第159回国会 外交防衛委員会 第5号
平成十六年三月二十四日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     月原 茂皓君     尾辻 秀久君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 一太君
    理 事
                舛添 要一君
                齋藤  勁君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                阿部 正俊君
                荒井 正吾君
                尾辻 秀久君
                河本 英典君
                中島 啓雄君
                矢野 哲朗君
                岩本  司君
                佐藤 道夫君
                榛葉賀津也君
                若林 秀樹君
                荒木 清寛君
                吉岡 吉典君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   浜田 靖一君
       外務副大臣    阿部 正俊君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        中島 啓雄君
       外務大臣政務官  荒井 正吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛施設庁建設
       部長       河野 孝義君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務大臣官房文
       化交流部長    近藤 誠一君
       外務大臣官房領
       事移住部長    鹿取 克章君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省欧州局長  小松 一郎君
       外務省中東アフ
       リカ局長     堂道 秀明君
       外務省国際情報
       局長       小島 高明君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       畠中  篤君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十六年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十六年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(防衛本庁、防衛施設庁)及び外
 務省所管)
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○委員長(山本一太君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、月原茂皓君が委員を辞任され、その補欠として尾辻秀久君が選任されました。
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○委員長(山本一太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての審査のため、本日の委員会に防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛施設庁建設部長河野孝義君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房文化交流部長近藤誠一君、外務大臣官房領事移住部長鹿取克章君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省欧州局長小松一郎君、外務省中東アフリカ局長堂道秀明君及び外務省国際情報局長小島高明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本一太君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての審査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構副理事長畠中篤君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本一太君) 去る三月二十二日、予算委員会から、三月二十四日の一日間、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題とし、順次予算の説明を聴取いたします。
 まず、外務省所管予算について説明を聴取いたします。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) 平成十六年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。
 外務省予算の総額は七千二百十二億二千六百万円であり、これを平成十五年度予算と比較いたしますと百四十六億円の減額であり、二・〇%の減となっております。我が国外交の極めて重要な手段であるODA予算につきましては、政府全体でのODA予算が対前年度比四・八%減となる中で、外務省のODA予算は対前年度比三・二%減の五千億六千五百万円となっております。
 我が国は、グローバル化の進展する国際社会の中で、我が国の安全と繁栄を確保するためにも、世界の平和と発展に向け日本としての役割を果たすべく、引き続き積極的な外交を推進する必要があります。
 このような観点から、平成十六年度予算においては、重点外交施策を能動的かつ戦略的に実施するための措置、たゆまぬODA改革及び外交実施体制の強化の三点を重点事項として挙げております。
 まず、重点外交施策を能動的かつ戦略的に実施するための措置に関する予算について申し上げます。
 この重点事項は、国家・国民の安全の確保、国際の平和と安全のための日本発外交、豊かな世界と日本の繁栄のための外交、そして連帯と共感を目指した文化外交の四本の柱で構成されています。
 第一に、国家・国民の安全の確保につきましては、具体的には北朝鮮をめぐる問題への取組、海外邦人の安全確保、危機管理体制の強化等のための経費に、総額二百六十億円を計上しております。この中には、在外公館警備体制強化のための経費七十九億円が含まれております。
 第二に、国際の平和と安全のための日本発外交の推進につきましては、イラクやアフガニスタンを始めとする平和の構築・定着の推進、大量破壊兵器等の不拡散・脅威削減への取組等のための経費に、総額七百六十六億円を計上しております。なお、この項目に関連して、イラク復興支援経費として一千百八十八億円を平成十五年度補正予算に計上し、先般、国会にて御承認いただいたところです。
 第三に、豊かな世界と日本の繁栄のための外交の推進につきましては、WTOやFTAなど重層的な貿易・経済関係の構築や貧困削減への取組、人間の安全保障の推進等のための経費に、総額九百六十一億円を計上しております。
 第四に、連帯と共感を目指した文化外交の推進につきましては、特に韓国、中国、アラブ・イスラム世界との対話・交流を強化するための経費に、総額百八十八億円を計上しております。
 次に、たゆまぬODA改革に関する予算について申し上げます。
 政府としましては、昨年八月に改定されたODA大綱に盛り込まれたODA改革を着実に実施したいと考えております。このため、援助政策の立案及び実施体制の強化、国民参加の拡大、評価や監査の充実など、昨年度来強力に推進しているODA改革をたゆみなく実施するための経費として、総額五十五億円を計上しております。
 最後に、外交実施体制の強化に関する予算について申し上げます。
 この重点事項には、外務省改革のための行動計画を中心とする本省及び在外の組織・機構面での改革の実現、必要な人員の確保、在外公館の勤務環境の改善が含まれています。
 第一に、本省の機構につきましては、昨年三月に発表した外務省機構改革最終報告に基づき、能動的・戦略的な外交を展開する体制を構築するため、海外における日本人の安全確保強化のための領事移住部の領事局への格上げ、情報収集・分析能力の強化のための国際情報統括官の新設、危機管理体制の整備のための危機管理担当の参事官の新設等を予定しております。また、在外公館については、在アンゴラ大使館、在重慶総領事館、在カルガリー総領事館の新設等を予定しております。
 第二に、定員につきましては、警備対策官十九名及び領事・査証担当官二十一名を含む百名の増員を図り、平成十六年度末の外務省予算定員を合計五千四百十四名とすることを予定しております。
 第三に、在外職員が在外公館において勤務するのに必要な諸経費の充当と不健康地で勤務する在外職員の勤務環境改善のための諸施策の実施のための経費に、総額二百九十四億円を計上しております。
 以上が平成十六年度外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(山本一太君) 次に、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁の予算について説明を聴取いたします。石破防衛庁長官。
○国務大臣(石破茂君) 平成十六年度防衛庁予算について、その概要を御説明いたします。
 平成十六年度防衛関係費については、現下の厳しい財政事情の下、現在の組織や装備の見直し、効率化に努めつつ、昨年十二月十九日に安全保障会議及び閣議決定された「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」を踏まえて、将来にわたって必要な機能の充実と防衛力の質的向上を行い、防衛力整備の着実な進捗を図るとの考えの下、編成しているところであります。
 まず、防衛本庁について申し上げます。
 平成十六年度の防衛本庁の歳出予算額は四兆三千二百八十三億三千八百万円で、前年度の当初予算額に比べますと四百三十五億七千八百万円の減となっております。
 新たな継続費の総額は、平成十六年度甲V型警備艦建造費等で一千六百五十五億三千七百万円となっており、また、国庫債務負担行為の限度額は、武器購入、航空機購入、弾薬購入、装備品等整備等で一兆五千七百十億二千九百万円となっております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十六年度防衛本庁の予算において特に重点を置いた事項について申し上げると次のとおりであります。
 第一に、大量破壊兵器等の拡散状況を踏まえ、我が国国民の生命・財産を守るため、弾道ミサイル防衛に関する諸施策を推進することとしております。
 第二に、国内関係機関との連携を図りつつ、ゲリラ・特殊部隊への対応、不審船への対応、核・生物・化学兵器への対応、サイバー攻撃への対応など新たな脅威や多様な事態への対応に係る能力の充実・強化を図り、また、各種災害に適切に対処し得る態勢を保持することとしております。
 第三に、平成十四年十二月に取りまとめた統合運用に関する検討成果報告書を踏まえつつ、平成十七年度に新たな統合運用態勢に円滑に移行し得るよう、必要な諸施策を推進することとしております。
 第四に、より安定した安全保障環境の構築に我が国としてより一層積極的・能動的に取り組むため、イラク人道復興支援活動を始めとする各種の国際的な活動のほか、多国間共同訓練、安全保障対話・防衛交流を積極的に推進することといたしております。
 第五に、軍事科学技術の動向を踏まえ、重点化を図りつつ、先進的な技術研究開発を推進することとしております。
 第六に、情報機能の充実・強化を図るため、情報収集・分析・保全体制等の整備を推進するとともに、ITを活用した情報通信機能の強化や情報セキュリティーの確保等の各種施策を推進することといたしております。
 第七に、人事教育・訓練施策を推進し、高い規律と士気を保持した質の高い要員を確保・育成することとしております。
 次に、防衛施設庁について申し上げます。
 平成十六年度の防衛施設庁の歳出予算額は、後述のSACO関係経費を除き五千四百七十七億一千百万円で、前年度の当初予算額に比べますと六十五億四千六百万円の減となっております。
 また、国庫債務負担行為の限度額は、九百九十九億二千三百万円となっております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十六年度予算において、特に重点を置いた事項は次のとおりであります。
 第一に、基地周辺対策経費につきましては、基地の安定的使用を図るため、引き続き周辺環境整備事業の充実に努めることといたしております。
 第二に、在日米軍駐留経費負担につきましては、在日米軍の円滑かつ効果的な運用に資するため、提供施設の整備を行うとともに、労務費、光熱水料等及び訓練移転費を負担することといたしております。
 また、このほかにSACO関係経費として、SACO最終報告に盛り込まれた措置を着実に実施するため歳出予算に二百六十五億六千九百万円を、国庫債務負担行為の限度額に百四十六億九千二百万円をそれぞれ計上しております。
 以上申し述べました防衛本庁及び防衛施設庁予算に安全保障会議予算三億三千四百万円を加えました平成十六年度防衛関係費の総額は、四兆八千七百六十三億八千四百万円となり、前年度の当初予算額に比べ、五百億九千四百万円の減となっております。なお、これにSACO関連経費を加えますと四兆九千二十九億五千二百万円となり、前年度の当初予算額に比べ、五百億一千五百万円の減となっております。
 また、平成十六年度における自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数の変更については、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を提出し、別途、御審議をお願い申し上げております。
 以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 この際、お諮りいたします。
 外務省及び防衛庁関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○尾辻秀久君 まず、JICAの問題から片付けましょう。
 今日、理事長に出席をお願いしましたけれども、御出席でありません。理由を教えてください。
○参考人(畠中篤君) JICAの理事長の出席要求をいただきましたが、本日はどうしてもよんどころない事情で出席することができなくなりました。大変申し訳なく思っております。
○尾辻秀久君 お差し支えなかったら、よんどころない事情をお教えください。
 なぜ私がこだわるかというと、先日、予算委員会でも出席をお願いいたしました。海外にお出掛けだということでおいでになりませんでした。今日で二回目であります。したがって、こだわります。どうぞ。
○参考人(畠中篤君) 前回お呼びいただきましたときには、お話しのとおり、海外出張中でございました。今回は、出張から戻ってまいりました直後でございますけれども、ちょっと事情がございまして、ちょうど体調を崩しておりまして、ちょっと病院の方に行かざるを得ないということでございます。御了承いただきたいと思います。
○尾辻秀久君 今、理事長はどのぐらいの頻度で海外にお出掛けになりますか。
○参考人(畠中篤君) これまで、最近の例で申し上げますと、三月に一度出張をいたしました。それから、四月に今予定されておりますのは二回ほど出張する予定がございます。そのほかに、五月、六月に一回ないし二回出張することが今検討されております。
○尾辻秀久君 海外には月に二回お出掛けになるけれども、国会には出てこない、こういうことですね。
○参考人(畠中篤君) 大変申し訳ございません。そういう趣旨ではございませんで、先回御要求をいただきましたときに既に海外に出ておりましたので、そういうことで御了承をいただいた経緯がございます。
○尾辻秀久君 そのことを言っているんじゃないんです。今日おいでにならなかったことを聞いているんです。
 これ以上はもう言いませんが、皆さんもお聞きのとおりでありますから、国会をこういうふうに軽視されても困ります。
 改めて、委員長、参考人として呼んでいただきますようにお願いをいたします。
○委員長(山本一太君) ただいまの件につきましては、追って理事会においてその取り計らいを協議したいと存じます。
○尾辻秀久君 したがって、今日はJICAへの質問はいたしません。ただ、どうぞ、JICAへの質問につながる議論でありますから、議論だけは聞いて帰ってください。
 改めまして、予算委員会に引き続いてドミニカ移民問題について外務省の責任をただします。
 当委員会での質問は初めてでございますので、この問題での質問は初めてでございますので、ドミニカ移民といいましても御存じない先生方もおありかと思いまして、お手元に新聞のコピーをお配りしてございます。ごらんいただければ有り難いです。
 まず、移住部長に聞きます。
 先日の予算委員会での私への答弁をもう一度よくチェックしてください、こういうふうに言いました。大きな虚偽の答弁があったことにお気付きですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 先回、ドミニカ移住問題について予算委員会で御答弁いたしました。そのときには、まず当時の移住政策の位置付け、例えばこれが国策であったか否か、こういうような議論から始まったと存じております。
○尾辻秀久君 時間がないんで、余計なことは答えないで結構です。
 虚偽答弁があったことに気付きましたか、気付きませんでしたかと聞いたんです。答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 虚偽答弁というもの、申し訳ございません、今どの点についてお尋ねなのか……。
○尾辻秀久君 それでは、私から指摘をいたしましょう。
 最終案文までありながら移住協定をなぜ結ばなかったんですかと聞きました。あなたは何と答えたかというと、当初のドミニカの事情。それは何だと聞いたら、当時、移住を非常に積極的に推進したトルヒーリョ大統領も暗殺された、そういう事情でございますと、こう答えました。
 じゃ、移住協定を結ばずに移住を始めたのは何年ですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 一九五六年でございます。
○尾辻秀久君 昭和三十一年ですね。
 トルヒーリョ大統領の暗殺、何年ですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 一九六一年、昭和三十六年でございます。
○尾辻秀久君 あなたは五年後のことを理由にしたんですよ。こんなのふざけた答弁と言わずに何と言うんですか。まさしく虚偽ですよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 先生よく御承知のとおり、ドミニカについては移住協定についての交渉が行われまして、また移住協定の案というものもできました。しかし、最終的に移住協定が結ばれなかった背景には、その後ドミニカのいろいろな状況があって、結局、移住協定の締結には至りませんでした。
 また、当時いろいろな国、例えばブラジルであるとかボリビアであるとか移民が行われておりましたけれども、そういうような国、ボリビア、失礼いたします、ブラジル等移民が行われておりましたけれども、そういう国々との間におきましてもまず移住は行われました。
○尾辻秀久君 さっきから言っているように、余計なことを答えなくて結構です。
 あなたは、この前の私の答弁で、なぜ移住協定を結ばなかったのと聞いたら、トルヒーリョ大統領が暗殺されたからですとちゃんと答えているじゃない。議事録にありますよ。それ認めますか、認めませんか。それから答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) そういう御答弁をしたことはそのとおりでございます。
○尾辻秀久君 五年の差があるんですよ。ここでなぜそうなったと言ったら五年後の話をして、これが理由ですと。世の中そんなことが通りますか。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、ドミニカにつきましては、今先生御指摘のとおり、移住協定についても交渉が行われ、話合いが行われ、案文もできたことは事実でございます。
○尾辻秀久君 だから、案文ができたことなんか知っているから、こっちから言っているから、そんなこと繰り返さなくていいですよ。
 五年後のことを何で理由にしたのと聞いているんだから、それ答えてくださいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、ドミニカとのその交渉に当たるに当たってドミニカ政府と話合いを進めたわけでございますけれども、ドミニカ側におけるいろいろな状況が変わったということで結局協定は結ばれませんでした。その変わった背景の一つとして大統領の暗殺をも述べた次第でございます。
○尾辻秀久君 だから、その大統領の暗殺は五年後だって言っているじゃない。五年前のことと何の五年後のことが関係があるの。あなたはそれを絡めて答えたんだよ。そんないい加減なこと言わぬでくださいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時の日本政府の考え方と申しますのは、ドミニカ移住については、先生御指摘のとおり昭和三十一年に開始いたしました。その時点ではまだドミニカとの移住協定はございませんでした。しかし、日本政府としては、一定の実績を積み上げつつドミニカ政府と交渉して移住協定を結ぶと、こういう方針でございました。そして、先ほど先生が御指摘のとおり、案文も作ったわけでございます。
○尾辻秀久君 もうここで引っ掛かり出したら、これで全部時間使いますよ、もう。本当にそんなばかばかしい話はない。皆さんも聞いてくださいよ。五年後に起こったことを理由にして、ここで駄目でしたって、そんなのは通る説明じゃないということをもう自ら悟ってくださいよ。そして、あなた方はもういつもこの繰り返しなんだ。何を聞いてもこれ言うんですよ。
 じゃ、次の質問に行きますよ。いいですよ、もう、今も一つうそ言ったというのがばれたんだから。次またどうせうそ言うんですから、聞いておいてください、皆さん。
 長い間逃げ回ってきたけれども、先日、ついに国策移民であったことは認めましたよね。これは認めた。認めましたね。
○政府参考人(鹿取克章君) 当時、戦後の移住政策が外交政策の重要な柱であるという意味において、それが国策であったと表現されたことを御説明申し上げました。
○尾辻秀久君 国策だと言った途端に都合が悪くなるものだから、今まで国策だとは死んでも言わぬぐらいで言ってこなかった。しかし、どんどんばれてきた。
 もう一杯あり過ぎるから、今日も一つだけ御紹介しておきますよ。
 昭和三十年三月二十一日、外務省移住参事官、移民を国策として確立しなければならない、高らかにうたい上げていますよ。言っておるんですね。だから、これはもうあなた方も逃げようがないから認めた。ところが、今度は何と言い訳するか、重要な外交政策という意味で。
 じゃ、改めて聞きますよ。外務省にとって重要な外交政策というのはどんな位置付けになりますか。外務省にとって一番大事な仕事じゃありませんか、外交政策というのは。違いますか。それを答えてくださいよ。
○委員長(山本一太君) どなたに御答弁。
○政府参考人(鹿取克章君) 重要な外交政策と申し上げましたけれども、例えば、昭和三十六年、あるいはその当時の外交青書を例えば見ましても、当時、戦後、海外移住ということで非常に大きな比重が置かれておりました。それを踏まえて、私、先般の委員会で重要な外交政策と申し上げた次第でございます。
○尾辻秀久君 またここで止まっていてもしようがないから行きますけれども、重要な外交政策と外務省が言ったんでしょう。それは一番大事な仕事としてやりましたということを取りも直さず言ったんですよ。それで、変なもう言い訳しないでくださいよ。
 関連してもう一つ聞いておきますよ。
 昭和三十七年三月、決算委員会であなた方は何と答えているか。「これからの移住の推進の仕事は、役所の行政よりも、むしろ行政はできるだけ簡素にして、海外移住の実務機関である海外協会連合会に仕事の重点を置いていくということが、一番実際的ではないかと思います。」、こう答えていますね、昭和三十七年に。
 ということは、昭和三十七年以前は行政が主体的に実務をやってきたということをここで言っているわけですよ、裏返せば。そうですよね。違いますか。
○政府参考人(鹿取克章君) 戦後の移住政策につきましては、外務省が主務官庁としていろいろ携わってきたということは御指摘のとおりでございます。
○副大臣(阿部正俊君) 委員長。
○尾辻秀久君 いや、あの、副大臣答えないでください。いいですから。仲間内が出てこられると矛先鈍るので、申し訳ないけれども最後にお願いしますから、よろしくお願いします。
 まあここでも止まらないけれどもね。あなたが言っていることは、もう何聞いてもめちゃくちゃなんですよ。実務としてやっているということはここでちゃんと認めているじゃないですか。それで、その実務をできるだけ海外協会連合会に移そうと、こう言っているんだから。実務やってきたということで、実務までやっているということをあなた方は認めておるんです。そこも言っておきます。
 それから、もうあなた方が言うことで私にさっぱり分からぬことが一つある。それは何か。あっせんしただけだから国に責任がないと、こう、もう繰り返し繰り返し言う。あっせんというのはそんな責任のないことなんですか。私は、国があっせんしたから責任があると思うんですよ。移住部長、どう思います。
○政府参考人(鹿取克章君) 今先生御指摘のとおり、海外移住については外務省があっせんを行ってきました。そういう意味で、政府として移住政策にかかわっていたことは事実でございます。また、移住者の方々が志を遂げることができず帰国に至ったこと等については、従来から外務省としても責任を感じているということを申し上げております。
 なお、先生よく御承知のとおり、法的な問題については今裁判で議論されておりますので、その問題については裁判で引き続き議論されることと思いますけれども、従来から外務省としても責任を認めているということは申し上げております。
○尾辻秀久君 責任は認めたんですね。認めていますね。これ確認しますよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 移住者の方々が所期の目的を達成しなかった、そういうことについて責任を認めたということは申し上げております。
○尾辻秀久君 責任を認めるときにごちょごちょ言っちゃいけないんですよ。本当にごめんなさいと言った方が分かりがいい。余計なこと言う必要ないと私は思います。しかし、これがまた外務省のやり口なんです。
 次に、また聞いておきましょう。
 この前の質問で、あなた方は、募集要領は国が作りました、で、募集要項は海協連が作ったんですと、こう言いましたね。要領は国が作った、要項は海協連。そして、要項を作ったのが、この要項で募集をしたから、あなた方の逃げ口上で、海協連が作った要項なんであって我々には責任がありませんと、こう言ってきましたよね。
 そこで、この前、私は質問をした。要領と要項、どこが違いがあるかといったら、全く同じですと答えましたよね。要領と要項、この前、川内先生が衆議院で一字一句違わないかって聞いたら、まあ、あなたなんかも答えるもので、写し間違いがありますから字がちょっと違っていますなんてばかな答弁していたけれども。そんなのはどうでもいい話で、要するに、ああいうのは日本語では普通一字一句同じという話なんですよ。写し間違いがありますなんというのは、そんなのはもうどうでもいいことなんだ。要するに同じものなんですよ。
 それじゃ、要項が要領と同じものだったら、要領を作ったあなた方に責任があるわけじゃないですか。もうここのところもあなた方の言うことは分からぬ。答えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 今先生が御指摘のとおり、政府の作った要領と海協連が作った要項は、内容は同じものでございます。また、その要項に含まれている、あるいは要領に含まれている情報というのは、政府が地元で収集したり、あるいはドミニカ政府に聞いたり、調査したり、そういう情報も含まれておりますし、もしもその情報についての責任ということであれば、その情報を収集したそれぞれ、例えば外務省が収集した情報であれば、それはその情報については外務省が責任を持つべきだと考えております。
○尾辻秀久君 違うんですよ。あなた方はそうは言っていないんだよ。これまた、平成十年十月、外務委員会、衆議院ですけれども、何と答えているか。「募集要項、その表現につきましては、日本政府が直接書いたものではないという意味においては、仮に誤解が生じたとすれば、その日本政府の伝達した情報が募集要項に書かれた際に不十分な解釈が行われたと考えます。」なんて、こんなことをしゃあしゃあと言っているんですよ。
 じゃ、同じものなのにどうやって不十分な解釈が起こり得るんですか。説明してくださいよ。
○政府参考人(鹿取克章君) 先般、尾辻先生からその答弁について御指摘があって、私もその表現について、もしも誤解を招く点があったらそれは申し訳ないと申し上げた次第でございますが、当時の答弁を考えますに、制度としては、政府が作る募集要領というものがありまして、また海協連が作る募集要項というものがございます。海協連は、その政府の募集要領に基づいて募集要項を作ります。そういう仕組みを念頭に発言したのではないかと私は思っておりますけれども、先生御指摘のとおり、募集要領と募集要項は内容は同じものでございます。
○尾辻秀久君 だから、この答弁は明らかにごまかした答弁じゃないですか。うそ言っていますよ、ここでも。
 しかも、今のあなたのその言い方なら、これは募集要項を外務省が指示して作らせたという資料は一杯ありますよ。今日はそこまであなたが言うとは思わないから持ってこなかったけれども。皆さんにしつこいと言われるだろうけれども、また出てきて私やりますよ、今のあなたのその答弁じゃ納得できないから。募集要項そのものも外務省が作らしていますよ。作らしたという証拠は幾らでも出せる。
 それじゃ、次に行きますよ。この前、あなたは答弁で、あなた方の事情で三月二十七日にどうしても交換公文が固まっていなきゃいけないんですよね。なぜかというと、三月二十九日に募集を始めちゃったから。三月二十九日に募集を始めたから、その二日前の三月二十七日にどうしても交換公文が固まっていなきゃ都合が悪い。だから、固まった、固まったと言うんだけれども、これはこの前の質問で確認しましたよね。「本書簡に対する返簡との交換によって確定される」と書いてある。だから、確定されるとは書いていない。その「書簡に対する返簡との交換によって確定される」と書いてあって、その返簡を出したのが四月二十四日であるということもあなたは認めた、この前。これでもまだ三月二十七日に確定されたと言いますか。
○政府参考人(鹿取克章君) 先生御指摘のとおり、日本政府が返簡を出したのは四月二十四日でございます。ただ、当時その段階で私が御説明したのは、三月二十七日の書簡で、日本側として日本側の関心事項については固まっていましたと。それに基づいて日本側は募集を、募集要項を作り募集を開始いたしました。それはなぜかといえば、その三月二十七日の書簡に至るまでにドミニカ政府と様々な協議があって、三月二十七日にドミニカ政府から書簡を入手したときにはおおむね日本政府として考慮していた点が合意されていて、固まっていたからでございます。
○尾辻秀久君 あなた方はそういういい加減な外交をいつもしているんですか。交換公文でこれ、こっちから返簡して確定しますよって向こうが言ってきているのを、そしてその手紙出したのが四月二十四日だって認めていて、その前に確定されましたなんて、そんな外交をしているから北朝鮮になめられるんですよ。
 もうだんだん頭にきたから、もう言わずに済まそうと思ったことまで言いますよ。この前も言った、アルベルト・E・デスベラデルという人、ドミニカのキャリア外交官ですよ。日本の駐日大使を五年もした人。この人が何と言っているか、この辺のいきさつを。日本国側が急速に事を、事を進める、進める余り、移民の送り出しと入植のペースがうまく合っていなかったのは明らかであった。日本政府官僚はその場限りの対応で過失を犯してしまった。日本外交政策の悔やまれる過ちであり、国家主権間外交術を知る者にとっては理解、理解し難いことである。ここまで言われているんですよ。この前も言いましたけれども、もう日本外務省、本当に恥知ってください。
 それから、これは私への質問の答弁じゃないんだけれども、今日も来ていただいている衆議院の川内先生への答弁で何とあなたは答えているか。政府の調査がずさんだとは考えておりません、政府の調査がずさんだったとは考えておりませんと答えていますよ。あなたは本当にそう思っていますか、もう一回聞く。
○政府参考人(鹿取克章君) この点については、訴訟においてもいろいろ問題が提起されたところでございますが、我々、準備書面においても、政府の調査がずさんであったとは考えていないと、こういう趣旨で議論しております。
○尾辻秀久君 それでそのとき、中田技官の調査もありますと言っていますよ。もうこの辺から私も座っておるわけいかぬから、立ちます。
 このあなたがこの調査もありますと言った中田さんが何と書いているか。この本物はこんなぼろぼろのがあるんですけれどもね。コピーした方で読みますよ、この中田さんが何と言っているか。当時私が政府の役人という立場でネイバを調査に行きましたが、本当を申しますと、私が調査に出る二か月前に既に貴殿方の入植が決まっておりましたので、こんなのをずさんと言わずに何と言うんですか。そんな先入観、つまり、そんな気持ちで調査をいたしましたので、その当時のことを聞かれましても調査を十分にやったと私も言えません。大変気の毒なことであって、謝っても申し訳ありませんと、ここまで言っているんですよ。私も大それたことをやったものですと本人が言っているんだ。あなたはこれで十分な調査をしたという根拠にしているんですよ。
 移住部長、もう一回聞く。あなたの良心で答えてほしい。本当に十分な調査が行われていたか。
○政府参考人(鹿取克章君) この調査の問題については、今先生が御指摘のとおり、大きな議論の対象にこれまでもなっておりまして、昭和三十七年、例えば国会では中田技官も自ら答弁に立っております。そのときにもいろいろ経緯がございました。
 私どもとしては、裁判所の準備書面に書いてあります、裁判所の準備書面においても主張しておりますとおり、この調査がずさんであったとは考えておりません。
○委員長(山本一太君) 尾辻委員に申し上げます。外交防衛委員会は着席のまま質問することがルールになっておりますので、そのまま御質問をお願いしたいと思います。
○尾辻秀久君 分かりました。
 立ち上がらずにおれないような答弁しないでください。
 更に聞きます。それじゃ聞きますよ。この前あなたに読んでもらったくだりがある。これは池田支部長の報告。当時のドミニカの池田支部長の報告。何と報告しているか。小職、先年視察したブラジル、パラグアイ、ボリビア、アルゼンチンなどの日本人移住地や青森、岩手、山梨、宮崎各県下の戦後の開拓地などと比較して、諸種の悪条件がこれほど重なっている移住地はほかにちょっと思い当たらぬぐらいであって、同行の飯島事務官も同様の所感を述べられていた。もちろん、同行の移住者たちに対してはかかる所感は述べなかったが、内心彼らもよく今日まで頑張ったものであると感じざるを得なかった。ネイバのあるバルコ県はドミニカの小学校用地図にも明記されているごとく、年間雨量五百ミリ以下でドミニカにおける最高の乾燥地帯である。
 こんなところに、あなたではないけれども、あなたの先輩たちは同胞を送ったんですよ。そして、はっきり言わせてもらうけれども、見殺しにしたんですよ。
 もう一回、移住部長としてのあなたには聞かない。鹿取さん、あなたに聞く。あなたの良心で、の呵責はありませんか。
○政府参考人(鹿取克章君) 私もこのときの状況を、今先生がお読みになりましたものを読みまして、また昭和三十七年当時の国会の記録なども振り返ってみました。
 私としては、準備書面で述べておりますとおり、政府の調査についてはずさんではなかったと考えております。
○尾辻秀久君 つくづく宮仕えは悲しいものだと思います。
 宮仕えでない方の方に聞きます。大臣に聞きます。この前いろいろ御答弁いただいた。気になるところを二点だけ聞きます。
 大臣、何と言ったか。非常に現地に行かれて成功していらっしゃる方もいらっしゃいますと、こう言っておられます。例を挙げてください。
○国務大臣(川口順子君) その発言を私がいたしましたときに幾つかのことが頭にありました。阿部副大臣に御出張に行っていただいてその御報告を私が聞きましたときに、阿部副大臣がメヒーア大統領に表敬をなさった。そのときに先方からお話があった中で、在ドミニカの日系人社会、これが非常に活躍をしているということについての評価があったという御報告をいただいています。
 それから、同じようなことを私は今から一年半ぐらい前に、ドミニカの外務大臣が日本にお見えになられたときにお目に掛からせていただいて、そのときも幾つかの土地の問題等についてお話をさせていただきましたが、そのときにもそのドミニカの外務大臣から、日本の移住者はドミニカ共和国社会を尊重して、またドミニカの社会から尊敬をされる存在である、そして有益な貢献をしていると、そういう評価をしていただいたわけです。
 移住先の国の大統領、そして移住先の国の外務大臣からそういう高い評価をしていただける日系人社会というのは私はすばらしいと思いました。それで、そういう評価をしていただけること自体成功をしているということであると私は評価をいたしております。もちろん、あのときに申し上げましたように、その中には全員がそういうことではないであろうということも、これも副大臣から御報告をいただいているわけです。
 それから、あの答弁のときにも私申し上げたと思いますけれども、そういう成功をなさった方もそうでない方も、それは大変な苦労をなさった。それから、志を抱いて行かれてそういうことにならなかった方もいらっしゃるわけで、それはお気の毒であるとあのときも申しましたけれども、お気の毒であるとしか申し上げようがないということであるわけです。それから、その方々がドミニカの異国において厳しい環境の中で正に御自分の努力を積み重ねられてそういう社会の中で地位に立たれた、そういうことも私は十分に認識をしているつもりです。
 そういったことが頭にあって、成功なさった方もいらっしゃった、また不幸にしてそうでない方もいらっしゃった、そしてそれらについて、後は繰り返しませんけれども、そういうことを申し上げたということでございます。
○尾辻秀久君 外務省の答弁というのは、ずっと聞いていて、非常にずるいんです。
 いろんなずるさがあるんだけれども、今の答弁もそのずるさの一つなんです。なぜかというと、都合が悪くなると裁判の争点だからといって裁判のせいにして逃げる。私が、そうじゃない、裁判の話じゃないといって質問しても、いや、裁判ですからと逃げる。
 今の話も正にそうで、もしあなた方が言うように裁判の争点にするのであれば、その成功したという人たちが入植した地で頑張られて、そこで成功したというんならそれはいいんです。今の裁判の争点、そうじゃないでしょう。あなた方が何の責任も果たさずに流浪の民になったということで争われている。その流浪の民が必死になって、正にあなた方にどん底に突き落とされて、そのどん底からはい上がってきて、頑張って、やっと成功した人たちのそれをとらえて結果としていいだろうと言ったら、それは裁判の話とは別じゃないですか。
 ですから、改めて聞きますよ、あなた方が裁判裁判と言うから。本当に入植地に残って成功した人が一人でもいるんなら教えてくださいと聞いているんです。大臣、答えてください。
○国務大臣(川口順子君) 私の申し上げようであるいは誤解をいただいているようなことになっているのかもしれないと今思いながら伺っておりましたけれども、私が申し上げたのは、成功している人がいらっしゃる、すばらしいことだと思いますが、あるいはそうならなかった方もいらっしゃる、それが裁判の争点であるということを申し上げたわけでは全くないわけです。
○尾辻秀久君 ですから、いいですよ、ごしゃごしゃ言わなくても。入植した土地で最後まで頑張られて成功した人の例を言ってくださいと聞いているんです。一人でもありますか。言ってください。
○副大臣(阿部正俊君) 私が大臣に御報告申し上げたのは、率直に申し上げまして、農業といいましょうか、入植の当初の目的に沿って大成功と、大きな成功を収められた方というのはまあ非常に、まあまずないだろうなという感じはいたしました。むしろ、これは国内でもどこでも同じようなところはありますけれども、開拓地ということになりますと、ということですけれども、それはやっぱり相当違った形でのその後の、数年、数十年たっていますし、いろんなほかの分野に進まれたりして大活躍されている方々もおられるなという、そんな印象を大臣に率直に申し上げたところでございます。
○尾辻秀久君 そう答えてもらえばみんな納得しますよ。
 そのとおりなんですよ。あなた方が送り込んだ入植地じゃだれも食えなかったんですよ。みんな流浪の民になったんです。それで、町の中に、言葉は悪いかもしれぬけれども、浮浪者みたいにして行っちゃったんですよ。それで、一浮浪者から頑張ってたたき上げてきたんです。それは、あなた方がカリブの楽園といううたい文句で募集したから、本当に今行って話をすると優秀な皆さんだったというのが分かりますよ、すさまじい競争率の中から送られた人だから。あのころ、カリブの楽園といううたい文句で募集すりゃ、それは殺到したんですよ。
 そういう優秀な人たちが送り込まれたから流浪の民になったけれどもはい上がったんですよ。それを、成功した人もいるからいいでしょうと言われたら、それはたまらぬ。そのセリフだけはやめてほしい。それは、ここにも関係の皆さんおられるけれども、怒り心頭に発しられるから、もういい。──大臣、黙ってください。もういい。聞いたら、なお腹立つ。
 それで、もう一つ大臣の発言で気になるところを言っておきますよ。何と言っているか。同じ移住者同士がけんかになって、表現はちょっと違うけれども、悲しいことですと。仲良くやっていけるように現地の大使も今一生懸命にやっておりますと答えていますよね。
 何やってんのか答えてください。
○国務大臣(川口順子君) 私が理解をいたしておりますのは、これは大使としてその日系人社会の融合が大事であるという観点で、例えばその日系人社会を対象にしたいろいろな催し事、新年会ですとか、新年会兼成人式ですね、あとは敬老会、そういったものを主催をするというふうにしているということと、日系団体が主催をしている、盆踊りですとかスポーツの会合があるということのようですけれども、そういった行事に積極的に参加をするというふうに心掛けているということを聞いておりまして、私はこの大使の日系人社会とのかかわり合いというのは、これはほかのどこの国でもそうですが、非常に重要であると思っていまして、引き続き、特に先ほど、この前の予算委員会で私が申し上げたという問題意識をずっと阿部副大臣から報告も聞いて持っております。
 したがいまして、それについて、大使としてもっとやるべきことを引き続きやっていくようにと、まだ私はそれが十分になされているというふうには思っておりませんけれども、それを引き続きやるようにという指示も出しております。この間、予算委員会で申し上げた幾つかのことというのは、そういう問題意識を申し上げたわけです。
○尾辻秀久君 私も大臣にある面は同情するんです。ただ、現地に行っておられないことは残念だと思います。是非行ってくださいよとお勧めしたけれども、行っておられない。だからそんな答弁になるんです。どうせ十分聞いておられない。事務方が上げるものだけでお読みになるからそうなるんだろうなと。そこの部分には同情します。
 しかし、今の大臣の御答弁というのは、これはもう事実と全く実は違うんです。これは、更にまたしつこいと言われるだろうけれども、それが事実とどう違うかというのは今後やっていきます。これがJICAにもかかわり合うし、草の根無償援助にもかかわり合うんです。大使館が意図的に二つに分けたんです。全く事実が違う。
 まあ今日はそこまでに止めておきます。ここまで言い切ったんですから、ちゃんとどこかの委員会でそのことを私はきっちり証明をいたします。
 それでは、余り時間がなくなったんで、前に国会決議がありました。私が国会決議と言えばお分かりでしょう。どういう決議かというと、これ、国会決議ですよ。ちゃんと改めて自分たちも聞いてください。
 事前調査が不十分であった等のため、引き揚げ等のやむなきに至ったものと考えられるので、これら帰国者に対する援護、更生等に十分の措置を講じて、早急に再起をはかるようするとともに、今後、このような事態が再び繰り返されないよう、その防止に努力すべきである。
 衆議院の決算委員会の決議です。どういう対応をされたか教えてください。
○政府参考人(鹿取克章君) 今御指摘の決議は昭和三十七年三月三日の決議であると承知しておりますが、その点に、その四点目につきましては、政府は集団帰国者に対する一連の支援を実施いたしました。まず、これはその段階でも既に実施しておりましたし、更に継続いたしました。それは、例えば帰国される方については帰国旅費の支給、あるいは帰国された方については関係省庁、農林省、建設省、労働省、厚生省、大蔵省等において支援を実施いたしました。その支援の中には、住宅の優先的あっせんであるとか、生活補助金の支給であるとか、また雇用のあっせん、そういう支援を実施いたしました。
○尾辻秀久君 もう具体的に聞くと腹立つから今日はここでやめておきますけれども、あなた方が本当に何かをしましたか。よく恥ずかしくもなく言えるよという答弁を今あなたはしたんです。
 最後に聞きます。阿部副大臣、現地にお行きになりました。そして、自分も農家の息子に生まれたから、随分言葉を選ばれたんだろうと思います、お立場上。しかし、はっきりと、とても実がたわわになるような土地ではなかったというふうに言っていただきました。その辺の率直な御感想を最後にお述べをいただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) 御指摘いただきましてありがとうございます。
 私自身、大臣ともお話をした上で、昨年十二月にドミニカにお邪魔をいたしました。私の気持ちとしては、訴訟にもなっておるということではございますけれども、あらかじめ予断を持たずに、言わば白紙の状態で皆さん方にお目に掛かりたいというふうなことで、土地を見て、そんな思いでお邪魔いたしました。
 そのときに、七か所の移住地があるわけでございますけれども、原則、七か所全部回らせていただきました。ただ、残念ながら最後の土地だけちょっと気候条件が悪くて、空港までおいでいただいてお話を伺ったという形でございますが、全部回らせていただきました。
 それで、移住者の方とできるだけの時間、わずかでございますけれども、懇談をさせていただきました。そんな中で、率直な、これは印象というふうに言った方がいいかもしれませんけれども、やはり大変御苦労されたなというふうなことを率直に感じました。と同時に、あと、土地の問題等につきましても、ダハボンであり、ほかの土地にも、何というんでしょうか、相当やはり、黙っていてもたくさん実がなる土地ではないなという感じは、率直に申し上げまして、言わばある種の開拓地でございますので、他のところにも似たようなところがあるのかもしれませんけれども、相当しんどい土地だなと、相当やっぱり開拓という困難な行為を続けないといい土地にはならぬという土地ではないのかなと、そんなイメージを持ったのも事実でございます。
 したがって、現に、先ほど言いましたように、七か所のうちでもうだれも残っていない開拓予定地が数か所あるわけでございまして、大半の方々が首都に今移住されて、そこで他の仕事になったりしている方もおられるわけでございますので、当初の予定した、あるいは一部マスコミ等で出ていました、先生のお配りの中にもありましょうか、カリブの楽園というふうな意味での表現から想定されたような状況からすると、相当やはり皆さん方は違ったイメージを持たれたんじゃないのかなと、こういうふうに思いました。
 そのことで、せんだっては官房長官と総理大臣にもお目に掛かりまして、それは、法的な問題については裁判所に判断をゆだねざるを得ないと思うけれども、それとは別途といいましょうか、それはそれとしてといいましょうかね、何か友好に、日ドの関係の友好といいましょうか、と同時に、日系人社会のより一層の、何というんでしょうか、発展といいましょうか、みんなの結束と、あれのためにやれること何かないだろうかということを別途考えてみたらどうかというふうな話を、総理並びに官房長官の御示唆もいただいたところでございます。
 以上でございます。
○尾辻秀久君 終わります。
○齋藤勁君 イスラエル軍が二十二日、ガザ地区でハマス指導者アハメド・ヤシン師を殺害をいたしました。大変中東情勢が緊迫をしているというふうに認識をしております。外務省を中心に幾つかお尋ねさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、このいわゆるヤシン師殺害に関連をしまして、なぜこういった殺害行為に至ったのか。幾つかいろいろもう明らかになっている部分もありますが、政府としてどう分析をされているのか。そして、今後の中東情勢についてどのような認識を持たれて、どのような対応策を取られているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今回、イスラエルがヤシン師を殺害をしたということについては、これはその影響等、非常に大きなものが今起こっているわけでございまして、全く無謀な行為、正当化できない行為であって、非常に遺憾であるというふうに思っております。
 私は、それを直接に今申し入れようと思っておりまして、イスラエルの外務大臣と、それからパレスチナの外務大臣と電話で会談をするということの時間の調整を今させているところでございます。
 それで、我が国としてこれをどう、なぜイスラエルがこの行動を取ったかというふうに考えるかということですけれども、これについて事実関係でまだまだ、ちょっと直接話をしてみないと明確でない部分というのもあると思います。
 イスラエル側の主張によれば、これはヤシン師が様々なテロ行為の実際の発信地であるというようなことを言っているわけでございまして、したがってイスラエルの行為は正当化されるということを言っているわけですけれども、実際にそのような証拠をイスラエルがどれぐらい持っているのか、そういったことについても聞いてみないと分からない部分というのがございますけれども、イスラエルはそのように思ってそういう行動を取ったということでありましょうし、中期的にはイスラエルがガザの撤退等のことを考えている中で、暴力行為について、今後その根幹の部分、イスラエルがそう思ったとしたらば、にきちんと対応しておくということが必要であるというふうに考えた可能性もあるということでございますけれども、その辺の事実関係は聞いてみないと分かりませんが、いずれにしてもこれは許せない行為であるというふうに思っています。
○齋藤勁君 今後の中東情勢について、今、大臣の答弁では、これから大使を呼んで話をすると。政府としての見解を述べるということですが、全般的な、まず一つ、私は、事実上もうこれでいわゆる新中東和平案、ロードマップというのがもう破綻をしたと、破綻をしたという認識にまず立つ、立たざるを得ない、こういうふうに私は思わざるを得ないんですけれども、そのことについていかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 私が先ほど申し上げましたのは、私が直接に両国の外務大臣と電話で話をするということの調整をしているということを申し上げたわけです。昨日の段階で堂道局長がイスラエル大使を呼んで遺憾の意を表明し、強く自制を促しているわけです。そのことは、大使との関係では昨日もう既にやっております。
 それで、ロードマップが破綻をしているかどうか。非常に危機的な状況にあると私は思っております。
 ただ、ロードマップというのはそこに戻っていくということが大事で、そのための努力をしていくことが大事である、このロードマップを更に、これが今和平に至る唯一の道であるということでありまして、アメリカ等に対しても、私は中東に対してもっと関与をするということが必要であるというふうに考えていまして、そのことも今までアメリカに対して申入れをしていますけれども、そういう意味で、実質的に非常にそれが、だれが見ても時間どおりに今動いていないということは明らかであるわけですが、それが唯一の道であるからそこに戻っていくための努力をしていくということが重要であると私は思っております。
 それで、それをやるためには、まず事態の鎮静化が重要であるということだと思います。したがって、双方が暴力を停止をする、そして最大限の自制をするということが大事であって、憎悪と暴力の悪循環になってしまうことを是非避けなければいけないというふうに思っております。
 特に、そして、そのためにはイスラエル側は最大限の自制をする。それから、パレスチナ側は治安機構、これについては日本も支援をいたしておりますけれども、治安機構をできるだけ早く整備をしていくということが重要である、このことについては前から私どもも言っていますけれども、更にアメリカもより関与をしていってくれるということが重要であるというふうに思っています。
○齋藤勁君 堂道局長、今、大臣の答弁もございましたし、今報道も出ていますが、昨日、大使と会って要請していますね、日本政府の考え方について。大使はどういう考え方を局長に示されたんですか。
○政府参考人(堂道秀明君) お答え申し上げます。
 私より、昨日、コーエン在京イスラエル大使を招致いたしまして、我が国の深い懸念と、この行為については非難するということ、正当化できないということ、さらにイスラエルの政府の強い自制を求めるということを申しました。これに対しましてコーエン大使は、この我が国のメッセージを本国に伝えるということを約束するとともに、このハマスについてはテロ組織の団体であるということ、イスラエルについては自衛権を有するということ、このハマスの指導者でありますヤシン師は、例えばイスラエルにとってはオサマ・ビンラーデンと同じ存在であるということ、イスラエルとしては、引き続きその和平の達成のために努力するけれども、このようなテロ行為については容認できないと、こういうことを申しておりました。
○齋藤勁君 それから、イスラエルのシャローム外相が訪米されたということと、その内容について一部これは明らかになっておりますが、今度のことで日本の外務省、日本政府とアメリカ政府との情報交換とかやり取りというのはされているんですか。
○政府参考人(堂道秀明君) 私どもとしましては、アメリカが、先ほど大臣から御答弁申しましたとおり、この事態を深刻に受け止めて、アメリカ自身として、そのロードマップに回帰するように引き続き強い指導力を発揮するということを期待しております。
 このようなことについては、従来より、大臣も含めましていろんなレベルでアメリカに申し入れているわけでございますけれども、今度の事態を踏まえまして、改めてアメリカとこの件についてきちっとした協議ができるような形にしていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(川口順子君) 今のにちょっと一つ追加を申し上げたいと思うんですけれども、私は、このことを直接にパウエル長官とお話をしたいと思っていまして、これも時間を調整するように指示をしてあります。今調整中です。
○齋藤勁君 それで、日本の、まあ今朝の幾つの、複数の報道で、昨日、日本政府も大使に話をし、そしてまた、そのような各国のその自制ということについて、これ以上の衝突を回避をするということでの、そういった国際世論があると思うんですが、報道を見ますと、「ハマス暗殺作戦続行」、これは読売新聞ですけれども、ほかの新聞も、言ってみれば、「国防相ら明言」、「全土に治安要員」ということで、このイスラエルのモファズ国防相は、イスラエル軍放送を通じて、過激派をせん滅するということで、このヤシン師を殺害したのに続き、ハマス幹部全員を殺害する方針を明らかにしたというのが、これは大変大きく出ておりまして、これ、社によってこうやって一面に取り上げた会社もあり、二面で取り上げた会社もあり、いろいろございますが、報道内容は事実、大体基本的には全く同じでありまして、この同放送によると、軍、治安担当幹部は二十二日夜会議を開き、ハマス幹部全員を暗殺する方針を決定したと。さらに、この今度のヤシン師殺害に関しましても、治安閣僚会議でこのヤシン師を殺害を、これシャロン政権というのが決定をしているということで、言ってみれば、今、日本政府がやろうとしていることや国際世論がいろいろ動いていることについて、まあ表現は、これはシャロン政権は、何でそんな表現するんだといっても、あざ笑うかのようじゃないですか。国際世論、これ以上の殺害を繰り返してはならないということについて動いているにもかかわらず、更に暗殺作戦続行ということで、これは大変な事態だというふうに思います。
 だからこそ、外務大臣も、川口外務大臣は両国の外務大臣と、あるいはアメリカ政府とこれからやり取りをしようということに立っていると思うんですが、大変な私は状況だというふうに思っておりますけれども、これらの情報について、昨日のこのイスラエル軍放送を通じて過激派をせん滅すると、こういう情報を踏まえた上でのこれからの日本政府の対応ということで改めてお聞きしたいと思いますが、よろしいですか。
○政府参考人(堂道秀明君) このイスラエルの対応につきましては私どもも注視しているわけでございます。委員が御指摘のように、このハマスのテロ組織をせん滅するというふうにイスラエルが方針を決定したという情報には接しておりませんですが、他方、この事件の後、シャロン首相は、テロに対する戦いは終わっておらず、場所を問わず来る日も来る日も継続されると、これはすべての文明国が参加しなければならない困難な戦いであり、ユダヤ人は自らを防衛する自然権を有するというふうな発言をしておりますし、また、そのイスラエルの軍当局、モファズ国防相それからヤアロン参謀総長なども、この暗殺作戦自身がイスラエルに更なる安全をもたらすものであることとか、さらに、こういうテロ組織に対する攻撃を継続するということを述べております。
 このような状況に対しまして、国際社会全体として非常に大きな懸念を有しているというのが現状でございまして、私どもとしましては、やはりこのテロ組織のみならず、そのパレスチナの多くの市民がこれに対してかなりの憤りを持っており、報復を叫んでいるという事態がかなり、状況を、イスラエルの思惑とは別の方向に動いていく、更に大きな危険な状況がもたらされる危険があるということをイスラエルにも十分理解してもらう必要があるというふうに考えておりますので、引き続きそういう観点から、イスラエルへの働き掛け及び関係各国とのお話合いなどに参画していきたいと、こういうふうに考えております。
○齋藤勁君 局長、今私、この報道で、イスラエル軍放送の、国防相の内容を言ったんですが、それは承知しているんでしょう。
○政府参考人(堂道秀明君) このヤアロン参謀総長でございますけれども、これは、ヤシン師に続いてアラファト議長の殺害もあり得るとの考え方を示唆したというのは承知しております。
○齋藤勁君 私は、この間、長い歴史の中で、どちらがどちらということ、一概的に立つつもりはありませんし、パレスチナ側の自爆テロを決して私は容認するものではない、これは明らかにしておきたいと思いますし。しかしながら、私は、今回のイスラエルのこの治安閣僚会議なり、今回のまた新たなまた引き続き続行するということについては、これはもう、先ほどロードマップの話をさせていただきましたけれども、大変なこの間の国際社会、国際世論の動きに逆行するものだというふうに私は思っております。
 特に、このヤシン師を殺害した後、例えばイギリスのストロー外相は、もう無法な殺害と言い切っていますね、無法な殺害だと。それから、ポーランドのチモシェビッチ外相、これは前後の言葉あるかも分かりませんけれども、報道によると、車いすの人物を殺すことが安全にとって最善なのかということを、ポーランドの外務大臣も批判をしています。
 時系列的に言いまして、外務大臣が、イスラエルの外務大臣がアメリカに行っていると。そしてまた、このイスラエルの国防相がせん滅というふうに言っている。背景に米国のゴーサイン、オーケーサインは出ていないというのは、これはイスラエル自身も言っていますが、やっぱりこれ、私は、外務大臣、川口外務大臣がパウエル国務長官とお話をすると言っていますが、日本のアメリカとのやり取りとか、アメリカがこれからどういうふうにしてイスラエルと対応をして向き合っていくかということについて、緊迫状況がより増すのか、いや、回避をしていくのかどうかというのは極めて重要なかぎを握ってくるんではないかというふうに思っております。
 言い換えてみれば、今度の殺害がアメリカの力の論理に基づく先制攻撃策をイスラエルも取っているというふうに、こういうふうにも私は見受けられることもありますし、即刻アメリカに対して攻撃中止、そしてロードマップ、もう、これはもう破綻したなというふうに思いますけれども、しかしながら、やはり和平に向けて実現をするということについて私は強く働き掛けるべきであり、そしてまた国連の重要な役割を果たしていくという方向性ならば国連安保理とかですね、これはやっぱり様々な諸外国と働き掛けて会議を開くということなんかも必要ではないかというふうに思いますし、イラク状況も含めて、大変、アラブ、様々な諸国、アラブ世界の中の極めて不安定によりなってきたということで大変いたたまれない気持ちでございます。
 外務大臣としてこれから、両国の外務大臣と電話、あるいはアメリカの国務長官と電話をされるというお話でありましたけれども、先ほど、冒頭考え方を述べられたことをお話をするんじゃないかと思いますが、今私が申し上げました、イスラエルの外務大臣がアメリカへ行き、そして我が国としていろいろ外交努力をしている中で、さらにせん滅という方向を軍自体が表明している中で、それ以降、外務大臣としてそれぞれの関係国と話合いをするわけですので極めて重要な私はかぎを握ると思います。
 具体的にどういうような、今たまたま私はイギリスの外務大臣の事例を、ヤシン殺害の後のコメントを披瀝をしましたけれども、外務大臣の言葉というのが非常に注目をされると思いますので、どういう言葉をそれぞれの両国、関係国に伝えられるおつもりなのか、改めてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど若干申し上げましたけれども、イスラエルに対しては、これは遺憾の意をきちんと表す、全く無謀な正当化できないことであると考えておりますので、遺憾であるということを伝えるということと同時に、最大限の、先ほどおっしゃった、今後の、最終的にイスラエルがどのような今判断をしているかということは聞いてみないと分かりませんけれども、今後引き続き最大限の自制をしていく、そして、まずその暴力を止め、憎悪と暴力の悪循環を止めた上でロードマップに戻っていくための話合いをするということが大事だということを伝えたいというふうに思っています。
 それから、そのパレスチナに対しましても、治安機構の整備、日本も支援をしているわけですので行って、暴力を止めるということが、自爆テロを止めるということが大事であるということを伝えたいというふうに思います。
 アメリカとの関係では、これは、イスラエル、パレスチナ、この和平のロードマップに対してアメリカの関与がより強まっていく形で行われることが大事である。国連も含めたカルテットも取りあえず話合いを持ったようでございますけれども、その努力を引き続き続けていってほしいということを言いたいと思っています。
 それから、実は、三月の二十九、三十、今月の終わりにアラブ連盟の首脳会議が開かれることになっています。そして、ここに、これは今までオブザーバーとして国連等の国際機関は呼んでいるんですけれども、特定の国を呼んだことは今まで一度もないわけですが、実は今回、日本に是非来てほしい、川口に来てほしいというお話が既にこれは来ております。
 それで、これは今までの日本のアラブ外交に注目をしてそういうことをやってくれているというふうに思いますけれども、なかなか、その三月の二十九、三十というのは国会の審議との関係でなかなか難しい時期ではあるんですけれども、本当はこういうところに出席をすることができて日本の立場をアラブの国々と直接話し合うことができればと思わないでもございませんが、国会も大事でございますので、そういう意味ではなかなか難しい状況だということでございますけれども、日本としてやれることはやっていきたいと私は思っております。
 委員とこの問題についての、重要性についての認識は全く一に共有をいたしております。
○齋藤勁君 大臣、私個人というより、多分国会は大臣が行かれるということについては、様々な国会日程あるかも分かりません、外交日程あるかも分かりませんが、むしろ積極的に後押しする雰囲気あると思いますよ。
 私個人も、今ここで個人の話をするつもりありませんが、いろんな理事もし、いろんな議員もやり、いろんな役職をしてまいりましたけれども、積極的に政府の方々が外交関係とかいろんなことに行かれることについては可能な限り私は出掛けるべきだということで、防衛庁長官にもたしかお話ししたこともあるし、行かれたこともありますし、今私は、この質問の延長線上で是非実現していただきたいというふうに私は外務大臣にお伝え申したいし、多分ここにいられる委員の方もそういう御認識じゃないかと思います。
 で、先ほどの話とも重なりますが、例えば私もずっと気になっていますのが、この壁ですね、イスラエルの進めている分離壁。これやっぱり即時中止と撤去というのを求めるべきではないかなという私は思いがあります。それから、なかなか今、イスラエル、パレスチナのトップ同士が会うという雰囲気はないかも分かりませんが、シャロン首相とパレスチナの自治政府のクレイ首相との私はトップ会談というのを日本とアメリカ一緒になって働き掛けて、今言われた自制を求めていくということについて働き掛けるということもあるんではないかというふうに思います。
 いずれにしましても、今、自らが、そういった国際会議の日程があると、国際会議があるということで是非行っていただきたいというふうに思います。
 大臣、この壁の建設問題についてはどういう考え、今、事前にお話はしていないんですけれども、どういう御認識持ちますか。
○国務大臣(川口順子君) 壁の建設がグリーンラインの内側で行われている部分が相当にあります。そして、これはパレスチナの社会を分断をする結果をもたらしているという意味で、人々の、パレスチナの人々の生活が成り立たなく今なりつつあります。
 日本も、私も今までイスラエルに、外務大臣にも直接電話で言ったことがあったかと思いますけれども、このグリーンラインの内側に壁を建設をするということについては反対であるということを伝えています。
○齋藤勁君 次、イラク問題で一、二点だけお尋ねいたします。
 これまた大変なまた動きがあるなということで、いわゆる、先日、基本法、イラク基本法については合意をしたということになっておりますが、その後、この基本法拒否をということで、国連顧問にシーア派の最高指導者のシスターニさんね、シスターニさんが書簡を出しているということがこれ大きく報じられていますけれども、これは大変な、これからのイラクの復興に当たって重大な出来事だというふうに思いますが、これらについてどういうふうに受け止められて、これからまた分析をされているのか、対応についても含めてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) シスターニ師が国連のブラヒミ特別顧問に対しましてその手紙を出したということでございます。
 それで、二つのことを言っていまして、一つは、基本法がイラクの国民の多数の支持を得ていない、得ておらず、同法が安保理決議で言及されることによって国際的に正当化されるということ、これを懸念をしているということが第一点です。それから二点目として、国連としてこの基本法が安保理決議において言及されるということを反対をするというその立場を明確にするのでない限り、シスターニ師は今後国連ミッションの会議に出席をしないということを、出席を希望しないということを言っている。この二点がその書簡の中身であると承知をしています。
 それで、基本法というのはそもそも異なる立場の人たちが妥協に妥協を重ねて合意にようやく達したという性格のものであって、その結果として、各派に多かれ少なかれ、自分の思うとおりになっていない、自分の目から見たら百点ではない、妥協の産物であるという不満が残っているということは、これはもう仕方がなくあるというふうに思っています。
 それで、ただ、そういった妥協、不満を持ちながら各派が妥協して合意をしたという事実が非常に大事なことであると思いますし、引き続き今後の政治プロセスを六月末の視点、移転も含めてやっていくためには、この基本法をベースに引き続き妥協をし、幅広い合意を作っていく努力をイラク人の人たちがしてもらうことしか今、取りあえず道はないわけでして、それをしていただくということが重要であるというふうに我々としては期待をしているわけであります。
○齋藤勁君 時間の関係で、またそのことについてやり取りする機会があろうと思いますが。
 今日、昨日日本に着かれたんですけれども、私たちもお会いすることになっておりますが、イラク共和国統治評議会議長一行がお見えになりますよね、なったわけですけれども、二十一名、議長一行ということで。いろいろ見て、聞いて、いろいろ話し合っていただきながら復興に役立てていただくということは私は決して妨げるつもりはないんですが、素朴な疑問として、今バグダッドの治安状況も極めていろいろ、連日のようにテロもあり、そしてこれだけの実は方々がこれだけイラクを留守にされていてという、いいのかなというような、要するにいいのか悪いのかということはあれにしても、そういう、何か今そういう国内の状況なんだろうかというふうに実は思いまして、内容とか目的はこれお尋ねするつもりありませんが。先日も、通信大臣とも私ども理事もお会いしまして、いろいろ通信問題についての復興についての話合いをしましたが、今回はすごい人数であるんですよね。いや、これはすごいかすごくない、そんな齋藤議員、そんなすごくないですよというのかも分かりません。これは、メンバーもそうそうたるメンバーがたくさんいらっしゃるんですが。
 日本政府として、こういった二十一人のこの訪問団というのをあらかじめ打合せをしながら構成されて呼ばれたのか、こういったことについては今後とも継続して来られるのかどうか。何か私がこういう素朴な疑問を思うのは決して私だけじゃない、多くの国民、イラクの状況を見ながら感じられるんではないかなというふうに思いますので、端的なお尋ねをさせていただくつもりでございます。いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 両方の御意見というのがこれについては多分あるんだろうなと思います。
 今のイラクの治安状態がそういう状況で、ほかの国の外務大臣があるいはその担当大臣がイラクに行くということが非常に難しい中で、ほかの国の立場からいえば、イラクの閣僚あるいはその統治評議会の人たちが来てくれて、そしてイラクの状況を直接話をしてくれる、援助の必要性についてきちんと語ってくれる、何について必要か言ってくれるという意味ではメリットがあると思いますけれども、同時に、これはアフガニスタンの際も同じような批判がアフガニスタン国内であったというふうに承知をしていますけれども、閣僚が、あるいは統治評議会の人がこの大事な時期に国内にいないということのもたらす意味合いが批判になり得る可能性というのもあると思います。これは両方立場、両方意見があって、なかなか難しいことであると思いますけれども、なかなか今よそから行くことができないという意味でそれなりのメリットはあるのではないかというふうに思っています。
○齋藤勁君 閣僚が鉱物大臣、水資源大臣、農業大臣、社会問題大臣、四人入っておられるんですよね。私は、今日来られる方に、これから会う方に何で来たんだなんて言うつもりはありませんけれども、これは双方で決めていることですから。ただ、率直な国民の素朴な気持ちをお伝え、一般的にしていることと、これは、統治評議会の大部分のメンバーというのは、元々イラクのフセイン政権時代にずっといろいろ政府の主要なメンバーじゃないわけですよね。いわゆる亡命イラク人等が非常に多いわけで、言ってみれば、広くある意味ではフセイン政権のときのイラク以外のことをよく御存じ上げている方たちじゃないかなというのが私は一方であると思うのであえて、苦言的ですけれども、申し上げさせていただいたつもりでございます。もちろん、来られた方には頑張っていただきたいと言うつもりでありますので。
 さて、残る時間、少なくなってきましたけれども、ちょっと幾つかは途中になりますので、ちょっと地位協定だけお尋ねさせていただきます。
 地位協定、これは衆参国会でも改定へ向けて様々な意見も出て、申入れをし、全国の自治体でも様々な、日米関係で基地をめぐる問題のときにこの地位協定の改定ということで取組をしてほしいということで、立法府や政府に様々な要求書、要望書が出ているというふうに認識をしておりますし、また、与党の中でもこの間、最近になりまして日米地位協定を改定すべきだという、そういうチームができて、そういう動きもあるというのも私も存じ上げておりますが。しかしながら、今日まで地位協定については運用改善でこれは進むんだと、進めるんだということが日本政府の方針であるようでありまして、改定は必要ないということのようですけれども、これに変わりありませんか、お尋ねさせていただきます。
○国務大臣(川口順子君) 基本的な考え方として、運用の改善でその時々の問題に対応するということが合理的であろうということで運用の改善を進めていく、そしてそれに効果がない場合には協定の改定も視野に入れていくというのが日本政府のずっと申し上げている立場でございます。変わりございません。
○齋藤勁君 それで、つい先日、日本国内で罪を犯した米兵容疑者の刑事裁判手続に関する両政府の非公式協議、殺人、強姦などの凶悪犯罪に限り、日本の警察による取調べの際に、米政府関係者の立会いを認めることで近く合意をする見通しと、こういうことが知らされておるんですが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 刑事裁判手続につきまして昨年の夏に四回ほど交渉して、その後一時中断をしているわけでございますけれども、昨年の秋にラムズフェルド国防長官が訪日をなさったときに、私は国防長官とお話をして、この交渉をできるだけ早く再開をして、問題を早期に解決をすることが重要であるということで認識が一致をいたしております。
 それで、その後、それを受けまして両国の実務担当者、担当実務者の間で機会があるごとに意見交換を行ってきております。今回、交渉を再開をするということにいたしまして、二十四日と二十五日、ワシントンで五回目の交渉を行うということになっております。
 どういうことについて、これ、まだ交渉中のことでございますので、最終的に合意ができたということではありません。どういう話をしているかということについて、今、相当に歩み寄りは見られておりますけれども、最終合意には至っていないということで、内容についてはまだ申し上げることができない状況でございます。
○齋藤勁君 最終的にまだ合意をされていないということで、それらについては述べられないということですけれども、取調べの際に基本的に政府関係者の立会いを認めることに、私は必ずしも反対、基本的につもりはないんですが、もし立会いを認める以上、日本側が米兵の身柄を直ちに拘束できる、直ちに拘束できるということなんかは、これは当然、法治国家の責務として私はあるんではないかというふうに思いますが、その点、どういう認識でございましょうかね。
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 この米兵の身柄の引渡しの問題と申しますのは、九五年に合同委員会合意で運用の改善がなされておりまして、殺人、強姦等の犯罪におきまして我が国として重大な関心を有しているものというものにつきましては起訴前の拘禁移転を可能にする道を開いたわけでございます。
 現在交渉しておりますこの刑事裁判手続に関します交渉、これも、この運用改善を更に円滑にしたいという観点から交渉を行っているわけでございまして、現在の交渉の中身につきましては、先ほど大臣から申し上げましたとおり、交渉中でございますので申し上げられないわけでございますけれども、合意に達した暁には、九五年合意に基づく米兵の身柄の引渡しというものがより円滑に行われるということを我々としては期待をいたしております。
○齋藤勁君 また改めて、地位協定については細部にわたりまして、運用改善では駄目だ、地位協定改定でなければ駄目だというのを私じっくりとやり取りさせていただきたいというふうに思います。
 残り時間、今の引渡しの関係、犯罪の関係については、これから私、いろいろ日米関係で話合いを続行していただいて是非努力をしていただきたいということと、大きな意味でのフレームとしての地位協定の問題についてお話を、いろいろやり取りをさせていただく機会があろうと思います。
 もう一、二分ですけれども、防衛庁長官、ずっと申し訳ございませんでした。
 普天間飛行場返還問題なんですが、これは外務省ももちろん一緒なんですが、いわゆるSACO合意でこれが合意されて丸八年たとうとしておりますが、これは衆参でも、この返還問題についての代替施設の建設問題で質疑がございました。アメリカのラムズフェルド氏も来て、これはアメリカから、代替施設なしの返還でというより、もうとにかく嘉手納に統合を検討しているというような報道が、これは、そんなこと言っていない、日本政府も聞いていないしというふうなことで質疑ございましたけれども。
 八年たちました、八年。これ、引き続きこういうことを、代替施設ということで追求していくという方針であるということなのかどうかということですね。それから、代替施設なしの返還、嘉手納飛行場への統合というのは、これ、いい話じゃないですか、場合によれば。そういうことなんかは例えばやり取りをしているんですか。本当に言ったのか言わないのかと、よく総理大臣にはそういうのがありますけれども。
 これはむしろ、なかったとかなんかで過ごす話じゃないような私は性格だと思いますね、SACO合意以降の話ですから、いい話か悪い話かは別にして。アメリカからのメッセージについて、やっぱりきちんとした話合いをすべきだというふうに思いますが。
○国務大臣(石破茂君) そのようなお話は、私は聞いておりません。先生御指摘のように、代替施設は考えない、嘉手納に統合というようなお話は聞いておりませんし、事務方もそのようなお話は聞いておりません。いろんな議論はいたしておりますが、そのような具体的なお話は聞いておらないということでございます。
 それで、これはもう外務大臣もいつもおっしゃることでございますが、要は、沖縄県民の御負担を軽減するということと抑止力の確保ということをどのようにして図っていくかという議論なのだろうと思っております。
 これは、抑止力をどのように確保していくかということは、これはまたこの後委員会において御議論をいただき、在日米軍、駐沖縄米軍の存在というものがこの変化する時代にあっていかなる抑止力を持ち、今後どのように持つべきなのかということについて御議論があるところだとは承知をいたしております。
 政府といたしまして、SACOの着実な合意、先生おっしゃるように八年掛かっております、いろんな理由は先生御案内のとおりでございますが。SACOの着実な実施ということについて今後とも、最大限環境面にも配慮しつつ、地元の皆様方の御同意も得つつ努力をしていくという方針に現在変わりはございません。
○齋藤勁君 終わります。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉でございます。齋藤委員に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど、齋藤委員の質問にちょっと気になったことがあったので大臣に確認をしたいと思いますが、イスラエルのいわゆるフェンスについて、グリーンラインの内側、パレスチナ側から見れば内側なんですが、に建設するのは極めて遺憾であるという表明をされましたが、これ、ではイスラエル側に作れば問題はないんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、中長期的にといいますか、本来あるべき姿としては、きちんとその国境が画定をし、国境が何らかの形で保護をされる、国境として認識をされるということであると思います、それを、ということであるというふうに考えております。
 したがいまして、二つの国をつくろうということを合意をし、ロードマップに従ってそれをどこに線引きをするかという議論が本来先にあって、そこで国境として、国境が画定をする、それをどうやって保護するかということが本来はあるべきであるというふうに思います。
○榛葉賀津也君 私の時間は三十分しかないですので、是非端的にお答え願いたいんですが、イスラエルの領土内であってイスラエルが自らの主権によって壁を作るのであれば、これは問題ないですね。
○国務大臣(川口順子君) イスラエルの領土内に作るのであれば、もちろん問題はないと思います。
○榛葉賀津也君 石破長官も、これは外交問題ではなくて防衛全般として、この壁はどのように御認識ですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、今外務大臣がお答えのように、国家の主権の範囲内といいますか、領土の中であれば法的な問題はないだろうと思っております。
 安全保障上どうなのかと言えば、それがなくてもいいような状況というものが現出すれば、それにこしたことはないのは言うまでもございませんが。
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。それでは、本題に入っていきたいというふうに思います。
 私も、冒頭、齋藤委員と同様に、このイスラエル問題、大変切ない問題ですが、どうしても取り上げなければならないという思いで若干時間をこれに割きたいと思いますが、川口大臣、昨日朝、談話を出されました。大変早い、八時四十六分に談話を出されまして、今日、委員会では遺憾であるという表明をはっきりなされましたが、この朝の会談では懸念を表明すると、大変ソフトな、大変柔らかい言い回し、様々な方面に気を遣われたと思うんですが、になっております。他方、その直後に行われた官房長官は遺憾であるというふうにおっしゃっておりました。
 これ、大分、官房長官と大臣、昨日の朝、温度差があり、これはアメリカや国連、様々な方面を見て、外務大臣はアメリカに相当御配慮された発言をされたということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず、談話はおとといの夜出しております。昨日の朝ではありません。
 それで、そのおとといの夜の時点で、できるだけ早く、この事件が起こってできるだけ早く日本政府としての態度、これを早く表明をするというタイミングの早さ、それをまず考えて、事件後、急速に事態が悪化をしていく、それを強く危惧をするということと、それについての懸念を訴えて、イスラエル政府の抑制を求めるということが最大の眼目であったわけです。したがって、早く、おとといの夜出したと。
 その後で、二十三日に、この行為からパレスチナ自治区やその近隣の諸国で憎悪に基づく暴力、これが非常に広がってきて事態が更に悪化をしたという事態を踏まえて、次に、改めてイスラエルに申し入れることが重要であるというふうに考えまして、翌朝、堂道局長から申し入れ、同じ趣旨のことを官房長官からお話をいただいたと、そういう事態、時点の差があるということでございます。
○榛葉賀津也君 この問題は長期的には無論イスラエル、パレスチナのずっと続いている暴力の連鎖、そしてとりわけガザでハマスが活動を活発化している現象への大変マイナスな形での武力攻撃、暗殺ということになりました。
 しかし、短期的には、一月にシャロンの贈収賄の疑惑が発覚し、あたかもその国内視野をそらすかのようにガザの入植地移植を表明し、移植表明した後のガザにおいてハマスが勢力を拡大することを恐れての攻撃というようにも読めなくはないわけでございますが、極めてイスラエルのダッチロール的なこのような暗殺行為には私自身も大変残念で、厳しくこれはやはり日本の立場として追及をしていかなければならない。しかし、他方、パレスチナ自治政府もガザにおいて、とりわけガザにおいて過激派テロの抑止を成功することができなかった。パレスチナ自治政府の中にも大きな問題があるという二つのこれはなかなか解決し難い問題がある。その結果として、たったこの三年間で九百人以上のイスラエルの方々が自爆テロで命を落とされ、またその何倍もの二千数百名ものパレスチナ人もイスラエルの報復によって命を落としている。両者で、このたった三年間でですよ、三千人以上もの人間があの狭い領土の中で次々と倒れて死んでいく現状。我々、大変平和な日本にいる我々にとってはなかなかこのメンタリティー、現実というのは理解し難いし、難しい問題だなというふうに考えておりますが。
 三月の六日、土曜日、ガザのエレズチェックポイント、実はガザのフェンス、ガザ地区はフェンスが全部実はできておりまして、このガザからは全く実はテロがなかったわけでありますが、ここ数か月、実はこのガザからもテロが発生するようになっておりました。三月六日の土曜日、ガザのエレズチェックポイントでハマスを始めとするパレスチナ過激派によって共同爆破銃撃事件があり、数十名の方々が死傷をされたと。そして、一週間後の十四日の日曜日にはテルアビブ南方のアシュドッド、大変きれいな港町でございますが、ここでも連続自爆テロ、何と十七歳の高校生二名がテロをやって、また数十名のイスラエル人が死傷したという事件がありました。
 川口大臣、この二つ、これはやはりテロですね。
○国務大臣(川口順子君) なかなか難しいお話、テロの定義ということは非常に難しい話になってしまうわけですけれども、何がテロだということを定義しないではっきり私の感想を申し上げれば、自爆テロ、これはテロであると思います。
○榛葉賀津也君 しかし、たとえテロがあっても、そのテロ行為の後ろにいる責任者であれ、コア的な人物であれ、黒幕であれ、それを暗殺という行為によってこの問題を解決する、この手法はやはり大臣は間違っているという御認識ですか。
○国務大臣(川口順子君) なかなかその事実関係が、本当にそういう首謀者であったのかどうなのかということについて十分に今の時点で把握をしていないという前提はありますけれども、ハマスのヤシン師、これは精神的な指導者であるということであれば、私はこれは間違っていると思います。
○榛葉賀津也君 日本が支援している、話を変えます、在アフガニスタン米軍は、マウンテンストームという新たな作戦を開始いたしまして、今オサマ・ビンラーディンが隠れているとされている南バジリスタン地区というのは、これは非常に険しい山岳地域でございまして、なかなか包囲してビンラーディンを捕獲するというのが事実上不可能になっている。周りの部族によっても大変厳重に守られている。その中で米軍が取った作戦は、オサマ・ビンラーディンらしき人物を発見したら、即空爆をしてこれを殺りくしていくという作戦を取ったという表明をされましたが、これは大臣、支持されるんですか。
○国務大臣(川口順子君) 議論としては、何が自衛かという議論であると思うんですね。自衛として許容されることかどうかということだと思います。
 そして、オサマ・ビンラディンの場合には、これは九・一一あるいはその他の様々なテロ行為、これについて首謀者であった。そのほかに、急迫不正の危険というのがどれぐらいあるかとか、いろんな事実関係があると思いますので、全部その事実を把握しているということではないという前提で申し上げれば、それは、アフガニスタン戦争は自衛のための戦争であるわけでございまして、オサマ・ビンラディンというのはこのテロの首謀者であるということは間違いないというふうに思います。それであれば、それは自衛のための行為であるということで正当化できるのではないかというふうに感じています。
○榛葉賀津也君 イスラエルが自衛のために、しかも九百名以上の国民がたった三年間で、六七年にさかのぼれば、建国当時にさかのぼれば更に数十倍の人間が殺されている。パレスチナも同じでございましょう。しかし、国の政府として、自国民を守るために、大臣の言葉をかりれば、正に自衛のためにやった行為、同じ行為を日本は非難するケースと、それを支援しそれを応援する立場がある。これは私、基本的な、それをどうこうは言いません。日本の外交として、やはりダブルスタンダードと思われるような外交姿勢は私は間違っていると思います。常に同じ基準で、同じ物差しで、毅然として外交姿勢を示していく。一つの案件に対しては目をつぶるけれどもこちらの問題に対しては非難声明を出す、これは私は、個人としても、そして国家としてもあるべき外交姿勢ではないというふうに思います。
 同じことは、イラクにも私は言えるというふうに思っております。
 パレスチナの問題ももう少ししたかったんですが、時間も迫ったので、話を次に進めたいというふうに思います。
 邦人保護の問題についてお伺いしますが、年間、海外でどれくらいの誘拐事件、邦人絡みの誘拐事件があり、またそれはどんな国で発生しているのでしょうか。
○政府参考人(鹿取克章君) お答えいたします。
 まず、平成十四年度でございますが、平成十四年においては、我々が承知している主な邦人誘拐事件は二件ございました。
 次に、一九九〇年以降についてお答えいたします。
 一九九〇年以降の主な誘拐事件は二十件ございまして、コロンビアにおいて六件、フィリピンにおいて五件、それからベネズエラにおいて二件発生しております。
○榛葉賀津也君 外務省が発表できるもの以外に、実はたくさんの事件があるんだろうというふうに認識をしておりますが。
 今、インドネシア等を始めとする東南アジアで非常に誘拐事件、しかも身の代金目当ての誘拐が懸念をされていると、治安上ですね。これはアルカイダと大変関連のあるJI等がいわゆる資金集めのために、手っ取り早い日本人を誘拐して身の代金を要求し、それを資金源にするという活動が広がるというような話も私のところに入っております。現実問題として幾つかの誘拐事件も起こっております。これは、やはりアルカイダが崩壊をして、今テロ集団が地方分権化しているというような状況で、自己完結的に資金を集めながらテロ活動をやっていくというような細分化現象にあるわけでございますが、二〇〇二年十月、バリ島で爆弾テロが起こりました。この黒幕的存在がハンバリという人間なんですが、日本とこのハンバリとのかかわりを外務省はどう認識をされていますか。
○委員長(山本一太君) どなた。
○榛葉賀津也君 通告してありますよ、これは。
○委員長(山本一太君) 川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) 今も、ハンバリは捕まっているということであります。このハンバリが日本あるいは日本国の国益を、我が国との関連では、直接にねらっていたという情報には接していないということです。
○榛葉賀津也君 ハンバリはどこで捕まりましたか。
○政府参考人(鹿取克章君) タイでございます。
○榛葉賀津也君 タイのどこでしょうか。
○政府参考人(鹿取克章君) アユタヤでございます。
○榛葉賀津也君 そのタイのアユタヤのハンバリが捕まった地域はどんな地域だったんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 日系人、現地に勤務をしている日本人が割に住んでいるアパートに住んでいたというふうに承知しております。
○榛葉賀津也君 割と住んでいるのではなくて、正に日本人コミュニティーのど真ん中でハンバリは潜伏生活をしておりました。しかも、変装したりどこかに隠れていたわけではなくて、マンション六階の非常にデラックスな部屋に奥さんと一緒に、正に悠々自適の生活をしていた。捜査網の盲点、日本社会に紛れ込めばテロリストは安全であると。そして今、このアルカイーダ、そしてJIのテロ集団が極めて日本社会に接近をしているというのが現実だというふうに思います。
 今、スペインであるとかヨーロッパ、アメリカでテロが警戒されておりますが、大統領選挙に向けまして、恐らく欧米ではテロの可能性がどんどん増えるでしょう。ギリシャのオリンピックも懸念をされるところでありますが、日本においては非常にたくさんの火薬が必要となりますから、幸いにして日本はこのNTN火薬等を集めるにはふさわしくない国でございましたから、日本で私は大規模なテロというのは恐らく可能性としては少ないと思います。しかし、小規模なテロは起こり得る可能性があると。しかし、それ以上に海外の日本人コミュニティーや海外で働いていらっしゃる邦人がテロに遭う可能性、誘拐に遭う可能性がどんどんこれから増えてくるんだろうというふうに思います。これに対してはきっちりと私は外務省として対応をしなければならないと思うんですね。
 昨年十一月に殺された矢崎シーメルの村松さん、コロンビアで三年間も、誘拐をされる、拉致をされ、結局殺されてしまったと。公明党の高野先生が必死にこの問題を御尽力されて、党派は違いますが、心から私は敬意を表したいと思いますが。
 今回、外務省は領事移住部を局に変えました。これによって邦人保護、邦人を守る体制はどのように変わるんでしょうか。
○政府参考人(鹿取克章君) 今先生御指摘のとおり、在外における日本人あるいは在外に旅行をする日本人の安全を守るというのは、今度の領事改革の大きな柱でございます。今我々が考えておりますのは、まず情報発信の一層の強化ということで、渡航情報というものを我々は出しておりますけれども、これを一層きめの細かいものにしたいと思っております。
○榛葉賀津也君 予算的、そして人数的には具体的にどう変わるんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) 予算的には、我々、海外邦人の安全確保、危機管理体制の強化ということで、今、計上しておりますのは五・六億円、今、計上をさせていただいております。
○榛葉賀津也君 人員は。
○政府参考人(鹿取克章君) 人員は、領事定員の方は、今……
○榛葉賀津也君 通告してあるんですから、これ。
○政府参考人(鹿取克章君) 恐縮です。少々お待ちくださいませ。
○榛葉賀津也君 予算委員のときから通告しているんですよ、これ。
○国務大臣(川口順子君) では、ちょっとその間に。今、数字について今調べている間に、その補足を若干したいと思いますけれども、私は、これの一番大きな眼目というのは、領事移住部を局にすることによって、外務省の中で領事の仕事の重要性についての認識が変わる、意識が変わる、そこからすべての政策は出てくるわけでして、それが一番大事なことであろうというふうに思っています。
○政府参考人(鹿取克章君) 大変失礼いたしました。
 定員については、我々領事関係で、本省は四名、それから在外は二十一名、今要求して、要求しておるところでございます。
○榛葉賀津也君 現地の警備員を雇う費用というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(鹿取克章君) 恐縮でございますが、今、警備員の具体的な予算は今手元にございませんが、警備員については今、強化、先般の、昨今の、各地にあります我が大使館、総領事館の警備強化というのは非常に重要な課題となっておりますので、今重点的に警備員の強化等、在外公館の強化に今取り組もうとしているところでございます。
○榛葉賀津也君 以前、外務大臣は、イラクの大使館の件につきまして、を例に挙げて、在外公館の警備を自衛隊にできるようにしたらどうだという発言をされ、まあ総理始め官房長官も余り乗り気ではなかったようですが、これできるように法改正するようにと以前おっしゃったんですが、現時点で外務省はその必要性、そして実現の可能性についてどのように認識されていますか。
○国務大臣(川口順子君) これは引き続き必要であると考えておりまして、今鋭意検討をさせています。
 それで、自衛隊に加えて、警察という可能性、それから外務省自らが警備を強化をして警備をすると、三つの選択肢を持ちまして、防衛庁、警察庁にも今御相談をしながら詰めているところでございます。
 私自身、時々その詰めている状況については話を聞きながら、これをできるだけ早く進めたいと思っています。
○榛葉賀津也君 日本人が海外でねらわれ始めている。これを予防するのは大変難しいわけでございますが、一つは、個人個人のビジネスマンなり旅行者なりがきっちりとやはり安全に対する認識を考えてもらうこと、他方、私は外務省としてきっちり邦人に、とりわけ長期滞在をしている邦人、これは法人、個人という意味で、両方ですが、きっちりと情報提供をするというネットワーク作りが必要かと思いますが、この邦人への情報提供はどのようにされているんでしょうか。
○政府参考人(鹿取克章君) 幾つかの形で行っております。
 一つは、我々の一番重視しているのは、海外の渡航情報、危険情報という形で外務省から発出しております。また、各在外公館においても、在留邦人の方々に対して危険情報、関連情報を出しております。また、大使館とそれから在留邦人との間に定期的に安全問題についての会合を開いております。
 そういう形で、複合的に情報発信というものに心掛けております。
○榛葉賀津也君 なんですが、現実は、長期滞在している邦人が、まあ無論これは国にもよるんでしょうが、極めて外務省、大使館を当てにしていないという現象があるというのも事実でございます。
 例えば九八年のインドネシアのあのクーデターの際には、邦人が頼った、まあスハルトが退任をしてジャカルタで大暴動が起こりました。このとき邦人が頼ったのは、NHKのお昼のニュースで初めて一報を知ったというのが現実なんですね。これ、なかなか外務省も大変だと思いますし、大使館にすれば大変だと思いますが、やはりこの情報というものに対する認識を各国の在外公館がもう少しプライオリティーを上げて私は接する必要があるんだろうというふうに思います。
 もう一点お伺いしたいんですが、これ、コロンビアの事件のときにも思ったんですが、なぜ、海外で日本人が誘拐されたり拉致したときに、外務省は当事者として誘拐犯と直接交渉に当たらずに、これ側面支援というんですね、側面支援をすると。これ、どうも私は中途半端だと思うんですが、これは直接交渉できないんですか。
○政府参考人(鹿取克章君) コロンビアのケースを今先生御指摘になりましたけれども、コロンビアで誘拐事件が起きると、その場合の犯罪処理の一義的責任と権限はやはり事件発生国、すなわちコロンビア政府でございます。ただし、先生がおっしゃるように、側面支援というのは言葉として私も適当かどうかよく分かりません。我々としては、主権国の主権は完全に認めますけれども、その前提で最大限努力する、これがやはり我々の役目だと考えております。
○榛葉賀津也君 それは最大限努力をしてもらわなければ困るわけですが、実際に誘拐された側の会社であるとか家族にとっての不安は膨大なものなんですね。そして、外務省しか頼るものがないわけでございますよ。コロンビアで起こった矢崎シーメルのようにまだ大きな会社はこれにそれでも体力があるから耐えられる、こたえることができる。しかし、今や中小の会社、社員が数人しかいない会社であっても海外でどんどん仕事をしている時代になっております。個人のビジネスマンもどんどん海外に行っていらっしゃる。そういった中小の会社はこういった際に守るすべがないわけでございますよね。これはきっちりと外務省が日本の邦人、我々のタックスペイヤーをしっかりと守るシステムを作る必要があるというふうに思いますし、今度の部から局への格上げのときに際してもこの問題をしっかりと私は議論していただきたい。
 と同時に、大事な情報が外務省の中から漏れているという現実もあるわけでございます。極めて、拉致され、誘拐され、当事者や会社や保険会社が現地のテロ集団と極めてシークレッティブな交渉をしている、緊張感を持った交渉をしている。無論、外務省も全面的にこれを支援してくださっております。しかし、大事な細かい情報がぽろっぽろっと外務省の中から漏れてくる。これ私、秘密をきっちり守るということは私は管理徹底をしていただきたいというふうに思いますが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 邦人の保護をそういった誘拐の場合にどのようにやっていくかということは、委員御指摘のように、まだまだ工夫が必要であるというふうに思っています。
 それから、情報が漏れるというふうにおっしゃられて、これはあってはならないことであると私は思っています。もし何かそういう具体的な例についてお教えをいただけるようでしたら、私はこれについては厳重に対応したいと思っていますので、是非お教えいただきたいと思います。
○榛葉賀津也君 最後に、先日、このコロンビアと関係するんですが、FARCであるとかAUCであるとかELN、こういったテロリスト団体というのが、言葉が正しいかどうかあれですが、テロリストに対して資産凍結を実施する処置ということで、外務省は資産凍結を決定をされました。これはこれでいいわけでございますが、大臣、私、大臣に一番、外務省、外務大臣として期待するのは、私、やはり外務省改革なんです。そして、元をただせば、川口大臣は外務省を改革するために小泉総理の命を受けられて、私は、外務大臣になられたという原点を私は踏まえているつもりでございます。
 それはそれで結構なわけでございますが、先日、この外務省総合外交政策局国際テロ対策協力室というところからそれに関する資料をちょうだいいたしました。これはこれで結構なわけでございますが、二十三日の閣議において決定をするから二十三日の午前までは公表しないでほしいというペーパーでございます。若干前にもらいまして、私はああ大変有り難いなと。閣議に掛ける、閣議に報告する前に今こういう方向で検討しているという資料をもらったわけですが、要は三枚でいいわけですが、最後に一枚付いていまして……
○委員長(山本一太君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○榛葉賀津也君 これ事務方のミスだと思うんですが、これ十九日にこの資料もうできているんですね。にもかかわらず、二十二日の三時以降まきなさいと。ここにフォルダーがあって、議員への根回しの紙であるとか、是非これクリックしてみたいなと思うんですが、一番、テロをやっている一番の責任のところがこういうミスをする。大変、私、気分悪くなりまして、と同時に、無駄なエネルギーなんです。もっと外務省と国会との間をすっきりさせましょうよ。こんな議員の根回しをやったり、これ資料を作ったり、恐らく相当な事務時間を現場の職員は使っていると思うんですね。有り難い努力だと思いますが、私は、是非もう無駄なエネルギーを外務省の職員は使わないという改革を、大臣、是非お願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(山本一太君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○高野博師君 最初にパレスチナ問題について何点かお伺いしたいと思います。同僚議員の方からも質問がありましたので、若干重複するかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 このヤシン師の殺害があってから、先ほどのお話だと、外務大臣が懸念を表明したと。その後、遺憾という政府の声明があったんですが、私はこの二つの言葉は矛盾していないと思いまして、まず最初にこれから起こることに対して懸念を表明するというのは当然でありまして、その後、行った行為に対して遺憾だと言うことは全く矛盾しないと思います。
 そこで、私の質問は、イスラエルの行動について日本政府は強く非難をしたと。無謀な行為で正当化できるものではないということですが、正当化できないということでありますと、このイスラエルの行動はどういう定義をしたらいいんでしょうか。ということは、正当化できないということは、自衛権の行使では恐らくないだろう、あるいは単なる軍事力の行使なのか、暴力行為なのか、テロなのか、これはどういうふうにとらえているんでしょうか。
○政府参考人(堂道秀明君) 私どもとしましては、イスラエルの自衛権についてはこれは当然のことながらあると思います。今までもイスラエルはテロの脅威にさらされており、その結果、多くの市民が亡くなっております。自爆テロが中心でございますが。これに対してイスラエルが自衛的な措置を取るということについては、当然のことながらこれは国際的にも認められる話だというふうに考えております。
 他方、またハマスにつきましては、これがテロ組織であるという認定につきましては、広く国際社会においても共有されているところでございまして、我が国も昨年でございますが、ハマスの資産凍結を行っております。
 他方、そういうことではございますが、何でも許されるということではないというふうに考えられます。基本的には、和平を追求するというのがイスラエル政府の立場であり、またパレスチナの国家についても、これをロードマップに従って認めるということである以上、それに沿って基本的に行動を規制するということは当然あってしかるべきだと。今度の殺害についてはそれを超えたものであると。そういう意味で正当化できないというのみならず、この事態がイスラエルの思惑に反してと申しますか、かなり大きな影響を及ぼしつつある、そのことについての大きな懸念があると、こういうことだと思います。
○高野博師君 一般論として自衛権があるのは当然でありますが、今回のヤシン師の殺害したというこの行為そのものは、これは自衛権の行使ということなんでしょうか。
○政府参考人(堂道秀明君) 自衛権の行使というふうに、これは非常に難しい判断だと思います。
 イスラエル自身は、ヤシン師がテロの組織の頂点にあり、テロを指示していたと、こういう認識に立っているということでございますけれども、私どもとしては、そういう事実については必ずしも確認されているわけではございません。しかし、これが無謀な行為であるというのは、その結果が多くの反発を呼び、かつイスラエルに対しての報復を多くの人が叫ぶ、パレスチナのみならずアラブ諸国にそういう危機感というのが広まっているということでございまして、これを自衛権の行使だからそれでもって正当化できるというのは地域の情勢を完全に見誤った判断になろうかと、こういうふうに考えております。
○高野博師君 若干くどくて恐縮なんですが、無謀な行為で正当化できるものではないという行動は、何と言ったらいいんでしょうか、それでは。テロとは言えないんですか、これは。
○政府参考人(堂道秀明君) 御質問がイスラエルによるテロと言えないかという御趣旨であれば、アラブ諸国はそういうふうに申しております。
 この点についてはイスラエルと立場が異なっておるということでございまして、私どもはそれについて我が国がどうだということをはっきり申し上げる立場にはないと思いますけれども、しかしながら、私どもの判断として、今度の殺害については無謀な行為であり正当化できるものではない、その結果がもたらす結果について考慮を欠いていると、こういうふうな判断をしております。
○高野博師君 今回の殺害、暗殺が中東全体に与える影響、中東和平に与える影響、今朝ほども議論がありましたが、ロードマップは破綻していないという認識でよろしいんでしょうか、ちょっと確認したいんですけれども。
○政府参考人(堂道秀明君) ロードマップについては危機的な状況にあるという認識でございます。元々三年間で最終合意に達すると、その過程においてイスラエルとパレスチナの両国家樹立、失礼いたしました、パレスチナの暫定国家樹立という過程を踏むものではございますけれども、そういう過程については今とんざをしているという状況には間違いないと思います。
 しかし、これは死んでいるというふうには言えないと思います。さらに関係諸国の努力によってこれを復活させるということと、またイスラエル自身もこれについて放棄しているわけではないというふうに言っております。そういう状況の下で非常に事態は難しいわけでございますが、私どもとしてはこのロードマップが完全に死んだということではないと認識しております。
○高野博師君 このイスラエル・パレスチナ問題が中東問題の根源であり本質だというよく言い方をされるんですが、これはどういうふうに理解をしているんでしょうか。
○政府参考人(堂道秀明君) この問題は、やはり中東地域の、その地域の情勢に影響を及ぼす根源的な問題であると考えております。また、中東諸国内部のみならず中東諸国と我が国も含めた国際関係上、この問題について正義を持った解決が図られなければならない、そうでなければ地域については安定しないと。そういう意味で私どもとしましても、日本としても、日本政府としても、この問題については中東問題を考える上での根源的な問題だと、こういうふうに認識をしております。
○高野博師君 先般、国際問題調査会でもアラブ各国の大使を呼んでいろんな意見を聞きました。その中でエジプトの大使が、アラブ世界には怒りとフラストレーションがこれが相当高まっていると。それはなぜかというと、イラクに対する攻撃の理由は、大量破壊兵器を持っているんではないか、それから国連決議を無視してきたということなんですが、じゃイスラエルはどうなんだと。核兵器を持っているんではないか、あるいは国連決議でいうとイスラエルは過去三十年間三十回以上も国連決議を無視してきたではないか。この要するにダブルスタンダードがアラブ世界に対して大変な怒りとフラストレーションをもたらしているんだと、こういうことを言っておりました。
 正にそこに中東全体に対する対応の仕方の難しさと問題があると思うんですが。イラクは十二年間国連決議を無視してきたというけれども、しかしそれ以上の無視をイスラエルもやってきたということなんですね。ここは大臣はどういうふうにとらえておられるでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 確かにイスラエルがこの問題についてずっと国連決議を無視してきたということはあるわけですけれども、同時に国連決議は、イスラエルに対してのみではなくてパレスチナに対しても暴力の自制ということを訴えている決議が、ちょっと一つ一つ申しませんけれども、ほとんどであるわけでございまして、そういう意味ではイスラエルとパレスチナ両方ともに問題、その決議の違反という意味では決議を守ってきていないということがあるということだと思います。それで、それを守らせるためのやり方として、国際社会がロードマップという、今まで幾つかの努力がありましたけれども、最新の時点ではロードマップを作って、それに基づいて和平を追求しようということで考えているということだろうと思います。
 それから、当然のことですけれども、イラクに対しては武力行使容認決議というのがあったわけで、イスラエルに対してはそれは存在をしていないということを申し添えさせていただきます。
○高野博師君 この事件の後、アルカイダ系の組織も報復をすると。イスラエルの背景にあるのはアメリカだ、したがってアメリカとその同盟国に対しては報復をするというようなことも言っておりますが、イラクに自衛隊が派遣されている、これに対して影響を及ぼさないのかどうか、攻撃のターゲットにならないかどうか、あるいは日本国内においてもどうか、そういう懸念がありますが、この辺の認識はどうとらえておられるんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 昨年来、我が国に対しての幾つかの脅威の情報というのはあるわけでございまして、そういう意味では、我が国に対して何らかのそういったことが起こる可能性を完全に否定し切ることは難しいというふうに思います。
 したがいまして、そういうことがないように、自衛隊、イラクにいる自衛隊においても、それから国内においても最大限の安全対策を取る必要があるということであると思います。
○高野博師君 それでは、これも新聞報道なんですが、アメリカが大中東構想、中東安定化構想を持っているという報道がありますが、これについて日本政府にも協力を求めているという報道がありますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(川口順子君) アメリカが中東の平和と安定のためにどのような改革を中東諸国がしていったらいいか、そういった構想を幅広い分野に関して行っているということは現在ございます。
 そして、このことについては、例えば一月にブッシュ大統領が一般教書演説をしたときにもこの中東の民主主義、経済改革のための協力ということについては触れているわけでして、大中東構想というのは一般教書において言われたブッシュ大統領のその考え方に基づいているというふうに考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっとお静かに願います。
○国務大臣(川口順子君) 我々日本として、今、これはG8で議論をすべく今関係の間での議論が行われていますけれども、我が国の考え方というのは、このイニシアチブというのは中東諸国自身から出てくるということが重要であるということが一つ。それから、これの実施については、これはオーナーシップといいますか、それも中東地域が中心になるということが大事であるということであると思います。こういった点については今までも我が国は議論をしてきておりまして、この点については米国もよく認識をしていると思っております。
 それで、中東諸国自体が、この地域が中長期的に平和であって安定していって改革を進めることが大事であるということについては認識を既に持っていると考えております。この前、私がエジプトに行きましたときも、それからチュニジアに行きましたときにも、そういった国からは改革の必要性についての話がございました。我が国について、例えば教育をどうやってやったのか話を聞きたいというようなこともございました。我が国として考えられる協力をしていきたい、何か必要があるということであれば、それを検討していきたいと考えております。
○高野博師君 この大中東構想の中身は、私は詳しくは知りませんが、ブッシュ大統領が民主化革命と、中東の民主化革命ということをおっしゃっておりますが、それに、その具体化ということであるならば、これはなかなか難しいんではないか。イラクの問題もなかなかうまくいかない、パレスチナ・イスラエルもうまくいっていないのに、中東全体の民主化なんということを、こういう大それたことをよくも考えたなと思っているんですが、要するに、米国の価値観、自由とか民主とか市場原理とか、そういうものを押し付けていくというやり方をするんであれば、しかもその背景に武力があるというやり方であれば、これはもう押し付けの何物でもない。恐らくこれはうまくいかないだろうと。
 先ほど、大臣がおっしゃったように、要するに、国民というか人民の中からそういう要求が出てきて民主化というものはうまくいくんであって、横から上から押し付けるものではないんではないか。したがって、もっと中東地域の歴史とか伝統とか文化とか宗教とか、そういうことを十分研究した上で、どういう民主化の方法があるのか、これは検討するには、検討は結構だと思いますが、何か一方的な押し付けになるようなことであってはいかぬと思いますし、日本がそれに金だけ出すというようなことになってもこれは適当ではないんではないかと思いますが、アメリカの単独行動主義の延長線上にあるというような論評もありますが、これについては日本は十分慎重にあるべきだ。
 そうでなければ、今まで日本が中東に対して様々な援助をし、努力をし、それに対する高い評価も得ているという、これが水泡に帰してしまうことも十分あり得るわけで、この中東安定化構想、平和と安定、それは異論は全くありませんが、具体的なやり方については日本は相当慎重であるべきだと思いますが、大臣の所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 中東構想、大中東構想というものの内容が今固まって何かあるということではないわけでございまして、したがって、それがどういう性格のものかということについては分からない状況でコメントはしにくいということでありますけれども、米国として、これはブッシュ大統領のスピーチを読みますと、例えば近代化と西欧化は同一ではない。中東における代表制の政府は独自の文化を反映をするというようなことを言っているわけでして、必ずしもアメリカにあるような民主主義、西欧的な民主主義を中東に押し付けようとしているということではないのではないかという感じもいたしております。
 いずれにしても、先ほど来申し上げていますように、中東自身のイニシアチブ、オーナーシップということが大事でありますので、そして中東諸国も改革の必要性ということについては認識を持っているということでございますから、我が国は、先ほど申し上げたような立場に立って協力を我が国としてできるところ、こういう部分についてはきちんと協力をしていくということであると思いますし、この中東構想の議論には参加をしていって、意見を述べていくということであると思います。
○高野博師君 分かりました。
 それでは最後に、アラブ連盟の首脳会議が三月二十九、三十日にあるということでありますが、外務大臣が招聘されているということでありますので、中東の和平あるいは世界の平和にとって大変重要な会議になると思いますので、これは是非出席をしていただきたいなと思っております。
 それでは、北朝鮮の問題について何点かお伺いしたいと思います。
 六か国協議、次の六か国協議についての見通しでありますが、先般も戴秉国外交副部長とも我々も懇談をいたしましたが、北朝鮮担当の大使が訪日をして、具体的な作業部会について協議をするということも言及しておられました。今、中国の李外相が北朝鮮を訪問しておられますが、金正日総書記と会うかどうか分かりませんが、この六か国協議の、同じように作業部会について北朝鮮で話をされているんだと思うんですが、この見通しについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 六者会合につきまして作業部会でどういう内容の議論をするか、どのような形で進めていくかといったことについて、今外交チャネルを通じて議論が行われております。
 これにつきまして、おっしゃったように、李肇星中国の外交部長が今北朝鮮に行っていらっしゃいますので、私は、国会のお許しがいただければ四月の最初の週末に中国に行きたいと考えておりますので、そこで李肇星外務大臣と北朝鮮でのお話も含め議論をしていきたいというふうに思っております。
 まだまだ、どのような具体的な日程でというところまでまだ話が現時点ではいっていない、これから議論をしていくということでございますので、我が国として引き続き調整を関係国の間で密に行いながらこの作業部会を前に進める、そういった過程に積極的に貢献をしていきたいというふうに思っています。
○高野博師君 次に、北朝鮮とアメリカとの民間交流の動向についてお伺いしたいと思いますが、北朝鮮は今、市場原理を導入するために留学生をヨーロッパあるいは中国にも派遣をしているということも言われておりますし、バチカンには司祭を養成するためにこれも留学生まで出していると、こういう話もあります。
 一方で、アメリカのNGOは、九四年の米朝枠組み以降、三十一もの団体が北朝鮮でいろんな活動をやっていると。非常に層の厚い米朝の民間の接触があるということが言われていまして、例えばアメリカのシラキュース大学は、ピョンヤンの金策工業総合大学、このIT分野のリサーチャーを受け入れるということで、北朝鮮からもその関係の人間がちゃんとビザをもらってアメリカに入っている、そしてこれをヘンリー・ルースというかなり右寄りの財団が援助をするというようなことも具体的に進んでいるようであります。
 こういう米朝間の動きは、新しい東アジアというか、南北の朝鮮が統一した後を見込んでいろんな民間での動きがあるんではないかというふうに見られるんですが、アメリカと北朝鮮には歴史問題等も何にもない、そういう意味では非常に距離が近いわけでありますが、こういう動きについて日本政府はどういうふうに見ておられるのか。
 今、対話と圧力ということで、特定船舶の入港禁止、これも間もなく国会に出されると思いますが、外為法の改正もありました。いろんな圧力のための外交カードを幾つか持ってこれから北朝鮮と対話をしようということでありますが、しかし、アメリカも圧力を掛けながら、一方、民間では相当の動きがある、あるいは人道援助ということで米の援助もアメリカはやっていると。したがって、ある時点が来たときに、何か一気に米朝関係というのは進展してしまうんではないかなというような懸念が私は若干ありまして、その辺はどういうふうに認識されているんでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、正に様々の民間レベルでの接触というのが北朝鮮といろんな国との間で行われている、そしてそれはアメリカとの関係でもそうした交流があるということは我々も承知しております。
 アメリカも、我が国もそうでございますけれども、北朝鮮との民間レベルの交流について特段の制限を設けているものではございませんし、そして、実際に北朝鮮がそういう形でいろいろと国際社会との交流、接触を行うということは、国際社会の現実を認識し、そして国際社会の一員としてなっていく上では、それは非常に、それはそれとして意義のあることだというふうに見ております。
 そして、最近では、例えば米朝間で議会のスタッフとかあるいは関係の国際機関の、国際研究所のような人たちを含めて訪朝するというようなこともございました。我々も、そういう状況についてはアメリカ側の関係者からも直接話を聞いておりますし、そうした形での交流なりあるいは対話が行われるということ、それはそれで我々は意義のあることだというふうに思っております。
 また、委員御指摘のとおり、アメリカは人道援助ということで、昨年も十万トンの食糧援助をこれはこれで行うということで、そうした実際の非常に人道的な観点から、食糧支援の緊急性がある、そういうことに基づいてアメリカとしての判断を行っているということも我々は承知しております。他方、基本的に我々は、アメリカが、したがって日本が驚くような、あるいは困るような形でアメリカと北朝鮮の関係が一気に政府レベルで進むと、そういうことではないと思っております。
 いずれにせよ、日本とアメリカというのは、もちろん政府間では非常に緊密に話合いを行っておりますし、政策の協調も行っておりますし、あるいはそれ以上に幅広い対話のチャネルもございますので、そういう意味では、我々が驚くようなことではないと思いますが、他方、こうした交流が行われることそれ自身は、我々としてもそれなりに意義のあるところだというふうに思っております。
○高野博師君 時間が余りないので、文化政策については次回の委員会に回したいと思いますが、せっかく防衛庁長官おいででありますので、防衛駐在官について一つだけお伺いしたいと思います。
 これはタイの例でありますが、タイのタクシン首相が、これは首相になる前に、選挙の一年前にですが、中国側は既にタクシンがチュアンに勝つんではないかという見通しを立てておった、そして首相になる一年前に中国に招待をし、胡錦濤、当時の副主席と、次の指導者はこの人ですというような形で紹介もしているということでありまして、どうしてそういう情報を持っていたかということについては、これは、タイの中国大使館には少将クラスの防衛駐在官がいると。軍とかこういう関係は非常に仲間意識が強いんですが、そのやっぱりランクでないと得られない情報というのは相当あるんではないか、中国は華人のネットワークもありますから。しかし、軍部が既にもうタクシンを支持するということを決めていたと、そういう情報を中国は持っていたと。
 一方、日本はどうかというと、相手候補のチュアンを支持するというようなことを選挙の一週間前にタイの大使が記者会見をやっていたと。これは、選挙の終わった後に、タクシンに対する敵対行為ではなかったのかと、こういうことも言われました。
 僕は、これはタクシンの補佐官をやっていた人間から聞いたので、事実関係、ほかに確認しようがないんですが、しかし、僕が言いたいのは、やっぱり情報を収集する能力が大使館の方で、外務省改革の中で高まっているのかどうかということと、防衛駐在官は、地域によっては相当のハイクラスの駐在官も出して軍の情報を取るということも必要ではないか、警備関係の駐在官を出すとか治安関係の担当官とかそういう次元ではなくて、もう少し国として戦略的に考える必要があるのではないかという意味で長官と大臣にお伺いいたします。
○委員長(山本一太君) 石破防衛庁長官、時間が来ておりますので、できるだけ簡潔に。
○国務大臣(石破茂君) 先生の問題意識は全くそのとおりだと思っております。
 先般、私どもの当時の赤城副長官と外務大臣、外務副大臣、矢野副大臣との間で覚書の改定というのを本当に久方ぶりに行いましたが、それだけにとどまるものではございません。よく外務省とも協議をしながら、先生の問題意識、特にその階級の点についてどうなのかということ、現状で特段の問題があるとは聞いておりませんが、そのようなことが非常に重要であるということはよく認識をいたしております。御指摘を踏まえまして、更に不断の検討を進めてまいります。
○国務大臣(川口順子君) 今度の外務省の改革で、情報収集能力の強化ということは一つの、目玉の一つでございます。
 それで、時間がないので具体的には言いませんが、強化をいたします。強化をするだけでは十分ではなくて、更にこの分析能力を高めるとか、あるいは情報収集の相手先を拡大するとか、いろいろなことをやらなければいけないと思っております。そういったことについてはこれからも引き続き取り組んでいきたいと考えています。
○高野博師君 終わります。
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
 最初に、イラク戦争開始から一周年になりましたので、ひとつお伺いしておきます。
 昨日の予算委員会の集中審議でも論議になった問題でありますが、イラクに対するアメリカの戦争に大義があったかという問題です。一年間たって今世界じゅうでいろいろな論議が行われております。アメリカ国内でもフセイン打倒という目的が先にあって、それの口実として大量破壊兵器問題が持ち出されたのだという議論もありますし、また世界各国から、私ここで詳しく紹介はいたしませんけれども、だまされたという大統領の発言から、あるいは大きな誤りであったという発言等々が行われております。日本政府はいち早くアメリカのイラクへの武力攻撃を支持し、いろいろな協力を行い、自衛隊も派遣してきました。
 この一年を振り返って、この戦争開始から今日に至る過程に、米英あるいはまた日本政府が取った態度に何ら問題がなかったのか、振り返って反省すべき点も検討すべき点も何一つないというようにお考えになっているのかどうなのか。それからまた、イラクの大量破壊兵器保有を断定したことは、疑問でなく断定をしたということは、これはやはり国民に不正確な情報を与えたという結果になるのではないかというようなこともお考えにならないのかどうなのか、お伺いします。
○国務大臣(川口順子君) この一年間を振り返って反省をすべき点というのが日本政府として全くなかったかどうかということについては、それは考えていけば幾つか、具体的に今何がということで申し上げることはできませんけれども、例えば復興支援の在り方あるいはタイミング、いろいろな意味で改善、良く、もっと良くできた点というのはあったかもしれないという気はいたしております。ただ、我が国がイラクに対する武力行使、これを支持したということが誤りであったかどうかということについては、これは誤りであったとは思っていない。引き続き正しかったというふうに思っているわけです。
 その理由でございますけれども、これはもう今まで委員にも何度も申し上げましたので詳しくは繰り返しませんけれども、基本的には武力行使の前において、イラクは大量破壊兵器を現に保有していたということであります。そして、これについては国連の査察団が入って幾つもの疑問点を言っているわけです。詳しく申しませんけれども、例えば生物化学兵器用の特殊弾頭ですとか、マスタード、サリン、タブン、VX、炭疽菌、ボツリヌス毒素、アフラトキシン等々とたくさんあって、これをイラクがきちんと例えば処分をした、そういったことについて十分に確信が持てないという報告がきちんと出ているわけであります。
 それで、そういった疑惑があって、査察へイラクがその上非協力であったということを始めとして、イラクの関連の安保理の決議に継続的に違反をしてきたということが、これは関連の安保理への査察団の報告等で、あるいは議論で明らかになったということであります。そして、これは一四四一を見てもお分かりいただけますように国際社会の一致した決定であった、一致した認識でもあったわけでございます。
 大量破壊兵器の問題というのは、これは二十一世紀の国際社会において、あるいはテロ、大量破壊兵器の不拡散、失礼しました、拡散、それがテロリストの手に渡ること、それは最大の脅威と言っても過言ではないというふうに思っております。そういう意味で、その武力行使なくして大量破壊兵器の脅威を除去するということができないという状況に至って、我が国としては国益に照らして、そして同盟国である米国等の関連安保理決議に基づく行動、武力行使を支持をしたということでございます。
 それで、イラクの大量破壊兵器については現在まだ引き続き捜索を行っているということでございます。これについては我が国として引き続き注視をしていきたいと考えています。
 情報の発信が国民に対して十分ではなかったのではないかという御意見につきまして、これはもっともっと情報の発信はできたという部分が全くないというふうには申し上げませんけれども、我が国として、小泉総理も武力行使の支持のときにはきちんと国民の前で二十分ぐらいにわたって御自分で御説明になられたわけですし、私もテレビその他いろいろなところにできるだけ出て、あるいは新聞等でも出て最大限の発信の努力は今までもしてきているわけでございます。十分でないとおっしゃられればそこまでかもしれませんけれども、我々としては当時あった時間の範囲内で最大限できることを全員で手分けをしてやったつもりでおります。
○吉岡吉典君 私は十分でなかったということを言うのではなくて、疑惑があるとおっしゃるのなら、政府の立場からそれなりに言い分もあるでしょうけれども、断定するということは、これは誤りであったと思っております。そして、私、この委員会でも繰り返し言ってきましたけれども、我々は、太平洋戦争が終わったときに、国民が教育を受けていたことと全く違った戦争であったということを敗戦ということによって知らされた、そういうことを国民が繰り返すことのないように政府自らもまた絶えず世界の動きからあらゆる動向を検討しながら進んでもらいたいと。その点、私は昨日の論戦を聞いてみても、そういう見地が見られない点で非常に大きい危惧を持ちました。
 世界の評価が大統領がだまされたと言っているのに対して、日本の側はそういう見地と全く違った見地一本やりでいいかどうかということについては、今日私は短い時間ですから、この問題ここで突っ込んで論議しようと思いませんけれども、そういうことを私の意見として述べ、それで次に進んでいきたいと思います。
 次の問題は、日露戦争百年という年、今年、来年です、この年に当たって幾つかの問題を私は考えたいんですが、これ時間が十分ありませんので、今日はまずシベリア抑留者の問題を取り上げたいと思います。
 というのは、日露戦争の際、日本はロシアの捕虜を手厚く優遇したという歴史を持っております。私も松山の墓地にも視察に行ってきたこともありますし、何回も行っております。そして、どういう目的でやられたにしろ、捕虜を重視して扱って世界からも高く評価され、今日もロシアからもしばしば感謝の意が表明される、こういうことがあったことは私は大変良かったなと思っております。それは日露戦争しかり、同時に第一次世界大戦のドイツの捕虜の扱いについても、私もこれも徳島県の鳴門にあるドイツ記念館等、行ってきていろいろ話も聞いてきたこともあります。そのように日本は第二次世界大戦で捕虜の扱いで戦争犯罪を問われたのと違って、ともかく日露戦争そして第一次世界大戦まではそういう捕虜を優遇することで世界に知られた、こういう歴史を持つわけですね。
 そういう国の歴史が変化して、第二次世界大戦では日本の捕虜の扱いが残忍だったと同時に、シベリアに抑留された人たちは、私、しばしば訪問も受けて当時の話もお伺いしますけれども、やっぱり地獄であったというお話ですね。そういう話を聞いていて私感ずるのは、やっぱり日露戦争のときにあれだけ日本が手厚く取り扱ったのに、なぜ第二次世界大戦でそういう地獄を体験しなければならないか、言わば恩をあだで返されたという感情があるということもよく分かりました。
 そこで、今それらの人々から、私、恐らく各党にもそういう要請が行われただろうと思います。私も最近要請を受けたことに沿って、ここで幾つかその要請を紹介しながら政府の努力をお願いしたいと思います。
 要請、私は大きく言ったら、ロシア政府に対して政府の努力で伝えてもらいたい問題と日本政府自身の努力と二つの点がございます。
 ロシア政府について言えば、今この補償問題を改めて要求するということではなくて、やはりシベリアで受けたいろいろな扱いについては、例えばエリツィン大統領が来日したときに謝罪したと、しかしそこで止まっているので、プーチン大統領にもやはり謝罪の意思を表明してもらいたいという強い希望も持っておられます。
 それからまた、国際法に違反する抑留ではあっても、その強制労働、それが結果として、ソ連、今のロシアの戦後復興にかなり役割を果たしたと。学者の研究によると、どれだけ、それがロシアの復興に寄与したかというそういう論文もあるのを私読みましたけれども、いずれにせよ、そういうことに対してソ連側は改めて、何というのですかな、感謝を、評価も下し、感謝もしてもらいたい。
 それからまた、抑留者が抑留されていたいろいろな収容所に何らかの記念碑のようなものでも造って、それで、国際法に違反して行った行動ではあるが、今日のロシアの政府は違った立場でこれについていろいろ記念もし、慰霊もする。亡くなった人々に対しては、ロシア政府が自ら慰霊事業をもっとやってもらいたいとか、そういうたくさんの希望を持っておられます。
 それは私は、九一年協定、ゴルバチョフが来たときですか、ここに盛られていることとダブるものもあるし、それをより充実した形で実現してもらいたいということもあると思います。
 私は、そういうことをしばしば聞いておりましたので、ロシアの前駐日大使のパノフさんが帰る少し前にたまたまお会いしたときに、抑留者はこういう希望を持っておられると、あなた長年日本大使やった人として、そういう点が実現できるように努力してくださいということをお伝えしたこともあります。
 今年、日露百年という節目の年を迎えて、そういうことを強くロシア側にも望みたいと。日本政府、また日本の政治がそういう意思を向こうに伝える、そしてそれができるだけ実現できるように政府にも尽力を願いたいというのがまずロシアに対する要望ですけれども、これ外務大臣、私はもっともな要望だと思いますので、そういうのを伝える努力はしていただけるものかどうか、まず第一番目の問題はこの点です。
○政府参考人(小松一郎君) 幾つかのことをおっしゃいましたので、事実関係につきましてまず私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。
 委員が御指摘になりましたように、戦争が終了したにもかかわらず多くの方がシベリアに強制抑留され、酷寒の地において過酷な強制労働に従事させられたということは誠に御同情申し上げるべきものであると考えてございます。
 いわゆるこのシベリア抑留問題に関しましては、日ロ間に真の相互理解と信頼関係を築くために両国による真摯な取組が不可欠であるというふうに考えております。
 今委員からのいろいろ御指摘ございましたけれども、私のレベルでもロシアと協議をいたします際には、そういう気持ちを抑留された方が今も非常に強くお持ちになっているということを踏まえて、ロシア政府としてもこれに真摯に取り組んでもらいたいということを繰り返し申しております。
 具体的には、特に、今委員も御指摘になりました、平成三年に締結されました捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定、これはロシアに承継されてございますが、これに基づきまして、遺骨の収集でございますとか慰霊の巡拝でございますとか、資料、私物を持っておられたとか日記でございますとか、そういった資料の調査、それから慰霊碑の建立など、国による様々な取組が行われてきておりますけれども、その一環といたしまして、この埋葬地のある地に、地域ごとに慰霊碑を建立するということにつきましてもロシア側との調整を今までも行ってきております。
 御参考までに申し上げますと、平成七年でございますけれども、ハバロフスク市から敷地の無償提供を受けまして慰霊碑を建立いたしております。
 遺骨収集の終了いたしました地域、それから建物が、その後、建築物があるというような事情によりまして事実上遺骨収集が実施できないような地域にございましてはこの平成十二年から慰霊碑を建立するということで、現在までにロシア側の協力を得てロシア国内四か所に建立をしておりますが、そのほかの場所についても引き続きロシア側と協議を継続しているところでございます。
 今後とも、先生の御指摘も踏まえまして、関係省庁と協力しつつ引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃったように、今年はその日露については百周年になる、戦争が終わってから六十周年になるという節目の年でもございますし、おっしゃったような日本側の抑留された人々の思い、これも様々にあるわけでございます。そして、その真の日ロ関係を築いていくということが重要でございますので、そういったその信頼関係を持った関係を築いていくということのためにもこのシベリア抑留問題については、これは引き続き真摯に取り組んでいくということが重要であるということをロシア側に対して伝えていきたいと私は思っております。
   〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕
○吉岡吉典君 いろいろ具体的な要望も私ども受けております。それはまた別途お渡しするとして、そういう御努力をお願いしたいと思います。
 その次の問題は、日本政府に対する要望です。
 日本政府に対する要望に当たって、私、実は昨日受け取った文書があります、抑留者の人から。それによりますと、シベリアの抑留生活が地獄であったと、しかし帰国後の日本政府の扱いはその地獄の苦しみを倍加させたと、そういうふうに書いてありました。何がそうさせたか。それは、シベリアで強制労働されて、それに対する賃金の未払、未払賃金の支払も何らの補償もないという問題ですね。それで、特に私、お会いしてお話を聞いて感ずる点は、南方から復員した人々に対しては日本政府が抑留した国に代わって賃金を支払いしていると、しかしシベリアに収容された人々についてはそれが行われていないということがその、シベリアも大変だったが、帰ってから後の日本も大変だったという理由になっているわけですね。
 私はお話をお聞きしながら、非常に強く思いました。それはもっとものことだなと思います。同じ国家の命令で、天皇の名前で日本の軍隊に動員され、そして戦地に赴いた。その行った先が南方の場合は、相手国が払うんじゃない、日本政府が賃金を払っている。未払賃金を払った。しかし、シベリアから帰った人にはそれが行われない。これ、同じ日本の軍人として海外に赴いて、そして、そういう違った扱い、差別が生まれるということはどんなに考えても納得できないという気持ちは、私は非常によく分かります。
 なぜ、そういうことが起きたのか。これは、私は何回も説明は聞きました。そして、最高裁の判決も読みました。この間も、ロシア課から、ロシア課の方からそういう書類も持ってきて見せてもらいました。したがって、政府の説明はここで改めていただかなくても、私、つい二、三日前も聞いたばかりです。しかし、私がここで提起したいのは、シベリア抑留者のことが私どもに訴えられた点というのは、そういうややこしい条約やら法律の世界の問題じゃないんだと。同じ日本の軍人として同じ時期に同じ戦争に動員されて、それで全く違った扱いを受ける、これでいいのかどうなのかという問題ですね。私は、それはやっぱりこの政治の力が解決しなくちゃならない問題だと思って、お話をお聞きしました。
   〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕
 それは、政府が言うような理屈も理屈の立て方によっては成り立つかもしれません。そういう理屈の繰り返しじゃなくて、同じ日本の軍人として海外に行った人々が同じ扱いを受けることによって、その扱いが十分意に沿うものであるかどうかは別としまして、やはりその差別がそのままで、おまえら、理屈からいえばこうなっているからそれを甘んじろということでなく、解決のために政治が働くべきだと私は思います。そうでなく、理屈からいえばそうだから、それはもう運命だと思ってあきらめろというわけには私は日本の政治としてはいかないと思います。これは私だけじゃなくて、各党にもこの間からずっと歩いておられたのですから、皆さんのところにも、各党にも恐らく届いていると思います。私は、それをこの間受けて、そういうふうに思って、ちょうど国会開会中ですから政府にもお願いして、そういう要望を、六十年たって申し訳ないけれども遅れた今でもその要望がかなうように実現したらと思います。
 こう一つの文書には書かれております。我々は、シベリアでの苦渋よりもむしろ祖国の冷酷非道に苦しんでいる。平均年齢八十歳を超える今、いつまでも苦痛を与え続けるつもりか。誠意のある解決を切望する次第ですと。私は、本当にそういう要望にこたえて、情のある心の通ずる答えをいただくことによって、こういうふうにしますということを今ここで要望しても無理だと思いますけれども、それはもう解決済みのものだということを一歩越えて、そういう苦痛を政治の力で取り除こうということに対する外務大臣の心のこもった答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(小松一郎君) 今、委員も、最高裁判決もあってその説明は随分聞いたという御指摘ございましたので、長々と内容を御説明するつもりございませんけれども、御指摘の、この南方地域からの帰還捕虜の方々に対する支払と、それからシベリアに抑留をされた方々に対する扱いとの違いということにつきましては、今委員からの御指摘ございましたように、これは裁判で平成九年のその最高裁の判決、正にこの法の下の平等にこれは反するのではないかという論点で最高裁が判断をしているわけでございます。
 これ、かいつまんで申し上げますと、この点につきまして、この判決は……
○吉岡吉典君 それは時間が掛かるからいいですよ。
○政府参考人(小松一郎君) はい。
 それで、連合国軍の占領下にあった時点と主権回復後に分けておりまして、主権回復後につきましては立法政策にゆだねられるものということを申しているわけでございます。
 それで、その上で、国内においてのその政策……
○委員長(山本一太君) 短くお願いいたします。
○政府参考人(小松一郎君) につきまして、外務省としては、その所管という立場からお答えすることができないのは残念でございますけれども、このソ連によって抑留された方々及びその御家族に対しては、ほかの地域からの帰還者に対するものに加えまして、援護法、恩給法等による特別の手当てが行われ、また昭和五十九年の戦後処理問題懇談会報告を受けまして、平和祈念事業特別基金による慰藉事業が実施されているというふうに承知してございます。
○吉岡吉典君 ちょっとその前に一言。
 今、最高裁の判決のことが出ましたけれども、この最高裁の判決でも立法府の裁量的判断にゆだねられるものと解するということもありまして、もう絶対不動のものではないわけです。それから、時期、行った先、そういうことは僕もよく知っています。しかし、どこへ行こうと、同じ日本の軍人として海外に動員された人々に、時期とか場所による違いで苦しめるというふうなことをない努力を政治の力でやりたいというのが私のお願いですので、簡潔で結構ですけれども、外務大臣に。
○委員長(山本一太君) 答弁簡潔に、川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) これは、今説明がありましたように、外務省のみで何かを判断するということではございませんけれども、外務省としては、このシベリア抑留問題について、関係の他の省庁と連携をしながら取り組んでいきたいと思っています。
○吉岡吉典君 終わります。
○大田昌秀君 社民党の大田でございますが、時間が短いので、ごく簡潔に御答弁をお願いいたします。
 まず、防衛庁長官にお伺いいたします。
 政府は、昨年十二月十九日の安全保障会議と閣議で弾道ミサイル防衛システムの整備等について決定されました。弾道ミサイル防衛については、現在、日米間で共同技術研究が行われていると理解しておりますけれども、その研究の結果を待つのでなくて、一足飛びに既存のBMDを導入なさるおつもりですか。もしそうだとすると、その理由は何ですか。
○国務大臣(石破茂君) 先生御案内のとおり、今、日米共同研究をしておりますものと今回予算でお願いしているものは別物でございます。
 今、日米共同で技術研究いたしておりますものは、更に能力をアップさせました。つまり、先生御案内のとおり、ミサイルというものはどんどん進歩をいたしますので、更に能力をアップした迎撃システムとして研究をしているものでございまして、私どもといたしましては、今具体的にどの国のということを申し上げることはいたしませんが、現実にミサイルの懸念があります以上、現在、技術的に相当程度確立をした、来年度予算におきましてお願いしているものを導入することは不可欠であると。そしてまた、それを運用いたしますことが、また日米共同研究、これどうなるか。まだ開発段階にも移行しておりませんので、断定的なことは申し上げられませんが、そのことにも十分資するものだというふうに考えております。
○大田昌秀君 二〇〇四年度の防衛予算では弾道ミサイルシステムの整備費が九百二十二億円計上されておりますが、これは専門家たちによりますと膨大な予算が掛かると言われておりますけれども、防衛庁長官はこのBMD整備計画にほぼどれくらいの予算を見積もっておられるんですか。
○国務大臣(石破茂君) 現時点におきましては八千億円から一兆円と見込んでおります。
○大田昌秀君 普天間の代替施設についての予算をどの程度見積もっておられますか。前に滑走路とか、そういうのを除いて三千三百億円ということは発表しておられますが、その後具体的に、滑走路とか宿舎とかを含めて、どれくらいかというのはまだ聞いておりません。
○国務大臣(石破茂君) 今詳細な数字を申し上げますので、しばらくお時間をいただければと思います。今調べさせております。
○大田昌秀君 お昼のニュースでアメリカ側は普天間の代替施設として宮古島の下地空港を勧めたというニュースが流れましたけれども、この点について何かお聞きですか、防衛庁長官は。
○委員長(山本一太君) 併せて、じゃ防衛庁長官。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘の報道については承知をいたしております。
 報道にあった内容も含めまして、普天間飛行場の移設・返還につきまして、代替施設建設に代わる案につき、米側から打診を受けているという事実はないというふうに聞いております。
○大田昌秀君 もし、米側の方が下地島空港を使いたいと、普天間の代わりに、そういうことを申し入れた場合に、防衛庁はそれを拒否する決意はお持ちですか。つまり、私が先日、民間空港を軍事利用させないという、そういう覚書があるという趣旨のことを質問したわけですけれども、防衛庁は、その点はアメリカ側の申出があってもきちっと拒否するお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) 先般の委員会におきまして先生からそのような御指摘をいただきました。そのようなことにつきましては、私どもとしてはよく承知をいたしております。
 現在、米側からそのような申入れがあったということは具体的にはございませんが、いずれにいたしましても、地元の皆様方の御理解を得なくて基地行政というものができるとは考えておりません。
○大田昌秀君 改めてお伺いします。
 地元は明確に反対を表明していますが、今おっしゃるように、地元の御意向を伺うということでしたら、明確に拒否される御決意ですね。
○国務大臣(石破茂君) そのことにつきまして米側から具体的に申入れというものが、確たるものがあったとは承知をいたしておりません。
 いずれにいたしましても、地元の皆様方、先生御指摘のような地元の皆様方の御理解、御了解なくして基地行政というものはできるとは考えておらないところでございます。
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 平成十五年十二月十九日の第二回代替施設協議会で、川口大臣は、同年十一月十五日にラムズフェルド国防長官にお会いした際、大臣の方から普天間の代替施設の十五年期限問題について申入れをしたというふうに話しておられますが、ラムズフェルド国防長官は川口大臣のそういう申入れに対してどういう御返事をされたんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 突然の御質問ですので私も正確には覚えておりませんけれども、大臣から、普天間の施設の移設につきましてはこれからも日米で共同、協力して対処していきたい、稲嶺沖縄県知事より使用期限問題が提起されていることもあり、これからも日米で協力していきたいというふうなことを申されたのに対しまして、ラムズフェルド長官から、沖縄の問題については十分理解をしている、米側としても引き続き沖縄への影響を小さくするよう努力していきたいというふうに述べられました。
○大田昌秀君 外務省は、その十五年問題は辺野古の代替施設を造る前提条件だという、その認識にはまだ変わりございませんか。
○政府参考人(海老原紳君) 使用期限問題につきましては、平成十一年の閣議決定の際に、沖縄県の方からそのようなお話があるということを重く受け止めて、米側との間で取り上げていくということを決定いたしておりまして、その方針に変更はございません。
○大田昌秀君 重く受け止めるということはどういうことですか。
○政府参考人(海老原紳君) 重く受け止めるというのは正にそのとおりでございまして、稲嶺知事からそのようなお話があったという事実を政府としても非常に重いものであるというふうに認識をしているということでございます。
○大田昌秀君 去る十六日の本委員会で、北米局長は、キャンプ・ハンセン内に新しく建設される施設について、これは都市型訓練施設というものではない、陸軍の複合射撃訓練施設であるという趣旨の御答弁がありました。そうしますと、防衛庁なんか、あるいは沖縄県の方では、これを都市型の訓練施設というふうにして、防衛庁は都市型の訓練施設の整備ということで予算も計上しているわけですが、そうしますと、北米局長の言っている施設というのは、沖縄県や防衛庁が言っているその都市型の訓練施設とは全く内容が違うということですね。
○政府参考人(海老原紳君) 先般、大田委員の御質問を受けまして、私の方から、これは都市型訓練施設ではなくて複合射撃訓練場であるということを申し上げましたけれども、これは、米側が今回レンジ4に建設を予定しております施設というものは、これはキャンプ・ハンセン、それからキャンプ・シュワブにおいて分散実施している訓練を効率的、効果的に行うための施設ということで、複合射撃訓練場というふうに呼称しているということでございまして、そのことを大田委員に申し上げさせていただいたということでございます。
○大田昌秀君 もっと直截にお答えいただきたいと思います。我々の方では、沖縄の方では都市型訓練施設といって、実は恩納村に以前都市型ゲリラ訓練施設ということで実弾射撃演習をする施設ができておったわけです。それが危険だということで廃止させたわけですよ。その再現だと思われるわけなんですが、北米局長は、今おっしゃったように、それじゃ全く防衛施設庁が作った予算とも違う内容の施設をレンジ4に造るということですか。
○政府参考人(海老原紳君) 今、八八年のお話がございましたけれども、これは確かにレンジ21に所在しておりました施設でございますが、これは米側も都市型戦闘訓練施設というふうに呼んでおりまして、これは我々の理解では、市街戦を想定いたしまして、敵に占領された建物等を小型武器をもって奪還するという訓練のためというふうに承知をいたしておりました。
 今回のものはそういうものではないということで、幾つか訓練内容につきまして米側から説明を受けておりますけれども、基本的には小型の武器による射撃訓練あるいは突破訓練というようなものが中心になるということで、米側の方において、レンジ21にあったような都市型訓練施設というものではないという説明は受けております。
 なお、今回の予算のことをおっしゃいましたけれども、今回のレンジ4に建設を予定しております施設は、これは米側の予算で建設をするというものでございます。
○大田昌秀君 恐縮ですが、米側は、今の都市型訓練施設と局長がおっしゃる、何ですか、陸軍総合何とかという、複合射撃訓練施設という、英語で何と言っているんですか。どう呼んでいるんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 済みません、今ちょっと資料を出しておりますので、あれでしたら後で御説明をいたします。
○大田昌秀君 これは外務省の御説明を伺っていると非常に紛らわしい。外務省の言葉遣いに我々は絶えず悩まされるわけなんですが、もう少し端的に明快におっしゃっていただかないと不必要に混乱を来すおそれがございます。そこを是非よろしくお願いしますが、後ほど今のことを、資料で結構でございますから、お届けいただきたいと思います。
 それから、あと一つ伺いますけれども、これは外務大臣に直接お答えいただきたいんですが、いわゆる沖縄大使という大使名の方が沖縄におられるわけですが、日本国内で大使という名称の付いた方が、外務省の職員がどこかにおりますか、沖縄以外に。
○国務大臣(川口順子君) 大阪、と思います。
○大田昌秀君 性格は同じですか。内容は、職務の内容は同じですか。
○国務大臣(川口順子君) 基本的に、その地域において外務省を代表して、外務省の所管に係ることにつきまして関係のところと話をしたり折衝をしたり、あるいは外務省の政策を広報したり、そういったことであります。
○委員長(山本一太君) 時間ですので、短くお願いいたします。
○大田昌秀君 最後の質問ですが、今回でいわゆる沖縄大使というのは三代目になるわけですが、基地問題とかそういうのをごらんになっていて、大使としてのこれまで果たしてこられた役割についてどう評価されておられますか。
○国務大臣(川口順子君) 私はその三人全員の仕事を知っているわけではありませんけれども、私が外務大臣になって私の知っている範囲のことで申し上げますと、それぞれその自分の仕事をきちんとわきまえて非常にいい動きをしてきたというふうに私は思っております。
○大田昌秀君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上をもちまして、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十一分散会