第162回国会 本会議 第24号
平成十七年六月八日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第二十四号
  平成十七年六月八日
   午前十時開議
 第一 平成十五年度一般会計歳入歳出決算、平
  成十五年度特別会計歳入歳出決算、平成十五
  年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十
  五年度政府関係機関決算書
 第二 平成十五年度国有財産増減及び現在額総
  計算書
 第三 平成十五年度国有財産無償貸付状況総計
  算書
 第四 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連
  合条約を補足する人(特に女性及び児童)の
  取引を防止し、抑止し及び処罰するための議
  定書の締結について承認を求めるの件(衆議
  院送付)
 第五 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連
  合条約を補足する陸路、海路及び空路により
  移民を密入国させることの防止に関する議定
  書の締結について承認を求めるの件(衆議院
  送付)
 第六 商標法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、証券取引法の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 一、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に
  関する法律の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 証券取引法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。伊藤国務大臣。
   〔国務大臣伊藤達也君登壇、拍手〕
○国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、最近の証券市場をめぐる状況等の変化に対応して、公開買い付け制度や企業情報開示制度の信頼性を確保すると同時に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図るための措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、公開買い付け制度の信頼性を確保する観点から、公開買い付け制度の適用対象となっていない証券取引所の立会い外取引のうち、相対取引に類似した取引については、買い付け後の株券等保有割合が三分の一を超える場合に公開買い付け制度を適用することといたしております。
 第二に、企業情報開示制度の信頼性を確保する観点から、子会社が上場会社にあって、親会社が上場していないこと等により親会社の企業情報が開示されていない場合について、その親会社に対して情報の開示を義務付けることとしております。
 第三に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図る観点から、外国会社等が本国等において適切な開示基準に基づいて英語による開示を行っている場合には、日本語による要約等の添付を前提として、外国会社等に英語による有価証券報告書の提出を認めることとしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、証券市場に対する信頼を確保し、一般投資家を保護するため、継続開示義務違反について課徴金制度を導入すること等を内容とする修正が行われております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。尾立源幸君。
   〔尾立源幸君登壇、拍手〕
○尾立源幸君 民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 私は長年、公認会計士、税理士として企業の情報公開に携わってまいりました。この経験を踏まえて強調したいのは、企業に比べて政府の情報公開がはるかに劣っているということでございます。新人議員として生意気かもしれませんが、国会の議決と承認を必要とする予算、決算におきましても国民に対する情報開示は決して十分とは言えません。このことは、予算、決算における、各省庁の予算の架空計上に端的に表れております。
 さて、我が国では、千四百兆円に上る個人金融資産を貯蓄から投資へとシフトさせることが大きな課題であります。これが日本経済を活性化するかぎであります。
 このシフトを進めると、企業の資金調達方法にも変化が現れてまいります。それは、国策に基づく基幹産業の育成と政府の介入を前提とする貸借対照表及び担保重視の資金調達から、資本主義と自由市場、すなわち健全な証券市場の存在を前提とする損益計算書及び収益、キャッシュフロー重視の資金調達への転換です。
 しかしながら、我が国の家計等の金融資産に占める株式等の割合は五・四%にすぎない。この事実を見れば、政府は、これまで間接金融の最大の担い手である銀行部門の不良債権処理に力を注ぐ余り、貯蓄から投資への流れを大きく加速させるための大胆な施策を欠いていたと言わざるを得ません。
 政府が目指す金融サービス立国には、この貯蓄から投資への流れとそのための条件整備が必要不可欠であると考えております。昨年十二月に政府が発表した金融改革プログラムの策定の過程で世界最高の金融システムの実現がうたわれていましたが、実際に発表された金融改革プログラムには世界最高という言葉はありませんでした。
 まず、伊藤大臣にお聞きしたいことは、なぜこのプログラムから世界最高という言葉が消えたのか、その理由をお聞かせください。また、たとえこの言葉がなくとも世界最高の金融システムの実現を目指すことに変わりがないこと、御見解をお聞かせください。
 さらに、貯蓄から投資への流れを確実なものとしていくためには、強い意志に加え、数値を含む具体的な目標を設定しなければ掛け声倒れに終わってしまいます。経済財政諮問会議でも同様の指摘がなされたと聞きます。それが金融改革プログラムにどのような形で生かされているのか、御説明いただきたいと思います。
 ところで、貯蓄と投資の最も異なる点は、貯蓄は市場における一瞬の判断が求められないのに対し、投資は一瞬の判断を誤ると取り返しが付かないところにあります。そして、その責任は投資家自らが負わなければなりません。したがって、投資家を保護するためには、情報を可能な限り開示すると同時に、明確なルールの下に市場を運営し、市場の信頼を確保する必要があるのではないでしょうか。
 金融改革プログラムにおいても、利用者ニーズの重視と利用者保護ルールの徹底を図るため、投資サービス法の制定が盛り込まれております。民主党もかねてより証券、銀行、保険を含む金融機関すべてを対象とする金融サービス法の制定を主張してきました。
 ちなみに、政府の投資サービス法がモデルとしたイギリスの金融サービス市場法では、以下の四点を目的に掲げています。一、市場の信頼を維持する、二、金融制度に対する一般の理解を深める、三、適切な消費者保護を保障する、四、金融犯罪と戦う。これに対して投資サービス法は、大金融機関をどうするかという視点が強く、イギリスの金融サービス市場法にあるような消費者保護の視点、すなわち自らリスクを取ろうとする投資家をいかに不正から守るかという視点が欠落しています。
 証券市場の消費者たる投資家の保護は、貯蓄から投資へという大きな流れをつくっていくための大前提であり、そのために、イギリスの金融サービス市場法が位置付けている視点も投資サービス法に位置付ける必要があると考えますが、伊藤大臣はどうお考えでしょうか。
 さらに、投資家を保護するためには、証券取引の公正を確保し、企業や銀行、証券会社などの不正行為を監視、摘発する体制を充実させる必要があります。
 現在、証券取引等監視委員会が市場監視機能を果たしていますが、この組織は内閣府に所属し、独立性が低いため、事件が起きても金融庁、法務省、検察庁などにお伺いを立てなければならないと聞きます。我が国の証券取引等監視委員会は、規模、権限、独立性のすべてで米国の証券取引委員会、SECに見劣りをいたします。
 市場の公正、透明性確保に向けては、証券取引委員会、日本版SECの設置、すなわち、独立性の弱い現行の八条委員会から独立性の強い三条委員会に変え、証券取引に係る制度の企画立案及び証券会社等の検査監督等の事務をつかさどり、委員長及び委員四名をもって組織し、委員長及び委員四名は国会同意人事とする、この三点が必要と考えますが、大臣の御所見をお聞かせください。
 体制に問題があるのは証券取引等監視委員会だけではありません。ニッポン放送株をめぐる問題では、いわゆる立会い外取引が利用されました。これについて伊藤大臣は、立会い外取引はTOB規制を定めた証券取引法第二十七条の二には違反しないとの見解を示されました。しかし、問題はあるので改正するというのが本法案の本質です。合法だが問題があるので改正するということは、問題にこれまで気付かなかったということでしょうか。電光石火の早業で法改正を行ったことからも、自分たちのミスを急いで覆い隠そうとする姿勢がうかがえます。大臣の御所見をお聞きいたします。
 投資家が市場において適切な判断を行うためには、タイムリーかつ真実の情報開示が必要不可欠の前提です。なぜなら、虚偽の情報に基づいては適切な判断を下すことができないからでございます。しかし、我が国の証券市場においては、これまで有価証券報告書の虚偽記載に対して課徴金を課すという制度はありませんでした。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスといった諸外国は、市場の公正性、透明性を確保するために、開示規則違反に対して課徴金、制裁金を課す仕組みが当然のように導入されています。
 今回、遅まきながら、衆議院での修正によって最低三百万円の課徴金が課されることになりました。これに対する伊藤大臣の評価をお聞きしたいと思います。
 証券取引法改正を議論した金融審議会では、継続開示義務違反に対して課徴金制度を検討していたと聞きます。なぜ修正前の法案ではこの制度が盛り込まれなかったのか、内閣法制局の反対によって盛り込まれなかったとも聞いておりますが、その理由をお聞きしたいと思います。
 また、タイムリーかつ真実の情報開示のためには適切な企業統治が必要です。
 相次ぐ企業不祥事を背景に、全上場企業を対象に、内部管理の状況、取締役会の意思決定過程などを文書にし、公認会計士が会計監査の際にチェックする制度の導入を金融庁が検討していると聞きます。企業統治の強化につながる措置と理解していますが、掛け声だけで終わらせてはならないと思います。この制度の導入スケジュールについて伊藤大臣にお聞きいたします。
 さらに、有価証券報告書の信頼性を確保するためには会計監査が必要です。会計監査が信頼に足るものでなければ市場も信頼できないものになってしまいます。
 しかしながら、日本公認会計士協会の監査時間数の調査によると、諸外国の金融機関の監査に費やす時間数はおおむね日本の二ないし三倍であることが明らかにされています。監査時間数だけが監査の信頼性を表すものでは必ずしもありませんが、一つの指標であることには違いないと思います。この調査結果に対する大臣の評価をお聞きしたいと思います。この結果を受けて、監査充実に向けて具体的な施策を考えておられるのかも併せてお聞かせください。
 以上、主に証券市場の透明性の向上と信頼性の確保についてお聞きしてまいりました。
 最後に一言申し上げます。
 国、地方合わせて七百五十兆円を超える債務を抱える財政は危機的な状況です。私がこうして質問をしている間にも一秒間に百万円もの借金が増え続けています。小泉首相の在任期間は歴代五位で立派なものでございますが、一方、改革という名の下に借金に借金を重ねた結果、歴代一位の借金王の座に着いています。数字は正直です。ぶっ壊したのは自民党ではなく、国民生活です。更に罪深いのは、子供たちの未来の自由を奪っているのです。このような状況にありながら、政府は、現金主義、単式簿記、取得原価主義に基づく個別財務の開示しか行わず、真の財政状況はいまだベールに包まれたままです。
 持続可能な社会を構築するためには、今こそ、発生主義、複式簿記、時価主義に基づく連結財務の開示とその法制化に努め、我が国全体の財務再構築を急ぐ必要がございます。不十分ながら、政府が発表した平成十五年度省庁別財務書類を見れば、ほとんどの省庁が債務超過に陥っております。一目瞭然です。ちなみに、今議題となっております証券取引法で規制される企業は、すべてこれらの会計基準を採用し、開示しておるのでございます。
 以上、積極的な情報開示を行わない政治と政府では、決して国民から信頼されません。与野党を問わず、すべての議員が我が国の置かれた危機的な状況を認識し、政治の強いリーダーシップを発揮し、規律ある国家運営を行うことを期待し、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣伊藤達也君登壇、拍手〕
○国務大臣(伊藤達也君) 尾立議員にお答え申し上げます。
 金融改革プログラムについてお尋ねがございました。
 金融改革プログラムの策定過程では、経済財政諮問会議において、プログラムの目指す世界最高の金融システムのイメージを具体的に明確化すべきとの御指摘をいただいたところでございます。これを踏まえ、プログラムでは、将来の望ましい金融システムの在り方として、多様な金融商品やサービスを国民が身近に利用できる金融システムという考え方を提示したところであり、金融庁としては、こうした考え方の下、利用者の満足度が高く、国際的にも高い評価が得られるという意味において世界最高の金融システムの実現を目指してまいりたいと考えております。
 なお、家計の金融資産をどの程度投資に振り向けるかは、それぞれの家計において主体的に判断すべき問題であるため、プログラムにおいては、貯蓄から投資へに関する具体的な数値目標を設定することは差し控えております。
 いずれにせよ、プログラムに掲げられた具体的な諸施策を着実に実施することにより、貯蓄から投資への流れを加速するとともに、金融資本市場の一層の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
 投資サービス法の検討における消費者保護の視点についてお尋ねがございました。
 現在、金融審議会においては、幅広い金融商品について包括的、横断的な枠組みを整備し、利用者保護を拡充することなどを主たる目的として、投資サービス法についての検討が行われているところでございます。
 金融庁としては、こうした検討の結果、来月にも金融審議会において取りまとめられる予定の基本的な考え方を踏まえ、投資サービス法の法制化に向けた作業を進めていくこととしており、利用者保護の観点にも十分配慮していく所存です。
 日本版SECの設置についてお尋ねがありました。
 金融コングロマリットの出現や金融商品の一体化といった流れを踏まえれば、金融行政当局に関しても、企画、検査、監督、監視と機能別に編成することが、銀行、証券、保険の各分野を業態横断的に所管することを可能とし、適当であると考えます。
 このため、日本版SECを創設をし、証券行政部門を銀行・保険行政部門から切り離すのではなく、現在の機能別の編成をベースとして、一元的な組織の下で、投資家に信頼される公正、透明な市場の確立に向けて努力していくことが適当と考えております。
 なお、現在の証券取引等監視委員会は、合議制の機関として設置されており、その独立性は法的にも保障されているほか、委員会は委員長及び委員二人をもって組織され、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとされております。
 立会い外取引に係る公開買い付け制度の見直しについてのお尋ねがございました。
 立会い外取引は、一般に、機関投資家のポートフォリオ入れ替え、持ち合い解消等の取引に用いられており、会社支配を目的とした大口の買い付けに用いられることを想定して導入されたものではございません。
 しかしながら、立会い外取引は、その使い方によっては、取引所市場外の相対取引に類似した会社支配の目的の大口買い付けに利用することが可能であり、これを放置すれば公開買い付け制度の形骸化を招きかねないことから、今般の証券取引法改正法案において公開買い付け規制の見直しを行ったところです。
 継続開示義務違反に対する課徴金制度についてお尋ねがございました。
 内閣提出の証券取引法改正法案に対する衆議院での修正については、立法府において御判断されたものであり、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府が法案提出に当たり継続開示義務違反に対する課徴金制度を盛り込まなかったのは、現行証券取引法の体系の下でこれを導入するためには、違反行為で得られる経済的利得の内容及び算定方法、課徴金と刑罰規定との関係など、引き続き慎重に検討すべき課題が少なくないと判断したためであります。
 公認会計士が企業の内部管理体制をチェックする仕組みの検討状況についてお尋ねがありました。
 企業会計審議会では、現在、企業の財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者の評価及び公認会計士等による検証の基準について検討をいただいており、本年夏には基準の骨格を取りまとめていただくべく、精力的な審議をお願いしているところでございます。
 金融庁としては、金融改革プログラムの工程表に沿って、こうした基準の実務上の有効性等を踏まえ、企業の財務報告に係る内部統制の評価及び検証の在り方について検討を行うこととしております。
 日本と外国における監査時間の格差及び監査の充実等についてお尋ねがございました。
 日本公認会計士協会により監査時間数に係る調査の結果が公表されていることは承知をしておりますが、監査の充実強化を図るためには、監査時間の選択を含め、公認会計士等が適切な監査計画の下、的確な監査を行う環境を整備していくことが不可欠であると考えております。
 こうした点も踏まえ、現在、企業会計審議会において監査の充実に向けた監査基準の改訂作業が行われているところであり、本年夏には当該基準の公開草案を取りまとめていただくこととしております。
 以上でございます。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。島村農林水産大臣。
   〔国務大臣島村宜伸君登壇、拍手〕
○国務大臣(島村宜伸君) 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 近年、食品流通の多様化・高度化、国際化等の進展と消費者の食に対する関心の高まりに対応して、消費者の視点を重視し、消費者が自己の判断で合理的な商品選択を行うことが可能となるよう、農林物資の規格に関する制度の充実を図ることが求められております。
 また、公益法人に係る改革を推進するため、これまで主に公益法人が国の代行機関として行ってきた認定等の業務について、公正中立な第三者機関に実施させることが求められております。
 このような状況の変化を踏まえて、農林物資の規格に関する制度を見直すこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、流通の方法についての基準を内容とする日本農林規格の導入であります。
 流通の方法に特色があり、これにより価値が高まると認められる農林物資について、流通の方法についての基準を内容とする日本農林規格を制定できることとしております。
 第二に、格付を行う製造業者等の範囲の拡大であります。
 農林物資の製造業者に加えて、農林物資の品質管理体制を的確に把握し、適正な格付を行う能力を有する輸入業者又は販売業者についても、登録認定機関の認定を受け、格付を行うことができることとしております。
 第三に、登録認定機関制度の改善であります。
 製造業者等に格付を行うことを認める登録認定機関について、国の代行機関としての位置付けに代えて、公正中立な民間の第三者機関として位置付けることとしております。
 また、都道府県、独立行政法人農林水産消費技術センター及び登録格付機関による格付を廃止し、登録認定機関の認定を受けた製造業者等による格付に一本化することとしております。
 以上、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。野村哲郎君。
   〔野村哲郎君登壇、拍手〕
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎であります。
 昨年七月十一日の選挙で初当選いたしましたが、このたび、本会議での質問の機会を与えていただきました。まずもって、先輩並びに同僚の議員の皆様に心からの感謝を申し上げ、自由民主党並びに公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 私の郷里鹿児島では、早期米の田植も既に終わり、普通期米の田植の準備が着々と進められております。昨年は、農家の丹精込めたお米が相次ぐ台風の襲来で大変な害を被りました。倒伏した稲穂を前に茫然と立ち尽くしながらも、また気を取り直して作業に取り掛かる農家の姿を見るにつけ、自然の脅威と厳しい仕打ちに真っ正面から立ち向かい、一方では、その自然と協調しながらひたすら農をなりわいにしているひたむきな農民魂に、ただただ頭の下がる思いでありました。
 米作農家に限らず、農家は農業を天職として、また、国民の食生活を満たすための使命感の下、農畜産物の生産にいそしみ、国民に食材だけでなく、安全、安心をも添えて提供いたしております。その生産者の思いや努力がそのまま消費者に確実に届くように支援し、後押しするのがJAS法の役割であり、そこに存在意義があると私は確信いたしております。
 JAS制度は、まがいものを排除するために昭和二十五年に法制化されて以来、食生活や消費者意識などの社会情勢の変化に対応し、所要の見直しが行われ、我が国の農林物資の品質向上、安全性と信頼性の確保に向けてその役割を果たしてきました。今後もその機能を充実していくことは、行政や政治の大きな役割であると私は思うのであります。
 その役割を果たすべく、平成十五年十月、農林水産省においてJAS制度のあり方検討会が設置され、一年間の議論を重ね、昨年十月に最終報告が出されました。
 この最終報告は、JAS規格の在り方、JAS規格の認証の在り方、品質表示基準の在り方について、JAS制度の全体的な見直しと枠組みの方向性が示されたものと理解いたしております。このうち、今回の法改正は、JAS規格の在り方とJAS規格の認証の在り方が中心となっております。
 そこで、最終報告に示された展開方向のうち、今回の法改正事項となっていない、表示とリンクしたJAS規格の制定やJAS規格のコンセプトの明確化などの項目について今後どのように対応していかれるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、先ほど説明のありました法案の内容について御質問申し上げます。
 第一に、今回の法改正の眼目の一つである流通JAS規格の導入に関してであります。
 現行法のJAS規格制度では、一般JAS規格と特定JAS規格の二種類、六十九品目二百二十一の規格が定められておりますが、今回新たに流通の方法についての基準を内容とする流通JAS規格を設けることとなっています。流通の方法が商品の差別化の手段となり、市場における評価の一つとなっている中で、今回、流通JAS規格を制定することは大変時宜を得たものと評価する次第であります。
 その上で、今回の新しい規格を出発点とする今後の取組について質問いたします。
 私の郷里鹿児島では、いわゆるトレサ法に基づく牛はもちろん、米、野菜、茶等の生産履歴の記帳を始めて三年余りになります。日常の記帳は農家の負荷を伴うものですが、消費者の安全、安心のニーズにこたえるため、高齢者、小規模農家を含めて積極的に取り組んでおります。その結果、お茶の例で申し上げれば、生産履歴に対する加工メーカーや流通業者からの生産履歴開示のアクセスは、平成十五年度は六千八百八点、平成十六年度は二万一千三百三十一点と増加しており、高い評価をいただいております。
 このような生産者の日々の努力、苦労がエンドユーザーである消費者に確実に届くためには、流通過程の不透明さを払拭する必要があり、そこに、生産者の思いが制度を通じて消費者に伝わり、消費者がそのような生産者の姿勢を確認できる仕組みが流通段階で必要ではないかと考えております。
 今回の流通JAS規格の具体的な要件は法律の改正後に農林物資規格調査会において検討されるということですが、消費者の安心、安全のニーズにこたえる視点から、流通JAS規格の内容をどのようなものにすべきとお考えか、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
 また、私は、更に一歩進めて、生産情報公表JAS規格と流通JAS規格を一体化するようなトレサJAS規格が今後必要だと考えますが、併せてお伺いをいたします。
 次に、登録認定機関制度の見直しについて御質問申し上げます。
 公益法人改革に関する閣議決定を実施するため、登録認定機関は、現行法の行政代行機関から完全な民間の機関に移行されるわけですが、法改正後は、国際標準化機構の定めるISOガイド65の基準に適合することが求められており、既存の登録機関の中には新たな負担とリスクを強いられるのではないかという懸念も生じております。
 また、今回の法改正では、登録格付機関に製品を持ち込んで格付を行う仕組みが廃止されることになっております。そのため、この制度を利用している畳表、生糸、林産物の関係者からは、新制度の下、登録認定機関から円滑に認定を受けられるようにしてほしいとの要望もあると聞いております。
 加えて、現在のJAS規格の適用を受けておられる生産者や事業者の方々の中からも、自分たちにどのような影響が出てくるのかという不安の声もあるようであります。
 このような不安を払拭するためには新制度の普及啓発が大変重要だと思いますが、どのように取り組まれるのか、島村大臣のお考えをお聞かせください。
 さらに、私が最も懸念いたしておりますのは、登録外国認定機関の同等性要件の廃止であります。法改正により同等性要件が廃止されますと、外国の団体もISOガイド65を満たせば登録認定機関になることができます。現在、登録外国認定機関は、米国やEUなどの中に三十四機関があると聞いていますが、同等性要件の廃止は登録外国認定機関の要件緩和であり、今後、法改正によって登録外国認定機関が増え、その結果、一段と輸入食料品等が増加するのではないかと危惧しております。これは私の杞憂にすぎないのでしょうか、農水大臣の御所見をお伺いいたします。
 最後に、品質表示の基準の在り方についてお伺いします。
 あり方検討会の最終報告においても、「名称規制のあり方と個別品目の品質表示基準の統合」、「表示規制の対象の拡大」、「表示の適正化の実効性の確保」の項目について提言がなされておりますが、今後、具体的にどのように対応されるおつもりなのか、お伺いいたします。
 また、加工食品の原料原産地表示については、生鮮食品に近い加工食品の二十の食品群について原料原産地表示が義務化されることになっております。すべての加工食品についての原料原産地表示を義務付けることは困難であろうとは重々理解しているつもりです。しかし、先ほど申し上げましたように、特にお茶の生産者の皆さんからの要望が強いのもこの原料原産地表示であります。生産者の努力、苦労に報い、また消費者に正確な情報を伝達するためにも、可能なものからできるだけ早急に実施すべきと考えますが、農林水産大臣はいかがお考えでしょうか。
 以上の諸事項についてお尋ねし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣島村宜伸君登壇、拍手〕
○国務大臣(島村宜伸君) 野村議員の御質問にお答えいたします。
 まず、検討会の提言についてのお尋ねですが、今回のJAS法の改正法案は、JAS制度のあり方検討会の最終報告で示された提言のうち、流通JAS規格や公益法人改革など早急に対応が必要なものを改正内容に盛り込んだところであります。
 これらのほか、表示とリンクしたJAS規格については、法制面や実態面から更に専門的な検討を行うこととしております。また、現行のJAS規格をより分かりやすいものとするため、整理、分類などを進めていくこととしております。
 次に、流通JAS規格の内容についてのお尋ねですが、流通JAS規格は、近年、食品流通の分野において高度な品質管理技術が積極的に活用されてきている現状を踏まえ、このような取組を一層推進するとともに、消費者への積極的な情報提供を行うためのものであります。
 このため、流通JAS規格については、例えば、氷温技術を利用して輸送された商品など、通常とは異なる特色のある方法で流通する食品を対象として、流通過程における品質管理の行き届いた商品であることなどが規格に盛り込まれることが必要であると考えております。
 次に、生産情報公表JAS規格と流通JAS規格の一体化についてのお尋ねですが、食に対する消費者の信頼を確保する観点から、食品の生産・流通段階における情報を消費者に対し積極的に開示することは重要であると考えております。
 生産情報公表JAS規格と併せて流通JAS規格に基づくJASマークを付すことで、消費者が商品選択の際に生産と流通に関する情報を入手できる仕組みについても、今後、鋭意検討してまいりたいと考えております。
 次に、新制度の普及啓発の取組についてのお尋ねですが、改正法の成立の暁には、地方公共団体、独立行政法人農林水産消費技術センターなどの関係機関と連携し、パンフレットの配布や各種講習会における説明などを積極的に行い、新制度への円滑な移行を図ってまいりたいと考えております。
 次に、登録外国認定機関の同等性要件の廃止についてのお尋ねですが、これまでは制度の同等性を認めていることを前提として、登録外国認定機関の登録審査は書類審査を基本としていましたが、今後は、国内の認定機関と同様に、直接農林水産省などの職員が出向いて現地審査を行い、登録後も定期的に現地調査を行うこととしております。
 このように、新制度は登録審査及び指導監督の体制を充実強化するものであり、このことによって登録外国認定機関が増え、輸入食料品などの増加につながるものではないと考えております。
 次に、品質表示基準の在り方についてのお尋ねですが、JAS制度のあり方検討会の最終報告における品質表示基準の提言は、食品表示を適正化する上でいずれも重要な御指摘でありますが、一方で事業者の負担などを伴うものであると認識しております。
 このため、厚生労働省と共同で開催する食品の表示に関する共同会議などの検討の場において、消費者、食品事業者などの関係者から幅広く御意見をいただきながら、今後、法制面や実態面での対応可能性について具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、加工食品の原料原産地表示についてのお尋ねですが、本件につきましては、昨年九月から対象品目を大幅に拡大し、緑茶を含め、生鮮食料品に近く、加工度の低い二十食品群を横断的に対象としたところであります。
 緑茶飲料など、必ずしも加工度が低いとは言えない加工食品につきましては今回表示対象とはなっておりませんが、今後、製造や流通の実態、消費者の関心などを踏まえ、必要な見直しを検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) 主濱了君。
   〔主濱了君登壇、拍手〕
○主濱了君 民主党の主濱了です。
 ただいま議題となりました農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対して、民主党・新緑風会を代表して質問をいたします。
 法律案に対する質問の前に、新しい食料・農業・農村基本計画における食料自給率に関してお伺いいたします。
 一九七三年、昭和四十八年、当時のソ連が大量の穀物の買い付けに走り、米国は穀物の輸出を規制、世界の穀物相場は一気に四・五倍に高騰し、日本でも大豆が輸入できなくなるということで豆腐騒動も発生しました。この一九七三年のイギリスの穀物自給率は六八%、イタリアは六五%、日本は四〇%でありました。二十九年後の二〇〇二年、平成十四年のイギリスの穀物自給率は一〇九%、イタリア八〇%といずれも上昇、しかし日本は二八%と低下している現状です。
 イギリス、イタリアにできてどうして日本はできないのか、今後、自給率向上のためいかがされるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いします。
 さきの予算委員会で島村大臣は、国民が米を食べないので食料自給率が落ちた、御飯は健康にも美容にもいいから国民に更にPRすると答弁されております。
 国民の米の一人当たりの年間消費量は、一九六二年、昭和三十七年、百十八・三キログラム、約二俵です。二〇〇三年、平成十五年、六十一・九キログラム、約一俵です。四十年間で半減、このことから、直ちに米の消費拡大を図るのは難しいと考えます。食料自給率向上のためには、自給率の低い麦類、大豆、菜種などをも増産しなければならないと考えます。
 そこで、農林水産大臣、新しい食料・農業・農村基本計画における食料自給率向上の具体的な方策についてお伺いいたします。
 それでは、本題の質問に移ります。
 まず、JAS規格とJASマークについてお伺いいたします。
 JAS規格表示制度は、一般消費者が求める商品を的確に選ぶことを容易にするための制度であります。また、生産者にとっても、JAS規格が定められることにより品質や形状の指標を定めることができ、生産の合理化や品質の改善を図ることができます。しかし、品目別の格付率、特定の製品の全流通量に対するJASマークを貼付した当該製品の流通量の割合ですが、食用精製加工油脂など一〇〇%と高い品目がある一方、水産物缶詰、削りぶしなど一〇%程度の品目や、煮干し魚類、農産物漬物のように数%に満たない品目もあります。
 JAS法の趣旨を徹底しようとするならば、規格が定められている品目についてはすべての製品について格付し、JASマークを貼付することが適当であると考えます。
 JAS表示の現状と消費者及び製造業者等への普及促進について、農林水産大臣の御認識と御見解をお伺いいたします。
 次に、食品表示違反等についてですが、偽装などJAS法の規定に違反する事件が後を絶ちません。アサリの産地偽装、レモン、ジャガイモ、野菜、シイタケ、カキ、メバチマグロ、牛肉、カモ肉の偽装表示など、二〇〇四年も少なくても三十四件発生しています。このことは、当該食品あるいは当該産地にも悪影響を及ぼすことはもちろんのこと、最も大切な消費者の信頼を失ってしまいます。
 農林水産大臣、食品表示の偽装などJAS法違反はあってはならないことであって、撲滅しなければなりませんが、現状をどのように認識し、また今後いかに対処する方針か、お伺いいたします。
 また、特に残念でありますが、生産者団体のJA全農でも、偽装表示などJAS法の規定に違反する事件が後を絶ちません。全農秋田の米横流し事件、JA全農の黒豚輸入問題、全農系の全農チキンフーズ株式会社の外国産鶏肉偽装、全農福岡の八女茶偽装など、全農は生産者の団体であり生産者の代表として、消費者の信頼をいかなることがあっても裏切ってはなりません。事件発生は言語道断であると考えます。
 以上を踏まえ、農林水産省は、今後、全農の食に関する法違反を根絶し、国民の信頼を回復するため、全農をいかに指導監督するのか、併せて大臣のお考えをお伺いいたします。
 次に、JAS制度の監視体制についてですが、このたびの改正案では、登録外国認定機関制度の見直しがなされ、その国にJAS制度と同等の制度を必要とする要件を廃止することとしています。また、製造業者等に加え、製造工程を管理し、かつ製品がJAS規格に適合するかどうかの検査を行う能力を有する販売業者又は輸入業者も登録認定機関の認定を受けてJASマークを貼付することができることとしています。さらに、登録認定機関に対する国の関与を事後監視型にすることとしています。
 しかし、未格付製品に対するJASマークの貼付などの事件が、平成十四年度以降、三十六件発生しています。また、さきに申し上げましたとおり、様々な事件が発生しています。
 農林水産大臣、登録認定機関及び登録外国認定機関の適正な認定並びに販売業者及び輸入業者を含む製造業者等の適正な格付及び表示をいかに確保するか、お考えをお伺いいたします。
 次に、生産情報公表JASについてですが、消費者の食の安全に対する不安を払拭する一環としてトレーサビリティーシステムの導入などが進められています。JAS制度においては、生産情報公表JASが制定され、現在は牛肉と豚肉に格付が制定されています。生産公表JASは、消費者の食品への信頼、安心を高める上で極めて有効な手段であり、積極的に導入する必要があると考えます。
 私の地元岩手県においても、米、野菜、果物、畜産物、水産物などの品目について、農協や漁協における積極的な取組がなされた結果、二十一団体二十三品目でトレーサビリティーシステムの導入がなされています。また、県内のJAグループでは、全農家、全品目で生産履歴記帳運動を展開しているほか、林業団体では県産木材の産地証明も行っています。
 生産公表JASを農産物や水産物にも適用し、対象の拡大を図るべきと考えますが、農林大臣の御見解をお伺いいたします。
 関連してお伺いいたします。
 国内産牛肉については、牛肉トレーサビリティー法が平成十五年六月に制定され、細切れ肉とひき肉を除くすべての生鮮牛肉について履歴を示すラベル表示を行うことになりました。国内産と外国産とは同様に扱われるという国際的なルールに基づけば、外国産牛肉についても国内産牛肉と同様にトレーサビリティーを義務付けるべきであると考えます。
 国内産牛肉についてはかなりの義務を課しておきながら外国産牛肉は何ら規制しないことは、輸入国としての権利を放棄することにほかならない。国民に説明が付かないと考えますが、この点についても農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、加工食品の表示についてでありますが、昨年九月、加工食品品質表示基準が改正され、生鮮食品に近い加工食品群が原料原産地の表示義務の対象とされました。現在、表示義務の対象は乾燥キノコ類など二十品目群と、農産物漬物、野菜冷凍食品、かつお削りぶし、ウナギかば焼きの四品目であります。一方、缶詰、瓶詰、レトルトパウチ食品や近年需要が伸びている調理冷凍食品の大半が表示義務の対象外となっています。
 私は、加工度が高くても主たる原料の特徴が残る加工食品であれば対象とするなど、原料原産地の表示義務加工食品群を拡大し、消費者にとってより分かりやすい制度にするべきであると考えますが、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
 あわせて、関連してお伺いいたします。
 レストラン、食堂など、いわゆる外食産業は食品表示義務の対象になっていません。したがって、例えば材料に遺伝子組換え食品が入っていたとしても、例えば外国産牛肉を使っていたとしても、表示の義務はありません。しかし、私たちの食生活においてレストランや食堂はかなり大きい位置を占めていることから、一般消費者として原料及び材料の表示をするべきであると考えますが、併せて御所見をお伺いいたします。
 次に、安全、安心な食の確保についてであります。食品は、国内で生産されたもの、海外で生産されたもの、あるいは海外で加工されたものなど様々です。ただ、カロリーベースでは六〇%を海外に依存している状況にあります。
 国民、そして消費者は安全な食を求めています。この観点から、輸入食品の検疫体制及び国内生産物の安全性の監視体制の現状の御認識と、今後の方針、方向について厚生労働大臣にお伺いいたします。
 去る五月六日、食品安全委員会から、BSEの全頭検査の緩和につながる内容の答申がなされました。しかし、納得しかねる様々な問題が存在すると感じております。
 第一に、英国で二十か月齢、二十一か月齢でBSEの発症例がある、したがって異常プリオンは二十か月より早い時期に検出可能と推測されること。第二に、BSE死亡牛の末梢神経や副腎からも異常プリオンが発見されており、SRMの除去だけでは安全確保は不十分で、全頭検査が不可欠であると考えられること。第三に、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の人から人への感染を阻止するため献血の制限をより厳しいものとしたが、BSE全頭検査を放棄することは、肝心の牛から人への感染の危険性をこれまでより増加させる措置であること。第四に、BSE一次検査において、高速で検出感度が高く、かつ安価な検査チップが開発されていること。第五に、全頭検査の三十億円の費用は二十か月齢以下の牛を除外してもさほど変わらないこと。
 BSEは未知の病気であります。私どもは極力慎重に対応する必要があります。ただいま指摘した問題を踏まえますと、答申は答申として、施策としてBSEの全頭検査を緩和することは現時点では軽率であり、拙速であると考えますが、厚生労働大臣及び農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、米国産牛肉の輸入再開についてですが、この問題は日米の貿易摩擦に発展しようかという重大な事態に至っています。そもそもの原因は、昨年の九月及び十月、詳細な検討もないまま米国側と米国産牛肉の輸入再開を確認したことにあります。正に重大な失政であると考えます。
 内閣総理大臣及び関係大臣の責任を明らかにするとともに、米国に対しては、国民の食の安全を守るため断固たる姿勢を貫くことが不可欠と考えます。内閣官房長官及び農林水産大臣のお考えをお伺いいたします。
 以上、小泉内閣は、国民の将来にわたる健康よりも米国の利益のためとしか思われない施策を講じようとしているように見受けられます。講じられる施策が真に国民のためのものであるか、国民とともにしっかり見させていただくことをここに表明して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣島村宜伸君登壇、拍手〕
○国務大臣(島村宜伸君) 主濱議員の御質問にお答えいたします。
 まず、食料自給率向上の具体的方策についてのお尋ねですが、我が国の食生活は、これまで米の消費が減少する一方、畜産物の消費が大幅に増加するなど、他国に例を見ない大きな変化が生じており、このことが自給率の最大の下落要因となっております。
 こうしたことから、自給率向上のため、新たな基本計画の下、消費面では、フードガイドなどを策定し、分かりやすく実践的な食育を進めてまいります。生産面では、経営感覚に優れた担い手を育成確保し、需要に即した生産を進めてまいります。
 また、施策の工程管理を適切に実施し、自給率向上の取組が迅速かつ着実に実施されるよう、関係者と一体となって取り組んでまいる所存であります。
 次に、JASマークの表示の現状と普及促進についてのお尋ねですが、JAS規格により格付された製品の比率は品目により異なっておりますが、JAS規格は農林物資の品質の向上や消費者の合理的な選択を促すものであり、制度の普及は重要な課題であると認識しております。
 このため、地方公共団体、独立行政法人農林水産消費技術センターなどと連携しつつ、パンフレットの配布や各種講習会における説明などを積極的に行ってまいりたいと考えております。
 次に、食品表示の偽装についてのお尋ねですが、食品表示は、消費者が商品を選択する際の重要な情報であり、いまだに表示が偽装されている例があることは非常に残念なことと考えております。
 農林水産省では、JAS法に基づく食品の品質表示の適正化を強力に推進することとし、全国に約二千名の職員を配置し、小売店舗などに対し常時、監視、指導を行っているところであります。また、原産地の表示などに不正が確認された場合には、JAS法に基づく指示、公表などの措置を講じております。
 次に、全農に対する指導監督についてのお尋ねですが、不祥事が度重なっている全農については、これまでの組織風土や体質を抜本的に改めることが重要であると考えております。
 このため、農林水産省としては、当省の指導を受けて全農が策定した再発防止策が徹底されているかしっかり検証していくほか、全農が事業運営の在り方について抜本的見直しを行い、改革を進めるよう指導していくこととしております。
 次に、登録認定機関や製造業者などの監督についてのお尋ねですが、登録認定機関などに対しては、法律に基づき厳正な登録審査を行うとともに、業務改善命令などを活用して国がその業務を監視、監督することにより、その公正性を確保していく考えであります。
 また、製造業者などが行う格付やJASマークの表示については、登録認定機関による定期的な監査を義務付けるとともに、必要に応じて国が立入検査などを行うことにより、適正な運用を確保していく考えであります。
 次に、生産情報公表JAS規格の対象の拡大についてのお尋ねですが、このJAS規格については、既に牛肉及び豚肉が対象となっておりますが、本年夏ごろをめどに農産物についてすべての品目を対象として規格を制定する予定であります。また、加工食品についても今年度から検討を開始することとしており、さらに水産物についても鋭意検討してまいりたいと考えております。
 次に、外国産牛肉へのトレーサビリティーの義務付けについてのお尋ねでありますが、牛肉トレーサビリティー法は、BSE蔓延防止措置の基礎となるとともに、消費者に情報提供を行うことを目的としており、それ自体が牛肉の安全性を直接保証する措置ではありません。したがって、トレーサビリティーを外国産牛肉に義務付けることは国際協定に抵触するおそれがあり、慎重な検討が必要であると考えております。
 次に、加工食品の原料原産地表示の対象の拡大についてのお尋ねですが、加工食品は多くの原材料から製造され、原料の産地も変動する場合があるなどの特性から、一律に原料の原産地表示を義務付けることは困難であると考えております。
 このため、昨年九月、原料素材の産地の違いによる品質の違いが製品の品質に大きな影響を与えると考えられる加工食品として、加工度が低く、生鮮食品に近い二十食品群を横断的に対象としたところであります。
 なお、原料原産地表示の対象となる加工食品については、今後必要な見直しを検討してまいる考えであります。
 また、外食産業においても原料原産地の表示を原則とすべきとのお尋ねですが、外食産業では、提供されるメニューの種類が多く、かつ頻繁にメニューが変わること、使用される材料の種類が多いこと、調理された料理がその場で消費され、事後的な検証が難しいことなどから、その実施には難しい課題が多いと考えております。
 しかしながら、消費者の信頼を確保するため、外食産業が自主的に原産地表示に取り組むことができるよう、表示のガイドラインの策定に向けて検討を進めているところであります。
 次に、BSEの全頭検査の見直しについてのお尋ねですが、本件については、食品安全委員会において科学的な見地から答申がまとめられたものであり、リスク管理機関として尊重すべきものと考えております。
 なお、答申に併せて、消費者との意見交換、説明などをしっかり行うべきとの指摘がなされておりますので、厚生労働省とも連携し、これに十分取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、米国産牛肉の輸入再開問題についてのお尋ねですが、本件については、科学的知見に基づき、国民の食の安全、安心の確保を大前提として一貫して対応してまいりました。
 昨年の首脳会談や局長級会合でもこの考え方に基づき対応しており、安全確保の上で必要な我が国と同等の措置を求めるという輸入再開条件の枠組みについて日米間で認識が一致し、これに沿って両国間で必要な手続を進めているところであります。
 本問題については、今後とも消費者の食の安全、安心の確保を大前提に、科学的知見に基づき、消費者の理解を得つつ、的確に取り組んでまいる考えであります。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
○国務大臣(尾辻秀久君) 輸入食品と国内生産物の監視体制についてお尋ねがございました。
 輸入食品の監視体制につきましては、検疫所の食品衛生監視員の増員や検査施設の充実等、輸入時における検査体制の強化、輸入食品監視指導計画に基づく重点的かつ効果的な検査の実施、二国間協議等を通じた輸出国における安全性確保対策の推進などに努めておるところでございます。
 国内の監視体制につきましては、都道府県等が国の指針に基づき地域の食品供給の特性や法違反などの問題の発生状況を踏まえた監視指導計画を策定し、都道府県等の食品衛生監視員が営業許可施設への立入検査や販売食品の抜取り検査などの監視を行っております。
 今後とも、輸入時の監視体制の充実を図りますとともに、都道府県等において地域の実情に即した監視体制を確保することにより、食品の生産から消費に至る各段階での適切な安全性確保に努めてまいります。
 BSEの検査対象月齢の見直しについてお尋ねがございました。
 BSE対策を含む食品安全規制は、科学的知見に基づき対処することが基本であると考えております。
 問題点の御指摘もいただきましたが、英国における一九九二年の二十か月齢及び一九八九年の二十一か月齢での発症例は、汚染度が大きく異なっておる状況のものでございまして、直接現在の我が国に当てはまるようなものではないと考えております。
 また、死亡牛の末梢神経からの検出につきましては、病勢の進んだ高齢牛の例でございますし、新しい検査方法についてはまだ実用化のための評価が行われていないものと承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、今回の見直しは科学的合理性の確保のために行うものでございます。厚生労働省といたしましては、検査対象月齢の見直しに当たりましては、食品安全委員会の科学的な評価を踏まえて対応いたしておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
○国務大臣(細田博之君) 主濱議員にお答えいたします。
 米国産牛肉の輸入再開問題についてのお尋ねがございました。
 政府は、一貫して国民の食の安全、安心の確保を大前提にいたしまして、科学的知見に基づいて適切に解決を図るとの基本方針の下で、米国政府との間で協議を行ってまいりました。その結果、日米政府間では、昨年十月二十三日、それぞれの国内の承認手続を条件として、科学に基づいて双方向の牛肉貿易を再開することで認識が一致しました。
 現在、食品安全委員会において米国産牛肉についてのリスク評価が行われているところですが、政府としては、今後とも、国民の食の安全、安心の確保を大前提に、科学的知見に基づき適切に対処してまいる考えに変わりはございません。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第一 平成十五年度一般会計歳入歳出決算、平成十五年度特別会計歳入歳出決算、平成十五年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十五年度政府関係機関決算書
 日程第二 平成十五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第三 平成十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長鴻池祥肇君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔鴻池祥肇君登壇、拍手〕
○鴻池祥肇君 ただいま議題となりました平成十五年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 平成十五年度決算外二件につきましては、昨年十一月二十六日の本会議において財務大臣より概要の報告がありましたので、その内容については省略させていただきます。
 委員会におきましては、決算外二件に対する概要説明を聴取した後、内閣総理大臣を始め全閣僚出席の下での全般質疑を皮切りに、会計検査院の機能強化及び政府開発援助についての参考人質疑や社会保険庁等の事業執行の効率性についての集中質疑を含め、合計十三回に及ぶ質疑を行い、また、社会保険大学校及び社会保険業務センター三鷹庁舎の視察を行いました。質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 六月七日、質疑を終局し、委員長より本件決算審査を踏まえ三十六項目にわたり内閣及び会計検査院に対し措置を要求する決議案及び本会議で議決すべき議決案を提案いたしました。
 以下、議決案の内容を申し上げます。
    一、平成十五年度決算は、これを是認する。
    二、内閣に対し、次のとおり警告する。
      内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
 1 平成十五年度決算検査報告において、その指摘内容に在外公館における不適正な出納事務、都道府県労働局における庁費等からの不正支出、会計法令の趣旨に反する少額分割による随意契約等の事例が見られたことは、誠に遺憾である。
   政府は、不当事案の根絶はもとより、随意契約を含めた契約の公正性、競争性及び透明性の確保等会計規律の厳正な保持に努めるべきである。
 2 特別会計の歳出規模は純計額でも二百五兆余円と一般会計を大きく上回っており、透明性の欠如、不要不急の事業の実施、多額の不用・剰余金の発生、予算と執行の乖離、政府出資法人等への支出に係る問題等が一部の特別会計において見られることは、看過できない。
   政府は、各特別会計の性格に応じ、事務事業等の見直しとともに、一般会計からの繰入れの抑制、不用・剰余が生じている事業の縮減、事業の実態に即した適切な予算計上等、歳出・歳入両面での一層の合理化を行い、透明性の確保に努めるべきである。
 3 「社会保険オンラインシステム」に係るデータ通信サービス契約において、その経費の積算の検証が不十分であったことは、誠に遺憾であり、また多くの府省のレガシー・システム等IT調達において、随意契約等による契約内容の不透明性など多くの問題が生じていること、加えて政府が当該調達にかかわる決算内容を把握していないことは、看過できない。
   政府は、今後システムの見直しを進めていく中で、不透明な契約内容の徹底的な見直し、汎用コンピュータのオープンシステム化、随意契約から競争契約への移行等の改善を図るとともに、当該調達にかかわる決算内容の検証・評価を厳正に行うべきである。
 4 昨年の北海道警察等に引き続き、愛媛県警察において捜査費等の不正流用疑惑が生じていることは、誠に遺憾である。
   政府は、疑惑の徹底全容解明のため、都道府県警察に対する監査の充実強化を一層図るなど、この種事案の再発防止及び国民の信頼回復に万全を期すべきである。
 5 政府開発援助において、コスタリカ援助事業に係る不正事案のように事業を実施するための再委託契約について適正を欠く事態が見られたことは、誠に遺憾である。
   政府は、不正事案に対しては厳格に臨むとともに、再委託契約手続の見直し、再委託先に関する情報の報告の徹底など監督体制の強化を図り、政府開発援助の適正な実施に努めるべきである。
 6 厚生労働省の「総合的雇用情報システム」については、随意契約により特定会社にIT業務の大半を発注し、発注元の厚生労働省元幹部等が当該会社に相次いで天下っている事実は、看過できない。さらに、一部の職員が所要の承認を経ず当該会社に天下った事実は、誠に遺憾である。
   厚生労働省は、随意契約に係るシステム発注者の受注企業への天下り状況を省内すべてについて調査し、速やか、かつ、厳正に対処すべきである。
 7 社会保険庁において、特定業者との間で会計法令の趣旨に反する随意契約の締結等が行われ、同業者から多数の職員が接待等を受け、幹部職員が逮捕・起訴されるに至ったこと、また興味本位の年金加入情報の閲覧等業務規律の弛緩とも言える事態が多く見られたこと、さらには公金の還流との批判もある監修料の受取があったことは、極めて遺憾である。
   政府は、これらの事案に対し厳正に対処すること等により、綱紀の厳正な保持に努め、あわせて社会保険事業に関する業務については、その組織の在り方をも含め、抜本的に見直すべきである。
 8 核燃料サイクル政策に関し、旧通商産業省が平成六年に使用済み核燃料を直接処分した場合と再処理した場合との費用比較について試算を行っていたが、国会においてその資料の存在を否定し、事実と異なる答弁が行われたことは、遺憾である。
   政府は、このような事実と異なる国会答弁を行ったことを強く反省するとともに、原子力エネルギーの分野においては、政策判断の根本となる重要な資料や情報の十分な開示に努めるべきである。
 9 工業再配置促進法に基づく産業再配置促進費補助金の交付実績は、平成五年度以降減少傾向となっており、またその内容においても、工場誘致に直接的な効果が薄い施設整備にも補助が認められ、加えて整備した施設の利用が著しく低い等の事例が見られることは、看過できない。
   政府は、移転促進地域からの除外を求める自治体があるなどの経済社会情勢の変化をも踏まえ、同補助金を見直すべきである。
 10 国土交通省地方整備局などが発注する橋梁工事の入札において、長期間にわたり談合が行われてきたことは、極めて遺憾である。
   政府は、入札契約に係る競争性・透明性の確保の徹底、業者への指導の強化等により、再発防止と公正な競争の確保に努めるべきである。
 11 西日本旅客鉄道株式会社福知山線において、多数の死傷者が発生するJR発足後最悪の列車脱線事故が起きたことは、極めて遺憾である。
   政府は、事故の原因究明に努めるとともに、これまでの政府における鉄道安全対策の在り方等が十分なものであったかを検証し、また西日本旅客鉄道株式会社に対して、全社的な安全意識の徹底、事故防止のための機器の整備等の安全確保の徹底を求め、再び重大な事故が引き起こされることがないよう万全を期すべきである。
 12 日本航空グループにおいて人的要因により安全上問題のある事案が多発し、他方、航空管制業務において重大な事故につながりかねない事態が発生したことは、極めて遺憾である。
   政府は、航空各社に対して、社員の安全意識の徹底や経営と現場が一体となった安全確保のための取組を強く求めるなど、今後重大な事故が引き起こされることがないよう厳しく指導監督するとともに、航空管制業務については、その業務手法を徹底的に見直すべきである。
 以上が議決案の内容であります。
 討論を行い、採決の結果、措置要求決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決し、次いで、平成十五年度決算は多数をもって是認すべきものと議決され、また、内閣に対し警告することについては全会一致をもって警告すべきものと議決されました。
 次に、国有財産関係二件は、いずれも多数をもって是認すべきものと議決されました。
 なお、同日、国会法第百五条の規定に基づき、会計検査院に対し、特別会計の状況、各府省等におけるコンピュータシステム、地方財政の状況など九項目について会計検査を行い、その結果を報告するよう求める検査要請を行いました。
 最後に、関係各位の御協力により、通常国会の会期内に決算審査を終えることができ、参議院の決算審査充実の姿勢が確固たるものと相なりましたことに対し、委員長といたしまして感謝を申し上げまして、報告とさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) 日程第一の平成十五年度決算の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。
 これより採決をいたします。
 まず、本件決算を委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。
 本件決算を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成             百三十  
  反対             九十七  
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することについて採決をいたします。
 委員長報告のとおり内閣に対し警告することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、日程第二の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。
 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成             百三十  
  反対             九十六  
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、日程第三の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。
 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成            百四十五  
  反対             八十二  
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 先ほど議決されました内閣に対する警告に関し、内閣総理大臣から発言を求められました。小泉内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ただいまの御決議に対しまして所信を述べます前に、一言申し上げます。
 平成十五年度決算につきましては、参議院の早期提出の御要請を踏まえ、会計検査院の協力も得て、昨年十一月十九日に国会に提出するとともに、決算審査の内容を平成十七年度予算に適切に反映したところであります。
 ただいまの御決議に対しましては、政府としては、従来から国の諸施策の推進に当たっては、適正かつ効率的に執行するよう最善の努力を行っているところでありますが、今般十二項目にわたる御指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 これらの決議の内容は、いずれも政府として重く受け止めるべきものと考えており、御決議の趣旨を十分に踏まえ、今後このような御指摘を受けることのないよう改善、指導してまいります。(拍手)
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第四 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する陸路、海路及び空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長林芳正君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔林芳正君登壇、拍手〕
○林芳正君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国際組織犯罪防止条約人身取引議定書は、人身取引を防止すること等を目的として、人身取引に係る一定の行為の犯罪化、人身取引の被害者の保護、人身取引の防止措置、国際協力等について定めるものであります。
 次に、国際組織犯罪防止条約密入国議定書は、移民を密入国させることを防止すること等を目的として、移民を密入国させること、移民を密入国させることを可能にする目的で不正な旅行証明書を製造すること等一定の行為の犯罪化、移民を密入国させることの防止措置、国際協力等について定めるものであります。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、人身取引被害の実態、被害者の保護方策、人身取引防止のための啓発活動等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               〇  
 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第六 商標法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長佐藤昭郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤昭郎君登壇、拍手〕
○佐藤昭郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地域ブランドの保護が産業競争力の強化と地域経済の活性化に寄与することにかんがみ、地域名と商品名から成る商標を地域団体商標として登録することを認めようとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、地域団体商標の登録要件、商品の品質確保に向けた取組、地域ブランド化に対する支援策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、事業者団体等の商品開発意欲を助長し、地域ブランド化の支援策を求める附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成           二百二十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十三分散会