第159回国会 国土交通委員会 第22号
平成十六年六月十日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     谷林 正昭君     佐藤 雄平君
     大門実紀史君     大沢 辰美君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     弘友 和夫君     松 あきら君
     渕上 貞雄君     田  英夫君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     上野 公成君     舛添 要一君
     田村 公平君     愛知 治郎君
     佐藤 雄平君     平田 健二君
     田名部匡省君     谷  博之君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         輿石  東君
    理 事
                岩城 光英君
                鈴木 政二君
                池口 修次君
                大江 康弘君
                森本 晃司君
    委 員
                愛知 治郎君
                沓掛 哲男君
                佐藤 泰三君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                藤野 公孝君
                舛添 要一君
                谷  博之君
                平田 健二君
                山下八洲夫君
                松 あきら君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田  英夫君
   衆議院議員
       国土交通委員長  赤羽 一嘉君
   国務大臣
       国土交通大臣   石原 伸晃君
   副大臣
       国土交通副大臣  林  幹雄君
       国土交通副大臣  佐藤 泰三君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       斉藤 滋宣君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       財務大臣官房審
       議官       石井 道遠君
       文化庁文化財部
       長        木曽  功君
       農林水産省農村
       振興局次長    中條 康朗君
       国土交通大臣官
       房長       安富 正文君
       国土交通省国土
       計画局長     薦田 隆成君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  竹歳  誠君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
       国土交通省鉄道
       局長       丸山  博君
       国土交通省自動
       車交通局長    峰久 幸義君
       国土交通省航空
       局長       石川 裕己君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○景観法案(内閣提出、衆議院送付)
○景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○都市緑地保全法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法案(
 衆議院提出)
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○委員長(輿石東君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、大門実紀史君及び谷林正昭君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君及び佐藤雄平君が選任されました。
 また、昨日、渕上貞雄君及び弘友和夫君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君及び松あきら君が選任されました。
 また、本日、上野公成君が委員を辞任され、その補欠として舛添要一君が選任されました。
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○委員長(輿石東君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 景観法案外二案の審査のため、本日の委員会に財務大臣官房審議官石井道遠君、文化庁文化財部長木曽功君、農林水産省農村振興局次長中條康朗君、国土交通大臣官房長安富正文君、国土交通省国土計画局長薦田隆成君、国土交通省都市・地域整備局長竹歳誠君、国土交通省道路局長佐藤信秋君、国土交通省住宅局長松野仁君、国土交通省鉄道局長丸山博君、国土交通省自動車交通局長峰久幸義君及び国土交通省航空局長石川裕己君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(輿石東君) 景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤野公孝君 おはようございます。自由民主党の藤野公孝でございます。
 今、委員長も読まれるときに大分時間掛かりました景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案ということで、毎回これ言っているとこれだけで時間が終わりますので、景観緑三法案ということで御質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 この法律案に関しましては、もう新聞でも、私も切り抜きを大分持っておりますけれども、大変期待が高い。それからまた、テレビでもこの前NHKもやっておりました。いろんな形で、本当に身近な自分たちの町や住んでいる景観がこれによって良くなるんだろうな、変わっていくんだろうなという期待があるからこそ、こういうふうにもう既に新聞やテレビでも取り上げられると。大変国民が待ってましたという法案だと思うわけであります。その意味で、質問いたします前に、こういう法案が、大変期待が高いわけでありますが、これが期待だけが高くて、後の予算等も含めてフォローがしっかりいかないと、政令、省令含めてしっかりいかないと、また今度はがっかりしたということになりますので、国会も含めて一生懸命これ応援していかなきゃいけないと思っております。その辺の気持ちも込めまして、これから少し質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 前のこの委員会での質問でも取り上げさせていただきましたが、これまでの、戦後一貫して経済成長、国民の富を、所得を増やしていくと、こういう政策の中で、国土政策といたしましては均衡ある国土の発展ということでやってまいったことはそれなりに大きな成果があったと思うわけであります。
 しかし、前の五全総でも、もう二十一世紀の国づくりの在り方としては、一極集中等々、いろいろ矛盾、弊害をもたらしてきた、この均衡ある国土の発展という国是といいましょうか、国策をやはり修正、変更して新しい二十一世紀の夢のある国づくりにしていかなきゃいけないと。じゃ、どうするんだということで議論がなされ、御承知のとおり、地域の活性化というか、個性ある発展及び美しい国土の創造というサブタイトルで新しい国づくりの基本方針が定められている、その流れの中で今回具体的にこういう法律案が出てきたということで、まず大臣にお伺いいたしたいんですけれども。
 どうも景観といいますと、だれでもそれはいいことだと、こういうことになるわけでございますけれども、これまで地方公共団体の方の動きは条例等で多くございましたけれども、なかなか国が、先ほど申しましたように、経済の基盤をしっかりして、日本の国づくりの基礎というものをやっぱり産業の振興ということでやってきたということから、なかなか方向転換が難しい、国民のコンセンサスもなかなか取りにくい問題だったわけですが、ここで景観緑三法ということでお出しになったわけですが、景観政策の重要性等につきまして、基本的な御認識と、今回のこの景観緑三法を上程なさいました目的等につきまして基本的な御認識をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 景観法の審議、藤野委員を皮切りに今日行っていただくということでございますが、若干ちょっと背景等々、私なりの考えを申し述べさせていただきたいと思うのでございます。
 やはり戦後の大都市部への集中する人口を受けて、我が国の都市というものは、それは地方の拠点都市も含めてだと思うんですけれども、かなり無秩序に虫食い的に開発というものが進められてきたんだと思います。その結果、自然環境に配慮したり、あるいは委員が御指摘された景観というものに配慮がなされていたかというと、なされていない。まあ私がこの辺でこう眺めた限りでも、昭和三十年代から四十年代の高度成長にかけて、例えば日本橋を覆ってしまった首都高速とか、私は子供のころ、あそこは上が見えていたという記憶があるんですね。それに、あるいは私の身近なところですと渋谷川、これ「春の小川」の舞台になったところですけれども、今もうかなり悲惨な都市河川でございまして、三面がコンクリートで覆われたような川でございますし、あるいは東京で大きな川というと隅田川、荒川がありますけれども、隅田川も昔は写真で見る限りは桜並木の大変きれいなものでありましたけれども、かみそり堤防が建ったり、今もちろん直していこうということで、かなり景観に配慮した、あるいは環境に配慮した河川造り等々も行っておりますけれども、そういう状態を作り出してしまったということはあると思います。
 さらに、これが時代が進んで五十年代になりますと、まあ昭和四十五年がターニングポイントなんでしょう。車がばあっと増えていきまして、郊外のロードサイドにファミリーレストランとかガソリンスタンドとかディスカウントストアとか、そういうものが建って、それがかなりけばけばしい看板が建ち並んで、郊外というものも景観が破壊されていった、そういう時代の流れがあるんだと思います。つい数年前までは、我が国を挙げまして経済復興、経済効率性というものを最重視して、アメニティーという言葉も一時期はやりましたけれども、なかなかそちらに重点が置かれてきたかというと必ずしもそうではなかったんじゃないかと思っております。
 しかしその一方で、二〇〇六年に日本はいよいよ人口が減少するということ、それと急速に進んだ都市化というものも、東京の近郊部の開発というのは止まっていませんけれども、ほかのところでは大体一段落して、美しい町並みというものをやっぱり作って、生け垣のところには市が補助をしようとか、そういう動きも地方等々で起こってきた。私は、価値観の転換点を迎えたということを多くの皆さん方が認識するにやっと至ってきたと。そんな中、景観緑三法というものを提出させていただいたわけでございます。
 これは、各地域固有の自然、歴史、文化を生かした景観というものがあるわけでございますから、こういうものをより重視する、さらには緑豊かな地域づくり、これまでもやってまいりましたけれども、緑地率の低下ということの方がニュースになるようなことを食い止めて、個性ある地域の発展、そしてまた藤野委員が御専門とされている観光というものに対しても、この良好な景観というものは大きく寄与するんじゃないか。どんなことがあるかといえば、景観計画や景観地区ということを活用して建物のデザインを統一するとか、あるいは屋外広告物の規制を行う。そういうものがあることがまたびっくりする、え、こんな観光地に何でこんなものがというようなことがあるわけですから、そういうものも今回のことで改善していくことができるんじゃないか、そういうかなり多岐にわたったこの法案の持つ重要性、意義というものが私はあるんではないかと考えております。
○藤野公孝君 どうもいろいろ御説明いただいて、私も本当にこの景観というものの持つ、あるいは景観行政の持つすそ野の広さというか広がりというものに改めて、今認識を改めたところでございますが。
 いわゆる国づくりの基本は、やはり公共事業というものがこれまで中心になって、もちろん国と地方公共団体とあるわけですが、行われてきた。その中で、やはりデザインとか美しさとか含めて、少しやはりその整備の在り方について見直さなくては、都市の景観あるいは自然の景観等について、相当弊害というか、何か醜くなったなと。整然としていたものが何か分断されたりとか、余計なもので景観がふさがれたりとか、先ほどのいろいろ、日本橋の道路で景観がふさがれる話もそういうことだろうと思うんです。
 いろいろやっぱり、公共事業の在り方についてもいろいろ熟慮されまして出されましたのが、美しい国づくり政策大綱という去年の七月の大転換だったと思うわけです。転換というか、もう自己批判というか反省も含めての、本当に私は立派だと思いますが。
 ここの中でも、これまでの社会資本の整備というものについて、「質の面でおろそかな部分がなかったか」とか、それから「行政の方向を美しい国づくりに向けて大きく舵を切ることとした。」、こういう決意というかが書かれてあるわけでございますが、やはり地方に任せて、おまえたちでしっかりやりなさいではやはりいけないわけでありまして、国がやっぱり率先して公共事業の面で、デザインとか美しさとか景観を邪魔しないとか、いろんな方法があると思うんですけれども、これからの二十一世紀の公共事業、やはり変わってほしいという気持ちもあると思います。
 その辺のところで、今回のこの景観緑三法の施行後の、施行後といいましょうか、施行が公共事業に与えるインパクトにつきまして、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
 今後の公共事業の進め方が今度の景観緑三法との関連でどのようになっていくかという御質問でございます。
 今御指摘ございましたように、国土交通省では昨年四月に美しい国づくり政策大綱というものを作りまして、ここに今後の公共事業の進め方として、美しさを内部目的化するんだと。美しさというのは特別なグレードアップじゃなくて、これからはそれが当たり前なんだというような方向を大きく打ち出して、さらにそれを具体化するために、公共事業における景観アセスメントでございますとか分野ごとの景観形成ガイドラインということで、公共事業の進め方自体についてこのような方向を打ち出しております。
 そこで、今回の景観緑三法との関係でございますが、一つは、何と申しましてもこの景観法、本案の冒頭に基本理念ということで、良好な景観というのは、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造、これらは国民共通の資産で、現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるようにするんだというようなことで、国、地方公共団体、事業者、住民の責務を定めているということでございます。
 このような基本的な考えにのっとりまして、具体的にはどうなるかということになるわけでございますが、一つには、地方公共団体が作成いたします景観計画というものの中に景観上重要な公共施設をきちっと景観重要公共施設として位置付ける、そして公共施設の管理者がこれらの施設を整備する場合にこの計画に即していくんだというような基本的な点が法案の中で明らかにされております。
 それから、我が国の景観を語るときにいつも問題になります電線類につきましては、特に景観重要道路ということになりますと、その地中化を推進する、そういうようなためにこの景観法の中で電線地中化についての特例を設けているということになります。
 したがいまして、例えばある市が景観計画を作りますと。その中に歴史的な町並みを構成する県道というものがあって、これを景観重要道路として位置付ける。町並みと調和する舗装を行うとか、景観を阻害する看板等に占用の許可を与えないとか、こういうような様々な手段を組み合わせて公共施設が地域の景観の重要な要素として、先ほどちょっとおっしゃいましたような整然とした部分を遮ったとか醜くなったというような御批判を受けないように、むしろ喜ばれるような公共施設の整備というものを今後進めていく必要があると考えております。
○藤野公孝君 今の御答弁の中にも触れられておられましたけれども、やはり地方も、地方の自分たちの住環境、生活環境を守ろうという意識の方が国よりも先行して、これまでもいろいろ条例の制定と、景観条例というか、いろいろな名前はあるいは多少違っても内容的に景観を守ろうと、住みよい住環境を守ろうという、ずっとこれまでの営々と続いてきた経緯があると思うんですけれども、今数がどのくらい、景観条例の数があるのか。それから、ただそういう数とかいうことだけじゃなくて、その中身、しかし規制力というかそういうものがないとか、いろいろもう言われておりますが、その限界等につきまして具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 地方公共団体が定めております自主条例でございます景観条例につきましては、平成十五年の九月三十日現在でございますが、四百五十市町村で四百九十四条例が、また二十七の都道府県で三十の条例が制定済みでございまして、これは市町村数で申し上げますと全体の一四%、都道府県ですと全体の五七%ということになります。昭和六十三年の市町村の定めておりました景観条例数が九十六でございましたから、平成に入ってからの十五年間で約五倍に数の面では増加したことになります。
 ただ、現行の多くの景観条例は、建築物や工作物の建築等につきまして届出、勧告というような仕組みが主でございまして、そうしますと、例えば周辺の町並みから著しく不釣合いな色彩やデザインであっても強制力をもって規制できないという限界があったということでございます。ということで、やはり地方としてはできる限りのことをやってみたけれども、やはりここは国の出番だという声が非常に強くなってまいりました。
 また、条例では、法律で定められております、例えば建築基準法の規制を条例で緩和するということはできません。そうしますと、古いお屋敷、これを保存するためにはどうしたらいいんだろうかと、やっぱり規制緩和が法律上必要だというようなこと。また、国税でございますと相続税、こういうものがやはり軽減されないと古い屋敷を守っていくわけにいかないというような、やっぱり国として取り組まなくちゃいけない部分があったということでございまして、今回の景観法では三点ございますが、一つは、先ほど申し上げましたような景観に関する基本理念、それから国、地方公共団体、事業者及び住民の責務を明らかにするという基本法的な部分と、それから二番目に、具体的に建築物の色彩やデザインに対する変更命令等々、強制力を備えた規制を用意すると。それから、条例では設けることのできなかった建築基準法の緩和でございますとか相続税等の軽減措置、こういうことについて関係省庁とも今調整しているわけでございます。
○藤野公孝君 地方が今までやってきたことの限界を乗り越えて更に実効性の上がる法体系の整備ということで、今回の国の方でこういうふうに出された法律というものが更に地域をあるいは地方を勇気付けて、頑張ろうと、今、各地方公共団体は張り切っていると思うわけでありますが、やはり冒頭申し述べましたように、これからの個性ある地域の発展あるいは活力あるまちづくりということを考えますと、地元がやはりしっかりといいましょうか、頑張ってもらわなければいけないわけでございます。
 しかし、そのときに、やはり国としてのこの景観形成につきましてもいろいろ、私有権の問題、土地所有権の問題、反対の人たちを説得しとか、いろいろの骨折りもあるわけでございます。そういう地域の景観を守り、作っていくという運動あるいは作用に対して国がどのように支援していくのかと、これを、今回の法律でその辺をどのように配慮をなさったのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のように、個性豊かなそれぞれの町において景観を作っていくということになりますと、公共団体や地域住民によって地に足の着いた取組がなされることが極めて重要であると思います。
 国の責務としてそういうことを積極的に支援すべしということがこの法案にもあるわけでございますが、従来より、例えば十月四日、これが十と四で都市というんで、ごろ合わせのようでございますが、都市景観の日ということを設けまして、全国的に各種のイベントを行って、こういう国民の景観に関する理解を深めるような努力も行ってまいりました。平成十五年度では全国で百三十七のこのような都市景観の日のイベントが行われております。また、道路、沿道に花を植えるなどの美化を行うボランティア・サポート・プログラム、こういうこともやっております。また、今回の法案では各省庁との連携ということもございますが、文部科学省との連携も図りまして、例えば宮崎市では景観教室というようなものを進めておられるようでございます。教育の現場で、総合的な教育というような観点から、半年間にわたってまちづくりに関する学習、都市計画と住民参加のまちづくりについて、それから模型も作ってみるとか、町並み観察等々、様々なこういう景観に関する勉強というものも取組が行われているということでございます。
 もちろん、国といたしましては、事業について、まちづくり交付金でございますとか、様々な税財政上の措置を行っていくことはもちろんでございますが、やはり、こういう地域住民の方々の活動をサポートするとか、それから専門家の養成ということも極めて重要ではないかと考えておりまして、今後一層こういう取組を強めてまいりたいと考えております。
○藤野公孝君 これらの地域における取組に今回の法律で弾みが付き、ますます住民あるいは地方公共団体の意識も高まっていくことが期待されるわけですが、今イメージ的に何となく、先ほど大臣のお話も含めて、都市とか、住宅地とか、人の住んでいる、通常そういうイメージなんですが、これからの日本のあるいは地域の、地方の景観というものを守るときにもう一つ忘れてならないのが、いわゆる農村地域あるいは農山漁村地域の景観も大事だろうと、こう思うわけであります。
 大事だろうというか、大変大事なんでありまして、先ほど申しました五全総のときの議論も、名前を出していいのかどうかあれですが、川勝平太先生の、新しい国づくりは、二十一世紀の日本というのはガーデンアイランドでいこうじゃないかと、庭園国家というんでしょうかね、これ大変受けましてというか、皆さん、そうだそうだというような議論があったわけであります。
 ガーデンアイランド、庭園国家というときに、やはり農村、都市郊外を含めて、農山村が疲弊し自然がやつれてはとてもそんなことは言えないわけでありまして、その意味で良好な景観を形成するための大きなポイントがこの農山漁村地域、特に棚田でありますとかあるいは里山、これも大変今スポットライトを浴びて、何とかしようという運動が既にもう起こっておりますけれども、この辺の、農山漁村等の景観の保全とか形成につきましての取組はどのようになっておるか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 委員御指摘のとおり、良好な景観を形成するためには都市だけではなくて農村地域における景観の維持保全に向けた取組も重要であると認識しておりまして、農林水産省としましては、こうした観点に立ちまして、棚田、里山などの農村地域に特有の良好な景観の整備保全に向けた取組を積極的に進めることとしております。
 この景観法案におきましては、一つは、市町村が景観農業振興地域整備計画を策定いたしまして景観と調和の取れた農地の利用への誘導を図りますとともに、耕作放棄地の発生を抑制するために景観整備機構が農地の利用権を取得できるようにしますほか、景観に配慮しました森林施業の促進を図るなどの施策を講じることとしておるところでございます。
 今後、関係省庁とも連携しまして、都市、農山漁村、それぞれの地域の個性を生かしつつ、一体となって良好な景観の形成を促進しまして、美しく風格のある国土の形成、それから個性的で活力ある地域社会の実現に努めてまいりたいと、このように考えております。
○藤野公孝君 既に、棚田を守ろう、あるいは里山を守ろうということで、これが都市と農村との、何というんですか、交流ということも含めまして、これから大きな一つの、これからの地域の、あるいは農村地域の活性化ということの一つの柱にも、ただ美しさを守るというだけではなくて、地域の交流という形での活性化にもつながっていくと思うわけでありますので、この辺のところについてもひとつよろしく支援のほどをお願いしたいと思うわけであります。
 先ほど、これは農村という話から少しまた飛びますけれども、景観を本当に、何かダメージ、壊している、だれでも指摘する最大のポイントが電線、クモの巣のように張られた電線。あるいは、電柱が無造作にだっと並んでいると。それで視界も遮られる。せっかくの観光地に来ましても、最初に駅に降りてそういう景観を見ますともうがっかりというようなことで、海外の美しいいろんな景色を見てきたそういう人が、もう年間千六百万人、七百万人出ておるわけですから、どんどん増えていく中で、日本って何でこうなんだろうとみんな思うわけであります。
 しかし、そういう嘆き節から脱却しまして、最近ではいろいろ予算的にも、これ手元では、十六年度の予算では電線類地中化で五百六十五億というようなお金も書いてございますけれども、進められている。でも、日本の国全体から見ますとまだまだ限られた状況だろうと思うわけですけれども、この電線の地中化だけでも景観のダメージを与えているものの除去という意味では大変大きな効果があり、みんなも、ああ、町が変わったね、きれいになってきたなという認識を持ってもらう意味でも大変効果があると思うわけでございますけれども、この電線の地中化の現状あるいは今後の計画についてどのようになっているのか、あるいはこの景観法で、景観緑三法でこれどのように加速というか補充というか、なされるのか、その辺につきまして御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤信秋君) 電線類の地中化の現状と計画、それからこの景観法でどう進むのかと、こういう御指摘だと思います。
 そういう意味では三つお答え申し上げたいと思うんですが、一つはその現状でございますが、全国土の四%ぐらいが大体市街化区域と、こういうことになっております。その市街化区域の中の幹線道路の無電柱化率といいますか、で申し上げますと、現状が九%でございます。この中で、特に商業地に限定しますと五割近いという形にもなってはおるわけでございますが、しかしながら、大体、人間が歩いたり、目に付くと、こういう部分で申し上げれば、市街化区域全体で申し上げますと残念ながら九%。これをこの五か年で、今後五か年で約倍増といいますか、一七%程度にまでは広げていこう、こういう計画を関係事業者、電線管理者あるいは電電等とそれぞれ約束をいたして、計画をこの四月に策定いたしたところでございまして、個別にかなり張り付けといいますか、具体の計画を路線ごとに張り付けまして、約三千キロでございますが、そのうち市街化区域の幹線道路が約二千キロ、倍増しようということで一七%、こういう計画を立てさせていただいたところでございます。
 それから、この景観計画で、この景観法でどう進むかと、こういう御議論で申し上げますと、特に景観重要道路として特例的に、電線共同溝の整備に関する特別措置法の特例として景観上必要な道路については景観重要道路と、こういう指定をできるということにこの景観法の中で規定いたしたところでございますので、そういう意味では、一層この計画に上増しぐらいを私ども考えてまいりたいと思うんですが、ただいま申し上げました三千キロの更なる上増しを考えてまいりたいと思うんですが、要は地元で本当に必要な、景観上必要だと、こういうところであれば、従来は交通がふくそうしているので何とかせにゃいかんというような条件も付けてあるわけでございましたが、景観上必要という一点でみんなで進めていこうと、こういうふうに変えさせていただくところでございます。
○藤野公孝君 今ちょっと非常に貴重な答弁をいただいたんですが、今までは交通渋滞のことも含めていわゆる要件があったと。今度は、景観だけでそれが実施、施行可能だということになりますと、本当に、更に自分のところの町をやっぱりきれいにしていく、どこの町を聞いてみましても、やはり一番効果が高いのはこの地中化だとみんな申しております。ただ、自分たちがやるやる言ってもなかなかお金も掛かるし、いろいろ、電力会社等の関係含めてあるからということを言っておりますので。
 実は、これは質問というよりは私の具体的にかかわった例も見ましても、本当に、例えば湯布院の駅前なんかにつきましても、湯布院の町全体から見ればまだ全部じゃないというのは、それはそういうことなんですが、あの駅前の通りが電線がなくなり、それから駅舎も併せて整備したと思うんですが、その辺の一体的な、電線の地中化だけじゃなくてまちづくりのテンポと合わせて一体的にやりますと、本当に町が生まれ変わったというか、前の町と何か違う町になったぐらいの効果がありますので、この電線の地中化ということにつきましては本当にこれからもしっかり公共事業の柱ぐらいに、一つの柱ぐらいにもしていただいてもいいポイントじゃないかと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思いますが。
 今そういう駅前の話も、湯布院の駅前の話もしましたけれども、何も湯布院に限らずどこでもそうなんですが、全国いろいろ、特に観光地と言われるところへ行ってみますと、大変がっかりすることが大半なんであります。ポイントポイントとしての、旅館もそうですけれども、観光地に行きますとそこだけは御立派にいろいろ施設が整備されている、景観的にもデザイン的にも整備されているわけですが、公共交通機関を使って鉄道の駅降りますと、そこの前は旅館の案内がだあっと、しかもそれがもう古くなったり電球が壊れたりしたのが平気で置いてあるようなところ、そういうところ、看板がずらりと並んでいたり、それから駅前の舗装もぐちゃぐちゃだったりとか、それから大体、温泉場なんて行くと川が多いわけですけれども、川の歩道も汚い歩道しかないと。それから、橋もきれいじゃないと。それで、本当に観光のスポットへ行くと途端にきれいになるみたいなところがあって、途中が余りにもひどいのでもうがっかりして、もう二度といいわという感じのところが多いのでありますが、そうなってきますと、今、話を戻しまして、駅前がとにかくもうちょっと何とかならないものかと思っている人は本当に多いと思うんですけれども、観光バスでぱっとホテルに、旅館に着きますとそこがスキップされるんですが、これから家族で行ったりいろいろ旅行形態も変わりますので、駅前というのは大変大事だろうと思うわけでありますけれども、その辺の鉄道の駅舎のさっき湯布院のデザインなんかも言いましたけれども、駅舎のデザイン、それから駅前の景観等含めまして、鉄道事業者もなかなかもうからない中で大変だろうとは思うんですけれども、自治体と組んでどういうふうな取組を今後なさっていこうとされているか、あるいはこれまでの取組等についても併せ御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(丸山博君) ただいま先生御指摘いただきましたように、鉄道で観光地などへ行かれますと、駅が町の顔といいますか、その町の第一印象を決めるスポットになって、おっしゃるように、もうそこの印象が悪いともう後行く気にならないというようなことになると思います。
 したがいまして、これまでも鉄道駅舎などを改良する際には、建築確認の手続などを通じまして、自治体等と鉄道事業者が協議を行って、どういう駅が望ましいのかというようなことをやってまいりました。特に地域を代表する顔としての駅という観点から、それにふさわしい形でありますとか構造の駅作りに取り組んで、良好な景観の形成にこれまでも取り組んできたところでございます。
 現在御審議いただいております景観法では、事業者の責務として、自らまず良好な景観の形成に努めるということと、それから国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力すると、二つの義務が課されているところでございます。
 景観法案の趣旨を踏まえまして、鉄道事業者に対しまして、景観協議会などに積極的に参加するなどいたしまして、より一層地方公共団体との協力関係を図ることによりまして、鉄道駅はもちろんでございますが、鉄道駅に限らず、その周辺の良好な景観に取り組むように鉄道事業者を指導していきたいというふうに思っております。
○藤野公孝君 鉄道事業者だけでもちろんできるわけではございませんけれども、もう町の一つの、今おっしゃいましたように玄関口というか顔でございますので、この辺が良くならないと、特に外国人なんかに対しても、日本はきれいな国だよと言った途端にその駅がそういう、駅前がそういうことであれば大変恥ずかしい思いをするんじゃないかと思います。徐々にではあっても改善されていくようによりまた御奮闘いただきたいと、こう思います。
 その駅前でも、今看板の話を、広告物、屋外広告物の話を申しましたけれども、みんなやはり何というか、生きていく、生業といいましょうか、それは大事でありますから、景観がすべて、景観原理主義のようなことを言うつもりはございませんけれども、外国等、私も海外赴任の経験がありますから、外国でもいろいろそれはコンフリクトがあるようなことは聞いていますが、やはり町全体の景観を壊してでも、あるいは自然の景観を壊してでも広告物を出すというのはやはりもう許されないというか、成熟した文明国家としては恥ずかしい行為というふうにだんだんなっていかなくちゃいけないと私は思うわけでありますけれども、幾ら生活が懸かっているといっても、やはりどこかでやっぱり我慢するもう時代だろうと思うわけでございますが、特区ということで、構造改革特別区域でこの広告規制ということをなさって、その運用等につきまして、いろいろもう実績というか結果もある程度出ているようなことを伺い、またそれが一つのはずみになって今回の法律の制定にもつながっていくような動きになっていると思うんですけれども、その具体的な効果等について御説明いただきたいことと、その区域が今度広がってどんどんいきますけれども、そうすると当然、今まで合法的だった広告物が今度はそれ取扱いが、拡大された地域等については、例えば撤去されるのかとか、結果としてきれいにならなきゃ意味がないわけでありまして、法律のただ網がかぶったよというだけでは意味がないと私は思うわけですが、その実効性等につきましても併せて御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘がございましたように、広告自体が悪いというより、やはりその色彩の調和でございますとか形とか、それから掲出する場所とか、そういうものがやはりこの景観の計画の中できちっと位置付けられていくということが大事ではないかと思います。
 そこで、今回の景観緑三法の先駆けとして、昨年六月にこの構造改革特別区域法の改正によりまして違反広告物の除却、これが、特区が現在岐阜県、奈良県など九団体で認定されているわけでございます。この特区におきましては、知事や市町村長が自ら違反物件を撤去できる制度の拡充等行いまして、かなり効果を上げてきました。その結果、ほかの公共団体からも是非これを全国的に広げてほしいということがございました。それから、特区におきましては、特区ということでございましたので住居専用地区に限るというようなこともございましたけれども、それも広げてほしいというような御要望があるということで、今度の法律改正におきまして適用区域を限定することなく全国化するということでございます。
 広がっていきますと、従来適法であった広告物が問題になるということもございますが、広告物につきましては建築物と違いまして例えば三年置きに許可が更新されるというようなことになっておりまして、そういう中でも、規制が広がっても十分柔軟に対応できるような制度の仕組みにはなっているわけでございます。
○藤野公孝君 どうもありがとうございます。
 広告物がそのデザインを含めてやはり調和するような形でという、まさしく今の局長の方向で進むことを期待しております。
 景観緑三法ということでございますので、緑地関係の法律の関係の御質問をちょっとさせていただきます。
 都市観光という言葉、もう最近定着してまいりました。都市というものが本当に観光資源としても、あるいは国、今ビジット・ジャパン等やっておりますけれども、日本の魅力の一つとして日本の都市を魅力あるものにするという意味においても、緑をしっかり守り、あるいはそれを創生していくということは、潤いのあるまちづくり、本当にそこに憩い、もう一回行きたいという印象を与えるという意味では大変大きな効果があるし、住民にとってももちろん、あるいは勤めている人間にとっても緑は大事でありますが、特に今私は、これからの日本の都市を、都市再生等いろいろ言われておりますけれども、都市をもう一回魅力のあるものにしていくために緑の持つ力というものは大変大きいと思うんですけれども、石原大臣に、都会派の代表のような大臣に都市と緑につきましての御認識を賜りたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま藤野委員がおっしゃられたように、魅力のある都市、もうコンクリートだけの都市では魅力はなかなかないんじゃないかということは私も御同感でございます。そんな中で、いろいろな多様な手法を組み合わせて緑を守って育てていくということが重要だと思います。
 もう既に、一つ二つ例を出させていただきますと、そういうことを行っていただいているところもあります。広島市などで、委員も広島出身でございますし、私も祖母が広島出身でございますので広島の例を取らせていただきますと、緑の基本計画で、太田川という川が流れております。その河川事業、平和大通りですか、あの道路、あと有名な平和記念公園、こういうものの公園事業を連携させて水と緑のネットワークの形成、こういう取組も行われております。
 今回のこの法律案の中でも、都市の、広島は大都市でございますが、いろいろなところの都市の緑を守る観点から、先ほど委員は棚田と里山の例を出されましたけれども、こういうまとまった緑地を守っていくために緑地保全地域制度の創設や、あるいは地方都市なんかでも駅の前の大きなお屋敷が相続できなくて撤去されるといった話はよくある話でございますが、こういう屋敷林など地区計画に位置付けられた緑地の保全方策の充実というものもこの法律案の中で措置させていただいたところでございます。
 それともう一つ、冒頭申しましたように緑を育てるという観点、こういうものでは、市街地におけます民有地の緑化を進めるための緑化地域制度の創設、こういうものを拡充あるいは新設することによりまして、都市と緑の相関関係をより深めていって緑を増やしていくというような取組をさせていただいているところでございます。
 やはり必要なことは、地方公共団体と事業者間の連携はもとより、やはり都市の緑を守り育てていく意義というものを住んでいる方々がしっかりと認識していただく、そういう取組も進めていくということ。委員は先ほどそういう時代になりつつあるというような御開陳がございましたが、そういう啓蒙活動も併せて行っていく必要があると認識しているところでございます。
○藤野公孝君 時間の関係がありますので、ちょっと質問を早くいたします。
 十六年度の予算ということで、新しい目玉商品の一つの中に、まちづくり交付金もありますが、景観形成事業推進費という、これ二百億円でございましたか、大変びっくりしたというか、すごいと思ったわけですが。金額もさることながら、景観形成事業費が、推進費ということなんですが、どういう中身を想定して、事業としての中身を想定してこの予算が使えるのかということについていま一つちょっと漠然としておるんですけれども、その辺の御説明をお願いします。
○政府参考人(薦田隆成君) お答え申し上げます。
 景観形成事業推進費についてのお尋ねでございます。この推進費は、豊かで質の高い国民生活の実現に向けて、景観形成事業を推進することによりまして良好な景観形成を図るということを目的とする経費でありまして、また観光立国の推進にも資するものと考えております。本推進費は、年度当初には事業が着手できない事業につきまして、年度途中になりまして事業実施の環境が整えられ、かつまた緊急に事業の推進が求められると、そういった場合に追加的な財政措置を行うものといたしまして、おっしゃられましたとおり、平成十六年度予算におきまして二百億円が計上されているところでございます。
 本推進費に係る景観形成事業の対象、大きく二つございます。一つ目は、景観計画に定められた事業でございます。二つ目は、景観計画区域あるいは屋外広告物条例区域、そういったところにおいて行われます良好な景観形成に係る事業でございます。本推進費の活用によりまして、例えば電線類の地中化であるとか、あるいはシンボルロードの整備というような良好な景観形成に資する事業が年度途中においても積極的に推進されて、事業効果が早期に発現されるということが期待されるものと考えております。
○藤野公孝君 最後の質問になるかと思いますけれども、今もちょっと冒頭に申しましたまちづくり交付金、一つのこれ目玉、国土交通省の目玉予算だと思うわけですが、受ける側といいますか、地元から見ますと、いろんな支援も受けつつ景観を良くする、保持し形成していくということを進めると思うんですね。というのは、やはり何かを動かしていくためにもお金は必ず要るわけで、特に地方公共団体の今の財政事情を考えると、国のそういう使えるものについていろいろ情報も知りたいだろうし、どういう使い方かも知りたいだろうし、できたら併せていろいろ効果を出していきたいと、こう思うわけでございますが。
 最後の質問になりますが、この千三百三十億円、まちづくり交付金と、今御説明いただきました、例えば例として出すわけですが、景観形成推進事業費、こういったもののマッチングというか、併せてそういうものをやっていこうと思った場合にそういうことが可能であるか、あるいは、そういうことについてのポイントにつきまして御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) それぞれの地域が今まちづくりに熱心に取り組んでおられまして、地域の歴史や文化、それから自然環境、様々な固有の資源を活用して、是非お客さんにも来ていただきたいというような観光政策にも力を入れておられるんだと思います。そのため、今、先生がおっしゃいましたように、まちづくり交付金、それから従来のいろいろな公共事業、それから町並み景観整備事業とか様々な事業がございまして、それをやはり地元が主体性を持って組み合わせていくということがすごく大事だと思います。特に、今度創設をお願いしましたまちづくり交付金というのは、ハードだけではなくてソフトの政策も対象とする、それから官主導だけではなくてNPO等の方々にも大いに活躍していただくというようなことが特徴になっております。
 今、十六年度新規事業のいろいろな計画というものが集まってまいりました。間もなくこのまちづくり交付金の新しい、こういうことに使われるんだという姿が明らかになると思いますが、例えばの例で申し上げますと、江戸時代の歴史ある町並みの復活を目指して、かつての屋号を統一的な情報版で整備するとか、それから町並み整備と併せて歴史的な価値のある既存建造物の改修を行うとか、それからそれぞれの家庭がお庭を開放するオープンガーデンというようなことを住民主体で推進するためアドバイス等を行う専門家を派遣する事例とか、いろいろな興味深い事例が集まっておりまして、このまちづくり交付金というのが今後のそれぞれの地域のそれぞれの特色を生かした景観づくりということにも大いにお役に立つのではないかと、このように期待しているわけでございます。
○藤野公孝君 質問を終わります。
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○委員長(輿石東君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、田名部匡省君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。
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○大江康弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の大江康弘でございます。
 いよいよ会期末も迫ってまいりまして、今国会、国土交通省からは十八本の法案が出てきたわけであります。その最後の三つの法案ということであります。この後、特定船舶、出てきますけれども、これは議員立法でありまして、いずれにしましても大事な法案が、先週いろいろ国会ありましたけれども、こうして審議ができるようになったということを大変喜んでおる一人でございます。
 この法案に関しましては、先日も本会議場で直接大臣に御質問をさせていただきました。大臣からは本当に懇切丁寧な、打合せどおりの答弁ではありませんで、いい答弁をいただきまして大変感激をしておりますけれども、しかし、若干、時間が限られておりましたので聞けなかった部分、尋ねられなかった部分がありますので、今日はそういうことも含めてお聞かせをいただきたいと思います。政府参考人の皆さんには大変御苦労さまでございます。
 そこで、ちょっと一点だけ、この法案にはもう全く直接関係ないわけですけれども、しかし、今のこの時節、もう新聞を見ますと、カラスが鳴かない日があってもこの名前が出ない日がないというぐらい、例の三菱ふそうの問題であります。テレビを見ておりますと、大臣が大変厳しい顔で、謝りに来られたこの社長に対して毅然とした態度で意見を言われておるという姿を見て、国土交通省の姿勢としては本当に当然のことだなという、そういう思いもしたわけでありますけれども、しかし、これは司法の場で裁かれるといいますか、三菱自体がしっかりと罪を償わなければいけない部分もあります。
 しかし、さはさ言いましても、国土交通省あるいは旧運輸省の流れの中で、やはり監督官庁として、こういうことが本当にどろどろどろどろ後になって出てくるという、今のこの日本全体が、高度成長からずっとゆとりの社会を築いてきた。しかし、どうも今振り返ってみると何か緩みの社会に入っているんじゃないかという、もう本当にそういう意味では我々も含めて反省をしなければいけない。ちょっと我々、今、日本は何なんだと、お互いこの高度成長の流れの中で生きてきた中で、やはりこの今の緩み、たるみってこれは何なんだ。それがしかもブランドという、有名ブランドをずっと築き上げてきた会社が人命まで奪うという、それをずっと隠し通すという、もう本当にこのモラルハザードというのは、武士道精神を我々が大事にしてきたこの日本の社会の中で、本当に根底から何かもう音を立てて崩れていくような非常に私は危機感を持っておる一人であります。
 それだけに、もう少しやっぱり行政指導する側としては、私は、しっかりと本当に毅然とした態度でやってほしいというふうに思うんですけれども、先ほども言いましたように、法律で裁かれるものは法律で裁かれる部分として、果たして今までの指導に対して行政側として落ち度はなかったのか、あるいは行政の監督の不行き届きがなかったのか。一生懸命やられたということは認めたといたしましても、やはりここらのことをひとつ振り返っていただいて、ちょっと私、局長から、この間の状況も含めて今日までのちょっと流れを御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、五月六日に三菱製大型車のハブのリコールに関しまして、当時の三菱自動車工業株式会社でございますが、に対しまして虚偽の報告の容疑で告発しました。それと同時に、リコール業務の適正な実施について早急に改善を図って報告するように警告書などによりまして強く指導してきたところでございます。
 こういう情勢の中で、三菱の社内におきまして、リコールに関して、平成十二年のリコール隠しの事件がありましたけれども、これ以前にまでさかのぼっていろんな精査をしてきているところでございます。
 そういう中で、まず三菱ふそうのトラックの方でございますけれども、これは五月二十日にリコールの届出を行っていなかった大型トラックのクラッチハウジングほか三件を早急に届出することを公表しました。それと同時に、最近におきまして、その他にもリコールをすべき案件を含む九十件以上の不具合の件について精査しているということの報告がございました。また、三菱自工においては、六月二日に過去にリコールの届出を行わずに改修されていた案件が二十六件あると、これについて早急にリコールの届出をするべく公表をしました。
 今回の問題は、基本的には安全対策を最優先すべき自動車メーカーが、平成十二年に引き続きまして、再度リコールすべき事案を長期間にわたって放置したという悪質な行為によるものであり、極めて遺憾なことだと思っております。
 国土交通省においては、今厳しい御指摘もありましたけれども、その時点での制度、体制の中でできる限りの対応をしてまいりましたけれども、一連の事案を踏まえまして、大臣の強い御指示によりまして再発防止対策を六月八日に公表して、できるだけ速やかにパブリックコメントの募集を行いまして最終的に取りまとめることとしております。
 その内容でございますけれども、まず業務運用体制の強化につきまして、具体的には、自動車メーカーから安全上重要な情報につきましては四半期ごとの報告を義務付けまして、そうすることなどで不具合情報収集の充実強化を図っていくということ、それから二つ目に、問題があるメーカーには集中的な監査をしていく、そういうふうな監査の強化を図るということ、それから重要案件については書類審査だけじゃなくて、現車の確認、試験を実施する等の技術的な検証体制を強化するということ、それからリコール改善推進室を設置するなど、国土交通省のリコールの業務体制を強化を図るという、こういうことを内容としております。
 また、あわせまして、外部の専門家の方々の御協力も得ながら実証的な検討体制を整える必要があると判断しまして、リコール案件の調査・検証検討会を設けまして、収集された不具合情報を四半期ごとに調査、検証するということ、それからリコール判定委員会ということも設けまして、重要案件についてのリコール判断やリコールの勧告の検討を行うこととしております。
 なお、平成十二年のリコール隠しを踏まえまして平成十四年に道路運送車両法が改正されまして、ハブの案件については改正前の行為であるためにこれは適用されませんけれども、平成十五年一月から懲役刑の導入、罰金の引上げ、あるいはリコール命令制度の創設等の制度的な改善が行われているところでございます。
 国土交通省としましては、これらの再発防止対策を適切に実施しまして、同種事案の再発防止に万全を期したいと思っております。御理解をお願いします。
○大江康弘君 どうも局長ありがとうございました。
 本当に、お互いがそれぞれ長い年月を掛けて築き上げてきたこの信頼社会というのが、もう本当にこう、たとえそれが行政、あるいはその行政から指導を受ける業界であっても、この長年の信頼関係を崩すということは、これはやっぱりとんでもないことであると思います。これは当然、三菱自体はこれから先、これだけ日本は民主主義が育った国ですから、恐らく社会的な制裁というか社会的な罰則というのは、これはもう当然国民の非難を浴びて、国民のみならずこれはやっぱり世界からも非難を浴びて、それだけの制裁を受けていくとは思うわけですけれども。
 しかし、これに限らず、どうかひとつ、今後こういう、かかるようなことが本当にないような、信頼関係を崩すようなことのないような、やっぱりそういう日ごろからの監査を強めていくということでもありますし、ひとつ局長の方でもしっかりとその指導をしていただきたいということを御要望を申し上げます。局長、もうこれでどうぞお引き取りいただきたいと思います。
 それでは、景観緑三法の方に入らせていただきたいと思います。
 今日は少し緑のことにつきまして先に御質問させていただきたいと思いますが、今日、私も少し気合を入れて自分の景観を少し良くしてきたというふうに思っております。どうかひとつ答弁の方、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この法律を見ますと、いわゆるこの都市緑地保全法、いわゆる都市という言葉が付いておるわけであります。先ほど藤野先生の方から石原大臣とのこの都市のやり取りも聞かせていただいて、石原大臣はここから見ますとシティーボーイ、隣の鶴保政務官は私と一緒で田舎ですからカントリーボーイで、しかし鶴保政務官も長く東京におられますからだんだんシティーボーイに近づいてきて、それでもやっぱり都市の緑と田舎の緑で育ったこの違いというのは、何かこっちからお見受けしていて分かるわけです。いい悪いは別です。やっぱりそれなりの景観があるわけです。
 まずやっぱり、その都市というふうに強くこの二文字を付けられたというからには、今までずっと緑地保全あるいは緑化という中で、やっぱり都市が遅れてきたからあえてそういう都市を、しっかりとこれから緑を守っていくんだ、作っていくんだという、やっぱりそういう言葉の意志、言葉自体がいわゆる行政の強い意志の表れではないかなと、こんなふうに私なりに解釈をするわけでありますけれども。
 いわゆる、今までずっとこの戦後の流れの中で、我々田舎で住んできて、緑が本当に水や空気というような、そういう実は感覚であったことも事実です、当たり前という。でも、東京へこうして御縁があって寄せていただいて、まあしかし私は大阪、関西ですから、大阪と比べますと東京の方が何か緑が多いなという実はそういう、東京はそれなりに緑というものを大事にしてきたんではないかというふうにも実は感じるところがあるわけでありますけれども、いわゆるこの都市の緑というものに対しての認識といいますか、いわゆる田舎の緑に対しての認識といいますか、そこら辺りのことをちょっと現状認識を聞かせていただけたらというふうに思います。
○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
 今、都市の緑と地方の緑ということについての御指摘がございました。ここで都市と申しますのは、実は制度的には都市計画区域というところがございまして、自然公園とか森林、国土の七割を占めるような森林のところは対象としていない、人が九割以上住んでいるのが都市計画区域でございまして、そこの都市、特に大都市につきましては、今御指摘のように、急速な都市化という中で緑が失われてきたということで、緑が絶対的に不足している大都市部と、それから比較的緑が保たれている地方部というふうにそれぞれ課題は違うと思います。
 例えば、今、大阪に比べると東京の方が緑が多いというような感想を持たれるということでございましたが、幕末に訪れた外国人もやはり、特に山手線の中は武家屋敷、それから今でいうと皇居があると、新宿御苑、様々な大きな庭園がございましたので、外国の人が見て日本の都市は何と美しいんだろうというふうに言ったという記録がたくさん残っております。一方、大阪はやはり商人の町ということで、そういう大きな緑というよりはむしろ町家のような非常に高度利用すると、むしろ商業的には大阪、京都の方が栄えていたというようなこともあって、非常に稠密な都市利用が行われて緑が少ないというのが現在につながっていると思います。
 ただ、東京も、一歩山手線の外に出ますと、ここは急速に都市化したところでございまして、世田谷区などは農道がそのまま今の道路になっているようなところとか、杉並区も、杉並という名前はもう緑が一杯のようでございますが、実は地震の危険度という意味では非常に、いったん火災が起きると大変な大被害が起きる、非常にある意味では危険な地域にもなっているというところで、都市の中でもそれぞれ状況が違うと思います。
 そういう意味で、地方都市、確かに周辺が山に囲まれておりまして、緑が豊かなわけでございますが、周辺に緑があるからといって、実は油断しておりますと住む場所はどんどん家が建っていって緑がなくなるというようなこともございまして、やはり周辺の里山の問題、農家の高齢化等を背景として、もう管理も十分いかないと。やはり大都市部それから地方、それぞれに課題があるということで、今回の法案ではそういう問題にいろいろ対応できるような多様な手法を用意したということでございます。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 旧建設省のときに、平成六年にいわゆる緑の政策大綱というものを出されておるわけですね。それで、二十一世紀の初頭までに緑のストックをもう三倍にするんだと、こういう基本目標を立てられていろんな施策もやってこられたという、これは評価をいたします。
 そして、また今、新たに国土交通省の中で緑の政策大綱のいわゆる、今までのは旧建設省版でありましたけれども、この省庁統合の中で国土交通省版が策定中であるということでありますので、これは期待をしてひとつ待ちたいというふうに思うわけですけれども、今、局長が答弁を言っていただきましたけれども、私はやはりこれから本当に、本会議でも、私、大臣にちょっとお尋ねをさせていただいた。やっぱりこれは経済繁栄の裏返しとして我々が景観もつぶしてきたり、あるいは緑というものを大変、意識的じゃないですけれども、無意識的に粗末にしてきたという部分があって、田舎へ行けば緑は金で買うものだみたいな意識は、もう本当に、水はただだみたいな意識と一緒で、そういうふうな感覚は、私は今でも自分が田舎に住んでいてそれは持つわけですけれども、しかし都会、いわゆる都市ということになれば、やはりこれだけ人口が集中してきて、それぞれがいろんな、これも申し上げましたけれども、憲法で土地の自分自身の自由な裁量権を憲法が保障しておるという中で、やっぱり緑を増やしていくということになれば、私は、それぞれの自治体というものは、これはもう大変な労力が要る、そして労力が要ると同時に大変なお金も掛かってくるという。
 そういうことを考えますと、買手、売手、双方の問題はありますけれども、やっぱり売る方としましては、公に自分のところの土地がそういう形で評価をされ、あるいは喜んでもらえるということになれば、これは当然差し出すわけでありますけれども、しかし、そこへもってきて、やっぱり条件、今のこのいろんな税制上あるいは補助制度の中でいろんな問題点というものが出てきてなかなか思うように進んでいかないということが、私は前段階としてやっぱりまずハードルの高い部分であると思うんです。
 それで、いろいろこの資料いただいて見せていただきますと、緑地保全のことに関しては、所得税では譲渡所得で二千万、これが控除になる。それから、都市公園に関しましては、これは不動産の取得税あるいは、これはまあ代替不動産の取得価格からの被収用不動産価格の控除ということを明記をされておりますし、譲渡所得、所得税については五千万、控除額についても五千万と、この都市公園の分は非常に控除額がそれなりに大きいわけでありますけれども、市民緑地なんかを見ますと、これは相続税の関係ですが、二割評価減しかないという。
 私はやっぱりこういう部分の見直しというものが求められてくるんではないかというふうに思うんですけれども、今の現状のこの税制あるいは補助制度というもので、果たして、国交省がいわゆる都市ということを例えば限定をしたときに、田舎もありますけれども、非常に買うという部分に関しては私は都市の方が難しいんではないかということを思いましたときに、果たしてこの制度をこのままの運用でいいのかどうか、私はもう少し見直すべきではないかなと。
 これは、国交省独りだけでは決められませんけれども、財務省の問題いろいろありますけれども、ここらの点はどうなんでしょうか。ちょっとこれもお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
 今御指摘ございましたように、都市の緑を確保していくためにはいろいろな手法がございます。
 一つは、今五千万の控除のお話がございましたが、公園に限らず公共施設、収用対象事業でございますので、一律五千万の控除ということで、公共施設の整備がはかどるような措置が取られております。また、市民緑地については、これは買うのではなくて、買うのはお金が掛かると、大変だというので、所有者と公共団体が契約を結びまして開放してもらうと。その代わり、その中を市民が使いやすくするためにいろいろな管理のさくでございますとか散策路とか、そういうことは補助制度でやっていくというようないろいろな手法をやっております。
 そういう中で、従来より、公共施設の整備でございますとか固定資産税、相続税の評価についてもいろいろ、関係当局といろいろ交渉もしてまいって今の状況がございます。例えば、一つ緑地保全地区ということで、これは民有地の緑地について、買わないで現状凍結的に保存していこうというのですが、やはり現状凍結的に使えないとなると、買ってほしいという要望が出てくるのは当然でございます。
 そういう意味で、現在、鎌倉、京都、奈良のような歴史的風土特別保存地区も含めて、こういう現状凍結的な緑地というのが約一万三千ヘクタールございますが、そのうち八百六十六ヘクタール、約六・六%を既に買っているということで、それぞれの地主さんの状況等に応じまして、買入れの要望があれば買って、買えば今度は公有地として保全できるというようないろいろな手法がございます。
 また、相続税の評価につきましては、今申し上げました緑地保全地区に指定されますと、林業を営んでいらっしゃる場合別なんですが、林業を営んでいないということになりますと、相続税算出の際の土地評価は七割減じられるというようなことで、それぞれの土地の状況に応じて税制上の措置もあります。
 また、予算的にも、十六年度予算におきまして緑地環境整備総合支援事業と、一つの統合補助金でございますが、これで都市公園を整備する、緑地を保全する様々な手法を組み合わせるようなこともやっておりますし、また今回の法律案改正により創設される地区計画等により保全される緑地についても相続税の適正評価等がなされるよう税務当局と調整を行っております。
 御指摘のように、緑を増やしていくためにいろいろな助成措置、更にいろいろ勉強して改善していきたいと考えております。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 それともう一点、いわゆる、今回、緑化率ですね、敷地面積に対する緑の割合、この対象は原則として千平米といいますから約三百坪というふうに対象とされておられるわけでありますけれども、私、やっぱり千平米というものが、どこからこの一つの基準というものが出てきたのか。まあ、これはいろいろ御検討もされたんでしょうけれども、やっぱり地域によっては五百平米、百坪、百五十坪というようなことも私はやっぱり検討の中に入れられるべきではなかったのかと、そんなことを思うんですけれども、ここら辺りはどういうふうになって決まってきたんですか。
○政府参考人(竹歳誠君) 結論からまず申し上げますと、この緑化地域の対象、千平米程度と申し上げておりますけれども、これについては原則でございまして、地域の状況に応じて、これは例えば五百平米とか下げられるというように組み立ててまいりたいと思います。
 それで、千平米の一つの根拠でございますが、実は、東京都におきまして既に平成十三年度から東京における自然の保護と回復に関する条例というものを作られて、緑化計画書の届出義務というのがございます。これが千平米でございます。ただ、国とか公共団体が所有する土地については二百五十平米というようなことで、千平米というのは、これも一つ参考にさしていただいております。
 この実績も関連して申し上げますと、かなりの効果が上がっておりまして、平成十四年度では千二百件で約十三ヘクタールがこの緑化の対象になっているということでございます。ただ、これも先ほどの景観問題と一緒でございますが、届出を行わない者に対しては知事の勧告とか、やはり弱い面もあるというので、今回の法律改正でお願いしておりますのは、この緑化地域制度というのを一つの地域、地区として位置付けていただきまして、これは建築確認要件とするというような、きちっと法律体系として確保できるような仕組みにしているところでございます。
○大江康弘君 実は、先般、この景観法が提出されるということで、それぞれ地域で頑張っておられるNGO、NPOの皆さん、そういう、特に生態系を守っておられる皆さんにちょっと話を聞く機会がありまして、確かに町中を整備をしている中で、外来種といったら、在来種、外来種とありますけれども、確かにぱっと見はきれいな、色鮮やかな花を植えておったりという、そういう本当に一瞬見た目にはきれいだなと、こう思うんですけれども、何かやっぱり作られたものであるという、これは我々もそういう意識は感じます、きれいなことはきれいなんですよ。だけれども、やはり今、エコ社会、環境社会と言われておる中で、地域の皆さんにとって大変心配されておるのは、これからいろんな地域の中で緑化保全、緑化を進めていく中で、例えばそこにどういうものを緑として作っていったらいいのかといった場合に、やはり今申し上げましたように簡単な部分ではそれでは色鮮やかな花をというような、そういう短絡的なことにすぐいってしまうふうにもなっていくわけですけれども。
 やはり地域の個性を生かすという、この景観法もそうですけれども、その地域でずっとやっぱり、案外目立たないけれども、それこそ雑草じゃないですが、目立たないけれども一生懸命それなりにその地域で育ってきた、余りこれは評価されていないんですが、例えばやぶだとか、あるいは何というんですか、やぶ、それから何か一杯ため池の周りにあるようなそういう草、こういうものは余り評価をされずに、湿地地帯もそうですけれども、その周りにあるものが評価をされておらないというそういうものもあるんですけれども。
 やはり私は、今申し上げましたように、やっぱり在来種というものをどういうふうに生かしていくのか。いわゆる地域固有の緑の緑化を進めていくということに関してどうしていくのかということに関したときに、やっぱり今まで我々がつい見逃してきたこの生態系というものを広く考えた中で、今申し上げましたやぶだとか湿地だとかため池だとかと、こういうことをやっぱり生かしながら、それをどう使っていく、どう利用していくということも、これはやっぱりいたずらに余り見場が良くないから駄目だみたいなことで変えていくということもこれもどうかなというふうに思うんですけれども、こういう考え方の中で、今申し上げました緑化を進めていくことに関してはどういうようなちょっと御認識を持っておられるのか、聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 今、先生の御指摘になった点は、実は非常に重要な点でないかなと思います。
 緑に限らず、今、個性あるまちづくりとか地域の個性とか言われているわけでございますが、実は何が本当に個性的なのかということは、今後それぞれの町において取り組まれるべき非常に重要な問題ではないかと思います。
 その点について、黒川温泉というところが非常に観光上も成功しているところでございますが、そこのリーダーがおっしゃったのは、その地域の個性というのは、いいものだけを集めるんじゃないと、ごつごつした岩とか、その地域の悪いもの、ある意味では悪いものもセットで考えることが実はそれぞれの地域になるんだと。いいものだけを集めて作れば、それはどこにでも同じものができてしまうではないかと。地域の個性というのはそういうものだというようなことを実はその黒川温泉のリーダーの方がおっしゃっております。
 ということで、今のは、緑に限らず景観一般についてのお話を申し上げたわけでございますが、緑につきましても、やはりその地域地域の例えば生態系でございますとか地域固有の植生というものを大事にしていくということは今後の緑化政策の中でも非常に、緑地政策の中で大事だと思います。
 ただ、大都市の都心部でございますとか、それから臨海部の工場跡地のような大規模な再開発地などで今後緑化地域などをやっていこうと。屋上緑化とか壁面緑化とか考えるわけですが、実は、こういう環境は植物にとっては非常に厳しい、日照りがきついとか風の問題とか乾燥とか、植物にとっては非常に厳しい生育環境がございます。したがって、こういう場所で緑化をしていこうということになりますと、やはりそこに、そういう環境に強い植物に限られてしまうというようなことがございます。いろいろこの緑化の関係でも技術開発が進んでおりまして、こういう厳しい生育環境でも対応できるような植物の活用ということも考えられると思います。
 いずれにせよ、今御指摘のとおり、やはり地域固有の植生ということにも十分配慮しながら緑地の政策ということを進めてまいりたいと、このように考えております。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 局長、黒川温泉って何県なんですか。(「福岡です」と呼ぶ者あり)福岡。(「熊本」と呼ぶ者あり)熊本。(「熊本でしょう、あれ」と呼ぶ者あり)ああ、九州の方。ああ、そうですか。ありがとうございます。藤野局長、ありがとうございます。
 次に、景観の方にちょっと入らせていただきたいと思います。
 ちょっと景観法、これまあ景観法だけで取りますと、これ百七条あるわけですね。日本の憲法は百三条、憲法でも百三条で、これ大事なことは大事なんですけれども、これ百七条という、これをどうやっぱり市町村に知らしめていくのかなという、こういうことをちょっと、自分なりにこれちょっと感じたわけでありますけれども。それはそれとしまして。
 この景観法が作られる私は前提になったのは、昨年の平成十五年七月ですか、国交省が発表した美しい国づくりの政策大綱ということがあったと思います。
 そこで、少し引用させていただきますと、これはまあ国土交通省がずっと戦後、戦後は国土交通省でない、いろんなそれぞれの、建設省だとかあるいは運輸省、国土庁だとかいろんなところが日本のインフラ整備にしっかりと取り組んできてくれたということもあるわけですけれども、この政策大綱を見ますとどうも自己反省をされておられるような部分もあって、ちょっと見ますと、「都市には電線がはりめぐらされ、緑が少なく、家々はブロック塀で囲まれ、ビルの高さは不揃いであり、看板、標識が雑然と立ち並び、美しさとはほど遠い風景となっている。四季折々に美しい変化を見せる我が国の自然に較べて、都市や田園、海岸における人工景観は著しく見劣りがする。」という、ここで非常に、自己反省というか厳しいやっぱり見方をされておられるという、これは非常にスタートラインとしては僕は大事だと思うんです。
 それだけに、今回こういう言葉を見ますと、一見、今までやってきたことがそれじゃ間違っていたのかなというふうにも見方によっては取れるわけですから、そこまでの私は見方はいたしておりませんし、しかし、それだけの強い意志で今回やっぱりこういう景観法というものに取り組んでこられたというふうに思うんですけれども。
 もう一度、僕は、大臣にはその気持ちを聞きました、本会議場で。しかし、現場でいわゆる事務的なものを積み重ねてこられた中で、やっぱりここまで来た経過、経緯というのは私はちょっと聞いておきたいというふうに思いますので、そこのところをちょっと、今日までに至った経過をお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のとおり、この美しい国づくり政策大綱は昨年七月に公表されたわけでございますが、実は行政の内部では、日本の景観を何とかしなくてはならないという気持ちは、高度成長期が済んだ一九七〇年代後半から、いろいろな潤いのあるまちづくりであるとか地域づくり、大臣の懇談会なども作っていろいろ勉強をしてまいりました。
 ただ、公共事業においていろいろな工夫をするとか様々な努力をしてまいったわけでございますが、なかなか、今回御提案させていただいているような景観法案、百七条のような基本理念から具体的な施策まで盛り込んだ政策に踏み切るまでにはならなかったわけでございます。
 我々の反省としては、どこの国でも、イタリアでもイギリスでも経済が成長するときには町が汚いと、公害も多いとなるんですけれども、やはりその成長の果実を自分たちの環境やまちづくりに生かしていくということをそれぞれの国がやってきた、これを我々もやらなくてはいけないと考えたわけです。
 特に我々のこの気持ちを大いに高めてくれたのが、例えば、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、幕末に日本を訪れた外国人の方、例えば初代の英国の駐日総領事オールコックは、「大君の都」という本の中で江戸のことをヨーロッパにはこれに匹敵するほどの美しさを誇り得る首都はないと書いておりますし、またスコットランドの旅行家イザベラ・バードは、北日本を旅行して、米沢平野を見ながら、これはエデンの園だ、東洋の桃源郷だと称賛したというような書物がたくさん残っているわけでございまして、我々も是非このような評価をまたかち得たい、百年掛けて失ったこういう景観でございますが、また百年掛けてでもこれを取り戻したいと、そういう強い気持ちで今回の景観緑三法というものに取り組んでいるということでございます。
○大江康弘君 ありがとうございます。分かりました。
 そこで、都市の景観についてちょっと質問させていただきたいと思いますが、実は今日の新聞で出生率の低下というものが出ておりました。
 これは、先般ちょっと問題になりましたあの年金法案でマクロ経済スライドという言葉が大変時の言葉になりましたけれども、小泉総理は余りうまく答えられなかった部分もあったようでありますけれども、やっぱりこの数字というのは、非常にそういう意味では、年金のこれからの先々の負担だ給付だということに関しての非常に大切な数字の一つであったと思います、あったというよりも、あります。
 それだけに、この今日出ておりました出生率一・二九というのも、これ、わずか少し前までは、これもう一・三二というふうに、間違いないという形で言っていたんですね。それがもう何か月かたたないうちに一・二九という、こういう数字になっておるということになりますと、二〇〇六年、七年辺りからもう人口がどんどんどんどん減少していくというようなそういう結果が出ておって、つい昨年も二〇〇三年問題、こんなビルをどんどん造っていって、これ空き室をどうするんだというこの問題もありました。
 それから二〇一〇年問題、いわゆるこれから団塊の世代と言われた皆さんが、六百万人、七百万人あるいは八百万人いると言われるこういう皆さんがもう退職をされて、恐らく都市に集中しておったそういう皆さんがこれから老後を、田舎へ行かれるのかどうか分かりませんけれども、そういう都会に住み続けるということは私はやっぱりないというふうに思うんです。
 ですから、こういう政府から出されるこの数字がどんどんどんどん変わっていく、しかも上方修正ではなくて何か下方修正みたいな形で変わっていくということになりますと、果たして、私が本会議場でも申し上げましたように、確かに土地だとかお金だとか人だとかという、こういうものの流動化というものはこの都市再生の中で私はそれなりの一定の効果があったというふうに思うんです。
 個々それぞれ建物を見れば、私はまだ六本木ヒルズというところ行ったことありませんが、遠くから眺めていますと、まあそれ自体はきれいだなというふうに近代的な建物として評価をするんですけれども、果たして、こういう空き地があればもうどんどんどんどんその容積を広げて、緩和をしていってもうどんどんどんどん大きければいいという、こういうことをいつまで続けていくのかという。
 私は、やっぱり災害に強い都市づくりというのは大事だと思います。ですから、密集地帯をどうしていく、あるいは古い建物をどうしていくということは、これはまあ当然、都市再生のでき上がった法案の中をしっかりと活用して直していかないかぬというふうには思うんですけれども、しかし、いつまでこんな天井知らずのように、もうどんどんどんどん高いビル、あるいは空き地があればどんどんどんどんビルが建っていく。
 私は、やっぱりこういう都市の景観を考えたときに、こういう一つの出生率の数字の低下というものを見せていただいたときに、やはりもう一度、この都市、まちづくり、いわゆる景観を一番の主題に置いた中で考えなければいけないのじゃないか。オープンスペースをどうしていくという問題もあります。
 こういうことを、いわゆる人口減少社会を迎えていく中で果たしてこれからどんなふうに考えておられるのか、少し、私が申し上げたことに関して、それも含めてちょっとお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘のように、人口の動向というのが都市に対してある意味では一番大きなインパクトを与える、それも明確なインパクトを与える要因ではないかと思います。
 先ほど幕末の話をいたしましたが、幕末三千万であった人口が百年後には九千三百万人になり、更にそれからわずか三十年ぐらいで一億二千万になったと。三十年で三千万人と申しますと、カナダ一国分の人口でございます。これが一挙に増えて、それも都市に集中したというわけですから、都市の環境が悪くなる、また住宅が小さいというのもある意味では必然ではなかったかと思います。
 そういう中で、この大きな人口の動きというのが今御指摘のように人口減少局面に入る、また、急激な人口減少というのはまた社会全体に大きな影響を与えていくわけでございますが、都市の環境という意味では、今まで人口がどんどん増えてきたのが環境を悪化させてきたわけですから、減るという意味では、ある意味では大きなチャンスではないかと考えております。
 ただ、今御指摘のように、空いているところはどんどんまたビルで埋まっていくと。実は、そういうことが起きているのは東京中心でございまして、必ずしも、ほかのところでは空いたところが空いたままになっていると。これはまた別の意味で景観を害しているということはございますが、いずれにしろ、そういう人口の大きな変化の中で生まれる土地利用の変化、これを都市の環境にどうつなげていくか、都市の環境改善にどうつなげていくかというのが我々の大きな課題だと思います。
 そういう意味で、例えば遊休地という意味では、産業構造がどんどん大きく変わる中で、臨海部の工場跡地が大阪でも東京でも空いてくる、それをどう活用していくかというのが大きな課題です。
 ですから、例えばこの工場跡地につきましては借地方式でできないだろうかと。企業にとってみれば、売ってしまうとすべての選択肢がなくなる、しかしながら、今は何に使っていいか分からない、より長期的な観点で最適な活用を考える、その間は公園で大いに活用してもらおうと。本当に必要だということになれば、またお金を、予算を確保して公園にしていけばいいというようなこともあります。
 このような形で、この人口変動、そういう中で、動く土地利用、その中で緑とオープンスペースをどう活用していくかと。そういう意味で、今回、借地方式でございますとか立体公園とか様々な、緑とオープンスペースを確保する政策をこの景観緑三法ということで提案させていただいております。
○大江康弘君 やはり物事を進めていくには、長期的にどうかという、これはやっぱり私は全体として大事だと思います。しかし、やはりこういう数字の現状に対しての認識をどうとらまえて変えていくかという、やっぱりここらの一つの柔軟性というものも必要かと思いますので、ひとつそういう推移をしっかりと私はやっぱり見守っていただいて、柔軟な対応ができるような形にもひとつしていただきたいなと、これは要望しておきます。
 そこで、先ほど藤野先生からも、御指摘にもありました例の二百億円。これは、二百億円、一言で言いますけれども、巨大な市場ができ上がってくるわけでありますけれども、もう一つ、これが景観形成を進めていく上でどういう形になっていくのかというのが少しちょっとイメージとしてまだ分からない部分がありますので、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(薦田隆成君) お答え申し上げます。
 景観形成事業推進費でございます。具体的なイメージということでございます。
 例えば、電線類の地中化でありますとかあるいはシンボルロードの整備というような良好な景観形成に資する事業につきまして、例えば年度当初では地域のコンセンサスが得られていなかったり、あるいは埋蔵文化財の調査というのが完了していなかったりしたために、緊急性があるんだけれども事業着手ができないというような場合がございます。このような事業につきまして、年度途中になりましてその地域の努力によって地元の調整ができたとか、あるいは調査が完了したと、そういうことで事業実施の環境が整ったというような場合に、追加的な財政措置を行えるよう本推進費を措置しているところでございます。
 今申し上げましたように、地元の取組を非常に重視しておりまして、本推進費の配分に当たりましては、各地域における景観形成のための主体的あるいは緊急的な取組に有効に活用されますように、地域のニーズ、実情というものを十分に考慮してまいる所存でございます。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 私、非常に懸念をするのは、やっぱり今のデフレ時代の中で、国交省は単に公共事業というものを増やしただけじゃなかったのかとか、やはりそういう公共事業というものをこういう大義名分を付けて造っていくためにこういうことをしたのではないかという、これは僕はやっぱり絶対言われないようにしてほしい。それだけに、しっかりと目的意識、これはやっぱりこれからこの予算を使っていく自治体もそうでありますけれども、戦後の流れを見ますと、余り国が関与してこなかったと、先ほど言いましたように自由な国家ですから法律がそれを認めておる。ですから、建築基準法だとか都市計画法だとか、こういうことを守っておれば、事業者の方が今日まで保護をされてきたと。だから、町並みというものが、例えばフランス行ったときに、あのマクドナルドの看板が全部白なんですね。僕はあれにはもう本当に単純なことですけれども、感激したんです。
 ですから、私は、この二百億円を使いたい、これを使って自分のところの町を良くしていきたいという、やっぱりこういう意気込みのある自治体は、逆に厳格なルールをまず自らが持つべきだと。隣の町よりもあるいは隣の村よりも、うちのところは看板を規制しているんだ。うちのところは、例えば千代田区じゃないですけれども、たばこ一つにしても、そういうものを規制をしているんだと。
 まず僕は前提として、この特別の二百億円というものを使うという町村は、やっぱり前提が、自らが厳格な、自分の町はこれだけよそに比べて景観に配慮しているんだよというものがまず第一前提になければ、私はむしろこの予算は使わさないというぐらいのことでなければ、それじゃ、自分のところの町が少しばかり建物の高さがそろったり、少しばかり緑が増えたり、そのためにそれぞれの地元の首長も、地元の選挙対策にちょっと花壇を植えてやれよという、こんなことで僕は使われるようであるんだったら、本当に何のための法案の裏付けの予算なのかということに僕はなると思うんですけれども、やっぱりそこら辺りは僕は市町村、自治体に厳格なルールを求めるべきだと思うんですけれども、それはもう確かに条例を作っているところもありますけれども、そうではなくて、もっと一歩踏み込んだことが必要だと思うんですけれども、そういうことはどう思いますか。
○政府参考人(薦田隆成君) 正にこの景観形成事業推進費といいますのは、景観法の立法趣旨を踏まえまして、その立ち上がり支援ということで、景観法案の法の整備に併せて創設されたものでございます。したがって、当然立法趣旨を踏まえて、地域のニーズ、実情に配慮というのは当然のことでございます。
 今、先生、その良好な景観の形成について地元のルールというようなお話がございました。本推進費、先ほどもちょっと申し上げましたが、二つ、大きく分けて二つというふうに申し上げました。一つは、景観計画に定められた事業という範疇。それから第二の範疇として、例えば景観計画区域あるいは屋外広告物条例区域、そういうところで行われている良好な景観形成に係る事業ということを申し上げました。
 今申し上げましたとおり、正にそういうルールを決め、規制を適用されている区域ということを第二の範疇では挙げさせていただいたわけでございます。したがいまして、この創設の趣旨に合った執行に努めてまいりたいと思っております。
 そういう厳格な審査というものは、予算の段階において当然厳格な審査を経て予算措置をされた事業、それを対象に、先ほど申し上げましたような追加的な事情に機動的に対応するということでもって実を上げてまいりたいというふうに考えております。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 そこで、私、一つだけ御提案申し上げたいのは、私も地元で、鶴保政務官もイメージしていただけると思うんですけれども、自然公園法の中に、ずっと造られたお店だとかそういう建物がもう廃屋となってそのまま雨ざらしで本当に汚い、たった少しだけの建物なのに朽ちたものがもう周りを全部壊しておると。それから、和歌浦という和歌山市のところに温泉街、旅館街ですね、あったんですけれども、ほとんどがもう今つぶれて、今はもう夏になれば暴走族だ、やれ若い子供たちの犯罪の場所になっておるという、むしろそれがあることによって非常にマイナスのものを生んでおるという。
 私は、かつて私も県議会当時提案したことあるんですけれども、やっぱりそういう自然公園法だとかそういう定められたところに建物が建つときには、例えばつぶれたことを想定をして供託金を取っておけと、建設費の一割ぐらい供託金を預かっておいて、それで後でそのお金で、自分のところがきちっと整備できなかったら、やっぱり建てて駄目だったら更地にするところまで責任を持たすという、やっぱりこういうことが僕は必要ではないかとずっと思ってきた一人なんですけれども。
 やっぱり景観形成のこのお金というのは、例えば市町村で、これは個人の持ち物もありますけれども、しかし著しく公の部分でそんなものがあることによって全体が困る、全体が迷惑するということであるんだったら、私はやっぱり法律でこういうものを撤去さす。撤去させるには、やっぱり自治体もお金がないからある程度こういう景観形成の事業費も利用さすということなんかも私はやってもらってもいいんじゃないかなと思うんですけれども、これはちょっと大変危険な提案ですか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今、白浜町のお話がございましたが、これは和歌山県に限らず同じような現象が日本の各地で起きているようでございます。
 そういう中で、今御指摘のような廃屋とかそういう閉鎖されてしまった旅館街等々、ある意味では景観上も問題でございますし、また防犯上も問題であるということだと思います。
 景観法におきましては、実は普通ですと法律ができる前にできた建物については法律は適用されないんですけれども、やはりどうしてもこれは問題だというようなときには、議会の同意を得る、それからそれを取り壊す費用は市町村が負担するというような条件がございますが、そういうことについて、片付けるとかいろいろ形を変えるとか、色を変えろとかいろいろ命令はできる仕組みも盛り込んでおります。
 そういう意味で、今は、今の予算制度では、直接にはこのような景観上問題のある廃屋を撤去する、そういう助成制度はありませんけれども、例えばそういう廃屋のところを全部片付けて公園にするとか公共的な施設にするということになれば、先ほど御説明申し上げました景観調整事業費でございますとか、まちづくり交付金等々も活用できるということで、そこはやはり工夫の仕方がいろいろあるんではないかなと考えております。
 今後、我々といたしましても、公共団体を支援するような制度については更に充実を図っていきたいなと考えております。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました。佐藤局長、ちょっとひとつ無電柱化のことで、もう高速道路で今まで頭一杯だったと思うんですが、ひとつそれはもうすかっと忘れていただいて。
 私は、大臣があるところで、あるところでというのは、ちょっと文章を見まして、一九九九年といいますからもう五年以上前ですが、文芸春秋の一月号でこんなに言われておるのを見まして大変感激をしたわけですけれども、いわゆる日本のお金がどんどんどんどんアメリカの国債を買うのに流れていっていると、そういうことを非常に懸念をされて、この十年間の間に、今ならまだ余力があるんだから、金を外国に持っていくのではなく、日本にとって本当に必要なものを作っておかねばならない。例えば東京の電柱の地中化率はわずか三%。一番進んでいる千代田区でも三四%しかない。片やロンドンやパリに行けば電柱なんて一本もないと。もう本当に私は、大臣の、五年前に既にこういう感覚を持たれておるということに非常に尊敬をいたしたわけでありますけれども、そこで、局長、一点だけ。
 私は本会議でも指摘をしましたけれども、やっぱり今まではずっと幹線道路沿いしかやってこなかったわけですね。しかも、それもまだ、一生懸命やってくれてもまだまだ残りがあるけれども、やはり本当にその地域で生活をする人たちにとれば、幹線道路以外に非幹線道路をやっぱりどうしていくかということも、これはもうそろそろ私は考えてやってもらわなければいけないのではないかと。観光地だとかそういう限定されたところは確かにやってこられたわけですけれども、こういうこの一つの大臣の博識を受けて、やっぱりそこらのことを今後どうされていくのか、ちょっと局長、聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤信秋君) 二点申し上げたいと思います。
 日本の場合、無電柱化を進め始めましたのが、計画的に進め始めましたのが昭和六十一年からということで大変歴史が浅い、したがいまして、幹線道路中心にという形でやってこさせていただいた。二点目に、先生御指摘の、やっぱり今回、景観上必要があればと、こういうことでありますが、無電柱化の場合、防災上という面も大変問題がございまして、この前の神戸の大震災では電信柱がほとんど倒れて救急活動に物すごく支障を生じた。こういう点もございますので、例えば景観上ということももちろんでございますが、防災上必要がある密集市街地のようなところ、こういったところも対象として取り組んでまいりたい、今後はですね。
 ということで、今、歴史的な伝統的な重要地区とかいろんな範囲の対象地区を選びまして、今回この四月に三千キロの計画を立てさせていただいたんですが、全部張り付けているわけではございませんが、その中で約千キロ相当は、そうしたどうしても必要になってくるであろうという部分をあらかじめみんなで約束し合って実行することにしております。
○大江康弘君 ありがとうございます。
 松野局長、済みません。せっかく来ていただいたのに、松野局長に質問する機会がありませんで、済みませんでした。
 最後に大臣、やはりこの景観を直していくということは、どの大事なこともそうですけれども、やっぱり各省庁にまたがっていって、それぞれはそれぞれやっていってくれたらいいわけなんですけれども、国交省としてはやっぱりこれだけの大きな法案を出された中で、これから各省庁にまたがっていく中で、どういうふうにその省庁間をまとめながらこの法案を生かしていくのかという、目的に達成していくのかというやっぱりこの大事な部分、最後に大臣としてのちょっと御意見、お気持ちを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) これまで都市の景観ばかりちょっと話してきたので、他省庁との連携ということでは、農山村地域の景観ということが非常に大きいウエートとしてあると思います。
 例えば農林水産省、先ほども次長から答弁されていましたけれども、連携して、農業との、農業自体と景観との調和を図る景観農業振興計画の策定、農地所有者以外の者でも計画に沿った農地利用できること等々をさせていただいております。
 先ほど政府参考人の局長の方からお話があった米沢平野でございますか、あの近くでは、これはお話もう既にしたかと思いますけれども、ちょうど田植の時期は、もう一面が山から見るともうすべて海の中に沈んでいるような、そこに集落がある。そういうすばらしい景観というものも残っておりますし、同僚の藤野委員が棚田の話をされましたけれども、そういうものもしっかり守っていくために、こういうものと連携をしていく。
 さらに、もう一つ大きな連携先としてはやはり環境省というものもあると思いますし、歴史的な建造物を守っていくということでは、これまでと同じように文化庁との連携、こういうものも図らせていただきたいと、こんなふうに考えております。
○大江康弘君 ありがとうございました。
○委員長(輿石東君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(輿石東君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。質問の機会をいただきまして感謝申し上げますとともに、景観三法、午前中もいろいろ質疑がありましたけれども、ふさわしくないような感じのする、そういうふうな景観の持ち主でございますけれども、あえていろんな角度から、若干重複する部分もあるかと思いますが、質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、この景観法が今国会で提出をされたわけでありますけれども、その時期の問題、タイミングの問題、これをちょっとお伺いしたいと思いますが、先ほどの午前中の藤野委員の答弁にもありましたように、現在、全国の地方自治体、都道府県では、四十七都道府県のうち二十七の都道府県で三十の条例ができている、景観条例ですね、それから、四百五十の市町村で四百九十四の条例ができていると、こういうふうな御答弁ございました。
 実は、私どもの県にも二つ条例がございます。とちぎふるさと街道景観条例、これは平成元年にできている条例ですが、それから最近、平成十五年に栃木県景観条例という、これが平成十五年にできているわけですが、そういういろんな条例を私も作る段階からいろいろ県会議員としてかかわってまいりました。そういう条例を作るたびに、私は、午前中も出ておりましたけれども、いわゆる罰則の問題がネックになってなかなか景観条例の趣旨というものが十分生かされないというふうな、こういうふうなことを具体的にも経験をしてまいりました。
 したがって、今後は条例に罰則を明記することができることになったわけですから、前進ということでありますけれども、しかしそれにしても今回の、この言うならば景観に関する基本法の制定はやや遅きに失したんではないかなというふうな気もいたしておりますが、まず大臣の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま谷委員がおっしゃられましたように、地方自治体においての取組というものが昭和六十年代から先行して行われてまいりまして、委員お地元の栃木県でも二つの条例があるということは認識をさせていただいているところでございます。
 そんな中で、やはり我が国、これまで経済発展、経済効率性の方に多くの方々の関心の重点というものがあって、とかくこの景観の部分については、全国民共有して、あるいは全自治体共有して、先ほど御同僚の委員の方の御発言の中に景観原理主義ですか、そういうことを言うわけではないけれども、やはりそういうものの大切さを広く知らしめていくことが重要であるというお話がございました。そういう御意見が国会でも御議論されるように、今、正に全国民、地方公共団体も含めて大きな転換点に来ている、こんな認識もお示しさせていただいたわけでございます。
 そんな一方で、委員が御指摘されましたように、これまでの地方自治体の取組の条例というものが建築物の新築等の届出と勧告という仕組みにとどまっていたり、そういうことによって、その周辺の町並みと不釣合いなものがあったとしても強制力を持って規制できないという限界もあったことも事実だと思います。また、条例では建築基準法など法律の規制緩和や国税であるところの相続税の軽減が認められないということで、使い勝手が悪い、そういう御批判もあった、限界もあったと存ずる次第でございます。
 このため、今回の景観法では、この価値観の大きな転換点、多くの方々がやはり経済効率性から軸足をしっかりとした良好な景観というものに置いて、条例による取組の限界が明らかになったことを更に踏まえまして、基本理念というものを明確化させていただきますとともに、建築物のデザイン等への変更命令など強制力を持つ措置を盛り込ませていただいたと。そんな中で、なお一層地方公共団体の取組が強化されるよう、国の行政としてもこれからも協力して支援していかなければならない、こんなことを今日午前中の審議で強く感じたところでございます。
○谷博之君 どこの地方でもそうだと思いますけれども、どうしてもその地域の景観を守りたいというふうな場所がたくさんあると思うんですが、我々の地元の話を出して恐縮ですが、栃木県も日光街道とかあるいは那須街道とか、そういう非常に恵まれた自然の中で、そういうところに街道が、昔からの街道が通っていて、その少なくとも両側五百メートルぐらいは建築物の規制をしようではないかと、こういうようなことでいわゆる条例のそもそものスタートがあったわけですね。
 そういうことから発展して、例えばとちぎふるさと街道景観条例の場合は、そこに条例に基づく里親制度というのを作りまして、そして植樹、木を植えたりあるいはその周辺の清掃をするとか、こういうふうな活動まで今現在やっているということなんです。
 そういうことを踏まえながらちょっと具体的にお伺いしたいわけでありますが、今の大臣の御答弁を受けて、今度の法律によって、今も申し上げたような具体的な、我々の県でいえば二つの条例、これに法的な裏付けが与えられることになったということでありますけれども、具体的な、例えば罰則などについてどのようにこうした条例に規制を盛り込むことができるようになるのか、その点を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
 今、先生が御地元の栃木県で二つの条例に関与されて、その中で罰則のような問題についてなかなか難しい面があったというお話がございました。地方自治法上はもちろん条例で罰則も盛り込めるわけでございますが、多分、景観の問題でそこまでできるのかというような御議論があったんじゃないかと考えるわけです。
 今回の景観法、基本法としての景観法と同時に、具体的な手法を盛り込んだ法律となっているわけでございまして、従来、景観でそこまでやるのかという点について、基本法をきちっと国会で定めていただくということで、罰則まで含めたいろいろな対応ができるということになると思います。
 一つの形として申し上げますと、例えば景観法に基づきまして景観計画区域というものが定められて、そこで建築物の建築が行われる場合を考えてみたいと思います。
 その場合に、建築物の建築については届出の対象となる、法律上なるわけでございますが、もし届出を行わないで建築をしたというような場合には三十万円以下の罰金ということが法律上明記されております。また、この建築物について、色彩やデザインについて条例で定めて変更命令が可能になるわけでございますけれども、その命令に違反する、命令に従わないということになると五十万円以下の罰金。さらに、この変更命令違反に対する原状回復命令ということ、更に命令違反を繰り返すわけですけれども、その場合には一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処されるということで、届出の段階、それから変更命令の段階、さらにその変更命令違反に対する原状回復命令と、段階に分けて、だんだんと罰則も重くなるということになっておりまして、このような法律的な背景を踏まえて、条例によって一連のことについて、従来難しかったとおっしゃった問題がクリアできるということになるということでございます。
○谷博之君 今具体的にそういう御説明いただいて、今後、条例の中にそういうようなものが生かされてくるということだと思います。
 具体的にこの景観法の条文の中身について幾つかお伺いしたいと思いますが、まず第七条の景観行政団体のことについてお伺いしたいと思うんですが、この第七条の定義を見ておりますと、この景観行政団体の定義は、指定都市、中核市、いろいろありますが、一定の条件といいますか、そういうものをクリアした市町村、これらの区域以外にあっては都道府県をいうと、こういうふうに規定しておりますけれども、全体の市町村を含んでいるわけではないわけでありますから、そういう意味でもこういう限定をした理由というのは一体どういうところにあるんでしょうか。
○政府参考人(竹歳誠君) まず、基本的な考え方でございますが、良好な景観の形成を行う景観行政というものは、住民に最も身近な基礎的自治体である市町村が行っていくことが望ましいと、このように考えます。
 ただ、先ほど先生も具体的な数字を挙げて御指摘になられましたですけれども、現在、市町村の中で景観条例を定めているのは四百五十ということで、これは年々増えてきているわけでございますが、そうは申しましても全国の市町村の一四%にすぎないと、これが実態でございます。一方、都道府県は半数以上の二十七の都道府県で自主条例が定められているということでございます。
 したがいまして、このような実態を踏まえまして、法律の制度としては、市町村のうち都道府県とほぼ同等の体制であることが想定されます政令指定市、中核市については自動的に景観行政団体となることとしておりますが、その他の市町村については、手を挙げれば知事の同意を得て景観行政団体となれる仕組みとしたわけでございます。
 なお、都道府県と市町村の二重の構造になりますので、ある地域で二重規制が行われるということになりますと、これは一つの問題でございます。したがいまして、景観行政団体は一つの地域において一元的に景観行政を行うと、こういう形にしております。
○谷博之君 我々としては、例えば一般の市町村でそういう条例を作る動きとか、あるいはまた市民参加で様々な取組をしようとしている、そういう市町村もこれから、現実にあるし、これから出てくるのではないかというふうに考えられますけれども、そういう中で、そうすると、もう一回確認をいたしますが、この景観行政団体になるためにはどのような要件と手続というのが必要なのか、ここのところを更に御説明をお願いします。
○政府参考人(竹歳誠君) 政令指定都市、中核市以外の市町村が景観行政団体になる場合には都道府県知事の同意を得る必要があると先ほど申し上げました。
 同意のやり方と申しますか基準でございますけれども、冒頭申しましたように、景観行政というのは、やはり基本的には住民に最も身近な基礎的自治体である市町村が担っていくべきであると考えますので、よほどのことがない限りということで、景観規制を行う体制が不十分であるとか、よほどのことがない限りは手を挙げた市町村に対して知事は同意をすると、このように考えております。
 このような考え方については技術的助言というような形で明らかにしていきたいと、このように考えております。
○谷博之君 じゃ、こういうケースの場合はどういうことになるかということをお答えいただきたいんですが、例えば一般の市町村でそういう条例を持たない、しかし残すべき棚田等がある、それに対してNPOとか地域住民がその文化財、文化的景観として保存したいと、こういうふうな運動が起きてきているというふうにしますと、どうしてもその市町村では財政等の問題で、村が景観行政団体になることを望まないというか、そこまでいかないというふうに判断したとき、そういうNPOとか地域住民とそれから県とで景観計画の策定を協議して、そして県とNPOとで取組ができるようなそういう条件というか、そういうことはできるのかどうかですね。
○政府参考人(竹歳誠君) 今御質問がございました棚田などを抱える村で、そこを保全したいと、市民も熱心だということですけれども、財政的な状況でなかなかそこまでは踏み切れないというときにはどうなるかと申しますと、まず都道府県が景観行政団体になっていただきたいと。まだ半数は超えたところでございますけれども、是非この法律が通りましたらすべての都道府県には景観行政団体になっていただきたいと思いますが、もし、村はなかなか難しいけれども、都道府県が景観行政団体になっているとなりますと、その棚田のある村については都道府県が景観計画の策定などを通じて保全を図るということが可能になります。
 したがいまして、NPOの方々、この方々は、一定の所有者の同意というのがありますけれども、都道府県である景観行政団体に対して、この棚田を景観計画の中で保存しましょうというような提案もできるということになります。都道府県であるそういう景観行政団体がそういうことをやるという場合には、あらかじめ関係市町村の意見を聞くというようなことになっておりまして、関係市町村の意見も聞きながら、都道府県がNPOの市民団体などとその問題に取り組むことができると、このように考えております。
○谷博之君 それでは、続いて景観法のこの対象地域の問題についてお伺いしたいと思いますが、景観法で指定できる対象地域というのは河川、湖沼、あるいは海ですね海域、これらは含まれるのかどうか。干潟やあるいはサンゴ礁といったそういうふうな地域まで対象地域として含まれるかどうか、お答えいただきたいと思うんですが。
○政府参考人(竹歳誠君) 景観法の第八条、景観計画というところをごらんいただきますと、景観行政団体は、都市、農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域及びこれと一体となって景観を形成している地域における次のような土地、その土地というところに「水面を含む。」と書いてございます。したがいまして、この水面、それから海についても景観計画の対象とすることは可能でございます。また、干潟やサンゴ礁についても、それらがその景観計画を作る行政区域の中にございますれば、そしてそれが必要だと判断すれば、対象区域に含むことは可能でございます。
○谷博之君 私は、各会派の人たちの集まった環境保護団体、国会議員の方々の、ラムサール条約の登録地を増やす議員の会というのがございまして、その事務局長をさしていただいておりますが、日本全国には環境省が指定をしている五百を超える河川、湖沼、すばらしいそういう海岸線あるいは干潟等々がございます。
 特に、そういう中でも沖縄が、五百のうち相当数、百数十指定をされています。今後その国際条約であるラムサール条約の、現在十三か所しか日本は登録されておりませんので、これを二十五から三十五ぐらいに二〇〇五年には指定を増やすということで我々も強く国に要求しているわけでありますが、そういう中の一つに沖縄の辺野古というところがございます。これはすばらしいサンゴ礁で有名なんですが、ちょっとここにこういう新聞のこういう写真が出ておりますけれども、非常にすばらしい景観を持った海岸線なんです。ここを是非、海岸から目視して二キロ以内がもうはっきり見えるというそういうサンゴ礁を、海岸部の美観と一体として景観法のこの対象区域に指定できないものだろうかというふうな率直な考えを持っておりますけれども、こういうふうな具体的な話についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今具体的な地名を挙げられて御質問がございました。
 今の具体的な場所については私ども、具体的な状況については承知しておりませんが、一般論で申し上げれば、先ほど申し上げましたように、地元の景観行政団体が必要だと判断してということになりますれば、海岸と海を含んだ区域、それはもちろん自分の行政区域の範囲内でございますけれども、それについて景観計画を定めるということは可能でございます。
○谷博之君 いろいろとこれからそういう具体的な地元との動き等もあろうと思いますが、率直に言って、日本は島国で周りが海に囲まれておりますので、こういう地域というのは非常に私は多いんだろうと思います。是非そういう点では、これからより具体化されてきたときに、そういう地域、地元とのいろんな意味での協議をしながら、指定地域としてどんどん指定していくような前向きな姿勢をひとつ取っていただきたいというふうに思っております。
 ここで、ちょっと若干視点を変えましてお伺いしたいんでありますが、今国会でいわゆる国民保護法制というのがイラク特でも今議論されております。この実は国民保護法制の中にも景観法と関係する部分が幾つか出てまいります。そういう点で、この部分についてのちょっと整合性といいますか、整理をする意味で幾つかお伺いしたいと思うんですが、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案、これはこれから国民保護法案というふうに言わせていただきますが、この法案の中では、その附則に景観法の一部を改正するというふうに規定が出ておりますけれども、この具体的な趣旨というのはどういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘のあった景観法の条文は第七十七条、「仮設建築物又は仮設工作物に対する制限の緩和」という条文でございます。
 この第七十七条というのは、非常災害があった場合におきまして、災害によって破損した建築物等の応急の修繕でございますとか、国とか地方公共団体等が災害救助のために建築する応急仮設建築物等の建築につきまして、そこが景観地区内だといったときにいろいろ手続があるわけでございますけれども、そういう応急の場合には建築物についての認定等の制限、これについて緩和するという趣旨でございます。
 そこで、国民保護法案との関係でございますが、国民保護法案の規定による住民の避難というのは、武力攻撃予測事態、すなわち武力攻撃の発生前においても実施される可能性があることから、避難住民等を収容し、また避難住民等に医療の提供を行うための施設を武力攻撃予測事態において設置しなければならない可能性があるということで、これらの収容施設とか医療施設は、そういう非常に切迫した状況の中で避難住民の救援を行うために設けるものでございます。
 その性質上、できる限り迅速に設置することが求められるということで、これらの施設については、先ほどの非常災害の場合と同様に、景観法の規定による景観地区の制限を緩和してその迅速な設置を図るということで、そこでこの国民保護法案の附則十二条において景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正を行って、景観法七十七条の規定をこれらの収容施設又は医療施設について準用して、景観地区内の建築物の建築等に対する認定等の制限を緩和すると、このような趣旨でございます。
○谷博之君 非常災害という言葉の定義ということをまずちょっとお伺いしたいと思いますが、それともう一つは、非常災害というのは武力攻撃事態同様に事前に予測可能なものである場合、あるいは可能でない場合という、いろいろあると思いますけれども、例えば予測可能なものと考えた場合、その場合に国民保護法案とは異なって、予測事態のその段階でのいわゆる制限緩和ができなくなることも考えられるというふうに思いますけれども、そのことについての支障がないかどうか、これらについてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 二点お尋ねがございました。
 まず、非常災害の定義でございます。
 災害ということ、まず災害の定義でございますけれども、災害の定義は、災害対策基本法では「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。」と定義されておりまして、非常災害については、この災害のうち非常に大規模なものとこの法律で考えております。そこで、先ほど申し上げましたように、このような非常災害の場合には景観地区の規制についての緩和があるということになっているわけでございます。
 そこで、次のお尋ねは、この非常災害というのは地震とかそういうものが突如とやってきますから、事前に予測が不可能ですから、さっきの国民保護法案と同じようなことはできないわけですけれども、台風のようなものですと事前に予測すると、できるじゃないかと、そうすると同じような手当てが要るんではないかというような御趣旨ではないかと思います。
 確かに、気象技術の発達に伴って、台風についてはあらかじめ接近を予測することが可能とはなっておるわけでございますけれども、大分治水対策も進んできて昔のように何千人も死ぬというようなことはなくなっておりますし、また台風が来て危ない、がけ崩れで危ないというようなときには学校等堅固な建物に避難すると。時間があるだけに、そういう安全な場所に避難するというのが通常で、台風が来るから事前にそういう応急施設を造るということは余り考えにくいんじゃないかということで、この法案ではそういうことは想定していないということでございます。
○谷博之君 今日は文化庁からも来ていただいておりますので、ちょっとこの問題について重ねて関連してお伺いしますが、今度のこの国民保護法案では第百二十五条に「文化財保護の特例」というものが設けられていると思いますが、これは具体的にどういう中身なのか、御説明いただきます。
○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。
 お尋ねの国民保護法案第百二十五条のことでございますが、主に三つの点の規定がございます。
 一つは、文化庁長官は、武力攻撃災害による重要文化財等の被害を防止するため、所有者等に対して、被害を防止するため特に必要があると認めるときは、その保護に関し必要な措置を講ずべきことを命じ、又は勧告することができるということが一つございます。二点目は、重要文化財等の所有者は、文化庁長官に対し、その保護のため必要な支援を求めることができることが規定されております。三点目は、国宝等の所有者等が命令に従わないときは、文化庁長官は、被害を防止するため必要な措置を自ら直接講ずることができるという規定でございます。
 以上でございます。
○谷博之君 今のその説明を受けますと、この第百二十五条には当然天然記念物とかあるいは史跡名勝なども含まれるのではないかと思っておりますが、例えば武力攻撃事態が予測された場合に具体的にはどのような対策を取るのかということになると思うんです。
 例えば、民有地にあるイリオモテヤマネコとかあるいはオオサンショウウオとか、そういうものがいた場合にこれを具体的にどのように保護し守るかということについて、ちょっと具体的に説明していただけますか。
○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。
 その具体的な内容でございますが、この必要な措置あるいは支援の具体的内容につきましては、個々の事例に応じて適切に判断されることになるわけでございます。
 例えば、オオサンショウウオあるいはイリオモテヤマネコ等の野生動物についてでございますが、これは本当、例えばということでございますが、捕獲あるいは安全な場所への移動等、一時的な移動等が可能あるいは有効かつ適切かどうかというその検討がなされる必要があろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、保全のための最大限の努力を行うということでございます。
○谷博之君 具体的なケースということで、そのほかにもいろいろ想定されると思いますが、例えば長野県の千曲市の名勝、姨捨という棚田があります。これは実は大変貴重な棚田でございまして、しかしこれは民有地ですね。こういうところを守るというか保護するという、どのような対策をするのかということも、これまた具体的なケースとしていろいろ説明を聞きたいというふうに思いますし、それからもう一つは、これは先ほどお話ししましたけれども、我が栃木県では日光街道の杉並木、これはもう大変な距離を、宇都宮と日光との間だけでも一万三千本というふうな杉の木が植わさっておりまして、これは今、後ほど申し上げますが、大変枯れて、非常に杉並木の樹勢が今衰えてきているというふうな、そういうことについての我が県の取組もしておりますが、こういうふうないわゆる日光街道の杉並木というのは、先ほど申し上げたように、特別史跡と特別天然記念物の二重の指定を受けているようなこういう地域であります。
 こういうところについての同様の質問に対してはどのようにお考えになっておられますか。
○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。
 長野県の名勝、姨捨という棚田についての具体的な、じゃ、その保護の取組はどう考えるかということでございますが、狭い範囲の史跡、名勝につきましては、偽装、いわゆるカムフラージュ等の措置が考えられるわけでございますが、この名勝、姨捨につきましては、面積が三万一千七百平米という広大な面積を持っております。そういうことでございますので、実際上、有効な措置を取ることが事実上困難なケースかというふうに思っております。
 また、日光の杉並木でございます。日光の杉並木につきましても、これにつきましては総延長三十七キロメートルに及ぶ杉並木でございます。これにつきましても、移動等はほとんど不可能であると思っておりますので、同様に事実上困難なケースでなかろうかと思っております。
○谷博之君 この日光の杉並木の問題について、これは国民保護法制との関係で今質問申し上げましたが、その話と同時に、これはいわゆる文化財という立場から関連をしてお聞きしたいんですけれども、私たちの県では杉並木オーナー制度というのを行っています。一本の杉の木に一千万円の言うならばお金を出していただいて、そしてそのお金の果実でその杉並木の樹勢を回復をしようと、こういうことでやっているわけですね。
 具体的には、今、五百三十二件の団体、個人が一千万円を出資して六百八十二本の杉のオーナーになっていると。全体の中では、何とか手を加えれば回復するであろうという木が大体八千本から九千本ぐらいあるというふうに言われていまして、それはどういうふうにするかというと、杉の木の根っこですね、根っこを保護して、そしてそこにいろんな言うならば措置を講ずるということなんですが、問題はこの杉並木の根っこの部分というのはこれ公有地ばかりじゃございませんで、民有地等もそこに入っておりまして、当然そういう意味ではこの民有地の言うならば取得といいますか、そういうものがあって、その根のやっぱりそういう対策を施さなきゃいけないということなんですが、残念ながら、そういうオーナー制度のそういう益金、資金なんかも使いながらも、県も相当の財政を出しながら、もちろん国からも補助をいただきながら、年間二億円程度の予算を使ってそういう樹勢回復運動をやっております。
 ただ、もちろん民有地をこれから更に買収するというふうな課題もあるわけですけれども、今やらないと、この日光の杉並木というのは大変自動車の交通も激しいですし、排気ガスとか様々なそういう要件によって枯れていくという、そういう心配が非常にございます。樹齢三百年、四百年という大変古い杉並木でありますけれども、これを是非残していきたいというふうなこともあります。
 現在、全体の本数のうちの進捗率が二一・九%、平成十五年度末はそういう状況でして、まだまだ全体の数でいうとわずかでありまして、平成十六年度の目標は一・一%を更に増やそうと、こんなことで二三%を目標に、全体のですね、取組をしようとしているわけですが、こういう動きについて、文化庁はこの日光杉並木の今後の保全の在り方についてどのように考えておられるか、あるいは今後の、住宅地の買収に取り組むことになるわけですけれども、これまでの補助金額じゃ到底進捗しないというようなこともありまして、こういうことについての前向きな対応をどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。
 日光杉並木でございますが、オーナー制度というものを、これは栃木県が考えられて、この売却資金による保護基金を運用することでいろんな保護施策を実施しておられるということで、我々も非常にその取組を評価しておるところでございます。全国でも非常に珍しい取組であろうというふうに考えておるところでございます。また、栃木県が行っております並木の後背地、二十メートルぐらいの後背地を買い上げまして、公有化をしていくという事業でございます。これも着実に進められているものと認識しております。
 文化庁といたしましても、今後ともこのような地域の取組に対し、国庫補助、土地の買上げ等に対する国庫補助あるいは史跡等の追加指定ということで可能な限り支援してまいりたいと思っております。
○谷博之君 是非、これは一つの県の問題だけじゃなくて、やっぱり世界登録遺産、ユネスコのですね、これにも五年前にも登録されておりますし、国際的なそういう、何というんでしょうかね、貴重な遺産だと思いますので、前向きなひとつ御支援をいただきたいというふうに思っております。
 それから次に、屋外広告物法の改正についてちょっとお伺いしておきたいんですが、これまたそれぞれの地方自治体の条例というものがこれに関係してできていると思いますが、私どもの地元の宇都宮市の屋外広告物条例をちょっと検討してみましたら、その十五条に、市長は、違反広告物の設置者又は管理者に対し、美観風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために必要な措置を命ずることができる、こういうふうに条文上、明記されています。
 ところが、これには期間の定めがないわけでありまして、今回、この法の改正によって、例えばモーテルのああいうネオンサイン、こういうふうなものが、条例に違反したこういうような広告物に対してこれまで以上に代執行がしやすくなるというふうに考えますが、この点についての具体的な対応、そしてこの期間の定めも含めて、今後どのようにこうした条例も改正できるようになるのか、お答えいただきたいと思うんです。
○政府参考人(竹歳誠君) 今、先生御指摘になられましたように、まず現行法では、そのような形で野立て看板などの違反している広告物について知事が条例に基づいて除却命令ができるとされているわけです。
 その場合は、現在は行政代執行法に基づいて、相手方が命令に従わない場合であって、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行を行うことができると。この点についてより要件を明確化いたしまして、屋外広告物条例に違反しているため、知事が相当の期限を定めて除却の命令を行ったと、にもかかわらず命令に従わないというときには行政代執行をすることができると、このようなことが今回の法律改正に盛り込まれております。
 すなわち、行政代執行がやりやすくなるわけですけれども、その代わりに相当の期限を定めて除却の命令を行うと、このような仕組みにしているわけです。したがって、今御指摘の宇都宮市の屋外広告物条例につきましても、法案の成立後、現在は相当の期限を定めてということが入っておりませんので、法案が成立いたしましたら、そういう相当の期限を定めて市長が命令を行うと、このように改正をしていただく必要があると認識しております。
○谷博之君 関連してお伺いしますけれども、こういう屋外広告物を取り扱う業者というのがもちろん全国にたくさんあります。これは今まではいわゆる届出制ということになっておりまして、全体で約五万五千社というふうに言われています。当然、大変業者の中にはしっかり仕事をして、法を守って活動している業者もあれば、中には若干問題のあるような業者もあるように聞いております。したがって、いわゆる届出制からできれば更にワンランク上げて登録制にすることによって、こういう悪質な一部の違法業者といいますか、こういう人たちをチェックすべきではないかというような声もあるやに聞いております。
 そこで、この具体的なこういう問題と、しからば登録制ということになればどのくらいの業者が淘汰されるというふうに見ておられるか、お答えいただきたいと思いますが。
○政府参考人(竹歳誠君) 御審議の中で明らかになっておりますように、違法な看板、広告物、また電線、こういうものが日本の景観を非常に悪くしていると、こういう現状認識があるということでございます。
 そこで、全国に膨大な違反広告物があると、こういう現状に対応して、良好な景観の形成を図るとなりますと、個々の違反広告物対策、簡易除却制度の拡充などと併せて、違反広告物の原因となっている不良業者の対策と、まじめに仕事をしている方はたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、一部の不良業者が非常にこういう問題を惹起しているというふうに考えておりまして、こういうような不良業者の対策を講じて、違反広告物が表示されない、こういう体制を作ることが重要であると考えているわけです。
 そこで、今回の法律改正の下で、届出制から登録制ということにするわけでございますが、従来の届出制の下ですと、実は条例違反を繰り返しても罰金三十万円を払えば、また次の日から営業できるということで、罰金だけではなかなか規制ができないということになっております。したがって、今回の登録制にいたしますと、営業停止でございますとか、例えば登録の取消しというふうなことも可能となるということで、不良業者を排除する上で非常に有効な対策ではないかと考えております。
 さてそこで、この対策によってどれだけ排除されるかということでございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、五万五千の届出業者がございます。これは都道府県ごとに届出をしておりますので、ダブりがございますので実際は二万から三万ぐらいかなと考えておりますが、大半の方はまじめに仕事をしておられるわけで、今ここでどれぐらいの業者、不良業者が排除されるということを申し上げることはできません。
○谷博之君 続いて、都市緑地保全法の改正についてでございますが、これ先ほど大江委員からもいろいろと御質問ございました。
 それに対して私も正に同感でございまして、これは大沢委員も多分一緒だったと思いますが、去年災害特で、災害対策の特別委員会で三宅島に防衛庁の最新鋭のヘリコプターで現地視察をさせていただきましたときに、これ三宅島の例ですが、大変ああいう状態になっている中で、あそこに島民がまた戻ってくることを当然前提にして様々な復旧工事をやっているわけですが、そういう中に、原則として新しい橋を造ったり、新しい土手を造ったり、そういうところには三宅島固有のそこに自生する植物を植えるというふうなことで、特にああいう島というのは、一度外来種が入ってきますと、これは蔓延したときに駆除するのが大変になります。
 そういう意味では、これは植物も動物もそうですけれども、そういう意味で、私はそういう地域地域のオリジナリティーなそういう取組というのは必要だというふうに思っています。これはいわゆる生物多様性という、そういう観点になっていくというふうに思うんです。
 これは、先ほどは、そうはいってもいろんな条件があって、厳しい条件のところにはその条件に耐えられるようなそういう植物も使わざるを得ないというふうなこともお話がありましたけれども、しかしそういう帰化植物というのが非常に国内の在来の植物よりもこれ非常に生命力が強くて、そういう点で非常に繁殖力も激しい。例えば水生植物でホテイアオイという植物がありますけれども、これは観賞用の植物として非常にあちらこちらでも売られておりますけれども、こういう植物が一度繁殖しますと、瞬く間にその周りの環境をいわゆる変化させてしまうという、こういうふうなこともあるわけですから、我々はそういう意味では、例えば外来植物を使う場合も相当慎重にこれはしなきゃいけないというふうに思っています。
 特に、そこの一か所だけにとどまらないで、それがほかに広がっていくということが大変心配されるわけですね。そういう点で、そういった内容も含めながら、この都市緑化保全法に基づく緑化、景観形成に際しては、今申し上げたように、地域地域のオリジナリティーを生かすそういう観点からも、また地域の生物多様性を攪乱させない、こういう立場からも、その地域在来の植物の利用を第一に検討すべきだというふうに思います。このことを私はこの法案あるいは、ないしは別の形でも結構ですが、明記をする必要があるというふうに思うんですが、この辺はどういうふうに考えておられますか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今、三宅島のお話でございますとかホテイアオイのお話等々ございました。我々といたしましても、やはり個性のある地域づくり、その地域地域のまちづくりをするという意味で、地域在来の植物、それから地域に固有のいわれを持った植物、こういう活用というのが重要であると考えておりますが、いずれにしろ、これはそれぞれの地域の自主的な選択の面もあると思います。
 先生、今具体的に法律の中に、この都市緑地保全法の中に明記すべきではないかと、できなかったらほかの法律でもどうかということでございますが、なかなかそれを法律に書くというまでには至っていないんではないかと。ただ、今御指摘の重要性、例えば動物についてもカミツキガメが琵琶湖で繁殖して暴れ回っているというふうなこともありますので、やはりそういう外来種の問題についてもきちっと慎重に対応しながら進めていきたいと考えています。
○谷博之君 法律まではというふうなことでありますけれども、これは極めて、今国会でも外来生物を規制する新しい法案も成立をいたしましたし、いよいよこれから日本もそういう意味では生態系をしっかり守るという、そういう時代に入ってきたと思うんですね。
 したがって、先ほど島のお話しましたけれども、ニュージーランド、オーストラリアが世界的にも非常に先進的に取り組んでいるんですが、一度そういうふうな外来生物が入ってきたときにその生態系は全く一変するという、それを元へ戻すのに大変な労力を掛けながら取り組んでいるという、そういう事例もございまして、我々は特に沖縄辺りのマングースとヤンバルクイナの話とか、あるいは元々あそこに在来するそういう動物、植物を守るためにも特に今重要だというようなことも強く主張しておりまして、そういう点ではその重要性をお互いに認識はしていると思いますけれども、更にひとつ認識を深めていただきたい。
 それから、私たちの県では足尾というところがありまして、古くから銅山で栄えた町ですが、煙害によってもう山が完全に全山はげ山になって、もう草木一本生えていない。そういうところに今、急傾斜地に皆が入っていって木を植えて元の姿に戻そうということで、市民団体が年間、年に何回もそういうところをやっていますけれども、そういうときに使われる木についても、草木についても、何を植えるかということをやっぱり慎重に考えながら取り組んでいるわけです。
 こういうことも含めて、私は是非、今までもそうだと思いますけれども、より一層そういう認識を深めた対応をこれからしていただきたいというふうに思っています。
 今国会の委員会も、私の発言する機会もこれで恐らく最後になると思いますので、今度の景観法の法案と別になりますけれども、前回、前々回、二回質問をさせていただいた道路公団の民営化の問題について若干お時間をいただいて、残った時間ちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 具体的には、私はいわゆる実質ファミリー企業と言われている日本道路興運のことを取り上げて質問をしてまいりました。どうしても納得いかない部分がありまして、具体的に何点か重ねてお伺いをしたい。
 一つは、日本道路公団では車両管理業務を合理化して民営化前にも委託数を半分にすると、こういうことで前回の委員会で答弁がございました。一方、国土交通省の方は車両管理、委託している車両が数字的には増えてきているんですよね。いわゆる逆の取組をしているように思うんですが、そうなっている原因は一体何なのか。
 それから二つ目に、この日本道路興運への国土交通省からの発注はいつごろから始まっているのか。そして日本道路興運が、この発注、最初に発注を受けてからずっと継続して受注をし続けてきているのか。
 そして、日本道路興運が初受注して以来の一般競争入札の結果を示していただきたいと、このように考えております。
○政府参考人(安富正文君) まず一点目でございますが、道路公団の対応と国土交通省の対応の違いということでございますが、国土交通省では現在保有しております公用車、約一万台ほどございます。これはいわゆる送迎用の公用車なんかではなくて、それが約五%ぐらいで、残りは道路、河川等の維持管理とか、あるいは災害対策の対応などに用いられる作業車であるとか、あるいは地方整備局の本局と事務所間の連絡車といった業務上必要不可欠なものでございます。
 実は、これらの業務上必要な公用車の運転手につきましては、従来は自ら採用、雇用する技能・労務職、いわゆる行政職の(二)というやつですが、国家公務員ですが、そういう方々が運転をしておったわけですけれども、昭和五十八年の臨調答申、それから同じく五十八年の閣議決定で、今後、この技能・労務職員で対応している部分につきましては、企画調整、公権力の行使、あるいは公役務等にわたり行政として不可欠な機能を直接担う者に公務員を限定するという趣旨から、この技能・労務職員につきましては昭和五十九年以降、原則採用を行わないということにされたわけでございます。
 そういうことから、順次、業務上必要なこれらの公用車の運行管理を民間企業に委託していくという形で増やしていったという経緯がございますので、いわゆる行政の運転手のアウトソーシングという形で従来進めてきたという経緯がございます。
 それからもう一点の、日本道路興運への発注の、いつから始まったのかということでございますが、実は入札関係の書類の保存期間が五年でございます。そういう意味では、国土交通省、以前にもちょっと答弁いたしましたように、四百五十機関がそれぞれ、運転管理業務についてはそれぞれの機関で入札をしておりますので全体を把握しておりませんけれども、国土交通省として記録上把握できるのは平成十一年以降の発注案件でございます。
 この関係で、平成十一年以降の国土交通省の本省関連の入札状況を申しますと、本省関連では、筑波研究学園都市の施設管理センターが発注しました車両管理業務が、平成十一年度から十五年度にかけまして、一般競争入札の結果、日本道路興運が受注してきております。
 また、いわゆるこのセンター以外の旧運輸省本省あるいは国土交通省本省が行った一般競争入札におきましては、日本道路興運以外の企業が受注しているところでございます。
 それから、いつから始まったかということで、実は、先ほど言いましたように五年の保存期間しかありませんので正確なことは分かりませんが、いろいろ問い合わせてみますと、国土交通省全体として、詳細は分かりませんが、過去十年から十五年にわたりましては、旧運輸省あるいは旧建設省の本省では日本道路興運の委託はなかったと聞いております。
 以上でございます。
○谷博之君 六月一日の、安富官房長が答弁しておりますが、ずっと受注をしてきている、それはどういうふうなことでそういうふうに受注してきておるのかというふうに私はたしか聞いたと思いますが、そのときには、日本道路興運の営業努力があるんだと、こういうふうに御答弁をいただいていますけれども、重ねてお伺いしたいんですが、この営業努力の中には、先月問題になりましたが、細田官房長官などへの運転手の派遣とか、あるいは国交省や道路公団からの数十人の天下りの受入れとか、あるいは国交省退職運転手の再雇用、こういうようなものも含まれているというふうに理解していいのかどうか。
 そして、次に、国土交通省が日本道路興運を日本道路公団へ紹介したとの話があるが、これについても事実かどうか、お答えいただきたい。
○政府参考人(安富正文君) 一点目の、六月一日に私が日本道路興運の営業努力という発言をいたしましたが、これはあくまでこの入札において、入札は、先生御存じのように、車両管理業務を委託するに当たって、会計法令等に基づきまして、原則、指名あるいは一般競争、両方ございますが、入札によって民間企業を選定して、最も低い価格を提示した企業と契約すると、これは当たり前でございますが、そういうことで、私が先般申しました営業努力と申しますのは、この入札において最も低い価格を提示する、そういう企業としての努力ということを申し上げたものでございまして、先ほど先生が御指摘になったような、そういう事実関係のことを念頭に置いたものではございません。
 それからもう一点の、いわゆる道路興運を道路公団に紹介したという話があるが事実かということですが、国土交通省として御指摘の事実は承知しておりません。
○谷博之君 いろいろこの問題について聞いてきましたけれども、最後にもう一点だけお伺いしたいんですけれども、このいわゆる日本道路興運が政治資金規正法違反の献金をしていたということが、これは五月の二十四日の新聞にも出ております。規正法の限度超す献金、細田長官給与肩代わり企業、こういうふうなタイトルで新聞がありますけれども、こういうふうな違法の献金をしていたことが明らかになっているわけでありますけれども、こういうことによっていわゆる一般競争入札の参加要件並びに指名競争入札の有資格者の要件に照らして問題はないのか、今後の入札参加に問題となることはないのか、お答えいただきたい。
○政府参考人(安富正文君) 今の先生の方から御指摘ございました、日本道路興運という会社が政治資金規正法の総額制限を超過した献金を行っているとの報道があったことは我々も承知しておりますけれども、この報道だけでございますので、その政治資金規正法の適用に関して私どもの立場としてコメントする立場にないというふうに考えております。
 ただ、一般論として申しまして、この日本道路興運による車両管理業務の履行につきましては、当然いわゆる業務上いろんな不正があるというようなことになりますと、指名停止等の措置を講ずるということになるわけでございますが、現在、車両管理業務の履行につきましては我々としても、車両管理の確認日誌等を提出していただいておりますので、それをチェックしておりまして、業務は適正に行われていることを確認しております。そういう意味で、現在のところ指名停止等の措置は講じておりません。
 ただ、国土交通省の指名停止等のいろんな基準がございますが、請負業者が業務に関し不正行為等があった場合というほかに、例えば代表役員等が禁錮以上の刑に当たる犯罪の容疑で公訴を提起され又は禁錮以上の刑若しくは刑法の規定により罰金刑を宣告された場合には指名停止措置を取ることとしております。そういう意味で、こういう事態になりましたら、そういう措置を講ずるということがあり得ると考えております。
○谷博之君 私、手元に五月二十四日のその新聞があるわけですけれども、ここには、要約をしますと、政治資金規正法は上限を超える違法な献金をした側と受け取った側双方の罰則を定めていると。
 この日本道路興運の上限額というのはそれでは幾らかということでありますが、寄附の限度額は企業の資本金で決まっておりまして、同社の場合は上限は年間七百五十万円ということであります。この企業は、細田官房長官の運転手給与約三千百万円を肩代わりしたといういわゆる運転手派遣会社でありまして、二〇〇〇年から二〇〇二年までの三か年間に政治資金規正法の限度額を超える、言うならば献金をしていたと。細田長官が肩代わり分の給与を献金として収支報告書を訂正したためにそういうことの結果になったということであります。
 私は、この企業の具体的なこういう問題が起きているわけでありますが、これは最後にちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、こういうある意味では、この違法な営業努力をしているこういう企業に対して、引き続き国土交通省はこういう車両管理の業務の大半を任せ続けていくのかというふうなことを私は非常に危惧をしているわけなんですが、この点について前回、前々回にも若干関連する質問もさせていただきましたけれども、こういう具体的な新聞報道なども出てきている中で、今後このことについて検討する考えはないかどうか、お伺いしたいと思っています。
○国務大臣(石原伸晃君) 営業努力については、政府参考人の官房長の方からそのようなものを念頭に置いていないという答弁がございましたので、営業努力ということが何を指すのか明確ではございませんのでちょっとコメントを差し控えさせていただきますが、請負業者の業務の不正行為があった場合にはこういうものは見直すということも政府参考人から明確に答弁させていただきましたように、そういう事態に至れば考えさせていただきますが、車両管理日誌等々を見て業務が適正に行われているか、今私どもの方で調べている中では違法な行為というものが見付からない以上は、その指名停止の措置を講ずるということはできないんじゃないかと考えております。
○谷博之君 時間が参りましたので、まとめに入らせていただきますけれども、先ほどお許しをいただいてこの道路公団の問題についても再度質問させていただきましたが、この法案の質疑についてはもうずっと時間を掛けて当委員会でもされてこられておりますから、中身については触れませんけれども、しかも法案が成立しておりますから、そのとおりだと思いますが、いずれにしましても、こういういわゆる国の様々な機関に関係をするいろんな企業等について、私は非常に今、世間の目というのは非常に厳しくなっているということをもうひしひしと感じておりまして、これは先ほど大江委員から三菱自動車の話も出ましたけれども、要は、今の我々のこの国も、あるいは民間企業もそうですが、やっぱり緊張感を持っていろんなことに当たらないと、もうこれは国民がやはり許さないという大変厳しい視線を持っているということだと思うんです。
 それは、個々の企業、例えば三菱なら三菱の問題について言えば、三菱の企業は大変大きな痛手を受けるわけであります。だけれども、それはじゃそこの企業だけがそうかというと、やっぱり全体にこの影響というのは必ず来ます。
 ですから、例えば我々政治家が、まあいろんな年金の未納問題等もありました。いろんなマスコミでも報道されていますけれども、そういうふうなことが話題になればなるほど、これは政治家全体の地盤沈下に陥っていることはもう間違いない事実だと思うんですね。
 ですから、この企業だけを私は何回も取り上げて質問させていただきましたけれども、この企業だけではないそういう大きなやっぱり癒着、そういうような、もし事実としてあるとすれば、これはやっぱり私はお互いに問題は問題として明るみに出して、そしてきちっとしたやっぱり対応を本当の意味で、三菱のようになってはいけないと思うんですよ。次から次へ出てくるという、こういう体質であってはいけない、そのことを私は強くこの問題を通じて感じておりますので、是非これは最後に私の一つの要望ということでお聞きいただいて、今後の対応をしていただきたいと思っております。
 大変どうもありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(輿石東君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。
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○森本晃司君 いよいよ国会も会期末になってまいりまして、この委員会でいろいろと大臣等々に質問をさせていただくのも終わりに近づいてまいりました。私自身にとって最後の質問ではないかと思っております。公明党の森本でございます。道路問題等々もいろいろと議論をさせていただきました。
 私は、今日提案された景観緑三法、これは多くの国民が期待していたものに違いないと。私は、この委員会でこの問題について議論できること、大変うれしく思っているところであります。
 日本の自然は美しいとよく言われます。しかし、日本の景観は美しくないともよく言われるんです。で、もうそう言われたときに私は、残念ながらそれを自信を持って否定することはできないと思っております。いろいろと派手な色彩やデザイン、ばらばらであったりする、あるいは電線が至るところに、美しい景観のところに張り巡らせているということ、これは日本じゅういろんなところを歩いてみて実感します。
 私は旅をするのが好きでありまして、この六年間、ほとんど日本列島全部を歩き回りました。また、同時に、私はそのときカメラで日本のすばらしい景観を撮るのを一つの趣味ともしておりまして、随分撮りました。しかし、美しい景色だなと思ってカメラを構えてファインダーをのぞいてみますと、そこに非常に邪魔になるものがある、電線がしかりであります。それから、派手な広告物がすばらしい建物のすぐ横にあるというのを、ぶち壊しだなと残念に思うことが物すごくあります。
 私の県の奈良県の写真を撮りますと、この人の右に出る人はいないと今も語られております今は亡き入江泰吉先生がよくおっしゃっていました。当時まだ日本のガードレールは白しか色は使えなかったときであります。入江先生はよく嘆かれたのは、せっかくの奈良のこのすばらしい写真を撮るときに、突然真っ白なガードレールが入ってくる、写真はぶち壊しだと、よく私にも何とかならないのかとおっしゃっていただいたことが今も耳に残っております。
 幸い、旧建設省でそのガードレールの色をいろいろと変えること、あるいは形を変えることもできまして、その点については随分改良された。それだけに、あと今度はガードレールだけではなしに電線等々を含めて美観を伴うようにやっていかなければならないんではないだろうかと、こう思っておるところでございます。そういう意味で、今回この法律に取り組むことができること、すばらしいことであります。
 先般、私は伊勢市のおかげ横町へ行ってまいりました。ここはかつては電線が張り巡らされており、それから看板もそれぞればらばらでございました。建物もばらばらであった。この間行ったら、もう見事にこれは整理がされている、美観が保たれている。伺うと、この伊勢市で電線地中化をやったり屋外広告物の撤去に取り組んだところ、平成四年には年間観光客三十五万人であった観光客が、平成十四年には約三百万人と九倍にもなっているということでございます。もう確かに行ってびっくりしました。もう大変なにぎわいであります。
 また、私の奈良県の橿原市に環濠村で有名な今井町というのがございます。ここは同時に、江戸時代の建物が残っているところでございます。多くの大名が泊まったりした家もそのまま残っている、非常に歴史的建物の多いところでございますが、この今井町も歴史的建造物群保存地域、地区などの制度を活用して町並み保存を図りました。
 そうしますと、平成七年から平成十四年にかけて観光客が一・六倍になったというふうに聞いておるわけでございまして、この景観三法を整理していくこと、これを推進していくこと自体が、今、小泉内閣が掲げ、さらにまた、石原大臣が観光担当大臣になっていただいたわけでありますけれども、そういった観光立国ということを大いに進めていくことのできるものであって、我が国の豊かな、景観を美しくし豊かにし、多くの観光客、そして多くの人々の心と目を養っていく、慈しんでいく場になるかと思いますが、そういう意味で大変な意義があると思います。
 この三法に取り組む大臣のまず所感をお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま森本委員が後段で御指摘され、また午前中の質疑で藤野委員も御指摘されましたように、やはり季節、日本の、日本はすばらしいけれども、景観は必ずしもすばらしくない、こういう声を聞くようになりました。
 そういうものに対して、都道府県があるいは市町村が独自の条例を出して取り組んでいらっしゃったわけですけれども、強制力の問題等々で十分ではなかった。また、委員の開陳の中でも、この問題の提起というものは時宜を得て国民の多くの方々が期待しているというお話がございましたように、やはり経済優先、効率性優先のまちづくりから、都市化が一段落した今こそ一度立ち止まって、国民の多くの方々が周りを見回して、自分たちの暮らす町というものが、あるいは農山村というものが本当にこのままでいいのか、そういうものを考えたときに、やはりこれからは物質的な豊かさではなくて、日本が固有に持っていた、あるいは伝統的な建造物が持っていた、あるいは史跡が持っていた美しさというものを再認識する上で、この景観緑三法というものが様々な規制を加えることによりまして、その新しい姿を作っていく役に立てればと、こんな気持ちを持っているところでございます。
 そして、もう一点付言させていただきますと、後段、森本委員が御指摘されましたように、やはり良好な景観、委員は美観という言葉をお使いになられましたけれども、美しい町並み、美しい景色、入江先生のその写真の中で、ファインダーの中に、すばらしい景色の中に白いガードレールがあるということは、本当に素人から言いましてもすばらしい写真が台なしになる、それと同じようなことがあるわけでございますし、またそういうものが、ああ日本はすばらしいな、本当にすばらしいところだなと外国の方が思っても、何であそこに白いガードレールがあるんだ、電線が張り巡らされているんだ、こういうものに対して是正をしていくことによって観光というものにも大変大きく役立つ、そういう位置付けで今回法案を準備をさせていただき、ただいま御審議をいただいているところでございます。
○森本晃司君 また、そういう形でこれから取り組んでいくわけでございますが、地方自治体の方を見ますと、この間、今年の二月、私は秋田県の角館へ観光セミナーに行ってまいりました。そこで、いろいろとシンポジウム等々行いました。あの角館、さすがでございます。冬でも観光客を呼ぼうということで取り組んでいる町でございまして、景観を保つために電線地中化とかそういった問題にしっかりともう取り組み始めています。そういう地域もあります。
 しかし、一方、全くやる気のない地域も地方自治体によってあるんではないだろうかと、私はそのことを思いますが、先般、衆議院で行われましたこの参考人質疑で西村参考人、東大の西村教授がおっしゃっております。今回の景観法案に関する特色を私なりにまとめてみますと、非常に大きいのは、地方公共団体の景観条例、これはもう五百を超えていると思うんですけれども、これに法的根拠を与えるという意味で、地方分権を後押しする形の法律になっていることだと思います、これはすばらしいことだと西村先生がおっしゃると同時にもう一つおっしゃることは、地方自治体に法的根拠を与えるという後押しをするような法案だということですから、逆に言うと、熱心な自治体は大変頑張られるかもしれないけれども、熱心じゃないところは何もしないでも済むかもしれない、そうすると自治体間の差が付きかねないということがあるわけですね、この問題をどうするのかと、こういうことを指摘されておられます。
 これは、やはり国としてそういった地方自治体をどう喚起させるのかということも大事でありますが、その取組をどのように考えておられるのか。これは都市局長にお願いします。
○政府参考人(竹歳誠君) お答え申し上げます。
 良好な景観形成を進めていくためには、景観行政団体となります地方公共団体、これの意欲ある取組が極めて重要でございます。御指摘のとおり、公共団体、全国三千余ございますが、以前から大変熱心にこの景観問題に取り組んでこられた実績のある公共団体から、今までほとんどそういうことに取り組む機会のなかった公共団体まで様々ございます。
 現在は都市間競争、地域間競争の時代でございまして、個性ある地域の発展でございますとか、美しいまちづくりのために個々の自治体や地域住民等の意欲というのが何より大事だと思います。したがって、意欲はあるけれども知識や経験が不足していると、こういう地域も多々あると思います。国としては、国としての責務にもございますように、こういう啓発普及活動ということも非常に大事でございまして、説明会の開催でございますとか専門家の育成、派遣など、大いにバックアップをしていく必要があると思います。
 具体的には、専門的知識の普及や専門家の育成のために地方整備局を活用したいろいろな催物でございますとか、国土交通大学校におきます公共団体向けの研修等、このようなことも積極的に行ってまいりたいと思いますし、今回できる法律、先ほど御指摘がございましたように百七条、景観法、百七条の法律で大変大きいものでございます。この制度について十分御理解いただくということもまずこの景観行政に取り組む始めだと思いますので、この法が施行されることになりましたら、積極的にそのような説明会等にも取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○森本晃司君 伊勢の例等々を見ますと、地方自治体が取り組みました。もう一つ、この事業者とか住民もやはりこれは協力しないとなかなか町の美観というのも、あるいは道一つ出ているところ、店の出ているところをちょっと下げてもらうにも、やはり無理なところがあるのではないかと思います。
 この辺の事業者や住民との関係をも含めて、国、地方自治体、どのような連携を取りながら進めていこうとされているのか、伺います。
○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のとおり、国、地方公共団体のみならず、事業者、住民を含めた多様な主体の連携ということが必要でございまして、この景観法案におきましてもそれぞれの責務というものを定め、それぞれの立場に応じた役割を果たすということを期待しております。
 そして、具体的にこの多様な主体の連携をどのように図っていくのかということでございますが、これはやはりこの法律に書いてございます景観計画、景観地区の都市計画、こういう具体の計画作りという中で多様な主体の方々を通じた地域の合意というものを作っていく必要があると思います。
 そして、この景観計画を定めるようなときには、公聴会の開催等、住民の意見を反映させるための必要な措置を講じると、このように定めてございますし、さらに条例で有識者の方とか第三者機関の意見を聴くというような付加的な手続を行うことも可能としているということでございますし、住民はさらに景観計画の提案もできるというようなことで、先生御指摘のような国、地方公共団体、事業者、住民の連携を図るような運用を図れるようにしてまいりたいと、このように考えております。
○森本晃司君 景観を保っていくということになりますと、日本の象徴的なものに富士山があります。かつて、この東京、江戸の町はいろんなところから富士山を見ることができたと言われております。フジヤマ、ゲイシャという言葉がございますけれども、日本の、外国の方々がお見えになってやはり象徴的に見られているのもこの富士山ではないかと思うんです。
 この東京、非常に起伏が多くて、そして富士山が見えると。かつて富士山、ですから、東京にはいろいろ富士見坂とかいう地名がたくさんございますが、富士見坂は今、東京都内に十六あると言われているんですが、その中で一つだけ富士山の見える坂が、富士見坂があるというのは日暮里富士見坂と言われているわけであります。ここでいろんな方々がこの景観を保つために頑張ってくださっております。これはダイヤモンド富士というのが見えるそうでございます。夕日を背にして美しいシルエットを見せる富士山、ダイヤモンド富士と言われて、年二回、冬よく晴れた日にしか見ることができない風景、これを守ろうと一生懸命地域の人たちが頑張ってくださっております。
 ちょっとここで私の知り得た秘密を明かしますと、議員会館からもこのダイヤモンド富士が見える場所があるんです。実は私は写真を撮りました。藤野先生もいらっしゃいますが、我々の七階の一番向こうの窓、あれは冬の日の夕日が差し込むとき、あそこに行って富士山を見ることができるということを少々お知らせして、無料でどうぞ、皆さん、七階から見えます。私はもう写真に収めていますが。例えば、その私のちょっとしたその楽しみでございますが、あの前にぼんとビルが建ってしまえばもう見ることはできないんですね。
 東京の十六のうちの一つの日暮里の富士見坂、その前に、私は写真を見せてもらいましたけれども、もう既に危ないですね、左側にちょっとビルがこう見えている。で、右の方にビルがあって、その上に貯水タンクが見えているという状況になっています。あそこ守ろうと一生懸命されているんですが、例えばそういう美しいところを残していくこともこの景観三法の中で私は進めていかなきゃならないことだと思うんです。
 ただ、その場合に、この日暮里の富士見坂というのは荒川区にあります。その前の、その眺望景観をそのまま残そうと思えば、荒川区でいかに頑張ったところで、その向こうに、お隣に台東区や文京区の建物があるわけでございますが、それをやっぱり御協力いただいて規制しないことには、その富士見坂も、日暮里富士見坂の富士山も見えなくなってしまうということであります。
 そこで、その眺望景観を保存するために、隣接の地方公共団体との連携が必要となると考えますが、景観法ではこのような連携を促進するための措置が講じられているのかどうか、この点についてお伺いいたします。
○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のございました富士見坂を始めとする眺望景観を保全するため、その眺望景観を遮るような建築物や工作物の高さを規制するとか、こういう手法については今回の景観法の中にも手法としては盛り込まれているところでございます。
 諸外国でも、ロンドンでは例えばセントポール大聖堂を望む眺望景観の保全を図っておりますし、パリでは例えばシャンゼリゼ通りから凱旋門の眺望を確保するためのいわゆる眺望景観の規制が行われております。
 で、今お話がございましたように、この眺望景観というのは非常に広域的なものでございまして、今回の景観法では景観行政団体が例えば市町村ごとに定められていくということになりますと、その隣接する広域的な協働というものが必要となってまいります。そのために、今回の法律の中にも景観協議会というようなものを設けまして、例えば今の眺望景観についていろいろ協議をしようということになりますと、関係する公共団体が集まってそういう規制の調整を行うということになります。
 いずれにしましても、今御指摘がございましたように、やはりここを守ろうというまず合意があって、それからそれをどのように実現するかと。で、実現の手段については法律の中に様々用意をしてあります。したがいまして、外国とか国内の事例も参考にしながら、そういう合意形成をどのような形で実現するかというようなことを今後研究しながら進めていく必要があると考えております。
○森本晃司君 景観の保全の中には、その地域に歴史的建造物がある場合、それを保存することは極めて大事ではないかと思っております。随分そういうことが守られているところもありますし、以前こういうところがあったなというところを訪ねてみますと、かつての旅館のすばらしい建物が今は大型薬局に変わりまして、その上に看板がどんと立っているという状況に変わっている地域もあるわけでございます。
 ここで私はちょっと、その歴史的建物を保存することで、神奈川県の大磯の例を挙げてみたいと思うんです。
 大磯というのは、もう御承知のように、吉田茂首相始め歴代のいろんな政財の人物が別荘を作られた地域であります。明治から昭和にかけて多くの著名人が別荘を設けました。代表的なものだけ挙げても、伊藤博文、大隈重信、山県有朋、陸奥宗光、岩崎弥太郎、安田善次郎、島崎藤村、ずっと挙がっていきます。これらの別荘というのは、もう当時の最先端の洋風建築や純和風なものがあって、敷地内の庭園やあるいは屋敷森あるいは林が残されており、その数はかつて百ほどあったとも言われているところでありますけれども、いろんな相続や相続税の、相続の問題や企業の不振やあるいは開発の圧力で、現存するものは今二十六か所になっていると伺っています。
 最近では、平成九年に鍋島直大氏の別荘が、平成十二年には久原房之助、これは日立鉱山の創業者の別荘が取り壊されて、いずれもマンションとなっている。最近、三井守之助氏の別荘も取り壊してマンションが建設される予定となっているというふうに聞いています。
 こういう明治から昭和初期にかけての建造物というのは、大磯だけではなく、全国各地に貴重な歴史的資産となってありますが、これをどのように保存するのか、この問題に対応するために、景観法では新たに景観重要建造物を法律上位置付け、税制上の支援措置を講ずることとしておりますが、その内容はいかがなものか、お伺いいたします。
○政府参考人(竹歳誠君) 例えば、京都市内だけを見ましても、年間一千軒以上の町家が滅失しているというような調査結果がございます。また、倉敷市におきましても、実例として、相続税が大変なために、本当は住みたいんだけれどもというお気持ちがあったんですけれども、結局は市に五億七千万で売却したというような事例もございます。
 このような非常に歴史、文化の薫りのあふれた建物をきちっと維持保全していくということが良好な景観、良好な美しいまちづくりに大いに役立つわけでございますが、今御指摘のように、税金、相続税の問題で持てないというようなことが多いということで、現在、この景観重要建造物につきましては相続税の評価上の減税をしてくれというような関係省庁と調整をしているところでございます。
 重要文化財の指定を受けますと、所有者が居住している場合、相続税の評価、六〇%減額の措置が講ぜられております。ただ、重要文化財の場合には中もいじってはいけないということでございますが、景観重要建造物については外が、外観が守られればいい、内部の改変は可能だというようなことで、その使い方について差があるわけでございまして、そういうようなことも念頭に置きながら、建物、敷地について、その利用上の制限の程度に応じた適正な評価を行うと、そういうようなことを今関係省庁と協議しているところでございます。
○森本晃司君 歴史的建造物についての取組、是非、今おっしゃっていただいたことを評価させていただきますが、しっかりと取組、また進めていってもらいたいと思っております。
 しかし、それだけでは十分ではないかと思うんですが、今も話がありましたけれども、相続税の減税と併せて、歴史的建造物を市町村が買い取り、又は土地を借地して都市公園として整備し住民に開放することも選択肢の一つとして検討すべきものではないかと思っております。
 私の奈良県の大和郡山市に大和民俗公園がありまして、そこに重要文化財を含めまして十一の民家が移築の上で復元されております。
 仮に、土地を都市公園として買い取ることができれば、所得税、法人税の五千万円控除の適用もあるなど税制上のメリットもあります。しかしながら、ここで都市公園法上の規制が問題となってくるわけでありまして、現在、都市公園法及び施行令では、都市公園に立地する歴史的建造物の建ぺい率については一律一二%以内とするとの規制が掛かっているわけであります。
 建築物を公園の中にたくさん建てて、敷地の中に、いろんな建築物の中に公園があるのかという具合に思われる、余り緩めるとそうなってしまうんじゃないか、公園の中にきちんと建物が建っているという感じにならないんではないかと、そういう話も私は分からないわけではありません。
 しかし、公園なのか敷地なのか分からないということと同時に、一二%以内の建ぺい率制限掛けるとした場合に、この制限を超える建物、この建物、歴史的建造物を都市公園制度の中で保存しようと思えば、歴史的建造物をいったん解体して外へ持っていかなければならないということが、大規模な公園に移さなければならないということになってくるわけであります。
 是非この点、その地域のシンボルとして、シンボルとなるような歴史的建造物というのは、長年の歳月をともにしてきた地域の中で保存してこそその意味が見いだされるものでありまして、そこで、少なくとも都市公園法施行令の歴史的建造物に関する建ぺい率制限、緩和すべきと考えますが、大臣の考え方をお伺いいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が、前段は大磯の別荘のお話をされ、またお地元の奈良県の民家の歴史的な建物の保存のお話をされました。
 そんな中で、その歴史的建造物というものを周辺の屋敷林とかあるいは庭園と併せて保全するということは非常に私も効果的な方法ではないかと考えております。
 そんな中で、委員の御指摘は、その建ぺい率一二%、ですから、多くのものが建たないという、そういう話であると思うんですが、その歴史的建造物の保全に都市公園制度を活用しやすくするように、やはり建ぺい率制限、今は一二%になっておりますけれども、これを大幅に緩和することを検討しておりますし、これから成案を得るべく努力をさせていただきたいと考えております。
○森本晃司君 次に、都市緑地保全法についてお尋ねをしたいと思っております。
 緑の基本計画でございますが、都市住民にとって真に住みやすいまちづくりを進める上で、環境、景観、防災、レクリエーションなど多彩な機能を有する都市の緑の保全と創出が必要であるということは言うまでもありません。
 この基本計画、ちょうど平成六年の都市緑地保全法の改正によって新たに創設された制度であります。当時、私は建設大臣をさせていただいておりまして、その法改正のときの審議の中で、身近な緑を作っていくことについて、緑の基本計画制度の創設を契機として関係行政機関の連携や住民の方々の参画を進めていきたいと、こういう趣旨の答弁を当時させていただいたことを覚えております。
 その後十年ほどの間に緑の基本計画が都市の緑の施策を推進する重要な手段として定着してきたこと、これはもう私は大変喜ばしく思っているところでございます。計画策定済みの市町村というのは平成十五年三月末で五百五十三市町村となっております。その件数を見ると、東京、愛知、大阪府など、人口の多い都市においてその策定が進んでおりますが、それ以外の県では少ない傾向となっておるわけでございますが、これまでの緑の基本計画の策定状況をどのように評価して、またそれを踏まえて今後どのように緑の基本計画の策定を推進していくのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(竹歳誠君) 森本先生が建設大臣当時、この都市緑地保全法改正というのが平成六年に行われまして、それから十年もたちました。
 今回の法律でも、この緑の基本計画が今後の緑地政策の基本だということで、都市公園、緑化地域、緑地保全地域等々、全体を支える大きな役割を果たしてきているわけでございます。
 今、策定状況について一部御紹介がございました。これを人口別に見ますと、百万人以上の都市では一〇〇%、五十万人以上の都市では九〇%、五万人以上の都市だと八〇%ということでございますが、人口五万人未満の比較的小規模な都市ではこれが策定中及び策定済みの都市が二三%と低い状況でございます。ただ、人口が少ないから熱心でないのかと申しますと、そういうこともございません。例えば人口約三万五千の奈良県の御所市では金剛・葛城山ろくなどの景観を生かして古墳群などの史跡文化財、自然景観などを評価して、それを散策路でつないだ水と緑と歴史のネットワーク作りを市民参加ということで進めております。
 私どもといたしましては、こうした優れた取組の紹介など緑の基本計画の策定を支援する情報提供などによりまして、今後とも全国の都市における緑の基本計画の策定というものを推進してまいりたいと考えます。また、緑の基本計画を策定することそのものに加えて、計画に位置付けられた地域づくりを市民など多様な主体の協力の下で実現していくということは何より意義が大きいと認識しておりまして、そのような観点からも引き続き推進してまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○森本晃司君 同時に、緑のネットワークでは、田舎の田園風景あるいは棚田風景、こういったことをやはりこれからも保全していくことが必要だと。先ほど来も議論ございましたので、前置きは省かしていただきますが、その点について農水省、それから都市整備局長の考え方をお伺いします。
○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。
 棚田などの農村の美しい景観につきましては、健全な農林漁業が営まれていまして初めて形成、維持、保全できるものというふうに考えておりまして、農水省としましては、これまで中山間地域におきます直接支払制度などのような制度を導入しまして、その振興に努めておるところでございます。
 この景観法案におきましては、今朝ほども御説明しましたけれども、農村の景観の維持保全を図るために、一つは景観と調和の取れた農地の利用への誘導を図るということで、市町村が景観農業振興地域整備計画を策定していただくということにしておりますし、また景観を保全する上で耕作放棄地等が出てはこれは元も子もないわけでありますから、こういう耕作放棄地の発生を抑制するために景観整備機構が農地の利用権を取得できるような措置も考えているところでございます。
 このほか、林業につきましても、景観に配慮しました林業施業を促進するような措置も講じているところでございます。
 特に、森本委員御指摘の農村に特徴的な景観を有します棚田につきましては、その形状や石積み、石垣積みを保全するための地域の取組を景観農業振興地域整備計画に位置付けることによりまして、棚田の特色ある景観の形成の促進に資するものというふうに考えております。あわせまして、事業面におきましても、棚田保全に資します支援措置としまして、立地条件に配慮しました簡易な農地整備あるいは農業生産基盤の不利を補正するための、先ほども御紹介しました中山間地域等直接支払の制度を実施しているところでございます。
 いずれにしましても、今後、関係省庁とも連携しながら美しい農山漁村づくりのための取組を進めてまいりたいと、このように考えております。
○政府参考人(竹歳誠君) ただいま農水省の方から御答弁申し上げましたことに加えて、農地を含めた緑の保全のための様々なプロジェクトということを政府全体として取り組んでおります。
 一例として申し上げますと、特に緑の少ない大都市につきましては、平成十三年に都市再生本部で都市再生プロジェクトの第三次決定ということで、大都市における都市環境インフラの再生、こういう中で、まとまりのある自然環境の保全につきまして、首都圏を対象に国土交通省、農林水産省、環境省及び都県市から成る協議会を設立し、首都圏に残された畑や田んぼ、里山、樹林地などの多様な緑を保全する方策について議論を行って、今後の取組を首都圏の都市環境インフラのグランドデザインとして取りまとめております。
 また、近畿圏につきましても、本年三月に関係省及び府県市から成る検討会議というものを設立いたしまして、景観を形成する山地、身近な農地や里山、ため池や古墳など、近畿圏特有の自然環境の保全を図るための省庁間、分野間で連携した取組について検討を進めているところでございます。
○森本晃司君 私の持ち時間があと十二分となってまいりました。ほかにこの問題について通告をさせていただいておりますが、時間の都合上、質問をできないこと、今日お見えいただいている関係者の皆さんに御承知おきいただきたいと思っております。
 残り時間でどうしても私は言っておかなければならないことがございます。それは、この間の三月二十五日の道路の問題でいろいろと無駄を省こうという話の中で、私は羽田空港の問題を取り上げさせていただきました。これは、やはり今のこういった時の流れで無駄な公共工事は省いていこうということに国を挙げて今取り組んでいかなければならないときであります。国民の皆さんもこの問題に関しては非常に強い関心を持っているところであります。
 私は、これは今日は景観法でございますが、羽田の問題を取り上げるのも私は景観法と関係ないと思ってはいないんです。なぜかというと、あそこに二十三メーターの高さのものを果たして建てることが景観としていいのかどうかという問題もあるわけでございます。当然、空港でございますから、これはまず安全を第一にして考えなければならない。そういった意味で、私は二十三メーター、この議員会館のような高さのものをあそこに建てる必要があるのかと、もっと工夫することができるんではないだろうかということを申し上げ、石原大臣もそういった無駄を、石原大臣もそのときおっしゃったことは、様々な取組でコストを下げていく努力をすることを肝に銘じると、このように御答弁いただきました。
 その後、検討していただいたようですが、新聞紙上で見ると、納得のできない答えが今、新聞紙上踊っています。局長、答えてください。どういう検討をして、どう節約をしようとしたのか。
○政府参考人(石川裕己君) 前回、先生からの御質問がございました。そういう中で、現在の検討状況を御説明させていただきますと、平成十三年の十二月にこの新滑走路の計画を策定した当時、B滑走路沖を航行できる船舶の高さというものは進入表面の制約から五十四・八メートル以下とされておりました。したがいまして、新設のD滑走路につきましても、高さ五十四・八メートルの船舶が同様に航行できるように航路を、航路自体を約十度曲げた上に、滑走路の高さを二十三メートルと計画をしたわけでございますが、実はその当時からも海事関係者からは、将来の船舶の大型化に備えて、東京港への入港可能な船舶の高さというものについては再拡張計画においてはより高く設定してもらいたいとの要請もあったところでございますが、今、先生からお話がありましたように、先日の委員会において先生から御指摘がございました。新たな基準表面の考え方を導入することにより、滑走路の高さを低くしてコスト縮減を図るべしという御提案でございました。
 私どもとしても、船舶のような移動物件に対しましては、ICAOの無障害物評価表面という新しい基準表面を導入すれば、当初予定されていたB滑走路のかさ上げが不要になるとともに、先ほど申し上げましたD滑走路、二十三メートルという高さを下げてコスト縮減を図るということが可能ではないかと考えておりまして、現在、具体的な高さについて検討中ということでございます。
○森本晃司君 何メーター下げることができるんですか。
○政府参考人(石川裕己君) 先ほど申し上げましたように、具体的な高さについては、滑走路沖を航行する船舶の高さ、この関係を考慮する必要がございます。その場合に、将来の船舶の大型化をどの程度見込むかということについてどう考えるかということがございます。
 そういうことで、海事関係者からは、東京港への入港船舶の高さに制限を加えることがないように要望しているという点もございますが、その辺について詳細に私ども意見を伺って検討をしてまいりたいと考えております。
○森本晃司君 まだ局長答えていないけれども、私はあのとき、アメリカのいろんな方法とかいろんなことを、国際的な方法を取り入れれば八メートルから十五メーターぐらいになるという話だったというふうなことも検討してくれと私は言った。いろいろ検討された。今も局長は何メーターか答えないけれども、三メーターしか下げないんじゃないんですか。その点はどうなんですか。
○政府参考人(石川裕己君) 現在様々な数字を検討してございますが、一つの考え方として三メートル下げるということも検討しております。
○森本晃司君 いかほどの節約になりますか。
○政府参考人(石川裕己君) この滑走路の形状につきましては一部斜めのところもございますけれども、約三メートル下げた場合には約百億円程度の節約になると考えております。
○森本晃司君 私はあの当時、三月の時点でいろいろ議論をしたときに、場合によっては、すべてその八メーターまで持っていけとは言いませんけれども、一千億ぐらいは下がるんじゃないかなというぐらいのものも検討してもいいんじゃないかというぐらいの話をした。わずか三メーター、しかも百億程度と。国民の皆さんに、果たしてこれで航空局が後世の皆さんにきちんとやったということが言えるんですか。
 私は、今も局長の答弁の中におかしいものがある、マストの高さは、あのときの議論で二十三メーターというのは、マストが五十四・八メーターで計算して二十三メーター、それで議論をしたんです。今、局長の話になると、大型船が通るから、恐らくそれは今六十メーターぐらいにマストの高さはするんだという話。三月二十五日の話のときにその六十メートルのマストの話は一つも出なかった。五十四・八メートルを基準に二十三メートルになったんです。節約せよと言ったら途端に今度は、それを三メーター下げますが、マストの高さは上がっているんですと。何でわずか一か月の間でマストの高さが上がるんですか。
 五十四・八メートルというのを、その海運関係者と話を決めてこの高さでいこうと決めたときはいつだったんですか。
○政府参考人(石川裕己君) 先ほど申し上げましたように、平成十三年に計画の原案を作った際からも、当時からも、海事関係者からは、将来の船舶の大型化に備えて再拡張時においては現在の船よりも高い入港船舶ということを考えてほしいという要望はあったところでございます。したがいまして、急に出てきたわけではございません。従来からそういう要望があったことは事実でございます。
○森本晃司君 高さを上げてもらいたいと言いながら、そういう話があったと言うけれども、じゃ二十三メーターという基準はどこで作ったんですか。五十四・八メートルだから二十三メーターという高さになったんじゃないですか。
 それが余りにもでっかいから下げろと言った。そして、新しい基準を用います。それを検討したことは僕はすばらしいことだと思う、よく頑張ってくれたと思う。しかし、どうも私はごまかしがあるように思えてならない。なぜかと。そうするんだったら、そのまま五十四・八メートルのものですべての計算をやったらどうなんですか。わずか一か月ほどの間で急に、下げろと言ったら今度はこっちが上げると。上げりゃ少ししか下がらないのは当たり前の話じゃないですか。
 これは、何か急に六十メーターに、余り下げたくないから六十メーターと言う。それは船舶の関係者は昔からそんなことおっしゃっていたかと思う。だけれども、僕が聞いた話は、きちんと五十四・八メーター、今その人は船舶関係者におられないけれども、いろいろと話し合ってそう決まったと言っているんですよ。
 六十・何ぼというのは、前から高さが、それからコンテナが入るから、いろいろ言っている。コンテナ、大型のコンテナが入ると言うても、関係者に聞くとマストの高さはそんなに上がるものじゃないと言うんですよ。船の幅は広がるけれども、マストの高さはそんなに上がるものじゃないと言っているんですよ。
 それに、しかもまだ六十メーター通るか通らぬか、そんなのいまだ通ったことないんでしょう。仮に、これから一体一年間で何そう、その六十メーターの船が通るんですか。その通るとききちんと規制掛ければ、一年のうちにそうあるわけやないでしょう。それ、きちんと規制を掛けることもできるはずです。そうしたら、そんな年に何回かしか通らない船を勝手に、まだ通ったことのない船を想定して、そして、それでしかも下げる高さをわずか三メーターしか下げない、そんな無駄遣いやってええんですか。
 これは大臣、ちょっとお伺いいたします、その点について。
○国務大臣(石原伸晃君) 御指摘の滑走路の高さについては政府参考人から御答弁させましたけれども、新たな基準表面の考え方というものを導入すれば下げられるということが明らかになりましたし、今、三メートル下げたときの試算で百億という話が出てきました。
 森本委員がおっしゃっている六十・七メートルと五十四・八メートルの間に六メートル差があるわけですから、船舶が、コンテナ船の高さが現行どおり五十四・八メートルで横に広がるんであれば、それだけでも今の三メートルの倍の六メートル、合わせて十メートル削減、削減というのは高さを削減することができるわけでございますので、しっかりと船舶関係者とも話をさせまして、更なる削減を目指して検討させるよう指示をさせていただきたいと思っております。
○森本晃司君 大臣、ありがとうございました。是非、そういう方向に進めていっていただきたい。
 私は、最後に国会で皆さんにお願いをするわけでございますけれども、大事な国民の税金を我々は使わせていただきます。それだけに、我々が無駄を省くということ、これはお互いが、行政とも、また我々政治家も一致していかなければならない。道路のときも全くそういう思いで新しい道路民営化が進んでいくわけでありますから、是非そのようにしていただきたい。大臣のお言葉を承りまして大変心強く思っております。
 なお、この問題について、考え方については、私はこれから話す機会がなくても、我が党内にムダ遣い一掃対策本部というのを設置しておりますし、同時にまた行政効率化関係省庁連絡会議が政府の中に設けられておりますから、それぞれの場で行っていかれることと思いますし、私は無駄遣い、我が党の一掃対策本部のメンバーに、この問題についてはどこまでもやろうということを相伝しておきたいと思っておる次第でございます。
 以上です。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(輿石東君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、田村公平君が委員を辞任され、その補欠として愛知治郎君が選任されました。
    ─────────────
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 資料を配付をお願いいたします。
   〔資料配付〕
○富樫練三君 今日は私、法律案が三本出ておりますので、それぞれ伺いたいと思います。
 最初、都市緑地保全法一部改正に関連しまして、一、二伺いたいと思います。
 今資料を配付しておりますけれども、埼玉県の所沢市と三芳町というところがありますが、この周辺三市二町にわたる三富新田周辺地域というのがございます。今、「イラストで見る三富開拓地割遺跡」というコピーをお配りしているかと思いますが、三つの富と書いてこれはサントメと読むわけです。
 この場所というのは江戸時代から新しい新田の開発が行われたところで、屋敷と農地と平地林、つまり雑木林が一体になって独特の景観を作り上げています。平地林の木を燃料に利用して落ち葉を堆肥とする伝統的ないわゆる循環農業、これが豊かな農地を作り上げています。ホウレンソウとかあるいは里芋など、東京を始めとする都市への野菜の供給地であります。現在でも営農意欲の高い農家も多くて、この点でも貴重な地域になっています。
 この資料を見ていただければ分かりますように、上のところはイラストでありまして、手前の左側の方に屋敷地というのがあって、ここに農家の住宅があります。その右上の方に耕地というところで、これが畑であります。その右上の方が雑木林になっています。幅が約四十間、七十二メートル、奥行きが三百七十五間、これが左右にずっと連檐しているところが下の写真になります。これは写真のコピーで分かりにくいんですけれども、左右に黒くなっている部分が、これがいわゆる雑木林の部分ということになります。この雑木林の黒い部分がむしばまれているわけですけれども、ここが雑木林が切り倒されて売られたところ、そういうところであります。畑はかなり昔のままで残っているところもたくさんございます。
 この平地林と農地と屋敷地が一体となった、こういう景観というのは大変貴重なものというふうに評価されております。埼玉県も地元もこれを保存しようということで一生懸命、今、頑張っているわけですけれども、これをしっかりと保存していくことが都市緑地保全法の趣旨からいっても大変大事なことではないかというふうに感じるわけですけれども、政府の認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今お配りいただきましたこの三富開拓地割遺跡、すばらしい農村景観が残されていると思います。
 今回の景観法もそうでございますが、都市における周辺の里山、畑地、農業地域と都市が一体としていい環境を作っていくということから、こういう緑については貴重な空間として保存していくことも必要だと考えております。
○富樫練三君 これは、政府は今年の三月に首都圏の都市環境インフラのグランドデザインというものを作りましたけれども、その中で、この地域は首都圏の保存すべき自然環境の一つというふうに選ばれているわけです。
 そういう中で、埼玉県としては、みどりの三富地域づくり懇話会というものを立ち上げました。そして、緑の、これの保存のための提言も出しています。県の農林部やJAなどが一緒になりまして、農業振興協議会というのも発足をさしています。また、文化財保護条例によって、近隣の十一地区、二百十ヘクタールがふるさと埼玉の緑を守る地域として指定されています。
 こういうふうに大変な努力が行われているにもかかわらず、実は、このいわゆる雑木林が次から次と切り倒されていく、削減されるという現象に歯止めが掛かっておりません。今から四十年前、一九六一年には千二百六十二ヘクタールあったものが、この間の平成九年、九七年には七百十一ヘクタール、約半分ぐらいまで減っているわけであります。関越自動車道で練馬のインターから約二十分、所沢インターチェンジからわずか十分程度という便利なところであるために、これが逆に産業廃棄物の処理場とかあるいは工場の進出、こういうふうになっているわけであります。
 どうしてそういうことになってしまうのか。平成十三年の調査によりますと、相続税の負担が大きいから売らざるを得ないというのが七七・七%、約八割に達しているわけであります。所有者が亡くなったとき、まず平地林から売り払って、ばっさりとその部分の雑木林が切られていくというのが現状であります。この三富新田地域のように循環型農業の場合に、平地林と農地は完全に一体化しているわけであります。平地林あっての農業生産であり、したがって農業を守るためにはこの農地に適用されております相続税の納税猶予制度、これを平地林にも是非適用していただきたい、こういう要望が大変強く出されているわけであります。
 この点について、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(石井道遠君) 税のことに関しましてお答え申し上げます。
 改めて申すわけでもないことでございますけれども、相続税と申しますものはもう財産課税でございます。取得しました財産の価値そのものに対して負担を求めるものでございますので、基本的にはすべての財産を平等に扱うことは課税の公平として必要であろうというふうに思っておる次第でございます。
 その中で、今、先生御指摘のとおり、農地に関しては納税猶予という特別な制度が現在あるわけでございまして、今、先生からの御指摘は、農地に関する相続税の納税猶予の制度、その対象に農地のみならず平地林まで含めるべきではないかという御質問でございます。
 今、農地について相続税の納税猶予制度の特例がしからばなぜ認められているのかという点についてでございますけれども、これはもう御承知のとおり、農地については農地法というものがございまして、農地の利用あるいは転用あるいは譲渡というものについて非常に大きな制限が掛かっております。私権が基本的に強く制限をされているという法律上の位置付けがございます。
 これは、申すまでもなく、農地法の基本にございますいろいろな農業に関する基本的な施策、これを踏まえてのそういう仕組みが取られているわけでございまして、このようなことを踏まえて、異例の措置として農地について今の納税猶予制度がございますので、今、先生おっしゃいました平地林について事情が、今申しました利用、転用、譲渡等についての制限に関する仕組みそのものが異なっておりますので、農地と同様の事情にない平地林についてまで今の農地に関する相続税の納税猶予制度の特例を拡大するということは適当でないというふうに私どもは思っております。
○富樫練三君 まだまだ財務省の方は理解が不十分だというふうに思います。もっと研究をしていただきたいというふうに思います。
 それは、ここの場合、江戸時代にこういう形で作られたものなんですね。これは、農地と林というのは一体化しているわけなんですね。林から出てくる落ち葉が堆肥になって、それで農地を豊かにしていくと、こういう関係にあるわけですから、この畑にとってこの林というのはなくてはならない必要条件になっているんですね。ですから、農地として評価することも可能だと、こういう、ここの考え方をもう一歩先に進めていただきたいというふうに思うわけです。
 ここと関連してもう一点伺いますけれども、こういう循環農業を支えてきた平地林を守るということで、地元でも大変いろいろな努力をしています。しかしながら、相続などでどうしても売らざるを得ない、こういう土地所有者が出た場合に、自治体がその土地を買い取って保全をするということは極めて有効な手段であります。ところが、県も市も町も大変財政事情が苦しい、こういう中で、この買取りが大変大きな負担になっています。
 そこで、首都圏近郊緑地保全法、この法律に基づいて、国の区域指定を受けた上で自治体が特別保全地区に指定をすれば、自治体が土地を買い上げる際に国の補助金が五五%になります。今回改正の都市緑地保全法、これでいった場合には補助が三分の一と、こういうふうになるわけであります。ですから、自治体はどうしても首都圏近郊緑地保全区域に指定してもらいたい、こういう希望が県にも地元にもあるわけであります。
 こういう要望について、制度そのものを大いに活用するという角度から、これが必要だと思いますけれども、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(薦田隆成君) 今、先生が先ほどもおっしゃられましたように、この地域につきましては首都圏における都市環境インフラの再生という都市再生プロジェクトの一環として取り組んでおるところでございます。
 この取組の中で、おっしゃられたように、この地域を残された貴重な保全すべき自然環境の一つとして位置付けて、保全、再生につきまして県、それから地元の市町、私どもも入りまして検討を進めてきておるところでございます。ワーキンググループを作ってやっておるわけでございますが、その中で、正におっしゃられた近郊緑地保全区域の指定につきましても保全方策の一つとして提案が含まれておるところでございます。
 御承知のとおり、近郊緑地保全区域は、首都及びその周辺の地域の現在及び将来における住民の健全な生活環境を確保するために、一定の要件を備える近郊緑地を指定してこれを保全するものでございます。この地域の新たな近郊緑地保全区域の指定につきましては、今後とも、地元地方公共団体等とも協力しながら、効果的に緑地保全が図られますよう私どもとしても前向きに進めてまいりたいと考えております。
○富樫練三君 この問題の最後でありますけれども、大臣に考え方をちょっと伺っておきたいと思います。
 私が今日申し上げましたのは、こういう地域を保存していく、保全をしていくというためには、一つは、やはり土地を守っていく上で相続税の納税猶予制度、この活用と、もう一つは、自治体が買い取るときの補助率を三分の一から五五%に引き上げるための対策、両方ともやればできることであります。しかし、これは国の方がそういうふうな考え方に立たない限り実現はなかなか難しい、こういう制度でもあります。
 この点について、積極的に大臣の方で取り組んでいただきたいと思うわけですけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 富樫委員の御質問は二点に集約されると思うんですけれども、一点目は、営農農家ということで農地と同等の扱いをしろと。
 これに対しては、政府参考人の答弁にありましたが、税の世界でいうと、それを、平地林を農地と同じように扱うということは、平地林もそれをそのまま保全するということが掛かってくるわけであります。それをすべての所有者の方々がそういう形としてお認めになるかというと、実はそうでもないから現実に平地林の部分が売買されている、ここのところを整理する必要が私もあるんだと思います。そこが整理されて、もう平地林も農地と同じで、だれもがこれは個人の財産であるけれども制限を受けても構わないというコンセンサスができると、委員の言われるようなことも検討の課題に私は入ってくるんだというのが第一点。
 二点目は、政府参考人も、これも国土計画局長の方から御答弁をさせていただきましたけれども、効果的に緑地保全が図られるように検討を進めると答弁をさせていただきましたし、私どもも、都市再生プロジェクトの一環として、ここだけじゃなくて船橋とか、千葉県の、いろんなところの地域も、あそこは台地ですけれども、都心からすぐ近くの保全すべき緑地としてどうしていこうかということを地元の方々と考えている。そういう一環の中で、政府参考人から御答弁させていただいたように、地方公共団体とも協力して保全に努めてまいりたいと考えております。
○富樫練三君 二つ目の問題について伺いたいと思います。
 それは、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についてであります。特に直接関係するのは、屋外広告物関係についてであります。従来、都道府県や政令市、中核市など九十五自治体において屋外広告物条例が制定されております。私どもは、地域の美観を損なう営利目的の無秩序な広告物を取り締まることは当然だというふうに考えております。
 そもそも、屋外広告物法の一九七三年の改正時に、屋外広告物規制と国民の基本的な人権、表現の自由、思想、信条の自由、これとの関係で大きな議論になった経緯がございます。その結果、この法律には、国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意すべき、こういう修正が加えられたものであります。
 ところが、実際にはどうかといいますと、例えば、昨年、兵庫県で平和行進を知らせるポスターを張っていたら逮捕されてしまったとか、あるいは、一昨年は茨城県で有事法制反対のポスターを張ったら屋外広告物法違反だと、条例違反だとして警察の妨害を受けたとか、こういう問題が後を絶ちません。
 これらはいずれも不起訴になっているわけでありますから、逮捕したり妨害をした方が正しくなかったということはその後証明はされているわけでありますけれども、しかし、こういう不当な人権侵害やあるいは思想、信条の自由の妨害、これが行われています。こういうことの口実に屋外広告物条例が使われているわけであります。
 この法律の本来の趣旨に反して人権侵害が行われている実態、この法律に責任を負う国土交通省、どう把握されていますか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘のありましたように、前回、昭和四十八年に法律を改正したときに、衆議院の修正で屋外広告物法第十五条というものが追加されました。これは、今おっしゃいましたような表現の自由とこの屋外広告物の規制ということについて、政治活動の自由の問題等々踏まえてこの改正が行われたわけでございます。
 この改正を受けまして、各自治体の条例におきましては、例えば公職選挙法のために使用するポスター等については禁止地域でございますとか許可地域、ここに定められておりますけれども、その適用除外を置くということ、それから公職選挙法の適用のない一般的な政治活動につきましても、営利活動と非営利活動を区別して様々な適用除外などの措置が講じられているわけでございます。
 屋外広告物の違反状況は千六百万件ということで膨大な数がございますが、このほか、警察庁に報告のあった平成十五年中の屋外広告物条例違反による事件というものは六百七十七件ございます。このうち、今、委員のお尋ねは、そういう政治的なものはどれぐらいかというようなお尋ねでございますけれども、これについては司法手続の中で処理されておりますので、私どもとしては把握をしておりません。
 ただ、今、委員から御指摘もございました、また衆議院の審議の中でも穀田議員からも今の兵庫又は大阪の事例についての御指摘がございましたが、一般的に申しますと、この政治活動のための広告物についてはこのような措置を講じておりますので、公共団体の屋外広告物担当部局から、現行制度につきまして政治活動の自由の阻害について苦情が出ているというようなことは聞いていないわけでございます。
○富樫練三君 中身について国土交通省はほとんど関心を持っていないというか、今聞いていないというお話がありましたけれども、実態はそうではないということを厳しく指摘をさせていただきたいと思います。
 法律には、国民の基本的人権を不当に侵害しないよう留意すべき、こういう条文があるわけですけれども、その徹底を図ると言っているんです、いつも。ただし、その趣旨は全く守られていないという場合が多くあるわけです。こういう人権侵害の口実にされている法律が今回の改正でその対象が全国に広がる、こういうことになります。
 景観を守るということが目的でありますから、そういうことであればそういう地域に限定するべきだというふうに思います。そういう対策を取るべきではありませんか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今回の屋外広告物法の改正は、景観法の制定に伴いまして、良好な景観を作るために改正するわけでございます。したがいまして、屋外広告物の定義でございますとか制度の基本的な枠組みに変更はございませんし、政治活動に関連する広告物の取扱いに何ら変更を加えるものではございません。
 そこで、今御指摘のございました、そういう景観行政のために必要な範囲に限って規制を行えばよいではないかということでございますが、今回拡大するのは人口五千人未満の町村で、今までこのような屋外広告物についての規制が許可制を取ることができませんでした。ただ、諸外国、イギリス、フランス、ドイツなどを見ますと、やはりこういう自然豊かな場所に野立て看板が立っているというのは規制されているわけでございまして、今回、都市だけではなくて、周辺の里山、棚田等々、周辺の自然環境と併せて日本じゅうの景観を良くしていこうということで、今回、今まで五千人未満という制限がございましたのを外して拡大したというわけでございます。
 重ねて申し上げますけれども、今回の改正はそのような政治活動に関連する広告物の取扱いに何ら変更を加えるものではございません。今まで各自治体においても条例でいろいろ努力はしてきておりますけれども、条例を見ますと確かにばらばらな面もあるということで、きちっとしたルールを事前に明示するということも大事だと考えておりまして、今回の法改正と併せて、技術的な助言という形で、そういう点についてもう一回確認し、更に明確にしてまいりたいと考えております。
○富樫練三君 問題点ははっきりしておりますのでね、今度、新法でいいますと第二十九条が国民の基本的人権を守ると、こういうことになるわけですが、この点について正に厳密に守っていくということを主張して、次の問題に移りたいと思います。
 次は三つ目の問題、景観法についてであります。景観法については何点か伺いたい点がありますけれども、時間まで伺っていきたいと思います。
 一つは、景観計画とか景観地区を決定する場合の住民参加の問題であります。
 今回の景観法というのは、景観保全に法的な根拠を与えるという点では私どもは一歩前進であるというふうに評価をしております。何が良好な景観なのかということについて、都市局長は衆議院の方でこういうふうに言っています。「何が良好な景観であるかについて、地域の実情に最も精通した公共団体の判断にゆだねるということにしております。」と。さらに、「景観計画や景観地区を決定するための手続として、公聴会の開催等の民意を反映する手続を経ることを義務づけております。」。こうやって住民参加を保障しようという姿勢はあるのかなというふうに思っています。
 ここで言う、公聴会等と言っておりますけれども、これは公聴会以外にはどのような方法を想定しているのかをまずお聞かせください。
○政府参考人(竹歳誠君) 典型的な例で申し上げますと、公聴会の開催以外に説明会の開催を行うということが考えられます。
 公聴会と説明会の違いでございますが、公聴会というのは、景観計画の案について住民が公開の下に意見陳述を行う公式的な手続ということになります。これを法律上義務付けているわけでございます。説明会というのはもう少しインフォーマルでございまして、景観行政団体が住民に説明し、意見交換を行う、このようなことが一つあります。
 また、このほかにも、地域のあるべき景観の方向性についてアンケートを行いますとか、まちづくりの協議会によるワークショップ、そういうような様々な場を通じまして、地域の実情に応じてこのような住民の意見を反映することが必要ではないかと思います。
 既に、ワークショップの例といたしましては、例えば長野県の飯山市愛宕町雁木通りでは、このワークショップ等を通じて、雁木通りの復活、雁木の復活や案内板のデザインの工夫とか様々なそういう試みも行われておりまして、そういうものをいろいろ活用しながら住民の意見を反映させてまいりたいと、かように考えております。
○富樫練三君 もう一つ、そういう住民参加を積極的に進めながら、景観協議会というのは、先ほどの質問でもちょっと出ましたけれども、住民の意向を反映させるという角度から見ると、この景観協議会に対して積極的に住民を加えていくということの対策が必要だというふうに思います。局長は衆議院の方では、「住民の合意に支えられた良好な景観」というふうに、こう言っています。少なくとも合意に支えられたと言える状況を作り出す、そういうことが必要だというふうに思います。
 景観協議会の組織については、「加えることができる。」という規定になっておりますけれども、むしろ積極的に加えていく努力をする、この点についてはいかがですか。
○政府参考人(竹歳誠君) 確かに御指摘のとおり、法律の形は中核的なところはまず行政でございます。それから公共施設の管理者、景観整備機構というような公的な主体でございますけれども、そのほか様々な団体、観光や商工、農業の関係団体の方とか電気事業者等々、そして住民やNPO法人等となっております。
 私どもはやっぱり住民の方々、住民の方々というのもいろんな方がいらっしゃると思うんですけれども、住民の方々にこの景観協議会に入っていただくというのが今後の良好な景観のまちづくりという意味で必要であると考えております。
○富樫練三君 是非そういう方向で進めるべきだというふうに思います。
 この景観法関連の二つ目の問題ですけれども、地方自治体の方がこの問題ではずっと先行しております。先ほどもそういう御意見がございましたが、実態がそうであります。先行している自治体が条例を作っているわけですけれども、これと後発といいますか、これから進める法律による景観の保全、これとの関連について伺います。
 今度の景観法について、自治体関係者から様々な意見が出されています。一つは、現在行っております自治体の景観行政の足を引っ張ることがないようにしてほしい、こういう率直な意見であります。例えば、衆議院の参考人質疑の中で、金沢の市長さんが、市町村の自主性が最大限に尊重される、柔軟な運用が可能になる政令や運用指針にしてもらいたい、こう言っております。金沢市は、もう御承知だと思いますけれども、たくさんの条例を定めて、幅広い景観行政、とりわけ総合的な風景計画というのを持っています。それだけにこうした意見を尊重することが大事だというふうに思います。
 関係者の中では、景観法が上限となって、それ以上の対応が取れなくなるのではないかという不安も出ています。過去に都市計画や建築基準の制度において大きな議論になったこともこれはございます。法の運用に当たって、市町村の自主性を十分尊重して、多くの自治体で努力が重ねられてきたこの景観行政、足を引っ張ることはないでしょうね。この点は大丈夫ですか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今回の景観法の立案に当たりましては、まず地方の公共団体でどんな取組をされているか、どういう点を困っておられるかというところをお聞きすることから始めました。足を引っ張るのではなく、バックアップするというのが今回の景観法の目的でございます。
 したがいまして、景観法によりまして規制力が与えられるわけでございます。今までの自主的な景観条例の精神や枠組みの良さを生かしながら法的な力を活用していただく、また建築基準法の規制緩和、それから税制上の措置、こういうことが国が法律を作ることによって可能になるということで、全面的にバックアップする構えでおります。
○富樫練三君 現時点では、政令、省令、基準、こういうものが示されておりませんからはっきりしない点もあるわけですけれども、おそれの問題として、例えば金沢市の場合に条例で景観、用水、水ですね、それから斜面緑地、こまちなみなど、多くの範囲で規制を掛けています。ほかの自治体でも個々の条件、状況に応じた様々な施策、規制を行っています。例えば、金沢市の場合は眺望のシミュレーションに基づいて規制をしている条例、建築基準法上はクリアできるんだけれども、条例で規制して、絶対的な強制力はないんだけれども、建築主に協力を求めている、こういうことがございます。
 今日は資料を、これは金沢市の資料を配らせていただきました。ホッチキスでとじた二枚物であります。一枚目のこのコピーの上のところに、「まちづくり条例に基づく手続き」というのと、その右側に「景観条例に基づく手続き」というのがございます。その右側の方の二つ目のところに「景観自己診断書、シミュレーションの作成」というのがございます。それからずっと来まして、下から四段目のところに「通知または助言、指導、勧告」というのがございます。これらを経て、下から二段目の許可、了承というところまで行って初めて建築確認の申請ができる。したがって、建築確認申請の前に、この一番上から下から二段目のところまで、これだけの手続をやるということに、かなり厳しいことをやって景観を守ろうとしています。
 このペーパーの右下の方にシミュレーションの作成ということで写真が二枚あります。小さい写真なので拡大しまして、二枚目のコピーに作り直しました。この写真を比べていただきたいわけですけれども、現在の景観は左上のところです。そして、右下のところのこれは建築物が建築された後のシミュレーション写真で、この道路の正面奥の方に大きなビルが二つできる。これがシミュレーションであります。これを前のところの手続からいきますと、上から二つ目のところに、シミュレーションを作ってこれを提出する、ここから協議が始まると、こういう格好になっているわけであります。
 大変分かりやすいこれは資料だというふうに私も金沢市のを見て関心をしましたけれども、こうやって景観法ができると、景観法そのものでは眺望についての規定がないために、建築主が法を盾に取って、逆に、金沢市がやっているのは行き過ぎではないのか、こういうことがやられて、こういう市のやっていることに協力をしない、法律を守ればいいのではないか、こういうふうになるおそれが心配をされていると、こういうことなわけであります。したがって、こういうことを背景にして、金沢市の担当者やあるいは国会での金沢市長の意見陳述は、余り細かい基準で縛られてしまうと逆効果になるということも同時に言っているわけであります。
 したがって、景観法の中で、自治体の対策とか要請を尊重すると、こういうことをきちんと決めておくべきではないかというふうに考えます。これから政令、省令、基準などが示されると思いますけれども、その中で、しっかりと地方自治体の対策、これを尊重するということを位置付けるべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今具体的な例として金沢の例がお話しされたわけでございますが、金沢、京都など非常に景観に熱心に取り組んでおられる経験、知見というのは他の公共団体にとっても大変役に立つと思います。
 そこで、この金沢の場合には、例えばこのように守るべきものがはっきりしているというときに、今の法律上は許されても金沢の指導に従うというような例として今お話しになられたわけですけれども、我々の問題意識は、正にこういう届出、こういうシミュレーションの形で従ってくれないと、それが正に法的な力が欲しいというのが各公共団体からの声だったわけでございます。
 したがって、今回の法律でそういう地方自治体の取組をバックアップする規制力を与えるということでございますから、これを存分に使っていただけると、今回の法律がいろいろな地方の今までの独自の取組を阻害するというようなことは考えられないわけでございまして、もちろん今後のいろいろな政省令等々で検討してまいるわけでございますけれども、基本的には公共団体が道具を自由に使っていただける、その道具を提供するというのが今回の法案の役割だと、このように考えているわけでございます。
○富樫練三君 ということは、金沢市ではこういうシミュレーションをやっているわけですけれども、仮に、例えば建築基準法上はこういう規定はないじゃないか、都市計画法上もこういう規定はないではないかといった場合に、今度の景観法ではこういう規制を加えることができると理解してよろしいですか。
○政府参考人(竹歳誠君) ここのシミュレーションにございますように、この突き当たりの眺望を、ここにこういう高いものが建たないような都市計画を作ると。今まででもできたわけですけれども、やはり景観法というようなこういう基本法がないと、やはり自治体は都市計画のこの道具を使いにくかったという現実がございます。
 この景観法というのは、基本理念、基本的な責務を定めると同時に、具体的な対策を定めているわけでございまして、この景観法を十分活用いただければ、金沢市が目指しているものは当然実現できるということになります。
○富樫練三君 景観法を十分活用していただければと言いますけれども、それは、あなたがおっしゃっているのは都市計画法を十分活用していただければということと違いますか。
○政府参考人(竹歳誠君) 景観地区、景観法と都市計画法、これについて一番の大きな違いは、デザインとか意匠、形態意匠についても景観法ではできるようになりました。その他の建築物の高さ、敷地面積等々、壁面のセットバックとか、そういうものは今の都市計画法でもできるわけでございます。
○富樫練三君 だから、あなたがおっしゃっているのは、デザインとか色とか、そういうことは今度規制できますよ、ただし、これは都市計画法に基づいて景観地区というものを決めた場合に高さについて一定の制限を加えることができると、こういうことでしょう。
 ですから、先ほどの金沢市のシミュレーションでいえば、こういうビルを規制しようと思えば、これは都市計画法に基づいて景観地区を指定してそこの高さ制限をしない限りは、景観法だけではこれを規制することはできないんじゃないですか。そこを正確にしてくださいよ。
○政府参考人(竹歳誠君) この金沢の例につきまして、多分ここにお示しになっているので、このシミュレーションの結果、この事業者は金沢の指導に従ったからここに載せておられるんだと思いますけれども、問題は、そういう法的根拠のない条例、要綱、指導の場合には、これが民間事業者がそれを突っ切る場合があるわけです。
 この場合にはうまくいったかもしれませんけれども、事業者が法律上認められるんだからと指導に従わないという例が多々あるということで、公共団体の中からはこのような景観法、哲学と手段をはっきり提供してほしいと、このようになったわけでございます。
○富樫練三君 聞いていることに全然あなた答えていないね。
 私が言っているのは、高さを景観法で、景観法で高さを規制することはできますか。できるか、できないかを言ってください。
○政府参考人(竹歳誠君) 計画に定めればできます。
○富樫練三君 それは都市計画法による景観区域じゃないですか、景観地区じゃありませんか。例えば、景観計画の区域、これは景観法でできますね、景観計画の区域。ここでは建築物のデザインや色を制限することはできます。届出制度もあります。制限に適合しない場合の勧告制度もあります。しかし、勧告に従わなかったからといって、例えば建築確認をストップすることはできますか。
○政府参考人(竹歳誠君) できません。
○富樫練三君 だから言っているんですよ。ところが、これは景観法ではできないんです。ところが、都市計画法に基づく景観地区を指定した場合、この場合にはこれは可能なんですよね。だから、私が言っているのは、景観法ですべてできることではないんだと。都市計画法をきちんと活用することによってこういうシミュレーションを、出てきた場合に、これを規制するのはどこが規制するかといったら、条例だけでは規制できない。できませんよ、これは。したがって、都市計画法に基づいて規制しなくちゃ駄目なんだと。あなたの話を聞いていると、景観法で何でもできるような話をするけれども、それは違いますよと。ここははっきりしておいてください。
○政府参考人(竹歳誠君) 景観法で二種類の規制を考えたわけです。景観地区というような厳しい規制ができるところ、しかしながら、みんながそれをいいと言わないかもしれない、ただ周りは緩い形だけれども景観を作っていこうと、こういう二種類の道具を作ったわけです。
 ですから、その道具をどう使うかというのは、その地元の公共団体のお考え一つということで、景観法で何もできないというわけじゃなくて、もちろん景観法、都市計画法、いろいろな法律があるわけでございます。都市緑地保全法とか、景観を作るためにいろんな法律があるわけでございますから、それをひとつ計画という中で活用していくというのがこの景観法の一番大きなねらいだということでございます。
○富樫練三君 問題はもうはっきりしていると思うんですね。
 ですから、景観法も私どもはそれなりの評価をしています。あわせて、都市計画法、建築基準法、そういう法律を総合的に活用しながら保全をしていくということが大事なのであって、どうも局長の話を聞くとこの法律は万能なように聞こえますけれども、決してそうではないということも併せて理解しながら対応していくということが必要だというふうに思っています。
 私は、景観の中で、それはデザインや色の問題も大事だとは思います。しかし、非常に大きな比重を占めるのは建物の高さだというふうに思っています。ですから、都市計画法に基づいて景観地区を指定して、その中で高さを制限する、このことは大変大事だというふうに思っています。
 その中で、景観地区に指定をしますと、景観は保全できるんだけれども、そのことは同時に一定の私権の制限を伴うと、こういうことにも同時になるわけです。ですから、無制限にこの区域を広げるというのはなかなか困難を伴うと、こういう性格のものでもあると思います。
 そういう場合に、例えば景観地区の外側に超高層ビルなどが建築されれば途端に景観は破壊されてしまう。よく挙げられる例ですけれども、平等院がその例でありますし、さらに国会議事堂の周辺も同様であります。したがって、区域を設定するのはいいんだけれども、どうやってその全体、地域全体を守っていくかということを、先ほど複数の自治体の問題が、問題点が提起されましたけれども、協議会で対応するという答弁がございました。ただ、なかなかそれも簡単にはいかないものだろうというふうには思っています。
 そこで、身近なところで、この国会のところにも大変大きな超高層ビルができております。国会の建物がすべてだというふうには思いませんけれども、しかしながら、景観上配慮ができなかったのかという思いの方も少なくないだろうというふうに率直に思っています。
 こういうことの対応についてどのように考えているのか。こういうことが次から次と起こっていけば、せっかくの景観法を作っても効果は半減するのではないかというふうに思っています。これらの対策についてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(竹歳誠君) 今、国会議事堂周辺の景観のお話がございました。こういう問題が起きましたので、千代田区では現在、国会の正面から見てどういう景観になるのかという先ほどのようなシミュレーションをして、いろいろな都市計画法の都市計画の運用をするというように変わってきているわけでございまして、例えば議員会館の建て替えの問題がございますけれども、これについても、やはり同じような手法で国会議事堂とその新しく建てられる建物の調和というようなことを考えているわけです。
 いずれにしましても、今回、いろいろなこの景観を守り育てていくための手法を盛り込んだ法律を提案させていただいたわけでございまして、この中で、スポットだけではなくて、その周辺も含めてこの景観計画、景観地区というのを活用して、日本の景観を良くしていくということが大事だと考えているわけでございます。
○富樫練三君 千代田区でシミュレーションをというふうに言っているようですけれども、シミュレーションやってみなくても、もう現実に大きなビルが二本も建っているわけでありますから、毎日それを私どもは見ているわけで。
 これと関連して、この間の日経新聞でこういうことが出されています。国会周辺、国会議事堂周辺では近年、次々と民間の高層ビルが建ち唐突な光景が出現した。近くの神社などから容積率を買い規制基準を満たして許可されたのだが、景観への影響が配慮された形跡はない。形骸化した数量規制のつじつま合わせはしても都市の姿には意を払わない。都市計画の無策が街を醜くした典型的な例であると、日経はこういうふうに言っているわけなんですね。
 日経新聞が、都市計画の無策、こう言った現行の都市計画あるいは建築基準制度、そしてそれらを貫いているのは、私はやっぱり開発最優先の考え方、こういうことだろうというふうに思います。こういう状況を転換しない限り、実は伝統的な町並みを守ることも、それから近代的な景観を持つ都市、そういうこともできないのではないかというふうに思いますけれども、大臣はこういう点についてどういうふうに認識されていますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 富樫委員が平等院の例と国会近くの二本の高層ビルの例を出されて、これはいずれも商業地にあるわけですから、建築基準法の申請をクリアしていますから、高いものを建てた。しかしその一方で、丘の上のランドマークは本当は国会議事堂であったのに、その後ろにものが見える。あるいは平等院も世界遺産に登録されていますし、あれも五、六百メートル離れた駅のそばの商業地に建ったもので何ら規制ができなかった。
 そういうものに対してどうであるか、そんなものを許してきたことはけしからぬ、こういう御指摘だったと思いますけれども、委員御指摘のとおり、経済効率性の方にやはり軸足があったからああいうものが許され、また大きい声で文句をだれも言わなかった。しかし今は、委員のお話を聞いておりますと法律にも御賛成していただけそうな感じでございますが、党派を超えてこの問題についての重要性の認識というものが高まり、効率性重視あるいは経済性重視の中から、やはりそうではない本当の心の豊かさみたいなものにシフトしていこうという機運が正に醸成されてきた。
 これから、もうできたものを壊すわけにはまいりませんが、これからの建築というものに対しては、委員御指摘のとおり、景観の重視、町並みに合ったもの、そういうものを十分重視していくということを国民各界各層で共有していくということが非常に重要なのではないかと考えております。
○富樫練三君 最後になりますけれども、例えば金沢市の景観行政は各方面から大変しっかりやっているというふうに評価されています。特に、旧市街地全体に各種の規制を加えて、旧市街地全体としては歴史的な町並み、この景観の保全を図っています。同時に、市の中心部、繁華街を中心とした近代的都市景観創出区域というのを作ってこれを指定して、新しい近代的な都市景観を作ろうとしているわけです。この区域の評価についてはいろいろな御意見があるわけでありますけれども、景観の保全、形成というのは、古いものを残すだけではなくて、歴史的な町並みの保全と新しい近代的な町並みの創出、このバランスが大変重要だというふうに私は思っています。
 そういう意味では、私は埼玉ですけれども、埼玉の川越市というところ、ここでは伝統的建造物群保存地区というのを指定をしまして、ここで町の景観を守るという努力をしております。最初はこれを保存するということがなかなかうまくいかなかったんだけれども、住民が参加することによってこの実現が図られると、こういうことですから、住民参加というのはある意味では決定的だと、住民が協力しない限りはなかなかそれができないということも言えるかと思います。
 こういう新しいもの、そして古いものも大事にする、超高層ビル中心だけというまちづくりではない、こういうことが、バランスが非常に大事だというふうに思いますけれども、最後にこれらについての大臣のお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの御指摘は、金沢はその伝統的な部分と近代的な都市というものをゾーニングで分けて、開発と伝統と史跡を保護しているという点についての御指摘だと思います。私もそのゾーニングを図って調和を図るというのは一つの方法としてこれから大いにあり得べしだと思います。
 いずれにしても、その各地の主体的な取組というものを今回の法律改正によっても支援できる、そういう気持ちでやっていかなければならないと思っております。
○富樫練三君 終わります。
○委員長(輿石東君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより三案について討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにし、お述べください。
○大沢辰美君 日本共産党を代表して、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する反対討論を行います。
 なお、景観三法のうち、景観法及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案については賛成をします。
 今回の景観三法による我が国の都市、農村漁村における良好な景観を保全し、形成を図ることは極めて重要であることは当然であります。
 しかし、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に含まれている屋外広告物法の一部改正案については賛成できません。
 反対の理由は、屋外広告物を許可制にできる地域を全国に拡大することであります。このことは、政治活動の自由を始め、国民の基本的な人権を不当に制限するおそれを全国に拡大することになります。
 屋外広告物法は、それ自体が、「この法律の規定に基づく条例の適用にあたつては、国民の政治活動の自由その他国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない。」と規定しているにもかかわらず、政党のポスター張りなどに対して、屋外広告物条例違反を理由に逮捕するなどの事態が後を絶ちません。
 こうした実態が存在する下で、国民の基本的人権にかかわるという重大な問題を持つ屋外広告物の許可制の対象地域を全国に拡大することは賛成できないことを明らかにし、反対の討論といたします。
 よろしくお願いします。
○委員長(輿石東君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、景観法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(輿石東君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(輿石東君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、都市緑地保全法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(輿石東君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、池口君から発言を求められておりますので、これを許します。池口修次君。
○池口修次君 私は、ただいま可決されました景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  国民共有の財産であり後世に伝承すべき良好な景観と緑の保全・創出を図るため、地域特性に応じ、市町村の主体性を尊重した施策を展開し、我が国全体として美しい国づくりに資する政策を指向すべきである。
  以上の観点を踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、住民、事業者等の多様な主体の参加を図るため、景観法の基本理念の啓発普及、景観・緑に関する教育の充実に努めること。
 二、景観法の施行に当たっては、地方公共団体の自主的な取組に支障を生じないよう配慮するとともに、先進的な取組事例に関する情報提供、専門家の育成等ソフト面での支援及び交付金・補助金等税財政上の支援の充実に努めること。
 三、景観計画の策定、景観地区等の都市計画の決定等に当たっては、住民への情報提供や住民意見の適切な反映がなされるようにするとともに、まちづくりNPOや専門家が適切に活用されるようにすること。
   特に、建築物等に関する形態意匠の制限については、住民に対しその内容が十分に周知されるよう留意すること。
 四、公共事業の実施に当たっては、景観アセスメントシステムの確立、景観形成ガイドラインの作成等を早期に行うこと。
 五、景観形成事業推進費については、地域の個性ある景観形成に資するものとなるよう、その取扱いに十分留意すること。
   また、同推進費の配分及び実施状況について、その透明性を確保するとともに、同推進費が効果的かつ効率的に使用されるようにすること。
 六、屋外広告物は景観に大きな影響を与えることにかんがみ、屋外広告物条例違反に対し適切な措置が講じられるよう地方公共団体を支援すること。
   また、屋外広告物条例の規制内容の拡大に当たっては、関係者の理解を得つつ、既存広告物についても一定期間を経過した後、当該条例に適合することとなるよう、適切な助言、支援等を行うこと。
 七、屋外広告物の美観、安全性の確保等の観点から、不良・不適格業者の排除及び業界の指導・育成等に十分配慮するとともに、屋外広告業者の知識・技能の向上等に向けた環境整備を行うこと。
 八、緑の拠点となる都市公園等の緑地と道路・河川等他の公共公益施設との連携を強化するとともに、遊休地等を活用した借地公園や立体都市公園の整備を積極的に推進すること。
   また、NPO、民間事業者等により公園施設の設置又は管理が行われる場合において、その円滑かつ適切な運用を期すこと。
 九、減少傾向にある都市の緑の確保を図るため、地方公共団体等による保全すべき緑地の買取りや屋上・壁面緑化を含む民有地の緑化を推進するための助成措置等に関し、財政上の支援を検討すること。
 十、失われつつある地域固有の景観を再生する事業の推進を図るとともに、各地に残された自然環境の保全や地域在来の植物等の活用による緑化の推進に努めること。
 十一、無電柱化の推進は、良好な景観の形成に加え、防災対策等にも資することから、幹線道路を始めとして、これを積極的に推進するとともに、その実施に当たっては、一層のコスト縮減に努めること。
   また、事業者に対する金融・税制上の支援措置の充実に努めること。
 十二、より良好な景観形成を図るため、都市計画法、建築基準法等の関係法令の中に景観を明確に位置付けることも含め、景観法制の在り方について更なる検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(輿石東君) ただいま池口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(輿石東君) 全会一致と認めます。よって、池口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石原国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原国土交通大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) 景観緑三法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における各委員の御高見や、ただいまの附帯決議の景観法の基本理念の啓発、普及等の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(輿石東君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(輿石東君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(輿石東君) 次に、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法案を議題といたします。
 提出者衆議院国土交通委員長赤羽一嘉君から趣旨説明を聴取いたします。赤羽一嘉君。
○衆議院議員(赤羽一嘉君) ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法案につき、提案の趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 本案は、近年における我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全を維持するため、特定船舶の入港を禁止する措置について定めようとするものであり、去る六月一日の衆議院国土交通委員会において、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派の委員より動議をもって提出され、賛成多数をもってこれを委員会提出法律案として提出することに決し、同月三日の衆議院本会議において、賛成多数をもって可決されたものであります。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 第一に、この法律において、特定船舶とは、特定の外国の国籍を有する船舶、特定の外国の港に寄港した船舶及び特定の外国とこれらの関係に類する特定の関係を有する船舶のうち、閣議決定で定めるものをいうこととしております。
 第二に、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認められるときは、閣議において、期間を定めて、特定船舶について、本邦の港への入港禁止を決定することができることとしております。この閣議決定においては、入港禁止の理由、特定の外国、特定船舶、入港禁止の期間等を定めることとしており、内閣総理大臣は、閣議決定があったときは、直ちに、その内容を告示しなければならないこととしております。
 第三に、政府は、告示の日から二十日以内に国会に付議し、閣議決定に基づく入港禁止の実施について国会の承認を求めなければならないこととしております。この場合において不承認の議決があったときは、政府は、速やかに、当該議決に係る入港禁止の実施を終了させなければならないこととしております。
 第四に、特定船舶の船長は、当該特定船舶に係る入港禁止の期間において、当該特定船舶を本邦の港に入港させてはならず、また、入港禁止の期間の開始の際現に本邦の港に入港している場合には、閣議決定で定める期日までに、当該特定船舶を本邦の港から出港させなければならないこととし、これらに違反した船長は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとしております。ただし、遭難又は人道上の配慮等やむを得ない特別の事情がある場合は、適用除外としております。
 第五に、入港禁止を実施する必要がなくなったと認めるとき又は国会がその実施を終了すべきことを議決したときは、速やかに、閣議において、入港禁止の実施を終了することを決定しなければならないこととしております。
 その他、附則において、国は、この法律の施行の状況、我が国を取り巻く国際情勢等にかんがみ、必要があると認めるときはこの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて廃止を含め必要な措置を講ずるものとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○委員長(輿石東君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会