第159回国会 文教科学委員会 第16号
平成十六年五月十三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     谷  博之君     柳田  稔君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     佐藤 泰介君     岡崎トミ子君
     柳田  稔君     谷  博之君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         北岡 秀二君
    理 事
                亀井 郁夫君
                後藤 博子君
                鈴木  寛君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                扇  千景君
                中曽根弘文君
                橋本 聖子君
                伊藤 基隆君
                岡崎トミ子君
                谷  博之君
                中島 章夫君
                西岡 武夫君
                柳田  稔君
                草川 昭三君
                畑野 君枝君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   河村 建夫君
   副大臣
       文部科学副大臣  原田 義昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 俊史君
   政府参考人
       文部科学省初等
       中等教育局長   近藤 信司君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        田中壮一郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鶴田 康則君
   参考人
       日本薬剤師会副
       会長       児玉  孝君
       管理栄養士
       大阪府高槻市議
       会議員      橋本 紀子君
       いのちをはぐく
       む学校給食全国
       研究会代表    雨宮 正子君
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  本日の会議に付した案件
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
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○委員長(北岡秀二君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十二日、谷博之君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君が選任されました。
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○委員長(北岡秀二君) 学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として日本薬剤師会副会長児玉孝君、管理栄養士・大阪府高槻市議会議員橋本紀子君及びいのちをはぐくむ学校給食全国研究会代表雨宮正子君の三名の方に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと思っております。よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず児玉参考人、橋本参考人、雨宮参考人の順でそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただいた後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず児玉参考人から御意見をお述べいただきます。児玉参考人。
○参考人(児玉孝君) ただいま御紹介を賜りました日本薬剤師会の児玉でございます。
 私どもは全国で約九万六千人の薬剤師の団体でございまして、病院、薬局、行政、教職、あらゆる分野の薬剤師の集まりであります。したがいまして、本日は現場の薬剤師の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
 まずは、このような国の最高議決機関の国会の場におきまして薬学教育について話をさせていただく機会を与えられましたことを誠に感謝申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
 まず、私の方からは、まず第一点、私ども現場の薬剤師の立場から、なぜこの薬学教育改革をお願いを申し上げてきたかということをお話を申し上げたいと思います。
 皆さん御承知のとおり、いわゆる医薬分業という言葉は御存じだと思うのでありますが、医師が患者さんを診て、そして診断をして、そして処方せんをお書きになる、薬は薬剤師の方から受け取るという、こういう制度でありまして、外国では当然の制度であります。これが日本では大変後れておりました関係もありまして、主に薬学というものは創薬が中心に進んでまいりました。そのために、その教育カリキュラムもそれに沿ったいわゆる基礎薬学を中心に参ったわけであります。
 ところが、御承知のとおり、近年、医療が大変進んでおりまして、医薬品の進歩も相当なものであります。また、今申し上げました医薬分業につきましても、ようやく欧米並みに日本も進んでまいりました。直近の数字では約五四%であります。そうなってまいりますと、いわゆる医療現場におきます薬剤師の業務が大きく変化してまいりました。
 例えば、病院におる薬剤師につきましても、いわゆる調剤だけではなくて、病棟、いわゆる患者さんのベッドサイドへ参りまして医薬品についてのいろんな服薬について説明をする、あるいは病院によりましてはナースセンターで医師、看護師とともにカンファレンスに参加する、このように大きく業務が変わってまいりました。あるいは町の薬局におきましても、いわゆる処方せんの調剤をするようになってまいりました。
 このように大変薬剤師の現場の業務が大きく変わってきたわけでありまして、特に医療とのかかわりが、これは本来薬剤師の業務でありますけれども、それが本来の業務になってきたと。ところが、それに相応する薬学教育はと申し上げますと、残念ながら、先ほどから申し上げましたように、基礎薬学が中心になるという実態が長く続いてまいりました。したがいまして、私どもとしましては、非常に現場の立場からやはり臨床にかかわる医療薬学をもっと学ばせていただきたい、このような強い要望を申し上げてきたわけであります。
 昭和四十二年、随分前でありますが、その四十二年に日本薬剤師会としまして、そのような現状の変化を踏まえまして、薬学教育の改善についてという要望を各方面にお出しを申し上げました。実に三十七年前であります。以来、様々な方面に働き掛けを申し上げながらこれを訴えてまいったわけであります。
 したがいまして、本日、このように学校教育法の一部改正に伴う薬学教育の改正が上程されましたこと、大変我々にとっては感謝している次第であります。
 そういった状況の中で、私どもとして今後の課題というものがございます。その第一点が、今回の薬学教育の改善の中に含まれております、いわゆる長期にわたる、長期といいますと六か月以上でありますけれども、薬局及び病院におきます現場の実務実習と体制作りであります。
 確かに、我が日本ではほとんどそういうふうな長期の実習の体験、経験がございませんので、これをどう構築していくかというのは大変大きな課題であります。特に、医学部、歯学部の場合はすべて附属病院がございますけれども、薬学部は、いわゆる総合大学の薬学部以外はそういう附属病院がございません。したがいまして、現場における実習と申し上げましても、ほとんどが外部に委託せざるを得ません。これが大きなポイントであります。そういう外部に委託する中で、正に北海道から沖縄まで、薬学生の実務実習は全国均一でなければいけない、かつその中で質を担保しなければいけない、こういうふうな要素があるわけであります。そういう要素を踏まえながら、全国的なそのような実務実習のシステムを構築すると。言葉では簡単でありますけれども、もちろんこれは大変なことであります。したがいまして、全国でありますから、今全国の組織として、日本薬剤師会それから病院の日本病院薬剤師会というのがございますので、この二つの団体が主になりまして、今現在その準備を進めているところであります。
 本国会でもし通過しましたならば、約六年後に初めてのその長期実習が始まります。六年間といいましても、あっという間に来るわけでありまして、今私どもはそれに向けて努力をしている最中でございます。
 皆さん方からすれば、病院における薬剤師の実習というものは、イメージといいますか、わくかと思いますけれども、薬局、いわゆる町の薬局で何を教えるのだろうと多分お思いだと思います。病院では、主に病院における独特の調剤がございますので、そういうふうな調剤、それから病棟におけるいろんな様々な薬剤師業務、こういったものを教えるわけでありますが、いわゆる町の薬局で教えること、それはいわゆる地域の薬局、これまた独特の調剤というものがございます。そういうものを教える。あるいは地域の医療、保健、福祉にかかわる薬剤師という業務がこれも現在は多くございます。そういったことを地域の薬局で実務実習として教えると、こういうふうな方向で今行っているわけであります。
 先ほど申し上げましたように、全国統一、均一性がなければいけませんので、今私どもは、ここにございますようなこういう共通のテキストというものを作っておりまして、これを全国の受入れ施設の薬局に配付しまして、これを基に同じ教育を受けさせるように今進めているところであります。
 このように着々と準備を進めているわけでありますけれども、それに伴う少し懸念される問題が二点ほどございます。
 いろいろあるんでありますけれども、その主な二点といいますのは、一点は、私どもは、その施設の数というものももちろんございますので、今の薬学生、約全国で九千人ぐらいでありますけれども、多少増えても一万人ぐらいを想定して準備をしておるわけでありますけれども、昨今、御承知のとおり非常に薬学部の新増設が参っておりまして、その増加に伴う準備がどこまで行けるんだろうか。まだ増える傾向でございますので、そこのところの体制の読みがよく分かりません。その辺りが非常に不安な要素の一つであります。
 それからもう一点は、当然外部に委託するわけでありますから、受ける方としましては、やはり若干の費用が発生いたしますので、それに対する手当てはどうしていくんだろうかと、このような不安を持っているところであります。
 それから、課題の二つ目でございますけれども、今回の改正の中で、いわゆる六年制学部と四年制学部が併存するわけであります。私も、この問題につきましての文部科学省の中の協力者会議に参加しておりましたので、この議論は十分によく分かっております。したがいまして、いろんな議論の結果、今の日本の薬学の特性といいますか多様性からこの二つの学部の存在というものができたということはよく理解しているところであります。しかしながら、将来は日本のこの薬学の考え方も一本化されるのかなと、そのような期待を持っているところであります。
 研究と薬剤師教育というものの二つに分かれたわけでありますが、これは一つの例でございますが、大阪大学の岸本総長が書かれたものがございますが、そこに、岸本総長御自身が医師であって免疫学の権威でありますけれども、その岸本総長が、自分は免疫学の研究するについて医師として一年間臨床で実際に患者を診たと、その経験が自分の免疫学の研究に非常に役に立ったとおっしゃったものがございます。
 したがいまして、私が申し上げたいのは、薬学研究もやはり人の生命にかかわる学問でありますので、いずれはそういった方向に行き、六年の教育を受けて、薬剤師が研究をして薬学の研究が発展していく、そのように将来はなるだろうなと、そのように期待しておるところであります。
 ただ、四年学部と六年学部でありますから、当面はこの両方が存在いたしますので、是非、文科省におかれましては、薬学を目指す学生に対して、特に高校生に対していろんなPRを是非お願いしたいと、そのように思うわけであります。
 その次、課題の三つ目でありますが、生涯教育の充実ということでありますけれども、当然、生命にかかわる、先ほどから申し上げました職能でありますので、日々いろんな学問が進んでおります。これは医学も同じであります。したがいまして、大きく分けて二点、私どもが今後課題としてやらなければならない。
 一点は、一貫した教育でありまして、つまり卒前の教育、これが実務実習ということかもしれませんが、卒前の学生の教育。そして、卒直後の教育。これは、本年度からも医師が二年間、卒後教育の二年間の義務付けがされましたけれども、私どもも将来そうなるであろうと。したがいまして、卒前、卒直後、そして卒後の生涯教育、この三つの体系化が必要であろうと、そのように思っています。
 もう一点は、これまた当面、四年学部卒の薬剤師と六年学部卒の薬剤師が併存いたしますので、したがいまして、四年学部卒の薬剤師に対しての研修、これは私どもの一つの責務としまして様々な今方策を練っているところであります。
 以上、いろいろ課題も申し上げましたが、いずれにしましても、この薬学教育に伴う課題を解決するにつきましては、関係行政、特に文部科学省及び厚生労働省の双方の行政の協力が不可欠でありますので、是非そのことはお願いを申し上げたいと思います。具体的には、このような課題を解決するための検討をする場を是非両省でお持ちいただければ有り難いと、そのように思っております。
 最後でございますけれども、いずれにしましても、この薬学教育改革、これにつきましては必ず国民のためになるであろうと私どもは確信をしておるわけであります。と申し上げますのは、当然薬剤師の能力がそれなりにアップするわけでありますけれども、そうなりますと、例えば諸外国にも見られますように、医師の処方設計に対しても私どもが御協力をすることができる。そうすることによって適正な薬物療法がより医師の先生方と一緒に進めることができるんではないか、これが一点であります。
 それからもう一点は、現在、社会問題化しておりますいわゆる医療事故の問題でありますけれども、この医療事故の中に薬剤にかかわる、医薬品にかかわるミスが非常に多く出ております。こういったことにつきましても、薬剤師としてその能力を生かして医療チームの一員として活動することによってその医薬品の医療事故が大変削減することが可能であろうと、そのように思っております。したがいまして、これは是非、国民のためにもなると、そう私ども信じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 是非今国会におきまして可決、成立していただきますよう心よりお願いを申し上げまして、私の方からの陳述とさせていただきます。
 どうも本日はありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
○委員長(北岡秀二君) ありがとうございました。
 次に、橋本参考人にお願いいたします。橋本参考人。
○参考人(橋本紀子君) おはようございます。高槻市議会議員の橋本でございます。本日はこのような機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
 まず初めに、私のことを少し御紹介したいと思いますけれども、私は管理栄養士でございまして、一番初めには石川県金沢市の教育委員会で栄養士として働いておりまして、行政の立場から学校給食に携わってまいりました。その後、大阪府高槻市の公立小学校の学校栄養職員として約二十七年間お仕事をさせていただきました。さらに、ただいまは、近畿を中心とした任意団体ではございますけれども、子どもの食教育研究会というのがございまして、子供の食をめぐる現状と課題及び食教育の理論と実践、あるいは学校栄養職員が食教育に果たす役割、あるいは外国の食教育制度というようなことにつきまして研究をしておりますので、そういったことから本日この機会を与えていただいたのかなというふうに思っております。
 そこで、今回審議されます学校教育法の一部を改正する法律案についてでございますが、栄養教諭の免許制度の創設につきましては法案の説明の理由に提案されているとおりでございます。近年の児童生徒の食生活の乱れとそれに起因する健康状態の問題、それから食をめぐる著しい社会変化、そしてその中には国際化でありますとか工業化、そしてファストフードなどに見られますような簡便化、そういった問題、それから食の安全上の問題、こういうことがありまして、こういうことに対応する必要から、家庭はもとよりでございますが、学校における体系的な食教育が今大変求められている、そういった背景があると思っております。
 栄養に関する高度の専門性を有する教育職員として栄養教諭制度の創設が行われますと、児童生徒の、現在も行われておりますけれども、食に関する指導がより学校教育に定着して、そして人々が自らの健康をコントロールし改善することができるようにするプロセスとして提案されておりますヘルスプロモーションの理念であります適切な行動を取る実践力、すなわち自己管理能力の育成が図られると思っております。
 大変この法案がここに至るまでは長い年月が掛かったわけでございますが、ようやく食の専門をする教育職員が誕生するということで、本当に喜ばしいことだと思っております。私、職業人生の大半を子供の食にかかわってやってきました者としましても大変うれしく思っております。
 それでは、学校栄養職員の現職の方々の職務と今日までの位置付けについて、時間の関係もございますから少し簡単に御説明をしますと、一九五四年、昭和二十九年に学校給食法ができました。これは貧困家庭の児童のための栄養補給ということで、どちらかといえば福祉的な側面が強うございました。一九五八年、昭和三十三年に給食指導というのが学習指導要領に位置付けられまして、名実ともに教育として位置付いてまいります。一九七四年に公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員の標準に関する法律、いわゆる標準定数法ですけれども、これが改正をされまして全国に学校栄養職員が配置されました。このときに示されました職務内容準則案は、教育的専門職員として位置付けられまして、学校給食の管理運営と給食指導を担当するということになっております。しかし、給食指導につきましては補佐的な役割が位置付けられておりました。一九八六年、昭和六十一年に改めて学校栄養職員の職務が通知されて、現在に至っております。
 それでは、児童生徒の食に関する実態と栄養教諭制度の必要について簡単に述べさせていただきますと、多くの研究者が御指摘をされるとおり、そしてこちらにも参考資料にたくさんのデータが記載されておりますとおり、学校現場でも食にかかわる課題というのは大変憂慮すべきことでございます。朝食の欠食、栄養バランスの偏り、肥満傾向の増加など、いわゆる生活習慣病のリスクファクターにつながる課題が放置できない状況になっております。
 生活習慣病といいますのはかつて成人病とも言われておりましたけれども、子供のころからの生活習慣に発病に至る原因が隠されているということが明らかになりまして、生活習慣を改善することが必要ということになってまいりました。
 そこで、少子高齢化が進行するこの社会にありまして、次代を担う子供たちに健康教育の一環として望ましい食習慣の形成とその実践的な態度を育成するということは、健康の増進と、発病を予防する一次予防の上からも必要なことだと考えます。また、偏食や食に起因するアレルギーの増加に伴う個別指導というものも大変必要が高くなっております。また肥満指導など、そういった食生活の指導では食のカウンセラーとしての役割が今後ますます大切になってくると思います。
 それから、教科との関連、これは学校給食も含めてですけれども、総合学習での食を切り口にした学習など、あるいは地域での連携事業など、そういったことのコーディネーターとしての役割も求められてまいります。これらをより一層充実させ、そして質を高めるためには、現在の学校栄養職員制度の上に教育的資質の向上にかかわる制度の整備が必要かと思われます。
 また、食の安全性が問題になっておりまして、食に対する科学的な知識や選択力、それから生産流通に関する知識、あるいは失われつつある食文化の継承、そういったことも本来は家庭の教育力をまつところではございますが、それを超える社会的な状況が起こっております。こういうことから、学校教育の役割が大きく期待されているのではないかと思います。
 ところで、これまで食に関する指導といいますのは、毎日繰り返し行われる学校給食を通しまして、体験学習の生きた教材としてそれを活用し、学校栄養職員が専門性を発揮して行ってまいりました。しかし、これが制度的にきちっと整えられていないということで、保体審の指摘のとおりでございますが、職場の環境に左右されるなど、地域、学校での実態の差も存在いたします。
 制度的な担保と資質向上のための方策として、栄養教諭制度の創設が本当に今必要なのではないかと思います。栄養教諭制度の創設に関する論議の経緯というのが参考資料の三ページにも記載されておりまして、お読みいただいておると思いますけれども、九七年の保健体育審議会以来、非常にこの食問題あるいは学校教育での食に関する指導についての目覚ましい記述が次々と展開されてまいりました。これほどまでに学校栄養職員あるいは学校給食や食全体の問題にかかわることがクローズアップされたのはなかったのではないかと私自身も驚いております。そういう意味からいいましても、今本当にそういった問題に対応する力が喫緊の課題として存在するのだということが背景にあるということをうかがうことができます。
 それでは、今回上程されています法案、これは通していただくことをまずもってお願いをするわけですけれども、少し、制度の趣旨から課題となるなと私が考えていることを申します。
 まず、何よりも大きな課題は配置についてでございます。都道府県の判断に任せられて義務規定がないということで、昨今の地方の財政状況によりまして、法の趣旨に沿わず、全国的なアンバランスが生じるのではないかというふうに懸念をいたします。その根拠を、学校給食が義務法ではないこと、あるいは学校栄養職員の全校配置がないことなどを挙げておられますが、法の趣旨から申しまして、これらにかかわらず食教育は必要なわけでございますので、現行制度の不十分をそのまま容認しているということについては少し残念な思いがいたします。
 また、今まで学校栄養職員が食に関する指導について積極的に推進してきたわけでございますが、その実績に教育職員として必要な素養を認定講習等でプラスして移行することによって、先ほど来申し上げています喫緊の課題に対応できる即実践力につなげるべきと考えます。したがって、課題の二つ目でございますが、移行に関する環境整備については、大変な重要な課題だと思いますので、よろしく御配慮をお願いしたいと思います。
 また、あわせまして、現在、専門学校生が栄養士や管理栄養士を目指しておりますし、また専門学校修了の現職者がいらっしゃいます。こういう方の移行についても同様に進められるように御配慮もお願いをしたいというふうに思います。
 最後ですけれども、栄養教諭と学校栄養職員の併存が行われるわけですが、早期にこれが解消されて、食教育が進められることが将来的にも一番望ましい方向だと思っております。そういった促進について是非、重ねますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、最後になりますが、参考例といたしましてお隣の大韓民国での制度化について申し上げたいと思います。
 お隣の大韓民国につきましても、日本と同じような制度の中で学校給食が行われております。昨年の十月、大韓民国第二百三十八回の国会におきまして初・中等教育法中の法改正の法案が上程されました。その結果、二〇〇六年三月一日から栄養教師制を施行するということで可決をされております。
 世界的にも、栄養教育につきましては先進諸外国でも実践されておりますことですから、本当に長い間待っておりました法案につきましてよろしく御審議をいただきますようにお願いを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
 今日はありがとうございました。
○委員長(北岡秀二君) ありがとうございました。
 次に、雨宮参考人にお願いをいたします。雨宮参考人。
○参考人(雨宮正子君) こんにちは、雨宮です。
 私は、子供が小学校に入ると同時に学校給食の豊かで安全な運動を続けて、現在まで四十二年続けております。この中で、教育としての学校給食を進めるために栄養士さんの役割は本当に重要だと思っています。ですから、今回の栄養教諭制度の導入は心から賛同いたします。
 しかし、現在、学校数は三万六百二校あるのに対し、学校栄養職員は一万二百五十人、平成十三年五月現在です。したがって、三校に一名の配置という状態です。地方自治体の考え方によっては、栄養職員の方は二校掛け持ち、また臨時や嘱託など不安定な身分のままでたくさんの仕事をしていらっしゃいます。本当にそれは労働強化の実態を知らされるわけです。
 文部科学省、厚生労働省、農林水産省の三省がともに提言した食生活指針を実施していくためにも、栄養教諭制度の実りあるものにしていくためにはもっともっと栄養士さんを増やしていかなければいけないし、栄養教諭制度の充実も大切だと思っています。
 この中で、児童数五百五十人以下の小規模校は一名という栄養職員の配置を資料の中で見せられました。これではなかなか大変です。児童数が少なくても一つの学校に一人の栄養士さんの配置は望むところです。また、共同調理場にしても同じです。何校も掛け持ちの栄養士さんの状況を見ますと、子供たちは栄養士さんが回ってくる日には野菜は全然残さなかった、栄養士さんが廊下に歩いている姿を見ただけでもきれいに食べるという話も聞かされています。
 国の方針で出された今回の制度です。栄養教諭の配置を設置者にゆだねるのではなくて、地方自治体だけにゆだねるのではなくて、標準定数法にも基づいて新たな規定を設けるとともに、栄養教諭制度を裏付けるための国庫負担による教育制度の拡充を望みます。
 二番目に言いたいのは、学校給食法に基づいた学校給食の実現ということでいきますと、今子供たちの体の状況、さっきも資料提示をされているのを見ますと、私も資料を提示しましたけれども、最近子供たちの体温が全体に低くなっている。生活習慣病の低年齢化の問題もありますけれども、体温が低いということは子供の活力が活性化してこなくなったのではないか。これは、子どもの身体二〇〇一白書を私たちは作っていますので、そこでも明らかにされています。子供たちに本当に小さいときからしっかりした食教育を充実させて理解させていくのには、学校給食は大切な教育の場だと思います。
 ファストフードがはんらんしている中で、子供の食の正しさを教えていくということは学校給食の役割だと思います。その中で考えていくときに、農業国フランスでは、ファストフードから子供の食を守るということで、味覚の授業を政府が推進して行っています。今度、栄養教諭制度が導入されてくれば、また栄養士の配置の充実が実現すれば、このようなことを学校給食の中で実現していただけると思っています。
 私たちは、日本の食文化を学校給食の場で正しく継承発展させていく。学校給食法の原点は、食を通して生きる力をしっかり学ばせるということを一九五四年、当時の文部大臣は国会で趣旨説明をして、これが成立しています。
 身土不二の原点に立って優れた食文化を子供たちに伝えていく。それを見るときに、日本は本当に輸入大国になっています。この輸入大国の中で、子供たちの食の状況を見ますと、その資料提示でごらんいただきたいと思いますが、資料の中のナンバーで八番にあります。これは文部科学省が輸入食品を学校給食の中に使うことを賛同しているということが朝日新聞の記事に載っています。文部科学省というのはそういうことを評価するのではなくて、自分の国で取れた食べ物でしっかり学校給食を進めていく、地産地消を推進するのが文部科学省の方向ではないか。この新聞記事を見て本当に驚いているお母さんたちがたくさんいます。私もその中の一人ですが、千葉県で学校給食のパンの調査をしました。
 それは、表が七番です。農民連の分析センターに十二市町村のパンを、学校給食のパンを持っていって検査をしてもらいました。そうしますと、子供たちには本当に入っては困るような猛毒マラチオンが〇・〇一ppm入っていました。私たちは運動をして、この輸入小麦、原因は輸入小麦ですから、輸入小麦をやめさせてくださいということを千葉県に持っていきました。千葉県では県産小麦を三〇%混入してくれました。すると、マラチオンは〇・〇〇六ppmにまで下がりました。子供の視神経が侵される猛毒マラチオンのことを考えると、一番の表のところにありますように、私の資料の一番にありますように、視力の低下がどんどん進む子供たちのことを考えたときに、微量であろうと毎日食べているということ、一週間に二度ほど輸入小麦のパンを食べさせられているということは問題です。ですから、やっぱり子供たちにはその土地で取れた日本の食文化が正しく継承発展させられる、そういう食材で学校給食を進めていただきたいということをお願いします。
 実際にこう見ていきますと、民間委託というのがあります。三番目です。学校給食の合理化通達を一九八五年に文部省が出しました。栄養士さんは献立を立てても現場に下りて食指導をすることができません。本当に栄養教育、そして食教育を推進する、教育の担い手として栄養士さんが十分に仕事ができるようにするのには、現場に下りて食指導ができないというこの合理化通達はやめさせなければならないと思います。やめさせていただきたいと思います。
 なぜかといいますと、自治体では学校給食を民間に委託することで経費が節減できるということを言っていますが、実際には二年、三年たつと民間委託の経費は二倍から三倍に上がります。私たちの研究会で調べています。ですから経費は安くならない。なぜ栄養士さんが現場に下りて食指導ができないのか。そして、調理員さんは、パートで来る調理員さんは入れ替わりが激しいです。一年で三十四人、四人いる職場に三十四人も入れ替わるという現場を見るときに、いつも慣れない調理員さんたちが来て本当に大変だという話を聞かされます。
 それから、この表の中でナンバーの六番をごらんいただきたいんですけれども、これは民間委託の現場の食材です。三十三品目中二十一品目が輸入の加工食品です。原産国アメリカという紅白ゼリーまで子供たちが食べさせられていて、これはセンターの所長も、それからそこの栄養士さんも関知できないと。民間の輸入商社から民間委託の現場の東洋食品が運んでくるという状態です。こういうことをよく調べていただいて、子供たちにとってやっぱり直営の自校方式で、栄養士さんが子供のところに行き届いた給食ができることが本当の食教育ではないか、食教育ができるのではないかと。栄養士さんの姿が見えただけで子供たちがしっかり食べる。
 そういうことで、民間委託はいけないということで、山形県の藤島町議会では全会一致で反対決議をしました。現場に下りて栄養士さんが調理員さんと一緒に調理をすることができない、これでは子供たちの立場に立った給食ができないということで、半年間で二十六回、全部の議員さんが勉強して民間委託を撤回しています。
 それから、四番目です。
 未実施の中学校給食があります。今、中学校の給食は七二%。実施率がわずか一〇%の神奈川や大阪ではお母さんたちの運動が起こっています。実施が五〇%の山形県や京都でも運動が起こっています。そういうところでは自治体の方たちがこう言うそうです。お母さんたちがお弁当を作れ、お弁当を作らないのは怠慢だということを言われていると。
 これは表十一番ごらんいただきたいんですけれども、甲府のお母さんたちが調べました。学校給食がない地域です。子供が持ってくる弁当の内容を見ますと、野菜なしが三八%、野菜一種類が三八%。副食の数がとても少ない。植物性、要するに野菜物が少ない。こういう内容で、やっぱり弁当箱一つの中には愛情は詰め切れない。
 そして、コンビニの弁当を詰め替えて持たせる。表十番ですけれども、コンビニ弁当にはたくさんの添加物が入っています。
 ということを考えていくと、子供の健やかな発達を実現するために、やっぱり教育の機会均等を実現するためにも、未実施地域をなくしてほしい。今、未実施の地域で、これは菓子パンなんですけれども、八年前に私は横浜のお母さんからもらいました。(資料提示)このパンがいまだにこのまま現存しているということはどういうことなのかな。本当に恐ろしいことは、日付もちゃんと書いてあります。恐ろしいことで、子供が、八年も九年もたっても大丈夫な食品添加物がたくさん入ったパンを自販機で売られているということを考えると、やっぱり子供の健やかな発達の上からも問題じゃないかな。学校給食の栄養基準は、カルシウム、ビタミン、一日の摂取量の半分以上取りなさいと書いてある。それなのにどうしてこういうパンを売られているんだろうか。本当に、これは九六年八月、賞味期限八月三日と書いてあるんですけれども、今は二〇〇四年です。そういうことを考えていただくと、やっぱり子供たちの食を栄養士さんが本当に一生懸命になって各地で頑張っていられるけれども、この食材の点からも問題が多いなと思います。
 最後に、米飯給食と牛乳の補助金を文部科学省等々はカットされました。私たちは地産地消を推進して日本の子供には日本の食べ物でということで、生産物でという運動を続けていますけれども、四年前にこれがカットされました。今は地元の自治体やJAが協力をしてお金を出して、補助金を出して地元のお米を入れていますけれども、それは昨年の不況の状況から、とても今の状況では国産米は大変だ、補助金は出しづらいという動きが出てきています。そして、子供たちにとってそれぞれのところで取れた生産物を食べることが最高にすばらしいんだということを考えていくためにも、お米の補助金とそれから牛乳代の補助金を是非復活させてほしいと。
 栄養士さんや栄養教諭制度の導入はとても大切なことです。しかし、現状、給食を取り巻く状況は問題がたくさんあります。こういうことを考えたときに、こういう機会を与えていただいて、私は本当にうれしいんです。皆さん、是非子供たちのために、学校給食の充実のために努力をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○委員長(北岡秀二君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの御意見の聴取は終わりました。
    ─────────────
○委員長(北岡秀二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤泰介君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(北岡秀二君) これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、各参考人にお願いを申し上げます。
 御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔におまとめいただきたいと思います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○有馬朗人君 自民党の有馬朗人でございます。
 今日は大変いい御意見を賜りまして、ありがとうございました。
 三人の先生方に御質問申し上げますが、まず児玉先生に三問御質問申し上げたいと思います。
 それは、この六年制をしくということは、もう先ほどもおっしゃられたように、昭和四十二年の御提案以後、私が国立大学協会の会長をしていたときもさんざんこの話をしました。同じころに六年制になったのは獣医です。獣医の方は非常に早く、それも結構大変でしたけれども、かなり早く六年制の合意が得られて実行に移ったんですが、薬学に関しては大変な激論があって、とうとう今まで実現いたしませんでした。私の誤解があるかもしれませんが、特に私学からの反対が非常に強かったと思うんですね。その辺の実情をちょっとお聞きしてみたいと思う。特に、今は大学側は、今回法律になったわけですから合意をしたんだと思いますけれども、現場におられて、大学側は六年制を賛成しているのかどうか、この辺について一つ。
 それから二番目に、私も先ほど御指摘のことで重要だと思っておりますことは、実習だと思うんですね。今回法律的にも実習をやるようになりましたけれども、実習ができない。これは何も薬学だけの問題ではなく、私は、すべての、特に実学の教育をするところでは実習をすべきだということを常に主張してきた人間でありますが、いまだにインターンは非常にやりにくい。大学側が単位を、単位云々ということもありますけれども、授業時間が少ないからということもあるんだけれども、もう一つは企業側が反対なんです、受け入れることを。そこで、薬学は、特に児玉先生は塩野義製薬におられたので、現場は受け入れてくれるんだろうか、実習をしてくれるんだろうか、その点について一つお聞きしたいと思います。
 三番目。六年制がしかれるようになるということは非常にいいことだと長年思っているんですが、今のところ大学は、特に実学系の大学は教養教育を無視しています。特にこの薬学とか医学は生命を大切にするということが非常に重要なことだと思いますので、生命を大切にするということを中心にした教養教育が非常に重要ではないかと思うのですが、薬学の立場からそこをどうお考えになるか、この点について御意見を賜りたいと思います。これが児玉先生に対する御質問であります。
 それから、学校の給食ということは私も非常に気にしていまして、学校給食に対する重要性の考えが変わってきていると思うんですね。戦後のいわゆるガリオア資金によるものと現在とは随分違ってきている。違ってきている理由は、家庭における食生活が非常に乱れてきているからということが現在あると思うんです。
 そこで、栄養教諭の方たちが御努力くださっていることは大変有り難いと思いますが、単に給食をいろいろ工夫なさるということ、これも非常に重要なんですが、それだけではなく、子供たちに対してきちっと教育していかなきゃならない。そういう意味で、どういう時間でどういうふうに教育を進めていったらよいか、食についての教育を進めていったらよいか、このことについてまずお聞きいたしたいと思います。これは橋本先生及び雨宮先生、両方に通じての問題であります。
 私は、土曜日を休め、休むことにしようと言った急先鋒でありまして、五日制を導入いたしました。その五日制を導入するときの一つの理念は、せめて土曜日と日曜日ぐらいはお父さん、お母さんが子供と一緒に朝夕を、昼間は別としても、できれば昼も含めて、土曜日、日曜日ぐらいは一家団らんで朝・昼・夕食を一緒に食べてほしいんだということが一つの考えであったわけであります。ところが、現在は大反対で、国民はみんな学力低下、学力低下といって大騒ぎしている。一体、この土曜日、日曜日、一家団らんをするというふうな考えは間違っているんでしょうか。このことについてお伺いいたしたい。
 面白いことは、二〇〇一年に行われました小学校、中学校の学力調査を見ていますと、その後ろにアンケートがあって、朝御飯をちゃんと食べてきたかどうかというようなアンケートがある。朝御飯を食べてきているという子供たちは、食べてこないという子供に対して成績が六百点満点に対して五十点の差があるんですね。六百満点でありましたか、六百点ぐらいに対して五十点の差がある。
 ですから、ここで私のお聞きしたいことは、父親、母親の教育も非常に大切ではないか。だから、単に子供たちだけに対する教育ではなくて、できる限り父兄に、お父さん、お母さんに対しても教育をしていただきたいと思います。
 それから三番目に、私も非常に心配していることは、ファストフードであるとか、特にバイタミンなどがたくさん入っているああいうものを重ねて食べれば、明らかにビタミンの過剰になるわけですね。ですから、そういうものをどうやって子供たちに教えていくか、お父さん、お母さんに教えていくか。
 そしてまた、特にファストフードショップなど、レストランに行って食べるその食品がいかなる添加物が含まれているか書いてない。まだ製品になっているものは、バイタミンAが幾ら、バイタミンDが幾ら、書いてあるんですが、全般にレストランに行くと書いてない。そこで、レストランの中の食事などに対しても分析表を付けさせるというふうなことを私は義務化したらどうかと思っておりますが、その辺についての御意見を賜りたいと思います。
 以上、三問ずつお聞きいたした次第です。よろしくお願いいたします。
○参考人(児玉孝君) それでは、今、有馬先生から御指摘がございました三つの点につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 まず第一点でありますけれども、過去のこの議論の経緯におきまして、大学側の、特に私学の問題、先生御指摘のとおり、過去、特に私学の大学の方から六年ということに対しては非常に懸念があるというふうな議論がございました。
 この問題につきましては平成八年ごろから本格的に議論が始まったわけでありますが、そのころ、文部科学省、当時は文部省ですか、の中にこの議論をするための検討会というものができました。俗に四者懇というふうに申し上げまして、いわゆる文部省、厚生省、それから日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、この四者による議論でありました。本来は、この中に当然、教育でありますので大学側が入るべきであったんですが、先生御指摘のとおり、まだ大学がこの問題については時期尚早ということで、四者からスタートしたんです。ところが、平成十一年になりまして、この四者に更に二者、これは今御指摘の私立薬科大学の協会、それから国立大学、この二者が入られまして、初めて六者による議論が平成十一年から始まったと、こういう経緯がございます。
 そして今日なんですが、じゃなぜこうなったかと申し上げますと、やはりいろんな要因があるんでありますが、最大の要因は、先ほど少し触れました、やはり我が国における医薬分業の進展なんですね。これがございまして、要するに、薬学生の就職動向が大きな変化を及ぼしまして、結果、薬学生の就職の一位が薬局関係になってきたんですね。それが大変大きなやはり影響になりまして、したがいまして大学側も、学生の就職先が一番多いわけでありますから、当然その関心も相当、相当理解が非常に大きくなったと。様々な要因があるんでありますが、やはりそういう大きな要因があって私学も含めた大学側の今回の理解が変わってきたのかなと、そのように思っております。
 したがいまして、最終的には、この件につきましては十分に大学側の御理解を今は得ていると、そのように思っております。
 それから、第二点でございますけれども、いわゆる実務実習を行うについての、これは現場の協力なくしては成立いたしません。
 今後、六年になった場合、大きく分けまして二つの実務実習が考えられます。先ほど私が御説明申し上げたのは、五年生ぐらいにやります、これは医学でもそうでありますが、実務実習、これは長期、六か月でありますが、それは薬局現場とそれから病院であります。この二つにつきましては、両方ともその協力は十分に得られるものと思います。ただ、病院におきましては、薬局と若干違いまして、やはり病院という大きなシステムの中での教育でありますので、今後、その病院施設の長、病院長又は病院経営を担当する理事長の御理解が要るものと思いますが、比較的、ある程度御理解が得られるものと思っております。
 問題は、先生御指摘のとおり、その六年の中の一、二年生に、諸外国では行われているんですが、体験実習というものがございます。これは一週間程度いろんな薬剤師としての現場を実習する体験をするわけでありまして、その中に、御指摘のように、いわゆる製造メーカーへの実習もあり得るわけでありまして、ここは本当にまだこれからの段階でございます、率直に申し上げまして。ただ、今回の検討の経緯の中では医薬品のメーカーの薬剤師も入っておりまして、そういう意味での理解は今後得られるものと思っております。
 それから、三点目でありますけれども、今御指摘のとおり、教養をやはりやらなければいけない、これはもう先生、私の方からも是非ともお願いしたいわけであります。
 やはり今、医療に携わる、これは医師、看護師、歯科医師、薬剤師、すべてそうだと思いますが、やはり人の命を預かるわけでありますから、ただ治療すればいいというものではありません。やはり心の病、いろんな病を含めたものがありますので、私は是非とも、逆に今後の教育課程の中で、特に大学に入ったとき、一、二年生辺りに大きな、是非その教養教育をして、全人教育といいますか、人としての教育を是非やっていただきたい、それは逆に私どもが望むところであります。
 以上であります。
○参考人(橋本紀子君) 三点御質問いただきました。時間の関係で簡単に申し上げます。
 まず、家庭における食生活の乱れですが、それを克服するために教育が必要だというふうにおっしゃっていただいて、どこでどのように教えていくかということでございます。
 一つは、学校給食を教材として、これは生きた教材としてほとんど毎日学校生活で連続的に供給されるわけですから、これを十分に活用するということで、例えばその日の素材であるとか産地でありますとか、それから栄養に関する知識でありますとか、そういったことを伝えながら、その知識を意識付けに持っていき、そして、自己管理能力のことを申しましたが、そのように行動化そして習慣化するような教材として活用する方向が一つございます。
 もう一つは、いろいろ食に関する指導の体制の中でも言われておりますように、教科との関連、それから総合的な学習の中での教育がございます。
 教科との関連は、様々な教科で、食という切り口は子供たちに大変興味、関心がある素材ですので、そこから入っていくことが多いわけでございますが、一つの例を申し上げますと、例えば国語で、エッセーがありまして、チャンプルーというそういう言葉が出てきます。出てきたといたしますと、それがその単元が入る近くにチャンプルーの給食献立を用意しておけば、学級担任の先生が御配慮いただいて、学習をした後にそれをいただくと非常に立体的な学習が実現できるというふうに思っております。
 それから、総合的な学習におきましては、いろいろと、食から出発したり、あるいは食に返っていったりと、テーマがたくさんあるわけですけれども、健康というテーマの中で食を素材にして今様々な取組が行われております。今日持ってこなかったわけですが、例えば、バランスの良い栄養を取らなければいけないということは分かっているんですが、それがどういうふうに定着するかということがこの間随分テーマでございまして、知識を言うことは幾らでもできるんですが、子供たちの生活態度を変えるに至るにはどういう教え方をしたらいいかということで、私ども、地域でも文部科学省の指定を受けまして、楽しく学びながら、体験をしながら、たまにはゲーム感覚のものも入れながら、体でそれを覚えていく、そういった工夫ということも昨今されていると思います。
 それから、そればかり言っておりますと時間が来ますので、それから二番目の質問でございますけれども、土曜日のお休みのことから一家団らんは間違っているかということですが、間違っているわけはございませんでして、それで、父母への教育も大変大事だということはそのとおりでございます。
 先ほどの一番目の質問にも関係しますけれども、いい給食を提供しましても、そこで終わってしまっては教育活動にはつながらないわけでございまして、これを教材化して子供たちに伝えるプロセスが大切と思います。と同時に、子供たちの背景にいらっしゃる御家庭の父母の方々にもその意図を十分に伝えていくことも大事だと思います。それで、例えば地域の中では親子料理教室とか、ファミリー、このごろはお父様もお母様も兄弟もそろってファミリー料理教室などに御参加いただく場合もありますけれども、そういった機会とか、あるいは私どものところでは給食展ということをいたしまして、もちろん行政の方とかそれから地域の方、それから社会見学のコースに取り入れていただきまして、そういった情報提供をしながら、教育のプロセスを大切にしていかなければならないということでございます。
 それから、一家団らんで今問題になっております孤食の問題ですけれども、十数年前にNHKが独りで食べることについてのアンケートをいたしまして、私も同じアンケート用紙で地域で行ってみましたが、ほとんど全国と同じようなデータが出まして、ところが、そのときは独りで食べることは大変寂しい思いをしていたというふうなのがうかがわれたわけですが、同じ調査を最近NHKがまたされましたものを見ますと、進んでといいますか、子供たちが自分の方から独りで食べる方が気が楽だとか、お部屋ごとにばらばらで家族が孤食をしているというふうな状況も浮かび上がっておりまして、これはなかなか大変な問題だと思います。
 それから、ファストフードなどの簡便化の問題ですが、やはり表示をすることももちろんでございますけれども、子供たちにその表示を見る、見分ける力といいますか、そういったものを教えていくことと、それから、常日ごろから家庭でも学校給食でも本物の味をきちっと舌に伝えていく、こういった取組が見分ける力になっていくし、そしてこの自分たちの健康を管理する力になっていくのではないかというふうに思っております。
○参考人(雨宮正子君) 前の方がおっしゃったので、重なる部分は避けていきます。
 学校給食というのは、生産と労働と調理の科学をしっかり生きる力として身に付けていくというのが学校給食法にあります。
 実践例を申し上げますと、福島県耶麻郡熱塩加納村というところがあります。ここは栄養士さんが本当にすばらしい実践をしていらして、栄養士さんが子供たちに食品添加物の授業をします。そして、地域の農協さんから農薬の講義を先生方が受けました。その結果、やっぱりこれは生産、安全な生産をみんなで作っていこう、生産物を作っていこうということで、学校に田んぼを借りたり畑を借りたりして、一年生から六年生まで作業をしています。
 そして、学校長はおやつ安全カードというのを持たせます。それは食品添加物の内容が後ろに記されています。子供たちが家に帰って、学校では安全で豊かな学校給食が自分たちが生産したもので実際に行われているんですけれども、家に帰るとスナック菓子その他を買います。で、おやつ安全カードを翻してみますと、そこにはここに書かれている同じ添加物の内容がしっかり記されています。子供たちがもうそれは買わないことになったんですね。そして、家に帰ってお母さんたちが練り製品などを買ってきます。すると、後ろに添加物がこう入っている。そういう指摘を子供がします。ですから、お母さんたちも安全な手作りを、おやつもそしてお総菜もすっかり手作りに変わりました。
 ここでは地域ぐるみ、学校給食を通して地域の食の啓蒙に学校給食はなっている。先生方も変えられましたし、子供たちも変えられた。学校ぐるみの食文化がここでは形成されているということで、本当に最近こういう市販のものを買って済ませている若いお母さんたちが増えてくる中で、学校給食の役割というのは地域の食生活の啓蒙にも役立つということが文部省のかつての通達の中にも入っています。
 地域の食状況が問題なときに、これは、教育的な意義ということを考えたときに、総合的学習の場として、子供たちが身に付けて学校から帰ってきたものを、地域に、お母さんたちに影響を与えていく大変な重要な役割を担っているということで、栄養士さんの本当にリーダーシップというのは大きいなということを実感させられています。
 以上です。
○中島章夫君 民主党・新緑風会の中島章夫でございます。
 三人の参考人の方々、大変貴重な御意見ありがとうございました。特に、それぞれの分野で三十数年から四十数年に及ぶ間、それぞれの分野で情熱を燃やし、努力を続けられてきたその成果を御発表いただきました。大変参考にさせていただきました。
 それぞれの方々にお聞きをしたいんですが、便宜、最初に、薬学教育について児玉参考人に二つばかりお伺いをし、あとの栄養教諭の問題についてはお二人にまとめて二、三御質問をして、それぞれの立場から選択的にお答えをいただければと思います。
 まず、薬学教育の問題でありますが、私もこの年になってまいりまして大変病院と薬局に親しくなってまいりまして、このごろでは両方が分業ということで、それぞれの受け答えにとても自分のことと関連をさせて神経質になっております。薬の使い方等について懇切に説明をいただくというのは大変参考になるんですが、まず第一問目なんですが、この医師とそれから薬剤師との間の連携の問題です。これが、例えば病院とその薬局とかということ、その近辺の薬局ということになれば比較的あれなんですが、開業医とそれから個別の薬局とか、そういった際の、何ていうんでしょうか、連携というものがどういうふうなシステムがあり、実際になされているのかについて参考までに少しお教えをいただきたいと。
 二つ目でございます。それから、あとの、さっきの薬局についての、先ほど、それぞれの六週間のトレーニングのひな形のようなものをそれぞれに配ってということをお話ししておられますが、この内容については、医師との間の何か相談とかということがあったのかどうか、あるいは今後あるのかどうか、その辺のことについても併せてお聞きできればと。
 それからもう一つは、六年間も掛けて専門の教育をやるわけでありますから、これは私は別途聞いた話でありますが、戦後、軍人が復員してまいりまして、その中の軍医というのがある数の人口、数がおりまして、その人たちが医師としてやっぱり開業をするということになったときに、医師の養成上、その数との関係で非常に難しい問題が長い間あったということは聞きます。これはまた話は別ですが。
 いずれにしても、六年間の専門教育をやった結果、就職口がないということは非常に難しいことになると思います。その辺で、この六年間のトレーニングというものができていくということは結構なことでありますが、これが卒業していくころに私学等でどんどん例えば増えていくというような見通し、その需給の見通しについてどの程度のことをお考えなのか、参考までにお聞かせをいただければと思います。
○参考人(児玉孝君) まず一点でありますけれども、今、中島先生から御指摘の点で、特に、先ほど私が申し上げた医薬分業という制度が今、日本でも定着しつつございます。患者さんは病院の中、診療所の中ではなくて、薬局で薬をもらうと、こういった状況が今進んでいるわけでありますけれども、先生御指摘のとおり、病院の中でございますと、そのチームの中の一員として薬局というものが、中の薬局があって、薬剤師と医師との連携が取れます。おっしゃるとおりですね。ところが、その外部となりますと、まず、様々な診療所、病院の処方せんを患者さんがお持ちになりますので、薬局の薬剤師からすれば、相手の医師がよく分からないという御指摘でございます。
 これ大きく分けて二点でありますが、一点は、私どもは、疑義照会と申し上げまして、その処方せんに基づくいろんな疑問については逐一、その処方医を存じていなくても、処方医に直接お聞きしていろいろお尋ねすると、こういった、これはお顔は知らないわけでありますけれども、電話でのやり取りを中心にそういうことは常々しております。また、患者さんが疑問に思われたことを、患者さんがお尋ねしにくいことを私どもが代わりに医師にお尋ねをすると、こういったこともやっておりますので、そういう意味での連携が取れる、これが一点であります。
 もう一点は、特に開業医の先生方からすれば、いわゆる地域でありますので、比較的最近は、この医薬分業の進展とともに、地域レベルでのいわゆる医師会、医師の先生方が入っておられる医師会、地域の医師会、それと薬剤師が入っております地域の薬剤師会、この連携が大変今進んでおりまして、いろいろな意味での、お顔を合わせたり、いろいろなディスカッションをするという場が今増えてきております。そういう意味では、いわゆる地域ぐるみでのそういうふうなコミュニケーション作り、こういうことが今しておりますので、今後はそれがもっと更に進めば今の問題は解決するだろうと、そのように思っています。
 それから、第二点でありますけれども、いわゆる実習において、いわゆる医師との連携でありますけれども、いわゆる病院実習については、これは当然その連携が取れるわけであります。それから、薬局実務実習についてはなかなか取れないということになりますが、ただ、今回、その実習のカリキュラムを策定する中で、医師の方の実習カリキュラムを随分参考にさせていただいております。また、今回の問題で、議論の中で、文科省の中の協力者会議というのがあったわけでありますが、その中にも医師の教育を担当されている医師が入っておられまして、そういうディスカッションもしております。したがって、そういう意味での連携はあるのかなと、そのように思っています。
 それからもう一点、いわゆる六年の専門教育を受ける、そしてその卒業後に就職動向、今どうなのか。確かに、私どももこれは初めての体験でありますので、どう傾向が変わっていくのかというのは非常に不安でありますけれども、先ほど私の方の説明で申し上げましたように、より医療が高度化しておりますので、そういった意味で、むしろ専門的な知見を持った薬剤師の養成というものが一方でございます。したがいまして、その辺の就職的な要素というものはむしろ増えていくであろうと。
 それから、創薬研究につきましても、今様々な、農学、理学、いろんな分野の方が創薬研究に入っておりますけれども、更にそういうふうな専門的知識を持ちますとそういう面での就職的な要素というものもあるであろうと、そのように思っておりますので、多少確かに変化はあるでございましょうけれども、その傾向については決して、増える見込みはあるだろうと、そのように思っています。ただ、あるだろうではそれはもちろんまずいわけでありまして、私どももその辺の対策、対応、その点についての努力はしていきたいと、そういう理解を求める努力をしていきたいと、そのように思っています。
 以上です。
○中島章夫君 ありがとうございました。
 それでは、栄養教員の問題でありますが、お二人の参考人とも大変御熱心に今までこの問題に情熱を傾けてこられた。もう本当に敬意を表するんでありますが、そういう意味からも全国的な必置という面にお触れになったように思います。
 私の場合には、そういうふうになれば大変結構なんですが、御承知のとおり、今、例の三位一体改革の中で義務教育費国庫負担制度まで削ろうという話まであるところでありまして、そういう中で、どういうふうに財政的に大事なものをきちんと守りながら、そうでないものをどうやって削っていくか、あるいはそれを有効利用していくかという発想がどうしても必要になる世の中でありますので、若干違った観点から申し上げることをお許しをいただきたいんですが、本来、こういう今御説明をいただいたような栄養教員の総合的なコーディネーティング、コーディネーションの役割というのが食教育には非常に大事だと私は思っております。
 そうなりますと、一つ、特にこれは橋本参考人にお伺いしたいことなんですが、家庭科とのデマケーションといいましょうか、家庭科の内容との関係なんですが、家庭科は御承知のとおり、小学校では五年、六年に配置を先生方がされているわけであります。その内容に、間違っていなければ被服と食物と、それから家庭生活及び住居という、あるいは若干古いのかもしれませんが、そういうジャンルがあって、食物というのがあるんです。
 改めてちょっと見てみたんですが、やっぱり共通の基礎教育という観点が強くて、先ほどおっしゃったような、朝の欠食だとか栄養バランスの偏りとか肥満とか偏食とか、いろいろ個別にその子供及び後で御質問をしたい家庭と連携をしながらでないと、特に実践力と言われたんですが、これはとっても大事なことでありまして、実践力を養成していくために、学校は学校、家庭は家庭では、これはできないですね。
 ついでに申しますが、道徳、いわゆる道徳教育の中でも、学校は道徳教育をやるけれども、例えばきちんと片付けましょうなんていう徳目を学校で幾らやってみましても、家庭が乱雑であれば何にも習慣付けにならない。そういう意味で、家庭との、あるいは場合によっては地域との連携というようなことまで大事になってきます。
 そうすると、栄養教諭が今度増えていく、あるいは配置をされていくという中で、既存の家庭科の先生との、その配置状況って、こんなものはもう本当に教育委員会のやるべきイロハのイであります。先生ほど大事なものはないし、先生ほど高価なものはないんです。教育の一番基であります。これを国から来るからということで全部全国配置、お気持ちは分かるんですが、どんな小さなところにも栄養士が欲しい、そういうのは分かるんですが、そこを工夫するのが教育委員会のもうイロハのイの仕事でありますが、それができていない。ここに私は問題があると思っていますので、ちょっと長くなっちゃいましたが、家庭科の内容との関係で矛盾を感じられないかを一つお伺いをしたいと。
 それから、今もう既に申しておりましたけれども、既存の教科やシステムとの関係、給食の場合もおっしゃっておりましたけれども、ある種総合的なこれは子供に対する指導であり、個別な指導であります。大事な指導であります。これは教科の指導、これは特活だとか、給食の場合ならクラス担任の先生ももちろんそうでありましょうし、あるいは生徒指導の、生徒の特別活動の中の、生徒会、生徒活動の中、その運動とどういうふうに結んでいくのかと。かなり広範な連携活動が必要なんですが、そういう位置付けを学校の中でやってくれるのかどうか、これには若干時間が掛かるんじゃないか、その辺の見通しをどういうふうに、これから置かれていって、配置されていって、学校の中でそういうことが本当に置かれていくかどうかということの見通しについてお伺いをしたいというのが二つ目であります。
 それからもう一つは、専修学校にも門戸を開いた。つまり栄養士からだんだんということで、門戸を開くというお話は大変結構なことなんですが、同時に、資質をきちっと整えるということも大事であります。この辺についてコメントをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(橋本紀子君) それでは、家庭科との領域に重なりが出るがどうかということですが、御指摘のとおりでございまして、そういった議論はこれまでもずっとありました。おっしゃいますとおりに、家庭科というのは衣食住ということが基本になっておりまして、その食物のところで重なるわけですが、やはりこれは高学年で学習をするということになっておりまして、今回の栄養教諭制度というのは、一つは、仕事の中身としては学校給食の管理運営とそして食に関する指導ということでございます。
 その実際に行われています学校給食の分野でいいますと、もちろん、その管理をすることと同時に、連続した教育として提供するわけでして、これはもう低学年のときから、一年生のときから行われる教育活動です。この連続するということが、先ほど申しました行動変容、そして習慣化につながっていくわけでして、これが今まで十分になかなか定着しなかったためにいつまでたっても、子供たちの様子が良くなるばかりか、家庭生活の食の乱れが起こってくるという状況が起こっているわけではないかというふうに私は、それだけではないかもしれませんが、思っておりますので、そういったことを習慣化するための毎日の教育活動と、そして衣食住の食のところで学ぶこと、これは一つの教科でございますから、連携し合って、お互いに補い合って、幅広く奥行きの深い教育活動ができていくのではないかと思います。きちっと分けるのではなくて、互いに共同するというところで重なり合えばいいかと思います。
 それと同時に、栄養教諭が今求められています食に関する指導といいますのは、健康教育の一環であるということが明確になっておりまして、必ずしも食物領域だけではございませんで、全体として、先ほども申しましたように、ヘルスプロモーションの理念に基づいた自律的な健康管理ができるというところに一つの目標を持っておりますから、小さな領域で、小さなと言うと語弊がありますけれども、一分野ではそういうふうに重なっても、それを厚みとして学校の中で共同していけばいいし、同じことは養護教諭等の仕事の中でも起こってくると思います。
 その養護教諭の保健にかかわる問題であるとか、家庭科であるとか、あるいは総合的な学習、それからまた低学年では生活科でも、私たち、もう私あれですが、栄養教諭になられる方やあるいは現在の学校栄養職員がかかわっておりますし、それから社会科でもかかわっております。それから、理科でもかかわろうと思えばかかわれるわけでございまして、そういったことをコーディネートするということが今総合的なコーディネートの仕事の中身として言われているのではないかというふうに思っております。
 それから、あと、制度はどのように定着していくかということですけれども、今まで、栄養士なり管理栄養士の皆さん方はいわゆる栄養の部分については専門家でございますけれども、それを、教育のプロセスと先ほど言いましたけれども、そういった教育的な部分についてはその養成の中にカリキュラムが少なかったわけでございますから、今日いろんなことでそれに対応するためには、より資質を向上するためにその教育的素養をプラスして、より一層それを充実して学校の中で発展させようということでございますので、制度がきちっとできていけば、これは学校の中でうまく機能していくと思います。
 それから、小さい学校にも置くのかということでございますが、それはケース・バイ・ケースと思いますけれども、できれば給食あるなしにもかかわらず私たちはいていただくのがいいと思いますが、それはもうこの場ではケース・バイ・ケースというふうにしかお答えできないかなというふうに思っております。
 抜けておりませんでしたでしょうか。
○参考人(雨宮正子君) ただいまの御質問の中で、財政的な有効利用を考えるのにはどうしたらいいかということが質問の中にありましたけれども、学校教育法の中で、あらゆる機会を通じて教育の機会均等の充実を図るというところがあります。ということを考えていきますと、栄養教諭制度が導入された、しかし財政的には無理なんだということで、栄養教諭の充実とそれから栄養士の充実ということが図れないような状態ではあってはならないということを私は思いますので、財政的な有効利用というのは政治をなさる皆さんが考えていただいて、これは重要だというところに予算をきちっと付けていただくということが大事だなというのは一番最初に思います。
 それから、栄養教諭の食教育に関連して、家庭科の中でというのがありましたけれども、実際に栄養士さんの方に伺いますと、児童数の少ないところでは家庭科の専科の先生がいらっしゃらないところもあるそうです。ですから、やっぱり専門的な位置付けということで家庭科の専科の先生もちゃんと置いていただくということで、栄養教諭と家庭科の両方が一緒になって共通の教育をしていくということが実現できるんじゃないかなと。
 今、子供たちの肥満、アレルギー、様々な問題は、家庭も大事だけれども、学校も本当にそのことを考えていただくように、学校という場で子供たちにちゃんと食教育をしていただけたら、それは家庭がやるべきことをやらないで学校にということはおかしいんじゃないかという指摘をなさらないで、子供たちは学校の中で聞いたことというのはきちんと守っていきます。
 ということで、栄養教諭の役割、それから家庭科の、それから養護の先生、共通して子供の発達を考えていく、その中で栄養教諭はリーダー的な役割を担うという位置付けにあると思います。
 それから三番目に、資質の向上ということがありましたけれども、今、食の状況が、日本は穀物の自給率が二七、そしてこの大半を外国に依存しているという状況の中では、BSEの問題とか様々な問題が出てきます。栄養士さんは、食ということを通して、資質の向上ということは、それらの研修も絶えず行えるような条件を作っていただけたらすばらしいなと思います。ということを私は今の質問で感じました。
○中島章夫君 ありがとうございました。
○委員長(北岡秀二君) 改めてもう一度申し上げますが、各委員の持ち時間、質疑、答弁含めて十五分でございますので、質疑、答弁共々にできるだけ簡潔にお願いを申し上げます。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 本日は、三人の参考人の皆様、お忙しい中、大変貴重な御意見いただきまして誠にありがとうございます。
 今、委員長からございましたとおり、十五分の間でいろんなことをお伺いさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、薬学教育につきまして児玉参考人の方に二点ほどお伺いしたいと思っております。
 医師とともに医療の担い手としての薬剤師の方々に対して期待というものは大変高くなってきているわけでございますけれども、今回この六年に修業年限延ばすと。その中で一番のポイントは、今先生も御指摘されたような、この実習のところに懸かっていると思うんですけれども、この実習に関しましては、多分五年生ぐらいのときにばっと一学年九千人ぐらいが実習するような形になる。非常に大丈夫かなという懸念をするところもあるわけなんですが、この実習について、今いろんなところで御検討されているということではございますが、進捗状況とともに、この負担が生じたとき、これを今度どうするのかという話が、先ほどおっしゃられましたけれども、今実際、これ二週間から四週間ほど実習はされていると思うんですけれども、現行におけますこの実習の負担の、いわゆるだれが持つんだというところの辺りのお話をひとつ教えていただきたいと思います。
 二点目は、先ほど中島先生のお話ございました薬剤師の需給の見通しにつきまして、いろんな御意見ございます。厚生労働省の方では供給過剰になるんじゃないかということも言っていらっしゃる。と同時に、ドラッグストアの関係の方々なんかにすると、今でも足りひんのやとか、そういう声が来るわけですね。そういった認識のずれが何で出てきているのかと。
 その二点について最初にお伺いしたいと思います。
○参考人(児玉孝君) まず一点の山本先生からの御指摘の点でございますけれども、いわゆる今現在の現状という御質問だと思うんでありますけれども、今現在、病院実習につきましては、約八千五百名ほとんどすべてが受けております。大体四週間実習でございます。薬局については、残念ながらまだ八千五百人のうち三千人ぐらいが現状でございまして、それも一、二週間という大変短い状況です。
 その中で、費用の発生でありますが、実習費が現在は全国的には非常にばらばらでございます。ただ、関東地区、近畿地区では大体同じような金額でございますけれども、大体二週間で三万円ぐらい、あと、一週間で一万円ずつぐらいというのが大体の今、実習費のようなことでありまして、この負担はじゃどうしているのかと。
 現在、私学の方は、これは私どもの方では詳しくは存じておりませんけれども、多分、授業料等々、またあるいは実習費ということで別に学生から徴収という形ではなかろうかと。国公立の場合はこれは予算という問題がありますので、その中でされていると、そのように聞いております。
 ただ、いずれにしましても、今のところまだばらばらでございますので、これはある程度の今後一定化、それから特に国公立の予算化の問題、これが今後の問題と、そのように認識しております。
 それから、二点目の問題でありますけれども、需給の問題でありますけれども、今確かに現場サイドでは薬剤師の不足ということが言われております。これは、最大の要因は、医薬分業が今急速に進んでおりますので、そこで需要が非常に多いと。そういったことから今そのような話が出ているわけでありますけれども、しかしながら、御承知のとおり今薬学部も新増設がかなりございますし、今後はそれは解消されていくだろうと。
 それから、ドラッグストアの話が少しございましたけれども、ドラッグストアの場合は、特に今薬学生の意識というのが随分変わっておりまして、いい意味で職能意識といいますか、彼らは持ってきております。薬剤師としての職能を持ってきている。そうすると、やはり現場でいろんな薬剤師としての職能を発揮したいと、これはまあ当然だと思うんです。ドラッグストアの場合はどうしても販売が中心になりますので、その職能が十分生かせないんじゃないかという不安が多分学生にあるんじゃないでしょうか。
 そういったこともあって、また受入れ側の学生、薬剤師の、どういいますか、使い方といいますか、そこの認識の問題、そのドラッグストアにおけるですね、そういったものが相まってその需給の認識のずれが出てきているのかなと、そんな気がいたします。
 したがいまして、これはもう少しすれば、薬剤師をどう使うべきか、どう医薬品の安全性を担保するために管理の部門で使うべきかと、そういう認識が出てくれば、もう少しその認識がずれが薄まってくるのかなと、そんな気がいたします。
 以上です。
○山本香苗君 どうもありがとうございます。
 次に、済みません、学校栄養教諭の方の関係につきましてお二人の参考人の方にお伺いしたいと思うわけなんですが、まず最初に橋本参考人の方にお伺いしたいわけなんですが、お話の中で、今までいわゆる学校栄養職員の方々が力を発揮していくには職場の環境に左右するところが多かったと。やっぱり制度的に担保してもらいたい、資質を向上していきたい、そういったことというのは私も必要であると思いますし、栄養教諭にそこを、栄養教諭の役割としてそれをしっかりと果たしていけるような環境を作っていきたいと思っているところなんですが。
 いろんな報告書を見ますと、どこにも校長のリーダーシップと関係教職員の有機的な連携協力が不可欠というふうに、いろんな文部科学省の関係の報告等々読んでいると出てくるわけでございまして、栄養教諭を実際配置していくに至っても、こうした連携強化というものが非常に重要になってくると思うんです。
 そこで、いわゆるこれからそうした学校ぐるみで食の教育、食教育というものを抱えていく、栄養教諭の人たち一人が旗振っても無理なわけでありまして、そこをどういうふうな形で盛り上げていくか、その方途につきましてまずお伺いしたいと思います。
○参考人(橋本紀子君) 実際には、学校給食というのが先ほどからも申し上げましたように毎日行われているわけでして、それをきちっと位置付けていくということ。それはちょうどお昼の真ん中のお時間ですから、そのことを、今日の給食は何だろうということも踏まえて、教職員がまずその日の食教育のテーマになることを共通理解をしてやっていくというのが一日の始まりかと思いますけれども、やはり校内組織をきちっと立ち上げまして、今いろんな地域や学校によっては校務分掌にきちっとその部分が位置付けられていない、教育という部分では位置付けられていないということもあるかと思いますので、栄養教諭になった暁にはそういった教育活動の中の校務分掌に位置付けていって、そして総合的な関係の中であらゆる視点から食べ物のこと、食のことを考えていくということ、これは可能だと思います。
 例えば、理科で畑を作るであるとか生活科で何かをすると、その視点にあればいいわけで、特別なことということではなく、学校生活の中でそういう視点さえあれば一体となって学校ぐるみでいけると思いますけれども、現時点ではそれがまだまだ十分ではないというふうに認識をしているというところでございます。
○山本香苗君 それと、引き続きましてもう一つ、制度の趣旨から課題となることということで、二番目に、移行に関する環境整備ということをおっしゃられましたけれども、ここをもう少し具体的に教えていただけますでしょうか。
○参考人(橋本紀子君) 今、基礎の資格になりますのが栄養士そして管理栄養士ですけれども、それからもう一つは、三段階ございまして、一種、二種とそれから専修があるわけですけれども、それぞれ上進制も提案されているところです。それを、現職の方がまずそういったところに移行するには教職課程についての認定講習がどうしても必要でございまして、お仕事をされながらそういった講習を受けるということになってまいりますから、そこを受けやすくしていただくような配慮というのが一つの課題だというふうに思っております。
 それから、先ほどちょっともう一つその中で加えて申し上げました専門学校のことでも同じですけれども、準学士、学士ということが基礎資格になっているかと思いますが、専門学校の方の場合、そこに至るまでのいわゆる認定については加えて行わなければならないということになれば大変負担になってまいりますので、例えば、体制の整備のところ、食に関する指導体制の整備のところにも記述がございますように、教員養成大学の指定を受けて、それをある程度認定していただくといったようなことも必要なのではないかというふうに思っております。実際には現職でも専門学校を出られて現場で頑張っておられる方がありますので、この方たちの意欲というのも酌んで、生かしていっていただきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 最後に、雨宮参考人の方にお伺いしたいと思うんですが、今日いただきました資料も見させていただきますと、自分もこういったいろんなところに当てはまるなというものがたくさんあるわけなんですが、この食の教育という、今非常に重要性が高まってきている中で、アレルギーという問題についても非常に関心が高まってきているんじゃないかと思っております。
 子供の三人の一人がアレルギーだというような実態も出てきている中で、学校給食においてこうしたアレルギーに対応、学校給食に関するアレルギーの対応というものにつきましてこの現状はどうなっているのか。また、その対応につきましての課題等々も、よくアレルギーを抱えるお母様方からいろんなお話を聞くわけなんです。実際持ってみないとそういった苦悩というものは分からないものだなというものをよくお伺いするわけなんですけれども、こうした現状と課題につきまして、雨宮参考人の豊富な御経験からお話を伺えればと思います。
○参考人(雨宮正子君) 今、四人に一人はアレルギーだと、資料の中にもありますね。子供たちがアレルギーで本当に苦しんでいて、お母さんたちは、学校給食が本当にアレルギーの、これを食べてくるとアレルギーになる、本当に食べさせたくないんだというお母さんも多いわけです。
 そういう中で、アレルギーの除去食、だから栄養士さん、やっぱりここも栄養士さんなんですね。栄養士さんとお母さんが、栄養士さんが作った献立表で毎日の食材表をお母さんに見せて、私の子供はこれとこれとこれがいけないんだというふうに付けてもらって学校に持っていきます。学校では八種類ぐらいの、この子は大豆がいけないと、大豆油がいけないと、この子は牛肉がいけないとか、そういう種類の除去食の給食を作るんですね。だから、カレーの日であっても、これは牛肉抜きのカレーだとか、とにかく子供にもやっぱりひもじい思いをさせないで平等に食べられるということでアレルギーが治っていく。そういう実践例が埼玉県の新座の栄養士さんから聞かされたんですけれども、やっぱりこれは直営の自校方式で栄養士さんがそこにいないとできないと。民間委託だったりそれからセンター給食だったり、たくさん作るときにはできないということを言っています。やっぱり子供のためにも、委託とかそれから合理化が進んでいく、センターが大きくなっていく、そういうことは子供のためにもアレルギーの除去食作りはできない。
 それで、そのアレルギーの除去食作りを見ながら、ほかの子供たちも、どうしてアレルギーができるのか、どうしてこのものを食べたらいけないのか、どうして添加物があるものを食べたらこの子はこういう発疹が出るのか、それはほかの子供にも食教育になっていくわけです。ですから、子供たち自身がこういう献立を作っていこうとかそういうふうに変わっていく。やっぱり地域に根付いた生産物が、有機農法で作った生産物を食べるとアレルギーの子供は発疹が出ないとか、本当によく分かるんですね。ですから、合理化でない学校給食を進めていただくことで子供の健康が回復していくなというふうに思います。
○山本香苗君 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(北岡秀二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。
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○林紀子君 今日は三人の参考人の皆様、本当にありがとうございます。日本共産党の林紀子でございます。
 まず、私は児玉参考人にお伺いしたいのですが、六か月間実習をすると、六年間にしたという意味は非常にそれが大きいというお話を聞きました。確かにその六か月間が充実した研修でありましたら、先ほど阪大総長のお話も例としてお引きくださいましたけれども、本当に実りあるものになるけれども、その六か月間の研修がどういうふうに行われるかというのが非常にこれから重要だと思うわけですね。
 実習をする受入れ側の体制といいますか、ですから、病院に行く場合もあるし、それから地域の薬局に行く場合もあると。両方もやるということもあるのだと思いますが、病院などに行きましたら、人手不足で、ちょうどよかったからすぐ調剤に掛かってくれみたいなことになっては本当に実りあるものにならないと思いますので、その受入れ体制というのは今後どうあるべきか、そして今どういうような方向で進んでいるのか、その辺をお聞かせいただけたらと思います。
○参考人(児玉孝君) 今、林先生の御質問いただきましたその六か月の実務実習につきまして、むしろその中身はどうなるのかという御質問でございます。
 現状は先ほどちょっとお答えを申し上げた状況でありますけれども、今後、六年制になりますと、御指摘のとおり六か月、今の予測では病院二、三か月及び薬局二、三か月ということで、両方を受けるというのが、これが必修になります。
 そこで、両方ともそうしますと受皿が必要でございます。その点につきまして、まず病院につきましては、今これは私ども、先ほど冒頭申し上げましたように、日本薬剤師会とともに日本病院薬剤師会といいまして、これは全国の病院薬剤師が加入している薬剤師会でございますけれども、そこが主に今担当して、といいますのは、病院におられる薬剤師さんいますので、準備を進めているところでございます。こちらの方は今もう既に、一か月の実績はもう既にございますので、ほとんどの学生が受けておりますので、あとそれを長期化するためのシステムと。そうしますと、御指摘のとおり、やはり長期化となりますと病院の中の内部のやはり御理解が大変必要でございまして、またその内容につきましても、従来の病院以外の病院でも実習が必要であります。
 そうなりますと、やはりその辺の今おっしゃるような内容を、きちっと質を担保するために今、日本病院薬剤師会の方でも、先ほどテキストをお見せしましたけれども、あれは薬局でございまして、同じように全国共通のテキストを今作成されていまして、それにのっとって進めていくと。これ、そうすると、今御指摘のような、懸念のような実習にならないように、それを担保するための今努力をしております。もちろん、それについては、大学側の先生も入ってテキストを作っておりますので、そういったことは多分間違いないだろうと。薬局の方は、先ほど申し上げましたようにもう既にテキストはできておりまして、それにはやるべきことは全部書いてあります。
 いずれにしましても、その両面については評価というものをいたしまして、学生もそれに対してのいろんなアンケートも出しますから、そのようないわゆる違う方向のような実習にならないような、そういうふうなシステムは並行してやっております。よろしくお願いします。
○林紀子君 それに関係しましてあと一つお聞きしたいのは、やはりそういう人的な体制も整えるとなりましたら費用も掛かると思うわけですね。今、実際、学生たちが実習に行く場合、その実習の費用というのは自分持ちなんだというお話も聞いたんですけれども、六年間になりますと、二年勉強する時間も増えるわけですから、学費もそれだけ掛かるわけですね。それに実習の費用も学生持ちというのはなかなか大変だと思いますが、そういうことにかかわる費用について、例えば国の方にこういうような形で手助けをしてもらえたらとか、そういうような御希望がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(児玉孝君) お答えします。
 大変有り難い御指摘でございまして、当然、これは実習、特に冒頭御説明申し上げましたように外部委託でございますので、当然病院又は薬局においてその人件費を中心としたいろんな経費が発生いたします。これにつきましては、今は、先ほども申し上げましたようにまだすべてが必修科ではございませんで、やはり任意の部分もありますのでまだ学生の負担ということも説明が付くんでありますけれども、今後はこれは必修でありますし、これは授業の正に一環でありますので、そうなりますと本人の任意も何もないわけであります。
 したがいまして、そういうような要素から考えますと、もう当然、これは私どもからすれば、これも所轄は文科省かどうか私どもよく分かりませんけれども、いずれにしましても、その予算について特段の御配慮をやはりお願いしたいと。もちろん一部の当然負担はあるかもしれませんが、すべてを学生の負担とするのはやはりこれはどうかと。それは、先ほど理由を申し上げたとおり、必修である、それは授業の一環であるという概念で御理解をお願いしたいと、そのように思います。
 以上です。
○林紀子君 ありがとうございました。
 それでは、給食、栄養教諭にかかわる問題につきまして、橋本参考人と雨宮参考人にお伺いしたいと思います。
 雨宮参考人にまず、よろしかったらということなんですが、先ほど御紹介いただきました六年間そのままのパンと、六年間、八年間でしたか、ありますね。それをちょっと手元で見せていただきたいので、もし委員長の許可がいただけましたら、お話を聞いている間に大事にしながら回していただけたらと思いますが、よろしいでしょうか。
○参考人(雨宮正子君) いいですか。
○委員長(北岡秀二君) はい。
○林紀子君 お聞きしたいことは、今までお話もありましたが、給食は、お二人にこの問題をお聞きしたいと思います、自校方式、センター方式、民間委託、そのほかにデリバリーというのでしょうか、いろいろその給食のやり方というのがあって、極め付きは給食がないというところなんだというふうに思いますが、その給食がない、デリバリー方式も栄養士さんはかかわっていないのじゃないかと思うんですが、給食がないというところでは今も栄養職員というのは配置されていないと思うんですね。今後、栄養教諭という形に移行をいたしましても、今いらっしゃる栄養職員がそのまま移行するというのが一番になっているわけですので、そうしますと、給食が行われていないところは今後も栄養教諭も配置をされない可能性があると。
 先ほどのお話の中では、やはり給食というのが地域、家庭まで食生活を変えていくような大きな役割があるんだというお話も聞きましたが、そうなりますと、今まで給食をしていないところ、特に中学校では三割のところで給食がされていないという数字も見たんですけれども、そうなりますと、全国同じように教育がされるべき義務教育で、三割の給食のないところはますますほかと格差が開いて、置いてきぼりということになるのではないかと思います。
 私たちが文部科学省に今までも質問をいたしますと、それは設置者の責任ですということしか返ってこないんですけれども、本当にそれでいいのかどうか。特に中学生に対して、食の教育といいますか、その重要性ということも併せて御意見を聞かせていただけたらと思います。
 お二人にお願いします。
○参考人(橋本紀子君) 学校給食が行われています形態につきまして、義務教育であるにもかかわらず食教育あるいは食に関する指導が入らないことについてどう思うかという御質問だと思いますけれども、やはり教育の機会均等ということであれば、給食あるなしにかかわらず、そういった教育は国民的な課題であるということから考えても必要だというふうに思っております。
 保健体育審議会答申の中でも書かれておりましたけれども、「最終的には、各学校で効果的な指導が可能となるような学校栄養職員の配置の改善が必要である。」というふうには答申をいただいているわけでございますけれども、しかし、今すぐこれがどうなるかということについては、私はここで、それが一番ベストですというふうには申し上げることはできます。
 それと、今度の一月に出されました「指導体制の整備」については、そこのところでは、近隣の学校に出向いて必要な教育を行うようにということになっております。これについては、先ほど来、衛生管理とか給食の管理運営ということでもとても大変なわけですけれども、しかしここは地域の状況が様々ありますから、そこは十分に地域の状況を考慮していただきながら、そういったことが可能であれば、そういう取組も現時点では必要ではないかというふうに考えております。
 それから、中学生の食の、給食の重要性ですけれども、生活習慣病のそういう兆しが出るというのが学生のころからということが言われておりまして、食習慣が定着する非常に重要な時期だというふうに思います。私、個人的に思いますのは、義務教育の中でも、小学校では一応栄養のことを考慮しセットした、セットしたというか、セットメニューという形でちょっと言うんですけれども、そういったことで食べ方や栄養のバランスなどを体験的に連続して教えていくということが非常に必要ですけれども、中学校になりますと私の近辺でも非常に残量が多くなりまして、小学生のものを量を増やして同じように提供するのではもう受け付けてもらえないわけです。
 したがって、小学生の間に基礎の学習を積み上げましたら、次、中学生にはより一層の自己選択能力がはぐくまれるような給食のシステムというのが用意されなければいけないだろうというふうに思っています。
○参考人(雨宮正子君) 八年間のパンはごらんいただいたとおりで、ほんのちょっと縮んでいるかなという感じで、そのまんま変わりなくているわけです。それを中学校の給食がないところでは自販機で売られているということは、本当に大変な問題だなというふうに私はまず思います。
 それで、給食の方式ですが、センター方式、自校方式それから民間委託、デリバリーというのが出ました。自校方式は約半数の子供がいただいていまして、自校方式の場合にも栄養士さんのいない学校もあります。そういうところでは栄養士さんが二校掛け持ち、三校掛け持ちで大変だということもさっき話しました。
 センター方式なんですが、十か所ぐらいの学校に管理栄養士さんが一人か二人という状態で、これもまた大変な状態です。ですから、教育の機会均等ということを考えたときに、やっぱり一校に一名の栄養士さんは欲しいということで、センターでも栄養士さんはもっと充当してほしいと思います。
 それから、民間委託は今一三・四%です。一九八五年に文部省が出して約二十年間で一三・四ということは、皆さんが反対をしていてそれほど進めていないということがありますので、民間委託はこれ以上進めない、むしろ全部なくしてほしいというふうに思っています。
 デリバリーランチですが、デリバリーランチというのは民間委託と同じようなもので、仕出し弁当のようなお弁当が学校に子供が注文して入ってきます。栄養価を見ますと、せんだっても見せられてびっくりしたんですけれども、カロリーはもう文部省基準よりはるかに高いです。それで、やっぱり緑黄色野菜がありませんから、子供の健康上これは問題だなということをしみじみ実感します。栄養基準でいきますと、昨年文部省の方で、文部科学省ですか、改訂を出されて、塩分は一回三グラムというふうにありますけれども、これは三グラム以上、はるかに超えています。
 ということで、デリバリーランチを勝手に注文させてということではなくて、そこにもちゃんと栄養士さんが管理できないと、子供たちの食を通して健康ということは保障できないな。中学期というのは人生最大の発育期なんです。身長がその三年間で三十センチも伸びていくという子供たちですから、やっぱり骨密度の定着度を考えたりすると、こんなバランスの悪いデリバリーランチなどは早急にやめさせて、やっぱり給食はそれぞれの学校でという方向を栄養士さんの管理の下に実現させないといけない。
 給食がないということは、本当に子供にとっても親にとっても大変です。親が怠慢でお弁当を持たせないんじゃなくて、やっぱりお弁当にはさっきも言ったように限界があるんですよ。そのことをしっかりと皆さんが理解していただきたいな。中学校の、ないところではお母さんたちが猛烈な運動していますけれども、それは親の怠慢だということでやられているところの山形県などなどではそういう話も出ています。設置者というのはやっぱり学校給食法をきちんと実施していく責任があるという観点に立つように、是非皆さんも指導していただきたいと思います。
 以上です。
○林紀子君 ありがとうございました。
○山本正和君 大変どうも今日はお忙しい中ありがとうございました。
 もう時間がありませんので、皆さん方が大分余計取ったもんですから、あと私の方からは、児玉参考人には、特にこれから出てくる薬剤師の問題にいろいろかかわりますし、橋本参考人には、栄養教諭になられた方々のこれから問題にいろいろ直接関係されますので、この法案が通った後、さらに政府に対してと、国に対して、この法案通過後、更にこういう点を努力してほしいということをそれぞれひとつ、新しく六年制の薬剤師になる皆さんや新しく栄養教諭になる皆さんのお気持ちで、何でも結構でございますから、二、三分ずつひとつ御希望をお述べいただきたい、こう思いますが、どうぞよろしく。
○参考人(児玉孝君) 今、山本先生から御指摘があった点でございますけれども、私は、この六年の教育を受け、そうすることによって薬剤師のいわゆる能力が更に高くなる、この薬剤師をうまく使っていただきたいと。変な言い方をするわけでありますが、当然現場の私どもの努力というものはこれはあってのことでありますけれども、やはりその活用を是非行政的にもお考え、御支援、御協力いただきたいな、こういう思いが強くございます。
 それは先ほど申し上げましたように、例えば病院の例を取りまして、大変医療事故が多いということを申し上げました。その中で、医薬品に関する事故も大変不幸にもあるわけでありまして、あれもできれば、現場における薬剤師の活用という点でやはり不足ぎみだと思うわけでありますね、もう少し活用していただけるようなシステムができればああいう悲しい事故が起こらなくて済むんではないか。そういうふうなものが一つ。これは、例えばいわゆる医療体制の中での薬剤師の活用の問題でありますね。これは行政にもかかわる問題であります。
 それから、あるいは今地域のいろんな、例えば健康日本21とか、病気を作らないという運動もされているわけでありますけれども、ああいった方面でも、いわゆる地域の薬剤師というものは非常にこれから有能な薬剤師も出てまいります。それを活用することによって地域の医療、保健、福祉というものに、向上に必ず役に立つわけでありますから、そういうような方策、これも行政にかかわる問題であります。
 したがいまして、そういう多方面にわたって、せっかくこのような能力を持った専門職の人間をどう活用するか、是非そういった御協力、御理解、今後私どももそれについては御説明していきたい、そう思っておりますので、その節はよろしくお願いしたいと思います。
 以上であります。
○参考人(橋本紀子君) 栄養教諭の法制化、創設につきましては、本当に現職の学校栄養職員の皆さん方の長い長い間の熱い熱い思いがあったということでございます。そして、それはひいては、自分たちの処遇の問題、改善の問題ということから端を発したんではなくて、先ほど来申し上げました、国民の健康に関しまして本当に学校教育が必要だということを痛感しているからだというふうに思っております。
 そういった意味では、できるだけ早い時期に併存という問題、これを解決していただきまして、そして遠い将来から考えますと、やはり一つにまとまって一丸となって食の教育が進められることが一番望ましいと思います。
 それから、法律が通りましたら、様々な認定講習の問題やあるいは養成校の問題、それから併存する方々の職種の内容の問題、職務内容の問題が生じてくると思いますけれども、その点につきましても様々な御支援をいただきまして、本当にこれが有効に機能していきますようにお取組を進めていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○山本正和君 ありがとうございました。
 これで結構です。
○委員長(北岡秀二君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、お忙しいところ御出席をいただいた上に、長時間にわたりましてそれぞれのお立場から大変貴重な御意見をお述べをいただきまして、誠にありがとうございます。今後の委員会、法案審議の参考にさせていただきたいと思っておる次第でございます。
 委員会を代表いたしまして、参考人の皆様方に心から厚く御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
 午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(北岡秀二君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省初等中等教育局長近藤信司君、文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君、文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君及び厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北岡秀二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(北岡秀二君) 休憩前に引き続き、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○後藤博子君 後藤博子でございます。こんにちは。
 今日は薬学のことと栄養教諭のことについてお伺いをいたしますが、十一日にもいろいろの、各委員からたくさん質問が出ましたので、今日また少し時間の都合もございまして簡潔になるかと思います。その都度細かな質問は端折ってまとめていくかもしれませんので、その辺は申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、大臣、副大臣あるいは皆様、今日のお昼は召し上がりましたでしょうか。私も先ほどいただきました。私たちも、もちろん国会議員に限らないんですけれども、特に私はこの国会議員になってから朝昼晩の食事の乱れというものを自分自身で感じておりまして、食べなかったり食べ過ぎたりしております。国会議員というものはおいしいものを食べて高い給料を取って本会議では寝ていると、何かそういうイメージがあるので、とんでもないということをちょっと申し上げたいと思いますが、やはり食ということは大事なことでございます。大臣も副大臣も皆様も御健康に留意されて仕事していただくためには、是非、食をいただきながら、大事な食をしながら頑張っていただきたいと思っております。
 質問の順番はもしかして申し上げていなかったかもしれませんが、薬学について最初にお伺いをいたしますが、御準備よろしいですかね。それも五問ぐらい用意させていただきましたけれども、もう各、たくさんの質問が出ておりますから、少しずつ端折っていきたいと思います。
 まず、このたびの改正で四年制の学部と学科、そして六年制の学部と学科ができます。それで、やはり四年制に行く学生あるいは六年制に行く学生にとりまして、六年制に行くということはまずそれだけの授業料あるいは自分の負担も掛かるわけでございます。
 そこで、もう細かなことは申し上げませんので、学生が安心して学術に、学問に従事するためにはやはりその裏付けとなるものが必要になると思うんですね。文科省においても奨学金の充実など施策を取ることを考えていただいておると思うんですけれども、学生負担の軽減に向けての取組をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 薬学部、四年が六年になりますと二年分の学費が更に必要になってくると、こういうことになるわけでございます。しかも、薬学部が他の学部に比べて比較的これまでも授業料が高かったということもあるわけでございます。
 軽減ということになりますと、やはり一つは奨学金があるわけでございまして、日本学生支援機構による奨学金事業、ここでは、私立大学の薬学部の学生でございますと、有利子の奨学金で三万、五万、八万、十万という選択制の貸与月額になっておりますが、薬学部の授業料が高いということもございまして、十万円を借りるという人については更に二万円、ほかの学部はございませんけれども、医学部、歯学部があるんですけれども、薬学部については更に二万円を増額して借りられると、こういう制度もこれまであるわけでございます。
 貸与期間、薬学これまで四年でございました。医学、歯学、獣医が六年ですから六年の貸与期間とこうなるわけでございまして、六年制の薬学部ということになりますと、こういったその貸与期間も、従来の取扱い、医学、歯学の取扱いを踏まえてきちんと対応していきたいと、こうも思っております。
 それから、これも一般的に授業料の減免という制度がございます。これにつきましても、現在、国立大学、この四月から国立大学法人と、運営費交付金という制度になりましたけれども、この授業料の減免ということにつきましては、一定の割合で減免をすると、その分授業料収入がないということを前提に運営費交付金の算定をさせていただいているということもございます。
 それから、私立大学につきましては、実施状況、各私立大学でそういう減免を行いますと、その分その私立大学の経常費補助金配分の際にそういう点を考慮して補助金を増額するといったような措置を講じておるわけでございますけれども、六年制の薬学部で同様の国立大学、私立大学、減免措置が取られるということにつきましては、これらの従前の取扱いを踏まえまして対応していきたいと、こう思っておるわけでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 何といっても学問をするということの裏付けがなければなかなか安心して、学生もアルバイトに走ったり、何か学費を集めるために何やっているか分からないような状況になりますと、せっかくのこの制度も何か色のあせたものになるかと思いますので、引き続きよろしく御検討をいただきながらやっていただければと思います。ありがとうございます。
 あとは、もうこれは二、三、四、五とあったんですが、細かなことはもう聞くのをやめまして、最後に大臣に総括的な御意見をいただきたいと思っておりましたので、この次の質問でこの薬学に対する質問は終わりたいと思いますので、大変申し訳ありませんけれども、最後にちょっと大臣の御所見を伺いたいと思います。
 その中に、今質問する中に、私の質問したいことの中に、薬剤師になるということに対してはやっぱりいろんな思いがあるわけですね。今まではお医者さんの下に置かれていたとか、何かお医者さんの下に位置するとか、私は人の命を扱うのにも医師だから上だとか薬剤師だから下だとか、そういうもう上下の関係はないと思うんですね。しかし、薬剤師を目指す方々にとりましては、やはりこれから新しい制度が入ってきて、この制度に乗っかって、よし頑張ろうという学生たちは、やっぱりそこに夢とか希望とかいうものが、やっぱり与えていかなければ、いや、持ってもらわなければいけないと思っていますし、薬剤師の役割の重要性とかいうこともしっかりと分かっていただけるような制度にもしていただかなければならないと思っています。
 もちろん、今言ったみたいにお医者さんと協力し合って人命を助けるという意味もあります。そして、それが薬剤師ということが社会的にも評価される仕事だということで、社会にもPRをもっともっとしていかなければならない。薬剤師である以上は、学校で四年制、六年制終わったからそれで終わりということではなくて、やはり生涯を通じた学習もしていかなければならない。そういうことをいろんな局面からこの制度の在り方に対しましてもっともっと細かな御指導もあるのではないかと思っております。
 そういうことにつきまして一つ一つお聞きしようと思っておりましたけれども、そういうことを含めまして、大臣、是非これから取り組む薬剤師の皆様方の地位向上や社会に対するPRや、あるいは生涯学習もちゃんときちんとできるんだよというようなこと、あるいは一般の方々が学士編入学ができるとか、やっぱり社会人も途中から受け入れて薬剤師になるための勉強ができるとか、そういうことを総合いたしまして、これから取り組まれる御姿勢をお話しいただければ有り難いと思っております。大変勝手なことで申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(河村建夫君) 薬剤師の皆さんがこれから六年制の形で本格的に養成をお受けになる、それによって、地位向上ということはもちろんでございますが、単なるそれだけじゃなくて、正にこれからの高度医療の中でチーム医療といいますか、そういう中の一員として、正に医師と看護師、医療機関のスタッフとしての一員としての役割をこれから果たしていただきたいという期待がございますし、またそれでなければなりませんし。
 また、薬局等においても、単なるその薬局の中での調剤だけではなくて、地域医療とかあるいは地域保健の担い手にもなっていただきたい、またその役割も必要である。こういう積極的な役割を果たしていただける、そういうことが制度的にも社会的にも要請されてきておりますから、そのための今回の六年制でもあるわけでございます。
 現実に、学校教育法で、今回改正をさせていただいて、薬剤師養成のための薬学教育、それによって六年制になるわけでございまして、これからの質の高い医療の中で、薬剤師の皆さんも医療現場において活躍できるように、また社会的な評価を受けるように、また二年間増やすことによって実習期間も増えるでありましょうし、また高度な勉強もしていただく、それによってその位置付けが可能になる、このように考えております。
 正に薬剤師の地位向上ということは、これは生涯を懸けてこの仕事に携わっておられる以上は、絶えず研さんにも努めていただきながら、これまで、今までの勉学の知識を生かしていただこうと、こういうことでございます。もちろん、現に四年制で薬剤師として活躍されている方も、正に後輩たちは今度六年制になるんだという思いで、新たにまた、生涯教育じゃありませんが、新しい知識も入れていただいて頑張っていただきたい。恐らくそういう一つの刺激にもなっていくんではないか。そういう意味で全体の薬剤師のレベルが上がっていく、こういうことを大いに期待をいたしております。
 文部科学省といたしましては、各大学に対してそういう要請にこたえる教育をやってもらわなきゃなりません。カリキュラムというのも変わってまいります。これまで各大学がどっちかというとまちまちにそれぞれカリキュラムを持ってやっておられた。もう薬剤師試験専門のための勉強だけしておくような大学もあったろうし、あるいは薬剤師をほとんど受けない学校、大学なんというのもありまして、これはもう研究だけだという大学もあった。しかし、今度は、薬剤師を目指す方は六年制だということがはっきりしてまいりましたので、その中で正に高度医療に対応できる勉強をしていただいて国民の期待にこたえていただく。
 そういうことによって薬剤師の皆さんの活躍の度合いも広がってまいります。また薬剤師の業務も拡大をしていく、こういうことでございますので、大いなる今回の改正によって期待が込められておりまして、皆さんのこれまでのいろんな御議論、またこれからも御議論いただくわけでありますが、それを踏まえて、御承認いただきましたら、その期待にこたえられるような学校における指導、薬学教育の充実、これが文部科学省の仕事でございますから取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○後藤博子君 本当に大臣、ありがとうございます。
 ともすれば、大学に行くための勉強、薬剤師になるための勉強、なればいいとかいうようなことではなくて、本当に今おっしゃったような命を預かること、地域で、また町の薬局の薬剤師の方々も、私たちがちょっと行くと風邪薬を調剤してくれたりとか、熱はどうと優しく聞いてくださったりとか、正に地域の中でも活躍をしていただく、また医療の現場の中でも活躍していただく、それだけのすばらしい仕事なんだという、そういう希望に満ちた制度として持っていっていただきたいと思っております。これからもよろしくお願い申し上げます。
 次に、栄養教諭の制度に入ります。
 今も、薬剤師さんもそうですしお医者さんもそうですけれども、私たちもそうですが、やはり資質といいますか、やっぱり何についても、どんなことをやっていくのも、その人の人間性とか、その人の持っているものとか、あるいは哲学とか理念とか、いろんなものが自分の生活の中に生かされ、また生涯を通じて自分も本当にこの人生、やって良かったと思えるような人生を送るためには、やはりそれぞれがそれぞれの場所で一生懸命生きていくことが大事だと思います。特にまた、このたびは食育というものが入ってまいりまして、栄養の教諭の制度というものがあります。
 もうずばりお聞きいたしますが、大臣は栄養教諭に求められる専門性や資質をどうお考えになっていらっしゃるのか。そして、幅広い視野や人間性を重視した栄養教諭の養成が行われるために、免許法上それをどう担保しているのかという、その二点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) これまで学校栄養士の皆さん方は、学校給食を通して子供たちにバランスの取れたいい、昼食ですが、食事を供給しながら、あわせて、既に皆さん方は早くから学校教諭として教育現場においてそういう面を、更に活躍したいという思いを長い間持ってきておられます。
 恐らく学校栄養士の皆さんはそういう思いでずっとやってきておられますので、その心構えは私は既にできておると、このように思っておるわけでございますが、現実にこれから栄養教諭として教壇に立っていただく。それはまた、今までと違った、いわゆる教員としての資質といいますか、そういうものも求められてくるわけでございます。
 そういう意味で、これまでの栄養に関する専門的知識、能力、これに加えて、やっぱり子供たちとの触れ合い、あるいは子供たちの発達段階に応じた指導、そういうものもやっていかなきゃなりません。正に教育のプロという立場も兼ね備えていただくというわけでございます。
 そういう意味でありますから、これからも更に研さんを積んでいただきながら、そして免許を取得をしていただくというこの一つの壁に向かって、この間、今から努力をしていただかなきゃなりません。教職の意義とか教員の基礎理論、あるいは教育課程、生徒指導、教育相談、そういう教職に関する科目についても一定の単位を取っていただく、研修も受けていただく、こういうことでございます。
 したがって、栄養教諭の皆様方も、正に教員としての、教育者としての使命感、それから子供たちに対する愛情、これまでもそういう思いをずっと持ち続けていただいてきましたが、これから具体的に実践的に指導力を付けていただく、それを踏まえて教壇にお立ちをいただくということが期待されておるわけでございます。
 私は、学校というのは教員を中心に動いておる、校長先生のリーダーシップの下で動いております。特に今から子供たちにとってはいろいろ相談相手が必要になってまいりますので、養護教諭もおられますが、そういう方とも一体となって子供たちの育成の期待がこの養護教諭にも大きく求められておると、こう思っておりまして、そういう意味で是非頑張っていただきたいし、その資質を備えた方が栄養教諭として教壇に立っていただけるものだと、このように思っておるところであります。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 私の地元の、大臣、ちょっとこれお話ししたいんですけれども、幼稚園があるんですよ。それはどこでもあるんですけれども。ちょっと大分県のPRいたしますと、そこの園長先生始め、もう皆様が、子供に安心で安全で添加物のない、今日も参考人の方々のお話もありましたけれども、そういうものを食べさせたいと、そのためには食材からやっぱり選んでいきたいと、そういう幼稚園がありまして、農家と契約しまして、農薬使わないとか無農薬でやってほしいとか、その野菜とかを幼稚園の園児たちが季節になりましたら取りに行くんですよ、農家に。そして、大根掘ったり芋掘ったりして、それを幼稚園の食卓に並べて、それで、ああ、おいしいねということをやっていらっしゃる。
 それだけではなくて、その地域にある老人ホームの方を、幼稚園の生徒がお手紙を書いて、おじいちゃん、おばあちゃん、是非私たちの幼稚園にランチにいらしてくださいとかいってお手紙を書くと、近所の老人ホームからおじいちゃん、おばあちゃんが来るんです。私もその場に、見学させていただきたいということを申し入れましたら、私にもちゃんと食事を用意してくださって、それは本当においしい食事でした。そんなに豪華ではありません。ただ、でも栄養のバランスが取れて、食器の中に、豊かな食材の中に栄養士さんや調理師さんたちが作ってくれるその思いが込められているのがもうありありと見えてくるんですね。そうすると、それを見た子供たちは、もちろん自分で取りに行ったということもありますし、もうニンジン食べられなかった子供もニンジン掘ったらやっぱり食べるんですよね。そういうことを取り組んでいる学校があります。
 また、先ほど申し上げたように、お年寄りが来たときに、お年寄りの方は、おばあちゃんであったら、例えば、はい、いただきます、皆さん手合わせて食べようねって言ったり、あるいはおじいちゃんだったら、この大根はこうこうこういうことで野菜屋さんから売られてというふうに流通の話をしたり、だから会話が一杯弾むんです。
 それが、私が何がちょっと申し上げたいかといいますと、これからの学校教諭に求められる資質というのは、栄養バランスがどうのとか、これはいいから食べなさいとかなんとかいうことではなくて、そういういろんな話ができる先生、これから、今までは献立を作ったり、調理師さんと一緒に食堂においてやってくださったこともあるかもしれませんけれども、これからの栄養教諭さんというのは子供たちにいろんな観点から、いろんな見方から子供に食育というものをやっぱり指導していかなければならないという、ある意味では私はちょっと大変なお仕事になるかなという思いがあるんですが、大変と思うと後ろ向きなんで、特に先生方に、前向きに取り組んで、本当に栄養教諭として頑張ろうという気持ちになれるような制度として持っていっていただければと思うんですけれども、そういう栄養教諭を養成しなきゃなりませんね。ただ単に数字だけ並べて、栄養価を並べていくことじゃなくて、いろんな観点から、農業の問題から商業の問題から地域のことから、食事を残したらいけませんよとか、あるいは心のことから話していかなければならない。
 そういう栄養教育に対する研修をしていかなければならないと思うんですけれども、これは文科省で結構ですけれども、栄養教諭に対するそういう意味での研修は、研修という、研修の中に今私が申し上げたことがどのように生かされるのか、あるいは生かされようとしているのか、お伺いしたいと思います。副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(原田義昭君) 食育といいますか、食育というのは私は、ただ食べればいい、栄養を補給すればいいということばかりでなく、恐らく全人教育の中で、食物、食べること、食事がいかに大事な役割を果たすかと、そこの重要な部分をこれら栄養教諭が担うんではないかと、こう思っておるところであります。
 ただいま後藤委員が地元の幼稚園、またお百姓さんたちとのかかわりで、自分で体験して、そして物をいただくことの有り難さ、心の通うさまを体験されるというのは本当にすばらしいことだと思っております。おっしゃるとおり、栄養教諭というのは、それこそ栄養のバランスとかそういうカロリーがどうだとかということ、これはもちろん一番大事なことでありますけれども、それ以外にも、いろいろな分野のものを学び、そしてそれを実際の仕事の中で生かしていかなければいけないわけであります。
 私は、栄養教諭の仕事は大きく言って三つあると。これを頭の中で整理しているんですけれども、それは何といっても、従来と同じように、それ以上に給食の現場をしっかり監督して子供たちに安全な食事を与えると。それから二番目に、教諭としての部分でありますけれども、食事、食教育を教壇に立ってでもそれを行うんだと。三番目に、これも私は大事だと思うんですが、いわゆるコーディネーターとしての役割ですね。学校の中にも食教育をやっている方は既にたくさんおられます。例えば理科の先生もそうでありますし、体育の先生もそうだし、家庭科の先生もそうでしょう。それぞれ、そちらの立場から食事の問題を取り上げておるわけでありますけれども、その中心に立って先生方を束ねると。これが私はこれからの栄養教諭の仕事であり、それは学校の中にとどまらず、それは地域社会と、さらに家庭との間のコーディネーターをすると、これが私はこの栄養教諭の仕事であると思います。
 当然のことながら、今先生から御指摘いただきましたように、その対象範囲というのは極めて広いものになるわけであります。農作物がどう作られるのか、さらにはそれがどう運ばれるのか、安全性はどう管理されるのか、こういうことも含めまして、なるがゆえに、栄養教諭をこれから育てる上において非常にしっかりした私は教育課程ができなければならない、こう思っております。
 栄養教諭ができ上がるまでに、私は、まずは学生が大学に行って、そして勉強をして、そして第一には栄養教諭の国家試験を受けるまでの教育期間、養成期間。さらには、その前提として、基礎資格として栄養士、管理栄養士の資格を取らなきゃいけません、そのための養成期間。さらには、栄養士、栄養教諭になった後に、日々やっぱり私は自己研さんなり自分の力を向上させなきゃいけません。そのいろいろな過程、すなわち養成期間と研修の期間、この全過程において、今申し上げましたように、農業とか商業とか生活の在り方とか、場合によっては文化とか親に感謝するとか、こういうこともしっかり教え込んで、その栄養教諭が今度、子供たちやら社会に向き合うときに、それをしっかりと自信を持って教えていただくと。こういうのが私はこれからの栄養教諭の在り方ではないかと、こう思うわけであります。
○後藤博子君 原田副大臣、本当にありがとうございます。副大臣のお言葉を何か今お聞きしておりまして、うれしくなってまいりました。
 反面、栄養士の方々がお聞きになっていたときに、うわあ、すごいことを勉強しなきゃならないのかななんていう、もしかしたら少しそういう不安もあるかもしれませんので、その不安のないようにしっかり制度として、栄養士の皆様、栄養教諭になる皆様を支えていただければと思っております。
 そういうことで、やはり栄養士さんが栄養教諭になったら、やっぱり自分だけではなかなかこれ難しいんですね。やっぱり学校の中でも、校長先生に理解していただき、またあるいは同僚の先生方にも助けていただき、逆に家庭科においては、その家庭科で教えていた先生と一緒になって食について教える場面があったり、例えば保健体育の中では、体をつくるということは、食べることによってこうやってつくられるんだよということを保健体育の先生方とも連携して教えていくというふうなことで、もう全体的に取り組んでいかなければならないと思っております。
 それで、少しそういう点で、現在の学校栄養職員による何か実践例みたいなものがございますでしょうか。学校全体でこんなことに取り組んでいる学校があるよとか、そういうことが今現在ありましたら、二、三教えていただけたら有り難いと思います。お願いします。
○政府参考人(田中壮一郎君) 委員御指摘のように、食に関する指導は幅広い内容を含むものでございますので、関係教職員が連携をして、各教科や学級活動、学校行事なども含めて、学校教育全体を通じて取り組んでおるところもかなりあるわけでございまして、幾つか例を紹介いたしますと、これは鹿児島県の姶良町の小学校でございますけれども、生活科や総合的な学習の時間に、先ほど先生のお話にもございましたけれども、児童が自ら育てた野菜やお米を学校給食に活用して、収穫の喜びや農作物を育てることの大変さ、あるいは農家や自然への感謝の気持ちを育成する。特に、六年生の家庭科の中では、栄養バランスの取れた献立を作ろうというようなことで、家庭科の時間に献立を作って、その献立に基づいた給食を実施いたしまして、それを自ら食することによってそういう栄養バランスについて実感を感じていただく。
 あるいは、地場産物を活用した全校バイキング給食といったようなものも取り入れまして、複数のメニュー、食材の中から選んで、自分にふさわしい栄養バランスの取れた食事の仕方を学ぶ。また、全校バイキングでございますので、一年生から六年生までが一緒に食事をするわけでございますので、そういう異学年交流の中で、そういう年の離れた子と一緒に食べることによって喜びを感じるといったような取組をしておるわけでございます。
 こういった学校では、やはり学校栄養職員の方だけでは難しいわけでございますので、各学校が食に関する指導計画を作りまして、校内に学習指導・給食指導班、それから調査・統計資料班、それから家庭・地域連携班というような班を組んでこういうものを実施しておるところがございます。
 また、千葉県佐倉市の小学校におきましては、五年生の学級活動の中で、健康を考えた食事をしようというようなことで、学級担任と学校栄養職員の方々がチームティーチングを組んで、牛乳以外でカルシウムを多く含む食材、ヒジキ、コマツナ、小魚といったものを教えていくというような取組、さらにはその学校では、福祉施設や老人ホームにおいて交流給食会を実施するなど、福祉分野など学校外の組織とも連携を推進しておるというふうに聞いております。
 それから、中学校レベルでも、沖縄県那覇市のある中学校におきましては、生徒の食の現状について、実態やあるいは意識について調査を行いまして、生徒に食生活についての認識を深めさせながら、保護者や職員も対象として受験期の食生活といったようなシンポジウムを行って、家庭、地域と学校が一体となって食に関する対策を検討しながら、その中でPTAなどの協力も得ながら、全校生徒を対象とした郷土料理教室を実施するといったような取組をしておるところもあるわけでございまして、今後とも、栄養教諭制度によりまして食に関する指導体制が図られる中で、校長のリーダーシップの下で栄養教諭が中核となって学校全体での取組がなお一層進むことを期待しておるところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 例を挙げて、もう既に実行しているところもあるということで、そういう各学校が取り組んでいることというのは、ほかの学校との何か、学校同士で連携をし合って、こういう例はじゃうちも是非まねをしたいからお伺いしていいですかみたいな、そういう何か学校同士の連携はありますか、取っていらっしゃいますか。
○政府参考人(田中壮一郎君) これは、学校栄養士、学校栄養職員の方々の全国大会でございますとか、各県ごとの研修会等が実施されておりますので、そういうところで情報交換をいたしまして、うちの学校ではこんな取組をしていますよというようなお話を聞くことによって、またほかの学校で、じゃ私の学校でもそういう取組を取り入れようかというようなことで、徐々にその輪が広がっておるんだろうと思っております。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 もう、今日、朝、午前中も参考人の方々の中にもおっしゃった方もいらっしゃいますけれども、今、食が非常に乱れていまして、何かファストフード食べるだけだとか、十代の若い女の子が骨粗鬆症になってしまって、夜の生活が長くて、昼間ひなたに、日に当たらないと。ビタミンDを取らなくて、カルシウムの含有量は体内に決められているんですけれども、決められているから、骨からどんどんどんどんほかのところにカルシウム取られていって、結局骨がぼろぼろになって、十代なのにもう腰が曲がってしまったというような、この前ちょっとテレビでやっていましたけれども、それだけ食べることというのはもう大事でございますので、是非そういう例がありましたら各学校に大きくPRしていただければと思っております。
 ところで、大臣にお伺いしたいんですけれども、今、私たち、議員立法といいますか食育基本法をやっております。その食育基本法が、基本的に、学校や地域の食育推進や食に関する情報提供などとともに、食の文化の継承とか農山漁村の活性化、食料自給率の向上、食育に関する国際貢献などということで、いろんなことを食育基本法の中でも取り上げながらやっているんですけれども、この食育基本法と今言われている栄養教諭との関係についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) お答えする前に、後藤先生、食べることの大切さ、非常に強調していただきまして、私も大臣に就任して、食育を、まず食育の重要性をかんがみて教育改革をと、こういう総理の指示もございました。
 そこで、私自身も、人にそう言う以上自分の食育もよく考えないかぬ。私は、私事ですが、議員宿舎に一番下の娘と一緒に、大学生、住んでおりましたら、あるとき「わたしの食事ノート」というのを買ってまいりまして、それで、これで毎日お父さん食べた食事を全部書きなさいと、こういうことになった。そこで、私は今年の一月六日から一食欠かさず全部、これ色で分けてあるんですよ、こういうふうに。食べたものを色分けして書くんです。別にこれはカロリー計算するわけじゃないんですが、これ見ると一目瞭然、今日はどういうものを食べたか、バランスがよく取れているか、全部分かるんですね。それで、無理に食べなくなりますし、栄養のバランスを考えながら食べる。これはお勧めをしたいと、こう思って、私の食育体験でございますけれども。
 そういう意味で、食育ということがいろんな家庭の中、それから学校現場、社会的にも大きな位置を占めてくるということは有り難い。それに、正に今御指摘の食育基本法というのが、我々といいますか、議員立法で本格的に入ってくるということでございます。
 これは、今まで御指摘いただいておりますように、食育基本法においては、伝統的な食文化への配慮をしなさい、あるいは農山漁村の活性化にもつながるでしょう、食料自給率の向上にも貢献します、こういう考え方の下で国、それから地方公共団体が責任をちゃんとはっきりしなさいと、こういうことがございます。それから、食育に関する施策の基本、これはもう学校教育においてもそうなってまいります。これがきちっと位置付けられているということで。
 そういうことを考えますと、特にこれ子供、学校現場においては子供になるわけでありますが、この食育ということについてもこの基本法では、心身の成長及び人格の完成に大きな影響を及ぼして、生涯にわたって健全な心と体を培い豊かな人間性をはぐくむ基礎となると、こういう位置付けがされておりまして、そしてその法案においては基本的施策というのがあって、その中に、家庭における食育の推進とともに、学校、保育所等における食育の推進ということも取り上げていただいております。
 そういうことを考えますと、今回のこの法案による栄養教諭制度の創設ということは、正に生涯にわたる望ましい食習慣の形成とか、あるいは食を通じた豊かな人間性の育成と、こういうことが大きな観点になってまいりますから、この食育基本法制の趣旨と今回のこの学校栄養制度の創設というのは合致すると思いますね。正に一体感の中でこれが進められるわけでありますので、食育基本法の成立と相まって、この学校栄養教諭制度の創設というのが非常に大きな意味を持ってくると、このように考えておるわけでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 大臣、私もそのノートをちょっと買いたいと思いますので、後で教えてください。それは大臣、奥様が勧められたんですか。
○国務大臣(河村建夫君) いえ、子供、娘です。
○後藤博子君 ああ、お嬢様。すばらしい御家族に囲まれて、それでやっぱり大臣、いつもスリムですてきなんですね。ありがとうございます。じゃ、私たちもまねして、太り過ぎないようにノートを付けながらやっていきたいと思います。本当にありがとうございます。そうやって、地域の方の力、学校の先生方の力、奥様始め家族の力をいただきながら私たちは育ち、また子供たちも育っているわけでございます。
 そのために、私は、地域の人やお母さんたちやお父さんの協力も得るんですけれども、その中に、学校栄養士とは、免許も持っていない、しかし長年子供を育ててきた、孫も育ててきたというふうな経験のある方、あるいは最近は男の方も、男の何か台所みたいなことがありまして食事を作る場面があります。そういう方々に助けられるような制度の在り方というのはどうなんだろうかと。だから、特別非常勤講師ということで、そういう方々をちょっと学校の中に雇えないんだろうかと、その辺のことをちょっとお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 先生御指摘いただいておりますように、学校教育の推進、その中には、食育の推進におきましても地域の様々な知識、能力を持っておられる方々の協力というものが不可欠であろうというふうに考えておるところでございまして、その方法といたしましては、特別非常勤講師制度等を活用いたしまして、教員として教壇に立ってもらう方法、またあるいはボランティア等として授業の中でお話を聞かせていただいたり、あるいはその方の農場に行くとか、あるいはお勤め先に行ってお話を聞かせていただくというような形でいろいろ協力していただいておるわけでございまして。
 実例をお話しさせていただきますと、例えば特別非常勤講師制度を活用いたしまして、家庭科の調理の実習につきましてはホテルの料理長に実技指導に当たっていただくというような学校もございますし、またボランティアといたしましては、稲刈り体験後に食糧事務所の職員の方からお米についてのお話を聞く、あるいは地域の昔の暮らしと行事食につきまして地域の高齢者の方からお話を聞きながら、その作り方を教わりながら一緒に作って、そしてそれを食事するというようなことをやっておる学校もございますし、あるいは給食に出していただいておるミカンや牛乳について、そういう農場や牛乳工場に見学に行って、そこでいろいろ教えていただいて、それを、学んだものを学校の文化祭等におきましてそれを展示して、また地域の人たちに対して、自分たちはこういうことを学びましたということを御報告するといったような取組もやっておるところでございまして、学校の教育活動にこのように広く外部の方々の参加を得ることは大変教育の中身を多様化し、子供たちの興味、関心を高めていく上で大変重要なことだろうと考えておるところでございまして、こういうことを今後とも推奨してまいりたいと考えておるところでございます。
○後藤博子君 本当にありがとうございます。
 そういう地域の方々、専門的なホテルのコックさん、あるいはおじいちゃん、おばあちゃん、そういう方々の助けをかりて、すくすくと子供たちが育っていくと。子供たちもその方々に感謝しながら、食べさせられるんじゃなくて食べたい、食べるという、そういうことで子供たちが育っていくと、そういうような制度であるともうどんなにうれしいかと思っております。
 そういう中でも、栄養教諭の皆様に課せられるやっぱり責任というものは、何かありましたらすぐその責任を追及されるわけでございます。そのためにも、先ほども生涯学習ということで質問しましたけれども、やはりそういう栄養教諭の方々にも生涯を通じた研修の在り方が必要じゃないかと思うんですね。食物も、遺伝子組換えの食品が出てきたり、あるいはクローンの牛が出てきたり、それがいつまた食品となって出てくるかも分からないという、そういう背景の中で、十年研修ということも、まあ初任者研修とか十年研修とかいうこともやっていらっしゃいますけれども、更にそれに加えてその必要性があると思いますので、具体的に何か考えていらっしゃることがありましたら、簡単で結構です、お聞かせください。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校の教職員につきましては、それぞれの任命権者、都道府県の教育委員会がそれぞれの教職員の職務内容や経験年数を勘案いたしまして、それぞれの教職員としてのライフステージにふさわしい区切り区切りで研修をいたしておりますし、また喫緊に必要な課題につきましては、そういう臨時の研修会等を催してそういう研修を実施しておるところでございます。
 そういう中で、国といたしましては、現在の学校栄養職員について申し上げれば、新採の段階で二十七日程度、それから教職経験十年の段階で十五日間にわたりましてそれぞれ研修が行えるように補助金を交付させていただいておるところでございます。また同時に、国といたしましても、独立行政法人教員研修センターというところで、全国の食に関する指導を担当する教育委員会の指導主事等に対しまして、食に関する指導にかかわる喫緊の重要課題について研修会を毎年実施しておるところでございますし、先ほど申し上げましたように、文部科学省としても、全国栄養職員研究大会あるいは全国学校給食研究協議会といった全国大会を開催させていただきまして、食をめぐるその時々の諸課題について適時適切な情報を全国に提供させていただいておるというような状況でございまして、今後とも、栄養教諭制度の創設も踏まえまして、これらの研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 しっかり学びながら、自分たちも学びながら、そしてそれをまた更に子供たちに教えていく、あるいは地域の方々と連携しながらやっていく、もう本当にその全体の取組が大事だと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 それにいたしましても、今現在では三校か四校に一人ぐらいの栄養教諭の配置になりますが、いないわけですね。また、学校給食していない学校といいますか、給食の制度がない学校には栄養士もいないということでございますし、そういうことも、学校教諭の配置の問題もありますし、また学校給食がないところはじゃどうするのかという問題もあります。
 それにまた加えまして、やはり栄養職員が栄養教諭というか、移行できるためにはどうしても財源というものが必要になってくると思うんですね。やっぱり安心して働くためにはちゃんとその裏付けもあるという、そういうことも含めまして財源措置が保障されるべきだと考えるんですけれども、いかがでしょうかということと、学校の配置の問題を、併せまして二つの質問を同時にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 栄養教諭の標準定数につきましては、この栄養教諭が学校栄養職員のうちから移行をする、これを基本とする、そういう事情があるわけでございまして、そういった事情を考慮いたしまして栄養教諭及び学校栄養職員として定数を算定することにいたしておるわけでございますが、現在の、児童生徒の食に起因する健康問題が深刻化してきていると、こういったことなどを踏まえまして、平成十三年度から第七次の公立義務教育諸学校教職員定数改善計画を進めてきているわけでございます。
 この計画では、五年間で九百六十二人の改善増を図ると、こういうことにしておるわけでございますけれども、大変厳しい財政状況にあるわけでありますが、まずは私どもはこの計画の着実な推進に努めてまいりたいと考えているわけでございまして、その上で、今後の定数改善計画をどうするかということでございますが、これにつきましては、栄養教諭制度に対する社会的な評価でありますとか栄養教諭への移行状況、あるいは義務教育諸学校教職員の定数全体の在り方など、様々な観点を踏まえながら検討してまいりたいと、そういうことで将来的な検討課題にさせていただきたいと思っておるわけでございます。
 それからまた、財政措置の御質問でございますが、当然に栄養教諭は教諭、養護教諭、事務職員などと並びまして学校の基幹的職員となるべきものでございます。市町村の財政力にかかわらず、やはり必要数を確保すると、こういうことから、その給与費につきましては、法律で都道府県の負担とした上で、義務教育費国庫負担法によりまして原則二分の一については国庫負担をすると、こういうことにいたしておるわけでございます。
 ただ、栄養教諭が実際に各学校に任用されますのが平成十七年度以降と、こういうことでございますから、これに係る具体的な国庫負担額につきましては平成十七年度の予算編成過程におきまして財政当局と十分に協議をしてまいりたいと、かように考えているところでございます。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校栄養職員から栄養教諭への円滑な移行の件についてお答えをさしていただきたいと思います。
 学校栄養職員が栄養教諭に円滑に移行いたしますためには、一定の単位を修得して栄養教諭の免許状を取得する必要があるわけでございまして、この単位を長期休業期間中等に集中的に取得していただきますためには、各都道府県教育委員会にこの単位を取得するための認定講習を実施していただく必要があるわけでございまして、私どもとしては、すべての県におきましてこういう免許法認定講習を実施していただけるように必要な財源の確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 これから夢を持って栄養教諭になられる方々に対しましても、そういうお話をお伺いすれば、よし、頑張るぞという気持ちになっていただけると思っております。本当に有り難いと思います。
 私の質問、あと、時間があるんですけれども、いろいろこちらの内部事情によりましてあと数分で終わらせていただきますので、最後になるんですが、今日もたくさんの方がいらしていただきまして、この前、橋本聖子先生にお聞きしたら、皆さん栄養士の方ですよということだったんで、今日もまたたくさんの方々が来ていただきまして、今日はちょっと大仁田厚先生いらっしゃいませんけれども、大仁田厚先生はもう向こうに向かって正にお話をされているという。大仁田厚先生のことだけを褒めるわけでもないんですけれども、やはり私たちは中に向かっていろいろ法を作ったりいろんなものを作るんじゃなく、やっぱり外に向かって、これから出ていく外に向かって法整備していくんだ、新しい法案を作っていくんだという、そういう気持ちの表れでついついあちらを向いてやったんじゃないかと思いますが、今日もたくさんの栄養士の方々が傍聴に来ておられます。皆さん、すてきな方ばっかりです。
 なぜこんなふうに顔がすてきなのかというと、やはり子供たちのことを愛して、自分たちが作る食材を集め、子供たちのために一生懸命おいしい料理を作り、子供たちがにこにこと笑う顔を見る、それがうれしいと、もうそれだけでいいんだという、そういう方々も中にはいらっしゃると思いますし、わあっ、これから栄養教諭になるためのいろいろ取得しなきゃならない、資格を取らなきゃならない、私はもう今のままでいいのにと、もう私はそんな教壇に立って生徒の前で教えるとかいうことなんてとてもでないけどできないわと、もしかしたらそういうふうに不安になっている方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
 だんだんとこの制度によって新たな専門性というものが課せられまして、せっかくの人材が何かこの制度のために逆に失われていくようなことになったときには非常に残念なことになると思いますので、そういうことにならないように、今ここにいらっしゃる方々をもっともっと活用、活用というのは悪いですね、生かして、輝いて、すてきに人生を送っていただくためにも、この制度というものが前向きに考えていただけるのではないかと思っておりますので、そのためのこの栄養教諭の創設が学校教育においてどのような役割や貢献をしていくべきなのか、そしてまた、その方々に薬剤師さんと同じようにやはり夢とか希望とか、この仕事を選んで良かったなと思えるような制度に持っていくのかと、そういうことを、すべて総括で申し訳ありませんが、最後にスマートな大臣のお言葉をいただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) もう後藤先生の方から総括していろんな角度から学校栄養士に対する期待、役割をお述べいただいたように思います。
 正に、冒頭からお話ありましたように、子供たちの食の乱れが起きつつある。それを、望ましい食習慣を身に付けさせていこうということが一つの大きなねらいにございます。そのことは、いずれ大人になってきちっとした食生活習慣が付いていれば老人病、成人病なんかも防げるだろう、これは医療費の節約にもつながっていくんじゃないかと、こういう議論もあるぐらいでございます。そういうこと。
 そして、もちろんこれは一義的に家庭がやってもらわなきゃいけないことであるけれども、それだけでなくて、やっぱり学校においてもちゃんと指導していく。そのことをきちっと位置付けようというのが学校栄養教諭制度でございます。それによって、そのことが、更に専門的な立場からそのことをやっていただけるということ、これは非常に意義が大きいと思っております。学校給食をこれまで学校栄養士の皆さんは、中心にして、子供たちにということで、思いで頑張ってこられた。やっぱりこの学校給食というのを一つの基礎に、基盤にして、これを本当に活用していただく、更に活用していただくということ、それによって学校給食の管理と、そして食を一体に結び付けて、いわゆる学校の教育の中心となって頑張っていただきたいという期待がございます。
 あわせて、先ほど原田副大臣も答弁いたしておりましたように、ただそれだけにとどまらず、家庭に対するインパクトも必要でございます。恐らくそのうちお気付きになる、それはクラスの担任の先生と協議していただくことで分かるのでありますが、何%、一〇%から二〇%の子供たちは朝、食事をしてきてないという現実もございます。そういうことにもだんだん気付いていかれる。そういう子供たちの相談になっていただいて、家庭に対しても朝食を取れるような、にはどうしたらいいかということを相談に乗ってもらう、こういうこともやってもらわなきゃなりません。
 そういう意味で、養護教諭あるいは家庭科の先生との連携を取りながら、正に栄養教諭が、食のコーディネーターということを言っておりますが、学校でのその責任をそういう意味で果たしていただける、そういう役割がこれから必要になってくるわけでございます。そういう大きな意味がある学校栄養教諭制度でございます。この制度の創設とともに、それに向かって、これまでもそれに向けていろいろ御努力をいただいているわけでありますが、いよいよ出番でございますからしっかり頑張っていただく、その期待にこたえていただきたい、このように思っているわけであります。
○後藤博子君 力強い大臣のお言葉、また副大臣、そして皆様、本当にありがとうございました。
 一丸となっていい制度にするように持っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。皆様、ありがとうございました。
○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 一昨日は栄養教諭をめぐる具体的な問題について幾つかお伺いいたしましたが、今日は基本的な問題といいましょうか、やや一般論という中からこの問題点を少し究明、解明していきたいというふうに思っています。
 私は、この学校教育法の改正という問題をずっと質疑を聞いておりまして、それぞれ皆さんが持っておられる問題意識、それに対するまた答弁者の考え方というものを聞いていまして、大変、法律の文言は栄養教諭の創設と、又は薬剤師教育を六年間にするということと薬学部四年制を残す、並列させるということでございますけれども、日本の社会の非常に重要な側面を背景に、こういう非常に単純な条文で構成されたというふうに思っております。
 特にこの財政の問題と学校給食の問題ということを考えたときに、私は草川先生が、においの費用があるんだということを聞いたときに、ああ、なるほどなと。実は私が受けた学校給食は確かににおいが身近にあったというのを感じました。
 あらゆる物質は人体にとって有害だというふうに私は思っております。しかし、その有害は、程度の差は大変な、もちろん多くの段階があって、また影響の範囲もそれぞれ異なるわけですけれども、私は薬学部を四年制で残すという意思というものにそれを強く感じます。薬学というものが基礎的にあらゆる物質を解析、分析して、すべて有害であるけれども、これがどのように人体に有効に作用するかということを究明していくものであって、私は薬学部というのは単に薬剤師養成ではないから、六年間の薬剤師養成の意味というのは非常に強いと思いますが、四年制の薬学部を残すということの意味もまたうんと強いなというふうに感じておりまして、今日は薬学関係をやるつもりはございませんが。
 給食についても、あらゆる物質は有害であるという前提で食物というのは成り立っております。しかし、それを恐れていてはとても駄目なんで、それをいかに人体に有効に作用するように調理し、いかに食べるかと、またいかに食べさせるかというところに大きな問題があるという、非常に大きな課題を収れんした法律というふうに二回の論議を聞いて感じております。
 そこで、今日は一般的な問題を少しお聞かせしていただきたいと思います。
 それは、この制度が発足する、学校の給食、栄養教諭問題が発足していくときにずっと付いて回る問題だし、これが社会に与えるインパクトというのが様々に出てくると。影響も出てくるけれども、また制度そのものが影響を受けてくるということも多々起こってくるでしょうから、相当の問題意識と課題を持っていかなきゃならないというふうに考えるがゆえでございます。
 さて、我が国の食生活は栄養のバランスの乱れ、糖尿病、動脈硬化、高血圧、肥満症など、生活習慣病の増加、欠食や外食の増加、食品ロスの発生による食料資源の浪費の問題を抱えていると言われております。子供たちの食生活も、豊かな時代でありながら、食事内容は塩分、糖分や脂肪の多い食事、間食の過剰摂取、野菜不足、朝食抜きなど、多くの問題が指摘されております。また、核家族化の進行、女性の就労が伸びたことなどから、家族の食行動が多様化して、家族がそろって食事をする共食の機会が減少して、子供が独りだけで食事をする孤食が増えています。その内容も、カップラーメンだけとか、パンと飲み水、おにぎりと飲物という主菜、副菜のない栄養バランスの偏った食事となりがちで、このような結果から子供たちの中にも肥満の傾向が見られ、生活習慣病の予備軍が増加しているということでございます。一日の食事のうち、学校の給食だけが唯一の栄養バランスの取れた食事だという子供さえいるというのも決して大げさな話ではなくなっているようです。
 今回の法改正では学校給食を中心とした栄養教諭の活動によって食育の充実を図っていこうという構想ですが、子供たちの食の問題はこれで解決するということはあり得ない状況です。大人の問題、社会の問題がこれほど子供たちに反映していることはないだろうと思うからです。朝食を食べてこない子供をどうするのかという、どういう事情なのかという問題、多くは家庭や親との話合いで食、健康に対する意識を啓発することで解決できるんだとは思いますが、学校の教育現場から実際に取組が行われているだろうか。また解決できない場合はどうするのか。子供や家庭はそれぞれ異なって様々な事情を抱えているので、指導、相談といっても容易ではないと思います。学校教育と家庭が対立してしまうことも起こるのではないだろうか、これは一昨日も申し上げました。このように考えた場合、学校教育の範囲の話だけではない問題であることは疑問の余地はありません。
 一昔前ならちょっと考えられないことでしたが、最近では地下鉄の中で昼食を取るサラリーマンの姿が見掛けられるようになったという話も聞きます。全く考えられない事態が起こっているわけです。豊かさの中の貧困、真の豊かさをつかんでいない現在の日本の社会の中で、大人の意識を変えない限り、今日の子供の健康や学校給食をめぐる諸問題は解決しないのだと思います。
 ゆとりを持って食を大切にしていく文化、これを日本の社会の全体の中で育て、定着させていく努力が必要なのではないでしょうか。私はそのように考えますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○副大臣(原田義昭君) 伊藤先生、今いろいろお述べになりましたけれども、恐らく食を取り巻くほとんどすべての問題点を今御指摘、網羅されたような気がいたします。それに対して私ども、国民としてどう対応していくか、それに対してまた行政、文部科学省等がどういう政策としてアプローチできるかと。大変重い、難しい問題を今提示されたところであります。
 食が正に人間が生活していく上においての基本でございますし、食と健康の問題というのは、児童生徒のみならず広く国民全体にとって重要なものでございます。また、学校給食の話も出ましたけれども、家庭の役割というのは、これはもうどう否定しても否定し切れない大事なところであります。
 私は何回か使ったことがあるんですけれども、一年に人間、三百六十五日、三回食べるわけですから、大体千百食でございます。完全給食をなされているケースでも二百日が目一杯でありますから、残りの九百食はこれはもう全部家庭で食事、子供たちも大人もみんなそうでありますが、食べているわけでありまして、いかに家庭での食生活がまた大事かと。
 そういう意味では、学校が、また栄養教諭がいかに指導力を発揮しようと、そういうところまではなかなか及び得ない。しかし、にもかかわらず、やっぱりできるだけそれに対応できるように努力していくということもこれから必要だろうと思います。
 いずれにいたしましても、こういうことを考えますと、どの分野、個別にというよりも、もう日本人全体の食生活、これを私は文化とも呼べるんだと思いますけれども、そもそも食文化をもう根っこからきちっと健全に作り上げていかなければ、今、部分部分でいくとどうしても解決できない、そういう問題なんではないかなと、こう思うわけであります。
 行政、政治がそれにどう対応していくかと。これはもう全面的に心掛けてはおるわけでありますけれども、例えば今、食育基本法が、他の委員会ではございますけれども、議員立法という形で今真剣に取り上げようとしておるところであります。これも恐らく各政党力を合わせて、何としてでもこの食の問題を国民運動として取り上げなきゃいけない。大臣が度々言われるわけでありますけれども、知育、徳育、体育、今まではこの三つが教育の要諦、要諦と言われていましたけれども、その四番目に、場合によっては一番大事なものとしてこの食育が取り上げられるようになりまして、これは偶然では決してない、食育基本法はですね、そういう形で形になると、こういうところであります。
 もう一つ、食生活指針の閣議決定というのが、これを私はここでちょっと取り上げたいと思いますが、平成十二年三月に旧文部省、厚生省、さらに農林水産省が中心となりまして、閣議として、これからの食生活どうあるべきかということを決めたところであります。
 これは私、読みまして、せっかくの機会だから是非このことを私、具体的に読み上げたいなと思いましたので、テーマだけ読み上げますと、まず、食事を楽しみましょう。一日の食事のリズムを朝から始めましょう。食事のバランスを取りましょう。御飯などの穀物をしっかりと食べましょう。野菜、果物、牛乳、乳製品、豆類、魚も組み合わせましょう。食塩や脂肪は控え目にしましょう。適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。食文化や地域の産物を生かし、時には新しい料理も食べましょう。調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なくしましょう。自分の食生活を見直してみましょうと。
 これ閣議で、こういう言葉でもって語っていただいたわけでありまして、私たちも、本当に隅々までこういう気持ちで食文化を広めていくということが大切ではないかなと、こう思うところであります。
○伊藤基隆君 私は、子供と食の問題ということを考えたときには、宣言的な法とか政府のスローガンとかいうことでは解決し得ない問題がたくさんあって、その第一歩は栄養教諭の発足ということになるだろうというふうに評価をしています。
 ただ、学校給食はどういう、共同調理又は単独調理等いろいろあるようですが、どういう調理がされているかという、食材、栄養価の問題、また温かいものが温かいまま食べられるかという問題、そういう学校給食の食そのものがどれだけしっかりと作られているかというところがまず基本にないと、栄養教諭も何もあったものではないという感じを持っております。
 ですが、今の閣議の話をお聞きしまして、なるほど大変重要だなと。そういうことからまず認識が始まっていくわけでありますから、重要だと思っていますし、大臣が食事の記録を付けているという話も大変重要な話だと私は思います。
 私たちは、国会議員などというのは、朝飯会、昼飯会、夕飯会というのが連続続く生活でありますから、食の乱れは大変なものがありますので、私は、家で食べられるときは必ず宿舎で自炊をして、自分で買い出しに行って自炊をしてやっています。この間ちょっとこの指を切ってしまいまして、失敗することがあるんですが。私は、母親が働いていましたから、小学校五年のときから自分で夕飯を毎日作っていましたから、大体のことはできるわけです。
 そういうみんなに認識を与えることと実際問題がどうなっているかということのつながりを是非栄養教諭発足で付けていっていただきたいというふうに考えます。
 さて、今回の質疑の時期に合わせて、国会図書館から欧米の食育事情という資料集が出されております。栄養バランス、肥満など、先進各国が同じ悩みを抱えて、栄養面だけでなく、農業との提携や食の安全への取組など、解決策を模索する共通の姿が浮かんでおります。
 この中で私が感心したのは、フランスで行われている味覚の授業です。調べてみますと、醸造学と味覚の大家と言われるピュイゼという人が確立したそうですが、小学校四、五年生を対象に、フランスの味覚週間、十月の第三週に合わせて九十分の授業を十回行うのだそうであります。
 第一回は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感と食べ物の関係について。第二回は甘み、酸味、塩味、苦みについて。第三回がプロの料理人の指導の下、実際に食事を作って食べる。第四回が四十五種類のにおいのエッセンスで嗅覚について教える。第五回が食べ物の形や色など、視覚について教える。第六回が食べ物を口に入れたときの触覚の大切さを教える。肉とひき肉、生卵とゆで卵、水と湯などだそうであります。第七回は味覚を侵害するものについて教える。缶詰の金属、騒音、食品CM、人工着色などです。自分たちの地方について教える、第八回目ですね。実際に地方の食品を味わわせると。第九回がまとめ。さて、第十回に、最後にその町のレストランに集合してプロのシェフの料理を楽しみ、感想文を提出するという中身だそうであります。
 大変夢があり、国や伝統や文化を大切にした教育内容には大いに興味が持てるところです。高い生活文化水準を持つフランスの国民の誇りというのはこうしてはぐくまれていくのかとすら感じることができます。
 かつて、食の町リヨンでサミットが行われたとき、フランスを代表する四人のシェフが四種類のメニューを準備し、G7の首脳にはその場で好きな料理を注文させた、こうしたもてなしが話題となったことがありました。ワインも目の飛び出るような値段の張るものではなく、地元のワインが出されて好評を博したと伝えられています。
 このように自信に満ちた食文化の形成は簡単にできることではありませんが、日本でも教育に、食育に正面から取り組むというのであれば、このような広い視点と構想を持っていく必要があるのではないかと思います。
 大臣の御感想をお願いします。
○国務大臣(河村建夫君) 伊藤先生、フランスの味覚教育のことを取り上げていただいて、実は私も、ああ、これだったのかと思いました。
 私も、これも私事ですが、家内から、妻から、フランスではもう味覚教育というのが始まっているらしい、ちゃんと調べた方がいいよと言われておったのでありますが、今改めて、さすがフランスだなという私も思いでございます。
 今日は学校栄養士の皆さんも、ここまで行くとなかなか大変だなという思いも抱かれたかと思いますけれども、ここまでやっぱりフランスではやっているということでありますし、また、こういうことが大事ですね。やっぱりここまでの広い気持ちでこの食育に取り組むということが、私はこれからの正に食育の食育たるゆえんにつながっていくんではないかと思います。
 私も、こういう御質問があることを聞きまして、答弁の段階で、フランスがどういう形でこれを取り上げたかと。欧州でもBSEの流行等もあって、フランスも食品問題に大変関心が高まって、それからやはり朝食欠食とか偏食の増加、そういうことがやっぱりフランスでもあるそうであります。そこで、二〇〇一年六月にフランスの国民教育省は、関係省庁や全初等中等学校に対して、学校給食を活用した栄養とそれから味覚教育の充実等に関する通達がなされた、こう聞いておるわけでございます。正に味覚教育となりますと五感を使わなきゃいかぬということでございます。
 そこで、日本のこれからの食育の問題についても、これは幅広い内容を含むものとして、バランスの取れた食事、規則正しい食生活だけじゃなくて、食文化あるいは作法、それから自然の恵みと勤労の大切さ、感謝の気持ちを持たせる、そういうことも当然これ入ってくると、こう思っておりまして、さらに、今フランスが取り上げられておられるようなこうした郷土料理や何かとともに、やっぱり食事というのは、ただ食べるだけじゃなくてにおいもある、それからいわゆる形とかそれから色合いとか、そういうことまで含んでくるわけですね、そのバランスとかそういうこともありますから。
 そういう思いで、やっぱり楽しい食事になるようにというそういう思いを込めて、食事のバランスの問題で、これまでの議論の中にも、和食と洋食等がごっちゃになったような食事が出てきても、バランスだけ、栄養価だけ見ればそれでも通るかもしれないけれども、これ、入れる方から見たら本当においしく食べられるかというようなことがございました。
 やっぱりそういうことにも配慮した楽しい食事、こういうことが非常に大事だと、こう思いますし、正に楽しく会食しながら食事のマナーを気を付けさせるとか、そういうようなこともございますので、今御指摘をいただいた点、フランスに学ぶ点は大いに学びながら、正に幅広い視点を持ってそしてこの食育に取り組んでいく、こういうことが私も非常に大事だと、このように感じさせていただきました。
○伊藤基隆君 食農、食と農業の教育についてお聞きします。
 学校給食を通じて食の問題を考え始めれば、農業とのかかわりに行き着くのはごく自然なことであります。農業問題を理解することは食育の大切な柱であると思いますが、特に、大都市に住む子供たちにとって農業は非日常の出来事となっております。野菜はスーパーマーケットでしか見たことがない、土に触れる機会さえほとんどないという子供たちも現実にはいるのです。
 私の生まれた群馬県はコンニャクの非常にたくさん取れるところですが、コンニャクは山で取れるか海で取れるかという質問を実は幾人かの大人にしましたら、海だと答えた人間が大分おる。あのコンニャクの形態を見れば正に海だと、海から海藻で取るんだというふうに思ったんでしょうね。しかし、コンニャクの植わっている畑を見せると、これが、この下にコンニャクイモが植わっていると言ったら、みんな大変驚きました。大人でもそうです。
 地方では、給食に県内産の米や食材を使用する地産地消に取り組んで、食を通じて地場の農業に貢献し、教育的な成果も大いに上がっているという例を聞いております。
 大臣の地元の山口県はかなり熱心にやっておられるようで、平生町の小学校では、米、ミカン、里芋、ブロッコリーなど町内で生産された農産物だけの給食メニューによる地場産給食の日を実施している。あるいは、大島町の小学校では体験学習で芋掘りをし、後日、子供たちの取ったサツマイモを利用して給食に薩摩汁を出した。今回の質問に当たって農水省に聞いたところ、こんな実例が出てまいりました。特に大臣の地元を意識してやったわけではございませんが、この点、農業から懸け離れたところで生活している大都会の子供たちこそ食農教育の機会が必要なことは言うまでもありませんが、なかなか地方の都市のようにいかないというのが実情だと思います。
 大都市の子供たちが夏休みに林間学校へ行く、あるいは区や市の教育委員会が地方の教育用宿泊施設を持っているようなところも多いわけですから、訪問先の地元と協力して意識的に取り組めば食農教育の機会を作ることができるのではないでしょうか。子供たちが学校に戻ってから、林間学校で泊まった町や村の農産物、給食の食材に利用するということもやる気になればできると思います。いい案だと飛び付いたところでほっておけば、数がそろわないとか値段が高いだとか安定供給に問題があるとかいって長続きしないのが実情なのです。市場原理に任せておくのではなく、多少は無理をしても意識的な努力を行わないと食育というのは進まないという部分があるのではないでしょうか。
 総務省によれば、全国で姉妹都市、友好都市と言われるような地方自治体の提携は九百組を超えるそうです。あらゆる機会を利用して意識的に食農教育に挑戦するという意識を持つことが大切だと思いますが、文部科学省としての対応をお聞きいたします。
○政府参考人(田中壮一郎君) 児童生徒の自然体験あるいは生活体験の不足が指摘されておるところでございますし、食に関する指導の充実を図っていく上でも、学校教育の中で農業に関する体験活動等を積極的に取り入れることは極めて有意義であると考えておるところでございます。
 各学校におきましては、食に関する指導等を推進する中で、地域の産物を積極的に取り入れたり、あるいは地域の農業や流通に従事する方々のお話を聞く、さらに、その地域に出掛けていって様々な体験活動を行うといった取組がなされてきておるところでございますけれども、文部科学省におきましても、多様な体験活動を推進するという観点から、平成十四年度から、豊かな体験活動推進事業というものを実施しておるところでございまして、その中では、田植体験や酪農体験を始めとする食に関する体験活動もかなり含まれているところでございます。
 また、平成十五年度からは、都市と農村との交流等を行います地域間交流推進校というものを指定いたしまして、異なる環境において農業体験等の体験活動を推進しておりまして、その実践成果につきましては、ブロックごとに開催いたします交流会等を通じまして広く全国に普及させることとしておるところでございまして、今後とも、これらの取組を充実してまいりたいと考えておるところでございます。
○伊藤基隆君 また、重要な問題として食料自給率の問題がございます。
 大変な問題ですから国会でも再三再四にわたって取り上げられているんですが、国民の重大関心事には至っていない実態が感じられます。それでいて、しばらく前に米不足が起きたときは大騒ぎとなった記憶がございます。
 子供たちに、多岐にわたる日本の食料問題、農業問題、食の問題について、見る、聞く、知る、そして考えると、こうした機会を作る努力がまだまだ足らないと思いますが、これについても文科省の考え方、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田中壮一郎君) 御指摘のように、我が国の農業あるいは食料事情等につきましては、社会科等の時間におきましてそういう課題を取り上げまして、子供たちに自らそういうものを調査させまして、自ら調査し実態を知ることによりまして、今度は逆に、自分たちが食事をする段階で物を大切にしようというような取組に結び付けることによって食育に反映させていこうというような取組をしておるところもかなりあるところでございまして、これは東京都北区の取組でございますけれども、東京都の北区におきましては、それぞれの全小中学校で、給食の調理の残滓、調理くず、そういうものが出ましたものを、同区の友好都市でございます群馬県の甘楽町というところにそれを全部運びまして、それを有機肥料として使いまして、その肥料で栽培した有機野菜や果物といったものを今度また北区の小中学校の給食の食材として使うと、こういうことで、正にリサイクルというか環境教育というか、そういう環境教育と給食の問題、食に関する指導というのを結び付けておるというような例もあると承知しておるところでございます。
○伊藤基隆君 群馬県甘楽町は私の生まれた町の隣にございまして。
 今回の法改正について、義務教育公立学校の給食を念頭に置いてお聞きしてまいりましたが、私立学校についても、食育、食の指導というものは考えていかなくてはならないテーマだと思います。
 給食栄養教諭の配置ということになると、様々な実態があってとても一概に言えることではないのでしょうが、今回の改正案に関し、また食育、食の指導の全般的な方向性について、私立学校の取組をどのように進めていくことが望ましいのか、私学の給食実施の実態も含め御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田中壮一郎君) 御指摘のように、食に関する指導につきましては、私立学校におきましても積極的に推進していただくことが重要であると考えておるところでございます。特に、私立学校はそれぞれの建学の精神に基づいて教育が行われておるところでございますので、食に関する指導の進め方につきましても、それぞれの建学の精神を基に特色ある取組をしていただくことが大切だろうというふうに考えておるところでございます。ただ、現在、私立の小中学校におきまして学校給食の実施率は一一・四%となっておるところでございます。
 学校教育の教育的意義にかんがみまして、学校給食法におきましては、私立学校も含めて、義務教育諸学校の設置者は、その当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならないというふうに規定しておるところでございまして、私どもといたしましては、私立学校におきましても積極的に学校給食が実施されるよう取り組んでいただきたいというふうに考えておるところでございまして、文部科学省といたしましては、国公私立を通じて児童生徒用の食生活学習教材の配付等を行いまして食に関する指導の取組を推進しているところでございますので、今後とも、私立学校も含めた食に関する指導の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○伊藤基隆君 私の持ち時間はここで終わりなんですが、鈴木さんとの関係で、私が自由にやって、後は彼が始末を付けるということになっておりますので、あと、質問、一問だけさせていただきます。
 昨今、食物アレルギーの問題が顕在化しております。従来は単に表面化する機会が少なかっただけかもしれませんけれども、環境問題や食生活、インスタント食品の増加、栄養のバランスの偏った食物摂取等の複数の要因による現代の病理現象の一つとの考え方に説得力があるように思われます。また、今の時代は食物アレルギーを避けては通れないという危機感を持たなくてはならない問題であります。
 学校給食とアレルギーの問題については、一九八八年、昭和六十三年に、札幌市の小学六年生が給食に出されたそばを食べ、食物アレルギーで死亡するというショッキングな事件が起こりました。これを契機に食物アレルギーへの対応はかなり見直されていると聞いております。大豆油や菜種油に切り替え、アレルギーの発生しにくい調理方法を取るなどの工夫が広がっているそうですが、一たびアレルギーを持った子供が入学してきた現場の苦労と努力は大変なもののようであります。仕方ないから弁当を持ってきてもらえばという考えではなく、可能な限り個別対応給食が行われております。どの食材に対するアレルギーなのかを一人一人調べ、共同調理場方式の場合は、何千人分の給食を作る中でたった一食だけのためにそういうことが行われている。
 例えば、卵とかマヨネーズとかといったアレルギーの原因となる食材を抜いた食事を作る。それも、なるべく他の子供たちのものと同じような見た目にするよう努力する。これを一食分だけ別の容器に入れて運ぶ。これを毎日行っていることで初めて全員に安全な給食が提供されるんだということだそうです。共同調理場方式でそのことが行われているということに私は大変感動しました。
 また、国際化の中で、外国籍の子供が多い地域では豚肉を使わない宗教食を特別に調理している例もあるようです。
 学校給食の現場では、既に、単に一定の栄養が確保される食事が提供されればいいという時代は終わっています。社会の進歩と歩調を合わせて進化していく、社会が悪い方向に進めば学校給食もその方向に引っ張られてしまう、こういう性格のものだと思います。親や教員が子供たちと日常的に接しているのと同様な人間的な愛情がなければ学校給食は成り立たないのではないでしょうか。
 一方で、昨年財務省が行った予算執行調査では、学校給食事業について、直営事業の調理人の人件費は民間委託の一・七倍、民間委託を推進すべきだとの指摘を行っております。給食の一食当たり単価は千円を超えているのではないかという計算もあるようです。
 食材の共同購入や競争入札の導入でコスト削減は当然進められていくことでしょう。しかし、安全の確保を譲ることは許されません。あるいは、外部委託の動きも拡大傾向にありますが、品質確保が優先課題でなければなりません。委託する範囲など、細心の注意を払わなければいけない問題ですが、数年後に地方自治体の財政逼迫が限界に達する中で厳しい選択が迫られることになると思います。
 学校給食とは何か、学校給食はどうあるべきか、哲学な問いでありますけれども、質疑の終わりに当たって、大臣より、学校給食の未来に明るい希望が持てるような答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(河村建夫君) 大変基本的な御質問を最後にいただきましたが、一時、もう学校給食は必要ないではないかという議論があったこともございます。飽食の時代になってきて、これだけ豊かになってきて、みんなが、それは学校から、一つは、そういう時代になったから自分で持ってこれるじゃないかと、またそのことの方が家庭にとってもいいじゃないかという話もあったわけでございますし、もう不要論というのが一時ありました。
 しかし、別の意味で、これまで御議論を重ねてきておりますが、そうした中で、やっぱり子供たちにちゃんとした食習慣を付ける、正に教育の面で学校給食をしっかりとらえていく、これが今のやっぱり時代の要請であるという声、これがだんだん高まってまいりまして、食育という問題が正に教育の中できちっとうたわれなきゃいけない、こういうふうになってきたわけでございます。
 一義的には、もうバランスの取れたきちっとした食事を取ってこの習慣をきちっと付けさせようということ、それから、学校給食のときには担任の先生も一緒に入りますから先生との交流、それから、子供たちとの、楽しく会話をしながらマナーを一緒に学ぶというような、あるいはその後、片付け物をしながら、こういう自らのことは自らでちゃんとやるというような、そういう習慣もちゃんと付けさせる、協調の精神というのがそこで養われる。
 そういうしつけの面からも大事な、栄養の面としつけの面と両方相まった、改めて、学校給食の重要性というのはそこにありますし、また食材の在り方等々、それは同時にその地域の地産地消の考え方に広まっていく。また、例えば動物の命もやっぱりいただくわけですね。そういう命をいただいて食事をするんだ、そういうことに対する感謝の気持ち、そういうこともやっぱり教育的な効果といいますか、そういうことが必要あります。
 それから、日本の食事というのは、日本の食文化、そういうものがその中にある。これはやっぱり継承していく。やっぱり地域の歴史とか伝統とか、そういうものもその中に含まれている、そういうことも学ぶ意味がございまして、そういうことで、学校給食が持つ多様な意義といいますか、そういうものを踏まえながら学校給食を中心として食に関する指導を充実する。今回の学校栄養教諭制度はその大きな柱になっていくわけでございます。
 そういうことを考えますと、これは特に義務教育においては、先ほど私学の話もございましたが、学校においてできるだけ学校給食がきちっとされていく必要もあるわけでございます。
 財政的な問題もあります。共同調理場で、これは、行革等々から考えると、行財政改革からいうと、やっぱり少しでもコストを考えなきゃいかぬという面もありますが、しかし、共同調理場も、においがしないという欠点はございますけれども、今おっしゃったように、気を付ければ、アトピー性皮膚炎一人の子供のためにもそういう努力もしていただける、やっぱりそういうことも事実にあるということは私もお話を聞きながら非常に感動したわけでございますが、そのようなことを考えますと、学校給食をもっと充実させる、そして、私学はまだ一一%でございますから、私学にとってもこれはやっぱり学校給食の持つ意義というものをもっともっと御理解をいただけるように文部科学省も努力をする必要がありますし、中学校においてもまだ七割行ってない現状がございます。これをいかに高めていくかと。こういう努力相まって、学校給食の重要性、また子供の未来にとって非常に大事なものであるんだということが今回のこの栄養教諭制度の創設によってしっかり位置付けて、国としてもそのことを国民の皆さんにしっかり理解をいただいて、学校栄養教諭制度の充実とともに、学校給食というものを子供たちの未来にとって充実するように努力をしていかなきゃいかぬと、このように考えておるわけでございます。
○伊藤基隆君 どうもありがとうございました。
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。
 私は、私も議員としてのエネルギーを傾注している問題の一つ、重要な問題の一つとして医療過誤の防止、医療の質の向上ということに大変に私自身問題意識を持ち、いろんなことをさせていただきたいというふうに思っております。それで、今回はそういう問題意識を持っております私にとりましても、この学校教育法の改正というのは極めて重要な法律だというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事後藤博子君着席〕
 医療事故あるいは医療過誤のいろいろな重大な事例を少し丹念に見てみますと、やっぱり投薬のミスに関するものがかなりあるということが分かります。
 それで、例えば、実は総務省が医療事故に関する行政評価・監視結果に基づく勧告というのをこの三月に出しておられますけれども、特に薬の名前、例えば抗がん剤でタキソールという抗がん剤とタキソテールという抗がん剤がありまして、これは両方抗がん剤なわけでありますが、それぞれ投薬の分量が全然違うわけですね。ですから、これを読み間違えて、あるいは勘違いして分量を間違えた場合にはこれは本当に重大な生命にかかわる医療事故が発生をすると。
 こうした投薬の事故というものを防いでいく、その一つが薬剤師の皆さんの能力というものを上げていくんだと、あるいはこういったリスクマネジメントの能力。しかもそれは、もちろん頭では分かっているわけでありますが、臨床の現場でどういうふうにこうした投薬ミスが起こるのかということなどが、今回の改正によって基本的に六年間、薬剤師養成にじっくり時間を掛けるということによって改善がされることを大いに期待するわけでありますが、その議論に入る前に、今日、厚生省にお見えいただいております。
 この勧告でも、もちろん薬剤師の能力を上げていくということは大事なんですが、今のような問題については、まず医薬品の名称を変えた方がいいじゃないかということが当然の勧告としてされておりまして、しかし、それには医薬品の名前の変更承認申請手続が大変であるとか、あるいは名称変更は商標登録に影響するからなかなかできないと、こういう本末転倒の現状になっておりまして、正に厚生省に対して、医薬品メーカーに対してこうしたものの改善を、そして厚生省側にも正に名称変更手続の改善を求める勧告がなされておりますが、この点については今どういうことになっているか、まずお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(鶴田康則君) 今、先生ちょっとお話ありましたように、この抗がん剤であるタキソールとタキソテールについては非常に名前が類似的でございまして、そういった意味から、やはりこの医療事故につきましては、医薬品等の改善指導についてこれまで厚生労働省も力を入れてきたわけでございます。
 今の話のように、取り違え事故を防止するために、やはり医薬品の販売名をまず大きく表示する必要がある、それからやはり同じ販売名が、今もおっしゃったような似ているものについては、例えば成分名も大きく表示することによって、表示の改善についてできるものは直していこうということで指導して行っております。
 それからまた、新たに、新薬みたいに新たに承認された医薬品につきましては、承認前に既存の医薬品の名称と類似していることが確認できた場合には、商標登録をされているとしても、承認前に名称の変更を指導しております。
 それからもう一つは、やはり既に承認されて流通している医薬品でございますが、これについては、専門家による検討会議におきましても、既存の名称変更をした場合にはこれに伴う医療現場の混乱も予想される、それからまた使用者側の要因もあり名称の変更のみでは誤使用を必ずしも防止することができないと、こういったことから、やはり個別の事案ごとに適切な対策、防止策を講じていく必要があるんじゃないかと、こういうふうに思っているわけでございます。
   〔理事後藤博子君退席、委員長着席〕
 なお、医療機関における医薬品にかかわる医療事故を、いかに迅速に的確に強化していくかということから、一つは、誤使用による事故、ヒヤリ・ハットの報告があったような医薬品の組合せのものとか、それから名称類似によると思われる調剤エラーとか誤投与の報告が複数あったものとか、それからタキソールみたいな投与量のチェックを非常に厳しく行う必要があるものとか、こういったものについて日本病院薬剤師会が品目リストを作成しておりまして、これを医療機関の方に示しております。
 また、間違いを予防するために講じている方策が有効に機能しているのかどうか、こういった確認もする必要があろうし、それから病院の薬剤部におきます抗がん剤の種類とか投与量の二重チェックと、こういったものも通知でもって都道府県を通じて医療機関等に指導しているわけでございます。
 それからまた、やはり医療用医薬品は約一万二千品目もございまして、その取り違え防止を的確に行うためには、個々の医薬品にバーコードを表示してITを用いて管理することが有効であると。これはアメリカ等でも行われているわけなんですが、こういったものについて、医薬品へのバーコード表示について現在検討を進めているわけでございます。
 それから、もう一つ先生の方から話ありましたように、こういった医薬品の名称等の変更についてやはり迅速に処理していくべきではないかと、こういうことでありますが、この総務省の勧告に基づきまして、本年四月に迅速な承認審査を行う旨を通知を出しております。したがいまして、承認申請があった場合には、当該企業からヒアリングを行うなど内容変更の重要性等を確認をした上で、通常の審査とは別に、別ルートで迅速な処理を行う、こういう方針で現在やっておるわけでございます。
○鈴木寛君 正に医療過誤防止のためには本当にありとあらゆることを、今回の学校教育法の改正を含めやっていかなきゃいけないというふうに思います。
 それで、今回の学校教育法改正の一つの目的が薬剤師の地位の向上というところにあります。これは大いに結構なことでありますが、何のために地位を向上させるのかといえば、これはまさしくその資質が向上された、能力がアップされた薬剤師の皆さんの手によって医療のサービスの質が上がるということが最終目的だろうというふうに思います。そういう観点からすると、六年にするだけでは私は不十分、そのことは必要でありますが、それによって必要十分だとは思いません。そうやって資質が向上された、能力がアップされた薬剤師の皆様方が医療の現場でどういうふうな、何といいますか、その能力を発揮していただくかと、こういう制度上の改善ということも私は極めて重要ではないかと。
 特に、最近は輸液あるいは経腸による投薬ということが行われていますから、病院においても、今までは手術というものが中心でありますが、基本的には投薬なんですね。そういう中で、医療というのは、診断があって、そしてそれに対する治療計画あるいは治療についての判断があって、そしてその判断、決めたことを実行する、こういうことになっているわけであります。
 一昨日も谷委員の方から、薬剤師法二十四条に基づく疑義照会のお話がございましたが、私は、これ更に一歩踏み込んで、意見具申権といいますか、これは要するにチームで医療をやっていくんだと、そのチームの必要不可欠の存在が薬剤師なんだという基本認識で今回の薬剤師法の改正と学校教育法の改正をやっていると思うんですが、そういうことのためには、現在のいわゆる医療行為というのは医師が中心にいて、もちろんそのチームのリーダーとして、キャプテンとして医師が中心にいるということは私は引き続き必要だと思いますが、それ以外は医師が決めたことを単にオペレートすると、こういう構造になっていますが、単なるオペレーターではなくてきちっとデシジョンメーキングに参画をする、あるいはアシストをするという観点で、私は制度の再設計というものが必要ではないかなというふうに思います。
 その観点から、薬剤師法二十四条を更に踏み込んで意見具申の権限、あるいは更に言うと責任というものについて私は検討すべきではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) 薬剤師は、薬剤師法に基づきまして、医師の交付した処方せんに基づいて調剤すると。また、この処方せんの中に疑わしき点があった場合には、医師、歯科医師にこれを確認した上で、確かめた後で調剤しなきゃならないと、こういう規定になっておりまして、意見を述べる義務があると、そういうふうに考えております。当然、医師に言える権限はあるものと考えております。
 このように、患者への薬物投与につきましては、医師が行う処方、それと薬剤師が行う調剤といったようなこの役割分担が法律上明確になっております。このように、医師と薬剤師がそれぞれの役割に基づきましてそれぞれの専門性を発揮すると、これが重要でございまして、今後ともこのような役割分担を基に国民に良質な医療を提供していきたいと、そういうふうに持っていきたいと考えております。
 そのためには、今般お諮りしております薬学教育六年制の導入によりまして、薬学教育において医療薬学の充実、実務実習の導入を図ったことによりまして薬剤師としての資質を向上させ、更に医療の場における専門性を発揮することが大事であると考えております。
 なお、疑義照会に関する義務を例えば黙認した場合等におきましても、薬剤師法二十四条に抵触するものとして、必要な行政処分又は民事上の責任も問われるというところまで薬剤師法の中で規定しているわけでございます。
 以上であります。
○鈴木寛君 時間が大分なくなってまいったんですけれども、実は医師にできなくて薬剤師にできることは何ですかという御質問をさせていただこうと思ったんですが、いろいろ私も調べてみますと、いろいろあるんですね。それは、その制度上に加えて能力上と。
 一つ例を挙げさせていただきますと、先ほど抗がん剤のいわゆる投与、投薬ミスによる重大な医療事故の発生というお話をさせていただきましたが、そういう観点で見たときに、最近やはり統合医療、いわゆる西洋医学と東洋医学のいい点を両方かみ合わせて、ベストな、それぞれの患者の状態に応じた医療を実現をするという観点で、例えば西洋医学の大権威でありました東京大学の渥美名誉教授が統合医療学会の会長になられて、これからは東洋医学と西洋医学だというようなことも大変推進されていらっしゃいます。
 医師と薬剤師、見てみますと、この少なくとも東洋医学についての造詣、あるいは生薬とか和漢薬とかいったことについての教育というのは、これは相当お医者さんに比べて薬剤師は充実していると。これは更に更に充実させていただきたいと思いますが、例えば薬学教育のモデル・コア・カリキュラムに、きちっと漢方医学の特徴について教えるということになっていますし、更に申し上げると、薬剤師の国家試験出題基準の中にこうした東洋医学あるいは和漢薬あるいは生薬について試験科目になっているわけです。一方、医師国家試験は、医学教育では多少始まっておりますけれども、まだ医師国家試験の出題基準にはいわゆる東洋医学的なものは入っていないということであります。
 先ほどなぜ私は意見具申ということを申し上げたかというと、少なくともこの東洋医学の分野については薬剤師さんの方がより良い医療についていい意見を持っている可能性というのは非常にあります。特に抗がん効果のあるメシマコブとかアガリクスとか、最近いろいろありますけれども、ああいうものを本当にうまく使いこなしますと、非常に重篤な副作用を最小化しながらベストな医療ができると。
 そういう意味でも私は、審議官は役割分担というお話がありましたが、むしろ医薬連携ということも極めて重要であるということでそういう質問を申し上げているということでございますので、是非チーム医療ということを前提にしたときの連携ということについて、もう一回制度の再点検をしていただきたいと思います。
 それから、加えて、是非、医師国家試験の出題基準の方も、こうした統合医療的な観点で更に見直していただくということはできないかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(原田義昭君) 鈴木委員から西洋医学と東洋医学、またその薬剤部門の統合医療、統合医療の時代にだんだん入ってきていると、こういうお話がありました。
 御指摘のとおり、日本の医学、薬学は、恐らくこれは明治期から新しい文明を取り入れる過程で、私はやっぱり日本は昔から相当な技術もあったんだろうと思います、立派な学者もおられましたから。しかし、現実には西洋医学が圧倒しているのが現状でございますが、東洋医学が見直されているということは事実でございます。
 薬学教育においては従来から生薬に関する教育、これはかなりの程度進められておりますし、また富山医科薬科大学などはこの辺の研究を非常に進めておられまして、今はもうその先進医学校として大きな役割を果たしておられるところでございます。東洋の伝統医学と近代西洋医学の違い、さらには東西医学の融合、漢方薬の利用に関する教育が非常に積極的に行われているところであります。
 また、既にお話ありましたように、薬学教育モデル・コアカリキュラム、この中でも漢方医学についてしっかり卒業するまでには勉強するようにと、こういうような到達目標がはっきり掲げられておるわけであります。文部科学省としては、このコアカリキュラムを踏まえた教育の充実について引き続き各大学を指導していく、こういうふうに考えておるところであります。
 また、最後、医師国家試験にもこの分野をよりはっきりと取り入れるべきではないかと。これはもちろん私ども文科省だけでは検討できないわけでありますけれども、厚生労働省等の御意見も踏まえながら、また先生の御指摘もいただきながら、今後の検討課題にさせていただきたい、こう思っております。
○鈴木寛君 是非御検討をいただきたいと思います。
 それで、私はもちろん、今回、長年の懸案であります薬剤師教育を六年化すると、この方向については賛成でございます。しかし、やはり一昨日の議論も聞かせていただいて、学部段階で薬学部と薬科学部を分けると、やっぱりこの構想にはどうも私は賛成いたしかねると。
 よって、お願いでございますが、是非もう一度、これ、一昨年は看護系を保健学部ということでむしろ学部にするということがございました。それから、二年前に文教科学委員会で正に専門職大学院制度というものを作りました。そういったいろんな、これは長年のことを処理すると、何とか成就させるということでの今回の提案だと思いますが、今のいろんな医療の状況、そして医療に必要とされる人材の状況、こういうことを考えますと、むしろ午前中は有馬先生から教養段階における教育が必要だと、こういうお話もございました。おっしゃるとおりだと思います。
 私の構想は、今重要なことはチームで医療をやるということです。そのためには、実は学部とか、一、二年生、三、四年生の辺りはむしろそういうふうに、小分けにするのではなくて、むしろ大ぐくりにする。将来薬剤師になる人、将来臨床医になる人、あるいは将来保健師として、あるいは臨床検査士とか、いろんなコメディカルの方がいらっしゃいます。そういう方々が一緒に学んだ方がいいと思います。そして、医療とは何なのか、人間とは何なのか、生命倫理とは何なのかということを一緒に、少なくとも四年制の段階では勉強すると。
 一緒に勉強したなという経験があると、将来医療現場に行ったときにお互いに、医師は薬剤師を、薬剤師は看護師を、看護師は医師をと、相互の、そしてこれから重要なのは、栄養管理というものも医療行為の中の極めて重要な要素でありますから、そうすると、お互いにコメディカルが尊敬をし合う、尊重し合う、そして本当にいいチーム医療ができるんです。そのかぎは、実は私は、特に学部段階は医療関係に進もうとしている人が一緒に学ぶということが重要だと思います。その観点からすると、薬学部と薬科学部を分けるということは、これはその方向に反している。今日、お答えは求めませんけれども、もう一回、これはスタートは結構でございますが、一回きちっと議論していただきたいと思います。
 そして、既に例えば東海大学なんかはメディカルスクール構想が始まっています。私は、日本の臨床医の教育というものを立て直すために、次はいよいよ臨床医教育をもう一回根底からやり直すということが極めて重要な課題になってくると思います。
 それから、薬剤師で既に活躍されておられる方が、しかし今、極めて進んだ高度医療の中での薬剤師というものをもう一回生涯学習ということで大学に戻ってきちっと勉強したいと、こういうニーズはあります。そういうニーズにこたえるためにも、薬学部と薬科学部というふうな分け方というのは余り好ましくありません。
 どういうことかといいますと、薬剤師十年、二十年やられて、更に臨床薬剤師としていろいろな能力をもう一回勉強したいと思ったときに、専門職大学院の薬剤師コースに入るという道を作っておくことが必要なんです。しかし、今は薬科学という、いわゆる研究の大学院は薬科学修士号、あるいは薬科学大学院等ございますが、そういう方々は薬科学の修士コースには来ません。
 ロースクールを作ったときに議論させていただいて、そのことが我々うまくいったなと思っているわけですが、四割の方が社会人からロースクールに入ってきたと。このことは薬剤師のところでも相当ニーズはあるんです。そうすると、そういう方々には、やはり例えば学部段階は大きくしておいて、薬学部でも狭いかもしれない、医療学部という形で将来的にはしておいて、そしてその上に専門職大学院として高度専門職としての薬剤師を教育するという大学院を設置していて、そしてもちろん若い方が他学部からそのまま入ると。それから、いろんな、文科系も含めて三年間いろいろ勉強して、そして四年目にいろんな進路を考えながら、自分は医者に向いているんだろうか、看護師に向いているんだろうか、あるいは薬剤師に向いているんだろうか、それで他学部からのことも含めて、そして専門職の大学院というものに入学すると、こういう体系というのは非常に重要だと思います。
 ロースクールを議論するときに、専門職大学院と国家資格の在り方というものを議論をいたしました。しかしながら、医療系のことについては、せっかく作った専門職大学院制度というのが活用されていません。メディカルスクールを作るということについても、どうもそういう方向になっていない。これは率直に申し上げますが、やはり厚生労働省さんと文部科学省さんが従来の縦割りの延長線上で議論しているからこの問題が解決できないということをはっきり指摘させていただきます。
 ロースクールのときは、もっと真剣に法務省と文部科学省が日本の将来の法曹の在り方についてどうしたらいいかということを胸襟開いて御議論されたと思います。そういう御議論が法務委員会と文教科学委員会であった。しかし、どうも医療関係の人材教育についてはそのところが私は不十分だと思いますので、この点、指摘させていただくにとどめますが、是非このことはきちっと御議論をこれからしていただきたいということをお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 厚生労働省の方に来ていただいておりますので、先に薬剤師の養成、薬学教育の方から始めさせていただきたいと思っております。
 まず最初にお伺いしたいのは、厚生労働省さんの方にお伺いしたいんですが、薬剤師の養成につきまして、まず最初に薬剤師の需給予測についてお伺いしたいんです。
 平成十四年度の薬剤師問題検討会でのペーパーにおきましては、「薬剤師需要は概ね定常状態となっており、その需要を満たす薬剤師は既に存在していると考えられる。」というふうになされておりまして、また、厚生労働省におきましても、現在の人員で必要な人員は賄えるというお考えだというふうにお伺いしております。
 他方で、ドラッグストア関係の方々からは、人が少ないと。また、実際お伺いしてみると、六年制、今回、修業年限延びるわけですけれども、そうした場合に更に足りなくなってくるんじゃないかという声をいただきました。
 このような需給に関します認識のずれというものが生じているわけでございますけれども、こういった認識のずれは一体どこから来るのか、なぜずれが生じているのか、ずれが生じた理由を厚生労働省の方にお伺いいたします。
○政府参考人(鶴田康則君) 厚生労働省に設置いたしましたこの薬剤師問題検討会が平成十四年に報告した需給予測によりますと、今、先生がおっしゃられましたような、現時点においても薬剤師の供給は需要を上回っているとされているところであります。また、この需給予測によれば、平成四十年までの推計期間を通じまして、全国的に見た場合、薬剤師は常に供給が需要を上回ると予測されております。
 一方、薬剤師の地域的な存在とか、それからドラッグストアの進出とか、それからそこに雇われる薬剤師さん等の賃金の額とか、それからその職務の内容、そういったその勤務条件等のミスマッチもあるようであると。こういったことから、一部の医薬品販売関係者からは、薬剤師の確保が困難な場合があると、こういう指摘も聞いておるわけでございます。
 このようなことから、日本チェーンドラッグストア協会においては、ドラッグストアでの薬剤師の雇用の確保が困難と認識されているものと考えております。
○山本香苗君 午前中に、参考人の方からも同じような御答弁をいただいておりますけれども、こういった認識のずれが生じているわけでございますが、文部科学省としては、まずこのずれというもの、この認識のずれが生じていることをどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
 というのも、こういったずれが生じている中で文部科学省としては薬剤師を養成していくわけです。そうした中で、どのように養成していくことが必要なのか。どのぐらいの、言ってみたら、数的なものとか、厚生労働省ときちっと認識を共有していかなくてはいけないところだと思うわけなんですけれども、大臣にその御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) 薬剤師の需給、今厚生省側からもお話がございました需給のバランス、需給過多の問題等もあるようで、御指摘もございますが、しかし、トータルとして考えたときの今日の医療技術といいますか、そういうものが非常に高度化してきた、あるいは医薬分業も進んできた。先ほど来の議論にもありました、いわゆる薬剤師の地位向上という話もございましたが、この医薬品の安全性の問題、医療過誤事件等々は薬から来ている事件も非常に指摘をされている。こういうことから考えてくると、やっぱり医療の担い手としての薬剤師の位置付けが非常に高まってきておると、こう思うわけでございます。
 そういう意味で、高度な専門性、高い倫理観、あるいは医療人としての知識と教養、その質の向上を求めておる。これはやっぱり国民の一つの大きな声でございます。また、世界の潮流の中にも、それに対してきちっとした対応をしている、五年制、六年制でやっているという現実もございます。
 そういうことで、大学の薬学教育において医療薬学系の科目を充実させて、また病院、薬局におけるいわゆる実務実習を長期化して、そして教育内容を充実して、修業年限が四年から六年、この改正案の必要性を認めて今回提出させていただいたと、こういうことでございまして、このことによって我が国の医療を担う高い質を有する薬剤師が生まれる、そして国民から求められているような質の高い医療の供給が可能になっていく、またこの実現にそのことが寄与していくと、こう考えておりまして、六年間の教育によって得た知識、技術、これを有する薬剤師が社会的にも高い評価を受けながらそれにふさわしい待遇を受けて医療現場において活躍する、このことを期待をして、今回の法案提出に至っておるところでございます。
○山本香苗君 この薬剤師の需給予測、ちょっとお伺いした理由というのは、実際六年間、四年から今度六年に延びて、一生懸命勉強して、就職の段階になったときに就職口がなかったらということを心配してお伺いしているわけなんですけれども、この六年修了後、薬剤師の方々というのを、これからどんどん活躍していく、活用していっていただきたいと思っているわけなんですが、この点どういう形で、給与面だとか就職環境だとか、そういうものを厚生労働省としてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、これからどういうふうに活用していこうと考えていらっしゃるのか、その点についてお伺いいたします。
○政府参考人(鶴田康則君) 今回の六年制の導入によりまして薬剤師の専門性が向上すると。したがいましてこの薬物療法に際しまして、患者の状態とかそれから薬剤服用歴、またその薬剤による副作用の履歴、こういったことから判断いたしまして、薬剤選択のアドバイスとか、それからこれらの把握による現疾患と副作用との区別に対するアドバイスとか、それからまた血中濃度とか患者の状態に応じた薬物投与量設定のアドバイスなど、高度な医療に対して処方へのアドバイスを行うなど積極的な、薬剤師が医療に参加できるようになるものと、チーム医療に参加されていくことができるんではないかと、そういうふうに期待しておるわけでございます。
 また、医師の発行した処方せんに対する疑義照会、服薬指導を適切に実施いたしまして、薬剤の過剰投与とか相互作用の防止、それから回避可能な副作用の発現の防止、こういったものもより確実に行っていくことができるものと考えております。
 さらに、病棟に今度はおけます医療チームに参画することによりまして、薬剤関係の医療事故の防止にも薬剤師が積極的にその役割を果たすことができるんではないかと、そういうふうに考えておりますし、また六年制の導入によりまして、薬の領域だけでなく臨床面でも強い薬剤師が養成できると。こういったことから、薬の関与している医療領域は非常に広うございまして、医療領域全般に薬剤師の活動の場が広がっていくんではないかと、また、高度かつ適切な医療を患者に提供することが可能になるんではないかと、こういうふうに考えております。
 一方、その給与とか職場環境等の処遇につきましては、薬剤師の資質の向上によりまして、今以上の役割を果たし、知識、技能が評価される結果によるものと考えております。
 以上でございます。
○山本香苗君 是非とも、先ほどのお話にありましたけれども、お医者さんと同じように医療の担い手として資質、能力をしっかり身に付けた薬剤師の方々に見合ったような待遇というものをきちっと確保できるような、広く活用していただけるような体制をしっかりと作っていただきたいと思っております。厚生労働省関係はそれだけですので、退席していただいて結構でございます。
 この今回の法改正によりまして、既に在籍している学生というのは影響を受けないというふうにお伺いしているわけでございますけれども、これから薬学部に入学しようと目指している学生さんにはどのような影響が生じるんでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) やはり、基本的に自分が将来何になりたいかということをやはり明確に持った上で進路を選んでいただくということになろうかと思いますので、今回、薬剤師養成六年と、それ以外のもう少し幅広い分野に進みたいという方で四年というのがございますので、その六年制、四年制のそういう教育の目的、内容、どういう人を育てていくのかということをやはりこれから受験する人たちにしっかりと理解をしてもらって、自分はこういうことをやりたいんだからこっちへ行こうと、自分はこっちだということで、その辺をいろんな形でよく分かってもらうということが必要になってくるだろうと思っております。
○山本香苗君 正に今言われたように、四年制、六年制、こう二つ併存する形になったときに、どこがどう違う、最終的に四年制の方はいわゆる国家試験の受験資格がない状況になって、それから、いろんな形で動けるわけではあるけれども、難しくなってくるわけですよね。そういったところを初めの入口の段階できちんと広報できるような形で、早め早めに大学側にも、また文部科学省としても、こういった動きがあるということがしっかり受験生に伝わるような形での広報をしていただければと思っております。
 そして、先ほど後藤先生のお話にもございましたけれども、学生の負担についてちょっとお伺いしたいと思うんです。さっきのお話の中では、六年制に移行した場合に新たに学生に何らかの負担が生じるかという話をしたときに、四年制の授業料のプラスアルファ二年分の授業料が増えますというお話でございましたけれども、ただそれだけではないんじゃないかと思うわけなんですね。
 というのは、今日の午前中の質疑の中にもございましたけれども、いわゆる延びた分の二年間の中に六か月以上の実習が入ってくると。この実習の負担をどうするのかという話が今後詰めていかなくちゃいけない話の一つだという話があったわけなんです。実習のための負担については、文部科学省としてはこれから詰めていくところだと思うんですけれども、具体的にはどういったものをイメージしていらっしゃるのか。
 現在は必修じゃない形で二週間から四週間行われていて、学生負担という形が、必修じゃないからそういうことでも理解が得られるんであろうということがお話の中で、参考人の方からもございましたが、負担の在り方について今後どのようにしていくお考えなのか。国として何らかの支援することも御検討していただきたいという声もありましたが、そういうことも御検討していただけるのでしょうか。この点についてお伺いいたします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 現在の実務実習の費用の負担でございますけれども、本当にまちまちでございまして、大学が一義的に負担をしている、あるいは、これらが大半でございますけれども、学生が個人的に行った先にその費用として払っている場合もございますし、大学と学生が両方で払っているというような場合もございます。
 それから、例えば病院での実習ということになりますと、自分の大学に病院がある、附属病院があるという場合には一切そういう問題なくて費用という面が生じない場合もございますし、そうじゃないところが大半でございますから、私ども、大体一番多いのが二週間で二万円から三万円ぐらい負担していると、負担というか費用として掛かっているというふうに聞いておるわけでございます。
 これから、これが半年ということになりますとかなりの費用も掛かってくるだろうと思いますし、これがカリキュラムの中にしっかりと組み込まれるということであれば、それは学生が払っている授業料とは別に払うというのもまた変な話になってきますので、そこはやはり負担の在り方というのは、一つには大学とその病院、薬局との関係もございますし、学生と大学との関係もございます。
 いろんな意味で、これからこういう長期の実習の場合の費用をどんな形でやっていくのかというのは詰めていく話だろうと思いますけれども、基本的には教育費として大学が当然、トータルとしてやはりそれを見込んだ上で教育を行っていくというのが当然だろうと、こう思うわけでございまして、そういう形でやっていただくことになるだろうと思いますし、また実務実習の経費、できるだけ安く、かつ、その代わり充実したものという方向で、私どもも是非そうあってほしいと思っておりますので、そういう意味で、大学あるいはその学生の受入れ施設に対して、そういう意味での協力もお願いをしてまいりたいと、こう思っております。
○山本香苗君 実習が、実際六か月以上の長い実習が行われるまでまだ期間があるので、いろんな形で検討をしていただけると思うんですけれども、その負担が過重にならないような形で是非ともお願いしたい。国としても、当然大学やるべきだという話でぽんと投げちゃうんじゃなくて、きちっと関係者の間でコンセンサスが得られるような形でこの話をまとめていただければと思うわけなんですけれども。
 薬学部の修業年限、六年間延ばす、そういうことによって教員だとか施設だとか、そうしたものに対して膨大な投資が掛かってくるんじゃないかということも考えられるわけなんですが、こうした変化の中においても教育の質をきちんと確保するための体制整備というものが必要であります。この体制整備のため、今後、文部科学省としては具体的にどのようなサポートを行っていこうとお考えなのか、具体的な御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) やはり、六年ということになりますと、その分当然教員、教職員もきちんとそろえなくちゃなりませんし、あるいは教室等の施設ということもあろうかと思うわけでございます。
 そういう意味で、一つには、やはり今設置基準自体が四年ということで、そういうハード面、教員の数もそうでございますけれども、そういう定め方になってございますので、そういったことにつきましては、この法律が成立いたしまして実施という段階の間にその辺詰めさせていただきまして、大学設置基準の改正等々を制度的には行っていくということになろうかと思います。そして、それに伴いましてこれから大学の方でいろんな体制が充実をしていこうかと思いますけれども、そういった支援につきましてはまたこれからの検討課題ということで適切に対応していきたいと、こう思っております。
○山本香苗君 きちんとこの六年制ができるような形で、体制整備が整わないままスタートするようなことがないような形でしっかり文部科学省としても、財政的な支出も出てくるところもあると思いますが、きちっと対応していただけるようによろしくお願いいたします。
 今言ったのはこれからの学生のためにという、学生の視点から今日はちょっと御質問させていただいたんですけれども、薬剤師の資質向上と言ったときに現に現役の薬剤師の方々も含まれるわけでありまして、現役の薬剤師の方々の資質向上ということも図っていかなくちゃいけない。これは報告書の中にも明記されていたわけでございますが、現役の薬剤師の方々の再教育、これはどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。報告では大学で行うみたいな趣旨のことが書いてあったと思うんですけれども、今後どういう形でなされるのか、その点につきましてお伺いいたします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 先ほど、薬の名前が間違ってどうのという議論もありましたが、これ薬なんかも日進月歩なわけでございますから、大学で習ったことが何十年も生きるというわけではございませんで、常に知識を新たにしながら職務をやっていただくという意味で、本当に現職教育、私ども大事だと思っております。
 これも現在でございますけれども、七割以上の薬学系の大学におきまして、そういった卒業生、薬剤師を対象とした卒後の研修の機会を設けてございます。それから、文部科学省でも、これはもうちょっと、大学病院のということで、国公私立の大学病院の薬剤師さんのための研修会というのを毎年開いております。それから、大学病院等でも、その薬剤師を対象とした研究会、研修会等を開いておるのも結構多くございます。それから、地域の薬剤師会、これもいろんな形で研修の機会を設けているということでございます。
 そういう意味で、もっともっとこれからこういった研修の機会、私どもも充実をし機会も増やしていく必要があるだろうと思いますし、そういう意味での支援もしていきたいと、こう思っております。
○山本香苗君 是非とも、今おっしゃってくださったような支援につきまして適切に行っていただき、資質の高い薬剤師の養成に力を入れていただきたいと思っております。
 次に、栄養教諭制度についてお伺いしたいと思います、時間が大分迫ってまいりましたので。
 食は命の源であって元気や健康の源だと。そして、食育とは、食の大切さを知り体に良いものを自分で選んで学習する活動にあるにとどまらず、日本の伝統的な文化を理解、継承するなど、豊かな人間性や社会性を養うものだと。後藤先生のお話の中にも、大変いろんなことをお伺いしまして、ああ、食育って楽しくやっていくもんなんだなというものをいろんな事例を通してお伺いさせていただいたんですけれども、やっぱりそうした中で中心的な役割は今まで家庭が担ってきましたし、これからもやっぱり家庭というものが非常に重要なファクターだと思っているわけなんです。しかし、いろんな変化の中で家庭にそのすべての責任を負わせるのは難しくなってきている。
 このように、そういう事実の、難しくなってくる中で、学校における食の指導の充実ということが急速に重要性を帯びてきたというふうに思われるわけなんですけれども、このような変化の背景には一体何があると認識されていらっしゃるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) この背景、子供たちの食が乱れてきた、また食育の重要性が言われるようになった、その背景はやはり食生活を取り巻く社会環境の変化というのが大きいと思います。
 簡単に食べ物が買えるようにもなったということもあるわけでございますけれども、そういう点で子供たちが自分で偏った栄養を取ってしまう、ほっておくと勝手にどこかへ行って買ってくるというようなことも起き始めた、そうした孤食というような問題もある。そうした家庭環境の変化、そういうようなこともあって食生活が乱れておる。その結果が、子供たちの肥満傾向であるとか、大人の成人病と言われるようなそういう病気が子供にも来た、これは正に生活習慣病だ。こういうようなことが非常に心配になってきているという背景がありますので、これをやっぱり今の子供のうちから正しい食事の取り方によって防いでいく、食生活をちゃんと、食習慣をちゃんと付けさせる、そういうことが言われるようになったわけでございまして、自らのやっぱり健康管理は自らでやる。こういう習慣をちゃんと学校給食を通じて、そして家庭はもちろん、先ほども山本先生御指摘のように、家庭が第一義的にやっていただくべきことなんでありますけれども、それだけでは十分でない。
 そこで、学校教育においても、この学校給食を中心として食育というのをやる。そのために学校栄養士の皆さんに学校栄養教諭としてこの制度の中に入っていただいて更にこの食育を展開をしていただこうと、こういうことでございまして、今回のこの食育という言葉が生まれ、また食育の推進が言われたその大きな時代の流れといいますか、その背景の中で、私どもとしてもやっぱりそれに危機感を持ってこの問題に対応していこうと、こういう状況下にあると、このように考えておるわけであります。
○山本香苗君 この食の乱れ、子供の食の乱れ等々をいろいろ考えていくと、本当に今大臣がおっしゃってくださったようなこともあるわけなんですけれども、非常に根深いもの、伊藤先生も前回の、おとついの質問の中でしていらっしゃって、私も本当に大きな問題が背景にあるなと。単に正確な知識があるないとか、そういう話ではなくって、やっぱり今まで一緒に御飯を食べ、同じ時間に同じものを口にしていた家庭の団らんみたいなものも、今日、家庭の団らんはいけないんですかと有馬先生のお話ありましたけれども、なかなか難しくなってきている。ライフスタイルの多様化の中で非常に大きな変化が、このたった十年の間でも大きく変わってきている中で、こういった食の重要性というものを、家庭だけじゃなくて学校、地域、いろんなところで連携していかないと担保できないようなものになってきているんだなということを感じるわけなんです。
 そうした食における家庭の役割を重視しながらも学校における食の指導というものを充実していく、これは別々に進めるというわけではなくて連携していかなくちゃいけないものだと思うわけなんですけれども、現状は一体どういう形になっているんでしょうか。また、そもそも学校の食育というか、というものと家庭における食育というものを、それどういうふうに違いがあって、これからそれをどのようにして連携させていくべきなのか、その辺は文部科学省としてどのような御見解をお持ちなんでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 先ほど大臣からのお答えにもございましたけれども、食に関する問題に関しましては、正に心身の健康な成長あるいはしつけといったいろんな課題を抱えておるわけでございまして、言うまでもなく子育ての重要な柱として家庭がその中心となって担うわけでございますけれども、学校におきましても、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けることができるよう食に関する指導の充実を今図っておるところでございます。
 学校におきましては、学校給食や教科教育など学校教育全体を通じまして計画的に、また、集団生活の中で食文化やあるいはその地域における食品の生産、流通といったものまで含めまして幅広い観点から指導に当たっておるところでございます。
 もとより、家庭が重要な役割を担っておるところでございますので、現時点におきましても給食便りとかあるいは親子料理教室などを通じまして保護者に対しても働き掛けや啓発活動を行っておるところでございまして、今後、学校栄養職員の方々が栄養教諭に移行するに当たりましては、更にこれら家庭との連携を深めまして、当然栄養教諭だけでできるわけではございませんので、学級担任の方々も一緒になって各家庭との連携を深めながら家庭への働き掛けを強めていくことが大事だろうと思っております。
○山本香苗君 正にそのいわゆる連携をする食のコーディネーターとしての栄養教諭というものを創設するということは今回の法案で非常にすばらしいことだなと思っているわけなんですけれども、今回この栄養教諭を創設するに当たっては、現在学校栄養職員でいらっしゃる方が基本的には栄養教諭になると、そういうことが念頭にあるという、念頭に置いていらっしゃるわけなんですけれども、現在、学校栄養職員の方が栄養教諭に移行するに際してどういった課題があると、これからこういうことをやらなあかんなと思っていらっしゃる課題について、文部科学省はどのように御認識されていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校栄養職員から栄養教諭への移行に当たりましては、まずは栄養教諭免許状、これを取得していただかなければならないわけでございますので、その円滑な取得のためには都道府県教育委員会におきまして認定講習を実施していただくことが必要になってくるわけでございます。
 その次の段階で、栄養教諭免許状を取得した学校栄養職員につきまして、任命権者であります都道府県教育委員会が栄養教諭として任用していただくということが必要になってくるわけでございますので、この栄養教諭制度の重要性につきまして、都道府県教育委員会を始めまして、教育関係者の理解を一層進めていくことが非常に重要だろうと思っておりますし、それと同時に、この認定講習会の実施等に当たりましては、必要な財源確保を図っていくことも重要な課題であろうと認識しておるところでございます。
○山本香苗君 認定講習の財源確保、それと同時に、その講習が受けれるような、実際働いていらっしゃりながらその講習を受けなくちゃいけないわけでありまして、そこの体制整備をきちっとやっていただくこともお願いしておきたいと思います。
 と同時に、一番最後におっしゃられた、いわゆる最後に都道府県の方が任命しないといけなくなってくるわけですよね。そこのところで、せっかく免許を取ったのに任命されないという形がなっていくと、やっぱりなろうという方々のそのいわゆる気持ちというものが踏みにじられてしまうようなことになりますので、きちんとこの任命をする、してもらう、都道府県の方にしっかり伝えるということなんですけれども、何らかのインセンティブを与えないとやらないと思うんですよね。そこのインセンティブの付与の仕方というのはどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○副大臣(原田義昭君) この栄養教諭を実際配置するためには、従来から、必置義務を課すべきではないかという議論もございました。しかし、現実にはいろいろ事情、事情といいますのは、それだけの体制が準備できていないということも多かったと思うんですが、ただ、できるだけ数を増やしてその設置を広げていくということは、これは私たち常に心掛けなきゃいけないと思っております。
 そのためには、当然のことながら、その給与費も上がりまして、今申し上げましたような認定講習会をどんどんやるというようなこと、要は、その定員、定数をきちっと各都道府県の教育委員会が確保せぬことには、立派な候補者がいてもそれを採用できないということになるわけであります。そういう意味では、私どもとしては、都道府県の教育委員会にこれらの重要性をしっかり認識をしていただき、併せてそのための財政的なバックアップにできるだけ努めると、こういうことではないかと思っております。
○山本香苗君 せっかくすばらしい制度を作り上げるわけでございますので、この点、財政的な面でもいわゆる定数の面でも、文部科学省としてきちっと、厳しい折ではございますけれども、やっていただけますようよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 今日も私は、薬学教育の問題、学校給食の充実についてお伺いしたいと思います。
 まず、薬学教育ですが、修学期間が二年間延長する中で、充実を図るのが病院、薬局での実習の期間を延長する、こういうことですね。薬剤師が医療にかかわる人材として現場で充実した実習を受けることは大変必要なことだと思います。しかし、現在の実習の様子を聞きますと、現在は二週間から四週間ぐらいということですが、いろいろ心配なことが出てまいります。
 例えば、病院によっては、三十人を実習に受け入れたけれども、一つの教室に全部集めてデスクワークを中心にやっていると。それから、あれをやってほしい、これをやってほしいと重宝に使われて、あとはお説教しかないんだというようなところとか、電話当番をさせているというようなところもあると聞いております。これではカリキュラムの目標と現場のギャップが余りに大きいのではないかと思うわけですね。
 実習期間を延長するに当たっては、実習を行う前に教養試験というのを行って、一定の水準に達している人を現場に送り込むと。でも、かえってそうなりますと人手不足の現場では、ちょうどいいところに来たと、無償の労働力として、実習そっちのけで、まあ調剤やってくれと、そんなふうになってしまっては大変だというふうに思うわけですね。
 実習を受け入れる病院では、病院薬剤師が不足しているので、とても教えるという形では受け入れられない、こういう声がありますし、また、午前中、参考人にお伺いいたしましたが、テキストを作って今着々と準備はしておりますというお話聞きましたが、実習を受け入れる病院での指導に当たる人材確保など、効果が上げられるように文部科学省としてもきちんと取り組んでいく必要があると思いますが、どのような方策を考えていらっしゃるのか、まずお聞きいたします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 実務実習六か月になった際の現場での指導、どういうふうにというお話かと思います。
 実務実習でございますけれども、これはやはり基本的には大学のカリキュラムの一環としてやるということでございますから、大学における実習の指導方針、これがありまして、その下でそれぞれの実習先の病院、薬局の現場で薬剤師の方々が学生の指導に当たると、こういうことになるのが基本だろうと、こう思っております。
 今、どういうそれに対して取組がなされているかということでございますけれども、一つには、やはり大学で、元締が大学ですから、大学でどういうふうに指導していくかというのがきちんとしておりませんといけないということで、これ日本薬学会の方で教育指導者のワークショップというものをこれまでもう九回やっていらっしゃいまして、そして実務実習の内容、指導方法等につきまして大学の教員に対しまして研修会を開催をしているということでございます。
 それから、じゃその現場の方の指導者でございますけれども、薬剤師会の方で実習指導者の認定制度というものを設けておりまして、一定の、例えば薬局での実務経験が三年以上だとか、いろんな研修を受けていることとかと、こういった幾つかの認定基準を設けまして、認定制度を設けて、その認定を受けた人が実習生の指導に当たると、こういうことで現在既にスタートをしておるわけでございますけれども、現在約九千五百人の薬剤師がこの認定を受けていると、こういうふうに聞いておるわけでございます。それからもう一つ、日本薬剤師研修センターというのがございますけれども、ここで今年度から実務実習において学生を指導する指導薬剤師の養成のプログラム、これについて本格的な検討をするということも聞いておるわけでございます。
 私ども、これから本格的な長期の実習に向けまして厚生労働省とも連携をし、さらには大学、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、それぞれの関係者との協議の場を設けまして、実務実習の円滑な導入に向けまして、実習指導者の確保の方策も含めて、指導体制の整備のためにそれぞれの関係者が取り組むべき事項につきましてまずは整理をして、そしてまたその整理に基づいてそれぞれの取組をお願いしていくと、こういうことでやっていきたいと思っております。
○林紀子君 その指導の人材確保に対して、国としては会議も設けてやるというお話ですが、お金の面で、財政面でというものは何もないのかというのをお聞きしたいのが一つと、それから、先ほどこれは質問がありましたけれども、学生の方の財政の軽減、財政的負担の軽減ですね、実習費を直接払うとか、そういうことが今まで行われていたということです。
 午前中の参考人のお話でも、今度は選択をしてやるわけではなくて義務になるんだと、その六か月の実習というのは。ですから、義務ということから考えたら、国の方の財政的な支援というのも是非考えていただきたいというお話があったんですが、そういうことでは、学校に対しまして、運営費交付金であるとか、私学には助成だとか、そういうことは考えないのでしょうか。
 先ほど遠藤局長のお話だと、それは大学が全部負担すればいいんだと言うんですけれども、そうすると結局、各々、個人個人が実習費は払わないという形になっても、学費の値上げというような形で、最初か五年目なのか分かりませんが、結局学校の方にお金を納めなくちゃいけないというようなことになるのではないかというふうに思いますので、国としての財政の支援というのは何らか考えないのかということもお聞きしたいと思います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 実務実習六か月、そして全体として修業年限が四年から六年ということになりますと、これはもう大学教育の一環の正規のカリキュラムでございますから、基本的にはそういった教育の費用というものはやはり学費の中に入ってくるんだろうと、こうも思っておるわけでございます。先ほども御答弁申し上げましたように、やはり長期の実習、できるだけ私どもも安くかつ充実してという形では考えておりますけれども、そういった、基本的にはそういう構造の中でその費用が組み込まれていくんだろうと、こう思っております。
 これも、そういうことでございまして、また学費に対する、学費、すなわち授業料の問題でございますけれども、やはりこれまでも薬学部、通常の学部よりも若干、授業料は平均的には高いということもございます。そういう意味で、奨学金の事業の、日本学生支援機構が行っています奨学金事業の充実、あるいは授業料の減免等の措置等、現在も行っておりますが、こういうものにつきまして、六年になりましても適切に措置をするということによりまして、学生の負担が過重とならないような、そういったような意味での取組、これも行うことが必要であると、こう考えておる次第でございます。
○林紀子君 四年から六年になって、それだけでも学費はまた上がるわけですから、是非希望する方は入れるような、お金の問題によって入ることができないというような状況がないような方策というのを立てていくべきだと考えております。
 その次に、私は、学校給食の問題ですが、今までもいろいろな方が取り上げましたが、アトピーなどアレルギー疾患への対応、これに対する学校給食、個々の対応が求められていると思います。そして、この対応を更に進めていくべきだと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 御指摘のように、食物アレルギー等の疾患を持つ児童生徒に対しまして、学校給食におきまして個々の児童生徒に対した適切な対応を行っていくことが必要であると考えておるところでございまして、各学校におきましては、児童生徒の食物アレルギーの状況につきまして保護者や主治医等と十分な連携を取りまして、一つには学校給食から原因食物の除去をする、二つ目には別の食物で調理した代替食を提供する、それでもどうしようもないときには家庭から弁当を持参していただくといったような、個々に応じた弾力的な対応を取ることが重要であるということで、文部科学省といたしましても、学校給食の手引でございますとか通知、さらには学校栄養職員等を対象とした研修会の場において御指導を申し上げておるところでございます。
 また、本年度、平成十六年度におきましては、新たに専門家から成ります調査研究会を開催いたしまして、児童生徒の食物アレルギーを含めた各種アレルギー疾患の状況等について調査を行いまして、今後の学校におけるアレルギー対策のための支援方策の検討を行うこととしておるところでございます。
 さらに、栄養教諭の職務内容として、食物アレルギー等のある児童生徒への個別な相談指導というものも期待しておるわけでございまして、この栄養教諭制度の創設によりまして食物アレルギー等への対応も更に進むことを期待しておるところでございます。
○林紀子君 今行政は、効率化するということで、共同調理場によるセンター方式、これを進めておりますね。現在では給食を実施している学校の五五%がセンター方式になっている。このアレルギーの問題ですけれども、センター方式でもアレルギーの子供に対して除去食を実施しているところがあるというお話を聞きましたし、食に関する指導に関する研究協力者会議というのでしょうか、そこで論議をされているというお話がありまして、私も参考資料も見せていただきましたが、ここでは大変大きな共同調理場、長野県の松本市では小学校で一万二千食作っている共同調理場がある。中学校では五千五百食。これをお聞きいたしましたら正に食の工場だというふうに思ったわけですけれども、働く方たちも、調理員の方たちも五十人ぐらいいて、栄養職員の方たちも五、六人はいるんじゃないかというお話も聞きました。
 こういうところでも除去食をやっているんだということで、いろいろ資料がありましたのでそれを見せていただきましたが、確かに非常に綿密な連絡も取りながらやっているわけですが、この一万二千食のところでは三十人のアレルギーの子供さんがいるということなんですね。ですから、それぞれの、幾つかのコースに分けて、この子供たちのグループはこういうものは食べられない、このグループはこういうものは食べられないと、そういう形でこの除去食というのを作っているようなんですが、そうなりますと、こういうこともあるというんですね。
 そのアレルギーを持っている子供でも食べられるんだけれども、一つのコースの中に組み込まれているものですから、同じコースのメニューで、同一ですので、その子供が食べられるけれどもその子が食べられないというか、その除去食の中では入らないんだ。例として、澄まし汁の鳥肉を食べられる場合でもほかの生徒に合わせて除去したメニューになりますと、こういうただし書が付いているというのがあるわけですね。
 だから、三十人もいらしたら、一人一人三十食作るというのはなかなか大変ですから、どうしてもこういうことになっていくんだと思うんですが、今後の課題として、当初の予測よりこのアレルギーを持っている子供が増えている、原因食品も複雑、多様化している、これは大きな全体の傾向だというふうに思うわけです。そういうことになりますと、コースを幾つか、五つか六つか分かりませんが分けると、本当は食べられるのに食べられない、そういうような状況というのも生まれてきてしまうのではないかなというふうに思っております。やはりそういうことを考えますと、五百人規模、せいぜい千人規模ぐらいの学校で自校方式でやっていくというのが一番望ましいんじゃないかと。
 私は、また府中の、地元の府中町の話で恐縮なんですけれども、ちょうど行きましたときに、タケノコ御飯というメニューだったんですが、大変アレルギーで重症な子供さんがいらして、モチ米は食べられない、油も駄目、揚げ物も駄目、そういうような形で、タケノコ御飯で、御飯がモチ米が入るから一緒に炊けないんですね。で、その子だけにモチ米を抜かしたタケノコ御飯というのをこの栄養職員の先生が特別に作っておりました。
 そういう形では、一人一人に合ったものというのは、やはり人数が余り多いとやっぱり無理になっていくんじゃないかなというふうに思いますし、これは午前中参考人が名前を挙げてくださった埼玉県の新座市というところの小学校でやっぱりやっているんですけれども、ここでは、卵の入ったウサギ形のパンというのを給食に出していたんだそうです。ところが、この卵が駄目な子供さんはみんなと同じウサギ形のパンがずっと食べられなかったけれども、その卵を抜いてウサギ形のパンというのをその子に出してやったとき、その子供のうれしそうに輝いた笑顔が忘れられないという、この栄養職員の手記が載っているんですね。
 そういうことでは、やはり三十人の方に一万二千食のうち三十人のそのアレルギー食を作るというのは大変な苦労もあって、その努力は本当にそうだと思うんですけれども、やはり一つ一つの学校が自校方式でやっていく、それが一番望ましいと思うのですが、自校方式の方をなるべく進めていく、そういう観点はないのでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校給食の実施方法につきまして共同調理場方式でやるのか自校方式でやるのか、これにつきましては、各学校や地域の実情等を踏まえましてその設置者が適切に判断していただくものというふうに考えておるところでございます。
 食物アレルギーの対応につきましても、これ、平成十四年の九月に社団法人全国学校栄養士協議会が実施した調査があるわけでございますけれども、この調査で申し上げますと、食物アレルギーへの対応をしている学校栄養職員の割合で申し上げますと、単独実施校の場合が七一%、それから共同調理場の場合が六七%、若干共同調理場の方が低いわけでございますけれども、その調理方式による差はほとんど見られておらないというような状況にあるわけでございます。
 したがいまして、いろいろ、それぞれの学校あるいは共同調理場においていろんな個別な課題はあろうと思うんでございますけれども、そういうアレルギーの疾患を持つ子供に対してできるだけ個別に行き届いた対応をしていただくことが非常に大事だろうというふうに考えておるところでございます。
 また、先ほど申し上げましたように、本年度からこのアレルギー疾患に関する研究調査を行いたいと考えておりまして、その中で、アレルギー疾患が原因で学校生活に支障を来している児童生徒の実態につきましても十分調査をし、その対策を立ててまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○林紀子君 共同調理場方式というのは、アレルギー食への対応だけではなくて、栄養教諭の仕事となる食の指導ということでもまた問題があるんじゃないかと思います。
 共同調理場に配置されている学校栄養職員も学校に出掛けて食の指導をしているというケースは、おとといもお伺いいたしましたが、あるわけですよね。共同調理場で働く学校栄養職員からは、これから食の教育ということでますますそれが大事になっていくけれども、ふだんから子供たちとのつながりがないのに授業するというのはなかなか難しいとか、今学校で何をやっているのか、前の授業でどういうことがあったのか、子供の顔や名前や能力が分からなくて授業するのはこれまた難しい、こういう声があるわけですね。栄養教諭の職務を果たせと言われても、本当にこういう状況の中で果たせるのかという不安の声が起こっております。
 充実した食の指導のためにも、これまた自校方式への転換というのが大変重要かと思いますが、今五五%なわけですが、もうちょっとそれを戻していただきたい。
 愛媛県の今治市や茨城県の古河市ではセンター方式から自校方式に戻した、そういう例もある。これは日経の四月十九日付けの夕刊に出ていたことですが、そうしましたら給食の質がぐんと良くなった、食育の授業も活発になった、安全な地場の食材が増えて、アレルギーのある子にもきめ細かく配慮ができるようになったと、こういういいところがあるということを言っていて、今戻しているところもあるわけですから、是非、そちらの方が子供たちにとってはいいんだよと、そういう立場をまず文部科学省が立っていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校給食の業務の運営につきましては、御案内のとおり、臨時行政調査会等の指摘を踏まえまして、文部科学省といたしましては、学校給食の質の低下を招くことのないように十分配慮しながら、しかしながら、パートタイムの職員の活用でございますとか、共同調理場方式の採用、あるいは調理業務の民間委託等の方法によりまして運営の合理化を推進するよう、各都道府県教育委員会を指導してきたところでございます。
 一方におきまして、御指摘のように、単独調理場方式の方が細かな、また子供たちと、フェース・ツー・フェースと申しますか、顔を見ながら指導ができるではないかというような御指摘もあるわけでございますけれども、学校給食の実施方法につきましては、その地域の学校の立地状況、児童生徒の状況、また各地方公共団体の行財政の現状等を踏まえまして、各学校や地域の状況に応じて設置者の方で適切に判断して実施していただくことが非常に大事だろうというふうに考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、児童生徒にとって安全でおいしく楽しい学校給食ができるように私どもといたしましては都道府県教育委員会を指導してまいりたいというふうに考えております。
○林紀子君 設置者の判断だとおっしゃいますけれども、今おっしゃいましたように、やっぱり政府が、合理化をやれ、そっちに誘導しているんですよね。それが私はいけないんじゃないかというふうに思うわけです。
 今お話の出ました民間委託化というのも、これまた大変問題があるわけですね。
 学校には調理場がある、そこで給食を作っているから、ああ、これは自校方式、自分の学校で作っているんだなと思ったら、それは大間違いで、そこで働いている人、調理員さんというのは委託した民間会社から派遣をされてくるわけなんですね。それが民間委託方式ですよね。
 そうなりますと、労働者派遣法によって今までも栄養職員は調理員に直接指導ができない、調理場にも入ることができない、そういうことなんじゃないですか。これでは、給食を生きた材料として食に関する指導をするんだ、これが栄養教諭の仕事なんだということを盛んに強調されますけれども、それも難しいんじゃないでしょうか。調理員と栄養士さんの間の生の交流というのは民間委託方式ではできないんですよね。
 ですから、この民間委託の推進、これもやめるべきだと思いますが、どうですか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 御指摘のように、調理業務を民間委託する場合におきましては、食事内容の充実や衛生管理の徹底に関しましては委託契約等に具体的に規定いたしまして、事業監督者に対して総括的に指示を行うことにより学校給食の質の確保を図ることが必要であるというふうに私どもとしても考えておるところでございまして、学校給食が学校教育の一環として実施されているものであって、学校給食の献立作成や衛生管理業務はその教育活動の根幹となるものでございますから、各学校の設置者において直接実施する必要がある旨の指導をしておるところでございます。
○林紀子君 今のお答えではよく分からないんですね。
 私は具体的に、栄養士さんとそして調理師さんと話をすることもできない、そういうような状況の中で本当に食の教育というのができるのか、進んでいくのか、そのことを申し上げているんですよね。でも、それは設置者ですよ、設置者の責任ですよって言うんですが、それで済ませていて本当に、じゃ栄養教諭というのを新しく作る、その意味そのものがなくなっちゃうんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
○政府参考人(田中壮一郎君) やはり学校給食の実施に当たりましては、どういう献立でやるのか、またその献立を作るに当たって食材はどういうものを選定するのか、こういうものはきちんと、現在でいえば学校栄養職員の方々にやっていただかなければなりませんし、栄養教諭の制度が発足して以降は栄養教諭が責任を持ってそういうものが行える体制を整備しておくことが私どもは必要だろうというふうに考えております。
○林紀子君 確かに、ペーパーの上で献立は立てます、食材はこうですということは今までも栄養職員の方が責任持ってやっているけれども、じゃ、それを具体的にどうやって調理をしていって、どうやって子供たちのところまでそれが届くのかというのを、もっともっと本当に調理師さんとは密接に連携を取らなくちゃいけないのにそれが断ち切られている、それが民間委託なんですよね。
 それは絶対にやめてほしいし、今、一三・四%とたしかおっしゃいましたが、これがなかなか進まないのは、やっぱりそれじゃ子供たちのためにならないということを多くの父母の方も認めているし、今日のお話では、山形県の藤島町というところでは、議員さんが二十六回も調査を重ねたり、学習をして、やっぱりこの民間委託方式にするのはよしましょう、日本共産党だけじゃありません、全会一致でこれを決めたということなんですからね。
 やっぱり地元では、本当に直接そこに当たっている人たちは、見えるところではそういうことになっているわけですから、民間委託というのを進めるべきではないということを申し上げて、もう一つ、どうしてもお伺いしたいことがありますので次に行きますけれども。
 中学校での完全給食ですね。七二%実施率、三割近くは完全給食が行われていない。
 これも今日の午前中に参考人の方々に聞きましたら、中学校というのは人生最大の発育期だと。ところが、給食のないところでは自販機で菓子パンを買ったりしているということで、八年前に買った、自販機で買った菓子パンがそのまんまカビも生えずに、ちょっと形は縮んだんですけれどもね、そのまんま生きている。そんな大変な、防腐剤一杯、添加物一杯みたいな菓子パンを伸び盛りの子供たちが食べていいのかということで、私も実際に見せていただいて、これは恐ろしいことだなということを実感したわけですね。
 中学生というのは食生活が一番定着する重要な時期だということをおっしゃった参考人の方もいらっしゃいます。中学生に食の自己選択、それをきちんと定着をさせる時期が中学校なんだというんですね。ところが、中学校、三割も給食ないわけですよね。そうしますと、今、給食のないところでは栄養職員もいないわけですから、それが移行して栄養教諭になる人も今のところはいないわけですね。
 義務教育というのは、全国同じような教育というのを子供たちがきちんと受ける、そのことを保障している。義務教育費国庫負担のところでも大いに問題になりました。ところが、今回の栄養教諭が発足をして食の教育というのがどんどん進んでいく。ところが、給食がないところではそれは置いてきぼりになっちゃうんじゃないですか。
 だから、やっぱりちゃんと中学校にも給食を行う、完全給食をする、そのことは本当に必要だと思うんですよね。それは設置者の責任ですなんと言うのは、やっぱり義務教育をきちんと考えているべき文部科学省としては失格という答えになるんじゃないかと思うんですね。このお答えを、お答えいただきたいんですが、大臣からも最後に一言、このことについて伺えたらと思います。
○副大臣(原田義昭君) 林先生から現状はよく説明されたところであります。数字だけ申し上げますと、小学校はほぼ一〇〇%給食が行われていると。中学校は大体、先生おっしゃるように、七割ぐらいは行っておるんですけれども、三〇%強、これがそうでないということでございます。
 御指摘のように、中学校の年齢というのは非常に、本当の意味の人生で食生活を確立する大事な年齢のようであります。嗜好の偏りが生じる、偏食の傾向ができるのもそのころだそうでありますし、また、部活やらする子供としない子供、その辺のそれぞれの生徒差、これもこの時期であります。また、人生の自己管理能力をしっかり植え付けなきゃと。
 そういう一つ一つ挙げますと、やっぱりこの三割の学校が給食していないというのは、これはやっぱり私どもは問題だというふうに考えております。それゆえに、完全給食を普及するといいますか、これを増進するというのは当然私ども行政の仕事でなければならない、こう思っております。
 ただ、一方、それも御指摘いただきましたように、学校給食法上はそれぞれの設置者が努めるという努力規定になっている。別にそれで逃げるわけじゃありませんけれども、それはいろいろ、それぞれの自治体、教育委員会にはいろいろな事情もあるようでありますが、私どもからすればこの辺の、教育委員会をしっかり指導するということと、仮に穴の空いているところはその近在の地域の市町村並びに学校から応援を頼んで穴の空いた部分をしっかり補てんするというようなこともこれから必要ではないかと思います。
 いずれにしましても、事の重大性を踏まえてしっかりこれについても取り組んでいこうと、こう思っているところであります。
○国務大臣(河村建夫君) 基本認識は、今、原田副大臣御答弁申し上げたとおりでございます。
 食育をこれから進めようという段階、特に義務教育段階においてやろうというわけでありますから、義務教育諸学校は学校給食を実施されるように努力義務的に規定はされておりますけれども、この食育を重視するならば中学校においてもいわゆる一〇〇%を目指して努力しなきゃいかぬ課題だと、このようにとらえておりまして、これから学校給食を持っていない義務教育段階のいわゆる中学校は食育をどういうふうに進めていくかということも協議をしなきゃなりませんし、学校給食抜きでこれができるんだろうかと、こういうことも提案をしなきゃならぬ、こういう状況下にあるんではないかなと私は思っております。
○山本正和君 大分長くなってきましたが、もう少し頑張ってほしいんですけれども。
 まず最初に、ちょっと栄養教諭の問題、一つだけ確かめておきたいと思います。
 今までと違うのは、はっきり教諭という名前で位置付けられていると。これは、学校教育法では教諭は教育をつかさどるとなっている、そのうちの一つとして栄養教諭と位置付けられている、こういうふうにも解釈できるんですけれども、だから、これは食を通じて教育を行う、こういう仕事を栄養教諭の皆さんはこれからおやりになるんだということが法律でも位置付けられたということだろうと思うんですね。それだけに、非常に重要な位置の転換であると。となれば、これはもう全国どこでも、そのことに対しては正に国の教育に対する方向付けということですから、一斉に取り組んでもらわなきゃいけないだろう。ところが、地域によっては条件の差等がありますから、栄養教諭になるについての資格を取るのに様々な違いがあってはならないと。
 問題は、昨日も質問したら、万全の体制を取るというふうに局長から答弁してもらったので安心はしているんだけれども、ちょっとお金のことを聞くのを忘れたものだから、だから、お金の方もひとつ万全の体制を取るように、文部科学省としては全力を挙げますということ、ちょっとここで確認しておきたいので、その答弁を欲しいんですが。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校栄養職員が栄養教諭に移行しますためには、栄養教諭免許状を取得していただかなければならないわけでございまして、その免許状を取得するためにはすべての都道府県教育委員会におきまして単位取得のための認定講習を実施していただく必要がある。この認定講習を円滑に実施するために、文部科学省といたしましては必要な財源措置の確保に努めたいと考えておるところでございます。
○山本正和君 努めたいという言葉をですね、ひとつこれはまた最後に大臣の方から決意を聞かしていただくことにいたしまして、これはこれで置いておきましょう。
 いわゆる、薬剤師の問題に変わっていきたいんですけれども、本当に長い間の懸案が、特に文部科学省は大変なお取り組みいただきましてここまで来たと。これは私も本当に、昨日も言いましたけれども、心から感謝したいと思っておるんです。
 やっぱり、医療というものは、本来、医者は診断をするというのが一番重要な任務だと私は思うんですね。要するに、お医者さんというのは人間と病気の関係についての専門家であると。ところが、薬剤師というのは人間と薬の関係の専門家なんだと。こういうふうなのがあって医療ができると私は思うんですね。だから、本来からいったら、日本の国の医療がゆがんだ原因がいろいろ言われています。例えば、薬が物すごく高いとか、ほかの国と比べて、薬価差益だとかいろんなことを言われたですね。これは、医療制度の中で、いわゆる薬剤師の位置付けがきちんとされていなかったというところに大変な問題があるように思えて私はならない。そういう中でここまで来て、薬剤師の、要するに、これは地位向上じゃなしに、私は実力の向上だと思うんですけれども、実力の向上に目をやって、そして、そこで医療を医者と一緒になって助け合いながら背負っていくという、その位置付けをしていったのがこの制度だろうと。
 したがって、例えば、六年制にしたらそんなに金掛かって就職口があるのなんてことをいう心配がありますけれども、私は逆だと思う。六年制にして、薬剤師が本当に力を付けたら幾らでも働く場所はあるんですよ。もっともっと働く場所はたくさんある。環境問題しかりですね。私どもは、私はもう五十年以上前の、五十三年も四年も前の薬剤師の試験を受けた記憶がありますから、それでも水質検査だとか薬局方だとか、それから、もう一番私の弱かった薬用植物学、それは漢方学、今日話が出た、生薬の話も出てくる。いろんなことを勉強したですよ。しかし、そんなものじゃない。今、もう大変高度な医療の中で、特に、薬というものが人間に与えるいろんな問題がある。それをどうやっていくかといったら、そんなもの四年制でやれるはずない、六年制にしなきゃいけないという中で来たわけですから、これは、私は非常にうれしい思いで一杯です。
 ですから、医療というものの在り方も、要するに、教育制度の中で文部省としてもここまで考えてきたんだと、こういうことについては、ひとつ大臣から一言いただきたいんですけれども、要するに、医療の在り方ということからいって、どうしてもやっぱり薬学教育は六年でなくちゃいかぬと、こういうことがその背景に一つあるんだということをひとつ大臣から御決意のほどをいただきたい。
○国務大臣(河村建夫君) もう山本先生からお答えを先にいただいたような気がいたしておりますが、正に今日の医療がこれだけ進んでまいりまして高度医療になってきた、そしてまた、同時に、医薬分業ということも出てまいりまして、きちっと薬剤師の位置というものも確実なものになってきておりまして、先生、地位向上より、いわゆる薬剤師の実力の向上だとおっしゃった。私もどういうふうに表現したらいいのかなと思っておりました。正に言葉を得たように思いますが、正にそういう時代に来ておる。
 それから、前にも一度お話ししました、世界の情勢はもうそういうところへ行っていて、日本は私は後れていると思いました。前にもお話ししましたように、橋本聖子先生が外国でけがなんかされたとき、病気され、ちょっとしたことのときに、医師と並んで薬剤師がそばにいて相談に乗っていたというような現状がある。こういう状況に日本が早く進んでいく必要がある。
 そういう意味で、六年制にして、そうしたことをきちっと身に付けていただくということが大事だと、こう思って、今日の、今回のこの法案提出、法改正と、こういうことになったわけでございまして、様々な役割が大変六年制になって実力が付いて期待をされる、それにきちっとこたえていただく。そして、今、現に薬剤師で頑張っておられる方々も、今度の後輩がそういう条件で出てくる、これに負けないような更に研さんを積んでいただけるだろうと、こういうことも併せて期待をいたしております。
○山本正和君 本当に大臣、随分御苦労いただきまして、また、随分造詣も深くいらっしゃるので安心していますが、ただ、ここで今日私この委員会での御質問、皆さんの御質問を聞いておりまして、山本理事さんからもお話がありましたけれども、本来からいったら、医療というものに携わる者が一遍同じ場所で勉強して、よし、おれは医者になろう、私は看護師になろう、僕は薬剤師になろう、私は歯科やろう、獣医やろうというぐらいにそういう共通の場があって、そして医療というものを支えるそれぞれの場に就いていくのがいいじゃないかというお話聞いて、私も非常に今日は感銘したんですけれども、そういう観点もあるなと思ったんですが。
 当面、当面、私がちょっと今度の法案の中で、本当に御苦労願ったわけですが、感謝しつつも思うのは、どうしてこういうふうに難しく法律案を作ったんだろうかということなんですね。意図は、明らかに医療の担い手としての地位も向上、実力も付けるというところに六年制があるわけですから、これはもうきちっとそこは通っているわけです。ところが、法律の文章の中で、ちょっと今までの法律にはなじまないような表現になっておるんですね。どういうことなんだろうと、私は。これはどうも、これは別に今これ反対するというんじゃないんですけれども、疑問として提起しておきますけれども。
 要するに、臨床を目的とするですか、ものについては四年制でなくて六年制ですよと、こういう言い方なんですね。そうすると、医学部というのはどうなんだろうと。医学部は六年制ですよね。六年制で卒業して、そして学士です、括弧医学と。薬剤師になる方も六年制卒業して学士、括弧薬学と書くと。ところが、従来ともにいろんな経過があって、工場へ行ったり、研究者になったり、いろんなところで働く人もおるし、そういう人もおるから四年制でもって早くそういう分野でも勉強できるようにするために薬科学というのを置くと。四年制出た者は学士、薬科学と書くと。そして、それから修士課程へ行って、これ卒業したら、二年で六年ですよね、修士薬科学とまた書くと。こんな複雑怪奇な制度というのは、これは我が国だけじゃなしに外国にもないんじゃないかと私は思う。なぜこうなったんだろうかというのはこれは不思議で仕方ないです。これは、後いろいろと事務局から聞きまして御苦労のほどは分かって、やむを得ぬだろうとは思っていますよ、今。
 しかし、こんなことを言ったらおかしいんですけれども、例えば、大学の法学部を出て法律学を本気になってやる人は、それじゃ弁護士か検事か裁判官以外にならぬのかといったらそうじゃないですよね。いろんなところへ行くんですよ。また、いろんな研究分野もある。しかし、全部、法学士ですよね。
 私は、同僚で京都大学の理学部、数学を出たやつがおる。これ、高校の教員になった。また、中には大学の教授になった者もおりますよね。しかし、生命保険会社へ入って、初めは結構やっておったけれども、そのうち営業に回ったやつもおるんですよ。いろんな者おるんですよね。
 しかし、それをなぜわざわざここだけ、要するに臨床を専らとするのだけを薬学部として、そうじゃないものは四年制の薬科学と、それで二年制の薬科学と、こんなことをここでなぜ書かなきゃいけないかと。なぜ薬学部で出た者が、同じ薬学部の中で選択できるわけですからね、四年たって、おれはどうも薬剤師になるのは嫌だから研究するよと。例えば、こんなこと言ったらおかしいけれども、他の科学に、応用科学に変わるよと。こういう人がおってもいいわけですよね。なぜこんなことをしたんだろうかと。
 これはもう御苦労話は聞きましたから、理由はよく分かった。理由はよく分かった。しかし、おかしいということは今日は指摘しておかぬことにはこれは具合悪いので、私は指摘をしておきたい。
 そして、もう一つ言いますと、文部省というのは、日本の教育体系について全体を統括するというか責任を持つ機関なんですよね。責任を持つ機関として様々な調整があっても、それはいっときは仕方ないといっても、本来あるべき姿に向かってちゃんと是正していくというのが政府の役割だというふうに思う。
 そういう意味で、これはやっぱりこの今度のこればっかりに限りませんけれども、また、実際に大学制度の中に名称も含めていろんなひずみがあるように見えてならないんですよね。そういう全体のひずみを直す中としてでもいいから、この問題については今後も十分な検討を加えていく、こういうおつもりがおありになるのかないか。できたら是非、そういう気持ちがあると、こう言っていただきたい。
 このことを一つお願いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) この問題、御説明をお聞きになっておられますから、もう御承知だと、こういうことでありますが、一つは薬学部を出られた卒業生の皆さんの進路を調査したということ、それによって、医学部の方とか歯学部の方等、ほとんどもう九割、十割、一〇〇%近く一医師になっていかれる、歯科医師になっていかれる。これは薬剤師の率というものはそんな高くない。そうするとほかの道もある、その道をということで、これは相当議論があったところではございますが、今回そういう議論を踏まえてこの制度を残しました。
 しかし、これがその目的というものがきちっとそのとおりうまく動いているかどうか、達成されているかどうか、これはやっぱり検証しなきゃならぬと思いますね。今の四年制から途中で更に学んで薬剤師の道もまだ今、現状は開かれております。これは進学する方々への配慮も考えておりますが、これは六年後にはなくなっていくという段階でございます。私は、その段階で、この制度がきちっとこういう目的でやったと、その成果が出ているかどうか一度検証した上で考えるということも必要になってくるであろうと、このように考えております。
○山本正和君 ひとつ、私もこの問題での質問はこれで終わりになりますが、何とかひとつ、日本の医療制度のあるべき姿ということと大学というもののきちっとした形態ということを含めてお取り組みいただくことを最後もう一遍重ねて要請いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○国務大臣(河村建夫君) 正に医療全体をこれから考えていかなきゃなりません。今日の議論の中で鈴木寛先生がメディカルスクールという、いわゆる専門職大学院の御指摘もございました。これ正に、この問題にまで一遍に行くべきではないかという議論も当然あったわけでありますが、専門職大学院制度ができたばかりで、やっとロースクールが達成いたしました。この状況を見ながら、恐らく医療関係に携わっている皆さん方もいろいろお考えになる、また大学側もいろいろ考えて、既に私学ではメディカルスクール構想が出ておりますから、いわゆる国立大学法人においてもトータルとしてそういうものを考えていく、その中で医療の全体の質を上げていくということが当然私はこれからの課題になってきて、恐らく取り組んでいただけるときが遠からず来ると、このように考えております。
○委員長(北岡秀二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 学校教育法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北岡秀二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、鈴木寛君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木寛君。
○鈴木寛君 私は、ただいま可決されました学校教育法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    学校教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、学校栄養職員及び栄養教諭の給与費については、国の責任において確保するとともに、適切な処遇等を維持するよう配慮すること。
 二、全国の義務教育諸学校等において、食に関する指導等が充実するよう、現行の定数改善計画を進めるとともに、引き続き適切な配置基準の下、学校栄養職員と栄養教諭について必要な定数を確保するよう努めること。
   特に、学校給食未実施校、共同調理場方式による学校給食実施校等における食に関する指導についても、遺漏のないよう十分留意すること。
 三、前項による必要な定数の確保の努力とあいまって、栄養教諭への移行が円滑に進められるよう、学校栄養職員が栄養教諭免許状を取得するための認定講習等の機会の確保に努めること。
 四、学校給食の管理と食に関する指導を一体的に行うことを任務とする栄養教諭の制度を確立するため、栄養教諭が食に関する指導を行うに当たっては、学級担任、教科担任等と連携し、学校全体として取り組むとともに、家庭や地域社会とも連携・理解を深め、より効果的な指導を行うよう努めること。
   あわせて、食教育の充実の観点から、学校給食を身近な生きた教材として活用し、また、食材・給食の衛生管理の維持・強化を図るため、給食調理現場の充実に努めること。
 五、栄養教諭及び学校栄養職員の資質能力の向上のため、新規採用者研修、経験者研修等の機会の確保及び内容の充実を図るとともに、他の教職員についても、食に関する理解を深めるための研修等の充実に努めること。
 六、学校栄養職員については、現在行われている学級担任、教科担任との連携、特別非常勤講師として実施している学校給食指導の充実を図るとともに、研修の機会の確保等にも十分配慮すること。
 七、栄養教諭養成のための大学等の教員養成課程を整備するとともに、教員養成課程を置く大学等と栄養士養成を行っている大学等とが連携し、栄養教諭免許状の取得が可能となるよう努めること。
 八、薬学教育の修業年限延長の目的である医療薬学教育の充実のため、医療機関、関係行政機関等の理解と協力を得て、各大学における指導体制の整備、教育・実習施設の確保等に努めること。特に、長期の実務実習の受入れのための指導者及び施設の確保について配慮すること。
   また、学生の実務実習に必要な基本的な能力の向上と教育・実習施設における受入れの円滑化を図るため、共用試験の導入等についても検討を更に進めること。
 九、四年制と六年制の学部・学科が並立することにより、受験生に混乱が生じることのないよう、両学部・学科の目的、内容の違いについて十分な情報提供を行うとともに、転部、編入学等の制度も活用するなど、制度の弾力的運用と多様な人材の受入れに努めること。
 十、第三者評価体制の整備を進めること等により、高度化する薬剤師の職能を支える基礎教育及び実務で要求される知識、技能、医療人としての倫理観、薬剤師としての責任感等が養えるような質の高い教育の維持向上を図るよう留意すること。
 十一、医療技術の進展等の状況を踏まえ、現に薬剤師の資格を有している者に対し、生涯にわたり学習する機会が拡充されるよう配慮すること。
 十二、薬学教育の修業年限延長に伴い、学費の負担が増加することから、大学への財政的支援や奨学金制度の充実に努め、経済力の差が進路選択及び学業の成就に影響を与えないよう配慮すること。
 十三、薬学の充実・強化に当たっては、生命科学の進展、医療の高度化に対応し、大学、民間研究機関等において、国際競争力を持つ創薬等の研究開発を担う人材の育成に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
○委員長(北岡秀二君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北岡秀二君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、河村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河村文部科学大臣。
○国務大臣(河村建夫君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分留意いたしまして対処してまいります。
 ありがとうございました。
○委員長(北岡秀二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北岡秀二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十九分散会