第159回国会 予算委員会 第7号
平成十六年三月十日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     矢野 哲朗君     大島 慶久君
     郡司  彰君     森 ゆうこ君
     福山 哲郎君     小川 敏夫君
     山本 孝史君     高嶋 良充君
     荒木 清寛君     遠山 清彦君
     木庭健太郎君     高野 博師君
     小池  晃君     小泉 親司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山虎之助君
    理 事
                尾辻 秀久君
                小林  温君
                伊達 忠一君
                林  芳正君
                朝日 俊弘君
                高橋 千秋君
                山根 隆治君
                渡辺 孝男君
                大門実紀史君
    委 員
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                大島 慶久君
                扇  千景君
                木村  仁君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                田中 直紀君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                仲道 俊哉君
                保坂 三蔵君
                舛添 要一君
                森田 次夫君
                山崎  力君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                榛葉賀津也君
                高嶋 良充君
                辻  泰弘君
                中島 章夫君
                樋口 俊一君
                平野 達男君
                森 ゆうこ君
                高野 博師君
                遠山 清彦君
                山本 香苗君
                紙  智子君
                小泉 親司君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     麻生 太郎君
       法務大臣     野沢 太三君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   河村 建夫君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   亀井 善之君
       経済産業大臣   中川 昭一君
       国土交通大臣   石原 伸晃君
       環境大臣     小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策、食品安全
       ))       小野 清子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、個
       人情報保護、科
       学技術政策))  茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、産業再生機
       構))      金子 一義君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        井上 喜一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       外務副大臣    阿部 正俊君
       財務副大臣    石井 啓一君
       厚生労働副大臣  谷畑  孝君
       農林水産副大臣  市川 一朗君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        森元 恒雄君
       法務大臣政務官  中野  清君
       財務大臣政務官  山下 英利君
       文部科学大臣政
       務官       馳   浩君
       国土交通大臣政
       務官       斉藤 滋宣君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
       環境大臣政務官  砂田 圭佑君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  秋山  收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       司法制度改革推
       進本部事務局長  山崎  潮君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       警察庁警備局長  瀬川 勝久君
       総務省自治財政
       局長       瀧野 欣彌君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       法務省入国管理
       局長       増田 暢也君
       外務大臣官房領
       事移住部長    鹿取 克章君
       財務省国際局長  渡辺 博史君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省医薬
       食品局長     阿曽沼慎司君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       厚生労働省政策
       統括官      青木  豊君
       社会保険庁運営
       部長       薄井 康紀君
       農林水産省生産
       局長       白須 敏朗君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
       国土交通省海事
       局長       鷲頭  誠君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       畠中  篤君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
○平成十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十六年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十六年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁福井俊彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構副理事長畠中篤君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 平成十六年度一般会計予算、平成十六年度特別会計予算、平成十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。
 まず、第一班の報告を林芳正君にお願いいたします。林芳正君。
○林芳正君 予算委員会派遣第一班の調査につきまして御報告をさせていただきます。
 第一班は、片山委員長を団長とする十一名で編成され、二月十八日から同月二十日までの三日間、鹿児島、熊本両県を訪れ、南九州地方の産業経済及び両県の財政・経済状況等について概況説明を聴取いたしましたほか、鹿児島県におきましては奄美大島の開発状況及び大島つむぎ、黒糖しょうちゅう等の地場産業並びに九州新幹線整備状況等を、熊本県においては幹線道路建設事業、天草空港、陶芸等の伝統地場産業につきまして調査を行うとともに、県水産研究センター等から有明海及び八代海再生事業への取組等について説明聴取を行ってまいりました。
 南九州の景気動向は、個人消費は引き続き低調であるものの、設備投資や生産は拡大基調にあるほか、雇用情勢も改善の動きが見られ、全体としては厳しい状況にありながらも、企業部門を中心に改善の動きが強まっております。
 鹿児島県の経済情勢は、個人消費は力強さを欠いているものの、生産活動は回復傾向にあり、雇用情勢にも改善の動きがうかがわれるなど、全体として厳しいながらも一部に持ち直しに向けた動きが見られております。財政状況は、県税など自主財源の比率が低い反面、社会資本整備のための普通建設事業比率が高い財政構造にありまして、この結果、県債残高は増嵩し、基金残高の減少傾向に拍車が掛かるなど、財政運営は厳しさを増しておるわけでございます。特に地方財政計画の圧縮で地方交付税等が減額され、十六年度は三百十五億円に及ぶ減収となるなど、持続的な予算編成に向けた財源確保は困難な状況となっております。
 熊本県の経済情勢は、総じてなお厳しい状況にあるものの、生産、設備投資、雇用面を中心に引き続き持ち直しの動きが見られております。特に製造業の生産動向は大手半導体メーカーを中心に増加傾向にあり、今後の回復が見込まれております。財政状況は、県税収入が減少する一方で県債発行が累増するなど、財政運営は引き続き厳しい状況にあります。鹿児島県と同様に地方交付税等の減収額は三百億円を超え、従来より取り組んできた財政再建目標の達成は困難な状況となるなど、財源確保策が喫緊の課題となっております。
 なお、鹿児島県からは、地方税財源の充実確保、市町村合併円滑化に向けた施策の拡充、奄美群島振興開発特別措置法の改正・延長等について、また熊本県からは、「三位一体の改革」の全体像及び工程の速やかな提示、九州新幹線鹿児島ルートの早期完成、高病原性鳥インフルエンザに対する国による総合的な対策の実施等について要望をいただきました。
 以上が第一班の報告でございます。
 なお、調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますよう、取り計らいお願いしたいと存じます。
 以上でございます。
○委員長(片山虎之助君) 次に、第二班の報告を朝日俊弘君にお願いいたします。朝日俊弘君。
○朝日俊弘君 予算委員会派遣第二班の調査につきまして御報告いたします。
 第二班は、尾辻理事を団長とする八名で編成され、二月十八日から同月二十日までの三日間、大阪、兵庫両府県を訪れ、近畿地方の産業経済の動向及び両府県の財政・経済状況等について概況説明を聴取したほか、大阪府においては東大阪市の中小企業の現状及び国際文化公園都市・彩都の構造改革特区の進捗状況を、兵庫県では阪神・淡路大震災後の震災復興状況について説明を聴取し、現地視察を行うとともに、酒造業、ケミカルシューズ等の地場産業、神戸空港建設工事の進捗状況、先端医療産業特区等について広く調査を行ってまいりました。
 近畿地方の景気動向は、中小企業の景況感や雇用情勢が依然厳しい中で、設備投資、輸出を中心に回復のすそ野が広がりつつあります。完全失業率は全国平均を一ポイント程度上回り、依然として厳しい状況が続いているものの、改善の兆しも見られております。
 大阪府の経済情勢は、大企業、製造業が先行する形で緩やかに持ち直しつつあり、ソフト系IT産業の開業率が廃業率を上回り、全国や東京と比べても活力ある状況となるなど、企業家精神の高揚も一部に見られております。府の財政状況は、平成十年度以降五年連続して赤字決算となり、十四年度の経常収支比率が都道府県としては最高となるなど、極めて厳しい状況にあります。府税収入も平成二年度と比べて七割弱の水準にとどまっており、このため、十六年度においても、減債基金からの多額の借入れを行わざるを得ないなど、準用再建団体への転落を回避するため厳しい財政運営を余儀なくされるものと見込まれております。
 兵庫県の経済情勢は、全国に比べ雇用面に厳しさが残り、総じて低調な状況にありますが、生産活動の緩やかな上昇傾向を受け、大企業・製造業を中心に景況感が上向きつつあるなど、持ち直しの動きが見られております。県の財政状況は、十四年度の県税収入が二年連続で前年度を下回り、実質単年度収支が二年連続で赤字となるなど、一段と厳しさを増しております。県では、社会経済情勢の変化等を踏まえ、十六年度から二十年度までの五年間に実施する改革を、「行財政構造改革推進方策後期五か年の取組み」として取りまとめたところであります。
 なお、大阪府からは、地域主権の実現、安定的な医療保険制度の確立等について、兵庫県からは、被災者の生活復興支援、居住安定支援制度の創設、特定疾患治療研究事業にかかる超過負担に対する財源確保等について、神戸市からは、神戸医療産業都市構想の推進、神戸空港建設事業の促進、支援費制度の円滑な運営を図るための財政措置等について、また、神戸商工会議所からは、神戸港・大阪港の「スーパー中枢港湾」の指定等について要望をいただきました。
 以上で第二班の報告を終わります。
 なお、調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らい願いたいと存じます。
 以上でございます。
○委員長(片山虎之助君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 両班から提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたします。
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 昨日に引き続き、質疑を行います。尾辻秀久君。
○尾辻秀久君 おはようございます。
 今朝は外務省に集中的に質問をいたします。
 まず、ドミニカ移民問題について外務省の責任をただします。
 この問題は過去二回当委員会で質問をいたしましたけれども、いずれも時間切れで中途半端に終わっておりますので、今日は中途半端にならないように真っ先にこの問題から始めさせていただきます。
 資料として新聞のコピーをお配りしてございます。ドミニカ移民と言ってもお分かりにならない先生方、おありかもと思いましたので、お読みいただきながらお聞きをいただければと思います。
 改めて、ドミニカ移民が行われたのはいつですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 一九五六年から一九五九年の間でございます。
○尾辻秀久君 昭和三十年代の初めであります。前半であります。そのころ日本は狭い国土から人間があふれ出るのではないかと心配をしていたころでありますから、国策として移民が行われました。これは常識であります。
 目の前におられるんで、谷垣大臣、申し訳ないんですが、そうお思いになりませんか。常識として。
 三十年代前半、常識として移民は国策であった、そう思われませんかという質問を、申し訳ありません、目の前におられたので質問したんであります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 記事を読んでおりまして、ちょっと済みません。
 そのように私は子供心に理解しておりました。
○尾辻秀久君 日本の良識を代表してお答えをいただきました。
 全くそのとおりなんです。ただ、外務省だけがいつも変なことを言う。例えばです。平成十年十月十四日、このことについてどんな答弁しましたか。繰り返してください。どなたでも結構です。
○国務大臣(川口順子君) 私がその点について前にどのような答弁をしたかということを今正確にまた再生することはできないんですけれども、恐らく申し上げたこととしては、これは昭和三十年代前半におきまして、戦前と違って、移住の在り方、戦前の移民とは違った考え方をしていたということであるかと思います。
 それで、国策移民という言葉がそもそもどういうことかということについて、まあこれはいろんな考え方があると思いますけれども、例えばかつて満州に向けられていたような移民の政策、これはその国の強力な保護と指導の下で移民政策が行われて、二十か年で五百万人を満州へという計画があったわけでございますけれども、そういったことを考えて国策移民というふうに使われるということはあるかと思いますけれども、戦後の移民については、そういう意味での国策移民ということではないというふうに考えております。
 ドミニカ、国策の移民の意味にも関係しますけれども、ドミニカ移民、これに関しまして外務省あるいは農林水産省が現地の調査ですとか、あるいは募集要領の作成ですとか、そういったことに関与をしていたという事実はありますけれども、当時考えられていた移住というのは、我が国としての海外への発展、こういったことを図る上で移住というのが、例えばその友好関係を増進するとか、それから我が国の海外への発展への寄与とか、そういった観点で外交の重要な柱として認識をされていたということであろうかと思います。
 ただ、政府の役割というのは、これは戦後、憲法が二十二条の下で、この規定で、移住というのは個人の基本的な人権である、人権としての自由な意思によって決定されるべきものであるということを前提にいたしまして、その自由を保障するということとともに、国民に対して必要な支援、援助を行うということでございました。
 いずれにいたしましても、二〇〇〇年からこの件については訴訟が今起こって、行われているわけでございまして、そういった点につきましては、これは外務省といたしましても準備書面で指摘をさせていただいております。政府として支援、援助、それを超える関与はできないし、また現に行っていないということであるわけでございます。
○尾辻秀久君 相も変わらぬ答弁であります。特に私が許せないと思っているのは、この平成十年十月の答弁で、「国策とおっしゃいますのは今先生が表現されたことでございますけれども、」と、初耳であるかのごとく答えています。
 それじゃ、聞きます。昭和二十九年、ドミニカの代理公使が岡崎大臣にあてた、正確に言いましょう、昭和二十九年八月三十一日、在ドミニカ代理公使が岡崎大臣にあてた電報があります。最初に何と書いてありますか。
○委員長(片山虎之助君) ちゃんと用意してきていなきゃ駄目じゃないか。通告あったんだろう。
○尾辻秀久君 通告しました。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、昭和二十九年の文書は手元にすぐ出ないんですが、今、先ほど御指摘のありました平成十年十月十四日の内藤当時の領事移住部長の発言は、今、先生がおっしゃったとおりでございます。
○委員長(片山虎之助君) 駄目じゃないか、電報を言えと言ったんじゃないか。何を聞いているんだ。
○尾辻秀久君 私が怒るべきところを委員長に怒っていただきましてありがとうございました。
 もう怒っていてもしようがないから、私が読みます。何と書いているか。「海外移住の促進は現下国策の一として朝野をあげて実現に努力中である」、自分たちの電報で、朝野をあげて国策としてやっていると書いているじゃないですか。国策じゃないんですか、どうなんですか。もう一回答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 当初、外務省が移住問題を考えるに当たりまして、移住というのは外交政策の極めて重要な柱であったことは事実でございます。そういう意味からして国策という表現が使われたこともあると思います。
 ただ、我々、常に国策と言う場合は、先ほど大臣から御説明ありましたように、満州において二十年間で例えば五百万人の移民を図るとか、そのように国が強い指導を発揮して移民政策を遂行したと、そういう経緯がございます。
 そういう、非常に国が強い指導を発揮して実現した移民について従来国策という表現を使っておりましたので、そういう移民と区別する上で戦後の移民は、ほかの立場から、すなわち二国間関係であるとか、そういう人口問題という背景は当時ありましたけれども、より二国間関係の発展、あるいは世界に開くと、そういう観点から移民を遂行したということがございます。
○尾辻秀久君 それでは、そんな言い訳をしていますが、あなた方が作った、外務省中南米局移住局が昭和四十一年五月に作った「戦後の海外移住と移住業務のあと」、あなたなんかが作ったものですよ。この中に、移住促進、移住者の大量送出は政府の方針であり国策である、はっきり書いている。ここで言う国策というのはどういう意味ですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 重要な外交政策であると、そういうふうに私、理解しております。
○尾辻秀久君 それじゃ、国策じゃあるんですかないんですか。自分たちで国策と書いたんだ。だから、国策なのか違うのか、もう一回言ってください。
○政府参考人(鹿取克章君) 舌足らずで申し訳ございませんが、我々、国策という言葉をしばしば使ったのは、戦前の満州におけるような、国が強い指導力を発揮して、例えば二十年間に五百万人の移民を実現すると、そういう観点から国策という表現をしばしば使っておりました。
 そういう戦前の移民と区別する上で、先ほど大臣からも御説明ありましたように、戦後の移民につきましては、憲法第二十二条二項に基づいて、個人の自由意思に基づいて実現すると。また、その目的としては、その目的としてはもちろんその背景として人口問題というものがございましたけれども、二国間関係の発展、あるいは世界に開くと、そういう理念を持って実現しておりましたので、重要な外交政策ということでございます。
○尾辻秀久君 だから、自分たちで国策と書いているんだから、国策なのか違うのかと聞いているんですよ。答えてくださいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 重要な外交政策という意味では国策と言えると思います。
○尾辻秀久君 それじゃ国策なんじゃないですか。何で国策だということを否定するんですか。もう一回、国策であったということをちゃんと認めてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 重要な外交政策という意味で国策だという表現は使ったと思います。
○尾辻秀久君 もうこんなところで引っ掛かってもしゃあないけれども、国策だったんですね、認めましたね。そのことだけを確認しておきます。
 次に、改めてですが、ドミニカ移民が悲惨な失敗であった、このことは幾ら外務省でも認めるでしょう。
○政府参考人(鹿取克章君) ドミニカについて、ドミニカの移民について、いろいろな経緯またいろいろな理由が複合して移民された方々が所期の目的を達しなかったということはそのとおりでございます。
○尾辻秀久君 失敗だったということを認めるんですね。もう一回聞きます。
○政府参考人(鹿取克章君) 移民された多くの方々が、やはり現実と自分、皆様の期待されたこととの乖離、そういうものもありましたし、また、最終的に当時所期の目的を達することができなかったと、こういう事実はございました。
○尾辻秀久君 その責任は外務省にありますね。
○政府参考人(鹿取克章君) このドミニカ移民問題については、今裁判の争点になっております。様々な観点から今御承知のとおり裁判が進められております。当時、外務省あるいは当時農林省ですか、昭和三十六年あるいは三十七年、国会でもかなり議論がございました。その中で、移民された方々が実際、最終的には所期の目的を達せられなかった、そういうことについては責任を感じていると、そういうことを述べた答弁はございます。
○尾辻秀久君 そんな抽象的なこと聞いているんじゃないんですよ。外務省に責任があるかないかを聞いているんです。今まであなた方が何と答弁してきたか。これまで、今日で多分延べ二十三人目の質問になると思いますよ、このドミニカ移民問題は。その過去二十、今日を外せば二十二回、あなた方が何と答えてきたかをそれじゃ答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) ドミニカ移民の問題につきましては、その移民された方々が当初の目的を達することができず、かなりの方が帰国されたと。そういう所期の目的を達成されなかったことについては非常に残念であるし、また責任も感じていると、こういうことはこれまでも申し上げてまいりました。ただし、法的責任の問題につきましては、今裁判で訴訟中でございまして、政府としては政府の立場を述べているところでございます。
○尾辻秀久君 あなた方がどういう答弁を繰り返してきたかということを聞いているんです。
○政府参考人(鹿取克章君) この問題は、昭和三十六年、三十七年、それ以降も国会で度々議論になりました。その過程でいろんな角度からいろんな質問がございまして、それに対して我々もいろいろな回答、答弁をしております。
 今、責任の問題につきましては、今私が申し上げましたように、移住者の方々が所期の目的を達成できず帰国された、あるいは所期の目的を達成できなかったことについては責任を感じていると、こういう答弁をしております。また、こういうふうに考えております。
 ただし、責任の問題については今裁判で争われている案件でございまして、法的責任の問題については、今裁判において政府としては政府の立場を述べているところでございます。
○尾辻秀久君 私は何も法的責任を聞いているわけじゃないです。私もこの質問するのに過去の議事録三回読み直してきたんです、全部。だから、そこに何と書いてあるか、何と答えてきたかを答えなさいと言っているんです。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、先ほど申し上げましたように、我々この問題についていろいろな答弁を行っております。昭和三十六年以降、国会審議でいろいろ答弁しておりますが、申し訳ございません、どの問題について……。
 幾つか申し上げますと、昭和三十六年八月一日参議院外務委員会、我々としても責任を感じております、外務省としても責任は十分あると思います、こういう答弁をしております。
○尾辻秀久君 あなたなんか私の質問に対してまともに準備してくださいよ。
 じゃ、私が代わりに答えてあげる。大きく二つ言い訳しているんだよ。一つは、単なるあっせんだから責任ないんですと。こう何回答えていますか。もう繰り返し繰り返し山ほどありますよ、私、これ出せば。一つは、あなた方、単なるあっせんだから責任ないと言っているんですよ。国が単なるあっせんだから責任がないと、そんな非常識な話がありますか。国があっせんしたから逆に責任があるんでしょう。国が悪徳不動産屋みたいなことを言わぬでくださいよ。外務省の言うことさっぱり分からぬ。我々の常識と違い過ぎる。
 私があの瀋陽の総領事館事件を聞きたいと思って外務省に問い合わせたら、外務省というのは誠に冷たいところだ、ホームページで調べてくれと、こう言いましたよ。しようがないから私、ホームページ出したよ、資料をくれと言ったらホームページで出せと言ったんだから、しゃあないから出した。
 そこで、ここで正確に聞くからね、今度はホームページで見ろとは言わぬでくださいよ。待合室に入り込んだ男性二名が取り押さえられた際の状況、取り押さえられたんじゃないよ、連れ出されたんだよ、あれは。だけれども、この状況をもう一回説明してください。
○委員長(片山虎之助君) だれですか。通告しているんだよ。
○尾辻秀久君 通告している、している、これなんかもう。大きく通告しているよ。
○国務大臣(川口順子君) 二年前の五月でございましたけれども、このときの、その連れ出されたときの状況ということですが、正門前から総領事館の事務所に駆け戻った査証担当副領事が、中国側の警察官が背後から総領事館敷地内に入ってきたことには気付いていませんでした。また、この副領事が査証待合室の長いすに二名の男性が座っているのを確認した瞬間、五、六名の中国側警察官が副領事の横をすり抜け、二名の男性を後ろ手に押さえ連行していったものでございます。というのが当時の状況でございます。
○尾辻秀久君 総理を煩わして申し訳ないんですが、総理、聞いてください。
 今の説明、こういうことを言っているんですよ。副領事がこう歩いていったと。後ろから五人の武装警官がわきを通り過ぎていった。今度は、向こうに行った二人を引っ張って、わきを通って帰って、そのわきを外に出て行った。この間、一言も発する間もなく、手を上げて制する暇もありませんでしたと言っているんですよ。こんな人間が電光石火の荒業、五人一緒にできますか。しかも、二人連れ出すんですよ。この二人が喜んで付いていったとしても、横通っていって、また二人連れて帰ってくる間に、一言も言葉を発する間がなく、手で制する間もなかったなんて説明を、あなた方は平気でやっているんだよ。
 これ、常識じゃないですよ。もう全くあなた方の言うのは常識に反する。総理、そう思われませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 外地の大使館に勤務するという使命感とか、あるいは自らの役割ということに対して認識を欠いていた面が多々あったと思います。
○尾辻秀久君 総理に常識どおりの答えしていただいて本当に救われる思いがいたします。
 そこで、外務省がまた二つ目の理由を言っているんです。責任がない二つ目の理由、これ何か。ここはよく聞いてくださいよ。募集要項を作ったのが海協連で、略して海協連で、自分たちは募集要項を作っていないから責任は海協連にある、これが説明でしょう。そうですよね。こう繰り返し言ってきたことをまず確認します。
○政府参考人(鹿取克章君) この点は、先生御指摘のとおり、私どもの裁判所に対する準備書面にも書いてございますが、当時、募集、あっせん等を直接携わったのは海協連であると、こういうことを述べております。
○尾辻秀久君 それじゃ、その募集要項ができる手順を説明してください。
○政府参考人(鹿取克章君) 募集要項につきましては、現地の大使館が地元の状況を調査しその報告を受ける、あるいはドミニカ政府から情報を得る、また調査団を派遣してその調査を行う、そういう様々な活動を総合しましてまず農林省が募集要領というものを作成いたします。その募集要領を海協連に伝達いたしまして海協連が募集要項を作成いたしました。
○尾辻秀久君 今言うように、募集要領を政府が作って、それに基づいて募集要項ができているんですね。そして、その募集要項に過ちがあったから、まあいろんな表現していますよ、募集要項に過ちがあったから、我々にはその募集要項には責任がないから責任がない、こう言っているんですよ、いいですね、こう繰り返し答えている。
 今、私はここに、例えばハラバコアの募集要領と募集要項、両方持っていますよ。この募集要領と募集要項のどこに違いがあるかを説明してください。
○政府参考人(鹿取克章君) 募集要領と募集要項は同じ表現であると思います。
○尾辻秀久君 そうしたら、今まであなた方が言ってきたことはうそじゃないですか。募集要領と募集要項、同じものなんですよ。それで、募集要項に過ちがあったから我々に責任がないと言ったって、それじゃ、募集要領と募集要項が一緒なら募集要領に責任があるじゃないですか。政府に責任があるじゃないですか。どこに責任がないんですか。もう一回言ってください。
○政府参考人(鹿取克章君) 募集要項の内容につきましては、我々も、今裁判で正にいろいろ議論をされております。募集要項の内容について誤りがあるというふうには政府の立場としては考えておりません。
○尾辻秀久君 それじゃ、あなた、今そんなこと言うけれども、また平成十年十月、どう答えているか。募集要項、その表現につきましては、日本政府が直接書いたものではないので政府は一切責任がないと、こう言っているじゃない。この答弁と違うじゃないですか、あなたが今言っていることは。
○副大臣(阿部正俊君) 私も、実はせんだってドミニカに行ってまいりました。それで実情を拝見いたしまして、相当難しい状況の中で皆さん苦労されたなというふうな感じを持ちました。
 ただ、責任問題云々というような話がございますが、私、全体的な責任といいましょうか、政府のかかわりというのは否定できないし、現実にあったんだろうと思います。であればこそ、様々な、三十数年以降、三十二、三年から始まったわけでございますけれども、ドミニカ移住の実情を考慮いたしまして、三十六年に、その窮状にやや、言わば様々な問題を解決すべく、三十六年に、相変わらずドミニカにお残りになるか、あるいは南米のブラジルその他に移住されるか、帰国されるか、どちらかの道を選ぶようにしようじゃないかと、それぞれについて、しかも対策を取ってですね、いうふうなことを閣議決定をしてやっているわけです。
 ということを考えますと、全体的な言わば政策論としては国の関与というのはあっただろうと。であればこそ、そういったふうな閣議決定をして、言わば、まあ言葉は適当かどうか知りませんけれども、政策のリセットをやっているわけでございますので、それ以降の問題としてどうなのかという、今度は別にいたしまして、当初のドミニカ政策の移住の政策というものが当初の予期どおり進まなかったということは先生の御指摘のとおりだと思います。
○尾辻秀久君 いや、副大臣がおっしゃることはそのとおりだろうと思うけれども、私が今聞いているのは、今までうその答弁を繰り返してきただろうと言って指摘しているんだから、うその答弁してきたかしてきていないのかを答えてくださいと言っているんですよ。移住部長、答えてくださいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、先生の御指摘の平成十年十月十四日の衆議院の議事録を手元でチェックしております。その中で、政府側の答弁といたしましては、「一方で、募集要項、その表現につきましては、日本政府が直接書いたものではないという意味においては、仮に誤解が生じたとすれば、その日本政府の伝達した情報が募集要項に書かれた際に不十分な解釈が行われたと考えます。」と、こういう答弁はございます。
○尾辻秀久君 だから、そうじゃない。自分たちが出した情報というのが募集要領じゃない。それがそっくりそのまま募集要項になった。どこでどういう誤解があったの。どこで間違ったの。
○政府参考人(鹿取克章君) 先ほど一度御答弁しましたように、本来、政府が、農林省が当時募集要領を作りました。それを海協連に伝達しまして、それで募集要項ができました。当時、海協連は財団法人として独立の主体としてございましたから、海協連として農林省から伝達を受けた募集要領に基づいて募集要項を書くということはできたことだと思います。
 ただし、実際には、当時、海協連としては農林省が作成した募集要領をそのまま募集要項として出したと。したがって、ベースは、それはベースは募集要領でございまして、その募集要領に基づいて海協連が募集要項を作ったと、こういう一つの仕組みはございました。ただ、結果としては募集要領と募集要項は同じものでございます。
○尾辻秀久君 今、最後にあなた言ったじゃない。募集要領と募集要項は一言一句違わないんだ。全く一緒なんだよ。
 それで、募集要項が間違いでしたから我々には責任がありませんと繰り返し繰り返し言っているんだけれども、ということは募集要領が間違っていたんじゃない。自分たちの根本が間違っていたんじゃない。それを今までずっとその答弁繰り返してきているんですよ。うその答弁しましたと言って謝りなさいよ、もう。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時の答弁が誤解をもしも招いたということなら本当に申し訳なく存じます。
 ただし、先ほど申し上げましたように、当時できていた仕組みというのは、農林省が募集要領を作り、それを基に、それを基に海協連が募集要項を作ると、こういうことでございました。
○尾辻秀久君 もう言うことは一杯あるからこんなところで止まりませんけれども、本当に、(発言する者あり)与党の理事が止めたくなっていますよ。
 これ、もう一つ読んでおきますけれども、あなたなんか本当、白々しい。募集要項によりますと、最初は十五万円の現金を持っていくように、それから後の募集になりまして十万円というふうに書いてございますが、我々も今調べておるのでありますがなんて、募集要項に書いてあるから我々は関知もしなきゃ知らないみたいな答弁をしたこともありますよ。募集要領にちゃんと十五万持っていけと書いているんですよ、募集要領に。
 まあ、こんなことだというのを分かっていてください。
 次、行きます。
 まだ外務省の責任幾らでもあるんです。移住協定を結んでいないという大失態を演じているでしょう。最終案文までできていますよ、移住協定は。なぜ結ばなかったんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 先生御承知のとおり、ドミニカ移住につきましては、昭和三十一年三月二十七日付けのメルカード書簡、これに基づいて移住を開始いたしました。当時、その段階では移住協定を結んでいないことは先生の御指摘のとおりです。
○尾辻秀久君 三月二十七日の問題は慌てなくても後でゆっくり聞くから、先に、なぜ募集、いや、移住協定を最終案文まで作りながら結ばなかったのかという質問をしているんです。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、政府はドミニカ移住が開始された後にドミニカ政府との間で移住協定の締結の件の検討を進めました。今御指摘のとおり、案文もできております。
 ただし、その後、ドミニカの政変等、ドミニカにおける諸事情のために最終的には協定締結に至らなかったと、こういうことでございます。
○尾辻秀久君 諸事情とは何ですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 当初のドミニカの事情でございまして、国内の政治的安定性が損なわれ、また最終的には、当時、移住を非常に積極的に推進したトルヒーリョ大統領も暗殺されたと、そういう事情がございます。
○尾辻秀久君 うそ言っちゃいけない。あなた方が単に焦って急いだだけでしょう。
 昭和三十一年三月、ドミニカに、在ドミニカ吉田大使から重光外務大臣に書簡が来ている。何と書いていますか。細目の点で若干の不満はあっても、大局的見地によりこれをのんで、ひたすら実施の方を推進することといたしたくと。要するにひたすら実施したいと思っていたんですよ、あなたたちは。だから無理やり急いで協定もないのにやったんでしょう、認めなさい。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、政府としてドミニカ移住を是非成功させたいと、できるだけ速やかに成功させたいと、そういう気持ちがあったことは事実であると思います。
○尾辻秀久君 この問題もあなた方の大失態なんです。
 これはアルベルト・E・デスベラデルという、駐日大使をした、ドミニカの駐日大使をした、しかも五年間日本の大使をしたキャリア外交官がいますよ。この人が何と言っているか。日本国側が急速に事を進める余り、移民の送り出しと入植のペースがうまく合っていなかったのは明らかであった。日本政府官僚はその場限りの対応で過失を犯してしまった。日本外交政策の悔やまれる過ちであり、国家主権間外交術を知る者にとって理解し難いことである。ここまで決め付けていますよ。日本外務省は恥を知れと言いたい。
 そこで、さっきの話に行きましょう。
 あなた方は協定結ばなかったから交換公文で済ましたと、こう言っていますね。そして、その交換公文が三十一年の三月二十七日、これで交換公文だと言っている。これはこれでいいんですね、もう一回答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) ドミニカ移住の内容が固まりましたのは、三月二十七日の交換公文でございます。
○尾辻秀久君 じゃ、全部読んだら時間掛かるから、そのメルカード農務大臣発吉田公使あて書簡、第二フレーズのところを読んでください。
○政府参考人(鹿取克章君) 「本大臣と閣下及び過日当国を訪問された日本使節団各員との意見交換に基づき、両国政府間の取極及び日本人移住者定着のための基準は、本書簡に対する返簡との交換によって確定されるものとするが、その内容とする約定及び相互条件はこれを下記の如く要約される。」。
 以上でございます。
○尾辻秀久君 本書簡に対する返簡との交換によって確定されるって書いてあるじゃない。まだ返簡はしてないじゃない。何でこれで確定するんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) ドミニカ移住につきましては、三月二十七日のメルカード書簡に至るまでの間、日本とドミニカで協議、また折衝いたしました。実質的には三月の初めに内容はおおむね固まっております。その確認が参りましたのが三月二十七日でございますので、日本側としてはこれをもってドミニカの大枠は定まったと、こういうことで理解いたしました。
 御指摘のとおり、返簡を出しましたのは四月二十四日でございます。
○尾辻秀久君 それが確定の日じゃないですか。返簡で確定すると書いているのに、何で三月二十七日で確定したと言うんですか。もう一回説明してください。
○政府参考人(鹿取克章君) ドミニカ移住の問題につきましては、数か月にわたりドミニカ政府と折衝しております。今申し上げましたように、内容的には三月十二日に固まりました。その後、三月二十七日にメルカード大臣から書簡が参ったわけでございます。その段階で日本側としては、日本側の要望していた点が基本的に定まっているので、そこで日本とドミニカとの間の合意が確認されたと、こう理解したわけでございます。
○尾辻秀久君 極めてそれも苦しい。きっちり書簡を返した時点で確定するとしているんだから、その日にしなきゃいかぬでしょう。
 それで、聞きますよ、その間、あなた方はどうしようかということを検討していませんか。その返事をどうしようかということを自分たちの内部で討議していませんか。
○政府参考人(鹿取克章君) 申し訳ありません。その点については、今手元にちょっと資料を持ち合わせておりません。
○尾辻秀久君 四月十日、吉田公使から重光大臣にあてた電報がある。引っ張り出して読んでみてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 申し訳ございません。今手元にちょっと持ち合わせておりません。
○尾辻秀久君 これはまあ、これを示してまで通告していないから、ないと言われればまあ少しは許してあげるけれども、このぐらいのものは分かっているんだから用意してくださいよ。
 何と書いているか。いろいろ書いて、今の件ですよ、右に同意をせる旨を回答して差し支えないか折り返し御回電ありたいと言っているんですよ。こんなことまで協議しているんですよ、その後、四月の十日に。
 これ見せるから、事実認めるかどうか調べてください。ちょっと来てください。これ見てあなたは何と答えるか。(資料提示)
○政府参考人(鹿取克章君) 今御指摘のは外務省の電報でございます。
○尾辻秀久君 で、何と書いてある。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、先生が一ポツお読み、読まれました。二ポツの方は、右交換公文により両国政府の合意成立したものとなし、今後の移住者に関しては、当分の間、右公文を引用しつつ、その都度簡単な公文を交換することとし、適当な時期を見計らって……
○尾辻秀久君 その前、その前。あなた、都合のいいところ読むなよ。その前何と書いてあるか。
○政府参考人(鹿取克章君) 一ポツは、まず本省より、三月二十七日、農相来簡に対し、我が方よりコンファーミングレットを出すつもりであるが、これはちょっと、済みません、読めません、ドミニカ外務省を経由する要、する要なきやとただしたところ、農相は、政府首脳部にて話合い尽きおる、尽きおるにつき、直接自分あてにもらいたしと答えた。ついては、本省より、前記来簡を受領したこと、及び右に同意せる旨を回答して差し支えないか折り返し回電ありたいと。
○尾辻秀久君 見てごらんなさいよ。書いてあるじゃない。まだその時点でよろしいと回答していいかって聞いてきているじゃない。あなたなんか内部で議論しているんだよ。
 もうね、だんだん腹立ってくるから、もうこの問題、もうここでいいよ、もう。あなたとやっていると長生きできなくなる。
 ただね、外務省、まだまだ大罪を犯しているんです。一番私は外務省犯した大罪の中でひどいと思うのは、事前調査が余りにもずさん。これは、さっきからあなた方は戦前との比較しているけれども、これはあなたなんか本当にひどいと思うけれども、しゃあしゃあと昭和三十七年二月の衆議院の内閣委員会ではこう言っているよ。戦前の移民が棄民であったこと、棄てる民ですよ、戦前の移民が棄民であった、棄てる民であったことは、そう言われても致し方がないと思うのであります。もう戦前の移民なんて棄民だったというのを認めているんですよ、あなた方は。まあその神経たるやすごいものだと思うんだけれども。
 それで、私が言いたいのは、その棄民であった戦前の移民でも、例えばアマゾンの事前調査、こんだけの事前調査作っていますよ、事前調査を作っている。(資料提示)比べて、ドミニカの事前調査はこれ。ページ数十五ページ。これとこれ比べてくださいよ。あなたなんか、こんなひどいことで送ったんだよ、人間を。正に地獄に送ったんだ。
 この要した日数の違い、答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 外務省の、外務省の調査、事前調査ですが、昭和三十五年、これは一か月ぐらいにわたり数か所、五か所を巡っておりますし、また首都にもおりますので、一か所に当たった日数というのはかなり限られたものだったと思います。
 また、昭和三十七年においても調査をしておりますけれども、一地域については二日ないし三日調査したと、調査したものと考えております。
○尾辻秀久君 こっちは二年掛けて調査したんです。あなた方が棄民と言っている移民でも二年掛けて調査して送ったんですよ。一か月、十五ページで送ったのがドミニカなんですよ。
 しかも、ここに何と書いているか。調査団は、限られた時日内にできるだけ多くの地域を調査せんと試みたが、まず第一に逢着した、出くわした難問は、資料の欠乏ということであった、実地踏査に当たって利用し得た地図でも四十万分の一というのが最大のもので、四十万分の一の地図が最大だったと言っているんですよ。それで、地形、面積等も地図だけでははっきりせず、勢いド国政府の説明そのままのまざるを得なかったわけで、この点、正確を期し難い、正確でもないと言っているんですよ、わずか十五ページの調査は。それであなたなんか送ったんですよ。
 しかも私は、あなたなんかを許せないのは、これ、もう今日は許せないことが多いんだけれども、平成四年二月に、平成四年二月、そう昔じゃないですよ、我々参議院の外務委員会で、久保田先生がこの報告書を出せと言った、出せと言った。何と答えたか。要するに、二国間の、二国間の微妙なことが書いてあるから、これ出せませんと、こう答えているんですよ。この報告書、十五ページの報告書を久保田先生に出せと言われて、二国間の微妙なことが書いてあるので出せませんと答えている。この十五ページのどこに二国間の微妙なことが書いてあるか示してください。
○政府参考人(鹿取克章君) 今先生御指摘のは、吉岡当時の調査団長の報告であると思います。これはちょうど十五ページにわたります。この報告書は今は公表されております。
○委員長(片山虎之助君) 答弁に、正確に答えなさいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) また、今、先生がどういう点が二国間で機微な問題があり得るかということを御指摘になりましたけれども、当時我々は、トルヒーリョ将軍、トルヒーリョ元帥が日本のドミニカ移住に、を非常に後押ししていただいたところでございますが、多少こういうトルヒーリョ大統領に対する評価、そういうものは入っております。
○尾辻秀久君 もう一回聞きますが、それが公開できない微妙な二国間の関係が記述されているということですか。
○政府参考人(鹿取克章君) その後、我々の方でこの文書を検討して公表した次第でございます。
○尾辻秀久君 自分たちの都合の悪いことが書いてあるから公開しなかったんですよ。それで、検討して公開したみたいなこと言わぬでください。これは、外交文書の公開の期日が来たから公開しただけじゃないですか。いい加減なことを言わぬでくださいよ。もう一回答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) これは外交文書の公開の一環として公開いたしました。
○尾辻秀久君 もう皆さんもお笑いになるけれども、怒りが頂点に達すると噴き出したくなるんだけれども、正にその状態でね。今答えたことともう違うことを答えるじゃない。もう、委員会を侮辱しないでくださいよ。外務省、本当にこれは、しょっちゅうこれやるじゃない。もう一回、先ほどの答弁誤りでしたと言ってよ。
○副大臣(阿部正俊君) まあ、お答えになるかどうか分かりませんけれども、当時議論された情報の取扱いの物の考え方とそれから最近の考え方というのは大分違うんではないかというふうな気がいたします。当時とは、先ほど言いましたように、三十年代初めに行われた移住というのがうまくいかなかったということを前提にいたしまして、三十六年にもう一度、言わばやり直しというようなことで三つの、帰国それから南米移住、それからドミニカへの残留ということを、三つの方針をもう一回意思確認いたしまして、それぞれについて所要の施策を取ったというふうな時期に論議された背景がございまして、率直にそういったふうなことでの評価というものが語られて、そのときの状況でございますし、しかも、微妙なといいましょうか、何が微妙だということを言われましてもなかなか言いにくいところありますけれども、全般的に言いまして、やはり当時は外交文書といいますと何となく秘だというふうな雰囲気が非常に強かった時期ではなかったのかなと、こんなふうに思います。
 そういう意味で、現在の時点に立ち返ってみれば、必ずしも秘というふうに扱わなきゃならなかったのかどうなのかということについては、私は十分これからの反省材料として考えるべき問題ではないかと、こんなふうに思います。
○尾辻秀久君 日ごろの仲間が出てきて答えられるとこれ以上嫌みも言えなくなるから、先に行きます。だけれども、移住部長、本当にあなたはひきょうだ。
 今の答弁にもありましたね。今度は三十六年に仕切り直すんです。そのときに調査に行っている。
 その報告書は今日持ってきていますね。この報告書のナンバー十一、十一ページ目を二行目の後ろから読んでください。
○政府参考人(鹿取克章君) 今の先生の御指摘のは、昭和三十六年の池田、当時のドミニカ支部長の報告でございますね。
○尾辻秀久君 その二行目の「小職」というところから。
○政府参考人(鹿取克章君) 小職、先年視察したブラジル、パラグアイ、ボリビア、アルゼンチンなどの日本人移住地や青森、岩手、山梨、宮崎各県下の戦後の開拓地などと比較して、諸種の悪条件がこれほど重なっている移住地はほかにちょっと思い当たらぬぐらいであって、同行の飯島事務官も同様の所感を述べられていた。もちろん、同行の移住者たちに対してはかかる所感は述べなかったが、内心彼らもよく今日まで頑張ったものであると感じざるを得なかった。
○尾辻秀久君 そのとおりでしょう。正にあなた方はこんなひどいことをやったんだというのは認識しておいてくださいよ。移住地をずうっと見てきた人が、こんなひどいところは初めて見た、よくぞここまで頑張ったものだという報告書を上げているんですよ。この事実はちゃんと知っておいてくださいよ。
 そして、まあこの報告書は良心的な報告書だから、もう読むとますます腹が立ってくる。じゃ、十二ページ、十二ページの後ろの方、「然るに」というところから読んでみてください。
○委員長(片山虎之助君) 鹿取部長。
 早くやれよ。勉強してきなさいよ、あなた。
○政府参考人(鹿取克章君) 然るに、然るに、この地の自然条件について少し考えてみれば、ネイバのあるバルコ県はドミニカの小学校用地図にても明記されているごとく、年間雨量五百ミリ以下でドミニカにおける最高の乾燥地帯である。
○尾辻秀久君 もう、いい。
 あなた方が入植させたのはドミニカの最高の乾燥地帯に入れたと書いているじゃない。小学校の教科書にも書いてあると書いている。こんなことやったんだよね。
 じゃ、どんなひどいところに入れたか、もう少し明らかにしますよ。最初に入植させられたダハボン、どんなところですか。
○政府参考人(鹿取克章君) ダハボンにつきましては、土地の状況でございますけれども、土地は、埴土又は埴土壌、石灰分に富む。浸水対策、かんがい施設の設備が必要。この地区は十万タレアの面積に約二百戸の入植が可能とされているが、浸水地帯、耕作不適地もあり、利用可能地は一万タレア、さらに四十戸が適当、等でございます。
○尾辻秀久君 私が草の根無償援助をここにしたからどんなところだって聞いたら、あなた方は全然違う答えを持ってくるんです。質問によって適当な答えをするからそうなんだ。草の根無償をしたからどんなところだと言うと、ひどいところだって書かないと草の根無償したことにならぬものだから、何と言って書いてきたか。
 ドミニカ共和国の中で最も貧しい地域として位置付けられている北西部にあるダハボン市は、国境地帯であること、就職の機会がないことなどの条件が相まって、売春や麻薬の密売の横行する土地である、こう私のところへ持ってきたんだよ。こんなところにあなたなんか平気で入植させたんだよ。
 じゃ、アグアネグラはどんな土地ですか。
○政府参考人(鹿取克章君) アグアネグラでございますが、入植当時は余り手入れがされていなかったこともあり、既存耕地は余り良好とは言えなかったが、傾斜地が多いものの土質自体は優良であったと、こういうことでございます。
○尾辻秀久君 土質自体は優良であったって、まああなたよく言うよ。本当にまああなたの感覚をもう疑うけれども、まあもうここでその見解始めていてもしゃあないからね。あなた方がまた私に持ってきた、どんな土地だったかという説明を読みますよ。
 南西部ハイチ国境に近い日本人移住者が最初に入植した土地の一つであるが、ドミニカ共和国では貧困地帯に属し、開発の後れている土地である。要するに、そんなところなんです。
 私がまず問題にしたいのは、見事に国境にだあっと並べられている。入植させられたんです、国境にずっと。この理由を述べてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、ドミニカは国の開発を進めておりましたが、国境地帯についてはまだ未開の地が多かったので、国境地帯を中心に移民を推進したと、そういうことでございます。
○尾辻秀久君 だから、向こうにしてみれば、人間の盾地に日本人入植者を国境に並べたんじゃないですか。それをあなた方は知っていてやったでしょう。知らなかったんですか、答えてくださいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、吉岡団長の報告書も引用の、引用がありましたけれども、当時、国境地帯に日本人移民が期待されていたのは、正に国境地帯の開発、それに日本の優秀な移民を、移民の方々に入っていただきたいと、こういうドミニカ政府の考慮があったものと理解しております。
○尾辻秀久君 私が聞いているのは、人間の盾にされたんですか、されなかったんですかということを聞いているんです。
○政府参考人(鹿取克章君) 人間の盾ということは、私どもの理解には一切ございません。
○尾辻秀久君 それでは、昭和三十三年十月、小長谷大使、当時の、が藤山愛一郎当時の外務大臣に出した、これは文章だな、これの七ページ、最初の方に何と書いてあるか読んでください。
○政府参考人(鹿取克章君) 申し訳ございません。今ちょっと手元に資料がございません。
○尾辻秀久君 あなた方は、まあ大体都合が悪くなるとすぐなくなるんだ。私が代わりに読みますよ。もう肝心なところだけ読む。「一九四八年のドミニカ移民法の第二章に「国境地帯移住」が規定されている。」、「本邦移住者も、右のアイデアによって導入されたものと思考される。」。
 大使がちゃんと報告しているじゃない。これ違うんですか、どうですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 申し訳ございませんが、今の資料そのものは手元にございませんが、当時、日本の移住者の最初の移住が国境地帯に行われたことは御指摘のとおりです。ただし、国境地帯だけではなくて、コンスタンサ、ダハボン等国境から離れたところにも日本の移住が行われました。
○尾辻秀久君 そういうことを聞いているわけじゃないでしょう。人間の盾にされるということを承知の上で送ったでしょうと聞いているんですよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 人間の盾であるということは承知しておりません。
○尾辻秀久君 まあ、口が裂けてもそれは言えぬでしょうね。あなたの立場は分かる。しかし、公開された文書によって、外務省が知っていたことだけは明白だということを言っておきましょう。
 そこで、今の話じゃないですけれども、移住者の皆さんが入植されたところに行ってくださいよ。阿部副大臣はさすがに立派だと思うけれども、行っていただいた。涙が出ますよ。本当に涙が出る。あそこへ行って涙が出なかったら人間じゃないと思う。
 ドベルヘ、塩の砂漠ですよ。大臣は、あそこに塩があるかないかが裁判の争点だからと言って、この前変な答弁しましたけれども、一遍行ってみてくださいよ。それで、あそこに塩がないと大臣が言ったら、もう私は大臣は人間じゃないと思う。
 ネイバは石ころだらけですよ。石の山ですよ。もう掘っても掘っても石なんですよ。入植した人たちが必死になって、その石を何とかしようと思って掘って山にした石の山が一杯あって、あれを見ると本当に涙出ますよ。だけれども、まだ下も石だったんですよ。
 このドベルヘについて、去年十月二日、今言ったように大臣に質問しました。大臣の答えは、「今の時点では承知しておりませんけれども、調べて報告をさしていただきたいと思います。」と答えていただきました。今日に至るまで報告がありません。なぜですか。
○国務大臣(川口順子君) これにつきましては、その後阿部副大臣に現地に飛んでいただきました。阿部副大臣がいろいろな、ヘリコプターで視察をしていただいて、そういった状況について話を聞いております。そういった点について、もちろん御質問をいただいたらお答えをするということで考えておりました。
○尾辻秀久君 報告すると言ったものは、私に大臣が報告なさるのが人の道じゃありませんか。私はそう思います。大臣は人の──もう副大臣、いいです。大臣は人の道に反したことをなさったとあえて申し上げておきます。いいです、いいです。
○委員長(片山虎之助君) 答弁さしたらいいじゃないですか、答弁さしたらいいじゃない。川口外務大臣、川口外務大臣、何で報告しなかったかということだよ。
○国務大臣(川口順子君) 予算委員会の場で御報告をするというふうに考えておりました。
○委員長(片山虎之助君) そんな報告あるか。
○尾辻秀久君 正にそのとおりで、十月二日から今日まで何日たっていますか。それで今日私から報告がないと言われて、予算委員会で報告するつもりでしたなんて、そんなふざけた答弁ないですよ。
○委員長(片山虎之助君) もう一遍やれ、川口外務大臣、川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) 阿部副大臣に飛んでいただいて調べていただきましたので、阿部副大臣から御報告をさせていただきます。
○副大臣(阿部正俊君) 直接お目に掛かる機会が作れなかったことをおわび申し上げますが、私の印象といいましょうか、技術者でございませんので、当時に返っての調査はできませんですけれども、ネイバにつきましてもドベルヘにつきましても行ってまいりました。
 その感想的なことを申し上げますと、これはネイバについては石が大変多いという土地であるということは事実でございます。それから、ドベルヘにつきましては塩、塩分が含まれておるという土地がありました。ただ、この土地については、必ずしも果たしてそこが入植予定地だったのかどうなのかということは、必ずしもはっきり確認できませんでございました。ただ、両者とも、両地とも、私の、昔、私も農家の子供でございますので、それから言いますと、相当やはり、そのままの土地で食物がたわわに実るというふうな土地ではないなという感じは持ちました。現に、両地とも、ネイバにつきましてもドベルヘにつきましても、現在入植者はゼロでございますということでございますので、相当条件はいいものではなかったということは確かではないかな、こんな感じを持ちました。
 以上でございます。
○尾辻秀久君 仲間内だから褒めるわけじゃないですが、この中で良心的な答弁しているのは阿部副大臣一人じゃないですか。あなたはいい加減過ぎますよ。
 大臣、あのとき私が質問したのは、ちゃんと現物見せて、例えばドベルヘの土地に塩分があるとの点を強調せられることは移住者に不安を抱かしめるおそれあり。この辺、移住者に対し本省担当官において要領よく御説明なるよう特にお願いすると書いているのを指摘して、こんなひどいことをあなた方はやったんでしょうと聞いたんですよ。その答え、まだないじゃないですか。
○国務大臣(川口順子君) まず、このネイバ、ドベルジェの両地区について、そのときに先生がお引きになられたようなそういう表現というのも確かにそこにあるわけですけれども、またその文章の違うところを見ますと、例えば、今時視察の結果を総合するに、ネイバ、ドベルジェ両地区とも概して良好なりとの印象を得た。上述のごとく、地質、水量、気候等については横田支部長より報告あるはずであるが、これを、要するに諸般の条件はダハボン地区と大同小異であって優劣を論ずることは至難であるということも書いてございまして、そういうおっしゃったようなことは書いてありますが、そういう総合的な判断としては今申し上げたようなことがあるわけでございます。
 いずれにしても、この点、二〇〇〇年から訴訟がありまして、正に国の責任をめぐってこれは訴訟が行われているわけでございます。我々としては、政府はこれについては責任がないという立場から司法の場で議論をさせていただいているわけでございます。係争中のことでございますので、いろいろ委員のお立場その他十分によく分かっておりますけれども、この場でそういったことが、判断が妥当であったかどうかということを議論させていただくというのは適切ではないというふうに思っております。
 ただ、いろいろ、この前予算委員会で委員から御質問があって以降、私も、阿部副大臣に行っていただいたり、そのお話を伺ったり、それからそれなりにいろいろな話も聞いたわけでございます。それで、確かにいろいろな、大分、もう四十年を超える昔の話に始まったことでございますので、いろんな事情がその当時あった。その結果として、何人か日本にお帰りになられた方もいらっしゃいますし、昭和三十六年の時点で閣議決定をして、そういった措置を取るという事態もあったわけでございまして、一方で非常に現地に行かれて成功していらっしゃる方もいらっしゃいますし、他方で不幸にしてそういうことではなかったという方もいらっしゃいますし、そのいらした方々、成功なさった方も失敗なさった方も、当時のその状況での暮らし、異郷での暮らし、これは大変なものがあったというふうに私も思っております。
 そういった方の本当に御苦労というのは大変なことであると思いますけれども、それはそういった認識を持ち、かつ、その方々、それぞれの方は、成功なさろうと思って行かれた中にその志を達せられなかった方がいらっしゃるということについては本当に私はお気の毒だと思いますけれども、それは司法の場で別途争われているということでございますので、ここについて、委員は国に責任があるというお立場で議論を展開をしていらっしゃるということでございますけれども、国としては別な立場で今司法の場で議論をさせていただいておりますので、そういったことにつきましては国の立場を司法の場で主張をさせていただきたいということであるわけです。
 それから、いろいろな話あるいは報告等を聞いて一つ私が思いますことは、大変に、三十六年の、阿部副大臣のお言葉で言えばリセットの後、その後うまくいった方もいらっしゃるわけでして、ただ、不幸なと私が思いますのは、ドミニカという国にあって仲良くみんなで暮らしていき、そして日本とドミニカの友好の懸け橋になっていただきたい、行かれた方々が今その訴訟ということをめぐって二つに分かれているということが私は非常に不幸な状況であるということ、いうふうに思うわけでございます。
 それで、国として、これは大変に難しい問題でもあるこの今の状況をどうやっていくかということは大変に難しい問題であるというふうに私は認識をしておりますが、やらなければいけないことというのは、やはり今後その日本とドミニカの関係を考えていきますときに、この現地で分かれている日系人の社会、これをやはり一つにまとめて、日本と、この方々がせっかく行かれているわけですから、日本とドミニカの懸け橋になっていただくような、その皆さんが一緒に仲良く暮らしていけるような、そういうようなことにしていかなければいけないということであると私は思っております。
 それで、そのためにどうしたら国としていいかと。訴訟は訴訟といたしまして、それとは、政策の話として今後どのようにそれを、仲良くしていただくために国として働き掛けることができるかということは現地の大使も今一生懸命にやっておりますけれども、このことに関心をお持ちの諸先生方にも私としては是非そういった角度からいろいろお知恵もいただきたいと思っておりますし、御協力もいただきたいというふうに思っております。
 いろいろな問題はたくさんあるわけでございまして、訴訟の場での議論は議論、そして、今大事なことは、今いる人たちがいろいろまだ苦労を重ねているとしたら、その方々に何が国としてしてさしあげられるか。そして、何よりも大事なことは、協調して一緒に仲良く日系人の社会を作っていく、これができないということは非常に不幸であって、それをどのようにしたらいいか、是非諸先生の御協力もいただきたいと私としては思っております。
○尾辻秀久君 非常に強調した、現地の日系人社会が二つに割れている、これは明らかに現地大使館がやった仕業ですよ。そして、それに草の根無償を使ったんですよ。このことは日を変えてしっかりまたやりますから、証明しますから、どんなに草の根無償むちゃくちゃやったか。資料全部ある。今から一時間でもやり直せますよ、ここにもある。だけれども、これは日を改める。だから、今みたいな説明はしない方がいい。
 それから、それからさっきはそこまで言わなかったけれども、国境に並べたためにどんなひどい目に遭ったか。その辺に囚人の開拓地があったんですよ。女性は強姦事件に巻き込まれ、殺人事件に巻き込まれた人もいる。それに対して、昔のことだからとか、今裁判で争っているから、よく言いますね、あなたは。本当にさっき言ったように、大臣は、何というか、こっちの言い方によっては怒られそうだから言いませんけれども、何かですよ。
 で、外務省何やっているか。さっき、二十七日のことでも、なぜ二十七日にこだわったかというと、二十九日に募集を始めたから二十七日に終わっていないと都合が悪いから、あれ言っているんですよ。それで言っているんですよ。
 そしたらね、私は、裁判もね、裁判の話したから、私も裁判を傍聴していますよ。この二十七日にしないと都合が悪いんでしょう、二十九日に募集を始めたからと聞かれて、何と言って答えたか。そんなのの後先どうでもいいでしょうと言って法廷で答えていますよ。外務省というのはそんな仕事をするところですか。募集を始める前に、募集を始める、まだ何にも決まっていないうちに募集を始める役所なんですか。もう一回聞きます。
○国務大臣(川口順子君) 当時の事実関係に関することですので、鹿取領事移住部長からお答えをさせたいと思います。
○政府参考人(鹿取克章君) 私どもの記録では、当時、三月二十九日に募集要項を海協連に、募集要領を海協連に渡しまして、四月から正式に募集を開始したと、こういう記録が残っております。
○尾辻秀久君 その事実関係聞いているんじゃないんだ。そんなことの後先はどうでもいいだろうと答えたことに対して、外務省というのはそういう仕事をするところかを聞いているんです。
○政府参考人(鹿取克章君) 申し訳ございませんが、後先どうでもいいだろうという発言については、私、承知しておりません。
○尾辻秀久君 発言した人がそこいるよ、聞いてくださいよ。後ろにいるんだよ。後ろにいるから聞いてくださいと言っているんだよ、発言した人が。だから、事実確認してよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 申し訳ありませんが、今確認できません。
○尾辻秀久君 後ろにいるのがなぜ確認できないんだ。
○委員長(片山虎之助君) 確認しなさい。
 手を挙げろ、出たいなら。
○政府参考人(鹿取克章君) そのような発言はなかったと。今の段階では確認できておりません。
○尾辻秀久君 じゃ、ちょっと止めてください。私、議事録持っているんで、ちょっと議事録示すから、委員長、止めてください。
○委員長(片山虎之助君) 時間止めろ。
 速記も止めてくれ。
   〔速記中止〕
○委員長(片山虎之助君) 速記を起こしてください。
 再開します。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、当時の記録を確認中でございます。
○尾辻秀久君 言った本人がいるのを、むちゃくちゃな話です。
 じゃ、最後に一問します。
 こういう答弁をしたことがあるんです。ドミニカ政府は三百タレアを上げますということを確約した文書がございます。これは外務省に残っております。どういう文章か、その文書の箇所を読んでください。
○委員長(片山虎之助君) 早く。
○政府参考人(鹿取克章君) このダハボンの移住に先立ちまして、日本とドミニカ政府の間でいろいろと折衝がございました。幾つかの会談の記録がございますが、今私の手元にあるのはメルカード書簡でございまして、そこでは三百タレアまでの土地と、こういう表現になっております。
○尾辻秀久君 違うんだよ。
 そういうことをいろいろ言われて、苦し紛れに何と言ったかというと、確約した文書がございます、これは外務省に残っておりますと言って、持ってこいと言ったら、持ってきた文書を私は持っているんだよ。あなた方が持ってきた文書を私はここへ持っているのよ。これが何で読み上げられないの。
○政府参考人(鹿取克章君) 私の方の手元にある一つの記録でございますけれども、これについては、日本人移住者一世帯に一律三百タレアの土地配分を要求したところ、トルヒーリョ元帥との会談で受け入れられたと、こういう表現が一つございます。
○尾辻秀久君 あなた方が持ってきたやつを読みますよ。
 ゆえに三百タレアまではもらえるという可能性は残しておきたいと答えたのに対し、農相は、向こうの人でしょうよ、本当に耕すなら三百タレア与えることはやぶさかでない。次に、耕地しない森林地域は移住者圏の共有にしておくのも一案と思うと述べた。
 確約した文書があるといったら、普通は向こうの人が書いて署名した文書を確約した文書というんですよ。あなた方が持ってきたのは、向こうから報告が来た、そんなことを、それも、こうしたいですねと言ったら、いいですねと言ったんですという報告を持ってきて、これが確約した文書ですと。
 日本外交というのはこんなことをやっているんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) このドミニカのダハボンへの移住につきましては、三百タレアの土地の供与をめぐって何回か折衝がございました。先ほど私が引用しましたのも、トルヒーリョ元帥との会談の一つの記録でございまして、その中でも三百タレアという表現がございます。
○尾辻秀久君 だから、確約した文書というのは、向こうの人が書いて署名したのを確約した文書というんでしょう、普通。それを今度持ってきてください。
 今日はこれで終わります。
○政府参考人(鹿取克章君) 今申し上げましたように、三百タレアの土地をめぐっては、日本政府とドミニカ政府で何回かいろいろ協議がございまして、その協議の経緯をまた御説明に上がりたいと思います。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。舛添要一君。
○舛添要一君 舛添要一です。
 総理、それから官房長官、今の尾辻先生と役所のやり取りを聞いてどう思われますか。あきれた顔して聞いている。
 それで、私の感想をまず一つ言います。
 やっぱり彼らの先輩がやったことであれ、国でやったことで誤った政策だったら、訴訟中であったって政治的リーダーシップを発揮してしかるべき対応をちゃんとやる、補償する、謝罪する、そういうことがなければ駄目です。坂口大臣、ハンセン病のときにやりましたね、同じことを。それで非常に評価が上がったわけですよ、政府の。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 過去のこととはいえ、外務省として多々反省すべきことがあったと。今後、このような不手際を認め、移住者に対してどのような対応ができるか。また、ドミニカとの間にどのような友好関係を維持発展させていくことができるか。そういう中でしかるべき対応を考えたいと思います。
○舛添要一君 それがやっぱりリーダーシップを持った政治家の言葉だと思いますので、大変有り難い言葉だと思います。是非しっかりやっていただきたいと思います。
 それからもう一点、これ、言うまいと思ったんですけれども、どうですか、このやり取りを見て、緊張感のなさ。資料はすぐ出てこない。事前通告しているんですよ。しかも、この資料を持ってきなさい、説明しなさいと言ったら、そんなもの外務省のホームページに載っているから見ろと。これが委員に対して言う言葉ですか。
 同じ経験を私もしたんです。だから、昨日、各省庁には個別に注意しましたよ。衆議院で予算通ったら、参議院消化試合でどうでもいいんですか。役人に緊張感が足りない。こんな無能な官僚がやっているんだったら、この国駄目になりますよ。総理、それから官房長官、極めていい加減ですよ、質問通告に対する対応が。ちゃんと担当が、私が質問したことを理解できない人間に言ってもしようがないでしょう。だから、担当がちゃんと言わない、言ってくればいい、こちらが文句言うまで来ない。ちゃんと指揮してくださいよ、政府のトップとして。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 役所によって対応が違うと思いますが、前から私も聞いているところによりますと、外務省の対応はほかの役所に比べるとなっていないという声はよく聞いております。今の尾辻議員の質問を聞いていましても、報告にしても非常に遺憾であると思うのも無理からぬ点が多々ある。
 全役所が国会議員の質問に対して、通告されたものに対してはきちんと対応するように、そしてまた、できれば、各党、与野党含めて、その質問日までに間に合うように時間的余裕を持って通告を出していただくようにこれまた心掛けていただきたい。
○舛添要一君 お言葉ですけれども、役人の人みんな知っていますけれども、私は一番早く質問通告出すんです、役人が夜なべしてやるようなことは駄目だと思っていますから。二日半前に出していますよ。昨日一日空いていますよ。
 尾辻先生だって、報告なかったというけれども、昨日来てやればいいじゃないですか。一日あるわけですよ。私は必ずそれをやっている。だれよりも早く通告している。にもかかわらず、これは外務省だけじゃないんです、大きな役所ほど、谷垣さんに言ったけれども、威張っているのかもしれないけれども、大きな役所ほど偉そうな対応をする。国会議員はばかで、自分たちばかりが能力あると思っているんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、舛添委員が御指摘になった点は我々も心して、国会で充実した議論をさせていただけるように努力いたしたいと思っております。
○舛添要一君 この部分は言うつもりはなかったんですけれども、目に余りますから申し上げておきますので、総理大臣以下、各政府においてしっかり対応していただきたいと思います。
 質問に入りますけれども、まず警察の方に聞きますけれども、先般、イラクの外交官殺害事件の被害車両が到着しました。この捜査の現状、見通し、いつ結果が出るのか、お答え願います。
○国務大臣(小野清子君) 舛添委員にお答え申し上げます。
 お尋ねの被害車両につきましては、警視庁が外務省から任意提出を受けまして検証を行いますとともに、車両の採取をいたしました多数の資料につきまして鑑定等を鋭意行っているところでございます。
 その結果につきましては、これまで得られた証拠資料等も踏まえまして総合的に整理分析を行った上で、おおむね一月以内をめどにいたしまして可能な範囲で公表したいと考えております。
○舛添要一君 なぜ一月も掛かるんでしょうか。
○国務大臣(小野清子君) 捜査中の事件に係る事実の公表というのは捜査上の支障あるいは関係者の意向等にも配慮する必要があるわけでございますけれども、本件事案の重要性にかんがみまして、真相究明に資する一定の結果が出たときには可能な範囲で公表したいと、そういう姿勢でやっているわけでございます。
 被害車両の検証結果につきましては、撃たれました弾の入り方、それがどういう角度で入ってきているか、あるいは車両内から採取した多量の資料の鑑定等に得られた様々な証拠資料を踏まえ、総合的な分析がどうしても必要であって日程が掛かるということでございますので、御了解をいただきたいと思います。
○舛添要一君 我々は、この委員会もありますし、外交防衛委員会もあるし、またイラク特もございますので、結果が出次第、いずれかの委員会、国会で公表していただきますので、その準備をよろしくお願いします。いいですか。
○国務大臣(小野清子君) 可能な限り早期に公表したいと思っております。
○舛添要一君 総理にも一言お願いいたしますけれども、この問題、私ずっと追及しているのは、いろんな揣摩憶測があって、米軍の誤射じゃないかとか、いろいろあります。こういうことを打ち消すためにもなるべく早く捜査をして、政府一丸となって真相を明らかにすると、この姿勢が欲しいと思いますので、総理、一言お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政府としても真相究明に全力を挙げて取り組んでおります。
○舛添要一君 警察に続いてお伺いいたしますけれども、国民の一番大きな不安の中の一つに、身近な治安というのが非常に悪くなっている。データを見ますと、検挙率も下がっているし、外国人犯罪が増えていたり、子供がいたずらされたり、ピッキング強盗のようなのが非常に増えています。
 こういう問題、これ、どういう認識されているのか、現状どうなのか、対策何かお考えなのか、お願いします。
○国務大臣(小野清子君) お答えをさせていただきます。
 我が国の治安情勢というのは、昨年、平成十五年でございましたけれども、二百七十九万件でございまして、十四年が二百八十五万四千件でございますから、幾分かは減少したものの依然として厳しい状況にあるという認識を持っております。そのことが国民全員が身近に不安を感じ、特に侵入犯罪、それから街頭犯罪が多発しておりまして、こうしたものの抑制するための総合施策を取り組んでいるところでございます。
 身近な犯罪に対しましては、住民の皆様方の何よりの安全、安心を確保するためには、交番の問題がまず挙げられるかと思います。そういう意味におきましては、おおむね三年後をめどにいたしまして、空き交番対策を積極的に進めさせていただきたいと、そのように考えております。
 警察官の増員に加えまして、地方財政計画に基づいた、例えばOBの方を再雇用いたしまして交番相談員にして協力をしていただく、あるいは地域住民とその増員の皆様方との連絡のために、そしてまた空き交番になった場合には、テレビの、テレビ電話ですね、そういうものをシステム的に交番に置きまして、万が一交番にだれもいないときにはそのテレビ電話を通して会話をしていただくとか、空き交番対策を進めているものと承知をいたしております。
 特に侵入犯罪に関しましては、委員会におきまして犯罪性能の高い住宅等を普及させるために昨年成立をいたしました特殊開錠用具の所持の禁止に関する法案に基づきまして、本年四月一日から錠前の防犯性能表示制度をスタートさせまして、この錠前は大変高いけれどもよくできているとか、そういう表示も改めて入れさせていただくことにいたしました。
 また、錠前に加えまして、窓やシャッターも含めました建物部品についても、関係省庁あるいは民間団体との協力をいたしまして官民合同会議を設置し、防犯に強い、いわゆる防犯に性能の高い、そういう建物部品の目録の作成ですね、そういうものを作り公表する作業を進めているところでございます。
 最後は子供たちの被害の問題でございますけれども、家族や住民の皆様も大変御心配されているところでございます。子ども緊急通報装置というものを作って設定をいたしましたり、あるいは商店街とか公園にスーパー防犯灯というものを設置をいたしまして整備を進め、子供の、さらには子供の防犯テキスト、これは各警察署とそれから小学校に配布をいたしまして活用を図っているところでございます。都道府県の警察署、そして教育委員会と連携をいたしまして、子供をねらった犯罪や不審者情報の迅速な提供を学校の方になるべく警察の方から連絡をさせていただきまして、ともに力を合わせて防犯教室あるいは防犯訓練の実施等に努めてまいりたいと思っております。
 とにかく、引き続き国民の身近な犯罪を少しでも少なくするように全力を挙げて取り組むように、私といたしましては警察を指導督励してまいりたいと、そのように考えております。
○舛添要一君 空き交番解消の問題は総理もおっしゃっていたことですけれども、統廃合で解消するのはいいんだけれども、交番がなくなる地域があるんですね。そういうところからも苦情が出ていますから、それの対応もよく考えていただきたいと思います。
 それからもう一つ、最近の外国人犯罪の実態はどうですか。どなたでもいいですよ。法務大臣。
○国務大臣(野沢太三君) この数年急増しておりまして、五年間に五割増しという状況でございます。
○舛添要一君 国籍別のデータがありますか、犯罪者の。
○国務大臣(野沢太三君) 中国始めとして、東南アジア諸国からの入国者、特に不法滞在者が多うございます。
○舛添要一君 非常にこの外国人犯罪目立っていますので、法務大臣、入管の方の水際作戦というのはきっちりやっていただいておりますか。
○国務大臣(野沢太三君) 御指摘のとおり、我が国社会の治安対策上、外国人犯罪の温床となっております不法滞在を減少させることが今非常に重要であるということでございまして、緊急の課題と心得ております。
 この不法滞在者を減らすことが言わば外国人犯罪を減らす非常に大きなかぎになるということで、法務省といたしましては、問題のある外国人は日本に来させない、それから入国させない、あるいは滞在させないということが必要でありまして、法務省といたしましては、入国審査及び在留審査の厳格化、さらには積極的かつ効果的な不法滞在者の摘発などを積極的に推進してまいります。
 昨年も、新宿歌舞伎町等に入管の出張所を作って、あの町で働いております不法滞在の人を相当これ摘発をしたことがございます。特に、水際対策が大事でございますので、偽変造文書の鑑識技術、ハイテク装置の導入も含めまして、鑑識の技術向上を含め、関係省庁との一層の協力を図りながら今後とも十分な対応に努めてまいる所存でございます。
○舛添要一君 外務大臣にお伺いします。
 今、外国人犯罪の問題を取り上げていますけれども、中国始めアジア諸国、犯罪者が来ている国、こういう国と外交交渉をやるときに、そのたびにこの問題を言って、その犯罪に対するちゃんとした手だてを、例えば中国やらないなら日中関係駄目になりますよと、こういうことをちゃんとおっしゃっていますか。
○国務大臣(川口順子君) 中国人による犯罪のこの件数の多さ等については、私も外務当局も、外務省の事務方も大変に強い危機感を持っております。
 私自身は、中国との例で申し上げますと、李肇星外務大臣と、たしか昨年の九月だったか、会談をいたしましたときに、この点については取り上げまして話をいたしました。それで、外務省といいますか、日本政府とそれから中国政府との間では、このほかにも、ハイレベルでということの以外にも、治安当局間の協議、そして領事当局間の協議ということを行っております。
 一つ成果が出た例ということで言いますと、この話を受けて、中国で密航船の取締り、これをきちんとやるということを言いまして、現実にそれをかなりやってくれた、その結果として、密航船の数というのは減ったというふうに認識をしております。
 ただ、引き続きこれは取り上げていかなければいけない問題であると認識を私はしておりますので、今後とも取り上げていきたいと思っています。
○舛添要一君 我々も議員外交の場でもこの問題は提起していきたいと思っていますので、政府としても是非外交ルートでもよろしくお願いしたいと思います。
 ただ、そこで、小野国家公安委員長、警察が非常に身近な安全を守ってくれるということで助かっているんですけれども、それで、予算も非常に付けている、警察官も増員する。しかし、そういうことがありながら、片一方で裏金作りのようなことがどんどん出てきたんじゃ警察に対する信頼感が失われますから、これはちゃんと対処していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小野清子君) 旭川中央警察署の報償費をめぐる問題やら、あるいは静岡県警察におけます旅費をめぐる不適正問題が判明いたしましたことは誠に遺憾でございまして、関係道府県におきまして、それぞれの公安委員の、公安委員会の指示を受けまして、全容解明に向けて調査を実施しているところでございます。
 国家公安委員会といたしましては、既に警察庁に対しまして、これらの事案を早期に解明をいたしまして、委員がおっしゃいましたように、国民の信頼を確保するように指示をさせていただいているところでございます。
 総理からも、先日、事案を早期に解明をし、そして不正に対しては厳正に対処するようにという指示を受けたところでございまして、警察におきましては、捜査費を現場で捜査員が使いやすいようにするなど具体的に制度的改革を行ってきているところでありまして、さらに、国家公安委員会といたしましても、予算執行の一層の適正化方策について検討を進めるように警察庁を指導督励してまいりたいと思っております。
○舛添要一君 総理、我々も自民党の中で治安対策特別委員会を作ってこういう問題を検討していますけれども、先般、インベスト・ジャパンという総理の観光案内というかビデオを見ましたけれども、今まで日本は、世界に売り込むときは、世界一安全な国です、真夜中女性一人歩いていても大丈夫ですよ、やっぱりこれが日本のセールスポイントだったので、これがなくなるというのは非常に日本のいいところなくなってくると思いますから、是非この点、総理の言葉で、治安対策しっかりやって世界一安全な国を取り戻すと、その決意をお述べいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 衆議院の政権公約も自民党の治安対策小委員会の提言をよくまとめて出したわけであります。治安の重要さ、これは、これからインベスト・ジャパンにしても外国人観光客を倍増させようということについても、外国人が増えると犯罪が増えるというんじゃなくて、犯罪対策というものをしっかりやることによって外国人の旅行者も増やしていくという観点が必要だということも考えるようによく私は言っているわけであります。
 先般も、今、舛添議員が指摘されました警察署のいろいろな不祥事に対しましても、小野国家公安委員長に、各地域によって対応は違うだろうけれども、警察の信頼を取り戻すということについては全国共通の課題であると、しっかり対応するように指示しております。
○舛添要一君 次に、経済問題の議論に移りたいと思います。
 日銀総裁、今御帰国中の飛行機の中でございますので、日銀総裁欠けたところで、仕方ありませんので、竹中大臣、谷垣大臣とちょっと越境するかもしれませんですが議論したいと思います。
 まず、竹中大臣、今の景気の判断を示してください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 景気の判断に関しましては、御承知のように、月例判断で、着実に回復をしている、輸出、生産等々に支えられる、企業部門に支えられている、それを家計部門にいかに浸透させるか、いかに地域、中小企業に浸透させていけるか、そういう局面であると思っております。
○舛添要一君 成長の主たる貢献をやっているのは設備投資、輸出、それでいいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 企業部門が中心でございますが、実は、国内の消費に関しましても良い方向が見えつつあるというふうに思っております。おおむね内需が二分の一から三分の二、残り三分の一から二分の一が、期によりますが外需であると、そのように認識をしております。
○舛添要一君 今おっしゃられたとおりなんですけれども、やっぱり本当に景気が良くなっているかという実感がまだまだわいてこない。別の言い方すると二極化している面もある。そこで、どういう道具を使ってこれからデフレ対策をやっていくのかと。
 私は、もう過去三年間同じことを言い続けているんですけれども、片一方では金融政策、日銀含めての、デフレ対策をやる、片一方では、やっぱり社会に安定感、安心感をもたらすための広い意味での社会保障政策を充実させる、それが二つ大きな、そのほかもありますけれども、そういう観点から申し上げているんですけれども、ツールとして、道具として、今、輸出ということから見たときに、どうしても円の押し下げ介入をやるという、つまり円安ということに持っていく、そういうことがあると思いますが、これ、谷垣大臣にお伺いしましょう。どれぐらい、過去、最近、介入していますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 過去、この二年間ぐらい申し上げますと、平成十四年度では、これは年度別ですが、六兆四千二十九億円、それから平成十五年度、これは四月から二月、今年の二月二十五日まででございますが、二十八兆一千六百七十億円と、こういう数字になっております。
○舛添要一君 過去二か月はどうですか。
○委員長(片山虎之助君) 谷垣財務大臣。
○舛添要一君 局長、渡辺局長でもいいですよ。
○委員長(片山虎之助君) はい、手を挙げて。渡辺財務省国際局長。
○政府参考人(渡辺博史君) 年明けの一月、二月で約十兆円ということでございます。
○舛添要一君 物すごい巨額な介入をやっているんですけれども、これのちょっと意味をお伺いしたいんですけれども、その前に、外為特会の今のその状況について簡単に説明してください。
○委員長(片山虎之助君) どっち。谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 現在、外為特会の資産残高から、評価損等がございますのでそれを差し引きますと、平成十四年度末決算で六十六兆千四百九十七億円ということになっております。それから、平成十五年度末、この三月の予定額ですが、百七兆四千五百二億円、こういう形であります。
 それから、我が国が外貨準備として保有している金額、これは平成十六年二月末現在で七千七百六十九億ドルです。これはドルでございます。
 それから、外為特会の借入金に係る利子負担につきましては、外貨資産の運用から生じる運用収入等によって賄われているわけですが、外為特会の運営に支障が生じるような形にはなっておりませんで、十四年度決算、そういう形、支障は生じておりません。
 それから、外為特会が保有している保有資産は、平成十五年度末時点で七兆七千九百二十八億円の外国為替等の評価損が生じる見込みとなっておりますが、他方、外為特会の運用益の累計、これが十五年度末までの累計見込みが約二十八兆と、これは評価損を大きく上回っている形になっております。
 以上でよろしゅうございますか。
○舛添要一君 今、そうすると積立金は十一兆ぐらいですね。で、評価損は八兆ですね。その範囲内には入っていますけれども、これ、逆に円高に振れたときにマイナスが増える分岐点というのは何円ぐらいになりますか。
 これは局長でも構わない。
○政府参考人(渡辺博史君) お答えを申し上げますが、外為特会の評価は半年平均の数字を使ってやっておりますので、今の段階では昨年の十二月末までに過去六か月平均等を取りまして百十五円という計算でやっております。それで、また今年の六月、あるいはまた来年の十二月という形で数字を拾っていきますので、直ちにそのどの金額で分岐点が来るかということはありませんけれども、そう急激に動くような仕組みになっておりませんという状況でございます。
○舛添要一君 巨額の介入のそのプラス・マイナス、これをもっと議論しないといけないですけれども、グリーンスパンFRBの議長とかスノー財務長官も一日前に、ちょっとやり過ぎじゃないかというような感想を述べられていますけれども、これはどういうふうにお聞きになりましたか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私もグリーンスパンさんの御発言、あるいはスノー長官の御発言見ておりますが、基本的にこの間のボカラトンのG7でお互いの意思を確認したといいますか、共通の意思を見たわけでございますが、その枠内の御発言ではないかと思っております。
 そして、グリーンスパンさんの御発言は、どちらかというと日本の報道では日本を批判したというふうに受け止められておりますけれども、どちらかというとその為替介入云々というよりも金融政策の在り方を発言されているのではないかと私は理解しておりまして、それで日本との対比で見てみますと、今日は日銀総裁いらしておりませんが、日銀も政策決定会合等でデフレをきちっと克服できるまではコミットをきちっとやるということを言っているわけですが、それをその出口を、そのデフレ克服がきちっとできてくれば、またもちろん日銀も別の形の政策を取らざるを得ない。そういうことをにらんでのグリーンスパンさんの御発言だったのではないか、こういうふうに見ております。
○舛添要一君 私も余り気にすべき発言ではないと思いますけれども、ただ非常に、二十兆、十兆というオーダーで来ていますからインパクトが大きいということで、それでこれは本来、日銀総裁と議論すべきことですけれども、竹中大臣、ちょっと議論のために申し上げたいんですけれども、二年半前に私が参議院選挙に出たときは、当座預金残高は日銀四兆しかなかったんですね。今三十から三十五兆。もうここまで増やしちゃった。
 そこで、まず第一の質問は、円高介入というのはやっぱりデフレ政策としても機能していると思われますか。デフレ対策としても。
○国務大臣(竹中平蔵君) 立場上、個人的な意見ということに当然相なりますが、為替介入はそういう立場でもちろん行っているものではないというふうに思っております。しかし、それによって、介入の資金に関して日本銀行がそれを不胎化するかしないか、それで国内のマネーサプライ、日銀がコントロールできるのはいわゆるベースマネーと言われる部分でございますけれども、それをどのようにするかということによっては物価に結び付くような場合もあり得ると。しかし、それは日銀の正に金融政策の主権の下で行われる判断であるというふうに思います。
○舛添要一君 今の不胎化、非不胎化の問題も何年前から議論があっているんですけれども、要するに、私が問題にしたいのは、政府と日銀が一体となってデフレ対策をやり景気対策をやるという方向に行っているのか、それとも一部の論者が言うように、円高介入やりますと、しかし、それに見合っただけの日銀の十分な金融政策がありませんという批判もあるわけですね。だから、経済財政担当大臣としてはなかなかおっしゃりにくいと思いますけれども、どういう感想ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融政策に対する御意見、舛添委員の御意見、よく承知しておりますし、私も個人的にはかなり近いお考えだというふうに認識をしております。
 要するに、いつも申し上げておりますけれども、このデフレ問題を克服するためには、やはり実体的な経済を活性化しなければいけない。それは幸いにして循環的要因はあっても今は良い方向に行っていると。もう一つは、しかしマネーサプライが増えなければいけない。そのためには政府と日銀が協力しなければいけない。一つは、やはり不良債権問題をきちっと克服して、銀行がリスクを取れるようになるということが重要だし、そこは政府、金融庁の責任でございます。同時に、その効果が浸透するようにするために、それはさらには当座残高を更に積んでいけばどうかという御意見もあるわけですから、それも含めて、これは日本銀行のやはり御判断が大変重要になる。少なくとも、そういう共通の問題意識は今持ってしっかりとやっているつもりでございます。
○舛添要一君 日にちを改めまして、日銀総裁お帰りになったらまたこれは議論したいと思いますけれども、その前に円高介入の問題について一言、谷垣大臣の御答弁をいただきたいんですけれども、これだけの巨額介入して基本的に外為特会、為替リスクにさらされないという判断でよろしゅうございますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げましたように、現在では差損と、評価損と今までの運用益比べますと、これははるかに今までの累積の益が大きゅうございますから、私は現在の段階で御心配はない、健全な形であると、こう思っております。
○舛添要一君 だんだん難しくなってくると思いますけれども、是非そのかじ取りを間違えないように、為替の問題よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、今、竹中大臣からありましたように、金融の現状についてなんですけれども、市中銀行と日銀の間でお金と債券が行ったり来たり、国債が行ったり来たりすると。それで必要なところに行かないということが非常に大きな問題だと思いますが、不良債権処理で一歩これを前に進めた。それで、今年度の施策で、一つは公的資金の予防的注入、これ二兆円、予算関連であります。それから、金融検査マニュアルを改定すると、特に中小企業編について。要するに、これは何を意味しているのかということをお答えしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一年半前に、一つは主要行に対しては金融再生プログラムを作りました。やや時期がずれましたけれども、中小機関、地域金融機関に関してはリレーションシップバンキングという枠組みを決めました。その実は線に沿って着実に政策を実行しているというのが私たちの認識でございます。
 このいわゆる予防的注入というお言葉を使われましたけれども、やはりバランスシートの調整をしていかなければいけない。その中で、銀行がやはり今のようなデフレの状況下でよりリスクを取って前向きに金融機能を発揮できるような状況を作りたいんだ、それに尽きます。
 今回の公的資金の新法、これからお願いするわけでございますが、そういう状況に対応していけるような、そういう能力のある、そういう気力のあるところには政府も資本参加しようではないかということでありますので、その意味では一貫した政策であると思っております。
 また、中小企業のマニュアルですね、これ改定したわけでございますが、これもリレーションシップバンキングのアクションプログラムの中で既に明示したことを約束どおり実行させていただいたものでございまして、これは、まあよく批判が出るわけでありますけれども、やはり中小企業の実態に合わせた検査をしっかりやっていこう、そのことをより明確にするために今回の改定を行ったわけでございます。
○舛添要一君 ということは、やっぱり過去の政策で反省し見直さないといけないところがあったということをお認めになったんだと思いますけれども、それはおっしゃりにくいと思いますけれども。
 私流に言うと、三十八度以上熱がないと、あなたは風邪じゃない、一切治療も何もしませんと切っていたわけですね。三十七度八分、九分だって、診たらもうインフルエンザの手前だ、早く予防的に薬飲ませたら治るという、そういう認識で本当は、そういう認識がやっと起こった。
 それから、検査マニュアルにしても、やっぱり大企業と中小企業、特に違うから現場をよく見てやりましょうということがあったんで、そういう点では反省して見直したということですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融大臣に就任したときから、反省すべきことは反省してきちっと新たな対応を取るように、不良債権問題を二年半で終結させるようにという、こういう指示を総理からいただきました。
 その上で、その就任のときにも申し上げたんですが、日本の金融、これは主として主要銀行でありますけれども、危篤状態ではない。その意味で、危機ではないかもしれないけれども健康体ではない。そこのグレーゾーンのようなところについても、しっかりとバランスシート調整を終えられるようにやっていかなければいけない。
 中小企業に対しては、御指摘のように、やはりこれ、物差しが違うというわけではないんだけれども、やはり特に考慮すべき点はやはりある、その点を明確にしていこうと、そういう趣旨であります。
○舛添要一君 来年からいよいよペイオフ、全面的にやるかどうかと。一応そう決まっていますが、現段階で今のような予防的な措置とかいろんなことをやっていますから、ペイオフを実行してもほぼ大丈夫なような環境を整えつつあるのかなという感じがしますけれども、大臣、今段階でペイオフ全面解禁はどういうようにお考えですか。
   〔委員長退席、理事林芳正君着席〕
○国務大臣(竹中平蔵君) ペイオフというのは、やはり預金者がしっかりと銀行を選んで、銀行経営者が緊張感を持ってある意味で経営を行うと、やはりこれは必要なことだと思います。しかし、そのためにはどうするか。正に、これは金融再生プログラムで示したように、大手銀行の不良債権比率を計画策定当初の半分程度に下げて金融を安定させること。地域に関しては、その新しいリレーションシップバンキングの枠組みの中で、地域とともに自らを強くしていけるような形に持っていかなければいけない。
 私は、この二つのプログラムが順調に進みつつあると思っております。不良債権比率は減っており、下がっております。この延長線上で、そういう御指摘のような健全な競争的な環境、ペイオフをすると、解禁するという環境が可能になっていくというふうに考えております。
○舛添要一君 大なたを振るう改革をやろうとして、ビッグバン含めてそうなんですけれども、しかし今のような一連の流れは、要するに、批判的に言うと裁量行政への後戻り、もっと言うと護送船団方式の復活じゃないかと、こういう批判もありますが、それはどうお答えになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、一部に誤解があるようでございますが、今度の新しい公的資金の枠組みは、これはペイオフと関係するものではございません。これはペイオフ後も含めて金融機能を強化していくというものであります。
 今、舛添委員御指摘になった護送船団とか、これはしかしどういう意味なのかちょっと私にはよく分からないわけでございます。護送船団というのは、ある意味で生産性の一番低いところに照準を合わせて、そこである意味で保護して丸抱えにしていこうと。いや、むしろ競争的にやってくださいというふうに申し上げている。裁量につきましても、これは我々は、事後チェックに徹するんだ、事前の介入はしないということを言っている。
 そういった意味では、今回の資本参加に当たっても客観的な基準を設けて、また民間人の英知も活用しながら、正にそうした透明な行政を続けていくつもりでおります。
○舛添要一君 総理、五百兆のGDPのうちの六割の三百兆は、これは個人消費でありまして、最終的にはやっぱりみんなが喜んでお金を使うという状況にならない限り、本当の景気の回復感というのは心理的にも出てこないと思います。そのためにも、さっきの治安、夜ゆっくりどこでも遊びに行けないとそれはお金使いませんから、そういうことを含めて社会的不安の解消と、安全な日本、安心な日本をつくるということを大きく政策に掲げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 世界一安全な国の復活を目指して警察の機能を強化していこうと。それと同時に、政策的にも全国、稚内から石垣までと言っておりますように、大都会集中ではないと、地域の再生、そのためにも一地域一観光と地域が取り組んでくれと、さらに規制緩和、こういう総合的な政策を推進することによって経済活性化につなげていきたいと思っております。
○舛添要一君 そういう国民の社会的不安の一つの大きな原因が年金問題であります。一部の報道で、もう今国会あきらめたみたいな報道が今朝も、昨日からずっとなされていますが、もう一遍総理のお言葉から、お言葉でこの年金問題についての取組をお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはもう提出した法案は成立させなきゃならないと、与党として。まあいろいろ報道入り乱れておりますが、報道という場合は報道の側で私もあることないこといろいろ言われていますので、それについてはどう答えていいか分かりませんが、政府としては全力を尽くして、各党の協力いただきまして審議を促進していただき、成立するために全力を尽くしていきたいと思っております。
○舛添要一君 年金問題についてはもうさんざん議論がありましたけれども、ちょっと余り取り上げられてない問題を今日は坂口大臣にお伺いしたいと思います。
 一つは高齢者の雇用と年金の問題、もう一つはアルバイトの年金の問題です。高齢者の問題は、私、いろんな有権者から御意見を賜るんですけれども、働きたいんだけれども年金もらえなくなるから辞めざるを得ないと。で、働いて頑張っていても働かないで年金だけもらっている人と余り実入りは変わらないと、こういうのがありますが、今度の在職老齢年金制度の見直し、これまだ本当に国民よく理解していないんですね。どういうポイントがありますか。
   〔理事林芳正君退席、委員長着席〕
○国務大臣(坂口力君) 高齢者の問題でございますが、六十歳から六十一歳、だんだんと今上がってきておりますけれども、現在のところ、六十五歳までの方は少しでも他に収入がありますと一律二割カットをしていたわけであります。これは確かに、せっかく働きに出たのにそうして年金の方を切られてしまうと何ら変わらないというようなことが起こります。六十五歳までの二割カットは今回やめさせていただきます、全額お払いできるようにいたしますと、これは上な二階の部分のところでございますが。
 まあしかし、そうはいいますものの、七十歳以上になりましても非常に所得の多い方もおみえになることも事実でございまして、七十歳以上の皆さん方につきましては、今まで全額お支払をしていたわけでございますけれども、六十五歳以上の人と同じように、七十歳を超えましても、月の賃金とそれから年金と合わせまして三十七万を超えるような方につきましては減額をさせていただくということを導入をさせていただいて、お若い皆さん方とのバランスを取らせていただくということでございます。
○舛添要一君 これは負担と給付の問題ですから、給付のやっぱり制限ということをやらないともっていかないと思いますけれども、そこで公的年金等所得控除、それから老年控除、こういうことについて見直すお考えはございますか。
○国務大臣(坂口力君) この年金課税の問題を申し上げるのを忘れましたが、平成十六年度の税制改正におきまして、標準的な収入だけで暮らす高齢者世帯に配慮をしながらでございますけれども、公的年金等控除の六十五歳以上の上乗せ措置が現在までございます。あるいはまた、老年者控除がございましたが、これは廃止をさせていただくということにさせていただきまして、現役世代とのバランスを取らせていただくということになったわけでございます。
○舛添要一君 ですから、相当バランスが取れてきているとは思いますけれども、最終的にいわゆるフレキシブルリタイアメントというか、働きたいときまで働いて辞めると、そういうことに対応するような年金が非常に理想だと思いますけれども、何かそういうことに対応できる年金制度についてのお考えございますか。
○国務大臣(坂口力君) これから高齢者の労働というものも大変大事になってまいりますし、またその内容も非常にバラエティーに富んでくるというふうに思っております。
 余り一律的なことですべてを縛るということもなかなか難しいのではないかというふうに思っておりまして、原則として先ほど申し上げたことを申し上げたわけでございますが、これからの動向を見まして、少しきめ細かなことも必要ではないか。あらゆる業種もう全部一律でというだけでは済まないこともあるんだろうと。やはり、配慮すべきことは配慮をしていかなきゃならないんだろうというふうに考えている次第でございます。
○舛添要一君 年金問題は我が自民党の中でもさんざん議論をし、年金制度調査会・厚生労働部会で私も参画して行いましたけれども、私の意見は、今から申し上げる意見は少数派でございまして、採用されませんでした。
 どういうことかというと、私は、短時間労働者、フリーターとかアルバイターとか、こういうアルバイトとか、こういう人たちもやっぱり厚生年金を適用すべきであると、そういうふうに考えております。それは、雇用形態が非常に流動化してきているときに、それに合わせないということはこれはおかしい。
 ただ、そうすると、今経済が悪いから、企業は負担が大きくなるから、それで今アルバイトしているのがそこからちょっと保険金引かれたら実入りが少なくなるからとか、そういう目先の議論ばっかり。だけれども、やっぱり長期的にみんなに、これは国民全員が連帯して年金という制度を守っていくんだという立場からは、これは議論すべきだと思うんですね。
 五年以内に検討という形で与党の中でまとまって、私も与党ですからその決定には従いますけれども、せっかくこの参議院のこういう委員会の場ですから私の考え方を今申し述べましたが、大臣はどういうお考えですか。
○国務大臣(坂口力君) 私も、この短時間労働者等につきましては、少しなだらかに、段階的にで結構ですから御加入をいただけるような線にならないだろうかというふうに思ってまいりました。
 しかし、ここは御議論の多いところでございまして、御承知のように。そして、現在パートで働いておみえになります皆さん方からもたくさんの署名をちょうだいをいたしまして、これはいわゆる入らないと、してくれるなという抑制的な署名でございまして、そうしたこともありまして、私も予想外のことでございましたが、そういうことが多かったものでございますから、もう少し考えさせていただくということに私も同意をさせていただきました。
 しかし、これから先、この短時間労働でありますとか、あるいはまた正規外の労働をしておみえになる皆さん方が高齢期を迎えられましたときに年金がないというのではいけませんので、多くの皆さん方が年金には御参加をいただけるようなことが一番大事だというふうに思っております。そのためには、企業にも御負担を掛けるわけでございますから、企業だけに御負担を掛けるというだけではなくて、やはり全体、社会全体としてそうしたことが可能になるように、これは支えていくことが大事だろうというふうに思っておりまして、総合的な政策の中で、この短時間労働者を始めとする皆さんにも年金に加入していただけるような体制をどう構築していくかということを引き続き検討していきたいと思っているところでございます。
○舛添要一君 経団連を含めて企業にこういう話をすると、企業の負担が非常に重くなって大変だということを言うんですが、私申し上げたいのは、じゃ企業の社会的責任は何にもないんですかと。
 ヨーロッパ先進国の企業というのはどれぐらい負担していますか。
○国務大臣(坂口力君) ヨーロッパもいろいろでございますが、特に負担をしておりますのはフランスでございまして、フランスは、年金の保険料二一%まで行っているわけで、二一・八、もう二二に近づいているわけでございます。
 この中で、フランスは特別でございますけれども、企業、七割負担、七割近く負担をしている。ドイツは半々でございます。そうしたことがございまして、かなり御負担をいただいておりますし、そしてまた、そのほかに一般社会拠出金という特別な、直接税でございますけれども、フランスは導入をいたしておりまして、それも社会保障に回している。もちろん、消費税は二〇%近いといったようなことでございまして、かなりな企業も御負担をいただいているなというふうに思うわけでございます。
 だからといって、日本もそのようにしてくれというのは、これは酷な話だというふうに私も思っておりますけれども、しかし日本の方に、日本におきましてもそうしたことが負担になり得る、負担でき得る社会づくりとは何か、総合的にこれは見ていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
○舛添要一君 総理、どうしても選挙がありますと、やっぱり負けるわけにいきませんから、いろんな配慮を働かせることは分かりますけれども、しかし、国家百年の大計を考えたときに、例えば年金問題で少々耳障りのする言葉を言ったり、それから良薬を飲ませたり、口に苦い、けれども飲ませる、痛みを伴いますよということは企業に対しても国民に対してもおっしゃるべきだと思いますので、どうかそれは明言して、百年の大計で年金改革ということをお考えいただきたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在の正規社員以外の社員に対する年金の問題も、これまた党内でもいろいろ議論あるわけです。そして、今お話しのように、企業側の負担と同時にパートで働く方の負担も考えなきゃいけないと、両論あるんですね。だから、今すぐ決定して導入するよりも、もう少し時間を掛けて、実態を見て理解を求めて考えた方がいいじゃないかという結論で、党内でもそういう方向の方が好ましいなということで今後の検討課題になっております。
 現に、負担が増える、もしそういうパートの方に対しても年金加入を認めるとなると、会社側の負担を増えるという点もあるでしょうし、同時に、そうなると雇用を減らすのではないかという見方もある。また、パートの方は、いや、自分たち、今の給料だったらばそのまま、保険料払わないで、このままでいいよという人もいる、あるいは時間を減らされて給料が減っては困るという人もいる。両方ありますから、これについてはもうちょっと時間を掛けて議論していこうということは私はいいのではないかと。決して否定するものではございません。
○舛添要一君 是非、我々も含めて長期的な観点から検討を続けたいと思います。
 最後に、余り予算委員会で取り上げられないテーマで、今日はちょっと国家百年の大計ということで、森林、森、日本の緑、こういうことをお話し申し上げたいと思います。
 実は、私のライフワークは森林の保護で、私はボランティア活動をずっと続けておりまして、岐阜県で、岐阜の、これは金子先生のところかな、岐阜の森を守る、緑を守る、これはもう十年ぐらい続けています。今、五、六百人隊員がいて、ずっと私が隊長をやっていまして、週末に森に入ってやっています。その体験も踏まえまして、今日は林業の問題、これはもう森が荒れて、日本も荒れる、日本文化の形がそこにありますので、少し大所高所に立った議論をしたいと思います。
 ちょっとこの、写真を用意してみましたのでごらんいただきたいと思いますけれども。(資料提示)
 今、日本の、これ栃木ですけれども、山というのはこういう、何にも手を加えないとこういうふうな形でありまして、それがひどくなるとここまで行きます。そうするとこれは雨降ったら大洪水になる。こういうひどい状況であります。さらに、もっとひどくなりますと、こういうふうに折れてしまって、もう本当にどうしようもない状況になると。人手がいないんですね。ボランティア活動を我々やっているけれども、とても足りないんですね。
 しかし、我々もわずかな力ですけれども、入って、ちゃんと下刈りをやり、枝打ちをやる、間伐をやるとなると、こういう太陽が注ぐ、そして真っすぐ伸びていく、緑豊かな森林ができるわけであります。これを国民的課題としてやっぱりやる必要がある。
 ところが、一律、林業予算というのはカットされて大変寂しい思いがしていますが、まず亀井大臣、この森の大切さについて。
○国務大臣(亀井善之君) 委員、森林ボランティアと、こういう面で大変な御活躍をいただいておりますことに敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 私ども、平成十三年に成立いたしました森林・林業基本法に基づきまして、森林の有する多面的な機能、これが持続的に発揮されるように森林を重視すべき機能に応じまして、水土保全林、さらには森と人との共生林、さらには資源の循環的活用と、こういう区分に従いまして、そして各区分ごとに複層林と、広葉樹の植栽等の多様な森林の整備をいたしておるところでございまして、整備並びに保全をいたしているところでありまして、さらに、特に京都議定書に、我が国におきます国際的な約束として、温室効果ガスを六%削減する、こういうことと、それに併せて、森林の二酸化炭素の吸収による三・九%の削減目標と、これを達成すべく、地球環境、地球温暖化防止森林吸収十か年計画を作りまして、この対策に今臨んでおるところでもございます。
 健全な森の整備保全と保安林等の適切な管理、保全に国民参加の森作りと、こういうような中でいろいろ取り組んでおるわけでありまして、国民の理解と御協力の下に森林の整備とそして保全を着実に、そして多様で健全な森作りのために努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○舛添要一君 私は福岡県の生まれなんだけれども、何で岐阜県でやっているかというと、これ岐阜県の梶原知事がスタートの時点で手伝ってくれたもので、今もう完全に手弁当で自前ですけれども、最初は地元の森林組合とかいろいろ手伝ってもらって発足したんです。それで、越境して、小泉総理それから亀井大臣のお里であります神奈川県でもやりました。
 そのとき、これはまあ褒めていいことだから企業の名前言いますけれども、ローソンというチェーンがありますね。あそこがお釣りをためたお金を費用に少し、緑の基金か何かでいただいて、大変助かりました。わずかですよ、だけれども非常に有り難い。
 そこで、みんな今ボランティア活動やりたくてしようがないんですね。やっぱり、私が岐阜県に当初お手伝いいただいたように、やっぱり行政と国民が一緒になってやるということは必要なんで、ボランティア活動への支援について農水省は何かちゃんとした政策を持っておられるかどうかお伺いします。
○国務大臣(亀井善之君) 一般市民の方々の下刈りであるとか間伐材等の森林整備に対しまして、森林ボランティアの活動が活発化していただいておりますことには本当に感謝を申し上げる次第でございます。
 このような森林・林業を社会全体として支えようとする国民意識を醸成し、森林の多面的機能の持続的発揮を実現する観点から重要な取組と、このように考えておりまして、そういう面で、ボランティア団体等の主体性を尊重しつつ、これまで指導者の育成であるとか情報ネットワークの構築等を通じまして、森林ボランティア活動につきましていろいろ周辺支援をしてきておるわけでありまして、今後とも、安全研修、あるいはまた活動の場の私有林への拡大等の支援を積極的に推進してまいりたいと、このように考えております。
 また、今国会に森林法の一部を改正する法律案を提出をいたすわけでありまして、このNPO法人等の、森林所有者が提携する森林施策の施業の実施に関する協定につきまして市町村長が認可する制度と、これを創設を盛り込んでおりまして、森林ボランティア活動の場を確保する条件の整備を図ることにいたしておるわけでありまして、このような施策の推進を通じましてボランティア活動の促進に努めてまいりたいと、このように考えております。
○舛添要一君 それから、まあ我々も一生懸命お手伝いしますけれども、やっぱり跡取りというか、森林を後を継ぐ人たちがいなくなってきているんですね。だから、いろんな相続税の問題や何かで是非ちゃんと後継者が育つ方向でやっていただきたいと思いますが、何かお考えございますか。
○国務大臣(亀井善之君) 大変このことにつきましては、森林所有者の方々からも大変強い御要望もちょうだいをし、その相続税の問題等々につきましても整備をいたしたところでもございます。
 何分にも非常に荒れた、先ほど先生御指摘のように、非常に荒れた森林と、そして下取りや、下草刈りや間伐ができないと、そういう面でますますいろいろの問題点を提起するわけでありまして、施策を通じ、特に地球温暖化対策税と、こういう面でのことも是非私ども考えてまいりたいと。一般財源はもとよりでございますが、新たな税源の確保と、これを我が省としてもいろいろ今取り組んでおるわけでありまして、是非、温暖化対策税が導入された暁には、その税収が森林整備に充てられるように積極的に対応してまいりたいと、このように考えております。
○舛添要一君 総理、各省庁だとこれなかなか言えないと思いますし、総理の口からもおっしゃりにくいと思いますけれども、私は、都会の人たちが水飲めているのはやっぱり山のおかげなんですね。そうすると、水源税のようなもの、例えば一人が一年に百円払ってくれれば百二十億円のお金が出てくるわけです。植林の木、買えるわけですね。ですから、都会の人は豊かな生活は山のおかげですよということを分からせるためにも、そういう税源、水源税って、今税源の話、亀井大臣からありましたけれども、それからCO2対策のためにも環境税、こういうのがあります。もちろん経済界は、そうするとまた負担になるって必ず言ってくる。だけれども、これは総理のリーダーシップで日本の緑を守っていくんだと。やっぱり、鳥のインフルエンザの問題で今、亀井大臣も大変頭の痛いところだと思いますけれども、やっぱり大本はこの大事な自然を守るということにありますから、ちょっと総理のリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) かつて自民党内でも水源税の話あったんですよ。これはちょっと、森林守るだけの話じゃなくて、余りいい話でもない、税の話で。だから、税の問題はともかく、森林を守るということは私は大事なことだと思っております。また、森林を持っている方の負担を軽減する、こういう点は今後検討してもいいと思いますし、同時に、今和歌山で都市と地方との交流で、この森林を健全化するために伐採、下草刈り、これを、雇用の対策に有効に何かないかということで、森林を健全化すると同時に雇用対策に役立てようと、これ、かなりうまくいっているんです。こういうものももしボランティアが入ってくれればなおいいのではないかと。雇用対策にもなる、ひいては森林保護にもなる。いろんな各省連携取りながら、大事な森林を保護し維持発展させていこうという視点をやっぱり各省が連携しながら取る必要があると思っております。
○舛添要一君 今総理から雇用の問題出ましたけれども、厚生労働大臣、緑の緊急雇用やりましたですね、森林。これ、成果とその後の反省点、お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 私の方と農林水産省の方と共同歩調でやらせていただいております。確かにこの森林に対する取組という中でおやりをいただいている県がかなり増えてまいりまして、これは非常に良かったというふうに思っております。ただ、これは長続きがしないという欠点がございまして、この交付金でも十六年度までのものでございますから、これからどうするかという話になるわけであります。
 そこで、こういうふうに始めましたことを今後都道府県なり、あるいは地域で、森林組合なりで継続してそれがおやりをいただけるような形にどう持っていくかということが非常に大事なことだというふうに思っておりまして、そうしたことを地元ともそれぞれお話合いをさせていただきながら、これができるだけ今後も継続していくようにしなければいけないと思っているところでございます。
○舛添要一君 亀井大臣、緑の雇用の方はどうなっていますか。
○国務大臣(亀井善之君) 平成十四年の補正予算におきまして実施をしております緑の雇用担い手育成対策事業におきましては、現在四十四の都道府県におきまして二千四百人規模の研修生、また林業事業体が最低限求められております技能の習得、これに取り組んでいるところでありまして、研修が終了した時点で本格的に林業に就業していくものと、このように見込んでおるわけであります。
 この事業の実施によりまして優秀な林業労働者の確保や育成、森林整備の着実な推進と、これが行われておるわけでありまして、私も和歌山県に参りまして、森林組合あるいはまたもうチェーンソーを現実にやっております若いこの緑の雇用の関係者といろいろ、その現場を見せていただき、あるいはまたその終了後、一時間から一時間半いろいろ懇談もいたしました。
 そういう中で、都市部からの人が定住促進というようなことで山村地域の活性化も期待されると。あるいは地域によっては都会から若い夫婦が子供さんと一緒に住み着いて森林作業に従事していただいていると。そういう面では地域によりましては非常に歓迎をしていただいているようなわけでありますし、住宅の確保もいたしていただいております。そういう面で大変成果を上げつつあります。
 そういうようなことから、本年度の予算におきましても、十六年度予算におきましても、緑の雇用担い手育成対策事業の重要性にかんがみまして、その実施に係る経費を計上したところでもございます。引き続きこの事業が着実に推進できるように努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○舛添要一君 我々が子供のころは村の鎮守の祭りというのがあって、里山が後ろにあって、そういう文化の中で育ってきた。ところが、河村文部大臣、今、子供にカブトムシどこで捕るかといったらデパートで買うんですね。だから、この学校教育の中で森林教育とか環境教育、それからやっぱり現実に子供を連れて山の中歩きゃよく分かるんですよ。そして、この草の名前を教える、虫の名前を教える、そういう取組を文部科学省もやってくれないと、農水省だけ一生懸命やっても駄目なんで、子供の教育におけるこの森林と、どういうお取組をなさっているか、お願いします。
○国務大臣(河村建夫君) 舛添先生がかねてから森林保全のこと一生懸命取り組んでおられる、そのことをもっと子供たちにとおっしゃっていることは、私は敬意を表したいというふうに思います。
 私も山口県の森林組合の連合会のお世話をしておりまして、もしボランティアで入っていただけるなら喜んでお迎えしたいと、こう思います。
 日本の国はこれだけの工業立国、経済大国、しかし一方では国土の七割が森林持つ。これはまた誇るべき国持っているんですね。このことを我々はもっと誇りに思う、それを教育の中できちっと位置付ける必要があると私は思います。学校でも五年生ぐらいになりますと国土の保全や水資源の涵養のための森林資源の動き等を勉強するようになっておりますが、これは机上だけじゃなくて、そのことを実験させる、体験させる、このことは私非常に大事なことだと、こう思っておりまして、今、体験学習、それを総合学習の時間に位置付けて取り組むように今進めておるところなんです。
 まだまだ私は十分だと思っておりませんで、もっともっとこの体験学習の重要性からして、あの山へ行く、あの山に入ったときのあのしんとした静けさ、いやしの効果もある、森林浴もあると言われますが、私は大きな意味があると思います。どんどんその体験をさせたいと、こう思っておりまして、また国や地方公共団体等にもこの取組を推薦、体験活動の整備をしてもらう、推進をしていただく。これ、林野庁とも連携をしっかり取っておりまして、最近では森と、遊々の森というので遊ぶ森、遊々の森、こういう制度を作りまして、契約をして、そして学校と教育委員会とが一体となって森林管理者と一緒になってやるというようなことも今進めておるところでございます。また、学校が林間学校をやったりします。
 それから、学校林ですね。これがまだ全体の学校の一割ぐらいですから。最近、その山の管理をもう民間ではできない状況がございます。これは地方自治体、交付税等でやっていただくとかいうこともございますが、そういうものをひとつ学校、子供たちに一緒に管理させるということも必要じゃないかと、こう思っておりまして、そういう面からも進めてまいりたいと思っておりますので、またよろしくひとつお願いしたいと思います。
○舛添要一君 我々は石の文化と違って木の文化、法隆寺以来ですね。木は非常にいろんないい機能、今いやしということをおっしゃいましたけれども、持っているので、できれば、そしてその土地で育った材木が一番そこに合うんです。だから、国産材を使って木の家をたくさん造るようなことをやりたいと思いますが、何かこれについて石原大臣、政策ございますか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま舛添委員御指摘にされました地域材を使った木の家ということですけれども、調査してみますと、新しく家を建てる方の八割が大体木の家に住みたい。で、一戸建てで見ますと大体八割ぐらいが木の家ができております。そのほかマンションなんかは都心なんかだと買えますので、全体でいうと、割合は、八割の人が望んでいますけれども、実態は四割程度でございます。
 そんな中で国土交通省も様々な政策をやっていて、詳細は本がありますのでこれでも読んでいただければより分かりやすいと思うんですけれども、やはり先ほど来、亀井大臣が御答弁されていたように、環境問題で、新しい木を、苗を植えていった方が二酸化炭素の吸収量が高いということからも非常にプラスな面がございますので、いろいろな政策やっておりますが、これからも木材を使った住宅というものを推進するように努力をさせていただきたいと考えております。
○舛添要一君 私もいろいろデータ調べましたけれども、木の家と、まあコンクリートが悪いと言わないけれども、木の家に住んでいるのとそうじゃないのに比べると、精神の鎮静効果とか殺菌効果とかいろいろありまして、自殺率だって木の家に住んでいる方が低いんですね。だから、非常にいい効果、アロマテラピーというような言葉もありますからね、あります。
 この議場だってすばらしい木彫りの彫刻がある。これ、コンクリートの無味乾燥だったら、尾辻先生、さっきもっと沸騰していたと思います。最後もっと沸騰させろというので、ここで譲ります。
○委員長(片山虎之助君) 尾辻秀久君。
○尾辻秀久君 御配慮いただきましたし、お許しいただきましたので、さっきの後先の話だけは事実関係を確認しておきたいと思います。確認できましたか。
○政府参考人(鹿取克章君) 九月二十二日の記録が届きました。その中で、当時、募集要項とそれからメルカード書簡、具体的にはメルカード書簡の合意内容、どちらが先であるかという観点から議論がございました。
 そこで、ちょっと長いんですけれども、政府側の方からちょっと読ませていただきます。
 陳述書によると、あなたは後先になったということが日本政府がだましたということを考えるようになった一つの原因ですよと。もう一つは、三百タレアと募集要項には書いてあったけど、三百タレアまでと実際なっていたと、この二つが原因だというふうに言っているんですよね。それは覚えていますか。これで、答えがはい。第一点目の後先のことをとらえて聞いているんですけれども。後先になったとしても、それは別にその後で募集どおりの基本合意だったとすれば問題ないんじゃないんですか。もし内容が違えばまた問題ですけれども。ここは政府側でございます。
 原告側は、それはいかがなものでしょうか。それは、そういった日本政府のずさんなやり方ということが、実際そのときの、その後の我々との交渉、あるいは土地の配分、かんがい水の施設等にもずっとつながってくるわけですから。それは、結果が同じであればどちらが先でもよかったんじゃないのかというのはいかがなものでしょうかという記録がございます。
○尾辻秀久君 ですから、後先どうでもいいじゃないかと言っているじゃないですか。言ったということを確認しますか。
○政府参考人(鹿取克章君) 政府側の方が、第一点目の後先のことをとらえて聞いているんですけれども、後先になったとしても、それは別にその後で募集要項どおりの基本合意だったとすれば問題ないんじゃないですか、もし内容が違えばまた問題ですけれどもという質問をいたしました。これに対して原告側の答えが、先ほど申し上げたところでもございますが、最後に原告側の答えとして、結果が同じであればどちらが先でもよかったんじゃないのかというのはいかがなものでしょうかと、こういうふうに記録がなっております。
○尾辻秀久君 だから、問題ないでしょうと言ったんですよ。そこが問題でしょうと指摘されたら、問題じゃないんじゃないですかって、これ一回だけじゃないんですよ、その前も言っているんですよ。二回言っていますよ。分かっているでしょう。
 だから、これは仕切り直しでやりますよ、もう二分しかないから。
 ただ、状況だけを説明しておくと、さっきの二十七日の話なんですよ。二十七日に合意ができていないのを合意ができたできたってなぜ言っているかというと、二十九日に募集を始めたからなんですよ。三月の二十九日に募集を始めてしまったんですよ。そして、もっと言うと、四月の二十日に募集締切りやったんですよ。こんなむちゃな話がありますか。三月二十九日、しかも、さっきの募集要領を海協連に渡したんですよ。それから海協連は募集要項に直して各都道府県に行って募集をしてなんてとてつもない作業をしたはずなのに、なぜか四月の二十日で締め切っちゃった。だから、もうつじつまが合わないから、三月の二十七日に基本合意ができたと言わないともうどうしようもないから苦し紛れのさっきの説明をするんですよ。あれ間違いなんです、明らかに。
 そこで言われているのは、そんなに募集を始めたときにまだちゃんと約束できていなかったでしょうって、そこを責め立てられて、後先どっちでもいいじゃないですか、その募集したときに言ったことと後で基本合意で約束したことが一緒だったんだからいいじゃないですかと言っているんですよ。これは明らかにおかしい。
 それで、もう一つ言わせていただくと、自分で二回も言った人間が後ろに座っていて忘れるはずないですよ。こんな動かぬ証拠を突き付けられるまでに、言ったって言わないなんというのは。こんなひきょうな話はない。
 これは仕切り直しでやります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で尾辻秀久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、平野達男君の質疑を行います。いいですか。平野達男君。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。
 先週の土曜日、北海道に行きましたら、北海道新聞をたまたま目にしまして、面白いタイトルがありました。三位一体も早く花咲くというのにクエスチョンマークがありまして、これは四日に総理が国会の前庭を散歩されていまして、梅、桃、それから早咲きの桜を見付けまして、三位一体だなと。これで三位一体改革もうまくいくなというふうに発言されたということを新聞記事に取られていました。
 何でも三つそろえば三位一体というのもちょっと、これはちょっと理解がちょっと難しいんですが、この三位一体、総理、備えてきましたけれども、三位一体改革、今のその評価、花の咲き具合、それから原点に戻ってその趣旨、ちょっと説明していただけるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは補助金の問題、交付税の問題、税財源の問題、これを一体的に改革していこうということから、三位一体という言葉はキリスト教の言葉だといいますが、よく使われている言葉ですからね。自然、どういうわけか三位一体というのが一般的になってきたということであります。言わば中央集権の時代から地方にできるだけ自主権を拡大していこうじゃないかという中の改革であります。
 それぞれ今までの、百年以上続いてきた制度ですから、補助金一つ、交付税、税財源取っても、どれもこれも難しい問題であります。そういう難しい問題を一緒にやろうということで、要は、地方にできることは地方に、こういうことで、その自主権を拡大していきたい、その第一歩、始まったと思っております。
○平野達男君 そこで、以下、三位一体改革の中身についていろいろ質問させていただきたいと思いますが、特に地方と国の財政という観点に関して絞ってお話をちょっとさせていただきたいと思います。
 平成十六年度、国の補助金、約一兆円カット、いわゆる税源移譲、これ、ちょっと暫定的な措置ですけれども四千五百億円、これだけ見ますと、三位一体改革というのは、要するに、要は補助金カットではないかというような声が地方に現に上がっております。
 これに対して、財務大臣、どのような見解を持っておられますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本方針の二〇〇三では、税源移譲を、廃止する補助金の対象の事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要があるものについて行うと、こういうことにしているわけでございまして、補助金の廃止とともに事業が行われなくなるような場合は、補助金を削減しても地方に税源不足が生ずることはないと、こういう考えでやっているわけであります。
 それから、税源移譲の対象については、個別事業の見直しを行って、個別補助金の性格などを見ながら大体八割ぐらいをめどに移譲していく。それから、義務的経費については、これもスリム化をするけれども、これはまあ十割、所要の全額を移譲することにしているわけでありまして、補助金改革がそのまま税源移譲に結び付くというわけではない形になっております。
 それで、今、それはそのまんま歳出カットではないかとおっしゃいましたが、総理が先ほどおっしゃいましたように、あくまで地方の自主性、自由度を高めていくというのが第一の目的でありますけれども、現下の国、地方の財政状況を見ますと、併せてスリム化も行わないと、なかなかこの目的が達成できないという形になっております。
 それで、十六年度においては、まず補助金について事務事業の見直しを行いまして、例えば義務教育費の国庫負担制度については、教職員の給与水準などを地方が自主的に決定できるという総額裁量制を入れるとか、あるいは国の関与を減らしていくという観点から、農業委員会の設置に係る市町村の裁量を拡大して必置基準面積の引上げを行う、それからまちづくり交付金という形で、地方の自主性、裁量性が最大限発揮できるようなものを作るとか、あるいは補助金の一般財源化を推進して地方が自由に使える財源に持っていくというようなことをやりまして、一兆円程度の補助金改革をしたわけでありますが、この一兆円程度のうち、先ほどおっしゃった一般財源化された補助金四千七百五十億円程度について、所得譲与税による税源移譲、これが二千二百億程度でございます。それからあとは、先ほど申しました義務教育費国庫負担金の退職手当などにつきまして税源移譲予定特例交付金、これが二千三百億程度による財源措置を行ったわけですが、廃止、縮減された公共事業関係の補助金が四千五百億程度あるわけでありますが、これに対してこういう中からまちづくり交付金千三百億程度を作ったと、こういう形になっておりまして、十六年度の補助金改革一兆円のうち、事業を引き続き地方が主体となって実施するもの六千百億程度について財源の手当てを行っているという形になっております。
○平野達男君 大変御丁寧に、丁寧に答弁いただきましたけれども、要は三位一体改革と言われたときに補助金をカットしまして、その補助金を財源として税源移譲しましょう。地方では一対一の対応というふうにとらえていた向きもあったと思うんです。ところが、一兆やって四千五百億が出てきたと、これに対する、対してちょっとおかしいじゃないかというような感じが出ているということなんです。
 そこで、総務大臣にちょっとお伺いしますけれども、平成十六年度のこの予算の内容は大いに満足する内容になっておりますか。ちょっと感想だけでいいです。
○国務大臣(麻生太郎君) 満足か不満足かと言われれば、いろいろ満足なところもあるでしょうけれども、不満足なところもあるということになりますので、これはちょっとなかなか私の感想と言われると、私のところには満足された方はお見えになる方はいらっしゃいませんから、不満足な方しかお見えにならぬというのが実態でありますから、私のところだけ一部だけ聞いておりますれば、不満足の方のが多いということになりましょうけれども、この間の資料にも御党の方が見せておられました中でも、やっぱり人口五万以上のところと五万以下のところがかなり感情的には、気分的に言って、差額が少しいろいろ違いますので、いろいろ御意見があるというのはよく承知しております。
○平野達男君 予算として自信を持って、予算、編成した予算かどうかということをお聞きしているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成十八年度が最終目標ということにいたしておりますので、初年度一兆円ということで今言われたような差額というのが出ておりますけれども、その差額の分につきましては、いろいろな形で、市町村によっていろいろ違いますので内容が一概には言えないところなものですから、個別にきめ細かくやらねばならぬという作業がまだ残っておるとは思いますけれども、基本的には平成十八年度までの間にきちんとした形ができ上がるように、ちょっと、最初のところで少しぎくしゃくしている部分はあろうということは承知しております。
○平野達男君 初年度ぎくしゃくで、これから二年掛けてそれを修正するということだというふうに取っておきます。
 じゃ、今回のその目的なんですが、これ、一つに国と地方のマクロ的な財源調整、ちょっと抽象的な言葉で申し訳ありませんけれども、国と地方とのマクロ的な財源調整を、目的が、という目的が入っているという、こういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 国税、地方税の比率の話をしておられるんだと存じますけれども、基本的には、片山前大臣のときに、五対五、一対一とかいろんな表現がありますけれども、基本的には、方向としては国税、地方税というものの比率を簡単に言えば同じにしようというところであります。
 今でも特別交付税、特別交付税等々を入れますと、一対一と、その間の交付税というのはありますので、それを割りますと一・五対一・五ぐらいにはなるんですが、基本的には一対一という方向は、方向としては正しいと今でもそう思っており、私どもとしては、分かりやすい目標ですし、基本的には正しいと思っております。
○平野達男君 今おっしゃった六対四と、四対六という話はまた後で触れますけれども、要は、国と地方の税源、これを国から地方に移すんだという、これ垂直的な調整というふうにあえて言わせていただきますけれども、これが一つ入っている。
 それでは、今度は軸として横に目を向けまして、都市と地方、あるいは財政力の豊かな地方公共団体とそうでない地方公共団体、これは水平力の、水平的な財政調整というふうに言わせていただきますけれども、こういったことも今回の三位一体改革の中に入っておるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨日パネルを使わさせていただきましたけれども、財源を移譲されたところでも、財政力指数が弱いというか、人口が少ない、法人税の場合でも法人数が少ないというようなところでは、収入が財源移譲されても税源の対象がおられませんから格差が付きますという分に、になりますので、このたび地方交付税を地方税に移管したところ、約二千億等のものがありますけれども、そもそも、交付税でもらっておいたら、仮に二千万入るはずだったものが、税源になったら、税になった途端に千二百に減ったというところはあります。
 その分につきましては、その差額の八百億は地方交付税で埋める。傍ら、税源が移譲されたことによって交付税のときに増えた、従来二千万来たのが二千五百万来たというところにつきましては、交付税を逆に五百万切りまして一千五百万ということで、水平の調整はそのような形でさせていただこうと思っております。
○平野達男君 この点に関しては、また後でゆっくりいろいろ聞きたいと思います。
 そこで、まず先ほど言われた、今の税源を見ますと、国が六、地方が四、そして歳出ベースで見ますと国が四、国が六、その間を埋めているのが補助金と地方交付税です。片山前総務大臣は、これを五対五にしたいということを何回かおっしゃっていましたけれども、これは閣内の中では、閣内というか政府としては統一された方向になっておるんでしょうか。あれはどうなりましたか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 片山、当時の大臣がそのような提唱をされまして、それを一つのきっかけにして三位一体という議論が始まっていったというふうに認識しております。
 それで、現在の政府の中の議論といたしましては、理解といたしましては、骨太の方針に書いてございますけれども、四兆円の補助金改革をこれからやっていって、そうして、それに先ほど申しましたような方針でもって、必要なもの、見直しも行いながら必要なものの税源移譲をやっていくと、こういう形に整理されているというふうに考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成十五年十一月の地方制度調査会におきまして、「国税と地方税の税源配分が一対一となることを目指して地方税源の充実を図っていくべきである。」という意見が出されておりますのと、同じく平成十五年の十二月の一日、これは地方財政審議会の方におきましても、当面一対一にしていくことを目指すべきであるとしておられるところであります。
○平野達男君 いや、ですから、そういう意見が各地であった、あって、今政府部内でそこはどのような統一になっているんでしょうかということをお聞きしておるんです。これ、財務大臣ですか、総務大臣ですか、それとも総理ですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一応閣議決定をされました、先ほど申しましたのはいわゆる骨太の方針二〇〇三でございます。その閣議決定をされた骨太の方針の中では、先ほど申し上げたような形で記述をされているということであります。
○平野達男君 閣議決定された文章に出てくるのは、四兆円の補助金というのは削減は出ています。私がお伺いしたのは、今までの議論の中で水平的な、垂直的な財政の税源調整をしましょうという中で、六、四、四、六、その差を取って五、五という話が出てきたと、この話はどうなりましたかというのをお聞きしているんです。統一されていないというなら統一されていないでいいです、それは。そのようにお答えください。
○国務大臣(谷垣禎一君) このような閣議決定の、なるような形では現在ないんだと思います。ただ、そういう議論が三位一体改革の出発点になったということは、過去のきちっとした事実だろうと思います。
○平野達男君 それでは、水平的な財政調整というのは、それは何を目標にしてやりますか。失礼しました。垂直的なです。目標です。ゴールイメージです。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは垂直、必ずしも委員のおっしゃるような形での目標設定があるわけではございませんで、先ほど申し上げたような補助金を改革をやって、それに合わせて税源対策を、税源移譲をやっていくと、こういう形で進めるというふうになっておるわけでございます。
○平野達男君 それじゃちょっと質問のやり方を変えますけれども、四兆円という数字出ています。これは三位一体改革の全体ですか、それとも途中ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には平成十八年度までに四兆円ということになっておりまして、その四兆円が達成された段階、平成十八年度ということになろうと思いますが、その後も引き続きこの種の財源の配分等々につきましては今後あるべき形に更に検討されていくものだと思っております。その中で税源移譲分も入ってくるということです。
○平野達男君 そうすると、四兆円は途中であると、三位一体改革は十八年までは途中であるという、こういう理解でよろしいですか、財務大臣。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは三年間で四兆円の補助金の削減を目指そうということであります。その後は今よりも地方の自主権は拡大しているでしょうし、税財源も具体的な税財源が移譲されているでしょうし、交付税の財政調整機能、これも進んでいるでしょう。そういう中で削減、今の目標が達成した後どうなるかというのは、これまた検討しなきゃならない問題だと私は思っております。
○委員長(片山虎之助君) もう十二時になりましたので。
○平野達男君 はい。
○委員長(片山虎之助君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(片山虎之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十六年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 それでは、午前中に引き続きまして、国と地方のマクロ的な財源調整という話についてまた質問を続けさせていただきます。
 午前中の話の続きなんですが、いわゆる六対四、四対六、中身はもう時間がないんで話しませんが、五対五という数字が政府内で統一された最終のゴールイメージとして理解してよろしいのかどうかということを、財務大臣、ちょっとお話、確認しておきます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 政府部内で紙に書いて閣議決定でできておりますものは、先ほど申しましたように、骨太の方針で、今後三年間で四兆円を、補助金を改革をしながら税源移譲をしっかりやっていくということでございますが、先ほど麻生大臣もおっしゃいましたように、そのでき上がった絵姿の上で、更に地方分権の本旨から見て何が問題かということは、これはまた、私と麻生大臣でよく議論をしていかなきゃならない課題だと思っております。
○平野達男君 それでは、五、五ということについてはまだ一致しているわけではないという、こういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申しましたように、議論の初めにそういう御議論があったところでありますけれども、政府としての合意ができ上がっているのは先ほどの骨太でございます。
○平野達男君 総務大臣、その辺はそれでよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、大臣、財務大臣言われたとおりなんで、元々の話が一対一でスタートして、それから話が始まっておりますので、平成十八年度で一応三年間の目標を一応のところ達成いたしますので、その後の更なる財源移譲等々につきましては、財務大臣ときちんと詰めて一対一の線に努めてまいりたいと思っております。
○平野達男君 それでは、地方は何をゴールイメージにしていいかというのは分からないんですよ。取りあえず四兆円の補助金は削りますという姿は出た。だけどその財源移譲も、後でちょっとお話ししますけれども、財源移譲をどれだけやるかも分からない。片山前大臣が言われたやつ、あの是非は別として、六、四、四、六、それを五、五にやりますというのは、ゴールイメージとしては一つのイメージはあるんです。こういった方向がまだ決まっていないというのは、これおかしいんじゃないですか。これ、総理、よろしいですか、これ、こういうものをね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、全然おかしくないんでね。
 まず、三年間で四兆円の補助金を削減しましょうと。で、補助金は今まで中央省庁のひも付きだったと。こういう事業やれば補助金出しますよというよりも、地方が決めてくださいと。その額は渡しますから、地方でどの事業をやるか、これは地方で決める裁量権を拡大していこうと。それと、このためには税財源がないとできないと。で、税財源も移譲していきましょうと。ただし、税財源となると、国は四割も国債に依存していますから、地方も地方債に依存していると。税財源、全部やるとないですよね。国の家計だ、予算だって借金しているんだから、そういう点もある。だから、地方への補助金削減の場合も、義務的なものは一〇〇%持ってもらいたいけれども、それ以外は七〇%、八〇%でも地方に優先度あればいいという意見もあるわけです。だから、そういう点も含めて考えていかなきゃならない。当然、地方も財政改革しなきゃなりません。国も財政改革しなきゃなりません。
 さらに、交付税の問題。先ほど話していますように、交付税は、三千三百の自治体のうちでもらっていないのは百程度といいますから、ほとんどもらっているわけですよ。だから調整どころじゃないんですね。もう交付税、既得権になっちゃっている。財源ないものは、もう交付税くれるものと思っている地方、地方公共団体多いですから。これも、やっぱり財政調整機能を果たすんだったらば、もうちょっともらうところともらわないところ、財政のないところ、豊かなところ、これもやっぱり調整、改革、合理化する必要あるんじゃないか。これを含めていわゆる三位一体と称しているわけです。
 まずは四兆円の補助金の削減と、税源の移譲がどうなるのか、地方交付税の問題どうなるか。それを見ると、結果的に一対一になるか、さらにはどうなるのか。それを見てまた進んでいけばいいと思います。
○平野達男君 地方は今、この三位一体改革の趨勢、その行き先をずっと見ています。最終的に例えば国対地方のマクロ財源調整がどうなるかというイメージが見えないまま、地方、どうやって自分たちのこれからの将来像を考えられますか。
 総務大臣、どういうふうに考えます、その実情は。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、向こう三年間を考え、どう考えていられておるかという意味ですか。三年以後の話。
 三年以後の件につきましては、今それこそ大まかな、大まかな、大まかな改革、改革として、地方公務員の四万人の削減とか、それからいわゆる単位なんて、いろいろきちんと目標というのは決めた話、あの質問じゃないんですか。
 どの、どの、質問の意味をちょっともう一回言っていただけます。
○平野達男君 要は、税源移譲の最終ゴールが、例えば最終イメージが、六、四、四、六あって、五、五にしなくちゃなんないとなると、私の計算では五兆から六兆の国税から地方税への税源移譲しなくちゃならないんです。これで一つのゴールイメージが見えるんです。このゴールイメージが見えることで地方は地方のことを考えられるんです。ところが、今そういった座標が何も示されていないんじゃないですかと、これで地方が将来のこと考えられますかと、こういう質問しているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、今一対一の目標に進みますんで、約五兆から六兆というところは、基本的な税源、財源の移譲としても、住民税への移譲等々いろいろ考えられていられるところですから、方向としては平成十八年度までで一応やっておいて、それが行けるか行けぬかまだ分からぬ、今一生懸命やっている真っ最中ですから。目標としては、五対五というところになりますと約五、六兆というのは、言っている意味は分かりますけれども、今は、最初の段階で、今のこの段階でこれだけできていますとちょっと言えるほど、それはちょっと、今はこの段階で、今でき上がっておりますというほどは、ものではありません、正直なところ。
○平野達男君 今、先ほどの総理の答弁と総務大臣の答弁、今微妙な違いがあるんです。総理は、結果として一対一になるかもしれないと言った。だけれども総務大臣は、一対一を目標にしてやっている。こういうずれだって大きいですよ。これね、三位一体の改革と言っているんだから、最終のゴールイメージがどうなるかということは、これ示してくださいよ。
 総理、どうですか、これ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三位一体というのは、これは補助金と交付税と税財源を一緒にして改革するということであります。そしてさらに、地方の拡大した場合に、どの分野が地方の仕事かと。福祉のもの、福祉分野においては国がやってくれという声もある。これは地方に、公共事業は地方にやらしてくれという声がある。役割分担、じゃ国がどこまでやるかという問題にも掛かってくるんです。国は外交と国防と治安だけやっていればいいのかという声もある。そうでもない、やっぱり福祉は地方がやるけれども財源は国で持ってくれということもある。その点は、これから三年間の四兆円の補助金を地方に渡すという中でかなりそういう具体的な問題が出てくると思います。
○平野達男君 要は、そうすると、やりながら考えると、こういうことですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、四兆円削減した段階で、税源、補助金、交付税どうなったかという段階で、さらに、あとどのような改革が必要か、目標はどうか、出てくると思います。当面は、三位一体で三年間で四兆円ということを出していますから、補助金削減、この中で考えていきたいと思います。
○平野達男君 私は少なくとも、改革、しかも政府が改革と言っている以上は、問題意識があって、こうこうこういう問題があって、これをこのように持っていきますという方向性、今ここで言う国と地方とのマクロ財源調整でいえば、基本的な数字、それからその考え方、それを示した上で、その一環として三年間はこうやる、四兆円削減しますまで、これならいいんですけれどもね。その最終のゴールイメージが示されないままにこれ進んでいったら、これ、地方はまず国が何をやるかをずっと見てなくちゃならない、それから物を考えるという、こういうスタンスになってしまいますよ。
 麻生総務大臣、総務大臣として地方自治体の立場に立ってみてこれでいいのかどうか、ちょっとはっきり言ってくださいよ。
○国務大臣(麻生太郎君) 元々のスタートが一対一、まあ五対五でスタートしておりますというのがもう片山さんのときからも引かれましたラインでしょうし、今、財務大臣のお話、答弁にもあったとおりでありますから、元々は一対一でスタートした話というのはもうはっきりしておられると思いますので、地方は最終的にはそこを目指しておると、政府はそこを目指しておると思っていただいてよろしいんじゃないでしょうか。
○平野達男君 どうも、中でむにゃむにゃむにゃとしたものが残りながらどうも進みそうですね。
 いずれ、私の改革というものに対するゴールイメージ、これをはっきり、とにかく早く出すべきだと、そうでないと地方自治体が困るということを今ちょっと取りあえずここで申し上げておきます。
 それから、財務大臣と総務大臣にお聞きしますけれども、補助金の将来的な在り方についてこれ基本的にどのように考えておるか、まず財務大臣、総務大臣、ちょっとお聞かせ願えるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本的な在り方と申しますのは、これは三位一体の目的が地方の、何というんでしょうか、主体性、自由度を高めていくということでありますから、これは補助金にも一つ一つ性格の違いがあると思いますから一つ一つ精査しなければならないと思いますが、基本は地方の自由度を高めていくということにあるんだと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、地方のことは、自らのことは自らで決定するという地方自治本来の姿というものの実現に向けてこの三位一体というのはそもそもスタートしたんだと思っておりますので、地方の自由度が増す、当然責任も増すんだと思いますけれども、地域主権型の社会というものが確立ができるように国庫補助負担金を減らしてその分だけ地方財源を増やしていくという方向だと思います。
○平野達男君 財務大臣と総務大臣の中にちょっと見解の違いがあるというのはやむを得ないかもしれませんが、いずれ、とにかく地方の自由度を増すという方向では一致しているというふうに取りたいと思います。
 以下、ちょっと地方交付税の具体的な中身について今度入っていきたいと思いますが、政府答弁で結構ですから、地方交付税の機能、それから財源等についてちょっと御説明いただけますか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方交付税の機能についてのお尋ねでございます。
 我が国におきましては、内政の多くの部分を地方団体にゆだねる一方、国民のニーズを踏まえまして、多くの分野におきまして国が法令基準や国庫補助負担制度を通じて全国的に一定の行政水準の確保を求める仕組みということを取っているわけでございます。言わば国と地方が車の両輪となりまして行政を執行していると、こういうことでございます。こういった一定の行政水準を維持できますように財源を保障するということは国の当然の義務であるというふうに我々は考えております。
 一方、地域の間には地理的条件とかあるいは経済力の格差に起因します大きな税源偏在がございますので、税収のみによって地方団体がその責任を果たすことはできないのも事実でございます。こういったことのために、地方団体が国が法令などによって義務付けております標準的な行政水準を維持するのに必要な財源を保障しつつ、地方団体間におきます財政力格差を調整する仕組みとして地方交付税制度が設けられているというふうに考えております。この財源保障機能と財政調整機能と、こういった一体のものと考えられるわけでございます。
 今後、三位一体の改革の中で国庫補助負担金を廃止、縮減しますとともに、税源移譲を行い、不交付団体が増加する改革というのをやっていかなきゃいけないわけでございますが、その場合には財政力格差が拡大するということも想定されるわけでございますので、財源保障なり財源調整機能を持つ交付税制度といったようなもので適切な対応を図っていく必要があるというふうに考えてございます。
○平野達男君 国の税収の一端部分を、一端割合を、一定割合を地方交付税として地方に交付するその機能としては財源保障機能と財源調整機能があると、こういう答弁だったと思うんですが、そこで、この財源保障機能ということについてちょっとお伺いしますが、この改革、展望の中では地方交付税の財源保障機能は縮小していくという、縮小の方向を示されています。しからば、財源保障機能というのは、私の理解では、元来この程度の財源は仕事をカバーするために財源保障をしましょうということでスタートしているはずです。
 今の総務大臣のお考えでは、本来的に財源保障機能というのはどういう考え方で、どの程度までカバーすべきだというふうにお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 地方によって差が出るのはもう、別に岩手に限らず北海道、私どものおります筑豊、皆同じような部分を抱えておりますんで、よく御存じのとおりなんですが。
 基本的には交付税で差を埋める部分と保障機能という、この保障機能を皆よく忘れられるところですけれども、ここは基本的には、例えば義務教育、例えば警察、例えば介護等々、老人人口の比率が高いとか、そういったところにおきましては、財政力指数が低い、まあ小さい公共団体が総じて多いんですが、そういったところは、いわゆる一律の頭割りでいたしますと、御存じのように、小さなところにおきましては行政に掛かります経費が約五千人以下では百万円、二、三万になると三十万円です。三倍ぐらい差が開きますんで、最低限の行政サービスというものを保障するという機能というものは今後とも必要なものだと思っておりますんで、これはきちんと維持されていかないとならぬものだと思っております。
○平野達男君 「改革と展望」の中には、今のような話が全然書かれていなくて、縮小するとしか書かれていないんです。だから、私が言いましたように、冒頭の、三位一体改革というのは歳出カット、歳出カットだけですかということをちょっと聞いたんですけれども、本来、この「改革と展望」の中では、財源保障機能というのはどこまでやるんだということをまずしっかりとこれを明示すべきというふうに総務大臣は考えられませんか、これは。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃっておられる二〇〇三年、二〇〇三年度までのときに一般行政、行政水準と、いろいろこう書いてありますけれども、閣議決定、財源保障機能というものもある程度は今から引き下げるという努力は、これは当然のことだと思いますけれども、しかし、それがゼロになるなんということは、とてもじゃないけど、考えられることじゃありません。
 ですから、だから財源保障機能というのは何らかの形で確実に保障されるべきものだと思っております。
○平野達男君 いずれ、今の答弁の中でも、財源保障機能という姿というのは何も見えてこない、聞こえてきません。
 それで、もう一つ、今度は財源、今度は調整機能ということで、水平力、水平的な財政力格差の話に入りますけれども、今回は補助金を削る、それは地方交付税を、これ見直しましょう、恐らくこれもう削るということだと思います。それを財源にして、一〇〇%かどうか分かりませんが、まあ八割か九割か分かりません、これで税源移譲すると言っています。
 税源移譲の中身は、これは基幹税と言っていますね。で、これをこのまま素直にやってしまいますと、裕福な地方公共団体とそうでない地方公共団体に大きな差が出てくることになりますが、これはこういう認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、税源の、税源対象の多い市町村と税源対象の少ないところでは差が付きます。したがって、それを調整するのがいわゆる交付税というものだと思っております。
○平野達男君 それは地方交付税で調整できますか。どの程度調整できますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはちょっと、どれぐらいと言われると、仕方が、それこそ三千百三十、いろいろ内容が違いますんで何とも言えませんけれども、どれぐらいと言われる定義は難しいんです。ですけれども、基本的には交付税というものはいろんな形で、町村合併もあるでしょうし、スリム化もあるでしょうし、いろんな形で、ちょっと額で示すというのはちょっと難しいと思います。
○平野達男君 これは、今この三位一体改革の中で地方公共団体の多くは、税源移譲されると、あっ税源移譲されます、それから補助金もカットされますと、とにかく財源が何らかの形で、補助金も地方交付税も減るんですけれども、財源がその分必ず確保されるんじゃないかというイメージを持っているところが、地方公共団体、非常に多いと思うんです。
 ところが、今、麻生大臣は、足りないところについては地方交付税担保すると言いましたけれども、地方交付税ではとても埋め切れないでしょう。そこを確認しているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) タイムラグは幾つか出てくるだろうと思いますんで、その意味で、その意味では今回、今回のときでも財政再建債とか地方再生債とかいうのである程度みんな補助できる、補助するという方向で事を考えております。
○平野達男君 不交付団体をとにかくできるだけ作ろうと言っていますね。これは間違いないですね。不交付団体です。この「改革と展望」の中には不交付団体をできるだけたくさん作ると言っていますね。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、交付団体が三千百三十のうち、約百、不交付団体が百、残りはほとんど交付団体というのはちょっと異常ではないかというのは私もそう思いますので、不交付団体になれるような、地方が自分の財源で賄える方向、地方団体を増やしていくという方向では考えております。
○平野達男君 冒頭で言いましたように、今回の中身は、補助金を削って地方交付税をある程度削りましょうと、それを財源として税源移譲をやりますと。その税源移譲はどうしても都市、人口がたくさんあるところ、産業が集中するところに傾斜配分になってしまいます。ところが、地方交付税そのものの総額は削られていますから、残った要するに交付団体の中で配分される地方交付税というのは少なくなっちゃうんですよ。
 その意味においては、地方交付税で幾ら調整するといっても、明らかに今のこのままの考え方でいきますと、いわゆる豊かな地方公共団体とそうでないところの中に大きな差が出てくる。ここが大事なんですよ。これはどうですか、この御見解は。
○国務大臣(麻生太郎君) ちなみに財政指数が良くて不交付団体に、交付団体であって、今回の財源移譲によって交付団体、いわゆる不交付団体であったにしても、従来、交付団体としてもらっていた二千万なら二千万の金が税源移譲されたことによって三千万税源移譲が入ることになったという豊かなところは、交付税は千万減らします。そういった意味で調整、そこのところの、だからその分はこっちへ来るんだと思いますが。
○平野達男君 いいですか。それは、交付団体はそういう形になるかもしれません。しかし、パイとしての税源は不交付団体増えることによって超過分になって地方公共団体の不交付団体に行っちゃうんですよ。その分のしわ寄せがどこに行くかというと、マクロ的に地方交付税は減るんです。そうすると、地方交付税そのものの、対しての財源調整機能というのは落ちてくるんですよ。そういう考え方ではない、それは御理解、そういう共通の認識に立っていただけませんか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 不交付団体におきます財政調整についてのお答えでございますので、事務的にお答えさせていただきたいと思います。
 交付団体につきましては、大臣が先ほど御答弁していましたとおり、全体の税源移譲と、それから交付税の中でやりくりがある程度できるわけでございますが、不交付団体に関しましては、その税源移譲した部分が更に超過財源になるという面はございます。
 したがいまして、そういった問題につきましては、国庫補助負担金につきまして不交付団体への交付をどういうふうに考えるかという調整の問題、あるいは、現在でも地方譲与税につきまして一部不交付団体に譲与制限というのをやってございますけれども、そういったものを考えながら財源の均てん化を行う必要があります。
 また、基本的には地方税につきまして偏在のない地方税体系を作っていくというのが基本かなというふうに考えております。
○平野達男君 そういう耳触りのいいことばっかり言うから駄目なんですよ。三位一体の中で本当に具体的にどうなるかというのを現実としてはっきり出してくださいよ。
 いいですか、総務大臣。私の先ほど言ったこと、どうもちょっと共通の認識に立っていないような気がしますけれども、今の答弁でよろしいですか。ちょっと、どのように御説明されるか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、今局長の方から答弁をいたしましたように、ある程度落ちた分につきましては、その他いろいろ地方税やら何やらのもので調整をしていくので、それは全部はきっちりと収まるとは思いませんけれども、不交付団体になり得るところ、交付団体の分が、豊かなところから削る分が出てきてみたり、地方税が増えてみたり、いろんな形で税源が丸々なくなってしまうということではないと思いますし、また地方で財政指数の低いところの分につきましては、そこの分につきまして更に交付税でやっていくなり、またいろんな形で財政再建債なりということを埋めていくんだと思いますが、全部が全部、交付税なしで全部がうまくいくというようなわけにはいかないと思います。必ず、どこかで税源が不足の地方団体というのは必ず残ると思いますので、調整としての、調整、バッファーと、調整としての交付税の役割というのは今後とも必要なものだと思っておりますが。
○平野達男君 地方交付税の役割の必要性はそのとおりです。しかし、繰り返しますけれども、今回の三位一体改革、この改革の方針のとおり進んでいきますと、いわゆる不交付団体が増える。そして超過分が要するに税源移譲という形で出てくる。その一方で補助金も交付税も減っていますから、先ほど言いましたように、補助金でそれを調整しますなんて、総務省勝手なことを言っていますけれども、財務大臣、それは後でお伺いしますけれども、そういった調整を本当にやる気があるのかないのか。今、この「改革と展望」にはそんなこと一言も触れられていないんですよ。
 財務大臣、どうですか。先ほどの総務省の中で補助金で調整するというのが出ましたけれども、これはいいんですか、あれで。
○国務大臣(谷垣禎一君) これはどういう補助金をどういうふうに譲って、地方に譲っていくかというその姿がありますから、そういう姿を見ながら調整しなければならないんだと思います。
○平野達男君 分かりました。
 それじゃ、今の答弁は、補助金というのは財源調整機能なんか持っていないでしょう、国の補助金には。そんな答弁おかしいですよ。だから、先ほどの総務省の答弁なんか実にいい加減な答弁なんです、あれは。補助金の中で財源調整するみたいな答弁やられたら、地方はもう本当にその気になってしまいますよ。いいですか、総務大臣。じゃない、財務大臣。
○委員長(片山虎之助君) 瀧野総務省財政局長。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私の申し上げたのは税源移譲……
○委員長(片山虎之助君) 大臣、指名していない。
○国務大臣(谷垣禎一君) ああ、失礼。済みません。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 超過財源についてどのように調整していくかということは今後の課題なわけでございますけれども、現在も義務教育国庫負担金につきまして、不交付団体につきましての一定の交付制限をしたり、あるいは譲与税につきまして不交付団体について譲与制限をするというような制度もございますので、そういう現在の制度を見ながら今後の税源移譲との絡み合いの中で検討をしていくべきだというふうに申し上げているところでございます。
○平野達男君 だから、それが今回の三位一体改革の中でも大きな問題になっているんですよ。分かるでしょう、それが。それが「改革と展望」の中に一言も触れられていないんですよ。だから、地方公共団体にとってみれば、三位一体という言葉は非常にいいものだから、権限も来る、財源も来ると思っている地方公共団体が多いかもしれない。今、だんだん意識は変わってきました。
 それは何でかといったら、この中身を十分に説明していないんですよ。今みたいに財源調整については今後の課題でありますよと言っていたって、じゃ、どうやるんだということが「改革と展望」の中に少なくとも考え方ぐらい示されていなかったら、繰り返しになりますけれども、地方公共団体考えようがないですよ、これ。これ、総務大臣として本当にこれ真剣に考えてくださいよ。どうですか、これ。
○国務大臣(麻生太郎君) 不交付団体が減ったからといって直ちに交付税総額の絶対が減るというようなシステムにはなっていませんでしょう、そこのところは。交付税、直ちに跳ね返らないことに……
○平野達男君 交付税減らすと言っているじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) ああ、交付税減らす。じゃ今、それは不交付団体が増えたことではなくて、交付税の絶対総額を減らすというお話ですね。
 だったら、先ほど最初に言われた、言われた質問の、質問の意味は、不交付団体が増えたら交付税総額が減るみたいなお話に聞こえたものだからそう申し上げたんですが、交付税の総額を減らしていくというのは、交付税が基本的にはどうしても足りないところは先ほど申し上げましたように調整をするという方向でありますので、そう交付税を減らしていくということと不交付団体が増えるということとの比率はある程度、どっちがどうなるかというのは、三年やってみますので、その意味できちんとした数字が、きちんとしたとまでは言いませんけれども、ある程度数字が出てくると思いますので、その数字が出た上で、いろいろ更にどうしても足りないというところは必ず出ますから、そういったところは交付税というもので埋めていくという必要が出てくるだろうと思っております。
○平野達男君 麻生大臣、大変恐縮ですけれども、もう少し基本的なことを、共通の認識に立たにゃいかぬと思いますので、もう一度だけこれ私の認識を言わせていただきますと、補助金を減らします、地方交付税も減らしますと、それをやって税源移譲をやるんです。補助金減らして地方交付税を減らすということは、その分だけ地方に行く、回るお金がまずそこでまず少なくなっている。その分、減らした分を税源移譲という形でマクロでは持っていくんですが、マクロで持ったやつが地方公共団体によって偏在が出てくるんですよ。その偏在が出てくるやつに対して調整をどうするんですかということに対して、先ほどの答弁の中では今後の課題だと言っている。それはおかしいじゃないですかということを私は言っているわけです。これをはっきり出さないと、これは話が進まないと思うんですよ。ということを言っているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃる、おっしゃる意味でいきましたら、昨日もパネルを使って御説明申し上げましたように、交付税、交付税より税源が移譲された分の収入が少ないところについてはその分交付税を足しますから、だから、交付税を減らされてもゼロにするわけではありませんから、したがって、そういった意味ではいろいろな御心配の点もあろうかと思いますけれども、そこのところは基本的に埋めていくんだと思いますが。
○委員長(片山虎之助君) 瀧野総務省自治財政局長、分かりやすく言えよ。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方団体全体の財源の保障の問題かと思いますので、制度について少し申し上げさせていただきたいと思いますが。
 現在、地方団体全体のいろんな国から委任されている事務等を十全にできますように、地方財政計画を毎年策定するわけでございます。その中で、地方公共団体が国から任されている事業あるいはそれぞれの地方団体で行われている事業をそれぞれ需要に算定いたしまして、必要な額をそこで保障するようなシステムになっているわけでございます。そのときに、不交付団体の財源というのは不交付団体として別の計上をするような形になっておりまして、交付団体におきましてもきちんと国が期待しているような事務ができますように財源を地方財政全体の中で確保する、それで、それが税金で賄われない部分があれば、そこのところは交付税で一般財源を確保する、こういう仕組みになっているわけでございます。
 したがいまして、全体といたしましては、財政健全化に向けましてスリム化も図らなきゃいけませんけれども、少なくとも必要な標準的な仕事が地方団体それぞれの団体でできますように交付税制度の中で総額を確保していくという仕組みになっているわけでございます。
○委員長(片山虎之助君) ミクロの話なんだよ、個別の。あなた言っているのはマクロの話なんだよ。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 申し訳ございません。
 それで、全体の財源を確保した上で今度はそれをどのように各地方公共団体に配分していくかということになりますれば、税金の少ないところには当然交付税が、先ほど大臣申し上げましたように配分されるということになるわけでございまして、もちろん、全体の税が不交付団体の方にある程度手厚くは回るかもしれませんけれども、全体、それぞれの地方公共団体が必要な行政が確保できますように交付税の配分をしていくということでございます。
○平野達男君 総論的にはいいんですけれども、もうとにかく本当のことをしゃべらなくちゃ駄目ですよ。地方公共団体が本当に今何を、将来的に今何を行われているかという姿を示してやってくださいよ、そんな訳の分かったような分からぬような説明しないで。
 今、ちょっとこの話についてはまた、ちょっとまたやりますけれども、総務大臣、申し訳ありませんけれども、私の認識と総務大臣の認識を一致させないかぬので、後でまた総務省呼んでまた私がやりますので、それを聞いた上でまた委員会で質問させていただきます、これは大変重要な問題ですから。
 それから、総理、ちょっと今、合併問題が今進んでいます。これと三位一体改革との関係はどうなりますか。通告していなくて申し訳ない。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) やはり、地方が自主性を確保するためにはある程度規模も大きくないと難しい点があると思いますね。そういう点で、今、市町村合併を進めております。千を目標にと言いますが、この千までなるにはまだ相当時間が掛かると思います。
 いずれにしても、地方がどの程度の自主性を確保するかという意味と、市町村は自分たちの現在の人口なり財政状況でやっていけるかどうか、やっていけないためにはどこの地方団体と合併した方がいいかというのは市町村独自に考えることでありまして、この三位一体の改革と市町村合併というのは無縁とは言い切れない。当然、どの程度の自主性を確保するかということを考えれば、市町村独自で考えるべき問題でありますので、地方の住民と議会と、いろいろありますから、よく相談してやっていただきたいと思います。
○平野達男君 私は、合併を考えるときに、地方公共団体、自分たちの地方公共団体が将来財政的にどうなっていくかというイメージがまず必要だと思います。そのためには三位一体改革でどういうことをやろうとしているかというゴールイメージが必要なんです。ゴールイメージを見た上で地方公共団体が、ああ、おれのところの地方公共団体はこうなるんだという中で合併をしようかどうかというふうにやっぱり考えるというのが、考えさせるというのが筋じゃないですか。総理、どういうふうに思われますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは地方が考えなきゃならない問題だと思います。現に、それではどういう分野を自分たちでやりたいのかという、いろんな意見が出てくるところと出てこないところあります。例えば国の義務教育費を例に取れば、これは国費だと、しかし地方の学校を考えるともっと柔軟な運営がしたいと、教職員の採用においても、学校教育のやり方にしても、あるいは費用の掛け方にしても自由度を確保したい。しかし、義務教育費だけは国で持ってくれという声が強いわけであります。
 こういう点もありますから、これは自主性と、補助金を地方に渡した場合の、今まで国費で持っていた分との関係を今後どうしていくか、こういう点がこれから補助金の削減分が多くなればなるほど具体的に出てきますから、その中で検討しなきゃならない問題だと思っております。
○平野達男君 私の質問になかなか、ちょっと擦れ違っているような気がするんですけれども、いずれ、この三位一体改革の中で国と地方のマクロ的なその財源調整の姿も見えない、それから水平力、財政格差、財政力の調整をどうするかということもこれから検討すると言っている。地方は、自分たちの姿をどうするかって判断する材料は何にもないんです。こんなところで合併をやりましょうと言ったって進むわけがないだろうと。進められるのだろうかと。
 繰り返しますけれども、合併というのは一大決断ですよ。一大決断をするための材料を国が与えなくてどうするんですかということなんですよ。総理、もう一度その見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、三位一体の改革をしなくても合併しようという事例はあるわけですよね、過去に。しかし、今後地方に自主性が増すと。介護保険制度一つ取っても、地方がかなりの権限を持ってやるということになると、今までの規模で本当に介護できるのだろうかというと、よその市町村と広域行政、合併しなくても広域行政でやらざるを得ない。だから合併した方がいいという動きが出ている。
 だから私は、この市町村合併というのは、自分たちでどの程度の権限と自主性を発揮できるか。ある程度の人口もなきゃいけないだろう、ある程度の規模もなきゃいけないだろうと。ある程度の公共施設もないといけないだろう。そういう中での合併の機運も出てくる。
 そして、自由度の確保。どの、市町村によって違います。これをやりたい、自分たちで。この補助金はおれたちに任してくれと。これはもう国でやってくれと。いや、国でやったのを地方に任してくれと。その地方公共団体で違います。しかし、できるだけ地方の役割と国の役割、国はどこまでやればいいのか、地方がどこまでやるべきか、そういう観点を含めたのが三位一体の改革でございます。
○平野達男君 まあ、いずれ三位、国が言っている三位一体、これはイメージがまだわきませんから地方もわくわけがないんですけれども、地方が思っている三位一体、私は、これイメージ、かなり意識にずれがあると思います。そういう中で、まず、地方の自治体の声をまずよく聞いてもらいたい。それから、三位一体改革のゴールイメージ、これを早く出してもらいたいということを強く要望しておきます。
 地方債の話なんかも聞きたかったんですが、今日は、日銀総裁お見えになっていますので、お忙しいところ、またお疲れのところ、ありがとうございます。以下はちょっと景気の話についていろいろ御質問したいと思います。
 まずその前に、今日、総裁はスイスのバーゼルから帰られました。BISの総裁会議だったと、に出席されましたけれども、その総裁会議の内容、どういう会議だったんでしょうか。まず、それを皆様方に御紹介していただきたいと思うんですが。
○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。
 中央銀行の総裁は、一月置きに、今おっしゃいましたとおり、スイスのバーゼルで国際決済銀行というところに集まりまして、インフォーマルな意見交換をしております。各国の経済情勢、金融情勢、ひいては世界全体の経済の情勢をつぶさに点検して、こういうグローバル化の時代ですから、各国の中央銀行の総裁が共通の認識を持って金融政策の運営が行われるようにと、そういう趣旨の会議でございます。
 今回は、確認されましたことは、世界、特に先進国を中心に、あるいは最近では中国も含めアジア諸国が大きなウエートを成しておりますが、各国とも景気回復の動きが順調に進んでいるということであります。しかも、情報通信革命の進展を背景にして、新しい需要を企業がとらえながら、この景気回復の動きを力強いものにしようという方向で物事が進んでいるということでございますので、景気の回復がある程度持続性を持ったものになりつつあるということが認識されたということでございます。
 一方で、これから先の経済運営について、新しい事柄が起こってきていないかという点についての点検も行われまして、二つのこと、いろいろありますが、大きく言って二つのことが共通の認識として持たれるようになってきていると。
 一つは、先進国を中心にではございますけれども、景気が順調に回復する中で雇用の回復が非常に緩慢であると。これは過去の世界経済の回復の局面に比べて今回特徴的と言えそうな新しい現象だというふうなことが一つでございます。
 もう一つございます。もう一つは物価の動向でございます。今世界経済の回復が次第に力強く進みつつある中で、原油価格が高止まり、そして一次産品、それから原材料を中心としたいわゆる国際商品市況のベースでは物価はかなりの勢いで上がってきております。しかし、それとは対照的に、我々の日常生活に関係のあります小売物価あるいは消費者物価、いわゆる川下の物価についてはなかなかその川上の物価の上昇圧力が及んできていないと、こういう大きな特徴でございます。こういう川上の物価と川下の物価との大きなギャップというのも、過去の世界経済の回復局面では、と比較いたしますと今回の新しい特徴だということが認識されました。
 こういう新しい特徴を十分認識しながら、これからも世界経済のより良き姿を目指して金融政策に更に工夫を凝らそうと、こういったことが確認されたわけでございます。
○平野達男君 この会議にはグリーンスパンさんも出ております。今日の午前中の質疑にもありましたけれども、円高に対する介入、十兆円とかというような物すごい単位でやっているようですが、これについての話題は出なかったんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 為替の介入につきましては、各国それぞれ中央銀行が関与をしている度合いというのが千差まちまちでございますので、為替の介入について直接中央銀行総裁会議で話題になることはございません。ただ、金融政策との関連で、為替の介入についてどういう理解をするかということについては毎回当然議論の対象になります。今回も同様でございました。
 日本について申し上げれば、私は、日本はデフレ脱却の非常に大事な局面を迎えていると。景気の回復は順調に進んでいても、日本において消費者物価の前年比上昇率はまだわずかにマイナスの状況で、このわずかなマイナスというのは、数字の上ではわずかだけれども、今後の道のりとしては我々は非常に厳しく受け止めていると。したがって、デフレ脱却のこの最後の重要な局面にあっては、為替市場を含め金融市場全般の中での不規則な動きというものは大変害をもたらすものだと。したがいまして、日本においては金融政策を積極的に緩和しておりますけれども、為替市場において政府が適切な介入政策を取られるということは政策の方向性として一致していると、矛盾はないというふうに申し上げました。
○平野達男君 またいろいろと財政金融委員会等でお伺いしたいと思います。
 それで、景気動向について竹中大臣にお伺いします。
 月例経済報告、「景気は、設備投資と輸出に支えられ、着実に回復」と言っております。この設備投資なんですが、どうもしかしいろんなデータを見ますとキャッシュフローの範囲内だというふうに、そういうようなデータになっていますが、これを今どのように認識されておりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の主要企業が設備投資の範囲で、まあ言わば安全な形で設備投資をしているという、こういうパターンが定着したのは実はかなり以前のことであるというふうに認識をしております。もちろん、最近もこういう形が続いている、ないしはより顕著になっているというふうに思います。
 しかし、設備投資、これまでなかなか設備投資が進まずに、よく使う設備の平均年齢が非常に高まってきた中で、こうした動きがキャッシュフローの中であるとはいえ非常に出てきたと、設備投資が活発に行われるようになったという状況は前向きに評価したいと思っております。
○平野達男君 お手元の資料一に、これは日銀資料なんですが、「企業のキャッシュフローと設備投資」ということで、小さな細い線がこれはキャッシュフローで、名目設備投資が太い線であります。この差が随分開いております。
 それで、キャッシュフローというのは、これは有利子負債返済と、右側のちょっと、ところを見ていただきたいんですが、有利子負債返済、自己資本の充実、そしてまた設備投資、主にこういった三つの方向に向かうんじゃないかと思うんですが、景気が良ければ設備投資は借入れをしてまでもやるよという状況で、この借入れしてまでやっている状況が左側の太い線が上に行っている状況だというふうにこれは理解していいかと思います。この右側のようにこういうギャップが広がっている状況というのは、経済状況からいったら必ずしもいい状況ではないかと思うんですが、いいではないというふうに、いい状況ではないと理解するんですが、竹中大臣はこれどのように思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 例えばある状況下で循環的に見て、キャッシュフローと設備投資、キャッシュフローに比べて設備投資がたくさん行われる状況は経済がいい状況である、私もそのとおりであると思います。
 しかし、むしろ日本で起こっているのはそういった一定条件下での循環的な話ではなくて、非常に大きな構造的な変化が企業に起こっているということだと思います。具体的には、産業構造が変わって、資本装備率の高いものからそうではない産業に、非常に付加価値の高い産業に移っていくということになりますから、そうすると、設備投資の必要が、いわゆる必要な資本装備率は下がってくると。そうした要因がいわゆる非常にこの中では利いているのではないかというふうに思います。
 日本の場合には、キャッシュフローがあってもそれを海外で投資すると、いわゆる海外立地、そのような状況もこの中に入っているわけでございますけれども、単純にそこが大きいから小さいから良い悪いという判断を超えて、構造的にこれは見ていかなければいけないというふうに思っております。
○平野達男君 それじゃ、この一ページ目の上の図の、このキャッシュフローと名目設備の差というのは今どこに行っていると思っていますか、行っているというふうにお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは企業ではもちろんばらばらであると思います。基本的には、これまでの債務を返済する、資産リストラをするというような形で財務の健全化を図って、そうすることによっていわゆる損益分岐点を非常に低めて様々なリスクに備える、備えよう、そういう体質強化がやはり日本の産業を最近、一部ではあるかもしれないけれども、やはり元気にしてきているというような状況があろうかと思います。もちろん、財務の問題でありますから、企業によってはそれを積極的に財務投資するというものもありますでありましょうし、MアンドA等々で全体的に企業グループの強化を図るというところもあるかと思います。
 これは様々でありますが、基本的には財務の健全化を中心に戦略的にそれは行われているというふうに思っております。
○平野達男君 私は、企業というのは資金調達コストが期待収益率を上回るんだということであればいつでも設備投資しますよ、投資をするというふうに教えられてきました。ところが、この一ページの図を見ますと、設備投資は最近ちょこっと持ち直していますけれどもどんどん落ちている。そして、負債の返還にどんどん、負債の返済にお金を回している。
 要するに、企業の投資行動の波に期待成長率というか、将来に対する不安というのがあるんじゃないんですか、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) もちろん、将来に対する非常に厳しい見方があるというのはそのとおりであろうかと思います。それは、単に日本の成長が将来、従来より低くなったと、そういうふうに認められるということに加えて、グローバルな観点からどこに立地させるべきかというような観点からのリスクというものを企業は敏感に感じているんだと思います。
 ただ、繰り返し言いますが、設備投資は少なくとも足下では非常に活発に行われているというふうに思います。今日、たまたま去年の十―十二月期のGDPの二次速報が出されておりますが、年率換算でGDPは六・四%の増加でございます。実質六・四%。そのうち、設備投資は六・四%のうちの約四%分に相当すると。設備投資が正に拡大してGDPが拡大するという構図になっております。
○平野達男君 それはもうGDPデフレーター掛ければそういう数字になるんでしょうから、これについては議論すると今日はちょっと時間がないので、ちょっと私は名目についてちょっと議論させていただきます。
 二ページ目の表をちょっと開いていただきたいんです。これは何を言っているか、何を言いたいかということなんですが、設備投資は太線です。一点鎖線が減価償却費です。減価償却費と設備投資の線がこれ逆転するということは、この数字が正しいとすれば、太線が一点鎖線の下に来るということは、施設の老朽化すること、それに任せているということです。それで、減価償却と設備投資が一致すれば更新をやっているということです。
 ところが、最近は技術がどんどんどんどん膨らんでいますから、進歩していますから、本来は減価償却より設備投資が上回っていないととてもこれがいい状況と言えないはずなんです。これ、どのように説明されますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正確には、これは減価償却でありますから簿価を反映しておりますから、より正確にこういう状況を見ようと思えば、資本ストックの統計に基づいて新設の投資と除却額等々で見るべきだと思います。それは我々も注意深く見ております。全体のうちの七割ぐらいが今更新であるというふうに認識をしております。六割から七割と申し上げていいと思います。
 重要な点は、しかし、これ償却額が拡大していく傾向に当然あるわけですね。それは委員もおっしゃったように、IT等々で技術進歩が速くて、どんどんどんどん償却年数が短くなっていきますので、それに合わせて今更新投資もしっかり行っていくという状況になっていると。
 いずれにしましても、企業はかつてとは非常に違う環境下に置かれておりますが、少なくとも足下では、そうした中でようやく企業が前向きの投資を行って、設備年齢の上昇を食い止めるような、活気が出るような方向に向かいつつあるという状況だと思っています。
○平野達男君 いずれ、ちょっと詳しいそこの技術的な話、またよく分かりませんが、設備投資関連指標という形で日銀はこういうデータを提供しているわけです。こういうデータを見る限りにおいては、設備投資、設備投資と言ったとしても、基本的にこれはもう更新的なものに支えられて、さっきは六割、七割、それは本当にどういうところから出されているかどうか分かりませんが、マクロ的に見ますとそういう構図になっちゃっているんです。
 だから、こういう設備投資の中で、これが要するに景気を支える力になっていると言えるんですかということになるんですが、どうでしょう、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今までのように設備投資が増えて経済成長率が高まる、経済成長率が高まるから更に消費も投資も増えると、そういうような一種の循環のメカニズムとはかなり変わっているというふうに私も思います。
 それは、先ほど申し上げましたように、海外立地するかもしれないというその競争的な環境にある、さらには、非常に技術進歩率が速くなっておりますから更新投資を積極的にせざるを得ないような状況になっている。しかし、そうした中で最近の事例では、海外に立地していたものをむしろ国内に誘致しようという動きも、一部ではありますけれども出始めていると。これは、構造が変わっているというのはもうこれは事実でございますから、そうした中でより国内に立地できるように企業は前向きに対応できるような投資環境を作っていくということに努めるのが我々の仕事だというふうに思っています。
○平野達男君 景気の見通しに明るさが出てきたというのは、これは信じたいです。信じたいんですけれども、それを支える、それを示す、支えるバックが、どうもこういうデータを見る限りにおいて少なくとも設備投資に投資しているとは言えないんじゃないかと。これは、竹中大臣は経済学者でもありますから、冷徹に冷厳にこれを見てもらいたいと思います。
 そして、今この企業のキャッシュフローと設備投資の関係からいけば、貯蓄投資バランスからいけば貯蓄超過になっているわけです。この状況がいいんですか、これで、将来的にわたって。今のお話聞いていますと、このままでいいんだというふうにも聞こえましたけれども、それはどのようなことですか、それは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 冷徹に設備投資を見ろ、大変重要だと思っております。私自身、設備投資の論文で博士号をいただきましたので、そこは是非しっかりと自信を持って見なければいけないと思っているところでございます。
 こういう状況でいいかどうかということに関しては、やはり企業というのは、今要するに資金が余っている状況なわけですね。元来、資金というのは、資金の取り手でなければいけない、ところがまだ資金の出し手になっているという状況ですから、まだまだやはり弱いというふうに私も思います。しかし、そうした中で最近になって正に芽が出始めて良い動きが出始めていると、そこはしっかり伸ばしたいというふうに考えるわけでございます。
 ただ、いずれにしても、従来は家計がお金の出し手、企業がお金の取り手、そういう状況ではない。もう九〇年代の終盤から大幅に日本の経済構造は変わっておりますので、そのことは念頭に入れてしっかりと景気動向についても見なければいけないと思っています。
○平野達男君 一つの見方として、二〇〇〇年、二〇〇一年以降、物すごい不良債権処理が加速されてきました。そして、不良債権処理というのは企業にとって過剰債務ですから、過剰債務の縮小に努めてきた。リストラをやってきてキャッシュフローの幅を浮かせた、それで債務の返還を優先させている、その分設備投資は後送りされてきたということも言えると思うんです。それが、後送りされてきたやつが設備投資が今始まるという意味においては、これはとても景気を支えるという要因ではなくて単に後送りされたものをやるんだというふうにも解釈される。
 こういったことも含めて、繰り返しになりますけれども、博士号を取られたようですから、冷徹な解釈、分析をしていただきたいというふうに重ねて要望をしておきます。
 次に、返還されたお金は、今、企業からですね、これはどうなっているでしょうか。どういうふうに、どのような使い方をされているか、マクロ的に見てですね。その認識をちょっとお話ししていただきたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは銀行がということでございますか、企業がということでございますか。
○平野達男君 失礼しました。
 過剰債務として、銀行に、金融機関にお金が返っています。そのお金が今どういう出口になっているでしょうかということです。
○国務大臣(竹中平蔵君) これも銀行によってかなり状況は違うと思います。特に、主要行と地域の銀行ではその状況は違っているというふうに思います。
 主要行の場合、不良債権を期限を設定してしっかりと減らしてもらう。そうした中で、財務の健全化ということを、財務基盤の強化ということにそうした資金が使われている面は非常に強いと思っております。しかしながら、そうした中でも、銀行が不良債権を減らすことによって新たなリスク対応力が生まれつつある。それが、担保に頼らない融資を今年度だけでメガバンクで一・四兆円やるという予想を上回るような前向きの動きになってきている。これも、そこにもそのバランスシートを調整するということの今芽が出始めている重要な局面であると思っております。
○平野達男君 そういう説明もできると思いますけれども、資料の三ページをちょっと開いていただきたいんですが、これが国内銀行の貸出し先別貸出金ということで企業規模別の推移を示しています。御承知のように、貸出しがどんどんどんどん縮小しているということです。
 銀行は、企業が一生懸命やって過剰債務の整理でお金を返しています。それが銀行に行きます。銀行に行くんですけれども、その銀行は更にその先の企業に向いていかない。その部分はどこに行っているかといえば国債、預証率がどんどんどんどん高まっていますから、そちらの方に行って、回っていないということなんですね。これはこういう現状認識でよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 国債にだけ回っているということではないと認識しておりますが、そのような動きは間違いなく今の最近の銀行行動の中にあるというふうに認識をしております。
○平野達男君 いずれ、お金が市場にというか企業というか、そちらの方に向いていないということは間違いないだろうと思います。
 そういう中で、日銀総裁にお伺いしますけれども、日銀の金融緩和、この間またやりました。三十三兆ぐらい当座預金を積むということでやりますけれども、あの意味合いというのはどういう意味合いがあるんでしょうか。市場に資金需要がない、お金を積んでも資金が出ていかない、これははっきりしているような感じがするんですが、それでもあの金融緩和をやった意味ということについてお聞かせ願えますか。
○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。
 今、景気回復のため、あるいはデフレ脱却のために一番重要なことは、企業が過去の借金を早く返して、新しい投資にリスクを取って立ち向かっていく、この条件を整えていくということでございます。政府の方でも各種の施策を取られておられますけれども、日本銀行はこういった企業の過去の問題処理、そして前向きの努力を金融面から条件を整えることによって積極的にサポートする、そのための金融緩和でございます。
 今はゼロ金利でございますので、おっしゃいましたとおり、市場に流動性をもう必要以上にたくさん供給することによってそういう条件を整えようとしております。そこのところを具体的に申し上げますれば、市場にたくさん流動性を供給いたしますと、短期の金利だけではなくて、より長めの金利につきましてもこれを押し下げる力が常時働く。借金を早く返す、そして将来の新しいビジネスのモデルを作り上げる、こういう立場にある企業の目から見ますと、短い金利だけではなくて、より長い金利についても相対的に低い状況にある方が、利子負担が減る分だけ早く過去の借金や元本の返済ができる。将来に向かっての投資計画につきましても、こういう金融緩和を長く続けるという約束を私どもしておりますので、将来の金融コストというものを低めに計算しながらビジネスの計画ができる、こういう利点を提供させていただいているつもりでございます。
 そのほかに、金融市場で様々な不安が起こってまいります。流動性を多めに供給することによりまして、金融市場の中から不安感が増幅し、企業が将来にわたって明確にはどういう姿か分からないような不安感を持ちながら企業行動にブレーキが掛かる、そういうこともなくそうと、こういうねらいでございます。
○平野達男君 長期金利、短期金利をとにかく上げないようにするんだということについては、それはそのとおりだと思います。
 しかし、もう既にその金融緩和をする時点で長期金利が上がるという傾向が見えたというわけでもないし、短期金利はコール市場がもうゼロぐらいに張っ付いていますから、金利がもうゼロの状態ずっと続いていますよね。あの時点で金融緩和をやった。しかし、三兆か五兆か忘れましたけれども、それをやったという定量的な意味というのはあったんでしょうか。心理的な意味は分かりました。
○参考人(福井俊彦君) 私どもは、デフレ脱却ということに最大の重点を置いているわけでございます。デフレが最大の敵だと、これは日本銀行の今の政策の第一目標で、わき目も振らずその方向に邁進している。
 で、経済が上向きの方向にあると、したがって安心をしていただきたいんですが、日本銀行はそれで安心していないと、物価の情勢が厳しいんだと、そういう状況の下で早めに金利が上向きに動き始めるということを我々は最も恐れていて、そこにしっかりふたをするということでございます。
○平野達男君 心理的な安心感ということと期待成長率を高めるということだというふうに一応理解します。
 ただ、一部マスコミでは、この間、円高に対する物すごい介入がなされました。日銀当座預金を積むことによって、その間、失礼しました、一方で、財務大臣の所管ですけれども、政府は短期預金、短期証券発行して資金から、市場から資金を調達して、それでもってドルを買った。その資金の財源として、つまりは巡り巡って当座預金を積むことが必要だったんではないかと、一種のポートフォリオ・リバランシング効果だと思うんですけれども、そういうことを言っているマスコミもあります。これに対してはどのように言われますか。
○参考人(福井俊彦君) 私どもは、介入の大きさを考慮しながら市場に流動性を供給する量を測定しているということはございません。国内の景気の動き、なかんずく物価の動向と、そして金融市場の中における資金のやり取りということをかなり細かくモニターしておりまして、金融機関が毎日毎日金融市場の中で十分資金を取りたいところは取れるという形に点検しながら必要量を供給していると。資金供給量が多ければ結果的にそれは介入資金、介入の資金を調達される政府の資金繰りが楽になるということはあるだろうと思いますが、それは結果論であって、我々はやはり経済の回復の仕方、そして物価の動向、金融市場の中の落ち着き度合いということを一番眼目に流動性の供給量を決めているということでございます。
○平野達男君 政府、日銀一体の円高介入ではないということでありますね。
 それでは、先ほどのまた資金の話に戻ります、資金循環の話に戻りますが、この資金が市場に出ていかない。これは金融サイド、それから企業サイド、二つの見方から別々の見方ができると思いますが、竹中大臣はこれをどのように。
○国務大臣(竹中平蔵君) 資金が出ていかない、結果としてマネーが余り増えない、マネーサプライが増えない、日銀の統計でいうとM2プラスCDが一%台の伸びに今でもとどまっていると、その要因は実に多様であると思います。
 企業サイドの話からすると、やはりまだ十分に経済が活性化し切っていないところで資金需要がやはりないんだと、銀行の現場は恐らくそのように感じているという面もあるんだと思います。一方で、これはある専門家の分析によれば、やはり銀行が不良債権等々リスクを負っているので、そのリスクに見合ってなかなか貸出しを増やすという行動が取れないと、そういう観点からはやはり不良債権を早く何とかしなければいけないということにもなろうかと思います。
 大きくそうした二つの需要面と供給面の要因等々であろうかと思いますけれども、そうした中で、経済の活性化と、一方でマネーサプライを増やす努力、これは引き続き重要になってくるというふうに考えております。
○平野達男君 そこで、今のお話の中では、銀行はまだ不良債権抱えていますよと、それが足かせになってリスクが取れない、片っ方で資金需要もないと。企業も過剰債務を抱えていると。それから、あと、それが足かせになってリスクが取れないと。こういうことだったんじゃないかと思うんですが、やっぱり私はもう一つ大事なのは成長期待、先ほど日銀総裁の中でお話しに、ちょっと私の方で成長期待と言いますけれども、これがやっぱり非常に重要ではないかと思います。この成長期待ということがまだどうしても出てきていないんじゃないかと。先ほどの竹中大臣の答弁の中にもちらちらとそういったニュアンスがありますが、その成長期待ということに対してどのような認識を持っておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 企業も家計もどの程度今後経済が成長していくだろうか。それに合わせて自分の企業、自分の所得はどのぐらい伸びていくだろうか。そういうことを念頭に置いて消費や投資の計画を立てる。その意味では、正に期待成長率がどうであるかということが経済のある意味で元気さをすべて決めるという側面があります。
 期待成長率はどれだけですかということを聞いたアンケート調査があります。これちょっと手元にはございませんが、内閣府の調査で、その期待成長率というのは、徐々に上がってはいるけれども、まだ十分高くはないというふうに思っています。
 しかし、最近のここ、今年度、来年度ぐらいの内需の伸び率を見ますと、期待される伸び率というのはやはり二%弱ぐらいになっていると思います。内需の伸び率は正に期待成長率を非常に的確に反映する面がございますから、その意味ではまだ、この失われた十年の中で期待成長率が低下したと、それは十分に引きずっておりますけれども、これについてもようやく少し良い芽が出始めている。それが昨今の設備投資の活発化にもつながっているというふうに思っております。
○平野達男君 私は、これから本当に、不良債権の処理とか過剰債務の削減ということではなくて、成長期待というのをやっぱりキーワードにしなければならないと思います。
 そこで、総理、ちょっとよろしいでしょうか。政府として、あるいは内閣として、これからの成長に期待を持たせるためにはどういうことが必要だというふうにお考えになるでしょうか。突然の御指名で申し訳ございませんけれども。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小泉内閣発足以来改革を進めているのは、改革なくして成長なしなんです。この金融改革、税制改革、規制改革、歳出改革、あわせて民間にできることは民間に、地方にできることは地方に。
 今まで進めてきた改革、ようやく、種をまいてきた、芽が出てきた。これを今後も推し進めていって木に育てていく。これによって経済が活性化し、予定どおりの経済成長に持っていきたいと思います。
○平野達男君 私は、政府に対する信頼感を得ることだというふうに思います。そのためには、言ったことは守る、守れなかったら説明する、これが私は基本だと思います。それについては小泉内閣の評価は私は必ずしも高くないというふうに私は個人的には思っています。
 それから、あえて言えば、答弁については擦れ違い答弁をしない、聞かれたことはやっぱりしっかり答えるということも、多分、こういう国会議員の中の、国会の議論を通じて日本じゅうが見ているわけですから、そういったこともちょっと、必要ではないかということをちょっと申し上げておきたいと思います。
 それから、景気についてまたちょっと戻りますが、二極化と言われておりますが、竹中大臣、この二極化ということについての認識、どのように持っておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現状、マクロ経済は良い方向に向かっていても、やはり東京と地域の格差がある。輸出依存の大企業と中小企業、中小企業の中にももちろん大変いいところもあるわけですが、中小企業の平均値で見るとやはり差があると。その意味での格差、これまた一つの構造問題として従来よりも拡大しているというふうに思います。
 これは言わば世界共通の、アメリカにおいてもヨーロッパにおいても、IT等々、技術のフロンティアが拡大する中で、グローバルなマーケットが拡大する中で、そしてそれに乗じて所得を一気に増やせる地域、人と、必ずしもそうではないところの格差、これはやはり広がっていると。そのことにはやはり十分な目配りが必要であると思っています。
○平野達男君 私も、統計的なデータというよりは、地元に帰って肌で感じるのは、やっぱり地方はもう相当の寒い風が吹きまくっているなということであります。
 そういう中で、地方銀行あるいは第二地銀の検査が入りまして、不良債権処理が、どんどん進めるのではないかというようなことが一部言われていますけれども、これについては竹中大臣、どのように考えておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 世界のマーケットに直面している主要銀行については、不良債権比率を二年半で半分程度にするという目標の下でその努力をしていただいております。しかし、地域の金融機関、中小の金融機関に関しては、これは地元との関係をより大事にしながら地元の企業をまず再生させる。地域が活性化することによって銀行自らも体力を強くしていく、そういう関係重視のプログラムを我々としては作っておりまして、不良債権比率を下げるとか、そういうことを目標にはしておりません。
 もちろん、その地域の中小金融機関にも善意の預金者がいらっしゃるわけですから、その預金者は守らなければいけませんから、その意味では検査はきちっとやるわけでございますけれども、不良債権の削減ということを前面に出した、そのような対応にはしておりません。
○平野達男君 財政金融委員会の中でもリレーションシップバンキングということで、何かということでいろいろ議論されています。
 私が言いたいのは、そういった現場現場の話も非常に重要です、これは非常に大事です。と同時に、地方の企業というのは、大企業のいわゆる過剰債務の削減の中でその波をどっと受けています。受けて、地方も相当のリストラをしているんです。人件費も下げている、それから流通コストも下げている。この中で、こういう状況の中で地方の銀行がこの不良債権処理を仮に加速するというようなことがありますと、もう地方の企業は逃げ場がないんですよ。
 だから、リレーションシップバンキングというのも大事なんですけれども、マクロ的に見て、今、経済というのはまだインキュベーターの状態にあると私は理解していますけれども、地方がこういう逃げ場のない状況の中で不良債権処理の加速をさせるということだけは、これはやめていただきたいと。そういうマクロ的な経済環境がありますよということも、是非これからの金融検査のときに忘れられない、忘れてならない視点として入れていただきたいということなんですが、御見解をちょっとお伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済を活性化させるために不良債権を減らしていく、主要行も増やしていく。これはやはりどうしても避けて通れないことであると思います。しかし、それを一気にやればよいというものではない。順番がある。そういう現実的な立場に立って我々は対応をしているつもりでございます。
 御趣旨は御趣旨として理解できるところ多々ございます。そのような対応を我々も心掛けているつもりであります。
○平野達男君 私の持ち時間が大分迫っていますけれども、先ほどの期待成長、成長期待、これは非常に大事なんですが、同時に、今度はこれが出てきますと厄介な問題が出てまいります。特に、これは国債の管理という観点からすると、これは大きな今度は問題になってきて、それが足かせになって景気の勢いにブレーキを掛けかねない。
 財務大臣、これについてどのような認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 最近は便利になりまして、こういう審議中でも携帯電話を見ますと国債の金利の動向など見られますので私もよく見ているわけですが、私、仕事をしておりまして、これだけ国債を発行しておりますと、念頭を去らないことの一つでございます。
 ただ、国債市場の動向というのは、これは先ほど来の景気の動向だけではなくて、物価の動向とか金融財政政策の在り方で異なりますので、なかなかこうだということを申し上げるのは難しいですけれども、大きく言えば、経済全体が元気になってきて、そこで資金需要も出てきて、そういう中で金利が緩やかに上昇していくということであれば国債の管理についてもいろいろ手が打てるんだろうと思うんですね。
 ところが、実体経済は元気がないのに金利だけ急に上がってくるということになりますと非常に苦しい局面になってくることは、これはもう事実でございます。したがいまして、そうならないためにできることは何かというと、私のやっております財政の分野でいえば、やっぱりその財政政策、国の財政規律というものに対する信認をきちっとしていくというのが一番基本ではないかというふうに考えております。
 大きく言えばプライマリーバランスを回復していくということであると思いますし、もう少し卑近なところでいえば、昨年、審議会等にお願いして国債管理政策の在り方をまとめましたけれども、市場の動向等をにらみながらきちっと国債管理政策をやっていくということになるかと思いますが、委員に御満足いただける答弁かどうか分かりませんが、おおむねそのように考えております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 済みません。先ほどの委員に対する御答弁、一部数字の間違いがありましたので訂正をさせていただきたいと思います。
 担保に頼らない四メガ銀行の貸付額、今年度一・四兆円と申しましたけれども、一・三兆円でございますので。申し訳ありません。
○平野達男君 期待成長率が、成長期待が出てきますと、長期金利が上がってくる。上がってきますといわゆる国債の暴落ということになってくるわけですが、この国債管理の在り方についてはそろそろ頭の体操をする時期に来ていると思うんですが、今どのようなことを考えておられますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、先ほど申しましたように、大きく言えば、まず財政規律をしっかりするということでありますけれども、もう少し細かに申し上げますと、去年まとめたわけでありますが、国債の中長期的に見て調達コストを抑制しながら確実かつ円滑に消化を進めていくということを基本に、できるだけやはり市場のニーズ、そういったものを受け入れられるように、インフラ整備等をいろいろやっていくということだろうと思います。
○平野達男君 市場に任せながら国債管理ができれば、これは一番いいです。緩やかな成長が続けば、それはいいんです。いいんですけれども、どうも、そういくかどうか分からない。どっかの時点で、実は国債管理政策というのは市場原理じゃなくて、国が方向を定めて、国の力でもって、意思でもって管理をするという、こういう政策が必要になってくるかもしれません。この点についてはまた、ちょっと時間がなくなりましたので、財政金融委員会あるいは予算委員会の中でまた改めていろいろ議論をさせていただきたいと思います。
 小泉総理、冒頭ちょっと三位一体の花ということで、花の話が出ました。中国では花咲かじじい、花咲かじじいと言うと塩じいの顔を思い浮かべますので、花咲かじじいとは言わないで、中国ではこれ花神と言うそうです、花の神。司馬遼太郎が小説で「花神」という小説を書きまして、大村益次郎を描いたのが「花神」でした。あれは、大村益次郎が明治の改革の灯、改革の花を咲かせたんだと、そこにオーバーラップさせて花神だというふうに思ったんです。
 今、日本に本当に必要なのは花神だと思うんです。本当に、本当はこの内閣でその花神になってもらいたいという、野党ながら希望はありますけれども、どうも今日の前段の三位一体のお話とか、ちょっと経済については、いろいろとお話聞きますと、どうもすっきりしない。咲かせる花があだ花であったと、あだ花であったというのでは困りますので、是非しっかりやってもらいたいということをお願い申し上げまして、あとの時間は高嶋議員に譲りたいと思います。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。高嶋良充君。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 まず、今日の東京新聞の朝刊に、「小泉内閣閣僚側に二千万」というトップ記事が出されております。この内容を見てみますと、日本歯科医師連盟が二〇〇一年秋に自民党衆議院議員側に現金一千万円を提供した、議員は当時小泉内閣の閣僚だった、二〇〇〇年七月にも同額を提供した記載があると。こういう記事なんですけれども、二〇〇一年当時小泉内閣の閣僚でこの閣僚席に残っておられるのは、福田官房長官、坂口厚生労働大臣、石原国土交通大臣、三名ですけれども、まずこの三名の方にお伺いをいたしますが、日本歯科医師会から献金の有無があったかどうか、あった場合、合法に処理をされているかどうか、三点目に、臼田会長を知っておられるのかどうか。これは政治家の閣僚という意味で三人ですからね。三名からお答えをいただきたいと思います、その三点。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日歯連から献金を受けているかということでありますが、平成七年に献金を受けておりまして、政治資金規正法にのっとり適切に処理していると承知しております。平成七年以降は献金を受け取っていないと思っております。
 いずれにしても、政治資金については適正に処理しております。
○国務大臣(坂口力君) 平成十四年、私も献金としては日歯から受けたことはございませんが、平成十四年にパーティーを行いましたときにパーティー券の購入をしていただいた経緯はございます。二回ございまして、合わせて四十万、それはパーティーとして処理をいたしております。
○国務大臣(石原伸晃君) 日歯連からの献金でございますが、パーティー券という形でございます。臼田会長も存じております。政治資金は適正に処理されているものと承知しております。
○国務大臣(福田康夫君) 私は、日歯連からはもらっていないと記憶しております。臼田会長は、もしかしたらごあいさつに一度来られたかもしれませんけれども、よく記憶しておりません。
○高嶋良充君 念のために、金子行革担当大臣、その当時閣僚じゃありませんけれども、規制緩和という意味では現在は職務権限がございますので、念のために今のことをお聞きしておきます。
○国務大臣(金子一義君) 日歯連からの献金はございません。臼田会長は存じ上げております。
○高嶋良充君 石原大臣、先ほど、パーティー券とそれから政治資金は適正に処理をしているというふうに言っておられますが、どれぐらい、いつごろいただいておられるんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) お尋ねの件でございますが、平成十二年十一月にパーティー券百万円、平成十三年四月にパーティー券百万円、平成十四年四月にパーティー券五十万円、平成十四年十一月にパーティー券三十万円でございます。
○高嶋良充君 政治資金の方はないんですか、パーティー券以外で。
○国務大臣(石原伸晃君) これは、政党活動という形で政党支部の方に、平成十二年五十万円、平成十二年五十万円と、百万円ございます。
○高嶋良充君 小泉総理、私どもの調査も含めて申し上げますと、歯科医師連盟が口蓋裂後遺症によるそしゃく機能障害者にも、今までは医師会だけしかできなかったようですけれども、診断書の発行を、それを歯科医師にもやらせてほしいと、こういうことで二〇〇〇年から陳情をされていたようでございます。
 そして、二〇〇〇年の七月に自民党の議員集団の皆さん方が、まあ数名と、こういうことになっておりますけれども、厚生労働省に対してそれを要望された、そしてその同じ時期に、まず二千万のうちの一千万を、まだ閣僚になられる前の議員でありますけれども、その議員に一千万円を提供したと、こういうことになっているんですね。
 そして、その診断書の、歯科医からも発行できるようにと、こういうことの通達は、最終的に厚生省の方で、平成十三年ですから二〇〇一年九月七日に発文を、通達を出されている。それで、その秋に再度また一千万円が、当時は閣僚になっておられたその議員に渡っていると、こういうことを新聞なり私どもの調査でもほぼ明らかになってきているわけですけれども。
 これは、どう言うんですかね、あっせん収賄罪というかあっせん利得罪的なものに、これはきちっと収支報告が、今、皆様方されていない、この一千万の関係は全く出てきていませんから、収支報告書に載せられないということになればそういうことになるというふうに思うんですが、総理、自分ところの閣僚ですから、調査をされたらいかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治献金は常に適切に処理しなければなりませんし、収支報告は必ず当局に提出しているわけでありますので、これはきちんと処理すべきだと私は思っております。私がどういうこういうと、するということはありません。
○高嶋良充君 あなたの閣僚が、あなたの閣僚時代、あなたの内閣のときに一千万円を受領されていると、こういう記事なんですよ。それが今お聞きをすると、報告がされていないと。ということになれば、あっせん収賄等の刑法にも違反してくる、こういうことですから、まずこれは自民党総裁というよりも総理として厳正に調査をされることが必要なんではないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私どもが捜査するというよりも、今、日本歯科医師連盟が政治資金収支報告書に虚偽の記載があったとして捜索を受けていると聞いております。私は、捜査というのは厳正に行われるべきであり、その推移を見守っていきたいと。私が今これ、自分のことはともかくですよ、人のことまで、これ、分かる、聞かれて分かるという状況じゃないね。各議員は、閣僚であろうがだれであろうが、与党であろうが野党だろうが、政治資金は適切に処理すべきだと私は思っております。
○高嶋良充君 捜査は進んでいるのは知っていますよ。総理に捜査をしなさいと言っているんじゃない。調査をしてもらえませんかと、こう言っているわけだ。自分たちの閣僚なんだから。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 調査は党としてきちんとして、党として全く問題ないという報告を受けております。各個人、それは個人がしっかり適正に報告をして、適切に処理すべきだと思います。
○高嶋良充君 無責任な答弁なんですけれども、党という問題を言われました。平成一年、平成じゃない、〇一年の九月の十三日に日歯の代議員会の総会が行われて、その議事録がここにあるんですけれども、臼田会長のあいさつ、こういうふうに言っていますよ。
 今の官房副長官の、名前は伏せましょう、何々さん、それから福島県の何々代議士、厚生労働省の何々障害保健福祉部長、いろんな方に一生懸命この問題に取り組んでもらったと。あえて代議員会でお名前を言ってくださいということを言われておりますと、こういうあいさつまでされているわけですよね。そして、まあ言わばやみ献金がなされていると。
 こういうことは、それはもう総理あるいは総裁として、党としてきちっと調査をされて善処される、対処される必要があるんじゃないですか。もう一度伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それ、私の問題ではないし、議員個人の問題で、それがあたかも事実なことのように今言われていますが、はっきりしない、本人。私は、そういうはっきりしないことにどう、自分のことなら答えますよ。調べますよ。そうでないんですから。これが違反であるか違反でないか、私、そんな権限ありませんよ。
○高嶋良充君 総理としては非常に無責任な答弁だということで、私どもはこの予算委員会を通して今後も徹底的に追及をしていくということを申し上げておきたいというふうに思っております。
 先ほど同僚の平野委員の方から三位一体改革の問題について質問がございましたので、今日は民主党は基本的にこの三位一体改革、集中して質問をしてまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 先ほどからの答弁を聞いておりましても、しかしこの地方の期待にこたえておられるような、そういう答弁というのは一切なかったように思うんですけれども、この三位一体改革、地方ではすこぶる評判が悪い。自治体は頭に来ていますよ。原因は、政府がやっぱり北風を吹かせた、こういうことだというふうに思うんですね。地方交付税が赤字地方債を回して一二%減だ、一気に二兆九千億円削減をしている、これでは地方切捨てだというふうに首長の皆さん方が頭に来られるのは当然だというふうに思います。
 そもそも、三位一体改革の目的というのはどこにあったのか、もう一度総理、お答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三位一体改革の趣旨は、これは補助金と交付税、そして税財源、これを一緒に一体として考えて改革しようということであります。それぞれ百年以上、この長く続いてきた中央集権の体制の下で、地方にできることは地方に、地方に対してより自由な裁量権を与えていこうじゃないかということであります。
 補助金一つ取ってみても、それぞれ役所からこういう事業をやる場合にはこのような補助金が付きます、そういうことに対して、もっと地方に裁量権を渡してくれという、そういう声が強いわけであります。交付税、これはやはり地方によって、財政的に余裕があるところとないところがあります。この交付税、この問題も、現在、交付税をほとんどもらっていると。三千三百近くある地方公共団体で交付税受けていないのが百ぐらいだと聞いております。この調整機能、保障機能、これもやっぱり現状のままでいいとは思わない。さらに、地方が責任を持つためには、やっぱり地方で課税権なり自主権、税源を持たないと裁量は拡大していかない。
 いずれも、一つ取ってみても、どれも今までのことを変えていくわけですから難しいものですから、難しいのは承知だから、全部難しいんなら全部難しいものを一つ一つやらないで一緒にやろうというのが三位一体の改革の趣旨でございます。
○高嶋良充君 趣旨はいいことを言われているんだ。先ほども、財務大臣も総務大臣も、目的は地方が自由度を高めることなんだと、自己決定できるようにしたいと、こういうふうに言っておられるんだけれども、しかし、今回の三位一体改革はその目的を全く達成をしていない。一兆円の補助金を削減をして、税源移譲はたったの六千五百億円だと。そこへ二兆九千億円も交付税を削減をする。これでは、財政再建の目的だけしかないじゃないですか。分権の視点なんぞどこにもない。一体、こういう総理の考えておられるようなことが実現できないというのはだれが変質をさせているんだと、こう言いたいんですけれども、これでは地方に任せるどころか地方の金を取り上げて国の借金を地方にツケ回しをしておると、そういうことが言えるんではないですか。
 総理、イソップ物語の北風と太陽の話、御存じだというふうに思いますけれども、旅人のマントを脱がすのはやっぱりこれ太陽なんですよ。今政府がやっているように、北風という、交付税を削減するぞ、削減するぞといって地方を締め付けても、自治体は萎縮するだけで分権は一向に進まないんです。だから、財政改革を成功させていこうと思えば、分権という太陽で自治体に裁量権を与えるんだと、そのことをきちっとやることによって財政改革も進んでいくと、こういうことになるんじゃないですか、国と地方の財政改革も。そういうことをやっていくという目的から逸脱をしているんではないかと、こう言っているんですけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三位一体改革は、これは、行政改革でもあり財政改革でもあり地方に自主権を与えるものでもある、一体となって考えるべき問題であります。
○高嶋良充君 まあ北風以上に冷たい答弁をされておりますけれども。
 総理は、昨年の予算委員会で私の質問に対して、今後、三位一体改革は、一挙に政府が考えてこうやれと言ったって地方の事情もあります、地方の意見も聞かなければなりませんと、こう言っておられましたね。今回の三位一体改革、地方の意見聞かれましたか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方の知事会、市長会、意見をよく聞いて行いました。
○高嶋良充君 聞きおくだけだったんではないですか。地方の意見を全く反映をされていませんよ。今、地方の皆さん方は、昨日も予算委員会で出ていましたけれども、やみ討ちだ、だまし討ちだ、二階に上ってはしごを外されたような感じだと、全部立腹されている。私はその気持ちよく理解できますよ。知事会も市長会も、この間、緊急アピールを出されたのを御存じでしょう。抗議をされているじゃないですか。
 今後、地方に対してどう対応されようとしているのか、お聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今お話があっておりましたが、地方に対して裁量を与えたではないかと、与えて、与えると言う割には全然与えておらぬではないかと言われますけれども、例えば、公立保育園の件につきましては裁量権は大幅に地方に譲ったということになっていると思いますので、全然というようなことではないんだと思っております。
 また、今言われましたように、これは基本的には国の方もそうですが、地方の方もやっぱり借入金総額二百四兆円というのは結構大きな借入金を、累積になっておりますので、その意味では地方もやっぱり頑張っていただかなきゃいかぬ。これは、国も頑張るのと同じように、やっぱり地方もスリム化をしていただかにゃいかぬという大前提の下にこの三位一体というのはそもそもスタートしたと思っております。
 そういった意味では、今回いろんな意味で、先ほども申し上げましたように、税源を移譲されて税収がこれまでの交付税より増えるところと増えないところと、地域によって、地方によって差が出ます。
 今回の世論調査見ましても、人口の多いところは良かったという答えが多いというのは、この間、共同通信の数字にも出ておりましたとおりです。その少ないところの方がパーセントでいきますと多いと書いてありますが、それは市町村の数でいきましたら、それは小さな県が一杯、小さな市町村が一杯ありますので、その市町村長の、首長の数からいったらそういうことになるかと思いますが、人口比という面は別の点でもう一回考えなきゃいかぬところだとは思っております。
 いずれにしても、その地方の少ないところにつきましては、厳しいのは私どもよく分かっておるところで、結構内容は分かっておりますし、私どものおります生活保護世帯率の極めて高いところが、私も選挙区ですから、よう分かるところでもありますので、いろんな形で、いわゆる地域再生事業債というものを拡大させてというような話も、既にそれぞれそういうところに話が行っておるはずですし、また財政健全化債というものを弾力的に運用するなどいろんなことをして、個別にちょっと聞かしていただかぬと、一律でこういう方ということになかなかまいりませんので、個別にいろんな形で、今いろんな形で対応をさせていただきつつあるというのが今の経過です。
○高嶋良充君 地方に十分に裁量権も与えるようなことをやったと、こういうことなんですけれども、私が言っている裁量権というのは、例を挙げれば、子供に親が小遣いをやるときに、毎日百円ずつやっておれば、これは毎日おやつ代に消えてしまうと。まとめて三千円やれば、子供は創意工夫を凝らして節約をするとか、あるいはこれをためておいてほかのものを買おうとか、創意工夫を凝らしてそのお金の使い道を考えるんですよ。だから、そういう裁量権を与えなさいと、こういうことが補助金改革の最大の私は目的だったというふうに思うんです。
 しかし、今回の政府案というのは、子供に二十五日間は毎日百円ずつそのままやるんだと、そして、あとの五百円をまとめてやりましょうと。そのまとめてやるのも、三百円だけは一括でやりましょうと、あとの二百円は国がピンはねしますよと、そういうのが一兆円と六千五百億円の関係でしょう。
 その辺はどうですか、財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 何かピンはねというような大変耳になじみにくい言葉をお使いになりましたけれども、要するに国の方もあれです、税収が五一%ぐらいしかないわけでございますから、それはスリム化を、国の方もスリム化をしていただかなきゃなりませんし、地方の方も先ほど麻生大臣がおっしゃったような状況でございますから、両方のスリム化をやるというのが大前提だろうと思います。
 それで、その一兆ぐらいやりましたけれども、これは骨太の方針に書いてありますように、八割をめどに、これはもう厳格な見直しをした上ででございますが、地方で引き続きやっていただく必要のあるものについては八割、それから義務的経費については、これも厳格に見直すけれども十割程度と、こういうことでやりまして、先ほどおっしゃったような数字になっております。
 それからさらに、公共事業等も削減した中からいわゆるまちづくり交付金というようなものも作りまして、そういう形になっておりますので、まあピンはねという表現は差し控えていただきたいと、こう思っております。
○高嶋良充君 谷垣大臣、これ、財務省から出されておる資料ですよね、地方向け補助金等の改革。一兆三百十三億円の内容、所管別。私はこれを見せていただいて驚いた。わあ、たくさんあるけれども、たくさんやっておられるけれども、公共事業の補助金の削減のところなんか見たら単に事業を削っているというだけじゃありませんか。これなら、今まで、例年やってきた予算の査定と全く変わっていない、目新しいところなど全くない、そんな代物ですよ。
 改革というのであれば、例を挙げれば、市町村道の整備とか公園整備のような、そういう事業というのはワンパッケージとして見直すんだと、そして国の縛りのある補助事業から地方の自主性にゆだねる単独事業に切り替えていくんだと。そういうことが貫かれていなかったら全く改革の名に値しないと。もしこんなことをやっていると、今回事業量を削減するだけで、将来、じゃ事業量が増えれば何にも変わらない、元のもくあみに戻ってしまうと。そういうのを改革と言えますか。
 だから、地方の首長の皆さん方は改革の名に値しないと、こう言っておられるんですよ。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、公共事業関係の補助金についておっしゃいましたけれども、十六年度では、公共事業関係の補助金について四千五百億円程度の廃止、縮減等を行っておりますが、このうち千三百億円程度は、さっき申しました、都市再生を促進しようということでまちづくり交付金を作ったと。それから、こういうことで、これは地方の自主性、裁量性を大きく発揮できる財源でないかと思っております。これを除いた純粋な削減額は三千二百億程度ということになるわけですね。
 それで、公共事業関係の国庫補助負担金というのは、厳しい財政事情でございますから、国だけではなく、地方においても量的な縮減をやはりしていただかなきゃならぬということが見直しの基本ではないかと思っておりまして、これは、ですから純粋な削減分について税源移譲の対象とすることは余り適切ではないんではないかという考え方をいたしました。
 仮に、地方が自らの判断で国が廃止した事業を実施する場合があるとしましても、公共事業は建設公債で賄っているわけでございますので、国の方もなかなか今の厳しい財政事情の下で、代わりに地方にお渡しする財源というのを見付けにくいという、こういう現状もございます。
 それからもう一つ、近年の地方の投資単独事業の実際の執行額というのは、地財計画で既に財源の手当てがなされている計画額の規模を大きく下回っているのが実態でございますので、地方が自主的な判断で単独事業として執行しようという余地は相当残されているんではないかなというふうに考えております。
○高嶋良充君 私が問題として言っているのは、削減だけを、補助金の削減だけを行って税源移譲しなかった分、先ほど、それはもう地方にとっては必要のない事業なんだと、こういう言い方をされましたけれども、しかし、今まで国でそのことを認めてきたという部分があるわけですよ。
 だから、もう一度きちっと聞きたいんですが、削減だけをなぜ行ったのかと。税源移譲の財源措置を行う必要はなかったのかということを聞いているんですが、それは全くなかったんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、公共事業全体をスリム化するというまた別な大きな要請もございました。それから、先ほど申しました中で、まちづくり交付金という形で削減した中から自主性のあるものを充てているのもございます。それ以外のものについては、先ほど申し上げたような考え方から見て財源をお譲りする必要性がないか、またなかなか余地がないと、こういう考え方でございます。
○高嶋良充君 確かに、まちづくり交付金の関係は税源移譲されてきておるわけですけれども、じゃ、元々必要でないもの、あるいは廃止すべきもの、そういうふうに国が考えたものについては地方には税源は譲る必要はないと、そう理解していいんですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 補助金の中で見直して、やはり国が補助金という形でやる必要はないけれども地方でやっていただく必要があるというものについては、これは財源、税源を先ほど申しましたような八割めど、義務的なものについては、見直しをしながらであるけれども十割と、こういうことでやらせていただいておりますから、それ以外のものについては税源、財源をお渡しする必要はないんではないかという考え方でございます。
○高嶋良充君 ということは、じゃ、昨年までというか、今年度までですか、今年度まで付いていて来年度から削減するというものは、それはもう必要ないものだと、こういう判断をされるという、あとは地方で判断しなさいと。こういうことは、今まで、そうしたら、国は、政府は無駄な予算計上をしていたということになるんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まあこれは、国の懐具合も非常に暖かいときにできますことと、非常に厳しいときに削らなければならないものがございます。ですから、今やっていることは、何も全く無駄なことだということを申し上げているんではなくて、こういう財政事情の下でどうするかということを考えたら、これは削らざるを得ないだろうということだろうと思います。
○高嶋良充君 総理、いずれにしても、国庫補助負担金の見直し、一般財源化されるものは非常に少ない、これでは地方自治体が言っているように改革の名にやっぱり値しないですよ。総理、再考されてはいかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今までなかなかできないというのを一緒にやって第一歩を踏み出したんです。あと、三年間で四兆円補助金削減するという目標を立てております。そういう中で、これから具体的に、今後、どういう項目かと、また税源はどういうことにしていこうかと、交付税の財政調整機能、保障機能をどうしようかというのは、この四兆円削減、今、今年はまず一兆円やったわけですので、あと二年掛かって三兆円、こういう中で考えていくべき問題だと。当然、地方自治体の声はよく聞いていかなきゃならないと思っております。
○高嶋良充君 是非、地方の意見というか、声は十分に聞いて、それを反映していただくように努力をいただきたいというふうに思っています。
 総務大臣にお伺いしますが、今地方自治体は予算編成に大変な苦慮をしているんですけれども、総務大臣はこれにどのように対処されようとしているのか、お尋ねします。
○国務大臣(麻生太郎君) 三千百三十ございますので、いろいろ市町村によってその格差が随分あると思っております。私どものところで、まあ毎日いろいろ私どもの役所にお見えになりますので、伺っておる範囲では、総じて、先ほど岩手の例が、というか、質問の中にも出ていましたけれども、地方の小さな市町村の方が極めて予算編成は厳しいことになっておるというのはもう御指摘のとおりだと思っておりますので、そういうところにつきましては、きめ細かな対応をすると同時に、財政再生債やら健全財政化債やらいろいろ使わせていただくということで、その運用につきましても、きちっと妙な線引きで、これ以上は一銭も駄目というような妙な固い話ではなくて、需要はありますので、これを、道路を既に、既に、既に何というのかしら、五年計画でもう既に二年目なんだと、それで残り三年目切られちゃったというところ等々は、仕掛かり品みたいなところにつきましては、私ども弾力運用をさせていただくなどなど、いろいろ具体的なところも含めまして、きめ細かく対応させていただきたいと思っております。
○高嶋良充君 是非きめ細かい対応をお願いしておきたいというように思いますが、しかし、やっぱり、赤字地方債も含めて二兆九千億円の交付税の削減というのは余りにもひど過ぎじゃない、ひど過ぎますよ。この、先ほども話に出ていましたけれども、予算委員長として片山前総務大臣もおられますけれども、まず交付税削減ありきだという、こういうことを怒っておられますよね。だと思うんだけれども。
 そういえば、先ほども平野委員が質問をしていましたけれども、あの有名な片山プラン、一体、総務省としてはどう考えておるのか、まず教えてください。どういうふうな状況になっているのか。先ほど財務大臣は三位一体改革のただ単なる出発点だと、こういうふうに言われたけれども、総務省はどう思っているんですか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 片山プランについてのお尋ねでございますが、平成十四年五月に地方財政の構造改革と税源移譲についての試案として経済財政諮問会議に当時の片山総務大臣が示されたものでございまして、その主なポイントは、地方歳出に対します国の関与の廃止、縮減なり、地方税中心の歳入体系の構築ということを行うということで、国税と地方税の割合を一対一にする、あるいは国庫支出金を五・五兆円程度縮減する、あるいは地方交付税については算定方法の見直し等を行うと、こういう内容でございました。
 この片山プランの提示を契機といたしまして、経済財政諮問会議等におきまして地方税財政制度についての改革議論が本格化いたしまして、昨年の基本方針二〇〇三に三位一体の改革として位置付けられるに至ったものと認識しておるわけでございます。三位一体の改革におきます国庫補助負担金、税源移譲、地方交付税、それぞれの改革の基本的な方向についてはこの基本方針二〇〇三、片山プランと同じ方向でございまして、片山プランの趣旨が現在の三位一体の改革の中に生かされているものというふうに考えております。
○高嶋良充君 全く生かされていない。私は、昨年の予算委員会で当時の片山総務大臣から答弁を聞きました。第一ステージで補助金と税源移譲の改革を行って、その次に交付税改革を行うんだと、交付税は第二ステージ、こう言われていましたよ。そうでしたよね。もううなずいておられます。それなのに、何で一番先に地方交付税を二兆九千億円も減額をするんですか。片山プランなんて全く評価されていない、生かされていないんじゃないですか。
 総務大臣、麻生総務大臣、片山プラン、どのように実現されようとしているんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 片山プランにつきましては、先ほど自治財政局長の方から御答弁申し上げたとおりですけれども、どのように評価しておるかといったら、一対一という方向というのは基本的に正しいと思っておりますので、私としては、評価といえば極めてその意義は大きいと思って、評価は高いと。
 どうやって実現していくかといえば、今申し上げましたように、これ、初年度で一兆円ということになりましたものですから、いろいろな意味でぎくしゃくしているところは認めますけれども、本来、これは三年間の間に四兆円という方向で事を進めたいと思っておりますので、少なくともこれまで、これまで過去何十年にわたりまして国税というものが地方税に渡されるということは、なかなかどころかほとんど、アリの一穴どころか全く開かなかったところに、少なくとも今回、地方税、地方税から、済みません、所得税から地方税へ今回形としては渡されたというこの一歩は大きかったと思いますので、少なくともそういった意味でも、御満足いただけるようなものじゃないのかもしれませんけれども、少なくとも全くたばこ税みたいなものではなくて、形としては所得税から地方税への税源移譲というのが実現したという点につきましては、片山プランはそれなりに生かされておると思っております。
○高嶋良充君 財務大臣、地方がこの予算編成に大変な苦慮をしている時期に、あなたは更に追い打ちを掛けるように、今後も引き続き交付税等を削減していくと、こういうふうに表明をされているんですけれども、けしからぬことだ。その真意はどうなんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 別に真意と申しましても、何か腹の中に秘めているようなことではございませんで、先ほど麻生大臣もおっしゃいましたけれども、交付税特会の借金が五十兆を超えているというような現状の下では、やはり三位一体の改革をやっていくという中では、どうしてもスリム化を考えていかなければいけないということだろうと思います。
 それで、繰り返しになりますが、地方交付税については、財政力格差を是正する財政調整機能と、これはやはり維持しなければならないものと私どもも考えております。しかし、十六年度末に、先ほど申しましたように特会の借入金の残高が五十兆を超えていると。また、地方の借入金残高は、これも麻生さんがおっしゃいましたけれども二百四兆と、これは非常な、非常事態ともいうべきことではないかと思うんですね。
 ですから、地方歳出の見直しを通じて財政健全化を進める。そのためには交付税の財源保障機能を私は縮小して、その総額を抑制していくことが不可避ではないかというふうに考えておりまして、これは今年は一年目でございますけれども、今後もその辺のきちっとした見直しは続けていくべきものだと考えております。
○高嶋良充君 交付税の水準が高い、あるいは、ほんま、スリム化は後で言いましょう、それは何を言っているのかというふうにそもそも言いたいですよ。
 そもそも、交付税の増えてきた原因は何ですか。全部政府の責任じゃないですか。第一に、国が景気対策のために一方的な減税を行ったことが一つ挙げられますね。二つ目に、不況によって地方税収がどんどん落ち込んできている。三つ目に、景気対策と称して公共事業を地方にやらすために協力を求めてきた。そのために地方交付税がどんどん増えたんでしょう。これ全部国の責任ですよ。
 そういう経緯を無視して、地方は無駄遣いしている、交付税は高過ぎるんだ、だから削減しろ、余りにも無責任でひきょうなやり方じゃないですか。これでは国と地方の財政戦争になりますよ。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今幾つか、みんな国の責任だとお挙げになりましたけれども、やはり景気を良くして税収を上げていく、これは国も地方も望んでいるところでございます。そのために今いろんなことをやっておりますが、あわせて、じゃ、今まで確かに景気対策で地方にお願いしたということもございました。じゃ、それそのまま残しておけといってもなかなかそれはそうはいかないので、その辺のやはりスリム化、これは国も地方もそれぞれやっていきませんと、これから先、立ち行かないというのは、私は先ほど申し上げたような数字から見て明らかだと思っておりますので、それはお願いをしなければならないことではないかと考えております。
○高嶋良充君 地方のスリム化だと言っているけれども、地方の方が行革は進んでいるんですよ。給与カットを行っている地方の実態、御存じですか。
 総務省、地方行革の実情を説明してください。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方公共団体におきましてそれぞれ行革大綱を定めまして、厳しい財政状況の中で行政改革に取り組んできてございます。
○委員長(片山虎之助君) ゆっくりゆっくり、聞こえない。
○政府参考人(瀧野欣彌君) それぞれ地方公共団体におきまして行政改革に取り組んでおるところでございます。特に、今御指摘ございました給与の関係について申し上げますと、人事院勧告より更にカットしている団体は千二百団体以上を超えているというような状況になってございます。
○高嶋良充君 総理、地方自治体は行革にどんどんどんどんどんどんこれ努力しているんですよ。やらなきゃならないのは国の方じゃないですか。その点どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国も地方もやらなきゃならないと。だから、改革なくして成長なしという改革に取り組んでいるわけであります。三位一体もそうであります。現状維持がいいという強い声を知っています。交付税も下さい、補助金も下さい、改革より現状の方が、維持がいいですという声もたくさんありますが、それではこれからの展望は開けない。だから、改革しなきゃいけないんです。
○高嶋良充君 時間の関係がありますので、次に進みますが、総理、ハルウララというのは御存じですか。高知競馬で百五連敗中の馬なんですけれども、弱肉強食のこの競争社会の中で負ければ負けるほど人気が出る。心温まる話じゃないですか。三月二十二日には天下の名ジョッキーの武豊が騎乗する、そういうふうに聞いているんですが、総理はこのハルウララ現象の感想と、どうですか、今地方競馬の振興のために売上げに協力、総理もいただくということではどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私もハルウララ、一回ぐらい勝ってほしいなと思っているんです。しかし、百戦以上戦いながら連戦連敗、そこに人気が出てきたということは、大変ほのぼのとした温かい気持ちを感じます。負けても負けても、くじけないで頑張ろうと。それが人気が出てきて、このくじけないで頑張ろうという姿を見ることに、多くのファンが期待して、いつか勝つだろうと。
 最近では、ハルウララというのをお守りにしておくと。当たらないから自動車事故に当たらないだろうと、事故に当たらないだろうとお守りまでハルウララというのでやっていると。
 あの有名な武豊さんが今度騎乗するということで、もう入場制限しなきゃならないぐらいだと聞いております。極めてほのぼのとした、負けてもくじけるなという希望を与えてくれるいい話題だと思っております。
 同時に、今、映画、「シービスケット」という映画がやっています。これも極めて感動的な、負けてもくじけず、多くの国民に希望を与えた、実話に基づいた映画でありますので、これは私は是非お薦めしたい映画の一つでありますから、時間があったら鑑賞されれば、ああ、見てよかったなと、保証しておきます。
○高嶋良充君 総理ね、このハルウララが所属する地方競馬を始めとして、競輪、競艇、オートレース、こういう地方公営企業が今大変な状況になっているんですよね。
 そこで、時間の関係もありますから総務大臣と農水大臣に伺いますが、この国の支援策が必要だというふうに思うんですが、今までの取組と今後の考え方をお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 近年、地方競馬の入りが悪い、入りが悪いなんて言っちゃいかぬね、お客の売上高が低い。多分、今そこそこ上がっておりますのは大井競馬ぐらいだと存じます、あとの私の知っている範囲で、私そんな詳しくないんですけれども、大体そんなものだと記憶をいたしますんですが。そういった意味で、これは今までは結構、これはオートレース、競輪、またモーターボート、いろいろございますけれども、そういったものは地方財政に結構貢献していた部分があったんですが、残念ながら、最近そのようなことになっておりませんので、これは経営の合理化をやっていただかなきゃいかぬ。特に、人件費等々が結構なものもありますし、今は機械化されて自動販売機なんていうのも随分出てきておりますので、今、自動券の販売機とか払戻し機の導入に対しましては、これは臨時的な経費だということで、私どもとしては、地方債の発行を認める等々のことで、何ていうの、そういった形で援助、支援をいたしておるというのが現状でございます。
○国務大臣(亀井善之君) 地方競馬につきましては、景気の低迷と、また娯楽の多様化と、こういう面で、平成十四年度におきましては、十九主催者で十五主催者が赤字となっておりまして、十五年度には山形県の上山市が撤退を表明するなど、非常に厳しい状況下にあります。
 このような状況を踏まえまして、従来から地方競馬と中央競馬の交流を進めることと、また、地方主催者間の連携、規制緩和等を進めてきておるわけでありまして、地方競馬のあり方研究会、あるいはまた、我が国の競馬のあり方に係る有識者懇談会、これを立ち上げまして、今後の競馬の在り方につきまして検討し、その検討結果を踏まえまして、今国会に競馬法改正案を提出したところであります。
 特に、地方競馬主催者の事業収支の改善を図るために、開催日時の調整や共同の場外馬券発売施設の整備等を通じまして、地方競馬の主催者間の連携を促進させるための計画認定制度等支援措置をいたします。また、単独で収支改善を行おうとする地方競馬の主催者のための事業収支改善計画の策定と、地方競馬全国協会への交付金の猶予措置等の創設を考えております。また、勝馬投票券につきましても、中央競馬と地方競馬の相互発売等を可能とする規制緩和を行うことといたしておりまして、これらの新たな措置を通じましてコストの削減を、そして売上げの増加を図ると、こういうことで地方競馬の効率的な運営を図ってまいりたいと、このように考えております。
○高嶋良充君 時間の関係もありますから競輪や競艇の関係は聞きませんが、是非、経済産業省大臣、あるいは国土交通大臣、善後策含めて対応をお願いをしておきたいというふうに思っております。
 次に、公務員制度改革で伺いますが、またこの予算委員長おられますけれども、自民党の片山委員会、内容を修正した新基本方針を決定をされたので、政府はこれに基づいて新法案を作成する方針を固めたというふうに報道されていますが、事実なんですか。
○国務大臣(金子一義君) ちょっと御質問が。自民党の方針に基づいて新しい法案を出す……
○高嶋良充君 片山委員会で新基本方針を決めたので、それに基づいて新しい法案の作成作業に入ったと、こういう報道がありますけれども、事実ですかと。
○国務大臣(金子一義君) もとより、法案の検討を進めてきております。与党からいろいろ御議論も出ておりますし、今般、片山委員会で自民党としての方針も示されました。これも踏まえて新しい枠組みを鋭意検討をしておるところであります。
 それでよろしいですか、今の御質問。
○高嶋良充君 各界から批判の強かった公務員制度改革大綱はこの際見直しをされるというふうに理解してよろしいんですね。
○国務大臣(金子一義君) 自民党案でまとめられたものの中にもいろいろな再就職のルールですとか人事評価制度の導入といったようなのも盛り込まれております。必要な部分については、特に天下り制度の問題、内閣の関与を強化していくというような部分については、先般の決算委員会でも小泉総理がこの場でお答えをしております。そういうものは、見直すべきところは見直していきたいと思っております。
○高嶋良充君 昨年の通常国会の轍を踏まないためにも、関係者の合意を得るまで拙速な法案提出というのは行うべきではないというふうに私は考えているんですけれども、その辺はどうですか。
○国務大臣(金子一義君) 法案でありますから、政府の法案でありますから、労働組合の同意を得られなければ提出できないということではありませんが、私は、組合の皆様方とも誠意を持って議論をしていきたいと、そして、そういう議論の中から成果を得たいということを申し上げて既におります。
○高嶋良充君 先ほど天下り問題も見直すというふうに言われました。天下りの承認基準なんですけれども、昨年の国会で石原前大臣は法律で規定をすると、こういうふうに答弁をされていましたが、その後、事務方が政令に委任するというような答弁に変更しているんですよね。行革事務局はどうして大臣答弁を修正されたんですか。
○政府参考人(春田謙君) お答えを申し上げます。
 今、再就職のルールにつきまして、承認の基準というものをどうするかということでございます。
 私どもは、再就職ルール全体につきましては具体化の検討を進めているところでございますけれども、この営利企業の再就職の承認基準につきましては、職員あるいは職員の所属しております国の機関、ここと営利企業との関係ということに応じましてできる限り詳細に定める、併せて社会情勢の変化にも機動的に対応するという必要があると考えております。
 したがいまして、基本的な事項につきましては法律で定めながら、詳細については政令に委任するということが適当ではないかというふうに考えているところでございますが、いずれにいたしましても、制度化作業の中で具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○高嶋良充君 私どもは、すべてにわたって法律で規定をすべきだと。そうでなければ、一番国民の批判の強いこの天下りが政令でということになれば、基本的には大臣や官僚で勝手に決めていく、こういうことになるわけですから、きちっと国会の場でその基準も含めて審議できるようにしろと、こう言っているんですけれども、金子大臣、どうでしょう。
○国務大臣(金子一義君) 私たち、今検討をしておるところでありますけれども、基本的な部分のところは法律で定めていく、それ以外は政令で対応していくということで考えております。
○高嶋良充君 そういう考え方では国会の審議も含めて非常に厳しい状況になるということを申し上げておきたいと思いますが、再考を是非いただいて、きちっと法律で規定できる、そういう状況を作り上げていただきたいというふうに思います。
 次に、能力・実績主義に基づく人事管理の評価制度というのは、任用や給与に反映させるものですか。
○国務大臣(金子一義君) 能力・実績主義の新しい人事制度、これを有効に機能させるためにも、評価の制度というものを導入いたしまして、これを任用あるいは給与に活用することが必要だと思っております。そのための枠組みを今検討を進めているところであります。
○高嶋良充君 ということは、評価制度は当然勤務条件に該当しますよね。ということは、民間と同様に労働団体との交渉、協議を経て設計されるべきだということを申し上げておきたいというふうに思っています。
 そこで、現在、政府や連合や公務労協との協議はどのような状況になっているのか、具体的にその内容も含めて、そして今後どうしようとされているのか、その辺をお聞かせください。
○国務大臣(金子一義君) 昨年、今年とにわたりまして公労協の、公務労協の役員の皆様方と私と会談を進めてまいりました。その席上、政労協の開催の要請もございました。そして、それに対して私は、事務方でいろいろな言わば前さばき、内容等々について、あるいはテーマ等々についても定めていく必要があるだろうということで、私の方からお願いを、要請し、それを受けていただきました。そしてそれを受けて、先月、二月でありますが、関係各省の事務局長と公務労協の幹部の皆様方との会談が今進んでおります。
○高嶋良充君 いや、内容もです。あと、どういう、展望も聞かせてください。
○国務大臣(金子一義君) 具体的な、今事務局で検討して進めておりますので、それを待って、どういうスケジュール感と、そしてどのテーマについて議論するかということをこの事務局ベースで決めていただく、そしてそれを受けて判断をしたいと思っております。
○高嶋良充君 労働基本権問題についても協議することはいいわけですね。
○国務大臣(金子一義君) 担当大臣として、労働基本権問題について議論をすることは否定いたしません。
○高嶋良充君 最後に、総理、総理は昨年の予算委員会で私の質問に対して、これは対決せずによく話し合うことが大事だと、こういう答弁をされています。今政府としてやるべきことは、先ほど金子大臣も言われていますけれども、一日も早く政労協議を行っていただいて、具体的に大綱を見直して国民的な合意に基づいて公務員制度改革の成案を得るべきだと、こういうふうに考えますけれども、総理の決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は元々対決は好きじゃないです。よく話し合っていいものを作っていきたいと思っております。
○委員長(片山虎之助君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 今日は、農業問題と医療問題について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、農業問題になりますけれども、昨年水稲は、平成五年以来の十年ぶりの冷害に見舞われまして、作況指数は全国で九〇ぐらい、そしてまた、北海道や太平洋側の東北四県では、作況指数が六〇台とかあるいは五〇台のところもあるということで、特に大きな被害を受けたわけであります。
 平成五年のときにも冷害がありまして、それを受けて農林水産省では水稲農業者とともに様々な冷害対策を行ってきたわけでありますけれども、それが今回の冷害のときにどの程度効果があったのか検証をすべきだと、そのように思いますけれども、検証されておれば、その結果について農水省からお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(白須敏朗君) お答え申し上げます。
   〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
 お話のとおり、昨年六月下旬以降の低温あるいは日照不足によりまして、北海道それから東北地方を中心といたしまして水稲の作柄が大変懸念される状況となったわけでございます。
 私ども、七月末には省内にその本部も設置をいたしまして、早くから情報の収集あるいは技術指導の徹底に努めてきたところでございます。
 そこで、東北地方の、ただいま委員からも御指摘ございましたが、各生産現場では、それぞれ平成五年の未曾有の冷害を教訓といたしまして、生産者あるいは農業団体、普及組織、行政挙げて協力をいたしまして、技術対策に取り組んでまいったというところでございます。
 そこで、まず品種についてでございますが、例えば稲の品種、平成五年の冷害を受けまして、大変冷害に弱い、例えばササニシキ、これは弱いわけでございます。そういった品種から、冷害に強いひとめぼれとか、そういった冷害に強い品種に作付け転換を進めまして、現在では、この耐冷性が強といいますか、強い品種の作付け割合が五割を超えると。平成五年当時は二割弱であったわけでございますが、それが品種が、強い品種が五割になったと。あるいはまた、いわゆる深水管理でございます。深水管理につきましても、北海道あるいは東北各県で、おおむね五割から七割の生産者の方々によって実施をされたということ。また、いもち病の防除に関しましても、地域農業改良普及センターの指導によりましてほぼ実施をされたといったような実態がございまして、地元の生産者を中心といたしまして懸命な努力が講じられたわけでございます。
 この結果、ただいま委員からもお話ございましたが、気象条件としては大変に、平成五年に並ぶような大変厳しい低温あるいは日照不足であったわけでございますが、作況指数を取ってみましても、平成五年七四に対しまして、全国で、全国ベースで九〇という作況指数、あるいはまた、北海道では平成五年四〇であった作況指数が七三、あるいはまた、東北でも平成五年五六という作況指数であったわけでございますが昨年は八〇といったようなことで、そういう数値にとどまったというふうなことで、そういった意味で成果が見られたというふうに考えている次第でございます。
○渡辺孝男君 これまでの努力で平成五年のときよりは大分被害が少なくて済んだと。そういうことでも、なかなか大きな今回、被害であったわけですけれども、この検証結果を踏まえて、今後の冷害対策についてどのような取組をしていくのか、亀井農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。
 委員、当時八月、農水省の大臣政務官としてこの冷害の問題に、東北に御出張いただきまして、また、農家の皆さん方といろいろお話をいただくなど、大変御尽力をいただきましたことに感謝を申し上げる次第でございます。
 何といっても、日本の稲作農業の発展を考える段階におきましては、北海道及び東北地域の冷害対策は避けて通れない重要な課題であるわけであります。そういう面で、これまでの冷害の経験を踏まえまして、先ほど局長からもいろいろ御説明申し上げましたが、やはり作付け品種の耐冷性の向上と、このことは大変重要なことであります。
 さらには、深水管理の普及と。圃場整備が行われて畦畔が三十センチというようなことが確保されておりますと、やはりこの深水管理によりまして、冷害の作柄が大変厳しかった地域におきましても、地域の中でも圃場整備がなされておりますところは深水管理の実施によりまして単収が百七十キロ以上違うというようなこともございます。そういう面でこの深水管理の普及と。
 さらには、いもち病の疾病と、このいもち病の防除と。このことの徹底が必要なわけでありまして、大変、昨年の冷害の経験からいたしまして、もう一つは、田植の時期が五月の連休に集中したと。またしかし、場所によりましては田植が五月の月末になったと、こういう点での違いがございまして、いわゆる出穂期と低温の時期が重なって冷害となるリスクと、これが高まっていくわけでもございます。そういう面での問題。
 あるいはまた、冷害に強い健全な稲作生産と。そういう面におきましては、やはり堆肥の施用と、これが重要なことでありまして、その土作り対策が必要なことではなかろうかと、こう思っております。
 さらには、先ほども御説明申し上げましたが、基盤整備の実施済みの水田と、この深水管理の実施率が高まったこと等が指摘をされたわけでございますので、今後の基本的な技術の励行に当たりましては気象状況と、この動向を注視をすると。またさらには、必要に応じます技術指導と、これを強化してまいりたいと、こう思っております。
 そういう面で、田植が一時期に集中しないような田植の時期の分散化の問題と、あるいは堆肥の施用等によります土作り対策の推進と、これらに取り組みまして、稲作の更なる作柄の安定のために努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○渡辺孝男君 私も冷害のときにはそういう被害の、被害に遭った田んぼを見せていただいたわけですけれども、本当に農家の方、一生懸命取り組んでいて、そういう方々が残念ながらそういう自然災害で収穫が取れないと、そういうことを見ておりまして、やはり冷害対策、いろんな技術を開発して冷害に備えた対策をやはりきちんとすべきだと。これから米政策もいろいろ、売れる米作りということで変わってまいりますので、そういう点の推進もしていかなきゃいけないと、そのように思っております。
 じゃ次に、脳卒中対策、そしてまた痴呆対策ということで質問をさせていただきたいと思います。
 まず、脳卒中の現状ですね、動向についてお伺いをしたいんですが、特に具体的には、年間発症数、そしてまた患者数、発症した人がリハビリに移行する割合、あるいは年間の死亡率、そういう点について厚生労働省より伺いたいと思います。
○政府参考人(田中慶司君) 脳卒中は、高齢化社会を迎えます我が国にとりまして主要な死因でありますとともに、重篤な後遺症を残しまして、介護が必要となった原因の約三割を占めるなど、社会的影響が大変大きな病気でございます。
 脳卒中の現状についてでございますけれども、一九六〇年代後半から死亡率は低下しております。しかし、現在でも日本人の死亡原因の第三位を占めておりまして、患者数は約百三十七万人、これは平成十四年度の患者調査の結果で、推定でございます。死亡数は年間約十三万人、これは平成十四年度の人口動態統計でございます。また、年間の、これは推計でございますけれども、脳卒中の年間の発症者は約二十三万人というふうに推定されておりまして、この脳卒中発症者のうち、発症一年以内に五分の一が亡くなって、それから四分の一が要介助となっているというふうに考えられているところでございます。
○渡辺孝男君 患者の数と、治療を受けている患者さんの数が百三十七万人と大変多い数でございますけれども、政府の方はこれまで健康日本21やメディカル・フロンティア戦略など脳卒中対策を行ってきたわけでありますけれども、それらの取組とその成果について坂口厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 最近、御病気と関係が全くないような長嶋茂雄さんが脳梗塞になられたというニュースが流れまして、中高年の皆さん方は大変なショックを受けておみえになる、そういう事態ではないかというふうに思っております。早い御回復をお祈りを申し上げておりますが、メディカル・フロンティア戦略あるいは健康日本21、様々な形で健康管理、あるいはまた、とりわけ脳卒中あるいはまた心筋梗塞等の、その発生を予防をしようという取組は続いているわけでございます。
 しかし、先ほど申しましたように、局長からも答弁ありましたように、全体としての死亡数というのには少し変化は出てきてはおりますものの、まだまだ、やはり年齢が高齢化するということもございまして、これらの問題は今後の大きな課題であるというふうに思っております。決して大きな成果が出るというところまでは至っていない。
 いろいろの取組いたしております。塩分の少ないものを食べようとか、あるいはまた十分運動をしようとか、様々な取組をいたしておりますし、また国民の皆さん方も御自身で非常に最近は注意をされましてお取り組みをいただいていることも事実でございますけれども、しかしこれらの問題を克服するところまでは残念ながら至っていない。これからもう少し、もう一歩ここを踏み込んでどう運動を展開をしていくかという、もう一歩踏み込む、そこをどうするかというところを考えなければならない時期に来ているのではないかというふうに思っております。
 ひとつまたいろいろと御示唆をいただいて、今後検討していきたいと思っております。
○渡辺孝男君 脳卒中の場合は、その後遺症として痴呆症に、痴呆になる場合が多いわけでありますけれども、この痴呆の患者数とその動向、そしてまた、脳卒中は一つの原因でありますけれども、そのほかの原因、疾患等についてどのようになっているのか、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 二〇〇〇年から介護保険制度を始めておりまして、その関係で要介護認定制度が導入されておりますので、高齢者の方の要介護度に加えまして、痴呆性高齢者の状況もよく把握できるようになっております。
 私どもそういうデータを基にしまして調査いたしましたところ、二〇〇二年九月末時点で要介護認定を受けられた方が三百十四万人いらっしゃいますけれども、約半数に当たる百四十九万人の方が日常生活に支障を来すような痴呆の症状や行動があること、さらに、その約半数に当たる七十九万人の方が更に進んだ痴呆症状にあり介護を必要とすると、こういう状態にあるということが分かっております。人口構成も高齢化いたしますので、二〇〇二年九月末の百四十九万人から、二〇一五年には百万人増えて二百五十万人に、二〇二五年には三百二十三万人に、こういった発生率が続けば痴呆性高齢者の数が増えるのではないかと、こういう推計をいたしているところでございます。
 原因疾患につきましては、今御指摘のございました脳梗塞等の脳血管障害に続発して発症する血管性の痴呆があるというふうに考えられておりますが、これが疫学調査などでは痴呆全体の約二、三割程度ではないかというふうに最近では言われております。約半数強の方の痴呆がアルツハイマー型の痴呆ということで、脳組織の変性によって発症するアルツハイマー型と言われております。残り一、二割になりますけれども、その他の原因、脳の外傷ですとか脳炎、パーキンソン病などに続発するものであるというふうに考えられております。
○渡辺孝男君 痴呆は本人も苦しんでおられるんだと思うんですけれども、介護する側も大変御苦労が多いということで、できれば予防したい、あるいは発症しても治療ができるようにと、そのように願っているわけでありますけれども、まだまだ完全に克服することができない状況でありますけれども、その基礎研究を進めることが大事だと思うんですね。
 それで、河村文部科学大臣に、どのような基礎研究を進めておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のように、高齢化社会で、そして痴呆者が増え、また介護認定も今御説明のように大変増えつつあるということですから、これが止められる、予防できる大きな課題だと思っておりまして、そのために、今御指摘のように、正に基礎的な研究をしっかり進めるという方向で文部科学省としても取り組んでおるところでございますが、渡辺先生、脳神経外科御専門でいらっしゃいますから、もう御存じのことではございますが、例えば東北大学の加齢医学研究所あるいは大阪大学の蛋白質研究所、ここでは痴呆症などの脳疾患について分子生物学的研究を実施をいたしておりますし、また新潟大学の脳研究所あるいは九州大学の脳神経病研究施設においてもこれらの脳疾患に関する病理学の研究をいたしておりまして、特にアルツハイマー病の予防や治療を行う上で重要なかぎとなる物質を発見するといった成果を上げておるところであります。
 また、独法であります理研、理化学研究所の脳科学総合研究センターにおいても脳に関する研究を幅広く今実施をいたしておるところでありまして、特にアルツハイマー病の原因となる物質が脳内で分解される仕組みを解明するというような成果を上げつつあるところでございます。
 また、大学等では、基礎研究を振興する代表的な研究資金でありますいわゆる科研費、科学研究費補助等、痴呆症に関する様々な研究を行っておりまして、その周辺研究も含めますと今二億六千万ぐらいのお金を拠出いたしておりますが、こういうことで、痴呆症に関する取組、基礎研究、更に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えておるところであります。
○渡辺孝男君 ありがとうございます。
 厚生労働省の方でも、より現場に即した臨床研究されていると思うんですね。予防、治療あるいはまあ看護と、痴呆症の介護の面でも研究を進めていると思うんですけれども、その点について厚生労働省からお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 今先生からお尋ねございましたように、臨床の研究とか厚生労働科学研究事業におきましてやらしていただいておりますが、特にこの分野、これから更に重要度を増しますので、今月一日に国立の高度専門医療機関、いわゆるナショナルセンターといたしまして国立長寿医療センターをスタートさせましたので、そのセンターにおきまして老化のメカニズム、その中で痴呆症の問題につきましても、応用の分野から、一層研究、取組が進むものと考えております。
 また、介護の分野でも、痴呆の原因はともかく、適切な介護がなされませんと周辺症状が重くなり、大変介護する御家族、スタッフも大変という状況でございますので、全国三か所に高齢者痴呆介護研究・研修センターを設置しておりまして、そこでもってケアの在り方についての研究などもいたしております。
 先ほど御紹介がありましたメディカル・フロンティア、その他の研究費を使いまして、予防方策、治療薬の開発、診療ガイドラインの作成、痴呆性高齢者に対する在宅支援サービスの在り方の開発など様々な取組を行っているところでございます。
○渡辺孝男君 先ほど、脳卒中についてはいろいろお話、データを示していただきました。また、痴呆症に関してはいろいろな研究が進められているということでありまして、痴呆の場合は、まあアルツハイマー病等はなかなか治すことがまだまだ難しい病気であると。もし痴呆症で治す可能性がある、あるいは予防する可能性があるとすれば、脳血管性の痴呆、そちらの方は脳卒中対策で大分減らすことができるのではないか。また、今のところ痴呆症の、痴呆の二、三割を現段階でも占めているというふうに言われておりますので、そういう意味では、やはり脳卒中対策、予防とか治療につながるそちらをしっかりやることが大事なのではないかと、そのように考えるわけです。
 がん対策、それはもう第三次の総合戦略が作られております。そのほかに心臓病等も一生懸命取り組まれているわけですけれども、患者数としては先ほどもありましたとおり脳卒中の患者数の方が、一・五倍から六倍ぐらい患者数としては多い。病気として悩んでいる数としては脳卒中の方の方が多いと。また、要介護状況になる原因としても脳卒中の方が多いということでありまして、本当に身近であるけれども大変な病気であるということで、そのように思っております。
 そういう意味で、公明党としまして、昨年の十月に、坂口厚生労働大臣に脳卒中対策の新十か年計画を策定してしっかり取り組むべきではないかということで提言をさせていただいたわけであります。坂口大臣、今後どのようにこの脳卒中対策に取り組んでいくのか。私としては、是非とも新十か年計画きちんと立てて脳卒中を克服する、そういう方向で進んでいただきたいと、そのように思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 渡辺議員からそうしたお申出をいただいたことを私決して忘れているわけではございません。
 先ほども申しましたとおり、一つは、現在もメディカル・フロンティアあるいはまた健康21、そうしたこの計画を今までもやってきたわけでありまして、そうしたことを踏まえて、次にどういうふうに取り組んでいくかということになるんだろうというふうに思います。次に取り組むべき目標というものをまず明確にしなければいけないというふうに考えております。今までやってきたことを踏まえて、今後何をやるかということを明確にした上で、次にそれじゃ新しい十年計画なら十年計画、五か年計画なら五か年計画というものをどのようにしていくかということに話は進んでいくんだろうというふうに思っております。
 したがいまして、その辺の整理が少し必要ではないかというふうに今考えておりまして、これは専門家の皆さん方の御意見も十分に聞きながらこれはやっていかなければいけないというふうに思いますが、いずれにしても、脳出血にしろ脳梗塞にしろ、こうした病気は長い経過の中で形成されるものでありますから、皆さんの日ごろの健康管理ともこれはもう非常に関係の深いものでございます。したがって、そうしたことをどうしていくかというような問題も含まれているわけでございますので、その辺も十分に検討していきたいというふうに思います。
 また、人の働き方ともこれはかなり関係の深いものでございまして、労働時間の問題でございますとか様々な職業の働き方でありますとか、そうしたことも併せて見ていかないといけないというふうに思います。まあ長い間じっと座ってストレスの多い、このところに座っているというのは余りいい話では本当はないわけでございまして、それぞれのその働き方というものも十分に見ながらやっていかなきゃいけないと思います。まずまずその辺のことを固める、そして次に進むということで、そこが固まりましたら次のステップに進ませていただきたいと思っております。
○渡辺孝男君 以前は脳内出血が日本で多くて、脳卒中は日本の国民病ではないかと、そのように言われていたわけですけれども、今は脳内出血が減ってまいりました。高血圧とか食塩を取り過ぎないようにというような努力で進んできたわけでありますけれども、医療の分野でも技術が進んでもきているわけです。
 総理にお伺いしたいんですけれども、そのように脳卒中の方は国民病というような言われ方はだんだんされなくなってきてはいると思うんですが、まだまだ日本多いんですね、先ほどの数を見ても分かるとおり。やはりこれはしっかり取り組むべきではないかと、そのように思うんですが、総理、御所見をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国民病というほど多いと言われますが、医学の進歩、また生活習慣等を変えていくことによって治る率もある。そして、いい薬も開発されていると。医療水準というのはかなり伸びてきたと思いますが、かつて国民病と言われたかっけ、最近ほとんど聞かれなくなりましたよね。あれは結局食事だということで、食生活を変えることによって、日本は今もうかっけが国民病というのはうそみたいになくなってきたと。やはり、いかに食生活が大事かという、そういうことから政府としても食育、熱心に取り組んでおります。お医者さん、薬にだけ頼っていてはいかぬと。やはり日ごろの生活習慣、正しい食生活、そして適度の運動、十分な休養という、この三原則を目途に健康に気を付けなきゃいかぬと、こういうことだと思います。
 さらには、対がん十か年戦略、これを更に新しくやっておりますし、今、渡辺議員は脳卒中撲滅十か年計画を立てよということでございますが、今後も、今、日本におきましては大きな問題になっております、また死因の原因でもあり、多くの人が悩んでいる問題に対しましては、医学の見地のみならず厚生省としても、こういう病気撲滅のためにあるいは防止のためにしっかりとした対応を取っていかなきゃならないと思っております。
○渡辺孝男君 次の問題に移らさせていただきますけれども、今、一つ大きな問題になっているのが医師の名義貸しあるいは名義借りという問題がありまして、これは様々な原因で起こってきていると、そのように言われているわけです。
 その中の一つに、地方の病院での深刻な医師不足の問題があるわけであります。それに加えまして、医療法や健康保険法に基づく規定によりまして、医師の、病院の医師の定数が基準の六割を満たさなければ診療報酬が減額される、このような制度がございまして、地方の病院としては、医師不足に加えて常勤の、診療報酬の問題で、二重の難題を抱えながら地域医療のために頑張っているわけであります。
 そういう意味で、そのほかに、平成十六年度、来年度、もうすぐですけれども、卒後の臨床研修が必須化されるわけでありますけれども、地方の病院にとりましてはこれがまた医師確保に少しマイナスの面あるんではないかと、そのようにも言われているわけであります。地方の医療サービスを充実するためには、この医師不足の解消、そしてまた医師の定数基準の見直し、そして地方病院での医師確保に悪影響を与えない方向で卒後臨床研修制度が運営される必要があると、そのように考えるわけであります。
 坂口厚生労働大臣にこれらの対策についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、御指摘いただきましたように、地方におきましては大変な医師不足が起こっております。これは一つは、やはり都市部に医師が集中しやすいという一つの現象もございますが、それだけではなくて、今お触れいただきましたように、今回の研修医制度の問題も、これも影響しているというふうに思っております。
 今まで研修医の皆さん方が、大学病院等で非常に多くの皆さんがお受けになっていたわけでありますが、今回、できる限り地方においても、そしてその最初の段階での診断、治療ということに重点を置いて皆さん方に研修をしていただくということから地方でも研修をしていただけるようにしたいと、こういうことを発表したものでございますから、それに対して大学病院としては、防衛的措置と申しますか、大学病院が成り行かなくなるのではないかという御懸念が生じたことも事実でございまして、そうしたことが重なって、より大きな問題に今発展をしてきているというふうに私たちも思っております。
   〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
 したがいまして、その辺のところもできるだけ緩和をしながら今やっているところでございますが、先日来、文部科学省、そして総務省等と、皆さん方とお話合いをさせていただいて、そして今後の地域医療の在り方についてお話合いをさせていただいているところでございます。当面の問題といたしましては、地域における医療対策協議会をお作りをいただいて、この医師の確保をどうするかということを地域自身もひとつ御検討をいただきたいというふうに思っております。
 厚生労働省としましては、今お話もございましたとおり、一日の患者数によりまして、四十名以上になってまいりますと、それまでは外来四十名で一人、あるいはまた入院十六名で一人というようなことを決めているわけでございまして、それを超えると医師の人数を増やさなければならない、そしてそれをやらないと保険点数に影響するということになっているものでございますから、この辺のところはへき地におきましては少し緩和をして、そして地域の医療事情というものに対しても対応をしていこうということで見直しを行うということにしているところでございます。
 以後、いろいろの角度から取組を続けていきたいと思っております。
○渡辺孝男君 今の点、非常に地方の病院としては期待をしておりますので、何とぞ早く実現をしてほしいなと、そのように思っております。
 それから、地域医療を担う医師を育てている自治医大、そしてまた自治体病院を所管されている麻生総務大臣に、地方の医師不足の解消、あるいは地域の医療サービスの充実に関しまして新しい対策とか取っておられるんであればお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 地方自治団体が経営しておりますいわゆる病院、地方自治体病院協議会の調査によりますと、いわゆる医師不足は約四割の病院に達しております。そのうちで医師が不足ということを言っておりますのは約二割、その中で医師が足りないと言っているのは二割という数字になっておりますので、基本的にはかなり深刻な状況と思って間違いないと思っております。
 基本的には、今、坂口大臣からもお話があったように、人口の多いところと少ないところというのは、どうしてもこちらは、少ないところの方には医師がどうしても少なくなりがち、まあ経営上もそういうことになりますし、また交通網等々で、いわゆる医師が移動する時間もこれはかなり掛かる等々、いろんなことがありますんで、いわゆる中核になります病院、五百床ある病院とか、そういった病院を中核にして、関係病院とのネットワークというものを一回きちんと作り上げようと。
 病院、御存じのように、大学ごとにいろいろ系列が違ってなかなか難しかったりするのはもうよく御存じのとおりですんで、そういったところも考えて幾つかのネットワーク化をするというのが一つ。ITも随分技術も進んでおりますんで、それが二つ。もう一つは、更に進んで、遠隔医療というものがかなり、デジタルハイビジョンなんというものを使いますと顔色までできるようなことになりますんで、そういったものを含めましてこれは更にいろいろ進めていかにゃいかぬところだと思いますので、そういう技術的な進歩はもちろんのことですけれども、基本的にその前のネットワーク作りのところを力を入れてやっていかねばならぬという方向で事が進んでおります。
○渡辺孝男君 離島等では遠隔医療は大変期待されるところであると思います。
 同じ質問になるんですけれども、次に文部科学省にお聞きしたいんですが、特に国公立の大学あるいは私立の大学の医学部の方で教育をされているわけでありますけれども、文部科学省としてはどういう取組をしてその医師不足等の問題に対応するのかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 私も、医師不足あるいは名義貸しの問題がああいうふうな形で出てまいりまして、ちょっと不思議に思ったんですね。医学部の定員はむしろ減す方向へ指導はしておきながら、現実にそういう問題が起きている。一体どこにそういうことがあるんだと、そう調べてみますと、非常に地域的な偏在のこともある。それから、先ほど厚生省、大臣からも説明ありました医師の定数の問題等もあるようであります、病院等の。
 そこで、文部科学省としては、これは地域偏在している面については、そこの定数枠といいますか、地元へ残る医者をどういうふうにつくっていくかということをまず考えていただかなきゃならぬ。現実、調べてみますと、定数枠を国立大学できちっと持ってやっておりますのは、まだ滋賀医科大学だけでございます。推薦入学枠二十人のうち七人を、地元枠というものを持っております。それから公立では札幌医科大学、地元枠二十人、推薦させております。それから福島県立医科大学、それから和歌山県立医科大学、ございます。そしてさらに、私立では兵庫医科大学と、それから今検討中が信州大学と、こういう状況下にございまして、やっぱり地元に残る、そういう意思のある人たちを優先枠で入れる。ただ、入試の公平性の問題がありますから枠に限定があると思いますが、そういう取組をしておりますし、これは医師不足の地域については進めていかなきゃいけない課題ではないか、このようにも、このように考えておるところでございます。
 先ほど厚生労働大臣からもお話がございましたように、総務省との地域医療に関する関係省庁連絡会議、このお取りまとめもいただいておりまして、この中に地域枠の設定を含む入学定員の在り方、これを検討課題として挙げておりますので、関係省庁とも連携をしながら、地方の医師不足解消に努めたいと、こう思っております。
 また、地域枠とは別でございますが、県によっては、その県に残る、あるいは辺地に行っていただくということが条件、約束が取れれば、そうした意思のある医学士、医学部学生に対して独自に奨学金貸与制度を設けておる県もあるようでございまして、こうした取組も有効ではないかと、このように思っております。
 また、最近医師の研修制度ができまして、医師の引揚げ問題等もございます。それで、各地方の病院が非常に困っておられる現状がございます。これ、このつてといいますか、その教授知っているからあそこから頼むとかなんとか、そういうことじゃなくて、もっと地域の医療機関と大学との間の紹介についてはきちっと明確といいますか、透明化していく、きちっと取組を進めたいと、こう思っておりますし、先ほど遠隔医療のこともございました。これも有効でございますから、これはしっかりそうした地域医療の支援も大学側としてもしていくように取り組みたいと、このように思っておりまして、いずれにしても、地域の医療供給体制に対する大学に対する期待は大きいものがございますので、これに対応、きちっとした答えを出さなきゃいかぬと、こう思っておりまして、医師不足解消のための取組、更に推進してまいりたいと、このように考えております。
○渡辺孝男君 今お話ありましたとおり、地域の大学の、医大の定員枠、地域枠をやはり検討していただきたいなと、そのように思います。
 総理、東北とか北海道ですと、医師、地元の自治体からの要望で、やはり地域医療に頑張っていただく医師不足というのは非常に大きな問題だと、そのような声を多くいただくわけであります。総理の指導の下でしっかりやっていただきたいと思うんですが、総理、一言お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も厚生大臣やっていたときにちょっと不思議だなと思ったことがあるんです。というのは、医師が過剰だと。今、河村文科大臣も言いましたけれどもね。医師を減らさなきゃならないと。一方では医師が足りないと。特に離島、へき地、なかなか優遇策を設けても行きたがらない。こういう点を今後どう解決していくか。そして、お医者さんの国家免許を持って、お医者さんの仕事に就けないからかわいそうだと。だから医師、過剰につくってはいけないと。で、減らす方向に来ている。
 お医者さんの中にもいろいろありますね、名医と、そうでないお医者さんと。だから、必ずしもお医者さんの免許を持った、あるいは合格した方がすべてお医者さんにならなきゃいけないのか。お医者さんの免許を取ったって、ほかの仕事就いても悪いことではない。そういうこともありますので、単に医師の免許を取った人はすべてお医者さんに就いた方がいいということがいいのか。多少お医者さんを、免許を持った人を多くして、これを離島とかへき地の医師不足を解消のために役立てた方がいいのか。どういうことが適正なのか。よく文科大臣と厚労大臣ね、検討していただきたいと、今後のことに。
 中央、役所の中で考えているのは、もう医師過剰。しかし、現場の病院の皆さんとか、地方へ行ってみるとそうじゃないんです、現実の感じが。その辺をうまく声を聞いて、適正な医師対策、医療対策を厚労省、文科省よく連携取って、今後検討する必要があると思っております。
○渡辺孝男君 最後の、私の最後の質問になりますけれども、造血幹細胞移植に関して質問させていただきたいと思います。
 本年の一月二十三日に参議院の本会議で我が党の浜四津代表代行が、公明党として、骨髄移植や臍帯血移植に我が党として全力で取り組んできたわけですが、移植件数も着実に伸びている、多くの白血病患者さんの命が救われるようになってきたと、そのように述べておるわけでありますけれども、厚生労働省として、末梢血幹細胞移植も含めまして、幹細胞、造血幹細胞移植がどのようになっているのか、お知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この骨髄液あるいはまた臍帯血におきます移植の問題でございますが、これ御承知のように、例えば献血の血液のようにどこへでも流通のできるような中身ではございませんで、非常に移植の対象が限定をされるということがございまして、一般の臓器移植と同様に、いわゆる医薬品として取り扱うのは少し無理ではないかというのが今までのずっと理由でございます。
 しかし、そうばかり言っておれません。今お話ございましたように、かなりの方々が、特に白血病などの方々が骨髄移植あるいはまた臍帯血移植によって命を救われるといったようなことが出てきたわけでございますので、まず当面の問題として、これらのことに対するできるだけお金が掛からないようにというようなことで、保険点数の面で今回も一万点上げさせていただいたということでございます。
 しかし、それにしてもまだ患者になられた方々に対する御負担は大きいことは十分に承知いたしておりますので、今後とも患者さんに対する御負担ができるだけ軽くなっていくようにどうしたらいいかということを我々も検討しなきゃなりませんし、更にこうした点を積み上げていって、そして皆さんにおこたえをするというふうに是非したいというふうに考えている次第でございます。
○渡辺孝男君 基礎的なデータとして、移植がどのくらい行われているのか、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(田中慶司君) 数字的なことについて御説明申し上げます。
 血縁間での骨髄移植につきましては昭和五十年代後半から始められておりまして、学会による移植数の把握が開始されました平成六年から平成十三年の間に約四千人に移植されたことが確認されております。また、非血縁間の骨髄移植、これは平成三年十二月に公的バンクが設立されまして、平成十六年一月末までに累計で五千四百例実施されております。さらに、臍帯血移植は平成八年度にスタートしまして、平成十六年二月までに累計で一千五百例が実施されております。
 骨髄移植、臍帯血移植につきましては、いずれも近年、白血病を始めとします血液難病の根治的な治療として定着しているところでございます。
 今、最後に御質問の末梢血幹細胞移植についてでございますけれども、平成六年から開始されておりまして、現在、血縁間においてのみ実施されておりますが、現在までで二千五百件が実施されているということでございます。
○渡辺孝男君 主に国内でそういう血液が移植に使われているわけでありますけれども、なかなかドナーとレシピエントの血液型が合わないということで、移植がすぐにできないという場合もあるわけで、そういう意味では国際協調が大事になってくるんではないかなと、そのように思っているわけであります。
 その点で、国際協調がどのようになされているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(田中慶司君) 国際協調の現状について御説明申し上げます。
 骨髄移植につきましては、平成九年四月から全米骨髄バンク、それから台湾骨髄バンクと連携しまして、平成十一年五月からは韓国骨髄バンクと連携しまして、相互のドナー検索事業等を行っているところでございます。
 現在、これらの国を中心にした国際協力によりまして、平成十五年十二月末までに、海外ドナーから国内患者への累計移植数は百二十四、国内ドナーから海外患者への累積移植数は百八となっております。
 なお、臍帯血移植の国際協力につきましては、現在、専門家による検討が始められているところでございます。
○渡辺孝男君 臍帯血の方も、エイジアコードということでアジアを中心にそういうネットワークを作ろうということで動きが起きておりますので、国としましては、臍帯血の方が医療機関がまだ十分でないところの場合には、骨髄移植の場合はやっぱり重装備ある程度必要になりますけれども、臍帯血の場合は移動しやすいんで扱いやすいのではないかという声もありますので、そういう臍帯血の国際協調という面でも国が支援できますようによろしくお願いしたいと思います。
 以上で。あと、関連で質問あります。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。遠山清彦君。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。短い時間ですが、二点質問させていただきます。
 まず最初に、メソポタミア湿原の復元事業、我が党がイラクの、イラクに対する日本の今後の支援の柱として御検討をお願いしているわけでありますが、総理は昨日も前向きな御答弁をいただいておりますが、これをちょっと見ていただきたいと思います。(資料提示)
 これは正にメソポタミア湿原の状況につきまして、国連環境計画、UNEPが調査結果を出しているものでありますが、一九七三年から七六年の状態が左側でございます。大体二万平方キロメートルで、日本でいうと四国と同じ大きさで湿原が広がっていたと。これ、ほとんどがイラクのです。イラン側にもちょっとは行っています。ちなみに、この辺がアザデガン油田があるところですが。右側、これ西暦二〇〇〇年ですけれども、ごらんのとおり、十分の一以下まで縮小してしまっていると。
 これ、なぜかといいますと、サダム・フセインがこの湿原地帯に主に住んでいたシーア派を弾圧するために意図的に上流にダムを複数、七つぐらいと言われていますが、造った。また、排水路をたくさん造りまして、要は水が行かないようにして意図的に干拓政策をして湿原を破壊したと言われております。また、もっととんでもない理由は、イラン・イラク戦争のときに戦車をイランに攻め込ませるために湿原が邪魔だといって壊したという説もございます。
 いずれにしても、ここに五十万人の人が昔住んでいたんですが、今は、漁業や農業をやって暮らしていたんですけれども、ほとんどその面影がないということでございます。
 そこで、私ども公明党、これを念頭に、去る二月二十五日、イランに行きまして、イラクはちょっと危なくて入れなかったんですが、イラン側のまだ生きている湿原のところを見てきました。これがそのときの写真の一部です。(資料提示)
 これがイラン、イラク国境近くの湿原地帯の写真でありますが、もう皆さん、これ総理もごらんになって分かるとおり、イランとかイラクというと砂漠地帯だとか土漠地帯だとか北部の山岳地帯しかイメージがないんです、日本の国民は。ところが、これ正に我々行ってきて撮ってきたところですが、こういう緑色の湿原の光景、これ奥の方はナツメヤシの林が、森がだあっとこう続いているわけですね。こういう緑の大地が実はもう何十キロ、何百キロ車で行っても両側にずうっと水平線まで続いていると。そういうところを見てきまして、改めてこの湿原の回復が大変重要であると。これ、ちなみにエデンの園、ガーデン・オブ・エデンのモデルになった地域がこのまたメソポタミアの湿原だということでございます。
 そこで、政府の取組について、総理には何度も聞いておりますので、まず小池環境大臣、御答弁お願いいたしたい。
○国務大臣(小池百合子君) メソポタミア湿原、現地ではアハワールと呼んでいる地域でございますけれども、エコロジーの観点からいって、生態系の観点から申し上げて、極めて世界有数の湿地であると同時に、今後のイラクの復活のためにも、復興のためにも、その大きな環境問題の一つであるというふうに認識をしております。
 今、お話いろいろありましたけれども、幾つかそれまでの課題、そしてステップがあろうと思うんですね。
 昨日、総理のお言葉にもありましたけれども、まずイラク人のその思いを一つにしてもらうといいましょうか、イラク人の考え方、これを戻すんだというその強い熱意をまず自らで決めていただきたい。つまり、今お話ありましたように、極めて政治的な話として湿地がなくなって、正に失地、地がなくなってしまったわけですね。ということは、これを戻すときにどういうチャネルで、水を持ってくるかだけで我田引水の闘いがあるということも考えなくちゃいけない。ですから、それだけ、単にエコロジーの話ではなくて、エコノミー、それもソシオエコノミーの分野もかかわってくるということになるかと思います。
 それから、チグリス・ユーフラテス、幾つかの国々がかかわっておりますので、この順番をどのように順序よく、そして周りを順番に調和させていくかという作業も必要になってくる。さらには、一番大きいときに四国全体という話でございますので、これをどうやって技術的に、さらにじゃ、予算はどうなるのだとか、いろんな話は大きい。
 この三月の末に、私、アラブの環境大臣を東京にお呼びすることになっております。そちらでセミナーを開くことになっております。そして、イラクの環境大臣も御出席との御返事をいただいております。ということから、このイラクの環境問題、ほかにもたくさんあります。それとともに、このメソポタミア問題の復興の問題についてもお話をいただこうかというふうに考えているところであります。
 以上です。
○遠山清彦君 小池大臣、省内、環境省の省の中でこのメソポタミアの湿原に向けて今後検討する枠組みというか、そういうのを作るおつもりありますか。
○国務大臣(小池百合子君) 私ども環境という観点で総合的に考えたいと思っておりますので、環境問題の御専門の方、それからあの地域の御専門の方、それぞれ集めまして、今既に有識者から成ります検討会を設置をしているところでございまして、各、ですからメソポタミアのみならず水問題、全体の水問題もあります、ごみの問題もあります。様々な問題、日本として何から環境問題について支援がしっかりできていくのか、そういうことを現実的に、また短期の部分と中長期に分けて考えないといけないところがあるということで、既に検討会は設置しております。
○遠山清彦君 じゃ、同じ質問で外務大臣、外務省の取組をお願いします。
○国務大臣(川口順子君) 今環境大臣からいろいろお話ございましたけれども、外務省といたしましても環境省と全面的に協力をしてこれに取り組んでいきたいと思っております。
 外務省の観点からは、これは環境というのももちろんですけれども、そこから出ていった、あるいは出された人たちが戻れる、それから漁業、農業、これを復興していくことによって生活基盤ができるといったような多面的なメリットがあるわけでございます。
 私は一月にイランに行きまして、旧知のエブテカール副大統領兼環境大臣ですけれども、この方とは前からこのお話をしておりまして、引き続きこれについて一緒に取り組んでいきたいというお話をいたしました。イランの立場として、これはイラクに水を取られる、地理的にはより高いところにあるということで非常に重要であるというふうに考えておりまして、このプロジェクトを要らぬなどとは決して言っていないということでございます。非常に真っ先に、大変に取り組みたいという気持ちが非常に強いわけでございます。
 これは環境大臣がおっしゃられたようにいろいろな側面があるプロジェクトでございます。UNEPともお話をいたしております。前向きに取り組んでいきたいと思っております。
○遠山清彦君 何か私の質問で随分駄じゃれが飛んでおりますけれども、総理も官邸でちょっと言っていましたけれども、今日は言いません。
 それで、是非政府として全力でこの問題に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。私は、今環境の問題あるいは周辺各国の水利権の問題等、いろんな政治的、経済的な利害が絡むプロジェクトでありますので難しいと思っておりますが、日本が主導権を取ってこの湿原回復のために動くということがまず大事だという意味で申し上げておりますので、是非関係省庁の皆さんに鋭意努力をお願いしたいと思います。
 次の質問に時間がありませんので行かせていただきます。
 先週の金曜日に野沢法務大臣が閣議後記者会見をされまして、ミャンマー国籍のキンマウラさん、奥様がフィリピン国籍の方で、娘さん二人が日本で生まれて日本で暮らしているという在日外国人の一家でありますけれども、ずっと不法滞在という形でありましたが、在留特別許可の付与を決定する旨を発表されたと。
 そして、昨日ですね、実際に発表をされたということなんですが、私と神崎代表二人で昨年の十一月十八日に法務大臣のところに行かせていただいて、在留特別許可の付与を要請をいたしました。ただ、そのときは大変難しいとおっしゃっていたわけでありますけれども、なぜ今回、私はもうその決断は敬意と感謝を持っているわけでありますが、どういった経緯で今回付与することになったのか、お教えください。
○国務大臣(野沢太三君) 遠山議員におかれましては、この問題につきまして大変御熱心に取り組まれてこられましたことを感謝いたしております。
 御質問の御家族に対しましては、平成十年にいったんは在留を特別に許可することはしないとの法務大臣の判断が下されまして、これについて退去強制令書が発付されました。この判断が適正、妥当なものであったことは裁判所の一審、控訴審を通して是認していただいているところであり、我が国は法治国家であります以上、司法の判断は尊重されなければならないと考えてまいりました。この委員会でも一度取り上げられまして、私もその趣旨の御答弁を申し上げております。
 私は、それと同時に、一家を離散させる結果を招くことに深く心を痛めまして、決して一家を離散させることがないように、同一の国に御家族全員を一体で送還できないものかと考えまして、その可能性を探ってまいりましたところでございますが、御家族四人を同一の国に安全かつ確実に送還し、その地で平穏に生活していただける保証が必ずしも確保し難いとの結論が外交ルート等の模索の中からはっきりしてまいりました。
 現在、法務省には不法滞在外国人対策の強力な推進が求められておりますから、そのような観点に立ちますと、不法滞在者に対して安易に在留を特別に許可することは好ましくないと考えますが、そうは申しましても、幼い子供さん二人を含む一家四人を別々の国に離散させることを強いますのは、人道を重んじ人権を尊重する我が国といたしましては取るべき措置ではないのではないかと考えるに至りまして、熟慮に熟慮を重ねた結果、法務大臣の権限と責任に基づき、さきに法務大臣によってなされた処分を職権で取り消しまして、改めて御一家全員に対し在留を特別に許可することといたした次第でございます。
 法務省といたしましては、今後とも在留特別許可の適正な運用を図るとともに、不法滞在外国人の半減に向けて取組を推進してまいりたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
○遠山清彦君 野沢法務大臣、今回の決断に対しましては心から感謝と敬意を改めて申し上げたいと思います。
 ただ、最後に、総理、一言御意見伺いたいんですが、この今、キンマウラさん御一家に在特を与えるときに一家離散を防ぐためという理由が出たわけですが、実はキンマウラさんは日本で働いて住民税、所得税などの納税もして、厚生年金とか健康保険とかにも入っていたということで、非常に日本でしっかり暮らしていたわけです。
 私は、今少子高齢化の日本にあって、これから外国人との共生というのが避けられない課題になっていくというふうに思いますけれども、総理はこの問題についてどういう御見解かをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 外国人といかに協調しながら仲良く暮らしていくかということは、今後世界が狭くなり国際交流が盛んになる、極めて大事なことであると思います。また、日本としては今、外資歓迎論、外国人旅行者倍増計画立てております。外資が参入してくると警戒論が強く出てくるわけですが、そうではないと、むしろこれからは外資歓迎論、どんどん日本に進出してもらいたいと、また日本を魅力ある市場にしていかなきゃならないという方針で、外資に対しても、また外国人旅行者に対してもほほ笑みを持って接しようという方針で、いろいろ外国交流を盛んにしていこうと、外国人にも日本に来てもらおうという政策を取っております。
 今回の措置は例外中の例外でありますが、野沢法務大臣、諸般の情勢を十分勘案されまして自らの職権の上で判断されたものでありまして、私はその判断を尊重したいと思います。
○遠山清彦君 ありがとうございました。
○委員長(片山虎之助君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、小泉親司君の質疑を行います。小泉親司君。
○小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。改めまして自民党の小泉総理大臣に質問をさせていただきます。
 私、まず、北海道警で明らかになりました裏金作りの疑惑の問題についてただしたいと思います。
 この問題は、御承知のとおり、警察の捜査用報償費を不正利用して長期にわたって裏金を作っていたもので、国民の税金を流用した言語道断の行為であると思います。しかも、これが全国で明るみに出たことを始め、静岡や福岡でも疑惑が発覚しております。また、三月四日、これは二月に総理大臣はこれを厳正に処理すると言っておられましたが、三月四日の道議会では、元道警の幹部の証言で、警察庁でもこのような裏金作りが行われたということの疑惑が指摘をされております。
 私、このような実態の中で、この問題は重大な問題であって、決して都道府県警の問題にとどめていてはだめだと思います。その意味でも、政府として真相究明の徹底的な解明のための調査をしっかりと行うべきだというふうに考えておりますが、まず総理大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先日も国家公安委員長のこの事案に対して、不祥事に対しまして報告を受けまして、警察の信頼を揺るがす大事な問題であり、この防止策、対応策、しっかり国家公安委員会の管理の下に警察としても信頼を取り戻すような対応をするようにと指示しております。
 極めて遺憾であったと思いますので、今後どのような対応を取って信頼を回復するか、政府一体で取り組まなきゃならない問題だと思っております。
○小泉親司君 私、この問題で先週のテレビの各党の討論会を見ておりましたら、野党ばかりじゃなくて与党までも参考人招致という点では一致しておりました。その点で、私、参議院予算委員会でもこれらの関係者、責任者を呼んで、参考人として真相の究明を行うべきだというふうに考えております。
 その意味で、まず、芦刈勝治北海道県警本部長、原田宏二元北海道道警釧路方面本部長、それから斎藤邦雄元北海道警弟子屈署次長、こうした三名の私は参考人招致を要求したいと思いますが、委員長に是非お取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(片山虎之助君) ただいまの小泉君の要求につきましては、その取扱いを後刻理事会において協議することにいたします。
○小泉親司君 私、次に、昨日、政府が国会に提出いたしました有事法制関連法案につきまして、その関連する問題について幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。
 私どもは、有事法制法案は、これは米軍支援法だということを指摘してまいりましたが、今回の提出されたもの、七法案を見ますと、大変米軍支援という色彩が濃い。この意味で、まず私は、日米の物品役務融通協定、いわゆるACSA協定の改定案についてお尋ねしたいと思いますが、今回のACSA協定では、武力攻撃及び武力攻撃予測事態、これで米軍に弾薬の提供など様々な物資を行うことを取り決めております。それと同時に、言わば、私から言わせますと、日本有事とどさくさに紛れて、今度は、法案では、国際の平和及び安全に寄与するための国際社会の努力の促進ということで、イラクの、アフガニスタンの戦争、それから現在のイラクの占領支配、こういうものに対しても米軍に対して物品役務の提供をできる道を開きました。
 総理、これはどういう目的でこの中にACSA改定が結ばれたんですか。そこをまず総理にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、今回の改正で武力攻撃事態等の際の活動、これは五条ですが、それと、六条といたしまして、国際の平和、安全への寄与、大規模災害への対処、その他の目的のための活動というのが入っているわけでございます。
 委員の御質問は、その六条の方について、どうしてそれが入っているかという御質問であるかと思いますけれども、これは例えば地震などの大規模の災害や邦人救出が必要となるような緊急事態に際しての活動が含まれるわけでございます。
 この改正に対しまして、ここにも、こういったことに日米のACSAの手続の枠組みを適用するということは、そういった緊急時の活動の際に自衛隊が米軍より物品役務の提供を受けることを可能にするものであって、この点も踏まえる、できるだけこういうことを入れて、できるだけといいますか、これを入れて速やかに改正をするということが必要であると政府としては考えております。
○小泉親司君 これはあれですか、アメリカ側から強く要求された中身なんですか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国といたしましては、そういった大規模の災害ですとか邦人救出の際ですとか、そのときに生ずるニーズを踏まえまして、主体的にこれは考えております。
○小泉親司君 もう一つお尋ねしたいんですが、これ、総理、閣議で決定されておられますので、総理も内容は御承知かと思いますので一つだけお尋ねしますと、今回のACSA協定に基づきます、今度米軍支援法というのを作られたわけですね、通称でございますが。その米軍支援法では、武力攻撃事態ばかりじゃなくて、武力攻撃の予測事態、まだ直接の武力攻撃がない事態、この段階でも米軍に弾薬を提供できることにいたしました。総理、なぜなんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう有事の事態に対処するためには、日米協力して日本国民の安全を確保しなきゃならない、必要なことはできるようにする、これが法律の趣旨であります。
○小泉親司君 武力攻撃予測事態というのは、総理もこの間議論されてきたのは御承知のとおり、大変幅広い範囲を持ったものだと。これは、例えばアメリカの周辺事態、いわゆる周辺事態法に基づく周辺事態、アメリカが戦争をやっている場合もある、こういうふうな事態もこの武力攻撃予測事態は含むという見解でありました。ということは、周辺事態にもこれは弾薬を提供できる仕組みを作ったものだということなんですか。──いやいや、総理、総理。総理、総理。
○国務大臣(井上喜一君) この武力攻撃事態ですね、これ、事態に対して日米が協力して当たるということは当然のことだと思いますし、予測事態におきましても、もう危機が切迫しているわけですね。したがいまして、正に武力攻撃事態が発生した場合には、それに十分に対応できるような協力をするというのは当然のことでございます。
 確かに、おっしゃるように、周辺事態と武力攻撃予測事態とがある程度重なり合うときがあるんじゃないかと、こういう御指摘だと思うんですけれども、さきの国会におきましても、それは確かに観念的にはあり得るとは思うという答弁をいたしておりますけれども、これはあくまで日米の有事、武力攻撃事態の発生が予想される場合に物品等を提供するものでございまして、周辺事態とは一応違うわけですね。周辺事態に提供いたしました物品等が利用されるということはないわけでありまして、そういうことを日米の調整メカニズムを通しまして担保をしていくと、こういうことになっているわけでございます。
○小泉親司君 私ね、今の答弁では全然分かりませんよ。武力攻撃予測事態というのには周辺事態が併存する場合があるということは、これは政府が認めていることなんですよ。そんな切迫したなんて、そんな議論じゃないんですよ。元々周辺事態があって、武力攻撃予測事態は併存する場合があるんだと。ということは、武力攻撃予測事態で弾薬を提供できるとなったら、周辺事態もそれが含むということになるじゃないですか。そこをどういうふうに切り分けるんですか、総理。総理、その点をはっきりさせてください。
○国務大臣(井上喜一君) 周辺事態イコール武力攻撃予測事態じゃないわけですね。武力攻撃予測事態というのは、正に武力で攻撃が予測される場合、切迫している場合が武力攻撃予測事態でありまして、そういうときに役務あるいは物品等を米軍に対して供与するということは当然のことじゃないかと私は思います。
○小泉親司君 答弁になっておりません。なぜかといえば、私が言っているのは、周辺事態と武力攻撃予測事態が併存するというのは政府の見解なんだから、ということは、武力攻撃予測事態で弾薬の提供をするといったら、周辺事態のときにも提供できるということになるじゃないかと。そのことに対してお答えになっていないじゃないですか。
○国務大臣(井上喜一君) 日米の防衛協力というのは日米の調整メカニズムを通しまして調整するわけでありまして、この武力攻撃予測事態におきまして供与されました物品等が、周辺事態のそのときに利用されるということはないように担保をしていくと、こういうことであります。
○小泉親司君 ないようにするためにはどうするんですかということを聞いているんです。
○国務大臣(井上喜一君) 日米の防衛協力のために調整メカニズムがあるということは御承知のとおりだと思うんですね。それは周辺事態の場合にもありますし、武力攻撃予測事態のときにもこの調整メカニズムが作動するわけでありまして、そういう調整メカニズムを通しまして、御懸念のようなことが起こらないように措置をしていく、こういうことを申し上げているわけであります。
○小泉親司君 私ね、この問題というのは大変重大な問題なんですよ。周辺事態と武力攻撃予測事態が併存すると言っておるんだから、周辺事態のときにはアメリカが戦争をやっている場合があるんですよ。そのときに弾薬が提供できるということになったら、これは正に集団的自衛権の行使になってしまうじゃないですか。そこのところをどうやって切り分けるのか、総理、明確にしてください。これは大変重大な問題ですよ。
○国務大臣(井上喜一君) それは論理的には併存する場合もあり得るのでありますけれども、ただ、今申し上げましたように、調整メカニズムがあるわけですね。その調整メカニズムを通しまして、武力攻撃予測事態に備えてこの提供した物品等がそういう周辺事態の場合に利用されないようにそれはきちっと担保をしていく、図っていくと、こういうことであります。
○小泉親司君 これじゃ、ちょっと答弁になっていないですよ。委員長、これ、答弁になっていないです。
○委員長(片山虎之助君) じゃ、もう一度、あなた、丁寧に質問してください。
○小泉親司君 丁寧にって、委員長、丁寧に説明してあげているじゃないですか。
○委員長(片山虎之助君) それじゃ、丁寧に答弁してください。
○国務大臣(井上喜一君) 日米が防衛で協力します場合はいろんな問題が起こるわけですね。もう絶えずそれらにつきましては日米で協議をし、対応していくわけなんです。これは今度提出いたします、俗に米軍の行動の円滑化法案というのを出します。こういう中でも規定しておりますが、十分な意思疎通をいたしまして我々は日米が協力をしていくと、こういうことにするわけでありまして、このACSAに基づく物品とか役務を供与いたします場合も、そういう調整メカニズムの中でその趣旨を十分に話をし、周辺事態の方へ転用されることのないように措置をしていくということでありますから、大変明快だと思います。
○小泉親司君 ということは、米軍が周辺事態で使おうとしても、武力攻撃事態と併存している場合には米軍はこれを使えるということになるんですか。
○国務大臣(井上喜一君) 度々御答弁申し上げましたように、使えないということに、使えないようにすると、そういうように調整メカニズムを働かせると、調整メカニズムを通しましてそういうことをするということを言っているわけであります。
○小泉親司君 私、全然そこは不明確だと思いますよ。実際に周辺事態法と予測事態は併存する場合があると、これは政府の見解じゃないですか、総理。総理は御存じでしょう、この点については。
 となったら、武力攻撃予測事態を、弾薬が提供できるようになる。そうしたら、周辺事態にもそれが行く可能性がある。その点をどういうふうに切り分けるんですかと、総理、お聞きしているんです。この点いかがですか。
○国務大臣(井上喜一君) そういう御懸念を持つ向きもあるわけでありますけれども、何回も答弁をいたしておりますように、これ、調整メカニズムを通しましていろんな話をするわけです。したがいまして、ACSAに基づいていろいろな物品とか役務は供与されますけれども、それが周辺事態の方へ転用され利用されるということがないようにするということを申し上げているわけでありまして、これはやっぱり日米のお互いの信頼関係の中できちんと対処をしていかないといけないと、そういう問題だと思います。
○小泉親司君 またこれ信頼関係を持ち出されましたけれども、実際にそんなことでは、私は、これは全く切り分けはされておられないと。よって、これは周辺事態でも弾薬の提供が可能になる道が開けているというふうに思います。
 そこで、もう一つお尋ねしますが、総理、周辺事態法では武器弾薬の提供はできないことになっておりますね。これは憲法上できないんですか、どうですか、総理。総理、憲法問題なんだから、総理。
○国務大臣(井上喜一君) 要するに、いわゆるこの武力行使と一体化するという議論が、武力行使と一体化する場合には集団的自衛権の行使と絡まってくると、こういうことから各般の議論が行われてきたということでございまして、私は、これは公式には法制局長官の方からお答えいただいた方がいいと思うんだけれども、後方地域でのこれ支援でありまして、いろんな、様々の議論の中で、政治的な判断として弾薬は含めなかったというふうに理解をいたします。
 憲法問題につきましては、これは法制局長官の方にお答えをいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(秋山收君) 基本的にはただいま井上大臣から御答弁があったとおりでございますが、イラク法等で弾薬を提供しないということになりましたことにつきましては、それが、弾薬を後方、いわゆる非戦闘地域で提供することが一体化するかどうかについては結論を出さない状況の中で、政策的にこれは提供しないということが決定されたという経緯でございます。
○小泉親司君 ということは、総理、周辺事態も弾薬、武器、これを提供することは憲法違反かどうか分からないということなんですね。
○政府特別補佐人(秋山收君) 今回の法案に規定しておりますような武力攻撃予測事態におきましては、武力攻撃、我が国に対する武力攻撃を排除するための必要最小限の武力の行使は憲法も否定していないと考えているところでございまして、そのための準備をする段階におきまして、日米が共同で対処するために相互にいろいろな協力をするということも憲法上問題にならないわけでございまして、したがって、今回の法案で弾薬を米軍に提供するということにつきましては、憲法上の問題はないものと考えております。
○小泉親司君 そんなこと聞いているんじゃないですよ。周辺事態法での話を聞いているんですよ、法制局長官。周辺事態法の話聞いているんですよ。全然駄目ですよ、ごまかしちゃ。
○政府特別補佐人(秋山收君) これは先ほどイラク法につきまして御答弁したのと同じでございまして、一体化して憲法上の問題があるかどうかにつきましては、結論を出さない段階で政策的にこれをしないということが決定されたわけでございます。
 それから、今回の法案におきまして、これを通じて周辺事態における米軍の活動についても弾薬が提供されてしまうのではないかという御懸念でございますが、その点につきましては、先ほど井上大臣から繰り返し御答弁ありましたように、運用の問題としてこれはきちっと分けてやっていくということでございます。
○小泉親司君 あなた方は、これは大森法制局長官の見解ですが、例えば、この武器弾薬を米軍に周辺事態で提供する、この問題については、憲法上の慎重な検討をする問題であるということまでの共同認識を得て、それ以上の、絶対クロだというところまでの断定はしていないわけでございますが、私どもの立場では、今もやはり憲法上の適否について慎重な検討を要する問題であるということの認識は変わりはございませんと。つまり、これは先送りだ先送りだと言って、実際はどんどんどんどん周辺事態に近づいて、武器弾薬を提供できるようにすると。おかしいじゃないですか。周辺事態の武器弾薬の提供というのが憲法違反だということが明確になれば、これは絶対できないんですよ。そういう何で見解を持たないんですか、法制局長官。──総理大臣、総理大臣。
○政府特別補佐人(秋山收君) 先ほどから申し上げていることの繰り返しになって恐縮でございますが、周辺事態において活動しております米軍に対する弾薬の提供は、今回の法律ができましても、これは実際上想定されない、あり得ないことでございまして、したがいまして、従来からの私どもの見解は変化して、変更しておりませんし、またこれを変更する必要もないものと考えております。
○小泉親司君 何でそんなことが言えるんですか。
 だから、周辺事態の問題でこういうふうな憲法問題を回避して、どんどん周辺事態でも武器弾薬を提供できるようにする仕組みを作っていくというのは、私は非常に問題だというふうに思います。
 そこで、私もう一つ、時間がなくなっちゃうのでお尋ねしますが、今回のACSA協定で米軍への軍事物資の補給役務を一層拡大したというのを、私は根っこにはアフガニスタンの戦争、イラクの戦争への協力が私はあるというふうに考えております。
 そこで、私は今日皆さん方に資料をお配りいたしました。その資料は、まず一つはシミタールという資料であります。この資料は二月二十日付けの連合軍の機関紙でございます。大変きれいなもので、どなたでもホームページを開けば見ることができるものであります。
 この二月の二十日付けに、初めて日本人、連合軍つまり占領軍に参加ということが出されました。打ち出されました。これ二月二十日であります。その二月二十日の連合軍の機関紙の中に、これは二人の自衛官が出てくる。一人はヒデシマ・タカという、通称、通称でございますが、もう一人は何でしたっけ、もう一人おられる。
 そこでお尋ねしますが、ヒデシマ氏はこの中でどのようなことをやっているかというと、パルマーという米占領軍司令部付きの計画民生部長の参謀として活動しているということが書かれておりますが、これ総理、こういう占領軍の民生部長の参謀として活動しているということは、これは占領軍の一翼を担って活動しているということじゃないですか。総理、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) そのようにシミタールに書いてあることは承知をいたしております。書いてあることを承知しておると申し上げておるわけでございます。
 この派遣をしております者、具体的な名前につきましては差し控えさしていただきますが、派遣いたしております者はそれぞれ我が国の根拠法に基づきまして派遣をいたしておる者でございまして、その任務は連絡調整でございます。そしてまた、それは我が国の法律、あるいは我が国の指揮の下に行動しておるわけでございまして、委員御指摘のような占領軍の云々かんぬんというようなことには全く当たらないのでございます。
○小泉親司君 私は、この問題は憲法にかかわる問題だと思うんですよ。つまり、占領軍の計画部長の参謀として自衛官が連絡将校として働いているんですよ。これ、占領行政の参画じゃないですか、総理。総理、立たなきゃ駄目ですよ。
○国務大臣(石破茂君) それはそのように書いてあるということは承知をいたしておりますが、我々の自衛官は我々の法律、つまり我が国の法律に基づいて派遣をされておるわけでございます。その法に基づいた行動しかいたしません。したがいまして、委員御指摘のような行動は、それは実際なし得ないことでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは米英軍の占領軍のところにたとえ我が国の隊員が行ったとして、指揮下に入ったとそう判断するのは早いですよ。いろいろな情報収集とか調整がありますから、我が国の自衛隊は我が国の指揮下に入っているんですから、すぐそう、ちょっと相談した、連合軍と一緒に話している、だからといって指揮下に入ったというのは軽率な判断だと思っております。
○小泉親司君 いえ、私の判断が軽率なんじゃないんです。機関紙の中に明確に参謀だって書いてあるんですよ、総理。総理、大学も全部出られたというふうにお聞きしていますので、英語も全部お読みになられる、しゃべられる。見てください、書いてあるでしょう。
○国務大臣(石破茂君) 私、委員のようにアメリカで新聞記者として活動したこともございませんで、英語の能力に欠けて恐縮でございますが、是非委員からここの部分であるというふうな御指摘をいただけますと大変幸甚に存じます。
○小泉親司君 自分で先に書いてあると言ったじゃないですか。駄目ですよ、そんなごまかしじゃ。
○国務大臣(石破茂君) 私が申し上げておりますのは、その名前があるというふうに申し上げたのでありまして、参謀云々ということにつきまして書いてあるということを申し上げてはおりません。
○小泉親司君 私は、大変それはごまかしだと思います。
 そこで、私時間がないのでもう一つだけちょっとお尋ねしたいので。
 もう一つ、いわゆるアフガニスタンの……(発言する者あり)書いてあるよ。アフガニスタンの戦争とイラクの戦争、占領を指揮している米中央軍の司令部にも自衛隊が三名参加しております。この三名はどういう活動をされていますか。
○国務大臣(石破茂君) 恐縮です。後学のために先ほど、どこに参謀と書いてあるかお教えをいただければ幸甚に存じます。
 それから、今、先生の御指摘でございますが、フロリダ州タンパにございますアメリカ軍、中央軍司令部に、連絡調整のために派遣をいたしておるものでございます。
○小泉親司君 月刊誌「諸君」で、この司令部に参加した海上自衛隊の大塚一佐が自らの経験を書いておりますが、この大塚一佐はいわゆる中央軍にはイーグルビレッジというものが存在している、これはコアリションビレッジとも言う。このビレッジで様々な活動をしているといいますが、このイーグルビレッジ、コアリションビレッジとは何ですか。
○国務大臣(石破茂君) これは、その「諸君」の中で、先生いろいろとごらんをいただきまして、コアリッションの本質につきまして大塚一等海佐が述べておる点につきましても御理解の上での御発言かと存じます。
 つまり、コアリッションという有志連合、それは条約に基づくものでもない、そしてまた非常にタイトな義務を伴うものでもない、それぞれの国が何ができるかということを持ち寄り、指揮命令系統に立たない有志連合として設けられておるものでございます。そこにおきますいろいろな連絡調整のために参っておるものでございます。
○小泉親司君 いや、私、イーグルビレッジ、コアリションビレッジが何だと聞いているんです。
○国務大臣(石破茂君) それは、そこにおきます、そこに書いてございますとおり、各国の連絡調整の任に当たる者たちがオフィスを構えておる、あるいはそこに居住しておる者もあるかもしれませんけれども、そういうような人たちが所在をしております米中央軍司令部の駐車場の中にプレハブと申しますかコンテナハウスといいますか、そういうものがたくさん建っておる、そういうものを称して何々ビレッジというふうに言っておると承知しております。
○小泉親司君 いや、アメリカの資料を検討いたしますと、これ三枚目のページに付けてあります。今度日本語も入れてありますのでよくお読みいただきたいと思いますが、ビレッジの核心は、中枢部は連合軍の調整センターだと、CCCと言われるものだというふうに書いてありますが、そうですね。
○国務大臣(石破茂君) ですから、先ほどから調整というふうに申し上げておるわけでございまして、CCCというのはコアリッション調整センターと、こういうことになるわけでございます。
 委員御提示のように、コアリッション・コーディネーション・センター、CCCということでございます。
○小泉親司君 CCCだということでございますが、そのCCCというので何をしているのかと、ここが一番の、私、核心だと思いますが、このコーディネーションセンターでは、これは日米調整、共同調整所というものとほぼ性格的には一致しているものだということですね。
○国務大臣(石破茂君) ここは誤解をいただかないように申し上げておきますが、CCCというのは、これはアメリカの組織でございますから、日米共同調整所というふうにおっしゃられますと、それは性格が異なるものであるというふうに言わざるを得ないわけでございます。
 したがいまして、CCCというものにおきまして私どもがやっておりますことというのは、アメリカのそういうようなシステムの中でいろんな連絡調整というものをやっておるわけでございまして、日米共同調整所とは性格を異にするものでございます。
○小泉親司君 じゃ、この三名は、テロ特措法とイラク特措法に関係しているそうですが、どの条文の規定、どの基本計画の中のどこの条項に沿って行っているんですか。
○国務大臣(石破茂君) これは何に基づくかといいますと、防衛庁設置法第五条第十八号でございます。すなわち、第五条「防衛庁の所掌事務は、次のとおりとする。」、その第十八号には「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと。」、これが根拠条文でございます。
○小泉親司君 大塚海佐は、これは「諸君」の中で何と言っているかというと、これ、各国の連絡官が毎日毎日会議をやってコアリションの作戦の細部を練り上げていく作業をやっているんだと、これ書いておられる。
 同時に、今度は、「外交フォーラム」の中にも今度は大塚さんは論文を書いているんです。その論文の中で、「米軍と同盟関係にある国も、同盟関係を結んでいない国も、対テロ戦争という大義のためにこのコアリションに参加しました。自国への戦況報告、また、戦場での支援体制として各国はそれぞれ何ができるのか、それを判断し本国へ報告する出先を、この中央司令部内におく、」ということが今度のCCCの最大の問題だ。何でこんなことが防衛庁設置法の五条、いわゆる所掌事務に必要な調査でできるんですか。
 これは、総理、これは明確にイラク特措法や、私はアフガニスタンに対するテロ特措法の脱法行為だと思いますよ。総理、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) どうしますとそういうようなお考えになるのか、ちょっと私にはよく理解いたしかねますが、イラク特措法やあるいはテロ特措法から読めないことは委員御案内のとおりでございます。
 では、さすれば、じゃ脱法行為になるのかねといえば、そういうようなお話には相なりませんで、そのために防衛庁設置法の第五条というのがあって、「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」、それ以外の何物でもないわけでございます。これは中央軍でございますから、したがいまして、その本部がタンパにあるわけでございまして、そこに赴きまして、防衛庁設置法の根拠に基づきまして行きました。
 まさしく先生が今、大塚一佐の書きましたものを引用していただきましたそのとおりのことでございまして、これは有志連合ですから、義務、命、指揮命令系統に従うものでもなく、義務を伴うものでもなく、それぞれが何ができるか、まさしく先生が有志連合の本質をおっしゃっていただいたと思っております。
○小泉親司君 私は、この資料の中でも、マイヤーズ統合参謀本部議長が、二〇〇一年の十月二十九日の記者会見で新聞記者から、連合軍調整センター、CCCはどのような任務を持っているのかと記者に聞かれたんです。そのときに何と答えているかというと、いわゆるアフガニスタン、当時はアフガニスタンでありましたから、戦争、戦闘に対する支援から兵たん支援のあらゆる分野についての貢献について調整を行うんだと、こういうことを言っている。
 ということは、これはイラクの戦争以降も、これ、事実上の戦争指揮機構なんですよ。そういうものに対して、総理、何で自衛官が参加できるんですか。総理、お尋ねします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もう石破防衛庁長官が何回も答えているでしょう。情報収集しなきゃ、日本は何ができるか分からないじゃないですか。調整がある。米軍ができること、イギリス軍ができること、他の国の部隊ができること、日本ができること、それぞれ違うんですよ。そのためにも連絡調整しなきゃいけない。むしろ行っちゃいけないと言った方がおかしいんじゃないですか。日本にできること、そういう、各国がどういう今状況で、その地域の状況はどうか、そして日本として何ができるか、米軍と違って、武力行使はしない、戦闘行為はしない、しかし、日本にできる範囲内は何かというためにも連絡調整は大事なんですよ。
○小泉親司君 そんな簡単な、総理、連絡調整して情報収集というんじゃないんですよ。作戦の細部までここで検討していると大塚海佐が言っているんですよ。だから私は、これを、この点について私も資料をくっ付けておきましたが、ここでのやっていることは何かと。世界的規模での軍事同盟の将来に広い分野で意味合いを持つ革命的なものなんだと、ここでやっているのは。そういうことを言われているんです。こういうふうな事実上の大変世界的な規模でのいわゆる有志連合の軍事機構なんですよ、これは。
 先ほど有志連合ということを言われたけれども、これは国際社会の有志連合だけじゃなくて軍事機構なんです。そこに何で自衛隊が参加できるのか。総理、これはもう一度総理の答弁をお尋ね、いや、まだですよ。総理の答弁をお聞きしたいと思います、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) たとえイラクに行って米軍と協議しても、米軍とやることは日本は違いますよ。日本に何ができるかということについて、それぞれの機関、必要な機関に行って情報収集なり連絡調整するのはむしろ自衛隊の責務である。そして、日本ができることをやる。
○小泉親司君 委員長、一言だけ。
○委員長(片山虎之助君) 一言だけ。
○小泉親司君 私は、戦争に行くんじゃないと、人道復興支援だと言うけれども、実際にはこういう大変世界的な規模での軍事同盟に自衛隊が参加しているというのは、私は重大な問題だと、これは憲法違反だということを指摘して、私は質問を終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で小泉親司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、福島瑞穂君の残余の質疑を行います。福島瑞穂君。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 先日、二月二十七日、三人の人が一月に自衛隊のイラク派兵に反対するビラを配布したとして逮捕をされました。これはどういう事件でしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 立川市における住居侵入事件についてのお尋ねだと思いますが、この事件は、被疑者三名が自衛隊のイラク派遣反対を訴えるビラを自衛隊宿舎に投函する目的で、共謀の上、一月十七日、立川市所在の防衛庁宿舎一号棟から十号棟までの各棟の各内階段に侵入したというものでありまして、警視庁におきまして、二月二十七日、通常逮捕し、現在勾留中のものであると承知をしております。
○福島瑞穂君 これが配られたチラシですが、自衛隊のイラク派兵反対、一緒に考え、反対の声を上げようという非常に単純なチラシです。なぜ逮捕、捜索をする必要があったのでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) チラシの内容がどのようなものであるということではなくて、その行為の態様が住居者の意思に反し、その住居の平穏を乱す形で住居に侵入をしたと、そのことをもって捜査に着手をしたものであります。
○福島瑞穂君 特別なやり方で侵入したんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) どういう趣旨のお尋ねか、ちょっと判然といたしかねますが、刑法に定めます住居侵入罪の構成要件に該当する態様で侵入をしたものと承知をしております。
○福島瑞穂君 このチラシには、住所も電話番号もインターネットの番号も書いてあります。逮捕、捜索をする必要が本当にあったのか。また、通常、マンションなどの集合住宅では飲食店や不動産屋のチラシも大量にまかれています。なぜ、この件で逮捕、捜索なのか、行き過ぎではないでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 現在、本件捜査中でございますので、詳細は控えさせていただきたいと思いますが、立入り場所の状況でありますとか、立入りに対する被害者側の対応でありますとか、あるいは立入りに至る経緯、その立入りの目的、態様、あるいは被害者の感情、こういったものを総合的に考慮いたしまして強制捜査を実施したものと承知をしております。
○福島瑞穂君 逮捕の要件は、ちょっと刑事訴訟法は別の逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれを規定しておりますし、今の説明では納得がいきません。
○政府参考人(瀬川勝久君) 本件につきましては、その逮捕事実の事案のみならず、その前後にわたり同住居に侵入するというような状況もございましたし、それから明確な住居者の制止意思に反した形で行われたというような状況も確認をされております。また、組織的、計画的な犯行だろうというふうに判断をいたしまして強制捜査に着手をしたものであると承知をしております。
○福島瑞穂君 去年、休日に赤旗の号外のチラシを配っていた国家公務員の人が逮捕され、起訴をされています。
 だんだん、戦争反対、イラク派兵反対というような、憲法九条を守ろうという、そういうことが、表現の自由やあるいは活動を制限していくことが続いているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 国家公務員法違反事件についてのお話もございましたけれども、これは社会保険事務所職員による国家公務員法違反事件でございまして、これは社会保険事務所に勤務する厚生労働事務官が、昨年行われました第四十三回衆議院議員総選挙に際しまして、日本共産党を支持する目的で、平成十五年の十月十九日、二十五日、十一月三日と三回にわたり、東京中央区内におきまして、日本共産党の機関紙たるしんぶん赤旗号外等を配布をし、もって人事院規則で定める政治的行為をしたというものでございます。
 ただいま御質問でございますが、警察といたしましては、その配られたビラ等の内容がどうだというようなことではなくて、行為の態様等々が違法行為であるというものに対しまして、警察といたしましては、不偏不党、厳正公平な立場で取締りに当たり、法と証拠に基づいて所要の捜査を行っているものでございます。
○福島瑞穂君 先日、公衆トイレに戦争反対と書いた行為が建造物損壊あるいは器物損壊罪で有罪となった事件がありました。
 もちろん、書くのは善くないです。ただし、いろんな落書きがあったり、いろんなチラシを配ったり、いろんな行為がある中で、やはりこれはいろんな表現の自由や政治活動、あるいはこの報道に接して、ああ、やっぱりチラシを配るのをやめようとか活動するのをやめようという萎縮効果が起こるのではないか、それについて行き過ぎの点があるのではないかということを申し上げたいと思います。これはやはり問題です。だんだんこういうことになると、やはり戦争反対という行為が、表現が侵害をされると思います。
 次に、保育園の問題についてお聞きをします。
 保育園のこの一般財源化によって、かなりしわ寄せが来ております。このことを大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今回の公立保育所の運営費につきましては、一般財源化することとしたところでございます。これは、しかし、財源化いたしましたけれども、所得譲与税として税源移譲するということ、あるいはまた全額を地方財政計画に計上しまして地方交付税の基準財政需要額にも算入すると、こうしたことで対応をしているところでございます。
 で、公的な保育所でございますから、市町村がそれぞれの趣旨にのっとってお作りになったものであり、そして今後どのように運営するかということについて、幅広くこれはお考えをいただけることではないかというふうに思っております。
 例えば、今後、幼稚園との間の統合型の問題も今後検討されるというようなこともあるかもしれません。そうしたことは、公的な保育所の運営が一般化されるということによってこれは可能になるものと思っております。
○福島瑞穂君 去年五月二十八日、経済財政諮問会議に坂口大臣が提出をしております「地方分権の重点項目に対する厚生労働省の基本的考え方」、「保育所運営費を含めた児童福祉に係る補助負担金について一般財源化することは適当ではない。」と坂口大臣自身が提出をされています。なぜ一般財源化なのでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) それは私的な保育所も含めての話でございまして、そこの辺のところは分離をし、市町村が御自身の御判断によってお作りになりました公的保育所につきましては可能ではないかということになったわけでございます。
○福島瑞穂君 じゃ、済みません、去年五月二十八日、これを提出されたのはどういう趣旨からでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) それは、厚生労働省といたしましてのこれからの手順と申しますか、一般財源化をしていくのに何を優先してやっていくかということをそこに示したわけでありまして、その中で、私的保育所も含めた全体の保育所を、今このすべてを市町村にお任せをするというのには少し無理があるのではないかということを述べたものでございます。
○福島瑞穂君 今どんどん自治体が、例えば横浜市は、あるとき私立の、あっ、ごめんなさい、市立保育園を突然私立の保育園に切り替え、先生を全取っ替えをしてしまったと。子供たちが非常にストレスを感ずると。
 ですから、公立、もちろん民間の力をかりたりNGOの力をかりることは大事です。しかし、公立保育園をやはりどんどんどんどん経費節減という形で民営化していくことは問題ではないでしょうか。いかがお考えですか。
○国務大臣(坂口力君) たしか横浜の場合には、この公的保育所の問題が起こります前から御計画になっている話だというふうに私は理解をいたしておりますが、公的保育所を民間委託をするといったようなことをお決めになりますのは、それはその自治体の御意思でございまして、私たちはそのお決めになりました御意思は尊重したいというふうに思っております。
○福島瑞穂君 でも、私立になり、有期契約で一年ごとに、もう一年置きになってしまうと若い保育士さんの使い捨てになりかねない。また、民間委託が起こり、また民間への自治体単独補助金の削減も起こりつつあります。
 厚生労働省としては、保育をきちっと公共サービスとして位置付けて、保育はお金が掛かりますから、きちっとやるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこはお話のとおりでございますが、それじゃ私的な保育所はいい加減なことをやっておるかといったら決してそうではございませんで、立派に私はその役割を果たしているというふうに思っている次第でございます。
○福島瑞穂君 私の指摘は二つです。
 公立がどんどん民営化、費用の削減ということでなされる。それから、民間への自治体単独補助金も削減され、民間の保育園も困っている。この点についていかがですか。
○国務大臣(坂口力君) ですから、公的な保育所が民営化されるかどうかはそれぞれの自治体が御検討になり、お決めになることでございますから、我々がとやかく言うべきことではないということを申し上げているわけでございます。
 また、保育所全体につきましては、私たちも熱心におやりをいただいていることは十分認めておりますけれども、全体のこの保育所の状況等を勘案をいたしまして適切な財源は確保をしていくという方針でございます。
○福島瑞穂君 しかし、公立保育園の一般財源化によってどんどんやはりしわ寄せが起きて、自治体はそれを切り捨てる方向になると。厚生労働省は、はっきり保育を自分たちがきちっと公共サービスとしてやっていくのだという位置付けでやっていただくように強く要請します。
 そして、裁判員制度が閣議決定をされました。
 事前の全面的証拠開示と、捜査がきちっと見える、捜査の可視化が不可欠の要件だと考えます。また、守秘義務違反ですと処罰をされますが、これは職業上の裁判官と同じような扱いにすべきではないか。この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(野沢太三君) 裁判員制度の導入に伴いまして、裁判員に分かりやすく迅速な審理が行われるようにすることが極めて重要であります。その方策の一つとして、事前の十分な争点整理の実現と、そのための証拠開示の拡充が必要であると、御指摘のとおりでございます。
 そこで、先般、国会に提出しました刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に検察官による証拠開示を拡充する内容を盛り込んでいるところであります。一方、取調べ状況を録音、録画することについては、取調べが事実の真相を解明する上で重要な役割を果たしていることから、捜査を始めとする刑事手続の在り方全体にこれは影響いたしますので、慎重な検討が必要であると考えております。
 それからもう一つ、守秘義務違反にかかわる今度は罰則の問題でございますが、これは今後想定されます裁判員制度の運用の中で、多額の報酬を得て評議内容を漏らすと、こういうこともあってはいけないことでございますし、重大なプライバシー侵害を生じないように我々も配慮をしなければならない。そのために、このような想定も含めて個々の事案の犯情の程度に応じて適切な処罰が可能となるよう、罰金刑だけではなくて懲役刑も選択できるようにするのが適当と考えた次第でございます。
○委員長(片山虎之助君) 福島さん、もう時間が来たからね。まだ後あるから、ずうっと。何日もあるんだから。
○福島瑞穂君 はい、分かりました。
 じゃ、是非取組をよろしくお願いします。
 以上で終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、島袋宗康君の残余の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 私は、無所属の会の島袋宗康でございます。昨日に引き続いて若干質問します。
 景気の地域格差問題についてお尋ねいたします。
 政府は、我が国経済は着実に回復していると説明しているが、地域経済の現状は依然厳しく、回復が遅れているというのが実情であります。民需主導で財政のてこ入れをせず景気回復を図るというのが総理のお考えでありますけれども、民間に任せておけば景気が良くなる地域、良くなる地域もあれば、国の支援がなければ回復が難しい地域もあります。そうした地域はいつまでたっても回復感がなく、そして地域間の格差がむしろ拡大することになると思いますが、これはほっておくということですか。総理、御所見を承りたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地域再生というのにつきましては、政府としても今その必要性を十分認識し、全力で取り組んでおります。小泉内閣は東京あるいは大都市のことばかり考えているのではないかと言われますが、実は私は就任以来、稚内から石垣までと、この地域おこしが大事だということで地域再生に取り組んでいるんです。
 既に稚内においても、独自の市の発案によりまして、ロシア、サハリンと一番近い町だと。このロシアに最も近い地域を生かしてどのように発展をしていこうかということで、ほかの地にはない特別な交流を始めている。それを町おこしにつないでいる。石垣島も、これはもう観光客としても、美しい海、港、これをどうして、どのように観光振興に生かしていくか、取組が始まっております。
 各地域におきましても、例えて言えば、雪祭りでは、さっぽろ雪まつりは有名でありますが、最近東北では、雪吹雪ですか、地吹雪。普通の一般の人が見れば、雪の吹雪が来るときは外に出たくない。ところがこの地域は、雪が降るときには雪の吹雪が有名。地吹雪。降るんじゃない、下から、地面から雪が吹き上げてくると、これを見事な観光資源にしちゃったんですね。わざわざ外国からも見に来るという。そういう地域の取組が進んでいます。あるいはどぶろく特区。こういう今までにない、地域が自らの発想で、政府にお金をもらうんじゃない、自分たちのやる気で地域を興そうという意欲を政府としても支援していこうということで、全国に広げていきたいと思っておりますので、決して大都市優遇とかいう批判は当たらないと思っております。
 ここまで今までのように景気が悪くなると国債を増発して公共事業をやってきた。そういう時代ではないといって、小泉内閣になってからは公共事業も削減している。そういう中で、ようやく今景気に明るい兆し見えてきたでしょう。いろいろ批判はされましたけれども、今年の予算委員会は去年と違ってそれほど批判されないというところを見ると、今までの小泉内閣の、改革なくして成長なしと言って批判してきた、いや、成長なくして改革なしだって去年はさんざん言われた。やはりここに来て、やっぱり改革なくして成長なしだなというのが理解を得たのも、そういう効果がだんだん出てきたんだと私は思っています。
○島袋宗康君 総理の言われるとおり実感がわけばいいんですけれども、まだまだそこまで行っていないというのが実態です。
 雇用情勢についてお伺いいたします。
 景気が良いといっても輸出関連の大企業が中心で、リストラ、賃金引下げなど、国民生活を取り巻く状況は依然として厳しいのが現状です。雇用情勢は一時より良くなっていると言いますけれども、現状はどうですか。厚生大臣、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 全国的なレベルで申し上げますと、これはかなり失業者の数も減ってまいりました。三百二、三十万のところに参りましたし、あるいはまた、私の方の統計を見ましても、有効求人倍率、これはかなり上がってまいりました。〇・七七まで来ているわけでございまして、これはもう本当に十年ぶりでございます。
 こうしたこともございまして、各それぞれの中身を見ましても良くなってきていることは事実でございますが、残念なるかな、地域格差があって、そして、先生の御出身地の沖縄等につきましては非常に悪いわけでありまして、こうした地域的に悪いところを一体これからどうしていくかということが大きな課題になってきている。地域別にやはりその原因を究明をして、そして取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思っている次第でございます。
○島袋宗康君 雇用は良くなっているといっても、非常に失業率、依然と八%、九%台で高止まりしているというのが沖縄のいわゆる統計課の去る二十七日の発表であります。一月から、一月の十五歳から二十四歳の若年者失業率が二〇・八%と高率であり、特に若年男性は二六・三%という驚くべき数字を占めております。大学卒の内定率も七三・五%と過去最低の水準で、就職希望者の四人に一人が就職先が決まっていません。若年者の雇用の場が改善に向かっているとはとても思えません。しかも就職をあきらめている人も多く、こうした人は失業率の統計にも入っていないというのが実態であり、このような若年雇用の現状は非常に沖縄においては特に深刻であります。
 一体、このことについてはどういうふうに対処されるつもりですか。
○国務大臣(坂口力君) 今お話ございましたように、確かに沖縄は悪いわけでございまして、十五歳から二十四歳層のところで失業者が二〇・八%、これは全国の約二倍でございます。この層は全国的に悪いわけでございますけれども、特に沖縄はその倍増である。我々の方も、この若年者のジョブサポーターというのは、できるだけ御相談に乗れる、若い人に御相談に乗れる人をそこに置きましたり、あるいはまた、ワンストップサービスセンターを作ったりというのでいろいろ手だてを行っておりますけれども、これは私は、その沖縄の中で働く場所をできれば私は探していただけるようにしなきゃいけないというふうに思っております。
 こちらの方に、東京だとかあるいは九州だとか大阪だとか、そうしたところへ就職にでもいい方は御相談に乗って、そして来ていただくように今後もしたいというふうに思いますけれども、私はやはりできるだけ沖縄は沖縄の中で就業していただくことが一番望ましいというふうに思っておりまして、これは沖縄県ともよく御相談をさせていただきながら、どこにこの沖縄としての問題があるのかと。これは産業構造にもこれはかかわることでございますので、経済産業大臣のところともよく御相談をさせていただきながらこれは今後進めていきたいというふうに思っている次第でございます。
○島袋宗康君 沖縄の実態をよく御承知のとおりでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 景気回復といっても地域間で差があり、また大企業を中心とした企業業績の好調も個人には及んでいません。ところが、十六年度予算を見ると、企業向けの税金は減税が目立つ一方、個人に対しては、既に今年一月の所得税の配偶者特別控除を廃止されたのに続き、年金課税や住民税の増税、年金保険料の引上げ、住宅ローン減税の減少など負担増が次々と予定されております。さらに、所得税の定率減税の縮小、廃止や消費税引上げまでも議論されていることであります。
 雇用情勢が厳しい中で個人の負担が大幅に増加すれば、消費が冷え込み、景気が腰折れする可能性もあります。財政状況が厳しいのは分かりますが、景気が良くなっている大企業が減税、景気回復の恩恵を及んでいない個人には増税、総理、こういった入れ方はどう考えてもおかしいと思いますけれども、どうですか。
○委員長(片山虎之助君) 時間が超えましたけれども、谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員は一部の制度改正による負担増だけを取り上げて議論をされているように感じますが、それではいわゆる章を断ちて義を取るというそしりを免れないんではないかと思います。全体を見ていただかなきゃいかぬと思いますが、我が国においては、累次にわたる減税を実施してきておりますので、個人所得課税の税負担水準というのは主要国と比べて極めて低い水準にございます。数字は一々申し上げませんが、まずそういう前提の中で、近年においても持続的な経済発展というものを、かつ、経済社会の活性化をどうしていくかという、そういうあるべき税制の中で個人を対象とする減税措置も講じてきております。
 具体的に申しますと、平成十五年度の改正では、相続税、贈与税の一体化、税率の引下げということをやりました。これは世代間の資産移転の円滑化を通じて消費や投資というものを活性化していこうということでありますし、それから貯蓄から投資を後押しするものとして、預貯金並みの手軽さで株式投資ができるようにしようということで、金融・証券税制を思い切って軽減、簡素化しました。それから、十六年度改正では、住宅ローン減税、これは見直した上でありますが延長すると、これは景気動向と住宅政策、両方をにらんだものでございます。それから、やはりデフレ対策ということになりますと、土地取引の活性化を後押ししなきゃならないということで、土地譲渡益課税の税率を引き下げると。それから、身近な投資商品を利用しやすくしようということで、公募株式投資信託の譲渡益課税を上場株式並みに軽減するというような、いろいろやってまいりまして、あと企業減税も……
○委員長(片山虎之助君) それ、全部じゃなくていい。
○国務大臣(谷垣禎一君) それを通じてだんだん個人に及んでくるというところがあろうかと思います。
 まだ申し上げたいこともございますが、時間でございますので、これで終わらせていただきます。
○委員長(片山虎之助君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十九分散会