第159回国会 厚生労働委員会 第4号
平成十六年三月二十四日(水曜日)
   午前十時五分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         国井 正幸君
    理 事
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                遠山 清彦君
    委 員
                有村 治子君
                金田 勝年君
                佐々木知子君
                斎藤 十朗君
                田浦  直君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                宮崎 秀樹君
                浅尾慶一郎君
                朝日 俊弘君
                大脇 雅子君
                柳田  稔君
                山本 孝史君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                福島 瑞穂君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       法務副大臣    実川 幸夫君
       厚生労働副大臣  谷畑  孝君
       厚生労働副大臣  森  英介君
       農林水産副大臣  市川 一朗君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  山下 英利君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       総括審議官    安藤 隆春君
       総務大臣官房審
       議官       久保 信保君
       総務大臣官房審
       議官       山口 勝己君
       法務大臣官房審
       議官       山下  進君
       国税庁課税部長  西江  章君
       文部科学大臣官
       房審議官     樋口 修資君
       文部科学大臣官
       房審議官     高塩  至君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省医薬
       食品局長     阿曽沼慎司君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       高橋  満君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    塩田 幸雄君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       辻  哲夫君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       社会保険庁運営
       部長       薄井 康紀君
       国土交通大臣官
       房審議官     谷口 克己君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十六年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十六年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (厚生労働省所管)
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○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 去る二十二日、予算委員会から、本日一日間、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
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○委員長(国井正幸君) まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長田中慶司君外十八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(国井正幸君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○南野知惠子君 ありがとうございます。自民党の南野知惠子でございます。
 少子化は、雇用や年金を始め、我が国の経済、社会保障、福祉に大きな影響を与える重要な問題であると同時に、少子は、兄弟姉妹や子供同士の交流機会の減少などにより、豊かな人間関係の形成や健やかな心身の成長上の問題発生の可能性もあり、次世代育成支援対策は極めて重要であると思います。その取組は、国や地方自治体のみならず、保育園、幼稚園、学校、NPOや企業を始め社会全体での多様な取組が必要であります。さらに、今日、親になろうとする世代への支援や教育も重要であり、本日はこのような問題意識に立ち、子供の育成をしっかり支える観点から幾つか質問をさせていただきます。
 まずは子育て支援基金についてでございますが、自民党の宮下創平先生、そして故山中貞則先生が税調御担当のときに、私は労働部会長として子育て減税をと論じましたが、それは税制になじまないとの観点でした。が、形を変えて子育て支援基金の創設に結び付けることができました。
 基金は、地域に根差した子育て支援、青少年健全育成の推進を図るために、まず平成十年に九百億、次いで平成十二年に四百億円が追加されたと記憶いたしますが、有効に活用されている現在の実施状況について簡単に御説明願います。
○政府参考人(伍藤忠春君) お尋ねのありました子育て支援基金でございますが、平成十年度に当時の社会福祉・医療事業団に創設をされて、現在、基金総額は一千三百億円に達しております。
 この事業といたしましては、子育て支援、青少年非行防止あるいは健全育成と、こういった目的の事業に助成をしておりまして、その対象は広く、NPOあるいは公益法人、社会福祉法人など民間団体を広く対象にしておるところでございまして、十五年度の助成実績は三百六十八件、額にして約十四億円に上っております。
 こういった地域に根差したニーズをきめ細かくすくい上げて、行政でなかなか実施をできないようなところをきめ細かく実施をしていこうということがこの基金のねらいでございますので、今後ともこういった事業の充実、そういった面から私どももまた取り組んでいきたいというふうに思っております。
○南野知惠子君 是非、せっかく積み上げたものでございますので、有効活用をお願いしたいというふうに思っております。
 次は、十代の妊娠中絶についてでございますが、我が国の合計特殊出生率は現在一・三二と言われておりますが、実際何人誕生しているのと聞いても、なかなか人は理解していないようでございますが、平成十四年は百十五万四千人、さらに平成十五年は百十二万一千人と。子供は親を選べないと言われているように、生まれてこれない命があります。産科医の登録によるものですが、二〇〇〇年の人工妊娠中絶は三十四万件、そのうち十代の件数は四万五千件もあります。未成年の女性の心身に重大な影響を与えており、母性保護の観点からも看過できない問題でございます。
 さらに、性行動の活性化は、クラミジア感染の増加の反復、その傾向も示し、そのことは女性を不妊に導くということでもあります。それは少子化に拍車を掛けることにつながりかねません。また、性感染症はエイズ感染の危機も招きやすくしております。
 十代の性に関する状況について、厚生労働省の認識及びその後の取組について、副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(谷畑孝君) 南野先生、厚生労働の副大臣も私の先輩でもありますし、また厚生労働のジャンルのプロであるということで、私自身が答弁するのが非常に恥ずかしく思いますけれども、答弁でございますので、少し述べさせていただきたいと思います。
 この十代の性ということにつきましては、やはり快楽を中心とした性のはんらんといいましょうか、またインターネット等を含めて援助交際だとかそういう様々な状況の中に置かされておると、このように思っておるわけであります。本来なら、やはり家庭がしっかりして子供との対話がしっかりしていると、こういうことがそういうものを防げていけると私は思っているわけでありますし、また学校教育においてもしっかりとそういう性教育というものが行われておるということ、そういうことも非常に大事じゃないかと思っております。
 しかし、いずれにしましても、先生が指摘しましたように、人工妊娠中絶の実施率というのが十代におきましては非常に高くなっておりますし、また性感染症の罹患率が非常に増加しているということは、これはやっぱり放置できないと、このように思っております。
 厚生労働省といたしましては、平成八年度から思春期クリニック事業を開始し、現在、全国で十八か所において思春期相談や望まない妊娠に関する相談及び情報の提供をしておるところでございます。また、平成十二年度におきましては、母子保健分野の国民運動計画ということの中で、十代の人工妊娠中絶実施率あるいは十代の性感染症罹患率を低減する具体的目標を掲げて、国はもとより各自治体、医療機関など関係者を挙げて積極的に取り組んでおるところでございます。また、厚生労働科学研究所におきましても、そのジャンルについての研究をし、調査をしておるところであります。
 今後とも、十代の性にかかわる問題に適切に対応をしっかりとしてまいりたいと、このように思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 我が国の看護職の中には受胎調節実地指導員という役割を持った人もおりますので、ただ避妊に関連するということだけじゃなく、リプロヘルスの問題についてもその活用をということをお心掛けいただきたいと、そのようにも思っております。
 次に、子供の性育ということについて文部省にお伺いしたいんですが、子供たちに正しい性に関する知識を教え、命の大切さ、人としての慈しみ、友達や相手を尊重し大切にすることなどを理解させるには、今も副大臣がおっしゃられましたように、家庭はもとより学校教育においても欠かせないと思いますが、心身の発達、発育を専門的に理解している養護教諭の活用が重要と考えます。子供の発するSOSをキャッチできる看護を学んだ養護教諭の配置についてどう認識し、取り組んでおられるのか。
 養護教諭の環境改善に取り組んできた者として、現在、八百人以上の生徒がいる学校には複数の養護教諭の配置というふうになっておりますけれども、今後、子供の目線に合わせて、その改善策につきまして、いつごろ、またそれについてどのように取り組んでいかれるのか、その御計画をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、養護教諭は、専門的知識を持ちまして児童生徒の健康管理に当たるとともに、児童生徒の心身の健康に関する指導に当たる教育職員ということで、性に関する正しい知識を教えたり悩みの相談に乗るなど、その果たす役割は重かつ大なものがあると、こういうふうに認識をしております。
 このような養護教諭の重要性を踏まえまして、養護教諭定数につきましてはこれまでも計画的に改善を図ってきたところでございますが、従前以上に、様々な場面で専門性を生かした相談活動等が養護教諭によって展開される必要があるということを私どもも認識しておりまして、平成十三年度からの第七次の教職員定数改善計画におきましては、例えば、今委員御指摘がございましたが、中学校では現行三十学級以上を、二十二ないし二十五学級相当の八百一人以上に養護教諭を複数配置するなどのこの複数配置基準を引き下げるなど、養護教諭の複数配置を進めることといたしておりまして、平成十七年度までの五年計画で全体として養護教諭を九百七十四人分改善をさせていただきたいと思っているわけでございます。
 我が文部省といたしましても、厳しい財政状況ではございますが、まずは、この教職員定数改善計画の中でしっかりと養護教諭につきまして改善を図ってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○南野知惠子君 十七年度までという生ぬるいことをお考えになる間に子供たちは悩んでおりますので、もっともっとそのスピードを上げていただき、毎年採用をきちんと計画していただければ、そこら辺の年数のロスはない、子供の命は守れる、そして心身の教育に携わることができるというところについても是非御努力いただき、その御努力をスピードアップしていただきたいと、そのように思っております。
 さて、今朝の新聞を見ました。これは、性的虐待、六割が父親からということでございます。私が申し上げたいのは、親業の大切さということでございまして、虐待に、未熟なままの状態で親になってしまった人たち、これは虐待にもつながる場面が往々にして見られます。将来の親となる世代が子供と触れ合う機会を設けるなど、子供や家庭の大切さを理解するような取組も、虐待の予防の観点からも重要と考えます。
 そこで、申し訳なかったんですが、大臣、含蓄ある、この性的虐待、六割が父親からということについて、何かお言葉をいただければと思います。女性はこういう問題についてどんどんどんどん検討しておりますが、男性のマインドが変わらない限り、性的虐待はなくならないというのが私の信条でございますので、どうぞ殿方、お変わりになっていただきたいという願いも込めております。
 大臣、よろしくお願いいたします。簡単でよろしゅうございます。
○国務大臣(坂口力君) 突然の御質問でございますが、私自身のことを申し上げて恐縮でございますけれども、私、結婚いたしまして長女が生まれました。そうしましたときに、私の友人が、女の子が生まれたら父親の考え方は変わるというけれどもそうかということを言った人がおります。それは、自分の子供が女の子が生まれて、そして成長したときに、世の男性から正しく接してもらいたいといいますか、そういうことを願うと。自分が今まで女性に接してきた姿勢が正しかったかどうか、間違いがなかったかどうかということを反省をする、あるいはこれから考え方を変えていかなきゃならないというふうに父親は思うものだということを意味するんだろうと私は思っております。
 それは父親として非常に健全な考え方ではないかというふうに思っている次第でございまして、そうした意味からいいますと、今日新聞に出ておりますのが真実なのか、それとも多少誇張されたことなのか、よく分かりませんけれども、しかし、そういうことが起こっているということ、事実はもう間違いのないことなんだろうというふうに思いますから、大変残念なことだというふうに思いますし、これも一つの家庭破壊と申しますか、その一部のように思えてなりません。
 したがいまして、そうしたことを健全な家庭に直していくための努力というのは一体何を積み重ねていったらいいのかということを、もう一度やはり考え直すときに来ているんじゃないかというふうに私は今思っております。
○南野知惠子君 本当に含蓄のある御答弁であり、これは全国の人に聞いていただきたいと思うほどの心に響いたものでございます。
 今は、子供を産むことが結婚より先になっているケースが多うございます。そういう中で、自分の将来、自分の家庭、自分の子供、そういうものを二人で検討する期間を省略しているのかなと。そこら辺にも問題があるのではないかなと思いますので、悪い言葉で言えば、できちゃった婚ということよりも、ちゃんとそのプロセスを踏みながら、自分の将来を検討してくださる若者が増えてくださることを願っているところでございます。
 次は、HIV感染者に対する不妊相談でございますが、エイズの動向委員会の報告として、平成十五年九月二十九日より平成十五年十二月二十八日までの感染症法に基づいて報告されたものでありますが、新規エイズ患者数は百六件、新規HIV感染者数は百九十四件で、若者及び二、三十代の方々にエイズの発症は増加しております。
 最近、看護協会の不妊相談窓口があるわけですが、そこに寄せられた言葉の中に、夫は感染症であるけれども私は感染していない、自分は不妊治療を受けたいんだけれども、子供への影響がないかどうかということの質問でございました。このような相談数例は少ないでしょうけれども、もうエイズということが一般、我々の身近にもう質問として出てくるような状況になっているということについて、厚生省はどのように取り組んでおられるのかお伺いします。
○政府参考人(田中慶司君) 厚生労働省といたしましては、エイズ予防指針に基づきまして、HIV感染者、エイズ患者及びその家族など、不安を抱えている者に対しまして、その社会的、精神的な問題の軽減に寄与するとともに、感染者等の日常の健康管理に資するために、エイズ予防財団あるいは全国の保健所、エイズの治療拠点病院等におきまして、性感染症に対する相談あるいは妊娠時の相談といった様々な保健医療相談サービスを実施しているところでございます。
 それから、女性への二次感染を防止するということで、妊娠に伴う女性への二次感染を防止するために、人工授精あるいは体外受精、胚移植を含めました妊娠や出産の効果と安全性につきまして、現在、厚生労働科学研究にて検討しているところでございます。
 安全な不妊治療というものはいまだ確立したものとはなっておりませんけれども、そのためにエイズ対策研究事業を是非推進したいというふうに考えております。と同時に、HIV感染に対する不安を抱えている者に対しましての相談体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○南野知惠子君 エイズの課題は、開発途上国の課題のみならず、もう我が国の課題としてお取組を願いたいと、そのように思っております。
 次は、周産期医療体制の整備についてでございますが、少産現象によりまして今展開されている産科病棟が他科との混合病棟化しております。より感染に敏感でなければならない産科の病棟でいろいろな他科が、他の科が混在しておりますので、不安を感じているところでございます。
 またあわせて、病院には助産師の定数がございません。看護職の定数はございます。それの定数の必要性も私個人痛感しており、母子医療の安全という観点から是非これから御検討に入っていただきたい、もうそのことを痛感いたしております。
 家族のきずなを強める効果を最も発揮する母体と胎児を守る周産期医療体制の充実は必須の施策であるというふうに思っておりますし、子供の誕生と同時に新しい父母の誕生でもあります。未熟児、障害児対策のNICUやM―FICUの改善充実。施策として、機械や整備、小児科医療対策の予算立てや業界間の連携なども大切な課題だと思います。
 そこで、高度な周産期医療を行う医療機関と助産所の連携、顧問医と助産師との関係など、安全性を含め体制の整備が重要であると考えますが、安全確保やケアの質の向上の観点から、厚生労働省のお取組をお聞きいたします。
○政府参考人(伍藤忠春君) 周産期医療体制の整備は大変重要な課題であるということは御指摘のとおりでございまして、私どもも、こういった高度な周産期医療を行う施設と助産所あるいは一般の産院との間の周産期医療ネットワークを構築をすると、こういった事業を行いますとともに、こういったネットワークの中核となる高度な総合周産期母子医療センター、こういったものの整備に今まで取り組んできたところでございます。
 さらに、御指摘のございましたこの周産期医療施設と助産所との連携ということでございますが、大変重要な視点でございますので、私どもの研究事業の中で、平成十四年度に、助産所における正常分娩急変時のガイドライン、こういったものを作成をいたしまして現在普及に努めているところでございます。
 こういった成果を踏まえながら、高度な周産期医療施設と一般の産院あるいは助産所、こういったところとの適切な役割分担、こういったことが進められて、いわゆるいいお産というものに結び付くようにこれからも努めてまいりたいというふうに思っております。
○南野知惠子君 大変心強い御答弁いただきました。
 現在存在しているマンパワーをフルに活用し、今、児童虐待等が散見している中では、是非そういう方々の活躍ということも広く御計画いただきたいと思っております。ありがとうございます。
 続きまして、食育の問題でございますが、子供たちの健やかな心身の育成には、乳幼児期からの食の大切さを意識しております。豊かな食体験を積み重ねていくことが不可欠であると思いますが、その一方で、規制緩和の論議において、保育所の調理室の必置規則を撤廃すべきだとか、調理室をなくそうとか、給食センターからの注文でいいんじゃないかというような議論がありますが、保育所の調理室の在り方、食育の重要性についてのお考えなどについて、また含蓄あるお言葉を大臣からいただきたいと思っております。
○国務大臣(坂口力君) まあ保育所の調理室につきましてはいろいろな御意見のあるところでございます。できるだけもうそれは外注でもいいのではないかというようなお話もあるわけでございますが、最近のように保育所に入るお子さんの年齢も様々になってまいりました。ゼロ歳児などもございますし、あるいはお昼だけではなくて夕食も保育所で食べさせなければならないというケースも出てきているわけでございますので、そこはやはり、この保育所というものが離乳なら離乳食をどのようにこの子には食べさせていったらいいのかというようなことも含めて、知恵を絞らなきゃならない保育の一部に私はなってきているのではないかというふうに思います。一律に昼食を食べさせればいいというような状況からかなり変化してきているというふうにも思いますから、今後更にそうしたことになってくれば、やはり保育所の中にこの調理室ぐらいはやはりあって、その中でやっていくということがやはり私は大事ではないかというふうに思っております。ただ、何と申しますか、経済的にどうこうというだけの話ではないんだろうというふうに思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 子供たちにとりましては保育所も家庭の延長でありますので、家庭的な雰囲気をそこで作り出していきたいというふうに思っております。大変ありがたいお言葉でございました。
 次はDV対策でございますが、子供の健全育成を脅かす問題といたしまして配偶者からの暴力の問題がございます。それは単に夫婦間の問題ということにとどまらず、その子供たちにも深い傷を残すものであるということで、このたびの児童虐待の側面もあることから、児童虐待防止法改正案に、DVは子供たちの問題でもあるとの視点がとらえられ、DV被害者の保護、支援に当たっても子供に対するケアが重要であるということがございますが、それはこのたびのDV法改正案にも盛り込んだところでございます。
 法改正案にも連携し、厚生労働省としては、健康保険証の分離、これDVに関してでございますが、婦人相談所、一時保護所への同伴乳幼児の対応を行う保育士、指導員を、また心のケア対策として、婦人保護施設への心理療法担当職員を配置するなど、予算面の内示もいただきました。これについては大変な感謝でございますが、DV関係には民間支援が欠かせません。最も苦しい時期を過ごすシェルターや被害者の自立支援の充実を望んでいるわけでございますが、一時保護委託に要する予算とその配分に配慮されていることと思いますが、シェルター維持が困難になっているということも聞きます。これに併せて御所見を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) DV被害者の保護の充実のために、平成十四年度から、この一定の要件を満たします民間シェルターも含めた施設に一時保護を委託、婦人相談所から一時保護を委託をすると、こういう仕組みを作ったところでございます。この実績を見ますと、昨年の三月現在で民間団体三十三か所を含めて百二十か所が指定をされておるという状況でございまして、一時保護委託件数も、十四年度の上半期四百一件、下半期六百八十五件と着実に増加をしておるということでございます。
 この委託につきましては、必要な予算額を確保し、その委託をした施設においてDV被害者及びその同伴の乳幼児等が当面の生活あるいはその後の生活を考える、そういったことに、必要な生活が送れるような所要額を確保しておるところでございまして、十六年度予算案についても十分な予算を確保しておるということでございまして、これが余り活用されることが望ましいことかどうかはともかく、できるだけこういった施設の運営に支障がないように配慮していきたいというふうに思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 DV被害が増えるということは、これは本当に悲しいことであろうと思います。少子社会における児童虐待、高齢社会における高齢者虐待、そしてその中間における夫婦間においてもDVという問題点について我々悩んでおりますが、このようなシェルターの保護、維持ということもよろしくお願いしたいと思っております。
 次は、中医協に関連する件でございますが、中医協の審議メンバーとしてやっと看護職の参入が可能となりました。これ、議席を得らせていただいて以来、歴代厚生大臣に質問させていただきました。小泉総理大臣や坂口大臣の御尽力によることをまず感謝申し上げます。
 中医協に代表を出させていただき、ハイケアユニット入院医療管理料に関してなど早速御評価をいただいたことは、我々、やっぱり中医協に入らせていただいて良かったねということで、これがますます患者様方の方向に向いたいいケアにつながっていくことを願っているわけでございますが、それに関連する医療依存度の高い患者の在宅医療の推進についてでございますが、訪問患者の対象者で、医療依存度の高い患者さんに対してこれまでは必ずしも十分な訪問看護の提供体制が整備されていなかったというような実態がありますが、診療報酬上もこれまで同一日に二回までの訪問看護の評価がなされていましたが、気道確保のための喀たん吸引など呼吸管理を目的として三回以上の訪問看護の必要な場合もございます。
 在宅医療を推進する観点から評価の充実が求められているところでございますが、そこでお伺いしたいのですけれども、訪問看護ステーションの設置数についてはゴールドプラン21において一万か所という目標が掲げられておりますが、五千か所から以上足踏み状態にあると思います。在宅医療推進の観点から重点的な取組の必要を感じておりますが、平成十六年度診療報酬改定においてはどのような改定を行っていただけたのか、お伺いいたします。
○政府参考人(辻哲夫君) 平成十六年度の診療報酬改定、これ、この際、在宅医療の推進が一つの重点項目となっております。
 特に訪問看護につきましては、末期がんや神経難病等の言わば医療依存度の高い患者さんに対する一日複数回の訪問看護の評価を充実いたしまして、具体的には、御指摘ございましたけれども、一日二回訪問した場合の点数を相当引き上げるとともに、一日三回以上訪問した場合の点数も新設されております。また、訪問看護師等が在宅点滴注射を行った場合についてそれを評価するという観点から、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を新設するとともに、訪問看護の加算対象にこの指導料の算定患者を追加しております。またさらには、精神科訪問看護・指導料につきまして、看護師等が複数で訪問した場合を評価して加算を新設すると。
 こういった様々な対応をいたしておりまして、今後とも、訪問看護、在宅医療の推進に努めてまいりたいと思います。
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 やはり厚生労働省が掲げて推進したいという在宅訪問、それの充実が見られることは、高齢者にとっても、また障害をお持ちの方にとっても大変安心する出来事ではないかなと思っております。そういう観点の中から、看護職も十分に活用していただき、また安心、安全のためのケアを在宅で提供していただける場を十分に確保していただけるものと思っております。
 次は、介護保険の見直しについてでございますが、被保険者の範囲の拡大、これが障害者施策との関係と併せて検討課題の一つとされているところでございますが、我が国は少子高齢者が同時に推進している今日であります。重要な課題を抱え、子育てに今苦労をしている現役世代に介護保険料の負担を求めることについては、若年者にとってまだまだ先のことだと思われる課題であり、これは理解しにくいことと思っております。
 被保険者の範囲拡大の検討に当たっては、子育て世代も含めまして意見を十分聞きながらの検討が必要と考えますが、厚生労働大臣の更なるお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 介護保険につきましては、来年の国会におきまして御審議をいただく予定になっておりますし、そのための案と申しますか、政府案というものを固めていかなければならないわけでございます。今年の夏ごろには厚生労働省としての考え方をまとめて、そして皆さん方の御意見を伺うということになってくるのではないかというふうに思っております。
 そのときに、今御指摘いただきましたように一番問題になってまいりますのは、介護保険がこれだけお受けをいただきます皆さんが非常に多くなってまいりまして、これは非常に結構なことだというふうに思いますが、ただ、それには財源が必要になってくる、更なる財源が必要になってくる。さりとて、現在御負担をいただいております高齢者を含めまして皆さん方がお出しをいただきますこの保険料というのには限界がある、あるいは限界に近づきつつあるといったようなことがございます。それに加えまして、同じ介護を必要な障害者の問題を同じにこれから進めていくのか、それとも障害者の問題は別途進めていくのかという大変難しい問題もございます。
 それらのことを全体的に考えてこの夏には結論を出さなければならないんだろうというふうに思っておりまして、鋭意今検討を続けているところでございますが、この介護のことを考えますときにも、年金のことを考えますときにも、全体としての、この社会保障制度の全体としてどのように国民の皆さん方にお願いをしていくのかということをやはり念頭に置きながら決めていかなければならないというふうに思います。いわゆる保険制度として皆さん方にお願いをします範囲と、いわゆる職域で連帯をして皆さんにお願いをする部分と、そうではなくて、もう少し幅広く国民全体のこの連携の中でお受けをいただかなければならない、お受けと申しますか、全体で支えていただかなければならない問題、そうしたところを少し峻別をしながらお願いをしていくということが大事ではないかというふうに思っております。
 そうした立場から、お若い皆さん方に御理解をお願いをしなければならない部分と、お若い皆さん方にばかりお願いをしてはいけない部分と、そうした部分があるということも十分わきまえて進めていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○南野知惠子君 大変審議のためには神経をお使いのことだろうと、本当に思いますけれども、どうぞ、何分、高齢者、弱者、若い者もいるこの世の中でございますので、よろしくお取り計らい願いたいと思います。
 さらに、今、厚生労働省とともに高齢者虐待防止というような問題についても検討させていただいておりますが、過去に六回ほど勉強会をさせていただき、さらにまた、高齢者虐待防止学会というのが日大の先生の下に作られ、そしてまた、今、厚生労働省では家庭における高齢者の虐待ということの全国調査をされており、三月にまとめができるということをお伺いしております。我々は有志で検討会を作っておりますので、そこら辺の受皿というようなところも十分に発揮させながら、もし法律が必要であればというところの受皿ができていることも追加御報告申し上げ、本日の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○森ゆうこ君 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今国会は年金国会と言われているわけですけれども、私の政治参画の動機は、低成長の少子高齢、しかも人口減少社会、もう今までの古いシステムは役に立たない、新しいシステムに作り変えて、そしてこれからの子供たちに明るい未来を手渡したい、これが私の政治参画の動機でございます。その意味で、これからのこの厚生労働委員会の審議を通して、そのことに少しでも役に立ちたいという決意でございます。
 まず、この数日、大変世間をにぎわせております江角マキコさんのCMについて何点か確認させていただきたいんですけれども。これは、国民年金の保険料の未納率ということが大変問題になっておりまして、社会保険庁が国民にその納付を促すということで、若い人たち、幅広い年代に大変人気のある、すばらしい女優だと思いますが、江角マキコさんを起用してCMを作った。ところが、肝心のその江角さんが保険料の未納者であったということが分かったわけです。
 なぜこのようなことになったのでしょうか。社会保険庁にまずは経緯をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(薄井康紀君) 社会保険庁におきまして、今年度の年金広報のキャラクターにタレントの江角マキコさんを起用するに当たりましては、広告代理店を通じまして国民年金保険料の納付状況の確認ということを求めたわけでございまして、それを受けて起用ということになったわけでございます。その際、広告代理店からは納付をしている旨の回答がありまして、それを私ども信頼をして起用に至ったと、こういうことでございます。
 ただ、今回、マスコミ関係の方から未納者ではないかという取材を受けまして、改めて広告代理店を通じまして事実を確認いたしましたところ、三月十九日になりまして未納者である旨の回答がございまして、私どもしては、やはり国民年金に対する信頼を確保し、保険料納付に結び付けていくための広報であるということを考えますと、やはり適切ではございませんので、広告代理店の報告が適切でなかったということに対しまして憤りを覚えますとともに、広告代理店それから所属事務所に対しましては厳しく抗議をしたところでございます。
 いずれにしても、結果として未納者でありますタレントを起用してしまったということにつきましては、もっと注意深く納付状況を確認すべきであったというふうに反省をしているところでございます。
○森ゆうこ君 そうすると、今回のタレントの保険料の未納という問題は広告代理店に責任があるというお考えですか。
○政府参考人(薄井康紀君) 私どもとしては、広告代理店の方から、国民年金に加入しており保険料を納めているということの確認を取ったわけでございます。広告代理店は、更に当該タレントの所属事務所に確認をされたということであろうかとは思いますけれども、私どもとしては、どこに責任があるかという御議論ではございませんけれども、広告代理店の方から聞いたものを信頼してやったということで、そういう意味では、広告代理店に対しましてまず一義的に抗議をさせていただいたと、こういうことでございます。
○森ゆうこ君 保険料が納付されているか、されていないのか。国民全体もそうですけれども、そのことを把握するのが社会保険庁のお仕事ではないんでしょうか。
 それで、広告料といいますか、このCMに使った費用は総額お幾らでしょうか。
○政府参考人(薄井康紀君) まず、費用の方からお答え申し上げますと、夏の年金広報、これは昨年の七月に実施をいたしましたけれども、二億四千六百万円でございます。それから、秋の広報でございますけれども、約三億八千万円ということでございます。なお、年度末にも広報を実施をするということでございます。
 それから、今、御指摘で、社会保険庁におきまして年金の記録、加入記録、納付記録というふうなものの確認ができたのではないか、するべき立場にあったんではないかということがございましたけれども、確かに私ども、当然、年金の記録管理というのを給付のためにやっておるわけでございますが、基本的には個人に関する情報ということでございますので、プライバシーの保護という点もございます。そういうことで、私どもとしては広告代理店から報告がございましたことを信頼をして今回はしたということでございますが、結果として未納者でありますタレントを起用してしまったということでございまして、やはりそこはもっと注意深く納付状況を確認すべきであったというふうに考えております。
 今後は、プライバシーとの関係もございますので、あらかじめ御本人の了解を得まして納付状況の確認をするなど、このようなことが起きないように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○森ゆうこ君 プライバシーの保護ということになりますと、今の御答弁ですと、国民年金の未納者のその状況を把握するということそのものがプライバシーの保護に反するというような御趣旨にも聞こえますが、いかがですか。
○政府参考人(薄井康紀君) 一般的に、国民年金の保険料未納者に対しましては、例えば催告状を出させていただく、あるいは電話による納付勧奨をする、あるいは戸別訪問で納付していただくように勧奨をする、こういうことをやっております。こういう業務の関係で納付の状況を確認することは、これは当然であると思いますし、これは業務のために必要なことということでございます。
 今回は、もちろん業務には関連をいたしておりますが、広報におきます言わばキャラクターとして起用するかどうかということでございましたので、私どもといたしましては広告代理店の方からその状況を聞いてそれに基づいてやったということでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、御本人の了解を得て記録を確認するということはこれからは必要だと思っておりますし、そのようにやっていきたいと考えているところでございます。
○森ゆうこ君 当たり前のことじゃないんですか。年金の、国民年金の未納者が四割に達していると。で、「将来、泣いてもいいわけ?」というような過激なCMを作って年金の未納者に督促をすると。そのときに起用するタレントがそもそもちゃんと年金を払っているのかどうか。別にそんなに大騒ぎしなくても、年金の収納を管理している社会保険庁なら当然すぐ分かるはずじゃないですか。
 つまり、調べなかった、全く調べるつもりもなかったし、そういうことを点検する、そういう意識がそもそもなかったということなんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(薄井康紀君) 基本的に、タレントさんを起用する場合にその方のプライバシーというか私生活をどう見るかというお話はございますが、ただ私どもとしては、やはり国民年金の広報でございます。それに出られる方、もちろんタレントさんでもサラリーをもらっておられて厚生年金の適用になっている方もおられるかも分かりませんが、国民年金の適用になっている方であれば、きちっとその手続をしていただいて、それでまた保険料も納めていただいているということを、これは確認をするように実は日ごろから心掛けているところでございまして、これは、広告代理店の選定に当たりましては、いろんな会社から企画書を出していただいて、それを見て決めていくわけでございますが、その際には、各タレントについて国民年金の加入状況とかあるいは納付状況ということをきちっと確認をするということをヒアリングの際にやらせていただいているところでございます。
 意識的にはそういうことを心掛けていたということでございます。
○森ゆうこ君 坂口厚生労働大臣、いかがですか、今の社会保険庁の御答弁をお聞きになって。大臣は昨日、記者会見でいろいろ御発言されたようですけれども、まず、このことについて大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 年金本来の議論からすれば大騒ぎするほどの話ではないと私は思っておりますが、しかし、社会保険庁ももう少し緊張感を持ってやっていないと駄目だと思うんですね。
 いろいろのことを言う前に、やはり、ちゃんとやっておりませんでしたと、こういうふうに一遍言ってからいろいろのことを言うというのが順序だと思う。先にいろいろのことを言って、後でまあ私の方も責任ねというのは、少し言い方としては順序が逆になっていると思って聞いておりました。
○森ゆうこ君 後段のその大臣の御見解に関しては私も同感でございます。やるべきことをやっていなかった、そもそもそういう認識さえもなかったんじゃないか。
 ただし、私は、この問題、非常に重要な問題だと思うんです。これから、政府がお出しになった年金の改革案というものを順当に行けば議論しなければならなくなる。その中で、大臣に一つだけまずお聞きしたいんですが、年金制度の改革において一番大切なことは何でしょうか。
○国務大臣(坂口力君) それはもう言うまでもなく、国民の皆さん方がそれによって老後が守られるということが大事でありまして、すべての人が、自分たちが迎える老後のためにいかにその準備をするかということについて、皆さん方の御理解を得るということが一番大事だというふうに思っております。
○森ゆうこ君 私は、どんな制度を作ろうとも、国民の信頼が得られない限り、その制度はもう作った途端に破綻に向かうと、そういうことだと思うんですね。
 今、年金制度、これを抜本的に改革しなければならない。それはいろんな要因があります。経済成長が非常に鈍くなった、そして少子高齢化が思ったより急速に進んでいる。様々な問題がありますけれども、やはり基本的には、国民が今の制度を信頼していない、政府のやることを信頼していない。その状態で、たとえこの後どんな年金の改革案、これがもう抜本的改革案です、いいものができましたとそう言ったところで、政府に対する信頼、この年金制度に対する信頼そのものが失われたままでは絶対機能しないと思います。その意味で私は、今回のこの年金CMの問題、軽く考えてもらったら困ると思うんです。
 もう一度お聞きしたいんですけれども、先ほどこの費用をお答えになりました。合計お幾らですか、そしてそれは保険料で払われたんでしょうか。
○政府参考人(薄井康紀君) 合計、平成十五年度のトータルということで申し上げますと九億八千万円ほどになろうかと思いますが、今、この年金広報の経費につきましては保険料財源で支弁をいたしているところでございます。
○森ゆうこ君 大変な金額だと思います。しかも保険料。で、この結果。
 このことについてきちんともう一度検証する、そのほかの、新しい制度の改革案なるものをこれから審議したりする前に、まず今きちんと、今の制度上、それぞれの担当部署で仕事をしているのか、どういう問題があるのか、洗いざらい一度ぶちまけて、きちんと検証してからでなくてはそのような議論はできないと思います。
 まだまだ言いたいことはあるんですけれども、次の問題に移りたいと思います。
 犯罪被害者への支援について、特にオウム真理教による地下鉄サリン事件、この被害についてお聞きしたいと思います。
 先日、麻原被告に対して死刑判決が出され、そしてまた、先週、三月十九日、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きてから丸九年たちました。宗教やそれに類似した団体による反社会的事件等が発生しております。そして、様々なテロの恐怖というのも大きくなっている。こういうことでございますが、その被害者への支援がどうなっているのか、非常に経済的、精神的な悲惨な状況に置かれた人がそのまままだ放置されているという報道があります。
 そこで、まずお聞きしたいんですけれども、地下鉄サリン事件による被害者は総数何人ということでしょうか。警察庁の方にお聞きします。
○政府参考人(安藤隆春君) お尋ねの件につきましては、地下鉄サリン事件に関しまして、当時、警視庁において捜査の結果、殺人、殺人未遂事件の被害者として送致した人数につきましては、死者十二名、負傷者約三千八百名と承知しております。
○森ゆうこ君 それは、被害届受理数ということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(安藤隆春君) 被害届は、今、正確な数はありませんが、もっと多いと思いますが、これは、事件として、サリンの事件として因果関係があると認められて事件を送致したという関連におきましての人数でございます。
○森ゆうこ君 その方に対する救済の内容はいかがでしょうか。
○政府参考人(安藤隆春君) 地下鉄サリン事件の被害者に対しましても犯罪被害給付制度の適用による支援がなされたところでありますけれども、御案内のとおり、本事件の発生時間帯は通勤時間帯と重なっておりましたため、大部分の被害者に対しましてはいわゆる労災保険等の公的補償制度が適用されたところでありまして、犯罪被害者等給付金につきましては、このような補償制度の適用を受けませんでした二名の被害者の方に対しまして合計約五百三十万円が支給されたところであります。
○森ゆうこ君 その後、本事件によって後遺症で苦しんでいる方は大変多いと聞いているんですけれども、その後遺症で苦しんでいる方の現在の数はどのように把握されているでしょうか。
○政府参考人(塩田幸雄君) まず、地域精神保健対策の中で行っている犯罪被害者を含むトラウマを受けた方々に対する心のケア対策についてお答えをしたいと思います。
 オウム真理教によりますサリン事件の被害者の支援につきましては、地域精神保健対策の一環として、保健所や精神保健福祉センターにおける心のケアに関する相談を行っております。その充実に向けまして、医師、保健師、精神保健福祉士等に対するPTSD専門家研修事業の実施、あるいは平成十五年一月には保健医療従事者向けの対応ガイドラインの普及などにも取り組んできたところでございます。
 オウム真理教によりますサリン事件による後遺症につきましては、平成十二年の警察庁の調査によりますと、例えば、回答された方八百三十七名のうち二割の方々が電車を利用するたびに恐怖心を抱くという回答をされておりまして、事件による心理的影響により心のケアを必要とする方々がかなりの割合でいらっしゃると認識しております。
 厚生労働省といたしましては、引き続き、サリン事件被害者を含む犯罪被害者に対して適切に心のケアが実施されますよう取り組んでまいりたいと考えております。
○森ゆうこ君 そうすると、この地下鉄サリン事件による後遺症で苦しんでいる方は何人かという、今現在何人いらっしゃるんですかというふうな質問だったんですけれども、実数をもう一度お答えください。
○政府参考人(塩田幸雄君) 正確な実数については把握しておりません。
○森ゆうこ君 どこか把握しているところはないんですか。
○政府参考人(安藤隆春君) 警察におきましても、先ほど申し上げましたが、負傷者約三千八百名を被害者として当時承知しておるという点では把握しておりますが、このうち何人の方に現時点におきまして後遺症状が見られるかにつきましては把握しておりません。
○森ゆうこ君 各省から来ていただいて何度かお聞きをしたんですけれども、どうも、これだけの大事件、これだけの被害者が出て、いまだに後遺症で苦しんでいる人がいる事件にもかかわらず、しかも生物化学兵器によるテロという意味での貴重なケーススタディーという位置付けもできるこの事件について、どこが窓口になってこのことをその後検証して把握しているのかどうもはっきりしないんですね。そのことは私、非常に問題だと思うんですけれども。
 それで、これも私は報道でしか知りませんが、多くの方が非常な後遺症で苦しんでいらっしゃって、その支援がなかなか受けられないということで非常に日本政府は冷たいんじゃないかという批判があるわけですが、一方で、今の場合は被害者の話でございますが、一方で犯罪の加害者、つまり受刑者、刑務所にいる受刑者に対する医療的なケアというものについてはどうなのかということを見てみたいんですけれども、本年度の予算、来年度予算で、この刑務所内の医療費というものはどのぐらいなんでしょうか。
○副大臣(実川幸夫君) 委員御指摘の行刑施設におきます被収容者の疾病の治療、また拘禁を行う国が当然に負うべき義務とされております。これは、委員御指摘のように、被収容者に対します医療費関係経費につきましては国の予算から支出されております。国の予算から支出されておりますけれども、行うべき医療の水準につきましては法令上特段の規定は設けられていないものの、行刑施設において求められる医療は一般社会で行われている医療とは違いないと承知いたしております。
 行刑施設の医療関係予算につきましては、平成十五年度予算におきましては約二十三億四千五百万円が計上されております。
 さきの国会審議等におきまして、行刑施設におきます医療体制につき、適正な検査また医療体制を整備する必要があるという御指摘もありましたので、法務省といたしましては緊急的に取り組むべき事項といたしまして現在御審議をいただいているところでございます。
 平成十六年度予算案につきましては、医療専門施設の治療体制の充実、また歯科あるいは精神科の医療体制の整備、健康診断の充実、また適時適切に外部病院に移送するための経費の拡大等、対前年度比五億一千万円増の約二十八億五千五百万円を計上いたしております。
○森ゆうこ君 今お答えいただいた二十八億という数字は、医療体制の整備に必要な経費及び被収容者の医療に必要な経費であり、人件費を除くという御回答をいただいているわけですが、というと、このほかに常勤の医師それから看護師等の人件費が入るということでよろしいんですか。
○副大臣(実川幸夫君) はい。そのとおりでございます。
○森ゆうこ君 そうしますと、受刑者に対する医療関係予算ということは、普通に医療費と、一般で言う医療費というものはそういう医師の人件費等々を含めて医療費になると思うんですが、そういうことからすると、これはもっとかなりの額になるということでよろしいですね。
○政府参考人(山下進君) おっしゃるとおりでございますが、医師等の人件費につきましては、実は抽出して計算をしておりませんで、お示しできませんでした。
○森ゆうこ君 そして、これは施設内での医療費、整備費等々ということで、この施設で行えない医療ということは、行えないと、体制が整っていないという、その治療については外部に対して医療を行ってもらうというふうにお聞きしたんですが、それでよろしいですか。
○政府参考人(山下進君) 国の責任におきまして医療を行うということでございまして、基本的には施設で医療行為を施すわけでございますが、それが施設の実情であたわないという場合は外部の医療機関のお力をかりるということでございます。ただ、その費用につきましては国の方で支弁をさせていただくということにしております。
○森ゆうこ君 坂口厚生労働大臣にお聞きしたいんですけれども、今御説明ありましたとおり、犯罪を犯した人、加害者、受刑者についての医療的ケアというのはかなり充実してきている。まだ御不満という方もいらっしゃるようですけれども、かなり充実している。しかも、施設の中で行えない医療については外へ出てケアもすることもあるということで、非常に充実しているというふうに私は印象として受けるわけです。実際、昨年、府中の医療刑務所にこの厚生労働委員会で視察にも行ってまいりました。現代の一般の医療、きちんと整えられているわけですが。
 それに比べて、この犯罪被害者に対する支援というものが私は非常に不十分じゃないか、そう思うんですけれども、きちんとしたアフターケア制度の充実など支援策を、後ればせながらですけれども、もう九年もたってしまいました、拡充すべきと考えますが、大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 刑務所に収容されている人につきましては、これは国の方がそういうふうに責任を持ってやっているわけでありますから、医療につきましても、もし何かがあればそれは行わなければならないのは当然だというふうに私は思います。この刑務所内の医療につきまして、不十分ではないかという先般来の御議論もいろいろあったことも事実でございますが、一応行われているということは確かでございます。
 それから、サリン事件で被害をお受けになった皆さん方でございますが、通勤途上の皆さんが非常に多かったということもございまして、いわゆる労災保険によります業務災害、あるいはまた通勤災害というのをお受けになりました方が三千七百一名おみえでございます。この皆さん方につきましては自己負担なしの保険給付をさせていただいたということでございまして、ただ、これは通勤途上の方でございますので、それ以外の一般の方でお受けになった方がどれだけあるかということにつきまして我々の方でなかなか把握をしにくいわけでございまして、その辺のところは我々の方としても十分な把握ができていないというのが現状でございます。
○森ゆうこ君 だからそれが現状なんですね。どこにお聞きしても、この犯罪被害者について十分、特に今日は地下鉄サリン事件についてお聞きしたわけですけれども、どなたもきちんと把握していらっしゃらない。こんなことでいいんでしょうか。
 それぞれ法務副大臣、警察庁にもお聞きしたいんですが、これで十分だとお考えでしょうか。そもそもどこがきちんとこれに対応すべきと考えますか、それぞれのお考えをお願いいたします。
○副大臣(実川幸夫君) 今委員御指摘の、救済対策十分でないという御指摘でありますけれども、犯罪の被害者、その遺族の方々の苦痛また怒り等を真剣に受け止めまして、その立場に配慮し、また保護、支援を図ることは刑事司法の重要な責務であるというふうに考えております。
 そこで、法務省におきましても、委員御承知のように、平成十二年の五月に成立いたしました犯罪被害者保護二法によりまして、証人の負担を軽減するための制度、また公判廷におきましての被害者が意見を陳述する制度及び被害者回復に資する制度を新設するなどの法整備を行っております。
 検察当局におきましても、被害者の立場、心情に配慮しつつ、事件の適正な捜査処理に努めてきたところでもありますし、また被害者に対しまして、検察庁におきます事件の処理結果あるいは刑事裁判の結果等を通知する被害者通知制度を実施するほか、被害者支援員を配置し、また被害者からの相談に応じているところでもございます。
 また、近時、犯罪被害者のための施策の充実を求める国民の声が高まりを見せていることから、現在、法務省内に研究会を設けまして、現行制度に加えて、更にどのような形で被害者の保護また支援の充実を図ることができることについて調査また研究を進めているところでもございます。
 法務省といたしましても、この研究会におきます調査、研究を踏まえまして、犯罪被害者の方々の保護また支援に資する施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(安藤隆春君) 警察は、被害者にとって身近な機関でありまして、被害の回復や軽減につきまして大きな期待を寄せられている立場にあるという認識の下に、現在、被害者への情報提供、被害者の救援あるいは捜査過程での被害者の負担の軽減とか、被害者の安全確保など、被害者の視点に立った施策を組織的、総合的に推進しているところであります。
 加えまして、平成十三年には犯罪被害者等給付金支給法の改正が行われまして、重傷病給付金を新たに設けましたことや障害給付金の支給対象の拡大など、制度の拡充が図られたところであります。
 警察におきましても、今後とも被害者のニーズを十分に踏まえつつ、これら各種施策の着実な推進を図り、被害者支援の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
○森ゆうこ君 そうしますと、それぞれはそれぞれの立場で今できることはやってくださるということなんですが、例えば、今後このような事件起きてほしくはないんですが、例えば地下鉄サリン事件のような事件がまた起きたと。そのときに、どこかが責任を持って、その被害者、そして被害者のその後のフォローもしながら支援をしていくということについては、どこが一義的な責任を負っていただけるんでしょうか。法務省でしょうか、それとも警察庁でしょうか。
○政府参考人(安藤隆春君) サリン事件が起きましたのは平成七年ということでありますが、その後、警察におきましては、先ほども申し上げましたいろんな組織的、総合的な被害者対策を講じておりまして、これは各県、末端まで今浸透しております。
 さきに起きました大阪の池田小の事件におきましては、大阪府警が非常に組織的なチームをリアルタイムで編成をいたしまして、いろんな被害者対策を講じたということで評価をいただいているところでありますが、そういうことで、警察が一義的に現場におきまして相当な体制で取り組む準備ができておる、それを更に充実してまいりたいと思っております。
○森ゆうこ君 今後のことにつきましては、今前向きな御答弁をいただきましたが、坂口厚生労働大臣、今この地下鉄サリン事件の後遺症で苦しんでいる人たちに対する支援、もう一度きちんと見直して、窓口等もしっかりとして、まあ先般いろいろ通知を出されたやに聞いておりますけれども、もう一度体制を整えて、後ればせながらでも支援策を十分に取るべきではないかと考えますが、御見解をお願いいたします。
○政府参考人(高橋満君) ただいまの地下鉄サリン事件にかかわりまして被害を受けられた方のうち、労災認定、先ほど大臣がお答えをいたしましたが、労災認定を受けられました方々に対しまして、私どもアフターケア制度というものを持っておるわけでございます。平成九年四月からこの制度を運用いたしまして、いわゆる後遺症状が悪化するのを防ぐための必要な医学的措置を受けられるという制度でございますが、これまで十二名の方が御利用なさっておるわけでございます。
 ただ、この制度を十分にお知りになっていない方もおられるという御指摘もございまして、先般、二月二十三日に、労災認定を受けられました被害者の方々全員に対しまして、このアフターケア制度の周知のための案内文を送付をさせていただいたところでございます。こうしたことを通じまして、更に利用が図られますよう一層周知に努めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(坂口力君) この労災保険に入っている皆さん方はもう名前がはっきりいたしておりますので、この皆さん方につきましては、アフターケアも含めまして今後の状況等しっかり把握して、そしておこたえをしていきたいというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 そのほかのこの災害をお受けになりました皆さん方のことにつきましては、なかなか厚生労働省だけでは把握のできにくいところございますので、そうしたことにつきましては、また他の省庁とよく連携をさせていただきながら把握したいというふうに思います。
○森ゆうこ君 要するに、その制度から漏れた人が問題になっているんで、そのことについてなかなか回答をどなたも答えてくださらないんで、大臣から前向きの御答弁をいただいたと、大臣の方からお声掛けいただいて、ほかの省庁に働き掛けていただくというふうに受け止めてよろしいでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 私の方がお聞きをしてやっていくということで、まあ医療のことに関しましてはそれで結構でございますが、ただ、正直言って分かりにくい面もあるわけであります。地下鉄等に乗っておみえになった皆さん方で、そして後遺症のある方、そしてその当時何らかの症状を訴えられて医療機関に掛かられたような方というのは一応残っているだろうというふうに思いますけれども、その皆さん方のお名前がどこかで全部把握されているのかどうかといったこともございます。
 したがいまして、分かりにくい面もあるというふうに思いますけれども、できるだけ我々の方で中心になりまして、そこは一遍、各省庁にお願いをしながら、把握できるものかどうかということは見てみたいと思います。
○森ゆうこ君 まず、取り組んでいただきたいと思います。
 私は、基本的には、みんなそれぞれ国民一人一人が自立して、自分の力で生活していくということだと思うんです。しかし、その自分の力ではどうしようもないこと、自分の責任ではどうしようもないこと、こういうことを解決するのがやはり国の役目であって、その、まあ言わば国民、そういうときに国が助けてくれると。その代わり国民は国民としての義務を果たす、税金、納税の義務を果たす、年金の保険料を払う、こういうことだろうと思うんですね。
 ですから、一番困っているときに政府は知らんぷり、どこに聞いても、だれがこの被害者の今の実態を把握しているのかはっきり分からない、こういう状況では困ると思いますので。そして、先ほど申し上げましたように、これはテロのケーススタディーとしてもきちんとやられているんであれば、被害者のその後というのをどこかがきちんと把握してなきゃおかしいわけで、そのことでも重要な問題だと思いますので、取りあえず今、坂口大臣から大変前向きな御答弁をいただきましたので、まずは取り組んでいただきたいと思います。
 そして、次の質問に移りたいと思いますが、昨年の通常国会で、この委員会でも、そして法務委員会との合同審査でも問題になりました精神障害者の社会的入院患者の解消に向けて、このことについて質問させていただきます。
 昨年の国会での御答弁で、民主党の山井委員に対しまして坂口厚生労働大臣は、七万二千人の社会的入院患者の解消に向けての年次計画を本年中、つまり平成十五年中に示すというふうに御答弁されましたが、その計画はいまだ公表されておりません。その計画を公表していただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 昨年の審議の際に、その七万二千人の皆さん方を今後どのように社会復帰をさせていただくかということについてのお話をしましたときに、年次計画を立てなきゃいけない。年次計画の第一段と申しますか、そうしたものは平成十五年度中にということを確かに申し上げまして、そして今検討会作ってやっているわけでございますが、いろいろの御議論、正直言ってございまして、完全に今のところまだまとまり切っておりません。
 私、申し上げたことと若干遅れているわけでございますが、検討を急ぐように今申しているところでございます。できるだけ早くこの結論を得まして、皆さん方にも御報告を申し上げたいというふうに思っておりますが、いずれにしましても、各地域でそれをどういうふうにしてお受けをいただくかということをそれぞれの地域社会の皆さん方の代表やあるいはまた患者さんの代表等の御意見も聞いてやっていかなければいけませんので、いろいろの御意見が正直なところございまして、今のところ完全にまとまり切っていないというのが現状でございますが、しかし、これはもうまとめまして、そして前に進む以外にないわけでございますから、早くまとめるように、一日も早くまとめるように努力したいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 数値目標を含めということだと思うんですけれども、間もなく検討会で出される中間取りまとめには明示されるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そうした数字も含めましてまとめていきたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 それで、数字を一つ確認しておきたいんですけれども、昨年は七万二千人の社会的入院の解消ということで出されました。この数値目標に変更はございませんね。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
○政府参考人(塩田幸雄君) 七万二千人という数値は、平成十一年の患者調査に基づいて出した数値であります。平成十四年の患者調査によれば、この七万二千人の数値に該当する数値は六万九千人ということでございますが、あくまで政策的な目標として七万二千人を掲げておりますので、現時点では七万二千人という前提で議論をしているところでございます。
○森ゆうこ君 それは、先ほど大臣から早急にと御回答いただきました年次計画の数値目標、数値目標を含めた年次計画を明示するという中で七万二千人という数値目標は変わらないということでよろしいですね。
○政府参考人(塩田幸雄君) 現段階では検討会でも七万二千人ということで議論していただいておりますが、数値の在り方についても含めて検討会の中でいろんな角度から議論していただきたいと思っております。
○森ゆうこ君 という今の御答弁ですと、その結果出てくると、何か数字が随分違っているという可能性があるような気がするんですけれども、よろしいですか。はっきりさせてください。
○政府参考人(塩田幸雄君) 最終的な数値目標については更に議論をした上で結論を得たいと思いますが、要はその七万二千人であれ六万九千人であれ、社会の受皿をどう築いていくかということが大事でありまして、社会福祉施設の整備でありますとか、住まいの問題でありますとか、地域で介護できる体制でありますとか、就労の体制でありますとか、いろんな角度の政策システムについて総合的に併せて検討した上で答えを出したいと思います。
○森ゆうこ君 この数値目標というのは非常に重要でして、きちんとした数値目標を示してそれに向かってきちんと進めるということがないと、そういう基盤を作るということが進まないということがございます。どうもはっきりとした御回答が得られないんですけれども、私の時間はこれで終わりですので、また次回フォローさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 数値目標を言いますときに、これから社会復帰をさせていきますときに、何年までにどれだけという数値目標が非常に重要だというふうに思っています。トータルで一体どれだけにそれがなるのかということにつきましては、最初のスタートのときは七万二千ということでスタートしているわけでありますから、一応七万二千ということで今後も進めていって、そして現実問題としてそれよりも少なくなっていたといえば、それはそれで結構なことでございますから、一応七万二千という大枠をどうこれから地域に、その皆さん方にお帰りをいただくか、あるいはそれを受け入れる体制ができるかということの数値目標をきちっとしていかなきゃいけないというふうに思っております。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 本日は予算の委嘱審査ということでございますが、私も予算委員会のメンバーで予算の審議に参画させていただいておりまして、予算委員会を通じて疑問に思ったこと、またあるいはこうあるべきじゃないかと、このように思ったことなどにつきまして質問させていただきたいと思っております。
 まず、これは私自身が質問させていただき、大臣ともやり取りをさせていただいた件でございますけれども、いわゆる総理がおっしゃった天下り禁止令と、こういうことがございました。総理の発言を拾いますと、自分の役所の特殊法人に行ったり、独立行政法人に天下りしていくのはもう許される時代じゃないと、次からはもうそうしないということをはっきり言明しておりますと、このようなことをおっしゃったわけですが、その後で厚生労働事務次官大塚さんの発言、いささか論理的ではないと、こういった発言もあったわけでございますが、そのとおり私は大臣にお伺いしましたところ、そのことは聞いてないと、そういう御答弁だったんですけれども、次官からその後そのことについてお話を聞かれたでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) その後どういう発言であったかというのは、発言は、発言メモ残っておりまして、それを読みますとこういうことになっております。
 次官であるがゆえに制約を受けるというのはいささか論理的な整理ではないと思うが、少なくとも次官であるがゆえに固定的なポストが準備されるというような硬直的な考え方を取る必要はないし、適当ではない。ただ、裏を返していえば、次官であるがゆえに特定のポストに行ってはいけないということについては議論をさせていただきたいというのがそのときの趣旨、その発言の要旨でございます。
 いろいろなことをおっしゃっているわけで、必ずしもこの総理の言われたことに対して反対だということを言っているわけではないというふうには思いますが、いずれにいたしましても、先日も私が申しましたときに、総理が言われたその総論というものは踏まえてこれからやっていかなけりゃいけないということを委員にも御答弁を申し上げたというふうに記憶をいたしております。
 今後もいろいろありますからしっかりやっていきたいというふうに思いますし、またそれ以後官房長官からも一つの基準みたいなものもお示しになったというような経緯もございますので、そうしたことを参考にしながらやっていきたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 今おっしゃった官房長官の御見解は、役員の半数以下にすると、こういうような趣旨ですけれども、今後厚生労働省としてもそういう趣旨でやっていくということですか。
○国務大臣(坂口力君) そうさせていただきたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 今よく言われておりますのは、労働者健康福祉機構とか医薬品医療機器総合機構の理事長に次官、局長経験者がというような話も出ているわけですが、そういうことについてはどういうふうに対処されていくんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 全体で独法が十一ございます。それを、一々チェックしているわけでございますが、半分以下にするということで今やっております。
○辻泰弘君 大臣は、さきの予算委員会で、私の答弁に対して、「次官だとか局長だとか、その出身者は何か次のポジションに就くのが当然だという考え方を持っておることは間違いであると、」、こういうふうに明確におっしゃっていただいたところでございます。私自身、キャリアの方が一人だけ残るまで四十代から肩たたきが始まるというのも非常に変な話だと思っておりまして、六十歳まで皆さん勤めていただいたらいいじゃないかと、このように思うわけでございます。
 そういった意味で、総理の大方針があり、また、坂口大臣の私としては非常にもっともだという御見解をお示しいただいておりますので、その精神を貫徹しながら、やはり半数ということも、更に、それは半数がいいんだということでなくて、それはもっと縮小していくという方向でのお取組につないでいただきたいと思うんですが、そのことについて、大臣、決意をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) まあ徐々に進めていかなきゃいけないというふうに思いますが、今お話がございますように、五十二歳とか五十三歳といったような年齢で肩たたきをするというようなこの制度はやめていかなければいけない。やはり少なくとも六十歳までは働いていただけるようにしていくということが大事だというふうに私も思っております。そうしたことを、役所の方にも段階的にそういうふうに進めていくというふうにしてほしいということを今言っているところでございます。
○辻泰弘君 その方向でのお取組をお願いしておきたいと思います。
 次の問題といたしまして、国民年金保険料の収納対策ということで、これもテレビ撮り、テレビが入ったときの我が党の内藤委員と総理とのやり取り、あるいは坂口大臣とのやり取り等もあった件でございます。
 すなわち、具体的には、確定申告の際に国民年金の保険料を払っているかどうかをチェックするための証明書を添付するかどうかと、こういう部分に突き当たったわけですが、ただ私は、これは実は、それ以前に今度の年金改革の法案の資料をいただいていたものですから、そのことをお答えになるのかと思いきや、そうでなかったというのは率直に言って意外だったんですけれども。
 厚生労働省の方針としては、年金改革の中の資料の中で、「社会保険料控除の手続の見直し」ということが書いてあって、「未納者について国民年金保険料に係る社会保険料控除が適用されないようにするための措置を講じる。」と、こういうことを言っておられて、このことの意味は、社会保険庁と国税庁が連携を取られて、事前に、事前といいますか、確定申告の前に未納である方をチェックできるように情報を通知しておくと。
 ですから、窓口行った段階で、確定申告の段階でもう既に分かるんだ、添付、ある意味で添付する以上のことをやると、こういうことを私は言っていらっしゃると思っていたものですから、少し展開が、いいヒントをいただいたという総理の発言とか、また坂口大臣も、お聞きしましたところ大変いい案のように思いますから、よく相談させていただきまして決めさせていただきたいと、このようにおっしゃったんですけれども、もう既に私は、この案で国税庁と社会保険庁が相談されてやり方が決まっていると、法改正は伴いませんけれどもね、そういうふうに思っていたんですけれども、それは違ったんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 税務署あるいはまた、税務署といいますか国税庁、それから市町村の税務担当者との間でどういうふうにしたら一番いいかということはずっと今までからやってまいりまして、そしてお示しをいただくということが可能なのかどうかということもあるようでございます。それは、例えば市町村なら市町村の地方税をおやりになっている皆さん方の立場からすれば、それは自分たちが管理をしている問題で、それを社会保険庁なら社会保険庁に全部それを言ってもいいのかどうかという問題もあるようでございます。
 しかし、そうしたことをよくお話をさせていただいて、そして市町村の方でお持ちをいただいておりますそのデータというものをちょうだいをする、そしてまた国税庁との間でもできる限り情報を交互に提供をするといったようなことによって、この社会保険の問題のできるだけ速やかな解決を図るといったことで鋭意進めてきたことは事実でございまして、先日、より具体的にと申しますか、この行い方につきましての御発言がございましたので、そのことに対して、それも一つの案と、案だなというようなことでお答えを申し上げたところでございます。
 その辺のところは、事務レベルの具体的な問題もございますので、よく相談をいたしまして、早く結論を出すようにしたいと思っております。
○辻泰弘君 私は、今回の年金改革の資料の一環でそのことが明示されておりましたので、いつまでにどうするということがしっかりと内実としてあるというふうに思っていたんですけれども、非常に聞いてみるとまだまだこれからだというような感じがするわけでございまして、そういう意味では、「国民年金保険料の収納対策の強化」という見出しの中に一項目として挙げられているのも率直に言っていかがなものかと思ってしまうわけでございまして、率直に言って、徴収に向けての、正確な捕捉に向けての熱意の少なさを率直に言って感じてしまうようなところがあるわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましてもこの部分は大事なところでございますから、私は添付という以上に情報の交換ということで対応すべきだと思っていますけれども、そういうお取組をお願いしたいんですが、国税庁としてどう取り組まれるか、国税サイドの御見解をお示しください。
○政府参考人(西江章君) お答えさせていただきます。
 国民年金の保険料につきましては、確定申告に当たってその額を証明する書類の添付というのは義務付けられていないわけでございますけれども、税務調査等による納税者との接触の際や納税相談の際の納税者とのやり取り、あるいは情報に基づいて未納があるため社会保険料控除の適用を認めることが適当でないことが判明した者については確実に是正を行うこととしております。ただし、近年、未納者の増加に伴いまして、未納がありかつ控除適用の申告があるというケースが想定されますので、国税当局としては、未納者に関する情報を社会保険庁から入手し、確実に是正が図られるよう適切に対処してまいりたいと考えております。
 情報提供の具体的な内容については、どのように効率的かつ確実に行うことができるかという観点から、現在、社会保険庁、税務当局間で協議、検討を行っているところでございます。
 国税庁としては、提供された情報に基づき社会保険料控除の適用の適否につき適正な執行が図られるよう、適時適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 今、義務付けられていないという話ですが、義務付けるためには法改正が要るんですが、何が必要になるんですか。
○政府参考人(西江章君) お答えいたします。
 現在、所得税法の中で証明書の添付が義務付けられておりませんので、証明書の添付を義務付ける場合には法改正が必要かと存じます。
○辻泰弘君 それから、先ほど森委員から質問のあった江角さんの関連でその答弁について聞いておきたいんですけれども、これは二年間さかのぼって払われたということなんですけれども、それは国民年金法の時効、百二条の「時効」のところの規定に、「二年を経過したときは、時効によつて消滅する。」というところから、結果としてそういう形になっているというふうに聞いているわけですけれども、国税の場合はその徴収権の消滅時効は五年ということになっているわけです。
 いろいろ考えもあるとは思いますけれども、二年というのは少し短いんじゃないかと思うんですけれども、その延長について御検討なさるかどうかをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(吉武民樹君) 今、先生がお話ございましたとおり、会計法によります国に関する債権債務の消滅時効は、一般的には五年という形でございます。ただ、国民年金の場合には、非常に大量の事務を処理をする必要があるということで、会計整理上の債権債務関係をなるべく早く確定をしようということで二年という時効を講じております。
 保険料負担能力がない方につきましては、基本的には免除制度、あるいは学生の方につきましては特例納付制度という仕組みを取っておりまして、この方たちにつきましては十年間追納ができるという仕組みを取っております。どちらかといいますと、保険料負担能力はあるけれども二年間の納期限に納付していただけない方ということになってまいりますので、納期限どおりに納付している被保険者が片方におられる一方で、保険料負担能力のある方について非常に納付を遅らせるということがいかがということもございまして、私どもとしては慎重に、そういう面も含めまして慎重に検討していく必要があるだろうというふうに思っております。
○辻泰弘君 今のお話は、その事務負担の見地から二年ということが来ているということが一つの大きな理由だと思うし、実務的にはそうかもしれませんが、しかし、やはり年金というものの精神から考えますと、できるだけ多くの方に、もちろん給付段階での皆年金も保障したいということが本来あるべき姿にあるわけで、ただ、それを無制限に何年もやっていっては皆そうなっちゃうんではないかということもあり得るわけですから、そこはおのずと限度はあると思いますけれども、しかし事務的なことでの理由だったらそれは少し乗り越えていただいて、五年とかそういった形に延ばすということもやはりあってしかるべきだと思うんですが、大臣、御検討いただくことはどうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 昨日、浅尾議員でございましたか、御質問のときにも御答弁を申し上げたわけでございますが、私も二年というのはちょっと短過ぎるなと、こう実は思っておりまして、内部でもそういうふうに言っております。検討させていただきます。
○辻泰弘君 この点も大事な問題だと思いますので、お取り組みのほどお願いを申し上げたいと思います。
 次に、もう一つのポイントは、実はいわゆる年金等の社会保険施設の問題でございます。
 議論はたくさん出ておるわけで、またこれからも出ると思いますけれども、私は聞いておりまして、ひとつ是非こういう資料が示されるべきだと、このように思ったことがございますものですから、そのことを申し上げたいと思うんです。
 それは、実はいろいろお話聞いていて、私も役所から聞いたりしているんですけれども、それぞれの施設がどこの財源、すなわち厚生保険特別会計、国民年金特別会計、いろいろある。厚生保険特別会計には健康勘定もあれば年金勘定もあれば児童手当勘定もあれば業務勘定もあると。こういうことになっているわけですけれども、どこからお金が出て、あるいは一般会計から繰り入れられたものを使っていることもあるかもしれないんですが、どこの勘定なり主体に帰属するのかというのは必ずしもよく分からないで、例えば社会保険健康センターなんというのは両方から出ていてどれがどれか分からないみたいな、そんなこともあったわけでございます。
 そういう意味で、私といたしましては、厚生保険特別会計、また国民年金特別会計の負担において建てられた全施設、厚生年金保険の福祉施設や社会保険健康センターなどですけれども、それの財源のリスト、施設の一件ごとの、財源どこから出てきた、それ、額がどうで予算はどうだった、設立、いつ設立して管理の状況、管理者はどうだと、こういうものを、かなり網羅的になると思いますが、やはり一度ここで整理して出していただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。
○政府参考人(薄井康紀君) 今、委員御指摘ございましたように、厚生保険特別会計あるいは国民年金特別会計でいろんな施設を整備しております。厚生保険特別会計の方は政府管掌健康保険の部分、厚生年金保険の部分、児童手当の部分というのが確かにございます。それぞれが単独で持っておる施設もあれば総合的な施設として整備しているものもございます。これらについて申し上げますと、厚生保険特別会計あるいは国民年金特別会計の福祉施設、これは福祉施設事業、被保険者の福祉の向上を図るものということで保険料で整備をされてきておりますし、一方で、庁舎等は、これは従来は一般財源、現在は特例措置で保険料財源ということになっているわけでございます。
 これらにつきまして、相当以前に整備されたものもございますので、御指摘のものが全部完全に整理できるかどうかというところはございますけれども、金額、あるいは財源負担がどうなっているか、建築年度と、こういったものにつきまして、現在、例えばある施設があると、それがどの健康保険のものか、年金のものか、そういうのはきちっと国有財産の管理上もやっておりますので、そこら辺も含めまして整理をさせていただきたいと思っております。少しお時間をいただきたいと思います。
○辻泰弘君 基本的な資料だと思いますので、是非取り組んでいただいてお出しいただくようにお願いしておきたいと思います。
 それで、次、これも同じくこういう資料あるべしということにつながるんですけれども、年金の財政見通しについてでございます。
 今回、二月に政府案をまとめられて、それを踏まえた厚生年金の財政見通し、国民年金の財政見通しが平成十六年財政再計算という中で提示されているというわけでございますが、私はこれの、これ以外にもいろんなパターンを示していただいて、やはり考える素材に提供していただきたいと、こういう見地からお聞きしたいと思うんですけれども、まず、これは中位推計から、人口の中位推計から成っているわけですけれども、低位推計に結局なるんじゃないかという議論も多いわけですが、私は低位推計の場合どうなるかということもやはり出していただくべきだと思うんです。
 現に、所得代替率への影響ということは、少子化進行ケースということで低位推計の場合出しておられるんですけれども、当然財政見通し自体も作っておられると思いますから、中位推計は出しておられるわけですから、低位推計の場合のマクロ経済スライドがずっと続くという想定になるのかと思いますが、それを出していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 先生が御指摘のとおり、今回の年金制度改正案の試算の一番基準的なケースで申し上げますと、人口が二〇五〇年に合計特殊出生率一・三九と、人口で申し上げればこれを標準としまして所得代替率が最終的に五〇・二%という見込みをお示しを申し上げております。仮に出生率の改善が見られず、低位推計の一・一〇まで低下するという場合には、中位推計の場合のように給付水準で五〇・二%では給付と負担の均衡を図ることができない状態になってまいります。
 今回の法案では、所得代替率は下限の五〇%に達したところで給付調整を終了し、あるいは給付調整を緩やかにいたしまして、その代わり負担と給付全体につきまして見直しを行うということになってございますが、今先生がおっしゃいましたように、そういうことで制度的には給付水準五〇%を目指すということになっておりますが、仮にマクロ経済スライドの適用を続けて、ずっと続けまして財政の均衡を図るというふうにいたしますと、所得代替率は四六・四%というふうになってまいります。この場合の実際の動態計算あるいは社会経済状況が標準ケースより変わった場合につきましても、そういう収支見通しにつきまして取りまとめましてお示しを申し上げたいと思います。
○辻泰弘君 それでは、そういう形でお願いいたします。
 それと、やはり現行維持、現在の保険料水準と給付水準を維持した場合にどういう形になっていくのかと、まずそれを見るところからまたどう改革すべきかということで出発すると思うので、ですからそのことのケースも出していただきたいということと、それから、これは大臣の答弁などでも、今、今度は財政特例法で社会保険の年金の保険料から事務費を流用しているというその部分を十七年度にはなくすといいますか、そういう方針を持っていらっしゃると私は思っていますが、そうであればそのことも入れた財政計算ですね、それは今は十六年度の措置が継続するという前提で作ってあるわけですから、それがなかりし場合というものを作るべきだと思うんですが、その二つ、いかがでしょう。簡単に、簡潔に結論だけお願いします。
○政府参考人(吉武民樹君) まず最初のお尋ねでございますが、平成十四年の一月の人口推計を前提としまして十二月に公表いたしましたいわゆる「方向性と論点」におきまして、給付水準維持ケースについてお示しを申し上げております。
 その際の保険料率を申し上げますと、国庫負担割合二分の一で二三・一%、三分の一で二六・二%でございます。国民年金につきましては、二分の一の場合に月額二万五百円、三分の一の場合は二万九千三百円でございますが、今回の改正案で給付水準維持といたしましても制度改正によって変わっている部分もございますし、それから基礎的な指標がちょっと変わっている場合もございますので、私どもは改めて計算をいたしましてお示しをしたいと思っておりますが、少し悩ましい点を申し上げますと、今回のマクロ経済スライドによりまして、例えば国民年金で申し上げますと、最終の保険料が一万六千九百円まで抑えることができるという状態になっています。このことを前提といたしまして毎月の保険料の引上げ幅を二百八十円という形で計算をいたしておりますので、今申し上げましたように、給付水準維持の場合に保険料の引上げ幅を本当に二百八十円で考えていいのか、非常に高くなってまいりますので、保険料の引上げ幅を小さくいたしますと最終保険料が非常に上がってまいりますので、そういう点もちょっと若干検討を要しますので、そういう検討もしながらお示しを申し上げたいというふうに思っております。
 それから、二点目でございますが、これはなかなか、端的に申し上げまして、十七年度以降の予算編成がどういう形になってくるかという、形になってくるんだろうというふうに思います。約一千億という額でございますので、端的に申し上げますと、予算編成上のシーリングとしては相当大きな取扱いになりますので、なかなか将来の姿がどうなるかというのはお示ししにくい点もございまして、そういう点の検討もよく踏まえながら、また必要があれば考えていきたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 将来見通しでございますから、当然前提を置かざるを得ない。ある程度割り切りは持たざるを得ないわけですが、後者の方のはある程度理解もいたしますけれども、現行維持の場合どうなるかという基本の部分は一定の前提は明示していただいたらいいわけで、それはもちろん固定的になるわけじゃないわけですけれども、やはり今のは一体どうなるのというのを見て、それでまたいろいろ考えるという、そういうものが基本的にあるべきだと思いますので、是非御提示いただくようにお取り組みのほどをお願い申し上げたいと存じます。
 それから、もう一点、これは別の角度でございますけれども、これまで厚生労働省は、平成六年と平成十二年、そして平成十四年にはその平成十二年の改訂版ということで、「社会保障の給付と負担の見通し」というものを示してこられたわけでございます。
 これはいわゆる社会保障給付、年金、医療、福祉がどうなるのか、社会保障負担がどうなるのかと、こういう見通しを示してこられたわけですけれども、やはり私どもからいえば改革の名に値せずというふうに言うわけでございますけれども、大臣といたしましても、抜本改革なのか抜本的改革なのかという表現がございますけれども、そのようにおっしゃっていることでありますれば、当然にこの社会保障給付と負担の見通しというものも今日段階での前提条件を入れて新たに示されるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これは平成十四年の五月でございますが、一応、社会保障に係る給付と負担の見通しというものを出しております。しかし、これは年々歳々変化もしていくことでございますから、新しい立場で、今度年金のこの改正について今出しております制度というものを踏まえればどうなるか、あるいはまたこれを別の角度にすればどうなるかといったことは議論しなければいけないわけでございますから、私たちもまたそれは出したいというふうに思います。
 ただ、それとは別に、いわゆる社会保障に対する負担というものをいわゆる国民負担率の立場から、全体として二〇二五年なら二〇二五年にどのぐらいに抑えるべきかといったような議論が経済財政諮問会議でもあるようでございます。我々の方は、現状を積み上げていけばこうならざるを得ないということを主張しているわけでございますが、一方、全体として、それは積み上げではなくてここで抑えてもらわなければ困るという議論も率直に言ってあるわけでございます。
 厚生労働省は厚生労働省としての考え方に基づきまして、今後の高齢化率等を考えましたときに、年金、医療、介護、どうなると予測するかというものにつきましては我々の考え方を明示したいというふうに思っております。
○辻泰弘君 国民負担率は私も余り合理性がないと思っておりまして、今おっしゃった趣旨はよく理解するところでございます。
 いずれにいたしましても、見通しについては御提示いただくようにお願いしておきたいと思います。
 もう一つ、これはむしろ簡単なことかもしれませんけれども、今回、年金改革関連の資料を提示されている中で、国民年金、基礎年金の計算式、厚生年金報酬比例部分の計算式と、これは現行のことは示しておられるんですけれども、今回の、今回というか政府案でいった場合にどういう算式になるかということを私知りたいと思って追っ掛けたら実はなかったと、聞いてみれば出していないということだったんですが、やはりこれは分かりやすくするためにも示されるべきだと思うんですけれども、お願いできるでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 今回、マクロ経済スライドを導入することによりまして変更点がございまして、一つは厚生年金の報酬比例部分でございますが、これは賃金の再評価を行いまして、言わば賃金スライドを行って年金額を計算するという形でございますが、これは二〇二三年までの調整期間につきましては全体の制度を安定化を図るために、いわゆる保険料負担、年金制度を支える力といいますか、ここにつきましてその減少といいますか、これを反映させて緩やかに給付水準を抑制していくという考えでございます。
 そういう意味でこの再評価のところが非常に大事でございますので、先生がおっしゃいますように、ここの点について分かりやすい説明に心掛けたいと思います。
 それから、もう一点でございますが、基礎年金につきましては従来、五年に一回、物価の伸びあるいは賃金の伸び、あるいは消費支出の伸びを総合的に勘案をいたしまして、言わば政策的に水準を設定をいたしておりますが、今回の改正案では基本的には、二〇二三年以降安定をいたしますと、基礎年金につきましては賃金の上昇に応じて年金額を上げていくという考えでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたように、全体の制度安定のための調整期間がございますので、その間は賃金の上昇から今申し上げましたような調整率を引いて基礎年金水準を定めていくというのが基本でございますので、この点は従来になかった考えでございますので、この点もできるだけ明示をいたしまして、お分かりいただくように努力してまいりたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 ですから、何年まではこういう式で何年以降はこうだということは、それはそれであっていいですし、下に断り書きが入るのは、それは仕方がないと思うんですが、いずれにしましても、算式として分かるようにしていただきたいと、そういうことでよろしいですね。
○政府参考人(吉武民樹君) 分かりやすい算式で御説明申し上げたいと思っております。
○辻泰弘君 次に、年金制度の、公的年金制度の一元化のことでお聞きしておきたいと思います。
 私も予算委員会で質問をしまして、大臣にもお聞きしたんですけれども、そのときはちょっとまだそれほど前向きとも言えないと言ったら恐縮ですけれども、そういうような御発言だったと思うんですが、その翌日に記者会見をされたときには、共済年金もいつまでできるかといえば、行き詰まるときがあると言われているわけであり、早く厚生年金に一元化していくということが望ましいと、方向性としては一元化の方向だというふうに私は思っておりますと、こういうふうな会見でもおっしゃっているわけなんですが、このことについて、もう一度基本的に取り組んでいかれる決意を聞いておきたいんです。短めでお願いします、済みません。
○国務大臣(坂口力君) 年金の一元化の問題が議論されておって、一元化の問題にはいろいろの意味合いもあるというふうに思いますが、いわゆる職域年金の一元化という問題、今御提示されたのはそういう意味かというふうに理解いたします。
 これは今までも、国鉄、旧国鉄でありますとか、たばこ産業でありますとか、そうしたところの問題も本当にもう行き詰まってから、もうやれなくなってから厚生年金と一緒にというような話が出ましたりするわけで、それは私は、行き詰まってから言うのでは遅過ぎる、そしてまた厚生年金の側もそれはなかなか受け難いというふうに思っておりまして、そういうふうになる前から既にやはり一元化は進めていくべきだというのが私の基本的な考え方でございます。
 ただし、現在のところは、国家公務員と地方公務員との財源の一元化というのは今進んでいるという段階でございますから、少し私のスピードとは違うというふうには思っておりますけれども、私個人はそういうふうに、もう少し全体として職域保険は職域保険としての一元化を進めていくべきだと私は思っております。
○辻泰弘君 職域年金の一元化とおっしゃったんですけれども、元々の精神は公的年金全体の一元化にあったんではないかと私は思います。
 これは前の委員会でも五十九年の閣議決定のことを申しましたけれども、大臣はそうとも読めるというお話だったわけですが、私は素直に後からも読みましても、基礎年金を入れた後に、その措置を踏まえて昭和七十年を目途に公的年金制度全体の一元化を図るんだと、こういうふうに言っているわけでございまして、厚生省流には、厚生労働省流には一元化と統合という言葉があるというふうなことも聞いたりしますけれども、一元化というのはあくまでも制度的な統一じゃないんだというふうな見解に基づいているというふうなことも聞いてしまいますけれども、しかし、それもやはり精神として、すぐにはできないにしても、やはり職業によって違う制度に入るということはなくすと。やっぱり公平な制度で一元化された中に国民ひとしくいる状況を作るということはやはりあるべき姿だと思いますので、そのことに向けてやはり着実に歩みを進めていただきたいと思うんですが、大臣、そのことについて決意を一言お願いします。
○国務大臣(坂口力君) これは、基礎年金のところは一元化をするというのでかなり進んだわけでございます。
 問題のところは、いわゆる自営業の皆さん方でありますとか第一次産業の皆さん方と、そしていわゆるお勤めの皆さん方との間の一元化というのは、これは何もかも同じにしてしまうということが一元化なのか、それともそれぞれのお立場を踏まえた形でこれは一本化をしていくということなのか。その辺のところは私は議論のあるところだというふうに思っておりますが、制度をそれ全体でしていくということは、それは望ましいことだというふうに思っております。ただ、すべてのどんなところにお勤めの皆さん方も一つのことでそれを作り上げていくというのはなかなか無理な面もあるというふうに思っております。
○辻泰弘君 御説明も理解いたしますけれども、やはりあるべき姿を追求して私どもも取り組みたいと思います。そういう見地からお取り組みいただきたいと思うんですが、いずれにいたしましても、年金制度の一元化等の議論を進める過程において、やはり国共済、地共済、私学共済とあるわけですが、それぞれの財政見通しというものも当然提示されてしかるべきだと思うわけでございます。現にお作りになって出していらっしゃるわけです。
 ただ、それが五年ごとの再計算のときの、国共済なら十月に出される、地共済は十二月に出されると、こういうことになっているわけでございます。それは元々の年金法の中の規定があって、国共済だと主計局長、地共済だと自治省の、今は総務省ですけれども、自治行政局長ですか、その方からの指示を受けて、こういうスタイルでやりなさい、いつやりなさいと、こういう指示を受けて作るということになっておりまして、今年でいえば十月にお出しになるというふうなことを聞いているわけでございます。
 しかし、やはりこの国会審議において共済の議論もするわけですから、年金制度との連動でやるわけですから、年金の厚年と国年の見通しは出される、またいろんなパターンも出してくださるということになったわけですけれども、やはり共済のものも当然出して、その議論も踏まえて、やはりこれからの社会保障制度いかがあるべきだと、こういうことで議論をすべきだと思うわけでございます。
 そういう意味において、地共済、国共済、私学共済もございますけれども、財政見通しというのを早急にお取り組みいただいて提出していただくべきだと思うんですけれども、財務省並びに総務省の御見解をお示しください。
○大臣政務官(山下英利君) お答えを申し上げます。
 国共済の財政の再計算につきましては、保険者たる国家公務員共済組合連合会がこれは少なくとも五年ごとに行うというふうな形になっております。そして、今回の制度改正案の内容を反映いたしまして本年十月まで、辻委員ただいま御指摘のとおり、本年十月までに行うこととしているところでございます。
 このため、現在、連合会におきまして再計算に向けまして基礎数値の整備等、システムの構築の準備作業が行われているところでございまして、また一方では、ただいまお話もございましたとおり、国共済改正法案の審議に際しましては何らかの財政計算に基づき議論できることが望ましいという御指摘もございますので、私どもといたしましては、連合会におけるデータの整備やシステム構築等の準備状況を踏まえながら、改正法案の審議に合わせて対応をさせていただくように、どんな対応ができるのか、検討していく所存でございます。
○政府参考人(久保信保君) 私どもの地共済年金、これの財政再計算につきましては、国共済同様五年ごとに行うということで、今年は、前回は十二月だったんですけれども、十月に地共済組合連合会が行う予定になってございます。
 また、このたび提出をいたしました地共済法の一部改正案に基づきます将来の財政見通しの推計、これにつきまして、現在、システムの見直しでありますとかあるいはデータの整備といった準備を今やっておる最中でございまして、今回の法案審議に合わせましてどのような対応ができるのかということについて検討させていただきたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 前回の再計算のときも、まだ法律が通っていない段階で、法案の段階で取り組まれたということがあるわけです、決定する前にね。ですから、そういうことから見ても、そもそもその議論のときに出すべきなのは当然だと思っていますけれども、前回、法案の段階でも作ったということも現実にあるわけですから、今も当然法案の段階でできると思いますし、出すべきだと思いますので、是非その点についてはしっかりとお取り組みをいただきたいと、このことを強く申し上げておきたいと思います。
 最後に、労災のことで一つお聞きしておきたいと思います。
 積立金が七兆円あるわけですけれども、これが結局預託されているだけで、経常的にはもう収入で毎年成り立っているわけなんですね。七兆円がはっきり言いましてもったいないような状況になっているわけです。
 積立方式だと言われるわけですけれども、このことについて、私はあるべき姿を一度またじっくりと議論したいと思うんですけれども、財政見通しをこれも本当は出して七兆円のことを議論をすべきだと思うんですけれども、その点について大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この労災の問題は、民営化の問題が出ましたりいろいろあるわけでございますが、私は、労災というのは、なかなか民営化ではやっていけない事業所への例えば立入り権限でありますとかそうした問題もございますので、ここはなかなか民営化は難しいのではないかというふうに、率直にそう思っております。
 その中身でございますが、七兆円あるものですから、これはようけ持ち過ぎているからこれをもっと減らせというお話があるわけでございます。しかし、これは、それぞれ障害を持たれた皆さん方が生涯の年金として、労災で年金としてお出しするものを積み重ねてでき上がっているわけでございますので、この年金額を減らすということになりますと、今労災で障害を持たれた皆さん方の生涯の年金が支払がなかなか難しいということになってまいりますので、その七兆円をなくしようという意見には、私は反対をいたしております。
 ただ、この在り方、今後の運用の仕方とかそういうことにつきましては、これは議論をしなければいけないというふうに思っておりますので、そこはいろいろまた御議論をいただきたいと思っております。
○辻泰弘君 以上で終わります。
○委員長(国井正幸君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日、私は主に厚生労働省のへき地医療対策について質問させていただきたいというふうに思います。
 まず最初に簡単な質問でございますが、厚生労働省のへき地の定義を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) へき地保健医療対策におきまして、へき地とは、交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域のうち、医療の確保が困難であって、無医地区、お医者さんがいない地区ですが、及び無医地区に準じる地区の要件に該当するものを私どもへき地というように定義しております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 平成十六年度の予算案でも、このへき地保健医療対策の推進という項目で二十五億四千二百万円が計上されております。沖縄、離島県でございますが、その振興を担当しております内閣府やほかの部局を合わせますと五十六億七百万円というふうに伺っております。
 大臣、現在、平成十三年度から五か年の予定で開始された第九次へき地保健医療計画が実施中ということで私理解をしておりますけれども、やはり今定義の中にもありましたけれども、離島あるいは山間部などの自治体は、人口の大幅な減少と高齢化に伴う深刻な諸問題に直面しているところが多いわけでございます。そういう意味で、是非とも坂口大臣のリーダーシップで更なる支援拡充をお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
 先日の参議院の予算委員会でも我が党の渡辺議員が言及をしておりましたけれども、また大臣もよく御存じのテーマでありますが、今、日本全体ではお医者さんが過剰であると、たくさんのお医者様がい過ぎるということが指摘されているわけでありますけれども、他方、地方、特にへき地の医師不足は深刻でございます。そのために、この第九次のへき地の医療計画の中でも、へき地で働く医師あるいは歯科医師、看護師も含まれると思いますけれども、等の医療従事者の確保が最重要課題であるというふうに位置付けられているわけでございます。
 そこで、厚生労働省にお伺いしますけれども、この第九次計画が平成十三年度から始まってから、どの程度へき地での医療に従事する者の数、量的な面での改善がされたのか、具体的な数字を挙げてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 全国に勤務する医師の数ですが、平成十四年の十二月三十一日現在二十六万二千六百八十七人でございます。
 お尋ねのへき地に勤務する医師の数でございますけれども、そのへき地の範囲が、先ほど申しましたように島嶼、島、離島ですとある程度範囲が限られるわけですが、それ以外の山の奥ですとかそういうところは、交通網の整備とか人口の増減によりましてその時々の変動があるのでなかなか実態の把握が難しいということがございます。
 ただ、私ども、自治医大の方から資料をいただきました。それで、自治医大の卒業生の中では、現在勤務している方が卒業生全体で二千百十二名と言われていますが、その中で九百二十一名がいわゆるへき地というところに勤めているというふうに承知しております。
 それから、離島でございますが、ここはカウントできるということで、十三年の四月一日現在ということで八百九十一人の医師が離島に勤務しております。これはその二年前の調査、平成十一年と比べますと、残念ながら二十七人減少しているという現状でございます。
○遠山清彦君 今、数字でお話ございましたが、私、厚生労働省から教えてもらいまして、全国の医師の全体の数は平成十二年の十二月三十一日現在で二十五万五千七百九十二名おりました。これが二年たった平成十四年の末ですと、先ほど局長もおっしゃっていましたけれども、二十六万二千六百八十七名と微増になっているわけでございます。しかし、この第九次のへき地保健医療計画が平成十三年から始まっても、例えば今離島部だけでありますけれども二十七人減少しているとお答えがあったとおり、実は改善されていないんですね。
 私も後ほどまた申し上げますけれども、離島を回りましても、医師の数が、これ実際に数字で出ているより減っているわけですね、離島では。そして、山奥のへき地の医師の数についてはなかなか分からないということでありますが。
 私、これ若干苦言になってしまうかもしれませんけれども、山間部の自治体の医師不足についても、厚労省こうやって計画をわざわざ作っているわけですから、それで数を把握できませんというのであれば、これ何のために量的確保を最重要課題に挙げているのかちょっとよく分からないわけですので、是非、毎年が無理でも二年ごとぐらいに離島部とそれから山間部のへき地のお医者さんの数をしっかり把握をしていただいて、まず、その上でやっぱり増加をさせていくという努力をしていただかないといけないというふうに思っております。これは要望ですので御答弁は結構でございます。
 ところで、先ほど定義のところでお話も出ましたが、お医者様が全くいない、いわゆる無医地区もまだ日本で解消されていないというふうに理解をしておりますが、厚生労働省が把握をしているこの無医地区の数は全国でどれくらいでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十一年の六月末、毎年、五年ごとの調査でございますので、直近ではこの十一年六月末現在ですが、九百十四地区でございます。
○遠山清彦君 ありがとうございます。全国で無医地区がまだ九百十四地区もあるということでございます。
 先ほど来私ももう申しておりますけれども、へき地医療に従事する医師等を量的に増やすためには、やはり大事なことは、医者になる前に、医師になる前に、若い医学生の段階でへき地医療に対する関心を高めてもらう必要が私は当然にあるというふうに思っております。
 今、若者の間ではやっている漫画の一つに「Drコトー診療所」というものがありましてテレビドラマにもなっているわけでありますけれども、あれは架空の離島に若い医師が行きまして、いろんなドラマがあるという漫画あるいはテレビドラマになっているわけですが、現実の離島医療というのは漫画ほど簡単でもありませんし、ドラマチックでもないというふうに私、思っております。
 しかし、他方で、へき地医療に自ら飛び込んで六年になるという人が、あるインターネットのこのへき地医療の情報を交換する掲示板にいろんな意見を書いておりました。そこの中で、この自ら飛び込んでへき地で頑張っている医師が、離島に行って、顔と顔を突き合わせた医療ができるようになりましたと、また自然と人間のかかわりも実体験できますというふうに書いておりました。また、この同じ医師が、この掲示板の中で、へき地医療に関心がありますという若い学生が書き込みをしたことに対してアドバイスを書いていたんですが、そこでは、是非、このへき地で医療をしたいという若い学生は、医学とは何か、医療とは何か、医療の倫理とは、包括医療とは何かということを意識して学習をしてきてほしいということをアドバイスをしておりました。
 これは是非坂口大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、若い医学生あるいは医師になったばかりの人を強制的にへき地に送るということはこれは無理なわけでありますけれども、しかし他方で、地方、とりわけへき地でお医者さんが足りないということはさっきの数字にも表れているわけです。そこで、大臣のお立場から、どういう教育あるいは研修をしていけば、こういった若い、情熱と、能力もできればあるお医者さんがもっとへき地に行こうというふうになるとお考えか、お聞かせください。
○国務大臣(坂口力君) これはなかなか難しい話であることはもう御指摘のとおりでありまして、へき地に対しまして医師がどう足を運んでくれるか、あるいはそこで医療を行ってくれるようになるかというのは、一に掛かりまして、やはり医学教育の中で医師の使命とは何ぞやということをやはりしっかりと身に付けていただく以外にないのではないかという気がいたします。
 私も、若いときに、山間へき地の、まさしくこのへき地の医療に携わったことがございますけれども、本当はやはり、少しいろいろの経験を積んだ人が行ってくれることが一番地域の人にとっては望ましいんですね。大学を出たすぐの人間に来てもらっても本当は余り役に立たないと僕は思うんです、すべてのことができなきゃならないわけでありますから。私は、もう大学を出てすぐに行ったわけでありまして、自分が習ったことだけの範囲は知っておりますけれども、それ以外の科のことはほとんど分からなくて、まさしく困った、もう本当に暗中模索の日々であったというふうに今振り返っているわけでございますが。
 やはりある程度の、初期の医療というものについて経験を積んだ医師の中から何人かが三年なり五年なりそこに滞在をしてやるというようなことが、ある程度これを順送りにそれが続けてもらえるようなシステムができれば一番望ましいというふうに思っておりますが、これも、御指摘のように、首に縄を付けて引っ張っていくわけにはなかなかいかないわけでございますので、自然にそういうシステムができ上がるようにどう地域で作り上げていくか。
 例えば、地域の公的な病院、そこの公的な病院の人の枠と申しますか、医師の枠を少し多めに取って、そしてその中でできるだけその地域の、例えば離島でありますとかあるいはへき地に対して交代交代でそこに派遣できるようにするとか、そうしたことが大事でありまして、へき地の中に行っております医師にとりまして一番不安なのは、そこにじっとおりますと、自分が日進月歩します医療の中から取り残されていくのではないかという非常な心配、不安というものがあるわけでございますので、そうしたことにも注意をしながら、あるときには交代で勉強する機会も与えるといったようなことが大事ではないかというふうに思っております。
 そういうシステムを作るのには、公的な医療機関とそして無医地区というものをセットで考えるということができれば私は一番望ましいのではないかというふうに私は思いますけれども、ここはいろいろの皆さんの御意見聞いてこれから進めなきゃならぬと思いますが、今のままでやはり地域の医療というものを置いておきますと、いつまでたちましても、集まるところにはたくさん集まり、ないところは依然としてないと、それは医師の数をどれだけ増やしましても同じことを繰り返すという気がいたします。そうした意味で、今回、研修制、医師の研修制度、これはもう山間へき地でも受けていただけるようにするわけでございます。そうしたことも経験をしていただくということが大変大事ではないかというふうに思っている次第でございます。
○遠山清彦君 まさしく今大臣が御指摘になったとおり、このへき地医療に携わることに伴うデメリットというものが非常に大きな医師確保への障害になっております。今、大臣御指摘したとおり、日進月歩の先端医療技術がへき地にいる間に分からなくなってしまう、自分が取り残されてしまうという恐怖感もあると言われておりますし、それ以外に、例えば報酬が低いということもあるでしょうし、また、へき地医療に家族を連れていった場合に子供の、自分自身のことのみならず、子供の教育に対する不安や懸念なども指摘をされているわけでございます。
 そこで、当然に出てこなければいけない発想は、厚生労働省として、こういうデメリットが数多くある中で、恐らく使命感に基づいてへき地医療に携わっている医師に対してやはり何らかのインセンティブを講じていかなきゃいけないと思うんですが、これはある程度やられているようですけれども、現状どうなっているのかお答えいただきたいと思います。
○副大臣(森英介君) 今、委員御指摘のとおり、へき地の勤務には様々なデメリットがあるということは確かに明らかでございまして、そういったところに所在する医療機関につきましては、従来から、診療報酬におきまして、医師ですとか歯科医師ですとかあるいは看護師の数が医療法で定める基準に満たない場合に入院基本料が一般には減額されるという措置が取られますけれども、その減額率を緩和するような特例が取られております。
 また、これはちょっといささかちまちました話ですけれども、酸素吸入などに使用する酸素価格について、公定価格の一・五倍の価格で償還すると、こういった措置を講じてきているということであります。
 また、平成十六年度の診療報酬改定におきましても、離島に所在する病院や診療所に入院した場合について入院基本料の加算を設けるという措置も取ることにいたしておりますし、また酸素価格の特例措置についても、その対象となる地域の範囲を広げるとともに、特段の事情がある場合には実際に購入した価格で償還するといった措置を講じているところでございます。
○遠山清彦君 今、副大臣から御説明あったとおり、幾つかインセンティブというか、優遇措置が取られていることは私も理解をしております。特に、新しく離島における入院基本料に対して加算を、十八点ですか、するということで、これは本当に歓迎をしたいというふうに思っているんですが、ただ、これ一般的に日本で私誤解があると思うんですけれども、田舎に行くと結構物価が安いということを感じている人もいると思うんですけれども、実際に私も離島を十幾つ今まで回っておりますが、おしなべて離島というのは物価が高うございます。先日行きました与那国島では、缶ジュースが百五十円で自動販売機で売っておりました。これは考えればすぐ分かることで、特に離島などの場合は、島の中で産業がそんなありませんので全部輸入になるわけですから、物の値段に輸送コストが付加されているわけでございまして、決して田舎だから安いだろうという、まあ魚とか野菜は場合によってはただで手に入る地域もあるかと思いますけれども、それ以外の商品等については非常に割高な面があるわけでございます。
 そこで、これは副大臣で結構なんですけれども、私は思い切って、やはり離島の公立の診療所などに自発的に行かれる医師に対して、へき地手当みたいなものも若干考えてもいいのではないかというふうに思うんですが、御見解いかがでしょうか。
○副大臣(森英介君) 今、委員御指摘のとおり、離島医療の第一線を担うへき地診療所は、その開設者のほとんどが自治体又は日赤等、公的な団体立でございます。そういうことで、へき地手当を支給するかどうかはその開設者の裁量によるものというふうに認識しております。
○遠山清彦君 分かりました。
 私は個人的にそれぐらい考えてもいいんではないかというふうに思っておりまして、これは実は大臣、今、離島は市町村合併の問題と三位一体の改革の問題といろんなことが複合的に同時に来まして、今離島に行きますと、大臣も行かれたことあると思いますが、島民の中には、今、日本の中央政府が取っている政策というのは、これは厚生労働省だけじゃないですよ、政府全体として離島に対して取っている政策というのは、あたかも、もうみんな離島住むのやめて近くの本土、あるいは沖縄なんかだと本島にもう移り住みなさいと事実上言わんばかりの政策しているんじゃないかということを感じ始めております。私も、東京にいると分かりませんが、島に行きましていろんな実情を見て話を聞きますと、確かにそうだなと。
 ところが、じゃ離島に住んでいる方々が、人数少ないかもしれないけれども、みんな本土や本島に移り住んだら、これは日本は大変なことになるわけですね。中にはほかの国の人たちが勝手に住んでしまう、無人島化すればですね、こともあるでしょうし、国境の問題に直接的に関係のあるところが離島だと。そういう意味から、また逆に戻ってきますと、やはり離島で暮らしている方々、人数は少ないかもしれないけれども、やはりやや特別というような措置も私は考えてもいいんではないかというふうに思っておりますので、今、森副大臣がそれぞれの自治体の裁量の問題もあるということでしたので、私もまた別途いろいろな方途を探っていきたいというふうに思っております。
 次に、今度は体制の話ですが、へき地医療支援体制の拡充の進展状況について伺いたいと思いますけれども、先ほど申し上げた第九次の計画では、各都道府県に一か所、へき地医療支援機構というものを設置することが定められておりますけれども、これは全都道府県で実施済みなんでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) へき地医療支援機構については、無医地区を有する四十三の都道府県のうち、本年二月末現在で三十八の道府県で設置されております。未設置の五つの都県、東京、山梨、長野、鳥取、佐賀でございますが、については今後順次設置されるというふうに聞いております。
○遠山清彦君 是非残りの都道府県もやっていただきたいというふうに思いますけれども、ところで、このへき地医療支援機構ですけれども、これ一般的にまだ耳慣れない組織の名前でありますが、確かに、いろんな都道府県の県庁のホームページ見ますと、去年設置したとか今年の四月設置しますとか、そういうのがありますので、これから機能していくと思うんですが、この支援機構は第九次計画によりますと、専任担当者、へき地医療拠点病院群の代表、それから地域の医師会、歯科医師会の代表、それから市町村の実務者等によって構成をされていると。各都道府県の直接の指導の下にこのへき地医療対策の各種事業の実施について実質的な助言、調整等を行うことになっているわけです。
 ただ、この機構の運営主体は、これは定められているわけですけれども、へき地医療の中核を担う医療機関に任されていることになっているわけです。つまり、都道府県が直接的に指導しますけれども、実際に支援機構を作った後はその中核となる医療機関に任されるわけですね。
 実は、私のところに、既に医療支援機構が設置されている県の関係者から、やはり都道府県によって熱意とかまたその措置の支援の厚みにかなり実態上格差があって、それどうして起こってくるかというと、結局、都道府県が運営をすることになっている機関に事実上丸投げしちゃっているということがあるのかというふうに思うんです。
 やっぱり、何度も申し上げますけれども、へき地医療の支援で一番大事なことは医師の確保なんですね。ところが、それを都道府県が一応やることになっていますけれども、実際にはへき地医療支援機構を運営する医療機関に都道府県が丸投げしてしまうと、この医療機関が正に医師の確保できない。今、大臣御存じのとおり、名義貸しの問題とかで医局からもう学生派遣するのはやめようとかいろんなことが出てきていますから、以前ですと山間部とかから何か有名な大学病院の先生のところに来てお土産持っていってどうかうちに少し送ってくださいとかいろんなことできたのかもしれませんが、今それももうできないというかやるべきじゃないという話にもなっていますし、そうなりますと、都道府県の責任だと言いながら実際には一つの医療機関に丸投げをして、その医療機関が医師確保できなかったらやっぱり進まないということになる危険性がある。
 そうなると、やっぱり厚生労働省が中央からある程度全体を見て、県によってなかなかへき地医療支援が実態上進んでいないというところに関しては、やはりある程度介入して医師の確保等助けてあげなきゃいけないというふうに私思うんですが、いかがでしょうか。じゃ大臣お願いします。
○国務大臣(坂口力君) これは一つは、都道府県の中でやるだけではやっぱり追っ付かないという気がいたします。やはり都道府県の中での格差というのが非常に大きいわけですね。都道府県によりましては、かなり足りている県もありますし、また、そうした山間へき地あるいはまた離島といったものを余り持たないようなところもあるわけでありますので、これは県による格差がかなりありますから、県内だけで考えるだけでは解決なかなかいかない面がある。県にももちろん頑張ってもらわなきゃいけないというふうに思います。県が中心になって頑張ってもらわなきゃいけませんが、それだけでは解決できませんので、この都道府県間の大きな格差がありますときに、そうしたことに対して国の方が何ができるかということをやっぱり少し考えないといけないと私も思っております。
 この辺のところ、少し検討させていただいて、そして、東京なら東京におみえになる医師の皆さん方にも、こうしたところで医師が足りませんから、是非参加できる方はお願いをしますといったようなことを呼び掛けをするといったようなことを少し積極的にやって、そして都道府県間の医療、医師のアンバランスを是正をしていくということは確かにやらなきゃいけない。その中でどういうふうにまたやっていくかということは、都道府県の中でまた考えていただくということにするといったようなことにしなければならないと思うんですね。
 それで、地方自治体もかなり財政的には無理をしながら医師に対する、あるいはまた医療に対する財源というのは組んでいるところもあるわけなんです。しかし、それでもなおかつないというのが現実ではないかというふうに思っております。
 先ほど申しましたように、公的な機関の中でどう考えるかということと、それから都道府県間のアンバランスをどうするかといったことを国としてどう考えていくかといったようなことを併せてこれを考えていかないと、この問題なかなか決着がしないのではないかというふうに私は思っております。少し構想を練ってみたいというふうに思います。
○遠山清彦君 大変に心強いお言葉、大臣ありがとうございます。
 私もいろいろ調べておりましたら、今このへき地医療に関する情報ネットワークというのを厚生労働省もちゃんと予算付けてインターネット上作って情報交換してはいるんですね。ただ、実際に中のぞいてみますと、非常に熱意のある使命感の強い少数の方がそこで情報交換をしておりまして、大臣が先ほどおっしゃったように、例えば東京に医師が過剰であると、たくさんのお医者さんが、経験のある方、若い方いらっしゃると。しかし、もしかしたらその中にも、潜在的には、へき地医療に例えば一年あるいは二年、三年かかわってもいいと、自分も経験してみたいという方いるかもしれませんが、どうやって、受入先の問題もありますから、どこにどうすればそういうことができるのか、また、今働いている職場との関係もあると思いますので、是非厚生労働省の方で少し設計を考えていただいて、離島、山間部、そんなに人数多いところじゃありませんので、本当にちょっとでも工夫して今よりも改善していただければ非常に助かる方々もいるんではないかなというふうに思っております。
 最後の質問になってきますけれども、私、先ほど申し上げたとおり、沖縄の与那国島につい先日行ってまいりました。ここは日本の最西南端でありまして、一番近い日本の島は石垣島等になるわけですが、そこまで百二十六キロ離れておりますが、台湾からは百十一キロしか離れていないと。本当に国境、辺境の島でございます。へき地の典型と言われるわけであります。
 この島に行きまして、町長以下いろんな方々とお話をしたら、やはり医療事情が悪い。特に心配されているのは救急医療の面であります。この島では、緊急の患者が出て島で対応できない場合は、少なくとも百三十キロ離れた石垣島、これは海を越えていくわけですが、で対応できない場合は五百九キロ離れた沖縄本島に患者を搬送しなければいけないわけであります。
 私は、これ地元の方は、ドクターヘリ、今厚生労働省がいろいろ整備を始めているので、これが与那国島に来ないかというお話があったんですが、これいかがでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) ドクターヘリの事業でございますが、予算の確保ということ、それから離島を有する地域は特に必要だということで、私ども、全国の所管の会議を通じまして、都道府県にその活用を働き掛けているところでございます。ドクターヘリの導入ということでは、地域ごとに、広域搬送にかかわる関係者と十分な協議、調整が必要というふうに考えております。
 離島を有する県を始め、それぞれの県の導入意向を伺いつつ、先行している県の事例なども紹介しながら、私どもとしては全国的な展開が図られるよう働き掛けてまいりたいというところを考えております。
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、これは地元の自治体の姿勢も関係あると思いますので、なかなか難しい面もあるとは思いますが、例えばドクターヘリの整備が難しい場合は、やはり離島の場合、民間の航空機や船舶、あるいは場合によっては自衛隊や海上保安庁の協力を得なければなりません。ただ、これは日ごろから、自治体と地元の医療機関とそれから自衛隊、海上保安庁等が日ごろから恒常的に協議をしていないといけないわけでありまして、実は第九次のへき地医療計画でもそういった関係機関の恒常的な協議の場の設置に努めるということが書かれているわけでありますけれども、実情はどうなのか。私としては、是非この全国の離島あるいは山間部のへき地に救急医療対応についての恒常的な関係機関の協議体制を作っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 御指摘のように、第九次のへき地保健医療計画では、へき地における救急搬送が長距離にわたることを考慮して、先生御指摘の救急医療協議会などを活用して広域搬送などお願いしようということでございます。
 私ども、そういう救急医療体制ということでは、特に一番大事だろうと思うのが子供の救急ということでございまして、子供、小児の救急につきましては、四百六の医療圏のうち三百二十二の地域で特に子供の救急のための協議会が設置されているというふうに聞いております。
 ドクターヘリを近隣の県との共同運航によって導入している県では、都道府県、市町村、医師会、消防、警察など、関係官署に所属する者によって協議組織を設けていて、こういった場は活用されていると聞いております。厚生労働省としては、搬送活動の展開される範囲の広い狭いという問題ありますが、関係者の協議調整が整備されるよう、引き続き都道府県にはお願いしております。
 ちなみに、沖縄県で、先生御指摘でございましたが、ヘリコプターの添乗医師が昨年、平成十五年、十四年から十五年の十四年度でございますが、百二件の搬送があって、これは海上保安庁のヘリが八重山、それから自衛隊のヘリが本土からということで、いろいろな協議会の成果としてこのような実例があるというふうに承知しております。
○遠山清彦君 一言だけ。
 今日、総務省さん来ていただいたんですが、さっきちょっと自治医科大学のもう人数出ましたので、今日はお聞きいたしません。
 ともあれ、これからも坂口大臣のリーダーシップの下、離島あるいは山間部の過疎地域など、非常に大変な中で暮らしをしている方々の保健医療に関して、でき得る支援は全部していくという姿勢で臨んでいただきたいということを強く要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 難病あるいは慢性疾患の子供の医療費を全額公費負担する、小児慢性特定疾患治療研究事業について質問します。
 来年度予算で、これ約三十億円増えて百二十七億円計上されています。親たちの切実な願いが実って、対象疾患の追加やあるいはすべての疾患への通院の対象拡大、それから二十歳までの年齢延長、こういったことは前進だというふうに思います。日常生活用具支給など、福祉サービスも実現しておりまして、これまでの運動の成果だと思っているんですが、最初に大臣にお伺いをしたいんですけれども、この小児慢性疾患特定治療研究事業、これはこれからも病気に苦しむ子供と家族にとって大切な制度だというふうに思います。充実が求められておりますので、大臣に最初に御決意を伺いたい。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のように、この小児慢性特定疾患、その治療研究事業というのは非常に大事な部門でございまして、難病等で苦しむ小児を持つ、御本人はもちろんでございますが、御家庭にとりましても大変重要な課題であるというふうに思っております。また、医療界全体にとりましても、これからその研究を進めていって、そしてその難病を克服をしていくという意味からもこれは大事なところでございまして、研究の推進と医療の確立、普及という両面から非常に大事な問題だというふうに思っております。
 あわせまして、患者家族の医療費の負担軽減という意味も大変重要な視点であるというふうに考えている次第でございます。
 制度創設以来四半世紀がたちまして、この事業を取り巻きます環境もかなり大きく変化をしてきております。そういうときでありますので、在り方に関する考え方というものをもう一度議論をしようというので議論をしてきたところでございますが、それらの議論を踏まえまして、児童福祉法に位置付けますとともに、制度の改善、重点化を今後も図っていきたいというふうに思っている次第でございます。
○小池晃君 今、私指摘した前進面だけではなくて、いろいろと問題もございます。重点化あるいは所得に応じた自己負担ということが新たに導入されると、御家族からも不安の声が出ております。
 まず、重点化についてですが、新たに設置される医学的基準に基づいて判断するとされていますが、これは私、治療の継続が必要な患者さん外すべきでないと思っているんです。
 参考人にお伺いしたいんですが、これまで対象となっていた患者が対象外になるということは、これは起こってくる可能性があるんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の小児慢性特定疾患の治療研究事業の見直しでございますが、ただいま大臣からも御説明申し上げましたように、現在の医学的知見に基づいてこの対象疾患の追加、除外を行うと、それから対象者をある程度重点化をして継続的、安定的な制度にしていこうということでございますので、具体的な作業はこれからでございますが、対象疾患から外される疾病もありますし、これに追加されるものもあるということでございますので、それによって対象とならない患者が出てくるということもあり得るかというふうに思っております。
○小池晃君 私は少なくとも現状より後退させないということをすべきだと思うんですね。少子化対策の名に私は逆行することになると思います。
 それからさらに、自己負担の導入の問題ですが、これまでは全額公費負担だったわけです。今回、所得に応じた自己負担導入すると。これで毎月の負担は最高で一体幾らになるんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これは、それぞれの患者の世帯の保護者の所得によりまして負担の区分を考えておりまして、おおむねまあ一か月当たり外来で五千円、入院で一万円程度というようなことに制度を設計するように考えております。
○小池晃君 私が提出した質問主意書の回答では、九割の患者が自己負担の対象となって、年間負担額は一人当たり約二万円という御回答でした。二万円は平均額で、今の御答弁では、最高、通院で一年間にすると六万円以上、入院では十数万円の負担増ということになってくる。これ非常に重い負担になると。この新たに生じる患者負担の総額というのは一体幾らほどになるんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 患者全体としての負担の総額でございますが、これはまあおおむね概算で見込みまして、医療費の自己負担分、これはそれぞれ患者さん、三歳未満は今二割負担、それから三歳以上は三割負担ということになっておりますが、この自己負担分の約一割程度を費用徴収といいますか、費用として負担をしていただくというようなことになろうかと思っております。
○小池晃君 いや、ですから総額で一体幾らになるのかとお聞きしているんです。
○政府参考人(伍藤忠春君) 約二十億円程度ではないかというふうに推計をしております。
○小池晃君 二十億円新たに患者負担生まれるわけですよ。しかし私は、これは本当に少子化対策だというのであれば、こういう負担増というのはいかがなものかというふうに大変疑問に持つんです。
 そこで、小児慢性疾患の中で非常に大きな比重を占めているのは低身長症なんですね。例えばその低身長症の薬、こういう薬剤費というのはどうなっているのか。こういう外国と比べて非常に高い薬剤引き下げれば、私はいろんな財源生まれてくるんじゃないか。
 そこで、ちょっと保険局長お伺いしたいんですけれども、この小児慢性の中で多くの患者が使っている成長ホルモン製剤、これ、国内価格と諸外国の価格がどうなっているか、お示しいただきたい。
○政府参考人(辻哲夫君) この御指摘の成長ホルモン、ソマトロピンというものについて御報告申し上げますと、幾つかの企業の様々な含量、一つ当たりの重さでございますが、含量の製品が薬価基準に掲載されておりますので、事例的に申しますと、ある企業の五・三ミリグラム入りの製剤につきましては、国内の現行薬価が六万三千六百三十七円、外国平均価格が三万八百二十七円、また別の企業の十二ミリグラム入りの製剤につきましては、国内薬価が十四万六千七百九十三円、外国平均価格が七万一千六百八十九円でございます。
○小池晃君 このように、外国価格と比べると日本の成長ホルモン製剤の価格というのは二倍にもなるわけです。これ、患者にとっても保険にとっても非常に大きな負担になっている。これ中医協でも大変大きな問題になった。私は、こういう内外価格差を解消することは本当に急務だと思っているんですが、今回の薬価制度の見直しの中で、こういう外国と比べて高過ぎる薬価の引下げのための改善策というのは果たして取られたのでしょうか。
○政府参考人(辻哲夫君) 今回の十六年度薬価改定の議論の中で、中医協において議論がなされました。御指摘の成長ホルモン製剤に関しまして、これいわゆる内外薬価価格差調整が行われる前のものというふうに承知しておりますけれども、これについて差があるではないかということについて公開の場で議論がされました。
 具体的には、この成長ホルモン製剤につきましては、平成八年度の薬価改定におきまして、薬価がまず決められた後の薬価改定におきまして、製造方法が変更されたことに伴います市場拡大再算定という仕組みによりまして一三・二%の薬価の引下げが行われた、あるいは本製剤の日本における市場が縮小してきていると、こういったような議論が行われまして、その結果、特別な新たな再算定ルールを設けることなく、他の医薬品と同様に、今回、市場実勢価格に基づく改定を行うこととされたものでございます。
○小池晃君 結局、外国と比較して下げるというそういう問題提起しながら、そういう結論にならずに実勢価格で下げただけなんですよね。以前、製剤変わったとき、リコンビナントが登場したときの下げ幅だって一三%では低過ぎるんですよ。もう遺伝子組換え製品出たときにもっと下げなきゃ本当はいけなかったのにそれやってないと。結果として、依然として外国の二倍近い価格だと。しかも、成長ホルモン製剤については、これ引下げどころか引上げも去年されたわけですよね。昨年七月に新規収載されたファイザー社のジェノトロピン十二ミリグラム、これは過去の製剤に比べて一ミリグラム当たりの薬価は三二・三%も引き上げられた。これ日本小児内分泌学会から厚労省に抗議文書が行っているはずであります。
 私は、薬剤の内外価格差なくして適切な引下げを行うべきときに、逆に去年は引上げまでやっていると、どう考えても納得できないんですが、これはどういうことなんでしょう。
○政府参考人(辻哲夫君) 御指摘の製剤につきましては、現行の薬価算定ルール、これいわゆる自社製品、自ら出している同じような自社製品の規格間比を用いた規格間調整により薬価算定を行うというルールになっています。
 これ具体的には、含量、先ほどのミリグラムでございますけれども、それと薬価の比率、この比率を既存の既に出ているものから求めまして、それで更に重いものが出たらその比率を適用して機械的に算定を行うということでございますけれども、そのような規格間調整による算定式によって薬価算定を行いますと、相当以前からあった製剤に比べて含量当たりの価格が高くなったという御指摘のことが起こっております。
 このような状況にかんがみまして、平成十六年度の薬価算定ルールの見直しにおきましてはその点の見直しを行うという観点から、類似薬の規格間比が一を超える場合にはその上限を一とすると。これは具体的には、より重いものになりますと通常は量が増えますので価格が落ちるというのが普通ではないかと思いますけれども、それが一を超えるということは、単価が重くなればなるほどむしろ高くなると。この点はもうその一を上限とするというようなルールの改定を行っておりまして、今後とも薬価の適正化に努めることとされております。
 それから、今の御指摘の製品につきましては、この新ルールはさかのぼって適用されませんが、今回の薬価改定におきます市場実勢価格による見直しによりまして薬価が相当下がっております、四分の一近く下がっておりまして、類似の、既存の類似薬と整合的な価格水準に現時点ではなっているというふうに考えております。
○小池晃君 そのミリグラムが二倍になったら薬価は二倍まで上げていいという話でしょう、結局。それは本当手ぬるいと思いますよ。普通は、だって、一ミリグラムが二ミリグラムになったら価格は二倍じゃなくてもう少し下げるというのは当然であって、それでは全く適切な対応にはなっていないのではないかと。
 そもそもこの成長ホルモン製剤の薬代が、これが小慢事業全体に占める割合、極めて大きいと思うんです。医療費に対する下垂体性低身長症の割合というのは医療費ベースでこれはどれぐらいになるのか、お答えいただきたいんですが。
○政府参考人(伍藤忠春君) 小慢事業全体の医療費に占める下垂体性小人症の医療費、約四分の一程度でございます。
○小池晃君 これ、治療研究事業予算は国と地方を合わせて約二百億円なわけですよ。そのうち四分の一、約五十億円が低身長症の医療費なわけです。この低身長症の治療における成長ホルモン製剤の薬剤比率というのは物すごく高いんです。大体七割から八割がこの薬剤費用だと言われている。ということは、約四十億円になるわけですね。で、もしもこの四十億円の成長ホルモン製剤の費用が、値段が諸外国並みに半分になれば、これは二十億円の医療費が節減できることになってくる。
 私は、この高過ぎる薬価にメスを入れることで患者負担分の財源を生み出すことができると。患者負担導入だって、これだったらその必要がなくなるんじゃないか。大臣、今までの議論を聞いていただいて、私は、患者さんの自己負担を導入するよりまず先にやることがあるんじゃないか。この小慢事業についていえば、この高過ぎる薬価にメスを入れると、これ是非検討すべきではないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) このホルモン剤に限らずに、諸外国と日本の間で薬剤費あるいはまた医療機器の間で非常に格差が大きい。私も問題にいたしております。できる限りこの格差を是正をして、そして日本の高いものを引き下げていくという努力を全体にしなきゃいかぬというふうに思っている次第でございます。
 一つその中で、外国でできました薬を日本に輸入をいたしますときに、外国と同じ値段でというわけにもいかないんだろうというふうに思うんですね、日本で作ったものじゃありませんから。外国の企業もそれなりにやはり外国に出すときには利益を得たいというのは当然だろうというふうに思うんですが、倍というのはちょっと高過ぎると私も思うんですね。そこはもう少し我々も努力しなきゃいけないし、積算基礎なるものも、外国から来るようなものについてはどういうふうな積算基礎にするかということを少し考えていかなきゃいけないと私も思っております。
 この薬だけに限定して物を言うわけにはまいりませんけれども、全体としてそういう格差是正に努めていきたいというふうに思います。
○小池晃君 今回、この自己負担が導入されるということで、新たに収入証明などが求められる。家族にとって大変手続的にも大きな負担だという声も上がっています。その上、その負担が増えると。こういう薬剤費にメスを入れれば負担増しなくていいじゃないかという声が御家族からも上がってくるのは、私当然だというふうに思うんですね。
 少子化対策の名の下に、慢性疾患、難病に苦しむ患者、家族に負担を押し付けるというやり方は、私は許されないということは申し上げておきたいと思います。
   〔委員長退席、理事藤井基之君着席〕
 それからもう一つ、診療報酬改定に絡んでお聞きしたいんですが、四月から診療報酬改定で、肺血栓塞栓症の予防で弾性ストッキング、これを含めた管理料が新たに認められることになりました。これ、以前から衆議院で日本共産党の児玉健次議員が何度も取り上げてきて、坂口大臣も多分御記憶にあるかと思うんです。乳がんや子宮がんの術後に発生するリンパ浮腫の患者さんたちからこれを保険適用してほしいという要望がございました。
 今回、その弾性ストッキングが、別の病気ではありますけれども、そして予防管理ではありますけれども、保険で認められたわけであります。これ、二〇〇二年にも、リンパ浮腫について現段階で一番有効な治療は理学療法だというふうに当時の健康局長が国会で答弁されております。大臣も、苦痛が少しでも和らぐように、患者さんが少なくなるように努力しなければならないと、こう答弁されている。
 私、今回の、別の疾患ではありますが保険適用されたということも含めて、踏まえて、やはりこれは本当に、私も実際リンパ浮腫の患者さん診察していたことがありますけれども、昔、乳がんとかリンパ節、あるいはその周辺組織も含めて物すごいごそっと取るような手術をやっていたときに、リンパ管も全部結紮してしまって、もうリンパが、に対して手がぱんぱんにはれてくると。これは女性にとってみると、非常にエステティックな面から見ても、大変心の重荷になっている非常に深刻な病気なんですね。私は、この唯一の治療といえるような理学療法なわけですから、政府参考人、お答えいただきたいんですけれども、是非これを保険適用するということを前向きに検討するべきではないかというふうに考えるんですが、この点についてお伺いします。
○政府参考人(辻哲夫君) このたびの肺血栓塞栓症に対する弾性ストッキングなどを用いた予防技術、これを導入されたという経過を併せまして、このリンパ浮腫に対する弾性ストッキング等を用いた治療について適用されなかった経過をちょっと御説明申し上げたいと思います。
 新しい医療技術の保険適用につきましては、中医協で、特に去年七月からは、その中の診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会という専門家のお集まりの下で、学会からのデータ等を基に、総合的に検討を経て中医協で決定するというルールで運用されております。その中で、肺血栓塞栓症に対する弾性ストッキングなどを用いた予防技術につきましては、当該分科会にその様々な効果等のデータが学会から提出されまして、それに基づいた議論が行われて診療報酬評価が行われるようになったものでございます。
 御指摘のこのリンパ浮腫の患者さんに対するそういう療法につきましては、調査票を学会等に配って御主張いただくようにという手順を取りましたけれども、その言わば有効性、安全性、効率性、普及性といったような一定の私ども専門的な判断をいただくために必要なデータの提出がなかったということで今回見送られたものでございます。そういうことから、この中医協の仕組みというものに沿って今後検討されるものと存じます。
○小池晃君 これは是非、学会からデータも出してもらって前向きに検討して、是非実現を図っていただきたいと思っています。
 それから次に、医師の臨床研修の必修化の問題についてお伺いをします。
 これを機会に研修条件の抜本的な改善を図ることが求められているというふうに思います。教育内容の改善はもちろんですが、アルバイトをせずに研修に専念できる生活条件、経済条件の改善、急務です。過労死まで生んでいる労働条件の改善も大事であります。
 そこで最初に、来年度予算、この臨床研修費補助金について、教育指導経費百十一億円、これは今年度の四十三億円から増額が図られているわけですが、必修化に当たってどのような点を強化されたのか御説明願います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 教育指導経費は百十一億円を計上しております。具体的には、研修を行う診療科の増加に伴う指導医の指導時間の延長による研修内容の充実、それから研修プログラムに基づいてそれぞれの研修医が到達目標を達成できるようになるためのプログラム責任者の配置、研修管理委員会の設置などについて新たに所要の経費を積み上げたものということでございます。
○小池晃君 補助金の増額は貴重な前進だと思うんですが、これにとどまらず、引き続き増額を図るべきだと。しかも、今年は一年次だけが必修化されたわけですから、来年度以降は二学年を必修化されていくわけです。私は、来年度予算、来年度というか、もう再来年度予算については、来年度以上にこれは予算確保に向けた努力をこの面でしていくべきだというふうに考えておるんですが、大臣にその点の、もうちょっと先の話で少し気の早い話ではありますが、今年を更に前進させるという御決意をお伺いしたいと。
○国務大臣(坂口力君) 今年の予算、まだ御審議をいただいている段階でございますから、来々年のことを言うのはいささか早過ぎますけれども、しかし、御指摘のようにこの研修生が増えることは間違いのない事実でございますので、できる限り私たちも頑張ってその予算額は確保していきたいというふうに思っております。
○小池晃君 さらに、今回新たに設けられた導入円滑化加算六十億円ですが、この補助金はどのような基準で配分されるのか、基本的な考え方を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 導入円滑化特別加算は、特に支援が必要と認められる病院に対しまして、宿日直研修の実施に伴う経費を補助することにより、宿直、日直等の研修の円滑な実施を推進するものでございます。
 補助対象となる病院については、原則として、経営が平均より厳しく、特に経営支援を図る必要があると認められた病院、及び医師不足地域に所在する病院を考えております。
 現在、関係の病院を対象に宿日直研修事業の実施見込み調査を行っております。これらの調査結果を踏まえ、具体的な補助基準を決定したいと考えております。
○小池晃君 この補助金の配分の考え方の中に、今年度の処遇が年額三百六十万円以下の病院に配分するということが入っているわけですね。しかし、今まで懸命な努力で研修医の処遇改善に努めて、既に三百六十万円以上の処遇を実現した病院にはこれは支給の道がないと。一方で、これまで処遇を怠ってきた病院には比較的手厚いと。これは今までの努力が報われないじゃないかという声が上がってきているんですけれども、私、これ当然のことではないかというふうに思うんです。こういう点について、やはり何らかの是正、改善をこれは図る必要があるというふうに考えるんですが、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先ほども申し上げましたが、新制度を三十八年ぶりに導入するということでございますので、やはり経営が平均より厳しい、経営支援が必要だというところに我々としては補助をしていくというふうに考えております。要するに、研修医の処遇改善が進まなければいけないわけですから、そういう意味で、年額三百六十万以上払っている病院については、医師不足地域に所在する病院を除いて、補助するのはちょっと難しいかなと考えております。
 ただ、いずれにしても、現在、各病院の状況につきまして、二月二十日現在で、提出期限を求めて問い合わせしたところ、二千の病院から報告が来ておりますので、これを今精査している範囲でございます。こういうところで宿日直の研修実施の見込み調査の結果を踏まえ、補助対象の範囲を決めたいと考えております。
○小池晃君 その経営状態がいいか悪いかということと、三百六十万以上の処遇を保障しているかどうかというのは別問題ですよね。経営が厳しくたって研修医の処遇をしっかり確保しようという病院だってある。だから、私は、経営の状況を見るというのは別問題として、今回、補助基準として処遇が既に三百六十万円以下の病院を対象とするという、こういう枠組みをはめてしまうと非常にやっぱり問題があるのでないかと、そういう御指摘をしているので、その点についてお答えをいただきたいと。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先ほど申し上げました今のこの、いずれにしても、どのような形で補助ができるか、私どもこの宿日直の研修事業というものに着目しておりますので、これがどの程度の病院で、どのような形で行われているか、最低賃金、あるいはどういう実態かということをまず調べて、それを基に考えていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 そもそも、今年度の段階で、研修医の一年次年収が三百六十万円未満のそういう研修医、それから病院、これは一体幾つあるのか、全体が幾つで、三百六十万未満のは幾つなのか、そういう三百六十万未満の病院というのは一体どういう種類の病院なのか、その辺をお答えいただきたいと思います。
   〔理事藤井基之君退席、委員長着席〕
○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十五年度において手当が年額三百六十万円を超えない研修医ということでございますが、平成十五年の五月に大学病院及び臨床研修病院を対象として調査いたしました。手当が年額三百六十万未満の研修医は、採用実績八千百六十六名のうち六千六百十名、約八一%でありました。
 また、研修医の採用実績があった四百七十六の病院のうち、研修医の手当が三百六十万未満の病院は二百十病院、四四%でありまして、そのうちの百四十三病院、六八%ですが、大学病院及び国立病院というふうになっております。
○小池晃君 それから、今回の財政措置を行った上で、なお処遇が三百六十万円を超えない病院というのは、これは残るのか、見込みはどうなのか、そしてそれはどういう種類の病院に多いのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 今申し上げましたように、一番処遇の低いところが主に大学病院、それも私立の大学病院ということでございます。現在の研修医の処遇ということでは、特に大学病院、私立の大学病院を見ますと、全体で年間二百六十五万というところが百四十六万というふうに低いので、こういうところを重点的にかさ上げしていかなければならないということで、今回の措置によりまして、少なくとも最低賃金と言えるものは十分に超えていただけるだけのものは確保していただいているというふうに思っております。
○小池晃君 ちょっと文部科学省にお聞きしたいんですけれども、今回、国立大学附属病院にも必修化に対応する事業費が運営費交付金として出されると。その結果、研修医の処遇はどのように改善されるのか、それから、独立行政法人になるために裁量権があるわけですけれども、きちっとこれが研修医の処遇のために支出されることになるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(高塩至君) 文部科学省といたしましては、国立大学附属病院におきまして研修を受ける者につきまして、新たに宿直等の研修事業に参加することによりまして、従来の給与に併せまして、研修に専念できる給与について各国立大学の運営費交付金の中に予算計上をいたしているところでございます。
 先生御指摘のように、この運営費交付金は、その性格上いわゆる渡し切りの経費でございますけれども、卒後臨床研修の必修化に伴う研修医の給与の支給というのは大変大事な問題でございますので、私どもの方から各大学病院の方にしっかりお願いしてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○小池晃君 国立大学附属病院は処遇三百六十万以上に引き上げるという、それから国立病院もこれは引き上げると。すると、残る年収三百六十万円未満の病院、これは圧倒的多数が私立大学病院ということになる可能性が高いと思うんですね。これは補助金を支出しても、研修医の処遇が三百六十万円超えないという病院が私立大学で残ってしまう可能性が高い。これは極めて問題ではないかと。
 大臣、お伺いしたいんですが、私は、厚労省として、特に私立大学の病院に対して、今回必修化に当たって、やはりその研修医の処遇の改善というのを強く求めるということをすべきではないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 大学病院の場合には、大学としての機能というもの、あるいはまた大学としての立場というものを踏まえて、今日まで歴史的経緯も踏まえながらこれは決めておみえになったんだろうというふうに思っております。しかし、全国一律にこうした制度を導入するわけでありますから、その趣旨を十分に尊重していただいて今後に臨んでいただきたいと思っておるところでございます。
○小池晃君 局長、この私立大学病院の処遇を改善するために具体的な措置は考えていらっしゃらないんでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 私立大学協会その他で私どももお願いをいろいろしております。また、それぞれの大学の特色を生かして、あるいは経営などもいろいろとやっていただいているところでございますけれども、余り今のところは、とにかく先ほど言いましたように、三十数年ぶりに新しいルールを適用ということで、とにかくスムーズなこの研修体制がスタートをしていただきたいというふうに思っておるものですから、余り懲罰的なことで私ども指導するというよりも、まずはいろいろと、このような制度の中で処遇改善の計画ですとかそういうようなものをきちんと行っていただいて、そういうようなものの中で不都合なものがあれば私どもも指導していくというような形で、なるべくならばきちんとした形の研修が行われるようにしていただきたいというように考えております。
○小池晃君 ちょっと、これね、本当歴史的な大事業なのできちっとやっていただきたいと思うんですね。
 看護師の平均手当三百九十四万円、放射線技師は三百六十八万円、薬剤師が三百六十六万円、そういう中で、研修医、今二百六十五万円。私は、三百六十万円の処遇をやはりきちっと保障していくというのは、国家的な事業としてこれは臨床研修必修化やるんだったらやっぱり厳しく迫っていくべきだと。補助金出しながら三百六十万行かないという病院が私立大学中心に一杯残るという事態は何としても避けるべきだと。この点は本当に厳しく総力を挙げてやっていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 最後に、四月一日から発足する独立行政法人医薬品医療機器総合機構について。
 これは一昨年の法案審議で大変問題になって、これ、被害救済おろそかになるんじゃないか、新薬の開発や承認がスピードアップされるだけじゃないかと、製薬企業が役立つだけじゃないかということが大問題になって、大臣も追加の発言までされて、情報の迅速かつ十分な提供と、安全対策の拡充強化と、そしてこの法人の存立の原点である健康被害救済制度については、より一層積極的な制度の周知を行うと。
 大臣、正に今回、独立行政法人、新しい医薬品機構の出発というのが、安全対策や副作用あるいは薬害被害の救済、抜本的に強化するものとなるべきであるというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そのように思っております。できる限りそうした方向で進めていきたいと思っております。
○小池晃君 ところが、今議論されている中身はどうなのか。
 今日、資料でお配りをしておりますが、独法の発足に向けて中期計画、中期目標の議論がされてたたき台が出されているわけであります。これ、一部抜粋して今日示しておりますが。例えば、一枚目のページ見ていただきますと、健康被害救済給付業務と、それから審査等の業務について目標が書かれておりまして、健康被害救済業務については、標準的事務処理期間である八か月のうちに処理すべき目標は全請求件数の六〇%以上。一方で、審査業務については、期間中に当面七〇%を達成し、中期目標終了時には八〇%を達成し、医療機器については九〇%を達成すると。
 私、これもう単純に比較するだけで、目標値だけ取っても、被害救済よりも審査を、より力を入れて迅速に進めるというふうに、これ重視されているように見えてしようがないんですが、医薬局長、この点ではいかがでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 結論から申し上げますと、決して医薬品被害救済業務を軽視しているわけではございません。
 現行の医薬品副作用被害救済制度の請求件数でございますけれども、昨今、制度の周知が進みまして請求件数は大変増えております。例えば、平成十三年度でございますと四百八十三件でございましたが、二年後の平成十五年度には約八百件に増加するということでございます。そういう意味で、約一・六倍ということで増加をいたしておりまして、私どもできるだけ事務処理期間を短くしたいと努力をいたしておりますけれども、標準的な事務処理期間として設定しております八か月以内でございますが、現実の事務処理で申し上げますと、残念ながら、平成十三年度は六七%程度、平成十四年度は四六%程度というふうに下がってきております。
 したがいまして、私どもとしては、何とか下げ止まりをして更に改善をするということを考えておりまして、今回新しく独立行政法人としてスタートするわけでございますので、医学、薬学的な事項に関して、判定をするのは厚生大臣でございますけれども、それまでの前段階といたしまして、機構で、副作用の、医薬品の副作用情報でありますとか類似症例の紹介でありますとか、そういう意味で事実関係の調査、整理の業務を充実をすると、新たに行うということによりまして給付決定の手続の効率化を図って、結果としては事務処理の簡素化に努めていきたいというふうに考えております。
○小池晃君 いや、そういう声がたくさん寄せられているというのは、やっぱり今、薬害あるいは薬の副作用に対する関心が高まっているということの表れで、増えているんであれば、それに見合う体制作ってそれをやはり処理するということをやるのが行政の仕事なんです。ところが、比べてみると、製薬企業から来た審査は八割、九割これ実現すると言いながら、患者さんから来る被害救済の申立てには六割まで対応すると。
 私、これでは、本当に本気で取り組むつもりがあるのかという声が被害者団体から上がっているのも、私は本当に当然だと思うんです。
 さらに、情報公開という点で見るとどうかというと、次のページめくっていただきますと、いろんな被害情報のフィードバックの仕方が、企業、それから病院、患者と三ランクに分けられています。企業へのフィードバックというのは、これは医薬品副作用情報を、自社製品に係る情報にアクセスできるシステムを構築すると。病院に対しては、添付文書改訂したときにその情報を提供する。患者の情報提供は、患者向けの説明文書を提供するとか自己点検表を提供すると。
 だから、要するに、企業に対してはもうリアルタイムで情報にアクセスできるようにすると。医療機関についてはその中から選んだ情報だけを流して、患者には相談に来れば応じますよと。だんだんだんだん腰が引けていく、情報公開が後退していく姿がここにはっきり出ているんじゃないだろうかと。
 私、これ逆じゃないかと思っていまして、まず真っ先にそういうデータを国民にお示しするというのが本当の情報公開ではないかというふうに思うんですが、局長、これで果たして国民、患者に対して十分な情報公開しますというふうに説得力を持って言えますか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 医薬品に関係する情報提供をどう考えるかというのは大変難しい問題でございますが、私どもとしては精一杯企業にもあるいは医療関係者にも患者さん、国民にも十分な情報提供をいたしたいというふうに思っております。
 まず、企業への情報提供でございますが、企業は当然、自社製品を作っておりますので、今回、医薬品機構に新たなデータベースを作りますと、一義的な企業は責任持っておりますので、医薬品の製造業者として、今回は、他社が報告した情報であっても自社の製品に関するものであればアクセスできるということにいたしました。そういう意味で、企業側としての自社製品に関する情報についてのアクセスというのはかなり保障されているんではないかというふうに思います。
 それから二点目でございますが、医療関係者でございますけれども、医療関係者に対する情報提供につきましては、やはりその副作用情報を分析、評価された結果の情報を適切に供給するというか、提供することが必要ではないかというふうに考えておりまして、医薬品の服用に当たっての注意事項、いわゆる添付文書の改訂でありますとか、あるいはなぜその添付文書を改訂するに当たったかという意味での、その根拠となる症例の情報というものを提供するというふうに考えております。これにつきましては、患者さんの方も、インターネットといいますか、機構のホームページに載せますので、アクセスはできるということになります。
 それに加えまして、なお、患者さんあるいは国民の皆様方にもっと分かりやすい情報提供がないだろうかということで、相談業務でございますとか、あるいは副作用の早期発見に役立つような患者さん向けの分かりやすい説明文書とか自己点検表とか、そういったものを更に上乗せしてインターネットで提供したいというふうに考えております。
○小池晃君 この副作用被害対策にとって情報公開というのは私、第一歩だというふうに思っているんです。刻々と厚労省には副作用報告上がってくるんですから、私は、そういう情報をリアルタイムで国民に伝えるというのが仕事だと思うんです。
 ところが、現状どうか。
 イレッサの副作用被害、大問題になりましたが、これ最新の副作用の症例数と死亡者数をちょっとお示しいただきたいんです。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 厚生労働省といたしましては、副作用情報報告につきましては節目節目で精査を行って報告をするという形で公表しております。今お尋ねのイレッサの件でございますけれども、ちょっと長くなりますのでコンパクトに申し上げます。
 副作用報告というのは、いろんな意味で必ずしも十分な精度を持っておりません。といいますのは、複数の情報源から報告されるというケースがあるとか、あるいは同一症例でも追加的にダブって、重複してカウントするケースがあるとか、あるいは後で取り下げたものもカウントされているというようなケースもあるので、そういう意味では精査をいたす必要があるわけですが、そういう粗い集計で、ダブりもあるという前提で考えますと、今御指摘のイレッサの件数でございますが、販売開始が平成十四年の七月でございます。それからの累計数でいきますと千百五十一例ございます。それから、うち死亡例数は四百四十四例ということになっております。ただ、これは極めてダブりもあり得るということで、そういう意味での、今まで副作用報告があったものすべてを挙げた累計としてはそういう数字だということでございます。
○小池晃君 これ、何日時点ですか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) ええと、平成十五年の三月の時点でございます。平成十六年三月。
○小池晃君 一昨日から問い合わせて、突然数字が出てきたので戸惑っておりますけれども、これ、今日今初めてこの数字出るわけですよね。実際に公表されていたのは去年の九月までの数字が示されていたわけですよ。
 私は、やはりこういう情報が、こうやって国会で質問すれば数字としては出てくるわけですが、半年間ずっと去年の九月の数字で続いてきたわけで、私は、こういう情報、本当にリアルタイムで国民に伝えていくというのが、こういう副作用被害をストップさせていく第一歩になるんではないかというふうに思います。
 大臣に最後にお伺いしたいんですが、四月一日から独立行政法人スタートすると。私は今の中期計画を見ると様々問題点を感ずるわけです。このままで本当に副作用対策や情報公開という点で十分なものになるのか。私はここ、今日指摘された点も含めて、是非再検討していただきたいと。大臣がこれ認可するわけですから、そこをお願いしたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 新しく出発するわけでありますから、それにふさわしい内容にしていかなければなりません。あらゆる面で前進できるように最善の努力をしたいというふうに思っております。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 まず初めに、障害を持っている女性に対する強制不妊手術措置についてお聞きをいたします。実態をどう把握していらっしゃるでしょうか。
 座っていない。ごめんなさい。
○委員長(国井正幸君) じゃ、速記ちょっと止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(国井正幸君) じゃ、速記起こして。
○政府参考人(伍藤忠春君) お尋ねの趣旨は、優生保護法、旧優生保護法に基づいて行われておった強制不妊手術のことかと思いますが、これは平成七年までに、旧優生保護法に基づきまして総計で一万六千五百二十件、本人の同意を必要としない優生手術が行われておったということでございますが、平成八年六月に議員立法によりましてこの法律が廃止され、母体保護法に改正されたということでございます。
○福島瑞穂君 優生保護法のどこが問題だったから母体保護法に変えたのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これは経緯を申し上げますと、二十三年に超党派の議員立法により優生保護法が策定をされ、また平成八年に議員立法によりこれが改正されたというように承知をしておりますが、今申し上げたような優生思想に基づくこういった強制的な不妊手術が適当でないということで廃止をされたものというふうに私ども理解をしております。
○福島瑞穂君 九六年に優生保護法が母体保護法に変わったとき、プロジェクトチームを作ってリプロについて検討するはずだったというふうに聞いておりますが、その後どうなっていますでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) いろいろ議論があったというふうには承知をしておりますが、その後、特段の法律等の手当ては行われておりません。で、そういった議論を踏まえて広範にいろんな分野で御議論が行われているというふうに承知をしております。
○福島瑞穂君 優生保護法の犯した罪という本もありますし、私も当事者、被害者の方からお話をお聞きをいたしました。強制不妊手術を受ける、あるいはコバルト照射を受けて子供が産めなくなると。もちろん、子供を産む産まないは個人の選択ですが、子供を産みたくてもそれ以前の段階で、障害者あるいは知的障害者であるということで子供が強制的にもう産めなくなってしまっていると。
 それにもう気が付いたときは非常に遅いということがあるわけですが、一九九八年十一月、国連の規約人権委員会が勧告を出しています。パラグラフ三十一で、委員会は、障害を有する女性に対する強制的な不妊手術措置が廃止されたことは認識しつつも、このようにして強制的な不妊手術がなされた人が補償を受ける権利を規定した法律がないことを残念に思う。必要な法的手段が講じられるよう勧告するというふうになっております。この勧告をどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 先ほど申し上げましたように、我が国におきましてこの旧優生保護法に基づく優生手術、これは大変、本人の同意を得ない場合には、医師の申出に基づいて、いろんな審査機関を経て、不服があれば申立てをできると。いろんな厳正な手続の下に行われておったものでございまして、こういった法律に基づいて行われた措置でございまして、強制不妊の対象となった方々の補償を受ける権利というものを認める新たな法的措置を取ることは困難ではないかというふうに考えております。
○福島瑞穂君 ハンセン病も法律にのっとって強制隔離され、また子供を持てなかったと言われています。ナチス・ドイツは断種法を作って三十五万人強制的に不妊治療が行われました。日本の問題点は、むしろ戦後にそういう強制手術が行われたということで、そのまま何の手当てもなされておりません。
 私は、国連から勧告を受けていることもありますし、ドイツ、スウェーデンでも補償が始まっている、公的補償が始まっていることもあり、ドイツでは八四年から始めておりますけれども、日本でもハンセン氏病で対応したように解決をすべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これは今お話を申し上げましたとおり、二十三年からでございますか、平成八年までこの法律が存在したことは間違いのない事実でございまして、それがどういう効果を及ぼしたか、そしてまたその内容が本当に適切なものであったかどうかということは、それぞれ皆さん方がどういうふうに解釈をするかはいろいろあるだろうというふうに思っておりますが、しかし、現在から考えるならば、そうしたことは行われるべきでなかったという御意見がかなりあることも事実でございますし、私もそう思う一人でございます。
○福島瑞穂君 ありがとうございます。
 ナチス・ドイツが行ったような優生学的な強制不妊治療は最悪の障害者差別であるということはだれでも認めることだろうというふうに思っています。当事者も、例えば、知的障害者ではないかと言われて十代のころにコバルト照射で受けて、それで子供が産めなくなると。ですから、三回結婚して、やっぱり子供がなぜ産めないかということは夫に言えないとか、そういうもうたくさんの話があります。
 大臣、この点について国連から勧告を受けていることもあり、是非検証し対策を講じていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 国連からのこの問題はさておきまして、日本におきます過去のそうした、これも議員立法でしかもございまして、議員の間で決定されたということでございます。これはこれで重くやはり受け止めていかなければならないわけでございますから、個々のケースは別にいたしまして、こうした歴史的経緯を踏まえながら今日を迎えたわけでありますので、平成八年にこれが廃止をされて新しくスタートをしたということでございますので、その平成八年に廃止をされたという、この廃止をされたということの重さというものもやはり私は感じていかなきゃいけないというふうに思っております。
 個々のケースにつきましては、これまた別の話でございますから、触れないことにいたします。
○福島瑞穂君 議員立法ということはあるのですが、厚生省は当時、優生手術を強制するやり方を通達をしております。真にやむを得ない場合、身体の拘束、麻酔薬、欺罔、だましてもいいとする通達を出しております。つまり、だまされて、知らない間に不妊、子供が産めなくなっていると。ですから、議員立法ということの重みは議員として分かりますが、実際執行していたのは厚生省です。厚生省として是非対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これは、まあ議員立法であれ何であれ、やはりでき上がりました法律に対しましては忠実に行っていくというのが厚生労働省の立場でございますから、そういうこともあったのかどうか、私、詳しいことは存じませんけれども、法律に従って行ってきたんだろうというふうに思っております。
 しかし、その法律そのものがこれではいけないというので廃止されたわけでございますから、それなりに私は重く受け止めておるということを先ほど申し上げたとおりでございます。
○福島瑞穂君 食い下がって済みませんが、重く受け止めての対策、個々の実態調査あるいは今後の対策、諸外国との比較などはいかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今はそこまで考えて、率直なところ、おりません。過去にどういったケースがあったのかといったことにつきましての総合的なことというのは私も存じ上げておりませんけれども、こういう法律がありました以上、それの対象者になった人があることだけは紛れもない事実だというふうに思っております。そういう人たちが今はどういう立場にいるのかというところまで我々も把握をいたしておりませんけれども、中にはもう亡くなった方もおありになるし、いろいろのことがあるんだろうというふうに思っておりますが、こういう歴史的な経緯がこの中にあったということだけは、これはもう、ほかに言いようのない、これはもう事実でございますから、そうした事実を今後どうしていくかということは、今後私たちも考えていきたいと思っております。
○福島瑞穂君 ハンセン病の問題に関して国会があるいは行政が決断をしていったように、是非この問題についても解決はなされるべきであると。実態調査、個々の実態調査あるいは事実の究明、そして補償等が必要だというふうに考えています。今、障害者差別禁止法などが議論になっている今、やはり不妊治療、断種といったようなことは、最大の障害者差別であることは間違いありません。
 その意味で、是非、国会でも頑張りますが、厚生省が今までのことを検証して対策を講じてくださるよう強く要求をしていきたいと思います。どうかよろしくお願いします。
 次に、非正規雇用について再びお聞きをいたします。
 先日、非正規雇用の問題についてお聞きし、育児休業の取得の実態についてお聞きをしたところ、後日、そういうデータは取っていないという回答がありました。パート、契約社員、派遣の人たちについて育児休業の実態すら明らかにならない、取っていないということに実はショックを受けました。確かに取りにくいのですが、実態調査も取っていなくて、どうやって今後育児休業法の拡充ができるのかと思います。
 パート、契約社員、そして有期契約。パート、有期、派遣、この三つに関して、部局がばらばらで総合的な施策ができていないところもあると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 育児休業の取得率につきましては、全体として、現在の制度で対象となる範囲で、どの程度育児休業が実際に取得されているかということで今調査をしておりますが、これが大体、女性の場合、六四%ということになっております。
 御指摘のような、そのうち非正規雇用の部分がどういう実態であるかということではございますが、今御指摘のありましたように、この非正規雇用の中も、パートタイム労働者あるいは派遣労働者、契約社員、いろいろ区々分かれておりまして、それがまた期間雇用者と期間の定めのない雇用者というふうに分かれておりまして、それによってこの現在の制度が適用される適用されないというふうにまちまちになっておりますので、これを非正規雇用者だけを取り出して具体的にその統計を取るというのは、大変事業主の負担といいますか統計の限界もございますが、果たして正確な統計が取れるのかどうか、あるいは事業主にかなり過大な負担にならないかということもございますし、現在は、とにかく育児休業を促進をするという観点から、対象になる常用雇用者を中心に育児休業の取得率を把握をしておるというところでございます。
○福島瑞穂君 非正規雇用というので取るのが難しいのであれば、端的にお聞きします。派遣労働者の女性のうち、どれぐらい育児休業を取っているのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 派遣労働者の育児休業の取得率ですが、今申し上げたような事情でその正確なデータは把握をしておらないというところでございます。
○福島瑞穂君 私は非常に問題だと思います。それぞれセクションがあるわけですし、育児休業の労働者の労働条件といったときに、じゃ、果たしてそこで働く女性が育児休業を取れるかということは必要だと思うんですね。なぜ取っていないか。はっきり言って、取りにくいからですよ。取れないからですよ。でも、これから女性、まあ女性も男性も、女性も男性もですが、家庭と仕事の両立といったときに、労働省、厚生労働省がこういうデータをきちっと取り、どこに問題があって、どう促進するかという視点がなければ、全然、子供を産んで働けないですよ。今後どう対策を取られる予定でしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) こういった非正規雇用者にどういうふうに育児休業を普及していくかということは、御指摘のように非常に重要な課題だと思っておりますし、そういった観点から今国会に育児・介護休業法の改正案を提出をしておるところでございます。
 この法律によりまして、現在、育児休業の対象外になっております有期雇用者、これをある程度外形的に分かる基準を一律に設定をして、そういった条件に該当する方々は育児休業が取れるようにしていこうというようなことで考えておりますので、この法案が成立をし施行されれば、かなりこういった非正規雇用の育児休業取得率も高まると思いますし、その実態も明らかになってくるんではないかというふうに思っております。
○福島瑞穂君 法律を作って成果があったかどうかを検証するためには、以前実態がどうであるかということが分からなければ検証ができないと思います。
 先日、有期契約が、実は契約が更新されていて、期間の定めのない契約と裁判所では認定され、育児休業の取得が認められたEU関係団体の、これイギリス人の女性のケースがありました。実は、有期契約と本人が思って雇い主も思っていても、反復継続することによって期間の定めのない契約になっていることがあります。裁判を起こして初めてそれが分かるわけです。
 厚生労働省としては、有期契約、それから派遣、パートの人たちに関して育児休業の取得が現在どうなっているか、改めて実態調査をし、かつ促進をすべきだと考えております。この三つに関して、一つの項目で調査をされる、あるいは実態調査をされるおつもりはあるのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 先ほど申し上げましたような事情から、まず調査をするということはなかなか困難かと思いますので、私どもまず、制度、法制度をきっちり確立をさしていただいて、これに基づいて、どういった方々が対象になるかということを、いろいろ事業主団体、そのほかいろんなルートでこれを周知をいたしまして、今回、今御指摘のありました非常にあいまいな形で適用されているというものも、今回の法律を適用すれば、そういったところもある程度クリアに、外形的な基準から、育児休業の対象になり得るということが労使ともにだんだんはっきりしてくる面がかなりあると思いますので、そういうことをまず着実に実施をしていきたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 端的にお聞きします。派遣労働者の人には育児休業の適用が今まであったのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 度々申し上げておりますように、こういった方々でも既に現在、期間の定めのない雇用形態であれば、現在の制度でも育児休業法の対象になっておるところでございます。
○福島瑞穂君 結局、女性は、去年、半数が非正規雇用というふうになりました。正規より非正規の方が多いと、そういう中で育児休業も取れないという状況では、みんな子供を産まないで働き続けるか、あるいは子供を産もうと思って仕事、妊娠して子供を、やめるか、というその二つしかないわけですね。もう二分の一以上の女性が非正規雇用の中で、今まで本当に取れていないし、実態調査も取れていない。
 私は、非正規雇用の問題に関して、厚生労働省がひとつまとまって、これについての育児休業の取得の改善あるいは均等待遇等を是非やってもらいたいと考えますが、大臣、最後に意気込みを聞かせてください。
○国務大臣(坂口力君) ここは調査も大事でありますけれども、それは、そういう育児休業が取れるような環境をどう作り上げていくか。
 一つは職場環境でございますが、その前に、そういうことができ得る企業体制というのをどう作り上げていくかということが私は大事だと思うんですね。そこができなければ、どれだけ調査をいたしましても、ありませんでしたで終わってしまうということでございますから、調査も大事でございますが、それまでに取り得るような環境をどう作り上げていくかということに全力をやはり挙げなきゃいけないというふうに私は思っております。
○福島瑞穂君 そういう環境を作るために厚生労働省が頑張ってくださることを本当に期待して、私の質問を終わります。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。
 早速でございますが、訪問介護の輸送の取扱いについてお伺いをいたしたいと思います。
 この問題につきましては、昨年の四月でございますが、介護報酬改定の際に大変大きな混乱を招いたわけですけれども、四月以降、例えばホームヘルパーさんの運転によります通院介助サービスを行う事業所については、道路運送法第四条の事業許可、つまり青ナンバーということになりますが、これを取らなければならない云々という内容でございましたけれども、私からは、昨年この問題について何度か御質問をさせていただきました。なかなか厚生労働省と国土交通省の意見が一致しない部分もございましたんですが、最後は坂口大臣の方から無用の混乱がないように調整をしたいとの御答弁をちょうだいいたしまして、そして、私から期限を付けて何とか結論を出していただきたいと申し上げましたところ、大臣の在任中には決着を付けるというふうな御答弁をいただいたんですが、今度は私の任期もあとわずかになりましたもんですから、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 その後、両省におきましてどういう観点から協議が行われたのか、今日は再び中村局長、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(中村秀一君) 介護サービスに関連しました輸送の問題につきましては、ただいま西川先生から経過についてお話があったとおりでございますが、要は、輸送サービスを実施しておりますNPOさんが多数あるという実態、そういった方々の道路運送法上の許可を受けているかどうかということが昨年四月の介護報酬改定に伴いまして問題になったところでございます。先生から再三にわたり御指摘があり、大臣からも、先ほど先生から御紹介があったような答弁をさせていただいたところでございます。
 結論から申し上げますと、私どもと国土交通省の方と話合いをさしていただきまして、両省で整理案ができましたので、パブリックコメントも実施した上で三月十六日に方針を決定し、公表をさしていただきました。そういった意味では決着を見たということでございます。
 どういう観点から協議をさしていただいたかと申し上げますと、要介護者等の輸送サービスについては、残念ながら公共交通機関のみでは必ずしも十分提供されていないで、現にNPOなどのボランティアを始め様々な担い手により提供されているという実態、ここを十分に踏まえるということと、もう一点、ボランティア等が輸送する場合であっても、輸送中の安全の確保、利用者の保護を図る必要がある。その方策については、現在行われている輸送サービスを過度に萎縮させ、利用者の利便に影響することがないように、しかし安全確保なり利用者の保護はきちんと図っていくと、そういう観点から調整をさしていただいたと、こういうふうに理解しております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 それで、早速具体内容でございますけれども、介護事業者が輸送サービスを行う場合に許可を必要とするのかしないのかという、この点についてでございますけれども、どのように整理をされたのか。
 昨年来の局長さんの御答弁では、大まかに申し上げますと、道路交通法の許可は不要。一方、国交省側は、いわゆるタクシー事業許可が必要と、それぞれ解釈が分かれたわけですけれども、まずはこのNPOやボランティアが行う輸送サービスについて国土交通省の方から御答弁をいただけたらと思います。
○政府参考人(谷口克己君) お答えさせていただきます。
 NPO等の非営利団体が有償で行います要介護者等の輸送サービスにつきましては、昨年の四月から実施しておりました構造改革特区措置を全国展開いたしまして、運営協議会における地域の関係者の協議と一定の手続、基準の下で、自家用自動車による有償運送を全国的に認めるということにいたしました。
 具体的には、市町村等の地方公共団体が主宰する運営協議会におきまして、NPO等による有償運送について、必要性、運送主体、運送の対象、使用車両、運転者等について協議を行い、必要な手続を経て有償運送の許可を行うというふうにいたしております。
 この取扱いにつきまして、三月十六日に、私どもの各地方運輸局長に対して通知をしたところでございます。
○西川きよし君 厚生労働省、そして国土交通省、お話をいただきまして、ありがとうございます。
 私が一つうれしかったことを手短にお話しさしていただきます。
 双方、両省お越しいただきまして、大変本当に真剣にお話をお伺いいたしまして、私も御一緒にお話をお伺いすることができまして、これ以上、ちょっと時間が掛かり過ぎるということで双方の方々が喫茶店の方へ移動されて、本当に珍しいことだと思いますけれども、大変本当に真剣に御努力していただいたことをこの場をかりて厚くお礼を申し上げます。
 そして、必ず設置をしなければならないとするこの運営協議会のことでございますけれども、パブリックコメントの意見もございましたんですが、市町村で設置されないときはどうするのか、あるいは設置しやすい環境作りという意味ではどのようなことをお考えになるのか。それから、今回結論が見送られましたこのセダン型でございますが、車の形、セダン型を認めることについて、今後の方向性も併せて再度国土交通省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(谷口克己君) お尋ねのありました運営協議会の設置についてでございますが、NPO等が有償で行う要介護者等の輸送サービスに当たり、その在り方を地域の関係者が協議する運営協議会でございまして、原則として市区町村が単独で主宰をするものでありますけれども、必要に応じまして複数の市町村や都道府県も主宰をできるというふうにいたしますし、地域の実情に応じまして柔軟な運用をできるようにいたしたいというふうに思っております。
 また、厚生労働省とも連携をいたしまして、自治体の関係部局に対しまして広く運営協議会の設置の趣旨というのを周知を図りますとともに、私どもからも相談に応ずることによりまして、地方公共団体による積極的な取組というのを促してまいりたいというふうに思っております。
 次に、セダン型の扱いでございますが、セダン型の一般車両の使用につきましては、当面は新たな構造改革特区措置という形で実施をするということにしております。この中で、輸送の安全等を検証した上で、その後の全国展開に関しては判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 それからでございますが、次に、民間企業など、その営利事業者への対応についてでございますけれども、中村局長さんの昨年の御答弁にもございましたんですけれども、今現在、特に許可を受けることなく実際にそのサービスを行っている事業者さんがございます。このいわゆる営利事業者についての取扱いを国土交通省にまず御説明していただきたいということと、それから、こうした事業者の中でも、大手もあれば最大手と言われるようなところもあります。そのような企業の場合はやはり四条許可、青ナンバーで、また二種免許を取ることも、これは可能だと思うわけですけれども、しかし地域で本当にこつこつとやっておられる小さな事業者さんもたくさんあるわけですけれども、そういった方々には非常に大きなハードルとなるわけですけれども、なるというよりもなっておりますし、結果としてお年寄りなどの交通手段を奪ってしまいかねないというのが私自身大変心配をしております。併せまして中村局長さん、お答えいただきたいのと、国土交通省さん、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(谷口克己君) 株式会社等の営利法人が有償で行う要介護者の輸送サービスにつきましては、原則として道路運送法の事業許可を受けて行う必要があるというふうに考えております。ただ他方で、十分な輸送サービスを確保していくということも大きな課題でありますので、要介護者等を対象としたタクシーの事業許可等について基準を大幅に緩和をするとともに、標準処理期間の半減を図るということにいたしております。
 また、介護サービス事業者の事業実態に配慮をいたしまして、事業許可を受けた事業者の下で、ケアプランに基づき訪問介護サービスを提供するヘルパーが使用する自動車によって輸送を行う場合につきましては、自家用自動車による有償運送を認めるというふうにいたしております。
○政府参考人(中村秀一君) 介護サービスに関連しました輸送に関しては、基本的に三種類あるわけでございます。
 本来タクシー事業をやられている方が、介護タクシーといってやられているケース、それからボランティアさんや非営利の社会福祉法人などが言わばホームヘルプサービスなんかやっている延長で利用者さんを通院などにお連れするという形でやっている非営利のサービス、それから訪問介護事業に営利企業が参入されてその方々が輸送サービスも手を伸ばされると、この三ケースがあると思うんですが、介護タクシーはとにかくもうタクシーの事業所の許可をもらっているわけでございますので、問題は非営利と営利だと。
 非営利の方につきましては、事業許可は要らなくて特例の許可でいいよということでやっていただいてますので解決と。営利の場合は、やはり営利ということになりますと、営利事業者間のやはりバランスもあると思いますので、今国土交通省からのお話がありましたように、事業許可は必要だけれども、要介護者に限定してこういう事業を行う場合には大幅に緩和をしていただいたとともに、ヘルパーさんの言わば自家輸送といいますか、自分の車を使っての車両の運行も認めていただいているということで、私どもの立場からするとかなり柔軟に対応していただいたということで、やはり安全性や利用者保護の観点からぎりぎりのところをやっていただいたんではないかと、こういうふうに考えているところでありまして、私どもとしても、この整理方針に従ってきちんと道路運送法の方も守っていただけるようにやっていく必要があるなと考えているところでございます。
○西川きよし君 今、中村局長さんが本当に御答弁いただいたとおり、大変御努力していただいたことを再度この場をかりて厚く御礼を申し上げますし、また全国の皆さん方が本当にどんなに喜ばれるかという、本当に代表してお礼を申し上げたいぐらいです。ありがとうございます。
 それから、デイサービスなどの送迎、施設送迎についてでございますけれども、この点につきましては、国土交通省の御答弁では、介護報酬の送迎加算が支払われている場合は道路運送法の許可が必要と、そのようにおっしゃっておられましたが、この部分の整理につきましてどのように変わったのか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(谷口克己君) デイサービスなど、施設において介護サービスを行う事業者の方々がサービスと一体として行う施設送迎につきましては、今後は道路運送法が適用されない自家輸送として取り扱うという方向で検討しております。
 なお、この場合におきましても、安全確保の観点から運行管理等の体制の確保をしっかりしていただくように指導をするとともに、道路運送法の事業許可を受けた事業者への外部委託の促進ということも促してまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 間もなく時間もなくなります。最後の質問にさせていただきます。大臣、よろしくお願いいたします。
 この問題につきましては随分取り上げさせていただきまして、僕としてはもう本当に任期も少なくなりましたので、本日が多分最後になるというふうに思いますけれども、お年寄りや障害者など移動が本当に難しい方、そういう方々の権利を本当に守り、また保障したいなというようなことで何度か御質問をさせていただきました。是非、引き続きまた御検討いただきたい。
 私個人といたしましては、本当にいろいろ大臣には、これからも御質問はさせていただくんですけれども、本当にずっと厚生労働大臣をやっていただきたいと、そういうふうな気持ちは、今大臣は首を横に振られましたけれども、いや、僕はずっとそんな気持ちでおります。
 是非、今申し上げましたそういった全国のお年寄りや障害を持っておられる方々の移動するといった権利、国土交通省、厚生労働省、本当にこんなに仲良く喫茶店にまで行って皆さんがお茶を飲みながらお話をしてくださるようなことは、約十八年間の間でもう初めて見せてもらいました。本当にうれしかったです。
 是非、最後に、今申し上げました御見解、御答弁をいただいて、質問を終わりにします。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 西川議員から本当に何度か御質問をいただいて、なかなかまとまるのが遅くなって申し訳なかったというふうに思っておりますが、国土交通省にも大変な御尽力をいただきました。私からもお礼を申し上げたいというふうに思います。
 介護保険あるいはまたこの支援費制度におきまして、これからも高齢者や障害者の人が外出をいたしましたり様々な活動をしていただくことがだんだんと増えるわけでございますので、それに対応できるように、残されました問題もまだあるというふうに思いますけれども、鋭意決着を付けさせていただいて、そして本当にバリアフリーというのが、ただ構造物だけの話ではなくて、その行動そのものにそれが広がっていきますように努力をしたいというふうに思っております。
 西川議員にも大変お世話になりましたが、西川議員同様、私も一日も早く自由になる日を待ち望んでおります。
○委員長(国井正幸君) 以上をもちまして、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会