第162回国会 予算委員会 第8号
平成十七年三月九日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任
     紙  智子君     井上 哲士君
     小林美恵子君     大門実紀史君
     近藤 正道君     福島みずほ君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     櫻井  充君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                阿部 正俊君
                椎名 一保君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                小川 勝也君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                岡田  広君
                世耕 弘成君
                関口 昌一君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                長谷川憲正君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                主濱  了君
                辻  泰弘君
                白  眞勲君
                平野 達男君
                前川 清成君
                前田 武志君
                松下 新平君
                水岡 俊一君
                山本 孝史君
                風間  昶君
                福本 潤一君
                山本 香苗君
                井上 哲士君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
   国務大臣
       総務大臣     麻生 太郎君
       法務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策))     南野知惠子君
       外務大臣     町村 信孝君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   中山 成彬君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       経済産業大臣   中川 昭一君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    細田 博之君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        村田 吉隆君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、産業再生機
       構))      村上誠一郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   西川 公也君
       内閣府副大臣   林田  彪君
       防衛庁副長官   今津  寛君
       法務副大臣    滝   実君
       外務副大臣    谷川 秀善君
       財務副大臣    上田  勇君
       農林水産副大臣  常田 享詳君
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西銘順志郎君
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
       法務大臣政務官  富田 茂之君
       財務大臣政務官  段本 幸男君
       国土交通大臣政
       務官       伊達 忠一君
        ─────
       会計検査院長   森下 伸昭君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       長        永谷 安賢君
       内閣府男女共同
       参画局長     名取はにわ君
       警察庁交通局長  矢代 隆義君
       防衛庁人事教育
       局長       西川 徹矢君
       金融庁検査局長  西原 政雄君
       総務大臣官房長  平井 正夫君
       総務省自治行政
       局公務員部長   須田 和博君
       総務省情報通信
       政策局長     堀江 正弘君
       法務大臣官房長  小津 博司君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       法務省人権擁護
       局長       小西 秀宣君
       外務大臣官房長  塩尻孝二郎君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   天野 之弥君
       外務省北米局長  河相 周夫君
       国税庁次長    村上 喜堂君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学省高等
       教育局長     石川  明君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        素川 富司君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   福井 和夫君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    小島比登志君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
       農林水産大臣官
       房長       小林 芳雄君
       経済産業大臣官
       房長       鈴木 隆史君
       国土交通大臣官
       房長       峰久 幸義君
       国土交通省道路
       局長       谷口 博昭君
       国土交通省航空
       局長       岩崎 貞二君
       国土交通省政策
       統括官      春田  謙君
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  本日の会議に付した案件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十分、民主党・新緑風会五十分、公明党十一分、日本共産党六分、社会民主党・護憲連合三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。浅野勝人君。
○浅野勝人君 人々の生命、財産を守る安全保障が確立していて初めて経済が繁栄し文化が伝承されます。安保政策は、豊かで実りある国づくりの基本です。それだけに政治にとって最も重要な役割を占める課題だと存じます。
 去年暮れに決まった新しい防衛計画の大綱は、五年後の見直し規定を新たに設けましたが、基本的に向こう十年にわたって日本のありようを定める、日本の進路を決定付ける指針となります。特に、新大綱で規定した多能、多機能で弾力的な実効性のある防衛力とはこれまでの基盤的防衛力構想とどう違うのか、分かりやすく説明をお願いします。
○国務大臣(大野功統君) 浅野先生は防衛問題の専門家でいらっしゃいますので、私、口頭試問を受ける生徒のような心境でお答えをさせていただきますけれども、これまでの基盤的防衛力構想、それがなぜ多機能、弾力的、実効性のある防衛力というふうになったかと。
 私は、第一に考えていただきたいのは、安全保障環境というのが変わってきた。冷戦構造から、さらに二〇〇一年のニューヨーク世界貿易ビルを、テロリストが自殺行為をやった、攻撃をしたと。ブッシュはそのとき新しい戦争だと、こう言っていますし、また私は、やはり安全保障という歴史の中では、この問題は新しい世紀、安全保障という意味では新しい世紀を開くような出来事だったと思います。つまり、テロというのは、領土を持っていない、どこからやってくるか分からない、だから国際的に人類共通の敵として、地球に住む人類共通の敵としてやはりテロ攻撃を考えていかなきゃいけない。
 だとすれば、一つは、自衛隊はこれまで国際活動は貢献、一方的な奉仕だみたいな、貢献だみたいに考えていましたけれども、やはりこれは他人事ではないんだと。世界の平和は日本の平和なんだ、中東の安定は日本の安定なんだと、こういう考え方が一つ必要なんじゃないかなと、ここが私は一つ変わってきたと思います。
 もう一つは、やはり従来型の戦争から、伝統的な戦争から、やはりテロやゲリラ、そしてもう一つはあの科学技術の発展によりましてミサイル攻撃、こういうものが出てきたと。だとすれば、対処力もそれに応じて、ミサイルからテロやゲリラ、島嶼防衛、いろんなことを考えていかなきゃいけない。
 それが多機能、弾力的、実効性のある、つまり、もちろん抑止力というのは大事です、抑止力も大事です。しかし、基盤的防衛力という、本当に自分の国が空白になって、周辺国から見て何か不安定要因にならないように、しかしながら力対力では対抗しない、最低の防衛力を持ってましょうという考え方から、やはり多機能、そういう対処力を重んずる、こういう考え方に変わってこなければいけない、それが今回一年早めでございましたけれども、新しい防衛大綱を作った基本的な問題であると。これは国際的な安全保障が、保障環境が変わってきたということと、やはり軍事面における科学技術力が向上した、こういう背景があって、そしてやっていかなきゃいけない。
 その中で一つ、先生もお触れになりましたけれども、基本問題である、基本問題です、だけれども、やはり財政という面から考えますと、そこには厳しい財政事情があります。厳しい財政事情の中で、限られた資源の中でより多くの成果を達成しなきゃいけない、これも我々は配慮した構想になっております。
○浅野勝人君 それらの点をこれから一つずつ詰めていかせていただきますけれども、これからの防衛政策の在り方は、おっしゃるように、本格的な侵略の可能性は低くなっている一方、テロやゲリラに対する対応、大規模な災害への対処など、新たな脅威や多様な事態に直面することを覚悟して、しなければなりません。
 そのためには、今おっしゃるように、従来のいわゆる冷戦型の防衛力整備構想を転換して、即応性、機動性に富んだものにしていくんだという、今長官の御説明、防衛庁の方針は理解いたしますけれども、戦車と火砲を例えば三分の一ずつ減らせば事足りるんですか、長官直轄型の中央即応集団を編成すれば生まれ変わったということになるんでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 先生御指摘のとおり、戦車等はかなり減らしているわけでございます。いわゆる冷戦型の対機甲戦を重視した装備構想は転換していかなきゃいけない、戦車、火砲については抜本的な見直しを行っております。したがいまして、かなり縮減しております。しかし、同時に、先生御指摘のとおり、ゲリラ特殊部隊による攻撃、島嶼部に対する侵略など、こういう新しい脅威や多様な事態などには実効的に対応できる体制を構築していかなきゃいけない。そういう考え方はもう申すまでもないことでありますけれども、要するにその即応性が高い、機動性のある部隊というものを日本の地理的な条件等を勘案しながら構築していく、編成、配置していく、これが基本的な考え方でございます。
 即応集団というものの在り方でございますけれども、即応集団をどういうふうに考えていったらいいのかという問題がありますが、その前に、もう少し詳しく説明さしていただけますならば、したがいまして、人員配備という問題も一つ出てくるわけであります。
 これは、昨年末かなり論争をいたしまして、いわゆる七年の大綱の十四万五千人を十四万八千人とさしていただいたわけであります、常備自衛官定数でございますけれども。この、こういう問題は、やはりこの全国的に展開をしてないと、例えば即応性がなくなってくる、何かこうゲリラとか島嶼防衛とかいうことになりますと、やはり全国的な展開が必要である。そういう意味で、人こそ我が命みたいなところがあるわけでございます。そういう問題が一つ。
 それからもう一つは、機動性を向上させるために装輪装甲車あるいはヘリコプターには力を入れている、これが機動性を確保するわけであります。また、配置につきましても、配置につきましても、青函以南の方は、いわゆる先生御指摘の重装備を効率化して、即応性、機動性を高めていく、こういうことでありますし、北海道は訓練環境はいいという意味で、新たな脅威、多様な事態からの本格的な侵略事態に対応し得るように編成した部隊を置いておいて、いざというときに、日ごろは訓練しておいて、いざというときには南の方にも展開できる、こういうことを想定しているわけであります。
 御指摘の即応集団でございますが、十八年度以降に編成される予定になっております。この部隊というのは、ヘリ、空挺団などの機動運用部隊が一つ、それから特殊作戦群などの各種専門部隊が一つ、これを一元的に管理する。
 そして、言わば、その他いろいろございますけれども、各地に迅速に兵力を展開できる、提供できる中央即応集団でございます。この中央即応集団というのは、もういろんな事態に対しまして直ちに即応できる、そして機動力を発揮して重要な役割を果たしていこう、こういう意味で作っているわけでございまして、部隊編成は全体で四千三百人程度を予定しておりますし、もう一度繰り返しになるところありますけれども、司令部及び司令部隊、それから次に空挺団、それから緊急即応連隊、すべて仮称と、まだ仮称でございますけれども、緊急即応連隊、それから特殊作戦群、ヘリ団、化学防護隊、国際活動教育隊、こういうもので成り立っているわけでございます。
○浅野勝人君 新たな脅威や多様な事態が予想される中で、とりわけ弾道ミサイルは、イギリスの国際戦略研究所のミリバラ、ミリタリー・バランスとジェーン年鑑によれば、既に二〇〇三年の時点で四十六か国に拡散しています。特に、北朝鮮は日本全域が射程に入るノドン・ミサイルを二百基保有しているという情報もあります。弾道ミサイルの脅威は、日本にとって今日そこに存在する脅威そのものであって、日本の防衛を考える上で最重要の課題と考えます。
 我が国のBMDはどんな状況にありますか。
○国務大臣(大野功統君) BMDの現状でございます。
 この問題は、平成十五年の十二月十九日の閣議決定によりまして導入を決定いたしております。この十六年、十六年度にはもう予算に計上、一千億円強、強計上しておりますし、十七年度も予算をお願いしておりますけれども、完成は平成二十三年ごろと見込んでおります。そして、それまでの間、徐々に積み上げていく、こういうことであります。
 それぞれによって違いますけれども、先生御存じのとおり、ペトリオットシステムとイージス艦システムと両方ございます。ペトリオットPAC3システムは十八年度末から二十二年度までに配備、それからイージス艦は十九年度から二十二年度、その他は割愛いたしますけれども、そういう予定にしております。
 BMDシステムの基本的な考え方でございますけれども、純粋に防御的である。先ほども防衛大綱の考え方につきまして申し上げましたけれども、変わっていないところは、新しい防衛大綱でも変わっていないところは専守防衛、この思想だけは変わってない、防衛的なものである。他に代替手段のない唯一の手段である。今後もその整備をするものでありますので、今後もその整備を着実に進め、何といっても国民の安心、安全が一番であります。国民の安心、安全を確保するため、この装備に、予定どおりですね、スケジュールどおりこの装備を進めていきたい、このように思っています。
○浅野勝人君 今の御説明だと、前段はイージス艦で迎撃し、後段は弾道ミサイルに対応できるパトリオットPAC3で対処すると。PAC3は四個高射群と聞いていますから、十六個ファイアユニットで全国をカバーすることになりますね。勢い、拠点防衛にならざるを得ないのではないかということが一つ。しかも、すべてのシステムが完成するのが今の御説明だと平成二十三年ということになりますと、平和外交の重要性を一段と感じます。
 防衛計画の大綱を受けて策定する中期防衛力整備計画の中に、去年の暮れ、射程三百キロのミサイル精密誘導システムの研究を盛り込みたいと防衛庁が提案をしましたが、結局、中期防から落としましたね。なぜですか。
○国務大臣(大野功統君) 前段のところでございますけれども、二重層の防御になっている、これはもう御理解のとおりでございます。
 それからもう一つは、射程三百キロのミサイルでございますけれども、この研究というのは、我が国島嶼部での事態に部隊を展開するには時間が掛かるということが一つ。それからもう一つは、継戦能力等で限界がある。こういうことから、誘導弾の機密化、精密化、それから射程を延ばすという伸延化により有効に対処し得るか、こういう判断をしていこうと、こういう問題が一つありました。
 しかしながら、これからの防衛の問題、基本的な考え方というのは、やはり統合運用でございます。統合的に陸海空がどういうふうにやっていくか。この問題は陸の問題でございます。島嶼防衛でも何でも陸海空統合して対処、脅威に対処していこう、こういう問題があります。こういう問題を先行させて考えていきたい、こういうことで今回は落とさせていただいておるところでございます。
○浅野勝人君 きれいなお話でしたけれども、射程三百キロの地対地ミサイルの誘導システムの研究といっても、実は知らないうちにシャクトリムシのように射程を少しずつ延ばして、結局は敵基地攻撃能力を備えてしまうおそれがあると。そうなったら東アジア諸国に多大な脅威を与えることになるから、その懸念の芽を残してはまずいということじゃなかったんですか。
 弾道ミサイルの発射基地を攻撃する能力は米軍に依存すると日米防衛協力の新しいガイドラインの中でも述べておりますし、政府の基本方針として国会答弁も度々聞いております。ここのところはやはり政治が判断すべき事柄で、防衛庁長官にただすのは酷な思いがいたしますけれども、今後ともそれでいいとお考えですか。
○国務大臣(大野功統君) 射程を延ばして敵国をたたく、これは我が国の専守防衛、この思想とは全く違いますから、そういう考えは今後とも持たない。そういう懸念がもしあるとすれば、そういうところはきちっと議論して、はっきりとした態度でやっていきたいと思っています。
○浅野勝人君 大変重要な、今の御答弁は大変重要な視点だったと思います。
 じゃ、もう一歩議論を深めます。
 日本を攻撃する目的でノドンが飛んできた場合、これは個別的自衛権を行使して撃ち落とすのは当然のことですね。問題は、日本語の地名で大浦洞、朝鮮語でテポドンと読みますけれども、テポドンの発射基地からグアムやハワイあるいはアメリカ本土に向けて弾道ミサイルのテポドンやICBMが発射され、日本の領空を通過するケースです。
 憲法は集団的自衛権の行使を認めておりませんから、一切手出しはできないということになりますか。
○国務大臣(大野功統君) まず、北朝鮮から米国向け、米国といっても広うございますから、どちらへ向けて撃つかによって日本の上空を飛ぶ場合もあれば飛ばない場合もある、これが一つの問題。それから、もう一つの問題はやはり上空ですね、宇宙空間というものにつきましては、国際法上国家の主権が及ばない、こういう理解でございます。
 そういうことをおいておいて、どういうことかといいますと、弾道ミサイルの発射に関する情報をどういうふうに考えていくか、こういう問題が一つ出てくると思います。こういう問題を考えるときに、一般論として、自衛隊がその任務を遂行するために行う情報収集活動から得られる情報を一般的に交換する、このことは従来から実力の行使に当たらない、したがって憲法上の問題はない、こういうことであります。そういうことを踏まえて今後対処していかなきゃいけない、このように思っています。
○浅野勝人君 歴代のアメリカ政府は、日本に対する攻撃はアメリカに対する攻撃の、攻撃とみなすことを基本方針としています。ブッシュ二期政権でコリン・パウエルとともに退陣しましたけれども、日本に人脈の多いアーミテージは度々このことを言明しておりまして、これほど大きな北朝鮮に対する抑止力はありません。
 私は、個人的には集団的自衛権の行使については極めて慎重な姿勢を貫いていますが、さはさりながら、日本の領空を通ってアメリカに向けて飛んでいくミサイルをぼやっと見ているのもどうかなという思いがいたします。例えば、ミサイルがそちらへ飛んでいくという情報を同盟国のアメリカに伝えることはできないものかなと、そのぐらいのことはできないかなと。今の御答弁はそのことについて長官お触れになったと思いますけれども、もう一度、その情報の連携ということが一体集団的自衛権とのかかわりがどうなのかということも含めて、周辺事態において我が国ができる後方支援のありようとも関連して、弾道ミサイル対応を理論的に再構築しておく必要があるんじゃないんですか。
○国務大臣(大野功統君) 繰り返しになるところもございますけれども、日本の憲法上は、集団的自衛権は保有しているけれども行使してはいけない、こういう解釈でございます。
 そこで、日本の上空、上空といっても宇宙空間になりますけれども、そこは領域ではありません。もう一遍言います、申し上げますけれども、我が国の権限が及ぶ範囲とは解釈されておりません。そこを飛んでいきそうだ、あるいは発射時点でアメリカの方へ向かっている、あるいは途中でアメリカの方へ行くと分かる、そういう情報のことをおっしゃっているんだと思っておりますけれども、そういう場合に、いずれにしても、前に申し上げましたとおり、一般論としては我が国の主権の及ぶ範囲を飛んでない、宇宙空間になりますからね、こういう問題一つどうするか、これは基本的な問題であります。
 その次に、そういう情報と限定しないで一般的に申し上げますと、一般的なアメリカ軍への情報提供、こういうことでお聞きいただきたいんでありますが、自衛隊がその任務を遂行するために行う情報収集活動により得られた情報を一般的な情報交換の一環として米軍へ提供すること、これは度々議論されておりますけれども、実力の行使には当たらない。今は一般的な情報交換、こういう形で、このことは憲法上問題がない、こういう整理になっております。
○浅野勝人君 特定の情報ですよ。
○国務大臣(大野功統君) 一般的に申し上げまして、一般的な情報、これを交換し合う、提供する、このことが憲法上問題がない、こういうことであります。
 それから、弾道ミサイルへの日本の協力の具体的な在り方でございますけれども、今後、アメリカと、今申し上げたようなことを踏まえてアメリカ側と協議をしていかなきゃいけない、このように思っております。
○浅野勝人君 もう一つ重要なテーマがあります。実は、新大綱を協議した自民党の額賀福志郎議員を座長とする与党プロジェクトチームでも議論が集中した武器輸出三原則に対する考え方です。
 結局、新大綱と一緒に出された官房長官談話で、弾道ミサイル防衛システムに関する日米共同開発に限って武器輸出三原則の対象としないことと、対象としないことで対処することにして、結局武器輸出三原則は新大綱へ盛り込む、盛り込むのを見送った経緯があります。
 BMDの日米共同開発については、日本側が担当している例えばノーズコーンや赤外線シーカーなどが輸出禁止となったのではアメリカへ持ち込んで本体に組み込むことができなくなりますから、これでは共同開発の意味が全くなくなる。官房長官談話でこれを武器輸出三原則の縛りから外したのは至極当然の措置だと私も思います。
 問題は、BMD以外のケースなんです。今、世界の戦闘機開発の趨勢を見ますと、例えばアメリカとヨーロッパ諸国が中心となって開発しているJSF、これはジョイント・ストライク・ファイターといいますけれども、まあ共同開発による次期戦闘機ということになるんでしょうか、このJSFは、参加各国が費用を分担し、それぞれの技術を持ち寄って共同で開発しています。こういうスタイルが今世界の主流になっているんですね。
 アジアではこのJSFにシンガポールが参加していますが、シンガポールのねらいは、あらかじめ分担金を出して、完成したら分けてもらう権利を確保しておく、言わば予約金を払って世界最新鋭のF35に、F35を手に入れようというわけなんです。日本は武器輸出三原則で縛られていて参加できませんから、次期主力戦闘機として仮にF35を買いたいと思っても売ってもらえないかもしれません。若しくは、日本のような共同開発参加国以外の国は何倍も高い価格でないと恐らく入手できないことになるでしょう。
 紛争地帯で、紛争地帯に武器を売って商売をする死の商人をやるわけではありません。いつまでも古い固定観念に取りつかれていると、世界の潮流から取り残されます。武器輸出三原則は維持しながら、一方で我が国も国際的な装備品の共同開発に参画できるような仕組みを考える時期に来ていると存じますが、長官、いかがですか。
○国務大臣(大野功統君) 昨年十二月に武器輸出三原則につきまして、もとより中曽根内閣のときに研究については緩和しておるわけでございますけれども、今やっておるBMDの共同研究がやがて開発になる、生産になる、共同生産になる、こういうときにどうするんだ、これをもう今から考えておかなきゃいけない、こういうことで緩和したわけでございます。
 その他の問題点、特に先生御指摘のJSF等、今やもう国際的潮流は共同研究開発ですから、それをどう考えていくか、これは非常に厳しい問題として議論もしておりますし、今後真剣に考えていかなきゃいけない。そういう意味で、官房長官談話におきましても、「個別の案件毎に検討の上、結論を得ることとしております。」と、こういうふうに官房長官談話で言っているわけでございます。
 私どもとしましては、この点は十分議論をしていただいて、また我々も検討をさしていただいて、そして方向性を今後とも見詰めていかなきゃいけない、こういう問題だと思っております。
○浅野勝人君 ちょっと踏み切った検討が必要かと思いますよ。
 2プラス2を受けて、今後の在日米軍の兵力の再編、構成に関する日米協議にどのような姿勢で臨むかという課題があります。米陸軍第一軍団司令部を座間キャンプに移転させたいというオファーはあるのかないのか、そろそろはっきりさせていただいた方が国民にとってもよろしいかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(大野功統君) 今回の米軍再配置の問題でございますけれども、当初、米軍、アメリカの方は個別の区域・施設、この問題から取り組もうとした。しかし、やっぱり我々としては、三段跳びじゃありませんけれども、順序を踏んでやっていこう、こういうことで、ようやく共通戦略目標、国際的な環境、安全保障環境を踏まえた上での共通戦略目標を合意したわけであります。
 今後、今先生がおっしゃったような問題、個々の問題ですね、精力的に詰めていかなきゃいけない。そして、政治というのはやはり説明責任があると思います。それからまた、同時に、基地のある、そういう区域・施設のある町の住民の方々の御理解も得なきゃいけない。そういう意味では、先生おっしゃる、もうそろそろそういうことを言っていいんじゃないか、こういうことは十分我々真剣に頭の中へ入っておりますけれども、まだその段階でない、しかしそれは急いで今からやっていきたい、このように思っています。
○浅野勝人君 ああ、それはオファーが来ておるということだな。
 第一軍団の司令部は西海岸のワシントン州のフォートルイスにあります。イチロー選手のマリナーズがあるシアトルと同じ州です。現在公表されている第一軍団のオペレーションの範囲は、オーストラリア、ニュージーランドを含む太平洋全域です。座間に司令部を置いた場合、やはり座間から太平洋全域のオペレーションを実施することになると想定、彼らは想定していると私は受け取るしかないのかなと予測しますが、正直に答えてください。
○国務大臣(大野功統君) 私は常に正直に答えているつもりであります。
 それから、具体的に今何にも決まってない、これから我々もこういう提案をして、そして決めていこうと、こういう段階でございますので、正直であるということ、正直な答弁でございますので御理解をいただきたいと思います。
 それから、今の、仮に第一軍団司令部という問題がありました。そのことも、司令部がどういうふうに機能をするのか、こういうこともまだこれからの問題であるし、そういうこと自体がまだまだ出ている、決定しているわけではありませんので、そのことは正直にそういう段階であるということを申し上げまして、具体的なお答えをすることはできない、これは本当に申し訳なく思いますが、やがて早いうちにこういう構想であるということは発表できることを希望しております。
 それで、一般論としてお答えをさせていただきたい。それは、我が国の施設・区域を使用して指揮統制を行う司令部が具体的にどのような活動を行うかについては、様々な可能性がございます。したがいまして、安全保障条約第六条との関係は一概に申し上げられないわけであります。
 いずれにしましても、今次の在日米軍の兵力構成見直しは、現行の安全保障条約、安保条約及び関連取決めの枠内で行われることは当然のことであります。
○浅野勝人君 そこが問題なんです。なぜオペレーションの範囲が気になるかと申しますと、正に日米安保条約とのかかわりがあるからです。
 確かに、おっしゃるように、在日米軍が極東の平和と安定のために出動できるのは極東に限定されているわけではありません。極東の平和と安定を脅かす要因が極東の外にある場合、例えば在沖米軍がその要因を取り除くために極東の外、いわゆる極東の周辺に出動するのは基地の提供を決めた六条の違反にはならないと、長官、おっしゃるとおりだと思います。言い換えれば、米軍が極東の範囲を超えて行う軍事行動に基地を使うことが許容されていますから、今の御答弁はその範囲では妥当なものです。
 そうはそうなんですが、だからといって極東の周辺が南西アジアから中東にまで及ぶわけではないでしょう。仮に、第一軍団の司令部が途方もない、途方もなく広い地域をカバーすることになると、どう考えても日米安保条約とつじつまが合わなくなる。政府は、トランスフォーメーションの実施に当たって、今長官がお答えになったように、日米安保条約とその関連取決めの範囲内でやると、対処すると明確に述べていますが、懸念なしとしません。国民感情を逆なでするようなことになってもいけませんし、米軍再編を平穏裏に実施する上からもここは大切なポイントです。
 もう一度お答えを願います。
○国務大臣(大野功統君) 仮にアメリカの司令部が日本へ来ると、こういうことになった場合、その司令部がいかなる、どういう機能を持っているか、どこまでを統括するか、いろんな問題があると思います。我々は、いかなる場合であっても、日米安保条約の枠内、そして関連取決め等の枠内、この中で対処していって、それ以外のことであれば、これはやっぱり協議してお断りをしなきゃいけない、こういう場合もあろうかと思います。これはお互いの、日本とアメリカとの間の協議で決定することであります。そして、その協議の結果はやはり日本の安全に、極東の安全に役立つことである、このことも銘記しなきゃいけませんし、そのためには、やはり新しい時代ですから、地元の負担の軽減、沖縄を始めとする地元の負担の軽減ということも念頭にしっかり置いていかなきゃいけない、こういう考え方でしっかりと取り組んでまいります。
○浅野勝人君 場合によってはアメリカに対してノーと言うという長官の大変頼もしいきちんとした御答弁貫いて、姿勢を貫いていただきたいと存じます。
 なお、長官、2プラス2の後の記者会見で、自衛隊と米軍の基地の共同使用を検討するとおっしゃいましたね。これはトランスフォーメーションを進める中で極めて重要な要素で、抑止力を低下させない範囲で沖縄の海兵隊の削減をどれだけ実現できるかというのが私は今回の勝負だと、勝負どころだと思っているんです。
 ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官との共同会見ですから、国際的な公約でもあります。御見解を伺っておきます。
○国務大臣(大野功統君) 私は、今からの国際的な平和あるいは日本の平和考える場合のキーワードというのは統合、共同だと思っております。
 例えば日本でいいますと、陸海空のそれぞれの自衛隊が一体となって守っていく、日本の守りに就く、それから、日米安保条約の下でアメリカと日本が日本の守り、極東の守りについては本当に協力、共同しながら頑張っていく、こういうことだと思っております。
 そういう考えの下で今回のトランスフォーメーションもあるわけですけれども、トランスフォーメーションの基本的理念というのは、抑止力は維持する、それから負担は引き下げる、負担は軽減する、これ一見全く矛盾するような考え方でございます。この矛盾する二つの理念を同時に実行し得るかぎは、難しい扉を開けるかぎは、やはり私は、今申し上げましたような基地の共同使用とか、あるいは共同運用とか、あるいは役割分担とか、こういう問題だと思っています。
 したがいまして、私は、やはり共同、基地の共同使用の問題は、今申し上げました二つの問題を同時に解決していく上で大変重要な問題だと思っております。幾つかの視点で申し上げますと、必ずしもそれが実現できるかどうかは分かりません。分かりませんけれども、私はそういう信念で取り組んでいきたい。
 例えば、基地を共同使用しますと、その管理権は当然自衛隊の方でお任せいただきたいと、こういう方向になってくる可能性は大きいと思います。そういたしますと、日本側で地元との調整もやっていけるのかなと、こういう可能性も私は捨てたらいけない、このように思っています。あるいは、米軍だけでやっておりますと、米側の米国人の例えばガードマンが必要だろう。これはガードは日本の方でやるから、もう人員をちょっと減らしてもいいんじゃないですかと、こういう可能性だって見捨てちゃいけないと思います。
 いろんな意味で、私は、今時代の変化の時代に当たって、日本側が言っている二つの思想、これを相、一見相矛盾する思想ですけれども、考え方ですけれども、これを一緒にやるためには、今申し上げたような役割、任務の分担、それからインターオペラビリティーと言っていますが、そういう問題、そして基地の共同使用、もっと具体的な話になってきます。そういう問題を真剣に考えながら今後の着地点に向かって頑張ってまいりたいと思っております。
○浅野勝人君 長官、御苦労さまでした。御退席ください。
○国務大臣(大野功統君) ありがとうございました。
○浅野勝人君 厚生労働省の小島社会・援護局長、山崎豊子の「大地の子」というベストセラーをお読みですか。
○政府参考人(小島比登志君) 本は直接読んだことはございませんが、テレビは見たことがございます。
○浅野勝人君 日中間には様々な課題がありますけれども、今日はささやかな思いやりについて一つ指摘をさせていただきます。
 あの小説は、終戦間際の混乱で親子が離れ離れになり、死の瀬戸際に中国人夫婦に助けられた日本人孤児を題材にした長編小説です。過酷なプロ文革のあらしの中を本当の中国人親子として生き延び成長して、日中共同の重要プロジェクトに携わっていく青年の物語です。壮大な中国の戦後史と言っても過言ではない大作です。ここで描かれている中国人養父母の誠実で温篤な人柄が読む人の心を打ちます。
 日中国交正常化以降、帰国した孤児の数は何人いらっしゃいますか。
○政府参考人(小島比登志君) 昭和四十七年九月の日中国交正常化以降、中国から帰国、永住帰国した中国残留孤児は、平成十七年三月一日現在でございますが、二千四百八十八人と、こうなっております。
○浅野勝人君 そのうち、生活保護を受けて暮らしていらっしゃる方はどのくらいおいでですか。
○政府参考人(小島比登志君) 日本に帰国した中国残留孤児で生活保護を受給しているという方の数については正確には把握しておらないわけでございますが、平成十一年十一月に帰国後十年以内の中国残留邦人を対象に実施いたしました中国帰国者生活実態調査によりますと、六五・五%の孤児が生活保護を受給されているということでございます。
○浅野勝人君 実は、中国残留孤児が中国の養父母を訪ねて見舞う場合、最初の訪中に限って交通費、宿泊費など一人当たり約十六万円が支給されます。ところが、二回目以降の里帰りは支給されません。ですから、生活保護を受けているケースの多い帰国孤児は、扶助料を蓄えて二回目以降の旅費や滞在費や土産などに充てているのが実情なんです。問題は、里帰りの期間中、生活扶助料七、八万円が日割りにして減額され、その分カットされます。ですから、里帰りを終えて帰国してからの日本での生活に困窮するわけです。
 こうした実情を踏まえて、帰国孤児が中国の養父母を見舞うための訪問に限り、二回目以降については一か月以内の期限を区切るとかして、中国へ行っている間の生活補助費をカットしないで支給してやる措置がとれぬもんでしょうか。金額の上ではささやかな措置ではありますけれども、やや温情に欠ける政策を正せたらなという、正にささやかな提案です。理解していただけますか。
○政府参考人(小島比登志君) ちょっと、生活保護制度のちょっと御説明をさしていただきたいと思いますが、生活に困窮する国民に対して国が最低生活の保障をするということになっておりますが、しかも日本国内において最低生活を保障するということが前提となっております。
 このため、たまたま被保護者で外国での生活をされる方という方においては日本での生活費が不要なわけでございますから、その分は保護費を支給を停止をせざるを得ないというのが生活保護制度の建前になっておりますし、また、生活保護制度につきましては、全国民を対象といたしまして、困窮に至った理由を問わず、いかなる方に対しても平等に最低生活を保障するということでございますから、個別の、例えば中国残留孤児といった政策ニーズに対応するのはこれは非常に難しい面もあるということなので、御理解を願いたいというふうに思います。
○浅野勝人君 生活保護制度の解釈は聞かせていただかなくても、そのぐらいの知識は持ち合わせています。百万円かせいぜい二百万円のささやかな徳政令が、生活保護制度ののりを越えて制度を、制度の維持が困難になるとはよく言いますな。それなら直近の五年間で二百三十一億円の不正受給はだれが責任取るんですか。あなたですか。
○政府参考人(小島比登志君) 今御指摘の不正受給につきましても、いかに生活保護の適用の適正化を図っていくかというのが今非常に課題になっておりまして、私たちも生活保護制度の見直しの中で鋭意地方団体とも相談をしまして実効ある適正化対策を講じている、努力をしている最中でございます。
○浅野勝人君 まあ百万円か二百万円という金目の問題ではないんですね。私は心の問題と思います。今の答弁よく踏まえて、いい答えを出してやってください。
 次の問題は、さきに同僚の椎名議員が取り上げて的確な指摘をしましたが、更にちょっと詰めておきたいと存じます。
 大阪市職員の過剰手当と過剰福利をめぐる今回の問題は、大阪市が設置した都市経営諮問会議はこう言っているんです。長い間の労使の癒着が過剰対応の根底にある、大阪市は改革に消極的だと主張して、とうとう市当局と対立して諮問会議解散しました。超過勤務命令簿に黙って判こを押せばいいと言われて戸惑いながら判をついた、判こを押すのを拒否した先輩が次の異動で左遷され職場を去っていったのを知っていたからだという体験談を聞きますと、表面化した問題以外にも根深い不正が隠されているという諮問会議の指摘の方が的を得ているように思えてなりません。
 総務省が不適切と指摘して廃止するように促した項目は何と何がありますか。
○政府参考人(須田和博君) お答え申し上げます。
 私ども総務省といたしましては、従来より不適正な給与制度や運用などについてその適正化を助言しているところでございますが、その一環といたしまして、昨年、特殊勤務手当につきまして都道府県、政令指定都市の実態につきまして特別調査を行い、十二月末にその結果を公表し、あわせ各団体に対し総合的な点検と、制度の趣旨に合致しないと認められるものについて廃止を含めた早急な見直しを要請したところでございます。
 その際、大阪市に対しましては、他の手当や給料との重複の観点から検討を要すると思われる特殊勤務手当四つにつきまして、問題があるということで指摘したところでございます。
 また、この特殊勤務手当の公表と相前後する形で、大阪市における給与制度あるいは福利厚生事業に関する報道等が相次いでなされておりましたが、私どもといたしましても、この地方分権の大きな流れの中で、地方自治に対する信頼を損ないかねないということで非常に重大に受け止めまして、大阪市に対しましてその事実関係の説明を年が明けて求めたところでございます。
 その際、私どもといたしまして、給与制度の不適正な運用、これは先ほどの特殊勤務手当もそうでございますが、そのほかに、例えば係長級職員に対する管理者手当などがございますが、こういったもの、あるいはこの互助組合連合会に対する多額の給付金事業と、これらにつきまして、その適正化について助言いたしますとともに、あわせまして福利厚生事業全般につきましても、その内容について住民の批判を招くことのないように見直すよう助言したところでございます。
 なお、大阪市におきましては、私どもより指摘いたしましたこれらの事項の是正を内容とする見直し案を取りまとめまして、関係予算案及び条例案を市議会に提出するとともに、具体的な実施に向けまして、現在、関係者間で鋭意取り組んでいるものと認識しているところでございます。
○浅野勝人君 ぎりぎり詰めたいところですが、時間が来ましたんで。
 国税庁、税務調査を開始して一か月余りたったと聞いておりますけれども、やみ年金、やみ退職金の部分の中に脱税部分があるんじゃないんですか。源泉徴収を逃れているところがあると見ておりますが、ちょっと説明すると長くなるんで、答えだけ聞きます。
○政府参考人(村上喜堂君) ちょっと個別のことはお答えできませんので、あくまで一般論でお答えいたしますが、職員たる個人を受取人とする年金保険につきましては、その掛金を雇用関係に基づき使用者が拠出している場合、これはまあ使用者がストレートに拠出している場合でありますが、あるいは実質的に見てそのようなものと認められる場合、これは例えば仮に使用者と職員との間に何らかの団体がかましている場合でありましても実質的にその使用者がその拠出金を払っている場合、こういった場合にはその拠出した額は職員たる個人の給与所得に該当するものと考えられます。
○浅野勝人君 そうだね。そうすると、これは課税対象になると私は理解をしました。徹底的にやっておるでしょうね。
○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。
 そういう、大阪国税局が大阪市の税務調査を行っておるというマスコミ報道がございますが、これはあくまで個別のことでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○浅野勝人君 今私が聞いたのは、掛金の公費部分は所得、給与所得とみなされるんではないかと、そうですよと、税務調査をしていますよということで、個別の答えではないとおっしゃりながら事実上答えをいただいたと思っておりますので、納得をいたしました。
 そのほか、課税対象になるような部分が三つ四つあるのを私が分かるんですから、もう現地の大阪国税局はきちんとやっておいでになると思います。税金の使い道の問題ですから税務調査を徹底してやっていただいて、納税者の納得のいく処分をしてやっていただきたいと存じます。
 人間というのは愚かなもので、私を含めて、これはまずいなと思いながら、慣れるにつれて、みんなで渡ると怖くないということになってしまう。私の心の中にも巣くっている恐ろしいバチルスなんですね。地方自治体と自治労のことではありますけれども、厳しい対応を各省庁に求めておきます。
 私はこれで終わりまして、同僚にバトンタッチします。
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。大仁田厚君。
○大仁田厚君 どうもありがとうございます。どうもありがとうございます。
 デビュー戦ということで、思い起こすと三十年前、全日本プロレスの馬場さんのリングに上がったときに、リングの上が見えなくていつの間にか終わってしまったんですけれども、そのときも十五分一本勝負でした。今日はちょっと足りないんですけれども、ありがとうございます。
 皆様に私的なことなんですけれども聞いてもらいたいんですけれども、履歴書に、履歴書に中学、桜馬場中学卒としか書けなかった男がいつの間にか高校行きまして、それで一応、明治大学の政経学部なんですが卒業が決まりましたので、どうもありがとうございます。どうも。
 ちょっと、それは、緊張しているんですから、はい。今日は、今日は、今日は、自民党の、自民党の先輩方に、おい、大仁田頑張れよと言われ、人生の中で頑張れよと言われるのが三回ありまして、それで今日は民主党の先生方にも頑張れよと言われて、こういうときは超党派でいいなという、はい。
 人生の中で一回目の頑張れよと言われたのが十五歳のとき、日本一周敢行しまして。自分の中で、子供たちが体験すること、世の中を体験することが一番いいなと思いまして、日本一周歩いていました。歩いている少年がいつの間にかプロレスラーになり、世界二十七か国回りまして、一人で生きることを覚えました。
 それで、僕は、済みませんが、プロレスラー出身です。だから、ある種、(発言する者あり)プロレスラー出身です。
 最初に有刺鉄線、ばりばりというあの有刺鉄線を初めてやったのが飛騨の高山です。そのときに、レスラーとスタッフと合わせて二十五人です。麻生大臣、お聞きでしょうか。二十五人です。そのとき、お客はたったの三人しかいない。(発言する者あり)おおって、三人しかいないんです。それで、血だらけになりながら、ぼろぼろになりながら一生懸命戦っていたら、それでぱっと客席を見るわけです。お客さんをぱっと見るわけです、やっぱり意識しますから。ぱっと見た瞬間、おじいちゃんが握り飯食っているんですよ。やっぱりへこみます。
 そこで最後まで試合をやって帰ろうとしたら、九十ぐらいのおばあちゃんがやってきて、あんたと言うんです。あんた、名前何というのと言うから、あっ、僕、僕、大仁田厚ですと言ったら、私、あんたのこと知らぬと言うんです。私はジャイアント馬場さんとアントニオ猪木さんしか知らないと。だけど、あんた、あんた一生懸命やっているね、その一生懸命さを忘れちゃいかぬよと、その一生懸命さを忘れなかったらいつか人には通じるからと言われたときに、ああ、人間の根本って一生懸命さだなと。
 それを伝えるためにいろんなチャレンジをいたしまして、僕は、僕のところは、僕の団体はメディアがなかったものですから、メディアというものを有効活用させていただきました。
 NHKの問題でいろいろ世間は騒いでおられますけれど、メディア、NHKに、僕は、大河ドラマ、蜂須賀小六役、そしてプロレスラーでは史上初、朝ドラの「私の青空」というドラマにも二回出演させていただきまして、大河ドラマと朝ドラ、大河ドラマがデビューで、朝ドラもやらせていただきました。それで、(発言する者あり)質問、ちょっと待ってください。ちょっとお待ちください。
 ということで、いろんな、制作費、支出の問題とか一連の不祥事でNHKもいろいろありますけれど、橋本新会長の言われる全職員、全職員に、また幹部職員の方々を始めアナウンサーやカメラマン、スタッフ全部含まれると思いますが、現時点で戸別訪問の状況と今後の具体的な展開についてお聞かせください。
○政府参考人(堀江正弘君) お答え申し上げます。
 NHKから聞いているところによりますと、NHKでは十七年度予算案を改革予算という具合に位置付けておるわけですけれども、この予算案が総務大臣に提出されましたのを機に、今年の二月から取組を一層強化しておりまして、全職員に参加を呼び掛けつつ、信頼回復を目指す視聴者活動に取り組んでいるということでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、今おっしゃいましたように、支払拒否あるいは保留の表明を行っていらっしゃる視聴者の各家庭を職員が訪問し、一連の不祥事等につきまして改めておわびをするとともに、NHKの再生、改革の取組を十分説明して受信料の支払の再開をお願いしているという具合に聞いております。ここで職員というのが、今おっしゃいましたように、全職員及び地域スタッフを含めてということだと理解しております。
 総務省といたしましては、NHKが国民、視聴者の信頼回復に向けまして、こうした取組を始めとして効果が上がると考えられる様々な方策について組織を挙げて全力で取り組むことにより、事態の改善、信頼の回復に効果を上げることを期待しておるわけでございます。
○大仁田厚君 信頼とは、信頼とは、僕らライブで生きてきた人間として、やっぱり人を裏切らない。やっぱり信頼回復というのはとても難しい僕は問題だと思いますけれども。
 僕はあえて麻生大臣にお聞きしたかったのは、やっぱり麻生大臣、いつも歯に衣を着せぬ答弁でずばずば言われるものですから。麻生大臣が言われている、重ねて述べられているスクランブル化など様々な手法によって、言及されておりますが、当面はNHKの信頼回復が必要であると重ねて述べられている麻生大臣に質問なんですが、ちょっとお待ちください。
 一月二十五日にNHKが出した再生に向けた改革策の受信契約の増加と受信収納の確保への取組では、支払拒否、保留の視聴者の全戸訪問や口座支払の推進による収納の継続、安定などを挙げておりますが、特段の罰則を持たないまま、罰則ないですね、罰則ないまま、これまで同様の徴収方法で五十万件に迫る不払に対応できるのかというのが私を含めた国民の率直な僕は疑問だと思います。
 現行の受信契約方法、集金方法、その在り方や、また含めて大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 受信者、受信者の善意に基づいてだけでやれるかという御質問なんだと思うんですね。
 基本的には、今出ておりますのは善意のある方々に乗っかってやっておるという支払契約制度なんです、済みません、受信契約制度なんですけれども、別に払わなくても罰せられないということがこれだけ公になっている。おれは払っているのに隣の大仁田は払ってないと。あっ、逆か、ごめんなさい。大仁田は払っておるけど麻生は払っておらぬと、おかしいじゃないかと。じゃ、払わなくてもいいのかといって払わなくなる人って増えると思いますね。
 僕は、常識的には、何だ払わなくてもいいのかと、道徳教育の問題なのかもしれませんけど、倫理観としては、払わなくても払っても同じかと思うと、善意だけで成り立つのかという問題は今後考えていかないかぬ大切な問題だと思っております。
 ちなみに、罰則規定というのは、イギリス、フランス、皆、罰則規定というのがきちんとされておるんですけれども、日本の場合はその点はされていないのが現状なんですが、これは過去、支払義務に切り替えようとしたのが、昭和四十一年に一回、昭和、当選してですから、昭和五十五年に二回目を、いわゆる支払義務の法律に変えようとしたことがあるんですけれども、いずれも国会で拒否ということになっておるというのが過去の歴史です。
 そういった意味では、今後これ、少なくとも今NHK打って一丸となってやっておられる最中だと思いますけれども、この結果を見た上で、改めてどういう方法をするかということを考えねばならぬところだと思っております。
○大仁田厚君 はい、よく分かりました。
 大臣の言われるとおり、やっぱり不公平感というのはあったと思います。前々からあったと思います。だれが払っている、だれが払っていないというのは。それがこの事件を勃発に、これやっぱり爆発したんだと思いますけど。
 僕、二月二十五日の衆議院総務委員会において麻生大臣が、携帯や自動車でもテレビが見られる時代になってきている、技術の進歩に合わせていろいろ考えておく必要があると述べられたんで、このことについてちょっとお聞きしたいんですけど。
 僕、先日、日韓四十周年ということで韓国のKBSに出てきたんですけど、出演してきまして、外国人で初めてテレビに出てきまして、その番組に出てきまして、キムチ工場で働いてきたんですけど、一日。韓国のKBSは、一世帯当たりの年間三千円というNHKよりも安い価格の受信料を取って、それで受信料は収入の約四〇%、そしてまた、新しい画期的なことで、広告収入を五〇%超えているそうです。そのKBSでは、九四年から韓国電力と受信料の徴収を委託して、視聴者は電気料と一緒に受信料を徴収されているわけです。拒否した場合には電気も止められてしまうんです。この方式の導入によって徴収率が五五%から九割まで上昇したという事実があります。
 日本と、日本と韓国と取り巻く背景は違うと思いますけど、このこういったことも視野に入れて、総務大臣、考えておられますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話の中で、これはいろいろやり方があるんだと思うんですが、私どもの持っている資料でいきますと、罰金という制度をきちんと持っておりますのは、イギリス、フランス、ドイツ、そこそこ皆、罰金制度を持っておるんですけれども、延滞金制度とかいろんなものを持っておりますけれども、日本はないというのでこれまでやれてこれたんだと思っております。広告収入を取っておりますのはフランス、イタリア、ドイツ。いずれも広告収入を計上しておるというところなんですが、日本の場合はそれもなしでここまでやってこれたんで、基本的には私は公共放送として頑張ってもらいたいなと思っておるんですけれども、実際問題それでやれるかという話は、これは今後の別問題なんだと思うんです。
 そこで、総務委員会でいろいろ御質問を受けたんですが、大体これは一家に一台という前提で、一軒幾らで取っているんですけれども、今、車でもテレビは見られる、パソコンでも見られる、そして携帯でも見られるということになってくると、少なくとも一家に三台あったっておかしくない時代ですから、そうなってくると原点は全然変わったものになってくる。
 となれば、失礼ですけれども、テレビも何も十年間で償却すると簡単に計算してですよ、十年間で償却するというんだったら一年間分掛ける十年、それで以降一戸に一台というんではなくて、テレビというのはPCからも何からもかにからも全部やったらウン億台ということになるんだと思うんだけれども、もっとあるかな、そういったことになるんだったら、それに買うときに十年分改めて先に下さいと言っておけば確実に取れますよ。そして、一回当たりのコストは物すごい上がりますよ。今、一万円と思っているんでしょうけれども、倍に、十万台、倍に増えたら百分の、十分の一に下がるわけですから、ということになる。計算だって、単純計算だってそういうことになりますから、そうすると、だれからもやましい思いもなくみんなということになりますが、やり方はいろいろあると思います。かつ、払ってなかったら、テレビは逆に二〇一一年以降デジタルハイビジョンという放送になったら逆にスクランブルが掛けられますから、そういった技術の進歩も期待できることになるんだと思いますけれども。
 私は、基本的にこういうのはなるべく罰則もなく、みんなでお互いにこういった公共放送というものを大事に持っておいた方がいいという意識が、支え合ってくれるのが最も望ましいと、私は基本的にはそう思いますけれども、それが成り立つか成り立たないかというのが今後の結果次第だと思っております。
○大仁田厚君 いや、僕は、ある種、NHKの存在というのは必要だと思います。選挙速報だっていち早く分かりますし、今回の地震においても、災害どきにおいてもNHKの信憑性やニュース速報性というのはすばらしいものがあると思います。
 ただ、僕は、これは若者の観点から、大学生とちょっと話した観点からちょっと御質問したいんですけれども、CM導入というと、やっぱり公共放送に広告はなじまないという考えはやっぱり固定観念の中であるんですけれども、一つの一案として、やっぱり地方公共の、観光協会による観光の誘致などのCMとか公共によるCM、公共性の高いもののCMとか、また社会問題である雇用の問題、やっぱり大学生が就職するよといったときに、何々企業がこういった企業ですよって、私たちはこういった人たちを募集しますとか、そういったことも新しい視野の中に入れて考えるのも僕は総務省の務めだと思いますが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 広告収入というものをこれ、イギリス始め取ってないんですけれども、先ほど申し上げましたように、フランス、ドイツ、イタリア、いずれも広告収入を韓国含めて皆取っておるんですけれども、確かにおっしゃるように、広告の内容によっては、ちょっと、ちょっと待てというのも、今、普通のテレビといったら、幾つもあると思って、時々テレビでこれ何の広告かよく分からぬなと思って見ることもあるぐらいいろんなものがあるんですが、今言われたように、政府広報含めて、県でやります分やら何やらというのを入れて一つの、やってみるというのは一つの収入源の新しい開拓としてはいいのではないかというのは一つの御意見として参考になるところだと思いますんで、いずれにいたしましても、この一連の不払等々の経緯をよく見た上で最終的な判断をしなければならぬところだと思っております。
○大仁田厚君 ちょっと戻らせていただきますけれども、質問を。
 僕は、受信料を支払う支払わないの根本的な問題だけじゃなく、やっぱり僕は、メディアというものはやっぱりいろんなことを情報をくれるわけです。それに対してやっぱり、だれがじゃNHKの集金をしているかといったら末端の方なんです。末端の方が、これは事実確認はしておりませんが、ある程度のノルマがあると聞きます。はい。それで、毎回毎回訪問して、訪問して断られて、私はNHK見てないからといって断られても何回も行く。そのノルマを課せられ、だれがじゃ一番、一番犠牲になっているか。じゃ、この五十万件をだれが徴収するのかときた場合に、やっぱり一番末端のやっぱり徴収する人たちの苦労というものがもう一回再編の糸口だと思っています。
 そういう人たちのためにも是非、総務省としてはどういうふうにNHKに的確な指導をされるかという具体的な案を総務大臣にお伺いしたい、お聞かせ願います。済みません。
○国務大臣(麻生太郎君) 直接、私ども総務省としてNHKの経営に対してこうしろとかああしろとか言うのはなかなか難しい、これは公共放送に対して少なくとも介入してくることになりますのでね。それはなかなか難しいところなんですが、少なくとも、今回の一連の問題の中にあって、NHKとして国民の信頼というものを失うということになった結果責任は大きいということで、人事の入替えやら何やら一連に起こったんだと思いますけれども。
 いずれにいたしましても、NHKが信頼回復のためにどのような努力をしていくのか、その経緯を見た上で、やっぱり基本的には、先ほど気持ちと言われましたけれども、そういった人たちの、方々の、何、いわゆる誠心誠意、そういったような、一生懸命と言われましたけれども、そういったものを含めまして、きちんとしたものが出てこないとなかなか新しい糸口も解決も付かない。第一、職員がその気にならなければ幾ら決めても事は動きませんから、だから、そういった意識をNHKの職員全員が持つというところが一番基本なんじゃないのかなという感じはしております。
○大仁田厚君 いや、大臣、介入することを僕はあれしているわけじゃありません。やっぱり社会問題になった以上は、やっぱり国としてどういう方向性を示すかということを質問しているんです。
 僕は思いますけれども、メディアというものは子供や若者に対して多大な影響があります。そういったものに対して総務省が免許法という法を設定しているわけですから、そういった部分で的確に、的確にやるんだということの方向性を示すことは、大人として、国として必要なことではないかと思っております。どうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 問題はその内容なんだと思うんですね。ですから、それが極めて独立性の高い公共放送というものをよく考えて、確かにおっしゃる点いろいろ、NHKは気が付かなくても我々が気が付いているところ、そこらのところは十分にあり得ると思いますので、そういった点に関しましては私どもとしてもいろいろな助言、アイデアの提供等々は可能と思いますけれども、いわゆる示唆、介入というところはなかなか難しいというところだけ御理解をいただければと存じます。
○大仁田厚君 僕は一言、大臣、僕は介入しろとは一言も申しておりませんので。ただ、指示を示すということは、道筋を示すということは今後大切なことだと思っています。今後よろしくお願いします。
 初めての質問で不慣れな点もありまして、水をこぼしてしまいまして、本当に……(発言する者あり)まだ時間ありますので。もうちょっと時間が、済みません、あと一分ありますので。
 僕は思います。本当に僕みたいな男がこの場で質問させていただく、そしてまた、いただくということは、僕は若者の代弁者だと思っております。ただ、一言だけ、最後に。
 僕は母親に感謝しております。どんなときも僕みたいな男を信頼し支えてくれたのは母親です。そしてまた、僕がこうやって生きているのはどうしてかなと思ったときに、やっぱり戦後、戦後こうなったのは、この日本がこういう幸せな国になったのは、僕はやっぱり僕たちのじいちゃんやばあちゃんが一生懸命汗水垂らしてつくってくれた土台に成り立ち、おれたちの母親、父ちゃんが一生懸命おれたちを育ててくれたからだと思っております。そのためにおれたちは何をやらなきゃいけないか。一生懸命、一生懸命この国のことを考え、一生懸命今後とも鍛錬して、自分の人生を全うしようと思っております。
 今後とも皆さん、内閣の皆さんの、期待しておりますんで、是非頑張っていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で浅野勝人君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 今日は、一番最初に官民格差の問題について、特に医療制度の中での官民格差の問題について質問させていただきたいと思います。
 医療保険制度の中に付加給付制度という制度がございますが、この付加給付制度についてまず御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 医療保険制度におけます、おきます付加給付は、保険者が自主的かつ効果的な運営を行う上で、各保険者の財政状況や加入者へのサービスの向上等の観点を踏まえて、法定給付を補完するため、各保険者の判断により、自主財源を用いて一部負担金の還元や上乗せの現金給付等を行っているものでございます。
○櫻井充君 この制度がありますが、この制度を政管健保の加入者の場合にはどの程度実施されているんでしょうか。
○政府参考人(福井和夫君) お答え申し上げます。
 政府管掌健康保険におきましては、ただいま委員御指摘の医療保険、これに係ります付加給付は行っておりません。
○櫻井充君 なぜ行っていないんでしょうか。
○政府参考人(福井和夫君) 政府管掌健康保険につきましては、財政状況が非常に厳しいということでございます。
○櫻井充君 なぜ財政状況が悪いんですか。
○政府参考人(福井和夫君) 被保険者の言わば収入と申しますか、所得の状態が低いといったことが挙げられようかと思っております。
○櫻井充君 それだけでしょうか。税金の投入額が変わっているはずですが、平成四年だったと思いますけれども。その点は大きく影響していないんでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 政管健保の給付費に対する国庫負担でございますけれども、平成四年改正におきまして、当分の間一三%となっております。したがいまして、それ以前が一六・四%でございましたけれども、そのとき以来一三%に引き下がっておるところでございます。
○櫻井充君 なぜ、その本則から外れた税金の投入額になるんですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) これはそのときの、なぜ一三%になったかということでございますが、当時の状況について今私の手元に資料がございませんので、ちょっと待ってください。
○櫻井充君 いや、いや、分かりました。いや、いいです、いいです。はい。
○政府参考人(福井和夫君) お答え申し上げます。
 政管健保の国庫補助率につきましては御案内のとおりでございますが、平成四年に、当時の厳しい国家財政の状況を踏まえまして、保険給付費につきまして一六・四%から一三%に引き下げたところでございます。この場合、その老健拠出金につきましては一六・四%に据え置いたところでございます。
 政管健保につきましては、主として中小企業の被用者を対象にしておるため、別途健康保険の関係では健康保険組合という保険者がございますが、健康保険組合と比べまして財政基盤が脆弱なことから一定割合の国庫補助を行っているところでございますけれども、そもそもこの国庫補助と申しましても国民の負担であることにつきましては変わりないと、こういうことで、御指摘でございますけれども、国庫補助率の問題につきましては、その必要性、妥当性につきまして総合的な判断が必要であるという具合に考えております。
 平成十四年の健康保険法等の改正におきまして、公費、税財源でございますが、これを今後も急速に増加が見込まれます七十五歳以上の高齢者に重点的に投入をすることといたしまして、公費負担割合をこの後につきましては三割から五割に引き上げてございます。保険財政にとりまして言わば重荷になっております老健拠出金を圧縮し、政管財政につきまして支出の軽減を図っているということでございます。
 そういうことでございまして、先ほど申し上げましたように、老健拠出金につきまする国庫補助は一六・四%を維持しておるということで、政管健保の国庫補助率は変更しなかったということでございます。
○櫻井充君 国家公務員共済組合は付加給付の制度がございまして、これ使われております。
 大変申し訳ございませんが、比較的多かった文部科学省、一体幾ら付加給付されているでしょうか。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答えを申し上げます。
 文部科学省共済組合についてでございますが、いわゆる自己負担額の上限は、御案内のとおり各月当たり二万五千円でございまして、それを超える額の分につきまして文部科学省共済組合から付加給付として支給しているわけでございます。
 この給付に必要な予算額、これは十六年度予算でございますが、十億五千八百万円を共済組合の予算に計上しているところでございます。
○櫻井充君 この制度の付加給付のところの財源はどういうことになっているか、もう一度御説明いただけますか。
○政府参考人(玉井日出夫君) いわゆるその短期給付事業の収入に係ることでございますけれども、労使折半ということでございますので、二分の一は国、それから、及び法人の負担金を充てているわけでございます。
○櫻井充君 付加給付というのは恵まれている制度なんですね。ここには税金が投入されているわけです。財政状況が厳しいから、中小企業には、本来の保険の中にも税金減額されているんです。このことについて私はおかしいと思うんですが、こういう制度を維持するべきなのか、各共済の担当の大臣の方々に御答弁いただきたい。現在の国家財政状況、こういう制度を維持するために税金を投入するべきかどうか、各共済の所管の大臣の方から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、厚生労働省共済組合の短期給付事業について申し上げますけれども、これは厚生労働省職員を対象として、民間における健康保険制度に相当する制度であることから、その給付は健康保険の給付水準を確保することとしております。
 これを維持するかどうかということでございますけれども、今、政管健保とのお話の比較といいますか、との兼ね合いのお話もございました。ただ一方、健康保険組合においてどういうふうになっておるかというと、約七割だったと思いますけれども、約七割ぐらいのところがこうした付加給付をやっておりますから、その比較でおいて、健保組合の七割がやっておるということで、そこと比べますと、じゃ、公務員の皆さんにそれより、せめてそのぐらいの同じことはできてもいいじゃないかという言い方もあると思いますので、私はそういう比較においてこれを維持することは妥当ではないかと考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 総務省の所管しております短期給付という事業の中には、総務省、いわゆる総務省の職員を対象とするんで、民間におきますいわゆる健康保険制度に相当する制度ということになるんだと思っているんですが、そういった意味で、この短期給付のうちに付加給付、今、尾辻大臣の方から説明がありましたこの付加給付の問題につきましては、健康保険組合も同様なんだと思いますが、保険料水準との兼ね合いというのを考えないといかぬのだと思いますんで、共済組合の財政事情を考慮してやらにゃいかぬというのは当然ですわね、これは。
 そういった意味で、共済組合の付加給付というものは、いわゆる社会保険における労使折半というルールがありますんで、あのルールに従って公務員として、その使用者としての国と受ける側のいわゆる本人との折半ということにしてあるんだと思って、適当なものだと考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私のところも共済組合があるわけで短期給付、付加給付をやっております。今、麻生大臣が私が答弁しようと思っていたこと等ほとんどおっしゃいましたので、同じことを繰り返してもと思いますが、同じ考え方でございます。
○国務大臣(島村宜伸君) 農林水産省共済組合の短期給付事業は、農林水産省の職員を対象とし、民間における健康保険制度に相当する制度であることから、この給付は健康保険の給付水準を確保することとされております。この短期給付のうち付加給付については、健康保険における付加給付の状況を踏まえ、保険料水準との兼ね合いに配慮しつつ、共済組合の財政事情を考慮して設けられておるところであります。
 共済組合の付加給付は、社会保険における労使折半負担のルールに従って公務員とその使用者としての国が折半負担をしているものであって、妥当なものと考えております。
○国務大臣(中川昭一君) 経済産業省の共済組合も各大臣と同じ趣旨でございまして、労使折半負担のルールに従ってやらしていただいていると。そしてまた、共済組合の財政状況も考慮しながらやらせていただいているということでございます。
○国務大臣(中山成彬君) 文部科学省の共済組合につきましても、民間における健康保険制度に相当する制度であることから、その給付につきましても健康保険の給付水準を確保するということになっております。
○国務大臣(町村信孝君) 外務省共済組合については、尾辻厚生労働大臣と同じ考えでございます。
○国務大臣(大野功統君) 防衛庁共済でございますが、前の諸大臣と同じ回答でございますので割愛させていただきます。
○国務大臣(北側一雄君) さきの大臣と同様でございます。社会保険における労使折半負担のルールに従って、公務員とその使用者としての国が折半負担しているものであるというふうに理解しております。
○国務大臣(細田博之君) 考え方としては、尾辻大臣が申し上げたとおりでございます。同じでございます。
○国務大臣(村田吉隆君) 警察共済組合の短期貸付事業でございますが、国及び地方の警察職員を対象としたものでございまして、このうちの付加給付は、健保組合における付加給付の状況等を踏まえまして、保険料水準の兼ね合いに配慮しつつ、共済組合の財政事情を考慮して設けられているものでございます。
 警察共済組合の付加給付でございますが、社会保険における労使折半負担のルールに従いまして、公務員とその使用者としての国あるいは地方公共団体が折半負担しているものでございまして、民間との比較において不均衡であるというふうには言い難いものだと承知しております。
○国務大臣(南野知惠子君) では、お答え申し上げます。
 法務省共済組合及び刑務共済組合の短期給付事業は、法務省の職員を対象とし、健康保険制度に相当する制度であることから、その給付は健康保険が給付水準を確保することとされていますが、先ほど各大臣が答弁されたものと同様でございまして、労使折半負担のルールに従って国が、使用者と、国が折半しているものであり、妥当なものであると考えております。
○櫻井充君 なぜ皆さんにお伺いしたのかというと、林野庁はないんですよ。林野庁の財政状況が悪いものですから、林野庁はなくて、あとみんな各共済は各省ごとに全然違っています。
 これが適正だとおっしゃいますが、先ほど、中小企業の場合には会社の財政状況が悪いからこの制度を利用できないんだというお話だったんです。この労使折半の労の場合は国だと。今、国の財政状況は悪いんじゃないんですか。谷垣大臣、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 悪いことはおっしゃるとおりでございます。ただ、先ほど厚生労働大臣が御答弁いたしましたように、この場合は労使折半というルール、健康保険組合はそういうことでございますから、それと同水準ということで制度を立てて、そうなっております。また、そうはいいましても、今おっしゃったような批判もございますが、これは順次、自己負担限度額等を見直していくということを行ってきているところでございます。
○櫻井充君 済みません、これは各省庁全部合わせて、この付加給付のための財源措置、幾らでございますか、谷垣大臣。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。
 国家公務員共済組合全体の付加給付総額、これは医療給付に係るもののほかに出産費や傷病手当等も含まれておりますけれども、昭和十六年度で九十三億、(発言する者あり)あっ、平成十六年度で九十三億一千七百万円でございます。このうち医療給付に係る付加給付の予算額というのは、同じく平成十六年度で四十八億五千二百万円となっております。
○櫻井充君 これが国家公務員だけの場合です。これに地方公務員を合わせると、国と地方の負担は幾らになるんでしょうか。
○政府参考人(須田和博君) お答え申し上げます。
 地方の場合のこの負担額でございますけれども、地方公共団体の数字というのは把握、あるいはこの二千幾つのものを合計することできませんもんですから、私どもの所管の共済組合の予算の方向を見たところ、平成十六年度で、この医療に関します付加給付でございますけれども、総額百三十六億円となっておりまして、このうち約半分が組合員の掛金であることから、地方の負担、事業主としての地方公共団体の負担金は残りの六十八億だと考えております。
 ただし、恐縮でございますけれども、この総務省所管の共済組合で地方の全部の共済組合を負担しているわけではございませんので、組合員数等も考えますと、大体この倍ぐらいが全体の地方の負担になるだろうと思っております。
○櫻井充君 はい、ありがとうございます。
 改めてお伺いいたしますが、国家財政上厳しいから定率減税を廃止していく方向になっているわけですね。まず、国家公務員が恵まれている部分に関して言ったら、国がきついんです。事業主が厳しい状況にあったら、まずこういうところから廃止していくのが筋じゃないですか、大臣、谷垣大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) そこらはいろいろこれから議論もしていかなければいけないと思いますが、ただ、ただですね、ただ、やはり国家公務員も働いている中で、どういう、何というんでしょうか、健康保険等の適用をしていくかということはやっぱり考えていかなければなりませんので、先ほど厚生労働大臣が御答弁がありましたように、七割の健康保険組合がこういうことをしていると、大体それに合わせて制度を設計してきたわけでございますのでこういうようなことになっているということであります。
○櫻井充君 民間の、民間のサラリーマンの七〇%は中小企業で働いております。組合健保はもう一つ、組合、その企業自体の収益が上がっていれば全く問題ないものです。先ほど政府参考人の方から答弁ございましたが、国の財政状況が厳しいから政管健保に、政管健保に投入すべき税金の額も減らしているんですよ。一六・四%から二〇%というふうに法律で定められているものを一三%に削って、平成九年には二割負担になって、今度は三割負担になっただけではなくて、一昨年だったと思いますが、保険料も引き上げられているんです。中小企業のサラリーマンばっかりなぜいじめられなきゃいけないんですか。私はおかしいと思いますよ。
 大臣、改めてこの数字を見て、聞いてどうお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、国の財政は厳しいことはおっしゃるとおり事実でございます。ただ、先ほどから申しましたように、やはりどういうその健康保険の制度をつくっていくかと、公務員の場合もそういうものをつくっていかなければならないと思います。
 その場合に、それぞれ一つの健康保険組合のそれぞれの財政状況があるのはもちろんでございますから、それぞれの健康保険組合の、あっ、共済組合の財政状況は見なきゃなりませんので、刑務と、先ほどおっしゃったように林野はできていないということがございますが、ある程度その余裕のあるところはそういう形で制度をつくっているというわけでございますから、労使折半というルールに従えばこういうことになるということではないかと思います。
○櫻井充君 悲しいですね。私は、小泉総理、早く辞めて、辞めていただいて、もし自民党が政権取っているんだったら谷垣さんに総理になっていただきたいとこの間も申し上げたとおりですが、その方からこういう答弁しか返ってこないということ自体がすごく悲しいです。
 なぜならば、国民の皆さん、この話を聞いたらどう思うでしょうか、中小企業のサラリーマンはどう思うでしょうか。これだけ不公平があって、しかもまた負担がどんどんどんどん増えていっている中で、ある一定額を超えたら全部免除される、こういうようなルールだけが温存されるということになって、国民の皆さんが理解、納得されると思いますか、大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) それはしかし、今おっしゃったことは、確かに国民の批判を意識するということはなければならないと思いますが、しかし他方、こうやってそれぞれの組合をつくって運営して、それぞれの組合のやはり状況というものはあると思います。それで、そういう中で制度をつくっていくということは、私は妥当なものだと思います。
○櫻井充君 それでは、中小企業の加入している政管健保の税金の投入額を減額することは全く問題ないということですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと今日は、政管健保のこの国の投入、財政から入れているのをちょっと十分勉強してきませんでしたので、十分な御答弁をする準備がございませんので、ここは少し勉強させていただいて、また議論をさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 税金の投入額の使い方の問題です。国のことだけを考えていらっしゃったらそれはそれで結構でございますが、それであれば、その水準に中小企業で働いているサラリーマンの皆さんも引き上げられるようにしていただきたい。保険全体に投入していただける税金の投入額を二〇%まで引き上げていただければ恐らく可能になってまいります。
 ですから、一方で、これは言っておきますけれども、付加給付というのは恵まれた制度なんです。恵まれた制度の部分をなぜ温存しなきゃいけないのかと。これだけ国家財政が厳しい中で、なぜ国が負担、負担できるのかというところが問題なんですから、是非御検討いただきたいと、そう思います。
 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 地域の医師不足についてお尋ねいたしますが、これの原因とそれから対策について、厚生労働省の所見をお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 多分、日本の医師数が少し少ないんじゃないかという視点からのお尋ねだと思いますから、そういう意味でお答えをいたしたいと思います。
 経済協力開発機構、OECDの資料によりますと、日本の人口十万人当たりの医師の数というのは二百名でございまして、先進諸国間では相対的に低い水準にとどまっております。また、地域や診療科によっては医師を確保することが困難であるとの指摘も受けております。
 平成十年に取りまとめられました医師の需給に関する報告書によりますと、平成二十九年ごろから供給医師数が必要医師数を上回り、将来的には医師が過剰になるとの報告がございました。しかしながら、その後の状況の変化やへき地における医師確保等について地域医療に関する関係省庁連絡会議で取りまとめられた提言を踏まえまして、先月から医師の需給に関する検討会を立ち上げまして、平成十七年度中を目途に報告書を取りまとめる予定としております。検討会では、医師の診療科、地域の偏在の問題を含めまして、幅広い観点から御議論いただき、御提言をいただくこととしております。
 今後、検討会における検討状況を踏まえながら、具体的な施策もまた講じてまいりたいと存じます。
○櫻井充君 現在の厚生労働省の認識をお伺いしたいんです。まず足りて、医者が、地域の医師不足はあるのかどうか。そして、それがもしあるとすれば、その原因は一体何なのか。今診療科の問題がございましたが、産婦人科や小児科の医者というのが足りているのかどうか、その点についてです。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 私ども、先月の二十五日にこの医師の需給検討会を開きまして、その折に委員の先生方の意見を聞いた限りにおきましては、一つは患者の視点では医師が不足している、それから現場の繁忙感、忙しさというのは非常に強い、それから診療科別格差が大きい、県別格差が大きい、地方では大学病院でも医師が不足していて派遣余力がないなどという御意見が出されております。そのような認識に立って、この委員会の中であるべき姿を議論していただきたいというふうには考えております。
○櫻井充君 それだけの声がありながら、今までずっと医師、医者の数が多いのでこれから減らしていこうという政策を取ってきたような気がしますが、今後、その医師を増やすというのは、そういう審議会を待たないとできてこないものなんでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成九年だったと思いますが、閣議決定によりまして医師の、医科大学といいますか、医師の数を増やさないという流れの中で、私ども、医師の適正配置ですとか、そのようなことをやってきたわけですので、先ほどのこの検討会の中でも、その後の問題といいますか、大学と医局の問題ですとか、それから労働基準法適用強化の問題ですとか、それから女性医師の増加ですとか、様々な状況があったということで、その中でどういうことができるかということは考えてきたつもりでございますが、いずれにしても、医師の臨床研修の必修化等々も始まりましたので、そういう新しい状況も踏まえて今後検討していきたいということでございます。
○櫻井充君 適正配置って、どういうことをやられたんですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 通常、どうしても医師の場合には医局とそれから病院とのつながりが非常に強いということでしたので、少なくとも今度の臨床研修の必修化ということでは、マッチング制度によりまして、希望する病院とそこで研修を受けたい人との組合せなどもできておりますので、それぞれの病院の望むものというところと、今度の制度が始まったわけですので、そういう中で適正にといいますか、配置ができていくのではないかというふうに思っておりますが。
○櫻井充君 それって研修医の適正配置のことですか。私は、現在の医療制度の中の医者の適正な配置だと思っているんですけれども、その点についてどうなんでしょう。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 一番の大きな問題として数年前から出ておりますのは名義貸しの問題ですとか、いろいろあったことを受けまして、私ども、文部科学省それから総務省と一緒になりまして、医師の需給対策、需給対策といいますか、医師の確保対策の検討会というのをまとめております。
 そういう中で、どうしても医療というのは地域の問題ですから、各自治体にそれぞれ医療対策協議会等々つくりまして、その中で医師の確保についてもお願いしたいということもやってまいりました。
 そういう中で、へき地医療につきましては、自治体によっては東京からの医師を招くような事業をしたりとか、それから大学によりましては、地元の医師会あるいはへき地の診療所との、中での人の派遣などをしていくとか、地域地域でいろいろと成果が上がっているというようには聞いておりますが。
○櫻井充君 そうでしょうか。
 私が働いていた国立病院は、四年間とも人員が足りなくて、名義貸しをしておりました。
 そして、これはもう事実として皆さん知っていることなんですけれども、そういうことがありながら、その当時の東北地方医務局長に何とかしなきゃいけないんじゃないですかと言ったところ、何にもしてくださらなかった。
 私は、とてもやっていると思えませんけれども。
○政府参考人(岩尾總一郎君) そういういろいろな問題につきましては、先ほど申しました需給検討会等々でも、特にへき地の医療機関の先生ですとか、それから医療を受ける方の立場の方、それから様々な専門家の方にも入っておりまして、先生が今おっしゃったような地域偏在の解消、それから診療科偏在の解消、それから質の良い医者の確保についてなど議論がされることになっておりますので、少なくともこの委員会で何らかの検討はさせていただけるというふうには思っております。
○櫻井充君 そもそも今のベッド数とそれから外来件数で、今の医者の数で、本当に全国の偏りとかがなくて全部満遍なく行き渡るようになったら、数は足りているんですか、本当に。
○政府参考人(岩尾總一郎君) どういう状態をもって足りているかというのは非常に難しい判断だと思います。
 先ほど、OECDの報告を大臣の方から紹介させていただきましたけれども、私どもとしては、特に最近の専門医志向といいますか、それから都会志向というものも十分影響あるとは思っておりますが、日本の諸外国に比べた医療というのが、どちらかというと、ベッドが多くてその病院に従事するお医者さんの数が少ないというようなものはよく言われております。
 そういう中で、十分足りるべく、今ある人たちの、まずその免許を持っている方々の十分な能力を活用されるべく、政策としてはいろいろと考えていきたいというふうには思っております。
○櫻井充君 答弁になっていません。
 資料要求しておきますが、現在のベッド数、そして外来の件数をまず出していただいて、適正配置基準がございますから、その配置基準で現在の医者の数で割っていただいて、本当に間に合っているのかどうか、その資料を出していただきたいと思います。
○委員長(中曽根弘文君) ただいまの櫻井君の要求につきましては、その取扱いを後刻理事会において協議することといたします。
○櫻井充君 不思議なんですけれども、どうしてこういう数字がなくて医者の需給問題というのが議論できるんですか、尾辻大臣。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどお答えいたしましたとおりに、そういうことがありますから、そして医師不足という、大きく言うと医師不足ということは私どもも感じておりますので、医師の需給に関する検討会を立ち上げまして、今年、平成十七年度中を目途に報告書を取りまとめる予定でございます。その報告書でまたいま一度検討をしたいと考えております。
○櫻井充君 先ほど政府参考人の方から研修医制度が始まってから適正化が進むんじゃないかというお話がございましたが、本当に適正化が進んでいるんでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 昨年の五月から始まった制度ですので、今年が二年目でございます。
 始まった当初、始まるまでは、臨床研修をする場合の割合が大学病院が七、大体七千数百人卒業いたしますが、大学病院七に対して一般病院が三の割合でございました。昨年、臨床研修が始まった第一年目でございますが、これが六対四。そして、来年度といいますか、今年、この四月以降からのスタートが、大学病院と一般病院の割合が五対五で研修をすることになると思われます。
 そして、臨床研修が始まる前に、東京ですとか京都ですとか福岡ですとか、地方の大都市に医者が偏っていたのが、少なくともこの臨床研修制度を始めてから、北海道ですとか、特に沖縄ですとか、非常に研修をした人たちが増えてきております。
 もちろんこの人たちは熟練した医師ではございませんけれども、こういう民間あるいは市中病院で研修を受けていただくという方々が地域の医療を見ることによって、私は、地域医療に今後とも貢献していただけるような方になるのではないかというように期待しております。
○櫻井充君 これは朝日新聞の記事なんですが、二〇〇三年と二〇〇四年のマッチ者の増減ということで、実は東京、京都、愛知、神奈川、福岡は増えているんです。減っているのは福島、鳥取、鹿児島、石川、徳島でございまして、今の答弁と全然違うんじゃないですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) それは臨床研修一年目が始まった、つまり、今年研修している方々と、来年研修をしたいという方々の差でございまして、先ほど言いました臨床研修が始まる前、昨年度の研修生から比べると、私が申し上げましたような数字でございます。つまり、大都市の方、急に、東京も含めてですが、大幅に減ってしまったものですから、今年、臨床研修のプログラムで魅力的のあるものを作ってある程度回復をしてきたと。そして、東京にしてもその研修受ける人が増えてきたわけですが、私どもが始める前のレベルに比べてはまだ追い付いていないと。少なくとも、地方に二年前に比べたらばお医者さん方が増えたということは事実でございます。
○櫻井充君 済みません、じゃ、後でその資料もいただけるでしょうか。
 それともう一つは、地域の偏在というのがかなり強いと思っているんですけれども、そのほかにやはり大学病院にかなり医者がいるということが問題だと思います。それはなぜそういうふうになるのかというと、私は大学病院で働いていた十年弱の間は五年半無給でございます。大学病院から一円も給料をもらっていません。
 そこで、今の大学病院で勤務している教授、講師、助手、そして医員という身分がありますが、大体今平均幾らぐらいで、これが適正な給与だとお考えかどうか、それについて御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(石川明君) お答えを申し上げます。
 国立大学病院につきましては、例えば教授の方につきましては、これ基本給でございますけれども、平均で五十九万円強ということでございます。助教授の方につきましては四十七万円強、講師で四十一万七千円程度、助手の方につきましては三十五万円程度と、こんな状況でございます。
○櫻井充君 医員は。
○政府参考人(石川明君) 失礼しました。
 委員長よろしゅうございますか。
○委員長(中曽根弘文君) はい。
○政府参考人(石川明君) 医員につきましては、大体これちょっと幅がございますけれども、基本的な給与の部分につきましては、統計上は十七万三千五百二十五円から二十四万五千円ぐらいの範囲で支給されているというふうに承知しております。
○櫻井充君 医員の方は、これ月給でお話しされてますけれども、これボーナスありますか。年給にすると、年次で額面で幾らになりますか。
○政府参考人(石川明君) ただいま年額での資料、ちょっと手元に持っておりませんけれども、諸手当等を、いろいろな手当等を入れますと、大体月額三十万円ちょっとというふうな数字であると承知しております。ボーナスについては支給されておらないというふうに理解しております。
○櫻井充君 済みません、私は諸手当などいただいたことがございません。実際二百万、二百万円ぐらいじゃないのかなと、最近増えているのかもしれませんが。文部科学省のそのお役人の方で、これだけ安い給料で働いている人はいるんでしょうか。
○政府参考人(石川明君) お答えを申し上げます。
 私どもの職員の給与、今ちょっとつぶさに私、把握をいたしておりませんけれども、若手の係員あるいは係長クラスがこれぐらいのところかなというふうなふうに感じております。
○櫻井充君 年額。
○政府参考人(石川明君) 今の基本給の部分でございますけれども。
○櫻井充君 それ違うでしょう、年額ベースで聞いているんですよ。ちゃんと答えてくださいよ。
○政府参考人(石川明君) 国家公務員の場合にはボーナス等も支給されることになっておりますので、年額ということで申し上げれば、今の医員の方々のこの額は、額に相当する方はちょっと見当たらないのではないかというふうに拝見いたします。
○櫻井充君 どうしてこういう給与状況、条件で、大学病院で勤務している医者は働かなきゃいけないんですか。
○政府参考人(石川明君) 大学附属病院には、こういった医員の方々を中心として、実際に診療に携わっていらっしゃる方々がいらっしゃるわけでして、御指摘の医員の方々の処遇については今申し上げたような水準になっておりまして、必ずしも十分ではないという認識を持っておるところでございます。
 こういうところから、平成十七年度予算におきましても、教育研究、医療体制の整備という観点から、国立大学法人に対する運営費交付金の中に総額で二十五億円余の予算措置をいたしまして、こういった方々の処遇面の改善等にもこれから努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 なぜ今までそれではほうっておかれたんでしょうか。
○政府参考人(石川明君) これは、ほうっておいたということになるのかどうかあれでございますけれども、医員と、医員としてここで、大学附属病院でお働きになるという方にも、それぞれの意義とかあるいは御希望、インセンティブもあったわけでございます。また、それから大学病院あるいは大学における財政状況等々、様々な要因でこういう状態であったのではないか、こう考えております。
○櫻井充君 それじゃ、問題はなかったということなんですか。
○政府参考人(石川明君) 過去におきましては、現在よりももうちょっと給与条件悪いような時代もあったと承知しております。そういったことで徐々にその改善は図られてきておりますけれども、先ほど申し上げましたように、現在においてもかなり低い状態であると、こういうことから今後改善を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
○櫻井充君 なぜこんなことを申し上げるのかといいますと、ここが実は大学病院に医者が、医者を集めちゃった方が有利、有利だと言った方がいいんでしょうか、財政上有利だからそういうふうになっちゃうんです。
 つまり私は、大学で働いていたときに医者として働かなきゃいけない部分の役割は大体三割ぐらいで、あとは諸雑用だったと思うんですね。それは無給ですから、無給の人間を雇って諸雑用をやらせた方がいいわけです。本当はまともな就労者がいて、その人たちに働いていただければ雇用にもつながっていくし、そうすると医者を地域に派遣することが可能なんですよ。まず、ここのところを改めていただかないと地域の医師不足は私は解消しないと思うんですが、尾辻大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先生が御自身の体験からのお話でございますから、極めて重い御指摘だと思います。
 したがいまして、よく現状も調べまして、先生のお話からまた現状の間の変化もあるかもしれませんし、よく調べまして私どもも対応させていただきたいと存じます。
○櫻井充君 もう一つ、結局、身分のなかったような人間はどうなったかというと、大学院大学というのをつくりまして、大学院生という形で働いています、結果的にはです。そうすると、二十四で卒業して二十六で研修が終わって、あと四年間また大学院大学という形で学ぶという、そういうシステムになっているんですよ。これが医者の現状でございます。
 これを今まで文部科学省がここの附属病院を管轄していたから、私は全くほっておかれたような気がして、ここはもう切り離してしまって、病院の管理ですから厚生労働省がここを所管したらいいんじゃないのかなと、そう思いますが、文部科学大臣と厚生労働大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 地域における医師不足とかそういったことについては、私も地元の市町村長からいろいろ陳情を受けたこともございまして、これは本当に何とかしなきゃいけないなということで、いろんな取組が今始まっているようでございまして、御承知のように、地方の大学におきまして、地元の高校を卒業した人には少しげたを履かせるとか枠を少し増やすとか、いろんなことがなされているということで、やはり問題意識は持ってやっていると、このように考えておるところでございます。
 それから、今、これは文部省じゃなくてむしろ厚生省にやらせるべきじゃないかと、こういうふうな御質問だと思うんですけれども、大学の附属病院というのは、医師養成を行う医学部等の教育研究に不可欠な施設として設置されているものでございまして、この点から文部行政をつかさどる文部科学省において所管していると、こういうことだと思います。今御指摘の趣旨とはちょっと違うと、こう思っているわけでございます。
 さらにまた、大学の附属病院というのは、その設置目的からいたしまして、本来的に教育機能を有しておりまして、また研究、教育研究を行うのに必要な指導体制、施設設備を備えたものであるということ、さらに医師法上、特に指定手続を経ることなく臨床研修病院としての地位が与えられていると、こういうことでございまして、これからも文部科学省でしっかりと見ていかにゃいかぬと、このように考えているところでございます。
○国務大臣(尾辻秀久君) 大学があって、その大学の一つに医学部があるという、こういうふうに考えますと、やっぱりどうしても大学の中の組織の中でありますから文部科学省ということになるのかなというふうには思うわけでございます。
 ただ一方、医療を行う機関でありますから、そこの部分については私どもがしっかり見ていかなきゃいけない、医療法上の監督はしっかりしていかなきゃいけない、こういう仕分けになるのかなと考えております。
○櫻井充君 もう一つ研修制度の中で問題点があるのは、研修指定病院というのは大学病院又は厚生労働大臣が指定した病院というふうになっています。これはもう大学病院というのは最初から指定されておりまして、取消し要件がございません。ですから、大学病院で、もし不適切な研修が行われていた場合、若しくは、指導医が足りなくなることはないんだろうとは思いますが、とにかく取消し要件がないこと自体、私はおかしいんだろうと思うんですね。
 随分前になりますが、女子医科大学で随分不適切なことがございました。あのときにもこの問題を取り上げたんですが、これはすべて、基本的には大学病院であっても厚生労働大臣が指定する病院の中に加えてなければいけないんじゃないかと私は思いますが、尾辻大臣、そして中山大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(尾辻秀久君) 臨床研修を実施する病院としての大学の附属病院をどう扱うかということでございますけれども、大学の附属病院は、設置の趣旨、目的から見て本来的に教育機能を有するものである、このことが一つあります。それからまた、現況を見ましても、おおむね臨床研修病院と同等以上の機能を有していると考えられることから、厚生労働大臣の指定を受けることなく、これ今お話のとおりでありますが、臨床研修を行うものとして位置付けておるところでございます。
 ただ一方、制度を所管する厚生労働省、私どもといたしましては、大学附属病院における研修内容等が適切か否かについて把握する必要があると認識をしておりまして、臨床研修を行う各大学附属病院に対して、研修プログラムの内容、指導医の体制、医療安全管理体制等の情報提供を、情報提供を依頼しているところでございます。
 また、新医師臨床研修制度施行に伴いまして、全国に七か所ございます地方厚生局に臨床研修審査官及び臨床研修係長を配置しておりまして、大学附属病院に対しましても、必要に応じて文部科学省と連携して、研修制度が適切に実施されるように努めてまいっておるところでございます。
○国務大臣(中山成彬君) 大学の附属病院というのは、先ほどもお答えいたしましたけれども、本来的に教育機能を有しております。さらに、その教育研究を行うに必要、十分必要な指導体制、そして施設設備を備えたものであるということから、医師法上特に指定手続を経ることなく臨床研修病院としての地位を与えられていると、このように考えておりますが、医師の臨床研修というのは、優れた医師を養成するという観点から極めて大事なものではございまして、大学附属病院におきます臨床研修体制の構築に当たりましては、臨床研修病院指定基準を踏まえて対処するよう、従前より会議等の場を通じて促してきておるところでございまして、今後とも厚生労働省と十分連携を取りながら進めてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 現場の医療従事者は本当に困っています。要するに、厚生労働省そして文部科学省、両方から様々なことを言われて、本当に四苦八苦されている、しているのが現状でございますから、もう少しきちんと考えていただければ有り難いなと、そう思います。
 医療従事者で困っているのは実は医者だけではございませんで、看護師さんも大変な状況にございます。この看護師さんたち、一年目の、看護協会でこの間調査を行ったところ、ヒヤリ・ハットの問題であるとか、それから自分たちが学んできたことよりも更に高いことを要求されるとか、そういうことがあって辞める方が随分多くなっていらっしゃいます。一年目で離職率が大体八%を超えるような状況でございまして、できればその現状のもう少し詳しい点を南野大臣から御説明いただければ有り難いなと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) それでは、御自身が看護師さんである南野大臣にこの後答えていただきますけれども、まず大まかな数字だけを私から申し上げたいと思います。
 御指摘の新人看護職員の離職率の調査は日本看護協会が、正に南野大臣がそのメンバーのお一人でありますけれども、平成十六年度に二百床以上の病院及び看護師学校・養成所等を対象に実施したものでございまして、ほぼ十二人に一人の新人が就職後一年以内で離職をいたしております。この調査では、離職が増加しているかについては、三分の二の病院がまた一方特に変わらないとも答えておりまして、この辺をどう見るかというのが今後の私どもの検討だというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(南野知惠子君) もう先生のその優しい御質問をいただきましたので、お話しすると時間が足りなくなるのかなと思いますけれども、本当、看護という問題、今、法務大臣離れておりますので、その点御理解いただきたいと思いますけれども。
 今、厚生労働大臣がお話しなさいましたように、やはりいろいろな難しい課題があろうかと思っております。例えば、就職をしましたときに、もうすぐ一人前ということを要求されるということがありますので、卒業時点の能力と、それから求められる能力がこれまた違っているのかな、そこら辺でうんとしなければならない形が出てくるだろうと思います。それから、看護職に到達するまでにいろいろなレベルがあります。いろいろなカテゴリーを合わせながら看護師という免許を取るわけでございますが、そこら辺も一つ問題があろうと思います。
 現場のことでもう少し申し上げるならば、今高度化されております。それから、医療の高度化がありますし、それから難しい問題点もそこの中に出てまいります。人対人の問題でございますのでそこら辺で、合う患者様、合わない患者様もおられるわけでございますけれども、そういう観点の中から、今短期入院ということが言われておりますので、短期に患者様方の入院を制限する場合には、それだけ有利であるというような試算もございます。そういう観点の中から、一日に出たり入ったりする数がうんと頻繁でございますので、与えられている数よりうんとそこら辺はオーバーワークになってくるところもあるだろうと思います。当然、二十四時間でございますので、そういう働き方があります。
 先ほど先生、お金の話をされましたけれども、同じ看護教育をしている人で、厚生省にいる人、文部省にいる人、ここに差があるということも一つのポイントでございます。まあいろいろと我々、一番低開発の職域でございますので、そういった意味で今鋭意努力しなければならない。七等級というのが看護部長がもらっている給料でありますけれども、それを八等級に持っていきたいとか、いろいろ考えておりますが、今の国の財政の中ではそれは言い出しかねているほど我々は優しい人種であるということも御理解いただきたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございました。
 今現状、本当にこういう大変なことなんだろうと思います。そこの中で、医科とか歯科は今度研修、歯科も研修が始まります。看護婦さん、看護師さんの数はすごく多いんで研修というのはなかなか難しいのかもしれませんが、せめて一か月なら一か月間ぐらい、きちんとした形で研修ができるようになってくるともう少し変わるんじゃないのだろうかというふうに思うんですが、尾辻大臣、その点についていかがでございましょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、南野大臣もお触れになりましたけれども、辞める人が、すぐ辞める人が結構多いというその理由なんでありますけれども、基礎教育修了時点での能力、ですから、学校で身に付けてきた能力と、今度は現場に行く、その看護現場で求められる能力とのギャップが大きくて、やっぱりそこで不安を感じたりというようなことがあるわけでございます。したがいまして、新人看護職員の受入れ環境を整備するということは大変必要なことだと認識をいたしております。
 そこで、その一環としてでございますが、平成十六年三月に新人看護職員研修の到達目標や研修指導指針を策定しまして、今その普及を図っておるところでございます。そうした努力を積み重ねて、今後とも新人看護職員の受入れ環境の整備に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 もう一点ですが、医者の労働条件も極めて悪いです。例えば、徹夜して全く寝れないまんま次の日も一日働くということは僕は結構ありました。それと同じように、看護師さんたちも患者さんが急変してしまうと勤務外でも相当長く勤務されなきゃいけない。それから、その配置基準なんか見ていただければ分かりますけど、患者さん当たり何人だといっても、夜勤のときは、大体言うと、五十人に看護師さん三人いればいい方です。恐らく、大体二人ぐらいで診ていらっしゃると。その方々は、実は看護職のことだけではなくて事務職から何から全部やらなければいけないという、そういった問題点もございます。
 ですから、その現場の医療従事者の苦労ということを是非知っていただいて、労働条件をただ単純に改善しようとすると、今度はその仕事が、自体が終わらなくなってしまいます。ですから、医療の質の低下を招いてしまうという現状がありますから、この問題についてきちんと取り組んでいただきたいと思いますので、その御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 小児科のお医者さんが、余りにもその厳しい今のようなお話の中でとうとう自殺をされたということもございました。医療現場というのは大変厳しい環境にあるんだろうなということは思います。また、今日先生からもいろんなお話を伺いました。お医者さん方、それから看護師さん方のそうした御苦労に対して、私どももよく改めて実情を調査をするといいますか、よく把握しながら対応してまいりたいと、こういうふうに考えます。
○櫻井充君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 それでは次に、独立行政法人国立病院機構に関する談合疑惑について質問させていただきたいと思います。
 お手元に資料が配付されているかと思いますが、そこの三枚目のところにございます。この四社で結果的に共同入札を行うことになりました。入札を行うこと、競争入札を行うことになりましたが、この四社に決め、四社になぜ決定されていったのか。これは、全国にその支店を持っていることが条件でこの四社に決められていくわけですけれども、なぜかその入札をする前にこの四社が、うちの傘下に入らないと入札に参加できませんよというようなことまで全部いろんな中小の卸さんに話をした上で、入札参加要件が出たところ、結果的にはこの四社しか入札に参加できなかったと。
 その結果どうなったかというと、これが四社のシェアでございまして、また不思議なのは、一枚めくっていただくと分かりますが、ちょっとメーカーが入っちゃったんで申し訳ないんですけれども、入札の方法が極めて不自然でして、例えば、ある製薬会社の注射薬だけとか、それから外用薬だけとか内服薬だけとか、こういう形でその入札をされているんですね。
 この入札をしているんですが、実は六千品目をこういう形に分けて入札をいたしました。その入札告示があって、説明があって、入札が行われたのはわずか一週間後でございまして、果たしてそれだけのものをこういう形でまとめて価格設定ができるのかどうかということも極めて疑問です。そしてしかも、入札をしてみると、結果的には、その今お示ししましたように、大体ほぼ四社が四分の一ずつ均衡に取ってきているということでございます。
 これは決算委員会で前回も指摘させていただきましたが、その後の調査はどうなっているのか、御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 昨年秋の国立病院機構において実施された医薬品の共同入札においては、適正な手続の下で行われたと聞いておりまして、不公正な取引が行われたとの情報には接しておりません。
 それから、医薬品卸売業の所管課におきまして、関係団体、医薬品卸業の連合会及び当該四社に確認いたしました。不公正な取引が行われたという情報はございませんでした。
○櫻井充君 それは調べ方が悪いんでしょう。
 なぜ、じゃ、お伺いしますが、入札前、入札のその公告前にこの四社はどういう要件の企業でなければ入札に参加できないと分かってたんですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 前回の先生の決算委員会の話に戻るかもしれませんけれども、国立病院機構でその事前の説明会というのはやっておりますが、それは入札公告を出した後ということだというふうに聞いておりますし、事前に数社を呼んだというのはこの目的でお話をしたんではないというふうに、私の方は前回の決算委員会の後、国立病院の方から聞いておりまして、入札とは無関係だという話で私は聞いておりました。
○櫻井充君 私がお伺いしているのは、入札公告前にもうこの四社はどういうシステムでというか、どういう企業が入札に参加できるのかということを知っているんですよ。なぜ知っているのか、知っていたのかということについてお伺いしているんです。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生のお話は、五月の十四日に機構本部が四社と会合を持ったんじゃないかということの関連だと思いますが、入札に係る具体的な情報が特定の企業だけに事前に提供されるような会合を機構本部は持った事実はないというふうに言っております。少なくとも昨年の秋に、医薬品の共同入札というのは適正、入札は適正な手続の下で行われたというふうに私の方は聞いております。
○櫻井充君 それは五月のことじゃないんです。私が申し上げているのは、入札公告の前にもう知り得ているんですよ、何社も。そして、その白紙の委任状を持ってきて、こういうことだからおまえらは傘下に入るか入らないかということを言っている企業があるんですよ。だから、どうしてその人たちが知り得ているのかということをお伺いしているんです。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 病院機構からは、何回も先生の御質問があったんで私ども聞いておりますが、少なくとも適正な手続の下に実施されていると言うので、それ以外にちょっとお答えようがございませんが。
○櫻井充君 答えてない、答えてない。
○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。速記を起こしてくださいね。
○政府参考人(岩尾總一郎君) その五月十四日の以前というお話でということでございますが、私ども、国立病院機構にそのような事前の働き掛けがあったのかということについては、国立病院は一切ないというふうに言っておるということを聞いておるということでございます。
○櫻井充君 十四日、五月のところじゃないんです。入札が行われ、入札公告が行われる数日前にもう業者の方は知っているんですよ。その方から、その何社の方々がそういうことを言われたという事実も私は存じ上げております。ですから、どうしてその、そういう事実が、そういう事実が知り得るようなことになったのか、この点について、じゃ、まず調べられたんでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) そうであれば、具体的な特定の会社の方からの情報ということであれば、私の方で、先生が知っている情報につきましてお教えいただければ、私の方から国立病院機構に対して調べさせます。
○櫻井充君 じゃ、今のところで、多分知っていらっしゃらなかったんだろうと思いますので、その点について、ではお話しさしていただいて、きちんと調査をしていただきたいと思います。
 今回のこの談合疑惑の中で、薬剤費が大体十億円ぐらい削減できたということがここの機構の手柄だというように喧伝されているわけです。ところが一方で、国は薬価差で利益を上げちゃいけないという方針を出しているはずなんですね。国立病院機構のこういうやり方というのは認められるものなんでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) ひところ、薬価差の問題が随分検討をされました。私もそのメンバーの中で検討をした一人でございます。
 そのころ一番大きな問題は、日本の医療費の中で薬剤費が三割を占めておりまして、これはもう欧米諸国と比べて余りにも医療費の中で薬剤費が占める割合が大き過ぎるということで、なぜかというと薬価差があるからだということで、今のお話のようなことが随分指摘をされたわけでございます。
 その後、努力をみんなでいたしまして、今薬剤費、医療費の中で占める薬剤費の割合は二割までになりましたから、このところ余り薬価差の話は出てこなくなったところでございます。しかし、先生おっしゃるように、薬価差について、医療費を考える立場、国全体としてそういう言い方をしてきたことも事実でございます。
 それはそれでございますけれども、一方、今度は独立行政法人に国立病院機構がなった。どうしても経営について効率的な面を求められる。経営改善を、経営改善努力をしなきゃいけない。そうなると、そっちから言うと、今度は、薬できるだけ安く買いたいという努力をすることもまた事実でございまして、今回のことは、談合あったとかなかったかということについては前回先生から御指摘いただいて、私もすぐ指導をいたしました、指摘もいたしました。ちゃんと、一遍調査をきっちりやれと、こう言ったんですが、どうも今の先生のお話の中で、私どもの調査が漏れていた分があるんじゃないかなと思いますから、これはまた先生からお話を伺って、もう一度きっちりやり直すことはいたします。
 そうした中で、今申し上げておりますことは、独立行政法人になってやっぱり経営改善の努力をする。その中で、薬を安くしようとして努力することは、また一つの独立行政法人の在り方として、どう言ったらいいんでしょうか、まあやるべき姿なのかなとも思うわけでございます。
○櫻井充君 これ、薬価の大体八七ぐらいで卸しているんですね、今回。ですから、これが本当に適正なのかどうかというのはかなり難しいんじゃないだろうか。つまり、卸さんに過度な負担を掛けていることになります。
 しかも、今回は大手四社だけから卸せるような形にしてあって、まあ実を言うと残り六千品目があって、これはシェア二割しかないんです。いわゆるオーファンドラッグとかも含まれていて、これは在庫管理極めて大変なんですけれども、これは中小の地域の卸さんに任せるからという言い方をしているんですね。でも、そこのところって利益ほとんど上がんないところで、管理の方が、物品管理の方がよほど大変なところなんですよ。今まで地域のその中小の卸さんたちが国立病院を支えてきたんです。この人たちを全部排除して、極端な言い方をすると排除して、大手だけがそういう利益を上げられるような形にしてきている。そして、そういうやり方をして、結果的にはその独立行政法人が十億の、わずかです、わずか十億の利益を生んできている、ここが僕は問題だと思うんです。
 一方で、じゃ、大臣、この例えば、今度新しく東北地方医務局なら医務局が北海道東北ブロック事務所になりました。この組織が本当に要るんでしょうか。私は現場にいたからよく分かりますが、地方医務局なんというのはなくてもよかったんですよ。私が医長のときに言われたのは、要するに政策医療をやれと。政策医療なんてもうからないんです。病院として利益を上げろと、違う部署の人たちから、両方から言われました。どうやったらできるのかと言ったら、何にも言われないです。こういうことを言っている人たちの集まりです、ここは。こういうものが本当に必要なんでしょうか。この人たちの人件費だけで二十五億六千万です。ここの組織さえ壊してもらったら十億なんて簡単に浮いてくれるんですよ。ですから私は、こういう組織こそやめるべきではないのか。
 そして、このお手元の資料のところで見ていただければ分かりますが、組織は再編されたといっても人数はほとんど変わっていない。ましてや、地元に行って調べてみると、花京院というところに立派なビルができ上がっていまして、そこのところを今度は東北厚生局が借り上げているんですけれども、平成十五年までは二千万だったものが十六年度になったら五千五百万になっているんです。
 つまりは、こういう形で本来改編されて、多分人員削減とかいろんな経費の削減を考えたんでしょうが、実際は東北厚生局などを見てみるとそういう方向に向かっていないんですね。本当にこれで改革と言えるんでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 薬の話と組織の話と二つございましたので、先日先生から御質問いただいた後、私が調べるように言いまして、私が聞いた説明を申し上げますので、恐らく先生また専門のお立場で私が甘いというようなお話もあるかもしれませんが、それをまた御指摘いただければ更にやり直しますからという意味で申し上げたいと思います。
 まず、薬の方の話なんですが、さっき言いましたように、薬を安くしたいと思ったと。安くするためにはできるだけたくさん買って大ぐくりなところで買おうとした。そうすると、地域を大きくこの地域、あのブロックというような形で買おうとした。そうなると、そのブロック全体に薬を持ってこれるようなところというのはどうしても大手になったんで四社になったというふうに聞いておるわけであります。そして、その中で談合ということは、先生御指摘のようなことも含めて、前回の御質問の中で先ほど言っておられるようなことも述べておられますから、そういうことまで含めてなかったんだなということを確認いたしましたが、私どもが聞いたのはそういうことはなかったと聞いておりますけれども、改めてまた、今の先生のお話がありますから、そのことについては調べさせていただきたいと、こういうふうに思います。
 そして、それは、それじゃ大手ばっかりで薬を買うということになると、地元の皆さんにせっかく御縁があったりするものをという話があるから、私が聞いておりますのは半分だけを大手から聞いて、半分はその地元の皆さんから……
○櫻井充君 シェアが全然違うんですよ、品目が。
○国務大臣(尾辻秀久君) そうですか。まあ、買ったんだというふうに聞いておりますが、まあ私はそのように理解をして、前回の先生の御質問の後、私なりに納得はしておったんでありますけれども、また改めての御指摘はいただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、組織のお話でございます。
 これはもう国立病院機構におきましては、国立病院時代と比較して地方ブロック事務所の数は減らしたというのは御理解いただきたいと思うんですが、一般管理費を一五%以上削減することを中期計画に盛り込むなどしておりまして、とにかく今先生がお話しになっておられますように、管理部門の縮小と効率的な業務運営はしなきゃいかぬと、こういうふうに考えております。その中でブロックというのをどうするかというのもまた改めて私どもなりに検討させていただきたいと存じます。
○櫻井充君 大臣、今の、まず先ほどの薬の話ですが、品目は六千、六千なんです、確かに。ですが、シェアは全然違うんです。今回のその上っている六千はシェアの中の八割です。中小の方は二割だけ残されて、しかもオーファンドラッグといって利益率の極めて低いものだけ残されているんです。だから、その説明は全くうそだと私は思いますね。
 それからもう一つ、じゃ、その本部でそういうことを一括で購入するんだと、だから大手なんだという御説明であったとすれば、地方ブロックなんか要らないことになります。例えば、徳洲会なら徳洲会病院は確かに本部があるけれども、地方ブロックなんかないんですね。だから地方ブロックなんというのは本当に、本当に邪魔ですよ。
 現場の医者からとってみたら、現場の看護婦さんも、看護師さんも同じだと思います。婦長さんクラスになるとみんな転勤させられるんですね、二年に一回ずつね。こんなことやったって何の意味もありませんよ。それはなぜかというと、もうこの人はどうせ二年間でほかの病院に移るんだとみんな思っているから、まともに話も聞かない。今度は改革しようなんという意識もない。自分の最後のところのポジションに戻ってきたら皆さん一生懸命やられるけど、もう辛抱、辛抱のあれですよ。そういうことのローテーションをやっているのがここですから。
 こんなもの要らないですよ、はっきり言えば。ここさえつぶしていただけたら、もっと、もっとその人件費もそれから運営コストも削減できるんですから、そういう改革をすべきなんじゃないですか。そして、ここで浮いた人をですよ、もっとほかの厚生労働省の中で必要な部署がありますから、そういうところにどんどんどんどん付ければ私はいいと思うんですけどね、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) じゃ、まず局長、先に答えてもらいます。
○政府参考人(岩尾總一郎君) そういうことで、従来八あったブロックを六つに減らしたとか、それから、先生、先ほどおっしゃった花京院のビルは東北の厚生局ということで、厚生省全般の仕事の出先になりまして、私どもの国立病院のその地域の事務所は今の国立仙台病院の方に移らしていただきました。したがいまして、努めてそういう意味で無駄な人件費支出、経費支出を占めないようにやっておりまして、三百八十八人から二百九十一人体制にしております。
 特に地域で、先生今おっしゃいましたその看護婦さんですとか、その地域で採用されて地域で回る方々についての、やっぱり小回りが利くという意味では、全国一つよりもその地域内での異動ということを考える意味で、やはり面倒見ていただく方がいた方がいいんじゃないかと私どもは思っております。
○国務大臣(尾辻秀久君) 局長は局長なりに答弁したと思いますけれども、今の先生のお話、十分承らしていただいておりますから、私なりにまた判断をさせていただきたいと存じます。
○櫻井充君 是非検討していただきたいと思いますし、ちょっと、南野大臣、大変申し訳ないんですけど、その国立病院で看護婦さん、二年ごとにローテーションをするでしょう、偉くなってくると。皆さん、私の、私が現場で聞いたときには皆さん困っていらっしゃったんですけど、こういう制度ってプラスももちろんあるかもしれないけど、マイナスの方が私は大きいと思うんですけどね、いかがですか、その辺。
○国務大臣(南野知惠子君) 先ほどに続いて突然の御質問でございますので、法務大臣の立場を離れまして、本当に、おっしゃるように、二年ごとのローテーションというのは、これはちょっとよろしくないと思っております。石の上にも三年ということで、三年ぐらいはちゃんとしないと組織がつくれないというふうに私は思っている一人でございます。
○櫻井充君 まあいいや。まあいいや。
 しかし、本当に看護婦さんたちは家庭を捨てて、捨ててと言ったらおかしいけど、子供たちを置いてもう地域は回らせられているんですよ。だから、そういう現状を考えたら、そこまで本当にやらなきゃいけないのかどうかというのは私は甚だ疑問でなりません。
 次に、もう一つ、厚生労働省の件で質問したいことがございます。
 厚生労働省所管の公益法人というのが、今、調べてみると七百六十一ございます。七百六十一のところに厚生労働省に勤務したことのある方を挙げてくださいと言ったら、この七百六十一のところに、もうとにかく山のように出てまいりました。ある私の知り合いの財団、財団だった、社団かな、社団が厚生労働省の許可を得たいと言ったときに、天下りを受けてくれるかどうか検討してくれと、そういうふうな話をしているんですね。
 ですから、こういうことを本当にやり続けて、行政権限を使って新しい組織をつくるときに、自分たちのその再就職先をつくるということ自体問題があるんではないのかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 具体的な例として私が承知をしておりませんので、その件については申し上げようもございませんけれども、一般論として、もうそんなことはあってはならないというふうに考えます。
○櫻井充君 これ、具体的に申し上げてもいいんですけど、具体的に申し上げたときに、私はその方々に迷惑掛かるんじゃないかと思って心配しているんですよ。その方々は半分に今意見分かれているんです。つまり、その給与の分を自分たちが拠出しなきゃいけないんだったら必要ないだろうと言う人たちと、ここなんですけど、日本人的で、やはり厚生労働省、彼らは認可ってよく書くんですけど、そういう看板があったら全然信用度が違うからやっぱり受けるべきじゃないかと言う人たちもいらっしゃるんですね。
 ですが、そういうところを利用して、そのときに圧力掛けて雇えというのは私はおかしな話だと思いますよ。いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) それはもう全くおかしなことであります。
○櫻井充君 その上で、その上で是非考えていただきたいのは、結果的にはその役人の方々の就職先なんだろうと思うんです。つまり、ピラミッドの構造の中で、私も医者だからよく分かりますが、医局制度と全く同じでして、五十かもう少しいくと皆さん肩たたきに会うような実態になってしまっていては、こういう圧力を掛けて結果的には再就職先をつくらなきゃいけないとか、無駄な財団を山のようにつくってこなきゃいけない。しかも、恐らくこういうところに補助金なりなんなりのお金がつぎ込まれているはずですから、特別会計とかからですね、余計高く付いてしまうので、そういうこと自体をやめるための制度設計を考えられたらいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) これは独り厚生労働省だけの話じゃありませんが、かねて私もそう言っております。早めに肩たたきに会って五十そこそこで辞めなきゃいけないという仕組みになっていたら、その後、よく私は言うんですが、かすみ食って生きていくわけにもいかぬだろう。そうするとまた、それに何とかしようということになるから、そこは全体きっちりした、もう一回仕組みを考えるべきだということはかねて言っておるところでございます。
○櫻井充君 是非、御検討いただきたいと思います。
 あわせて、資料請求したいんですが、この七百六十一の厚生労働省所管の財団法人等、ここのところの財団等にもし補助金なり税金が、特別会計や一般会計からもしその補助金なり、これは補助金と限定するとまたないと言われてしまいますので、そういう税金等がもしこちらの方に寄附とか補助金の形でどの程度行っているのか、その数字を教えていただきたいと思います。
○委員長(中曽根弘文君) ただいまの櫻井君の要求につきましては、後刻その取扱いを理事会において協議することといたします。
○櫻井充君 それからもう一つ、今度は医療から離れて、規制改革会議の議長のことについてちょっと質問させていただきたいと思いますが、まず最初にベースラインとして、医療の分野においてビジネスチャンスがあるんだということを言っておられます。この新しいビジネスチャンスというのは一体どのこと、どういう事業を指しているんでしょうか。
○国務大臣(村上誠一郎君) お答えします。
 私は、医療分野における規制改革は、受診機会や患者選択の選択肢を拡大するなど、患者本位の医療を目指すことを第一の目的としていると考えております。こうした観点から、医療分野における関係者のお互いの切磋琢磨といいますか、一生懸命努力することにより患者から評価され、医療サービスの提供が行われるようになることが重要じゃないかなと、そういうふうに考えています。
○櫻井充君 具体的に、そのビジネスチャンスのビジネスというのはどういうものを念頭に置かれているんでしょうか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 私は正直申し上げて専門家じゃありませんので委員の満足いくような答えできるかどうか分かりませんが、私はやはり今申し上げたように、みんなが、そのお医者さんたちが常に新しい技術や新しい薬やそういうものを勉強することによって新しい分野の医療技術や薬が使われると、そういう形になっていくのが一番いいんじゃないかなというふうに考えています。
○櫻井充君 済みません。そうすると、例えば製薬なら、薬なら薬というのは、別にビジネス、新しいビジネスチャンスでも何でもないと思うんですね。その規制改革会議で言っているビジネスチャンスというのは一体何を指しているんですか。これは質問通告してあるんですけれども。
○国務大臣(村上誠一郎君) 今申し上げたように、それはそれぞれの立場の人がそういうふうにとらえるかどうかであって、我々の立場とすれば、今申し上げたように患者本位の受診機会や選択肢を拡大することだと考えております。
○櫻井充君 それじゃ、具体的にお伺いしますが、例えば自由診療が増えていったような場合に、民間の医療保険会社など、そういうものの参入というのも念頭に置かれていますか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 我々は、今回のそういう合意については、一定のルールの下で保険診療と保険外診療との併用を認めるものであって、アメリカのような公的保険でカバーする範囲を高齢者、障害者、低所得者に限定する医療制度の導入を意図しているものじゃない、ありません。
○櫻井充君 ただ、今そういうふうに限定されましたが、一部民間の保険、民間の、民間の、医療、医療の分野において民間の保険会社の参入もその検討課題の中には入っているということですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) それは個々の会社が判断することであって、我々としては、今申し上げたように、アメリカのような形にするという考えはありません。
○櫻井充君 それは、公的皆保険制度がこれだけ発達し、きちんと整備されている国に、アメリカのように民間保険会社があれだけのシェアを占めることはないと思います。
 ただ、問題は、一部の部分でこれから自由診療、国の財政が厳しいから自由診療がどんどん増えてくるとしたときに、民間の保険会社が参入できるような場面も出てくるんだろうと思うんですね。それが規制緩和なら規制緩和、それから医療の中で簡単な部分はもう保険から外したらいいんじゃないかということもここの場で議論されているわけですよ。
 ですから、あえてもう一度お伺いしたいのは、医療の分野でのその新しいビジネスチャンスの中に、民間の保険会社が医療保険の分野に参入するということも念頭に置かれた議論になっているんですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) それはいろいろな、委員のような考え方、いろいろな考えがありますけれども、それは各会社が判断するのであって、我々はそういうふうに考えては別におりません。
○櫻井充君 これは要するに、じゃ、規制改革会議はそこまで念頭には置いていないということですね。
○国務大臣(村上誠一郎君) やはり一番大事なのは患者のニーズと考えていますから、患者のニーズや、患者の皆さん方や医師会の皆さん方のいろんな意見を聴いて総合的に判断したいと、そういうふうに考えています。
○櫻井充君 答弁になっていない、答弁になっていない。なってない、なっていないよ。ちゃんと言ってよ、ここ大事なことなんだから、大事なところなんだから。駄目ですよ、こんなんじゃ。大事なところなんだから。
○国務大臣(村上誠一郎君) だから、我々は、去年の混合診療の問題についてもそうなんですが、患者を始めとした様々な立場の意見も聴きながら審議を行っているわけでして、会議の答申を、取りまとめを特定の企業等に有利な取り計らいをしていると、そういうふうなことの、ことにやっているというふうには考えておりません。
○委員長(中曽根弘文君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(村上誠一郎君) いろいろなお考えや御意見があると思いますが、先ほど来申し上げているように、今の段階ではそういうことを別に念頭にして考えているわけではありません。
○櫻井充君 これは極めて大事なポイントでして、なぜならば、規制改革会議の議長というのは保険会社の方です。もう民間の保険を用意されています。そういう方がもしそういうような、ここが、ですから先ほどビジネスチャンスとは一体何なのかということをお伺いしたのはこの点です。
 これは実を言うと、利害の抵触に当たるんではないのかなと。こういう方が議長を務めているということは、私はふさわしくないんじゃないかと。これアメリカだったら恐らく犯罪だと思いますよ。大臣、いかがですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) まず結論を申し上げますと、それは御懸念に当たらないと思います。
 私も、率直に申し上げて、半年間、行政改革や規制改革をやらせていただきました。そのときに痛切に感じましたのは、真剣にやればやるほど、どうしてもいろんなあつれきがやっぱり生ずるわけであります。特に規制改革や民間開放推進会議の委員の皆さんは、優れた見識を有する方の中から内閣総理大臣によって任命された皆さんであります。また、委員の皆さん方はそれぞれ、いずれも規制改革について優れた見識と識見を持っていらっしゃいますから、それぞれの所属の組織の立場を離れて、有識者として参画していただいていると我々考えております。特にそういうような、御指摘のような、私は利害の抵触の問題が生ずるとは考えておりません。
 そしてなお、付け加えさせていただくならば、この半年間一緒に仕事をさせていただいて思うんですが、私自身も本当に、混合診療、中医協、それから財務副大臣のときは診療報酬の戦後の初めての引下げをやりました。やっぱりそれぞれのいろんな関係の皆さん方と激突する場が多々ありました。やっぱりこういうのはなかなか非常にシビアな状況なんで、やはりみんな、できるならばその当事者になりたくないというのがやっぱりあるわけですね。そういう中で、やはり委員の皆さん方は本当に真剣に消費者や国民のニーズを考えて私は真剣にやっていただいていると、そのように確信しております。
○櫻井充君 その企業は、実は高知でたしか二千億を超える事業だったと思いますけれども、そこのところでNPOの形で、表は、医療に参入してこようとされています。そしてもう一つは、先ほど申し上げましたとおり、民間の保険会社も持っておられます。
 そういう方が議論に参加すること自体が僕は間違いだと思うんです。そういう人たちが医療の分野の話をするから、だから利害の抵触に当たるんではないですかというふうに言われるんだと思うんですね。ですから、別に議長を務められても結構ですが、その分野のことについてはその方が外れるようにならないとおかしいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) それぞれの分野にパーツを分けて議論していますし、そのそれぞれのパーツパーツにおいて、そういうもし関連する関係の方がおろうとしても、そういう恣意的な立場で私は議論しているようには見受けられないし、本当に公平、公正に私はやっていると、そのように確信しております。
○櫻井充君 疑いを持たれるような方が務められないようにするのが、私は政府の役割ではないのかなと思いますし、プロ野球球団一つ参入するときに反対されているんですね。規制改革を進めていくんだとすると、新しい球団ができ上がるときにもろ手を挙げて賛成してくださるのが私は当然じゃないかなと思うんですが、どうもやはりそういったところを見ると、やはり企業の利益というものを随分優先されているんじゃないのかと、私はそう思います。
 済みません、時間がないので、あとほかの質問にさせて、あっ、それと最後にもう一つ。アメリカの医療制度というのは極めてひどい制度でして、それから、これ財務大臣、是非理解しておいていただきたいんですが、あの公的保険、わずか五千、七千万人程度をカバーするだけの公的保険に七十兆の税金を投入してきています。つまり、民間の保険会社がおいしいところを全部持っていってしまいますから、要するに、いわゆる老人拠出金を出してくれません。そこを利益にしているわけですから、結果的には税金の投入額が増えてきてしまいますので、改めてそういう視点で公的皆保険というのを見ていただければ有り難いなと思います。
 次に、通信傍受法についてお伺いしたいと思います。
 これは法務委員会でも何回か議論したんですが、どうも私は法律上の不備があると思っています。それ、お手元の資料を見ていただきたいんですが、メールを受信した際に、刑事訴訟法の押収、差押えの際には、本人に、このパソコンを持っていきます、ですから、その中のメールを証拠書類として、証拠の品として持っていきますということを私なら私が伝えていただけます。
 ところが、通信傍受の場合にはどうなるかというと、これは本人に、当たり前のことですが通知いたしません。しかし、通知しないで、今度は証拠として採用したときだけ通知するということになってくると、使うかどうかは分からないけれども、可能性がある場合には全部押収、差押えするような場合と、使わない場合、使わない場合には本人に伝えないということから考えてくると、法律上のそごがあるんじゃないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大林宏君) 通信傍受法における当事者に対する通知についてお尋ねですので、例を挙げてちょっと説明させていただきたいと思います。
 例えば、暴力団組員らが電話やメールを利用して多数の者に覚せい剤の密売をしているという事件がありました場合、捜査機関は、犯罪に電話やメールが使用されると疑うに足りる状況があり、他の方法によっては密売人を特定することが著しく困難であることなど、通信傍受法が定める厳格な要件を満たすことを明らかにする資料を提出し、裁判官の審査を経て、十日以内の期間、通信傍受を実施してもよいという傍受令状の発付を受けることができます。そして、捜査機関は、この傍受令状に基づき、通信事業者の下に赴いて、第三者の立場にある立会人を置いて電話やメールの傍受を実施することとなります。
 電話やメールの中には、覚せい剤取引の相手方と交渉するものもあれば知人と雑談をするものもありますが、通信傍受をした場合、傍受が適正に行われたことを事後的に検証できるようにするため、犯罪に関連するものも知人との雑談を含め傍受をしたすべての通信が記録されたいわゆる原記録が作成され、捜査機関はこの原記録から犯罪関連部分のみを抜き出したいわゆる傍受記録を作ります。それで、原記録は立会人に封印してもらい、傍受令状を発付した裁判所の裁判官に届けて保管してもらう一方、捜査機関は傍受記録を利用して密売人やその取引相手先を特定するなど、必要な捜査を進めていくことになります。
 そして、この傍受記録に記録された犯罪に関連する通信については、捜査機関は、通信を行った両当事者に対して、傍受の終了後原則として三十日以内に、通信の開始、終了の年月日、相手方の氏名、傍受令状に記載された覚せい剤取締法違反といった罪名などを書面で通知しなければならないことになっております。通知の両当事者、先ほどの例では密売人と取引の相手方については実務上被疑者等として取調べを行うことになることが多いことから、その際にこの書面通知を行うことが多いものと承知しております。
 ところで、犯罪に関連しない通信として消去された、傍受記録に残らない部分については、委員御指摘のとおり、通信傍受法では両当事者に通知することになっておりません。このような犯罪に関連しない通信についても、捜査機関が秘密裏に通信を傍受するという処分をした以上、通信の両当事者に対して傍受したことを通知すべきではないかという御指摘は、通信傍受法の国会審議の際にもございました。
 しかしながら、犯罪に関連しない通信、先ほどの例で言えば、単に密売人が知人と雑談をしただけの通信についても、両当事者に対して通信傍受を実施した旨や傍受令状に記載された覚せい剤取締法違反などの罪名等を通知しなければならないといたしますと、覚せい剤の取引という犯罪とは全く無関係であって、覚せい剤密売事件の捜査の対象でもないのに、通知をする目的のためだけで通信の相手方の氏名や住所等を特定するための捜査を行わなければならず、その結果かえって相手方のプライバシーを侵害するおそれが生じるのではないかと。あるいは、覚せい剤の取引という犯罪とは無関係の雑談をしただけの友人や取引先といった通信の相手にまで、被疑者が覚せい剤取締法違反という罪について通信傍受により捜査の対象とされたことを知らしめることになり、被疑者の名誉等を害することになるのではないかといった問題が生ずるおそれもあり、通信傍受法ではこのような通知を行わないこととされたものでございます。
○櫻井充君 私が不安なのは、知らないうちにその通信を傍受されている、全く分かんないということなんですよ。押収、差押えの場合にはちゃんと目録をいただけます。ですから、別に前に教えてくれなんということを言っておりません。終わった後に、例えば私なら私のところを傍受した場合に、その場合には、終わってからこちらに伝えていただかないと整合性が取れないんじゃないかということを申し上げているんです。
○政府参考人(大林宏君) 今委員がおっしゃる整合性の問題で申し上げますと、通常の、今の傍受法でない差押えの場合には犯罪に関連するものを令状をもって押さえると、犯罪に関連しないものについてはそのままの状態、押さえたものについて、相手に対してこういうものを押さえましたという押収品目録を出すということになっております。
 ただ、今の通信傍受法の場合は、物自体が移転するものじゃございませんで、今の情報について取ったということを通知すると。ですから、先ほど私が申し上げたとおり、委員のおっしゃるように、そういうふうな分からないものについて、すべてについて当事者に通知すべきであるというお考えは、私もそれは、そういうお考えあることは理解しておりますけれども、先ほど申し上げた逆の、デメリットの問題がございますので、通信傍受法は犯罪に関連するものだけを記録した傍受記録について当事者に通知すると、こういうシステムになっているのでございます。
○櫻井充君 今のところで大事なことは、法律上の取扱方が変わってくるということは、これお認めいただけるのかどうかということなんです。その上で、その上でこういう通信傍受の場合には伝えないこと自体の方のメリットがあるということであれば、それはそれで了解いたします。
 しかし、今までの御答弁は、今までの御答弁は、押収、差押えの場合とそれからそこの処理の問題が違うとおっしゃいますが、押収、差押えであったって、怪しいものと思われるものはすべて持っていくわけですね。そして、通信傍受も、怪しいと思うからこそ全部通信傍受をするわけです。そして、その後で、押収、押収品目であっても、その中から必要なものと必要でないものにちゃんと分けるんですよ、全部を証拠書類にするわけじゃありませんから。ここの部分で整合性を取れていないからおかしいんじゃないかということを申し上げているんです。
○政府参考人(大林宏君) 一部繰り返しになりますけれども、押収品についても犯罪に関係あるものとないものを分けます。今の通信傍受につきましても、犯罪に関係あるものをその傍受の記録に残すと、その余のものは消すという形になっておりますので、そういう区分けについては同じではないかというふうに考えております。
○櫻井充君 どうも見解の相違とかいろんなことがあるので、また改めてお話しさせていただきたいと思います。
 次に、スピード制限、一般道路のスピード制限についてお伺いしたいんですが、この間特区で私申請させていただいたのは、一般道路のスピードの上限設定が今、日本は余りに厳し過ぎるんでもう少し緩和できないのかという内容で特区の申請をさせていただきました。結果は、現行法で対応できるということなんですが、例えば北海道なら北海道で、信号機もないようなところで八十キロにしたいと思ったらこれは八十キロにできるものなんでしょうか。
○政府参考人(矢代隆義君) 御説明いたします。
 最高速度の規制を定めます道交法の第二十二条の規定でございますが、これは公安委員会の交通規制により指定されている最高速度が優先し、道路標識等により最高速度が指定されていない道路において法定速度が適用されるとなっております。
 そこで、公安委員会が法定速度を上回る速度を指定しようとするときは道路管理者の意見を聴かなければならないという手続上の制約はございますが、法定速度を上回る規制を行い得ることを前提とした制度となっております。
○櫻井充君 要するにできるんですよね。もう一度お願いします。
○政府参考人(矢代隆義君) おっしゃるとおりでございます。これは可能でございます。
 現実に今、自動車専用道でございますとか、あるいは非分離の暫定供用の高速道路、これは法定速度は時速六十キロでございます。ここにつきましても、多くの区間におきまして公安委員会の規制によりまして法定速度を上回る最高速度の指定を行っているところでございます。
○櫻井充君 調べてみると、日本の法定速度というのは世界から比べるとかなり低いような気が、感じがしています。例えばドイツなどは一般道路でも田舎の場合には百キロまで認められていると、私はそう認識しているんですが、私の認識が違っているのかどうか。それから、日本の法定速度がなぜこんなに低く抑えられているのか。それについて説明いただけますか。
○政府参考人(矢代隆義君) 御説明申し上げます。
 我が国の一般道路におきます法定の最高速度の規制は時速六十キロメートルでございます。それから、ヨーロッパ諸国におきましては、市街地では時速五十キロから六十キロ、非市街地では時速八十キロ、九十キロあるいは百キロとするところがございます。したがいまして、我が国の非市街地におきます法定速度はこれらに比較するとやや低いというふうに思います。
 それで、これが適正かどうかということでございますが、我が国は従来より一般道路の法定速度を時速六十キロとしてきておりまして、これに対応しまして道路構造令に定めます一般道路の設計速度も一部の例外を除きまして時速六十キロメートル以下となっておりまして、これをベースに道路のネットワークが形成されております。
 狭い国土で、地形の制約や複雑な土地利用の制約の中で整備されております我が国の道路網でございますが、こうした速度の設定は基本的には妥当なものであろうと考えております。
○櫻井充君 イタリアだって山岳地とかいろいろありますけどね、そういうところはもっと緩やかですよ。
 大体、もう一つ申し上げますと、本当に法定速度を守っている人ってどのぐらいじゃいるんですか。
○政府参考人(矢代隆義君) 法定速度ないし規制速度でございますが、現実には制限速度を守っていないドライバーございますし、また実際に取締り件数で、その違反の取締りの数字も出ているところでございます。
○櫻井充君 要するに、なぜこんなことを申し上げているのかというと、もう一つ、そこのところで上限を緩和できると無駄な高速道路とかを造らなくて済むような地域って随分出てくるんだろうと思うんですね。
 そしてもう一つ、メリットは何かというと、高速道路をせっかく造っても料金が高いとか出入口の数が少ないということで有効利用されていない。もう少しその一般道路を有効利用するためには、そこの速度の上限の緩和というのが必要じゃないかなと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(矢代隆義君) 御説明申し上げます。
 これは、速度規制に限らず、交通規制一般に言えることでございますが、道路交通の安全を確保しつつ道路本来の機能を発揮させるという観点から合理的かつ適正に行われるべきものであると考えております。したがいまして、警察におきましては、これまでも交通実態等の変化を把握しますとともに、地域住民の要望、意見も十分に考慮いたしまして、随時点検や見直しを行ってきたところでございます。
 ただし、設計速度を上回る速度規制を行うということにつきましては、これは基本的には適切ではないのではないかと考えておるところでございます。
○櫻井充君 まあもう少し、じゃ、きちんとある程度の速度で走れるような道路を造っていただいて、もう少し緩和していただければ有り難いなと、そう思います。
 最後に、金融検査マニュアルについてお伺いしたいと思いますが、私は、要するに中小企業に対して融資が増えていかないのはあの自己資本規制があるからだと思っていますが、金融庁の考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 信用秩序の維持でありますとか、あるいは預金者の保護、こうした観点から考えますと、自己資本の充実というものは不可欠でありますし、また金融機関のリスクバッファーとして自己資本というものは非常に大切なものだというふうに考えております。そして、そうした観点からも自己資本比率規制というものは大変重要な役割を今日まで果たしてきたものというふうに考えております。
○櫻井充君 あのBIS規制で今度リスクウエート見直しされますよね。つまり、今までのリスクウエートがおかしかったということじゃないんですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今度のそのバーゼル2、いわゆる国際的な見直しに当たりましては、私どもといたしまして、新しい規制が我が国の金融の実態も踏まえた適切な規制となるよう、バーゼルの議論に積極的に参加をしてきたところでございます。その結果として、例えば中小企業、個人向けの貸出しについても、リスクの分散効果が働くという我が国の主張も踏まえてリスクウエートが従来よりも軽減されており、こうした規制は中小・地域金融機関のビジネスモデルにも対応するものと考えているところでございます。
 なお、我が国の場合には国際基準を設けている、あっ、国内基準を設けているわけでありますけれども、新しい自己資本比率規制においてもこの基本的な枠組みは踏襲することといたしております。
○櫻井充君 リスクアセット、分母のリスクアセットを小さくしないと自己資本比率は大きくならないですね。そうすると、リスクウエートが今、国債を買うとゼロなんです。プロパーで企業に貸し出すと一〇〇%ですから、当然国債に行くんですよ。私は、だから国債を皆さん買っていって、自己資本比率を維持するために国債を買い続けているんだと思うんです。
 仮にですよ、今、銀行が国債を全部手放してそれを融資に回したとしたら、自己資本比率を八%なり四%なり維持できる銀行ってあるんですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 済みません。仮定のお話でございますので、そのことについての答弁は差し控えさしていただきたいというふうに思います。
○櫻井充君 それでは、済みませんが、計算して出していただけますでしょうか。
○委員長(中曽根弘文君) 資料要求ですか。
○櫻井充君 ああ、済みません。資料要求です。
○国務大臣(伊藤達也君) 今ここに資料を持っているわけではありませんが、いずれにしても、資産は運用をしていかなければいけないわけでありますので、今委員から仮定でというお話でございますけれども、その点について今御答弁ができないということについて御理解をいただきたいというふうに思います。
○櫻井充君 株式の保有残高と、株じゃない、国債の保有残高と融資額の減少とほぼ一緒なんですよ。つまり、融資できないものはどこに行っているのかというと国債を買っているわけです。お金はあるんですよ、ちゃんと。そして、それを融資に回せない理由は何かというと、今度ペイオフ解禁になりますから、足利銀行にならないようなために、みんな自己資本比率を高めるためにやっているわけなんです。
 じゃ、本当にこの自己資本比率が健全性を表すんでしょうか。リスクウエートが今回変わりました。リスクウエートが変わるということは今までのルールはおかしかったということですよ。だから、私は、こういう無意味なルールはやめた方がいいんじゃないのかなと、若しくは国内用に変えたらいいんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今回のバーゼル2の合意というのはリスクに対する精度というものを高度化をしていく、精緻化していく、そのために議論を各国して、そしてこの合意に至ったわけであります。
 私どもとしても、この議論の中に積極的に参加をさせていただいて、我が国の金融の実態とそうしたものに即した適正な規制になるよう議論をさせていただいて、先ほど御説明さしていただいたように、その中小企業向けの貸出しについてのリスクウエートというものが軽減をされていくと、こうしたことになってきたというふうに考えております。
○櫻井充君 それじゃ、自己資本比率が銀行の健全性を表す指標だとして、適切であるという根拠は何ですか。
○国務大臣(伊藤達也君) この健全性についての有用性の認識というのは、これはもう国際的に共有されているものであります。
 もしこの規制を撤廃した場合には、銀行の経営の健全性を確保するその枠組みというものが失われることにより、やはり市場や預金者の国内基準に対する信認というものが失われてしまいますので、そのことは金融システムにかえって悪影響を及ぼす可能性が危惧されるというふうに考えております。
○櫻井充君 医療の分野で正常値ってあるんですよ。コレステロールならコレステロールで幾つって区切っているの。これはなぜかというと、これ以上増えると動脈硬化が起こるとかそういうことがあるから、これ、ここ、ここで正常値を区切りましょうというふうになっているんですよ。
 だから、何でこれが健全性の指標として適切なのか、それについて説明してくださいよ。
○国務大臣(伊藤達也君) これも先ほど御答弁させていただきましたけれども、その信用秩序の維持と預金者の保護を図りつつ円滑な金融機能を維持するためには、金融機関のそのリスクバッファー、リスクバッファーとなる自己資本の充実が不可欠であります。そのために、自己資本比率規制というものが重要な役割を果たしてきたというふうに考えております。
○櫻井充君 答弁になっていないですよ。
 ですから、そこの根拠と、正常、健全性を表す指標として、確かに納得できるような説明をしていただきたいんです。
 外国はですよ、大臣、証券化が進んでいるから、貸し出した後に証券化して、手数料も入ってきて、リスクアセットちっちゃくできるんですよ。こういう国と、証券化業務というのが発達していないような国と一緒にやること自体が間違いですよ。このルールがあるから、このルールがあるから、私は地域の金融の円滑化というのは図られないんだと思っている。
 だから、健全性を表すんだったら、どうぞその健全性を表す根拠を教えていただきたいと。そこですよ、そこ。
○国務大臣(伊藤達也君) その根拠といいますか、自己資本比率がその分子、分母、どういう形でできているかというのは、もう委員十分御承知だというふうに思います。そして、分子、分母の決め方についても、バーゼルという国際的な委員会において、各国は参加をして、そして健全性を表す指標としての妥当性について議論をして、そして自己資本比率規制というものを決定をさせていただいたところでございます。
 委員からは、欧米の金融機関のビジネスモデルと日本の金融機関のビジネスモデルが違うからルールを変えるべきではないかと、こういう御指摘もございました。
 バーゼル2におきましては、証券化取引に対してリスクに応じた厳格な取扱いを導入することとなっており、また新たなリスクとしてオペレーショナルリスク、すなわち事務事故でありますとか、あるいはシステム障害、不正行為等で損失が生じるリスクも算入されることになっております。
 金融機関のビジネスモデルというのは、その手数料収入の割合が大きい金融機関と、そして貸出し資産が大きい金融機関というように、多様なものがあり得ると考えられます。このうち、手数料ビジネス中心の金融機関は、貸出し資産の信用リスクは小さいものの、事務リスクやオフバランス取引の取引相手先リスクが大きくなり、他方、貸出し資産の大きな金融機関は貸出し資産の信用リスクが大きくなると考えられます。新しい自己資本比率規制は、こうした様々なビジネスモデルの金融機関のいずれについてもリスク量を適切に算定できるよう配慮されているものと考えております。
○櫻井充君 答えになっていないと思います。要するに、根拠がないと思います。
 これは、元々その健全性云々じゃないはずですよ。要するに、日本の金融機関が余りに貸出し残高が多くなったから、どうやって日本の金融機関を締め出すかということから始まったルールだと私は理解しています。
 だって、要するにあれですよ、あの複合のときに、荻原さんが強かった時代ですよ。結局、距離が苦手だったもんだから距離の方の比率を高くしようとか、長野でジャンプで優勝したらジャンプの板の長さ変えるとか、そんなレベルじゃないですか、こんなもんは。
 そういうようなルールで、国際ルールは国際ルールであきらめますよ。だけど、国内行はそれに縛られて貸出しを減らしていって、いつまでたっても地域の、地域の中小企業が元気にならないようじゃ困るんじゃないかと私は思っています。
 今度また六月に特区の申請があるそうですから、私は宮城県版の自己資本比率をつくらせていただいて提出いたしますから、是非、御検討いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。池口修次君。
○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。櫻井議員の残りの時間をいただきまして質問をさせていただきたいというふうに思っております。若干、質問の順序を変えさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 まず、地球温暖化対策についての質問をまずさせていただきたいと。(発言する者あり)官房長官いなくても多分大丈夫だと。(発言する者あり)はい、分かりました。
 官房長官に聞く分は後で聞くということで、今日、参議院の本会議でこの地球温暖化に対する決議案がなされました。私は非常に大事な決議がなされたというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事若林正俊君着席〕
 ただ、この地球温暖化の問題というのは地球規模で大事な問題ですが、対策も非常に難しいというふうに思っております。それはなぜかというと、地球温暖化の原因であるCO2というのは、なかなかこれはそれを処理するというのが非常に難しいもので、発生を少なくするということしかなかなか対応ができないということでございます。
 かつて、三十年ぐらい前にマスキー法ということで、排気ガスの問題がありました。あれである意味、日本の自動車産業はかなり発展をしたわけですが、あれは処理できるガスということで、その処理技術を日本が先進技術であったために発展をしたというふうに私は理解をしております。ただ、CO2は、これは化石燃料を完全燃焼させれば発生するものですから、化石、そのCO2を発生させないようにしなきゃいかぬ。ということは、ある意味、場合によっては、この人間の文化というのは化石燃料を使うことで発展した文化ですから、それにも影響をする問題でございます。
 そういう意味で、大変重要な問題ですが難しいということの認識の上でお聞きをしたいんですが、環境省は昨年の十一月ぐらいに環境税を、まあ中心と言わないんでしょうけれども、環境税を含んだ地球温暖化対策というのを出しました。この中身について現時点でどうなっているのか、お聞きをしたいというふうに思います。
○国務大臣(小池百合子君) 御質問にもありましたように、本日、参議院の本会議場でこの地球温暖化対策ということで御決議をいただきました。正に大きな、国会としての大きな力、期待をさせていただきたいし、また心から敬意も表したいと思います。
 そこで、環境税についてのお尋ねでございますが、昨年の税制改正論議の際、環境省からも環境税の具体案お示しをさせていただきました。それによって活発な御議論をいただいたというふうに思っております。その結果として、政府税調の方でも、環境税の果たすべき役割が具体的かつ定量的に検討されることが必要であると。そしてまた、与党の税制改正大綱の方でも、あらゆる政策的手段、手法を総合的に検討した結果を受けて、必要に応じてそのあるべき姿について早急に検討するということが、二つの組織といいましょうか会合の場で採決されているところでございます。
 今どうなっているかということでございますけれども、昨日、中央環境審議会が開かれまして、今環境税について同じく早急に検討していく必要があるということが御討議の中で出てまいりました。そして、現在、政府におきましては、京都議定書の目標達成のために必要な追加的対策、施策を盛り込む目標達成計画の策定に向けた作業を進めておりますし、また政府税制調査会の答申、そして与党の大綱、しっかりと受け止めまして、この達成計画の策定作業を通じて環境税のあるべき姿、果たすべき役割について検討を行ってまいりたいと。早急に検討を進めているところでございます。
 それから、先ほどマスキー法にもお触れいただきましたけれども、やっぱりまずはそのバックグラウンドとして七〇年代の数次におけるオイルショックで、国民がオイルショックということでそういった危機感を共有したということと科学技術とが相まって、その際に省エネという方向にこの国が進んだんだろうというふうに思っております。ですから、科学技術と並びに国民の皆様方とのこういった将来に向けての意識を共有すると、この二つが必要なのではないかと。その意味で本日の参議院におけます決議というのは重要だと、このように思っておるところでございます。
○池口修次君 もう少し環境省の中身をちょっとお聞きをしたいんですが。
 当時出てきたのは、税制規模で四千九百億、そのうち実質的に環境対策、温暖化対策に使えるのは三千四百億、これで京都議定書の六%プラス八%、これが削減できますよという説明がされました。
 これに対して、両方の側から、本当に、そんな三千四百億で本当に京都議定書が達成できるのかという、賛成派の方からはそういう意見でしたし、反対派の方からは、これも同じ意味でしょうけれども、三千四百億なんてできるわけないじゃないかというような意見だったんだろうというふうに私は思っておりますが、環境省は今でも、これが四千四百億ぐらいになったみたいですが、本当にこの三千四百億、若しくは、今では四千四百億なんでしょうが、四千四百億、毎年掛ければ京都議定書の達成ができるという方向の見通しなのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 新税の導入ということでございまして、御議論は正に賛成、反対、両方からこの議論をしていただいた、それはすなわち活発な論議のスタートになったと、このように思っております。
 先ほどお答えさせていただきましたけれども、昨日、中央環境審議会の方で、この地球温暖化対策、そしてまた環境税のあるべき姿ということでお示しをいただいたところでございます。本日の朝刊などにも、そういったことで具体的な数字も載っているところでございますが、そういった答申などをベースにいたしまして、また、環境省としてその目的を達成するための環境税の姿というものについて検討をさせていただいていると、こういったところでございます。
○池口修次君 私は、三千四百億とか四千四百億でなるんならアメリカ何でなんだろうなというふうに思うわけで、これは後から聞きます。
 経済産業省も、この環境対策ということで独自の案を出しております。経済産業省は環境税なくてもできるんだという案だというふうに思っておりますが、経済産業省のこの環境対策案について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 政府といたしましては、経済と環境の両立ということが大前提であるというふうに考えております。
 そういう意味で、二度のオイルショックを我々は知恵と努力で乗り切ってきたわけでございまして、そういう中で、九〇年比マイナス六%という目標に対して今現状は非常に厳しいわけでございますけれども、例えば産業部門ですと九〇年比でマイナス一・七とか、他方、運輸部門でプラス二〇・四%とか、民生部門で三三%増加というような数字が出ているわけでございまして、今後とも、産業部門が減っているからこれでいいんだということではなくて、一層省エネ等の努力が必要である。あるいはまた、運輸部門につきましては、国土交通省と連携をして努力をしていく。また、民生部門につきましても、住宅、建築物やエアコン等の省エネの努力というものと、総合的にやっていかなければならないというふうに考えております。
 例えば、石炭を一〇〇とした場合にCO2の排出が石油は八〇とか天然ガスは六〇とか、あるいはまた、いわゆる再生可能エネルギーなんていうものもこれからますます重要になってくると思いますし、それからここ二年ほど、安全性を大前提といたしております原子力発電所がかなり稼働停止になったわけでございまして、これが仮に稼働しているとしますと、CO2を発生いたしませんから、マイナス四・一%削減に貢献をするわけでございまして、そんなようなことも、失礼しました、四・九%ですね、マイナス四・九%CO2削減に貢献するとかということも含めまして、これからますますいろんな知恵を政府全体として、また民間部門、あるいはまた国民お一人お一人の御努力も含めて、目的達成のために全力を挙げて努力をしていきたいというふうに考えております。
○池口修次君 今、環境省と経済産業省としての考え方をもうお聞きをしたわけですが、京都議定書が京都で確認されたときから何にも、日本の国はこれについて何もやらなかったということではないというふうに思っております。対策もう既にやってきたと。で、今回の対策も、追加の対策で掛かる費用が環境省は現時点では四千四百億から六千億ですか、(発言する者あり)七千億ですか。で、ただ、そのたんびに費用が必要だということで、経済産業省はどのぐらいのお金が必要かというのは明確になっておりませんが、今までもやってきた中で八%増えたわけです。で、それが更に追加で、これだけでは本当に、やればできるというのが私はにわかにちょっと信じられないんですが、再度、環境省と経済産業省として、本当にそれぞれの今の御意見でこの京都議定書に約束したものが達成できるのかどうかというのをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) マイナス六%の目標に対して、昨年、まあ二〇〇三年の速報値でプラス八%であったと。そしてまた、ただいま経済産業大臣の方からも、二〇〇三年の特殊な、まあ原子力発電に関連いたしますけれども、そこでそういった事情もあった。あとはそれぞれ、暖冬だ、冷夏だ、いろんな影響がございます。
 そういったことを含めましても、我が国の目標は明確にマイナス六%、九〇年である、の比ということで、これはもう設定されているわけですから、ですから、今それぞれの主体、各省庁もそうでございますし、それから産業も様々な産業ございます。そこで今ありとあらゆる施策、対策をする必要があるねということを踏まえまして、各、各関係省庁の方での審議が今進んでいるということでございます。環境省といたしまして昨日の中央環境審議会での御答申をいただいているという、このような状況でございますけれども、向かっている方向は一緒でございます。
 あと、三・九%森林の吸収源ということを、これをフルに活用するためにはどれ、何をしなくてはならないか、そのために何にどれぐらいのお金が掛かってくるのか、そういったことなども含めますと非常に関係省庁も広がりがございますが、今後とも、我が国がこれから達成していくための方法につきましては、政府一体となりまして進んでまいりたい。
 私は、山は高いけれども、しかし登れない山ではないというふうに思っておりますし、登っていく途中において、また新たな日本の技術が、省エネ技術であるとか、それから新しいライフスタイルなどがまた出てくるのではないかというふうに思っております。最初からできない理由をばかり探していては何もできないと、このように思っております。
○国務大臣(中川昭一君) 具体的には、先ほど申し上げましたように、例えば、これ残念なことではありましたけれども、原子力発電所が四・九%、稼働していれば削減に貢献できたとか、あるいはまた今後開始する四基の原発によって削減効果は一・七%と、こういうふうに見込まれておりまして、この二つを合わせましてももう六・六%貢献するわけでございますので、非常に大きいんだろうと思っております。
 さらには、先ほど申し上げました新エネ、これを二〇一〇年までに三%、これ、水力が別でございますので、水力入れますと七%ということにもなるわけでございます。
 それから、先ほどちょっと申し上げましたように、国土交通省あるいはまた政府全体として、もちろん環境省とも密接に連絡を取り、連携を取りながら、そしてまた国民お一人お一人の御理解もいただきながら、これはまあ中長期的な、まあ国民としてのある意味では約束でもあるわけでございますので、全力を挙げて政府全体として目的達成のために努力をしていきたいというふうに考えております。
○池口修次君 まあこの問題については、達成させなきゃいけない問題でございますので、これから政府として一体となってやるんでしょうが、ただ、新聞報道なんかでいいますと、一つの環境税の問題については環境省と経済産業省が真っ向対立をしているという報道がされております。この地球温暖化対策というのはどこが主管となって調整がされるのかということをちょっと確認したいというふうに思います。
○国務大臣(細田博之君) 関係省庁がまたがりますので、環境省あるいは経済産業省はもとよりですが、国土交通省、農林水産省、厚生労働省等々、皆またがるわけでございます。
 したがいまして、政府におきまして、内閣総理大臣を本部長といたしまして、各関係大臣を副本部長、副本部長としては私と環境大臣と経済産業大臣でございますが、すべての国務大臣を本部員とする地球温暖化対策推進本部におきまして地球温暖化対策の推進に関する基本的方向、目標、対策、施策等を今練っておりまして、目標達成計画の案を策定して、その閣議決定をする段取りで今考えておるわけでございます。三月、今月に本部開催をいたし、パブリックコメントを求めて、四月下旬から五月までに閣議決定に持ち込んでいきたいと考えております。
 私自身も非常にこのCO2問題は心配でございました。様々な経緯、経産大臣が今言われましたけれども、そういうこともございましたので、もう非常に目標値よりも高過ぎるんじゃないか、これだけの削減はできないんじゃないかということを心配しておりましたが、意外に今言われましたことに加えましてこのフロン対策が非常に大きなインパクトを持っておりまして、劇的な減少にも貢献すると、それから、もちろん今後の排出権対策とか、また一般消費者、企業等への呼び掛けを各省庁が責任を持って強化するということを申しておりますし、射程距離に入っておると、これを確実に達成しなければならないと考えております。
○池口修次君 射程距離に入っておると、四月、五月にはまとまるということですから、私がまとまらないというのはおかしい話ですから、是非お願いをしたいというふうに思いますが、ただ、本当にそうなのかなというのを再度ちょっと違う例で確認したいんですが、アメリカはこの京都議定書から離脱をしました。なぜアメリカは離脱をしたのか、この理由を聞きたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) この京都議定書の成り立ち、そしてその京都議定書からアメリカが離脱する。これは、これまでも政治的、社会的、様々なことが語られているわけでございます。
 その中で、アメリカの場合でございますけれども、米国のブッシュ政権が政権を獲得されてもうその直後でございますけれども、京都議定書について何を言っているかということですが、議定書の目標達成がアメリカの経済、雇用に悪影響を与えるという点、それから中国やインドなどの途上国に削減義務が課せられていないじゃないかということを理由に議定書を批准しないという方針を明らかにされておられます。
 アメリカの場合は世界のCO2の約二四・四%を排出している国でございますので、世界の四分の一。正にアメリカがどのようにこの京都議定書に戻ってくるのか、又はポスト京都と言われている枠組みをどうやっていくのかというのは、正にこの地球温暖化におけます大きなテーマの一つとなっているところでございます。これからも様々な、環境大臣などの会議もございます、こういったところでアメリカとのしっかりとした連携を取り、また日本と英国との連携でもってアメリカに呼び掛けるなどなど、様々な展開を図っていこうと、このように考えているところでございます。
○池口修次君 じゃ、もう一つのことなんですが、ロシアが批准をするかどうかというのがもう一つの焦点でございました。最終的にロシアは批准をして京都議定書が発効したわけですが、一部ではこのロシアが批准しないんじゃないかという話もあって、ロシアにいろいろ働き掛けをしたと思うんですが、ロシアが批准をした、最終的に批准をした判断の理由は何だというふうに聞いておりますか。
○国務大臣(小池百合子君) ロシアがキャスチングボートを握っていたことは確かであります。
 ロシアが京都議定書について批准した理由は、まず、ロシア自身が地球環境保全への貢献をしたいという非常に大きな観点。それからもう一つは、EUが、EUそして私ども日本からの議定書批准の働き掛けをずっと続けてまいりました。最終的に、WTOの加盟といったこともございましたし、ロシアの国益に照らされて批准を決定されたと、このように考えております。
○池口修次君 ロシアをそれほど善意に考えていいのかどうかというのはちょっと、ちょっと違う見方もしなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんですが。
 少なくともアメリカははっきりしておって、やっぱり経済と雇用の問題が悪影響を及ぼすと。若しくは、国、世界の中の、不公平で、アメリカだけが、中国なりインドなんかやらないでアメリカがやる場合にはアメリカだけが不利になるという判断になっているというふうに判断をしているということから見ると、必ずしもこの地球温暖化の問題というのは、本来は地球規模の問題ですから国際的に一緒にやらなきゃいけないんですが、一部にはやっぱり国益が絡んだ中でそれぞれの国が判断をしているというふうに私は思わなきゃいけないし、先ほど、いや、日本はすぐできる、簡単にできるんだと、いろいろ手を打っていけばというふうに言いましたが、私はそう簡単ではないんだろうというふうに思っております。
 もし、この三千四百億とか四千四百億掛ければできるというんなら、アメリカに、いや、こうやればできますよと、そんなに心配しなくてもいいですよというふうに言ったらどうですか。
○国務大臣(小池百合子君) 先ほどから挙げられている数字については先生のお考えだと思いますけれども、基本的には、アメリカのブッシュ政権、そこだけを見るのか、各州の対応がどうであるのかといったようなことで、アメリカと交渉する際にもそういった細かな見方も必要であろうというふうに思っております。
 また、アメリカに対して、先ほどの比率も申し上げました。やはり、アメリカが大きなキーカントリーであることには変わりがないわけでございますので、粘り強く交渉を続けていきたいと思っております。
○池口修次君 私は、この地球温暖の問題というのは非常に重要なんだけれども、対策も非常に難しいということを是非言いたかったということでございます。ですから、やっぱり本当にこの部門こそ改革をしなければなかなか実現は難しいだろうと。それが証拠に、この京都の会議をやった以降、日本のCO2の発生は増えてしまったということなんです。
 そういう意味で、私は、本当に必要なものは、一つはやっぱり国家戦略としてエネルギー戦略をどうするのか。先ほど核の、原発の問題がありましたけれども、確かに原発というのは非常にCO2の発生は少ないんですけれども、ほかの問題というのがいろいろ言われてきました。ただ、やっぱりその時々の優先順位で何が必要かというのも、これは国策として議論しなきゃいけない。さらに、これからのエネルギーで、じゃ燃料電池を重視するのか、若しくは風力エネルギーをするのか、それとも太陽光をするのか。ただ、これは非常に、これからやる問題ですから非常にお金が掛かる話でございます。
 ですから、このCO2の問題というのを、エネルギー政策が決まらない限りには私はこの目標というのはなかなか決められないんじゃないかというふうに思っておりまして、このエネルギー政策について、先ほど大臣の方から少しありましたが、もう一回ちょっと、日本のエネルギー政策、これでいくんだというのをちょっとお聞かせ願いたい。
○国務大臣(中川昭一君) もとより、日本はいわゆる化石燃料を中心にしてエネルギー資源がない国でございますから、それだけに、世界じゅうから、あるいはまた日本の中でエネルギーを中長期的な視野に立って安定的に確保をするということが極めて重要な政策であるわけでございます。
 そういう中で、オイルショックのときに過度に石油あるいは一部の地域に依存をしていたということの反省に立ち、そしてまた国民の皆様のいろいろな努力、知恵というものの結果、世界一の省エネ国家になっていっているということでありますし、今後ますますそういうところを我々の技術というものを発展をさせていく。そしてまた、これは日本だけがそういう技術を活用するのではなくて、ある意味では、まあ東南アジアの国々であるとか発展途上の国々に対しても、そういった技術面での支援、援助というものもこれからの日本の果たすべき役割だろうと思っております。
 そういう意味で、地域的にもまたエネルギー資源としてもバランスのいい形で安定的に確保をするということが大事だろうというふうに思っておりますので、それぞれエネルギーにはいろいろな特性がございますから、先ほど御指摘のように、原子力発電というのはコスト面あるいはまたCO2を出さないということでありますけれども、何といっても安全であるということが要求されるわけでございますし、また太陽光等々は今のところはまだコストが高いとか、あるいはまた燃料電池なんという究極のエネルギーも現時点においてはまだまだコスト面等で改良しなければいけない部分も多々あるわけでございますので、日本のこれからのエネルギー政策というものは、いろんな政策をバランスよく取っていって、仮に万が一にもああいうエネルギーショックのようなことで国民生活あるいはまた経済活動に影響を及ぼしてはならないということ、また石油の備蓄なんというものもまたこれ重要だと思います。
 そういう意味で、冒頭申し上げましたように、日本の場合には、エネルギー、経済と環境の両立という大前提から、先ほど省エネ省エネと何回も申し上げましたけれども、国民に過度の負担を掛けることなく、そして日本の技術力をもって、日本だけではなく世界に対してエネルギーの効率的な活用、ひいてはCO2の削減に向けて政府全体として努力をしていかなければならないと。その中には新しい新エネというものも大いにこれから技術開発をして、国民経済の中で活用できるように官民挙げて努力をしていかなければならないというふうに考えております。
○池口修次君 今の中でバランスよくというお話でありましたけれども、今日の決議案でも、京都議定書を達成すればいいということじゃなくて、更にポスト京都議定書もやらなきゃいけないと、そのときには排出量を、半分以上にする、半分以上削減することも必要なんだという決議もしておりますと。
 そうしますと、本当にCO2を発生させないための、特にその電力を供給するためのエネルギーというのを何にするかというのを早く決めないと、私はなかなか達成ができないと思っていまして、そのための議論を是非深めていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 それともう一つ、運輸部門ですけれども、運輸部門での削減ということを言いますと、私はやっぱり、車若しくはいろいろ電車なり船なりあるんですけれども、一つは使い分けの問題と、もう一つは、同じ走るにしても効率よく走らせるということが必要だというふうに思っておりまして、使い分けの面ではモーダルシフトをこれからどうするのかということと、渋滞対策ということでは、一つは都市部の交差点の問題もありますし、もう一つは、一番効率よく走らせるというのは、特に長距離移動の場合には高速道路を平準、平均的な速度で走るのが一番効率よく実は走れるんですよね。ETCは入口の問題。走る問題というのは高速道路を走った方が一番実は効率いいんです。ただ、今の高速道路は高過ぎてなかなか走れないと。それで、下を走るために、交差点で止まったり走ったりするとやっぱりエネルギーをロスるという問題がかなりやっぱり大きいというふうに私は理解をしているんですが、この渋滞対策なりモーダルシフト、これについて国土交通大臣はどう対応していくのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 日本のCO2排出の約二割は自動車を起源とするものでございまして、失礼しました、運輸部門でございます。その運輸部門の中の九割は自動車を起源とするということで、この自動車からのCO2排出の抑制をどうしていくのかということは極めて重要な課題と認識をしております。
 今たくさん御質問していただきましたので全部答えられるかどうか分かりませんが、まず、交通流を円滑にしていくということは非常に大事でございます。今委員が御指摘ございましたように、道路の渋滞に巻き込まれるよりも高速道路ですっと走った方がCO2の排出というのは間違いなく少ないわけでございまして、そういう意味で、高速、この渋滞解消をしっかり進めていくということはこのCO2の抑制のためにも大事な視点であるというふうに考えております。
 この渋滞解消のために、例えば連立事業等々、様々取組をさせていただいておりますが、高速道路における、料金所における渋滞の解消という面では、今一生懸命取り組んでおりますETCの普及というのが私は非常にかぎを握っているというふうに思っております。
 今、ETCは大分普及が進んでまいりました、おかげさまで。約、利用者の三分の一の方々がETCを搭載していただけるようになりました。首都高では今年年頭、今年の正月の渋滞は二年前と比較しまして、あっ、失礼しました、年始のピーク時においても渋滞が昨年に比べて半減をするというふうに効果が本当現れておりまして、こちらの国土交通省の試算によりますと、これが、ETCの利用率が五〇%に達しますと、全国の料金所渋滞がおおむね解消すると、また料金所周辺のCO2排出量が約二割削減されるというふうにも予想をされているところでございまして、しっかりとETCの普及を進めてまいりたいと思っております。
 その関係で、ETCを普及させるためにも、ETCを活用して、活用した料金の引下げ、今も取り組んでいるわけでございますが、これからますます本格的に取組をさせていただきたいと思っているところでございます。
 また、都市圏におきましては、交通流を円滑にするためにやはり道路のネットワークを整備していくということが非常に大事でございます。今、首都圏においても、またほかの三大都市圏におきましても環状道路の整備ということがなされているわけでございますが、道路の必要性、どこの地域でも道路の必要性は大変高いわけでございますが、私はやはりこの都市圏における環状道路の整備というのは極めて優先順位が高い事業じゃないのかなというふうに思っております。今首都圏でやっております環状道路の整備につきましても、これができることによって、本来都心部に来なくていい車がこの環状道路を使うことによって目的地に到達できるわけでございまして、これによって都心部の渋滞解消というのが大いに解消になるというふうに考えているところでございまして、ひいてはこれは環境負荷の軽減につながってくるというふうに思っておるところでございます。
 また、モーダルシフトにつきましてもお話がございました。
 モーダルシフト、これまあ非常に大事な課題と考えております。トラック輸送に比べまして鉄道は八分の一、海運は四分の一のCO2排出量でございまして、トラックから可能な限り鉄道に、海運へとモーダルシフトをしていくことは環境負荷の小さい物流体系の構築に寄与するものでございまして、積極的に推進をしてまいりたいと思っておるところでございます。
 これまでもこうした実証実験に取組をやってきました。七十四件の取組をやってまいりまして、具体的にCO2の排出削減効果は合計で九万三千トンと推計をされておりまして、更にこのモーダルシフトにつきましては推進をさせていただきたいと思っているところでございます。
 また、最後にもう一点だけお話しさせてもらいますが、やはり物流全体をいかに効率化していくか。これは一方では競争力の向上という面でも極めて大事な課題だと思っておりますけれども、環境問題から考えましても、この物流をいかに効率するか、効率化するかということは重大な課題であると考えております。この国会におきましても法案を準備をさせていただいているところでございますが、物流の効率化にしっかりと努力をしていきたいと考えております。
○池口修次君 今のお話でかなり私も理解できる部分があったんですが、ただ、高速道路をもう少し使いやすい道路にするという観点では、現在ETCの利用者は少し割り引いておりますが、ただ、これではまだまだ高いなというふうに私は思っております。
 私は、この渋滞、CO2の削減という意味からも、もう少し本来の高速道路を長距離輸送に適した道路というふうにするためにどうすればいいかというのを是非お考えいただきたいというふうに思いますが、ちょっとこの点だけ、もう一回お聞きしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) もう既にこの高速道路の割引につきましては一割以上の引下げを実施をしているところでございます。こういう一律の割引ももちろん大事なんであるわけでございますが、このETCを活用することによって様々な多様な割引が可能になってまいります。
 例えば、特定の時間帯に料金を半額にしている、今もやっておるわけでございますが、例えば深夜割引、早朝夜間割引、通勤割引等々をもう今実施しておりますし、これから、この四月一日からは、委員も御承知のようにマイレージ割引だとか、それから大口・多頻度割引、さらには、特に都市部におきましては料金、距離によって料金を換算していくというふうなこともこれから視野にいよいよ入ってくるわけでございまして、こうした多様な割引制度を活用することによって高速道路をもっと利用していただけるように、また高速道路での渋滞が解消されていくように努めてまいりたいと考えております。
○池口修次君 あと家庭部門の対策ということでは、私はライフスタイルの変更というのが、ある意味、改革的な変更をしないとなかなか家庭部門では削減ができないというふうに思っております。
 その中で一つ今議論になっておりますのは、サマータイム制を導入すれば効果があるんではないかという声と余り効果がないという声が両論あるわけですが、この点につきまして、特に担当、関係が深い官房長官なり環境大臣なり経済産業大臣なり国土交通大臣、お考えを聞きたいというふうに思います。
○国務大臣(細田博之君) サマータイムにつきましては、欧米でも採用国が多いわけでございますし、私もアメリカへ住んでおったときに、言われているほど不便ではないと。戦後、しかし導入のときに大混乱が起きたということで大変不評でございましてその後行われておりませんが、やはりおっしゃいましたような様々な対策に有効であると思いますので、議員の超党派の検討もしておられるというふうに伺っておりますが、大いに検討を進めていただきたいと思います。それによりまして、また政府部内の対応もしっかりと取ってまいりたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) サマータイム制度のそのメリットの部分でございますけれども、夕方の照明とか朝の冷房用の電力などが節約されるということで、これ地球温暖化対策推進大綱にも盛られておりますけれども、数字的には二十五万から百二十三万トンCO2の削減、これは基準年の民生部門におけますCO2排出量比でいいますと〇・一から〇・五%程度の排出量の削減ということになります。
 また、社会的なプラスの部分は、例えばボランティア活動がもっとできるようになるとか、観光、それから文化、産業など活発になるであるとか、また労働時間の短縮やバカンス制度の導入などのそういった諸施策と相まって推進することで国民の生活構造の改革が推し進められるというようなことがあるのではないかと思っております。
 いずれにしましても、これも推進大綱に盛られておるんですが、国民的議論の展開を図って合意形成を図ることが必要だということでございますので、正に議員連盟の皆様方にこのサマータイムの推進を是非ともやっていただきたいと、こういう立場でございます。
○国務大臣(中川昭一君) サマータイムは各国いろいろ導入しているところもあるわけでありますけれども、平成十一年の国民会議のデータでは原油換算で五十万キロリットルの節約になるということで、これは日本全体の〇・一%、すべてのエネルギー消費の〇・一%ですから、そういう魅力的なデータも出ておりますが、他方、これに掛かるコストというものも相当、一千億という試算が出ております。
 そういう意味で、いろんな団体あるいはまたいろんな国民的議論、お立場の中で、温暖化対策あるいはライフスタイルの変革等々、いろんなメリットその他があるわけでございますので、各方面で十分御検討をいただいて、この議論を更に活発化していただければというふうに思っております。
○国務大臣(北側一雄君) 一点だけ国土交通省としての課題を申し上げたいと思いますが、サマータイムを仮に実施するとしますと、その切替えのときにおける交通機関の運行ダイヤの調整の問題がございます。それを、国民への周知徹底を当然図っていかなきゃいけないわけでございますが、特に問題なのは国際航空路線でございまして、国際航空路線の運航ダイヤの調整は、これはなかなかそう簡単に、相手国もございますし、もちろん国際的な機関の問題もございますし、さらには各空港の利用時間というのもこれも決まっておるというような関係もございまして、こうした調整が当然必要になってくるということも是非御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
○池口修次君 ちょっと最後に、ちょっとテーマを変えて、昨年の年金制度改革についてちょっと御見解をお聞きしたいというふうに思います。
 年金の問題につきましては、どうしても三党合意、三党合意ということが中心で議論がされているようですが、参議院においては、三党合意よりも、なぜ審議の途中で強行採決がされたのかということの方が私は重要であるというふうに思っております。ここをクリアできないと本当に、あれは審議の途中でされたわけですから、なぜそれをしたのかというところを解明をしないと、なかなか我々としてはすっきり審議には応じるということは難しいんじゃないかなというふうに個人的には思っております。
 当事者ではないんで難しいかもしれませんが、厚生労働大臣はなぜ強行採決がされたと思っていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私の立場で国会のことについて申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。お許しください。
○池口修次君 多分そうだろうなと思いましたが、ただ三党合意もあれは政党間の合意なんです。それに対して総理はばんばん言っていますよね。ちょっと、それから言うとちょっと違うんじゃないかと思いますが、もう一方お聞きしたいと思います。
 山崎官房副長官、あの採決の場に私も傍聴をしておりまして、山崎副官房長官が直前になぜか、総理の後ろの方に座った官房長官が委員、議員席の、委員席の方に移動をして、筆頭である武見筆頭に何かお話をされました。何をお話しされたのか、お聞きしたいと思います。
○内閣官房副長官(山崎正昭君) それでは、お答えさせていただきます。
 私は、本会議はもちろんでありますけれども、総理が出席されて審議が行われる委員会等につきましてできるだけ出席をさせていただいております。したがいまして、当日、総理に対する質疑もございましたので、委員会室に入らせていただいて出席をさせていただいたわけでございます。
 なお、今ほど委員会室、委員の席へと、こういうことでございますが、私が記憶をいたしている範囲では、委員の、だれかはっきり覚えておりませんが、方に所用がございまして、委員会、委員席へ行ったのは記憶をいたしておりますが、我々議員でございますから、どこの委員席へ行って所用を足しても委員会審議に差し障りのない限りでは私はいいのではないかと、こういう理解の下に行かせていただきました。
 以上でございます。
○池口修次君 今の話は、私は実は傍聴をしておりました。傍聴をしておった立場として、山崎副官房長官の動きはかなり頭に入っておりますが、今の話ではかなり違うなというふうに思っております。武見筆頭のところにお話を行き、で、その後なぜか知らぬが議員の質問権を奪われた方が三名いて、という事象が起きております。
   〔理事若林正俊君退席、委員長着席〕
 多分、あの緊迫した段階で一般的な話を、世間話を議員席、特に筆頭まで行ってするということはあり得ないというふうに思いますので、いろいろうわさが飛び交っておりますが、やっぱり窮地に追い込まれた総理を救うために副官房長官がアドバイスに行ったんではないかというふうに私は理解をしておりますが、これは多分そうだとは言わないというふうに思いますので、これは……
○委員長(中曽根弘文君) 池口君、時間でございます。おまとめ願います。
○池口修次君 そういう事実を知った上で皆さんに判断していただきたいと思います。
 以上で私の質問は終わらせていただきたいと思います。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、山本香苗君の質疑を行います。山本香苗君。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 まず最初に、町村外務大臣に外交問題につきまして何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 日米両国は二月の十九日の安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2の共同発表で共通の戦略目標を打ち出されました。この共同戦略目標は日米関係にとってどのような意味を持つのでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 二月十九日であったと思いますが、2プラス2、ここで日米の共通の戦略目標というものを取りまとめたわけでございます。
 基本的には、国際的な安全保障環境というものについて日米いろいろ議論しているうちから共通の理解に到達したものを、両国政府が大局的な観点から、それぞれの国益にとって特にまた必要であろうということに絞って目標を例示をしたものでございます。それに基づいて、今後、日米それぞれが努力をする部分、あるいは日米安保体制の実施を通じて努力をしていく部分、さらには日米安保を超えて世界の中の日米同盟という形でともに協力をしていく部分、それぞれの行動をする際の言わば出発点ともなるべき共通の認識を確認をしたという意味で、私は大変意義があったのではないだろうかと、かように考えております。
○山本香苗君 この日米が共通の戦略目標を持ったことにつきまして、ある学者の方が次のようにおっしゃっていらっしゃいました。
 日米同盟関係という非常に広い関係があり、その中核として日米安保条約に基づく日米安保体制がある、今回の戦略目標はこのうちの幅広い日米同盟にとっての目標だと、こういう見方を示していらっしゃったわけです。
 私は、これは非常に鋭い見方ではないかと思っておりますが、外務大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) そういう御認識を、学者の方ですか、持っていただいたことは有り難いことでございます。
 ただ、あそこで私どもが考えておりますのは、どの部分がといって明示的にしているわけじゃございませんが、すべてにおいて同じ行動を取っていくということを意味しているわけでもございません。それぞれの国の政府が独自にやること、それからさっき申し上げたように、安保条約に基づいて共同でやること、それから言わば世界の日米同盟、例を挙げれば、イラクの問題への対応、あるいはアフガン問題への対応、あるいは津波への対応といったようなことも含まれると思います。
 それは、安保条約ということには基づかないけれども、やはり共通の認識で、国際社会の一員として日米が、それぞれのテロ対策でありますとか、あるいはイラクの復興支援でございますとか、津波対策ということについて、それぞれ共同してやっていく部分というのが、それぞれやる部分、日米安保に基づく部分、そして言わば共通の、どういうんでしょうかね、一緒にその世界の中の日米同盟という表現をしておりますが、ともに同盟関係を結びながらやっていく、そういうそれぞれの言うならば行動というものが具体的に出てくるんだろうと、その基盤としての共通認識ということだと私は理解をしております。
○山本香苗君 じゃ、同じ認識だというふうに考えてもよろしいですか。
○国務大臣(町村信孝君) その学者の方はそれぞれがやる部分とか、あるいは安保条約に基づく部分というのをどうも捨象して全部これ、日米同盟関係だというくくり方をすると、そこはちょっと正確性を欠くのではないのかなというので、あえてその三つに分けて今、私はお話ししたつもりでございます。
○山本香苗君 では、日米の共通戦略目標におきまして、不安定の弧という表現が使われなかった理由についてお伺いします。
○国務大臣(町村信孝君) 一般的に不安定の弧というのは、多分、中東から東アジアにかけてのこの三日月のような形といいましょうか、そこの弧のことを地域的に指す、そこには確かにいろいろな不安定要素があるという意味で不安定の弧という表現がしばしばなされるわけでございます。
 先般、2プラス2でそれぞれの地域の話をしなかったかといえば、決してそうではございません。あの共同声明の中にも、イラクあるいはアフガニスタンあるいは中東全体に対する国際的支援の供与について日米がそれぞれリーダーシップを持ちながらやっていくという表現も載っております。また、そこに共通して見られる例えばテロの問題でありますとか、あるいは大量破壊兵器やらその運搬手段の削減といったようなことを載せ、書いてございますので、そういう意味では、その不安定の弧という表現はあえて直接的には使っておりませんけれども、その御指摘の地域との関係で重要な点についてはそれぞれ共通の認識に達しているということでございます。
 あえて不安定の弧という表現は、なぜ使わなかったのかなと言われるとちょっとなかなか難しいのでありますが、その言葉を使わずとも、ともに考えていることは共通していたということではないかと思います。
○山本香苗君 いろいろ今お伺いをさせていただきましたけれども、この共同の戦略目標、これに基づいてこの間御答弁いただきましたけれども、今度、第二段階、第三段階と行くわけで、これに基づいて在日米軍再編が行われるということでございますが、この在日米軍再編に対する我が国の協力、今こう議論させていただく中で、物の考え方として、物の考え方として、日米安保条約の枠内での協力、もう一つ、いわゆる日米安保条約を軸とした、先ほどから世界の中の日米同盟、世界の中の日米同盟とおっしゃっていらっしゃいますけれども、この日米安保条約を軸とした日米同盟関係という幅広い関係における協力、この二つの側面がこの在日米軍再編の物の考え方としてあるという認識を私は持ったわけなんですけれども、この認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 今回の共通戦略目標、先ほど申し上げましたようなことで、三つのレベルといいましょうか、それぞれがあると。その中で今度、じゃ、より具体的な話として在日米軍の兵力構成の見直しは、それではこれはどういう観点で行われるのかということになりますと、これは現行の日米安保条約の枠内で行いますということを日米の共通認識として今持っているところでございまして、在日米軍というのはやっぱりあくまでもこれは日米安保というものに基づいて出発をしておりますので、今回もまたそういうことであろうと、こう思っております。
○山本香苗君 衆議院の三月二日の締めくくり質疑におかれまして、町村大臣が、この在日米軍再編関連の質問に対して、ちょっと省きますけれども、日本は安保条約というものを基礎にしながら、安保条約を超えた国際的な連携もあるということという日本の考え方に基づいて、今後よく抑止力を維持しながら基地負担を軽くする、こういう基本原則に立って取り組んでまいりたいと考えておりますというふうに御答弁をされていらっしゃいます。
 ここにおきます安保条約を超えた国際的な連携というものを、在日米軍再編においてどういうふうに考えるべきなんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) この安保条約を超えた国際的な連携、先ほど例示を申し上げましたような、例えばイラクにおける連携、アフガンにおける連携等々があるわけでございます。これはそれぞれ特別な立法をもってこういう活動を自衛隊がやりますということでやっておりまして、正にこれが安保条約を、まあ超えたと言うとちょっとあれかもしれませんが、安保条約とは法律的には別のフレームワークの中でやっている国際的な連携であるということでございます。
 そういう活動がありますねということをお互いによく認識をした上で、その上で、今度はその米軍の再編成、在日米軍の再編成というものを考えたときに、私どもは、沖縄等の過重な負担を軽減しながら、同時にしかし抑止力もやっぱり大切ですねという考え方でこの再編成問題に取り組んでいく、これはしかし根っこは、これは日米安保条約に基づく再編成であるということを申し上げたつもりでございます。
○山本香苗君 今回の戦略目標の中には、アジア太平洋で発生しつつある脅威、また地域の軍事力の近代化という記述がございます。これは、報道によりますと中国を指していると言われておりますし、大野防衛庁長官もこれは中国を指していると答弁されております。
 これに関連いたしまして、EUの対中武器輸出禁止措置解除の問題についてお伺いしたいと思いますが、この問題については最近もアメリカもかなり強い懸念をEU側に伝えておりますけれども、我が国はどういう考え方でこの問題に対処をするんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) この問題につきましては、日本も昨年の早い時期から東アジア、これは日本だけではなくて、東アジアの地域の安全保障に影響を及ぼす問題であるという観点から懸念を表明をしておりまして、そういう意味での対中、EUによる対中武器禁輸の解除には反対をするということで発言もし、働き掛けもしてまいりました。
 ちなみに、昨年の三月、川口当時の外務大臣とドビルパン・フランス外相との会談でもそのことを述べておりますし、また、私自身は着任直後ハノイに参りまして、次のEUの議長国であるルクセンブルクのアッセルボルン外務大臣と話をしたのが最初でございまして、それ以降、フランスのバルニエ外相、イギリスのストロー外相、あるいはオランダのボット外相等々、あるいはソラナEU上級代表等と、私どもは、この問題についてはEUだけの判断ではやはりまずいのではないでしょうかと、日本もある意味では直接影響を受ける国としてこうした問題については私どもは反対であるということを申し上げてまいりました。
 これに対してEUの方は、この対中武器禁輸措置というのは加盟国に対して法的拘束力があるわけではない、また別途、禁輸措置より後の九八年夏作成した行動規範というものがあるので、禁輸措置を解除しても全く野放しになって自由になるというわけではない、しかもこれは天安門事件をきっかけにしてこの禁輸措置が取られたものだから、もう時期的にも随分時間がたっているではないかなどなどのことで、EU全体としては今流れとして禁輸解除の方向に向かっているわけでございます。
 これに対して、アメリカそして日本から、大変この今の説明では我々の懸念を払拭するには不十分であるということで、かなり議論が行われている途上であるというふうに御理解を賜ればと思います。
○山本香苗君 先日、今年七月にイギリスで行われますサミットでこの問題を提起するというような報道もございました。それで本当に間に合うのかなと思うわけでございます。その前にEUが決めてしまうことはないんじゃない、あるんじゃないかと。今月中にEUの理事会で正式に解除が決定される可能性があるとか、また六月の首脳会議で決定されるんじゃないかとか、そういういろんな話がございます。
 また、解除論を主導しているフランスのシラク大統領も今月訪日されるということでございますけれども、今後、具体的にどのようにその懸念を伝えていかれるんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) こうした私どもの働き掛け、あるいはアメリカの働き掛けもありまして、EUは当初、昨年の前半にこの方針をすんなりと決めようと思っていたようでございます。しかし、現実には、昨年十二月のEUサミットの結論文書を見ますと、本年前半のルクセンブルク議長国期間中にこの禁輸措置解除が可能になるよう代替措置に係る作業も終了をしていきたいと。同時に、解除決定の結果、中国への武器輸出が質的にも量的にも増加するべきではない旨強調すると、こんなような文書も昨年の年末出されております。したがって、今日に至るまでまだ正式の決定は見るに至っておりません。
 今委員お触れをいただきましたシラク大統領の訪日も、計画が今内々進んでいるところでございます。いろいろな機会があろうかと思います。外務大臣レベルで申しますと、五月の六日、七日でございましたでしょうか、京都で日本とASEMの外相会談というのがございまして、そこでヨーロッパの閣僚も多数お見えになる、そんな折も大いに活用していきたいし、今私どものEUに行っております各国大使に私の方から指示を出しまして、それぞれ外交ルートで最大限の働き掛けをするようにというようなこと、それから、先般のブッシュ大統領の訪欧の中でも実はこの問題が相当激しく取り上げられ、相当激しい議論になったというような話も聞いております。
 そのようなことから、どういうタイミングでどういう今後決断がEU内部で下されるか、それは最終的にはまだ定かではございませんが、私どもとしては、今後とも引き続き最大限の外交努力を傾けていきたいと考えております。
○山本香苗君 次に、スーダンPKOへの自衛隊派遣についてお伺いいたします。
 国連決議の採択の見通しについてお伺いします。
○国務大臣(町村信孝君) 御承知のように、一月九日の、スーダン政府と南部の反政府勢力との間の包括和平合意というものが成立をし、それを受けて現在、安保理ではこの合意の履行を監視、支援するためのPKOの設立に向けて決議案が審議をされている。今審議中であるということで、まだ具体的にいつこれが採択をされるのかということは必ずしもはっきりしておりません。当初は三月中にと、こう言っておりました。多少それがずれ込むのかどうか、ちょっと必ずしも定かではございません。しかし、安保理としては、できるだけ早く同決議案を採択するようにということで精力的に審議が行われるという報告を受けております。
○山本香苗君 いろいろと報道で、またいろいろお話をお伺いしている限り、この問題、非常に慎重に対処していかなくてはならない問題だと認識しております。
 今、国連決議に、採択につきましてはまだということでございますけれども、近々だというふうにもお伺いしております。仮にこの国連決議があったとした場合に自衛隊を派遣できる状況にあるのかどうか、外務大臣の状況認識をお伺いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 私ども、今外務省の調査団を現地に派遣をしておりまして、スーダンの現地情報の収集、あるいは現地政府あるいは国際機関、NGO、そういった各方面との意見交換を目的にしておりまして、この調査団を出しております。
 ただ、これはPKO派遣を前提にしたというよりは、そのまだ前の段階の、もう少し幅広い一般的な調査をするということで派遣をしておりまして、安保理内での議論あるいは現地調査、こういったものを慎重に考えながら、実際に設立されるPKOの任務、態様、これらもまだどういうものになるか必ずしも分かりません。一万人の規模を超える大規模なものになるのではないかというような議論もあるようでございますが、そうしたいろいろな動き、決定というものを見ながら日本として最も適切な協力の方法というものを追求をしていきたいと、こう思っておりまして、一部には何か外務省がもう自衛隊を派遣することを前のめり的に決めてしまったとか、それに対して防衛庁はとても慎重であるとか、いろいろ面白おかしい報道がございますが、まだそういう段階には至っておりませんで、よく現地の情勢あるいは国連における議論等をしっかりと踏まえ、分析しながら今後の対応を決めていきたいと考えているところでございます。
○山本香苗君 今外務大臣の方からもお話ありましたけれども、最後に外務大臣、一つだけ。
 その件につきまして、昨日、記者会見で、大野防衛庁長官が来日中のPKO担当のゲエノ国連事務次長と会談した際に、参加五原則などいろんな問題があると、自衛隊派遣について慎重な姿勢を伝えたというふうな報道がございましたけれども、この防衛庁長官の御発言を外務大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(町村信孝君) この問題でまだ大野大臣とじっくりと話し合ったこともございません。したがって、大野大臣が、昨日ですか、国連の代表の方とどんなお話をされたかもまだ詳しくは聞いておりませんが、まあいずれにしてもそういう国連の方のお話も聞き、先ほど申し上げました様々な情報収集等を踏まえながら、政府全体でしっかりと議論をして答えを出していきたいと考えております。
○山本香苗君 外務大臣、どうもありがとうございました。
 次に、北側国土交通大臣に航空保安大学校移転問題につきましてお伺いさせていただきたいと思います。
 航空保安大学校というのは今現在、羽田空港内にございますけれども、平成九年、当時の運輸省がこれを大阪国際空港内に移転するということにして、地元自治体と着々と調整が進んでおりました。ところが、昨年の十月末に、この大阪国際空港ではなくて関空のそばのりんくうタウンへと、ぱっと方針転換が打ち出されました。何で急に方針転換されたのか、この理由と経緯を大臣に、しっかり納得できるような御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(北側一雄君) まず結論から申し上げますと、まだ移転先は最終決定しておりません。まずそのことを答弁させていただきます。
 今委員がおっしゃったように、航空保安大学校は現在、羽田にあるんですが、一つは羽田空港再拡張後の整理地区に当たっておること、それともう一点は、私も現場見たんですけれども、校舎等が大変老朽化しておるということからも移転は必要であるということでございます。
 この航空保安大学校というのは、管制官を始め航空保安業務の第一線に携わります専門の職員の方々を養成する機関、学校でございます。
 ともかく、移転はもう近々必要でございます。今移転先を最終決定しようとしているところでございますが、航空保安大学校の目的に照らして、そういう人材、専門職の人材を育成するにふさわしい環境、条件を持っているところを選んでいきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 ちょっと理由はよく分からなかったんですが、この方針転換、(発言する者あり)済みません、この方針転換、とにかく一回、この大阪国際空港の地元に打診されたところ、もうどないなってんねんという形になって、一回白紙にしていただいて、今、航空保安大学校移転検討委員会、今大臣おっしゃっていただきましたけれども、それが設置されて検討を開始していただいているというふうにお伺いしておりますが、今後ここでどういう観点から検討がなされ、また検討のスケジュール、これについても併せてお伺いいたします。
○政府参考人(岩崎貞二君) お答えいたします。
 今先生御指摘のとおり、航空保安大学校移転検討委員会を設置いたしまして検討に着手したところでございます。三月一日に第一回の委員会を開催いたしまして、移転先のほか、これPFI方式で整備をしたいと思っておりますので、その実施の手順でありますとか教育の内容でありますとか、そうしたことも含めて検討していただいているところでございます。
 移転先につきましては、やはり教育の問題でございますので、優れた教育、教育訓練をする環境が必要だと考えております。また、若い学生多数集まりますので、そういう人の生活環境も検討していかなきゃいけないと、このように思っております。検討委員会で御審議いただきまして、今年の夏ごろまでには移転先を決定していただきたい、こんなふうに思っているところでございます。
○山本香苗君 地元の方では今か今かと心待ちにしていたわけです。まあ実際、池田市では受入れのための整備も着手していたと伺っております。
 大阪国際空港内であれば、今おっしゃられたように既に用地もあります。用地を新たに買うとか借りる必要はありません。宿舎も敷地内にございます。近くに大阪大学もありまして、優秀な外部講師も獲得できます。市内へのアクセスも良く、生活環境も大変いいということです。高度化する航空安全確保のための研修を受けるに適した最新の設備もございます。こうしたメリットや、また今までの経緯、十分に勘案していただきまして、また地元の声も十二分に聞いていただきまして決めていただきたいと思います。
 関空もまたこの大阪国際空港も、大臣の御地元のある大阪にございます。是非、政調会長時代に発揮していただきました卓越なる調整能力をここでも発揮していただきまして、円満な解決を図っていただきたいと切にお願い申し上げます。
 大臣に最後に御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 昨年、私もその伊丹周辺の市長さんからお話は聞いております。地元の方々の御意向はよく分かっておりますので、そういうものもしっかり踏まえながら、ただ、先ほど申し上げましたように、管制官というこれからの日本の航空保安業務を担っていただく方々を育てるにはどこがいいのかというふうな観点から、これはもう一年、二年の話じゃなくて、これからずっと先、その地で管制官たちを育成をしていくわけでございまして、そういう意味で、どこが一番ふさわしいのかという観点から見ていかないといけないと思っております。
 伊丹の地元の周辺の方々、市長さん、自治体の方々とはきちんと話合いをし、納得していただけるように努力をしてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 北側大臣に大変期待しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最後に、中山大臣に寝屋川小学校での教職員殺傷事件につきましてお伺いしたいと思います。
 この事件後、省内に安心・安全な学校づくりのためのプロジェクトチームを早々と立ち上げていただきまして、いただいたというふうにお伺いしておりますが、ここではどういった観点からどのような検討がなされ、それはいつごろ取りまとめられるんでしょうか。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました文部科学省内のプロジェクトチームでございますけれども、これは寝屋川市立の中央小学校の事件を受けまして、安全・安心な学校づくりを行うための対応方策について検討するものございまして、現在、学校安全のための方策の再点検、そして学校、地域、家庭が連携した安全・安心な学校づくりの在り方、そして開かれた学校づくりとの関係、こういった課題を中心に検討を進めているところでございます。
 また、この中で、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業の効果的な運用の在り方についても検討してまいりたいと考えているところでございます。この検討につきましては、防犯の専門家の御意見を伺ったり、また関係省庁とも連携を図りながら取りまとめを行ってまいりたいと考えております。
 今後の見通しにつきましては、できるだけ早く検討を行い、検討の進んだ項目から順次公表してまいりたいと考えておりまして、できる限り年度内、まあ今月内でございますけれども、一定の取りまとめを行うなど対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○山本香苗君 この問題に関する当委員会におけます質疑、おとつい、また昨日と、本当に活発な議論がなされたわけでございますけれども、その議論をずっと聞いておりまして、これはもう文部科学省だけではもう対応できない、本当に対応できない問題だなということを痛感いたしました。
 今、素川局長の方から御丁寧な御答弁いただいたんですけれども、もう省内でプロジェクトチームをつくって対応して順次まとまったものから出すというような、そういった小手先のものじゃもう全然対応できない状況にあるんではないかと思っております。
 寝屋川市の教育長さんも新聞のインタビューで、子供を守るのは大人の目と心に勝るものはないという認識で地域で取り組んできたと、だが、今回は卒業生が学校に入ってきた、犯罪から学校を守り切るということから転換期と考えたと発言されておりましたけれども、従来のやり方を幾らよくやろう、再点検しよう、もっといい形にしようってやったとしても、もう対応し切れないそういう段階に、限界に来ているんじゃないかと思っております。
 そこで、昨日、ちょうどお忙しい中、小泉総理とまた中山文部科学大臣に、公明党といたしまして子供の安全対策のための緊急申入れをさせていただきました。
 その項目のトップに、この問題はもう文部科学省だけで対応するのではなくて、総理を本部長、本部員は関係閣僚とした対策本部、仮称でございますが、治安対策及び子供の安全対策本部というものを内閣に設置したらどうかという御提案をさせていただきました。
 この提案につきまして、所管官庁で一番この現状を分かっていらっしゃる文部科学大臣としてはどう受け止めていただいたんでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 寝屋川の事件につきましては、この予算委員会でも何度か取り上げられているわけでございますし、今、正に山本委員が御指摘のように、子供の安全確保という点からは文科省だけではなかなか対応できない、警察庁その他関係省庁と連携を詰めることが必要であると、このように考えているわけでございまして、私も閣内におきまして、また国家公安委員長にすぐお願いしたところでございます。
 そういう意味で、二月の十八日でございましたけれども、学校の安全確保のために三つのお願いを通知したんですけれども、そのうちの一つに、学校の安全確保の取組におきまして学校と警察との連携を一層密にしながら進めていただきたいということを都道府県の教育委員会等に求めたところでございまして、昨日は山本委員も御一緒になって公明党の学校安全対策PTの方が来られまして、子供の安全対策のための緊急申入れをいただいたところでございますが、今後とも関係省庁と連携を密にしながら、子供をいかに守っていくか、先ほども言われましたが、本当にこれもう社会ぐるみでやっていかにゃいかぬと、こういうふうな問題意識を持って取り組んでまいりたいと考えております。
○山本香苗君 大臣、申し訳ないんですが、連携というところじゃなくて、きちっと協議する場を、きちっと受皿をつくっていただきたいと総理の方に文部大臣からお願いをしていただきたいと思っております。
 大臣は、改革をやるに当たってはまず現場の意見を聞こうと、現場に行くといった現場主義を貫かれているそうだとお伺いしまして、本当にすばらしいことだなと思っておりました。そこでお願いしたいんですけれども、現場主義の大臣といたしまして、本当に今回の問題を重く受け止めて、今回の事件があった寝屋川にも実際足を運んでいただき、現場を御視察される御予定があるんでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 現場をまず最初に見るということは大事だろうということで、御承知のようにタウンミーティング、あるいはスクールミーティング等を今実施しているところでございます。
 あの事件が起こりましてから、文科省といたしましても、四人の担当官を現地に派遣して、原因究明とかこれからどうしたらいいかというようなことをいろいろ協議いたしまして、今省内にプロジェクトチームをつくっているところでございます。
 私自身も本当にすぐ飛んでいきたいところでございましたけれども、予算委員会とかいろいろございましてなかなか日程が都合が付かないものですから、何とかそういった日程をやりくりしながら現場を見てみたいと、このように考えております。
○委員長(中曽根弘文君) 時間……
○山本香苗君 もう是非とも現場の声を聞いていただいて、現場の状況を知っていただいた上で、現場の苦労を分かるような、またその現場の苦労を報いるような支援をお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で山本香苗君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今年は被爆六十周年。私は広島に育ちまして、卒業した高校は原爆で全滅をいたしました。人間の形で死ぬことすら許されなかった先輩もいると、その思いで今日は質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 二〇〇〇年の核不拡散条約の運用検討会議で核兵器の全面廃絶に対する明確な約束が合意をされました。この検討会議の性格、それから二〇〇〇年の合意について、まず説明をお願いします。
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 まず、核兵器不拡散条約、NPTの運用検討会議の性格でございますが、これは、NPT条約に基づきまして、NPT締約国が一九七〇年の条約発効以来五年ごとにNPTの運用を検討するために開催している会議でございます。我が国といたしましては、NPTは国際的な軍縮・不拡散の基礎と考えておりまして、運用検討会議はこのNPTの信頼性を強化するための会議であると考えております。
 二〇〇〇年の結果でございますけれども、二〇〇〇年のNPT運用会議においては、軍縮・不拡散の分野におきまして、将来に向けた措置を含む重要な最終文書が全会一致で採択されたと承知しております。
○井上哲士君 その中に、核兵器の全面廃絶に向けた明確な約束ということが核兵器国も含めて合意されました。この合意に対する日本政府の評価はどうなんでしょうか。
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、二〇〇〇年に合意された最終文書では、包括的核実験禁止条約の早期発効、兵器用核分裂性物質生産禁止条約交渉の即時開始、早期終了、並びに核兵器の全面的廃絶に関する核兵器国の明確な約束などに関する十三項目の措置を盛り込んだ合意が行われております。
 我が国といたしましては、これらの合意は核軍縮・不拡散を推進するための方向性を示したものとして高く評価しております。
○井上哲士君 今年五月にこの五年ごとの再検討会議が開かれますが、日本政府としてはこの会議をめぐる情勢をどう評価し、どのように対応をしようとされているんでしょうか。
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 今年の五月に開かれますNPT運用検討会議は、地下ネットワークによる核拡散、北朝鮮やイランの核問題、アメリカによるCTBTの批准の拒否といった軍縮・不拡散分野をめぐって極めて厳しい状況の中で開催される会議であると応承しております、受け止めております。
 このような状況の中で、二〇〇五年の運用検討会議におきましては、NPT締約国が一丸となってNPTの信頼性を維持強化するためのメッセージを打ち出すことが非常に重要だと考えておりまして、日本としても最大限の努力をしていく考えでございます。
○井上哲士君 今、厳しい状況というふうに言われましたけれども、最大の懸念はアメリカの動向だと思うんですね。ブッシュ政権は、この再検討会議の準備委員会などで、議論すべき軍縮課題はないとか、二〇〇〇年合意には拘束力がないと繰り返しております。そればかりか、新たに実践に使える核兵器の研究開発を進めております。
 その一つである地中貫通核兵器について、アメリカの二〇〇五年、二〇〇六会計年度の予算がどういうふうになっていると承知されていますか。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
 今出されております二〇〇六会計年度につきましては、約四百万ドルが強力地中貫通型核爆弾の研究目的のために計上されているというふうに承知しております。
 ちなみに、前年、二〇〇五年会計年度につきましては、の歳出法案で歳出が認められなかったというのが事実関係として承知しておるところでございます。
○井上哲士君 この地中貫通核兵器とは一体どういうものなのか、説明してください。
○政府参考人(天野之弥君) 地中貫通型核兵器というのは、地中に貫通した上で爆発するように設計された核兵器であると承知しております。
 なお、現在アメリカは地中貫通型核兵器としてB61型11という核兵器を、核爆弾を保有していると承知しております。
○井上哲士君 そこで大臣の認識を聞くんですが、この地中貫通核兵器の開発というのは、ブッシュ政権が二〇〇二年の一月に作成をしたアメリカ国防総省の核態勢の見直しという報告の中で位置付けられておりますが、この中では、地下の核爆発というのは地表爆発兵器と同じ損害を与えても少ない放射能降下物しかないと、こういうふうに言っているわけですけれども、これ政府も同じような認識でしょうか。
 大臣、大臣の認識、大臣の認識ですよ。
○政府参考人(河相周夫君) 事実関係に関することですので私からまず説明させていただきますけれども、今御指摘のニュークリアポスチュアレビュー、日本語に訳しますと核戦略見直し報告、これは二〇〇二年一月に出されたものでございますが、この内容につきましては非公式の文書の扱いになっておりますので、政府として今御指摘の点にお答えすることは適当ではない、差し控えさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 それでは、一般論で大臣にお聞きしますが、こういう地中で爆発する核兵器というのはいわゆる死の灰などを余り出さない兵器だと、こういう認識を持っておられますか。
 大臣、大臣の認識をお願いしますよ。
○国務大臣(町村信孝君) 私は、余りこの核兵器の詳しい中身について、不勉強なものですから、これがいかなるものであるのか、率直に言って私もまだ不勉強でございまして、どういう性格のものか今後よく勉強していきたいと思います。
○井上哲士君 唯一の被爆国の政府の外務大臣がね、それでは困るんですよ。どうやって交渉するんですか、NPTで。
 今、私、資料を手元に配っておりますけれども、これはアメリカの議会の調査局が二〇〇三年十二月十一付けで出している報告書なんです。過去の核実験のデータを見ましても、数十メートルから百メートル程度の深さで核兵器が爆発させれば、火球が地表に噴出して、土地をえぐるような形で放射能で汚染された土壌が降り注ぐ。この範囲は地表や空中での核爆発よりもはるかに多いんですね。最大百倍以上になる。けたが違うようなことになるんです。
 そういう残虐兵器だという認識、大臣、おありなのかどうか。被爆国の外務大臣としてしっかり答えてほしいと思うんです。
○委員長(中曽根弘文君) 天野部長。
○井上哲士君 外務大臣、大臣。
○政府参考人(天野之弥君) 事実関係ですので、私からお答えさしていただきます。
 核兵器、地中貫通型でありましても核爆発によりまして降下物が出てくることはそのとおりでございます。その量が具体的に多いか少ないかという点については、様々な条件もあると思いますので、具体的には承知しておりません。
○井上哲士君 アメリカの議会に出された資料なんです。そして、こういう残虐兵器の予算が新たに計上されたと。重大なのは、このアメリカの核態勢の中にどういうふうに位置付けられているのか。先ほども言いました核態勢見直しの報告書ではこれについてどういうふうに位置付けていますか。
○政府参考人(河相周夫君) 先ほども御説明申し上げたところでございますけれども、米国防省が発表しました核戦略見直し報告、この内容については非公式の文書になっておりますので、これとの関連での御質問にお答えすることは差し控えさしていただきます。
○井上哲士君 これはね、アメリカ国内でも全部報道されているんですよ。そんなこと知らないんですか、日本の外務省は。
 もう一回お答えください。
○政府参考人(河相周夫君) 繰り返しになりまして申し訳ございませんけれども、この文書は非公式、非公表の文書という存在でございますので、これについて政府としてお答えすることは差し控えさせていただきます。
○井上哲士君 私、ここにほぼ全文持っていますけれども、これはアメリカ国内でも全部報道されているんです。持っているはずなんですね。
 この中では、現在の核戦力の限界というふうにして、地中に深く構築された堅固な目標など、新たな出現した脅威を撃破するために新しい能力が開発されなければならないと、こういうふうに述べているんです。しかも、撃破する目標として、今七十以上の国が地下施設を軍事目標に使用していると。千四百という数出しているんですね。結局、アフガニスタンの攻撃のときに通常兵器のバンカーバスターなど使ったけれども、タリバンに、洞窟にこもっているのに手を焼いた、やっぱり新しい兵器が必要だということでやっているわけですよ。正に使用を目的とした開発なんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど局長が答弁をしたように、アメリカの予算でございます。二〇〇五年はゼロ、二〇〇六年度は四百万ドルと。これは強力地中貫通型核爆弾の研究の予算であるということでございまして、開発予算あるいは配備の予算ではないと、こう私は理解をしております。
○井上哲士君 開発、使用と研究というのは結び付いているんです。
 しかも、ラムズフェルド国防長官は、つい先日、二月十七日の議会の証言で、この地中貫通核兵器の実現性の研究を完了するために二〇〇七年までに新たに千四百万ドルの予算が必要だと言っているんですね。それだけじゃないんです。二〇〇六年の予算でも、模擬爆弾の投下実験も計画しているんですね、研究と別に。これは四百五十万ドル計上しているんです。正に実戦で使用するための研究開発じゃないですか。中止を求めるべきじゃないですか、被爆国として。いかがですか。
○委員長(中曽根弘文君) 天野部長。
○井上哲士君 大臣です、大臣。
○委員長(中曽根弘文君) 天野部長。
○井上哲士君 大臣のあれでしょう。
○政府参考人(天野之弥君) 事実関係ですので、私からお答えさせていただきます。
 アメリカが二〇〇六年度予算で要求している予算に基づいて行おうとしておりますのは衝撃、コンクリートなどに当たった衝撃の実験を行う予定であるというふうに承知しております。
○井上哲士君 だからこそ、開発、使用目的そのものだから世界の国から今批判の声上がっているんですよ。なぜ中止を求めないんですか。
○国務大臣(町村信孝君) ラムズフェルド国防長官の証言の概要でございますけれども、ここで議論をしているのは研究の話でありますと、既存の兵器の出力及び致死性を低下させ、米国の利益保護に資するという形で地下に貫通するようにできるかという研究を行うことでありますと、本研究を行うことはアメリカの国益に資すると、こういう答弁をしているようでございます。
○井上哲士君 だから、それに対して日本政府としてはどういうふうにアメリカに物を言っているのかと、物を言う気があるのか、そのことを聞いているんです。
○国務大臣(町村信孝君) まあ、いろいろな国がいろいろな研究をするということについて、私どもとして一々この研究はいいの悪いのということを言う立場にはない。
 ただ、日本国政府としてのこの核兵器全体についての基本姿勢というものは、これまで累次の国連総会における決議等々の共同提案国になっている、あるいはイニシアチブを取っているということからも明らかなように、私どもは、究極的には核のない世界をつくっていこうと、そういう方向で核兵器の拡散等々には断固反対をするということで常に発言もし、イニシアチブも取っているところでございます。
○井上哲士君 二〇〇〇年の合意で全面的な核廃絶を約束をした、その後に新たなこういう研究をしているわけですよ。正に合意に反するものだとして被爆国日本の政府が物言えなくてどうするんですか。研究だから自由なんていう話ないでしょう。もう一回答弁してください。
○国務大臣(町村信孝君) 共産党の御意見として承っておきます。
○井上哲士君 これは本当にひどい答弁ですよ。世界の今国々がこの二〇〇五年の再検討会議に向けてアメリカのこういうやり方について批判の声上げているんです。被爆者の皆さんも言っているんです。それをそんな答弁をするということは、本当に私は情けないと思います。結局、アメリカに物が言えない、追随という姿勢がこういうことをやっているわけですから、これでは被爆国政府として責任を果たせないと。
 二〇〇五年の今度の会議に向けて、アメリカへ向けてしっかりと物を言ってほしい、改めて強く要請をいたしまして、質問を終わります。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 人権擁護法案についてお聞きをいたします。
 付きまとい、待ち伏せ、電話、ファクスなくして、どう取材ができるのでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 廃案となりました人権擁護法案におきましては、特定の者を犯罪被害者などとして取材するに当たり、その者が取材を拒んでいるにもかかわらず付きまといや電話を掛けるなどの行為を継続的に反復して行い、その者の生活の平穏を著しく害するという限定的な場合において特別救済の対象としていたのであります。単に付きまといとか単に電話による取材をしたからといって、直ちにそれが人権侵害になるものではありません。
 ただし、報道関係条項に関する部分につきましては、いろいろな御意見がございます。その御意見を踏まえまして所要の措置を講ずるべく、今検討を行っているところでございます。
○福島みずほ君 取材を拒否している場合は、必ずやはり平穏を害するという意見が出ると思います。また、反復、継続とは二回以上のことをいうと思いますが、かなり短いときもこれに当たるのではないでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 反復してというようないろいろな御意見を申されましたけれども、その具体的事実を知りませんので、ちょっとその件についてはお答えしかねます。
○福島みずほ君 反復、継続というのをどういう定義で考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(小西秀宣君) 先ほど大臣の方でお答えになりましたように、単なる付きまとい、電話による取材では人権侵害になるものではないと。反復、継続して行い、その者の生活の平穏を著しく害するという要件がございますので、その要件に当たるかどうかということで決まると思います。
○福島みずほ君 反復、継続とは、その意思があれば一回以上でもなりますし二回以上でもなります。極めて限られた場合でもありますので、これはやはり、法務大臣、うんうん言ってくださっていますが、やはりメディア規制として問題であるというふうに思います。
 法務省の、世界じゅうの国で法務省の外局に人権救済機関を設けている国がありますか。
○政府参考人(小西秀宣君) 二、三あるように承知しております。オーストラリアと、それからたしか英国が内務省ではなかったかと思いますが、外局的な形で置いてあるというふうに承知しておると思います。
○福島みずほ君 カナダとオーストラリアですが、この二つは英米法系、しかも司法省です。刑務所を執行するところに人権救済機関は置いてありません。結局、日本のように刑務所や入管施設をやるところに人権救済機関はありません。このことをどうお考えですか。
○国務大臣(南野知惠子君) では、お答えいたします。
 廃案となりました人権擁護法案においてはということでございますが、人権委員会は国家行政組織法第三条第二項に基づく独立の行政委員会として設置され、そして委員長及び委員の任命方法又は身分保障、職権行使の独立性の保障などにより、その職権の行使に当たりまして内閣や所轄の大臣からは影響を受けることがない。そういうことで、高度の独立性を確保することといたしておりましたので、法務省の外局としても独立性に問題を感じることはないと考えており、その方向は維持すべきであると考えております。
○福島みずほ君 法務局に委嘱をすることができます。法務局のトップは法務大臣です。法務大臣の所管においてなぜ人権救済ができるのでしょうか。メディア規制の条項と法務省の外局については是非見直すよう強く要望いたします。
 次に、現在、ニューヨークの国連本部で国連女性の地位委員会が開かれています。日本政府代表は国連総会で決意を述べました。どういう中身でしょうか。
○国務大臣(細田博之君) ニューヨークの国連本部において、内閣府の政務官に出張してもらいまして、次の三点を中心とするステートメントを西銘大臣政務官から発言しております。第一に、男女共同参画会議、内閣府男女共同参画局の創設等のナショナルマシーナリー、国内本部機構の強化。二番目に、男女雇用機会均等施策、仕事と子育ての両立支援、女性に対する暴力を撤廃するための施策等の法制度、行政措置に関する取組。それから第三に、ジェンダーと開発イニシアティブを新たに策定すること等の国際協力に関する取組。この三点でございます。
 私どもとしては、この詳しい内容は男女共同参画局のホームページに掲載しておりますので、ごらんいただきたいと思います。西銘政務官の演説内容がきちっと書いてございます。
○福島みずほ君 三月四日、政治宣言が採択をされました。リプロダクティブライツアンドヘルスなどを規定した北京行動綱領を再確認しました。
 日本政府も同様の態度ですね。
○国務大臣(細田博之君) おっしゃるとおりでございます。
○福島みずほ君 日本政府が北京宣言及び行動綱領を揺るぎなく支持し、ジェンダー平等の更なる進展に向けて努力することを表明したことを力強く受け止めております。
 次に、厚生労働省についてお聞きをいたします。
 性感染症やエイズについて、どう対策を取っていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 性感染症は極めて大きな問題だというふうに考えております。特に、若い男女における健康問題の大きな問題の一つでございまして、そういう意味でも重要な課題だと認識をいたしております。
 厚生労働省では、性感染症に関する特定感染症予防指針に沿って、一つには感染予防のための正しい知識の普及啓発、二つには保健所が行う性感染症検査を支援すること、三つ目には相談指導の実施といったようなことで取組を行っているところでございます。
 申し上げましたように、特に若者に対して問題が大きいと思いますので、対象者の発育や発達の段階に応じた適切な対応を求められることから、教育関係機関と連携した普及啓発が重要であると考えておりまして、今後とも文部科学省と十分に連携しつつ、性感染症予防対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 官房長官、性を人権と考えるために、自分の体を大事にするために、子供が性暴力に遭わないように、特に知的障害のある子供が性暴力に遭わないように性教育は必要であると考えますが、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのように、障害者虐待の未然防止の在り方ということは、大変また大事なことでございます。先月の、先月でございます、二月十八日に有識者から成る検討の場を立ち上げました。障害者虐待防止についての勉強会というものでございます。ここで、知的障害者に対する性的な虐待も含め、幅広く未然防止策について御議論いただくことになっております。
 今後、この検討会の御意見などを踏まえて、障害者虐待の実態の把握や、施設のみならず在宅で生活する障害者の虐待の未然防止に取り組んでまいります。
○福島みずほ君 官房長官、男女共同参画社会基本法におけるジェンダーの位置付け、重要性についてお聞かせください。
○国務大臣(細田博之君) 先般、三月四日には山谷議員の御質問がありました。それで、そこでは、教育その他の問題で行き過ぎた内容があると。その行き過ぎた内容も、よく拝見、拝聴すると、確かにいろいろ現場において誤ってこの方針を採択している方もおられないわけではない。
 他方、この男女共同社会問題、参画社会問題というのは、本当に我が国のこれから中心となるべき課題であります。少子高齢化の問題もございますし、男女の能力の発揮の機会が平等であること、そして固定的な役割分担、性別による役割分担というものについて固定観念を持たないということ、そして、しかも制度あるいは企業内においてもその考え方を確立すること、教育においてもそういうことが大切でございますし、家庭生活においても大切である。この大切さについては、もう全く政府としては進めるべきである。
 その中で、先般指摘のありましたような誤解や逆に弊害があるようなことがもしあれば、これは、まあ事実がどうかということはこれからも対応していかなきゃいけませんが、それを両方とも実現して最も正しい政策を行っていくということが必要であると思いますし、そのためには社会全体の協力も、教育界の協力、産業界の協力、政府の協力、そういったものが必要であると思っております。
○福島みずほ君 国会議員の女性比率や男女の賃金格差などから算出するジェンダー・パワーメント指標において、日本は七十八か国中三十八位、どんどん下がってきています。なぜ一向に改善しないのでしょうか。
○国務大臣(細田博之君) いろいろな要素はあると思います。しかし、私は、まあこれは私見も交えて言えば、我が日本国においては社会における男女共同参画の意識が非常に後れている、産業界ももっとしっかりとそのハンディキャップを除いていかなきゃならないと。そうしなければ、働きながら子供を持ちたいとか、これは正に山谷議員もそういうふうに努力してこられましたし、福島議員もそうでございますけれども、女性の皆様方が働く環境もしっかりして、しかも教育環境もしっかりして、また逆に、悪い教育を受けるのも問題ですから、そういうことのないように、これ社会全体が知恵を出していかなきゃいけないというふうに感じております。
○福島みずほ君 是非、この日本が国際社会においてやっていくためにも、是非、官房長官の頑張りと政府の取組を心から期待をいたします。
 日本はある意味、女性の活用に失敗をしている社会です。これは極めて残念なことだと思います。男らしく、女らしくと言いますが、優しさも強さも女性にも男性にも必要なものです。その人が個人として自分らしくいけるような社会をつくることこそ私たち政治に求められていると。いろんな、女の子、男の子にエールを送るような政治をやって、政府自身もやってくださるよう、国会議員も応援するようにしたいと考えております。
 以上です。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十二分散会