第161回国会 経済産業委員会 第2号
平成十六年十一月二日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     喜納 昌吉君
     藤本 祐司君     木俣 佳丈君
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     喜納 昌吉君     藤末 健三君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 昭郎君
    理 事
                泉  信也君
                加納 時男君
                小林  温君
                藤原 正司君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                沓掛 哲男君
                倉田 寛之君
                保坂 三蔵君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                木俣 佳丈君
                直嶋 正行君
                平田 健二君
                藤末 健三君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
                田  英夫君
                鈴木 陽悦君
   国務大臣
       経済産業大臣   中川 昭一君
   副大臣
       経済産業副大臣  小此木八郎君
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
       国土交通副大臣  蓮実  進君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        江渡 聡徳君
       経済産業大臣政
       務官       平田 耕一君
       経済産業大臣政
       務官       山本 明彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       中富 道隆君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      薦田 康久君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        迎  陽一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   齋藤  浩君
       経済産業省製造
       産業局長     石毛 博行君
       資源エネルギー
       庁長官      小平 信因君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     松永 和夫君
       中小企業庁長官  望月 晴文君
       国土交通大臣官
       房審議官     阿部  健君
       海上保安庁長官  石川 裕己君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (新潟県中越地震災害の復旧・支援に関する件
 )
 (東アジアにおける経済連携に関する件)
 (地球温暖化対策に関する件)
 (東シナ海における油ガス田開発に関する件)
 (新産業創造戦略に関する件)
 (中小企業振興対策に関する件)
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○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十八日、藤本祐司君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君が選任されました。
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○委員長(佐藤昭郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に外務大臣官房審議官中富道隆君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、経済産業大臣官房地域経済産業審議官薦田康久君、経済産業大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省産業技術環境局長齋藤浩君、経済産業省製造産業局長石毛博行君、資源エネルギー庁長官小平信因君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長松永和夫君、中小企業庁長官望月晴文君、国土交通大臣官房審議官阿部健君及び海上保安庁長官石川裕己君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(佐藤昭郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。
 初めに、今回の新潟県中越地震におきましてお亡くなりになられました方の御冥福を心からお祈り申し上げます。とともに、被災されました方々、今、復旧に懸命の御努力をなさっておられる関係者の方々とともに、一日も早い回復を心から祈念申し上げまして、質問に入らしていただきます。
 今申し上げました中越地震について、まず伺いたいと思います。
 このたびの中越地震により様々な影響が出ておりますが、経済産業委員会でございますので、この場ではエネルギーのライフラインに絞りまして、その被害状況並びに現在まで、分かる範囲で結構ですが、復旧状況について伺いたいと思います。例えば、電力、ガス、プロパン、灯油、ガソリン等のエネルギーについてはどのような状況をつかみ、どのような今段階に来ているでしょうか。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 まず、電力でございますけれども、地震発生後の停電戸数は約二十八万戸ございました。これに対しまして、東北電力は直ちに復旧に取り組みまして、最大二千二百名の作業員等を現地に派遣いたしました。また、当省の要請を受けまして、東京電力、中部電力、北陸電力の近隣三電力も応援をいたしまして、現在復旧作業に全力を挙げて取り組んでいるというふうに承知をしております。
 これらの作業によりまして、本日二日八時現在、停電戸数は約二千六百戸まで減少しております。残っておりますところは、道路の寸断、トンネルの崩壊等によりまして立入禁止又は避難指示のため作業ができなかった地域でございますけれども、これらの支障が解消され次第、復旧作業に取り組んでいくところであるというふうに承知をしております。
 次に、都市ガスでございますけれども、供給停止は最大五万七千戸に及びましたけれども、順次復旧されておりまして、これも本日二日八時現在でございますけれども、供給支障は約二万六千戸となっております。
 復旧作業につきましては、やはり同じように多くの専門家の人手が不可欠でございまして、北陸ガスの応援部隊に加えまして、当省の指導の下、東京ガスを始め近隣のガスの会社が約九百名を派遣いたしまして、現在、総勢千五百名態勢で復旧作業を進めております。
 復旧の見通しでございますけれども、長岡市及び見附市につきましては十一月の三日ごろ、その他の地区につきましては、被害の著しい川口町を除きまして七日ごろに復旧できるのではないかという予定でございます。
 また、LPガスでございますけれども、新潟県内に充てん所が六十四か所ございますけれども、そのうち中之島町、新発田市の二か所でガス漏れが発生いたしましたけれども、十月二十八日中に修理が完了しておりまして、供給施設の被害は軽微でございました。また、一般家庭を含めまして二次災害が発生したという報告は今のところございません。
 以上でございます。
○政府参考人(小平信因君) ガソリン、灯油につきましてお答えを申し上げます。
 ガソリン、灯油などの石油製品を供給いたします給油所、地震発生当初は、停電や被災等によりまして営業が不可能あるいは連絡不能とするところが多数ございました。特に被害の大きかった小千谷市、川口町におきましては、ほとんど営業不能であるというような状況でございました。
 復旧に努めました結果、現在では電力等の復旧に伴いまして営業状況はかなり改善をいたしておりまして、十一月一日夜の時点では、被災地の約九七%の給油所が営業するまでに復旧をいたしております。震度七を記録いたしました川口町におきましては、高速道路上の二か所を除きます給油所三か所のうち、一般客向けの給油を行っておりますのはまだ一か所にとどまっておりますけれども、この給油所の系列元売会社に製品供給の確保を要請をいたしますとともに、給油所への人的応援等を要請いたしました結果、最低限必要な供給は行われているものというふうに承知をいたしております。
○加納時男君 分かりました。
 この際、阪神・淡路大震災と、まあ震度七ということで同じ強度があったわけでありますが、阪神大震災のときに様々な教訓を我々学んだわけでありますが、その教訓は今回どのように生かされているでしょうか。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 電力につきましては、阪神・淡路の大震災を教訓にいたしまして、まず、事業者におきましては防災体制の強化を行っております。具体的には、東北電力におきましては、管内で震度六以上の地震の情報がありますと災害対策担当の職員が直ちに出勤をするという体制を組んでおりますが、今回の地震発生後もこうした形で初動体制を迅速に行ったところでございます。
 また、停電の復旧に当たりましては、阪神・淡路大震災における火災の原因の一つとして疑われております電線あるいは屋内配線の損傷によります漏電が発生しませんように、一軒ごとに安全性を確認した上で通電をするという体制を取っております。
 また、都市ガスでございますけれども、阪神・淡路大震災の後に設置をされましたガス地震対策検討会におきまして、いわゆるマイコンメーターの設置義務化が提言されました。これに伴いまして、現在ほぼ一〇〇%普及をいたしております。その結果、今回の地震におきましても、ガスが原因となった火災等の二次災害はほとんど起こっていないという意味で、安全確保に効果があったものというふうに考えられております。
 また、復旧面におきましても、阪神・淡路の大震災を経験を踏まえまして、ガス復旧に関するマニュアル類がガス協会を中心に策定をされておりまして、これに従いまして事業者間の協力体制の構築あるいは復旧応援体制の編成、派遣、あるいは必要な資機材の確保、輸送といったような面で的確に今回実施をされているというふうに承知をしております。
○加納時男君 もう一つ伺いたいと思いますが、日本はエネルギー政策基本法の下にセキュリティーを最重視する、そして環境も重視するという立場で、例えば発送配電一貫体制というものを堅持しているわけでございますが、こういったことは今回の復旧に当たってどのように役立ったでしょうか。分かることがあれば教えてください。
○政府参考人(小平信因君) 先生ただいま御指摘ございましたとおり、来年四月に施行されます改正電気事業法におきましても、エネルギー安定供給等の観点から、発電、送電、配電等が一体的に実施されるよう、現行の発送電一貫体制が維持されるということになっております。
 今回の新潟県中越地震にかかわる対応に当たりましても、地震発生直後の大規模な需要の減少に対応して即時に発電設備の出力調整を行うということなど、東北電力におきまして発電設備と送配電設備の一体的な運用が行われますとともに、復旧のための資材の調達や復旧に関連いたします各種要請、寄せられます各種要請への対応などにおきまして、東北電力の全社的なバックアップ体制が構築をされているところでございます。
 このように発電部門、送配電部門など、各部門間の緊密な連携によりまして効果的な対応が図られつつあるというふうに認識をいたしておりまして、災害復旧に向けてこういう全社一体的な取組が非常に重要であるというふうに考えているところでございます。
○加納時男君 ありがとうございました。
 今までのお話を伺っていますと、阪神・淡路大震災の教訓がかなり生かされてきているのかな、初動体制とかマイコンの活用だとか事業者間の協力だとか二次災害の防止等。そしてまた、今回、テレビ報道あるいは現地に行かれた方、いろいろな方々からの情報を私もいろいろ見聞しておりますけれども、電気、ガス、LPガス、石油、それぞれ業種は異なるにせよ、業種の中で、また業種を超えて被災地の復旧に全力を傾け、そして協力体制をしいていることが非常に印象的でありました。これらの人々の使命感と行動力に深い敬意を表したいと思っています。
 電気については数日をもって、数日間のうちに孤立地区を除いてほぼ一〇〇%の復旧、ガスについても先ほどのお話では五〇%を超える復旧を早くも達成しているということは、阪神・淡路に比べて飛躍的な前進だと思っていますし、また電力の発送配電一貫体制の威力が今回も示され、我々が国会で作った議員立法のエネルギー政策基本法の原則が正しかったことが裏付けされているかと思っております。
 エネルギーは普通の商品ではございません。目先安ければいい、後のことは知らないといった商品とは違うわけでありまして、国民の命、生活に正に直結しているものであります。我々は、やはりエネルギー政策基本法の原点であるセキュリティー、そして環境を最重視するという、それをもう一度想起して、この質問を終わりたいと思っております。
 続きまして、先般、中川大臣の所見、十月二十八日、この場で、所見の中にございましたEPAについてお尋ねしたいと思っております。
 大臣は、我が国と経済的関係の深い東アジア諸国を始めとする各国との経済連携協定、EPAでありますが、の交渉に精力的に取り組んでまいりますと、先週この場でおっしゃいました。全く心強く思っているわけでありますが、さて、このFTAそしてEPAについては、日本は非常に後れていたと思います。EUに比べましてもあるいはNAFTA諸国に比べましても非常に後れておりまして、せいぜいシンガポールとだけ結んできて、最近やっと、中川大臣の大変な指導力もあって、農産物問題も含めメキシコと合意に達したことを喜んでいるわけでございますが、今、これから抱えている、タイ、フィリピン、マレーシアにつきましては非常に難しい問題を抱えつつも、今大詰めに来ていると承っております。フィリピンでは看護師でありますとか、あるいはタイではマッサージ師であるとか、あるいは鳥肉、バナナなどいろんなセンシティブな品目が含まれているのがこの地域でございます。
 こういったセンシティブな品目も含めたこの難しい交渉でありますが、全般についての今後の折衝についての方針を伺いたいと思っております。
○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。
 今の加納委員の御質問にお答えさしていただきますが、今現在、メキシコとの交渉が終わりまして、国会でもこれから御議論をいただくことになるわけでございますが、現在交渉中のものとしてはお隣の韓国、それからASEANの今御指摘の三か国、それから九月に私、ジャカルタに行きまして、ASEANプラス3という会合で、ASEAN全体と中国とかいろんなところが経済連携の交渉を既に始めておりますので、日本としても後れていくわけにはいかない。特にあの地域というのは日本にとって非常に重要な、そしてまた関係の深い地域でございますから、しかも、貿易立国として日本が後れを取ってはならないということで、来年から約二年をめどに日本とASEAN十か国との全体の経済連携交渉をしましょうという提案をし、ASEAN側もそれを了承したところでございます。二〇一二年までにすべての実施を終えるというような約束はもう既になされているわけでございますけれども、具体的に来年から交渉を始めようということでございます。
 それと、ASEANの各国、とりわけ現在交渉中の三か国と鋭意今事務レベルでやっているところでございますが、ASEANはどんどんどんどん内部の連携強化をしているとはいえ、やっぱりそれぞれ国によって違うわけでございます。人口も違います。それから、たしかマレーシアが一人頭二千六百ドル、あるいはタイが二千ドル、フィリピンが約千ドルという一人頭のGDPでございますし、そういうそれぞれまた違う状況にあるわけでございますので、そういう中で日本としては何としても、我々にとっての近い大事な国とできるだけ早く交渉をまとめたいというのが政府の基本的な考え方でございます。
 しかし、御指摘のように、例えばタイの場合には農産物とかタイ式マッサージを始めとする人の問題でありますとか、あるいはまた投資の問題でありますとか、あるいはマレーシアの場合には違法伐採問題にかかわる木材製品の問題でありますとか自動車、マレーシアの場合には御承知のとおり国民車というものが非常に今政府として力を入れているわけでございます。フィリピンの場合には、金融とか保険とかいった問題と介護士さんを始めとする人の問題があるわけであります。
 また、共通する問題として農林水産物があるわけでございますが、共通の部分と個別の部分、それぞれいわゆるセンシティブな部分がお互いにあるわけであります。経済産業省の所管物資につきましても、我々は攻める側と守る側と実は両方持っているわけでございます。
 しかし、私は、基本的にはウイン・ウインの関係というものは痛みを分かち合うということと同義語でもあろうというふうに思っておりますし、その痛みというのは、先ほど申し上げましたように、WTO上いずれも発展途上国であるという意味で、投資とかいわゆるキャパシティービルディングとか、そういうものでの支援というものも日本としては協力していかなければならないと思っておりますので、同じ量の、何といいましょうか分母が、日本の方がはるかに経済力は大きいという中で、同じ比率だけどんと、ウイン・ウインの量で等量ということは、私は、ASEANの場合には少しハンディキャップがやっぱり三か国と日本の間にはあるんじゃないかと。具体的なことに言及しているわけではないんですけれども、交渉のやり方としてはやっぱり日本の経済力と三か国の経済力とは一けた、二けた違うわけでございますから、本当にウイン・ウインにするためには、もちろん守るところは守ってまいりますけれども、やっぱり三か国がある意味では、例えば投資によってそこから更に輸出ができるようなことにもなっていくということは、単なる貿易だけの問題ではない、その国の発展そのものにつながっていくわけでもございますので、そういう面で私は対等の交渉ではないのではないかと正直思っているわけでございます。
 したがいまして、譲れないところは譲れませんけれども、譲れるところは極力譲っていくことによって、先方の日本に対する期待も非常に大きいわけでございますので、日本としてもまたこれを締結することによってメリットが大きいわけでございますから、そういう意味で、相手側のことも十分念頭に入れながらやっていきたいと思っております。
 特に、三か国同時にやっておりますけれども、フィリピンにつきましては、大分、私の主観としては、少人数会合を近々やるという段階まで入ってきておりますので、そういう意味では、もちろんセンシティブな部分、幾つも残っておりますけれども、議論としてはかなり深化、深化というのは、深くなってきているという認識は持っておりますが、いずれにしても、三か国それぞれできるだけ早く締結をし、国会の御審議をいただいて、お互いにそれぞれウイン・ウインの関係で経済連携強化ができるように、多方面にわたってできるように、また当委員会始め御指導いただきながら交渉を精力的にやっていきたいというふうに考えております。
○加納時男君 今のお話伺いまして、二つほど感じました。一つは、やはり正に大臣が言われたように、お互いにこれは痛みを分かち合うという観点が大事だろうと、そのことがウイン・ウインの実は基になるんだということが一つ。それからもう一つは、やはりセンシティブな品目に余りにも社会の関心が集まり過ぎていますけれども、貿易だけの、商品の貿易だけの協力ではないんだと。
 この間も私、ニューヨークでマレーシアの人とも会いましたけれども、日本からの投資というものを非常に期待しているところもあります。投資、サービス、そして人の行き来、そして技術、いろんな面での相互協力ということがあって、日本が大いに彼らにとって期待にこたえられる分野もたくさんあるといったことから、何としても、この十一月下旬にはASEAN首脳会議もあるようでございますけれども、大筋合意を目指して、大臣、是非頑張っていただきたいと思います。御苦労さまでございます。
 最後の質問に入りたいと思います。
 経済と環境の両立ということについて、これも大臣所見がございました。そこで、最近伝えられております環境税について、一、二伺いたいと思っています。
 九〇年に比べてCO2が増えている分野があります。それは、実は家庭、業務といった民生部門で約三〇%増えています。運輸部門、これは自動車でありますが、約二〇%増えております。産業部門はむしろマイナス一%程度だというのが最近のデータでございます。
 ところで、環境税を掛けたときに、この民生部門、輸送部門は価格弾力性が乏しい。そこにもってきて、税を掛けてもエネルギー消費の抑制効果はなくて、逆に生活がほかの面で圧迫されるために一般的な個人消費が抑圧されて、回復向かっている景気の足を引っ張るのではないだろうかという心配があります。
 また、産業部門については、よく素材産業を直撃するという話がありますけれども、確かにそのとおりで、鉄とかセメントとか化学とか素材産業にとっては、これを直撃されることは、日本での生産が減り、中国を始めとする諸国でより多くのCO2が発生するのではないだろうかと言われておりますが、私は素材産業だけではないと。
 今、世界の最先端で激しく競い合い、そしてそのフロントランナーになっている、例えば自動車だとか液晶だとかプラズマディスプレーといったところも、エネルギーコストが非常に重要な要素を占めているわけであります。そういったところに日本では税金が掛かる。競争相手の、例えば液晶や何かですと、韓国にはそういうこの京都議定書の義務は全くないということになってきますと、これは一方的に日本の産業が国内で空洞化し、海外の生産が増える結果、地球レベルでは環境が悪化するんではないかと。
 環境を良くする税だという触れ込みながら環境を悪化するのは税としてはいかがなものかと思いますけれども、この辺り、経済産業省の見解を伺いたいと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) おはようございます。
 この件に関しましては、私どもの方から答弁をさせていただきたいと存じます。
 加納委員のおっしゃるとおり、初めに増税ありきではない、このような見解を現在持っているところでございます。
 御案内のとおり、ロシアの批准がプーチン大統領が今日か明日に署名するというところまで参りまして、京都議定書が発効することが明らかになってまいりました。これは朗報なのでございますが、我が国の温室ガスの排出量の実態を見ますと、御指摘のあったところでございまして、必ずしも目標に達成することは可能とは考えられない厳しい状況下でございます。確かに、産業部門につきましては大きな効果はございましたけれども、家庭部門あるいはまた流通・運輸部門等に関しましては極めて厳しいデータが出ております。
 そこで、現実といたしましては、この環境税ということは、簡単に出てくるという背景は分かるのでございますけど、実際、これらがインセンティブとなって実効性が上がるかどうかにつきましても更に検討が必要ではないかと存じております。そこで、本省といたしましては、省エネ法の抜本的な改正を含めまして関係各審議会で議論を尽くしていただきまして、その議論を待った結果、本年十一月をめどにいたしまして、地球温暖化対策の全体像をまとめるということにしております。
 したがいまして、答弁といたしましては、初めに増税ありきではないと、また増税が必ずしも実効性が上がるものではないと、このような認識の下で温暖化対策につきましては全力を挙げて対応してまいりたいと思っております。
○加納時男君 それでは、最後に大臣にお伺いいたしたいと思います。
 今、保坂副大臣からもお話ございましたが、私は、どうもこの費用対効果を考えましても、日本で投資するよりも、同じお金を発展途上国の環境の改善あるいはCO2の削減に投入した方が地球全体としては有利だということもあります。そうやって考えていくと、京都メカニズムの活用ということも大事だと思いますし、今、副大臣がおっしゃられたような国内対策ということも併せてやっていく。
 京都議定書、確かに国会でも批准は満場一致でございます。私も賛成しました。そのことと、直ちに環境税とはどうもつながらないんじゃないか。いろんな多様な議論、方法があり、多様な手段、政策手段について議論を尽くしていくべきではないだろうかということを感ずるんですけど、大臣のお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、保坂副大臣からもお話ありましたように、経済と環境を両立させていくということが我が国の取るべき、また取らなければいけない道だというふうに思っております。
 そういう中で、いろいろやり方があるわけでございますが、現実問題は、この目標に向かってというよりも逆方向に行っているという現実があるわけでございますけれども、何としても、我々はその目標を放棄はしておりませんで、実現をするために一層の努力をしていかなければならないと思っております。
 私は、やっぱり産業用あるいは業務、民生、運輸あるいはその生活部門を含めて、みんなでやっていくという共通の、強い共有した認識というものがまず必要なんだろうと。これはもう地球の話であって自分の生活とは関係ないんだということではなくて、やっぱりこれは我が国にとってもいいことだということで、様々努力をしていくことが大事だろうというふうに思っております。まず認識というものが私は第一に出てくるべきだと思っております。
 そういう中で、環境税がまず最初にあるということになると、じゃ環境税というのは一体何のために取るんでしょうかということを聞くと、もちろん財源あるいはまた懲罰的な意味で税を取るぞという、この二つが考えられるんだろうと思いますけれども、もちろん財源という問題はこういう経済情勢でございますから一つの考え方かもしれませんけれども、その懲罰的な意味で、つまり排出量を減らすために環境税、つまりコストを掛ける、掛けさせるという議論だとすると、今、加納委員御指摘のように、民生用とか運輸の部分で果たしてそれは効果があるんだろうかと。
 現に、直近から今、原油価格が大体日本でも一五%ぐらい上がっているわけですけれども、その以前に比べて日本の、じゃ原油の消費量が減っているかというと、景気の状況も良くなってまいりましたので、経済の使用量は増えているわけですね、コストが一〇%も一五%も上がっていてもということですから。私は、そのコストを上げることによって云々ということは必ずしも私は証明されていないと。証明されていないものを安易に導入していいものだろうか、これは税ですから、強制権をもって徴収するわけですから、という感じを持っております。
 と同時に、今、加納委員御指摘のように、京都メカニズムの中でいろいろな、先進国同士あるいは途上国、加盟していない地域等々、いわゆる途上国との間でいわゆる排出の権利を融通し合うということも一つの方法だろうというふうに思っております。
 いろんな方法が、これから状況は、減らずに増えている状況でありますから、目的達成というのはそう簡単なものではない、かなり努力をしなければならないというふうに認識はしておりますけれども、何としてもその目標達成のために各セクターが努力をしていただくと。産業サイドの方はその削減の目標がかなり進んでいるわけでございますけれども、でももう一頑張りしてくださいと。それから、増えているところについても、もちろん、これはもう反対方向を向いているわけでありますから、一生懸命頑張っていただきたい。やりようは私はまだまだあるというふうに思っておりますので、また御指導をいただきたいと思います。
○小林温君 加納議員に引き続いて質問させていただきます小林温でございます。
 今日はまず最初に、東シナ海における日中間の海洋権益をめぐる問題について政府の見解を伺いたいというふうに思うわけでございます。
 この問題、十月の二十五日にも日中協議が行われたわけでございますが、これ日本にとって大変私は重要な問題だというふうに理解をしております。一つには、四方を海に囲まれた島国である日本において、国家の安定、そして繁栄は、やはりこの海洋権益を確保しなければ成り立たないということ、それから安全保障の面から見ても大変この海洋権益あるいは領土の問題ということは大切だというふうに認識をしているわけでございまして、今懸案の各種の諸問題に適切に対処するということが政府・与党にとっても大きな使命であるというふうに私は思っておるわけでございます。
 たまたま昨日、中国の王毅大使と懇談をする機会がございまして、この問題についても意見交換をしたわけでございますが、平行線のままでございました。あした、私、委員会で中川大臣に同じ質問をさせていただくと言ったらちょっと嫌がっておりましたけれども、そういう意味も含めて、今日は是非しっかりとした方向性を示していただければというふうに思います。
 まず最初に、一九六〇年代から民間、幾つかの会社がこの東シナ海域において試掘や開発を行うための鉱業権の取得を実は政府に申請してきたわけでございますが、政府は、一つ、これは一つの見方としては、中国側との境界線が未画定であって紛争のもとになるかもしれないということで、この鉱業権の付与については対応をしてこなかったという事実があるかと思います。今までこの申請を棚上げにしてきたということが結果的に今の日中間の状況を引き起こしたのではないかというふうに見る見方もあるわけでございますが、この点についての御認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘ございましたとおり、排他的経済水域、それから大陸棚の日中間の境界画定がなされておりません東シナ海海域におきます鉱業権の付与につきましては、出願がなされました当時の国際情勢でございますとか、あるいは国連海洋法条約第七十四条及び八十三条の精神にもかんがみまして、これまで鉱業権の出願の許可又は不許可の処分を留保してきているところでございます。このような状況を打開すべく、平成十年から毎年開催をしております海洋法の問題に関する日中協議等を通じまして、東シナ海におきます海洋の境界画定に向けまして協議を行ってきているところでございます。
 我が国といたしましては、国連海洋法条約に基づきます我が国の主権的権利その他の権利が侵害されないように今後とも適切に対処していくことが必要であるというふうに考えております。
○小林温君 遅きに失した感はあるわけでございますが、この問題の解決に向けて、問題が顕在化したこともあって今進み始めているわけでございます。
 そこで、特に今回問題になっている部分も含めて、東シナ海における日中間の排他的経済水域、EEZの境界問題の解決に向けてはどういう方向性を考えておられるか、見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) この境界画定に関します我が国の立場でございますけれども、日中間、それぞれの領海基線から二百海里の重なり合う部分が境界画定の必要な地域であるというふうに認識をいたしておりまして、その重なり合う部分につきましては、いわゆる等距離基準に基づきまして中間線による境界を画定すべきであるという立場でございます。
 この立場に立ちまして、先ほど申し上げました平成十年からの海洋法の問題に関する日中協議におきまして協議を行ってきているところでございます。また、十月二十五日に行われました東シナ海に関します日中協議におきましても、日本側としては、この立場に立ちまして境界画定をすべきであるということを明確に主張をしたところでございます。
 この件につきましては、今申し上げました立場を引き続き明確にしつつ、中国側との協議に臨んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○小林温君 そこで、大臣にお伺いをしたいわけでございますが、一つ、先ほど海洋権益というものが日本にとって大変重要だと、そういう意味でこの東シナ海の問題はしっかりと対応していただきたいということを申し上げました。と同時に、この問題は、同じ北東アジアの中で大きく発展を続けている中国という国と我が国がどう向き合っていくのかという問題も実は抱えているというふうに私は認識をしているわけでございます。この東シナ海のガス田の問題のみならず、尖閣諸島についても中国側は領有権を主張しているわけでございまして、正にこれからの日中関係を考えていく上でこの各種の事案が大きなとげにもなりかねない状況もあるかと思います。
 そこで、今ほど小平長官からも御説明がありました十月二十五日に行われた日中協議、局長級会議でございますが、これは決して私、個人的には納得のいくような中国側の対応を得られたというふうには思っておりません。その前後での大臣の御発言については私は心強く思っているところもあるわけでございますが、この十月二十五日の局長級会議の結果について大臣の御認識をお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(中川昭一君) 直接的には、この春暁ガス田、油、石油田が、日本が主張している中間線、これは今、小平長官答弁申し上げたように、これは日本が主張しているというよりも、日本の主張は二百海里ですから、それを重なる部分だから日本は中国に配慮して中間線にしていますというわけですから、日本が主張しているのは、譲った、向こうの存在を認めて中間線ということだということをまず我々は原点としておかなければいけない。中国の方は、沖縄トラフまでということは、もう日本のことはもう全く考えずに、大陸棚からどんと行った沖縄トラフまでということで、日本に対する配慮が全くない。私は、これは日中平和友好条約の精神並びに相手国の領土を尊重しましょうという条項がたしかあったと思いますけれども、この趣旨に私は反しているのじゃないかというふうにさえ思うわけでございます。
 去年の十月以降、日本政府として情報提供を求めていたわけでありますけれども、ナシのつぶてでございました。その間、私は、先方の私のカウンターパート大臣を始め中国のこの関係の方々に何回もお会いをして直接お話をしましたけれども、これも結果的にはまあナシのつぶてというか、むにゃむにゃという感じで至ったわけでございます。
 そうしているうちに、先方の方からこの問題で話合いをしましょうと。御承知のとおり、平成十年から日中間で領土画定の協議が行われておりますけれども、これが余り進展していないということで、特にこの問題を中心にして話合いをしましょうということで、二十五日に日本としては、この日中間の資源問題、それからその調査の問題、それから領海、境界画定の問題について話合いをしましょうということで行ったんでありますけれども、情報提供が極めて、我々にとって欲しいといいましょうか、この問題を解決するために有意義な情報というものは私自身ほとんどなかったというふうに判断をしております。
 したがいまして、私は小林委員と同じでございまして、今回の日中協議、九時間以上にわたってやったというふうに報告を受けておりますが、日本側が真摯にそして具体的に話合いをしようとしたにもかかわらず、先方は何かいろいろ証拠らしいものは出してきたようでありますけれども、それによって事態の進展に資するようなものではなかったわけでございますので、この会議そのものは成果のあったものだというふうには私自身判断をしておりません。
 今後またやりましょうということになっているようでありますけれども、こんなことの繰り返しであればまた時間の浪費と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、お互いに会う、会って長時間やる結果がこのようなものであるということが予測されるんであれば、私は、その間、着々と中国側は我々が問題としている地域の作業を進めているわけでございますので、はっきりとした成果が前提となるような会議にしていかなければならないというふうに考えております。
 二十五日の会議については、それぞれ局長級というハイレベルであったことは意義がありましたけれども、成果としては、この問題解決に資する成果があったかというと、私自身は疑問だと思っております。
○小林温君 大臣の御認識、しっかりと受け止めさせていただきました。
 この春暁の油ガス田についても明確な回答を得られなかった、それから、このEEZ内でほかにも鉱区を設定しているんじゃないかということについても明確な情報は得られなかったということも伝え聞いておるわけでございます。
 そこで、中国側は、今回の問題は先送りする形で、東シナ海における資源の共同開発というものを提案してきたというふうにも報道をされているわけでございますが、時間を少し浪費をしている、あるいは時間稼ぎをしているという中国側の思惑も見え隠れする中で、日本側がこうした中国側の提案をどう受け止めていくかということもまた重要ではないかというふうに思います。この点についてはどういう御認識をお持ちか、お伺いできればと思います。
○副大臣(小此木八郎君) おはようございます。
 この共同開発ということでありますが、十月二十五日の日中の協議について申し上げれば、これは積極的に共同開発やろうということで第一義的に向こうから言ってきたとは報告を受けておりませんで、ただ、かつてこの日中協議がされてきたときに、例えば、先ほど委員もおっしゃいましたように、あの尖閣列島のことは棚上げにして共同開発を行っていこうかという提案はあったようでありますが、私は実は前の職務で衆議院の安全保障委員長をやっておりましたが、例のあの中国人の活動家がこの尖閣列島を、日本側として見れば不法にもう上陸をしたということについての抗議を含めた委員会決議を委員長として行ったところでありますし、この尖閣列島のものを棚上げにするということ自体は日本としてはもう問題にしてないと、問題解決だということでありますので、今回のこの十月二十五日の日中協議の中で共同開発という言葉は出ましたが、まずは今大臣がお答えをした問題について、しっかりと真摯に話し合って決着をしていくということが日本としては第一義的なことだというふうに考えております。
○小林温君 また新たな機会に是非この質問もさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、やはり今回のこの問題の解決には、政府としてしっかりと対応していただく、尖閣諸島の件も含めて、海上の例えば警備とか監視体制も含めて、我が国の領土をどうしっかりと守っていくかと、こういう対応が求められているんだろうというふうに思います。是非、経済産業省としても、そのリーダーとしての自覚を持っていただいて今後日中間の交渉にも臨んでいただければというふうに思います。
 続きまして、もう十一月でございますので、年末に向けて税制改正の各種の議論も行われます。その点について幾つか御質問させていただきたいと思います。
 一つは人材投資減税についてでございますが、構造調整が進展をしていると、それから日本企業も、今までの長期的な利益の追求から短期的な利益の追求というその経営のスタイルも変わってきている中で、企業における人材投資は減少しているというふうに思います。特にその人材育成支援についてのニーズが高い中小企業については、この人材投資というものが将来の競争力を担保する上で非常に重要であり、そのための税制上の措置というものも私は必要だと思います。
 今年の税制改正要望について人材投資減税というものが一つテーマとして挙がっておりますが、この創設の具体的な効果、特に産業競争力の強化にどういうふうに寄与するかということについて御見解をいただければと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) この件は私どもの方からお答えいたします。
 御案内のとおり、日本の人口の減少は目を覆うばかりの厳しい状況下にございます。当然、それに合わせまして生産年齢は減少の一途をたどっているわけでございまして、二〇〇〇年レベルで八千六百万人台の人口が二十年もたちますと何と七千五百万を割ると、一四、五%の減少につながるんではないかというようなことも言われております。
 また一方、現下の経済情勢の中からリストラが進んでまいりまして、企業にとりまして重要な人材も場合によってはリストラの被害に受けた、こういうような両者の傷がございます。
 またその一方では、ちょうど平成十七年ごろからでございますけれども、団塊の世代が定年制を迎えるということで、たくみの技とか逐年で蓄えてまいりました生産性の高い技能なども一緒に卒業してしまうわけでございます。
 こういう状況からいいますと、私どもといたしましては、企業が本来自力でそれに対応していくべきなのでございますけれども、八八年をピークにいたしまして、現価で比較をいたしますと、企業が人材育成のために投資している必要額は何と一千億円ぐらい減っているという実態がございます。
 そこで、我々といたしましては、産業空洞化を含めまして日本の企業の将来にわたりましての競争力を、産業競争力を高めるためには、一人一人の企業の人材をスキルアップするなど、それ相応の努力をしていかなくちゃならない、このように思っております。
 そこで、新年度の税制におきまして、人材投資減税を我々といたしましても懸命に喫緊の課題として提案をいたしまして、税額控除などによりまして企業が人材育成のために費用を投下した場合はそれを助けてやる、こういうようなインセンティブ税制としてこれを考えているわけでございます。
 一層の御支援のほどをお願い申し上げたいと存じます。
○小林温君 是非、この税制措置はお願いをしたいというふうに思います。
 それから、十月の二十六日に調査結果が公表されました地域中小企業金融ヒアリング、これを私、拝見をさせていただいて、非常に中身があるものだという理解をさせていただいているわけでございます。
 その中で、中小企業の資金繰りは、ばらつきあるとはいえ、おおむね改善傾向にあるというふうにされているわけでございますが、その中で、当委員会でも議論をしたりあるいは各種の法整備を行ってきた政府系の金融機関あるいはその信用保証協会の貸付け、保証についてはおおむね評価をされているという結果も出ているようでございますが、この点について、調査結果、少し中身について御言及をいただければ。
 また、七月から中小公庫が証券化支援業務を開始をいたしました。これもこの委員会で法整備を行わせていただきましたが、この進捗状況についても教えていただければというふうに思います。
○副大臣(保坂三蔵君) お話のございました調査は、本省といたしましても非常に重要な調査としております。それは、単にデータを集める、この机上で調査をするだけではなくて、中小企業庁の幹部がそれぞれ現地へ参りまして、地元の金融機関、あるいはまた地銀、あるいはまた自治体等、中小企業団体等に直接、フェース・ツー・フェースで調査をいたしました。その結果を私どもは、聞き取り調査の結果を参考にいたしまして今後の対策を打とう、こういうことでございます。
 中小企業向けの金融でございますけれども、全体としては改善方向にある、改善方向にあることは、今小林委員のお話のとおりでございますが、やはり何といいましても小規模企業にとりましては依然として厳しい状況が続いているわけでございます。この中で、政府系三公庫が行っております資金繰りに対する対策につきましては好評、高い評価をいただいているところでございまして、引き続き一層の努力を展開してまいりたいと思っております。
 また、後段でございました、この七月一日に開始いたしました中小公庫の証券化支援事業、これにつきましては、この業務につきましては、ちょうど第一号の案件といたしまして、五十八社二十六億円の貸付債権の証券化を行うことができました。
 率直に申し上げまして、当初は三けた台ということを考えておりましたけれども、まずは立ち上がりでございまして、制度の普及といいましょうか認識をもう少し徹底していこうということで努力してまいりましたところ、現在、調査、準備中でございます第二号案件ではおおむね三けたの取決めができることになろうと考えております。
 この証券化支援業務につきましては、現実的に小口のものを集めてそして証券化していくという非常に現実的な手法でございますので、これからも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○小林温君 終わります。ありがとうございました。
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。
 今日は、今、同僚議員が質問されておられました東シナ海の日中間の懸案についてお伺いをしたいと思いますが、その前に、若干、中越地震についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今日は、お忙しい中、内閣府及び国土交通省から御出席をいただいておりまして、本当にありがとうございます。
 まず最初に、防災担当の内閣府の方にお伺いをさせていただきたいんですが、中越地震、いろんな問題が、まだ課題もたくさんあるんですが、基本的に、一つはやはり被災者の生活の立て直しといいますか、これは非常に重要な問題であります。この点について、現在、災害被災者生活再建支援法という法律がございまして、これに基づいて各被災者に支援をすると、こういうことになっているわけでございますが、特に住居の建て替えとか補修にかかわる本体工事について、これは個人資産そのものへの公費支給と解されるということで、現在支援対象になっていないということであります。
 実は、これが非常に、このことをも含めてこの生活支援事業が詳細に区分されておりまして非常に使い勝手が悪いと。簡単に言うと、こういう、余り評判は良くありません。民主党の方でも今いろいろ議論していまして、近いうちにこの法律の改正案を国会に提出をさせていただきたいと思っておりますが、まず、やはり弾力的に、被災者の生活を再建をするという視点に立って弾力的に考えるべきではないかと。特に住居本体部分についても、その限度額の中であれば認めていくべきではないかと、このように思っておりますが、この点についてお伺いをしたいと。
 それからもう一つは、今日出席の同僚の渡辺議員なんかもそうなんですが、金額ももっと上げる必要があると、こういう声が非常に地元から特に出ています。この点についても併せて御所見をお伺いをさせていただきたいと思います。よろしく。
○大臣政務官(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思うわけでございます。
 被災者生活再建支援法というのは、委員も御承知のとおり、さきの通常国会におきまして改正がされて、かなり使い勝手が良くなったというふうに私は思っているところでございますけれども、特に地震等につきましては、住宅が全壊したというところに対しまして、そのほかに大規模半壊になった世帯ということも加えさせていただきまして、支援金を支給するということになっているわけでございます。
 地震によります被害の場合というのは、まず、一見いたしまして住家全体が倒壊している場合というのは全壊として認定を行うということは、これはもう御承知のことだと思うわけでございますけれども、しかし、一見して判断できない場合におきましても、傾斜が大きい場合には全壊として取り扱うなど、地震被害の状況等を踏まえた運用が図れるものとなっているというふうに思っているところでございます。
 それゆえに、このたびの新潟県の中越地震におきましても、このような運用等を行うことによりまして、この支援法の積極的な活用を図ってまいりたいと、そう思っております。
 そこにおきまして、委員の方からも御指摘があったわけでございますけれども、しかし、さきの改正によりまして、私有財産であります個人財産への支援につきましては様々な議論がある中におきまして、可能な限り公助としての支援の充実というものが図られたのではないのかなと、そう考えているところでございます。
 なお、この被災者生活再建支援法につきましては、法改正の審議の際におきまして、制度等の充実を図るために、制度の施行状況等を勘案し、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えることという附帯決議をいただいておりまして、この附帯決議を踏まえまして、今回の災害事例を含め、改正法の施行状況等を勘案しながら総合的な検討を加えてまいりたいと考えているところでございます。
○直嶋正行君 使い勝手を良くしたというふうにお答えでございますけれども、現実のところ、非常にこの点についてやはり御要望が多いということは申し上げておきたいと思います。
 政府の方も、今お話しのように若干弾力的にやるという御意向はお持ちのようですが、やはりこれだけの大きな災害になりますと、そういう運用の問題ではなくて根本的なところも考える必要があるということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点、次は道路の問題についてお伺いしたいと思うんです。
 先ほどライフラインのお話もありましたが、結局、今度の新潟の状況見ましても、このライフラインの復旧も含めて、あるいは食料とか水の支援とかそういう問題含めて、やはり根本的にはこの道路網が寸断をされているというところに一番大きな問題があるんじゃないかと思うんですね。
 したがいまして、特にこの道路網について申し上げれば、経済産業省所管のやはり企業活動とか経済活動とか、こういう部分にも非常に大きな、ある意味でいうと、道路網が復旧するということが一つの前提条件になってくるわけでありまして、経済産業大臣にも御尽力をお願いしたいと思いますけれども、今日は国土交通省の方から副大臣おいでいただいておりますので、この今の道路網の復旧を最優先にするということで今お取り組みのようでありますけれども、速やかに手を打っていただきますようお願いを申し上げたいと思いますが、今の状況について御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(蓮実進君) 災害問題に対して直嶋先生には大変御心労をいただきまして、大変ありがとうございます。
 今お話しのように、今回の新潟の中越地震につきましては、被災の翌日に北側国土交通大臣が現地を見られました。また、三十日には私も被災現場を視察してまいりましたが、今回の地震被害の甚大さには非常に驚きました。また、産業の復興やインフラ、ライフラインの復旧等、住民生活を確保するためには、先生の言われるようにまず道路を復旧することが不可欠であると痛感をいたしました。
 高速道路でありますが、被災翌日には救急車、被災者用の支援の物資を運ぶ車両の通行をまず可能にしなきゃならぬということで、これは翌日可能にいたしました。さらに、二十九日までに北陸自動車道の全線と、関越自動車道の月夜野インターから小出インター間を開通をいたしました。直轄国道でありますが、国道十七号線の和南津トンネルを除いてすべて開通をいたしました。なお、この和南津トンネルにつきましては、本日、十一月の二日、今日じゅうには開通をさせるということになっております。それから、新潟県が管理をいたしております道路につきましては、孤立している集落道路の一日も早い開通を最重点として工事を進めております。
 国土交通省といたしましては、地震発生の翌日から災害査定官を派遣するとともに、橋の専門家、トンネルの専門家、地すべり等の専門家を現地に派遣をいたしまして、早期の開通に向け技術的な支援を行っております。市町村道でありますけれども、これは災害箇所が極めて多く、市町村での調査に大変時間が掛かりますので、新潟県からの要請で早期に状況を把握すべく、北陸地方整備局の職員を総動員をいたしまして現地に派遣をし、市町村の支援を行っているところであります。
 一刻も早い災害地域の復興を確実にするために、引き続いて道路の復旧に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○直嶋正行君 今、御尽力中ということは承りましたが、特にやはり幹線国道を含めて、あるいは今市町村道のお話もございましたが、道路はやはりネットワークとして機能をしないと役に立ちませんので、どうぞ是非そういう視点で一日も早い復旧を御要請申し上げたいというふうに思います。
 国土交通省と内閣府の副大臣、どうもありがとうございました。
 それでは、残る時間、日中間の懸案になっています、先ほど同僚議員からも質問ございましたが、この東シナ海のガス田開発の問題について、特にいわゆる春暁ガス田群と言われていますが、この問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほど同僚議員の御質問の中で、十月二十五日に日中双方で協議が行われました実務者協議でありますが、簡単に一言で言えば成果がなかったと、大臣も先ほどそのような御感想をお話しされました。私も素人目に見ていまして、今、経済産業省といいますか、エネルギー庁でこの辺りの海域の探査をされているわけですね。日本側は、そういう意味でいいますと、資源についての情報はきちっと持ってない。持ってない状態の中で相手と、相手側と協議をすることが果たして本当にいいのだろうかというような率直に言って疑問を持っていました。
 都合のいいことだけ言われるということになりかねないんじゃないかというふうに思っていましたが、特に今回の実務者協議をこのタイミングでなぜ開く必要があったのかということについて、先ほどの御所見でお述べになったことで付け加えていただくこともあれば、それと併せて中川大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 直嶋委員の御指摘は、ある意味ではもっともな御質問だと思っております。
 去年の十月から、この春暁に限って申し上げますと、八月に中国とアメリカ、ヨーロッパの石油会社四社で作業を進めるということが決まったという情報がございましたので、十月からずっと複数回にわたって公式の外交ルートを通じて、北京の日本大使館を通じて、あるいはまた、私、川口外務大臣等々も折に触れて言っていたわけでありますけれども、とにかく情報をよこしてくれと。ここは中間ラインのまたがるものですから、どういうデータに基づいてやっているんだという情報提供を求めたわけでありますけれども、ナシのつぶてであったわけであります。
 七月ぐらいから先方から話合いをしましょうよというようなことが事務レベルで我々の方に届くようになりまして、そして町村外務大臣が、十月の末──失礼しました、町村外務大臣が中国の外務大臣とお会いしたときに先方からまたお話があったということでございましたので、我々としてはとにかく情報をよこすことが重要だと。他方、向こうから会いましょう、会いましょうというのをほっておくということも、ある意味では交渉ポジションとして弱くなるかもしれないということを政府部内で検討をいたしました。
 向こうが会いたいと、内容はこのことだということでございますので、会って、とにかく我々としては、さっき申し上げましたが、春暁あるいはまた中間線の内側に丸々入った形での鉱区設定という話も情報としてある、それから、これは日本のEEZ一般に関する資源調査を中国がやっている、そしてまた境界画定と。この三点を議題にいたしまして、それでは話合いをしようじゃないかということを判断をしたわけでございまして、外務省の薮中アジア局長、私どもの小平エネルギー庁長官、先方も同レベルの外交部、それから国家発展計画委員会ですか、の同レベルの実務者でほぼ丸一日掛けて交渉をやった。それが十月二十五日だということでございます。
 ちなみに、十月九日にハノイで町村外務大臣と先方の外務大臣との間で、先方から話合いしましょうという提案があったことを、乗ったわけであります。
 ちなみに、こちらに情報が全くないかというと、確かに物理探査を今やっている最中でございまして、その結果は、今まだ船が動いている最中ですから、データはきちっとしたものは把握をしておりません。ただ、周辺情報が、例えばインターネット上のホームページでありますとか、あるいは中国側の日本でいう国土地理院みたいな地図による、春暁ガス田が存在するという地図なんかも我々入手をいたしましたので、それによると明らかに中間線をまたいでいるということでございます。
 もちろん、我々は、きちっと自前で今やっているデータが出れば、更に我々が交渉する上での重要なデータになることは間違いないと思っております。
○直嶋正行君 今日は、忙しい中、外務省の方から薮中局長に来ていただきましたが、薮中局長にお伺いしたいんですが、この春暁ガス田というんですか、この開発について、中国側に対してはこれは中止の申入れというのは行っているんですか。私どもが報道で伺っている限りで言いますと、今大臣もちょっとお触れになりましたが、いわゆる情報提供を求めていると、こういうことが伝わってきまして、情報提供一本やりで日本が求めていると、こういう感じで伝わってきているんですが、この点についてはどうなんでしょう。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。
 元々、この春暁の問題につきましては、今、中川大臣から御答弁のありましたように、先方の開発状況と、これが実際に日本側の中間線を越えて、東側に越えて日本側の水域、これに入る、これに影響を及ぼすんではないかと、こういう懸念が我々の方にあるわけでございます。したがって、まずは情報提供を求めて、それがどういう状況なのかということを明確にまずするということが第一だということで、今までからずっと情報提供を求めてきているというのが現状でございます。
○直嶋正行君 それは、私はちょっとまずいんじゃないかなと思うんですけれどもね。
 この外務省のお作りになった協議の概要ペーパーにもございますけれども、さっき小平長官もお答えになりましたけれども、EEZの設定についての中国と日本のこの意見の違う領域について、中国側と日本側は主張が違うわけですね。中国は、中間線から沖縄トラフまでの間、中間線の東側が日本と中国の話合いが付いていない海域であると、こう言っているわけです。日本は、双方の二百海里が重複する部分が話が付いていない、だから、まあ妥協してというか、中間線でいいと、こういう主張をしているわけですけれども、この理解が違うわけですよね。
 そうすると、日本も自ら言っている係争中の海域のガス田開発について、中間線をまたぐ部分についての情報提供を求めるというのでは、日本の主張としてはこれは通らないんじゃないんでしょうかね。中間線まではもう既成事実として中国に認めてしまったと。そうすると、これからの話は、中間線から沖縄トラフまでの海域の中でどうするかという話になってしまう可能性が非常に強いんじゃないかというふうに危惧するんですけれども、この点はどうなんでしょう。ちょっと、私はやはりやり方としては間違っているんじゃないかと思いますが、いかがなんでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) ただいまの点は非常に大事な点であろうというふうに私どもも思っております。
 今回の協議におきましては、正に中国側が従来言っておりますのは中間線を認めていないと、彼らは沖縄トラフまでが自分たちの大陸棚として権限のあるところであるということを主張しておりまして、中間線から沖縄トラフまでが正に中国側の言う係争水域であるという主張でございました。
 今回、きちんと我々の立場を腹一杯言ったわけでございますが、それはそうではないと。正に今回のいろいろの今までの協議におきまして、国際的な判例等々を引用いたしました。一九八〇年代以降の今の流れというのは中間線を原則とする、あるいは基本とする、その中で若干の調整というのは行われている例もございますけれども、基本は中間線であると。これが我々の言うところの衡平な解決であって、本来係争水域というのは、今委員おっしゃったとおり、各々の基線から二百海里ずつを引いてみると、そうするとそこに重複する水域があるではないかと、そこがいわゆる係争水域であって、したがって、我々が言っている中間線というのは、その中で衡平な解決を見いだすとすれば中間線しかないんではないかということで、この立場というのは何度も何度も今回繰り返し主張したわけでございまして、正にそのためにこの協議を行っていると。きちんとした境界画定を行うべきであるということが一つの大きな目的であると。
 そしてまた、現実に迫った春暁開発についても、そういう意味で、まずは今まで我々は情報提供を求めていましたけれども、今回の協議におきましては、こうしたことでの解決がなされない限りにおいて開発が続行されるということは認められないという主張も行ったわけでございます。
○直嶋正行君 既に開発されていると言われている、この平湖ガス田と言うんですか、より少し北西側にある、あるいは、もう一つありましたね、天外天と読むんですかね、この辺もいわゆる今の二百海里が重なる地域に存在するわけですね。ですから、日本としては、今、薮中局長から妥当な解決策として中間線というのを提案をしていますが、既に中国側は、日本が係争中の地域だと言われている、海域だと、こう主張しているところにいわゆるこの油田開発を行ってきているわけでして、今回はたまたま中間線に非常に近いところにあってこの資源が日本側につながっているんじゃないかということで大きな問題になったわけですが、私は、そういう意味でいうと、係争中の海域内で中国がもう既にいろいろとそういう意味での既成事実を積み上げてきてしまっている。ですから、日本としては非常にこれは譲れないところまで来てしまっている、なかなか厳しい交渉だと、こういうふうに受け止めています。
 したがって、これは中川大臣にお尋ねしたいんでありますが、二十五日の協議の二、三日後でしたか、これはマスコミ報道なんですが、いわゆる中間線の内側の日本側で今資源探査をやっているわけですが、この水域で試掘を行う、試し掘りですか、試し掘りを行うというようなことを中国に通告をしたと、こういうふうな報道もなされていますけれども、これはそういう方針でいくということでございますか。
○国務大臣(中川昭一君) 日本は、今、直嶋委員御指摘のように、あくまでも向こうとの重なっている部分を中間線としてお互いにEEZを分け合いましょうということを、主張というよりも、今、薮中局長答弁したように、ここ十数年のこの似たようなEEZの裁判事例、国際司法裁判所の事例、手元に数件私も持っておりますけれども、いずれも中間線をベースにしているわけでありますから、これは日本の一方的な主張ではなくて、相手との間の配慮をした結果としてであります。
 委員御指摘のように、向こうの方は配慮も何もせずにこうだと、自然延長論という今や極めて少数説というか古い考え方、しかし向こうにとっては有利なことを主張しているわけでございまして、したがって、日本は中間線という配慮をした形でやっているわけですから、ですから、今物理探査の海洋調査を行っておりますし、たしか記者会見で試掘について次のステップに入りますかという記者の御質問だったと思いますから、その可能性は今後排除しませんというふうに私は答弁をさせていただいたわけでございます。
 つまり、日中で話合いをする、そして、わざわざこれは外国船を借り上げて何か月もやって、これはお金が掛かっているわけでありますけれども、これでおしまいと、結果が出ましたと、これでおしまいですというんじゃ、貴重な日本の中の排他的な主権的、国益的な物資を、おしまいで、ああ、ありましたねと、ああ、大事ですねで終わっちゃうということは、これはもう何のためにやってきたんだろうと。
 あくまでも我々は、中国と争うためにやっているんじゃなくて、平和的に解決すると同時に、日本の中の大事な、貴重なエネルギー資源を有効活用をするという前提で作業を進めておりますので、先ほども御質問がありましたけれども、数十年も前から現に民間会社が鉱区申請をしているという現実もございますので、そういう意味で、試掘その他次のステップに向かって着々とやっていくということについては私は否定をしませんと、当然そういう前提で我々もいろいろなことをやっているということを申し上げたわけであります。
○直嶋正行君 よく毅然たる態度という言葉が使われるんですけれども、やはりこの状況でいいますと、さっき申し上げたように、私が素人目で見ても、日本はかなりもう妥協案を中間線という形で提示、出して、しかも中国側はその西側は油田開発に既に既成事実ができててという大変厳しい状況だと思います。
 したがって、今、大臣、否定はしないという言い方で取りあえずはおっしゃっているわけでございますが、やはり日本としてきちっと、国益に関することでありますから、主張していただきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと薮中局長にもう一点お伺いをさせていただきたいんですが、先ほど大臣の御答弁のときにおっしゃっていました、この町村外務大臣と中国の李肇星外相とのハノイでの会談で二十五日にやりましょうということで決まったわけですが、これもマスコミの報道で私ちょっと目にしたものなんですが、この協議をしようという話と、そのときに中国の外務大臣から、ちょっと報道どおり読みますと、中国も日本も世界の重要な国であり、国連改革で努力をしていくべきだと、日本の安全保障理事会常任理事国入りを含んだ国連改革問題で日本と協議する姿勢を示したと、こういうふうに報道されています。
 当然、今、我が国は国連の安保理の常任理事国入り、目指しているわけでありまして、そういう面でいいますと、こういう問題もこの日中協議の背景にあると、こういう理解をしてよろしゅうございますか。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。
 日中、先般の外相会談におきまして、これはもう様々の日中間の問題あるいは地域の問題等々が議論されたわけでございまして、一つ一つが全く我々、別個の問題であるということで、国連改革は国連改革の問題であると、そしてこの東シナ海の問題は東シナ海、日中間の問題であるということで、これは峻別して考えております。
○直嶋正行君 是非、そういうふうにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それで、今度は経済産業省にお尋ねしたいんですが、このいわゆる日本の中間線の内側の東シナ海の海域にある資源の埋蔵量なんですが、これは報道でいろいろされています。今これ、どのくらいの量があるというふうに認識をされていますか。
 大臣もいろんな情報を取っていると、探査だけではなくてというお答え、さっきありました。例えば、ちなみに言いますと、石油資源開発株式会社、これは前のたしか石油公団だったと思いますが、こちらの棚橋社長は約五百五十億立米だと、こういうふうにおっしゃっていますし、その他報道では非常にばらつきがありますが、八百とか千とかございます。この状況についてはどのように今、掌握されていますか。
○政府参考人(小平信因君) 先生御指摘の東シナ海におけます石油、天然ガスの資源量でございますけれども、これは実際に掘ってみるというようなこともいたしませんと、かなり資源量自体、推定ということで不確実な部分があるわけでございますけれども、平成六年の石油審議会の開発部会におきまして、日中中間線の日本側につきまして石油と天然ガスを合わせまして、これは石油に天然ガスも換算をしておりますけれども、原油換算で日本側につきまして、日本の年間輸入量の約二・一年分に当たります五・二億キロリットル、バレルで申しますと、約三十三億バレルあるというふうに試算をされているところでございます。
○直嶋正行君 これはかなり量的にも多い資源だと。ただ、これはガスと石油と合わせてということですね。
 もう一点お伺いしたいんですが、この春暁油田の開発に関して、当初はこの事業に参加をするということを言っていました欧米の石油大手企業、ロイヤル・ダッチ・シェルとユノカルでありますが、これが撤退をするということを決定しました。これは、発表は商業上の理由ということになっているわけでありますが、この撤退について経済産業省はどのように見ておられますか。採算性の問題とか含めてどのようにとらえておられますか。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほども申し上げましたように、去年の八月にこの事業をスタートする、契約というものが結ばれたときに、欧米の二社が中国の二社に参加をしたということは我々情報を得ていたわけでございますが、最近になりまして、この欧米の二社が撤退をしたと。これは、契約上一年後に見直しみたいな条項が何かあったそうでございますけれども、それを適用して撤退をしていったということでございます。
 我々が聞いている限りでは、過去にもこのような例がなかったわけではないという話も聞いておりますが、その撤退の理由は、あくまでもビジネス上の、いわゆる採算性の問題等々、ビジネス上の問題だというふうに聞いております。
○直嶋正行君 それで、少し聞きづらい質問なんですけれども、あえてちょっと確認させていただきたいんですが、今議論になっているこの当該のガス田についても、これ一部の専門家筋からは、これは開発しても採算的にペイはしないんじゃないかと、あるいはここで取れた資源については、結局日本とはかなり離れていますから、中国に買ってもらうしかないんじゃないかと、こういうような意見も言われているやに聞いておりまして、今日もある新聞の一面にサハリンの天然ガスの話が出ていましたけれども、そういう、あれとは違うんですが、今回の件について、こういう、コスト等の採算の問題とかあるいは販路の問題とか、こういうことについてはエネ庁の方で何か検討されているんでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 採算性で採掘するかどうかという判断の前に、これはあくまでも主権的権利の問題として国家として今対応をしているところでございますし、直嶋委員も先ほど御指摘になられたように、じゃ、きちっとした自分たちのデータ持っているのかと、一九六八年ですか、エカフェのデータとか中国側のデータとか、いろんなデータできちっとした物理三次元探査をやっているのかということがございますので、本当にどのぐらいあるんだろうということで、この春暁を始めとしてこの地域の、日本の中の貴重なエネルギー資源を今調査をしているわけでございます。
 他方、数十年前から民間の複数の会社がこの海域で採掘権、鉱業権の申請をしている状態が続いているわけでございますから、国家として、この大事な資源が一体どのぐらいあるんだろうということを調べるのはある意味では国家の責務であります。
 実際にこれがビジネスベースに乗るか乗らないかというのは次の段階の判断になるわけでございますから、私はそれは、今の段階であえてリンクして議論をすることはこの先の話だろうというふうに考えております。
○直嶋正行君 是非、そういう姿勢で取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 それで、次に、さっきも若干出ていましたが、今回中国側からは、いわゆるこのEEZの境界の話は棚上げにして、共同開発をしようじゃないかと、こういうことが、当初、川口外務大臣がこの問題で李肇星外相と話し合われたときに既にその話も出ていたように記憶しておりますが、この共同開発というのは中国側は一つの出口みたいなことを言っているようでありますが。
 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、共同開発するということは、今のこの排他的経済水域の線引きを一応話としてはおいといて、共同でやりましょうと、資源の開発をしましょうと、こういうふうに理解しますと、この中間線の議論をそのままに棚上げしちゃいますと、これは薮中局長の方がいいのですかね、いわゆる尖閣列島、これは日本固有の領土であると、こう言っているんですが、この尖閣列島の領有権の問題にも影響を及ぼしてくるんじゃないかと。したがって、軽々にその共同開発という提案には乗れないんじゃないかというふうにちょっと私は推測するんですけれども、この点についてはどうでしょうか。後で外務省の方から答えてください。
○副大臣(小此木八郎君) 小此木でございますから。
 まず、先ほど小林委員からの御質問もありましたとおり、この共同開発につきましては、十月二十五日の向こうからの申出の協議については、その細かい話は出ませんでした。今おっしゃいましたように、出口論として共同開発というような意味があったようでございますが、従来からのこの共同開発についての向こうからの申出は、おっしゃいましたように、日本側のそういう海域の問題、あるいは尖閣列島の棚上げの問題、何度も繰り返し申し上げておりますように、例えばこの尖閣列島の問題については、もう私ども日本政府は、日本国といたしましては問題解決済みだということであります。向こうはそれを棚上げにする、問題にしようとしている、ここがもう相入れないところでありますから、今回のといいますか、これまでの中国側の共同開発のことにつきましては、私どもは乗れないという姿勢でおるところでございます。
○政府参考人(薮中三十二君) 正に今お答えのあったとおりでございますけれども、尖閣の問題につきましては、これは日本側のきちんとした態度というのは、これは領土問題として存在しないと、尖閣は正に日本固有の領土であると、こういうのが大原則でございます。したがって、いずれにいたしましても、中国との間での話合いにおいても、我々の基本的なその立場、そしてまた中間線についての境界画定ということをきちんと、害しないような格好での話でなければ話には全く乗れないということだと思います。
○直嶋正行君 分かりました。
 ちょうど外務省のペーパーに地図が付いていまして、少し青い線引いていますが、小さくて見づらいですが、ここが尖閣諸島ですから、中間線は正にこれと台湾との間を通っているということでありまして、これを棚上げしちゃいますとこの領土の問題まで波及をするということは明白だと思います。ですから、小此木さん、さっきおっしゃいましたけれども、是非、日本固有の領土であるということをはっきり踏まえて取り組んでいただきたい。
 一般国民の受け止めの中に、これは中国側のいわゆる宣伝攻勢もあるんでしょうが、尖閣諸島の領有権はあいまいなんだと、要するに中国も主張しているし日本も主張しているんだと、こういう受け止めというのは私は結構あるんじゃないかと思います。そうじゃないというふうにおっしゃるかもしれませんが、そういう受け止めも結構あると思います。マスコミの報道なんかを見ていても、ややそういうふうに受け止められるような報道ぶりもございます。ですから、尖閣の領有権はやはり一歩も揺るがしてはいかぬというふうに思いますので、改めてこの点は強く申し上げておきたいと思います。
 たしか、華国鋒主席の時代でしたかね、一九七八年ぐらいに中国から東シナ海の共同開発の話があって、その話をしている最中に、中国が九二年に領海法を作って、正に自分のところの地図の領土の一部に尖閣を入れたというようなこともあったというふうに聞いておりますので、これは、そうですよね、たしか。ちょっと古い話で、通告せずに申し訳ないんですけれども、そういう経過をちょっと聞いていますが、何かもし付け加えることがあれば外務省の方で付け加えていただければ。
○政府参考人(薮中三十二君) 中国側におきまして、いろいろと尖閣について彼らの立場というのが、一九七〇年代に入ってから主張していることはそのとおりでございますけれども、これは繰り返しになりますけれども、日本といたしまして、国際的にも歴史的にも、そしてきちんとした実効支配をしているということで、日本固有の領土であることは間違いございませんで、中国との間でも我々は明確に領土問題は存在しないんだということを繰り返し主張しておりまして、また、これは国際的にきちんとした理解が得られているというのが我々の立場でございます。
○直嶋正行君 それでは、次の質問に移りたいんですが、さっきもちょっと出ていましたが、この今の該当のところで、該当鉱区について民間企業四社が四十年前にもう既に申請をしていると、こういう話がありました。私は、結構この問題が、やはりさっき御指摘あったとおり、これを留保してきたことがいろいろ問題を複雑にしてきているんじゃないかというふうに思っていますが、これはやはりしかるべき時期で、できるだけ早く認可、許可ですか、許可をすべきじゃないかと思いますけれども、この点についてはちょっと再確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、直嶋委員御指摘のように、複数の企業がこの海域で石油、ガスの採掘を前提とした鉱業権の申請を、長い間申請をし続けているわけでございますが、先ほどエネ庁長官から答弁がありましたが、国連海洋法条約七十四条、八十三条に基づいてという答弁でございましたが、海洋法条約を批准したのは日本はつい最近、ここ十年ぐらいのことでございますから、それに基づいてよく話合いをしなさいという条約の趣旨にのっとってということで今まで留保してきたということですが、じゃ、その前はどうなんだということを実はさっきもちょっと議論をしたんですけれども、その前は海洋法条約というものは存在しなかった、日本にとっては存在しなかったわけでございますから、ここはやっぱりその当時のいろいろな政治的あるいはまた国際慣例、国際法上の解釈、いろんな要素でもって留保をしていたというふうに思います。逆に言うと、そのときにはっきりと駄目なんて言っちゃっていると、これはまたややこしいことになったんで、ある意味では、いまだにその権利を主張している、鉱業権を付与してくれと言っている方が辛抱強く主張し続けていただいているというのは、逆説的かもしれませんけれども、ある意味では有り難い話でございまして、私どもとしては、その存在というものは現時点においてもある意味では非常に大きな存在だというふうに認識をしております。
 ただ、先ほど申し上げたように、やっぱり今すぐ与えるか与えないかということについては、今、正に国がこの地域の資源探査をやっておりますので、このきちっとしたデータというものも、多分、民間の皆さん方は参考にするというか、このデータを待っているんだろうというふうに思いますから、この権利自体は先に申請した方が取り下げない限りは優先権があるわけでございますので、もう間もなく、といっても台風等々で大分スケジュールが遅れておりますけれども、来年早々にもきちっとしたデータが解析される、そして判断の材料になるというふうに思っておりますので、その時点で民間がどうされるのか、あるいはまた我々がどうするのか。全く今のところは、さっきも申し上げたように、ビジネスとして成り立っていくのか等々いろんな判断がその時点で改めて出てくるだろうと思います。
 そういう意味で、中国に対しては主張すべきことはきちっと主張してまいりますけれども、国内的な作業としては、いろいろビジネスの面だとか、あるいはまた我々の法律の中のいろんな制度だとか、そういうものをこれからいろいろと勘案しながら、作業はいささかの前提も置かずに、排除をするとか後ろ向きのことをするとかいうことはいささかも前提に置かずに、データが分かる、データが分かったら次はどういうステップに進んでいくかと、こういうことについては何の前提条件もないという前提で作業を進めていきたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 それで、今大臣がお触れになったこの三次元探査なんですが、今ノルウェー船をたしかチャーターしてということなんですが、既によく知られていることなんですが、中国はこの同様の船を十二そう持っていると、それから韓国も四そう持っていてそれぞれいろいろ調査をしていると、こういう状況でありまして、日本はこれをちょっと借りてやっていると。いかにも何か間に合わせ的な感じなんですが、これはやはり結構重要な点で、日本としてもこういう海洋探査船というのは手当てをしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。
 といいますのは、もうちょっと、これは今回の東シナ海とは直接かかわらない問題かもしれませんが、いわゆる海洋法、国連海洋法条約に基づいてこの沿岸各国が国連大陸棚限界委員会に対して大陸棚の申請を行うことができると。この締切りが二〇〇九年と言われていまして、これは日本にとってもこの大陸棚を申請することによって海底資源を含めて非常に、要はEEZを更に越えてその権限を有することができるということで、これは大変重要なことなんですが、この問題についてちょっと、この船を持つか持たないかということと併せて確認したいんですが、実はロシアが申請をした同様のこれが却下をされたと。今までのデータレベルではどうも全然駄目なんじゃないかと。日本は、特にこれまで海底の資源については二次元探査でやってきて、要は目が粗くてピンポイントで資源の所在がよく分からないと、こういう調査方法らしいんですが、これじゃなくて、むしろその海洋、海底資源についていえば、三次元探査できちっと確認をして国連に出さないとロシアと同じように却下をされてしまうんではないかと、こういう心配が相当あります。
 今、政府の方もいろいろおやりになっているようですが、体制が付いていっていないと、こういう批判もあるようでございまして、ちょっとこの点と併せてお答えをいただければ有り難いと思うんですが。
○国務大臣(中川昭一君) 私も、そのノルウェーの何とかビクトリー号という船を引っ張ってこないと三次元探査ができないというふうに聞いたときには、えっ、どうして日本に、海洋国家日本にそういう三次元の船がないんだということで正直言って疑問に思ったところであります。
 したがいまして、とにかくできるだけ早くということでノルウェーの船に今やってもらっているわけでありますけれども、と同時に、私どもといたしましてはやっぱり三次元の物理探査ができる船を、今、直嶋委員御指摘のように二〇〇九年に向けて必要である、あるいはまた日本の海洋資源をより精密に探査するために必要であるということで、今、調査費、この船を建造するための調査費を来年度予算に向けて急遽、これはもう概算要求の締切りの後だったんですけれども、私はこんな船が日本にないのはおかしいということで、事務方を督励いたしまして今調査要求をしている最中でございます。
 二点目については、二点目何でございましたっけ、関連してという。
○直嶋正行君 この三次元探査をしっかりやらないと、国連の、その間に合わないんじゃないかと。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、その二〇〇九年に向かって、それに間に合うかどうか、間に合わなければ、きちっとした形でロシアがいち早く我が国の拡大EEZはここだといって出したにもかかわらず不十分だといって却下されたという話は私どもも承知しておりますので、そうならないようにきちっとした調査を船で、我が国の日の丸の船で間に合えばそれにこしたことはありませんし、間に合わなければ、大事なこの我々の主権的な海洋資源でございますから、きちっとしたデータが出せるように、これはもう万難を排して対応していきたいと、また、いかなければならないというふうに思っております。
○直嶋正行君 よろしく御対応をお願いしたいと思います。
 それで、あと、今日は海上保安庁来ていただいていますか。──忙しいところありがとうございます。
 海上保安庁が今、日本の海図を作成されているんですが、この海図にいわゆるこの排他的経済水域の表示がないということが今いろいろ議論されています。
 で、これは例えば、中国が沖ノ鳥島はこれは島ではなくて岩だと、こういう主張をしていろいろあそこへ調査船を送り込んでいるというような話もありまして、何でこの日本の海図にEEZが入っていないのかなと、率直に言って疑問なんですが、これは何で入っていないんでしょうか。海上保安庁の方、ちょっとお答えいただきたいと思うんですが。
○政府参考人(石川裕己君) 先生御指摘のとおり、日本の海図にはEEZ線は記入されておりません。ただ、これは、実は中国だとか韓国などの近隣諸国、これの海図についても、私ども入手している限りにおいてはEEZ線は記入されておりません。したがって、なぜかということについて申し上げれば、そのような近隣諸国との間においてのEEZの境界線というものが必ずしも画定していないというために海図に記入していないというふうに承知してございます。
○直嶋正行君 例えば、日本海側は韓国、中国と話が付いていないけれども、例えば太平洋側は別に問題ないですよね。それから沖ノ鳥島はちょっと影響あるのかもしれませんが、南鳥島は問題ないと思うんですが、これは全部まとめてしかかけないんですか、海図には。
○政府参考人(石川裕己君) あのEEZ線を海図にかくか、かかないかについて様々な議論があろうかと思いますが、今お話し申し上げたように、近隣諸国との間において必ずしもEEZ線について境界線が画定していない部分と、先生おっしゃるように、ある意味ではそれとは関係なく二百海里という線が引ける部分とございます。したがいまして、それを一部だけをかくという考え方と、さらには、いやそうじゃなくて、やっぱりその逆の意味で、そのある部分だけかくということは、ある部分がまだ画定していないということを自ら認めることになるわけであります。
 したがいまして、そういうことについて総合的にどうかいたらいいかということについて、更に総合的な十分な議論が必要だと私どもは考えております。
○直嶋正行君 これは、関係省庁ということになるとやはり外務省も関係すると思うんですが、僕、昨日、海上保安庁の方にお聞きしたら、測量してデータはちゃんと準備するのは海上保安庁の役割で、これをかくのはむしろ政府の中で、いつかくか、どうかくかというのは政府の意思決定の問題ですと、こういう御説明いただいたんですが、これは外務省、何か見解あるんですか、この件について。
○政府参考人(中富道隆君) 我が国は、平成八年より、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律によって国連海洋法条約に基づき排他的経済水域を設定しております。また、平成九年にこの法律を国連事務総長に寄託し、この寄託の事実は同条約の締約国にも通報されておりますため、国連海洋法条約に基づき我が国が国内法上設定している排他的経済水域は他国が完全に把握できるようになっております。
 また、御指摘の海図について、国連海洋法条約は排他的経済水域の外側の限界線等を海図に表示し、右海図の写しを国連事務総長に寄託することを求めています。しかし、現時点におきまして、相対国との間で排他的経済水域の境界画定に伴う種々の未解決の問題があること、それから我が国と相対する中国、ロシア、韓国等いずれの国もこのような海図等を国連事務総長に寄託していないこと、さらに、これまで排他的経済水域の範囲を明示した海図等を国連事務総長に寄託した国は限られていること、加盟百四十五か国中十四か国のみが寄託しております。こうしたことから、排他的経済水域の限界線等を表示した海図を公表し国連事務総長に寄託することはしないとの対応を従来取ってきております。
 いずれにしましても、外務省としては、関係省庁とも協力しながら、国連海洋法条約に基づく我が国の主権的権利、その他の権利が侵害されないよう適切に対処をしていく考えでございます。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 もう一つ聞いてから、ちょっと最後に大臣の御所見を伺いたいと思うんですが。
 もう一つ、さっきちょっとお話ししましたが、沖ノ鳥島は岩だというのは、これは中国の実は国家発展委員会の何かスタッフがそういう論文を書いたという話、聞いています。日本政府として、こういう見解に対して正式にそうじゃないという反論、論理的な反論というのはおやりになっているんでしょうか、それともまだこれからなんでしょうか。
○委員長(佐藤昭郎君) どっちに、どこに伺うの。
○直嶋正行君 外務省でしょう。
○政府参考人(薮中三十二君) これはもう明確に中国側に対しても、沖ノ鳥島というのは我が国の排他的経済水域を持ち得る、そういう島であると。正にこれは国連海洋法条約に基づいて、これは当然のこととしてこの沖ノ鳥島を基点とする排他的経済水域の設定が認められているということではっきりと中国側には指摘しておりまして、したがって、ここへの科学的調査船ということで来ている中国側が我が方の同意を得ることなく入ってきておることは非常に問題でございますけれども、その都度、そうしたことのないようにということを強く中国側にも申し入れております。
○直嶋正行君 恐らく外務省としては、今、薮中局長言われるように中国には話されているんだと思うんです。しかし、この種の問題というのは、国際的なこの問題の認識の問題とか、それから我が国の国民の皆さんがどれだけ理解しているかという問題というのは、これから外務省がいろいろ交渉される上において非常に大きな力になると思うんですね。
 したがって、私も見ていますと、岩だという主張は何か論文が出てやっているんだけれども、その今局長がおっしゃった日本の反論というのは余り聞こえてこない、正直申し上げて。ですから、私はきちっと、世の中にやはりこの種の問題というのはきちっとアピールをしていくということがますますこれから必要になるんじゃないかと思うんですが、是非そういう視点で日本政府として対応をお願い申し上げたいというふうに思います。
 それで、最後に中川大臣にお伺いしたいんですが、今あえてこの沖ノ鳥島の話を出させていただいたのも、やはりこの東シナ海の中間線をめぐる議論、それから海底資源の問題含めて、やはりこれから中国との間で非常に厳しい交渉になると思うんですよね。これは一つ間違えますと、当然日本の資源、資源という権益を侵すだけではなくて、成り行きによっては安全保障上の問題とかあるいはシーレーンに影響を及ぼすとか、様々なことが考えられます。
 したがいまして、そういうことも視野に入れて是非取り組んでいただきたいと。経済産業省という一つの省庁だけではなくて、やはり内閣を挙げて私は取り組んでいただきたいと、このように思っておりますが、最後にその大臣の基本的な考え方、御所見をお伺いしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(中川昭一君) 経済産業省・資源エネルギー庁は、我が国の、あるいはまたエネルギー政策全般という観点からこの問題に取り組んでいるわけでございますけれども、今、直嶋委員御指摘のように、政府全体として対応していかないと対応し切れない。
 尖閣に、今年の三月ですか、中国国民が上陸をした。上陸をしたこと自体はちょっと、させてしまったということは誠に問題があったと言わざるを得ませんが、しかしそれを日本の警察が逮捕して、そして強制送還をさせたと。これに対して中国側は、余りそれに対しての反応というものも大きくなかったというようなこともございまして、尖閣は、先ほどアジア局長も言っておりましたが、一八九六年ですか、きちっと宣言をして日本の領土として編入をし実効支配をしているということでございます。それから、沖ノ鳥島は、これは島であって、排他的経済水域が周りに存在をするわけでございます。
 そういう意味で、これは我が国の主権という形で、日中友好という大前提の下で話合いをしましょうということを私も申し上げているわけでございますが、ある意味では、これは中国にとってみれば、経済の問題であると同時にもっと大きな別の観点からこの問題に取り組んでいるんだとすれば、我々としても、それが日本にもっと大きな別の意味の影響を受けるとするならば、これは国家として国民に対する果たすべき責務というものがあるというふうに思っておりますし、それは経済産業省だけでは限界がございますので、外務省なり海上保安庁なり様々なほかの政府機関と協力をして、我が国の主権、排他的権利、あるいはまた日本の国民の財というものをきちっと守っていくというのは、これはもう政府、政治の第一番目と、こういうふうに思っております。
 それから、委員御指摘のとおりでございまして、やっぱりこれ国民的な理解と後押しがなければいけないと思いますが、そういう上で共同開発をしようと、領土棚上げだと、何かトウ小平さんがおっしゃったというふうに聞いておりますし、それが何となく次の世代に任せようよみたいな話が耳障りよく聞こえてくるけれども、これはもう条約上、法律上、我々としてはのめる話ではないわけでございますし、岩だ、だからEEZは存在しないんだみたいな理屈も、今政府がきちっと答弁申し上げているとおりでございますので、これは立派な島でありEEZが存在するということを、国民の皆さん、あるいはまたマスコミを通じてきちっと正確に報道をしていただいて国民の皆さんに御理解をいただいて、国民的な支持を得た上で我々はこの問題に、交渉その他、また我々がやるべき作業を推し進めていきたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 終わります。
○委員長(佐藤昭郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤でございます。
 最初に、度重なる台風や今回の新潟中越地震の犠牲になられました方々に心より御冥福のお祈りを申し上げますとともに、被害を受けられました方々に心よりお見舞い申し上げます。
 さて、今回の震災で多くの中小零細企業が被害に遭っておりました。それぞれ今、操業再開に向けて努力をされておりますけれども、大きな障害を抱えていることも事実であります。経済産業省として、そういった方々、また流通、インフラなどの被害をどのように把握されているのか、また被災地の個々の企業のニーズをどのように把握され、またされようとしているのか、この点について最初にお伺いします。
○委員長(佐藤昭郎君) どちら、副大臣、そうですか。保坂経済産業副大臣。
○副大臣(保坂三蔵君) 僣越でございますけれども、私の方から答弁をお許しくださいませ。
 御指摘いただきましたとおり、台風二十三号及び新潟中越地震、大変な被害が出ているところでございます。台風に関しましては既に災害救助法が発動されまして、六府県、既に実態調査も進み、またそれぞれ対策打っているところでございますが、中越地震に関しましてはまだ地震が終息しておりません。
 非常に厳しい状況下にございますが、いずれにいたしましても中小企業の復旧支援には全力を挙げなくちゃいけないということで、政府系中小企業金融公庫を始めといたしまして三公庫、現地で頑張っております。地元関係機関並びに自治体と密接な関連を取りながら、まずは実態の把握を努め、そしてその結果、現地に特別相談窓口を設置しておりまして、そこに既に台風二十三号関係ではもう二百七十五件の御相談がございます。それから、早いものでございまして、地震でも百十件のもう既に相談がございまして、金融を始め向後の問題につきまして血の通った御相談に応じているところでございます。
 これからも一層実態の把握に努めまして、復旧支援に向けまして全力を挙げる決意でございます。
○加藤敏幸君 ただいま御答弁の中でも、融資等精力的に対応をされるとのお答えがございましたけれども、阪神・淡路大震災のときと同様に、私はきめ細かい対応が必要であると、このように思います。
 もちろん、阪神大震災では中小企業信用保険、無担保無保証人融資も行われましたし、また神戸地区は履物産業やファッション産業など、地域を代表する産業についても個々、復興支援策も取られました。新潟におきましても、被災企業や工場が着実に立ち直りができる支援政策について早急に策定をされたいと、このように思いますが、この点について。
 また、これはこの段階でとやかくということでは、まだ少し状況が早いかも分かりませんけれども、補正予算を編成して国を挙げて、全力を挙げて支援をすると、こういうふうな必要もあろうかと思いますけれども、この点について決意、気持ちも含めまして、中川大臣にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 正に、今年は度重なる台風、大雨、強風、そして、それから連続してのこの地震ということで、実は台風二十三号の方もまだ冠水している地域もあるということで、この復旧もまだ、当面の復旧もまだ現在進行形という状況でございますし、そこにこの中越地域に強い地震が襲ってきたわけでございます。
 そういう中で、今、保坂副大臣からも御答弁がありましたように、経済産業省としては、総理の御指示で、政府一体となってという強い御指示がございますが、それを前提といたしまして、経済産業省としては、まず一義的には救援物資の支援ということを経済産業省として関係業界にお願いをして大変御協力をいただいているところでございますし、その前に既におにぎりとか水とか、自主的にもう翌日には届けていただいているような企業、業界もあるわけでございますが。
 特に今の御質問は中小企業という観点に際してでございますが、今副大臣からも答弁がございましたように、あそこの中に、電子産業等大手の企業のダメージもあるわけでございますからそれの関連、あるいはまた商店街、中小企業が相当ダメージがあって、先ほど加藤委員も言及されておりましたが、その交通網が遮断をされていると。したがって、必要なその物資なり人の移動にかなり困難を伴っているという状況でもありますから、中小企業を中心とした地場の経済の復旧には相当困難を今伴っている状況でございます。だからこそ、人的なパワーを最大限結集し生かすということで、特別相談窓口、あるいはまた特別の貸付け、あるいは災害に基づく補償制度もできるだけ早く結論を出したいと、こういうふうにも思っております。
 何といっても、日本、特にこの地域もそうですが、を支えているのは地場の中小企業でございますから、そういう意味で一日も早い経済活動ができますように、災害復旧そして経済活動の復旧という面につきまして、我々も対策本部を設置を翌日からしておるところでございますけれども、全力を挙げて、私あるいは副大臣、大臣政務官を中心に一体となって、特に中小企業対策について取り組んでいきたいというふうに考えております。
○加藤敏幸君 ただいまの大臣答弁のお話の中にもありましたけれども、いわゆる物流を確保すると、それからインフラですね、特にライフラインをいかに早急に復活させるかというのが大変大きなポイントだと思います。
 実は、私、九年前の阪神・淡路大震災のときも、某団体の組織担当で、その日のうちに現地に行って支援活動の先遣隊をやったわけでありますけれども、そのときに、多少の感想を申し上げさせていただければ、テレビに映るボランティアの皆さん方は非常に国民の皆さん方からも高い評価と応援をいただいている。しかし、一番大切なのは、一刻も早く国道を通すとか障害物を排除するとか、そして電気、ガス、水道、それから医療機関そして学校と。また、地方自治体の職員の皆さん方が生活全般にわたって被災者の面倒を見ていくと。
 そういった、私は正に社会の当たり前の機能、これを一刻も早く展開をするということが大切であったというのが私自身の体験でありまして、午前中、同僚議員の方も、電気、ガス、どうなっているんだと、こういうふうなお話がありまして、特に関連する業種、同企業の皆さん方が手を携えて、他企業のことではあるけれども真剣に助け合いをやっていると。具体的に申し上げますと、ガス協会も、今回、九百名近い応援を既に展開をされて、朝昼晩と頑張っておられるわけであります。
 そこで、私は、そういったライフラインの復旧に不休不眠で頑張っておられる皆さん方に対して、やっぱり国全体としても、私はそれに対して敬意を表する、今日お言葉がありましたけれども、そういう気持ちも大切であるし、正に小泉総理が支援者のための支援をやるべきだと、こういうふうなことを言われたわけでありますし、大臣も所信表明で、ガス等は既に動員をしていますと、そういうふうなことをお話をされたわけであります。
 したがって、私は、正に政府としてこういった地味なところ、縁の下の力持ち、こういう支援活動をしている人たちに対して、私は、どうされるのか、支援することがあるのかないのか、この辺のところを少しお話を聞きたいと思いますけれども。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話のございましたガス事業の関係でございますけれども、お話ございましたように、十一月一日現在で、被災をされましたガス事業者の約六百名の方に加えまして、ほかのガス会社からも約九百名が参加をされておられまして、総勢千五百名で復旧に取り組んでいるところでございます。これによりまして、長岡市、見附市では十一月三日ごろ、その他の地区では、被害の著しい川口町を除きまして、十一月七日ごろの復旧を目指していると聞いております。
 こういうガス事業の復旧に要します費用、それからほかのガス会社等によります復旧支援に要します費用につきましては、基本的には被災ガス事業者が負担をするということになっているわけでございますけれども、被災をされましたガス事業者の負担を軽減をいたしますために、ガス業界全体といたしまして、救援に赴いております他のガス会社の人件費につきましては、それぞれ行っておられるガス会社が負担をされると。それから、その他の費用、具体的には交通費、宿泊費、資機材費、工事会社の人件費等でございますけれども、これにつきましては、あらかじめ日本ガス協会の会員が積み立てた基金がございまして、その中から一部支出するというような支援措置を講じる予定であるというふうに聞いております。
 政府といたしましては、従来から被災資産の原状回復に支出をいたします費用を修繕費として扱うというようなことによりまして、法人税法上の損金算入として認める特例措置が設けられております。これによりまして、被災事業者に対する支援が実施をされることとなるわけでございます。
 今後とも、被災地の状況をよく見ながら、ガス事業の一刻も早い復旧・復興に向けて、政府といたしましても適切に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○加藤敏幸君 業界団体が正に自分たちの力で助け合っていくというこのシステムは、私は大変すばらしいことだし、これからも大切にしていかなきゃならないということと同時に、こういう民間の力だけを頼りにするんじゃなくて、そのことに対して私は、政府もやっぱり思いは通じる施策ということも考えていただきたいという要望でございまして、この点は大臣、副大臣ともに気持ちが私は分かっていただけるというところがあるというふうに思いまして、次の質問にまいりたいというふうに思います。
 中小企業対策、特に地域に根差した産業の育成という視点から二、三お話をお伺いをしたいと思います。
 まず第一は、この十年間デフレ、苦しみました。多くの中小企業も正に廃業の瀬戸際ということで随分苦しんできたわけであります。そういうようなことで、経済産業省もいろんな形で御努力をされてきたわけでありまして、昨今、大企業を中心に、輸出産業を中心に回復の傾向が出てきたと、こういうふうに政府の認識がございますけれども、中小零細企業を取り巻く環境について、現時点で私どもはなおなお厳しいと、こうとらえておりますけれども、経済産業省のこの点についての認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいますように、大企業を中心として景気回復の状況にございますけれども、中小企業につきましては、各種業況調査を見ましても、これもまた緩やかに回復途上にあるということであろうかと思っております。ただ、小売業などの非製造業などに典型的に表れてまいりますように、業種、業態によってはやや足踏みが見られるというような状況にもあるんではないかと、あるいは地域によっても回復の度合いにおいて大いに差があるというようなばらつきのある状態にあるんではないかと思っております。
 私どもといたしましては、今般のこの景気回復のすそ野を広げるためにも、金融セーフティーネット対策だとか、あるいは中小企業の再生支援策などに万全を期してこの景気回復を幅広いものにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○加藤敏幸君 万全を期したいと、こういうふうなお答えを受けつつ、正に中小企業の経営というのはいろんな形での困難性があるということで、実はこの五月に私、佐世保地区を回っておりまして、中小造船業の社長さんから直接お話を聞いたんですけれども、五月時点で、加藤さん、もううちは受注活動をやめていますと、営業活動ストップなんですと。何でですかと言ったら、いや、鋼材の手当てが付かないんですと。鉄が手に入らないからもう受注活動はやめるという、このお話を聞きました。そして、もう既に五年間満杯に受注を抱えているという中堅企業は、もう利益が出ないだろうと、今のまま鋼材が上がっていけば、せっかく取った五年分がこれはもう不利益の要因になる、赤字の原因になるんではないかという、こういうふうな思いも持っておられるという現地でのお話をお伺いしたわけであります。
 鋼材だけに限らず、ステンレスだとか銅線だとかあるいはエポキシ、そういった原材料が随分不足し、かつ値段も上がっておるという、こういう状況が起こっているということであります。これが正に現時点における、業種によっては大変な厳しい状況があるという現実でありまして、このような状況に関しまして経済産業省として正にどういうふうにとらえておられるのかと、ここをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石毛博行君) お答えいたします。
 お尋ねの厚板の値段についてでございますけれども、今先生おっしゃいましたように、厚板のみならず鋼材の価格全般につきまして、中国に端を発する資源インフレというような形で世界的に鋼材の価格は上昇しております。特に、その厚板の最大の需要部門であります造船業ですけれども、国際的なタンカーについての規制だとかということによりまして世界的な造船ラッシュに今なっております。日本におきましても九月末の造船業の手持ち工事量は、これは先ほど先生、五年分というようなケースをお話しいたしましたけれども、平均で三年分を超える分量の工事量が確保されているというような状況にございます。そのほか、中国向けの輸出が非常に好調な産業用機械におきましても、八月の生産は二十四か月連続でプラスになっていると、さらに、民間設備投資が増加をしてより多くの工場、商業店舗の建設が立ち上がってきていると、で、首都圏中心にプロジェクト物件も立ち上がり始めているというようなことで、厚板の需要が非常にタイトになってきております。
 そういうことから、鉄鋼メーカー各社は昨年末以来、厚板の生産ラインを二十四時間体制にして、そういう体制に移行しまして増産努力を継続をしているところであります。今後も可能な限り生産を高める努力をするというようなことを伺っております。それから、国内のそういう事情を考慮いたしまして、できる限り輸出向けを絞り込みまして国内向けに回しているというような状況であると認識をいたしております。
 経済産業省といたしましても、こういうような需給状況でございますので、鉄鋼メーカーそれからユーザー団体相互に密接なコミュニケーションを取って計画的な供給・調達を行うよう要請しておりますし、それからメーカーに対しましても、中小企業を始め国内ユーザーに鋼材が回るように国内優先の供給を行うよう要請をしております。また、先生御指摘のように地方でいろいろなケースがございますので、地方経済局に対しては、地場の鋼材のユーザー、それから中小企業に関する状況をよく把握するように指示をしているところでございます。
○加藤敏幸君 私が一番申し上げたいのは、グローバルコンペティションと、もう本当に国際競争の厳しい中で日夜苦労されておる、せめてこの日本で鋼材不足で中小造船を、店をたたまにゃいかぬと、こんなことのないように、ここだけは是非しっかりと守っていただきたいというふうなことをお願いをしたいと、このように思います。
 さて、引き続いて、この中小企業経営を取り巻く環境の中で私も全国いろいろなところを訪問させていただきました。私がずっとやってきました電気組立ての状況からいきますと、お手元にも資料がございますけれども、中国が安いと、人件費が安いということで中国、中国に工場を建てていったと。国内の関連企業、協力会社、ここは中国に付いてくるのか、それとも勝手に残って自力でやるのか、こういうふうな状況を迫られたということがここ五年間の現実であったわけであります。
 そういうことの中で、昔は発注元が新しいラインを作るからこういう技術を入れるぞ、自挿機を入れるからと言ったら、まあ班長からエンジニアまで全部来てくれて、手取り足取り協力会社のラインの指導をしていただいたと。金の借り方まで教えてくれたと。だから、余り考えずに発注元の言うことさえ聞いておけば、○○電機の言うことを聞いておけば何とかやっていけたという時代が結構長かったんです。それがこの五年前から、もう中国に行くと。行くも地獄、残るも地獄。おまえが勝手に判断しなさい、自己責任だと。こういうふうな状況になってきてから、今起こっているのは、中小企業の問題は資金繰りだとかいろいろありますけれども、一番大きいのは経営能力、頭の部分の欠如というところに大きな課題を今抱えていると私は全国を回って感じた次第でございます。
 ややもすると、資金、技術、設備と、こういうふうなところに議論が集中してきたわけでありますけれども、私は今、中小企業経営を、特に経営能力、ここのところを中心にどう立て直していくのかと、こういう視点で中小企業振興策も考えていただかないけない、そういう時代に入ったのではないかと、こういうふうに思っておるわけでございます。
 自己責任ということで野に放り出された状態になっている、こういう状況の中で、この話に対して、大臣、どういうふうな感想とこれからの方策を考えられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 中小企業は総じて、私も、景気回復の中で回復が遅れている部門であると同時に、日本の経済の一番の土台として大きな役割があるわけでありますが、そういう中で、やっぱり頑張っていただけるところに頑張ってもらえるように、政策的に誘導できる部分、例えば人材とかネットワークとかいったもの、特にこの両方ともその企業ごとではなかなか難しい、限界がございますので、連携をさせていくと。これは地域あるいはまた業種、いろいろな連携の仕方があると思います。そういう意味で、地域におきましては、自治体あるいは商工会議所とか商工会とかいったところとの連携を密にしていく、あるいはまた、人材あるいは研究開発といったものも大いにそのネットワークの中で、一足す一が三にも五にもなっていくようなふうに政策誘導していくことが我々経済産業省・中小企業庁としても一番大きなポイントだと思っております。
 さらに、地域に、まあ眠っていると言ったら失礼ですけれども、ある技術、例えば大学の中にあるとか工業学校の中にあるとか、そういった技術、あるいは地方の中には観光の資源とか、いろいろ人が来る、人が移動するような要素というものもありますので、そういうものも含めてトータルで中小企業を更に頑張っていただけるようにしていく施策をこれからも強力に進めていくことが大事だろうと思いますし、加藤委員はその辺のことは御事情をよく、深い知識をお持ちだと思っておりますので、当委員会でもいろいろ御議論をいただいたことを政策の面でも取り上げさせていただいて、実現させていただきたいというふうに思っております。
○加藤敏幸君 まだまだ申し上げたいことはたくさんありまして、今ぐらいでは足らないと、こういうことでございますけれども、これからまた機会をとらえていろいろと申し上げたいというふうに思いますけれども、中小企業の持つ雇用吸収力、こういうふうなことを、私は、しっかりとらえて、また、そこを元気にするということが日本再生の一番大きな方策ではないかという、こういう考え方でいろいろ御質問させていただいております。
 先ほど大臣が、地域にもいろいろ技術があるんだと、こういうふうなことをお話をいただきましたけれども、私、先日、NHKのテレビを見ておりますと、地域新生コンソーシアム研究開発事業へ経産省として助成をされていますけれども、山口県の宇部において宇部工業高等専門学校と地元の企業、県の産業技術センターが下水汚泥から燐を再生するという、こういうようなことが放送をされておりまして、大変、リサイクル、環境対策、そして中小企業振興、地域振興も含めて、すばらしいアイデアだなと、こういうふうに感じたわけであります。
 この事業には国から七千万円の委託費が支給されたということで、これは非常に成功事例ではないかと、このように思っておりますし、この地元工業高専の教授が非常に地域振興ということに熱を持っておりまして、そういうような意味で地域企業の技術力向上と地域経済の発展に貢献したいと、こういうふうな意欲も成功の一つの要因であったんじゃないかと、このように思っています。
 そういうような意味で、いい事例はありますけれども、しかし、産学連携の問題というのは、研究共同体をいかに組織するか、あるいは膨大な申請資料を作成しなければならないという大変しんどい事前の作業があるということであります。例えば、地元の中小企業が新しい技術や製品を開発しようとそのアイデアを地元の大学や県の工業技術センターに持ち込んでもなかなか相手にされないケース、門前払いのケースも多々あるというふうに聞いております。中央のお考えは大変すばらしく、その成功事例もあると。しかし、地域で起こっている現象というのは、なかなかそこに足を運ぶにしても、運んでも難しいと、こういうふうな状況があるというふうなことでありまして、また、苦労して研究共同体を作って、事業のプロジェクト準備に膨大な労力を割いて受託研究の申請をしてもこれが不採用になると。こういうようなことによって、じゃ今までやってきた努力は何だったんだと。中小企業として何時間も何時間も、何百万も掛けて申請書類を出したけれども、駄目ですという一言でそれがパアになってしまう、こういう経営的なリスクを経営者が背負うということになると、魅力はあるけれどももうやめておこうと、こういうふうなことになるわけであります。
 産業技術実用化助成事業並びに研究開発型ベンチャー技術開発助成事業では、本年の、十六年度第一回公募において、申請百四十八件に対し採用は二十八件にしかすぎない。中でもコーディネータ参加コンソーシアム型に関しては申請十二件に対して採用はわずか一件であると。不採用のロスが現実としては大きいのではないかと、このように考えておりまして、審査の的確性あるいは予算の大幅増額というものが必要ではないかと、このように思いますけれども、助成制度の大幅改善の必要性というふうなことを私は思いますけれども、経産省についての本件の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。
 今、先生から御指摘がございましたように、この地域コンソーシアムその他、中小企業の技術開発のための補助金というのはいろいろ用意をしているんですけれども、随分倍率が高くて、先ほど先生が例に挙げられました地域コンソーシアムでいいますと、平成十六年度、今年度につきましては、採択件数百三十件、倍率は五倍に上っております。したがいまして、六百数十件の申請があったわけでございます。
 当方といたしましては、非常に役に立っているということから、できるだけ多くのものが採択できるようにこれからも必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
 また、この申請に当たりまして、共同体を作るとか、あるいは申請のためにはやっぱり役所に対していろいろ細かな手続が一杯要るということは存じております。この辺りにつきましてはなかなか中小企業に大きな負担になっているということも聞いておりますので、従来からこの辺りにつきましては地方の経済産業局が小まめにネットワークを作りまして、そこでお伺いをし、必要に応じて助言をしてきておるところではございますが、正に今のような実態があることは十分に把握しておりますので、更に今まで以上にこの辺りをきめ細かく指導していくように、この通産局の方を指導していきたいと思っております。
○加藤敏幸君 きめ細かく御指導いただくということでありますけれども、これは出前式個別相談会という、テクノキャラバン四国というのが四国経済産業局の方でやっておられるわけですね、一番小さいところですけれども。これは経済産業省がもう既にやっておられるんです。
 私は、こういう現場型、そして、こっちへ来いじゃなくて私たちが行きますと。中小企業大変なんだから、社長は。みんなが行って、それは私は、経済産業局、県も市も、行政は正に力を合わせて出向いていくと。私は、この姿勢こそ新しい経済産業省の、私は、まあ売りと言うとおかしいですけれども、これは方策ではないかというふうなことを、エールのようでございますけれども、こんな、四国だけに限らず全国津々浦々いいことはやってほしいということでお願いをしておきます。
 さて、三つ目が物づくり日本の復権ということで、私はもう、物づくり物づくりと、ソフトウエアも含めて物づくりということを言っておりますし、物づくり教の教祖にでもなろうかと、こういうふうに思っているわけであります。
 先ほど見ていただきましたこのグラフですけれども、これは二〇〇〇年ということで、日本興業銀行、ここが、もう前の名前ですけれども、お作りになったということで、これはテレビとかPC、パソコン、エアコン、携帯電話ということでの日中のコスト比較を概略やっておるわけであります。人件費比率は四十対一だ、ひどいときは八十対一だということであるけれども、これ、組立て品の人件費というのは総コストに占めて一〇%以下ですから、大体二〇%を超えることはありません。したがって、その範囲に人件費の格差というのは圧縮されるということであります。もちろん、部材と言われている部品等については、その中にも人件費が紛れ込んできますから簡単にそう言えない点もありますけれども、しかし、最終的に言って、この当時で二〇%の格差があったわけです。この二〇%の格差をもって中国に工場進出という意思決定をされた企業もたくさんあったわけであります。
 しかし、この後、この何年間の間、例えば電機業界でいえば、労使が苦しみの中で総額人件費の圧縮という視点から相当努力をしてきて、会社の中のコストについては相当削減を実現をしております。あるいはまた、中国ではできないメリット、技術力だとかマーケットとの対話だとか、そういうふうなところに着目し、あるいは早くお客さんのニーズを展開させる開発との一体化とか、そういうようなことを含めて、幾つかの企業は国内回帰をやっております。そして液晶工場なんかも、どこに立地するんだ、世界のどこに立地するんだと、最後は三重県がいいんだということで三重県に決めた企業もあるということであります。
 私が申し上げたいのは、中国で使うものを中国でお作りになるのはいいじゃないか、それはそれで。ただ、日本でもしっかり物をつくろうと、そして物をつくることが雇用を確保し、そして雇用を確保するということは、その人から所得税と住民税と社会保険料をいただくことができる、そして地域経済を支えることができる、そこが非常に大きな効用があると。だから、みだりに海外に工場を出すということは国にとってマイナスだ、我々にとってマイナスなんだと。そういうような意味で、できる限り帰っておいでと、日本で物づくりができるような条件を国全体としてどうするんだと。
 そこで、会社の中は労使が主体的にやるべきです、命懸けで。問題は、工場の外のコストはどうなっているんですかと。日本列島インフラのコスト、日本列島自身の競争力が問われているんじゃないですか。国際競争力というのは会社の中だけじゃないんです。会社の外はどうなっているんだ。水も高いじゃないですか、工業用水も高いし、エネルギーコストは今努力されています、物流の問題もあれば行政コストもあるじゃないですかと。そういうふうなことを含めて、私は、日本の工場立地、製造業の立地条件改善を、塀の外のこの改善をどうしていくのということが大きな課題じゃないかと。
 そういうようなことでいえば、かつての株式会社日本と悪口を言われた通産省、今、経済産業省、私は、こういう視点をしっかり持って日本の再生のために、日本列島自身の、列島の競争力改善のために努力をしていただきたいと、こういう思いでありまして、私が演説してもこれはしようがありませんので、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 加藤委員、大変いいお話を、今、演説じゃございませんで、講義をしていただきまして、ありがとうございました。
 正に、我々経済産業省も、やっぱり日本が世界の中で、資源がない、しかし少しでも豊かな生活水準を国民にしていただくためには、やっぱり産業というものがしっかりしていく、そしてそのコアはやっぱり物づくりだろうというふうに思っております。
 今御指摘のように、一時期はどんどんどんどん海外に企業が移転していく、特に、中国は安くて優秀な労働力が無限に確保できるという時期もございました。しかし、いただいた資料を拝見しますと、正に、人件費は確かに十分の一とか二十分の一でありますけれども、元々の比率が少ないわけでございますから、もちろん中国で作った方がいいんでしょうけれども、そんなに人件費そのものがどんと全体に響いてきているのではないということをこのいただいた表にお示しになっているんだろうと、今、改めて勉強させていただいております。
 そういう中で、逆に日本に回帰してきている企業も、特に先端の企業もあるわけでございまして、それはやっぱりそのコスト面、コストというのは単に金額だけじゃなくて、今ちょっとおっしゃいましたけれども、時間とか、まあ無駄というか、省けるものに対しての広い意味のコストということを考えますと、やっぱり日本の中できめ細かく、そしてスピード感を持って生産ができる、あるいはまたニーズに対応ができるという面でも、先端産業がどんどん日本に回帰してきているということは、私は、産業政策上大変いいことだというふうに思っておりまして、この流れはある意味では進めていっていただきたいなというふうに思います。それは、やっぱり日本の優位性というものを強調していくことによってそういうことになっていくんだろうと思います。
 例えば、これはあるメーカーでありますけれども、ちょっと名前は伏せさせていただきますが、ある国で日本の国内と同じものを作っているメーカーに先日行ってまいりましたが、どうせ安くできるんだから日本にも輸出するんですかと聞いたら、ちょっとした、これは性能以前の問題かもしれませんけれども、ちょっとしたところがやっぱり日本の消費者のニーズにはこたえられない、微妙なところがまだ日本には輸出できないという、その逆の例なんかも聞いてまいりました。
 そういう意味で、伝統的な技術あるいはまた日本人のいい面を大いに結集をして、日本の中で世界の競争に勝ち得るような物づくり産業が更に大きくなっていく必要があると思います。
 そのときに問題になってくるのがいわゆるコストでございまして、今お話ありましたように、電力とか、あるいはまた下がっているものもございますけれども、運賃コスト全体が、例えばシンガポールから上海に行く運賃と国内の短い距離の運賃と一体どっちが高いんだというような議論もよく例示として出てくるわけでありますし、そういういろんなコストをできるだけ安くしていく、例えばガソリンなんかも、アメリカは多分日本の半分、まあヨーロッパは、ドイツ、イギリス辺りは日本よりも高いというふうに私は理解をしておりますけれども。
 特にアジアの国々との運賃競争、コスト競争になると非常に不利な部分もあるわけでありますし、またアジア各国は中国、韓国を始めとしてどんどんどんどんまた産業も高度化しておりますので、競争の中で勝ち抜いていくために、日本の中で頑張っている、特に地方の、やっぱり先端技術も地方の中小企業が支えている部分が随分あるわけでありますから、例えば金型だとか溶接だとか、そういうものはだれにも負けないんだというような名人が日本じゅう至る所に私はいるというふうに思っておりますので、そういう方々に対して、産業政策としてもそういう人材をもっともっと増やしていきたいし、またそういう人に対して産業として、何というんでしょうか、ちょっと精神的な話で恐縮ですけれども、みんなが一目置くような、たくみ、名人という感じで、そういうような雰囲気作りというものも今後、産業政策の中に必要になってくるんじゃないのかなというふうに思っております。
 いずれにしても、日本の中で物づくりというものがコアである、そしてまたそれを今後ともなお一層強化をしていきたいということで、引き続き御指導をお願いいたします。
○加藤敏幸君 よろしくお願いいたします。
 さて、少し視点を変えさせていただきまして、原油も上がったし、ウランの値段も上がっていると。これから先、先ほど午前中にもありましたけれども、日本のエネルギーをいかに安定的に確保していくかということも、これも大変大きな課題でありテーマであります。そういうような視点で新エネルギーへの取組があったわけでありますけれども、ストレートに言って私は、太陽光発電に関して、一九九四年に個人住宅を対象とした太陽光発電補助金制度というものが創設をされまして、実はこれを契機に、国内の太陽光発電装置、パネルを作っているところは今大きく成長いたしまして、設備増産ということに今入っております。
 この太陽光発電というのは、単に送電が難しいということ、そういうことだけでなくて、自分自身を作るエネルギーを超えて発電することができるという、そういう意味で非常にプラスになってきて今いるわけで、もっと申し上げましたら、中国がこれから電力需要が増えたときに、電線を張り回ってもしようがない、奥の地ではどうするんだと。それは、やはり太陽光発電が持つこの性格というのは非常にすばらしいわけであります。
 そういうふうなことをとらえれば、太陽光発電が将来の日本のある産業を支える大きな可能性を持っているということもあるわけでありますけれども、私は、このインセンティブ政策というふうなことが今、太陽光発電をある一定のレベルまで成長させてきたと。
 ただ、今ここでそれを外していいのか悪いのかということになると、ここまでせっかく育っているんだから、あともう少し補助ブースターでやる、更に軌道にしっかり乗せるということをしないと、中途半端なことで後でほぞをかんでもしようがないなという思いも含めて、経済産業省の本件に関するお考えをお聞きしたいし、インセンティブということの在り方についても御意見をお聞かせいただきたいと、このように思います。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。
 新エネルギーの導入促進はエネルギー政策の一つの重要な課題でございまして、中でも新エネルギーに携わります産業、これは供給産業もあるいはメーカーも含めまして、しっかりとした産業として自立して国際競争力を持っていくということが大変重要であるというふうに思っております。
 先生から御指摘がございました住宅向けの太陽光発電の補助制度でございますけれども、この制度につきましては、最終的に、普及に当たりまして助成措置を必要としない水準までこのシステムの価格が下がるということを期待をいたしまして、市場において産業として自立させるということを目的として作ったものでございます。
 メーカーに対しましてコストダウンの時間的な目標を与え、価格引下げ努力を引き出すためにも支援の期間を一定期間に区切りまして、コストダウンの状況に応じて補助限度額の見直しなどを行いながら制度を運用してきたところでございます。
 現在、十七年度概算要求につきまして財務省と折衝中でございまして、来年度につきまして確たることを申し上げることは困難でございますけれども、いずれにいたしましても、今申し上げましたような実績を踏まえまして、またこの補助制度が平成十七年度を終期ということにしていることも踏まえます一方で、太陽光発電の導入を積極的に推進していくべきであるという政策課題を今後どのように更に具体的に推進していくかということにつきまして、両方よく見ながら引き続き適切な対応を図っていきたいというふうに考えております。
○加藤敏幸君 時間が迫ってまいりましたので、最後の御質問にしたいと思います。
 新エネルギーの導入という分野で頑張るということも大切ですけれども、私は、もう一つ大変大きな宝の山、エネルギー源をこの日本列島は抱えているではないかということを申し上げたいんです。
 それは、実は一般に、化石燃料などの一次エネルギーを利用した大規模な発電所から送電網を通じ家庭で電気を利用する際には、利用していない廃熱六〇%、送電ロス五〇%が引かれて、総合エネルギー効率は三五%程度と、これ大体そういうふうに言われておるわけであります。六五%の熱が捨てられていると。だから、発送電効率、ここをしっかり見直して、一%、二%、三%効率を改善することによって、発電所の一個や二つその都度にどおんどおんとできていく。つまり、捨てているものの中に大きな宝の山があると。だから、新しい油田だとか新エネルギーいろいろやるということと同時に、この効率が悪いというところを改善努力する。つまり、ローテクと言われているところもしっかり力を入れることによってエネルギー源が出てくると、こういう視点も正に大事だというふうなことを申し上げて、最後に御見解をいただき、終わりたいと思います。
○委員長(佐藤昭郎君) 時間が来ておりますので簡潔に。どなたに。
○政府参考人(小平信因君) 先生正に御指摘のとおりでございまして、発電効率それから送電効率を引き上げるということは基本でございまして、これにつきまして事業者もこれまで努力をし、引き上げてきておりますけれども、あるいは送電効率も改善をいたしてきておりますけれども、今後とも事業者と一体となりながら、更なる改善に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 今回、初質問させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
 今年の夏から秋にかけて、事故や災害が相次いでおります。八月九日の関西電力美浜原子力発電所での蒸気噴出事故、また記録上最多の十個の台風が相次いで上陸いたしました。さらには、追い打ちを掛けるように十月二十三日には新潟県中越地方を震度七の直下型地震が襲い、現在もなお余震が続いている状況でございます。
 質問に入ります前に、犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災され、今まだ不自由な生活を強いられている方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。また、政府においては、これらの出来事を決して無にすることなく災害防止に万全を期すとともに、被災に遭われた方々への十分な援助をお願いする次第でございます。
 最初に、新潟県地震におけるライフラインの復旧状況についてお伺いしたいと思いましたが、同僚議員から既に質疑もございました。私からは一点お願いをしたいと思っております。
 それは、これから冬を迎えるに当たりまして暖房用の灯油が不可欠となります。また、今まだ車の中を仮の宿とされている方もおられます。原油価格がこのように高騰しておりますけれども、灯油、ガソリンの安定、また安価な供給について最大限の御努力をお願いしたいと思いますが、この点について最初にお願いしたいと思います。
○大臣政務官(平田耕一君) 復旧状況はもう御報告しておりますが、先ほどの電力の供給でありますが、既に、午前中は昨日時点での報告でありましたが、今日現在で更に三百戸電気供給は増えております。
 なお、燃料でございますけれども、精製・元売各社に対し、ローリー等の配送でもって遺漏なきよう要請をしておりますし、県警本部等、緊急車両扱い等の便宜も要請をいたしております。さらに、東北電力等に対しまして、現地給油所への電源車の派遣も要請をしております。様々な手段でもって万全の体制を取ってまいりたいと思います。
 済みません。灯油、ガソリン、石油製品に関しましては、被災生活にとって欠かすことのできない重要な物資でございますので、震災発生直後から迅速な情報収集の分析に努めるとともに、精製・元売各社、石油販売業界、県警本部等に石油製品の円滑な輸送等に関する指示、要請を実施をいたしました。この結果、最低限必要な石油製品の供給は現在行われていると承知をいたしております。
○浜田昌良君 引き続き、石油製品の安定、安価な供給の御努力をお願いしたいと思います。
 このような新潟県中越地震及び度重なる台風の上陸によりまして、各地で中小企業の方々が被害を受けられております。新潟県見附市のニット工場の方は、台風被害の後、更に今回の地震を受けられるという、二度も被災されるということもお聞きいたしました。従来から、先ほどございましたように、災害救助法の適用と併せ、災害復旧貸付け、その適用や今までの債務の返済条件の緩和がなされるということになりますが、本年のような度重なる被害という実態を踏まえ、今まで以上に担保条件の一層の弾力化、信用保証協会の手数料の引下げなどをお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 先生今御指摘のように、台風二十三号で被害を受けた兵庫県等の中小企業あるいは新潟県の中越地震で被害を受けた中小企業につきましては、政府系中小企業金融機関の災害復旧貸付けの対象には、もう既に発動されておりまして、この災害復旧貸付けにつきましては、一般貸付けとは異なりまして担保特例を設けており、例えば中小公庫や商工中金では八千万円を上限として貸付額の五〇%について担保徴求免除が認められる制度となってございます。
 また、信用保証協会の保証料につきましては、基本的には各協会が決定することになってございますけれども、被災中小企業者に対してセーフティーネット保証の発動あるいは激甚災害指定が実施されれば、各協会が中小企業金融公庫に対して支払う保険料、再保険の保険料が割安となることによりまして、結果として保証料も割安になるものと考えております。現行普通保険であれば〇・八七%のものが〇・四一%、半分以下になるようになってございます。
 いずれにいたしましても、現在のところ、政府系中小企業金融機関や信用保証協会に対しましては、できるだけ親身な対応を行うように、また貸出し・保証手続の迅速化や既往債務の条件変更の弾力化、あるいは適時適切な貸出し・保証につき、個別企業の実情に応じた十分な対応を図るように指示をしているところでございます。
○浜田昌良君 今御答弁で、セーフティーネット保証について御答弁ございましたが、この運用について少し現状では問題があるのかなと思っております。
 各地で今回の災害を受けて、このセーフティーネット保証第四号というので、いわゆる突発的災害の場合に普通保証、無担保保証とも別枠で倍増できるという制度があるわけでございますが、この地域指定に関しまして、地元中小企業者や市町村の負担が大変で時間が掛かってしまうと、こういう実態がございます。災害に遭われた中小企業事業者や自治体は、ただでさえ大変な状況にございます。また、迅速な事業再開も願っております。
 是非、このセーフティーネット四号の地域指定に際しましては、地域指定の公平性も重要ではございますが、迅速性、またその地元の負担も念頭に置いた対象地域の指定を今後お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) セーフティーネット保証四号につきましては、先生今御指摘のように、被災地域において当該災害により事業活動に著しい障害を受けた中小企業者が相当数いることを調査により確認した上で発動をしているというような手続でございます。例えば、今般の中越地震につきましては、極めて大規模かつ深刻な震災でございまして、通常と同様に被害状況の詳細な影響調査を行うことが大変困難な状況にあるのではないかということは私どもも自覚をいたしているところでございます。
 このような被災地の状況を踏まえまして、具体的にどのような影響調査をどの程度するかということにつきまして、私どもの中でもまた今十分に関係各省とも検討をしているところでございまして、早急に結論を出して、通常でございますればセーフティーネット保証の発動までに数十日、一月強掛かるのが通例でございますけれども、何とか事態に的確に対応できるような早急な対応を検討しているところでございます。
○浜田昌良君 ありがとうございます。是非早急に結論を出していただけますようにお願いする次第でございます。
 今回被害に遭われました方々が、一日も早く希望にあふれた日常生活に戻っていただくためにも、景気の回復、なかんずく地域経済の再生が不可欠であると私は考えております。その点について次にお伺いしたいと思っております。
 足下の景気は堅調に回復しつつあると言われておりますが、先ほども同僚議員から御指摘ありましたように、中小企業や実質賃金への波及には遅れが見られ、地域経済にはばらつきが見られます。その背景には、私は二つの大きな構造変化があると思っております。
 第一には、今回の景気回復は公共投資中心ではなく輸出主導の民間需要中心であるため、地域の業種に応じたばらつきが大きいということでございます。第二には、バブル崩壊以降、業績の良い企業においても、長期的な雇用や下請関係を重視する経営から、短期的な利益重視への経営への変化が見られるということです。今では、人件費を固定費ではなく変動費として扱う、そういう風潮も出ているわけであります。
 このような変化が今後も続く中で、今まで以上に地域経済活力回復への政府の取組が重要となると考えております。
 大臣は先日の委員会の所信表明で地域経済の回復に言及されましたが、まず、この地域経済再生に向けての決意についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 改めて申し上げますが、日本の景気が全体として良くなっているとは言いますけれども、我々、より個別具体的に経済政策、産業政策を取っている経済産業省といたしましては、全体がいいんだからもうそれでハッピーということには決してならないわけでございまして、浜田委員御指摘のように、地域、業種あるいは規模、特に中小企業の回復の遅れというものが依然としてあるわけでございます。
 特に、この新潟を例に出しますと、あの七月ですか、台風でたしか燕三条の製造業が大変ダメージを受けたということも当委員会でも議論をさしていただいたところでございますし、今回は中越地震で、中小企業はもとより、日本を代表するような電気・精密機械の工場も現時点で幾つかストップをしている、その影響、波及というものも大きいわけでございますから、そういう意味で、全国の津々浦々の地域そして中小企業あるいはあらゆる業態が、やる気があって頑張ろうという企業がきちっとした成果、結果が出るようにしていくために、まだまだ我々の施策が重要だというふうに思っております。
 他方、特に地域経済というのは、我々が東京でどんなに知恵を絞っても把握できない、また実態を理解できない限界というものがおのずからあるんだろうというふうにも思いますので、是非地域の皆さんに自分たちの実情を把握していただいて、そしていい点、困っている点等々を把握をしていただく、そして自治体なりそして我々が力を合わせてやっていく。よく私は言うんですけれども、オーダーメードの地域経済対策、中小企業対策が必要になってくる、ますます今後必要になっていくんだろうというふうにも思っております。
 いずれにしても、いろんな施策を、困っている企業、あるいはまたあと一押し、あるいはまたこれから頑張っていこうと、挑戦をしようとしている企業、いろいろあると思いますけれども、そういう方々に対してきめ細かい中小企業政策をやっていく決意でございますし、またいろいろな制度をうまく活用していただき、また新たな、よりニーズに合った施策もどんどん生み出していって、主役は中小企業あるいはまた地域経済でございますので、お役に立てるような中小企業政策を全力を挙げて取っていきたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 ありがとうございました。力強い決意で、是非、地域経済回復に向けてお願いしたいと思っております。
 また、ただいまの御答弁で、オーダーメードの中小企業対策、正にこれが重要と思っております。地域の知恵を生かして、地域の産学官、地域の金融機関、そして人材の知恵を使って、地域に応じた地域らしい再生を目指していく、このための取組を是非バックアップしていくことをお願いしたいと思っております。
 そういう意味で、現在、中小企業経営革新関連三法を統合して、地域の連携施策を検討しているという状況があると聞いております。私は、今後の景気回復に向けてはもはや中小企業が大企業からの波及を待つんではなくて、中小企業自身が、また地場産業自身が、そして商店街自身が成長のエンジンになっていく、それが今、正に求められているんだと思います。そういうことに向けて、関連いたしまして、この中小企業経営革新関連三法の統合についての検討状況についてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(山本明彦君) 今、浜田委員がお話ありましたように、中小企業の経営のための支援三法がありますけれども、まあ三つありまして、なかなかどこに何が書いてあるかよく分からないということでありまして、中身は創業支援だとか新規事業の開拓の支援だとか研究開発の支援ということで錯綜をしております。したがって、これを少しでも分かりやすく使いやすい法律に一本化しようということで、今、中小企業政策審議会において審議をしていただいておりまして、来年の通常国会には是非新法を出したいと、こんな計画でおります。
 今までの支援は、もう当然今までのものはそれ以上減ることはないわけでありまして、更に強化するわけであります。どういった点を今後強化するかというのは、新連携の支援というのがございまして、これは中小企業というのは御承知のように弱い集団なんですよね、大変弱いわけでして、お互いに集まりまして業界の会を作ったりしておりますけれども。まあ、勉強会をしたり、また陳情をしたりというような、お互い情報交換したりというようなことをやっておりますけれども、なかなかやはり相乗効果が出てこない。
 中小企業はなかなかやはり合併も、まあしたがらないというんですかね、なかなか合併できないと。一足す一が二にならなくて、一足す一がまあ一・二か三にしかならないということでありますんで、これを是非何とか強化する支援をしたいということでありまして、どんな形があるかといいますと、お互いやはり、中小企業いろんな技術を持っていますから、そのお互い技術を持ち寄りまして、いろんな高い技術持ち寄りまして、大企業にない中小企業独自のものを作り上げて、そういったものを新しい技術、高い技術を持った中小企業の集団を作っていくだとか。自分のところは作るのは得意だけれども、売るのはどうも余り得意じゃないということになりますと、その作る方と販売の方と一緒になった集団を作っていくだとか。
 それから、まあ例えばホテルとか何かで、いろんな各地域のホテルがありますけれども、そういった地域のホテルにお客さんがどんなニーズがあってどんな要求があるのかということをまとめまして、まとめて、それを情報交換をしながら一つの集団を作っていくというような形でいろんな集団を作って、大企業にはないというんですか、大企業にできない、大企業と対等に仕事ができていく、そういった形の新連携の支援と、こういったことを考えておりますけれども、そういったことを踏まえて新しい法律を作っていきたいと思います。
 是非、浜田委員からも強い御支援をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○浜田昌良君 ただいま、中小企業が連携をしながら大企業に伍して闘っていくと、こういう御説明ございましたが、是非そういう新たな法律の枠組みの下で中小企業を御支援いただきたいと思っております。
 その検討の中で、一点お願いしたいことがございます。それは、中小企業関連制度が余りにも細かく数多くあるという点でございます。
 これは、到底、中小企業事業者ではすべての制度を把握できないぐらい細かく分かれている。今回の三法統合に合わせまして、既存の中小企業施策、これをなるべく大くくりに統合していただいて、運用の面で弾力的に運用をすると、こういう形をしていただければ、地元のいろんな中小企業にとってもより制度が使いやすく、そして技術開発から販路開拓に至るまで一貫して支援が受けられていくと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) 先生御指摘のように、中小企業施策がふくそうしてなかなか一般には分かりにくいということについての御批判はかねてから私どもも受けておりまして、今般、中川大臣の御指示にもよりまして、できる限り諸制度を骨太に分かりやすくするということで整理せよということでございます。
 今回の法律を三法を一法にするのも正にその一環でございますけれども、残り、予算であるとか、あるいは政府系金融機関における金融制度であるとか、そういったものについてもできる限り骨太で分かりやすいものにしたいということで、現在整理を手掛けているところでございます。
○浜田昌良君 是非、今回、三法統合に合わせまして、大変ではありますが、既存の中小企業施策の骨太化、そして弾力的な運用を御検討をお願いしたいと思います。
 また、やる気のある中小企業の中にはジャパン・ブランドとして世界を相手に販路開拓を行う、こういう企業集団も活躍しております。しかし、一般に、大企業に比べて中小企業においては知的財産の保護が手薄であります。特に海外出願につきましては、出願費用や翻訳費用に数百万円単位で掛かると、こういうこともございまして、手が回っていないというのが実情じゃないかと思います。地域の再生に、世界に羽ばたくベンチャー企業の育成という観点から、この手薄となっている中小企業の、国内、国外を含め知的財産出願を支援していくと、是非これをお願いしたいと思います。
 幾つか既に始まっているようでございますが、既存の技術開発予算、そういうものの費目に付け加えていっていただくと、こういう現状、また今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君) 知的財産が中小企業の海外展開において非常に重要なキーになる点であるということは認識しているところでございますが、まず私どもといたしましては、現在の中小企業の研究開発の幾つかの予算、例えば創造技術研究開発事業、あるいは中小企業・ベンチャー挑戦支援事業などにおきまして、その助成費目の中に特許関連費目を補助対象費目として追加するというようなことをやってまいりました。
 また、今般、予算要求しております中には、海外におけるその知的財産権の紛争の調査についての費用につきましても、なかなかこれは中小企業が全世界をカバーして負担するわけにまいりませんので、そういったことについても補助できるような予算要求を行っているところでございます。
 ただ、全般的にあらゆる特許出願について、その点だけについて政府が支援をするというのは、これはまたまたその技術についての審査を事前にしなきゃいけないとか、そういった難しい問題もございまして、どういうものについて今後、私どもが更にその支援の対象にするかどうかということは、これからまたいろんな経験を踏まえて考えてまいりたいと思っておりますが、まあ緒に就いておりますのは今申し上げたことでございます。
○浜田昌良君 ただいま御答弁いただきましたが、実は私、経済産業省におりました時代に、最初にこの知的財産関係の予算を技術開発に含めるというのを要求した人間でございまして、そういう意味では、それが非常に広がっていると聞いて安心をいたしました。是非、これは中小企業にとっても重要な分野でございますので、引き続き、今、紛争案件についても費用が拡大できるという話もございましたが、更に拡大を御検討いただきたいと思います。
 次に、商店街の問題についてお話を移らさしていただきたいと思います。
 地域の再生に向けて商店街の活性化は不可欠であります。商店街は単なる物の販売の場というだけではなくて、地域の防犯、青少年の育成といった多面的な機能を持つものでございます。特に、近年、商店街の歩く、語り合うという、そういう観点から、高齢者の介護予防効果も期待されているわけであります。
 しかし、一方では、大規模小売店舗の郊外進出によりまして、商店街と今まで連携していた大型店が閉鎖されるという、大型店が来ては影響を受け、また出ていっては影響を受けるという、こういう商店街は非常に厳しい状況にあるわけであります。
 このような中で、現在、市町村を超えた大店舗の広域調整の在り方、また街ぐるみの商店街活性化の在り方を含め、まちづくり三法の見直しについて、経済産業省、そして国土交通省それぞれにおいて検討がなされているとお聞きしましたが、それぞれの検討状況について、いかがでしょうか。
○政府参考人(迎陽一君) 経済産業省といたしましては、まちづくり三法施行後の状況というのをレビューをし、それを更に改善すべき点の検討につなげていくということで、本年の九月六日から産業構造審議会の流通部会と中小企業政策審議会商業部会との合同会議を設けまして検討を開始したところでございます。現在まで四回開催いたしまして、有識者の方や自治体の関係者などをお呼びして、全国の中心市街地の状況や自治体の取組などについて御意見を伺っているところでございます。更に関係者の御意見を幅広く伺って、今後、課題の整理、対応の検討等を進めていきたいというふうに思っております。
 それから、本合同会議では、こういった全体施策のレビューと併せまして、大規模小売店舗立地法の指針についての見直しの検討も行うこととしておりまして、これについては年度内に取りまとめを行いたいというふうなことで検討を進めているところでございます。
○政府参考人(阿部健君) 中心市街地の現状につきましては、人口や年間販売額等の点で一部では改善の傾向が見られますが、全体としては厳しい傾向にございまして、その活性化が地域再生の観点から重要な課題になっていることにつきましては先生御指摘のとおりでございます。
 こういった状況を踏まえまして、まずもって街づくりは当然ながら地方自治そのものでございます。そのために地方公共団体が活用できる都市計画手法、規制手法、こういったものを準備する必要があるということで、順次、平成十年、十二年と新しい地域地区制度の創設を図ってまいりました。また、十五年の十一月にはそういった手法の活用についてのガイダンスといったものも発出いたしております。
 また、このほか、地域の創意と工夫に基づく街づくりを支援するということからまちづくり交付金の創設などの措置を講じたところでございますが、さらに御指摘の点も踏まえまして、中心市街地の活性化についてどのようなことが考えられるかということにつきましてはいろいろ総合的な観点から検討してまいりたいと思います。
 中心市街地の問題につきましては、商店に限らず、街の顔、中心でございますので、先ほどお話がありましたような福祉とか文教、その他いろんなもろもろのことも含めて、また歩行者空間、アクセスの問題、そういったことも含めまして総合的に検討してまいりたいと思っております。また、広域的な調整はどこまで可能かといった件につきましても、そういった総合的な検討の中で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○浜田昌良君 ただいま両省庁から御答弁いただいたわけでございますが、ともに慎重に御検討いただいている状況でございます。私は、慎重に検討するのも重要でございますが、そろそろ政治の決断をすると、商店街にとっては重要な時期に来ているかなと思っております。
 現在の大規模小売店舗立地法になる前、調整法は、いわゆるWTOサービス貿易協定の下で、日本としては調整法から立地法に移ったわけでございます。しかし、ヨーロッパではサービス貿易協定を留保して出店調整を続けている国もありますし、工夫して、結果的にこの協定の下で出店調整を行っているところもございます。
 そういう意味では、我が国においてもはや政治の問題として商店街をどう扱っていくか、経済産業省として大規模小売店舗法や中心市街地活性化法の改正も含め抜本的な商店街の活性化策を是非御検討いただきたいと思いますが、大臣の決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 私も全国行くと、景気がいいところ、悪いところいろいろありますが、とにかくいわゆる街の顔、中心市街地の問題に、どこへ行ってもそういう御要望というか悩みを私にぶつけていただくわけでございます。
 それぞれ、これもいわゆるオーダーメード的なというか、地域地域によって特徴、長所も、あるいはまた短所、短所というか厳しい部分もいろいろあるんだと思いますけれども、結論から申し上げますと、このまちづくり三法に基づいてどんと大型店舗ができて、しかもそれが郊外に行くと、車さえあればそこに行けばほとんど、買物だけでなく附属施設も含めてそろってしまう、便利だなと、こういうことで、だから中心商店街が困ってしまうんだということだと思います。
 だから、困っている困っていると言うだけではなくて、私は、もっと積極的な攻めというものを、中心市街地の皆さん方が知恵を絞っていただくということを私はまず期待をしたいと思っております。
 例えば、やっぱり商店街というのは昔からの対面、対話に基づく商売ということで、例えばちっちゃな子供がお母さんに頼まれて何かを買ってきてくれと言われたときも、よく分からなくてもお店の人が親切にじっくり話を聞いて、こういうものがいいんじゃないのとか、そういうふうにやってくれる。多分それはやっぱり商店、一個一個の商店の私は良さだろうと思いますし、そういうものはやっぱり街のためにも残していき、発展していただきたいなというふうに思っております。
 他方、商店街の関係者の皆様方は、困った困ったと言うだけではなくて、いろんな知恵を広く結集して、自分たちはこういうふうにこの地域を活性化したいんだと。今御質問あるいは答弁ございましたけれども、単なる商店街以外のいろいろな施設もそこに集結するとか、そういうようなことも是非考えていただく。そういうものをバックアップするためのまちづくり三法か何法か知りませんけれども、街づくり法制というものが今求められているんだろうと思います。
 ですから、今、経済産業省もあるいは国土交通省も、それぞれ見直し、検討をしておりますと。そして、委員からは慎重にというふうに強調されておりましたけれども、慎重にというのは、余りスピード感を持ってというイメージじゃないというふうにお取りになったんだろうと思いますけれども、私は、ある意味ではそういう先ほど申し上げたようなそもそも論に立ち返って、法制度がどうあるべきだという意味でこれは抜本的だというふうに私は申し上げていいんだろうと思いますけれども、目的のために法があるのであって、法の範囲内で街づくりをしろよというのはもう限界に来ているということは、私自身、全国回って実感をしておりますので、そういう意味で、あるべき街づくりのために法制度はどうあるべきかということを政府としては抜本的に、しかも慎重かつスピーディーにやっていくことが全国の皆様のニーズにこたえられる法制度であり、行政ではないかというふうに思っております。
 あくまでも私は、これも地域の皆さんのその地域にふさわしい街づくりのために我々はどういうお手伝いができるのかという観点から抜本的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 ありがとうございました。
 今、大臣から、今の法制度では限界に来ているという御認識も示されておりますので、是非慎重かつスピーディーに検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、地球環境問題について質問させていただきたいと思います。
 国際的にはロシアが京都議定書の批准に向かって動き出しましたことで、早ければ来年二月にもこの議定書の発効が見込まれるわけであります。
 先ほど同僚議員からも、日本の省エネルギーの推進状況を見れば、特に業務や家庭や運輸といった部門についてなかなか省エネが進んでいないという状況が見られるわけでございます。今のままでは九〇年比六%削減というこの議定書の義務達成についても危ぶまれているわけでございますが、特に、この現在、エネルギー、化石エネルギーの消費量が伸びている業務、家庭、輸送部門についての抜本的な省エネ対策についてどのように考えられているかについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。
 本年六月に総合エネルギー調査会の省エネルギー部会におきまして、エネルギー起源のCO2を九〇年度同水準に抑制をするという点を踏まえまして、二〇一〇年度までにおよそ六千五百万キロリットル相当の省エネルギーを行うべきであるという目標が示されております。この目標の達成を確かなものといたしますために、既に相当程度省エネルギーが進んでおります産業部門を含めまして、民生、運輸の各部門にわたります真に実効性のある包括的な対策を現在検討しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、例えば、産業界に一層の努力を求めることも含めまして、現在ございます省エネルギー法を抜本的に改正をしたいということで検討をしております。また、省エネルギー法の運用を強化するということで、自動車、電気機器等のトップランナー機器と称しております十八品目のうち十一品目につきまして新しい基準の策定に向けた作業を行っていくこととしております。
 また、予算面におきましては、産業部門におきまして、コンビナートなどにおきますコジェネ等の大規模な省エネルギー設備導入や、鉄綱業での次世代コークス炉への転換等に対する支援、民生部門におきましては、二〇一〇年度までに八百万台の普及を目指してヒートポンプ給湯器等の導入の支援を行うというようなことを予算面で検討を要求中でございます。
 今後、早急に抜本的な省エネルギー対策をまとめたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 是非、引き続きこの三つの部門の省エネ対策の抜本強化をお願いしたいと思います。
 現在の京都議定書では発展途上国は温暖化ガスの削減義務はありませんが、今後の経済発展を踏まえ、また二〇一三年以降の将来の枠組みを実効あるものとしていくためには途上国の理解を深めていく、これは重要と考えております。
 その意味で、先進国と途上国が共同で事業を実施し、その削減分を先進国の目標達成に利用できるクリーン開発メカニズム、いわゆるCDMでございますが、これは我が国にとっても積極的に活用していく分野と思っておりますが、その進捗状況、また準備状況はいかがでしょうか。
○副大臣(保坂三蔵君) この件につきましては私から御答弁申し上げます。
 お話がありましたCDM、クリーン開発メカニズム、これは地球温暖化ガスの対策を発展途上国と先進国が協力し合って地球規模で解決をしていこう、こういう計画でございます。これは京都メカニズムの中で定められた方向でございますが、最も今、日本がこれに対応をしておりまして、ボンの国際理事会でまだ正式に承認された案件ではございませんが、世界じゅうで今進んでいる案件の四割は日本が絡んでおります。非常にそういう点では積極的でございます。
 ちなみに申し上げますと、例えば、タイにおけるもみ殻を燃料とするバイオマス発電事業、これは中部電力が援助をいたしましてやっているわけでございますが、これも大変好評でございまして、ほかの国も注目をしているところでございます。それからまた、韓国におきましては、代替フロンの回収・破壊事業などで日本の技術援助やいろいろ相談においでをいただいております。
 それで、フロンの場合は、フロンを、フロンガスを一トン処理いたしますとCO2で一万トンに値するというような非常に大きな価値がございまして、これらを組み合わせまして、日本国内で処理できる部分とそれから地球規模で処理できる部分を合わせまして、今後、経済産業省といたしましては政府の内部での理解を深めるとともに、CDMの積極的な、かつ計画的な推進につきましてプロジェクトの支援をしていきたいと思っております。
○浜田昌良君 地球温暖化問題は正に地球全体の問題でございます。そういう意味では是非日本の立派な省エネ技術を途上国で使っていただく、このCDMの促進をお願いしたいと思っておりますが、それを促進する上で、私は二つのメカニズム、制度というのが有効ではないかと思っております。
 一つは、この途上国での削減分に応じて資金を還流する、資金のやり取りをする、いわゆる炭素基金という制度でございます。一部日本でもその検討が進み始めていますが、その検討はどうなっているのかという点が一点でございます。
 もう一点は、ヨーロッパにおいてはEU域内排出取引指令が採択されまして、二〇〇五年一月から排出量取引制度が施行されると聞いておりますけれども、このような制度が企業の温暖化ガス排出削減、CDMの促進や先進国間の共同実施に寄与すると考えられております。日本においても、先ほどの炭素基金と併せて、企業からの温暖化ガス排出量を報告を受ける制度、それを作ることがこのCDMの促進、更には企業の温暖化対策の促進に有効と考えますけれども、いかがでしょうか。その御見解をお聞きしたいと思います。
○委員長(佐藤昭郎君) 時間が来ておりますので、簡潔に。
○政府参考人(齋藤浩君) 炭素基金でございますが、我が国におきまして、平成十五年度から国際協力銀行と日本政策投資銀行が積極的に対応をいたしております。ロシアの批准というのが見えてきたこともございまして、幅広い民間事業者からの実際の出資も見込めるということでございますので、早ければ年内にも具体的にその炭素基金が設立されるというところまで来てございます。
 それから、排出量取引でございます。
 御指摘のとおりでございまして、その目的の達成のためにはそれぞれの事業者がどのぐらい排出をしているかということ、それから、それを行政が十分把握しておくということは大変重要なことでございます。行政だけではなくて、事業者自身もどのぐらい排出しているかということを十分意識して省エネ対策をしていただくという効果も期待できます。
 ただ、問題は、行政に対しましてどこまで、あるいはどれだけ報告をしなければならないかということで、その程度によりましては過剰な制限ではないかという懸念もございます。したがいまして、企業の温室効果ガスの排出量の報告、あるいは算定の仕方、義務付けにつきましては、どこまで義務付けるか、あるいはどのような仕組みでやるか、二重規制の問題等もないように十分検討していく必要があるというふうに考えております。
○委員長(佐藤昭郎君) 浜田君、時間が来ております。
○浜田昌良君 終わります。
○田英夫君 私は、天然ガスの、中国の東シナ海のガスの開発の問題を取り上げようと思いましたが、既に同僚委員が詳しく質問をされ、大臣からも詳細なる御答弁がありました。重複は避けたいと思いますが、ただ、気になることは、日本はこのままのエネルギー戦略でいいのかなと。当然、石油であり、原子力発電というのが中心になってきているわけですが、その天然ガスというものをどういうふうに位置付けておられるのか。
 この今度の問題も何か出遅れたというか、まあ、さっきもちょっと直嶋さんのあれで出ましたが、例えば、中国は十二隻の船を持って探査をやっているのに、日本は外国の船をチャーターしてようやく始めたというような、韓国でさえ、と言っては失礼ですが、四隻の船を持っている。しかも、国連海洋法条約でいうと、公船、公の船で探査をするということは妨げてはならないという規定もあるわけでありまして、当然、政府がそうした種類の船を使ってこの新しいいわゆるEEZを探査するということがもっと熱心にやってよかったんじゃないだろうかと、こういう感じがいたしますので、天然ガスというのを何かエネルギー戦略の中でどういうふうに考えておられるのか、突然の御質問ですけれども、どなたでも結構ですが、大臣から。
○国務大臣(中川昭一君) まず、田先生の船の問題ですけれども、確かに中国、韓国に比べて今慌てて調査費を要求しているという段階であります。
 ただ、これは日本のそもそものEEZなるものがどんどんどんどん広がっていっている中で、海洋エネルギー資源というのが今まで余り日本にはなかったといいましょうか、常磐沖とか新潟沖とかでエネルギーを取っていたことがございますけれども、基本的には日本の場合には世界じゅう、特に中東を中心に行ってやっているわけでありますんで、周りにガス、油その他の海洋資源がこんなにあるんだということが現実の問題になってきたのは、あるいは認識をし始めたのは少なくとも一九六八年ですか、エカフェのときからだろうと思いますけれども、それからもほとんど対応はしていなかったというのが現実だろうと、こういうふうに思っております。
 したがいまして、今、出遅れているという先生の御指摘は正に現実としてそのとおりだと思いますので、今その出遅れを何とか挽回しようと思って、先生方にも御指導いただきながら頑張っていかなければいけないと思っております。
 それから、天然ガスというものの役割というものは、一つには、環境に対して石炭、石油よりもいい、特にCO2関連が半分近くで済むという問題があります。それから、日本の周り、世界にはまだ膨大な資源としてあるわけでありますので、日本がそもそも自前のエネルギーが現時点においてほとんどないという中では、世界から確保できるエネルギーとしてやっぱり石油と並んで基幹エネルギーの一つであり、また原子力は一応国内エネルギーという位置付けとしても基幹エネルギーだと思っております。
 ガスでございますから、パイプラインで引っ張ってくるか液化するか、液化して船で運んでくるかと、外国からの場合には主にそういうことになるんだろうと思いますが、これが若干コストが掛かるわけでございまして、これが一体石油とどっちがコストが掛かるかというのは、距離とかいろんな条件によって様々でありますから一概には言えないとは思いますけれども、そういう工程が一つの天然ガスの特徴だろうというふうに思っております。
 そして、御指摘のように、日本の周りには東シナ海だけではなく、シベリア、あるいはまたサハリンに膨大な石油天然ガスがあって、既にこれはもう、特にサハリンの場合には企業化しているわけでございますので、そういうところにも非常に魅力があるわけでありますし、中東だけではなくて、同じ東南アジアの、我々のお隣の東南アジアにもあるわけでありますから、そういう天然ガスの位置付けというものはこれからも非常に大きくなってくると思いますし、それだけに、安定的に長期的に確保できるような体制作りをしていくことが非常に重要なことだというふうに考えております。
○田英夫君 実は、十年ほど前ですが、この参議院の産業・資源エネルギー調査会というのがありまして、その会長をしていたときに、東京ガス、大阪ガス、そういったところの社長のお話も聞いて、液化天然ガスにして、あれはマイナス百二十七度かな、しないと、えらい低温にしないと液化しないんだそうですね。で、特殊な船を造って持ってきていると。これを何とか、今大臣言われたシベリアやサハリンなどの天然ガスを引けるようにしてもらえないだろうか。事実、そういう民間の組織を作って研究をしているグループも話をしに来てくれたことがあります。
 そういうことで言うと、当時、外国から持ってくると同時に、国内にガスパイプ網を作らなければ意味がないと。その国内のパイプラインだけで二兆円掛かるという話を東京か大阪の社長が言っておられました。そういうことで、本当に大臣言われるとおり、自然というか環境にも優しいということも含めてもっと重視していいんじゃないかなと。
 この中国の問題に戻りますと、やはりいい形の二国間協力ということができるかどうか、これがむしろ宿題になったのかなという気がしますね。
 それで、ロイヤル・ダッチ・アンド・シェルと、アメリカも撤退しましたね、さっきお話ありましたように。これは一体またどういう理由なのか。商業的な理由と表向きはなっているようですけれども、二割がこの二社、あと中国。これまた中国の特徴で、中国海洋石油公司というのや、大体合わせて四社ですか、みんな半分公なんですね、民間のような名前が付いていますけれども。その辺が中国とのやり取りをするときのある意味では難しさかもしれません。
 あれだけ開放・開発経済になっても、やっぱりその辺が日本やなんかとは組織が違いますから、そこと協力するというのはなかなか呼吸が合うというか、困難があるのかもしれませんが、いい形の本当に協力ができるということは大切じゃないかと思いますが、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(中川昭一君) まず、この春暁に関しましては、先ほども申し上げましたが、中国の会社二社と、今、田先生おっしゃられたヨーロッパ、アメリカの会社、四社でやって、一年後に何か検討事項、見直し事項みたいなものが契約にあったそうでありまして、たまたまその時期になったので、ビジネス上の理由で撤退をするというふうに私ども聞いております。それ以上のことはもう推測になりますので、申し上げることは控えなければいけないと思っております。
 田先生がおっしゃるように、共同開発ということはできないのかということでありますが、我々は、私は、共同開発というもの、いろんな要素の結果、共同開発という選択肢が絶対ないかというと、私は絶対ないとは申しておりませんし、そういう考えは持っておりません。ただ、共同開発をする場合にきちっとその境界を画定をしないと、さっきもアジア局長も答弁しておりましたけれども、係争区域は中間線から沖縄トラフまでなんだよという前提で、その春暁の向こう側は本来中国のEEZなんだけれども、日本がぶつぶつ言っているから係争地域にしてやるから共同開発しようよとか、それから今どんどんどんどん平湖、それから天外天、春暁、私も実際に飛行機で上空から見ましたけれども、どんどんどんどん施設がもう進んでいっているわけでありまして、問題の春暁も中間線から何キロ下がっているか、中国側の人はもう五キロ下がっているから文句ないだろうとかいろんなことを言うんですけれども、いずれにしても、春暁油ガス田がどんどん鉄を中心としたプラットホームの施設ができ上がっていっている、もう向こうはどんどんどんどん進んでいる。
 我々はやっと今資源調査をやっているという状況ですから、本当に共同開発をやるんであれば、まずいったんゼロにして、機械を壊せという意味じゃございませんけれども、いったんゼロにしてお互いにその共同開発をやるんだという、その根っこからのスタートにするんならいいんですけれども、どんどんどんどん向こうは作業を進めていくと、情報も出さないまま作業を進めていくというのは、私は友好的な行為ではないのではないかと。
 ちょっと話が戻りますけれども、日本側は、さっきもアジア局長が言っておりますように、お互いの二百海里が重なり合う部分が係争水域ですよということを二十五日にもはっきり先方に伝えているわけでございますので、だとするならば、係争区域はお互いの二百海里、あるいはまた日本から見れば中間線の向こう側も含めて係争区域だという問題が解決しなければいけないと。幾つかの前提条件がクリアできないと、私どもとしては共同開発という議論に進んでいくことはできないというふうに思っておりますし、二十五日も、先ほど小此木副大臣が答弁いたしましたように、向こう、先方も時々そういうことは言いますが、二十五日の会談では出口論としての共同開発みたいな話が出たやに私も聞いておりますけれども、今すぐ中国側も、まして日本側も共同開発という方法に進んでいこうという状況にはないということを是非御理解いただきたいと思います。
○田英夫君 おっしゃるとおり、実は国連海洋法条約が作られつつあるとき、そして日本が批准をするというとき、ずっと私は実は外務委員会にいたものですから、この条約に深くかかわらざるを得なかったんですが、おっしゃるとおりの経過、日中間ではありましたね。
 それで、世界的にやはり中間線論と大陸棚論というのは国連の場で激しい論争というか意見の違いがあって、たまたま中国との間はそれがまともに現実のものになってしまったと。我々もまあ、その違いも非常に大きいんですね、中間線と沖縄トラフという違いが大きくて。さっきも大臣も言われましたけれども、トウ小平さんの尖閣列島の言葉じゃありませんけれども、これは本当に子孫の方が賢いかもしれないから任せようと言っても、ちょっとそれ、尖閣はともかくとして、この問題はそういう余裕はないんじゃないんですかね。日本にとっても、もしこれが日本の方も使える状況というのが、そのガスをですね、実現できるならこれは大きなプラスになりますから。同時に、この世界的に対立している中間線論か大陸棚論かという、これとうとう結論が出ないでそのまま条約の中へ両論併記みたいになっちゃっているわけですから、これを解決するのはなかなか容易じゃない。
 そうなると、それはそれとして、とにかく両方にまたがってもいいから、日本の中間線論の上へ立っても両方にまたがるという状態になるかもしれないけれども、それならなおさら両方でやろうじゃないかというところにいけないものだろうかと。まあ希望的観測であることは私も分かっているんですが、同時に、これから先やっぱり中国とどう付き合うかというのは、日本の外交戦略といいますか国の持って行き方ということで、非常に最重要と言っていい課題だと思いますね。
 今、北朝鮮問題もありますけれども、やはり日本、中国、韓国、北朝鮮、地域的には北朝鮮、モンゴル、ロシアと、この北東アジアの地域が平穏で仲良くあるということが最終的に大事なことで、ASEANというのはその点、非常に利害が対立するところがたくさんあるにもかかわらず、非常にうまい組織を、ARFというのを作って、またASEANプラス3という、日本と中国と韓国を入れてその先進経済国を仲間にしていくという辺り、なかなかいい戦略を取っている。EUのようにはなかなかいかなくても、この北東アジアのところに一つの地域フォーラムというようなものができないか。北朝鮮という問題が大変難しい問題ですけれども、プラスワンでアメリカがそこに置いておくというような大戦略を考えていかないと、この中国との問題は非常に大事であると同時に、難しいと思いますね。
 あれだけの広大な地域が物すごい勢いで今発展しているという状況、それにうまく調和しながらこっちが一緒になってやっていくということは難しいことではありますけれども、ひとつ大臣も小泉内閣もそういう方向を目指していただきたいということだけ申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。
○鈴木陽悦君 それでは、本日最後の質問に立たせていただきます。
 初めに、このたびの新潟県中越地震で犠牲になられた皆さんに深く哀悼の意を表しますとともに、いまだ続く余震の中、不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 秋田県出身の私は、今から二十一年前の五月なんですが、マグニチュード七・七という日本海中部地震を経験しておりまして、強い揺れの恐怖と自然災害の恐ろしさ、嫌というほど思い知らされました。被災者の皆さんの不自由な生活、一日も早く回復されますよう願うものであります。
 また、民間人の香田証生さんが御家族の皆さんらの願いもむなしくイラクで殺害されてしまいました。心よりお悔やみ申し上げます。
 それにしましても、自然災害やテロに対する不安がここに来て一段と高まっています。私は、このたびの選挙戦を通じまして多くの有権者の皆さんの声を聞いてまいりました。その声とは、国民の皆さん、今こそ生活の中に安心、安定、安全を求めているということであります。そして、私たちの仕事が正にこの安心、安全、安定の実現を図ることだと確信をしております。
 この裏には、今、さきに掲げました自然災害やテロ、犯罪の凶悪化、そして将来の生活に対する不安が増大しているからだと考えます。中でも将来の不安につきましては、あるエコノミストは、第一にいつかは自分が失業するかもしれない不安、第二に社会保障の不安を掲げております。では、その不安を取り除くためには果たしてどうすればよいのか、様々な景気回復策が取られておりますけれども、本日は地域の再生を中心に質問させていただきたいと思います。
 経済産業省では今年五月、「新産業創造戦略」、別名Nリポート、もっと別名中川リポート、こちらをまとめられました。ここにございます。これです。これがNリポートでございます。この中に、世界との競争をどう勝ち抜くのか、社会の要請にどうこたえるか、地域の低迷をどう脱するか、この三つの視点、そして地域再生を担う産業群など、三本の柱を掲げております。
 そこで、中川大臣に伺います。このNリポート、第二次橋本内閣時代の経済構造の変革と創造のためのプログラム、小渕内閣時代の二十一世紀経済産業政策の課題と展望、第一次小泉内閣の新市場・雇用創出に向けた重点プラン、いわゆる平沼プランなど、過去に登場しました経済産業政策とどう整合性が取られているのか、日本経済、地方経済の認識と併せて伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、「新産業創造戦略」について御言及いただきまして、またお読みいただいたと思います。厚く御礼を申し上げます。
 去年の九月に私が経済産業大臣に就任して、先ほども御質問ありましたように、やっぱり日本というのは経済力、そしてその経済力の根底は人材ということだろうと思いますが、そういう産業政策を九州・沖縄から北海道に至る地域、隅々まで、そしてまた世界の中で競争力を維持できるような、オンリーワン、ナンバーワンの産業群というものをどうやって作り上げていったらいいのかということが私の省を挙げてのレポートの作成の動機であったわけであります。
 その前提というか、状況としては、この十数年来の、戦後初めて体験するデフレでございますとか、それから若年雇用者の就労条件、就労状況が良くないとか、それからやはり、昔はNIESとかNICSとか言われておりましたけれども、お隣の韓国、中国が、あるいはまたインドといったアジアの近隣の国々が大変な経済成長、発展をしている。しかも、技術的にも物すごいスピードで進んでいるということになりますと、日本が、この一億二千六百万の国民が、いわゆる天然資源あるいは食料、エネルギーの大半を輸入に依存しながら、しかし少しでも豊かな、そして平和な生活を維持していくためには、そのエンジンとしての産業、経済、地域の活性化というものが大事だということで、実はそれは何も、ある意味で、新しいことを何も書いていないと言えばそれまでだと私は思っております。
 全国三百か所、合計七百人ぐらいの実際の経済界の全国のいろんな方々、あるいは学者、専門家の方々に話を聞いて、ある意味ではそれを一つの方向性にして、例えば世界に負けない産業群、燃料電池、ロボット、情報家電、コンテンツなんて書いてありますけれども、それは一つの例示でありまして、あくまでもそれと同時に、地域の伝統技術あるいは伝統産業というものを更に付加価値を付けて世界に羽ばたいていったらいいのではないかという、ある方の評によりますと、産業政策の提示ではなくて提案であると。これをきっかけに、皆さん、ひとつまた知恵を絞ってやってもらうための一つの触媒といいましょうか、一つの提案、提言であるという位置付けという評価をしていただいたことは私も大変うれしく思っているところであります。
 ちなみに、Nレポートという副題を付けたのは、ちょうど八〇年代にアメリカが産業競争力が失われて、レーガン大統領の初期に、あれはヒューレット・パッカードでしたか、ヤングさんという会長さんを中心に、産業競争力のための膨大なレポート、もうその何倍もあるような厚いレポートを出して、それがアメリカの復活につながっていったということでございますので、それに、外見は少し参考にしたということであります。
 過去の産業政策との関係ということについては、正直言って過去とのしがらみを余り考えずにやりました。というのは、経済状況、さっき言った国際状況も変わっておりますので、これから正に離陸せんとするときの地域の活性化、あるいはまた世界との競争、人材の育成、もうそのポイントは何だといえば、やっぱり産業を支える地域の人材、産業人材をどうやって育成したらいいんだということに尽きてしまうと言えばもうそれまででありますから、それが先端産業であったり職人さんの産業であったり、何でもいいんですけれども、そこに尽きてしまうというぐらいの、そんなに高度なものではない、提案型のレポートでございますので、これからの時代に合った形で、それを参考にしていただければという決意で作らせていただいたわけでございます。
○鈴木陽悦君 人材育成については後ほど、もし時間があればもうちょっと深くお話を伺いたいと思います。
 この「新産業創造戦略」の三つの柱の一つ、地域再生の産業群では、ここにもありますが、産業クラスターの形成とか、物づくり産業の新事業などについても触れられておりますが、現実に、今や地方は少子高齢化、過疎化、更には産業の空洞化の多くの悩みを抱えております。こうした地方の現状を踏まえて、今度は具体的に地方の再生にどのように取り組まれるのか、お考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(平田耕一君) この「新産業創造戦略」の地域再生の産業群におきましては、地域の産業を先端的事業、物づくり産業など四つに類別をし、それぞれについて政策課題を設定をしておるわけでございます。
 その戦略を実施するために、当省としましては、それぞれの地域の中堅・中小企業が地域経済を支え、世界に通用する新事業が次々と展開される産業クラスターを形成するわけでございます。その産業クラスター計画を一層強力に推進してまいりたい。既に全国で十九プロジェクト、約五千八百社の世界市場を目指す中堅・中小企業、そして約二百二十大学を含む産学官の広域的な人的ネットワークの形成を促すとともに、各種の支援策を総合的、効果的に投入しておるわけでございます。
 当省としましては、このような政策を強力に推進することにより、新事業、新産業の創出と雇用拡大を図り、地域の産業空洞化対策と地方再生に取り組んでまいりたいと考えております。
○鈴木陽悦君 是非この産業クラスター、平成十三年度からということで、新しい展開として期待を申し上げたいと思います。
 さて、地域再生の産業群の項目の中で、共通した成功の秘訣といたしまして、顔の見える信頼ネットワークの充実、それから特色ある産業構造や伝統・文化に立脚した地域戦略の立案、三つ目は創造的な地域社会を基盤とした協働による新商品・サービス開拓と地域ブランド作りを挙げていますが、こうした成功事例をモデルケースとして展開していくのが生きた政策ではないかと思うんですが、モデル地域を将来的に作り上げるお考えはあるのかどうか、伺いたいと思います。
○委員長(佐藤昭郎君) どなたが。
○副大臣(保坂三蔵君) どうも失礼しました。今、平田政務官がお答えした部分がダブるものでございますからうっかり聞いておりまして、失礼いたしました。
 お話のとおり、顔の見える産業群、これは御案内のとおりITの時代でございますから、ややもいたしますと顔が見えなくてもビジネス・ツー・ビジネスで本当に仕事はでき上がると、こういうふうに思いがちでございますけれども、今までやってまいりましたTLOあるいはまた産学官の形を、お話のとおり、本省の地域経済局が結節点となりまして、地域の自治体やあるいは企業やあらゆる方々を結集いたしまして、そこで一つの方向性を見いだしていこう、こういうことでやっております。
 そこから生み出されてくる知恵というものは、全国十九のプロジェクトで現実的に成果が出ているわけでございますが、例えば、さっき大臣が申し上げましたように、オンリーワンだとかナンバーワンだとかネクストワンだとかいう、そういう仕事が地域の文化や伝統や地域性というものの中から巧みに混ざり合いまして生まれてくるものでございますから、これはNレポートの中でも重要な柱になっておりまして、一つの産業群が縦でぼんと成功すればいい、あるいは一つの大きな企業体が成功すればいいというのではなくて、全国隅々までこの成功の波が及ぶような、そういう、お互いインセンティブが持てるようなそういう産業クラスター、これは、クラスターは御案内のとおり、ブドウの房みたくそれぞれ重なり合うわけでございます。そのそばにはインキュベーションの機能などを呼び込んだり、非常に今知恵が働いておりまして、倉田前議長のお住まいの柏にも東葛テクノプラザというのがございますが、これなんか見ますと、研究者とそれから企業者とそれから地域の活動家が同じ建物の中で一体となって議論をし、そして成功例を検証し、そしてその情報を表へ出すというような、そういう活動を目の当たりにすることができます。
 将来に向けて非常に強い日本の産業の活力になるものと信じてやみません。
○鈴木陽悦君 この産業クラスターは、産学官に加えまして、金という要素もこれに何か加わった成功例はいろいろと拝見させていただきました。
 ちょっと新事業の展開として、山形県米沢市の例を御紹介させてください。連合が去年まとめました地域活性化・産業空洞化対策プロジェクトの調査報告によりますと、米沢市は電機産業を中心とした空洞化の影響で製造品の出荷額が大幅に落ち込んだ地域なんですが、二〇〇一年に米沢市所在の電機会社や行政、大学、さらには地域の金融機関、地元労働組合が、米沢BNO、BNOはビジネス・ネットワーク・オフィスを組織化しまして、新しい連携軸を生み出しました。産学官に金と労が加わった産学官金労の新しいビジネスモデルであります。ここには地域共通資源の有効活用を目指します基本理念が存在すると思います。つまりは、そこに様々な分野におけます人がかぎを握っていると思います。あらゆる産業を超えた人的ネットワークそのものではないかと思われます。
 このケースは、今回の戦略に合致した例とも受け止められるんです。私はそう思っているんですが、産学官金労のこの連携、新たな連携軸というものについていかがお考えでしょうか。大臣、いかがですか、いいですか。
○大臣政務官(平田耕一君) 今御紹介いただきました米沢での取組につきまして、地域のイニシアチブで立ち上がって多種多様な関係の方々が協力してネットワークを形成していただいた、そして地域が活性化されているということを、非常にすばらしく、重要なことであると認識をしておるわけでございます。
 当省も、産業クラスター計画、先ほど保坂副大臣申されましたように、広域的な人的ネットワークを形成をすると、形成を図っていくという観点から、このような地域の取組と連携を図って、今後、更に地域経済の活性化、地域再生に努めてまいりたいと、このように思っております。
○鈴木陽悦君 時間が残りましたので、人材の部分について大臣に伺いたいと思います。
 地域の再生は、地域の人的育成こそが急務ではないかと思われます。活性化した人材がいるところこそ活性化の地域になります。これは当たり前かもしれませんが、なかなかそのポイント見付けにくいし、なかなかその活性化した人材現れてこないというのが結構地域の悩みかと思います。地域の持つ歴史ですとか文化、伝統、産業、こうした中から地域への愛着、それから地域の誇り、それを知ることによって生まれてくると思います。
 今回の概算要求見ますと、人材育成関連にかなりな額、百億円余り上乗せするなど、重点施策として位置付けられているなという感想を持ちました。こうした地方再生に向けた動きは私は非常に賛同でございます。その人材育成に掛けるお気持ちを中川大臣から伺いたいと思います。お願いします。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほども申し上げましたように、やっぱり国あるいはいろいろな活動、最後は人だと思います。昔、明治の初めに渋沢栄一という日本の産業を数多く手掛けた人が、お金を残すは下、企業を残すは中、人を残すは上なりと何か言ったという話を聞いたことがありますけれども、これは産業だけではなくて、どの世界でもやっぱり人づくりということだろうと思います。
 その活用の前に、そういう人材をどうやってつくっていったらいいのかということが非常に難しいわけでございますけれども、学校教育だけでも駄目だと思いますし、家庭教育だけでも駄目だと思いますし、企業に入ってからまた一からというのも、企業もこれは競争しながら頑張っているわけでありますから、そういう中でどうやって子供のときからそういう、別に産業に限らず、何かこれをやりたい、サッカー選手でも画家になりたいでも何でもいいんですけれども、特に産業政策をやる上でも、先ほどの物づくり、あるいはまた自分はこういう仕事をやりたいというふうな何かインセンティブになるような、きっかけといいましょうか、出会いみたいなものをいかに作っていくかということが非常に大事なんじゃないかということで、今、鈴木委員御指摘のように、来年度に向けて、これは文部科学省と共同いたしまして、学校の先生に企業の、面白い企業の人たちを授業の講義、講師になって行くとか、あるいはまた学校の生徒たちがいろんな企業に出向いていって実際に仕事の一端を体験するとか、あるいは例えば東京の子供たちが秋田へ行っておいしい米作りを少し体験するとか、いろんな体験の中から一つの刺激が生まれて、それが意欲になって、そして一つの目標ができて、それに向かってエネルギーを投入できるというような体制作り、これは言葉では簡単なんですけれども、正直言ってなかなか難しい。
 ですから、今も御指摘があったような研究開発あるいは人材育成のための予算、それから先ほどお話のありました人材投資のための減税みたいなものも一つ大きなポイントとして、いかに人材育成に努力をしている学校や企業や地域を支援をしていくか、それによって出てきた若い人たちが自分たちがやりたいことに入っていけるかというようなところを、正直言ってまだ試行錯誤の段階ではございますけれども、これはもうそれぞれ地域のお知恵もまたおかりをしながら、また鈴木委員始め委員の先生方にもいろいろとそれぞれの御経験あるいは地域の状況等も教えていただきながら、このレポートを、これは冒頭申し上げたように、こういうものでひとつきっかけにしてくださいというもので、こうしろというふうにして作ったものではないというふうに理解をしておりますので、引き続き御指導をお願いしたいと思います。
○鈴木陽悦君 地方再生につきまして質問させていただきました。地域の元気が日本の元気に一日も早くつながりますよう、私を始め皆さんと一緒に頑張ってまいりたいと思います。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(佐藤昭郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時六分散会