第159回国会 内閣委員会 第3号
平成十六年三月十八日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     高嶋 良充君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     岡崎トミ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         簗瀬  進君
    理 事
                仲道 俊哉君
                西銘順志郎君
                神本美恵子君
                吉川 春子君
    委 員
                岡田  広君
                関口 昌一君
                竹山  裕君
                中島 眞人君
                森田 次夫君
                森元 恒雄君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                小林美恵子君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(食品安
       全))      小野 清子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      金子 一義君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       外務副大臣    阿部 正俊君
       農林水産副大臣  市川 一朗君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  荒井 正吾君
       厚生労働大臣政
       務官       竹本 直一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       内閣官房拉致被
       害者・家族支援
       室長       小熊  博君
       人事院事務総局
       勤務条件局長   山野 岳義君
       内閣府大臣官房
       審議官      成田 一郎君
       内閣府政策統括
       官        林  幸秀君
       内閣府男女共同
       参画局長     名取はにわ君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       警察庁長官官房
       長        吉村 博人君
       警察庁刑事局長  栗本 英雄君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   都築  弘君
       法務大臣官房審
       議官       河村  博君
       外務大臣官房審
       議官       齋木 昭隆君
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       文部科学大臣官
       房審議官     木谷 雅人君
       文部科学省研究
       開発局長     坂田 東一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鶴田 康則君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  冨岡  悟君
       農林水産大臣官
       房審議官     岡島 敦子君
       農林水産省消費
       ・安全局衛生管
       理課長      栗本まさ子君
       国土交通省海事
       局次長      馬場 耕一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房及び内閣府の基本方針に関する件)
 (警察行政、青少年育成及び少子化対策、食品
 安全行政の基本方針に関する件)
 (個人情報保護、科学技術政策、情報通信技術
 政策の基本方針に関する件)
 (経済財政政策の基本方針に関する件)
 (規制改革、産業再生機構、行政改革、構造改
 革特区、地域再生の基本方針に関する件)
    ─────────────
○委員長(簗瀬進君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君外二十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(簗瀬進君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る十一日に聴取いたしました国務大臣の所信に対し質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 竹中大臣にお伺いをいたします。
 十六度予算案を見ますと、歳出と税収の差が大変大きくなっています。乖離が広がっている。歳入全体に占める公債金収入の割合は四四・六%。データはいただきましたが、もうすべて話すと時間掛かりますから。平成元年、歳出六十五・九兆円、そして税収が五十四・九兆円、新年度予算案は八十二・一、そして四十一・七兆円という。国債も増えています。一方で、国税収入は低下をしています。間もなく税収が三十兆円台になるんではないか、そういう心配もされないわけでもありません。
 そういう中で、三位一体の改革ということで今朝の新聞でも都道府県予算の記事が出ておりました。基金取崩し、前年度比〇・七%減ということで。三位一体の改革の考え方が全国に広がって理解をされているという記事も載っておりました。しかし、四十七都道府県のうち十六の県では前年より基金の取崩し減っています。三十一の都道府県では増えているという数字も出ているわけであります。なかなか不安で、先行き不安で思い切った予算が組めない、こういう考え方もあるんだろうと思いますけれども、市町村はもっと深刻です。住民の要望にこたえられない。歳出改革と言いながらも、今年、全体では〇・四%伸びの予算を編成をいたしました。
 特に、市町村取り上げてみますと、財政調整基金や減債基金、いろんな基金を取り崩して予算を四苦八苦して組んでいます。地方の声は、来年はもう予算組めないんじゃないか、こういうことが私は現状ではないかと思っています。特に、市町村につきましてはいろんな住民要望が寄せられています。要望は多岐に広がっている。そういう中で、なかなか苦しいのは、市町村長というのは現実に選挙があります。おれたちの要望やってくれないじゃないかと。そういうことを考えますと、なかなか、やっぱり元気のある予算というとなかなか言えないんじゃないか。
 こういう中で、財政の硬直化がますます進むんではないかと思いますが、将来の財政見通し、この地方への予算についても竹中大臣にまず考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 岡田委員御指摘のとおり、まあ本当に、国も地方も本当に予算を組むのに四苦八苦するぐらい台所事情が厳しい。しかし、その一方で、数字を見ますと、とんでもない借入金に依存する状況になっていると。その中で、本当に狭い道を歩みながら、しっかりと将来の世代に責任を持てるような財政の姿を作っていくことが大変重要な我々の責務になっていると思います。その意味では、ここから数年、特にこの予算編成の正念場が続くというふうに私自身も考えております。
 財政の健全化、一方で経済をきちっと運営していく、その基本的な道筋というのは、骨太の方針にここ数年書かしていただいておりますように、やはりあと十年ぐらいで財政の基礎的収支、プライマリーバランスをまずしっかりと回復させることである。そのためには、歳出面では政府の規模をこれ以上大きくしないようにする、緩やかな歳出キャップをはめる。一方で、経済を活性化させて、それによる税収の着実な上昇を待つ。その上で、二〇〇六年ぐらいまではそういう状況にいって、二〇〇七年以降、同程度の改善を実現するにはどのようにしたらいいか、受益と負担をどのようにしたらいいか、二〇〇六年度までに根本的に考えようと、そういうようなシナリオになっているわけでございます。
 大変苦しい。しかし、その苦しい中にあって、二〇〇四年度の予算におきましてはこの基礎的財政収支が〇・八%ポイントGDP比ではっきりと改善を示すという重要な一歩が今示されようとしているという状況であると考えております。何とか苦しい中でこの状況を続けていくこと。そうした中で、地方でできることは地方でという三位一体の仕組みの改革を併せて行う。その際に、地方財政計画をどのように作るかということは地方の予算編成に重要な影響を与えますので、その点にも十分な目配りをしながらこの狭い道を是非歩みたいというふうに考えているところでございます。
○岡田広君 是非、竹中大臣の更なる努力をお願いをしたいと思います。
 三位一体の改革、これは数字の三と一ですが、私たちの人生の基本的な数字は一です。三はキーワードの数字。三拍子そろったとか、万歳三唱、三本締めとかありますが、この話すると長くなるからしませんけれども、小泉純一郎さんの一、安倍晋三さんの三ということで、一と三は大変組合せのいい数字、私たちの生きるための基本的な数字です。数字の話すると長くなりますからしませんが、是非この三位一体の改革、地方にもやっぱり光を、元気を与える、そういう改革をしていただきたいと思っております。
 次に、景気の問題でありますが、十五日に関係閣僚会議が行われまして、三月の月例経済報告が提出をされました。景気の現状は、「設備投資と輸出に支えられ、着実な回復を続けている。」ということで、表現も「回復している。」から「回復を続けている。」ということで、着実に景気が回復していることを示しています。個別項目でも、消費も持ち直しの動きが見られる。ここ一年見てみますと、おおむね横ばいか、不透明感が見られるとか、あるいは持ち直している、回復しているから、回復を続けているという表現が使われていますが、早く回復したという言葉が使われる、そういう経済対策をしていただきたいというふうに考えているわけです。
 そういう中で、日銀が発表しました家計の金融資産残高、一人当たりの金融資産高、全然、どんどん伸びています。全体で千四百兆円、一人当たりは一千百万を超えています。この中には、もちろん金融、現金とか預金、そして株とかあると思いますが、そういう中で、私は底力はある、蓄えはあるという考え方を持っています。
 映画一つ挙げても、いい映画にはお客さんが行く。今まで日本の映画の中で最高の興行収入だったのは「タイタニック」、二百七十億円と、興行収入ですが。それを見事に抜いたのは、十歳の少女が主人公の映画「千と千尋の神隠し」、二千七百五十万人の人が見たという数字が出ています。三百億円の興行収入上げました。これ映画でどのぐらいかというと、当時同じ時期に上映された吉永小百合の「千年の恋」というのをニューヨークで試写会をやって、大々的に宣伝をして、全国放映をされました。しかし、これは二十一億円の興行収入。十歳の少女の主人公の映画が三百億円。いいものにはお金を出すという、そういう経済の消費マインドを冷え切らさない、お金を外へ出していくという、そういう経済対策をしっかりと考えていかなければならないと私は考えていますが、こういう考え方について大臣の考え方をお願いをしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今委員御指摘の点は大変重要なポイントばかりだと思います。
 まず、経済の活性化のためには何といっても個人消費がしっかりとしなければいけない。その個人消費を支えるものとして、やはり当面期待されるのは、委員いろいろ御紹介くださいましたが、やはりいわゆる選択的支出と言われるものであろうかと思います。
 現実問題として、今消費が持ち直しの動きを示し始めましたが、これを支えているのも選択的な支出、良いものにはお金を払う、さらには、この千四百兆円近くの個人資産をいかに活用して、これで活性化できるかということ、これらがやはり重要なポイントになってくると思います。
 それらを含めて二点申し上げますが、消費に結び付けていくためには、今は企業部門が良くなって経済を支えている。この企業部門の好調が、所得、給与の上昇等々を通じて家計、消費に波及するようなメカニズムを作っていかなければいけない、マクロ的にはこれが大変重要だというふうに思っております。その意味では、今年のいわゆる春闘、賃上げ等々に私自身は大変注目をしているところでございます。
 もう一つは、やはり資産の活用に通じますが、将来に対して安心が持てるような状況を作らなければいけない。その意味では、全般的な社会保障の改革というのは大変重要になってこようかというふうに考えております。
 この二つの道筋を是非実現するように努力したいと考えているところでございます。
○岡田広君 ありがとうございました。竹中大臣ありがとうございました。財金の委員会へどうぞ。御退席をお願いします。
○委員長(簗瀬進君) どうぞ。
○岡田広君 次に、福田官房長官にお尋ねをしたいと思います。
 北朝鮮の拉致被害者の問題、これは今朝の新聞でも、日朝実務者会議の開催を十二日に提案をした、六か国の作業部会は四月に開催をすると。今までいろんな経過があって大変な努力があったろうと思いますが、御承知のように、韓国でも大統領の弾劾訴追、六か国協議が遅れるんではないか、しばらく政治の空白が続くという、そういういろんな状況を見渡して、今回は北朝鮮がなかなか協議に応じてこない。外為法の問題とか、あるいは今朝の新聞、来週中ですか、国会に提案される船舶の新しい法案の問題、こういう問題等もいろいろあると思いますが、まず北朝鮮についての今後の取組方について福田官房長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 北朝鮮との関係、日朝交渉、これはもう長年にわたって行ってきているわけでありますけれども、一昨年のピョンヤンにおける両首脳の会談で新しい局面に入ったと、こういうふうに考えております。また、その後、六者協議という六か国の交渉の枠組みというものもできたわけでありまして、これも新しいフェーズに入ったというふうに思っております。
 そういうようないろいろなやり取りがあるわけでありますけれども、まず六者会合と申しますか六者協議、この話合いの中でもって北朝鮮の核の問題が平和的に解決されると、こういうこととともにその他の諸問題を包括的に解決をすると、こういうことが必要なんでございますんで、北朝鮮と関係各国との関係改善と、こういうふうなことが必要不可欠なことであるというふうに考えております。
 その中で、我が国の場合にはこの拉致問題という問題がございます。これはこの日朝間の最優先課題であると、こういうふうな考え方をいたしておりまして、その解決の重要性については国際社会全体の理解と支持を得ながら、引き続きあらゆる機会をとらえてこの問題の早期解決に向けて北朝鮮に対して強く働き掛けを行っておるところでございます。
 その際、当面、五人の被害者の方の御家族の速やかな帰国の実現を図る、これを最優先の課題として取り組んでおりますが、これは国交正常化交渉再開までに実現すべきものでございます。
 それから、安否未確認の十人を含む方々に対する情報提供要求、こういうことについても引き続き求めていきたいと考えております。また、それ以外にも、政府においてこれまでに拉致容疑事案と判断しております十件十五名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない、そういう事案があると、こういうふうに考えておりまして、鋭意所要の調査を進めてまいっております。
 これまでこのような基本的な考え方に基づいて、拉致問題の解決に向け、政府一体となって取組を進めてきたところでございまして、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
○岡田広君 十四年の十月十五日に五人の拉致被害者が日本の土を踏みました。大変国民はもうもろ手を挙げて喜んだ。そして、その後残されたのは帰国された方々の家族八人、そして死亡、行方不明の十人の安否の確認。これは、拉致問題の解決なしには日朝間の問題は解決をしないというふうに考えておりますので、更に一層の取組を要望しておきたいと考えております。
 そして、茨城県の話ですが、北朝鮮の船チェルソン号という船が茨城県の日立港で座礁をいたしました。この整理に掛かったお金、六億三千八百万というお金が掛かっております。このお金につきまして、もちろん国から、国土交通省、そして特別交付税でそれぞれ国からこのお金をいただいております。しかし、茨城県にとりましては大変な損害です。税金からこのお金支払われている。もっと損害なのは、国の方がもう五億以上のお金を国は予算化してこれに充ててということであります。
 そこで、茨城県では北朝鮮の船会社に対しましてこのお金の返却を申入れしております。外務省や国土交通省や関係省庁にはこれについての要望書が茨城県から出ていると思います。そういう中で、国はどういう対応を取っていただけるのか。これ、茨城県の損害じゃなくて、国の方がお金払っているんですよ。初めての問題です。補助金の制度もありません。そういう中で、今後こういう、これから、今回の国会で保険に掛かっていない船は入港禁止という法案も出されています。解決はすると思います。しかし、一〇〇%の解決にはならないと思いますが、こういうことに対して窓口を作るとか、このお金についてどう国はバックアップをしていくのか、それについてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(馬場耕一君) ただいまお尋ねいただきました点につきましてお答え申し上げます。
 船舶の事故により発生いたしました被害につきましては、船舶所有者の責任において原状回復や補償が行われるというのが原則でございますが、船舶所有者がその責任を全うしないためにやむを得ず港湾管理者が行政代執行法などの法律の手続に基づきまして座礁船の撤去等について対応した場合には、その費用の徴収を行うことができることとなっております。
 この場合におきまして、費用の徴収の権限は撤去等の措置を実施した行政機関が有することになりますので、本件のチルソン号、お尋ねのチルソン号の撤去に要しました費用の請求権は、港湾管理者であります茨城県にあるというふうに認識しております。また、国は茨城県に対しまして補助を行っておりますけれども、船舶所有者に対します請求権を有するものではありませんので、国から当該船舶所有者に対して費用の支払の請求をすることは困難であるというふうに認識しております。
 なお、政府といたしましては、今般、今後、船舶によります座礁事故が発生いたしましても、その撤去の費用等の支払を担保することができるようにするために、貨物船でありましても、一定の外航船舶に対しまして、保険の加入を義務付けるということを内容といたします油濁損害賠償保障法の一部を改正する法案を今国会に提出しているところでございます。この改正法律案が成立を見ますと、今後、本件のような放置座礁船問題の発生を防止することが可能になるものと考えております。
 以上でございます。
○岡田広君 今の油濁防止法のことはもちろん分かっているわけですよ。そうじゃなくて、今回起きた、これ、金額ベースにいったら茨城県より国の方が損害は大きいんですよ。それに対して国はどうバックアップをしてくれるのか、できるのかできないのか、国交がない国ですから、ですからその点を私聞いているんです。
○政府参考人(馬場耕一君) お答え申し上げます。
 先ほどの答弁と同じように、請求権そのものにつきましては性格上できませんが、私どもは、県の方からその請求の実効をあらしめるために陳情、要望をいただいております。私どもといたしましては、今回の件に関しまして、北京の大使館ルートを通じまして自治体の請求に応ずることを北朝鮮関係者に指導するように申入れを行ってきているところでございます。
 以上でございます。
○岡田広君 それでは、中国のルートを通じまして是非この支払に応じるように更にお願いをしたいと思っております。
 では次に、男女共同参画社会についての御質問をさせていただきたいと思います。
 条例の制定とかあるいは審議会委員の登用率、女性管理職が一人もいない自治体、千二百以上あるということでありますが、これ、いろいろありますけれども、審議会の委員の登用率三〇%ということで目標を定めていますけれども、この三〇%、数字だけで終わるんではなくして、これは国もそうですけれども、各都道府県、市町村につきましても、やっぱりこの目標数字を持ちながら取り組むというのは大変大事なことだろうと思いますが、そういう中で、数字だけが三〇%になればいいというんではなくて、地方の現実は一人の委員が六つも七つもやっているという、そういう現実がありますので、そういう指導は是非お願いをしたいと思っています。
 そういう中で、男女共同参画社会の実現に取り組む姿勢につきまして、官房長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 男女がその個性と能力を十分に発揮すると、こういうことができるような男女共同参画社会の実現、これはこれからの社会が生き生きとした活力に満ちあふれた社会になるためにも大変重要な課題であると考えております。政府の最重要課題の一つであるというように考えておりまして、この総合的にかつ計画的な施策の推進を図っていると、こういうところでございます。
 今委員御指摘ございましたように、二〇二〇年までに社会のあらゆる分野において三〇%の女性が指導的な地位を占めると、こういうような、そういうような目標を持って、そのためにその実現のための女性のチャレンジ支援策などに取り組んでおる、こういうことでございます。
 御指摘のように、三〇%、どこでも達成できるかと、そういうわけにはいかないところももちろんあるわけでございますけれども、しかし、それを目標にしていかないと、我が国は何せほかの国に比べまして、特に先進国の中においては、必ずしも男女共同参画社会という観点から考えても十分でないという部分ございます。むしろ相当頑張らなければいけない、遅れているというように言ってもいいんではないかというような面もございますので、そういうことについて目標を持ってやっていくということも必要なのではなかろうかと、こういうふうに考えてこういう数字を設定したわけであります。
 三〇%でいいというわけでない、そういう分野もあるし、また三〇%はなかなか難しいぞという分野、これは男女ということによる部分ももしかしたらあるかもしれぬですけれども、いろんなことがこれから考えられますので、そういう目標というものは一つの、何というんですか、この程度という、そういうような形でとらえていけばよろしいのではないかというふうに思っております。
 しかし、政府ではこれは何とかこの三〇%というものを実現したいというふうに考えておりますので、政府からまずその三〇%実現のために最善の努力をしてまいりたいと考えております。
 地域におきまして、これは今地域においてはなかなかそうはいかないと、こういうような御指摘ございましたけれども、それはそれでやはり意識の啓発とか、またいろいろな政策手段において政府としてもそういうことを実現しやすいようにしむけていくような、そういうようなことも必要なんではなかろうかというふうに思っております。
 いろんな分野のことで、一つ一つ対応が異なるかもしれませんけれども、具体的な視点から、できるだけ分かりやすく提案をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 そういうことで、例えば関係各府省の連携協力をしてまいりまして、再就職、起業、NPOなどの様々な分野における女性のチャレンジ支援ネットワークの構築なんというのもございますので、そういう意識を高めるということも大変大事だというふうに考えております。
○岡田広君 是非、進めていただきたいと思います。
 冒頭申し上げましたように、いろんな役職の審議会、いろんな審議会があると思うんですが、やはりできるだけ私は地方においてはたくさんの人に参加をしてもらうのが住民参加、国民参加ということになるんだろうと思います。そして、期間も今度はあると思います。同じ人が長い期間やっているんではなくて、そういうこともなかなか難しいことでありますが、指導をしながら、この登用率も高めて、男女共同参画社会の実現に向けて努力をしていただきたいと考えているところであります。
 次に、ITERについてお尋ねをしたいと思います。
 地球の小さな太陽ということで、二月に国際会議が開かれて、これの誘致先が決定しませんでした。三月の下旬、国際会議がやられるということです。なかなか決まりません。日本では青森県の六ケ所村がその候補地に挙がっているところであります。EU圏のフランスが挙がっているということでありますが、これ、いつごろ決まってくるのか、そして今この誘致に向けてどんな運動を展開しているのか、このことについて、まず茂木大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) このITERの計画、今委員御指摘のように、地上に小さな太陽を作る、そういった壮大な計画でありまして、これは国際協力の下でしっかりと進めていきたい。日本、欧州、そして米国、さらに中国、韓国、ロシアと、六極が参加しておりまして、様々な議論を経まして、サイトにつきましては、委員御指摘のように、青森県の六ケ所村、そしてまたフランスのカデラッシュと二か所に絞られてきたわけであります。
 昨年の十二月に閣僚会議、これアメリカで開催をしまして、残念ながらサイトの決定に至らなかったと。その後、様々な会議について委員も御案内かと思いますが、今年の二月の二十一日にウィーンにおきまして次官級の会合を開きまして、この今申し上げた二つのサイトにおきます、例えば地震であったりとか輸送であったりとか、技術的な事項を中心とした議論を進めてきたところであります。恐らく技術面の協議はほぼ終了したんではないかなとこういうふうに考えておりまして、これまでの様々な専門家の議論等々も踏まえて、できるだけ早期にサイトに関する合意が得られるよう政府としても一丸となって取り組んでいきたいと考えております。
○岡田広君 地球の小さな太陽ということですが、考えてみれば私たちは太陽によって生かされているという、そういうことだろうと思っています。朝雨が降ったときには太陽が恋しくなります。太陽は六千度Cという温度で自分を燃やしながら地球に光や熱エネルギーを与えてくれています。雨が降るとか風が吹く、雪が降る、海に潮流現象が起きる、すべては太陽によって引き起こされている。そういうことを考えると、生きているということよりもむしろ太陽によって生かされているということであろうと思います。そういう中で、この地球の小さな太陽ということで、ITERの誘致、大変大事なことだろうと思いますので、是非これを積極的に進めていただきたいと思います。
 そして、このITERに関しまして、当初、茨城県にこのITERを誘致をしようということで、茨城県の那珂町というところ、核融合研究所がJT60ということでできております。これスタート時にもう既にITERを誘致をしようということで、その土地も七十一ヘクタールも確保してあるんです。しかし、開催地が決まりましたからこれ必要なくなりました。地元の町では七十一ヘクタール、何か施設を作ってもらいたいという要望もしております。
 しかし、なかなか今の財政状況で大変難しいものがありますが、この那珂町の核融合研究所ではJT60の改修事業費というのを国に要望をしています。三百五十億、五年間ということです。そして、これにつきましては十五年度から調査費が付いています。十六年度、同じく付きました。五百万ずつです。そして、先ほどお話ししたITERの総事業費については一兆以上のお金が掛かる。これは新しい予算を求めない、原子力関連予算の中で対応するという考え方を打ち出しているはずです。
 そういう中で、茨城県でも東海村にJ―PARCということで大強度陽子加速器ということで、十九年度の一部完成を目指して今建設が進められている。これ千五百億というお金が掛かるそうであります。
 こういう中で、私心配しているのは、ITERの誘致は是非お願いしたい。原子力関連予算の中でやりくりをしますというときに、核融合研究所のJT60のこの改修費が果たしてできるのかどうか。これ改修と、そしてもう一つはその七十ヘクタールの土地どうするのか。こういう問題、この問題ちょっと今日触れませんけれども、その点について、このJT60の改修事業あるいはJ―PARCの事業に支障がないようにお願いをしたいと思うんですが、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(木谷雅人君) お答え申し上げます。
 まず、JT60の改修ということでございますが、このJT60は人類初のプラズマ温度五・二億度を達成するなど世界第一級の研究実績を上げた装置でございまして、その超伝導化改修を行うことはITER計画への支援及び核融合エネルギーの実現に向けた研究を進める上で意義があると考えてございます。昨年一月に取りまとめられました科学技術・学術審議会、学術分科会の核融合研究ワーキング・グループの報告書におきましても、核融合エネルギーの早期実現に向けまして国内のトカマク装置を重点化すること。その際、JT60をトカマク国内共同研究の中核を担う装置として位置付け、共同利用、共同研究を積極的に促進するという方向性が示されているところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、JT60の超伝導化改修につきましては、現在、関係国間で交渉が進められているITER計画の状況を見据えつつ、また、核融合研究の進展や予算等を勘案して検討を行ってまいりたいと考えてございます。
 また、J―PARCのことでございますが、この大強度陽子加速器計画につきましては、日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が共同で世界最高レベルのビーム強度を持つ陽子加速器を整備するということでございまして、既に平成十三年度に建設に着手をしておりまして、完成後には原子核、素粒子に関する基礎研究から、中性子を用いた原子核、原子力の研究開発に至るまで、幅広い分野での貢献が期待される科学技術上の重要プロジェクトとして位置付けてございます。
 一方、ITER計画につきましては、平成十四年五月に総合科学技術会議におきましても、国内誘致を視野に政府間協議に臨むことが適当とするとともに、その所要の経費につきましては、「他の科学技術上の重要政策に影響を及ぼすことがないよう、既存の施策の重点化、効率化を図り、原子力分野の予算の範囲内で確保すること。」との決定がされてございまして、これを基に閣議了解も行われ、現在、我が国への誘致に向けて取り組んでいるところでございます。
 文部科学省といたしましては、このような政府の方針にのっとりまして、ともに重要なJ―PARC、ITER、この両事業につきまして、毎年度の財政状況を踏まえ、原子力関係予算において既存事業の合理化、効率化を進めつつ、着実な推進に努めてまいる所存でございます。
○岡田広君 是非、ITERと今の核融合の改修事業、これについては全く、ITERが来たからこちらを減らすとか、そういう考えはないということで理解しましたけれども、いいですか。簡潔にお願いします。
○政府参考人(木谷雅人君) 先ほども申しましたように、これにつきましては、やはりこのITER計画の状況とやはり超伝導化改修ということは関連をするものでございますので、やはり現在関係国間で交渉が進められておりますITER計画の状況を見据えつつ、核融合研究の進展、予算等を勘案して検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○岡田広君 はい、分かりました。
 それでは、食の安全につきましてお尋ねをしたいと思います。
 鳥インフルエンザにつきましては、十六日に関係閣僚会議を開きまして緊急総合対策を決定をして、そして家畜伝染病予防法の改正案を今国会に提出する。正に茨城県でもコイのヘルペスの問題とか狂牛病、BSEとかいろんな問題がありましたが、食品安全委員会ということで、私は、少子化対策基本法、これは総理が議長になって横断的な組織を作っています。そして、男女共同参画についても福田官房長官が議長になって作っています。食の安全につきまして今日ほど大事なことはないんではないか。国民が食の安全、安心について最も希望しているときに、今後の食の安全に対する考え方、これ官房長官、総括的にひとつ、いいですか、この考え方についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 食の安全、安心の確保、これ一昨年のBSE、牛肉問題でもって大変大きな課題が目の前に突き付けられたというような感じがいたしたのでありますけれども、これが契機となりまして、この問題には本当に真剣に取り組んでまいったところでございます。
 政府として、これはもう重要な責務であるわけでございまして、昨年の七月に、消費者の視点に立った食品安全行政を推進するための、食品安全委員会における科学的かつ中立公正な食品健康影響評価に基づいて各省において具体的な規制などを行うと、そういう体制を、これを構築をいたしました。
 今回、鳥のインフルエンザが起こりました。そして、この問題については官房副長官が各府省局長を集めまして対策会議を開催をいたしました。これ随時開催いたしておりますけれども、その下の実務レベルではこれは毎日のように会議をすると、こういうふうな体制でもって情報の共有と整合性の取れた対応方針の打合せを行ってきたと、こういうことがございます。また、そういうような対応を取りまとめるべく、先般、関係閣僚によります会合も開催いたしました。政府として緊急総合対策を取りまとめると、こういうふうな経過をたどったわけでございます。
 そういうようなことで、これは、この問題は、先ほど申しましたように政府の大変重要な課題であるという認識を持っておりますので、その必要に応じて関係閣僚による会議を開催し、緊急の場合、また長期的な判定というふうなことでもって対応を進めておるところでございます。
○岡田広君 是非この対策を進めていただきたいと思っています。
 これは、家庭には家風という風があります。学校には校風、会社には社風という風がありますが、正に安全、安心の風を国民に広げていくというのが最も大事。私はもう風評被害というのが相当これはもう深刻だろうと思っています。鶏卵の業者でも畜産の業者でも、大変売れません。そういう中で、是非この風評被害を払拭するような対策を考えて講じていただきたいと考えております。
 時間がありませんので、食育も聞きたいんですが、ちょっと後にしたいと思います。
 警察問題につきましてお尋ねしたいと思います。
 北海道警とか、あるいは警察官の破廉恥行為とか万引きとか、いろんな事件が相次いでいます。そういう中で、正に国民の不安というのが正に広がっている。
 行政の仕事は、住民の不を取り除くというのが私は仕事だろうと思っています。不安を安心に変える、不満を満足に変えていく、不便を便利にしていく、不信を信頼に変えていく、これが正に政治であり警察の仕事であると、そういうふうに考えておる中で、いろいろありましたけれども、そういう中で、しっかりと襟を正して国民に信頼される警察としての在り方について、今後どう対応していくのか、それについてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小野清子君) 岡田委員今お話しされたように、国民の安心をつかさどる警察といたしましては、誠に残念な状況が起こっておりますことを大変私自身も遺憾に感じているところでございます。
 北海道旭川中央警察署の問題、あるいは静岡県警察における旅費をめぐります不適正事案等々、個々の警察による不祥事も起きておりまして、本当に誠に遺憾であるという言葉に尽きるわけでございますが、会計経理をめぐる問題に関しましては、国家公安委員会で既に警察庁に対しまして、事案を早期に解明をいたしまして国民の信頼を確保するように指示をしているところでございます。また、各県、道府県におきましては、それぞれの公安委員会の指示を受けまして、同様に全容解明に向けて鋭意調査を実施しているところと承知をいたしておるところでございます。
 今後、予算執行の一層の適正化方策につきまして検討を進めるように警察庁を指導、督励いたしてまいりますとともに、事案の全体が明らかになった段階におきまして厳正に対処してまいりたいと、そのように思っておるところでございます。
 また、警察官によります不祥事の原因につきましては、一概に述べることは大変困難ではございますけれども、基本的には不祥事を起こしました個々の職員の職務倫理意識の欠如ということと、それから幹部の指揮官、いわゆる指揮監督あるいは業務管理の不足に起因するところが大きいと私自身も感じているところでございます。不祥事の未然防止に重点を指向いたしました監察の実施、あるいは職務倫理教養の充実、業務管理の徹底等の諸対策を検討いたしまして、その推進に努めてまいるものと承知をいたしております。
 国家公安委員会及び各都道府県の公安委員会におきましては、不祥事の処理状況及び再発防止の推進状況につきまして適宜適切に報告を受け、必要な指導を行っているところでございます。
 以上でございます。
○岡田広君 是非しっかりと指導していただきたいと思います。政治家もいろんな問題が起きていますが、政治家も警察も国民から不信を持たれる、そういう中ではやっぱり住民が安心して生活できない社会になってしまう。そしてまた、特に警察につきましては、後の関口委員が警察官増員等につきましては質問をするということになっておるようでありますから私触れませんけれども、警察官増員、今年三千百五十ということで、千五百の予定が増えましたから、しかしこれでも少ない。そういう中で私は、地域の自警団とか防犯パトロール、そういう地域のことは地域で守るんだという、そういう意識をやっぱり広げていくということが大変大事だろうと思っています。自警団の組織、防犯パトロール、こういうことを是非指導をしていただきたいと思います。
 正に、刑法犯認知件数が最高になっている、しかし検挙率が二〇%という、八割は捕まらないと。正に世界一安全な国日本という神話が崩れている中で、是非この対応をお願いをしたいと思っております。
 時間が四十九分までということですから、すべて全部できませんけれども、ITについて、電子政府の実現ということで電子投票、まだ日本はやっておりませんけれども、電子投票のことを聞いているともう時間ありませんから、このIT、世界最大のIT国家ということで日本はこれから進めていくわけであります。そういう中で今後の戦略についてお尋ねをしたいと思っています。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本の今IT社会、これのIT革命の推進につきましては、二〇〇一年の一月にe―Japan戦略、それを作りまして、委員御指摘の二〇〇五年までに世界最先端のIT国家を作ると。このe―Japan戦略のときは、インフラ、基盤の整備を中心にした施策を進めまして、もう恐らくこの二年半ぐらいで相当インフラ面、これは整ってきたと、こういうことから、昨年の七月にe―Japan戦略Uと、これを作りまして、どういう形でこれを利活用していこうかと、こういう方向に更に発展をさしたわけであります。
 また、今年の二月にはこのe―Japan戦略Uを加速化させるための加速化パッケージと、こういうものも作らさしていただきまして、例えばコンテンツの振興であったりとか、電子政府そして電子自治体の推進と、こういうことをしっかり今進めていきたいと考えております。
○岡田広君 是非二〇〇五年、世界最先端のIT国家の実現のためには、また電子投票についてもひとつ、これは時間がありませんから議論しませんが、要望をさせていただきたいと思います。
 最後に、食の安全の中で、食育ということで総理も今回の所信表明の中で言葉を述べられています。正に食育がこんなに重要だ、叫ばれるときはないと思いますが、食育の前の、お米を作るとか野菜作りとか、そういう体験をするというのがこれからの教育の中で私とても大事だろうと思っています。
 そういう中で、今、時間ありませんが、全国で市町村の中でどれだけ体験教育、体験授業をやっているのか、こういうことを聞くつもりはありませんが、今後どう取り組んでいくのか、食の体験教育と。やっぱり作ることを、作る喜びを教えていくというのは大変教育の中で、食育の中で私は重要な一つであろうと思っていますが、これについて考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 簡潔にお願いします。時間が来ていますので。
○政府参考人(岡島敦子君) 食育を進めるに当たりまして、食べ物がどのように作られているかということを知るということは大変重要なことだと思っております。
 私ども農林水産省としましては、農業の体験学習ということをいろいろな形で進めているところでございまして、食育の一環としましても、あるいはまた農業理解の一環としましても、今後とも大いに進めていきたいというふうに考えております。
○岡田広君 終わります。
○関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。国会議員として初の質問でございます。委員長を始め、委員の皆様の御協力をよろしくお願い申し上げる次第でございます。また、答弁側においても簡潔に、また内容のある、実のある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず、三位一体の改革の行方について御質問をさせていただきます。
 地方への税財源の移譲の在り方、地方にできることは地方にということ、改革の方向、これは地方分権の改革の推進に当たってという点からも重要である、当然のことであると思います。しかし、国の関与を縮小して地方に事務事業を移管する場合、同時に必要な財源もしっかりと地方に移譲しなければならない。また、事務事業の移管に際して、さらに民間部門の開放など必要な見直しというのも、これは当然であるかと思いますが、引き続き公的主体となって実施すべき事務事業の移管について、その所要想定額ですか、税財源を国は過不足なく地方へ移すべきと私も考えておりますが、まず政府の方針を聞かせていただきたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 政府は、三位一体の改革の推進によって地方の権限と責任を大幅に拡大をしていく、そのことによって地方の自由度を高めていきたい。そのこととあわせて、今地方も国も巨額な財政赤字というものを抱えておりますので、行政のスリム化というものを図っていく、効率的で簡素な行政システムというものを構築していく、そのことも改革の重要な課題ではないかというふうに考えております。
 お尋ねのありました税源の移譲につきましては、基本方針二〇〇三において、十八年度までに国庫補助金、負担金についておおむね四兆円程度を目途に廃止、縮減等の改革を行った上で、廃止する国庫補助金、負担金の中で引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについて精査を行った上で八割程度を目安として移譲をして、そして義務的な事業については徹底的な効率化を図った上で所要の全額を移譲することとしております。さらに、地方交付税の改革を進めると、こうした方針を示しているところでございますが、今後の具体的な姿につきましては、十六年度においてもこの方針にのっとって税源移譲等により一般財源化を推進をして、さらにその上に立って十八年度までに所得税から個人住民税への抜本的な税源移譲を行うとの方針を示したところでございます。
 今後とも、地方公共団体を始めとした関係者の皆様方の意見を十分踏まえながら、経済財政諮問会議を中心として議論を進めて、そして分権社会を実現をしていくために改革に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○関口昌一君 公的主体が実施するべき事務事業の移行に際して、これはもうしっかりと地方へ税源を移譲していただきたいと要望させていただきたいと思います。
 次に、地方交付税制度を改革するに当たっての税財源の移譲を進める中での課題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 地方交付税総額の中で、財政調整機能部分と財源保障機能部分がそれぞれどの程度の割合か、大まかな数字で結構であります。時間の関係もございますんで、簡潔に示していただきたいと思います。
 また、財源保障機能部分に相当する現在の交付税交付額は制度改革後にどのような形で地方に移されるのか、政府の方針をお伺いしたいと思います。
○委員長(簗瀬進君) はい、どなたですか。二問あります。
○政府参考人(松田隆利君) 総務省でございますが、ただいまの件、自治財政にかかわる話でございますので、今日は政府参考人としてお呼びがございませんので、私からは答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○委員長(簗瀬進君) もう一問は。
○政府参考人(松田隆利君) いずれも同じ自治財政にかかわる問題でございますので。
○関口昌一君 初めての質問なんで早速いじめられたような印象を持っていますが、これは本当に地方にとって大変な重要な課題であります。是非、しっかりと対応していただきたいと思っております。
 国庫補助負担金改革の課題についても質問考えたんですが、これは御答弁いただけるでしょうか。
○委員長(簗瀬進君) はい、答弁。
○政府参考人(松田隆利君) この御質問も自治財政あるいは国の財政にかかわる問題でございますので、私の所管外のものでございますので、恐縮でございますが答弁を差し控えさせていただきます。
○関口昌一君 私も、質問した後、また同じような答弁されるんではないかなと思ってちょっと嫌みっぽくもう一度質問させていただきました。所管とかいろいろあるかと思いますが、共通した課題でありますので、それではこの質問も控えさせていただきたいと思います。
 重ねて申し上げますが、今地方は大変な思いをしておると。先ほど岡田議員からもお話しございましたが、そうした中で、地方でできるものは地方へという言葉の中に、しっかりと財源移譲も含め、また財源保障機能部分、これがどういうふうな形になっているかという非常に不安を持っているというのが現状であります。そうしたことも発言をさせていただきたいと思ってあえて質問をさせていただきました。
 そうしますと、公益通報制度の運営上の課題について、これは今日は副大臣御出席いただいておるんで質問させていただきたいと思います。詳細な質疑というのは内閣府が今提出しております法案の審議の機会に譲りたいと思いますんで、ここでは基本的な事柄について質問をさせていただきます。
 今、グローバルに活動する日本の企業の経営者は、アメリカにおける体験として、この法案について非常に危険性を、心配をしているというのが現状であります。それは、私も考えておりますが、勤務成績の不良の社員が解雇に対抗するための目的とか、また企業内の抗争の手段として内部告発を悪用する例が起きるのではないか。さらには、競争関係にある企業同士が、相手企業の働く者を利用してあら探しをさせる。そしてその結果、自分の会社の利益を求めるということも考えられる。さらには、外部通報の場合は暴力団関係者等に情報が流出するようなおそれもある。いろいろな心配があるわけであります。
 このような中で、企業が健全な活動に重大な支障を与えてはならないということの考えの中で、制度の悪用や乱用を防止するための仕組みをあらかじめ用意しておく必要があると思います。そうした中で、この法律案に講じられております措置についてちょっと御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) 今、関口委員からライバル企業との綱引きやあるいは企業内の権力闘争などに利用されるんではないかと、そうした悪用や乱用の懸念について御質問があったわけでありますが、本法案は、近年の企業の不祥事の発生状況を踏まえて、事業者による法令遵守を確保して国民生活の安定を図るために公益通報に関する制度を整備するものでございます。本法案では、不正の目的、すなわち金品を得る目的や他人に損害を与え、損害を加える目的などで行う通報については保護の対象外といたしているところでございまして、したがって、御指摘のようにライバル企業との綱引きでありますとか、あるいは企業内の権力闘争の目的で通報がなされた場合には本法案の保護の対象外となるわけであります。
 この法律では、国民の生命、身体、財産を守る見地から誠実に行われる通報を保護の対象といたしているものでございますので、乱用されないよう、悪用されないよう、こうした趣旨を十分周知をしてまいりたいと考えております。
○関口昌一君 今副大臣からも御答弁いただきましたが、この法案の成立に向けて、またこれが悪用されないようにしっかりと講じていただきたいと思っております。
 私、地方議員を八年有余経験してまいりまして、常々考えてきて、また多くの県民の皆さんが訴えてきたことがございます。それは、今、国が財源がないから、また従来どおり交付税が地方に行き渡らないからということで、全国で今市町村、合併の産みの苦しみをしておるところであります。私は、まず、国が最初に手本を示すべきである、国会議員を削減し、公務員を削減する、そしてしっかりと財源を確保する、その姿勢を見せて地方へ改革を求めるべきだと考えてまいりました。国会議員の削減については、政府提案を待つことなく、私自らを含めた国会議員の皆さんが見直しを行うということであるかと思っております。
 ここでは公務員の削減について、これは御答弁いただけます、質問してできないと言われたらちょっと困るので、申し訳ございません、ちょっと質問させていただきたいと思います。
 総務省は、公務員の定数を五十四万人から約三十三万人、二十万人程度削減するというような法案を今提出しているところであるかと思います。これは、組織、制度の変更に伴う減員というのは当然であるんですが、今、先ほど話をさせていただきましたように、今こうした大変長引く景気低迷の中、国民が大変な負担を求められているとき、そうした中で公務員を大幅に減らしなさいよという考えはあるかと思っています。その名義の切替えではなく実質的な削減は、また今後も、独立行政法人、また地方の独立行政法人を含む削減を取り組むべきだと私は考えております。
 こうしたことも含めて大胆な削減計画を一層推進すべきと考えますが、政府の対処方針をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 国の行政機関の定員でございますが、定員削減計画ということで、これは昭和四十三年以来でございますので、もう四十年近く前からそういう計画を作りまして、一方で行政需要が増大してまいります。そういう行政需要の増大に対応した増員を行いながらそういう定員削減計画を実施することによりまして、この間の雇用者が非常に増大すると、あるいは地方公務員が増えていく、そういう中にありましても、これを上回る定員削減を行いまして、この間ずっと減らしてまいりました。計約八万人ぐらいの純減を行ってきているところでございます。近年におきましては、平成十三年の中央省庁等改革以降におきまして、中央省庁改革基本法で十年一〇%以上の定員削減計画を作って実施するということが掲げられておりますので、それを進めております。
 その中で、治安など昨今大変増員が求められている分野も多々あるわけでありますが、そういう分野に適切に対応しながら、政府全体としてはこの間更に純減を図ってきているところでございます。
 このような定員の純減努力、それから、先ほどお話がございましたように、中央省庁改革以来、いろんな政府、機構の構造改革を進めておりますが、その中には国立大学等の非公務員法人化等もございますが、そういうことで、行政機関から移行するものも含めまして、今国会に、行政機関の定員の最高限度、今五十三万人となっておるわけでありますが、それを二十万人強引き下げる行政機関定員法の改正案を提出させていただいているところでございます。
 今後とも、厳しい行財政事情でございます。国民の安全の確保等、真に必要な分野には適切に定員を配置していかなければなりませんが、政府全体としては引き続きスリム化を図っていくということで、十年一〇%以上のこの定員削減計画を着実に実施してまいりますとともに、これに加えまして、更にIT化等により行政の更なる減量・効率化を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○関口昌一君 細かく御説明をいただいたんですね。答えづらいところは長く答弁をするのかなと思っておりました。実際、何万人ぐらい削減するというようなことを大胆に言っていただくかと期待していたんですが、今地方は、市町村合併をする中で、役場の職員の方もみんなリストラに遭うような状況になっておりまして、そうした中で国の公務員の削減、これは国も努力してきているというのは非常に私も理解しておりますが、是非国民に理解されるような形での削減にも取り組んでいただきたいと思っております。
 限られた時間でありますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 金子大臣、大変そうなお顔で御出席いただいておりますので、次は大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 まだ本当に一年生議員として大臣に質問なんて本当に失礼が多いかと思いますが、地域再生プログラム及び構造改革特区の推進について質問をさせていただきたいと思います。
 構造改革特区については、千六百九十五件の提案が寄せられたということであります。私の住む埼玉においては、埼玉関係で申しますと、特区計画認定申請で合計十二件が認められたと。その中で、県ではむさしの研究の郷構想、また、これは自治体提案の中に入っておりますが、また、民間からは、下越、本庄早稲田駅が上越新幹線が開通になりました。本庄早稲田の、上越新幹線の駅が開通しましたが、そこに整備されております本庄国際リサーチパーク研究機構と早稲田大学が共同によるエコユーザーの育成と参加を通じた地域づくりの構想など、幾つかの構想が埼玉県でも提案されております。
 これは、今非常に財政的に厳しい中で地域の生き残りを懸けて特区の申請を出して、また地域再生を行っているということでありまして、この提案の中で、具体的に地方の提案が現在の政策体系の中で直ちに認められることができないようなこともあるかと思うんですね。こうしたときに、国と提案者との間でどのようなことを改めれば構想が実現できるかというような、具体的また個別的に協議をすることができるような仕組みを作ってもいいのではないかなと私考えております。また、認定した計画の実施についても適切な助言等の支援措置を用意する必要があると思っております。
 このような点について、もう金子大臣、本当に一生懸命頑張っている。私も共鳴する一人でありますので、その大臣の決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 関口委員から、一年生、当選して大臣に質問するのはというお話がありましたけれども、私も当選一回のときに初めて質問させてもらって、本当にうれしくてうれしくてしようがなかったんです。どうぞ遠慮なく、厳しい、厳しくまた御指示といいますか御叱責もいただければ我々もきちんとまた対応させていただきますし、特に今の、関口委員、地域再生特区といったようなものは役所の世界の人たちよりも地域を代表している我々の方がはるかに距離感があるんです。実感があるんです。それから、理屈じゃないんです。どういうことを地域でやりたいというのが生に現れるんです。
 そういう意味で、是非、これもう与野党問いません。いろいろな御提案をいただき、いろいろなアドバイスをまずいただき、そして、質問のお答えになっていきますけれども、どうやれば地域の皆様方のアイデアを実現をさせられるかという観点で、私たちの地域再生室、あるいは特区というものは取り組んでおります。
 そういう意味で、御提案があったけれども、原省庁がこういう条件では難しいというのも、もちろん中にはありますけれども、しかし、うちの再生室あるいは特区室というのは同じ国家公務員でありますけれども、原省庁に対してどうすればそれをやれるのかということを、地方自治体あるいは民間の御提案もあります、その人の立場に立って関係省庁と、中央省庁とやりますので、やり合っております。そのやり合いというのはすべて公開されているんです。インターネットですべて出ます。ですから、どうやったってこんな規制が、この権限移譲が、なぜ原省庁がそんなことを言うのかというのは、逆に国民の目にも、もちろん我々の目にも知らされてきますものですから、ある意味そういう中で更に進められるように私もしてまいりたい。
 今お言葉ありましたけれども、本庄の早稲田大学の工学部と組んで研究特区、農業用のロボットも新しくいろいろな研究開発をしたいというお話も承っておりまして、新しい分野の言わばそういうロボット工学を使った技術をここで開発されようというお話で、大変ある意味楽しみにしております。そういう意味で、何とか成果が出てくるような、さらに必要があれば、特区が認定されたその事業が進む、しかし、その事業が進む過程でまた何かいろいろな障害があれば引き続き御相談をいただく、御指示いただく、そういう対応を我々は積極的に進めさせていただきたい、そんな気持ちで今取り組んでおります。
○関口昌一君 今、本当に大臣の力強い御答弁いただきまして、私も励まされたような思いであります。地方の提案が認められるためには、各省庁の政策体系とまたちょっと食い違う場面もあろうかと思いますが、是非地方側に立って取り組んでいただきたいと思っております。
 もう一つ、公共施設の転用に対する支援というのが出ておりました。私は秩父の田舎の方におりまして、結構廃校の校舎とか今利用されなくなった公民館、既存の公共施設を今転用、有効活用しようという動きが出ておりますが、そうした中でこのプログラムが大いに期待をしておるところであります。これをうまく活用されますと、農産物や物産品の販売拠点になったりとか、またレストラン等に切り替えて地域の活性化を図ることができるんではないかなと思っております。
 そこで、政府が考えております支援措置の内容、また期待する効果、そして地域再生における貢献等について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 廃校、これから市町村統合が全国各地区で行われますので学校が空いてくると、統合された結果として空いてくる。従来ですと、補助施設ですから補助目的以外使えないということでありましたが、今度の地域再生プログラムの中でも、それは他の目的に転用するということを、つまり行政財産ですから積極的に認めていこう。学校だけでなくて、特区では特定の地区の特定の施設、補助施設だったんですけれども、今度の地域再生プログラム、地域再生の中では学校であっても、ほかの公民館ですとか図書館ですとか、農業関係もそうでありますけれども、そういうものを、多分秩父にも農業関係施設もあるんだと思います。それを、活用されなくなってきたものをほかのものに転用しようと。
 廃校の今のケースでいえば、秩父ですと何があるんですかね、農産品の販売、製造、事業者に貸して、貸してもいいんです。それから、他の「道の駅」みたいな何か販売所でしょうか、そういうものに転用していただいても結構なんです。それを公共目的に使うんであれば、これは改装しますよね、改装も必要だ。そのためのリニューアル債という、地方債でありますけれども、それは対応していこうではないかという対応を既に考えておりますので、是非、先生、八年ですか、地方議会おやりになったといいますので、多分埼玉県の中にもいろいろあると思います。是非活用をいただければと思います。
○関口昌一君 質問して、また埼玉の心配までしていただきましてありがとうございました。是非活用させていただきたいと思っております。
 限られた時間ですので、今日は小野国家公安委員長に御出席いただいております、警察官の関係、これは先ほど岡田委員からも御質問がございましたが、私は増員の問題について質問させていただきたいと思います。
 御案内のとおり、埼玉県は犯罪検挙率が一四・四%と、これは自慢にならないんですが、前年に続いて全国でワーストワンという現状であります。今県民約七百万人、急増の埼玉県、そして県の平均年齢は全国で二番目に若いという県でありますが、この犯罪の検挙率が非常に全国で悪いということで、警察官の増員の問題に県を挙げて取り組んでまいりました。委員長には大変お世話になりまして、埼玉県も三百五名の警察官を本年度増員することができました。お礼言うんだったら質問するなと怒られるかもしれませんが、それでもまだ足りないというような現状であります。
 お聞きしますと、四千五百人の増員要求した中で三千百五十人増員が認められたというようなお話であります。是非、これはもう埼玉県に限らず各都道府県もそうだと思いますが、今犯罪の組織化、巧妙化、そうした中で警察官の増員、これはもう国民の共通した一致した願いであるかと思いますが、少なくとも次年度においては増員要求が一〇〇%満たされるように頑張ってもらいたいと思いますし、私も頑張りたいと思いますが、その小野国家公安委員長の決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野清子君) 関口委員の方から励まされているのか頑張れと気合を入れられているのか、そんな気持ちで拝聴いたしました。
 警察におきましては、平成十三年度に、十三年に地方警察官一万人緊急増員計画というものが策定をされまして、平成十四年度には四千五百人、平成十五年度には四千人、そして平成十六年度、このたび、今委員御指摘のとおり三千百五十名という増員を予算案の中に盛り込ませていただいたところでございます。
 また、委員御指摘のように、警察官一人当たりの負担人口というものが長野に次いで二番目という、昨年は七百八名。それが今回三百五名、予算が通りました段階で埼玉の方に定員、定員ではありません、増員三百五名行った場合におきまして六百八十九名になりまして、平均いたしますと警察官一人当たりの負担人員というのが、負担人口というのが五百三十三人でございますから、それから見ると大変負担が大きいということは数の上からも御理解させていただいているところでございます。
 そんなことで十六年度増員が認められました暁には、私ども各都道府県警察においてこれを最大限に活用させていただくと同時に、平成十七年度以降も更なる警察力の強化が図られますように引き続きまして努力をしてまいりたいと存じますが、足らざるところは警察官のOBを活用させていただきまして、交番相談員ですとか、多方面において足らない部分における補正をさせていただこうと、そのような考えでおりますことも付け加えさせていただきます。
○関口昌一君 是非一人でも多くの増員をお願いしたいと思います。ここで埼玉を是非と言うとまたほかの委員の先生方に怒られますので、各都道府県満遍なく増員していただくようによろしくお願い申し上げる次第でございます。
 もう私も二十分までということでありまして、もう初めての質問でいろいろ失礼も多かったと思いますが、ちょっと時間を余らせて、このおわびを込めて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 ちょっと予定した時間より早いような気がいたしますので、官房長官がお戻りにならないのかなと思っておりますが、私がいただきましたお時間で、まず鳥インフルエンザ問題について政府側に質問をしたいと思います。
 まだ政府側の関係者の方々がお座りになられていませんが、私も、地元京都府丹波町で今回鳥インフルエンザ問題が発生をいたしまして、先週、地元の三十キロの移動制限区域内を実地調査に行ってまいりました。市川副大臣お見えでございますが、もう当然実態把握しておられると思いますけれども、地元ではもう大変、特に移動制限区域内の養鶏業者さんは大変な状況にあります。
 当然のことながら、これ今出荷ができませんので、一切売上げが立ちません。当然、その飼育に必要な飼料、えさ代、あるいは人件費、光熱費、出費は続いていくわけですから、収入がなくても支出だけある、しかも、そういう養鶏家の方々は別に御自分にとががあるわけでもない、行政の命令に従って出荷できないという状況におられるわけであります。
 その状況の中で、もうかれこれ三週間近くが経過しているわけですが、実際にその移動制限区域で出荷もできないというところに対してこれいずれは補償が、山口県の事例を見ても国と地方で折半をするような補償があります。これは、その補償内容が十分かどうかというのは非常に議論があります。卵価は平均卵価ですから、恐らく京都府で手当てしているので言うと一個当たり八円台というような卵価。ところが、実際、平飼いの農家なんかで出荷している卵価は、私が実地調査でお話を伺ったところなんか、非常に、平飼いで三十円ぐらいで出荷している。もうこれは、八円の卵価では、とてもじゃないけれども、それが国、自治体合わせて全額補償されたとしてもとんでもない赤字になる。しかも、それもさることながら、今現実にもう三週間近くたとうとしているのに、一切この補償が出てこないんですね。
 これに対して、副大臣、是非ちょっと御答弁いただきたいんですが、何らかの形で早めに、卵価をどういうのを基準にするかいろいろ議論があるかもしれませんが、少なくとも一定のキャッシュフローを、資金を回してあげないと、こういう養鶏農家はもう経営が立ち行かないわけですね。これについて、もっと具体的に早く、概算でもいいですから、一定の金額でいいですから、まずその移動制限区域内で販売ができない農家に対してしかるべき補償措置を、もうこれ明日でもあさってでもこれは早く下ろしていただきたいと思うわけですが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(市川一朗君) ただいまの松井委員のお話は、非常に現地をよくごらんになり、また地元事情に詳しいお立場でのお話でございますので、大変私もそのとおりだなと思いながらお聞きしたところでございますが、細かな点はともかくとして、一応、今政府としては予備費を使って必要な助成措置、補償措置等を行うという考え方で進めておりますので、予備費の性格上も含めまして年度内に何とか支払えるようにしたいというところで取り組んでいるところでございます。
○松井孝治君 是非、これもう本当に一切売上げがないわけですから、これ、ただでさえも養鶏農家は自転車操業のところが多いです。その中で、これ年度内と今一定の期限を切られましたけれども、私、日曜日に、この前の日曜日に養鶏農家を五軒ほど回ってお話を伺ってきたんですが、皆さん同じです。とにかく、一日も早く、全額でなくてもいいから、まず、収入がないわけですから、そこの部分を何とかしてほしい。もしそれが、補償措置の手続が掛かるんだったら、その補償が出るまででもいいですから、とにかく、それこそ無利子、無担保、無保証のお金を、その補償が出たらそれで返してもらうということででもこれ融通を付けていただきたいと思います。
 これ、副大臣、今、いや、融通しますというふうにおっしゃらなくてもいいですけれども、これ直ちに、年度内というふうにおっしゃらずに、直ちにちょっと事務方に指示をしていただけるかどうか、そこだけ、副大臣、御答弁いただけるでしょうか。
○副大臣(市川一朗君) 一応、政府としての予備費の支出ということになりますと、やはり税金の支出でございますので、一つの基準に従ったいろんな考え方もきちっと整理してやらなきゃいけないというのは松井委員も御存じのとおりだと思いますが、できるだけそういうことも含めまして早期な対応ができるように取り組めという御指摘に対しましては、そういう方向で努力したいと思います。
○松井孝治君 これは実際に養鶏農家も被害者なんですね。当然、安全を確保するというのは政府のまず第一義的な任務だと思いますが、これはそういう被害に遭った養鶏農家やあるいは実際の出荷制限が掛かっている養鶏農家が大変な目に遭うということになってしまいますと、それを隠そうと、あんなことになったらもうとてもじゃないけれども立ち行かないということになれば、いや、多少のことはあるけれども、これは内々で処理してしまおうというような動きが出てこないとも限らないんです。ですから、そこは、いざ感染があったときには速やかに行政に報告をするというそういう傾向をきちんと確保するためにも、私は、実際被害が出たときには迅速に行政はそれは助けるんだと、実際出荷できないわけですから、その措置をきっちりお願いしたいというふうに思います。
 それから、時間もありませんので、ちょっとこの安全面に関する、これは政府も対策をされて罰則強化、家畜伝染予防法の十三条で今農家、鳥の所有者に届出義務が掛かっていますね。これ、ここについての届出義務違反をした場合の罰則強化を検討されているというふうに伺っております。それは大変大事なことだと思っています。
 ただ、これは今日政府参考人にもおいでいただいておりますので政府参考人に伺いたいんですが、私もこの問題が発生いたしましたときに政府参考人、課長から直接お話を聞かせていただきました。その当該丹波町で実際感染が広がって通報が遅れた事業者に対して、これ、今の家畜伝染予防法の罰則の適用があるんですかというふうに伺いましたときに、政府参考人も覚えておられると思いますけれども、今の十三条の運営を、細かい運営方法を記載した課長名で通達が出ていますね、それを見る限りにおいて、所有者に対して、あの鳥が実際死んでいるわけですが、あの鳥が患畜又は疑似患畜、あるいはおそれ畜というふうに判断する能力が所有者にはないと、したがってあれが鳥インフルエンザにかかって死んだものかどうかという判断する能力は家畜防疫員に与えていると、そのマニュアル上ですね。そういうことだと、所有者に対して実際十三条第一項に基づく届出義務違反を追及しにくいという御説明があったと私は記憶しているんです。そういう解釈で今でもよろしいんでしょうか、政府参考人。
○政府参考人(栗本まさ子君) 現在、家畜伝染病予防法におきましては、家畜が患畜又は疑似患畜となったことを発見したときは、獣医師又は所有者が遅滞なく届け出なければならないというふうにされております。
 高病原性鳥インフルエンザの場合、いろいろな症状が出ますのでその辺はなかなか判断しにくいということはございますけれども、患畜又は疑似患畜の基準につきまして、法令上、委員御指摘のように定量的な基準は特に示しておりませんけれども、疾病をめぐる状況を踏まえて判断するということになります。
 実際に、更に精査を要するわけでございますけれども、我が国でも非常に伝播力が強い疾病が発生している、そして全国的な警戒体制がしかれていて早期の通報が強く求められている中で、当該養鶏場において死亡羽数が急増するといった状況が起こって、またそれが継続するというふうなことになりますので、こういう場合に該当するというふうにも考えられます。
○松井孝治君 確認したいんですけれども、十三条一項は家畜が患畜又は疑似患畜となったことを発見したときはという義務規定でありまして、それが本来は獣医師が判断するんですが、その獣医師による診断又は検索を受けていない家畜又はその死体についてはその所有者に届出義務が掛かっているわけですね。問題は、そのマニュアル上、患畜又は疑似患畜となった場合にはと書いてある、患畜又は疑似患畜であるかどうかの判断は所有者ではなくて家畜防疫員が行うというふうにマニュアルにしてあるわけですよ。こういうマニュアルのままであれば、これ、法律で罰則強化したって、いや、これは患畜である、要するにその鳥インフルエンザにかかった鳥であるかどうかは家畜防疫員が判断するんですと、私は腸炎だと思っていましたと言えば、通報義務が掛からないわけですよ。幾ら罰則を強化したって、これだったらざる法のままじゃないですか。
 そもそも、私は、この課長名で通達を出されているこの鳥インフルエンザ防疫マニュアルを見直さないと結局同じことになるんじゃないかと思いますが、このマニュアル、抜本的見直しをされるおつもりはございますか。政府参考人。
○政府参考人(栗本まさ子君) マニュアルは先般三月十日にも改正をしておりますけれども、この中に、本病の症状は多様であり、症状のみでは本病を、「症状のみで本病を否定することは困難である」といったようなことを書き加えております。何か疑いのあるときは直ちに家畜保健衛生所の方に届け出てもらう、報告してもらうというようなことを書き込んでございます。
 あわせまして、獣医師に対しましても、直ちに、獣医師が疑った場合にも「直ちに家畜保健衛生所に届出を行うこと。」というふうに三月十日付けで追加をしてございます。
○松井孝治君 ここを厳格にしていただかないと、その分、逆に言うと、政府はきちんと啓蒙普及に努めて、どういう症状があるかということを全国の養鶏業者などに周知徹底をしないと、養鶏業者からいっても必ずしも十分な知識がなければ何が疑わしいかということが判断できませんので、十分な情報提供をした上で、しかしこの十三条一項の判断、その届出義務に関してはそこは広く取るというふうにしていかないと、今後とも、仮に農林水産省は告発されたって、それは司法の判断で、有権解釈でそこまでの義務は掛かっていないということになりかねませんから、そこは善処方をお願いをしたいと思います。
 次に伺いたいんですが、これ、私どもも民主党としても、これ対策本部を作って鳥インフルエンザの問題について今法案も議論をしているところでございます。そのときに、我々も議論が分かれている問題として、鳥へのワクチン供与をどうするかという問題があるわけであります。
 これ、政府の中でも今検討をしておられるというふうに聞いてはいますが、養鶏業者からいうと、こういうもう一羽でも鳥インフルエンザにかかってしまえば、もう当該養鶏業者は本当に倒産の危機に瀕します。それから、同時に、その地域内に大変な迷惑を掛けることになるわけですから、何とか鳥へのインフルエンザワクチンの投与を許可をしてほしいという意見はあります。
 ただ、同時に、そういうインフルエンザワクチンを投与した場合に食品への影響はどうなるのか。あるいは、食品の安全性だけじゃなくて、ワクチンを供与するということは菌が入ってきても免疫があるということですから、鳥がウイルスを保菌状態になってしまうと。そうすると、ウイルスは広がっているけれども鳥インフルエンザの症状が出ないということになってしまうと、これは家畜飼育上の問題もあるかもしれないし、それよりも怖いのは、養鶏業者の人がそこでえさをやったり何だかんだする、出入りする人たちが全部、鳥が保菌して発症していないということだと分からないわけですから、その人たちがやはり大量にウイルスを摂取することによって、やはりまれにある人への感染ということのおそれもあるわけであります。
 まず、小野担当大臣がお見えでございますので、農林水産省及び厚生労働省から鳥へのインフルエンザウイルスの投与について、食品の安全性についてどういう影響があるかということについて調査をしてほしいということで依頼があって、今たしかパブリックコメントに付されているところだと、一定の判断をされていると伺っておりますが、どういう御判断をされたんでしょうか。
○国務大臣(小野清子君) ただいまお話しございましたように、鳥インフルエンザの不活化ワクチンに関しまして、食品の安全性につきまして農林水産省あるいは厚生労働大臣から、各大臣から三月一日付けで食品健康影響評価を求められたところでございます。
 三月四日に開催をされました食品安全委員会会合におきまして、要請の趣旨あるいは内容につきまして農林水産省から説明を受けたところでございます。三月十日に動物用医薬品専門委員会におきまして、これは食品安全委員会の下にある委員会でございますけれども、審議をしていただいたその結果といたしましては、三月十一日に開催されました食品安全委員会の会合で、三月二十四日までの二週間にわたりまして国民からの意見あるいは情報の募集を行うことが了承されたところでございます。
 今後、寄せられました意見あるいは情報の取りまとめが済み次第に、速やかに食品安全委員会会合で御判断をいただく予定といたしております。
○松井孝治君 時間がありませんので、私もその説明を受けました、政府の側から。
 それで、そのときに、今パブリックコメントをもらうための一定の期間待っておられる状況だと私聞いていますが、少なくとも、その専門の委員の方々が出された結論は、その鳥インフルエンザワクチンを投与した場合、この場合、少なくともその接種後、ワクチン接種後三十六週間は食鳥処理場に出荷されないような期間を置くべきだと。三十六週間ですよ。
 これ市川副大臣、お伺いしたいんですが、今の養鶏実態からいって、三十六週間、鳥のワクチンを投与してから三十六週間ずっと飼い続けるというのは実際、常識的に、細かいことはいいですけれども、そういう飼育実態、三十六週間も掛けて飼育するような養鶏農家、どれぐらいありますか。
○副大臣(市川一朗君) 私もそれほどの専門家ではありませんので、担当からいろいろ聞きながらこういった問題については取り組んでいるわけでございますが、今の先生が御指摘された中の日にちの問題としては、ブロイラーは五十五日から六十日で出荷ということになっているようでございますから、非常に長いという御指摘は一応当たっているんじゃないかなと思います。
○松井孝治君 そうなんです。三十六週間掛けてブロイラーなんか出荷する者はないわけですよ。もうそんなになってしまうと、もう食べられない状況になってしまう。
 したがって、その三十六週間、これは休薬期間を設けなさいということを食品安全委員会の専門調査委員会の方々はおっしゃっているわけです、まだ最終的な報告ではありませんが。そういうような状態にある。まず、畜産の実態からというと、それはとてもじゃないけれども、三十六週間空けるなんというのは今の養鶏の実態には合わないということが分かったと思います。
 厚生労働省の方にもお伺いを、政務官の方にお伺いをしたいわけでありますが、さっき私が申し上げました、鳥のインフルエンザワクチンを投与したときに発症しないで鳥がキャリアになる、インフルエンザキャリアになる。これが養鶏業者を始めとして人に対して与える影響、人の鳥インフルエンザ防疫上の影響はどのように評価しておられますか。
○大臣政務官(竹本直一君) 先生、先ほど来この問題についての基本的な認識をほぼ述べられたんで、私が述べるほどのことはないと思いますけれども、基本的に、鳥インフルエンザウイルスは感染した鳥の羽への濃厚接触とか、あるいはふんの粉末状況になったものを人間が吸い込んだときに人間がそれに感染すると、こう言われております。
 したがって、どう対応すればいいかということなんですけれども、人への感染防止対策という意味では、やはりウイルスに感染した鳥の処分を確実に行う、殺処分することが一番重要だというふうに考えております。
 したがって、ワクチンを投与した場合に、今おっしゃったようにキャリアになってしまいますので、外に現れない。そういう状況の中でどのように対応すればいいかというのは、今農林水産省の方からも御意見のあったところでございます。
 したがって、我々は、鳥へのワクチンの使用の是非につきましては、食品安全委員会が三月十九日に人への感染リスクを含めました学識経験者、生産者、消費者による意見交換会を開催した上で、今月中に方向性を明確にされるものと承知をいたしております。
○松井孝治君 そうすると、この鳥インフルエンザワクチンを投与するかどうかの判断、これは養鶏業者の方々はとにかくもう早く投与をさせてほしいというふうに待っておられる方もいらっしゃいます。他方で、国民の中にはいろんな不安もあるし、保健衛生上の問題もあると。
 これは、この鳥インフルエンザワクチン投与がいいかどうか。これ我々も、実は民主党案を作るときにマスコミの方から民主党はどう考えるんですかというふうに聞かれているわけです。我々もこれ共通の問題なんですが、政府としてはどなたが責任持って、鳥インフルエンザワクチンを投与を解禁するかどうかってどなたが決められるんですか。
○副大臣(市川一朗君) 一応、農林水産省としてはこの問題に責任を持って取り組んでいるつもりでございますけれども、今、先ほど松井先生が言われましたので、大体問題点は承知されておられるなというふうに思ったわけでございますが、要するにワクチンを使って完全にウイルスを死滅させることができればいいわけですけれども、そうじゃなくて、いわゆる感染は抑止できないわけで、発症は抑えられるということでございますから、そうしますと、現時点でワクチンを使うということには私どもは慎重にならざるを得ないと。この辺は専門の学者の先生方もかなりそういう見解を示しておられる方が多いわけでございますので、私どもはワクチンの現時点での使用はやはり慎重にならざるを得ないと考えておりまして、万一、非常に発症が蔓延化したときに備えた対策は打っておかなきゃいけないと、そういう考え方でいるところでございます。
○松井孝治君 分かりました。
 これもう本当に官房長官聞いていただいていると思いますが、非常にやっぱり、厚生労働省の人の防疫の面、それから農林水産省も実際、生産農家を担当している部分、そして食品の安全性、これは食品安全委員会で今正に議論されている。各省横断、またがった問題ですね。よく言われているのは、野鳥になると環境省の担当で、人の防疫だと厚生労働省で、鶏だと、養鶏の関係だと農林水産省。それから、もしこれ緊急対策になってくると、財源措置一般、予備費から使うということになったら財務省だし、山口のケースのように、これ上乗せを県がしたときに、その財源措置ということになると総務省が絡んできます。そして、中小の養鶏業者に対するつなぎ融資ということになると、これは中小企業庁、経済産業省が絡んでくるということで、これ本当に全政府的な対応が必要だと思うんです。
 もう一つ、官房長官に感想を聞く前に私お聞きをしたいのが、これは人への感染防止という意味で、今感染、万が一感染して大量にウイルスを取ってしまって人が感染をすると、人の中でその人が鳥インフルエンザに感染して、そして人のインフルエンザに感染する。インフルエンザがそろそろはやりの時期は過ぎつつありますけれども。そうすると、その二つのインフルエンザウイルスが交雑して、新しい、人に対して感染能力を持ったウイルスが出てくるという、これが一番恐ろしいことだと言われていますね。ですから、厚生労働省もそこの辺りは非常に注意深く対応しておられるというふうに私は伺っております。そのことは別に多といたします。
 同時に、これ専門家が指摘をされていることには、人のインフルエンザウイルスとそれから鳥のインフルエンザウイルス、両方に対するレセプターを持っている動物がいる。これは豚なんですね。これは要するに人のインフルエンザにもかかるし鳥のインフルエンザにもかかると言われているわけです。この豚を畑にして、豚の体内を畑にして新しいインフルエンザウイルスが出てくるというのは非常に恐ろしいことなんですけれども、これは、例えば丹波町周辺に三十キロ圏内、これ非常に感染のおそれがあるということで養鶏業者は出荷も今制限されているわけですね、禁止されているわけですね。
 ところが、じゃ、例えばここの、山口でも京都でもどこでも同じことなんですが、養豚業者に対してその鳥インフルエンザの感染のチェックはどなたがどういう責任で行っておられますか。そもそも、その例えば三十キロ圏内にどれぐらいの養豚業者があるんですか。これは農林水産省でしょうかあるいは厚生労働省でしょうか。どちらでも結構ですからお答えください。
○政府参考人(栗本まさ子君) 今あいにく数を正確には持ち合わせておりませんが、養豚業者につきましても移動制限区域内のところについての注意は家畜保健衛生所の方でやっていただいているというふうに理解をしております。
 ただ、一般的に我が国におきましては鶏と豚というのは別々に飼われているということでございまして、鶏と豚が同じ農場で飼われているアジアの一部の国とは異なるという状況であるというふうに考えております。
○松井孝治君 私が伺っているのは、養豚場のその豚のチェックはどなたがされたんですかと。それから、別々に飼っていたって、カラスだって一緒に飼っていませんよ。でも感染しているじゃないですか。別々に飼っているから感染しないなんという保証はどこにもないわけでしょう。そのチェックは行っていますか。これは政府、政府としてお答えください。
○副大臣(市川一朗君) ただいまの御指摘はかなり重要な御指摘だと私はお聞きしておりました。今、実態は課長が答弁したとおりでございまして、きちっとした対応をしているつもりではございますが、やはり鳥インフルエンザ問題として取り組んでおりますから、先生御指摘の、いわゆる養豚についてどういう体制でどういうふうになっているかといった問題は、改めて私どものところで対応をきちっと精査しながら取り組みたいと思っております。
○松井孝治君 率直に答弁いただきましたので、もうこれ以上は余り追及しませんけれども。
 要するに、これは官房長官にも聞いておいていただきたいんですけれども、今申し上げているのは、人に対して新しいインフルエンザの畑になるようなものを作ってはいけないから、人の防疫上きちんとしたチェックをするかどうかなんです。
 ところが、これ厚生労働省の方にも伺ったんですが、養豚業者に行って実際チェックをするということは、仕事の性格上は厚生労働省の問題なんですよ、これは。豚がそれにかかって死ぬかどうかというのは、実際死んでいなければ養豚業としては問題ないわけですけれども、そこで新しいウイルスが発生しているかどうか、あるいはそのおそれがあるような豚が鳥インフルエンザにかかっている事例がどれぐらいあるかというのを、全頭検査というまではいかないかもしれませんが、そこの検査をするということが物すごくやっぱり厚生労働省からいうと抵抗があるんですよ。これはなぜかというと、養豚業者というのは農林水産省の所管だからなんですよ。だから、ここが縦割りの非常に危ないところなんですよ。
 私、官房長官に通告していますのは、政府としてこの対策本部、私はどちらかというと、政府というのはすぐ対策本部作って、形だけ作ってほとんど開いていない本部というのはたくさんあるんですよね。形だけ作ればいいとは思いませんが、正に縦割りでリスクがあるんですよ。お互いのぽてんヒットみたいな、これは厚生労働省から見れば農林水産省のところに手出しにくい。農林水産省も逆。
 こういうことがないように、私、先ほど申し上げたこと、例えば財源措置もそうです。やっぱり政府として、例えば官房長官が本部長でもいいですよ。私は、事柄の性格上、総理大臣が本部長ぐらいになられて鳥インフルエンザ対策本部というようなものを作って、今申し上げたような縦割りのお互いの盲点のようなことをきちんとチェックして万全を期していただきたいと思うんですが、対策本部を至急作っていただくおつもりは、官房長官として、政府を代表して官房長官にお伺いしますが、ありますか。
○国務大臣(福田康夫君) 今豚の話がございましたけれども、鶏もそうです。何か異常が生じたときに、それが直ちに政府中枢に伝わるようにするということは大変大事なことなんだと思いますね。
 一体、豚に限らないいろんなケースがあるんだろうと思いますので、そういうケースすべてのことに万全を期すというのもなかなか難しく、また効率的でないということもありますから、それは一〇〇%うまくいかない部分もあるのかもしれぬけれども、しかしそういうことの問題が生じないように、まずは早期通報体制というものが必要なんだろうというふうに思います。
 そういう意味で、先般、鳥インフルエンザの場合にも対策の中に早期通報について強く要望していると、こういうようなことがございます。そういう体制を確立するということがまず大事なんだろうというふうに思います。
 それで、その上で、それが政府に到達した段階で、情報が到達した段階でどういう体制を組むかということもあり、もちろん予防もありますので、予防的な面で考えられることはそういう政府全体で取り組まなければいけないけれども、もし何か異常があって通報があって、そしてそれに対して直ちにどういうふうに対応をするか。これは、今回も鳥インフルエンザの場合においてそういう体制を組んでやっております。直ちに関係省庁実務レベルで集まりまして協議をし、そしてまた、内閣官房、官房副長官が中心になりましてその上のレベルの連絡会議も開くというようなことをいたしまして、実質的には私は十分機能しているのじゃなかろうかなというふうに思っております。
 また、折り目折り目というか、節目ごとに閣僚会議を開くと、こういうこともしなければいけないというふうに思いまして、これも数日前に開いたという、そういう経緯もございますので、私どもとしては、関係省庁の連携というのはこれは今非常に重視しておりますので、直ちに何か、別にこういう問題に限らず何か問題あれば関係省庁すぐ集まろうと、こういう体制組んでおりますので、今後もそのことは十分考えながらやってまいりますけれども、今現在はそういうこともやってきておるということだけ申し上げておきます。
○松井孝治君 是非、全政府的な取組をお願いをしたいと思います。
 やれることをやっているというふうにおっしゃいましたけれども、私が日曜日に養鶏業者の方々とお話を聞いている限りにおいては全然対応が遅いと。さっき言ったように、収入もない状況なんだけれども何ら手が打たれていない、いつになったらどうしてくれるんでしょうかということは、もう現場では本当に不安の声ばかりでございます。何とかその辺りも含めて、全政府的に対応しているということだったら迅速にこれ御検討をいただきたいと思います。
 済みません、金子大臣にも御出席をいただいております。もう一問通告しましたのは、これは天下りの問題でございます。ほかの関係の方々は結構でございます。ありがとうございました。また引き続き──官房長官は残ってください。
 私、月曜日の、先週の決算委員会で総理大臣に天下りの問題を伺いました。私は、実は、特殊法人の問題だけを伺ったんではなくて、より大きなものは、特殊法人もさることながら、公益法人の問題も含めてどうするんですかということを総理に伺いましたら、総理大臣が、特殊法人、独立行政法人に関して事務次官がそのトップに行くというのはおかしい、これはやめるべきだとはっきりおっしゃいました。私は、これは問題のごく一部にすぎないと思っていますが、そのごく一部の問題について総理大臣がはっきり決算委員会で、これは独立行政法人、特殊法人のトップ、事務次官が行くべきではないとおっしゃった。ところが、二、三日しましたらそれが撤回されまして、いや、やっぱり半分ぐらいはしようがないかなというようなことに政府方針が転換した、後退したというふうに報道をしておられます。
 これ、総理大臣の言葉の重みにもかかわる問題ですが、官房長官、あのときにいらっしゃいましたから、これ官房長官が今天下りの人事審査をしておられる責任者ですね。検討会議というのが官邸の中にあって、官房長官の下で審査をしておられますね。それはごくわずかな部分ですよ、私からいえば。だけれども、それについて総理大臣が、いや、これはやっぱり事務次官経験者がそんな行くのは良くないとはっきりテレビでおっしゃったにもかかわらず、それをすぐ、いや、半分まではいいんだというふうに撤回されたのはどういう経緯なんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) その経緯は、必ずしも総理も全部取り替えなきゃいけないというふうに考えていたわけではありません。ただ、あのときのやり取りでもって、事務次官が公社公団の長になるのが当然だと、こういうように考えるのがこれは間違いだと言っていたわけでありまして、それはやはり独立行政法人一つ一つについていろいろな特色ございます。ですから、場合によっては役人が行った方がいいということもあるので、そういうことで、しかしながら既得権益のごとく事務次官経験者がその所定のところに必ず行くというような、実際にやってきたわけですから、そういうことを、そういうようなことはこれは許されないということを総理は強調されて言われたので、すべて取り替えますということを言っていたというふうに私は聞いておりませんでした。
○松井孝治君 それは大分受け止め方の温度差があると思いますね。総理は勢いでおっしゃったのかもしれないけれども、私の耳には、総理は原則むしろ駄目なんだというふうにおっしゃったように聞こえました。
 ただ、それはともかくとして、私が申し上げたいのは、特殊法人、独立行政法人の理事長の問題あるいは事務次官の問題だけを取り上げるべきではない、むしろ財団法人あるいは社団法人、それからその他の認可法人、場合によってはファミリー企業と言われる株式会社、そういったものも行政とのつながりを判断してきちっと精査するようにしなければいけないんじゃないか、これは人事院もそういう見解を昨年の人事院勧告で出されています。この仕組みをきちっと作ってほしい。もう機械的に全部駄目と言うかどうかは別ですよ。それはやっぱりおっしゃったようにいろんな法人と政府との関係があるでしょう。
 今日はもう時間がありませんからまた次の機会に譲りたいと思いますが、せっかく金子大臣も御出席でございます。そこら辺の公務員の天下りのチェックの仕組み、これをどういうふうに変えていこうとしておられるのか、金子大臣からまず御答弁いただいて、官房長官にも一言最後に御見解をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 今御指摘いただきました公務員の再就職問題について、既に委員御承知のとおり、公務員制度改革の中の一つの大きな柱として今議論を詰めさせていただいております。
 そういう中で、この天下り問題について内閣の関与をより強化していくという方向で、総理もそういう視点を大事にしたいという御発言がこの間の決算委員会でもあったと思いますけれども、与党からもいろいろな意見もございました。そういう点も踏まえて、内閣の関与を強化していくという方向で法案の今検討を進めておるところであります。
○国務大臣(福田康夫君) この天下りをどういうふうにコントロールするかと、こういう問題、これ、私は今までのやり方の反省の上に立って今後いろいろと考えていかなければいけないと思っております。現状は、私どもでもって閣議人事検討会議というものを開いて、例えば独立行政法人のトップの人事等については審査をすると、こういうことになっております。ただ、それは閣議で了解する、閣議決定をするという、そういう人事についてのみやっていると、こういうことでございます。
 しかし、じゃすべてやればいいのではないかということになりますと、これは大変なことになるんですね。各独立行政法人の業務の内容などをチェックして、そしてその上で一人一人吟味をして決めるということになりますと、それは相当な、何というんですか、手間も掛かる、それからそれなりの人員配置をしなければいけないと、こういうふうなこともありますので、これは公務員制度改革、今議論されておりますので、その中でもってまたいろいろいい案を考えていただこうと、こういうふうには思っております。
 今現在は、そのトップ、必要な閣議にかけなければいけないという、そういう部分についてのみの審査をしておるという、そういう現実でありまして、それで、それだけでいいというように必ずしも私は思っておりませんけれども、現状、現実という問題も併せ考えて判断していく部分もあるんではなかろうかと思っております。
○委員長(簗瀬進君) いや、もう時間過ぎています。時間過ぎています。端的に。
○松井孝治君 ありがとうございました。
 次回の機会でこれは継続して議論させていただきたいと思います。
○委員長(簗瀬進君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十五分まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十六分開会
○委員長(簗瀬進君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 来年は戦後六十周年でございます。質問の最初から自分の年齢を特別明らかにしたいとは思わないんですけれども、ちょうど六十歳になりました。ということは、この戦争の被害を受けた人たちが、大変苦しい、そして何とか人間の回復、人権の回復、名誉、尊厳の回復を求めて闘い続けておられる方々が今現に生きていらっしゃる。
 実は、昨日はソウル、韓国のソウルにおいて、被害者の、慰安婦とされたハルモニたちが六百回目の水曜デモを行ったということで、世界の中でも連帯行動として各地で、それぞれが静かなデモであったり、サイレントデモであったり、あるいはお互いに今の思いを伝え合ったりする、そんな集会を持ったようです。韓国はソウルで、台湾は台北で、アメリカはニューヨーク州ウッドストック、メリーランド州のフレデリック、サンフランシスコ、サウスフロリダ、ドイツはベルリン、ベルギーはルーベン、スペインはバルセロナ、日本は北海道、東京、大阪、広島、福岡、そしてオランダのハーグでは、これは月に一回ということになりますけれども、百十二回目の集会というもの、大変静かに行われたというふうにニュースで聞いておりますけれども、元慰安婦とされた人たちだけではなく、戦争被害者の人たちと一緒になってその集会が行われたというふうに聞いております。
 私は、来年六十年を控えて、この一年間は、やはり来年の六十周年を迎えるまでの間に、私たちはしっかりと取り組んで戦後補償というもので解決をしていかなければいけないという思いを大変強くしているわけなんですけれども、まずお伺いしておきたいのは、この戦後の未処理の問題として想定しているのは一体どんな問題かということについて、福田官房長官にお伺いしておきたいと思います。
 昨年の三月二十五日には、戦後処理問題の窓口問題に尋ねましたときにも、内閣官房が総合的な政策調整を行うこととした理由について、官房長官は、戦後処理問題は内容が非常に複雑多岐にわたり、種々の経緯があるということにかんがみて、政府として統一的な対応を行う必要があるということを挙げられているわけです。つまり、内容が非常に複雑多岐にわたっている、種々の経緯がある、それは未処理の戦後処理問題としてはどういう問題を想定しておられるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 未処理の問題というようにお尋ねになりまして、これは政府としては、処理されていないということについては、これは鋭意誠意を持って対応するというようなことをしてまいったわけでございまして、その未処理の問題というのは一体どういうものなのか、どういうように考えておられるのか、もしそういうことがあればお教えを逆にいただきたいというふうに思います。
○岡崎トミ子君 逆質問というのもちょっと、私の方から質問をしてお答えをいただくという、その責任ある立場におられるというふうに思いますけれども。
 まあ言ってみれば一番分かりやすいことで言いましたら、残留婦人の問題、残留孤児の問題、これなどにつきましては、大体千五百人以上の方々が日本に来て大変厳しい状況で暮らしておられるということも含めまして、千五百人以上ですね、これは国家賠償請求ということで、中国残留邦人、係争中という問題があります。
 あとはほとんど恩給の受給資格をめぐるものと思われる問題ですとか、最終的に軍属であった地位を確認して船員保険の受給資格を認定させる問題ですとか、国内的にそういうような問題がありますけれども、私たちが今こんな問題があるんじゃないかというふうにして挙げることができますのは、今の戦時性的暴力被害の皆さん、強制連行、強制労働、それから韓国・朝鮮人の元軍人軍属、それから韓国・朝鮮人BC級戦犯、そして虐殺被害、七三一部隊細菌戦・人体実験被害、毒ガス放流遺棄被害、砲弾の遺棄被害、無差別の空爆被害、それからサハリンの残留韓国・朝鮮人問題被害者、これは各国に在住しておりますし、二世もいるということですね。それからインドネシアの、これは被徴用兵補と労務者、直接お会いしてお話も伺ってまいりましたけれども、こういう問題がございます。いかがでしょうか。
 これは法的な解決もされていないという問題だというふうに思いますし、北方領土問題なども思い出しました。いろいろ本当にたくさん未解決の問題がございます。
○国務大臣(福田康夫君) 戦争というのはいろいろな問題を起こすんですね。おっしゃった以上に人は殺したり殺されたりという、そういうこともあったわけです。日本だって全く戦争に関係のない一般市民も被災に遭ったと、こういうこともあるんですね。ですから、そういうこと、その場合のことについて一々数え上げるともう切りがないというようなことになるんであろうと思います。
 ですから、そういうことの一つ一つに対しては、もしそれが政府の責任に帰するもの、若しくは対応しなければいけないといったようなものについては、その都度誠意を持って対応するということで今まで処理をしてきたと、こういうふうに思っております。
 個々の具体的なことについては関係省庁で対応いたしておりますから、そこに聞いていただきたいというふうに思います。
○岡崎トミ子君 限りがなく戦争は大変な被害をもたらすものだというのは、私も同じように考えます。しかし、実際に日本の中で現在裁判を起こされている。その裁判に関してきちんと誠意ある対応も政府としてはしていかなければならない場合もございます。
 つまり、例えば法的にその責任は果たしたというようなことが例えばあったとしても、道義的な責任が残っている。そういうことについて、これまでにも官房長官はこの委員会でも答えていらっしゃいます、誠意ある対応をしていかなければならないという問題について。
 たくさん、来年に向けて未処理の戦後処理問題がたくさんあるんだということについての認識、それから現在係争中の裁判ということについてもお伺いしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(福田康夫君) ですから、個々のことについて、それは関係省庁対応いたしておりますから、それは具体的にはそこに聞いていただきたいということでございます。
○岡崎トミ子君 委員会ではお答えにならないということですか。
○国務大臣(福田康夫君) 裁判のことも一つ言われましたよね。
○岡崎トミ子君 はい。
○国務大臣(福田康夫君) 裁判のことは、これは司法の問題でございますから、裁判の結果を待ちたいというふうに思います。
○岡崎トミ子君 結局、裁判の中で今まで原告の方で勝利をするというようなことがなかった。しかし、問題が今現にあるということで裁判を起こされているということでございますので、私は、国家として戦争を起こした方の側の人間としては、やはり政府としては道義的な責任が様々に残っているので、だから昨年、私は、調整的な役割を含めて内閣官房に窓口を設けられたというのはそういうことだというふうに思うんですね。
 つまり、なかなかいろんな問題があって、それに的確に対処していくためには、もうきちんと窓口を設けなきゃいけない。内閣官房には一つまとめた総合調整をするというようなことをしていかなければいけない。そういうことに立ち至ったので、多分この窓口をきちんとするということを官房長官はおっしゃったんだろうというふうに思うんですね。いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 以前にこの戦後処理の問題について内閣官房でもって調整をしますと、こういうことを申しました。これは一義的には関係省庁ございますから、そこで対応するということができるんでありますけれども、何せもう今から六十年前ということになりますので、随分昔のことについて関係省庁はどこまで対応できるか。また、他の省庁も関係するということになれば、これはそこの辺の整理をしなければいけないということがございますから、それは内閣官房でもってその辺の調整をしましょうと、こういうことであります。
 ですから、もし、何というんですか、いろいろ提起、提議されまして、どこで扱うか分からないというようなときには内閣官房で対応しましょうと、こういうふうなことは申し上げております。ですから、そのつもりで今でもやっておるところでございます。
○岡崎トミ子君 昨日の水曜デモに世界で連帯した行動をしたという皆さんも、小泉総理大臣に対して、あるいは川口外務大臣に対して要請の文書も持っていっておりますので、是非、官房長官もお目通しいただきたいというふうにお願いをいたします。
 そして、時間がありませんので次の質問に行きたいと思いますが、慰安婦の強制、捕虜虐待というのは当時の国際法に違反していたのかどうかに関してお伺いしておきたいと思います。
 これは、戦時性的強制被害者問題解決促進法案の問題につきましては参考人質疑を行っておりまして、与党の方の参考人としては横田洋三中央大学の法学部教授、そして野党の方の参考人としては戸塚悦朗、当時の神戸大学大学院助教授、それぞれ国際法の専門家としてお答えになっておりますけれども、国際法違反があったということについて見解を示されております。
 殊に、政府と同様、平和条約で国家間の間の問題解決はもうしているんだというふうに取っておられます横田教授も、このようにおっしゃっているんですね。慰安婦の方々に与えた苦痛、精神的肉体的苦痛、これは当時の国際法に照らしても違法であったという判断をしております、そして、強制労働条約違反、あるいは戦時国際法違反、さらに人道に対する罪、いずれにも該当しますというふうに明言をされております。
 この慰安婦強制と捕虜虐待に関しまして、国際法に照らして違反していたかどうかという点について、改めて政府の見解を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(齋木昭隆君) お答え申し上げます。
 いわゆる慰安婦の問題につきまして、個々の事案の事実関係、これを含めて当時の状況に関する検証が資料が散逸しているといったような事情によりまして非常に難しい、困難であるということもございまして、当時の様々な条約、例えば強制労働禁止の条約も含めて、これは各国の考え方、それから国家実行、こういったものをしっかり検証して、この問題に当てはめて、今の時点からさかのぼって当時の国際法に違反しているかどうかということを政府としてこれを判断するということは非常に困難であるということをまず申し上げたいと思っております。
 ただ、いずれにしましても、いわゆる従軍慰安婦の問題につきましては、これは官房長官談話、平成五年にございましたけれども、多くの女性の方々の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であるということで認識いたしましたし、政府としては、これまでもこの問題につきましてのおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明してきておるところでございます。
○岡崎トミ子君 それでは、国内法ではどうだったでしょうか。当時の国内の法では問題はなかったのかどうなのか、お伺いしておきたいと思います。
○委員長(簗瀬進君) どなたですか。
○岡崎トミ子君 外務省。
○委員長(簗瀬進君) 国内法。外務省でいいんですか。
○岡崎トミ子君 はい。
○政府参考人(齋木昭隆君) 当時の国内法、それからまた先ほど申し上げましたように、国際法、条約、国家実行、こういった問題に照らして果たして違法であったかどうかにつきましては、いろいろな学者の説とかございますけれども、私ども、今の時点からさかのぼってこれを一つ一つ検証するというのは、先ほど申し上げましたように、資料が散逸しておるということもございますので、断定的にこうであったということを申し上げるのは難しいかというふうに認識しております。
○岡崎トミ子君 それでは、この問題についてはまた次回に、もう少し時間を掛けなければならないと思っておりますので、次にお聞きしたいと思いますが。
 その国際法違反については政府と共通の認識に立てないというふうに今思いました。しかし、この慰安婦問題について問題は解決されるべきだということは、やはり福田官房長官、あるいはこの法案の最初に審議をいたしましたときの杉浦外務副大臣も共通して示しておりまして、いずれも国としてはアジア女性基金として取り組んでいるところだというふうに当時も答えられていたわけなんですが、それが償い事業終了したということでございます。
 こうした問題を何とか解決していくためには、やはり国民の合意形成も必要だということを官房長官もおっしゃったわけなんですけれども、そういうことを様々に今問題提起されているこのことにこたえていくためには、やはり新しい取組の開始、それを具体的に行っていくということが大切ではないかというふうに思っております。
 昨年三月二十日のこの内閣委員会におきましては、政府が調査結果を公表した後に関連資料が関係省庁で見付かったことがあったと、調査結果の内容を変更するような問題が出てこない限り再調査を行うことは考えていないということでありましたけれども、その後も新しい発見があった、更なる調査を必要と感じることが非常に多いわけです。政府がどんな資料を持っているのかというのは網羅的に再確認をしていく必要があるだろうというふうに思っておりますけれども、民間の研究も含めて引き続き十分な関心を払っていきたいというようなことでもありました。
 政府が持っている資料のアクセス、これはまだ非常に今難しい状況になっているだろうというふうに思うんですね。これは何も戦後処理の問題にだけかかわる問題ではなくて、政府の資料を体系的に保存して利用するための体制を整備することは非常に大きな意義があるというふうに思っているわけなんですけれども。
 実は、官房長官は、官房長官のところでの研究会を開いていらっしゃって、それは公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会ですとか、歴史資料として重要な公文書の必要な保存、利用のための研究会とか行われておりますけれども、今回の所信の中でも、その公文書の必要性、我が国の歴史を後世に伝えるために必要だということについて触れられておりますけれども、福田官房長官のこうした体制に対する思いと、アジア歴史資料センターについての意義というものについてお話を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) この公文書等につきましては、これは歴史資料としてこれは重要なものでございます。これは国民共通の財産であるというように考えます。また、その保存を行って国民の利用に供するということと同時に、後世に伝えていくということはこれは国の責任だというふうに考えております。
 ほかの国の公文書館、その機能とか役割調べてみました。我が国とは格段の差がありまして、上等なんです。日本が上等でないということなんですがね。我が国としても国際的に遜色のない公文書館制度を整備するということは重要な課題だというふうに思っております。
 そのために、昨年十二月から公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会を開催しまして、諸外国の現状等を踏まえつつ、我が国にふさわしい公文書館制度の体制整備について検討を行っているところでございます。
 今御指摘ありましたアジア歴史資料センターは、これは平成十三年に、我が国とアジア近隣諸国等との間の歴史に関し、国が保管する資料について国民一般と関係諸国民の利用を容易にし、あわせてこれら諸国との相互理解の促進に資するために設立されたものでございます。このセンターは、ついでに申し上げますと、国立公文書館等で保存している歴史資料の原本をインターネットを通じて無料で公開しておりまして、これはデジタルアーカイブにおける先駆的な試みというような評価も得ておるわけでございます。
 ここにアクセスすると、日本の歴史的な資料、例えば私も見たうちの一つは、例えば盧溝橋の事件のときの現地の領事から、総領事かな、から発信した文書、その文書、外務省に行った文書があるとか、そういうようなことを見まして、歴史的な事実というものを自分の目で確認できると、そういう利点があるわけですね。
 そういうことはアジアの人々も見ることが、接する、アクセスすることができるわけです。ですから、共通の認識を持つことができる。我が国は何も我が国の歴史、都合の悪いところは隠すとかそういうことはしない国だということを示すということも私は我が国の信用を高めるために必要なんだろうというふうに思っております。この制度は、この制度というかこの機能をこれから大いに活用されるべきでありますので、どうぞ委員も御活用いただきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 もちろん、こちらからもお話を伺ったことはあるんですけれども、実は、このアジア歴史資料センターの方は国立公文書と外務省と防衛庁、この三機関のことについて拡充をし、そして充実をさせていくということでありまして、実は昨日、総務省、法務省、厚生労働省にもお話を伺いましたときに、一体ここで何を持っているのかというのが明らかになっていないというような状況でございました。
 そこで、戦前、戦中の資料をまずはとにかく廃棄しないこと、どんどん、もしルールも何もないこの国が廃棄するようなことがあったら大変だというふうに思っておりまして、その廃棄しないということについて政府全体として決定してほしい、閣議決定してはどうかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) この公文書館の整理なんでございますけれども、これは国立公文書館法第十五条に基づいて、国の機関は、その保管にかかわる歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置を講ずると、こういうふうなことになっております。これを受けまして、閣議決定などによりまして、各行政機関は、昭和二十年までに作成、取得された行政文書を歴史資料として、重要な公文書等として、保存期間が満了した際には国立公文書館等に移管すると、こういうことになっております。また、各府省が保存期間を延長している行政文書につきましては保有機関において適切な管理がされているというふうに思っております。また、国立公文書館に移管されているものにつきましては同館において目録が作成されておりまして、各府省が現在保有しているものについては保有機関において文書管理簿が作成されていると、こういうことなんです。
 公文書といっても、どこからどこまでがというのは、これはなかなか判断が難しいこともあるんではなかろうかと思います。ですから、そういうふうな公文書のその残すべきかどうかといったようなことも含めて、扱い方ということは、これは決めなければいけないというように思います。今、随分倉庫に一時保管しておりますけれども、順次整理して、そしてできるだけ必要なものはデジタル化するとか、一般の方に見ていただけるような、そういうようなふうにしていきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 官房長官の意気込みというものは分かったんですけれども、廃棄しないということがまず前提です。世界のルールにのっとって世界のレベルで保存するというそのルール化もしていないわけですから、その前段として廃棄をしないことを閣議決定していただきたいということと、そうした資料を網羅的にリストを作成していただく。本当は、今、戦前どんなリストがあったのかということが明らかになっていない限り、これがすべてでございますというふうに各省庁から私言われても、分からないし、多分アジア歴史資料センターの方でもこれがすべてかというふうに分からないというそういう状況ですので、是非網羅的なリストの作成をしていただきたいなと。そして、きっちりと保存して、官房長官がおっしゃったこの所信に合わせたような、アジアの人たちに対して世界じゅうからアクセスできるような、そういう立派なセンター作りということを是非御努力していただきたいというふうに思っております。
 今お答えになっておりませんでした廃棄しないこと、このことだけについてもお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど申しましたように、国の機関は、これは国立公文書館法十五条でございまして、重要な公文書等の適切な保存、適切な保存のために必要な措置を講ずると、こういうことになっておりますから、必要なものは残してあると、こういうことです。
 公文書といったって、これはもう物すごい量があるんだろうと思うんですね、ルーチン的なものもあるし。ですから、そういうものすべてを残すということが必要なのかどうかというような問題もあると思います。その辺、どういうふうに処理をしているかということは私もちょっと今承知しておりませんけれども、それは適切に処理をしているものと信じております。
○岡崎トミ子君 この問題の一番最後のところになりますので、先ほど戦後処理、未処理の問題について、どんな問題があるのかということについて私の方から申し上げましたけれども、国ではいろいろ係争中の問題もありますし、様々な問題について各国から言われている。裁判に訴えられていないものなどもございますので、そういうものをやはり網羅的に、こちらの方で資料を要請しておきたいというふうに思います。後ほど、こんな資料を出してほしいと、どういう問題点があるのかということについて一覧表をいただきたいと思っておりますので、委員長、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、竹中大臣にお話を伺いたいと思いますが、NPO法人につきましては現在一万五千五百七十八法人ございます。昨年四月に認定法人の要件緩和がなされましてから、二十二のうちの十法人増えたということです。五百、五百、五百ぐらいずつ毎月NPO法人が増えていきますのに、この要件を、条件を緩和した、それでもなお十法人しか増えていない。〇・一四一%です。なぜこんなに少ないのか。これでいいとお考えになるんでしょうか。改正する必要があるだろうというふうに思っております。
 そして、そういうことを確実にしていくためには、やはり現在NPOで様々な問題を抱えていらっしゃるNPOの方々から、予算の問題でどうなっているか、本当に源流から下流のところまでお金は流れていっているのかどうか。例えば、今問題になっております外郭団体に相談をすると、外郭団体のところで止まって、末端のNPOのところまでお金が行かないというような問題などもあるようですので、来年の税制改正に向けても、竹中大臣の取組についてもお伺いしておきたいと思います。
○委員長(簗瀬進君) 一覧表、資料要求の件については、後刻理事会で検討いたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、岡崎委員が既に数字を挙げて御説明してくださいました。
 平成十五年の四月に税制改正によって制度拡充が行われまして、我々も認定NPO法人の数がやはり自然に増加していくという姿を期待しているところでございます。現実に、申請に必要な過去二事業年度に係る書類の整理をするなど準備を進めている法人もあるというふうに聞いておりますので、そこは我々もしっかりと見ていきたいというふうに思います。
 なぜこんなに少ないのかという御質問がまず最初にありましたが、これは十五年四月にこの制度が拡充されて二事業年度の準備が要るということもありますので、ここはやはりその準備期間も含めてしっかりと見ていくというのが我々の今認識でございます。その上でさらに、制度の問題等々について様々な議論を我々としては進めていく必要があると考えております。今重要なのは、やはり広くこれに対する制度の普及啓発を行うことだと思っております。
 後半の御質問の中で予算の仕組み等々ございましたが、これはちょっと予算につきましては私よりは財務省のお話だと思いますので、私の方から一点申し上げておきたいと思いますのは、やはり利用実態に関する実態の把握というのはこれはしっかりとやっていきたいと思っております。
 先般、改革の工程表を発表しておりますが、その中で十六年度にこうした利用実態に関する調査を行うということも盛り込んでおりますので、普及啓発を行う、実態調査を踏まえて、その準備期間の二年をしっかりと見守って、その上での対応を考えていきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 実態調査をしっかりしていただきたい。問題点をしっかりととらまえて、NPOがさらに仕事がしやすい、行政でもない、そして企業でもない、そして市民セクターというものを育てるためにも御尽力いただきたいというふうに思っております。
 構造改革特区で実施されました規制緩和策につきまして、所管省庁が弊害を立証しない限り全国で実施する基本方針が閣議決定されまして、これは歓迎をしたいというふうに思うわけなんですけれども、効率一辺倒では困るという思いもございます。そういう意味で、本当に立証しないと駄目なんだというのは私は評価をしたいというふうに思っておりますけれども、きちんと運用をしていく点でこれが反映されるように、金子大臣にはそのリーダーシップに期待をしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) もうこの四月から評価委員会を立ち上げさせていただきまして、半年以内にその成果をきちんと評価をしてもらうというスピード感を持って特区を全国化、全国化、一般化していきたい、その基本的な方向で進めさせていただきたい、いただくつもりであります。
 ちなみに岡崎先生が、盛んにおっしゃっていただきましたどぶろく特区がいよいよでき上がりまして、この二十六日にももうでき上がるようでございます。遠野物語、日本の民話、ふるさと、是非お出掛けいただければと思います。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
○川橋幸子君 引き続き、民主党・新緑風会の川橋幸子でございますが、質問をいたします。
 今日はテロ対策等と、それと先ほど岡崎委員も触れられましたNPOの問題、大きくこの二点について伺いたいと思います。
 さて、イラク攻撃が始まってから一年たったところでございます。今なお、今朝もニュースによりますとバグダッドで爆破事件が起こり、米兵、オランダ兵が死に、イラク市民もまた死んだというそういう大変悲惨な事件が報じられたところでございまして、復興が順調に進んでいるとはとても思えないと、こうした一年目を迎えているわけでございます。
 ここで、私この一年を振り返りますと、テロに屈しないという言葉が非常にたくさん使われたと思います。そのほかに大量破壊兵器があるかどうか、つまりは戦争の大義があったかどうかということも問われましたけれども、その前にいつもテロに屈しない、これはだれもあらがい難い、だれも否定できない、テロを憎んでテロに屈しないという言葉は本当に正義の言葉だと思うのでございます。
 しかし、今回スペインの総選挙では、鉄道テロ事件によりまして、事前の予想とは大きく違って政権が交代したわけでございます。こうしたスペイン国民の選択というものをテロに屈したというふうに見るのでしょうか。官房長官の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) このスペインのテロにつきまして、またちょうど選挙の直前といったようなこともありましたので、いろいろな報道やら論評があったのは事実でございます。いろいろな意見がございました。しかしながら、我が国として、これは他国のことでございますから、公にこの選挙についてとやかく言うのはこれは適当ではないというように考えております。
 それは、各国には各国の事情がございますので、特にスペインは昨年の七月以来千三百人派遣しまして、そして治安活動を、また人道活動、復興支援活動など、いろいろとやってきているわけでございますから、それはスペインがどういうふうにこれからするかといったようなことも含めて、スペイン自身の判断することだというふうに考えております。
 ただ、テロに屈するか屈しないのかとかいったようなことになりますと、これはまたちょっと、これはスペインがどうのこうのということではなくて、一般的にいってこれはテロに屈するということがあったらばテロを合法化するような話ではなかろうかなと。テロに屈するということは、要するにテロでもって人とか国を脅迫して、そしてその自分の意のままにさせると、こういう意図を持ったものであるというように考えれば、そういう脅迫やら威嚇に乗るということはこれはあってはならないことだというように思います。
 私は、スペインもテロに屈しているというようには思っておりません。新しい首班になると思われるサパテロ社会労働党の書記長も、テロ対策は最優先課題であるというように言っておりますからね。
 ですから、これからもスペインはテロとの戦いを続けるというように思っております。
○川橋幸子君 私も、これはテロに屈したというようなことでは絶対にあり得ない。なぜならば、スペイン国民は自国内でもって得たというのでしょうか、祖国の自由を守るというような、テロ組織と、国内で、自国内でこの問題を抱え、長年戦ってきた国であり、そして国民である。そうした国民が選択したものというものは、テロとの戦い方にはいろいろあると。そういう意味で、前政権と新政権との主張の差、戦い方の主張の差について国民は選択をしたということだと思っております。
 さて、新聞によりますと、これは新聞の報道でございますけれども、スペインの政権交代に伴いましてスペイン軍が撤退するのかしないのかということが、当然、ニュース性を帯びることでございますが、官房長官の談話としましては、記者団に対して、期待をにじませたと。撤退しない方に期待をにじませたというような、そういう記事が出ておりましたけれども、この委員会の場で改めて官房長官のお気持ちを伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど申しましたように、スペインにはスペインの事情があるわけですね。ですから、これはこのサパテロ新政権がどういうふうにするのか、それはまずは政権に就いて政府をどういうふうにリードしていくかと、こういうことだろうかと思いますので、これは政権に就く前に言っていることがそのとおりなんだというふうになるのかどうか分かりません、正直申しまして。これは事態を見守っていくしかないということであります。
○川橋幸子君 そうしますと、一部報道だとは思いますけれども、期待感をにじまされたという、そういうことではなかったということでございますか。
○国務大臣(福田康夫君) イラクの、今大事なことはイラクの安定、そしてそれが中東の安定につながり、世界の安定につながるということではないかと。そのために何が必要なのかということを考えれば自明のことだというふうに思いますが、一部の報道でどういうふうに書いているか、それは、報道は報道で自分の主観も入れて書いているときもありますので、それはどうでもいいんですけれどもね。
 いずれにしても、今何が必要なのかということを中心に考えるべきことではなかろうかというふうに思っております。
○川橋幸子君 EU諸国では今回、こうしたスペインの国内、国内といいますか、鉄道テロを機にいたしまして、様々な不安がまずポーランドに波及し、あるいはイタリア等でも危惧されている。つまりは、フランス、ドイツ、ロシアという古いヨーロッパに対して、スペイン、イタリア、ポーランドといった新しいヨーロッパがアメリカの有志同盟に入ったと。そういう古いヨーロッパ、新しいヨーロッパというようなことで、いわゆる欧州と米国との間では激しい非難合戦のようなやり取りがあったわけでございます。
 しかし、今回の動きを見まして、EU全体では、どうも報道によりますと、EU全体としてテロ対策を強化しようと。そうした国際会議を招集してEU全体で当たっていこうという、そういう段階に至っているようでございますが、官房長官、いかがでございましょうか。
 かつて、別にデマに踊らされるわけではございませんけれども、もし日本が自衛隊を派遣する場合にはこうした危険もあり得るという、テロ組織からの、報道の中で日本も名指しされたことがあるわけですね。日本も今回自衛隊が派遣されて、これから復興支援に当たっていこうと。お二人の尊い外交官の犠牲を無にしないようにもそういうことに当たっていこうという、こういう事態になったときのテロ対策というのは新しい段階を迎えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) EUも今回のスペインにおけるテロを受けまして、EUとしてのテロ対策を更に強化すると。そのために、十九日の緊急内務相理事会においてテロ対策強化のための具体的な措置を検討する予定であると、こういうような状況のようです。
 この措置の中には、EU加盟国間のテロ対策調整のため、新たなテロ担当の欧州委員ポストの設置などが検討されておりまして、今後、二十五日より開催されるEUの首脳会合において採択される見通しだと、こういうふうなことなんですね。やっぱりそういう意味において、あのスペインのテロというのは規模も大きかったし、また衝撃も大きかったんだろうと思います。
 ただ、ここでもって、じゃ、テロに屈したかのごとき行動を取ることは、これは許されないことだというふうに私は思っております。
 当然、我が国もしかるべき対応をしておりますけれども、イラクにおいても自衛隊を中心にいろいろな活動を今開始しているところでございます。それは人道復興支援ということでやっておるんですけれども、そういうことによってまずイラクが安定する、国内が安定するようにする。安定するためには、やはりインフラ整備とか国民の生活の向上とか、いろんな問題があるんだろうと思います。
 そういう治安と、それからそういう支援と、両輪を駆使して、イラクの安定が早く来るようにということで全力を挙げている最中ですから、そういうような状況の中で我が国も懸命の努力をしているというところであります。
 そういう結果、日本の国内で何か起こるのではないかというようなことがございます。いろんな脅迫とか、それめいたこともあるようでございます。ただ、そういう、例えばアルカイダが脅迫文を送ってきたとかいっても、それが本当のものかどうか、これもよく分からないところがあるんですよ。そういうことについては真偽を確認するという作業ももちろん行っており、また警戒も、新しい事態に合わせて対応するというようなこともしているわけでありますので、それはそれとして、しっかりと、何というんですか、守りは固めなければいけないということはあります。
 しかし、だからといって、先ほど申しましたように、ここでちゅうちょするといったようなことがあってはならないのではないかなというように私は今考えているわけでございます。
○川橋幸子君 私もテロに屈してはならないということでは全く同感でございまして、ただ、官房長官の所信表明、拝見しておりますと、「国内テロ対策や」云々となっておりまして、「内閣官房を中心に政府が一体となって対処する態勢の整備に一層努めてまいります。」と、テロと書いてありますから平時とは申しませんけれども、やはり事態はかなり大きな、また変化の節目に来ているのではないだろうか。
 そういうときにテロに屈しないためにも、一団として、例えば国内ではこのような態勢を取る、あるいは新聞報道によればですが、アメリカは新しい国連決議を本腰を入れて国連に働き掛けるというようなものも報道されているわけでございますが、日本政府としてはいかがでございましょうか。そうした決意を新しく示される、自衛隊が、派遣されていらっしゃる方々のためにも、あるいは国内でも示される、杞憂だと言われるかもしれませんが、私は、今大事な時期じゃないかと思いますので、改めてお伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) イラクにおける自衛隊の活動において安全を確保するという、これは本当に大変大事なことだというふうに考えておりますから、これはもう当初から十全な対応をしているというふうに思います。
 ただ、こういうことは幾らやっても万全だというわけにはいかない性格のものだというふうに思いますので、それは日々十分な注意を払いながら、新しい事態があればそれに即応できるようなというような、細心の注意を払ってやっておるところでございます。
 国内においても似たようなことでございますので、政府も、今までも随分テロに対する備えということはやってまいりましたけれども、今回のように鉄道のことがあるといった場合には、この鉄道に対する、またテロの方の関心も高まるということも考えて、またそれに対する対応もしっかりしていかなければいけない、そういうこともあろうかと思っております。
 したがいまして、ここで一番大事なのは、やはり情報の収集、分析ということじゃないかと思います。EU諸国においてもいろいろな措置を講じておるということでございますから、情報交換をしながら、情勢に応じて警戒を強化徹底するといったような対応も考えてまいりたいと思っております。
○川橋幸子君 国内においては、今官房長官おっしゃったように、早速、小野国家公安委員長の方からも御指示を出されたようでございます。
 私、個人的、全く個人的でございますけれども、このところ、国連事務総長が来られる辺りからでしょうか、国会周辺がやけに厳重な警備で、真っすぐ入れなくて迂回して入るなんということもございまして、素人で考える場合には、テロというのはむしろ、今のところ、九・一一もそうだったし今回のスペインもそうだったですけれども、一般市民を人質にする。日本もオウムはそうだったのではないかと思うわけです。
 そういうふうにシフトされて指示を出されたのかも分かりませんけれども、改めて小野国家公安委員長から御見解、指示の中身を御説明ください。
○国務大臣(小野清子君) 国会周辺がちょっと慌ただしくなったということですけれども、入口の件は、あれ、交通事故の関係だと伺っておりました。
 警察におきましては、米国の同時多発テロ以降でございますけれども、国際テロの脅威の高まりを踏まえまして様々な対策を練っておりますけれども、その第一点といたしましては、入国管理局との連携によります港、空、いわゆる港湾、空港関係の水際対策、これをまず第一点に挙げております。この強化でございます。二点目は、国内における情報収集等、テロリストの発見と検挙。これは、今まで特段の事案はございませんでした。我が国重要施設やあるいは米国関連施設等、総計六百五十か所に恒常的な警戒警備の実施をさせていただいているところでございます。
 そのようなことで国内テロ対策を徹底しているところでございますが、さらにまた、新幹線や地下鉄、公共交通関係につきましては、鉄道事業者におきまして、駅構内あるいは車内の巡回を強化いたしまして、不審物などを発見いたしました際の届出を利用者に呼び掛けるなど、適切な自主警備を実施させていただいております。
 さらに、警察におきましても、鉄道事業者に対しまして自主警備の強化につきましてきめ細かないわゆる指導、助言をさせていただいており、警察官によるパトロールや警乗、一緒に乗るということでございます、すなわち列車への乗車警戒を強化するなど、警戒警備の徹底に努めているものと承知をいたしております。
 さらに、今般のスペインにおける鉄道爆破テロ事件を踏まえまして、警察庁におきましては、鉄道事業者との緊密な連携の下、やはり機動隊の運用や警備犬を活用しての駅構内の巡回の強化あるいは積極的な職務質問、これは町の中の治安も同様でございますけれども、こういうものを強化し、列車警乗や沿線警備の強化等、鉄道に関する警戒警備の徹底につきまして全国警察に指示しているものと承知をいたしております。
 現在、我が国におきましては国際テロに関する具体的情報はございませんけれども、警戒警備を一層強化いたしまして、国内におけるテロの未然防止に万全を尽くすことができますように警察当局を督励してまいりたいと思っております。
○川橋幸子君 るる御答弁いただきましたので、信頼申し上げまして、しっかり重責を果たしていただければと存じます。
 それでは、残りの時間をNPOの方に振り向けまして、竹中大臣の方にお伺いしたいと思います。
 先ほど岡崎委員も質問されましたけれども、その質問に挙げられましたNPO法人の数、一万五千余と。(発言する者あり)それには内閣府の認証件数が入っておりませんで、多分一万七千百六十三という、そういう数になるんだと。(発言する者あり)そうですか。それじゃ、どうやらまた私の質問の方が間違ったでしょうか。後で記録の際はしっかりチェックさせていただきたいと思いますが。
 とにかくこういう状況で、鳴り物入りで認定要件を緩和したにもかかわらず、増える気配は見えない、こういう状況でいいのだろうかと。先ほど、なぜ増えないかにつきましては大臣からるる御答弁いただきましたけれども、こういう状況でいいのだろうかと。やはりNPOが担う部門、行政ではない、それから企業ではない、もう一つの市民セクターとして、これを伸ばしていくことがむしろ様々な構造改革につながっていく、こういう状況だろうとすると、なぜ伸びないかよりも、どうやって伸ばしていこうかと、そういう何か御決意をちょうだいしていい状態ではないかと思います。
 今回の所信表明を拝見しましたら、NPOという、アルファベットでなくてもよろしいのです、特定非営利団体でも結構なんでございますが、どこにもその表現がないのでございますが、どうやら竹中大臣は決意後退されたのではないかと思ってしまいます。御答弁お願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の今年の所信にNPOという表現がない、大丈夫かという叱咤、お批判もいただきましたが、これは言い訳になるかもしれませんが、今回、内閣府の国民生活局の所管のマターで公益通報の問題でございますとか、また消費者保護の基本法でございますとか、これまでにはない大きなイシューがございますので、それについてのお話をその所信ではさせていただきました。
 NPOの問題は、この制度を作り、また認定NPO法人制度、その税制の要件を緩和し、まだまだ不十分ではありますけれども、今軌道に乗りつつある段階であるというふうに思っております。
 我々は、その意味で、今、この枠組みを作ったものを是非しっかりと、ある意味で粛々と進めていきたい、そのような決意でおります。決意が後退したとか、揺らいだということではございませんので、この点は是非御認識を賜りたいと思います。
 前半の川橋委員の御質問の中で、この数字そのものはこれでいいのかということであります。
 NPOでありますから、この重要性はもう言うまでもありませんが、正に公的な価値ではない、非常に多様な価値を実現する、公的ではあるけれども民間で行えるような多様な価値を実現する。それは、今度は参加する側から見ますと、正に自分の人生のステージの中で大変重要な活動として位置付けられるものになっていく、成熟した市民社会においては大変重要な役割を担うというふうに、もう私自身強く思っているところでございます。
 したがって、その数の評価もなかなかこれは難しゅうございまして、正に民意の発意でありますから、これは政府がこのぐらいの数が必要だとか、そういう数値目標のようなものになじむものではもちろんないというふうに考えております。しかし、いかんせん、やはり数が少ないなという認識は、まだまだ少ないなという認識は私も十分持っておりまして、そういうことをやりたいと思っている方々が制度を活用して、しっかりと、このNPO税制の特典も受けながら活動ができるような基盤作りはしっかりと行っていきたいと思っております。
 それ以上の説明は先ほどとかぶりますけれども、要するに、今正に夢への準備の期間でございましょうから、そこは是非しっかりとやっていただきたい。もって、結果的にはやはり様々な多様な価値に基づいて認定NPO法人の数が飛躍的に増えるということを私自身も期待しているところでございます。
○川橋幸子君 先ほどの数はやはり岡崎委員の方が正確でございまして、私、謝罪して、訂正させていただきます。一万五千五百七十八件で、これ、内閣府含んでの数でございました。
 まあ、数の問題ではないと言われましても、余りにもこの認定件数、低過ぎるということはお認めいただけますね。
○国務大臣(竹中平蔵君) それは私、今申し上げたとおりでございます。個人的には、目標を設定すべき性格のものではございませんが、いかにもまだまだ低過ぎると。これはもう画期的に増えてほしいと私も思っております。
○川橋幸子君 どうしたら、認定件数を増やすというよりも、どうしたら寄附、NPOは寄附を集めて、その集めた寄附で新しい社会を作るような市民セクターの活動ができるか、どうしたらお金が、財源が集められるかということが問題なんだと私は思っております。
 今、自治体が様々な助成金をNPOに支給いたしまして、こうした地域レベルの活動を活発化させようという、こういう動きがあるわけでございますが、私は、日本の現状を見る限りにおいて、そうした自治体のその努力は大事でございますけれども、もう一歩、国家戦略が必要なんじゃないかということを思うわけでございます。
 例えば、週刊朝日の二〇〇二年十一月十五日号、「政府が役立たずの今世紀の日本、「所得税一%法」を導入してNPOとNGOをたくましく育てよう」というようなタイトルの記事がございます。
 取り寄せましたところ、シンクタンク研究会という民間の団体がございまして、会長は自民党の塩崎先生のようでございますが、もっと何か戦略的なものがあってしかるべきではないかという、そういう認識に私も立つのでございます。
 かつてNHKが、ハンガリーが東欧諸国から市場主義経済に入ってまいりまして、そのときにどうやったら社会を活性化できるか、国民一人一人がやる気を出して、国家に寄り掛かるのではなく、自分たちの発意、能力を発揮することによってどうやって国に貢献するというんでしょうか、活性化、社会を活性化していくかという、そういうハンガリーの一%、所得税の一%制度というものがNHKの放送で放映されまして、視聴率も良かったようでございますが、そうした制度を見てのこの週刊朝日の記事なわけでございます。
 私、内閣府の方に頑張っていただきたいなと思いますのは、NPOは、NPO自身が自助努力で自分で立ち上がる努力も必要でございますけれども、まず立ち上がりについては、この部門が必要だということであったら政府の戦略としてそういうところに意を用いてほしい。普及啓発に力を入れていただくことはもちろんでございますが、どうしたらそうした制度設計ができるのか。内閣府にお金を集めて取ってくださいというよりも、そういう制度設計についてどう努力されるかということを期待させていただきたいわけですが、竹中大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ハンガリーの所得税一%ルール等、諸外国の事例も、今日局長来ておりますけれども、局長の方でしっかりと今研究はしております。同時に、何かやっぱり世の中にこれは必要だと思うことはたくさんございます。NPOも必要だし、科学技術の振興も必要だし、それぞれについてしかるべく何か予算を付けてという話にやはりどうしてもなるわけでございまして、その気持ちは分かるわけですけれども、なかなか財政事情、それを許さないということも委員は御理解をいただいているというふうに思います。
 我々としては、まず何よりもこの問題はやっぱりパブリックサポートテストの要件がしっかりと緩和されていて、それが周知徹底されていて、それがちゃんと機能しているかと、やっぱりそこが重要なポイントなんだと当面は思っております。これについては、先ほど岡崎委員に御答弁申し上げましたように、調査も行ってしっかりと実態をまず見ていきたいというふうに思います。そして、何よりもやはり周知徹底、これを制度の周知徹底をさせることも重要だと思います。
 川橋委員の御指摘は、一種のこれを、産業ではこれは決してありませんが、一種のインファントインダストリーのように見立てて、何か独り立ちできるまで何か政府としての積極的な貢献が必要なのではないかという御提起だと思います。その点は理解できる面もあるわけでございますけれども、財政の事情等々含めて、我々としては、まず現状の制度がいかにしっかりと機能しているかを調査をして、その上で改善すべき問題が何かということを是非議論を進めていきたいと考えているところでございます。
○川橋幸子君 半分分かっていただいて半分どうも誤解されていらっしゃると私は思わざるを得ません。
 つまり、今のこの財政事情ではなかなかそうしたインファントルールができない、お金が要るから。これ先ほども申し上げましたように、内閣府で予算要求してNPOの取り分を税収の中から何か取ってくださいという意味じゃないんです。制度設計をしっかり研究する、してほしいということですが、その点はお約束いただけますか。単なる周知徹底ではない、そうしたNPO立ち上げのためのシステム設計について研究していただきたい。そのための予算要求ぐらいはしていただけるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは既に研究をしております。これは先ほど言いましたように、国民生活局の方でこの問題は我々としても大変力を入れるべき問題だと認識をしておりますので、国際比較を含めてしっかりとやっているつもりでございます。決して誤解をしているつもりはございませんので、表現が不適切であればおわびを申し上げますが、いずれにしましても、先ほど言いましたように、やはり調査をしてしっかりと、調査というのは、実態調査をしてしっかりと認識をするということ、一方で、専門家としては、国民生活局の方でこういった諸外国の制度も含めた研究はしっかりと進めていきたいと思っております。
○川橋幸子君 それじゃどうも擦れ違いがやっぱりあるような気がしてしまいますが、調査結果をいつ出してくださいますか。そのアウトプットで判断させていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) できるだけ早くやりたいと思っております。改革工程表の中で十六年度中にはやるというふうに言っているわけでありますけれども、その中で、十六年度でも終わりではなくてできるだけ早い時期に前倒しできるように局長にも頑張っていただいて、しっかりと対応したいと思います。
○川橋幸子君 それでは、あと一問だけ竹中大臣に伺いまして、続きは後日また伺わせていただきたいと思っておりますが、先日本会議の決算審議の際の質問のときに、私は、竹中大臣に、今の雇用の実態というのは量だけで見ては駄目ではないかと。つまり、非正規雇用が非常に多くなっている。女性に至っては二人に一人は非正規雇用という状況になっている。そういうときに、今まで雇用政策というと厚生労働省と実施官庁の仕事というふうに思われがちでしたけれども、むしろやっぱり経済財政担当の、その経済のところで人の経済の問題も重視していただけないかと、こういうお尋ねをしたのでございますが、大変日本経済は快調で、サービス業は伸びていてこれからも雇用は回復していくという、そういうお答えしかいただけなかった。質の問題についてお答えいただけなかったと思いますが、まずこれを伺いまして、今日は後日の質問に譲らせていただきます。
 物とお金と情報だけではない、本当に経済というのは人の問題かと思いますが、人を資源、要素とする経済について所見、雇用政策も経済財政担当大臣の所管であるということをはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 川橋委員はこの労働問題の御専門家でいらっしゃるということを承知をしております。
 私、経済財政諮問会議では、雇用の特に働く形態の問題、多様化の問題、そういった問題は大変重要なテーマの一つに、もう二年前からしております。人間力の強化というような形で様々な提言も骨太の方針の中に打ち出していただいたつもりでございますし、ただ、その中で、多様化でありますから、非正規、正規とは何かということ、そのものが私は問われているんだと思っております。そういったことも含めて、現実問題として、特に若年層に関して非常に深刻な問題があるということは認識をしておりますし、我々は雇用を量だけで量っているつもりは毛頭ございませんし、それではいけないと、そこは委員の御指摘のとおりだと思っております。
 引き続き、この労働に、雇用と人間力の強化というのは、諮問会議としても大変重要なテーマとして議論をしていくつもりであります。
○川橋幸子君 終わります。
○神本美恵子君 この委員会で、内閣委員会での質問は初めてでありますけれども、よろしくお願いします。民主党の神本美恵子でございます。
 二十一世紀は平和と人権の世紀ということが人類、これは人類共通の本当にどれだけ大きな願いを持って二十一世紀を迎えたことだろうと思いますけれども、じゃ、翻って現実はどうなのか。こんなはずではなかったという思いが、これもまた世界各国で皆さんが思っていることではないでしょうか。
 先ほどからテロのお話もございましたけれども、イラクの現状、もう忘れ掛けられようとしているアフガニスタン、それからスペインやロシアでの本当に大きな大規模なテロというような今現状にございますけれども、特に二十世紀の後半、八〇年代ごろからと、七〇年代ごろからと思いますが、国連を中心に人権にかかわる大きな国際的なうねりがございました。その流れの中で、日本も、女子差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約、これらを批准しながら人権の確立に向けて真剣に取組を進めてきたと思います。
 その中の一つとして、人権教育のための国連十年というのがございましたけれども、一九九五年からちょうど十年目、今年が最終年を迎えることになっております。この最終年を迎えるに当たって、日本は、国内的には内閣にこの十年の推進本部を設置して、総理大臣を本部長とする国内行動計画を作り、十年間取組を進められてこられたわけですけれども、一言でこの十年の取組を評価するというのは大変難しいかもしれませんけれども、最終年に当たって、国内的なこの十年の取組の成果と、それから残された課題、これからの課題、また同時に国際的に加盟国における取組の、これは概括的なものしかお聞きできないかもしれませんけれども、成果と課題というふうなものをどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 平成九年七月に人権教育のための国連十年に関する国内行動計画を策定いたしました。もう既に六年が経過いたしました。この間に、この行動計画に基づきまして関係府省において所要の施策が着実に推進されてきているものと認識をいたしております。
 今後とも、この国内行動計画に基づいて人権という普遍的な文化を構築するために、更に一層の推進に努めていかなければいけない、これが課題であると考えております。いいですか。
○政府参考人(齋木昭隆君) お尋ねの国際的な成果につきましてでございますけれども、一九九五年以来、この国連人権教育の十年ということで、毎年国連の人権委員会それから国連総会の第三委員会で決議が出されて、無投票で採択されてきております。その中で、国、国際機関それからNGO等々に対しまして、人権教育に資するようないろんな活動を行うようにということを慫慂するということが述べられておりまして、これは日本も、先ほどの官房長官の御発言がありましたけれども、人権教育の重要性ということでこれに同意しておりますので、そういう趣旨に賛同して様々な措置を講じてきております。
 国際社会におきましては、この人権教育の十年ということで、それぞれの国で人権教育の必要性、これに関する認識が高まったという見解が表明されておりますし、また、人権教育、これは長期的に取り組まなきゃいけない課題であると、これまでの十年間だけの取組では必ずしも十分ではないということ、また人権教育のやり方、手法でございますけれども、それを検討すること等々、各国における人権教育の在り方につきまして様々な課題が依然として残されているという、そういう認識があるというふうに理解しております。日本としましても、その各国の認識を共有する面がございます。
○神本美恵子君 この国連十年の取組の国内行動計画の中には、重要課題ということで課題が明確に列記されております。女性に関するもの、子供、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者等、刑を終えて出所した人、これらは重要課題としてそれぞれの人権課題に取り組んでいくということが明記されているんですけれども、それと特定職業従事者、これには私たち議員も入ります。権力を持つ立場にある人間に対する人権教育がいかに重要であるかということが書かれているわけですけれども、先ほど、官房長官は着実に進めておりますという、大変そのまま受け取れば非常に力強いお言葉だったんですけれども、じゃ、その結果がどうなのかということについては、まだまだ様々な課題が、この取組によって問題がより明らかになってきたというような点もあると思います。
 そういう意味では、例えば、つい先日、数か月前ですけれども、熊本のホテルにおけるハンセン病回復者の宿泊拒否、その後の恵楓園への抗議あるいは差別ファクスや手紙が集中しているというふうな問題も聞いております。これはほんの一例ですけれども、こういった人権侵害や差別といったものが頻発している今の国内の状況を見たときに、この人権十年は是非第二次の取組が必要ではないかというふうに私は思っております。
 今、外務省の方からは十分ではない、長期的な取組が必要だというふうに御答弁いただきましたけれども、現在、その第二次十年への取組として政府内ではどのような議論が進められているんでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(齋木昭隆君) 先ほど御答弁申し上げましたように、まず今までの十年間、これ間もなく終わるわけでございますけれども、その十年間の人権教育のための様々なこれを受けまして、決議を受けましての様々な国内のプログラムというものを実施してきておるわけでございますけれども、この十年間が終わるまず今年、今年終わりますけれども、この最初の十年間で我々が掲げた様々な課題、これをしっかりとやっていくことが重要であろうというふうに思っております。
 それからまた、今後の話、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、まず国連で次また十年間やるということの必要性といったものが、多くの国々の間でそういう認識が共有されつつあるように私ども聞いておりますので、そういった国々とよく連携を取りながら、次の十年ということで、人権教育のための次の十年と、第二次の十年ということを推進していく、そういう機運が高まりつつあるかと思いますので、よく連携を取りながらそういう流れに沿った方向で外務省としてできる限りのことをしてまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 今、国際的な流れに沿って連携してやっていきたいということですので、それは第二次十年に向けて前向きにやっていくというふうに受け止めていいんでしょうか、積極的な役割を果たしていくという。
○政府参考人(齋木昭隆君) 先ほど申し上げましたように、最初の十年間を終えて、各国がどういうふうにこの十年間を評価しているかということを今いろんな国に国連の方から問い合わせをして、その結果を今集計しつつあるということだというふうに理解しておりますけれども、半分、半数ぐらいの国々は非常に前向きに評価をしておりますし、また先ほど申し上げたように、今までの十年間だけでは必ずしも十分でないという認識もございますので、そういう流れが今できつつあるのかなというふうに思いますので、よく関係各国とも連係プレーを取りながら、そういった流れに沿った方向で対応していくと、こういうことでございます。
○神本美恵子君 是非、日本政府として流れを作っていく役割を果たしていただきたいということを御要望しておきたいと思います。
 次に、先ほど岡崎委員の方からも御質問がありました従軍慰安婦問題について幾つかお伺いをしたいと思います。
 この問題については本当に長い間、被害者の方たち、元従軍慰安婦の方たちが悲痛な叫びを上げて様々なところで必死の声を上げていらっしゃるにもかかわらず、なかなか日本政府としてそういった声を受け止めた措置が取られていないということに対して、私もこの問題、初めてここで御質問しますけれども、非常に残念な思いをしながら、何とかしなければということを感じていることをまず冒頭申し上げたいと思います。
 アジア女性基金の償い金事業ということで、これは二〇〇二年の五月に終了しましたけれども、この償い事業の対象となったのは、償い金の支給は韓国、フィリピン、台湾の元慰安婦の方たちに対して行われていますけれども、政府が調査しました九三年八月の調査結果においては、朝鮮半島、中国の出身の慰安婦の方も中に挙げられております。
 このアジア女性基金の償い金事業、これはこれ自体も私はこれでよしとはしないわけですけれども、この中国や北朝鮮の元慰安婦の方のように、この方たちは対象になって、対象というか、償い金を受け取る対象になっていらっしゃいませんけれども、このような取り残された元慰安婦の方たちに対する政府の取組が必要だと思うんですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(齋木昭隆君) いわゆる従軍慰安婦の問題でございますけれども、これは法的な解決という観点から申しますと、サンフランシスコの平和条約、それから日本が戦後の処理で各国と二国間で結びました平和条約、その他関連する条約等々の間で、賠償の話、それから財産請求権の問題、これは解決済みであるという立場でございます。
 したがって、先ほど委員がおっしゃったような形で、つまり、アジア女性基金というものを設けて、それを通じて対応していくことが最も適切であり最善の方法ではないかというふうに判断をいたしまして、これまで政府としてもこの基金の事業に対してできる限りの協力を行ってまいったわけでございます。
 アジアの、アジア女性基金でございますけれども、これは関係する国や地域、こういったところの政府当局又はそういったところから委託を受けたいろいろな団体、関係団体があるわけでございますけれども、そういった団体によりまして、認定を受けた元慰安婦の方々に対して償い金といった事業を実施してきているわけでございます。
 中国でございますけれども、これは元慰安婦の方々の認定が実は行われていないというふうに私ども理解しております。ただ、いずれにいたしましても、このいわゆる従軍慰安婦の問題を含めまして、第二次世界大戦にかかわる日中間、日本と中国の間の請求権の問題、これは一九七二年の日中共同声明を出して以降存在していないということで、こういう認識は中国側も共有しているというふうに私どもは理解しております。
 また、朝鮮半島、特に北朝鮮のことに言及ございましたけれども、これは日朝平壌宣言がございまして、この中で、双方は、国交正常化を重視するに当たっては、一九四五年八月十五日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則というふうに明記してございまして、いわゆる従軍慰安婦の問題につきましては、この日朝平壌宣言の基本原則に従って日朝国交正常化交渉の中で協議されるべきものであるというふうに考えております。
○神本美恵子君 サンフランシスコ講和条約や二国間の条約、協定等で解決済みという今御答弁でしたけれども、例えば一九五一年当時、この条約を締結すると、締結交渉のときに慰安婦問題というのはその存在は認識されていたんでしょうか。
○政府参考人(齋木昭隆君) サンフランシスコ平和条約、これの締結交渉、それから二国間でいろいろな平和条約の締結をやっておったその当時でございますけれども、このいわゆる従軍慰安婦問題が一般的にどういうふうに認識されていたのかということを今の時点から振り返って説明するというのはなかなか、資料が実は散逸しているということもございますものですから、困難な面がございます。
 ただ、先ほどの繰り返しで大変恐縮でございますけれども、第二次大戦中の様々な賠償、財産請求権の問題、これはサンフランシスコの平和条約、それからその他の二国間の平和条約等々で一括して解決して、一日も早く戦後の正常な国と国の関係を回復して発展させていこうという、そういう機運が当時高まっていたということははっきり言えるのではないかというふうに考えております。
○神本美恵子君 一般的に認識していたかどうかは定かでないという、一般的にではなくて政府として、その締結交渉のときに、慰安婦問題を認識した中で、それも含んで交渉されたのかということをお聞きしたいんです。
○政府参考人(齋木昭隆君) いわゆる従軍慰安婦の問題についてどういう認識で交渉していたかということにつきまして、先ほど申し上げましたように、当時の資料というのが必ずしも十分にないものでもございますので、それを今の段階でどういう認識であったかということについて御説明するのは非常に難しいということを申し上げたわけでございます。
○神本美恵子君 じゃ、認識していたかいなかったかも分からないということですか。その資料じゃなくて、つい、一九五〇年代ですから、そんなに古い話ではないと思うんですけれども。
○政府参考人(齋木昭隆君) 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、政府としましては、当時、この問題も含めて、今から考えると、慰安婦問題というのが当時あったということで、そのときのそれぞれの国との間のその賠償、財産請求権、こういった問題については法的には少なくとももう一括して解決するという、そういう立場で臨んでおったわけでございますから、したがって、そういう一括を解決した上で正常な国と国の関係を作っていこうという、そういう機運の中で処理しておったというふうに認識しております。
○神本美恵子君 ちょっと、答弁の意味が私にはちょっとよく理解できないんですけれども、この講和条約や二国間協定、条約が、私は想定していなかったのではないかと思うんですね、この締結交渉のときには。そういう人権侵害が従軍慰安婦問題として行われていたと、そのことは、事実はその後明らかになっていきましたよね。八〇年代ごろからたしか専門家によるそういった書物が出たりしていましたし、九一年に被害当事者の方が名のりを上げられて初めてはっきりみんなに認識されたんではないかと思いますけれども、この慰安婦の強制連行については福田官房長官も、二〇〇二年三月のこの内閣委員会で岡崎委員の質問に対して、非人道的行為とそれに対する罪というふうに御答弁されております。
 また、国際刑事裁判所、これは日本は批准まだしておりませんけれども、その規定を見ても、それから六八年の国連総会で採択された戦争犯罪及び人道に対する罪への時効不適用に関する条約なども存在するように、国際法上、これは人道に対する罪であるし、その罪には時効がないというふうに一般的に解されているというふうに私は理解しております。
 この慰安婦に対する非人道的行為、それから人道に対する罪に対して何らかの措置を取るべきだというふうに思いますけれども、今後、政府としてどのような取組をされるのか。
 これ、昨年の四月に東京地裁で判決が出されたんですが、中国山西省の元慰安婦の方からの訴訟に対する判決です。判決そのものは原告の敗訴に終わっておりますけれども、その中で、立法的、行政的な解決を図ることは十分に可能として、現実的な解決を求める異例の付言をしたと。それから、裁判長は、日本兵の著しく常軌を逸した卑劣な蛮行は、被害者らに今でもいやされない深い傷を残したとして、司法的解決とは別に被害者に慰謝をもたらす方向で解決されることが望まれるというふうに判決の中で述べられております。
 こういったことも考え合わせながら、是非日本政府としての何らかの、この人道に対する罪への措置を官房長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これは、先ほど来外務省から答弁がございますように、この問題は法的には解決済みということになっているわけです。これは、それはもうよく御承知のとおりでございますが、その上でもって、先ほど私の答弁を引用されましたけれども、この謝罪の気持ちについて私がそういうことを言ったと。その罪については、質問があって、それに答えて、「一言で申し上げれば、非人道的行為とそれに対する罪」と、こういうふうに申し上げたわけであり、要するにそういう法的な、法的な解決は済んでおるという前提の上でもって、一般的なその言葉として罪という言葉を使ったかもしれませんけれども、それを、だからといってこれが法的な裏付けだと、そういうことではないんです。道義的な意味でもってそういう言葉を使ったかもしれません。
 我が国は、このサンフランシスコ平和条約、それから二国間の平和条約及びその他関連する条約等に従って誠実に対応をしてきております。そして、この法的な問題については解決済みであるということはもう再三申し上げているとおりでございます。
○神本美恵子君 先ほど判決を御紹介しましたけれども、司法とは別のところで解決をされることが望まれるというふうな判決も出ております。また、野党共同で戦時性的強制被害者の解決促進法案もまた今国会に提出をして立法的に何とかしようという私たちの動きもございます。行政として、政府として、これはきちんと、官房長官は先ほど、非人道的行為とそれに対する罪という、確かにそういう文言での御答弁でありますので、人道に対する罪という使い方はされていないんですが、そこはちょっと意味が違うんでしょうか。それに対する罪というのと人道に対する罪というのは。
○国務大臣(福田康夫君) ちょっとそのときのその発言内容、私よく覚えていませんけれども、要するにそういう行為は一般的に非人道的な行為であると、こういうことを言ったわけでありまして、これが仮に非人道的だといって、それについては我が国としては法的な解決も済んでおるし、また、そういういろいろな問題提起がありまして、アジア女性基金と、こういうような制度でもって対応するということが最も適切だと、こういうふうなことで、この基金の事業に対して最大限の協力をしてきたと、そういう経緯がございます。
○神本美恵子君 頑としてもう解決済みというところが変わらないようですけれども、昨年の七月に女子差別撤廃委員会が最終コメントを出しております。その中でも、締約国がこの問題を最終的に解決するための方策を見いだす努力を行うことということで勧告をしております。
 先ほど岡崎委員も来年は戦後六十年だということでお話がありましたけれども、一つの大きな節目になると思います。日本は、私も余り伝統文化知りませんけれども、還暦といって六十年といえば五十年とはまた違った意味で一つの大きな節目という日本文化もあると思います。その六十年、被害当事者の方々は本当に八十歳を超えて、支援している方から聞けば、毎日訃報が届くというようなお話も聞いております。そういう状況の中で、法的には解決済みというような姿勢を言い続けるのではなくて、国際的なこういう勧告も踏まえながら、是非とも元慰安婦の方たちが求めている法的解決に向けて努力をしていただきたい。もうこれはこれ以上聞いても官房長官からはいいお答えはないと思いますので、今日はこのくらいに、この問題についてはこのくらいにしておきたいと思います。
 残った時間がもうわずかになりました。もうなくなったんですね。──十三分まで。分かりました。じゃ、残された課題はまた後日御質問させていただきたいと思います。
 終わります。
○白浜一良君 今日は一時間程度ございますので何点か質問をしたいと思いますが、まず最初に、過去、私二回にわたって本委員会で取り上げていたんですが、監察医制度、警察医の問題をまず議論をしたいと思います。
 実は、この問題を私知りましたのは、私、十五年前に初当選したんですけれども、大変お世話になりました先生が警察医でございまして、その方から実際、警察医の現状、監察医の現状ということをいろいろ教えていただいたわけで、確かに法に照らしても問題があるなということで本委員会で私、過去二回にわたって取り上げてきたわけでございます。この先生が残念なことにこの一月に急死をされまして、道半ばでございますし、亡くなられた先生の遺志を受け継ぐためにも、今日は前向きな流れを作るために若干の質問をしたいと思うわけでございます。
 それで、具体的なことは重複しますのでもう述べませんが、これは大阪大学の法医学の教室の的場先生、教授の論文の一節なんですが、この方、専門家でございますし、こういうふうに主張されているということをまず冒頭に御紹介をしておきたいと思います。
 この十年間に増加している検案、解剖例の多くは高齢者の病死であり、多くは独居あるいは老夫婦で暮らしており、近年、在宅医療の勧めもあり、監察医の検案対象になっている。すなわち、死亡している者を発見されたり、あるいは医療の支給を受けずに死亡している者、あるいは病状の急変に対応できない結果と考えられる。このような監察医対象例が増加しているが、この傾向は高齢化社会が続く限りますます増加すると考えられるが、検視、解剖を行う監察医の体制は旧態依然としており、十分に対応できていない現状である。その原因は、監察医制度を行っている主体は地方自治体であり、近年の社会情勢では自治体のみの経費の負担では監察医制度を推進していくことができない。したがって、現在の監察医制度の問題点は国からの援助が皆無であることに原因があると考えられる。よって、ここに国からの援助あるいは死体解剖保存法の改正、すなわち主体を地方自治体でなく国に移管するなどの措置が必要と考える。
 こういう趣旨の論文を書かれているわけでございます。これをこのままどうですかと言っても答えようがないと思いますので、少し、まず医政局長に二点だけ確認をしたいと思うんです。
 一つは、実際、監察医制度というのは、政令市といっても、本当は七市あったんですが、二つつぶれまして今五つだけと。それで、実際、十全に機能しているのはもう東京と大阪ぐらいでございまして、そういう面でこの制度が問題あるのはもう間違いないんですが、現状はですね。だけれども、今すぐどうこうするわけにいきません。そして、全国的に言いますと、こういう検案のケースというのは警察医がそれぞれ警察に協力されているわけですね。
 それで、まず一つ確認しておきたいのは、明年度の予算編成に向けまして今からいろいろ準備をしていただいて、少なくとも都道府県でばらばらに行われているこのいわゆる警察医の協力に基づく検案体制、それをもう少し一律の制度というか、こういう考え方に基づいてやってくださいよという、そういう地ならしを、まず全国的な制度としての地ならしをまず始めるべきじゃないかと、このように思いますが、いかがですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のように、監察医制度、東京二十三区、大阪、横浜、名古屋、神戸という五つでございますが、先生御指摘のように、機能しているところがその中でも少ないということでございます。地方にそれぞれお願いしているということで、全国展開ということになるとこのような制度をどのように死体解剖保存法の中で位置付けていくかということでございますが、この的場先生の論文にもありますように、今後の死亡、死因、あるいは独居老人等々の増加などを踏まえて、全国に展開していく上でやっぱり必要なことなんだろうというふうに思えています。
 私ども、その一方で、今、三位一体改革とかいろいろ言われているものですから、新しく補助金とか、そういうものをどうやって作るかというのはかなり困難なものでございますけれども、先生の御指摘を踏まえて何か国から自治体に対する支援策についてはちょっと知恵を絞りたいと思っていますが、その前にはまず実態をということで、当面研究班でいろいろと調査をいただいているところでございます。
○白浜一良君 なかなか難しい答弁なんで、研究、調査されているということなんですが、それを踏まえて明年度に向けて何らかの形で一歩前進させていただきたいと。医政局長もそういう意向であるというふうに理解しておきます。
 もう一つ、この監察医制度が、死体解剖保存法に基づいて、これは昭和二十四年ですよね。実際、古い法律で実態に即応していない面もあるので、これはもう少し時間掛かるかも分かりませんが、この監察医制度そのものを、この法の内容をもうちょっと吟味していただいて、ちょっと時間掛かるかも分かりません、それは結構でございます。しかし、これはちゃんとしていかにゃあかんと、この法律そのものを、そういう取組をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生おっしゃるとおりでして、まず、そういう戦後すぐにできた当時の進駐軍の置き土産とも聞いておりますので、それをほこりを払って今様にしなきゃいけないと思っています。
 ただ、当然こういうことをやっていただくためには、どうしてもこれにかかわる医師をある程度確保しなければいけない。私ども、今全国の法医学の教室の先生方にお願いいたしまして、地域でこういう死体検案も含めてやっていただく方々がどのぐらいいるのかということで、どんな教育をしたらいいのかという、まずその先生方のこういう分野に対して興味といいますか、ある程度いわゆる医師の仕事の一つとして考えていただくようなことを考えておりまして、来年度以降になるかと思いますが、死体検案の講習会ですとか、そういうことを来年度の業務の中で考えていきたいと思います。
 そういうようなものである程度めどが付いた段階で、この法律の体系についても全国にどの程度展開できることができるか考えていきたいと思っております。
○白浜一良君 結構です。そういうふうに少しずつでも結構ですから流れを作っていただきたいと、このように思います。
 それから、警察庁にこれは警察医の問題、これも過去いろいろ議論いたしましたが、これも二点だけちょっと御質問をしたいと思うんです。
 一つは、警察医の方がいろんな検案等、協力をされているわけでございますが、なかなか各県によって対応がまちまちになるんですね。随分御苦労をいただいているんで、やはり警察の方からも指導をされるなり、激励されるなり、研修のお手伝いをされるなり、そういう体制をまずされるべきじゃないかと。
 私聞きましたら、ひどいところは警察医で苦労されているのに、警察は、地元警察の幹部の方がもうあいさつもせぬと、そういうひどいところもあるんですよ、実際。
 ですから、一つはそういう警察医の方に対する要するに指導なり研修のお手伝いと、こういうことでいろいろ警察としても協力された方がいいんじゃないか、これがまず一点目でございます。いかがですか。
○政府参考人(栗本英雄君) 今先生御指摘の、私ども警察の立場から検死等に立ち会っていただきます医師の方々につきまして、いわゆる法医等に関する知識、技能の向上を図ることは大変重要なことだと感じております。
 そういう観点から、各都道府県警察におきまして、そのような医師の方を中心に、現在は、先生の前回の御指摘以降にも山梨県等で設置されたと聞いておりますが、全国にいわゆる警察医師会が発足を見ているところでございまして、そのような警察医会との関係で、それぞれの関係都道府県警察がいわゆる年に一、二回の連絡協議会という形で、内容は会議だけじゃなくて研修会、勉強会、こういう内容も持っているわけでございますが、こういうものを開催をいたしまして、相互の緊密な連携を図っているところでございます。
 特に、具体的に申し上げますと、そのような場におきましてそれぞれその連絡協議会の持ち方を非常に工夫をいたしまして、この協議会の場におきまして、例えば大学の法医学教室の教授を講師として招いた上でこういうのをやっていただいたり、また私ども警察側の検死を行っております専門家でありますいわゆる刑事調査官が扱いました特異検死事例等、こういうものに基づいた講演を行っておるところでございますし、またそれぞれの協議会におきましては、そのようないわゆる警察医等の方で検死等に立ち会っていただく医師の方に対してその知識を深めるための資料なども提供しております。例えば、最近では日本法医学会の死体検案マニュアルとか、先ほど申し上げましたような警察で扱いました特異検死事例、こういうものを基にした資料も配らせていただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、警察医又は警察医会との連携をより緊密に持っていく必要性を更に感じているところでございます。
○白浜一良君 今答弁の中にも入っていたんですが、ちょっともう一度確認します。
 警察医会は都道府県に全部できておりますか。そして、それのいわゆる何というか、全国的な連携の組織というんですか、そういうものももう既にできているというふうに理解していいんですか。
○政府参考人(栗本英雄君) 各県からの報告では、四十七府県におきましてそれぞれのいわゆる警察医会、名称は若干県によって違うようでございますが、いわゆる警察医会というものは発足しておると聞いております。
 ただ、今先生御指摘のそれぞれ各県の警察医会におきます全国的な組織というようなものについてはまだできていないという認識でおるわけでございます。
○白浜一良君 それで、二点、もう一つ聞きたかったことと関連するんですけれども、そういう、地元県警でそういう連携を取ってやられるのは、警察医会を作られて、いいことなんで、研修も行われているということで、それはそれで理解しました。
 やはり、全国的に情報の偏りとか、それから研修内容のばらつきとかいうこともございますし、だから、これ全国的な単一な組織ということでなくてもいいと思いますが、やはり全国のこういう県にございます警察医会にいろいろ研修したり情報を与えたり、そういうできるような組織を作られて、もう少しいわゆる監察医以上の、まではいかなくても、相当なやっぱり専門的な知識が要るんですね、そういう資質向上に資するためにもそういう全国の連携組織を作られて資質の向上に当たられたらどうかということが二つ目に聞きたかったことなんです。
○政府参考人(栗本英雄君) 先ほど申し上げました各県の警察医会の全国的な組織という話でございますが、これはもとより警察医の方、又は警察医会のそれぞれの県がまた自主的に御判断をされて、将来的なそういう組織が必要かどうかということは御検討いただくものだろうと思います。
 ただ、私ども警察の立場に立ちますと、今先生御指摘のように、各県の警察医の方がお互いのそういう相互の経験交流などを通じて、より法医等に関する知識また経験を深めるということは極めて重要なことだと認識しておるところでございます。
 したがいまして、今後御指摘のようなそのような組織の設立等、あるいは法人化等の問題がもしかあるということでございますれば、警察としてもその動きを見守ってまいりたい、こう考えております。
 また、そのようなものと並行して、警察としては、各県におきますそれぞれの都道府県警察と各医会との先ほど申し上げました連絡協議会等におきます非常に好事例的な研修の在り方とか内容とか、こういうものがあれば他府県にも紹介していきたいと考えているところでございます。
○白浜一良君 必要があればということでおっしゃっておりますので、そういう、実態に即してそういう資質向上につながるようなそういう流れができると、こういうふうに理解しておきたいと思います。
 じゃ、監察医、警察医問題は結構でございますので、御退席されて結構です。
 それから次に、今日は官房長来ていただいておりますので、ちょっとこの間から話題になっております不適正な経理処理の問題ございましたですね。北海道と静岡ですか、三月に公表されて、これはもうお認めになったということでございますが。
 本来、当たり前ですけれども、警察は一番そういう法を守る、また執行するという面では一番厳格でなければならない、だからこそ国民の信頼があるわけでございますが、そういう意味ではそこにそんな不正、不正なそういう処理をされたということに関して、私は事件は小さいかも分かりませんけれども、やはり国民の不信という観点から見ると大変大事なことだと思うわけでございまして、ですから今日は若干何点か確認をさせていただきたいと思うんです。
 当然、人間のやることですから、間違いはそれは当然どこの世界でもあるわけで、ですからそういう各県の経理の適正に資するために、警察庁にもそういう部門があるんですね。会計経理の監査職員ですか、担当されている方もあると。それなりに各県警の予算を監査されているというふうに伺っておりますが、今やられている監査では今既にお認めになったそういう北海道とか静岡なんかの事例は探して見付けられないものなんでしょうか。
○政府参考人(吉村博人君) 警察庁で、今お話がございましたように、各都道府県警察に対しまして計画的に監査を実施をしております。ただ、その監査では、正確かつ効率的に予算が執行されているかどうかなどの観点から、例えば旅費でありますとか、あるいは捜査費、契約関係、財産管理関係等の事務にまで多方面にわたる監査をやっておるわけでございまして、事務としては相当の量になるわけであります。
 また、監査では、実態を申しますと、監査対象の都道府県警察に赴きまして、そこの警察の事務になるべく支障を及ぼすことのないように配慮しながら担当者から事情を聞くということもございまして、すべての所属に対してすべての書類を対象とすることは事実上不可能でありますので、抽出実施ということになっておるわけであります。
 北海道のケースあるいは静岡のケース、いずれも厳正に会計手続を遵守すべきところをこれを履行していないということでございまして、その背景に公金の取扱いに対する認識の言わば甘さがあったとも思われますので、会計監査の実態は今申し上げたとおりでございますが、これを少なくとも来年度から、新年度からは一新するべく現在検討しているという状況でございます。
○白浜一良君 それで、なかなかそういう伝票を細かく、もう逐一チェックするというのは大変体制がないとできないでしょうから分かりづらかったということなんでしょうが、結果としてそういう不正事件が起こってしまったということは、これはもう事実でございまして、今官房長おっしゃったように、しっかりした体制を作ってもらいたいと、このように思うわけでございます。
 それで、平成十二年に雪見酒事件があって、警察刷新会議が開かれて、いろんな提言がされて、それに基づいていろんな制度改革をされたんですね。既に静岡、北海道のお認めになった不正経理事件というのは、これはそれぞれ平成七年、平成九年のことなんでそれ以前の出来事であるというふうに思います。
 それで、その刷新会議での様々な提案を踏まえて、平成十三年度四月以降のいわゆる予算の中で捜査諸雑費制度というんですか、そういうのが導入されたんですね。やっぱりいろいろの人が動くわけですから、いろんな経費が要るのも分かります。それは会計上処理できないということでいろんな工夫は多分されたんでしょう。そういうこともあってこういう制度を作られたと、こういうふうに聞いておりますが、こういう制度である程度克服できる問題というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(吉村博人君) 委員お尋ねの捜査諸雑費制度でございますが、制度の概要をちょっと説明をさせていただきたいと思います。
 捜査員が日常聞き込みをやりましたり、あるいは張り込み、あるいは尾行等々の諸活動、あるいはまた広く情報収集をやっておるわけでありますが、その際に緊急に犯人を追尾するために例えばタクシーに乗らなければならないと、あるいはまた協力していただく方から話を伺うために、なかなか手ぶらで行くよりかは何か手土産でも持っていってお話を伺うということも現実にあるわけでありますけれども、従前はその種の二、三千円ぐらい、少額で多頻度にわたるこの種の経費につきまして、まずは捜査員が立替払をして、事後、自分はこういうお金を使いましたので請求をしますということで行われておったんですが、こうしますとなかなか請求しづらいという実態があったということも聞きます。
 そこで、平成十三年度から捜査諸雑費制度を導入を全国的にいたしました。これはどういうものかといいますと、要するに、月初めに当該捜査員一人一人に、例えば五千円、例えば一万円というお金をキャッシュで渡しまして、今申し上げましたような経費を使ったという場合には一月経た後で清算払をして、余る場合もありましょうし、あるいは五千円、一万円では足りないということで月の半ばに追加でいただきたいということもありましょうが、そういう形で言わば事後清算払ということにいたしますと自腹を切ってどうこうということは恐らく実態としてなくなるであろうということで、十三年度から、まだ順次普及をしていっておりますので、ただ最近においては相当数の金額がこの捜査諸雑費ということで執行されている実態にありますので、これは正に使いやすいお金を作るということでそのような制度を考えたということでございます。
○白浜一良君 ですから、必ずしも、いや、私は、それは説明は説明でいいんですが、言っているのは、この旅費を不正に架空で作って経費にされたと。それで、また報償費を不正に執行して使えるお金が作られたと。それはこの十三年度以前の話ですから必ずしも一緒じゃないんですが、そういうことを、すべてそれはプライベートに使われたわけじゃない。やっぱり何か必要だからそういうふうに使われたんだと思う。善意に考えているんです。だから、そういうものがある程度クリアできますかということを聞いているんです。
○政府参考人(吉村博人君) 今申し上げました諸雑費というのはそういう用途で使います。じゃ、それ以外の捜査費でどのように使われるかということを考えますと、例えば五万円、十万円、三万円、いろいろなランクはあると思いますけれども、捜査協力者から、協力をいただいた方にいろいろ協力をしていただいた報酬を渡すということがある。報酬といいますか、協力謝礼を渡すということがあります。
 その際に、従前はなかなか一〇〇%の人が実名の領収書を当方にいただけないという実態は現実に今あるわけでありますが、その際には、できるだけ実名の領収書を徴取しなさいと。ただ、どうしてももらえないというときに、例えば他人名義のもので領収書を書いてもらうという実態も実はございました。ただ、それを認めますと、本当に捜査員がその人に、ある特定の人に捜査協力謝礼ということで渡したのかどうかということがなかなか日時がたったりいたしますと検証しづらくなるということもありましたので、これはこの一連の北海道、静岡等の事件を受けて警察庁内に予算執行検討委員会、これは官房長が長でございますが、作りまして、一つの改善方策として、これも来年度からは領収書を受け取るときには実名以外のものは絶対受け取ってはいかぬと、したがって他人名義の領収書は来年度以降は警察の予算執行実務では存在しないことになります。
 なぜじゃ領収書は取れなかったのか、本当に当該人物にそのお金が渡ったのかということを別途、例えば支払報告書なりを取って組織的にきちんとチェックもしながら、妙なことが行われないようにしていくということを考えてまいりたいと思っていますので、そういう面でいろいろと御批判のあった他人名義の領収書問題については一つの解決策を付けたいなということも考えておるわけであります。
 いろいろ捜査諸雑費の問題、それから領収書の問題、それからいろいろとまだ検討することもございますので、予算執行検討委員会におきまして一つ一つ改善方策を、現在から将来に向けての改善方策を打ち出してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○白浜一良君 その予算執行検討委員会で様々な、今官房長おっしゃったように問題、角度から検討をしていただきたいと思います。
 それで、提言がございまして、一つはこのいわゆる不正を認めた静岡とか北海道とか、警察がございますね。そこはいわゆる、やっぱり襟を正す意味というか、警察庁、警察本来のそういう姿を示す意味でも警察庁から直接出向かれて、きちっとやっているんだという姿をちょっと示された方が国民にとっては分かりやすいんじゃないかと、このように思うわけですが、いかがですか。
○政府参考人(吉村博人君) 北海道警察と静岡県警察の事案につきましては、それぞれ道県警察におきまして当該道県公安委員会の指示を受けながら、自ら現在調査をし、既に調査の経過を、これまでの経過を発表、報告をしているところでもございます。また、現在もこの調査は継続をしているということであります。その過程で、これまでも警察庁の職員が、どのような調査がなされているのかということにつきまして数度にわたって赴いて、当該道県警察の調査状況等についてもヒアリングはやっておるところであります。
 先生がおっしゃるのは、それとは別に、監査問題でもう少しきちんと監察をしたらよいのではないかという御提言かと思いますが、それについても今、制度をいろいろ組み立てておりますので、監査の在り方について、それができましたら、来年度以降、できるだけ早い時期にこれらの県には赴くことにしたいとは思っております。
○白浜一良君 はい、分かりました。
 それで、もう一つは、国家公安委員長に今日は御出席いただいておりますので、御提案なんですけれども、この警察刷新会議の提案の中で、国家公安委員会が警察庁の管理をきちっとする、そういう理念が打ち出されているわけです。それで、こういう予算の執行に不正があってはならないという意味で、国家公安委員会の役割は大きいわけです。
 それで、国家公安委員長に御提案なんですが、国家公安委員会規則によって予算の執行及びその監査手続、また監査結果の報告手続等をきちっと定めて、国家公安委員会として管理するということを明確にされた方がいいんじゃないかということを御提案したいわけでございますが。
○国務大臣(小野清子君) 国家公安委員会におきましては、会計経理をめぐります不適正事案の早期解明や、そしてまた会計経理の一層の適正化につきまして検討を進めるように警察庁を指示しているところでございますけれども、今後、今委員から御指摘がございましたように、警察庁が各都道府県警察に対しまして実施する監査の充実と強化を図る一環といたしまして、監査に関する権限等を明確化するとともに、国家公安委員会に対しまして監査結果を報告させるということを含めまして、会計の監査に関する国家公安委員会規則を制定することといたしております。実は、本日午前中の国家公安委員会の会議においてそのことも決定をさせていただきましたので、この場で御報告をさせていただきたいと思います。
 国民の信頼回復に向けまして、このような規則の制定のほか、必要な措置について幅広く議論をこれからも重ねさせていただきまして、有効な施策を打ち出してまいりたい、そのように考えております。
○白浜一良君 昨日、事前通告でいろいろ御相談申し上げて、直ちにそういう即応していただいたということに関しまして感謝申し上げたいと思います。
 それでは、警察、公安委員長、もう結構でございますので。
 それでは、茂木科学技術政策担当大臣に、私も素人なんで詳しく分かりませんが、日本の国の将来にとりまして科学技術というのは大変大事な国づくりの柱でございます。そういう観点から何点か御質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 まず一つは、平成十四年の六月に総合科学技術会議が行われて、それで、その下の宇宙開発利用専門調査会で、我が国の宇宙開発をいかなる方向に進めるべきかと、基本の見直しを含め、その重点化と戦略に向けた検討を今されていると。本年夏をめどに指針を取りまとめるべく議論を行っていらっしゃると、こういうふうに伺っております。
 それに関するいろいろ報道記事が出ているわけでございますが、ある専門委員の方から、この調査会の委員の方から、宇宙の平和利用ということで非軍事目的に限定された今位置付けがされているわけですが、それを見直して非侵略的目的に変えた方がいいんじゃないかという、こういう御提案をされている方もいらっしゃるという、これは報道なんで私もよく分かりませんが、やはりここのところは大変大事なことなんで、もしこのことに関して大臣のお考えがございましたら聞かせていただきたいと思いますが。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員の方から御質問いただきました宇宙の平和利用原則につきましては、昭和四十四年の国会におけます我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議の中に盛り込まれた原則であります。
 この原則をどう解釈するか、それにつきましてはこれまでも議論のあったところでありますけれども、総合科学技術会議の中の宇宙開発利用専門調査会、昨年の十月から、今後の宇宙開発利用の進め方、これは例えばHUAロケットであったりとか基幹ロケットをどう位置付けるとか、様々な議論をしておりますけれども、そこの中でこの宇宙の平和利用原則についても検討の課題の一つとなってございます。
 今までの検討の経過といいますか、まだ途中段階でありますが、一つの議論としては、宇宙産業の競争力強化の観点から、同原則の解釈の見直しを求める、こういう意見も出ております。その一方で、現状の解釈で問題なし、こういう意見も提示をされておりまして、この件につきましては今年の四月以降改めて議論をするということにしているところであります。
 我が国におけます宇宙開発利用での平和利用問題、これは大変重要なテーマでありまして、これまでの国会での御議論も踏まえまして適切に対処してまいりたい、私はそのように考えております。
○白浜一良君 もう一つお考えがよう分かりませんでしたが、具体的にはこの問題は今協議されているということで、そういうふうに理解をしておきます。
 それで、先日、先日というか、去年の十一月ですか、HUAロケットが打ち上げ失敗したわけですね。これで、今もう「ひまわり」も実は日本がないんで、アメリカから借りているんですね、気象衛星を。早く次打ち上げたいという、当然そういう欲望がありますけれども、きちっと、今回の失敗の原因をきちっとせないかぬ、究明せないかぬということは当然でございますし、その上で、JAXAですか、宇宙航空研究開発機構ですかのいわゆる組織そのものに問題があるんじゃないかというような大臣が発言をされたというふうに伺っているんですが、これはどういうことでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) こっちの方が多分明確に答弁できるんじゃないかなと思いますけれども、HUAロケットの六号機の打ち上げの失敗、これは我が国全体にとって極めて残念なことだと思っております。
 私としては、いわゆるJAXAの内部をどうする、そういうことの前に、今検討されておりますのは、文部科学省におけます宇宙開発委員会で原因究明について技術的な観点から検討を行っていると。ただ、技術的な観点からの検討だけではなくて、その他の視点も必要でしょうと、こういう指摘をさせていただきました。
 恐らく、今後の打ち上げの再開に当たっては三点をしっかりとらえていく必要があると思っています。その一つが、原因の究明とこれに対する対策をしっかり立てることと、二番目に、関係機関の役割分担、それから責任体制、これを明確にすることと、そして三点目は、我が国の宇宙開発利用におけます基幹ロケットの位置付け、これを明確にすることと、こういうのを三点セットでしっかりした上で打ち上げの問題については判断すべきだと、このように考えております。
○白浜一良君 ごもっともな三点なんですが、それはあれでしょうか、今回、補助ブースターというんですかね、補助ロケットというんですか、そこのノズルが破損したという、そういう原因と私報道で承知しておりますけれども、それは、ある専門的な知識のある方から見ると、元々構造上ノズルが弱いぞということを承知されながら、まあちょっと補強したらいけるだろうということで上げられたと。そういうことを認めてしまった、そういうシステムといいますか、そういうことに問題があったというふうに理解をされているんですか。そういうことじゃないんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 原因につきましては、技術的な問題、総合科学技術会議の中に宇宙開発利用専門調査会ございまして、文部科学省の方からこの技術的な検討の結果は聞くことにしております。ただ、技術的な検討の結果だけではなくて、委員御指摘の責任体制であったりとか、そういうことも含めて報告を受けた上で判断をしてまいりたいと考えております。
○白浜一良君 まあ、あれですわね、いつごろ上がりますか言うても大臣答えられへんもんね。
 それで、次に進めたいと思いますが、今、私がノズルの話をいたしました。推進部門とチェック部門というようにいいますと、原発でいいますと、原子力開発でいいますと、原子力委員会と原子力安全委員会と、こういうシステムになっておりますね。宇宙開発委員会というのもあるんですよね。これは、そういうチェックされるような、チェックというか、そういうような委員会じゃないんでしょうか。これは文部省か、文科省ね。
○政府参考人(坂田東一君) 先生の今の御指摘でございますけれども、宇宙開発委員会では技術的な問題、専門的な問題、これは、調査審議いたします場合には個々に部会を設置いたしまして、そしてそこに専門的な先生方にお集まりをいただいて調査審議をしております。
 現在は、実は四つの常設部会があるわけでございますけれども、特に安全対策部門というものとそれから推進部門、これは別に分けて設置をしております。具体的に申しますと、安全対策にかかわる部会といたしまして、一つには、ロケットの打ち上げの前にその打ち上げに関する安全確保の問題を議論する安全部会というのが一つございます。それから二つ目には、今回のHUAロケット六号機のように事故を起こしたような場合でございますけれども、その原因究明と対策を取り扱います調査部会というのがございます。これら二つの部会は、いわゆる推進を担当いたします政策検討の場とは全く独立をして設置をして業務に対応しているということでございます。
 私どもといたしましては、今の宇宙開発委員会におきましては、こういった推進部門、それから安全技術部門、分けてしっかりと調査審議をしていく、こういう機能を更に充実強化していくことが非常に大事ではないかという具合に考えておるところでございます。
○白浜一良君 じゃ、先ほど私が言ったことを重ねて言いますけれども、そういう推進部門と安全対策の部門を別にしてきちっと、宇宙開発委員会の中にあるとおっしゃいましたけれども、そういうノズルの元々のそういう構造的な問題、技術的な問題、それはあるというのはその委員会なんかではチェックはされてなかったんですか。そういうふうにいろいろ問題あったんじゃないかというような報道もされているんですけれどもね。
○政府参考人(坂田東一君) 先生の今のお尋ね、まず結論から申しますと、宇宙開発委員会のそういう技術を検討する専門家の先生方もチェックをいたしました。
 通常、宇宙開発、旧宇宙開発事業団、現在の宇宙航空研究開発機構でございますけれども、ここがロケットを打ち上げるとき、あるいは今回のような事故の場合でございますけれども、そこから宇宙開発委員会の専門家の先生方が話を聞きまして調査を、審議をするという形で進めておりますけれども、今回、ノズル部が確かに良くなかったわけでございますけれども、この部分につきましては、HUAロケットの一号機を打ち上げる前に五回ほど試験をしております。その中で、三回目と五回目に予想を超えたノズル部の、断熱材というところですけれども、そこが少し深く削れた現象が起こっております。その部分につきましても宇宙開発委員会の専門家の先生方に御議論いただきました。その結果として幾つかアドバイスをいただいたわけでございます。
 例えば、そういう削れる、侵食でございますけれども、そういったものの確率が一体どの程度あるのかしっかり評価しなければいけないということでございますとか、あるいはそういう部分に、断熱材のところでございますけれども、そういったところの影響が出てまいります、個体ロケットの成分そのものでございますけれども、そういった成分について少しまた違う、成分組成が少し違うようなものを将来検討してはどうか等々の助言をいただいております。それからまた、今回、ノズルのその断熱材の部分が穴が空いたわけでございますけれども、そこを補強するためのパネルの設置、そういうものも調査審議いただいたわけでございます。
 しかし、今回、こういうことで失敗いたしましたので、やはりこれから宇宙技術の信頼性を向上していく上で、宇宙開発委員会としての専門的な調査審議の能力、体制、こういったものについてもいま一度、どうすればよりしっかりしたものになるか改めて検討する必要もあると思いますし、また私ども努力しなきゃいけないという具合に思っております。
○白浜一良君 そういう時系列でいろいろ具体例を通して、具体的な実態に即して体制をきちっとしていただきたいと、このように要望しておきたいと思います。
 それから、宇宙産業の基幹産業化という、これも平成十四年の六月の総合科学技術会議で決められたと。今後十年程度で宇宙産業が将来の我が国の基幹産業に発展するよう宇宙開発の産業化を促進すると、こういうことを決議をされたと、決められたということになって、それ以後いろんな努力をされていると思うんで、何ですか、三月一杯この各省庁、これのテーマに関する進捗状況はどうかという今ヒアリングをされているというふうに伺っておりますが、現状はどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員の方から冒頭御指摘いただきましたように、この宇宙の分野、科学技術にとっても大切でありますし、その産業化と、こういう意味でも正に新たなフロンティアを開く分野だと、こんなふうに思っておりまして、平成十四年の六月に、委員御指摘のように総合科学技術会議が「今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について」と、こういうのをまとめまして、そこの中で、宇宙産業につきまして今後十年間で我が国の基幹産業に発展するようにと、そのための産業の促進、こういうことを盛り込んでいるわけであります。
 もちろん、既に事業化が進んでいる分野もあります。例えば、衛星、衛星通信放送の分野であったりとかカーナビゲーションなどの測位分野におきましては様々な新しい宇宙利用ビジネス、これが生まれてきているわけであります。そして、こういったものを進めていくためには、打ち上げサービスの民間移転の問題であったりとか準天頂衛星など官民共同のプロジェクトの推進、そういったことが今後は重要な課題になってくると考えております。
 現在、総合科学技術会議の宇宙開発利用専門調査会におきましては産業化の取組の問題点につきましてヒアリングも含めた議論、整理をしておりまして、本年の夏をめどに具体的な方針、目標設定をしてまいりたいと考えております。
○白浜一良君 今はそういう現況なんだと思いますが、もう夏めどにまとめられると、ヒアリングを。そうしましたら、それぞれ所管の省庁で抱えている、それぞれの事業をされているんでしょう。いろいろそれに対して、まとまればそれを大臣としても、十年間でやろうというような大きな内閣としての方針が出ているわけですから、適切な指摘、それぞれの省庁に対してされる御決意はございますか。
○国務大臣(茂木敏充君) そのようにさしていただきたいと思います。
○白浜一良君 それから、今大臣のお話にもございました準天頂衛星システムの件でございますが、私も詳しく知りませんでしたけれども、GPSは今米軍のを借りているらしいですね。それを、平成二十年から二十一年ごろを目指して、そういう、日本も開発できるようにしようという流れを作っていらっしゃると、このように聞いておりますが、そうですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 準天頂衛星システムにつきましては、今、正に官民共同でこのシステムの開発とか事業化に向けての準備を進めていると、こういう段階でありまして、どんな役割分担かと申しますと、国が必要な研究開発とか軌道上の実証を行っていくと、一方では、民間の方は実証衛星のシステムインテグレーション及び事業化を行う、こういう官民分担を進めております。
 国の方の今の進捗の状況でありますけれども、研究開発、これは文部科学省、総務省、経済産業省、国土交通省にまたがっておりまして、平成十五年度から開始をされまして、平成十六年度も継続的にこの研究開発、実施をする予定であります。
 これにかかわります各省の概算要求に関しましては、私、科学技術担当大臣と総合科学技術会議の議員によります概算要求における科学技術関係施策の優先順位付け、いわゆるSABC、これを昨年から付けているわけでありますけれども、このSABCの評価におきまして、平成十五年度、十六年度とも最も優先順位の高いS評価をさしていただいたところであります。
 一方、民間においてでありますが、平成十四年の十一月に事業企画会社といたしまして新衛星ビジネス株式会社、これが設立をされまして、測位、通信、放送を融合したアプリケーションの開発、それから官民のユーザー開拓を進めるなど、今後の事業化に向けての検討を進めていると、これが現在の段階であります。
○白浜一良君 大変なお金も掛かりますし、かといって今のいわゆるアメリカに頼った体制では、一朝事あれば大変日本の利用しているシステムそのものがなくなってしまうという、こういうことになるので、予算も大変掛かりますけれども、着実に推進しようということだと理解をしておきたいと思いますが、今日はちょっと、もうこの質問でちょっと終わりたいと思います。少しお時間を協力したいと思いますが。
 その際、もし日本でそういうものを開発する場合は、当然、広域で利用できるんで、東アジアとか、広くはアジア、オセアニアとか、どの範囲までできるかというのはその技術レベルによるでしょうけれども、そういう面では少し広域的なそういう国際戦略も含めて進めていくべきじゃないかというように思うわけでございますが、この点、最後に大臣にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 正にこの準天頂衛星システム、国際戦略の必要性というのはこれから出てくるんだと思っております。三機の衛星でありますから、これを有効に使っていく、こういう視点も必要でありますし、軌道がちょうど、これは静止衛星じゃありませんから、日本からちょうど八の字を書くような形で東南アジアを通ってオセアニアにまたがると、こういう軌道になってくるわけでありまして、アジア、オセアニア地域へのサービスの提供と、こういったことも視野に入れた国際戦略の策定、こういう必要性を感じておりまして、総合科学技術会議の宇宙開発利用専門調査会におきましても重要な課題の一つとして議論を行い、夏までには、めどに結論を取りまとめたいと思っております。
○白浜一良君 終わります。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、国立病院・療養所の職員、定員外職員、両方の問題について伺います。
 政府は、国立病院を独立行政法人化に移行するに当たって、すべて賃金職員は雇い止めとし、賃金職員制度を廃止するといたしましたが、これは政府によるリストラだと思います。しかも、定員職員、定員外職員のほとんどが女性の職員です。二〇〇三年四月時点の国立病院・療養所の医療俸給表(三)、行政俸給表(二)の人員は何人でしょうか。定員及び定員外の職員の数を男女別に明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(冨岡悟君) 平成十五年四月一日現在の国立病院・療養所におきます看護助手の賃金職員の数は千二百九十七名でございます。なお、その定員職員は千四百六十五名でございます。
 なお、男女別のお尋ねでございますが、この職員の数につきましては、職員数の管理という行政部内での業務遂行上の必要性からその数を把握しておりますが、その目的の範囲で必要な情報を把握しているところでございまして、こういったことから男女別にはこの数字は把握しておりません。
○吉川春子君 官房長官にお伺いいたします。
 男女別に統計を取るということが国連の要請でもあり、かつまた日本政府の方針でもあると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 昨年七月の男女共同参画会議におきまして、苦情処理・監視専門調査会からの報告に基づいて、統計情報の収集整備に当たっては可能な限り性別を把握することが重要であると、こういう意見を決定いたしたところでございます。
○吉川春子君 一九九五年に北京で第四回世界女性会議が開かれまして、そこの行動綱領におきまして、ジェンダー統計と申しますか、できる限り男女別に統計を取るようにという方針が決定されました。これは政府も受け入れていることですけれども、それは、官房長官、それを前提にしてさっきのお答えのようなものが出されたと認識してよろしいですか。
○政府参考人(名取はにわ君) 先生御指摘のとおり、一九九五年に北京で第四回世界女性会議が開かれまして、そこで行動綱領が採択されました。その趣旨も踏まえまして、私どもは男女共同参画二〇〇〇年プランというプランを作りました。
 その後、現在は法律に基づきます男女共同参画基本計画というのが男女共同参画社会基本法に基づく法律としてできておりますので、その意味では直接のつながりということはございませんけれども、ただ、考え方といたしましてはそういうふうな流れから出ているということは言えるかと思います。
○吉川春子君 厚生省、厚生労働省の大臣政務官にお出ましいただいておりますが、人事院の性別人員構成表は、医療俸給表(三)、看護師は九五・九%が女性ですね。これは厚生労働省に限らないで、全部合わせた数字なんですが、人事院がこういう数字を把握できるということは、厚生労働省の方からも男女別で数が上がっているということは間違いありません。それを国会でお伺いすると、男女別はつかんでいないとおっしゃるのは、私はおかしいと思うんです。
 しかし、同時に、最初に答弁いただきましたように、不安定雇用、日々雇用の男女比は全くつかんでおりません。今後、独法化されるわけですけれども、パート職員、パート職員の男女比の統計を取るように是非厚生労働省においても努めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(竹本直一君) 御指摘の点につきましては、先ほど官房長官の方からお話しありましたように、統計情報の収集整備に当たっては可能な限り性別を把握することが重要であるという男女共同参画会議から各省庁に対して出されました意見がございます。我々としてはそれを踏まえて適切に対処してまいりたい、そのように思っております。
○吉川春子君 この問題についてもう一度官房長官にお伺いしますが、さっきおっしゃったような方向で、まだ男女別統計が行われていない政府各省におきましても取れますように、そういう指導を是非内閣官房として徹底していただきたいと思います。いかがでしょうか。官房長官にお願いします。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど私から申し上げました意見がございますので、これを、意見を尊重していかなければいけない。また、その目的というのは、やはり女性の立場とか、ここに何と書いてありますか、女性が、女性労働者が性別により差別されることなく、かつ母性を尊重されつつ充実した職業生活が営むことができるようにするという、こういうような基本的な理念、そういうものを大事にしていかなきゃいけない。そのために必要な資料というものは用意しなければいけないと思っております。
○吉川春子君 厚生労働省にまた伺いますけれども、今回の国立病院の独法化に当たりまして、今まで賃金職員であった看護師を常勤化するという措置を取りました。これは評価できます。しかし、その際に、病棟勤務や手術室勤務ができるかどうかで分けまして、つまり夜勤のできない人はパートに回るという、こういう線引きをしたわけです。
 現に、ある看護師は、妊娠しているけれども、夜勤免除を申し出ないようにと。それは正規の職員として採用する道を閉ざさないようにという善意の言葉とは思われますが、しかし、流産の危険を冒して無理しても夜勤しないとパートにさせられてしまうという、こういう追い込まれた状況にあるということは大変許し難いと思います。
 今朝の読売新聞の報道によりますと、厚生労働省の調査の結果が出ていますけれども、仕事を持つ女性の六割が第一子の出産を機に離職し、その後も無職になると、こういうふうに報道されておりますが、そういうことを指導すべき厚生労働省が夜勤できるかどうかということで線引きをして、一方はパート、一方は正規、こういうことは到底許されないのではないでしょうか。いかがですか。
○大臣政務官(竹本直一君) 先生御指摘のとおり、この十六年四月一日をもって独立行政法人国立病院機構が発足いたします。
 この発足におきましては、効率的な経営を図る観点から、看護に関しましては、まず交替制勤務によって運営する病棟につきましては常勤職員を配置いたします。それから、外来等につきましては、一定の常勤職員を置きますけれども、主として短時間非常勤職員を配置するわけであります。これは先生おっしゃるとおりであります。
 そこで、現在雇用されている賃金看護師につきましては、平成十五年度末をもって雇用関係がいったん終了いたします。そこで、看護体制を継続して維持しなければならないという立場がございますので、こういった職員の配置体制に関しましては、本人が希望する場合には病棟勤務の常勤職員又は外来勤務の短時間非常勤職員として全員採用いたします。
 つまり、新たに発足するこの機構におきまして新たに看護師を採用するに当たりまして、その雇用条件として病棟勤務の常勤職員又は外来勤務の短時間非常勤職員としての採用を提示しているものでございまして、これを国立病院機構への採用を希望される方が御自身の意思によって選択されるものでございます。
 したがいまして、先生お話しありましたような、そういう具体的なケースについては必ずしも私は詳細に知っているわけではございませんけれども、御本人の意思により選択していただくというスタンスでこの雇用関係の継続、又はそこで辞められる方もおられると思いますけれども、あくまでも本人の意思を尊重して対応いたしたいと、そのように思っております。
○吉川春子君 これは本人の意思でというか、その本人が抱えている家族的責任を負っている立場ということでもって夜勤ができないわけでございまして、そういうところで線引きをするということは到底許されないわけです。安心して妊娠、出産ができないようでは、仕事のために結婚や出産をしないという女性が今後とも増えるのではないでしょうか。これは政府の少子化対策というふうに言っていることとも矛盾すると思います。
 そこで官房長官、官房長官、お伺いいたしますけれども、夜勤ができるかどうかで、今お話があったような定員かパートかで線を引くというのは、これは大変、日本が批准しております百五十六号条約、家族的責任を負う男女労働者を差別してはならないというこの条約にも抵触するわけです。しかも、パートになりますと、この独法化の就業規則によりましても、産前産後の休暇も授乳時間も無給、育児休業なしと、こういう立場になるわけでございまして、これは官房長官にお伺いしたいんですけれども、是非、やっぱり女性が結婚して子供を産んでも働き続けられるためにも、厳密にILO百五十六号条約の線に沿って、そういう立場で内閣府としても今後対応していただきたいと思います。官房長官、いかがでしょうか。──官房長官に聞いています。その後、国立病院に聞きますので。どうでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 個別の具体的なことについては担当の役所から答弁いたしますけれども、要するに基本計画、男女共同参画の基本計画、これにのっとって、その趣旨にのっとって行政が進められることを期待いたしております。
○委員長(簗瀬進君) 竹本政務官。
○吉川春子君 短くお願いします。また聞きますので。
○大臣政務官(竹本直一君) この機構の採用に当たりましては役所の方で指示を出しておりまして、出産等の個別の事情を考慮し、当面、夜勤ができなくても病棟勤務に意欲と能力があって、遠くない将来において病棟勤務を行うことができる者については病棟勤務者として採用するという、そういう指示を役所から出しておりまして、柔軟に対応いたしております。
 したがいまして、先ほど例として挙げられたようなケースにおいても十分こういう長期的視点に立って、将来勤めることが可能であればそのような対応をするということでございます。
○吉川春子君 基本的なスタンスについては官房長官からお話がありました。そして、厚生労働省の方でも、こういうことはいいことではありませんので、是非全員が定員化できますように、方針を出したけれども柔軟に対応するということですので、そこは強く要望をしておきます。
 続きまして、独立行政法人の就業規則案を見ますと、看護師の給与を一方的に引き下げてまいりました。年齢が高くなるにつれて月四万一千二百円もダウンする例も出ております。同一業務を行うわけで、独法化になっても給与水準も差が生じちゃ本当はいけないわけですね。給与水準に差が生じた場合は合理的な理由が必要だと、これは厚生労働省も平成二年の十一月二十二日、衆議院の委員会で答弁されております。
 なぜこんなにだんと賃金を引き下げるのか、まずその根拠についてお伺いします。局長、部長にお願いします。
○政府参考人(冨岡悟君) 特定独立行政法人の職員の給与につきましては、その職務の内容と責任に応ずるものにすべしというのが独立行政法人に関します通則法五十七条の規定でございます。また、その三項におきましては、給与の支給の基準といたしまして、国家公務員の給与、民間企業の従業員の給与、当該特定行政法人の業務の実績、中期計画の人件費の見積り、こういったものを勘案して定めるということになっております。
 私どもは、このような法律の趣旨にのっとりまして独立行政法人の給与について検討してきたわけでございますけれども、現在、看護職の給与につきまして検討してみますと、民間に比べまして、一定の年齢を経過した場合には民間よりもかなり高いという水準にあるという実態がございます。
 こういうことを勘案いたしまして、先ほどのような法律の趣旨にかんがみまして独立行政法人としての給与体系を提案しているものでございます。
○吉川春子君 そんなことは合理的な理由にはならないんですが、人事院にお伺いいたします。
 民間の看護師と国家公務員の看護師の賃金、給与を比較した場合に、国家公務員の看護師の方が、厚生労働省の言葉をかりると一〇%程度高いと言っているんですが、そういう現実があるんでしょうか。
○政府参考人(山野岳義君) 看護師の給与についてでございますが、看護師の給与につきましては、人事院といたしましては、昭和四十九年の特別改善以降いろいろと、看護職員の人材確保をめぐる諸情勢等にも配慮いたしまして、水準、構造の両面にわたって幅広く改善を行ってきたところでございます。
 それで、水準の話でございますけれども、看護師の給与につきましては、各方面からの要請あるいは公務部内での行政職等との均衡を図るというところで改定を行ってきておりまして、行政職のような厳密な官民比較によって水準を設定しているわけではございません。
 そのために、その意味で高いか低いかは申し上げかねるわけでございますけれども、傾向といたしまして、年齢別での水準について申し上げれば、若年層においては、人材確保の面においてこれは官民でかなり競争が激しいわけでございますので、結果的に民が官を若干上回っていると。ただ、中堅層以上では官が民を上回っているという状況であるというふうに考えております。
○吉川春子君 人事院はかなり人事院勧告をするときに全国的な調査をいたしまして、そして官民比較をして人事院勧告をしております。その人事院勧告とか給与表の問題について私たちは納得できない点もあるんですけれども、非常にサンプルはたくさん取って調査をしていると。
 しかし、看護師の方についてはそういうことを必ずしもやっていないということで、厚生省がおっしゃるように一律に看護師が高いということは言えないと。国家公務員の看護師の方が長期に働く、働けると、やっぱりそういう職場としてお互い努力してきたわけですから。
 そういう中で、民間は若い人が多くて、若くて辞めざるを得ないけれども、国家公務員の場合は一定程度の年齢になっても働ける条件がある。それを、給料が高いなどという余り根拠もないようなことをおっしゃって大幅に引き下げていくということは、これは非常に良くないと思います。
 それで、時間の関係上、一点伺いたいんですが、この給与表なるものはまだ、職員組合との交渉とか、そういうことでもってたたき上げられてきたものではないと思います。憲法二十八条の基本的人権が公務員労働者の場合には与えられておりませんので、今後、独法化になったときに初めて職員組合との交渉が行われると思いますが、その高い低いという問題は取りあえずさておいて、この給料表の問題も含めて就業規則はこれから組合と交渉するものであって、案であると、たたき台であると、こういう性格のものであると思いますが、そのとおりですね。
○政府参考人(冨岡悟君) 御指摘の就業規則の案につきましては、昨年十一月十日に組合に提示して、鋭意話合いを進めてきたところでございます。その過程におきまして、労使との話合いで、一部については就業規則案の修正も行ってきたところでございます。また、現在この就業規則案につきまして、過半数労働組合となる職員団体等の意見聴取を行っているところでございます。
 現在につきましてはそのような状況でございまして、まだその意味では現在進行中でありますが、こういった状況におきまして将来の労使の交渉につきましての答弁はできないものでございます。
○吉川春子君 その内容についてではなくて、今後、労使の交渉を誠実に行っていくと、これは案だと、その点は確認できますか。
○政府参考人(冨岡悟君) 労使の交渉につきましては、法律にのっとりまして誠実に対応がなされるものと、そのように考えております。
○吉川春子君 その中で、この就業規則の内容について、今までも職員組合や働いている人たちの意見を入れて変えてきたものもあるという答弁でした。まして、これからは独法化されるわけですから、そういう点で引き続き誠実に対応をしていっていただきたいと思います。
 時間の関係で、もう一つの問題を私、取り上げたいと思います。それは、行(二)に当たる日々雇用の問題でございますけれども、この人たちが今度の独法化の問題で一番打撃を受ける方々です。
 厚生労働省は、この賃金制度、日々雇用制度を廃止して、これから短時間労働者で雇うというふうにしております。いわゆるパートになることによって、一週の労働時間が、今まで四十時間働けたものが三十時間になりまして、それによって非常に賃金が少なくなるわけですけれども、例えば看護職が、看護助手を例に取ると、賃金はどのようになるでしょうか。時間の関係上、第四地域だけで比較していただきたいと思います。
○政府参考人(冨岡悟君) 基本的な点について少し御説明申し上げますと、現在の賃金職員の雇用というのは今年度をもちまして契約が終了いたします。そして、国立病院機構におきましては、新たに採用するということになります。そういうことで、直接的な比較といった点につきましてはなかなかしにくいものがございます。
○吉川春子君 本当はもうちょっと詰めて答弁させたいんですが。
 これは、人事院とそれから厚生労働省が発表している数字に基づいて表を作りました。(資料提示)行(二)、つまり看護助手の方です。この方たちは、今部長の御答弁のように全員三月一杯で解雇されます。そして、四月からは今度はパート労働者、短時間労働者として雇用されます。その結果、賃金がどうなるかということを示した表です。
 一番、青い一番高いところは、これは定員職員です。看護助手の定員職員の賃金がこの一番高いところです。そして、この定員職員では足りないものですから、日々雇用という形でかなり多くの看護助手を、定員外で日々雇用として雇ってきました。その賃金がこのグリーンのところです。
 ですから、今まで、この青とグリーンのところで働いていた人たちが、定員側は別として、このグリーンのところの人が今度は四十時間働けないで三十時間とされる。そして、賃金も下がりますので、この赤い線になるわけです。
 今部長が答弁できないなどとはとんでもないです。私のところにちゃんと材料出しているわけですから。
 それによりますと、看護助手の定員職員は二百九十九万六千円、それから賃金職員は二百五十八万五千円ですが、今度パートになりまして、そしてそのパート職員は第一地域から第四地域まで分けて賃金を出してきているわけですね。それによりますと、第一というのは東京、第二というのは埼玉、第三というのは、第四は沖縄と、こういうふうに地域によって下がるんですけれども、パート職員は第一地域でも百七十二万三千円、これは厚生労働省の数字ですから。そして、第四地域になりますと百二十八万四千円。百三十万の壁という言葉がありますけれども、そういうところにまで賃金が下がってしまうんですね。
 そうしますと、今まで例えば二百五十八万で働いていた人が百二十八万になったら生活ができなくなるじゃないですか。こういうことを、独法化という政府の方針によって国立病院を独法化にする、そしてそこで働いている人は仕事も変わらない、その人たちが必要だと。にもかかわらず賃金をこういう形で下げて、本当に生存権が奪われてしまうじゃないですか。
 その点について、厚生労働省、まずどうしてこういう生存権を奪うようなことができるんでしょうか。
○政府参考人(冨岡悟君) 賃金職員につきましては本年度末をもちまして契約が終了するということでございまして、解雇ということじゃございません。
 そして、ただいま年収での比較をされましたけれども、賃金職員は八時間勤務でございますが、新たな雇用形態でありますパート職員につきましては六時間というふうに考えております。それからまた、賃金の時間単価につきましても、地区を四つに分けまして、それぞれの地域の実勢に近いものを設定いたしております。そういったことから新しい給与を設定いたしております。
 そういうことで、これは新たな御希望者に対する新しい雇用ということで御理解いただきたいと、そういうことでございます。
○吉川春子君 全員解雇、雇い止めと、言葉は違いますけれども解雇なんですね。つまり、もう今までの職場にいられない。しかし、その人たちは病院を運営する上では絶対に必要な人たちなんですよ。で、再雇用する、雇用するときはもうパートだと、賃金職員というような制度はなくしてしまうと、こういう形でこういう賃金になっているわけです。
 これではしかし、働いても生活できないんですね。民間の労働者であったら絶対こんなことはできないわけですよ。それから、今働いている条件を継承するということも政府の方針じゃないですか。民間の問題はもう今日やる時間がなくなりましたけれども、解雇規制のやっぱり労働基準法上の法律があるわけですよ。でも、公務員なるがゆえにそういうことが全く適用されないで、もう契約が来ましたからここで切りますといっても、十年二十年働いていた人もみんな解雇されてしまうんですよ。
 官房長官、もう私時間がなくなりましたのでこれが最後の質問になりますが、政府の方針で構造改革、行政改革をやり、国立病院を独法化し、そういう中で、患者さんへのサービスの問題もいろいろあるんですけれども、とにかく働いている人たちがこういう目に遭う、そして採算重視をするためにはこういう賃金で抑えなくてはならないというふうに言っているわけなんですけれども、やっぱり病院というものを採算重視の独法化にしていくこと自体に問題があるのではないか。
 私はこれは内閣を挙げての責任だと思いますので、最後に官房長官の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これはあれですね、今厚生労働省から答弁しましたけれども、厚生労働省として担当しているのですから、適切なる対応をすべきであるというふうに思います。
○吉川春子君 厚生労働省が対応すべきは当然なんですけれども、厚生労働大臣がおりませんので、官房長官に答弁を求めたわけです。
 いずれにいたしましても、私はこんなひどいことを、公務員労働者だということでこういう仕打ちは許されない、そのことを指摘して、質問を終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 私は、今日は規制緩和問題を中心にお伺いをしたいと思います。
 金子大臣にまずお伺いをいたしますけれども、先日の本委員会で大臣の所信表明の中に、この今の規制改革会議が三月末で任期切れとなるので、体制の強化をされるということを述べられました。その今の総合規制改革会議でございますけれども、昨年の十二月の会議で、規制改革推進のためのアクションプランを更に進めるとして、その一つに医薬品の一般小売店における販売について示されていますけれども、まず、その内容についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 先般、十二月の第三次答申でいただきました医薬品でございますけれども、三百五十品目の医薬品について、薬効成分を変えることなく、医薬部外品として一般小売店での販売を認める、この措置を平成十六年早期に講ずるということを盛り込まれた次第であります。
○小林美恵子君 先ほどの御答弁でいきますと、ちょっと確認したいんですけれども、今の医薬品を薬効成分を変えることなく一般小売で販売するとなりますと、薬剤師の方がいらっしゃらないお店でも販売するということでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 医薬部外品でありますので、いなくても販売できるということであります。
○小林美恵子君 私は、医薬品は、部外品と先ほどおっしゃいましたけれども、今回の場合は薬効成分を変えることなく部外品ということでございますので、そういう医薬品といいますのは、事はやっぱり人の命にかかわる、健康にもかかわる重大なものだと思うわけです。
 それで、例えばフランスでは、薬局以外ではすべての医薬品販売は禁じられています。アメリカでも薬の副作用による死亡事故がありまして、逆に規制を設けようとの動きがございます。
 今、全国では、今年の一月時点で四十四の都道府県議会から、今回の政府のこの方針に対しまして反対の意見書が寄せられていると思うんですね。この意見書に対して、まず大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 四十四の都道府県からの意見書があったということも伺っております。ただ、一方で、消費者利便、特に夜間の消費者のニーズが一方で非常に数多く寄せられたということも事実であります。
 そういう中で、厚生省で薬効についての専門家の委員会を開いていただいて、そこで御協議をいただいた、そういう協議を経た結論であると承知しております。
○小林美恵子君 先ほど、夜間のニーズはあるというふうにおっしゃられましたけれども、私は、この夜間のニーズといいますのは、本来は夜間の救急の診療体制でありますとか、そういうことがしっかりと整備をされておられましたら、それにこたえることができるんではないかというふうに思うんですね。ですから、逆にそういうことにもっと力を入れる方が政府としての役割ではないかというふうに思うわけでございます。
 それで、この医薬品による薬害被害ですけれども、日本はサリドマイド、それからスモンと、大衆薬品による薬害被害を教訓にして、薬事法改正の歴史というのは正に副作用から国民の安全を守るというのが、そういうための規制強化が歴史の教訓だったというふうに思うんですよね。現に今、厚生労働省の前には薬害被害根絶の思いを込めた記念碑が建立されておられますよね。そういう意味からいきますと、今回の規制緩和はその法改正の趣旨にも反しているのではないかと思うんです。
 同時に、二〇〇〇年四月の衆議院の決算委員会なんですけれども、当時、我が党の中島武敏衆議院議員が医薬品十五品目の規制緩和について、これ以上緩和しないことだなというふうに質問しているんですね。そのときに、厚生省、当時の厚生省は、これを見直すことは考えておりませんと答弁をされています。
 今回の新たな約三百五十品目の緩和ということは、この薬事法改正の趣旨に反しているのと同時に、二〇〇〇年のそのときの当時の答弁を翻すものではないでしょうか。厚生労働省、いかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) 今回の選定作業については、先ほど大臣からお話がありましたように、医学、薬学等の専門家で構成する医薬品の使用、安全上特に問題がないものについて、科学的、専門的な立場より検討をしていただいたわけでございます。今回の検討に当たりましては、当初は、安全上特に問題がないものについてはないのではないかという議論もあったわけなんですが、検討会は、必ずしも直接薬剤師が情報提供を行わなくても、表示等で補い、消費者の注意喚起が可能になることによって選定が可能なものがあるんではないか、そういったものがないかどうかということから、そういった視点に立って議論を行って、今お話しありましたように、結果として約三百五十品目を選定したわけでございます。
 平成十二年の決算委員会におきまして、見直すつもりはないかに対して、現時点では見直すつもりはないというふうに答えているわけなんですが、今回の医薬部外品への移行については、政府全体として規制改革に取り組んでいる中で、平成十五年六月に閣議決定いたしました経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三を受けまして、改めてすべての一般用医薬品を対象といたしまして、これは約一万三千品目あるわけなんですが、販売に当たって専門家による情報提供が必要か否かの観点から検討を行ったものでございまして、その検討のやり方については先ほど、前に申し上げたわけでございます。
○小林美恵子君 先ほどの御答弁で、一万数千ぐらいの品目を選定されたというふうに、調べたというふうにおっしゃっておられましたけれども、今回の約三百五十品目の緩和対象になっているものについてですけれども、前回の緩和のときに十五品目が緩和されたと思うんですね。それで、今回は約三百五十品目になっておりますけれども、その中で、前回の対象外になったものが今回は入っているものがございますよね。
 なぜ前回対象外になっていて今回は選定されるのか。やっぱりここは大きな問題だと思うんですけれども、その点はいかがなんでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) 先ほど申しましたように、検討会におきましては、今回は必ずしも直接薬剤師が情報提供を行わなくても、表示等で補い、消費者の注意喚起が可能になることについて選定が可能なものがあるか否かといった視点に立った議論を行ったと。それから、平成十一年におきましては、専門家による情報提供に代替される表示等の別の情報伝達の方法があるか否かという観点での検討がなされていません。
 したがいまして、このような観点からの検討の違いが今回の選定結果との違いになったものと考えております。
○小林美恵子君 今の御答弁でいきますと、私はどうしても、何といいますか、安全を考えて選定をしたというよりも、まず規制緩和をまず先行するという中で選定の方法を変えてきたというふうに考えざるを得ないというふうに思うわけです。この点、私はこの間、日本薬剤師会、また大阪府薬剤師会、大阪の地域の薬局の方々や薬害被害者の方々の御意見をお聞きしてきました。そういう皆さんは本当に安全に危惧をされておられます。
 御紹介をしますと、日本薬剤師会の皆さんは、医薬品安全対策の更なる強化は政府の基本方針だと、こうはっきりとお述べになっています。そして、専門家による検討であれば特に安全上問題ないと、問題ない医薬品はほとんどないものと考えていたのに、今回の選定結果は大変残念な結果だと。日本薬剤師会の方々ももちろん専門家の方々です。こういう方が、今回の選定結果は大変残念な結果だと、こういうふうにおっしゃっているわけですね。
 それから、大阪の地域の薬局の方々のお話を御紹介しますと、その方々は、自分たちのお店の実利のために、実利のためじゃないと、国民の皆さんの健康と安全のためにこのいわゆる医薬品の規制緩和は反対をしているんだということをおっしゃっているわけですよ。
 さらに、薬害オンブズパースン会議の意見書を紹介しますと、一九七九年の福岡スモン判決を引用されて、医薬品は効果があり、かつ安全であるということが究極の存在意義であり、消費者も医薬品にそれを期待しているとおっしゃっているんですね。さらに、換言すれば、人のための医薬品であって医薬品のための人であってはならないというふうに述べておられます。
 私は、こういう方々の切実な御要望にこたえて、今政府が緩和しようとしている医薬品の副作用、それから事故例をすべて示すべきだと思いますけれども、厚生労働省、いかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) 今回の選定作業におきましては、薬理作用から見て生体への影響が明らかであって、かつ軽微でない副作用が発現しているもの、又はその発現が予測されるもの、また添付文書に使用上の注意として薬剤師が直接説明すべき情報が記載されているもの、これらに該当するものは選定されておりません。
 また、医薬品の製造業者等が薬事法に基づきまして厚生労働省に報告する副作用症例は、重篤な症例及び軽微でない症例のうち、その発生が使用上の注意から予測できないものと、こういうふうになっておりまして、軽微の副作用はなっていないわけなんですが、したがいまして、今回、安全上特に問題がないものとして選定された医薬品におきましては、厚生労働省への報告対象となる重篤又は軽微でない副作用が報告されているとは考えておりません。
○小林美恵子君 私は、今日、ここに約三百五十品目の、なるであろう一部を持ってまいりました。日ごろは別に薬は買いませんけれども、持ってまいりました。これが、それと皆さんの今お手元に資料が配られているというふうに思うんですけれども、それをごらんください。(資料提示)例えば、これは消化薬のハイウルソというものでございます。それからこれがいびき防止薬なんですよね。こういうものがあるわけでございますけれども、これは、いびき防止薬は大阪府薬剤師会の方が、このいびき防止を飲みますと無呼吸の症状をもたらすというふうにおっしゃったんですよね。
 こういうハイウルソとか、今お手元の資料にお配りしている分については、国会の図書館からの資料によるものなんです。ですから、副作用があるというふうに書かれておるわけですけれども、これは厚生労働省、お認めになられますでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) このハイウルソ錠の副作用としては、発疹とか発赤及びかゆみが添付文書に記載されております。副作用報告書が保存されている平成十二年度以降、副作用は報告されておりません。また、いびき防止薬については、添付文書に具体的な副作用の記載はなく、また平成十二年度以降、副作用は報告されていないと。
 先生、今日ここに配付された資料で、今見たわけなんですけれども、ちょっと私が見た感じでは、この添付文書における使用上の注意の改訂については、実際に報告のあった市販後の副作用の状況等のエビデンスに基づいて対応してきておるわけでございます。
 この御配付の副作用につきましては、今回の規制緩和の対象となりましたここに書いてあるハイウルソ、これについては一日六十ミリグラムのウルソデスオキシコール酸が入っているわけでございます。一方、多分この副作用などと書いてあるこの書き方から見ますと、多分これはこのウルソは医療用薬品の中でも使われているわけでございまして、これは一般用の十倍である一日六百ミリグラムまで使うことができるとなっております。
 多分、医療用の十倍使われている単味のものについての副作用等が書かれているのではないかなと。ちょっとこれは、詳細についてはかえってその両方の添付文書を見て比較してみないと分かりませんけれども、そんなふうにちょっと思っておりますが。
○小林美恵子君 厚生労働省の方がこれをごらんになってやっぱりすぐお分かりにならなくて、それで緩和をするということ自体が私は問題だと思うわけですね。おっしゃっておられましたように、お調べになるのならお調べていただいて、また教えていただきたいというふうに思うわけでございます。
 いずれにしましても、こういう資料からいきましても副作用のおそれはあるということですよね。おそれはあるということですよね。全くないとは言えませんよね。それはどうですか。
○政府参考人(鶴田康則君) 医薬品についての副作用につきましては、入っている成分、それから入っている量、それからもう一つは一日どのぐらい使うのかと、こういったところが有効性とともに、それから発生する副作用についても当然考えなきゃならない話でございます。
 先ほど申しましたように、一般薬については一日六十ミリグラムの使い方になっておりまして、また一方、医療用については一日その十倍の六百ミリを使うことになっておるわけであります。したがいまして、先ほど申したように、この副作用の中身から見れば、多分医療用の使い方からの発生したその副作用を書かれているんじゃないかなと、そういうふうに今考えておるわけでございます。
○小林美恵子君 いずれにしましても、副作用が起こってからではもう取り返しが付かないというふうに思うわけですね。
 私は、薬害被害者の代表の花井十伍さんのお話もお聞きしたんです。この方は、決して大衆薬品の被害者ではございませんが、たくさんの大衆薬品の被害者の方々の代表でもありますので、この方のお話をお聞きしました。そうしますと、今も被害者の方々はお互いにいろいろ情報交換をされておられるそうでございますけれども、体の、自分たちの体の症状の話をしながら、死期が迫っておるということを自覚することがあるというふうにおっしゃっていたんですよね。それは本当に胸が痛むような話だというふうに思うわけです。こういうことは、やっぱりもう二度とあってはならないというふうに思うんですね。
 私、やっぱり政府は国民の命と健康を守ることを最優先する立場に立つべきであって、そういう意味では私、再度、この緩和されようとしています三百五十品目についての副作用と、これまでの事故例に関するデータを本委員会に提出することを求めたいと思いますけれども、委員長、この点よろしくお取り計らいのほど、お願いします。
○委員長(簗瀬進君) その件については、後刻理事会で協議いたします。
○政府参考人(鶴田康則君) 現在までに、医薬品のうち安全上特に問題がないもの選定に関する検討会において選定基準に基づいて十五製品群が選定されたと、こういうわけでございますが、その選定された十五製品群には約三百五十品目が該当すると予測しております。
 個別の品目については、例えばアルコールの含有率が一%以下など、その製品群の選定基準に該当するかどうか、現在今精査しているところでございまして、その十五薬効群、十五製品群はもう決まっているわけなんですが、現時点では医薬部外品に移行する品目をまだ全部確定することには至っておりません。
 今後、その品目が確定された段階で、副作用の発生状況を確認し明らかにしてまいりたいと、こういうふうに考えております。先生の御提案についても前向きに取り組んでまいりたいと思います。
○小林美恵子君 副作用とか事故例がいわゆる医薬品から部外品に移行されてしまった後で示されては遅いわけですから、先ほどおっしゃられたように、しっかりと前向きにお調べいただいて示していただきたいというふうに思います。
 次にお伺いしたいと思いますけれども、医薬部外品というのは副作用の被害者救済制度の対象に現在なっていませんですよね。この点について、こういう約三百五十品目がこれから更に決められていって部外品に移行するというふうになりますと、この対象になっていないという点で消費者の皆さんにどのように徹底しようとお考えでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) これまでも、この副作用被害救済制度につきましては、従来から対象が医薬品であるということをも含め、パンフレットとか政府広報、雑誌、広告等により周知を行ってきております。さらに、本年四月から設立されます独立行政法人医薬品医療機器総合機構におきましても、周知のための広報活動を一層積極的に実施することを予定しております。
 今後とも、これらの広報活動を積極的に推進してまいりたいと。また、今回、安全上特に問題がないものとして医薬部外品に移行する品目を公表する中で、移行した医薬部外品が医薬品副作用被害救済制度の対象とならないということについても併せて公表し、周知方に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○小林美恵子君 先ほど救済制度の対象にならないということも分かるように示すとおっしゃられましたけれども、元に戻りますけれども、今回の場合は薬効成分を変えることなく医薬品から医薬部外品への移行ですよね。そうしますと、医薬品の場合は救済制度がございますよね。薬効成分を変えないのに部外品にして救済制度の対象にならないというのは、これはほんまにおかしな話だというふうに私は思うんですよね。
 そういう点では、今回緩和されようとするそういうものにつきまして、やっぱり副作用の報告義務付け等、被害者の救済制度を設けるべきだというふうに思うんですけれども、この点、厚生労働省、いかがですか。
○政府参考人(鶴田康則君) この医薬品副作用被害救済制度は、医薬品の副作用による健康被害のうち、入院相当の治療が必要な場合とか、一、二級程度の障害といった重い副作用を対象としております。一方、薬事法上の医薬品でない医薬部外品については人体に対する作用が緩和なものであり、このような被害救済制度は設けられていないわけでございます。
 今回の選定につきましても、安全上特に問題がないというものとして現行の薬事法に基づく医薬部外品に移行するものでありまして、この医薬品副作用被害救済制度は適用されないし、もっとはっきり言いますと、医薬品であっても副作用の軽微なものについてはこの被害救済の対象にはなっておらないということでございまして、そこについてはそんなに変わらないんじゃないかなと、ちょっと思ってはおりますが。
○小林美恵子君 いや、それはなっていないということ自体がやっぱり問題なんですよ。これはやっぱり私は国民の皆さんの命と健康にかかわる問題ですから、ここはやっぱり政府、厚生労働省としましても、そこをやっぱりそういう制度を設けるように立場を切り替えるのが本来の役割だということを申し上げたいというふうに思います。
 金子大臣にお聞きしたいと思いますけれども、私、今日はこの医薬品の規制緩和問題を中心にお聞きしてまいりましたけれども、私、どう見ても規制緩和先ありきでこういう医薬品の緩和も行われてきているというふうに思うんですよね。それで、薬害被害など、これは本当に取り返しが付かないというふうに思うんですけれども、政府の責任はやっぱり国民の皆さんの安全を何よりも考えるということだったと思うんです。
 それで、今回の医薬品の規制、いわゆる販売の規制緩和を危惧されている方々はたくさんいらっしゃるわけでございますから、そういう方々の御意見をしっかりと踏まえていただいて見直しをすべきではないかというふうに思うんですけれども、その御見解をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 小林先生と厚生省審議官のやり取りもお伺いしておりまして、やはり、もとより薬害被害の問題というものは、私たち政府あるいは政治家としても大変大事にしていかなければいけないテーマであると。ただ、今回の措置については、この薬害影響度がある、副作用があるかないかということについて、ある意味専門家で御議論をいただいた結果でありますものですから、これは方向として、十六年中に進めるということで進めさせていただきたいと思うんです。
 ただ同時に、今先生から大阪薬剤師会、日本薬剤師会から反対という御意見がありました。お話がありました。一方で、消費者、サラリーマンの皆さん方からも非常にニーズが多いですね。多い結果としてこういう方向で議論をさせていただいたわけですけれども、何でそういう話になっているのかなんです。
 薬剤師会が本当に対応していただいているのかという話なんですよ。夜間にきちっと開けていただけるのかと。残念なんですけれども、地方に行きますと、薬剤師さんというのはそれぞれ文字どおり先生なんですよ。ですから、ちょっと夜中に胃が痛くなっちゃった、苦しくなっちゃった、みんな知っていますから電話しますと、おめえ何か悪いもの食ったんじゃねえかとか、何食った、夕べ何食った、そういうことでちゃんと対応してくれるんですね。都会は、残念ではありますけれども、みんな閉まっています。大阪は多分閉まっているのかもしれませんね。その辺の言わば薬剤の供給体制というものは、やはり薬剤師会の皆さんにきちんと対応していただく必要が一方であることだと思っております。
○小林美恵子君 その件につきましては、私は冒頭に申し上げたと思います。消費者の皆さんの夜間のニーズというのは、本来は夜間の救急の病院の体制、こういうものをやっぱり整備するということで、そのニーズにこたえる道だと。だから、政府はそういうことをやるべきなんですよ。これを私は強く申し上げたいと思うんですね。
 それで、そういう利便性とかそういうものを、経済効果とか建前にして規制緩和をしていくということは、やっぱり私は許せないなというふうに思うんです。是非とも、この薬というのは本当に命と健康にかかわりますから、このことをしっかり踏まえて今後対応されるということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
○島袋宗康君 無所属の会の島袋宗康でございます。まず、犯罪対策としての地域社会の取組についてお伺いいたします。
 現在の我が国の犯罪情勢は、昨年は刑法犯認知件数が約二百七十九万件と前年比六万四千件減少し、過去最悪という状況は逃れたものの、国民の犯罪に対する不安は依然として高いものがあります。犯罪対策としては、警察力の充実のみでなく、地域住民の力を結集した地域力がその抑制効果としての大きな意味があると思います。
 沖縄においても、昨年刑法犯認知件数が約二万三千件で前年比約三千件の減となったものの、やはり県民は依然犯罪への不安を抱いております。沖縄での地域社会の取組として、例えば浦添市においては、昨年十一月二十二日に、市内全域で不審者から児童生徒を守る運動として、父母らによる一万人パトロールが行われ、その取組については大変評価されております。
 地域住民が参画をした取組は、犯罪対策という面での効果のみならず、地域の子供を守ろうという共通認識が生まれ、ひいては地域社会の豊かな人間関係に資するものであります。このような犯罪対策としての地域社会の取組について、国家公安委員長の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(小野清子君) 島袋先生おっしゃいますとおりに、刑法犯認知件数は、昨年は二百七十九万件、一昨年の場合には二百八十五万四千件と、幾分少なくはなったといえ大変な数が続いているわけでございます。わけても、子供たちの巻き込まれる犯罪というものも多発しておりまして、大変危惧しておる一人でもございます。地域の犯罪を減らして子供たちを犯罪から守るためには、警察の活動のみならず、地域住民の皆様方のお力がどうしても不可欠な状況になっている現状でございます。
 昨今、自主的な防犯意識の原点に立ちまして、各地域で防犯のための組織が結成され、例えば、町内会、自治会、あるいはPTA、あるいは学校関係者が防犯パトロールということを、危険箇所の調査等も踏まえて取組が大変広がっているということを有り難く感じているものでもございます。
 こうした活動は、地域住民に、先生今おっしゃいましたように、安心感を与えるという大変大きな意味合いもありますし、また御一緒に活動する中で地域の連帯感が深まっていくという、こういうメリットもございます。そのことによりまして、子供の安全あるいは安心という町づくりの推進にも大きな役割があり、意義があるものと考えております。
 警察といたしましても、これらの取組に対しまして、身近な犯罪の発生状況、あるいは犯罪対策に対する情報の提供をさせていただきまして、警察との共同パトロール、こうしたものの実施、それから活動を支援していくという体制を整えさせていただいているところでございます。
 具体的には、平成十六年度の地方財政計画におきまして、新たに地域住民や、あるいはボランティア団体が行います防犯パトロールの啓発活動の支援をさせていただくというのが一点でございます。もう一点は、防犯教室、それから講座の充実を図るという、地域住民の犯罪意識の高揚等に要する経費について措置をしたところでございます。
 今後とも、地域住民の自主的な取組が一層推進されますように、積極的な活動を支援する、そのように督励してまいりたいと思っております。
○島袋宗康君 次に、女児連れ去り事件で現職の警察官が逮捕された事件についてお伺いします。
 犯罪対策として地域社会の取組は有効かつ重要なものであるという認識は皆さんが共有できるものであります。
 さて、去る二月二十日、佐賀県鳥栖市で女児を連れ去ったとして現職の警察官が逮捕されるという非常に衝撃的な事件が発生いたしました。鳥栖での事件は、警察官が引き起こしたこと自体大変なショックでありますけれども、それに逮捕された警察官が地域住民と一番密接な関係であると言える交番に勤務している巡査であった。地域社会での取組、住民参加協力は不可欠でありますが、加えて警察との協力も大切であります。先ほど、私が例に挙げた浦添市の一万人パトロールの運動も類似の事件の発生を契機として起こされたものであります。
 小野国家公安委員長も所信表明の中で、交番機能の強化や地域社会等の連携した防犯対策の推進などについて述べておられますが、政府においても昨年、犯罪対策閣僚会議を立ち上げ、十二月には犯罪に強い社会の実現のための行動計画を策定し、その中で地域連帯の再生と安全で安心な町づくりの実現を唱えております。特に、地域社会での住民の安全、安心のよりどころとなる交番の警察官との協力は言うまでもありません。しかし、その交番警察官がこのような犯罪を起こしたことは一緒に地域安全について協力を担ってきた住民の背信行為であるばかりでなく、警察自身にとっても信頼を失墜する誠に憂慮すべき事態であると思います。
 そこで、国家委員長に対して、今回の事件から警察官採用に当たってどのような教訓を得たのか、またこの事件に関連して取られた措置と今後の再発防止対策について、お伺いいたします。
○国務大臣(小野清子君) 先生がおっしゃいますように、治安維持に最先端で、そして住民を守り、子供を守らなければならない警察官がこのような不祥事を起こしたということは誠に遺憾でございまして、本当に日ごろから国民のために汗している警察官もおりますその方々のためにも、そしてまた警察官だけではなく、国民の信頼を失わせたということに関しましては大変遺憾の意を表させていただくところでございます。
 今回の事案の原因、動機については、現在佐賀県警察、それから福岡県警察の方におきまして所要の捜査あるいは調査を行っているところでございまして、当該警察官の採用上の問題点があったのかどうか等も踏まえて十分な検討をさせていただいているところでございます。
 これによりまして、面接官の、例えば受験者に近い年齢の者を中に入れましていろんな年代の方々による面接等をしながらその人格までを深く掘り下げるような採用のときの問題等も含め、それから心理的な面を検証できるような内容を改善するというふうな、採用に当たりましての資質を判断するための面接等をこれから重視していかなければならないと、そのように感じているところでございます。
 それと、今回の事件につきましては、基本的には職員の職務倫理意識の欠如、こういうものに起因するところが大変大きなものがあると私自身も認識をいたしておりますから、事案の防止対策といたしましては監察の強化、それから不祥事の未然防止に重点を指向いたしました監察の実施を常々行うということ、それから三点目は、やはり職務倫理教養の充実、これらの諸対策を検討しながらその推進に努めていくものと承知をいたしております。
 国家公安委員会並びに都道府県の公安委員会の皆さんにおきましては、不祥事の処理状況及び再発防止の推進状況について適宜適切に報告を受け、第三者的な立場からのチェックと指導を今後とも行ってまいりたいと、そのように考えております。
○島袋宗康君 警察官を採用する時点で、いわゆる試みの採用ですね、それはある程度あると思いますけれども、何か月ぐらいの試用の状況ですか。
○政府参考人(吉村博人君) 今回の福岡県の警察官の場合は、高校卒業でありますので、まず警察学校に入校いたします。その期間が、現在は高卒の場合ですと十か月ということになります。実は、本人は十四年の十月に警察学校に入っていまして、十四年の十月です。それで、十五年の七月に大牟田警察署の交番に配属になったと。通例ですと、今年の三月から、職場実習期間八月間を経た上で初任総合科というのに、もう一回学校に入れて三か月教育をするということになっております。
 ですから、もちろん試用期間の問題はございますが、実際は採用で、今大臣からも御答弁ありましたように、面接あるいは集団討論等も加えるべきではないかというような議論もやっておりますし、現に採用している府県警察もございます。そこで何とか人格的に問題のある人は入らないようにするということがまず第一だと思いますし、それから警察学校に入校中に、これはおのずと集団生活を余儀なくされるわけでありますから、そこでどう見ても適格性がないという人についてはいろいろと説得をするなり、本人の納得を得て辞めていただくということも実例としては相当例ありますので、そういう努力を通じて、言わば教育を通じて矯正できる人なのか、それとも元々どうも間違った人が入ってきているということなのかを見極めて、より良い警察官の、きちんとした警察官ができるようにこれからはいろいろ細かに採用の問題、それから教育の問題等を通じて努力をしていくべきだと思っておりますし、いろいろと各方面で警察庁で検討を今しまして、都道府県警と連携してやってまいりたいと思っております。
○島袋宗康君 警察官の増員というものは非常に国民の今ニーズにどうこたえていくかというような重要なことでありますから、これから採用に当たっては、そういった試用期間というものをちゃんとした上で、本当に警察官としてふさわしい人物であるかどうかということをやっぱりちゃんとした考査をしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 次の、警察職員の懲戒処分者の高止まり傾向についてお伺いいたします。
 今回の警察官の不祥事は衝撃的なものでありましたが、近年の警察官の不祥事について、その目安として、平成十五年の警察職員懲戒処分の状況を見ますと四百三十三人となっており、平成十四年度の五百六十八人より減少しているものの、高止まり傾向であります。ちなみに、平成十一年、三百五十六人、十二年、五百四十六人、十三年、四百八十六人です。
 神奈川県警での不祥事を発端として設置された警察刷新会議による平成十年七月の警察刷新に関する緊急提言や、平成十二年八月の警察改革要綱の策定、さらにその後の刑訴法の改正等の実施など、一連の警察改革は行われていると思われます。
 しかし、今年に入ってから、警察署の相次ぐ誤認逮捕の発覚、さらに北海道の捜査用報償費の不正流用など、懲戒処分となり得る事件が相次いで発覚し、懲戒処分者が減少したとの実感は持ちにくい状況であります。
 そこで、最近の懲戒処分の事由の傾向と、依然として懲戒処分が高止まりとなっている要因について説明をいただきたいと思います。また、このような現象に対して国家公安委員会においてはどのような議論が行われたのか、そしてどのような対策が示されているのか。国家公安委員長として遺漏のないよう明確に説明されるとともに、それらを踏まえて、国家公安委員会としてどのように主体的な対策を立てておられるのか、お示し願いたいと思います。
○国務大臣(小野清子君) ただいま先生からお話がございましたが、不祥事が相次いでおりますことを誠に遺憾な意を改めて表させていただきます。
 御指摘の原因につきましては一概に述べることは大変困難でございますけれども、一連の警察不祥事以降、監察を強化いたしまして、懲戒処分の指針や、あるいは懲戒処分の発表の指針の、指針にのっとりました不祥事への厳正な対応に努めさせていただいているところでございますが、その結果とも言えるのではないかと。大変恐縮でございますけれども、そのような感慨もございます。
 一方で、今先生からもお話しございましたけれども、十四年は五百六十八名でありました懲戒処分者数が十五年は四百三十三人と、百三十五名減少したとの報告を受けているところでございますが、依然、この数字が決して小さい数字ではないことを私も承知しているわけでございます。特に、業務にかかわる非違事案につきましては、これを減少させるために、監察部門とそれから業務主管部門が密接な連携を取りまして、発生をいたしました個々の非違事案の原因を分析をした上で、業務管理の改善等の再発防止対策に努めているところでございますが、その結果といたしまして、平成十三年以降、業務にかかわる非違事案につきましては一貫して減少しているとの報告を受けているところでございます。
 不祥事の原因につきましては、先ほどから一概に述べることは難しいと申し上げましたけれども、基本的には不祥事を起こした個々の職員のやはり職務の中におけます倫理意識の欠如、これに尽きるものであり、二点目は、幹部の指揮監督あるいは業務管理の不足によるものとも考えさせられるところでございます。
 不祥事の未然防止に重点を置きました監察の実施をしっかり行うということと、それから職務倫理教養の充実を図るということ、それから職務管理の徹底等の諸対策を検討し、その推進に努めるよう、警察庁を私ども国家公安委員会といたしましても督励してまいっているところでございます。
○島袋宗康君 次に、より良い警察官の人材育成についてお伺いいたします。
 警察官の増員については、警察刷新会議での提言により、徹底的に合理化を進められることを前提に、警察官一人当たりの負担人口が五百人になる程度まで地方警察官の増員を行う必要があるとして、また昨年八月に警察庁が出した緊急治安対策プログラムにおいて、「現在進行中の増員計画に加えて、今後三年を目途に地方警察官約一万人の増員を図る。」、昨年十二月の犯罪対策閣僚会議での犯罪に強い社会の実現のための行動計画においては、治安回復のための基盤整備として、「街頭犯罪の抑止、各種犯罪に対する捜査力の充実等国民の要望に的確に対応するため、警察力の更なる強化を目指した地方警察官の増員を図るとともに、警察庁職員の所要の増員を図る。」として、地方警察官等の増員がそれぞれうたわれております。
 既に平成十四年、十五年度で合わせて八千五百人の増員がなされた上に、平成十六年度には三千百五十人の増員が予定されているということですが、これは単に増員すればよいということではいけないと思います。殊に、数年後から大量退職者時代を迎えて採用必要数が増加する一方で、就職適齢人口は減少が見込まれるという状況になると言われております。
 警察官としてふさわしい人材、つまり能力と適性を有する逸材の確保は大変厳しい局面を迎えていると言えます。より良い人材を確保するためにも、入口部分の採用試験の重要性が高まるとともに、採用後の更なる人材育成の一環として、警察学校などの教育訓練についてもその充実強化が必要であります。
 そこで、国家公安委員長に、より良い警察官の確保のための具体策、採用後の教育訓練の充実策をどのように行おうとしているのか。先ほどの御説明で重複するかもしれませんが、よろしくお願いします。
○国務大臣(小野清子君) 先生今お話しくださいましたけれども、平成十三年度から地方警察官の増員を行っておりまして、一万人計画、初年度は、平成十四年度は四千五百、十五年度は四千、そしてこのたびを三千百五十名と、千五百名にプラス千六百五十名を足していただいたところでございまして、これを何とか通していただきたいと。そう言いながらも、更に一万人ほど警察官が足らない。先生先ほどおっしゃっていただきましたように、平均してまだ五百三十三から、今回三千百五十をプラスいたしますと五百二十七名、一人当たりの警察官の負担人口と、こういうことになるわけでございます。
 そうした中で、地方警察官の増員を行っておりますけれども、採用試験の倍率はいずれも十倍を超えるものがございます。相当な競争率の中で採用が行われておるわけでございまして、都道府県警察におきましては、インターネットや広報媒体を活用したいわゆる積極的な募集活動に取り組むとともに、採用に当たりましては、いわゆる能力に加えて人格、適性等を十分に見極めるように面接試験の時間や配点比率、比重の拡大ですね、時間をもう少し長く取るとか、人格をきちんと見られるようにとか、そういった面と、あとは面接官の研修、面接を受ける方の研修も力を入れさせていただきまして、採用試験の実施に努めているものと承知をいたしております。
 新たに採用された警察官に対しましては、その資質の向上に努めるために、警察学校及び職場における教育を一体的、計画的に推進をいたしまして、法の執行者に求められている高い倫理観と、それから職務執行能力を備えた警察官の育成に努めているものと承知をいたしております。
 今後とも、警察官にふさわしい人材を採用するとともに、教育の充実に努めまして、警察官の質の一層の向上が図られますように督励してまいる所存でございます。
○島袋宗康君 警察官の増員に当たって、例えば農村地域あるいはまた離島地域、あるいはもう大変な東京みたいな都市区といったようないろんな要素がありますけれども、それは、これから採用する時点で、どういう地方あるいは農村といったような形から採用をしてくれというふうな要望があるのか、あるいは、その辺のバランスをどう取っていくのか、そういうものは何かマニュアルがあるんですか。
○政府参考人(吉村博人君) ちょっと、私は個人的にはそのマニュアルは承知はしてございません。
 一応、警察官の採用試験のパターンとしては、先ほども御説明しましたように、大卒相当と高卒相当と二種類でありますから、最近は大卒者の方がむしろ高卒者よりも相当多くなってきております。ですから、出身地がいわゆる都市部かそうでないかということはそう大きい要素にはならないと思いますが、おのずと、先ほど大臣のお話のありましたように、筆記試験だけではなくて、いわゆる頭の良さだけではなくて、どのような正に人柄、どういう人なのかということがポイントになろうかと思いますから、その中にありましては、面接の過程でいろいろ、農村出身でそういうふうにしてやっている人もあるいはありますでしょうし、都市育ち、都会育ちの人もあると思いますから、でき得ればいろんなパターンの人が、多種多様な人が入ってくれば一番よろしいわけでして、余り画一的に頭だけがいいという人ではなかなか即座な対応ができないと思いますから、その辺りは各県でよく努力をしまして、多種多様な優秀な人材、かつ非常にやる気のある人材を数多く採用してまいりたいとは思っておりますが。
○島袋宗康君 採用の時点で、できるだけその地域に住んでいる方を採用すると。沖縄県なら沖縄県内で採用するというふうなお考えのようですかね。その辺。
○政府参考人(吉村博人君) ちょっと手元に資料がございませんが、これは県によっていわゆる自県充足率といいますか、かなり差がございます。
 大体、九州各県は、どちらかというと何々県出身の人が多かったと思います、ある県の警察官の、なる人がですね。東京辺りですと、これは東京出身というか地方の方もたくさん見えるわけですので、一概には申せない部分があると思いますが、あくまで適材適所でやっていきたいとは思っておりますけれども。
○島袋宗康君 それから、警察官の増員等の今後の方針についてお伺いいたします。
 地方警察官の増員は大変喜ばしいことでありますが、当然、職員には財政的措置も必要であります。
 現在、都道府県の地方公務員である警視以下の地方警察職員の定員は都道府県の条例で定めることとしているものの、都道府県警察に勤務する警視正以上の警察官である地方警察官を含んだ地方警察官の定員については政令で定める基準に従わなければならないこととされ、警察法施行令によって定められております。
 つまり、地方警察官の増員による財政的措置は国と地方の両方の財政にかかわるという問題がありますが、ここではまず、国家公安委員長にお伺いいたしたいのは、将来的な地方警察官の増員について方針及び人員増によって必要となる研修施設や体制の充実強化についての確固たる方針という点について御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(小野清子君) 先ほども申し上げましたけれども、一生懸命増員を図りながら今回は三千百五十名の予算措置をお願いしているところでございますが、今議員がおっしゃいましたように、平成十七年度以降も更なる警察力の強化、強化が図られますように引き続き努力してまいる所存でもございます。
 今、研修施設の設備に関しましてというお話がございましたけれども、警察学校の教場やあるいは寮の増改築、それからハイテク教場の設置等々、大量採用時代を見据えますとともに、新たな犯罪情勢に的確に対応するためにはそうした研修施設の整備に努めているところでもございます。なお、増員にかかわります地方警察官の人件費は、自治体警察の原則から、各都道府県が負担するというものでございますが、その財源につきましては地方財政、地方交付、失礼いたしました、地方交付税交付金により措置されるものと承知をいたしております。警察教養施設の新設あるいは補修等に対する経費につきましては国費で賄われるようになっておるものと承知をいたしておりますので、警察の体制強化のためにこれからもそのような必要な財源が確保されますように努力をしてまいる所存でございます。
○島袋宗康君 やはり、採用してそこで研修施設というものをちゃんとした上で、各地方あるいは勤務に当たらせるということが非常に重要でありますので、この研修施設というものをもっと充実させていかれるように御要望いたしまして、終わります。ありがとうございました。
○委員長(簗瀬進君) そのままでよろしいんでしょうか、答弁者。
 若干答弁者の入替え時間、ちょっとお待ちください。どうぞ大臣は退席なさって結構です。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 本日は、本当に朝から官房長官、金子大臣、お疲れさまでございます。とにかく私が出てくるとあと三十分で終わるので、あと最後までお付き合いください。あと、阿部副大臣もおいでくださいまして本当にありがとうございます。
 最初に、金子大臣に、私、構造特区についてお聞きします。
 小泉総理の本当に官から民へ、国から地方へ、私このことに関してはもう大賛成なんです。いろいろの看板掲げたりいろいろな政策打ち出しますが、私は掛け声倒れ、看板倒れがややあるかなと思っておりますが、この点につきましては、次回委嘱審査がございましたらその点でつまびらかにしていきたいと思っております。本日は、何はともあれ金子大臣に、もうこの構造特区を推進していただきたいというか、ある意味エールを込めて私もお話をしていこうと思っております。
 前任者の鴻池大臣、私たちも本当に与野党問わず多数の我々当委員会の委員も鴻池大臣をバックアップしてまいりました。暴走や脱線もややあったように思いますけれども、やはり大変なる既得権益というこの省庁の、風穴を空けるというこの構造特区法案、やはり私はある意味蛮勇を振るって御活躍いただかなければいけないと。その点で金子大臣にも同じくその姿勢を期待しているところでございます。
 それで、本日は一点だけお聞きしたいと思っています。それはカジノ特区構想なんですね。
 本会議でも通常国会、民主党の小川議員が北海道ないしは沖縄のカジノ特区という、これ触れていましたけれども、実は私は新潟県で佐渡島、これ三月一日に一島一市になったんですが、佐渡のカジノ特区構想というのを私ぶち上げているんですよ。行く先々に、黒岩さん、それできるのと。いや、できるはずだと。私は、例外なく聖域なき規制緩和である限りは私は刑法とて例外ではないんだと、そう申し上げたいと思っておるんです。
 それで、金子大臣、お聞きします。総合規制改革会議で、もう当初から刑法がこの構造特区の規制の対象から外すという、この点についてなぜなのか、簡潔にお答えください。
○国務大臣(金子一義君) まず、御激励を大変ありがとうございました。鴻池前大臣同様全力を挙げて風穴空けて、そして地方のそれぞれの夢が実現できるように邁進してまいりたいと思っております。
 刑法、確かに、のものについては一国二制度とするという議論と、それからもう一つは百八十五条、刑法でありますけれども、ギャンブルそのものの容認になってしまうということで、国民的観点、議論が必要ではないかということで、この総合規制会議では外したという経緯があります。特に、刑法の問題と同様に国民的なやはりコンセンサスというものが、特にカジノの場合にも、治安、住民の同意等々が必要である、こういう観点から総合規制会議では議論から対象を外してあるというのがこれまでの経緯であります。
○黒岩宇洋君 それは、私は事務方からもそれはお聞きしているんですが、やっぱりちょっと納得はいかないんです。
 そもそもこれは規制会議の、今回これ、平成十四年の規制会議のこれ報告なんですけれども、「規制の選定基準」、ここにこうあります。生命・身体・健康、公序良俗、消費者保護等に関する規制であるという理由によって対象外とすべきでなくと、ここまで踏み込んでいるわけですね。その後、適切な代替措置等を講ずることが可能かどうかなどによって判断すべきだと。で、その後になぜか例示列挙で四点、外交・防衛など国の主権に関するもの、これを外しましょう、これも分かります。条約に基づく国の義務の履行を妨げるもの、これも分かります。順番変えて四番目なんですが、規制改革による直接的な影響が、その範囲が特区内で完結しないという、このことも不可能でしょうという、これも分かるんです。ただ、そこに、そっと三番目、刑法に関するものという、入っているんですね。
 これ、総論で言われると一瞬そうかなと思うんですが、しかし各論で考える。今大臣がおっしゃった百八十五条の賭博罪ですね。この点で、今我が国にはいわゆる公営ギャンブルがございます。先ほどおっしゃった一国二制度をエリアとして考えるならそれも一つの考え方ですが、ただ、刑法の事実上規制緩和という意味でしたら、競馬法しかり、競輪法しかり。
 これを問い合わせましたら、これは特別法の制定によって百八十五条の賭博罪、これは実際にはお金を換金するときにこれが実際賭博罪に当たるんですけれども、これについて違法性阻却されるんだという、こういう見解なんです。つまり、現状において日本ではギャンブルが行われています。そして何よりも、先ほど治安云々とおっしゃいましたけれども、世界の百十何か国でカジノが認められております。私もオーストラリアやケニアでやったことあるんですけれども、もう今じゃ紳士の遊技だと、そう言われているわけですね。
 ですから、その治安云々についても私は合理的な根拠になっていないと思います。ましてや特区というのはその地域のコンセンサスですから、国民総意のコンセンサスという、これやっていたら特区は進まないわけですよ。ある地域、佐渡なら佐渡、種子島なら種子島、じゃその地域の将来を考えたときに、治安相当考えて、治安等兼ね合いでその地域が考えるという、これが私は特区構想の一つのスタート地点だと思っているんです。
 その点について、大臣、今の私の幾つかの論拠で、これはおかしいんじゃないかと、羅列しましたけれども、それについてどうかお答えください。
○国務大臣(金子一義君) 御指摘ありましたとおり、競輪、競馬、ギャンブルやっているじゃないかということについては、競馬法ですとか自動車競技法という別の法律を作って、これを刑法からある意味、賭博という意味での、外しているという点は御指摘のとおりであると思います。
 ただ、ちょっと理屈っぽくあえて、先生ね、申し上げますけれども、私たちのやっている特区というのは、やっぱりそれぞれの地域の特性ですとか歴史とか資源というものを生かしていくという視点、やっぱり大きいんですよね。確かに、再び佐渡で金を掘ろうという、何か看板にすれば歴史になるのかもしれませんけれども、少しまたちょっと意味合いが、本来持っている意味と少し違うんだろうなと。
 それからもう一つ。今御指摘ありましたけれども、佐渡の皆様方、本当に住民の方、同意されておられるんでしょうか。いろいろ北海道とか沖縄というのも議論出ておりますが、それは承知しております。ただ、沖縄でも住民の皆さんが本当に賛成をしているのかということになりますと、どうも必ずしもそうでもないというようでございます。
 長い答弁になりましたけれども、いずれにしましても、カジノというのはいろいろな方から、若しくはいろいろな地区から御意見として、やったらどうかという御提言、御提案もいただいているところでありますので、先ほど申し上げましたけれども、治安等々の点、地元住民の皆さん方の意見、そういうものを伺いながら、全く、私としても全く排除するものではありません。今後とも地方の提案も踏まえて勉強はさしていただきたいと思っております。
○黒岩宇洋君 大臣、佐渡の人がどうかって、これはまたちょっと議論が先走っておりまして、やはりまず法律のメニューにのせることが肝心です。しかも、その手前の総合規制改革のこの会議の大前提について、私、今議論しているわけです。
 例えば、じゃ、その特性ということでいえば、佐渡島をあえて出せば、今、人口七万人です。もう徐々に徐々に減って、やはり経済的に自力でこの先運営していくにはもうぎりぎりのところまで来ています。それでいて高齢化率が三四・八%という、これはある意味ネガティブな特性ですね、ネガティブな特性。加えて、国からの補助金で、これ、まあ、以前までは十市町村ですけれども、合わせて離島振興対策で二百三十九億円、これ補助金ですよ、佐渡にくれてやっていると。佐渡としてはいただいているんですね。こういうような状況ですが、ただ、海もきれいだし魚もおいしいという、このポジティブな特性も持っているんですね。
 こういうところにぽっと、じゃカジノができたらどうなるかという。これ大阪商業大学のある研究チームが研究して様々なデータが出ているんですが、全部はつまびらかにしませんが、まず、基本的なカジノシティーというのは大体五百室のカジノホテルが十軒だと。これをモデルに考えますと、まず建設需要だけで二千億円なんです。それよりもっとすごいのが、じゃ、このカジノにかかわる雇用です。フルタイムで五万八千人、パートタイムで二万二千人、佐渡の人、全部雇えちゃうんですね。実は、そのほかいろんな飲食店でも経済効果あるんですけれども、このカジノホテルだけで、カジノというのはすごく粗利益が高いんですよ、十軒で試算すると千七百五十二億円。いかがですか、これ粗利ですからね。これ、法人税三割払えば五百億ですよ。二百四十億の補助金もらっているところが、税金五百億が出てきます。法人事業税、今、三位一体じゃない、三位ばらばら改革で県も苦しんでいますが、これで約二百億円ぐらい上がりますね。
 だから、そういうことを考えれば、じゃ、私の今、佐渡が非常に窮状に、非常に窮していると。こういう地域に対して、これほど即効的な、可能性のある、こういう構造特区を営まないで、どうやってその地域、あと私、次回、地域再生プログラムについて聞きますが、疲弊している地域を活性化させる、そういった妙案は、大臣、ございますか。
○国務大臣(金子一義君) 岩手県の遠野市というのがありまして、ここは柳田国男の民話のふるさと。正直言って、本当に資源はやっぱり山、中山間地、それから比較的三陸沖が近いと、この地域でありますが、この遠野物語という民話を生かしましてどぶろく特区という、今度初めて申請をいたしました。かっぱ物語ですとか、昔からのカヤぶきの屋根の民家、曲がり屋という、馬と一緒に暮らしていたところでありますけれども、これがどぶろく特区というものを申請しただけでお客が、まだできていないんですけれども、五割増しで人が来てくれるという状況が出てまいりました。岡崎先生が、早くどぶろくの作りなさいといって応援していただいたんでありますけれども、そういう言わばそれぞれ、佐渡にもそれなりの歴史がいっぱいあるだろう。きれいな海もあるだろうと。こういうものを、(発言する者あり)金ですよね、正に金なんですけれども、やっぱり生かすのはカジノだけでないんだろうと。それぞれの地区がみんな必死になって、自分のところで何を生かしたら一番いいんだろうかということで考えてくれております。
 そういう意味で、先生も、カジノも先ほど申し上げましたように決して否定するわけではありませんし、勉強も引き続きいたしますけれども、それだけにこだわらず、やっぱり今先生がおっしゃったような佐渡の歴史、きれいな資源、海、あるのであれば、それをまた生かしていくという方法も是非お考えいただきたいという気持ちであります。
○黒岩宇洋君 大臣ね、しつこくお聞きします。
 ほかで可能なら、どぶろく特区もいいと思いますよ、五割増し。ただ、今私言っているのは粗利益千七百億増しの話していますからね。ほかができるからじゃなくて、そもそも今回のこの規制改革のスタートというのは、もうこの規制を緩和してもいいんじゃないかと。いいんなら、もうしましょうよと。で、それによって何か弊害が出たら、その弊害については各役所が挙証責任を負うという、そこまで踏み込んでいくことを考えると、やはり今の大臣の答弁、私はちょっとまだ物足りないんですね。ほかができるからというんじゃなくて、じゃ、賭博罪、カジノ、このことを総論、各論においても私しっかりと見ていただきたいと、このことはまあ付言しておきます。
 それで、先ほど、図らずも金子大臣の方からも前鴻池大臣の姿勢も踏襲したいというような表現がございました。これ、実は一年半ほど前の当委員会での、参議院のですね、当委員会での大臣の答弁がございます。これ、実は、今日いらしている阿部副大臣が委員会の理事だったときにカジノについて質問されて、それについて鴻池大臣、こう答えているんですね。国連加盟国のうち百十二か国、要するに百八十九か国中百十二か国がカジノオーケーだと。駄目な国はどこかというと、イスラム圏、共産主義あるいは砂漠が大変多い国、ジャングルが非常に多い国、こういうイメージで想像いただいたらいいと思いますけれども、駄目な国の中に日本は今入っているんだと。私は、個人的な気持ちとすれば、このカジノは捨てたものではない、こう答弁されて、その後の委員の質問に対してこう答えています。私の個人的プラスですね、特区担当大臣といたしましても、カジノというものについては否定するものではありません。中略しまして、カジノが日本にあってはならないという思いは一切ございません。あってしかるべきであると、そういうふうに思っておりますと、ここまで言っているんですが、金子大臣、この鴻池大臣のある意味思想なんですが、これ引き継がれてくださいますか。
○国務大臣(金子一義君) 今のお話は、鴻池前大臣のやや個人的なという、お断りになられた発言のようにもお見受けします。私も全く否定するものではありません。
 しかし、担当大臣としてあえて申し上げれば、カジノが行われている国になるために、いやいや、ちょっと言い方換えます。カジノを導入していく場合には、極めて自己責任というものが求められると思っているんです。我が国が本当にこのカジノというものを自己責任という意味で認知を受けられるだろうかということについてあえて個人的な見解を申し上げれば、非常に危ういと思っております、私自身は。
○黒岩宇洋君 分かりました。
 もう質問はいたしませんが、私、大臣の今の御見解、それもそうかなという気はいたします。ただ、私、小泉総理の目指す国は、やはり自己責任と言いましたが、やはり自己決定権を持って、自己決定権を持って初めて自己責任という、私、こういう社会を目指しているはずなんで、その突破口にも是非大臣、していただきたいと思います。今後、多分構造特区法の改正案とかも回ってきますので、本当にしつこいように、私、特区については推進したいと思っているんでお聞きいたしますので、今日はどうもありがとうございました。
 次に、福田官房長官──大臣、もうお引き取りいただいて結構です。いらしてもいいですよ。
 じゃ、北朝鮮の問題について、しかも拉致、それも拉致の真相解明というこの一点について、これもお聞きしていきたいと思っております。
 私のとにかくスタート地点、これ一年半前、本当に平壌宣言の後にこれ福田官房長官に私質問させていただきました。十三人中八人死亡という、この死亡の要因も非常に不審な点は多うございます。これも私は解明していくべきだと思うんですが、それを抜きにしても、それを抜きにしても日本にその十三人の方がいた場合、じゃ八人死ぬ可能性は幾らだということを私、委員会でも申し上げました。
 すなわち、例えば横田めぐみさん、十三歳で拉致されまして二十八歳で亡くなったと、こう発表されているんですね。北朝鮮のあの発表ですよ。そうすると、日本にいた十三歳の横田めぐみさんの同い年の人たちが、じゃそのまま二十八歳になってどれだけ亡くなっているかというと二%足らずなんですね。これ多い方なんですよ。そのほか、田口さんとか二十代前半で拉致された方、すなわち、二十二歳のときに日本に生存していてそのままその方が例えば亡くなった三十歳の年にどれだけ亡くなっているかというと一%も亡くなっていない。すなわち、九九・何%は生きているんですよ、本来。
 これを確率統計ではじき出すと、じゃ十三人中日本において八人死ぬ可能性、この年齢でですよ、年齢で比べると、何と一京分の一しかないんですよね。一京って分かりますか、一兆の一万倍ですよ。ということは、よく万が一あり得ないと言いますけれども、万が一の一兆倍あり得ないと言っているんですね。これはもう統計的といいますか、科学的にいいますとこれはないんです。
 すなわち、あの発表は確実に虚偽だという、私は、この点から今この拉致解明については議論したいと思っているんです。多くの国民、ましてや拉致の家族の皆さん、もうだれも信じていません、うそですと言う。だから、それを何とかして解きほぐしたい。ただ、それは六か国協議の問題であるとか核の問題であるとか、この一点だけでいかに難しいか私も分かっています。分かっていますが、ただ、今申し上げたように、昨日も家族会の方と細田副長官が昼食を取られた際に、やっぱり家族の皆さんも何としても早く、何とか真相を教えてくださいと言っていたと。もうそれが国民感情なんですよ。
 だから、私は今日、別に外務省とか福田長官を追及するというんではなくて、今日私たちここにいる委員も、そしてこの後ろにいらっしゃる国民の皆さんが、あっ、何か手だてがありそうだな、何かこう、少しは拉致解明って進みそうだなという、そういう前向きな御答弁をいただきたいと思っております。
 それでは、細かいところちょっと聞きます。実は、私の地元の新聞の一面、これ共同通信配信だったんですけれども、ある記事が載りまして実はびっくりしたんです。それは、一月中に北朝鮮側から、非公式だが要は拉致を解明する合同調査会を開こうじゃないかと持ち掛けたという、それを政府関係者が明らかにしたという記事がございました。
 この点について、阿部副大臣、その真偽についてもう簡潔にお答えください。
○委員長(簗瀬進君) 阿部政務官。
○副大臣(阿部正俊君) 副大臣でございます。
○委員長(簗瀬進君) 阿部副大臣。失礼いたしました。
○副大臣(阿部正俊君) 今御指摘にあったような北朝鮮側からの提案による調査委員会の設置というものの提案というのは、そのような事実は全くございません。
○黒岩宇洋君 そこで、その記事には、要はこの調査する費用を日本持ちでやりましょうという、私これ見たときに驚いたんですね。ずうずうしさも極まれりと思ったんですが、例えば今後この拉致解明をしていくとき、やっぱり押したり引いたり外務省もやると思うんですが、今申し上げたように、じゃ費用を日本で持ちますよという、こういうオプションは今現在で考え得るのかどうか、この点についてもお答えください。
○副大臣(阿部正俊君) お尋ねの点は、今後の日朝政府間協議の内容にかかわる過程でございますので、これで、今の段階でコメントするのは適当ではないと考えております。
 ただ、いずれにしましても、政府としては、これは、拉致問題に関する真相究明は、その進展に向けて、北朝鮮側が誠意ある行動を取るということが必要なんじゃないかということを引き続き強く求めていく考えでございます。
○黒岩宇洋君 確かにそうですね。これは一つのタクティクスにかかわりますから、それはそうかもしれません。ただ、私もくぎ刺しておきたいのは、やはり拉致という犯罪ないしはテロを起こした国はどちらなんだと。それは北朝鮮になるわけですから、何もこちらが費用負担などということは、これはもう私、国民が許さないと思うので、この点については副大臣、是非念頭に置いておいてください。お願いいたします。
 そうしましたら、ちょっと質問の趣旨変えまして、これも私、内閣委員会でもちょっと触れたことあるんですけれども、この拉致解明についていわゆる百五十項目の質問という、これいわゆるございますね。これは副大臣、一体どういうものなんでしょうか。そして、今現在これどうなっているのか、ちょっとお答えください。
○副大臣(阿部正俊君) お尋ねのことでございますが、若干経緯を申し上げますと、一昨年九月の日朝首脳会談が行われまして、拉致というのが表に出てまいったんでございますが、同年九月の二十八日からまず十月一日までの間に、我が方からピョンヤンに調査チームを派遣いたしまして、少し追加的な調査をいたしました。その結果を踏まえまして、さらに、同年十月から、二十九日から三十日にかけまして、クアラルンプールで開催されました第十二回の日朝国交正常化交渉、従来から何回か、言わば事務レベルでやってきたことでございますけれども、その席で、生存が確認されていない拉致被害者につきまして事実解明を引き続き強く求めるということとともに、その言わば一環といたしまして、拉致被害者の御家族から出されました様々なたくさんの疑問点がございましたので、それを踏まえた上で百五十項目に整理いたしまして、追加照会事項を北朝鮮側に手渡し、速やかにこれに対して誠意ある回答を求めるというふうなことを要求した次第でございます。
 現在のところ、それは向こうに伝わったままで、何のまだ、残念ながら返事といいましょうか、対応は特にございません。
○黒岩宇洋君 その質問状百五十項目、これについてはいまだ全く詳細は公表されていません。これ、未公表の理由を端的にお聞かせください。
○副大臣(阿部正俊君) 率直に言いまして、質問項目はすべてと言ってもいいくらい拉致問題に関する被害者本人のプライバシーに非常に強くかかわる問題でございますので、現時点でそれを性質上公開すべきものだというふうには考えておりません。
○黒岩宇洋君 ほとんどがプライバシーにかかわるんですか。私、ちょっと意外なのは、例えば市川修一さん、これ九月に海水浴場で亡くなったと。このとき、北朝鮮が九月に海水浴ができるだろうかとか、こういう様々な疑問というのはマスコミを通じて、いや、私なんかも自然に思いましたよ。これは決してプライバシーというわけでもないはずですし、そのほか、何か、カルテの死亡診断時の日時が違っているとか、様々なものというのが挙がってきていて、どう考えても私はプライバシーにかかわるものだけでない疑問点というのは多くあると思っているんです。
 何でこのことにこだわるかというと、やはり今回の百五十項目というのは、家族の方々や関係者、政府も含まれていると聞いています。それ以上に、多くの国民もこの疑問というものを共有したいんですよ。これおかしいなとずっと思って一年半ぐらいたっているわけですね。にもかかわらず、それはプライバシーだといって切られちゃう、だから、そこに何となく隔離された感覚があると。だから、最初に私申し上げました、外交上であるとか、プライバシーとかいうことでできないことはあれど、でもできるところについては何か出していただきたい、そしてお互いにこの拉致問題に対する意識を共有しましょうという、こういう意識なんですね。
 これはあえて福田官房長官に聞きます。
 これ政府関係者という点もありますので、政府として、本当に今言ったプライバシーにかかわらずに、やはり疑問と思われている点があると思うんですが、この点についてはいかがですか。
○副大臣(阿部正俊君) その前に。
 御質問の趣旨は理解できなくはございませんけれども、極めて個人個人の事実関係につきまして御家族から、詳細な項目でございますので、これにつきまして私どもはあくまでも向こうの方に調査を要求するという立場でございまして、何らかの反応があればその段階でまたいろんなことを考えるべきものと思いますけれども、現時点で何の返事もないままにこういうことをということを公開するようなことは、今の段階では適当ではないというふうに考えざるを得ないということを申し上げざるを得ません。
○委員長(簗瀬進君) 福田国務大臣、よろしいですか。──はい。黒岩君。
○黒岩宇洋君 これは福田長官にとくぎ刺しておいたんですけれども、阿部副大臣のおっしゃることももちろん理解できます。ただ、やっぱりちょっと何となくかたくななところに残念さを覚えないわけではございません。
 それで、ちょっと、私これ質問の順番少しだけ違うんですけれども、特定失踪者問題調査会という、これについてちょっとお伺いしたんですが、これ私が把握しているところですと、特定失踪者問題調査会というのは十五年の一月に立ち上がった、いわゆる救う会のメンバーの中から荒木さんという代表が独自にこの拉致等の真相を解明していくと、そのために今政府が認めている十件十五名以外の人々もこの会が調査してリストに載せているという、こういう会だと聞いておるんですが、この会と政府、この関係、そしてその連携というのは一体どうなっているか、それをお答えください。
○政府参考人(小熊博君) 特定失踪者問題調査会におきましては、北朝鮮による拉致の疑いを排除できない者、できない者ですが、いわゆる特定失踪者と言われている方々ですが、そういう方々のリストを累次作成しておりまして、内閣官房の拉致被害者・家族支援室が逐次政府の窓口として当該リストの提供を受けております。
 当支援室におきましては、調査会から受領いたしました当該リストにつきましてはその都度直ちに警察庁、海上保安庁等を始めとする捜査・調査機関に参考送付しているほか、調査会からのその他の各種要請につきましても政府の窓口となって関係省庁との連絡調整に当たっております。
 当室といたしましては、拉致容疑関連情報を受領した場合には捜査・調査機関において適切な対応が取られるよう引き続き政府部内の連絡の緊密化に努めてまいりたいと思っております。
○黒岩宇洋君 もう時間がなくなったのでちょっともう聞けないんですが、この調査会からは様々な実は苦言が政府に呈されていますね、様々な論文等も含めて。要は、なかなか政府が、四百人もリストに載っているんですけれども、認定したがらないのではないか、認定しても仕方なくやっているのではないかと、そういった非常に批判がある。これについての真偽は今日問いません。
 ただ、私は、こういった民間で立ち上がった人々と政府も、何度も言いますが、やっぱり一体化して取り組むんだという、そういう姿勢を政府の方でももっと私はアピールしていただきたいと、そう思っております。
 もう最後になったので、福田長官に、やはりもうこの拉致解明、やはりこれは外務省だけでもできません。警察だけでもできません。やはり内閣官房が総合調整し、もっと言えば福田長官が陣頭指揮に立って、リーダーシップを持ってやらなければいけないと、そういう問題だと思っております。
 ですから、我々は、とにかく何度も言います、この本当におかしい、絶対虚偽だと思われている北朝鮮の発表。確かにボールを投げたが返ってこないというのは分かりますけれども、でも、奪い取るぐらいのことをしなければいけないわけですから、その気概を福田長官に最後お聞きして、私の質問を終わらせていただきます。お願いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) この拉致の問題、この問題はなかなか解決しない、もう一年半近くたつというような状況でございまして、これはもうその前入れればもう本当に長期にわたるわけでありますけれども、平壌宣言以来からも一年半近くと、こういうふうなことでございまして、誠に我々もこういうような状況については満足しておりません。国民の間にも大変大きな不安もあり、また怒りもあるということもよく承知しておるわけでございます。特に被害者の家族の方々、この御家族の方々のことを考えますと本当にもう言葉もないと、こういうふうな気持ちでございます。
 北朝鮮側には前向きの対応をずっと求めてきているんですけれども、なかなかそうしないということでございます。今は正に、今委員くしくも言われたように、ボールは朝鮮側にあると思っております。北朝鮮というのはなかなか交渉するのが難しい国でございます。もちろん国交がないと、こういうこともございますけれども、それ以上に難しいいろいろな要素があるということでございますが、しかし、北朝鮮が一刻も早く誠実にこの問題に対応するよう、やはり粘り強く働き掛けを行っていく以外にないんだろうというふうに思います。
 政府のリーダーシップ、これは小泉総理がしっかりと取っておりますので、その小泉総理のリーダーシップの下に私ももちろん役割、私の役割は総理を補佐するという立場でございますので、十分な補佐をしてまいりたいと思います。
 交渉そのものは外務省が前面に立ってもう懸命に努力しておるということでございます。しかし、政府全体が一体となって取り組まなければいけないと、こういう性格のものではないかというふうに思っておりますので、そういう中で我々官邸サイドも必要な役割を十分に果たすべく努力をしておるところでございます。
 いずれにしましても、日朝国交の正常化交渉に向けてこの問題をまず解決しなければいけないというふうに考えているところでございます。
○黒岩宇洋君 終わります。
○委員長(簗瀬進君) 阿部副大臣には失礼をいたしました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五分散会