第159回国会 厚生労働委員会 第17号
平成十六年五月十八日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     平野 達男君     浅尾慶一郎君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     小林  元君     山本 孝史君
     若林 秀樹君     大脇 雅子君
     渡辺 孝男君     風間  昶君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     風間  昶君     続  訓弘君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         国井 正幸君
    理 事
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                遠山 清彦君
    委 員
                有村 治子君
                金田 勝年君
                佐々木知子君
                斎藤 十朗君
                田浦  直君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                宮崎 秀樹君
                浅尾慶一郎君
                朝日 俊弘君
                大脇 雅子君
                櫻井  充君
                柳田  稔君
                山本 孝史君
                続  訓弘君
                井上 美代君
                小池  晃君
                福島 瑞穂君
                西川きよし君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       厚生労働大臣   坂口  力君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       財務副大臣    石井 啓一君
       厚生労働副大臣  谷畑  孝君
       厚生労働副大臣  森  英介君
       経済産業副大臣  坂本 剛二君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小西  理君
       文部科学大臣政
       務官       馳   浩君
       厚生労働大臣政
       務官       竹本 直一君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        杉本 和行君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       社会保険庁運営
       部長       薄井 康紀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○年金積立金管理運用独立行政法人法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、平野達男君、若林秀樹君、小林元君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君、大脇雅子君、山本孝史君及び続訓弘君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(国井正幸君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長吉武民樹君外四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(国井正幸君) 国民年金法等の一部を改正する法律案、年金積立金管理運用独立行政法人法案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。
 三案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○武見敬三君 持続可能で安心ができる年金制度というものを作らなければならない、これは正に国民の最大の声ではないかというふうに受け止めております。今回、この年金制度改革の法案というものが参議院で審議始まるわけでありますが、この審議に先立ちまして、こうした公的年金に対する様々な不信感というようなものが今惹起されてきておりまして、この原因ともなってきておりますのが閣僚、国会議員など国民年金の未加入あるいは非加入、そして未納問題、こういったようなものであるわけであります。
 この問題については、実は内容をきちんと整理することなく、ただ単に強制加入以前の問題、以後の問題がごっちゃになって、そして、それがただ単に未納であるか否かというような観点でだけで議論がされてしまい、さらに、その問題を背景として、非常に重要な役職にある方々あるいは新たに代表に選出されようかとされるような方々までもが辞職をされている。正に未納ドミノ辞職的な状況が今できてしまっている。しかし、国民はそろそろこういう状況にこれはちょっとおかしいんじゃないかということをお気付きになられてきているように思います。したがって、この問題についてもうこの際きちんと整理をしておいて、しっかりとした年金制度本体の議論ができるようにしなければ私はならないかと思います。
 そして、昭和三十六年四月、拠出制の国民年金が発足いたしまして、国民皆年金の体制が整いました。それまで被用者年金制度から取り残されておりました農林漁業従事者、自営業者など、あまねく年金の利益を及ぼしていくということでは、これは画期的なものでありました。ただ、国民皆年金といっても、実際にすべての国民を対象に必ず加入していただき、保険料をきちんきちんと納めていただくといったような制度の運用がされていたわけでは必ずしも当時なかった、そういうことがおおよそ認識されるんです。そして、昨今の風潮では、とかく未加入や未納の期間が少しでもあれば、どんな昔のことであっても問題であるかのような言い方がされてきておりますけれども、本当にそうなんでしょうか。そんな単純な問題ではないように思います。行政の側としても、未加入や未納の人が手続をしていないのは悪だと言えるほど制度や手続について周知徹底したり、一人一人に対してその都度適宜手続をするよう通知をするといったようなことは当時は行われていなかったんじゃないかと思いますよ、私は。
 そこで、厚生労働大臣にお聞きしますけれども、現行の基礎年金制度、昭和六十一年四月から実施されているわけでありますけれども、それより前の昭和三十六年四月から昭和六十一年の三月まで、国民年金の加入の手続や保険料の納付というのはどういう取扱い方をされていたのか、当時の状況を少し詳しく御説明願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) おはようございます。
 昭和三十六年四月に拠出制の国民年金制度が発足をいたしまして、国民皆保険制度がこのときに整ったわけでございますが、それまで、今お話ございましたように、厚生年金でありますとか共済年金に入っておみえになった方はよかったわけでございますが、自営業者の方でございますとか農林漁業者といったような皆さん方が年金にお入りになっていないことが多かった。この皆さん方に保障をすることになったわけでございます。
 それまで年金制度の枠外にあった人に対しまして年金の保障の機会を与えるということでは大きな前進であったというふうに思っておりますが、年金に加入できる対象者全員に加入していただいて保険料を納めていただくといったところまでは行われていませんでした。例えば、厚生年金に二十年加入いたしますと老齢年金を受給できるということにその当時なっておりましたので、そういった人は四十歳前に退職をしましても国民年金に加入する義務がありませんでしたし、学生でありますとかサラリーマンの妻など、国民年金に加入する義務のない方が数多くいたこともまた事実であります。お一人お一人に通知をして加入の届出を促すといったようなところまでは実際的になかったわけで、国民年金では保険料を納めていない人は年金が受け取れないという仕組みでありまして、まずは自主的に届け出、自主的な保険料納付による制度を運営していくというのが当時の業務運営の実態であったというふうに言わなければなりません。
 大体、申し上げて、そういうことでございます。
○武見敬三君 実際、国民皆年金といっても、その初期の時期における運用の仕方というのは、正に年金に加入する機会をすべての国民に対し提供するという意味での制度は確立したけれども、それを一人一人に着実、緻密に、加入のための通知、あるいは支払のための通知等、これを整備するという段階ではまだなかったということが私はよく認識できるんではないかと思います。
 二つ目の質問ですけれども、昼間部の学生で、これ昭和六十一年度より前には国民年金に加入する必要はなかったというふうに聞いています。例えば予備校生、二浪いたしますと二十歳過ぎるわけで、その時点では加入しなければならなかったというふうに聞いております。大学入学が予定されているような人に対して一人一人加入するような通知は私はしていなかったのではないかと思います。
 そうであると、浪人生など手続をしていなかったとしても、この年金加入のための手続、自分が加入する義務があると、そして加入する義務があるので加入手続を取らなければならないというような、そういう認識を個々の浪人生が予備校生として持つような、そういう状況では私はなかったんじゃないかと思う。それで、おおよその人たちはそういう中で実際にこれを理解できずにいたというところであれば、実際、行政の側でも、手続をする必要があるということ、これぐらいは相当きちんと、本来ならば、こういった二浪して予備校生である方々、加入する義務があるんだから、そのことをちゃんと知らしめて、そして保険料を払いなさいというようなことをきめ細かく今度は通知をし働き掛けをするということがなければ、実際のところよく理解はできないんじゃないかと思いますが、この点について大臣の御所見を申していただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 二十歳以上の学生につきましては、平成二年までは国民年金に加入する義務はなかったわけでございます。具体的には、三十六年からは高校、大学、それから短大、高専の昼間部の、お昼の学生、これが対象でありましたが、六十一年からはさらに専修学校だとか各種学校の昼間部の学生が加入する義務がないものとされてまいりました。
 予備校生につきましては、今お話ございましたように、二年浪人いたしますと二十歳になるわけでありますが、二十歳の時点で、昭和六十一年三月までは建前としては加入する義務が生ずることになっていたわけでありますが、一人一人に対しまして届出を行う必要があることを通知していたわけではありませんし、また、近く大学進学を目指して、本人の、目指した本人の意識として、学生である者に対しましてそれでも加入させるといった取扱いは行われてまいりませんでした。
 なお、平成三年度に学生も強制加入となりましたが、その後、平成七年度からは、二十歳となった時点で国民年金の加入の届出を促しまして、それでも届出がない場合には職権で適用して年金手帳を送付しているところでございます。現在ではきちんと加入していただくような体制を取っているところでございます。
○武見敬三君 今のお話を伺っていてもよく分かるんですけれども、そういうことであれば、この大多数の二十歳以上の予備校生というのは、自ら国民年金に加入しなければならないという義務感というようなものを実はなかなか持てないような状況にあったということはほぼ推定できるわけであります。したがって、こういった問題を考えたときに、制度の問題というよりもこの運用上の問題というものが私は相当大きな比重を占めているということをここで改めて御指摘をさせていただきたいと思います。
 そしてさらに、現在では非常に多くの若者が海外留学しているわけでありますし、その際のことでお聞きしたいわけでありますが、昭和三十六年から昭和六十一年当時に海外に長期に留学している場合や留学を終えて帰国した場合、年金についての取扱いというのは一体どうなっていたんでしょうか。個別に手続について連絡がきちんと行われていたんでありましょうか。その点についても御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 海外留学の場合につきましては、昭和三十六年から六十一年三月まで国民年金については加入できないものとなっております。それまで国民年金に加入していた場合は脱退の手続を市町村の窓口で行っていただくことになっておりました。その場合、住民票につきまして海外への転出届をしていなかったり、あるいは国民年金の脱退の手続を取っていなかった場合でも、海外に長期間留学していたという事実があれば国民年金に加入する必要はないものと考えられておりました。また、留学を終えて帰国した場合は加入の届出をしていただく必要があったわけでありますが、そういった方一人一人に対して個別に国民年金の手続についてお知らせをするというようなことはなかった、そういうのがそのころの実態でございました。
○武見敬三君 この点についても、やはり私自身も海外の留学経験というものをたくさん持っているんですけれども、そのときに、こういう年金の扱いがどうなるかということについて御通知をいただいた記憶は全くございませんし、自分で実際に加入しなければならないとか、あるいは実際にどういう手続をしなければならないかというような認識を持つことはほとんどできなかったというのが当時の実情であったかと思います。
 こういったことを改めてきちんと冷静に、客観的に理解をして、そして実際に、様々な形でこういう未納の問題が起きたりすることが実際には当然あり得る状況だったということを私はやはり冷静に振り返って見ておく必要があると思います。そして、そういったことを正確に、冷静に理解した上で今日的な立場で議論をするべきであると。今日的な立場ですべて同じく当時の状況を理解しようとすれば、それは現実とは間違った形でその過去の経緯を理解することになりますから、それは国政の場で私はあってはならないことだというふうに思います。
 そして次に、国会議員について、これ最初は加入できないということになっていましたね、これは。これは適用除外という話があった。それから、昭和五十五年には任意加入ということになって、加入したい国会議員は加入できるようになりましたよね。そして、昭和六十一年度になりますと、今度は強制加入ということで加入しなければならなくなりました。これは結構短い期間に大きくころころ変わったものだなと私などは思いますよ。これについては、一体どの程度、どういう形で当時の国会議員に対してこの周知徹底が個々のケースで行われたんですか。
 また、いわゆる任意加入の期間というのは、これ制度設計上、それはあくまでも加入するかどうかというのは、国会議員といえども、その個人の自由というものを尊重し、その自由の選択というものに基づいて行われるべきことということがこの任意加入についての基本的な概念であります。すなわち、個々人の自由の尊重というものをきちんと認識している人であれば、任意加入という問題について、これが加入されていなかったから問題だというようなことは、私は正直言って言えないと思います。
 したがって、この点については厚生労働大臣御自身もどういうふうにお考えになっているのか、是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 三十六年にこの皆年金制度ができましたとき、それまでに存在しました共済年金でありますとかあるいは国会議員の互助年金でありますとか、そうしたもう既にでき上がっておりますものにつきましては、そこはもう入れないということでその当時は整理をされたというふうに聞いております。
 そういうふうにしてきたわけでございますが、五十五年になりますと、ちょうど三十六年から二十年経過をしているわけでありまして、国民年金にお入りになっていた方で国会議員になられる方もおみえになる。二十年間あるいは二十一、二年というふうに国民年金にお入りになっていた方で、あともう二、三年加入をすれば年金の資格ができるといった方にまでこの加入の機会を与えないというのはいかがなものかという御議論が出たそうでございまして、そうした意味から、五十五年からは加入をすること、しないことを任意制度にするということになったようでございます。
 しかし、六十一年からにおきましては、今までの年金がそれぞれのいわゆる職域単位と申しますか、国家公務員は国家公務員、地方公務員は地方公務員、その中でも例えば旧国鉄なら国鉄、あるいは旧電電公社なら電電公社といったように職域別の、お互いの職域別に、職域保険みたいな形でだんだん、職域別の互助年金みたいな形で進んできておりましたのを、それを基礎年金部分を一元化をして、そしてもう全国民が加入をして、そして一律にみんなで助け合っていこうという大転換が行われたのが六十一年でございます。その時点から国民年金は国会議員の皆さんにもお入りをいただくということになったという経緯がございます。
 社会保険庁といたしましては、加入が義務付けられました昭和六十一年の初めには、当時の国会議員に対しまして、国会議員が強制加入となった旨のパンフレットを作成をして、衆参両院の事務局と相談をしてこれを配付したそうでございます。しかし、これは六十一年五月当時のみの話でございまして、それ以後当選された新しい議員の方などに十分周知を図ってきたとは言えないわけでありまして、余りそれ以後はやってこなかったというのが現実でございます。
 また、昭和六十年までのいわゆる任意加入の期間は、これは先ほど申しましたとおり、これはもう加入する義務は全くないものでありまして、ここは六十年までと六十一年後とは制度全体につきましても大きく違っているということだというふうに思います。
○武見敬三君 少なくとも、本来ならば昭和六十一年、強制加入以降は、選挙が終わって新たに当選されてこられる国会議員の皆さん方に対しては、衆参両院やはりきちんきちんとこうした年金にかかわる制度、仕組みについてのパンフレットを私は出すべきだと思いますよ。
 それで、こういったことは行政の立場でやはり考えるべきであって、そういったことをやらないということが実は今日の問題について非常に深く問題を複雑化させていると思います。したがって、この点について改めてお聞きをしておきたいというふうに思うわけであります。
 それから、会社を退職した場合、それ国民年金の手続をしないといけないわけでありますけれども、本人がそれを知らない場合、それから忘れている場合など、閣僚の場合にもあったと聞きますけれども、本人に対してそれを通知するようになっているんですか。この点について厚生労働大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 企業や役所に勤めていました場合は厚生年金や共済年金にそれまでは入っているわけでありますが、退職した場合には国民年金に加入手続を取る必要がございます。退職時に企業から退職後の社会保険の手続について説明をいただいている場合もあるわけでございますが、そうでない場合、しっかりとその説明が全部行われていたかといえば、そうとも言えないわけでありまして、本人がその手続を知らないままであることもあったということは、一般国民の場合も含めて、これは存在したというふうに思います。
 このため、平成九年に基礎年金番号を導入をしまして、これを活用して、平成十年度から企業や役所を退職しても国民年金の届出がない者には退職二か月後と六か月後に届出用紙を同封した通知をお送りをいたしております。これにより本人が届出を忘れていたことに気付いて必要な届出をしていただけるように今はしているわけでございます。しかし、二回はしますけれども、それでもその対応がなかった場合にその人たちにどうするかというところまでは現在まだ至ってないわけでありまして、今後、その届けのなかった皆さんに対してどう個別に対応していくかということも今後考えなければいけないというふうに思っているところでございます。
 現在ではこのような届出を通知するシステムができておりますけれども、以前は加入手続が必要である人に個別に通知するシステムがございませんで、必ずしも親切な対応ができていなかったというふうに我々も反省をしなければならないというふうに思っております。
○武見敬三君 これは恐らく、今日この年金の問題がわあっと沸き上がってきて、果たして自分は年金に入っているかどうか非常に心配になって、今社会保険事務所の年金の相談の窓口に多くの国民の皆さん方が殺到しているわけですね。こういった方々がなぜ自分が年金に入っているかどうか分からないかということの一つの背景にこういう問題があるんですよ。したがって、こういう問題についてのやはりきめの細かい行政上の対応がないと、幾ら立派な制度を作ったとしても、それが運用上の問題として国民の間では理解されずに、ひたすら不安と混乱を招いてしまうというこれは一例ですよね。したがって、これをやはりきちんと御認識をいただいた上で、更により適切な対応を行政としてやっていただくことを強く私は求めておきたいと思います。
 それから、閣僚等に就任したときに国民年金の未加入の問題が生じているケース、これ多いんですよね。これはどうしてこういうことが起きるのか。これは本人の側にも当然これ責任ありますよ。しかし、行政の側にもこれを誘発するような問題はなかったのかどうか。
 例えば、今日皆さん方に参考資料というのを私お配りさせていただいているんです。それで、私、いつも、制度というものについて国政の場で基本的な方針を策定する。しかし、その基本的な方針というのが実際に現実の社会でどう適用されているのかという点になると、我々がその方針を策定したときの考え方や、あるいは理屈やイメージといったようなものとは相当違った形で現実に窓口で行政措置が行われていたりすることが多分にある。こういった問題点というのは、我々政策を決めたら決めっ放しというような状況にとかく陥るために、現実にそこまで行き渡った立法府としての対応ができないという問題がやはり私は背景にあるんだろうと思います。
 それだけに、この年金についても、私、窓口業務、一体どういうふうになっているのか、どういう指示の下でどういうふうな手続をやっているのかということを非常に関心持ちまして、その届出用紙みたいなものも取り寄せて調べてみたんですよ。そうしますと、皆さん方にお配りしたように、届出用紙、国民年金、これ脱退したり加入したりする手続と国民健康保険の届出というのが一枚の紙で一緒に行えるようになっているんですよね、これ、ごらんいただきますと。そうしますと、このほか、国民年金と国民健康保険の届出がカーボン複写になっているのもありました。それからさらに、届出の内容が自動的にコンピューターで打ち出されて社会保険事務所に送付されるところもあると聞いています。
 こういう中で、実際に加入したりするときの手続というのは役所で行われますよね、区役所といったようなところで。しかし、実際に保険料の納付手続といったようなものは、これは社会保険事務所で行われるというふうに今はなっているわけであります。
 こういったようなことも含めて、実際に、一般の国民にとってはこの国民年金と国民健康保険の届出が一緒に行えるというのは実は非常に合理的でいいサービスなんですけれども、それが実際に、議員が閣僚になったりするケース、このような場合には、公務員の共済に加入はするけれども、しかしそれはあくまでも健康保険、医療にかかわる保険の方だけ加入するんであって、年金についてはこれは除外されているという、そういう特異な状況である場合に、窓口は、一般の国民に対しては極めて合理的でいいサービスをしていても、そういう特異な例が突如として現れてくると、この通常の指示の下でこうした用紙で処理をしようとされるわけでありますから、当然、こうした国民年金については脱退手続をしてほしいというような話になっていってしまうんじゃないかと思います。
 こういった問題が現実に生じていることをまず冷静にちゃんと議論して、そしてそれを認識しておくことが必要であって、これを、ひたすら感情的にこういった問題を取り上げてセンセーショナルに問題だ問題だと言うことは、むしろ、冷静に国民年金制度について議論する状況をむしろ悪化させる、悪くさせるだけじゃないかというふうに私には思えます。
 この点についての厚生労働大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘をいただきました点につきましては、もう御指摘のとおりでございます。
 閣僚等に就任をしましたときにこの国民年金の未加入が生じております背景としましては、医療保険だけが国家公務員共済組合に加入をいたしまして、年金は国民年金に加入する制度となって、この加入、年金は国民年金に加入する制度となっていることが考えられるわけでございます。
 届出用紙は、今も拝見をいたしましたが、国民年金と国民健康保険と一体となっております。この点につきましては、閣僚のような極めてまれなケースはともかくとしまして、大多数の一般国民にとりましてはむしろ親切で合理的な方式ではないかというふうに思います。
 しかし、閣僚等におきましては国民年金と国民健康保険の取扱いが異なっているわけでありまして、御本人の届出誤りもあると思いますが、このような制度を市町村や社会保険事務所の職員に十分周知徹底していなかったことも要因の一つと私は考えられるというふうに思います。この点につきましては率直に反省をし、行き届かなかった点につきましておわびを申し上げなければいけないというふうに思います。
 これは、厚生労働省当然でございますが、各省庁におきまして最初にそうしたことを御指摘をいただければ、それはそれで誤りなくて済んだわけでございますが、そこが的確に行われていなかった、厚生労働省も各省庁に、旧厚生省でございますが、そうしたお願いもしてこなかったということも事実のようでございます。
 そうしたことございますので、今後、こうしたことがないようにひとつ我々も徹底をしていきたいというふうに思っておりますが、そうした現実が過去におきましてはあったことは事実でございます。
○武見敬三君 この点、非常に今回、この報道を見ましても、やっぱり未加入だとか未納だということについてやはり非常に厳しい報道もなされて国民から不信感を抱かれているわけで、こういった問題が起きた背景というものを考えたときに、早急にこうした未納、未加入、非加入といったようなことが起きないように実際にその措置を講ずるということは私は相当喫緊の課題であろうというふうに思います。
 三党合意の前に与党提案で、与党合意という形で、「今後、国民年金保険料の歳費からの天引きを検討する。」という項目があります。この検討状況についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これにつきましては、各党間でいろいろお話合いをしていただいているようでございますので、そこでお決めをいただきますことに対しまして我々も従いたいというふうに思っているところでございまして、間違いの起こらないそういう制度というものをひとつ確立をしていただくように是非お願いを申し上げたいというふうに思いますし、我々もそれに従いたいと思っております。
○武見敬三君 こういう問題は本当に恥ずかしいことかもしれませんよ。しかし、であるがゆえに早く解決しなきゃいけないんです。これは、実際に本当に解決しようとする意思があれば、どんなに恥ずかしくても解決するための努力をする必要があると思いますので私はあえて質問をさせていただいております。
 そして、次に御質問をさせていただきたいことは、閣僚に就任した際に国家公務員の共済組合の年金保険に加入していると勘違いをして国民年金を脱退したケースで、社会保険庁が手続の誤りを認めて国民年金脱退手続を取り消したという報道もありました。これ、どういうことなんでしょうか、その理由をお聞かせください。また、それによってそれまでの未加入期間というものは一体どういう取扱いになるのか、その点の御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今御質問いただきました点はなかなかややこしいところでございますが、社会保険庁では、加入すべきときに加入していなかったり、あるいは加入すべきでなかったときに加入していた場合など、事実と異なった取扱いをしていたことが年金相談や年金の請求時に判明をいたしましたときには、被保険者の記録を正しいものに修正をしているそうでございます。
 したがいまして、未加入があったと、未加入からそうすると修正をすれば未納になるということになるんだというふうに思います。また、事実に反して脱退手続が行われて、既に社会保険庁に払い込んだ保険料をいったん本人に還付した後に事実に反して脱退はなかったものとする記録の訂正を行ったときには、それが還付されなかったものとしてその間の保険料を納付済みに修正することもできると。
 余り詳しく言うと余計に分からなくなりますが、それ以外の未納期間につきましては、現在の法令では二年間しかさかのぼって納付できないことになっておりまして、先日も三党合意におきまして、錯誤等による未加入、未納者については、今国会において一定条件の下で事後納付できるようにするための法律措置を講ずるものとすると、こういうことで合意をしていただいたところでございまして、こうしたことを踏まえて今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○武見敬三君 いや、私も、この事件というか、この件調べてみてびっくりしたんですよ。私のある同僚の議員が、実際に国民年金脱退手続をした後に、された後に改めて国民年金には加入して、その保険料も払わなきゃならないというので保険料を払い込んだと、これは特に政務次官になったときの話ですよ。そうしたら、せっかく払い込んだのに還付されて戻ってきちゃったと。しかしながら、詳しく年金の制度についてたまたま知っていたために改めて払い直しをして、そして保険料全部払い込むことができたという経緯があったという話も聞いているんですよ。むしろ未納にならなかったのが奇跡なぐらいな話で、こういう問題が現実に起きてきているということをちゃんとよく分かっておりませんと、これをひたすら政治問題化しようなどというような意向であるとすれば、これはもう本末転倒、あらゆる意味で年金制度を本気で議論しようということにはならないだろうと思いますね。
 また、同時に、私は是非申し上げておきたいことは、この未納問題等がこのような形で脚光を浴びてマスコミでいろいろと報道をされる。そうすると、ああそうか、運用の仕方も悪かったんだなと。しかし、それと同時に、これによって、制度というのは相当複雑なんだ、したがってこれで解決をするためにはやはり制度を一元化して早急に改革をしようという、こういう議論につながってくる経緯もありますわね。だけど、僕は、こういう、この未納の問題やその背景にかかわる問題というものをやはり冷静に国民の皆さん方に理解をしていただいて、そしてその上で実際にこの問題にかかわる政治的責任の在り方というものをやはり客観的にきちんと確認をしていただくことが必要ではないかと思って今日御質問させていただいたわけなんです。
 しかし、同時に、この経緯を見たときに、私、非常に心配になったことがあるんです。それは、閣僚、国会議員といえども、個人のプライバシー、個人の情報というものは尊重されなければなりません。しかし、残念なことに、閣僚のいわゆるこうした年金情報といったような個人情報というものがかくも簡単にリークをされて、そしてそれがマスコミでセンセーショナルに特だねとして取り上げられてくる。そのことによって、ますます国民はあおり立てられるようにこの未納問題について感情的にのめり込んでいってしまう。これは正に民主主義国家の中にあってはならないそういう私は事象だと思います。したがって、個人情報というものを今後いかに保護するかということについて、実は改めて認識をしなければならない事例の一つだと私は思うんですよ。したがって、こういった問題についても是非今後国会の場でしっかりと議論をしていっていただきたいというふうに私は思っております。
 そして、同時に、何よりもこの未納の問題、確かに国会議員として私たち重く受け止めなければならないことは当然であります。しかし、同時に、今正に少子高齢化社会の中で持続可能な年金制度というものをどのように再構築するかということがむしろ本論の中の本論であって、そして、そのための議論というものをするということをこの未納の問題のみを取り上げることによって妨げようとすることは、むしろ国民の本当にこの議会に対する期待というものにそぐわないというふうに私は思うものであります。したがって、この点について是非国会の場でしっかりとした議論をさせていただきたいと思います。
 私は、特にこの国政の場で我々がそうした制度設計について基本的な方針を策定する、それを法律にする、しかし、そういった法律というものが実際に施行される過程で、それぞれ現場の窓口等でどのようにそれが実施されるかというところまでは実はなかなか見極めた上で議論ができてこなかったという経緯があるんですよ。したがって、私は、この参議院ではしっかりと腰を据えてこうした制度論の基本についての議論を行い、なおかつ、こうした実際に実行される窓口業務の在り方をも含めて、それをきちんと調査をして、地方公聴会等を早急に行って、そしてそうしたことを基本にして更に国会の場で議論を続けて、そして現に地に足の着いた、国民の目線で分かりやすい議論をこの年金制度改革の中でするということが正に良識の府としての参議院厚生労働委員会のやるべき道だろうと思います。
 したがって、そういったことをきちんと私は多くの与野党の国会議員で御理解をいただいて、そして議論を深めていきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それでは、関連質問に替わります。──失礼しました。取り消します。私の質問を終わります。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 まず、冒頭にちょっと事実の関係で一つ伺いたいんですが、厚生年金に加入する要件、社員であるということなんですが、これ具体的にはどういう、勤務実態がある必要があるのかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
○副大臣(森英介君) 厚生年金の被保険者となるか否かは、適用事業所と常用的使用関係にある就労者かどうかを基準として判断をされます。この場合において、常用的使用関係は、就労者の労働日数、労働時間、就労形態、勤務内容等を総合的に勘案し、個別具体的事例に即して認定されるものでございます。例えば、労働日数や労働時間が少ない場合でも、正社員という位置付けとなっていたり、その会社との関係がある場合に、かつその事業所の平均的な労働者の労働日数や労働時間が少ないなどの場合には厚生年金の被保険者となる可能性もあるということでございます。
○浅尾慶一郎君 使用関係があるということであると思いますが、そこで、今余り年金の未納、未加入のいろんな話が出てきているので少し見落しがちだったんですが、私ちょっと気付いたんですが、小泉総理ですね、衆議院議員に当選されてから二年間ほど厚生年金に加入されております。
 議員さんがどこか民間会社に、総合的に勘案してでもだれかの指揮命令下にあるということは一般的に考えられることなのかどうか、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これは一般論でございますが、過去におきましては国会議員の中にも厚生年金にお入りになっている方がかなりあったというふうにお聞きをいたしております。
 これは、それぞれの企業に籍を置きながら国会議員におなりになっているといった方々であったというふうに思っておりまして、そういう皆さん方から過去におきましても私時々お話を伺ったことがございますが、国会終わりましてから会社へ行ったりされる方もおみえであったというふうにお聞きをいたしておりますし、また企業のことについていろいろのお仕事をなさることもあるというふうに聞いておりました。そういう方がかなりおみえになったということを私も記憶をいたしております。
○浅尾慶一郎君 つまり、実態的に、国会議員であっても、仕事をしていたということであれば問題がないという御答弁だと思います。
 それからもう一点、今、武見委員の方から様々、未納、未加入の話が出ておりましたが、そのことも踏まえてでも結構でございますが、大臣は小泉総理の未加入の問題についてどういう所見を持っておられるか、その点について伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど武見議員にもお答えを申し上げたところでございますが、この国会議員の互助年金の経緯を見ますと、三十六年に皆年金がスタートいたしましたときには、既にそういう年金に入っているということで、入っている者は除外をするということで、どの年金にも入っていない人を国民年金に入れるということでスタートをいたしております。五十五年のときの改正は、その三十六年から二十年が経過をして、そしてもうあとわずかで国民年金の資格を得るという人が国会議員にも現れてきているというようなことから、その皆さん方にチャンスを与えるといった意味で任意加入というものが認められたというふうに思っております。
 そうした経緯からいたしまして、私は、この五十五年から六十年までの間の問題は、私は、任意であり、ここは責任問題はないというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 これからの、午前中、自民党の委員のときには、森、谷畑両副大臣は来られていなかったわけですが、御本人の未加入の問題あるいは未納の問題があるわけでありますが、最初にそこについて委員会の冒頭で説明があってもしかるべきではないかなということを申し上げたいと思います。
 そこで、森副大臣、谷畑副大臣、それぞれその事実関係を、いつ社会保険庁に確認し分かったかということも含めて、事実関係と、いつ知ったかということをお答えいただきたいと思います。
○副大臣(森英介君) 私が事実を調査して知ったのは四月中旬ごろだったと思います。
 それから、事実関係について、この間の厚生労働委員会の冒頭でも申し上げましたので重複いたしますが、国会議員在任期間中の公的年金への加入状況について申し上げますと、平成二年二月に衆議院議員に当選いたしましてから国民年金あるいは厚生年金に加入して年金の保険料を納めてまいりました。しかしながら、平成六年の七月に労働政務次官に就任した際に、政務次官は、御承知のとおり、本来、医療保険が共済、年金保険が国民年金でございますけれども、年金についても医療保険に入っているものと勘違いいたしまして、医療保険じゃない、医療保険と同様に共済に加入しているものと勘違いいたしまして、結果的に政務次官在任中の十三か月間が未納となっておりました。
 なお、付言いたしますと、政務次官を辞めました時点で直ちに国民年金への加入手続を行い、それ以降、現在まで保険料を納めております。
 私自身、年金保険料を納めることは国民の義務であるということを十分認識しておりまして、これまできちんと納めてきたつもりだったわけでございますけれども、勘違いとはいえ結果的に一時期未納となっておりましたことについて大変申し訳なく思っているところでございます。
○副大臣(谷畑孝君) 私、大学を出ましてすぐ市役所に勤めて、その年金も入っておったわけでありまして、また引き続いて団体専従なり役員として厚生年金をずっとこれも事実掛けておったわけでありますけれども、ちょうど平成元年に参議院議員に当選させていただいて、ここで重大なるミスを犯してしまったというのか、年金がずっと厚生年金で天引きをされておったということもあって、これが当時の私の無知で、国民年金に切替えをしていなかったと、それが五年と十一か月であります。そしてまた、参議院を終わりまして、そして少し浪人をさせていただいて、そのときは厚生年金、その後引き続いて入っておったんですけれども、衆議院、これは少し、六年間の経緯の中で年金ということについて少し気になったりいろいろして、自分で年金をずっともう、未加入じゃなくて、今日まで掛けさせていただいていると、こういうことであります。
 私におきましては、五年十一か月のこの参議院議員時代、弱冠四十二歳でもありましたし、非常に正直な話、今から振り返ってみると本当に情けなくも思いますし、非常に恥ずかしいことだと、こういうふうに思っています。とりわけ厚生労働の副大臣として審議に携わる者として非常に申し訳なく、また今後反省をしながら更により良い審議の中でやはり参画をしていきたいと、このように実は思っております。
 知りましたのは、薄々非常に気になっておりましたし、非常に気にしておったわけでありますけれども、安倍幹事長の、五月七日、皆それぞれ議員がきっちりと調べるようにという指示もありまして、私、その趣旨に基づいて保険庁に照会をして十日に知ることになりました。こうして少しでも早くと、しっかりと真実を語りたいというのが私の気持ちでございましたけれども、少しこうしてずれてしまったことについてもおわび申し上げたいと思います。
 以上です。
○浅尾慶一郎君 それぞれ、森副大臣は四月というふうにおっしゃっておられます。それから谷畑副大臣は今月の十日ですか、というふうにおっしゃっておられますが、発表を十四日になってしたというのは何か理由があるんですか。
○副大臣(谷畑孝君) そのころ少し、新潟に若年労働者のジョブカフェのいわゆる開所式がありまして、テープカットがありまして、そこへ出張しておりましたし、また、すぐ引き続いてブルネイでASEANプラス3の労働大臣会議がございまして、そして日本側がそこの議長ということもございまして、そういう経過もあり、昨日帰ってまいりまして、そしてすぐ記者会見をさせていただいたと、こういうことであります。
○浅尾慶一郎君 森副大臣はもう少し前に発表されたということでいいわけですよね。しかし、発表が遅れたのは何か理由があるんでしょうか。
○副大臣(森英介君) 今申し上げましたとおり、四月の中旬に事実を把握したわけでございますけれども、そのとき衆議院の厚生労働委員会なども開かれておりまして、その衆議院のというか、与野党の御協議の結果を踏まえて報告をさせていただきたいというふうに考えて、もちろん自分としてはできるだけ早くと思っておりましたけれども、その与野党の御協議を踏まえてということで、それがなかなか状況が調いませんで時間が推移いたしまして、参議院、私の場合、参議院の年金の審議が始まる、これから始まるという時点でもって、この時点を逃してはと思って報告をさせていただいた次第でございます。
○浅尾慶一郎君 与野党協議というふうにおっしゃっていましたけれども、我々要求しておったんですけれども、出していないんじゃないでしょうか、その事実関係。
○副大臣(森英介君) 衆議院の厚生労働委員会の与野党の理事間でその取扱いをどうするかということが協議をされておったというふうに私は承知しております。
○浅尾慶一郎君 ちょっと別な観点から伺いますが、四月十四日の厚生労働委員会で、質疑に対して、保険料払っていますかという質疑に対して、「国民年金に加入しておりまして、保険料も納付しております。」と御答弁いただいています。これ、うそじゃないんですか。
○副大臣(森英介君) うそというのは誠に心外でございまして、私はやっぱり、個人情報という側面があることも事実ですから、その取扱いは自分の意思とかかわらずやっぱり慎重にすべきであるという考えでございます。したがって、その与野党の御協議の結果を踏まえてということで思っておりましたけれども、あのときに、どなただったかしら、馬淵議員の大変、再三の御質問がありまして、やっぱり少なくともこの時点で現在の状況は御報告しなきゃいけないなというふうに自分で判断をいたしまして、現在の状況について、それは文脈読んでいただければ分かりますけれども、現在時点でという前提でもってお話をしたもので、うそと言われるのは全く心外でございます。
○浅尾慶一郎君 質問は事実確認、保険料を納めておられるかということに対して、国民年金に加入しておりまして保険料も納付しておりますという答弁ですから、当然その質問を聞いた人は納付をされているものというふうに思うわけであります。
 先ほど来話が出ておりますように、ただ、事実錯誤によって資格を失うということはあるかもしれません。健康保険は国家公務員共済に加入できる、国民年金は加入できないと。しかし、その錯誤についてはもうその時点で気付いておられたわけですから、それを意図的に隠したんではないかというふうに思いますが、その点についてはどうですか。
○副大臣(森英介君) 意図的に隠すつもりは全くございませんで、先ほど来申し上げておりますように理事会の御協議を踏まえてというのが私の考え方でございまして、それをどうしてもということだったものですから、少なくとも過去についてまで申し上げる必要があるかどうかということまで、そういったことについても理事会の御協議を踏まえてというのが私の考え方でございましたけれども、少なくとも現在についてはこういう状況であるということをその時点でお話を、御報告をさせていただきました。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) じゃ、速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(国井正幸君) 速記を起こしてください。
○浅尾慶一郎君 もう一度伺いますが、森副大臣は、その我が党の馬淵議員からの質問に対して、国民年金に加入しておりまして保険料も納付をしておりますというお答えをされておりますが、その中で、過去において納付をしていないということは、その答弁の中で答えていないというのは紛れもない事実であります。ただ、その答えの中で、現在はということで、それで過去のことについて限定をしていない、している答弁にもなっていないはずですから、そこで私はそこに虚偽があるんではないかということを先ほど申し上げたわけであります。
○副大臣(森英介君) 私は、馬淵議員の御質問は保険料を納めているかどうかという御質問でございました。そういうことですから、それに対しては正確にお答えをしました。
 さらに、付け加えますと、私が自分の事実関係を把握いたしましたのは江角さんの一件があった後でありますけれども、そのときは、その二、三週間後の四月中旬ごろでございます。ちょっと今そこの話が聞こえたものですから、江角さんのときに知っていたということはありません。四月中旬であるということを重ねて申し上げます。
○浅尾慶一郎君 ですから、馬淵さんのときには、今の御答弁ですと、保険に加入していないから納める義務がなかったんで納めていないということを言外に含めたということですか。
○副大臣(森英介君) いや、ですから、そのときは正に理事会で協議がされているところで、その結果を踏まえて御報告をしたい、お答えしたいというふうに思っておりましたけれども、再三の御質問でありましたし、また納めているかどうかという御質問でありましたから、それに対しまして、別に意図的に隠し立てしたりなんかしないでその質問に正確にお答えをしたということでございます。
○浅尾慶一郎君 馬淵さんは過去も含めてないんですかということを聞かれたけれども、そこは事実を誤認、曲解して答えたということであります。
 次の質問に入らせていただきますが、五月十三日の副大臣の記者会見、その中で、なぜ今日になって発表しようと思ったかということに対して、諸般の情勢の下にですというふうに答えておられます。それに対して記者の方から、野党側から要求があったから出したということじゃないんですかということに対して、いえ、そういうことではありませんと、自ら進んでというふうに言っておられます。
 しかし、先ほど来のお話でいうと、協議があったと、あるいはまたその間、馬淵さんからも質問があって、答えてなかったわけじゃないですか。それはどういうことですか。その時期で自ら進んで答えればよかったんじゃないですか。
○副大臣(森英介君) いや、再三申し上げますけれども、要するに、馬淵さんから質問があった時点では理事会で協議中でありました、この問題がですね。そういうことで、私の判断で馬淵さんの現在についての質問があったからそれにお答えしたということでございまして、その後、ずっと理事会の協議が続いておりましたけれども、結果として、あの時点になって、参議院の前に、私の判断で、また別にそういう野党からどうとかということじゃなくて、この時点が一番、これ以上遅くなってはいけないなということであえて自分から進んで御報告をさせていただいた次第でございます。
○浅尾慶一郎君 今御答弁いただいておるのは実は参議院でございます。申すまでもありません。
 参議院では、森副大臣に、五月十三日より前にそのことを明らかにするように要求をさせていただいたはずですが、その点にはどういうふうに御認識されておりますか。
○副大臣(森英介君) それはちょっと私、申し訳ないんですけれども、自分では認識しておりません。
○浅尾慶一郎君 じゃ、御自身で、野党から要求されたわけではなくて自分で積極的に開示したということでよろしいですか。確認です。
○副大臣(森英介君) そのとおりです。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) ちょっと速記止めて。
   〔午前十一時八分速記中止〕
   〔午前十一時二十五分速記開始〕
○委員長(国井正幸君) 速記を起こしてください。
○浅尾慶一郎君 それでは、先ほども確認させていただきました。先ほど確認させていただきましたところ、野党側から要求があって出したんではないと。そうしたら、そういうことではないということでありますが、再度確認させていただきますが、そういうことではないわけですね。
○副大臣(森英介君) 改めて申し上げますけれども、私はあくまでもいずれかの時点で自主的に公表したいというふうに思っておりました。諸般の情勢を勘案した上であの時点で発表させていただいたわけでございますけれども、その諸般の情勢の中にこの参議院の厚生労働委員会の理事会での御協議があったということも認めます。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) ちょっと、じゃ速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(国井正幸君) じゃ、速記を起こしてください。
○浅尾慶一郎君 今、議場大変混乱しておりますので、まず委員長に確認をさせていただきたいんですが、理事会の協議では、与野党合意で森副大臣も含めて事実経緯を明らかにすることが趣旨説明に入るために、その条件であったということは、そのとおりでよろしゅうございますね。
○委員長(国井正幸君) これは、当日、野党の側の委員の皆さんからそういう要求がありましたが、与野党の筆頭間でよく協議をしていただいて、その環境を整えていただくように私の方から与野党の筆頭理事にお願いした結果、そういう整理が成ったということで、委員会の途中、場内協議の結果を私は受け止めた次第でございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、与野党の筆頭間でそういう協議が相なったということは事実として確認がされたわけであります。しかし、それにもかかわらず、厚生労働委員会という厚生労働省を所管している委員会の理事会の合意にもかかわらず、自主的に判断したとのみ御答弁されるつもりですか。
○副大臣(森英介君) いや、先ほど来申し上げておりますように、私、あの時点でとにかくそろそろ私自身の事実経過の報告させていただきたいと思っておりました。これは全くうそ偽りございません。
 そこにいろんな諸般の、これから参議院の年金審議が始まるとか、また、理事会でそういう御協議があったということも仄聞いたしまして、私、自主的に記者会見をさせていただきまして、また委員会の御要請に応じて、委員会の冒頭で私自身の事実経過を報告させていただいた次第でございます。
○浅尾慶一郎君 もし早急に公表したいというふうに悩んでおられたということであれば、もっと早い段階、つまりは、なぜ衆議院の採決前に公表しなかったんですか。
○副大臣(森英介君) それは、先ほど申し上げましたように、衆議院の理事会の御協議の結果を踏まえてと思っておりましたけれども、それは最終まで何となく調いませんで、時間が推移してしまったということでございます。
○浅尾慶一郎君 今の御答弁は、かなり衆議院と参議院で差を設けた発言だと思いまして、私はこれちょっとかなり確認をさせていただきたいと思いますが、参議院の方は理事会の協議が調ったわけです。にもかかわらず、自主的だと。衆議院の方は理事会の協議が調わないから発表しないと。これ、おかしいんじゃないですか。
○副大臣(森英介君) 理事会の協議を踏まえて、いざ発表するとすれば、それはまた私の自分なりの判断で発表させていただくつもりでありました。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) じゃ、ちょっと速記止めて。
   〔午前十一時三十五分速記中止〕
   〔午後零時二分速記開始〕
○委員長(国井正幸君) 速記を起こしてください。
 午後一時まで休憩といたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(国井正幸君) 休憩前に引き続き、国民年金法等の一部を改正する法律案外二案を一括して議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○武見敬三君 この年金制度改革法案というのはもう今国会において国民が最も注目しておられる法案だけに、今日、総理をお迎えをしてこの審議をきちんとでき得る状態になりましたこと、大変私感謝を申し上げている次第であります。
 そして、この法案については様々な問題が今惹起されてきておりまして、未納問題もその一つであります。しかし、実際にこうした未納問題のみに終始をしてしまって、本来の少子高齢化社会の中で堪え得る持続可能な年金制度をどのように再構築するかというその本論がきちんとした形で国会の場で行われていないことに、私は、多くの国民の皆さん方が大分これフラストレーション、いらいらとしておられるような状況になっているというふうに思います。
 したがって、こういう状況下において総理をお迎えをして本来しっかりと年金制度改革の議論をこの参議院の場でさせていただきたいわけでありますが、しかしまた他方で、この未納の問題というものがやはりこうした議論を国会の場でするときに国民の不信を招いてしまったという事実は、これは重く受け止めなければならないわけであります。
 したがって、この点について議論するときには、未納といっても実はいろいろあるようでございまして、錯誤による場合や、制度や運用の不備によるケースなど、いろんな形であるようでございます。しかも、強制加入以前と以後ということで、国会議員という立場でどのように対処したかということの意味合いも私大きく変わっているというふうに思います。こういったことが冷静にきちんと議論をされて、そしてやみくもに未納であったかなかったかと極めて単純な区分けの中でこうした問題が議論をされ、そしてセンセーショナルにマスコミで取り上げられて、そして国民がまたそれに惑わされるようなことがあっては本来ならないんだと思います。
 したがって、こうした問題について、未納についても、やはり冷静になぜこういう問題が起きたのかという背景をきちんと確認をした上で、国民の前でそうした原因を突き止めて、そして問題が今後起きないようにいかに対処すべきかという建設的な議論も私はやはり同時に行われていかなきゃいけないんだろうと思います。
 そういう点で、最近、総理御自身、強制加入以前の状況下の保険料の納付等にかかわる、あるいは未加入の問題などがこれは報道にも出てきておりますので、このことについて総理御自身どう受け止めておられるのかということをまずお伺いしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私のことについてもいろいろ言われていますが、事実に基づかないで、ある週刊誌の記事があたかも事実であるかのように、それを前提にして未納だ未納だと騒がれているというのは極めて遺憾だと思っているんです。
 金曜日は北朝鮮訪問のことで忙しかったものですから、あの最中に記者諸君から、ある週刊誌に総理の未納問題の記事が出ています、これについてどうなんですかという問い合わせがあって、幹事社から記者会見してくれと要請があったんです。それで、私は忙しかったものですから、秘書に任せて、よく調べて対応してくれと。それで秘書官が記者会見したんですね。
 そして、その後、私は余り週刊誌読んでいないもんですから、見出ししかいつも読んでいないもんですから、新聞、テレビで見て、昭和三十七年から浪人時代の三か月間に年金未納があったと、そういう話が出てきたときも、私は、四十年以上の前に、浪人しているときに年金入っている人いるかと、まあ大して気にしていなかったんです。ところが、ある友人から電話が掛かってきて、あんた、昭和三十七年、大学に入っていたじゃないかと言われた。それで調べてみたんですよ。そうしたら、私は大学入学したのは三十六年四月なんですよ。というと、あの記事は、三十七年一月から三月まで小泉は浪人で未納、加入していなきゃならないにもかかわらず未納だったと。聞いたら、学生だったら保険料納める必要ないというじゃないですか。だから、あの記事はうそなんです。もう三十七年一月から三月の間は既に慶応大学の一年生だったんですよ。
 私も、これよく調べりゃよかったんですけれども、四十年前のことなんてとやかく言われる筋合いはないと思っていたから、しかも学生で、これから政治家になろうなんて思っていなかったころですから、そこまで責任を問われる問題かと思っていたから気にもしなかったんですが、盛んにあの誤った記事を基にテレビでも新聞でも報道している、そういう注意してくれる方がいたもんですから、調べたらこうだったと。
 しかも、国会議員になって任意加入の期間がありましたね。これ任意、何で任意になったかというと、それは、国会議員は議員年金があります、国民年金と議員年金、二重取りする必要ないじゃないかという議論もあったんです。だから、国会議員になったら議員年金入っているから、この国民年金には任意ですから入らなくてもいいですよと。じゃ、何で任意にしたんだと。年金受給権利を得るためには、二十五年加入していなけりゃ年金を受ける権利は失ってしまう。そこで、二十五年払わないかもしれないという方には入る権利を残しておくような、任意で加入できますよと。そうすると、二十五年間年金を払っていますから、受給資格が得れますよと、六十五歳になったらということで任意加入なんです。
 マスコミの方は言葉遣いに気を付けてもらわなきゃいけないと思うんです。任意加入ということはどういうことか、強制加入ということはどういうことかと。任意加入ということは入っても入んなくてもどちらでもいいということなんです。そうでしょう。当時、国会議員は議員年金があるから、両方入って両方受けるというのはちょっとどうなのかという批判があるから、一時期は議員年金、加入しちゃいかぬという、任意でも加入しちゃいかぬ、それで任意になって、ある時点から強制加入になった。問われるべきは、もし、強制加入なのに未納だったらそれは未納と言えますよ。そうでしょう。そういうことを抜きにして、強制加入以前のことまで、まして政治家になる前の学生時代のことまで取り上げておかしいおかしいという、問題にする方がおかしいと思う。
 私はうっかりしていた方も多いと思います。こういう点についてもっと分かりやすく、年金制度というものが多くの国民に参加しやすいような形に改善策を講じていくのがこれから国会の仕事ではないかなと思っておりますので、もっと前向きの議論に結び付けていただければ有り難いなと思っております。
○武見敬三君 正に前向きの議論に早く入りたいと思ってこうした御質問をさせていただいているわけであります。
 それで、総理の秘書官の方の発表もあったわけでありますけれども、一つだけ、総理御自身の問題を伺うんですが、この加入期間とか未加入期間について社会保険庁に事実確認をされておられますか。この点についてはどういうふうになっておるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 秘書が会見したときには、自動支払になっていますから大丈夫だと。昨日改めて確認して、全部、払うべき期間は全部払っております。
○武見敬三君 厚生労働大臣、四十年前までさかのぼっていろいろとやかく言うのは、そのこと自体ちょっとよく分からないこともたくさんあるんですけれども、ただ同時に、この昭和三十六年以降、学生というのの定義、これもその後また随分変わってきていますよね。予備校生だった場合にはどうであるか。むしろ、予備校生であった場合には学生とみなされずに実際に年金加入して保険料を支払わなければいけなかったとか、そういうようなことが当時きちんとこれそういう人たちに対して知らしむるような努力が本当にされていたのか、運用上。そして、実際、私なんかは、当時の状況でいえば、予備校生のようなお立場の方々が、十分収入も確保できないようなところであればなかなかそういうことも認識できないだろうし、実際に保険料も払って加入するという状態に二十歳以上の二浪以上された方々がなるということ自体、非常にむしろ少数ではなかったのかというふうに思うんですけれども、この点の運用上の当時の状況についてちょっと御説明いただけますか。
○国務大臣(坂口力君) 三十六年、三十七年当時でございますが、これは国民年金への任意加入した学生の範囲というのは、大学でありますとか短期大学でありますとか、そうしたところが、専門学校も入りますけれども、そうしたところが任意加入になっていたわけであります。
 では、浪人も一年なら十九歳でありますから二十歳前でありますけれども、中には、それは二年浪人する人も中にはいると。そうなりましたときにその二十歳の人にどうかということであれば、二十歳を超えるわけでありますから、浪人中の予備校生というのも国民年金加入の義務はあったことはあったというふうに思います。
 しかし、国民年金全体が発足いたしましてからまだ一年とか二年とかいうふうにたっておりましたときに、そうした皆さん方まで入っていただくように要請をしていたという事実はございませんし、また、その浪人をしておみえになる学生さんたちに対して何らかの手当てを、手当てと申しますか、その人たちに対してこういうふうにしてくださいというような通知を差し上げたというようなこともなかったというのがその当時の現実でございます。
 昭和六十一年三月までは、例えば留学の場合にも、留学中の学生につきましては国民年金に加入することがそもそもできなかったといった時代でございます。
 そうしたことでございましたので、現在のコンピューターが発達をして明確に二十歳になりましたら皆さん方にお願いをいたしております状況とその当時とは大変な違いがあったということは紛れもない事実でございまして、そうした状況を経過をしながら今日を迎えているということでございます。
○武見敬三君 昭和六十一年四月以降の、国会議員強制加入になってから以降の問題についての考え方というのは、私は総理御指摘のとおりだろうと思います。
 ただし、それ以前の任意加入の問題について、これはもう正に民主主義諸国の、民主主義の制度の中で明らかにこれ個人の自主的な判断というものが認められ、その自由な選択というものが尊重される形で任意加入という制度が設定され運用されていたわけでありますから、だから、そのことをきちんと踏まえずに、任意加入であったけれども国会議員であれば加入するのが当然だというような言い方というのは、正にこうした民主主義の制度の中でこうした任意加入の持つ意味を理解していない人たちの意見であって、こういったことについては、国民の皆さんに本当にきちんとこういう民主主義と自由ということの基本理念をこの際また大いに御議論していただいて御理解していただけたらいいなというふうに思います。
 そして、もう一つ申し上げておきたいことがいろいろあるわけでありますけれども、これ国会議員で未納となったケースというのはいろいろあるんですね。これ国会議員が国民年金の強制加入になっていたことを認識せずに加入漏れになったケースだとか、閣僚になった際に過って国民年金を脱退したケースだとか、厚生年金から国民年金への加入手続が遅れたケースと、もういろいろありますよ。
 私の知っている同僚の国会議員だって、実際に、政務次官になったということで実際に窓口でいろいろ手続をしたと。そして、そのときに国民年金については改めてこれに加入して保険料を払わなきゃいけないというので保険料を払ったと。しかし、そうしたら、窓口から、あなたは国民年金脱退しているんだからといって還付されちゃったという話までされているわけですよ。そのときに改めて、それはおかしいからというふうに再交渉して、そして保険料を払ったために未納にはならなかったというケースまで出ていて、こういった窓口業務のような問題も含めて、非常に実際にこういう閣僚になったり政務次官になったりする特異なケースについて窓口業務でそういう対応の仕方がきちんと理解されていなかったというようなこともたくさんあったわけです。
 したがって、こういうことをやはり冷静にちゃんと理解した上でこうした議論もしていかなければいけないだろうというふうに私は思っているものであります。
 そして、さらにもう一つ申し上げておきたいことは、やはり閣僚あるいは国会議員といえども、やはり個人情報についての扱いというものについては、これは慎重でなければいけないはずであります。しかし、かくも簡単に、総理御自身の情報、年金情報であるとか、他の閣僚の皆さん方の情報あるいは国会議員の情報が簡単にリークされてしまって、そしてそれがあたかも特だねだという形でマスコミの中で踊り始めると。それによって、国民の皆さん方もそれによって動揺してしまうというような状況が出てきている。やはり、これから我が国において、こうした個人情報というものについて、いかにこれを尊重し、そして制度運営の上でもこれを配慮するかということをこの際改めてきちんと認識しませんと、これからこの年金制度の本体の議論をしていくときに、果たして、一元化をするなんという議論になったときには、それをきちんと国民一人一人の所得を確認するときにも当然のところこれ背番号制にする必要が出てくるというような議論も出てくるわけですよ。そういうようなときに、果たして、個人の情報をちゃんと守る意思を多くの国会議員のみならず国民の皆さん方あるいは担当の職員の皆さん方がお持ちにならないと、これはもう大変深刻な個人の情報の侵害、プライバシーの侵害というものが起きるわけであって、その点について私どもは改めて問題点として認識しなければならないことであったというふうに考えております。
 以上を私の質問といたしまして、次、関連問題に移ります。
○委員長(国井正幸君) 関連質疑を許します。藤井基之君。
○藤井基之君 それでは、武見先生の後、関連質問をさせていただきたいと存じます。
 武見先生も冒頭触れられましたが、今国会は年金国会と称されております。今、本委員会に審議を付されております年金制度改正三法、これは国民が最も注目し、かつ審議の行方を見守っている最重要法案であります。年金改革の重要性、その緊急性を考えると、国民の老後生活の柱となる公的年金制度の改革を先送りしたり白紙に戻してしまうことは決して許されないと考えます。
 私は、年金制度に対する国民の信頼を回復するためにも、また、この国会の成立を期して、本法案の成立を期して、給付と負担の土台をしっかりさせることが必要と考えております。そのためにも、事の本質を見誤らないよう、年金制度改革の基本に立ち返って質問させていただきたいと存じます。
 まず最初に、年金制度改革の目的、その意義についてお尋ねしたいと存じます。
 我が国の公的年金制度は、今日七千万人の現役世代が加入しております。そして、三千万人の受給者に年間四十二兆円の巨額の年金が支給されております。平成十四年度の年金給付総額の四十二兆円というこの額は、国家予算の一般歳出額に匹敵するものであります。また、これは対国民所得比で申し上げますと一二%を占める。高齢者世帯の所得の七割がこれは年金が占めているわけでございます。国民の四人に一人が年金を受給しております。正にこの公的年金制度は国民生活に欠くことのできない制度となっております。
 さらに、今後、少子高齢化が急速に進行することが見込まれて、経済社会情勢が変化する中で年金制度を将来にわたり持続可能な制度とすることは先送りのできない課題でございます。
 今回、政府・与党が責任を持って取りまとめた年金制度改革法案は、年金制度の支え手が減少していく中にあって、将来の世代に過重な負担を掛けることがないよう、これまでのように五年ごとに修正するなどというものではなくて、負担の上限と給付の下限を設定して、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げる道筋を付けて、おおむね百年を見通した長続きする年金制度を作り上げようとする、正に抜本改革の名に値する改革であると私は理解しております。
 そこで、最初に、なぜ今、年金改革をやらなければならないのか、今回の改革のねらいや意義はどのようなものなのかを改めて総理から国民に対して御説明いただきたいと存じます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今御指摘のように、七千万人の方が加入して、毎年約三千万人の方々が年金を受けていると。しかも、その額四十二兆円、全予算、一般歳出全予算に匹敵する膨大な額であります。言わば、今は年金は、老後の生活する上においても単なるお小遣い程度じゃない、生活を支える大きな基盤になっているわけであります。
 この年金を、今後も高齢者がますます増えていく、しかも長生きの時代に入りました。同時に、それを支える若い方々減ってまいりました。年金というのは、若い世代、高齢者、支え合いの制度ですから、受け取る方は、これはもう助かるなと、いい制度だと、もっと給付が多い方がいいと思うんですけれども、結局、支える、保険料を負担する方のことも考えなきゃいかぬと。これが余りに過大になると、もう支え切れないということになると思います。これではいかぬということで、今は保険料と給付だけじゃなくて税金も投入しているわけですね。
 だから、これを将来、持続可能な、ずっとこの年金制度、一定の年齢に来れば一定の年金を受け取れますよという制度にしていかなきゃならないということで、給付の上限はどの程度にしましょうかと。保険料を負担する側のことも考えなきゃいかぬと。結局、我々、高齢者も年金を受け取るのは、自分の子供あるいは孫の世代、そういう方々が保険料を負担してくれるからだなという気持ちを持っていただき、また負担する若い人も、自分たちは年間多数仕送りはできないと、一定の保険料を納めれば、その世代が全部ある程度の年金を受けられるなという考えを持っていただくということで、保険料負担の上限はどの程度にしようかと。
 だから、給付の下限、保険料の上限、これを今回数字で示したわけですね、一八・三%。これは一番負担の上限。給付は、一つのモデル地域ですけれども、六十五歳時点においては五〇%程度。そして、あと税金というものをどう投じようかと。基礎年金の部分については、今まで三分の一負担だったのが二分の一負担にしますよと。
 こういう、言わばどういう制度になっても、だれが負担して給付はどのぐらいか、この数字を示さないとなかなか信頼されないものですから、数字をはっきり出して、これからも、高齢者が多くなっても、若い世代が減るような傾向になっても一定の水準を保ち得ますよという具体案を示したのが政府案であります。これを成立させて、今言った未加入の問題、改善すべき点も多々あると思います。それは、今回の法案を成立させて、今までいろいろ、まだ改善すべき点というものを、あるいは三党合意の点、よく与野党が協議して、更に直すべき点は直していくという方向に持っていくのが年金制度を考えると適切な方法じゃないかなと私は思っております。
○藤井基之君 次に、年金制度改革と社会保障制度全般の見直しとの関係についてお尋ねをいたします。
 年金制度改革法案につきましては、衆議院の本会議で与党及び民主党の賛同の下に附則の改正が行われております。「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直しを行いつつ、これとの整合を図り、公的年金制度について必要な見直しを行う」こととするという一項が加えられました。また、与党と民主党の合意により、衆参の厚生労働委員会に小委員会を設けること、与野党の協議会を設けること等も決められました。今後、政治の場で年金制度が、医療、介護など、社会保障全般と併せて議論をする足掛かりができたことは大変意義深いことであると考えます。
 しかし、一方で、こうした法案の修正は、あたかも今回の年金制度改革が暫定的なものであって抜本改革ではないのではないかのように主張する意見もありますが、決してそのようなことではなく、今回の年金制度改革の意義をいささかも損なうものではないと考えております。
 そこで、今回の年金制度改革と附則に盛り込まれた社会保障全般の見直し等の関係についてどのように受け止められておられるか、総理のお考えをお伺いしたいと存じます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三党合意につきましては、今後衆参両院に厚生労働委員会に小委員会を設けて協議するということでありますので、これは国会の与野党合意にまちたいと思っております。私は、政党間の合意ですから、これを重く受け止めて、この合意に基づいて建設的な結論を出すように今後与野党が協力すべきだと思っております。そういう意味において、修正案を出されて、それについて、修正案については野党も賛成されたということについては重く受け止めて、より良い案をまとめるべく政府も努力していきたいと思います。
○藤井基之君 総理は、年金制度の改革に当たりまして、政府は今後の社会保障政策を進めるに当たっては、年金だけではなくて、医療、介護、福祉を含めた社会保障全般の負担と給付の均衡を考えていく必要があるとのお考えを骨太の基本方針等においてお示しになられてきました。先般発表されました厚生労働省の統計によりますと、二〇〇四年度八十六兆円であった社会保障給付額、これは二〇二五年においては百五十二兆円に、また社会保障の負担額は百五十五兆円、このような巨額に達するとされております。
 高齢化が進む中、社会保障給付費の増加、これは避けられないと考えられます。今後、医療、介護、福祉を含めた社会保障全般の見直しの中において、財政の健全化でありますとか効率化の視点、これはもちろん必要なことだと考えます。しかし、我が国が直面する少子超高齢化社会といいましょうか、そういった社会を支えるのは年金を中心とする社会保障制度であります。世界一の長寿国である我が国が最優先すべき政治課題は、国民が安心して暮らすことのできる社会保障制度の充実ではないでしょうか。社会保障制度の将来について、総理の基本的なお考えをお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この年金審議のさなかに、自由民主党、公明党、民主党の間で三党合意がなされました中にも、この社会保障制度全体を見極めて今後の問題を考えていかなきゃならないと。年金一元化も含めてということでありますから、年金だけでありません。そうなりますと、年金だけの目的消費税でいいのかなという問題が将来必ず出てきます。年金の今の複雑な仕組みを一元化しようという議論も大変ですが、同時に、年金だから消費税は許されるという考え、あるのは承知しておりますが、そうなると、介護はどうだ、医療はどうだという問題に必ず私はぶつかってくると思います。そうなった場合に、私は最初に年金だけの目的消費税を導入すべきかどうかという議論は、この与野党協議会の中でも私は出てくると思っています。
 そういう点も含めて、私は総理の在任中は消費税を上げないと言明しておりますのは、私の任期は二年、あと二年後の九月までです。ですから、その間には消費税を上げる考え、状況にはないと思っています。だから、私の任期中は消費税は上げませんと。しかし、今から議論するのは歓迎ですと、自由に議論してくださいと。私が総理辞めた後、どうやれこうやれと税金まで縛る権限は私にはないと思っていますから、私の総理在任中は消費税を上げないけれども、その後は皆さん合意するんだったらば自由に税制改革なり社会保障制度改革なりあるべき姿、国民の理解を得ながらやっていくのは、束縛するのはいけないと思っていますから、私の総理の任期中は上げませんと。
 しかし、社会保障を議論する場合には税制というものを抜きに議論できないと思います。なぜなら、社会保障はこれだけ欲しいという給付、給付を支えるには必ず負担する、どこで負担するか。保険料で負担する場合と税で負担する場合、両方ありますから、必ず税というものがかかわってきます。その際に、私は、消費税の議論がされるのは結構だし、大いに議論をしていただきたい。そういう全体の構造の中であるべき社会保障制度を見直す、そのためにも私は三党合意というのは極めて重いものだと思っております。
○藤井基之君 今、総理から本当にお気持ちが十分伝わる答弁をいただきました。その意向を踏まえまして、私どもこの議論というものについても前向きに考えていきたいと考えておりますが、次に、公的年金制度の一元化の問題について触れさせていただきたいと存じます。
 修正された附則の第三条第二項において、公的年金制度において、「見直しを行うに当たっては、公的年金制度の一元化を展望し、体系の在り方について検討を行うものとする。」と規定されております。総理におかれても年金制度一元化を更に進めることは望ましい旨を述べられておるところでございまして、本規定はこれまでの総理の御発言の趣旨に沿ったものと思います。
 公的年金制度の一元化というものにつきましては、これまでもいわゆる一階部分に基礎年金制度を導入することであるとか、あるいは二階部分の一元化の取組が進められてまいりました。現在、二階部分、いわゆる被用者保険を見ますと、厚生年金という制度、それから公務員の方々がお入りの国家公務員の共済の制度、それから地方公務員の方がお入りの地方公務員共済の制度、そして私学の教職員の共済という、今被用者保険では四つの制度が存在しております。
 そして、この制度というのは、それぞれ制度が自主的な運用を前提にして独自の給付体系を築いてきた歴史的経緯があるわけですね。ですから、たとえ同じ被用者保険であっても、これを一元化する、あるいは合併しようということにおいてはいろいろな大きな問題が指摘をされているわけです。まして、被用者保険と自営業の方々の国民年金との一元化となりますと、これはより大きな様々克服すべき問題がある、そういうふうに指摘をされているわけです。
 年金制度の一元化とは一体具体的には何を指しているんだろうか、また、実際にこの問題を検討する場合に想定される問題点についてどう考えるべきなのか、厚生労働大臣のお考えをお尋ねしたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 一元化の問題につきましてはかねてからいろいろ議論をされてきたところでございます。
 今も御指摘がございましたように、今日までの一元化の中で、いわゆる基礎年金部分の一元化というのが昭和六十一年のあの年金改革のときに行われまして、全国民がそれに参加をしてお互いに支え合うという制度ができたわけでございます。そうした一元化が進みました後も、旧国鉄あるいは旧電電公社、あるいは旧専売公社といったような独立しておりました年金制度、それらが一元化されまして、現在の厚生年金の中に含まれるようになってまいりました。
 あと余しますところは、先ほどからお話ございますように、共済年金、それから私立学校の共済といったものがあと残っているわけでありまして、これらの問題の一元化の話も私は片付けなければならない問題だというふうに思っておりますが、ごく最近起こってまいりましたのは、国民年金と厚生年金との間の一元化をどう進めるかというお話も出てきているところでございます。
 こちらの方の一元化の問題につきましては、国民年金の皆さん方は自由業あるいは農林漁業といった方がお入りになっておりますから、その皆さん方の年金と、そしてサラリーマンの皆さんの年金化を一元化をしますときにはいろいろの問題を解決をしていかなければいけない。そうしたことを今後一体どうしていくのか。そこは一元化をした方がいいのか、それぞれの違いは残しながら一元化していくという方がいいのかといったような様々な議論があるだろうというふうに思っております。こうしたことを、社会保障全体の負担と給付、そして税と保険料、そうした総論も絡めながら御議論をいただけるものというふうに思っております。
 各、衆参におきまして御議論をいただいた結果というものを尊重させていただきたいというふうに思いますし、私たちもこの一元化の方向のどうあるべきかといったことにつきましての議論を深めていきたいと考えているところでございます。
○藤井基之君 今、厚生労働大臣からるる御答弁をいただきましたが、総理はこの年金制度の一元化ということについてはどのようにお考えでございましょうか、御意見伺いたいと存じます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自営業者の皆さんとサラリーマン、公務員の皆さんの制度を一つのものにしていこうという考え方は私はいいと思うんです。しかし、実際の点において今までいろいろ難しい問題があったからでき得ないと。しかし、今回やはり制度というのは分かりやすい方がいいと、現実の問題を考えると。ようやくそういう機運が出てきたわけですから、総論賛成、まず一元化望ましい。しかし、所得把握されるのは嫌だ、納税者番号を導入されるのは嫌だという議論もあるんです。
 そういう点もありますから、これは、今後、じゃ望ましいという形で、そういう抵抗とか反対とかをどう乗り越えていくかという前向きな議論をしていきましょうと。そのための三党合意で、これから厚生労働委員会に出てくるわけですから、それは各党の意見を聞かなきゃいかぬと。多くの人にかかわってくるものですから、これだといって理論的に正しいものを押し付けるというわけにはいかない。やっぱり手続と時間と理解、協力を得れるような努力を国会が、政党がしていくべきだと思っております。
○藤井基之君 次いで、年金制度改革の中で最も重要な柱であると思います給付と負担の問題についてお尋ねいたします。
 今回の年金制度改革におきましては、現役世代にも年金受給世代にもできるだけ各々に対するバランスを取って改革を進めようと、そういったものになっているというふうに私は考えております。
 御案内のとおり、公的年金制度というのは世代間扶養、現役世代の方から高齢者世代に対して仕送りをする形を取っている。その形で成り立っているわけでございます。つまり、現役世代が今納めている保険料は、自分が将来受け取る年金となるのではなくて、今の高齢者に支給される年金の財源になるわけです。だから、今の現役の方の将来の受給される年金というのは、これは将来の現役の方、つまり若い世代の方々からの仕送りを受ける形で将来の年金をいただくわけでございます。
 我が国は少子高齢化が非常に急速なスピードで進んでおります。今三・五人の現役で一人の高齢者の年金を支えている計算になっておりますが、将来、二〇二五年には二人の現役で一人の高齢者を、また二〇五〇年には一・四人から一・五人の現役で一人の高齢者を支えなければならなくなります。とすれば、将来の現役層の負担、これは大変大きなものとなってしまいます。
 そこで、今回の改革では、国民の保険料負担が過大なものとならず、持続可能な年金制度とすることができるよう工夫、これ難しく言うと、何かマクロ経済スライドとでも呼ばれている、そういった手法が導入されているというふうに伺っております。
 厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、これはどのような制度設計なのでしょうか。そして、その結果として、負担と給付はどういった内容になるとお考えなのでしょうか。御説明いただきたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 負担と給付の問題は、年金の姿形をどういう形にいたしましても付いて回るものでございます。そして、これからの少子高齢社会を考えますと、負担の方はある程度重くなり、給付、すなわち年金額の方につきましては、これはある程度低くして御辛抱をいただかなければならないということは、どんな姿形にしましても付いて回ることだというふうに思っております。したがいまして、今回のこの年金制度改革におきましては、この少子高齢社会に対応でき得る制度というものを考えていかなければいけないというのが一番根幹ではないかというふうに思っております。
 そうした中で、現在既に年金をお受けになっている皆さん、間もなくお受けになる皆さん方と、それから二十年、三十年先にお受けになる方、あるいは四十年、五十年先にお受けになる方、そうした私たちの息子たちの時代、あるいは孫たちの時代と、そして現在ともその整合性をできるだけは図っていかなければならないということでございます。マクロ的に見まして、現在既に受けている皆さん方は、これはモデルケースでございますけれども、モデルケースで五九%という数字が出ております。これも奥様がおうちにおみえになって御主人が四十年働かれるというようなモデルケースで、これから先はこれを五〇・二%でお願いをしたいということを申し上げているわけであります。
 そういたしますと、この現在お受けいただいております皆さん方の年金額、これはこれからの物価の上昇に合わせて更に上昇するわけでございますけれども、それを物価上昇分そのままにこれを上げていきますとその差は縮まらないわけでございますので、現在お受けいただいております皆さん方に対しましては現在の年金額を下げることは決していたしません、しかし、これからの上がり方について若干御辛抱をいただかなければなりませんと。是非そこをお願いを申し上げたいという制度を導入したものでございまして、そうした中で、これから世代間におきます格差も縮小をさせながら進めていくというのがこれからの年金制度のあるべき姿ではないかというふうに思っている次第でございます。
○藤井基之君 今、負担と給付のこれから先の像についてお述べいただいたわけでございますが、保険料負担については一八・三%を上限としておりますが、これについて経済界、労働界から、どうもこの負担については厳しいという意見も幾つか出されております。
 三党合意におきましては、年金保険料については、社会保障全体の在り方の検討状況や経済社会情勢などの事情を勘案し、必要に応じて検討を加えていくこととあります。
 これについて、これをどのように理解してどのように受け止められていらっしゃるか、厚生労働大臣にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど総理からも御答弁がございましたとおり、これからのこの年金の問題、ただ単に年金だけではなくて、医療制度、それから介護制度等、社会保障全体の中でこれをどのように運用をしていくか、そして、その中で負担をしなければならないところを保険料でどこまで負担をし、そして税でどこまでそれを見ていくかといった問題、社会保障全体としてこれは見なければならない問題だというふうに思っておりまして、三党合意はその点につきましてしっかり押さえているということに対しまして、私はそこに敬意を表している次第でございます。
 しかし、これから先のこの負担につきましては、それが保険料であれ税であれ、また税もどういう税であれ、この負担を増やしていかなければなりません。現在一八・三〇を上限というふうにいたしておりますけれども、この一八・三〇%に対して、そこまで行くのには十四年掛けて徐々に行うわけですけれども、それにしてもそれは高過ぎるのではないかという御意見があることも十分承知をいたしております。
 しかし、諸外国におきます例を見れば、フランスにおきましては既に二〇%を超えておりますし、ドイツも二〇%に達しているという状況でございます。また、消費税もそれぞれの国、二〇%に達している、あるいは間もなく達しようとしているという状況にあるわけでございます。そうした諸外国の例を見ましても、やはり負担が増えていくことは、そこを何とか乗り越える社会を作っていかなければならないということだろうというふうに思っております。
 私もフランスの例をいろいろ検討させていただきまして、社会全体の状況等も勉強をさせていただきましたが、決して、それじゃ日本よりも賃金が高いかといえばそうではない、むしろ日本の方が賃金は高い。そこのところが、何によってそれじゃ負担ができるようになっているのかといえば、賃金と物価のこれは両方でどうかということなんだろうというふうに思っております。
 したがって、これからの日本、多少この保険料が高くなっていきますけれども、それが負担できる社会を作っていくということは、実質賃金の上昇があるけれども、物価の上昇を極力抑えることができる社会を作ることができるかどうかということに一に掛かってくるのではないかと考えております。そうしたもろもろの政策と併せてこの社会保障の問題は進んでいくものと私は考えております。
○藤井基之君 先ほど厚生労働大臣は、将来、世代間格差を小さくしていく方向で制度設計をするというふうにお話がございました。厚生年金の給付水準が世代によって大きく違うことに対して問題を指摘する向きが多々あります。厚生労働省の試算によりますと、一九三五年生まれ、七十歳の方々は納めた保険料の八・三倍の年金を受け取られる。一方、一九七五年生まれ、三十歳の方では保険料の二・四倍の年金給付しかならないんだと、こういうふうに計算されているわけです。このため、特に若い世代の不満が高く、さらには、将来になって納めた保険料より少ない年金しか受け取れないのではないか、これは誤解だと信じておりますが、そういった誤解さえも生じているというふうに言われているんですね。
 先ほど大臣は、世代間格差は縮小していくんだと、こういう方向をおっしゃられましたが、この世代間格差をどのような形で縮めていこうとされているのか、改めてお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 世代間格差をなくしていきますためには、先ほど申し上げましたように、現在既に年金を受給をしておみえになる方、そして間もなくされる皆さん方の年金、その額を下げるわけでは決してございませんけれども、これから上昇していきますその上昇のカーブと申しますか、上昇率、それを物価の上昇よりも少し抑えさせていただきたいということで、パーセントで言えば〇・九%というふうに申し上げているわけでございますが、そうしますと、一%の物価上昇であれば〇・一%の上昇でお許しを下さい、あるいは二%上がるということになれば、それは一・一%でお許しを下さいということになるわけでございますが、そうしたことでお願いを申し上げて、二〇二三年ぐらいまでそうしたことを続けさせていただければ、それ以後は物価上昇と大体並行してこの年金を上げることができるような体制を作ることができる。したがって、現在四十五歳以下の皆さん方が六十五歳になって年金をお受けをいただく、そうした時期になれば、それは物価上昇と合わせて上昇することができ得る社会を迎えることができ得るというふうに思っております。そうしたお願いを申し上げていきたいというふうに思います。
 現在の高齢者、八十歳とか八十五歳とかという年齢をお迎えになっている皆さん方は、確かにこれは、日本の国の中で年金制度ができましてから間もなく、初めはその年金制度に加入することすらできなかった、そうした時代の方々でございますので、お掛けをいただきました保険料とお受けをいただきます年金額とのその差を比較をいたしますと、それは現在の方あるいは将来の方に比べますと率は非常に良いということはございます。しかし、その時代の皆さん方は、藤井議員も先ほどお触れになりましたけれども、お父さんやお母さんに対しましては仕送りを自らしておみえになった世代の方々でございますから、別な意味でこれは御負担をいただいてきたというふうに思っております。そうしたことも勘案の上で、お若い皆さん方にも御理解をいただかなければならないというふうに思っている次第でございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 私は、公的年金制度、これたとえ給付水準が徐々に下がっていったとしても、なおこれはほかの金融商品あるいは預貯金等と比較しましても、これは基礎年金部分には二分の一の国庫負担が入っているわけです。また、障害年金や遺族年金などのサービスもあることなど、これは国民にとっては考えてみたら非常に有利でかつ格段に安定した制度だと考えます。私は政府はこのことをもっと国民に対してPRすべきだと考えますけれども、厚生労働大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりというふうに思っております。これから、現在は三分の一でございますけれども、基礎年金のところ、二分の一までこれ上げていくわけでございますから、そういたしますと、それだけの国庫負担を行い、そして厚生年金の場合には企業からの負担もあるわけでございますので、これは御自身で預貯金をしていただきますのと比較をすれば、それは比べ物にならないものであるというふうに思っている次第でございます。
 したがいまして、そうしたことも十分に国民の皆さん方に御理解をしていただくという努力を今まで以上に一層していかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○藤井基之君 次いで、年金積立金の運用の問題について触れたいと存じます。
 年金制度の財源は、御案内のとおり、保険料と税に加えて積立金の運用収入から成り立っております。この中で、年金積立金の運用が適切に行われていること、これは極めて重要なことだと考えます。今後、平成二十年度末までには財政融資資金から全額年金にお返しいただきまして、これは約百五十兆円という巨額の資金を運用することが予定されております。
 今回、年金積立金管理運用独立行政法人法案により新たな組織を立ち上げることとなりましたが、安全かつ効率的な年金、これをどのように行っていくお考えなのか、厚生労働大臣のお考えを伺いたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 今まではいわゆる財投、財政投融資、その中で国全体としてこれは運用をしていただいている分野が非常に大きかったわけでありまして、厚生労働省の方で運用をしております額はその一部でございました。しかし、現在、年々歳々これは財投の方からお返しをいただいておりますので、間もなく百五十兆、百四十兆、百五十兆というこの額を運用をしていかなければならない、そういう事態を迎えるわけでございますので、その責任は誠に重大だというふうに思っております。
 そうした意味で、新しい、先ほどお話をいただきましたように、年金積立金管理運用独立行政法人、少し名前は長うございますけれども、そういう独立行政法人を作りまして、その中で運用をゆだねていきたいというふうに思っております。この新法人の長には民間から資金運用の専門家を登用をさせていただきたいというふうに思っておりますし、この新法人に学識経験者から成ります運用委員会というものを置きまして、そして資産構成割合、どうしたところにその運用を行うようにするか、国債なのか、これは株式なのか、それも日本のものなのか外国のものなのか、そうした割合をどういうふうにしていったらいいのかといったようなことについて、そこで御議論をいただいて、そして結論を出していただくということにしたいというふうに思っております。
 今までいろいろの批判がございましたグリーンピアの業務でありますとか、あるいはまた国民の皆さん方に住宅ローンとしてお貸しをしていた、そうした住宅融資業務といったものは廃止をいたしまして、この運用一本の形にさせていただきたいというふうに思っております。
 毎年度、この法人の業務実績につきましては、第三者機関であります評価委員会によりまして専門的な立場から評価をしていただきまして、適正にその運用がなされているかどうかということを、これを見ていただくというような制度をそこで確立をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。
 詳細につきましては、今後一層多くの皆さん方の御意見をお聞きをして決定していきたいと思っております。
○藤井基之君 先ほど同僚議員から国民年金保険料の未納・未加入問題について御質問をさせていただきました。保険料負担の引上げという国民の痛みをも伴う改革を進める中で、国会議員の未納・未加入問題が多数見られたこと、これは正に襟を正すべきであることは言うまでもありません。
 私自身、これまで幾つかの職場を変わりまして、現在は国民年金の一号被保険者となっておりまして、おかげさまで国民年金の届け、滞っておりません。未納もありません。
 ただ、今回の事情を見ますと、皆様方に様々な事情があったのも事実だろうと思っております。私は、国民年金未納の問題というのを考える場合、このような一時的な手続ミス等による未納の問題よりももっと大きな問題、それは平成十四年度には六二・八%までに落ち込んでいる、国民年金保険料未納率、未納率四〇%に近い長期にわたる保険未納者問題だと考えております。国民皆年金を崩壊させかねないこの問題に対する議論の方がはるかに重要だと私は認識をしております。
 私は、本年三月の決算委員会におきましてこの長期の未納問題の改善には社会連帯に基づく公的年金制度の意義、大切さ、年金制度の仕組み等について、中学、高校等の学校教育の場で年金教育の充実が必要ではないかと指摘をさせていただきました。
 長期の未納の多くは公的年金制度に関する情報の不足や誤解から生じているのではないでしょうか。公的年金制度の意義、高齢社会における年金制度の大切さ、そして仕組みについてもっと分かりやすく国民に知らせる必要があると思いますが、いかがでございましょうか。また、年金制度の運用の在り方についての改善、これについて今後どんな取組を行うべきとお考えでしょうか。総理の御認識をお伺いしたいと存じます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今後、改善策につきましては、新たに厚生労働委員会に小委員会を設けられると聞いております。その場で与野党十分協議していただきたいと思っております。
○藤井基之君 終わります。
○委員長(国井正幸君) 関連質疑を許します。南野知惠子君。
○南野知惠子君 ありがとうございます。引き続き関連質問をさせていただきます。自由民主党の南野知惠子でございます。
 私の方からは、より一人一人の国民の視点に立ちまして、特に生き方又は働き方、その多様化に対応できる年金制度を作り上げていく、そのような観点から質問をさせていただきたいと思っております。
 まず最初に、今回の年金制度の改革はこのような生き方や働き方の多様化に対していかなる対応や工夫を講ずるものなのでしょうか。総理に質問させていただきます。よろしくお願いします。
○国務大臣(坂口力君) 具体的な話だけ私の方から申し上げて、あと大局的な立場からのお話、総理からしていただきたいというふうに思いますが、今回の年金制度改革におきまして、これからの、これは日本の社会の在り方にもかかわってくるわけでありますが、だんだんと働き方も多様化をしてまいっておりますし、また価値観も多様化してきていることは紛れもない事実でございます。そうした中で、多くの多様な働き方に対応していくということが大事でございます。
 一方におきまして、一元化という話が出ておりますし、そうした分かりやすい年金を作っていくということも一方にございますけれども、しかし、年金制度はいろいろの働き方の人に対応できるやはり制度にしていかなければいけないというふうに思っております。年金制度もそうでございますし、年金を取り巻きます諸課題というものも非常に多いというふうに思います。
 例えば、六十歳代前半の高齢者の就労、職に就いていただくという問題につきましても、これから先はこの就労者というのが非常に多くなっていくことは事実でございますから、これを、この六十歳代前半の高齢者の就労を阻害しないようにしなければいけません。そうしたことで、現在のところはこの六十歳代前半の方が職に就かれますときに一律に二割カットしているわけでありますが、これはもう行わないということを今回この法律の中にも入れさせていただいているところでございます。
 それから、在職老齢年金制度、しかし、そうはいいますものの、一方におきまして七十歳を超えた皆さんの中でも高額所得で働かれる皆さんもこれからも増えてくるわけでございますから、その高額所得で働かれる皆さんにつきましては年金額においてそれぞれ御辛抱をいただかなければならない部分も出てくるというふうに思います。
 また、これから女性の皆さんがより多く働かれるようになるというふうに思いますが、その女性の皆さん方が働いていただきやすい環境をどう作り上げていくかということは、取りも直さずその支える側の、年金を支えていただく側の人をこれは増やすことになるわけでありまして、非常に大きな意味があるというふうに思っております。
 そうした意味で、働きやすい、いわゆるお子さんをお持ちならばお子さんを心配なく働いていただけるような体制をどう作り上げていくかということもより重要なことでございますし、そしてまた女性の賃金を、男女格差が大き過ぎるというようなことでは、女性の年金は働いていただきましてもいつまでたっても上がっていかないわけでありますから、男女格差をどう直していくかといったようなこと、これからの課題として非常に大きな課題になってくると認識をしているところでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 具体的な点について厚労大臣からお話ありましたが、今お話しのように、今の年金というのはかなり就労別、きめ細かな配慮をしていると言えばいる点があるんです。一元化というのは、逆に、割り切らなきゃ一元化できないんですね、大ざっぱに。そうなると、就労形態、サラリーマンの就業形態と自営業者の就業形態、農業に従事しているような就業形態と漁業に従事している人の就労形態、これ一緒にしなきゃならないでしょう。と同時に、じゃ専業主婦、働いていない方の主婦、職業を持っている方の主婦、あるいはパートの、短時間労働者とずっとそうでない方の労働者、一元化というのはそういうのを一つの制度にしてやろうというんですから、ある程度思い切ってこう打ち切らなきゃならないところあるんです。そうすると、必ずきめ細かな配慮は足りないと言う。この問題もありますから、こういう点も含めて一元化の論議、今後、まず一元化望ましいという意見がかなり出てきたものですから、今までのそういう一元化の壁というものはどうやって乗り越えるかという議論を今後、三党合意のできた委員会の中でも十分協議していかなきゃならない問題だと私は思っております。
○南野知惠子君 実に幅広い角度からの御検討が要ると。よく工夫された改正制度というものを今作ろうとしておられると思いますが、国民の目から見た場合、それぞれ非常に大切な内容を持った改正であると考えております。したがって、この審議の模様につきましては全国の女性の方々も非常に注目していると思いますので、私は女性と年金という観点から少し掘り下げてみたいと思っております。
 まず、第三号被保険者の問題についてでございますが、この問題は、働く女性の方々はもとより、御家庭の主婦を始めいろいろな立場の女性が非常に注目している議論であります。今回の制度改正に向けてどのように議論が深められ、その上でどのような改正内容を提案することになったのでしょうか。さらにまた、本年二月の与党合意の中では、「女性と年金の在り方について、更に検討を深めることとする。」とされていますが、第三号被保険者の問題につきましては今後どのような議論が展望されるのでしょうか、併せて質問させていただきます。
○国務大臣(坂口力君) 女性と年金の問題は非常に大事な問題、先ほども少し触れさせていただきましたが、今後も各党間でいろいろの御議論をしていただけるものというふうに期待をいたしております。
 その中で、それじゃ今までやってこなかったのかといえば、決してそうではありませんで、社会保障審議会におきましても専門家の皆さん方の間で非常に御議論をしていただきました。その御議論の中でこの現行制度、いわゆる三号被保険者という言葉がございますが、御主人がお勤めになっていて奥様がおうちにおみえになってというような御家庭のその奥様を三号被保険者と、こう呼んでおりますけれども、その皆さん方の保険料というのは御主人の保険料の中に含まれているという今考え方でございます。この考え方に対して、特にお勤めになっている女性の皆さん方からは、これはおかしいと、これは改めるべきだという御意見がかなりあることも事実でございます。
 そこで、多くの皆さん方に世論調査等でこれはお聞きをしているわけでございますが、そういたしますとかなり意見は分かれておりまして、現行制度のままというふうにおっしゃる方が三二%、そして夫婦間での厚生年金の分割、この現状のままで、そして御主人から出ます厚生年金を夫婦間で分割をするという形にしてほしいと、これは共同して支えているんだから年金も分割というふうに主張される方が三一%、大体よく似たパーセントになっているわけであり、合わせるとまあ七〇%近くになるということで、少なくとも六割にはなるということでございます。
 ここのところをどうしていくかということでございますが、これは現在、国民年金の方はこれは個人単位の年金になっております。御主人も掛金をしていただいておりますし、奥様の方も国民年金にお入りをいただくという形になっておりますが、厚生年金の方は、その御主人が働いておみえになって奥様がおうちのときにはその御主人の中に奥様の分も含まれると、こういうことになっております。これは、いわゆる世帯単位、世帯で一つの単位という考え方になっている。ここのところを、この年金の一元化等の議論がこれから進んでいきますときに、個人単位に統一をするのか、あるいは世帯単位で統一をするのかといった問題でこれは必ず出てくる話でございまして、誠に大事な問題、今後の女性と年金の問題を進めていくに当たりまして、非常に大きな一番中心的な課題ではないかというふうに思っております。
 これはそれぞれによってお考えも違うことでございますけれども、ここは女性の皆さんだけでなく、男性も含めまして合意を形成をしていかなければならないと思いますし、そのことによって更に進んだ、この離婚時の問題も今回は二分の一ずつというのをこの法律案に入れさせていただいて、それは一歩進めさせていただくことになりましたけれども、離婚を奨励するわけではありませんで、離婚のないような御家庭の中でどうしていくかということをやはりきちんとやらなければいけないというふうに思う次第でございます。
○南野知惠子君 今お話しのとおり、個人単位にするか世帯単位にするか、大変考えを深めていかなければならない課題であります。
 今、大臣も既に離婚のことについてお話し、お触れいただきましたが、人によりましては一日も早い実施を望むという声も聞かれております。改正案では、その実施時期はいつからとなられるのでしょうか。また、その実施時期を設定した考え方についても併せて御質問させていただきたいというふうに思っております。
○国務大臣(坂口力君) これは、私もできるだけ、法律作るに当たりましては、もしこれを通していただくということになれば、一日も早くこれはやらせていただかなければいけないということを言っているわけでございますが、しかし、それを実施に移しますためにはいろいろの整理をしなきゃならないところ、そうしたところがあるようでございまして、十九年の四月実施という予定になっております。あと二年ばかり、そういう形にいたしますまでに整えなければならない点がかなりあるということのようでございますので、そういうふうになっております。
 それから、第三号被保険者であった方からの申請があれば一律二分の一に分割を認めることについては、広く国民の理解の徹底を図る必要がありますことから、まずはこの離婚時のところからスタートをさせていただいたということでございまして、この次には全体の二分の一分割という問題も検討をしなければならないことになるだろうというふうに思っている次第でございます。
○南野知惠子君 実施時期が十九年の四月ということでございますが、今別れたいと思っておられる方は二年間辛抱していただかないといけないのかなと、そのように思っております。そういう実施体制を確実に整えるということも非常に大切だと思います。一分四十九秒に一組の離婚が見られる今日でございます。暮らしの在り方とも関連し、慎重に受け止めなければならない課題であると思います。
 次に、離婚ではなく、夫に先立たれたというケースも少なくありません。そこで、遺族年金についての質問でございますが、今回の改正案の中では、高齢になってから配偶者に先立たれた場合の遺族年金について、まずは自らの老齢厚生年金を先に計算して、残りの部分を遺族厚生年金として支給するという案が提案されております。
 そこで、この改正案につきましては、一見しますと遺族が受け取る年金額そのものは全体として変わりがないようにも見えますが、改正を行われるねらい又は意義について分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 女性の方が平均寿命が長いわけでございますから、その期間は別にいたしまして、やはり女性が後に残られるケースというのは非常に多いと思わなければなりません。したがいまして、この遺族年金というのは非常に大事なことだというふうに思っております。
 現在のところは、現行制度におきましては、遺族配偶者自身、御自身の老齢厚生年金をお受けになる方、それからもう一つは、死亡した配偶者の遺族厚生年金、それ御主人の場合の四分の三でございますけれども、それをお受けになる方、それから、遺族配偶者自身の、御自身の老齢厚生年金と死亡した配偶者の老齢厚生年金のそれぞれの二分の一ずつをお受けになるという、その三種類実はあるわけでございます。この中で一番多いのは、死亡した配偶者の遺族厚生年金を選択する人が約八割を占めております。なぜかといえば、やはり女性の賃金が低いものですから、やはり年金額、女性の年金が低くなってしまうということで、やはり御主人の四分の三を選択する方が多いということだろうというふうに想像をいたしております。
 そこで、今回、この遺族配偶者自身の保険料の納付を給付に反映させる仕組みという観点から、今回改正におきましては、まず遺族配偶者自身の老齢厚生年金を全額支給した上で、そして現行の給付水準との差額を遺族厚生年金として支給する仕組みに改めることにしたわけでございます。ですから、まず御自身のをお取りをいただいて、そしてこの四分の三なら四分の三に届かないところがあれば、その分は御主人の方からのを回すと申しますか、お使いをいただくということにすると。しかし、それは結果としては額は同じではないかという御批判も受けるわけで、確かにそこはそのとおりでございます。
 ここのところを、今後、女性と年金の問題を考えていきます場合に、女性の平均寿命が長いという現実にかんがみ、働いておみえになる方、それからそうでない方含めて、今後、在り方というのは一層検討する余地も残されているのではないかと私も思うところでございますが、現実におきましては、そうした取組をこの中でまず取り上げさせていただいているということでございます。
○南野知惠子君 女性に対してもそれなりのお考えをしておられるということについては敬意を表しますが、ただいまの御答弁をお聞きいたしまして、今回の改正が言わば女性自身の貢献が実る年金制度と言ってよろしいのでしょうか、そういうものに結び付くものであることを深く感じたところでございます。
 次に、働き方の多様化への対応という観点から質問させていただきたいのですが、まず、短時間労働者に対する厚生年金の適用につきましては、法施行後、五年をめどに総合的な検討を行って必要な措置を講じるとされておられますが、短時間労働者に対する厚生年金の適用については今後どのような検討を行っていくお考えなのか、質問いたします。
○国務大臣(坂口力君) パート労働の問題も女性と年金の中で大きな課題の一つであるというふうに思っております。
 現在、労働時間が四分の三、約三十時間を超えたような皆さん方につきましては、これは保険に入っていただくように今なっているわけでございますが、もう少し少ない時間の方にもお入りをいただけるようにならないかというので、二十時間以上ということを一応厚生労働省案としては御提起を申し上げて、いろいろの御意見を伺ったところでございます。
 しかしここは、経営者の皆さん方からの、現在の経営状況の中、経済状況の中でそれを一気にやることは非常に難しいという御意見がありましたのと、それから、働いておみえになる、パートで働いておみえになります皆さん方からも、これは予想に反してでございましたけれども、大変多くの反対意見が寄せられました。それは現在の、先ほど議論いたしました三号被保険者との絡みの問題であるというふうに思っておりまして、そうしたことを今後どうするかということと、これも併せて検討をしなければならないことではないかというふうに思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、現在御提案を申し上げております年金は、いわゆる所得の少ない人に対してより割合の高い年金をお出しをするという、所得再配分機能と難しく言えば言うわけでございますが、その機能をかなり強く持たせた案でございますので、パート等で働いておみえになる皆さん方がもしも保険を適用になった場合にはかなり割合としてはいい割合の年金額が今用意されているわけでございますので、そうしたこともよく御理解をいただいて、今後どうしていくか。いわゆる企業の負担、個人の負担を他の方と一緒のようにしていくのか、それとも一緒のようにするのが最初から難しいので少しここは段階的にやっていかなければならないのか、そうしたことも議論をさせていただかなければならないというふうに思っております。
 五年間、ひとつ検討期間を作ろうということを与党の中でも結論を出していただきましたので、できるだけ早くこの問題につきましても議論を重ねさせていただきたいと考えているところでございます。
○南野知惠子君 ただいま御答弁にございましたように、討議を是非進めていっていただきたいと思っております。
 この問題は、厚生年金の適用拡大という議論にとどまるものではなく、広く短時間労働者と正社員との均衡処遇を推進するという視点が必要であると考えております。そしてさらに、男女が格差なく働ける社会を実現させていくということが非常に重要な問題であろうかと思っております。
 そこで、短時間労働者と正社員との均衡処遇や男女の雇用機会の均等確保に向けて現在どのような取組を進めておられるのか、簡潔にお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) ここにつきましては、男女雇用機会均等法に基づきまして、女性の皆さん方が働いていただきやすい環境をどう作り上げていくかということで、経営者の皆さん方にも鋭意お願いをしているところでございますし、そしてまた、今回の年金制度改正におきましても、子育ての期間のいわゆる保険料というものについて、その御努力をしていただいている場合に対してそこで負担をより少なくするといったようなことをこの中に盛り込ませていただいているわけであります。
 なかなか三年間お休みをしていただくという方は少ないと思いますけれども、最高三年までその保険料に対して負担を減らしていくということを今回も入れさせていただいているところでございますが、これはもう少し大きい角度で、女性の働いていただきます場をどうしていくか。それは、よく日本で言われますように、日本の女性は三十歳代ぐらいまで多くの人がお勤めになって、三十歳代半ばぐらいから非常にがくっと子育ての期間お勤めの方が減って、そしてまた将来増えてくる、いわゆるM字型のカーブを描くというふうに言われておりますが、そうしたことをなくしていくための対策をどう組み合わせていくかということになってくるわけでございまして、最近若干良くはなってきておりますけれども、しかし、それにいたしましてもまだまだ日本は改善をしなければならない点が多い。
 そうしたことをしっかりと見据えてやっていかなければいけないということでございまして、今、関係者に対しましてもそうした面を非常にお願いを申し上げましたり、そしてまたいろいろの厚生労働省としましても指針を出しまして、そして取組を進めているところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 次に、次世代育成という観点でお尋ね申しますが、今回の制度改正に関する厚生労働省の試算といたしましては、現在一・三二という合計特殊出生率でございます。これは出生児数が百十五万三千八百五十五人、二十七秒間に一人の誕生というのが現状でございますが、その試算の中には一・三九という合計特殊出生率を中位推計として基本に持っておられるようでございますが、じゃそれであっても、それより出生数が減った場合でも五〇%という給付水準を確保すること、それはどのようにお考えになっておられるのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 合計特殊出生率ですね、一・三九、本当に維持できるのかというお話を聞かせていただきます。現在一・三二でございますから、これを今から五十年掛けまして一・三九にしていくためにはかなりの努力が必要なんだろうというふうに思います。そのためにどういう施策が一番効率的なのかということも考えながら、限られた財源の中でございますから、この少子化率を高めていかなければならないというふうに思っております。
 この合計特殊出生率、すなわち子供の生まれます数をどのようにしてこれから増やしていくかということ、これを真剣に取り上げながらこの五十年間先を見て我々進めていかなければならないわけでございますが、もし仮に、まあそうはいいましても、これ産む産まないは国が決めるというわけにはいかないわけでありまして、個人のこれはお考えによるところも大きいわけでございますから、たとえいろいろの施策をしたといたしましても思ったように上がらないということがないとは言えないわけでございます。
 その前にどうするかという話でございますが、先ほどから藤井議員の御質問にも出ておりましたように、マクロ経済スライドというのをこの二十年ぐらいの間は取らせていただくわけでございますから、そのスピードと申しますか、調整を毎年毎年少しずつやらせていただきますのを、そのスピードを遅らせていただくといったようなことで調整をさせていただいて、そして五〇%は維持をするようにしていくと。もし万が一のときにはそうしたことも取り入れなければならないのではないかというふうに考えております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 本日は、時間にも限りがございますので触れることができませんでしたが、今回の改正案の中には、このほかに在職老齢年金制度の見直し、また障害年金の改善などが盛り込まれております。
 最後に申し上げたいのは、これほどよく工夫されたせっかくの改正案であっても、国民にとって難しい、分かりにくいものであっては残念ながら十分にそのねらいや趣旨が理解されないのではないかということでございます。
 そこで、今回の改正案の中でも、年金制度に対する理解を深める取組としてポイント制の導入などが盛り込まれておりますが、最後に、公的年金の仕組み自体を国民に分かりやすいものとしていくことや、国民に分かりやすく年金制度を説明していくことの重要性について総理のお考え、最後の御決意をよろしくお願いいたします。(発言する者あり)
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 分かりやすさと複雑さ、複雑なものを分かりやすくすると必ずきめ細かい配慮が足りなくなるんです。今の年金制度はかなりきめ細やかな配慮がなされているんです。
 それは、もう就業形態別に分かれているということは、それぞれ働き方も違う、生き方も違う、そういう人に合わせて制度を作りましょうよと。ですから、転職するとどういう制度に入るのか分からなくなって未納問題が起こってくる。じゃ分かりやすくしなさいとなると、かなりきめ細かな配慮がなくなってきます。それをどう調整していくかという点も含めてよく議論していく必要があると思います。
○南野知惠子君 最後の御答弁と申し上げたのは、私の質問に対する最後の御答弁でございますので、総理はずっとお続けいただきたいと願っております。
 以上でございます。終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 先週、私も大学院生そして大学の無給医局員の時代に国民年金を支払っておりませんでした、その責任を取りまして特別委員長を辞任いたしました。今回は一兵卒に戻って年金の議論に参加させていただきたい。委員長の職にありまして、今年はこういう場に一度も立っておりません。今年初めての質問でございます。是非よろしくお願いいたします。
 まず最初に、地域を回っていても皆さんから言われることは、政治家に関しての不信感でございます。そういう意味において、我々が今やらなければいけないことは信頼回復をどうしていくのかと、この点が極めて大事なことなんだと。これは小泉総理も全く同じ意見だろうと、そういうふうに思っております。
 その意味で、やはりこの問題についてきちんとしたけじめを付けるためには、全国会議員が社会保険庁に全部照会して、例えばあるルールを決めて、義務化後なら義務化以後、若しくは国会議員になって以後であればその国会議員になって以後、あるルールを決めて、全国会議員が年金に加入していたのか、ちゃんと支払っていたのかどうかについて私は公表すべきだと思いますが、その点についての総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ある基準をもって公表すると、これも一つの考え方だと思います。しかし、御自身で、疑惑を持たれないように自分で調べて公表する、それもいいかなと。どちらでもいいと思っております。
○櫻井充君 そうしますと、総理のお考えは、個人にまあゆだねるということでございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい、個人にゆだねていいと思っております。
○櫻井充君 そうしますと、そういうことで信頼回復が図られると総理はお思いでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 信頼、個人個人がやっぱり信頼を図っていく、得るような努力が必要だし、そして年金制度については今指摘されているような未納が起こらないような対応をしていく、あるいは今後、社会保障全体の中でより良い制度はどうあるべきか、与野党が対立を乗り越えて、政権交代があったとしても激変がないような制度にしていこうという議論をしていくことによって責任を果たすことができると思います。
○櫻井充君 それは、制度の問題だと思います。これまでの行為に関して、これまでの行動に関してです。その点に関してどのような形で信頼回復できるとお思いですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政府としては、今の法案を一日も早く成立させて、早く今後の改善策、そして社会保障全体を見渡した改革に臨んでいくのがいいのではないかと私は思っております。
○櫻井充君 それが個人のこれまでのことについてけじめをきちんと付けることなんでしょうか。
 それは、新しいことに関しては確かに総理のおっしゃるとおりです。分かりにくい制度ではありますから、そのことをきちんと改革するのはそのとおりですが、しかし今までなら今までの問題についてきちんとけじめを付けていかなきゃいけないと思うんです。その部分のけじめが付いていないから信頼を回復していないわけです。
 私が申し上げたいのは、その信頼回復をするために、個人の今までの行動に関しての信頼を失った分に関して、どうやれば、どうすれば、総理としてですね、信頼回復が得られるとお考えなのか、改めて質問をさせていただきます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もう議員は公人で独立した人格ですから、信頼を得るかと、個人個人が判断すればいいと思っております。
○櫻井充君 今、個人個人の問題ではもちろんありますが、全体として不信感を抱かれていると。そして、みんなが本当に払っているのかどうかということを国民の皆さんがきちんと把握したいという声も圧倒的に多いわけです。
 例えば、我々は資産も公開するわけですよ。それから、所得も公開しているわけですね。そういう意味において、年金に今までこれだけ皆さんが、この議論をする中でですよ、皆さんが、だれがきちんと支払っているのかどうか、そういう議論はもううんざりだと言っていますけれども、けじめはきちんと付けてほしいというのが圧倒的な声なわけです。そうすると、私はそういう観点から立って考えてみても、きちんとした形で公表すべきだと思いますし、各党すべて公表しているんですね。自民党だけです、公表していないのは。
 小泉総理は総理大臣であると同時に自民党の総裁でもございます。総裁としてどのようにお考えでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自由民主党ですから、個人が信頼を得るようにそれぞれの判断をしなさいと、これでいいと思います。
○櫻井充君 国民の皆さんに是非考えていただきたいことがあります。これが小泉総理の姿勢でございます。こういうことをしていくことによって政治の信頼回復ができると考えているのが自由民主党だということですね。そう理解してよろしいわけですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 本筋の議論も大事だし、個々人が信頼を得るような努力も大事です。自由民主党は確立した個人の集団ですから、そのぐらいの判断は個人でされるべきだと思います。
○櫻井充君 これは、後は国民の皆さんの審判にゆだねるしかないんだろうと思いますが。
 その点でもう一点お伺いしたいのは、総理は、強制加入前というお話でしたが、未納期間があったということを秘書官の方が報道されました。秘書官の方が報告されております。そのときに、強制加入以前のことなので政治的責任はないんだというお話をされておりました。もし、これは裏を返せば、強制加入後であるとすれば政治的責任があるという御発言でございますね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 強制後においても、今、国会議員多くが未納があったということを発表されていますが、それはうっかりしたミスもあると思います。それは意図的ではなかったと思いますね。そういう点について、あえてうっかりミスまで責任を問うということもないのではないかと思っております。
○櫻井充君 そうしますと、小泉総理の御判断は、もううっかりミスであったとすれば強制加入後でも何の責任もないと、そういうことになるわけですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、改善策を講ずることによって責任を果たしていった方がいいと思います。
○櫻井充君 まず過去の清算をして、それから次のことに行かなきゃいけないんですよ。いつも過去のものに、臭い物にふたをして次のことに行くから、首かしげていらっしゃいますけれどもね、ですから、そういうことをやっているから信頼得られないじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 信頼を得れるかどうかというのは、その政治家個人、全人格の日ごろの行動にかかわっていますから、私は過ちを改めるにはばかることなかれと。一つの過ちを徹底的に追及して責任を問うというのも一つの考え方でしょう。しかし、うっかりしたことまで、しかも過去のことまであくまでも追及するかと。それはまた別問題だと。私は、やはりある程度おおらかな気持ちになって、過去の過ちというものを率直に認めたんだったらばそれを許して、より良い改善策を講じていくというのも一つの方法だと思っております。
○櫻井充君 私はこの問題をとことん追及したいということは申し上げておりません。私は、信頼回復をするためにはこういう手だてが必要なんじゃないかと、その上で、その上できちんとした議論をいたしましょうと申し上げているのであって、このこと一つ取り上げて総理にお辞めくださいと言う気はさらさらございません。ですから、そういう問題ではなくて、総理としてその信頼、何回も申し上げますが、信頼回復をどうやって図っていくのかということだと思っているんです。
 もう一つ、そうすると、例えば、もう一度改めてお伺いいたしますが、そうすると、今回の問題であったとすると、今回の一連の問題の中でうっかりミスであったとすれば政治的責任は問われないというのが、これは小泉総理の見解ですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい。だれでもうっかりしたミスというのはあるもんです。そのことによって私は責任を問うつもりはございません。より良い改善策、ああ、こうやってうっかりしてミスがあるなと、次はこういうミスをなくしていこうという改善策を講じることによって責任を果たしていくのがいいと思っております。
○櫻井充君 そうしますと、うちの菅代表もお辞めにならなくてもよかったということになるのかなと思いますが、そのときに、公明党の代表の方などは、菅さん辞めるべきじゃないかと、政治的責任があるんじゃないかというようなことを随分おっしゃられておりました。同じ連立与党を組まれているわけですけれども、総理はその発言に関して、じゃ、どうお思いですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いかなる責任を取るかというのは、すべてその本人の責任であると思います。私は、人がそのような、まあうっかりミスしていたということに対してどのような責任を取るか、御本人に任せればいいと思う。私は、公明党の神崎さんだろうがだれだろうが、民主党の菅さんだろうが、責任を問うつもりはございません、うっかりミスだったんですから。
○櫻井充君 まあ分かりました、水掛け論になりますから。
 もう一点お伺いしたいことがございますが、やはり多くの方々が、今回、その総理の発表に関して、やはり信頼していたのに残念だったとか、それから従来、なぜそういうふうになっているかというと、これは衆議院の方の厚生労働委員会、平成十六年四月の九日に、小泉総理は、「私も、もう年をとりまして、年金を、保険、払う時代は過ぎちゃったんですね。過去はちゃんと払っております。」と、こういう発言をされているわけであって、その発言と違っていたので失望したと、それから残念だったという声があります。
 そういう国民の皆さんに対して私は謝罪すべきではないのかなと、そう思いますけれども、総理としてはいかがでございましょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは分かりませんね、私はきちんと払っていたんですから。
 未納──任意で加入しなきゃならないときに払っていたのは、これは任意という言葉をみんな分かっていないんじゃないかと。任意で加入しなきゃならないということじゃない、任意だから加入してもしなくても、どっちでもいいんです。そのときの保険料を払っていなかったからおかしいと言うのはおかしいと思っているんです。それを問題にする方がおかしいと。強制になって払っていなかったらおかしいと言うのはいいですよ。それ、しかも任意というのは、議員年金がある、議員年金がある人がまた国民年金で払った、二重取りになるじゃないかという批判も一部にあったから、議員は議員年金だけで国民年金に入っちゃいかぬ、入ってはいけないという期間もあった。それで、任意になった。任意になったときには、それは二十五年間保険料を納めていないと受給資格がないから、そういう人たちにやっぱりある程度権利を与えようと。任意、入ってくれればそういう期間に達しますよという人は任意でも入った方がよかったんです。保険料を納めなければ受取額も少なくなるんですから、本人の責任なんですよ、任意の場合は。
 私は、任意のときまで払っていないからおかしいと言う方がおかしいと思っています。
○櫻井充君 まあ法的責任はそうなのかもしれません。ただ、年金制度の精神ということを考えてみると、これは互助会システムなんだろうと思うんですね。世代間を超えて扶養していくという助け合いの精神だと、私はそう考えていますが、坂口大臣、そういう理念でよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今日も午前中にお答えを申し上げたわけでございますが、昭和六十一年以降、これは基礎年金のところはもう国民全体が入る、みんなが入って国民全体で支え合っていくという年金制度になったわけでありますから、その中におきましては、これは若い人たちは現在の高齢者のために、次の若い人たちはまたその高齢者のためにということで支え合う、世代間で支え合う本当に制度になったわけで、そういう意味で、六十一年以降につきましては、私はその制度、理解というものを十分にしなければいけないというふうに思っております。
 しかし、それまでの間は、それぞれの職域と申しましょうか、職種によります互助制度みたいな形の年金制度が幾つも幾つもこうあって、それが林立しておりました。その時代にさかのぼってそれをすべて言うことは少し無理があるというふうに思っている次第でございます。
○櫻井充君 例えば国民年金法の制度の目的を読むと、ここにこう書いてあるんです。要するに、老後、障害又は死亡によって国民生活の安定が損なわれることを国民の共同連帯によって防止し、と書いてあるんですね。これは昭和三十四年に作られた法律でございます。そういう目的で作られたと。
 そうすると、例えばそれが任意加入であったとしても、国会議員がこれを議決したということは、お互いにですよ、お互いに共同連帯によって防止しましょうということを国会議員が自ら決めたわけであって、それが任意だから加入しなかったと、これは政治姿勢の問題です。これは政治姿勢の問題です。こういうふうに法律を定めておきながら、なぜ加入しなかったことに関してそれだけ強弁されるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 最初そういう法律を作りましたけれども、国会議員はその中に入れないということになったわけであります。それまで、共済年金でありますとか国民年金の互助制度でありますとか、そうした年金が既にそのときにあったものですから、そういう年金があるところの人たちはそこにどうぞお入りくださいと、こういうことに、それは割り切りと申しますか、そういうふうになったわけでありまして、今までどの年金にもお入りをいただかなかった皆さん方にそこはお入りをいただいて互助精神を発揮をしていただくということになった。
 五十五年に改正になりましたのは、何度か申し上げておりますように、そうはいいますものの、三十六年からスタートして二十年が経過をした、そして、間もなくもう二十五年に到達しようという皆さん方のその権限まで奪うのはいかがなものかというので任意になったと、こういう経緯があるわけでございます。
○櫻井充君 いや、私は総理にこのことはお伺いしたかったんです。要するに、任意加入だから加入しなかったのは自由だと、それは法律上そうなんです。私は政治家としての姿勢をお伺いしているんです。こうやって法律を定めて、みんなで連帯してやりましょうと、国会議員自らが率先してやるべきことだったんじゃないのかなと、私はそう思いますが、総理いかがお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは一時期、議員は議員年金もあるし国民年金に加入できないという延長線での任意加入ですから。任意というのは入っても入らなくてもどっちでもいいんです。そして、一般の方は、それは将来年金あった方がいいでしょうという方に、一般に対して奨励するのは、これまた自然なことだと思います。
 しかし、加入していない方は、その年金受けることができたにしても額は少ない、加入した人に比べれば。そういうことで、やっぱり強制しておいた方がいいなと。今は年金必要なくても、将来老後になれば、ああ、あのときは加入した方がよかったと思わないようにやっぱり強制にしておこうということになったわけでありますから、そういう経緯を考えれば、私は任意加入ということを国会議員でも、よく言葉、日本語、かみしめてくださいよ。任意加入と強制加入の違い、任意ということはどういう意味かということを私が言わなくても櫻井議員ならお分かりだと思うんです。
○櫻井充君 任意加入のことについてはちゃんと分かっております。
 私は、ですから、じゃ総理にもう一点、もう一回別な観点からお伺いしますが、なぜ入らなかったんですか、じゃ。任意加入だから、どっちでもいいから入らなかったわけでしょう、そのときの判断で。御自分が判断されたときには任意加入で、どちらでもいいから入らなかった。その後、強制加入だから入ったということになりますね。
 そうなってくると、任意加入のときには共同連帯という意識はなかったということですよ。そして、義務化になったときには義務だからこれは入らなきゃいけないという、そういうことじゃないですか、そうなりゃ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、日本語の解釈として、任意というのは本人に任せられた、強制ではないと。より良い制度のためには入りたいという人の権利を確保するための制度であるということで、国会議員として、まあ議員年金もある、国民年金に加入して二重取りだと言われる批判は浴びない方がいいなと。現に、最初は国会議員は入っちゃいけないということがあったものですから、二重取りの批判があると、議員年金までもらって、国民年金までもらってどうなんだということで、一時期は国会議員は国民年金に入っちゃいけないという期間があったわけでしょう。そういうことがあって、さらに任意年金と。
 ですから、任意ということをよく日本語を考えてください。入っても入らなくてもいいんです。
○櫻井充君 今の総理の答弁だと、二重取りしていることがおかしいというような言い方じゃないですか。だったら、現制度、おかしいことになりませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう経緯があって、国会議員も、任意の中で入ってもよろしい、任意よりもやはり強制した方がいいということで制度が変わってきたんじゃないですか。その都度の経緯を調べて、より国民が支え合えるような強制加入になってきたんですから。そういう経緯があるんですよ。
○櫻井充君 それが総理の政治姿勢なんだろうと私は理解いたします。
 その意味で、もう一点、これは今度は総理ではございませんが、国民の皆さん、今回の法律の改正の趣旨は、要するに国民の皆さんに私は負担を強いてくる、そして結果的には給付を削減するという内容だと思っております。
 その意味で、一つは少子高齢化社会であると、これはもう本当にその理由はもちろんですが、ただもう二点問題点が私はあると思っておりまして、一つは、これまできちんとした形で適正に運用されてきたのかどうか。その運用がされていたら、本当に保険料の引上げを現時点でしなきゃいけなかったのかどうか、給付は削減されなきゃいけなかったのかどうかということについてきちんと検討する必要性があると、そう思っております。
 それはなぜかというと、年金福祉事業団というところがございまして、この年金福祉事業団は、多額の年金の積立金を預かっておきながら、最終的には一兆七千億円です、これは国民の皆さん聞いておいていただきたいと思いますが、一兆七千億円の損失を計上しております。そして、この一兆七千億円の損失を計上しても、だれも辞めていかない、だれも責任を取らない、しかも退職金まで受け取ってお辞めになっている。こういうことを許しておいて、国民の皆さんにだけ負担を強いるような法律を提出するということは私はできないと思いますが、坂口大臣、いかがお考えでしょう。
○国務大臣(坂口力君) これはもう櫻井議員はよく御存じの上で御発言になっているというふうに思いますが、これが借り始めましてから、これ昭和六十一年からでございますか、それまでは財投、すなわち財務省の、旧大蔵省が管理をしております財投の中ですべてこの年金は管理運用されていたわけであります。しかし、そうではなくて、もう少し国民の側に立ったことにそれを使おう、そうした方がいいというので、その中から一部、これは旧厚生省でございますが、その管理するところにこれを移されたと。そのときに、これを移されたときに無料でこちらで借りられたらよかったんですけれども、五・五%、平均して五・一%という高い利息を付けてそこから借りてきたと、こういうことです。
 その後の経済動向の中で五・一%の運用ができなかった、四・九%の運用しかできなかったということで、利息はその財投の方に返さなければなりませんから、そうしたことがあって、財投の方に利息を返したものですから一・七兆円のこちらにしては赤字が残ったと、こういうことでございまして、それは何もどこかへ捨ててしまったようなことではなくて、元々のその年金の積立ててありますところにその利息の方は返したと。借りてきた方の金利としてはそういうことになりましたけれども、そうしたことによって起こったものであるということでございます。
○櫻井充君 結果の責任は問われなきゃいけないと思っているんです。財投で運用したときには黒字だったんです。財投で運用していれば黒字なんですよ。何もわざわざ年金福祉事業団を作って融資する必要性はなかったんじゃないでしょうか。
 ましてや、坂口大臣、この年金福祉事業団というのは元々融資のために、運用するために作った財団じゃないんです。これが作られたときには、福祉施設を造るという目的で作られたところなんです。法律上、本当にこの目的に、国民年金法の下に置かれて、これが果たして年金福祉事業団法が私は適切かどうかとちょっと疑問を感じております。今日は時間がありませんのでそこは割愛いたしますが、いずれにしても、年金福祉事業団というところは建物を造るために作った施設でございます。
 しかし、大臣、世界で調べてみると、皆さんから年金を預かったお金で直接建物を建てているなんという国はないんですね。こういう使い方をしている国はないんです。共済年金は、例えば厚生労働省のお役人の方々が入っているところはどうしているか。直接建物なんか造っていませんよ。彼らが宿泊施設として使っているようなところには全部融資です。融資ですから、皆返ってきています。グリーンピアは全部直接に建てているんです。こういうでたらめな事業団を作った、まずここが私は本質的な問題があると思っていますが。
○国務大臣(坂口力君) このことをどう評価するかは、それぞれ意見の分かれるところであろうというふうに思います。
 昭和四十年代、そして昭和五十年代、このころには年金の負担をしていただく皆さん方はどんどん増えましたけれども、いわゆる給付する、それを、年金を渡す皆さん方の数は非常に限られていた。そうしたことから、これをただ財投で道路やあるいは橋を造るということにだけ使うのではなくて、もう少し国民に密着したところでそれを使うべきだ、いわゆる福祉還元という言葉が何度も国会の中で与野党の中から叫ばれました。
 そして、これは衆議院で三回、参議院で三回、これは附帯決議として、ほとんど全党一致でこれはやられているわけでありまして、そうした中で、決議をされて還元をしようということの中で、その中の一つが、国民の勤労者の皆さん方の住宅を造りましたときの住宅ローンをそこに提供しようと。あるいは、中小企業で働く皆さん方の保養基地等はありませんから、その皆さん方に対応をしてはどうかというような御意見が出てきたというふうに私は理解をいたしております。そうした結果が今日を迎えているというふうに思います。
○櫻井充君 確かに、その法律のところには福祉と書いてあるんです。しかし、そこの建物の建て方が、じゃ、なぜ国民年金や厚生年金の国民の皆さんの積立金の方は直接的に建設するんですか。そして、官僚の方々が積んでいる共済年金の方は融資にして、ちゃんと傷が付かないようにしてあるんですよ。こんなずるいことをやっているんじゃないですか。官僚がこういうことをやっているから信用されないんですね。
 今、福祉というお話をされました。じゃ、これは、昭和五十一年の十二月五日の総選挙のときの宮城県の選挙管理委員会から出ているこれは公的な文書、会報でございます。これは衆議院の長妻昭議員からお借りしてまいりましたが、そこに、実は厚生局長が地元宮城県に戻って選挙に出たときの公報でございます。
 そこに何て書いてあるか。私の実績と。「年金局長として、画期的な物価スライド制年金を創設。」の後にです、「宮城県厚生年金スポーツセンター(二十億円)」、「大規模年金保養基地(百億円、岩沼に誘致)」と。
 こんな、福祉のためにやっているんじゃないじゃないですか、年金局長は。自分の選挙に使っていますよ。
○国務大臣(坂口力君) 過去の一人一人のことまで私も存じませんけれども、全体としては、そういう流れの中で起こったということだけは紛れもない事実でございます。
 私は四十七年からこの国会に所属をさせていただいておりますが、四十年末そして五十年代というのは、野党の側からも是非もっと年金のお金を、いわゆる保険者を、保険料を提出をするそういう人たちにもう少し還元をした形に使うべきだという御意見が非常に多かったことだけは紛れもない事実でございまして、そうした中で今日を迎えた。しかし、それは流れは変わった。
 今、私、いいと思っているわけでは決してありません。一番最後が五十八年でございますから、まず六十年止まりでございましょう。それ以後、経済の動向も変わった、そして年金をお受けになる皆さん方も多くなった、流れは確かに変わった。その流れの変化をしたことにやはり行政は対応しなければならなかったと、私もそう思っているわけでありまして、その変わったのをそのままに今日を迎えたということについては、私も大きく反省をしなきゃいけないというふうに職員にも言っているところでございます。
○櫻井充君 実はそれだけじゃないんです。言い出すと切りがないんですが、典型的な例をもう一つ挙げておきましょう。
 融資事業を始めたのが、六十二年から始めるわけです。それまでは建物しか造っていなかった。それからもう一つは小口の融資しかやってなかったんです。その年金福祉事業団が厚生官僚の既得権益の拡大のためにどんどんどんどん大きくなっていくんですね。それが融資事業になります。
 その融資事業の例えば典型的な失敗の例をお話ししますと、ゆうゆうの里というところがございますが、ここなんかは、もうこう書いてあるんです。融資事業部長の話。財団の経営に問題があったことは分かっていたが、経営内容までには口を出せないと。同財団を含めて福祉施設の融資全体二千二百億円が回収されていない、そういうふうに言っているわけですよ。つまり、そしてそのときに、こういう財団は厚生労働省の天下りの役人を受けるとか、それからいろんな根回しが必要で大変だったということを言っている、コメントしているわけですよ。ですから、それは、昔その建設をしたときの問題だけではなくて、融資をしたときもこうやってでたらめな使い方をしているわけです。
 こういうでたらめな使い方をきちんとチェックする機構があったんでしょうか。ないんですよ。ないまま、実はこの財団は引き継がれて、今度は我々の大事な年金を、そこのその年金福祉事業団の次の財団が、基金がやることになっているじゃないですか。こんないい加減なところにどうして預けられるんですか。
○国務大臣(坂口力君) これからの問題と過去のそうした問題とはあると私も思っております。
 過去の問題につきましては、先ほどから申し上げましたようないろいろの経緯を経て、そしてそうしたことが行われてきたことも事実でございます。
 今後どうするかの問題でございますが、これは今日午前中にも御報告を申し上げましたとおり、独立行政法人、新たに作りまして、その中でこの運用をしてもらう。今まではこれはほとんどが財投の方に預けてありましたから、そこに預けたままに、預けた方の額の方が非常に多かったわけでありますので、それは大きな問題は、まだ今までは問題になったパーセントは少ないと思いますけれども、これから先は百四十兆なり百五十兆なりが全部返ってくるわけでありますから、今後これをどうしていくかということについての重大なこれは問題だというふうに思っておりますから、そういう新しいところに、これは民間の人を中心にしながらいろいろ御議論をしていただく。皆さん方の国会の御議論もしていただいた結果をそこに反映をさせて運用をしていくということにしたいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 おかしな話ですね。銀行が国有化されると、じゃ、将来は将来だから、じゃ、そこのところの責任者は何の責任も問われないんでしょうか。足利銀行が国有化されたときには、経営者責任だとその人たち責任問われているんですね。何でこういう財団は責任取られないんでしょうか。おかしくないですか。
 大体、これを見ていただければ分かりますが、(資料提示)このオレンジ色の方は国家公務員の共済年金です。これは極めて安定して運用されております。しかも、今度は年金福祉事業団見てください。こんな、ギャンブルですわ、これは。しかもマイナス、穴を空けています、相当、平成十二年なんか。こんなような格好で、結論はどうなっているかというと、これを見ていただければ分かりますが、これ、マイナスの方向です。このブルーの方は年金福祉事業団、上の方は、ピンクの方は国家公務員の共済です。国家公務員の共済だけ増えて、年福事業団、こうやって減っているじゃないですか。だれも責任取らないなんておかしな話でしょう。どうして責任取らせないんですか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは私が、五年前でしたかね、厚生大臣になったときに、年福事業団を廃止しろと言ったとき、みんなびっくりしましたよ。
 経緯があるんですよ。私がこんなもの造る必要はないと言ったときは、与野党の国会議員は、過疎地であればあるほど、リゾート施設だろうがホテルだろうが造ってほしいんですね。国会で決めちゃっているんですよ。そういう経緯があるんです。
 今、役人の責任だと言いますけれども、国会議員が全部欲したんです。そして、この地元にはおれが持ってきた、みんな喜んだんですよ。ところが私は、財政投融資全体を考えると、年金の保険料が果たしてリゾート施設とかホテルとか融資して利益を上げることができるのかと。上がらないだろうと。上がることを考えれば、こんな福祉事業団なんか廃止した方がいいと、私が最初に言ったんですよ。そして今ようやく。
 それはなぜかと。だから私は、特殊法人改革、これが財政投融資、郵政民営化、全部つながっているから、入口から出口までやれというのが小泉内閣の責任だと思って今行財政改革一生懸命やっているんです。
 だから、この点をよく考えて、みんな地元が喜ぶ喜ぶといっても、後々のことを考えてくれと。年金保険料、もう積立金がたくさんある、この積立金が余っているんだから入っている人の喜ぶ施設を造ろうと。ホテルに行こう、温泉につかろう、ああいいないいなと、そのときはみんな行っちゃったんですよ。ところが、後々利益が上がらなかった場合にはこの年金の積立金どうなるのかという問題まで当時は考えていなかったということではないでしょうか。
 しかしこれは、もうこういうものはやめろという機運が出てきたということは私も歓迎します。だからこそ特殊法人改革を進めなきゃいけないと私は思っています。
○櫻井充君 財政構造改革と今おっしゃいましたが、財政構造改革が行われて年福事業団が一体どういうふうになっていったのか。
 これは、施設の運用費が毎年六百億円以上計上されていたのが大幅に削減されました。しかし、その代わり、それよりも多くの事務費を今度は計上しなきゃいけなくなっています。今まで一般会計で、一般会計で事務費は見ておりました。建設費だけ年金の基金、年金の資金から使っていた。今度は事務費も、事務費は今度は年金の資金から使っていいことになったんです。
 つまりは、形を変えた公共事業が、今度は年金で造れなくなったので、事務費のところは一般会計から持ってくるようにしたのが実は財政構造改革でしかなかったんじゃないだろうかと、そういうふうに思っております。ですから、総理がそういう提案をされたのかもしれませんが、実際上はそういう形で運用されていって全くないんですね。
 もう一点、その廃止をする際に、それでは総理として、その当時厚生大臣だったんでしょうか、そのときに、なぜその官僚たちに責任を取れということをおっしゃらなかったのか。そこのところは一体どういうことなんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、国会で決めて国会が要請したからなんです。そこがまた官僚のうまいところなんですよね。政治の責任で私たちはこういうのを造りましたということになっちゃうんですよ。そこが非常に悩ましいところです。やっぱり我々も共同責任を負わなけりゃいかぬなと思っています。
○櫻井充君 そうすると、改めてですが、この年福事業団が、年福事業団、名前は変わりました、年金資金運用基金と名前は変わりましたが、それで改革がなされているようにさもおっしゃいますが、理事長の森さんはそのまま継続されました。それから、理事三人おられる中の橋本さんと藤井さんはそのまま継続されていくんですね。役員が理事長と理事と四人しかいない中の三人はそのまま残っていくんですね。こんないい加減なところで、総理が幾ら改革改革とおっしゃったって、実態は何も変わっていないんですよ。
 ましてや、ましてや大事なことは、ここの会計監査はだれがやるかということなんです。会計監査は一応は厚生労働省でやることになっているんですね。ですが、厚生労働省のその課がやったとしても、ここに天下ってきている理事長はすべて事務次官なんです。厚生労働省のトップの人たち、しかも先輩たちに対して厚生労働省のその人たちがちゃんとしたチェックができるでしょうか。
 そういうことは、そういう改革を成す前に、国民の皆さんに、ここで今度は安全で運用できますよと言ったって、私はだれも信用しないと思っているんですね。いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) ですから、そこを今度は民間人にしようとしているわけであります。今度は民間人にいたします。民間人中心にいたします。もう理事長も民間人にいたします。もう決定いたしまして、それでいきたいというふうに思っております。
 それから、先ほどの表を見せていただきますと、カーブがこうございましたけれども、あの年金福祉事業団の方は、あれは時価で示したものでございます。それから国家公務員の共済年金の方は、あれは簿価で示したものでございます。簿価と時価で示したものとのカーブでございますから大きな違いがあるということでございます。
○櫻井充君 これは資料請求したときに出てきたものでございます。我々が苦しいのは、官僚の方々がそうやってきちんとしたものを出してこないからなんですよ。比較できないものを出されてきて、我々に比較しろと言われているところに問題もあるんですよね。これは情報公開の中でもっとちゃんと出してきていただきたい。そのものが出てきていないということはこちら側から付け加えさせていただきたいと思います。
 ただ、大臣、民間人民間人とおっしゃいます。じゃ、民間人に公的年金の運用をすべて任せるんでしょうか。だったら、なぜ国が集めなきゃいけないんですか。国がやる事業じゃなくなるじゃないですか。国がやる事業のトップが民間人に替わったから全部変わるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これはなかなか難しいところですね。
 役人にやらせたら役人は駄目だという話、民間人にしたら民間人また駄目だという話なら、一体だれにやらせたらいいのかという話にこれはなるわけでありまして、私は、役人、まあお役人にもそれはいろいろの人おるでしょう、それは詳しい人もいるかもしれない。だけれども、私は、これだけ多額のこの積立金を運用するだけの能力のある者が厚生労働省の中にそんなにいるとは私は思っておりません。ここはもっと専門家の皆さん方で、それだけのやはり評価に堪え得る人を理事長にしなければいけないというふうに私は思っております。その中でその運用をしますし、それから、今度は評議会も作りまして、それに対して誤りがないかも常にチェックをしていくという体制を確立をしていきたいというふうに思っております。
 それでも駄目だと言われたら何をやるかということでございますけれども、そうしたことでその責任を明らかにしていくということだろうというふうに私は思っております。
○櫻井充君 そうしますと、これまでのことに関して言えば、責任を取るということにはならないと。一兆七千億円の赤字が出ているけれども、今までの分に関してはだれにも責任を問わないということになるわけでしょうか。
 私がおかしいと思うのは、例えば二十五年間支払っている人でなければ受給権が生じないんですね。これはある種のペナルティーらしいんです。なぜ国民の皆さんにだけペナルティーを科して官僚の皆さんはペナルティーを科されないんでしょうか。
 これは、法律上の運用の仕方は全く問題ないからだとおっしゃいますが、これはきちんと殖やすという約束事でお金を預かっているわけです。元々、年金福祉事業団というのは施設を造るためにあったものなのに、いつの間にか住宅融資も、住宅ローンも始めた。今度は、大口の融資も始めただけではなくて、運用も始めただけではなくて教育のローンまで始めているわけですね。様々なところに手を出してきているというのは、官僚の方々が既得権益を広げようとしていった結果じゃないですか。そういったところをちゃんと是正して責任を取らせないから国民の皆さんは怒っているし、政治家が無力だと思われているわけですよ。
 ですから、そういうところをきちんとやるかやらないかが私は大事なことだと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) その六十一年から平成、先ほどの表では十二年まででございましたでしょうか、この間に、積立金全体で見ると、これは七十二兆円プラスになっているわけであります、利息で。全体で七十二兆円プラスになっている。こちらの方で、厚生労働省の方で運用した額だけを見ましても九・三兆円のプラスになっているわけでありますが、その九・三兆円はどこへ行ったかといえば、それは、お借りをした財投の方にそれは利息として返したからこちらの方に一・七兆円の赤字が残ったわけでありまして、だから、そうした意味で、決してその額が全部、それは何かこう負けたからその赤字が残ったということとは私は少し質が違うというふうに申し上げているわけであります。
○櫻井充君 しかし、それを始めたときの約束は殖やすという約束なんです。ですから、今になって、財投から借り入れたからどうだとかいう理屈は成り立たないと思うんですね。財投から借り入れることが分かっていても、それで殖やせるという自信があったからこそ運用をこちら側でやらせてくれと言っているわけであって、それの責任を取らないというのは私は筋が違うと思いますけれども。
 ちょっと時間がないのでもう一つ、先ほど私は何を申し上げたかと。要するにもう一つは、厚生労働省のお役人の方々は国民年金や厚生年金に加入しているわけじゃないんですね。自分のお金じゃないんですよ。自分のお金じゃないから、結果的には建物を建てたり事務費用も出したり、そしておかしいと思うところに融資したりして穴を空けているわけですよ。自分の入っているところであればもっと大事にすると思います。
 ですから私は、この際、まず初めにやるべきことは、共済年金も厚生年金も全部一本にする議論をしないと納得していただけないと思っているんです。もう一度申し上げますが、自分のお金なら絶対大事に運用するはずなんですよ。自分のお金じゃないと思っているからそうしているんです。
 例えば、ここの中に、グリーンピアの中で諸謝金というのが使われているんですが、諸謝金なんていうのは、平成十二年にお達しが出るまで、使い方のマニュアルが出るまで何て言われていたかというと、これはみんな小遣いだったんです。これはあなた方の給料とは違いますとちゃんと書かれていたんです、私、外務省の調べてみたら。そこに何て書いてある、これこれ事務経費ですから注意して使ってくださいと書いてあるんですよ。そういう諸謝金だって計上されているんですね。
 でたらめな金の使い方をしているのは、自分の金と他人の金を別々に運用しているからですよ。一緒に運用すべきじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) まさしくその一元化の話の中で一番先にやらなければならないのは、共済年金とそして厚生年金の一元化の話だというふうに思います。これはやはり一番先にやらないといけない。私は、このままでいきますと、国家公務員にいたしましても、地方公務員はどうか分かりませんけれども、国家公務員はどんどんと数は減っていくということになってくれば、やはりこの年金を受ける人の数が増えて私は共済年金も行き詰まってくるというふうに思うんです。過去の例を見ましたときに、それは旧国鉄であれ旧専売公社であれ、それぞれ行き詰まった段階で厚生年金と一緒になろうという話になってきた。それは私はまずいと思うんです。厚生年金を運営をしておみえになる皆さん方に大変申し訳ない話だと思うんです。そういう事態になる前に、やはり共済年金、それから厚生年金というのは一元化をまずするということが、これはもう委員の御指摘のとおり私もそう思っているところでございます。
○櫻井充君 今共済年金の方は黒字なんですよ。ですから、共済年金が行き詰まるなんていうことはあり得ないんですね。
○国務大臣(坂口力君) ある。
○櫻井充君 今の、今のところはですよ、今のところは。保険料率だって、はっきり言って今回まだそこまで上がるかどうかだって分かっていないわけです。
 じゃ大臣、もう一つ申し上げれば、じゃ申し上げれば、今の共済年金は、形はですよ、形は国家公務員の給料とそれから税金のところで一対一の構成になっております。ところが、浅尾慶一郎議員の質問主意書でしょうか、これに答えて作成されたものだったと思いますが、結果的に国家公務員の共済年金というのは保険料収入が一兆四百七十九億円であると。その中に今度は、追加費用、国の負担として五千億円以上の税金がつぎ込まれているんですね。一兆円の収入のほかに五千億円の税金がつぎ込まれているんです。
 つまり、厚生年金の皆さんは保険料負担と企業負担が一対一なんです。そうではなくて、国家公務員共済は一対一プラスそれに五千億円の税金が追加されているということですから、四十兆しかない税金の中で、これは国家公務員だけです、地方公務員も含めると一兆八千億円以上、約二兆円ですね、二十分の一のお金が年金の維持のために使われています。ところが、厚生年金に関して言うと、そういった項目は一切ございません。これだって不公平じゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) 共済年金はいわゆる恩給から引き継いできたものもございますから、ずっと昔のことにさかのぼりますと、それは恩給時代の部分のところがあって、それをまだ現在もお受けになっている皆さんもおみえになりますから、その部分は私はもう間もなくなくなっていくというふうに思っておりますが、しかし、それとは別に、追加的に出ていることも事実でございます。そこのところは、これは今度厚生年金と一緒になるといったときにはやっぱり是正をしていただくということに私はならざるを得ないというふうに思っている次第でありまして、そうしたことも含めてこれからの一元化の話は進められていくというふうに思っております。
○櫻井充君 恩給の受給者のために五千億円なんかもう必要ないはずですよ、大臣。
 大体、何で恩給という制度があったかというと、恩給の場合だって、あの当時はもう厚生年金あったはずです。厚生年金の方々はみんな掛金積んでいたはずです。恩給の方々は掛金積んでいないはずですよ。それの名残です。税金でみんな面倒見ていたんですから、それの名残ですよ。そのときでさえもう官民格差があった。その官民格差を何でずっと引きずらなきゃいけないんですか。
 そして、民間の人たちだけ、国民の皆さんにだけこういう負担を強いてくるんですか。この先それ、どこまで負担が行くんですか。社会保障だけで二九・五%の負担です、国民所得に対してですよ。そして、租税負担も加えたら六〇%弱の負担になっていくわけです。国民の皆さんにだけ何でそんな負担を強いらなきゃいけないんですか。それに合わせて、企業もそれに見合っただけの負担をしなきゃいけないわけです。この負担に堪えられていくとお思いですか、大臣。
○国務大臣(坂口力君) この恩給の問題は、これはいわゆる戦争中からのものをここへ引きずっているわけでありまして、そのときに皆さん方に大変な思いをしていただいた。そうしたことに対して国が打ったこと、行ったことでありますから、それを現在になりまして、それをなかったことにするということもなかなか難しい、過去に国の方がお約束をしたという経緯もありますから。
 しかし、ここは年々歳々だんだんと減っていくわけでありますから、そうしたことをどう今後カバーをしていくかということに私はなるというふうに思っております。それは、この共済年金あるいは厚生年金というものについて、これからどういうふうにその一元化を進めていくかというときに私は決着を付けなければならない問題だというふうに思っている次第でございます。
○櫻井充君 どこかの時点でではなくて、こういう議論をしたときに決着を付ける問題じゃないんですか。この問題を決着してから本質論に、こういう国民の皆さんに負担増をお願いすることにするべきことではないんですか。
 そしてもう一つ、恩給は過去の問題、過去のところでお約束したものだから仕方がないんだ。じゃ、グリーンピアで、あのときにはちゃんと増やしますという、そのときに我々は有効利用して増やしますというお約束をしました。そして、お約束をして守れない。官僚の人たちが守れないときは何のペナルティーもない、お約束はこれで破られる、そういうことだったら、だれも信用しないんじゃないでしょうか。
 時間もなくなりました。最後にもう一点だけ。
 今回の問題に関して言えば、私はきちんとけじめを付けられる人はけじめを付けた方がいいと思います。
 私は、何回も申し上げますが、国会議員になってからはきちんと払っておりました。しかし、しかし学生の時代のときに、大学院生や無給局員のときに年金を払っていなかった責任を取って辞めました。民主党の未納の国会議員のリストの中には載っておりません。
 そういう意味で、副大臣の方々が支払っていない。こういう方々が責任取らずに、果たして、こうやって皆さんのこれから議論していく上で果たして信頼されるのかどうか。政治責任というのを問われるべきだと私は思いますが、最後に小泉総理、どうでございましょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治責任というのは、それぞれ政治家の立場違いますが、私は今回、年金法案を一日も早く成立させて、与野党協議で年金一元化を含めて社会保障全体を考えた協議を進めて、より建設的な改革をしていくことによって私は政治責任を果たしていきたいと思っております。
○櫻井充君 終わります。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず、私は持ち時間が大変少ないので、先ほども出ておりますけれども、年金教育の推進に絞ってお聞きをしたいというふうに思っております。
 今国会で年金改革が最大の焦点となったことで、多くの国民が従前よりも年金に対して強い関心を持つようになりました。しかし、その過程で、残念ながら、私ども国会議員も含めて、今の年金制度に対する知識が不足をしていた、理解が不足していたということが分かったわけでございます。
 さらに、ちなみに総理、二年前の社会保険庁の調査によりますと、国民年金に加入をしている人でも四割の人が、二十五年間最低加入をしないと、年金の受給権があるというルールを知らなかったということが発表されているわけでございます。
 さらに、私もその世代に属しますが、最近の若い人になりますと、更にこの年金に対する関心とか知識が概して低うございまして、このことが、若い人たちが、若年層の未納率が高い背景にあることは私は間違いないというふうに思っております。
 また、例えばそういった知識不足のために、年金は払っても将来もらえなくなるとか、あるいは公的年金なんか要らないという極端な主張が誤解や理解不足に基づいてなされる例というものが私たちの現場ではあるわけでございます。このことについては、年金制度そのものが複雑で分かりにくかったという指摘もございますし、また政府の方もこの少子高齢化がかなり深刻になるまで分かりやすい説明努力ということを十分にしてこなかったのではないかと。この点については、政府あるいは国会関係者も深く反省をしなければならないと私は思っております。
 このことを前提に、私は若年層の公的年金制度の必要性また重要性に対する理解を向上させていかなければならないというふうに思っておりまして、まず、今日お配りをしておりますけれども、小学校、中学校の義務教育の課程で年金について、社会科になりますが、どういうふうな教育が行われているかちょっと調べてみました。
 小学校六年生の社会科教科書では、年金など社会保障制度に関する言及はほとんどございません。ですので、資料で配っておりません。配っておりますのは中学校の公民教科書でありますが、これは大阪書籍さんのものでありますけれども、年金についてはこの百四十七ページと百四十八ページの二ページにわたりまして一応解説がなされております。しかし、ぱっと読んでいただいて分かると思いますが、文字どおり教科書的な非常にドライな年金の説明になっておりますから、私が個人的に思うに、これを読んで、ああ、公的年金制度は必要なんだなと理解できる中学生はそんなに多くないんではないかと私は思っております。
 総理、問題は、どうなるかといいますと、中学校でこの教科書二ページの教科書的解説を読んで、理解したかしないかは人によって違いますが、そのまま高校に参ります。高校へ行きますと、今、科目選択制ですから、現代社会の授業を取って、そしてその先生が年金のことをちゃんと教えて、先生が年金のことを教えている授業で、ちゃんと寝ないで聞いていた生徒しか高校段階で年金のことについて教育を受けることが全然ないということになります。大学や専門学校あるいは社会人として、その後高校を出るわけですけれども、その後は大学とか専門学校で福祉の、福祉関連の学科でも取らない限り、年金のことについては全く触れずに二十歳を迎えると。そこで、今は強制加入になるわけでございます。
 こういうことを考えると、まあこれは推測でしかありませんけれども、日本で新成人になる、二十歳になる人のほとんどが、仮に年金制度に対する知識があっても中学生レベル、中学生程度の知識しかないままで成人になっていると。このことが、実は今議論になっておりますこの年金制度に対する誤解とか理解不足の最大の温床になっていると私思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 若い人は、六十過ぎたら自分が年金幾らもらえるかと関心持っている人はほとんどいないでしょうね。まして中学生や高校生、普通の授業でも余り興味ない生徒が多いんですから。そういうことを考えると、二十歳を過ぎたら年金を納めなきゃいけませんというのは、学校教育以外にもよく通知できるような改善策を今後協議していく必要があると思いますね。学校の生徒に、全般の福祉ならいいですよ、しかし、年金はこう払いなさいとかいったって読まないですよ、ほとんどの人は。そんな授業をやるといったら出てこない生徒の方が多いんじゃないかな。
 だから私は、そういう、やるにしても、やっぱり高校生とか大学生、余り中学、小学生まで拡大してやってもまだ先のことと思うから、間近に控えた人に対しての教育なり通知、あるいは全体の社会保障制度はどうなっているかということは必要ですが、余り早い段階でやっても興味示さないし、先のことと思っちゃう。それより、もやっぱり今後、二十歳間近、二十歳過ぎたらどうなるのかという、社会全体でもっと注意深く、この年金というのは支えているんですよ、皆さん方が、ということを、これから与野党の協議会が開かれるわけですから、そういう場でもっと改善策、払いやすい制度、処置を講じることがいいのではないかなと思っております。
○遠山清彦君 総理、私も小学生に年金の話をするのは、これはかなり難しいというふうに思いますが、中学生といっても三年生、十五歳ですから、もう五年で二十歳なんですね。私は特に高校生の段階でもっとしっかりと充実した方がいいと思っていますが、総理、私、今、厚生労働省というか社会保険庁から「公的年金制度って?」という、この学生、児童用の、まあ中高生対象だと思いますけれども、これありまして、総理、後で読んでください。それで、これ非常に分かりやすいというか、十五分あれば読めるような内容になっておりますが。
 そこで、今日は文科省と、それから厚生労働大臣先に聞きたいと思うんですが、実は厚生労働省もこの年金教育が不足しているということで平成六年からいろんな取組をしてきました。総理がおっしゃったことが理由の一つかもしれませんけれども、なかなか成果が上がってこない。そこで、実は昨年度、私いろいろ聞きましたら、各都道府県の社会保険事務局に学校教育に携わっている方々も協力していただいて年金教育推進協議会というのを実は全国作ったんです。ここを足場に、年金教育、特に若い人たちに対して二十歳になる前にしっかりと。
 総理、二十歳になってからもなかなかみんな加入した意識ないんですよ。それは今度別途やりますけれども、職権適用という形で、二回督促しても国民年金入らない二十代の若者は社会保険庁がもう自動的に年金手帳送るんですね。送ったことで、はい、あなた入りましたと。ところが、何が起こっているかというと、大学生は住民票を実家に置いて大学に、東京とか出てくると。実家の方に年金手帳届く、親が息子とか娘に掛けて、あなた年金手帳届いているわよと言っても、俺は加入した覚えないと、ほっておけという話になって、お父さんお母さんも仕送りで大変だから納めないというようなことがあって、結局は、加入率は上がったんですけれども未納率は高いままということになっちゃっているわけです。
 ですから、本人がやっぱり自覚して私は年金に入ったんだということが大事なんですが、それで厚生労働大臣、簡潔で結構ですが、この年金教育推進協議会、去年全部出そろったと、これを足場にどういうふうに取組強化されるか、御答弁お願いします。
○国務大臣(坂口力君) この年金教育推進協議会といいますのは中学校、高校生を対象にしたものでございまして、教員を対象にした年金セミナーというのは五千九百校からやっております、生徒を対象としました年金教育というのは三千校ぐらいにとどまっておりますが。こうした取組を広げていきたいというふうに思いますが、この中には校長会の代表でありますとか、あるいはまた教育委員会の担当者でありますとか、年金のことに詳しい人でありますとか、そうした人に入っていただいて、そして生徒、教員も合わせてでございますけれども、年金セミナーというものを年間に実施をいたしまして、そして、どんなものか、なぜこれが大事なのかということの基本的なことを体験していただくというか分かっていただく、そういうことを一生懸命にここがやっているということでございまして、今後もこうしたことを、これは文部科学省の方にお願いをしなきゃならないことでございますが、いろいろと御相談をさせていただいて、更に進めていきたいと思っております。
○遠山清彦君 それで、総理、二枚目の資料を見ていただきたいと思いますが、今、厚生、坂口大臣がおっしゃった数字が出ております。
 「中学・高校における年金教育の実施状況」という数字があるんですが、平成十四年度の数字をさっき坂口大臣おっしゃったと思うんですけれども、これ中学、高校で、全部公立だけだと思いますが、対象校の数は一万六千六百三十一校あるんですね。そのうち、教員を対象に年金教育をしたのが五千九百云々で三五・七%、生徒対象になると一八・二しかないんです。さらに、年金広報専門員が行うセミナーが学校へ行ったのは四・六%の学校しかなくて、教員が直接生徒に年金の話をしたのは、中高ですよ、高校も入れて一三・六%しかないということなんです。
 馳大臣政務官に聞きますが、私、社会保険庁から得た資料で、事務局で抱えている問題点あるんですね、この年金教育に関して。一番目が、教育機関の理解を得られず、年金教育を実施できない市町村があったと、いいですか、これ一番目の問題。二番目の問題点は、理解は得られたんだけれども、カリキュラムで余裕がないからやっぱりできませんよというのが二番目。三番目が、できることになったんだけれども、年金広報専門員という人材が確保できなくて送れませんでしたと。
 そうすると、結局それが数字に表れているわけですよ。年金教育やらなきゃいけないと言いながら、もう四%とか一三%とか、三割にも満たないような状況なんですね。これ是非、私、五割ぐらいまで確保していただいた方がいいと思うし、文科省ももうちょっと真剣にこれ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(馳浩君) 遠山委員おっしゃるとおりだと思います。子供たちが発達段階に応じて年金制度についての理解を深めて、自らが責任を持って加入し納入していく姿勢というのは必要だと思います。
 これは昨年の三月二十八日でしたか、我が省からも各都道府県、市町村の教育委員会に対して周知をしておるところでありますが、更に徹底するとともに、ある程度数値目標を高めて、社会保険事務局の方々、年金広報専門員の方々が現場で先生方や子供たちに指導し理解を得られるようにする努力を、必要だと思いますので、そのようにより一層取り組みます。またよろしくお願いします。
○遠山清彦君 もう時間がなくなってしまいましたので、最後に一言申し上げたいというふうに思います。
 総理、私、今手元に一つの紙、数字がありまして、学生の国民年金加入・納付状況の推移。これ配っておりません。昭和六十一年、学生が、任意加入ですけれども国民年金に二十歳から入るとなったときに、実に、学生数百六十万で未加入者が百五十八万人、九八・八%なんですね。未加入ですよ、未納じゃなくて。ということは、このときに大学生だった人が将来国会議員になったら九八%ぐらい未加入、未納の記録がある可能性があるんですね。
 それぐらい、これはだれの責任というよりも、私申し上げたいのは、制度の問題であって、その過程で若い人が知らない間に未納、未加入になっていたと。これ、将来大問題になりますから、是非とも年金教育しっかりやっていただきたいということを申し上げて、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今日は総理に伺います。
 総理は、これまでこの法案について、保険料は上限を決めたと、それから受け取る年金は下限を決めたと、だから抜本的だと、安心できるんだと言ってきました。
 しかし、これが事実でなかったと。十二日の参議院の本会議で、私、こう質問しました。(資料提示)これが政府の答弁、パネルにしたんですが、保険料の名目額は一体どうなるか。国民年金保険料は、今までの政府の説明では、二〇一七年に一万六千九百円になり、そのまま固定をする保険料固定方式だと言っていた。ところが、実際の名目額は、二〇一七年には二万円を超え、二七年には二万五千円を超え、二〇三七年には三万円を超えると。実際に支払う保険料は全く固定されずに上がっていくわけですから、保険料の上限など存在しないじゃないですか。どうしてこれが固定方式だと言うんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、年金も物価スライド、賃金スライド、あるんです。今の時点において一定の額、数字は示すことができます。しかし、例えば一万三千三百円、今の時点で生じて、将来上限が一万六千九百円になりますよと、しかし物価が上がればそれも上がっていきますから、そういうのを前提にしてやっているんです。
 年金の有利なところは、貯金と違って、将来も物価スライドありますから、あるいは賃金スライド等、その辺は現時点での額だということを御理解いただきたいと思っております。
○小池晃君 そんなに胸を張って説明するんだったら、何で今まで一言もそのことを言わなかったんですか。衆議院の審議でも一切このことを説明してこなかったんですよ、政府は。今まで保険料の上限決めるというふうに宣伝されてきたから、多くの国民は、これは二〇一七年から保険料はもう上がらないんだと思っているんです。ところが、実際には二万円、三万円と上がっていくと。何でこんな大事なことを、今まで総理は衆議院の審議では一度も説明しなかったんですよ。おかしいじゃないですか。これで国民に十分に説明したと胸を張って言えるんですか。お答えいただきたい。
 これ、総理に聞いているんです。総理答えてくださいよ。総理の説明を聞いているんです、私は。
○国務大臣(坂口力君) 総理がお答えになったとおりでございまして、それは物価の価格の固定をいたした上での一万六千九百円でありますから。これから賃金は上がっていくわけですね。例えば、現在、現役男子の平均手取り賃金ですと三十九万円ぐらいですよ。だけれども、それが一七年ごろになりましたら、これは五十万円ぐらいに上がる。あるいは、それ二七年になっていますか、二七年ぐらいでありますと、これは六十三万円に上がっていくというふうにして賃金上がっていくわけでありますから、その中でどれだけ保険料を払っていただかなければならないかというのは、それは、それも上がっていくのは当然のことであります。
○小池晃君 当然のこと当然のことと言うけれども、例えば自民党の年金改革のパンフレットには、一万六千九百円、これ以上は絶対に引き上げませんと、こういう宣伝してきたんですから、これは法案のでたらめさが私一つはっきりしたというふうに思う。
 さらに、受け取る年金についてはどうか。これは、政府の説明は、どんなに下がっても現役世代の収入の五割は保障すると。しかし、これも先日の本会議の質問でこのパネルにあるとおりだということが明らかになりました。
 これ、確かに年金を受け取り始める六十五歳の時点では五割を超えている。しかし、この年金支給が始まるとみんな水準が下がっていって、結局すべての世代で現役世代の五割を切ってしまう。総理の五割保障だという説明は、これは偽りだったんじゃないですか。お答えいただきたい。総理、お答えいただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、年金説明する場合に、ある時点、モデルを示さないと、それは分かりやすく説明できません。今の日本の年金制度は非常に細やかに決めておりますから。
 六十五歳の時点においては五〇%程度です。しかし、八十歳まで長生きした方がその時点の年金をもらえるかというと、これまた別です。同時に、また逆に、八十過ぎて六十五歳と同じような年金もらったらおかしいじゃないかと。消費量だって六十五歳の時点と八十歳とは違うだろうという議論も出てまいります。
 ですから、ある時点においての、ある時点においての一つのモデルを示さないと説明しにくいんです。いずれにしても、私は、一つのモデルとしてはそうだと。今、しかし年を経て、六十五歳と七十五歳と八十五歳では違うだろうと言われれば、その時点で違うのは事実であります。
○小池晃君 今高齢者にとって一番の負担は社会保険料や医療費の負担で、七十五歳、八十五歳になったら介護保険料の減免制度あるんですか。ないんですよ。私は、七十五歳、八十五歳、少なくてもいいという議論は暴論だと思います。
 しかし、それはわきに置いたとしても、私が言いたいのは、一度もこのことを衆議院の審議でも説明しなかったと。法律の要綱にすら書いてないわけですよ。五割保障だ、五割保障だとさんざん皆さん宣伝したわけじゃないですか。こんな大事なことを一度も説明しないでおいて、参議院の審議が始まって初めて説明した。このことは、私、大問題だというふうに言っているんですが、そのことに答えていただきたい。これで国民に対して説明責任果たしたということになるんですか。総理ですよ。これ重大問題です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) たしか、私は総理大臣ですから毎回この年金に関する委員会に出席しているわけではございませんが、たしか私も出席した委員会の中にはそのような議論がなされたことがあると記憶しておりますが。今初めてじゃありません、それは。しかし、厚生労働大臣は毎回委員会に出ておられるようですので、その点については質問があれば答弁されるでしょう。しかし、私はそのような議論を衆議院の委員会にいたときに聞いたことはありますし、それについて厚労大臣がたしか答弁したことあるでしょう。ありますよ、衆議院でも。
○国務大臣(坂口力君) それはなぜ下がっていくかというと、それは実質賃金の上昇率と物価の上昇率が一致しておりましたら、それはもうずっと横ばいですよ。実質賃金上昇率の方を高く見ている。だから、それはだんだん下がっていくわけでありまして、それを下がっていくような社会を作らなければいけないというのが我々の考え方であります。それ、物価の上昇と賃金の上昇が一緒だったら、これはいつまでたっても良くならない。実質賃金の上昇をできるだけ上げて物価の上昇をいかに抑えるかということが今後の年金にとって一番大事なことになってくると思うんですね。それを、そういうふうに、あたかもそれを見ると、それは現役時代の年金がだんだん下がっていくようにそれ見えますけれども、現役時代じゃないんですね、次の現役世代の皆さん方の賃金との比較においての話でありますから、それは間違わないように見ていただかないとですね……
○小池晃君 現役世代と言っているじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) いや、だから、私は現役時代の年金額というのは決して下がっていかないということを申し上げております。
○小池晃君 今のは完全にでたらめですよ。私は、さっきから現役世代ということを言っているわけじゃないですか。
 そして、これ見てください。(資料提示)公明新聞、四月二十六日付け、これ給付は、これは五〇%以上確保しますとはっきり書いてあるんですよ。だから安心だとハートマークまで付いている。皆さん方、こういう宣伝してきたんじゃないですか。保険料はこれ以上上がりません、給付は五〇%以上下げません、こういう説明を一貫してしてきて、いざ参議院に来てから、これは当たり前なんだと、当然なんだと、下がるんだと、こんな説明して国民が納得すると思うんですか。あなたね、でたらめなこと言っちゃいけない。
 総理、総理にお聞きしているんですよ、私は。こういうでたらめな説明をしてきて、そして五割保障だなどということを言って、そんなこと通用すると思うんですか。総理、答えていただきたい。
○国務大臣(坂口力君) でたらめと言われて私も黙っておるわけにはいかないんで。
 それは、現役時代の平均手取り、そのモデルケースで五〇%ということを申し上げているわけで、そこから先は、先ほど申しましたように下がって、そのカーブが下がっていくような、いわゆるそれぞれの次の世代の皆さん方の賃金は更に上がっていくような世の中を作らなきゃいけない。だから、そこは下がっていくのは当然でありまして、その責任……
○小池晃君 そんな説明一度もしていないでしょう。
○国務大臣(坂口力君) それにつきましてはね、例えば民主党の古川さんが、古川議員が予算委員会のところでそのグラフ示しておっしゃいましたですよ、二〇二五年か何かのモデルケースについて。それはちゃんと出ているんですよ。それはそこでも議論をいたしたところでございます。
○小池晃君 衆議院の法案審議の中で、現役時代の水準に照らして六十五歳時点過ぎると下がっていくということは一度も説明していない。しかし、皆さん方は、これ五割保障だと、これ以上下げません、保険料はこれ以上上げませんと、こういう宣伝をしてきた。衆議院の委員会での強行採決の後になってから衆議院の委員会で審議ありましたよ。しかし、法案の通過のめどが付くまで、こういう大事なことについて今まで一度も説明していないじゃないですか。まともにこの問題についてしゃべったのは今日が初めてだと思いますよ。
 私、このような大事なことを国民に事実を隠して審議を続けた。年金というのは国民の信頼が一番なわけじゃありませんか。それにもかかわらず、こんな大事なこと、年金の五割保障というのは、これ、私ほとんどの国民は知らないと思います。みんな五割保障だというふうに聞いていますから、これはどんなに下がっても現役時代の五割は年金もらえるんだろうと。しかし、それが六十五歳で年金をもらい始める時点のときのことだけなんだと、こういう理解をしている国民は、私は一人もいないと思います。皆さん方はそういう宣伝してこなかった。
 総理、私お聞きしたいのは、こういう大事なことをまともに議論もしないでこの審議をすり抜けようと、こういうことが許されるのかということを私はお聞きしているんです。総理、答えていただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もうまともに議論してきましたよ。予算委員会だって、もう私は年金の議論随分しましたね。厚生労働委員会になっても、今あたかも今日初めてこの話をしたという話をしていますけれども、そんなことありませんよ。私は坂口大臣ほど詳しくはないけれども、こういう議論はよくしてきたと。これはもう坂口大臣も間違いないとお答えしているし、今後更にこの参議院で審議を、議論を深めていけばいいと思っております。
○小池晃君 全くでたらめであります。
 坂口大臣は、五月七日の衆議院厚生労働委員会でこの問題について質問されて、私も新聞を拝見して初めて知ったわけでございますと、こう答弁しているじゃないですか。五月七日ですよ。こんなこと知らずにあなたはずっと衆議院の審議やってきたわけですよ。このこと、あなた、議事録でちゃんと残っているんですから、ごまかしちゃいけない。今回の政府案が本当に偽りで塗り固められているものであるということは、私はっきりしたというふうに思います。
 さらに、国会議員の年金保険料の未納・未加入問題が国民の激しい怒りを呼んでおります。法律を作る国会議員には、私、特別の責任があると思っています。国会議員になってからの八六年の強制加入以後の納入歴を公表する、これは私は個人の責任ではなくて政党の責任であるというふうに考えておりますし、我が党はこういう立場で各党に先駆けて五月六日に全国会議員について公表しました。しかし、自民党はいまだに公表をしていない。
 総理、総理は自民党総裁でもある。国会議員になってからの八六年の強制加入以後の自民党所属の国会議員の年金加入、保険料納付状況について国民の前に明らかにするべきだ。総理は先ほど、これは個人がやるべきだと言いましたが、私はこれ、個人任せにすべき問題ではない、このことを明らかにするのは法律を議論する政党としての責任だというふうに考えます。これ公表することを求めたい、いかがですか。これをなくして国民の信頼の得る年金制度など作れるとお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほどもお話ししましたように、もう国会議員それぞれの責任を感じているわけですから、公人ですから、こういうことについていかに国民の信頼を確保するかというのは個々人に任せればいいと私は思っております。
○小池晃君 全く無責任だと思いますね。私はこう言っているんですよ。八六年以後の、強制加入以後の、そして国会議員になったときのその納付状況というのは、これはやはり公人としての、法律を作るんですから国会議員というのは、法律を作る国会議員としての特別の責任あるんですよ。そこについて個人の責任に任せるなんというやり方は、私は全く間違っていると。
 百年安心だというふうに宣伝してきましたが、その二つとも、保険料上限設けます、給付は下限を設けますと、両方うそだった。百年安心どころか百年不安の年金制度だと。しかも、都合の悪い未納議員の公表すらやろうとしない。こんな中で、国民に限りない痛みを押し付ける法案をこんな通すなんということは断じて許さない。潔く撤回をするべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 国民の意識と遠いところで今の年金制度が議論になっている、そのことが問題です。未納の問題にしても、国会議員は自分の切実な問題としてこの問題を考えていない。そして、今の五割の問題もそうです。今度は法案を成立させて、これから一元化、抜本改革、そんなことに国民が納得できるわけはありません。欠陥商品としての今の年金改悪法案は、廃案に追い込むべき以外に道はないと考えます。
 まず、やはり総理にお聞きをいたします。
 私も、総裁として、自民党は責任持って全議員の情報を公開すべきであると考えます。なぜならば、公開の方法がおかしいからです。例えば、衆議院厚生労働委員会の委員長、五月十四日、衆議院で強行採決がされたはるか後に十一年十一か月という未納のことが分かりました。副大臣にしてもそうです。菅さんが行政ミス、あれが分かったのは四月二十八日です。でも、副大臣の公表はずっと遅れます。このように、口をぬぐって知らんぷりしていればいずれ法案が成立する、このような態度はおかしいです。
 政治家のこの年金の納入の問題は、個人情報ではなく公人情報であると考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあそれぞれ個人の考えがあるでしょう。政治家として世間のいろいろな批判にどう対応していくか、どう信頼を確保していくか、私は個々人が判断する問題だと思っております。
○福島瑞穂君 政党の説明義務、そして政府・与党のこの法案を提案し審議する責任ということからいえば、個人の問題ではないです。責任持って襟を正し、情報公開をすべきです。透明性のないところでこの議論を参議院の厚生労働委員会ではできませんが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 質問者に質問しなきゃいけないとか、私から言うことはできません。しかし、審議を深めていく必要がありますし、これから、未納をしていた議員、うっかりミスしていた議員もいたわけですから、こういうことがないように改善策を講じていく必要があると思っています。そういうことによって責任を果たしていかなきゃならないと思っております。
○福島瑞穂君 しかし、これはもう公人情報です。なぜ明らかにできないのか実は分かりません。明らかにすると何かまずいことでもあるんですか。強行採決あるいは参議院で成立させた後に情報公開するのでは納得がいきません。これは審議の前提として明らかにしてください。なぜこの当たり前の情報を公開できないのか、しかも自民党だけが。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自民党でももう多くの議員が明らかにしていますよ、私も含めて。個々人に、個々人に任せればいいと。
○福島瑞穂君 ですから、お願いいたします。言った人は、正直者はばかを見るんですか。そうじゃないでしょう。衆議院の厚生労働委員会の委員長ですら、強行採決をしたはるか後に公表をしています。こんなのは不公平だと国民が思い、年金に対する信頼感、国会に対する信頼感を失っているわけです。
 もう一度お聞きします。公表している人がたくさんいるんであれば、残りの人間も公表すべきではないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公表をしていない議員がどう判断するかであります。
○福島瑞穂君 違います。自民党総裁の責任として国民への説明責任を尽くすべきです。私は政府・与党の責任は重いと考えます。この法案を審議してほしいという資格があるのかどうかと思います。
 というのは、例えば連合のメーデー、二十八日、私は出席し、副大臣と一緒に出席をしました。当時、民主党の代表菅さんは、行政ミスですが、四苦八苦で弁明をしていました。ところが最近、副大臣は、十三日の日に十二年間未納であることが明らかになりました。私は、すべての国会議員の責任はあると、それぞれ未納についての責任はあると思います。しかし、政府・与党、なぜ副大臣は同席をしながらかように公表が遅れたのでしょうか。
○副大臣(谷畑孝君) 私の年金につきましては、大学を出まして、地方公務員でございましたから、そのころは……
○福島瑞穂君 済みません。短く、なぜ遅れたか、お願いします。
○副大臣(谷畑孝君) 私自身が、五月の七日の安倍幹事長の談話に基づきまして、その時点で、私の、保険庁に問い合わせをして、そして十日にその書類をいただいて、はっきり申し上げましたら五年十一か月、参議院議員の時代、後は、その前も払っていますし、衆議院も全部完納しておるわけですけれども、その部分は、今総理がおっしゃいましたように、厚生年金でずっと天引きされておったことで、うっかり、その当時、その認識不足の中で五年十一か月未納であったということでありまして、そういうことで急遽、過日、記者会見をさしていただいたと、こういうことです。
○福島瑞穂君 政府・与党の責任はやはり重いと言わざるを得ません。というのは、閣僚の中で未納であることが明らかになったのが二十三日、菅さんのが明らかになったのが二十八日です。副大臣ですよ。この法案を提案する厚生労働省の副大臣、なぜ分からないんですか。うっかりミスは確かに私はあるかもしれないと思います。しかし違うじゃないですか。
○副大臣(谷畑孝君) 確かに今から十一年前のことで、といえども五年十一か月未加入であったことについては本当に、正直な話、悔やまれてならないところでありますし、また副大臣という立場の中で強く自己批判もし、また、総理もおっしゃっていますように、この年金等含めて、国民に信頼されるよう、しっかりと法案を通していく中で、また与野党の中で様々の年金に対する欠点なりその辺りの状況についてはどう補完していくかという、そういう中でしっかりと責任を果たしていかなきゃならないと、このように思っているわけであります。
○福島瑞穂君 行政ミスであった菅さんが代表の座を降りざるを得なかったのは、その発表の仕方やその後の対応、それまでのいろんなことが影響していると思います。とすると、私は副大臣自身の発表が遅れる、自分のことをきちっと、この法案を出す責任者としてきちっとやらないことが問題です。任命権者としての総理大臣の責任、閣僚の人たちに対する責任、副大臣に対する責任も本当にあります。今取るべき道は、辞職をするか、この法案を廃案にするかしかないと考えます。
 この法案は、問題を先送りにした欠陥法案です。例えば女性と年金についても、例えば、二号で保険料を払う、三号被扶養者となって自分は保険料を払わない、離婚すると一号か二号になる。ライフスタイルによって全く違ってしまいます。どんなライフスタイルを取ろうとも安心な年金制度にないと。
 三党合意で抜本改革というのであれば、今すぐこの法案を廃案にすべきであるということを強く申し上げ、私の質問を終わります。
○西川きよし君 西川でございます。よろしくお願いいたします。
 今から八年ほど前になると思いますが、当時、総理が厚生大臣でございました。私も、もう総理に御質問をさしていただくのは、この部屋ではもう最後かと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 そのころ社会保障制度についてお伺いをいたしました。そのころ総理がおっしゃったのは、社会制度を作っていくには、西川さん、一番大事なものは個人あるいは家族、でもそれには限界があると。自助、共助、公助、この三者のバランス、この制度をどうやって作っていくのかということが本当に難しいというふうにおっしゃっておられました。そして、当時の厚生省にもアポなしでもお尋ねいたしましたところ、懇切丁寧に、本当に僕はどっちかといいますと自分がお願い議員だと思っております、皆さんにお願いをしてお願いをして、全国の人たちに喜んでいただいて、そして政府の方に理解をしていただく。本当にそういったことでは御迷惑を大変お掛けしたんですけれども、今後この与野党協議機関でこうした議論を、共助、公助、自助、このバランスというのは、総理、現状は崩れているんでしょうか、本日お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは西川議員が今日が最後だということでありますが、これはちょっと惜しいんじゃないかなと私は思っているんです。私は厚生大臣していたときから西川議員がちょくちょく厚生省においでになって、福祉一筋、もういろいろな障害者の団体、あるいはお年寄りの問題、介護の問題、実に現場の声を聞き、よく見て、大臣の私のところにもよくお話しに来、陳情に来たことを覚えております。そういうことを考えますと、これで最後だと言わないで、西川さんだったら、また選挙出れば当選しますよ。どうかこれからも頑張って国会議員で活動を続けて、福祉活動はもとより、普通の政治家よりも影響力あるんですから、もっと頑張っていただきたいと思いますよ。
 今言った福祉の問題、自助、共助、公助、バランスの問題ですけれども、これ非常に難しいんです。しかし、自ら助ける自助、ともに助け合う共助、それでも無理な公助、公、国、地方公共団体が助ける、この三つの組合せが一番大事ですけれども、一番大事なのは自ら助ける精神。この自ら助ける精神がないと、個人も企業も社会も国も発展しない。しかし、どうしても自分だけの力では足りないところがあるから、人間社会支え合って、ともに助け合おうと。しかし、そうでもなかなか難しいと。年金一つ取ればそうですよ。自分たちの保険料、そして受け取る方々、保険料だけで給付は賄えないから税金を投入するわけでしょう。そうすると公助です。
 この組合せというのは、どれが適切かということは、年金にしても介護にしても医療についても、その時々の社会情勢、それから現実の保険制度の現状、財政、全体を見ないとなかなかどれがいいバランスだということは言えないと思います。
 これ今、年金一元化しようと言っていますけれども、年金一元化した場合には恐らく税金をかなり投入することになりますね。年金・福祉目的税を創設しようと民主党は主張しておりますが、そうなりますと、やっぱり保険料は下げても新たな消費税を設けなきゃならない。そうなると、これ公助というのは多くなりますね。
 国なり公共団体の負担の割合と自らの保険料でやっていく割合と、もう自分の貯金で年金のお世話にならないという人はごくわずかだと思いますが、そういう方もいます。その組合せというのは、その時々の情勢、社会情勢、そして制度を永続的に維持するためにはどの程度の給付と保険料の負担と、それでできないんだったら幾ら税金を投入するか、この組合せしかないんです。
 そういう点をよく考えて、これから社会保障制度全般にわたった与野党協議会ができますから、このような議論はしっかりと、どのような制度を作るにしても、総論として共有した認識を持たなきゃいけないと思っております。
○西川きよし君 ありがとうございます。
 短い時間ですけれども、全国の方々が先が見える、幸せになれるんじゃないかな、そういった御答弁、分かりやすい御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 子供たちが後々本当に暮らしやすい、生活のしやすい世の中を作っていかなければ、総理は、子供は抱き締めてそっと下ろして歩かせると、この部屋で何年か前にお伺いをいたしました。そういった子供たちが希望を持って生活ができるように、お年寄りはまた幸せになれるように、よろしくお願いをしたいと思います。
 約六〇%を五〇%に下げるということですけれども、あとは自分の努力でということも余りにもかわいそうではないかなというふうに思います。年金でいえば、この一〇%を自助努力だけではなかなか難しいと思うんですけれども、そのときの手だてといいますか、何かお考えいただいているんでしょうか。一分ぐらいでお願いしたいんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自助努力じゃできないからこそ保険制度があるんです、今の公的保険。年金も強制加入になりました。医療保険の場合は入っている方が多い、しかし年金だと未加入者が多いというのは、やっぱり医療保険というのは身近に感じているんですね、みんなが。いつ自分は病気になるか分からない、その場合は三割負担でいい、あるいは三割負担でも百万円掛かった場合は三十万払わないでいいと、上限、五、六万の上限がありますね。それはやっぱり自分は入っておかなきゃまずいと思っているから医療保険の未加入者は少ない。
 だから、そういう自分たちだけではどうしても何か困ったときがあると生活できない、あるいは病気が治せないということになると、助け合いの精神分かりますから、やはり自助だけでは無理だからこそ社会保障制度、その社会保障制度の基本が年金であり介護であり医療であり、そして生活保護だと。これはやっぱりしっかりとして、どのような政党が政権取ろうと、私はしっかりとしたものにしていかなきゃならないと思っております。
○西川きよし君 総理、二年後には働く人が減っていく。高齢になってもそういった、今いろいろ御答弁をいただきましたが、働く場がないと本当に不安だと思います、六十になっても六十五になっても。でも、今も四十五歳でももう再就職は大変難しゅうございます。この部分では厚生労働大臣に一言いただいて、最後に総理にいただいて終わりにしたいと思いますが、それが安心できるような御答弁をお願いします。
○国務大臣(坂口力君) おっしゃるように、これからこの年金制度を補完していく自助のところで一番大事なことは、六十歳代の雇用、そして女性の雇用、ここのところが一番大事なところだとも思っております。そこがやはりしっかりとできるような世の中を作ることができるかどうかによって私は今後大きく変わってくるというふうに思います。
 今、最高一八・三%というふうに言っておりますが、あるいは女性の働き方、あるいは賃金、そして六十歳代の雇用の動向によりましては、あるいはそんなに上げなくても五〇%はできるかもしれない。それは、一八・三%まで上げていきながら、その余った分は五〇%よりもより良い年金にしていくのか、そうしたことは後世の人が私は考えることだというふうに思っておりますが、そうした努力というものがやはり大事だというふうに思っている次第でございます。
○委員長(国井正幸君) 小泉内閣総理大臣、時間が来ていますので。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい、一言。
 去年五・五%の失業率が今四・七%に減ってきています。更に減らすように、失業対策、雇用対策、努力していきたいと思います。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○委員長(国井正幸君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 暫時休憩いたします。
   午後四時六分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕