第161回国会 農林水産委員会 第2号
平成十六年十月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     岸  信夫君     長谷川憲正君
     小泉 昭男君     陣内 孝雄君
     野村 哲郎君     荒井 正吾君
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     荒井 正吾君     野村 哲郎君
     陣内 孝雄君     小泉 昭男君
     長谷川憲正君     岸  信夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 義雄君
    理 事
                岩永 浩美君
                田中 直紀君
                羽田雄一郎君
                和田ひろ子君
    委 員
                加治屋義人君
                岸  信夫君
                小泉 昭男君
                小斉平敏文君
                常田 享詳君
                野村 哲郎君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                主濱  了君
            ツルネン マルテイ君
                松下 新平君
                谷合 正明君
                福本 潤一君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   島村 宜伸君
   副大臣
       農林水産副大臣  常田 享詳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高野 浩臣君
   政府参考人
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        素川 富司君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       外口  崇君
       農林水産省総合
       食料局長     村上 秀徳君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       農林水産省生産
       局長       白須 敏朗君
       農林水産省経営
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省農村
       振興局長     川村秀三郎君
       林野庁長官    前田 直登君
       環境省自然環境
       局長       小野寺 浩君
   参考人
       食品安全委員会
       委員長      寺田 雅昭君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (米国産牛肉輸入再開問題に関する件)
 (BSE対策国内措置の在り方に関する件)
 (台風、地震等による被害状況と対応策に関す
 る件)
 (農政改革の方向性と食料・農業・農村基本計
 画見直しに関する件)
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○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に文部科学省スポーツ・青少年局長素川富司君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、農林水産省総合食料局長村上秀徳君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長白須敏朗君、農林水産省経営局長須賀田菊仁君、農林水産省農村振興局長川村秀三郎君、林野庁長官前田直登君及び環境省自然環境局長小野寺浩君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(中川義雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に食品安全委員会委員長寺田雅昭君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(中川義雄君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田中直紀君 どうも、おはようございます。自由民主党新潟県選出田中直紀でございます。
 今日は、二十六日に述べられました島村大臣の所信につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、このたびの私の出身の新潟県で中越地震が起こりました。全国から大変御支援をいただいておりますことを心から御礼を申し上げたいと思います。一日も早い回復を願うところでございます。
 まず、BSE問題で質問をさせていただきます。中川坦農林水産省消費・安全局長にもお出掛けをいただいて、二十一日から二十三日まで大変、日米協議ということで御努力をいただいたところであります。
 二十四日の新聞等で拝見をいたしますと、米国産牛肉につきましては来週にも輸入が解禁される、そして大枠で確認をされたと。生後二十か月以下を限定として輸入がされるんではないかという報道もございました。そしてまた、早期再開で一致をしたということで取り上げておる新聞もございましたが、一方で石原事務次官は、輸入再開時期は確認をしていない、今後、食品安全委員会との動向を見ながら決まるんではないかと、こういう話も出ております。
 そして一方で、BSEの国内の見直しということで諮問がされまして食品安全委員会も開かれる、議論が始まっておると、こういうことが新聞紙上で報道されているわけでありまして、交渉に立ち会わられたといいますか、直接交渉をされました中川局長に、三日間、第一日目はどういう我が国が主張をしたか、あるいは米国がどういう回答があったか、二日目もなかなか結論が出なかった、そしてまた最終日がこういう形で一応交渉が終了をした、こういうことでありますので、時系列にといいますか、大変タフな交渉をしていただいたということで聞いておりますが、若干時間を使っていただいても結構でありますが、交渉の内容についてまず御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) ただいま先生から、この三日間の日米間の局長級の協議につきまして、その具体的なやり取り等について簡潔に報告をするようにという御趣旨でございますけれども、二国間での言わば外交交渉でありますので、具体的な中身についてどういうやり取りがあったというその詳細についてはこういう場で申し上げることは控えさせていただきたいと思います。その点についてはほかのいろんな交渉案件についても同じでございますので、その点は是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 総じて申しますと、日本からは、国内の三年間続けてまいりましたBSEの対策について、今回、食品安全委員会の中間取りまとめを受けて具体的な見直しをしているということ、その具体的な中身をまずアメリカ側にきちっと説明をいたしました。その中で、かねてから言ってきたことではありますけれども、海外から輸入をする場合には日本の国内で取っているBSEの対策と同等のことを輸入のものについても要求していくと、この基本的な考え方を繰り返し繰り返しアメリカ側に説明をし、また理解も求めたわけでございます。
 アメリカの側からは、BSEが発見をされまして以降、一定の強化策も取ってきておりますけれども、そういった対策の説明と併せて、できるだけ早く輸入の解禁をしてもらいたいということで強い要請がありました。
 こういった両国のそれぞれの基本的な考え方をめぐって双方厳しいやり取りをしたということでございます。それ以上の詳細は控えさせていただきたいというふうに思います。
 元々これ予定は二日間でございましたけれども、更に一日予備日まで使って土曜日にかけましてぎりぎりの交渉をいたしたということでございます。一言で申し上げれば、日本が主張しておりましたそういった基本的な考え方、同等の措置を要求をするという点につきましては確保できたと思っております。
 それは具体的に申し上げますと、アメリカから輸入をされます牛肉につきまして、特定危険部位については全月齢のものからきちっと除去をしてもらうということ、それから二つ目といたしまして、牛肉につきまして、個体月齢証明等の生産記録を通じてこれが二十か月以下と証明をされた牛からのものであるということが、こういう二つの主要なポイントにつきましてアメリカ側で輸出証明プログラム、BEVプログラム、一つの認証制度でありますけれども、これをアメリカ農務省の方でそういう新たなプログラムを立ち上げる、その中でこういった今申し上げた主要な点については確認をしていくと、そういう基本的なところについて両国で共通の認識を得たということでございます。
 もちろん、これからこの今申し上げたような大事な点について本当に現場で確認ができるかどうかといった細部の詰めを行うことになりますけれども、それは専門家、実務者で今後作業をしていくということでございます。
 以上が主要な点ということにつきまして今回の協議のポイントでございます。
○田中直紀君 交渉事であるということでありますが、食の安全、安心という、消費者にやはり理解をしてもらわなければいけないという大変重要な問題ではないかというふうに思います。
 そしてまた、石原事務次官が、協議結果は輸入時期に一切触れてない、食品安全委員会の検討が終わらないといつ再開するとは言えないというようなことを、交渉の内容を既に事務次官が言われているわけでありますし、また、日本が米国に求めていた国内と同等の措置が必要との方針は貫けたという、残されている課題はまだ多く、消費者の食の安全、安心確保を貫きたいということで事務次官が交渉の内容を相当触れておられるわけでありますから、まあ、中川局長も当然交渉の内容について報告をされ、大臣も聞いておられると、こういう、副大臣も当然でありますが、関係者は聞いておられるということでありますから、何も、オープンにしていいんじゃないですか。
 日米関係という中にあって信頼関係が基礎で今日両国が成り立っているわけでありますから、これはもう大いにこの委員会で、国会ですべて、できることはできる、できないことはできない、あるいは時間が掛かることはお互いに時間を掛けてやろうじゃないかというのが、これ政治の根本でありますし、そういう面では我々もそれを基に消費者の皆さん方に確実に理解をしていただくということが第一でありますから、私はこの場で是非、第一日、我が国はこういう要望をした、いや、アメリカは、しかし時間が掛かるよ、いや、できないこともあるでしょう、そしてまた科学的な見地ということから共通認識も出てくるということであろうかと思いますし、またアメリカもいろいろ提案もされたでしょうし、時期も要望されたんだと思いますが、大いにいいんじゃないですか、発表していただいて。それで我々がその対処をしていくと、こういうことだと思いますので、是非もっと詳細に交渉の内容について発表していただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 日米間の協議の結果につきましては、二十三日、最終日でありますけれども、共同記者発表という形で具体的な中身について文書で公表いたしております。これが今回の三日間にわたります協議のすべてでございます。
 ポイントだけ、もしお許しをいただければ御報告申し上げますけれども、主要な点は七つございまして、一つは、今回、これ日米間の牛肉貿易の再開に向けての協議ということでありますので、一つは、これまで止まっておりました日本産の牛肉のアメリカへの輸出につきましても今回道筋が付いております。アメリカ側への、アメリカの国内での規則制定手続を経まして、日本からアメリカへの牛肉輸出についても認めるということがまず第一点でございます。
 それから、先ほども申し上げましたが、日本にアメリカから牛肉を輸入する場合の基本的な要件につきましては、先ほども申し上げましたが、日本が国内で取っている、あるいはこれから取ろうとしている措置と同じことをアメリカ側に要求をしていくと、そういう条件は今回基本的なところで意見の一致を見たところでございます。
 それから、これ今お尋ねにもございましたが、貿易再開のタイミングでありますけれども、両国がそれぞれ国内の手続、日本であれば食品安全委員会の承認手続、答申をいただくというそういう手続もございます。
 こういった手続を経て再開をするということで、具体的に今からいつということは、それぞれこれ今後のことがございますので明示されてはおりません。もちろん、アメリカ側からはできるだけ早くというふうな要求がありましたけれども、そこは必要な手続をきちっと踏まえていく必要があると。当然、その過程においては消費者の方々に十分御理解をいただくような、そういう手続も必要だということをるる説明をしたところでございます。
 それから、BSEには何分まだ分からない、科学的にも分からない点がいろいろありますので、今後とも日米間で専門家の協議というものを続けていくというふうなことも、協議を継続していくというふうなことも盛り込まれております。
 また、アメリカにおきましては、先ほども申し上げましたが、日本に輸出するに当たって、その具体的な要件を確認するための承認のためのBEVプログラムという、輸出証明プログラムというものを設けるとなってきておりますけれども、来年の春以降、OIEにおきますいろんな議論、それからアメリカでサーベイランスと、強化というものを今行っておりますけれども、そういった将来一定の時期にその結果が出てくることが予定をされております。
 そういうものを踏まえて、改めて両国で検証していこうというふうなことも盛り込まれているところでございます。
 それから最後に、もう一つのポイント、大変重要な点でありますけれども、従来、アメリカからは担当官が来て日本の屠畜場の施設を査察をするということ、かって行っておりました。日本からそういうことをしておりませんでしたが、今回の協議の中で、相互にこれは相手国に行ってきちっと施設を査察をすると、そういうことも盛り込まれたところでございます。これは日本側から要求をして、当然のことでありますけれども、今回、相互にそういう査察をし合うということも決まったと、合意、両国でそういうところで意見の一致があったという点でございます。
 以上、ポイントだけ申し上げました。
○田中直紀君 参議院の委員会で、一年ほど前だと思いますが、私も委員として、常田委員長の時代だと思います、我が国の牛のトレーサビリティーに関する法律ということで審議をさせていただきました。そのときにたまたまカナダでBSEが発生したと。大変輸入の牛肉について今後心配をいたしまして、与野党で相談をして、やはり安全性に対する消費者の懸念を輸入牛肉については払拭していかなきゃいかぬと、こういうことで議論がございまして、やはり輸入牛肉についてもトレーサビリティー、今、証明書というようなお話がございましたけれども、やはり主食と一緒に牛肉というのは大変需要が増えてきておるわけでありますから、輸入する国においては我が国と同等のトレーサビリティーをやってもらう必要があるんではないか、こういうことで結論がございました。
 しかし、諸外国の努力を見守ろうと、国内においての新たな法律というものは検討をするということは決議をいたしまして、諸外国の努力を見守っていこうと、こういうことになったわけでありまして、科学的な見地、いろいろあろうかと思いますが、我が国の同等な措置を求めたということでありますが、トレーサビリティーをやると、やってもらわなきゃ困るということは強く要求していただいたかどうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) これからの輸入再開に向けてアメリカ側にきちっと要求するべき点、先ほど申し上げましたが、その二つの要件のうちの一つは、二十か月齢以下の牛から取られた牛肉であるということがポイントでございます。当然、二十か月以下ということをきちっと証明をしてもらう、そういうデータに基づいてきちっと確認をするということが必要でございます。
 その際に、アメリカにおきましては、具体的な生体牛の生産記録にさかのぼってその辺の月齢を確認するということで、これを個体ごとに証明をする仕組み、あるいは一つのグループとして二十か月、このグループに属するものは二十か月以下であるということを証明する仕組み等々、四つぐらい、四つのアイデアを今回の協議では盛り、その協議の結果として両国で意見の一致があったところでございます。もちろん、このそれぞれについて、この四つの証明の方法について具体的に現地の確認も含めまして、そのことを実証ができる確実なものであるということをこれから詰めなければいけません。
 その際に、トレーサビリティー、日本にあるようなトレーサビリティーがそのままアメリカでできれば、もちろんそれはそれでよろしいわけでありますけれども、日本からアメリカに要求をするそのポイントは、二十か月以下であるということが確実に証明される、そういう仕組みとして我々は今回の協議で要求をしたところでございます。日本と全く同じトレーサビリティーを相手に要求するということまではいたしておりません。
○田中直紀君 このBSEの問題が発生をいたしまして、我が国も大変努力をしながら対策をしてきたわけであります。
 二十か月以下の牛については検査をしても、今の、プリオンと言うんでしょうか、の状況からいうと、いわゆる感染しているかどうかというのは判明がしないと、判明できないというこの科学的な見地ということが前提でありまして、二十か月以下の牛においてもBSEに感染している可能性はあるわけですよね。それは御存じだと思います。
 ですから、二十か月の議論の前に、いかに感染しておる牛が少ないかということをまず消費者としては確認をしなきゃいけない。そして、しかし感染をしたとしても、その感染した牛がトレーサビリティーですぐに分かるんだと、検査をしてですね。そして、対処ができるということがこれトレーサビリティーでありますし、そしてまた、いわゆる我々が食するためには危険部位、感染した牛が万が一流通しかねないというときにはしかし屠殺場で危険部位はすべて安全に除去されておるという、その三段階の、我々も委員会で議論をしてまいりましたから、全頭検査をしなければいけない、する、しようというこの精神は、その三つの観点において全頭検査というものをして、そしてまずは感染している牛は少ないですよ、もうほとんどありませんよということを確認、これはおかげさまで、全頭検査を我が国がしたことによって新たな感染が少なかったということになったわけでありますが。しかし、トレーサビリティーで、万が一で起きてもそれは我々の、すぐに対処をしてもらえるよと。そして、二十か月以下の牛についても完全にその危険部位は除去されておると。
 この三つの条件が整わなければ、残念ながら、消費者の皆さん方は理解しないと思いますし、安心しないというのが我々共通した認識だと思うんですが、一方で、トレーサビリティーを私は要求して、いつできるんだ、やっていただけるんだと。これはすぐにできないことはやはり、しかしやらなきゃいけないことはやっていただくということの精神で大いに御発言をいただいて、しかし、当面いろいろ証明書を付けられるとかということでありますが、その辺、本当にその科学的見地というものをバックにするとすれば、交渉事もそれに従ってやらないとこれからの食品安全委員会で私は理解がなされないんではないかなというふうに心配をいたしておりますが、いかがですか。
○政府参考人(中川坦君) 今、先生がおっしゃいました三つの大事な点につきまして、私どももそれぞれアメリカ側に協議の中で言ったことはございます。
 例えば、最初の感染牛が少ないかどうかと。これは、アメリカがサーベイランスというのを今年の六月から強化をいたしまして、一年ないし一年半で二十万頭から二十七万頭、高リスク牛を対象にしてやるということは今年の春に発表いたしております。そういった強化されたサーベイランスについて、その手法等も含めましていろいろ意見は言っているわけであります。具体的なアメリカのBSEの蔓延状況というのをきちっと把握をするというのは、おっしゃるとおり大変大事なことであります。その方法論についても、私ども意見はアメリカ側に言っております。
 それから、トレーサビリティーでありますが、先ほど、牛肉再開のときの条件としては私の方から、日本側から条件としては言わなかったということでありますけれども、このトレーサビリティーシステム自体アメリカ側で早急に整備をするべきであるということはかねてから言っているところでありまして、現にアメリカ側では二年程度掛けて整備をしたいということは言っております。ただ、これは防疫、おっしゃいましたように、新しく疾病が発生をしたときに農場までさかのぼって適切な対応が迅速に行えるようにという、そういう防疫対応のための措置でありますので、輸入そのものと直接関連付けてまで言うというのはいささか問題があるということで、先ほど御答弁させていただいたような内容にしたわけでございます。
 それから、当然でございます、三点目のSRM、特定危険部位の除去は、アメリカの屠畜場においてきちっと交差汚染のない形で完全に取られるような、そういう条件をこれから具体的に詰めてまいるつもりでございます。
○田中直紀君 ほかの質問もちょっと用意いたしましたので、副大臣にその辺をまとめていただきまして、まず、今後のBSE対策に対する手順というものを農林水産省としてどういうふうにこの交渉を終了した後考えておられるか、御質問申し上げます。
○副大臣(常田享詳君) 大臣に先立ちまして僣越かもしれませんが、田中先生の御地元での地震並びにそれに先立つ台風の被害を受けられました方々にまず心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 ただいまの先生の御質問でありますが、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。先ほど来局長からも答弁しておりますが、具体的な輸入再開時期というものは決まっておりません。そのことを決めて、そのことを前提にして事が進んでいるということはございませんので、まずそのことを御理解いただきたいと思います。
 その上で、今回の日米局長協議においては、一定の条件、枠組みの下で、両国の国内手続が完了されることを条件に、あくまでも、あくまでも科学的知見に基づいて牛肉貿易を再開するということでございまして、科学的知見に基づいて交渉を進めていくということでございますから、そのことの御理解もいただいておきたいと思います。
 その上で、手順でございますけれども、今後は、条件、枠組みの詳細については、まず専門家及び実務担当者による検討作業を引き続き進めていくというふうに理解しております。あわせて、ここがまた大切なところでありますけれども、輸入再開条件につきましては、食品安全委員会における審議というものが必ず必要になってまいります。そういうことで、食品安全委員会にそういう時期が来れば科学的知見に基づいてこれで大丈夫かという諮問をいたしまして、その答申に基づいて判断をしていくという、大きなそういうハードルがあるということも御理解いただきたいと思います。
 そして、委員御指摘のとおり、消費者の理解が得られなければならないという、これはもうごもっともなことでございまして、今七か所でリスクコミュニケーションをやっておりますが、これを、全県下でリスクコミュニケーションを行う方向で今進めているというふうに理解をいたしております。
 再度申し上げます。現時点で具体的な輸入再開の時期が決まっているということはないということを改めて申し上げまして、答弁とさせていただきます。
○田中直紀君 新潟県につきましてお見舞いいただきまして、ありがとうございました。
 食品安全委員会のプリオン専門調査会が二十六日から審議を始めたということであります。複数の専門家から、科学的見地から検査対象の牛の月齢を生後二十一か月以上とする根拠を示したものではないにもかかわらず線引きの目安として広く受け止められていることに批判が出ているというようなことも載っておりますが、科学的な見地として専門的にこのBSE問題について結論を出していただき、それを基にまた日米交渉がいい方向に行ってもらうということは大事なことだと思います。しかし、国内問題といたしましては、消費者の理解を得ながら大臣も対応していかれるということで先般御発言をいただきました。
 島村大臣におきましては、二度目の農林水産大臣ということで、大変農林水産行政に明るいわけでありますし、農業関係にも長年取り組んできておりますので、消費者に安心のできる解決をしていただければと期待をいたしておりますが、その決意のほどをまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 今回の牛肉問題の交渉に当たりましては、局長、副大臣から御説明がありましたけれども、当然のことに私たちは、あくまで科学的知見に基づいて、食の安全、安心を大前提に消費者の皆さんの御理解が得られるように最善を尽くしていくと、このことを申し上げておきたいと思います。
○田中直紀君 新潟県のことで大変恐縮でありますが、農林水産省におきましては対策本部を設置をしていただいたということでございます。
 二十六日には会合を開いていただきまして、今大変必要であります幼児のミルクの供給あるいはその他の缶詰を供給をしていただくというようなことも新聞に載っておりますけれども、大変急に起きました震災でありますし、余震が大変、昨日も深夜に大変大きな余震があったと、こういうことで、地域の皆さん方も大変、十万人以上の方々が、被災者が避難をされておるということであります。村田災害担当も視察をしていただきまして、各省にいろいろと連携を取らしていただいておるようでありますが、農林水産省として今までやっていただきました内容につきまして、御報告をいただければと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 新潟中越地震につきましては、いち早く言わば対策本部を設けまして、言わば岩永副大臣を本部長として今これに、対応に当たっておりますし、参議院の常田副大臣も本部長代理として先頭の指揮をしていただいているところであります。
 我々はすぐにでも飛んでいきたいわけですが、閣僚が次々と行っても、かえって御迷惑を掛けてもいけないので、現地の情報、状況の把握に最善を尽くしておりますし、また、知事さんなどとも電話で連絡を取って、何でもひとつお互いに納得のいくような結果につないでいこうと、こんな話合いもしているところでありますので、是非ひとつ新潟県御出身の田中議員からもその趣旨を御徹底いただきたいと、こう思っております。
 なお、内容につきましては、いろいろもう精査してございますが、これを申し上げると長くなりますので、むしろ私よりお詳しいこともあろうかと思いますので、割愛をさせていただきます。
○田中直紀君 二十五日に初会合を開いていただきまして、緊急食料支援と二次災害の防止に全力を挙げていただくということを伺っております。緊急の追加支援ということで、先ほど申し上げましたけれども、育児用の粉ミルクやハム、ソーセージ、缶詰類を送っていただくということもございますし、備蓄する乾パン四万以上、乾燥米飯四万、いろいろ発送していただいたということでありますし、精米七万五千トンを県に送っていただいたという大変有り難い対応をしていただいたと思います。
 孤立した町が、非常にまだまだ集落もございまして、ちょうど食べ物、昨日の新聞でしたか、川口町というところが食べ物SOSということで、ミルク、薬を、おむつ、こういうことで、我々もなかなか近づけない状況にあるのでありますが、是非そういうことで、育児用の粉ミルクを県に送っていただくんだと思いますが、こういう地域に早く、私も言いますが、農林水産省の方からも、早く届けていただけるような、情報もどんどん入れさせていただきますが、迅速に対応できるようにお願いをいたしたいと思っております。
 大変、余震が続いておるということでありますし、私も小千谷の近くにおりまして、車が横転するかと思うぐらいの揺れでありましたので、現地は大変厳しい環境にありますので、是非引き続き御努力をお願い申し上げたいと思います。
 若干時間がありますので、農政改革について御質問を申し上げます。
 大臣就任に当たりましていろいろ決意を述べていただいておりまして、その中で、大きく言いますと、今後の農家の経営安定対策に力強く取り組んでいただくと、こういう御発言がありました。そしてまた農地制度の見直し、そしてまた農業の株式会社への参入の拡大という問題についても大臣も触れられてきておるところでありまして、当委員会におきましても、株式会社の農業の参入ということにつきましては、農家の皆さん方が大変センシティブな状況になっている中にあって、生産性の向上を図っていく、あるいは農業の将来の展望を開いていこうということで、農業法人も手掛けていただいておる農家の皆さん方もあるわけでありますが、基本的な問題につきまして、大臣の方針を伺いたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国におきましては、食料供給力の脆弱化、その一方でまた国際化の進展という厳しい環境もあるわけでありまして、それらの下で効率的かつ安定的な農業経営がやはり求められるわけであります。
 そういう意味で、担い手の育成を、担い手を育成し、またこれを確保していくということが急務となります。このため、農地の集積を言わば促進していく観点から、担い手を対象とする経営安定化対策の導入を目指しているところであります。
 また、農地制度につきましては、この経営安定対策と相まって、担い手の育成確保に資するよう、担い手に対する農地の利用集積の加速化、耕作放棄地対策の強化と新規参入の促進を中心として言わば検討を進める方針であります。
 また、担い手の育成確保を早急に進める必要があることから、農地制度の見直しは経営安定対策の導入よりも先行して進める考えであります。
 また、御指摘の株式会社の参入問題についてでありますが、株式会社は幅広く資本調達が可能であるといった利点がある一方で、株式の言わば譲渡が自由であり、株主の構成次第で経営方針が変わり、事業が一定しないという問題もあるわけであります。このため、農業に参入しようとする株式会社は、農業の継続が図られ、かつ農業に携わる方が中核になっているなど、農業生産法人の要件を満たす必要があると、このように考えております。
○田中直紀君 質問の項目には入れておりませんでしたけれども、現在の農業環境、大変厳しい状況にあることは間違いございません。その中にありまして、中山間地域対策につきましては、財務省が制度の見直しにつきまして諮問をしておるというような状況もあるわけでありますが、農林水産省は、引き続きこの制度については来年度の概算要求におきましては要求をしていただいておるところであります。
 やはり中山間地域対策としては、非常に担い手対策としても、これ五年間で終わってしまうと、せっかく成果が上がってきておるという地域が多いわけでありますので、是非引き続き予算の獲得あるいは制度の継続を図ってもらいたいという要望が強いわけでありますので、大臣にも是非頑張っていただきたいと思います。
 ただ、制度自体の若干の見直し、あるいはこの制度に、新潟県ではほとんどもう参画をさせていただいて対処させていただいておりますが、全国的に見ますと、若干その地域に合ったような制度を運用をした方がいいんではないかという提案がございます。未消化の予算、三百億の国費、六百億の事業費という形でスタートいたしましたが、若干未達なところがあるということが、この制度に対する財務省に目を付けられたようなところもあるんではないかと思いますが、そういう面で、予算の面では大変厳しい折衝があろうかと思いますが、是非引き続き五年間の制度の延長というものについては全国的にも要望が強いということでありますので、是非大臣にも頑張っていただきたいと思いますが、追加質問で大変恐縮でありますが、よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国の農業の特殊性とでも言いましょうか、中山間地域が非常に多いわけでありますし、この厳しい環境を克服して頑張っている農業関係者に対する配慮は当然不可欠の課題であります。我々は、従前に引き続きましてこの姿勢を堅持していくことをなお申し上げておきたいと思います。
○田中直紀君 あと森林・林業問題、あるいは水産業の問題、いろいろ大事だというふうに思っております。もう時間がございませんが、副大臣に森林問題、水産問題につきまして今後の方針を伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 林業に関しましては、間伐をしっかり進めていくといった具体的な施策、また緑の雇用による林業就業者をしっかり確保していくというようなこと、また水産関係におきましては漁村等の環境をしっかり整備して、HACCP等もなかなか進まない状況にありますので、そういった環境整備も進めていかなければならない。先生御指摘のとおり、森林の問題、林業の問題、そして漁業、漁村の問題、しっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○主濱了君 民主党の主濱了でございます。初の質問でございます。重複など至らぬ点多々あると思いますが、明快な、そして前向きな御答弁をお願いを申し上げます。
 質問に先立ちまして、相次ぎ上陸した台風や集中豪雨、そして先ほど田中先生御発言されましたが、新潟県の中越地震によりましてお亡くなりになられました皆様に心から哀悼の誠をささげたいと思います。また、行方不明など、御家族を亡くされた方、あるいは甚大な被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。さらに、救援に当たられております、又は当たられました行政機関の皆様あるいは自衛隊、警察、消防、ボランティアの皆様、皆様に敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 さて、ただいま申し上げましたとおり、今年度は例年にも増して多くの台風や地震、これが続きまして、かなりの被害が出ているものと思われます。それで、今年又は今年度、これは統計上の問題あると思いますが、今年又は今年度の自然災害による農林水産関係の被害状況、これがいかがなっているか、まずお知らせをいただきたいと思います。これは今年度のみならず、例年との比較でお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今年七月に梅雨前線による豪雨があったわけでございます。それに引き続きまして台風が来襲をいたしまして、観測史上最高の十個の上陸ということになったわけでございまして、農林水産業関係に大きな被害をもたらしました。農作物、農地、農業用施設、林地、林道、漁港等の被害をまとめまして、現在把握しているだけで五千七百億という大きな被害になっております。過去と比べましても相当上位に来る被害額でございます。
 実は、新潟県の中越地震がこれにございまして、新潟県の中越地震、報道されておりますとおり、農地、農業用施設、林地荒廃、これが多数発生しておりますけれども、現時点では人命の救助だとか民生上の緊急課題への対処等が優先されておりまして、農林水産業の被害に関する調査がまだできておりませんので、ここの新潟中越地震の被害についてはまだつかめておりませんけれども、できる限り早期に把握するように努めたいというふうに思っております。
 被害はまだ状況が、新潟県中越地震を始めとして広がっていこうかというふうに思っております。恐らく過去の例に比べまして相当上位、大きな被害になるものというふうに考えております。
○主濱了君 大変な被害であります。五千七百億という大変な被害であります。農林水産業は、御存じのとおり、非常に災害に弱い産業であります。一方におきまして、やはり国民に食料と、それから資材を供給する大事な産業でもあるわけであります。それを支えている農家の、農家も含めまして、国としてしっかりした対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
 それで、このためにこれまでの災害への対応をしっかり審議するとともに、一刻も早い支援の実現を図るために早急に補正予算を組む必要があると思っております。国民に対して国としてメッセージを送ると、こういう観点からも、早急な集中審議とそれから必要な予算補正を強く要請するものであります。
 集中審議につきましては委員長に、それから必要な予算補正につきましては農林水産省の方に強くお願いを申し上げます。
 次に、少し緩和されてきているようでありますが、特に台風によりまして首都圏を中心に野菜の価格が高騰しているということでございます。その状況と対策についてお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの野菜の関係の御指摘でございます。
 お話のとおり、十月、例年産地が切り替わる月でございますが、相次ぐ台風の来襲あるいは長雨、日照不足ということで、冠水の被害あるいは生育の遅れが生じているわけでございます。先週、台風二十三号通過直後には、東京の卸売市場で一時、レタスで平年の六倍、あるいはまた主な野菜の平均で見ましても二・五倍というふうなことで、大変高い水準になっておるわけでございます。消費者の家計にも大きな影響を及ぼしておるわけでございます。
 現在、ただ天候の回復とともに徐々に出荷量も増加をいたしてきておりまして、価格も低下しつつあるわけでございますが、まだまだレタスなどの葉物野菜、そういったものは出荷量が平年水準へ回復するには更に時間を要するのではないかというふうに心配いたしているわけでございます。
 そこで、私ども、国産野菜の消費者に対する供給を緊急的に確保するという観点から、十一月から年末に向けまして、一つには、キャベツでありますとか白菜、そういったものの出荷の前倒し、それからホウレンソウ、そういった生育期間の短い野菜の生育促進、あるいは曲がったキュウリ、通常では出荷されない野菜を出荷を促進するといったようなことも行いまして、またあわせまして消費者の方々に価格動向の情報提供を努めるということで、しっかりと生産者の協力も得まして年末に向けまして野菜価格の安定に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○主濱了君 ちょっとこまいお話になりますけれども、高騰の原因といいますか、生産者、卸売業者あるいは小売業者それから運輸と、いろいろ生産から流通、消費まで、消費にたどり着くまでいろいろな段階でかかわりがあると思うんですが、この売上金、この高騰部分の売上金というのはどの部分により多く吸収されているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘でございますが、基本的にはやはり物が、出荷量が大幅に減少したということが基本であろうというふうに考えているわけでございます。
 そこで、今、委員からもお話ございましたが、この高騰が生産者あるいは卸、小売と、そういうどの段階に、どの段階の収入に一番入っておるんだと、こういうふうなお話あったわけでございますが、なかなかやはり、生産者段階におきましては価格は上がったわけでございますが出荷量が大幅に減少しておる、あるいはまた卸・小売段階におきましても取扱数量も大幅に減少をいたしておるわけでございますし、また産地なり取扱品目におきましてもそれぞれまちまちであるというふうなことでございますので、なかなか私どもとして、どこか特定の段階のその収入にこれが増加しておるということはなかなか一概には言えないのではないかというふうに考えている次第でございます。
○主濱了君 分かりました。大分調査しないといけない問題だというふうに認識はしております。
 いずれにいたしましても、これから年末年始、需要期を迎えます。今後とも監視といいますか、量の確保とそれから価格、これにつきましてはよろしく御指導をお願いをいたしたいと思います。
 ちょっと前後逆になってしまって大変恐縮でございます。島村農林水産大臣は二回目の農林水産大臣ということでございます。
 一昨日の御発言の中で、「農林水産業を健全な姿で維持発展させる」と、このように述べられております。この健全な農林水産業において国民に対する十分なかつ安全な食料を確保すると、こういう観点から、農林水産大臣の基本姿勢、御決意、お伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 農林水産行政をめぐりましては、まず、食の言わば安全、安心を確保するということ、また今後の農政推進の基本方向を定めます食料・農業・農村基本計画の見直しを進めること、そしてWTO、EPA交渉に的確に対応していくこと等、内外にわたる幅広い課題への対応が求められているところであります。
 こうした課題への対応に当たっては、食料の安定供給や農林水産業、農山漁村の有する多面的機能の発揮を推進し、豊かで安定した国民生活を実現することを基本に据える必要があると考えております。
 その際、農林水産行政は、現場に密着し、毎日の国民生活に深くかかわっているものであることから、消費者の声や現場の実情を的確にとらえた政策運営に十分に意を用いてまいりたいと、こう考えているところであります。
○主濱了君 ありがとうございました。
 次に、食料・農業・農村基本計画について伺います。
 これは平成十二年の三月に策定されておりますけれども、この基本計画に基づいて進められてきた主な施策の成果と評価についてまずは伺いたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 平成十二年三月に現行の食料・農業・農村基本計画を策定したところでありますが、これに沿って、まず、加工食品の原料原産地表示を始めとする食品表示の適正化、第二には、市場評価を適切に反映した価格形成を図るための価格政策の見直し、そして第三に、中山間地域等における多面的機能を確保する観点から、中山間地域等直接支払の実施等の施策を総合的かつ計画的に推進したところであります。
 しかしながら、その一方で、食料自給率について依然として四〇%横ばいとなっていることや、また土地利用型農業を中心とした農業構造改革の立ち遅れといった問題があります。また、さらには、BSEを契機に食の安全、安心に対する信頼が揺らいでいることなどの課題を抱えており、これらに対する的確な政策が求められている実態にあると認識をいたしております。
 基本計画につきましては、これをめぐる情勢の変化や施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね五年ごとに変更するものとされておりますが、以上のような実態も踏まえ、平成十七年三月をめどとして新たな基本計画を策定してまいりたいと、こう考えております。
○主濱了君 それでは、引き続き、新たな食料・農業・農村基本計画について伺いますが、中間報告の中では、担い手につきまして認定農業者を中心に施策を集中していくと、そして望ましい農業の構造改善の実現を図ると、こういうことになっております。
 私は、施策の対象を担い手に絞ることによって、逆に第二種兼業などの農家の農業離れが、それに拍車が掛かるのではないかと、このように懸念をしております。
 このような観点からお尋ねをするわけですが、まず、現状認識といたしまして、現在の農家戸数と認定農業者数、さらには、基本計画において想定をしている認定農業者などのその担い手の数及び農家戸数ですね、基本計画の中で想定している数、これをちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、現状でございます。平成十六年の一月一日現在で、総農家戸数が二百九十三万戸でございます。そのうち販売農家が二百十六万戸でございます。認定農業者数、今年の八月末現在で約十九万戸でございます。
 平成十二年に作られました基本計画の参考資料で「農業構造の展望」というのを作って、平成二十二年を目標年次として展望をしているわけでございます。それによりますと、二百三十万から二百七十万戸程度の総農家数がございまして、効率的かつ安定的な農業経営、これは他産業並みの所得を上げ得る経営ということでございます。これが、家族経営で三十三万から三十七万、法人経営、生産組織で三万から四万、こういう姿でいわゆるその時点での担い手が育成されておりまして、これが合わせて約四十万経営体と言われるものでございます。
 こういう展望をしているわけでございます。
○主濱了君 現在の農家戸数二百九十三万戸、それから認定農業者数十九万戸と、こういうことでございます。
 それでは、この状況が、十年後あるいは二十年後、これがどのように推移すると想定しているのか、ここのところをお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在、その認定農家が十九万戸でございます。
 どう推移するのかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、約十年後といいますか、あと六年後、平成二十二年の展望しか持っておりませんけれども、そのところでその中核的な経営として四十万経営体が育成をされると、そして周辺にその他の農家が百九十万から二百三十万存在すると、こういう姿を描いているわけでございます。
 二十年後、その平成二十二年より先の展望はこれから議論がされていくということでございます。
○主濱了君 私は、先ほど申し上げましたように、農業離れがもっと進むのではないかと、こういう懸念の下に今の質問をしているわけでありますけれども、現時点でいったん絞ってしまった、その担い手として絞ってしまったものが将来増える可能性があるかどうか、この点についてお伺いをいたします。
 今、お話ですと、十九万が二十二年には四十万になると、このようなお話ですけれども、この点、ちょっと私はすぐには了解し難いところでありまして、この点の考え方についてお話を伺いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、認定農家でございます。これは、効率的、安定的な農業経営を目指す経営として市町村が認定した農家でございまして、これが先ほど申し上げましたように十九万戸ございます。これは、他産業並みの所得を上げ得る経営を目指す経営でございます。で、既に到達している経営、他産業並みの所得を既に上げ得る経営、これが約三万経営体ございます。それから、認定農家の予備軍、市町村が、将来認定農家にはあるであろうという、そういうことでリストアップされている経営が、約これもう十九万経営体ございます。それを合わせまして、これらの経営体がそのまま素直に伸びていただけましたら、四十万経営体というのの育成というのは可能な数字というふうに思っております。
 ただ、その新陳代謝と申しますか、いつまでも農業者は若いわけではございませんので、この入れ替わりということが必要になってくるわけでございます。この四十万経営体の効率的、安定的な経営を育成するその過程で、やはり年間一万三千から一万五千の新しい参入がなければその経営体の維持ができないということもございますので、私どもはそういう新規の参入というのにも意を用いながら、この目標を達成するということを目指しているわけでございます。
○主濱了君 担い手になれなかった農家、今回すなわち施策の対象から外された農家から担い手になると、十年後、二十年後に担い手になるというのは極めて難しい問題だというふうに私は認識しております。農家戸数がこの五十年間でまず半減しております。さらに、認定農家、この認定農家の、先ほど十九万戸というふうにありましたけれども、認定農家の半分以上が五十歳以上なわけであります。そうすると、十年後、二十年後、もう考えたらば先行き大変な状況になってしまう。こういう中で、果たして担い手を絞っちゃって、今の段階で絞っちゃっていいのか、この点についてもう一回お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど大臣から答弁もございました。私どもは、現在置かれている農業の厳しい環境を打破をいたしまして、農業の再生、活性化というものを何としてでも実現をしたいというふうに考えているわけでございます。その農業の再生、活性化という観点から見ますと、やはり農業に携わっている方々が希望を持って農業に従事できるという状況を作り上げることがまずは大事ではないか。希望を持って農業に従事できるということは、その農業で他産業並みの所得を上げ得ると、こういうことでなければ、なかなか希望を持って農業に従事できないのではないかという考え方に立っているわけでございます。そして、その他産業並みの農業経営所得を上げ得る経営として、それを目指す経営として担い手というものを考えているわけでございます。
 今、先生から御指摘のございました、じゃその小規模なあるいは兼業の農家、実際にはこれらの農家の方々が農業経営を支えている、農業生産を支えているわけでございますけれども、それらの人々はどうするのかという問題がございます。
 前々からそういう議論がございまして、私どもはその集落営農、できるだけ組織化をしていただいて、法人化、経営体というものを目指してほしいと。よく地域の農業の将来というものを考えて、みんなで考えてそういう経営体と、集団的経営体というものを目指してほしいという道を一つ示しておるわけでございます。そして、その個別の経営も新陳代謝の問題がございますので、できますことならば、機関としての農業経営体として法人化と、農業生産法人というのがございますので、そういうことも模索をしていただきたいということを示しているわけでございます。
○主濱了君 この担い手の問題につきましては、今回で終わりにすることなく、引き続きお話を伺っていきたいなというふうに思います。
 いずれにいたしましても、長い目で見て元気な望ましい農業となるように、担い手につきましては抜本的な根本からの見直しも含めて慎重な検討をお願いをしたいと、このように思います。
 次に、農地問題についてお伺いをいたします。
 農地問題につきましては、やはり担い手に農地を周知をさせる施策を今後取ろうとしております。この観点から、まず農地の、今後の農地の総面積、この計画の中における農地の総面積をどの程度と考えているのかと。それから、一担い手の農地の平均面積をどのくらいと想定しているのか。これは水田の場合、畑作の場合、畜産の場合とかいろいろあるわけですが、取りあえず水田と畑作の場合でお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、農地面積でございます。これは、先ほど申し上げました平成二十二年の展望の中では四百七十万ヘクタール程度というふうに見込んでいるわけでございます。今後、更にそれを過ぎてどのように見込むかというのは、正に現在御議論を賜っているところでございます。
 そして、じゃ、その将来の効率的、安定的な農業経営の規模といったものをどのように見込むかということでございます。営農の体系によりまして、あるいはその作物によりましてまちまちでございます。現在の構造展望、二十二年目標年次にするものでは、平均的に申し上げますと、水田作では北海道で二十一ヘクタール、都府県で十二ヘクタールを見込んでおりますし、畑作では北海道で三十二ヘクタール、都府県で五ヘクタール程度というのを構造展望としては見込んでいるわけでございます。
 現在、これを、更に現時点での他産業並みの所得を上げ得る経営としてどういうような考え方があり得るかということにつきまして、正に御議論を願っているという状況でございます。
○主濱了君 また将来のことになってしまって大変恐縮なわけですけれども、一経営体に田んぼであれば北海道であれば二十一ヘクタール、あるいはそれ以外では十二ヘクタール、それから畑であれば三十二ヘクタール、五ヘクタールと、こういうふうな農地が集中されるわけですが、集中されたその農地が十年後どのようにして次の担い手に移転をされるのか、これをどのように考えているか伺いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) どのようにということでございますけれども、現在、その平成二十二年の目標として申し上げますと、農地利用の六割程度がそういう効率的、安定的な農業経営に集積するんだということで、これらの人々に、大体全体の六割といいますと二百八十二万ヘクタールがこれらの人に集積するというふうに見込んでおります。現在、その二百八十二万ヘクタールのうちの二百二十一万ヘクタール、目標の約八割でございますけれども、これが認定農家等、先ほど申し上げました認定農家卒業生、そして予備軍、こういうところに集積をされておりまして、まだそういう観点からいきますと六十万ヘクタールちょっと足りないわけでございますけれども、今後それを、取りあえず二十二年の目標からいきますれば、それを何とかしてその担い手等へ利用を集積をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、最近の議論といたしまして、この現在の構造展望以外の問題、集落営農というものを組織化していこうじゃないかと、必ずしも法人化しなくてもその一歩手前として、組織体あるいは経営体の実態を備えた任意団体でもいいから組織化していこうじゃないかという問題提起をされておりまして、現実に今年から始まりました米政策の改革の中でもその考え方を取り入れておりますので、新たな取組といたしましてそういうものも視野に入れて育成をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○主濱了君 担い手にしても……(発言する者あり)確かに今の答えでは私は非常に不満であります。それで、この農地の問題につきましても今後何回もお伺いをさせていただきたいと思います。
 ただ、これだけはお話をしておきたいんですが、担い手を今定めまして、その担い手に施策を集中する、そして農地も集中する、そういった環境の中で新たな担い手は生まれてこない。この担い手というのは先細りになっていくのではないだろうかと、こういう懸念が私にはあります。ここをどう解消するのか、これについて今後いろいろ議論をさせていただきたいなと、このように思っております。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、実は食料自給率の問題も項目として挙げておったんですが、これについては大変申し訳ございませんが飛ばさせていただきます。
 それで、農林水産大臣にお伺いをいたします。
 この基本計画の見直し、新たな基本計画でございますが、今の農家に希望と勇気を与えて日本の農業に元気を与えるものになっているかどうか、この点についてお伺いをいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 基本計画の見直しは、御高承のとおり、いろいろな角度からこの検討をなされておるわけでありまして、それぞれの分野の言わば代表的な意見を集約した結果でありますので、当然のことに、この言わば農業の先行きに向けての活性化というものを実現するという基本に立った計画であります。そういう意味では、先ほど来申し上げておりますように、この基本計画の見直しというのは当然に農業の再生につながると確信を持っているところであります。
 具体的に、食料・農業・農村基本計画においては、基本法において、食料・農業・農村をめぐる情勢の変化、あるいはこれまでの施策の効果に対する評価を踏まえ、五年ごとに見直しているわけでございます。また、農政をめぐっては、食の安全、安心の確保、農業の構造改革の加速化等、課題への対応が急務となっておりまして、こうした中で私たちは基本計画の見直しに鋭意取り組んでいると、こういうことでございます。
 当然、先生方の御意見も承りながら将来の展望を開いていきたいと、そう考えておるところであります。
○主濱了君 この問題につきましては引き続きいろいろ議論をさせていただきたいと、このように思います。
 最後に、BSE対策について伺います。
 最近の報道なんですけれども、米国初のBSEで感染牛から加工された可能性のある肉や肉骨粉が今年一月アジア向けに出荷されていたことが、米、アメリカ会計検査院報告で分かったと。荷物は途中で回収され、米国で埋立て処分されたと、このような報道がありました。この報道に対する御見解も含めまして、国民の食の安全、事実としての食の安全のこの確保と、そして国民に食についての安心、これは主観的な部分がかなり多いわけですが、その国民に食についての主観的な安心を与えていただくことにつきまして御決意を聞かせていただきたいと思います。
 これは所管は、農林水産大臣にお願いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) これも、今御指摘のとおり、米国の国務省は、昨年十二月のBSEの発生以来、汚染のおそれのある加工品の流通を停止したと、当初はそう発表しておったところであります。しかしながら、本年十月の米国会計検査院の報告書によれば、BSE感染牛の肉骨粉が間違って船積みされ、アジア向けに出港していたという報告があったところであります。
 この肉骨粉はその後回収され、最終的には言わば焼却されたとのことでありますが、このような事実があったことは誠に遺憾には思いますものの、ただ、我が国におきましては平成十三年の十月から肉骨粉の輸入を全面的に停止しております。したがいまして、仮に輸出されていたとしても、我が国に直接影響が及ぶようなことはなかったと、こう考えているところであります。
○主濱了君 今回は我が国には影響がなかったと、こういうことでございます。私、大いに、ただおそれありと、このように考えておりまして、この問題につきましても引き続き議論をさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○松下新平君 私は、政党は無所属ですけれども、会派は民主党・新緑風会に属しております。宮崎県選出の松下新平と申します。私も初めての質問をさせていただきます。
 実は私は宮崎のミカン栽培農家の次男として生まれまして、宮崎の方で消防団活動、そして各種青年団活動、もちろん農協青年部にも属しております。また宮崎県庁職員として、あるいは宮崎県議会議員として、経験は浅いんですけれども、十数年間携わっております。地方に根差して活動していることを踏まえて質問をさせていただきたいと思っております。大臣、そして関係部局の皆さんのそれぞれの御答弁をよろしくお願いいたします。
 二度目の就任をされた島村農林水産大臣の所信演説を二十六日にお伺いいたしました。大臣は東京の選挙区から選出されていらっしゃいますが、選挙地盤の江戸川区は軟弱野菜の産地で、都内でも有数の都市農業地帯だそうで、大消費地で外食産業界との関係も深く、生産と消費を結ぶうってつけの人材と言えます。バランスの取れた農相と、再登板へ非常に高い期待が寄せられています。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、農林水産業の三位一体改革に対するスタンスについてお伺いいたします。
 本日二十八日は、政府が全国知事会など地方六団体による総額三・二兆円の補助金削減案に対する各省庁の回答、対策の締切日に当たります。一部報道されていますが、改めて、改革を推し進める小泉総理に内閣の一員としてどうお答えされるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 三位一体改革は、これはいろいろな角度から改革を進めようとする小泉改革の主要課題の一つでありまして、私も閣僚の一員として、当然にこのことがどういう形で進められることが一番好ましいのか、これは真剣に考えているところであります。さはさりながら、私は、農林水産業、言わば畜産業も含めた各分野の方々の現状と将来にかんがみて、皆さんが安心し、しかも先に希望を持ち、結果に言わば立派なものを得られるような環境を維持するというのが私の一番の仕事でありますから、それが果たして現場の実情に照らして正しいのか正しくないのか、それらについては厳正に対処していこうと、そう考えているところであります。
 それらの基本に立ちまして、地方六団体の補助金改革で提言された農林水産関係の補助金は、公共事業関係補助金が二千三百三十四億円、その他の補助金が七百五十五億円、合計三千八十九億円となっているところであります。
 そもそも農林水産行政の大目的であります食料の自給率の向上やあるいは国土環境の保全は、都道府県やあるいは市町村の領域を超える国の基本的な責務でありまして、国が責任を持って施策の実施を確保する必要があります。これが言わば農林水産業の特殊性と言いましょうか、言えると思うわけでありますが、私はそういう意味ではこれらについて先ほど申した基本に立った考えに沿うよう取り組んでいるところです。
 なお、農林水産関係の施策につきましては、まず、総じて財政力が弱い、そして農山漁村で行われておる農林水産地域の推進に支障が生じることがないということを前提に我々はこれからの行政を進める必要があります。
 したがいまして、地方六団体の提案に沿って農林水産関係の補助金の廃止、税源移譲を行うということは言うべくしてなかなか困難であります。
 他方、農林水産業は地域の自然条件等に左右されることから、施策の実施に当たっては、地域の実情に応じ、地域の自主性、裁量性が発揮できる仕組みとすることが重要であると、こう考えております。
 このため、十七年度概算要求におきましては、骨太な目的の下に補助金を統合いたしましてこれを交付金化することとするとともに、複数の事業について、地方の裁量により流用可能となるよう、省庁間連携の強化を盛り込んでいるところであります。
○松下新平君 政府目標の三兆円の半分にも満たないという報道もなされております。単なる数合わせになっているのではないかという批判もあります。地方は来年度予算編成を前に大混乱をしているわけです。確かに総論賛成各論反対の典型ですが、私は政治家の哲学だと、哲学の問題だと思うんです。この国の形がはっきり見えない中で、道州制や基礎自治体としての形が見えない中で議論を推し進めることに問題があるのではないでしょうか。答弁にありました地方の実情に沿ったもの、地方の裁量の拡大をお願いいたします。
 週明けにも関係閣僚との折衝を始めるとされていますが、国会の場で、国民が見ている場でしっかり議論されることを希望いたしますし、大臣としてもそのことを強く申入れいただきたいと思っております。
○国務大臣(島村宜伸君) 委員長、いいですか。
○松下新平君 結構です。済みません。
 次に、度重なる自然災害における農林水産業の取組についてお伺いいたします。
 新潟は今年の秋一番の冷え込みだそうです。精神的にも肉体的にも限界に達しています。農政の方は災害対策本部を立ち上げられていらっしゃいます。先ほどもお話があったとおり、それぞれの立場で御尽力をお願いしたいと思います。
 一般に、各種自然災害においては、ライフラインの一刻も早い復旧と、予算を含めた中長期の復興計画をお示しいただくことが今できる最大の対策だと思います。被害状況については同僚議員の質問に対してお答えいただいておりますので、それらを踏まえて御質問いたします。
 私も地元の台風被災地を回りました。そして、要望や御意見をいただいてまいりました。被災された場合、農林水産省関係では様々な救済制度がありますが、実際現場で話を聞きますと、うまく機能していないものもございます。農産物には農業共済、漁業者の皆さんには漁済、林業には森林保険などの共済制度がありますが、それぞれ査定の職員の方も休日返上で大変なようです。調査をしていたらまた災害が起こり、調査のやり直しといった感じです。
 また、この救済、共済制度では救済ができないものもございます。例えば、農作物の出荷をしようとしても災害で道路が寸断されていた場合、ただ、出荷できない、腐るのを黙って見ている状況もありました。
 そもそも、これらの共済制度は十年や五年に一度の災害を想定してあるのではないでしょうか。このように頻繁に起きるたびの災害の救済には限界があると思います。補償制度としての機能が有効に働いているのか、また根本的な見直しも含めたこれらの共済制度の在り方について御質問いたします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生も御承知のとおり、農業共済制度、農家の皆様方が集まりまして、相互扶助ということで一定の母集団を作りまして、保険の仕組みによって災害を受けた方にみんなが出した掛金で損失を補てんしていく、これを基本的仕組みにしているわけでございます。去年、今年と災害が起こりまして、連続して共済金が支払われるようなところでは支払財源の問題も出ているわけでございます。
 ただ、保険でございますので、この共済は二十年間の事故の発生等を見ながら事故率、安全率を見込んで所要の掛金を掛けていくと、そういうことで維持をしていくことが基本でございますので、その点につきましてはその基本、根本的な御理解を賜りたいというふうに思っております。
 その中で、農家の方々からいろいろなニーズ、掛金が高過ぎるとか、こういう仕組みもあったらいいなとかいうニーズが寄せられております。私ども、去年、この災害補償制度、改正をいたしまして、できる限り農家の方々自らが最適な方式を選択できる仕組みを多数用意しようということで、引受方式とか補償割合だとか、そういうものを用意をいたしまして、できる限りそのニーズにこたえて使い勝手のいいものに変えたつもりでございます。
 私ども、まだPRが足りないとも思っておりますので、今年のように災害が発生した年を契機にいたしまして、できる限りこの共済に入っていただけるよう、更に普及指導に努めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○松下新平君 こういった自然災害が起きて、共済の有り難い話も聞くんですけれども、今答弁されたように、作物によっては共済加入が低いところもありますので、是非PRしていただきたいと思っております。
 また、よく聞きますのは天災融資制度なんですけれども、これもこの委員会でも過去に幾つかありましたので要望にとどめておりますけれども、最低でも五十日掛かって、それから国の結果を待って県も動き出すと。また、融資限度額も二百万ということで、この御時世に対応できているのかという意見もありますので御要望をさせていただきます。
 さらに、台風災害などでの農作物被害による野菜の価格高騰への対応として、二十六日に緊急野菜供給対策が打ち出されましたが、ただいま答弁もいただいたところです。その対象となされなかったその他の作物についてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。地元ではピーマンの話もありますし、野菜ではないんですけれども果樹をどうしてくれるのかという話もございます。どうぞよろしくお願いします。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員のお話でございます。
 今回の緊急野菜対策、やはり野菜価格を早期に安定させるということでございまして、消費量の多い野菜のうちでも、当面供給の確保が困難だと、あるいはまた価格が高い水準で推移するというふうに見込まれるものにつきまして、品目の特性でございますとか、あるいはそういうふうに早く出しても商品性があるとか、そういうふうなことを考慮した上で品目を決定しているわけでございます。
 そこで、ただいま委員からもございました例えばピーマン、そういうものを考えてみますと、現在、確かに平年に比べますと高値で推移をいたしておるわけでございますが、今後、天候が順調に推移をいたしますれば、委員の御地元の宮崎、そういったところからの出荷も本格化するということで供給は回復するというふうに見込まれておるわけでございます。
 そういった意味で対象にはしていないところでございますが、この点については今後とも価格や出荷の動向にも注視してまいりたいというふうに考えております。
 また、お話ございました果樹でございます、果実でございます。
 これは実は野菜と異なりまして、台風など被害がございまして出荷量が減少いたしましても、価格が上がるというよりは、むしろ品質低下によりまして価格低下がむしろ懸念をされる場合が多いわけでございます。また、野菜のように生活必需品というよりは嗜好品的な性格を有しておるわけでございますので、過去の価格動向から見ましても、台風等の災害によりまして野菜のような価格の高騰は生じておらないという実態があるわけでございます。
 例えば現在、その主要果実の価格動向を見てみますと、前年と比べますと、十月上中旬でございますが、リンゴでは一六%高くなっておる、しかし露地ミカンではむしろ価格が低下をいたしておりまして一二%安ということで、主要果実を合計しましても七%程度の高値ということでございます。
 したがいまして、現段階では野菜と同様のそういった価格高騰対策は必要はないというふうに考えておる次第でございます。
○松下新平君 いろいろ言いたいことはあるんですけれども、先に進みます。是非、市場を十分注意していただいて、第二、第三の対策に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 委員長に、当委員会での一連の災害の集中審議の開催と、政府に対しましては、今国会での補正予算案の早期編成、提出を強く要望いたします。
 次に、BSE問題についてお伺いいたします。
 この対応を見誤ると、大臣が基盤としている消費者からの支持を失う可能性も大きい問題です。大臣は、就任会見では早期の輸入再開に意欲をのぞかせていらっしゃいましたが、自らが広い視点から農政改革を進められる大臣だからこそ、その後の農政のかじ取りに影響を残さないようにお願いしたく存じます。
 衆議院の農林水産常任委員会でも、鮫島委員から質問がありましたが、補助金により全頭検査を奨励する一方で二十か月齢以下の牛の検査を不要としていることは、同じ所管としてダブルスタンダードと言われても仕方ありません。その整合性について再度お伺いいたします。
○政府参考人(外口崇君) 今般、食品安全委員会に諮問いたしました屠畜場におけるBSE検査対象月齢の見直しでございますけれども、これにつきましては食品安全委員会の答申を得るということが大前提でございますが、これは、食品安全の観点から二十一か月齢以上の検査が必要とするものでありまして、安全基準としては一つであります。
 他方、今回講じることとしております国庫補助等の経過措置でございますが、これは科学的合理性を重視する観点から検査対象月齢を見直すとしても、制度変更に伴って生じかねない消費者の不安な心理を払拭し、生産、流通の現場の混乱を回避する観点から行うものであります。このため、今回の予定しております経過措置につきましては、二重基準を設けるものではないと認識しております。
○松下新平君 どうも予算委員会から各種委員会の答弁を聞いておりますと、食品安全委員会に責任を転嫁しているように思えてなりません。都合のいいときに使われているのではないでしょうか。
 そこで、参考人として食品安全委員会委員長にお越しいただきました。国民的関心事でありますし、また、命にかかわりある委員会の使命を精力的に委員長として御尽力されていることにまず敬意を表させていただきます。
 二十六日の食品安全委員会プリオン専門調査会においてBSE対策見直し案の諮問に関する議論が行われたようですが、諮問の前提となった食品安全委員会の中間取りまとめや日米協議のことをめぐって紛糾したとの報道があります。報道では、一部の専門委員から、この調査会が生後二十か月齢以下の牛を検査除外するよう提言していない、調査会の中間取りまとめも十分賛成できるものではない、となると諮問内容もこれでいいのか、中間取りまとめは立場によって読まれ方が違っている、科学的な評価が失われているなどの慎重論が相次いだと報道されています。
 そこで、食品安全委員会委員長にお伺いいたします。専門委員から様々な意見が出て紛糾した元の中間とりまとめですが、そもそも取りまとめるに至っていろいろな議論、意見を交わされたと思いますが、この経過についてお尋ねいたします。
○参考人(寺田雅昭君) この概要のことはよく御存じだと思いますが、中間取りまとめ、専門委員会で九月の六日に中間取りまとめができまして、私どもの委員会、親委員会と申しますが、委員会で九月九日に了承いたしまして、厚生労働省あるいは農水省へ通知するとともに、国民一般に広くお知らせしたわけです。
 ただいまありました中のことに関しまして、時間の関係上簡単に申し上げますと、結論のところでは、現在の対策によって牛からのBSEのプリオンの人への感染の危険は大変少ないという話が一つ。
 それで、それから多分このことはお話しになっているかも分かりませんが、検出限界以下の牛を検査対象から除外しても、現在の特定危険部位の除去措置を変更しなければリスクは増加しないと考えると。
 また、現在の検査法では二十一か月齢以上の感染については発見できる可能性がある。他方、今後の我が国のBSE対策を検討する上で、二十一、二十三か月の二頭のBSE感染牛に含まれる異常プリオンたんぱく量は微量であったこと、また、三百五十万頭に及ぶ検査で二十か月以下のBSE感染牛を確認できなかったことを十分考慮すべきと、これが結論のところに入っております。
 それからまた、検査法につきましては今後の改良が必要だとか、二十か月以下の牛に由来するリスクの定量的な評価について今後検討する必要があると。あるいは私、これも皆さんよくお分かりだろうと思いますけれども、引き続き特定危険部位の適正な除去、交差汚染の防止の指導を行うとともに、その実施状況を定期的に検証するなど、適正な実施が保証される仕組みを構築すべきだろう、あるいは飼料の規制を実効性を持って担保されるようにするべきであるというようなことがあります。
 この中で、検査対象月齢をめぐった議論につきましては、これは九月の六日の専門調査会の中で、最初の原案では二十か月以下のBSE感染牛を現在の検出感度の検査法によって発見することは困難であるという記載が結論にあったのですが、審議の結果、最終的には結論部分からこの記載を除きまして事実関係だけを述べるということにいたしました。
 それは、最後のところで座長、副座長一任ということになりまして、そこで座長、副座長はそこの内容をこういうふうにまとめまして、それで皆さんにも見せて了承を取ったと、それで親委員会でも了承を取ったということでございます。
 で、それ以後、細かいことがありましたらいろいろとお答えできますけれども、議事録を見ましても何の、何もないというのは本当のことを言いまして今言ったとおりのことでございまして、それからもう一つは、やはり私どものところは透明性それから独立性、科学性ということを非常に大事にしておりますので、一昨日の第十五回のプリオン専門調査会においても、今さっき申し上げました内容につきまして専門調査会の委員の先生方にも確認を取って了承を得ているということでありますので、手続上も内容に関しましても問題はないというふうに私は考えております。
 日米のことに関しましては、私どもの委員会では検証もまだやっておりません。やがて管理官庁から諮問が来るものと考えておりますし、そのように管理官庁の方からもお聞きしております。
 以上です。
○松下新平君 時間の関係で、幾つか質問を予定していたんですけれども、それぞれ報道を通じていろいろ専門の委員の方からいろいろ話を聞くと相当な誤解もあると思います。また、読む者によっての玉虫色のとらえ方もあるわけで、科学的な知見と言えるかどうかは疑問が残るところです。また、将来何か起きたときの責任問題がこの委員会に投げ掛けられないとも限りませんので、そのことを申し伝えたいと思います。
 では、厚生労働省にお伺いします。
 このように、専門委員の間でも異論のある二十か月齢以下の牛の検査除外について、なぜ諮問することにしたのでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) BSEの対策につきましては、ほかの食品安全対策と同様に科学的合理性を基本として判断すべき問題と考えております。
 BSEの対策、とりわけ御指摘の点は全頭検査についての御指摘だと思いますけれども、全頭検査につきましては、平成十三年十月当時の状況を考えますと、当時は牛の月齢が必ずしも確認できなかったこと、また国内でBSE感染牛が初めて発見されて国民の間に強い不安があったこと等の状況を踏まえて開始したものであります。
 その後、昨年七月にこのBSE問題も契機にいたしまして食品安全委員会が設立されたわけでございますけれども、食品安全委員会におきまして本年二月からBSE問題に関する科学的な議論が行われてまいりました。九月九日にBSE発生から三年がたった現時点での最新の科学的知見に基づくBSE国内対策に関する評価、検証の結果が取りまとめられたところであります。
 リスク管理を担当しております厚生労働省及び農林水産省といたしましては、この中間取りまとめを踏まえて、今般、国内対策の見直しを食品安全委員会に諮問することとしたものであります。
○松下新平君 これからのことが大変心配なんですけれども、相反する消費者と生産者がともに多くの方が反対をしているこの規制緩和であります。また、世論調査も出ております。米国産牛肉の輸入が再開されても六割の人は食べたくないと思っているという結果もあります。この結果、国産牛は、全体の牛肉の消費量はどのようになると推測されているのでしょうか。
 宮崎ではBSEの前に、平成十二年に口蹄疫が発生した経緯もあります。九十二年ぶりの発生でしたけれども、今、関係される皆さんの御努力によってやっと信頼をかち得たところであります。
 また、情報社会の中でこの風評被害というのは避けては通れないと思っております。消費が落ち込んだ場合、当然責任問題になってまいります。だれがどのような形で責任を取られるおつもりなのでしょうか、お願いいたします。
○政府参考人(中川坦君) 今回のBSE対策国内措置の見直しにつきましては、食品安全委員会におきます中間取りまとめ、こういった科学に基づきますその検証の結果を踏まえて、先ほど厚生労働省から御答弁を申し上げましたように、見直しの措置について改めて食品安全委員会で検討いただくということで今諮問をしたところでございます。
 こういったBSEの国内措置の見直しによって、先生今おっしゃいましたような流通や消費の面で混乱が起こらないようにということで、全頭検査に関しますそのBSE検査につきましては経過措置も設けるということであります。
 こういった一定の経過措置の期間も含めまして、十分に、この今回の措置の見直しのその中身につきまして消費者の方々とのリスクコミュニケーションというものを十分行っていきます。これまでも行ってまいりましたし、これからもまた食品安全委員会の方では都道府県、これから十分なリスクコミュニケーションをこれからまた引き続き行っていくということになっております。
 こういった消費者の方々の理解を得た上で食の安全、安心の確保のために施策をやっていくというのは、これはもう基本中の基本でございますから、私ども十分その点については意を用いて万全の措置を行っていきたいというふうに思っております。
○松下新平君 時間がないんで。
 またこのことは議論してまいりたいと思います。
 時間が参りましたので、最後に大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
 主濱委員からもお話がありました。度重なる台風被害もありまして、農業従事者の方、大変落ち込んでいらっしゃいます。希望と勇気という話がありましたけれども、ちょうど今年度は農協青年部結成五十周年の節目にも当たります。多いときには五十万人の盟友がいたんですけれども、現在は八万人です。この農業後継者、未来産業という希望を持って農業に当たる若い者に是非、文科相も経験された大臣にメッセージをお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 農協青年部がいろいろな困難を乗り越える中にお互いの創意工夫を凝らし、さらに常に研さんに努めて晴れて五十周年を迎えられたことに心から敬意をまず表したいと思います。
 どういう社会でもやはり若い人たちが立ち上がって行動するという中には大きな活力が生まれるわけでありまして、私はこの今までの活動を非常に深く敬意を表したいと思うところであります。
 さて、リスクを背負って新しい試みにチャレンジできる、これはある意味で青年の特権だと、こんなふうに思っております。
 そういう意味で、だれしも経験を積めば知識が得られるわけでありますが、同様に、その分、固定観念も生じ、現状を打破して改革を進めることが困難になりがちでありますけれども、若い弾力的な感覚、あるいは将来を見越した意図的な行動の中に、今日までその青年部が果たしてきた役割あるいは功績というのは極めて大きいと思うわけでありまして、松下委員もそのお一人と承知をいたしておりますが、私は是非、こういう方たちがこれからも大いに意欲を燃やしていただきたいと考えている一人であります。
 そういう意味で、過去の考え方にとらわれず、加工や販売といった経営の多角化、あるいは新種の花卉や野菜への取組というベンチャー部門への進出を果たし得るのはやっぱり青年農業者であると、こういうふうに受け止めておるわけでありまして、これからまだ農協系統にあっては経済事業やあるいは不祥事問題等に関して抜本的改革が求められておりますが、これらについてもやはり青年の純粋さ、あるいは潔癖さに期待するところ極めて大でありまして、これからの青年農業者が改革の旗振り役となっていただきたいと心から願っているわけでございます。
 是非、その面のあなたは指導的な立場におられたわけでありますから、これからも国会議員としてその道の皆さんを鼓舞していただきたいとあえて願う次第であります。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 質問に先立ちまして、党を代表いたしまして、今回の新潟県中越地震並びに本年累次の大規模風水害でお亡くなりになられた皆様に心から御冥福をお祈りしたいと思いますし、被災に遭われた皆様に対しましてもお見舞い申し上げたいと思います。
 先ほどから、この地震被害、また台風被害、多くの質問ございました。私も、時間ありませんので重複を避けて質問させていただきますので、分かりにくい点あるかも分かりませんけれども、よろしくお願い申し上げます。
 今回の一連の台風被害のときに、地元から是非とも視察来ていただきたいという要望ありまして、私も愛媛県、県下巡りました。この愛媛県の中だけでも何と二十六名の死者が出ております。さらに、ため池、また河川、こういった水に関する被害、大変多くのものが出ております。
 本来、瀬戸内海沿岸というと渇水被害というのが非常に多いわけでございます。こういう水のときに、ダムとか河川ですと計画基準年というのがありまして、具体的に計画を作って、ある意味では百年に一回以上に風水害起こると大変だということあると思いますけれども、ため池関係、たくさんございますけれども、これが進行中で今にもあふれそう、越堤しそうというようなときに具体的にどういう対応していかれたか、これを最初に聞かしていただこうと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) ため池の関係のお尋ねでございます。
 ため池というのは、これもう委員もよく御存じのとおり、かなり歴史のある施設でございまして、かなり老朽化しているものも中にはあるわけでございます。全国二十一万か所ございます。特に、この瀬戸内海地帯は十一万か所ということで全国の半数を占めておりまして、ため池が非常に重要な役割を果たしているところでございます。
 私どもとしましては、このため池につきましてはその老朽度の度合い、またその周辺に万が一の場合、与える影響等を勘案しながらその整備を進めてきているところでございます。
 そういうことでございますが、今お尋ねのような越流といったような事態が想定されるような場合、そういう場合には見回り等をしまして、できるだけ落水を励行するとかきめ細かな水管理ということをやるということが一つの道だと思っております。
○福本潤一君 こういう堤防破壊、ため池においても起こって、現実に災害、起こっておりますので、こういう進行中の状況、敏速に対応できるような対応策、また今後のためにも考えておいていただければと思います。
 先ほど、地震被害のときにも田中委員の質問の中の答弁にもありました。緊急の食料支援策、さらには野菜等高騰したものに対する安定化対策、敏捷にやっていただいたようでございます。農林大臣、是非ともこの緊急の被害で、被害を受けている皆様方に救済、また対応策、鋭意努力していただきたいと、またこれは質問ではなくて、お願い申し上げたいと思います。
 先ほどもありましたけれども、同時に災害が起こりますと、緊急法、暫定法で災害対策事業、農地等に関してはやれるわけですけれども、融資、次にはまた共済で保険掛けているものに対して対応は始まるということがございます。今、農作物被害、共済入っている人は対応していけれると思いますけれども、これは農業共済が対象としていないものに対してはどういうふうな対応をしていかれるかと、これをお願いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 災害に備えまして、できる限り私ども農業共済を活用していただきたいと思っているわけでございますけれども、農業共済に加入をされていない方で被災をされた方々、被災後も引き続き経営を維持していただきたいわけでございまして、種苗とかそういう生産資材の購入、あるいは収入減の補てん、必要な資金をお貸しをするという農業経営維持安定資金、あるいは施設の復旧のための施設資金、こういう長期低利の制度資金を用意をさせていただいておりますので、共済に入っていない方々はこれを活用していただきまして、経営の継続と再建を図っていただきたいと思っております。
 この融資機関でございます農林漁業金融公庫、相談窓口を設けております。先生の地元の松山にも支店ございまして、相談窓口を開設をしておりますので、是非とも御利用いただきたいというふうに思っております。
○福本潤一君 また、共済の加入率の低いところでございますし、果樹共済の加入率等々の対応もしていただければと思います。
 質問をしていると時間があっという間に過ぎますので、次の質問にさせていただこうと思います。
 BSE対策関係、先ほどからもるる全頭検査、見直しにならなければならない理由は何か等々熱心な質疑、答弁ありました。私はもう一点だけお聞かせお願いしたいと思います。
 各地でリスクコミュニケーションをしているということでございます。BSE出て、今回新聞がちょっと若干誤解して輸入再開かというような話があったときに、六割の人は現実に輸入されても食べたくないというのはアンケートも出ております。そうしますと、具体的に、消費者の方々、いろいろな意見をこのリスクコミュニケーションの現場で言っていただけているわけだろうと思います。
 こういった意見が今後の施策にどういうふうに見直しを含めて反映されているのか、更に枠を増やすということでございますけれども、この反映の仕方はどういうふうに行われているのかをお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 先月来、全国各地でリスクコミュニケーション、いわゆる意見交換会を行ってまいりました。消費者団体、生産者団体などから全頭検査維持について多くの意見をいただきました。また、現在相当数の地方公共団体においてもこれに配慮して、仮に検査対象月齢が見直された場合でも全頭検査を継続するということが検討されているということもお伺いしました。
 また、リスクコミュニケーションをもっと行うべきとの意見も出されました。実際、全頭検査を維持した方がいいという御意見の中にも、これもなかなかいろんな意見がございました。理屈では分かるけれども、それでも例えば流通段階で拒否されたら心配だから維持した方がいいという意見もいただきました。それから、自分はいろいろな問い合わせに答える立場だけれども、理屈では分かった、でも説明はなかなか難しいから取りあえず全頭検査を維持したいんだと。大変いろいろな御意見がありました。
 こういったことも踏まえまして、科学的合理性を重視する観点から検査対象月齢を見直すわけではございますが、制度変更に伴い生じかねない消費者の不安な心理を払拭し、生産流通の現場の混乱を回避する観点から、徹底したリスクコミュニケーションを行うとともに、全頭検査を継続する自治体に対して経過措置としての国庫補助を行う予定としておる次第でございます。
 これは一連のリスクコミュニケーションの中から得た様々な御意見を判断して決めたものでございます。
○福本潤一君 反映していっていただければと思います。
 科学的知見を基にと言いますけれども、現実には技術の限界がございます。縦軸に科学を取って、横軸に安全度を取りますと、だんだんだんだん九〇%以上ぐらいになりますと急激に費用増加しますし、これが一〇〇%になるかというと、現実には一〇〇%になりません。九九・九%になるともっと費用が掛かるということもございます。こういう、具体的な科学的事実に基づくと言いながら、リスクコミュニケーションの考え方も取り入れて対応をしていただければと思います。
 次に、食料自給率、大臣にお伺いしたいと思います。
 今、食料の安定供給、農水省の最大使命だと、安全保障のかなめにも食料自給率は高めていく必要があるということで、二〇一〇年度までに四五%に引き上げるというふうに言っております。ただ、四年たった現在、計画ができて、四〇%のままでございますし、これなぜ向上しないのか、さらにそのための対策をどうするのかと、これを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) まず、食料の自給率でございますが、カロリーベースで昭和四十年当時は御承知のように七三%でありました。五年後に六〇%に落ちて、昭和五十年の頭では五四%ぐらい。その五十年代十年間はほとんど横ばいに推移したわけですが、その後、言わば平成七年、これは昭和七十年に当たりますが、この十年間で四三%に落ちて、平成言わば十年以降、今日までが大体四〇%と、こういう経緯をたどっております。
 これらは、生産量が、需要と供給の関係で生産量が落ちたと、こういうことでなくて、むしろ国民の食生活が大きく変化したということが一番大きな原因であります。言わば食の洋風化と申しましょうか、米の消費が大きく減って、肉とかあるいは油脂類、こういうものに非常に大きく言わば移行したということが言わば日本の自給率を大きく下げているわけであります。
 しかし、先ほど来御指摘ありますように、食育の言わばこれから推進ということもございますし、また同時に、我々は食生活に対して、米の消費というものが言わば結果的には非常に人体にもいい影響があるということも我々はこれからいろいろ国民に知っていただく必要もありますし、その一方で、言わば生産面の充実に努め、効率よい農業を展開することで四五%まで戻そうというのが我々の考え方の基本であります。
 そういう意味で、消費面では、米の消費量が減少を続け、栄養バランスの改善が進んでおらず、また生産面では、麦、大豆や砂糖を除き、総じて生産量は減少しておることから食料自給率が低迷をしているわけでありますが、我々はこれらについて十分意を用いまして、言わば消費を高めるということと併せ、特に先ほど申しましたように、食育を進めて国民の正しい食に対する理解というものを深めることが一つの基本となりますし、また地産地消、それぞれの地域で生産したものがそれぞれの消費地でどんどん消化されていくと、これらについても推進をしてまいりたいと考えております。
 なお、生産面については農業の構造改革を今進めているところでございますが、消費者の需要に即した国内生産の言わば増大を図ってまいりたい、いろんな各面から自給率を高めていきたいと、こう考えているところでございます。
○福本潤一君 この自給率、なかなか目標立てて到達しにくいという形、現実に起こっています。東京都の自給率、ちなみに御存じでしょうか。一%でございます。大阪が二%、さらに神奈川が三%、こういう一つの都市消費者だけに終わっている地域含めて自給率高める努力をしていただきたいと思いますけれども、農政の課題が現実に実現できているかどうかというものを見るときに、この自給率以外にたくさんの、多くの中身のある実績を持っておるわけでございますので副大臣、常田副大臣、是非とも農政こんなに多くの実績を持っているというところを、自給率以外で、例えば農地、担い手の問題、農業用水、圃場整備、農作物供給能力、こういった指標で表現していっていただいて農政、農水省の役割の重要さというのを訴えていただければというふうに思いますが、どうでございましょうか。
○副大臣(常田享詳君) そういった意味で、今、食料・農業・農村基本法という、その中心的な課題見直しに取り組んでいるところでありまして、福本委員御指摘いただきましたとおり、例えば食料表示の適正化、加工食品の原料原産地表示の義務付けや生産情報公表、JAS規格、そういったものも導入してきておりますし、また品目別の価格経営安定対策等もしっかり進めております。
 また、中山間地域における多面的機能を評価して中山間地域直接支払を導入し、これも来年度概算要求に要求する、引き続きそれも続けていきたいというようなことで、目に見えないところで、特に食料・農業・農村基本法の基本計画に基づいていろいろなことに取り組んでおります。引き続き食料・農業・農村基本法をしっかり見直すことの中で、そういう目に見えないところで大事、大切なことを全力で頑張ってまいりたいと思っております。
○福本潤一君 終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。私も本日の委員会の質問が初めてでございます。初陣でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 早速ですが、担い手の対象について御質問させていただきます。
 小泉総理はさきの所信表明演説の中で、農業問題について、農業の競争力強化のため、やる気と能力のある経営に支援を重点化するなど、農政改革に取り組むと述べておられます。また、島村大臣は、やる気と能力のある農業経営に対する施策の集中化、重点化、担い手の経営に着目した経営安定対策への転換等を推進していくと抱負を述べられております。
 先ほどの主濱議員と重複する質問ではございますが、この担い手の対象や経営安定対策の具体的内容について現在審議会において検討中とのことですが、農業団体等からは、この担い手の範囲が大幅に絞り込まれることによって食料生産の後退や自給率の向上が妨げられるのではないかという危惧する意見がございます。この懸念について大臣御自身の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま谷合委員御指摘がありましたように、確かに農業の言わば担い手についての育成というのは言うべくしてなかなか難しい問題がございます。しかし、我々は、あくまでやる気と能力のある農業経営者に対しては施策を集中して、やっぱり農業をやっていることが言わば農業自身に取り組むその作業も楽しみであると同時に、やはり自分自身の生活の言わば糧としてもこれがある意味の裏付けを持てるという確信を持っていただくことが肝要だろうと思っています。
 さらにはまた、農業を営むことで健康を維持しあるいは自然に親しむといった側面的なそのプラスもあるわけでありますから、例えば私の場合は東京が住まいであり選挙区でございますけれども、やっぱり東京の人たちにも最近は非常に市民農園に対して親しむ人が非常に増えてきておりますが、農業の持つ意義、そして楽しさ、そしてそこに得る実益等々をよく周知させる中で、私たちはこの農業の言わば担い手というものの育成を現実のものにしていきたいと、こんなふうに思っているわけであります。
 そういう意味で、各種施策について、その対象を担い手に明確に絞った上で集中的、重点的に実施するということは別に他を排除するという意味ではございませんで、逆にそのこと自身に集中的にお取り組みをいただく方を積極的に支援していこうと、こういう意味でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○谷合正明君 その担い手の対象ということで、とりわけ中山間地域でありますとか農家女性といった、そういった方々の声も最大限に配慮していただきながらの担い手育成を進めていただきたいと思います。
 今、多面的機能の話がございましたが、都市農業の在り方について伺いたいと思います。
 大臣の御出身である東京江戸川区ですが、コマツナを始めとする軟弱野菜の産地でございます。都内でも有数の都市農業地帯でありますが、この都市的地域には全国の農地面積の二三%に当たる約百十二万ヘクタールの農地が存在しております。ただ、この面積が都市開発等の影響によって減少傾向にあります。私も生まれ育ちは埼玉県の新座市でございますので、この問題よく分かります。
 言うまでもなく、都市農業は生産者と消費者を結ぶ接点であると同時に、環境保全、先ほど言われましたようなゆとり、潤いの提供、農業学習、防災といった多面的な機能を持っております。また、相次ぐ台風被害によりまして、野菜の品不足、価格高騰を見ましても、都市住民に対しまして新鮮な食料の供給基地として都市農業を更に育成、みなしていくことが不可欠であると私は思います。また、とりわけ最近都市部の住民の間で食の安心、安全についての関心の高まりもございます。都市部の若い世代がIターンで農業に就こうという動きもございます。
 こういった中、今後の農政の展開方向、経営力のある大規模農家への施策の重点化でありますが、こうした都市農業の展望、またあるいは農政における都市農業の位置付けについて、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘をいただきましたように、私どもの地元は正に都市農業のメッカと言っても決して言い過ぎじゃない。特に、コマツナは私どもの土地の小松川というこの小松を取ったものでありますし、また非常に私どもの地域の農業従事者は勉強家でありまして、例えばセロリなどは日本一の言わば評価を受けたのが、何回も受けていると、こんなようなことで、製品の優秀さについても高い評価を受けているところであります。
 また、私的にも、私たちの日常生活の中で、朝起きると取りたてのまだ露を含んだ野菜が山に積んであって頑張ってくれと、こんなようなお話もいただくわけで、都市農業の有り難さを味わっておりますが、この都市農業があることで、今いろいろ御指摘をいただきましたように、正にオープンスペースが確保され、緑が言わば現実のものとなり、言わば災害その他の際にも我々に非常に備えとしての効果を持たしてくださいますし、また同時に、まじめな営農者と都市住民とのお互いの協調といいましょうか、今我々の地域ではすっかりお互いがなじんでよくその理解が進んでいるところでありますから、あの地域における人たちは大体が、すべて親の後を継いで農業をやるという気概を持っている人がほとんどでありまして、我々は是非そういう人たちが更に希望を持って頑張っていただきたいと思うわけであります。
 さはさりながら、やっぱり規模が極端に小さいところはどうしても限界があるわけでありまして、どうも泥仕事は嫌だという人もいないではないわけでありまして、これはむしろ増えるよりは減る傾向にあることは事実でありますから、これをできるだけ食い止める中にまた都市農業の妙味というものを育てることが非常に大事だと思います。
 そういう意味で、私どもは言わば二十年ほど前になりましょうか、生産緑地制度等を設けまして、言わばその人たちの農地のバックアップをさせていただいたところであります。
○谷合正明君 ありがとうございます。
 次に、昨今の台風、地震による風水害によります森林荒廃の問題について伺いたいと思います。
 このたびの台風二十三号に、特に二十三号によりまして、杉やヒノキ林の大規模倒木被害というものが私の地元の岡山県の北部を中心にかつてない規模で広がっております。私も早速現地に視察に行きまして、現地の地元の方が、こんな風害は生まれて初めてだと、経験したと言っておられました。この森林が本当に根こそぎばさって倒されていると、そういう本当に悲惨な状況でございました。元に戻すことが多大な時間と経費を要することはだれの目に見ても明らかなんですが、かといってこのまま放置しておきますと、地すべりなどの二次災害を引き起こす可能性もありますし、このまま林業の放棄地という拡大にもつながってくると私は思います。
 先ほど常田副大臣から林業の間伐の推進ということで言われましたけれども、今、間伐意欲の低下ということが指摘されております。現在、この風水害によりまして、間伐どころか倒木の処理、利用にも困っておりまして、今回の地震また風水害に、一連の災害におきまして、今後ライフラインなどの応急対策にも全力を挙げて取り組むのはもちろんなんですが、中長期的な災害対策も講ずるべきであります。
 その意味で、再び水源涵養力のある山林の復興というものが非常に重要だと思います。一都道府県でできることには限られておると思います。政府として、今回の一連の災害によりまして荒廃した山林の復興についてどのような対策を講じようとしているのかお伺いいたします。
○副大臣(常田享詳君) 私も先般、台風の直後、京都府並びに兵庫県に視察で入りました。特に、京都府の福知山それから大江町等で、市長さん、また町長さんから、今、委員御指摘の同様の、治山事業また森林整備事業は国の責任を持ってやっていただきたいと、今後に大変不安を抱いているという御指摘をいただきました。
 このたびの台風による森林風倒木被害につきましては、特に九月七日、八日に来襲した台風十八号、これで既に百九十億に上っております。また、十月十九日、二十日ですね、このたび私も視察しました台風二十三号、これは大変大きな、またそれを上回るような被害が発生しております。
 そういった意味で、こういった被害に対する、早期に被害木を伐採、搬出し、跡地を造成、進めるということだけではなく、今後、今、委員御指摘のとおり、根本的な森林整備事業また治山事業等、併せて中長期的な計画も立てながら取り組んでいかなければならないと思っております。
 大変、委員と同じ問題を共有しておりますし、兵庫県知事、京都府知事からも切実な大臣に対する要請をいただいて帰ってまいっておりますので、全力で取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。
○谷合正明君 前向きな御答弁ありがとうございます。
 林野庁のみならず、国を挙げて、政府を挙げて総点検して、この森林の復旧というものに取り組んでいただきたいと思います。
 関連しまして、鳥獣被害につきまして伺いたいと思います。
 私もこの数か月間、岡山を中心に、鳥取、島根ですとか、また兵庫、滋賀、福井の中山間地域を回ってまいりました。現地の農家の方に伺いますと、BSEもあるけれども、身近な直近の問題として、鳥獣被害の、野生鳥獣の被害を訴える声が圧倒的に多かったわけであります。
 農水省の調査によりますと、二〇〇二年度の全国の野生鳥獣類による農作物被害の面積が約十四万四千ヘクタール、被害額は二百十三億円に上っています。クマだけ、今クマの話題が出ておりますけれども、シカ、イノシシ、猿などの農作物被害です。せっかく苦労して作り、収穫を間近にした作物が食べられてしまうと。農家の方々にとっては非常に今つらい思いだと思います。このような事態が続けば、中山間地域、特に高齢化しているような地域では、もう農業はあきらめている、あきらめる、耕作放棄地の増加に拍車を掛けることになるのではないかと思います。
 しかしながら、環境面から考えれば、やみくもに有害鳥獣を駆除すればよいというものでもないと。野生鳥獣と共生を図っていく、これもまた必要であります。しかし、被害が大きくなってきますと、地域住民の方々の理解、協力も得にくい状況になるものと思います。また、市町村におきましても、鳥獣保護法との関係に苦慮して、また対策費用も、負担も財政が逼迫する中で非常に厳しい状況でございます。
 そこで、政府として現状をどのように認識しているのか、またこの問題は、農家、市町村、関係機関、そして農水省、環境省も含めて協力して対策を講じられなければならないと思いますけれども、どのような対策を講じ、また講じられようとしているのか、最後にお伺いいたします。
○大臣政務官(加治屋義人君) 谷合先生のお話を聞きながら、正にそのとおりだよねと感じていることがあるんですけれども。
 私は、先般、鹿児島県の屋久島に行きました。屋久島というのは、耕地面積が非常に狭いこともあって、タンカン、ポンカン、これが主幹作物でして、屋久島というのは人よりも猿の数が多いよねと、人の数よりもシカの数が多いよねと、こういう中で、猿とシカとの主幹作物を守るための格闘がされておりまして、大変悩んでおります。また、最近は猿が家の中まで入ってきて冷蔵庫を開けるとかいう話まで聞かせていただいたんですけれども、そういう大変被害を受けているのは事実でございます。
 野生鳥獣による農業の被害、今お話しされましたけれども、十四年度で見てみますと、被害面積が約十四万ヘクタール、被害額で約二百十三億になっております。やはり一番の大きいものはイノシシ、続いてシカ、猿、こういう順番になっているようでありまして、ほとんどが中山間地域での被害だと思っております。また、森林の被害面積が七千ヘクタールから九千ヘクタール、これはほとんどシカの被害が六割を占めているようでございます。
 こういうことでこれからの、今取っている対策でありますが、農林水産省で被害防止対策技術の開発の試験研究を実施をさせていただいております。また、都道府県、市町村、農業者団体によって被害防止施設の整備それから普及啓発活動、生産者による追い払い活動、これを今国として支援を実施しているところでございます。またさらに、中央や地方段階で連絡協議会を組織しておりますので、農林水産省としては今後とも環境省を含めて積極的にこのことについては進めてまいりたいと、そういうふうに思っております。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初に、この間の台風と、そして地震で被災をされた皆さんに心からお見舞い申し上げたいと思います。我が党も長岡市に救援センターを設置いたしまして救援活動に取り組んでいるわけですけれども、政府、農水省においても万全の対策をお願いをしておきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと二テーマで質問したいので、答弁はできるだけコンパクトにお願いしたいと思います。
 最初に、農業共済についてですけれども、今年は台風が十個上陸するということで、かつてない被害がもたらされました。農林漁業被害の関係の被害額も五千七百億円というわけですけれども、北海道では台風十八号でハウスが大変大きな被害を受けました。
 園芸施設共済では、道内十七の共済組合があるわけですけれども、そのうち九組合で共済金の支払資金に不足が生じています。年度末までの不足見込額ということでは、現時点で一億八千万円を超えるということなんです。現実に共済組合に資金がないという中で、減額支払を毎年繰り返している実態もあるわけです。過去五年間、被害農家何戸に対して幾らの減額がされているのか、まずお答えください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 過去五年間におきまして、農業共済組合が自分の責任で支払うべき共済金額を減額した額でございます。農家戸数の合計は二万戸強でございます。年平均が四千三百三十戸でございます。金額は五億五千万でございまして、年平均一億一千万でございます。なお、共済金額全体は年大体一千億出ております。
○紙智子君 五年間の中で五億超える、そういう減額がされたということです。ただでさえ足切りですべて補償されるわけじゃないということですけれども、その上共済金が減額されたということではやはり農家は再建する意欲を失うということだと思うんです。共済制度への信頼を揺るがしますし、この加入促進の足かせにもなっていくというふうに思うんです。被災農家への共済金の減額支払が生じることがあってはならないと、これは大臣も同じ思いだというふうに思うんですね。
 九一年大冷害、この年一年だけで十一億五千万超える減額が生じたんです。昨年は冷害だったと、それで今年は異常な被害だと。共済金の減額に追い込まれていく組合が、額の上でも件数の上でも増えていくんじゃないかと思いますけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 再三御指摘がありますように、本年は正に相次ぐ台風が来襲したり、あるいは地震等もう災害にいとまがないわけでありますが、全国的に園芸施設に大きな被害が発生をしているところであります。これら園芸施設共済に係る共済金の支払財源が不足する事態が招来しはしないか、そのために言わばその補償額が減っても困るという御指摘は当然のことだと思います。
 御承知のように、農業共済制度は、気象あるいは病虫害、鳥獣害などの災害を被りやすい農業の特性に着目いたしまして、多数の農業者が主体的に参加して保険の方式により災害で被った損失を補てんする仕組みで、特別に国が掛金の助成を行っているところであります。国の助成は御承知のように二分の一ということでございますが、このような仕組みであることから、本年のように大きな災害が連続して発生した場合には一時的に支払財源に不足を来すことがあり、現に北海道の園芸施設共済においては、引受けを行っている十七の共済組合のうち十組合で財源不足が見込まれているわけでありますが、これらはそのような状況でも共済金は支払うと、その方針であるというふうに我々は聞いておるところであります。
 農業共済制度におきましては、年ごとに被害が大きく変動するという農業災害の特殊性を踏まえまして、二十年という長期で収支が均衡するように掛金率を算定しているところでありまして、三年ごとに被害率を踏まえて掛金率を見直すということにしているところであります。当然のことに、肝心のときに共済組合の能力が、力が発揮されなければ何もなりませんので、我々は更に意を用いる必要があると考えております。
 ちなみに、平成十四年度もいろいろございましたが、このときには一億六千八百万円の言わば金額、財源不足を生じました。約年間一千億でありますから、その意味では数字的には非常に低いわけでありますけれども、我々は常にこういう本当に共済制度の精神にのっとってこの作用が行き届くように努力をしていきたい、こう考えております。
○紙智子君 二十年でバランスを取りながらという話もあるんですけれども、実際にやっぱり現場に行きますと、例えば今回、北海道、五十年ぶりの異常事態だったわけですけれども、通常被害を大きく超える被害の場合は、現行制度では対応できないんだという声が多く寄せられたわけです。道内のある組合では、被災農家に削減支払で打撃を与えるわけにはいかないと。ただでさえ大変だということですね。
 非常に厳しい議論をして、どうするんだと。実際に削減しないで払った場合に、借金して払わなきゃならないと。そうしたら、この今借金するとすると、十年それ穴埋めに掛かると。その場合、もし来年も災害が来たときどうするんだ、いよいよ払えなくなるじゃないかと。そういう本当に厳しい議論を繰り返しやる中で、やっぱり実態考えるならば、減らさないで支払をしようということで借金して払ったという、そういうこともあるわけですけれども。
 とにかく、被害があった場合はその都度共済金の削減問題が浮上してきて、そういう中で、北海道で例えば園芸施設共済でいいますと、連合会の場合は支払金額が一定水準を超えたら国が再保険金を支払うという仕組みがあるわけですけれども、せめて同様にそういう仕組みも単位の段階で設けられないだろうかという要望も寄せられているわけです。
 やっぱり、減額して払わなきゃならないという事態にならないように、通常だったら、通常の被害の場合はあれですけれども、予想を超えるような異常なそういう被害の場合には、組合が支払困難なったときには国として特別な対策を取るということが必要じゃないかというように思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど大臣からも御答弁がございました。確かに、先生言われるように、大きな災害が続きますと一時的に支払財源が払底するということは考えられるわけでございますけれども、ここでよく考えていただきたいのは、農業共済制度は一定の母集団に基づく相互扶助による補償でございますので、大きな事故が続いた場合には、この保険の仕組みを継続したいと思えば、新たな掛金率を設定して将来に備えていく。それが嫌ならば、補償の額を下げるなり、そういうことをやっていくのがこの制度を存続させる筋ではないかというふうに考えております。
 そもそも、私ども考えますのに、防災ということを考えまして、共済の事業運営の安定化に資するように、例えば強風に耐え得るような、内地でありますような低コスト耐候性ハウスなどの普及、こういうことによりまして事故発生の防止に努めながら、先ほど申し上げましたような保険を維持するような対応をしていくということを中核に考えていただきたいというふうに考えております。
○紙智子君 組合も経営努力しているわけですよね。そういう中で、赤字を繰り返して借金繰り返すと結局掛金に跳ね返ってくると。そうすると、今度そんなに高い掛金払えないということで加入が下がると。そういうやっぱり現場の矛盾というのがあるわけで、ですから保険だということで言い切ってしまえばそれまでなんですけれども、やっぱりそこを何とかするということで、改善策を是非考えていただきたいということで申し上げて、ちょっと次の、時間の関係で、質問に移ります。
 知床の世界自然遺産の問題ですけれども、候補地になりまして、現地は非常に歓迎をしていて、非常に期待をしているわけです。来年の夏が世界遺産委員会の決定だということで、先日、国際自然保護連合から書簡が送られて、その中で二つ重要な指摘がされているわけですね。
 まず、林野庁にお聞きしたいのは、そこで指摘されている河川工作物、ダムの問題です。資料をお配りしまして、これは知床半島の地図ですけれども、水色のが川で、赤い線がダムです。それで、ここに林野庁のダムが四十四か所、北海道のダムが六か所で計五十か所あるわけです。IUCNは、これらダムのサケへの影響調査を急ぐことや、将来的な撤去を含めた検討や魚道整備などを求めているわけです。
 昨年と今年、環境省や道から委託を受けて、野生鮭研究所が行ったサケの遡上の調査ですね。これでは、林野庁のダムが十三件あるイワウベツ川、それから道の治山ダムが三件あるルシャ川については、堰堤や魚道の直線化などで、人為的な要因で再生産レベルは低く抑えられていると。河川環境を保全する方策を再検討する必要があるというふうに指摘をしているんですね。人工的な建造物が遡上を妨げているという話もしているんですが、地元でも、すべてがこのダムが必要、すべてのダムが必要だとは思えないという声もあるわけです。
 林野庁として、こういう多方面からの指摘を受けて、魚類や自然環境に与える影響を調査して、必要のないダムは見直すべきだと思うんですけれども、知床の保護についての学術的な立場で助言をしている第三者機関である知床世界自然遺産候補地科学委員会ですね、この専門家の知見も踏まえて、ワーキンググループなども作って納得いく調査を行うべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに私どもも、この知床世界自然遺産候補地、この自然環境を将来にわたって適正に保全管理していくというためには、関係行政機関、そして地元関係団体と密接な連携を、協力を図っていくことが重要であるというふうに考えております。
 このために、環境省、それから北海道庁、それとともに実は知床世界遺産候補地域連絡会議、これを昨年十月に設置いたしました。また、今お話ございました、科学的なデータに基づきまして必要な助言を得るために、学識経験者によります知床世界遺産候補地科学委員会、これを今年の七月に設置いたしておるわけであります。
 そういった中で推薦地の適正な保全管理方策、これの検討を進めてきているわけでございますが、今後、この推薦地域内の治山ダムの取扱い、これについて検討を行っていくということに当たりましては、今申し上げましたこれらの仕組みといったものも活用しながら、地元や専門家の意見、十分お聞きしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○紙智子君 今の御答弁で、要するによく調査もして知見も踏まえて、必要でなければ撤去も選択肢としてダムの影響や必要性を十分調査していくということでよろしいですね。
○政府参考人(前田直登君) 治山ダム撤去そのものにつきましては、当面は、これ正にその下の方に集落もありますし、道路等の、生活道等の公共施設もあるわけで、そういった観点から当面は、少なくとも当面はすぐに撤去ということにはなかなかなり難いんではないかというふうに考えている次第でございますけれども、特に魚道の関係につきましては是非いろんな、先ほど申し上げましたような委員会の意見、あるいは早急に調査を行いながら適切な措置を講じていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○委員長(中川義雄君) 紙智子さん、時間ですから短くやってください。
○紙智子君 はい。
 じゃ、もう一つ指摘されている海洋保護の問題ですけれども、スケソウダラの繁殖、産卵・育成場所の漁業を行わないように求めている点で、これも科学委員会の大学の先生が実際に、スケソウダラの減少はオホーツク海全域のもので地球規模の温暖化やロシアのトロール船の漁船による根こそぎの捕獲という問題もあると。
 既に地元では厳しく制限したり、保護や増大の施策を取られているということも指摘されているわけですけれども、IUCNに対してこうした現状の対策も十分伝えながら、ワーキンググループなども設定して研究もしてやっていく必要があるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(小野寺浩君) 十一月五日がIUCNの締切りですので、今最終調整を鋭意やっているところでございます。その中で調整して恐らく書けるだろうと思っているのは、今委員が御指摘になりました漁協等の自主的取組、それから科学的調査についての方針ははっきり出したいというふうに思っております。
 科学委員会については我々が委嘱をして七月に発足したものでありますので、まず第一義的には科学委員会にお諮りするということが筋だと思いますが、より中身が明らかになりました段階で、より実効的な海域の保全のための体制についても考えていきたいと思っております。
○紙智子君 終わります。
○委員長(中川義雄君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十四分散会