第161回国会 財政金融委員会 第4号
平成十六年十一月四日(木曜日)
   午前十時二分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         浅尾慶一郎君
    理 事
                愛知 治郎君
                中島 啓雄君
                山下 英利君
                平野 達男君
                若林 秀樹君
    委 員
                金田 勝年君
                田村耕太郎君
                段本 幸男君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                溝手 顕正君
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                広野ただし君
                峰崎 直樹君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        大田 弘子君
       金融庁総務企画
       局長       増井喜一郎君
       金融庁検査局長  西原 政雄君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       財務省理財局長  牧野 治郎君
       経済産業大臣官
       房審議官     寺坂 信昭君
   参考人
       日本銀行理事   白川 方明君
       預金保険機構理
       事長       永田 俊一君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
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○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官大田弘子君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行理事白川方明君外一名の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) 本年六月十一日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十五年十月一日以降十六年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
 初めに、足利銀行に係る特別危機管理について申し上げます。
 足利銀行については、昨年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定及び特別危機管理開始決定がなされております。その後、同年十二月十六日及び二十五日には、預金保険法第百十四条第一項に基づき、足利銀行の取締役、監査役の指名及び選任が行われ、本年二月六日には、新経営陣の下、経営に関する計画が提出されております。
 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。
 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。
 続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。
 報告対象期間中に、預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については六件で、債権額は二百八十五億円、支払額二百七十六億円であり、あおぞら銀行については十三件で、債権額百六十六億円、支払額百四十五億円となっております。
 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について申し上げます。
 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百六十二億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取りは、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆三千六百六十三億円となっております。
 これらの預金保険機構による資金援助等について、本年三月三十一日現在における公的資金の使用状況について申し上げます。
 一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定における政府保証付借入れ等の残高は、各勘定合計で十九兆八千七百九十一億円となっております。
 最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取組のうち主なものについて申し上げます。
 りそな銀行においては、昨年六月十日に経営健全化計画が公表されましたが、新経営陣の下で改めて策定した数値目標等を含む新しい経営健全化計画が、昨年十一月十四日、提出、公表されました。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村耕太郎君 限られた時間ですので、早速質問に入らせていただきます。地域金融機能強化に関する特別措置法、これに焦点を絞って質問いたします。
 八月一日に施行されました。丸三か月が過ぎました。大臣、そろそろ第一号案件出そうですか。いつごろ出ますかね。
○国務大臣(伊藤達也君) 私から今御質問にありましたことについてコメントをさせていただくことは差し控えさせていただきたいと、そのことは御理解を賜りたいというふうに思っておりますけれども、今、地域の金融機関、中小の地域金融機関は、中小企業に対する再生、あるいは地域経済の活性化に貢献するために、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいて様々な諸施策を展開をされているところでございます。そうした中にあって、私どもといたしましては、地域の金融機関がこうした金融機能強化法というものを活用して、そしてリスク対応能力というものを上げながら地域の期待にこたえていくと、そういうニーズというものは潜在的にあるのではないかというふうに考えております。
 しかし、合併等の組織再編というのはあくまでも金融機関の判断によるものでございますので、もし申請がございましたら、適切に法令に基づいて対応していきたいというふうに考えております。
○田村耕太郎君 この公的資金枠二兆円ですね、間違っていたら正していただきたいんですが、これ平成二十年三月までの時限的措置ですから、今年の八月からざっと四十二か月。二兆円の根拠といいますのは、地銀と第二地銀の約一割、十二行、信金の一五%、四十九金庫、信組の一割五分、二十九信組が合併するとの前提です。つまり、四十二か月間で九十の金融機関が合併するのではないかということで二兆円の枠が決められたわけですが、四十二か月で九十行ですから、そろそろ出てきてもおかしくないなと思うわけですが、金融庁さんはどの段階で公表されるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 私どもから公式に公表をするというタイミングでございますけれども、法律で明示されておりますのは金融機能強化法の第六条等で、主務大臣は、株式等の引受け等の決定をしたときは、提出を受けた経営強化計画を公表すると、こういうふうにされておりまして、こうした法令の規定に基づいて適切に対応していくということになろうかと思います。
○田村耕太郎君 これ、単体で申請する場合もありますし、合併して申請する場合もあるわけですね。合併して申請する場合は、合併がどの段階まで来た段階で公表となるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 合併を含みます経営統合というのはすぐれて当事者である銀行あるいは金融機関同士の経営判断の問題でございますので、私どもから公表するということには必ずしもなじまないというふうに思っております。当事者同士が協議を経て一定の合意に至るというようなケースはもちろんあるわけでございまして、そういう場合に、記者会見等で当事者である銀行、金融機関が公表する、合併の方向性等について公表するといったケースはあり得るかと思います。
○田村耕太郎君 私は何の情報もありませんし、どれぐらいの申請状況なのか、どこまで進捗しているのか全く存じ上げませんが、この段階ではもちろん教えてもらえないということは分かります。ただ、一言、ちょっと切り口を変えて大臣に質問させていただきたいと思います。
 大臣は、今の地域経済の構造的な問題、地域金融機関の体力、今後の日本経済の見通し、こういうものを考慮に入れられて、今の申請状況、今の進捗状況、満足されていますか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、経済の状況というのは、民間の企業が企業収益というものが回復をして、設備投資に見ても増加の傾向が見られるわけでありますけれども、そうした中で堅調に景気は回復をしてきているというふうに思っております。しかしながら、この経済の明るい兆しというものが地域や中小企業にしっかり浸透させていくということが今現在の経済運営の中の大きな課題であるんではないかというふうに考えているところでございます。
 こうした課題に金融面からもこたえていくために、今般、金融機能強化法を国会で御審議をいただいて成立をさせていただいたところでございますけれども、先ほどお話をさせていただいたように、地域の金融機関においても、リレーションシップバンキングの機能を強化をしていくために、アクションプログラムに基づいて様々な取組がなされているところであります。全体としてはその取組が進捗をしているというふうに思っておりますけれども、地域のニーズあるいは利用者の方々の要望というものは様々なものがございますので、そうしたものに的確にこたえていけるように更にこうした取組を強化をし、そして進めていくことが非常に重要ではないかというふうに思っております。
 そのためにも収益を向上させて、そして、今まで資本というものを不良債権の問題に対応していく、そうしたことに多く使われてきたわけでありますが、これからは資本も含めて経営資源を地域の活性化や中小企業の再生、地域の様々なニーズにこたえていけるように投入をして、そして新しい金融サービスやあるいは金融商品というものを開発をして、利用者の方々の信認にこたえていけるような、そういう経営というものをしっかりやっていく必要があるんではないかと。私ども、そうした認識に基づいて、適切にリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムをフォローアップをしていきたいというふうに考えております。
○田村耕太郎君 大臣の耳にも入られていると思いますが、既に一部の報道ですとか取材攻勢で、第一号案件、関東から出るんじゃないかですとか近畿ではないかですとか、いろんな情報が錯綜しているのではないか、私の耳に入ってはきております。その真否のほどは、信憑性のほどは分かりませんが、この一月に自民党の部会で審議が始まりまして、衆議院の財務金融委員会の方で春に公聴会が開かれまして、そこで、横浜銀行の頭取の平澤さんですか、地銀協のトップの方ですね、地銀はこれを念頭に置き経営すると思うと。多摩信金の佐藤理事も、合併して地域に貢献するために必要な公的資金だと。ある意味肯定されていますし、ある意味、うがった見方をすれば、うちは関係ないけれども他人は使うだろうみたいな、他人事のような見解とも言えるんですが、こういう前向きな評価をされていると思うんです。
 さっき言いましたうわさとかを考慮に入れても、私の考えで恐縮なんですが、まだまだ使われるに至っていないといいますか、使われるという前提でまだ検討がいっていないんじゃないかと私は察するわけです。それが正しいかどうか分かりません。
 その一つの理由として、ひょっとしたらその公的資金と引換えに要求される経営責任、経営強化計画、この辺りに対して疑心暗鬼、非常に厳しいものであるのではないかという考えがあるんではないかと私は察しているわけですが、その辺りに対するお考えはいかがですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 重ねてになりますけれども、私どもに対してこの法律についての問い合わせや、あるいは協議状況についてお話しさせていただくことができないと。これは当該金融機関を風評リスクにさらしてしまうおそれがありますので、この点については御理解をいただきたいというふうに思っております。
 そして、この法律を使うかどうかは、やはりこれはあくまでも経営者の判断の問題であります。この法律の使い勝手について先生から御指摘がございましたけれども、私どもとしましては、一方でモラルハザードをしっかり防止をする、そうした観点の中からこの法律の設計をさせていただいたところがございました。また、こうした観点も、しっかりとした中小企業に対して円滑に資金を供給をしていく、地域経済に貢献をしていくためにはどうしても求められる、そうした点ではないかというふうに考えているところでございます。
 先ほど来お話をさせていただいているように、今地域の金融機関はペイオフの全面解禁を控えてそれぞれに経営基盤の強化のために、あるいは収益力を向上するために努力がなされているわけであります。その中で、どのような形でリスク対応能力というものを上げていくのか、あるいは利用者の方々のニーズにこたえていかれようとしていくのか、真剣な経営改善の努力がなされているんではないかというふうに考えております。そうした中の有力な選択肢の一つとしてこの法律を利用されるかどうか、これは経営の判断ではないかというふうに思っております。
○田村耕太郎君 今、最終的には経営の主体的な判断だというお話がありました。
 この法案が、この金融新法が出てきたときのタイミングなんですが、去年の冬辺りです。あの例の足利銀行の破綻の問題がありまして、まだ尾を引いていまして、あのときに金融庁と監査法人が急に検査を厳しくしてああいう事態に追いやったのではないかというような批判もありまして、それが正しいかどうかは別としまして、この新法のねらいは再編を金融庁が主導するのではないかというようなことがよく言われました。これはマスコミでも言われましたし、私が知っている地域金融機関の経営者の間でもささやかれていました。
 今、大臣が繰り返し最終的には金融機関の主体的な判断だと言われましたが、再編を主導するという動機は金融庁さんにはおありですか。少しはありますか。ケース・バイ・ケースですか。全くありませんか。
○国務大臣(伊藤達也君) 金融庁が再編を主導していくということはありません。合併と再編というのは、これはもうあくまでも経営の判断の問題であります。
 そうした中で、一般論として申し上げれば、合併というものは、例えば規模の経済でありますとか範囲の経済というものが働いて、経営の効率の向上に資する面があると、こうした点はあろうかというふうに思っております。また、合併そのものも、これは極めて前向きな改革の一つではあろうかというふうに思いますが、こうした合併をするかどうかは、やはりそれぞれの経営において合併というものが本当に有力な経営改善の手段なのかどうか、地域におけるニーズや信認にこたえていける手段なのかどうかと、そのことを真剣に考える中での判断ではないかというふうに思っております。
 私どもとしてはそうした判断をするに当たっての一つの選択肢としてこの法律を用意をさせていただいたということであります。
○田村耕太郎君 絶対再編を主導しないという理解でよろしいでしょうか。──はい。
 再編を主導しない理由についてちょっとお伺いしたいと思うんですね。その方が国民経済の視点、地域経済や地域金融が抱える問題、そのためにとっては、地域金融機関にその最終的な、主体的な判断を任せた方がいいと考えられる理由についてお伺いしたいと思います。
 本当に、地銀のガバナンス能力、地銀の体力、地域経済の体力をかんがみて、本当に自主的判断に任せる方がいいとお考えですか。全く再編を主導しない方が国民経済のため、地域経済のため、地域金融機能のためにいいという判断でしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 重ねてになりますけれども、私どもが進んで合併というものを主導していく、そうしたものを金融機関の経営者の方に強く求めると、こういうことはありません。
 先ほどからお話をさせていただいているように、自らの経営基盤の強化でありますとか、あるいは収益力を向上させていく、健全性を確保していくためにどのような経営の改革を行っていったらいいか、これは極めて金融機関にとっての責任ある判断の問題であろうかというふうに思います。
 先ほど来お話をさせていただいているように、地域の金融機関は全国で自らの金融機能を強化をするために様々な取組がなされているところであります。私ども行政としては、そうした取組の中で、一つの選択肢として、経営を改革をしていく、経営基盤を強化をしていくための一つの選択肢としてこの法律を用意をさせていただいたところであります。
 今後は、地域の金融機関が、自らの地域の置かれている状況あるいは利用者のニーズ、そうした中でどのような形で地域や利用者から信認を確保することができるのか、そういうことを踏まえた判断がなされていくだろうというふうに思っておりますので、そうした自主的な判断というものを尊重しながら、もし申請があれば、私どもとして適切にこの法律に基づいて対応をしてまいりたいと考えております。
○田村耕太郎君 民間にできることは民間に、総理も言われていますし、私もそのとおりだと思います。
 民間企業のすばらしさというのはたくさんあると思うんですね。競争や倒産のプレッシャーにさらされて、その中で厳しい決断をスピードを持って的確にやっていかねばならない。そういうことで決断していく決断力というのは民間ならではのものがあるとは思います。
 ただ、やっぱり民間にできないことは行政や政治がやるというのは、民間にできることは民間にという言葉の裏返しで正しいと思うんですね。民間にできることは民間にということでしたら、再生機構ができたことはなぜだったのか、なぜできたんだろうかなと、私、考えるわけです。これはいろんな考えがあるんですが、現実的な判断としては、債権関係の調整機能を全然金融機関ができなかった。これを、やっぱり行政の介入、政治の決断が要るんじゃないかということでできたわけですね、できたんだと私は思っているわけです。
 つまり、つい最近まで護送船団方式で引っ張ってきておいて、これから天下国家、国民経済、地域経済の視点で大決断をしなさいよということが本当に正しいのかどうなのか。名寄せの決断さえできない金融機関に、自主的な判断をして、地域経済のために、国民経済のためにしっかり自分の命運を決しなさいということが本当に正しいのかどうなのか、もう一度伊藤大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) バブル経済が崩壊した後、負の遺産といいますか、経済に対する重荷というものは非常に大きなものがあったというふうに思います。
 そうした中で、民間の自らの力で再生をしていく、そのことに対するやはり限界があったからこそ、金融面からいえば危機対応の枠組みというものを強化をし、金融システムの安定強化のための様々な諸施策というものが講じられてまいりました。また、産業面においても、これは、不良債権問題の裏返しはある意味では過剰の債務の問題であり、また一連、過剰の雇用や過剰の設備、三つの過剰というものをいかに是正をしていくかということが経済再生の大きな課題だと言われてきたわけであります。
 その中で、産業活力再生法の抜本的な改正を行って、また産業再生機構というものを設立をする中で、しかし、こうした中でも、民の再生の能力というものを尊重しながら、その中で公的な部分でどのような形でサポートしていくことができるか、そうした視点を持ちながら国会でも御議論をいただいて、様々な施策、様々な関連法律というものを成立をさせていただいたのではないかというふうに思っております。そうしたものも活用しながら、不良債権問題はようやく正常化に向けて着実に進捗をしてまいりました。また、産業面においても競争力の回復の途上にあるのではないかというふうに思っております。
 しかし、まだ不良債権問題が正常化したわけではありませんし、また日本の産業の競争力というものが非常に強力なものとしてでき上がっているわけでもありませんので、金融と産業の一体的再生の観点からしても今非常に重要な局面にあるというふうに考えております。そうした認識の下で、私どもとしても適切な対応をしていかなければいけないと考えているところでございます。
○田村耕太郎君 予定利率引下げのときも、私、質問に立たせていただいたんですが、前向きな質問をしようと心掛けたんですが、やっぱり自分の良心にかんがみて、やっぱりいろいろ、自分の中でいろいろな思いがあったのは事実ですが、あれに賛成したのも、今回の法案に賛成したのも、やっぱり金融庁が、行政がしっかりとしたビジョンを持って、裏で何かこそこそ再編や合併を働き掛けるというのは反対ですけれども、大きなビジョンを持って、日本のため、地域経済のために大きなビジョンを持って、そのビジョンに合わせてその武器も用意して、その使い方も責任を持って、間違ったら責任取るべきだと思いますけれども、責任を持ってしっかりとしてかじを取っていくというのが今の時代に必要なのではないかという考えに至って、この法案も、予定利率引下げの法案も賛成させていただいたわけです。
 武器は作ったけれども、後は自分たちで、民間に突き放したように決めなさいよというのは私はどうかと思うんですね。もちろん、陰でこそこそやるのはいけませんけれども、堂々と金融庁がビジョンを持って、そのビジョンを明確にして、しっかりとそこに引っ張っていくということが、今のまだまだ私は予断を許さない経済情勢だと思いますから、必要だと思うんですね。
 大臣は自ら外食産業も経営されてきたということで、その民間の力のすばらしさと民間の力の限界というのも体験されているんじゃないかと思うんですね。民間のすばらしさということは、お客さんを喜ばせたり、本当に地域に貢献したりすることもありますが、やっぱり民間って忙しいわけですね、日々の業務で。だけれども、天下国家のことを考えなさいよとか地域経済のことを考えなさいよとか、定款にも書いてあるかどうか分かりませんし、書いているところもあるかもしれませんし、日々の業務の中でどこまで優先順位を付けて考えられるのかどうなのか。大臣みたいなオーナー企業だったら別ですけれども、サラリーマン企業の場合、更に本当に天下国家とか地域経済のことを勘案して決断ができるかどうなのか、私は非常に疑問だと思うんですね。
 ここで責任と覚悟を持って私は金融庁が公明正大にビジョンを出して引っ張っていくということが必要ではないかと考えるわけですが、大臣はいかが思われますか。
○国務大臣(伊藤達也君) 大変重要な御指摘をいただいたというふうに思いますし、また先生から金融庁に対する激励もその中に込められていたのではないかというふうに思っております。
 私どもといたしましては、国民の皆様方の行政に対する理解を得るためにも透明度のある行政というものを展開をしていかなければなりません。また、先生から御指摘がありましたように、私どもとしてのやはり考え方というものを明らかにしていく、あるいは問題意識というものをしっかり説明をして、そして民の活力というものを引き出しながら、それを支えていく行政というものも非常に重要なことだというふうに認識をしておりますので、先生の御指摘も踏まえて、これからもしっかり金融改革に、そして金融行政に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○田村耕太郎君 大臣、頑張ってください。
 時間も限られていますので、せっかく来ていただきました日銀さんの方に最後に一つ質問させていただきたいと思います。
 本来でしたら大田統括官さんの方にもお願いしたいと思ったんですが、時間の都合でちょっと間に合いそうもありませんので、失礼しました。ありがとうございました。
 日本銀行さん、この前も日銀さんに対する集中質問でいろんな質問が出ていまして、それに関連なんですが、これだけ長い間、人類史上かつてないぐらいの金融緩和政策をずっと取られています。金融の国際化も進展しているわけです。金融政策に関しましては釈迦に説法で、いろんな教科書的な議論があるんですが、私は、一つの壮大な、実験と言っては失礼な言い方になるかもしれませんが、これだけ強烈な金融緩和策をやった後に今までの伝統的な金融政策が本当に利くのかどうなのか。これだけ強烈な緩和策をやったから、逆にデフレの出口が見えて今度は引締めに走らなきゃいけない。これだけ強烈な緩和策をしたから、更に別の金融政策が効くようになるのか、逆にたくさん薬を飲ませてしまったから別の薬が効かなくなるのか、そろそろ私は準備をされなきゃいけない時期だと思うんですが、これだけ人類史上かつてない緩和策をやられた後の金融政策の効果、これが限定的になるのではないかと私は思うんですが、その辺り、いかが分析、お考えですか。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 今先生御指摘のとおり、日本銀行は現在量的緩和を強力に実行しております。これは消費者物価の前年比が安定的にゼロ%以上となるまで今の政策を続けようという約束でございます。当面、物価は小幅のマイナス基調で続いておりますので、現在、この約束に従って景気をしっかり支えるという仕事に全力を尽くす所存でございます。
 先生の御指摘の点でございますけれども、このような強力な金融緩和が続く下で、短期の金融市場では例えば取引高が減少する、あるいは市場機能が低下するということが生じております。これは強力な金融緩和の結果として、副産物として生じているわけでございますけれども、大きな政策目的、つまり経済のデフレ傾向から脱却し、経済を持続的に成長させるという目的に照らしてこれを実行しているものでございます。市場機能はこの先いずれかの段階では現在のフレームワークから移行するわけでございますけれども、将来、短期金利がプラスの水準になっていけば市場機能もいずれ回復していくというふうに考えております。
 現在の緩和の枠組みを変更した後には、当然、短期金利の操作を中心とした金融政策を実行することになるわけでございますけれども、金融政策の効果は金融市場や金融機関の行動が短期金利の変化に反応していくということを通じて発揮されるものでございます。そういう意味で、私どもとしましては、今後の市場機能の回復の状況については十分に目配りをしていくということが必要であるというふうに考えておりまして、先生の問題意識を十分踏まえて政策に当たっていきたいというふうに考えております。
○田村耕太郎君 最後に、伊藤大臣と金融庁にこれからの国民経済、地域経済、これに対する明確なビジョンと責任と決意を持って更に頑張っていただくことを期待をしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林と申します。
 この臨時国会からこの財政金融委員会に所属しましたので、この委員会で初めての質問になろうかと思います。そういう意味で、過去の経緯を詳しく承知しているわけではありませんので、繰り返しの議論になったり、少しずれた質問になるかもしれませんが、学ぶべきところは学び、言うべきことはきちっと言って、なるべく質の高い議論ができるよう私なりにも頑張っていきたいと思いますので、是非御指導をよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 まず、やはり今年は台風の被害、あるいは新潟県中越地震ということでお亡くなりになられた方へ本当に心から御冥福をお祈り申し上げ、そして多くの方が被災されたわけであります。保険に入っていればそれは保険金ということでその穴埋めはできるんですけれども、入っていない人も多くいるわけでございますので、これは金融庁の仕事ではないと思いますけれども、側面的にまた御配慮をいただければ有り難く存じます。
 まず、本題に入る前に、ブッシュ再選ということでございますので、アメリカの金融政策が変わるとは思いませんけれども、伊藤金融大臣のうちに何か御感想があればまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) これからも、アメリカは世界経済の中においては大変重要な地位を占めているわけでありますし、世界経済の発展のためにしっかりとしたリーダーシップを発揮していただきたい、そのことを心から期待をしているところでございます。
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 まず、FRC報告に関する質問に入る前に、大臣の所信表明の中で私はこの点が欠落していたんじゃないかなということについてお伺いしたいと思います。
 それは、骨太の方針で示されました金融重点強化プログラム、これ年内に作るということになっておりますが、もう年内といってもあと一か月ちょっとしかありませんので、そこのことについて全く触れなかったということについてどうなのかということでまずお伺いしたいと思います。
 金融再生プログラムを今実施中ということを理解しておりますが、来年度、不良債権処理を引き続きやりながらも攻めに転じるこれからの金融行政の柱ではないかと思いますが、是非、その辺についてなぜ言及しなかったのか、その辺も含めまして、もし決まっていることがあればできる限りお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今御指摘がございましたように、私の所信表明やあいさつの中で、仮称、金融重点強化プログラム、この言葉は使いませんでしたけれども、所信表明、あいさつの中で、金融・資本市場の構造改革と活性化として、国際的にも最高水準の金融機能が利用者のニーズに応じて提供されるような金融・資本市場というものを構築していく必要があると、そうした考えを述べさせていただいたところでございます。
 これは、先ほど先生からも御紹介ございましたように、今年の六月四日閣議決定をされた基本方針二〇〇四において、平成十七年から十八年度、この二年間を重点強化期間としておるわけでありますが、これを対象とした新しいプログラムとして金融重点強化プログラムを本年末を目途に作成をするということになっているわけであります。
 そして、このプログラムは、国際的にも最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じて提供できるような、そういう金融システムの構築を目指すということとされておりまして、こうしたことを踏まえて、現在、金融庁だけではなくて外部の有識者の方々の御意見も賜りながら積極的に検討の作業を進めているところでございます。
○若林秀樹君 基本的に、じゃ、年内に策定すると……
○国務大臣(伊藤達也君) はい。
○若林秀樹君 いうことで理解しているところであります。
 その中では、盛んに出てくる言葉の中に、利用者ニーズに対応した多様で高度な金融サービスの提供ということなんですが、やはり国民あるいはその代表である国会の考え方をどういうふうにそこに反映していくのか伺いたいと思います。
 確かに、アドバイザリーグループですか、そういう専門家の方をまた集めてはいますが、結局、いわゆる国民のニーズがどこにあるかということについてはやはりもう少し幅広に様々な意見徴収も含めてやる必要があるんじゃないかなと思いますが、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 先生から大変重要な御指摘をいただいたというふうに思っておりますし、私も、当委員会が日本の金融システムの安定強化、あるいは機能強化に当たって大変重要な役割を果たしてきたというふうに認識をしております。したがって、当委員会の議論も含めて、そして先生から御指摘がございましたように、様々な有識者の方々、これはアドバイザリーチームだけではなくて、いろいろな方々から御意見をいただき、そうしたものをしっかり検討をしてこの新しいプログラムというものを作り上げていきたいというふうに思っております。
 そして、このプログラムは、先ほどからお話をさしていただいているように、利用者重視ということに大きな視点を置いて、そして国際的にも最高水準の機能というものを利用者が存分に活用できるような、そういう金融システムというものを構築をしていきたい、そのための金融・資本市場の構造改革や活性化という問題に取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、国会での議論を大切にしながら、新しいプログラム作りについて一生懸命取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○若林秀樹君 是非、しっかりした金融重点強化プログラムを国民のニーズも踏まえて作っていただければ有り難いなというふうに思っております。
 その意味で、それから次の質問に入りたいと思いますが、このFRC報告等を読みながら私はいつも疑問に思っているのは、これまで資本注入時における業務再建計画とか、あるいは銀行法二十六条ですか、業務改善命令がいろいろ出てはいるんですけれども、出たにもかかわらず、相変わらずその業務が改善せずして今回の不祥事とかあるいは破綻に追い込まれるということが繰り返し行われているんですが、なぜそういうことが現実に起きるのかという基本的な問題についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさしていただきたいと思います。
 私ども、金融庁といたしましては銀行法にのっとって厳正な検査・監督に努めております。そして、公的資本増強行につきましては経営健全化計画の履行状況のフォローアップを実施するなど、金融機関に対して経営の改善を促してきているところであります。
 経営健全化計画のフォローアップにつきましては、早期健全化法に基づいて半期に一回計画の履行状況を確認をし、そしてこれを公表することで金融機関自身による自己規律を促してきたところであります。また、計画を下回った場合には、いわゆる三割ルールに基づいて、銀行法二十四条に基づく報告徴求、そして必要に応じた業務改善命令の発出など、厳正な対応を行ってまいりました。
 そして、業務改善計画については、立入検査を実施して、発見された法令違反や業務運営上の問題など、報告徴求を通じたフォローアップのプロセスにおいて精査をし、そして必要に応じた業務改善命令等の発出など、厳正に対応をしてきたところであります。
 さらに、業務改善計画が提出をされた場合には、所要の改善策の実施状況をフォローアップをして、そしてさらに次回の立入検査で改善結果を含め検証をしてきたところでありますが、しかし、こうした中で、経営の改善の成果というものが私どもの検査・監督の指摘あるいはそうした処置の中で十分結び付かなかったと、こうした点については誠に遺憾なことだというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、こうした経験も踏まえて、私どもとしましては法令に基づいて今後も公正かつ厳正な検査・監督を行ってまいりたいと考えております。
○若林秀樹君 発言の中に真摯に反省されている面もありまして、次の質問に移りにくくはなったんですが、あえて聞きますけれども、例えばシティバンクの例でいえば、もう二回も資本増強行に対する、フォローアップルールが、業務改善命令が出ておりますし、あっ、これUFJですね、ごめんなさい。
 で、シティバンクにつきましては、例えば昨年、いや、昨年ではない、平成十何年の八月に、在日支店の業務にかかわる云々で、コンプライアンス体質の整備等を内容とする業務改善命令が出ているんですね。結局は今回の不祥事に至ったのも同じようなことが原因でなっているということを考えますと、既に所要の改善をすべて完了した報告を金融庁にして、それをチェックすることなく報告命令の解除をしているんですね。ですから、業務改善命令を出し、計画をやり、進捗状況に対して何の確認もなくその報告解除をしているんではないか。結局それがなかったがために今回の不祥事にまたつながっているんではないかという問題認識があるんですが、なぜそうなってしまうのかということについて改めてちょっと伺いたいんですけれど、私の質問の趣旨、お分かりでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 先ほどお話をさしていただいたように、私どもといたしましては銀行法にのっとって厳正な検査や監督に努めさせていただいております。そして、問題があれば適切にそれを改善するための処置を講じてまいりました。そのための枠組みについても先ほどお話をさせていただいたところでございます。
 そうした処置をして、なおかつ、なぜまた新たにそうした問題が生じるのかという御質問でございますけれども、私どもとしましても、そうした問題が再発されないように、そうした認識を持ちながら、行政処分が行った後、検査を行って、そして改善というものがしっかり行われているかどうかと、そうしたことも検証しながら、検査・監督の連携強化も通じて適切な対応を行ってきたところであります。
 しかし、残念ながら、過去のケースにおいて、先生が御指摘をされたように、そうした検査・監督上の処置が十分に経営の健全化につながっていかなかった、あるいは経営の改革につながらなかった、そのことに対しては誠に遺憾なことだというふうに思っております。
 そうしたことを踏まえて、これからの検査に当たっても、監督に当たっても、しっかりとした対応をしながら、国民の方々の信認を得られるような金融行政というものを行ってまいりたいと考えているところでございます。
○若林秀樹君 繰り返しで恐縮なんですが、業務改善の報告をしたときに、改善されたかどうかのチェックをその時点で入れてないんですよね、例えばシティバンクでも。後で立入検査をしても、それから数か月たって、あるいは一年たっているわけですから、改善命令を出して、計画を出してやっているかどうかをその時点でやるというのが私は基本じゃないかなと。もしそれができないんであれば、体制の問題なのか何なのかというのをちょっと認識としてどういうふうにお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 先ほどもお話をさせていただいたように、行政処分後に業務改善計画が提出をされた場合には、それ以降、定期報告を通じて所要の改善策の実施状況をフォローアップをして、さらに次回の立入検査で改善計画を含めて検証をいたしているところでございます。
 シティバンク在日支店に対する前回検査においてもいろいろな問題点について私どもとして指摘をさせていただき、そして行政処分が行われたわけであります。そして、それに基づいて業務の改善計画が提出をされ、それに対するフォローアップも行ってまいりました。そして、その上で私どもとしては検査をさせていただいて、そして、今回のような様々な問題が見付かったわけであります。このことについても、私どもとして法令に基づいて厳正な処分を行わさしていただいたところでございます。
○若林秀樹君 じゃ、もう一回だけ。個別の例で恐縮ですが、例えばシティバンクの場合には所要の改善を完了した旨の報告をしているわけですよね。その時点で報告義務を解除しているんです。それが本当に改善されたかどうかの確認はしてないんじゃないんですか、これは。
○国務大臣(伊藤達也君) 今御指摘がございましたシティバンクのケースの場合でありますけれども、これは私どもとして行政処分をし、これを受けて当行においては業務改善計画というものが十三年九月に提出をされたわけであります。そして、同計画の実施状況について定期的にフォローアップを行ってまいりましたが、このプロセスを通じてシティバンクの在日支店からは業務改善計画は完了したとの報告を受けました。
 しかしながら、私どもとしては、十五年十一月から十六年四月にかけて改めて立入検査を実施をさしていただいて、それまでの業務改善計画を通じて改善されたとされていた項目についても検証し、実際には改善が図られていなかったことに加えて、重大な法令違反や不適切取引が多数確認されたところ、シティバンク在日支店については、今般、プライベートバンク部門の在日四拠点についての認可の取消しを含む厳正な処分を行わさしていただいたところでございます。
○若林秀樹君 質問がちょっとかみ合ってないんですが、まあ次の質問に移りたいと思いますが、実施状況の報告命令をそこで解除しているということは、金融庁がもう改善されたと認めているわけですよ、そのフォローアップの問題じゃなくて。で、解除するんであれば、そのときにきちっと本当に改善されたんだろうかというチェックがないとこれはおかしいですよ、それは。それは、分かります、その私の指摘は。
○国務大臣(伊藤達也君) 重ねてお答えをさしていただきたいと思いますが、私ども、監督上ですね、監督上チェックできない項目について検査をさせていただいて、改善されているかどうかを検証し、問題があれば私どもとして適切な対応をすると、こうした枠組みの中で金融行政を進めさせていただいているわけであります。
 先ほど来お答えをさせていただいているように、シティバンク在日支店においては様々な問題がございました。したがって、行政処分を行って、シティバンクの方から業務の改善計画を提出をしていただいて、私どもとしてそれをフォローアップしてきたわけであります。そして、その後、検査において改善されるかどうかをチェックをして、重要な問題が見付かり、それに対して適切な対応をさせていただいたということであります。
○若林秀樹君 ですから、報告命令の解除をするときには、改善されたかどうかは関係ないということを今おっしゃっているわけですよ。いや、そうじゃないと、解除してからその後に検査しているわけですから、そういうふうにとらえても、少なくともこの報告書で見る限りはそうではないかなというふうに思えますんで、これはもうこれ以上続けていてもまた時間がもったいないんで、次に移らさしていただきたいと思います。
 足利銀行の問題についてお伺いしたいと思います。
 今回のFRC報告にも書いてあるんですが、預金保険法第百十六条に基づき、二月の十三日です、内部調査委員会が設置されまして、経営責任、法的な手続の必要性も含めて調査委員会を作ったんですが、その後の検討状況等が何も発表されておりませんが、この辺についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたとおり、預金保険法に基づきまして、本年二月、足利銀行に内部調査委員会が設置されております。旧経営陣等の職務上の義務違反等に係る民事上の提訴、刑事上の告訴、告発等の必要性や妥当性について調査を行い、取締役会に報告すると、こういうことを目的といたしまして、外部の専門家で構成されているということでございますけれども、現在、特定の大口不良債権あるいは財務上の問題などについて旧経営陣における経営責任の有無の調査が進められているところというふうに承知をいたしております。
○若林秀樹君 だから、もう九か月たっているんで、なぜその調査状況なりその後の結果が出てこないのかということを申し上げているんで、じゃ、遅れている理由は何なんですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 内部調査委員会におきまして引き続き調査は進められておるところでございますので、現時点で私どもがその内容、進捗状況等について言及することは困難であるということを御理解いただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、内容が極めて機微にわたる話でございます。
○若林秀樹君 検討されているというのは分かっていますよ。もう二月なんです。なぜそこまで遅れているかということについて伺いたいんですが、結局これは告発の問題も遅れるとか、いろんな問題もありますけれども、やはり一つ区切りの例えば三か月なり半年後にやるとか、じゃいつまでにやるかということを出さないで、この経営責任はいつまで追及するというのはもう全く意味をなしてないんで、もう少しちょっと誠実に答えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほども申しましたように、現在特定の大口不良債権をめぐる問題、あるいは財務上の問題等々につきまして、旧経営陣における経営責任の有無についての調査が行われておるところでございまして、所要の時間が掛かるということであろうかと存じます。
○若林秀樹君 私は本当に知りたいんで、調査報告書を読んで聞いているんですよ。何でもうちょっと真摯に答えてくれないのかなという感じはします。(発言する者あり)ですから、所要の期間というのは、じゃいつまで、ちゃんと聞こうと思ってましたから大丈夫ですけれども、やるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。もう九か月たっているんですから。
○政府参考人(佐藤隆文君) 法令上、特定の期限が定められているというものではございませんけれども、内部調査委員会におかれては恐らくできるだけ速やかに結論を出すべく努力をされていることというふうに存じます。
○若林秀樹君 最初の質問から、最初に立ったときからこういう感じでやるとすごい力が抜けて本当に嫌になってしまうんですけれども、その上でお伺いしたいと思います。
 じゃ、一般論として、旧経営陣に対する責任は政府としてどういう認識があるのか、じゃ伊藤大臣にちょっと答えていただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) この点については、恐縮でございますけれども、先ほど佐藤局長がお話をさせていただいたように、法令に基づいて足利銀行においては旧経営陣の経営責任について外部の専門家で構成する内部調査委員会で引き続き調査を進められていると承知をいたしておりますので、現時点で私からコメントをすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○若林秀樹君 分かりました。
 じゃ、その上で聞きますが、国有化、株式の強制取得に至った政府の責任とはどういうふうに考えているんでしょう。これは人のことじゃないですから、自らですから、どういうふうに感じているか答えていただくことは可能ではないかと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 足利銀行に対しましては、銀行法にのっとって厳正な検査・監督に努めるとともに、平成十一年に公的資本増強以降、同行の経営健全化計画の履行状況のフォローアップを実施をして、そして早め早めの経営改善を促してきたところでございます。
 具体的には、平成十三年三月期を対象として検査を行いました。この中で、リスク管理体制等について問題点を指摘をし改善を求めたほか、同行及びあしぎんFGに対してこれまで十四回の報告徴求、そして一回の業務改善命令を発出をし、経営上の諸リスクへの対応、そして経営の健全化の確保、収益性の向上に向けた取組等を促すなど、監督上必要な対応を適切に行ってきたというふうに考えております。しかしながら、足利銀行においては、こうした検査での指摘や、あるいは監督上の処置が経営改善の成果に十分結び付かず、破綻という事態に至ったことは極めて遺憾なことだというふうに考えております。
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 多少、衆議院での議論の議事録を読みながら、その引き続きの質問をさせていただきたいと思いますが、やはり最終的には十五年三月期に外部監査というんでしょうか、銀行監査が入りながら、そのときの報告書を読めば、適正に処理をされているということに何の疑いもない報告がなされ、それから数か月後に金融庁が入ったら不良債権等の評価が甘いということで、結果それは破綻に追い込まれたわけですね。
 監査も検査も、それは目的が違い時期が違うということは理解はしているんですけれども、やはり監査もある意味じゃ商法なり証券取引法ですか、そういうことに基づいた法的な第三者的な機関であり、一方、金融庁ももちろん政府の機関ですから、目的が違うといっても、最終的には銀行の経営の健全化を担保するものだということにおいて、たった数か月でこれだけの違いが出るということについて、なぜそうなったのか、乖離は仕方ないのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西原政雄君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、この検査と監査、これは目的も違いあるいは時期も違う、そういうようなことがございますので、どうしても乖離が出てしまうという、今お話しのとおりなわけですが、また、御指摘のとおり、監査というものにつきましては、監査法人の監査というのは、今御指摘のとおり、商法あるいは証取法に基づきまして財務書類の的確性、それを確保する、あるいは投資家保護、こういった目的の下に行われていると。しかも、それが決算の確定に合わせて行われる、あるいは決算を確定させるために行われる、こういうタイミングの問題がございます。
 それから一方で、この銀行の検査と申しますのは、銀行法の規定に基づきまして、信用秩序の維持あるいは預金者保護と、こういった観点から金融機関の業務の健全性あるいは適切性、これを確保する観点から行われるわけですが、その際に、金融機関がまず自己査定という形を行うわけですが、それをもって監査法人が監査した、決算を確定したその後に事後検査として行われると、こういったものでございます。したがいまして、どうしてもそこにいろんな点の違いがございますので、結果が異なるということはあり得ると思います。
 しかしながら、それじゃ乖離があるということについてはやはりいろいろ問題もあるということで、公認会計士協会としてもこの点は非常に問題というふうに認識しておりまして、この格差を少しでも縮小するという観点からプロジェクトチームを作りまして、ここで調査をした上でこの対応を図るということで、三点ほど挙げております。
 その一つは、リスクアプローチによる監査の更なる徹底を図るということ。あわせて、銀行監査の深度の向上を図るために総監査日数の増加及び監査コストに見合った監査報酬の増額等の会計監査人による取組に対して全面的に支援すること。それから第二点目としては、金融検査当局に対し定期的な協議の場を設けるよう要請し、共通の基準等について相互に議論し、乖離の縮小に努めること。第三点目が、検査立入り時における金融検査官との意見交換を積極的に要請し、検討事項に対して深度ある意見交換を実施するよう会計監査人を指導すること。
 このような取組を行っておりまして、我々といたしましても、今二番目にうたわれました定期協議、これについては積極的に御協力申し上げているところでございます。
○若林秀樹君 ある意味では乖離があって当然というような御発言の趣旨もあるんではないかなと思いますが、ある意味じゃ、そういうふうに開き直ると、逆にやっぱり市場の信頼は私は得られないと思います。たった数か月でそれだけ違う判断が出されるということについては、私は、やっぱり開き直らず、極力それをやっていくんだという、まあ努力されているのは分かりますけれども、極力その差はないようにするということが必要ではないかなというふうに思います。三月期の決算見れば何にもないわけですから、それはやっぱり投資家という立場もそうですけれども、金融庁の立場は違うにせよ、そこは問題ではないかというふうに思っています。
 その上で、この三月期の評価に対して粉飾決算という認定には至っていないというのがこの間の衆議院での伊藤大臣の御発言だったというふうに思います。その認識は本当なのかどうか、改めてお伺いします。
○国務大臣(伊藤達也君) 粉飾決算の問題につきましては、これは、先生が想定されておられますのは有価証券報告書の虚偽記載の罪のことだろうというふうに思います。
 御承知のとおり、この罪が成立するためには要件がございます。そして、この要件と私どもが検査の過程の中で把握された事実、それを照らし合わせる中で粉飾という認定には至らなかったということでございます。
○若林秀樹君 じゃ、二つ質問したいと思うんですけれども、それは決算の適法性、違反性があると判断していないという理解でよろしいんでしょうか。その上で聞けば、内部調査委員会の中には決算の適法性というものについて議論するって書いてあるんです。この時点で決算の適法性について政府は問題意識持っていたわけです。でも、今はもうそういう認識はないということは、今さっき内部調査委員会も何も結論出ていないと言ったじゃないですか。非常に矛盾する話だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 私がお話をさせていただいたのは、検査の過程の中で私どもが把握をした事実、それに照らして先ほどお話をさせていただいた罪が成立するかどうか、それを検討させていただく中で粉飾決算であるという認定には至らなかったということであります。新しい事実が出てまいりましたら、私どもとすれば、法令に基づいてこれは適切に対応するということは言うまでもないことであります。
○委員長(浅尾慶一郎君) ちょっと速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
○若林秀樹君 最初の私の一部分にちょっとお答えいただいていないんですが、内部調査委員会の中で決算の適法性について議論しなきゃいけないということで、この時点でこの決算についての違法性を暗に認めながら、入れているんです、その書類の中にちゃんと入っているんで、それで一方、今決算、違法性がないというふうにおっしゃるということは、内部調査委員会、さっき私聞きましたけれども、何の議論の結論も出ていないにもかかわらず、そこは大臣が言うというのはおかしいということを指摘させていただいたんです。お分かりですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 私がお答えさせていただいたのは、委員の御質問の中にその粉飾決算の問題についての御指摘がありましたので、その粉飾決算の問題については先ほどお話をさせていただいた有価証券報告書虚偽記載の罪に当たるかどうかと、そうした先生の御質問ではないかというふうに思いましたので、この罪が成立していくためには、重要な事項について虚偽のある記載がある有価証券報告書若しくはその訂正報告書を提出することが必要である、かつ、これらの要件について提出時における故意を有することが必要でありますので、そうした要件と私どもが検査で把握をしたそうした事実と照らして、粉飾決算の認定には至らなかったということでございます。
○若林秀樹君 分かりました。じゃ、それは内部調査委員会で検討されているけれども、もう既に金融庁では決算の違法性はないという判断だというふうに私は思います。
 その上であえて聞きますが、飛びますけれども、UFJはどうなんですか。さっきその認定の要件と言いましたけれども、故意による虚偽報告というか記載ということになりましたけれども、忌避、検査忌避の問題は組織ぐるみでやっていたということを企業側、銀行側は認めたわけですから、それに、振り返れば、まさしくこれは故意に財務諸表を書き換えたということになりますので、それこそこれが体質的に続いたとしたら、過去からずっと粉飾決算の体質になっていたんじゃないかということは、要件から考えて、言えませんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) この点についても当委員会で何度か御質問がございましたが、検査忌避行為についての認定の問題とそれから粉飾決算の認定の問題というのは、これは別なものであります。
 検査忌避の問題については、組織的に検査忌避を行ったということで、私どもはこのことについて行政処分というものを行わさせていただきました。そして、粉飾決算の問題については、今お話をさせていただいたように、有価証券報告書虚偽記載の罪というものが成立をしていくためには、重要な事項について虚偽の記載がある有価証券報告書若しくはその訂正報告書を提出することが必要であり、かつ、これらの要件について提出時における故意を有することが必要であります。私どもは、検査の過程の中で、把握をした事実と照らしてこの要件に合うかどうか検証する中で粉飾決算の認定には至らなかったということであります。
○若林秀樹君 恐らくこれまで、過去ずっと議論されたことではあると思いますけれども、私のこの理由付けというのは必ずしも常識からのっとってずれているとは思えませんので、これについては引き続きやっぱり今後議論させていただきたいと思います。
 その上で、UFJの検査忌避の問題なんですが、検査忌避の認定というか、いつごろから検査忌避だということを、認識したのはいつの時点なのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西原政雄君) 今回、UFJに対しまして検査を実施いたしまして、その中で検査忌避行為が行われたわけですが、それにつきましては今年の五月三十一日に検査結果通知を出しております。その際に、この検査忌避に該当する行為、それから不適切な検査対応、こういったものが認められるというふうに認識を伝えてございます。
○若林秀樹君 その報告書じゃなくて、実際に立入検査したわけでしょう。そのときに、いつの具体的な日付の時点で検査忌避をしたという認識が発生したのかということを聞いているんです。報告書の提出日じゃないです。
○政府参考人(西原政雄君) 検査は継続して行われていますので、どの時点ということでは必ずしもなくて、その継続した中で我々判断をして、更にその認識を固めて通知したのが先ほど申しました通知の時点と、こういうことでございます。
○若林秀樹君 物事には最初に認識した日があるんです、これは。その日がいつなのかと。その時点で告発するということを言っているわけではないです。常に日にちがあって、いつの時点で金融庁はこの検査忌避の認識をしたかということですから、答えてくださいよ、そのぐらい。
○政府参考人(西原政雄君) 金融庁として正式にこの検査に対しての忌避行為があったと認定したのは検査結果通知の時点でございます。
○若林秀樹君 もうそういう答え方しないでくださいよ、私も日本語で聞いているんですから。
 検査に入って、具体的に何月何日に最初に検査忌避の認識を持ったかということは通知したときまでないということですか、それは。具体的に検査しているわけでしょう。だから、いつの時点で、何か拒否をされたとか資料を持っていかれたとかという日にちがあるわけじゃないですか。それが何で答えられないんですか。
○政府参考人(西原政雄君) 検査の途中経過の関係についてはできるだけお答えは遠慮させていただいておりますけれども、今回につきましては、途中でそういうその行為が行われたと思われる行為はございましたが、それについて最終的に確認して認識我々した時点が検査結果通知の時点というふうなことでございます。
○若林秀樹君 まあそういうお答えしかできないんだったら私もこれからの質問考えざるを得ないですけれども、少なくとも刑事訴訟法には公務員は告発義務が課せられているわけでありますから、認識した時点で速やかにやる。後は司法の判断になりますから、やはり今回も業務改善命令等を出しながらこれだけ、十月までやっぱり遅れたということは、私はやっぱり問題があろうかというふうに思います。
 もう時間がないのでもうやめますけれども、やはり大蔵省時代の裁量行政に逆戻りするんじゃなくて、やっぱり透明性そしてルールにのっとった金融行政をすることが金融庁の役割ではないですか。それに基づいて私も質問をしているんで、是非ともこれから真摯に答えていただきたいと思います。
 以上で質問終わります。
○富岡由紀夫君 私はさきの参議院選挙で群馬県選挙区から初当選をさせていただきました富岡由紀夫と申します。本日は、委員会、初めての質問ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、西武鉄道、コクド等の違反についてお伺いいたします。
 西武グループの一連の不祥事、法令違反については、コクドの前会長の記者会見、西武鉄道の情報開示、マスコミ等の報道で明らかになっております。
 具体的に申し上げますと、まず、西武鉄道の有価証券報告書の大株主の持ち株比率の虚偽記載がされておりました。これは証券取引法に違反する行為でございます。
 二つ目に、西武鉄道の上位株主十社の持ち株比率が八〇%超の状態が三十年以上続いていたのではとの疑いが持たれております。少なくとも、関東財務局に提出された有価証券報告書の訂正報告によりますと四年以上は確定しております。これは、東京証券取引所の基準では、一年以上続いた場合には上場廃止となるというところに引っ掛かってくる事件、案件でございます。
 三つ目に、上場廃止の可能性があるにもかかわらず、その事実を知らせず、ワコール、小田急電鉄、三菱電機、関電工等に西武鉄道株式を売却したという事実でございます。証券取引法では、インサイダー情報を隠しての相対取引、売買は禁止されております。
 そして四番目に、西武鉄道の監査を行っていた二人の公認会計士の担当期間が二十九年と十八年となっております。これまた公認会計士法では、公認会計士は原則七年で交代するということが義務付けられております。
 これらの一連の不祥事について、金融庁の現在の調査状況及び対応方針について金融担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 西武鉄道は有価証券報告書の訂正報告書等を財務局に提出をいたしておりまして、訂正する理由といたしましては、個人名義株式の中に関係会社等が実質的に所有する株式が存在していることが判明したため等の説明を行っていると承知をいたしております。
 一般論として申し上げますと、有価証券報告書の訂正報告書等の提出があった場合、管轄の財務局において訂正等の内容及び経緯について必要に応じて確認を行うこととなるわけでありますが、これは個別事案にかかわることでございますので、子細についてはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
 また、虚偽記載の問題につきましては、もし虚偽記載の疑いがある場合には、これは証券取引等監視委員会において法令に基づいて適切に対応することになります。
 また、インサイダー取引についての御指摘もございました。一般論として申し上げれば、証券取引法は、第百六十六条におきまして、上場会社等の役員等の会社関係者又は当該会社関係者から当該上場会社等の業務に関する重要事実の伝達を受けた者、これは第一次情報受領者ということになりますが、当該上場会社等の業務に関する重要な事実を知りながら、当該重要事実が公表される前に当該上場会社等の株式等の売買等を行うことを違法な取引、インサイダー取引として禁止をいたしておりまして、インサイダー取引に該当する事案については証券取引等監視委員会において厳正に対処されるものと承知をいたしております。
○富岡由紀夫君 個別論ということで余り詳しくはお答えいただけないというのは大体想定していたんですが、私は、一般論として、今回のこの事件が、日本の証券市場においてこのような事件が起こるというのは、私は日本にとって本当に恥ずべきことだというように考えております。
 情報開示というのは一般投資家の投資判断の一番の根拠であろうかと思っております。その情報が虚偽であるということは、これはもう日本の証券市場全体のレベルが疑われても仕方がない、このような私は大問題だというように考えております。
 そして、その虚偽の内容が極めて問題です。上場廃止につながるような重要事項の虚偽でございます。西武鉄道という会社自体が東京証券取引所に存在しなくなってしまう可能性がある、そのような重要な問題でございます。余りにも低レベルな、しかし重大な違反であろうかと考えております。
 証券取引所を管理監督されています金融庁、その長である伊藤担当大臣、今後、投資家は何を根拠に投資判断を下したらいいのか教えていただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今先生からの御指摘がございましたように、証券市場の信認を確保するためには、これはもう適切なディスクロージャーというもの、そして公正な取引というものが確保されるということは極めて重要なことだというふうに考えております。
 今、監視委員会は、御承知のとおり、私の指揮権の中に入っているわけではございませんけれども、金融庁として本当に市場の信頼を確保するための適切な処置というものをしっかりやっていかなければいけないと、そうした認識を強く持っているところでございます。
○富岡由紀夫君 私は、今回の事件発生を許した一番の原因は、子会社上場に関する情報開示の抜け穴があることが原因でないかと私は思っております。
 今回は、コクドについて、親会社、上場会社の親会社であるコクドについては情報開示がなされておりません。どういった場合に上場開示が必要とされて、どういった場合に必要でないのか、その法令、根拠をお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 東証からは、一般論として、適時開示規則に基づいて、上場会社の親会社の事業年度にかかわる決算の内容が固まった場合やあるいは子会社の異動に伴う事項などについて、当該内容について開示を行わせることを要請しているというふうにお伺いをしているところでございます。
○富岡由紀夫君 私が調べた限りなんですけれども、今の東京証券取引所の基準では、持ち株比率が五〇%を超える上場企業の親会社は財務諸表など経営データの公開を義務付けられております。しかし、これは平成八年ぐらいですか、にできた基準らしいんですけれども、それ以前にあった上場企業については、その親会社、今言った五〇%を超える企業の親会社であっても、その情報開示の適用がされないというようなことになっております。すなわち、どういうことかというと、コクドには情報開示の義務が付加されていなかったということでございます。
 同じ、今、東京証券取引所に上場している会社でありながら、ある企業は親会社を、ちゃんと五〇%以上保有していても、その親会社の情報を開示しなくちゃいけないんですけれども、ある企業は開示しなくてもいいという、そのような不公正な状況が、不平等な状況が情報開示のレベルにおいて存在しているというふうに言わざるを得ないと思っております。
 これこそ、私は証券市場の公正取引を阻害する大きな要因、適正な市場価格形成を阻害する大きな要因であると考えておりますが、これについて伊藤担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 先生の御指摘は、その平成七年以前の上場会社に対しても親会社にかかわる開示義務をこれは課すべきではないかと、そうした御趣旨に基づいての御質問ではないかというふうに思いますけれども、東証からは現在においても要請は行っているところでありますが、親会社にかかわる開示義務に関しては今後必要な検討を行っていきたいと、このように私どもとしてお伺いしているところでございます。
○富岡由紀夫君 是非検討をしていただいて、公正な証券市場の形成、本当に平等な、そういった情報のある市場に、目指していただきたいというふうに思っております。
 そして、私は、今回の事件発生を許した二つ目の大きな原因として、公認会計士法に問題があるというふうに考えております。
 平成十五年度の改正公認会計士法では、公認会計士は原則七年で交代することが義務付けられました。それに対しまして、西武鉄道の監査を行っていた二人の公認会計士は、二十九年と十八年という長きにわたって同じ人が二人でずっと会計を見ていたというような状況でございます。
 去年の改正公認会計士法でそういうふうに七年ということが義務付けられたんですが、実際に適用を受けるのは、今年から施行されて、実際にだからこれからその罰則を受けるのは七年後、今から七年間は今の状況が続いていても何のそういった交代義務がないというような状況になっているかと思っております。この点について、伊藤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 公認会計士法の改正については当委員会でも様々な議論がなされ、そして今回の法律の改正が行われてきたところであります。そうした法の趣旨というものを私どももしっかり尊重していかなければなりませんし、一方で、一番重要なことは、公認会計士に対するやはり信頼あるいは公認会計士に対する信用というものをしっかり確保していくということにあろうかというふうに思います。
 そうしたものを担保していくために公認会計士審査会というものも立ち上がって、そして今、その審査会においてもしっかりとした対応がなされているところでありますし、また、私どもにおいても、公認会計士法上必要があると認められる場合には調査を行うということになっているわけでありますので、個別の事案について私どもはコメントすることはできませんが、法令に基づいて適切に対応していかなければいけないというふうに思っております。
○富岡由紀夫君 今回の事件発生に関しまして、そのまた原因の一つに、監査役、社外監査役の問題を挙げる方もおります。西武鉄道の場合は、監査役は二十年以上、西武との関係のあった人物が担当しておりました。そして、社外監査役も顧問弁護士や関係会社の西武建設である、そこの取締役の方等々、非常に形骸化していた可能性が非常に高くなっております。
 私は、この監査役制度、企業統治の在り方について非常に疑問に思っておりますけれども、担当大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) この問題については所管外のところもございますけれども、一般論として申し上げれば、コーポレートガバナンス、ガバナンスというものをしっかり充実をさせていく、内部管理体制というものを強化していくに当たって監査役が果たすべき役割というのは非常に大きいものがあるんではないかというふうに思います。
 そうした意味からも、監査役に与えられた使命をしっかり果たしていくことがその企業に対する信認というものにつながっていくわけでありますので、その使命というものをしっかり果たしていただきたいと、このように考えているところでございます。
○富岡由紀夫君 済みません、私はこの企業統治の在り方、監査役、社外監査役、あと社外取締役、こういったことをやっていれば企業統治が、コーポレートガバナンスがうまくいくんじゃないかというような今見方が蔓延しているんですけれども、本当にそうかと私は疑問に思っております。
 実際は、社外監査役とか監査役、社外取締役も含めて、その企業から報酬をもらっている人がやっているんですね。実際問題、やっぱり関係のある人とか報酬をもらっている関係上、本当にその経営の核心について重大な問題であっても、経営に弓引くような、自分から自分に報酬をいただいている方々に対して反対を言うようなことは、私、できていないんじゃないかというのが実態だと思っております。
 私もそういう社外取締役、社外監査役とか、そういったいる会社にいた経験があるんですけれども、本当にイエスマンばかりで、なかなか、そこをやっていれば企業統治ができているというようなことを信じていては私は絶対にいけないんだと思っております。ですから、まあ御答弁いただけなくても結構なんですけれども、そういった迷信に対してやっぱり多くの皆さんはそろそろ気付いていただきたいと思っております。社外取締役、そういったものをやればコーポレートガバナンスができているんだと、大丈夫なんだというようなことは私は絶対ないと、やっているところもありますけれども、それをやっていれば絶対大丈夫だということは絶対言えないと思っておりますので、そのことをちょっと申し述べたいと思います。
 次に、この西武の問題でございますけれども、西武グループと取引をしている金融機関への影響についてお伺いしたいと思います。
 東京証券取引所は、上場廃止理由、事由に該当するおそれがあるということで、投資家にこれを周知徹底するために、西武鉄道株式を監理ポストに割り当てました。
 西武鉄道の連結借入残高、これは有報で見ますと八千億弱あります。それと、いろんな情報機関によりますと、コクドを始めとするグループ全体の借入残高は一兆円を優に超して、一兆五千億とも言われております。
 今回の不祥事に関連しまして、グループへの融資方針を、投資、取引している金融機関は、その貸出し方針、貸出し条件の見直しを考えざるを得なくなっていると思っております。これによって債務者区分の変更とか貸出し債権の分類区分の変更、見直し、こういったことによって不良債権、新たな不良債権が発生するおそれが非常に高いと私は思っておりますが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 西武鉄道につきましては、平成十六年三月期有価証券報告書、これは単体のものでありますけれども、主な資産及び負債の内容において、短期の借入金、一年以内返済長期の借入金及び長期借入金、合計総額として七千二百三十七億円となっていることが示されておりまして、このうち、民間銀行からの借入金を明示されているものについては、みずほコーポレート銀行が一千四百二十三億円、中央三井信託銀行が六百五十億円、三菱信託銀行が五百四十七億円、東京三菱銀行が四百六十億円、みずほ信託銀行が百九十五億円、三井住友銀行が九十億円というふうになっております。
 これは企業の側より公表されたものでありますが、これ以上の個別金融機関の個別取引先に関する事項については、これはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○富岡由紀夫君 私がちょっと御質問をさせていただいたのは、それらの債権が不良債権化するおそれがあると思っているんですけれども、それに対して金融庁は銀行に対する監督官庁としてどのように見ているのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) この点につきましても、その個別の企業の問題が融資を行っている金融機関に対してどのような影響を与えるかについて私どもがコメントすることは差し控えさしていただきたいと思います。
 その理由は、当該企業の持つ権利あるいは金融機関の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがありますので、そうした理由からコメントは差し控えさしていただきたいと思います。
○富岡由紀夫君 分かりました。
 今の西武グループに出している融資残高だけではなくて、今回整理ポスト、監理されることになりました西武鉄道の株式とか伊豆箱根鉄道の株式、これを担保にして融資をしている債権、貸出し債権、これも多々あろうかと思っております。これらについても、当然のことながら、債権分類の対象に、見直しをせざるを得ない状況になる可能性もあると思っております。
 こういったことを含めて、不良債権比率の今どんどんどんどん引下げを目指して金融システムの安定化のためにやっているんですけれども、こういった影響が私は、個別論ではお答えできないということですけれども、一般論として、今回の問題がそういったことに波及してくる可能性は非常に高いと思っておりますので、そのことについては是非考慮をしていただいて、新たな不良債権比率の引下げの考え方というか、もう一度そこのところの、どういうペースで下がっていくのか、そういったところを考慮していただきたいというふうに思っております。
 それで、ちょっと次に、シティバンクの問題についてお伺いしたいと思います。
 シティバンクの一連のこの不祥事、法令違反については先般の金融庁の行政処分でも明らかになりましたが、この処分を受けるに至った違反行為の内容が私は極めて悪質で、日本国民に対して多額の損害を与えて、公益を大きく害するものであったと思っております。
 明らかになったものを具体的に幾つか挙げてみます。
 まず、マネーロンダリングの問題でございます。組織的犯罪、そしてその犯罪から上がる収益を規制させるために、米国は、同時多発テロ発生以降、世界の金融機関に対して、マネーロンダリングに対しては厳しく対処するように求めております。しかし、その米国の最大の銀行であるシティバンクが自らその規制を犯しているのでございます。このことがまず一番大きな問題点の一つ。
 次に、特に日本の高齢者に対して、正しい金融情報を知らせないで投機的な商品を売り付けております。元本が割れるリスクのある商品を、あたかも元本が保証されていたかのように顧客をだまして販売、そして多額の不健全な収益を上げていたという事実。
 そして三つ目に、有価証券の相場操縦等の罪で起訴された被告人たちに対して、多額の資金流用を許す貸出しを行っておりました。また、同被告人の依頼によって、地方公共団体から公的資金を引き出すための見せ金融資、これを実行しておりました。そしてさらに、銀行が業務として禁止をされている不動産の取扱い、美術品の取扱いを行っておりました。そのほかにも、私募債販売と融資実行の違法な抱き合わせ販売の実施、税金逃れの架空口座の開設等々があります。
 私も銀行に十六年ちょっと勤務しておりましたが、これらの犯罪は銀行に就職すると最初に教育を受ける内容でございます。言ってみれば、銀行業務の初歩中の初歩。こんな違反が、こんなレベルの違反がこれほど同時に大量に発生すること自体、私としては信じられません。多分、銀行にお勤めいただいている新入社員の、新入行員の方々も同じ感覚だろうと私は思っております。
 この余りにも低レベルな違反、金融庁の方々にお伺いいたしますと、これらに対する処分は厳しい処分をしたというふうに伺っております。私はこれはとんでもないことだと思っております。あのUFJの処分と比較しても、訴訟したり、そういった比較としても非常に軽過ぎるんじゃないかと思っております。一部の報道なんかではアメリカの圧力に屈したのではというような憶測も流れておりますけれども、そういう憶測が出るのも致し方ない私は処分の内容だと思っております。金融機関に勤めていた一員として、これほど基礎的分野での悪質極まりない違法行為の連発に対する処分は、それこそ免許取消し、国外退去でも足りないぐらいだと認識しております。
 そこで、金融庁、金融担当大臣にお伺いいたします。
 このような初歩的レベルでの法令違反の再発防止についてどのようなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今先生からも御指摘がございましたように、今般、シティバンク、エヌ・エイ在日支店に対する立入検査及び報告徴求によって、公益を害する行為、そして先生からも数々御指摘がございましたが、重大な法令違反等が確認されたところであります。また、在日支店が行う証券業務についても法令違反が認められたとして、九月十四日に証券取引等監視委員会から行政処分を求める勧告がなされました。
 これらを受けて、九月十七日に、在日支店のプライベートバンク部門に属する四拠点の認可の取消処分並びに個人金融本部の外貨預金業務にかかわる新規顧客との取引の一か月間の業務停止処分を含む行政処分を行ったところでございます。
 今回の行政処分は、重大な問題が認められたプライベートバンク部門の在日四拠点すべてについて認可の取消しを行ったものであり、実質的には免許取消処分に相当するものであります。その決定に当たっては、事案の悪質性、そして重大性、過去のほかの金融機関に対する処分との相互性を慎重に吟味したところであって、私どもとしては適切かつ妥当な処分であるというふうに認識をしているところでございます。
 こうした行政処分に基づいて、今シティバンクにおいては業務の改善計画が提出をされました。私どもは、その中身を精査をして、そしてその改善の実効性をしっかり担保していくことが重要でありますので、その改善計画を適切にフォローアップをしていきたいというふうに考えております。
○富岡由紀夫君 この改善計画のフォローアップ、二度と同じ間違いを起こさないというようなことについて今お話ありましたけれども、先ほど若林議員からも同じ趣旨で質問させていただいたんですが、私は本当にそのやり方で再発が防ぐことができるか、甚だ疑問に思っております。
 というのは、先ほど言いました銀行の他業禁止に引っ掛かる不動産の取引とか美術品の取引、これは四年前にも同じ過ちをシティバンクはやっております。そして、それに対しても行政処分をして、業務停止をそこの分野に対して行ったと、下したということになっておりますけれども、その下した後、その部門は、部署は解散にはなったんですけれども、その同じ業務を、今回、業務停止を掛けたプライベートバンキング部門が引き継いで、同じ他業禁止業務をやっているんですね。
 これでまた同じことが起きないか、同じようなフォロー体制で本当にチェックできるのか、非常に疑問に思っております。この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 委員からの御指摘でございますけれども、そうした意味からも、私どもも検査とやはり監督の連携の強化、そして効率の高い、実効性を確保できる行政というものをしっかり展開をしていかなければいけないというふうに思っております。また、シティバンクにおいても、これだけの法令違反をし、そしてシティバンクそのものの信用が大きく傷付いたわけでありますから、信認回復に対する努力というものをしっかり行っていかなければいけないというふうに考えております。
 そうした意味からも、今回提出された業務改善計画の中身というものを私どもしっかり精査をさせていただいて、その実効性というものが確保されているのかどうか、またそれが着実に行われていくのかどうか、そのことを適切にフォローアップをしていきたい、法令に基づいて厳正に対応していきたいというふうに考えております。
○富岡由紀夫君 適正なフォローというのはまあ一般論で、私よく分かんないんですけれども、具体的にどういうふうにお考えなのか、私、お伺いしたいと思います。
 前回処分した後、業務停止、改善命令を出してそういう処分をしましたと、で、改善計画が出てきたと、で、それをフォローしていたとおっしゃっておりますけれども、具体的に立入検査というのは、さっきのお話ですと、停止を解除してからしか入っていないというような状況であろうかと思っています。
 私は日本の銀行に勤めていたんですけれども、日本の銀行の場合は検査はほとんど毎年入っています。もうある意味、私の感覚で言うと一年じゅう入っているような感覚でございます、日銀等も、いろいろ含めてですね。(発言する者あり)いやいや、そういう状況です。
 それに対して、シティバンクに対する前回の処分以降、そういった立入検査というのは何回、何年の間に何回やっていらっしゃったのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) まず、業務改善命令を発出をして、そしてそれに基づいて業務改善計画というものを提出をしていただいているわけでありますけれども、そのフォローアップについては、そこに書かれている改善策というものがしっかり行われているかどうか、それを私どもとして監督上、確認をさせていただいているわけであります。
 そして、検査の問題についてお尋ねがございました。主要行については通年・専担検査の体制の中でこれは検査が行われているわけでありますが、私どもといたしましては、この限られた人員、そして限られた組織の中ですべての金融機関に対してしっかりとした検査を行っていかなければなりません。そうした中で、各金融機関の状況に応じてしっかりとした計画を立て、そして検査を行わさせていただいているところでございます。
 今回のこうした問題も踏まえて、先ほどもお話をさせていただいているように、検査と監督の連携を強化をし、そして私どもとしての金融行政の効率化、あるいはその実効性というものをしっかり確保できるように、適切な対応というものを真剣にこれからも行っていきたいというふうに思っております。
○富岡由紀夫君 今お尋ねした、前回の違反からこれまでの間に何回立入検査を行ったかというお尋ねをしたんですけれども、それにはお答えいただいておりませんが、おりませんが、それはちょっとお答えいただければお答えいただきたいんですけれども。今言った、限られた資源を投下して検査を行っているというのは分かりますけれども、業務違反をする、若しくはした実績のある、もう二度もやっている、全然言うことを聞かない、それも初歩的な違反を行っていると、そういう危険極まりないところに対しては私は重点的に検査を行う必要があると思っております。一般の何もやらないところであれば、それこそ適正な物理的な人員の問題で検査を行えばいいんですけれども、そういう過去に実績のあるところについては、フォローアップをきちんとする意味でも絶対に重点的な配分を、検査に対する体力配分を行わないといけないというふうに思っております。この点について、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 検査の状況でありますけれども、平成十三年の一月十七日に立入検査を開始をいたしまして、三月二十一日に立入検査が終了をしております。その後、平成十五年の十一月四日に立入検査を開始をして、そして平成十六年の四月十二日に立入検査が終了をしているということであります。
 また、重点的にというお話がございましたけれども、私どもの検査というのは、先ほど来お話をさせていただいているように、限られた人員と組織ですべての金融機関の業務の適切性あるいは健全性というものを確認をしていかなければなりません。その中で、いかに効率良くそうした私どもの使命が果たすことができるのか、そうしたことを勘案をして検査に対する計画というものを立てさせていただいているところでございます。
○富岡由紀夫君 今のお話ですと、二年ちょっと入っていないということです。で、これからもうそういった適正の、そういった基準でやるということなんですけれども、何のための検査をやるかと。不正を防止するためにやるわけですから、不正を行う可能性のあるところには重点的にやるというのは、これは当たり前だと私は思っておりますので、その辺のバランス感覚を是非失わないでいただきたいというふうに思っております。
 あと、もう最後、時間がないのであれなんですけれども、シティグループは日本だけでなくて海外でも同じような事件を起こしております。例えば、ロンドンで、今年の八月二日、アメリカシティグループは、ユーロ国債を二分間の間に百十億ユーロ、これは日本円にして一兆五千億円相当です、その国債を一気に売却して、国債の価格を急落させました。これは相場攪乱ということでヨーロッパでは大変問題になっております。そうして、そのわずか三十分後には、急落した国債を四十億ユーロ、安値で買い戻しております。わずかな間に二十六億円もの利益を上げたとされております。
 シティグループがこのようなことをやっている事実、これは皆さん御存じだと思うんですけれども、これに対しても、イギリスの当局は調査をして何らかの制裁を下すと、ではないかという見方がされております。
 このことに関しまして、このシティグループ全体、各地でのこの不祥事に関して、金融担当大臣の御感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) シティグループの関連会社が英国においてユーロ国債の取引に関連して英国FSAの指摘を受けていることは承知をいたしております。しかしながら、個別金融機関の海外における業務の状況についてコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
 一般論で申し上げれば、世界じゅうで営業活動を展開している多国籍の金融機関については、国際的な金融監督の枠組みにのっとって、母国の監督当局と海外の現地の監督当局が必要に応じて相互に協力連携しつつ、各国における業務運営の状況をしっかり監督、監視していくことが大変重要なことだというふうに考えております。したがって、海外の金融監督当局とも適時適切に私どもとしても情報交換を行っているところでございます。
○富岡由紀夫君 済みません、一般論じゃなくて御感想をお聞きしたかったんですけれども、伺えなくて大変残念でございますけれども、もう時間が参りましたので、これで質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 足利銀行についてお伺いしたいと思っておりまして、埼玉県、私、選出でございますけれども、埼玉県の特に県北地域におきましては実はあの足利銀行をメーンバンクといたしております中小企業が数多く存在しておりまして、とりわけ埼玉には昔からの地方銀行があるわけですけれども、そうしたところとなかなかお付き合いいただけない、ある意味では、県内では新興企業、成長著しい企業につきましては、歴史をさかのぼりますと、こうした足利銀行をメーンとする、そういう意味では県外、その足利銀行の本店とは違う地域ではございますけれども、かなりお付き合いが多うございまして、大変に今回の破綻によって大きな、地域経済に対する影響というのが非常に大きくなってきております。
 そこで、一つお聞きしたいのは、先ほど委員、民主党の委員さんからもお話ございましたけれども、そもそもこの足利銀行につきましては九八年の三月に公的資金が注入されていると。そして、破綻するまでの間に検査がまず入ったのは健全行と同じ三回であったという事実があるわけでございますけれども。私は、今日の御質問はその地場の中小企業という立場からちょっと御質問をさせていただきたいと思っているものですから、足利銀行をメーンバンクとする中小企業からしますと、急にいろんな基準が変わって、それまで健全にキャッシュフローも出て、またその償却年数等も銀行との合意で返済をしていたにもかかわらず、急に破綻ということになって、償却年数を短くさせられたりして、大変に困っているという企業が実は多いわけでありますけれども。
 そして、その九八年三月にこの公的資金が注入されたときの地元ではどうだったかと申しますと、足利銀行をメーンバンクとするところのお話をお聞きしますと、当時、何かじゃその後公的資金が注入されることによって取引に変化があったのかといいますと、実際に何が起きているかというと、いわゆる銀行にとっても企業にとってもお互いにその利害が一致するところは、このランクダウンを防ぐという、追い貸し等をして、そして正常化債権にある意味では見せ掛けるというところが銀行にとってもまた中小企業にとってもお互いに利害が一致して良かったということで、結局そうしたある意味で工作というか、公的資金が入った後に正常化債権に見せ掛けるための追い貸し等がずっと行われ、このままいくんだろうなと思っていたら急に破綻になって、大変なことになっているというのが実際のところでありますし。
 同時に、この足銀をメーンとする中小企業の方々に、今のこの地銀における、足銀をメーンとしながらも、第二位、第三位でほかの地銀さん、また信用金庫等と付き合っているわけですけれども、そうした地銀さんもかつての、ちょっと前の足銀さんと同じようなことを今やっていると。つまり、正常化債権に見せ掛けるための追い貸し等をやっていてという、ちょっと前の足銀を見るような地銀が非常にまだまだ多いという、そういう話もお聞きしているわけでありまして。
 私が御質問させていただきたい趣旨は、地元の中小企業にとっては銀行というのは大変に大きな存在でもあり、そして今までの取引をずっとやってきて、長くそのメーンバンクとしてお付き合いをしていた銀行が急にもう変わるという、余りにも激変の中で中小企業がそれに対応できないというところに大変に問題があると思っております。
 そういう意味でいきますと、この公的資金が九八年三月に注入されて以降、いわゆるその検査が健全行と同じ三回しか足銀に対して行われていないと、このことについて、その真意というか、その経過をお聞かせ願えればと思います。
○政府参考人(西原政雄君) お答えさせていただきます。
 九八年に足利銀行に公的資金入れてからこの間に三回しかしていない、確かに調べましたところ三回入ってございます。この間でございますけれども、先ほど来大臣からもお答えさせていただいておりますけれども、金融検査の実施に当たりましては、どうしても我々限られた人員、組織の中でやっていかなきゃいけないということがございまして、一方でたくさんの銀行があると。先ほどシティの話も出ておりましたが、いろんな銀行ある中で、そのローテーションを組んでやらなきゃいけないということがございまして、そういった中で我々としても必死にその対象の選定を行っているという状況にございます。
   〔委員長退席、理事平野達男君着席〕
 地域銀行について見ますと、この検査周期というのは平均で二年六か月程度という状況にございますけれども、昨年九月に実施しました足利銀行、この場合には前回検査との間は約二年三か月と、若干短い期間でございます。
 しかしながら、それは検査だけで金融監督をやっているのかというと、決してそうではございませんで、実際のところは、いわゆる検査というのは、いわゆる我々オンサイトモニタリングと言っておりますが、オフサイトにおいてもモニタリングをやっているということでございまして、実際上は、オフサイトの関係でいえば、この間、十四回にわたる報告徴求をして現状を、状況の改善に努めさせている、その間に一回の業務改善命令も打っているというような、そういったいろんな、オフサイト、オンサイト、両方相まってこれに対応してきたという状況にございます。
○西田実仁君 同時に、事情は分かりましたけれども、感想としては、なぜそこまでやっても再生できなかったのかというか、銀行が破綻しちゃったのかと非常に残念なわけで、多大な影響を中小企業に与えているということをあえて申し上げたいと思いますけれども。
 大臣としましては、今、ちょっとお話、長い間で申し上げて恐縮でございましたけれども、今現実に、地銀、地方銀行、第二地銀にしても、結局ちょっと前の足銀のようなことをしているという、こういう地元の中小企業の経営者何人かにヒアリングしましたところ、そういう声が聞こえてくるわけでございますけれども、こういう実態につきましてはどのように感想を持たれますでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から現場からの声に基づく御指摘があったわけでありますけれども、そうであってはやっぱり地域の金融機関としての信頼というものがしっかり確立することはできないんだろうというふうに思います。
   〔理事平野達男君退席、委員長着席〕
 地域の金融機関として健全性を確保していくことは言うまでもないわけでありますが、一番重要なことは、やはり地域にどうやって貢献をしていくのか、あるいは中小企業の再生や中小企業の発展のためにどのように金融機能というものを強化をし、そしてニーズに応じた金融サービスというものを提供していくことができるのかどうか、そのことが今地域の金融機関、中小の金融機関に私は問われているんだというふうに思っております。
 そうした認識からも、私どもとしましては、リレーションシップバンキングに関するアクションプログラム、これに基づいて各地域の金融機関が様々な施策を展開をしていただいているというふうに考えておりますので、この施策をしっかり取り組んでいただいて、そして利用者の方々から高い評価が得られるような、そういう金融機関としての経営改革というものを強力に進めていただくことができればと考えているところでございます。
○西田実仁君 次に、RCCの企業再生業務につきましてお聞きしたいと思います。
 と申しますのも、大変に中小企業にとって、特に足銀をメーンとしたところにとりましては、こうしたRCCのいわゆる企業再生第二部の業務でございますけれども、この再生に関して大変に大きな期待をしているというところで、まず大臣にお聞きしたいのは、このRCCの企業再生業務の法令上、また、若しくは政府の政策上、このいわゆる企業再生第二部の業務というものはどのように位置付けられているのかについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 先生御承知のとおり、RCCにつきましては、平成十三年の六月のいわゆる骨太方針、これを受けて企業再生本部というものを設置をして、そして再生マインドというものを持って中小企業の再生に積極的に取り組んできていると、このように承知をいたしております。
 さらに、平成十四年の十月の金融再生プログラムにおいても、この再生機能を強化をしていく、そういうことを要請をしたわけでありますが、これを踏まえて、RCCにおいては、人員の増強でありますとか、あるいは体制の整備、企業再生機能の強化策を講じて、そして、その結果として本年九月に至るまで二百八十四件の企業再生を実施をしているというふうに聞いております。
 また、RCCにおいては、中小・地域金融機関向けに、RCCの信託機能というものがありますけれども、これを活用した再生スキームについての説明会を今開催をいたしております。本年九月末までに地域金融機関を含む三十行と業務委託契約を締結するなど、中小企業の再生に向けた取組が強化されているというふうに考えております。
 私ども、金融庁といたしましても、今後ともRCCが、人材の育成の強化を含む企業再生機能の強化を通じて、中小企業を含む再生可能性のある債務者の再生に努めていただけるよう促してまいりたいというふうに思います。
○西田実仁君 このRCCの立場ですけれども、ちょっとよく理解できていないんですけれども、いわゆる一民間サービサーとしての仕事、株式会社はもちろん株式会社なんですけれども、一民間サービサーとしてそうした企業再生に取り組むのか。もう一方は、いろんな雑誌等にも再生第二部長の方が書かれていますけれども、中立公平な立場で行っていくと。
 実態的には、その地元の中小企業が期待していることは、やはりこのRCCは特別な存在であり、一民間の株式会社あるいは一民間サービサーに金融機関あるいは債権者との調整を託しているということよりも、もうちょっと非常に期待が大きいわけでございますけれども、このRCCのその基本的な、調整役としてのRCCの立場についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) RCCは、先生御承知のとおり、債権回収に当たってはこれは国民負担というものを最小限に抑えていく、そのことが基本になるわけでありますけれども、企業再生の問題については、再生可能性について十分検討し、そしてRCCも、先ほどお話をさせていただいたように、再生マインドというものを持って再生可能性があればその可能性というものを追求をしていく、そのための様々な努力を今なされているというふうに考えております。
 再生については極めてニーズの高いものであります。破綻懸念先という非常に難しい案件を多く扱うRCCでございますけれども、その中においても企業再生の可能性というものを追求をして、一つでも多くの再生の実績というものを上げていただけるように、これからもRCCにおける努力というものがなされていくことを私どもも期待をしていきたいというふうに考えております。
○西田実仁君 そこでお聞きしたいんですけれども、この再生の手順でございますけれども、これは経営者をいかに説得するかというところから始まりまして、デューデリをいわゆる行っていくわけですけれども、私はこれはどうしたらいいのか知恵を働かさなきゃいけないと思いますけれども、いわゆる今、足銀関係でいきますと、今後とも融資を続けていく、取引を続けていく適と不適というものを非常に分けて、債務者区分の区分けが今始まっていまして、その線引き上に皆いて、実は中小企業大変に呻吟をしているというのが今の実態でございます。
 そこで、例えばRCCにその再生をしてもらえるかどうかという、再生可能な債務者か否かということを判別するときに、このデューデリは当然必要になってきます。しかしながら、そういう再生可能かどうかという線引き上にいる中小企業にとっては大変にそのキャッシュフローというのはそんな楽ではないということはもう間違いない。だからこそ線引き上にあるわけですけれども。
 ただ、まずRCCが再生可能かどうかを判断するに、RCC自体が何か判断するというよりも、まず第三者のいわゆる会計デューデリ、あるいは事業デューデリというものを行って、その上でRCCがやるかどうかを決めるというのが実際に起きていることですね。
 そのときに、まず心配というか、中小企業にとっては、デューデリ費用というのはまず一千万とか、あるいは一千数百万というのが常識的に掛かってまいりまして、こうしたキャッシュフロー捻出が大変に難しい、大変に、そういう線引き上にいるからこそ大変な額になってくるということがまず一つ。これについてはどうファイナンスしていくのか、あるいは今は別にファイナンスできないところはもうそもそもそんなことを、再生を考えちゃいけないのかという疑問が素朴にわいてまいります。
 そしてもう一つ、ちょっとこれは別ですけれども、じゃいざRCCがやりましょうとなったときに、この着手金というものが数百万円掛かって、RCCから要求をされる。そして、ちょっとこの概念が分かりませんけれども、成功報酬というので千数百万円やはり要求をされると。結局こうしますと、全部合わせるともう三千万円とかあるいは四千万円というお金がキャッシュとして必要になってくる。これはどうなんでしょうか、その線引き上にいて大変に日々の資金繰りにも困っているような中小企業をいかに再生していくのかという、こうした国策からしまして、この費用はやはりそのぐらい見れなければ、もうそんな企業は再生する必要はないのかというふうに言うのか、それとも、そうした企業も再生可能の線引き上にいて何とか再生していこうということであれば、そうしたデューデリ費用等についてもファイナンス、何らかの形で考えていくというところに知恵を働かせるべきなのかどうか、これについてちょっと御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) RCCにおける再生に掛かる費用について私から今具体的にお話をさせていただくということはなかなかできないことについては御理解をいただきたいというふうに思いますけれども、今お話がございましたように、再生をしていくためにはしっかり資産査定をして、そして実現可能性の高い再建計画というものを作って、それを着実に実施していくことが必要であります。
 多くの中小企業が大変心配しているのは、本業はしっかりしているんだと、しかしバブル崩壊後に本業と違う投資をしてしまって、それが失敗してしまったと、それが大きな足かせとなってなかなか再生することができない、しかし本業は本当に一生懸命やっているんだ、そこを見てほしいと、事業のキャッシュフローもしっかりあるんだと、そのことを評価をして私たちのこれからの企業の在り方というものを是非考えてもらえないか、こういう声は非常に強いんではないかというふうに思っております。
 RCCにおいても、そうした点をしっかり評価をして、そして再生可能性というものを見極めて、私は再生に向けての様々な努力がなされているんではないかというふうに考えております。その中の現実的な課題として、それをどう乗り越えていくかということについては、これはRCCの中でも今様々な観点から検討されているというふうに思っておりますので、私どもといたしましては、できるだけRCCの持つ再生機能というものを遺憾なく発揮をしていただいて、そして一つでも多くの中小企業の再生を実現をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
○西田実仁君 せっかく来ていただきました預金保険機構の理事長の方から、今のお話、いわゆる外部監査費用、デューデリ費用等について何らかのファイナンスを付ける必要があるかどうか、検討する意味があるのかどうか、これについてちょっとお答えいただけますか。
○参考人(永田俊一君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点でございますが、御案内のとおり、先ほど大臣の方からもお答えの中にありましたように、RCCがやっております対象は主に破綻懸念先以下というようなところで、これを何とかして再生させようという、可能性のあるものは再生させようということでやっております。
 先ほど民間サービサーなのか公的サービサーなのかというお話もありましたが、正に公的サービサーとして、可能な限り、当然コスト的にも負担の掛からないようにということでは努力はしておりますが、御案内のとおり、これは相当事務量とか経費の掛かることでもありますので、その辺は適切に勘案してやっているというふうに私どもは考えておるんでありますが。
○西田実仁君 是非、適切にやっていただいていると思いますけれども、数千万円近く掛かるという御認識は多分もちろんお持ちだと思いますので、その辺、今まで普通に足銀と付き合っていたときには決して破綻懸念先でも何でもない企業が急に破綻懸念先に追い込まれようとしているという、そこを何とか再生していくということが地域の経済にとって大変重要だというふうに思っておりますので、今申し上げた点も検討いただければと思います。
 時間ももうございませんので、今大臣の方からお話ありましたけれども、その様々な理由で債務が過多になっている中小企業が多い、ございますけれども、特に、これはちょっと実務的な話で恐縮でございますけれども、メーンバンクの貸手責任ということでございますが、これはよくどこでも行われていることでありますけれども、特に地方に行けば行くほどメーンバンクとの付き合いというのは非常に長く、また深くなっておりまして、足銀さんでも増資を引き受けた中小企業が結構私の知り合いでも随分多うございまして、それはそれで今司法の場でいろんな損害賠償やっていますので、それはそれとして。
 例えば、メーンバンクから、長く付き合っているメーンバンクから、その優越的な地位というか、を利用して、例えば不動産、保全した不動産について買ってもらえないかと、あるいはゴルフ会員権を買ってもらえないかと、当然もうファイナンスは付けますよと、こういう取引というか、実態的にはもうよく行われていることでありまして、中小企業の経営者からいたしますと、そのメーンバンクに言われてそれは断るわけにいかないと、それによって本業とは直接関係のない例えば不動産を買い、それが不良債権化していくという問題があるというふうに認識しております。
 こうしたある意味でのメーンバンクの貸手責任があるものにつきましては、その債務のカットの中に優先的、優先的にというか、入れていくべきではないかというふうに私は思いますけれども、その点、いかがでございましょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) この点については一般論としてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、融資に関する個別具体的な取引について、仮に銀行の行為に重大な問題があるとして債務者による訴訟が提起され、裁判手続において当該銀行の不法行為、これが認定をされ、不法行為に基づく損害賠償請求権の存在が認められた場合には、その請求権は全債務保護の範疇に入ってくるものと考えております。
○西田実仁君 もう時間もないんで最後の質問をしますけれども、受皿金融機関につきまして、まず預金保険法百二条第三号におきましては、受皿機関への営業譲渡などによって特別危機管理銀行が終了するまでの期間には制限がないということになっておりまして、いつ、要するにいつ受皿銀行というのは決まるのかというのが別に特段何も記されていないと。先般、足銀さんの三年計画等が発表されたわけですけれども、三か年計画が発表されたわけでありますけれども、これはいつ受皿銀行が決まるかということが大変に中小企業にとっては大きな意味を成しているわけでありまして、これについては特に何年というのは決められていないということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 足利銀行においては、本年六月に策定をされた経営に関する計画に沿って経営改革を進めるとともに、債務者企業の再生に積極的に取り組むこと等によって企業価値の向上に努めているところでございますが、現時点においてその受皿の選定についての具体的な検討を行う段階にはなく、受皿の選定時期について確たることを申し上げることは困難であるというふうに考えております。
○西田実仁君 これも現場からでは、例えばどこが受皿金融機関になるのかもちろん分からないわけで、いろいろな交渉があるんでしょうけれども、仮に埼玉県内に店舗のない金融機関に受け継がれた場合どうなのかという非常に実務的な問題でございまして、それは別に足銀さんが今まで持っていた支店をそのまま使えばいいんじゃないかということもあろうかと思いますけれども、これにつきましては、一つは、受皿金融機関に営業譲渡された場合に、これまでの店舗網に対する一定の配慮というものがなされるべきなのかどうか。これは一点です。
 もう一つは、これはちょっと違う種類の話なんですが、ペイオフが解禁をされて、来年四月に全面解禁になったときに、この特別危機管理銀行である足利銀行につきましては全額預金が保護されるということでありますけれども、このペイオフ全面解禁ということと足銀に関しては例外であるということによって金融システムそのものに何かゆがみ等もたらす懸念はないのか、それに対してどう対処するのか。
 ちょっと違う種類の質問で恐縮ですけれども、最後に二つお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 一般論としてのお答えでお許しをいただきたいと思いますけれども、受皿については今回なぜ三号処置を講じたかということを十分踏まえた対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
 三号処置を講じた趣旨というのは、栃木県を中心とする地域において同行が果たしている金融機能の維持が必要不可欠であることなどを総合的に勘案して、当該地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じることを回避する、こうした観点があったからであります。こうした観点を踏まえて、私どもとしては、公的コストの極小化など、様々な見地から受皿については検討を進めていくべきものと考えております。
 後段の質問についてでございますけれども、これは法の趣旨からすると、やはり受皿に渡していくと、これをできるだけ早く行っていくというのは法の要請ではないかというふうに思っております。そうした中で、先ほどお話をさせていただいたように、今足利銀行においては、経営に関する計画に沿って経営の改善とともに債務者企業の再生に積極的に取り組みながら企業価値の向上に取り組んでいるわけでありますので、こうした成果というものをしっかり出して、そして受皿の議論の段階に進んでいかなければいけないというふうに思っております。
○西田実仁君 正に三号措置が取られた背景を御説明いただきましたけれども、最後に一言だけ申し上げたいのは、正に栃木県を中心とはしますけれども、埼玉県のこの県北地域も大変に影響が大きいと。これに対して、大変に、どちらかというと、栃木、栃木というと温泉とかいろいろ言われていますけれども、埼玉の県北地域においてもかなりの需要を占めているということを最後一言申し上げて、特段の御配慮いただきますようよろしくお願い申し上げたい。これで終わります。
○大門実紀史君 私も足銀問題について質問いたします。
 一問目は全く西田委員と同じ内容でございますので、中小企業の再生を是非頑張っていただきたいという趣旨でございます。よろしくお願いいたします。
 もう一つは、中小企業の再生と公的資金の注入の関係について質問をしたいと思います。
 まず公的資金の問題ですけれども、足銀が十月八日に発表した報告の中で、いろいろ、報告の九ページですけれども、いろいろ書かれております。要するに、平成十年に三百億の公的資金の導入を受けたと。平成十一年八月には、先ほどもありましたが、第三者割当て増資四百二十八億、さらには一千五十億の優先株の公的資金を導入したと。これについて、こういうふうに報告に書かれているんですけれども、「こうした一連の地元からの支援や公的資金の導入により自己資本等の財務体質が強化されたことで、不良債権処理問題に追われた経営から大きくその流れを変えることができたとの誤った認識が、却って行内に充満してしまいました。」と。要するに、公的資金注入で警戒心が、警戒感が希薄になって今日の事態を招いたというようなことを書いているわけですけれども。
 正に何のための一千三百五十億円の公的資金の注入だったのかというふうに思うわけですけれども、大臣はこの辺、この一千三百五十億円、これ返ってこないわけですね。これについて、どう認識されておりますか。
○国務大臣(伊藤達也君) この株を持っておられる株主の皆様方の心情を考えますと、極めて遺憾なことだというふうに考えております。私どもといたしましては、先ほども御質問の中でお答えをさせていただいたように、報告徴求、そして業務改善命令を発出をしながら、経営の改善の促進を促してきたわけでありますが、それが十分に果たすことができなかったということについて、心から遺憾だというふうに思っているところでございます。
○大門実紀史君 今月の九日と聞いていますが、会計検査院から金融庁の検査についての指摘、検査結果が出るというふうに聞いております。その中では、この足利銀行が公的資金一千三百五十億入れられた九八年から、先ほども指摘ありましたけれども、五年半で三回しか検査をしていないと。こういうことも踏まえて、業務の悪化しているところ、あるいは公的資金を入れたようなところは、いろいろやってきたと言われますけれども、少なくとも検査の在り方等々見直していくべきだという指摘も出てくるようですので、金融庁が何をやっていたのかということもやっぱり問われることですので、これから留意してもらいたいと思います。
 問題はこれからの点ですけれども、これから足利銀行に公的資金注入されると。私は、今までの経過を踏まえると最小限に抑えるべきだと、こういうスタンスをきちっと持ってほしいというふうに思います。国民の負担になりますからね。その公的資金注入は、具体的に言えば債務超過額を埋めるということになります。足銀の場合ですと六千七百九十億円ですね、これを埋めるのが公的資金と。じゃ、どうすれば公的資金が最小化することができるかというと、債務超過額が少なくなればいいと、こういう関係になります。
 で、足銀の場合は、十五年三月が債務超過額がこれプラスで七百四十五億だったのが、十六年三月で六千七百九十億の債務超過、マイナスになったと。貸倒引当金の方も、十五年三月が九百六十三億引き当てたんですが、十六年三月で五千六百億の引き当てになったと。つまり、貸倒引当金が大きくなったことが債務超過が大きくなった原因だと、こういう関係になります。貸倒引当金というのは、査定をきちっと、厳しくといいますか、厳格にやれば大きくなるのは当然ですね。
 もう一つは、企業再生を進めれば、つまり債務者区分が低い企業、これが企業再生進んでランクが上がれば引当金が少なくて済みますよね。その点からも私が思うのは、今までとちょっと違う角度でこの問題を申し上げますと、企業再生を進めれば進めるほど債務超過は少なくなるし、公的資金の注入も少なくなると、こういう関係にあると思いますが、御認識はいかがですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、大門先生から御指摘がありましたことは、全くそのとおりだというふうに思っております。だからこそ、今、足利銀行においては経営の改善に努めているとともに、債務者企業の再建に積極的に取り組んで、そして企業価値を上げようとしているわけであります。
 そのために、今、債務者企業の個々の状況を的確に把握をして、それに対してどのような形でこたえていくことが企業再生につながるのかと、そうした作業がなされているというふうに承知をいたしておりますので、こうした取組を積極的に進めることによって足利銀行全体の企業価値を向上させていただきたい。そのことが結果として国民負担というものを最小限に抑えることにつながっていくというふうに私も認識をいたしております。
○大門実紀史君 要するに、足利銀行問題、何度も私質問してきましたけれども、中小企業の再生を最重点で頑張ってほしいし、もう簡単にオフバランス化してRCCに送っちゃおうということのないように、是非これから正念場ですのでお願いしたいと思います。
 もう一つは、貸倒引当金の計上そのものが、私はこの破綻金融機関のいろいろな問題を取り扱ってきて大変悩ましいといいますか、矛盾をはらんだ問題だというふうに思っております。
 つまり、貸倒引当金というのは、積めば受皿銀行に引き継がれますね、引き継がれます。貸倒引当金を仮にそのときに適正にといいますか、ありのままに基準どおり積みますと、その引当金が受皿銀行に引き継がれた場合、その引き継がれた引当金、その企業が業績が良くなればいいですけれども、悪化した場合、受皿銀行に損失が生まれます。このことを担保するために、例の瑕疵担保条項とか、いろんな策が今まで取られてきたわけですね。
 ところが、瑕疵担保条項については、御存じのとおり、リップルウッド、新生銀行問題で猛批判を浴びたと。つまり、もう再生するよりも破綻に追い込んだ方が、そのリスクを、預金保険機構がそれを買ってくれて、金額もらえるわけだから、今日も出ていますね、新生銀行に支払ったというのが出ていますね。こういう仕組みがあるので、新生銀行等がそういう貸しはがしに走ったということで我が党も取り上げましたけれども、相当批判を浴びたわけですね。だから、もう瑕疵担保条項を使って、そういう後の補てんをするというのはなかなか世間的に難しくなってきたと。
 そうすると、どうするかというと、貸倒引当金を適正に基準どおり、リスクもあるけれども、そのまま積んで受皿に行った場合ですね、これなかなか受皿としては、正常先だってどうなるか分からないというリスクがありますから、なかなかそのままでは受け取ってもらえないと。だから、先にオフバランスをできるだけやっておく、切り離しておくということと、正常先に近い企業、できるだけ近い企業だけを受皿に引き継ぐと、こういうことが一つ、どういいますかね、行動の動機として生まれると思います。
 もう一つは、この間非常に心配していることですけれども、貸倒引当金そのものを多めに積んでおいて、多めに積んでおいて受皿銀行に引き継ぐと。多めに積んでおきますから、これは企業再生やれば、その分繰戻し益が受皿に発生します。あるいは、引き当ての算定率を事前にかなり厳しくやっておくと、受皿の方に行ったときに算定率を変えれば、それも繰戻し益を生みます。つまり、これは持参金だとかプレゼント問題じゃないかと。我が党も信金破綻のときに一つ取り上げましたけれども、そういう批判がまた出てくるような問題になります。
 いずれにせよ、今の破綻した金融機関の引当金の計上というのは、そういう二つの面をはらんで、受皿に買ってほしいし、早く受け取ってほしいしという中で、そういう、何といいますか、そういう宿命を持った引当金の計上にならざるを得ないんじゃないかと思いますが、その辺が実態ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 特別危機管理銀行が受皿に引き継がれる際に資金援助が行われて、そのときに引当金の計上の仕方あるいはその後の引当金を計上された債務者の業況の変化等によって負担関係が動いていくという点は御指摘のとおりかと思います。
 基本的には、この引当金は、営業譲渡の際にもあるいは現在においても、債務者の実態に応じて適正なリスクを将来に向けて準備しておくということですから、実態に基づいた引き当てを行うということが基本であろうかと思います。
 ただ、引き当てを行った状態で受皿に譲渡された後に債務者の実態が良くなるあるいは悪くなるということがあった場合に、それをどういうふうに負担をしていくのかという点が問題になるわけでございますけれども、御指摘のような瑕疵担保条項をめぐる諸問題があったことは事実でございますが、現在の預金保険法では、これにつきまして、譲渡する側、譲受する側がロスシェアリングをするという仕組みが可能になってございますので、その辺について言わば恣意的な動きを取るということがある程度防止されるという仕組みが利用可能であろうかと思っておりまして、基本は、引当金は債務者の実態に応じてきちんと計上する、その後、それを前提として受皿機関との間の譲渡交渉において様々な点を考慮し、先ほど御指摘もいただきましたような企業価値がどうか、銀行の将来に向けた収益力を含めた企業価値がどうかといった点も含めまして交渉がなされていくというものであろうかと思います。
○大門実紀史君 そういう仕組みはもうよく承知した上で、その背景にあるもの、早く受皿に売却したい、譲渡したいと、片や、買うならばこういう条件でなきゃ買わないと、要するにそういう、契約といえば契約ですね。その中で、さっき言った背景が働くとどうしても過剰引当金になりがちになる、瑕疵担保を使わない場合はですね、そういう傾向があるというふうに指摘しているわけですが、足利銀行の場合、過剰引当金になっていないという保証はできますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 現在、足利銀行におきましては特別危機管理銀行としてきちんとした資産査定に基づいてできるだけ債務者企業の再生を目指すと。再生可能なものについては最大限再生を目指す。それによって、先ほども御指摘いただきましたように、債務者区分がランクアップすれば引当金も少なくて済むということでしょうし、それから企業価値も向上するということがあると思います。
 引き継がれる時点のお話でございますけれども、まずは、その引き継がれる時点までの間に、特別危機管理銀行の時代に、今申し上げたような債務者、債務者の再生可能なものについてできるだけ最大限の再生のための努力をする、あるいはそれを含めた全体としての企業価値の向上を図るということをやることがまず先決であろうかと思っております。
○大門実紀史君 そのとおりだと思います。
 やっていただくことは、中小企業再生を一番大事にしてもらって、過剰引当金にならないようにしていただいて、過剰引当金が受皿に移るということは、結局、巡り巡って公的資金が移ることにもなりますので、厳格な引当金の査定をお願いしたいと思います。
 質問を終わります。
○糸数慶子君 私は、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容に関する報告書の中から、リレーションシップバンキングについてお伺いをしたいと思います。
 金融庁は、二〇〇三年の三月に、中小・地域金融機関に対してリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムを実施しております。その一環として、今年の四月、利用者評価に対するアンケート結果を公表しておりますが、その結果を見ますと、借り手側である中小企業の多くが望んでいる経営相談、そして支援に対する取組や、担保、保証に過度に依存しない融資等の項目について、金融機関の取組に対する評価が低いことが分かります。
 そこで、まず、この結果について金融庁はどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今先生からもお話がございましたように、地域の金融機関は、リレーションシップバンキングに関するアクションプログラムに基づいて、中小企業の再生と地域経済の活性化を図りながら、同時に不良債権問題を解決をしていこうということで様々な取組がなされているわけであります。そして、先生御指摘のとおり、本年の四月に公表いたしました利用者等の評価に関するアンケート調査結果を見ますと、同アクションプログラムが公表されて一年足らずの段階で実施された調査であることに加え、調査項目について若干の違いはありますけれども、すべての項目について調査対象者からの一定程度の積極的な評価が得られる一方で、先生御指摘のとおり、新しい中小企業金融、つまり担保、保証に過度に依存しない融資等の取組につきましては、これがしっかり進んでいるという人が二〇%、いや、まだまだだという人が六〇%、全体的には消極的な評価になっている、そうした結果になっているというふうに私どもも認識をしているところでございます。
 こうした分野については中小企業のニーズが極めて高いわけであります。だからこそ、私どもとしても、事業からのキャッシュフローを重視をして、そして担保や保証に依存をしない新しい融資制度の取組というものを繰り返し繰り返し要請をさせていただいているところでございますけれども、さらに、このリレーションシップバンキングの機能強化の計画に基づいて、金融機関の方々がこうした新しい分野についても積極的に取り組んでいただけるよう、私どもとして更にその取組を促していきたいというふうに考えているところでございます。
○糸数慶子君 今、取組をしっかり促していきたいという御答弁でございましたが、さらに、六月三十日には、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況、これは平成十五年度ですが、策定されています。
 それを見ますと、ほとんどすべての項目で実施金融機関が着実に増加しており、早期事業再生や新しい中小企業といった先進的な取組も、件数は多くないものの着実な進捗が見られて、全体としては中小企業の金融の再生に向けた取組が更に着実に進んでいる、リレーションバンキングへの機能強化が一層確実に図られてきたものというふうに評価していらっしゃいますけれども、先ほどの御答弁にもございましたが、確かに、上半期に比べますと二倍ないし三倍以上、かなりその取組が伸びていることは分かりますが、ただ、二月から三月に行われた借り手側の中小企業側のアンケート結果を見ますと、貸手側の報告している進捗状況とは余りにも違い過ぎるのではないか、楽観し過ぎではないかとも言われておりますが、これについてはどうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今先生から御紹介がございましたように、先般、六月三十日に公表させていただいた今回のリレバンの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況、これを見ますと、中小企業金融再生に向けた、例えば人材の育成や体制整備の強化等が確実に着実に図られているというふうに感じております。全体としては機能強化に向けて進捗が順調になされているというふうに認識をしているところであります。
 その中で、先生が御指摘をされた担保、保証に過度に依存しない融資の取組について、機能強化計画を提出した地域の金融機関を見ますと、約七割が信用格付モデルの活用に取り組むなど、中小企業金融の円滑化に向けた新たな動きが出てきているものと認識をしておりますが、先生が御指摘をされているように、そこに利用者と金融機関の間の認識のギャップがあるとすれば、それが正に利用者の方のニーズでありますから、そのニーズに的確にこたえていくということが地域金融機関には強く求められているのではないかというふうに思っております。
 そうしたニーズにこたえていくために、それぞれの金融機関がそれぞれの地域の独自性でありますとかあるいは経営の考え方に基づいて機能強化計画を提出をしていただいているわけでありますので、その取組を着実に進めることによって利用者の方々あるいは地域の方々から高い評価が得られるような地域金融機関になっていただけるよう更に経営の改革を進めていただきたい、私どもとしてもその機能強化計画というものを適切にフォローアップをしていきたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 今、正に地域のことをおっしゃったわけですが、実際には沖縄県では沖縄中小企業家同友会あるいはまた金融機関とにかかわるあらゆる勉強会なども行われておりますが、地域密着型金融の機能強化という、その観点からちょっとまたお伺いしたいと思います。
 まず、沖縄の現状でございますが、沖縄総合事務局の財務部が発表いたしました管内経済情勢の報告によりますと、今の沖縄の経済状況、実は全体としては持ち直しの動きも続いておりますものの、実際には生産活動は盛り上がりに欠けて、前年に比べますと下方修正されているという状況であります。雇用情勢も、若干改善したものの、現在完全失業率が七%という状態で、全国に比べますと依然厳しい状況が続いています。御存じのとおり、沖縄県の一人当たり県民所得も全国最下位でありますし、今の沖縄県の経済状況は他府県に比べますと著しく厳しい状況にございます。
 他方、沖縄の地元の、沖縄の銀行、それから中小企業金融機関あるいは農林水産金融機関すべてを合わせた統計など、日銀の資料から御紹介いたしますと、これは九九年度以来、前年比で減少が続いているという状態です。それから、個人向けの貸出しが伸びている一方で、中小企業への貸出しが大きく減少している状況でありまして、業種別に見ますと、製造業への貸出しが横ばい状態で、建設業はマイナス八・二%、それから卸・小売業がマイナス五・七%という状態になっておりますが、やはりこの貸出しが減っている理由の一つとして、中小企業の側に仕事がなくて資金の需要が落ち込んでいること、それからまた金融機関の側がペイオフ解禁に向けて体力を強化していく必要があり、不安のある企業には融資をしない、優良企業にだけ融資をしたがるという現実がございますけれども、ただ、沖縄の経済状況から考えていきますと、優良な中小企業ほんのわずかで、ほとんどが不安を抱えて頑張っている中小企業であります。
 ですから、そういう厳しい状況にはありますけれども、やはりやる気と能力のある企業には金融機関がきちんと応援すべきだと考えるわけですが、この沖縄の実態をかんがみて、大臣の御認識、今後どうあるべきか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 沖縄の現在の状況というのは、台風の影響から一服感が見られるものの、その中で持ち直しの動きが続いているというふうに感じておりますが、今先生から御紹介ございましたように、生産活動については盛り上がりが欠けており、厳しい面もあろうかというふうに思っております。
 そうした中でも、例えば不況業種と言われる中小企業においても、この状況から脱するために様々な努力がなされているわけであります。先ほどの御質疑の中においても、企業再生を実現することによって、金融機関にとってもそのことが経営の健全の確保につながり、また収益の向上にもつながっていくわけでありますので、管内の状況をよく見て、それに対する適切な対応をしていくということが非常に重要なことではないかというふうに思っております。
 そうした意味からも、沖縄県にある地域金融機関からもリレーションシップバンキングの機能強化に向けての計画が提出をされ、その中においては地域経済に貢献するような、そういう機能強化に向けての努力をしていきたいと、そういう計画が提出されているわけでありますので、その計画に基づいて沖縄の方々のニーズに従った金融機能というものを強化をして、そして地域経済の活性化に金融面からも貢献していただくことを心から期待をしているところでございます。
○糸数慶子君 今の御答弁を伺いまして、是非とも御支援をいただきたいことがございます。
 実は今、沖縄総合事務局の財務部におきましても、リレーションシップバンキングの機能強化計画というのがございますけれども、沖縄県内の中小企業の数からいたしましても本当に中小零細企業というのが多いわけで、今、県内の銀行におきましては、要注意先などの企業の経営改善を銀行が支援して、平成十五年の四月から平成十六年の九月までに四百九十五の支援企業のうちに百二十二の企業が債務者区分を改善したという報告もございまして、地元の琉球銀行、それから沖縄銀行、沖縄海邦銀行など、あらゆる地銀の方でも、地元の銀行の方でもかなり頑張っておりますけれども、しかし、国においてのやはり企業支援という観点から考えていきますと、一定規模以上の中小企業、零細企業の目減りがなされていない実態がありまして、元々のリレーションシップバンキングの対象はやはり中堅企業ではなくて、特に沖縄におきましては小企業が多いわけですから、そういう小企業に対する支援を是非とも沖縄総合事務局の財務部について再度徹底をしてもらえるように御配慮がいただけないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 先生の御指摘も踏まえて、私どもとして対応できることはしっかりやっていかなければいけないというふうに思っております。
 今、沖縄管内の金融機関においても、先生御紹介がありましたように、経営改善に向けて地域金融機関としての機能を強化するということで様々な取組が行われて、そしてその結果として債務者区分が上位遷移するというような結果も現れてきているわけであります。
 地域の金融機関にとって大切なのは中小企業であります。地域経済であります。それを活性化していくために金融機関として何ができるのか、そのことに地域金融機関としての使命があるわけでありますので、そうした使命に基づいて、これからも地域における金融機能を強化をしていくための取組というものを私どもとしてもしっかりフォローアップをしながら、機能強化に向けての改革というものが行われるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○副大臣(七条明君) 今、沖縄の問題のことについてありましたけれども、実は、私、金融庁の担当の副大臣とともに沖縄北方の担当でもありまして、小池大臣の下で沖縄振興計画等々も含めてやっているところでございまして、今先生からお話のありました金融面だけではなくして、これらのことについて今大臣が御答弁をされたことも踏まえて、沖縄の皆さん方の負託にこたえていけるよう努力をしてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 今、大変、御答弁をいただきまして、正にもう元気が出てくる答弁でございますが、ただ、沖縄は、基地問題を含めて、先ほど台風の今回の問題でありますとか、いろいろございますが、ただ、地域におきましては、やはり中小企業にかかわる多くの関係者の努力もあり、改善されてくる部分もありますけれども、現在の国全体の経済の中から考えていきますと、やはり中小の企業が生き延びていくためには、今国が課題としております諸施策をしっかりとやっぱり徹底して御支援をいただく面もないとやっていけないという実態がございます。ただ、そういう中にありましても、やはりリレーションシップバンキングの本来の趣旨に沿った対応の仕方を是非ともお願いしたいと思います。
 最後になりますが、伊藤大臣が、中小企業取引が多い地方銀行などには経営改善の期間が終了する来春以降も地域密着型金融、リレーションシップバンキングの充実を求めると、これは日経新聞の十月の十八日に報道されておりますが、充実とはどのようなことなのか、最後にお伺いいたしまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 充実とはということでございますけれども、これは、先ほど来先生からの御質問にも答えさしていただいているように、地域に密着した金融機関としての機能というものを強化をしていくということであります。
 地域には様々なニーズがあります。そのニーズに的確にこたえていく、その中には中小企業の再生の問題、これは再三先生から御指摘があった点だと思います。こうした再生に向けての地域金融機関としての機能を強化をしていくということも大きな課題だというふうに思いますし、また、いろいろな形で地域経済の活性化に貢献をしていく、そのための機能を発揮していくということも地域の中で強く求められているんではないかというふうに思っております。
 本来、地域金融機関に求められているリレーションシップバンキングの機能そのものを強化をしていく、そうした視点に立って、これからの新しいプログラムにおいても大きな柱として位置付けて、こうしたプログラムの作成にも一生懸命努力をしていきたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会