第159回国会 環境委員会 第2号
平成十六年三月十八日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     羽田雄一郎君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     福山 哲郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 清君
    理 事
                小泉 顕雄君
                清水嘉与子君
                海野  徹君
    委 員
                大島 慶久君
                日出 英輔君
                真鍋 賢二君
                小林  元君
                羽田雄一郎君
                加藤 修一君
                渡辺 孝男君
                岩佐 恵美君
                田  英夫君
                高橋紀世子君
   国務大臣
       環境大臣     小池百合子君
   副大臣
       環境副大臣    加藤 修一君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  砂田 圭佑君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   政府参考人
       内閣府沖縄振興
       局長       東  良信君
       外務大臣官房審
       議官       西宮 伸一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     金子 順一君
       環境省総合環境
       政策局長     松本 省藏君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
       環境省地球環境
       局長       小島 敏郎君
       環境省環境管理
       局水環境部長   吉田 徳久君
       環境省自然環境
       局長       小野寺 浩君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)
 (公害等調整委員会の業務等に関する件)
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○委員長(長谷川清君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
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○委員長(長谷川清君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府沖縄振興局長東良信君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(長谷川清君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小泉顕雄君 おはようございます。自由民主党の小泉でございます。ベテランの先輩方に囲まれまして大変緊張いたしておりますけれども、通告に従って質問をさせていただきたいと思います。
 本来ですと、新しい小泉内閣の目玉人事とも言われた小池大臣の就任ということで御決意を最初にお伺いをしなければいけないんですけれども、ちょっとお許しをいただきまして、私の地元のことにかかわって最初に質問をさせていただきたいと思います。
 言うまでもなく鳥インフルエンザの問題でありますが、カラスが感染をしたということがありまして、実は当該地の丹波町で一羽確認をされまして、もう一羽確認をされましたのが私の町でありまして、ひょっとすると私の自宅の上を飛び回っておったカラスかもしれないということで大変心配に今なっているわけでありますが、この鳥インフルエンザの問題につきまして、当初は政府の対応がやや遅いのではないかというような厳しい批判もありましたけれども、十六日には総合対策というものを決定をしていただきまして、非常に私としては前向きに取り組んでいただいているというふうに有り難く思っておるわけであります。
 特に、地元におきましては、京都府の知事あるいは当該町の町長さんあるいは町会議員団あるいは消防団の方々、地域の方々が本当に懸命になってこの問題の取組とあるいは鎮圧のために尽力をされました。本当に改めて地域の力というものをつくづくと感じて、私は、問題は非常に深刻な問題でありましたけれども、その対応を見ながら地域に残った力というものを改めて感じたわけであります。
 今、この問題につきましては、特に農林水産省あるいは厚生労働省が食の安全の問題あるいは健康の問題ということで積極的に取り組んでいただいたわけでありますけれども、陰で環境省もかなりのお取り組みをいただいたように聞いております。つきましては、最初に環境省のこの問題についての取組の経過などについて御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 特にお地元ということで、大変御心配なことと存じます。
 また、環境省といたしましても、できるだけ情報などは速やかにお伝えすることがお地元の不安を取り除く、また将来に対しての安心につながるものと考えておりますので、基本的にそういう方向を取らせていただきたいと思っております。
 これまでの経緯でございますが、まず何よりも環境省といたしましては、鳥インフルエンザの発生に渡り鳥などの関与の可能性も指摘がされているところでございまして、特に様々な省庁が関連しておりますが、環境省とすればまず感染経路の解明にも関与をしているところでございます。
 これまでの経緯といたしましては、山口県の、まず最初、山口県で起こりましたが、この発生地の周辺で調査いたしました鳥について、野鳥について、ファクトといたしましてウイルスは検出されませんでした。
 それから、職員を派遣いたしましてヒアリングいたしましたけれども、韓国におきまして、こちらは昨年の暮れに鳥インフルエンザが発生したところでございますけれども、こちらの方にも参りまして、渡り鳥を含みます野鳥について検査しましたところ、調査いたしましたところ、ウイルスは検出されなかったと聞いております。調査に当たったのは韓国の方でございます。
 さらに、この辺が一番お地元で御心配のところだと思いますけれども、一番身近な野鳥でありますカラス、そしてドバトのウイルス検査、これについては農林水産省と連携をいたしまして、また各都道府県の協力を得ながら実施をするということで、この通知を一昨日、発出したところでございます。そして、その結果については、結果が出次第、できるだけ速やかにお知らせをしてまいりたいと考えております。
 また、政府内でこの鳥インフルエンザ対策ということで会議を持つ。それと同時に、省内におきましてもこの鳥インフルエンザ対策ということで緊急対策チームを設けまして、人員もアドホック的に省内から、人員の配置なども変えまして手厚くしたところでございまして、環境省といたしましても、これからこの問題については関係省庁と連携を図って、そして速やかに野生鳥類に関係いたしております感染経路の解明に向けての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 見えない敵との戦いであります。万全を期していただきたいと思いますが、特に京都の例を私、見ておりまして、京都というのは大学の町とも言われる町でありまして、非常にたくさんの大学があります。多くの研究者がおいでになるわけでありますけれども、残念ながら専門家としておいでいただいたのは鳥取大学の先生であった。非常に遠方からわざわざお越しいただかなければならない、あるいは非常に専門家が数少ないという現状が明らかになったわけであります。また、検体の検査につきましても最終的な判断はつくばの方にまで届けて、そこで検査をしなければ結果が出てこないということであります。関西にもそのような私は施設があってもいいのではないかというようなことを思ったりするわけであります。同時に、いろいろ調査に携わっていただいた環境省の職員の方々もそう大勢おられたわけではないだろうというふうに思うわけであります。
 あれこれ思うときに、専門家の養成にしましてもあるいは職員にしましても、なかなか人的な面において不十分な状況があるのではないかというふうに印象を持ちましたので、今後こういう点の改善に向けてもお取り組みをいただけるようにお願いをしたいと思います。
 また、野鳥の生態についての専門家などにつきましても、これは恐らく非常に少ないだろうというふうに思うわけで、こういうような問題に対処するための人材の育成ということを今後の課題にしていただければ有り難いと思います。
 鳥インフルエンザだけじゃなしに、BSEの問題がありました。あるいはSARSの問題がありました。人畜共通感染症というのが非常に最近クローズアップをされてきまして、健康あるいは食品の安全ということにつきまして大変不安が高まっているわけでありますが、このような問題はやはり厚労省あるいは農林水産省とのやり取りの中で話をしていけばいいわけかと思うわけでありますが、先日、非常に大きな話題になりました、最近はちょっと終息をしているようでありますが、コイヘルペスというコイの大量死の話がありましたけれども、コイヘルペスの件につきまして、環境省の持っておられる知見について御紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(吉田徳久君) コイヘルペスに対する環境省の経緯を事務的に御説明をさせていただきます。
 環境省では、十月の末にコイヘルペスの発生が報告されて以来、霞ケ浦に対する水質の調査を十一月の末に実施をいたしました。それ以降も農水省と連携を保ちながら、情報交換、原因究明のプロセスの中で、水環境あるいは底質の環境とコイヘルペスの発生との関係について注目をして、調査の在り方について今検討してまいっております。
 幸いにしてコイヘルペスの分離ができるようになりましたので、今後、新年度に差し掛かってまいりますが、引き続き農水省と連携をしながら、コイヘルペスと水環境とのかかわりの可能性について検討してまいりたいと思っております。
○小泉顕雄君 先ほど言いました鳥インフルエンザであるとかBSEであるとか、あるいはSARSであるというような、同じようなことにはならないことを強く私は祈っておきたいと思います。
 それでは、大臣に就任の御決意のようなことをお聞きをしたいと思うわけでありますが、私は平成十三年に当選をさせていただきまして以来、今日までずっと環境委員会に所属をさせていただいてまいりました。その環境委員会の二年八か月ほどの間になりますけれども、実は小池大臣が四人目の大臣になられるわけであります。小泉内閣は基本的に一閣僚、一内閣一閣僚というお話であります。それから考えると、いささか環境大臣は多いのかなと。小泉総理は環境問題についてどのようにお考えなんだろうかという、ふと、こう不安になったりしないこともないわけでありますけれども、しかし一方で、やっぱり先ほども言いましたように目玉人事とも言われるわけで、小池大臣でなければならないという強い思いがあったのではないかというふうに思うわけであります。
 所信の中にもいろいろお書きをいただいているわけでありますけれども、所信の中では言い尽くせなかったような大臣の環境行政についての御決意のようなものをお聞かせいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 小泉委員からして私で四人目の環境大臣ということでございまして、環境省とすれば、常にトップが替わって、環境の変化が激しいということが言えるのかもしれません。
 世の中いろいろ、オンリーワンとかそういう、何というんでしょうか、大臣の特徴を生かした形で環境行政も進めたいと思いますが、ただ、環境というのは、本当に人類の大きな流れの中から、今この時期、例えば先ほどから出ているコイヘルペスの問題とか鳥インフルエンザの問題とか、長い歴史の中でふぁっと出てくる問題にどのように対応していくかというのは、これは長い長い環境行政の積み重ねということにほかならないと思っておりますので、これまでしっかり積み重ねられてきた環境行政の中で、またそれに積み重ねて、しっかりと国民の皆様方に、環境に対しての不安であるとか、逆に安心、これ、不安を取り除くと同時に安心につながるような、そういう方策をしっかり積み重ねていきたいと、まず考えております。
 それから、小泉総理の方からも、私は目玉かどうかはちょっと分かりませんけれども、環境大臣就任の際にも、是非とも環境と経済の統合をしっかり図ってくれということで御下命もございました。正にそれは、私、考える、自ら考えるところでありまして、かつては環境をしっかりやると逆に経済によくないんじゃないかというような、競合するようなそのような位置関係にあった時代も、またそのような意識もあったかと思いますけれども、私は、今はもう逆で、環境をしっかりやることが逆に経済を良くしていく、そして経済を良くすることによってまた環境を良くすると、こういう経済と環境の好循環をいかにして生み出していくのか、これをいつも念頭に環境行政に当たらせていただこうと思っております。
 今、消費者の方々も環境にいい製品だったらそっちの方を選ぶというような傾向も多々見られるわけで、特に環境の問題は、ただ行政が突っ走るというわけにもまいりません。国民の皆様方の意識と、常に環境にとっていい方向にということの意識の共有をした上で、しっかりとこの環境と経済の統合というのを進めてまいりたいと思っておりますし、また今、これまでのバブル崩壊の後からの経済の停滞ということが言われておりますけれども、ここで大きな、日本経済がそこの停滞から抜け出てまた弾みを付けるという意味でも、環境ということ、特に物づくり、低公害車、クリーンというような製品を生み出す力のある我が国は、環境ということをテーマにすることによって、今このような経済状況の中で大きな、環境ということが大きな牽引車にもなり得るのではないか。
 よって、私は、環境ということをテーマとした、また地球環境問題という大きなテーマであるために、むしろ環境革命ぐらいの、それぐらいの意気込みで取り組むべきではないかというふうに考えております。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 私も今の環境と経済についての御見解には全く同感であります。大いに環境行政のトップに立って御活躍をいただきたいと思います。
 大臣は就任以来、所信にもありますけれども、国の内外を問わずにできるだけ現場に足を運んでいただいているということであります。高く評価をするわけでありますけれども、特に我が国が環境問題について国際的に貢献をしていくということが私はこれから本当に大切になってくるだろうと思います。一つは、言うまでもなく、アメリカとかロシアに対する京都議定書の批准ということを強く訴え掛けて、そして京都議定書そのものを本当に実効のあるものに一日も早くしていくということが我が国として大切な任務であるというふうに思っています。
 また、特にこのアジア地域は非常に人口が急激な増加を見せ、また熱帯雨林の破壊でありますとかあるいは砂漠化でありますとか、淡水資源の枯渇でありますとか、あるいは人口の増加に伴う都市部の大気汚染であるとか、あるいはエネルギー問題であるとか、ごみ問題、酸性雨の問題あるいは生物多様性の問題、非常に多くの環境、いわゆる環境問題というのがこのアジアの地域、東アジアの地域にあるわけであります。こういう問題のやはり克服に向けても、我が国は長年にわたってその環境行政について大きな実績もありますし、公害を克服をしてきた大きな実績もあるわけでありますから、そういう我が国の経験を基にしながら、特にアジアに対して指導的な役割を果たして、アジアは一つというのか、そういうような面についての貢献をすべきであるというふうに今考えております。
 今言いました米国とロシアについての見解、さらにはアジアについての御見解につきましてお願いをしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) アメリカそしてロシアに対します京都議定書批准への働き掛けでございますけれども、昨年十二月、COP9がミラノで開かれました。その際に、対外的なときは国務省が担当いたしますので、ドブリアンスキー国務次官、女性でございますけれども、こちらの方にお目に掛かりまして、日本の立場、そしてアメリカにも参加をしてもらえないかということで直接働き掛けをいたしております。
 また、最近のアメリカの情勢、環境に関する情勢をウオッチいたしますと、議会におきまして、温室効果ガス排出削減対策を強化するためにマケイン・リーバーマン法が検討をされておりますけれども、これに対してのそれぞれの投票行動など、注目すべきところもございます。また、各州レベルで排出量取引などの対策の検討が進みつつあるということでございまして、京都議定書の態度だけでなくて、議会の動き、それから州レベルの動き、それぞれ注視してまいりたいと思っております。また、今年の二月には、環境省といたしまして政府以外の様々なチャネルに働き掛けをしようということで、日米の企業、そして州、地方自治体、シンクタンクなどが参加いたします気候変動政策に関する日米共同ワークショップをワシントンにて開催をしたところでございます。
 やはり、アメリカがどう動くかというのが一番大きなかぎでございますけれども、様々なチャネルを通じて、これまで以上に大きな働き掛けを続けていくということでございます。
 それから、ロシアに関しましては、まあアメリカもさることながら、ロシアの参加によって京都議定書の批准が決まる決まらない、言うならばキャスチングボートを握っているということは御承知のとおりでございますが、ロシアは常々、ロシアの国益に見合うならばという、その国益ということをいつも口に出しています。もちろん、これ各国そうだとは思いますけれども、特にロシアは国益を踏まえて決定をするということを特に強調して言っておられるように思います。
 これまでの経過を御説明させていただきますと、去年の十月ですけれども、もうトップレベル、小泉総理とプーチン大統領というその間で、小泉総理の方からロシア側に対しまして締結を直接働き掛けております。それから、先ほど申し上げたミラノCOP9でございますけれども、私が、ロシア政府の代表でありますベドリツキー水理気象環境モニタリング庁長官、この方に直接お会いをし、締結を働き掛けたところでございます。と同時に、ロシアは御承知のように大統領選がせんだって行われまして、それと相前後して新内閣ができたわけでございます。行政組織が大幅に再編統合されることになったわけでございますが、その直後の三月の十六日、十七日、昨日、おとといですけれども、温暖化対策に関する日ロ間の協力推進のために環境省といたしまして温室効果ガス排出・吸収量の推計に関するワークショップをモスクワで開催をしたところでございます。
 今後の新政権の動き、そしてまた、これで再任が、圧倒的な得票数によって再任が決まったプーチン大統領がどのような判断をしていくのか、これについても注視をしつつ、しっかりと働き掛けを続けてまいりたいと、このように考えております。
 アジアについては副大臣の方からお伝えします。
○副大臣(加藤修一君) 環境問題がとりわけ深刻化するアジアの関係でございますけれども、これに対する支援ということにつきまして、環境省といたしましては、いわゆる経済活動の拡大や都市への人口集中によりまして、御指摘のありますように、アジア地域の環境問題は極めて深刻化していると、そういうふうに考えております。そういった意味では、この地域における環境問題への取組を推進していくことは極めて重要であるというふうに認識しておりまして、昨年見直されましたODA大綱、この中でもアジアは重点地域と明記されてございます。また、環境問題も重要な課題であるというふうにされておりまして、例えば環境と開発の両立が引き続き援助実施の原則の第一番目に位置付けられているところでもございます。
 そういった観点から、環境省といたしましても、従来より国際協力機構、JICAでございますけれども、ここと協力いたしまして、中国、インドネシアなどにおけます環境センターの設立、そういうことや、あるいは専門家の派遣、さらに研修生、研修員の受入れなどによりまして、アジアの国々の環境管理能力、この向上をも支援しているところでございます。
 また、閣僚レベルの政策対話の場といたしまして、従来からずっと続けてきておりますけれども、アジア・太平洋環境会議、これエコアジアと言っておりますけれども、これを主催いたしまして、アジア太平洋地域の環境問題につきまして自由な意見討議をやってございます。意見交換も行っているところでございまして、東南アジア諸国連合、ASEANプラス日中韓、その環境大臣会合等を通じましてアジア諸国と環境教育などの環境分野におきまして協力関係の構築に一層努めているところでございます。
 今後も、これらの取組を通じましてアジア地域におけます環境分野の協力を推進し、持続可能な開発の実現に貢献してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 本当に、言葉で言うのは簡単なんですけれども、アジアの環境問題というのはもう本当に深刻であるというふうに私は思っておりますので、十分な支援あるいは指導力を発揮をいただきたいと思います。
 次に、所信の中で温暖化対策税という言葉が二、三回出てきております。それについて質問をと思いましたが、ちょっと前後して恐縮でありますけれども、環境教育に関することについて質問をさせていただきたいと思います。
 さきの国会で成立をしました環境教育推進法という法律、私は非常に高く評価をしております。国民の自然観というものを豊かに形成をしていくために環境省が発言をできるようになった、環境大臣が発言をできるようになった法律だというふうに私は思っております。
 先日、衆議院の小杉隆先生が書かれた「失われた「心の教育」を求めて」という本を読みました。これは先生が文部大臣に就任をされる前後のいろいろ先生の心模様をお書きになった本でありますけれども、その中の一説に、先生は橋本内閣のいろいろな改革の中に教育改革というものを一つの柱として入れられていた方でありますけれども、環境をキーワードとした教育の構想ということ、あるいは教育の中に環境と調和をする心の育成を盛り込みたいと、こういうような表現があります。
 私、環境教育というのは、あるいは環境問題に取り組む人材の育成ということには、一つにはもちろんこれは科学技術教育であるということは言うまでもないわけでありますけれども、もう一方に心の教育というものが絶対に必要であると。環境問題というのは一方では心の問題であるという考え方を持っています。ですから、教育を改革をしていこうとするときに、これまでの教育を反省をしながら環境問題をキーワードとしながら心の教育にこだわっていくという小杉先生の考え方に非常に大きな共鳴をする一人であります。
 せんだって、予算委員会で我が党の段本委員が小池大臣とのやり取りの中で、言わば自然体験学習のようなものの重要性を再三にわたって指摘をしておったわけでありますけれども、私は、環境省が、そういう子供たちの自然観を豊かに育てていくために、せっかく環境教育推進法もできたんだから、そういう法律を背景として積極的に自然体験学習というもの、これは子供たちだけじゃなしに大人であってもいいわけでありますけれども、社会教育としてやってもいいわけでありますけれども、積極的に取り組んでいくべきだというふうに思っているわけであります。
 そういうような観点に立って、十六年度の予算の中でそういう国民の自然観を豊かにするような自然体験学習といったものを支援するようなメニューがありましたら御紹介をいただきたいと思います。
○副大臣(加藤修一君) 今の小杉先生の心の教育のお話をされまして、るる御説明いただきましたけれども、私も全く小杉先生のお考えには賛成しておりまして、先生が大臣のときにエコスクールという、そういう事業を展開したということも聞き及んでいるわけでございます。
 自然体験活動の関係でございますけれども、これは自然に対する理解を深め、豊かな人間性をはぐくむために極めて重要なことだと我々も十分認識しているところでございます。このため、環境省におきましては、国立公園などの自然豊かな地域を中心に子供たちが伸び伸びと遊びながら自然を体験できる施設の整備及び補助を現在も行っているところでございます。
 その整備事業の中には、ふるさと生き物ふれあいの里事業、そういったものなど、いわゆる荒廃した農地を含む里地里山において行われている、そういった事例もございますし、あるいはそのほかに自然に親しむ運動といたしまして、都道府県や関係団体に呼び掛けまして、自然体験活動の推進に積極的に取り組んでいるところでございます。
 一方、自然体験学習の推進のために、都市近郊の緑地を対象に整備を実施した自然観察の森における環境学習を進めるためのティーチャーズガイドの作成、そういうソフト面にも力を入れているところでございますし、さらに里地里山などの農業的な環境につきましては、子供たちの自然体験活動のフィールドとしても適していることは委員御承知のとおりでございますけれども、環境省といたしましても、こういったテーマも含めまして農林水産省と定期的に連絡調整する場を設けているところでございまして、さらにこういった面で具体的な事業といたしましては、既に田んぼの生き物調査を両省連携で取り組んでいるところでございます。
 こういった成果を様々積み上げながら、さらに平成十六年度予算につきましても、こういった面の成果を生かしながら更に事業を展開させていただきたいと、このように考えているところでございます。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 国民の自然観というものを豊かにする中で環境問題の解決というものを探っていこうと考えますと、まだまだ私は不十分なところが一杯あると思います。私の町では九百ヘクタールほどの農耕地がありますけれども、今はその数%が全く放棄をされて活用されていないというような非常に悲しい現実もあります。環境教育の場としてあるいは食育の場としても、そういったものを積極的に活用するような方途を私自身もこれからいろいろ考えたり提案をしていきたいというふうに思います。
 いずれにしましても、自然観というものを豊かにする中で環境問題を考えようとすると、どうしても直接体験の機会というものをできるだけ多くしなければなりません。国民の祝日につきましては、現在多過ぎるというような考え方もあります。しかし、一方では、祝日を増やすことによっていろいろな体験ができるような時間を確保していくということも有効である、あるいは人口を動かすことによって経済効果というものを生み出していくということも有効であるということで、祝日のありようについてはいろんな考え方があるわけであります。
 これについてはじっくり議論をしなければならないわけでありますけれども、環境につきましては、六月の五日が環境の日として定められておるわけでありますけれども、私は、祝日についてのいろんな議論はあるけれども、環境問題、これほど深刻な状況であり、また直接経験というものも私なりに本当に大切だという観点からすれば、何としても、この日を国民の祝日として新たに制定をしていただきたいという気持ちを持っておるわけでありますけれども、この点について、これまでもずっとお聞きをしてきたわけでありますけれども、今回におきましても環境省の御見解をお伺いをしたいと思います。
○委員長(長谷川清君) 時間が来ておりますので、簡単に答弁を願います。
○大臣政務官(砂田圭佑君) お答えをいたします。
 先生の御意見、かねがねごもっともだというふうに感じている次第でございますが、環境の日を国民の祝日にすべしとの先生の御提言につきましては、こうした日を設けることによって国民の環境問題について意識を高め、自ら環境問題に取り組むきっかけを提供することとなり、大変意義の深いものではないかというふうに考えております。
 環境省としては、正に国民が環境問題について取り組むきっかけとなるよう、環境の日である六月五日を含む一か月間を環境月間として、地方自治体や企業あるいは民間団体などで協力しつつ様々な普及啓発活動を実施をいたしているところでございます。こうした取組を通じて、祝日となるなど環境の日に関する国民の議論が活発になるのではないかと大いなる期待を申し上げているところでございます。
 以上でございます。
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 以上です。
○海野徹君 おはようございます。民主党の海野徹です。
 大臣に、所信を読ませていただいて幾つかの質問をさせていただきたいと思いますが、先ほどの答弁の中にもございます環境革命の時代だと、あるいは環境を基軸として、私たちのライフスタイルや事業活動の在り方を根本から見直していく、環境を礎とした国づくりによって、この新しい流れの先導者として世界をリードすべきであるというようなことを述べられております。
 その中で、私、いろんな質問を通告してあるものですから最後まで行けるかどうか分かりませんが、できるだけ手短にお話しさせていただきますが、最後に、環境の問題というのは想像力の問題だと私は常々考えております。イマジネーションをどうやって膨らましていくかということなんですが、ちょっと大臣に、質問に入る前にちょっと確認させていただきたいなと思うんですが、持続可能な社会の構築を目指すための二つの視点という中で、環境と経済の統合というお話があります。その中に「環境と経済の好循環を生み出す町づくり」という言葉があるんですが、これ、イメージとして私、どういうものをイメージしたらいいんでしょうか。ちょっとお答えいただけますか。
○国務大臣(小池百合子君) これまで大量生産、大量消費、そして大量廃棄ということで極めて、何というんでしょうか、一言で言えばいけいけどんどんで高度成長を成し遂げてきたというのがこれまでの一つのパラダイムであったと思いますが、今、御承知のように三R、リデュース、リユース、そしてリサイクルという形で町のシステム全体を循環型に変えていくというのも一つだと思います。また、それと同時に、例えばエコツーリズムなどによって、単なる観光ではなくて、それにエコロジーということで環境をテーマにしたツーリズム、その対象にもなることによって新しいモデル地域ということも可能だと思います。
 ということで、これまでのとにかく前へ前へということだけでなくて、そこに一つ環境という切り口を加えることによって町づくりの思想も変わってまいりますし、またそこには環境を良くしようという方向性が明確に出てくる、その好循環を目指す、その一つのモデル地域が各地で出ていくことを期待をしているところであります。
 それから、想像性ということでございますけれども、私、つくづく思うんですが、今の一瞬のこの地球のことと、それから数億年、数十億年の地球の歴史などを考えてまいりますと、目の前のことだけではなくて、むしろ今後の、十億年先のことを考えるのはちょっと難しいかもしれませんけれども、そこに発想を豊かにして環境問題に取り組むという必要性があるのではないか。足下でまずしなければならない環境問題への対処、そして今後の環境、地球環境は子供たちから借りているものであるというそういう発想、この両方が今環境行政に最も必要とされていることではないかと、このように考えております。
○海野徹君 想像力の問題だというのは後で細かく質問しようかと思いましたが、御答弁をさらっとしていただいたようなんですが。「環境と経済の好循環を生み出す町づくり」と、いろいろ今想像してみたんですが、具体的にこれから政策として展開されるでしょうからと思うんですよね。そのことはある意味では期待しますし、もうちょっとイメージが分かりやすいイメージで何か広報活動をしていただければ大変有り難いなと思う。それは要望にしておきます、要望にしておきます。
 それでは、環境と金融、金融のグリーン化についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、企業の環境問題について、その前に、取組について質問をさせていただきます。これは日本だけではなくて、ヨーロッパとかアメリカ、アメリカ、ヨーロッパでは企業価値を判断する基準として企業に倫理的役割を求める、こういう潮流が極めて顕著であります。これはもう大臣御案内だと思うんです。それは中身は、収益性は必要条件だ、収益性は必要条件だと。しかしながら、環境を始め、雇用、人権、法令遵守、地域貢献など、企業の社会的責任、CSRを十分条件に、これを十分条件に据える動きとなって具体的には現れてきているんではないかなと思っています。
 その中でも、環境については環境経営あるいは環境会計、環境格付、環境デューデリジェンス、こういうような取組が行われています。今や、環境配慮度というのが製品の売行きを左右する時代にもなってきました。こうした動きに対して大臣はどのような御見解をお持ちでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 私、地元で様々な方とお会いもし、また環境大臣として様々な事業者との懇談の機会を持つようにいたしておりますけれども、環境省がそれをまだ強く言う以前に、かなり事業者の意識は変わってきているということもまず痛感をいたします。
 その現れとして、環境報告書の作成、公表とか、それからグリーン購入への取組ですけれども、これ、非常に今どんどん増えてきておりまして、その一つのメルクマールが、ISO14001、どれぐらい取っているかというと、認証取得件数一万四千件を超えていまして、これ世界一なんですね。すごいことだというふうに思います。
 それから、事業者の環境配慮の取組、社会や市場から高く評価されて、そこに対してまた投資が行く、お金が回るということになると、これは正に経済と環境の好循環を生み出すということで、これをもっと促進させるということから、その条件整備を図る法案といたしまして、今国会でいわゆる環境配慮促進法を提出をさせていただいているところであります、また御審議いただくことになるわけでございますけれども。
 冒頭におっしゃいましたけれども、CSRというのが新しい、経済だけの観点ではなくて、その会社が、事業者がどんな環境に対していいことをやっているのか、環境を汚していないか、これが新しい、何というんですか、目安になっているということ、これはもう事業者の方々もかなり認識もしておられるのではないか。そこでちょっと環境省としても後押しをさせていただくと、こういう方向で行きたいと考えております。
○海野徹君 ちょっと後押しというよりも大分後押しをしていただいた方がいいかなと思うんですが。
 ちょっと違った点からお話しさせていただくわけなんですが、今、大臣もお話がありました、日本の企業というのは非常にまじめですから、ISOあるいは要するに環境報告書、こういうものを提出して公表しているわけなんですが、技術そのものは非常に要するに戦略的に世界の最先端に行っていると思っています。
 それは、戦略、環境戦略なき企業は残れない、単なるイメージ作りじゃないというような企業の要するに姿勢だという、表れだと思いますが、環境が企業にとってコストマネジメント戦略の重要なかぎである、コストマネジメント戦略の重要なかぎである、そして環境配慮型の製品、サービスが企業成長の牽引力になると、これは先ほどお話もありました。これは企業存続の最優先課題であると、対応が、環境対応がということの表れだと思いますが。それと同じように、マイケル・ポーターが、先進国市場での環境規制の水準が厳しくなることは長期的にはイノベーション効果を促進するというような指摘をしております。
 正にそうだと思うんですが、いま一度お話をさせていただきたいんですが、今後、環境規制ますます厳しくなる、当然そう思います。これは規制でなくて、むしろそれを要するにある意味ではチャンスとしてとらえていただきたいなと、企業は。それで、それを克服して、チャンスとしていくことが、要するにある意味ではピンチだというとらえ方をしたら非常に後ろ向きになりますから、これはチャンスなんだととらえていただければ大変私は企業にとっていいんじゃないかなと思いますが、その辺を、先ほどちょっとだけ後押しをということだったんですが、そういう自発的な流れのある中で、もうちょっと要するに突っ込んだ環境省の対応というのはあり得るんではないかなと思いますが、その点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 言葉の何と表現するかの違いだけだと思いますが、今、先生がおっしゃいましたことと全く私は意識を共有しておりますので、しっかりと促進させていただきたいと思っております。
○海野徹君 意識を共有ということですから、また後ほど具体的な話をさせていただくことが、機会があるかと思いますが、それじゃ二番目の、金融機関の融資者責任について御質問したいなと思っております。
 環境問題の解決というのは、これは要するに、別に個別の企業、製造業だけじゃなくて金融機関もこれは例外ではないわけです。環境と金融という切り口ですと、日本の銀行というのはどうも要するに取組が遅れているんではないかなと、そんな気がしてなりません。
 これは、金融機関は、取引先企業に対する投融資という、そういう本業を通じてその企業の事業活動が環境に配慮したものとなるように影響を及ぼし得る立場にもあるわけです。また、取引先である企業の環境問題に起因する経営リスクの増大、そういう経営リスクの増大ということが同時に資金を融資する銀行の経営リスクの増大にもこれは直結してきます。
 そういったことを考えますと、金融業は持続可能な社会を実現する上で必要な環境問題の解決に大きな役割を担っているという、それと同時に、金融業自身の持続可能性を確保する意味からも環境への取組が不可欠ではないかなと思っておりますが、この点についての大臣の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) おっしゃるとおりだと思います。
 環境と経済の統合を前にぐっと推し進めるという、そこで金融機関が果たす役割というのは大きいものがあろうと思っております。金融機関自身が環境に配慮した融資、投資を行うこと、これを進めるということで、昨年、ちょうどUNEPのファイナンスイニシアチブ東京会議というのも開かれまして、そこで私も出席をさせていただきました。昨年七月に、環境省の方から銀行、証券、生保、損保トップに呼び掛けて意見交換を実施し、これを受けて実務者レベルでの意見交換を今も続けているところでございます。
 先ほどの話、今国会に出させていただきます環境配慮促進法案もそうでございますけれども、投資等を行うに当たって相手先の環境事業を勘案するように努めるものとするという規定を置かせていただきまして、このように、金融機関が環境に配慮した企業により多くの支援ができるような、そしてそれがどれぐらい支援をしているのかということが外にもよく分かるような、そういう方向をしっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。
○海野徹君 金融界との要するに懇談は昨年七月から実施されているということなんですが、その金融界の声というのはどんなものだったんでしょうか。これが東京原則にどういうふうに反映されているのか、その辺の格差があったのか調整がなされているのか、その辺、お答えをいただければ有り難いなと思いますが。
 UNEPの銀行声明では、環境リスクを通常のリスク評価の一部と位置付け、その評価結果を与信リスク評価のプロセスに取り込むことや、環境保全を図るのに適した銀行の商品とサービスを支援、発展させていくことということを勧めています。そのUNEP・FIの会議が、大臣も出席されて、昨年、東京で開催されたんですが、その中で東京原則が、もう当然御案内のことでありますが、環境に配慮した融資対象の選定、投融資対象の選定、あるいは環境に資する金融商品の開発、あるいは最適なガバナンス体制の整備、四番目としてはステークホルダーとの対話というようなことが要するに東京原則として採択されているわけなんですが、世界の金融機関とUNEP・FI、二百六十を超えるパートナーシップを結んでいるんですね。日本の場合は十三社しか署名がない、機関として。そのうちの銀行は日本政策投資銀行を含めて四行しかないというような、まだまだこういう問題は銀行にとっては企業のPR活動の域を出ていないんじゃないか、非常にお寒い状態だろうなということを私は感じてしまうわけなんですね。
 だから、それだけに、先ほど、懇談会をやってきた、今もやっているということだったんですが、その辺の声、それと東京原則との要するに格差と、あるいは整理しなくちゃならないものがたくさんあるんではないかなと考えるんですが、その点はどうでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 御説明をいたします。
 昨年の七月に、これは本当に初めてだったんですけれども、環境省の前鈴木大臣以下幹部と金融業界のトップとの懇談をさせていただきました。
 詳細の議事録はちょっと手元にございませんけれども、基本的に、そういう環境省との懇談に応じたということ自体が、金融業界全体としてこれからいろいろな投融資の面で環境というのを配慮していかなければいけないという基本的な姿勢を感じ取ったわけでございます。具体的に、その後、実務的なコンタクトの場を継続的に持っております。
 今後、それぞれの金融機関が投融資の場面で環境配慮というのを重視しながら進めていくことを期待しているわけでございますが、一つ具体的な例で申しますと、先ほど海野委員おっしゃられた政策投資銀行でございますが、十六年度、次の年度から、本当に初めて、企業の環境格付を前提とした融資を始めるということでございまして、これは、ある意味では大変画期的なことだと思っております。ほかの市中銀行も、同様にそういうような観点から新しい環境配慮の仕組み、商品開発をやっていくことを我々も期待しておりますし、そういう方向で引き続き働き掛けをやっていきたいと思っております。
○海野徹君 今、答弁の中でやっぱり本音が出たわけなんですが、期待していく、だけれども現実は、姿勢はあるけれども、要するに現実はそうなっていないということなんですよね。期待して、環境省としてはそういうあれなんですが、やっぱりこの日本政策投資銀行を含めて四行しかないという実態、今具体的な例とされたのは日本投資銀行だけの例ですよね。となると、非常に私としては寂しいなと思うわけなんですよ。自らが環境調和型で、これは銀行がですね、あると同時に、本業を通じてやっぱり社会全体を環境調和型へこれ誘導していくということが金融機関の僕は使命の一つだと、大きな使命の一つだと思う。融資責任というのは、環境との関係で融資者が負うべき法的、社会的責任があるんだろうなと。それが現在及び将来の人類の生存のために、地球環境問題等の解決、環境保全型社会の構築というのはそういった意味で求められている、社会的にも要するに法的責任としてね、いるんではないかなと。
 今、正に金融機関がある意味では注目されていると思うんです、その融資行動の中で。それだけに、もっともっと今期待しているということだったんですが、大臣、それでは、現在、金融機関の姿勢は何となく、要するにまだまだ、前は向いているんだけれども足が一歩前へ進んでないような状態で、だから大いに期待するんだというような答弁だったんですが、具体的に大臣としてはどういうような決意でこの辺については取り組んでおられるか、いかれるつもりがあるのか、ちょっと決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 各事業者の方々ともいろんな懇談の機会を大臣として持たせていただいておりますけれども、各事業者の方も、やはり環境に配慮した事業活動をしていかなければならない、またそれは今もう消費者の方の意識といいましょうか、消費行動の方にもいろいろと現れているということで、今大きくそちらの方向に向かっていることは確かだと思います。そしてまた、各企業の方も広告の一環にすぎないとおっしゃいましたけれども、しかしその数はもう確実に今増えてきているわけですね。
 ですから、大きな流れとして、このCSR、そしてまたSRIの方向に事業者も、そしてまた金融機関もそちらの方向に向いているということは私は確実だと思っております。
 その意味で、先ほども御紹介、何度か御紹介しておりますように、環境配慮促進法、これを御審議いただき、そして成立させることによって一つの大きなモメンタムをそのときに迎えるのではないかというふうに思っております。
 しっかり後押ししていきたいと思っています。
○海野徹君 環境へ配慮する余裕があるというのは、これは環境報告書の作成企業が六百五十社、これ上場企業が四百五十、非上場が二百社なんという数字を見ますと、やっぱり大企業なんだろうなと思うんですが、金融機関にとってはやはり、中小企業に対してそういう環境情報というか環境に関する情報を提供していきながら、あるいは助言者としてまた役割を果たしながら、環境と金融の問題について進めていく必要がある。大企業だけじゃなくて中小企業においてもそれを進めていかないと、要するに融資責任者責任としてやっていかないといけないんじゃないかなと思うんですが、環境省として、この辺、その辺まで突っ込んでお答えいただけるかどうか分かりませんが、大企業はそれなりに方向性が向いている。
 だけれども、中小企業で、一番我々の身近な存在のものに対して金融機関がもう少し情報提供したりあるいはサポーター役やったりしていってくれたら、九九・何%が中小企業ですから、いいなと思うんですが、その辺の企業規模の格差が私は情報の格差にももたらしていくんではないかな、金融機関もその辺をもう少しサポートできないかなと思うんですが、その辺についての認識は、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 中小企業においても環境に配慮した取組が進展するということは大変重要なことだと思います。そして、現在でもまだ一部の先進的地方銀行、具体的に名前を挙げれば滋賀、滋賀の琵琶湖の問題などもありまして、そういう地域性もあって、こちらの銀行などでは、主として中小企業を念頭に置いて、そして環境保全対策をする、それから環境マネジメントシステムの認証を取得をする、さらには低公害車の導入をするといったようなための資金の融資制度を設けて積極的に取り組んでおられるところもございます。
 先ほど来お伝えしておりますように、金融界との意見交換、それから情報提供に当たってこうした中小企業に対する環境面を考慮した投資そして融資が更に進むこと、それを配慮してまいりたいと思っております。
 それから、先ほどの環境報告書について、六百五十社、ちなみに上場企業が四百五十社で非上場企業が二百社という分け方、今の分布になっております。確かに、大企業の方はむしろそれを積極的に取り組んでいく、そしてまた非上場の方でも一生懸命、今、報告書をしっかりと作っていくという方向にありますし、また、ISOの取得につきましても大変積極的に取り組んでおりますけれども、これも経費等々の問題から、中小企業にももっと参加してもらいたいと。そこで、すそ野を広げるという意味で、中小企業向けの環境活動評価プログラム、いわゆるエコアクションということを環境省といたしましても作っておりますので、その普及を図るということも含めて、環境配慮の取組を一層進めてまいりたいと考えております。
○海野徹君 先ほどの金融機関の要するにグリーン化ということで、これはできるだけスピーディーに進めてほしいという話をさせていただいたんですが、これ二〇〇六年末に開始が予定されている新BIS規制、この中では大変環境融資基準というのが厳格になっていくんだろうなと、そういう案が盛り込まれていますね。
 新BIS規制案では、個々の金融機関の融資に伴う担保評価で環境配慮すること、これに加えて、オペレーショナルリスクの一因としても環境そして社会配慮の要因を取り込む、こういうことがもう決められているんですね。だから、新BIS規制では、環境社会的配慮によって資産の内容が改善されるとなると、リスクがその分当然軽減されてきますから、自己資本負担もその分少なくて済むということになっていくわけです。
 こういうような環境融資基準の厳格な導入が国際金融機関のもう潮流になる可能性が極めて高いわけですから、今、日本の銀行というのは不良債権処理で足下をもう追われていまして、日々追われているような状態なんですけれども、ただでさえ欧米に比べて環境への配慮が後れがちであるだけに、私は、一層これをやっていかないと、もう日本の銀行自体も大変な状況になるんじゃないかという心配をするわけです。
 この点について、いま一度強力な、やっぱりこういう面からの、新BIS規制案にもこういうものがあるというのはもう当然知っているわけですから、それについて環境省としてはできるだけのことを後押しをしてほしいなと思いますから、いま一度大臣の、非常にしつこいようですが、認識を求めたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) このBIS規制に関しましては、バーゼル委員会の方でどのような条件でやっていくのか、正にそれぞれ国益も懸けてのいろんな駆け引き等も行われて、そして決まるものと思って、ことを承知をいたしております。
 おっしゃるように、これまでの信用リスク、市場リスクに加えてオペレーショナルリスク、その中に環境のリスクということが加わるということでございますけれども、投融資において、そもそも投融資において、環境リスクの考慮の必要性について現在その認識は広がっていると思っております。また、一部の邦銀で取引先の信用リスク審査においてこうした視点を導入しているということで、これをなお一層進展をさせていく必要があると私は認識しております。
 どうするかでございますけれども、銀行が投融資する際に環境への配慮が一般的なものになるための後押しをするために、先ほど来申し上げております環境配慮促進法案を国会に提出させていただいて、事業活動で環境情報をオープンにする、開示する、このことに対しての社会的な基盤をまず整備をするということ、それから投融資の実施の際に環境面のリスク評価の手法の調査研究、これを進めるということで、この二つをベースにいたしまして、金融機関に対しての情報提供、そして普及啓発、調査研究、これらをトータルで進めてまいりたいと考えております。
○海野徹君 それだけで私、いいのかなと思うわけなんですが、質問というよりも意見を言わさせていただきますと、三月十一日にアメリカの有力環境団体が、主要アメリカの銀行、米銀十行に対して、環境に影響を及ぼす融資条件の審査基準を厳格にするように、これ要請をしました。具体的には、絶滅の危機にさらされている生態系に影響を与えるガスや石油、森林伐採プロジェクトへの投融資の禁止、あるいは地球温暖化を進めかねない産業への投融資の圧縮、石炭関連プロジェクトについては資金提供の凍結、こういうようなことを求めているんですよね、内容的に。最大手のシティーグループは、今年の一月、環境団体の要請を踏まえて、生態系保護を軸とする、より広範な融資基準を導入したと、こういうような動きもありますから、是非、それだけでいいのかなという思いがありまして、より強力に、環境大臣としても認識をしていただいて、進めていただきたいなと思います。要望しておきます。
 それから、SRIの普及拡大についてということなんですが、先ほど大臣からもSRIの話がありました。金融のグリーン化に関しては、SRI、社会的責任投資のファンドも非常に重要なんだろうなと私は思っています。日本ではこのエコファンドが初めて一九九九年、SRIの一種なんですが、発売されましたが、まだまだ市場規模は極めて小さい。日本においては一千億円弱である。ヨーロッパとかアメリカは三百兆円なんです。一千億円と三百兆円ですよ。だから、それほど小さいんですね。
 SRIについては、十一月に社会的責任投資フォーラムというものが設立されて、普及は進んできているんではないかなと期待はしているんですが、昨年六月に、環境省のレポートで、社会的責任投資に関する日米英三か国比較調査報告書というのをまとめられておるんですね。それを見ますと、社会的責任投資は、企業の環境配慮行動を促進する一つのインセンティブとして機能するため、社会的責任投資を普及させることは国の環境政策の観点からも重要であるというような報告をまとめておられます。
 それで、政策アプローチを、幾つかあるわけなんですが、まだまだこの発展を展開するための力が、具体的な施策というのが非常に少ない、むしろ見られないんではないかなと思うんですが、企業の環境対策あるいはこういうものの有力な動機付けとなるエコファンドとかSRIに対する環境大臣の今後の取組というか、決意のほどはどうなんでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 今御指摘がありましたように、SRIの投資規模を日米英で比較いたしますと、正にけた違いということでございます。
 なぜなのかなということで私もいろいろと聞いているところでございますけれども、機関投資家の、何というんでしょうか、のくくりが、例えば年金基金の運用がどこがやっているかとか、そういった、いわゆる投資家の方のくくりが日本とちょっと違うということとか、個人の投資家がまだまだ日本は十分育っていない、むしろバブルのときに、もうやけどして嫌だという人もおられるかもしれませんけれども、個人の投資家が何をベースにして投資をするかというような意識の違い、そういったいろんな社会的な背景も多々あろうかと思います。それと、財務情報の場合と異なって、事業者の環境情報が必ずしも社会や市場に十分に提供されていないということも一つの理由ではないかと。
 そんなことから、先ほど来申し上げております環境報告書の普及促進を図るということで、環境配慮促進法を今国会に提出をいたしたところでございます。
 いずれにいたしましても、いろんな社会的、文化的、投資にかかわる違いはあろうかと思いますけれども、できるだけこのSRIということを進めていく方法として、インフラを整える、そのための環境配慮促進ということをまず進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○海野徹君 大臣、報告書でまとめられた幾つかに、政策アプローチ、「個人投資家及び機関投資家に対する普及に向けての政策アプローチ」とありますね。例えば、エコファンドやSRIファンドの考え方や内容を広報する施策、エコファンドやSRIファンドの運用報告書の記載事項に工夫を求める施策とか、エコファンドやSRIファンドに携わる販売員の教育・研修を支援する施策と、幾つかあるわけなんですが、ここの中で具体的に来年度、幾つか政策として実施されていくものがあるんですか。
○政府参考人(松本省藏君) お答えをいたします。
 幾つかの対策メニューというのは今御紹介いただいたようなものがあるわけでございますけれども、来年度具体的にどの程度のものができるか、これからよく検討したいと思っております。
 実証的な分析研究というようなものは少なくともできると思っております。
○海野徹君 急速に拡大させるためにも、やっぱりこれ、本当に、報告書の内容を見ると、政策アプローチ、非常にいいものがたくさんありますから、だから、まあとにかくやれるものからすぐにやってもらいたいなと、ことを要望しておきます。
 それから、最後に、この金融の問題についてあれなんですが、大臣、エコマネーって御案内かと思うんですが、このエコマネー、私は環境と金融の問題に関連してエコマネーってあるなと。それは要するに、環境分野でいえば、ごみのリサイクル活動へ参加なんということもあるわけなんですが、非常に多様な価値を多様なままで評価して、それを媒介するというのが、これエコマネーなんですね。
 そういった意味では、非常に環境問題、要するにイマジネーションを膨らめていくと、非常にこれは共通のものが出てくるだろうと。だから、エコマネーというのは、それと地域の自立にもつながるものでありますから、この点について環境大臣としてはどういうような御見解をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 今お話ありましたように、エコマネーでございますけれども、自主的な地域づくりの一つの有力な手段と考えております。環境保全にも大変に有効に役立てられているというふうに認識をしております。
 少し具体的に環境省としてどんなことをやっているかと御紹介いたしますと、平成十五年度に、循環型社会形成実証事業におきまして、エコマネーを活用した生ごみリサイクルのモデル事業、こういうようなことをやっております。あるいは地球環境基金におきまして、民間団体が行う地域通貨システムの検討あるいは普及啓発活動に対しての助成と、こういうようなことをやっております。
 今後とも、このエコマネーを活用した取組というのがいろいろな地域で普及をし活用されていくことを目指して、環境省としても努力をしていきたいと思っております。
○海野徹君 私は、エコマネーの先の地域通貨というのを考えておりましてね。地域経済を要するに浮上させる、あるいは地方自治体の財務内容を改善させるために、地域通貨というのはあってもいいなと思っているわけなんですが、その辺の話、まあ今日のこの委員会でするあれじゃありませんから、とにかくエコマネーについては、今おっしゃったことについてもっと膨らめていってほしいなと思います。
 次の質問ですが、クリーンエネルギーについて御質問をさせていただきたいと思います。
 ネーチャーに発表されました、非常に地球の温暖化がこのまま進むと、約五十年後には一八%から三五%の種が絶滅するんではないかと、そういうおそれがあるよというのをネーチャーに、イギリスやオーストラリアの研究機関が発表しました。非常に温暖化の視点からの生態系変化についての詳細かつ膨大な調査というのは今回が初めてでありますから、これ注目すべきものだと思うんですが、それでまた、今年は地球温暖化対策推進大綱の見直しの年にも当たっているわけです。
 その見直しの作業は、聞くところによりますと、環境省、経済産業省、国土交通省、それぞれが意見をまとめて、後で国民の意見を聞いた後で政府全体の取りまとめの作業に入るというような手順だそうですが、何かプロセスが、取りまとめのプロセスが公表されないで、非常に密室の議論ではないかという批評も聞こえてくるわけなんです。やっぱり先ほどから、環境問題というのは広く国民の問題であるし、個々に想像力を高めていかないと、環境問題を自分の問題としてそして将来への要するに自分のかかわりの問題として理解できていかないと思いますから、もっとそういう作業は透明性の確保が必要だなと思うんですが、それについて、大臣、どうでしょうか。
○副大臣(加藤修一君) 委員御指摘のように、この二〇〇四年は地球温暖化対策大綱の見直し、評価の年であります。
 現在、中央環境審議会の地球環境部会において精力的に審議をしている最中でございます。この大綱については、やはり国民の参加が必要でありますし、大綱の評価、見直しについては、委員御指摘のように、国民に分かりやすい、あるいは透明性を持ってやっていくべき問題であると思ってございます。それは非常に避けられない、不可欠な観点であるというふうに私も理解してございます。
 そのためには、やはり先ほど申し上げましたように、中央環境審議会の地球環境部会においては、第一点としては、可能な限り数量的な裏付けのあるデータを示すことが第一点。第二点といたしましては、大綱の進捗状況について客観的な評価を行うということ。第三点としては、審議を公開をすると。資料や議事録についてはインターネットで公表する。こういった基本的な方針の下に今審議が進められているというふうに理解してございますし、そういった面について更に強く支えていかなければいけないと、こんなふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、国民に対して啓発を進めていくという観点も含めまして、やはり国民に分かりやすい透明性のあるということを進めていくことは極めて重要な観点でございますので、更なる促進を考えながら強力にやっていきたいと、このように考えております。
○海野徹君 それはお願いします。
 それから、エネルギーなんですが、日本のエネルギー消費の主体というのは、産業部門から民生あるいは運輸部門にシフト、これしてきております。これは御案内のとおりだと思うんですが。だから、今後の政策ターゲットはこの分野が中心になるのではないかなと思いますね。
 そうなると、そうした観点からお話をさせていただきますと、環境に対する税の在り方、これも要するに国民的議論を呼ぶ必要があるんだろうなと。大綱の見直し作業の中で、先ほど小泉委員からちょっと出たと思うんですが、温暖化対策税とかあるいは環境税という問題が、これは当然議論されてくるだろうなと思いますが、その点についてはどのような今お考えをお持ちなんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 環境税というのは、もういろいろなやり方もございますけれども、燃料消費などの環境負荷の量に応じて経済的な負担を掛ける、これによって燃料消費を抑えていくという経済合理性のある手法ではないかと考えております。
 今年の温暖化対策全体の評価、見直しの結果、その導入が必要とされる場合に備えまして、現在、温暖化対策税の検討を進めているところでございます。また、税の特徴として、産業界もそうですけれども、全体に広く掛かるということから、その効果、その経済合理性とともに、その広さという点では非常に大きな影響、効果のあるものだというふうに認識しております。
○海野徹君 先ほど、国民的議論をこれ巻き起こすというか、そういう議論を経ていかないとやっぱりいけないんじゃないかと思いますから、我々、委員会の席だけで温暖化対策税とか環境税という問題じゃなくて、できるだけ幅広く要するに参加してもらうような機会を作っていただけたらなと、そういうことを要望しておきます。
 京都議定書の発効のかぎとなっているのはロシアの批准、先ほどキャスチングボートを握っているんだという話がありました。COP9の話もありました。今膨大な余剰排出量を持っている排出権取引市場での最大の売手がロシアだということで、それが要するに条件闘争に入っているんではないかなというようなことも考えられるわけなんですが、大統領選挙が終わって圧勝しました。ワークショップも開催されたということでありますが、内閣改造も大幅に行われたということなんですが、こういった国益、ロシアの国益ということでの要するに交渉、あるいは条件闘争みたいなものに対して、大臣としてはどういうような姿勢で今後とも交渉に臨まれるのか、その辺のことをお聞かせください。
○国務大臣(小池百合子君) おっしゃるとおり、圧倒的な勝利を収めたプーチン大統領が、相前後して新しい内閣、それも大幅に再編統合した内閣を作られたわけでございます。先ほど来申し上げておりますが、プーチン大統領にはやはり日本のトップがということで小泉総理から直接働き掛けをする、私自身がこれまでミラノにおきまして担当のベドリツキー長官に働き掛けをする。と同時に、COP9の場は各国が参加しているわけで、そこで例えばEUですね、特にEUとロシアとの間で排出権取引などのかなりいろんな具体的な話などももう既に行っている。そういうことで、EUと一緒にロシアに声を掛けていきましょうというようなことをEUの担当の方とお話をしたりしております。
 大統領選直後、昨日、おとといですけれども、日本としては温暖化対策に関しての日ロ間の協力を推進するために、温室効果ガスの排出・吸収量の統計、インベントリーと言われているものですが、これに関するワークショップをモスクワで開催と、正にあの手この手と言ったらいいのかもしれませんけれども、やはりキャスチングボートを握っているロシアをどうやって引き込むかという、引き込むかというのはちょっと言葉が悪いかもしれませんけれども、仲間に入る、同じですかね、ということで働き掛けはしっかりこれからも続けていきたいと思っております。
○海野徹君 環境省は昨年十二月にCO2の排出権の模擬取引を実施しましたね、模擬取引。こうしたことを何度か繰り返していくことによって、排出権の保有や移転を管理するデータベースや企業の会計上の処理方法の在り方、これが要するに検証できるんだというようなことだそうですが、そういった意味で排出権取引のルール作りを急ぐ必要があるんではないかなと。一方ではそういうような仲間に引き入れることと同時に、そういうルール作りも併せてやっていくんだろうなと思いますが、その点についてお答えいただけますか。
○政府参考人(小島敏郎君) 京都議定書に定められております京都メカニズム、御案内のように排出量取引もそのうちの一つでございます。国際的な国と国の間の排出量取引については、現在、CDM、JIそれから排出量の取引と、こういうことでございますが、今主流は事業を伴います共同実施とCDMでございます。排出量取引につきましては、まだ十分な進展を見ていないということが現状でございます。
 もう一つ、国内の排出量取引をどうしていくか、私どもが行っております模擬実験は、国内におきます排出量取引をどう作っていくかというものでございます。この国内における排出量取引と、国際的な排出量の移動、京都メカニズムとがどのようにリンクしていくかということは今後の課題でございますけれども、その点につきましては、EUにおきます国内排出量取引制度が二〇〇五年から実施されますけれども、そこにおきましてEUの中の排出量取引とEU域外の移動とをどういうふうにしていくかということが議論されておりますので、その行方も参考にしながら引き続き検討していきたいと思っております。
○海野徹君 検討して実現するということですね。──はい。
 それでは次に、燃料電池、自然エネルギーの普及拡大についてということでちょっと御質問させていただきたいと思いますが、私は参議院になってこの六年間ずっと燃料電池のことを主張してまいりました。加藤副大臣もその辺のことは御案内かと思うんですが、私は中長期的に考えて、長期的に考えた場合、化石燃料に代替する可能性のある新エネルギーは水素エネルギーだと、あるいは燃料電池だと私は思っております。風力、太陽光等の自然エネルギーの発電で水の電気分解、あるいはバイオマス利用して水素を作ればゼロエミッションも理論上可能になるだろう。
 そういった意味で、燃料電池を注目して、それが実社会の導入期を今迎えているんじゃないかなと思っておりますが、燃料電池自動車、家庭用、定置用、モバイル用など、非常に、エネルギー消費が増大している民生・運輸部門に与える影響も非常に好影響が多いんではないかと思っていますが、これは今、経済産業省が中心でやっております。
 それは、環境省もこれに向けた積極的な取組をお願いしたいと思うんですが、地球温暖化対策としても、私は、燃料電池の普及に向けた環境省の取組ということで、お考えあればお伺いしたいと思います。
○副大臣(加藤修一君) 海野委員の認識については私も全く同感でございます。主体は経済産業省がやっているところでございますが、環境省といたしましても、やはりこの燃料電池は地球温暖化対策上有望な技術であるというふうに考えてございまして、この普及を積極的に進めてまいりたいと、このように考えてございます。
 それで、今民間が先行的な販売の開始を予定しております一般家庭への小型燃料電池、これ十六年度から販売されるというふうに聞いておりますけれども、こういった面についてもやはり支援をしてまいりたいと、このように考えてございます。
 また、燃料電池の燃料となる水素の供給確保も極めて重要でございます。これはいろいろな方法があるというわけでございますけれども、やはり今、自然エネルギーの話が出てまいりましたけれども、いわゆる再生可能なエネルギーから水素を製造して、それを燃料電池の燃料として利用していくことが極めて重要ではないかなと、そう思います。アイスランドは極めてこういった面については先進的にやっている国でございますので、再生可能エネルギー、七九%だったでしょうか、それを基にして水素社会、二〇三〇年に作り上げていこうという、そういう宣言をされているわけでありますけれども、こういった事例というのは極めて我が国にとっても重要な視点を含んでいるんではないかなと、このように思ってございます。
 そういった観点を抱えながら、例えば環境省でどういうふうに考えているかといいますと、第一点は、生ごみから発生させたメタンから水素を取り出して、この水素を用いた燃料電池により電気と熱を供給する、そういった施設の整備、これに対する補助でございます。また、それから洋上風力発電によりまして発電した電気で海水を電気分解して水素を効率的に製造する、そういった面での技術開発も行っているところでございます。また、一般家庭の補助の関係につきましては、地域協議会という、これは地球温暖化対策推進法の関係でできた地域協議会でございますけれども、これを通しながら補助を一般家庭にも行っていくことを平成十六年度予算の中で展開していこうと、このように考えてございます。
○海野徹君 それでは、次の質問に移らせていただいて、通告してあるもので飛ばさせていただくのがありますがお許ししていただきたいと思いますが、富士山の世界遺産登録の問題についてお伺いしたいなと思っているんですが、富士山をめぐっては世界遺産登録という話が続いていると私は思っております。
 九四年には約二百四十六万人の署名が集まりまして、世界遺産リストへの登録を目指して保全対策を積極的に進める、保全対策を積極的に進めるというその旨の請願が両院で採択されております。地元でも、環境保全を推進するための富士山憲章、こういうものを採択されておりますが、採択されて環境保全に取り組んでおりますが、昨年、環境省と林野庁が世界自然遺産候補地検討会、これを開催しました。知床、小笠原諸島、琉球諸島を候補地に選定して、富士山はどういうわけか選定外でありました。そういう中で、私が内々お話を聞いておりますと、環境省が文化庁に、富士山は文化遺産でというような内々のお話があったやにも聞いております。
 是非、どういうような形でも世界遺産に登録をしてみたいな、いきたいなと思っているわけなんですが、環境問題以外にも、対象地域が非常に不明確だというような問題もありますし、管理が一元化されていない、保護の財政措置がない、開発が進み過ぎている、自衛隊の基地があるというような問題があるにはあるんです。
 あるにはあるんですが、やはり世界遺産登録のために、これは私は富士山の登録というのは、自然と人間の共生、環境と開発の両立、こういうものを象徴するものじゃないかなと思いますが、この問題に対する環境省の現時点での姿勢について御質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
○国務大臣(小池百合子君) おっしゃるように、昨年、学識経験者の皆様方による検討会を行っていただきまして、世界自然遺産の新たな候補地について検討を行って、その結果として、知床を今年、今年の一月末ですね、一月末にユネスコの本部の方に推薦を行ったところでございます。
 その際も、検討する場合の幾つかのポイントがあるわけでございますけれども、富士山につきましては、国立公園として厳格に保護されているのは残念ながら五合目以上であるということ、それから山ろく部については開発なども進んでいるということで、既に学術的な価値が完全な形では残されていないという非常に厳しい指摘もあり、また、ごみとか、し尿処理を含む保全管理体制の確立が必要であるということが課題として指摘を受けた結果、最終的には候補地としては選定されなかったという経緯がございます。
 世界遺産は、自然遺産と文化遺産と二つあるわけでございますけれども、じゃ文化遺産はどうかという話ですけれども、条件は、基本的な条件は共有しておりまして、その一つが世界遺産条約に基づく価値基準を満たしているかどうか、二点目が、価値を、その価値を将来にわたって守るための必要な措置が取られているかどうかということが登録の要件となっております。
 自然遺産は私ども環境省が窓口になりますけれども、文化遺産の方は文化庁の方が窓口となって、また中心となって進めることになるわけでございますけれども、いずれにいたしましても富士山の世界文化遺産としての登録については、先ほど申し上げた幾つかの条件、これをクリアしなければならないということでございます。
 ただ、富士山が抱えている問題、お地元の皆様方が、し尿処理などについても国としての支援をもっとしてくれというようなお話も承っております。
 また、やはり何といっても山は富士でございますから、国の象徴としての富士山を、全体としてもっときれいにしていきたいという思いは環境省としてもずっと抱いてきているということで、ごみ対策、し尿処理などについて引き続き環境省としてしっかり取り組ませていただいて、また富士山の環境保全にはしっかり努めてまいりたいというふうに考えております。
○海野徹君 大いにその促進というかスピードアップを期待していますし、世界遺産登録を私はどうしても実現したいなと思っていますから、また御協力のほどよろしくお願いしたいなと思いますが。
 それと、最後になるかと思いますが、FTAと環境問題について若干質問させていただきたいと思います。
 非常にFTAと環境問題、唐突のような感じかもしれませんが、今まで日本というのはなかなかFTAに対していろんな抵抗がありましてやってこなかったという問題があります。ただ、日本とメキシコがFTAに、これ正式合意して、来年一月に発効する運びになりました。
 ただ、世界では百九十のFTAが締結されているんですよね。日本では、シンガポールとのこれはEPAなんですが、との、要するに二か国目なんですね。農産物を含めた本格的なFTAとしてはメキシコの場合は最初になるだろうということなんですが、今後、フィリピン、タイ、マレーシア、そして、まだまだ非常に不透明なところがあるんですが、韓国との交渉が進められていくだろうと思っています。
 先ほど、小泉委員からも東南アジアの環境問題というのは非常に深刻だというような話がありました。今後、交渉相手国がフィリピンやマレーシアなど東南アジアの国々との貿易が、当然これはFTA、大きくなっていますから、それは環境問題がこれは当然大きなファクターになってくるわけです。
 FTAとかEPAの交渉協議に環境省が積極的にかかわっていただきたいなという思いがあるんですよね、今。今ほとんどは、外務省、経済産業省、農林省、財務省、そして厚生労働省が当たっているというのが実態ですから、それに環境省が加わっていってほしいと思います。
 なぜかといいますと、例えばFTAの目的の一つに、環境保護や持続可能な開発の推進を位置付ける、こういうようなことを位置付けたり、環境問題を取り扱う機関を設置したり、あるいは環境協力の実施、推進、努力義務を盛り込む、こういうような、より柔軟な環境配慮型の措置を取るということも必要になってくるんではないかと、今後。
 そんなことを考えますと、私は要するに環境省がもう少しかかわっていただきたいなと、積極的に、思うんですが、その辺について環境大臣のお考えのほどをお聞かせいただいて、質問はこれで終了します。
○国務大臣(小池百合子君) EPAにせよFTAにせよ、環境という観点からいいますと、プラスとマイナスの両面があろうかと思います。また、経済連携協定、EPAが締結されますと、関税そして経済的規制などの貿易障壁が撤廃されますけれども、環境保全上必要な措置の適切な実施が確保されるように、御指摘のように、環境省でも各国との経済連携協定の締結交渉におきましては外務省など関係省庁とともに臨んでおります。
 例えば、これまでの実績で申し上げますと、平成十四年十一月に一番最初のFTAである日本・シンガポール経済、EPAですね、が連携協定が結ばれましたけれども、その際も一定の環境保全上の配慮の規定項目が盛り込まれているところでございます。また、これらの貿易拡大が行われますと、環境保全型商品のマーケットそのものが広がるということもございまして、環境協力の推進の観点が盛り込まれるように努めているところでございます。
 今、この交渉はそれぞれ国、相手国又は地域、今同時並行的に進んでおりますが、これらの締結の際には、環境省として環境への悪影響が増大することのないように、また環境協力の推進の観点が盛り込まれるように、おっしゃるとおり引き続き必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○海野徹君 もう一つ。
 日本の、あのシンガポールEPAですよね、これは環境への配慮が非常に限定的なんですね。それだけに、天然資源の保存や環境保全を書いているだけですから、もっと、もっともっと積極的に、要するに環境省としてはかかわってほしいということを要望して、終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。
 最初に、旧軍毒ガス問題について質問をさせていただきます。
 小池環境大臣は所信の中で国内の毒ガス弾等の問題の対策推進を述べておられますが、昨年来の毒ガス問題に対して環境省はどのような施策を進めてきたのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) まず、これまでの経過を含めて御説明を申し上げます。
 茨城県神栖町におきます有機砒素汚染等については、昨年六月六日の閣議了解に基づいて、健康影響への対応を進めるために医療費の支給などを行います緊急措置事業、そして汚染源特定のための調査等を実施をしてまいりました。そしてまた、旧軍毒ガス弾等によります被害を未然に防止するという見地から、昭和四十八年の旧軍毒ガス弾等の全国調査のフォローアップ調査を実施いたしまして、提供されました情報をそれぞれ各カテゴリー別に百三十八事案に取りまとめて、昨年の十一月二十八日に公表したところでございます。これを受けまして、十二月十六日には、国内におきます毒ガス弾等に関する今後の対応方針について閣議決定がされております。さらには、それに基づいて、環境省では関係省庁と連携をしつつ政府一体となって環境調査等の対策を行っております。また、省内に毒ガス情報センターを設置しておりまして、毒ガス弾に係る継続的な情報収集を行っているところであります。
 所信で申し上げましたように、これらの取組を通じまして、毒ガス弾等によります被害の未然防止を図って、国民の安全と安心をしっかり確保してまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 神栖町の案件に関しましては、事実が発覚してから一年になるわけでありますけれども、原因究明の現在の進捗状況についてお伺いするとともに、今後の取組についてもお伺いをしたいと思います。環境保健部長、よろしくお願いします。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 神栖町の原因究明についてでございますが、専門家検討会の意見を伺いながら、高濃度の汚染が認められた、我々A井戸と呼んでおりますが、A井戸等を中心に汚染源の特定に向けてボーリング調査等を行ってまいりました。当初予想していたよりも汚染の範囲が深く広かったことから、ボーリング本数を拡充するなどしてきたために、若干調査に時間を要してまいりました。
 ボーリング本数の拡充による絞り込みの結果、二月になりましてA井戸の南東約九十メーターの地点のそれまでより相対的に浅い位置から相当高濃度のジフェニルアルシン酸が検出されまして、この周辺において汚染源が埋設されている可能性が高いと考えられるため、まずはこの地点で掘削することを決定いたしまして、現在その掘削に向けた準備を行っているところでございます。引き続き、できるだけ早く汚染源の特定ができますようにボーリング調査あるいは掘削を進めてまいりたいと、このように考えております。
○渡辺孝男君 大分、汚染源についても調査が進んでいるということでありますので、今後の被害が起こらないように迅速に進めていただきたいと思います。
 次に、昨年の全国調査で旧軍ガス兵器の存在が新たに判明しました習志野では、付近の住民の不安が大変高まっているわけであります。そのほかにも工事中の作業員が被害を受けた平塚市、寒川町を含め、これら三案件について住民の不安を軽減するために具体的にどのような調査を、そしてまたどのようなスケジュールで行っていくのか、環境保健部長にお伺いをいたします。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 御指摘のございましたそれぞれの地点での具体的な調査の状況でございますが、寒川、平塚におきましては一月から、さらに習志野につきましては三月から調査に関する住民向け公報の配布でありますとか、住民説明会の開催などにより理解を得ながら、公共用地を中心に、環境大気調査、水平物理探査、地下水調査を実施してきております。来月以降、新年度からは民有地に調査範囲を拡大するとともに、環境大気調査、水平物理探査、地下水調査に加えまして、土壌調査、不審物掘削調査等を行う予定としております。
 毒ガスによります健康被害の未然防止に万全を期するために、着実に環境調査をしてまいる所存でございます。
○渡辺孝男君 住民の信頼を得るようにしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、同じく環境保健部長にお伺いしますけれども、神栖町の医療手帳対象者数の動向についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 神栖町の医療手帳交付者の動向でございます。
 昨年六月六日の緊急措置事業、閣議了解いただきまして、緊急措置事業を展開してきておりますが、六月三十日から健康被害の関係の申請受付を開始しております。昨年の八月末までの当初二か月間、二百六十二名の方が申請をされまして、そのうち四十七名に医療手帳が交付されております。さらに、昨年の十一月末の段階では累計二百八十七人が申請をされまして、結果として九十二名、累計でございますが、医療手帳を交付している状況でございます。
 その後、十二月に行いました汚染源調査の結果、新たにジフェニルアルシン酸が検出された井戸が確認されたという状況がございまして、そうしたことを受けまして、これらの井戸の飲用者等に申請を促しました結果、申請者が増加いたしまして、さらにその結果、二月に新たに十八名の医療手帳交付をいたしたところでございます。なお、この十八人の中には、いわゆるスクリーニング基準でございます総砒素の環境基準値に満たない井戸水の飲用者が五名含まれておりました。
 直近の三月十七日現在でございますが、累計の申請者は三百七十四人に上っておりまして、うち合計、医療手帳交付者は百十人でございます。それから、現在分析中の方が八十人という状況でございます。
○渡辺孝男君 医療手帳対象者の中で、症状がある方の症状がその後改善しているのかどうか、加藤環境副大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(加藤修一君) 平成十五年三月に茨城県の神栖町の住民から手足の震え、目まい、あるいはふらつきなどの神経症状等の訴えがありまして、当初二十名、二十人程度がこのような健康被害を訴えていたわけでございますが、現在は、幼児については一年前に比べ一定の発達はしてきておりますが、正常発達には追い付いていないと、そういった報告を受けているところでございます。一方、大人の方については、既に神経症状等が改善し明らかな症状は認められないと、そういうふうに聞いているところでございます。
○渡辺孝男君 残念ながら事後対策で、事後対策となってしまったわけですが、これからも症状の改善の支援のために環境省としてしっかり全力を尽くしていただきたいと、そのように思います。
 次に、地球温暖化対策の推進について質問をさせていただきます。
 京都議定書における我が国の温室効果ガスの六%削減の約束達成のために、ライフスタイルの変革に向けた国民運動の展開、これがどのように、これをどのように行っていくのか、加藤環境副大臣にお伺いをしたいと思います。
○副大臣(加藤修一君) 地球規模での環境問題が深刻化しているわけでありますから、そういった意味ではライフスタイルを変えていくということは極めて重要で、そういうふさわしいライフスタイルをどういうふうに作り上げていくか。
 そういったことで、環境省では、平成十四年二月から各地におきまして環の国くらし会議を開催しております。地球温暖化問題の重大性や温暖化対策の取組、これを、国民一人一人に対する普及啓発活動を展開しているわけでございます。
 また、温暖化対策効果の高い家電とかあるいは住宅設備、自動車などの購入を呼び掛けておりまして、そういったパンフレットを六十万部作り上げてございまして、家庭の主婦向けに雑誌に挟み込むことなどを通しながら、主婦に直接届けたり、あるいは環境教育用のDVDを作成配布するなど、普及啓発活動に取り組んできてございます。
 今日、手元に持ってまいりましたが、この「「環のくらし」応援BOOK」パートワン、パートツー、あるいは「私の環のくらし」ということで、そういったいわゆる温暖化効果が極めて高い家電等の紹介がこの中に入ってございます。
 さらに、温暖化対策推進員が各家庭を訪問いたしまして、住宅の断熱化、これは極めて大きな効果がございますので、こういった断熱化、あるいは省エネ・代エネ機器の活用、ライフスタイルの変更などの助言を行う、いわゆる温暖化診断ですか、こういう診断を行って、昨年は約二千世帯で開始している段階でございます。
 さらに、この地球温暖化対策の推進に当たりましては、先ほどライフスタイルの話もございましたが、やはり国民一人一人の御理解と行動が大変重要であるということから、そのライフスタイルの形成に向けまして、全国地球温暖化防止活動推進センターあるいはさらに都道府県の地球温暖化防止活動推進センターと連携いたしまして引き続き国民運動を強化してまいりたい、このように考えております。
○渡辺孝男君 前に参議院の方でサマータイム制度導入もいろいろ検討していたわけなんですが、このサマータイム制度の導入も今後検討すべき項目に入っているのかどうか、この点、加藤副大臣にお伺いをしたいと思います。
○副大臣(加藤修一君) これは地球温暖化対策推進大綱の中にも取り入れられている項目でございまして、いろいろな調査をやった結果、CO2の削減に対しては非常に効果があるというふうなものも出てございます。
 様々な諸政策等、施策等相まって推進していくことによりまして温暖化対策を効果的に推進していくことにつながるんではなかろうかと、このように考えておりまして、環境省といたしましても、この制度の導入もライフスタイルの変革に向けた検討項目の一つとして考えているところでございます。
○渡辺孝男君 地方自治体の中では森林環境税の導入をしているところがあるわけですが、その現状と今後の動向、どのようになっていきそうなのか、あるいは環境省としてそれをどのように認識されているのか、この点について加藤副大臣に伺います。──あっ、じゃ、どうぞ。
○政府参考人(松本省藏君) 昨年の四月に高知県で森林環境税というのが導入されたわけでございます。森林の公益的機能の低下を予防すると、そして森林の環境の保全に取り組むための新たな財源、これを確保するということを目的とした税でございまして、制度的に申しますと、県民税の均等割の額の上乗せをすると、こういうことでございます。
 高知県以外の自治体でどのような状況にあるかということでございますが、今年の四月から岡山県でおかやま森づくり県民税、こういうようなものを導入する予定というふうに承知しております。
 また、現在、三十三の都道府県におきまして、水源涵養のための森林整備に関する税制についていろいろな角度から検討が行われているという状況というふうに私ども承知をしております。今後、どの程度広がりを持っていくかどうかについては今のところまだ定かではないと思っております。
 こういう税制につきまして、まだ高知県が昨年スタートしたばかりということもございますし、現時点で環境省としてその意義あるいは効果に関して評価をし、あるいは具体的な見解をコメントする段階にはまだないのではないかなと思っておりまして、これら税の環境保全上の効果を中心として、今後、環境省としてもしっかりと注視をしていきたいというのが現在の状況でございます。
 なお、環境省といたしましては、今年が温暖化対策推進大綱の評価、見直しをする年でございまして、その結果によって仮に必要とされた場合には、温暖化対策のための税ということもあり得るということで検討を進めているところでございますけれども、その中で、税収の使途ということで、例えば森林整備というのも一つ念頭に置いて考える必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 住民の環境保護に対する意識を高めると、あるいは納税者としてその税金がどういうふうに使われているのか、そういう意識を高めるという面では大変面白い、大変貴重な試みかなという意識を持っておりますので、環境省としても注目をしていただければと、そのように思っております。
 次に、化学物質による環境リスクに関して質問をさせていただきたいと思います。
 化学物質による環境リスクに関してのリスクコミュニケーションの現状とこれからの取組について、加藤環境副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(加藤修一君) 近年、様々な化学物質、環境ホルモンの関係とか非意図的な物質等々含めて大量に環境中に排出されるようになってきていると思います。そういった意味では、化学物質による環境汚染問題に対する国民の皆さんの心配とかあるいは非常に関心が強まっているというふうに考えられるわけでございます。
 そのため、やはり国民の皆さんがお持ちになっているこういう不安をどういうふうにして解消するかということを考えていかなければいけないわけで、そういった意味では、化学物質に関する正確な情報を市民、産業、行政等のすべてのものが共有すると、そういう相互に意思疎通を図るということが極めて重要な、これがいわゆるリスクコミュニケーションというわけでございますけれども、この推進をやはり強烈に進めていかなければいけないということになるわけでございます。
 今まで、環境省といたしましても、ホームページの充実や、事業者が化学物質の排出量や移動量を届け出るいわゆるPRTR制度、この集計結果等についても分かりやすく説明してきた経緯がございます。市民ガイドブックの作成、あるいはそのため、等、そういったことも含めましていわゆる情報の整備を行ってきているわけでございますし、また身近な化学物質に関する疑問に対してアドバイス等を行いますいわゆる化学物質アドバイザー、その育成、活用などの対話の推進と、これも行っております。またさらに、市民、産業、行政等の代表から成る化学物質と環境円卓会議の定期的な開催といった、いわゆるそういうことを議論する意思疎通を図るための場の提供ということも行って、いわゆるリスクコミュニケーションということについて推進を進めてきているわけでございまして、今後ともこういった取組を更に推進、拡充する、こういったことによりまして国民の安全、安心の確保に努めていきたいと、このように考えております。
○渡辺孝男君 私も化学物質過敏症に悩む方から御相談を受けることもあるわけなんですが、環境省としてもう既にそういうふうになってしまった方に対してどのような対策を行っているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 御指摘の化学物質過敏症に対する環境省としての取組についてでございますが、ごく微量の化学物質によって体の不調を訴える病態、いわゆる化学物質過敏症と呼んでおりますが、こうしたものの存在が内外の研究者によって指摘されてきておりまして、環境省といたしましては、平成九年度からでございますが、専門家による研究班を設置いたしまして、化学物質過敏症の原因でありますとか、発症メカニズムの解明のために動物実験、あるいは二重盲検法による疫学調査を実施してまいりました。平成十四年度までの研究結果から、建築物衛生法に基づきます指針値の二分の一以下というごく微量のホルムアルデヒドの暴露と被験者の症状誘発との間には関連は見いだせなかったという結果でございました。
 環境省といたしましては、更に関係省庁と連携協力を進めながら、ホルムアルデヒドを含む関連化学物質について指針値を超える暴露に係る未解明の病態研究を行うなど、今後とも化学物質過敏症の問題解決のために調査研究を鋭意進めてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 まだ未解明の病態もあるということですので、しっかりこの研究は進めていただきたいと思います。
 次に、厚生労働省の方にお伺いをします。
 重症の化学物質過敏症あるいはシックハウス症候群患者さんに対する転地療養の現状と今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(金子順一君) お答えを申し上げます。
 今、先生からお話のございましたシックハウス症候群につきましてでございますが、厚生労働省におきましてもこれまでの医学的知見を整理する目的で研究会を開催させていただきまして、整理に努めてきたところでございます。
 この中で、いわゆるシックハウス症候群につきましては、医学的に確立した単一の疾病ということではなく、整理をいたしますと、居住者の健康を維持するという、医学的に、居住者の健康を維持するという観点から問題のある住宅におきまして見られる健康障害の総称というような形で整理もされたところでございます。
 また、これに合わせまして、いわゆる化学物質過敏症ということで、大変微量の化学物資に反応して非アレルギー性の過剰状態の発現によりまして精神、身体の症状を示すというものでございますけれども、こちらにつきましては、やはりこちらの研究会の中でもその病態や発症機序といったことについてまだ大変未解明な部分も多いということでございました。病態解明や治療法の更なる研究の推進が必要という指摘も受けているところでございます。
 こういった状況でございまして、厚生労働省といたしましては、これらの病態や発生機序につきまして解明を進めていく段階というふうに考えております。
 御案内のございました転地療養につきまして積極的なお取り組みをされている方々がおられるということも我々としては十分承知をしておりますけれども、現段階でそういった状況でございますので、特定の治療方法を推奨するとか、そういった段階にはまだ来てないのかなと。ただ、それだけに、我々としてはこれらの病態の解明でございますとか治療法の確立に向けた一層の調査研究が大変重要だと考えておりますので、こういった観点から更なる調査研究を進めていきたいと、このように考えているところでございます。
○渡辺孝男君 私、北海道の旭川市にそういう転地療養をやっているところがありまして、旭川医大とか旭川市も関与しているわけですけれども、患者さんといいますか、その方は大分良くなったというようなことをおっしゃっておりましたので、こういう点でも転地療養についても研究を進めていただきたいと、そのように思います。
 次に、エコツーリズムについてお伺いをしたいと思います。
 私も一月のこの参議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会の派遣で、委員派遣で沖縄の方に行ってまいりました。沖縄の知事さんともお話しする機会がありましたけれども、やはり自然保護のルールを守りながら豊かな自然を楽しむ本物のエコツーリズムの振興を期待していると、そういう旨のお話もありまして、私もそのとおりだなと、そのように思うわけですが、そこでまず小池環境大臣に、大臣が議長となっておられるエコツーリズム推進会議の目的と会議での検討状況についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 私、大臣に就任いたしまして真っ先に作りましたのがこのエコツーリズム推進会議でございます。
 言うまでもなく、エコツーリズムは環境の保全とそれから地域振興の両立ということで、正に環境と経済の統合ということの一環として考えております。さらには、環境教育にも役立つという、そういう点が非常に大きいのではないかと思っております。よって、持続可能な社会の形成、これに大変貢献するものと考えております。
 十一月にその普及と定着を目的としたエコツーリズム推進会議を設置しておりまして、NPOの方、それから旅行業界の代表者、有識者、C・W・ニコルさんとか野口健さんなどを含めた有識者の方々、行政関係者など幅広い分野の方々に委員として御参加いただいて、活発に御議論しているところでございます。
 せんだって、十日に第二回推進会議が開かれまして、よし、やってやろうという意欲ある地域の先進的な取組を支援するためにモデル事業の実施地区について公募をすることを決定して、現在募集中でございます。もうどれぐらい来るのか楽しみにしておりますけれども、エコツーリズムの憲章を策定したり、エコツーリズム推進マニュアルなどの作成もいたしまして、ちょっとエコツーリズムというのがばっと走り過ぎていて、かえって環境を悪くするようなことになってもいけませんし、どうやってそのガイド、専門のガイドさんを育てていくのか、どういうルールでするのか、そんなこともこれからお決めいただいて、今年の六月をめどにして取りまとめをしてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 今、大臣の方からお話がありまして、本物のエコツーリズムというものをやはり日本に定着をしていきたいなと、私もそう思っているわけですが、これから日本におけるこのエコツーリズムの展望といいますか、どの程度広がりを見ていくような、そういう可能性があるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 今の現状でございますけれども、委員がいらした沖縄もそうでございますし、それから西表とか屋久島、小笠原、既に熱心に取り組んでおられる地域もあるんですけれども、一方で、全国的にはまだ十分、言葉は分かるけれどもというので、まだ十分に普及定着していないのではないかということでこの推進会議も作ったわけでございます。
 しかし、そのエコツーリズムが普及して浸透していけば、その分、環境保全への機運も高まるということもありますし、それから自然を見る目が養われるといった環境教育の効果も期待できるところでございます。また、政府全体として重要課題として取り組んでおります観光立国が実現できると。そしてまた、その結果として地域が再生につながるということから、これはもう全国的に定着できるように、今後更に後押しをしてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 もう一つ質問用意していたんですが、山形県のイバラトミヨの特殊型ということで、希少動物保護の関係でしたが、次回に回させていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○委員長(長谷川清君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩をいたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(長谷川清君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(長谷川清君) 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩佐恵美君 私、日本共産党の岩佐恵美でございます。よろしくどうぞお願いいたします。
 今日は、沖縄の中城湾の泡瀬干潟の埋立て問題について伺いたいと思います。
 沖縄総合事務局が、中城新港の航路整備のためにしゅんせつ土を捨てる場として泡瀬干潟を埋め立てるという計画を今進めています。泡瀬干潟、中城湾の環境価値について環境省の評価を述べていただきたいと思います。
○政府参考人(小野寺浩君) 泡瀬干潟を含む中城湾につきましては、沖縄本島の中で最大級の規模の干潟があります。また、海草藻場が確認されておりまして、絶滅のおそれのある種であるクビレミドロ、トカゲハゼなどの生息が確認されております。また、シギ・チドリ類が定期的に訪れる渡来地としては、沖縄県下の中ではこれも最大級であると認識しております。
○岩佐恵美君 中城湾というのは、数十万年前に琉球石灰岩の台地が陥没してできたという地形です。北のあの勝連半島と南の知念半島に挟まれ、湾口を津堅島、ウガン礁、久高島に囲われています。
 この間も説明されて改めて驚いたんですが、河川の流入がほとんどないという特異な環境特性を持っています。中でも泡瀬干潟は沖縄本島に残された、今説明がありましたけれども、最大級の干潟です。ここに行って、私、驚いたんですが、泥干潟があります、サンゴ干潟があります、れき干潟がある、砂干潟がある。干潟としては本当に多様性に富んだ、そういう干潟でした、です。そして、ここだけに生息している生物、今ちょっと一端が紹介されましたけれども、もう少し具体的に列挙していただければいいと思うんですが。
○政府参考人(小野寺浩君) 中城湾には鳥類、魚類、藻類など多様な野生生物が生息しております。特に、トカゲハゼにつきましては、我が国では中城湾の干潟に特有に見られる生物であり、環境省のレッドデータブックには、絶滅のおそれのある種として絶滅危惧T類に掲載されております。分布も局所的であるため、希少性という観点から重要な種であると認識しております。また、主として中城湾に生育するクビレミドロも絶滅危惧T類に掲載されている一属一種の種であり、希少性だけではなく、藻類の系統の進化を探るという学術的な観点からも貴重な種であると認識しております。
○岩佐恵美君 今、説明がありましたけれども、例えばトカゲハゼというのは有明のムツゴロウの仲間だそうですけれども、国内の生息地は中城湾だけ、それも千匹から二千匹しかいないと言われています。
 実は、その主な生息地であった泡瀬北部の干潟、これが中城新港建設、それによって埋立てでつぶされてしまった。その結果、現在、天然の生息地は佐敷干潟と泡瀬干潟だけしか残っておりません。絶滅危惧種の海藻であるクビレミドロ、この間、私、見てまいりましたけれども、とってもきれいなんですね。これ、何なんだろうという、そういう、何、どういう植物なの、どういう生物なのという、非常にショックを受けましたけれども、今説明があったように、一属一種だということで、これまた世界で沖縄本島の三か所だけだということです。シオマネキについても、純粋なものが残っているのは、まとまって残っているのは国内で中城湾だけだということです。こうした固有種が幾つも生息している、私は、中城湾の環境自体が化石的存在だなというふうに思っております。
 さらに、最近、泡瀬地区で海草、貝類あるいは新種と思われる生物、これらが、アセス調査では未発見だったものが次々と発見をされています。どんなものか沖縄振興局長に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(東良信君) お答えいたします。
 先生のお尋ねは、アセスメント時に未確認だったもので、今発見されたものは何か、確認されたものは何かということだというふうに思っております。
 この埋立て工事に先立ちまして事業者が実施いたしました環境アセスメント時において事業者が確認していなかった種で、現在、事業者が確認した種というのは、海草類でヒメウミヒルモ、それからホソウミヒルモ、それからウミヒルモSPというもの、それから海藻類につきましてはリュウキュウヅタというものでございますし、甲殻類ではオキナワヤワラガニ、それから貝類ではニライカナイゴウナというものでございます。また、私たち自身、事業者が確認していないものでございますけれども、存在するのではないかということを指摘されているものといたしまして、オボロヅキ、これは貝類でございます。それから、哺乳類のジュゴン、それから、最近でございますけれども、オサガニヤドリガイというのがあるんだということを知っておりまして、私たち、今確認を一生懸命にやろうということをしているところでございます。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 NGOとか、あるいは個人の方々が自発的に調査されただけでも、今挙げられた未発見の、しかも希少種が次々と発見されている。私は、そういう意味では正に泡瀬地区のこの中城湾の環境というのがいかに貴重なものかということがまた再認識される状態だというふうに思います。これらについて、その不十分な調査のまんま土捨て場として埋め立ててしまえば本当に取り返しが付かないことになると思います。
 そこで、私は、工事は中断して、そして新発見の種の生態、これをきちんと調査をすべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(東良信君) お答えいたします。
 新しく確認された希少種については十分調査をしたらどうだという御質問だというふうに思いますが、私ども、平成十二年に、先ほどお話をいたしました環境影響評価書の中で、工事中に希少種又は重要種に相当する種が工事区域内又はその近郊で確認された場合には関係機関へ通報し、その保全に必要な措置を講ずることということをされておるところでございまして、私ども、こういうものについてきちっとした対応をしていこうということでございます。
 そういうことで、例えば先ほどお話をいたしました環境評価時において確認されておらなかったような種につきまして、その対応策について県知事の方に、環境当局としての県知事の方にお願いをし、そしてそういう動きをしようということを考えております。
 具体的には、やはりどう考えても水質だとか生育状況等の監視を十分に行う、又はそういう種の発見みたいなものについても気を配るということを考えているところでございます。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 皆さんが出されている見解というのを見てみると、これらの希少種について、対応策はいろいろ言われているんですが、その基本は、大体その主要な生育地は埋立地の予定地外だとか、あるいは工事による水質汚濁や生育状況を監視をするけれども主要な生息地は違うからいいんだということで、結局、埋立てだけをどんどん進めてもこれらの希少種について、あるいは未発見の種について何の影響もないよというのが皆さんの今のスタンスだと思うんですね。その点どうなんですか。
○政府参考人(東良信君) お答えをいたします。
 私ども、この事業につきましてはやはり環境問題、そういうものが非常に大切だというふうに思っておりまして、実は私どもの方でいろいろな専門家の方を集めていただいた委員会等を作り、そして環境に十分配慮をした形での事業を進めていきたいということで、先ほど申し上げましたような調査も含めてお話をし、そして監視もしていただきながら動いているというところでございます。
 以上です。
○岩佐恵美君 私は、監視をしながら動いているというのが問題だと思うんですね。工事を、これだけのものがどっと出てきているわけですから、中断して、そしてきちんと生態を調べてください。そうしなければ、こういう工事を進めていけば物すごい攪乱になるわけですね。そこのところをきちっとやってくださいということを言っているんですが、その点どうなんですか。
○政府参考人(東良信君) お答えをいたします。
 今、例えば私ども無理にと申しますか、無防備にいろいろなことを、工事を進めようとしているわけではございません。例えば、今回いろいろな希少種が発見されたとか、そういう報道がありますれば、それを確認するために、例えば今は中断をしているとかという形で環境には大変配慮をしながら工事を進めていくという方針でございます。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 ちょっと個別に伺いますが、流況に関するアセスのシミュレーションについて、一月八日の第四回環境監視委員会で、専門家の委員から様々な意見が出ていますね。
 例えば、国交省の総合研究所の細川沿岸海洋研究部長は、シミュレーションは平均的な流れ、それもある程度深い場所ではかなりの技術はあるが、潮の干満がある浅場についてはアセスの予測にはなかなか使えない、自然がいろいろ変動する中で何が起きるかを言い当てるものではないというのがこのシミュレーションの技術の現状の理解だと。つまり、シミュレーションの限界について述べておられるわけですね。琉球大学工学部の津嘉山教授も同じような意見を述べておられます。
 こういう流況変化が小さい、そういう前提そのものの私は信頼性が崩れているというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(東良信君) 先生のお尋ねは、いわゆるシミュレーションがちょっと能力が低いんではないかという御質問だと思います。
 今、先生がお話がありましたとおりな御指摘は受けたということはよく理解をしているところでございますけれども、私どもといたしましても、やはり生息環境の変化の予測精度向上のためのシミュレーション、これについては高質化、高度化を図っていかなきゃいけないということで今検討をしているという状況になっているところでございます。
 そういう意味で、努力はさせていただいているというところでございます。
○岩佐恵美君 実は、そのシミュレーションの現状の不十分さがあると、これはもう皆さんもお認めになっておられるわけですね。
 それに加えて、流れの変化が生物の生息にどういう影響を及ぼすか、これは更に不透明なんですね。流れがどうなるかということ、それについてもいろいろよく分からない面があると。浅場についてどうなるか、底質によっても変わってくる、いろいろなことがあるんですけれども、これが生物との関係になったらもっと分からないということが指摘をされておりますよね。
 細川委員は、水の流れと砂の動きの結び付きは難しいところが残っていると述べられた上で、地形や粒径が変わると生物がどう変わるのかというところはかなり分からないところが多い。つまり、アセスでは生物への影響は分からない、そう述べておられるんですね。津嘉山教授も、波の変化などの現象と生態の関係は専門家の議論が必要と述べておられます。日本自然保護協会の開発委員は、ウミヒルモ類がどういう生息条件で生きているのかというデータはない、そう言われて、現状での生態等も十分つかまれていないという指摘をされているんですね。これは私、本当に恐るべきことだと思うんですね。
 現在は何にもつかまないでおいて、それでシミュレーションで何かやれるような幻想を振りまく。だけれども、よくよく見てみたらシミュレーションというのは駄目じゃないのという、そういうことになってきているわけですね。
 議論が進んでいるものですから、環境監視委員会の中で沖縄総合事務局の冨田さんも、ウミヒルモ類の生態は確認されていない、どういう影響でどういう変動要因の下にどう変化するか解明されていない、そう認めているわけですね。私は、新発見の生物について分からないことだらけなのに工事をどんどん進める、全く無責任だと思うんですね。
 この間、私、現地に行ってきましたけれども、今、橋の延長工事をやっていますよね、工事を全くやっていないわけじゃないですよね。やっているわけですよ。次の工事については七月まではとにかく一度やめて、七月のトカゲハゼの産卵期まではやらない、しかし八月以降はどうなるかということはまだ決めてないわけですね。
 要するに、現状は非常に不完全なアセス。だけれども、アセスはやったよ、新しいものが出てきたら、それはもう何か計画地の外にいるからとか、あるいは今度の事業には影響ないからということで片付けて、どんどんどんどん工事を進める。私はそうすべきではない、八月以降も、これらのみんなの疑問がいろいろあるわけですから、そういうことにきちんとこたえていくべきだと。要するに、自然というのは一回壊してしまったら本当に元に戻らないんですよね。不可逆的な影響を与えるわけですよね。
 その点で、私はどうも沖縄総合事務局の対応がもう一つ、何というか、環境に配慮してちゃんとやっているというふうに思えないところがあるものですから、そこのところを八月以降の工事についても再開しないできちんとやりますということでお答えをいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(東良信君) 八月の再開に向けてという御質問だというふうに思いますが、最初にいろいろないわゆる調査、流域のいわゆる水の流れだとかそれから砂の動きだとか、そういうものについてどうだということでございます。
 これにつきましては、最初にそれをお答えさせていただきたいと思いますが、今回新しい種ができたということで、いろいろな対応策を打っている部分でございます。その中で、一つは中城湾全体の環境がどうあるのか、そしてそれをどう保全したらいいのかという計画を立てるということで今、県当局等々と協議をさせていただいておる。そういう中で、今、先生が御指摘になりました全体のバランス、それから水が、泡瀬ばかりではなくて、全体としてどう流れていくのかということも含めてやっていかなきゃいけませんので、そういう中で、今の調査も、それから動きもシミュレーションもなされていくということは、私どもの方もいろんな委員会の指摘もございますものですから、それは十分認識をし、そういう対応をさせていただいているということでございます。
 私どもは、そういう対応策をきちっとやりつつ、この中城湾の泡瀬地区の埋立事業というのはやはり地元沖縄市の強い要望でございますし、また沖縄本島中部の、特に東部の方の開発に、開発振興に大変重要なところだというふうに思っているところでございます。
 そういう意味で、事業者といたしましてはこういう計画の動き、それから事業者が設置しました委員会等々の御意見を十分に拝聴し、そして環境に配慮した工事を一歩一歩確実に対策を取りながら進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 今の沖縄振興局の考え方を伺っていると、要するに湾全体、中城湾全体で、その泡瀬は一部だと。そこをいじってみても、全体で見れば、全体の生態系を見れば何ともないかもしれないというような感じを受けるんですね。
 私、それはもう有明海を見れば、あの諫早を埋め立てただけでああいう大きな変化が起こっているわけですから、そういうことではないんですね。そんな考え方じゃないのね、違うんですね。ちょっと答えてください。
○政府参考人(東良信君) ただいま申し上げましたのは、埋め立てるその地域は当然最重要でございますけれども、そこだけで解決できない問題がたくさんあると。例えば、流れだとかそういうもの、それは全体の中で考えなきゃいけないという趣旨で御答弁申し上げたということでございまして、先生の今の御指摘の部分は十分認識した上でのお話ということで御理解いただければ有り難いかと思っております。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 それから、その海草の移植についてちょっと伺いたいと思います。
 事業者は手植え移植なら良いと判断をして、昨年、海上工事をやりました。強行しました。また、失敗した機械移植の対策として減耗試験をしました。手植え移植や減耗試験の結果はどうだったのか、ちょっと簡単にお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(東良信君) この移植の方法、今、先生がお話ししましたとおり二通り今やっているところでございます。手植え工法、それから機械化工法というところでございます。
 今、先生御指摘がありましたとおり、手植え法は過去二、三年やっておりまして、平成十四年の九月に評価が、適応性があるんじゃないかという評価はいただいたというのは今お話しのとおりでございます。
 それから、機械化法につきましては、これにつきましてはなかなかうまくいっていない部分もあるということでございまして、今、広域移植実験等、それから減耗対策工法、いろいろ手を加えた上でどれだけ減耗するかという工法の試験を実施して、現在モニタリング中ということでございます。
 これにつきましては、環境省さんの方からもいろいろな御指導をいただいて、結果を待っているということでございます。そして、この結果につきましては、専門家で構成されております海草類の専門部会におきまして検討するということでなっているということでございます。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 環境省として、その機械化移植工法について、移植された個体の活着状態のみでなく、個体群の長期的かつ安定的な世代交代が確保されるか否か等、藻場としての健全性という観点も含めて、総合的に判断される必要があるという意見を述べていますよね。この基準からしたら、今の手植え移植の結果はそれを満足しているというふうに言えるのでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) まず、藻場の移植につきましての環境省の対応でございますけれども、平成十四年の十月に海草の移植に当たってあらかじめ計画が策定されること、そして公表される必要があること、それから機械による移植の実用化に当たりましては慎重な判断が必要であることなどの申入れを行っているところでございます。
 それで、今お話にありました具体的な今の状況でございますけれども、事業者の方で、専門家で構成されます委員会の意見を聞きながら、手植え移植後の状況のモニタリング、それから機械化移植については減耗対策工法試験などを実施している段階と、こういうことでございまして、藻場の移植についての最終的な結果は今の時点で得られていないというのが私どもの認識であります。
 いずれにいたしましても、環境アセスメントあるいは公有水面埋立法の手続におきまして求められております藻場の移植の確実かつ適切な実施が確保されると、これが大変重要なことだと思っております。
○岩佐恵美君 手植え移植やその減耗対策試験も私は到底成功したとは言えない状況だと思いますが、環境省としても結局まだ結論が出せる段階ではないということなわけですね。
 三月十五日のその海藻草類の専門部会に提出された資料を見ますと、機械による広域移植実験の結果は惨たんたるものなんですね。一月十三日の環境保全・創造委員会では、委員から、被度五〇%以上のものを持ってきたのに残っているのは一〇%程度だと、移植した海草はほとんどなくなっているに等しい、そういう厳しい指摘がありました。
 海草専門部会の野呂座長は、手植えの移植方法が果たして良いかどうか検討すべきだということになった、機械化移植に関してもう少し時間を掛けて見ていくべきだと話し合われたという報告をしておりまして、移植すれば生えてくるというのは陸上の芝の考え方なんだと。海はそうはいかない、移植して保全するという条件で埋立ての免許を出したこと自体が自然科学者から見たら間違いという趣旨のことを述べておられます。
 沖縄事務局の川上氏も、移植によって保全できないというのは、正にそういう流れだということも存じ上げていますと述べておられるんですね。
 私は、結局、その海草の移植は成功しない、うまくいかないというのが全体の評価だったと思うんですね。そして、少なくとも移植の技術はまだ時間を掛けて検討しなければならないというのが現段階の委員会の評価だと思います。
 そういう状況の下で工事をするというのは、私はアセスに反するし、八月以降に予定されている海上工事はやめるべきだというふうに思いますけれども、その点、イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(東良信君) お答えいたします。
 今お話がありましたとおり、委員会の専門部会でいろいろな議論がなされております。やはり、その議論の内容を十分に注視しながら考えていかないけないだろうというふうには思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたとおりの事情もございますので、私どもとすれば、その対応策を一つ一つ作りながら着実に事業は進めたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○岩佐恵美君 ちょっと時間がなくなったので途中飛ばします。
 最後に、大臣に伺いたいんですが、中城湾泡瀬干潟は琉球列島が二、三十万年前に大陸と陸続きだったころの生き証人がたくさん生息しています。これから研究が進めばどんな新しい発見があるか分かりません。環境監視委員会の上原委員長も、甲殻類、海草類、貝類、ジュゴンなど、いろいろな問題があり、非常に重要な問題を含んでいると述べておられます。
 こういうすばらしい地域だからこそ、環境省も国の重要湿地にリストアップしたんだと思います。航路工事の土捨て場にするということでこのすばらしい豊かな自然が失われるというのは、私は本当に胸が痛みます。先ほどエコツーリズムのお話もありました。子供たちがここに行ったらどんなにすばらしい感性に訴えるものがあって得るものが多いかということを、私も何回か行ってみて、思っています。
 是非、大臣、機会がありましたら現地に行っていただいて、そしてこの自然を守っていただきたいと、そう思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 時間ができましたら是非伺いたいものと思っておりますが、基本的に、事業の実施については事業者の責任において判断されるべきものであるということは申すまでもないと思います。
 また、実施の前提では環境アセス、そして公有水面埋立法の手続において必要とされます海草の移植、希少種でありますクビレミドロの保全、こういった環境保全上の措置が確実に、また適切に実施されることがまず不可欠であると考えております。
 先ほどから、どんなにすばらしい自然を持っているか、泡瀬干潟について、その位置付けと申しましょうか、それは環境省としても重々認識をしている、重要性を認識しているところでございますし、これまでも藻場の移植、そしてまた日本で初めて発見されたとされます海草への対応についても環境省の方から助言を重ねてまいりました。
 今後とも、沖縄県の環境部局と密接な連携を取りまして、事業者において環境保全上必要な措置が確実、そしてまた適切に実施されるように注視をしていきたい。そして、必要があれば助言をするということで、泡瀬干潟の環境保全については最大限の努力をこれからも重ねてまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 ありがとうございました。
 終わります。
○田英夫君 環境問題というのは、本当に今日も伺っていて膨大な、大きな問題だと思います。人類の未来を見据えて正しい哲学を持っていかないと大変なことになる。京都の議定書の問題などは正にその具体的な問題でしょうが、ブッシュ政権のように哲学を誤ると、それを阻害してしまうと。
 一方で、本当に私どもの身近なところの生活の問題に密接に関係する問題で一つ一つそれに対応をしていかなければならないということで、前の鈴木大臣にも申し上げたんですけれども、三木武夫さんが環境庁長官になられたときに、環境庁は政府の中の野党になれと訓示をされたというんですが、今やもう環境省は政府の中の中核的な存在として、経済官庁に対しても、あるいは外務省その他関係省庁に対して、環境省の考え方をなしにして政策を実行してはならないというような、むしろ非常に重要な役割を担ってきたのではないかなと思っています。
 ところで、具体的な話ですが、大臣の所信表明の中で毒ガスの問題に触れておられます。茨城県の神栖町の事件がありました。
 今、これは去年の十二月ですか、去年の末のことですけれども、今どういう対応をして、どうなっているか、お答えいただけますか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 茨城県神栖町におきます対応状況でございます。
 昨年の六月六日に閣議了解をいただきまして、その方針に基づきまして、県に生じておりました健康被害に係る緊急措置、あるいは原因究明等の対応について当たってきているところでございます。
 緊急措置事業について若干具体的に申し上げますと、有機砒素化合物が髪の毛とかつめでございますが、生体から検出された者に対しまして、健康診査でありますとか、実際に掛かった医療費の自己負担分の支給などを実施してきております。
 一方、地下水等の汚染の問題についてでございますが、汚染源特定のためのボーリング調査を鋭意進めてきたところでございますが、更に汚染源特定に向けまして地点、場所の絞り込みを進めておりまして、掘削調査にも着手したいと、このように予定しておるところでございます。
 以上でございます。
○田英夫君 そこで、これ外国の問題ですけれども、昨年の八月に中国の黒竜江省のチチハルで日本軍が遺棄したと、見られるというより、それ以外にないということですが、毒ガスが発見をされた。発見をされたというよりも、中国の人たちの中から死者、被害者が多数出たということの中で、この問題については化学兵器禁止条約がありますから、これは当然、日本政府の責任ですべてを処理しなければならないということですが、具体的に現在までどういう対応をしてきたのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西宮伸一君) お答えいたします。
 我が国政府といたしましては、昨年八月、中国の黒竜江省チチハル市におきます毒ガス事故が発生しましたことは誠に遺憾であるというふうに考えております。被害者の方に対しては強い同情の念を禁じ得ない、心からお見舞いを申し上げますという立場でございます。また、亡くなられた被害者の方、これお一方が亡くなられたわけでございますが、その方に対する深い哀悼の意を表しますとともに、御遺族に対しても心からお悔やみ申し上げる次第でございます。この旨は、昨年九月、中国の全人代の常務委員長である呉邦国氏が訪日された際に小泉総理大臣からもお伝え、直接お伝えしたところでございます。
 それで、本件事故につきましては、我が国といたしましては、中国側と密接に協議、協力をいたしまして、迅速かつ誠実な対応を目指して最大限の努力を行った次第でございます。
 まず、中国側より本件事故の通報がございましたが、その直後に事実関係の調査チームを送りまして、またその後、本件事故の被害をもたらしたドラム缶、これを取りあえず仮こん包する、あるいはその後、本格的にこん包するためのチーム、それから医療専門家のチームを派遣をいたした次第でございます。さらに、本件事故への対応、それから今後の遺棄化学兵器処理の進め方に関しまして、中国政府との間で三回にわたって協議を行った次第でございます。
 そうした協議の結果、昨年の十月十九日でございますが、我が国は本件事故との関連で、遺棄化学兵器処理事業に係る費用といたしまして三億円を中国政府に支払う旨表明し、日中両国政府は、これをもって本件事故に係る善後処理問題の最終的な解決とすることを文書により確認した次第でございます。
 我が国といたしましては、今後このような被害が生じないようにするためにも、化学兵器禁止条約に基づきまして遺棄化学兵器をできるだけ早く処理すべく中国側との緊密な協力の下、今後とも適切に対処してまいる所存でございます。
○田英夫君 そこで、今言われたその三億円というお金を出して、これで両国政府間では解決をしたと、こういうことなんですけれども、三億円というお金の性格は一体どういうことなのか。協力金というふうに言われているというんですが、一体協力金というのはどういうものなのか、それはどういうところに使われたのか。丸々つかみ金のようにして中国側に渡して、後どう使うかは中国側に任せるということなのか、そんなことでいいのかどうか、そこはどうなっていますか。
○政府参考人(西宮伸一君) 先ほど申し述べました三億円の性格についてのお尋ねでございますが、我が国は本件事故との関連で、遺棄化学兵器処理事業にかかわる経費といたしまして三億円を中国政府に対し支払うことといたしました。そして、中国はこの費用を中国政府の責任において関係諸方面に適切に配分することを文書において表明しておる次第でございます。
 この中身につきましては、中国側から、中国側の協力に際しまして要しました費用でありますとか、それから遺棄化学兵器処理事業の一環として、今後、同事業の遂行に欠かすことのできない医療体制確立の事業の実施に当たりまして、医療データ等の提供など、中国側の協力に対する費用というものでございます。
○田英夫君 日本政府は昨年度予算の中に三百七億円という旧日本軍遺棄化学兵器処理事業費というのを計上していると思います。恐らく三億円はその中から出たんだろうと思うんですが、チチハルはたまたま事業しようとしている中で掘り起こして、ドラム缶が出てきて被害が生じたということですけれども、あの広い中国の中に、中国だけ限っても日本軍の残した化学兵器は多々あると思わざるを得ないんですね。そういうことに対する対応というのは、政府の中でどこの省庁がどういうふうに対応しようとしているのか、今後も起こることだと思いますが、その点は、環境省でも外務省でも結構ですが、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西宮伸一君) 化学兵器禁止条約によりまして、我が国は中国の遺棄化学兵器を廃棄する義務を負っておるところでございまして、中国側の協力を得ながら事業を推進しておるところでございます。
 事業といたしましては、基本的には内閣府の方の予算が大きくなっておりますが、その前調査の関連で外務省も予算計上をしておるところでございます。
 中国の遺棄化学兵器の全体の九割ぐらいと推定しておるわけでございますが、これは数十万発という数でございますが、これが埋設されていると言われております吉林省におきましては、発掘事業、無害化処理に向けてこれまで日中間で処理技術の選定を中心とした協議を精力的に行ってまいりましたに加えまして、道路などインフラ整備、事業に必要なインフラの整備というのを進めてきた次第でございます。
 こうした結果、平成十六年度におきまして発掘回収施設の建設に着手するとともに、処理施設につきましても、処理技術、それから処理施設の立地の場所の確定という作業に着手することを目指して今作業をしておるところでございます。
 ただいま申し上げました事業は、実態的にはこれは内閣府の方で行っているわけでございまして、ただ、中国側から通報等がございますと、まず外務省から調査団を派遣いたしまして、これが旧日本軍の化学兵器であることの確認などなど、事前調査的なことを外務省の方でやらせていただいていると、こういう体制でございます。
○田英夫君 これは本当に政府全体で取り組んでいただかなければならない問題で、この問題が、こういう問題が本当にきちんと終わって初めて戦争が終わったということが言えるんじゃないか。私のような世代は、本当に我々の世代の残したものを後ろに継いではならないという気が非常にするものですから、その点を非常に心配をいたします。
 これは、ここに七三一部隊という本があります。七三一部隊というのは、御存じのとおり、化学兵器を戦争中旧日本軍の中で研究をしていたグループなんですけれども、この本を書いたのは吉永春子さんというジャーナリストですが、もちろん中国にもしばしば行って、リポートをまとめたのがこの本ですけれども、毒ガスに限らず、正に生物化学兵器の研究を日本軍はしていたと。
 この中にも出てきますけれども、細菌をトマトなどの野菜に注射して歩く。便衣隊と書いてありますが、便衣隊というのは、中国側の、平服で、軍服を着ないで平服で、一種の特殊部隊ですね、その、今度は日本側が中国人の服装をしてトマトや野菜に細菌を注射して歩いたということがリポートされています。
 そういうところまでやっていたわけですから、中国だけ例に取っても非常に膨大な化学兵器あるいは生物化学兵器が使われたに違いない。その後起こったいわゆる太平洋戦争中の、アジアからニューギニアまで行っているわけですから、そういうところで一体どういうことがあったのか、何が起こっているのか、そういうことも視野の中に入れておかなければいけないことだと思います。
 もう一つ申し上げたいのは、先ほど三億円というお金で、結局は、ずばり言ってしまえば、中国側にそれを渡して、処理をするのにも使うし、被害者の見舞金といいますか、そういうものにも使うという、そういう非常に大ざっぱな処理の仕方になっているわけですけれども、本当にそれでいいのか。本来ならば、日本政府がはっきりと賠償を支払うということをしていれば、こういう事態にはならなかったのかもしれません。しかし、むしろ中国側から周恩来総理が積極的に提起して、日本には賠償を免除するということが日中国交正常化から平和友好条約結ぶという段階で確定したものですから、今度はその後に起こってくるこの種のことに対する対応が非常に難しくなりました。
 そのことをいろいろ取り組んできましたけれども、例えば強制連行という問題、そのことによって起こった被害、被害者自身が政府が何もしないから仕方なく訴訟を起こすという、日本の法廷で訴訟を起こすという、そういうことにならざるを得なくなってきました。この毒ガスの問題も、本当に被害者が納得しているのかどうか。ほかの場所でもあり得ることであって、その場合に、被害者が日本の法廷に訴訟を起こすということになってくると、政治的な解決はできなくなってしまう。
 例えば、花岡事件というのを御存じだと思いますが、これは中国から日本が強制連行で連れてきて、大館の花岡という地区で強制労働をさせていた約千人の中国人が重労働に耐えかねて蜂起した。戦争が終わる直前の六月三十日ですよ。結局、千人のうち六百人ほどが死んだ。生き残った人が、そのときにはもう賠償の問題もすべて終わっていたために提訴をするしか方法がないという形で裁判に訴えました。結果は、五億円を支払って、それは日本の企業がです、支払って和解する、こういうことになったんですね。中国側は大勢の人ですから全部合わせれば五百億ほどの金額になるものを、五億円を日本の、そのときにその人たちを重労働させた企業が支払って和解をしたということになったんですが、そういうことでいいんだろうかと私は思わざるを得ないんですね。今度のチチハルの三億円もそういう感じを持ちます。
 今後もそういうことは起こり得ることであって、政治が本来解決しなければならないものを司法の場で解決をすると、解決と言えるかどうか、これは私ども政治に携わる者、そして日本政府の皆さん、是非深刻にお考えいただきたい。この負の遺産を清算しなければ、本当に日本は国際社会の中で一人前の顔をして行動できる国ではないと言わざるを得ないと思います。
 終わります。
○高橋紀世子君 新しい小池大臣から所信表明演説をいただいて、大変その意欲に感動した次第でございます。私、二、三質問させていただきます。
 この間、実質的なCO2の削減という京都議定書本来の目的から考えますと、一九九〇年のCO2森林吸収量をゼロとして計算する算定方法は大きな問題があると考えます。実質的に森林の増加のみ算定する方法に改めていただきたいと思うのですけれども、これも前もお伺いしましたけれども、小池大臣、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) この問題につきましては、委員かねてより大変問題があるということで御指摘を重ねておられること、私も聞いております。ただ、この森林吸収源につきましてはCOP7でのマラケシュ合意で既に決まっておりまして、国際ルールとして決定をされたものでございます。
 そして、従前から実施してきた森林整備の努力などを各国の事情の違いに配慮をいたしまして、そして調整を重ねたということで、このルールについては一定の合理性を持つものだということを、私もその考えを持っております。
 この算定方法でございますけれども、CO2の削減約束とセットで国際的に合意されておりまして、両者をセットで国内的な合意をもって、そして京都議定書が成り立っている、締結をしてきているという、ずっと一連の経緯があるわけでございますので、これを既に決定されたものをまたひっくり返すということはなかなか難しいと。また、その考えも持ち合わせていないということでございます。
○高橋紀世子君 何か少し変だと思いますけれども、ありがとうございました。
 それから、コスト的にも決して安上がりと言えない原子力発電は、放射能廃棄物など環境汚染の危惧をはらんでおります。確かに、原発にはCO2を余り排出しないという特徴がありますが、人類の安全で住みやすい環境を作るという、より大きな目的を持つ環境省が進めるべきではないと思うんです。
 私は、原子力の増設には、CO2を削減しようとするには問題があると考えますけれども、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 前半の方でおっしゃいましたように、原子力発電は、発電の過程で二酸化炭素を排出しないという点では大変地球温暖化の対策としての重要な電源であると考えます。地球温暖化対策推進大綱におきましても、エネルギーの供給面において、この二酸化炭素排出量の削減対策の柱であるということで、原子力発電の推進を掲げているところでございます。
 ただし、もちろん安全性の確保が大前提ということでございます。よって、この安全性の確保というその大前提をしっかりと守り、そしてまた原子力発電は重要な温暖化対策の一つであるということで位置付けております大綱に沿いまして、今後とも対策は進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○高橋紀世子君 是非、やはり安全なようにいろいろな対策を考えていただきたいと思います。
 それからもう一つ、戦争は人類による最大級の環境汚染行為であると思うんです。環境省は、戦争行為が人間に与えた目に見える被害だけではなく、環境被害などによって生じた目に見えない間接的な影響などを率先して調査していただきたいと思います。環境の見地から、当事国の人々だけではなく、周辺の国民に与える影響の深刻さを明らかになっていくことで、人類全体が戦争の無益さを知ることは、それは地球社会の平和的発展に大きく貢献すると考えるんです。
 私は、戦争が環境全体に与える被害などの実態を調査するチームを作っていただいて、そして戦争に対する環境的なマイナスの面を調べていくように思うんですけれども、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 戦争における環境の影響調査ということでございますけれども、どの戦争という……
○高橋紀世子君 いろいろ全部。
○国務大臣(小池百合子君) 残念ながら、中東戦争から、イラク戦争から、もう様々な……
○高橋紀世子君 そうですね。だから、現在行われている戦争、もう昔の戦争はあれですから。
○国務大臣(小池百合子君) 現在というと、これまでも、じゃ、一般論でまず申し上げさせていただきますけれども、具体的にどのような兵器がどのような場所で、そしてまたどのように使用されたかという情報を得ることは大変難しいのではないかと思うわけでございます。で、使用された兵器がどのような地球環境への影響を与えるのか、そのことの調査そのものは極めて難しいのではないかと率直に思うところでございます。
○高橋紀世子君 分かりました。
 とにかく、戦争は環境に大変悪い影響があると思いますので、なるべく戦争をしないようにしたいと思います。
 それからもう一つ、環境に悪いことをすると罰を与えるという方法ではどうしても明るくならないと思うんです。罰則を厳しくすればするほど、もっと隠れてしたり、陰湿な方法で破壊行為が出てしまうと思うんです。
 抽象的な表現かもしれませんが、やはり環境に善いことをした場合に恩恵が得られるようなシステムに転換していかなければならないと思うんですけれども、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) おっしゃる意味はよく分かるところでございます。所信でも申し述べさせていただきましたが、環境と経済が統合し、それがうまく相まって好循環を繰り返していくことによって環境が良くなり、さらに経済が良くなると。このぐるぐるとしたこの輪を作り出したいということでございますけれども、ですから、環境を良くすることが経済を発展させ、そして経済の活性化が環境を改善するということで、環境と経済が一体となって向上するように、それが二十一世紀の我が国のあるべき姿だというふうに描いております。
 また、これは駄目あれ駄目という規制のみならず、様々な政策手法を組み合わせていくことで、その目的がより的確に、また早く得られるということも考えなくてはならないと思います。
 現在、環境省の方では環境報告書の普及促進を考えておりまして、事業者の積極的な環境配慮の取組が社会や市場から高く評価される。つまり、ここで一生懸命環境にいい事業活動をやっている会社、企業等々が、それによって、その事業活動を外に報告することによって、消費者そして地域からもよくやっているということでインセンティブにつながっていく。そのように発展につながるような条件を整備するという意味で、今国会、環境報告書の普及促進を含みます法案をこの今国会に提出させていただいているところでございますので、是非ともよろしく御審議をお願いをしたいと思います。
 いずれにしましても、環境と経済、これのどのようなバランスで、どのような、何というんでしょうか、お互いが刺激をし合ってお互いが良くなるというその構造を生み出すか。どのような、何というんでしょうか、政策手法、その中にはもちろん法律も含まれますけれども、これを進めていくのか。的確に判断をしてまた前進をさせていきたいと考えておりますので、よろしく御協力のほどお願いいたします。
○高橋紀世子君 本当におっしゃるとおり、環境にいいことをした人たちが損をするのではなく、環境に配慮した人がやはり恩恵を得られるような、そういう社会にしていきたいと思います。
 今日はありがとうございました。
○委員長(長谷川清君) 本日の調査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後二時二分散会