第162回国会 決算委員会 第7号
平成十七年四月十一日(月曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     佐藤 雄平君
     松下 新平君     藤末 健三君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     小林美恵子君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     齋藤  勁君     榛葉賀津也君
     小林美恵子君     大門実紀史君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     松下 新平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                荒井 正吾君
                田浦  直君
                山内 俊夫君
                神本美恵子君
                松井 孝治君
                山下 栄一君
    委 員
                小池 正勝君
                坂本由紀子君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                山本 順三君
                加藤 敏幸君
                佐藤 雄平君
                榛葉賀津也君
                高橋 千秋君
                谷  博之君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                松下 新平君
                峰崎 直樹君
                遠山 清彦君
                西田 実仁君
                大門実紀史君
                又市 征治君
   国務大臣
       文部科学大臣   中山 成彬君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  段本 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    久保 信保君
       財務大臣官房審
       議官       加藤 治彦君
       財務省主計局次
       長        松元  崇君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  金森 越哉君
       文部科学省研究
       振興局長     清水  潔君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        素川 富司君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   福井 和夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大槻 勝啓君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  鳥生  隆君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        金子 順一君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    小島比登志君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁長官  村瀬 清司君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
       会計検査院事務
       総局第四局長   千坂 正志君
       会計検査院事務
       総局第五局長   船渡 享向君
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  本日の会議に付した案件
○平成十五年度一般会計歳入歳出決算、平成十五
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十五年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十五年度政府
 関係機関決算書(第百六十一回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成十五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百六十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十五年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百六十一回国会内閣提出)(継続案件)
 (文部科学省及び厚生労働省の部)
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○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、大久保勉君、仁比聡平君、齋藤勁君及び尾立源幸君が委員を辞任され、補欠として藤末健三君、佐藤雄平君、榛葉賀津也君及び大門実紀史君が選任されました。
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○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、文部科学省及び厚生労働省の決算について審査を行います。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○森元恒雄君 自由民主党の森元恒雄でございます。
 今日は、文部科学大臣に二点、お聞きしたいと思います。
 まず第一点目は、義務教育の国庫負担の扱いでございますけれども、現在、中央教育審議会で答申に向けて議論がされておりますけれども、この鳥居会長さんの私、発言をお聞きしておりますと、会長としていかがなものかなと若干思います。といいますのも、今から正に議論を始めようとしているときに、この経費負担をなぜ国が負担しなければならないかということを国民の皆さんに分かっていただくことができるように審議を進めていきたいと思うと。それぞれの地方に全部任せてしまったら十分賄い切れないところも出てくる、国の負担というものが必要になると、これがまず基本だと。意を尽くして説得し、納得していただくということが私の基本的な姿勢だと。
 これでは、何のために中教審で改めて議論をすることになったのかと。財政論の前に教育論ありきということで審議をお願いすることになったんではないかと私は理解するわけですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 中央教育審議会の下に義務教育特別部会というのを置いてあるわけでございますが、この議論というのが公平そして公正な審議を行うべきだということは当然のことだと考えております。
 去る三月二十九日でございますか、参議院の文教科学委員会の参考人質疑におきましても、参考人の鳥居中央教育審議会会長からは、中教審の会長として、また義務教育特別部会の部会長といたしましてできるだけいろんな意見を公平に聞いていくプロセスをたどりたいという旨の発言があったということでございまして、私といたしましては、鳥居会長におかれましては地方の意見も含めて様々な意見を聞きながら公平公正な部会運営をしていただけるものだと、このように考えております。
○森元恒雄君 私も、是非そうあってもらいたいものだというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、文部科学省の方は、昨年の夏以来といいますか、お聞きしますと、この義務教育の国庫負担、これを廃止すれば義務教育に対する国の責任が果たせない、国として責任を放棄したことになるというような言い方をされていたかと思いますが、そういう考え方、そういうスタンスは今も変わらないのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 御承知のように、義務教育というのは、憲法が保障します国民の権利でありますとともに、また国家社会の発展を担う人材育成という国家戦略に基づくものでございまして、国が最終的な責任を負っているものと考えております。
 このような国民の権利を保障して保護者が義務教育を確実に果たすことができますように、市町村に対して小中学校の設置義務を課すとともに、国としては、地方公共団体の財政力の差にかかわらず全国のすべての地域において優れた教職員を必要な数確保いたしまして、そして教育の機会均等と教育水準の確保を図ると、そのためにこの義務教育国庫負担制度に基づく費用負担を行っているところであると、このように考えているわけでございまして、そもそもこの機会均等、水準の確保、そして無償制といった義務教育の根幹というのは、市町村の学校設置義務や学習指導要領、教科書検定、あるいは標準法などの諸制度と、そして義務教育の実施に要します財源保障の双方によって担保され、実現されているものでございまして、いろんな制度のみを存置いたしましても、この国庫負担制度が廃止されて教育費の確保というのができなくなれば、教育の機会均等とか、あるいは水準の確保に著しい支障を生じて、憲法や教育基本法の要請に基づく教育環境というものを実現できなくなる。そういう意味で、国が国民に対してその責任を果たしているとは言えない状況になるのではないかと、このように考えておるところでございます。
○森元恒雄君 基本的に変わってないということのようでございます。
 それではということでお聞きしたいと思いますが、現在、私立の小学校にたしか七万人の子供さん、私立の中学校に十三万人でしたか、二十三万人でしたかね、の生徒さんが通っておられるかと思いますが、この私立の小中学校に対しては二分の一の国庫負担をしていないわけで、一部経常補助はありますけど、少なくとも二分の一の負担はない。そうすると、これ、私学に通っている人に対して、文部科学省として、国として責任を果たしていないということになるんじゃないかと私は思いますが、その点はどう説明をされるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) この私立学校というのは、要するに、先ほど説明いたしましたけれども、国が様々なこの基準とか、そして財政を負担することによりまして、すべての国民に対して教育を受ける権利を保障していることを前提として、その上で国民が多様な、そして多種な教育サービスを受ける権利と選択肢を提供するという機能を果たしているものだと、こう考えておりまして、私立学校の小中学生に対して国が責任を果たしていないという御指摘は当たらないものと考えております。
○森元恒雄君 いや、私は自分が、私として意見が、果たしてないと言っているんじゃなくて、文部省の説明でいけば果たしてないということになるんじゃないですかと、それをどう説明されるんですかとお聞きしているんでして、説明、大臣の方はいや果たしてますよということになると、私、論理矛盾じゃないかと。二分の一持たなくても責任を果たしているというんであれば、じゃこの公立の小学、中学校に対して二分の一やめたら責任放棄したことになると、それはつじつまが合わなくなると思いますが、どう説明されるんでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 今私申し上げましたように、要するに、公立の小中学校に行けば、先ほど言いましたような国の担保によりまして義務教育を受けることができるわけでございます。そのことを前提とした上で、先ほど言いましたように、自分としてはそうじゃなくて私立学校の方に子供をやりたいと、あるいは私立学校の方で勉強したいというのであればそういう選択ができるということは、これは当然なことであると。そういう意味で、私立学校があるのもです、私立学校というのも、少なくともこの公立の学校、小中学校があるという前提の上に、その上の選択であると、このように考えているわけでございまして、この私立の小中学校があるから国が義務教育の責任を果たしていないということにはならないと、このように考えております。
○森元恒雄君 まだひとつ理解できません。それは、私学でも、幼稚園あるいは高等学校、大学というのとこの義務教育である小中学校は、私は若干位置付けが違うと思うんですね。もし文部科学省が言うようなことで筋を通そうと思えば、義務教育については私学は一切設置を認めないと、こういう方針でいくか、あるいは私学であっても二分の一の国庫負担は措置をしますと、こういうふうにするか、いずれかしかない。しかし、いずれも取っておられないんですから、これはどうしても話が筋が通らないということだと思いますが。
 しかし私は、そこのところを問題にするよりも、むしろ、私学であっても文部科学省の決めた指導要領あるいは検定教科書に沿って授業をし、そこを履修した子供たちは十分に義務を果たした、小学校を卒業し、中学校を卒業したという資格を与えられるわけですから、このことを考えても、財政措置をどうするかということとそれから教育内容をどうするかということは、これは別問題だと、こういうふうに考えた方が筋が通るんじゃないかと思いますが、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 幼稚園とかあるいは高校、大学、私学があるわけですけれども、これと小中学校のいわゆる公立義務教育というのはまた別だろうと思うわけでございまして、私どもが義務教育と、こう言っておりますのは小学校、中学校でございまして、先ほど来御説明しておりますように、標準法とかそういった規定プラスそれを担保する予算措置によりましてこの義務教育というものを実施していると、こういうことでございます。
 もちろん、我々は私立学校に対して何もしていないということじゃございませんで、いろんな私立学校に対する補助によりましてできる限りの支援はしているところでございます。
○森元恒雄君 何度お聞きしても私自身は納得、そこはどうしてもいきませんが、なかなか去年の夏以来、文部科学省に対してもお聞きしていてもなるほどという御説明いただけない問題でございまして、そこは平行線だと思います。
 それで、もう一点お聞きしますけれども、公立の義務教育、この事務は地方団体が行う自治事務と位置付けられている。もし文部科学省がそれほど国庫負担にこだわるんであれば、私は法定受託事務になぜしなかったのかと、あるいは、地方団体に任せるとどうも心配だとおっしゃるなら国立小中学校にしたらいいじゃないかとさえ思うんですけれども、自治事務にした。これは、特にそれで平成十二年の分権一括法のときに改めてそうなったんじゃなくて、もう戦後一貫して固有事務、今の自治事務であったわけでありますが、なぜ事務はそういう位置付けをしておきながら財源にそこまでこだわられるのか。あえて言えば、私は、自治事務というのはこれは民間事務と同じでありまして、その事務の処理をする財源はすべてに共通して原則自治体の自主財源で措置するのが基本であるというふうに私は思っておりまして、この辺についての事務と財源の在り方についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 森元委員はもう過去の経緯から何からすべて分かっていらっしゃる上でいろんな御質問をしていらっしゃるわけでございますが、過去の経緯、明治の最初は、これはむしろ個人負担だったわけですね。それが、就学率を上げるといいますか、そういったことから国の負担ということがだんだんと出てきたわけでございます。
 そういった歴史的な流れの中で、平成十一年に地方分権一括法が成立いたしまして、小中学校の設置管理につきましては市町村の自治事務ということで整理されたわけでございますが、これはそれまでの団体委任事務などの事務の概念とかあるいは名称を改めたものでございまして、何もここで新たなことができたわけじゃございません。戦後から一貫して地方自治体の事務であったわけでございます。その間、この義務教育につきましては国庫負担制度によりまして財源を保障してきたところでございまして、自治事務に整理されたからといって、これは引き続き地方の事務であるということには変わりはないわけでございまして、どっちみちこれをもって一般財源化を主張する論拠となるものではないと、このように考えておるところでございます。
 なお、地方分権推進委員会勧告を受けました平成十年の閣議決定におきましても、義務教育というのは生活保護と並びまして真に国が義務的に負担を行うべき分野の代表例として位置付けられているわけでございまして、財源保障の問題と自治事務であるかどうかと、再三こういった御指摘もありますが、直接関係するものではないと、このように考えております。
○森元恒雄君 これは経緯からいうと、私はそうならないと思いますね、むしろ。それはなぜかというと、今回の三位一体の改革というのはどこが原点かと。これは、五年前の平成十二年の分権一括法で国と地方の事務の役割分担関係、これが整理できたと。しかし、あのときに財源措置についてはほとんど手が付かなかった、これを今改めていこうじゃないかというのが正に三位一体の改革ですから、まず初めに事務配分ありきなんですね。
 その事務配分に合った形で財政措置をどうしていくのが望ましいかという今議論をしているわけでありまして、事務は昔から自治事務であったから財源を見直す議論にならないというのは、これ、そもそも三位一体ってそれじゃ何のためにやっているのですかということになるわけでありまして、私はそこは、大臣のお話はちょっといささか今回の趣旨と、外れていると言うのはちょっといささか言い過ぎですけれども、ちょっと違うんじゃないかなという感じがいたします。
 それはそれとして、もう一点お聞きしたいのは、この残された給与本体に対する二分の一に非常に文部科学省としてはこだわっておられるわけですけれども、しかし義務教育に現在八兆七千億のお金が掛かっております。そのうち、国が持っておるのは正にごく一部、二兆五千億で、残りの六兆二千億は全部地方が負担している。それほど国が負担しなければいかぬとおっしゃるんなら、なぜ八兆七千億の半分を負担しないのかと。
 私は、役所におりましたときに、正に担当課長としてこの共済の長期掛金、地方の方で持たしていただきました。それは文科省からお願いがあった。それを受ける形で我々としては協力したわけでありますが、そういうことを、今までのいきさつをずっと考えてみましても、やっぱりそのこだわり方が少し腑に落ちないなと、こういうふうに思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 最初の御質問ですけれども、三位一体改革だから義務教育の国庫負担、これは国が持たなくていいということにはならぬと思うわけでございます。そのことの議論はまた別にさせていただきたいと思いますけれども。
 この間、なぜ退職手当とか共済長期掛金、これのときに頑張らなかったんだと、簡単に言うとそういうことだと、こう思うわけでございますが、一体この義務教育国庫負担、何が一番大事なんだという議論になるかと、こう思うわけでございまして、その上で、一体先生方のお給料、給与ですね、これにまつわるフリンジベネフィットといいますかね、退職手当とか共済関係、これを、ここをどこまで持つのかという議論があって、そういったものは地方の方の負担と、こうなってきたわけですけれども。
 やはり考えますに、私、義務教育の成否を決するのは、これはやはり教職員の資質だと、こう思うわけでございまして、そこのところだけはしっかり私は把握すべきだと思うわけでございまして、なぜ二分の一か、私は、二分の一じゃなくて全額でいいんじゃないかと、全額国が持ってもいいんじゃないかと、こう思うわけでございますが、それにつきましてはこれまでの過去の経緯もあるわけでございまして、そのときの国の財政事情とか、あるいは国と地方との役割分担、社会情勢の変化等を踏まえて負担対象経費の見直しを図ってきたと、その中にこの退職手当とか共済の長期掛金があったと、このように認識しております。
○森元恒雄君 もう一点お聞きしたいと思いますが、四月三日付けだったかと思いますが、東京新聞に三十人学級ですか、いわゆる少人数教育の実施を国の財政が支援してと、今の負担制度の下でもそういう幅が、弾力性があるんだというようなことが伝えられておりますけれども、しかしこれは加配の教員をうまく運用してそういう形になっておるんであって、本筋からいくと、やっぱり標準法を改正するというようなことに本来はなるべきじゃないかと思いますし、そういうことを弾力性あるというんなら、一般財源化をむしろすっきりとするのが筋じゃないかと、こういうふうに考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 文部科学省でこのたび調査したところによりますと、平成十六年度に四十二都道府県において実施されております少人数学級により新たに必要となる教員数というのは六千百五十四人であると、このうち七一%に当たる四千三百八十二人分については国庫負担金が活用されているということが判明したところでございまして、御指摘の報道は事実でございます。
 近年、地方におきまして三十人学級などの少人数学級編制の動きが広まっているわけでございますが、これは、国が四十人学級を前提として、そして教職員給与費の二分の一を負担することによりまして確実な財源保障をした上で、先ほどお話がありましたが、学級編制の弾力化とかあるいは総額裁量制というものを導入いたしまして、地方が独自の判断と一部予算を上乗せすることによりまして実現されていると、このように考えておるところでございまして、文部科学省といたしましては、この国庫負担制度を堅持しながら、学校や地方の実情に応じた教育が展開されるように引き続き地方の自由度を高めていくと、そういう改革に取り組んでまいりたいと考えております。
○森元恒雄君 もう時間が来ましたので、二点目の質問はできなくなりましたが、本当に最後に、これ、一般財源化といいますか、国庫負担金廃止しても、地方団体側は勝手にやらせろと決して言っているわけではないわけであります。文部科学省、国が決めた義務教育の根幹部分はきちんと守りながら、その中で、しかし地方の実情にできるだけ合ったような教育をやりたいと、こういう強い、熱い希望で出してきている案でございます。是非地方の声をやっぱり酌んでいくということがこれからの大きな流れではないかと思いますし、無秩序にやろうと、勝手にやろうというわけでは決してないということを十分踏まえて是非御検討いただきたいとお願いをして、終わりたいと思います。
○西島英利君 私は、厚生労働省に質問をさしていただきたいと思います。
 先日の新聞でも書かれておりましたけれども、規制改革・民間開放推進会議が電子カルテの義務化を行うんだというようなことがございました。今回、この医療の分野においてIT化が一番後れているということが盛んに報道等でなされているわけでございますが、本当にそうなのかどうか、何が問題なのかということを今日は議論の中で明らかにさしていただきたいというふうに思います。
 まずは電子カルテ、それからレセプト電算処理システム、現在医療機関内でどれだけ普及しているか、その状況をお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 電子カルテについてですが、平成十四年の十月に実施した医療施設調査については、診療所に二・六%でございます。それから、私ども平成十六年四月一日の時点で四百床以上の病院について補正予算などによる補助の導入実績を見たところ、病院では一一・七%となっております。大規模の病院ではかなり導入が進んでいると考えております。
 それから、レセプトの電算処理システムでございますが、十七年の三月末現在で、病院、医科で一七・五%、薬局で四九・四%でございます。病院、医科につきましては、この二年間、普及率が八・三倍となっておりまして、普及に弾みが付いてきていると考えております。
○西島英利君 私は、国会議員になる前は日本医師会で常任理事をしておりまして情報の担当をしておりました。
 そして、やはりこの医療現場のIT化を進めなければならないということで、平成十三年の十一月の二十日に日医のIT化宣言というのをさしていただきました。医療現場のIT化を進めるために土台となるネットワークづくりをする。そして、各医療現場に標準化されたオンライン診療レセプトシステムを導入して互換性のある医療情報をやり取りできるようにすると、つまりORCAプロジェクトと名付けて、この推進をするということを宣言をしたわけでございます。さらには、医療現場の事務作業の効率化を図り、コストを軽減させると同時に、だれもが自由に利用できる開放的なネットワークを形成して、国民に高度で良質な医療を提供することを目指すというふうにしたわけでございまして、まさしく規制改革・民間開放推進会議の方々が主張される内容と同一の内容で我々はこれをやろうとしたわけでございます。
 しかし、そこには様々な問題がございました。
 一つには、例えばコード、用語等々も含めての標準化がなされていなかったということがこれ大きな問題でございました。つまり、電子化するということは、標準化がなされていなければこれは電子化は進まないわけでございます。
 さらには、セキュリティーの問題等々、様々な問題がございましたし、またこの当時、私どもが調べたところによりますと、医療機関の八割は専用コンピューターによって診療報酬の請求を実はしていたわけでございますが、残念ながらこれはオンラインではなくて、要するにオフラインの中でやられていたと。
 さらには、いい機種に買い換えようとしてもデータの移行ができないと。つまり、メーカーの囲い込みによって、買い換えようと思っても同じメーカーを買っていかざるを得ないというような状況もあったわけでございます。
 そのような様々な問題を解決するために私どもは全力を挙げてやってきたわけでございますが、これに関しまして、ちょうどこの年の十二月の二十六日に厚生労働省が保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザインの策定というのを出しております。私もこの委員に入っておりまして、これにかかわってきたわけでございますが、そのときに、これを進めていくときの様々な課題がここで報告として出されていたはずでございます。その課題をどういう形で検証し現在あるのか、お教えいただければと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) グランドデザインをつくった時点におきましては、各地域の医療機関とのネットワーク等々を図らなければいけないということでございまして、そのために私ども、平成十四年度以降、モデル事業として幾つかの予算措置をしてまいりまして、計画的な医療分野の情報化ということに取り組んでまいったところでございます。
 具体的には、補正予算での電子カルテ導入の補助ですとか、それから地域の医療ネットワークをつくるという事業での補助ですとかいうのを十三年―十四年、あるいは十四年―十五年等々で行ってまいりました。最近では、この中でも指摘されておりますが、電子カルテのお互いに情報交換するときのセキュリティーの問題もございます。したがいまして、このセキュリティーを重視した電子カルテによる地域の医療ネットワークのモデル事業ということで、これも十六年度の予算補助をさせていただきました。今年度につきましては、それでもなかなかこのセキュリティー確保の問題等々があるということで、地域の中心的な医療機関に新しい形のウェブ型の電子カルテを導入するような方法でこの十七年度、この電子カルテソフトの活用を図るネットワークの構築事業等々を組んでいるところでございます。
○西島英利君 先ほどからセキュリティーという言葉が出てきておりますけれども、医療情報、つまり国民の健康情報というのは絶対に漏らしてはならない情報なわけでございます。そういう意味でセキュリティーが非常に重要視されるというところでございますし、またこの情報が、誤った情報が相手方へ行けば、これは命の問題でもあるわけでございます。そういう意味でこのセキュリティーというのが非常に重要視され、このセキュリティーの問題がなかなか解決しないがゆえに医療のIT化が進んでこなかったというような問題も私はあるのではないかというふうに考えているところでございます。
 もう一つは、電子カルテというのは院内のことではございません。ほかの医療機関と情報交換をするというのが本当に一番大きな意義のあることであろうというふうに思うんですけれども、そういう意味でもやはりセキュリティーというのは非常に重要なことだと思います。そのときに、その情報を送ってきてくれた者が本当に医師であるのかどうか、本当にそこの医療機関の者であるのかどうかというのを認証していかなければなりません。こういう問題、今どういう状況にあるのか、お教えいただければと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 認証システムの問題でございます。
 先生御指摘のように、幅広い医療施設間で情報交換、共有するということは必要だということで、私ども、患者等が医療を受ける際の利便の向上、医療の質の向上を実現するための基盤としては、電子的に個人認証を行うための公開かぎ基盤等の整備が必要と思っております。
 この在り方につきましては、平成十五年に設置いたしました厚生労働省の研究会で検討を行いました。医療関係書類の更なる電子化の推進、ネットワーク上で電子的に共有される情報の改ざん、成り済ましの防止などの観点から、医師等の個人が電子署名を活用するためのこの公開かぎ基盤の在り方について昨年の九月に最終報告書をまとめました。この中では、この医師等の公的な資格者が勤務する医療分野に適した公開かぎ基盤として、署名自体に公的資格の確認機能を有する公開かぎ基盤の整備が提言されております。
 厚生労働省としては、この公開かぎ基盤が全国共通の信頼性を確保して運営されるために、準拠すべき認証局証明書ポリシーの作成を行っておりまして、今月中にはできるかと思っております。
○西島英利君 つまり、今のお話にもございましたように、様々な課題がこれからまだなんですね。すべて解決していない中で、電子カルテの義務化、それからレセプトのオンラインの請求等々を推進をしていくということに私は問題があるのではないかなというふうに思っております。
 もう一つお伺いしたいのは、こういう形で個人の健康情報が漏えいした場合、法的にはどうなっているのか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 医師あるいは看護師等の医療関係の国家資格者については、委員御存じのように刑法百三十四条等の罰則付きの守秘義務が規定されております。
 個人情報保護法におきましては、医療機関の事業者が個人情報の保護を図るために個人データの漏えい防止などの安全管理措置、従業者の監督、それから委託先の監督について必要、適切な措置を講じるということでございますので、事業者が安全管理措置を講じなくて、個人の権利、利益を保護するための措置が必要であると主務大臣が認めた場合には、法に基づく勧告、是正命令が行える仕組みとなっております。こういう場合には罰則が適用されるということになっております。
○西島英利君 つまり、国民の健康情報というのは実は大きなビジネスチャンスになるわけでございます。例えば、生命保険会社しかりでございますし、介護保険等々で、介護保険がスタートをする前にいろんな医療機関に実は手紙が来たんですね。事務長さんあてでございました。その内容を読みますと、患者さんの健康情報を教えてほしいと、一件につき幾ら出しますということだったわけでございます。ところが、これ事務長さんには守秘義務は掛かっていないわけです。つまり、医師、看護師等々にはこれは守秘義務掛かっておりますけれども、その中で働いているほかの方々には守秘義務は掛かっていない。
 こういうような状況の中で、これを整備しないままに様々なIT化が進められてきている。先ほどのネットワークのこともそうでございます。そこでうたわれている内容は、非常に便利になる、医療安全の対策にもなる等々がうたわれているわけでございますが、実は、こういう情報が一瞬にして大量に抜かれるということの危険性がほとんど大きく実は語られていないというのが現状なわけでございます。
 そういう意味で、この個人情報、個人の健康情報が漏えいした場合についてということをどのような形で、もうこの少なくともグランドデザインが出てから三年たったわけでございますけれども、検証作業を行われてこられたのか。そして、このもし情報が漏えいされた場合に、この個人の権利というのをどのようにして守ろうとされていらっしゃるのかをお聞かせ願いたいと思います。
 どうしてかといいますと、これから一番重要な遺伝子情報というのが盛んに表に出てまいります。しかし、遺伝子情報というのはその方個人の問題ではなく、その方の家系全般に実は大きな影響を与える情報でもございます。そういう意味では、非常に重要に考えていかなければならないことであり、もしそういう場合にどのような手当てを行うのか、是非お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) この四月からの個人情報保護法の施行に際しまして、厚生労働省、昨年の六月から検討会を設置して、医療機関における個人情報の適切に取り扱うためのガイドラインの策定、それから医療機関における個人情報保護の在り方についての検討を行ってまいりました。
 昨年の十二月に厚生労働省としてガイドラインを策定し、本年三月にはガイドラインの内容についてその具体的なQアンドA形式の解説を厚生労働省のホームページに公開しております。
 この中で、個人データの漏えい防止のための具体的な安全管理措置として、個人情報保護に関する規定の整備、公表、それから、院内における組織体制の整備、それからデータ漏えい時の報告、連絡体制の整備などを求めております。また、不幸にして個人情報が漏えいしたおそれがある場合には、事業者に対しまして、院内の責任者への報告、事故の原因調査、関係する患者等への説明、そして行政への報告を速やかに行い、再発防止を図ることを求めております。
 各医療機関におきましては、個人情報保護法及びガイドライン等を踏まえ、遺伝子情報、健康情報を始めとする個人情報を適切に取り扱っていただきたいと考えておりますが、厚生労働省としても、各医療機関における取組については今後とも注意深く見守っていきたいと考えております。
○西島英利君 個人情報保護法が成立をしましたときに、参議院の方で附帯決議が付きました。つまり、遺伝子治療等に関しては速やかに法制化も検討すべきという附帯決議でございました。そして、結果的にでき上がってきたのがガイドラインで対応するということでございました。アメリカにはHIPAA法というのがありまして、日本の個人情報保護と似たようなものでございますけれども、どこが違うのかといいますと、日本の個人情報保護法はまさしく医療分野では抽象的ガイドライン下で対応していくと、アメリカのHIPAA法はこれはもうルールが非常に具体的になっているわけでございます。
 先ほどから申し上げていますように、一度漏えいが起きたらばそれは取り返しの付かないことになる、これが医療健康情報でございます。そういう意味で、今後法制化に向けて何かお考えになっているのであればお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 今年の四月一日からこのガイドラインをスタートさせました。現行のこのガイドラインに基づきまして、あとそれから、医療機関においては診療情報のガイドラインというのもお願いしておりますので、これらの実際の運用状況を見ながらまた検討していきたいと考えております。
○西島英利君 もう一つは、レセプトのオンライン請求等々について規制改革・民間開放推進会議と厚労省の議論を議事録で見てみますと、例えばそのオンライン化で診療報酬の請求をしないところ、これは受け取らなくてもいいのではないか等々のかなり厳しい内容の議論がなされているように見受けるわけでございます。
 しかし、このオンラインレセプトの実証実験等々もなされたわけでございますが、その報告書等々を読んでみますと、やはりまだまだ様々な問題が起きていると。しかも、この実証実験は限られた医療機関においてやられたものであり、これが全国の医療機関とこのオンラインによる請求事務を行うということになると、まだまだ環境整備がなされていないというような報告の内容になっていたかというふうに思うところでございます。
 そこで、私が何を言いたいのかといいますと、まさしく今これを推進していくんだと、効率性だけを求めて推進していくんだというときに、もしこの漏えいが起きたときにだれが責任を取るのかということなわけです。つまり、推進するのは国でございますから、その漏えいの責任はじゃ国が取るのかということでございますが、今の局長の答弁によりますと、それはそれぞれの医療機関で対応してもらうということになっているようでございます。
 やはりそういう意味では、私は慎重に、慎重の上にも慎重を重ねて私は対応していくべきではないか、そういう形の中で初めて推進という言葉が使われるのではないかというふうに思っております。諸外国でも電子カルテ等はそんなに進んでないんですね。なぜ日本だけがこれだけ急いでやらなければならないのか、私は不思議でならないわけでございます。
 さらには、もう一つは、MEDIS、日本医療情報センターというのがございますが、これは厚生労働省と経済産業省の二つの省によって実はつくられた財団法人でございますけれども、このMEDISが様々な事業を、補助金をもらって、モデル事業も含めてやっているわけでございますけれども、その結果をきちんと検証されてこのIT化に備えられているのかどうか、その辺りを少しだけお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) MEDIS、医療情報システム開発センターに対しての事業補助あるいはその成果ということでございますが、十四年、十五年、十六年と様々な委託をお願いしております。特に、電子カルテ普及に係る委託事業といたしましては、情報化の基盤となる医療用語やコード体系についての標準化というような問題をお願いしてやっております。
 現在までに、委員御存じのように、病気に対する症状とか所見のコード化といいますかマスター化、それから画像の検査名なども標準化といいますか統一しなきゃいけない、それから看護の言葉との連携、それから歯科分野の病名、手術・処置などのもの、今のを十四年、十五年で行いました。平成十六年では、既に作成しておりました病名、手術・処置名、それから医薬品、臨床検査、医療材料の五分野のマスターの標準化に合わせまして五つ、先ほどの九つの標準マスターについて最新の情報を提供するための維持管理などを進めてきたという現状でございます。
 こういうのを基に、ここでは様々なこの成果物について発表をしていただいているところでございます。
○西島英利君 私は、このMEDISの理事それから委員もやっておりました。その中で感じたのは、経済産業省は、機器を開発し、どういう形で販売していくのか、つまりたくさん売れるのかというところでございますし、厚生労働省の方は、やっぱり国民の健康情報をどう守るのか、そういう視点でございまして、これは相入れない部分があるわけでございますね。これを同居するような形でやっていくというところに私は問題があるのではないかというふうに感じていたところでございます。今後のMEDISの在り方も含めて、やはり是非厚生労働省の中でも御検討いただければというふうに思います。
 大臣、この医療のIT化について、今のこの議論をお聞きいただいて、何かお考えございましたら一言お願いできればと思いますが。
○国務大臣(尾辻秀久君) この日本という国をIT化された最先端の国にしよう、そういう大きな目標がありまして、そしてその中で政府全体で取り組んでおる。そして、医療の分野でどうするかというのがございまして、今るる先生からも御質問がございましたけれども、私どもも取り組ませていただいておるということでございます。
 ただ、冒頭お話しいただきましたように、最初に掲げました目標からしますと大幅に遅れておる、これもまた事実でございますから、これはせっかく掲げた目標、そして日本をITの最先端国家にしようという大きなまた目標、そうしたものに向けて私どもも努力をしていかなきゃいけない、目標は達成をさせなければならないというところはございます。
 ただ、具体的にいきますと、今日先生御指摘いただいたようないろんな問題がございますし、まだまだ整備しなきゃならない、基本的に整備しなきゃならない事柄あることも承知をいたしておりますから、そうした中で、私どももまた御指摘いただいたようなことを踏まえながら努力を続けてまいりたいと考えます。
○西島英利君 遅れていることが問題ではなくて、やはり慎重に取り組んでいかなければならない、その結果がやっぱり遅々として進まない部分にもなっているのかなというふうに思いますので、是非慎重な御対応をお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、社会保険庁の問題に移らせていただきたいと思います。
 今、まさしく社会保険庁が改革という形の中で大きな問題になっております。そして、様々な補助金、委託費が、つまり政管健保、年金等々からのお金によりましてそれぞれの公益法人に出されているわけでございまして、これは平成十四年当初から様々議論があったところでございます。
 幸い、前回の補助金、委託費の支出、つまり平成十六年度から今年、平成十七年度予算は約半分になってきておりまして、この辺りを速やかに対応をされたということに対しては私は敬意を表するところでございます。しかし一方で、まだ幾つかちょっと問題があるなというところがございますので、それをちょっと指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 一つは、平成十七年度予算の中で、全国社会保険協会連合会に出されています健康保険病院看護師養成所経営委託費の問題でございます。約二億二千四十六万円が予算措置をされているわけでございます。これは政管健保の保険料から出されているわけでございますが、全国で今看護学校を運営をされているところは非常に厳しい状況の中で運営をされております。医療法人立であれば、その病院の収益の中から実はこの経費が出てきているわけでございますが、もう一つは国からの補助によってなされているわけでございますけれども、しかしこの健康保険病院に関しては新たにこれだけの予算措置が実は政管健保の中から出されていると、やはりこれは不公平ではないかというふうには一つは考えているところでございます。この件について御見解をお示しいただければと思いますが。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ねのございました看護師の養成所についてでございます。
 これは、社会保険病院の設置者として適正な社会保険診療の実施あるいは地域医療を確保するために、的確な資格、見識を備えた看護師の方を養成するという必要がございましたことから設置をさせていただいているものでございます。
 この看護師の養成所の経営委託費につきましては、今年度におきまして大幅な削減を行わせていただきましたところでございまして、今後の政府管掌健康保険の財政状況といったものも考慮しながら、今後、その在り方については検討してまいりたいと考えております。
○西島英利君 もう一つの問題が、社会保険健康事業財団の問題でございます。
 ここには生活習慣病予防健診事業委託費として五十億五千百万の補助金が出されております。そして、その中でこの管理費に当たるところを見てみますと、平成十五年の決算で見ますと、十二億八千四百万円の管理費が使われておりまして、実に補助金の二六%がこれに使われているということでございます。この内容をちょっとお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 管理費という形で今お尋ねのございましたこの政管健保についての疾病予防検査等委託費でございます。この事業は、実はそれぞれの、健康財団の方で実施をしておるわけでございますが、それぞれの県の社会保険協会等で受診をされる方の募集等を行うということにしておるものですから、この募集をするために必要な様々な経費というものを管理費ということでやらせていただいていること、これに加えまして、実はもうそれに携わります人件費が掛かっております。また、管理的経費としては、実はこの事業の関連で、自前で保健師さんを抱えておられるということもございまして、そういうことから管理的経費が膨らんでおるという部分があろうかと承知しております。
○西島英利君 これはまさしく生活習慣病の予防健診事業でございまして、その後の、まずはその相談、指導も含めてそのような保健師さんたちを抱えておられるというふうに私は説明を受けたわけでございますが、じゃ、その方々がそういう指導業務をやって、どれだけの成果が出てきたのか、その辺りの検証はなさっているんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 実は、この政管健保の生活習慣病予防健診事業そのものにつきましては、検査費はお話にございましたように多額に上っておるわけでございますが、検査の対象者に対しまして実際に健診を行っております割合というのが必ずしも高くない、平成十五年度で申し上げますと三〇・二%ということになっております。
 このために、こういう検査でいろいろ要指導ということがチェックされた方々に対して更に様々な保健師さんを使っての健康指導活動を実施しておるわけでございますけれども、まだまだ数的には残念ながら十分な成果を上げるには至ってないというふうに私承知しておりますが、ただこれは、こういった一次予防についての活動の必要性については、健康増進法等によりましても、今後ともますます推進をしていくべきであるというふうに厚生労働省全体としても認識をしているところでございますので、引き続きこうしたことの重要性にかんがみて充実を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○西島英利君 確かに、健康増進法の中でも予防というのは非常に強く主張されているところでございますけれども、しかし、こういう形で予算が付いて、実際に事業展開をして、決算のときに本当にその効果があったのかどうかという検証をするのは、これは当然だと思うんですね。
 健康増進法はどちらかというと机上論が中心でございます。これからなんです。ところが、今までずっと、社会保険庁のこの補助金等ではずっと今までやってこられた。そうしますと、その成果が本当にあるのかどうかということの検証は、まさしくここでできるんだろうというふうに思うんですが、アンケート等々、データの収集等も含めて、何かされていたかどうかだけお教えいただければと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 残念ながら、少しでも健診率を上げるということに私ども今まで主力、力を注いできた点がございますので、十分にそのフォローアップができておらなかったということは十分におわび申し上げたいと存じます。
○西島英利君 もう一つ、今の御回答でお教えいただきたいんですが、今、健診率を上げるという、そういう答弁をなさいましたけれども、この予防健診の委託費は、これは予算化されていまして、予算は決められておりますですよね。そうしますと、望めばこの健診が受けられるということではないですよね。つまり、本来健診の目的というのは、毎年継続的にやって初めて効果のあるものでございます。しかし、もう予算が限られている中で、早く手を挙げた方が受けられて、そして来年は予算がないからもう受けられないというようなことで本当に健診の意味を成しているのかと。もし、この健診で予防でき、それによって医療費が抑制されるという実証ができるんであれば、私は、健診を望む人には全員やれるような、やっぱりそういう予算措置をすべきではないかというように思うんですけれども、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 残念ながら、この生活習慣病予防健診事業につきましても財源に限りがあるという点がございまして、希望者全員に受診していただくというのは現時点では大変難しい状況がございます。
 しかしながら、私どもといたしましても、受診率を少しでも向上したいということから、平成十七年度の予算におきましては健診単価を見直しをいたしまして、平たく言えば、受診していただく方の自己負担等の増大もお願いをするというようなことを通じまして受診者数の増加を図ると、あるいは健診の対象施設がある程度限定されておりましたものを広く様々な診療所等においても受診ができるようにするというふうに措置をさせていただきましたところです。引き続き、限られた財源の中ではございますけれども、何とか今後も健診の充実、図ってまいりたいと考えております。
○西島英利君 今、広くいろんな診療所等でもやれるようにしたところだというふうにおっしゃっていますけれども、予算との関係はこれどうなんですか。
 つまり、じゃうちでもやりますよといって、やったのを請求すれば、必ずそれはやれることになるんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 健診につきましては、ある程度あらかじめ申込みをしていただきながら進めさせていただくということがございますので、自由にということにはまいりませんけれども、今も申し上げましたように、その指定診療機関といったようなものについては、公的病院やあるいは社会保険の関係施設以外のところでも広く受診していただけるようにその対象を広げておるというところでございますので、限られた予算と見合いにはなりますけれども、なるべくその受診機会の拡大ということには努めてまいりたいと考えております。
○西島英利君 大臣、是非、今の議論の中で、特にこれからの社会保障費をどう抑制していくかという議論が今中心に行われているわけでございますが、その中で医療費抑制策の一つの手段として予防ということが言われております。まさしくその予防のためには健診は非常に重要な部分であろうというように私自身も思うところでございますが、実態は今お聞きになったような、つまり非常に制限をされて、しかも毎年毎年きちんと定期的に受けられるような状況ではないというようなこともあるわけでございまして、やはりこの辺りの見直しというのは私は必要ではないかなというように思うんでございますけれども、是非この健診という視点での何かお考えがあればお教えいただきたいと思いますが。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御議論いただいておりますのは政府管掌健康保険における保健事業の中でのお話でございますけれども、私は広くこの生活習慣病対策、これ予防とおっしゃいましたけれども、まさしくこの予防をどうするかというのが今後の日本の医療費をめぐる大きな動きの中で大変重要なポイントの一つだというふうに思っております。したがいまして、今御議論いただいています特別会計の中の事業としてのこの保健事業もありますけれども、もっと大きくこの生活習慣病に対する予防健診、これは充実さしていかなきゃならないところだというふうに考えております。
○西島英利君 是非、縦割りではなく、やはり全体的に見てこの予防というものを考えていかないと実は上がらないのではないかなというふうに思いますので、是非その点をお願いを申し上げたいと思います。
 もう一点だけ質問さしていただきたいんですが、実は出産育児一時金の問題でございます。
 これは、出産をされる方には法定的には三十万円が支給をされるということになっておりまして、正常分娩についてはこれは保険で見れないわけでございますから、この出産一時手当金という形で支給をされるようになっているところでございます。
 しかし、昨今の新聞情報によりますと、実はこれが必ずしも三十万円でなくて、例えば健康保険組合でいえば、大企業であれば、これには付加という形で三十万円以上のお金がここで給付をされている。ましてや、先日のある新聞に書かれたところによりますと、公務員の共済保険であると正にもっと大きな金額が実はそこで支給をされているということが書かれていたところでございます。さらには、この分娩に要する費用というのはとてもこの三十万円では賄えないと言われておりまして、なかなかこの少子化の中で分娩をするというのも経済的にかなり苦しい部分もあるのではないかというふうに思っています。
 もう一つ、これ実は私も専門じゃないんで驚いたんですが、ある産婦人科の先生から得た情報でございますけれども、流産、早産や死産の場合、妊娠持続期間が妊娠八十五日、つまり妊娠四か月たっていれば、流産、早産、生産、死産の区別なくこれは支給されると。ところが異常分娩になりますと、流産も含めてでございますけれども、これは保険で適用されるわけでございますですね。そういう意味では、大きな不公平というのがここに起きているのではないかというふうに思います。
 この少子化対策という点から考えても、やはり私は、この三十万円を支給するのであれば、私は保険診療としてやっぱり正常分娩であっても私はこの保険の中で見ていくべきではないかというふうに思うんでございますけれども、この点についてお考えをお示しいただければと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 若干、事実関係について御説明も含めて御答弁させていただきたいと思います。
 出産育児一時金でございますけれども、出産に係る分娩費等を補てんするということで、先生御指摘のとおり、妊娠四か月以上の出産であれば通常の出産、流産等を問わず支給されることとなってございます。ただ、正常な出産自体は疾病や負傷とは異なるということから保険適用としていないわけでございますけれども、異常分娩につきましては、これは疾病であるので保険適用としていると、こういう整理でございます。つまり、異常であれ正常であれ、妊娠四か月以上であれば出産育児一時金は支給をする、で、異常分娩であればそれは疾病であるので保険適用する、こういう整理を付けているわけでございまして、これ自体はその一つの整理であろうかというふうに思っております。
 それから、いろいろ費用が掛かる、それから給付も様々であるということでございますけれども、まず付加給付につきましては、これは保険適用のいかんを問いませんで、付加給付をされるところはするということになろうかと思いますし、一方で、費用がいろいろ掛かるという点につきましては、正に妊産婦の方々のニーズの多様化ということがございますので、また費用も、現実の費用もばらつきが大変大きいということがございます。
 仮に一方、保険適用をしたということにいたしますと、一方でそのサービスが定型化してしまうということもございますので、いろいろこれ難しい点もあろうかと思っております。つまり、幾つか検討すべき課題が多々あると、このように考えております。
○西島英利君 アメニティーの部分については、これは今特定療養費制度で恐らくやれるはずですよね。ですから、今おっしゃった答弁は必ずしも私は正解ではないというふうに考えているんですね。それはそれとして、自己負担で十分に取られても構わないと思います。例えば出産祝いとしてステーキのワゴンサービスが出たりとか非常に高い環境の中での分娩等々行われているわけでございますから、これは自己負担の世界でもそれは構わないだろうと思うんですが、分娩に係る費用については、私は保険で適用するということは決しておかしくないことだろうというふうに思いますし、まさしくここがやっぱり政策的な医療と、要するに少子化対策という意味で含めましても、政策的なやっぱり判断が必要になってくる部分ではないかなというふうに思うわけでございます。
 是非、大臣、何かございましたら一言おっしゃっていただければと思いますが。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、その出産の費用に係るお話もございましたので、私が申し上げているのは、三十万円についてのお話もございましたからそのことからお答え申し上げておきますと、まず私どもが今三十万円を出産育児一時金としてお渡しをしておるその根拠は、旧国立病院における分娩費の全国平均が今三十万ということでお渡しをしておるということをお答えを申し上げておきたいと存じます。
 それから、保険適用についての考え方は、これはもうお答えしたとおりでありますし、また先生もよく御案内のとおりであります。
 ただ、最後におっしゃいましたように、少子化対策など考えるときにこのことをどうとらえるのかというのは、これはまた大きな政策的なことでございますし、そうしたことを踏まえまして、医療制度改革、十八年度、私ども見直そうといたしておりますから、そうした大きな見直しの中で検討すべき事項だというふうに考えておるところでございます。
○西島英利君 今回は決算委員会でございまして、決算の中から何が見えるかということで、いろいろちょっと勉強をさしていただきました。やはり決算でどれだけの成果があったのかということをきちんと検証した上で次の予算化をするということは非常に重要なことだろうというふうに思いますので、是非こういう観点も含めて、今後の予算化には是非お願いを申し上げたいと思います。
 終わります。
○中村博彦君 赤い羽根の運動、共同募金会、今大きなうねりの中にございますし、大きな陣痛の中にあるように思われます。
 皆さんにはペーパーをお配りさせていただきましたように、この共同募金会の戸別募金、頭打ちでございます。また、法人募金、見ていただいたとおりでございます。
 そして、この戸別募金は、今やもう町内会中心、町内会費の一部というような形で集められておるわけでございます。このような中で、御存じのとおり、今この寄附金の一〇%の目安の中で事務費、人件費が賄われているわけでございます。
 しかし、この寄附金の一〇%が人件費ということであったとしても、赤い羽根を善意で買っておられる方は、善意がある意味で踏みにじられたような感じが受けるんでないか。そして、もう今や、ひどい大分県や青森県では寄附金の二〇%以上が事務費、人件費に使われておるわけでございます。当然、そして、事務費はどの都道府県を見ましても天下りの人々がたむろをいたしております。
 今こそ、赤い羽根の心を持った人々によるシステム改革というものが必要でないかなと、こういうように思うわけでございまして、今の現況についてお聞かせを大臣に願いたいと思います。
○政府参考人(小島比登志君) まず、私の方から、共同募金の実績について御説明を申し上げます。
 先生今御指摘いただきましたように、共同募金の募金額の実績を見ますと、平成七年度の二百六十五億八千万円をピークに年々減少傾向にございまして、平成十四年度以降は目標額を下回っている状況にございます。平成十五年度の共同募金では、全国で目標額二百三十六億九千万円に対しまして、実績額は二百三十三億四千万円となっておりまして、三億五千万円ほど目標額を下回ったところでございます。
○中村博彦君 私が今お聞きをいたしましたのは、この募金額の一割めどに人件費、事務費は使われていいんだよという目安があるようでございます。しかし、本当に今や、今も申し上げましたように、大分県では二三・三%、青森県では二〇・八%の経費がこの善意な募金によって使われているという実態をどういうように考えられるかということでございます、大臣。
○政府参考人(小島比登志君) 事務費についてのお尋ねでございますが、共同募金会の事業の実施に必要不可欠な経費は現在も寄附金の中から支出されているわけでございます。しかしながら、共同募金会に寄せられました寄附金については、そのうちのできるだけ多くの額が福祉の分野で配分されるということが望ましいというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、各県の共同募金会に対しまして、その事務費を一〇%以内に抑えるようにというふうな指導、助言をしていたわけでございますが、現実に寄附金額が低下する中で、半数近くの共同募金会におきまして事務費が一〇%を超えている状況でございます。
 私どもといたしましては、国民の善意ができるだけ生かされるよう、共同募金会を監督する都道府県に対して更に必要な助言を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中村博彦君 ひとつ人材も含めてスリム化をお願いいたしたいと思います。
 それと同時に、この配分ルールでございますけれども、配分委員会があって厳正に配分をされておるようでございますけれども、やはり少し問題かなと思いますのは地域配分のところでございまして、市町村の目標額に相応した配分、もう一点は目標額を上回った分の全額配分というルールがあるようでございますが、もう少しこの辺を指導していただけたら有り難いかなと、こういうように思うわけでございます。
 続いて、この一番の今問題点は、御存じのとおり、寄附税制の拡大によって指定寄附金制度というのがございます、御存じのとおり。当然、社会福祉法人にもございますし、学校法人にもございますし、宗教法人にもございます。そして、御存じのとおり、寄附金制度の中で、全額損金算入というシステムにつきましては、社会福祉法人に関しましては共同募金会の経由、学校法人につきましては日本私立学校振興・共済事業団経由で認められておるわけでございます。宗教法人は目的というものが決まった中で財務大臣の個別指定を受けておるようでございます。
 そこで、今申し上げました学校法人との差、社会福祉法人の場合はこの指定寄附金制度が共同募金会を経由するという形になっております。学校法人は日本私立学校振興・共済事業団経由ということになっていますが、この共済事業団については事務費の徴収をいたしておりません。にもかかわらず、福祉でございます共同募金会経由につきましては事務費を徴収をいたしておるようですけれども、その総額、その件数をお願いいたしたいと思います。
○政府参考人(小島比登志君) 共同募金会の寄附金の募集及び配分に要する事務経費につきましては寄附金の中から支出されておりまして、平成十五年度におきましては、寄附金から支出した事務費は、中央共同募金会及び各都道府県の共同募金会の合計で約三十億七千万円というふうになってございます。
○中村博彦君 ここが問題でございまして、今正にかつての福祉事業体というのは大変少なくなってきております。慈善博愛で寄附をしたい、本当に少なくなってきておるわけでございます。
 そういうときに、高額の所得をお持ちの方が社福を通して使用目的が明確にないままに審査がされた形で指定寄附金制度の適用を受けている。正に私は迂回寄附金制度でないか、こういうように考えておるわけでございます。
 やはりもう少し、今申し上げましたように、共同募金会にこんな有利な制度を財務省からいただいておるならば、もう少し精査をすべきであるのでないか。私は初めて税制改正、昨年の暮れ、場に臨みました。いかに税を軽減することが政治の重要な課題であると同時に、大きなエネルギーがあって、大きな説得性があって初めて軽減されるものだなというプロセスを見たときに、これはという感じがいたしましたので、財務省もおいでていただいていますので、この辺の御意見を是非お願い申し上げたいと。
○政府参考人(加藤治彦君) 今先生御指摘の指定寄附金制度でございますが、これにつきましては、一時的に大量に必要な資金を集める、それが公共の福祉上必要ということで、寄附金控除の中でも最も優遇した制度としております。
 基本的には、一件ごとにその妥当性を主務官庁と財務省で審査するというのが原則でございますが、社会福祉法人及び学校の関係につきましては、今先生の御指摘のとおり、社会福祉関係は中央共同募金会を通じてそこで、まあ共同募金会というのは正に社会福祉法で、募金を受けて、一般的に募金を受けてそれを配分するという法的な機能を有しておるわけでございますので、そこが正に専門的な面も含めて審査をしていただくことが適当ということでこういう制度を取っておるわけでございます。
 私どもといたしましては、正に先生御指摘のように、きちっとした審査の下で、やはり国民の理解が得られるような取扱い、それはもう既にいろいろ厚生労働省の方でも御尽力いただいておると思いますが、是非ともお願いしたいと思っております。
○中村博彦君 すべてに理解と納得、すべてに透明性、私はいつもそう思って福祉に携わってまいりましたけれども、厚生労働省も財務省も、正当なものであれば当然この拡大、すばらしい制度でございますのでいいんですけれども、必ずしもそういう部分でない部分が一部見え隠れいたしておるので御指摘をさせていただいたわけでございます。
 それじゃ、続きまして質問に移りたいと思いますが、昭和二十五年に公職選挙法が制定されました。そして、昭和三十八年に老人ホームが不在者投票制度を受けることになったわけでございます。
 そして、御存じのとおり、今や国民の権利として不在者投票というものは大きく貢献をしておるわけでございますが、ここで今大きな問題点が出てまいりましたのは、その昭和三十八年に老人福祉法によって不在者投票の行われる場所として老人ホームが指定されてからの内規だとか責任だとか、そういう部分について何ら変わっておらないわけでございます。すなわち、御存じのとおり、不在者投票をする意思のある方を確認をする。
 昭和三十八年は認知症の方がいらっしゃったでしょうか。そして、老人ホームはすべて生活支援施設でございました。今や、正に介護施設、中村老健局長は、生活視点すら否定しておる改革を行っておるわけであります。それを考えたときに、この意思確認の難しさ、意思確認の努力にかかわらず、対応がし切れない部分があるわけでございます。もう選挙担当の部長さんのところへはいろいろな訴訟の問題が出てきておるとおりだと思います。
 一番大きな問題としては、富山県の入善町長選の無効裁決がございました。本当に一生懸命意思確認を行ったわけでございます、施設長は。それにもかかわらず、県選管では、他の施設と比べて不自然だと、不在者投票数が多かったために不自然だということを問題提議をして、不正があったという結論を導いておるわけでございます。
 今の認知症の方を皆さん方が分析していただいてもお分かりのとおり、音楽療法の中で童謡や軍歌聴きながらお話をすると、この方が認知症かと思われるような方が多くいらっしゃいます。しかし、一時間たてば無反応な世界に入ります。目を輝かせるときがあると思えば、本当に拒絶反応するがごとき生活に返ると。そういう実態の中で、選挙をしますか、しませんかという意思確認をいたしておるわけでございます。
 そして、何とひどいことに、その当時の富山県の県選管の方は、この涙に似た施設長の叫びに対して、公職選挙法では不在者投票用紙の交付請求は選挙人の依頼がある場合に限ると。だからこそ意思確認の基準を示してほしいと、こう言っておるわけでございますが、是非この意思確認の基準をお示しいただけませんでしょうか。
○委員長(鴻池祥肇君) どなたへ御質問ですか。
○中村博彦君 総務省です。
○政府参考人(久保信保君) ただいま委員御指摘ございました富山県の事例、私どもも承知をしております。ただ、個別の事案でございますので、私どもとしてそれについて、その県の裁決がどうだったかということについての御回答というものは差し控えさせていただきたいと存じます。
 また、委員御指摘がございました点につきましては、今後どういうことが可能か研究をさせていただきたいと考えます。
○中村博彦君 御存じのとおり、入所者の状況は日によって変化する。期間中であれば、別の日に意思確認ができた時点で請求することもできる。代理投票のときに意思確認ができない場合、補助者が白紙のまま投票することは補助者の役割を逸脱している、これは確かにそのとおりです。法の定める手続に従えば、別の日に不在者投票してもいいし、投票日の当日、投票所で不在者投票用紙を返し、投票することもできるのでないか。まるで、施設は本来業務が介護サービスでない、選挙管理業務だというようなお言葉をいただいておるわけですね。
 これは大臣、昭和三十八年から変わってない。そして、皆さんが御存じのとおり、大臣もお分かりのとおり、昭和三十八年っていえば、老人ホームは正に生活施設だけです。そういう実態をどう大臣、考えられますか、感想で結構ですから。
○国務大臣(尾辻秀久君) この社会福祉施設における不在者投票の在り方についてでございますけれども、これは選挙制度の一部でございますから、今総務省からお答えいただいておりますように、所管がどこかというと総務省でございます。したがいまして、制度そのものについて何かお答えするとすれば総務省がお答えすべき事柄でございますけれども、あえて私にお尋ねでございます。そこは、その施設の中の実際の現場が投票のときにどういうことになっているかと、そのことを踏まえて一体どんなことが問題として、今一部お話しになりましたけれども、あるんだろうか、またそれに対して何か対応みたいなものを考えるのかというお尋ねだろうと思います。
 私どもとしましては、あくまでも公職選挙法に基づき投票が行われるわけでございますから、この公職選挙法に基づいてきっちりした投票が行われるように、現場においてもそのようなお取組をお願いしますと言うしかお願いのしようがないところでございますけれども、私どもとしては、今お話のいただきましたような社会福祉施設側の御負担もあろうかと思いますので、その御負担に対してはできるだけ配慮しなきゃならない、こういうふうに考えるところでございます。
○中村博彦君 ありがとうございました。
 今私が申し上げておきたいことは、こういう実態の中で福祉サービス、介護サービスを老人ホームはしておるんだということを是非社会・援護局長にも認識していただいて、やはり二十一世紀型の施設になれば二十一世紀型のシステムを是非つくっていただきたいということを申し上げたわけでございます。
 続いて、もう一点問題がございます。
 それは、不在者投票管理者は原則として施設長が執り行います。そして、当然立会人を選ぶわけでございます、立会人を選ぶ。しかしながら、当然、今までの慣例であれば、立会人はすべて副園長だとか副主任だとか、そういう管理職者を選ぶわけでございます。しかし、いざ、この入善町のときは町長選挙が八票差であります。同点だ、一票、二票差だということになると、この立会人に問題があるのでないかということが必ず問題になるわけでございます。しかし、施設長は当然立会人は組織内で選ばざるを得ない。
 そして、問題は起こっていないんだけれども、接戦になって負けた方は必ず不在者投票所が不正があったのでないかと訴え出るわけでございます。そうなってくると、まるで不正の温床のように組織内立会人が問われるわけでございます。
 この立会人制度、これをどのように総務省さん思われますか。
○政府参考人(久保信保君) 御指摘がございましたように、指定施設の不在者投票におきましては、公職選挙法の施行令の第五十六条第三項によって、選挙権を有する者を不在者投票管理者が選んで、そして立ち会わせるということになっております。この点につきまして、私どもといたしましては、各選挙管理委員会に対しまして、特に投票に立ち会う者の選任などに公正を期するよう指導されたい旨要請をしてまいったところでございます。
 ただ、第三者の立会いを義務付けるといったことになりますと、施設の数は多く、また投票期間が公示や告示の翌日から投票日の前日までと長期にわたりますことから、すべての施設において必要な立会人を果たして確保できるのか、あるいはどのような要件に該当する者を選任することとすべきなのかといったようなまた問題が生じてまいるところでございます。
 今後とも、各選挙管理委員会と私ども連携を図って、指定施設におけます不在者投票が適正に行われますように努めてまいりたいと考えております。
○中村博彦君 富山県では、この事例を受けまして、立会人の中に選挙推進協議会の委員だとか明るい選挙推進委員会の委員を派遣するという制度が生まれておるわけでございまして、是非早急に議論をしていただきたいと。
 それと、厚生労働省には、是非こういう実態の中にある、施設がこのような実態の中にあるということを大臣と社会・援護局長は是非御理解をしていただきたいと。余分な労力、そして本当にかかわりのない疑惑を持たれるというぐらいつらいことはないわけでございますから、ひとつその点を問題提起を申し上げますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 大臣、最後に一言、この件について。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどの御答弁でも申し上げましたけれども、実態の一端を今日はお聞きをいたしましたし、そうした際の、そうした際というのは選挙の際のという意味でございますが、社会福祉施設側の負担にできるだけ配慮した対応を私どもも考えていきたいというふうに考えます。
○中村博彦君 昨日のテレビを見ても、本当に韓国、中国の教科書問題から派生する騒乱、日本人として本当に考えさせられるわけでございます。
 私もかつて、盧溝橋の近くに抗日記念館がございます、目を覆うばかりの日本軍の残虐性を見せ付けられたわけでございます。また同時に、大田の近くにも抗日記念館がございます。私は本当に、今ここで真剣に考えなくてはいけないんでないかと、このように思っておるわけでございます。その場しのぎで外交をやってきたツケが今ここに出てきている。
 そして、私はいつもよく思うんですけれども、ヨーロッパはEECからECと、そして一歩一歩とヨーロッパ共同体をつくっていっております。世界戦略を考えたときに、この東アジアが一体になってこそアジアは栄えていくんでないかと。それを考えたときに、この今の反日教育、中国の愛国主義教育が若者に反日感情をもたらされているという今の実態、騒動の根底は、この長年の反日教育ですらないわけであります。
 本当に中山文科大臣は、大臣就任以来タブーに挑戦してこられて、学習指導要領の改訂、この教科書問題すべてに、今までの大臣は何をしておったんかと思うような活躍ぶりでございます。これ、褒め過ぎかも分かりませんが。本当に、この現在の中国政府、韓国政府の教科書問題を中心とした動きに対する大臣の御見解をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 最近におきます韓国そして中国の反日的なデモとか、暴動と言っていいんでしょうか、大変心を痛めているわけでございまして、一刻も早く終息することを願っているわけでございますが、今、中村委員が御指摘ありましたように、これまでの歴史の積み重ねであろうと思うわけでございまして、そのときそのときの政府はそれなりに対応してきたんだろうと思うんですけれども、今日こういう事態を見ておりますと、果たして十分だったのかなということも感じますし、また、お話にありましたように極めて反日的な教育がなされているわけでございまして、テレビ等で見ますと本当に若い人たちがデモ等に参加していると。教育の恐ろしさといいますか、影響の重大さを思わざるを得ないわけでございまして、そうであるからこそ私は、日本の子供たちの将来に責任を持たなければならない文部科学大臣として、これからの子供たちに、本当にこの国際社会の中で日本人としてしっかりとした歴史的な認識と、そして我が国に対する愛情といいますか、そういったようなものを持った、自信と誇りを持った子供たちを育てたいと。また、育てておかないと向こうの動きにもう本当に巻き込まれてしまって何が何か分からなくなってしまう、そういうこともあるんじゃないかと思うわけでございます。
 竹島に関しましても、何か日本が悪いことをしているような、そういうふうにとらえる向きさえあるわけでございますが、そうではないんだと、これはやはり子供たちにきちっとした知識を与えるということは私は極めて大事なことであろうと、このように考えておるところでございます。
○中村博彦君 例の四年前の教科書問題で日韓首脳会談がございました。小泉総理と当時の金大中大統領との合意の中で歴史の共通認識ということを言われました。そして、御存じのとおり、日韓歴史共同研究推進計画、日韓歴史共同研究会が始まっております。
 聞くところによると、この三月二十六日に最後の全体会合というのが出たようでございますが、どのような結論、どのような今状況下にあるのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) この日韓歴史共同研究につきましては、今お話がありましたように、平成十三年十月の日韓首脳会議を踏まえまして、平成十四年の五月に両国の学者、専門家等から成ります日韓歴史共同研究委員会が設置されまして共同研究が行われてきたところでございます。
 この共同研究委員会につきましては、これは、民間の歴史専門家が学説や歴史認識について共通点を見いだすよう努めるとともに、相違点は相違点として正確に把握することを通じましてお互いに理解、認識を深めることを目指すものでございまして、平成十四年五月の第一回の全体会議以降、時代ごとに三つの分科会に分かれて共同研究が進められまして、本年の三月二十六日に開催されました第六回の全体会合におきましてこれまでの三年間の研究成果をまとめました報告書の内容に関する確認が行われたところでございまして、この報告書は今後若干の編集作業を経た上で両国政府に提出されて公表される、そういう予定であると認識しております。
○中村博彦君 ひとつこの共同研究会、私は中国とも必要でないのか、そのように思うわけでございまして、当然外務省所管になると思いますけれども、どうかひとつしっかりと生かしていただきたい、そのように思います。
 続きまして、これも二〇〇一年の教科書採択の、愛媛事件と言われておりますけれども、採択阻止運動が行われました。そして、正に地域の教育委員会の皆さんが本当に苦悩をされた事件がございました。今回はひとつこういうことがないように、文部省としてはどういう対応をされているのか、お聞かせ願いたいわけであります。
○国務大臣(中山成彬君) 四年前の出来事がありましたものですから、文部科学省におきましては毎年四月に、適正かつ公正な教科書採択の実施について初等中等局長通知を発出しているわけでございまして、この通知におきましては、平成十四年八月の教科書制度の改善に関する通知を踏まえまして、教科書採択の改善方策を講ずるよう都道府県教育委員会に対して指導してきたところでございまして、今年度につきましても例年どおり近々通知を発出することとしておりまして、その内容に関しましては、これまでも、まず教科書の内容についての十分かつ綿密な調査研究に基づき行われること、適切な手続により行われるとともに採択の公正を確保すること、保護者の参画など開かれた採択を推進すること、こういったことなどについて各教育委員会などに対して指導してきたところでございます。
 特に、静ひつな、静かな採択環境の確保という観点からは、様々な働き掛けによりまして円滑な採択事務に支障を来すような事態が生じた場合とかあるいは不法な働き掛けがあった場合には、各採択権者が警察等の関係機関と連携を図りながら毅然とした対応を取るように指導してきたところでございます。
○中村博彦君 本当に中国、韓国との連携があってこそ、日本も栄え、韓国も栄え、中国も栄えると、これはもう国民ひとしく思っておる感情だと思います。しかしながら、昨日の、本日の報道を見ておると、日本企業に対する投石等を見ますと、本当に憂慮に堪えない。日本企業が巨大市場としてどんどん中国との連携を深めておるときに、このような状況では本当に先行き暗いという感じを持つわけでございます。
 長い目で見ればやはり教科書問題、長い目で見れば歴史認識、共通した歴史認識と、こういうように思いますので、中山文科大臣の今後より一層の御奮闘をお願いして、質問を終わります。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。本日は、社会保険庁システムにつきましての御質問申し上げたいと思います。
 私は、社会保険庁システムにつきましては、前回の時間いただいたときも御質問申し上げたんですが、正直申し上げて納得がいく回答をほとんどいただけなかったということでございますので、また再度御質問をして、今日こそ納得いただく回答をいただきたいと思っております。
 私は、本日御質問したい点は二点あります。一つは、約一千億円、年間一千億円も使っています社会保険庁のコンピューターシステムの支払の額の査定、検査、どのようになっているかと。正直申し上げて、私がいろいろ調べた範囲ではほとんどなされていないということがございますので、それについて質問したいということが一点。そして二点目は、先月出ました刷新可能性調査、社会保険庁の業務そしてコンピューターシステムの見直しを外部のコンサルタントに依頼されて結果が出ています。ただ、私がこの中間報告、そして最終報告を読まさせていただいて感じたことを述べさせていただきたいと思います。結論は、ほとんど意味がないんではないかということです。
 まず一つ目でございますけれども、私は今回、社会保険庁のシステムにつきまして、契約書を見せていただき、そしてその契約の単価が正しいかどうかをチェックしようと、私の友人のいろんなコンピューターのシステム会社、コンサルタントがおられますので、実際の単価を見せていただきチェックしたいと申し上げたところ、この資料にございます一ページ目、二ページ目のような回答をいただきました。契約書を見せてくださいと申し上げましたら、すべての単価が全部塗りつぶされている。金額が一切分からない。僕は三週間前ですね、私がお願いしたのは。三週間ずっとお願いしていても全然出てこないんですが、どういう法的な根拠があってこのように単価が一切出ないようなことをされているかということを教えていただけませんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 契約書についてのお尋ねでございます。
 御存じのように、国が契約しております、締結しております契約の内容の開示につきましては、当然のことながら民法上の契約が一般的に当事者双方を拘束するという大原則になります。したがいまして、当事者間の合意を尊重しつつ、あわせて行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法の規定なども参考に判断をしなければならないと考えております。特に、開示をする場合に契約の相手方の了解が得られないような場合には、これを一方的に開示したことにより損害賠償を求められるという可能性も念頭に置かなければいけないというふうに考えております。
 このお尋ねの事項につきましては、情報公開法の中で非開示として認められております規定の中に、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」、これは情報公開法の五条の二号イに規定するものでございますが、こういったような規定がございまして、これに該当するということが懸念されるところでございます。したがいまして、仮に相手方の了解あるいは情報公開法に定める手続を経ることなく公開をした場合には、裁判上、国が不利になるということも免れないんではないかというところを懸念するところでございます。
 今回、議員からのお求めに基づきまして、私ども、両社に対して意向確認をさせていただきました。その結果、これらの項目について開示をいたしました場合、営業上のノウハウである価格体系が競合他社や他の顧客の知るところにつながり、今後の営業活動等に関して入札案件における入札価格が容易に推察されてしまうこと、あるいは他の顧客ごとの個別の営業折衝が困難になることなどから、権利、競争上の地位その他の正当な利益が害されるおそれがあるとして非開示としてほしいという旨の要請を受け、このような対応をさせていただいたところでございます。
○藤末健三君 申し訳ないんですけれども、情報公開法は関係ありません。あれは一般の方が政府の情報を求めるためのものであり、私たちは国政調査権で情報を出してくださいと申し上げているんですよ。ちゃんと調べて、あなた方、あれですよ、答えなきゃおかしいですよ。今の答弁全く調べていません。僕は調べていますよ。法制局からちゃんともらっています。国家公務員法上の守秘義務の規定はあるけれども、それ以外の規定はないんですよ。分かります。(発言する者あり)この委員会意味がない、はっきり言って。情報公開法まず間違い、あなたがおっしゃっているのは。
 次に、契約上の云々の話は関係ないんですよ。そういう見解出ているんですよ。これは昭和四十九年、法制局長官の見解です、これは。こういうのを全然勉強しないで、情報は出せません出せませんとずっと言い続けるって何なんですか。これだけで一時間来ますよ、きっと。もうこれ以上は言いません。
 次に行きます。
 ただ、もう少しきちんとやらなければ、社会保険庁、ただでも何やっているのと言われている中、これだけ情報を開示しない。議事録もお見せしますよ。僕、議事録見せてくださいと、委員会の。一番知りたいところが黒塗り。一番知りたいところが抜けているんですよ、きれいに黒く塗られて。こんなんで国会で審議できますかという話が僕はあると思いますんで、ちゃんとやってください。お願いします。別に追及するためにやっているんじゃないんですよ。本当にちゃんとやってほしいからお願いしているわけですから。
 二点目に移らさせていただきますと、私が調べた範囲では、社会保険庁、年間一千億近くの予算を執行しておられますけれども、まず一つ、プログラムの開発につきまして、日誌というものを作っていません。だれがいつ何時間働いたかということは分かっていません。そしてまた、プログラムのステップ数と申しまして、どれだけの作業をしたか、どれぐらいプログラムを書いたかというのを管理しなきゃいけないんですよ。それがどれだけされたかということも職員が全然分かっていない状況だというふうになっておりますけれども、まずその事実がどうかということをお答えできますか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま御指摘のございました、例えば開発の検証に当たっての作業日報がどうであるかということについては、御指摘のとおり、これを取っておりません。また、作成又は改修をしたプログラム量の妥当性のチェックについても、これが行われていないということは御指摘のとおりでございます。
○藤末健三君 長官にお聞きします。
 民間から来られた長官がそのような状況をどう思われますか。全くプログラム、いいですか、一千億近くのお金使っているんですよ。ところが、どれだけ作業をされたか分かりません。プログラム量がどれだけ増えたかも分かりません。それで、一千億近くのお金を払っている。これは何ですか。
 長官、是非お考えをお聞かせください。長官にお聞きしています。
○政府参考人(村瀬清司君) 十月以降というお話でちょっとお話しさせていただきたいと思います。
 十月に調達委員会というのを立ち上げまして、システムの調達につきましてもその中で検討をしております。その中で、システムに関しましてはシステム検証委員会というものを設けまして、民間から来ていただきましたシステムの詳しい人四名、それから厚生労働省のCIO補佐官にも入っていただきまして、個別システム開発につきましてはステップ数も含めまして検証し、これの開発を認めるという形で現在は進めておるというふうに考えております。
○藤末健三君 今、十月からさせていただいて、半年ぐらいされているかもしれませんけれども、過去十年以上二兆円近くの予算使われたわけですよね、二兆円。その払われた金額が正しいかどうかということをチェックする必要がないかあるかということをまたお聞きしたいんですが、答えとして刷新調査でやりましたということは言わないでくださいね。後で否定しますから、全部。刷新調査以外で過去の払われたお金が妥当だったかどうか、それを検証することはなされますか、長官、お答えください。長官、お答えください。
○政府参考人(青柳親房君) 過去についてどのような検証をしたかということでございますので、やや技術的なことに及びますので私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 社会保険庁といたしましては、これまで、そのシステムの開発作業につきましては、一つは、システム開発の進捗管理ということで、週次あるいは月次の定例会議及び打合せを行っておりました。それから、二点目としては、委託業者が行いますテスト計画及びテストの結果の確認、検証というようなことを行っておりました。また、システム開発規模につきましては、これまでの類似の開発内容に照らして比較をするという方法によりまして妥当性を検証してきたところでありますので、開発費用大変多額に掛かっておるという御指摘ございましたが、これについて支払過ぎというようなことがあったとは考えておりません。
○藤末健三君 支払過ぎがあったかどうかじゃなくて、結論をお聞きしているんじゃなくて、過去にさかのぼってチェックすることを考えているかどうかを僕は長官にお聞きしたいというのが一つ。
 そして、もう一つあるのは、繰り返しですけれども、どれだけの作業量が行われたかということを、人が何時間働いたかも分からない、増えたプログラムの量も分からない状況で査定することは不可能です、不可能。不可能なことをやっているとおっしゃっているんですよ、はっきり申し上げて。これ以上、これは質問じゃありません。そういう認識をしてください、ちゃんと。詭弁ですよ、本当に。詭弁というか、我々に対して欺いていますし、データも出さない、おっしゃることも間違っている、はっきり言って。なぜ情報を開示できないですかというと、また答えも違う。チェックしています、問題ありませんって、全然問題あるじゃないですか。何もしてないじゃないですか。
 長官にお聞きするのは、過去にさかのぼって支払った金額が妥当であるかどうかをもう一度チェックするということをなさるかどうかをイエスかノーかでお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(村瀬清司君) 過去のシステムにつきましては、先ほど否定をされるというお話ありましたけれども、今回、システムの最適化調査という形でシステムの構造まで含めて見ていただいておるわけでございまして、長官といたしましては、その部分をしっかり評価した上で対応していくというふうに考えております。
○藤末健三君 じゃ、刷新可能性調査がなされているというんであれば、刷新可能調査については後ほどお話ししますので、そのとき議論させていただくとします。
 次に、私がすごく気になっているところを申し上げますと、この資料の二ページ目をちょっとごらんになっていただけますか、皆さん。これはNTTデータさんと社会保険庁さんの契約です。見ていただきたいところは何かというと、人件費というところがあるんです、人件費。十三年度、何々円掛ける人月、十四年度、何々円掛ける人月と。この何々円というのは単価なんですよね、ある人が一か月働くと幾らかということが書いてある。
 で、常識的に言いますと、次のページ、三ページ目を見ていただけますか。コンピューターのシステムを作るときにどういう人が関係しているか。一番初めにコンサルタントとありますが、まあこれをおいておきますと、プロジェクトマネジャー、これはシステムインテグレーターといいます。コンピューター情報システム全体を見てどうするかというのを決めるのがシステムインテグレーター。次に、それに基づきSE、システムエンジニアという方々が設計するんですよね。こういうプログラムを作りましょうと、システムを作りましょうと、作っていくと。その後にプログラマーという方が実際にコンピューターのプログラムを打ちます、キーボードをばんばん。そして最後にオペレーター、これは実際のコンピューターのプログラムが動くかどうかをきちんと見る人、これがオペレーターと。そういう分担があるんですよね。システムインテグレーター、全体のプロジェクトを見る人、そして設計する人、そして実際に打ち込む人、これが常識的な範囲です。
 で、見ていただきたいのは、もう単価が全然違うんですよ、システムインテグレーター、プロジェクトマネジャーとプログラマーは三倍ぐらい違います。これが普通のコンピューターシステムの開発。ところが、さかのぼって二ページ目を見てください。人件費の単位は一個しかないんですよね、一個。人件費一個なんですよ。それも黒塗り。何か分かんない。
 こういう契約できちんと見ていると言えるんですかね。これも長官にお聞きしたいんですけど、民間の出身の長官にお聞きしたいんですよ。こういう単価の計算の契約ってあり得ると思われますか、お答えください。
○政府参考人(村瀬清司君) 先ほども申し上げましたように、十月から立ち上げました調達委員会並びに検証委員会では、ここまでは細分化しておりませんけれども、実際、開発に当たっていただきます技術レベルの方々によりましてコスト計算をしたのですべて計算はしてございます。
 今お手元にあります資料というのはその前の資料でございまして、その点ではおっしゃるように統一単価が細分化された形では出ていないというふうに思っております。
○藤末健三君 私が申し上げているのは、出ていないことが異常だと思われませんか、こういう契約があること自体。こういう契約しておいて、きちんと過去のものは査定していますよと、問題ないですよって言っているんですけど、問題だらけじゃないですか。このような全く簡単な計算していて……(発言する者あり)そうですよ、十五年度ですよ。だから、いや本当に、だから過去のやつでこんないい加減な契約を結んでおいて、我々はきちんとやりましたと、きちんともう過去の検証も終わっていますと言えます、本当に。
○政府参考人(青柳親房君) 過去の点についてのお尋ねでございますのでお答え申し上げますが、確かに御指摘ございますように、契約上の人件費単価にはSEやプログラマー等の区別はございません。しかし、この人件費単価はシステム開発の工程ごとにSEあるいはプログラマーが携わる割合を考慮して言わば加重平均をして設定をいたしました単価となっておりますので、この言わば携わる作業の割合あるいは賃金の動向等を踏まえて毎年度これの見直しを行わせていただいているところでございます。
○藤末健三君 本当にいい加減なことはやめていただきたい。これを、いや、いいですか、いいですか、データは出さないのに加重平均していますと。じゃ、だれが計算できます、社会保険庁の中で。ITの専門家ゼロですよ。コンピュータープログラムも多分じかに見たことのある人いないと思いますよ。じゃ、だれが人件費の正当性を評価して、日報もない、日報があればできますよね、プログラマーの方が何人働いた、SEが何人働いた、SIが何人働いたって。それもないのにできますっていうのは、どうしてできるんですか。だれも信じていませんよ、この中にいる人たちは。お願いしますよ、どうしてできるか。できるわけない。
○政府参考人(青柳親房君) これまでは事前に見積りを取っておりまして、その中で人件費等の単価の確認を行っておりましたが、確かにただいま御指摘もございますように、そういうことであってきちんとチェックができるかという御指摘はごもっともなところでございます。
 先ほども長官の方からもお答えをさせていただきましたように、昨年の十一月に庁内にシステム検証委員会をつくって、専門知識を持つ民間スタッフの参画の下に必要性を検証しております。
 その際には、ただいま御指摘のありましたように、例えばバイネームで、すなわちどういう資格のある方がどういう形でその開発にどういう期間携わるかというようなことも含めてきちんとチェックをいたしまして、価格の妥当性について検証を行うこととさせていただいております。
○藤末健三君 会計検査院の方にちょっとお話ししたいんですけれども、よろしいですか。
 会計検査院の方から見て、この契約、これ見積書ですよ、この見積りで適正な会計の査定をしていると言えるかどうかお答えください、イエスかノーで。会計検査院の方にお願いします。
○説明員(増田峯明君) 先生御指摘のように、今これを見た限りでは通常の在り方ではないなという感じはいたします。
 私どもとしては、よくまた社会保険庁からも話を聞いてみたいというふうに思います。
○藤末健三君 委員会として調査要請を提案します、私は。会計検査院から社会保険庁に対する調査要請をいたします。
○理事(田浦直君) 後ほど理事会で検討いたします。
○藤末健三君 会計検査院の方にまたちょっとお聞きしたいんですが、まず単価が一つだというのもおかしい話だと思うんですよ。そしてもう一つ、日報も、作業日報もですよ、そして開発されたステップ数もきちんと査定しないという状況についてどう思われますか。僕はもう会計法違反だと思いますよ、私は。いかがですか。
○説明員(増田峯明君) 今御指摘の点も、一般的にはそういうことは通常はないのではないかというふうに感じます。
○藤末健三君 私も会計検査院の方のお答えが当然だと思うんですよ。それを受けて、長官、いかがですか。さかのぼって適正な支出をされているかどうか、僕はチェックいただくべきだと思いますけれども。そうしないと、今まで年金を払ってきた国民、納得できないですよ。こんないい加減なお金の使い方して、新しく社会保険庁ができますけどよろしくお願いしますとかは言えないと思いますよ。過去のあかをきれいに流していただかなきゃ困る。いや本当、信用されませんよ。今のような答弁も信用できないし、これをずっと続けるということはだれも信用しませんよ。多分、我々も信用できないですよ、こういうことがされていると。
 さかのぼってきちんとチェックをするかどうかをお答えいただきたいと思いますが、長官、いかがですか。
○政府参考人(村瀬清司君) 先ほども申し上げましたように、システムの構造の問題につきましては、刷新可能性調査で一応コスト計算を含めまして見ていただいております。
 その部分が、先ほど申し上げましたように現在の価格として適正かどうかという部分でございまして、その部分を踏まえた上で御検討すると先ほど御回答申し上げたつもりでございますが。
○藤末健三君 分かりました。
 もう、結論は自分ではできないので会計検査院にお願いするしかないと思います、私は。
 で、もう次の話、じゃ、刷新可能性調査の方に移らさせていただきたいと思うんですが、刷新可能性調査は、よく読まさせていただきました。皆さんちょっとごらんになっていただきたいのは、これですね、これが刷新可能性調査の報告書のすべてです、すべて。幾ら掛かったと思われます、皆さん、これ一冊。五億六千万円です。五億六千万の成果がこれです。
 ただ、ページが少ないのは僕はもう問わないんですよ。ただ、その内容です、問題は。ページが少ないのはいい、中身があればいいと思うんですが、例えばこの資料をちょっと見ていただけますでしょうか、五ページ目を見てください。刷新可能性の調査を見ますと、面白いことに契約上はプログラマーとかSEとかSIとか分かれていません。契約上は書いてないんですよ。
 ところが、刷新可能性調査を見ると、SIサービスの単価は妥当です。六ページ見てください、プログラム開発の単価は妥当ですと。どうなっているのかと、これは、この調査は。契約書見ているのかという話ですよ、これ。ここまでいい加減なことをやっているというか、勘ぐると何かの意思が働いてこうなったんじゃないかと。妥当です、妥当です。(発言する者あり)作文ですね。
 なぜ、刷新可能性、契約書で単価が一個しかないのに刷新可能性調査では二つの単価に分かれているかということについて、是非お答えいただけますでしょうか。お願いします。
○政府参考人(青柳親房君) 確かに、御指摘ございましたように、契約書上の人件費単価は一本ということで、これは先ほど申し上げたように、SEやプログラマーがかかわる割合を考慮して設定した加重平均単価ということでございました。
 この刷新可能性調査で示されておりますSIサービス単価というのは、契約上は包括的に含まれておりますものを、この調査のために特に契約に基づく請求支払とは別の観点から、別の切り口から、システム開発及び運用を円滑に進めるために附帯的に実施しているサービス、SIサービス、システムインテグレートサービスに関する価格というのを、システム費用構造の分析のために特に分離をして計算をしたものでございます。
 したがいまして、このようにSIサービスは包括的に契約に含まれているものでありますけれども、今後は、契約の透明性とかあるいは検証可能性を高める見地から、個々の業務を契約書上明確に位置付けて単価を設定するなど見直しをすべきであるとの御指摘もいただいているところでございますし、私どももその方向で進めてまいりたいと考えているところでございます。
○藤末健三君 先の話は一切しておりません、過去の話をしています、今は決算委員会ですので。それを忘れないでください。
 契約上、単価が一個しかない、日報も付けていないという状況。分かるわけないじゃないですか、それで、単価なんか。日報がないのにどうして分かるんですか。勝手に作っているんじゃないかと思っちゃいますよね、そういう話聞いていると。いや、本当にね、何でこんな、いや、やっていないことを、例えば刷新調査で、社会保険庁は単価も一個で全然日報も作っていません、ステップ数も計っていません、けしからぬです、どうしようもないシステムですって書いてあれば僕は納得しますよ。
 ところが、適正です。いや、これはほかのやつを見てください、皆さん。ばあっと見たら、みんな適正ですよ。価格適正って、分からない、人には見せられない価格も適正、プログラム管理も適正、全部適正になっちゃっている、そんな調査を五億六千万掛けてやっているわけですよ、本当に。もうこれ以上質問しても時間もったいないから申し上げませんけど、まず一つこういう状況もあります。
 次、もう一つ、この刷新可能性調査がいかにいい加減かということを見ていただくために、七ページ目ちょっとごらんになっていただいてよろしいですか。七ページ目、ちょっと済みません、マークをしていないんですが、これは何かというと、刷新可能性調査の十月に出た中間報告です、中間報告。十一月の臨時国会で、ソフトウエアが九十六億ぐらい契約に入っていないものがありますということで問題になりました。ところが、よく見ますと、ハードウエアもあるんですよ。契約外にハードウエアが入っている。上の資料を見ていただきますと分かりますように、例えば「三鷹」と書いてあるところを見ていただきますと、「計画上の構成」とありますね、「システム構成」に。「GS8800(4CPU)×八台」、これは契約です。ところが、実際に入ったのは十台。下も同様です、磁気ディスクも二十一台、二十九台、六台、十台となっていると。というのが中間報告であって、問題視されているんですよ。
 ところが、これはびっくりする話でございますけれど、最終報告書には抜けている、これが。中間報告であった指摘がなくなっているんですよね。どうしてこういうことが起きるかということを、本当は長官にお聞きしたいんですけど、長官は多分お答えいただけないと思いますので、部長にお聞きしたいと思いますが、お願いします。
○政府参考人(青柳親房君) まず、事実関係からお答えをさしていただきたいと思いますが、中間報告で指摘のございました契約書に記載のないシステム増強が実施されたということにつきましては、この設備の維持責任を有しますNTTデータがデータ通信サービス契約を遂行するために、センター設備の運用に支障が生じないよう、言わば安全性や信頼性を確保する目的で独自の判断により設置しているものということでございまして、これは言ってみればこの設備分は契約には入っておりません。社会保険庁はその意味で経費の負担も行っておらないという、これはまあ事実としてまず御認識をいただきたいと思います。
 その上で、今回の刷新可能性調査の目的が価格の妥当性を評価するということに非常に大きな主眼を置いてあるものでございまして、データ通信サービスの契約形態においてサービスレベルを確保するために行われた機器の増強という今回のこの措置につきましては、言わばNTTデータの裁量の範囲内であるという判断から調査報告では触れられなかったものと認識をしております。
 しかしながら、このような対応については、調査報告書の中でやや包括的に、システムの費用構造の透明化を図るため、ハードウエアに関して賃貸借契約若しくはリース契約に移行すべきという提言が行われておりますので、言わばこういった提言を踏まえて私ども見直しをしてまいらなければいけないというふうに受け止めているところでございます。
○藤末健三君 済みません、じゃ、二つ御質問します。
 まず一つは、勝手にベンダーさんというか契約先が入れた機器であるならば、電気代とかどうしているんですか。その機械の人件費や運搬費はどうなるんですか、はっきり言って。それはメーカーさんというかベンダーさんが、契約先が払っているんですか。まず、それをお聞きしたいし、まあ、それをまず、じゃ、お聞かせください。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほども申し上げましたように、この機器はベンダーさんが勝手にというふうに御指摘ございましたけれども、あくまでも社会保険オンラインシステムを安全に言わば維持していくために必要なものとして設置されておるということでございます。
 したがいまして、その機器を含めて一体で運営されているという観点から、必要な電力あるいは設置場所の料金につきましては私どもが負担をしておるという事実でございます。
○藤末健三君 御質問これ以上しても多分その同じ答えを繰り返していただくんで、会計検査院の方にお聞きしたいんですけれども、会計検査院の方にまずお聞きしたいのは二つありまして、一つは、先ほど申し上げましたように、企業が契約外のものを持ち込むということ自体が僕は問題なんじゃないかと思うんですよ、正直申し上げて。もし企業との間、契約先との間にこういうサービスの提供が必要であるということで契約しているならば、機器が増えるのはしようがないかもしれない、そのサービスを満たすために。もし機器が増える場合は契約の変更をすべきじゃないですか。それがまず一つございます。
 そして、もし勝手に機器を持ち込んだ場合には、当然のことながら他の施設の問題、場所も勝手に使うわけですし、電気も勝手に使うわけでございますので、何らかの措置をとらなきゃいけないと思うんですけれども、会計検査院から見られていかがですか、この契約は。
○説明員(増田峯明君) ただいまおっしゃいましたような事態があったとすれば、通常の場合ですと契約変更ということになろうかと思いますけれども、その辺の経緯につきましては、私どもよく社会保険庁の方から事情を聴取してみたいというふうに思います。
○藤末健三君 いや、もう是非、もう厳しく調査いただけませんか。
 私がお願いしたいのは、こういう刷新調査という調査をなされているわけですけれど、その五億六千万も払って妥当なのかなというのがまず一つあります。そこら辺についてはいかがですか。分量じゃないと思うんですよ。分量じゃないにしても、このようないい加減な調査に五億六千万も払っていいのかという、それについていかがですか。
○説明員(増田峯明君) 今回の刷新可能性調査の金額につきましては、その妥当性、どの程度が妥当であるか今直ちに御返答はできないということで御理解を賜りたいというふうに思います。
○藤末健三君 これは多分、社会保険庁の全体の調査をお願いする中でやっていただくという話だと思うんですが、この刷新可能性調査の本当に中身が妥当であるかどうかも是非見ていただきたいと思います。
 刷新可能性調査について、またちょっと続きのお話をさせていただきたいと思うんですが、次のページ、八ページ目、ちょっとごらんになっていただけますか。
 これはハードウエアの契約、コンピューターの機器の契約が妥当かどうかということをこの刷新可能性調査の委託先が見たものでございます。答えは何かというと、結論として非常に安いと。JECCという機関がございまして、日本電子計算機という株式会社がございます。そこがレンタル費用の価格を出していて、それより安いから正しいんですよと書いてあるんですよ。
 ただ、注意していただきたいのは、このJECC、この八ページの表の下の方にも書いてございますが、このJECCのレンタル価格というのはメーカーの自主登録、幾らでもいいんですよ。パソコンが一億円でもいい。メーカー希望小売価格、それより安いかどうかという話があります。そういうものを基準にすることが妥当かどうかということについて、これはまた、もう社会保険庁には聞きません。会計検査院の方、どう思われますか。
○説明員(増田峯明君) ただいま御指摘のレンタル料につきましても、私ども、従来からその価格が取引の状況等から見て妥当なものかということについて検査をしてきているところでございますけれども、今先生が御指摘になりました状況についても、今後十分念頭に置きながら検討してみたいというふうに思います。
○藤末健三君 重要なことは何かと申しますと、この結果も大事なんですよね、結果を見ることも。で、また大事なのはプロセス、どういう手続で価格が決定されたかということです。
 そこで、社会保険庁にお聞きしたいんですけれど、御社が価格の決定をするときに、見積りをきちんと取って、そして価格の見直しを交渉しているかということについて、なされていますか。私が資料を要求した限りでは、そのような価格の交渉をしたという関係の資料はないと伺っていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) システム開発に当たりましては、私ども、従来、その示された開発規模が適切であるかどうかということを言わばチェックする一つの手法として類似システム比較法という形でのチェックをしておりました。
 これは、過去のプロジェクトの中から、その開発するシステムの特性だとか作業内容が類似しているようなケースを選びまして、これを、その実績データを参考にして見積りを行うという方法でございまして、これによってこれまではその比較を行ってきたわけでございますが、先ほど長官の方からも御紹介いたしましたように、今後はファンクションポイント法というやり方でこれも比較して、両者の比較をすることによってより適切な開発規模のチェックというものをしていきたいと考えております。
○藤末健三君 今後の話はもう言わないでください、僕の質問時間がどんどん減りますんで。
 類似システム比較法ということをおっしゃいましたけど、類似システムを比較する、それは過去のいろんな事例からそれと比較してどれだけの開発量があるかということを推測するんです。ところが、過去の事例さえも僕は当てにならないと思うんですよ。一回もチェックしていないんですよ、どれだけの作業量があったかということを。そして、稼働の実績がどんどんできてくると。そして、委託先もその実績に基づいて請求するから、一切御社は要求された金額を修正させたことはないんですよ。言われるままに支払っている。それでチェックしたと言えるんでしょうか。
 いや、本当に、僕はもう会計検査院の方にお聞きしたいんですけど、私がほかのシステムなんかの方にお聞きしますと、きちんと個々の単価の、個々の機器の価格が適正かどうかというのをチェックするんですよ。それも、私が、あるところでは四年間この機器を使うということを仕様書か何かに書いて、その分だけ割引させているんですよ、どんどん。そういう努力を一生懸命やって安くしている。
 ところが、どうですか、年金を預かる社会保険庁さん、言ってきた金額をそのまま支払っておられる。そして、国会の場にその単価を見せてくれと言いますと、一切、塗りつぶした契約書しか出さない。その根拠を聞くと、その根拠さえも間違っているような状況です。
 このような、本当に、年金を支払う国民を本当に愚弄するような行いをしていること自体を認識していただきたいんですよ、僕は、本当に。言い逃れ言い逃れで、反省の色もない。そして、挙げ句の果てには、自分で自分をチェックしてください、お金を払いますからチェックしてくださいと言って、いや、あなたは満点ですよと。できが悪い子が教師を雇って採点しているようなもんじゃないですか。そういうことをなさっていること自体が僕は非常に問題だと思います。
 ついでにちょっと資料を用意したので申し上げますと、九ページ目、ちょっとごらんになっていただけますか。これはJECCの価格というか、一般的な価格なんですけれど、価格交渉なんですけれども、標準価格というメーカーの価格というのは基本的に意味がないという話でございます。元々半値から交渉を始めるというのが一般的だと言われている。だから、この八ページにあるように、いや、すばらしいと、四四%引きました、三七%引いていますと、メーカーが、メーカーの希望価格より安いですよと、立派ですという話じゃないんですよ、正直申し上げて。
 こういうことをなぜ外部の一流のコンサルタント、五億六千万も払った方々がおっしゃるかというのは非常に疑問でありますので、会計検査院に是非チェックをお願いしたいと私は思いますが、会計検査院、いかがでございますか。
○説明員(増田峯明君) 今後の検査に当たりまして、ただいまおっしゃいましたような状況についてよく念頭に置きながら検査していきたいというふうに思います。
○藤末健三君 私は、やはりこの委員会で、会計検査院の方に社会保険庁のコンピューターシステムをいま一度徹底的に検査することを再度申し伝えたいと思います。
 私自身が今思っていますのは、この刷新可能性調査、先ほど申し上げましたように、この刷新可能性調査の契約主体、それと私が黒塗りでいただいたこの分厚い契約書、契約主体一緒なんですよ。社会保険庁の会計課長です。
 そのような、なぜ、本当に伺いたいのは、社会保険庁さんが本当にまじめに自分たちを見るんであれば、なぜ自分で、依頼するんじゃなく、例えば本省の官房か何かにお願いするとか、そういう工夫をなぜしなかったんですか。自分を自分でお金を払って見てくださいと言って結果が出てもだれも信じませんよ、そういうこと自体で。なぜそういう配慮をしなかったかということをお聞かせください。
○政府参考人(青柳親房君) いわゆるレガシーシステムの刷新可能性調査というのは、御存じのように、政府全体の見直しの中で行われているものでございます。
 この中では、要件として、当該システムと関係のない外部の会社に委託をして各システムを所管する府省が自ら責任を持って調査を行うというふうにされておるところでございますので、この方針の下で社会保険庁といたしましては企画競争によりまして調査業者を決定し、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社と契約を行わさせていただいたわけでございます。
 また、それだけではなく、この刷新可能性調査を実施するに際しては、公平性、透明性あるいは実効性をより一層高めるという観点から、サービス・政策、システム及び調達に関する有識者に集まっていただきまして、社会保険オンラインシステム刷新可能性調査専門家会議というのを開催いたしまして、調査の進め方あるいは調査内容に関する意見をいただきながら、言わば外部の目にさらしながらこれを進めてきたつもりでございます。
 また、最終的にこの調査報告書を取りまとめる際には、厚生労働省CIO補佐官の助言をいただきまして、各府省のCIO補佐官から構成されますCIO補佐官等連絡会議に報告をいたしまして意見、助言をいただきまして、最終的に取りまとめて社会保険庁のホームページに公開をしたものでございます。
○藤末健三君 本当に有り難いことをお聞きしましたけれども、刷新可能性調査にはいろんなデータを出すことはできて、国会には出せないということをおっしゃっているわけですね、それは。そうじゃないですか。このデータで判断しろと言われても判断できないわけですよ、はっきり言って、本当に。
 ついでに申し上げますと、刷新可能性調査の議論をしたときの議事録がこれですよ、黒塗り。一番知りたいところが分かってないんですよ、だれが何言ったか。それだけ自信がないということでしょう、なさっていることに。どんどんどんどん言い逃れをおっしゃっているというのが現状じゃないかというふうに私が思います。もう是非これは本当、ただしていただきたいと思います。
 それで、ちょっと財務省の方にもせっかくお越しいただいたんでお聞きしたいと思いますのは、もう一つ気になっていますのは、この単価が一本しかないということが気になっていまして、人件費の単価が。ところが、実際の大蔵省の予算要求を見ますと、四ページ目です、ちゃんとシステム設計、システムインテグレーター、SIと、四ページですけれども、プログラム作成と分かれているんですね。
 予算要求上はちゃんと分かれているのに契約上は一本になっていると。この問題はないのかどうかということを財務省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(松元崇君) 予算要求書と契約書の違いについての御質問でございます。
 予算の執行に当たりましては、必ずしも予算要求書に記載されている単価どおりに執行がなされなければならないというものではございません。したがいまして、御指摘の点が直ちに問題があるというふうには考えておりません。
 ただ、執行官庁におきまして、それぞれの経費の目的、性格に沿いまして、経費の無駄遣いとの批判を受けることのないような適切かつ効率的な執行ということをしていただく必要があるということは申すまでもないことでございます。
○藤末健三君 法的に問題があるかどうかということはさておき、僕は、これはもうまさしく財務省のお立場からしますと、本当に財務省は、適当な資料を作って出しときゃいいよと、我々は我々の契約があるよということをなされているわけですよ。ですから、もう本当に厳しい予算要求査定を是非行ってください。これは私からのお願いでございます。
 最後に、私が申し上げたいことを二点申し上げます。
 一つは、総括でございますが、是非この社会保険庁の、もう皆様御理解いただきましたように、もう情報は隠される隠される、出さない。そして、刷新可能性調査という調査を行っているけれども、それは自分で雇った人にあなたは大丈夫ですよと言ってもらっているような話、それを全部言い訳に使っている。長官も全部それ使っているんですよ、刷新可能性調査に従ってやりますよと。まずそういうことをただすために、会計検査院に再度徹底した検査を私は依頼したいと思います。
 そして、もう一つ、これは会計検査院にお願いなんですが、こういうレガシーシステム、刷新可能性調査が行われています。私は、ほかの、多分社会保険庁さんが僕は最も悪いんじゃないかとは思うんですが、やはり自分で監査を雇い、そしてチェックをしてもらうというのには限界があると思うんですよね。五億六千万お支払いして、超一流のコンサルタントに依頼をして出た結果がこれなわけですよ。余分なハードウエアが入っていたと中間報告では指摘したけれど最終報告じゃ消えているとか、契約上は単価は一個しかないのに、いかにも二つあってそれが妥当なように見せるとか、メーカー小売価格で四割引きしていますよと、ところが実際は五割引きが当たり前という世界。
 そういうものがまかり通っている中で、やはり私は会計検査院がこういうシステムの監査をなさるべきだと思います、外部の機関が。それについて、最後、御意見をいただきたいと思います。
○説明員(増田峯明君) 各省庁におけるその情報システムに対するシステム監査なり、あるいは今回の刷新可能性調査、これはそれぞれの意味があっておやりになったことだろうと思いますので、私どもとして申し上げる立場にはないわけでございますけれども、私どもといたしましては、院法に定められた権限に基づいて検査をすると、その過程の中で、システム監査の手法等、十分参考にしながら検査に当たってまいりたいというふうに考えております。
○藤末健三君 最後に、長官にお願いします。
 長官、もう本当にお願いしたいのは、ごまかすのはやめてください。過去に問題があるならば問題があるということをきちんと認め、そこから出発しなけりゃ何も進みませんよ、本当に。過去に問題があるほどどんどんどんどん隠そうとする、情報も出しませんということじゃ信頼など構築できないじゃないですか、今後やるときの。長官のイニシアチブ、トップのリーダーシップで変えてください。お願いします。
 それで、私の質問終わります。
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 今、藤末委員が大変専門的で重大な質問をいたしました。本来であれば、私の質問時間もお譲りして更に追及をしていただきたいところでございますが、割当てでございますので、私は政策的な問題を中心に質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、介護保険制度の問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、この介護保険制度の法案、改正法案が衆議院で今厚生労働委員会で質問をされて、質疑が行われております。その中で、いろんな具体的な課題があるわけでありますが、私は特にその中で、いわゆる家事援助と新予防給付の関係、この問題について大臣を中心にお伺いをいたしたいと思っております。
 御案内のとおり、今度の改正によって、単に生活機能が低下するような、家事代行型のそういう訪問介護については、これは筋肉トレーニングなどの、いわゆるそういう、どちらかというと新予防給付のそういう取組によって変えていこうと、こういうふうなお考えのようでございますが、私は、そういうこのいわゆる動きが出てきている中で、関係者の中からいろんな不満やあるいは不安の声が出てきている。これは大臣も衆議院の委員会の中でもいろんな具体的なお話は聞いていると思うんです。
 現に、ちょっと資料をお配りいたしましたけれども、この資料一の中に、これは私の地元の栃木県の宇都宮市内の訪問介護事業者から寄せられた利用者の不安の声ということで、十七件ほど具体例をここに書いてあります。これだけではありません。そういういろんな、この真ん中の右側にありますけれども、「使えなくなるのではと不安に思っている家事援助の内容」というようなことで、具体的な内容がここに記載されております。
 これ後でごらんをいただければと思いますが、問題は、こういうふうな事例を見てもやっぱり一つ説明責任がまだ足りない、具体的な問題についての、そういう声に対する厚生労働省側の具体的な対応についての答弁が不十分だというふうにまず思います。
 そういう状況の中で、私は、前提の現在の状況についての認識を大臣にまず聞きたいと思っておりますが、少なくとも、このいわゆる新しい、新予防給付、それを導入するに当たっての、現在まで行われている軽度者に対するケアプランのその中身というものは大部分がやはりいわゆる適正であって、適切であって、そして、どちらかというと不適切な、特に先ほど申し上げましたような家事代行型のそういうふうなケアプラン、これは少ないんだというふうに御認識をされておられるかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) お尋ねの件で、もうポイントだけでお答えしようと思いますけれども、私が衆議院の厚生労働委員会で申し上げましたのは、今までのサービスの中に一部不適切なものがあったということは事実でありますと、私どももそのように認識をいたしておりますと、このように申し上げたところでありまして、私の認識はそのとおりでございます。
○谷博之君 衆議院の委員会で我が党の山井議員から質問が出まして、それに対して大臣も同様の答弁をされておられます。これは議事録で確認はさせていただいております。
 ということになりますと、今この私の資料にも出ていますが、これは実は私事ですけれども、今から二年半前に地元で「福祉のわ」といういわゆる介護事業者の関係者の勉強会を立ち上げまして、そして、今五十人ほどの方々と年に数回、そういう介護保険制度の問題、介護保険法の改正の動き、こういうことについての実は勉強会もさせていただいております。
 そういうふうなところで出てきたこういう具体的な意見でありますけれども、こういう方々、この不安に対して、今の大臣の御答弁、これを前向きにとらまえさせていただきますと、こういう利用者の中から出てきている不安とかあるいは問題点については、生活に必要な家事援助は今後とも取り上げないというふうなことで、したがって安心してこの制度を利用していくことができると、このように私は大臣から御答弁をいただいたと、こういうふうに理解をさせていただきたいと思っております。
 確認させていただけますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 冒頭お話ありましたように、私どもの、厚生労働省の説明が不十分であったといいますか、もう少し丁寧に御説明申し上げればよかったなと。そのことによって誤解が生じておるところが今あるのではないか。そのことは私も、冒頭おっしゃったこと、そのとおりに感じておりますということをまず申し上げたいと思います。
 そこで、今の確認せいというお話なんですが、念のためということで私どもの考え方を申し上げて、その考え方の中でそのとおりでありますということを申し上げたいと思います。
 今回の新予防給付の基本的な考え方は、本人にできることは可能な限り自分でやっていただくというこの考え方の下に、本人の生活能力を引き出すためのサービスを適切に組み合わせて、手助けをする場合でもできる限り本人の今持っておられる能力を生かす工夫をしながら行う。これはもう申し上げるまでもなく介護保険の基本理念でありますから、そのことを申し上げて、そのとおりにしていただくサービス、適切なサービスは従来どおりお受けをいただくと、これは当然のことでありますということを改めて申し上げたいと存じます。
○谷博之君 それも衆議院の答弁に出ておりますが、要は、それ以上になるとまた堂々巡りをします。要は、いわゆる大部分か一部かと、こういう議論が復活するわけでありますが、私たちは大臣のさきの答弁をしっかり受け止めさせていただいて、そのように解釈をさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、続きまして、介護保険の中で不正請求の問題がちょっと今出ております。
 これは、私の地元の栃木県の宇都宮市の老健施設にファミール滝の原という施設がございまして、これは実は今年の二月七日に、この施設のいわゆる社会福祉法人が医師の出勤状況を偽って約一億五千万円の不正請求をして、これが指摘をされて、結果として県からこの施設が、特に短期入所、療養の介護施設事業所ですか、それとあとは通所の、いわゆるデイサービスの、リハビリテーション事業所の、そういう指定の取消しというのがなされました。そして、県は、更にこの施設の管理者の変更を求めて、三月の二十五日までにそれを行うようにというふうな話がございましたけれども、現実に四月の今日は十一日ですか、まだ管理者の変更ができておりません。
 こういう状況の中で私が一番心配なのは、こういう老健施設に、この施設は九十人の人が入っておりますが、今後、そういういろんな指導に従わないということになれば、いわゆる通所、短期のそういう施設だけではなくて、こういういわゆる入所型のところまで指定の取消しということがあり得ることも考えられるのかなというふうに思っておりますが。
 そういう中で、その具体的な内容について、まず資料の二を見ていただきたいと思いますが、これは厚生労働省からいただいた資料ですが、平成十二年の四月から十六年の十二月末まで、同様に全国のこうした施設の指定取消し等になった事業者中の不正請求額、返還額が確定した一億円以上の事業者の一覧、少なくともこれで七か所、平成十五年度の段階でも五番、六番、七番が入っておりますが、こういう実は具体的な過去の事例もございます。
 このファミール滝の原は、先ほど申し上げましたように一億五千万の不正請求、それに、言うならば加算金が付きますので約六千百万、トータルで二億一千三百万の返還額が生じてきているということであります。
 そこで、まず全体的な話をお伺いしたいんでありますが、この七つの、この資料二にありますが、こうした施設の一番右側の不正請求額、返還額は、これは返還されたのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今御指摘のございました一億円以上の事業者、不正請求の額が確定した、この中で返還が完済したものが一か所、一施設ございます。それから、二施設が分割して今返還中でございます。それから、一件については今都道府県の方が告訴を検討中ということで、その他につきましてはまだ返還の見込みが立っていないという状況でございます。
○谷博之君 これはよく見ていただきますと、いずれも通所型の施設ということでありますが、例えば一億円未満のいわゆる事業者でも、入所施設の指定の取消し、あるいはそういう具体的な事例を教えてください。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま入所施設についてのお尋ねがございました。
 平成十二年四月、介護保険法が施行されましてから今日まで、入所施設で指定が取消しをされましたものは十三施設でございます。請求額につきましては、一億円未満のものも多うございますが、そういったものについては、十三施設のうち五施設が完全に返還が終わっていると、七施設が現在返還中、一施設が法人の破産宣告のため債権額を今調整している段階にございます。
○谷博之君 その場合に、入所している人たちの具体的な対応はどういうことであったでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 多くの施設の場合は、指定取消処分に伴いまして全員転所されているということがございます。幾つかの施設の場合では、他の法人が引継ぎをされましたのでそのまま入所者の方が入所をされているというケースもございますが、十三施設のうち十施設くらいは全員転所というような形でございます。
○谷博之君 今度の介護保険法の改正の審議の中で、いろんな先ほど課題があると言いましたけれども、やっぱり一つの基本的な課題の大きな柱に、事業者のより健全ないわゆる育成といいますか経営といいますか、そういうものをやっぱり図っていかなきゃいけないということだと思うんですけれども、残念ながら具体的にはこういう事例が過去にはたくさん出ております。なおかつ、それに対する返還も含めて完全な形でなされている状況ではございません。
 そういう点、非常に私たちは大きく問題にしておりますし、特にそこに、先ほど言いましたように、入所されている方々の生活権と申しますか、そういうものをしっかり確保していくためには、恐らく指定取消しというのはかなりのもう最後の手段だと思いますけれども、そこまでいかないにしても、相当いわゆるグレーゾーン的な部分もあるんじゃないかというふうに思うんですね。
 今後、この具体的なファミール滝の原、これはまだ問題が具体的に表面に出た段階ですが、これからはどういう対応をしていこうと思っておりますか。
○政府参考人(中村秀一君) 今委員御指摘ございましたように、これまでは、こういう問題事例について指定の取消しと、こういう手段しかございませんで、指定取消しをされると、ただいま御紹介申し上げましたように、入所者のむしろ問題、転所していただかなければならないというような問題が出てくるということで、今回介護保険法で御提案申し上げていますのは、もちろん指定取消しのほかに業務改善勧告でございますとか業務改善命令、それから指定の取消し、停止命令とか様々、今委員御指摘ございました入所者の方の状況を保ちながら事業者の方に改善を求めると、こういったことについても法律の整備をさしていただこうと思っております。
 今、老人保健施設、具体的にファミール滝の原については三つの不正の内容がございまして、御指摘ございましたように、通所リハビリテーションの問題、ショートステイの問題、それから本体の介護老人保健施設の問題があるわけでございます。県の方でも、栃木県の方でも大変苦慮をされて、特に老人保健施設の問題につきましては入所者の方の転所が困難なために管理者の変更について改善をお願いしているところでございますが、実はこの処分につきまして異議申立て等が出されているような状況でございますので、もう少しこの本件の案件につきましては事業者のサイドの方々とのやり取りが必要ではないかと思っております。
 いずれにしても、県の方は、入所者の方に影響が及ばないような形で、しかしその事業所の改善は図っていきたいと、こういう意向をお持ちのようでございますので、私どももそういう県の方針も踏まえながら対応をしてまいりたいと考えております。
○谷博之君 何度も申し上げますけれども、やっぱりその施設に入所されている方というのは結局みとられているといいますか、介護を受けているという、そういう立場がありますから、非常にある意味では対等の立場ではない、したがって、逆に受け身の状態で施設の問題があってそれの犠牲になると、こういうふうな形になっています。
 したがって、我々としては、逆に利用者の側が、具体的に、施設に入所していて、こういう問題が起きているというようなことがちゃんとやっぱり表に出るような仕組みですね、そういう逆に利用者がチェックする仕組みという、そういうものをやっぱりある意味ではオープンにして取り組んでいかなければいけないんじゃないかというふうに思っているんですよね。そうしないと、こういう事件が起きて、結局施設が閉鎖になって、その方々はどこかにやっぱり移されるという形、これのもう繰り返しなんですね。
 したがって、私たちはそういう意味で、こういう今後の改善策として、やっぱりそういう視点からのひとつ改善を図っていっていただきたいと、こういうふうに思っております。
 それからもう一点ですが、これは最近具体的な事例として大分問題になってきておりますけれども、あるNPOの特養ホームを良くする市民の会という会がございまして、そこの資料をちょっと見ておりましたらば、大体、特別養護老人ホームで最終的に亡くなる方が半分近くおられるということです。ある意味では、特別養護老人ホームというのはついの住みかです。
 ところが、最終的に亡くなるその前の状態というのが非常にいろいろ問題があると。どういうことかといいますと、例えば、容体が急変をする、そして医療的な治療を受けなきゃいけない、こういう状況になっている。しかし、なかなか特別養護老人ホームにすぐ専門のお医者さんが来るという状況もないということになると、これは大体のケースが救急車を呼んで救急医療に、病院に実は搬送するんですね。そして、そこで例えば亡くなるということになれば、処置をしてもらってまた施設に戻ってくると、こういう形が結構あるようなんです。
 施設の関係者の話聞いておりますと、少なくとも、さっき言いましたように、ついの住みかでターミナルケアなり最期を迎えるということがこれ一番御本人にとっても幸せなことではないかと思っておりますが、残念ながら、施設長にしろあるいは職員にしろ、そういう資格を持っているわけじゃありません。どうしてもそれは専門のお医者さんに来てくれということになるんですが、ところがこれがまた問題なんですね。
 私、事前にいろんなレクをしておりまして、じゃそういう来てもらうそのお医者さん、これは報酬はどうなんだろうというふうなことを聞きましたら、実はこういう施設には嘱託のお医者さんがおります。週に一日か二日来て、入所している人たちの健康管理を中心に診ているお医者さん。このお医者さんに来てくださいといって連絡すると、来て、そのお医者さんの実はいわゆる報酬といいますか、これは出ないんですね。そして、嘱託医じゃない別のお医者さんが来て、そして診断をしてもらい、亡くなれば死亡診断書を出す、死亡証明書を出すと、こういうことになればこれは実はお金が出るんですよ。
 こういうところの矛盾を実は私感じておりまして、私が言っていることは分かると思うんですがね。ですから、そこら辺の違いはどういうふうなことになっておりますか。
○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームの件でございますので、実は隣に保険局長がおりまして、医療保険とも関係があるわけでございますが、便宜私の方から答弁をさせていただいて、また必要があれば医療保険の担当の方からも御説明をさせていただきます。
 まず、特別養護老人ホームには配置の医師が配置されております。これが今御指摘のありました特別養護老人ホームの医師ということでございます。ただ、この配置の医師は、常勤で置いておかれる特別養護老人ホームもございますが、非常勤が全国五千を超える特別養護老人ホームでは多くなってございます。
 この配置の医師の方は、入所者の方の健康管理とか一般的なその配置の医師の方が担当できる医療については介護報酬の方でお支払いしているという関係上、配置医師の方が、例えば今、通報があった場合、夜飛んでこられた場合などについて診療報酬の方、医療保険の方の初診料とか往診料というのは算定できない形になっております。これに対しまして、いろんなお病気があるわけでございますので、配置医師の専門でない病気などにつきまして、協力医療機関やあるいはその他の医療機関から、今御指摘のような救急の対応などによって医療をしていただきました場合には、医療保険の方の初診料、往診料などについては診療報酬において算定できるようになっていると。
 こういうことで、言わば特別養護老人ホームの医療につきましても、通常の特別養護老人ホームの中で、介護保険で介護しておられる高齢者の方一般に必要のような健康管理的な、あるいはそういった医療につきましては配置医師で対応していただき、それを超えるものについては医療保険で、急変時とかそういったものには対応するという仕組みを取っておりますので、医療保険と介護保険の組合せで対応しているということでございます。これが一般論でございます。
 今委員御指摘の、そうはいってもこの特別養護老人ホームで最期を迎えられる方が多いとか、特別養護老人ホームはついの住みかになっているという御指摘はそのとおりでございますし、それから、かねて、介護保険が始まりましてからも、特別養護老人ホームの入所者の方が、非常に重度な方を中心に引き受けていただいておりますので、重度化されているという状況がございます。そういう中でみとられる方も多いわけでございまして、特別養護老人ホーム等におきますターミナルケアの在り方というのは課題になっているところでございまして、今回の介護報酬の見直し、これは十八年四月に予定をしております、また、医療保険の診療報酬も同時期に見直しが予定されておりますので、そういった中で、今委員御指摘の、特別養護老人ホームなどにおけるターミナルケアで、御家族の方、御本人、それぞれ本当に最期をきちっとみとるためにどういうことが万全な体制なのか、そういったことについても重要な課題と考えておりますので、検討さしていただきたいと考えております。
○谷博之君 答弁は短くやってください、いろいろ聞かなきゃいかぬものがあるものですから。
 それで、実はそういうことで、私さっき言おうと思ったこと、次回の介護報酬の見直し検討のときに検討すると、こういうお考えでございますから、是非そうしていただきたいと思っておりますが、大臣、何か感想ございますか、このことについて。
○国務大臣(尾辻秀久君) 配置医師と非配置医師、この辺の往診料をどうするかという問題は、今の私どもの整理の仕方はもう申し上げたとおりで御理解いただいておると思いますから、そういう整理の仕方はいたしておりますが、検討すべきことも多いので検討さしていただきますというふうにお答え申し上げております。それが私どもの考え方でございます。
○谷博之君 はい、分かりました。
 それで、一つこれ、現場からのそういういろんな同じ、ある中でやっぱりそういう状況になったときに、その施設の施設長なり職員の方々がどういうふうな対応をしていくのかということなんですが、いろんなケースがあると思いますが、いわゆるマニュアル的なものをやっぱりしっかり作っていく必要があるんじゃないかというふうに、そういう声も聞いています。したがって、そこら辺も、その検討を是非していただきたいと思いますし、それからもう一点は、ターミナルケアを受けるそういう人たちも随分多いわけですけれども、そういうところに看護師のそういう資格を持った方がやっぱり将来配置できるようなそういうシステムも考える必要があるんじゃないかなと思っておりまして、これも是非検討していただきたいと思っています。
 それから、保険局長に質問しようと思いましたが、時間がありませんので割愛さしていただきまして、次に、先ほど西島委員からもちょっと質問が出ておりましたが、実は先週の参議院の本会議で独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案というのが提案されまして、これの委員会質疑なんかも入ってまいりますが、三月三十一日に年金・健康保険福祉施設に係る整理合理化計画、これが発表されております。この中で、先ほど指摘がありました社会保険診療所と健康管理センター、これの譲渡の問題をちょっとお聞きしたいと思っておりますが、資料三を見ていただきますと、先ほども指摘ありましたように、政管健保の生活習慣病の予防健診の都道府県別受診率、これが平成十五年度三〇・二%、各県によって相当ばらつきがありますが、こういう状況になっています。このいわゆる健診のこの三〇・二%の中に、先ほど申し上げました社会保険診療所とかそれから健康管理センターが果たしている役割もこの中に入っているわけです。
 そういう中で、今申し上げましたような、三月三十一日に計画案が出ましたけれども、その中に、こういう譲渡をする場合に一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とすると、こういうふうに書いてあるんですが、この一定の期間というのはいつごろなんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ね、御指摘ございましたように、三月三十一日に私ども策定させていただきました整理合理化計画におきまして、社会保険診療所、それから健康管理センターの譲渡につきましては、これらが地域医療に果たしている役割にかんがみまして、一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とするとさせていただきました。
 この一定期間の具体的内容についてでございますが、あらかじめ一律に定めるということはなかなか難しかろうと。個々の施設を一般競争入札に付すに際しまして、その施設がそれぞれ地域医療の中で果たしている機能、あるいはそれぞれの地方自治体あるいは地域住民の方々など関係者の御意向、こういったものを十分に考慮した上で定めることが適当ではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、機構が発足しました後、機構におきまして他の法人における売払い時の事例なども参考にしながら検討されるものというふうに考えております。
○谷博之君 これは全国的には七か所の社会保険診療所と十五か所の健康管理センターのそういう施設があるわけですけれども、例えばその場所を見ておりますと、例えば社会保険診療所は東京のあの新宿の歌舞伎町にもありますね。ああいう施設がもし将来民間に譲渡されてきたときに、あの辺の歓楽街ですからね、例えばの話、ソープランドのようなものができたらどうするんだろうかと、こんなような冗談話をする人もいるんですけれども、やっぱりそれはいわゆる民間に譲渡するということと同時に、例えば新しくできる独立行政法人、独法の例えば政管健保の新独法、こういうようなところにそういうふうな譲渡をさせていくというのも一つの手ではないかというふうに思っています。これは是非検討していただきたい。
 それからもう一点は、大臣に確認の意味でお伺いしますけれども、今申し上げた二つのこのいわゆる健診の機関、これは言うまでもないんですが、中小企業やあるいは地域性の大変交通の便の悪いところにも健診車が行ってしっかりとした検査をしています。そういう意味で私は、三〇・二%の中にそういうふうな一生懸命頑張って取り組んでいるそのパーセンテージも入っているというふうに思います。したがって、そういうふうな例えば社会保険の診療所あるいは健康管理センター、こういう機関の果たしてきた役割、今までの役割についてどのように評価されているか、どのように認識されておられるか、大臣にお答えいただきたいと思うんですが。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただいております政府管掌健康保険の生活習慣病予防健診事業でございますけれども、これは昭和三十九年から事業が開始されました。当時は、社会保険病院でありますとか社会保険診療所を中心とした公的病院で実施をされてまいりました。そういうところでもう圧倒的に多くの割合を、役割を果たしていただいたわけであります。
 しかし、最近になりまして民間医療機関への委託が順次拡大をされまして、こうしたところの、公的なところの役割も変化をしてきたことは事実でございます。変化してきたことを踏まえて今回の措置につながるわけでございますけれども、しかし、今先生が御指摘いただきましたように、そうした中で依然として地域においてこうしたところが担ってきた機能、これは極めて大きいものもあると認識をいたしておりますので、今後、こうしたものの扱い、すなわち整理合理化ということを行いますに当たっては、その辺の配慮というのは極めて十分にしなきゃいけないと、こういうふうに考えておるところでございます。
○谷博之君 資料の四を見ていただきますと、これは平成十四年度ですか、の参議院決算委員会における警告決議、内閣に対する警告というもので、これ出されておりますけれども、これは年金財政運営、とりわけ貴重なこういう保険料の無駄遣いは決して許さないと、こういう思いがしっかりここに入っているわけですね。
 一方では、こういう施設を譲渡したからそれですべて責任が終わったんだと、こういうことでももちろんありません。少なくとも、厚生労働省や社会保険庁がいろんな政策的な課題の中でこういう施設を造っていって、結果として大変な赤字を生み出したということでありますから、そういう意味のそもそも政策立案段階からの責任がやっぱりあるというふうに言わざるを得ません。その結果として、こういう内閣に対する警告決議が出ていると思うんです。
 したがって、ここにもいろいろ書いてあります、計画の中にはできるだけ譲渡価格を高くしなさいとかいろいろ書いてありますけれども、これはこれとして一つの方法としては分かりますけれども、その前の問題としてのやはり責任をしっかり感じていただきたいと思っています。これは、是非強くその辺は要望しておきたいと思っております。
 それから、次の問題に入りますけれども、三月の三十一日に、これは報道で拝見をいたしましたけれども、シベリアの抑留者、戦後、昭和二十年の八月二十三日に、当時旧満州に駐留していた日本の軍人軍属の方々が、いわゆるスターリンの布告によってたくさんの方がシベリアにあるいはモンゴルに抑留された、こういう事実があります。そして、そういう方々のいわゆる行方不明者の中、そのうち二万七千人と言われておりますが、北朝鮮に移されて、その移された名簿が、ロシアの軍事古文書局からロシアの日本大使館にその名簿が渡されたと、こういうふうなことが報道されておりましたけれども、この名簿は今どちらにありますか。
○政府参考人(大槻勝啓君) お答え申し上げます。
 シベリア抑留で旧ソ連から北朝鮮に移送された方の名簿についてのお尋ねでございます。
 外務省に確認いたしましたところ、御指摘のように、名簿などを含みます関係資料につきましては、本年三月三十一日、ロシア国立軍事古文書館から在ロシア日本国大使館に提供されました後、現在日本に向けて送付中であるというふうに聞いております。今週半ばには外務省から厚生労働省の方へ提供できるというふうに聞いております。
○谷博之君 まあ、三月三十一日に受け取って、今日が四月の十一日ですから随分時間が掛かっているんだなと。だれかが持ってくればその次の日にはもう着くだろうと思いますが、まあそれはそれとして、いろいろ事情があるのかもしれませんが。
 いずれにしても、この名簿の中身ですね、当然それは名前、それから生年月日等々は入っていると思いますが、どういう死因で亡くなったのか、あるいは、まあ亡くなったという言い方はおかしいですね、これ、移送されたわけですから。亡くなったというんじゃなくて、要するに出身地とか、そういうふうなことが記載されているかどうか。どういうふうな項目があるかについてはお分かりになりますか。
○政府参考人(大槻勝啓君) この名簿につきましては、まだ受領前ということでもございますし、正確な内容は現時点でははっきりとは申し上げられないわけでございますけれども、外務省に確認いたしましたところ、ロシア側からの説明におきましては、この名簿というのは、シベリア抑留で旧ソ連から北朝鮮に移送された方約二万七千人分につきまして、その氏名、生年及び階級が記されたものであると聞いております。
○谷博之君 そうしますと、今後この名簿を厚生労働省はどのようにこれは使われる予定なんですか。
○政府参考人(大槻勝啓君) この御指摘の名簿につきましては、先ほど申し上げましたように、今週半ばに当省の方に引渡しがあるかと思いますので、引渡しを受けました後に速やかにロシア語から日本語に翻訳作業を進めると。それから、翻訳終了後は、私どもの保管をしております陸海軍の関係の人事資料等と照合いたしました上、極力その名簿登載者の特定に努めたいというふうに考えておるところでございます。
○谷博之君 報道によると、終戦後、シベリアに抑留された方々の中で体力に非常に弱い方、衰弱をされている方とかそういう方々がどうも北朝鮮の方に移送されたんではないかと、こういうふうに言われておりますが。
 そこで、改めて私お伺いしたいんですけれども、戦後、いわゆるシベリアやモンゴルに抑留された全体の人の数ですね、総人数、それから今把握している亡くなられた方の数、それから日本に帰国した人の数、それから結果として行方不明になっている人たちの数、これ、数字を挙げていただけますか。
○政府参考人(大槻勝啓君) 厚生労働省におきましては、戦後、シベリアの抑留者につきまして、その数がいかほどのものかということにつきましていろんな調査をやってまいったところでございます。特に、帰還をされました方からの情報というものが非常に大きい材料になったわけでございますけれども、そういった形で調査をいたしました結果、推計でございますけれども、ソ連地域に抑留された方が約五十七万五千人、そして現在までに帰還をされた方がそのうち約四十七万三千人、そして死亡と認められる方が約五万五千人と。この五十七万五千人から帰還された方、そして死亡と認められる方を差し引きますと、約四万七千人の方が残るわけでございます。
 こういった方々の中には、病弱のため、いったんソ連に入られた後、満州、北朝鮮地域に送られた方、移送された方がいらっしゃるというふうに考えております。
○谷博之君 そうしますと、この今お話がありました行方不明の四万七千人の中に今回の二万七千人が入っていると、こういうことですか。北朝鮮に移送されたと。
○政府参考人(大槻勝啓君) 厚生労働省におきますこれまでの調査結果からしますと、先ほどの、申し上げましたように、約、差引き四万七千人の方が行方不明と申しますか、そのうちの多くの部分が病弱のため満州、北朝鮮に送られた方であろうと、こういうふうに推計、推定をしておるということでございます。
 今回の名簿がどのようなものかにつきましては、先ほど来申し上げたところでございます。その詳細につきまして、やはり具体的に分析等いたしませんと、その辺の関係につきましては現状ではちょっと説明ができかねるということで御理解を賜りたいと思います。
○谷博之君 別に今度ロシア政府から一万一千人の新たな死亡者名簿が出てきたというふうな話があるんですが、その事実はどうでしょう。
○政府参考人(大槻勝啓君) 委員の御指摘のように、昨年度後半から、現在もまだ作業途中でございますけれども、ロシア側におきまして約一万人の資料が提供されるという報道があったわけでございますけれども、この点につきまして説明を申し上げますと、実は平成五年でございますけれども、ロシア側から抑留中死亡者約三万七千五百人分につきまして十五項目にわたる事項を記載いたしました資料が提供されたところでございます。今回、昨年度末から今現在にかけましてロシア側で作業いたしておりますけれども、その当時、平成五年にいただいた資料の基になりました原本の文書と申しますか、抑留中死亡者の登録文書、これが発見されたということで、それを今ロシア側の方で取りまとめ中でございます。
 逐次引渡しを受けておりますけれども、近々その引渡しが完了する予定でございます。この資料につきましても、提供された後は画像等の入力等を行いましてデータベース化いたしまして当局保管資料との照合を行うと、その上で特定作業に努めることとしております。
○谷博之君 更に重ねてお伺いしますが、先ほど五万五千人の方が亡くなられたということですが、この方々のいわゆる遺族に対する、遺骨が届けられた数は何人ぐらいなんでしょうか。
○政府参考人(大槻勝啓君) 旧ソ連抑留中死亡者の遺骨収集についてのお尋ねでございます。
 この点につきましては、平成三年に日ソ両国間で締結されました協定に基づきまして、平成四年度以降遺骨収集に努めてきたわけでございます。昨年度末までに一万六千百二十六柱の遺骨を収集したところでございます。
○谷博之君 いろいろ具体的な数字を今挙げていただきました。非常に、この委員会は平成十五年度の決算をやっているんですが、六十年前のこうした問題がまだ実は解決できないで残っているんですよ。そのことをやっぱり我々はしっかりと現実を見詰めなきゃいけないと思います。
 そして、これ、大臣ね、北朝鮮と日本は正式に国交ないですね。その北朝鮮に移送されて、二万七千人の日本の人たちが北朝鮮に移ったんですよね。これ、この名簿を使ってどうしますか。例えば今説明ありましたように、本人を確認するにしたって、これ確認のしようがないわけですね。国連代表部かあるいは中国政府辺りを介して調べてもらうかどうかというふうな話になってくると思うんですね。
 ところが、その家族の方は今平均年齢が、帰国された方が八十歳超えていますから、八十三歳という年ですからもう本当に御高齢になっています。そういう方々のいわゆる配偶者や子供さんやそういう人たちは、お父さんやあるいは夫が帰ってこなかった、どうしているんだろうという人をずうっと六十年間思い続けている方はたくさんいるんですね。ひょっとしてこの二万七千人の中に関係者がいるかもしれないというふうな思いを持っている方もおられると思います。
 そういう人たちに対するいわゆるその事実を確認したり追跡をしたりということは、これはどういう形でやりますかね、大臣。お考えありますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、先ほど来お答え申し上げておりますように、まだ私どもの手元にこの名簿が来ておりません。したがいまして、どういう名簿が来るかということがまず大きな問題であります。
 と申し上げますのは、シベリアで亡くなった方の名簿というのも何回かにわたって私どもいただいておりますけれども、これも判別するのに随分苦労した名簿でございます。もう一生懸命何て書いてあるんだろうかとかもうみんなで苦労して判別して、そしてできるだけ正確に判別したもので今遺骨収集なんかも行っておるところでございます。あえてこういうお話申し上げるのは、まず、その二万七千と言われていますが、それがどんな名簿で来るかというのが今私どもとしては大変関心があるところでございます。
 しかし、いずれにいたしましても名簿が来るわけでありますから、この名簿を、どんなに読みにくかろうが、何であれ必死で私どもはまず読みまして、そしてこの方々がその後どうなっていかれたのか、しっかりと我々はその照合する作業を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○谷博之君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、そのほかにも文部科学省の方に質問も用意しておりましたが、取り上げられなかったことをおわびいたしたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
○林久美子君 民主党・新緑風会の林久美子でございます。本日は、決算委員会で初めて質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、学校の安全についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 今、我が国の学校を取り巻く環境は大きく変化をしております。皆さんよく御存じのように、池田小事件、そして長崎の佐世保市においての事件、そして今年に入ってからも、大阪の寝屋川市で教職員が犠牲になる事件など、学校現場における犯罪が全国各地で発生をいたしております。
 かつて、学校というのは子供たちにとって安全な場所で、保護者も安心して子供たちを送り出していたはずです。しかしながら、今や学校の安全神話は本当に音を立てて崩れてしまいました。子供たちが学び、そして伸び伸びと友情をはぐくむであろう学校現場は、決して子供たちにとって、また教職員にとってすら安全な場所ではなくなってしまったということが言えるかと思います。
 私たちが幼いころ、学校で地震や火災を想定した訓練はございましたが、まさか殺人事件というようなものを想定した訓練は行われていない、そういうことが起こるなんて想像すらしない、そういう時代でございました。しかしながら、今、時代は確実に変化をしてきています。そして、政治というのはとりわけ子供たちの安全を、命を守るということに関しては、何にも増してスピーディーに、そして積極的に取り組んでいかねばならないというふうに思っております。
 それでは、まず冒頭、中山文部科学大臣にお伺いをいたします。
 先月の三十一日に文部科学省が設置をしたプロジェクトチームによる検討の結果、第一次報告というものをまとめられました。この中では、校門を原則施錠することというふうにされております。ちょっと文言御紹介いたしますと、授業中、昼休み、休憩時間等は原則として門は施錠、下校時間は交代制にするなど、個人に掛かる負担を軽減をしながら、門を開放している時間帯は地域のボランティアの協力を得ることや警備員を置くことなどにより、門において子供の安全を見守ることが望まれると、こうした記述もございます。
 それでは、全国には門のない学校もあるというふうに伺っておりますが、文部科学省は全国の公立の小中学校、一体幾つ門があって、幾つ門がないのか、地域性はあるのかどうか、まずお伺いをいたします。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
 私どもの方では、全国の学校の学校安全管理の取組状況について調査をいたしました。そして、本年一月に公表したところでございますけれども、門のある学校、ない学校の区別につきましては、その調査項目としては入ってございません。ただ、実感といたしましては、もう先生御案内のとおり、やっぱり都市部では塀、門があり、施錠されるような状況になっているということでございましょうけれども、地方におきましては、そういう門、塀がないというものが結構、数あるんではないかというふうに承知しているところでございます。
○林久美子君 現状、門幾つあるのか、ないのか、地域的なものはどうか、把握をしていらっしゃらないということでございました。現状を把握するということがまず対策を講じる上での第一歩であると考えております。門のない学校はどうするのかという議論を始め、現状をしっかりと把握していただきたいというふうに思うわけでございますけれども、文部科学省として、学校の安全管理に関するあるいは設備に関する実態調査行う予定はあるのでしょうか。
○政府参考人(素川富司君) 先ほど少し触れさしていただきましたけれども、全国の国公私立の小中学校等を対象にいたしまして、学校の安全管理の取組状況に対して調査を行いまして、これを本年一月に公表したところでございます。
 先ほど御指摘のありました門があるかないかという項目については調査の対象に入っておりませんけれども、学校独自の危機管理マニュアルを作成したらどうかとか、いろんな設備がどのように設置されているかどうかとか、いろんなシステムでございますね、警報システムはどうかといったような項目につきまして調査しているところでございます。
○林久美子君 そうした調査をしていらっしゃるのは存じ上げておりますが、門についても把握していらっしゃらないということは不十分なのではないかということを申し上げたいというふうに思います。
 では、次の質問に参らせていただきます。
 文部科学省の取組というのは現実の、現場の思いとは懸け離れているというような気がしております。先ほど例に取り上げました校門の原則施錠につきましても、実際、現場からはいろいろな声が聞かれております。私も、門のある学校で働いていらっしゃいます先生にお話を伺ったんですけれども、校門は開けておかざるを得ないという声も聞かれました。これはどういうことかといいますと、校門と一口に言いましても、もちろんインターホンの付いているそういう校門もあれば、何にもない、そういうところもあるわけでございます。その学校では、子供が、遅れてくる子供であるとか、不登校の子が後で来るとか、業者の出入りがあるとかいうような状態のときに、インターホンすら付いていないということは、じゃ常時だれかが横にいて、門を開けたり閉めたりかぎを付けたり外したりしなくてはいけないのかと、とてもじゃないけれども、そういう人員の余裕はないということでございました。
 原則施錠もいいかと思います。しかし、子供たちの安全を守る責任を全うするだけのマンパワーの充実というのが求められるのではないかというふうに思います。絶対的に不足しているマンパワーの充実や、あるいはそれに伴う予算措置などについてはどのようにお考えでしょうか、中山文部大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) 文部科学省におきましては、御指摘のように、ソフト面といいますかハード面、両面にわたりまして、子供たち、そして先生方の安全を守るということが大事であろうと、このように考えておるわけでございまして、現在調査を進めておりますし、また先ほど第一次の報告をさせていただいたところでございますけれども、度重なる事件、事故が起こりましたものですからイタチごっこみたいな感もあるわけでございますが、何とか子供たちの安全を守りたいという思いで、いろんな形で今検討し、また検討した結果をまた予算その他の関係で今実施に移しているというふうに御認識いただきたいと思います。
○林久美子君 改めてお伺いをしたいんですけれども、中山大臣は、現状、学校現場においてマンパワーが足りていると思われますか、不足していると思われますか、いずれでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) このマンパワーといった場合に、何をとらえてマンパワーと言うかは非常に難しいわけでございまして、それぞれの地域の状況等も違うわけでございますから、そういう意味で、警備員を配備しようと、もう既に配備をしているところもあるわけでございますし、あるいはボランティアの方々をお願いして、そしてその方々を中心にして学校、安全守ろうというようなところもあるわけでございますし、文部科学省としては、先ほど申し上げましたように、そういったいろいろな取組に対して国としていろんなアドバイスあるいは指針を出し、あるいは予算を組みまして、そういったスクールガードといいますかね、そういった方々も養成するとか、あるいはその幹部の方々といいますか、チームリーダーとなるような方々、今年の予算で千二百人ほど警察官のOB等を起用いたしまして、そういった指導といいますか、巡回とか、そういった責任を持つ方々に委嘱しようとか、いろんな動きをしているところでございます。
○林久美子君 はっきりとした御答弁がいただけなかったんですけれども、今おっしゃいましたスクールガードあるいはスクールガードリーダーにつきましては、私の思いとしましては、スクールガードリーダー一人当たりおよそ十校程度持つというふうに伺っておりますが、面的な基準もないと。そして、スクールガードについては、ボランティアの方、恐らく保護者の方になるであろうということでございましたが、一校当たり何人程度お願いをするのかというのも文科省としては考えていないと。非常に私としては不十分な対策ではないかと、国としてのきちっとそのビジョンが見えないというふうに思っているということをお話をさせていただきたいと思います。
 今答弁の中でもございましたけれども、学校におきまして非常に差が今ございます。警備員を配置している学校もあれば防犯カメラを付けている学校もある、あるいはインターホンすら付いていない学校もあると。これは非常にその財源によって地域に格差が出てきているということでございます。こうした地域格差というのは一定、打開をしつつ、小中学校の安全というのを守っていくべきであると思います。
 現在、小中学校の設置基準は省令によって定められていると。具体的な中身は学校施設整備指針によることとなっており、この指針の中にも防犯計画、章が立てられていて、門の配置や防犯監視システムの必要性が述べられておりますけれども、必須事項とはされておりません。
 真剣に子供たちの、あるいは学校現場の安全確保に取り組むのであれば、それぞれの学校が満たすべき防犯上の最低基準、拘束力のある基準というのを設けるべきであると考えます。さらに、その基準を満たすべきコストは国がきちっと負担をすべきであるというふうに思いますけれども、その辺りのお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 御指摘の学校施設整備指針というのは、これは学校施設を計画、そして設計する際の留意事項を示したものでございまして、防犯関連規定として施設配備上の留意点とかあるいは防犯設備の積極的な活用等について示しているところでございます。
 この学校施設の防犯対策につきましては、学校施設整備指針等を踏まえまして、各学校や設置者が、先ほども申し上げましたけど、学校とかあるいは地域の実情に応じまして、日常的、そして定期的な点検、評価等を実施しながら、ソフト面、ハード面にわたりまして対策を適当に組み合わせて実施するということでございまして、これ繰り返して申し上げますが、あくまでその設置の管理者、責任者がその実情に応じて取り組むべき問題であると、このように考えております。
○林久美子君 それでは大臣は、子供たちの学校の安全を守るための対策として、国としてはもうこれで十分であるというふうに思っていらっしゃるという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) これはなかなか難しいんですけど、私どもとしてはできる限りのことをやりたいということでやっているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、第一義的には設置管理者の責任でございますけれども、国としては、その場合のいろんな指針だとかモデル的なものを示したりとか、あるいはできる限り予算的な面で応援していくということに力を入れていきたいと、このように考えておるところでございます。
○林久美子君 今、責任は第一義的には設置者であるというふうにおっしゃいましたけれども、今、基本的に学校現場での安全対策というのは、先ほど申し上げましたように、マンパワー不足、そして財政的格差の中で教員任せ、ボランティア頼みで行われていると言っても過言ではないかと思います。
 例えば、遊具の安全点検などは、もちろん大臣も御存じかと思いますけれども、学校の先生が定期的に行っていらっしゃるわけです。金属疲労などについての専門的知識があるわけでもない、そういう中で、例えばブランコだったり鉄棒だったりを見て、ああ、これはいつぐらいまでもつかどうかということを学校の先生が点検をしている。これは、車の車検を自分でやるようなもんだと私は思っています。
 それと併せまして、私の地元の滋賀県東近江市をちょっと御紹介いたしますと、不審者の侵入を防ぐために、今、毎日ではないんですけれども、地域のボランティアの方が校舎の中や外でパトロールをしていらっしゃいます。また、登下校時に合わせて買物に行くとか、しかも、防犯パトロール中と書かれたステッカーを張った自転車に乗って行くとか、そうやって地域の方たちも一生懸命取組を進めていらっしゃいます。
 もちろん、学校の先生の努力とか地域のボランティアの協力というのはもちろん必要であると思いますけれども、じゃ、万が一何かあったときの責任はどこにあるんですか。だれが持つんでしょうか。お伺いいたします。
○政府参考人(素川富司君) その事故がどのような状況で起きるのかということによろうかと思いますけれども、一般的には、学校の管理下というように判断される場合にはやはり学校の設置者が責任を持つ。そして、具体的にはそれを担当しています、まあその具体的な事案によりまして、どのように関係したのかということにかかわってくると思います。
○林久美子君 何かあると責任は設置者であるということをおっしゃいます。でも、国はいつも、国づくりは人づくり、人づくりは国づくりであるというふうにおっしゃると思います。責任を持たずして、国づくりは人づくりだと、人づくりは国づくりだとおっしゃっていらっしゃるのでしょうか。
 これまで、子供たちの安全をめぐっては通達やマニュアルでそういう指導を続けてこられましたけれども、これまでは、学校とか地域とか親の役割を求めるばかりで、国としての役割を果たそうという姿勢が見られなかったと、今の答弁でも見られないのではないかというふうに思います。
 先ほどもお伺いしましたけれども、大臣が、そして国が、もうこれで子供たちを守るための対策はもう十分だと、政府ではこれ以上しないんだと思っていらっしゃるのかどうかと。あわせまして、やっぱり私たちは今国としてしっかりと子供を守るべき必要というのがあると思います。今、私たち民主党は、子供たちの安全を守るためにきちっと国として一定の責任を果たそうということで、法律の制定も含めまして、学校の最低基準であるとかあるいは安全職員制度とか、そうしたものの創設も含んだ法律の制定を目指して今検討を進めさせていただいておりますが、こうした私たちの提案について大臣はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 国の責任を否定するわけではございませんが、幾らのじゃ整備を行い、幾らの予算を付ければそれで安全、国の責任を全うしたんだと。これは幾らやっても、それで事故が起こったらまた、それはまた問題になるわけでございますから、国としては学校の安全確保の施策を推進することが極めて重要な課題であるという認識の下に様々な手だてを講じていると、こういうことでございます。
 ただ、全国三万三千以上もあります学校でございますから、文部省が中央において幾ら目を光らせたって、これはできることには限界があるわけでございますから、実際問題としては設置責任者である市町村、そして学校の方で責任を持ってやっていただくと。それに対して、文部科学省としては、地域における様々な取組を国として支援するという観点から、学校安全の充実にハード、ソフト両面におきまして総合的に取り組みます例えば子ども安全プロジェクトを始めとして、財政措置を伴う施策を含め、様々な支援策を推進しておるところでございまして、十七年度におきましては、子ども安全プロジェクトを更に推進するために地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業を実施していることでございまして、各自治体におきましては、このような支援策も有効に活用していただいて、それぞれの地域の実情を踏まえた対策を円滑に実施していただくことを期待しているわけでございます。
 今後とも、学校における安全管理に関する更なる取組ができますように、学校安全に関する施策の更なる充実を図っていきたいと、このように考えております。
○林久美子君 それでは、最後に確認をさせていただきます。
 国としてはきちっと法律なり何らかの形をして子供たちの安全を守っていくことをする気はないと、設置者がやるのをバックアップをする、支援をするだけでいいと考えていらっしゃるという認識でよろしいんでしょうか。イエスかノーでお答えをください。
○国務大臣(中山成彬君) 法律を作れば安全が守れるんならこれにこしたことはありませんが、それだけでは足りないと、だからこそ様々ないろんな施策を講じているんだということを御理解いただきたいと思います。
○林久美子君 私にも子供がおります。今のままでは安心して子供を学校に通わせることができないと、そういう母親の気持ちとしてどうか真摯に受け止めていただいて、今後の子供たちの安全を守るという政策に生かしていただきたいとお願いをいたします。
 どうもありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに、文科省さんにお伺いしたいことがございまして、財団法人の日本学会事務センターの破産につきまして今日はまずお聞きしたいと思います。
 このセンターは、もう御承知のとおり、文科省さんが所管をしてきた財団法人でございまして、昨年の八月に正に非営利の公益法人である財団が破産をするという前代未聞の出来事が起きました。公益法人ですので、本来は公益に資するためにつくられた財団なわけでございますけれども、逆に全国に広がる約三百に上る様々な学会が公益を、その学会に対する公益が損害を与えるという、そういうことになってしまったわけでございまして、どういうことかといいますと、この三百の様々な団体、学会が預け金として預けてきたものが返却されなくなってしまったと、債権額はおよそ十一億五千万と、こういうふうにも言われておりまして、この案件につきましては今裁判外での和解が進行中であると、このように承知をしてございます。
 しかしながら、これはまだ真相がしっかりと解明されていないんではないか。こういう公益法人の破産ということを二度と繰り返さないためにも、やはりこれをしっかりと真相を解明し、そのためにこの再発を防止していくということが大事ではないかというふうに思っているわけでございますので、その点から御質問をさせていただきたいと思います。
 まず大臣の方に、この監督責任のある文科省として、今回のこの財団法人の破産につきましてどんな御感想というか御所見をお持ちか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) この財団法人日本学会事務センターが破産という事態に至ったということは、まずセンターにおいて、寄附行為に反しまして文部科学大臣の承認手続を経ることなく長期借入れを行うなど、財務運営が適切に行われなかったと。しかも、一部の役員のみがそれに関与をしまして、長期間にわたって他の理事あるいは監事によるチェック機能が働いていなかったと。さらに、このような財務状況が明らかになって以降、センターの再建に向けて関係者の理解や支援が得られなかったという点にあると考えておりまして、文部科学省としては、同センターからの報告を受けるまで財務状況の問題点を認識するに至らず、今回の事態に至ったことは遺憾と言わざるを得ない、そういう意味で法人の指導監督という観点からも改善すべき点があったのではないかと、このように考えております。
○西田実仁君 正に今御指摘されたとおりでございまして、なぜこの資金不足に陥ったのかと。本来であればその預り金が、預かってそこから融通していけばいいだけの話ですので、資金不足に陥ること自体がおかしいわけでありますけれども、それが生じてしまった理由として挙げられておりますのは、今大臣も御指摘された点でございますが、このセンターが本社ビルを造るという、長期借入れを、文科省さんにも報告することなく借入れを起こしました。これが平成三年、東京の駒込ビルを建てるというところで生じたわけでございます。
 ただ、ここで不思議なのは、まず年々、当然のことながら、財務諸表等は文科省さんに報告をされていたかと思います。その中にどういう書類があったのかということはいま一つ不明でございますが、これはあれですか、キャッシュフロー計算書というのは毎年出されていたんでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) お答え申し上げます。
 日本学会事務センターの決算に当たりましては、この学会事務センターの行う学会等に関する事業に関しまして特別会計を組んでおりまして、企業・法人会計基準に基づきまして会計を行っておりました。損益計算書、貸借対照表等が提出されております。
○西田実仁君 これ、口座もたしか一つだったと思いますけれども、キャッシュフロー計算書等を見ると、いわゆる預金等流動資産における現金や未収入金、立替金、また長期定期預金、いわゆるこういう預金等と学会からのこの預り金、どちらが多いかというのをですね、本来は学会からの預り金の方が当然のことながら少なくって預金等が多くなければいけないわけですけれども、この平成三年、四年ぐらいから既にキャッシュフローがマイナスになっていると、こういう資料が私の手元にございまして、特にこのビル建設費十一億円、土地代七・七億、建物三・四億、そして銀行からの借入金は十億と。ビルの建設費が十一億で銀行からの借入れが十億ですから、もう既にその時点で一億円のマイナスということになっているわけですけれども、こうした事実は当時知らされていなかったということでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 実際上の財産目録等は確かに提出されておりましたが、現実に資産の状況として、例えばその流動資産とそれから流動負債の部分について、全体の状況、総額の数字としては報告を受けておったようでございますが、そこのところについては具体的に全体として、固定資産その他の条項の評価額と合わせまして、全体としてはプラスマイナスが言わば合うような形で貸借対照表等が提出されておったということでございます。
○西田実仁君 そういう何かこうどんぶり勘定的なものではなくて、結局、キャッシュフロー計算書は、まずじゃ提出はされていなかったということでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 損益計算書が提出されていたということでございます。
○西田実仁君 これ、大臣、こうした、ちょっと一般論になりますけれども、要するに平成三、四年ごろからこの財団は事業を拡大しようということで、いろんな形で、本社ビルを始めとして、事務所を出したり、あるいは子会社をつくって、ユーティリティセンターという名のその子会社に対して貸付金を起こしたりとか、こうしたことが資金不足を呼んでしまったということになると思いますけれども、そもそもガバナンスであるこの理事会のメンバー、専務理事や常務理事、また理事に対しまして、これ文科省としてはどのように指導していくべきなのか、あるいは監督責任の範囲ですね、この辺どういうふうに考えておられますか。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。
 公益法人の指導監督につきましては、御案内のとおり、平成八年にこの設立許可及び指導監督基準もございます。それ以前からの指導もございますけれども、よりしっかりしようということでそういう基準も設けられまして、それにのっとって指導を行ってきたわけでございますけれども、したがってこういう報告を求める、あるいは必要に応じて私どもとしてその状況を把握に参ると、こういうこともやっておったわけでございますけれども、しかしながら、こういう問題が起こってしまったということから、私どもとしてはこの見直しがやっぱり必要であろうということで、昨年十月、公益法人の指導監督に係る改善策というものを取りまとめまして、今現在かなりの数の文部科学省関係公益法人がございますけれども、その指導徹底に努めているところでございます。
○西田実仁君 もう一度数字に戻りますと、この十二年度からの数字、私も入手いたしまして見ましたけれども、次期繰越剰余金が十二年度、十三年度、十四年度とずっと出ているわけですね。
 先ほど申し上げましたとおり、もう既に実はキャッシュフローを見ますと平成三年の段階でもうマイナスになっているわけですけれども、報告されているものはもうずっと繰越剰余金が出ていると。そして、十五年度に至っていきなりこの六億三千五百三十一万円の欠損金が出ましたということが報告をされているわけでございまして、それまでずっと剰余金が出ていて、いきなり六億の赤という、もう信じられないような決算が生じているわけでございますけれども。
 これ、そもそも文科省さんに報告するには当然理事会の審議事項だと思います、こうした数字はですね。これ、ずっと剰余金が続いていて、いきなり欠損の六億も、しかも赤が出てしまう、これはなぜ文科省さんとしては分からなかったのか、これちょっと指摘させていただきたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 私ども、この法人につきましては企業会計基準にのっとってずっと計算が行われてきたわけでございますが、公益法人会計基準にのっとるようにという指導をこの法人にはかねてからいたしておりました。
 そこで、十五年度の決算でございますけれども、企業会計基準を公益法人会計基準に変更すると同時に、実際上、今回初めて必要な引き当てを行ったということによるわけでございます。つまり、従来から引き当てが必要だったものが損益計算書に特別損失として計上されていなかったということでございます。
 具体的に、御指摘の長期借入金の問題もございますが、株式会社の学会のユーティリティセンターという一種の子会社でございますけれども、これに対する貸付けに関して、非常に貸付けの状況は不良債権化しつつあるにもかかわらず計上されていなかったということ、そういう意味で非常に不良債権化し、非常に財務状況が悪くなっているというようなことにつきまして、それとあわせまして、退職給与引当金について必要な引当額の計上を行ったということが主たる要因であるというふうに思っております。
 要は、全体として、理事の交代等に伴いまして、そこの中で実際上財務の状況について必ずしも明らかではないというので、言わばその法人内において様々な検討が行われ、そういう中でそういう計上をされ十五年度の決算に至ったと、こういうことでございます。
○西田実仁君 いや、引き当ての話もそうですけれども、私が問題にしたいのは、この十五年度の予算でまず現れていなかった数字がいきなり決算で現れてきたというのがあるんですね。それはつまりこの借入れです。借入れはそれまで、十五年の予算の段階でゼロというふうに出ているわけです。ところが、決算の段階でいきなり四千万円も実は返済しているんですと、こう出てきているんですが、この事実、どうですか。
○政府参考人(清水潔君) 失礼しました。
 借入自体は、先生御指摘のように、十五年の時期ではなく、その前に行われたということがございます。そういう意味で、損益計算上、私どももそこのところで、長期借入金に関する返済についてそういう形で出てこない形でいいのか悪いのかというのは、私ども、後になってからでございますけれども、私ども検討いたしましたし、また公認会計士等にもあれしたわけでございますけれども、ここのところについて、特に損益計算上そこのところが出てこないことについて、これがおかしい、不適切であるというようなことでも必ずしもないというようなことでございました。
○西田実仁君 結局、報告がなかったから分からなかったんだということで果たして済まされるのかということじゃないかと思うんですね。
 特に、いろんな全国の学問の振興のためにつくられている学会、例えば財団法人一つつくるにしても、大変に厳しく文科省さんはチェックしているわけですね。例えば人事の問題、また経理の問題と、かなり厳しくその設立のときには食い込んでいるわけです。チェックしていると。にもかかわらず、自分たちのある意味で天下りが行くところに関してはチェックが厳しくないんじゃないかと、こういう疑念がかなりいろんな学会、起きています。これについてはどうでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 天下りについての御指摘でございましたですけれども、学会事務センターについて言えば、当省で把握している文部科学省の勤務経験のある者は二名でございます。
 一名は専務理事で、先ほど専務理事の交代によって財務状況が必ずしも良くないのではないかということが次第に明らかになってきたということで、この専務理事が文部科学省が紹介した者でございます。
 会長については、平成六年から就任しておりますけれども、これ非常勤でございまして、無報酬でございます。学会事務センター独自にその人の見識を買われて就任したものというふうに承知しております。
○西田実仁君 公認会計士も一応数年前からこのセンターの財政上のいろいろな問題点を指摘してきたようでありますね。しかしながら、またこれも理事には伝えているということであります。伝えていながら、この理事会では、議論をした経緯はあるけれども報告されていないと。
 確かにおっしゃるように、私もいろいろお聞きしましたら、結局幕引きのために天下りというか、文科省の方が行って大変御苦労されて、ある意味で幕引きというか、したということも承知はしておりますけれども、いずれにしてもこの理事会の結局ガバナンスというものがかなりいい加減で、非常勤非常勤で、おる方も多く非常勤で、もう好き勝手にやってしまっていたと。それに対して文科省さんからも、所管であるにもかかわらずなかなかそれが管理できなかったと。これ、今後こうしたことの再発防止するためにどうされていきますか。
 まず、文科省の方で今所管している財団法人、幾つぐらいあって、それを何人ぐらいで所管しているんでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 文部科学省全体の公益法人数は千九百三十五法人でございます。例えば、これ全体でどの法人がということではなくて、例えばこの問題になりました学会事務センターを所管していた学術研究助成課という課でございますけれども、この学術研究助成課所管の公益法人数は二百八十九法人でございます。
 なお、公益法人の担当職員は、課長を除きますと三名でございます。
○西田実仁君 今後、このチェック体制というのは基本的にどうするんでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 先ほど官房長も説明いたしましたけれども、この学会事務センターの破産の問題が起こりましたものですから、こういったことが二度と起こらないようにということで、昨年の十月、公益法人の指導監督に係る改善策というのを取りまとめたところでございまして、これには実地検査を強化しようと、例えば定期だけじゃなくて臨時にも検査に行こうとか、あるいは指導監督に係る職員の研修を実施しようと、そんなことをやっているわけでございますし、また、法人の監査体制を見直すという観点から、外部の監査の積極的な導入とか、あるいは内部監査体制の改善に向けての指導の強化と、こういったことを、改善策を講じてきたところでございまして、やはり文科省関係、数は多いといっても、それぞれやはりもう何といいますか、当然信頼の上に成り立っている、そういった財団なんでありますけれども、やはり今までチェック体制とかそういったものに、ちょっと甘かったんじゃないかと、抜かりがあったんじゃないかなと、こんなことも感じるわけでございます。
 今後、再びこういったことが起こらないようにしっかり取り組んでいかないけないと、このように考えておるところでございます。
○西田実仁君 これにつきましては、とにかく、なぜこうなってしまったのかということがいま一つ、裁判外での和解ということもあってつまびらかにされていないという面もあるやに聞いておりまして、これ是非こうした経緯、これまでの経緯を更に公表する御努力をお願いしたいと思います。
 続きまして、やはり文科省さんの問題ですが、独法の科学技術振興機構の収支改善計画につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 これ、いろんな科学技術振興のために様々な文献情報を提供していくという大変重要なお仕事をされていることは承知してございます。この科学技術振興機構におきましては、一般勘定と文献勘定というのがございまして、文献情報提供業務と、ここが大変に収支が良くないと、よろしくないということで問題視されているわけであります。
 なぜこれが、収支が良くないと問題かといいますと、これはもう産業投資特別会計、産投特会から出資を受けておりまして、既にこれまでにもう累損で六百九十四億円という膨大なお金がずっと赤字になっているんですね。
 まずお聞きしたいんですけれども、まずこの文献情報提供業務、文献勘定ですね、これサービス始めてから黒字になったことはあるんでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) ございません。
○西田実仁君 一度もないわけですね。
 これ信じられないというか、非常に不思議なんですけれども。なぜ不思議かといいますと、まず、昭和六十年に産投特会からお金を入れたときには、将来的に収益性が見込める事業であると。昭和六十年ですので、もう二十年も前の話なんですが、二十年前に産投特会からお金を入れたその条件は、将来収益性を生んでちゃんと返還されると、こういうことが前提で始まった事業なんだろうと思うんですね。まあその前にも一般会計から出資金で入っていましたけれども。
 それで、なかなかでも収益上がらないということで、今度は何をやったかというと、利息収入を得る目的で基本財産を積み立てた。つまり、本業で、情報提供業務ではなかなかお金がもうからないので、その産投特会から入ってきたお金を積み立てて国債等で運用して、そこで収益を上げようと。まあ企業でいえば、格好良く言えば営業外利益を上げようということですけれども、そもそもの趣旨からして何か変だなとまず思うわけですけれども。しかし、それでもその事業収入がどんどん落ち込むために全然それをカバーし切れないということで、この積立金も十四年度にはもうやめてしまっているという非常に情けない勘定になってしまっておりますが。
 どうなんでしょうか、この二十年来なかなかこれ黒字にすることができないと。そもそも何か、この産投特会からお金入れて収益を上げようということの仕組み自体が何かもう破綻しているような気がしてならないわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(清水潔君) この文献情報提供事業でございますけれども、文献情報自体は、この情報事業の特色といたしましては、特定の分野ではなくて、科学技術全般にわたる様々な情報データベース、あるいはその場面での国外の文献も含めた国内の企業研究者等への情報提供を基本的にベースとしておるわけでございます。そういう意味では、論文作成とか研究動向あるいは研究開発の動向の把握という点からいえば非常に大きな科学技術の発展に対する役割をしていると、このような認識をしておるわけでございます。
 お尋ねの産投、産業投資特別会計からの出資でございますが、昭和六十年からでございます。これは、同年度に産業投資特別会計法が改正されて、目的から経済の再建が削除される一方で、国民経済の発展と国民生活の向上に資する事業に投資対象が拡大されたことによるものでございます。
 言わば、このデータベースそれ自体について、どんどんどんどんデータベースは更新が必要になりますけれども、そのデータベース自体としては、正に有形無形の科学技術の我が国の発展のためのいわゆる基盤を成すものである、このような認識をしておるわけでございます。
○西田実仁君 それ、ですから私、別にこの事業が意味がないとか、そういうことを言っているわけじゃないんです。そもそもの仕組みとして、ちゃんとお金を返すという、将来に収益を上げてお金を返しますよという約束で始まった事業なのでおかしいんじゃないかと言っているわけで、この事業自体が意味がないとか、お金を入れるのがおかしいとか、そんなことを言っているわけじゃないんですよ。
 それで、先走って申し上げますと、一応収支改善計画を出しています。しかしながら、これも情けなくて、もう既に四回目の収支改善見直し。平成十四年九月、十二月、さらに平成十五年九月と、三回も収支改善見直しをこのわずか二年余りの間に出しているにもかかわらず、更に四度目のこの収支改善計画を出さざるを得ないという。
 普通、そもそも二十年間掛けて一度も黒字になったことない事業に、更に三回も見直しても、で、また今度四回目だと。これを信じろということ自体が信じられないわけでありますけれども、平成二十一年度から単年度黒字化して中長期的に、まあこれは三十年後ぐらいという、まあ数値化されておりませんけれども、繰損を解消するというような計画になっているようでありますけれども、そもそも十四、十五年度とこの収支改善計画が見直された理由についてお聞きします。
○政府参考人(清水潔君) 十四、十五にかけての収支改善計画の見直しでございますが、一言で申し上げますならば、全体としてこの事業は、データベースの使用については、従量制と申しますか、その使用に応じて課金される、料金をいただくというシステムになってございます。
 残念ながら、特に平成十四年度でございますけれども、いわゆるこの研究開発関係で全体として景気が必ずしも、景気動向の状況を受けまして、使用料が私どもJSTで見込んだ以上に上がらなかった、むしろ使用料料金が、全体の収入が下がったということが一番大きな要因であろうかというふうに思っております。
○西田実仁君 計画を見させてもらいましたけれども、ちょっと疑問な点もたくさんあります。
 例えば、この委託単価を度重ねて引き下げていくように、で経費節減をする。あるいは、支出減のために、提供事業費のうち情報流通促進費の情報資料館等経費の一般勘定での措置一億七千五百万円というのも、要するに一般勘定の方で経費を賄ってもらうというような、ある意味非常にこそくな費用の付け替えがなされているようにも思われるわけでございますが、そんなことはともかくとして、時間もございませんので抜本的なことをお聞きしますけれども、先走って申し上げますと、この収支改善計画の星は二つあって、企業も同じです、企業の場合でも同じでございますが、いかに売上げを増やすのか、そしていかに支出を減らすのか、この二つがここで語られているわけでございます。
 売上げをいかに伸ばすのか。これはあれですか、これまでのこの勘定の業務執行体制に何かこれまでとは違うことがあるんでしょうか。同じ体制でやっていくんでしょうか、それとも、ガバナンスの問題でございますけれども、執行体制はこれまでとはかなり抜本的に異なるんでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 全体として、正に先生御指摘のように、経済情勢の悪化等により事業の収入が計画を下回るということは想定されるところも確かにございます。このような事態にいかに迅速的確に、いわゆる収支改善計画の見直し等を行いながら状況に対応していくかということも必要なことであろうというふうに思っております。そういう意味では、本部機構の役員による経営判断によりまして適時的確に努めるということがポイントであろうというふうに思っております。
○西田実仁君 全く先ほどと同じなんですけれども、理事会とか、そのチェック機能が働いていないんじゃないでしょうか。
 この文献勘定部署も、新しい体制見せてもらいましたけれども、外からですから分かりませんけれども、人数だけで見ると以前と全く同じ五十一名がこの勘定の部署として充てられている。別に全く今までと変わらない。数字だけは、確かに今御指摘のとおり、まあはっきり言って縮小均衡の形を取ろうとしている、売上げが減っていくのはしようがない、その代わり支出もどんどん減らしましょうと。その支出減らしましょうという中には、先ほど申し上げた一般勘定に付け替えるみたいなことが入っているわけですけれども。
 それはともかくとしても、このこうした体制、今までとそんなに変わんない体制で、そして売上げを伸ばして収支を改善するというふうに言われても、これまでの過去の経緯からすると、もう二十年来、そしてもう四度目の見直し。もう本当に抜本的に何か考えない限りは無理ではないかと。ですから、収益性を上げるという事業であるんであれば、例えば市場化テストにもかけて本当に収益が上がる体制取るとか、もう従来とは違う形を取らないと、もう六百九十四億お金が、税金がどんどんどんどん入るだけ入っていくわけで。
 これ、産投特会は三年後ですか、ゼロになるという収支改善計画になっております。これはちょっと意味はよく分かりませんけれども、もうこの事業は大事だから収益性上がらなくても一般勘定でやっていくのか、どういうことを意味しているんですかね、これは。お聞きします。
○政府参考人(清水潔君) 全体として、経営改善計画でございますが、まず第一は経費の節減でございます。経費の節減によりまして、三年間累積で十七億円の経費削減を行いつつ、かつ一方で、他方で収入の、売上げの増を図ろうということでございます。
 そういうふうな流れの中で、産業投資特別会計からいただくというのは、先生御指摘のように平成十九年度をもって打ち切ると。要するに、そういうことで全体として、一方で経費削減と同時に、様々なこれからのユーザーの、あるいは新しい形のユーザーの開拓を行うことによって収入増を図り、併せてそういう意味での、言わばそういう意味での累積の損益というものの解消に向けて、まずは単年度から、単年度黒字化に向けて努力したいと、こういうことの表れでございます。
○西田実仁君 普通の企業であれば、そういうふうに努力しますということで、それを信じてかけてみようとこう思うわけでありますけれども、何度も申し上げているとおり今までの経緯がございまして、もう二十年間ずっと黒字になったこともないし、しかも収支改善しますといって、もう三回も全部駄目だったと。こういうふうになると、なかなかこれ信じ難いわけでありまして、ですから、あえてもしということでお聞きしますけれども、万が一この収支が改善しない、そしてどんどんどんどん単年度も黒字化しないし、繰損はといえばもう全然解消できないと。このもしということを聞いていいのかどうか分かりませんけれども、過去の経緯からして是非お答えいただきたいと思いますが、そういう場合はどういうふうにするおつもりなんでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 今そういう経営改善計画を立ててから、十六年度、正に収支見込みが私どもそういう意味での試金石かというふうに思っておるわけでございます。十六年度決算の数字はまだ出ておらないので確定的なことは申し上げにくいわけでございますけれども、JSTからは、売上げの目標自体は計画値を若干下回るものの、単年度損益は確実に計画を達成しそうであると、このような報告を受けているところでございます。
 まずJSTで、そういう意味でこの経営改善計画が待ったなしであるということはJSTにおいてもよく承知しておりますし、私どももまずは単年度黒字化に向けてのこの三年間のJSTの努力というものを見守ってまいりたい、かように思っております。
○西田実仁君 もう企業でも、この間もある大手電機メーカーが経営者が替わっていましたけれども、二十年間こういう形で続いてきて、しかもこの直近の三年、事業収支の見直しがなされて、達成できないと。普通であれば当然体制を替えて、一新して臨んでいくというのが企業のやるべきことであり、また、実はこの収支改善計画にも民間的経営感覚という言葉を入れておりまして、この民間的経営感覚ということをうたっているにもかかわらず、執行体制はほとんど前と変わらないというのがちょっと信じ難いわけでございまして、ちょっと時間もございません、次の話題に移りますけれども、抜本的にやはりこの見直しをしてもらいたいというふうに要望させていただきたいと思います。
 続きまして、厚生労働省の大臣にお聞きしたいと思います。尾辻さん、よろしくお願いいたします。
 取り上げたいテーマはシルバー人材センターでございまして、まず、昨年、私はまだ昨年七月に当選したばかりでそのときにはいませんでしたけれども、成立いたしましたこの高齢法の改正の意義ですね、特にシルバー人材センターにおける労働者派遣事業ということにつきまして、この高齢法の改正の意義について大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 高齢者が意欲と能力のある限り働き続けることができる社会を実現していく、このことは必要なことであると考えておりまして、そのために高齢者の雇用・就業対策がますます重要となってきておるところでございます。こうした中でございますので、高齢者の多様な就業ニーズに対応して、地域に密着した就業機会を提供してきたこのシルバー人材センターは、今後これまで以上に大きな役割を期待されておると、こういうふうに考えます。
 こうした状況を踏まえまして、昨年、今お話しいただきました、成立したところの改正高年齢者雇用安定法でございますけれども、これによりましてシルバー人材センターがこれまでの請負や無料職業紹介による就業機会の提供に加えまして届出により派遣事業を行うことができることといたしまして、高齢者のより多様な就業ニーズに対応できるようにしたということでございます。
○西田実仁君 今大臣御指摘いただきましたとおりでございまして、この届出、普通は許可なわけですけれども、特例として届出ということでかなりハードルを低くしました。また、労働者派遣事業を始める要件も、基本的には普通の事業者、これは事業者は、県連合センター、県連に当たりますけれども、県連であれば届出して事業を始めれるという、ハードルをかなり低くして、今後団塊の世代が、一千万とか言われる引退される方のいろんな御経験をもっと社会に還元していただこうと、こういう仕組みを国の方で定めたわけでございますが、現時点で全国の県連におけますこの届出がどのぐらいあるか、事務方の方からお聞きしたいと思います。
○政府参考人(金子順一君) お尋ねのございましたシルバー人材センターにおきます派遣事業の実施の状況でございますが、昨年の十二月一日に法が施行されまして、施行後四か月という状況でございますが、現在のところ十都道府県のシルバー連合、拠点数にいたしまして十一で届出が行われたというふうに承知しております。
○西田実仁君 これは、私も地元が埼玉でございますけれども、市町村のシルバー人材センターですね、ここは一生懸命やりたいというふうに思っているところからいろんな御要望をいただいておりまして、しかしながら、市町村のシルバー人材センターがやりたいといってもできるわけじゃないんですね。仕組み上、事業者はあくまでも県の連合センター、県連が届出をして事業者になっていただかなければ、派遣元事業者になっていただかなければ市町村のシルバー人材センターはそうした労働者派遣事業の契約もできないと、こういう仕組みになっているものですから、もっと積極的にやってほしいと、こういう要望も随分起きてきているわけでありますけれども。
 今十県とお聞きしまして、これから今年度に向けてもっと増えてくることを期待するわけでありますけれども、どうでしょうか、実際になかなか積極的ではない、県の方が。県連が積極的ではないという一つの要因としては、人がいないということがよく言われるわけでありまして、実際に事業者になるためには事務局長なりが兼任をして、大体その事業者、責任を持たなきゃいけないと。こういうことで、ノウハウもまだないし、なかなか人もいないと、こういうことが言われるわけでありますけれども、現時点で十事業者、今年どうなるのか分かりませんけれども、この数字、どう評価されていますでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) 何分、この十二月から施行されたものでございます。
 今年度に向けましては、現在御検討いただいている連合が全国で十九連合ございます、別途。活動拠点数にして七十四ということでございますので、これから次第に全国のシルバー人材センター連合におきまして派遣事業の取組が進むのではないかと見ております。
 ただ、取組をするに当たりましては、今議員から御指摘にございましたように、やはりある一定の準備といいますか体制の確立ということが不可欠でございまして、そういったところの検討、準備になお時間を要しているところもあるということでございまして、今後、こうした取組を我々としても支援しながら、シルバー人材センターにおきまして派遣事業が円滑に取り組まれるよう取り組んでまいりたいと思っております。
○西田実仁君 このシルバー人材センター、大変にこれからの時代、大事になってくると思っておりまして、一つには、社会保険庁の事務局もブロック化してもっとスリム化していくという話があります。人手がもしないということであれば、この県連なんかももうそういうことも考えてもいいんじゃないかということもありますし、また、ハローワークにおきましてはかなり非常勤の民間の職員の方も活躍をされておられまして、もうちょっとこのシルバー人材センター、特にこの県連の方のいろんなニーズにこたえられるような体制を整えていくというための措置というか、いろんな、もっと柔軟に民間人を活用していくとか、こうしたことも考えていいんではないかと。ほとんどが今は実際に県のOBとか、もう一〇〇%近く常勤の方は、理事になっている方はそうした方が占めておられまして、それがだからといって悪いわけじゃありませんけれども、もうちょっとニーズにこたえていくような体制、柔軟な発想とか柔軟な体制を整えていくためにも、こうした民間人の活用、あるいは県連のブロック化によるスリム化で人手を労働者派遣事業に回していくとか、こうしたことも考えられていいんではないかというふうにひとつ提案させていただきたいと思いますけれども、最後にコメントをいただきまして、終わりたいと思います。
○政府参考人(金子順一君) 御指摘いただきましたように、今後、やはりシルバー人材センターの役割、高齢化社会が更に進む中で、大変地域の中で重要な役割を果たすものと考えております。そうした観点から、その運営に当たりますシルバー人材センター連合につきましても、できるだけ効率的に運営していただくということが必要であろうと思います。
 その一つとして、できるだけ民間の知恵をかりるというようなことも大変重要な視点だろうと思っておりますので、御指摘の点も含めまして、今後、シルバー人材センターの全国団体でございますシルバー人材センター事業協会もございますので、こちらとよく相談をしながら適切に対応してまいりたいと思っております。
○西田実仁君 終わります。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今日は、雇用対策について、二十分ほどですが、伺います。
 決算委員会ですので、まず、この数年相当の雇用対策予算を使ってきたということになると思いますけれども、まず、今までの雇用対策を全体どう見るかということで一言お聞きしたいと思いますけれども、私はまず、いろいろ雇用対策も必要ですが、国内、地域の経済、景気を良くすることがもう何よりも最大の雇用対策だというふうに思います。
 例えば、四年前に小泉内閣は五百三十万人雇用創出プランというのを出しました。五年間でサービス産業で五百三十万人仕事を増やすということでしたけれども、当時私は、これはもう絵にかいたもちだということで、竹中流の構造改革では、地域や国内の経済が、景気は悪くなって、サービス産業というのは、そもそも地域の景気が良くならないと、家計が良くならないと伸びませんから、そんなものは絵にかいたもちだという批判をしてきたところであります。
 尾辻大臣とは同じ委員会で、お聞きになっていただいたかも分かりませんけれども、四年たってどうなったかといいますと、内閣府の集計でいきますと、四年でやっと二百八十五万人増えただけと。サービス産業というのはそもそも増えるトレンドにあるんですけれども、非常に伸びが遅くて、四年でやっと二百八十五万人、五百三十万人になるにはあと一年で二百五十万人も雇用が増えなきゃいけないと。結局やっぱり絵にかいたもちだったということになると思います。
 このこと一つ見ても、最大の雇用対策というのは、やっぱり国内、地域の景気を良くすることではないかというふうに私は思っておるんですけれども、大臣のお考えをひとつ聞きたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) おっしゃるとおりでありまして、景気が良くならなきゃ結局雇用というのは進んでこない、これはもうそのとおりだと思います。
 したがいまして、今日までも私どもは、雇用対策といいますと、その実施に当たっては景気の状況の変化を的確に対応しつつ、経済対策と整合性を保ちながら対策を講じてきたところでございます。こうした対策の効果もありまして、今先生なりの評価もしていただきましたけれども、最近の雇用情勢見ますと、平成十六年の完全失業率が四・七%と、前年に比べて〇・六ポイント低下をいたしておりますし、有効求人倍率は〇・八三倍と、前年と比べて〇・一九ポイント上昇するなど、これはいつも申し上げておることでありますけれども、厳しさが残るものの改善はしておると、こういうふうに考えております。
 ただ、大きな問題二つあると思っておりますのは、一つは若者の問題でありますし、それからもう一つは地域格差が非常に大きい。雇用対策については、この二つが今日大きな課題だというふうに認識をいたしております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ただ、全体として、これ予算委員会で相当議論になりましたけれども、小泉内閣は、竹中路線といいますか、国内、地域の景気を悪くすることばっかりやっていると。その中で雇用対策というと、何かマッチポンプのような役割を担わされておられる部分もあるんではないかというふうに思います。
 個々の雇用対策でいえば、厚生労働省やられてきたこと、すべて否定するつもりはございません。いろいろ喜ばれたこともかなりあるというふうに思いますけれども、ただ、今も大臣言われていました若者の雇用といいますか、非正社員の拡大という点だけは、やっぱり厚生労働省が労働法制を改正して、派遣労働を拡大するとか、そういう点でやられている点はどうかなという点が、かねがね指摘させていただいていますとおり思っているところでございます。
 そういう点で、今大変危惧しているのが建設業における派遣労働解禁の問題です。
 去年の三月に製造業も基本的に解禁をされて、残る最大の産業は建設業と言われているところですけれども、この問題は、法案は五月ごろですか、出てくるということですので、内容は今日はそのものには触れません。そもそも論といいますか、基本的な考え方だけお聞きをしたいというふうに思うんですけれども。
 元々、建設業というのは、これまで労働者派遣事業が厳しく禁止されてまいりました。まずその理由について、参考人で結構です、教えてください。
○政府参考人(青木功君) 建設業務につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、労働者派遣事業は労働者派遣法によって禁止をされております。これは、御案内のように、建設業が通常、重層的な下請関係、それもかなり入り組んだものになって作業が行われております。
 こういった中で、建設業務において労働者派遣事業が行われる場合には、例えば雇用関係が非常に不明確になりまして、今、私ども建設労働者の雇用の改善等に関する法律に基づきまして、雇用関係の明確化だとか、あるいは雇用管理の近代化というものを事業者の皆さんや労働組合の人たちと一緒になって努めておりますけれども、そういったのに逆行することになってしまうではないかと。あるいは、現在でも見られますが、労働者に対するいわゆる不当な支配と言われる状態、あるいは中間搾取と言われる状態、そういったものの弊害がまだまだ除去されないのではないかと、こういったような理由に基づいているというふうに思っております。
○大門実紀史君 要するに建設業は、戦前、戦後間もないころから特に暴力団絡みの、何といいますか、口入れ業とかピンはねとか、あるいはタコ部屋というのもあったりして、そういうことがあって戦後民主化された日本で真っ先に建設業の人材派遣が禁止されたと、簡単に言えばそういう経過だと思います。
 ですから、今でさえ、今ございましたとおり重層下請とか中間搾取が行われやすい構造になっているという点でずっと禁止されてきたわけですけれども、それならばなぜ、今度出てまいりますけれども、建設業まで、まあ一応枠は掛かっておりますけれども派遣を解禁するという方向に踏み出すことになったんでしょうか。
○政府参考人(青木功君) 今国会に建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部改正案を提出をさせていただいております。
 これは、委員も御案内かと思いますが、いわゆる建設業は今なおいわゆる過剰供給構造にある産業というふうに言われております。それは二つありますが、したがって事業者の方あるいは、工事の受注減によりまして働いている方々もそれから事業者の方々もかなり厳しい環境に置かれ、まあ言うならば少しずつ縮小をしなければならないという問題が一つあります。しかしながら一方、建設業そのものが我が国の国づくりに果たす役割は非常に大きなものがあります。縮小はしても、その中で必要な技能労働者の方々はやはり活躍していかなければならない。
 こういった二つのジレンマを何とか解決しようということで関係審議会で御議論をいただきましたが、さきに申し上げましたような弊害をなくしつつ、一定の範囲内で働く人たちの言わば融通をし合いながらこういった事態に対処をしていくという新たな労働力需給調整システムを導入するのが良いではないかと、こういうふうな提言をいただきまして、今回、国会に法律案を提出させていただいたものでございます。
○大門実紀史君 それはあれですか、現場の方から何かニーズがあったんですか。働いている人たちがそういう制度を作ってほしいという、そういう要望でもあったんでしょうか。
○政府参考人(青木功君) これは、要望というよりも、実際には事業者の方々からそういった事業縮小の中でいい人をどうやって確保できるかというような御要望はございました。しかし、その中で、こういった御提案も受けて、私ども、労働組合の代表の方も入っている関係審議会の中でそういった要望を受け止めながら働く人々にも悪い影響がないというシステムづくりの御提案をいただいたものと考えております。
○大門実紀史君 よく分からないんですけれども、要するに、特区の問題で長野の小谷村と岐阜の建設業協会からあったのは私も承知しておりますが、あれはあれで中身をよく見ますと非常に理解できる中身で、あれはあれでよく、変な中間搾取が起こらないような仕組みで特区を認めてあげればよかった話で、私も建設関係出身ですが、その業界からあるいは組合から積極的にそんな要望が出たというのは聞いておりません。むしろ危惧の方が出されております。
 ですから、元々建設業というのは常用の雇用が少ないところで、言ってしまえば、みんな非正社員というか非正規雇用で、正に昔からジャスト・イン・タイムで現場があるときだけ人が集まって仕事するというところですから、ほかの業種と違って、それで仕事があぶれているとかミスマッチとか、そういうこと余りないものだというふうに思っておりますので、どうしてこういうものが出てきたのかいまだよく分かりません。
 いずれにせよ、今回の出てくる法案は、まあ今日時間ないんで詳しく言いませんが、要するに、いろいろ枠は掛けていただいていると、中間搾取、ピンはねとかブローカーが入らないようにと。ただ、みんな心配しておりますのは、これが全面解禁につながらないのかと。全面的な建設業における人材派遣につながらないのか。つまり、いろんな会社が入ってきて、どんどんどんどん建設業において人材派遣をやると、そんなことにならないかということが今の時点で一番みんな心配をしております。その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先生にもお話いただきましたように、建設業におきましては、中間搾取でありますとか強制労働等の問題が解消されていないということは承知をいたしております。したがいまして、現時点において、労働者派遣法を改正して、建設業務以外の分野と建設業を同様の取扱いとすることは適当でないと考えております。
 すなわち、今おっしゃいましたように、労働者派遣事業の解禁につなげるものではないということを申し上げておきたいと存じます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。大臣のその御答弁は大変みんな待っていたんではないかと思います。
 私は、この建設業の実態でいえば、一番危惧していますのは今現在の建設業における偽装請負、違法派遣の横行の問題です。建設業というのは今でも労務請負という形が行われております。親方が職人さん連れて現場に行って一つの仕事を仕上げる、いわゆる請負業ですね、請負業といいますか、請負業の形態は行われております。
 ところが、最近はそういう形ではなくて人だけ派遣すると。人だけ派遣するという、つまり派遣法違反です、明確な派遣法違反、偽装請負というのがかなり横行しておりますし、私、驚いたんですけれども、建設通信新聞というのがあります。これに元気な注目企業として、名前言いませんけれども、人材派遣をやっています、社員五十人で八百人抱えてやっていますと。何も知らないんですね、自分が違法、違反しているということをですね。それでこうやって公に載っていると。つまり、何も知らないで、派遣法違反というのを知らないでこういうことをやっている会社が建設業に特に増えております。まず、こういうものをきちっと取り締まらないと、先ほど言いましたものにこういうところが入ってくるんじゃないかという心配が一番あるわけですね。
 こういう建設業における偽装請負といいますか、違法派遣の実態、つかんでおられますか。
○政府参考人(青木功君) ただいまお話をいただきましたが、数量的にはともかく、そういった事例が間々あることは私どもも承知しております。
○大門実紀史君 間々あるというか、相当あるというふうに認識をしていただきたいと。
 予算委員会でも申し上げましたけれども、この間、偽装請負については厚労省としていろいろ調査されておりますね。あれをもうちょっと分析してもらうと、かなり建設関係が多いと。私の方で調べている限りでは、かなり多いです、しかも全部調べ切れているわけではありませんから。是非まずこれを、こういうものを取り締まってきちっとさせるということを抜きに、先ほどの、これから法案はどうなるか分かりませんが、相当反対の意見も強いようですから分かりませんけれども、そういうものがこういう心配する方向にならないかということのみんなの不安を取り除くためにも、まずこの違法派遣について徹底的な取締りをしてもらいたいというふうに思います。
 今日は大臣がストレートにいい答弁をしてもらいましたので、時間は早いですけれども、これで質問を終わりたいと思います。
○又市征治君 社民党の又市です。
 社会保険庁改革が取りざたをされてきておりますけれども、年金掛金の流用であるとか、先ほども出ていましたが、レガシーシステムの無駄遣いだとか、こんなことの是正は当然のことですけれども、ただ、今、国民の批判の中には、小泉内閣の度重なる医療、年金の改悪に対する反発や不信というのがやはり根底にあるということを、これを見とかにゃいかぬと、こう思います。これを忘れて、国民の年金と健康をどう守っていくか、こうした基本論議をないまま、安直に組織いじりをやったり人員削減に矮小化するということは、そういう点では、本来的な政府やあるいは官僚の責任を隠して、国民からの批判を、むしろ徴収などの末端で苦労している、現場で働いている職員の皆さんへのいじめにすり替える、こんな格好になりかねないということをまず申し上げておかなきゃならぬと思います。
 そこで、大変、御就任以来大変御苦労なさっている大臣にまずお伺いをいたしますけれども、今いる職員を削ったり民間に委託すれば、表面上はもちろんコスト下げれるかもしれません。しかし、正規職員、正規雇用を縮小して下請や非正規労働者に置き換えて賃金や労働条件を切り下げるのは、私は何ら改革にはならないんではないか、ひいては国民年金の空洞化をも進めるんではないか、このように思います。ましてこの労働行政の元締でありまして、今同僚からも出ましたけれども、均等待遇を推進する立場の厚生労働省として、これは逆に、今申し上げたような事例は大きな自己矛盾じゃないかと、このように思いますが、大臣の基本的な認識をお伺いをしておきます。
○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保険庁の組織の在り方については、いろいろ御議論を今いただいているところでございます。そして、いろんな御意見があることも承知をいたしております。その中ででありますけれども、現在、まず、内閣官房長官の下に置かれた社会保険庁の在り方に関する有識者会議で御検討もいただいておりますけれども、そこでの御検討の中身でありますが、先般、三月三十一日になりますけれども、グランドデザインを示されました。
 幾つか言っておられるんですけれども、その中で、今お話しいただきましたことに直接かかわる部分で申し上げますと、システムの刷新等による業務そのものの削減等進めることにより、職員数の相当程度の削減を図ることとされております。
 そのグランドデザインがございましたので、社会保険庁といたしましても、これは一定の前提の下で試算を、試しの計算を行ったんでありますけれども、どういう計算になりましたかといいますと、今、正規職員が約一万七千人でございます。それから、非常勤職員を含めますと約二万九千人というこの体制でございますけれども、このグランドデザインが、まず政管健保の組織をちょっと移すと、別にするということでございますから、そうした部分を含めて正規職員について約三千七百人、非常勤職員を含めると約一万六百人程度の削減ができるという見通し、これをまずはお示しいたしております。そうしたことを示したということを率直に申し上げるところでございます。
 そうしたこと、私どもは今申し上げたわけでありますけれども、いずれにいたしましても、五月の最終的な取りまとめが行われますので、このことについて、職員の削減可能数とか、こうしたものも含めて御議論をいただくことになっております。
 そうした御議論の結果を踏まえて私どもがということになりますけれども、これは今先生お話しいただきましたように、私どもは労働者の保護を所掌するという大事な役目を担っている役所でございますから、そうした立場も当然踏まえて事に当たらなきゃいけない、これはもう当然のことでありまして、そう考えておりますし、有識者会議の結論がどういう結論になるか、それに沿って、また一方からは国民の皆さんの信頼回復することができる組織改革というのが求められておりますので、そうしたものに両方踏まえて答えを出していきたいと存じております。
○又市征治君 小泉内閣で言ってこられた、規制改革会議とか、何でも民営化路線というのは、ちょっと正直結論が出てきたと思うんですよ。そういう意味では、格差社会をますます助長させたり、社会問題をもっと拡散させるようなこともあるわけで、今大臣最後におっしゃっていただきましたけれども、少なくとも厚生労働省は公的行政の中核たるコアの業務については外部化しないという、ここはやっぱり基本として当初方針はしっかり守っていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 そこで、少し具体的に伺ってまいりますが、アウトソーシングで本当にじゃコスト下がるのかということですけれども、どうも一連の政府の改革案すべてにこれは共通しているわけですが、まともに検証されてないわけですね。初めは割安に見えても、ノウハウを全部業者に握られて、結局高く付く。これは典型的な例が社会保険庁のこのNTTデータへの丸投げ。そして、無駄遣いが批判されたばかりなわけですよね。今回、またも電子システムの刷新をすると、こう言っておられるわけですが、それには再び多額の投資がまた必要になってくると。こういうわけで、この人減らしのためという甘い言葉に乗せられていくんではなくて、発想を転換して、システムの経費そのものの絶対額を年次計画を立てて削減すべきではないかということなんですが、この具体策、改めてお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) オンラインシステムについて、経費を計画的に削減していくべきではないかとのお尋ねございました。
 オンラインシステムにつきましては、御指摘もございました刷新可能性調査の結果を踏まえまして、まずは十七年度の末までに業務、システムの将来像を見据えた最適化計画を作ると。そして、十八年度以降、この十分な安全性、信頼性を確保した上で、競争性や効率性が高まるような見直しを行い、経費の削減を図るということにしております。
 もうちょっとシステムに要する経費について幾つかの点を申し上げますと、一つには、この昨年の十一月に社会保険庁内にシステム検証委員会という組織を設置いたしまして、専門知識を持つ民間スタッフの参画を得て、システム開発の必要性や開発規模の妥当性ということを独自に検証しております。また、この結果は庁内の調達委員会にお諮りを申し上げまして、最終的な契約の妥当性、コストの妥当性等の検証を行う体制を構築して、これに基づいて具体的な調達の適正化に努めておるというふうに考えております。
 先ほど引用ございました刷新可能性調査の結果におきましても、開発規模や費用の妥当性の検証が不十分であるという御指摘をいただいているところでありますので、私どもといたしましては、今後、ITガバナンスの強化という観点、そして契約の透明性の確保という観点からシステムの妥当性をきちんと管理できる体制づくりをつくりまして、全力を挙げて努力してまいりたいと考えております。
○又市征治君 社会保険庁がこの五日に自民党に示したという案が発表になりましたが、先ほど大臣からお話があったように、現在の正職員一万七千三百人余り、非常勤職員一万一千四百人余り、合わせて二万九千人余りの四割弱に当たる一万人ぐらいを削減するという話なわけですが、率直にこれを見て、これ今まで一体何していたんだろうかなというのが一つはありますし、本当にこれで大丈夫なのかいと、社会保険庁の仕事がと、こういうふうに感じました。
 具体的に少しお聞きをしてまいりますが、まず一つ、その中で言われている政管健保を移管するという、この公法人というのはどういう中身なのか。これ、公務員型の独立行政法人なのか、どういうことをお考えですか。
○政府参考人(青柳親房君) 政管健保の組織につきましては、先ほど大臣からも御紹介ございましたグランドデザインにおきまして、「被用者保険の最後の受け皿の機能は確保しつつ、医療費適正化等の保険者機能を強化する観点から、国とは切り離された公法人において運営することが適切」とされております。
 この政管健保の新組織の具体的な在り方につきましては、今後、社会保険庁改革の議論のみならず医療保険制度改革の議論もございますので、この中で更に検討が進められる予定でございます。御指摘の具体的な法人形態あるいは職員の身分につきましても、こうした検討と併せて御議論をいただきたいというふうに考えております。
○又市征治君 政管健保は組合健保よりも政府支援の性格が非常に強いわけですから、最低限やっぱり公務員型でなきゃならぬというのは私はそう思うんですが、そんな点も是非御検討いただきたいと、こう思っています。
 次に、これも大臣にお伺いをしたいんですが、この徴収や相談業務ですね、これを外部委託するというふうに言われているんですが、これらは年金の基幹的な業務、公権力の行使そのものですよ、これは。
 まず、この徴収業務についてですが、今、年金への信頼が失われて国民年金の徴収率が史上最低に下がっている、こういう状況ですが、これを回復するためには、十分な経験を積んで年金の意義に精通した職員による説得力ある活動というか、そういう取組が必要なわけですよね。
 だから、私はもう繰り返し、これはもう何度も申し上げてきたんですが、市町村の協力制度を取ってしまったところに問題がある、これは大臣にも前にちょっと申し上げましたけれども、これやっぱりむしろ復活すべきだと、こう提案を申し上げてきたと。市町村職員こそが個々の未納者の実態を一番よく把握をしているわけで、ここを遮断してしまったんですから、むしろ、この柔軟かつ説得力ある対応ができるこの市町村にむしろ努力すべきではないかと。坂口前大臣もこの点についての意義は認められておるわけです。それを行わずに逆に外部委託するというのは、納付率は私はまだまだ下がっていくと、こう言わざるを得ぬと思いますよ。
 この点について、大臣、もう一度そこらのところは再検討する余地はないのかどうか、検討されるべきじゃないですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに収納率の問題考えますときに、今御指摘いただいたような面が否定できないところではあると私も率直に思っております。
 そこで、それじゃ元に戻せるかという話、先生はそうしたらという御提案いただいておりますけれども、戻せるかなということを考えますと、まず各市町村がどういう体制を今取っているか。もう体制崩してしまっておりますから、どういう体制今取っているかというより、一遍崩した体制、人を外に、ほかに回してしまった、それをまた元に戻せるかなとか、こういうことを考えますと、慎重に検討しなきゃならないというか、非常に現実的に相当いろいろ検討すると問題があるだろうなというふうに思いますということをこれまた率直に申し上げるところでございます。
 したがいまして、今私どもが申し上げたいことは、市町村との連携はもう欠かせません。そして、市町村が持っておられるいろんな情報というのは今いただきながらやっておりますから、まずそうしたところから取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
○又市征治君 これは大臣も大変苦しい立場でしょうけれども、私は、やっぱりその資料をもらったって、現実に具体的なことを知っているのは市町村の職員なんですよ。これ、だから協力員なんて何ぼ増やしたって駄目だってふうにこれ申し上げてきたんですよ。まだこれを増やしますと、こういうふうに言っているわけで、やっぱりもう一度検討されるべきだと。これは単に国の責任だではなくて、市町村も含めて年金制度をどうするかという、この信頼を取り戻していく課題ですから、これはやっぱり是非模索いただくようによろしく御検討いただきたいと、これを申し上げたいと思います。
 一方で、今回千五百人、これをシフトすると、強制徴収等の業務等、こうなっていますけれども、ただ、大半の未納者に対しては回数を重ねて説得をする、あるいは分割納付などのきめ細かな誘導が必要で、ここに今申し上げたような意味も含めて大量のマンパワーが要るわけですけれども、ここで言われている、強制徴収等とあるけれども、これは全体としてのコアの業務のことであって、それは正規職員の増員だということで理解していいですか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねの件につきましては、正規職員を、例えばシステムの刷新あるいは定型業務の外部委託あるいはバックオフィス業務の定率化による減、それから、非常に例示で具体的に申し上げれば、例えば市場化テストによる減といったようなことによって削減していこうと、その部分をただいまお話の出ました強制徴収等の強化する業務にシフトしていこうということで考えておりますので、この間のシフトは基本的に正規職員についての増減というふうに理解をしております。
○又市征治君 そこで、この相談業務ですね。これは、正に国の年金制度の内容、一人一人の国民の実態に即して説明をする、まあ対人サービスの最先端に位置する業務ですよね。ただでさえこの制度が複雑化をして説明がし難い、この上に、相談者は大抵が国に対する苦情や不満をぶつけてくる、その苦情に対して言わば国を代表して応対をする仕事、大げさに言えばそういうことなんですが、これ民間委託に全くなじまないんじゃないですか。
○政府参考人(青柳親房君) お尋ねにもございましたように、年金相談、近年の高齢化でございますとか、あるいは国民年金制度への関心の高まりということで、大変量的にも増加しております。また、御指摘にもございましたように、度重なる制度改正で相談内容が大変複雑化しておるということは御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、実は私ども、現在でも年金相談件数の増加に対応するというために、社会保険庁の正規職員だけではなく、年金相談員等の謝金職員も活用いたしましてこれらの対応を行わしていただいております。この謝金職員については、相談者のニーズに応じた的確な対応が図れるようにということで、一つには例えば社会保険労務士の資格を持っておられる方、あるいは社会保険業務の経験者に委嘱をするというようなこと、それから、地方の現場だけではなく中央におきましても毎年五回程度研修会を開催してその資質の向上に努めております。
 また、今お尋ねのあった点の御懸念につきましては、年金相談についても、例えば裁定請求書の受付だとか審査業務など権利義務の確定に直接結び付くような面談による年金相談、これは年金の裁定権者である国が責任を持って直接実施すべき事務であると考えておりますが、他方、主に各種の通知書等への問い合わせの対応等を行うような業務、典型的には年金相談、電話相談センターの事業を念頭に置いておりますが、こういったものにつきましては市場化テストのモデル事業としても取り組むということで考えております。
 なお、その際には、当然のことでございますが、個人情報の保護あるいは国民サービスの質の確保という点には十分に留意して進めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 そこで今、あなたの口から二回、市場化テストの話出ましたからね。本年度から始めて全国に波及させることで四千六百人の減というふうに言われているんですが、民間業者に落札したら、片一方で非常勤職員から順に解雇していくんでしょう。解雇すれば、次の年度、役所側には委託業者と競争すべきマンパワーないんですよ、これ。マンパワーがこっち側にないのに次回の競争成り立つんですか、これ。論理矛盾もいいところじゃないですか。この人たちには徴収など大事なノウハウの蓄積があるわけで、これを市場化テストといって競争したけれども、競争する相手がこちら側にはなくなってしまって、こんなばかな話成り立ちませんよ。これ人的資産の正に浪費でもありますし、これ、再検討すべきだと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 私ども、国民年金保険料の納付率の回復という観点のために、現在でも、例えばコンビニエンスストアにおける保険料の納付委託など、民間活力を活用した様々な収納対策をやらせていただいておりますが、今回その一環として、市場化テストのモデル事業におきまして、電話あるいは戸別訪問によるところの納付督励をやらせていただく、あるいは保険料の納付委託というふうなことを包括的に委託しまして、その受託した事業者の創意工夫を生かした納付督励によって納付率の向上を目指すという目的がございます。御理解をその点についてはいただきたいと存じます。
 その上で、今回の市場化テストのモデル事業でございますが、五か所の社会保険事務所の収納業務を対象に実施するということでございますが、そのうちでも、所得情報を活用した免除勧奨あるいは強制徴収などの業務は、これは引き続き社会保険庁自らが実施をするということで、必要な職員をシフトさせるということで、全体としてより強固な収納体制を整えていくという観点で取り組んでおります。
 また、市場化テストの対象となります納付督励と社会保険庁自らが行います免除勧奨あるいは強制徴収というのは、これは密接不可分な関係でございますので、言わば受託事業者と一体となって納付率の向上を図っていくということでございますので、御懸念のような点は生じないように努めさせていただきたいと考えております。
○又市征治君 御懸念があるから言っているんですよ。御懸念がないようにと言ったって、こんな片一方側の競争の条件なくしてしまっておいて、それは話になりませんよ。
 そこで、何でもね、はやり言葉さえ唱えりゃいいというものじゃないんですよ、改革やるときに。ここは是非再検討し直してほしいと、こう思います。
 最後に、大臣にお伺いをいたしますが、以上、この案全体が、私はどうも現状を正しくとらえて改革しようとしているとは思えないんですね。手続上も、どうも一政党の内部機関に示されたと、こういうことでありまして、我々は正式に一度も聞いたことない。実施にこれがそのまま移されて、実施に移されていくとしたら大問題でありますし、この法案とする部分、その他国会にやっぱりきちっと示していただきたい。
 同時に、問題を熟知しているやっぱり現場の職員の声をもっと取り入れて進めるべきだろうというように思いますね。何か、有識者会議、どこか何か会議さえやりゃ改革進むみたいなのは、これは駄目ですよ。
 最後に、この案には実施期限が示されていませんけれども、内容の可否を含めて十分な期間を取って検討をいただきたいと思いますが、この点について大臣の御見解を承って、終わりたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お触れにもなりましたけれども、有識者会議において五月に最終的な取りまとめが行われる予定でございます。まあ、これは有識者会議に御議論をお願いしたわけでございますから、私どももそれはそれで取りまとめをお願いしております。そして、それをまた踏まえて私どもの答えを出していかなきゃならぬと思っておるわけでございます。
 当然、それから先は法律改正必要な部分も出てまいりますし、法律改正となりますと国会の御審議をお願いするということになりますから、そのような手順で進めていきたい、当然のことでございます。そう考えております。
 また、いろいろ現場の皆さんの意見もその答え出すに当たって聞くべきであろうというお話でございますけれども、昨年十月に既に個々の職員の皆さんが業務改善を提案できる内部改善提案制度も開始をいたしておりますし、また、村瀬長官、民間から来ていただいて精力的に、もう既に九十五か所と聞いておりますけれども、社会保険事務所を回って皆さんとの意見交換をしておられる。そうした皆さんの御意見をお聞きしながら、申し上げておるのは、現場の皆さんのお声もよくお聞きしながら私どもは答えを出し、そして国会での御審議をお願いします、そうさせていただきますということを申し上げたところであります。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますので、文部科学省及び厚生労働省の決算についての審査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会