第159回国会 農林水産委員会 第6号
平成十六年三月二十四日(水曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩永 浩美君
    理 事
                加治屋義人君
                段本 幸男君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                市川 一朗君
                太田 豊秋君
                小斉平敏文君
                松山 政司君
                三浦 一水君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                千葉 国男君
                福本 潤一君
                市田 忠義君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  市川 一朗君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       福本 潤一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高野 浩臣君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       岡本  保君
       農林水産大臣官
       房長       小林 芳雄君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        坂野 雅敏君
       農林水産省総合
       食料局長     須賀田菊仁君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       農林水産省生産
       局長       白須 敏朗君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       農林水産技術会
       議事務局長    石原 一郎君
       林野庁長官    前田 直登君
       水産庁長官    田原 文夫君
       環境大臣官房審
       議官       桜井 康好君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十六年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十六年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管及び農林漁業金融公庫)
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○委員長(岩永浩美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官岡本保君、農林水産大臣官房長小林芳雄君、農林水産大臣官房技術総括審議官坂野雅敏君、農林水産省総合食料局長須賀田菊仁君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長白須敏朗君、農林水産省経営局長川村秀三郎君、農林水産省農村振興局長太田信介君、農林水産技術会議事務局長石原一郎君、林野庁長官前田直登君、水産庁長官田原文夫君及び環境大臣官房審議官桜井康好君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岩永浩美君) 去る二十二日、予算委員会から、本日一日間、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 亀井農林水産大臣から説明を求めます。亀井農林水産大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 平成十六年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成十六年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて、三兆五百二十二億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆三千七百十二億円、非公共事業費が一兆六千八百十億円となっております。
 平成十六年度の農林水産予算は、米政策改革の着実な実施を始めとする農業構造改革の促進、食の安全、安心の確保と食品産業の活性化、都市と農山漁村の共生・対流の促進を図るとともに、多様で健全な森林の整備、保全等の森林・林業政策や海の恵みの持続的な利用の推進等の水産政策を展開するとの観点から、重点施策に思い切った予算配分を行うなど、新たな政策展開が図られるよう編成いたしました。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、米政策改革の着実な実施を始め、農業構造改革を促進する施策を推進してまいります。
 このため、地域自らの発想、戦略による地域水田農業ビジョンの実現を支援する産地づくり対策の創設など、地域の特色ある水田農業の展開を推進してまいります。
 また、意欲と能力のある担い手が大宗を担う農業構造の確立に向けて、担い手の育成支援、農地の利用集積、新規就農の促進等を総合的に推進してまいります。
 さらに、高品質な国産農林水産物・食品の輸出機会の拡大を図るとともに、海外ニーズにも対応する産地の体制整備等により、農林水産物の輸出の促進に向けた総合的支援体制の確立に努めてまいります。
 このほか、水利施設の効率的な管理や、畑地転換、土づくりなどの取組を支援するための条件整備を進めるとともに、畜産環境対策の促進、和牛繁殖経営地域の活性化等を図るほか、バイオマス、ゲノム等産業実用化を促進する技術開発を推進してまいります。
 第二に、食の安全、安心の確保と食品産業の活性化を進めてまいります。
 このため、農産物の安全性の確保、家畜防疫体制の強化を図るほか、食品表示の適正化の一層の徹底、信頼性の高いトレーサビリティーシステムの開発、実用化等を推進するとともに、国民生活の基礎である食を健全なものとするための食育を展開してまいります。
 また、国内農林水産業との連携による食品製造業の活性化や、卸売市場の整備の抜本見直し、無線ICタグ等の新技術の活用等による食品流通の効率化を図ってまいります。
 第三に、都市と農山漁村の共生・対流を促進してまいります。
 このため、地域住民等の主体的な参画による風格ある美しい農山漁村づくりを推進するとともに、グリーンツーリズムなどの施策と一体的に、農山漁村資源を活用しつつ、外国人旅行者等も訪れる観光立村の推進を図ってまいります。
 また、バイオマス・ニッポン総合戦略に基づき、食品廃棄物、家畜排せつ物、木質系廃材等の各バイオマスの特性に応じた収集・変換・利用システムの構築や利活用の高度化等について、モデル事業を活用するなど、積極的に促進してまいります。
 第四に、森林・林業政策については、地球温暖化の防止等森林の有する多面的機能を十全に発揮させるため、管理不十分な森林の整備、間伐、複層林化など、多様で健全な森林の整備、保全を効率的かつ重点的に進めるとともに、緑の雇用等により、今後、森林整備を支える林業の担い手の確保、育成を図ってまいります。
 また、大規模需要者のニーズに対応した地域材の新しい流通・加工システムの構築や木質バイオマスの利活用の促進等により、木材利用を推進してまいります。
 さらに、里山林の再生・整備、国民参加の森林づくり等による美しく住みよい山村づくりを推進してまいります。
 第五に、水産政策については、科学的知見に基づく資源管理の徹底や沿岸域における豊かな環境の創造、作り育てる漁業の推進により、海の恵みの持続的な利用を図ってまいります。
 また、技術革新の推進等による収益性の高い魅力ある漁業の確立を図るとともに、衛生面に配慮した生産・供給基盤の整備等により、消費者の求める水産物の生産、供給の確保を図ってまいります。
 さらに、漁村の総合的な整備等による豊かで活力ある浜づくりを進めてまいります。
 次に、特別会計については、食糧管理特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫等による財政融資資金の借入れ等総額二千三百九億円を予定しております。
 以上、平成十六年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○委員長(岩永浩美君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○段本幸男君 自由民主党の段本幸男でございます。
 先般、大臣所信に対する質問をさせていただきました。そのときは大枠についてやらしていただきましたが、今日は更に突っ込んだ細かい点、事象について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、先般予算委員会でも少し質問させていただきましたが、直接支払など所得対策、農家の所得対策について。
 これについては、現在農林省がやっておられる農業の構造改革、あるいは外国との交渉であるFTA、WTOなどの貿易問題、これとちょうど対を成す形で大変今後重要なテーマになってくる、こういうふうに考えております。
 そのために既に農林水産省でも品目横断的な対策が重要だということで進められていると聞いておりますけれども、私自身は、大切なのはやっぱり十分な国民議論ができるかどうかということがそこでは非常に大切になってくる。今、国会では年金問題があたかも議論されていて、国民も非常に関心を持っていろいろ議論されている。これはやはり、所得補償というのは国民の税金を使って農家の方にやっぱり所得対策としてやるわけですから、出す側の国民がやっぱり得心していないといろんな問題を惹起する。ミニマムアクセス米のときなんかいろんな問題を出したと思うんですね。
 そのためには、やはり私は、基本法を作ったときに農林省は調査会を作っていろんな形で国民議論をしながらやられた。同じように何か手だてを講じながら対策を打っていくべきだというふうな感じがするんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 委員御指摘の品目横断的政策の検討に当たりましては、食料・農業・農村基本計画の見直しの中で、諸外国の直接支払制度も視野に入れつつ、個別品目ごとの価格支持的な政策から担い手に対する品目横断的な政策へ移行する、このことを含めまして施策を担い手へ集中する、こういうことを基本といたしまして競争力の強化に向けた農政の展開、このことを見定めていきたいと、このように考えております。
 そういう中で、今、委員からも御指摘の、検討に当たりましては委員の御指摘の国民各層の声を反映させていくことはもう十分必要なことでありますし、また、これスピード感を持ってやらなければならないところがありますが、一面、拙速は私はやはり避けなければならないところがございます。
 そういう面で、やはり生産者、消費者あるいは自治体又は経済界など、国民各界各層の代表者から成る食料・農業・農村審議会の場におきまして精力的に今議論をいただいております。また、有識者からのヒアリングもこれは当然必要なことでありますし、さらにインターネットを通じまして最新の関連情報を掲載するとともに、そういう中での意見を募集をするということも必要なことではなかろうかと。
 今後、私どもも随時我が省の幹部を地方に派遣をするなど、あるいは地方で各地の生産者やあるいは消費者の現場の方々にもいろいろ意見交換を行う、できる限りそのようなことを通じまして国民に開かれた透明のある議論を積み重ねてまいりたいと、このように考えております。
○段本幸男君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 私の知っている人でも、この都市の中で農村にかかわりたい、いろんな思いを持っているという人は大変多くおられるけれども、なかなかどうしていいのか分からぬというのが実態ではないかと思います。私も農林の関係者の一人かもしれませんが、反省も込めて、関係者だけで狭い世界で議論をせぬように、是非これから、長い問題だと思いますが、よろしくお願いしておきたいと思います。
 それから次に、政策について少しお伺いしたいんですが、私の個人的な感じなんですけれども、どうも今、農林省、いろんな形で政策やっておられる。その政策が現代的ですから、どうしてもデジタル的になり過ぎていないかな、IT化が余りにも優先過ぎてやられていないかな、この前もトレーサビリティーのときに少しお話ししましたけれども、農村というところはむしろアナログ情報の方がうまく合う、それとうまくミックスすることによってできるんじゃないかなというふうな感じもしないこともないんです。
 この前、岩手県の遠野というところに行ったら、これは都市と農村の交流するインフォメーションセンターがありました。そこでは、その市の人が、いや、デジタル情報だけじゃどうしても本当のお付き合いができない、やっぱりそのおっかちゃんの顔を見せながら、写真の、アナログのそういう情報とデジタルとを混ぜることによって農村というのは一番都市の人に実感されるんだというふうに言っておりました。
 そういうもう少し農村らしさを失わないようなために、やっぱりアナログ情報というのを入れた誘導というのが必要ではないかと感じているんですけれども、その辺についての農林省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話ございました農業、それからこれを支える農村というものを見たときに、命をはぐくむ食料を生産して、健全で豊かな国民生活の基本となると、これは当然でございますが、また加えまして、自然環境を保全し文化を形作ると、こういった役割を担っております。こういう農業、農村に対する国民の期待や価値観も非常に多様なものというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、こういった農業、農村の特性を踏まえて農政の展開を進めるわけでございますが、その際に、一つは農産物の地産地消活動の推進、言わば消費者と生産者との顔の見える関係を構築していくということ、これが一つのポイントでございます。また、食育の推進、これにつきましても、ボランティアの皆さんに地域の草の根的な活動の強化など、こういった国民的な運動を展開していただくと。それからさらに、地域の個性を生かした多様な主体の参加による風格ある美しい農山漁村づくりでありますとか、都市と農山漁村の共生・対流に向けた国民的な運動の推進と。さらには、私ども昨年、子供たちに食料問題や農林水産業を理解してもらうという意味で、子供向け農林水産白書なども作成、配布したところでございます。こういった単に産業としてその農業の効率性を追求するということではない、言わば多様な施策展開に努めているところでございます。
 今後とも、食の安全、安心に対する関心が一層高まっておりますし、また農村の高齢化など地域の活力低下の問題もございます。こういった情勢変化を十分踏まえながら、農業、農村の健全な姿での維持発展に向けた施策展開に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○段本幸男君 是非、地産地消なんかでも、やっぱり顔の見えるというのは別段顔を見せること、あるいはその個人情報が伝わるだけでなくて、思いがやっぱり伝わるようなことが非常に大事だというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 それから、事業評価について少しお伺いしたいんですが、事業評価が入りました。五年ごとに特に公共事業は政策チェックする。これは非常に大事なことで、ややもするとマンネリに流されがちなものに緊張感を与えて、節目節目を作っていく。非常に重要なことではないかというふうに思っております。しかし、現場で見ていると、ややもすると、どうもその五年、五年の評価が気になって、目先のものにとらわれ過ぎていないか、小手先の政策が余りにも優先されていないかなというふうな感じもしないこともないんです、特に農業は。
 私の経験した例ですけれども、鹿児島県の笠野原台地というところで畑地かんがい事業が行われていました。私の農林省入った一番最初のころです。そこで、カンショ畑ばっかりが、サツマイモ畑ばっかりが広がっておるところでこんな畑かん施設造って本当どうするんや、当時、みんなもう、地元もみんないろんなところで言われておりました。しかし、それが五年、十年たって、農家がその水の使い勝手の良さ、あるいはそういうものを通して付加価値の高い農業をやっていこうというのが分かるまでやっぱり五年、十年掛かって、今、一大畑作団地になっている、そういう状況にあります。
 やはり、かなり農家の方がそういうものを理解して動くまでに随分時間掛かるんじゃないかな、そういう長期的なものがそこで芽摘み取られたら何にもならない、こんな感じもするわけでございまして、そういう事態とのかみ合わせというのが非常に難しい。短期的にきちっとやっていかないかぬというのは分かりますが、そういう点について農林省はどのようにお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 事業評価、公共事業を中心とした事業に対する評価でございます。御案内のように、すべての、原則すべての公共事業を対象としまして、一つの事業採択前の事前評価、それから事業着手後五年ごとに費用対効果など算定基礎を見直しするような期中評価、それから、さらには事業完了後おおむね五年後に完了評価ということもやっているところでございます。
 こういった評価を進めるに当たりまして、今、先生御指摘ございましたように、私どもの公共事業の効果の発現、これには一定の期間を有するものは当然あるわけでございまして、そういった場合には、その事業の種類に応じました効果、目標年度、これをよく見定めた上で、具体的には例えば期中評価の実施の際に当初見込んだ効果の発現が順調にいくか否か、これを検証する、仮に順調でない場合にはその事業実施の効率化とか重点化を進めて改善を図っていくと、こういった取組が重要だと思っております。
 いずれにしましても、この公共事業につきましては、事業の効率性や実施過程の透明化、これが求められておりますし、私ども、事業評価の実施を通じて国民の皆さんに対する説明責任を果たしていくということが重要でございまして、そういうことを通じながら農山漁村、農林漁業の基盤づくりに向けて効果が十分に発揮されるよう、更に実施に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○段本幸男君 よろしくお願いします。
 次に、女性農業者対策についてお伺いしたいと思います。
 女性農業者対策、これから非常に農村においては重要だということで農林省も重点に据え、かつ幅広くやっておられる。現に、私が地方を回っていても、ああ、この地域は元気だなと思うところは大体、女性が元気なところは地方が元気、そういう状況にあって、非常に大事なことではないかと思うんですが、ただ、今いろんな十六年度予算なんかを見せてもらっていると、ややもすると何か総花的に各局がもう女性対策といえば何でもやればいいやというふうな感じでやっている節がないか。要するに、農林省としては、農村再生にやっぱり女性を役立てようというのなら、そこにやはり何か思いが、哲学みたいなものが必要ではないかというふうな感じがするんですが、その辺について、大臣はやっぱりそれをうまくリードしていただく、そんな意味でその思いをお聞かせ願いたいというふうに思います。
○国務大臣(亀井善之君) 委員から御指摘のとおり、私も地方に参りまして、それぞれの地域で大変女性の皆さん方がいろいろな分野で活躍をされております。農業就業人口の約六割が女性であると、こういうことでありまして、いわゆる農山漁村の重要な担い手であるわけでありまして、現在いろいろな改革を私ども進めておるわけでありますが、是非、女性のそういう面での参画、これはもう正に不可欠なことであるわけであります。しかし、農山漁村の男女共同参画の状況、これは依然としてまだ不十分であるということは申し上げなければならない状況にあります。
 そういう中で、農協ですとかあるいは農業委員、こういう場への参画、この努力もいたしております。あるいは、経営管理、また農業技術指導の研修ですとか労働環境の改善、あるいは特に起業活動支援、非常に、直売場ですとかそういう面で、あるいは加工の面、こういう面で女性の皆さん方が積極的に起業努力、起業化の努力をしていただいておりますわけでもありますし、あるいはまた、何といっても農業経営と育児との両立の支援、このことは大変重要なことでありますし、女性の皆さん方の住みやすい環境、これを作ること、これは大変重要なことでありまして、今申し上げたようなことを三本の柱として、男女共同参画社会、この実現に向けまして、厳しい限られた予算の中でやりくりをするわけでありますけれども、今のような現実の実態、地方の実態というものを踏まえて更に努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○段本幸男君 是非よろしくお願いします。
 それでは次に、畜産関係でちょっとお伺いしたいんですが、輸入牛肉と豚肉の関税緊急措置が取られました。この三月末でどうも切れるというふうなお話をお伺いしていますが、米国のBSE牛問題、あるいはメキシコとのFTAの問題、さらに鳥インフルエンザなどの陰に隠れて余り目立たないですけれども、大変重要な対策ではなかったかと私自身は思っています。
 今までやられてその効果が緊急措置によって得られたのかどうか、さらにそれを踏まえてこの四月以降どのように見通しておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(白須敏朗君) 牛肉、豚肉の関税の緊急措置についてのお尋ねでございます。
 委員の御指摘のとおり、生鮮あるいは冷蔵牛肉、それから豚肉等につきまして、昨年の八月一日から本年の三月三十一日まで関税の緊急措置が発動をされておりまして、関税水準、暫定税率、要すれば三八・五、牛肉で申し上げますと三八・五%から、国際的な合意水準でございます、いわゆるウルグアイ・ラウンドで合意をいたしました牛肉で申し上げますと、五〇%というふうに関税率が戻っているわけでございます。これにつきましては昨年の八月来そういうことで緊急措置を行いまして、ただ、その後、委員からも御指摘ございましたとおり、昨年十二月には米国のBSEによります輸入牛肉の輸入停止といったようなことが行われているわけでございます。
 そこで、ただいまのお話のとおり、この措置が、これは今年の三月三十一日までということになっているわけでございますが、この措置が引き続き発動されるかどうかということにつきましては、まず、ポイントといたしましては十五年度全体の輸入数量が発動基準数量を超えるかどうかということに掛かってくるわけでございます。
 その可能性につきまして検討いたしているわけでございますが、一つには、この生鮮・冷蔵牛肉につきましては、ただいま申し上げましたとおり、昨年十二月からの米国の輸入停止措置という影響もございますので、この一年間の輸入数量が発動基準数量を超えるということはまずないのではないかというふうに考えているところでございます。
 また、豚肉につきましても、実はこの二月、三月、ただいまお話しのとおり、牛肉等の代替需要ということもございまして、平年に比べますと輸入量が相当量増加するというふうなことで見込まれておるわけでございますが、ただ、一方では例年になく高い在庫水準ということもございまして、そういうことで昨年の八月からこの一月までの輸入量というのはやや抑制をされたというふうなこともあるわけでございます。したがいまして、豚肉につきましても発動基準数量を超えることはまずないのではないかというふうなことで、したがいまして、これにつきましても発動される可能性というのは極めて低いのではないかというふうに考えているわけでございます。
 それからもう一点、委員からも御指摘がございましたその効果ということでございますが、途中から米国からの輸入が停止されたということであれなんでございますが、ただ、輸入牛肉と御案内のとおり競合いたしておりますいわゆる乳雄の価格が大分元へ戻ってきたというふうなこともございまして、そういった意味では関税の緊急措置の効果というものはあったというふうに認識をいたしている次第でございます。
○段本幸男君 生産農家に不安のないように、是非きちんとした対応をお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、昨日の予算委員会でも既に質問があったと思うんですが、アメリカのBSE対策の問題で、アメリカの方では民間による全頭検査で我が国の方にどうしても輸出再開しよう、こんなふうな動きがあるやに新聞報道でも見ました。いろんな課題を抱えて問題多いということをたしか答弁されていたんではないかと思いますが、この農水委員会でも確認のために、農林省はこういう米国のもくろみに対して今のところどういう見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 米国の民間企業の間で自主的にBSE検査を行うと、こういうような報道がなされておりますことは承知をいたしております。現在、米国農務省からどのように対応するかと、こういう政府からの提案はないわけであります。
 民間の報道、民間がそういうような考え方、報道、こういうことから申し上げれば、やはり私は、我が国が主張しております屠畜場におきます全頭検査、またさらには特定危険部位の除去、こういうこと、我が国の考え方というものをこれやはり考えなければならない、こういうようなことを民間の方がお考えになっておるのかなと、このようにも想像するわけでありまして、やはり我が国の主張というものをアメリカがそれなりに考えなければならないと、こういう点、このようにも考えるわけでありまして、しかしこれはあくまでも民間のことでありますので、この検疫の問題、このことにつきましては、あくまでも私は、アメリカ政府を通じて、そしてアメリカ政府がそれを認証すると申しますかお墨付きをちゃんと付けると、こういうことがなければならないことでありますし、そういう段階におきましても、私は、食品安全委員会あるいは厚生労働省とも十分連携をして対応しなければならないと、このように考えておりまして、今日、我が国と同等、このことを私はあくまでも基本に考えていかなければならないと、こう思っております。
○段本幸男君 一番大事なことは、せっかく農林省がBSE国内での発生で国民の消費者に対する安全、安心を培ってきて、やっとそれが得られたこの段階に、アメリカからのプレッシャーだけで崩しちゃいかぬということだと思いますので、大臣おっしゃったように、是非その点を大切にしながらやっていただきたいというふうに思います。
 もう一つ外国との関係では心配事があるんですが、たしか前回のカンクンでのWTO交渉の一番最後ごろに、新聞報道ではたしかアメリカとEUの間で関税上限を、いろいろあった、お米の場合四九〇%掛かっていますけれども、これを二〇〇ぐらいで、もうアッパーを全部止めてやろうじゃないかということで内々合意に達しそうだというふうな報道がございました。
 米は四九〇%やっているから、二〇〇%といえばもう大変な影響を受けるんで、当然ドーハ・ラウンドでもそういうものが出てくると思うんですけれども、我が国はもちろんそれに、阻止に向かっていろんな形でやられると思いますが、しかし何せあの最後のときでも、我が国との同じ仲間は決して多くない、そういう中でいろいろと農水省、政府の方は御苦労なさったんじゃないかと思いますが、仮にもそういう二〇〇%なんというものが出てくると、恐らく米に対しては物すごい影響が出てくると思うんですが。
 現在、片一方ではそういうことにも備えて新たな米改革対策を打って、そして二十二年までにもうやはり国際競争力がなくたってせめて少しは構造改革をしながらそういうものに対応していけるようにというのをやっておられるんですが、仮にそういうふうになった場合に今の対策で十分とお考えなのかどうか、大臣の方からその辺のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員から御指摘のとおり、昨年九月のメキシコ・カンクンでの交渉、こういう中で上限関税の問題が出てきたわけであります。この上限関税、これを何%にするかと、こういう議論、具体的なものはないわけであります。現状、我が国の関税、現在三百四十一円、こういうことから考えますと、四九〇%、こういうことであるわけでありまして、これが今御指摘の二〇〇%と、こういうことになったときには国内の最低価格を下回ると、こういうようなことになるわけでありまして、これは到底受け入れることのできないことであるわけであります。
 そういう面で、実はこのWTO農業交渉につきましては、今年の二月、米国のゼーリック通商代表がお見えになりまして、私お目に掛かりまして、やはりそのときにも我が国の一番の問題と、これはやはり食料の安全保障等、このような観点からも上限関税の是正、こういうことがなされなければならないと、こういうことを強く申し入れたわけでもございます。デルベス議長ペーパー、これがこれから、今ちょうどジュネーブにおきまして新たに農業部門の議長が選任をされ、会議が行われておるわけでありますが、引き続き、私はこの上限関税の問題につきましては強く我が国の立場を主張し、そしてその対応をしっかりやってまいらなければならないと、こう思っております。
 また、米政策の改革、そういう面でも水田農業におきます担い手の育成や産地づくり、これが著しく立ち後れている等のことがある、現実。そういう中で、水田農業の構造改革あるいは需要に応じた売れる米作り等の産地づくりに努力をすると同時に、農業の持続的な発展が可能な生産構造、この確立に向かっていろいろな努力をしていかなければならないと、このように考えております。
○段本幸男君 前からも後ろからも大変厳しい選択だと思いますが、我々も、農林水産委員も恐らく皆さん同じ思いだと思いますが、一生懸命応援していきますので頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
 次に、土地改良の未収金の話についてちょっとお伺いしたいんですが、現在、未収金というのは大体どの程度出ているものなんでしょうか。
○政府参考人(太田信介君) 未収金、徴収率の観点で申し上げますと、組織運営や施設管理に充てられます経常賦課金、これにつきましては、近年の農業情勢などから農家の負担感が増大しておるという声も聞かれるわけですが、現実的には徴収率、これは約九九%という状況でありまして、滞納は極めて少ない状況にあります。また、建設事業費の償還に充てられます特別賦課金、これにつきましても徴収率は同じく九九%程度でございまして、これについては事業償還金のピークをカットしてあるいは後年度に繰延べを行うなど、国としても種々の措置を講じている状況にございます。
○段本幸男君 どうも現地で聞いていると、まあ恐らく現地の方がいろいろやりくりされているせいだと思うんですが、もっとやっぱり未収が出ているのは大変だというふうな感覚を持っているんですけれども、その未収金に対し、あるところで回ったら、例えば親が亡くなった、そして息子が都会に出ている、しかしそれに連絡を地域の人たちが付けようにもなかなか連絡付かなかったり、その後をどうするかとか、そういう話合いに時間が掛かる。あるいは、ある、北海道なんかでは出たんだけれども、それをみんなでどうするんだという話合いに物すごく時間が掛かって、結果的に一時的に未収金、やむを得ず出るケースがもうどうしたってあるんだと。
 これを何とか対策してくれないと、やはりそういう高齢化が進んでいる中で亡くなられる方も多いから大変なんだ、何とかしてほしい、特に保険制度のようなもので、例えば、我々も出すから国にも出してもらってそういう突然のものに対して何らかの格好で手助けしてほしいんだ、こんなふうな要請がありましたが、この辺について何か農林省の方でうまくいくようなものがあるのかどうか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(太田信介君) 御質問の保険制度につきましては、私どもとしては現在のところ具体的な要望として把握している状況にはございません。具体的な事例があれば、そういうものに対してどういうことができ得るのか、その可能性、できない可能性も含めてになるかも分かりませんが、考えていく必要があると。出てまいりましたらそういうことにしていきたいと思いますが。
 また他方で、不在地主の問題もございました。そういった予見できない、可能性としては起こり得る、そういったものに対するいろんな準備、こういったことについても大きな観点から事前に種々の検討を進めていく必要があるというふうに認識しております。
○段本幸男君 是非、実態把握に努めてもらって、いろんな課題があれば速やかに対応していただきたいと思います。
 次に、土地の所有権と利用権の話についてお伺いしたいんですけれども、今、若者で、今は世の中が少し変わってきた、価値観が変わってきたせいか、農村に行きたいという若者は一杯いるんですね。ただ、若者ですから資本金がなかなかない。片っ方で、農村サイドでは、荒廃農地が一杯あって、何とか処理して村が荒れないようにしたい、こんな思いがあって、その間にギャップがあって、せっかくいい、労働面ではいろんな担い手と言われる、あるいは後継者と言われるような者ができるにもかかわらずそれがうまくいかない、こんなものが出ているような気がいたします。こういうようなものをうまくしていくためには、所有権と利用権を分けて、利用権だけで若者がうまく入っていける、もうわずかな資金で入っていける、本当に意欲ある者ができるような制度。
 あるいは、私のところに持ってきた人が、所有権を是非ファンド化してもらったら、都市の人でやっぱり農村に行きたいという人おる、いろんな思いがあるんだから、まあトラストかファンドかちょっと分かりませんけれども、いろんなそういう証券化みたいな制度にしてもらえれば、都市のお金をうまく入れて農村と正に均衡ある状態を取ることができるんではないか、こんなふうなことを言っていく人もおりました。
 農地法の全面改正を含めて、農林省はいろんな見直しされているというふうに伺っておりますけれども、この辺についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 農業者が、消費者、また今のお話のとおり、若い人たち、こういう人たちと連携して経営改善、これに取り組むと、これは大変必要なことでありますし、出資ですとかあるいはノウハウ等の提供を受けて農業経営の改善、こういうことをしていくことは大変有効な手段と、このようにも考えます。
 そういう中で、昨年、農業経営基盤強化促進法の改正をいたしました。そういう中で、この改善計画の中におきます記載の内容等々の拡充もしたわけでありますし、さらには、この出資の問題と。今まで、農地法の特例として、農業関係者以外の者からの出資につきましては十分の一以下というような制限でございましたが、構成員全体で四分の一か、あるいはまた二分の一未満までの引上げと、こういう緩和措置をいたしたわけであります。
 今、この基本計画の見直しの中で、先ほども委員から御指摘の所有、利用の問題と、あるいはファンドの問題等々、やはり基本計画の見直しの中でこの農地制度の問題につきましても幅広く御議論をいただきまして、そのような農業が可能なような、また新規就農、こういうことも可能のような措置が取られるように議論を進めていただき、何とかその方向というものを見いだしてまいりたいと、このように考えております。
○段本幸男君 是非、柔軟な対応をお願いしたいというふうに思っています。
 次に、食の安全、安心についてお伺いしたいんですけれども、大変重要な課題で、そのために組織再編とかいろんな手だてを打ってこられました。現在、国民の間で食の安全、安心に対して非常に意識が浸透してきて、いい形になってきたんではないかと私自身は思っております。しかし、大事なのは、これから正に細部でそういうものをきちっとどう固めていけるか、非常に重要な段階に入っているのではないかと思うんですが、十六年度予算で一体どういうふうに予算を増やしてどういうものをやろうとされているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 食の安全、安心の確保のためには、要するに食料であります農産物の生産の現場、それから流通、加工、それから販売を経て消費者の手元に届くまでの各段階できちっとした対応を取っていくというのが非常に大事なことだと思っておりますし、そのために消費・安全局で一体的に政策も打っていくというふうなことになっているわけでございます。
 具体的に今十六年度のことも先生お尋ねでございますが、生産の現場でやるべきこととして例示で申し上げますと、やはり農薬だとか肥料といった生産資材をきちっとルールどおりに使っていただくということが非常に大事であります。そういったための、農産物の安全性確保のための強化対策ということで、これは十五年度が例えば八億円の予算でしたけれども、これ十五年度が八億でしたが、十六年度は倍の十七億ぐらいというようなもので今お願いをしているところでございますし、また、生産現場のもう一つの課題としまして、BSEですとか鳥インフルエンザの例を持ち出すまでもなく、家畜の防疫体制の強化というのも大変大事でございます。これもしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
 それから、流通、加工の面では、トレーサビリティーでございます。牛肉のトレーサビリティーだけではなくて、それ以外の食料品につきましても、できるだけ民間の方々のアイデアを行政としてサポートしていくためのそういった政策を進めていきたいというふうに思っております。
 それから、消費者のところに届く段階、ここは表示の問題、きちっとした表示が分かりやすい形で行われていくというのが大事でございます。地方農政事務所等での日常の監視業務も含めまして、適正な表示が行われているかどうかといったチェック体制、きちっとしていきたいというふうに思っております。
 それから、何よりも消費者の方々には正確な情報をきちっとお伝えしていく、分かりやすい形でお伝えしていくということが大事であります。そういったリスクコミュニケーションの推進といったものもきちっとやっていきたいと思います。
 こういった、今申し上げた五本柱、これを消費・安全局として食の安全、安心の確保のために強化をしていきたいということでございます。
○段本幸男君 もう一つ、今、食の安全のいろんな情報をきちんと消費者に伝えることをおっしゃいましたが、加えて、私が是非お願いしたいのは、この前静岡のお茶関係をやっている人に話をお伺いしたら、静岡の製茶やっている場所に行ってお茶を飲ませてもらった、物すごくまろやかでおいしかったと言うんですね。それはそうですよ。その製茶やっている人は、このお茶は何度の温度で飲んだ方がよいか、どういう急須がよいか、どの水がよいか、一番おいしい飲み方を知っている。その人はそこでお茶を買ってきて帰って家で飲んだら、いやいやもう全然あのまろみがなくなってしまって、もう普通のお茶になった。
 恐らく、やっぱりそういう一番おいしい食べ方、一番おいしい飲み方をやるようなことの大切さ、それがなかなかやっぱり消費者までに伝わっていない。生産現場では一番知っているはずだから、そういう情報を、生きた情報をきちんと消費者に伝える、それが顔の見える農業だと思うんですね。そういう面のやっぱり細かいところですけれどもサポートしていくことが食の安全とか安心について非常に重要になってくるんではないかと思うんですが、農林省はどんな手だてを打っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 生産者の方と消費者の間の距離というのが物理的にも、それから心情的にも非常に最近は拡大してきているという現状にあるというふうに私ども思っておりますし、先生おっしゃいましたように、生産者の方々が農産物のおいしい食べ方など食に関します正しい知識を消費者の方々に伝えていくということ、それから消費者の方々との交流を促進していくということ、こういう一言で言えば顔の見える関係作りを進めていくというのは大変大事なことだというふうに私ども思っております。こういったことが、一つは消費者の方々の農業や食に対する理解を深めることにもなりますし、また逆に生産者の方々も消費者のニーズがよく分かってそれにこたえる、そういう農業生産を促進するという意味で、元気の出る農業生産、産地作りにつながっていくというふうに思っております。
 具体的な取組といたしましては、直売所によります新鮮な地域農産物の販売ですとか、あるいは郷土料理の体験活動、それからグリーンツーリズムなどというようなのもこれまでも進めてきておりますけれども、私ども消費・安全局におきまして、消費者、生産者、それから食品事業者の方々との懇談会を実は昨年の秋から立ち上げておりまして、ここで文字どおり顔の見える関係作りを更に進めていくにはどうしたらいいかということについていろいろ御意見いただいております。間もなく報告書として取りまとめをいただくことになっておりますが、こういったところで出されるアイデアを具体的に実践に移すということ、これが十六年度以降の課題だというふうに思っております。しっかりと頑張っていきたいと思います。
○段本幸男君 是非頑張ってやっていただきたいと思います。
 次に、水産業の話についてお伺いしたいんですが、水産業については作り育てる漁業ということで養殖がかなり主流になっているんじゃないかと思うんですが、その養殖の中で、この前お話ししていたら、抗生物質なんかを結構使っているからその辺がいろんな意味で心配なんだ、もちろん魚に対する影響もある、あるいはそれを食べる、漁業だけではなくて農業もそうなのかもしれませんが、その人間に蓄積されてくる、そしてそれがいざというときに病気になって抗生物質といったときに効かぬようになるんじゃないか、そんなふうな心配をされているような方もおられる。
 一体、そういう食の安全問題いろいろやっている中で、全体通して、将来予見も含めてこれから非常にそういうものが大切になってくるんじゃないかというふうに思いますが、水産庁の方ではそういった大きい将来に対する指摘に対してどういうふうにとらえられているのか。取りあえず抗生物質についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 養殖漁業と抗生物質の関係ということでございますけれども、これは先生も御案内のとおり、昨年でございますけれども、薬事法の一部改正ということが行われまして、抗生物質を含みます未承認の医薬品、こういったものの使用禁止の規定が新たに設けられたわけでございます。また、動物用医薬品の使用の規制に関する省令、これも一部改正されまして、使用規制の対象動物、これは水産の場合でございますと、食用となります養殖用の水産動物全体に規制が及ぶと、こういうふうになったわけでございます。
 また、持続的養殖生産確保法、この法律に基づきまして、平成十一年でございますけれども、基本方針を作成いたしまして、漁業者自らが漁場改善計画を作成すると、こういったことを促進するような手だて、こういったことも行っておりまして、漁業者の方々が、漁場の状態に応じたといいますか、適正なえさの使用ですとかあるいは医薬品の使用、こういったことをされるように、こういった指導等も行っているところでございまして、我々といたしましても、できるだけこうした後に残りますような抗生物質は極力使わないようにというふうなこと、頼らないようにというふうなことでの指導、こういった指導も行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、先生がただいまおっしゃられましたように、消費者の方々に、養殖業、金額ベースでいきますと現在全国で五千億円を超えるというような実態にございますし、消費者の方々に安全で安心されるような水産物を供給するという観点からも、そうしたなるべく適正な使用ということでの指導は、これ今後とも努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○段本幸男君 自分自身がまだ勉強できていないから、是非これから勉強させてもらいながらいろいろと教えていただきたいというふうに思っています。
 次、森林整備についてお伺いしたいんですけれども、単に業としての視点だけではなくて、その地域でやっぱり営みがどういうふうになっているか、こういうことが森林というか山も含めて元気を出すもとではないかというふうに思うんですけれども、そういう意味で、恐らく農林地一体なんかを進めにゃいかぬ。そういう政策が相当前から進められてきてやっておりますが、どうも、農村と林野を結ぶ道路とかそういうハード面はできていても、実際に農村回っていると必ずしも、やっぱり森林組合と農業組合が別ですし、一体に本当に営みが動いているとは思えない。幾つか、成功事例が幾つか全国でも出てきて、愛媛県の久万町とかいろんな例を私も見てきました。
 要は、これからそういうものを実効性を上げるためには、もう一歩突っ込んだ形での農林地といった営みがあって、その管理する人たちの生活というのを表に出していく必要があると思うんですが、その辺についての農林省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 先生御指摘のように、森林につきましても、国土の保全ですとか水資源の涵養、いろんな機能を発揮させていくために、森林所有者が山村に定住いたしまして日常的に森林管理を行っていく、そういったことが大変重要でございます。そして、そういった山村の活性化を図るということにつきましては森林・林業行政の大変重要な課題の一つというふうに考えているわけでございます。
 そして、そういった中で、先生今お話ございましたように、林家の実は六割強が農家を兼ねているというようなことで、林業の経営規模等から見ましても実は林業所得だけでは生計を維持し難いというような状況にございまして、山村地域の基幹産業でございます農業と林業、これの一体的な振興を図っていきますことは山村の活性化の面からも大変重要な課題だというふうに考えているわけでございます。
 このため、森林の整備、保全の推進はもとよりでございますが、地域資源を活用しました多様な就業機会の確保ですとか、あるいは生活環境の整備、都市との共生・対流、こういった施策を総合的に推進していく考えでございまして、例えば水とみどりの「美の里」プラン21、こういったものに基づきながら、農山漁村集落が連携して行う風格ある美しい農山村づくり、あるいは農林産物の加工・流通・販売体制、こういったものの整備、新しい地域産業の創出といった形で農林一体となりました取組を推進していきたいと考えておりまして、今後とも、これらの取組を通じながら、山村の活性化を図りながら森林の整備も進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○段本幸男君 ほかにも一杯やりたい質問があったんですが、もう時間もありませんので、最後に一つだけ大臣にお伺いしたいんですが、今までいろんな質問させていただきましたが、農村活性化するのに、やっぱり要は人、そこにいい人がいて、その地域を作っていく熱意があったり、あるいは人を引き付けるものがあるかどうか、こういうことが非常に大事だと思うんですが、ところが、現在片っ方で市町村合併が非常に進んできて、非常に私の見てきた中でも意欲あってこの村はおれが引っ張るんだというような村長さんなり町長さんが徐々に合併によってなくなってしまっていく。もちろん大字何ごとの小さなリーダーも必要なんですが、もう少し、トップリーダーとでもいうんですかね、大きい範囲で引っ張っていけるような、JAも合併してしまって、市町村も合併してしまったら、やっぱり現在ある町村ぐらいの大きさのアイデンティティーを生かしていくような地域作りでの人が非常に不足してくるんではないか。
 その面を考えながら、農林省はやっぱりそういうトップリーダーを違った形で、町村合併やるんなら違った形で何か作っていこうや、こういうふうなものがそろそろ必要な時期に差し掛かっているんではないかというふうに私は感じているんですけれども、大臣のお考えをお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 町村合併あるいは農協の合併等々が進んでおるわけであります。そういう中で、やはり何といっても必要なことは、現場と行政との距離が遠くならないような努力をすることが必要なことではなかろうかと、このように思います。
 そういう面では、普及事業等につきまして、地域の農業改良普及センターですとか、あるいは農協、農業委員会、こういう面での連携で経営改善支援センター、こういうような組織化の問題、そういうところを活用する、あるいは、何といっても経営の実態と現場というものを十分把握をし、行政、そしてそれらの農業者等々のきめ細かな経営支援の拡充、こういうもの、あるいはもう一つは、町村合併あるいは農協等々の合併におきます、旧の農協の支所単位で営農センターというようなものが、これ合併でどういう形をお取りになるかはそれぞれ組織の問題でありますけれども、そのような、やはり何といっても現場と行政等々が遠くならないような努力をお互いにしていくことが必要なこと、このように思います。
 地域での農業の振興、そういう面では精通したリーダー、これの育成、これも大変重要なこととこう思いますし、地域の実情、そういうものに即した体制が取られるように努力をしてまいりたいと、このようにも思います。
○段本幸男君 ありがとうございました。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。私は森林の問題からお伺いをしたいと思います。
 いろんな思いがあるわけでありますけれども、私事になりますけれども、国会に参りまして間もなく法律の改正案がありまして、これは旧国有林野の赤字をどうするかという議論でありました。隣の隣におられる和田さんと一緒に精一杯反対の論陣を張ったわけでありますけれども、林野に赤字が残る形で決着をいたしました。そのことにまだ私はうらみを持っています。しっかりと未来を見据えた中で子供たちに、次の世代に何をどういう形で残していかなければならないかというふうに考えたときに、美しい森、そして機能的な林、これは私たちが次の世代に残さなければならない最大級のものだと考えるからであります。
 そんな中で、苦しい中でも林野庁を含めてぎりぎりの中でしっかりと林野行政頑張ってくれました。でも、まだまだ足りないということは、ここにおられる委員の皆さんの共通した認識だろうというふうに思っています。
 そんな中で登場したのが地球温暖化の議論でありまして、そして世界がこの地球温暖化の問題にどう取り組んでいくのかという中で、その広い世界の中で私たちの国、京都でその会議が開かれたわけであります。京都議定書、これをどう守っていくのか、具現化していくのか、これが重要な課題だと私は認識をするところであります。すなわち、森林・林業の問題はあのときを境に大変苦しい局面に陥ったけれども、この地球温暖化問題を契機に再浮上させようと、思い切った浮力を付けてしっかりとした森林整備をしてほしい、これが思いなわけであります。
 まず、環境省にお伺いをしたいと思いますけれども、この京都議定書、これをどう約束を守っていくのかということと、森林の吸収源の評価、そして現状、科学的な知見が進んでいると思いますので、どういった形の森林がその吸収源としてすばらしい森林なのか、どういう状況にある森林は吸収源として劣っているのか、まとめて御説明をいただければと思います。
○政府参考人(桜井康好君) 京都議定書の達成につきましては、政府を挙げまして地球温暖化対策大綱を定め、各省庁が一丸となってその推進に努めておるところでございますが、今お尋ねの森林につきましては、これは二酸化炭素を吸収する機能を持っておるということから、地球温暖化対策として森林整備を進めていくことは極めて重要であるというふうに位置付けられておるものでございます。
 これを科学的な知見という意味では、例えば一本の杉は一年当たりに約十四キログラムの二酸化炭素を吸収するということから、杉二十三本分の吸収量というのは人間一人分の一年間の二酸化炭素の排出量に相当するということでございます。しかしながら、その今例で申し上げました杉の場合でも、これはほかの木でも同じでございますけれども、吸収能力というのは成熟するにつれて低下するということでございまして、したがって森林の二酸化炭素吸収能力の維持には適切な森林管理によりまして新たな木々が供給される必要があるということでございます。このため、京都議定書におきましては、人為的な管理が適切になされた場合にのみ森林の二酸化炭素吸収量を獲得できるという仕組みになっておるところでございます。
○小川勝也君 亀井大臣にお伺いをしたいと思います。
 小泉内閣としてこの京都議定書への取組をどのように考えておられるのか、そして、先ほど私が申し述べましたように、森林の整備にも大変熱い心を大臣としてお持ちだろうというふうに思います。しかしながら、シーリングとか、この厳しい中での予算編成、やはりこの地球温暖化問題を大きな追い風として、そして森林整備をもっともっとという思いがあろうかと思います。その二点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほどお話しのとおり、地球温暖化防止森林吸収源十か年対策、これは京都議定書等の関連でこの対策をスタートさせ、その努力をしておるわけであります。しかし、その吸収源、三・九%を実施するためには大変困難な状況であります。私も森林関係の団体の仕事もお手伝いをしておりまして、もうかつては、いわゆる山に苗木を植える生産者の皆さん方のお手伝いをしてまいりまして、かつては相当の数が、生産者がおられたわけでありますが、もう本当に十分の一以下というようなことで、厳しい状況下にあります。そういう中で、この京都議定書の問題、そして森林の吸収源、こういう面で、これをてこにいろいろみんなで知恵を出して努力しようと、こういうことにもつながってきておるわけであります。しかし、なかなか厳しい財政状況の中で、それを維持発展をさせるというのは大変厳しい状況下であるわけであります。
 そういう面で、この十か年計画を着実に実施をするということが当面課せられた大きな使命であるわけでありまして、そういう面で、森林の問題、緑の雇用の問題と担い手の育成ですとか、あるいは地域材の利用の推進であるとか、あるいは林業、木材産業の構造改革の推進、あるいは国民参加の森林づくりですとか、あるいは都市と農山村との共生・対流、活力ある山村づくりと、こういうことを積極的に進めなければならないわけであります。
 しかし、現実になかなか財政が厳しい、そういう面では、今省内ではこの森林、あるいは十か年計画を遂行すると、三・九%と、こういう面では新しい一般財源を何とか確保しなければならないわけでありますが、それとあわせて新しい税を、国民の皆さん方の御理解もちょうだいし、そのことも十分検討していかなければならないと、こういうようなことを今私ども農水省としては研究をし努力を今しておるところでもあります。
○小川勝也君 今、大臣から御答弁があったとおりだろうというふうに思います。
 できればもっと力強い決意を聞きたかったわけでありますけれども、厳しい中での予算編成、従来型の予算配分ではなかなか思ったように整備が進まないわけであります。ですから、やはり地球温暖化特別枠、こういった考え方を持ってしっかりとこの森林に予算を付けなければならないと、こう私は考えるわけであります。
 しかしながら、お金が欲しい分野は森林だけではありませんので、取りあえずお金をよこせと言ってもなかなかうまくいかないわけであります。実は、大きな議論をするということになれば、その林業という言葉自体から私は考え直さなければいけないんだろうというふうに思います。かつて国内においては、森林・林業が盛んなときには、それはいわゆる有価物として高値で取引された。だから、なりわいとして成り立ったわけであります。外材が大手を振って入ってくるようになってからは大変厳しい業になってしまいました。
 ですから、本来木材とか林業とかを商売ベースで発想をするからこんな苦しくなるわけであって、山をしっかり守っていくということは国民の共通の使命である、そこから出てきた副産物を適正な形で処理、流通をするという、この考え方の根本転換が本来必要だと考えるわけでありますけれども、この根本議論は後に譲るといたしまして、今も大臣からお話がありましたように、一つ一つの問題をクリアにしながら、そして先ほど環境省から御答弁があったように、施業をきちっとしない林や森は地球温暖化に対してしっかりとした役目を果たせないんだということを、これを大事なポイントとして、一つ一つ、地域地域の山をしっかりとした施業をしていく、このことが重要だろうというふうに思います。
 少しずつ進捗があるように私も認めるところでありますけれども、実際、最後に段本さんから人が大事だという話もありました。新しい森林・林業に対する就業者、そしてその中でも期待を寄せる若い人たちがどのような状況にあるのか、あるいは若い人たちが一生やる仕事として安定して就くことができる仕事なのかどうか、森林・林業分野への新規就業についての御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 確かに林業をめぐります状況、大変厳しゅうございまして、今お話にございました就業者といいますか担い手の方々、かつては数十万いたわけでありますけれども、今日七万数千人、七万二、三千人にまで落ちてきていると。このままの状況でいきますと、やはり二十年ごろにはそれこそ四万数千人に落ち込んでいくんではないかというような状況が見通されるわけであります。
 そういったことも踏まえまして、私どももいろんな形で今担い手の育成確保、就労者の雇用安定、こういったことに努めているわけではありますが、例えば緑の雇用対策事業といったような形で新たに林業の方に就業していただく。十四年の補正予算でこれは誕生いたしまして、今度の十六年度の当初予算のところでも計上されたわけでございますが、毎年二千四百名規模、こういった方々が都会から農山村の方に移り住んで、例えば和歌山辺りですと、若い御夫婦が子供連れで入って定着して、その中で活躍していくというようなことも見られるわけでございます。
 それ以外にも、ここ数年ですと、新規採用、新規参入者の方々、大体年二千二百人から二千三百人おられまして、そういった意味では昔とはちょっとそこら辺の状況は変わってきているのかと。こういった形の方を大事にしながら、先ほどからお話に出ておりました地球温暖化に向けての森林整備、こういったものに私どもといたしましてもしっかり取り組んでいきたいというように考える次第でございます。
○小川勝也君 実は私は北海道の道北地区の出身でありまして、国有林の大変多いところであります。実家が鉄工所、かじ屋だったものでありますから、林業の最盛期の最後のところを実はかいま見ているわけであります。山を買って、これは造材業者さんが買うんでしょうか、そしてどんどんそれを切っていく、そしてそのときは町も地域も活力がありました。先ほど言った材価の問題が大きく世の中を変えてしまったのは言うまでもないことだろうというふうに思います。
 当然、そのときには大勢の人たちが山にかかわっていました、切る人だけではなくてお世話をする人。今、長官からお話がありましたけれども、実は今人数は激減していますけれども、横たわる問題はその絶対数、数字の減少だけではない。これは、もう一つの課題は重要な課題であります。それは、もう一つの課題というのは、技術とか知識の伝承がしっかりと受け継がれていくかどうかという問題であります。
 山に視察に行きましたときに、高齢の技術者の方が、おれはこの山を担当して何年になるから、どの木がどういうふうに重要で次にどの順番でどの木を切っていくのか全部分かっているんだと。かつてはそれぞれの山、国有林に担当者がいて愛着を持って、これは数年間あるいはもっと言うと数十年かけての技であります。そして、経験もあるでしょう。先輩から教えてもらったこともあるでしょう。この山は西日が当たるのでどうのこうの、冬になったときの風が強い地域だからこうだと。一つ一つの山に、人間に顔の違いがあるように、山に違いがあるわけであります。この木は残してこの木を切ろう、そんな技術がどうなってしまうのか。私は、その絶対数の減少と同時に、技術の伝承が本当になされるかどうかということに大きな危惧を持っています。
 実は、これは何人働けばいいという数字だけで表せない問題でありまして、もっと言うと、それはよくこの委員会なんかでも国有財産なんていう議論があるわけでありますけれども、そういった技術とか知識が正に国の財産なのでありまして、できれば若い担い手が山に入って大先輩から、長老からそんな話や知識を受け継がないと、我々の国の国家的な損失になるわけであります。
 ですから、大臣には十か年計画という御答弁もありましたけれども、この地球温暖化という問題を奇貨として、大きなその後ろから押してもらう助力として、今正に森林の分野をしっかり考えていかないと間に合わないことにもなってしまう、そのことも併せて御指摘をしたいわけであります。
 長官からお話がありましたように、財政、予算もありますので、人はぎりぎりだろうというふうに思いますし、少しずつ新規就業者、担い手も山に入ってくれているということも報告を受けていますけれども、まだまだ足りないわけであります。それでもなお森林は、人工林は整備をされることを待っています。
 この予算の概要の中にもありましたけれども、NPOとの連携、これは大変難しい課題を持っていますけれども、この二十一世紀型ということを考えますと、非常に重要だろうというふうに思います。本当に素人が山に入って役に立つのか、その技術や安全性に問題はないんだろうか、あるいは地域自治体や森林組合との連携、様々な問題があることは承知していますけれども、この残念な状況を考えると、しっかりと推進の方向性で様々な工夫や努力がなされるべきだろうというふうに思います。その点についての長官の御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 御指摘のように、近年、一般市民の方々、植林といったような形で、あるいは保育というような形の中で森林整備に参加するいわゆる森林ボランティア、これが拡大してきております。数年前の平成九年ぐらいから比べますと実に平成十五年には現在千二百団体以上に上っておりまして、四倍以上に増えているというような状況にあるわけでございますけれども、こういった活動、こういったものにつきましては、確かにおっしゃられますようにいろんな技術の伝承、そういった面もございますけれども、一方でやっぱり国民意識の高揚、そういった面からも非常に大きな役割を果たすと思いますし、またそのことによって整備されてきます森林、これによりましていろんな、公益的機能を始めとしますいろんな機能、こういったものも発揮されていくということで、大変重要な取組ではないかと認識しているところでございます。
 このために、私どもといたしましても、これまでもボランティア団体等の主体性、これを尊重しながら、指導者の育成あるいは情報ネットワークの構築、こういったものを通じましてその活動を支援してきたところでございまして、今後も安全研修、あるいはその活動の場の拡大といったような支援に積極的に努めていきたいというように考えてございます。
 また、今国会に提出させていただいておりますが、森林法の一部を改正する法律案、こういった中では、NPO法人等と森林所有者とが締結いたします森林施業の実施に関します協定、こういったものにつきまして市町村長が認可する制度、これの創設を盛り込んでおります。こういったことを通じまして、森林ボランティアの活動の場を確保して、そういった活動がどんどん広まっていくことを私どもとしても積極的に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど委員から緑の雇用、また人の問題の御指摘がございました。
 緑の雇用の問題で、私、和歌山県に参りまして、関係者と現場に行きまして、チェーンソー、あるいは間伐をする、またいろいろな技術を習得をして、先輩から本当に手取り足取りいろいろ指導を受けてきたと、そしてようやくここまでの仕事ができるようになったと。暑いさなか、大変厳しいところでありましたけれども、この作業を拝見をし、そしてその後いろいろお話を伺った。
 ただ、非常に、まだ期間が非常に短いと、しかし私は小さな子供がいると。この子が育つように、この山に入ってこの木をいろいろ作業をすることは、正に子供を育てるようなそういう気持ちでこの仕事をやっていきたいと。こういう本当にすばらしいお話を承ったわけでありまして、こういう人たちが是非育ってほしいと。
 そして、そういう気持ちで、山の仕事をする人たちがそういう気持ちでやって、その緑の雇用に従事をし、今までは大阪で鉄工所の仕事をしておったが、全然違うところに入ってきて、先輩からいろいろ話を伺い、そして今ここにおって、そしてもう子供まで、そして家を町が、町営住宅ですか、これを用意していただくと。そういう中に入る人の話も、あるいはまた、まだそこまでいかない人の話も伺って、本当に正に山は人間を育てると、そういう気持ちを強く持っていると、これを感じたと。
 こういうお話を伺って大変私も感激したわけでありますが、そういう人たちを何とか育てて、そして立派な林業関係者として林業を守る、森林を守る努力をしていただければなと、こう思っておりますし、その人たちの期待にこたえていかなければならないと、こう思っております。
○小川勝也君 しっかりと御理解をいただいているようでありますので、しっかりと大臣としての役割を果たしていただきたいと思うわけであります。
 先ほども外材との価格の競合という話もさせていただきました。実は、建築ということから考えますと、その地域で育った木を使うのが最も最適であるというのは多くの識者の方の共通認識であります。そのことから、ある地域によっては地方自治体がその地域で産出された材を使うことに補助金を出したり奨励をしたりする、そんな例もあるようであります。しっかりとその国産材や地域材を使ってもらわなきゃいけないというのも、山にとってはこれは重要な課題であります。しっかりとそのインセンティブを与えていくということが大事だろうというふうに思います。
 補助金がいいのか、あるいは様々な工夫をしながら仕組みを作れないものかと、いろいろ頭を私なりにも痛めているわけでありますけれども、林野庁としてはどんなことをお考えになっておられるんでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、木材の需要、こういったものを進めていくということはそれ自体大変すばらしいことだと思いますし、あわせて、そのことを通じまして山の整備も進んでいくという意味で積極的に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
 そのためには、何といいましてもまず木材の需要拡大を図っていく、これが大変重要でございまして、実は昨年八月でございますが、農林省の方におきましてもまず隗より始めよということで、私どもの関係のところのいろんな事業あるいは施設、そういったものにつきましては積極的に国産材、こういったものを使っていこうということで取り組んできているところでございますし、またいろんな団体等とも連携取りながら木材の需要拡大、こういったものに努めております。
 さらには、そういった木材につきまして、バイオマス利用ですとか、そういった新たなる活用、こういったものにも積極的に取り組んできているところでございまして、例えばペレットストーブに木材の廃材、そういったものも使っていくとか、あるいは秋田辺りですと発電を行ってそれを売電していくといったような試みも取り組んでいるところでございます。
 そういった中で、こういった木材の需要拡大、こういったものを進めながら、森林の整備、こういったものにも一生懸命努めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○小川勝也君 今もバイオマスという御発言もありました。例えば間伐材とか枝、様々な形で出るものがもっと有効活用されなければいけないというのが、これは地球の摂理だろうというふうに思います。ですから、今秋田の事例も御報告をいただきましたけれども、しっかりと、まだ技術的に発展途上だろうというふうに思いますので、しっかりと、この概要の九十九ページに、二百六十六億の予算を付けていただいているようでありますけれども、様々、このバイオマスといいましても分野が広いんですね。木質系というふうに一言で言っても、建築廃材も木質系ですし、山から出る枝あるいはその付随物などをバイオマスと言う場合もあるわけであります。この山の中には、これが売れないのでそういうようなものは全部置いてくるという話もあります。置いてくるといつかは土になるんでいいわけでありますけれども、災害等のときに脆弱になったりというデメリットもあるわけであります。
 できれば、早くその間伐したもの、枝打ちしたものがそのバイオマスエネルギーの材料としてしっかりと利用をされる、これが理想的なわけでありますけれども、改めて、その技術的な進歩あるいは先進的なポイントとなるような地域が秋田のほかにあるのかどうか、お答えをいただければと思います。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、先生御指摘のように、実は間伐されたものにつきましても恐らく現状では半分ぐらいが山にそのまま放置されていると、利用されているものは恐らく半分ぐらいのはずでございます。これを何とか少しでも増やしていくと、利用していくということが、森林の整備はもとより、国土の保全、安全、こういったものにもつながってくると思いますので、積極的に進めているところでございますが、今お話ございましたように、幾つかの新しい取組といたしまして、先ほど申し上げましたペレット利用でございますとか、それに加えまして、発電におきましても秋田以外にも岐阜の方とか各地の方でそういった取組が今進んできているというような状況にございます。
 さらに、技術開発の問題といたしましては、これ、木質を液化いたしまして、燃料として効率的に使っていけないかというようなことで現在私どもも技術開発に取り組んでいるところでございます。
 そういった形の中で様々な新しい分野、こういったものも開拓しながら、あるいは研究開発しながら木材の利用が進んでいく、とりわけ間伐材の利活用が進んでいくというようなことで一生懸命頑張っていきたいというふうに考えている次第でございます。
○小川勝也君 林業副産物として例えば木酢液とか炭、これはまた見直されているわけであります。それから、家庭用園芸あるいは家庭菜園用の土壌改良材など、様々な地域で工夫を凝らして様々な試みがなされています。一部、経営として成り立っているところもありますけれども、様々、まだ苦しんでいるところもあります。しっかりと、いろんなアイデアや工夫がいろんなところから出てくるように様々な御配慮もお願いをしたいというふうに思います。
 時間も少なくなってきましたけれども、通告をしておりました土地改良事業の問題に移らさせていただきたいと思っています。
 減反が実施されるまでは、ダムを造り、水路を造り、水を引く、そして田んぼの面積を大きくし仕事をやりやすくするということが大きな課題でありました。しかしながら、減反減反ということになりますと、水田にかかわるその期待というものが絶対量として減ってきたわけであります。しかしながら、質はまた上げていかなければならないのは重々承知していますけれども、そういったダムや水路をめぐる予算が確実に減っているのかどうか、確認の御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(太田信介君) ダム、水路にかかわらず、農業農村整備事業として実施しております。これは農村の整備も含めた予算でございますけれども、ピーク時からいいますと三割以上の予算ベースでの減少という状況になってございます。
○小川勝也君 おかげさまで北海道は、これは水田の面積も大変広くなりました。そのことによって生産性を向上させたというしっかりとした事実があります。しかしながら、この紙を見ていますと、例えば二千万円しか予算が付いていないところにも項目が立っている。あるいは、もっと言うと、非常に目で見て美しい文章や表現が並んでいるわけですね。その辺は農林水産省も工夫しているなと思うわけでありますけれども、肝心の農業農村整備というのは、どういう項目がどのぐらい使われているのかというのが非常に分かりにくくなっているわけであります。
 見せたいところを強調するというのはこれは当たり前でありますけれども、そういったところは時代のニーズに合わせてもっともっと削らなければならない点というのは必ずあるんだろうというふうに思いますし、そしてもう一点、土地改良事業でいいますと、いわゆる国の積算根拠、その数字が非常に大きな数字であった。地元の業者が積算をしたら、その三割から四割でできるんじゃないかというふうに言われていたのも事実であります。
 そして、昨日、予算委員会で脇委員が、今はもうダンピング合戦で業界は大変だ。例えば、農業土木をめぐる業界ではどんな議論になっているのか、しっかりとコストの縮減が行われているのか、農業者が本当に必要な事業だけに特化されてきたのか。土地改良の進化発展、ここ数年規模で結構でございます。御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(太田信介君) コスト縮減の問題につきましては、既に平成九年度から公共事業コスト縮減対策に対する行動指針というものに基づきまして縮減に取り組んでおります。もとより、平成九年度からということではなくて、特に土地改良事業につきましては農家の負担の下に行うという事業でございます。ある意味では、農家が監視いただく中での事業実施ということになるわけでございまして、そこに縮減の努力を常にすることはもう当然でございます。そういった意味で、計画、設計などに係ります例えば基準の問題につきましても、弾力的な運用をより図るという、そういう指導を進めてきております。
 特に、平成十五年度からは、事業の調査・計画段階から施工、管理にかかわりますすべてのプロセス、これを例外なく見直すということで、これまではコスト縮減といいますと工事コストの縮減、これに限るような表現をしておりましたが、このたびは総合コスト縮減率というものを導入し、この意味合いといいますのは、事業便益が早く出ることによってそれに相当しますコストが縮減される効果が出るという観点、あるいは将来の維持管理費が縮減できるという、そういった意味のことを含めた総合コスト縮減率というものを導入し、これで五年間で一五%の縮減を目指すようなコスト構造改革に取り組むということにしたところでございます。
 その幾つかの例を申し上げますと、農家や地域住民が参加いただいて直営施工という方式、これは材料を提供したり、農家の手間賃的なもので、軽微な整備でございますけれども、自分たちの力でやっていただくような形によって結果的に農家の負担を軽減する、あるいは国費のいわゆる効率的な活用を図るというようなことでございますし、あるいは地域の特性を生かしました弾力的な整備手法、これにつきましても、先ほど申しましたいろんな基準につきまして、より弾力的に行えと。新しい基本法でも、いわゆる地域の特性に応じてという言葉が入りました。これを我々としてはより進めていきたいと思っております。
 また、直轄事業でございますけれども、事業効果の早期発現のためのどこに工事箇所を集中していけばいいのか、そういった重点化の問題、それから、既に水利ストック、今のダムや水路の問題ですと二十五兆円に上ります。そういう水利ストックがございます。これを管理することはもちろんですが、やはり補修していかないと将来使えなくなるということがあります。これにつきましては、既存ストックをいかに有効に使っていくか、寿命をいかに延ばすかという観点で適時適切に補修をやればかなり延びるということも分かってきておりますので、そういったことに取り組む。
 さらには、電子入札の導入など多様な入札契約方式を入れていく、こういった多角的な取組を進めて、効率的な予算執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 進化発展という言葉を使わせていただきました。時代が時代ですので、より一層コスト縮減、そして無駄の排除、これはしっかりとやっていただかなきゃいけないわけであります。
 時間もなくなりましたので、最後ぼろっと言って大臣に締めていただきたいわけでありますけれども、例えばダムを計画したから造ってしまわなければしようがないといった考えもやめてほしい。大規模林道よりも整備に適した林道にしていただきたい。それから、ハードウエアからソフトウエアなんというきれいな文言も並んでいる。例えば畜産の由来のバイオマス堆肥、あるいは先ほどお話を申し上げた森林から出る副産物を、これを土壌改良材として農地に投入したい、そういった農家のソフト面でのニーズにもしっかりこたえられるような、そういった発想が望まれる中でしっかりと無駄を排除する、そのことに対する大臣の御決意をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今御指摘いただきましたように、いろいろの分野でコストの見直し、またいわゆる、とかく今まで役所におきましても、今までの惰性と申しますか、そういうことで仕事がされてきた面が多々あるんではなかろうか。そういう面では、少し物を縦から見るだけでなしに横から見ることも必要でありますし、そういう面で、厳しい財源の中でいかに効率的な、そしてその受益者、農家の皆さん方や林業あるいは地域の皆さん方にどうそれが貢献するものか、あらゆる角度から精査、また今までの惰性にとらわれることなく見直しをして、しっかり対応するように指示をいたしておるところでもございますし、更にそのことを進めてまいらなければならない、こう思っております。
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。
 今、小川議員に大臣から認識を、改めて頑張ってまいりたいというごあいさつをちょうだいしました。本当に、是非お願いをしたいと思います。
 私は、昨年の三月にこの委員会で御質問をさせていただきました。中長期的に地球規模で食料が逼迫していると予想されるこのときに、持続可能な農林水産業と農山村をつくることが食料安全保障にとって極めて重大ではないですかというふうに御質問をしたら、大臣は全く同感でありますというふうにお答えをいただきました。例えば、概算要求までにいろいろ勉強して、そして美しい集落とか美しい農村をつくっていく、こういうことを心掛けたい。その中で、締めには、来年度の概算要求からそういう柱を立てて努力をしてまいりたい、そういうふうな考え方で積極的に立ち向かっていくという答弁をいただきました。
 来年度、十六年度の予算にこれが生かされているか、反映されましたか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 農林漁業生産の基盤であります農山漁村、この問題、水源の涵養ですとか自然環境の保全、あるいはまた良好な景観の形成、あるいはまた文化の伝承、こういう面で重要な役割を果たしておるわけであります。そういうようなことで、地域の特性を生かし、そして多様な主体の参画による風格ある美しい農山漁村づくりあるいは観光立村、こういうような施策を強力に展開する、こういう視点に立ちまして大臣が答弁をされたと、このように承知をいたしております。
 そのような中で、十六年度予算におきましては、健全で持続的な農林水産業が営まれ、また景観に優れた村づくりに向けて地域住民の主体的な参画の下に美しい農山漁村づくり、このモデル的なものを推進すると。あるいは外国人旅行者等も訪れる農山漁村の資源活用、一地域一観光、こんな取組を支援するようなことを、措置を予算に要求をして、またそのような予算にしたわけでありまして、またこれ、我が省だけでなしに関係府省あるいは地方公共団体ともしっかり連携を取りながら、この個性ある魅力ある農山漁村を次世代にしっかり引き継いでいくような努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○和田ひろ子君 食料・農業・農村基本計画の見直しが始まっていると存じます。その主要なテーマは農業構造の一層の改革、食料の安全、安心の確保、環境保全の重視の農政と言われています。農業の構造改革は、現計画では平成二十二年までに四十万の効率的で安定的な農業経営が生産の大宗になる、そういう構図を目指しているんだというふうに書かれていますが、これはなかなか進んではいないんじゃないかなというふうに思います。どうして進まないんでしょうか。
 その進捗率をまずお伺いをしたいんですが、その中には、もしかして四十万より少ない数の農業経営が生産の大宗を占めてもいいというふうにお考えなんですか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、委員が御指摘ございましたとおり、我が国の農業の持続的な発展を図っていくという観点からは、効率的かつ安定的な農業経営、こういうものを育成いたしまして、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う力強い農業構造を確立する必要があるというふうに考えておったところでございます。そして、この目指すべき望ましい農業構造の具体的な姿といたしましては、平成十二年三月の基本計画の中に農業構造の展望ということで策定、公表をしております。
 ここにおきまして、十年後、そのときの十年後でございまして、平成二十二年におきます望ましい姿として、効率的、安定的な農業経営が家族経営で三十三から三十七万程度、それから法人経営及び生産組織で三から四万程度、合わせて四十万程度と、今、先生が御指摘あったとおりでございますが、との経営体が育成されるということ。それからもう一つは、農地利用の関係で、農地利用の六割程度、二百八十二万ヘクタールが実数でございますけれども、が効率的かつ安定的な農業経営に集積するということを見込んでおったわけでございます。
 この目標に対しまして、現状でございますが、効率的、安定的な農業経営を目指す認定農業者数、これが十五年九月末現在でございますが十八万経営体と、既に効率的、安定的な目標を達成されておる農家が十万程度はあるというふうに推測をされますので、合計しますと三十万弱ということになろうかと思います。そういう状況でございます。
 それから、集積の観点でございますが、認定農業者等の担い手への農地の利用集積面積、これは二百二十一万ヘクタールでございまして、目標の二百八十二万ヘクタールに比べますと約七八%ということでございます。そして、かつ近年の集積増加面積は鈍化傾向ということでございます。この鈍化なり伸び悩みというところは昨今の経済情勢、また農産物価格の動向、そういうことで、投資意欲等も、あるいは規模拡大意欲等がちょっと弱くなっているということが背景にあると思います。そして、特にこの土地利用型農業の構造改革が遅れているということが現実の姿でございまして、今後の望ましい農業構造の実現には今後格段の努力が必要な状況というふうに思っております。
 そして、現状程度でこれが十分ということを考えているわけではなくて、やはり今申し上げましたような目標に向かって、やはり今後とも格段の努力をしていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○和田ひろ子君 今回の見直しで一層の改革というふうに言っておられるのがそういうことだというふうに思います。
 基本計画で構造政策の目指すべき方向がなかなか明らかになっていないんですね。どうしてなんでしょうか。基本計画の中での構造政策の目指す方向というか、目標というのは何なんでしょうか。目標はきちんと明記すべきでないかというふうに思いますが。
○政府参考人(川村秀三郎君) ちょっと繰り返しになりますけれども、やはり今後農業が持続的に発展していくということを、日本農業がですね、そういうことを考えますと、やはりその中核になって、コアとなってその農業構造を力強い農業構造にしていくということがやはり構造政策といいますか、その目指すべき方向だと思いまして、先ほど言いましたような数字が現在はあるわけでございます。
○和田ひろ子君 では、ちょっと次に移ります。
 平成五年のウルグアイ・ラウンドの農業の合意を受けて、農業交渉の合意を受けて六年の十月に決定されたUR対策で、国際化に耐えられる足腰の強い農業を目指していくんだというふうに言われて、十二年までに六年間で六兆百億円の事業費ベースでお金が投じられました。しかし、その結果というか、その効果は果たしてあるんだろうかと、みんな、だれでもが疑問に思っています。本当にないんじゃないかとさえ思います。平成十二年の三月に決定された現在の計画でも、農業構造の改革が必要だというふうに言われています。今回の見直しでも主要なテーマになっていることから、やっぱり効果はなかったんだということを言われていると同じだというふうに思います。
 UR対策は、最終的には平成九年の六月に閣議決定されて二年間延長されておりますが、大体一年間に一兆円ずつお金を使っていたんですよね。そして、まだ農業構造改革、必要だと言っている。そういうお金はどこからどういうふうに出てくるんだか教えていただきたいと、これからの。
○政府参考人(小林芳雄君) ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策が、今お話しのように、平成七年から六年間の対策としまして進めてまいりました。この目的は、農業合意が我が国農業、農村に及ぼす影響を極力緩和するということと、望ましい農業構造の実現と資本装備の充実、合理化による生産性向上を目指して実施したものでございます。
 効果につきましては、平成十二年の七月に中間報告が行われました。そこではいろいろな具体的な事案も踏まえながら、それなりの効果が出ているということでございます。
 ちょっと、それを少し説明させていただきますと、例えて言いますれば、圃場整備の推進を進めたわけでございますが、担い手育成型という形で進めた結果、その地区で見ますと、担い手の経営規模が約二・五倍の拡大、あるいは担い手の稲作の労働時間が約六割短縮と、こういった効果があるんですが、一方では、農用地の利用集積特別対策、こういったことになりますと、担い手にその農地の過半を集積する目標、これがなかなか五四%の増加といった形で限界を見るということであります。
 いずれにしましても、この対策は、今お話ございましたように、相当規模の事業費でやってまいりました。毎年毎年の農業施策に加えまして、例えば圃場整備事業を加速化するとか、そういった意味で上積みの予算を計上すると、こういった形でございまして、この効果そのものはやはり長期間要しますし、それから全体の施策と一体となった中で見ていくという必要のあるものだと思っております。
 あのときには非常に予算計上、苦労いたしました。財政再建等厳しい中で、当初予算の方では非常に効率化、重点化をし、できるだけそういったウルグアイ・ラウンド対策の方に振り向けるということでございましたし、あわせまして、時々の補正予算を活用しながら進めてきたということでございます。
○和田ひろ子君 予算はすべてではないというふうに思いますが、今ほどの小川議員の質問なんかにも相通ずるものがあって、圃場整備事業の問題点なんかはいろいろ出ているんだというふうに思いますが、今の実態を踏まえて、その予算額で今の計画の期間中に、すなわち二十二年までにこの構造改革は実現できるんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 先ほど言いましたような実態にございますので、正直言いましてなかなか、今後格段の努力をしなければ難しい状況にあろうかと思います。
○和田ひろ子君 最初からできないというふうに言われちゃうとなかなか言いにくいですね。
 来年三月の新基本計画の中で目指すべき方向というのは今言われたというふうに思いますが、構造改革が実現されて明らかになったら、それというのは絵にかいたもちではしようがないんで、それが確実に実現されるものでなければならないんですね。実現をされれば日本農業が国際競争に耐えられる足腰の強い農業になるはずなんですけれども、なかなか実現できないというふうにおっしゃっていただいてしまったので絶対に頑張ってほしいというふうに言うしかないんですけれども、WTOの農業交渉の先行きが今不透明です。
 昨日の新聞なんかでは、また始まったというふうにも書いてあります。なかなか、先進国と途上国のなかなかせめぎ合いが激しいというふうな報道もされておりました。日本の提案が全部実現するというふうには絶対に思えないというふうに思います。
 我が国の農産物の価格は、何といっても一定の関税の引下げになれば、残念ながら引き下げられれば、農産物の価格は趨勢として下落していかざるを得ません。でも、総理も大臣も過度に国境措置に依存しないというふうに言われています。むしろそのようなことを想定して今後の経営展望を明らかにしていかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
 大臣は、審議会の冒頭で、品目別の価格・経営安定政策から地域農業の担い手の経営に着目した品目横断的な政策への移行とさっきもおっしゃいました。担い手・農地制度の改革、地域資源・環境政策の確立を主要な検討課題として提起しているが、品目横断的な政策移行と担い手・農地制度の改革、農業構造改革を加速できるのか、具体的な措置の内容とその財源をどうするつもりなのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) WTOの問題、国際交渉の問題、これは今日までも我が国の主張と、このことを強く私は主張し、いろいろの関係者に先般も、先ほども申し上げましたが、ゼーリック通商代表に強く我が国の立場を主張し、さらには、今、木下農水審議官始め事務当局もWTOの会議に行っておりまして、そしてあらゆる機会にバイ会談、そしてさらにはG10と、我が国と考え方を共有する国々との緊密な連携をしっかり持って対応すると。
 やはり私自身も、この問題につきましては、先ほども御指摘のとおり、大変な問題であるわけでありまして、そのつもりで今日までも、私の就任以来ずっとこの問題、九月のカンクンでの会議が一つの会議でありましたが、そのときにも本当にバイ会談を重ねて我が国の主張を何回と、そして私はデルベス議長にも強く、上限関税の問題、この問題につきましては、我が国としては到底これをのむことができないわけでありまして、私はそのつもりの覚悟を持ってここに臨んでいるということを、三人の閣僚がそろってデルベス議長と話をしたときも私は申し上げたわけでありまして、引き続き今日までその努力を積み重ね、またこれからもその努力をしてまいりたいと、こう思っております。
 そういう中で、やはり我が国の農業と、現在我が国の農産物の平均関税率は一二%と高い水準ではないわけでありますが、米を始めといたしまして基幹的な農産物あるいはまた地域特産物と、これは高い水準の関税を設定することによりまして、これらのもの、米を始めとする基幹的な農産物あるいは地域特産物と、これらの問題はそういう点があるわけでありまして、国内農業に悪影響を与えないような、我が国の問題が悪影響を及ぼさないようにしなければならない品目が多いわけでありまして、そのための努力をしなければなりません。
 一方、やはり我が国の農業の構造改革と、先ほど局長からもお話し申し上げておりますとおり、やはり我が国の農業の全体を過度に国際障壁に依存をしないと、こういうようなWTOやあるいはFTAの問題もこれあるわけでありまして、それらに対応する面におきましても、あるいはそれ以前と、我が国農業の構造全体をしっかり考えていかなければならないわけでありますので、そういう面で今、食料・農業・農村基本計画の見直しの作業、諮問をいたしまして、そして精力的に今いろいろの議論をしていただいておるわけでもございます。
 そういう中で、やはり御指摘がございました品目別から品目横断的なことを考えなければならないと。またさらに、所得の補償、こういう面でのことも考えていかなければならない。これは、国際的な問題と、外国の例も十分これを参考にしながら、直接支払の制度も視野に入れて考えていかなければならないと、こう思っております。
 その中で、やはり政策を担い手に集中をすることを基本として、そして競争力の強化に向けた農政の展開と、このことを考えてまいりたいと。その中で、やはりその際、一律的に所得補償と、これはやはり農家の経営努力を私は阻害をすると、こういう問題があるわけでありまして、現状の農業構造を固定化してしまうと。そういう面で、その改革に支障を来すおそれがあるわけでありまして、一律的な所得補償と、こういう面では今申し上げたような担い手と、あるいは現状を固定すると、こういう問題があるわけでありますので、その辺は十分考えていかなければならないと、このように思い、この基本計画の見直しを七月までに中間論点と、こういうものを是非お示しをしていただいて、そして来年の概算要求に要求できるものは要求をしてまいりたいと、そして三月までに基本計画の見直しをし、構造改革を進めて、そして厳しい環境下でありますけれども、しっかりした農業というものを樹立してまいりたいと、こんなように考えております。
○和田ひろ子君 例えば、これまでガットとかWTOとかメキシコのFTAとか、これを見ましても、農産物の関税が引き下げられれば、さきのメキシコのFTAなんかもそうなんですが、そうすると、大臣は握手ができたんですよね。やっぱり地元の農家の人たちは、やっぱりおれたちの農業が、農産物が犠牲になったから鉱工業の合意がされたというふうな思いは、もうみんなの思いからは避けられないというふうに思いますね。
 経営の安定政策を検討する上で、その前提としての不可欠な要素は、今後、国境の措置がどうなるかという問題でありますから、さらに国際化の進展をどんなふうに見据えているか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○国務大臣(亀井善之君) 一つは、当面はWTOの問題が現在御承知のような状況にあります。しかし、それぞれの国々、失われた一年にしたくないと、こういうような考え方があります一方、やはり先進国と途上国との間の溝は深いわけであります。
 そういう面で、現実になかなかこれから一年間に、二〇〇五年一月一日ということで今日まで来ておるわけでありますが、現実にまだまだこの関係国の考え方というのは相当相違をしておるわけでありますから非常に難しい問題に遭遇するわけでありますし、そういう面で、我が国としても、これ一つはWTOの問題と、そういうことによって農産物の関税の問題というのはどういうことになるか、それにかかわるわけでありますが、何といっても我が国の農業、これは食料安全保障あるいは国土の保全、こういう面で十分いろいろなことが対応できるような努力をしっかりやっていかなければならないと、こう思っております。
○和田ひろ子君 国際化の進展をどのように見据えていらっしゃいますかというふうにお尋ねをしたんですけれども、なかなか見えないというふうな思いだというふうに思います。
 でも、これ日本の農産物のことを考えれば、WTOの交渉を考えれば、最悪の状況というのは考えておかなければいけないんじゃないですか、農林省は。例えば、関税がゼロになったら日本の農業どうなんだということを考えておられますか。そんなことを、もうゼロでなければなおいいことなんですから、もしそんなふうになってしまったらどうしようというシミュレーションは考えていらっしゃるんでしょうか、お尋ねをしたいというふうに思います。
 農業の国際化が避けられないとすれば、交渉のたびに不安に駆られる農業者の方々に、私たち民主党は、去年の選挙のときにマニフェストの中で所得の補償、直接補償ということをお約束をしました。今、大臣もそんなことを視野に入れているというふうにお考えだというふうにお聞きをしました。攻めの農業を唱えられる大臣であるならば、交渉の結果に惑わされることなく日本の農業者に誇りを持って農業をしていってほしい、そういうメッセージがもう今一番大事だと思います。この農林水産委員会でおっしゃるのではなくて、日本の農業者全体に向けて、例えばシラク大統領がフランスの農業はおれが絶対に支えていくというふうにおっしゃっておられますが、大臣が、そして総理大臣にそんなことを言ってほしいなと私は思います。是非お伺いをして、私の質問は終わります。
○国務大臣(亀井善之君) 一つは、現在、来年三月までにこの基本計画の見直し、我が国農政全般にわたる改革を進めるわけでありまして、国内の農業の構造改革の立ち後れと農村の高齢化やあるいはまたその進行の状況、情勢を踏まえまして、国際交渉のいかんにかかわらず、農業の構造改革の加速化を図ることが急務であるわけであります。
 そういう点で、先ほどお話しの基本計画の三点の見直し、これを進める。そういう中で、やはり担い手とやる気と能力のある農業経営をしっかり後押しをすると。そういう中で、そして国際的な問題、WTO、FTAの問題等につきましても、やはりこれら個別の品目の事情を踏まえ、あるいはまた関税撤廃の例外品目と関税割当ての制度や長期の経過期間、こういうものをしっかり堅持をして国内農業の構造改革に悪影響を及ぼすことのないようなことを進めてまいらなければならないと、こう思っております。
 そういう考え方の下に、これから我が国の農業を、この基本計画の見直し、そういう中でしっかりしたものを作り、そして農政の展開をしっかりやってまいりたいと、こう思っております。
○和田ひろ子君 終わりますと言いながら、済みません。
 先ほど、段本議員は、国民の世論が認めなければ、認められなければ農業に対しての補助は考えられないというふうにおっしゃいましたが、私は絶対、農林省の皆さんの御努力で絶対に国民の合意は得られるというふうに思います、安全な食品を国民に提供するとか。今考えてみても、あんな銀行に何十兆も入れているこの日本の国が何で食料にそんな遠慮しているんですか。農林省、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○委員長(岩永浩美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岩永浩美君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○千葉国男君 公明党の千葉国男でございます。
 農林水産省の平成十六年度予算についてお伺いをしたいと思います。
 本日、冒頭、亀井大臣から農林水産予算の説明がございました。その中で、水産政策については、科学的知見に基づく資源管理の徹底や沿岸域における豊かな環境の創造、作り育てる漁業の推進により、海の恵みの持続的な利用を図ってまいりますとのお話がございました。
 それで、地元の県で恐縮でございますけれども、大臣、仙台湾アカガイという有名なブランド水産資源がありますが、御存じでございましょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 大変高価なすしのネタと、こういうことで、いつだったか、私、ちょっとテレビで放映をしておりまして、大変高価なものである、そしておすし屋さんでもなかなかこれは食べることができないと、こういうようなことで報道があったのを承知をしております。本当に大変名の通ったすばらしいものではなかろうかなと。私はまだ食べたことがないものでそのおいしさというのは存じ上げませんけれども、テレビで拝見をいたしました。
○千葉国男君 実は、この仙台湾アカガイは、そのほとんどが東京の高級料理店で使われている高級食材の一つであります。今、大臣、ちょっと召し上がったことはないみたいな話がありましたけれども、多分余りそういう自覚がなくて召し上がったことがあるかもしれません。大変肉厚で絶品であります。三年物以上は出荷できますが、最もおいしいのは五年物と言われております。特に、仙台の隣町に閖上港というのがありますけれども、この閖上漁港で水揚げされたものは最高級品で、閖上のアカガイとして市場に流通しております。ほとんどは築地市場に出荷され、残念ながら地元でもなかなか手に入らない、こういうものでございます。仙台のおすし屋さんに行きますと、マグロの中とろをしのぐ値段になっております。平成十二年度産で生産量は三百五十九トン、生産額は四億九千万円となっておりますので、極めて収益性の高い沿岸の資源になっております。
 ところが、この仙台湾アカガイの漁獲量が、平成十四年度になって過去五か年平均の二〇%以下に激減をしております。宮城県の方でも全力で原因究明に取り組んでいただいておりますが、この仙台アカガイを是非とも地元の産物として是非守っていかなければならない、こういう思いで私もおります。
 そこで、アカガイ漁獲量の推移、県の取組状況について御報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 私どもが宮城県の方から聞き取りをさせていただきましたところ、仙南の四漁協、これで、アカガイの漁獲量でございますが、平成十一年が二百九十トン、平成十二年が二百七十四トンと、これぐらいの漁獲量あったそうでございますが、平成十四年は御指摘のように六十六トンということで急減しているというふうなことを聞いております。
 このような状況の中で、宮城県におきましては、アカガイの資源量ですとか加入、成長、こういったものの状況把握、さらに底質、底の性質でございますけれども、でございますとか水質、こういった環境調査を行っておられるということでございまして、県と漁業者の方々が連携を図りながら資源増加を図る方策ということでの中間育成にも取り組んでおられると、こういう状況であるというふうに聞いております。
○千葉国男君 この県の調査は平成十五年から三か年計画で実施されるということになっております。漁業者グループによる資源調査、環境調査などが行われているわけですが、その場合、調査の分析、それからアカガイの漁獲量減少の原因究明などはどのように行っているのでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) これも同じく県からの聞き取りでございますけれども、アカガイが減少した要因ということで考えられるということは、一つは、平成十三年九月に仙台湾の内部海域、ここにおきまして長期にわたりましていわゆる貧酸素水塊、これが滞留していた、あるいは過大な漁獲圧力、こういったものもあるんではないかというふうなこと等がいろいろ考えられるけれども、ただ関連性がなかなか明確にはできないというのが現状であるというふうに聞いております。
 こうした中で、アカガイ資源の回復を図っていくためには、まず漁場におきますアカガイの動態でございますとか環境特性でございますとか、こういったことを把握いたしました上で適正な資源化につなげていきたいと、かようなことを考えておられるということでございまして、具体的な調査でございますけれども、仙南の四地区の小型底びき網漁業連絡協議会、これが周年を通じまして仙台湾のアカガイ資源のモニタリング調査、あるいは底質でございますとか水質の環境調査、これを実施いたしますとともに、資源添加を図る方策の一つということで、先ほど申し上げましたけれども、中間育成試験、こういったことを行いながらやっていきたいというふうなことで進めておられるということでお伺いしております。
○千葉国男君 調査の進め方につきましては漁民の皆さんと十分に話合いをされているのでしょうか。実は私も三回にわたりましてそういう皆さんとお話をさしていただいてまいりましたが、残念ながら県との、漁民の方との話合いとか現場での話合いというのがよく行われていないような感じを受けました。実際にこの調査内容を聞かしていただくとその必要性は十分理解できるわけなんで、避けないで是非そういう状況を皆さんとよく話合いをしていただきたいと、こういうことをまずお願いをしておきたいと思います。
 その上で、仙台湾のこの汚染の状況あるいは稚貝の生育関係につきましてもっと国も積極的に関与していく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) 調査の実施主体、これは仙南地区の貝けた漁業者の組織であります仙南四地区の小型底びき網漁業連絡協議会、こういったことで調査主体と、実施主体ということで設けられているようでございますけれども、私どもが県当局からお伺いしているところによりますと、県と十分連絡提携をしながら調査を進めているというふうに聞いております。
 ただ、もちろん具体的にこういったことは、漁業者の方々と県の密接な連携、こういったことは当然のことながら必要でございますので、私どももこうした連携がより強まっていくようにということで十分に支援していきたいと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 ところで、平成十四年度から我が国周辺水域での水産資源を守るために資源回復計画が実施されております。さわら瀬戸内海系群資源回復計画を始め、現在六つの計画が国で作成されております。
 資源回復計画の策定内容及び計画の実施状況について概要を、説明お願いしたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) 我が国周辺水域は、世界での三大漁場とか四大漁場と言われているように資源状況が非常にいい海域だったわけでございますけれども、近年におきましてはいろんな魚種につきまして資源状況が悪化したりあるいは悪化が懸念されるというような状況が出てまいっております。
 こういったことを踏まえまして、緊急に資源回復を図る必要があるという魚種につきましては、例えば休漁でございますとか操業禁止期間を設けるというふうな漁獲努力量の削減、あるいは資源の積極的な維持培養を図っていくというふうなことでの資源回復計画、こういったものを策定しているところでございます。
 具体的にはという御質問でございましたけれども、例えば東北地方でございますと、太平洋の北部、ここに沖合性のカレイでございますとか、あるいは太平洋岸におきますマサバ群、太平洋系のマサバ群、さらには日本海の方ではマガレイですとかハタハタ、こういったことで、今全国ベースでは六つの計画、先生が先ほどおっしゃられました六つの計画、対象魚種ということでは十二種類、これの計画が策定されておりまして、先ほど申しましたような保護区域の設定でございますとかあるいは休漁期間の設定、さらには漁具の改良、こういったいわゆる漁獲努力量の削減といいますか、抑制と申しますか、そういった措置を講じているところでございます。
 現在、そのほかに、先ほど申しました六計画十二魚種のほかにでございますけれども、日本海のベニズワイガニでございますとか、あるいは瀬戸内海等の底引き網資源、こういったこと等の計画について着手をしているところでございまして、今後とも、平成十六年度ぐらいまでにはおおむね五十魚種程度の候補魚種の中から条件の整ったものにつきましては資源回復計画の策定、こういったことに向かいたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○千葉国男君 関連してお伺いしますが、国として資源回復を支援するための施策としてどのようなものが今考えられているんでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) 先ほども、仙台湾のアカガイのときにも若干申し上げ掛けましたけれども、基本的に資源悪化の要因ということでは、一つは人為的な要因と申しますか、いわゆる漁獲努力量が過剰である、漁獲圧力が強いといいますか、そういったこと。それからもう一つは、やはり漁場環境の変化と申しますか、悪化と申しますか、そういったことが大きな要因ではないかということが一般的には言えるんではないかというふうに考えております。
 したがいまして、私どもこうした二つの大きな要因、こういったことに対します支援措置ということで対応を考えておりまして、一番目に申し上げましたいわゆる漁獲努力量が過剰である、漁獲圧力が強いという場合の措置ということでは、支援措置ということで例えば不要漁船のスクラップ処理あるいは休漁期間中の経営維持、こういったことに対します支援でございますとか、さらには漁具改良に対します支援、こういったことを講ずるということにしております。
 また一方、漁場環境の悪化に起因いたします資源状態の回復のための措置でございますけれども、公共事業の関係でございますけれども、漁場環境保全創造事業、こういった事業等がございます。こういった事業によりまして漁場自体の生産力を回復させるということで、例えば藻場ですとか干潟の造成、こういったこと等をやりましたり、あるいはヘドロ等の堆積物を除去する、こういった支援を行うことによりまして漁場自体の生産力を高めていくと、こういった支援も行わさせてもらっているところでございます。
○千葉国男君 資源回復計画で漁獲努力量削減に取り組むことにした場合、一般論で結構ですが、例えば今仙台湾のアカガイなどのような貝類に対する漁獲努力量削減措置としてどのような措置が考えられますか。
○政府参考人(田原文夫君) 一般論ではということでございますのでお答えさせていただきたいと思いますけれども、アカガイなどのいわゆる二枚貝と言われているものの資源管理でございますけれども、基本的には稚貝自体が十分に成長をいたしまして、産卵によります再生産機能、これを確保しながら適切にそれを漁業利用していくということが基本になるわけでございますので、まず母貝を保護するための例えば産卵期前後におきます禁漁期間の設定でございますとか、あるいは漁獲サイズの制限を行っていくと。要するに、小さいものは漁獲しなくて、ある程度の大きさ以上のものに制限していくというようなやり方でございますとか、それから禁漁区を設定したり、あるいは輪採というふうに言っておりますけれども、要するに漁場を区切りまして、例えば今年はこっちの漁場、次やる年はこの漁場ということで漁場を少しずつ変えていくというような輪採制、こういった取組等々が考えられるのではないかというふうに思っております。
 具体的にそういった措置等によりまして資源状況が回復している、あるいは漁獲量が増えたという例で、これはアサリの例でございますけれども、例えば三重県でございますとか大分県、こういったところではそうした取組をされることによりまして資源量が回復し、漁獲量が戻ってきたというような話も伺っておりまして、私どもも、そうした地域の実態に応じまして漁業者の方々がどういう組合せでやっていくかということを話し合い、それに取り組んでいただくということが重要ではないかと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 非常に参考になりましたが、是非そういう努力に対して推進できるように今後とも力を入れていただきたいと、こう思います。
 東北の例として秋田のハタハタなど資源回復事業が大きな効果を上げていると聞いております。関係者も大変喜ばれており、高く評価されております。今後とも、資源回復計画の必要性は続くと思いますけれども、是非この事業は長期的に取り組むべきだと思っております。秋田で実効が上がっている取組内容について御紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) 御指摘になりました秋田県のハタハタの漁獲の問題でございますけれども、私どもも伺っておりますと、昭和五十年のころからハタハタの漁獲量が激減したということで、関係漁業者の方々と県でございますとか、さらには若干大臣許可漁業もあったということで国も入りましてでございますが、平成四年から三年間にわたりましてまず全面禁漁を行ったということでございます。
 そのほかに、ハタハタの稚魚の放流でございますとか産卵の場であります藻場の造成、こういったことを実施してまいりまして、平成七年に解禁ということになったわけでございますが、解禁後もただ取り放題ということではなく、例えば漁獲量に上限を設定するということですとか操業期間を制限していく、こういった取組で厳しい管理を継続されたというふうに聞いております。
 また、この対象となりますハタハタ資源は、単に秋田県のみではなく、青森県でございますとか山形県あるいは新潟県も回遊するという比較的広域に回遊する魚種であるということから、この関係四県が協調されまして、平成十一年からでございますけれども、資源管理協定、こういったことも結ばれまして、例えば十五センチ以下の若齢のハタハタ、こういったものは採捕禁止にするというふうなことも話し合われているということでございまして、こうした取組の結果、禁漁前の大体三十倍以上に今漁獲量は回復していると。
 ちょっと数字で申し上げますと、禁漁前でございました平成三年は全体での漁獲量わずか七十トンというふうに聞いておりますが、これが平成十四年、最新時点におきますと二千百トンにまで上がっているということでございます。
 こういった皆様方の御努力等々もありまして資源回復しておりますし、さらに昨年七月でございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたけれども、日本海北部のマガレイ、ハタハタ資源回復計画、これが策定されたところでございまして、この資源回復計画では改良漁具の導入、こういったこと等もうたってありまして、引き続き私どももこうした漁業者の方々の地道な取組が将来につながっていくようにということで支援を続けていきたいと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 秋田の場合は資源回復が大きく前進できたと。そういうきめ細かい様々な施策がそういう結果をもたらしてきたと思いますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。
 資源回復計画は、平成十六年度までに広域漁業調整委員会あるいは海区漁業調整委員会の承認を得なければならないということになっております。この資源回復計画の作成にかかわる期限をなぜ平成十六年度までとしたのか、まずその理由を教えていただきたいと思います。
 さらに、仙台湾のアカガイのように十七年度以降に調査結果が出されるものについては期限が遅れてしまうことになるんですけれども、どのように取り扱う方針なのかも併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) 資源回復計画の策定の期限ということでございますけれども、これはもう先生御案内のとおり、私どもも、平成十三年にできました水産基本法、これに基づきまして、一昨年の三月、水産基本計画、これを立てております。この水産基本計画の目標年次というのが平成二十四年というふうになっております。
 二十四年までに、例の自給率を回復するということでございますとか水産業を健全に発展させていくという目標がございますので、やはりそれを前提といたしますと、まあ最後までずっとだらだら行くということではなくて、一応十六年度までに回復計画の実行期間ということでめどを付ける必要があるんではないかという趣旨で十六年度までというふうにしているわけでございまして、ただ、これは具体的な対象魚種、こういったものは、できましたらそれぐらいまでに立てていただく必要があるんではないかというふうに考えておりますけれども、問題は、その魚種を決めました後に具体的にどういう回復計画にしていくか、これは若干時間が掛かる部分もあろうかと思います。
 私どもは、そういう意味におきましては、別にこの十六年度をずれ込みましても、資源回復計画の具体化、こういったことは当然取り組んでいただける、いただいてよろしいんではないかと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 前向きな御答弁をいただいてありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。
 というのは、この仙台湾のアカガイは今県の方で調査を進めておりますけれども、十六年度までに原因究明と合意形成は難しい状況にあります。したがいまして、宮城県としては、まだ仙台湾のアカガイの生態が十分に解明されていないと。現段階で近年のアカガイ不漁の原因が水質悪化なのか過剰漁獲なのか、両者を併せた原因によるものなのか、残念ながら不明なんですね。このため、休業により確実にアカガイ資源が回復すると断言できないために、資源計画は十六年度中にはできないと、こういうふうに聞いております。
 素人目にもこのような原因究明には大変な時間と困難を伴うことが想像できますので、現在、宮城県も一生懸命取り組んでいるわけでありますので、計画作成期限を県ともよく話し合っていただいて延ばす中でそれができるようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(福本潤一君) これ、国としましては、こういう地域の重要な資源でございますので、資源回復計画というものを作成し、それに基づいて資源回復が図られるよう、対象魚種の選定につきまして十六年度に間に合うよう宮城県とよく話し合うとともに、計画の策定、漁獲努力量の削減措置の実施について積極的に協力していきたいと考えておるところでございます。
○千葉国男君 先ほどお話がありましたけれども、環境的要因によるものへの対策といたしまして漁場環境保全創造事業が挙げられております。環境汚染によるアカガイの影響とともに、その地域では別にノリ業者もいるわけですが、そのノリ業者に対しても環境汚染が影響が出ております。ノリの品質が悪く売り物にならないと現場で嘆く声もありました。実際、私も味見をさせていただきましたが、色も味ももう一歩というところであります。
 そういう場合、環境を汚染されていることを実感をいたしたんですが、この漁場環境保全創造事業の事業内容、どういうふうになっているのか、よろしくお願いします。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 この漁場環境保全創造事業でございますけれども、最近と申しますか近年と申しますか、沿岸域の都市化でございますとか、あるいは海域環境、こういった変化によりまして沿岸漁場の環境自体が急速に悪化していると、こういう問題があるということを踏まえまして、こうした効用が低下したと申しますか、そうした漁場の回復ですとか、水産資源の生息場といいますか生育場と申しますか、そういったものを改善するという趣旨から設けているものでございまして、具体的には例えば、先ほど申し上げました堆積物の除去ですとか、底質改善ということでしゅんせつを行うということですとか、さらには水通しを良くするための施設を造ると、こういった事業、こういったこと等をやっているわけでございます。
 この事業の実施主体は都道府県でございますとか地方公共団体ということでございまして、補助率は原則二分の一ということになっております。
 私どもといたしましては、最近こうした漁場環境の改善という要望が強うございますけれども、地元の漁業者の方々あるいは地方公共団体の御要望、こういったことを十分に踏まえまして、日本周辺水域の水産資源の増大というためには、こうした漁場環境の保全ないし創造、こういったことが大事であるという観点から、引き続き積極的に対応してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 総務省にお伺いいたします。
 この事業の県負担分や市町村負担分についての起債充当はできないのかと。この事業について宮城県側は、起債充当はできないのではないかと、こういうふうに言っておりますが、そうなると一般財源からの持ち出しになります。既に基本計画を作成している他の漁場整備事業との調整が必要にもなってきます。起債充当ができないことで他の漁場事業者に犠牲になってもらわなきゃならない、あるいはそのことで漁業従事者同士が反目する場面も出てまいります。
 何とかこの起債充当に対して枠を拡大すべきではないかと、そう思いますが、総務省の見解はどうでしょうか。
○政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。
 地方債の根拠規定でございます地方財政法は、基本的に公共施設の建設事業費に地方債を充てることができるというふうにされておりまして、一般的な調査費でありますとか維持費のような経費を除きまして、一定の耐用年数を有する施設の建設事業費が対象となるわけでございます。
 御指摘の漁場環境保全創造事業に関しましても、こうした基本的な考え方に基づきまして、堆積物の除去など適債性のない経費を除きまして、先ほどお話ございましたような、いろんな海水の交流施設とかあるいはコンクリートブロックなどの設置経費につきましては地方債の対象経費としたいと、またしているところでございます。
 いずれにいたしましても、そういう法律の範囲内でその事業が地方団体の財政運営に支障がないよう適切に行われますよう、私どもとしても考えてまいりたいと思っております。
○千葉国男君 現在では、すぐには調査費等、そういうことについてはなかなか難しいという、こういうことですか。
○政府参考人(岡本保君) 今申し上げましたように、直接的には建設事業費に充てるということになっておりますので、一般的な調査というものだけでは地方債の対象にはできないという法体系になっております。
○千葉国男君 県としては、昨年度から、みやぎ海とさかなの県民条例、これを施行いたしまして、県民一体となって水産業の振興に取組を始めております。資源回復への取組もその一環でありまして、国におかれましても、地方のこのような動きを是非とも後押しをしていただきたいと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) 先ほどの仙台湾のアカガイを始めブランド品、こういったことに対します国としての支援措置ということでございますけれども、まず基本的に水産物のブランド化というふうになってまいりますと、一つには差別化と申しますか、輸入品あるいは他の産地との差別化、それから高付加価値化、こういったことを図りながら、消費者ですとか流通の関係者の方々にそうしたことを効果的に販売活動を行っていただくと、これがまず一つの前提になるんではないかと思います。
 それからもう一つは、やはりそうしたものがブランドを確立いたしましても、途切れ途切れということではなかなか定着しないということで、安定供給と申しますか、ある程度安定した量が確保できるということになるようなことになってまいりませんと、なかなか流通の経路に乗っていかないということがあるんではないかというふうに考えております。
 したがいまして、私どもといたしましては、こうした取組に対してはいろいろと支援をしているところでございまして、具体的には、ブランド日本関連予算ということでございますけれども、例えば生産・加工・流通体制の整備ということで、漁獲ですとか船上保存技術、あるいは養殖、種苗放流等のブランド確立支援技術、こういったことの開発のための助成、こういったことも行っておりますし、それから漁業者の方々あるいは漁協の方での消費地市場への出荷に関しますマーケティング能力の向上のための助成、こういったこと等を進めると同時に、また水産加工品のブランド化、こういった支援等も行っているところでございまして、私ども宮城県の場合でお聞きしますと、宮城県も宮城県ブランド日本戦略ということで、例えば仙台湾の先ほどのアカガイのほか、いろいろと取り組んでおられるというふうに聞いておりますけれども、引き続き、我々そうした各地方の取組、支援できるように、一生懸命支援をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 お話をいただきましたが、この仙台湾アカガイは、絶品のブランド物である。昨年の「食」と「農」の再生プランにおきまして、ブランド日本の食品の供給体制を確立するということが明示されているわけであります。私としては、仙台湾アカガイを仙台のブランドとして地元地域の活性化の大切な資源として守っていかなければならないと、このように使命感を感じております。流通関係の業者の方からも、利幅が大きいので必要以上の出荷の要請もあるのではないかと思われる状況も見受けられております。
 このため、出荷量あるいは漁獲量をきちんと調整し把握するための手法の確立、それから不正表示を行わせないための監視体制の確立など、資源を守るための措置が必要ではないかと考えておりますが、どうでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) 正にただいま先生が御指摘されたとおりだと思います。私どももそうした、これは水産庁のみならず、例えば表示のお話になりますと消費・安全局ですとか各地方農政局あるいは地方農政事務所、こういったところからもいろいろとやってもらう必要はあるわけでございますけれども、先生の御指摘のようなこと等を一生懸命やりながら、是非、地方のブランド、こういったものが確立していくように取り組まさせていただきたいと、かように考えている次第でございます。
○千葉国男君 最後に、農林水産大臣にお願いしたいと思いますが、こうした地方の水産物のブランド化を推進すると、そういう意味で大臣の決意を是非お伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 高品質又は新鮮な国内水産物、これが適切な価格でと、これは大変消費者のニーズが強いわけでもあります。そういう面で、輸入水産物とこういうものとの差別化の問題、そういう面で是非私はこの地域の特徴ある水産物、そのブランド化というのは大変重要なことでありますし、是非、平成十五年度から産地の特性を生かしたブランド戦略と、こういう面で水産物のブランド化への予算措置もまたいろいろ取組もいたしておるわけであります。是非、これ水産物に限らず、農、林、水、これら産物、マーケティングと同時に私はやはりブランド化の問題というのは大変重要なことと、こう思います。積極的に私どもそれを支援してまいりたいと、このように思っております。
○千葉国男君 終わります。ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初に、大規模林道の問題を質問をいたします。
 二月に、大規模林道事業の整備のあり方検討委員会、第三者を含めたこういう委員会の報告書が出されました。これ見ますと、全部で百四十四区間ですけれども、そのうちの二十区間、建設予定区間ですね、二十区間について、検討の結果、建設予定区間のすべての二十区間についての抜本的な見直しが適当という結論が出たと。そのうちの七区間については当該区間すべて大規模林道での整備を取りやめることと、それから十三区間については区間の一部取りやめとか幅の縮小とかあるいは変更をやるということを書いてありますね。
 それで、その結果のところを見ますと、多くは既存の公道の整備などで建設の必要性が乏しくなってきたというふうにしているわけです。無駄をなくしていくというのは当然大事なことだというふうに思うわけですね。一層見直しが必要だと思うわけですが、同時に、今回、計画変更するが実施が適当だという結論を出している十三区間についても、私は、建設が自然環境の破壊を伴うということもありますから、そういう面からもより慎重な検討が求められているんじゃないかというふうに思うんです。
 例えば、北海道の置戸―陸別区間というのがありますね。この区間は氷河期からずっと生存していると言われているナキウサギが生息していると。あるいは、希少猛禽類やクマゲラなどの貴重な生物が生育しているというふうに言われているわけですね。しかし、この委員会の中では環境保全対策を検討、実施するというふうにして、実施が妥当なんだというふうにされているわけです。
 そこでお聞きしたいんですけれども、環境保全対策を検討、実施するということであれば、その方面でもう日常ずっと日ごろから非常に熱心にやっておられる自然保護団体や住民の皆さんとの協議、協力ということが非常に大事だというふうに思うんですけれども、この点でどういうふうな連携を強めていくつもりなのか、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 今の先生からお話ございましたように、今般、大規模林道のあり方検討会、そちらの方で今後建設を予定している区間、これにつきまして見直し検討を行ってきたわけであります。
 御指摘にございましたように、今後二十区間、このうちの七区間につきましては取りやめと、残りの十三区間につきましては実施ということになったわけでありますけれども、率にいたしますと、約四割ぐらいは取りやめということになっており、そして、その十三区間の方につきましては、今後五メートルないし七メートルというような形で、あるいはその路線の線形を変えるというようなことで必要な変更、こういったものを講じながらやっていくということにいたしておりまして、これの過程で実は先生方の方からは、地元のいろんな御意見あるいは自然保護団体の御意見、こういったものもお聴きしながらこういった結論に導いてきたということでございます。
 それで、今後の取扱いなのでございますが、今後、新規着工していく際に当たりましては、当然関係道県知事への協議ですとか、あるいは関係市町村の長及び利害関係者による意見書の提出、こういった手続を経て必要な林道事業実施計画の変更を行うと。その上で、事前評価ですね、費用対効果分析等の事前評価、こういったものも行うと同時に、環境保全調査等を実施するということにいたしているわけでございまして、当然、調査等の実施に当たりましてはあらかじめ公表いたしまして、その結果につきましても原則公表することにいたしております。
 そして、そういった過程の中でいろいろ必要な御意見あるいは意見等々につきましては十分いろいろお聴きしながら検討していくということになるというふうに考えているところでございまして、今後とも関係情報の提供ですとか関係者の意見の把握等、こういったものにも意を酌みながら適切な実施になるように努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○紙智子君 今のお話の中でも、そもそも公聴会なんかも開いて、そこに来ていただいて意見も聴いてと。その結果としてということでもあるし、これからも、そういう意味では、説明会や協議の場を持っていくというふうに今おっしゃられたと思うんですけれども、それでよろしいですね。
○政府参考人(前田直登君) 結構でございます。
○紙智子君 それでは次に、現在既に建設中の区間についてお話お聞きしたいと思うんですが、北海道の平取からえりもに向けての平取・えりも線、その中の様似―えりも区間についてなんですが、平成十五年度の期中評価、その期中評価の中では、引き続き猛禽類のモニタリング調査、ナキウサギの生息状況の調査に基づいて環境保全に配慮した事業を実施することが適当ということで、これ十三年度から再開した工事ですけれども、更にこれから先も進めるということで評価を行っています。
 しかし、この予定ルートの近辺でナキウサギの生息地があるかないかということをめぐって、自然保護団体と林野庁、緑資源機構と対立しているわけですよね。それで、平成十三年の環境アセスメントで、変更したルートだから、これは影響がないというふうに林野庁の方はしてきたわけですけれども、ところが、その後、「ナキウサギふぁんくらぶ」がそのルート付近で二か所生息地を発見したと。これ十五年、去年の六月の話ですね。ところが、その後、今度、緑資源機構がまた調査報告を発表して、これ十一月ですけれども、確認されていないと。食い違っているわけですよね。
 それで、お聞きしたいのは、こういう食い違っている状況の中で、お互いの調査のどっちが正しいのかということの結論がまだ明らかにならないまま、これ期中評価が決められてしまったんじゃないかということなんですけれども、そうなんでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 私どもといたしましては、この検討に当たり、実施に当たりましては、当然いろんな状況、そういったものを調査して、その上で御指摘のような結論に達しまして実施することにした次第でございます。
 そして、その過程で、今お話にございましたように、自然保護団体の方からは当該地にナキウサギがいるのではないかというような御意見も実は賜りました。そういったものを受けまして、緑資源機構の方では十五年の九月からナキウサギの生息に関します調査、これを再度また実施いたして、その調査におきましてナキウサギが確認できなかったということでございます。
 ただ、この調査結果によって確かに当該区域周辺におきます生息の可能性までは否定されているものではないということだと理解しておりまして、十五年度期中評価委員会の評価結果では、なお引き続き猛禽類のモニタリング調査及びナキウサギの生息状況調査、こういったものに基づいて環境保全に配慮しながら事業を実施することが適当というふうに結論が出されておるというふうに理解いたしております。
 私どもといたしましては、こういったものの中で、きちっと状況をモニタリングしながら、この事業には着手してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○紙智子君 ですから、その食い違いがあるまま期中評価では進めるということにするわけですから、これは私ちょっとまずいんじゃないかと思うんですよね。
 しかも、さらに、そのナキウサギの生息地が、その後、人為的に破壊されているという訴えがされているわけですよね。予定ルート付近に本当に生息しているのかどうかということとともに、だれかが巣穴のところに土を入れたりしてつぶしたんじゃないか、破壊したんじゃないかと。これは今のルートのままで建設していいかどうかということにかかわる重大な問題だというふうに思うんですね。
 それで、十一月の二十五日に、その大規模林道事業の期中評価委員会が会議がされているわけですけれども、その会議録見ますと、その中でも、例えば委員から、調査をした上で結論を出すのが適当だという意見や、もうこれでいいということで結論を出すのは少し引っ掛かるという意見も出ているわけです。しかし、もう調査も林野庁としてはやってきているしということで、林野庁が押し切ったような形でこれ決めているわけですよね。
 それで、林野庁はこの真相について究明する気があるのかどうなのか、そこのところをちょっと確認したいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 確かに御指摘のお話につきましては私どもも承知しております。
 それで、私どもの方とすれば、今現在、緑資源機構の方に、十分自然保護団体、そちらの方と話し合ってほしいということで再三要請してきておりますし、そういった中で何度かそこら辺の試みをなされているというふうに承知いたしております。
 ただ、事業の方につきましては、若干繰り返しになりますけれども、ナキウサギの生息の可能性のあります石とか岩、あるいはそういったものが堆積しましたがれ場、こういったところでの調査、これを継続的に実施した上で、具体的な路線位置、あるいは環境保全に留意いたしました工法の検討、こういったものを行って事業を実施していくことが適当というふうに考えておりまして、こういった面からも緑資源機構の方が適切に対処するように指導してまいりたいというふうに考えております。
○紙智子君 なぜ中止しないでですね。いったん止めて、そしてやっぱり明らかにしてやるというのが本当だというふうに思うんですよ。
 やっぱりこの期中評価については、そういうふうに双方が食い違ったまま工事は進めさしてもらうということになると、これは関係が、ますます不信感が募って、悪化していくことになっちゃうと思うんですよ。事態はやっぱりよくないと思うんですね。
 ですから、ゴーサインをしているんですけれども、いったんこれについては棚上げをして、やっぱり工事も中止をして、そしてやっぱり中立的な立場に立った専門家を入れて調査をすべきだというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 私どもとすれば、それなりに専門家の意見も聴きながら、あるいはその専門家のアドバイスを受けて、相当調査もやりながら、綿密に調査もやりながらやってきているわけでありまして、ただ、御指摘のような意見もありますので、その点につきましては十分自然保護団体と話合いをやりながら実施していってほしいということでやっているわけでございますので、そういう観点から対処させていただきたいというふうに考えております。
○紙智子君 だから、不信感が広がっている中で、やっぱり一方的に進めるということはおかしいと思うんですよね。それで、もう少し付け加えさせていただければ、自然環境保全に配慮するということをせっかくこの間議論してきているわけですから、その立場に立つなら、やっぱり真っ先に、その矛盾点といいますか、今出てきているいろんな疑惑について明確にするべきだと思うんです。
 そして、調査をどういう団体にさせていくのかということも大事な問題だというふうに思うんです。それで、緑資源機構ということなんですけれども、平成十年から十四年に、この様似―えりも区間の調査を日本林業技術協会、ここに委託してやってきていると思うんですよ。十五年も同じですよね、調査、この技術協会がやってきたと思います。
 それで、この団体の役員なんですけれども、常勤七人のうち五人までが元林野庁の幹部の天下りですよね。それで、理事長でいえば林野庁の指導部長でしたし、それから専務は北海道森林管理局長ですし、常務は名古屋の営林支局長と。あと、常勤理事のうち二人が林木育種センターの所長、帯広営林支局長ですね。これ、間違いないですよね。
○政府参考人(前田直登君) ええ、間違いございません。
○紙智子君 ですから、やっぱり優れたそういう技術を持っている協会であったとしても、こういうふうに役員が業者側にいた人たちで占められていると。天下り団体なわけですよ。ですから、こういうことでは、調査をやったとしても、やっぱり国とか事業者に有利な報告になってしまうんじゃないかというふうにだれもがやっぱり疑念を持たざるを得ないというふうに思うんですね。これで本当に公正な結果が出るんだろうかというふうに疑われるのはやむを得ないというふうに思うんですよ。
 ですから、私、やはりこういう天下り団体による調査というのは再考すべきではないかというふうに思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、この社団法人日本林業技術協会の役員構成は御指摘のとおりでありますけれども、ただ、実際に調査を行う、あるいはそういったものの取りまとめをやっていくという過程におきましては、独断でやっているわけではなくて、当然第三者の学識経験者あるいは専門家の方々、そういった方々の御指示、御指導の下に実施しているわけでございまして、うちの林野庁のOBが行っているからそれを偏見でこういう形に曲げているということは決してないというふうに理解いたしております。
○紙智子君 もちろん、専門的な技術を持ってその分野によく精通している人が当たるというのは大事なんです。ただ、やっぱりだれが選ぶのかと、やっぱり幅広い人たちから是非この人もという形でそういう調査体制というものについても確立をして、やっぱりだれが見ても公正だと納得できる体制でもってやるべきだというふうに思います。
 それから次に、日高地方を昨年襲った台風十号、この教訓から、このような大規模林道を始めとする奥地の山岳地帯の道路については、やはり災害を誘引する、被害に拍車を掛けると、そういう側面もよく検討しなければならないというふうに思うんです。
 それで、同じ平取・えりも線の平取―新冠区間、この区間について災害があって、全部で六・九キロの長さなんですけれども、この区間でどれだけの被害が出たかということについては掌握されているでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 今御指摘のございました平取・えりも線の平取―新冠区間、六・九キロでございますけれども、これは平成八年度に完成いたしまして、現在は門別町の方に移管されております。
 この区間につきまして、昨年八月の台風十号、これに伴いまして、平取町の方では最大二十四時間雨量が三百七十八ミリメートルという異常な記録的な集中豪雨という中で、実は二十五か所におきまして路体の決壊、土砂の堆積等、延長にしますと千九百三十五メートルの林道の災害が発生いたしております。
 この林道の管理主体でございます門別町の方におきまして、今年の三月十九日から復旧事業、これは総事業費約三億三千万でございますが、に着手したところでございまして、平成十六年の十月までにほぼ五割復旧させまして、平成十七年十一月には復旧工事をすべて完了するというような予定であるというふうに承知いたしております。
○紙智子君 それで、私、今日はこれ持ってきたんですけれども、ちょっと遠くて見えないかもしれませんけれども。(資料提示)
 これは台風十号でもって被害を受けた大規模林道なんですね。こっち側が、ずっとこっち延ばしていくと札幌方面というか、こっちの方ずっと行きますとえりもの方に向かう方面なんですけれども、ずっと白く見えているのが道路なんですけれども、これ大規模林道、六・九キロですね。それで、ところどころこう白くはげているの何となく分かるかと思うんですけれども、これは全部崩れたり、あとは、その下を川が流れているんですけれども、えぐられたりということで、今のお話でも二十五か所ですか、そういうところがあるということなんですけれども、自然保護団体の皆さんがずっとここ歩いて丹念に調査をしましたら、六十七か所路面が陥没していると、それから、のり面についても崩落していたり土砂崩れだったり地すべりだったりと、合計の長さが、その部分だけ足していきますと三・六キロなんですよ。ですから、半分くらいはそういう形で被害出ているわけですけれども。それで、ここから流木がもう大量に川に流れていくという状況になったり、道路自体が、もしものときは迂回道路にもなるんだということを言われたんですけれども、道路自体が災害道路という感じになってしまったということなんです。
 それで、日高山脈をこの地域というのは抱えていまして、そもそもがやっぱり、この地域は元々は海底の造山運動で隆起してできた地域ということなのでやっぱり地盤そのものが、硬いところもあるんですけれども、かなりもろい、泥岩なんかで造られている土質が多いわけです。
 それで、去年この被害の後、私も災害特で質問したんですけれども、日高横断道路がこういう土質による難工事を結局余儀なくされて元々の工期をうんと長くやらなくちゃいけなくなって、途中でもうこれ以上ちょっとお金も掛かり過ぎるということで中止になったわけですけれども、このやっぱり大規模林道、平取―新冠の区間もあらゆるところに地すべりの看板が出ていまして、それで既に十三年から通行止めになっているところなんです。
 今問題になっているえりも―様似区間もそういう意味では同じような災害道路になるおそれがあるということで、台風の災害の教訓としても、そのような視点からも改めてやっぱり建設が妥当なのかどうかということについては検討すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに今回の八月の台風十号で相当大きな被害を受けたことは事実でございますし、ただ、これにつきましては、先ほど申し上げましたように異常な降雨によると。
 それで、そういった中で、実は私どもの方も、学識経験者から成ります山地災害対策検討委員会、これを設けまして現地の調査もやっていただきました。そういった中で、中間取りまとめの中では、これにつきましては、森林の状況にかかわらず、硬岩等の基岩上の薄い表土層が記録的な豪雨により崩壊したものと判断するということで報告がなされておるところでございまして、必ずしも大規模林道、これが原因となってなったということには理解いたしていないところでございますけれども、いずれにいたしましても、その工事に当たりましては、地質の問題、あるいは先ほど申し上げました環境の問題、いろいろそういうものを十分精査しまして、適切な工事、こういったものに努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○紙智子君 大規模林道構想ということでこの間いろいろやってきているわけですけれども、今のこの平取―新冠区間の実態を今見ましたけれども、平成八年一応完成で、それで十三年度まで開通していたわけですけれども、その後ずっと通行止めで実際には役に立たない状況で来ていたわけですよね。
 それで、二つ、さっきの地図の中にもあるんですけれども、三和から里平という集落を結ぶ道で、元々道道があり、そして町道が通り、大体二十分掛ければ行くというところだったんだけれども、この大規模林道ができれば五、六分に縮まるんだというようなことだったわけですよね。ところが、一日に数台の車しか実際は通らないと。そして、最初言われていたんだけれども、林業のために役立つということなんだけれども、木材を積んだ車は一台も通っていないと、もう皆無だというふうに地元の人は言っているんです。そういう中で、建設の必要性をもっとやっぱり厳しく点検をすべきじゃないかというふうに思うんです。必要性があるということで一応今回出されているんですけれども、やっぱりもっとそこのところは厳密に厳しく見る必要があるというふうに思うんです。
 こういう実態なわけですけれども、ここに言わば二十七億円のお金を使ってきたわけです。それで、完成した後は維持管理は今度は町の方に行くわけですから、そうすると町がお金が掛かるものですから度々壊れても修繕できないと。もう本当、正直な話としては、この維持管理は返上したいというのが正直な気持ちということも言われていたわけですよ。
 そういう中で去年災害が起こって、それでさっきお話あったように、三億数千万円ですか、お金が投じられて改修していると。これは国がそういう意味では出したということなんですけれども、しかし、今言いましたように、地すべりの地域でもあってまたいつ同じようなことが繰り返されるか分からないということでもあるわけで、やっぱり林業の効果も交通の効果もほとんどないに等しい中で国にとっても町にとっても結局はお金だけが掛かってしまう、もう金食い虫になってしまうと。
 こういう轍を各区間で、このほかの区間でも繰り返さないように、やっぱり平取―えりもの全線について中止を求めたいというふうに思います。いかがでしょう。大臣、大臣に対する質問です。これについてちょっと今、大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 森林の整備、林業の振興と、こういう面でやはり、あるいはまた地域の振興と、こういう面からこの大規模林業圏、いわゆる大規模林道と、この使命があるわけでありまして、もう先ほど来、午前中もお話がありましたが、やはり森林の整備の面でいろいろ遅れもあるわけであります。そういう面でこの林道、これは地元からの御要請がございまして、平成八年、完成したわけでありますが、先ほど来お話しのとおり災害と、こういうことで、いろいろ問題点があるわけであります。
 しかし、このルート、これは効率的な林業経営、あるいはまた森林の適切な保育管理等、先ほど使われていないと、いろいろなお話もございましたが、やはり日高地域のこれは幹線という面での使命があるわけでありまして、地元からも復旧工事が三月十九日に着手がされた、こういうわけでありまして、これらの復旧後の効果、もうこれが発揮できるように私どもは是非進めてまいりたいと、こう思っております。
 それぞれ大規模林道の問題につきましても、いろいろ見直しをすることも当然必要でありますけれども、しかし森林の保全、こういう面、あるいは地域の振興、こういう面でのまた必要性も十分あるわけでありますので、その辺は十分総合的に考えていかなければならないと、こう思います。
○紙智子君 ちょっと余りかみ合っている感じがしないんですけれども、いずれにしても、こういう実態を見ていただければ、もっとやっぱり慎重に、今見直しをするというような傾向になってきているのはいいことだと思うんですけれども、しかし、より一層やっぱり厳密に、今までは計画があったし地元からも要望もあったということなんだけれども、しかし実際に、今紹介しましたように、三位一体改革の中でそれぞれの町村なんかも非常に財政的には苦労しているわけですよね。そういう中で、これ以上続けてどうなのかと、当初は要求して手も挙げたかもしれないけれども、しかしやっぱりここに来てどうなんだろうかという思いもあるわけで、そこはより一層厳密に厳しい検討をしていただきたいということを再度併せて要求をしまして、次、諫早湾干拓の問題で質問をさせていただきたいと思います。
 それで、農水省、水産庁は、有明海のノリの被害が大変で、それに向けての融資を漁業者の皆さんがやって、その猶予が今年で切れるということもあって、水産庁、今年から新規に漁業者に対する無担保無保証制度を創設をされました。
 それで、ところが、なかなかこの事業の主体者である県が、具体的に予算化したりということが進んでいないという状況もあって、先日、三月の二日に衆議院で、我が党の赤嶺議員が、この事業をもっと県がやれるように国としても指導を強めたらいいんじゃないかということを質問しました。水産庁長官は、せっかくの制度なんで、これがちゃんと実施できるように指導していきたいというふうにお答えになったと思うんですが、その後どのように県に対しての御指導をされてきているでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 無担保無保証人制度、正式には経営改善等資金融通円滑化事業、これが十五年度から始まっておりますけれども、なかなか各県対応ができていないということで、今、先生御指摘されましたように、三月二日、これは衆議院の予算委員会分科会でございますけれども、赤嶺先生から、もっと積極的にやれという趣旨の叱咤、叱咤といいますか、をいただきました。
 私ども、実は都道府県の主務課長会議ですとかブロック会議ですとか、再三にわたって申し上げておりましたけれども、さらにその後ということで、昨日まででございますけれども、具体的に取組が全然なされていない県ということで、その御質問以降、四県に私どもの担当者を派遣いたしまして、県でございますとか、具体的には県の漁業信用基金協会、こういったところになりますけれども、そういったところへ対応方、四県ほど働き掛けを行っております。
 また、月内ということで、あと二県ほど行かせたいというふうに思っておりまして、いずれにいたしましても、せっかくこういう制度を設けましても県の方で対応されないということになりますと漁業者の方々の期待にそぐえないということになりますので、私どもといたしましては、今後ともこうしたことにつきましては、機会をとらえまして各都道府県に働き掛けていきたいと、かように考えている次第でございます。
○紙智子君 都道府県がなかなか具体的にできないということの詰まっている要因といいますか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) 十五年度はかなり少なかったわけでございますけれども、十六年度、実は私ども各県から聞いておりますところでは、一応十一県ほどは取り組むという状況であるというふうに聞いております。まだ過半は取り組まない、今の段階においてはまだ取り組まないという状況のようでございますけれども、その原因ということでいろいろ聞いてまいりますと、やはり、都道府県の財政状況が厳しいという中におきまして、こうした長期にわたりまして、将来にわたっていろいろと予算措置を伴うものがなかなか財政当局、県の財政当局の理解が得られないということで対応が遅れているということではないかと考えている次第でございます。
○紙智子君 今少し言われましたけれども、やっぱり県自身の財政状況とか、この検査が厳しいというのも聞いているんですけれどもね。それから、結局は県の持ち出しになってなかなか大変だと、使いづらいというような声なんかがあるわけですけれども、そうであれば、活用しやすくできるように条件を緩和したり、予算面で国がもっと支援するとか、そういうことが大事だと思うんです。
 特に有明海の関係地域にあっては、特別にそれが求められていると思うんですね。やっぱり国の責任としてそれをやるということがこの有明海地域については特に大事だというふうに思うわけですけれども、先般成立した有明海の特措法でも、その中に、資金の確保、それから赤潮等による漁業被害等に係る支援、それから赤潮等による漁業被害者の救済と、こういう条文がちゃんと国の仕事としてやらなきゃいけないということで盛り込まれているわけですし、この趣旨からしても、特別に有明海の漁業についてはこの無担保無保証制度が設置できるようにしなければならないというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) まず、有明海のノリの不作等に対します金融措置ということでは、これはもう先生御案内のとおり、国庫資金で、沿岸漁業経営安定資金でございますとか、負債整理資金等々ございます。こういった措置を既に講じたり、あるいは緊急の場合には、個別の案件でございますけれども、償還猶予の話あるいは中間据置期間の設定、こういったこと等を金融機関等に対しまして指導をすると、こういったことをやっているところでございまして、このいわゆる無担保無保証人のこの新しい制度でございますが、これだけで直ちに、そうした沿岸漁家の経営悪化に対する資金ということに直ちになるというものではないんじゃないかと思いますけれども、ただ長崎県辺りは既に対応を取るということも、こう言っておられるというような話もございますし、私どもは、言わばそういった資金を補完する形ということで、より資金の、融資機関からの資金が流れやすいようにするという仕組みでございますので、そういった面からも私どもも今後とも努力をしていきたいと、かように考えている次第でございます。
○紙智子君 やはり、これまでのものではやっぱり救済できないということなんですよね。
 私も、実はこの二月に、諫早湾、ずっと干拓の事業や、有明海をずっと歩いて漁業者の皆さんとも懇談して、本当に二十代、三十代の若い後継者の方がたくさん来てくださって、それでやっぱりその窮状といいますか、これから親の後を継いでやろうという気持ちで頑張っていこうということで来てきておられたわけですけれども、その皆さんが、やっぱりノリの不作が今年もある、続いている、来年の漁を行う資金さえままならない状況なんだ、借金するにしても保証人、担保もないんだと。だれが保証人になるかという、これもやっぱり今いないということになってきているわけですね。
 そういう点で、全部が全部それで補えるわけじゃないというふうに今おっしゃいましたけれども、やっぱり無担保無保証制度の適用がその改善をしていく措置になっていくわけですから、だからそこは本当にやっていただきたいところですし、それで、十分これ知らされていないというのもあるんですね、そういう制度がちゃんとあるんだということが知らされないということもあって、そこをやっぱり周知徹底もしながらやっていただきたいと。
 こういうやっぱり漁業の状況になった原因についていえば、ほとんど漁民の皆さん言っていたのは、その諫早湾干拓のやられた後、こういう事態になってきているんだと。でも、農水省はそれは認めないでしょうけれども、少なくともその疑いがあるということは明白なわけで、だからやっぱり国の責任でこの融資の措置とか、借換えとか償還延期だとか、こういうことを含めて、融資の措置ができるようにすべきだということを強く要求したいと思うんですが、大臣、この点で一言お願いします。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど来、長官からも御答弁申し上げておりますとおり、この制度につきましては、いろいろ昨年来、団体あるいは都道府県、そして先ほどお話し申し上げましたとおり、既に四県、また今月二県と、そういう面でその説明等々に今就かせておるわけでありますし、またやはり予算、都道府県、厳しい財政状況と、そういう面での予算化の問題等々いろいろあるわけであります。この面につきましても、更に私ども努力をし、その対応ができるようにしていかなければならないと、してまいりたいと、このように思っております。
○紙智子君 この二月に懇談したときに、こういう制度もあるんですよという話はしたんですけれども、借りたら返さなきゃならないと。だけれども、問題は返せるめどが立たないことが非常につらいということを言われていたんです。
 それで、農水省は水産基本法を定めているわけですけれども、「水産動植物の生育環境の保全及び改善」と「人材の育成及び確保」というふうに定めているわけですけれども、この有明海の本当に豊かな海というふうに言われていたわけだけれども、この地域の漁業者を、漁業をどのようにしていこうとしているのか。干拓事業が始まって、潮受け堤防が締められて魚や貝が取れなくなったと。最後の頼みのノリも大不作と。その後も不安定な状況が続いていて、若手の後継者が、本当は続けていきたいけれどもままならないということで、ほかに仕事を探そうということで出掛けたり、親子で慣れない出稼ぎで本州を渡り歩いている人もいるということなんですね。地域の会社も崩壊されていると。
 それで、賛成派というところもあるんですけれども、その漁協の中でも、干拓事業がこれ完成したら今請け負っている仕事、工事もなくなってしまうと。そうすると、何も取れない漁場が残るだけだなというような声まで出て悩んでいるということなんですよ。
 ですから、大臣、まさかこの地域の漁民の皆さんを切り捨てるようなことはないと思いますけれども、そこのところを万全を期すということで、どうかもう一つお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 一つは、平成十四年に成立しました有明海及び八代海を再生するための特別措置法、これに基づきまして関係省庁、また関係各県と連携を図りながら、環境の保全・改善、また水産資源の回復、これに向かって漁業の振興に今全力で尽くしておるところでもございます。このことにつきましては、なお引き続き関係省庁、また関係県と一体となって対応してまいりたいと。
 私も現地に参りまして、ノリの問題も見てまいりました。今年はノリにつきましては、以前に比較をいたしますれば、私が行きましたときは赤潮、赤腐れ病と、こういうようなところも心配いたしましたが、冷凍網になりましてそれなりの本年は成果を得ている、こういうことも承知をいたしております。引き続き、この特措法に基づく対応をしっかりやってまいりたいと、こう思っております。
○紙智子君 二〇〇二年の秋に成立した有明海の特措法というのは、漁場環境整備などの公共事業が主なんですよね。ですから、覆砂とか耕うんとかそれから放流とか、こういうのはやっているんですけれども、本当に広く皆さんの声を聞いて歩くと、やっぱり一時しのぎだと、やっぱり根本からの解決というのは、有明海の異常の構造の変化にメスを入れなければ解決につながらないんだということが出されるんです。
 それで、漁業を本当に再建しようということになれば、やっぱり私は、大臣も今直接行かれたということなんですけれども、漁業者の皆さんの声をやっぱりしっかり受け止めることだというふうに思うんです。
 それで、有明海の漁民・市民ネットワークの皆さんなんかもアンケートをやっているんですけれども、その調査結果を見ますと、漁獲高は潮止め前の六割になっていると。潮の流れや速さが変わって浮泥が海底に沈殿するなど異変の原因、その原因については、八九%、約九割の人がこの諫早の干拓を挙げているんですね。やっぱり干拓を中止して元の海に戻してほしいというのが大部分の漁民の願いです。せめて中・長期の開門調査をというのが、今福岡県、佐賀県、熊本県、この三つの漁連が一致して要求していることでもあるんです。
 やっぱり、大臣にお聞きしたいのは、本当にこの懸案になっている中・長期の開門調査の実施を、皆さん方の御意見を伺って判断するというふうに言われたわけですけれども、先日。是非、最もやっぱりそういう意味で切実な声を、願いを持っている漁業者のことをしっかり考慮していただいて、意見を尊重して判断をしていただきたいと。そのことについてお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(亀井善之君) 地元の漁業者の御意見あるいは関係県あるいは漁連等、関係の皆さんのお話は私も何回か承っております。正にこの漁民の皆さんが強い危機意識をお持ちになっておるということも十分承知をいたしております。
 今、いろいろなところでその議論がなされ、そしてまた論点の整理等々もいろいろ承っておるわけでありまして、さらに、関係の私は皆さん方、先ほど申し上げましたような方々のお話も承り、そして対応しなければならないと、このように考えております。
○紙智子君 終わります。
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
 まず最初に、前回、大臣の所信に対しての質問をさせていただいた積み残しがございますので、それについてまず質問をさせていただきます。
 いわゆる家畜の排せつ物処理の問題ですが、今年の秋からですか、猶予期間が済んでいよいよしっかりと対応を図るということで、それはそれで結構なんですけれども、これ、こういう処理を図るためには、やはり施設に対する投資をしなきゃいかぬと。私が言うまでもなく、畜産、酪農とも経営は非常に大変な時期なところにこういうことをやらなきゃいかぬと。やらなきゃいけないことはやらなきゃいけないのは確かですけれども、それだけに、やっぱりしっかりとした対応をしなきゃいけないというふうに思っているわけでございますが、まず最初に、こういう畜産排せつ物というのですか、家畜排せつ物ですか、そういうものの現状といいますか、処理の現状、あるいはどういうような状況にあると今農林省の方で御認識されているか、これは生産局長かな、お願いします。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの家畜排せつ物の現状、処理の現状というふうなお尋ねでございます。
 我が国におけます家畜排せつ物、年間の発生量、これ家畜の飼養頭数あるいは一頭当たりどのぐらい排せつをするかというふうなことから推定をいたしますと、約九千万トンぐらい年間排出するというふうに見られているわけでございます。それが大体八割ぐらいは、そのうち八割ぐらいは農地なりあるいは草地への還元ということで、これは言わば肥料として有効に利用をされているわけでございます。しかしながら、残りの一割というものがいわゆる野積み、素掘りということでございまして、これがやはり不適切な処理ということでございまして、これが大変問題を生じておるというふうに私ども理解をいたしているわけでございます。
 したがいまして、今、委員からも御指摘ございましたとおり、十一年の十一月に家畜排せつ物法が施行されまして、五年間の猶予期間ございましたが、いよいよ今年の十一月一日から家畜排せつ物の適正な管理ということが義務付けられるということでございます。
 いずれにいたしましても、お話もございましたが、そういった不適切な処理ということになりますれば、やはり水質の汚濁でございますとか大変大きな環境問題にもつながってくるわけでございます。その解消に向けた取組が急務であるというふうに認識をいたしておりまして、現在施設整備に鋭意努めているという状況でございます。
○岩本荘太君 私は、これやめろとかそういうことじゃなくて、純粋にその状況はしっかり把握しておきたいからということなんですが。
 いわゆる、今のお話ですと、家畜排せつ物の処理というのは、いわゆる環境汚染防止というのが大きな柱になるわけですね。私はそれ以外に、何といいますか、生活環境と言っちゃおかしいですけれども、家畜を飼育する人がより快適な環境で飼育できる、いわゆる三Kの一部が解消されるというような見方もできるんじゃないかと思うんですけれども。
 この場合は、やはりあれですね、環境汚染ということになりますと、だろうと思うんですけれども、そうなりますと、これやはり自分が犯したという部分でない、例えば昔は、今でいえばかなり人口周密なところになっているかもしらぬけれども、昔は人口がなかったから、人家がなかったからやっていたら、だんだん人が集まってきて、臭気の問題、水質の問題が起こってきたというようなこともあり得ると思うんですね。
 そうした場合に、やっぱりこれは対応として、そういう、どっちが原因者か分かりませんけれども、それに昔はある程度においというものに対しても寛容なところがあった。むしろ田舎らしいというような、そういう認識もあったんじゃないかと思うんですけれども、そういうのが大分変わってきたということは、やはり原因者として生産者だけに課して、課すということはちょっと酷なような気がするんですよね。そのために恐らく補助金というものを、助成というものを考えられていると思うんですけれども。
 その辺について、例えばこれから指導をしていくに当たっても、それに対する説得といいますか、こういうことにやってもらうということに導く基本的な物の考え方として、やっぱり農林省としてはしっかりと持ってもらわなきゃいけないと思うんですけれども、その辺はこういうことを、今汚染している、だからやらなきゃいけない、やってもらわなきゃいかぬというときのその指導といいますか、その辺の基本的な姿勢というのは何かあったら、局長、ありますか。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘でございます。もちろん、お話しのとおり環境保全はもちろんあるわけでございますが、他方には、何といいましょうか、有機性資源とした形での利用の促進というふうな観点もあるわけでございます。
 そんなことで、実は具体的な施設整備に当たりましては、委員からも御指摘ございましたが、もちろん臭気の問題等もある、あるいは周辺の住民に対する環境の関係ということもあるわけでございまして、私ども実は、具体的なそういう施設整備を進めるに当たりましては管理基準というのを一応定めておりまして、例えば一つ、一番大きい問題は、やはり浸透性ということが一つには大変大きい問題でございますので、固形状のふんの処理といったような場合には、例えば床をしっかりとコンクリートといったような不浸透性の材料できっちりと築造する、あるいはまたその覆いを設けるとか、あるいは側壁を設けるとか、そういうふうな形でありますとか、あるいはまた液状の尿の場合でございますと、もちろんこれもしっかりと不浸透性の材料で築造するといったようなことを基本的な、何といいましょうか、管理基準ということで指導ももちろんしておるわけでございます。
 ただ、なかなかこれは一方的に押し付けるというわけにまいりません。それはやはり、ただいまもお話しのとおり、それぞれの個々の経営の、飼養の規模でございますとか、あるいは管理方式、もちろんお話の地域環境というのもあるわけでございます。したがいまして、それぞれ規模の大小に応じましてそれぞれの指導をやるわけでございますが、この場合にも、例えば畜産環境アドバイザーというふうなことで、県の職員の方で、あるいは家保の、県の家保のOBの方とか、あるいはまた農協の職員の方等々、畜産環境アドバイザーというふうなことで一定の講習も受けていただきまして、そういう方が具体的な畜産の経営の中に御相談に応じた形で、必要な情報、そういった指導についての環境の相談といったようなことも十分行いながら、できるだけ経営という観点も重視しながらやっているわけでございます。
 例えばコスト面でも、なかなか一方的に、やはりそれなりの、例えば先ほど私申し上げましたコンクリートで打つというふうなことになりますと、一千万を超えるようなお金も掛かるわけでございます。もちろんそれについては、お話のとおり、いろんな補助なり融資なり、いろんな手だて、もちろん私ども講じているわけでございますが、そういった意味でも、できるだけ低コストなものを選定するとか、あるいは放流する場合にも、いろんな基準にしっかりと適合するような、そういう配慮というふうなことも御相談に応じながら進めているところでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございます。
 先ほど言いましたように、要は経営者だけが、畜産経営者だけが罪なんじゃないということで、その辺の、軟着陸と言っちゃおかしいですけれども、お互いの合意の上でうまくやっていただきたい、それが基本的なことなんですが。
 今もちょっと出ましたけれども、これは施設、どういうものを造るかででも随分違うと思うんですよね。単純に言えば、昔は恐らくコンクリートで、今言われたのと同じかもしれませんが、そこで天地返しして、ある程度そこで空気を入れて乾燥させてそれを農地に持っていけばそれでよかった。ところが、最近になりますと、物すごい豪勢なといいますか、これはどうしてそんなの必要なのか分かりませんが、いろんな、環境という話が出てきたと同時に、そういうところからいろんな、そういうところといいますか、企業といいますか、そういう面からいろんなアプローチがあって、非常に高価なものなんかも出てきている。それで、いろんなうまいことを言って、そっちに、そういうものを導入させると。ただ、正直言って、私は、まだ人の場合のし尿処理というのはかなり技術的に確立されていると思うんですけれども、畜産廃棄物、家畜排せつ物の場合は人よりもはるかに量が多いというようなこともあり、まだなかなか、その安い方式というのはどうなのか。いわゆる人と同じようなものはなかなか家畜には適用できないというようなふうに私は思っているんですけれども。
 それと、要するにこういうものに対する投資が高ければ、それはひいては家畜生産物といいますか、そういうものに反映されちゃうわけですから、その辺は非常に難しいと思うんですけれども、その辺は、非常にあいまいな質問で申し訳ないんですけれども、どのような施設といいますか、どのような施設整備を大体お考えになっているか。恐らく地域によっても全然違うと思うんですけれども。安い方がいいということは分かるんですけれども、どのような施設がいいかというのを、もしお答えが難しいのであれば、そういうものについて研究、やっぱり生産局なり農林省なりが中心となってそういうものを研究されていくというおつもりがあるかどうか、その辺をひとつお願いします。
○政府参考人(白須敏朗君) 施設、どのような施設が望ましいかというお尋ねでございます。
 いずれにしても、基本はやはり堆肥舎というのが基本だろうというふうに考えているわけでございまして、他方また、三戸とかあるいはもっと大きな、それぞれ共同で大規模な共同利用施設としての施設をお造りになるという場合もあるわけでございます。
 ただ、そこはお話のとおりで、やはり低コストなところが、どうしてもやはり経営という観点がもう一つ大変大きな要素だと考えておりまして、したがいまして、コスト面でのいろんな、例えば電動のものを無理やりあれするよりは、先ほど正に委員が御指摘あったような、そういう切り返し、天地返しというふうなことをむしろなにでやるとか、そういうふうな形、ローダーとかでですね、そういうふうな形で切り返すとか、そういうふうな意味での低コストという面も必要かというふうに考えております。
 したがいまして、なかなか難しいお尋ねでございますが、それぞれの経営の規模あるいは管理方式、あるいはまた地域の環境といったようなことも総合的に私ども考えまして、先ほどのようなアドバイザーあるいは農協といったようなこともそれぞれ御相談に応じた中で、具体的なその施設の設置についての考え方といいましょうか、指導をしているところでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 それでは、予算関連ということで、二つ三つ質問をさせていただきたいんですが、かねがね私は、自給率向上の問題にしろWTOの問題にしろ、いわゆる消費者ということは国民全体のコンセンサスといいますか、これが基本になるということを申し上げていたつもりでございますが、今日の質問の中でも、段本委員、和田委員ともに国民の合意が必要であるということで意を同じにして、大変私もうれしいんですけれども、それがやはり生産面ばかりじゃない、消費者の面も向いた農政の在り方じゃないかなというような感じがするんですが。
 そういう意味で、消費者に対してどういうような対応を今年の予算ではされるつもりか。前の質問もそうですけれども、個別具体的に予算ですからお話しいただきたいと思いまして、まあ大臣の手を煩わせずに局長さんがお答えいただければ結構なんですけれども、あいまいでしたら大臣にまたお伺いしますけれども。
 一つ、まずよく言われている自給率向上ですね。これは、消費者といいますか、国民に対してどういう取組をするか。それを今年の予算ではどういう事業に、大体どういうような事業規模でやるのかですね。
 それと、これは実はついでかもしれませんけれども、今大変決算が重視されておりまして、私、決算委員でもあるんですけれども、決算の中でいわゆるどうあるべきかの議論をしておりますと、やはり予算で数値目標を作るべきだというような意見もあるんですね。それによって決算をしようじゃないかと。そういう意味で、もし目標を作って、それが全く駄目ならこの予算何だったんだということにもなりかねない、そういう厳しい決算の審査というのはあり得るんじゃないかと、それは全体のコンセンサスになっておりませんけれども。
 そういう意味で、予算が済んだらもう次の決算のときは自分はこの職にいないということでなくて、今、今年の予算、これ早ければ来年の秋に恐らく決算審査に入るというような工程も今考えられておりますので、皆さんおられる間に決算に入る可能性もございますので、ひとつそのつもりでお答えをいただきたいんですが、まずその自給率向上についての取組に対して御説明を願います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 食料自給率の向上のためには、消費面、特に、生産面のみならず消費者の理解、食生活上の取組ということが不可欠でございます。特に、私ども、消費者の方々に現在の食料自給率の変化の状況、あるいは食生活の健康面からの実態、世界の食料事情、こういったものについての理解、関心というものを深めていただいて、食生活の見直しでございますとか、最近の地産地消等の、風土で、その地域で取れるものを食べるように、その地域で取れる農産物を大切にしようと、こういうようなことについての運動、情報提供、普及啓発活動といったものを予算として計上をしておりまして、十六年度、こういう、特に最近の、子供のときからそういう食についての、しつけを含めまして考え方を身に付けるような食育を含めまして、六億八千万ほどの予算を計上をしておるところでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございます。
 お金も結構なんですけれども、具体的に言うとどんな事業か、もう少し説明をお願いしたいと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、細かいところからいきますと、食生活の指針、食生活指針の普及、これをやります。それから、食育を含めました食育促進等の全国活動推進ということを行います。
○岩本荘太君 ちょっと済みません。ちょっと質問が悪かったんですけれども、そういう事業がというよりも、むしろどういうところを対象に、何か所やるとか何人ぐらいを対象にやるとか、そういうようなとらえ方はできませんか。済みません、どうも。
○政府参考人(須賀田菊仁君) そういう意味では、私ども農水省版のタウンミーティングを一つやっておりまして、何か所か、過去十四年、十五年度で十一か所やりました。それから、定期的に農林水産省の方で消費者等の懇談会を行っておりまして、十四年、十五年で五回やっております。それから、食を考える国民フォーラムというのを東京都でこれまで四回やっておりました。こういうものについて引き続き十六年度もやっていきまして、食についての考え方というのを消費者と直接懇談する形で普及をしていきたいというふうに考えております。
○岩本荘太君 今のお答えで、引き続いてやっておられるわけでしょう。そうすると、あれですよね、過去にもそういう努力されて、努力されたら成果がないとちょっとおかしいんですよね。過去のことはどうあったか知りませんけれども、過去にやったことが成果なかったらやり方変えなきゃいかぬわけですから、そういう意味で、少なくとも今年は例えばこういうことをやって、数値的にどのぐらい上げたいんだと、上げるんだというような、そういう数値というのは作れませんか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今年は特に医療機関、教育機関、こういうところの方々との連携で、栄養バランスの崩れている食生活から生活習慣病が増加をしていると、したがって食生活を変えないといけないということについて集中的に行いたいというふうに思っております。
 その結果、どのぐらい自給率が上がるのかということについては、実は食生活というのが基本的には自由な選択の領域に属する事項でございますので、どの程度理解していただけるかについてちょっと数字でお示しするというのはなかなか難しゅうございますので、よろしくお願いします。
○岩本荘太君 難しいのは分かるんですよ。分かるんですけれども、そういう姿勢でやらなかったら、今まで何のために予算出しているのということになっちゃうんじゃないですかね。だから、来年どうなるといって、来年一%上げるなんて、これは僕はそんなことは言えないと思いますけれども、少なくとも五年で五%でしたっけ、そういうような数値あるかもしれませんけれども、もう少し、何というか、もう少し二年なり三年なりで少なくともコンマ何でもいいから、コンマ幾つでもいいから上げるという、そういう見直し、フィードバックをさせながらやらないとうまくいかないんじゃないかなと思うんですけれども。
 それと、ついでに、これももう時間ないから質問しませんけれども、米消費対策についても同じことですよね。昔から言われて、これ下がりっ放しでしょう。そうじゃないですか、最近、僕数字見ていませんけれども。これは、だから今まで米消費対策といって随分予算使ったですよね。それが今の程度の下げなんだと言われればそれまでかもしれませんけれども、上げようとしたらやはりそれなりのもっと積極的な予算をしっかりと組んで、それでフィードバックさせながらやるという、決算の方から見るとそういう雰囲気が今非常に強いものですから、是非そういう面で予算を考えていただきたいと。一分ありますので、大臣、ちょっと何か。
○国務大臣(亀井善之君) この食料自給率の問題、今まで、相撲では、今大相撲始まっていますけれども、私どもはその相撲、その土俵でいろいろなことをやっておりますけれども、正直今回のBSEあるいは鳥の問題と、国民の皆さん方が自給率の問題に、こんなこと言ったら大変失礼ですけれども、今まではそれほどと申しますか、数字的な関心がなかった、世論調査等でもその数字がはっきり出てきておりますので。こういうときこそ、私ども、今までやっておりますことを、正直パンフレットを作ってもなかなかそれを御利用いただけないようなところもあったと思いますけれども、その辺のいろいろの予算、印刷物ですとかあるいは会合ですとか、相当やっておるわけでありますけれども、なかなかそれを受けてもいただけない一面があったと思います。今日こういう状況でありますので、是非そういう面でなお一層積極的にまた手法も変えてやっていく必要がある、またそのようにさせて、自給率の向上のために努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○岩本荘太君 前向きの御答弁ありがとうございました。残りの分については、時間がなくなりましたので次の機会に譲らせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○中村敦夫君 大規模林道の予算について質問をいたします。
 大規模林道事業については、去年も予算審査で取り上げたんですけれども、今回も減額されたとはいえ予算計上されていますので、取り上げてみたいと思います。
 今年度の一般会計予算案において、大規模林道の事業費として百二十六億六千百万円が計上されています。昨年に比べると約九億円減額されているんですけれども、私は、これはまだまだ不十分じゃないかなと思っています。これは全額が独立行政法人緑資源機構に投入されるわけですよね。緑資源公団は、これを建設費の三分の二に充てる、そして残りの三分の一を地方自治体の負担金などによって賄って大規模林道建設の事業費とするということになっています。
 さて、今年度の予算を見て驚いたんですけれども、大規模林道の名前が変わるということになっているんですね。大規模林道の正式名称は、大規模林業圏開発林道事業ということなんですけれども、これを緑資源幹線林道事業というふうに名前を変えるということですね。
 それで、林野庁長官にお伺いしたいんですけれども、なぜ大規模林道事業の名称を変更するのか、名称を変更すると事業が一体どういうふうに変わっていくのか、それについてお答えいただきたい。
○政府参考人(前田直登君) 大規模林道事業につきましては、先生の方がよく御案内ですので、内容につきましては省略させていただきますけれども、御指摘のように、平成十六年度予算案におきまして本事業の予算科目名を緑資源幹線林道事業費補助ということにいたしているところでございます。
 実はこれは、大規模林道事業という用語が旧緑資源公団法施行令の規定におきまして、その中で特定森林地域開発林道事業、いわゆるスーパー林道事業でございますが、それと区別するために用いられてきたわけでございますけれども、今般、独立行政法人化に伴いましてこのスーパー林道、特定森林地域開発林道事業、これを実施しないということが明確化されまして、ある意味では区別の必要がなくなってしまったと。そういうことから、今般の独立行政法人緑資源機構法施行令、昨年九月二十五日に制定されたんですが、そこにおきまして大規模林道事業という用語がなくなったと。
 それともう一点は、さらに学識経験者の方々から、この大規模林道事業という名称につきまして、その事業の目的、内容に対します国民の誤解を招きやすい、むしろ事業の内容に合った名称にすべきではないかという趣旨の御意見を幾つかいただいておりまして、こういったことを総合的に勘案いたしまして、より事業の目的、内容を反映した事業名称にするという観点から変更をすることといたしたものでございます。内容的には今までの大規模林道事業と大きく性格を変わるというものではございません。
○中村敦夫君 国民は別に誤解なんかしてないんですよ。つまり、名前が悪いなんということを言っていないわけですね。その事業の中身自身が批判されているということなんじゃないですか。
○政府参考人(前田直登君) その点につきましては、私もそのように理解いたしておりますし、そのこと自体が、名前が悪いとかそういうことではなくて、より事業の目的あるいはその性格に沿ったものにすべきという意見、それと、先ほど言いましたように、施行令の関係で制度的にそういった名前が消えたということから、この際そういったようにより的確な名前ということで改正した、改定したということで御理解いただければと思います。
○中村敦夫君 これは、いかに大規模林道という名の下に行われている事業が、基本的には環境破壊だけやって、ほかに益がないと。つまり、地域活性化にもならないし、具体的な、何というんですかね、国益につながっていかないということを前の大島大臣のときにも私は詳しく現場の説明をしたんですよ。
 大臣にお伺いしますけれども、事業の内容変わらないで、今、今回名前だけ変えて、誤解を解きたいというか、適切な名前にしたいと言うけれども、名前なんかはどうであれ、この内容自体がおかしいんですから、名前だけ変えるということに関していかがお思いでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 大規模林道の問題についての有識者と申しますか、このあり方検討委員会、そういう中でいろいろ議論があったように私も聞いておるわけであります。そういう中で、一つネーミングの問題等々につきまして議論があり、そういう中で名称、先ほど長官からも説明したとおり、スーパー林道との区別の問題がなくなったわけでありますので、新しい形、緑資源機構、こういう中で行われると。そういう面から考えても、ある面ではやはり少しそういうネーミング、名前も変えてまた新しい事態に対応する、森林の整備等々の問題で実を上げる、こういう面で対応できればと、こんな気持ちでおります。
○中村敦夫君 大規模林道というのはそもそも目的があって構想されたものなんですよ。大規模林業圏開発林道事業というのが正式名称だったわけですね。これは大規模林業圏開発構想というものにおける骨格的な林道という位置付けだったんですね。大規模林業圏開発構想というのは、今から三十一年前の一九七三年、林野率が高くて広大な森林が広がっている地域を大規模林業圏といいました。七地域、一道十六県ということなんですけれども、ここに活性度の高い林業地帯を形成するということがそもそも目的であったんですよね。しかし、時代状況は三十年間で大きく変化しました。大規模林業圏開発構想というものもなかなか現実にはそぐわなくなってきています。
 当初の大規模林業圏開発構想というのは今どうなっているのかと。そしてまた、この大規模林道事業との関係というのはどうなっているのかと。どうも大規模林道事業だけが開発構想とは無関係に暴走しているというふうに私たちは判断しているんですね。実際は林業の開発構想と関係なしに、ただ道路を造ることだけが目的になってやっておるんじゃないかというふうに思いますが、林野庁長官としてはどういうふうにお答えになりますか。
○政府参考人(前田直登君) 御指摘のように、この大規模林業圏開発構想、昭和四十四年に策定されました新全総、これの大規模プロジェクトの一環として当時構想したものでございます。
 この構想につきましては、先生御案内のように、地理的条件が極めて悪い、そういったところにおきまして森林の整備の推進あるいは林業の振興、さらには地域の振興を図る必要があるという考え方に基づいて構想したものでございまして、確かに時代は変わっておりますけれども、この考え方そのものについては現在でも否定されるものではないんではないかというように考えている次第でございます。
 今お話ございました大規模林道、この大規模林業圏開発構想の中の言わば広域林道ネットワーク形成の主軸になるということで位置付けられたものでございまして、今後ともこのような考え方を踏まえるとともに、先般の特殊法人等整理合理化計画、こういったものに基づきながら効果的、効率的な事業の実施に努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○中村敦夫君 私は、活性度の高い林業地帯を形成することともう今ほとんど無関係になっているんじゃないかと。そういうこともいまだ視野に入れているという答えなんですけれどもね。
 例えば、昨年の十二月二十五日に林野庁が大規模林道事業の整備のあり方検討委員会というものに提出した資料に、「大規模林業圏開発林道事業の今日的意義について」というのがありますね。そうしますと、この大規模林道の効果として次の五点を挙げています。
 一、地域の林内路網の骨格となり、派生する林道、作業道の整備が促進されることによるネットワークの形成。二、間伐などの森林整備の促進。三、森林の総合利用の促進。四、農業など林業以外の産業の振興。五、集落間の連絡道や災害時の迂回路として機能。
 しかし、林道事業なんですから、まずは林業の活性化にどれだけ役立っているかという点を第一番目に検証しなきゃいけないと思うんですよ。この一から五まで並んでいますけれども、一の林内路網の整備促進と二の森林の整備促進というのは、これは同じことなんですね。これをとにかく、何というんですか、この必要性というものをたくさん並べなきゃいけないから、これ二つに分けて同じことを違う言葉で言っているわけですよね。
 大規模林道は実際、林業活性化にどの程度役立っているのか、事実を話してください。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、今、先生御指摘のとおり、私どもも、この大規模林業圏開発構想の下で大規模林業圏開発林道、これにつきまして五つの効用、こういったものを掲げているわけでございまして、そういった中ではそれぞれ様々な効果を発揮しているというふうに考えているところでございます。
 それで、今御指摘のございました森林整備あるいは林業振興の面におきますと、例えば大規模林道の開設後でございますが、周辺地域におきまして林道あるいは作業道、こういったものの整備が進みまして、受益地内の林内路網密度、これが開設前の二・五倍から三倍になっていると。そして、集材コストも約三割程度縮減されているというのが見込まれる地域が、例えば島根ですとか愛媛ですとか熊本ですとか、それぞれ各地に見られるわけでございますし、また民有林の人工林面積に対します間伐の実施面積の割合、これで見た場合に、過去五年間に全国平均の一・五ないし二倍の間伐が実施されているというようなことで、例えば島根ですとか愛媛、高知、こういったところでそういった効果も見られるというようなところでございまして、各地におきましてそれぞれ大規模林道、いろんな形で効果、役割を発揮しているというように認識している次第でございます。
○中村敦夫君 いろいろ数字挙げられました。説明もありますよね。しかし、こうした結果というのは、二車線で幅七メートル舗装という、この大規模な林道の規格じゃなければ達成できなかったのかということがそもそもの問題なんですよ。山の尾根伝いに七メートルの、観光バスが通るような道路を造って、今挙げられたような効果ということだけでいいのかと。
 例えば、広島県の高尾・小坂線では、間伐施業においても切捨てとせず、搬出間伐が可能になったというふうに林野庁書いていますけれども、こんなもの、一級林道の整備で十分可能なんですよ、そんなばかでかい道路は要らないわけですね。また、岐阜県の高山・大山線では、完成に合わせ畜産施設の整備が実施され、町内の飼育頭数が増加したと、効果があったというふうに書いてありますけれども、その数を見てくださいよ。一九九五年、二百四十一頭いたんですね。それから二〇〇二年、これは二百七十一頭に増えたわけです。七年間でわずか三十頭増えただけですよ。これを効果と言えますか。これだけの効果を生むために巨額の資金が大規模林道に投入されているということは、私はナンセンスだと思っているんですね。ほかにも、林道、作業道の整備が促進されたとか災害時の迂回路となったという例も紹介されていますけれども、これ、いずれも一級林道の整備で十分なんです。二車線幅七メートル舗装の大規模林道である必要は全くないんですね。
 ですから、大規模林道の効果といって林野庁が説明しているものは、従来の一級林道、二級林道でも達成可能だと思うんですね。むしろ低額で、低額の予算でも得られる結果じゃないのかと思いますが、どうですか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、林道といいますのは、一つには森林の中の木材生産あるいは森林整備、こういったものに不可欠な施設でございまして、そういった中でまた農山村、そういったものの基盤にもなっているわけでありますが、今申し上げています大規模林道、これにつきましては、言わば、先ほど申し上げましたように、地域の林道網のネットワークの幹線になっていくという意味で、それはその地域の国県道、いわゆる公共道路、そういったものと結んで一つの幹線を形成していって、そして、それから枝として林道とか作業道を入れる、そういう全体のネットワークの中で考えているものでございまして、そういう意味では、地域の国県道等、そういったものの構造規格、そういったものも勘案しながら、踏まえながら設定していくということが妥当ではないかというふうに考えている次第でございますが、中には確かに国県道の方で五メートルのところとか、そういったこともございます。
 そういったことで、今般の見直し検討の中でも、接続する国県道、そういったものの構造規格あるいは幅員、こういったものも勘案しながら、中には自然保護との関係もございますが、そういった形の中で五メートルといったものも取り入れてやっているというようなことでございます。
○中村敦夫君 それは一般論みたいな話でして、現実に大規模林道、そんな幅広い大きな道路を全然使っていないわけですよ。ですから、あの規格である必要など全くないんですね。例えば幹線道路にしたって、要するに、ほとんど渋滞なんということはあり得ない。むしろ一日に一台通るか二台通るかという場所の方が多いわけなんですね。
 大臣にお聞きしますけれども、国や自治体の予算というのはもう限られていますよね。非常に逼迫しているわけですよ。今年度予算でも大規模林道予算というのは削減はされているわけです。私たちは林道が要らないと言っているわけじゃないんですよ。二車線の幅七メートル舗装などというものを、そんな山の尾根伝いにだれも行かないような一番遠いところへ造っていっている。それが幹線道路だと主張するのはナンセンスだというふうに考えているんですね。
 ですから、むしろ、杉、ヒノキを全面的に植えられてしまったような山々、ここには手入れのための林道、作業道というものがこれからもっと必要なんですね。そして、大規模林道事業というものを廃止すれば、その予算を普通の林道や作業道あるいは間伐の雇用創出などに十分回せる、非常に予算が有効に使えるということはあると思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 大規模林道、七メートルの問題、やはり山岳地帯での道路、トラックに製材、いわゆる山から切り出した材木、木を積載をして通過するわけでありますから、やはりある程度の、私は、すれ違いと同時に、そう車が通らない、こういうお話もあろうかと思いますけれども、しかし、やはりある程度の幅員がなければ、運転をする作業車というのは、私は、大変あの車、二・二メートルあるいは二メートル五十、そしてそれに大変高く積むわけでありますから、やはりそういう面での問題もあるのではなかろうかと。また、やはり路網、いわゆる林内路線としての骨格となる幹線林道、これはやはり地元の要請もありますし、また森林の整備、さらには林業の振興、こういう面で大変重要な役割を果たしてきておるわけでありまして、そのことは委員も御承知いただくわけでありますが。
 これからこの林道、大規模林道につきましては、特殊法人等整理合理化計画、これに基づきまして、引き続き事業評価、こういうシステムを徹底する、そういう中で見直しを行うと、こういうようなことでもありますし、さらには、検討委員会、この報告を受けまして、いろいろの区間についての見直しも、整理あるいは取りやめ、こんなことも検討されておるわけでありまして、やはりこの大規模林道、その使命、これはこれからも私は、森林を整備すると、年々材木、森林は成長するわけでありますから大型のものを輸送しなければならない、また山から出さなければならないという面もあるわけでありますので、その辺十分考えていかなければならないと、このように思っております。
○中村敦夫君 大臣、見ると聞くとでは大違いなんですよ。
 今は林野庁は、名前を変えて、とにかくまた九億円ちょっと減ったけれども予算は確保すると言っているんですけれども。そして、名前を変える理由の中に自然破壊が生じるほどの大規模なものというイメージを抱かせてしまうから名前を変更するというけれども、これ大規模なんですよ。イメージじゃないんです、現実なんですね。
 そして、実際に現場を歩きますと、そういうところは全部希少種がいたり、非常に自然の遺産にとって重要なところが多いんですよ。現実には自然破壊というものを起こしてきているわけですね。ですから、私はこれまで、広島県の細見谷あるいは山形県の葉山、ここなんかも途中でもうやめちゃったんですよ、やっぱりばかばかし過ぎてですね。だれが考えても意味がないということが分かった。そのぐらいのものなんですね。途中で止まっているんですから、もう使い道も何にもないというところです。来月は岩手県の早池峰というところを私も現場を視察する予定なんですけれどもね。
 大臣は、林野庁からの話聞くだけじゃなくて、自然保護団体とか専門家という人々の意見も是非聴いていただきたいと思うんですね。最近では、北海道の日高山脈で大規模林道によってナキウサギ、この生息地が破壊されようとしているわけですね。また、昨年の台風十号では大規模林道工事によって土砂災害がどんどん起きていると。これ、特に寒いところでは冬場は工事休んでいる、その間にまた崩れて、またやり直しと。ですから、土地の人々は、大規模林道反対だけれども、工事賛成と言っている。冬場に崩れてくれるからまた仕事があると。これでは余りにも不健全な財政ですよね。ほかの道が私はあると思うんですね。
 ですから、是非とも一度、大規模林道の現場というものを見ていただきたいんです。そうすれば分かるんですね。よろしくお願いします。
○委員長(岩永浩美君) 以上をもちまして、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四分散会