第162回国会 農林水産委員会 第12号
平成十七年四月十九日(火曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     小川 敏夫君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     福山 哲郎君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     松下 新平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 義雄君
    理 事
                岩永 浩美君
                田中 直紀君
                羽田雄一郎君
                和田ひろ子君
    委 員
                加治屋義人君
                岸  信夫君
                小泉 昭男君
                小斉平敏文君
                常田 享詳君
                野村 哲郎君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                主濱  了君
            ツルネン マルテイ君
                松下 新平君
                谷合 正明君
                福本 潤一君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   島村 宜伸君
   副大臣
       農林水産副大臣  常田 享詳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高野 浩臣君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       外口  崇君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       林野庁長官    前田 直登君
       水産庁長官    田原 文夫君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        近藤 賢二君
       国土交通省総合
       政策局次長    平田憲一郎君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として小川敏夫君が選任されました。
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○委員長(中川義雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、林野庁長官前田直登君、水産庁長官田原文夫君、資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君及び国土交通省総合政策局次長平田憲一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(中川義雄君) 水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。
 今日は、水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 今回の法改正におきましては、水産資源の輸入の安全、あるいは養殖水産物の保護という内容でございますし、また、疾病の蔓延防止という、強化をしていくということでございまして、一昨年、コイヘルペスウイルス病などが発生いたしまして、被害あるいは蔓延をしたと、こういうことを未然に防ぐために大変重要な法案ではないかと認識をいたしております。
 一昨年秋以降、茨城県で、霞ケ浦を中心といたしまして、一気に六十六万匹のコイが、養殖でありますが、六百六十トン病死をしたと、こういうことがありまして、全国に被害が大変広がってきたわけでございます。
 関係者の皆さん方、大変御苦労があったわけでありますが、まずその被害状況、あるいは感染経路につきましてお伺いをいたしたいと思います。
○大臣政務官(加治屋義人君) 田中先生のお地元の新潟県、ニシキゴイの有名な産地で、かねがね大変心配されていることは先生からよくお伺いをさせていただいております。
 コイヘルペスウイルスの発生状況でございますけれども、平成十五年十一月に我が国で初めて確認されて以来、平成十七年三月までに全国のコイ養殖経営体数の約六%に当たる百二経営体、そして一級、二級河川水系の約三%に当たる七十五水系において発生が確認されております。
 我が国への侵入経路でありますけれども、海外からの輸入が有力と考えられておりますが、国内の感染については、霞ケ浦、北浦で感染したコイの移動が原因と見られるケースが多くなっております。一方、霞ケ浦、北浦を含む天然水域における発生については、一般人によるコイの放流や死亡したコイの投棄も考えられ、感染経路の確定が困難な場合が多くなっております。
 今後とも、専門家の助言をいただきながら、遺伝子解析研究にも取り組んで、感染経路の究明に努めてまいりたいと思っております。
 また、本病による養殖業における被害状況については、本年三月末現在、死亡数量は千二百トン、被害額は三億六千万円、このほかに、持続的養殖生産確保法に基づく都道府県知事の命令により約二千九百トンのコイが処分されておりまして、この処分による被害額は八億六千万円となっております。
○田中直紀君 一昨年の秋以降、昨年も関係者、大変御苦労があったわけでありますが、コイヘルペスウイルスに感染した養殖コイはほとんど全量処分されたと、こういう悲惨な状況があるわけでありますし、かかわっておりました養殖業者は大変廃業が相次いでおるということを伺っております。そしてまた、全国で加工あるいは販売関係の皆さん方も経営危機に直面をしておると、こういう報道もあるわけでございまして、新潟県、ニシキゴイで大変有名なところでありますが、コイこく、あるいはその他の伝統的な料理ですね、全国で親しまれてきたところでございます。
 経営支援対策について、具体的にどのような形で行っていただいておるか、副大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 農林水産省といたしましては、山形県年間七百五十トン、長野県百六十トン等を始めとする主要生産地域において加工用コイの原料調達に一定の影響が生じているということにつきましてはよく承知しております。
 このため、引き続き関係県との連携を図りながら、状況に応じて原料転換による新製品開発やブランド品の普及を図る、いわゆる強い水産業づくり交付金、これは先生御案内のとおり、今年から、今年度から取り入れたものでありますけれども、強い水産業づくり交付金あるいは加工業者に運転資金を融通する水産加工経営改善促進資金等の支援措置の活用により、地元加工業者の取組を積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○田中直紀君 各地場産業として大変根付いた業界でございますが、これから新たにまた復旧していこうと、こういう状況でありますので、是非強力な御支援をお願いを申し上げたいと思います。
 御存じのとおり、新潟県はニシキゴイの有数の産地でございまして、先般、中越地震で被災を受けました小千谷あるいは山古志村におきましても古くからニシキゴイを育ててきておるところであります。明治の初期に始まったと、こういうことでありまして、そういう面では山古志村はニシキゴイの発祥の地と、こういうふうに認識をいたしておりまして、そういう面では山紫水明の地ということで、環境からいいますと、水が清水と、こういうことで非常にいい水がありますし、山のその土地というのが赤土ということで非常に適しておる、あるいは気候が非常に適しておる、こういうことでニシキゴイを育ててきたところでございます。
 先般の品評会でも、全国の品評会でも二位を授与したと、こういうことで、復旧に対して大変熱意を示しておるところでございまして、大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、この法案の前提でありますコイヘルペス病の対策、あるいはニシキゴイの振興、そしてまた地場産業として、地域としてまた復旧・復興していこうと、こういう地域再生を努力をしてきておるわけでありますが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。
 小千谷市と山古志村は全国のニシキゴイ養殖の経営体の四分の一を占める有数の言わばニシキゴイの産地であり、新潟県中越地震により大きな被害を受けたニシキゴイ生産の復興は極めて重要と考えております。
 このため、ニシキゴイの養殖施設の被害を激甚災害に指定いたしましたが、あの際にも、通常、最速二か月以上という期間を、むしろ降雪の時期の前に激甚災の指定をして、勇気を持って復興に当たっていただくべく、言わば空中査察をもって査定をしまして、こちらから現地へ全部、本省と農政局の関係者出向きまして査定をして、約一か月で、言わば雪の降る前に間に合わせたということをお認めいただけると思いますが、事ほどさように、やはり我が国の長い年月の中で築いた文化でありますから、こういうものを支えるためにはあらゆる手だてを講じて努力をする。正に大変なへき地でありますけれども、見事にその維持発展に努めている地域の皆さんの努力も我々は目の当たりにしたわけでありますが、これからも十分対応していく考えであります。
 また、具体的には、ニシキゴイの養殖施設の被害に対して速やかに復旧を図るとともに、コイヘルペスウイルス病対策、あるいは養殖技術の指導、協業化の推進など、ニシキゴイの振興策を支援しているところでありまして、今後とも、県、市町村、生産者の要望を踏まえつつ、ニシキゴイ振興を通じた地域の再生に努めていく所存であります。
 なお、今、田中委員、二位とおっしゃいましたが、たしかあれは優勝したと思います。優太君の、優太君の発見されたすぐ上の池にいたニシキゴイが優勝して、大変我々はいいタイミングだったなと、こんなふうに思っておるところでございます。申し添えます。
○田中直紀君 農林水産賞をいただいたかもしれません。どうもありがとうございました。
 コイヘルペスウイルス病は数年前に外国で発生をしたと、こういうことでありまして、イスラエルあるいは欧米、インドネシア、台湾と、こういうことで感染が報道されておる中であったわけでありますが、業界の方々に伺いますと、我が国も大変心配をしておったと、こういうことでありますが、一昨年、大量発生をしたと、こういうことで大変その対応に追われたわけでございます。
 そういう面では、関係者によりますと、農林水産省を始めとして、この対策を、心配をして何とか食い止めてもらえる方策が、努力してもらわなけりゃ困るんではないかと、こういう話も持ち上がっておったわけでありますけれども、これは出先の方なんでしょうか、分かりませんが、なかなか取り合ってくれないと。我が国がそういう事態になったら大変だと、こういうことなんですが、そういう面では、それは発生してみないとこれは対応のしようがないじゃないかと、こういうことの感じの対応であったと、こういうことでありまして、BSEの問題も発生したときには議論されたわけでありますが、その辺、やはり事前にしっかりとできることはやっていただいて、そして業界の心配が払拭できるようなそういう対策をしていかなきゃいけないと、こういうふうに認識をいたすわけでありますが、今回の法改正を基に、副大臣に、具体的にどう対策を講じていただけるか、お伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 我が国の水産防疫体制につきましては、従来から、水産資源保護法に基づく水産動物の種苗の輸入許可制度による輸入防疫制度、また、持続的養殖生産確保法に基づく特定疾病が発生した場合の蔓延防止措置等による国内防疫制度等を整備し、水産物の伝染性疾病の侵入及び蔓延の防止に努めてきたところでありますけれども、しかしながら、今、委員御指摘のとおり、平成十五年秋以降、輸入防疫及び国内防疫の対象としていたにもかかわらず、コイヘルペスウイルス病の発生が国内各地で確認された事態、そういう事態を生じたことは大変遺憾なことだと思っております。
 農林水産省といたしましては、こういう過去の反省を踏まえ、今後、こういう状況に対処するため、水産防疫体制に関する専門家会議を開催するなどして課題の総点検を行ったところであります。今回の法改正は、この専門家会議の報告書における提言等を踏まえ、輸入防疫については、輸入許可の対象となる水産動物の範囲を拡大するとともに、輸入許可の補完措置を創設する、また、国内防疫については、養殖業者等による特定疾病の届出義務の創設及び蔓延防止措置を拡充するなど、水産防疫の強化を図ろうとするものであります。
 農林水産省といたしましては、法改正案による対策に加えて、水産防疫全般にわたる必要な施策を講じることにより水産防疫の適切な実施を進めてまいる所存であります。
○田中直紀君 つくり育てる漁業あるいは養殖漁業、大変地域にとって重要な分野になってきておるところでございます。
 国内防疫の件でありますが、また今年は春先から夏にかけてこういう疾病が広がっていくと、こういうことも心配されるわけでありますし、このコイヘルペスウイルスも、今年はそういう面では発生は何とか抑えていけるんではないかと、こういう期待もあるわけでございます。養殖魚類の病気による被害額は毎年二百億の状況でありましたが、最近は相当御努力いただいて百億の被害ということになってきておりますが、まだまだ御努力をいただいて減らしていくということが大事ではないかというふうに思っております。したがいまして、今回の法律の改正に伴いまして、国内防疫がしっかり機能していただきたい、機能できるように関係者と共同で頑張ってもらいたいと、こういうふうに思うわけでございます。
 とかく今までは、法律があってもどうも形だけではないかと、こういうような批判もあったわけでありますが、この機会に、具体的にこれからどう対処していただくか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 今回の法律改正に基づきます具体的な中身は先ほど副大臣の方からお答えを申し上げました。私の方からは、もう少し具体的な蔓延防止措置ということで御説明をさせていただきたいというふうに思います。
 水産防疫の基本的な考え方でございますけれども、我が国に侵入していない、あるいは定着をしていない魚の病気であって、いったん発生をしますと大変な被害、損害を与えるおそれがあるものにつきましては、何よりもまずやはり初期の段階で早く見付けて、そして処分をするということが一番大事なことではないかというふうに思っております。早期発見をして病原体の撲滅を図るということが第一でございます。
 それから、国内に既に残念ながらある程度蔓延をしてしまったものにつきましてはなかなか自然水系・水域等におきまして撲滅をすることは難しゅうございます。こちらにつきましては、養殖場等で適正な魚の飼養管理をする、そのために漁場改善計画制度を活用しながら被害をできるだけ抑えていくという対応が必要でございます。
 今回の法改正によりまして強化されました輸入防疫制度あるいは国内の防疫制度の確実な運用を図るために、何よりも都道府県におきまして魚病の診断が的確かつまた迅速に行われる必要がございます。社団法人の日本水産資源保護協会におきまして従来から研修を行ってきておりますけれども、県の職員の方々などを対象にいたしまして、こういった研修事業の充実強化を図るということがまず第一でございます。
 それからもう一つは、実際に特定疾病等の診断をいたします技術の向上、研究開発ということも必要でございます。こちらにつきましては、水産総合研究センターの養殖研究所等の試験研究機関におきまして、その技術の開発、それからまた普及に努めていきたいというふうに考えております。
○田中直紀君 是非、農林水産省全員で対処していただければと思いますし、各都道府県あるいは地方自治体とも連携を取って対処していただければと思います。
 水産政策について大臣にお伺いをいたします。
 水産業あるいは漁村の有する多面的な機能につきまして、先般の所信の中で、適切かつ十分に発揮できるようにと、こういう政策を推進していくという内容のものがありました。水産基本法を成立を図るときに、農業もあるいは林業も、そして何とか、やはり水産業あるいは漁港、漁村、やはり我が国にとって大切な地域でありますし、多面的な機能というものが有するんだと、こういうことで、第三十二条に多面的な機能に関する施策の充実を図ると、こういう項目を皆さん方と努力をして入れさせていただいたところでありまして、多面的な機能を発揮するべく、是非積極的に大臣も御努力をいただければと思いますが、その御所見をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 水産業並びに漁村は、国民に対する水産物の安定供給や地域経済の発展に重要な役割を果たすとともに、環境や生態系の保全、海難救助、伝統文化の継承などの多面的機能を有していることは御高承のとおりであります。
 このような水産業、漁村の言わば重要性を踏まえまして、平成十七年度予算から新たに離島漁業の再生のための交付金を創設したところであります。本交付金は、水産業、漁村の多面的機能の維持増進にも資する施策であること、また、水産行政において初めての直接支払という手法を取った施策であることという点で、極めて意義のある施策であると考えております。
 今後、本交付金の着実な実施を図るとともに、水産業、漁村が果たしている多面的機能について、これまで以上に国民の理解と支持を得ることができるよう普及啓発を積極的に進めてまいりたいと、こう考えております。
○田中直紀君 よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 せっかくの機会で、二点ほど輸入の問題について引き続きお伺いをいたしたいと思います。
 厚生労働省が、クロイツフェルト・ヤコブ病の委員会がございまして、第一号の患者につきましてはほぼ調査を終えたと、こういうことであります。二次感染が極めて低いと、こういう結果の報道もされております。一方では、この患者の方が一か月でありますけれども英国に渡航したと、こういうことが第一の原因ではないかと、こういうふうに報道されておりますし、その当時、十七年ぐらい前になるんでしょうか、英国に滞在した方々の輸血は控えると、こういう対処がされているわけでありますが、一方で、では渡航された方々が大変危険な環境にあったのかと、こういうことも一方で心配される方々も身近におられるわけでありますし、一方で、二次感染といいますか、我が国のBSEでの感染ではないということも明確になることも大事ではないかということから考えますと、この問題は厚生労働省の管轄かもしれませんが、農林水産省としても、このBSEの人への感染というものについてしっかりと食品安全委員会に諮問をして、そして渡航した方々あるいは国内の消費者の皆さん方にしっかりした見解を出してもらうということが大事ではないかと思うわけでありますが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 本年二月、我が国初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生があった旨、厚生労働省から報告されましたが、その原因としては英国滞在時に感染した可能性が有力であるとされているところであります。
 我が国では、平成十三年九月のBSE発生以来、安全な牛肉を供給するために、特定危険部位の除去、BSE検査、あるいはまた飼料規制などの国内措置を講じてきているところです。
 農林水産省では、これらの対策を着実に進めるとともに、BSEに関する正しい知識を消費者の方々に普及するため、今後とも関係府省と連携して的確に対応してまいりたいと、こう考えております。
○田中直紀君 この問題につきましては、大変前の原因で発生をした、こういうことになるわけでありますから、BSEというのは非常に潜在的な期間が長いということでありますから、そういう面で万全な国内の、そしてまた輸入に対する問題につきましても、国民の皆さん方に、消費者の皆さん方に必要かつ十分に理解をしていただくということが、大臣も今御発言がありましたが、更なる御努力をお願いを申し上げたいと思います。
 もう一件、鳥のインフルエンザ、昨年、一昨年でしょうか、大変我が国においても、あるいは東南アジアにおいても話題になりました。現在は北朝鮮で発生をしておると、こういうことで韓国に要請があったと、こういうことも報道されております。
 我が国も万全な対策、管理体制をしいてきておるんだというふうに思いますが、やはり近隣の現象でありますので、そういう面では農林水産省としてもまず努力を、対策の努力をしていただきたいと、こういうふうに思いますし、今、北朝鮮の船舶の入港というものが、新潟県でも万景峰が入港するんではないかと、いろいろな側面があるわけでありますけれども、実際に人の衣服等がそういう面では媒体になるというようなことも聞くわけでありますので、そういう面で農林水産省としての見解をまず出していただいて、関係省庁ともよく相談をしていただいて、また発生を我が国でしないような対策をまず講じていただければと思いますが、御所見をお聞きいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○政府参考人(中川坦君) 我が国におきます鳥インフルエンザ、昨年の一月から三月にかけまして四例の発生を見ました。この四月にその最後の四例目の防疫対応を一応完了いたしまして以来、約一年間、幸いにして我が国では鳥インフルエンザの発生が見られておりませんけれども、我が国の周辺におきましては依然としてこの高病原性鳥インフルエンザの発生が続いている状況にございます。
 昨年のこの我が国におきます経験を踏まえまして、家畜伝染病予防法の改正、それからいわゆるマニュアルでありますけれども、防疫指針の策定、公表、また各都道府県におきましては万一発生した場合のことを想定をしての演習なども行っておりますし、また消費者の方々や生産者の方々との間での意見交換などを通じましていわゆる風評被害等が起こらないようにというふうな、そういうふだんからの理解の促進も図っております。また、生産者の方々への経営安定という視点から、互助基金の創設につきまして財政的な支援も行ったわけでございます。
 こういうことをいろいろと対応、対策を取ってきておりますが、先ほども申し上げましたように、北朝鮮では三月の十五日、先般、H7型のインフルエンザが発生したという情報がございました。直ちに私どもといたしましては北朝鮮からの家禽の肉等の輸入は停止をいたしました。もちろんこれはほとんど実績はございませんが、念のため輸入禁止措置はとりました。また、北朝鮮で養鶏農家等のところに立ち入ったそういう人が直接我が国に入国する場合、そういう場合には靴底消毒をきちっとすると。万景峰号、今、当面入る予定は私ども承知しておりませんけれども、仮に入るということになれば、こういった乗客も対象にしてそういう靴底の消毒というふうなことも実施をいたしたいというふうに思っております。
 今後とも、北朝鮮だけではありませんで、海外におきます鳥インフルエンザの発生状況等は十分注視をいたしまして、適切な対応を取っていきたいというふうに思っております。
○小斉平敏文君 自由民主党の小斉平でございます。
 ちょうど一週間前の新聞に、「漁業、水資源消滅の危機」という見出しで国連がまとめましたミレニアム生態系評価、この記事が載っておりました。その中で、生態系の中でも漁業資源と水資源、この危機が最も深刻であると。漁獲量は一九八〇年代をピークとして、その後は漁猟技術が向上したにもかかわらず減少しておるという内容でありました。
 マイワシやカタクチイワシあるいはサバ等、これは豊漁と全く取れないときというこの周期があるわけでありまして、二十世紀以前は、一九八〇年物すごく取れた、二十世紀に入ってから、一九三〇年、そして一九八〇年と五十年周期で大体最も取れるとき、取れないときというのがマイワシの場合、こう来ているんですね。もう現実に我が国でもこのマイワシは六十三年、昭和六十三年に四百五十万トンも取れていた。それが平成四年には二百二十四万トンまで減った。今は幾らかというと、五万トンしか取れない。恐らくこの周期説からいきますと二〇三〇年までは今の状態が、取れない状態が続くと。
 二〇三〇年に、じゃ五十年周期でいったときに二〇三〇年に取れるかというと、なかなかそれはそのように簡単に復活するのであろうかという疑問を持たざるを得ないんです。先ほども申し上げましたけれども、漁船の装備、これが年々近代化されております。近代化されておる、当然漁獲量も増えなくちゃならないのが普通の考えなんですけれども、逆にどんどん装備は良くなるけれども漁獲量は減る。もうこういうのは、このことだけをとらえますと水産資源は正に危機的状況にあると、このように言わざるを得ないと私は思います。
 私どもはこの国連のミレニアム評価をしっかり受け止めて、水産資源の持続的利用というものを広く国際社会に訴えていかなければならないと、このように思います。そこで、政府はWTOやFTA、あるいはIQ制度の堅持の立場においても、こういう交渉の立場においても、漁業資源が危機的状況にあるという前提に立って我が国の立場を粘り強く訴え続けていただきたいと、このように思う次第であります。
 さて、本日は一昨年発生をいたしましたコイヘルペス等の対応として、水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部改正についての審議となっておりますけれども、その前に、いわゆるBRICs、いわゆるブラジル、ロシア、インド、中国、ここのBRICsと言われるこれらの各国のいわゆる経済発展によって原油の高騰が続いておりまして、このことが水産業界においても大変厳しい局面に直面をいたしておるということから、まずその問題から質問をさせていただきたいと思います。
 これまでにも指摘をいたしましたように、IUU漁業の横行とか輸入水産物の増加、あるいは漁業資源の減少等々によって、我が国の漁業は魚価の低迷なども含めて依然として大変深刻な状況にあります。さらに、この状況に更に追い打ちを掛けるように燃油の高騰、これが続いておるわけであります。例年でありますとカツオ漁、これが本格化して屋久島の沖から小笠原の沖、小笠原辺りまで大体移動して操業する時期であります。ところが、今年は海水温が上がらない。しかも、ですからカツオの動きが的確に読めないという状況にあります。
 その原因の一つとして燃油の高騰、このことによって思い切った調査操業ができないと、このことが挙げられます。調査操業をやりたくても漁獲がなければ正にその漁船の死活問題、これにつながるということで操業ができないというのが現状であります。そのために、安全策として南西諸島の浮き魚礁、ここに宮崎やら高知やらの船が、三重県の船とか漁船がそこに行って集中して操業をいたしておりますけれども、当然一そう当たりの漁獲量というのは非常に下がってきております。
 なおかつ、一番カツオの売れ筋というのは、スーパーやら料理店で売れるというのは三キロから四キロの間のカツオなんです。ところが、それよりはるかに小さな小型のカツオ、あるいは極端に大きなカツオというものに、物すごく型にばらつきがあって、一番売れ筋が取れないんですよ。ですから、当然値段がどんどん下がっておる。ましてや一番売れ筋のその三キロから四キロまでの価格までも下がっておる。そのような大変な状況であります。
 もう間もなく本格操業が始まるわけでありますけれども、昨年初めに全漁連の渡し、A重油の渡しが一リットル三十五円だったんです。これが一年間で十円上昇し、更に四月の十一日から五円値上がりして五十円になっているんです、五十円。五十円ということは、一航海大体五日から六日なんです、五日から六日。これで一航海で二十五から三十キロリットル大体A重油を消費します。そうすると、一か月五航海やったとすると、月に二百万も負担が増えているという状況なんです。
 また、このマグロ、マグロの漁船においても、今までは海外のいわゆる補給基地、基地で燃料を補給をしていた。補給をしてそこで乗組員も休養を取っておった。ところが、燃油が高騰したことから、いわゆる基地に帰る燃料代もったいないということで、洋上補給をやり始めたんです。そうすると、結局乗組員の休養が取れない。非常に労働条件が悪化しておるという事態も出てきておるわけであります。
 魚価は販売や加工業者などの競りによって左右をされておって、ガソリンや電力のようにいわゆる燃油を商品に転嫁することはできないわけなんですね。ですから、水産業者はこの燃油の高騰分というものを自分で負担せざるを得ないと。負担し切れない経営者は船を休むか漁を休むか、あるいは経営から撤退するか、やめたと言うかどちらかなんです。我が国では以前にもオイルショックのときに原油の高騰を経験をいたしております。その際は緊急融資ということで乗り切っておりますけれども、しかし現状では、浜の皆さんに聞くと、もう融資なんかとてもじゃないと。もう借りる体質がない、ただでも借りる体質がないというのが本当の浜の皆さんの声なんです。
 当然、全漁連の価格、A重油の価格といわゆる一般商系の価格、これは大変な開きがあります。これはいろんな事情があります。しかしながら、やっぱり全漁連もここのところは努力をして値段を下げる、一般商系に一円でも近づける努力をすることは当然でありますけれども、政府は政府としてやっぱりこの窮状を救うために思い切った価格対策を取る必要があると、このように思います。
 そこで、境港という我が国有数の漁港を抱えておられ、しかも水産業にも大変造詣の深い鳥取県選出の常田副大臣にこの価格対策についてお考えをお聞きをいたしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 党の水産専任部会長もされた小斉平先生でございますから、本当に先生にかなう者はないと思っておりますけれども、私の地元の境港、一時期、漁獲高では日本一を続けておりました。今は惨たんたる状況であります。それは、今お話しになったイワシが本当に取れなくなりました。そのことによって今大変厳しい状況に追い込まれております。
 そういったことを踏まえた上で、今御指摘がありました漁業用燃料の中核を成すA重油の価格でありますけれども、全漁連の京浜地区末端価格で見ますと、現在、一リットル当たり五万六千九百円でございます。昨年一月のキロ当たりは、一キロリットル当たりですね、五万六千九百円。昨年一月のキロ当たりは四万二千五百円。比較いたしますと三四%も上昇いたしております。今後とも予断を許さない状況にあるというふうに認識いたしております。しっかり燃費価格の動向を注視してまいりたいと考えております。
 こうした中で、燃費価格高騰への対応でありますけれども、関係者の努力による経営体質の強化が基本、まず基本だろうというふうに思っております。農林水産省といたしましては、そういった意味で、もう借りる余力もないんだというお話がありましたけれども、やはりさりながら、担保や保証人がなくても融資保証を受けやすくするための事業など、本年度から拡充した金融関係措置というものも大切だと思っております。そういったことも強化させていただくと同時に、必要な資金も確保させていただいているところであります。また、省エネ技術の開発普及等も引き続き取り組んでまいらなきゃならないと思っております。
 あわせて、これも委員からお話がありましたが、やはり漁協系統組織の燃油供給体制の見直しということも、全漁連等の御努力もやっぱりしっかりやっていただかないといかぬというふうに思っております。また、ただやってくださいと言うだけでなくて、そういった御努力に対して支援もしていきたいというふうに考えております。そういったことを通じて漁業者の経費削減に向けた取組を支援をしていくということであります。
 ただし、燃費価格そのものを引き下げるような対策はこれは不可能であります。そういうことから、燃費、燃油価格も相当上昇してきておりますので、先ほど申し上げましたように、三十数%の上昇ということでございますので、早急に漁業経営への影響がどの程度あるのか、これを把握するように今指示をしているところであります。急げと、実態の把握を急ぐようにと。そして、経費削減に向けて今申し上げましたことのほかにどのような対策が可能か、全漁連を始めとする関係団体とも十分協議の上、速やかに検討するようにというふうに指示しておりますので、速やかに対応してまいりたいと思っております。
○小斉平敏文君 今、副大臣が最後に御答弁をなさいましたけれども、早急にいわゆる漁業経営の影響がどの程度あるかということを把握をした上で、各団体とも十分協議の上、速やかに検討していただくということでありましたので、是非ともそのことを早急に取り組んでいただきたいということを御要望を申し上げたいと思います。
 また、この燃油の供給不足というものも非常に深刻であります。これからだんだん暖かくなってきますと、暖房用の重油の減少等々によっていわゆる需給の逼迫状況というものは改善はされるであろうと思いますけれども、現状は非常にそんなに簡単ではありません。全漁連が国内の元売各社に燃油を求めても必要量が確保できないという状況がまだまだ続いております。
 これはいろいろ今までも経緯がありまして、全漁連が少しでも安い燃料を供給しようということで一部を海外から輸入しておった。ところが、一年ほど前からこの内外価格差が逆転してしまって国内の方が安くなってしまったという事実がありまして、そういう経緯を踏まえて国内元売に供給を求めておるわけでありますけれども、輸入した分の全量を確保できないと。穴が空いた状況が今続いておるわけであります。ですから、その穴を埋めるために、いわゆる不足分を高い輸入燃油、これで補わざるを得ないという状況になっておって、大変経営的にも厳しい経営を強いられておるわけであります。
 先日の新聞報道等でも、厳冬の反動で元売各社の軽油やらA重油の生産が抑制をされて前年度同期よりも一三%も在庫が減ったということが報道をなされておりました。これから生産拡大に向かうと思うわけでありますけれども、取り急ぎ、在庫を可能な限り漁業用に回せないかなと、このように思う次第であります。今後も国内需給の逼迫状況が続くようでは漁業関係者の生活は守ることができないと、このように思います。国民の食を守るために、水産業の燃油、この供給を安定的に確保するということは、私はこれは政府の当然の責務であろうと、このように思います。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、資源エネルギー庁は安定供給のためにどのような対策をお考えなのか。さらに、昭和四十八年の石油需給適正化法、このときやったようなあっせんのように、一刻も早く燃油を供給できるよう、元売各社、これを指導すべきだと思いますけれども、指導はされているのかどうか。また、五月ごろにはこの元売各社が定期修理に入る、で、供給量が更に減少するのではないかという話もあります。今後の見通しについてお聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 まず、今年の冬が予想外に寒うございました。その結果、需要が旺盛でございました民生用の灯油の供給に不足が生じてはいけないということで、元売の各社が灯油を優先をして増産をいたしました。その結果、連産品としてのA重油の生産が抑えられたということは事実でございます。また、ビルの暖房といったような大型の暖房用でございますところでのA重油の需要といったものも伸びた結果、三月以降、漁業用のA重油の需給はタイトになっているということは私どもも十分承知をしているわけでございます。
 こうした中で、この四月の六日でございますけれども、全国漁業協同組合連合会植村会長が私のところにお見えになりまして、漁業用A重油の安定供給を求める切実な声を直接お話を伺わせていただく機会がございました。私の方では、この声を受け止めまして、四月の十五日、十日ほど後でございますけれども、主要元売各社に対しまして漁業用燃料としてのA重油の安定供給に努めるように要請をしたところでございます。今後ともこういったA重油の安定供給に遺漏なきを期してまいりたいと思っているところでございます。
 また、ちょっとこの質問の中で今後の話もございましたので少し補足をして申し上げますと、今後のA重油の需給の見通し、供給見通しにつきましても、これも冬が終わりましたので、冬の間生産を灯油にシフトしておりました生産体制も四月以降既に変更をされております。また、供給対策として、A重油、それから灯油も併せてでございますけれども、継続して元売各社が輸入をするといったこともございます。したがいまして、五月、いろいろな定期点検等、製油所の一時、どういうんでしょうか、生産が落ちることがあっても需給に遺漏なきを期していきたい、需給もむしろ順次緩和に向かうと、こんなふうに今考えておるところでございます。
 A重油を含めまして、石油製品の需給の動向が国民生活、産業活動に重大な影響を与えることは十分私どもも理解をしております。特に、漁業用のA重油が漁業者の皆さんにとって非常に重要なものであることは十分認識をしておりまして、今後とも引き続き適切に安定供給対策を講じてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○小斉平敏文君 是非とも、先ほど植村会長からの切実な声も聞いたということでありますので、その声にこたえていただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、本日の議題に関する質問に移りたいと思います。
 一昨年十月に発生をいたしましたコイヘルペスウイルスによる被害は瞬く間に全国に広がりまして、大きな社会問題となったわけでありますけれども、現在も残念ながら、BSEもそうでありますけれども、その感染経路というものが全く解明されておりません。これが一番やっぱり、BSEあるいはこのコイヘルペスでも一番大きな問題であろうと、今後いろいろな問題が出てきてもこの感染経路の解明というのが私は一番重要だと、このように思います。今回の改正案で今後の防疫体制が強化をされるということは大変有意義なことであって、関係者も待ち望んでおったところであろうと、このように思う次第であります。
 ただ、若干気になることがありますのでお伺いいたしますが、輸入防疫を強化するための水産資源保護法の一部改正の中で、輸入許可の補完措置を新たに設けていらっしゃいます。その中で、農林水産大臣は、輸出国の事情その他の事情から見て、輸出国の検査証明書のみによっては安全性を確認できないときには、輸入申請者に対して輸入後一定期間ほかと区別して管理すべきことを命ずることができると、このようにあります。
 安全性を確認できないと判断する根拠があれば私は輸入禁止が当然だと思いますし、逆に、根拠もなしにいわゆる特定の水産物を一定期間管理するというのであれば、いわゆる輸入申請者の不安を招くし、あるいは輸出国の反発も考えられる。安全性を確認できないということはどういう意味か、管理すべきことを命ずる、命じないの判断基準、これはどこにあるのか、お教えを賜りたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 従来ですと、輸入に際しまして検査証明書、これは輸出国の政府機関が発行する検査証明書の添付を義務付けておりまして、それに従いまして農林水産大臣が許可をするという仕組みを取ってまいりました。今回、その補完措置として、輸出国の事情によって、その検査において疾病が適切に確認されない場合等に一定の期間、別途管理命令を課すことができるようにしたわけでございます。
 具体的にどういう場合かということでありますが、魚の病気、魚病につきましては、これは空気伝染ではありませんので、一定の閉鎖した水系であれば、ある国あるいはある地域に特定の病気が発生をしていたとしても、そういう独立して隔離されたところで養殖されたもの、生産されたものについては安全だというふうに一応見ることができます。
 ただ、OIEの情報等におきまして、一応その疾病、特定の疾病が発生をしている国から輸入をする場合というのは、単に検査証明書があるだけでは、やっぱり信用するのは少し用心が足りないというふうに思います。また、国は別であっても、国際河川でもって水系がつながっている場合があります。そういう場合には、その国には発生しているという情報がなくてもその川上のところの国では発生しているという場合には、この場合も用心をしなきゃいけないと。
 こういうふうに具体的に幾つかの事例が想定をされますので、そういった場合には、輸入するに際しまして一定の期間管理命令を行いたいと思っております。その管理の期間あるいはどういう措置をするかということにつきましては、省令で細かく規定をしたいというふうに思っております。
○小斉平敏文君 内水面漁業の共済制度、これについて田原長官に是非ともお聞きをしたいと、このように思っておりましたけれども、時間がありませんので割愛をさせていただきたいと思いますが、最後に大臣に決意のほどをお聞かせを賜りたいと、このように思います。
 特にこの水産業、漁村、これの今後の対策について大臣にお聞かせを賜りたいと思いますけれども、学術会議等々が、いわゆる多面的な機能の評価ということで、漁業、漁村に対する評価額を約十一兆円というような試算をなされておるわけであります。また、二十四万三千人という漁業従事者、これによって大変な水産物が供給をされておって、国民の健康維持というものに対して果たしておる水産業の役割というものは非常に大きいものがあります。
 しかしながら、現状はどうかといいますと、漁業者の高齢化が著しく進展をいたしております。これは、いわゆる六十五歳以上の漁業者、これの割合というのが平成四年には二二%だったんですよ。ところが、今は幾らかというと、もう四〇%を超えておるんです。もうそのように非常に高齢化が進んでおりまして、そのことによって後継者もいないと。そして、漁業をなりわいとするいわゆる漁業者がいない。漁村、いわゆる漁業集落、これが全国的に非常に減り始めておるんですね。平成五年から平成十年の間で、全国で漁業をしない漁村というのが四百も出てきておるんですよ。もうそのように非常に漁村そのもの、漁業そのものを維持するのが大変な状況になってきております。
 私ども日本人というのは、やっぱり我々の文化やら伝統というものは漁業や漁村を抜きにしては私は考えられないと、このように思います。我々の、我が国の将来を考えたときに、多面的機能を果たしておるいわゆる水産業や漁村というものの役割あるいはその財産というものを大切に守っていく責務があると私は思うところであります。資源の問題、先ほど申し上げましたけれども、資源の問題、WTO、FTA等々、大変厳しい状況の中の漁業者、これに明るい未来というものを、一定程度光を当ててやらないと、もう水産業でも漁村でも衰退の一途をたどることは間違いがない、このように思います。
 今後の水産業をいかにして維持発展をさせて元気にしていかれるのか、大臣の強い御決意を聞いて、質問といたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国水産業は水産物の安定供給や地域経済の発展に重要な役割を果たしておりますが、水産資源の状況は低位にあることや高齢化の進行に伴いまして漁業経営は厳しい状況にあることは御高承のとおりであります。
 このような状況に対応いたしまして、農林水産省といたしましても、豊かな海の再生とつくり育てる漁業の推進、安全、安心な水産物を供給するための漁港施設や養殖施設、あるいは加工・流通施設の整備、さらには経営の改善を図ろうとする漁業者への支援などを通じて、我が国水産業の振興を図ってまいる所存であります。
 なお、最近は自然に取れる水産物だけでなくて、いわゆるつくり育てるということに基本を置いてかなり積極的に取り組んでいるところでございますが、御参考までに、少しここに数字がありますから申し上げますけれども、例えば、一九六〇年当時、サケの漁獲量は一万トンに落ち込みました。その後、例えば七〇年には六億尾、八〇年には十九億尾、九〇年には二十一億尾、そして二〇〇〇年には十八億尾、二〇〇三年も十八億尾というふうに、かなりの放流を行っているところでありますが、その結果として、六〇年一万トンに落ち込んだものも、二〇〇三年には二十五万トンと大きな回復を見ているところでございます。
 これと同じように、例えばお魚の代表の一つであるヒラメもさようでございまして、言わば一九七〇年には二百三トンに落ち込んだところですが、これが言わばその後放流をずっと重ねまして、一九八〇年には二十万尾、また一九九〇年には二百二十九万尾、さらには二〇〇〇年には四百三十三万尾とずっと放流を続けてまいりましたが、七〇年に二百三トンであったのに対して、二〇〇〇年には何と千二十三トンと回復を見ているところであります。
 このように、我々は、言わばなるほど、水産資源の自然減、これもありますし、乱獲による言わば後退もありましたけれども、その一方では積極的に言わば稚魚の放流その他をいたしまして、ここには魚種のいろんなものがここに資料がありますが、これからも大いに取り組んで御期待にこたえていきたいと、こう考えております。
○主濱了君 民主党・新緑風会の主濱了でございます。早速質問に入らせていただきます。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 法案の内容に入ります前に、前提となります主な海洋資源の状況について、漁況についてお伺いをさしていただきます。
 先ほど小斉平委員からもお話がありました国連の地球規模の生態系評価報告書によりますと、大西洋のニューファンドランド沖のタラ資源、このタラ資源が崩壊してしまいまして全く回復していないと、こういったような報告があります。また、今世紀中に鳥類の一二%、あるいは哺乳類の二五%が絶滅をするおそれがあると、こういったような警告が発せられているところであります。
 このような中で、日本に関係の深いまず水産資源についてお伺いをしたいと思います。
 最初にマグロ類についてお伺いをしたいわけですが、このマグロ類の漁獲高の推移、自給あるいは依存、ちょうど裏返しになりますね、自給、依存の状況、さらには資源状況がどうなっているのか、そしてその保護状況どうなっているのかを、この概略についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 まず、マグロ類の資源状況でございますけれども、FAOが出しております二〇〇四年版でございますが、世界の漁業と養殖業の現状ということによりますと、大体四割ぐらいは、マグロ類の四割が過剰漁獲又は資源状態が枯渇状況にあるというふうに指摘されておりまして、かなり資源状況としては厳しいと言わざるを得ないということではないかと思います。
 したがいまして、こういう状況でございますので、マグロ類につきましては関係漁業国が、例えばインド洋ですとか太平洋ですとか大西洋ですとか、そういう海域ごとに地域の管理漁業機関というものを設けておりまして、関係国で決められた漁獲量を設定すると、その中で許可船だけが漁獲するということでやっておりますけれども、ただ、残念ながら、いわゆるIUU漁業、違法で無報告で無規制の漁業、こういったものがそういったものの枠を超えて漁獲すると、こういったことが資源に悪影響を及ぼしているということではないかということでございます。
 我が国といたしましては、こうした地域管理漁業機関、こういったところと協力しながら資源状況に見合った漁獲を行っていくということが大切だということで、例えば、先ほど申しましたIUU漁業の排除のために、ポジリスト方式と言っていますが、正規操業船からの輸入しか認めないというふうなことで厳しく資源管理に協力しているところでございまして、今後ともそうした姿勢で臨んでまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○主濱了君 次に、サケ類について、サケですね、サケ類について伺いたいんですが、このサケ類の資源の状況とそれから増殖事業の状況、この概要について御説明をお願いいたします。
○政府参考人(田原文夫君) ちょうど先ほど大臣からも具体的な数字お答えになられたわけでございますが、最近ではサケ・マスの人工ふ化放流事業ということで年間十八億尾という程度の放流を行っております。こういったことに伴いまして、平成八年ごろから日本のサケの漁獲量、二十五万トンぐらいに達しておりまして、平成十二年ごろ若干、十三万トンと低下した年ありますけれども、その後も二十五万トンぐらいということで、近年はかなり高い水準の漁獲量ということが言えるんではないかというふうに思います。
 こうした増殖事業の取組の基本は、健康である稚魚を適期に放流するということが大事ではないかということでございまして、私どもといたしましては、引き続き効率的かつ安定的な資源造成という観点から、こうした点に注意を払いながらやってまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○主濱了君 次に、TAC対象魚種についてお伺いいたします。
 これ、アジ、イワシ、サバ、サンマ、スケトウ、スルメイカ、ズワイガニと、この七種ありますけれども、TAC対象魚種ですが、先ほどお話ありましたように、マイワシの漁獲量が極端に減少していると。私も危惧しているところでございます。それで、TAC対象魚種の漁獲可能量とそれから採捕量、これをどのように把握しているのか、適正に管理されているのかどうか、お伺いをいたします。
 それから、あわせまして、平成十六年度において講じようとしておりました水産施策の一つであります資源回復計画の策定状況についても併せてお願いをいたします。
○政府参考人(田原文夫君) まず、TACの対象魚種でございますが、先生もただいまおっしゃられましたように、年間の漁獲量の上限ということでこのTACは設定しておりますけれども、重立った七魚種ということでございまして、サンマ、マアジ、スルメイカ、ズワイガニ、こういったものは、この四魚種につきましては資源水準は比較的高位又は中位にあるという状況ではないかと思いますが、サバ類が中位から低位の状況、それから、御指摘のマイワシ、スケトウダラ、こういったものは低位の状況にあるということが言えるんではないかというふうに思っております。
 我々水産庁といたしましては、科学者によりまして、こうした魚種につきましての資源評価を基礎にいたしまして、これだけで漁業者の方々に漁獲量を決めるということになりますと漁業経営上支障が生ずるという場合等もございますので、私どもといたしましては、科学者によりますこうした資源評価を基礎としながらも、漁業経営その他の事情を勘案しながら、最終的にはTACということでの許容漁獲量を定めているということでございまして、いずれにいたしましても、TACにつきましては、こうしたことを守っていただくということでございますけれども、同時に、資源回復の可能性が高い例えばマサバでございますと、減船ですとか休漁ですとか、いわゆる資源回復計画の取組と併せて実施しているところでございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 以上の状況を踏まえまして、貴重でおいしいお魚、私どもの世代だけではなくて、孫子の代までこれ味わいたいものだなと、こういうふうに思っております。この点につきまして農林水産大臣の御決意を賜りたいと存じます。お願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 水産資源を適正に管理し持続的に利用することは、水産物を安定的に供給し、また水産業の健全な発展を図る上で極めて重要であると認識いたしております。
 このため、我が国周辺水域の資源については、漁獲量を管理し、また漁業許可制度を適切に運用するほか、緊急に回復が必要な資源については、種苗放流や漁場環境の保全を含めた総合的な取組を推進しているところであります。
 また、遠洋水域の資源についても、国際的な資源評価を踏まえ、地域漁業管理機関を通じ資源の保存管理を積極的に推進してまいりたいと、こう考えておる次第であります。
○主濱了君 ありがとうございました。
 先ほど来申し上げておりますように、世界の漁場や日本沿岸水域において水産資源の低下あるいは枯渇、これが懸念されております。このような中で私はつくり育てる養殖業に期待をしているものであります。
 島村農林水産大臣にお伺いをいたします。
 養殖業の現状の問題点は何でありましょうか。また、日本の食料政策及び漁業において今後どのような役割を果たしていくべきとお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国の養殖業の生産は、平成十五年には約百三十万トン、金額にして約五千億円となっており、数量、金額ともに我が国漁業の約二割を占めるなど、極めて重要な役割を有しておるところであります。
 また、養殖業は、国民の需要の強い魚種を供給するとともに、地域の振興にも貢献する重要な産業と認識しており、引き続き持続的な養殖業を推進してまいる考えであります。
 具体的には、地域の特性に即してブランド化を図るなど付加価値の向上に努めるとともに、協業化による生産性の向上や需要に見合った生産体制の整備に取り組んでいるところであります。また、養殖漁場環境の維持改善や消費者への情報提供と理解の促進により、国内産養殖水産物の安全、安心の確保を図っていく考えであります。
○主濱了君 ありがとうございました。
 次に、海面養殖の状況についてお伺いをいたしたいと思います。
 海面養殖の経営体の数の推移、それから収穫量の推移、さらには需要に対する国内産の割合、どれぐらい国内で生産しているかと、こういう問題です。それに伴った振興策について概要をお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) お答え申し上げます。
 まず、最近十年間ということで、経営体数の推移でございますが、平成六年が全国で約四万七千経営体、これが平成十五年には三万四千経営体ということで、約一万三千経営体減少いたしております。
   〔理事田中直紀君退席、理事岩永浩美君着席〕
 それから、生産量でございますけれども、これは先ほど大臣からお答えございましたように、平成六年以降大体百二十万トンから百三十万トンということで、生産量自体は維持しているといいますか余り変わらないという状況でございまして、具体的には、魚種別に見ますと、ワカメ類では収穫量は減少しておりますが、ホタテですとかブリなど、こういった増加しているものもあるということでございます。
 それから、需要に対します国内生産量の割合でございますけれども、ブリですとかカキですとかホタテ、ノリ、こういった多くの魚種ではおおむね国内生産で需要がほぼ賄われているというふうに言っていいと思いますが、ワカメにつきましては輸入の割合が大変高うございまして、国内での割合は大体二割程度しか占めていないという状況でございまして、養殖業の中ではこのワカメの関係だけは若干自給率の関係で低いということが言えるんではないかと思います。
 こういった現実に対しましてどういった対応を取っているかということでございますが、私どもといたしましては、引き続き養殖業の持続的生産を図っていくために、地域の特性に即しましたブランド化の促進、こういったことによりまして付加価値を向上していただくということですとか、協業化によります生産性の向上、さらには需要に見合った生産体制の整備、こういったことに対します支援ですとか、養殖漁場環境の維持改善、さらには消費者への情報提供等の推進、こういったことによりまして国内の養殖漁業の振興というのを図っているところでございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 次に、食の安全の観点からお伺いをいたします。
 平成十五年六月三日、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会それから乳肉水産食品・毒性合同部会から、水銀を含有する魚介類等の摂取に関する注意事項が出されております。この中で、一部の魚介類では食物連鎖により蓄積することにより、人間の健康、特に胎児に影響を及ぼすおそれがある高いレベルの水銀を含有している旨の記載がありまして、また妊婦等を対象とした摂食に関する注意事項が併せて記載をされております。
 この水銀を含有する魚介類についての最近の状況、これをお伺いいたします。あわせまして、国民への注意の喚起の必要性の有無について、私は、国民の健康に少しでも懸念があるとすれば、これは積極的に情報公開をすべきと考えるわけですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) お答え申し上げます。
 厚生労働省では、御指摘のように、平成十五年六月に、審議会の意見に基づいて、妊婦等を対象に水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項を公表したところであります。
 その後、国際専門家会議において、発育途上の胎児を十分に保護するため暫定的耐容摂取量が引き下げられたことや国内における魚介類等の水銀含有に関するデータの収集が進められたことから平成十五年の注意事項を見直すことといたしまして、昨年七月に食品安全委員会に対して食品健康影響評価を依頼したところであります。現在、食品安全委員会において、メチル水銀の耐容量等の検討がなされているところであります。
 国民に対する情報提供については、これまでに収集した魚介類中の水銀含有量に関するデータやQアンドAの公開、審議会の公開のほか、昨年九月には、注意事項の見直しに当たってのリスクコミュニケーションの一環として意見交換会を開催したところであります。
 厚生労働省といたしましては、食品安全委員会の結論が得られ次第速やかに注意事項の見直しを進めるとともに、魚介類は一般に人の健康に有益であり、注意事項が魚介類の摂食の減少につながらないよう、正確に理解されることに留意しながら積極的な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
○主濱了君 確かにおっしゃるとおりであります。少なくても、魚というのは私も大好きですし、私の体も欲しています。これは体に、健康にいいというふうに、こう思っております。しかしながら、注意事項は注意事項としてきちっとお知らせをする必要があると、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 少し本題から外れますけれども、食の安全の観点からもう一点お願いをいたします。四月十五日付けの日本農業新聞によりますと、アメリカ議会に、抗生物質を与えられた豚や牛の肉を摂取するとその人間には抗生物質が効き難くなるとして、抗生物質の家畜への投与を制限する法案が提出されたということでございます。
 また、三月三十一日の本会議におきまして、私の、EUがアメリカ産牛肉をほとんど輸入していないとする質問に対しまして、常田副大臣から、EUが肥育ホルモン、合成ホルモンの発がん性、それから生殖機能への影響から輸入を禁止したと理解していると、このような御答弁をいただいているところでございます。
 この観点から、まず、抗生物質あるいはホルモンの使用に関します、ただいま議題になっております日本の養殖生産における現状と対応についてお示しを願います。
○政府参考人(中川坦君) 水産用の医薬品を含みます動物用の医薬品につきましては、薬事法に基づきまして品目ごとに農林水産大臣の承認が必要でございまして、その承認をするに当たりましては、有効性ですとか安全性あるいは残留性について審査をいたしております。
 このうち、動物用の医薬品として使用されます抗生物質につきましては、薬事法に基づきまして、水産用の医薬品の水産物への残留を防止をするという観点から、養殖業者の方々が守るべき使用方法、使用量、それから使用の禁止期間などを定めた使用基準というものがございまして、これを守っていただくことが一番大事なことだというふうに思っております。
 それから、ホルモン剤、ホルモン剤でございますけれども、過去には薬事法に基づいて二品目承認をされておりましたけれども、一九九九年にこの承認が返上されておりますので、現在、日本におきましてはホルモン剤が使用される、承認を受けて使用されるということはございません。
○主濱了君 ありがとうございました。
 それでは次に、食肉の輸入に当たって適用します日本の抗生物質あるいはホルモン剤の残留基準についてですが、これについてはどのようになっているか、アメリカやEUとの比較でお示しをお願いします。加えまして、基準を満たさずに輸入が認められなかった例があるかどうかも含めてお願いをいたします。
○政府参考人(外口崇君) 我が国では、食品衛生法に基づき、食肉等について、家畜の生産段階で使用される抗生物質やホルモン剤等の動物用医薬品に関して安全性評価に基づく残留基準を設定しております。この残留基準の設定については、人の健康に影響を与えない量として科学的な考え方に基づいて設定しているものであり、米国やEUにおいても同様の考え方であると承知しております。
 なお、ホルモン剤の残留基準につきましては、EUは、コーデックスや日本や米国とは異なる考え方を取っているため、ホルモン剤を使用した米国産牛肉の輸入は認めておりません。米国は、この措置が科学的なリスク評価に基づくものではないとして、WTOに提訴して争っております。我が国においては、これらの基準によって食肉の輸入時に検疫所において検査を実施し、食品衛生法の基準に適合していないものの輸入は認めていないところであります。
 最近の実績を申し上げますと、平成十五年においては輸入届出件数が、これすべての食品で十七万四千七百二十一件あるんでございますけれども、そのうち動物用医薬品に関するモニタリング検査を三千二百五十六件、検査命令を二千九百八十九件、輸入者の自主検査を三十一件実施し、モニタリング検査で一件、検査命令で四件の基準違反がございました。こういった基準違反に該当するものはすべて廃棄又は積み戻しの措置をとっております。
○主濱了君 これは国民の健康にかなり影響することですので、ひとつよろしくお願いを申し上げます。
 農林水産大臣にお伺いをいたします。
 アメリカ産牛肉の輸入を再開すべきでないという意見もあるわけであります。このような意見への対応につきまして、BSEの問題はもとより、ただいまいろいろお話をしていただきました抗生物質の使用に関するアメリカ議会の動きやアメリカ産牛肉を輸入しないEUの対応を踏まえまして、改めて農林水産大臣の御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国は、こういう使用医薬品その他についてどのような規制を行うかは、今、厚生労働省の局長から御説明があったところでありますが、我が国では、これらの医薬品の家畜への使用について、国際基準などを考慮しつつ、薬事法に基づき、その適正な使用の確保に努めておるところであります。また、ホルモン剤などを使用した食肉の輸入については、食品衛生法に基づき遵守すべき残留基準が定められているところであります。いろいろ聞いたところによりますと、今までこれを超えた例はないということでございます。
 いずれにいたしましても、米国産牛肉の輸入再開問題については、あくまで科学的知見に基づき、消費者などの関係者の理解を得ながら、食の安全、安心の確保を大前提として適切に対処してまいりたいと、そう考えております。
○主濱了君 国民の健康を第一に考えられまして御対応されることをよろしくお願いを申し上げます。
 次に、内水面漁業についてお伺いをいたします。
 この内水面漁業、河川とか池ですね、内水面漁業の漁獲量の推移、これは全体の傾向で構いません、漁獲量の推移、それから需要に対する国内生産の割合、それから振興策ですね、こういったことについてお示しを願います。
○政府参考人(田原文夫君) お答え申し上げます。
 まず、内水面漁業の漁獲量、いわゆる河川、湖沼におきます内水面漁業の漁獲量でございますが、平成十年、全国で約八万トンでございましたが、平成十四年には約六万トンということで、近年減少傾向で推移いたしております。
 それから、この内水面漁業で漁獲しておりますものの国内と輸入の割合と申しますか、そういったことの関係でございますが、内水面漁業で重立って漁獲されておりますアユですとかワカサギ、コイ、こういったものはほとんどが国内生産ということでございまして、輸入されてもごく少ない部分ということでございます。このうち、若干輸入物の割合が高いということになりますと、シジミの関係が国内産と輸入の割合がほぼ同数、それからウナギは、これは内水面、養殖の方になりますけれども、国内生産の割合が大体二割を切るような最近の状況でございまして、輸入の割合がかなり高いということが言えるんではないかというふうに考えております。
 こういった内水面漁業関係の振興施策でございますけれども、私どもといたしましては、内水面漁業が今後とも持続的かつ健全に発展を図っていくために、増殖施設の整備ですとか、それから外来魚ですとかカワウの食害防止対策、さらには魚病対策、こういったものをいろいろと各般にわたって推進をしているところでございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 それでは、在来の水産動物の生態系にかなりの影響を及ぼすことが懸念されておりますいわゆるブラックバス、オオクチバスですね、この件についてお伺いをしたいと思います。
 いわゆるブラックバスにつきましてはこの六月から規制を始める予定であると、こういうことで聞いております。これまでの影響と今後の具体的な規制の内容についてお示しをいただきたいと思います。あわせまして、農林水産省としての対応につきましてもお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) ブラックバス等の問題についてでございますが、このブラックバス等が、日本の在来の生態系あるいは内水面漁業を中心といたしました水産業への影響、こういった点につきましては、いろんな研究機関ですとか研究者、更には県の試験場等々、こういったところからいろいろ指摘されているところでございます。
 このため、環境省でこのたび外来生物法に基づきます指定ということで専門家会合が開かれまして、このブラックバス等を特定外来生物の指定対象とする旨の専門家会合での判断を受けまして、近々これを政令で指定するという動きでございまして、御指摘になりましたように、六月からの法施行ということで、ただいま準備中ということでございます。このブラックバスが特定外来生物ということで指定されました場合には、飼養ですとか輸入、こういったものは原則禁止になるということでございます。
 私どもといたしましては、環境省あるいは各地方公共団体とも協力しながらこの法律の適切な実施を図ってまいりたいと考えておりますが、私どもも実はこういった外来魚等の駆除の予算というものは各地方公共団体にも出させてもらっているところでございまして、引き続きこうした予算等の活用によりまして実効が上がるようにということで各都道府県、環境省と協力してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 それでは、今度は伝染性疾病、魚類の伝染性疾病についてお伺いいたします。
 先ほど中川局長の方から早期発見、そして撲滅が目的、目標であると、こういったようなお話がありました。それでは、日本では魚病や貝類の伝染性疾病など水産防疫に携わることのできる専門家はどの程度おられるかということでございます。魚病を診断できる獣医師はどのぐらいいるか、さらには獣医師の更なる養成は必要がないのか、この辺についてお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 魚病に関します専門技術者についてのお尋ねでございますけれども、社団法人の日本水産資源保護協会に農林水産省の方から委託をいたしまして、都道府県の職員の方々を対象に研修事業を実施をいたしておりまして、この研修を修了された、これは民間の資格でありますけれども、修了いたしますと魚類防疫士ということになりますが、この資格を持っておられる方は平成十七年三月現在で六百八十四人、そのうちの五百十人の方が都道府県の水産試験場などの現職の職員というふうになっているわけでございます。
   〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕
 また、獣医についてのお尋ねもございましたけれども、現在のところ水産動物の疾病などの診断を行います獣医師の数というのは極めて限られておりまして、日本水産資源保護協会に委託をして実施をいたしておりますこの研修事業などを獣医さんに受けていただいて魚病の知識を付けていただく、これが一番の現実的な道だというふうに思っております。こういった研修事業を通じまして、魚病の診断をする技術を有して、また養殖業者の方々の相談にもあずかれると、そういう獣医師の数を少しでも増えるように努力をしたいというふうに思っております。
○主濱了君 ありがとうございました。
 現在、輸入検疫の対象伝染病として、日本はKHVやサケに感染するレッドマウス症など十一種類の伝染性疾病を指定しておりますけれども、これはどのような基準に基づいて指定したのか、お知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 指定の基本的な考え方でございますけれども、これはOIE、国際獣疫事務局におきまして水産動物に関します疾病についてのリストがございます。これは三十五の疾病が載せられておりますけれども、この中にはもう残念ながら日本に既に入ってしまって蔓延をしているというものもございます。また、日本には入ってないわけですが、国内の養殖の形態等を見ると、当面直ちに影響がないであろうというものもございます。こういったものを除きまして、現在日本には入っていない、あるいは入っていてもごく局所的だというふうなもの、それからいったん入った場合には大変大きな影響を与えるというふうなものを選んでいきますと、十一の疾病がございます。これが現在水産資源保護法等で指定をしている疾病でございます。
○主濱了君 十一選ばれたということなんですが、このコイヘルペスを除いては国内ではまだ発生していないわけですよね。残りの十種類の伝染性疾病が国内で発生した場合、養殖魚類や養殖経営にどのような影響が想定されるのか、これを伺いたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) なかなかこれシミュレーションをするというのは難しいわけでございまして、OIEの魚病のリストに載せられている疾病、あるいは今申し上げました十一の指定の疾病につきましては、正に日本に入った場合には影響が大きいだろうということが想定をされますので、そのリストに入れているわけでございます。
 したがいまして、どの程度かということは一概に申し上げられませんけれども、そういったことが起こらないように国境措置、まずは国内に入るところをきちっと防疫対応を取るというふうに、私どもはそういう基本的な考え方で対応しているところでございます。
○主濱了君 KHVは、日本で発見されてから一年と少しで北海道から鹿児島までの三十九都道府県で発生をしたと、そこに広がってしまったということですが、なぜこの一年ちょっとの間に全国に広がってしまったのか、この理由をもし分かればお知らせください。
○政府参考人(中川坦君) 先ほどもお尋ねがございましたけれども、感染経路をいろいろと究明していくというのは大変防疫対応を取る上でも大事なことでございまして、コイヘルペスウイルス病の侵入経路等につきましても、専門家の方々にいろいろ助言をいただきながらこれまで調べてきております。
 なかなか、国内にどうして入ったかというのははっきりと分かりませんが、コイヘルペスウイルスの遺伝子解析を行いますと、二つのタイプがあって、アジア型とヨーロッパ型があると言われておりますが、日本の各地で発生をしているものはすべてアジア型だということでありますので、ヨーロッパから来たのではなくてむしろアジアの方から入ったというところまでは一応の推測が付くわけでございます。
 それから、国内での蔓延の状況、広がった理由でありますけれども、かなりの部分は霞ケ浦あるいは北浦のコイがその場所に移出をされた、そこで起こったという例もございます。ただ、それだけでは説明の付かないものがございます。特に、自然水域で発生をしているというようなものにつきましては、これは普通の一般の方が何らかの理由でコイを放流をしたり、あるいは弱った魚、死んだコイをそこに捨てたというふうなことが原因ではないかというふうに推測ができます。
 ただ、今申し上げましたように、余りはっきりしたところが残念ながら分かっていないということでございます。
○主濱了君 先ほど田中委員からもお話がありました、このたびの改正では成魚が対象にされたと、輸入制限の対象にされたと、こういうことでございますが、輸入防疫制度、要するに許可制度を創設した時点で、成魚からは感染はしないと、こういうお考えだったんでしょうか。それで今回入れたと、こういうことなんでしょうか。この辺、事情をお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 水産資源保護法によりまして輸入防疫制度を設けましたのが平成八年でございます。実はこの一年前の平成七年にOIEの方で水産動物の疾病のリストというふうなものもできております。それから、我が国におきましては、平成五年ですけれども、西日本のエビの養殖場においてクルマエビ急性ウイルス血症というものが発生をし、大変な被害があったというふうなことがございます。
 ですから、平成五年のこの我が国での発生ですとか平成七年のOIEでの魚病リスト、そういうものが契機になってこの水産資源保護法によります輸入防疫制度の創設ができたわけでありますけれども、そういった我が国の発生例などを見ますと、海外から種苗の輸入に伴ってこういった伝染性の疾病が入ってくると、そして養殖業に重大な被害をもたらした例が見られると、こういうそのときの事例を参考にいたしますと、これは種苗を介して輸入されると。輸入というか、病気が国内に侵入してくると。そういうことが一番の原因ではないかというふうに考えられたわけでございます。
 成魚についてなぜ入れなかったのかということでありますけれども、一般に、もう成魚、大人の魚になったものというのは普通は増養殖用のものとして輸入されることもございませんので、養殖場等に放流される可能性も考えにくいということでこの輸入防疫対象とはしなかったということでございます。
○主濱了君 それじゃ、先を急ぎます。
 OIEの水産動物衛生規約(二〇〇四)が対象としている三十五疾病あります。先ほどお話あったとおりですね。三十五疾病のうち、日本に未侵入の疾病で、なおかつ輸入防疫の対象でないものが、アメリカナマズウイルス病、あるいは伝染性サケ貧血症など十七の疾病あります。これ入っていないわけです、日本の方ではですね。入っていないというのが十七あります。これらの疾病の侵害の危険性はほとんどないと、こういうことなんでしょうか。仮に、疾病、侵入した場合、被害はどの程度になるのか、もし分かればお聞かせを願いたいと。
 実は、この問題、全く地元の問題なんですが、岩手県北上市の江釣子というところで二十年以上も昔からアメリカナマズの養殖を行っているところがあります。きっかけは、これは実は減反だったんですよね。減反の代わりに入れたと、こういうことだったんですが、そういうふうなところが実際にはあると。今回は外されているという問題。
 また、サケ、このサケの分も外されておりますが、サケと聞きますと、北海道ほどではないんですが、岩手県も結構、サケ取れます。地元との関係で心配になりますので、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 先ほども申し上げました、現在の十一の伝染性の疾病の指定というものは、先ほど申し上げましたような理由で指定をいたしておりますけれども、具体的な疾病、何を付け加えるかどうかということにつきましては、独立行政法人の水産総合研究センターの養殖研究所、それから、当然のことですが、私ども国の方、それから大学や海外の専門家などと連携を密にしながら、海外におきます新たな疾病の発生状況、あるいは我が国の水産資源に対しますリスクに関します情報、知見を収集した上で、定期的に追加あるいは見直しを行うこととしたいというふうに思っております。
 今、先生も一つ具体的な例をお挙げになりましたけれども、常に海外での状況、また国内での養殖業の実態等を踏まえながら、そこは時期を失することなくフォローしていきたいというふうに思います。
○主濱了君 それでは次に、検査証明書に関連してお伺いをいたします。
 先ほど小斉平委員からも御指摘ありました水産保護法改正法案の十三条の三の第一項関係でございます。
 水産動物の輸出国の最新の状況をどのように入手して、日本としてその輸出国の事情、その他の事情をいかに判断していくのか、まず伺いたいと思います。
 それから、あわせまして、検査証明書の添付があるにもかかわらず、隔離管理命令を出したり出さなかったり、そうしますと、各国の発行する検査証明書の信頼性を否定することになるのではないかなと、このように私思うわけであります。そして、ひいては当該発行国との信頼関係も失うことになるのではないかと、こういうふうに思うわけですが、この点につきましてもお考えをお示し願いたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) まず、輸出国におきます疾病の発生状況についてでございますけれども、まず、ベースになりますのは、国際獣疫事務局、OIEの情報でありますし、さらに、在外公館にも私ども農林水産省の職員が相当数行っております。それから、輸入業者などを通じましても、最新の情報を得るように努めているところでございまして、さらに日本水産資源保護協会などを通じまして、これは現在でもやっていることでありますけれども、輸入した魚介類につきまして一定の期間モニタリングを行ったり、あるいは魚病情報の収集などというものも行っております。こういった情報を総合的に勘案をして判断をしたいというふうに思っているわけでございます。
 具体的に、それでは検査証明書が付いていながら隔離管理命令を発する場合はどういう場合かということでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、その国にある指定の疾病が発生しているという情報だけをもって輸入禁止にすることは適切でないと思います。それは、魚の病気というのは水を介して伝播をしますので、水系が違う、あるいは隔離された内陸での漁場でつくられたようなもの、種苗というふうなものは感染性がないということも一応の推定ができます。
 そこで、検査証明書が一つの判断の材料になるわけでありますが、ただ、その国に特定の疾病が発生しているという情報がありますと、それだけでは検査証明書を十分、一〇〇%信頼するわけにもいかないということで、これが一つの例になると思いますし、また、ある輸出国から輸出をされた水産動物がその輸出先でもって発症したというふうな例があれば、それは元の輸出国におけます魚病の発生状況というのを一つ疑う理由にもなると思います。
 それから、先ほど申し上げましたが、当該国ではなくてもその近隣の国で、水系がつながっているようなところで疾病が発生をしているというふうな場合、こういった具体的な例を、この法律御可決いただいて成立をいたしました後になりますが、局長通知でもって具体的にもそこは明示をしたいと思います。また、どういう施設で隔離をするかといった具体的なことは、あるいは期間につきましては省令で定めるというふうにいたしておりますので、そういった点につきましては、円滑な改正法案の執行ができますように十分留意をしたいと思います。
○主濱了君 同じく、輸出国の事情、その他の事情について最も知りたい、関心を持っているのはやはり輸入業者であろうと私は思うわけであります。輸入業者の方へ事前に情報を伝達するシステム、これが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) まず、輸入をされる方、ちょっと言葉は適切でないかもしれません、これは御商売でやっているわけでありますので、当然輸入に当たっての一定のリスクを取る、あるいはそのことが、リスクが生じないように自らいろんな情報等を収集されるというのはまず当然のことだとは思いますけれども、それに加えまして、私ども農林水産省で現在こういった情報を一般に公表するというふうなことはまだ行っておりませんが、水産資源保護協会、ここは普及事業を行っております、先ほど申し上げました社団法人のこれは団体でありますけれども、私ども委託事業等をここに行っておりますので、こういった団体の活動の一つとして、諸外国の情報などをホームページなどで載せるというふうなことは今後考えていきたいというふうに思います。
○主濱了君 養殖業者等の特定疾病に関する届出義務についてお伺いをします。
 これは届出義務違反まで問うわけでありますよね。そういったような関係から、輸入業者等に具体的にどのような事態に至った場合に届出をさせる、これを想定しているのか、この点について明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 特定疾病が発生をいたしました際に、これは通例の場合、当然でありますが、養殖水産動物というものは一定の臨床症状を示します。したがいまして、養殖業者の方々、ふだんから注意をしておられれば、特定疾病が発生した、あるいは発生した疑いがあるというふうなことは当然気付かれるはずであるというふうに思います。
 法律上の義務といたしましては、こういった疑いがあるということを発見した場合には届出をしていただくということになるわけでありますが、ただ、外観上だけでは発見が容易でない場合、あるいはそれが特定疾病に当たるのかどうかという点について判断に迷われる場合等あるかとは思います。そこで、実際にこの届出の義務を法律上課すといった、その実施を円滑に、スムーズにいきますように、私どもといたしましては、都道府県によりまして疾病の発生を円滑また確実に把握をする観点から、養殖業者の方々に指導する、そういうときの基準というものを設けたいというふうに思っております。
 例えば、一日当たりの死亡の率、あるいは当該死亡率が一定の期間継続するその期間、あるいは死亡数量の絶対数といったものを一つの目安にして、これは魚の種類によっても、また飼い方によっても違いますから、それぞれの地域に応じまして都道府県の方で具体的な数字については決めていただくというふうになるかと思いますけれども、こういった一つの目安も設けながら、養殖業者の方々にきちっと指導もしていきたいというふうに思っております。
○主濱了君 それでは続きまして、魚類防疫員等についてお伺いをいたします。
 このたびの養殖生産確保法案の七条の二で、新たに養殖業者に届出を課そうと、義務を課そうと、そういうふうにやるわけですが、これ以前については県の職員とかそういう者に予防あるいは対処をお願いしていたわけであります。それで、この魚類防疫員及び魚類防疫協力員の設置主体はどこか、そしてその職務、更には費用負担、加えて活動とその成果等について概略をお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 魚類防疫員が養殖水産動植物の伝染性疾病の予防のための指導あるいは養殖場への立入検査などを行わせるため、必要に応じ都道府県知事がその職員のうちから任命するということになっておりまして、平成十六年十月現在、全国で二百五十四人の方が任命をされております。先般のコイヘルペスウイルス病の蔓延防止のためにも、養殖現場で水産防疫活動にこういった魚類防疫員の方々が活躍をされたわけでございます。
 それから、魚類防疫協力員についてのお尋ねもございました。こちらの方につきましては、養殖業者からの相談に応じるとともに助言などを行わせるために都道府県知事が委嘱をするという形でございまして、全国で二十五名、こちらは残念ながらまだ数が非常に少ない状況でございます。
 こういった魚類防疫員あるいは魚類防疫協力員の方々の費用でありますけれども、都道府県において負担をする、知事が任命をされるということでありますので都道府県において負担をするということになりますけれども、こういった方々が魚病の検査などを行う場合の費用につきましては、食の安全・安心交付金、これは平成十七年度から各都道府県に交付をする交付金でありますけれども、こういったものの活用というものが可能になっているわけでございます。
○主濱了君 特定疾病の蔓延防止措置の迅速な実施あるいは定着した疾病の撲滅対策のためにも、これ各漁協に魚類防疫士のような専門知識を有する職員を配置、まあ配置はなかなか難しいんでしょうが、養成、少なくとも養成ですね、こういったようなことを支援をしていくべきではないかと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 魚病に関します専門技術者の養成につきましては、先ほども申し上げましたが、日本水産資源保護協会に委託をしまして研修事業を実施をしてもらっておりますけれども、この研修を修了した魚類防疫士、先ほども六百八十四人というふうに申し上げました。この中には漁協の職員の方でこういったコースを受講された方がいらっしゃいます。二十四名いらっしゃるわけでございます。これから養殖の現場において養殖事業者の方などからの相談に応じられるように、こういった漁協の職員の方々が専門知識をいろいろ付けていただくということは大変望ましいことだというふうに思っておりますし、日本水産資源保護協会が実施をいたしておりますこの研修のコースの中で、漁協の職員の方々の受講をしやすいように、内容ですとかあるいはコースのいろんなカリキュラムにつきまして見直しも検討したいというふうに思っております。
○主濱了君 養殖生産確保法の八条では、知事が、蔓延防止措置の新たな措置として、指定する区域内に所在する特定疾病にかかるおそれのある養殖水産動物の移動制限、禁止の命令を出せるようにしていると、こういうことでございます。この場合、その無主物、川を泳いでいる魚ですね、この無主物である自然水系における水産動物は移動の制限あるいは禁止の対象になるのかどうか。
 これはどんなことが根本にあるかといいますと、例えばKHVのキャリアのコイを釣り上げました、それを自宅の池に放しました、そこから感染が広がるということも考えられないではないというふうに思うわけであります。このような場合などへの対応についてはいかが考えているのか、無主物についてどう考えるのか、こういうことでございます。
○政府参考人(中川坦君) コイヘルペスウイルス病などの特定の疾病が天然水域で発生をした場合、大事なことはその地域からほかのところにうつらないようにするということでございます。それで、天然水域への放流ですとかあるいは天然水域間での移動、持ち出しといったものをきちっと制限をするというのがやはり蔓延防止のための第一の手段でございます。
 これは、漁業法に基づきます内水面漁場管理委員会の指示によりまして、こういった発生水域から感染魚を持ち出すことやあるいは未発生の水域において清浄性が確認されてないような種苗を放流するというふうなことは制限又は禁止をすることができるというふうになっております。こういった措置、手段によりまして蔓延を防止していくということが一番根本的な対応、対策ではないかというふうに思います。
 私どもも、このコイヘルペスウイルス病が発生をいたしました際には、パンフレットなど六十万部ほど刷りまして、一般の方々も含めてこういった点についての普及啓発について努めたところでありますし、内水面漁場管理委員会によります的確な指示などの措置を講じるように都道府県にも指導、助言を行ってきたところでございます。
○主濱了君 もう一つ、輸入金魚の販売やその飼養に関しては規制はないということでございました。一般人が所有する観賞用の魚ですね、このたびの改正の新たな措置の対象となるのかどうか、一般人が所有しているやつですね、これが対象となるのかどうか。この場合、所有あるいは飼養の実態をどのように把握して、所有者に対して移動の制限であるとか禁止であるとか、これを伝達するのかという点についてお示しをいただきます。
○政府参考人(中川坦君) まず、持続的養殖生産確保法に基づきます移動制限等の蔓延防止措置につきましては、「養殖水産動植物を所有し、又は管理する者」というふうになっております。ですから、観賞魚、金魚等を含みます養殖の対象となる水産動植物の種類一般を指すものでございまして、一般の所有者の方々も移動制限命令の対象にはなり得るものでございます。
 具体的な措置ということになりますと、本当に趣味で飼っておられる方をどう把握するかという問題はありますけれども、この場合の命令の対象となります観賞魚の所有者に対しましても、実際の移動制限を課するという場合には都道府県知事名でもって命令書を交付をするということになりますので、その具体的な実施に当たりましては、まずはどういう方が飼っておられるかといった基礎的な情報も含めて、その地域において収集をし、それから移動制限命令の命令書を交付をするという手続が取られるということになります。
○主濱了君 先ほどもお話がありましたんですが、蔓延防止の実効を確保するためには一般国民の協力、これが極めて大事だというふうに私は思います。一般国民の協力、積極的な協力を求めるために、特定疾病や蔓延防止に関する啓発をこれまで以上にしていかなければいけないのではないかなと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) その点は、今、先生おっしゃいましたとおり、正にそのとおりでございます。これまでもパンフレット等いろんな考え得る手段によりまして広報、普及には努めてまいりましたけれども、今後また新たな、願うわけではありませんけれども、そういった防疫対応を取らざるを得ない事態が生じました場合には、的確にその周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えます。
○主濱了君 蔓延防止のために焼却、埋却その他特定疾病の病原体の感染性を失わせる方法により処分することにしているということでございます。特定疾病の病原体の感染性を失わせる方法として具体的にどのような方法を想定しておられるのか、お示しをいただきます。
○政府参考人(中川坦君) 従来は焼却、埋却ということでございましたけれども、細菌ですとかウイルスとか、こういった疾病の病原体を不活化させるためには、適切な加熱処理というのも一つの方法でございます。ですから、従来の焼却、埋却という処分のほかに、今回は、加熱処理などによりまして病原体を不活化できる、そういう方法も加えたところでございます。
○主濱了君 それは、何といいますか、再活用というんですか、加熱処理した後、フィッシュミールなんかにすることもあり得るわけでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 不活化の方法だけ申し上げましたが、実際にそういうことによりましてフィッシュミールなどを作ることは可能でございます。これは、特定の疾病との関連で申し上げますと既にもう危険はないわけでありまして、肥料にするとかあるいはえさにするとか、そういう有効活用も今回この措置によりまして可能になるというふうに考えております。
○主濱了君 ちょっと抵抗を感じまして、このフィッシュミールから魚の病気が広がるということはないのでしょうか。この点についてお伺いいたします。
○政府参考人(中川坦君) フィッシュミールを作ります際には、九十五度ないし百度でもって十五分とか二十分は少なくても加熱処理をいたします。こういった加熱処理を行うことによりまして、これは専門家の方々にも知見としていろいろ私ども照会をいたしましたが、病原体は不活化されるということでございますので、安全上は問題がないというふうに考えております。
○主濱了君 もう一つお伺いしたいんですが、今度は焼却、埋却の処分についてなんですが、焼却、埋却を迅速にする。これはコイヘルペス見て分かるとおり、一気に大量発生するわけであります。この焼却・埋却処分を迅速に実施するためにはあらかじめ焼却施設とか埋却場所の確保が必要であるというふうに考えるわけですが、養殖業者あるいは自治体の対応は十分でありましょうか。この点についてお伺いをいたします。
○政府参考人(中川坦君) 平成十五年の十一月に霞ケ浦でコイヘルペスウイルス病が発生しました際、その当時は焼却又は埋却しかなかったわけであります。現に現地では大変苦労されまして、焼却や埋却といっても、そのままコイを焼いたりするのは大変難しいということで、いったん、これ先ほど言いましたが、加熱処理をして、それを更に焼却をしたという、そういう手段を取らざるを得なかったわけでございます。
 今回この加熱処理という方法もできましたので、むしろ埋却等をしなくても、これはその地元の方々の判断によりますけれども、処分の仕方として更に選択肢が増えたわけでございます。そういう意味で、従来のような埋却、焼却だけで、特に場所等についていろいろ御苦労されたという、そういうこともあったわけでありますが、更に円滑な処理ができるようになるものというふうに思っております。
○主濱了君 都道府県知事は法に基づき命令したことによりまして通常生ずべき損失を補償しなければならないということで、これは九条一項関係にございます。この事務は地方公共団体の法定受託事務であります。
 まず、通常生ずべき損失としてはどのような損失を想定しているのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(中川坦君) 持続的養殖生産確保法の第九条の規定に基づきます補償の対象となります通常生ずべき損失と申しますのは、水産動物の焼却等の命令を受けたことによりまして生じた損失をいうものというふうに考えておりまして、具体的には、その処分をした水産動物の価額やあるいは処分に要する費用の一定割合がこれに相当するというふうに考えております。
○主濱了君 死んだ、病気で死んだ魚につきましては、これは補償の対象にはなりませんですよね。具体的にどういったような魚の焼却、どういったような状態の、死んでしまった魚については、これはもう養殖業者の責任において処分をしなければいけないのではないかなと私は思うわけであります。そうすると、どの部分が実際にその補償の対象になるのか、これをお願いをいたします。
○政府参考人(中川坦君) まず、今、先生もおっしゃいましたが、既に疾病にかかって死亡した魚そのものは、もう既にその時点で無価値でございますので、これは補償の対象にはなりません。都道府県知事の命令によりまして焼却、埋却その他の処置を講じたもの、これはまだその時点では生きている魚について防疫対応上必要だということで処分の命令を課すわけでありますので、こういったものについてはその補償の対象になるというふうに考えております。
○主濱了君 分かりました。
 次に、現実に都道府県に支出があった場合、国はどのようにその補てんをするのか。これは、補てんするかどうかちょっと私は分からないんですが、これはあくまで法定受託事務であると。とすればこれは補てんというのが必ず出てくるはずでありますので、国はどのような形で補てんをするのか伺いたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 通常生ずべき損失につきましては都道府県知事がまず損失補償を行うことになっておりますけれども、この場合に、国はこの都道府県知事が行います損失補償に必要となります財源につきまして一定の助成を行うこととしております。現に、コイヘルペスウイルス病の場合には、この魚の価値の二分の一を国が助成をしたという実例がございます。
○主濱了君 最後になります。
 私、冒頭に申し上げましたとおり、地球上の生命を支える多くの生物体系、生態系が急激な開発の影響で水産資源も含めて著しく低下していることに大いに危惧を感じております。とにかく貴重でおいしい魚、これにつきましては孫子の代まで味わえるように望んでいるものであります。こういう中で、私はつくり育てる養殖業、これ、当岩手県も三陸沖を控えておりまして、非常に養殖、一生懸命頑張っておりますが、この発展に期待を掛けているものであります。この法改正が間違いなくその方向に向かいますことを改めてお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今日、一時からもう二時間余り、三人の委員から、水産業の振興に関しましても、また法案の改正についても、細かな質問も含めて充実した審議、私も聞かしていただきました。各地、特に西日本をのけますと、水産業、大変深刻な状況だなと。農業、林業、水産業、畜産業、その中でも一番深刻なのは水産業ではなかろうかと。遠洋漁業でかつて栄えていたときも、今は見る影もないということもございますし、瀬戸内海等の沿岸漁業も、競い合いの中で漁協同士で様々な対決、対立も生まれているということもございます。水産業の振興に向けての取組をこれから本格的にしていただきたいなというふうに思いますし、今回の法改正で現状に即して改正をされたんだと思います。
 水産資源保護法の方は輸入防疫制度の改正、また持続的養殖生産確保法の方は国内防疫制度の改良、こういう形で取り組んでいただいて改正したということでございますので、としますと、コイヘルペス等々ありましたけど、輸入防疫制度、どういう形で強化されたか。また、今回、農林水産大臣の許可の対象となる水産動物の範囲を拡大する、それと同時に、輸入許可を補完する措置として輸入後一定期間の隔離管理、観察等を義務付けるというふうになっております。現状対応、対策とは言いながら、こういう対策で現状を改良して強化がなされたと、それはまた十分な措置であると、十分な改正であるというふうに考えておられるか、これを最初に聞いておきたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 委員の方からもう既に結論が出ておりまして、重ねるようでございますけれども、このたび御審議いただいている法改正案は、今回のコイヘルペスウイルス病の発生等を契機に我が国の水産防疫体制を総点検した結果、その結果を踏まえて輸入防疫及び国内防疫の強化を図ろうとするものであります。
 特に、輸入防疫につきましては、輸入防疫の対象を、現行の増養殖用の水産動物の種苗から、用途、成長段階を問わず広く指定、拡充しようとするものであります。あわせて、輸出国政府の検査証明書を補完する措置として、輸入許可に当たって輸入後に適切な管理を行うことを義務付けるというものであります。こうした対策を適切に実施することにより、海外からの疾病の侵入防止の徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
 先ほども申し上げましたけども、防ぎ切れなかったということの反省に基づいてこのたびの法改正を行っておりますので、徹底して今後の対策を打っていきたいというふうに考えております。
○福本潤一君 いったんコイヘルペスという病気蔓延しますと水産業に壊滅的な打撃を与えるという現状にかんがみて、この運用も含めて適切な対応をしていただければと思います。
 さらに、今回の改正の中で食用の水産動物、これは輸入防疫制度の対象になっていないということでございますし、漁船や水産加工場の感染魚から、またそういう感染魚の残滓から養殖漁業に侵入、定着する危険性はないというふうに見てよろしいのでしょうか。これをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 今回の法律改正によりまして、輸入許可の対象となります水産動物につきましては、現行の増養殖用の水産動物の種苗といったように稚魚ですとかあるいは卵といったそういうふうな制限的なものから、用途やあるいは成長段階を問わず広く指定できるように拡大をすることといたしております。したがいまして、法律上は食用の水産動物であっても輸入防疫の対象として農林水産省令で指定ができることとなっております。
 現在は、増殖又は養殖の用に供するコイの稚魚及び幼魚、それからサケ科の魚類の発眼卵あるいは稚魚、それからクルマエビ属などのエビ類の稚エビというようなものが対象としているわけでありますけれども、法改正後は、食用であっても養殖漁場などにおいて使用される可能性のある生きたコイの成魚などは対象に加えることを予定をいたしております。
 ただし、食用の水産動物であっても死んだものにつきましては、これは昨年の七月の水産防疫体制に関します専門家会議におきましていろいろ議論をいただきました。その報告書にも載せられておりますが、こういった死んだものというのは、適切な処理がなされる限り、食品の残渣等によりまして病原体が養殖漁場などに侵入し定着する危険性というのは極めて低いというふうに整理をされておりまして、現段階では直ちに輸入防疫の対象とすることは考えていないところでございます。
○福本潤一君 そういう危険性を低くする作業、ゼロにするわけにいかなくても、近づけていただければと思います。
 今回の法改正に直接は関係ないですけど、関連がある質問をさせていただきます。
 今現在、アジアでやはり伝染性の病気が水産に起こっておると。クルマエビの疾病でございますが、タウラ病症候群という病気が今現在、中国、タイ、台湾、マレーシア、インドネシアで、まあ日本近海で猛威を振るっておる現状でございます。これ、いつ日本に侵入してもおかしくない状況だというふうに専門家は言っておりますが、農水省はこの点どのように認識して、どういうふうに対策を考えられておるか、これをお伺いします。
○政府参考人(中川坦君) 今、先生御指摘になりましたクルマエビのタウラ症候群、確かにOIEの疾病リストの中には載っておりますし、元々はアメリカ大陸あるいはハワイで発生をしたということが記録に残っておりますけれども、最近ではアジアに急速に拡大をしておりまして、我が国に侵入した場合にはクルマエビ養殖に影響を与える可能性もあると、そのことは認識をいたしております。
 このため、タウラ症候群の輸入防疫対象疾病への追加指定につきましては、大学や海外の専門家などと緊密に連携を取りながら、海外におきます発生状況、あるいは我が国の水産資源に対しますリスク等に関します情報、知見の収集に努めまして、これはできるだけ早急に結論を得たいというふうに思っております。
○福本潤一君 対策は早いうちに手を打つという事前の準備も滞りなく、よろしくお願いいたします。
 もう一つ関連の質問でございますが、養殖用のエビ、これを輸入するときに船、バラスト水を積んでおりますけれども、このバラスト水を廃棄すると、感染した甲殻類、こういったものが拡散するという状況がございます。これが病原菌の侵入の要因の一つであるという指摘もございます。ですので、このバラスト水の対応、対策、外来生物が持ち込まれて現地の生態系が攪乱される場合、環境上このバラスト水が影響する場合もあると。国際条約の採択含めて、国土交通省、これは元運輸省の関係でございますし、海外への輸出船、かなり日本に入ってまいります。そのバラスト水への対応、どういうふうに考えておられるか、これをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(平田憲一郎君) お答え申し上げます。
 いわゆるバラスト水問題と国際的規制の動向についてのお尋ねでございます。
 船舶のバラスト水は、委員今御指摘のとおり、船舶が空荷になったときの安全確保のため、おもしとして搭載する海水のことをいいますが、積荷を降ろした港において海水を積み込む、荷物を積み込む港においてこれを排出するということが一般的となってございます。
 このバラスト水につきましては、これまで国内法の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律におきまして、油でありますとか有害な液体物質が混ざったバラスト水の排出について規制を行ってきたところでございますが、これに加えまして、近年、バラスト水に混入した生物が世界じゅうに拡散して、本来の生息地でない場所で生態系の破壊、経済活動、人の健康への被害を発生させるという問題が生じてきており、対策の在り方につきまして国際的に問題とされるようになってまいりました。
 こういう状況を踏まえまして、海運に関します国際機関でございます国際海事機関、IMOと言っておりますが、これにおいて議論が積み重ねられた結果、昨年の二月でございますが、有害水生生物及び病原菌の移動によって発生する環境、人間の健康、財産及び資源への危険性の防止などを目的といたします船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約、いわゆるバラスト水条約が採択されたところでございます。
 現在は、この国際海事機関におきましてこの条約の実施に向けて細則的な事項につきますガイドライン作成の作業が行われているところでございますが、この条約が発効いたしますれば、船舶から排出されるバラスト水中に含まれます有害水生生物などについて規制されることとなってございます。
 このバラスト水問題に関しまして、国土交通省といたしましては、現在こうした国際的な議論に対しまして規制を実効あらしめるとの観点から積極的に参画しているほか、国内におきましてもバラスト水による環境への影響に関する所要の調査検討を行っているところでございます。
 今後とも、海洋環境の保全と海運との調和を基本に適切な対応を行っていくこととしております。
○福本潤一君 その適切な対応の中身を聞きたいわけでございますけれども、バラスト水、意図せずに輸入してくるということでございまして、具体的に意図して輸入物でないものがこういう形で入ってくるので、我々素人的に考えても、バラスト水を海上で途中で段階的に入れ替えるのを何回か繰り返すとか、やりようはいろいろあるんではないかと思いますので、適切な対応の中身をまた教えていただければと思います。
 さらに、国内防疫制度の改正ということで、これ、農水大臣政務官、お伺いしたいと思うんですけれども、今回、養殖業者が疾病発生した場合、届出義務を創設するというふうになっておりますし、蔓延防止措置の拡充を行うということでございますが、これも先ほどと同じ趣旨の質問ですが、この今回の改正で国内防疫制度の強化は十二分であるというふうにお考えか、これをお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(加治屋義人君) 病原体の蔓延防止については、目に見えない相手だけに一筋縄ではなかなかできないということは、今、先生おっしゃるとおりだと思っておりますけれども、ただいま御審議をいただいている法改正案は、先ほど常田副大臣、答弁したとおりでございまして、輸入防疫及び国内防疫の強化を図るとしております。
 特に、この国内防疫につきましては、養殖業者等による届出、制度上義務付けることで、蔓延防止の措置の初動の迅速化を図るとしております。また、一定の区域内の特定疾病にかかるおそれがある養殖水産動植物についても予防的に移動の制限又は禁止を行うことができるということにしておりまして、蔓延防止措置のより効果的な実施が可能になるものと考えておりますけれども、こうした対策を適切に実施することによって疾病の蔓延防止の徹底にこれからしっかり取り組んでまいりたいと、そのように思っております。
○福本潤一君 特に、水産業の振興のためにはこういう対策、万全に取り組んでいただければと思います。
 先ほども、病気のみならず、例えばホルモン剤を、抗生物質を使った問題とかメチル水銀の話ございましたので、私も関連でお伺いさせていただこうと思いますけれど、一九九九年にダイオキシン規制法、通りました。
 それで、ここにおられる小川委員も、熱心に我々取り組ませていただいた法案でございますけれど、それに基づいて、焼却場から排出するダイオキシンは九五%排すると環境省も胸を張っていろいろなところで言っておるわけですけれど、これ農薬由来のダイオキシンとか様々、由来が違うものはまだまだ蓄積しているというときに、魚介類にダイオキシン類どの程度蓄積しているかという問題。これもあの当時、四ピコグラム以下に抑えていくためには食べ物の中の魚介類どの程度以下に抑えればいいかというので、魚のダイオキシン量、かなり、現状どうなのかという声ございまして、いろいろな質疑した覚えがありますけど、実態調査としてどの程度取り組まれて、どのような結果になっておるのか、これもお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 平成十一年の三月にダイオキシン対策関係閣僚会議、これでダイオキシンの対策推進基本指針というものが策定されましたけれども、これに基づきまして、水産庁といたしましては、魚介類のダイオキシン濃度、これは毎年調査を実施しておりまして、これまで平成十五年までの調査結果、これは既に公表をさせてもらっているところでございます。
 十五年度は沿岸ですとか沖合、遠洋、内水面別に全部で百三十七種類、合計三百四十四検体、この魚介類について実態調査を実施しましたけれども、十一年度から十四年度までに実施しました調査結果とほぼ同程度の結果というのが大体の平均値でございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後とも継続的に魚介類中のダイオキシン類の実態調査、これを実施いたしまして、関係省庁とも連携しながら、消費者、流通業者、生産者あるいは専門家との情報の共有化、こういったことによりまして実態の周知には努めていきたいと、かように考えている次第でございます。
○福本潤一君 現状では問題ない時点だということでございますし、結果を見させていただいても、こういう問題に関してもまだまだ残っている問題でございますので、水産庁としても関心、また対応も考えていただければと思います。
 先ほども御質問の中にありましたけれども、メチル水銀、これについてもお伺いしておきたいと思います。
 水俣病、メチル水銀で多くの人が苦しまれたという現状ございます。対応、対策も様々な形で取れてはおる面と、まだまだ裁判で認定されなかった患者さんもおられます。ですので、この魚介類にかかわるメチル水銀、これもどういう形で具体的に調査されて、どのような現状にあるのか、これもお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) 御質問の魚介類中のメチル水銀の問題でございますけれども、昭和四十八年、当時の厚生省によりまして、総水銀量は〇・四ppm、メチル水銀〇・三ppmという暫定的な規制値が設定されているわけでございますが、この中でマグロ類ですとか深海性の魚介類、これは除かれた暫定規制値ということで承知しております。
 一方、私ども水産庁といたしましては、平成十四年度からでございますけれども、この厚生労働省の暫定的規制値の適用除外とされておりますマグロ類それから深海性の魚介類、こういったものにつきまして十四年度から十六年度にかけまして水銀調査を実施しておりまして、具体的には十五種類の五百一検体ということで調査しておりまして、その結果は既に公表しておりまして、また厚生労働省の薬事・食品衛生審議会、こういったところでの検討資料ということで資料提供等も行っているところでございます。
 我々といたしましては、今後とも必要に応じまして同様の調査を実施し、厚生労働省等とも連携しながら、消費者ですとか流通業者あるいは生産者との情報共有化、こういったことに努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○福本潤一君 ダイオキシンにしてもメチル水銀にしても、食の連鎖で、そこの水域には余りなくても、だんだん微生物から魚介類でも小さい魚介類、だんだん濃縮していって、余り自然に分解しないということでございますので、この点についても対応、目を光らしておいていただければと思います。
 と同時に、ホルマリンの問題もお伺いさせていただこうと思います。
 瀬戸内海、また養殖かなり盛んでございますし、ハマチの養殖、各地でやっております。さらに、愛媛県というと今、日本一の真珠の特産地にいつの間にかなっておるわけでございますけれども、三重県の英虞湾ははるか昔栄えていたというような時代が来ておりますが、と同時に、ホルマリンを使ってトラフグの養殖に対して対策するということで、このホルマリン、一時減産、真珠が減産したときに調べると、これが原因ではないかというようなことがございました。
 このホルマリンの対応、対策も具体的にどのようにされて、どのようにこれからほかの漁業に悪影響を及ぼさないようにされておるか、これをお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 平成十五年の七月に薬事法が改正をされまして、ホルマリンなどの未承認の医薬品につきましては養殖魚への使用が禁止をされております。現在、ホルマリンの代替薬が二つ、もう既に開発をされておりまして、体表駆虫用の過酸化水素製剤、あるいはまた経口投与薬というものが薬事法に基づきまして承認をされ、使用されるようになったということでございまして、こういった有効な代替薬が開発をされましたこと、また、都道府県におきます指導あるいは監視が徹底をされておりますことから、平成十五年七月の薬事法の改正以降、フグ養殖におきますホルマリンの使用事例は報告をされておりません。私どもとしましては、適切にその使用の規制がなされているというふうに理解をしております。
○福本潤一君 かつて、その養殖の関係で真珠が値落ちになった後、かなりのダメージ受けたときのその原因が過殖だと、植え込み過ぎだという話と同時に、フグの養殖を万全にするためにホルマリンを混ぜたらいいということが、海を汚してできなくなっていると。現地の方々は大変苦しんで、対策、対応していただいたところでございますが、確かに薬事法の規制でホルマリン使われぬようになって、代替物としてマリンサワー、H2O2という、過酸化水素水ですか、短期間しか使えないからということですけれど、これ高いけど県が補助したりしたんですけど。県が補助したと同時に、工業用のホルマリンも使われて、薬事法で規制されましたので工業用のホルマリンを使っているところも出てきておるんじゃないかというようなこともありましたので、水産振興のために、水産庁長官、またそこらの方にも目を光らしていただければというふうに思います。
 今回、様々な質問させていただきましたけれど、農林水産大臣、この養殖業、養殖漁業、これなかなか振興、頑張っているところはあるんですけれど、金額でいうと三〇・四%、量で二三・五%を占めているということで、水産全体の低下の中でこれを振興することによって日本の水産業、食料生産のためにも頑張る必要があるわけでございますけれど、水産庁長官、いろいろお伺いしましたけれど、こういう養殖漁業、また、水産業の中でどういうふうに考えられて、今後これを振興することが大変大きな意義があると思いますが、どういう政策展開図られていかれようとしているか、支援策も含めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 我が国の海面養殖業の生産は、平成十五年に百二十五万トン、約四千五百億円となっており、国民の需要の強い魚種を供給するとともに、地域の振興にも貢献する重要な産業と認識しております。
 このため、地域の特性に即してブランド化を図るなど、付加価値の向上に努めるとともに、協業化による生産性の向上や、需要に見合った生産体制の整備に取り組んでいるところであります。
 また、養殖漁場環境の維持改善や消費者への情報提供と理解の促進により、国内産養殖水産物の安全、安心の確保を図っていきたいと考えております。
○福本潤一君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 コイヘルペス病の発生を踏まえまして、伝染性疾病を我が国に持ち込ませない対策ということで、遅きに失したとはいえ、輸入防疫強化は当然のことで賛成です。その上に立ってお聞きしますが、まず検疫体制です。
 今回の改正によって輸入許可の審査が大幅に増えることが予測されます。それで、今後はコイの成魚やそれから金魚が全部許可対象になっていくと。今までは年間で十件程度だったのが、現状の輸入水準で考えると二百から三百件くらい輸入許可を審査しなければならなくなるということですね。さらに、隔離管理を行った場合にその立入検査などの業務も発生すると。
 今まで輸入防疫担当というのはわずか一人だというふうに聞いているんですけれども、大臣、これではとても対応できないと思うんですけれども、今後の対策など、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 人員についてのお尋ねでございますので、私の方からまずお答えをさせていただきますけれども、今年の十月からでありますけれども、水産防疫を担当いたします職員一名増員をいたすことになっております。こういった点、十分業務が円滑に行われるように努力をしていきたいと思っております。
○国務大臣(島村宜伸君) 御審議いただいております法改正案は、コイヘルペス病の発生などを契機に我が国の水産防疫体制を総点検した結果を踏まえまして、輸入防疫及び国内防疫の強化を図るものであります。
 特に、輸入防疫については、輸入防疫の対象を現行の増養殖用の種苗から、用途、成長段階を問わず広く指定できるよう拡充すること、また、輸出国政府の検査証明書を補完する措置として、輸入許可に当たって輸入後の適切な管理を義務付けることを内容としております。
 こうした対策を適切に実施することにより、海外からの疾病の侵入防止の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○紙智子君 最初に局長の方から、今、一人増員が決まっているということなんですけれども、やはり十分な体制がなければ、書面での検査、審査ということで、本当に十分な情報を収集したり、隔離管理とか、効率が上がっていく、実効が上がるというふうになっていかないと思いますから、これは抜本的に強化すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 それから次に、岩手の三陸の漁業者の皆さんと実は懇談をしてきた中で出された問題なんですけれども、幾つかお聞きしたいと思います。
 それでまず、安全、安心の問題として、ノロウイルス対策についてなんです。
 まだ十分対策が確立していない分野で、総合的に対策強化が求められている問題なわけですけれども、岩手県ではカキのブランド化推進のために大変努力をされています。県漁連と県で策定した生食用カキのノロウイルス対策指針ということで、それに基づいて出荷期間中、毎週自主検査をやっているというんですね。
 そこで、水産庁のこの養殖水産物ブランド化推進・強化事業、その一環として、その中でノロウイルス対策というところがあって、ノロウイルス対策のモニタリング調査というのも挙げています。としますと、この岩手でやっている自主検査も事業の対象になるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 ノロウイルスの問題は、もちろん食中毒の観点からは厚生労働省あるいは衛生当局の問題でございますが、私どもといたしましても、養殖水産物に対します消費者の安全、安心を確保し、ひいては養殖業の振興につながるという観点から、十六年度まではこの養殖水産物ブランド化推進・強化事業ということで、岩手県の場合も、実績といたしましては事業費が七百八十万円ということでモニタリング検査をしておられますが、その半分の助成ということで国費助成をさせてもらっているところでございます。
 十七年度以降は例の強い水産業づくり交付金というふうになりますけれども、その中におきまして引き続き、こうしたブランド化に取り組んでおられる各県の取組は引き続き支援することによりまして、こうした漁協等の取組が円滑に行えるということで我々も支援をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○紙智子君 ブランド化促進ということで対象となり得るということだったというふうに思います。
 それで、検査というふうにいいましても難しくて、死んだウイルスも検出されていくと。だから、陽性で出るんだけれども、実際にはそうなのかどうか分からないということですとか、それから、まだ方法が完全じゃない中で、ノロウイルスが発見されたとしても除去の方法がないと。結構検査料も高いということもお聞きしました。それぞれのところの組合員というか、漁業者の人数にもよるんですけれども、一人二万円から五、六万円、人数が少ないところでは五、六万円ぐらいになるということなんですね。
 やっぱり消費者に安全、安心を与えていこうと。三陸のブランドを高めるために、言わば毎週自主的に検査をしているということなんです。漁業者の皆さんのお話では、これだけじゃなくて、このほかに例えば腸炎ビブリオだとか、それからO157だとか大腸菌だとか、貝毒の検査もあると。だから、そういう中でせめて検査費の支援してほしいというのが皆さんの声だったわけです。
 今後、これらの補助金が、お話にもありましたけれども、強い水産業づくりの交付金というふうになって、言わば事業主体の裁量でいろいろやっていくということで拡大されていくということでもあると思うので、県からそのような具体的な要望があれば検討していただけるということでよろしいでしょうか。大臣にお聞きしたいと思うんですけれども。
○国務大臣(島村宜伸君) 養殖水産物に対する消費者の安全、安心を確保するためには、このノロウイルス対策を適切に講じていく必要があります。
 このため、都道府県や漁協が行うノロウイルスの検査に対しましては助成を行っているところでありますが、今後とも、厚生労働省と連携してノロウイルス対策に努めてまいる考えであります。
   〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕
 実は、私は生ガキが大好きで、もう朝昼晩で結構な男なんで、是非この対策を進めたいと。別に私的なことを盛り込む気はありませんが、考えております。
○紙智子君 ありがとうございます。
 それじゃ、それに関連して、北海道のカキの貝毒の問題についてお聞きしたいと思うんです。
 貝毒問題が今出ているんですけれども、食の安全・安心確保交付金という中に貝毒安全対策の推進というのがあります。それで、全道的には検査体制の強化を行う方針なんですけれども、この交付金はこれらの支援の対象にはなりますでしょうか。これについて、消費・安全局長。
○政府参考人(中川坦君) この食の安全・安心確保交付金、都道府県が行います各種の安全対策につきまして国が支援を行うという目的で設けられております。貝毒の安全対策につきましても、道の方で実施計画を作られて検査を実施をするという場合につきましては、その支援の対象にはなるということでございます。
○紙智子君 それじゃ次に、もう一度三陸の方に戻るんですけれども、漁場の環境を良くするために様々な努力がされているんですね。漁業者の皆さんが参加をして植樹などの環境保全活動が行われています。
 先日、私が行ったところなんですけれども、三陸の山田町ですね。ここは町有林に植林をしています。ところが、町の八割は国有林なんですね。広葉樹の植林を森林監督署の施業としてやってほしいんだと。荒れているところも結構多いという話で要望が出されているんですね。漁業者が参加をして行う植林などの活動などは、県庁の資料で見ますと、十六年度で十一か所あります。一年間でこれだけやっているわけですね。
   〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕
 国有林はこの五年間で実際何か所広葉樹の植林を直接やっておられるのか。ただし、分収造林という形で住民の負担でやる事業ということではなくて、国有林自身の施業ということでやっている分についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 御案内のように、国有林の管理経営に当たりましては、公益機能の維持増進、こういったものを旨といたします経営方針の下で公益機能の発揮を図っていく、向上を図っていくという観点で、適地適木、こういった考え方に立ちまして、立地条件に応じて長伐期施業ですとか、あるいは複層林の整備あるいは針葉樹と広葉樹との混交林、こういった施業を進めているところでございます。
 今お話がございました三陸地方におきましても、このような観点から多様な森林整備の推進に努めているところでございますけれども、広葉樹につきましては、実は天然力を活用した天然林施業、こういったことを中心にその育成に努めているところでございまして、また一方では、人工造林におきましては、今お話ありましたけれども、分収造林、これを主体に広葉樹の植栽を行っているところでございます。
 これらの広葉樹の育成につきまして、平成十一年度から十五年度までの実績を見ますと、天然林施業によるものが三百七十五ヘクタール、植栽によるものが四十一件の七十六ヘクタール、このうち国有林自らが植栽といったものにつきましては一件で、約三ヘクタールでございます。
○紙智子君 一件というふうにおっしゃって、ちょっとこれは、じゃやっていないと同じじゃないかなというふうにも思うわけですけれども、これを、じゃ抜本的に拡大するつもりはありますか。
○政府参考人(前田直登君) 今申し上げましたように、広葉樹の場合、どちらかといいますと、技術的な面からいきますと、天然更新あるいは天然林施業、そういった形をやっていくのが非常に技術的には適当であるというようなこともございましてこの天然林施業を中心にやっているというような状況でございます。
 今後の予定でございますけれども、平成十七年四月一日現在におきます五年間の国有林施業実施計画、こういったものを作りながらやっているわけでありますけれども、その中では、これらの天然林施業によるものが百七十四ヘクタール、人工造林におきましては分収造林を主体に考えているわけではございますけれども、まあトータルといたしまして国自らがやるもの、そういったものも含めまして約九ヘクタール、これは、分収造林の場合にはなかなかその見通しが不確定であるというようなこともございまして、九ヘクタール、これを予定しているところでございます。
 今後とも、こういった広葉樹につきましては、地域の要望等も踏まえながら、実施段階におきましてもまたその育成に積極的に取り組んでいきたいというように考えている次第でございます。
○紙智子君 広葉樹については、ほうっておいても自然に出てくるというふうな考えではやっぱり駄目だと思うんですよね。本当に公益的な機能を重視するというのであれば、漁民の皆さんはずっと植えてきているわけですから、植栽を含めて、保育や管理を含めて、広葉樹を積極的に増やしていっていただきたいというふうに思います。
 最後にもう一問だけお聞きしたいと思います。
 輸入防疫疾病の指定拡大の問題なんですが、第五回水産防疫体制に関する専門家会議の資料で具体的な疾病名を挙げています。そして、二枚貝の問題では、我が国への貝類への影響については知見が少ないとして、研究体制の整備、知見の集積を図る必要があるというふうに書いています。北海道からも二枚貝類種苗の輸入管理体制及び国内防疫制度の早期確立が要望されているんですけれども、このコイヘルペスウイルスは、二〇〇〇年に発見されていたんだけれども、なかなか、この対象疾病に加えるのが遅れたと、二〇〇三年七月ですか。ということの理由の一つに、その検出方法の確立などの研究の遅れもあったということも聞いているわけです。
 やっぱり、今からカキやホタテなどの二枚貝の疾病の侵入を許さないというための指定を目指して、国として行政が必要とする重要なプロジェクト研究として位置付けて進めるべきではないかというふうに思いますけれども、最後、これお願いいたします。
○政府参考人(中川坦君) 二枚貝などの貝類につきましては、我が国ではこれまでに食用貝類の重大な疾病というものの例が非常に少なかったということもございまして、疾病に関します知見の蓄積が少ないというのが実情でございます。
 今、先生引用されましたこの専門家会議におきましても、確かに欧米ではカキの養殖におきまして重大な被害を及ぼす疾病というのは多数指定をされているわけですが、我が国においてはそういった事例もこれまで少なかったということで確かに知見の蓄積が少ないというのが事実でございまして、海外におきます発生状況、あるいは我が国の水産防疫に関するリスク等に関しましてこれから知見の収集に努めていきたいというふうに考えております。
○紙智子君 終わります。
○委員長(中川義雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中川義雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、羽田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽田雄一郎君。
○羽田雄一郎君 私は、ただいま可決されました水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  一昨年秋以降、コイヘルペスウイルス病(KHV病)の発生が国内各地で確認され、まん延防止措置が現在も継続している。このように、海外からの疾病の侵入及び国内でのまん延のおそれが高まっており、伝染性疾病は一度発生すると国内の養殖業に与える影響が極めて大きいことから、より効果的かつ効率的な水産防疫対策が求められている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 輸入防疫を的確に実施するため、海外における疾病の発生状況及び疾病に関する情報の収集・知見の集積を図り、輸入業者等に対する管理命令等を適切に実施すること。
   また、輸入防疫対象疾病の追加指定について迅速かつ適切な検討を行うとともに、未知の重大疾病に的確に対応するため、輸入水産動物のモニタリング調査等の充実・強化を図ること。
 二 国内防疫体制を強化するため、水産防疫担当者の資質向上を図るとともに、国、都道府県、関係機関、養殖業者等の一層の連携を促進すること。
 三 特定疾病発生の届出やまん延防止措置が迅速に行われるよう、養殖業者等に対する知識の普及・啓発、養殖魚の履歴保存の徹底に努めるとともに、国民の積極的な協力を求めるため、まん延防止措置に関する理解の促進を図ること。
 四 国内に定着した疾病による魚病被害の低減を図るため、漁場改善計画制度による漁業協同組合等の自主的な取組を積極的に支援すること。
 五 疾病の発生及び伝播の防止を図るため、迅速な診断技術やワクチン等の開発に関する試験研究を積極的に推進すること。
   また、KHV病については、感染源及び感染経路の究明に努めるとともに、天然水域も含め、的確なまん延防止対策を実施すること。
 六 特定疾病が発生した場合における養殖業経営への影響を最小限に抑えるための適切な経営支援対策について検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(中川義雄君) ただいま羽田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中川義雄君) 全会一致と認めます。よって、羽田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) ただいまは法案を可決いただきまして、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。
○委員長(中川義雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会