものではなくて、正に詐欺であったり、恐喝であったり、強奪であると、そのようにすら感じます。
 それでもなおかつ、弱い立場ということと、なかなか消費者センターとか司法アクセスの道がないということでは、ほとんどの高齢者、障害者は泣き寝入りしている状況であります。その身辺にある障害者、高齢者を支援する団体も、また司法アクセスの道はありません。そしてまた、そういう被害を救済する方法すら持っておりません。
 この方々に関しては、商法の経済的損害だけではなくて、金銭管理の問題、それから成年後見の問題、そして家族の問題という、正に司法的解決なしでは絶対に解決しないような問題が山積しております。にもかかわらず、そういう方々を救済する手だてがなかったということに関しまして、今回の衆議院の修正でこういう支援団体が今回の総合法律支援の対象の団体に加えられたこと、それから契約弁護士に委託する団体に加えられたこと、これはこういう団体にとっては大変喜ばしいことだと思います。さらには、実際に紛争解決が必要とする高齢者又は障害者が必要な情報とかサービスを受けれない状況にある場合に、司法支援センターに対して特別な配慮をすることを義務付けたこと、これは本当に画期的なことではないかというふうに私は思います。
 次に、被害者に対してなんですが、これは一番適切、一番というのじゃなく、適切な弁護士を紹介するということが入っておりますが、このことに関してもどんなにか被害者にとってはよりどころができたんではないかというふうに思います。
 私ども消費者センターに実際に刑事事件等で被害に遭った方々が、一体全体私たちを助けてくれる弁護士さんはどこにいるんだろうか、どこに行けば私たちの声を聞いてくれるんだろうか、そういうことを問い合わせてきます。そうした場合、私どもとしては弁護士会を紹介するしかないんですが、多分現状ではそういう期待にこたえる状態ではないというふうに思います。それが、司法センターのこういうサービスが受けられることによって、どんなに早く、そして回復、被害の救済ができるんではないかというふうに思います。
 次に、司法センターの業務に関して申し上げたいと思います。
 まず、相談の部分なんですが、これは法律相談とははっきりと分けているように思います。というのは、法律相談の事前の相談というふうに思います。そういうふうに言いますと、そんなことはというふうに思われる方が多いかと思うんですが、私ども相談を受けていて感じることは、法律相談以前の相談がいかに多いかということなんです。国民にとっては、自分の権利とか義務とか、それすらはっきりしない。また、自分が被害を受けていることすら分からない、そしてどうすれば自分の主張が通るんだろうか、そういうことを聞いてきます。
 その証拠に、簡易裁判所の相談窓口に行って一番私に適した方法はどれなのかということを相談員に迫るということを聞いていますが、まあそれが大方の相談といいますか、法律相談の大部分をそういう相談が占めているんではないかと思います。せっかくの法律相談でありながら、そういう入口の相談がたくさん押し寄せるということは、本当に法律相談を受けなければいけない人たちが相談を受けられないという状況になっていると思います。その意味では、この支援センターの相談の意義というのは大変高いんではないかと思います。
 ここで私は一つ申し上げたいことがあります。この支援センターの相談の中では、被害の救済、そういうものに関しての方法、有益な方法の情報提供、それから弁護士会の活動の情報提供というのが挙げられております。もちろん、自分がどういう方法を取ればいいのかという、そういう相談というのは今までは余り得ることができませんでしたから有効だと思いますが、もっと私たちが求めているのは、自分にとって一番適切な弁護士さんはどこに行けばいるか、いらっしゃるかということなんです。いわゆる弁護士さんの専門分野、それを是非とも私たちに情報提供していただきたいと、そういうふうに思います。被害者の弁護に関して適切な弁護士さんを紹介するということが入っているわけですから、それ以外の問題に関しても専門分野の弁護士さんの情報が提供されればどんなにか私たちにとっては使い勝手が良くなるんではないかというふうに思います。
 これはもちろん弁護士会の協力あってのことなんですが、もうそろそろ弁護士会は、個々の弁護士は独立しているんだということではなくて、また個人商店的な形ではなくて、やはりそれぞれ専門の弁護士さん、そういう情報を国民に是非とも提供していただきたいというふうに思います。
 次に、法律扶助の問題なんですが、消費者センターにもこの制度を利用したいという相談はたくさん寄せられます。確かに、年度初めはかなり利用することができるやに思います。ところが、年度末になりますと、もう予算がほとんどないとかなくなってしまったということでなかなかサービスを受けられない状況になっております。今回、将来お金が入ってくるから必ずや弁護士費用とかそういうものを払いますよということを約束した人に契約弁護士を紹介するということになっておりますが、これは大変助かることではないかと思います。
 次に、この業務の範囲で研修とか講座というものが入っております。これに関して、先ほども山本先生の方からありましたが、是非法教育というものに力をかしていただきたいと思います。
 実は私、今朝、消費生活センターからこちらへ駆けました。朝からがんがんと電話は掛かってきました。そして、来訪者もあるんです。何かと申しますと、七十過ぎのお年寄りに対してアダルトグッズや有料サイトの情報の請求のはがきが届いたということなんです。全く何が何だか分からない。でも、そこには訴訟にするとか顧問弁護士を間に入れるとか、専門の回収業者を自宅まで行かせるとか、そういうことが書かれているわけですから、お年寄りにとってはもう大変なことなんですね。もう不安で不安でしようがなくてセンターまで駆け付けてきたということなんですが、覚えがない、全く心当たりがない請求、そういうことにおびえてしまう消費者というのは一体全体何なのかということを感じます。自分の権利とか義務とか、そういうものが明確になるような教育を今まで全く受けてきていないんではないかと思います。
 法教育に関しましては、学校教育で既にスタートしております。ですが、社会人にとっても差し迫った必要性があるのではないかと思います。是非とも、社会人又は私ども相談員に対しての法教育の機会を与えていただきたいというふうに思います。
 最後になりましたが、今回のこの支援法の中で大きな役割をするのが地方公共団体だろうと思います。私は、鳥取県の片山知事のお話を伺う機会があったんですが、あの方のお話を聞いていますと、正に司法と行政というのはこういうかかわりをするのかという目をみはるものがありました。ですが、あの方は特別としても、ほかの方々もそういう考えを持っていらっしゃる方は多いかと思います。でも、まだまだ司法と行政というのは境界線がはっきりする必要があるんだという考えの公務員も多いかと思います。ですが、この法律が成立した場合は、そういう考えは是非とも捨てていただいて、司法と行政がパイプを持つことによって住民がより司法のサービスを受けれるような、そういう考え方を持っていただきたいと思います。で、そのためには、今までのように上から物を、ぽんと資料を投げるんではなくて、現場の私どもないしは相談の担当者に対して意見交換ないしは研修、そういうものをやっていただくことによって現場から上を変えていくような、そういうことも必要かと思います。
 それと、最初に申し上げました高齢者、障害者の問題に関しては、一番今見守りがないのが元気でお一人住まいで自立している方々なんです。ところが、そういう方々はある日突然判断力が付かなくなります。そういう方に関して一番情報を持っているのが消防署ないしは警察だというふうに思います。個人情報保護とか守秘義務とか、そういうことにとらわれないで、是非ともこういう方々が安心して暮らせるようなそういうことを考えた上で、司法サービスの方へ誘導することに協力していただけるような、そういう考え方を持っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(山本保君) どうもありがとうございました。
 続きまして、松本三加参考人にお願いいたします。松本参考人。
○参考人(松本三加君) 弁護士の松本三加と申します。
 お手元に一月に書きました「弁護士過疎地域におけるリーガルサービスの現状と課題」というものをお配りさせていただきましたので、時間もございませんので、これに沿ってかいつまんで私の体験を今日はお話しさせていただきます。
 私は、平成十三年四月より平成十五年三月まで二年間の間、紋別ひまわり基金法律事務所の所長として北海道紋別市に赴任し、弁護士業務を行ってまいりました。このひまわり基金法律事務所は、御存じのとおり、日弁連の弁護士たち、過疎対策のためのひまわり基金を元手に設置された公設事務所です。
 紋別市はオホーツク海に面する人口二万八千人の都市です。流氷の来る町として知られています。本庁が旭川にあるんですけれども、紋別はそこから百五十キロ離れています。
 私が赴任する前の平成十三年当時、本庁ですね、本庁が所在している旭川地方裁判所管轄区域内の弁護士二十六名は、すべて本庁の旭川市内に事務所を構えていました。旭川管内は四国より大きい面積で八十万人もの人口を抱えている区域になります。その管轄内には留萌支部、名寄支部、稚内支部、それから私が参りました紋別支部の四つの支部があり、当時いずれの支部にも弁護士はいませんでした。私が赴任した紋別は、昭和三十年代に約一年ほど弁護士がいただけで、それからは弁護士がゼロと、全くいない地域でした。
 本庁から各支部までの距離は、留萌支部が八十キロ、名寄支部は八十五キロ、紋別支部は百四十キロ、稚内に至っては二百五十キロございました。交通手段も限られており、特に冬は雪の中、各支部まで本庁の弁護士が赴いて仕事をするという過酷な状況にございました。
 紋別に絞ってアクセス方法申し上げますと、平成元年にJRが廃止されました。自家用車以外の公共交通機関は日に数本ある長距離バスのみです。旭川―紋別間は、先ほど申し上げたとおり百四十キロ、まあ百四、五十キロですね、距離があり、標高七百メートルの峠を越え、約三時間半の行程です。長距離バスも吹雪となればダイヤは乱れ、時には欠便となります。自家用車を持っていない市民の方にとっては、旭川で用を足すために紋別から日帰りで往復することはほぼ不可能です。弁護士、一番近いですね、例えば扶助の審査を受けて相談に行って事件を受けてもらうというに当たって、一番近い弁護士が正に今申し上げたそこにしかいないという状況がございました。
 私は、東京生まれ、東京育ちです。紋別には何の縁もございませんでした。私が赴任した平成十三年四月はまだ弁護士二年目だったんですけれども、弁護士二年目にしてこの事務所に赴任することになったきっかけは、司法修習生のときの就職活動中にこの公設事務所の取組に出会ったことです。
 そもそも私は、司法試験の勉強を始めたとき、地味でもいい、困っている人を助けるということを実感できる仕事をしたいというイメージを持って弁護士になろうと、そういう業務を行っていこうと考えていました。そして、日弁連が公設事務所を設置することの意義は、法的サービスを受けられない状態にある市民の方々の不便を少しでも解消していこうというもので、そこに求められている弁護士像は正に自分自身が思い描いていた弁護士像そのものでした。そういった経緯もありまして、すぐ赴任したいと思って手を挙げた次第でございます。
 平成十三年の三月末、まだ雪の残る紋別に一人降り立ち、四月の開業を迎えました。赴任した紋別の管轄する旭川地方裁判所紋別支部の管内は一市三町一村、管内人口は約四万四千人ですね。面積は東京都の一・三倍ぐらいありますけれども、ほとんど森林、山林ですので、住民の方々が住んでいる地域はもっと小さいですけれども、そんなところでした。そして、あの管内人口は全国の中でもかなり小規模、ほぼ最も少ない人口と言ってもよいようなところでしたので、仕事があるのかということについて、まず赴任するに当たっては疑問があったわけです。しかしながら、開業以来、とにかく多忙な日が続き、それは二年間変わることはございませんでした。
 相談内容としても、東京で仕事をしていたときと変わらない、ありとあらゆる一般民事、刑事の事件の相談が寄せられました。相談は、先ほどもありました破産、自己破産の問題、弁護士がいなくても消費者金融の支店は、大手、知られているような大手の金融会社はございました。不況の中、そういったところに、利息とは何かということも分からないままに、市民の方がわらをもつかむ思いで借金をしてしまうという状況がありました。それから、離婚、交通事故、相続、不動産、あるいはセクハラですとか、司法過疎の地域は人口も過疎で医療も過疎のようなところでした。そういったところで医療ミスの相談もございました。
 具体的な業務状況は、時間もございませんので、先ほど、執筆いたしました論文の二十三ページ辺りに具体的なことがいろいろ書いてございます。
 相談に訪れる方は、市内在住者が一番多いのはもちろんですけれども、先ほどのような状況ですので、周囲に弁護士がおりません。百キロ以上も離れたほかの都市からも相談が寄せられました。それでも、地域一帯弁護士が足りませんので、私のところは一番近い地域ばかりでした。
 それから、赴任するまで、まだまだ新米であることや東京生まれ、東京育ちで地元に縁があるわけでもないこと、任期が決まっており、地元の市民の方に受け入れていただけるのかということについて批判ですとか懸念の声もございました。何しろだれもやったことがないものでしたので、果たしてうまくいくのかということについて、直接、間接にバッシングのような声も受けました。実際、そういったことで私自身も非常に不安を抱えて行ったわけですけれども、地元の方はかえって東京の風を新鮮なものとして受け止めてくださいました。
 それからまた、誠実に依頼者の声に耳を傾けて対応すれば、こういった感じですので、新米ですので、かえって何でも言いやすいと。偉そうに踏ん反り返っているような弁護士ではございませんので、そんな力量もございませんので、何でも言いやすいといった面もあって、メリットになる部分もあることを実感いたしました。
 それから、そういった相談業務というのは非常にプライバシー性の高い、だれにも知られたくない、でも、とっても困っているという種の相談ばかりです。ということで、地元に縁がないことがかえって相談をしやすいといって訪れる方もいて、正に、本当に赴いてみて案ずるより産むがやすしというのはこのことだなと実感したわけです。
 現在、私が任期を終えた後、二代目の所長が赴任しておりますけれども、これも東京の者です。その相談状況は現在も変わることなく続いています。市役所や消費者センターからの紹介ですとか、そういったことで相談が来る場合もありますけれども、最近はそれだけでなく、以前、事件を受けた依頼者や知り合いに薦められたといって事務所を訪れる人も増えてきて、事務所が地域に根付いてきたなということを実感しています。
 事件数の実績については、数を申し上げてもなかなかイメージはわかないと思うんですけれども、数字としては、一般の弁護士が受ける事件量としては決して少なくない相談が寄せられました。二年間で民事の相談としては五百二十七件受けました。それから、二百件もの業務を実際に受任をいたしまして処理をしました。いまだに感謝していただいて、東京にまで、お礼といいますか、地元で取れたものなどを送ってくださるような方もいらっしゃるような状況でございます。
 そして、二年間の任期を終えて、また東京で元いた事務所で普通に仕事をしております。
 ちょっと話は戻りますけれども、業務に関しての他業種、それからいろいろな機関との連携について多少お話しいたします。
 司法書士さん、行政書士さんなど、周辺の機関の業務をなさっている方ともお互いの職務の区域に従って仕事で連携を取ることもありました。弁護士が常駐する以前は、離婚や相続などの相談も事実上、司法書士さんなどが受けてアドバイスをせざるを得ない状況があったと、余り大きい声では言えないが、そうだったとおっしゃっていました。市内に弁護士がいるから比較的気軽に弁護士事務所に行くようにと紹介できるようになって大変よかったと言っていただきました。
 それから、ドメスティック・バイオレンスといったちょっと刑事的な要素を含む事件は警察署、それから消費者被害の事件は地元の消費者センターの相談員さん、市役所の市民相談課の方、各機関と情報交換をして事件受任をして解決に結び付けていくということも本当にたくさんやりました。現在、二代目の所長が赴任していますけれども、昨年、警察、消費者センター、市役所などの担当者が集まり、やみ金融の対策協議会を行うといった成果にもつながりました。
 また、事件の依頼以外にも、たくさんの団体からの講演依頼もありました。先ほど法教育というお話がありましたけれども、そういった要請、講演依頼が多く、内容としては、ふだんの、司法と市民のふだんの生活の関係のお話から成年後見制度、男女共同参画といったテーマを、そういったテーマを絞ったものも次々寄せられました。そういったお話をしてもらいたいとこのまだまだ新米の私に寄せられること自体、本当に頼める人がいないという状況だったのだなということを実感いたしまして、身に余る仕事ではありましたけれども、勉強させていただいて、できるだけ事件以外の市民の方と多く接するように努めました。何よりうれしいのは、相談にいらっしゃる方に、待っていました、相談して解決と方向が見えて本当によかったと言っていただける瞬間でした。
 市民の皆様の関心が高かった一つの例として、私は、平成十三年度、北海道新聞ですね、北海道地区ではかなりのシェアを占める新聞なんですが、この人十人というのに選ばれました。これは道内で活躍したということではなく、世界じゅうの人から十人を選ぶということで、小泉首相も一人挙げられて、それと同列で、この人十人松本さんということで選んでいただいたわけです。それだけ住民の方の関心が非常に高いと、これはもう本当に驚いたんですけれども、そういったこともございました。
 改めて二年間を振り返ってみますと、弁護士のアクセス状況がこんなに限られた状況にあったのだなと。市民の方の意識は、そもそも弁護士は相談はできないという存在だったんだと思います。そういった状況は、例えば消滅時効が経過している権利についての相談を受けてしまったけれどももうそのときはどうしようもなかったとか、それから、一つ例を挙げれば、消費者金融業者がそういった弁護士への市民のアクセス不全を逆手に取って営業を拡大し、本庁の旭川に対して、あそこの区域は僕らの聖域だからやり放題なんだと言われて大変悔しい思いをしたということも聞きました。そのような状況に微力ながら少し貢献できたと、多少改善されたということを実感できたというのは、私にとっても一生の思い出となる宝物でございます。
 この状況は、私はこういった仕事柄、ほかのどんどんできている公設事務所の弁護士の方と意見交換する機会が多くございますけれども、皆全く同じ状況だということを聞いております。議員の皆様の選出されています地元で正に起こっている状況なんだということは間違いございません。
 日本司法支援センターは、弁護士過疎の地域の法的サービスの不全をなくすことを目的の一つにしていると聞いています。日本にはまだまだ本当に法律の力を必要としている市民の方がたくさんいらっしゃいます。そのために、実際に本当に法律ができても、実質的にどういった運用をしていけるのか、機能的な制度作りというものを是非目指していただいて、これからも是非注目していただきたいということです。
 それでは、私の話を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(山本保君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松村龍二君 自民党の松村でございますが、ただいまはそれぞれの参考人から非常に貴重なお話をいただいたと思います。
 この司法ネットという新しく採用する法律、総合支援法ですね、我々も検討しているときに、初め司法支援センターというような名前で法案が出されてきて、何かちょっとよく分からぬではないかということで、日本というのを付けたらいいんじゃないかというようなアイデアが出されまして、日本と名前の付いているそういう事務所があるかと言ったら日本育英会とか日本道路公団と、こう言われたんで、まあなるほどということで、是非この日本司法支援センターが定着してもらいたいというふうに思うわけですが、しかしこの相談窓口とか司法過疎対策とか民事法律扶助、公的刑事弁護、犯罪者支援と、それぞれ大事な仕事で、正に国がかかわって支援しなきゃいかぬなということは分かりますが、実際の問題としてどういう姿になるのかなといったことがあと一つ鮮明でない部分があるかと思います。そういう意味において、今日、参考人からお話を聞かせていただいて大変参考になったわけですが、幾つか質問をさせていただきます。
 この最後に、日本の十人に選ばれた松本参考人が、日弁連ひまわり基金の援助、これは弁護士さんが自腹を切ってそういう基金を作ったということかと思いますが、日弁連ひまわり基金の援助で紋別ひまわり基金法律事務所に行かれて御活躍されたということですが、これは大変にすばらしい活動ですけれども、今後この日本司法支援センターができたときには、今北海道でやってこられたような仕事は即、日本司法支援センターがやるべき仕事なのか、あるいはひまわり基金なんかが両立するのか、御経験を通じてどういうふうにお感じになります。
○参考人(松本三加君) 私は、現場の一人として制度設計そのものをどうあるべきかという非常に大きな問題についてこうであると一家言持っているということは、とてもやはり問題が大き過ぎてなかなか一言で言えない部分がございますけれども、恐らく全国規模で展開する司法支援センターと、それからあくまでもひまわり基金として個別の弁護士が個別に支援を受けていると申しましても、自分で稼いで売上げを上げて自分で食べていくと。あくまでもそこで開業した者に看板が付いているというひまわり基金法律事務所に赴任する弁護士は、多少色彩が違うのではないかというふうには思っております。
 その制度自体が、ひまわり基金が司法支援センターと代わって、いずれひまわり基金の方が司法支援センターの方に移行していくのかということについては、正にちょっと分からないんですけれども、恐らくスタッフ弁護士として派遣されて行きたいというタイプの弁護士と、それからそこで自分で開業して経営から何からやりたいという、ひまわり基金を利用して行く弁護士は少しスタイルが違うのかと、私はそういうふうにイメージ的に思っておりますので、何十年かしたときにそれらがどうなっていることかということについてはちょっとイメージがわきませんけれども、それぞれがそれぞれの役割で地域の皆さんの声を聞いても、十分それでも、しばらくはとにかく両立していくことでも、それでも十分にニーズはあるというか、こたえ切れないぐらいに相談があるのではないかというのが私が行ってみてのイメージです。
○松村龍二君 どうもありがとうございます。
 それでは、岡田ヒロミさんに伺うわけですが、消費者相談というのは、非常に戦後、関係者の御尽力で頑張ってこられたと思うんですね。それで、現在、非常に地方自治体であれ、いろんな仕組みの中で相談が行われておるわけですが、これまた、日本司法センターができた場合、それほどの専門家がたくさんそこで勤められるとも思わないわけですけれども、日本司法支援センターはどういうような消費者相談において役割を果たしていくべき、単なる窓口で、消費者相談センターに、そういう機関に紹介するということを適切にやってもらえばいいということなのかどうか、お伺いします。
○参考人(岡田ヒロミ君) 消費生活センターのほとんどの仕事といいますのが、消費者と事業者の紛争に関して間に入って解決をするという、いわゆる苦情処理ないしはあっせん解決というものなんですね。ただ、その形態が最近は変わっておりまして、いわゆる消費者関連の法律ないしは一般的な法律だけでは解決できないというものがとても増えております。一方で、消費者の方も自分の権利というものをはっきりさせたいという形も出てきておりまして、やはりそういう方に関しては司法的な解決を誘導したいと思うんですが、今までは法律相談の方へ誘導していたんですが、ともすると、やはり自分の期待したものではなかったということで戻ってきてしまうと。そういうことでは、まず司法支援センターの方へ行って、そこでまた交通整理をしていただいた上で法律相談とか裁判所とか、そういう形で流れるとすれば、より相談者にしてみれば納得のいく解決といいますか、へつながるんではないかと、そういうふうに思います。
 先ほど申し上げましたように、今私たちが法律相談へ回している相談というのが大方は入口の相談なものですから、その意味で、是非その司法支援センターの相談というものは活躍したい、活用したいなということと、あとは、やはり全国の消費生活センターが、東京みたいに身近に弁護士会とか消費者問題の委員会とかいうものがないわけなんですね。ですから、司法センターができることによって全国の消費者センターがよりどころができるということになるという意味では、全国の相談員にとっても大変強い味方ができたというふうに思うんではないかと思います。
○松村龍二君 どうもありがとうございます。
 次、小林元治参考人に伺いますが、この司法支援センターができたときに、弁護人、弁護士が多くかかわるという話が指摘されまして、当然そうだろうと思います。しかし、今まで自分で開業していた弁護士をこの司法支援センターの専任弁護士ということになりますと、その方は、場所にもよるかと思いますが、一人であるのか二人であるのか。それからまた、国選弁護の、被疑者の段階で弁護士が司法支援センターから派遣される、あるいは裁判員制による裁判が始まったときに集中的に審議するために司法支援センター等にプールされるというふうなことになると、非常に具体的に何人ぐらいが勤務、そこに仕事をされるのかなというふうなことと、さっき御指摘のように、余り国が司法に対して支援を多くしますと、弁護士の独立性というのも、国の介入といいますか発言を許すというふうな状況も出てくるかと思いますが、その辺について一言御意見をお聞かせください。
○参考人(小林元治君) お答えをしたいと思います。
 ただいまの御質問の中で、センターの業務を担う弁護士の担い手の問題を御質問いただいておりますが、これは極めて私ども重要な問題であるというふうに思っております。
 担い手の方法としましては、最初に冒頭、山本参考人もお話しになっておられましたけれども、いわゆる一般の登録の弁護士、この登録の弁護士が事務所においてセンターの各種業務を担うという、いわゆるジュディケア、これが基本でございます。そして、それでも足りない部分、これを専門的に、先ほどで言いますと、定型的な事件等については大量にスタッフ弁護士がやるのが効率性があるだろうというふうにおっしゃっておられましたように、スタッフ弁護士がやると。こういったジュディケアを原則とし、あくまでもスタッフ制というのはそれを補完するということでございまして、それは民事、刑事も同様だろうというふうに考えております。
 現在、民事の部分にいきますと、民事法律扶助では法律相談の登録弁護士というのが五千八百三十人全国に登録をしておりまして、この人たちが相談、そしてまた受任を受けてやります。そして、これに登録していない人でも個々の相談の中で、これは扶助の要件を満たす、資力要件を満たすということで、持込み事件という形で審査に回しまして扶助の事件として受任をすると、こういうのが圧倒的でございまして、これはセンターに移行しても基本的にこのスタイルは変わらないだろうというふうに考えております。しかし、それ以外にも難事件というのもあります。非常に少額事件で難事件とか、こういったものにつきましては民事につきましてもスタッフ弁護士を活用する、そういうことが考えられるだろう。
 刑事につきまして具体的に日弁連でも幾つか試算をしております。必要的弁護事件というのは約十万件ほどあるわけでございますけれども、これを現在、当番弁護士に登録している人数が八千三百人全国にございまして、この人たちが大体年間十件ぐらいを担当するというふうにしますと、それでもまだ足りないんですね。それでも今の試算でいきますと、百人弱程度のスタッフ弁護士が年間百件程度を受任していかなければこの十万件近い必要的弁護事件を処理していくということは不可能ではないかというふうなことも今考えているところでございまして、そういう意味では当番の登録弁護士、一般の登録弁護士を増やすこと、そして刑事弁護に精通するスタッフ弁護士を弁護士会としても養成をしていくと、こういったことが今後の弁護士会の大きな課題になっていくだろうというふうに思っております。
 それから、もう一つお尋ねの、国が余り援助すると独立性を侵害するのではないかという問題。しかし、この問題につきましては、経済的、資金的な援助の問題と業務内容そのものに関与するというか干渉するということは別でございまして、国はあくまでも資金を出す、そしてそれの適正に使われているという限度で必要な監督をするのみでございまして、業務の独立性というのはきちっと守られると。国がお金を出す、弁護士、弁護士会はそういったサービスを提供する、そして受益者である国民、市民という、こういう三者がうまく機能することによって司法支援センターというものが国民の利便性に資するものになっていくんではないかというふうにも考えているところでございます。
○松村龍二君 時間がないので山本先生には一つだけ質問をさせていただきますが、イギリス等では法律、民事法律扶助あるいは刑事法律扶助の金額が非常に多いという話ですが、これは国が出しているものですか。といいますのは、よく私立大学なんかですと宗教団体なんかがお金出すようなことはありますが、世界の今法律、公的扶助のしっかりしている国は、これはもう全額国が出していると、こういうことでしょうか。
○参考人(山本克己君) じゃお答えいたしますが、私はイギリスのことは余り存じませんで、私はドイツ留学の経験者でございましたので、ドイツのことだけお話しさせていただきますと、ドイツの法律扶助制度というのは各州ですね、あそこは連邦国家でございますので、各州が資金を出しているというふうに承知しております。そして多くの、イギリスのような中間団体の発達した国は少しよく分からないのですが、多くのヨーロッパ大陸の国の多くは、国ないしはそれに準ずる団体が財政面で大きな役割を果たしているというふうに承知しております。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。
○角田義一君 民主党・新緑の角田義一でございます。
 大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 小林参考人にお尋ねいたしますが、この日弁連がやっておられます法律相談センターというのは現在二百七十五か所かな、存在すると聞いておりますけれども、これらはこの新しい法律ができた場合にはどういう位置付けになるというふうに理解をしておられるんでしょうか、また、どういうのがよろしいというふうにお考えになっているんでしょうか、まずお尋ねいたします。
○参考人(小林元治君) お答えいたしたいと思います。
 全国に現在、ひまわり基金、先生が御指摘のように二百七十五の法律相談センターがございますが、これは弁護士が毎月特別会費を負担しながら……
○角田義一君 特別会費ね。
○参考人(小林元治君) 特別会費ですね。特別会費を負担したその資金によって開設、運営がなされております。この相談センターは過疎地型でございまして、その場所、そして弁護士の日当とか運営費で大多数の部分が経営的には赤字経営という状況でございます。公設事務所はそれに反して黒字経営といいますか、非常に着実な運営になっておるところでございます。
 その原因は、事件を受任しないということもございますし、まだまだ弁護士を常駐させて事件を受任するに至らないという状況もあるのかもしれません。それは分析をしてみないとよく分からないわけですけれども、事件受任による収入がないということが赤字の原因になっているわけでございますが、これに対して今後、司法支援センターがどういうふうに関与していくのかということが大きな課題でありまして、過疎地対策がセンターの大きな業務になってございます。
 したがいまして、私どもの希望でございますけれども、そういったインフラ整備、資金的な部分を含めましてインフラ整備につきましては国が過疎地対策として対応していただくと。そして、それに対するそこでの情報、サービス提供、こういったものは弁護士、弁護士会が責任を持つと。こういった体制が協議によってできていけば、これは過疎地での法律相談体制というものが全国に広がっていって、司法過疎というものが大きく解消されるんではないだろうかというふうな希望は持っているところでございます。
○角田義一君 具体的にお尋ねしますけれども、例えば法律相談センターというのを国が面倒見ようというのは、その事務所の運営費、家賃とかあるいは事務員さんもいなきゃいかぬでしょう、そういうものを国の費用で面倒見て、そして弁護士さんがそこに巡回するか、あるいは日を決めて行くかということですか。そういうことをイメージされているんですか。
○参考人(小林元治君) そのようなことになれば理想的ではないだろうかというふうに考えております。
○角田義一君 それで、今度の法律では司法過疎地域に対する手当てが一番大事な大きな問題になっているんですけれども、ひまわり事務所もない、法律センターもない、全く何にもないと、ゼロという地域も市町村に随分あるんでしょう、全国にはね、あると思いますよ。それらに対してはどういう手だてをこの新しい法律の下でこのセンターが負う、担うべきだというふうにお考えですか。してもらいたいなと、こういうのがいいなと、こういうふうに思うと。
○参考人(小林元治君) これは大変重要な課題ですが、大変難しい課題だろうというふうに思っております。
 まだ現在ゼロの、要するに支部、地裁の支部があってゼロ、弁護士がゼロの部分がまだ十七支部で、一人しかいないというのが三十六支部ございまして、それ以外に、いわゆる独立簡裁といいまして、百三十五、支部もない、簡易裁判所だけがあるというのが百八十五ございまして、そのうち弁護士が一人も、一人又はゼロワンという部分です、その独立簡裁は百三十五あります。その中で、その百三十五の中で三十二の部分に相談センターがあるというだけで、まだまだ百余りがまだ相談センターも、もちろん公設事務所もないという状況になっておるわけです。
 そういうことで、これにつきましては、司法支援センターは民の足らざるところを補うということで、弁護士会等と連携し、補完をするという規定が三十二条に置かれてございますけれども、今後、できました司法支援センターと十分協議をして、中期計画あるいは法務大臣が指示をされます中期目標の中において、このような過疎地をなくしていく、そのために官民が力を合わせるということで考えていかなければいけないだろうと思っています。
 弁護士会も十全の、十分な協力と労力提供は惜しまないつもりでありますけれども、センターができるインフラ整備につきましては格別の御配慮をいただければというふうに思っている次第でございます。
○角田義一君 小林参考人に引き続いて聞いて申し訳ないんですが、このセンターができますと、法律扶助であるとか、そういうものが全部ここに移るわけですね、建前として移ると。だけれども、その法律扶助の機能というか機構というか、それは全国的にはどういうふうに今なっていますか。
 例えば、地裁の本省ですな、本庁というのかな、そこには大体、法律扶助協会があって、そこには事務員さんもいたりしてやっていますよね。そういうところないところもあると思うし、それから今度法律扶助をもっと進めるということになれば、本省だけではなくて支部とか、そういうところにもやっていかなきゃならぬと思うんだけれども、今の現在のスタッフの状況というものがどうなっておって、それらが今度はこのセンターができた場合は身分がどうなっていくのか。みんなこのセンターの職員に移行していくんですか。そういう問題、ちょっと説明、どういうふうに考えておるのか、どういうふうに希望しているのか、おっしゃってください。
○参考人(小林元治君) 今の問題も大変重要な問題でありますが、身分関係の問題、これは法律扶助協会が解散をするのか、あるいは民事法律扶助の権利義務のみを移行して財団としては存続するのか、これは扶助協会がお決めになることでございますので、これについては言及はできないわけでございますが。
 現在、先生御指摘のようなところ、職員と事務所のスペースがどのようにして全国的に法律扶助が行われているかという現状は、大変各地の、特に中小の単位会では各弁護士会の中にそのスペースがございまして、その職員も弁護士会の職員が兼務していると、こういういわゆる弁護士会依存型の法律扶助が行われているわけです。
 実態で申し上げますと、数字的には、現在支部の職員が今二百十一名、これ、扶助協会の数字を今見ておりますけれども、そのうち弁護士会の業務を兼務するいわゆる兼任職員というのが九十八名、約半数近くいるというような状況でございますし、五十支部全国にございますけれども、そのうち専用スペースを持っているのは東京、大阪とか大都市周辺、大都市及びその周辺の十支部しかない。あと四十支部はすべて弁護士会の中のスペースを間借りしますというか、そういう状況で法律扶助が行われている、これが実態でございます。
 そういう意味では、このセンターができるに当たりましては、専任職員を配置する、場合によったら、そういった専用スペースも確保していただいて、弁護士会依存型から独立型への法律扶助あるいはセンターの運営というものが望ましいんではなかろうかと。これは国民の利便性にとっても望ましいことだというふうに思っているところでございます。
○角田義一君 松本三加弁護士にお尋ねしますが、久しぶりで感動的なお話をいろいろお聞きさせていただいてありがとうございました。
 あなたがこの二年間経験されて、また今東京へ戻っているんですか。その後任の人はよくすぐ決まりましたね。それが一つと。それから、こんなこと言っちゃ悪いんだけれども、よく決まったなと思うと同時に、開設するときのお金、どうするのかな。それで、あなた、こっち帰ってくるでしょう。そうすると、開設するときのお金はどう、その新しい人が継承していくのか、その借金は。借金なんて言っちゃあれだな、借金があるのかもしれないけれども、それがどうなっているかということ。それから、資料を見ると、ひまわり事務所というのはまだまだこれからできていくんだと思うんですけれども、どうなんですか、その希望者というのは、あなた方若い人でかなり多いんですか。それ、ちょっと実情を聞かせてくださいよ。
○参考人(松本三加君) まず、後任者ですけれども、今私が東京にいる事務所ですね、一個人事務所ですけれども、その事務所の所長がこういった事業にずっと従前から取り組んでおりまして、育てた若手を送って、過疎の地域の問題は過密の問題であり弁護士全体の問題だという問題意識を持った所長ですので、送られてまた戻ってきまして、要するに、そこの東京の事務所の後輩が後任者として参りました。
 ですので、私はある意味、後輩が行くということを想定して安心して行けたという部分はあります。行くときにはしごを外されたと、ちょっと言い方は悪いですけれども、そういうような状況はないことを予定して行くことができました。でも、実際それは公募でして、後任者を募集したんですけれども、実際に応募者はその私の後輩一名でした。
 全体的には、いろんな、頑張って広報活動したり、やりがいですとか、決して本当に自分にとって損になるというどころか、たくさん得るところが多いということで宣伝した効果もあってか、後輩はどんどん続いておりまして、そして日弁連のひまわり基金、法律相談センターとか公設事務所の委員会で後輩育成、研修などに努め、宣伝活動もした結果、修習生のうち大体年にそれでも二十名程度なんですけれども、全国に行きたいという志ある新人が集まってきているというのが後任者の現状です。
 それから、開設のお金は、それが正にひまわり基金から、開設のときには、事務所の机からいすから、パソコンからパーティションから、家賃の、事務所敷地の敷金から、そういったもので開設にどうしてもお金が掛かります。私のときは四百万円、それから今は五百万円。ちょっと足りなかったので、書籍ですとか、判例を探す検索システムだとか絶対必要なので、そういったことで五百万円については資金が出ます。それは、形上は開業する弁護士個人への支出ということになりますけれども、こういう制度ですので、すべて置いて帰ってまいりまして、またそれを引き続いて後任者が使っています。そして、パソコンを新しくするといった追加支出程度で開設の引継ぎの方は賄っております。
 ということで、最初の初動、開設するときに五百万程度掛かりますけれども、あと引継ぎに伴って多少のお金が掛かって、それは全部置いてきて、私は身一つで戻ってきたと。借金などはもちろんございませんので、十分自分で稼いでやってこられましたし、そういった負債を置いてきたとか、抱えてどうしたということなく戻ってまいりました。
○角田義一君 一点だけ確認、一点だけ。
 そうすると、その最初の開設する四百万とか五百万というのは日弁連のひまわり基金が全部持つということなんですか。
○参考人(松本三加君) そうです。
○角田義一君 持つということ。あなた方はそれを利用するだけということなんですね。そういうふうに理解していいんですね。
○参考人(松本三加君) そうです。そのとおりでございまして、それが弁護士全員が月千円ずつ自腹を切って積み立てていただいているもので賄われた基金の中から出していただきました。
○角田義一君 時間ですから。分かりました。ありがとう。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。今日は、四人の参考人、貴重な意見ありがとうございます。それぞれ少しずつお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、山本参考人に、お話しされたように、民事訴訟が御専門ということでございます。今回、このセンターを含む総合法律支援法案が成立すると、既存のいろんな制度、例えばADRのような問題もございますが、そういう既存の制度がどんなふうに変化するのかしないのか。変化するとお考えなら、民事訴訟への影響等も含めて、その点、何かお話があれば伺っておきたいと思うんです。
○参考人(山本克己君) そうですね、ADR機関というのは、もう知る人ぞ知る機関というのが結構多いように思うわけでございまして、必ずしも周知性を持っていないと。ADR機関自体の予算上、その周知措置を取るというのは相当難しい場合もございますので、こういうセンターにそういうADR機関の存在を知らせていただいて、それを周知するのに適当だとセンターが判断すれば、いわゆるポータル機能にADR機関を登録していくというようなことをするということで、ADR機関の周知性が高まるというようなことになろうかと思います。
 したがいまして、利用者である国民の観点からいたしますと、選択肢が広まると、自分に適したものを選ぶ機会が増えるということで、私は望ましいことだというふうに思っております。
 したがいまして、民事司法と申しましても、裁判所だけではなくて、様々な幅の広い中から国民が主体的に選んでいけるシステムということで、今後の、いわゆる自己責任社会と言われておりますが、そういう手続選択についても自分から、自分の判断で国民が行動していけると、こういう環境整備ができるということだと考えております。
○木庭健太郎君 小林参考人に、これは法務省の側にも伺ったんですけれども、一部の弁護士さんからは、先ほど言われたように、独立性の担保というのが法案でも担保されているということはあるものの、今回のこの法案、やはり弁護士の活動が政府の統制、監督下に置かれるのではないかというような危惧をなさる方もいらっしゃいます。
 この点についてお伺いしたいのと、もう一つは、先ほどおっしゃいましたが、スタッフ弁護士なりで、もちろんこのセンターにいろんな形で参加していくと。その一方で、今度は、先ほどの御指摘では、いわゆる日弁連の関与という問題ですよね、その運営面での関与というところがどこまであればいいのかというようなお話がちょっとありました。
 ただ、私は、これ逆に運営面に余りに日弁連がかみ過ぎていく、つまり、例えばこれはどうなるか分かりませんが、一体、理事を何人にするか、どんな運営機関なのか分かりませんが、センターそのものが、でもそこに余り今度は日弁連がかみ込んでいってしまうと、正に独立性の問題なりということで心配になる点はないのかなと。運営の側で意見を言う、きちんとした担保がなされることは一面必要だと思うんです。でも、それが余りになされ過ぎた場合、どうなるのかというような逆の面もちょっと考えるんですけれども、その辺について小林参考人から御意見を伺っておきたいと思います。
○参考人(小林元治君) まず最初の、支援センターが法務省所管の独立行政法人ということで、刑事弁護の相対立する当事者である検察庁を抱える法務省の所管の下に入ることによって弁護の独立性あるいは国家管理というか、非常に表現は厳しいですけれども、そういった批判がされていることもあります。私ども十分承知しておりますし、そういった観点から、会内にもそういう意見を言われる会員もおられることも我々十分理解しております。そういった懸念というのは懸念として我々は弁護士として十分理解できるところなんです。
 ただ、先ほどから指摘されておりますように、弁護活動の独立性につきましては、十条あるいは三十二条ですか、そういったところで独立性行使をする、センターからの指揮監督は受けない。あるいは弁護士の職務の特性を考え、特性から、そういった独立性を常に配慮しなければいけないというふうな規定も随所に置かれておりますし、さらに、審査委員会というふうな、いわゆる運営側とは違う第三者機関というのも置かれておりまして、弁護士、法曹三者以外の有識者を主体とする九名の審査委員会が独立して契約解除であるとか身分上の問題についても公正中立に判断をしていくというような、様々な独立性担保の制度がビルトインされておるわけでして、そういった制度が一つ担保されている。そして、そのような独立性を侵害しないというような運用が絶えずそういった観点から図られていく、不断に留意をしなければいけないということは当然でして、そういう観点で、私たちは、国民の利便性に資する有益な制度の誕生は、やはり懸念は懸念として十分心得ながら、妨げてはいけないんだろうというふうに考えているところでございます。
 それから、スタッフの問題につきましても、スタッフの対応というのが、センターに雇用されているという雇用関係上から来る問題も確かに問題としてございますけれども、基本は、先ほど申し上げましたように、ジュディケアが、刑事弁護におきましても一般登録弁護士が刑事弁護も担当する、これが基本でございまして、それで足りない部分、そういった部分がスタッフ弁護士ということで対応するというのが基本原則にこの法の建前もなってございまして、そのスタッフにつきましても、一般の弁護士で十分研修、養成をしましてスタッフとして送り出すということも考えております。これはマザー事務所、養成事務所ということで弁護士をきちっと養成をして、そしてスタッフとして送り出していくと。そういうことで、弁護士会がきちっと倫理研修等も含めまして十分な対応をしていかなければいけないだろうと思っています。
 最後に御質問の、弁護士が余り関与し過ぎるとかえって弁護の独立性というお話でございますけれども、確かに、このセンターというのは公正中立な機関でございますし、一職能団体であります弁護士会が過重に関与するということは確かに慎まなければいけないだろうと思いますけれども、私どもが日弁連関与が必要だと申し上げているのは、特に業務方法書あるいは法律事務取扱規程、弁護人の選任に関する契約約款、こういったところで弁護の独立性ができるだけ配慮していただけるような形での関与を望んでいるわけでございまして、そういう意味では、合理的な関与といいますか、そういった節度ある関与を望んでいるということでございますので、是非御理解を賜りたいと思っております。
○木庭健太郎君 岡田参考人に、「ジュリスト」を読ませていただいたとき、きょうも御意見、最後の方でおっしゃっておりましたが、いつも消費生活センターで感じられるのは、行政と司法の境というか、何か絶対にそこに入ってはいけないというようなものが両方あるというようなことを実際に今までやってお感じになられたと。その意味で、今度の支援センターの意味というのはとても大きいんだろうと思うし、最後の方でちょっと壁の話をされて時間になったようでしたので、もしその部分でもう少しお話ししたい部分があれば、是非この機会に話しておいていただきたいなと思ったんですけれども。
○参考人(岡田ヒロミ君) 私ども、「ジュリスト」でもあれしましたけれども、練馬区とか足立区に関しては弁護士会とパイプがつながっているということなんですが、まだ二十三区の中でそういう制度を持っている区というのはないんですね。ですから、この二つの区に関してはとてもうらやましいというふうに言われるんですが、それは何がネックになるかというと、やはり行政の考え方なんです。ですから、個別の弁護士さんを紹介するのではなくて、弁護士会を紹介するのでも、そういう抵抗といいますか、反対があるわけですから、その意味ではまだまだ行政側が司法に関して目を向けてくれていないということは感じます。
 ところが、行政自体、司法的な解決というのがとても求められているんです。そうすると、職員の方がこそっとこちらへ、私どもへ聞いてくると、弁護士さんにこういうことを聞いてくれないかというようなことを聞いてくるようなこともあるぐらいで、やはり御自分たちも司法アクセスというのを求めているんではないかと。
 そういう面では、司法支援センターができることによって、行政自体もうまくいくし、住民を救済することにもつながるというふうに思います。是非とも考え方を変えていただきたいと、そういうふうに思います。
○木庭健太郎君 御意見、本当、今あったように、こういうものが、新しい機関ができるときに行政そのものの意識の変革をさせていかなければいけないんでしょうし、またそういうところも我々、審議の中でも取組を訴えていきたいと思います。
 最後に、松本参考人と、それから小林参考人にも併せてお聞きしたいんですけれども、本当に松本参考人、よくぞ行って頑張ってこられたという感じでございまして、体験、書かれた体験記をちょっと読まさせていただいたときに、何ですか、最初行かれたときは相談、その場で答えられずに頭が真っ白になってしまってとか、いろんな御苦労を書かれておりましたが、そういうところに行く人たち、私は、なかなか確保するのが難しい面、これからどうやっていくんだろうかと。過疎地対策の、司法過疎地の対策の中で大事なことは、先ほど、国がインフラ整備すればいい、ただそこには人がいなくちゃいけない、じゃ、その人をどうするのかという問題が一番大事になるんだろうと思うんです。
 実際に御経験されて、私、読んだ中で一番大事なことだなと思ったのは、頭が真っ白になったときに、さっきパソコンの話がありましたが、先輩やいろんな方たちに電話してみたりいろんなやり取りをしながら、そこが一つの、ある意味じゃそういう過疎地でも自分がやっていけるという自信へつながったというようなことも書かれておりましたが、どういう支援を行った人たちに対してしていけばいいのかというような御経験からお話があれば、まず松本参考人から伺って、今後、小林参考人、大変だと思うんですけれども、松本参考人のような方が一杯いらっしゃるといいんですけれども、その点も後で一言御返事いただければと思います。
○参考人(松本三加君) 現場に行ったときに、そこにいる、司法支援センターも法的なサービスの提供ですので、サービスの提供というところでは弁護士が中心になるわけですけれども、いかに適切な情報を自分自身が集められるかというところがすごく大きいと思います。
 行く人が、新米が行くのか、中堅が行くのか、ベテランが行くのか、その辺もまた制度設計の問題になりますけれども、いずれにしても、弁護士が、弁護士なりそこの機関がそれぞれ孤立することのないように、とにかく検索システムですとかそれから地元の本庁の弁護士との情報交換、ひいては、こういった大きいネットワークになるんであれば、例えば司法支援センターの中央のスタッフ弁護士に極めて専門化した優秀な方を集めてそこへまめにアクセスして本当に支援が受けられるような形、それは見えないもの、それから目に見えるパソコン、そういったハードの整備も含めて、非常に充実したものにするのがもう望ましいと思います。
 私自身は、もう立ち上げるだけで手探りというところがありましたので、二年間の間にはそういった情報提供をどうするかということまでなかなか実際に手を付けられずに来てしまった部分あったんですけれども、やっぱりメーリングリストですとか、地元の弁護士と難しい医療ミスの事件を共同で受任したりしながら支援を受けてきましたので、是非そういったところ、司法支援センターも充実させれば、自分、個々の弁護士自身も自分自身にメリットになるということで、いい人が集められるという相乗効果になるんだと思います。
 ですから、できるからにはそういうところをすごく充実させてほしいなという考えです。
○参考人(小林元治君) 時間もありませんので、簡単に申し上げます。
 結論的に言うと、松本さんのような方がどんどん続いていただくことが今後の司法支援センターの将来につながるだろうと思っておりますが、北千住といいまして、東京弁護士会で昨年、刑事中心、刑事にシフトした都市型の公設事務所を開設いたしまして、そこで事務所の弁護士を募集いたしましたところ、修習生が五十人余り面接に見えたんです。その中で五名を今年の十月採る予定にしたんですけれども、大変若者はそういった人権擁護であるとか、そしてそういう都市型の公設事務所は地方の公設事務所に将来赴任することを予定しているわけですね、そこで一年、二年研修をして。そういった若者が非常に多いということも我々は非常に励みにしております。
 一、二週間ほど前の土曜日にも過疎地シンポジウムというのがございまして、その後、五十八期の修習生に、司法支援センターというものがある、そしてそこでスタッフ弁護士というのも募集をすることになるがということでブースを出しましたところ、二十五名の修習生が話を聞きたいということで見えたということもございます。
 そういう意味で、まだまだこれからではございますけれども、私たちはこのセンターの将来については光明を見いだしているという状況でございます。これからも頑張りたいと思っております。
○木庭健太郎君 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は、参考人の皆さん、ありがとうございます。
 まず、山本参考人にお聞きをいたします。
 被害者支援のことで、法案では情報提供などをこのセンターが行うことになっているわけですが、お話の中で、一つの機関がすべてやるのはなかなか無理があるというお話がありました。
 ただ、今度のセンターが情報提供程度にとどまったことについては不十分じゃないかという声もありますし、政府の方もまずは立ち上げて、業務は広げていくんだというような答弁もあるわけで、参考人としては、今後このセンターが被害者支援ということでどの程度の業務までを行うことが適切とお考えか、お願いいたします。
○参考人(山本克己君) 分かりました。
 まず、先ほどの意見陳述の際にも申し上げましたように、法律的な事柄と非法律的な事柄、やはりこれは二つきっちり分けなきゃいけないのではないのかというふうに考えております。
 つまり、いわゆるカウンセリングのような部分は、やはりもうセンターが取り扱うのは不適切な領域ではないのかというふうに考えております。やはりそういうものは心理学等の専門家にゆだねるべき事柄であって、そこまでセンターが抱え込んでいくということは、かえってセンターの業務を非効率化させて、独立行政法人的な組織にしたことの意味が失われていくという可能性をはらんでいるのではないかというふうに考えます。それに対して、法律的な事柄につきましては、どれだけのニーズがあるかということとも絡む問題でありまして、それだけのニーズがあればそれなりのことを引き受けていくということは今後あり得るところではないかなというふうな気がしております。
 ただ、ここも検察庁等がやっておられることとの分業関係をどういうふうにしていくのかというのはやはり適切に見極めていく必要があるわけでありまして、何でもかんでもセンターがというのもやはり効率性の観点から問題があるのではないかと。
 被害者の財産的な損害の回復につきましては、やはりそれなりにスタッフ弁護士を利用するということが場合によってはあり得るということもありましょうし、そういう業務に精通した弁護士を紹介するということを積極的に行っていくという辺りが私はどうも、でとどめるのが適切なのではないのか。つまり、被害者支援といいましても様々なニーズがあるわけでして、それを一律に型にはめてセンターが行うというのは、私はどうもまだ、実態を見てみないとまだ分からない部分はありますが、現状では慎重であるべきだというふうに考えております。
○井上哲士君 ありがとうございました。
 次に、小林参考人にお聞きをいたします。
 独立性の確保が大事だということが言われておりますし、その点で様々な会員の皆さんの御意見も私どもも伺っております。特に、法的には様々な担保がされているわけですが、運用にかかわることも随分多いと思うんです。
 そこで、特にいろんな御意見が出ている国選弁護について、やはり独立性の確保という上で、運用上、これが必要だと思われている点はどういうことでしょうか。
○参考人(小林元治君) 国選弁護をこのたび従前の被告人国選に加えまして、被疑者弁護が公的弁護の対象になりまして、当初は法定合議で平成二十一年ごろから必要的弁護ということで徐々に段階的に拡張するということになっております。その中でやはり大事なことは、これは具体的には国選弁護人選任に関する契約約款等で具体的に書き込まれて運用上確立していくルールになるだろうと思うんですけれども、やっぱり弁護士会が推薦をする弁護士を弁護人として選任をする、これは裁判所が選任、解任権というのは持つわけですけれども、そういったルールを一つ確立すること。
 それから、いわゆる通常案件につきましては、配てんのルール、事件の配てんのルールというものを弁護士会と協議をした上でセンターとの間で合意をしていただく。特別案件につきましても、やはりこれまでのようにオウムだとかカレーだとかにもありましたように、やはり弁護人を探すのが難しいということもございますので、そういったことにつきましても特別案件の配てんのルール、協議のシステムを作っていくと、こういったことが極めて重要でないかというふうに考えております。
○井上哲士君 次に、岡田参考人にお聞きをいたします。
 これまでの経験を通じてのお話を伺いました。センターができれば大いに活用したいというお話だったんですが、まあ皆さんは多分受けた相談を更に相談をする相手ということにセンターがなるんだと思うんですが、実際そういう点で利用者として活用しやすくするために何が必要なんだろうかと、場所とか時間とかいろんなこともあろうかと。そういう物理的なこと、制度的なことで是非こういう活用しやすい工夫をしてほしいという点がありましたらお願いをしたいと思います。
○参考人(岡田ヒロミ君) 今、法律相談とか、先ほど小林弁護士にもありました公設法律事務所とか、大変身近に相談する窓口ができたように思います。ですが、まずやはり消費者は最初に相談する相談料、五千円プラス消費税というのが大変抵抗があるんです。ですから、支援センターの場合、相談、入口の相談ではあるんですけれども、無料でやってくれると。その上でやっぱりこれは法律相談を受けなきゃいけないといったときにお金を払って相談に行くと。そういう過程というのは大変消費者にとっては分かりやすいし、利用しやすいんではないかと、そういうふうに思います。
 その入口の相談であればなおのこと、今度は相談者の話をじっくり聞いていただかないと困るわけなんです。法律相談となると、かなり限られた時間で法律的なポイントだけをこう聞き出そうとするものですから、消費者というのは大変不完全燃焼みたいな感じで、自分が言いたかったことが言えなかったとか、聞いてもらえなかったということを不満として言ってきます。ですから、支援センターの場合は、私ども相談員が聞き取るような感じで、やはり消費者の立場で時間を余り気にしないでじっくり聞いていただきたいと。その上で消費者が自分で判断できるようなそういう持っていき方をしていただければ、随分私たちも自信を持って送り込むことができるんじゃないかというふうに思います。
○井上哲士君 次に、松本参考人にお聞きをいたします。
 先ほど公設、都市型の公設事務所にたくさんの若い人の応募があったとお聞きをしまして、大変結構な話だなと思いました。とかく最近は都市型の、都市の大きな法律事務所に新しい弁護士の方々の人気が集まるという話も聞いていたものですから、大変いい話だと思って聞いたんですが、多分若い方々が選ぶ上で、自分のキャリアアップをどうしていくのかということで、むしろ都会において難しい事件をどんどんやってキャリアを付けていきたいということからちゅうちょされる方もいらっしゃると思うんですね。やはり若い、いろんな人たちにやっていただく上で、そういう点での公設事務所での魅力というんでしょうか、というのを大いに広げることが大事だと思うんですが、その辺、やられた実感として、このキャリアとしてどうなっていくのかという辺り、いかがでしょうか。
○参考人(松本三加君) やはり今までの弁護士と違う働き方で行ったことを、行って戻ってきて、そして例えばその後裁判官になるとか、それから行政の何か機関で求められているところへ行くとか、法律作りの実際こう現場に行くとか、いろんな形でその支援センターに行ったような人材を登用というか、それを評価、逆に魅力ある人が育つとともに、それを評価するような目で、言い方は悪いですけれどもちょっと扶助、扶助のなかなか経済的に大変な困難な事件やって御苦労さまでしたねと、それでああ大変だったねと、大変なことしてきたねというので終わるんではなくて、その中身を見て、その経験をいろんなところで評価していただくといいますか、評価される人も育てなきゃいけないんですけれども、そういうシステムが全体としてできていくことで、非常に行く側としてはいいなと、自分自身も地元の方の役に立ててキャリアアップになっていくというふうに考えられるんだというふうに思っています。それがどういうふうに機能していくのかというのは、やっぱりみんな、国民の皆さんとかそれから司法、それこそ行政が司法のそういった専門家の視点を要請するとか、非常に求めるとか、そういったいろんな機関の目も変えていくような土壌が作られることが大切だと思うんで、非常に問題は物すごく大きいと思うんですけれども、少しずついろんな、ただ開業してそこで一生を終えるという働き方でないいろんな働き方ができるんだというのを少しずつ積み重ねていくことで若い人はより希望する人が増えていくんじゃないかと、期待も込めてそういうふうに考えております。
○井上哲士君 最後に、小林参考人にもう一点お聞きします。
 これまで様々な独自事業を日弁連として展開をされていかれて、今のひまわり公設事務所も含めまして、司法センターができても独自に進められるものがあると思うんです。
 ただ、例えば当番弁護士なんかにつきましても、一定の国選の幅が広がりますと、これまで皆さんがかなりの拠出をされていた部分というのがある程度財政的には楽になるといいましょうか、という部分も出てこようかと思うんですね。特別会費取られていたんでそれをどうするかとか、いろんな検討はあろうかと思うんですけれども、そういう点でこの司法センターができることによってこれまで進めておられた独自事業をどれをどう強化をしていくのか、そしてまた少し身軽になる部分、例えばここ、これができてなかった部分にこういうふうに展開を強めていこうとか、そういうふうな計画がもしあれば御紹介いただきたいと思います。
○参考人(小林元治君) 手短に申し上げたいと思います。
 今のお話は、被疑者弁護で公的資金が投入される分浮くんではないかという、こういうお話でございます。浮いた資金を別の有効な自主事業に転用することの計画がおありかという御質問でございますが、この当番弁護士というのは、緊急財政基金というのは現在一人会員から四千二百円毎月徴収をしております。これは今年の二月の臨時総会で三年間、平成十六年の六月から十九年の五月までの時限立法ということで会員のやっと理解を得たというような状況もございまして、これを永続してこの基金というのを、緊急基金がずっと永続するものではないという性格のもので会員の理解を得ていることもございますので、今のところこれをどういうふうに、その三年間はまだ法定合議という部分でございまして、必要的弁護は平成二十一年でございますので、今後何か余剰資金が出てきてそれに何か転嫁できるというような状況ではないということはあります。そんなことで、取りあえず先の展望というのは今のところまだないというのが現状でございます。
○井上哲士君 ありがとうございました。
○委員長(山本保君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。当委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本保君) 速記を起こしてください。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松村龍二君 自民党の松村龍二でございます。
 総合法律支援法案につきまして質問をさせていただきます。
 この法案は、一見非常に簡単な構造を持った法律のように思いますが、しかし、何か突っ込んでいくと非常に幅の広い、奥行きの深い難しい法律だなといったことも実感するわけであります。一言で言えば、国民と司法の距離が遠いと、それをいかに橋渡しするかと、こういうことでございます。
 日本人は、従来、争い事を公の席で解決するのを好まないという民族であるというようなことが言われます。これは何でそういうことになっているかということを私なりに考えてみますと、日本人というのは一人一人非常に優れた国民であると、また非常に社会が人口稠密であると。そういう中で、また勝ち気な国民ですから、一人一人が自分を主張しますと息苦しいということで、まあまあということで、和をもって貴しとするということが争い事を公の席で解決することをやってこなかったということかと思います。また、弁護士等に相談するということにつきましては、日本人は具体的な形にお金を出すことは嫌がらないんですが、ソフト、知恵に対してお金を払うということはなるべくしたくないというような傾向があるんではないかなというように思います。
 したがって、そういう西洋から取り入れたような裁判所というものを日本的にこなしていきますと、先般、労働審判法を成立させたように、調停ということが非常に日本人になじむというようなことも一つ言えるかと思います。そういうようなことで、ひとつこの司法制度改革でアプローチして、また司法と国民の橋渡しをこの法律支援、司法ネットワークで行おうと、こういうことの構造になるのかなと私なりに考えているわけです。
 そういうことで、ただいまも参考人からいろいろお話を聞いたんですが、司法支援センターが行います仕事というのも、おのずと国民にどのようなサービスを提供しようというのかにつきましても、地域の差もあるでしょうし、いろんな、幅が広い考え方から狭い考え方からいろいろあろうかと思いますが、この段階に至って法務省としてどのようにこの法案を考えておられるのか、確認のために法務副大臣にお答えいただきたいと思います。
○副大臣(実川幸夫君) 我が国におきましては、内外の社会経済情勢の変化に伴いまして、法による紛争の解決が一層重要になっております。総合法律支援構想につきましては、このような背景の下で、司法を国民により身近なものとするために、民事、刑事を問わず、あまねく全国におきまして法による紛争の解決に必要な情報又はサービスの提供が受けられるような総合的な支援の実施と体制の整備を行おうとするものでございます。
 総合法律支援構想におきましては、その中核となる運営主体といたしまして日本司法支援センターを設けまして、この支援センターが既存の各種相談窓口や弁護士会、あるいは裁判外紛争解決機関等と連携協力しながら、法によります紛争解決制度の有効な利用に資する情報提供の充実強化の業務又は民事法律扶助事業関係の業務、更には国選弁護人の選任に関する業務、いわゆる司法過疎地域におきます法律事務に関する業務、犯罪被害者の支援に関する業務等の業務を一体的に行おうとするものでございます。
○松村龍二君 この総合法律支援構想におきましては、支援センターが業務を行うに当たりまして、弁護士会、地方公共団体、あるいは隣接法律専門職者の団体、NPOなど民間の活力を十分に生かすことが重要であるということが指摘されておりますが、この構想におきまして民間の活力を生かすことについてはどのように配慮されているのでしょうか。
○副大臣(実川幸夫君) あまねく全国におきまして法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現する上で、日本弁護士連合会その他の民間組織の役割は重要でございます。支援センターは、これらの組織又は団体の取組を尊重しながらこれを補完していくべきものであるというふうに考えております。支援センターが設けられることによりましてこれら民間の組織又は団体の取組についてその意欲を失わせることがあってはなりませんし、むしろ民間の活力を生かしながら、民間の取組を奨励し、促進する必要があると考えております。
 したがいまして、総合法律支援の実施及び体制の整備に当たりましては、支援センターと既に様々な取組を行っております民間の各組織、団体との間の適切な連携協力を保ちながら進められる必要があるというふうに考えております。
○松村龍二君 非常に短い時間の問いと質問でございますのでそのような答弁で結構でございますが、細かいひだのあれが分かるようなまた御回答があると何か分かりやすいなというような感じもするわけでございますが。
 次に参りますけれども、先般通しました裁判員制度ですね、この実施のためには集中審理を行わなければならないということで、そのために弁護士を十分に確保することが前提となりますが、そのために支援センターはどのような役割を果たすことができるのか、果たそうとしておるのか、お伺いします。
○副大臣(実川幸夫君) 裁判員制度を含みます刑事裁判の連日的開廷に対応するためには、私選弁護士につきましては弁護士の業務体制の組織化あるいは専門化が求められておりますとともに、刑事事件の多くが国選弁護事件でありますことから、支援センターにおきましては、常勤の者を含めまして契約により弁護士を確保し、さらには全国的に充実した弁護活動を提供し得る体制を整備することが大変重要であるというふうに考えております。
 今後、支援センターにおきましては、新しい制度に対応するために必要な弁護士を確保していくようにしてまいりたいと考えております。
○松村龍二君 先ほど参考人からいろいろお話を伺ったときに、弁護士さんが自発的に自分の収入の中から基金を出して、それによって、ひまわり基金ということで過疎地域に法律の支援を差し伸べるというふうな仕事もしておられると。そこには若い女性の方が自発的に行って貴重な経験してきたという話もあったわけですが、具体的に、この司法支援センターを作るということになりますと、窓口にはだれが座るのかなと。弁護士が座るにはちょっともったいないなと。そうすると、若い人が座るのか、あるいはもう高齢者でもう定年になったお役人さんの気の利く人を置けば安く付くかなというふうなことで、そのほか電話当番の職員も必要だ、来客にお茶を出す人も必要だと。それから今申しましたような裁判員制度に備えた弁護士が常駐するとかですね。
 これも、ボランティア的にスタッフとして来ているのか、あるいはその司法センターでしっかり固定的に採用、国費で支弁して採用する、職員としてあれするのかということになりますと、これ大変なお金が掛かるなというふうなことが分かるわけですけれども、これはよほど法務大臣、今後法務省におきまして予算獲得をしっかりしていただくということが必要かと思います。
 ITが日本は後れているということで、森内閣のときにIT改革に金をつぎ込むということでたちまち日本が世界的なIT国家になったわけですが、是非、法務大臣、そのような意気込みで日本が世界の中で先進的な司法対応国家ということになるようにするにはよほど法務省のしっかりした取組が必要かと思いますが、最後に、この総合法律支援体制の整備に向けた法務大臣の御決意を伺います。
○国務大臣(野沢太三君) 今回の司法制度改革の大きな趣旨は、国民にとって身近で分かりやすい司法制度の構築ということにあると考えておりますが、特に、先般御審議いただきました裁判員法とこの総合法律支援の法案というのが正に二つの大きな柱ではないかと思っておるところでございます。
 国民にとってより身近なものにするためにも、民事、刑事を問わずにあまねく全国で法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられるように総合的な支援の体制と実施を図る、こういう構想で今進めておるわけでございます。その意味で極めて重要な位置にあるわけでございますので、この法案を作った暁には、更なる政令なり規則なり、そしてまた、全国あまねく各自治体その他の御協力、関係の団体、関連の職者の皆様、そして国民の皆様がこれを利用、活用していただけるようにPRに努めるということ、すべてについてこれからしっかりと取り組む覚悟でございます。
○松村龍二君 以上で終わります。
 どうもありがとうございました。
○角田義一君 民主党・新緑の角田でございます。
 午前中、年がいもなく大きな声出してくたびれちゃったからおとなしくやりますけれども、しっかり答えてもらいたい。
 このセンターには本部というのがあって、支部というのがあるんだね。この支部というのはどういう形態、どういう組織になるんですか。
○政府参考人(山崎潮君) この日本司法支援センターですね、これは独立行政法人でございますけれども、一つの法人ということでございまして、これが全国に言わば支店というんですかね、支部を置くということでございまして、これは、全国で司法が行われているわけでございますので、必ず都道府県には一つは置くということになろうかと思います。
 この先、その支部のまた先、支部のまた先の支店というんですかね、そこを置くか置かないかにつきましては、それぞれの地方の法的ニーズ等これからいろいろ調査をし、その必要なところにはそういうものも置いていくと。特に過疎地域についても、法的需要の高いところについては置かざるを得ないかもしれない。ただ、場合によっては巡回ということでやらせていただくということもあろうかと思いますけれども、そういうような少し実態調査をし、それからまた関係団体とも今後どのようにお互いにやっていくかということも相談しながら最終的なものを決めていきたいというふうに考えているところでございます。
○角田義一君 後からちょっと過疎地域の対応を聞くんで、この支部というのはうんと大事だと思うんですけれども、支部だと当然支部長というのがいると思うんだね、支部の責任者。そして、その支部はどういうスタッフ、スタッフというかな、どういう機構で構成されるんですか。例えば、支部にもやっぱり理事みたいなのが置かれるのかね。それからまた、支部長というのはだれが任命するんですか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 今お尋ねの支部の具体的な在り方でございますけれども、これは正に先ほどもおっしゃられましたように、地方によっていろんな実情がそれぞれ違いがございます。同じ県あるいは道単位でも、相当その需要あるいはそこにおける今までの既存のセンターの協力すべき機関というものの配置というものもまた違います。
 それによりまして具体的に支部の在り方を今後検討してまいるわけでございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、その支部についての責任者みたいなものは当然いるわけでございます。これは必ず支部長という名前を付けるかどうか分かりませんが、そういう責任者を置いて、その支部の基本的には、何といいましても、全体として法律扶助あるいは国選弁護というのはこれはもう必ずあることでございますので、そういう事務を中心に事務全体の総括責任を負うと、こういう形はあろうかと思います。
○角田義一君 そういう答弁をするからまた声が大きくなるんだいね。そういう答弁をするから声が大きくなっていくんですよ。今のあなたの答弁じゃ何言っているんだか分からない。みんな分かっている人、一人もいないよ、言っちゃ悪いけど。分からない。だれも分かんないよ。
 私が言っているのは、支部というのができる、ある、その支部長はだれが決めるんだ、どうやって支部長をつくるんだと、こう聞いているんだよ。どうやってつくるんだ、支部長を。
○政府参考人(寺田逸郎君) 責任者自体をだれが決めるかというのは、センターそのものが決めるわけでございますから、最終的には理事長が決めると、こういうことになるわけでございます。
○角田義一君 そうすると、中央の理事長の偉い人が、五十のあれかい、地方の支部長をみんな御指名だ。昔の知事、官選知事だ、これは。官選知事と同じだ。好きな人をえれえ人が、一番のえれえ人が五十、まあ偉い人がだ、えれえ人なんて、方言になっちゃう。偉い人が五十人御指名で決めると、こういうふうに理解していいんですか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 最終的にはそういう形で任命行為というのはあるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、その地方には地方それぞれの実情というのもございまして、それを推進本部の事務局長からも──推進本部の事務局長からもお答えを申し上げましたとおり、地方協議会のような形でいろいろなニーズというのを酌み取るわけでございます。その地域に果たしてどういう方が適当かということも、これはもう具体的にどういう方が必要か、あるいはどういう方が現実になれるかというのは両面あるわけでございますけれども、そういういろいろな事情を総合して、最終的な責任はそれはセンターの理事長の責任で任命すると、こういうことを申し上げているわけでございます。
○角田義一君 あのね、あんたさっき、今、地方何とか協議会と言ったけれども、地方協議会というのはそういう人事をやるんじゃないよ。できた支部の、法律の条文読んでみなさいよ、支部の運営について民意を吸い上げるためにしかるべき人をみんなこういった協議会に入れて民意を吸収して支部の運営をやるというんだよ。支部長を決めるとかどういうふうにするかなんてことまでこの協議会は決めないよ。
 じゃ、この協議会だれが決めるんだよ。協議会というのは支部長が、できた支部長がいろいろな人の地域の有識者を集めて、あるいは一般の人を集めて意見を聴いて運営に反映させようというのがこの法律の趣旨じゃないか。そうじゃないの。協議会が決めるのかい。駄目だよ、そんなこと言っちゃ。また声が大きくなっちゃう。
○政府参考人(寺田逸郎君) このセンターが運用をいたしました後、地方協議会ができましたらそういうところの意見も反映するということを申し上げている。申し訳ございません、最初にだれが決めるかということになりますと、それはそういうものを抜きにいろいろな地方の実情を、これは具体的にセンターの方で伺って、それでセンターの方で任命すると、こういうことになるわけでございます。
○角田義一君 あのね、センター、どんな偉い人が上の理事長になるか分からないけれども、勝手にAとかBとかCとか決められないんですよ、任命なんかできるはずないんですよ。そんなことやったらはねちゃうよ、この制度は。そうすると必ず、例えば、例えば群馬なら群馬でいいわ、群馬なら群馬の支部長さん選ぶときに、それは群馬のどういうところからどういう意見を吸い上げて、そしてこの人がいいのかなと。角田義一が国会辞めたからこの人が一番いいかもしれねえと、ボランティアでやるかもしれねえからっていうんで、これね。いや、もう群馬県で言われているんだから。先生、国会議員辞めたら支部長になってくれと言われているんだ、私は。もう推薦されているんだよ、ある意味では。弁護士会がですよ。裁判所は絶対推薦しないよ、僕なんか。まあ例えばの話だい。
 その当該支部長がどういうあれ吸い上げて決めていくんだってこれは聞いているんですよ。それは大事じゃないですか。こんな突然ぽっとおまえ、全然知らない人がぼんとおまえが支部長なんだと言ったって、世の中もつはずないじゃないの、常識的に言って。そんなこと駄目だよ、法務省がそんなことを言っていたんじゃ。
○政府参考人(寺田逸郎君) ですから、最終的な責任はセンターの方でと申し上げたわけでございまして、おっしゃるとおり、実際はここでやる事務というのは今まで弁護士会あるいは法律扶助協会がやってこられたことがベースになるわけでございます。したがいまして、そういうベースの活動をされている方、こういう方の御意向も十分に伺った上で任命はするだろうというふうに、これはもう具体的にはセンターの方で行うわけでございますが、私どもの方では考えているわけでございます。
○角田義一君 もうちょっと、さっき、朝も言ったけれども、もうちょっとしっかりしてくださいよ。この程度のことはもっとすらすらすらすら、ちゃんとどういうふうにしてその支部長決めるかということぐらいのことがもう決まっていなきゃ話にならないよ、これはスタートできないよ、本当に。それ以上もう言わないよ、もうこれ言ったってしようがない。
 僕は、例えば前橋、群馬なら群馬のそれは現職の地方裁判所長とか検事正とかあるいは知事さんだとか、それから弁護士会長さんだとか、複数の人の意見を吸い上げて、そして民意を反映させながら支部長は決めていけばいいんであって、もうあんたみたいに支店に指名権があるからなんていってやったら、これはもう絶対はねちゃうということをまず申し上げておきます。
 次。次は、この法律支援法の三十条二項五号というところで過疎地対策をこの司法センターの業務としているんだね、支援センターの業務としている、はっきりしている。そうすると、しかしながら具体的にどういうような事業をやるかということを法律を見る限りでは分かんない。法律では書いていない、何にも書いていない。
 先ほど参考人から、弁護士さんが来て、ゼロとかワンとかいう地域に公設事務所を作ったり、それから法律センターを作ったりして過疎地域を日弁連は苦しい財政の中でやってきているわけです。そうすると、この過疎地対策事業というのは国の費用と責任で実施するんだというふうに理解をしてよろしいのか。総括質疑だから聞きます。この三十条二項五号と言っている対策を、くどいようだけれども、日本司法センターの業務としているんだから、これは国の責任でやるんですか。費用と責任でやるんですか。
○政府参考人(山崎潮君) 過疎地域におけるこの支援センターの業務でございますけれども、これは過疎地域以外の業務がここに、その三十条に掲げられておりますけれども、これは当然やるということが前提でございます。これ以外に、弁護士さんがいない地域でございますので、場合によっては一人という地域でございますので、そうなりますと通常の事件ですね、通常の事件についても受け手がいないということがあり得るわけでございます。
 こうなりますと、やっぱり司法サービスとして足りないということになりますので、この過疎地域におきましては、法律扶助対象事件ですね、これを扱うほかに、利用者の依頼に応じまして相当の対価を得まして支援センターのスタッフ弁護士等に法律相談、あるいは和解交渉の代理だとか、訴訟代理ですね、これを依頼すると、そういう形ですね。それで法律サービスの提供を行うと、こういうことも司法過疎地域におきましては独自の業務の一つとして位置付けられているわけでございます。これにつきましては国が、国の方でこの代理等をやると、ただしこれ、有償でございますので、有償の形でやらせていただくと、こういうことになろうかと思います。
○角田義一君 イメージとしてぴんと来ないんだけれどもね。
 そうすると、さっき言った支部ができて、出張所ができるかどうかは分からぬけれども、そういう、網の目のような支部とか出張所というのが全国にできるというふうにイメージしていいんですか。
○政府参考人(山崎潮君) 先ほど申し上げましたけれども、必ず都道府県には一つ置くということになります。その先に、支部等について、支部というのは裁判所の支部単位、あるいは簡易裁判所、独立簡易裁判所ですか、その辺のこともおっしゃっておられたと思いますけれども、そういうところに置くか置かないかは、これはその地方の法的需要がどのぐらいあるか、そういうところについて弁護士会の方として法律相談所を設けたりとか、それからあるいはひまわり基金の弁護士の事務所ですね、こういうのを設ける予定があるのかないのか、そういう点も全部お互いに日弁連等とよく相談をして、その上で必要なところには支部のまた支部ですね、これは置いていくということになるわけでございます。
 ただ、それほどの、事務所を設けるほどではないと、しかし一定の需要があるというものもあり得ると思います。こういうものにつきましては、巡回をしてそのニーズに見合うようなサービスを行っていくと、こういうようなことを考えているわけでございます。まだ具体的にどういうような形態になるかというのは、これからそれを詰めていくということになろうかと思います。
○角田義一君 日弁連は、先ほどの参考人の質疑で、現在法律相談センターというのは全国に二百七十五か所持っているんですよ。この日弁連が持っている二百七十五か所の法律相談センターと、今度できる支援センターとはどういう位置付け、どういう関係になるんですか。どういうふうにあなた方は理解し、あるいは日弁連にこういうふうにしてもらいたいとか、あるいは日弁連はこうしたいとか、そういう話はやっているんでしょう、これだけのものを作るんだから。
○政府参考人(山崎潮君) この法案全体の考え方でございますけれども、これは民間でおやりになっていることですね、そういうところと連携をして行っていくという位置付けでございまして、従来取り組んでいるところにつきましてはそのまま是非継続をしていただきたいと。今後、そういう継続をする中で、いろいろ足りないところがどうしても出てくるだろうと。そういうものを補完をするというのがこの支援センターの位置付けでございまして、すべてこの支援センターが出ていって弁護士さんがやっている業務を成り代わるということではないということで、この法案の中でも補完をしということが盛んに出てくると思いますけれども、そういう位置付けで考えておるわけでございます。
 今後、弁護士会と、じゃ、そういう点についてお互いにどういう役割をしていくか、これについてはよく相談をして、とても弁護士会の方として対応ができないようなところがあるということになれば、法的需要があるということになれば、それはこちらの支援センターの方でも考えなきゃならぬということにもなってくるわけでございますので、これからお互いに話合いで全国くまなく法律サービスができるように、双方の協議できちっと決めていきたいと、こういうふうに考えております。
○角田義一君 あなたの答弁聞いていると誠にきれいだな。すっといくんだよ。答弁はきれいだよ。しかし、しゃばはそんなわけにはいかないよ。現実はそんなわけじゃないよ。
 今日、日弁連の参考人だって、この二百七十五か所か、これだって、例えば家賃を払っている、やはりそこにパートでも何でもいいから相談のおばさんでも何かいると。赤字になるというんだね、現実は赤字だというんだよ。それで、だけれども、これ、まだ全国でこれ全部できているわけじゃないと。今後、仮に作るならば、インフラというのかな、事務所を借りるとか、あるいはその事務員の給料ぐらいは国が持ってもらいたい。これ、センターができるんだからそのセンターで持ってもらいたいと。そこへ、弁護士さんが、あなたが言うように常駐で行けないまでも巡回で行くとかどうこうすると、こうなるんだ。そのインフラの整備は少なくとも国がやってもらいたい、それが理想であると、こういう話だわな、参考人はですよ、そういうふうに言っているんですよ、今日。どういうふうにそれ対応します。
○政府参考人(山崎潮君) 先ほど私もテレビで参考人のそれを聞いておりました。若干認識が違うのかなと。
 これは、我々は法案を詰めていくところで、弁護士会だけではございませんけれども、いろんな取組が行われております。例えば、地方自治体でもいろんな法律相談も行われています。そういうものをセンターの方でいろいろ情報提供したり、ネットワークですね、こういうものを組んで、それで道案内をしていくという発想でできているわけでございまして、それで、この法案を作るときにも、弁護士独自の業務について、それをこの支援センターの方で奪っていくというような、そういう位置付けではないと。それを、その足りないところを補完をしていくということで御提案を申し上げて、それで今までずっと議論をしてきたということになるわけでございますので、これを全部、ランニングコストはこのセンターの方でという議論は参考人の方はおっしゃられましたけれども、私どもとしてはそういう理解ではないということで進めてきたということでございます。
○角田義一君 それじゃ、あなた、あれじゃない、今までの法律相談センターというのは、日弁連がやっているのは全部そのままにしておくと。補完で足らないところ、どうしても必要なところは協議して決めるんだけれども、じゃ、その足らないところは一体どうするんです。その事務所のお金とかスタッフの賃金とか、そういうのは足らないところだから今後やはり国のこのセンターが持つと。補完というのはそういうふうに理解していいんですか。
○政府参考人(山崎潮君) いや、これ業務を補完するわけでございますので、その地域に法律サービスができないということになれば困るでしょうから、そこへその支店を設けたり巡回をするわけですね。そうすると、当然それに掛かる費用ですね、これはセンターの方で負担をするということでございます。
○角田義一君 はい大蔵省、大蔵省じゃない、財務省、今、この偉い人がそういうときは金出すって言っているんだよ。どうするの、金出しますか。
○政府参考人(佐々木豊成君) 支援センターの予算措置に関しましては、今後具体的に支援センターが立ち上がりますまでにいろんな御検討がなされまして、財務省との間で予算編成の過程で協議がなされていくものと思いますので、具体的に現段階で申し上げることはできないと思いますが、先ほどのお話は、伺います限りは、現在ございますいろんな既存のサービス、そういうものでできない部分に補完的にセンターが出ていって、補完的に行われるセンターの費用はセンターが持ちますということであったと思いますので、基本的にはそのような構成でできているものだと理解をしております。
○角田義一君 まあ財務省とか、そういう訳の分からぬ答弁するんだな。もっとはっきり言ったらどうだね。今はこっちが、今僕は具体的に聞いているでしょう。こういう司法、まあ法律センターに対する私は支援もしてもらいたいと思うが、それはちょっとこっちへ置きますよ。赤字だというんで大変なんだからそれはちょっとこっちへ置いてだ、しかし、この法律の趣旨から言うと、全国くまなくサービスを徹底させると言っているんだから、弁護士会と協議するとここに法律センターを設けた方がいいと。そうしたら、それはもうあんたが言う、山崎さんが言うとおり、それはもう今度の新しいセンターがやるんだと、こう言う。金が掛かるに決まってんじゃない。だから、そうなったらあんたは出さなきゃならないだろう。そんなこと言っていないで、出すなら出すとはっきり言ったらどうですか。
○政府参考人(佐々木豊成君) 正に基本的に、この法律ができまして施行されます段階におきましては、法律の目的が達成されますように適切に措置をしていくというのが誠に基本だと思いますが、具体的に先ほど来のお話のような場合にどうするのかという問題につきましては、今後予算、このセンターに対する運営費交付金の予算編成の過程の中で検討していくということになると思いますが、そういう前提で申し上げますと、先ほどのお話というのは、センターが補完的に出ていく場所に対する経費についてはセンターで見ますと。それについてはいろんな経費、運営費交付金という形で、それを踏まえた予算要求がなされてくるということだと思います。
 ただ、先ほどおっしゃいましたように、その既存のサービスに赤字があるからそれを補てんするとか、そういう……
○角田義一君 それは言っていないんだよ。それはこっちに置いてあると今言っているんだよ。
○政府参考人(佐々木豊成君) 済みません。だと思います。
○角田義一君 あなたは財務省を代表してここに来ているんだよ。普通だったら、何だ、谷垣君にここに来てもらって話聞きたいぐらいだよ。もっと、大臣に代わってここに来ているんだからね。例えば、そういう御趣旨に沿うように全力を挙げてやりたいと思いますぐらいのせりふが言えないのか。もう一遍言ってみろ。言ってごらんなさいよ、そのぐらいのことは。
○政府参考人(佐々木豊成君) 正にこの司法ネット、センターの司法ネット及びそのセンターの業務の重要性につきましては十分認識いたしております。
 それで、今後、先ほど来申し上げていますように、センター及び法務省及び関係のところから具体的な検討なされた上で予算編成、予算要求なされてくると思いますので、法の趣旨に沿いますように十分御相談をしてまいりたいと思っております。
○角田義一君 だんだん良くなってきたな。これぐらいにしておこうや。
 次に行きます。
 先ほどの参考人の、日弁連の参考人のお話ですと、法律扶助協会が、支部だね、例えば前橋地裁なら前橋地裁とか、県庁所在地の地裁のところには大体あるようだけれども、その法律扶助協会というのは、今度のこれができれば法律扶助法というのはなくなっちゃうんだから、これ全部引き受けるわけですな、業務を。引き受けた場合に、だれが今度やる、どこでどうやるかという問題が出てくるわな。
 そうすると、何だっけな、ちょっと待ってくださいね。どこか行っちゃったな。ちょっといいです。先ほどの参考人のお話ですと、独特のスペースを持っている法律扶助協会というのは五十のうち十しかないと。あとは弁護士会のどこか間借りしているということ。それから、スタッフがたしか二百十三人ほどおるんだけれども、ここにあった、ごめんなさい。これでいいや。独自の事務局のスタッフを持っているのはその五十のうち十五しかない、十五。それから、独特のスペースを持っているのは八つしかない。あとは、スペースでいえば弁護士会の一角を借りていると。それから、職員も全国で二百二十一人いますけれども、専任の職員は百十三人、それから、非常勤というかな、弁護士会の兼任している人が九十八人ということなんです。要するに、スタッフがいるわけですよ。スタッフがいて、スペースがあるわけね。
 そうすると、それは全部あれですか、今度はその職員はこの法律センターの職員になるんですか。法律扶助協会の職員のまま置けるんですか。法律扶助協会は解散するかしないかは、自主団体だからあなた方は何も言えないといえばそれまでだけれども、ここら辺はどうなるんだね。
○政府参考人(山崎潮君) 法律扶助協会の職員が法律上、当然、支援センターの職員となるということにはしておりません、法的には。
 ただ、この法律扶助協会の職員に失職の不利益を与えると、失職ですね、そういうべきで、与えるべきではないということもまた当然でございまして、その支援センターとしても、この民事法律扶助事業の事務のノウハウ、こういうものも引き継ぐ必要がございますので、そういう観点から、現在雇用されている職員のうち希望される方につきましては、いろんな事情があろうかと思いますが、特段の事情のない限り引き続き支援センターで職務に従事していただくというのは適当であるというふうに私どもは考えております。
○角田義一君 分かりました。
 今度はまた大蔵省にも関係するんだけれども、この事務スペースというのがあるんだな。専用のスペースを持っているのは何しろ八つしかないんだよ。あとは全部弁護士会の一角を借りているんだ。今度そのセンターの支部というのができると、そのセンターの支部というのは一体建物とかどうするんだね。その全部の五十のところに新しくおっ建てるのか、それともどこかのビルでも、一階でも借りるのかね。どういう計画でいるんですか。まさか弁護士会の一隅を貸してくれというわけにいかないでしょう。できないでしょう、そんなことは。国選もやるんだし、法律扶助もやるんだから。どこかの独立したビルの一室をちゃんと借りて、群馬支部なら群馬支部というふうにするんじゃないんですか。どうなんですか。どういう構想でいるの。
○政府参考人(寺田逸郎君) これも最終的にはセンターでお決めになることでございますけれども、実情は今おっしゃられましたように今の法律扶助は、それだけでは独立の事務として成り立たないために弁護士会を間借りされている方も多いわけでございます。また、他方、国選の事務がございますが、これは基本的には裁判所の中でやっていることが多いわけでございまして、これらを合わせまして、かつその過疎地対策その他の今度新しく司法支援センターだけが行う事務を合わせますと旧来の事務よりは相当増えるわけでございますので、それは独自にやはり事務所とスタッフというものを考えていかなきゃならない。
 もちろん、しかしそのスタッフというのは経験等が必要でございますので、今おっしゃられましたような職員も法律扶助協会辺りから引き継ぐということももちろん中には検討しなきゃならないことが多いとは思いますけれども、概念上はそれは独立のスペースと独立のスタッフということで考えてまいりたい、こういうことでございます。
○角田義一君 はい、大蔵省、財務省。今の話だと独立した事務所だな、構えて、ビルは建てなくてもいいや、どこかを借りればいいんだね。そして、そこにスタッフを入れるということになるとこれは金掛かるんだよ、これ。これどうするの、ちゃんと賄うの。賄ってくれるんですな。
○政府参考人(佐々木豊成君) 正に今後どういうスペースが必要か、あるいはどういう形でそれを用意されるのかということに懸かってくると思いますが、そういう御検討をされて予算という形で御相談がありました場合には十分協議をしてまいりたいと思っております。
○角田義一君 あのね、十分協議をするのは結構、協議をしなきゃどうしようもないんだから協議をするのは当たり前で、協議してゼロ回答じゃスタートできないんだよ。そういうことはないやね、だから。協議をするということは、必要なものは出すというふうに理解していいねということなんです。
○政府参考人(佐々木豊成君) もちろん要求と結果との間には、その間には国全体の財政事情を勘案いたしまして、いかにして効率的な業務運営を同じ効果を出すのであればしていただくかという検討をするわけでございますので、そういう検討を経て、いずれにしましても必要なものと判断されたものには当然ながら財政上の措置が行われるということだと思います。
○角田義一君 じゃ、駄目押しするから。効率的、効率的というのは後の話なんだ。まず場所がなきゃ効率もへったくれもないんだよ。ね、物の順序からしたらそうでしょう。そうすれば、こちら側の方から、別に無駄なえらい高価なものを欲しがるわけじゃないけれども、必要最小限度のそれなりの格好の取れたものを確保しなきゃならない、まず場所を。それはまず最低でしょうが。あと人間をどうするかというのはまた別の問題であって、それは効率運用をするというのができてからの話だから。最低のものの物的な施設というのは国が責任持つと。大蔵省が責任、財務省が責任持つと、こういうふうに理解していいですね。
○政府参考人(佐々木豊成君) くどいようでございますけれども、センターが何が必要かというのをよく御検討されまして、それに基づいていろんなセンター自身の収入なども勘案いたしまして運営費交付金という要求がなされるものと思っておりますので、その中身をよく御相談いたしまして、必要であると判断されたものについては財政上の措置を行うということでございます。
○角田義一君 まあ出してもらえるというふうに理解をしないとこの事業はできませんのでな、佐々木さん。こっくりしているけれども、こっくりしたというふうに、こっくりしてるから。こっくりしてないのか。じゃ、もう一遍ちょっと答えなさいよ。これ出してもらわなきゃスタートできないんで、場所がなきゃスタートできないんだから。場所はちゃんと確保するために国が責任を持つというふうに理解していいね、異議はないね。
○政府参考人(佐々木豊成君) 必要な、センターの運営上必要なものと判断されるものにつきましては、十分協議した上で、最も効率的な形での財政措置を行うということであると思います。
○角田義一君 それが限度だろうから、まあいい。
 次、行きます。
 先ほどから多くの人が、この制度によって弁護士さんの独立性というものが脅かされるのではないかという心配を皆さんもしておって、そういう心配をされる方は弁護士会の中にもおるということを私もよく承知しています。
 そこで、私が具体的にちょっと聞きたいのは、例えば業務報告書であるとか、あるいは法律事務取扱規程だとか、それからさらには国選弁護士に関する契約約款とか、こういう中には報酬とか費用とかいろいろなことを許可をするわけでしょう。そういうかなり国選弁護人の基本にかかわるようなことについて決めていくわけですよね、今後、約款とか。そういうときに、先ほど千葉さんの方から駄目押しの質問があったけれども、よほどこれは弁護士の独立性というものに配慮しながら、意見を聴きながら進めていかないと、一方的に約款だからといって決められるものじゃ私はないと思うし、一方的に業務方法書なんというものも決められるわけでもないと思うんですね。
 そうすると、これは再度、これはもう総括だから大臣に私は聞きたいんだけれども、こういう問題についてはきちっと、日弁連ときちっと意見を交換をして、意見を聴いて、その独立性に十分配慮してやっていくというふうに理解してよろしいでしょうかな。どうですか。
○国務大臣(野沢太三君) 先ほどもお答えを申し上げておりますが、この法律のもう成り立ち、それから運営を含めまして、弁護士会、特に日弁連の御意見は十二分に配慮されて運営されていかなければならない。当然、そこで働いていただく弁護士の方々の独立性というものは確実に私はこれは保障されなきゃいかぬと思っております。
 ですから、全体の法人としての枠組みは、確かに国の関与があり、また法務大臣からの方針もございますけれども、中身はあくまで法と良心に従って、弁護士の皆さんの御活動に言わば御一任しているということが原則であると考えております。
○角田義一君 そうすると、山崎事務局長に聞きますけれども、この法律ができるとあれですか、日弁連との協議会というようなものを立てて、立ち上げて、それでやるというふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(山崎潮君) 実際の運用については法務省の方で行われることになると思いますけれども、それにつきましても、今委員御指摘のとおり、弁護士業務の独立性、これに配慮したきちっとした規定を設けていかなければならないということでございますので、何らかの形で協議をしていくという場を作っていくということになろうかと思います。
○角田義一君 はい、分かりました。
 じゃ、次に参りますが、この法律センターができると、よく、スタッフ弁護士、スタッフ弁護士というのが議論になっているんだけれども、スタッフ弁護士というのはどういう性格なんですか。どういった任務を負うのか。
○政府参考人(山崎潮君) スタッフ弁護士は、通常は契約でこの事件をお願いをしていくというものでございますけれども、一種の職員としてなるわけでございます。
 それで、これは、完全にほかの業務を行わない、そういうタイプのもう常駐タイプのものと、それから一般の弁護士さんではございますけれども、大体、月にこのぐらいはお願いしたいと、それが入れば優先的にやっていただくとか──優先的にやっていただくとか、そういうような非常勤のタイプの常駐、こういうものもあるわけでございます。それは両方やるということになります。
 この方々の主な業務でございますけれども、これにつきましては、例えば被疑者弁護の関係で弁護士会の方にいろいろお願いをしたけれども、なかなかうまく担当してもらえない、時間的にも間に合わないとか、そういう問題がございます。そういった場合には、ここの常勤のスタッフ、あるいは契約で月にこのぐらいをやっていただくというふうに決めてあるスタッフの方、こういう方に飛んでいってもらうという形の仕事をするというのがまず一つ考えられます。
 それから刑事の関係で、例えば裁判員制度で連日開廷とか、こういうものもあるわけでございますが、こういうものになかなかお願いしてもオーケーと言ってくれる弁護士さんがいないといった場合にはここのスタッフ弁護士がそれを担当するということもあり得ます。これが刑事系のものでございます。
 それ以外に、民事といたしましては、例えば今、自己破産が物すごく増えているわけでございますが、これを個々の弁護士さんに個別にお願いをしていくというやり方を今やっておりますけれども、それで対応できるところはそれでいいんでしょうけれども、これで対応できないようなところも出てきているわけでございます。こういうものについて、やっぱりある程度の効率性を考えなきゃいけないので、このスタッフ弁護士にある程度の事件をまとめてやってもらう、こういうようなことの業務をしてもらうということが典型でございますし、それ以外には、例えば地域の法教育とかそういうところに出ていってその担当をするとか、そういうような、常駐をしていろんなタイプの仕事を補完的にやっていく、こういうイメージでございます。
○角田義一君 大体分かってきたけれども、そうすると、そのスタッフ弁護士というのは、各支部に、今のようなお話ですと必ずあれですな、一人かあるいは複数か分かりませんけれども置くと。そしてその中には、常駐ということになると、はっきり言って報酬というか給料というか、そういうタイプになりますね、そういうタイプの人もいると。それから、あともう一つは、非常勤の人は月給じゃないとは思うけれども、一件について幾らというような形でいくのか、その二種類のタイプがあると。その人たちは民事だけじゃない、刑事だけじゃない、オールマイティーに、私なんか田舎にいるから何でもやらなきゃならなかったんだけれども、そういうふうに理解していいんでしょうか。もう一遍ちょっと念を押して聞きます。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、一般の弁護士さんにお頼みするときは、その個別の事件について幾らという形でやるわけでございますけれども、常駐のスタッフのものにつきましては給与制を考えております。したがいまして、過疎地域で弁護士さんがいないために有料で事件を受けるという場合につきましても、給料をもらっておりますので、それは報酬については支援センターの方に払ってもらうという形になります。
 それからあと、月にこれだけのものはやってもらうという、そういう契約でやる方については、そこの単位でその全体として幾らとか、そういう決め方をしていくと、こういうイメージでございます。やる内容については、このセンターで必要なものはすべてやる、こういうことになるわけでございます。
○角田義一君 そこで、蛇足になるかもしれないけれども、さっきから僕が言っている、弁護士の独立性ということをなぜ私が強く主張するかというと、そのセンターに雇用関係で入る弁護士が、今言ったように、被疑者の国選弁護をやったり、場合によったら、先ほどお話があった連日開廷のときにやらなきゃならぬ、だれもいないからやらなきゃならぬということになった場合に、やっぱり弁護士というのは、基本的に、もちろん裁判に協力する義務はあるんだけれども、私は、国家権力に対してはやっぱり対抗するというか、それの争いの中で初めて真実が私は生まれると、こういうふうに、そういう信念ですからね、いいとか悪いとかいったって。そういうものをもし弁護士がなくしてしまえば、これはもう弁護士じゃないと僕は思っているんですよ。国家権力とやっぱり相対して闘うというところで初めて国民の人権は守られるんで、そういうことなんだから、私は、その人選なりなんなりも、決してえこひいきをするんじゃなくて、やっぱり弁護士として人格ともに優秀、人格も優れているし能力もあるし、そういうのがやっぱり常駐スタッフでいるということがこのセンターのやっぱり権威を高めることに私はなると思うんですよ。
 だから、その人選というのはよほどしっかりしてもらわないといけないんじゃないかと私は思うんだけれども、あなたの考えを聞きたいね。
○政府参考人(山崎潮君) 御指摘のとおり、センターの業務を必要なものはすべてやるということにもなりますし、今御指摘のような刑事事件、あるいは場合によっては国に対する事件というものもあり得るわけで、民事事件でもあるということになるわけでございます。
 したがいまして、そういう仕事をきちっとやっていけるということ、独立してやっていけると、そういう資質、能力を持った方、そういう方になっていただかないとそれはまずいということは、私もそれは同感でございまして、今後、そういうスタッフの弁護士さんにどういう方を採用、どういう方に来ていただくかという点につきましては、それぞれその地方のいろいろな方から御意見を聴きながら最終的に決めていくということになろうかと思います。
○角田義一君 それから、問題になっている国選弁護ですけれども、ちょっと基礎的なことを聞いておきたいんだけれども、大体、刑事の一審でどのくらいの国選弁護士というのは割合が今あるんですか。私、今ちょっと実務から離れているから分からないんだけれども。うんと粗っぽい言い方でいいです、何件ぐらいあるのかな。
○最高裁判所長官代理者(中山隆夫君) 地方裁判所でございますけれども、国選弁護人が選任された人員、平成十四年では五万六千六十一人、簡易裁判所におきましては一万一千二百八十七人でございます。
○角田義一君 いや、率、率はどのぐらいになるの、全国の、例えば。
○最高裁判所長官代理者(中山隆夫君) あれですが、地裁で七〇%程度だったかと思います。
○角田義一君 簡裁は。
○最高裁判所長官代理者(中山隆夫君) 簡裁は、簡裁はもっと高うございますね。十二分の十一、十二分の十一でございますから、九〇%でございます。
○角田義一君 じゃ、そういう事実を踏まえてあれしますけれども、午前中、共産党の井上議員からも、山崎さんの、ちょっと不穏当じゃないか、発言が不穏当じゃないかと、売り言葉に買い言葉だというあれが、せりふが出たけれども、僕もあれ聞いてちょっとはっと、どきっとしたんだけれども、この国選弁護になる人というのは、全部あれですか、このセンターとの契約弁護士にならなくちゃいけないんですか。国選弁護士は、契約しなければ国選は今度はできなくなるわけですね、このセンターと契約しなけりゃ国選は受けられなくなるわけですな。
○政府参考人(山崎潮君) これは、結論を申し上げれば契約をするということになりますけれども、これ、事前に契約している必要はございませんで、いろいろ人選していったけれどもなかなかやってくれる方が契約弁護士の中にいないといった場合に、ある方が、じゃ私がやりましょうという場合、こういう場合にはもうそのときに契約を結んでいただいてやっていただくということで対応するということでございますので、契約は必要でございますけれども、あらかじめやっている必要はないと、こういう理解でございます。
○角田義一君 そうするとあれですか、この法律センターには国選弁護士になる人の名簿とかいうものは事前には必要ないわけ。弁護士会が持っていればいいんですか。これ、ちょっと実務的なことですけれども、大事なことなんですね。弁護士会独自で弁護士会としての名簿を持っていればそれでいいんで、何も法律センターには一々提供することもないわけですか、事件ごとに決めていけばいいのですか。
○政府参考人(山崎潮君) 今、アドホックにやる場合を申し上げましたけれども、通常は弁護士会の方から、今、現実にかなりのところでやっているように、推薦名簿が参りまして、それに従って裁判所の方に候補者として通知をするという、そういうことを考えておりまして、裁判所の方でその決定をするということでございますので、そこのところは、やはり名簿としてこちら、センターの方も弁護士会から推薦をいただいた名簿を持っていないとそれはできないということになろうかと思います。
○角田義一君 この国選弁護を選ぶのは、長い弁護士会と裁判所との信頼関係というのがあって、一定のルールというのはある程度確立していると思うんですね。
 最高裁の局長に聞きますけれども、それは、その制度というかその精神というのはこのセンターができても維持される、継続されていくというふうに理解してよろしいですか。
 両方で、両方、大事なことだから聞いておきます。
○最高裁判所長官代理者(中山隆夫君) 私どもとしては、弁護士会との間でできているそういったものがきちんと支援センターの方に引き継がれると、こういうふうに思っております。
○政府参考人(山崎潮君) 現行の制度ではそれを直接裁判所がやられているわけでございますが、今度、その支援センターが間に入ります。しかし、その今までのやり方、これについては尊重してやっていくということになろうと思います。
○角田義一君 総括ですから、ちょっとオールラウンドに聞くのであっち行ったりこっち行ったりして申し訳ないんだが、あと二つ三つ聞いておきたいと思います。
 この新しい法律、このセンターの事業というのはある程度網羅的にばっと書かれていますよね、事業の範囲というのが書かれている。しかし、世の中の法の必要性というのは日々これいろいろ変わっていくわけです。例えば、先ほどの参考人が言った子供の虐待の問題であるとかあるいは高齢者に対する虐待の問題であるとか、いろいろな問題がたくさん出てきている。
 そういう事業というのは日弁連はそれなりに自主的にやってきておるんですが、それを日弁連じゃなくて今度は法律センターにやってもらいたいなということになったときにはどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) この三十条に規定がございますので、一項で基本的な業務を書いてあります。二項の方で自主事業、そういうものについて可能性を開いているわけでございます。したがいまして、今、日弁連の方でおやりになっている事業いろいろあろうかと思いますが、そういうものについてこの支援センターの方に委託をして、支援センターといろいろ話をしてもらいまして、それをやるということならここの中で可能になっていくということになろうかと思います。
 これ以外のもので新たに生じてきたものということになるとすれば、それは、この法律の規定である程度範囲を決めておりますので、この解釈で読めるものはこれでいいわけでございますけれども、入らないものについてはやっぱり法改正をしていく必要があろうかと思います。
○角田義一君 そうですか。法改正までしなくちゃいけない、いけないですか。割かしあれだな、融通が利かないね。
 分かりました。じゃ、それ以上ちょっと突っ込まない。突っ込むとまた問題が出てきちゃうから、今日はそこまでにしておきます。
 あと二つ聞きます。
 先ほど法律扶助のお話がありまして、消費センターの女性の方が、センターからこの法律扶助のお願いをすると、もう予算がなくて駄目だといって、もう門前払いもいいところだね。予算がないんだから、できないんだから、法律扶助協会は。
 それで、ちなみに、先ほどイギリスの話が出ましたけれども、イギリスは人口が約五千二百万、国民の一人当たりの国庫負担額は七千二百円ぐらい、アメリカが約二億八千万、国民一人当たり千百三十六円、フランスが人口六千万、一人当たり三百四十五円、オランダのような国が人口千六百万で約二千四百九十七円ですね。日本は一億二千六百六十八万人いますけれども、刑事と民事を合わせた額は一人当たり八十五円、八十五円。これが世界第二位の経済大国の実態だ。いいも悪いもないよ、これ実態だから。
 それで、さっき言った、法律扶助でやりたいと思ったらもう予算がございませんと、こういう話になるね。そうするとこのセンターは、広く国民がどこにいてもあまねくサービスを受けられる、これを目的にしておるわけですから、当然法律扶助なんかについてもこれは増やさざるを得ぬでしょう。今の予算の中で適当にやりくり算段してくれというんじゃ、これはもう国民のそういう必要をとても賄えないんじゃないですか。
 これは大臣、どういうふうにお考えですか。これだけのセンター作って、お金がありません、法律扶助も駄目ですというようなことじゃ何のためにセンター作ったか分からない。一遍に予算を増やせと私は言わないけれども、相当思い切ったことを大蔵省と談判して獲得しなくちゃならなくなるんじゃないですか。大臣のちょっと決意も兼ねて私は聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(野沢太三君) 今までの民事法律扶助についても鋭意努力をして逐次増やしてきておるわけでございますが、今回新しい体制になって更なる拡大をということになりますれば、当然また必要な予算が出てくるわけでございます。国際的な比較もございますが、我が国の実情、特徴を十分考慮した上で、これからどのくらいのものが必要になるかということはしっかりと積算をいたしまして、財政御当局も一緒に聞いていただいていますから、しっかり御協議を申し上げ、必要な予算の獲得について努力をするつもりでございます。
○角田義一君 大蔵省佐々木大臣代理、答えてください。
○政府参考人(佐々木豊成君) 先ほど大臣からお話ありましたが、関係省庁の検討状況を踏まえまして、厳しい財政事情を勘案しつつ適切な措置を講じていくということを考えております。
○角田義一君 あなた、あなたをそれ以上責めてもしようがない。まあ、谷垣大臣と法務大臣がやり合うとき私は助っ人に行くから、法務大臣の方へ。そのことだけ申し上げておきましょう。これじゃ情けないよ、日本は。世界第二位の経済大国なんていってこの程度の金しか出さないんじゃ、人権擁護なんて本当にあれですよ、おこがましいと私は思います。
 最後になりますが、先ほどの参考人の消費センターの女性もちょっと触れておられましたけれども、従前の地方自治体であるとかあるいは商工会議所であるとかというのは法律相談業務、それなりに頑張ってやっておるわけですね、やっておるわけですよ。それが今度このセンターができて、このセンターが法律相談もやるから自分たちは少し後ろへしゃってもいい、しゃってというのは、後ろへ引いてもいいんじゃないかと、そういうことになるとまた困る面もあるんだけれども。こういう既存の法律相談をやっている自治体あるいは商工会議所、商工会、こういうものとの連携は、これはこの法律ができたからといっておろそかになるものじゃない、むしろ緊密にしていかなきゃいけないと思うんですね、役目はやっぱり違うと思うので。その辺はどういうふうにやっていくのか、聞いておきたいと思います。
○国務大臣(野沢太三君) 私からまず一般論を申し上げますが、地方自治体はもう住民サービスが基本でございますし、今回の支援センターは法律に関する住民サービスと。当然これは連携を取ってしっかりとそれぞれ機能を果たすべきことでございまして、支援センターができたから法律関係はもうそちらに肩代わりということではなくて、やはりそれだけ案内のお仕事も法律業務も増えていくだろうと見ておるわけでございますから、当然これは協力しながら、これからも地方自治体における法律支援あるいは関連のお仕事はどんどん続けていただきたい。そしてまた、それを一つの案内場所としまして、支援センターがより一層有効なお仕事ができまするよう、これからも連携を取りつつ頑張っていくことが必要だと考えております。
○政府参考人(山崎潮君) 今、大臣のお答えで大体足りておりますけれども、御指摘のとおり、これができたからといって地方自治の積極的な取組、これが後退するなんということであってはならないという認識でございまして、私どもはそういうところと今度大いに提携をして、より緊密な関係で一緒にやっていくと、こういうことでございます。
 この法律でも、そういう意味では地方自治体の責務とか協力規定とかいろいろ置かしていただいておりますけれども、そういう認識に基づくものであるということでございます。
○角田義一君 最後に、大臣に存念を聞きますけれども、この法律をずっと読んでいきますと、新しい制度を作るんですが、運用次第によっては大臣が非常に強い権限を持ち、ある意味ではリーダーシップも発揮できる面もあるんですけれども、これが行き過ぎますと、これはまた弊害も出てくるという気もしないではない、条文を読んでいる限りでは。そうすると、やはり、こう言っちゃ失礼ですけれども、法務大臣の優れたリーダーシップと同時にバランス感覚、さらには、特に日弁連とかそういう衝に今までずっとやってきた人たちの間の協力関係というものを十分踏まえながら、優れたバランス感覚に立ってリーダーシップを発揮をしていただかないと、この制度ができてもうまくいかないんじゃないかというふうに思いますので、その辺の大臣の最後の存念を聞いて、私の質問を終わります。
○国務大臣(野沢太三君) 私、法務大臣を拝命いたしまして、なすべきこと、やるべきことが大変多いということで大変責任を感じておりますが、すべてが自分でできるわけではございませんので、あくまで私がやることは基本的な考え方、方針を明示し、そして私に成り代わってそれぞれのつかさつかさの部下の皆様が十二分に自由にまたお仕事をしていただく、これが非常に大事なことと考えておるわけでございます。
 その意味で、今委員御指摘のとおり、リーダーシップを発揮するということが極めて大事でございますけれども、そういった意味で、組織が活性化するためにはそういった方針の問題とそれぞれの部門部門の皆様の自発的なまた努力、これが相まって初めて効果が上がるものと考えておりますので、この法律のまた実効が上がるためにも同様な趣旨でしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○角田義一君 終わります。
○木庭健太郎君 この総合法律支援法案、野党にも合意をいただいて、今日でどうにかきちんと仕上がると、今国会の一番大事な法案の中での裁判員法、そしてこの支援法と、一つの大事な区切りの時期に参議院としても来ていると、こう思っております。
 今回のこの司法ネットの中で、いろんな対策をこの支援法案やっていくわけですが、私は、一番大きな意味のある一つは、やはり司法過疎と言われる地域の解消、ゼロワンをなくしていくために、これまでも日弁連、また民間団体を含めて取り組んではいただいたけれども、それでも届かない、過疎地域という問題に取り組んでいこうということがこの法案の一番大きな一つの柱になっていると、こう思いますし、私ども、是非、この法案が成立すれば日本からこのゼロワン地域がなくなっていく、そういう日本の時代を作っていきたい、こう念願をしておるものでございます。
 そこで、まとめの議論ですから、最初にお尋ねしておきたいのは、そういう過疎地域の問題いろいろありますが、これらの司法過疎地域という問題に対して、日本の現状も踏まえながら、じゃ諸外国はどうなっているのか。諸外国の法律扶助事業を始めとする各種の法的サービスに関する実情、それも含めて簡潔にちょっと、比較しながら御答弁をいただいておきたいと思うんです。
○政府参考人(山崎潮君) まず、司法過疎の問題でございますけれども、この問題につきましては、私ども、事務局の中で有識者懇談会というのを開催させていただきました。この中でいろいろの議論をいただいた、それで御意見をいただいたということがかなりきっかけにもなっているわけでございますけれども、この中で一番私がショックに感じたのは、過疎地域では身近に相談できる専門家がいないということからやみ金融による被害が多発しているということ、それから、あるいは事件屋にその解決を依頼をしていると、こういう実態がその有識者の中、これは有識者の方、みんな地方におられる方でございますので、過疎を抱えているところでございます。そういう方の本当に身に迫る発言がございまして、これは本当にそのまま放置しておくわけにはいかないというのが私の正直な印象でございまして、この法案を進めていく上で大きな原動力になったということは間違いないということでございます。
 したがいまして、この支援センター、これを作りまして、やはり日本でこの司法過疎地域がなるべくなくなっていくように、やはり法律が全国隅々まで行き届くと、こういうことを理想として、今後この司法支援センターですか、この運営をしていかなければならないという、そういう気持ちで一杯でございます。
 それから、世界の国々でございますが、一、二例を挙げますと、例えばイギリスでございますけれども、これ憲法事項省という省がございまして、そこの所管でございます法律サービス委員会というのが設けられているようでございますけれども、ここに国から資金が導入されまして、民事法律扶助などの地域社会法律サービスと、それと刑事弁護サービスと両方やっているようでございます。この点で、民事系の地域社会法律サービス、これが約千四百六十九億円と、これ二〇〇一年でございます。それから、刑事弁護サービスが千十六億六千万と、こういうふうに聞いておりますけれども、そういう単位でサービスが行われているということでございます。
 それから、隣の大韓民国でございますけれども、ここは法務省に当たります法務部というところでその特殊法人として大韓法律救助公団というのが設けられておりまして、国からの資金によって民事、刑事の法律扶助事業、あるいは司法アクセスポイントの設置、これを行っているようでございます。これ二〇〇一年度で約十八億八千万円というふうに聞いておりますけれども、そういうものを作って、なるべく司法過疎地域がなくなっていくようにという努力を行っているということでございまして、私どももそういうところを見習いながら今回の発想を固めていったということでございます。
○木庭健太郎君 今日、それから前回と議論をして、この司法過疎地域の解消へ向けてどういう具体的な取組をするかにつきましても随分議論がなされましたので、ある程度姿形は見えてまいりましたが、従前、日弁連始めとして取り組んだ、例えばひまわり基金の公設事務所、さらに法律相談の窓口、これは日弁連がやっているもの、これはこれで生かしながら、それで届いていない地域に対してこれからこのセンターを中心として取り組んでいくし、窓口としてきちんと設置する場所もあれば巡回する場所もある。そういう形で一つの形を作っていこうということだろうと思いますし、それへ向かって、御答弁いただこうと思いましたが、そういう形で取り組むという表明が何回もあっておりますので、それできちんと本当にゼロワンをなくしていっていただきたいと思うんです。
 そこで、そういうことをやっていく中で、次にお尋ねしたいことは何かというと、これ衆議院で参考人として来られた長谷部さんという方が書かれた論文を読ませていただいたら、我が国の司法過疎地域の住民の多くが法的サービスを利用したことがない理由について、身近に弁護士がいないからというより、むしろその費用の問題とか弁護士に関する情報不足のためだったという回答が多かったというような、そういう論文を読みましてほうと一面思いました。
 そういう意味では、今回この法案で情報の不足という問題に対してはどのように対処することになるのか、これについて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) 弁護士の業務に関しましては、前は宣伝をしてはならないということでございましたけれども、最近はそれが一定範囲で許されているということで、かなり情報がオープンになっているかと思います。
 ただ、こういう情報をじゃどこへ行ってどういうふうに調べればいいのかということが、大都会でも非常に困る事態が起こるわけでございますので、この点につきましては、最終的に弁護士のいろんな情報をお持ちなのは日弁連でございますけれども、日弁連とよく協議をいたしまして、使える情報を使っても、こちらで使っても構わないという情報につきましてはその支援センターの方の窓口に来られた方にそこから直接見られるようにとか、その辺の工夫をしていかざるを得ないだろうと。とにかく、情報をあるところに集約して、必要なものについてはそこからアクセスができると。それから、必要なものについては、あるところにも、また別のところに行かなければならないかと思いますけれども、それは道案内をすると。
 こういう形で、司法サービスにたどり着くようにということが今回の使命でございますので、その点はよく頭に入れながら業務をしていくということになります。
○木庭健太郎君 もう一点が、結局、費用の問題になってくるんだろうと思います。全国知事会の意見、要望も見させていただきました。例えば私の住む福岡県ですけれども、意見としてあったのは、相談者が司法の利用窓口等を利用する場合に初回の相談料を無料にするような制度の確立というようなことが挙げられておりました。
 ここ、無料にするという問題、いろいろまたいろんな均衡との問題含めてあるとは思うんですけれども、いずれにしても、この支援センターにおける情報提供についての料金や費用についてどう考えていらっしゃるのか聞いておきたいと思うんです。
○政府参考人(山崎潮君) まず、これ司法ネットでございますので、アクセスポイントを作るということになります。そうなりますと、情報を提供するということと、どういうところでどういうことが行われているかという御案内をするというところがあります。その御案内について、これは無料ということになろうかと思います。それから、情報の入手の問題でございますけれども、これも物すごく膨大、大量にということになるとこれは若干例外かもしれませんが、通常の形で情報提供をするということについては無料ということで考えておりますので、原則として無料という形で考えているわけでございます。
○木庭健太郎君 次は、一点、これ支援センターの業務運営について一点だけお尋ねをしておきたいと思うんです。
 言わばこの業務運営について、やはり運営していく中で、どう国民のニーズを踏まえながら運営をしていくのかという問題があると思うんです。もちろん、支援センターそのものは国民に開かれて、国民のために作るわけですけれども、その運営自体が国民の視点に立っていなければ法案の目的自体が達せられないものと考えますが、我が国民、利用者の意見を適切に今度運営に反映させるためにどのような方策を考えていらっしゃるのか伺っておきたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) この点につきましては大変重要なポイントでございまして、地域地域でいろいろな需要が違ってまいりますので、その声をどうやって的確に吸い上げるかということが必要になります。
 この法案の中でも規定を置いておりまして、例えば協議会を開く、地方協議会というような形でございますけれども、こういうものを開きましてそのニーズを把握するということ。それからもう一つは、業務方法書等のいろんな報告書等ですね、これについてはすべてオープンにするということで、そこに、それをオープンにした上で御意見をちょうだいすると、こういうような透明な形でやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○木庭健太郎君 最後に、大臣にお伺いします。
 結局、いろいろ論議をしてきて、この法案が成立すると何が一番大事かというと、民主党の角田議員も御指摘をされておりましたが、どう予算を確保する問題だろうと思うんです。私どもも、このゼロワン地域の解消とか、正に国として一つの支援センターを作る、司法ネットを作るという問題、もうこれ従前から取組を党としてもさせていただき、去年の衆議院選挙のマニフェストの中で我々この問題も取り上げさせていただいた。もう是非ともこれは実現をしたいと思っておりますが、当然これを法案が通ってからやろうとすると、予算取りの問題が一番の大きな問題なんです。これは今厳しい、こういう経済状況の下であり、財政自体も厳しいと。もうこれは裁判員の制度の問題のときも同じように言えると思うんですけれども、新たな制度を発足したときに一番ポイントになってくるのは、本当にそれに伴ってきちんと法務省が闘って財務省から金取ってくるのかという問題なんですよ。
 もうこれは大臣の一番の踏ん張りどころだと思うし、先ほど努力するというお答えがありましたが、努力するじゃ済まないんですよ、努力だけじゃ。これはもう確実に取っていただくぐらい必死の闘いを大臣としてはしてもらうしかないと、こう思っておりますが、固い固い御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野沢太三君) 法律のこの支援構想の運営主体ということで日本司法支援センターを作るわけでございますが、これまで法務省で予算を獲得してきました民事法律扶助事業関係の業務、これがベースになりまして、法による紛争解決制度の有効な利用に関する情報提供の充実強化、国選弁護人の選任に関する業務、それからいわゆる司法過疎地域における法律事務に関する業務、今日、委員からの大きな御指摘いただいておりますが、更に加えまして犯罪被害者の支援に関する業務など幅広い業務を担当するということになっておりますから、これを円滑に実行していくためには、御指摘のように、予算の裏付けがなければこれは絵にかいたもちになりかねない。
 そこで、法務省といたしましては、これらの業務を効果的かつ効率的に処理するために必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えておりまして、今後運営上の詳細と併せまして検討を重ねてまいりたいと考えております。これまで法務省の予算は、どちらかというと比較的小規模で、人件費主体ということではございましたが、やはり世の中を変えるんだという気持ちで、予算制度のむしろ最優先課題として位置付けができるような努力もしてみたいと考えておるところでございます。
○木庭健太郎君 終わります。
    ─────────────
○委員長(山本保君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、樋口俊一君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君が選任されました。
    ─────────────
○井上哲士君 午前中に続きまして、まず独立性の確保の問題で何点かお聞きをいたします。
 法案の中で中期目標を定めるとなっているんですが、この中に「業務運営の効率化」という言葉があります。この効率化とは何かということなんですね。弁護活動といいますのは、時として、無駄かもしれないけれども、被疑者、そして依頼人のためにやらなくちゃいけないこともあるわけでありまして、本質的に効率化となじまない部分があろうかと思います。個々の弁護活動には立ち入らないということになっていますが、迅速化法ができまして二年という目標があります。どこどこの支部は二年を超える国選事件が多いじゃないか、効率性が悪いんじゃないか、こんなことになりますと、間接的には圧力になっていくということもなるわけで、この効率化というのは具体的にどういうことを指しているのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) ここで申し上げます効率化ですね、これは例えば事件の処理が遅いとかそういう問題ではございませんで、これはもう個々の弁護士と依頼者との関係で行われるべきものでございますので、そういうことをイメージしたわけではございません。
 典型的に言えることは、例えば一般管理費の効率的な使用ということは考えられると思いますけれども、いわゆる業務、弁護事務ではなくて組織としての事務ですね、こういう点の効率性を考えなければならぬと、こういう理解をしているわけでございます。
○井上哲士君 事務用品の使い方が多過ぎるとか、多分人の配置が不合理だとか、そういうことなんだろうと思うんです。
 関連して、二十六条の三項で役員の解任事由を決めております。この中に「実績が悪化した場合」というのがあるんですね。この間土曜日に京都の弁護士会の皆さんと懇談会をする機会があったんですが、例えば今法律扶助でも、今年度でいいますと四十億ぐらいの全体の枠の中で京都は四億円以上が割り当てられているということでありました。人口などでいいますと京都は大体二%でありますので、大変大きな割当てがあるんですね。これは、やはり京都の弁護士会の皆さんが熱心にやられているということ、もちろん都市部に事件が多いということがありますけれども、そういう熱心にやられているということの反映かと思うんです。
 本来的にこれ利益が上がる活動ではありませんので、これやればやるほどそういう点では予算が膨れ上がるということも起こり得るわけで、それをもって実績が悪化したということになりますと大変萎縮してしまうということになるわけで、ここで言う実績の悪化ということはどういうことを指しているんでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のとおり、弁護事務ですね、これをやっていく上で、特に法律扶助の関係だろうと思いますけれども、この関係で、それは非常にニーズが多くてある程度その出費がかさむということも恐らく可能性としてはあるわけでございます。そういう場合に、予算がその予算の限度より赤字になったということがあっても、それが直ちに解任すべき事由というわけではないという理解でございます。
 これも、先ほど申し上げましたけれども、そういう弁護業務以外のところのいわゆる経営の効率化等、こういうところでうまくいかなくて全体の業績が悪化をするというような場合に管理責任として解任ということもあり得ると、こういうことを定めているわけでございますので、決して弁護活動の関係で書いているわけではないというふうに理解をしていただきたいと思います。
○井上哲士君 関連して国選弁護のことも聞いておくんですが、民事法律扶助で年度途中に予算不足という話があるわけですが、国選弁護の場合にそういうことがありまして、必要な配置ができないということになりますと正に人権問題になるわけでありまして、この場合は途中で不足しても必ず充足されると、こういう仕組みになっているということでよろしいですね。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点につきまして、被告人の弁護の関係は、これは憲法上の権利と位置付けられておるわけでございます。それから、今度、被疑者の弁護についてはこの法律で定めるわけでございます。
 いずれにしましても、必要だということを定められているわけでございますので、予算の不足によって国選弁護の弁護人の選任が行われないという事態は想定はしてはおりません。必要なものについてはお願いをして手当てをするということでございます。
○井上哲士君 次に、事業の規模、範囲の問題でお聞きをします。
 今日もずっと司法過疎対策の重要性が繰り返し指摘をされました。そのために過疎地域に事務所を置くわけでありますが、なかなかいろんな理由で事務所を置くことが困難なところには巡回ということもあり得ると、こういう答弁もありました。この間、先ほどもありましたように、このゼロワン地域をどうなくすかということを繰り返し議論をしてきたわけで、やっぱり新しい司法センターができた、そのときに、少なくとも事務所の配置、そして巡回によって、ゼロワン地域はまずは巡回であっても取りあえずは配置をされたという姿にするということが私は出発点であって、非常に必要だと思うんですけれども、そういう目標を持って取り組むということで、いかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、おっしゃいましたように、もちろん非常に小規模の事務所を置くということから、巡回、またその他いろんな方との連携をしてサービスを提供するということが想定されているわけでございますけれども、具体的にどのパターンがその地域で行われるかということは、これはもうその地域の実情でございますので、これは今後考えていくわけでございますが、目標としては、おっしゃるとおり、この今回の総合法律支援というのは、やはり手の届くところに法律サービスを供給しようというところがあくまでその非常に大きな柱でございますので、これについて全く何も変わらないという事態では許されないだろうという、そういう前提で私ども巡回サービスの面も考えていきたいと思っております。
○井上哲士君 発足時点でともかくもゼロワン地域にそういういろんなアクセスポイントができたという状況で始まるように是非お願いをしたいと思います。
 業務の範囲を定めた三十条一項二号がありますが、ここで法律扶助の対象者は適法に在留する者というふうになっております。そうしますと、例えば難民認定を求めて訴訟されている方などがこの対象から外れるということになりかねないわけですね。現行はUNHCRの補助を受けて扶助協会が事業を行っているようであります。三十条の二項に国際機関というのも入っているわけですが、これによってこうした難民認定訴訟への扶助ということも引き継がれるんだと、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、御指摘のとおり、三十条二項でその業務、本来業務以外の業務について規定をしておりますけれども、それにつきまして、例えば国連難民高等弁務官事務所ですか、そこの補助金で行われております難民法律援助事業ですね、このセンターがその委託を受けて行うということは制度としては可能になっているということでございまして、今後そのセンターが立ち上がりますので、それと契約できちっとその範囲を決めていくということになろうかと思います。
○井上哲士君 現在行われているそういう扶助が新しいセンターができたら後退するというようなことはあってはならないと思いますので、これも是非お願いをしたいと思います。
 この三十条二項では、国際機関以外に営利を目的としない団体からの委託による事業も可能ということになっておりますが、この営利を目的としない団体というのは日弁連なり弁護士会を当然ながら含んでいて、それによってこれまでいろんな地域の実情に合わせて行われてきた事業を引き継ぐことが可能なんだと、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 当然、この営利を目的としない法人の中には、日弁連あるいは弁護士会、これが含まれます。それ以外にも幾つかあろうかと思います。
 それが前提でございますが、そして、この三十条二項でその事業を引き継ぐかどうかという点については、基本的には、委員御指摘のとおり、必要なものをきちっとやっていくということになろうかと思いますが、全体に、その支部独自でいろいろやっているものもあるようでございますので、全体をよく把握した上でこのセンターとしてできるものはなるべくこの中でやっていくと、こういう考え方でおるわけでございます。
○井上哲士君 関連して、この三十条三項というのがあるんですが、支援センターが前二項の業務として契約弁護士等に取り扱わせる事務については、支援センターがこれを取り扱うことができると解してはならないと、これは非常に分かりにくいわけですが、この条文の解釈はどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、ちょっと一見読むと分かりにくいところがございますけれども、これは、支援センターが業務として契約弁護士等に取り扱わせる事務につきましては、その当該契約弁護士等が法律事務を行う主体となるというものであって、支援センター自体がその法律事務を行う権限を与えるものではないということです。これを示したということでございますので、いわゆる弁護活動の独立性ですね、これを基本に置いた規定であるという理解をしていただきたいと思います。
○井上哲士君 分かりました。
 次に、先ほども少し議論になりましたけれども、いわゆる契約弁護士とスタッフ弁護士との関係なんですね。
 いろんな答弁を聞いておりますと、まず一般の契約弁護士にお願いをして、できない部分はスタッフにお願いするんだと、こういう答弁もあります。一方で、自己破産などは、まずはスタッフに集中的にお願いをすると、こういう答弁もあるわけで、まずどちらにという、ここら辺の関係がどういうふうに整理がされるのか、お願いをします。
○政府参考人(山崎潮君) この基本的な発想は、まず業務については一般の弁護士さんにお願いをするということが基本になります。常駐する弁護士等はそれを補完をするものという位置付け、このセンター全体がそういう位置付けでございますけれども、それが基本でございます。
 ただ、それではどうしてもうまくいかないというものもあるわけでございます。典型的に言えるのは自己破産でございまして、もうこれはかなり急増をしておりまして、個々の弁護士さんにお願いをしているというだけではもう手が回り切れない、あるいは費用的にももう足りなくなってしまうというような事態が生じているというふうに伺っておりますけれども、こういうものについて、その支部支部でいろいろな実情があろうかと思いますけれども、そういう事態になるならば、これは効率性の意味から、常勤の弁護士がそれをやった方がより多くのものをお助けできるということから効率性も上がるだろうというような場合には、このスタッフ弁護士をそういうものの専属としてやることもあるということでございまして、これをすべてそこでやるということを申し上げているわけではないということで御理解を賜りたいと思います。
○井上哲士君 あと、今度の法案では盛り込まれなかったけれども、審議会意見書等で検討が必要だと言っていた問題について二点ほどお聞きしますが、一つは、公的付添人制度です。
 審議会意見書の中では、身柄を拘束された資力のない家庭の少年に国費で弁護士を付ける、この制度の積極的な検討が必要だというふうにしておるわけですけれども、今回、なぜ盛り込まれていないのか、そして今後はどういう方向なのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに意見書の中で検討の項目ということで位置付けられたと思います。これ絶対にやるということじゃなくて、検討という位置付けだったと思います。私どものその検討会でもこれかなり議論をいたしました。
 ただ、これを議論していくうちに、この制度を仮に取り入れるということになると、少年審判の本質論にも影響をしてくると。要は、少年審判につきましては、裁判官が基本的には裁判官の役とそれから弁護士の役、これですべて持っているという構造になっているわけでございます、一部検察官の立会いという問題がございますけれども。
 そういう構造の中で、その公的付添人を入れるのかどうかと、全部の事件でですね、そういうことになりますと、構造の本質的なところにもかかわってくる、あるいは、そのことをサポートするために調査官の制度が置かれているわけでございますけれども、そういう調査官の制度とこの公的付添人の制度、これをどういうふうに考えていくのかというような、その本質的な議論までしないとなかなか決着が付かないだろうということから今回の議論からは一応切離しをいたしまして、この点につきましては将来の検討課題といたしまして、今後その法曹三者による意見交換会、これを設けまして、その意見交換会において、今検討会で行いました議論ですね、こういうものを踏まえまして更に検討を継続するということでございます。
 現在、法務省、それから最高裁、日弁連ですか、この三者におきまして公的付添人制度に関する意見交換会、これを開催しているようでございまして、大体四回開催済みというふうに聞いておりますけれども、今後もまたこれを継続をしていくと、そこで結論がうまく出るならば出していくと、こういうことでございます。
○井上哲士君 もう一点、十分でないと思う点で、被害者対策というのがあります。
 今度のセンターでは、情報提供というのが中心になっていますけれども、日本のこの被害者対策の現状、大変立ち後れているわけですね。先日、ある議連の勉強会で、各国の被害者対策などを勉強する機会がありましたけれども、イギリスなどはきちっとした法律もできまして、年間四百億ぐらいの予算もあるんだということが言われておりました。
 今回の中で、情報提供にとどまっている理由と、これも今後の拡充の方向についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 近時、だれもが犯罪被害者になり得るという時代になっておりまして、これは社会を挙げて犯罪被害者をどう遇するかということを考えていかなきゃならない状況になっております。この犯罪被害者支援の関係で、基本的には情報提供ではございますけれども、この司法支援センターに業務として位置付けられたということもそういうことがバックグラウンドにあるわけでございます。
 基本は今申しましたように情報提供ではございますけれども、しかしこの法的主体が一体として民事の法律扶助をやるということから、当然、経済的に困っておられる犯罪被害者の方々はその民事の法律扶助の方にサービスを提供することに誘導するということも容易にできるわけでございますし、また全体といたしましてスタッフ弁護士が、経験のある者を積み重ねられ、経験を積み重ねていける、そういうスタッフ弁護士を置けるということにもメリットがあろうかと思います。
 ただ、本格的には、御指摘のとおり、この被害者支援そのものを一体どういうふうに今後していくかということは問題点としてはあろうかと思われますけれども、それは犯罪被害者そのものの支援の枠組みでどういう検討がなされるかということを慎重に私どもとしては見守って、かつそれをこの支援に反映していきたいと、このように考えているわけでございます。
○井上哲士君 是非、この点は積極的な検討をお願いをしたいと思います。
 ただ、一つの組織が刑事の被疑者、被告人に対する業務と犯罪被害者に対する業務と両方担うということになるわけで、一方の利用者からは不信などが生じないようなことも必要かと思うんですが、この辺の必要な運用の工夫など考えていることがあればお願いをします。
○政府参考人(寺田逸郎君) これ、おっしゃるとおり、これが一つの仮に弁護士事務所だというふうにいたしますと、一方で犯罪被害者をケアし、他方で被疑者の、あるいは被告人の弁護をするということはなかなか難しい問題がございます。
 一つの弁護士事務所でございませんで、それぞれ弁護士に対するサービスを、あるいはその他の法律サービスを提供するということで、サービスの提供主体そのものはこの支援センターではない場合が多いわけでございますので、そこはやや普通の場合よりはそのことについて楽観的でいられる側面もあるわけでございますけれども、しかし、外部から見ますと、おっしゃるとおり非常に注意を要するところもございますので、その辺は運用面で十分に検討していきたいと思います。
○井上哲士君 最後に、予算の問題でお聞きをします。
 先ほどの質疑にもあったんですが、今の扶助協会の現状でいいますと、場所もそして人も弁護士会に間借りをしていたり、それから兼任という場合が多いと。場所についてはきちっとした確保という答弁でありましたけれども、そうするとスタッフについても今のような弁護士会との兼任というようなことはもうなくなって、全部専任スタッフになっていくと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、実際にどうするかということはなかなか難しい問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、概念的にはもう独立したスタッフを持たないと、これはとてもこのサービスの提供を有効にできるということにならないと思いますので、それ、いろんな形態はあるとは思いますけれども、しかし独自のスタッフというものに固執はしたいと、このように考えております。
○井上哲士君 最後に、大臣にお聞きをいたします。
 今日は、繰り返し必要な予算の確保に努めるという決意と御答弁がありました。一部には、法律扶助と国選を一体の組織でやることによって事務的効率が図れるということで、今よりも予算削られるんじゃないかという不安さえ挙げる方もいらっしゃるんです。もちろん、そんなことはあってはなりませんし、そこは当然ながら確保し、これを更に大きく上回る予算をしっかり確保するということが正にこの制度がきちっといくかどうかに懸かっているかと思います。
 衆議院の答弁見ていますと、大臣の答弁で、法務省としては「必要な予算の確保に努めてまいりたいと」、「これは、人がかわりましてもこの議事録は永久に残りますから、これは法務省の公的な意思として私は残しておきます。私の遺言状と考えてください。」と、こういう答弁を大臣がされております。
 お元気なわけですから、遺言状ということは、多分そういうものも胸に秘めて死に物狂いで頑張るという意味なんだと受け止めたわけですけれども、そういう決意を改めて最後にお聞きをいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(野沢太三君) 正に、この法律、法案が魂が入るかどうか、これは結局、人と物とお金、特に国の方から手当てするものとしては予算の獲得が最も大事な仕事と考えております。
 今の間借りで仕事をしているというような状況であるとか、あるいは民事法律扶助についても、これまでの努力に加えまして、更なるまた期待も大きくなっているわけでございますので、この点を含めまして予算の獲得につきましては全力を挙げて努力をするつもりでございますが、関係省庁とのこれからの協議もございますし、それからまた、この予算の獲得につきましては国会における皆さん方の御支援も大変物を言うということもまたこれ事実でございます。正に、議事録は今後とも物を言うことになるような立派な御提言もいただいておりますので、それを踏まえまして、法務省、しっかり取り組むつもりでございます。
 ありがとうございます。
○委員長(山本保君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 総合法律支援法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、角田君から発言を求められておりますので、これを許します。角田義一君。
○角田義一君 私は、ただいま可決されました総合法律支援法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    総合法律支援法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、国民に身近な司法の実現という理念にかんがみ、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 日本司法支援センターが、総合法律支援の理念に照らし、国民の多様な法的ニーズに迅速かつ適切に対応することができるよう、十全の財政措置を含む必要な措置を講ずるよう努めるとともに、地方公共団体、日本弁護士連合会、弁護士会その他関係団体との連携、協議を密にすること。
 二 日本司法支援センターが行う各種業務に関しては、利用者及び関係機関等の声を聞き、法律扶助協会が現に行っている自主事業の実績をも十分に見据えつつ、国民の幅広い法的ニーズに応えられるよう常に見直しを行うこと。
 三 民事法律扶助事業の資力要件等の見直しを含めた利用者負担の在り方及び対象者・対象事件の拡充について検討を行うよう努めること。
 四 日本司法支援センターが、弁護士、弁護士法人及び司法書士その他の隣接法律専門職者の司法過疎を解消するための対策を積極的に進めるとともに、真に必要な地域における事務所の設置、過疎地への巡回等利用者の利便性を十分考慮した業務運営ができるよう配慮すること。
 五 契約弁護士等の職務の特性に配慮し、その自主性・独立性を十分尊重すること。
 六 地方公共団体は、総合法律支援の実施及び体制の整備が、住民福祉の向上に寄与するものであることにかんがみ、その地域において行われる支援センターの業務に対し相応の財政的支援を含めた必要な協力を行うとともに、特に、本法の施行を契機として、既存の法律相談等の住民サービスの提供を後退させることのないようにすること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山本保君) ただいま角田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、角田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野沢法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野沢法務大臣。
○国務大臣(野沢太三君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、関係機関とも協力の上、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(山本保君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山本保君) 行政事件訴訟法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。野沢法務大臣。
○国務大臣(野沢太三君) 行政事件訴訟法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 現行の行政事件訴訟法は、昭和三十七年に制定されたものでありますが、近年においては、行政需要の増大と行政作用の多様化に伴い、行政による国民の利益調整が一層複雑多様化するなどの変化が生じており、このような中で、国民の権利利益のより実効的な救済手続の整備を図る必要性が指摘されております。
 この法律案は、このような近年における変化に対応し、行政事件訴訟について、国民の権利利益のより実効的な救済手続の整備を図る観点から、国民の権利利益の救済範囲の拡大を図り、審理の充実及び促進を図るとともに、これをより利用しやすく、分かりやすくするための仕組みを整備し、さらに本案判決前における仮の救済の制度の整備を図ること等を目的とするものであります。
 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、行政事件訴訟による国民の権利利益の救済範囲の拡大を図ることとしております。まず、取消し訴訟の原告適格についての適切な判断が担保されるようにするため、処分又は裁決の相手方以外の第三者について原告適格の要件である法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとするなどの事項を定めることとしております。また、救済方法を拡充するため、抗告訴訟の新たな訴訟類型として、義務付けの訴え及び差止めの訴えを定め、これらの訴えについてその要件等を規定することとしております。さらに、当事者訴訟としての確認訴訟の活用を図るため、当事者訴訟の定義の中に公法上の法律関係に関する確認の訴えを例示として加えることとしております。
 第二に、審理の充実及び促進を図るため、新たに、裁判所が、釈明処分として、行政庁に対し、裁決の記録又は処分の理由を明らかにする資料の提出を求めることができる制度を設けることとしております。
 第三に、行政事件訴訟をより利用しやすく、分かりやすくするための仕組みを整備することとしております。具体的には、まず、抗告訴訟の被告適格者を行政庁から行政庁が所属する国又は公共団体に改め、被告適格の簡明化を図ることとしております。また、国を被告とする抗告訴訟について、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも訴えを提起することができることとして管轄裁判所を拡大するとともに、取消し訴訟について、処分又は裁決があったことを知った日から三か月の出訴期間を六か月に延長することとしております。さらに、取消し訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決に係る取消し訴訟の出訴期間等を書面で教示しなければならないものとしております。
 第四に、本案判決前における仮の救済の制度の整備を図ることとしております。まず、執行停止の要件については、損害の性質のみならず、損害の程度並びに処分の内容及び性質が適切に考慮されるようにするため、回復の困難な損害の要件を重大な損害に改めるとともに、重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっての考慮事項を定めることとしております。また、新たに、仮の義務付け及び仮の差止めの制度を設けることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(山本保君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会