第159回国会 決算委員会 第9号
平成十六年四月二十一日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     柳田  稔君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     藤井 基之君     岩城 光英君
     八田ひろ子君     小林美恵子君
     宮本 岳志君     畑野 君枝君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     藤井 基之君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     藤井 俊男君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     藤井 俊男君     神本美恵子君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     山内 俊夫君     尾辻 秀久君
     佐藤 雄平君     大塚 耕平君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     大江 康弘君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                岩井 國臣君
                松山 政司君
                三浦 一水君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                小林美恵子君
    委 員
                尾辻 秀久君
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                後藤 博子君
                月原 茂皓君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                大江 康弘君
                大塚 耕平君
                神本美恵子君
                齋藤  勁君
                羽田雄一郎君
                広野ただし君
                和田ひろ子君
                木庭健太郎君
                遠山 清彦君
                山下 栄一君
                畑野 君枝君
                又市 征治君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       外務副大臣    阿部 正俊君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        中島 啓雄君
       財務大臣政務官  山下 英利君
       文部科学大臣政
       務官       馳   浩君
        ─────
       会計検査院長   森下 伸昭君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   政府参考人
       防衛庁防衛参事
       官        大井  篤君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       防衛庁人事教育
       局長       小林 誠一君
       防衛庁管理局長  大古 和雄君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       法務省入国管理
       局長       増田 暢也君
       外務大臣官房参
       事官       遠藤 善久君
       外務大臣官房領
       事移住部長    鹿取 克章君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     堂道 秀明君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       文部科学大臣官
       房審議官     清水  潔君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     重松 博之君
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        緒方 貞子君
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       畠中  篤君
       国際協力銀行総
       裁        篠沢 恭助君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成十四年度一般会計歳入歳出決算、平成十四
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十四年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十四年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)
 (外務省及び防衛庁の部)
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○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、池口修次君、八田ひろ子君、宮本岳志君、山内俊夫君及び佐藤雄平君が委員を辞任され、補欠として大江康弘君、小林美恵子君、畑野君枝君、尾辻秀久君及び大塚耕平君が選任されました。
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○委員長(鴻池祥肇君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小林美恵子君を指名いたします。
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○委員長(鴻池祥肇君) この際、理事会における協議の結果を御報告申し上げます。
 去る十二日の齋藤勁委員の質疑における政府答弁について、国土交通省より、答弁に不備があった旨の陳謝があり、改めて資料の提出と説明がありました。
 理事会としてこれを了承したことを御報告いたします。
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○委員長(鴻池祥肇君) 平成十四年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、外務省及び防衛庁の決算について審査を行います。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○月原茂皓君 月原です。
 冒頭に外務省の方にお尋ねいたしますが、人質事件、大変な御努力をされて解決されたことを高く評価いたします。
 しかし、御承知のように、世論、いろいろな声が出ておるわけであります。その中の一つに、その人質救出のためにどのくらい金掛かったんだと、こういう話があります。まあそれは、そういうことを言わない人もおりますが、しかし国民の一部にそういう意見がある以上、外務省としても、私は、国民に対してどのくらい掛かったんだと。それをどう請求するかということは話は別であります。しかし、どのくらい掛かったかということは示す義務があると、私はそのように考えております。
 今、精緻にどうこうという話ではありませんが、概算で結構ですが、こういう項目でこのくらいの金が掛かったということについて説明していただきたいと思います。
○政府参考人(鹿取克章君) お答えいたします。
 今回の事件に関して要した費用については、今集計中、調査中でございまして、まだ全体像は恐縮ですが明らかになっておりません。
 ただ、今判明している部分についてお答えいたします。
 まず、解放された三名の方々をバグダッドからドバイに移送するために用いたチャーター機の運航費でございますが、これは約六十六万円でございます。この六十六万円から、当省内規に基づき、三名分の正規のエコノミー料金を差し引いた当省負担分は約五十三万円になります。
 また、逢沢副大臣及び随行のアンマン等への派遣に要した航空運賃、宿泊代等に関する経費は、現在、概算で約一千万円でございます。
 その他の関連経費については、現在精査中、調査中でございます。
○月原茂皓君 そこで、細かいお話を聞くつもりはありませんが、副大臣以下何名が行かれたんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 逢沢副大臣に同行してアンマンに向かいました本省職員は七名でございます。
○月原茂皓君 七名。
 その他ということで、これ、これから考えられるわけで、分析されるわけでしょうが、金額は要りませんが、その他として考えられる項目というのはどういうものがあるんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、例えばアンマンで対策本部を設置いたしましたので、アンマンの対策本部にどの程度の費用が掛かったか、また、ドバイにおけるいろいろな作業、その他若干の応援出張、そういうものについて今集計中でございます。
○月原茂皓君 今の段階でありますから、私はこれ以上お尋ねするつもりはありません。しかし、今申し上げたように、国民の一部に、そういうことについてどのくらい掛かったのかな、また、さらにはその中でどのくらい請求すべきかな、こういう議論が出てくると思います。まあ、請求の話は別として、金額はこのくらい掛かったんだということはできるだけ速やかに国民に公表する、それは私は外務省の責務だと、こういうふうに、またそれが大きな抑止という力にもなると、私はそのように思っていますが、いかがでしょう。いや、大臣でなくて結構です。
○政府参考人(鹿取克章君) できるだけ速やかに現在掛かった費用を調査して、その旨を明らかにしてまいりたいと考えております。
○月原茂皓君 じゃ、これはこれで終わりますが、今お話しのように、できるだけ速やかに調査して国民に公表していただきたい、このように思います。
 さて、防衛庁の方にお尋ねいたしますが、防衛医科大学校にかかわる平成十四年度の歳入歳出決算額をお示し願いたいと思います。
○政府参考人(小林誠一君) お答え申し上げます。
 防衛医科大学校の平成十四年度の歳入決算額は百二十億三百万円ほどでございます。歳出決算額は百九十八億七千五百万円ほどでございます。
 以上でございます。
○月原茂皓君 さて、その歳入でありますが、どこに計上されているんですか。
○政府参考人(小林誠一君) お答えいたします。
 歳入につきましては、防衛医科大学校の歳入として計上しておるところでございます。
○月原茂皓君 私は、この委員会だけではなくてほかの方でも一、二回お尋ねしたことがあるんですが、防衛医科大学校の診療というものは、まず診るのは防衛費で診ると、診療すると。そして歳入は国庫に入る。だから、防衛予算の中で、今ここにお話のように、それがすべてであるかということは別として、百二十億の歳入があるということは、百二十億の予算というものが空積みしておると、国民に対して百二十億円を多く防衛費として示されておると、私はそのように思うんですが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(小林誠一君) お答え申し上げます。
 まず、防衛医科大学校に設置されております病院の性質ということについてお答えしたいと思いますけれども、防衛医科大学校は、そもそも医師であります幹部自衛官を養成することを任務としておりまして、医学に関する高度の理論及び応用についての知識並びにこれらに関する研究能力を修得させるための臨床教育の場として防衛医科大学校に病院が附置されているところであります。これは、防衛医科大学校の編制等に対する内閣府令というもので病院の設置を定めておるところであります。
 この病院において実施しております臨床教育は、防衛庁が自らその防衛上の必要性に基づき、医師であります幹部自衛官を養成いたしますために必要不可欠なものでありまして、そのために必要な経費につきましては、従前から一般会計として予算計上することが適当であるという考え方に基づいて現在に至っているところであります。
○月原茂皓君 私が今終わりの方で申し上げましたように、防衛費というのは、大臣が最後の折衝ででも四億、五億、その折衝で隊員の処遇とかあるいは訓練の金とか、そういうのを取ってくるだけで大きな新聞記事になる。ところが、この百二十億、そういう金は、積んでおるけれども、防衛の、今局長がおっしゃったけれども、全部がそういうふうに理解することはできないと。仮にですよ、臨床教育の場とするなら、どのくらいの規模が臨床教育の場で必要なんだと。
 住民の、周辺の住民の方々は、防衛医科大学校で診察してもらうことは非常に近いところだし技能もいいから喜んでいる。そして本人たちは三割負担し、七割は基金から入ってくる。当然、本人たちは何の、要するに医療の恩恵を受けておることを喜んでおるだけで、これが防衛費であるかどうかということは全然知らないわけであります。
 しかし、私は、今の局長のお話だと、じゃ、臨床の場合必要なんだったらどういう規模が臨床によって必要なんだと。やはり、防衛費というものについて本来の防衛と、まあ周辺の問題だからちょっと難しいところがあるのか知らぬですけれども、それならもう少し絞っていったらどうだという議論にもなりかねないわけですね。
 そこで、私は、今までこの問題で質問したときには、まだ文部科学省関係の話でいえば国立病院特会とかそういうふうな制度になっておったわけでありますが、今後、独法人になっておる。そして、この間文科省の方にお尋ねしたら、附属病院関係費の診療と教育区分というものをちゃんと分けて、そして、なかなかこれ精緻にはできないか知らないけれども、そういう点について、診療の方は収入として個人負担及び基金から入ってくるそういう経費で運営する、そして教育関係、そういうものを、人件費とかあるいは特殊要因な研究とかそういうもろもろのことについては、教育研究ということで文部省の方からその経費を出す、こういうふうになっておるわけですね。必要な経費のうち、収入以外のもので今申し上げたような項目については国の予算で面倒を見ておる、こういうことなんですね。
 だから、私は、こういう例が、今度独法人になった結果こういうふうなことができて、一歩先に、防衛庁の附属病院のようなものよりよく似たものが先にそういうことを踏み出したわけですから、そういうものを参考にしながら私は研究する余地がある。ただ周辺の人たちが診てくれと言うから、何ぼ、それは防衛の関係の研修に必要なんだという論法でなくて、本当に精緻なんだったら百床でいいんだとか、そういうものが議論が出てしかるべきだと思う。まして、ミサイル予算とかもろもろのことからいってそういう防衛費をいかに効率的にするかということを議論されておるときに、そういう観点も私は必要でないかなと、こう思うからあえて私はお尋ねしておるわけであります。
 さて、ここで私は結論を出してもらおうと思っておるわけではありませんが、しかし昨年暮れ、ミサイル防衛を防衛庁長官及び政府が決断して、そして今年、十六年中に防衛の大綱を作る、そして整備計画を作る、こういうことを決断されたわけですから、これは仮に百億としても、五年間の計画だったら五百億の金がそういうものに積まれる。国民から見たらそれは分からないわけですね。
 ですから、そこのところは、私は、今後研究の課題として政府の方で真剣に考えてもらいたい、このように思うわけですが、いかがでしょう。
○政府参考人(小林誠一君) お答えいたします。
 若干、先生への御説明が足りていなかった点が教育体系等にあることはおわび申し上げたいと思います。
 まず、病院の方の先生でございますけれども、これは全部、学校の方の言わば専門課程を含めまして課程教育等に、医学教育部としてあるところの先生が病院の方のそれぞれ内科を含めてそういうところに兼務しております。また、医学学生の大体所要の時間の中の五三%程度が臨床の実習教育に当たっておりますので、それに際してはやはり病院を何といいますか活用させていただいている、こういう状況にあります。
 それで、そういったことを前提にしながら、今ほど先生からお話ございました予算計上の在り方ということにつきましては、先生から御示唆いただきましたような特別会計的な運営含めまして、この経費の計上の在り方ということにつきましては、今ほど先生がおっしゃられましたような国立大学の方での病院が、国立大学そのものが独立行政法人化する等々の中で、国立大学の方がやはり独立行政法人化いたしますには、やはり教育研究の活性化とか質の向上とかということを目的としておるというふうに承知しておりますので、そういいました運営の在り方等も十分参考にさせていただきながら、また一方で、今ほど申し上げました防衛医科大学校の任務の特性を踏まえて、更に庁内で検討は進めてまいりたいと思っております。
○月原茂皓君 今日は財務省を呼んでおけばよかったんですが、財務省も含めて、今、検査院の方も見えておると思いますが、私は、個々の経費についてのいろいろな査定という、検査ということもこれは必要だと思うけれども、大きな意味で、私が今とらえたような観点も、検査の、私は、会計検査院が意見を述べる対象になり得ると私は思っているわけであります。今、小林局長が、今後研究するというようなことをおっしゃった。私は、そのタイムリミットというのは、今後のこともあるかしらぬけれども、私は、年内の防衛計画を作るまでに、できれば一つの目安を付けてやっていったらいいと、こういうふうに思うわけです。
 そこで、それが直ちに結論が出るかどうかは別として、私は、検査院の方もそういう、私が今申し上げた話はお分かりだと思いますが、ひとつ防衛庁等を含めて研究をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(増田峯明君) お答えいたします。
 今、委員御指摘の防衛医科大学校病院の診療にかかわる経費が、予算上、防衛関係費に計上されているということにつきましては、私ども承知しているところでございます。
 ただ、これらの経費を防衛関係費計上に当たってどう取り扱うかということにつきましては、防衛医科大学校の性格あるいは在り方、これは先ほど防衛庁の方からも御説明がございましたけれども、これをどうとらえるかということにかかわる問題であるというふうに認識しております。
 したがいまして、せっかくの委員からの御発言でございますけれども、この問題について、私ども、予算執行の結果について検査をするという任務を持っているものですから、本院として、ただいまの御議論になっている点について見解を述べるということは適当ではないのではないかというふうに考えられますことから、意見を述べることは差し控えさせていただきたく存じます。
○月原茂皓君 今結論を出せと、こういうことじゃなくて、研究のときの一つの、今文部省、独立行政法人で各個の大学は附属病院の関係の診療と教育研究費というのを分けて、そして診療費については今申し上げたような歳入で賄う、そして人件費とかもろもろのことについては文部省の方から支出する、こういうふうなシステムを、今年の四月から動き出すわけですから、そういうのを見ながら検査院の方も、この区分というのは一つの、難しい話で、区分というのは一つの考え方が出てくるわけですから、今ここで私は、どうしますということを求めておるわけではない。動き出したこの独法人として、各個の大学がそれを歳入、収入にして、そしてその上に文部省から教育に必要な経費として補助が出る、そういうふうな形で動き出すわけですから、そういうものを見ながら防衛医科大学校についてもよく研究をしていただきたい、こういうことで、今ここで結論を出してください、こういうことではありません。
 それでは次に、今の問題はそういうことでありますので、非常に難しい話であることは私は分かっているんですが、国民にこの防衛費というものについて私は理解してもらわぬといかぬ。そして非常に、防衛費いうたら削るのが当たり前だと、こんな思っておる時代に、しかし必要な装備はちゃんとせぬといかぬ、だから防衛費というのはちゃんとした定義を持って臨む一つの問題として私は提起しているわけであります。
 それでは、次のことに質問いたします。
 これは、今、市ケ谷の防衛本庁などに行くと、自衛官の方々も、また防衛庁の職員も警備等に携わっておられますが、そのほかに警備を民間の方に委託している面もある、こういうのが事実のようでありますが、この警備の業務ということについて申し上げると、今民間に委託しているのは、何名委託して、何名ぐらいがそれに従事しているのか、このことを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(大古和雄君) お答えいたします。
 防衛庁におきましては、市ケ谷庁舎のほか、防衛医科大学校、技術研等の一部、それから陸上自衛隊の一部において、警備業務を民間に委託しているところでございます。
 何名というお尋ねでございますが、全国の、全貌を全部把握したわけではございませんが、今先生の御指摘のあった市ケ谷庁舎の関係で申しますと、民間警備会社に委託してございまして、毎日五十名程度、毎日警備をしてもらっておるというところでございます。
○月原茂皓君 私は、その民間の警備、民間の方にその警備を任していることについて、その場合に、防衛関係ということで安全ということが一つ大事なことですね。
 それからもう一つは、私は、別の観点から言えることは、自衛官というものの仕事からいって、職種によりますけれども、国家というものが自衛官に対して特別の任務を与えておる。ですから、極端に言うたら、朝から晩まで匍匐前進して、銃を担いで匍匐前進しておる、そういうのも国家の機能として必要なわけですね。この人たちが定年が来たときにどうするんだ。その積み重ねが生かせるような職場というのは余りないですよね。例えば、税務署へ勤めておったら経理は詳しくなるわ、それで試験も一部免除してくれるわ、こういうことで、積み重ねが非常に有効に第二の人生においても生きてくるわけですが。
 そういう意味で、防衛もいろいろな制度を設けておるんだけれども、この今就職難の時期になると、自衛隊で訓練した人、もう人間的にはちゃんとそういう安全についても十分身に付けておる、そういう人間を採用する、そういうようなことを一般競争入札と私は聞いておりますが、その中にそういうふうな自衛官をできるだけ採用せいと、そして、そういうものを自分たちの警備の方に使ってもらいたいと、こういうふうな契約ができないんだろうかと、こういうことをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(大古和雄君) 警備に関連する企業との契約に当たりましては、予算の経済的、効率的な執行の観点から、競争原理が反映された公正な競争契約による入札を行いまして業者を選定するということを基本としてございます。
 先生御指摘のように、自衛官として養った強い責任感なり、高い規律心を有する退職自衛官をもってそれに充てることが適当であるというお考えもあるかもしれませんけれども、今、警備に当たっては、基本的には公務員のいわゆる行(二)の職員が当たることを基本としてございまして、民間に委託する業務の内容につきましては、あくまでも警備職員の業務補完を目的としてございます。
 そういう意味で、退職自衛官の雇用を契約条項に盛り込む理由がありませんで、予算の経済的、効率的な執行の観点からも、競争性確保をする必要があるという点があることについて御理解を賜りたいと思います。
○月原茂皓君 今の局長のお話にありますが、私はどういう仕事を、何もかも防衛庁が抱えて、行(二)の職員を抱えるとか、そういうことする必要ないと思うんですよ。
 これはこれから先の話なんですけれども、外に出せるものは出していく、そして、本来の国の職務に精励さすと、防衛本来の、そういう方向に持っていくのが私は大切だと思う。だから、今までは定年、雇った以上はちゃんと定年を全うしてもらうまで働いてもらわぬといかぬわけだけれども、しかし、これからはそういう、アウトソーシングと言うたら最近のはやりの言葉になるんだけれども、出せるものは出して、そしてしっかりした人間を、民間に行った人間、自衛隊のOBなどを採用するというような考え方はないんですか。
○政府参考人(大古和雄君) 警備の委託は、先ほど述べた観点から、競争性の確保という観点から契約する必要があると考えてございます。
 ただ、今先生の退職自衛官という観点で申しますと、先ほど申しました市ケ谷庁舎の警備、基本的に行(二)の警備職員がやってございますけれども、これは厳正な採用の結果でございますが、今おる、ちょっと警備職員の人数は警備の観点から差し控えたいと思うんでございますが、結果的に元自衛官の方が半分近く勤務されているという事情もございます。
○月原茂皓君 これからの話として、やはりそういう面も少し、出せるものは出すという研究を私は進めるべきだと思っております。
 そこでもう一つ、その契約に関してでありますが、昔私は新聞で記事として読んだので、栃木県の検察庁ですか、あそこが警備を民間に委託しておったと、そうしたらその職員が検察庁の書類盗んだと、こういうことが出ておりましたよ。
 また、防衛庁について言えば、これは業務は警備の問題ではないんですが、ソフトの問題で、オウムの信者にそういうものが孫請か更にその下か知らぬけれども、下りておったということがある。ということは、これは起こったから次からはそういうことがないようにしたいということは答弁だれでもするんですけれども、起こったこと自身が、そのときに漏れた秘密とかそういうこと自身が大変な傷を残しておるわけであります。
 だから私は、そういう意味で私は、契約において秘密を保護しますとかそういうしっかりした人を置きなさいとかいうことではなくて、例えば私はここの市ケ谷の例を挙げたんですが、こういうところについては自衛隊のOBの方々を、そういう秘密保持についてもたけておるし、そういうような人間を採用することを条件にした契約があって私はしかるべきだと、こう思う。随意契約だ、一般競争入札だと、オール・オア・ナッシング的な議論をするんではなくて、そういうふうな契約もあっていいんじゃないかと。ただし、もちろん国民の最後は負担になるわけですから、経費、そういうコストというのは最低限にせぬといかぬことはこれは分かっておる。しかし、そういうふうな種類の約款を入れた契約というものはあってしかるべきだと思いますが、検査院の方はどういうふうにお考えですか。
○説明員(増田峯明君) お答えいたします。
 国が締結する契約の契約条件につきましては、会計法令等に反しない限り、業務の履行を確保するために発注者が必要と判断されるものを設定することができるというふうに考えております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、会計検査院は予算執行の結果について検査することを任務としておりまして、ただいま委員御指摘の退職自衛官の雇用を契約条件に入れるということについて、あらかじめ本院としての意見を述べるということにつきましては、これは適当ではないと考えますので、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 ただ、いずれにせよ、私ども会計検査院といたしましては、国の契約方法は、委員御承知のとおり、会計法令に基づいて競争契約が原則とされておりますことから、可能な限り競争性が確保されることが望ましいというふうに考えているところでございます。
○月原茂皓君 その原則論は我々も十分分かって、私も十分分かっておるわけです。しかし、その契約の内容について、例えば各省庁の、もっと広げていけばですよ、秘密を非常に大事にしておる、秘密を守らなければならない役所なんかの警備なんかについては、うたい文句で抽象的な文章じゃなくて、やっぱりしっかりした人間、こういう経歴の人を雇いなさいということも私はこれはあってしかるべきだと思う。それのまたコストをどう考えるかということは競争入札の原理というよって来る、元はどういう考え方に基づいてそういうことになっているんだということを考えながら、安い、国民の負担の少ないように考えることは当たり前だけれども、しかし私が今申し上げたように、やっぱり契約の内容にそういう秘密保持、国家としてこれからますます大切になってくると思うだけに、そういうものの約款を入れることも私はあってしかるべきだと、こう思っております。
 今の会計検査院のお話は、そういうものも原則は一般競争入札だと。それぞれの契約は各担当のところで内容については決めることだ、原則として一般競争入札だということでありますから、その一般的な規定の中にそういうふうな考え方を入れて、そしてそれが一般の競争入札に供するということはあって私はいいんだろうと、私はこのように思っておりますが、今すぐここで結論を私は欲しいというわけではない、そういうふうな観点から今後検討していただきたいことをお願いしたいと思います。
 以上をもって私の質問を終わります。
○尾辻秀久君 最初に通告いたしましたイラクにおける人質事件につきましては、昨日来多くの質疑がなされておりますし、時間の都合もありますので、質問を取りやめます。
 そこで、まず草の根無償資金について尋ねます。
 先日、この決算委員会で岩井先生がこの問題を取り上げられました。会計検査院が五件調査したところ、三件に問題があったということであります。実に六割であります。朝日新聞の社説は、ほかにも同じようなことがあると考えるのが自然だと書きました。私もそう思います。ところが、外務大臣は、問題のありそうな五件を選んで調査したのだと暗に開き直りの答弁をしております。
 それならばお尋ねしなきゃなりません。この五件について、外務省から検査院に問題がありそうだという話があったのか、あるいはほかに問題があるという特別の情報でもあって調査したのか、会計検査院にお尋ねします。
○説明員(石野秀世君) 草の根無償資金協力の検査に当たりましては、限られた検査期間の中で効率的な検査を実施するために、多数の草の根無償資金協力事業の中から現地を訪問して調査する案件につきまして、それの事業内容はどういったものか、あるいは事業主体はどのような団体か、事業完了報告書の提出状況はどうなっているかなどの観点から検討し選定しているところでございまして、今先生お尋ねの平成十四年度決算検査報告の中の草の根無償資金協力の五件につきましては、本院におきまして、今申しましたような様々な観点から検討し選定したものでございまして、外務省から事前に問題があると申し出てきた案件ではございませんし、かつ、特に何か問題があるという事前に確証があって選定したというものでもございません。
○尾辻秀久君 今の答えのとおりでありますが、外務大臣、問題のありそうな五件を選んだという答弁の根拠を示してください。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど会計検査院からお話がございましたように、昨年、五か国の大使館につきまして草の根無償資金協力の調査を会計検査院が行ったわけでございます。
 そして、その際に、平成十年度から十二年度の三か年間ですけれども、それの、その間の各国における草の根無償資金協力の実施状況について報告をするようにというお話がございまして、これは五か国で二百八十六件でございますが、それについて報告をいたしたわけでございます。
 それで、会計検査院がその中から五件選ばれたということでございまして、そのうちの三件、これにつきましては最終報告書が出されていないといったような、外務省としても問題がありそうな案件であったということでございます。
 それで、先ほど会計検査院からお話がございましたように、在外実地検査、これを行う必要があるというふうに会計検査院が判断をした件というのは五件、これは会計検査院が御判断をされたと、そのように御判断をされたと外務省が考えているということをこの前の委員会で御答弁を申し上げたということでございます。
○尾辻秀久君 長々と答えていただかなくても結構であります。
 今初めて、会計検査院が御判断なされたと私どもが思っておりますと。最初からそう答えればまだいいものを、この前何と答えているか、まるで自分たちが判断したみたいな答え方であります。しかも、最初から外務省も問題があると思っていたという話でありますけれども、問題が起きてから何年たっていますか。それじゃ、今まで何で自分たちで問題があると言わなかったんですか。会計検査院にばれた途端に私たちも問題があると思っていましたなんて、変な言い訳はしないでください。こんなところでは引っ掛かりません。引っ掛かるところはこの後幾らでもあります。
 今の答弁を聞いておりましても、検査院の調査能力についてはいろいろ言われてもおりますが、率直に一言で言わせていただくと、やっぱり検査院がなめられているという気がしてなりません。間違っても、海外での調査の通訳には現地大使館にお願いしておるので外務省には頭が上がりませんというようなことはないですね。答えておいてください。
○説明員(石野秀世君) 検査に当たりましては、我々の観点から、どういったところに問題があるか、ないのかということで検査をしてきておるところでございまして、決して外務省との関係で、お話のようなことで検査を緩めるというようなことはございません。
○尾辻秀久君 最初に申し上げたように、実に六割に問題があったわけであります。今後、徹底した調査をすべきであります。
 私たち参議院は、院を挙げてODAの厳しいチェックをすることを決めましたが、改めて今のやり取りでもその必要性を痛感するところであります。私個人も全力で取り組みます。今度の連休も調査に出掛けるつもりであります。どうぞ、会計検査院も、決算委員会の審議が充実したものになるようにしっかりとした検査報告を出してくれるようにこの際お願いをいたしておきます。
 それにしても、外務大臣の開き直りの答弁は大したものでありまして、この前の答弁を読みましょう。一つの案件について十回とかそれぐらい現地のその相手方と話をしながら案件を形成し、お金を供与するということでございまして、これが五年分ぐらいストックになりますと何十件というふうに案件がありまして、それを一人でずっとやっているというような体制でございます。
 極めて訳の分からない日本語なんでありますが、この、これが五年分ぐらいストックになりますと何十件というふうに案件がありますというのはどういうふうに理解すればいいんですか。
○国務大臣(川口順子君) 実施をし、それからその実施をしたものについて、その後の状況についてモニターをしていくということも必要になるわけでございまして、仮に一年間に数件といたしまして、五年分ということになりますと何十件という数字になるということを申し上げたわけです。
○尾辻秀久君 予算というのは単年度で執行しているんですよ。何で五年分たまるんですか、執行が。
○国務大臣(川口順子君) これは、おっしゃっていらっしゃるのは、多分、前に岩井先生の御質問にお答えをして答弁を申し上げたときかと思いますけれども、草の根無償ということが、これはほかの大きな、円借とかあるいはほかの一般プロジェクト無償とか、そういうことと性格が異なって、きちんと地元のニーズにこたえながら、そしてそれを実施をし、もちろん予算の支出はそのとき限りということでございますけれども、日本として、やはり援助がきちんとやって、受け手がそれをきちんと受け止めて、その援助の効果ということが実現するような形でそれが動いているかということをやはり現地としては、大使館としてはそれも見ていきたいというふうに考えているわけでございます。
 報告書等ももらっているということでございますし、そういった仕事、草の根無償の実際の仕事のやり方について御説明をさせていただいたということでございます。
○尾辻秀久君 ここでも引っ掛かりませんが、要するに言いたいのは、仕事量が多過ぎるということをここでは言っておるんだろうと思います。
 そこで、財務省に尋ねます。
 どんな査定をして、仕事ができないと外務省が言うほどの予算を付けたのか、一遍お尋ねをしておきます。
○大臣政務官(山下英利君) お答え申し上げます。
 この草の根・人間の安全保障無償資金協力につきましては、これまで各年度におきまして外務省からの要求を受けて、財務当局と援助に関するニーズ等を踏まえて協議の上、予算額を決定してきているところではございます。
 平成十六年度におきましては、前年度と同額で百五十億円を措置させていただいているところであります。
○尾辻秀久君 それでは、平成十六年度予算額を見てみたいんですが、ODA全体では四・八%減額になっております。ところが、草の根無償だけは据置きになっておるわけであります。さらに、抜き打ち外部検査を本格導入するとして、このための経費は六・三%も増やしております。外部検査をどこにどう頼むのか、答えてください。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘の点でございますが、私ども、モニタリングの強化ということをこの草の根無償について是非徹底したいというふうに考えてきておりまして、ただいまの御指摘の点は、モニタリングのために、在外公館だけでは十分手が回らない場合に、外部に委嘱をして徹底したフォローをするという意味で、外部のモニタリング委嘱のための予算を御指摘の六%台の増にさせていただいておるということでございます。
○尾辻秀久君 この問題お聞きしましたのは、そもそもODAのプロジェクト評価については、その評価を行うのが外務省やJICAが入札で選んだ民間のコンサルティング会社であって、金をもらっておるJICAや外務省の意に反する報告書というのはなかなか書けるはずがない、こういう指摘があるから今のことも聞いてみたんです。
 どうぞ、今後、そういう指摘がないように、きっちりこれは方法やっぱり考えた方が私はいいと思います。自分が金払ったところが、さあ、あんた、評価をしてよと言っても、それは、金もらっているところの評価を、まあ人情としてというか、後々のことを考えてというか、だれも悪くは書かない、これはもうむしろ世の中の当然だと思いますので、このやり方、ODAの評価についての指摘については考え直してもらうように言っておきます。財務省も独自の評価をする仕組みも作ったところでありますし、きちっと評価と査定をするように申し上げておきたいと思います。
 予算は分捕り、決算はなおざりになどと言われないようにお互いに努力をしなきゃならぬ、こういうふうに思うわけであります。
 この問題の最後の質問であります。
 今言われた三件の問題のあったという中で、セネガルの件、これは特にひどいと思います。一言で言うと、八百六十万ただ単に持ち逃げされたわけであります。持っていって、その後どうなったか分かりません。これはひどい話だと思うのでありますが、この不手際に対して、責任はだれがどう取ったのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(古田肇君) 御質問の件でございますが、まず、本件の経緯及び最近の現状についてまず御報告したいと思いますが、御指摘のように、被供与団体による不誠実な対応、それから大使館によるモニタリングが十分に行われなかったという結果、会計検査院の御指摘もいただきましたわけでございまして、私どもとしては誠に遺憾に思っておるところでございます。
 外務省といたしましては、これらの御指摘も踏まえて、もはや被供与団体に案件実施の意思がないということで、現地の裁判所の執行吏を通じまして資金返還請求を行っておるところでございます。
 あわせて、本件につきましては、被供与団体の代表がセネガル国内で厳正な刑事上の処分を受けるべきであるという方針で臨んでおりまして、現在、セネガルの捜査当局が調べに入っておるということでございます。
 またあわせて、民事上の処分についてはこの捜査当局の調査を見守ってほしいという要請がセネガル側から出ておりますので、これを見守っておるところでございまして、この結果を待って民事についての対応も考えたいというふうに考えております。
 このような状況に至りましたことは誠に遺憾でございまして、再発防止という観点からいろいろと努力を重ねていきたいというふうに考えておりまして、特にモニタリングの一層の強化ということで新たにガイドラインを在外公館に送付して周知徹底を行っておるところでございますし、また、担当官の能力向上策、あるいは先ほども御指摘のあった外部職を通ずるモニタリングの強化といったようなことも今検討しておるところでございまして、今回の問題につきましては、早期の発見及びこれに対する早期のアクションという面で多々反省すべきところがあったのではないかというふうに考えておりまして、今後それに対する対応を取りたいというふうに思っておるわけでございます。
○尾辻秀久君 お尋ねもしないことまで長々と答えないでください。
 それじゃ、お尋ねしますが、会計検査院が調査に入るまで三年三か月経ておりました。その間、金は渡しっ放しで何にも起こってなかった。一体、この間何していたんですか。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘の点につきましては、当初、署名をし、入金をした後、中間報告が出てまいりまして、そこで土地の変更の問題が生じたということで、そこから督促あるいは供与資金の返還を求めざるを得ない旨の先方への通報、あるいはこれに進展が見られなければ裁判で対応するといったようなやり取り等々をしておりましたが、御指摘のように、かなりこの間のプロセスで長期の時間を掛けておったということについては、先ほど申し上げましたように、もっとスピーディーなアクションがあり得たんではないかというふうには思っております。
○尾辻秀久君 私は、三年三か月もの間何をしていたんですかと聞いているんです。もう一回答えてください。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 まず、署名した後、この問題を具体的に大使館として土地の変更の問題を承知するようになったのが一年ちょっとたってからでございます。その後、先ほど申し上げましたような督促、通報等々のやり取りをるるしておったということでございます。
○尾辻秀久君 そんなに早く金だけ渡すんですか。どうもあなたの説明は分からない。金渡して一年後に何か何だかんだと言うけれども、金だけそんなに早く渡すんですか、草の根無償というのは。必要になったときに渡すものじゃないですか。一年も二年も必要になる前から金渡すというふうに聞こえますよ、あなたの今の説明は。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 草の根無償資金協力の場合には、署名を終えて、その内容について確認が取れたところで速やかに入金をするというのが通例でございます。
○尾辻秀久君 じゃ、その確認をして入金したんでしょう。そして一年間何にも少なくとも起こらなかった。実際には三年三か月放置してあったんですよ。この担当者の責任というのは一体どうなるんですか。あなた方は国民の税金使っているという意識がありますか。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘のように、入金した後のフォローアップについてもっとスピーディーにかつ厳格にできなかったかという反省はございます。そういう意味で、現在は現地の刑事上の処理、そしてそれを踏まえた民事上の処理について見守っておるというところでございます。
 また、先ほど申し上げましたように、こういったフォローアップについてもっと有効なやり方を導入すべきだという点で、再発防止策を検討しておるということでございます。
○尾辻秀久君 相手の国の人の刑事上の責任なんかを聞いていませんよ。担当者が金渡して、何にもそれが行われずに三年三か月も放置していた、私はもうその担当者の感覚が分からぬから聞いているんですよ。どう思いますか。それがまともな感覚ですか。少なくとも、その担当者の責任をどうするんですか。もう一回答えてください。
○政府参考人(古田肇君) この経緯自身については大変遺憾な点があるということを先ほど来申し上げておるとおりでございまして、そういったことを踏まえて考えたいというふうに思っております。
○尾辻秀久君 考えるというのはどういうことですか。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 具体的にどういうふうにその担当者あるいは在外公館の在り方を問うかということについては、今申し上げましたような経緯を改めてよく検討して考えたいと思っております。
○尾辻秀久君 それでごまかすつもりですか。きっちりこれは責任を取るべきでしょう、その人が。全く仕事をほうり投げていたということですよ。何ですか、これは。毎度のことなんですが、本当に外務省の無責任体質というのはあきれるんです。さっきも言いましたが、国民の税金使っているという意識が全くない。厳しく指摘をしておきたいと思います。
 次に行きます。
 国際協力機構、JICAに質問をいたします。
 本日は、三度目の正直で緒方理事長に出席をしていただきました。
 最初に予算委員会に出席をお願いいたしましたら、海外出張中でありました。二回目に予算委員会の委嘱審査、外交防衛委員会に出席をお願いいたしましたら、体調を崩して出席できないということでありました。しかし、その日の午後には皇居にお出掛けになり、夜は外務大臣と会食をされたということであります。
 深窓のお育ちでありますから余り世間のことはよく御存じないのでしょうけれども、世間ではそういうことをなさると事実のいかんを問わず、事実のいかんを問わずです、午前中の病気は仮病だったと言われるのであります。診断書もお出しになりました。うそも方便とは言いますけれども、しばらくの間安静と休養を要しますという診断書をお出しになって、五日後には海外にお出掛けになりました。そういうことも世間ではうそも上手についてくださいということになるわけであります。
 委員会における副理事長の、理事長は体調を崩しておりますという答弁は虚偽の答弁であったと言わざるを得なくなるわけであります。しかも、この日の委嘱審査は、JICAの予算を審査する委員会でありました。JICAは、これまた先ほど来申し上げているように国民の税金で運営されておるわけでありまして、そのことが分かっておられるのかなというふうに言わざるを得なくなります。
 国連に長くお勤めでありましたから、釈迦に説法みたいなことをあえて申し上げますけれども、日本国憲法では主権は国民にあります。国民の代表である国会が国権の最高機関であります。既に予算委員長よりも厳重注意はあったところでありますが、二度と主権者たる国民と国会を軽視したと言われることのありませんように、そして、こんな場で小学校の社会科の授業をする必要の再び生じないようにしていただきますよう申し上げて、質問をいたします。
 JICAを始め特殊法人が独立行政法人になる際に、国の関与は最小限のものとするということになりました。しかし、だからといって国会の監視がなくていいということではないはずであります。申し上げたように、JICAにしても年間千六百億円を超す国民の税金を使います。
 独立行政法人に対する国会の監視について、総務省の見解を求めておきます。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 独立行政法人は、公共的な事務事業の実施のため、法律に基づきまして政府が設立する法人でございます。当然のこととして、国会の所要の関与の下にあるわけでございます。
 具体的には、その業務の範囲等を定めます設置法案が国会により審議、決定されますほか、国から独立行政法人に対する毎年度の運営費の交付等の所要の財源措置につきまして、国の予算に計上し、国会の審議を受け議決を経る、更に国の決算として御審議をいただくということになっております。また、主務省によります法人の管理あるいはその法人の運営につきましては、憲法第六十二条の規定に基づきます国政調査権によりまして国会の監視を受けるものと考えております。
○尾辻秀久君 もう一点、総務省に尋ねます。
 独立行政法人については、運営の自由度を高めるために、予算はどちらかというと柔軟に組んでおいて、決算でしっかりチェックしようという考え方であったと理解しておりますが、そういうことでいいですか。
○政府参考人(松田隆利君) 先生御指摘のとおりでございまして、予算につきまして一定程度柔軟な措置を講じます一方で、事後の評価は厳格に行うということで、決算の御審議を始めこのシステムに、制度におきましてもいろいろな事後評価の仕組みを取り入れているわけでございます。これによりまして業務の質あるいは効率の向上を図ろうということでございます。
○尾辻秀久君 今のやり取り、お聞きのとおりでありまして、独立行政法人の決算につきましてもこの決算委員会の責任は極めて重いものがある、改めてそう思います。
 そこで、JICAに質問をいたします。
 いろいろ聞きたいことはあるのでありますが、今日は、移住者に対する融資、これJICAの一つの事業でありますから、この問題にほとんど絞ってお尋ねをいたします。
 外務大臣は、先月、衆議院の委員会で中村議員の質問に、ドミニカでの融資、このJICAの融資でありますが、について聞かれて、九百四十二件のうち七百七十四件は返済している、うまくいっているんだと言いたいような答弁をされました。
 そこで、大臣、聞いてください、いいですか、今からの話をよく聞いておいてください。実際に進行中の話でありますが、仮にAさんとしておきましょう。
 このAさんが、一九六五年です、このAさんが一九六五年の十二月に四百五十ドル借りたんです。四百五十ドル借りています。この人が、六年後の一九七一年になったら元利合計で五百ドルに膨れ上がっていた。で、しようがないからJICAはどうしたかというと、改めて二千五百ドル貸したんです。二千五百ドル貸しておいて、たまっている五百ドルは返してくださいねと、残りは実質あなたの借りにしますねと、こう言ったんです。そうしたら、この二千五百ドルが一九七五年になったらまだかなり残っていた。そうしたらJICAはどうしたかというと、一九七五年の八月には今度は新たに四千ドル貸した。四千ドル貸して、二千五百ドル、前の分は返してくださいねとやった。今度はこれが一九八五年になったらどうなったかというと、八千六百二十七ドルに元利合計で借金が膨れ上がった。で、しようがないから今度どうしたかというと、そのときに一万五千百五ドル貸して、そして前の分返してください、残りは新たなあなたの借りですねと、こういうふうにやった。
 今のケースで、さっき大臣がお答えになった九百四十二件のうちの七百七十四件、このうちの今のケースは何件と何件になるわけでありますか。いや、大臣が答えた件だから、大臣に聞いているんです。大臣にちゃんと聞いてくださいと言いました。
○委員長(鴻池祥肇君) 質問者が川口外務大臣の指名でありますので、川口外務大臣、御答弁ください。
○国務大臣(川口順子君) そのおっしゃった例でございますけれども、私はその個別個別の例について、この九百四十二件について全部承知をしているわけではございませんので、こういったケースについて何件と勘定しているかということについては領事移住部長からお答えをさせていただきます。
○尾辻秀久君 役所の書いた答弁書を読むだけだからこんなことになるんです。ちゃんと理解して答弁してください。
 要するに、私から言いますよ。今のケースで言うと、この前の大臣の答え方で言うと、四件の貸付けに対して三件完済されていますという言い方になるんですよ。だけれども、実際には全然違うじゃないですか。最初、四百五十ドル貸したのがいつの間にか一万五千ドル、四十倍か三十倍かに膨れ上がっていて、その借金がずっと続いているだけですよ。しかし、この前の大臣の答えた数え方で言うと、四件のうちの三件は完済されていますという答えたその数字なんですよ。
 私が言いたいのは、こんな実態を表さない数字で答えたって何の意味もないでしょうということを言いたいんです。しかも、こういうやり方というのは、申し上げるまでもないかもしれないけれども、追い貸しと言いまして、禁止されている金融機関も結構あるわけであります。私が言いたいのは、要するに大臣がそのときに答えようとした実態とは全く違っている。
 これもまた質問の形にすれば長々と答えられそうですから、言い訳もされそうですから、もう私の方から言います。平成十三年度末の数字しかないんでこれで答えますけれども、平成十三年度末でJICAが融資事業に出資した、使った金、融資した金と言ってもいいでしょう、使ってきた金、これは国から全部出資させた金でありますが、国が二百八億円出してやってきた。その二百八億円の金で融資してきたうちの、何と十三年度末で既に欠損金として百億円が消えているんですよ。残り百八億しかないんです。二百八億のうちのもう早くも百億が消えてしまっているわけであります。しかも、これも今から言いますけれども、その百八億も大半が消える運命になっている、これが実態なんです。
 ですから、大臣に申し上げておきますけれども、さっきも言いました、事務方から渡された答弁読んだってしようがないんです。本当の実態で答えていただかないと何にもならない。そういうことをまず申し上げておきます。
 そして今、百八億円も消える運命と言いましたけれども、それを証明するための質問を今からしますから、これはきちっと答えてください。
 貸倒引当金、積んでいますね。これが独立行政法人になる前となった後、貸倒引当金の額をそれぞれ答えてください。
○委員長(鴻池祥肇君) どなたが答弁されますか。畠中副理事長。
○参考人(畠中篤君) 貸倒引当金は、独立行政法人になります前は、移行前の貸付残高の千分の六を計上してまいりました。独立行政法人になりましてからは、独立行政法人会計基準第二十九に基づきまして、債務者個々の返済状況や財産状況を勘案いたしまして貸付債権を分類の上算出されまして、約三十億円の貸倒引当金を積んでおります。
○尾辻秀久君 聞いてあきれるというのはこのことですよ。貸付けの中身が変わったわけじゃ全くありませんよ。同じ貸付けが続いているんですよ。一晩明けたら貸倒引当金が二千八百万から、今二千八百万と答えましたね。
○参考人(畠中篤君) 申し訳ありません、額を申し上げませんでしたが、二千八百万円でございます。
○尾辻秀久君 知っているものだから、ついつい自分で数字言ってしまいましたが、二千八百万のはずであります。
 その貸倒引当金が、一晩明けたら二千八百万から百倍になって三十億になるなんて、そんな話はどこにもないですよ。まあ言い訳していましたけれども、千分の六だったからとか、だからしようがなくて二千八百万にしていたんだというふうに言いますけれども、それにしても、さっきの話じゃないけれども、担当者は実態知っていたでしょう。
 私、昨日、通告していましたよね、担当者がどう思っていたか、その話だけは聞きたいと。どう思っていたか、その担当者の話、聞いてもらえましたか。
○参考人(畠中篤君) 担当者の気持ちをお尋ねでございますけれども、その前に私が申し上げましたことをもう少し正確に御説明させていただきたいと思います。
 独立行政法人になります前の千分の六という数字は、これは当時の他の特殊法人と同様に法人税法施行令第九十七条に基づいて千分の六と定められておりましたので、それを自動的に計算をいたしまして二千八百万円としておりました。他方、独立行政法人に移行しました後は、貸倒引当金についての規定が新たに独立行政法人会計基準第二十九というものに基づいて引当金を充てるように定められましたので、それに基づきまして計算をしましたところ、額が変わりました。そういうことでございます。
○尾辻秀久君 だから、気持ちを聞いてくださいって聞いたんじゃありませんか。法律ではそうでしょう。そうしたら、JICAは法律どおり仕事をしていりゃ後は野となれ山となれと思って仕事をしているんですか。その担当者は、今度は三十億の貸倒引当金になったわけだから、これではとても大変だと思っていなきゃうそだと思うから思っていたのか、どんな気持ちだったのか、一遍聞いてみたいと思って質問しているんですよ。今の説明聞いていますと、答弁聞いていると、今私が言ったとおりになりますよ、法律に載っているどおりに淡々と仕事をしていりゃ後は野となれ山となれ、知りませんという、そんな仕事をしているんですと答えているのと一緒じゃありませんか。何か言うことありますか。
○参考人(畠中篤君) 大変申し訳ありませんが、JICAも関連の法規に基づいて仕事をしていくことになっておりまして、仕事を実施していきますときにはまず法令を遵守して仕事をするということでございますので、この点御理解いただきたいと思います。
○尾辻秀久君 法令を守らなくていいとは言いません。法令を変える必要があるだろうというぐらい言い出す人がいてもいいじゃないですか。これは、この法令どおりじゃ大変だから法令変えなきゃ大変ですよって、それは、言い出す人が一人もいなかったということを悲しいと思いませんか。そのぐらいまじめにというか一生懸命仕事をする人がいなかったということをあなたは今また言っているわけで、私は大変そのことを悲しいと思います。
 それじゃ、融資額に占めるこの貸倒引当金、融資額の総額と、それから国別、ちょっと言ってみてください。
○参考人(畠中篤君) 今のお尋ねの件は、貸付総額と貸付残高の件でございましょうか。
○尾辻秀久君 そうです、そうです。
○参考人(畠中篤君) ちょっと今、手元、今資料を出しますが、ドミニカについて申し上げますと、これまでに、一九五八年度から二〇〇三年九月三十日までに二十三億円の貸付けをいたしました。そのうち二〇〇三年九月三十日現在の貸付残高は約十二億円でございます。
 この十二億円と申しますのは、JICAが貸付けをしております移住貸付けは四か国にしておりますが、総額四百六十億円を貸しましたうちの貸付残高、全体のものは四十五億円残っておりますので、全体の中の、四十五億円の中のドミニカ分は十二億円という内訳でございます。
○尾辻秀久君 そんなことを聞いているわけじゃないんです。総額幾ら貸しておいて、そのうちの貸倒引当金を幾ら積んでいるか。その割合だけを聞いているんです。総額だけは私も知っていますよ。答えましょう。JICAが今総額貸している金が四十六億円、そのうちの三十億円が貸倒引当金、これがJICAの融資の実態じゃないですか。四十六億円貸しているけれども、まあ恐らく返ってこないでしょうと言っている金額が三十億円という話なんですよ。この実態は、私は明らかにしたくて今の質問をしていたわけですが、もう細かなお答えは要りません。多分、国別によっては八割か九割貸倒引当金を積んでいる国があると思います。たしかそうだったと思います。細かな数字はいいんです。
 こうなると、こういうのを貸付けって言いますか。八割も九割もの人が返さないだろうというもう前提に立っていて、まあ返してくれても一割の人が返してくれますというのは、これは普通貸付けとか融資とかって言わぬのですよ。くれてやったと言うんですよ。そうでしょう、はっきりそういうことになりますよ。ですから、私はこのことも指摘しておきたいわけであります。
 それで、私は、だけれども今日言いたいのは、そこの部分では本当はないんです、そこの部分では本当はないんですよ。JICAの融資というのは移住者の皆さんを助けてあげようということで始めたんです。そういう大きな政策目的持っているんですよ。だから、その政策目的に向かって善意で実行されて、結果としてうまくいかなかった。それは、移住者の皆さんも大変困っておられるから融資したけれども返済が滞ったというのであれば、それは私はここでこんな質問はしないですよ。しかし、いろんなその陰に問題がある。
 例えば、あるジャーナリストの告発、その人が書いているとおりに読みますよ。
 ドミニカでは移住者への融資は移民政策へ抗議する人への懐柔策ではないかという指摘がある。日本政府の責任を激しく追及してきたグループにも日弁連の審理が始まった年から融資が始まり、九三年に外務省の調査団がドミニカに派遣された際に、これまでは数百万円の融資額だったのに対して一千万円単位で最高二千四百万円の融資が持ち掛けられたと言われている。ドミニカの貨幣価値は日本の十分の一、日本であれば二億四千万円借りたことになる。二百世帯ほどの日系人社会に六億円以上の金がばらまかれ、融資の回収率は低く、九割の移住者は返済していない。
 この告発に対してどう答えますか。
○参考人(畠中篤君) 先生が今御説明になりました状況については具体的に承知はしておりませんが、これまでJICAは移住者の方々のニーズに応じて貸付対象となる業種の多様化とかあるいは貸付限度額の拡大、返済期限の延長、貸付利子の、利率の引下げなどいろいろな改正を行いながら実施してまいりまして、JICAの移住融資は一定の役割を果たしてきたと考えております。
 ただ、移住者の方々の中には種々の事情によりまして必ずしもいまだ生活が安定するに至っていない方がおられるのは承知しております。最近の例でございますけれども、一九八五年にドミニカのペソが変動相場になりましたけれども……
○尾辻秀久君 もう聞いていないことまで答えていただかなくても結構であります。
 今、一言で言うと、JICAはこの話否定したわけでありますけれども、もう私も多くの人からこの種の話は聞いているんですよ。いろんな人が私に訴える。
 そこで、私もできるだけ客観的にこの数字見てみたいと思って皆さんに資料出してもらいましたよね。そうすると、皆さんが出してくれた資料を見る限りにおいて、かなり今の指摘が符合するんですよ。例えば一九九三年、一九九四年、急に融資が、前年が四件だったのが十二件に増え、そして、これ幾らになるのかな、とにかく融資額で三倍になるというような実態があります。あるいは皆さんに融資の額の大きい十位まで持ってきてくれと言ったら、ここで指摘しているとおりに、この人が指摘しているとおりに二十四万ドルの融資が一九九四年に行われている。大きい融資額見ると、九四年、九六年、九三年、九四年、九三年、九六年、九三年、とにかく指摘どおりの、と見られることが行われていることは事実なんですね。だけれども、これ以上私はもう調べようがない。あなた方に資料を出してくれと言うと、プライバシーにかかわることだから出せないというわけであります。
 ですから、委員長にお願いしておきます。
 これ以上は私の個人ではできませんから、委員会として調査する何か方法を見付けていただければというふうに思います。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの尾辻委員の発言につきましては、後の理事会において協議をさせていただきたいと思います。
○尾辻秀久君 そしてもう一つ、今日一番言いたいのはこのことなんです。このJICAの融資の問題点、ドル建て融資というやつですよ。このドル建て融資というのはどういうことかというと、ドルで一ドル貸したからまた一ドル返してくださいねと、こういうんです。ここまででも分かりにくいかもしれないけれども、もっと具体的に言いましょう。
 例えばドミニカの例ですよ。一ドル一ペソのときに借りた人がいるんですよ。今、一ドル五十五ペソなんですよ。一ドル貸した者は一ドルを返せと言うから一ペソもらって借りたのが、今度は五十五ペソ返せと、こう言われているわけですよね。これがJICAのドル建て融資で、ずっとこれでやってきた。
 五十五倍返せますか。百万借りて五千五百万返せとあなた方は言っているんですよ。もうこんなところでいろんなやり取りはしたくないんです。もう悪徳金融業者も顔負けのことをJICAはやっておるんですよ。それで、言っている。ここだけは緒方理事長、答えてください。もう緒方理事長に、細かなことは要りません。今まで生きてこられた、私からしても大先輩として、五十五倍にして元金返せと言われて返せると思いますかという答えで、という質問に対して答えてください。
○参考人(緒方貞子君) いろいろな御質問を伺っておりまして、私なりに今の御質問に答えさせていただきたいと思っております。
 その五十五ペソが返せるかということを少し広く答えさせていただくんですが、私も昨年の十月にJICAの理事長を拝命いたしまして、その後からいろんな形でこのドミニカの移住問題については勉強させていただいております。
 それにつれても感じましたのは、今ドミニカの移住者として苦労しておられる方々はほとんど私と同じ世代の方々でございます。そして、戦争を越えて、戦争の中で生きて、それでいて大変苦しい生活の中から移住されたと、そういう方々でおられる。そういう方々に比べまして、私自身は幸い勉強することもできましたし、そして戦争と平和の問題を十分意識しながら、その後、国際的なことで、難民の救援とか戦争と平和をどうやって解決するかというようなことについて仕事をすることができたわけでございます。改めてこのドミニカの問題というものに直面いたしまして、私としては、こういう方々の御苦労ということについては心から同じ世代の者として何かお役に立ちたいというようなことを考えるわけでございます。
 融資のことにつきましては、融資をしてきたことによって多少お役に立ったんではないかというふうに考えておりますし、そういう事実はあるんだと思うんですが、いろいろお話を伺っていくにつきましても、この融資事業というものも平成十七年に新たにしなきゃならない、そういうことになってきたので、この問題はもう一度振り返って考えてみる時期に来ているのではないかなというふうに私としては感じる次第でございます。
 これから今まで苦労された方々の実態ということも十分把握しました上で何か移住者の方々に誠意を持って対応したいと、そういうことで、政府とも十分相談しながらそういう方向で進ませていただきたいと、こういう一般的なことになるんでございますが、そういうふうに考えております。
 よろしくお願いいたします。
○尾辻秀久君 理事長から前向きの御答弁がありましたからこれ以上は言いません。
 ただ、少し付け加えさせて言わせていただくと、これは理屈を言いますと、先ほど通告したんですが、ドミニカ憲法百十一条と一九四七年十月九日の法律一五二八の第一条、この辺の定めじゃどうなるのかなというのもありますね。ちょっと研究しておいてください。
 というのは、この辺の定めによると、ドミニカ・ペソ以外での契約というのはドミニカの国内法でどうなんだろうという問題もあると思いますから、これの研究もお願いしたいし、それから利子も、一%を限界にしているという行政法もあるんじゃないかという話もありますから、法律上のドミニカの国内法の研究というのももう一度してもらうようにお願いをいたします。
 しかし、理事長に改めてお願いだけはしておきますけれども、理事長がおっしゃったとおりに、それは全部否定しているわけじゃないんです。それはJICAの融資で助かった人たちも一杯いるからそれはそれでいいんですが、ただやっぱり、五十五倍というのは一番極端な例だけれども、一ドル三ペソのときもありますしね、六ペソのときもあるんですよ。五十五ペソとの倍率考えてもらうと十倍にはなったりするわけで、それは借金、元金を十倍にして返せと言われれば返せなくなるのが当然だし、目の前真っ暗になるし、そして自殺者も出ているんです。それは是非、そういう人たちの苦しみというのは考えていただいて今後の何か解決策というのをお願いをしておきたいと思います。
 そこで、今度は、今までもドミニカの問題質問してきましたけれども、ドミニカ移住問題ということで質問をいたします。
 この決算委員会でドミニカ移住問題を扱うのは初めてでありますから、この問題を御存じない先生方もおられると思います。概要だけをさっと申し上げます。
 ドミニカ移民は、昭和三十一年七月から昭和三十四年九月にかけて十二次に、十二次、十二回にわたって送られたものであります。カリブの楽園をキャッチフレーズに移民募集されたのでありますけれども、政府がした約束と現実は余りにも食い違っておりまして、自殺者も出ましたし、日本から田畑売り払って財産持っていた移住者は破産状態になったのであります。政府もついに失敗認めて、集団帰国という悲惨な結末になったというのが大まかな概要であります。
 昭和三十七年二月の衆議院内閣委員会における答弁でも、外務省は戦前の移民が、棄てる民、棄民であったことは認めておりますが、戦後のドミニカ移民もまた棄民であったのであります。
 外務省の外郭団体である日本海外協会連合会、JICAの職員として長いこと移住業務に携わってこられ、その後大学の先生になられた若槻泰雄先生は、外務官僚の無能と腐敗により万を超える日本移民が文字どおり塗炭の苦しみを味わわされるのを直接体験してきた、外務官僚の大部分は自分たちの利益を守るためには国民を犠牲にすることを何ら意に介さないという驚くべき卑劣な人格の持ち主であるとまで、その著書「外務省が消した日本人」の中で述べておられますし、また、外務省OBの天木直人元レバノン大使も、著書「さらば外務省!」の中で、この若槻先生の糾弾を全くそのとおりであると証言をしておられるわけであります。私に言わせてもらうならば、これは日本の外務省が我が同胞をドミニカのうば捨て山に捨てた、うば捨て山物語と言わざるを得ません。
 そして、このドミニカ移住の問題を私はずっと追及してきましたけれども、これは単にドミニカの移民問題ではない、単にドミニカの問題ではない、若槻先生の言われるがごとく外務省の体質の問題である、そういうふうに今や思っておるわけであります。
 そこで、今日は、今までもいろいろ聞いてきましたけれども、ラルイサの土地の問題について質問をしたいと思います。
 この問題も簡単に説明をしておきます。
 冒頭申し上げたように、カリブの楽園とだまして移住者を送り込みました。一度目のうそであります。その後、失敗を隠し切れなくなって集団帰国という事態になりました。このとき、全員帰られると格好が付かないので、残った人にはもっと広いいい土地をあげましょう、融資もしましょうと言いました。これがまたうそでありまして、二度目のうそであります。そして、四十年以上が経過をいたしました。地獄からはい上がって成功した人も出てきました。念のために言っておきますけれども、最初の入植地で頑張って成功した人は一人もいません。土地を替え、仕事を替え、たたき上げて成功をした人たちであります。こういう人たちが過去の二度のうそに対する責任追及をどんどん始めましたので無視できなくなって、四十年以上前の約束を後ればせながら果たしましょうというのがこのラルイサの土地を提供しようという話でありました。しかし、これが三度目のうそだといってこの移住者たちを激怒させるのであります。なぜか。今から残された時間で質問をいたします。
 まず、改めてこの追加配分になった経緯を説明してください。
○政府参考人(鹿取克章君) 今御指摘ありましたように、ドミニカの移民につきましては、移住当初から、約束どおりの土地の配分をドミニカ政府に働き掛けるように、こういう移住者の方々の御要望がありまして、政府もドミニカ政府に働き掛けた経緯がございます。
 また、このラルイサの土地でございますけれども、ラルイサの土地につきましては、平成九年十月、ドミニカの日本人移住者の方々が訪日した際、外務政務次官に対して、募集要項に記載された土地の供与を実現してほしいと、こういう要望が改めて出ました。これを受けまして、同年十一月十八日、現地大使館の大使がドミニカ農地庁のゲレロ長官との会談で移住者の方々の御要望をお伝えしました。その際、同長官は、我々は移住者の方々に対して入植当時の約束を完全に履行すべき立場にあり、その意味でドミニカ政府は移住者に対して負い目があると。したがって、今後は守れなかった約束を、四十数年経たとはいえ、履行に向け鋭意努めていきたいと、こういうお話がドミニカ農地庁長官からございました。
 その後、ドミニカ政府においていろいろとこの対策を検討し、平成十年七月五日にコリャド農地庁長官は、日本人移住者に対して、ドミニカ政府は当時の日本人移住者に対し約束をし、その約束を果たしてこなかったことで借りを負っていた、その借りを返すこと、すなわち約束を果たすことはドミニカ政府側の義務であり、我々はその義務をお返しすることで務めを果たしたいと、こういうことでラルイサの土地、これを移住者の方々に無償で提供すると、こういう話が出た次第でございます。
○尾辻秀久君 今の答弁ですが、そうすると日本大使館が働き掛けた、これは間違いないですね、政府に。もういいです、今そう答えたんだから。そして、ドミニカ政府が、我々には義務があるといってこの事態になったと、こういうことで今の答弁を理解をいたします。そういう答弁でありました。
 そこで、ドミニカ政府より日本大使館に通報があったということで、移住者の皆さんに日本大使館が出したペーパーがありますね。この通報というのはどんな通報があったのか、教えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 今申し上げましたように、平成十年の七月五日、ドミニカの農地庁長官がこのラルイサの土地の提供ということを行いました。その七月五日のその内容を移住者の方々に通報すると、そういう段階でその内容を日本語に直した紙というものを用意いたしました。その紙が七月五日、農地庁長官の発言とともに移住者の方々に配付、示されたと、こういうことであると思います。
○尾辻秀久君 それじゃ、ドミニカ政府が出したペーパーというのは、もらえますね、部長。ドミニカ政府が出したペーパーというのは、もらえますね。
○政府参考人(鹿取克章君) 七月五日に移住者の方々にお渡しした紙のことでございましょうか。
○尾辻秀久君 いや、あなたが今答えたじゃないですか。ドミニカ政府からもらった紙があると言うから、その原本の方をくださいねと言ったんです。あなた方が出したのは私もここへ持っていますよ。
○政府参考人(鹿取克章君) この紙の内容は、ドミニカ政府からの通報に基づきまして日本大使館がまとめたものでございまして、この紙に相当するスペイン語のものはない、存在しないと思っております。
○尾辻秀久君 何で存在しないんですか。それじゃ、何を基にこのペーパーはできたんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) これは、ドミニカ政府の大使館員に対する連絡、これを受けまして作ったものでございます。
○尾辻秀久君 その連絡がどういう形であったんですかと聞いているんですよ。口頭であったんですか。
 あのね、外務省というのはいつもそうなんですよ。口頭で聞きましたと言ってそれでやって、あと責任が訳は分からなくなる。このドミニカ移民も全部そうなんですよ。聞けば、こう言われたんですと。言われた証拠はどこにも残っていないから、後でみんな信じた方がばかでしたと、こうなるんですよ。今回もその気配があるから、その原本をくださいという、今言っているんです。意味が分かりますか。
○政府参考人(鹿取克章君) この紙の中には日本語でいろいろ説明が書いてございますが、一つ表がございます。この表はどの地域に住まれた方々がどの程度の追加配分を受けるかという表でございますが、この表についてはドミニカ政府からいただいたものがございます。
○尾辻秀久君 だから、このペーパー全体をどうやってドミニカ政府から聞いたんですかと聞いているんですよ。あなた方はそんなことばっかり言う。また、委員長、是非時間を下さい。
 余り時間がなくなっているんで、腹立つから、もう今日はそういうのの一つの証明を、一番分かりやすい証明を、それじゃ少し飛ぶんだけれども、私が用意した順番とはうんと飛ぶんだけれども、質問しますよ。
 このラルイサの土地の上に建物が建った、それも草の根無償で建った。私、見に行って、まあ何にも役に立たない、よくこんな建物造ったなと思って、そのこと自体が問題なんだけれども、よくよく調べてみたら、土地の所有者との間の何の契約もなしに建物建てていましたよね。そんなばかな話があるかと。国民の税金を使って建物造るのに、土地の所有者と建てていいというそんな約束も何にもなしに勝手に造ったというそんなばかな話があるかと言ったら、あなた方、慌てて、何か急に誓約書ができたんですよね、土地の所有者と。それで、私のところにも持ってきた。持ってきて、一部が日本語です、一部がスペイン語ですと言って持ってきたんだけれども、これびっくりするのは、日本語版とスペイン語版と署名の日が違うんですよ。
 こんなのがありですか。これ、あなた方が持ってきた日本語版は平成十五年十一月七日署名と、こう日付が入っている。それで、持ってきたスペイン語を私もなけなしの金払って頼んで日本語に訳してもらった。訳した方を読んだら、二〇〇三年十月八日に署名したと書いてあるんですよ。これは、署名した日が違うというのは一体どういうことですか。
○政府参考人(鹿取克章君) この今先生の御指摘の契約書は、両当事者、すなわちこの、失礼いたしました、これは土地を所有している方とそれから日ドミニカ友好協会、このお二方が当事者でございますが、この当事者の間で結ばれた契約でございます。
 したがいまして、この契約の内容が異なるというのはこの両当事者間の話で決められたことであるので、私どもは正確には日本語の契約書の内容と、それからスペイン語の契約書の内容の相違、これがどうしてできたのかは必ずしもよく承知しておりません。
○尾辻秀久君 あなた方は、ラルイサの土地の上に草の根無償で建物を造ったんですよ。それがきっちりと造ったということを証明してくださいと言っているうちに、証明する書類ですと出てきたんですよ。だけれども、これ証明してないじゃないですか。日本語版とスペイン語版と、もう署名した日が違うなんというのをどうやって信用しろというんですか。しかも、これは両方ともあなた方が私のところに持ってきたんですよ。何も、あなた方が自ら持ってきたんじゃないですか、これは。ちゃんと、ちゃんと約束もできましたと言って。自分たちが持ってきたペーパーぐらい責任持ってくださいよ。私は知りませんって、あなたなんかそんな無責任な紙を我々のところに持ってくるんですか。これはもういい加減過ぎますよ、今の答弁は。
○政府参考人(鹿取克章君) どうも失礼いたしました。
 この契約書の当事者は、一方では土地を所有している田畑さんという方でございます。また、もう一方の当事者はドミニカ、日ドミニカ友好協会でございます。この両者の間で結ばれた契約書でございまして、その内容というものは、その田畑さんの所有している土地、この上に日ドミニカ友好協会の建物を建てる、そのことについての田畑さんの了承を得ること、またその土地については日ドミニカ友好協会がこれから使用すると、こういう内容についてこの両者の間で契約が成立しておりまして、この日本語の契約書の内容と、それからスペイン語の契約書の内容は、その二点についてはきちっと書かれているものと承知しております。
○尾辻秀久君 きちっと書かれているといったって、署名した日が違うようなその両方を信用しろと言うんですか。余り言いたくないけれども、あなた、スペイン語版と日本語版ですと言って持ってきて、その署名した日が違うというのを、どうやってそれを信用しろというんですか。今、得々とえらい中身について説明したけれども、中身の以前に、これがどんなものだというのが分からぬじゃないですか。全く信用できないものじゃないですか。
 私があえてこの質問に飛んだのも、外務省の仕事っぷりというのがいつもこれなんですよ。だから、さっき言った。この問題、追及しているうちに、外務省に日本の外交を任せてたら日本はつぶれると、今や本気で私は思っていますよ。こんな仕事っぷりばっかりするじゃないですか。今だってそうでしょう。ここのだれがそうだって思いますか。まあ、思う方は多分おられないだろうと思う。
 もう何回も言いますよ。日本語版とスペイン語版ですと言って、二つ持ってきたんですよ。署名した日すらが違うんですよ。そんなばかな話がありますか。
○政府参考人(鹿取克章君) 私の説明が行き届かなくて申し訳ございませんが、この契約書の当事者は、一方では田畑さんという方で、もう一方では日ドミニカ友好協会でございます。この両者の間で契約書を結んだわけでございます。そしてスペイン語の契約書を結び、また日本語の契約書、日本語の契約書も結んだと。日付が違うことは事実でございますけれども、その日付についてはこの両者の間の合意で決まったものと考えております。
○尾辻秀久君 じゃ、スペイン語の方を信用するんですか、日本語の方を信用するんですか。日が違うじゃないですか。
 それで、あなた方が、これできっちりできましたと言って持ってきた書類だから、私、こだわっているんですよ。これで証明できましたと言ってきたんじゃないですか。何の、きっちりあなた方が仕事をしたという証明にならないじゃないですか、これで。
 こんなの、もう残り三、四分だから止めてもしようがないけれども、こんな答弁でこれ以上質問できないですよ。委員長、何とかしてください。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
 ただいまの尾辻委員の質問、そして鹿取部長の答弁、これにつきましては、ただいま理事間の話合いにおきましても、極めて食い違いが甚だしい、これについていかがするかということの方向付けについて、川口外務大臣からこの件に関して、あと二分ほどありますから、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) これは、ラルイサの土地に、上に造られた建物をめぐって、土地の所有者とそれから指導センターの片方の当事者である方々、日本ドミニカ友の会の間の利用計画でございまして、外務省が直接当事者ということではございませんのですけれども、この土地については、阿部副大臣が行って見ていただいておりますので、阿部副大臣から御答弁をするということでさせていただきます。
○副大臣(阿部正俊君) 大変、今の尾辻先生の話で、もし、同じ内容のものを書いておいて別々の日付というのはちょっと非常識過ぎるんじゃないかなという感じがいたします、確かに。ただ、私から見ると、私もスペイン語全く分からないものですから、内容が果たして同じものなのか、最初の誓約書というものは非常に土地だけの問題についての話なんで、そういうふうな理解で作ったんじゃないだろうかと。それから、こちらの方はそれにプラスしてそれの運営まで加えた中の文書なんではないか、そんなふうな気がしますので、もう少し詳細に調べさせていただいた上で御報告させていただきたいと思います。
○尾辻秀久君 副大臣に申し上げておきますが、外務省が私のところへ持ってきて、これが日本語版です、そして一緒に持ってきて、こっちがスペイン語版ですと言って、同じものですと言って持ってきたのを私は訳してもらっているので、そこの事実関係だけは間違いがありませんから、それを承知の上で今後の対応を考えていただきたいと、こういうふうに思います。
 もう残り時間なくなりましたから、これでやめます。
○松井孝治君 民主党の松井でございます。
 一応、私、今のやり取りを伺っておりまして、尾辻議員のやり取りを伺っておりまして、やっぱり日本の外交とか安全保障、これ、現場の感覚というのが本当に欠如している部分があるんじゃないかなと思いながら今の尾辻議員の質疑を拝聴しておりました。
 今日は、本来、川口外務大臣に御通告をさせていただきましたが、既に同僚議員の方から質問ございました。イラクの人質事件について、日本政府がどれだけのコストを掛けて、労力を掛けて救出に向けて努力をされたのか、その点について答弁を求めたかったんですが、私に与えられた時間が非常に今日限られておりますので、その点は通告を今日は撤回をさせていただきます。
 御質問を石破防衛庁長官にさせていただきたいと思います。
 石破防衛庁長官、この週刊ポストの今週発売のこの記事、当然ごらんになられていると思いますが、ごらんになられていますね。
○国務大臣(石破茂君) 読んでおります。
○松井孝治君 いろいろ書いてあります。これは覆面座談会ですから氏名等が公表されていないので本当に真実なのかどうか分かりませんが、一般的に、こういう記事を読まれた国民の皆さんは、これは真実だと思って理解されていると思いますね。
 その上で、これはずっと石破防衛庁長官に私いろいろ御議論をさせていただいている文民統制、シビリアンコントロールに関連して今日は御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、具体的な内容ですけれども、この週刊ポストに書いてあるこの覆面座談会によりますと、今、石破長官は真偽のほどはちょっと首をひねっておられましたけれども、現場の制服の自衛官の方々が、防衛庁の内局も陸幕も、一時撤退、イラクへの駐在の部隊の撤退を検討を始めているというのは事実なんですというふうに書いてあります。別の方は、「ファルージャの状況がいつイラク全土に広がるか予断を許さない。」、「サドル師率いるシーア派の過激なグループが本格的に自衛隊やオランダ軍に攻撃を仕掛ける可能性が高い。」というふうに述べておられます。国民の多くの方々は、こういうことについて不安を持っておられると思います。
 その状況の中で、これは、もし今駐屯されている部隊、ここが戦闘地域になれば当然のことながら活動を中断する、それはそういう理解でよろしいんですね、石破長官。
○国務大臣(石破茂君) 基本的にそういう御理解で結構です。法律の要件を満たさなくなればそれは法による活動はできない、当然のことです。
○松井孝治君 そうすると、その地域が、サマワが戦闘地域になったかどうか、これは、先ほどの尾辻議員のお話にもありましたけれども、だれが、現場でだれかがそれは戦闘地域だという判断を、現場に行っている方々が一番、私も文芸春秋の番匠さんの論文も読ませていただきましたけれども、非常に私は立派な内容だったと思いますけれども、現場の方々が本当に今これ戦闘地域になったのか、どういう状況なのかというのは判断をするんだと思いますが、そういう理解でよろしいんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは法律に書いてありますとおりでございまして、その一時避難、中断し、避難するなどして前項の措置を待つと、こういうふうに書いてあります。前項の措置というのは、防衛庁長官が実施の区域の変更をするということでございます。
 したがいまして、戦闘地域になったので実施の区域を変更するという権限は防衛庁長官に与えられておりますが、一時避難するなどしてというのは、それは当然現場の指揮官の判断ということになるわけでございます。そこに起こっていることがどういうことであって、それが戦闘地域かどうかということをああでもない、こうでもないというお話をして防衛庁長官が判断をして避難をさせるということを想定しておるものではございません。
○松井孝治君 この週刊ポストにも書いてありますが、ある方は、ある自衛官の方がおっしゃっているのは、内局は特措法の解釈上、どの段階でサマワが非戦闘地域でなくなるかという哲学論をやっているが、現地の情勢がまるで分かっていない。あるいは、現地で、サマワは水に困っていない、蛇口をひねれば、給水活動は非常に重要な活動の一つですが、水が出るというようなこともおっしゃっています。外務省、先ほどの外務省の話、やり取りがありましたが、外務省は宿営地に連絡事務所を置いているけれども、顔ぶれはころころ変わる、後任が決まってもなかなか着任しない、要するに現地での交渉は結局自衛隊部隊でやっていると、そういう証言もこの記事によればあります。
 そういう状況の中で、私は、これは石破長官、申し上げたいのは、やっぱり現地の状況がどうなっているのか。石破長官も行かれていないですね。それはそうでしょう。今行かれたら非常にそれは警備の面でも大変です。リスクもあります。それはいいんですけれども、やっぱり本当に現地の状況が、例えば宿営地の警備も本当に東京ドーム何個分もあるけれども、たかだか本当に交代勤務ということを勘案すると六十人で守っている、これは危ないという話もある。そういう現地の状況をだれが把握しているのか。ここで、国会でずっとシビリアンコントロールと言われています。私はそれは非常に大事なことだと思う。大事なことだと思うけれども、例えば、じゃ、現地に今背広の方々、シビリアンの方々は何人現在駐屯されているんですか。
○国務大臣(石破茂君) 二名であります。
○松井孝治君 どれぐらいのクラスの方ですか。
○国務大臣(石破茂君) 部員クラスであります。
○松井孝治君 部員の方々、私も常日ごろいろいろブリーフしていただいているのは部員の方々ですから、よく実情を存じ上げておられる方々が多いと思います。しかし、部員の方々ははっきり言ってこの国会で答弁されるようなレベルの方々ではございません。私は、この際、政府からきちんとした現場の責任者、文芸春秋に番匠さんも寄稿されているぐらいですから、これいずれ交代期が来ますね、遠からず。その時期は恐らく聞いてもおっしゃらないから聞きませんけれども、恐らく何か月か、着任されてから何か月という単位で交代されると思います。
 そのときには、これ委員長、私、長官と委員長にそれぞれにお願いを申し上げたいんですけれども、是非現地の情勢、派遣されて何か月かそこで勤務されて、現地の情勢を是非この国会で報告をいただきたいわけであります。
 現在、実際にはいわゆる文民で行かれている方はお二人です。外務省の駐在事務所というのも、結局、ここに書いてあるようにころころ替わって、そんなにたくさん行かれているわけではありません。やっぱり現地の責任者が、どういう治安の状況なのか、今は安全なのか、あるいは日本に何が期待されているのか、その行っておられる部隊の中で全力を尽くされるのは指揮官の役目だと思いますが、やはりもうちょっとこういう部隊を多くしてほしいのかどうなのか、そこの点について、これ石破防衛庁長官は武官の方の国会答弁について、昨年の十月のテロ特では、私の質問に対して、政府として武官の方が答弁されることは差し支えないというふうにおっしゃっていますけれども、番匠さんが、番匠さんじゃなくてもいいですよ、しかるべき方、指揮官の方が帰国された折には、この委員会でもあるいは外交防衛委員会でもいいです。参議院には秘密会というのもございます。ここで是非現地の情勢を証言をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。政府として問題ありませんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の問題意識はよく存じております。御要望は御要望として承りました。これは鴻池委員長ともよく御相談をし、また与野党、理事の間でも御議論をいただきたいことだと思っております。
 まさしく委員が今秘密会ということをおっしゃいました。やはり現地の状況等々で申し上げられることと申し上げられないこととございます。そこで、本当にそこで申し上げることがきちんと秘密が保たれるのか等々、これは政府の立場で申し上げることではございませんが、一昨年、外務委員会の筆頭理事をやっておりまして、衆議院でそういう議論もしたことがございます。やはりその辺りをどのように考えるべきかということにつきましてもいろいろと御議論をさせていただきたいと思っております。今日のところは委員の御要望を御要望として承らせていただきましたということであります。
 他方、もう一つ申し上げたいのは、仮にそこに書いてあるようなこと、内局はいわゆる現実と遊離したようなという表現だったかどうか知りませんが、そういう議論をしている。現場はそうじゃないんだ。サマワにはきれいな水がたくさん出る。そういうことがもし事実だとすれば、今やっていることは何なんだということにそれはなります。
 私は、番匠指揮官とも随分長いお付き合いでございますし、派遣されてからも何度も電話でお話をし、テレビ電話でもお話をいたしております。これはやはり、現地の指揮官というものを信じないと、シビリアンコントロールというものは成り立たない。つまり、私が申し上げておることが現場と遊離をしているということがあるならば、それはそれでもうシビリアンコントロールは成り立たないものだと思っています、正直申し上げて。
 そうしますと、今日、例えば佐藤一佐が帰ってきております。この後報告を受けようと思っておりますけれども、私は覆面座談会というものを信じておるわけでは全くございません、正直申し上げて。そうであれば、きちんと意見を述べなければ、それはそれで病的な状況だと思っています。私はそれを信じているわけでもございませんし、委員御指摘のように、国民の皆様方がそれを広く信じていらっしゃるとも思っておりません。しかし、現場の状況というのをきちんと正確に掌握をするということは、政治家として、防衛庁長官でおる者の義務であるというふうに思っております。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの松井委員からの私への要望につきましては、理事の皆さんと諮りながら、ただいま石破防衛庁長官の御発言どおり、十分打合せをしたいと思います。
○松井孝治君 ありがとうございました。
 もう時間が、私に与えられた時間がなくなりましたので、一言だけ委員長にこれは御要望だけ申し上げます。
 これ、私も今回ですね、防衛庁所管のRIPSという平和・安全保障研究所にも情報を確認をいたしました。そして、参議院の外交防衛の調査室にも確認をしました。アメリカ、イギリス、そしてフランス、スウェーデン、そしてドイツ、韓国、こういった国々で自衛官あるいは、まあ自衛官というか武官ですね、軍人の方々が議会で証人として発言をしておられます。
 むしろ私は、シビリアンコントロールということでいえば、それを議会が直接そういう方々の実情を、そういう方々でないと分からない情報があると思います。正にイラクに駐在されているのはそういう方々であるわけですから、是非この委員会として、あるいは参議院全体として、秘密会の活用も含めて、現職の自衛官から必要なときには証言をいただくと、そういう体制を整えていただきたい、その要望をいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) 御要望に関しましては、ただいまの私の答弁のとおりでございますので、長官、よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、川橋幸子君。
○川橋幸子君 続きまして、民主党・新緑風会、川橋幸子でございます。
 本日はODAについて質問させていただきます。
 この決算委員会では、もちろん合規性、法律に合わない、効率的ではない、無駄、不正があったということを審査するとともに、今年度の決算審査から翌年度の予算にどのように反映できるか、要するに政策の有効性を問おうという、そういう方向で本委員会が今年は進んでいるわけでございます。そういう観点から、ODA全般について伺わせていただきます。
 私の質問もかなり数が多うございまして、数字を挙げておりますとそれだけで時間が取られてしまうものですから、今日は外務省の資料を借りまして、基本的な数字はお手元に配らせていただいております。
 まず、一問目。この我が国のODA実績について外務大臣はどのような政策評価をしておられるんだろうかという、こういう疑問でございます。
 資料の説明をざっとさせていただきますと、@はODA実績の推移でございます。このところ、今は平成十四年度の決算でございますが、二〇〇一年に日本が首位の座を米国に譲り渡し、なお、この線を延ばしますと二位の座を譲り渡すのもそう遠くはないのではないかと思わせるような数字で、グラフでございます。
 一枚めくっていただきまして、ODAというものは国力に見合った支援というのが国際社会の決まり事でございますけれども、では日本の場合はどの程度国力に見合っているのかという指標を出していただいております。
 グラフを見ていただきますと、上の方が対GNI、GNインカムだそうでございますので、GDPと同じような概念、右の方は一人当たりODAということでございます。このグラフを見ましても、近年、日本のカーブが、諸外国が右肩上がりであるのに対して、先進主要国の中では日本のみが下降という、こういう対照的な動きが見えているわけでございます。
 もう一枚めくっていただきますと、ODAの援助形態別の実績とシェアをちょうだいしましたものを差し上げてございます。無償、技術協力、有償、国連等への拠出と、こういう形態に分けられるわけでございます。
   〔委員長退席、理事岩井國臣君着席〕
 日本の場合は有償が四分の一を占める、これが非常に他国と比べて著しい特徴を呈しているということを言われるわけでございます。
 現在、ODAの質の改革が叫ばれている中で、この表を見る限りにおきまして、余り実績、シェアが変わっていない。質の改革というのは進んでいるんだろうかというのが私の疑問でございます。
 そして、こういう状態の中にありまして、現在なぜ援助しなければならないんだろうか、これだけ不景気の中でなぜ援助しなければならないのだろうかという、こうした国民の疑問が出ているわけでございますけれども、外務省はこうした国民の疑問に対してどうこたえてきたのでしょうか、大臣に伺います。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員が御指摘になられたODAをめぐる、例えば、その金額が減ってきたこと、あるいは質の改善についてまだ余地があるということ等々、私も同じ問題意識を持っております。
 それで、外務省の改革の一部、大きな一部ですけれども、ODAの改革ということをずっとやってまいりました。その最終的な集大成という形で行いましたのが昨年の八月に行ったODAの大綱の改定ということでございます。そのときの問題意識の大きな一つは国民参加型の援助ということでございまして、今委員が御指摘になられたように、日本国民の理解がない、あるいは理解を得られないでODAをやることはできない、ODAをやるということについて、日本の国民の理解が予算という観点からも重要であるということでございました。
 それで、ODAの大綱の見直しをやるときに、そういう意味で非常に多くの方々の意見をいただきました。これは、政府内はもとより、NGO、それからODAタウンミーティングというのをやっておりますが、一般の国民の方々、産業界の方々、いろいろな方々から、多分、私の計算では六、七十回の場を設けていろんな意見を伺ったというふうに思っています。
 そういう中で、ODAの必要性について、あるいはその新しい大綱の在り方について御説明をし、また御意見をいただいたということでして、ODAをやる目的ということは、これはODAの大綱の中にきちんと位置付けられていますけれども、正に我が国の安定、繁栄、安全と繁栄を守っていくことと、それから国際社会が平和であって繁栄をしていくということと、これは全く表裏一体の関係にあるということでございまして、これをODAの大綱におきましては、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することであるというふうに言っているわけでございます。
 こういった形で、ODAについては、引き続き国民参加型でということで理解を得ながら、説明をしながら実施をしていきたいと思っております。
○川橋幸子君 私は、その国民参加型というのを、意見をもちろん聞くことは必要だと思うんですが、先ほどもお尋ねしました、なぜ援助しなければならないのか、この部分については、むしろ援助というものが持っている使命、哲学というものを逆に国民に啓発する、そうした必要があるのではないかということを申し上げたかったのです。
 国も人も同じでございます。一人では生きていけない。相互依存が強まっている中では一国中心では生きていけない。そうした中で、このごろ死語になってしまったようですが、連帯、労働組合が以前使っていた言葉でございます。組合の中でもこのごろは言われなくなったのかも分かりませんが、私は大変、連帯は大事な言葉だと思っております。同僚もそう言っております。
 そして、その連帯の底にあるのはやっぱりお礼の気持ちなのではないでしょうか。日本が被援助国から卒業したのはついこの間。この間まで世銀からお金を借りまして、新幹線を造り、その返済をやっていたわけですね。ここまで来れた日本、そういう気持ちというものを表明する、こういう言い方をしたら国民は分かるのではないかということを私は個人では思っております。
 さて、ODA大綱の話にもう入られましたので、ODA大綱の改定と人間の安全保障についてお伺いしたいと思います。
 その前に、一つまた資料を御紹介させていただきます。
 この統計数字をもう一枚めくっていただきますと、国連のミレニアム開発目標が書かれております。これはODA白書をそのままコピーしたものでございます。細かく言っていると時間がございませんので、まず、このミレニアム開発目標というのは何を一番目標にしたかといいますと、一番目にありますように、極度の貧困と飢餓の削減と書かれています。二〇一五年までに、一日一ドル未満ですよ、生活する世界人口六十億中二割ですか、その比率を半減させるというターゲットが書かれているわけでございます。
 つまり、九〇年代以降に入ってグローバル化が進展すると同時に、非常に貧困の問題が更に大きくなってくる。前は、冷戦時代にはむしろ壁があって、物もお金も資本もそう流動しなかった。この中で、壁がなくなった後の経済のグローバル化というのはすさまじい勢いで貧困を増大させている。そんな認識の下にこのミレニアム開発目標が作られたそうでございまして、この前身となるDACの方の作業では外務省も非常に数値目標を掲げることについて努力されたというふうに伺っております。
 こうした国連の動きがあり、先ほどの数値、グラフでごらんいただきましたように、最近、近年になって貧困削減のためのODAを増額するという先進諸国が動きがあるわけでございます。こういう動きに対して日本はどう対応したのでしょうかということでございます。
 先ほど、ODA大綱の文章をお読みになられましたけれども、縮めると、メディアで報告されたのは国益重視という言葉でした。これに対しまして、昨年十二月、DACの日本政府に対する審査勧告は、日本がより狭い国益重視をしているのではないかと懸念し、日本はもっとミレニアム開発目標というものを横断的なイシューとして個別的な政策を有機的に連携付けよというようなことを勧告し、さらにそのための国民の啓発に努力することということを言っているわけでございます。
   〔理事岩井國臣君退席、委員長着席〕
 さて、このODA大綱というのは、今申し上げました動きの中でどのような使命を持つことを政策目標とし、どのようなことを今後の目標としているのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) お答えといいましょうか私の感じをちょっと申し上げたいと思うんですが、私も実は外交というのが余り今までの経験というのはない中での発言ですので、少しはみ出すこともお許しいただきたいと思うんでございますが、私の、今、川橋先生がお挙げになりました極度の貧困と飢餓の撲滅という話についてですが、私の部屋にハンガーマップというのが掛けてございます。そうすると、日本とかアメリカとかヨーロッパは緑なんですけれども、アフリカはほとんど真っ赤でございます。アジアの数国もまだ赤いものでございます。ということで、この撲滅というのは率直に言って、そう簡単じゃないなというのを本当に率直に思わされます。ただ、そういったふうな目標を持って未来をにらんでいかなきゃいかぬなというような思いで掛けてございます。
 ODA大綱ということでございますが、なかなか難しい点ではありますけれども、まず、川橋先生がおっしゃるとおり、まず総額でお示しいただいたグラフのように、絶対額としても最近減少ぎみであるということも残念なことだなというふうに思います。それからもう一つは、やはり国民一人一人のあるいはGNP当たりの比率も、まだほかの国よりは劣っておるという現実もやはり率直に考えなきゃいかぬのかなと、こう思っています。
 そういうときに、実は私もこういう仕事になりまして、地元なんかに帰りますと、先生、そういうことも結構だけれども、うちの前の道路どうしてくれると、こういうふうな話にすぐなるわけでございますよ。そういったときに、どういうふうにアプローチしていくのかなと考えますと、容易なことじゃないなという感じいたします。だけれども、私は、やっぱり日本の国といいますのは、やはり国際国家日本といいましょうか、いうふうな存在でしかこれからあり得ないのではなかろうかという中で、何とか意見交換しながら納得してもらっていくしかないのかなと、こんなふうに思います。
 と同時に、あと、先ほど先生、連帯ということを申されていましたけれども、ある意味でのもっと庶民的な分かりやすい言葉で言いますと、ツルの恩返しみたいなものだと、我々もミルクで育ってきた年代でございますので、そうしたものを、我々ようやくその位置に来たんだから、そうでもない、脱脂粉乳を必要とする人たちもいるんだから、今度は我々がやろうじゃないのというふうな呼び掛けなんかはよく分かるのかなと、こんなふうに思っております。
 ただ、そういうときに、やはり今まではどっちかといいますと、ODAといいますと、お金があるから差し上げるんだよというようなことなので、もう少しやはり、国益と言われるかどうか知りませんけれども、戦略性なりなんなりをもうちょっと持たないといけないんじゃないかなと、そんなふうに思っております。
 以上でございます。
○川橋幸子君 大変熱弁を振るっていただきまして、私も期待させていただきました。そういうお言葉で是非啓発活動をやっていただきたいと思いますが、一つ、これは要望です。今すぐやりますということが駄目ならば、お帰りいただいて御検討いただきたいと思いますが。
 ミレニアム開発目標とか人間の安全保障というのはどの程度知られている言葉でしょうか。
 外務省はいつも内閣調査室を使って毎年外交に関する調査やるわけですよね。調査には啓発的な役割ももう十分持たせられるんです。何でこの一言が、開発目標、二〇〇〇年のミレニアムサミットで採択されてODA大綱でも採用されたとおっしゃっているものがどうして入ってこないのか、これから調査するときには加えていただけますか。
○委員長(鴻池祥肇君) どなたの答弁を求めますか。
○川橋幸子君 我こそ答えられるとおっしゃられる。
○委員長(鴻池祥肇君) 我こそだそうですが。
○川橋幸子君 大臣、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) すべてのことを全国民に知ってもらうということは難しいというふうに思っていますけれども、この人間の安全保障という言葉はこちらにいらっしゃる緒方理事長が御自分でいろいろなさって作られた言葉であるわけでございます。それから、もう一つのミレニアム・ディベロプメント・ゴールというのもよく知られている言葉であると思います。
 そういった経済協力について世論調査をするという機会が、これは総理府、内閣広報室ですか、そこでやるということになっておりますので、川橋委員の御意見は御意見としてお伝えをしたいと思います。
○川橋幸子君 ありがとうございます。お伝えでなくて要望してください。お願いいたします。
 それで、これは経済開発、経済協力に関する調査ではなくて、日本の外交の在り方に関する世論調査なんです。ODAは外交じゃありませんか。ということで、じゃ、お約束いただいたということで。
 それでは、大変今日は短い時間で恐縮なのですけれども、やっぱりJICAの緒方理事長御自身の口から、人間の安全保障という新しい概念が何をお訴えになりたかったのか。それから、それに基づいて今回目覚ましいJICA改革を現場主義と人間の安全保障の二つのキーワードでもって打ち出されました。事前の質問はいろいろ私の問題意識をお伝えしましたけれども、むしろ理事長御自身のお口で、何が私ども国会議員に伝えたいか、国会議員を通して国民に伝えたいか、十五分という時間で大変恐縮でございますけれども、まずお話伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(緒方貞子君) ただいま川橋議員より、人間の安全保障の概念と、そしてODAについて国民にどういうふうに訴えたらいいかという御質問をいただきました。
 この人間の安全保障という考え方は、これはいろんな形で存在していたんでございますが、ちょうど平成十三年、二〇〇一年に人間の安全保障独立委員会というものを日本政府と国連の間で設けまして、そしてきちっとした概念を示すようにと、そしてまたさらに、これはただ概念だけを作って報告書を棚の上に載せておくというような種類のものじゃなくて、むしろこれをどうやって実践していったらいいかということを併せて考えるようにということを、そういう使命を受けまして、私、共同議長ということでこの仕事に専念したわけでございます。
 どうしてそういうことが必要になっているというふうに思われたかと申しますと、今、川橋議員がおっしゃいましたように、非常に相互依存の進んでいった世界で一体本当にどういう形で安全というものを保障できるんだろうかと、こういう基本的な疑問から出発しているわけでございます。そして、川橋議員も既におっしゃいましたように、連帯というものをどういうふうに規定していったらいいのか、何が連帯の証拠なのかと。
 私自身がどうしてこの問題に関心を持ったかと申しますと、ここ過去十二、三年、難民の保護の仕事をしておりました過程で、物すごくたくさんの内戦の中で苦しむ、そして逃げる人たちに出会ったわけでございます。その人たちを助ける仕事が私の任務だったわけですが、どうしてそんなに内戦の中で人々が苦しむかというと、やっぱり人間のというものを焦点にした安全保障が足りないから、政府がこの人間の安全保障を脅かしている元凶であることもたくさんあったわけでございます。それならば、もっと人間にもっと直視した方向で考えていかなきゃならない、それが出発点にあったわけでございます。
 そのアプローチとしてどういうこと、結論的に申し上げますと、どういうことが必要だと考えたかというと、国家の力だけ、上からの力、行政の力、これは非常に大事なんです。能力のある、そして法に基づいた政治をする政府は必要なんですが、それと同時に、下からの人々の力を付けていかないと、本当に今のグローバル化した世界の中では簡単に感染症が出てくることもございます、それから、いろんな形で危険が迫ってくる、人間の動きも激しくなる、情報の動きも激しい。その中で、きちっとした国をつくるには上からと下からと両方やっていかなきゃならないと。こういうことが中心になりまして、何とか上からの能力の確保、行政の、力のある行政、責任を持った行政の確保、そして下からの能力を持った人々の能力の向上、こういうことが必要だと。
 ということをもう少し今度は具体的に申しますと、人々には教育、保健衛生、そしてまた相互に連帯し合えるような組織を作っていく、そういうことがやっぱり必要になってくると。こういう結論を出しまして、報告書を昨年まとめまして、今、この報告書は日本語版、英語版、そしてさらにフランス語版、それからスペイン語版、そして一番最近はロシア語版、そして今アラビア語も作っております。というのは、こういう言葉の、言語社会の中で、やはりこういう人間の安全保障という概念に基づいた政策をもっとしていくことによって平和がもたらせるんではないかという期待があるからでございます。
 今御質問のミレニアム開発目標との関係なんですが、これは国連及び国際社会の援助関係のことをいろいろしている方、これは政府関係の方もありますし国際機関の方もありますし、市民の方も、市民団体というのは非常に大事な担い手なんですね、この人間の安全保障。そういう方たちの間で具体的に例えば貧困の削減、教育の普及、医療保健の普及、ジェンダー平等の推進、そういうことを数値目標を立てて、これに、目標に進んでいこうということがございまして、人間の安全保障とはかなり連携した形の目標なんです。
 私、もう少しこれを日本国内にどうやって取り入れていくかと。政府の発表されている外交方針、ODA大綱にも人間の安全保障というものが目標として出ているんですが、それをどういう形で実現させるかということになりますと、まだまだ政策化には多くの問題があるわけでございます。
 たまたま私、JICAの理事長という命を受けましたものですから、JICAの仕事の中でこれをどういう形で実現していくかというのが私に与えられた任務だと思っておりまして、そこで幾つかのこと、特に簡単に申して三つの点を今このJICAの目標として取り入れて、そしてこれを実施しようと思っております。
 第一は、もっと開発援助国の現場に近いところに私どもの視点をまず持っていかなきゃならないと。というのは、非常にグローバル化が進んでいる時代になっていますと、この各国の、あるいは各国、各社会のいろんな発展度合い、また需要というものが変わっているわけです。その多様化している需要にこたえるためには、やはりその現場に近いところにいないと本当にこれは理解できないんじゃないかと。そこで、もっと現場に私どもの仕事の主力を持っていきたい、それが第一点でございます。
 第二点は、人間の安全保障の視点を導入すると。つまり、人々に対して何ができるかということから、援助の、このいろんな技術援助にいたしましても無償にしても、いろいろのその焦点を人々にどういう影響があるかということから見ていきたい。簡単な例を申し上げますと、橋を一本架けるにも、その橋を架けることによってどれだけの人々が生活の向上にこれがつながることができるのかというような視点を必ず入れる。そういう形でもっと人々に向いた、現場に即した、人間の安全保障というのは人々を中心にしたものですから、そういうものを入れようとしております。
 そして、何と申しましても、このODAのいろいろ、なるべく効率的、効果的ということがうたわれておりますから、それに従って、この仕事全部が人々に向いている、そして人々の安全に向かっているということを踏まえた上で、どうして効率的、効果的にいくかということを考えながら、今専ら事業の、JICAの事業の、組織としましても事業のやり方につきましても、再構築というかそういう改革を図っているわけでございます。
 そういう点で、もし……
○川橋幸子君 取りあえず。はい、ありがとうございました。
 短い時間でおまとめいただくって、お話しになりにくかったと思います。私どもも、私も外国は駄目ですけれども、人間安全保障のこんな本がありますので読ませていただいて、また会議録もよく読ませていただいて、なお勉強させていただきたいと思います。
 この決算委員会では今年初めて参考人の意見聴取というのをやりまして、今年の決算内容は次年度予算に反映させる、その場合、今一番今日的な話題はODAではないかということで参考人の方からお話を伺ったところでございます。
 その際、参考人の、お二人来ていただいたんですが、お二人ともが強調されたような気がいたしますのは、ODA政策について総合司令塔がない、ばらばらだと。むしろODA基本法のような法律なり、内閣府なりに司令塔の役割を持つ、強い権限を持つ、そういう機構を作ることが必要だということをおっしゃった方もいらっしゃいます。
 私は実は、箱を作る、法律を作るよりも、まず哲学を作ることが最初ではないかと思いまして、私は個人的には、緒方先生の言われた人間の安全保障とか、それから現場主義とか、それが一つODAの精神的なバックボーンになって、そして、日本のODA政策はまだまだこれから工夫しなければいけないところがある、それを構築しながら完成させていく発展途上の過程なんじゃないかと思った次第でございます。
 さて、ところで、外務大臣はもう緒方先生のお話は度々お聞きになっていらっしゃるんでしょうけれども、外から見ていますと何か緒方イニシアチブに外務省が寄り掛かっていらっしゃるような、ODA政策の哲学なり、精神なり、実践なり、政策目標というものは外務省から伝わらずに緒方先生から私は聞いたような気がいたします。どうなんですか。少なくとも緒方イニシアチブと私が受け取ったわけですが、外務省はバックアップされますか。
 それから、今後とも、日本の外交全体についての人間の安全保障という、そういう政策はやっぱり政府の共通の政策として共有される必要があると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 今、川橋委員がおっしゃられたことは、正に日本のODAの顔として緒方理事長が見えているということをおっしゃっていただいたんだと思いますけれども、正にそういうことになれば非常にいいというのが私どもの考えでございます。
 緒方理事長は、恐らく世界の中で日本を代表する日本人という観点で見ると、多分ナンバーワンに上がるのが緒方理事長であるというふうに私は思っております。国際社会で様々な業績を重ねられた緒方理事長が、そういった形でODAの実施、これをいい形で引っ張っていただいている、そしてその背景にある考え方についても世界に発信をいただいている、国内にも発信をいただいているというのは大変にすばらしいことでございまして、私どもとして当然に一〇〇%これをバックアップをしていくということは前提でございます。
○川橋幸子君 ありがとうございました。
 それでは、これは緒方先生個人の話ではなくて、日本の外交、ODA政策全体の話で位置付けてバックアップなさると大臣は言ってくださいましたので、ありがとうございます、是非期待させていただきます。
 さて、その次はちょっとNGOとの連携の話に入らせていただきます。
 大臣、国際協力の世界の中でオダンゴという言葉が大変分かりやすい言葉で言われていますが、御存じですか。
○国務大臣(川口順子君) そのオダンゴについては存じません。
○川橋幸子君 それでは、今日、私からお伝えさせていただきます。ODAプラスNGOでODANGOでございます。
 どうしてかというと、ODAの効果的な実施というのはNGOなくしてあり得ないと、これが常識でございますし、特に現場に行けば行くほど、外務省も手足がない、JICAだってそう手足はおありにならないでしょう。相手国政府だってそう手足があるわけではない。その地域地域のコミュニティーの中で形成されているNGOのキャパシティーを活用していく、これでODAが必要なところに届くという、そういうシステムできている。このシステム、意外に私は外務省にいらっしゃる方々御存じないのではないかと思います。もちろん経済協力局の方は知っていらっしゃるかも分かりませんが、草の根の中ではこれもう常識でございます。是非ODANGOという言葉覚えていただきまして、ODAとの改革を、連携を深めていただきたいと思います。
 さて、お出ししました最後のページに、主要援助国のNGO支援状況比較表、これ外務省からいただいたものでございます。ぱっとごらんいただきまして、ODAの中のNGO支援の比率がどの程度のパーセンテージか、目で追っていただければ分かると思います。大変貧弱でございます。
 大臣、いかがですか、こういう状況なんですよ。ODA政策をやって実施して、今度魂を入れて草の根に浸透させていく、そこのNGOのところが非常に弱体だという、これが現状の数字でございますけれども、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、そのNGOの活動というのが、ODAの世界に限らず、私は環境大臣をしていましたときもNGOの方と非常にお付き合いをさせていただきましたけれども、我が国が市民社会として動いていく、その要素を非常に強くしていくという中で、NGOの活動というのは欠かせない非常に重要なものであると思っております。
 それで、ODAの世界で何でNGOの方の果たしている役割が小さいのかという御質問は、そもそも我が国において、社会においてなぜNGOの役割が小さいのかということと全く同じ質問であるというふうに私は思っております。
 いろいろな理由があると思いますけれども、例えば、NGOがまだ十分に育っている状況にない。そして、なぜ育っていないかというと、専門的にそれを職業とするという状況にまだなっていない部分が大きい。それから、財政的な基盤が、これにもいろいろな理由がありますが、弱い。様々な理由が重なって、今、日本のNGOというのは発展途上にあるというふうに思っております。今後、ますます強くなっていくということが私は日本の社会の発展のために重要だと考えております。
○川橋幸子君 それでは、財務省政務官にお伺いいたします。
 私も内閣委員会に所属しておりまして、このNPO税制のことはよく竹中大臣に伺っているのですが、重要性は分かると、しかし財政事情が、というようなお答えが非常に多いのでございます。
 この現状ごらんになって、いかがでございますか。日本は平和国家、もう軍事よりもむしろODAを戦略的に使っていくんだと、それで平和の顔を見せるんだと言っている、その日本の中で欠かせないNGOというのがこういう状態なのでございます。
 まとめて言っちゃいますと、竹中大臣は、経済活動にはインファントルールというのがあってベンチャー支援を国がてこ入れしてやっていると、だけれども、その市民活動の分野には、どうもね、まあ勉強してというような、そんなお答えなんですね。どうでしょうか。
○大臣政務官(山下英利君) ただいまの川橋先生の御質問ですけれども、おっしゃるとおり、NGO、NPOが国際協力等において大変重要な位置を占めてくる、この民間非営利活動というのがこれからの大きな期待を担っているというところだと私は思っております。
 これNPO法人に対する税制度を含めた優遇というふうな観点の、いう御質問だと思うんですけれども、これにつきましては、NPO法人制度の自体がまだ施行されましてからまだ年数が余りたっていないということで、財政基盤余り強くないNPO法人多いわけで、平成十五年度の税制改正におきましては、そういった現状も配慮いたしまして、この優遇措置の対象となる認定NPO法人制度について、条件緩和を始めとする認定要件の緩和等の大幅な見直しを正にやったところでございます。
 現在まで認定法人数は二十三法人と。これは数、数として多い少ない、そういった問題はあろうかと思いますけれども、これは年々認定法人数の数も増えてきておりますし、それから申請の法人数の数も増えてきているということで、今後ともこの制度の一層の活用、定着にはこれは一生懸命努めていきたいと、そう思っているところであります。
○川橋幸子君 まあ増えていくだろう、それは増えていくだろうとは思いますけれども、おっしゃった二十三法人の、認定NPO法人の割合何%だと思われますか。〇・一%ですよ。もう一年たてば、認定要件の中に過去二年間の活動実績を見て審査するというような要件が入っているからとおっしゃいます。それじゃ、もう一年たって二年目の段階で増えなかったら、この要件見直してくれますね。
○大臣政務官(山下英利君) 今の御質問ですけれども、本当にやはり一万六千件を超すような、大変数の多いNPO法人でき上がったわけであります。
○川橋幸子君 見直すかどうかだけでいいです。
○大臣政務官(山下英利君) いや、その件につきましては、まだまだNPO法人として努力もしていただかなければならない部分というのはあろうかというのは、これは私も思っているところです。ですから、その両面を併せたところで、やはり二年たって実績が付いたところで、じゃこれからどうするという議論になろうかと思っております。
○川橋幸子君 要するに、立ち上げに対して、どれだけ国のポリシーとしてそれを育て上げようとするかしないかの話なんですよ。現状を見て、もちろんNPOというのは本当に手弁当です。自宅を事務所に使ったり無給で働いたり、そうした中から力を付けていくものが出ていくまでには本当に大変な期間を要するわけですよね。助成するよりも、まず財政基盤をNPOは付けなきゃいけないとすれば、これは寄附税制しかない。所得税の一%をNPO、自分が指定するNPOに寄附するというような、そういうルールを持つ国もあるということでございます。是非その辺の研究も進めていただきまして、先ほど外務大臣がおっしゃったように、これは海外だけの話ではない。日本の社会が活性化していくためには、むしろこの分野を伸ばしていくということが必要だという点で御検討をいただきたいと思います。
 私の持ち時間もだんだん少なくなってまいりましたが、どうしても聞きたいことはこれです。文部省、お見えだと思います。
 ODA大綱の中には開発教育という言葉がございます。それは何か文科省がやる事業だという関係者の認識のようでございました。先日の参考人の意見聴取で質問しましたら、文科省の開発教育でしっかりやりますというお答えでしたけれども、子供たちが育っていくまでにはもうまだ十年、二十年あるわけですよ。日本が国際社会で生きていくためにはそんなに待てない。むしろ私は、開発教育というのは大人たちこそ知らなければならない。自分が困ったときに人に助けられるようなこの気持ちというのは今、日本人が非常に失ってきているところでございます。
 さて、自治体とNPOを協働させて生涯学習の場で開発教育をやっていく可能性というのは非常に大きいと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(馳浩君) 川橋委員おっしゃるとおり、重要な問題であると思っております。
 文部科学省におきましても、平成十五年には、地域NPOとの連携による地域学習活動活性化支援事業、これ国庫補助事業でございますけれども、幾つかございますが、二例ほどちょっと紹介いたしますと、こういったことをやっております。長野県飯島町では国際交流講座として、実施場所は文化会館ほかで、対象は一般といたしまして、国際理解の実践を図る地域のNPOと連携して国際交流、理解を深める教育事業などをしております。また、長崎県大村市でも、市民文化創造講座としてNGOと連携して行っております。こういった事業を行うことは極めて重要であるということはよく理解しております。
○川橋幸子君 全国、自治体幾つあると思いますか。それで数え上げていたら、とても何時間あっても足りないんです。要するに、ODA大綱の中に大人に対するそうした開発教育をちゃんと位置付けたらいかがですかというのが私の要望です。それで、是非その具体化を急いでいただきたいと。いい例があるなら、その例を各自治体にモデル事業として発展させていかれますように、そうした情報提供も自治体に行くように出すようにしていただきたいと。うなずいていらっしゃいますから、いいですね、一言だけ。
○大臣政務官(馳浩君) よく分かりました。
○川橋幸子君 大変結構なお答えをいただきまして、それでは是非文科省にも期待させていただきます。
 あと十分でございます。時間が短くて大変恐縮ですが、残りの十分はJBICの事業に話を移させていただきます。
 日本のODAの特徴は、先ほど申し上げましたように、有償が非常に大きな割合を占めているのが特徴でございます。金額にすれば無償よりも有償の方が大きいわけですね。ODA大綱に基づいて有償の在り方というのはこれからどう変わるのでしょうか。
 一番よく話題になりますのは、中国はもうテークオフした国なんだから援助は縮小しろというようなことで、円借が縮小されてきているわけでございますが、中国の場合は国内の格差が非常に大きな国でございます。むしろ質の転換を図ることが必要ではないでしょうか。
 この二点、まず外務大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 中国の円借についてのお尋ねでございますけれども、これは中国について幾つかの考え方に基づいて今円借の実施をしているわけでございまして、対中国経済協力計画というのを作っております。
 それで、その内容ですけれども、これはまず沿岸の経済インフラの支援から内陸部について、しかも環境ですとか人材の育成といった分野に内容を絞っている。そして、日本と中国との間で正に互恵的なそういったプロジェクトを選んでいるということで、両国にとって意義のあるプロジェクトを選んでいるということでございます。
 中国はまだまだその内陸と沿岸部の格差が強い国でありますし、まだまだ一日一ドル以下で暮らしている人が二億人いるという国でもございます。そういった国が我が国の近くにあるということで、この国が安定的に発展をしていくということのために我が国として支援すべきことについてはやっていくということが必要かと存じております。
○川橋幸子君 基本的には有償の在り方というのをもっと考えていただきたいというのが私の質問の趣旨です。その後に中国の問題を付けましたのでお答えは中国の方に傾きましたけれども、共通して円借の事業というのをこれからどうしていくのかというのを、ODA大綱の中からなかなか読み取れないものですから、なお理解できるように具体的な計画なり政策なりをしっかり国民にお示しいただきたいということを要望させていただきまして、残り時間を、JBICの総裁にもお見えいただいておりますので、二点伺わせていただきます。
 JICAの場合は、今日、緒方理事長にお見えいただいていますように、ODA大綱の改革に沿っているというよりも、イニシアチブで発意されてやっていらっしゃるのかもしれませんが、同じようにJBICもODAの実施機関でいらっしゃいます。現場から何か提言するような、そういう改革というものをJBICも志すべきではないでしょうか。これが一点です。
 もう一点は、先ごろ、三菱総研不正請求事件というのが発覚いたしました。これは有償援助のチェックのための調査を依頼したところに、そこにその調査が食い物にされたという笑えないジョークなのですよね。こうした問題についてのJBICの監督責任なり今後の、この非常に金額の多い円借事業に対して透明性、公開性というのをどのように確保していかれるのか、併せてお伺いさせていただきます。
○参考人(篠沢恭助君) まず、円借款の実施におきましての現場の状況の我々の仕事への反映というお尋ねでございますが、正にその円借款自身、その相手国の要請を前提としながらそれを日本側のポリシーとどう合わせてやっていくかということで進んでいるわけでございますが、その中におきまして、現地での私どもの駐在員たちの活動、あるいは現地へ私どもの銀行から出向、出張しての現地調査の結果、あるいはいろいろな委託調査の結果、そういったものの反映ということについては極めて重要な問題であるというふうに考えて、そのようなことへの資源配分も極力大事にしているところでございます。
 一つの事例といたしまして、これまでの活動の事後調査をいたしまして、その事後調査の将来事業への反映というようなことにつきましても大変重視しておりまして、現在ではすべての円借款事業を対象としてこの事後評価を行う。また、事後評価においては、第三者の御意見も必ず聞いた形で事後評価というものをまとめて、つまり自分たちの中だけでの自己満足というような形で仕事が進んでいくことのないようにいろいろ努力をしているところでございます。
 事後評価の結果を日々の業務に生かし、また三年ごとに国際協力銀行法に基づきまして制定いたします海外経済協力業務実施方針といったようなものの中への反映といったようなことに尽力しておりますし、今後も努力してまいりたいというふうに思っております。
 それから、もう一件お尋ねがございました、不祥事でございますが、三菱総合研究所に一つ調査を委託をしたわけでございます。これは、当行が円借款をかつて供与をいたしましたインドネシアの中学校整備事業、これの現在の実行状況をきちっと把握していく必要があったので委託調査を行ったわけでございますが、その際、三菱総研が当行に対して不適切な証票の提出をいたしまして不正な請求が行われたと、こういう事件でございます。
 三菱総研による現地調査が終了いたしました後に、完全な体裁で、機器の販売店、カメラとか、いわゆるデジタルカメラとか使い捨てカメラとか、そういったような種類のものでございますが、そういうものの販売店から完全な体裁で振り出されました領収書等の証票書類に基づいて請求がございました。私どもは所定の手続に従って契約金額を支払ったのでございますが、その後、昨年の六月、同社から、実は領収書の改ざんなど一部不正又は不適切な請求があったと、したがって当該分を返金したいと、こういう申出があったわけでございます。
 直ちに、私どもとしましては、その申出を前提としながら徹底的な調査をやり直しまして、その結果、昨年九月、同社に対しまして過払い金八百万円の返還を求め、また同社をそのような調査委託事業の対象から、入札対象から、受注資格六か月間停止という措置を取ったところでございます。かつ、私どもとしては、一応被害届を所轄の警察署に提出をしたわけでございますが、内部管理体制の一層の厳格化ということにつきましても自戒すべきものがあるというふうに考えております。
 契約書の中にも、今後はこういう第三者の監査を行うことがあり得るということとか、あるいは不正を行った、不正請求があった場合には処罰規定を明記するといったようなことで、不正事件が再発しないように努めてまいる所存でございます。
 以上、御説明申し上げました。
 ありがとうございました。
○川橋幸子君 今日は有償の方のお話する時間がございませんでしたけれども、是非総裁の監督指導、イニシアチブを発揮していただきたいと思います。
 もう私の場合も時間が参っておりますけれども、たくさん質問を用意した割には空振りに終わったところがありましたことはおわび申し上げたいと思います。
 最後に、取りまとめとして、理事長としての緒方先生というよりも、長い間海外におられて、しかも難民のお仕事をされて、そういう現場を知っていらっしゃる先生の目で見て、日本のODAというのは無駄なODAが多いのだろうか。それともいいODAが多いのだろうか。私どもは、もちろん無駄なODAはしっかりとモニタリングをするのが決算委員会の役割だと思っておりますけれども、日本の外交、日本の国がこれから世界の中で生きていくためにはやっぱりODA、いい方に伸ばすことも必要だと思っております。
 大変雑駁な聞き方で恐縮なんですが、このところ、外務省不祥事もありまして、無駄なODA、悪いODAの話ばかりで、私はやっぱり内心、いや、こんなことではないはずだと思いたいと思っております。最後に、客観的な、もう本当に今のお仕事を離れられて、客観的な国際社会の現場を知っていらっしゃる方のお言葉、コメントを伺って質問を終わりたいと思います。
○参考人(緒方貞子君) 日本のODAの大半が無駄であるとか不祥事が多いということはございません。そういうものが取り上げられるということは事実でございますが、もう少しODA全体の、世界の多くの支援を必要としている開発途上国の人たち及び国々にとってどれだけこれがいいものであって有り難いものだと思われているということにもっと焦点を当てていく必要があると思います。
 私としては、ODAというものが、日本がコロンボ・プランに入りまして五十年を今年迎えるわけでございまして、その間やはり持ちつ持たれつという形で進んではまいりましたが、日本は大変な経済の大国になったわけです。最近は経済の事情が良くないことは承知しておりますが、それでも日本の国民の生活基準というものは世界的に見て大変高いものなんです。
 そういうものだからこそ、ODAというものを使いながら、もっとしっかり、ODAの何を目標にしているか、何が今までの成果だったかというようなことも先生方も是非現場にお出ましいただいて見ていただきたい。そして、この欠点があるときはおっしゃっていただきたいし、直していく方に協力していただきたいというふうに思っております。
 大きな役割を果たしてきていると思いますし、果たし得るものがODA、まあ開発援助でございますね。開発のそのためにも、随分進んだ国々、アジアの国々の中には多いわけでございます。ですから、悪いことがあったらそれを直していかなきゃいけないんです、直視して。それですけれども、いいことにこれがどれだけ使われてきたかということをよく認めていただいて、もっと良くなるように御協力いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○川橋幸子君 ありがとうございました。終わります。
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。
 今日の委員会の冒頭、委員長から、過般の国土交通省の審査の際、私の質疑、答弁をめぐりまして理事会で扱っていただきまして、委員長から報告がございました。このことについて国交省より陳謝があったということで了承された旨、私もそういった意味では了承とする、了承をしたいというふうに思います。
 しかし、率直に言って、今ここに国交省いないんで、委員会としての私の先回の質問した立場としての感想を一つ述べさせていただきまして具体的にあと質問入らさせていただきますが、いわゆる、率直に言って、審査件名を提起をしてあり、そしてある意味では事前にこういった内容についてということについても触れているわけでありまして、更に会計検査院から厳しい指摘が度々あったことを、私はそれらを基にしてやり取りをしていたわけでありまして、それらは質問を通告をしてもしなくても私はぱっと答えるのが国交省の担当の局長の立場ではなかったのかなというふうに思いまして、不思議ではならないわけでありまして、見方を変えれば、決算委員会、あるいは参議院のこの決算委員会って一体どういうふうに思っているんだろうかというふうに思わざるを得ないということで、甚だ問題であるということについて私自身の所感を申し上げさしていただきまして、理事会で御協議いただいたことについては感謝をしながら、質問入らさしていただきたいと思います。
 今日は主として外務大臣にお尋ねしますが、防衛庁関係でございます。
 長官、通告していないんですけれども、イラクにおきまして、度々特別委員会でもいろいろやり取りさしていただいていますが、先ほどドミニカのお話も出ましたけれども、これ、いわゆるイラクへの派遣国のドミニカ共和国の、中米が、三百人来週中にも撤退をすると。そうでしょう。そして、ブルガリアに関しても、新たな国連決議を求めて、条件付で、引き続きそれらについてはという、そういうブルガリアの意向もあり、既にホンジュラス、ニカラグア、これらについては撤退をするということでそれぞれの政府から表明をされていますけれども、残る、中米ではエルサルバドルだけだというふうに思います。
 これらの状況について当然承知をされているというふうに思いますが、我が国としての、今、イラクに対しまして最高責任者として自衛隊派遣をされているわけでございますけれども、この状況と防衛庁長官としての所感、考え方についてお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(石破茂君) この件につきましては先生にもいろいろと御示唆をいただいておりますが、基本的には、私どもとして、法律の要件を満たしておる限り撤退する理由はないということだと思っております。
 すなわち、私どもが出しております自衛隊の部隊というのは、これも私がお答えすることではないかもしれませんが、いかにして国連決議に日本としてきちんとこたえるか、そしてあの地域に石油のほとんどを依存している日本として、あの地域の安定は不可欠であるということ、あるいは今のサマワでもそうですけれども、現地の人たちからのニーズが非常に高いということ、そして日米同盟の更なる信頼性の向上に資するものである等々の理由があると考えております。それぞれの国はそれぞれの理由によって撤退ということを決めておろうかと思いますが、私どもとして、それらの状況が変化をしたという認識は持っておりません。
 当然、これも何度かお答えをしておることでありますが、法律の要件を満たさなくなる、つまり国会において御審議いただき成立をさしていただきました法律に基づいて出しておりますわけで、法律の要件を満たさなくなる、あるいはニーズがなくなるということになれば、それは撤退をするということになりますが、現状においてそういうような環境になったとは認識をしておらないところでございます。
○齋藤勁君 また別な機会にやりたい、やり取りさしていただきたいと思いますが、言ってみれば、今朝、イラクの南部のバスラでも大変なまたおびただしい人命が失われたこと、事件がございまして、中米諸国はそれぞれの、今大臣の、長官の答弁ですから、それぞれ、それぞれが、国が判断をしたんでしょうということだと思いますが、イラク全体に対して大変な今危険な状況になっているということを私ども、私自身は受け止めさしていただきながら答弁を求めさしていただいたつもりで、また別な機会にさしていただきます。
 大変時間も限られておりますけれども、前回、私、国交省を質問さしていただく際には、決算委員会が初めてだったものですから、会計検査院のいろいろ指摘事項について目を通さしていただきながら、そのことがどう国交省のそれなりの、また予算なり、そしてまた決算なり反映されたんだろうかという、そんな視点でやり取りさしていただきました。
 今回も、平成十四年度決算、平成九年度決算、会計検査院の検査報告をそれぞれ手持ちにさしていただきながら、特にアメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達について、このことを中心にお尋ねさしていただきたいというふうに思います。
 本来ならば、そもそもFMSという略称を言う、アメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達についての歴史とか何なんだろうかということをやり取りして、共通認識に立ってやり取りをした方がいいんじゃないかと思うんですが、そういった時間もないので端的に、しかし、冒頭、この十四年度決算で、何が会計検査院として指摘をされたんだろうかということについては冒頭入らさせていただきたいと思います。
 防衛庁が行っているアメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達については、平成九年度決算検査報告に、調達品等の未納入等による前払金の未精算額が多額に上っている事態や多額の剰余金が生じている事態を掲記している。その後、防衛庁では、精算促進のため合衆国政府が導入した新精算方式に加入したものの、未精算額十億円以上のケースを中心に未精算額がなお多額に上っていたり、補用部品等の調達において前払金額と発注金額が乖離し剰余金が生じている。これらの事態は基本的には合衆国政府の事情によるものであるが、防衛庁においては、未精算額の減少、価格等の透明性の確保、補給部品等のキャンセルの低減等の方策を講じ、可能な限り事態の改善を図るよう努めることが望まれると、これが事項の総括的なやつです。
 九年度も、これ全部読み上げるとまた時間なくなりますから、九年度も実はそういった点が触れられて、そして十四年度にこういった総括的な表現がされています。
 なぜなんだろうと。役所の方ともお話ししまして、こんな度々度々会計検査院が指摘するのはこれはもうけしからぬことだと、防衛庁としてはけしからぬことだと思っているなら答弁してくださいと言ったんですが、それはそうでもないようでありまして、まず冒頭、一番最初にお尋ねさせていただきます。
 個別にはまたお尋ねいたしますが、平成十四年度決算検査報告でこういう、九年度もこういう検査報告を出したと、そしてまたいろいろその点について指摘したことが検査したところいろいろ様々な点を指摘せざるを得ないというふうになっておりますが、総括的に、また指摘されたということについて大臣としてどういうふうに思いますか。
○国務大臣(石破茂君) このFMS、フォーリン・ミリタリー・セールスは、制度はもう委員御案内のとおりでございます。
 けしからぬということでもないといいますのは、これ未精算金というものが生じますことは制度上ある程度予定をされておることでございますので、これは合衆国側の制度に由来するところも大きゅうございます。というのは、アメリカは、私どもの調達は前金払いを原則としておりますが、契約価格及び履行期限は見積りでございますし、合衆国はこれに拘束をされませんのでどうしてもそういうことが生ずるということは制度上やむを得ないことでございます。ですから、けしからぬと一概には申し上げませんが、もう少し何とかならぬかというのは本当に私ども率直な気持ちでございます。
 これは、精算方式というものを新しいものに移行する等々でもう少し改善をしていきませんと、やっぱり九年、十四年両方で特記事項になっておるということは、これは何とか私ども防衛庁として改善に努力をしなければいけないという認識は強く持っておりまして、この特記事項の指摘というものも踏まえまして事態の改善に向けて努力をしなければいかぬと思っているところであります。
○齋藤勁君 そういうことでお答えされるのかなと思っておりましたが、開き直るわけにはいかないと思いますし。
 ただ、制度上は確かにアメリカと日本のいろいろ会計の制度上が違いがあるなと思いつつも、ただ、これ九年もそうですけれども、いろいろ私も国会の衆参の議事録を見ましたら、九年のときには過去の五十五年のときの話をしたりしていますよね、これは。ですから五年、十年の話じゃないんですよ。
 また、このFMSというのはもう長い、最初は無償援助から始まっている制度でありますから、少なくとも基本的にシステムそのものを何か考えなきゃいけないんではないかという気持ちがありながら私もいろいろ今回、決算委員会に臨まさせていただいております。
 それにしても、今回の指摘でいいますと、検査院としても指摘をせざるを得ないということだと思うんですが、この未精算額が多額になっているケース、これをある意味で見させていただきますと、中央調達、十四年度末現在未精算となっているケースのうち、出荷予定時期を過ぎたもの六百八十ケース、千四百八十四億余円について見ると、未精算額が十億円以上の未精算ケースは二十五ケース、八百九十二億余円あって、ケース数は全体の三%。しかし、未精算額で約六〇%を占めると。これ九年度と大型未精算ケースを比較しますと、ケース数とも未精算額とも増加をしていますよということですよね。九年度末の大型未精算ケースの五〇%に当たる十一ケース、三百二十二億余円が十四年度末においてもなお未精算になっているということになると、一体全体これはどういうことなんだということになります。
 それから、新精算方式、今も長官から話ございましたが、この新精算方式も、契約が精算されるまでは最終計算書を発給していなかったと。そして、調達品等が納入されて、長期にわたり多額の未精算額が生じる状況だったということだけれども、これを改善するために見積りにより最終計算書を発給することによって調達品等の給付の完了後二年以内にケースを精算することを目標とするというのがこれが新精算方式ですよね。
 ずっとそういうふうにいろいろ御苦労されているのかも分からないんですけれども、表を見ますと、給付完了後二年以上経過しても精算が完了していないもの百七十五ケース、四百億円余。それから、給付完了後十年以上、最長十六年経過しても精算が完了していないものがあると。それから、出荷予定時期を過ぎたものに係る未精算額が多額に上っているのは、まだ、大型未精算ケースということですが、調達品が納入されたのに附帯経費が確定していないために最終計算書が発給していないというのもあると。
 ということで、新精算方式を導入されたことについての、このことについてはある意味では工夫の改善の私は跡が見受けられますが、このことは実効があったんだろうかどうかということについていかがですかね、長官。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 今御指摘のありました新精算方式につきましては、平成九年から加入しておるわけでございます。委員御存じのとおりでございますが、FMSは世界各国、二百の国・地域あるいは国際機関というものが使っておりまして、共通の問題点も抱えておるわけでございます。そういった幾つかの国々からの共通の問題点を解決する方策の一つとして、新精算方式というものを米国が導入しまして、我が国としてもこれに加入をしているということでございます。
 米国の場合に、精算をするのは各国からのいろんな発注をまとめて企業に発注をしていくと、こういうことになりますので、最後まで、その納入が完了するまで一体幾ら掛かったのか、幾ら精算すべきなのかということがなかなか確定しないという状況がございました。それに対しまして、米国の中である程度見積りによって確定をし、対外的にはケースをクローズすると、こういう方式を取り入れ、それによって今対応しているということでございます。
○齋藤勁君 先ほど申しましたように、努力はされているものの、こうして五年たってのスパンの検証を見ますと、これは四年ですよね、たしか。たしかそうですね、新精算方式というのは。四年に導入したということですよね。これはどうですか。本当に、今御答弁いただきましたけれども、これはアメリカとの関係、もちろん以下全部アメリカとの関係なんですけれども、引き続きこの新精算方式というのは、ここに今、会計検査院からの指摘は十四年度あるけれども、次のまたスパンのときには大幅に改善される、そういう新精算方式であるというふうに断言できますか。
○政府参考人(大井篤君) 五年後というお話でございますけれども、私どもといたしましては、この新精算方式によってかなりの程度改善が見られるのではなかろうかというふうに思っております。それのみならず、日本につきましてはいろいろ御指摘等ございますので、個別に米国の方と調整をいたしまして、特に日本について早く精算をするようにということを機会あるごとに申出をしておるところでございます。
 ちなみに、私の手元にあります米国からもらっているデータでございますが、輸入完了から二年以上経過した件数の推移でございますが、日本につきましては、十三年九月と十五年三月との比較では五二%減少しております。しかし、世界全体でありますと二八%減ということでありますので、日本の場合は他国に比べてより配慮をして、納入完了から二年以上経過した件数というものを減らしているというふうにうかがわれると思っております。
○齋藤勁君 私がこのことを取り上げているのは、お分かりだと思うんですが、これ、我が国の防衛に対する一つの装備品等の調達ですよね。だから、中央調達、地方調達、それから直接商社からとかライセンスとかいろいろあるわけで、比率でいいますと、このFMSというのは総体の調達の中では低いというのは承知していますが、しかしそれにしても金額が大きいということがまずあり、そして、どうしてもこの方式としてアメリカに今ゆだねなきゃならないという中でも、ずっと、五年、十年、二十年たったって、度々、五年ごとに指摘されてこういうことだったら、元々根本的に何か考えなきゃいけないんではないかということや、装備調達に向けて、何かこれだったら支障があるんじゃないかとか。
   〔委員長退席、理事岩井國臣君着席〕
 後ほどお伺いいたしますけれども、前払金が、非常にある意味では気前よく前払金払って、後から精算する。その精算もずっと遅くなっていくわけで、これ、日米間でこんなことあっていいんだろうかというのが素朴なまず、途中ですけれども、そういう疑問を持ちながら実はこれを見させてもらって質問をさせてもらっているんですね。
 価格等の透明性の確保についてですけれども、経産省による給付の確認の結果、前払金が過大となっていたということですけれども、数量変更等じゃなくて。
 そこで、引合受諾書というのはこういう流れがありますね。そもそも流れでいいますと、一番最初、防衛庁は、このFMS調達の手続でいいますと、合衆国に調達条件の照会、そして合衆国から防衛庁に照会に対する回答があり、そしてその次に防衛庁は外務省に引合書の請求をし、そして外務省が合衆国に引合書を提出、そして合衆国から外務省に来て、外務省から今度は防衛庁に引合書の受領、そしてさらに、従来通産省、今経済産業省ですが、輸入協議、輸入協議、同意、引合受諾書の送付、外務省また合衆国政府、そして合衆国政府と日本銀行が入って代金の支払がする、こういう流れだというふうに思いますが、大変なこのシステムだなというふうに思いますが、ここの中での実はある意味で問題点出てくるんで、この引合書の請求、引合書の受領となっていくんですが、この引合受諾書の記載内容、ヒキアイでいいんですね、読み方、いいんですね、受諾書において、調達品等の単価等が明確に示されているか検査したところ、装備品等について単価が明確に示されていなかったり、合衆国政府が装備品等の開発に要した費用等を購入国に負担させるために課す開発分担金の額が明確に示されていなかったり、また、役務の内容が明確に示されていなかったりしているものが見受けられたと、こういう指摘ですね、会計検査院の。
 この中に、確かに、合衆国が装備品等の開発に要した費用等を購入国に負担させるための開発分担金、ここは何か難しいのかなという感じはしますけれどもね。そもそも、単価が明確に示されていなかった、あるいは役務の内容が明確になっていない。役務でいいますと、役務の給付内容、人数や日数等定量的な把握ができていないのもあると。こういうことで果たして事務というのはいいんだろうかという、これ素朴な疑問。
 そして、その間に外務省が入っているんですが、外務省というのはこういう書類でも、まあ長年こういうようにやってきているんだから、こういうもんだということでやっているのか。こういう指摘に対し、外務省と、そして防衛庁に対して、外務省、ここまでは外務大臣御存じないかも分かりませんけれども、事務方いらっしゃったら。起きてちょうだいね。あ、寝て、聞いています、ああ、大したもんだね。こっち、下にこうやってやっているから、もう寝ていられるのか心配したんだけれども、その二点、その点について両省庁から。お尋ねいたします。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 引合受諾書の中身を、例えば積算根拠等を明示してもう少し詳しくという話がございます。
 この話につきまして、実は私どもも、平成十四年十二月に防衛参事官と国防安全保障協力次長とが共同議長となりまして、ハイレベル会合というのをやりました。そのときに、国内的にもそういう御要請があるので、是非協力をしてくれないかということを申し入れたことがございます。彼らとしても、可能な限りは協力をするということでございました。
 ただ、このFMSというのは、そもそも米国の会計機関とか監査機関、そういうものを信頼することによって成り立っている制度でございますので、そこの単価がおかしいのではないかと、そういうことについて私どもとして言えるような筋合いのものではない。
 ちなみに、米国が調達している価格と同一の価格が適用されてこちらの方に納入するということになりますので、そういった限界を私ども認識した上で、なおかつ国内的にいろいろの御要請があるので、なるべく、日本についてはということではございますけれども、資料等ありましたら御提示願いたいということでお願いをし、幾つかのものが私どもとしても入手し得るような状況になっているということでございます。
○政府参考人(海老原紳君) このFMS調達でございますけれども、これは日米相互防衛援助協定に基づいて行われているわけでございますけれども、この協定は我が国の防衛力の整備のための有償、無償の軍事援助の条件を定めているということで、これはそもそも日米安保条約三条の自助努力あるいは相互援助努力の精神に沿ったものということで、日米安保体制の中では非常に重要な位置を占めているというふうに考えております。
 齋藤委員が御指摘になられたような、いろいろと会計上の問題が会計検査院から指摘を受けているということは外務省といたしましても承知をいたしておりますので、今後とも、可能な限り事態の改善のために防衛庁などの関係省庁と協力してまいりたいというふうに考えております。
○齋藤勁君 今、中央調達についてお尋ねしてまいりまして、地方調達において、前払金額と発注額の乖離という、こういった指摘事項がございます。
 十四年度末において、出荷予定時期を過ぎて未精算となっているいわゆる地方調達のケースのうち、一千万、引合受諾書の価格が一千万以下のものなどを除く六十九ケースについて発注がなされた金額を検査をしたところ、前払金額を一億円以上下回っている、一億円以上も。それから、前払金額の半分以下になっている、前払金額と発注額に乖離を生じているものがあるという、これはそういった検査結果でございました。さらに、総発注額の約六割がキャンセルとか、引合受諾書の価格に対する発注率が三割になっているということで、これはもう仕方がないことなのか。いかがですか、これは。
○政府参考人(大井篤君) 一つには、中央調達と地方調達におきまして契約の形態が異なっているということも一つ起因しているのかなというような気がしております。
 いずれにしても、前払金額と発注額との差が生じます主な原因の一つにつきましては、合衆国の軍が調達品等の値上がりを考慮してあらかじめ契約額の一部を留保しているということがございます。したがいまして、前払金額と発注額の差額がそのまま余剰金になるというようなものではないというふうに思っております。
 また、もう一つの主な原因といたしましては、FMS調達の発注時期を国内契約に準拠して当該年度に限っているために、米軍の事情等により、翌年度の四月一日以降に発注がキャンセルした場合に新たな発注ができないというようなものもございます。
 防衛庁といたしまして、前払金額と発注額の乖離を極力少なくするために、当該年度の発注可能期間というのはできるだけ長く確保できるように早期のケース開設に努めるとともに、発注可能期間内に発生したキャンセルに対しましては、発生の都度、所要の検討を加え、追加の発注を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、そういった資金の有効活用という観点から、更なる改善を図るべく関係省庁と調整してまいりたいというふうに考えております。
○齋藤勁君 それから、この地方調達でちょっと、いわゆる航空自衛隊、そしてまた海上自衛隊、陸自ありますけれども、これは困るなと思いますのは、もう指摘されていますからいろいろ改善されているのかも分かりませんが、航空自衛隊の調達に係る十九ケースのうち、CLSSA方式による十ケースの二百九十三件について、いろいろ、合衆国において保有する在庫から適時かつ安定的に供給を受ける制度だということですが、合衆国軍において調達不能であるなど、在庫を保有していないことが明らかな理由にキャンセルされたものと、これは。在庫を保有していないと。このCLSSAの在庫品目のリストの取得状況を見ると、陸上自衛隊では在庫品目のリストを毎年取得して品目の見直しを行うことにしているんですけれども、海上自衛隊と航空自衛隊では当該リストを取得していないと。各自衛隊で対応がまちまちになっているということなんですね。
 だから、陸上自衛隊では品目のリストを毎年取得して品目の見直しを行っている、海上自衛隊と航空自衛隊ではリストを持っていないので地方調達やっているということだったら、これ、キャンセルだとか何かというのはもうこれ出るの当たり前みたいな話になっていくわけなんですけれども、これはあれでしょう、大変なこれ影響を与えるんじゃないんですか。この点については、その後これ指摘があって改善されているんですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 今御指摘の点につきましては、多分、恐らく各軍省とのそれぞれの自衛隊が密接な連絡を取ってやり合っているところだと思います。基本的には、各軍省と各自衛隊との間のいろんな連絡調整の中で対応を図らなければならないというふうに考えております。
 我々といたしましても、こういう御指摘の点が改善されるような方策というようなものについて、個々のケースごとに当たりまして検討いたしまして、引き続き米国の方に改善等を求めていくというふうに考えております。
○齋藤勁君 いや、今言ったのは米国、そうすると、あれですか、陸上自衛隊の在庫品目のリストというのは米国から協力してもらってあるけれども、海上自衛隊と航空自衛隊は米国の協力がないからリストがないと、こういうことなんですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 それぞれの軍省によっていろんな調達の仕方とか納入の仕方、そういったものが異なっておりますので、そういったものが来てないということによって今まで大きな支障があったということではなくて、むしろ各軍省と、例えば海上自衛隊あるいは航空自衛隊、そういった間のいろんな事務的な連携、それぞれの、航空自衛隊、海上自衛隊の担当もアメリカの方に出ておりますので、そういったところとの連絡調整、そういうものによって補完をしていたというふうに考えております。
 ただ、部品が、発注をしたけれどもそれが在庫がなかったとかいうようなものがよく起きますのは、例えば古い航空機であるとか、そういったものにつきまして、米軍でもほぼリタイア寸前のような航空機、そういうようなものについての部品というものが一部枯渇したりとか、そういったことが生ずることは間々あるというふうに聞いております。
○齋藤勁君 いや、聞いていることを答えてくださいよ。分からないから、倉庫も見たことないし。実際にその現場でいろいろ陸海空やられているんでしょう、お仕事をされていて。
 会計検査院は、この後の、後段になってきますと、キャンセル又は未入荷による補用部品等の在庫に関する影響を指摘しているんですよ。主要装備品等の運用に支障を生じませんか、おそれがありませんかとか、在庫がない状況だと装備品等の可動に直ちに影響を及ぼさないんだろうかということで、その中の指摘としてリストを言っているので、もう改善しましたとか何か言ってくれるんじゃないかなと思っていたんですけれども。
 陸上自衛隊は取得していますよ、海上自衛隊と航空自衛隊は当該リストを取得していないので大丈夫ですか、だからキャンセルとか何かあるんじゃないですか、在庫の心配、在庫に支障を生じませんかということを言っているので、アメリカの問題なのか日本側の問題なのかと、私、質問しているんですよ。
○政府参考人(大井篤君) 先ほど来申し上げておりますことは、FMSにつきましては、日米間で日米のFMS会議であるとかFMS担当者会議というのは頻繁に開いておりまして、内局とか各幕とかいろいろ契約本部と相互に情報交換する場を設けております。
 地方調達につきましては、各軍省の、例えばアメリカの陸軍省であるとか海軍省であるとか、そういった各軍省の補給処のシステムが異なっておりますので、その異なるものに応じまして各自衛隊が個別に対応を取っているという案件もございます。ただ、米国に対して統一した対応を取ることが必要な案件につきましては適切に行っておるというところでございます。
 御指摘も踏まえて、統一的な対応を取ることが適切なものであれば統一的な対応を取らせていくと、こういうふうな形で進めているというところでございます。
○齋藤勁君 時間たっぷりあればじっくりやりたいんですけれども、また別途教えてもらうようになるかも分かりませんが、これ、会計検査院の指摘を、私、例示していただきながら、いかに私たちの、国防でしょう、それから国民の税金でしょう、効率的に使ってくださいよという観点なんですから。ここの決算委員会って、そのための会計検査なんですから、これに対してどういう態度を取ったのかというのはきちんと答えていただかないと困るんですよ。
 もう時間なくなっちゃったんで、あと一つ。
 昨年の夏に、この前払金運用、武器購入前払金運用、アメリカと合意をしたということで、直接調達するアメリカの連邦準備制度理事会に有利子の新型口座を開設し、前払金の運用益を日本側に還付することを基本合意をしたということで、この前払金の運用、今まで、このFRBに、無利子口座に滞留していたけれども、会計検査院が国庫金の有効活用が図られていないということで指摘をして、運用益還付で年間数十億円程度の増収になる可能性もある、両政府は来年度中の開設を目指し調整を進めると、こういうことが報道されておりますが、その後、もう約一年たっていると思いますが、日本は年数十億円増収も図られるんではないかということについての口座開設をしたのか、現状についてお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 今御指摘の、利子付口座といいますかインタレスト・ベアリング・アカウントという制度でございますが、私どもといたしましても、これを活用して、滞留している資金について金利を払うということで米国の方にもいろいろ調整をしております。
 端的に申し上げまして、幾つかの日本の法制上の問題をクリアしなければならない点もございますし、また私どもも、FRBといいますか連銀にも当たりまして、連銀の方でも幾つかの法制的な面をクリアしなければならないということで、現在、そのクリアしなければならない諸課題について共通の認識に達し、これをどのように解決をしていくのかという最終的な詰めが行われていると、こういう状況でございます。
○齋藤勁君 いつ、あれですか、めどというのは、詰めをしているということなんですけれども。これ、私が見たの、これ七月です、七月の報道。
 口座を、だって、あれでしょう、無利子口座にやっているのを、これを会計検査院が国庫金の有効活用が図られていないということで、口座をどういうふうにするかということで、これはまあいい話ですよ、要するに運用ですから。無利子口座ではなくてこれ運用しようということですから。いつ解決というか、めどを付けるんですか。
○政府参考人(大井篤君) 現在、米国の中のFRBの中においても上の方まで上げていろいろ御検討いただいているところでございますので、ちょっと相手がどのような対応をしてくるのか、その相手方のいろんな諸制度が我が方の要求をクリアするようなものになるのかどうか、ちょっと見極めができませんけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましても早急に対応したいと思っております。
 ちなみに、来月、高級といいますか、事務レベルでの会合もございますので、そういった会合におきましてもこの問題を提起をさせて、解決に向けて協力をお願いしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 短い時間ですから、大変ある意味ではやり取りが不足していた部分があると思いますが、再びまたこういった指摘が会計検査院から、またまたまたまたなんて指摘されないようにしていただきたいと思いますし、あくまでも我が国の安全保障上、そして日米関係あるというふうに思いますが、装備について本当に支障があるのかないのか、本当に甚だ心もとない部分にこれなってまいりますので、きちんとした対応をお願いしたいということで終わりたいというふうに思います。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず最初に、イラクの人質事件でございますが、外務大臣、本当に御苦労なさって五人解放されたということでございまして、私は、昼夜を分かたず、この事件の解決のために外務省を始めとする政府関係者が御苦労されたことに対して、心から最大の敬意をまず表したいと思います。
 ただ、残念ながら、テロリストは世界じゅうにまだ多くいるわけでございまして、そして日本の今回ターゲットになったのは民間人でありますけれども、民間人も世界じゅうに今はおるわけでございます。そういう観点からすれば、今後も今回のような事件がイラクに限らず起こるということはあり得るわけでありまして、もちろん政府としては人質事件等の再発防止に全力を注ぐことは大前提でありますけれども、同時に、このような事件に対応する政府の能力、こういったものをしっかりと向上させていかなければいけないというふうに私は考えております。
 そこで、気になりますのは、私、以前、外交防衛委員会の質疑でも申し上げたことがあるわけですけれども、外務省内、あるいは日本政府全体でもいいんですが、この中に、いわゆる今回のような海外での人質事件に専門的に対処する人材の育成を日常的には行っては日本はこなかったんではないかと。あるいは、そういう人材をプールしてチームにする。日常的に人質事件があるわけではありませんので、日ごろは違う業務をしていても、こういった事態の場合にはチームとして編成され得ると、そういう体制を取っておくことが必要なんではないかというふうに私は考えております。
 これは新聞でも報道されておりますけれども、警察庁には国際テロに対応する部隊というか機構が既にあって、今回の事件でもアンマンに何名かが飛んだという報道があることは私も存じておりますけれども、私、以前、議員になる前でありますけれども、紛争予防、紛争解決の研究を大学でしておりましたけれども、大臣御存じかもしれませんが、国連機関とか欧米諸国の政府の中には、特に外務省関係の職員を紛争解決の手法とかあるいは交渉の技術といったものを意図的に研修するプログラムを持っております。国連職員なんかの場合も、コンフリクト・レゾリューション・トレーニング・プログラムというような英語の名称でこういったプログラムを提供して、なるべく危険な地域でいろんな活動をする人たちに対して、いろんなノウハウとか心得とか過去の事例に基づいた教訓であるとか、そういったことを教えているわけですね。
 これ、外務省の中では組織的、計画的にはこういうことをやってこなかったと思うんです。私は、今回の事件を受けてこういうことをやるべきではないかと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今回の人質事件につきましては、イラクの関係者や各国の支援、そして政府内で一体とした努力ということが実を結びましてこういった形になったということは私どももほっとしておりますけれども、遠山先生の御指摘のように、今後テロが増大をしていく、そして拡散をしていくということは十分に考えておかなければいけないということを踏まえたときに、政府として、今回の事件に対してきちんと反省すべきところを反省をし、改善すべきところを改善していくという立場で今後どのような対応をしていくかということはきちんと考えていかなければいけないというふうに思っております。
 それで、外務省がこの点について今まで平成元年ぐらいからそれなりに準備をしてきたということではありますけれども、もし必要でしたら領事移住部長の方からその内容については申し上げるようにしたいと思いますが、引き続きこういった点についてどのような改善ができるかということは考えてまいりたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 領事移住部長にちょっとじゃ聞きますけれども、こういう人質交渉とかの専門的な技術を教える研修というのは外務省やっているんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 今、大臣からお話がありましたように、私ども平成元年の五月から邦人特別対策室というものを設置しております。これはテロや誘拐に関して日本人の生命、身体及び財産の保護に関する事務を所掌する専門の部署として作りました。
 今どういうことをやっているかといいますと、今、日常的にやっておりますのは、関係省庁や各国の治安当局、それからテロ、誘拐対策の専門家等と連携しつつ、主として関連情報の収集、分析でございます。また、それを国民に向けて情報発信する、そういうこともやっております。
 また、危機管理のコンサルタント会社における研修、これは一週間程度の研修を年一回やっておりますが、そこでいろいろと机上訓練あるいはその他の研修、そういうものをやっております。また、年十回、年間十公館程度をめどに、やはり専門家を呼んでいろいろな実習、いわゆる机の上の一つのシミュレーションあるいは研修、こういうことをやっております。
 まだまだこれからやらなくてはいけないことがたくさんあると思いますけれども、我々としては、先生御指摘のとおり、やはりテロであるとか誘拐の専門家を外務省で育成することが重要と考えておりますので、引き続き鋭意頑張って努力していきたいと考えております。
○遠山清彦君 分かりました。既に省内にそういうセクションがあるということは私の理解不足でありましたので、そこはしっかりと拡充していただきたいと思いますが、大臣、他方で、やはりテロは今どこの国で起こるか分かりませんので、それはやっぱり外務省の職員全般にわたって基本的な緊急事態の対処方法等についてはもうちょっとやっぱり研修、一般的な研修のレベルでも対応方をよろしくお願いしたい、要望したいと思います。
 時間がありませんので次の問題ですが、小型武器の軍縮問題について伺いたいと思います。
 自動小銃とか携帯型のミサイル等は一般的には小型武器と呼ばれているわけでございますけれども、その犠牲者は一日平均で千四百人、年間で約五十万人が小型武器で犠牲になっていると言われておりますので、アナン事務総長の言葉だったと思いますが、事実上の大量破壊兵器というふうに言われておるわけでございます。それに加えて、小型武器というのは使用が非常にある意味簡単でございますので、児童兵、チャイルドソルジャーが生まれる背景にはこの小型武器の流通があるというふうに言われておるわけです。
 二〇〇一年の七月に最初の国連小型武器会議というものが開催をされました。昨年七月にはその中間会合がありまして、日本は議長国、民間出身の猪口邦子軍縮代表部大使が議長を務められて、議長総括が添付された報告書が全会一致で採択をされて大きな成果を上げたというふうに国際的に評価を得ていることは外務大臣も御存じだというふうに思いますけれども、ここで二点お伺いをしたいと思います。
 一点目は、小型武器の生産、それから流通の規制について日本政府として今後どういうふうに取り組むかと。特に大事な点は、正に先進国、今イラクにも行っておりますアメリカとかイギリスとか、こういう大国が実はこの小型武器の大量生産国でもあるわけでございまして、この点も念頭に日本としてどういうふうに取り組んでいくのかというのが一点目です。
 二点目の質問、まとめて申し上げますが、これはまあこれから流通することを防ぐという話ですけれども、二点目は、既に開発途上国等において流通をしている小型武器の回収・破壊事業、これが喫緊の課題になっているわけでありますが、従前の例でいいますと、バイバック方式といいまして、現金で、武器を持ってきたら現金で買い取りますよと、そしてその武器を燃やして破壊をするという手法を取った事例があるわけですが、こういうやり方は失敗したことが多いわけでありますね。つまり、武器を現金化できるということで、かえってイリーガルな武器流通を促進してしまったという側面も指摘されているわけです。日本として、今後どういう形でこの回収・破壊事業をやっていかれるおつもりなのか。
 二点、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 小型武器についての我が国の問題意識、そしてそれへの取組の一端については今委員の方から触れていただきましたけれども、この問題については今まで我が国は国際社会の中で重要な役割を果たしてきていると思っております。
   〔理事岩井國臣君退席、委員長着席〕
 それで、二つのうちの生産、流通の規制を今後どういうふうにしていくかということですけれども、まず、行動計画というのが二〇〇一年に採択をされたということでありまして、そこの中で製造、流通についての措置を求めているわけです。
 我が国として、それに対しての直接的な対応という意味では、そういったことについて途上国等に対して支援をしていくということが一つございますし、それから、紛争地で今非合法的に流通をしている武器、これを見付けたときに、どの国で生産をされたか、どういう流通ルートでそこに至ったかというようなことについてトレーシングをするということについての交渉が始まろうとしているということで、国際会議のときにビューローというのは正に議長を中心とした重要な役割を果たすわけですけれども、我が国もそのメンバーに今なっておりまして、今後これに積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 それから二番目の、既に流通している武器、これをどうやって減らしていくのかということですけれども、小型武器の回収、そして破壊をしていくということの支援を行っております。
 それについてお金でというのは、正にお金をもらってより性能のいい新しい武器を買うというようなことにもなりかねないということでいろいろ問題があるというのは御指摘のとおりでございますけれども、例えば我が国の、カンボジアでやっているということですけれども、これは対価、コミュニティーで武器を破壊する、廃棄をするというときにその対価として、そのコミュニティー全体に対して、例えば学校ですとか道路ですとか井戸ですとか、そういったことの建設を行う、そしてその破壊の式典を行うというようなことでそれを慫慂し、意識の改革を図るというようなこともやっているわけでございます。
 そういった努力を引き続き続けたい、そういった支援をしたいと思っております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 実は、この小型武器の回収・破壊事業については、実はイラクの今後の復興にとっても非常に重要に私はなっていくと思います。
 私、昨年二回、イラク、現地へ行かせていただきましたけれども、現地ではいろんな話がありますが、大体、去年の三月のイラク戦争始まる前にサダム・フセイン政権が七百万丁のAK47、通称カラシニコフという自動小銃を一般家庭に配って、これでアメリカ軍に抵抗しろというふうに言ったということが言われているわけでありまして、元々流通していたであろう武器を考えますと、下手をするとイラクだけで一千万丁ぐらいの自動小銃が一般家庭レベルで流通しているということになりますから、これは今後、日本も小型武器の軍縮で主導権握ってやってきたわけですから、イラクの、今、現時点ではできないかもしれませんよ、しかし将来的には、このイラク国内における武器の、小型武器の扱いについてどういうふうにしていくかということについて日本の英知を生かしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 続きまして、法務省、今日、入管局長来ておられると思いますが、最近、日本に来て難民申請をする外国人の中にトルコ共和国出身のクルド人が多く見られます。具体的に申し上げます。平成十三年に百二十三件、平成十四年に五十二件、平成十五年に七十七件、合計しまして最近三年間で二百五十二件の難民申請がトルコ国籍のクルド人からなされております。しかし、難民認定をされた人はゼロ、辛うじて在留特別許可を付与され庇護された人が二人いるだけであるということであるわけでございます。
 例えばほかの国を見ますと、ヨーロッパ諸国、EU諸国では、二〇〇〇年に難民認定されたトルコ難民は三千百人おりまして、九百五十人が在留資格を与えられていると。これは全体の人数で、却下された人もおりますので、認定率を見ますと一五%あるわけでございます。
 同じ認定率を日本がまねする必要はないわけでありますけれども、もし仮に同じ認定率で認定されたとすれば、日本でも三十五人程度が認定されていてもおかしくないという状況なんですが、これは入管局長に聞きますけれども、なぜトルコ国籍のクルド人が一人も認定を受けていないのか。
 ちなみに、局長よく御存じだと思いますが、今朝の朝刊で報じられておりますが、東京地方裁判所が二十日、トルコ国籍のクルド人男性の難民不認定処分を取り消す判決を出しました。判決理由の中で鶴岡裁判長は、引用しますと、男性は反政府グループを支援しており、帰国すれば拷問を受け、生命の危険が生じる可能性が高い、条約上の難民に当たるのに認定しなかったのは行政の裁量権を逸脱し違法であるという判断示しておりまして、これは私、偶然にこの質問の直前にこういう判決が下されたわけですが、局長、お願いします。
○政府参考人(増田暢也君) 我が国で外国人から難民認定を求めて申請があった場合には、一般論で申しますと、難民条約あるいは入管法にのっとりまして、個別に審査した上で難民として認定すべき者は認定するということで臨んでいるわけです。
 ただいまお尋ねのございましたトルコ国籍の難民認定申請者につきましても、関係機関であるとかあるいは報道あるいはインターネットその他から必要な情報を収集して、それらの証拠などに基づいて本人の申立て内容の信用性について判断を加え、個別に審査を行った結果、私どもの証拠判断としてはいずれも難民としては認定できないと、こういう判断で結論を出したものでございます。
 ただいまの御指摘のとおり、たまたま昨日、法務大臣の行った難民不認定を取り消す一審判決ございまして、これは現在、私どもとしては控訴するかどうか検討しているところでございますので、詳しいコメントは差し控えさせていただきますけれども、私どもとしては、十分にその事案についても調査を尽くした上で判断したものであって、その主張が認められなかったことは残念であると考えております。
○遠山清彦君 それで、外務省に次、質問いたしますが、法務省が難民認定の審査をするときに、その難民が元々母国としている国の出身国の情報を外務省を通じて入手をして、認定の際の、審査の際の参考にするわけであります。そこでお聞きをしたいのは、日本政府がこの出身国情報を出すときに、トルコ国内における人権状況について、トルコの国との友好関係を重視する余り、正確な情報を伝えているかどうか、私は今日、確かめたいと思うんですね。
 トルコの国内において一定の迫害、人権侵害がクルド人やその他の少数民族に対して起こっていることは、これは国際機関や他国の政府の公式文書で指摘されておりまして否定しようがない。例えば、国連拷問禁止委員会、ヨーロッパ拷問等防止委員会、米国国務省人権報告、それからイギリス内務省報告などでは、トルコ国内で拷問が広範囲に行われていることを指摘しております。特にクルド人などの少数民族に対しては、二〇〇一年三月にトルコの憲法が改正をされたんですが、次のような条文がありまして、国家における国土と民族から成る不可分の全体性の保護、これを侵す可能性のある活動とか運動とかそういうものに対しては、この憲法の規定を根拠に迫害を行われる可能性があるということがヨーロッパ等では指摘されているわけです。
 これ、外務省としては、こういうトルコ国内の人権状況についてどういう評価をされているのか、確認したいと思います。
○政府参考人(堂道秀明君) お答え申し上げます。
 御指摘のございました一連の報告書の中で、トルコ国内で官憲による暴力などの一定の人権侵害が指摘されているということは承知しております。他方、トルコはEU加盟を目指した国内改革を進めておりまして、その中で表現の自由、拷問の防止などの基本的人権の尊重のための法整備及び運用面での取組を進めているというふうに承知しております。
○遠山清彦君 私もトルコ政府が人権状況の改善に努力をしていることは理解をしておりますけれども、先ほど私申し上げました東京地裁の判決なんかも出ているわけで、十分とは言い切れない。
 私は、日本がトルコと友好関係を発展させていこうというのであれば、なおさらこのような問題については厳しく指摘すべきところは指摘すべきであるし、また、これはもう時間がないのでやりませんが、法務省に出身国情報を出すときは在外公館等を通じて正確な情報を法務省に出していただきたいということを要望申し上げたいと思います。
 続きまして、財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部について幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。
 日本の国民には余りいまだに知られていないわけでありますけれども、日本が受け入れてきた難民というのは大体二種類あるということでございます。一つ目は、今私が議論したところにも関係ありますけれども、難民条約に基づいて法務省が認定をする難民でありまして、これは通称条約難民と言われております。もう一つのカテゴリーは、一般にインドシナ難民と呼ばれている人々でございまして、これは昭和五十四年度から政府の、内閣の政治決断で受け入れることが開始をされまして、そして、それ以来、定住促進事業というものが行われてきたわけでございます。ですから、この人たちは、通常の難民認定の手続の枠外でインドシナ難民は受け入れられてきたんですが、総計は一万人を超えております。
 今日、私がちょっと聞きたいのは、このインドシナ難民の受入れ事業についてはアジア福祉教育財団というところの難民事業本部に会計法上の随意契約でほぼ丸ごと委託をされてまいりました。今回、これ平成十四年度の決算やっているわけですけれども、平成十四年度の決算額で申し上げますと、この財団は七億九百五十万円、そのうち外務省委託分は約五億八千万円なわけですけれども、委託金をもらってこのインドシナ難民の定住促進事業をやっているわけですが、まず最初の質問は、どういう経緯と理由でこの財団に委託されたのか、簡潔に御説明ください。
○政府参考人(石川薫君) ただいま遠山委員から御指摘ございましたように、インドシナ三国で相次いで発生した政変ということからこの大量の難民が出たという事実を踏まえまして、昭和五十四年の閣議了解「インドシナ難民対策の拡充・強化について」におきまして、インドシナ難民に対する日本語教育、職業紹介、職業訓練などの具体的な定住促進策を実施することが決定されました。この閣議了解を実行するため、政府からの業務委託を受け、定住促進の具体的業務を行っていただく団体が必要となったという状況にございました。
 当時、ベトナム戦争による孤児や母子の惨状を献身的に救済する活動を行っておりましたのが財団法人アジア孤児福祉教育財団でございまして、同財団に業務を委託することになったのは、そういう経緯でございます。
 同財団は、本件業務委託に際しまして、難民に係る業務を新たに事業に加え、財団法人アジア福祉教育財団と改称しました。本件業務委託は昭和五十四年十月五日のインドシナ難民対策連絡調整会議において正式に決定されております。
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、この財団の難民事業受託特別会計表、今私手元にありますが、単独の支出品目として一番大きいのは人件費でございます。約一億八千七百万円。職員は合計二十三名と書いてありますが、この職員の中に現役の官僚及び官僚のOBは何人いるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(石川薫君) 御指摘いただきました難民事業本部常勤職員、二十三名でございます。そのうち、外務省から難民事業本部長を含めて二名、文化庁から一名、厚生労働省から一名、計四名が関係省庁からの出向者でございます。
 なお、常勤職員の中に各省庁OBはおりません。
○遠山清彦君 今、OBはいないけれども、四名、現役の官僚がこの財団に出向してやっているということなんですね。
 先ほど申し上げたとおり、予算は七億強、平成十四年でも政府からもらっているわけでありますが、実はこの難民事業本部が主に活動しているのは品川にあります国際救援センターというところなんですね。
 私も実は現地視察を二年前にしたことがございます。ございますので存じておりますけれども、この土地が、施設、この国際救援センターのある土地が旧国鉄、現在のJR東日本の所有地なんですね。ここに対して国が毎年借地料を、借料を支払っているというふうに思いますが、この借地料はこの七億には含まれておりません。平成十四年度の場合は具体的に幾らお支払いになったんでしょうか。
○政府参考人(石川薫君) 御指摘のとおり、国際救援センターの敷地は東日本旅客鉄道株式会社、それから東京臨海高速鉄道株式会社からの借地でございます。この敷地に係る土地借料の平成十四年度の決算額は約二億九千万円でございます。
○遠山清彦君 二億九千万ですか。私は二億円強と思っていましたけれども、約三億ということでございまして、そうなると、実はこのインドシナ難民の受入れ事業、平成十四年度は、この財団が使うお金で七億、そして今お話あったこの土地の借地料で約三億で、約十億円国費が投じられているということになります。
 誤解のないよう言っておきますが、私はこのインドシナ難民を人道的見地から日本政府が助け続けたことは高く評価をしております。ただ、決算委員会の観点から、この税金の無駄遣いせず効率的に行われてきたのかということを問いたいわけですが。
 次の質問です。
 一九八〇年代には、この今の品川の救援センター、プラス地方に三つの難民のセンターがあって、それで一年間でインドシナ難民が千名を超えた年も八〇年代あったわけですね。
 じゃ、ちなみに、二十一世紀に入りまして、平成十四年度で結構ですが、この品川の国際救援センターで何人の人を受け入れたのか。また、もう一つ聞きたいのは、この受け入れた人数の中で本人が難民ではなくて難民の家族だという人は何名いるのか、教えてください。
○政府参考人(石川薫君) 先生御指摘のとおり、かつては姫路また大和に定住促進センターがございまして、今は品川だけでやっておるわけでございますけれども、平成十四年度には百六十二名の方に日本語教育、社会生活適応指導、そして就職あっせんなどの定住支援を行ってまいりました。
 お尋ねの内訳でございますけれども、再定住計画により呼び寄せられた難民の家族の方が百二十四名、ベトナム国内のキャンプに滞在していたカンボジア難民の方が十五名、一般入国の形で入国されて、インドシナ難民の家族の方が二十一名、条約難民の方が二名となっております。
○遠山清彦君 そうしますと、ちょっとまとめて申し上げますと、十億円を投じている事業で、昔は一年間で千名受け入れて研修した時期もあったけれども、今年は百六十二人と。条約難民の二名抜かすと、約百六十人が難民本人ではなくてその家族、呼び寄せの家族になるわけですね。
 これ、私は、十億円をこの百六十人で割って一人当たりうん百万掛かっている、六百万近いと思いますが、ということは、安易なことは申し上げません。この難民事業本部はいろんな今まで受け入れた難民のアフターケアの事業等もやっておりますので、それらの経費全部合わせたことになるというふうに思うんですね。
 それから、私聞いておりますけれども、この事業自体が平成十七年度で終了するということも聞いておりますので、二年たてば過去の話ということにもなるわけでありますが。
 それで、外務大臣、最後に、私は、最初は非常に意義のある事業でこれやってきましたけれども、ここ数年見ますと、今お話あったとおりで、借地料合わせて十億円掛けてやっている事業で、実際に一年間で百六十人の難民の家族が呼び寄せられてきたのを受け入れているだけなんです。
 これは、私、国民の目から見たらちょっと、与党ですから、ちょっとお金が掛かり過ぎている事業になってしまったんではないかと。しかも、さっきあったとおり、そこに現役の官僚も出向で四名入っているんです、財団法人で。ですから、人道的な大事な事業ではあるけれども、いろいろ調べると、やっぱり十億円掛けて官僚四人出向させてやっている事業としてはちょっと効率悪くなっていて、もうちょっと早く見直すべきでありましたけれども、平成十七年度でもう終了するということであるわけなんですが。
 そこで、質問でもあり要望でもあるのを最後に申し上げたいと思うんですが、今、法務省所管でありますけれども、難民認定法が改正をされて、新しい難民支援あるいは難民申請中の者への生活支援等がこれから政府の方でも策定されていくというふうに思います。私は率直に申し上げて、この新しい難民支援の在り方については、外務省も所管しておりますから、このアジア福祉教育財団という財団に私何の意思もありませんが、しかし、一つの、こういう一つの団体に丸投げして委託をする、お金も巨額に掛かるというやり方はもうやめていただきたいと。
 大臣、この間、本会議でも聞かれてお答えになっていましたけれども、今国内でこういう難民を支援しようという民間のNGOが大分育ってきておりまして、個々のNGOは非常に力がまだ弱いところはあるわけでありますが、これが全部が連携してコンソーシアムみたいな、海外のジャパン・プラットフォームみたいなものをモデルに作って、ある意味、行政コスト的にはもっともっと効率的な形で支援をできるのではないかと私も期待をしているところであるわけでありますが、もちろんこれは外務省だけの問題ではなくて、内閣官房とか法務省、それから厚生労働省、文科省もこの難民支援については関係が深いので、省庁の連携をしていかなきゃいけないと思いますけれども。
 是非とも、この難民認定法の改正後の新しい難民支援の在り方については、こういった現状、それから私が今日つらつら申し上げた会計上の問題等も勘案をして、国民の目からも納得できる、そしてそれを受益をする難民申請者の方、難民の方からも納得できる、それからまた効率的な支援ができる民間のNGOをもっと活用していくと、そういう方向でやっていただきたいと思いますが、御感想をお願いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃられましたように、日本の難民に対してどのようなことをやっていくかというそのやり方については、もっともっと工夫の余地があるというふうに私は思っております。
 このセンターは閉鎖をされるということになるわけですけれども、それに伴って、難民の問題についてどのような支援を政府としてやっていくかということについて政府全体としていろいろ検討をしている最中でございます。今いただいた委員の貴重な御意見、これについても十分に頭に入れまして、今後の検討に役立てたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 もう時間がなくなりましたので、ODAの問題、一点だけお伺いをしたかったんですが、これは、私、総括的質疑のところでODA全般について深く掘り下げて外務省の皆さんと議論したいと思っておりますので、そちらに回させていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 米軍基地問題について伺います。
 米海軍横須賀基地への原子力空母配備発言に係って伺いますけれども、その前に一点、米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への移転構想について質問をいたします。
 ブッシュ政権は世界的規模で米軍再編を進めておりますが、その中で、現在、アメリカ・ワシントン州フォート・ルイスにある米第一軍団司令部を神奈川県にあります座間市、相模原にまたがる米軍基地、キャンプ座間に移転する話が持ち上がっております。
 問題は、第一軍団の司令部が日本に移転するということが持つ意味であります。ハワイにある歩兵師団と韓国にある歩兵師団を指揮下に置き、先制攻撃戦略の発動としての戦争を指揮、指導する中核になるということになるわけであります。
 日本が出撃、兵たんの拠点に加えて、アジア太平洋における戦争を指導する司令部機構を認めるなどということは絶対にあってはならないというふうに思いますが、外務大臣は再編の一環として理解を示すようなことはありませんね。
○国務大臣(川口順子君) 今おっしゃったそのキャンプ座間への米第一軍団司令部の移設ということでございますけれども、おっしゃったような案につきまして米側から打診を受けたという事実はないということを申し上げたいと思います。
○畑野君枝君 第一軍団は、今申し上げましたように、アジア太平洋地域を作戦範囲とする軍団でありまして、一九九五年以前にキャンプ座間に置かれていた第九軍団とは任務が違うわけです。ですから、米軍の世界的な再編の中で日本の米軍基地強化が大きく進められようとしている動きの中で、この第一軍団司令部の配備はきっぱり拒否するべきだということを私は重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、その上に立ちまして、原子力空母配備発言について伺います。
 三月三十一日の下院軍事委員会公聴会で、米太平洋軍のファーゴ司令官がオリッツ議員から、キティーホークが間もなく退役する。日本はキティーホークの退役後に原子力推進艦の日本配備を受け入れるためにどのような動きをしているのかと質問されて、答え、キティーホークは二〇〇八年ごろに退役する予定である。それが期限だ。我々はキティーホークを最も高い能力の空母の一つと交代させることを望んでいる。我々は強力な同盟国とあらゆる問題について話し合い協力しているが、同じようにこの問題も日本と話し合い、彼らと協力すべき問題であると述べました。
 この太平洋軍司令官の答弁というのは、二〇〇八年には通常型空母キティーホークを原子力空母に交代させるという考えを示したのではありませんか。
○政府参考人(海老原紳君) 御指摘の三月三十一日、米国の下院軍事委員会の公聴会におけるファーゴ、アメリカの太平洋軍司令官でございますけれども、の発言は、二〇〇八年に退役する空母キティーホークを我々の最も能力の高い空母の一つに交代させることを望んでいる、ただし本件は日本側と相談、協力する問題であるというふうな発言であったと承知をいたしております。
 この発言につきましては米側にも私どもとして確認をいたしましたけれども、これは、空母キティーホークの退役の後について米政府として何らの決定も行っておらず、また我が国への今後の米艦船の展開に関する米政府のいかなる決定も我が国政府との緊密な協力の下に行われるということを確認いたしております。
○畑野君枝君 外務省として、最も高い能力の空母の一つというのは何を指しているのかという御認識はどうなんですか。通常型でいうとジョン・F・ケネディしかないという御認識はあるんですか。
○政府参考人(海老原紳君) これは、二〇〇八年に予定どおりキティーホークが退役をするということになると、現在、米国が有している空母の中で通常型のものが今おっしゃったようなジョン・F・ケネディを除いては原子力空母になるということは承知をいたしております。
 他方、このファーゴ司令官の発言というのは、最も能力の高い空母を前方展開させたいということで、これは正に我が国の防衛、そして極東の平和と安全のために米国として役割を果たす上で言わば当然のことを述べたものだというふうに認識をいたしております。
○畑野君枝君 重大な発言ですよね。つまり、それは原子力空母は除いていないということをお認めになっている、それを示しているということを言われました。ファーゴ司令官は、今局長がおっしゃったように、この問題は日本と話し合うべき問題だというふうに言っておりますけれども、どういう態度を政府としては取られるおつもりですか。
○政府参考人(海老原紳君) 先ほどのファーゴ司令官も言われましたように、またこれは従来からも米国政府はそう述べておりますけれども、我が方との協力、具体的に言えば協議を経てキティーホークの後継艦については決定を行うということを言っているわけでございます。
 ただ、このような協議はいまだ行われておりませんので、そのような協議の申入れというものがあれば適時適切に対処するということでございます。
○畑野君枝君 非公式の打診はないんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 非公式にも打診はございません。
○畑野君枝君 しかし、実際にはそれに向けた具体的な取組が進められているというふうに思うんですよね。米会計検査院が一九九八年の八月に米議会に提出した報告書、海軍航空母艦・通常型と原子力空母の費用対効果には、航空母艦の横須賀配備とそれを継続することの重要性を強調した上で、原子力空母配備の前段階として埠頭の延長、核推進力の修理・維持施設の整備が求められていると書かれております。
 この報告どおりのことが横須賀で進んでおります。空母の埠頭、十二号バースの延長・拡幅工事でございます。二〇〇八年に退役になるというキティーホークのためにこのような工事をやるということは、結局、将来にわたって基地を継続する、恒久化につながるんではありませんか。
○政府参考人(海老原紳君) 現在、御指摘のとおり、横須賀海軍施設の十二号バースのいわゆる延伸工事を行っております。
 これは、そもそも十二号バースが老朽化が著しくなっておりまして、現在でも米国の艦船の使用にとって長さが不足をしております。特に、空母の係留、整備、補給等に支障を来しているという状況にございますので、このような不具合を解消して横須賀海軍施設の円滑な運用を図るべく計画され、現在周辺海況に与える影響を評価しながら実施しているものでございます。
○畑野君枝君 この費用は一体だれが出すんですか。
○政府参考人(海老原紳君) これは施設整備費として防衛施設庁の予算で行っているというふうに承知をいたしております。
○畑野君枝君 昨日、防衛庁施設庁に聞きましたけれども、この十二号バースの工事に百二十八億円、一九九三年から二〇〇四年度までで、こんなお金が日本の予算、思いやり予算ですよね、で造る。完成予定は二〇〇六年の三月まで、以内だと。二、三年使用するために何でアメリカのために日本の思いやり予算、国民の税金で莫大な費用を掛けるのか。おかしいじゃありませんか。こういうのをやっているから、居心地がいいといつまでもいることになるんじゃありませんか。市民はこのことについては本当に強い反対をしてきたということであります。
 それから、空母の母港化を続けることがどんな被害を生み出すかということですけれども、大臣はこのことを真剣にお考えになったことがありますでしょうか。大和市、綾瀬市を始めとした厚木基地周辺の住民百五十万人は空母艦載機の訓練による爆音で昼に夜に苦しめられております。艦載機は全国で至るところで超低空飛行を行っております。墜落への不安も本当に訴えられております。
 さらに、この厚木基地にはFA18Fスーパーホーネット戦闘攻撃機十三機が二〇〇三年十一月から十二月にかけて配備をされております。これは、空母キティーホークに配備されているFA18Cホーネットと比べますと、航続距離、飛んでいる距離は四〇%増、推力は三五%増と強化されているんですね。この大和の市長は、米海軍のオセアナ基地、ここもスーパーホーネットが配備されておりますが、その調査を始め、訪米をするという状況になっております。
 一九七三年以来の空母の母港化、これを返上したいと住民はだれでも切実に求めておりますが、外務大臣はこの悲痛な訴えを御理解されておりますか。
○国務大臣(川口順子君) 厚木飛行場の航空機の騒音問題、あるいは周辺地域での騒音問題、これについて、これが深刻であるということについては十分に承知をいたしております。政府といたしましても、この問題について影響をできるだけ少なくするという観点から尽力を、今までもいたしておりますし、今後ともいたしていく所存でございます。
○畑野君枝君 影響を少なくするということですが、具体的にどういうことなんですか。
○政府参考人(海老原紳君) これは、スーパーホーネットの厚木飛行場への配備に際しまして、我が国としても改めてこの厚木飛行場の航空機の騒音問題について米側に対し申入れを行っております。これは具体的には私から在京米国大使館の次席に対しまして行いました。その際、周辺住民にできる限り配慮をして、厚木飛行場の騒音規制措置の遵守について改めて徹底をしてほしいということを申し入れたわけでございます。
 それに対しまして、クリステンセン筆頭公使でございますが、の方からは、長年にわたり種々の措置を講じてきたけれども、例えば飛行高度をなるべく上げる、あるいは午後の十時から午前六時までの航空機の運用を控える、それからアフターバーナー、これは着陸後でございますが、の使用を最小限に止める、あるいは場周経路に投入する機数、これ、場周経路というのは待機している間に空中を旋回している場合でございますが、これの機数を制限する、あるいはジェットエンジンの試運転を午後六時から午前の八時まで控えるということ等、その他もございますけれども、そのようなものを更に徹底をしていくということを言っておりますので、我が方としては引き続き周辺に対する騒音の軽減に努めてまいりたいというふうに考えております。
○畑野君枝君 二月の二十二日、日曜日の午前零時二十分ごろ、FA18ホーネット戦闘攻撃機三〇〇号機が飛んでいると、こういう話ですよ。実際、運用なんというのは守られない、アメリカの都合でやられているんです。
 母港化するときには、厚木基地司令官は厚木基地での飛行訓練はやらないと言っていたんですよ。今回のスーパーホーネット、最初の任務は二〇〇二年の原子力空母への配備です。今、百二十機、これを将来千機に増やしていくと。米本国では事故も起きているし、爆音問題で住民の訴えも出されていると。こういうことに配備を変えていったら、一層この爆音は続くということになるじゃありませんか。
 私は、更に申し上げたいのは、逗子市、横浜市にまたがる池子の森の貴重な緑を壊して行われてきた米軍住宅建設、今度は横浜市金沢区の地域に追加建設をしようという計画に市民の反対の声が巻き起こっているということでございます。逗子市長は追加建設は約束違反だと述べておられます。米軍住宅を欲しいという市民はいないわけですね。今回の計画は約八百戸もの建設計画であります。米軍は住宅が足りないといって日本政府が造ってきた。これも思いやり予算です。足りない足りない、それにこたえていけば、日本国民と、それは矛盾するのは、対立するのは当然のことであります。
 この点では、基地返還を求める住民の願いに逆行するのが今度の追加建設でありまして、米軍住宅追加建設はやめるべきだと、そして、空母の母港化、これがもとになっておりますから、きっぱりやめるべきではないでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) 今御指摘の米軍の家族住宅の建設問題でございますけれども、これは合同委員会の下部機関でございます施設調整部会におきまして、昨年の七月十八日の第二回会合におきまして、根岸住宅地区の老朽住宅の建て替え分四百戸、それから神奈川県における在日米海軍の住宅不足分、これ四百戸でございますが、この合計八百戸程度の住宅の建設ということが合意を、基本的な合意をされているということでございまして、現在、こういう考え方に基づきまして、地元自治体の御理解を得て、池子住宅地区及び海軍補助施設の横浜市域にこれを建設するというところで今検討を続けているということでございます。
 ただ、この住宅の建設というのは、これが完成いたしましたときには、上瀬谷の通信施設の一部、それから深谷の通信所、それから富岡の倉庫地区については将来の住宅用地としての利用計画がなくなるということから、また根岸住宅地区につきましてはこの正に新しいところに移転先が確保できるということで、これらの施設・区域の必要性がなくなった時点で返還について考慮をすることが可能になるというふうに米側から発言をいたしておりまして、正に今委員がおっしゃいましたように、これらの施設・区域を返還させるということのためにもこの家族住宅の建設というものが必要だというふうに我々は考えております。
○畑野君枝君 上瀬谷、深谷、富岡、そして根岸の返還は当然であります。それと交換条件で金沢区に建てるということは、これはもう筋が違うと。今までアメリカの要求に付き従ってきた国の姿勢が問われているわけですよ。
 大体、一九七二年の外務省アメリカ局長の発言、新たな施設・区域の提供を要するものではないと言って受け入れさせたわけですよね。つまり、米軍住宅の必要はないと言って始まったのが母港化なんです。母港化の恒久化を支えるこういう米軍住宅建設はそもそも約束違反ですから、これはもうきっぱり改める、やめるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 加えて、今回の原子力空母の配備発言というのは、一たび原子力空母の母港化を認めることになりますと、今まで言ってきたバースの延長も、それからスーパーホーネットの配備も、さらに米軍住宅の今後の建設という点でも、横須賀を恒久的に母港にする、しかもそれを原子力空母の母港にすると、世界でただ一つの海外の母港になるということになるわけです。それは特別の重大性を持つわけですね。被爆国日本の国民ならだれでもが思うことです。放射能汚染に一層おびえ続けなくてはならなくなるということです。
 外務大臣は、原子力空母が母港になれば、住民が核事故、放射漏れに直面するという恐怖をどのようにお考えになるのかと。市民の方から、基地内に原子力空母の補修施設、放射能で汚染された原子炉の部品や廃棄物の交換作業が行われる放射能作業施設が造られて原子炉事故が発生すれば、死の灰が風下百キロメートル圏内を汚染して、人口の密集した首都圏三千万人が被曝する危険性が生じると不安を訴えているわけです。そういう認識はあるのかどうか。
 例えば、原子力艦船が放射能事故を頻繁に引き起こしてきたというのはよく知られていることでありまして、例えば原子力空母エンタープライズは一九九五年に推進装置の損傷で艦内四つの区画室が汚染され、汚染除去に巨額の六百万ドルを投入したと言われておりますし、原子力空母ステニスは一九九九年、サンディエゴで座礁し、冷却水が循環せず、原子炉が緊急停止する大惨事一歩手前の事故を起こしていると言われております。現に横須賀には原子力潜水艦が入港しておりまして、これ自身がとんでもないことでありますけれども、二十四時間前の公開も今制限されていると。そして度々、放射能の異常値が測定されますけれども、結局原因が特定されない、非公開だということが続いているんです。
 政府は、防災基本計画を修正し、原子力艦の原子力災害の対策についても記述するということをせざるを得ませんでした。新たに原子力空母を母港とすることは、政府の施策とも矛盾をし、一層の危険性を招くということになるのではありませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 委員の御質問が、そのキティーホークの退役後、この後継艦について原子力空母ということを前提に今御質問をしていらっしゃるわけでございますけれども、アメリカの政府は、これは、キティーホークの退役後の後継艦については何も決定を行っていないということでございます。
 したがって、その原子力空母が横須賀に前方展開をするということを前提にして御質問に答えるということは適当でないと思いますので、そのような観点から申し上げたいと思いますけれども、米国原子力軍艦が我が国に寄港をするということについて、アメリカ政府はこれは累次にわたって政府声明あるいは覚書で原子力艦船の安全性については保証をしているということでございまして、米国の港で、港における運航に関連して取られる安全上の措置、この安全上のすべての予防措置、手続、これを我が国の港においても厳格に遵守をするということを保証をしているわけです。また、我が国の領海内では燃料交換及び動力装置の修理は行わないということを言明をしていまして、寄港時の安全については十分に確保されているというふうに考えています。
 それから、米国政府は、覚書の中で、最大想定事故を仮定した場合でも、原子力軍艦がその停泊地点の周辺住民に対して不当な放射線その他の原子核による危険をもたらすものではないということを言明をしています。
 一方で、我が国の政府といたしましては、これは国民の安全のためにあらゆる事態に備えるという観点から、政府部内の取組といたしまして、防災基本計画の修正を行って、原子力艦の原子力災害が発生した場合に備えて、政府及び関係機関がどういうことをするべきかということについて規定を、事務についての規定をしているわけです。外務省といたしましても、これは防災基本計画に規定をされた事務を行うことは当然であるというふうに考えております。
○畑野君枝君 言い切る、安全だと言い切る根拠はないんですね。安全神話はもう日本では崩れているわけです。原子力空母になれば更に出力は高く、しかも母港化ということはそこに居座るわけですから、とんでもないことです。今こそ私は、原子力空母は受け入れられないと今の時点で米国政府に言うべきだと思います。
 大体、七二年に当時の横須賀市長は、原子力推進航空母艦の寄港について、将来にわたってもさようなことのないようと求めております。
 ミッドウェーの母港化を進める際に、政府は、空母ミッドウェーが横須賀周辺に家族を居住させておる期間はおおむね三年と、七三年にこの参議院の決算委員会で表明したわけですね。ですから、もうアメリカに言われるままにずるずるとやってきたと、日本は何でも受け入れる国だと付け込まれるんです。
 こんなアメリカ言いなりの構造はきっぱりとこの機会にやめるべきだと、安保条約をやめて対等平等の友好条約に切り替えるべきだということを私、申し上げまして、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。今日はODA一本についてお伺いをしてまいります。
 ODAについて会計検査院の個別の指摘は、過去七年に延べ三十一件あります。二〇〇二年度も鈴木宗男事件の支援委員会について継続して取り上げているほか、特定検査対象の第一と第二でODAを取り上げていますね。毎年あるということは、背景に鈴木宗男事件のような大きなODAの政治システムに問題があることがうかがわれる、こう言わざるを得ません。
   〔資料配付〕
○又市征治君 今資料をお配りをさせていただきましたけれども、内閣府の世論調査で見ますと、国民は、安定、平和、人道という点でODAを評価をしながらも、近年、ODAをなるべく少なくすべきだという意見がもうじりじりと増えてきている、こういう傾向にあります。
 グラフの下の方から見ますと、例えば一番上には日本の国内の経済状態が良くないからというのがありますけれども、これ横ばいですね。下の方にあるのはみんな上向きになっているんですが、具体的にどのような経済協力が行われているか不透明だからというのが三七・五%、現地の状況やニーズへの配慮不足で成果が不十分だというのが三四・八%で、この二つの意見が増えているわけです。
 つまり、国民は、援助といいながら実は日本企業による食い物になっているんではないかとか、また外務省などの官による実施は無駄遣いや汚職が多いんではないか、NGOの方が効率的にやっているんではないかという疑念だとか、そんな感じを持っているというふうに言えるんではないかと思うんです。
 この点、外務大臣はどういうふうに受け止めておいでになるのか。検査院の毎年の指摘やあるいは国会質疑、こんなところでODAの問題が随分と問題にされてきて、国民がこのODAの実態あるいは問題点をよく知るようになったからではないかと、こう私は思っていますが、大臣の御感想はどうですか。
○国務大臣(川口順子君) 最初に申し上げたいことは、ODAについていろいろな御指摘等はあるということはそうでございますけれども、先ほど緒方理事長もおっしゃってくださいましたように、我が国の経済協力については、その大部分においては世界において非常に受け入れられ、かつ非常に適切に適正に運用されている、それが我が国にとっても国際社会の一員として責任ある立場を果たしていくという観点から非常に重要なことであるということでございます。
 それで、その上で、ODAについて今御説明になられたような世論調査、それから、これが税金を原資とするということから考えましたときに、国民の御支持と御理解をいただいた形で効率的に適切にやっていかなければいけないということはもうそのとおりでございまして、ODAについて問題があるということについては、これはその改善をしていかなければいけないと思っております。
 こういった観点から、私は就任以来外務省の改革に取り組んでまいりましたけれども、その大きな一つの柱がODAの改革ということでございまして、様々な観点からの透明性の増大、そして効率性を上げていくこと、そして国民参加を得てやっていくことについては十分に意を払ってきております。また、そういったことを取り込んだ形でODAの大綱の改正ということも昨年の八月に進めたところでございます。
 そういった努力を引き続き続けながら、我が国としてODAをやっていくことが大変に重要であるということもきちんと頭に入れてこの協力事業をやっていきたいと考えております。
○又市征治君 私も、ODAの必要性といいますか有用性、有効性、こんなことは基本的には全く賛成なわけですが、余りにも問題が多く出てきている、こういうことで申し上げているんです。
 そこで、私は、以前この外務官僚と鈴木宗男氏の北方四島案件の関係や債務帳消し問題、あるいは戦後補償との関連性などについてただしてまいりましたけれども、今日は四月二日に出たばかりのODAに関する総務省の政策評価をちょっと取り上げたいと思います。
 この評価書を私なりに要約しますと、従来の必要性、有効性、効率性という物差しでは言い分がそれぞれできちっと評価ができないと。そこで、総務省としては、特にODA各機関や異なる援助形態の一体性、そして、最後は効果の持続発展性、つまり被援助国の自立に役立つかどうかというところに着目してあるというふうに言っているんだろうと思うんですが、こういう理解でよろしいですか。イエス、ノー、簡潔にお答えください。
○政府参考人(田村政志君) ただいま御指摘のように、今回の政策評価につきましては、必要性、有効性、効率性の観点に加えまして、国際的にも必要な観点とされている援助効果の持続性という観点からも評価したものでございます。
○又市征治君 総務省が評価の視点として、異なる援助の一体化と効率の持続発展性、つまり自立に役立つかということだと思いますが、こうした着目した点は極めて妥当だというふうに思います。
 そこで、総務省はその失敗例、お金だけ出して技術援助を付けなかった例などを挙げているわけですが、そこで三つお尋ねをいたしますけれども、インドネシアの熱帯病センター、二つ目に同じくインドネシアのかんがい及び生活用水供給路建設、三つ目にベトナムの初等教育施設、この例を簡潔に御説明をしてください。
○政府参考人(田村政志君) 今回の政策評価におきましては、外務省等の既往の評価結果を基に個別具体の事業を例に取り上げまして、援助効果の持続性が確保されるためにはどのような援助手法等が取られるべきだったのかなどについて検証したものでございます。
 ただいま御指摘のありました例について御説明をさせていただきます。
 最初に、インドネシアのアイルランガ大学熱帯病センター建設計画についてでございますが、これにつきましては無償資金協力ということで平成八年に行われております。これにつきまして、国際協力機構の評価結果におきまして、故障を修理するための技術、経験の不足や、スペアパーツを自己調達するための予算確保が困難なことなどから、整備した機器整備の中に故障のため使用できない機材があるとされている事例であります。総務省の政策評価では、これを施設・設備整備に合わせた運営、維持管理技術の支援、言わばハードとソフトの組合わせが重要であるとの課題が提起されているものとして整理をしてございます。
 それから次に、インドネシアのかんがい及び生活用水路供給建設計画でございます。
 これにつきましては、草の根無償資金協力ということで、平成十一年に行われているものでございます。これにつきまして、外務省の評価結果において、機材のスペアパーツ購入など経費の掛かる保守管理については、被援助者自らが部品を調達できるようになるまでの間はNGOを通じて供与機材等の適正な使用方法などを定期的に指導するといったフォローアップ措置が必要であるとされている事例でございます。総務省の評価では、これをNGOの連携が重要であるという課題が提起されたものとして整理をしてございます。
 それから、三番目のベトナムの初等教育施設整備計画でございます。
 これにつきましては、無償資金協力ということで、平成七年、九年に行われております。外務省の評価結果において、おおむね十年間は補修などの費用は掛からないとされた学校施設が、実際はトイレなどの給水施設の不良や壁のひび割れを起こしており、保証期間が過ぎた時点では維持管理が適切に行われない可能性があるとされている事例でございます。今回の総務省の評価では、これを施設・設備整備後の運営、維持管理の容易性、経済性を考慮した計画策定が重要であるとの課題が提起されたものとして整理してございます。
 以上でございます。
○又市征治君 今お聞きしたのはいずれも外務省の管轄の問題ですけれども、ほかにも、タンザニアでディーゼルの揚水ポンプを供給したけれども、石油代が高いし、機械の更新もできないなど、被援助国の実態に合わない事例が報告をされていますね。
 反面、大臣はここら辺のところを言いたかったんでしょうけれども、カンボジアの不発弾処理のように、NGOのきめ細かい指導でうまく現地の人に技術移転ができて高く評価された例もありますけれども、こういうのがたくさんあるんだろうと思いますが、先ほど申し上げたような、かなり現地の実態が必ずしも把握されていない、こういう問題などがあります。
 これらの指摘について大臣にお考えを伺うんですが、特にこの被援助国の持続発展性という視点について、これは是非大臣のお考えを伺っておきたい。
 結局、金を貸して、それで日本の商品を買わせて、はい、おしまいという方法では、機材はさび付き、建物は朽ち果て、自立には全く結び付かない、こういう例が今も紹介があったわけですけれども、この点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) ちょっと私の問題意識も併せて申し上げたいというふうに思いますけれども、経済協力を行った場合に、確かに今御指摘にありましたような、作った後、例えばNGOとの連携をきちんとしていくとか、あるいは適切にメンテができるような、最初からその経済性を考えてやっていくとか、それから現地の事情を十分に把握するとか、それぞれの要素というのは私は全部重要なことだろうと思っております。
 そういったことについて十分でないところがあれば、それは引き続き改善をしていくべき点であると考えておりますけれども、さらに、それに加えて、日本の援助がメンテナンスをしていくということについてもう少し制度として、あるいは予算的に考えられる部分があってもいいのではないかという問題意識も私は持っております。メンテナンスをNGOだけでやれるかどうか、それから、我が国で使われるのと違って、それぞれの国で我が国と違った使われ方をするということもあるわけでございまして、必ずしも日本で考えられるような形でメンテがそもそもされないような状況にもある、そういったことについても私としては問題意識を持っております。
 いずれにしても、援助というのは、持続的な発展に資するという観点からは作ったものが引き続き使われるということが重要で、そのために、一体、政府の予算制度の在り方も含めて、どういったことが今後必要かということについてやはり議論を重ねていく必要があるのではないかというふうに思っております。
○又市征治君 是非、先ほどおっしゃったように、そういう中身を子細点検いただきながら、更に改善に向けて努力をお願いをしておきたいと思います。
 次に、会計検査院にお伺いをいたしますが、債務帳消しの課題についてです。
 日本政府は、二〇〇三年三月まで、帳消しは駄目ですよと、返済したらそれと同じ額をプレゼントしますよ、つまりは債務救済無償資金協力を行っていくと、こういう方針だったわけですね。そして、今年の検査院の決算報告では、二〇〇二年度までの二十五年間で三十か国に返済不能額四千六百十一億円を救済贈与したと、こうされています。ただし、二年以内に経済開発や福祉に使うという条件の下でこうされているわけですね。しかし、これらはいわゆる最貧国であり、そもそも焦げ付いているのですから、一時的にせよ払えたということの方がむしろ不思議だと、こう私は思います。実際に日本政府等の口座に振り込まれたのかどうか、この点、まず第一点お伺いをしておきたい。
 第二点に、サラ金ではないが、どこかから一時借りて日本に振り込んだということなのか。すぐそちらへ返さねばならず、新たな使い道に回す余裕がないはずですよね。使い道の報告を取ったといっても、それが事実かどうか、この点は確認できたのかどうか、これが二点目です。
 この二点、会計検査院は証拠書類などを調べられたのかどうか、お伺いをいたします。
○説明員(石野秀世君) 今お話しの債務救済無償資金協力につきましては、昨年、平成十五年次の検査におきまして外務本省等を検査いたしまして、また、インドほか二か国の被援助国におきましては現地調査も実施するというようなことを行ったところでございます。
 その結果としまして、今お話しのとおり、供与された資金等の一部が相当期間使用されないまま残っている事態ということなどを特定項目として掲記したところでございます。
 その債務救済無償資金協力というのは、今お話もありましたように、その対象とする円借款につきまして、債務の帳消しではなく債務国に返済を求めるという一方、返済が行われた場合には原則として返済額と同額の資金を贈与するという仕組みのものでありますし、また、その資金等の使途、目的は経済開発及び国民の福祉向上に寄与するものに限定するということとなっているものでございます。
 検査院といたしましては、その債務救済の対象となっております円借款の返済につきましては、現地調査実施国の分につきまして、国際協力銀行が外務省に対してその円借款の回収状況を報告しているという書類などを見るということによりましてその返済状況ということを確認しております。
 また、資金の使途につきましては、外務本省に対して被援助国より提出されております資金使途の報告書というものがございますので、その内容を確認する、あるいはその被援助国の現地調査の際に被援助国実施機関からその状況を聞き取る、あるいは場合によっては現物の確認をするということなどでその資金の使途の確認を行ったというところでございます。
○又市征治君 よそから借款できるくらいならば、最貧国、もっと言うならば多重債務者にならないわけでして、実態は新規の贈与だった、こういうことなんだと思うんですね。
 最貧国への債務帳消しというのは、国際的なこれはもう世論であって、大きな意味で言えば、旧植民地に対する先進国全体の償いという、そういう側面もあるわけでありますし、やむを得ない、こういう面があるんだろうと思います。しかし、国内的には国民の税金を貸していたわけですから、これは戻らないという、こんなシステムにしている方がおかしいのであって、外務省としては、損失であるということをやっぱりシステム上これは明確にすべきでないかというふうに思うんですが、この点ちょっと明確に通告していないんですけれども、この点についてはどうお考えですか。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘の借款の供与に当たりましては、それぞれの途上国の発展段階でありますとか債務負担能力を慎重に検討するというのは、私どもとしては当然やらなければいけないことだというふうに思っております。
 ほとんどの場合には問題なく返済が行われてきておるわけでございますが、先ほど来御指摘のあったように、借款の供与時点では予想し得なかった不安定な政治情勢でありますとか、紛争、自然災害等の事情によって返済が著しく困難となりまして、かつ、パリ・クラブなどの多国間の国際的な枠組みの中での決定によって、この国をどう立て直すかという観点から債務の削減を行うことが必要となる場合があるわけでございまして、こういったことにつきましては、そういう債務削減によって債権国が一定の負担と申しますか損失と申しますか、そういったものを負うということになるような事例があり得るわけでございます。
 それはそういうこととして認知した上で、こういったことに立ち至ることがないように、やはり借款の供与に当たって最善を尽くしていくことは当然でございまして、今後とも、新規の円借款供与に当たりましては、各国の事情、なかんずくその国の債務返済能力について十分注視してまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 最後になりますが、先ほども大臣もおっしゃいましたし、私もその点は、このODAの必要性といいますか、あるいはもっと言うならば、先進国の一面責務といいますか、そういう面でいってもこれは大変重要な問題、そういう点で、このことは更に発展をさせていくということは必要性を認めるものですけれども、一方で、先ほど尾辻さんが御指摘なさったような問題もあります。過去には、やはり軍事独裁政権のてこ入れに使われたり国民の抑圧に使われてきたという、こうした歴史もまだあるわけでありますから、その点も見落とすわけにいかない。
 今度のイラク復興人道支援についても、アメリカ占領軍の下に作られる従属的な政権への支援では、イラク国民に届かずに逆効果になるおそれもあると私は思います。人道支援に献身をしてきたボランティアに対して飛行機代を請求するなどという、こんなことを言い出す前に、莫大な税金を投じてイラクの一体だれを助けるのか、部族長の利得にされないかどうか、更に注視していく、そういう必要が、私たちには責務があるんではないか、こんなことを申し上げて、終わりたいと思います。
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
 最後でございますので、ひとつ最後までお付き合いのほどお願いいたしたいと思います。
 私もODAなんですが、まずその最初として、今もございましたけれども、ODAと会計検査の関係で、これは先般四月五日、所管省庁として会計検査が当たったときに会計検査の方にはお聞きしたものですから、今日はその質問の焦点を外務省の方に向けてお話を伺いたいと思うんですが、その前段として、会計検査院が平成十四年度決算検査報告というのを出しておられますが、その中で、政府開発援助についての中でいわゆるODAの再調査というのを扱っておられます。
 これ、平成二年度から十二年度の検査報告に掲記された二十一事業六か国についてのフォローアップと伺っておりますが、その結果、いわゆる状況が、当初の検査の後状況が改善し当初の計画を達成したものが二事業、当初の計画は達成していないが状況が改善していたものが十一事業、一方、前回調査と比較して状況が改善していなかったものが八事業あったと。こういう報告を受けているんですが、こういう報告を書かれているんですが、今回、会計検査院が再びこの現地調査を行ったというその背景といいますか、理由はどんなものだったんでしょうか。
○説明員(石野秀世君) 会計検査院としまして、ODAにつきましていろいろ多額の資金が投入され、あるいは国民の関心も高いということから検査を実施してきております。そして、その状況、検査状況を特定検査状況ということで毎年の検査報告に書いてきたところでございます。
 したがいまして、それでかなり蓄積ができてきたということもございますので、一度ここで、これまでに検査報告で掲記した事項がその後どういった形でフォローアップがなされているのか、そしてそのフォローアップによってその事業が本当にいいように動いているのかどうか、やはりこの辺でひとつ、おさらいということじゃないんですが、その状況というものを見、そしてそれが、更にその原因分析によりまして今後のより一層適切あるいは効果的なODAの実施に結び付けばというふうな観点で、今まで検査で取り上げてきたものを再度その状況を検査し直したということでございます。
○岩本荘太君 会計検査院も大分頑張っておられることを高く評価したいと思うんですが。
 実は、このいわゆるフォローアップ調査といいますか再調査をされた結果と、それからそれに対して更に外務省がフォローアップしたという状況が、これは私、いろんなものに同じように載っていますけれども、今手元にあるのは外務省のホームページから抜き出したものですが、その中で、特に平成七年ですか、チリの中で、これはいわゆる当初の予定を達成されてなかったものの一つなわけですけれども、零細漁民訓練普及センターの建設計画というのがあるんですね。その中で、いわゆる船着場を作り、さらには製氷・貯氷庫等を作って零細農民の訓練をしようというのが目的でなされたようなんですが、一年たったら砂がたまっちゃって船着場が全然使えなくなったと。したがって、もうこれはいわゆる当初の目的が達成されてないんじゃないかというような会検の、会計検査院の指摘があったんですが、それをまともに受けて外務省が対応してくれればいいんでしょうけれども、その外務省のフォローアップを見ますと何か開き直ったような感じで、要するに船着場は活用されているというか、使われているのかどうか分かりませんが、製氷・貯氷庫等を民間に貸しているんですかね、そういうことによって運営費を賄っているからいいじゃないかと、こういうふうなちょっと開き直りとも取れる、こういうふうなことを書かれているんですよ。
 これはだから、僕はこう書かれてあるという事実を申し上げて、これがどう、どっちが正しいか、これは外務省と会計検査でやっていただければ結構なわけですが、いわゆるこういうことはちょっと日本の国では考えられない、日本の国の国内の事業ではですね。会計検査院が言ったことに対して、こういう意見もあるよと意見は言われるんでしょうけれども。まあやっぱり国内であれば会計検査が指摘したということは非常な重みがあるわけですよね。海外の場合になると、これは、やっぱり現地調査といいますか、それに非常に制約を受けるということが原因になっているんじゃないかと。
 そういうことで、かねてから私は、会計検査といいますかそういうものがもう少し援助であっても相手国の中に入り込んでやるべきでないかというような認識を、希望を持っていたんですが、今まで過去に、外務省、外務大臣も含めてかなりこういう、この点御提案したんですけれども、色よい返事は一切なかった。
 それと、先般、決算委員会でODAについての勉強会、参考人をお呼びして勉強会したときにお聞きしたら、実際はアメリカがやっているんだそうですね、こういう強引にといいますか、援助したところに。ところが、それはひんしゅくを買っているというようなこともあって、必ずしも有効な手段でないということなんですが。
 だから、したがって、そういうアメリカがどういうやり方やったかという、そういうこともあるでしょうけれども、そういうことがあったとしても、やっぱりこれは税金ですからね、税金ですから、何らかの格好でやっぱりもう少し入り込んだ検査というものが必要だと。それには会計検査の守備範囲だけじゃなくて、やっぱり在外といいますか、外国ですから、外務省もそういうことに関して一役買ってもらいたいというのが私の実は希望なんですが。
 それで、実際に先日の会計検査に対する一つの提案として、まあそれだったら日本でいわゆる技術協力で専門家を出すという方法はないかというような御提案を申し上げたら、会計検査院は、それは四月五日ですけれども、要するに、開発途上国から具体的にそういった要請があれば、本院としてもそういった面を十分考慮しながら検討してまいりたいと、こういう回答を得たんですよ。
 そこで、私はひとつここで外務省の出番かなというふうな気がするんですが、そういうことを外務省が働き掛けられないかと。やっぱり今みたいにODAの透明性を非常に要求されている、そしていろいろ議論出ておりますけれども、あれですよね、ODAによって支出される金額のかなりの部分が日本の企業に入ってきているわけですよね。したがって、そこに何か不透明なものがあっていろんな疑惑が出てくるというものもあるわけですから、そういう面から考えてももっとその辺の検査が必要ではないかなということで、その辺の外務省のその、何といいますか、心構えといいますかね、そういうものをお聞きしたいんですが、ただ、局長に御答弁いただいて結構ですけれども、要するに要請してきたという答えでは、答えだけはそれは私は納得できない。
 といういることは、やっぱり援助というのは、いろんな各国間協議もやっておられるでしょう。それで、特に、あれですよね、ODA大綱、今日もいろいろ出ていました、去年の八月に出た、この中で非常にいいこと書いてあるんですよね。これ、三番目の援助政策の立案及び実施という中に、その四番目に、政策協議の強化、ODA政策の立案及び実施に当たっては、開発途上国から要請を受ける前から政策協議を活発に行うことにより、その開発政策や援助要請を十分把握することが不可欠であると。これは確かにこのとおりだと思うんですよね。ただ向こうから来たからと。向こうから要請来るのも、裏を返せば、どこか日本の企業が裏で回ったというようなこともなきにしもあらずですから。
 そういう意味から、国が責任持ってこういうことをやられるというのは私は非常にいいことだと思うんですけれども、こういうものもありますので、今私が御要望した点、局長、どうお考えになりますか。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 まず最初に、会計検査からの御指摘に対して外務省がちょっと居直り傾向にあるんじゃないかという御指摘がございましたんですが、これはあれですね、私どもも御指摘を受けて、実はこの特定の案件についてもその後いろんな工夫とやりくりを先方の政府とも相談をし、また先方の政府もいろんな自助努力をして工夫を重ねてきたという面がございまして、その点を一言申し上げさせていただきたいという点と、それから、御指摘のあった点は、最終的には漁民の暴動のあおりでセンターが全焼してしまったという不幸なこともございまして、いろんな残念なことが重なったわけでございまして、私どもも、会計検査からの御指摘をきちっと受け止めて、これをどうフォローしていくかということについては真剣に取り組んでおるつもりでございますし、ただ、その取り組んでいく中でいろんな複雑な、思わぬ、予期しない事情が重なってくることもございますもんですから、どうしてもその点を指摘させていただいたという面があることは御理解賜りたいと思うわけでございます。
 それで、ODAに関する実地検査の御指摘でございますが、私どもの基本的な立場は、会計検査院がおやりになる実地検査について現地の大使館として最大限御協力をするというのが基本的な立場でございまして、相手国政府の了解を得ながら、相手国政府あるいは実施機関との間で円滑に調査が行われるように、今、努力をしていこうということで、検査院の方々ともいろいろ御相談しながらやらせていただいているわけでございます。
 具体的には、例えば、相手国の関係者に対する質問状の送付でありますとか、それから検査院の方々が現地に赴かれた際のプロジェクトの関係者との綿密な打合せでありますとか、あるいは実地検査終了後の追加質問状の送付でありますとか、そういった面で外務省全体として会計検査院の実地検査が円滑に行われるように最大限の努力をするというポジションでございまして、この考えは引き続き貫いていきたいというふうに思っております。
 ただ、この検査について、相手国の協力が得られた範囲内でという、一定の制度的といいますか制約があることは是非御理解賜りたいと思っております。
 あわせて、この検査のみならず、ODAの様々な評価を行っていくに当たって御指摘いただいた大綱の政策協議という、これは大変重要でございまして、この大綱の中で実は要請という言葉は一切使っておりませんで、前大綱にはあったんでございますが、今回はむしろ、正にお触れいただきましたように、政策協議をいろんな場面で徹底的にやっていくと。かつ、私どもとしても、できる限り現地化といいますか、現地のタスクフォースの役割を強化して、その中で政策協議を充実させていくという方向を目指しておりまして、そういった政策協議を進めていく中で、様々なODAの案件の評価でありますとか反省でありますとかいろんなことを取り上げながら、相手国と双方向でしっかりと取り組んでいくというようなことが実現されればというふうに思っている次第でございます。
○岩本荘太君 そういう御答弁だと思いますけれども、現実的にはやっぱり、私も農林省から在外公館へ行ったことありますけれども、発展途上国ですね。やっぱり、例えば農林省、日本の農林省だったら、その国の農業について一番心配するわけですよ、それをどうしようかということをね。例えば、私がもし行っているとすれば非常にアプローチしやすい。
 そういう面からいうと、会計検査院は、さっきちょっとお話聞いたら、そういう人は出ておられないようなふうなことをお聞きしまして、ただ、平成十二年ですか、あのときに、非常に拘束が、何といいますか、表現はちょっとはっきりしませんが、いろんな制約があるというようなことを言っておられるとすれば、じくじたるものがあるんだと思うんですよね。だから、その辺で、そういうものを酌み取ってやっていただくのはやっぱり外務省しかないんだと思いますんで、これ以上言ってもあれですから、要するに要望しておきたいと思います。
 それから、次の問題ですが、これは外務省を私は非常に評価しているんですけれども、留学生、研修員の留学生制度ですね。これ、平成十一年に私は一回質問したことがあるんですけれども、こういうことできていないと思っていたら、できていますというんで非常に喜ばしいことだったんですけれども、いわゆる研修員、日本にそれまでにも随分研修員が来ていろんなところでやっておられました、研修しておられましたけれども、何か、来て、どこかに行って帰っちゃうと。それだけのものじゃもったいないんじゃないかなという気持ちから、例えば大学に研修員として入って二年なりおって、そこで学位を取って帰られたら、日本に対する評価も、日本の大学出たという、そういうことに対する評価も非常にいいですし、そういう研修員として日本に来られる方は発展途上国なわけですから、そういう方々が研修を受けられるというのは、日本ではむしろ地方大学の活性化にもなる。それから、来られる方はやっぱり政府のお墨付きですから、非常に安定、安定というか安心できる。最近、外国から来て、何か変な留学生で問題を起こしているというようなこともありますけれども、そういう心配もない。一石何鳥かのことができるということで、たしか私が聞いたときは、JICAの研修員制度とそれから無償援助の制度ですかね、二つあるというようなことなんですが、それ今、そういう状況ちょっとどうなっているか。
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 現在の制度といたしましては、一つはJICAの留学生受入れということでございますが、御指摘ありましたように、平成十一年度から長期研修員制度というものが始まっておりまして、博士号、修士号等の学位を取得していただくことを目的として、毎年百名程度を目途に受け入れておるという制度がございます。それから、同じくJICAとしては留学生支援無償資金協力、この一環として、原則、修士号の取得を目的とする留学生の受入れ、これは平成十五年度では二百三十九名受け入れておりますが、これの実施促進業務を行っております。さらに、三番目のカテゴリーといたしまして、中南米の十二か国から本邦大学院への日系人留学生への奨学金支給ということで、平成十五年度で申し上げますと十四名受け入れております。これらを合わせますと、平成十五年度におきましてはJICAベースで三百五十名余りの留学生を受け入れておるわけでございます。
 それから、学位の取得状況を申し上げますと、この三つの事業を合わせまして、過去三年間に博士号を取った者が十三名、修士号を取られた者が二百五十二名という実績がございます。
○岩本荘太君 結局、膨らんでいるんですね、うなずかれましたからそうだと思いますけれども。僕はこういうやつは、日本では留学制度というのはいろいろあると思いますけれども、文部科学省ともっと相談して、希望すれば枠をもっと広げる努力も必要なんじゃないかなという気がするんですけれどもね。地方大学はこういう話しますと非常に期待しますよ。そういうことをお伝えしたいと思うんですが。
 ただ、一つ、最近ちょっと私も知ったんですが、今、局長のお話でも、博士号、修士号というお話で、要するに四年を過ぎた人なんですね。ただ、先ほど私言いましたように、漫然と日本に来て研修を受けて帰るよりもということであれば、その本人が例えば大学、自分の国で大学出ていたとしても、日本に来て四年制の大学の例えば二年をやって学位を、学士号ですか、を取るというようなことでも十分いいんじゃないかというような感じがするんですが、この辺がどうもそういう制約があるような感じなんですが、実際ないんじゃないかと思うんですけれども、今日は文科省からお見えいただきましたので、その辺をちょっとお話しいただきたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 先生御指摘のように、我が国の大学の転入学は、我が国の大学のみならず外国の大学についても同じでございます。したがいまして、外国の大学に在学中の者あるいは卒業した者が日本の大学に転入学してきて、あるいはその中で、例えば二年ということで学士号を取得するということは制度上、当然可能でございます。
○岩本荘太君 ちょっと分からなかったんですけれども、私の解釈では、そういう、いわゆる大学というか、今までの枠を広げることも、例えば大学の承認といいますか、大学が認めればできるようなことも考えられると、こう理解してよろしいですか。
○政府参考人(清水潔君) 留学生に様々な形の支援があるというのは私ども大いに歓迎するところでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございました。時間が来ましたので、質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますので、外務省及び防衛庁の決算についての審査はこの程度とし、本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時五十九分散会