第162回国会 行政監視委員会 第7号
平成十七年六月十三日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     和田ひろ子君     直嶋 正行君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     和田ひろ子君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     峰崎 直樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山口那津男君
    理 事
                荒井 広幸君
                後藤 博子君
                鶴保 庸介君
                岩本  司君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
    委 員
                愛知 治郎君
                北岡 秀二君
                佐藤 泰三君
                山東 昭子君
                田中 直紀君
                橋本 聖子君
                藤野 公孝君
                水落 敏栄君
                吉田 博美君
                岡崎トミ子君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
            ツルネン マルテイ君
                津田弥太郎君
                松岡  徹君
                峰崎 直樹君
                蓮   舫君
                和田ひろ子君
                渡辺 秀央君
                浮島とも子君
                吉川 春子君
                近藤 正道君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村田 吉隆君
   副大臣
       総務副大臣    今井  宏君
       総務副大臣    山本 公一君
       厚生労働副大臣  西  博義君
       国土交通副大臣  蓮実  進君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        白石 勝美君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中城 吉郎君
       内閣官房内閣審
       議官       竹内  洋君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   林  幹雄君
       内閣府食品安全
       委員会事務局長  齊藤  登君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      伊東 章二君
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       警察庁生活安全
       局長       伊藤 哲朗君
       金融庁総務企画
       局審議官     中江 公人君
       金融庁総務企画
       局参事官     大藤 俊行君
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       総務省情報通信
       政策局長     堀江 正弘君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     江嵜 正邦君
       総務省郵政行政
       局長       鈴木 康雄君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       財務大臣官房審
       議官       森本  学君
       財務省理財局次
       長        浜田 恵造君
       国税庁徴収部長  徳井  豊君
       文部科学省高等
       教育局長     石川  明君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       外口  崇君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       林野庁長官    前田 直登君
       国土交通大臣官
       房長       峰久 幸義君
       国土交通省総合
       政策局長     丸山  博君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
   参考人
       預金保険機構理
       事        松田 京司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (行政機関における不祥事案等に関する件)
 (政策評価制度の見直しに関する決議の件)
    ─────────────
○委員長(山口那津男君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官中城吉郎君外二十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山口那津男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山口那津男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に預金保険機構理事松田京司君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山口那津男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山口那津男君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、行政機関における不祥事案等に関する件について説明を聴取した後、質疑を行うことといたします。
 まず、平成十六年度会計監査実施結果報告書及び予算執行の一層の適正化に向けた施策の推進状況について警察庁から説明を聴取いたします。安藤警察庁長官官房長。
○政府参考人(安藤隆春君) 行政監視委員会の御審議に先立ち、平成十六年度会計監査実施結果報告書及び予算執行の一層の適正化に向けた施策の推進状況について御説明申し上げます。
 まず、平成十六年度会計監査実施結果報告書の概要について御説明申し上げます。
 警察庁においては、予算執行に関する不適正事案が発生したことを踏まえ、昨年二月、長官官房長を長とする予算執行検討委員会を設置し、予算執行の一層の適正化に向けた施策を講じてきたところであります。
 本報告書につきましては、昨年四月、警察における会計監査を充実強化するために制定されました会計の監査に関する規則、平成十六年国家公安委員会規則第九号に基づき実施した平成十六年度の会計監査の結果を取りまとめたものを、四月二十八日、国家公安委員会に報告したものであります。
 平成十六年度の会計監査につきましては、捜査費を重点としつつ、契約、旅費、物品管理等についても監査項目とし、四十五都府県警察を含む合計六十三部署に対して実施したところであります。その結果、一部において改善を指示した事例及び指導により自主的な改善を促した事例があったところであります。
 捜査費関係で改善を指示したものとしては、留置人の食糧費について県費で支払うべきところを国費の捜査費で支払っていた事例、捜査費関係文書について幹部による確実な点検がなされていなかった事例、捜査費関係文書の管理について警察庁が指示した以外の者が管理できるとしていた事例等があったところであります。
 また、指導により改善を促したものとしては、捜査活動に伴って必要な経費に私費を充てていた事例、捜査費関係文書に押印漏れや記載漏れなどがあった事例等があったところであります。
 捜査費関係以外の項目につきましては、本来支給すべき旅費を支給していなかった事例について追給を指示したほか、物品を購入してから相当期間これを供用していなかった事例等について指導したところであります。
 平成十七年度の会計監査につきましては、昨年度の結果を踏まえ、監査手法に一層改善、工夫を加えながら推進する所存であります。
 次に、予算執行の一層の適正化に向けた施策の推進状況について御説明申し上げます。
 昨年来、予算執行の一層の適正化に向けた施策を講じてまいりましたが、今般、都道府県警察における施策の推進状況に関する調査を行い、その結果を取りまとめたところであります。
 調査の結果、監査に従事する職員の増員、専任の監査室長の配置等監査体制を充実するとともに、予算を執行した捜査員からの聞き取りを重視した監査を実施するなど会計監査の強化が図られていること、監査委員から捜査員に対する聞き取りの要求があった場合には、いずれの部署においてもこれに応じるなど会計経理の透明性の確保が図られていること、支出等関係文書とその他の文書の分離保管や捜査費関係文書の所属長による保管の措置がとられるなど会計文書の適正な管理が図られていること、各種会議における指示や会計経理に係る解説資料の作成、配布等により適正経理の重要性に対する意識の徹底を図るための方策が講じられていること等、都道府県警察において予算執行の一層の適正化に向けた施策が講じられていることが認められたところであります。
 他方、支出等関係文書のファイルに表示すべき保存期間等が一部で表示されていなかったなどの不備が調査において報告されたところであり、警察庁としては、引き続きこれまで講じてきました施策の徹底を図り、国民の信頼確保に努めてまいる所存であります。
 説明は以上でございます。
○委員長(山口那津男君) 次に、社会保険庁改革の在り方について厚生労働省から説明を聴取いたします。尾辻厚生労働大臣。
○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保険庁改革について御説明いたします。
 社会保険庁については、国民の視点に立っていないサービス、予算執行の無駄、非効率な業務運営、保険料徴収の不徹底、内部統制、ガバナンスの不足、個人情報の不適切な取扱いといった様々な問題が指摘され、国民の皆様から厳しい御批判を受けてきたところであります。
 こうした様々な問題について、抜本的な改善を図るためには、業務改革と組織改革の双方の観点から思い切った取組を進めることが不可欠であります。
 このため、まず業務改革については、昨年七月に村瀬長官が就任して以降、徹底して業務の問題点等を精査した上で、昨年秋には八十項目から成る緊急対応プログラムを策定し、逐次実施に移しております。
 一方、組織改革については、内閣官房長官の下の社会保険庁の在り方に関する有識者会議において検討が行われてきたところですが、先般、五月三十一日、最終取りまとめが行われ、国民の信頼を回復するために取り組むべき道筋を示していただいたところであります。
 具体的には、お手元に資料として差し上げてございますけれども、社会保険庁が行ってきた公的年金制度の運営と政管健保の運営を分離し、公的年金については、保険料収納率の向上という最重要課題に対応し、国の責任の下に確実な保険料の収納と給付を確保し安定的な運営を図る必要があることから、運営組織は国の機関とし、業務全般について政府が明確かつ十全に運営責任を果たす体制を確立することとした上で、国民の意向を反映しつつ、組織の統制を確保するため、意思決定機能を担う年金運営会議や特別監査官に外部専門家を登用するなど、従来にはない新しい組織の姿をお示しいただきました。
 併せて、収納率の向上、サービスの向上、事業運営の効率化等を実現するための構造改革を推進することとし、市場化テストの実施による外部委託の拡大等を通じた大幅な人員の削減、能力主義、実績主義に立った民間企業的な人事、処遇の導入、都道府県ごとに設置されている社会保険事務局の廃止等の地方組織の抜本的な見直しなどを進めることとされております。
 一方、政管健保の運営については、医療費の地域差に対応し、医療費適正化等の保険者努力を促すため、国から切り離し、全国単位の公法人を新たに設立することとされました。
 併せて、福祉施設について、五年後の廃止を前提とした独立行政法人による売却等を進めるとともに、社会保険オンラインシステムの徹底的な見直しに取り組むこと等が掲げられたところであります。
 今後は、この最終取りまとめを受けて、改革の年次計画を作成の上、その的確な実現に向けた取組を進めなければなりませんが、このため、組織改革のより具体的な内容や進め方について検討するポスト有識者会議というべき場を私の下に設置することとしています。
 いずれにしても、最終的な組織形態が国民の皆様の理解を得られ、信頼を回復することのできるものとなるよう、引き続き、社会保険庁長官とともに最善を尽くしてまいります。
○委員長(山口那津男君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○荒井広幸君 荒井でございます。
 今日は大臣、副大臣、政務官の方は一切御答弁いただきません。事務方の皆様方に、官僚の皆さんに御返答いただきたいということで、恐縮ですが大勢おそろいをいただいた次第でございました。ありがとうございます。
 一時間いただいておりますので、参議院がこの行政監視という視点で、独自の切り込みでもって国民の安定と発展と将来に責任を持つと、そういう役割を担っているわけですけれども、早速ですけれども、今現在進んでおります総理が最大の優先課題であると称する郵政、そして金融、また政府広報、そして行政救済制度、様々なところが非常に濃縮されて、あるいは関係してこれが郵政ということで出てきているというふうに思われます。たかが郵政、されど郵政、こう言った方がいいんだろうというふうに思います。
 そこで、早速お尋ねをさせていただきます。
 これは総務省の方でしょうか、郵政行政局。郵政は、戦後で結構です、国民の税金の投入、国民からの税金が郵政に入ったと、こういう現実はございますか。数字があればお示しください。
○政府参考人(鈴木康雄君) お答えを申し上げます。
 戦後の経済混乱期の異常なインフレ対策の一環としまして一時的に一般会計から繰入れが行われたことはございますが、このような異常な時期を除きまして郵政事業を支援するための一般会計等からの繰入れは行われておりません。
 具体的な数字で申し上げますと、旧郵政事業特別会計では昭和二十二年から二十六年度に合計百二十三億二千万円余、旧郵便貯金特別会計では昭和二十六年から三十五年度に合計で四百九十五億円余を、また旧簡易生命保険特別会計では、昭和二十二年から二十七年度に今申し上げたインフレ対策と、あと沖縄復帰対策がございましたので四十八年から五十二年、合計、合わせまして二十億四千五百万円余が繰り入れられたところでございます。
○荒井広幸君 それらは返したものもありますか。国庫からもらった税金だったからというので返しましたか。
○政府参考人(鈴木康雄君) 返済義務のあるものと返済義務のないものとがございましたが、郵便貯金につきましては返済義務はなしということでございました。簡易生命保険につきましては、返済義務のあるものにつきましてはすべて返済をいたしております。
○荒井広幸君 今お話がありましたように、返済できるものは返済して、返済義務のないものは返済しない、こういうことですから、戦後、払えなくて払戻しのために若干ですがという現状はあると、こういうふうに公平に議論はしていかないといけない。
 それならば、税金を納めていないということを言われるわけですけれども、現在、公社では少なくとも、時間の関係上省きますけれども、固定資産税見合いの二分の一、これはもう納付しているわけですし、間もなく生田さんの下での公社の改革、これでいわゆる資本が積み上がれば、その出た分の二分の一程度はこれは国庫納付する、こういうことにしているんですが、もう目前になりつつあるわけです。こういった意味で、総理がおっしゃっているのは非常に古い話を随分おっしゃっているということです。どちらにも、良くも悪くも両方の状況をきちんと見せなければならない、こういうことです。
 では、お尋ねしますが、民間の貯金銀行になるんですね。貯金と預金、どう違うのかと、こういったことを聞きたいんですけれども、これはまた別の時間がありますので、行政監視という立場にできるだけ沿いながら切り込みたいんですが。
 では、お尋ねしますけれども、民間になったら良くなる、金融システムの中に郵政を投げ込めば経済活性化すると、こういうことですが、その一つは、みんなに貢献しながら、そして税金も納めるということだと思うんです。では、その民間になったら良くなると言われる現在の民の状況、銀行と保険、民間の銀行と保険、これらについて二点お尋ねします。
 一点。国からの、先ほど郵便局は何回かありました。そして返すものは返しました。では、国から民間の銀行や生命保険というのは公的注入されていますでしょうか、どうでしょうか。改めての確認です。
○委員長(山口那津男君) 答弁、どなたになりますか。
○政府参考人(大藤俊行君) 失礼いたします。お答えさせていただきます。
 まず、銀行に公的資金が入っているかということでございます。
 銀行に対するいわゆる公的資金につきましては、預金保険機構が初めて資金援助を実施した平成四年四月から平成十七年三月末までの預金保険機構による資金援助等の実施状況ということで見ますと、預金者等の保護のために実施した金銭の贈与が十八兆六千百五十六億円、破綻金融機関等からの資産の買取りが九兆七千三百三十七億円、それから金融システムの安定化のために行われた資本増強が十二兆三千八百六十九億円、その他の資金援助等が六兆二千二百四十五億円となっております。
 このように、投入された公的資金のうちで、預金等の全額保護のためペイオフコスト超の金銭贈与に用いられた交付国債償還額十兆四千三百二十六億円というものにつきましては、現段階においていわゆる国民負担として確定しているということでございます。
 そのほかにつきましては、預金保険機構が金融機関から徴収する保険料等や破綻金融機関等から買い取った資産の処分、金融機関等から引き受けた株式等の処分、その他の手段により今後回収が図られることになっておるところでございます。
 以上が金融機関に関するものでございます。
 それから、保険についてのお尋ねでございます。
 保険につきましては、生命保険契約者保護機構が生命保険会社の万一の破綻の際の契約者保護のために平成十年に設立されまして、保険業法によりすべての生保会社に加入が義務付けられているところでございます。
 そこで、生命保険保護機構設立後、平成十一年度一社、平成十二年度五社、計六社の破綻が生じまして、このうち三社の破綻処理において借入金により資金援助が実施されております。
 それで、この資金援助等に必要な資金の借入れに対しまして政府保証が付されることになっております。しかしながら、この借入金につきましては、今後生保会社各社が負担する負担金により返済されることになっております。
○荒井広幸君 会計検査院にお尋ねします。
 先ほど出てまいりましたいわゆる預金保険機構、預保、これは銀行の部分です。今度、民営化になれば郵便貯金もそちらに入ると。加入して万が一のときの備えにするというのが預金保険機構ですね、預金保険機構。それから、保険の皆さんの場合、これが生命保険契約者保護機構。生命保険契約者保護機構、これを普通機構と呼んで、預金保険機構を預保と、こう呼んでいるようですが、ここがあるから大丈夫だと、こういうことを非常に言っていますし、そこに民間になれば簡保も郵貯も入るんだと、こういうことですね。
 では、今実態を聞きました、これ。この二つについて会計検査院は監査、検査する義務を負うていますか、いかがでしょう。
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。
 預金保険機構の資本金額でございますが、これが五十四億五千五百万円でございます。このうち国の出資額が五十一億五千万円となっております。したがいまして、預金保険機構につきましては、国が資本金の二分の一以上を出資している法人でございますので、会計検査院法第二十二条第五号により本院の必要的検査対象となっているところで検査を行っているものでございます。その検査の状況でございますけれども、預金保険機構が本院の今申し上げました必要的検査対象となりました平成八年度以降でございますけれども、毎年度ほぼ二回会計実地検査を実施してきているところでございます。
 一方、お尋ねのございました生命保険契約者機構に対してでございますが、ここは国からの出資が行われておりません。しかしながら、生命保険契約者保護機構の借入金には政府保証が付されております。したがいまして、同機構は会計検査院法第二十三条の選択的検査対象というふうになるわけでございます。しかし、同機構に対しては検査指定を行っておりませんので会計実地検査は実施していないという状況でございます。
○荒井広幸君 後ほど申し上げますが、政府のこの広報、テレビ、新聞、チラシ、大丈夫だと言っているんですね。(資料提示)そして、大丈夫だというのは、今の機構と預保があれば大丈夫だと言っているわけです。
 総理が、六月三日、衆議院の郵特で自民党園田委員に答えてこう言っています。郵貯、簡保、これは政府保証がある、政府保証がある限り民営化にならない、これは移行期間をもって、政府保証がある期間と、民営化になった場合は政府保証がなくなるのだ、これはしっかりしなきゃいけない。それからもう一つは、公務員である、後ほど言いますが、公務員である必要はないから民間人になるべきだ。これが要約すると小泉さんの民営化の条件です。で、これが民営化ということなんです、せんじ詰めれば。政府保証がない、民間人である、これを言っているんです。
 では、お尋ねしますが、会計検査院、もう一度お尋ねします。大丈夫だという預保、資本金が幾らで、国が幾ら出して何割ですか。
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。
 預金保険機構の出資額についてのお尋ねでございます。資本金額は五十四億五千五百万円でございます。このうち国の出資額は五十一億五千万円でございます。
○荒井広幸君 ほとんど持っているんですよ。見せ掛けの民営化を言っている。相変わらず小泉総理、ごまかし。
 さらに、お尋ねします。
 預保、預保ですね、預保。十兆円。国民にもう確定負債です、国民の税金十兆円戻りません。これはどこでもやっていますよ。じゃ、市場原理というのは、そのような失敗で十兆円国民負担求めたわけでしょう、そういう経過があるのに大丈夫だとこれ言っているんですね、この政府広報も含めて。これ、どういうふうに準備室はお考えになっているんですか。民間になっても大丈夫だと言っているわけです、つぶれない。
 準備していただきながらで結構ですよ。
 大丈夫なんですかね、それ。どうぞ。
○政府参考人(中城吉郎君) 小泉総理の郵政民営化というのは、政府保証を外すわけであります。政府保証を外すということは、政府保証がある間は、もし赤字が出た場合には政府が補償すると、それに対して、民間になればそうした保険機構というようなところで保険金を積んで、そして民間のお金で返すという考え方を述べたんだと思います。
○荒井広幸君 どうも分からないですね。竹中さんはリスク遮断ということを言いますよ。銀行業が他業、例えばほかの業務を営んでいたら、郵便なんです、この場合は。郵便局が郵便貯金と郵便をやっているから、金融機関が郵便の負債、失敗、いろいろなもののお金を含めたものを含めて、銀行の方、郵便、銀行、今は公社ですが、公社の郵貯ですね、郵貯が負担を取るようになると、加入している方々の、貯金を預けている人たちの利益も損なうのでリスク遮断で分けるんだということを言うんです。郵便の失敗が郵貯に行かないようにするのを、リスク遮断だから民営化へ、これが非常に重要な目的だと言うんです。何遍も、今も恐らく同じことを繰り返していらっしゃるでしょう。
 ならば、既に、分離したところで、バブルという失敗で国民にも迷惑を掛け、既に十兆円は返らないんですよ。しかし、政府、国が直接政府保証するからおかしいと言っている。五十四億のうち五十一億資本を出し、国が七十億の安定資金を出して、そして支えているわけでしょう、今のバブル後遺症を。国とリスク遮断取れない、イコール国民とリスク遮断はできないんですよ。同じことということを言いたいということです。むしろ郵貯や簡保の方が税金使ってないという意味において民間より健全ではありませんか。国民の税金取ってないんですよ、使ってない。だから民間の方が優れているというのは、どういうことなんですか。民間にしたいから、政府保証があるからそれがおかしいと言いたいだけじゃないですか。
 ここについては、準備室はどういう御見解ですか。
○政府参考人(中城吉郎君) 繰り返しになりますけれども、民営化の趣旨といたしましては、やはり政府がそうしたリスクというものを全面的に保証するのではなくて、民間は民間でリスクに対する保険料をプールして、そういったものでそうしたものに対応するという考え方を示された、示しているということでございます。
 荒井先生の言われているのは、バブルのときの不良債権処理の間に国のお金がつぎ込まれているではないかということだと思いますけれども、民営化の趣旨というのとこの問題と必ずしも一つで議論するということが適当かどうかということはあるかと思います。
○荒井広幸君 市場原理に投げ込むって書いてあるんですよ。竹中さんは、民間にするということは市場原理の中に吸収合併させるということを言っているわけですよ。その市場が失敗しているわけですよ。
 市場が失敗しているのを認めないんですか。失敗したんですか、しないんですか。そして、預金保険機構それから機構によって、預保と機構で持ち切れなくて政府が金を出して、国民の金を出したという現実はあるんですか、ないんですか。そこだけお答えください。
○政府参考人(中城吉郎君) 不良債権処理について、国の方からお金が出たというのは事実だと思います。
○荒井広幸君 これは金融庁、理財局、両方にお尋ねします。
 国民の金を使って市場の失敗を補ったというのは、現実か現実じゃないかだけはっきりしてください。
○委員長(山口那津男君) 答弁、どなたですか。
○荒井広幸君 あと理財局の方もね、関係ないということじゃなくて、大蔵のこれも一緒なんだから。
○政府参考人(中江公人君) お答えいたします。
 実際に金融機関が破綻をし、預金者の保護でありますとかあるいは金融システムの安定、円滑な金融の確保といったような観点から公的資金を投入したということでございます。
○委員長(山口那津男君) 財務省……
○荒井広幸君 じゃ、答えづらいからいいですよ。
 金融庁、そういう分からないことを言っていたら小泉内閣じゃないでしょう。分かりやすく言ってよ。皆さんが大丈夫だと言って、私、不安をかき立てるんじゃないですよ、駄目だったから公的資金を注入したんだから。それでいいんですよ。だから、預保と機構だけで万全だったかというセーフティーネットを言っているんですよ。万全だったんですか。国民の皆さんの税金なくしては守れなかったということをきちんと言ってください。政治家の答弁じゃないんだよ。
○政府参考人(中江公人君) 最近の足利銀行の例にも見られますように、実際に破綻をする金融機関が発生をし、預金者の保護を図る観点等から公的資金を投入しているということは事実でございます。
○荒井広幸君 小泉さんのやっぱり言い方と役所の言い逃れ、それで余計国民は分からないから賛成か反対かできないんです。賛成でも反対でも、きちんと状況を説明して両方の立場を説明するというのが重要なんですよ。当たり前ですけど。
 じゃ、お尋ねいたします。預金保険機構、多額の赤字ありますね。会計検査院からは特に聞きません。預金保険機構、今日わざわざ来ていただきましたが、預金保険機構の赤字をおっしゃってください。負債、負債額。
○参考人(松田京司君) 預金保険機構、一般勘定で約三・五兆円の赤字を抱えております。
○荒井広幸君 いろいろなこれは理由あります。これ、民間だったら皆さん、破綻でしょう、もう。整理回収機構に行ってなきゃいけない。どこが大丈夫なんですか、皆さん。委員長を始め委員の皆さんに。民間にしたから、預金保険機構に入れば民間なんだという、ただそれだけの論法ですよ、これ、総理は。それを取り繕って竹中さんは、ああでもないこうでもないと言う。
 では、お尋ねいたします。この預金保険機構に、約六百行あります、銀行というのは。大体五千億でしょう、預金保険として入れているのは。一万円につき八円と、一万につき十一円納めるんです。間違いがあったら後で訂正してください。その上でお尋ねします。その上でお尋ねしますよ。準備室、試算では郵便貯金銀行は幾らここに納めるんですか。
○政府参考人(竹内洋君) 今お尋ねの郵便貯金銀行の保険、預金保険料でございますが、昨年十一月に行った骨格経営試算等によれば、初年度の負担額としては預金保険料約四百億円を予定しておるところでございます。
○荒井広幸君 初年度四百億、この四百億、融資してないお金です。民間の銀行は融資して八円なんですね。そして、十一円というのは、利息の付かないものについては十一円なんです、全額保護だから。そういうやりくりしているんですが、そもそも融資しない郵便貯金銀行が、現行では、同じ十一円の適用を受けるというのはおかしいでしょう。融資している銀行というのはうんと融資が焦げ付くおそれがあるんだから。それを八円ないし十一円の十一円で計算するというのはおかしい。しかも、最終的には一千億を念頭に置いている。年間に五千億円しか預金保険は払われないのに、四百から一千億を払うんです、郵便貯金銀行。そして、三兆五千億の赤字なんです。金融庁、旧大蔵、自分の失敗の赤字ぬぐい、しりぬぐいを国民を犠牲にして行うということじゃないですか。
 私は何を申し上げるか。政治家ならこれで右だ左、申し上げるでしょう。官僚の皆さんの良識に問いたい。ある一面、政治も一体であります。しかし、官僚の皆さんにも使命感があるはずだ。この失敗のツケを、何ら税金を使うことなくやってきた郵便局に納める一人一人に負担転嫁をするという図式じゃないですか。
 これは答え要りません。いずれ衆議院で、もしかすると参議院でまた大きな山場が来ます。その大きな皆さんと我々の問題意識にしていただきたい。良識の考え方でそういったものを議論していただきたい。
 では、機構の方、保険の方、幾ら赤字ですか。
○委員長(山口那津男君) はい、答弁、どなたですか。
○政府参考人(大藤俊行君) 生命保険契約者保護機構でございますが、平成十七年三月末時点で借入金残高が二千三百九十億円となっております。これにつきましては、基本的に年間四百六十億円、生保会社各社が負担金を負担しておりまして、これにより返済していくことになっております。
○荒井広幸君 会計検査院は、少なくとも政府保証が付いている部分については、先ほどの選択的検査義務の中の一つだろうと思います。しっかり検査をしていただきたい。
 そして同時に、私が申し上げたいのは、市場の失敗というところを更に申し上げたい。民間になれば大丈夫だと総理がおっしゃるんだから、竹中さんがおっしゃる。その不安、大丈夫じゃないという不安が一杯あるということは認めざるを得ないわけです。だからこそ、政府保証があるから郵便局に郵便貯金と簡易保険をするんですよ。その消費者心理、国民生活心理が分からないというところが、出口論の金融に持っていって金がうまく流れればいいというようなことにいっちゃうんだろうと思いますが、それじゃ、運用というところをこの間の公聴会でも随分言っておられましたね、加藤寛さん始め。
 では、そこからちょっとお尋ねをしたいと思います。法人税はどれぐらい納めましたか。金融機関は法人税をどれぐらい納めましたか。法人税。
○政府参考人(大藤俊行君) お答えいたします。
 銀行がどのような形で納税しているかというお尋ねでございます。恐縮でございますが、今、法人税だけという数字をちょっと持っておりませんので、法人税、住民税、事業税合わせたところでございます。
 ここ十年間の数字を申し上げますと、全国銀行ベース、これは主要行あるいは地銀、第二地銀でございますが、全国銀行、六年度が、平成六年度が八千八十七億円、平成七年度が一兆四千六百二十九億円、八年度が二千八百二億円、九年度が六千八百十九億円、十年度が六千百五十五億円、十一年度が七千四百八十八億円、十二年度が四千六百四十億円、十三年度が二千六百四十八億円、十四年度が二千二百八億円、十五年度が一千六百三十六億円となっております。
○荒井広幸君 銀行だけの数字ですが、生命保険も含めて後で私の方から申し上げます。
 準備室にお尋ねします。郵便貯金銀行、そして簡易保険会社、それぞれどれだけ税金を納めますか。法人税、事業税も一緒にして考えているんだと思いますが、どうぞ。ざくっという数字でいいですよ。
○政府参考人(竹内洋君) 先ほど申し上げました骨格経営試算等でございますが、それによりますれば、初年度の負担額としては、郵便貯金銀行につきましては法人税等で約千五百億円、郵便保険会社の方はゼロでございます。
○荒井広幸君 十億。
○政府参考人(竹内洋君) 郵便保険会社の方は初年度はゼロと予定しております。
○荒井広幸君 だけれども、十億から百億を予定しているんです、保険会社は。そして、銀行、郵便貯金銀行は、今おっしゃったように千五百ぐらい予定しているんですね。
 どういうことでございますか、皆さん。今の銀行、全国を合わせて、バブっているから仕方ないというふうに逃げるかもしれないけれども、一千六百ですよ、全国の銀行で一千六百億の税金しか納めていないんです。(発言する者あり)はい。もうどんどん我々の先ほどから言っているような金を使いながら、税金千六百億ですよ。郵便貯金会社だけで千五百億納めると今言ったのを皆様、はっきり確認できるではないですか。銀行の消費者いじめ、融資もしない、どんどんいじめて、そして自分たちの体力だけ付けながら国家還元するのは一千六百億、そうして郵便貯金新たに出すのが千五百億。物の見事に銀行、保険の帳じり合わせ、ツケ合わせのために郵便局、つまり一人一人の小口預金者の皆さんが使われているという現状じゃないですか。
 これがあるから、結論染みますが、どんな修正掛けても無理です、この法律。なぜ無理かと。これだけの金が、結果は四分社化するんですから消費税も入る、四分社化するからそれぞれに消費税、皆様、入るんです。そうして同時に、これだけの法人税払うんです、事業税払うんです。
 高コストになりますから商品の性格が変わるということ、これやむを得ないことなんでしょうか。商品の性格が変わるということはこういうことです。それをもうちょっと衆議院はやらないといけない。参議院で待っている以外になくなっちゃうような話ですよ。
 これは大手の生命保険会社です。(資料提示)インターネットでやっても分かります。健康状況、職業等の告知義務について何て書いてあるか。体の状態、御職業などによっては御契約をお断りしたりする場合があります。次、お体の状態、御職業等によっては、一般の御契約者との公平性を保つために保険料の割増しや保険金の削減、こういったことがありますと。
 どういうことを言っているでしょうか。職業によっては高く保険料を納めてもらって保険金は少ないという場合がある。それならまだいい。職業によっては、危ないから、もうからないんで入らないでくださいというのがアンダーライティングというんです。それだけの負担を先ほどの公租公課で持つようになってしまうんですよ。
 だから、議員の先生方に、委員長始め申し上げたいんですが、このようなばらばらにするコストによって商品の性格が変わりますから、簡易保険や郵便貯金などという名前ではなくて、単なる銀行と単なる保険会社になるその商品を扱うということです。
 そうして、手数料。税金も払わない銀行が百五円、六時以降全部一律でないですか。申し訳ないな、ただにするという気持ちさえない。結局、四つばらばらにすればコストが派生しますし、税金も派生します、消費税も出ますから、その分の利益を百五円取る、単なる庶民いじめの銀行になるというだけの話なんです。
 ですから、既に修正すれば何とかなるというふうなことを言っている、残念ながら与野党、野党の方はいないと思います。与党の皆さん、本当にその中身の貧しきを憂いますよ、私は。その中で議論したらなぜ解散だなどということになりますか。脅さなければ自分の間違っていることが通らないからでしょう。そういうものに官僚の皆さんはお仕えするという気持ちなんでしょうか。お一人お一人、私は聞きたいような気持ちです。だから今日は役所の皆さんだけにそろっていただきました。こういう問題点があるということをなぜ言えないんでございましょうか。
 生命保険含めて、この間で税金は五千八百億です。公社、準備室、全部の公租公課入れて初年度は五千億でしょう。ぴったり一致しちゃうんです、不思議なぐらい。それはバブルが終わってからということで逃げることは可能ですが、全く銀行と生命保険の負担を、経営責任をそのまま、郵便貯金と簡易保険を民営化することによって新しくする税金で帳じり合わせをしたいという旧大蔵、財務、金融庁の、私は残念ながらこそくな手段としか思えない、結果的にですよ。
 百万円まで郵便貯金している人は四五%、三百万円までが六割ですよ。職業で入れない人が簡保だけに救ってもらって、即日払いして、そして万が一のときに備えている、そういう人たちまで入れないようにして果たしてこれで改革なんですか。それを私は官僚の皆さんの心に問いたい。それができると言うなら、できるということを見せてください。今までの議論に全くない。これは衆議院や、そしてそれぞれ与野党で使える材料ということで、どんどんそれはなっていくだろうというふうに私は思います。この辺の議論に入っていかない議論で修正などということはできないんです。こういったことを申し上げます。
 そして、ちょっと次の段階に入ります。所見は結構でございますから。
 それでは、これです、政府広報です。
 そして、その保険の中で何が問題がありますか。民営化ですよ。これは一月二十二日、政府広報、内閣官房、「郵政民営化に、あなたのYESを。」となっています。「郵政民営化に、あなたのYESを。」、一月二十二日です。法案も出ていない。政府が賛成してくださいなどと言うことは非常に考えられないことなんですが。
 内閣府にお尋ねします、政府広報担当。こういうことは常にやっているんですか。
○政府参考人(林幹雄君) お答えいたします。
 郵政民営化について、閣議決定でなされましたそういうことについて、今回、その段階で広報いたしたわけでございますが、過去にそういうように国民の理解を求めるということで事前に広報いたしましたのは、最近では司法改革、過去では消費税等でございます。
○荒井広幸君 私もそれを見ました。「あなたのYESを。」なんて書いてありませんよ、どこにも。
 各省情報機関を統合して内閣情報部機構を強化することを重要政策にした。昭和十五年七月二十二日、第二次近衛内閣。昭和十一年、国策宣伝誌。戦後の教訓を、我々は今、少なくとも憲法改正、教育基本法改正、そして国連常任理事国、そして今の隣国含め世界とのいろいろな国益を懸けたいろんな温度差がある。我が国は戦争を放棄している。人類すべてですよ。そのときに教訓を得たのは、内閣の独善を許してはならないという戦後のこの憲法における衆議院であり参議院なんです。
 準備室、「あなたのYESを。」、同意を求めているようなことをやるときに、少しは過去の教訓、プロパガンダ、国民洗脳、策動、そういう意図があるんじゃないかということは考えなかったんですか。内閣はチェックしたのですか、しないんですか。
 内閣広報室と準備室にお聞きしたい。どういうふうにして同意しろという文章にしたんですか。
○政府参考人(中城吉郎君) 政府広報につきましては、昨年九月十日に閣議決定されました郵政民営化の基本方針につきまして政府は説明不足であるというような指摘をあったことを踏まえまして、国民に対する説明責任を果たすために実施したということでございます。
 こうした広報活動は、あくまで政府としての方針をお知らせし、そして国民からの御質問、御提案を求めたものでございまして、一方的なプロパガンダというようなものには当たらないと考えております。
○荒井広幸君 内閣府も聞いてください。内閣府。
○政府参考人(林幹雄君) ただいまの点と同じでございますけれども、昨年の九月に郵政民営化の基本方針を閣議決定したわけでございますけれども、当時、政府、説明不足ではないかというような指摘があり、また国民に対します説明責任を果たすとともに、国民の意見を募集するという観点もございまして、一連の広報を実施したわけでございます。
 ですから、政府では現在法律案を検討しており、そういう政府の考え方を説明するという立場であくまでもやったわけでございます。
○荒井広幸君 なら、なぜ「あなたのYESを。」ですか。強要だよ、これは。強制。もう委員会全体が一致している、これは。こういう姿勢を官僚として、その任に当たる最高の良識を持った官僚の皆さんとして止められなかったのかということを言いたい。
 会計検査院、これは今年の一月。これはいつ会計検査に入りますか。
○説明員(諸澤治郎君) ただいまの郵政民営化に関する政府広報のお話でございますけれども、私ども内閣府におきます政府広報予算の執行状況につきましては、その予算額が多額に上っていることなどから、毎年度実施する内閣府の検査において多様な観点から工夫して検査を行うよう努めてきているところでございます。
 お尋ねの政府広報につきましては、その背景でございますとか必要性とか内容等を広く国民に知っていただくということで行われているものと承知はしておりますけれども、先生の今の御指摘の点も十分留意いたしまして、私ども検査、今後行う時期には十分留意して検査に当たってまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 そのころに通ってたらどうするんですか。
 だから、いつ検査するんですか。検査時期は決まっているのか決まっていないのかということです。
○説明員(諸澤治郎君) 私どもの定例的な検査の時期でございますが、七月中には私どもの今年の本省庁の検査を行うというふうになっておりますので、その中でこういう観点からの検査を行いたいというふうに考えております。
○荒井広幸君 これは重要な問題だと思いますので、いずれにしても、国会からもあるいは各党からも説明しろと、説明責任を果たせということを、百歩譲ってそういうことをやったというなら、どうしてイエスをくださいという文章になるのか、見出しで。これはゆゆしき問題であります。今回の衆議院の議論にもかかわる議論です、衆議院に対して。
 理事会でこれについて、今の返答も含めて、今日は政治のところ、大臣等呼んでいませんので、御協議いただいて、どう扱うか協議していただきたいと思います。
○委員長(山口那津男君) 追って理事会で協議いたします。
○荒井広幸君 では、そのお金の流れがどうなりますか、お尋ねします。
 警察庁にお尋ねします。
 いわゆるやみ金、どれぐらいの違反、金額、摘発件数というんでしょうか、そして、被害者、この辺について、直近で結構です、最近の数字挙げてください。
○政府参考人(伊藤哲朗君) 最近のやみ金融事犯の検挙状況でございますけれども、まず、事件数で申しますと、平成十二年は百六十八事件、十三年が二百十事件、十四年は二百三十八事件でありましたけれども、平成十五年は五百五十六事件、十六年は四百三十二事件と、大幅に増加したところであります。
 検挙者数もこれに応じて増加しておりまして、平成十二年が四百六十一人、平成十三年が五百十七人、平成十四年が四百四十六人でしたが、平成十五年は千二百四十六人、そして昨年が九百十九人となっております。
 また、やみ金による被害額でございますけれども、被害額と申しまして、いわゆる詐欺、高金利に係る貸付金額や詐欺の被害額等を計上しておるわけでございますが、平成十二年が百六十億円余でありまして、平成十三年が百八十六億円余、そして平成十四年が百五十九億円余でございましたが、平成十五年は三百二十二億円余、そして昨年が三百四十八億円余となっております。
○荒井広幸君 やみ金は、これはきちんと届出しているふりして四分の一ぐらいがトイチというような業者で、これが認可だけもらって信用させてやっているというのですが、ほとんどこれはでたらめなところです。だから、イコールということ言いません。
 しかし、今の銀行が、ノンバンク、消費者金融、銀行が借りたい人に貸しもせず、そして消費者金融やノンバンクにはるかに高い金利で貸付けさせ、そこでも借りられない人がやみ金に走っているというのが現状じゃないですか。警察は、そういうところのいわゆる調査をしている中で、そういった傾向はつかんでいるんですか。違法とか違法じゃないということじゃないです。どうしてもお金が必要なのに銀行やノンバンクや消費者金融が貸してくれずに、あるいはそこから借りたのを返すためにやみ金に入っているという傾向はあるんでしょうか、ないんでしょうか。そういう事例が多いんでしょうか、少ないんでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲朗君) やみ金を利用するという人たちにつきましてでございますけれども、なかなか、やみ金自身が大変金利が高いということは承知の上で借りているケースが多いわけでございます。ということは、やはり普通の低金利のところではなかなか借受けがしにくいという事情のある方が結果的にはこうしたものを利用しているという傾向があろうかと思います。
○荒井広幸君 結局、提供者の論理で、生活者の、事業を営んでいる人たちの立場になっていない。なっているところもあるが、これだけ大勢の方々が被害に遭われているというところの影の部分を隠して、民間になれば金の流れがさもバラ色のごとく宣伝するという姿勢を私は強く批判しているんですよ。
 では、銀行は、銀行ですよ、金融機関、保険会社も含めて、ノンバンク、消費者金融にどれだけ資金提供していますか。
○政府参考人(大藤俊行君) 貸金業者、いわゆるノンバンクに対して銀行等からどのような形で融資をしているかということでございます。
 これにつきましては、貸付残高五百億円以上の貸金業者から提出を受けております事業報告書がございます。そこで、十五年度決算ベースで借入金等によりまして約四十兆円の資金調達を行っているところでございます。その中で、金融機関、いわゆる金融機関、生命保険も含めまして、いわゆる金融機関からの借入れが約二十兆円ということでございまして、約四十兆円の資金調達のおおむね半分ということでございます。
○荒井広幸君 結局、運用先がないから民間も国債に走り、民間はノンバンクに入っているわけですよ。ノンバンクが、私、悪いと言うんじゃないですよ。本来、銀行がきちんとやるべきところをやらないという怠慢を含めて、結局自分の体面だけ繕って、ノンバンク、消費者金融の皆さんにそこを任せてやっているという現状でしょう。郵貯が、五十兆程度が今度は政府保証がないところで運用していくということになったときに、この市場がまた、極端に言えば、最後は転落してやみ金から借りざるを得ないような状況を生むんじゃないんですか。
 転ばぬ先のつえをやっていたのが郵貯、簡保なんですよ。融資という意味ではなくて、生活を守るという意味で、人間疎外、転落をしていく人たちを救っているというその機能を忘れているんですよ。全然衆議院でその議論になっていない。郵便貯金と簡易保険だけが窓口で扱えるような話、中身が変わるという話が全然ないでしょう。どうやって民間にしたら金が流れていくんですか、一般に。このような現実を私たちは直視しなければならない。
 そして、その場合に行政不服審査とかいろいろ出てきます。最後、二点だけ切り離してお話をさせていただきます。
 行政救済制度というのがあります。郵貯が、簡保が、郵便が、窓口会社がばらばらになります。NTTタイプで民営化にしたときに、身分はNTTの場合はそのままでした。継続して民間にした。国鉄は一回辞めた。辞めてもらって雇用した。今回は継続のNTTタイプ。ところが、NTTは公社でありましたけれども国営ではない。今回は完全国営。
 二つの問題が出ます。受皿が国営から完全な民間になるというときに、私の権利利益は侵害されたというふうに考える場合、行政救済制度になじみます。二つ目、公務員で私は試験を受けたのに、そのまま民間人に変えられた。私の公務員としての誇り、勤めたいという意欲、これを毀損した。この二つで行政救済制度に私は十分当たると思いますが、不服審査は各省、そして行政事件訴訟となれば法務省です。
 私はあえて法務省に聞きたいと思います。そういう事例がないのに言えませんというのは目に見えていますが、私が言った官から民に受皿が変わったという例はない、国営から完全民間というものはないということです、受皿が。身分が国営から民間になったという意味で、今の意欲や自分の使命感を、これを権利侵害されたと、こういうことが起きかねないと思います。その訴訟費用等、大変なものですよ。こういったものも考えて、精神的なものはもっと大変だ。
 法務省にお尋ねしたいと思いますが、どんな御見解でしょうか。準備室とこの辺はやったんでしょうか。準備室が民間にするというときに、この私が言っている行政訴訟、この部分では議論しましたか、法務省。
○政府参考人(寺田逸郎君) あくまで一般論として申し上げるわけでございますけれども、公務員がその今の法律によってそのまま公務員でなくなったという場合に、それを違法として、公務員である地位の確認等を求めるということは、現行の訴訟手続上はもちろん可能でございます。
 なお、損害が生じた場合に国家賠償を請求することができるかということも問題になろうかと思いますが、立法そのものを公権力の行使として、損害があれば、これについて国家賠償を求めることができるというのが、これも確定した理論でございます。
 この点について準備室と相談したかということでございますけれども、一般的な法理論については、これは当然のことながら、こういう議論があろうかということでございますけれども、特定的に問題について御議論申し上げたことはございません。
○荒井広幸君 全く準備不足。準備不足室というふうに書かなきゃ駄目ですよ、走りながらやっているんだもの。そんなことで、やっぱりやっている職場の人、その人とフェース・ツー・フェースでみんなが利益を、恩恵を受けているわけですよ。いかがなものかなと私は官僚の皆さんに問いたい。
 そして、委員長始め委員の皆様方に私は申し上げたいと思います。そして、官僚の皆さんにも申し上げたい。武部幹事長が、参議院で否決されても解散するだろうと、こう言った。総理は、自分が否決されたら、法案が否決されたら、それは不信任案だと言った、内閣不信任案と同じだと言った。これで我々は参議院として本当にいいんでしょうか。
 少し古い書物ですが、持ってまいりました。昭和三十九年、岸内閣、内閣憲法調査委員会というのを置いた。その中での草案、国務大臣は、当時は松本さんという方だそうです。その文章を読みます。二院制を取った理由とは、不当なる多数壓制に対する抑制と行き過ぎたる一時的の偏倚に対する抑制とにある。つまり、ポピュリズムや一時的な流れというものに対して冷静さを持ってこれを対処するんだと。そして、いよいよ憲法議会になりました。佐々木惣一さんという貴族院議員で憲法学者は参議院に解散を持たせろと言った。それについて金森国務大臣は、省略しますが、直接に政府と対立するような権能を持っていない、つまり内閣不信任決議案を持っていないから、解散、これはない方がいいということが、結果的にはこれが政府答弁なんです。
 ということは、衆議院で仮に通ったから通らなかったからというのは、解釈の仕方がありますが、解散権というのは一つあるんでしょう。参議院で通らなかったら解散するということに当たるか当たらないかということで、これを、私が法制局などを呼ぼうと思いましたけれども、答えられないんですね、立場上。だからこそ、我々の行政監視委員会というのは非常に重要になる。こういう問題点を私は基本的に申し上げたいし、解散で脅すような、正にこの憲法が戦前の教訓として、どんどん軍靴の足音高きに進んでいく、それに対して、二院制を堅持し、ポピュリズムと解散というような不当な圧力から国家、国民を考えるというのが参議院に与えられた最大の責務であり存在価値だということを私は申し上げたいんです。ここをしっかりしなければ、衆議院の議論、どんなことに進んでいくか私は分からない。
 それで最後に、時間がありますので、国債管理政策でお尋ねします。
 銀行は、運用できなくて二十兆円も、高利のところのノンバンクと消費者金融に二十兆円も出しているんでしょう。百三十兆買っているわけでしょう。郵貯と簡保よりも国債を買っているんですよ。どうやってこれ、民営化したから金が国民に流れるなどというところをどうやって言えるのか、二十兆ほど高利のところに出す以外ないわけだから。そして、国債管理政策で、理財局、平成二十数年ぐらいまで借換え含めて国債はどれだけ出さなくちゃいけないんですか、借換え含めて。理財局来てもらっていると思いますよ。
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 まず、新規財源債の発行予定につきましては、十七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というのがございまして、それによりますと、平成二十年度で四十・六兆円の国債発行を予定しております。
○荒井広幸君 借換え含めて。百四十何兆と言ってください。
○政府参考人(森本学君) 借換債につきましては、今後の借換債の発行見込額を国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定試算というもので発表しておりまして、これによりますと百十八・八兆円の見込みでございます。
○荒井広幸君 これはディスクロもかなりしていますが、百四十兆ぐらいになるんですよ、だんだんだんだん。毎年百四十兆の国債を換えないと、国の経済はもたないんです、財政は。それならば、郵貯、簡保、この金が国債を買わないで民間に流れるということがあったら、ましてや景気が良くなれば民間の銀行と生命保険会社は融資に行くんですから、国債買わないんだから。そうなったら予算を組めるんですかという単純な議論なんですが、これは衆議院でもやっているが、聞きたいところは一点、準備室と理財局は、相談をして国債を引き受けましょうと、そういうことはやったんですか。
 その次、最後に準備室、答えて。
○政府参考人(森本学君) 今回の法案につきましては、郵政公社が大量の国債を保有していることにかんがみまして、幾つかの措置が織り込まれております。
 まず、旧勘定の……
○荒井広幸君 結論、やったかやらないかだけ。やったかやらないかでいいんです。もう時間ないんです。
○委員長(山口那津男君) 御答弁願います。
○政府参考人(森本学君) 準備室と相談させていただきまして、幾つかの措置を法案に織り込ましていただいておるところでございます。
○荒井広幸君 つまり、国債を買おうというふうにしているんだから、民間に金が流れるなんということは夢でしょう。流れたらもっと市場がばくついちゃうということです。
 そして、竹中さん含めて、アメリカの関係者に十七回会ったということですが、先ほどのような身分の問題やら国債の管理の問題で何回ぐらい会っているんですか。身分の問題で何回会いましたか、先ほどの。もうこの身分でどういうふうになるかというようなところを法務省と相談、何回しました。ほとんどやっていないでしょう。アメリカとばかり協議して、やるべきことやっていないというところを最後に言いまして、私の質問を、またやらしていただきますが、取りあえずにさせていただきます。(拍手)
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。
 ただいまの荒井さんの質問に対しては、与党も野党も一緒になって大きな拍手を送りました。国民の立場に立って、こういうパワーのある質問をこの行政監視委員会ではしていかなければならないと、私も大変パワーをいただきました。ありがとうございました。乗り移るまではいかないと思いますけれども、頑張ってやっていきたいと思いますが。
 私、国会議員になりましてから最初の質問は、宮城県でのスパイクタイヤの問題でありましたが、その二回目辺りから、その後集中的に農薬の空中散布の問題について質問をしてまいりました。あれから十五年以上たっておりますけれども、農薬空中散布の実態はほとんど変わっておりません。一方、化学物質過敏症あるいはアレルギーの健康被害を受ける人たち、こういう人たちの数は確実に増えております。
 松枯れ対策として行われている農薬空中散布は、今年もまた四万五千六百八十二ヘクタールが計画されまして、既に大半は終了していると思います。ちょうどこの五月から六月にかけてがその散布の時期に当たっておりますので、ほとんど終わったかなと思っております。
 これに対する補助金ですが、六億二千五百万円、無人ヘリコプターの三千七百万円を加えますと六億六千二百万円になります。二〇〇三年度の補助金は七億五千五百万円、二〇〇四年度が七億二百万円ですから若干減りましたけれども、農林省の言っております、将来的に空散はなくす、この方針からは相当懸け離れた額だというふうに思っております。減り方が少ないというふうに思います。
 そして、その空散のやり方でありますけれども、これまで健康被害を受けたところ、あるいは無農薬でお茶を作ろうというところでは、ばらばら空から降ってくるわけですから、大変に迷惑が掛かるということで反対運動が起きました。その反対運動によって作られましたのが防除実施基準であります。
 まず、一九九七年に森林病害虫等防除法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中で、参議院農林水産委員会で一九九七年ですね、いつまでも、これは、この辺ちょっと読ませていただきますね。住宅、宿泊所その他の家屋及び公園、レクリエーションその他利用者の集まる周辺の松林を、原則として、除外すること。この附帯決議を受けて、九七年四月七日、農林水産大臣は、森林病害虫、これ松枯れに特化した防除実施基準を決めた。それから、林野庁の方でも、十分施設から間隔を保持してやるべきだというようなことを言ったわけなんですけれども、この病院、学校、水源、家屋、給水施設、ここで言われております十分な間隔というのは大体どの程度の間隔を言うんでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 今お話ございましたように、農薬の空中散布、いわゆる特別防除というふうに呼んでおりますが、これにつきましては、先生からもお話ございましたけれども、周辺に悪影響を及ぼさないという基本的な観念から、今お話ございましたように、防除実施基準、これを定めてこれに基づいて実施するということでやっているところでございます。
 この距離が、どのくらいの範囲がいわゆる悪影響を与えるのかということにつきましては、一律に定めるということにつきましてはなかなか難しいというふうに考えているわけでございますが、一応の目安といたしましては二百メートル程度というものを考えておりまして、実際に防除を実施するという場合には、地域の立地条件等々を十分勘案して個々に検討することが必要というふうに考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 一応の目安が二百メートルというふうにおっしゃいましたけれども、実際、この遠州浜で行われた場合には、五月十七日の有人ヘリの特別防除ですね。境界から二百メートル以内のところには、幼稚園、あすなろ幼稚園、遠州浜幼稚園百二十メートル、浜松こども園診療所百四十メートル、授産施設のもくせい会授産所三十メートル、ホテル十メートル、養魚場十メートル、畑九十メートル、住宅、バス停八十五から百七十メートル、道路ゼロから十メートル、公園、これ遠州浜第二公園ですが、百メートル。これ全部二百メートル以内のところにあるんですね。しかも、その幼稚園、大体七時半にバスが出るそうなんで、子供たちは八時ぐらいからこの幼稚園に集まってくる。ちょうどこれ、防除している、空散をしているその間に子供たちがもう幼稚園の中にいるんですね。そういう時間だったということなんです。
 林野庁は、その空中散布の際の防護措置に含まれる緩衝地帯、二百メートルとしてきたのに、この有人ヘリでは幼稚園から百二十メートルしか離れていないところで散布した。このことについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 私ども、ちょっと、これにつきましては、いわゆる静岡県が事業主体になってやっているわけなんでございますけれども、この事業主体の静岡県にお聞きしましたところでは、御指摘の今幼稚園、散布区域から約百五十メートルというようなことでお聞きしているわけでありますが、今回の特別防除につきましては、ずっと地元の要請に基づきまして実施して、昨年までずっと継続してやってきている。また、幼稚園との間に一段高くなった松林があるようでありますが、そういったことで飛散の防止が抑制できるというような見込みが、見込まれるということでございました。
 そういう意味で、先ほど申し上げましたように、一応の目安二百メートルということで考えているわけでございますけれども、そういった現地の状況あるいは県の報告等から、直ちにこのことがその防除実施基準、これに違反しているというまでは言えないというふうには考えておりますけれども、松くい虫の防除、これに当たりましては、当然、地域住民の方々、関係者の理解と協力を得つつ、円滑に実施していくということが重要でございまして、私ども、当該地域におきます今後の防除に当たりましては、市民団体を含めまして、地元の意見を十分聞くように県に対して指導していきたいというように考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 全然答えになっていませんね。
 私たちは、これ前日まで交渉しているんですね。確かにぎりぎりだったというふうに思っております。しかし、県の方にも掛け合っていただきました。一回目の有人ヘリで、子供たちを含む三十五人が、吐いたり、目まいしたり、下痢になったりいろいろと症状が起きた。そういう状況の中で、今、ちょうど国有林のところで小高くなっているから多分幼稚園の方にまでそれが行かないだろうというようなお話なんですけれども、実際来ているんですよ。余りにもいい加減な答弁しないでいただきたいです。
 つまり、防除基準違反ではないというふうにお答えになりましたけれども、実際に受けている人たちがいることを謙虚に受け止めて、じゃ、その調査をしようとか、そういう思いになっていないじゃないですか。この国会で、報告を受けただけで防除基準違反ではないということまで今長官がおっしゃったのは本当におかしな話です。
 やっぱり二百メートルならこの目安をしっかり守る。幼稚園、百五十メーターじゃないですか。守っていないじゃないですか。一番最初にお答えになったのは、目安は二百メーターというふうにおっしゃったんですよ。しかも、この中に授産施設もある、幼稚園もある、そういう公園もある、そういうような状況でやったわけですから違反ですよね。
○政府参考人(前田直登君) 私ども、冒頭申し上げましたように、この二百メートルというのは、なかなか画一的に決め難い、そういった中で、何もなしでというのも非常に不確定な話になりますので、一応の目安として二百メートル程度を考えておりますと。ただ実際には、それぞれの立地条件ですとか地域の実情等々によって、それは画一的には決められない話であります。
 そういう意味で、現地の状況の方から、県からお聞きしているところでは、今申し上げましたような、何といいますか、壁になるような松林があるとか、そういった話も県としては主張されておりまして、そういった中で、これについては大丈夫なんだというような話もあったという中で、私どももこれについては明らかに違反というところまでは断定し難いかなというふうに考えていると。
 ただ、しかしながら、実際にこういったものをやるということになりますれば、当然、地元の方々の理解、こういったものを得ながら円滑にやっていく必要が当然ありますので、まして健康の問題でございますので、そういった意味で、今後に向けてはきっちりそういった地元の市民団体の方々や住民関係の方々の意見を聞いてやっていくべきというふうに申し上げております。
○岡崎トミ子君 もう一つ、これも防除基準の違反じゃないかと思えますのは、遠州灘はアカウミガメの有名な産卵地域でありまして、環境省のレッドデータブック、レッドリストにも載っております。もう絶滅危惧種になっているわけなんですが、その貴重な生物のアカウミガメの、このことについて、私も海岸法の審議を行いました際に、地元の多くの市民の皆さんに教えていただいたんですが、ちょうどこの産卵時期には、毎朝午前三時に起きて、そしてその卵を守るという、産卵を助けるというようなことをやっているわけなんですけれども、そのパトロールをやっていらっしゃる皆さんたちが、この保護という観点から、空散されるということはとんでもないということを言っているわけなんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに先生御指摘のように、特別防除の防除実施基準、こちらの中では、生態系の保護を図るんだということで、国内の希少野生動植物種あるいは天然記念物等の貴重な野生動植物の生息地又は生育地、そういったところ、あるいは自然公園法によりまして指定された特別保護地区、あるいは自然環境保全法によりまして指定された野生動植物保護地域、これにつきましては特別防除を実施しないということにいたしているところであります。
 今御指摘のアカウミガメの関係でございますけれども、当該散布区域につきましては、厳密に言いますと、アカウミガメ、これが産卵する砂浜に隣接はしておりますけれども、これらの地区そのものではないということ、また、実施に当たりましては、県の方では実施時期、これを慎重に対応したというように聞いておりまして、そういう意味で、直ちに防除実施基準に反するということまでは言えないんではないかというように考えております。
 ただ、このアカウミガメのようなこういった貴重な野生動植物、これが存する地域の近傍で特別防除を実施するという場合には、当然のことながら、あらかじめその生息ですとかあるいは分布状況、こういったものの実態を事前に把握しまして、野生動植物に悪影響を及ぼさないように適切な措置を講ずる必要があるというように考えております。
 そういう意味で、今後、当該地区で特別防除を実施するという場合には、事前に十分調査を行って、必要があれば悪影響防止のための措置、こういったものも検討するなど、慎重に対応するように県に指導、要請してまいりたいというように考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 長官、聞かないことまで先に言っちゃって。私はこれからそこを質問するところだったんですよ。
 つまり、この附帯決議に従って防除基準というものが決められて、そして何かがあったらいったん止めなさいというふうに言っているわけですよね。そして、健康被害に対する調査を行うべきだということなわけですから、この場合には附帯決議、これまでは軽視されてきたし、国会軽視だなというふうに私なんかはずっと思っていたんですけれども。
 やっぱりアカウミガメも、きちんとろ紙を置いて、そして調査をして、これは降り掛かったというようなことをやっぱりみんな思っているわけですから、防除基準違反だというふうに私は思わざるを得ないわけなんですけれども、守っていない。そして、全国的に調査をする。これ、遠州浜だけの問題ではありません。
 ですから、この二つについて、もう一度簡単に言ってください。調査をしっかりするということと、やはりこれは全国調査でお願いしたいということと、やはり今までは守っていなかったということを明らかにしないとこの先に進むことができないというふうに思っておりますので、その点について確認しておきたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 繰り返して恐縮でございますけれども……
○岡崎トミ子君 短くお願いします。
○政府参考人(前田直登君) 私ども、これは必ずしも今回の事案、いわゆる明確な違反というところまではいっていないんではないかというふうに考えているわけでありますけれども、そういった場合に、当然、こういった特別防除を実施していくということになれば、地域の住民の方々、もちろん市民団体も含めてですが、そういった方々の理解を得つつやっていくことが必要であるというように考えております。
 そういう意味で、その地域の実情に応じまして、必要な場合は調査を行うということも含めまして、地域の理解を得ながら実施していくというふうにやっていくよう、私どもも指導あるいは要請していきたいというように考えておる次第でございます。
○岡崎トミ子君 その今後の話をする前に、今回の対応についてきちっと整理をしておきたいと思うんですが、この市民団体の調査が受け止められなかったんですね。つまり、健康被害を訴えたけれども、県は全然受け止めていなかったんですね。
 これについて、県なり国なりがきちんと科学的な調査をすべきだったんじゃないでしょうか。いろんな症状が出ている。百十人という大変少ない人数だったけれども、三十五人から回答が寄せられて、それらの人たちがみんな健康被害を受けて、こういうふうだったという症状を言っていて、これまで国が農薬散布のときに出てくる症状もぴったり合っている。
 そういう状況なのに、なぜ認めなかったか、そこをきちんとしていなかったのか、その点についてはいかがですか。
○政府参考人(前田直登君) 今先生お話ございました地元の市民団体、こちらの方々がこの特別防除実施後の早々にアンケート調査を実施したと。その結果、体に異常を感じた人が百十人中三十五人いたという話を、私どもも地元の市民団体の方々から直接お話をお聞きしたところでございます。
 このために、私ども直ちに静岡県に連絡して聞きましたところ、六月六日に県が医療機関あるいは幼稚園を含みます防除実施区域の周辺の住民に対しまして健康被害に関する聞き取りを行ったということのようでありますが、その中では薬剤散布との因果関係のある健康被害が発生したということの事実は確認できないということでございました。
 当然、先生おっしゃられますように、こういった特別防除をやるとき、何と申しましても健康の問題大変、極めて重要な問題でありますので、そういう意味では、私どもも特別防除に当たりましては、その住民への健康被害、これが発生することのないよう、防除実施基準におきまして、実施できる区域の範囲ですとか、実施に当たっての配慮すべき事項、こういったものを定めて慎重を期するようにということにしているわけでありますが、今後、こういった住民の健康被害、これが生じないように一層慎重な対応を行うべきということで、県に対しましても指導の徹底に努めていきたいというように考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 健康被害は、どういうことが出てくれば認めますか。
○政府参考人(前田直登君) それぞれのケースによっていろいろ違おうかと思いますけれども、やっぱり一定の、私どももこういった場合にはというガイドライン、こういったものも県の方にお示ししているわけでございまして、そういった中で、あと、お医者さんの方にきちっとそういったものを訴えていただいて、それで御判断していただくということが必要になるのかなというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 あっさり言わないでください。目まいを起こしたり、吐いたり、げえげえしたりしている、そういうような状況があるのに、今健康被害はどういうことかと言って、それぞれの症状に応じていろいろおっしゃいますけれども。
 私は、事前にお話をさせていただきましたときには、コリンエステラーゼの話がありました。コリンエステラーゼのその値が下がる、そういう状況になったのかどうなのかというようなことをおっしゃったわけなんですね。これ、例えばサリン事件のような大変重症な人でもコリンエステラーゼというのは値が下がらなかったということもありますから、軽々にそのことを言って、その健康被害がだからなかったというふうには言えないんだなということを、事前に話合いをしたときには、私たちも調べさせていただきましたけれども、そういうものじゃないわけなんですね。
 しかも、「農薬中毒の症状と治療法」という、これはお医者さん用なんですけれども、平成九年度の事務連絡の中でパンフにも書かれてあって、そして、そういうものが、もう林野庁も知っているし、県も知っているのかどうなのかとても心配なんですよ。
 何回も、今長官が指導する、指導していかなければいけないというふうに言っているんだけれども、これは絶対に事前に指導していないんですよ。もし指導していたら、こんな対応には絶対ならないんです。余りにもひどいなというふうに思って、いったん止めて調査をするということと、健康被害ということに関して本当に重要視しているという、短い答弁でいいですから、そこを認めるということでよろしいですか。
○政府参考人(前田直登君) 今申し上げましたように、私どもも、防除基準そのものではないわけでありますけれども、こういった健康被害、そして、そういうときのいろんな症状、こういったものにつきましては手引を作りまして事前に各県に配付いたしまして、そういった中できちっと、問題が起こった、そういう場合にはちゃんと連絡取ってやるようにということでやってきているわけでありますので、県の方もそれなりには受け止めていただいているというふうには思っておりますが、ただ、今回の場合には、先ほど申し上げましたような形で、県の方から聞いているところでは確認できないという話でございました。
 ただ、今、繰り返しますけれども、やはり私どもも、やっぱり健康の問題でありますので、そこはきっちり慎重に対応していかなきゃいけないということで、改めて県の方にもそこは指導の徹底を図りたいというように考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 有人ヘリでやった後、無人ヘリで二回また散布をしているわけなんですが、その無人ヘリによる散布について、飛散調査量と大気汚染調査をするように今年度の事務連絡の中にも書かれてありますね。
 この散布事業者が散布地で薬剤の飛散調査をやる、あるいは大気汚染調査をする、これについて確認を取りたいというふうに思いますのと、この幼稚園で農薬の気中濃度と飛散調査を、実際子供たちが幼稚園にいるときにまかれているということがありますので、そのことは是非やるべきだというふうに思うんですね。
 実は、その遠州浜の隣の新居浜では千葉大の先生がやっているじゃないですか。本当に問題だというところについては調査をしないで、その隣の方で民家のいない方で調査をされている。これは便宜を図ったと、林野庁が図ったというふうに伺っております、お金は出していないと思いますけれども。そういうような事実があるわけなんですね。是非これは調査をすべきだと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(前田直登君) 御指摘のように、やはり薬をまくわけでありますので、そういったものの影響がどうなるのかという話というのは大変大きな問題だろうというふうに思っております。
 確かに防除基準、そういった中では農薬散布に当たりまして、気中濃度ですとか飛散距離の調査、それまでは義務付けられていないわけでありますが、それぞれのところで地元住民の理解を得る上で必要な場合、こういった場合につきましてはそのような調査を実施するのが望ましいというケースが当然あろうかというふうに考えております。
 今回の当該地の無人ヘリによります散布に当たりまして、私どもも県に対して、幼稚園におきます気中濃度の調査実施、これにつきまして打診していたわけでありますけれども、大変時間的に切迫していたということもございまして実施には至らなかったというように聞いております。
 私どもも、その後県から聞いているところでは、今後は気中濃度の測定について検討する、もちろん前向きという意味なんですが、検討するということでございますので、国としても地元住民の理解と協力を得ながら円滑に農薬散布が行われるように強く指導していきたいというように考えております。
○岡崎トミ子君 国は、静岡県に対して特別防除と無人ヘリによる散布のために補助金を出していますよね。幾らですか。
○政府参考人(前田直登君) 今、ちょっと具体的な額が手元にございませんので、ちょっとお答えしかねるのでございますけれども、所要の額は補助金ということで県の方にも配付いたしているはずであります。
○岡崎トミ子君 お教えします。二千万円、大体ですね。国は半額ですよね。県の方は四分の一、市町村四分の一ですから、すべての補助金を足しますと四千六百万円以上は掛かっていると、こういうふうなことになりますから、国はもうお金半分出しているわけですから、当然税金を使ってやるということの観点からいいますと、指導をするというのが当然のことだというふうに思われますし、基準を設けて補助金を出している立場から、きちんと国はその責任を取らなきゃならないんですけれども、こういう調査をしないうちに補助金決めているんですね、お金をね。これが本当に問題なわけなんですよ。今年度から無人ヘリによる農薬散布に補助対象としたことの理由は何ですか。
○政府参考人(前田直登君) 先ほどから議論になっておりますけれども、特別防除の場合は、デフォルメして言いますと、ある程度大面積のところを広範囲にばっと一斉に薬をまいていくと。そうしますと、注意していてもやっぱりある程度その周辺に薬が飛び散る、あるいはそういったのが飛散するという可能性もないわけではありません。そういう意味で、特別防除の場合ですと、しかも、松林の上空、相当の何十メートルも高いところからまくということもございます。
 そういったことで、実は無人ヘリですと、それこそ数メートルのところから、松林の上の数メートルの辺りから薬剤をまくことができる。そういう意味では非常に飛散する可能性が小さくなる。そういったことで、かつ、その量も非常に少なくて済むという、スポット的な形でできるというようなこともございまして、実は平成十二年度から十六年度まで、これは山形、宮城の方なんですが、そこで実証事業ということでずっとやってまいりました。この結果、今申し上げましたように、低空飛行も可能だし、環境に与える影響、こういったものも非常に少なくて済むというようなことが明らかになってまいりました。
 その結果を受けまして、私どももこの無人ヘリの導入につきまして、専門家によります調査検討、こういったものを踏まえて、事業コストだけでなく環境の面、そういった面からもいいというようなことで、平成十七年度から国庫補助事業の対象としたというような実情にございます。
○岡崎トミ子君 エリアが狭い、だけど、五メーターから十メーターぐらい、三台動いているんですよ。有人ヘリは一台でばあっと高い方からまきますけれども、無人ヘリが安全ということについての根拠ないですよ、三台も動くんですから、一回に。大変な量が落とされる。殊に、このときに使われましたのはスミチオン八〇%ですからね。大変なものを使っているんです。この後は、またマイクロカプセルに替わるとかそういうような話になるんだろうと思いますけれども。
 この宮城と山形での調査ですね、サンプルが余りにも少ないです。区域内と区域外やっておりますけれども、私はこれ見ましたよ。これ皆さんに、なかなか見ても分かりにくいからあれなんですけれども。区域外、たった一点しかしていない。風がどっちの方向に吹いたらというのでやったら最低四か所ぐらいやらなきゃいけないけれども、一か所しかやっていないんですね。しかも、宮城県に聞きましたところ、その区域外でやったのも調査したけれども、これが、ここの場合にはいいかもしれないけれども、だからといって全国で無人ヘリがなされるときの安全の根拠になるのかと聞いたら、笑っていましたよ。この一か所ぐらいしかしなくて、まあ十三年から十六年までやっておりますけれども、サンプルが大変少ないので、これでもう安全だというようなことはやっぱり言えない。それから、山形の方では三十八・二という区域外調査地点での値が出てきまして、これが環境省の気中濃度評価値の四倍近い数字になっている。非常に危険な値も出ている。つまり、これは風向きによって三十八・二にもなるということなんですね。
 あとは、確かにほかのところは少ない数値だったと思いますけれども、こういうようなことがなぜ出たのかを知るためには一か所のサンプルでは駄目だということです。最低でも四か所ぐらいはやっていただかなければいけないというふうに思います。
 で、やることが、いろんなところでその拡散状況は違ってくるので、やっぱりやる場合には気中濃度の調査を行ってこれは当然だということで、個々の散布を安全を確かめながら行うという、そういう措置が必要だというふうに思いますけれども、安全性のデータが不十分だと思いますので、そのことについてお認めになりますか。安全をきちんと確かめていないのに、見切り発車、今回しているのだということですね。
 農林水産航空事業の実施ガイドラインというものを何か準用するというようなことも聞いておりますけれども、この無人ヘリというのは今後増えるんですか。
○政府参考人(前田直登君) 先ほど申し上げましたように、十三年から、十二、三年ですか、から十六年までずっとやってきたわけで、それぞれのデータも取りながら、またその結果につきましては専門家の検討会にもお諮りし、また確かに先生おっしゃられますように、その中で一部異常値としてぽつんと出たということも事実でございますけれども、それにつきましてもしばらくしたらすぐ消えていく。また、環境省の基準からいきましても、特異的に、ずっと継続する場合は当然問題なんですが、瞬間的に出た場合には、そのことをもって脱法である、あるいはおかしいということまでは言えないというような話もございまして、そういった中で、私どもも専門家の検討会にお諮りして、それでこれはどうでしょうかと、そういった中で基本的には大丈夫ですよということをいただいて実施してきたと。
 ただ、確かに、先生おっしゃられますようにデータ的に更に更にもっと積み重ねていくといったことも大事だと思っておりまして、そういう意味では、事務連絡ではありますけれども、いろんな各地でやる場合にはそういったデータ、こういったものも是非押さえるようにしてほしい、またそういったデータも私どもの方にいただきたいというようなことでやっているわけであります。
 なお、この無人ヘリの散布の方法、これにつきましては農林水産省の方でその技術指針、こういったものが策定されておりまして、当然のことながらそれに従って適切にやるということで、私どももその指導の徹底を図っていきたいというふうに考えておる次第です。
○岡崎トミ子君 長官、農林水産航空事業実施ガイドライン、ごらんになったことありますか。これ、被害が起きたら中止するという項目がないですよ、この中には。
 で、私たちは、いろんな被害があったからというので、松枯れに特化して防除基準を作ったんですね。これ今回はきちんと守られていない。こちらの方の準用するといっても、松枯れの方には危険があったら一回止まるというのがあるんですが、このガイドラインには止めるということがないんです。
 だから、これから無人ヘリを増やすというのであれば、それは無人ヘリ用の防除基準というのをきちんと作るべきだというふうに思います。是非作ってください。
○政府参考人(前田直登君) 基本的には、既に農林省として無人ヘリの防除基準、実施基準、そういうものが定められているわけでありますから、それとダブる形で作るのはいかがかなとは思いますが、ただ、そういった中でも、やっぱり地元の住民とかそういった方々の不安、そういったものがあるとすれば、やはりそういったところは専門家の意見を聞きながらもう少しそれの充実を図っていく、あるいはその適切な実施が図られるように私どもとしてはそこは努めていきたいというふうに考えます。
○岡崎トミ子君 長官、現場を、私自身もそこに行ったわけではないんですけれども、市民活動をされている方がビデオを撮りました。林野庁の方と御一緒に見ましたけれども、監視員の方が立っている、だけれども監視員の人は一言も、その住民の人たちが危ない方向に歩いていくのに止めもしない、すたすた入っていきましたよ。
 これでは何か、監視員の役目も果たしていなくて、無人ヘリだから大丈夫だという科学的な根拠も示されないで、防除基準、しっかりと専門家の意見を聞いて検討してみるということなんですけれども、全然守られていないということのためには、この増やすであろう無人ヘリに関しては基準をしっかり作るということについて是非お願いしたいというふうに思っております。
 附帯決議に基づいて作ったその松枯れの防除基準ですね、これをきちんと入れないということであればやっぱり本当に国会軽視だというふうに思っておりますので、その点をしっかりと受け止めていただきたいと思っております。
 それから、基準等が守られなかった場合の国の監督義務についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 特別防除につきましては、森林病害虫等防除法、これにおきまして、国及び都道府県、この防除実施基準に従って実施するということにされております。
 ちょっとここら辺はいろいろあろうかと思いますが、私ども、今回の事案につきましては、防除の実施基準にまで違反しているということまでは言えないというふうには考えておりますけれども、やっぱりこういった事業を実施する者、具体的には都道府県あるいは市町村になるわけでありますが、ここが実施基準の趣旨に即した適切な実施を図るように指導していきたいというふうに考えております。
 ただ、これ、かつては機関委任事務として国が強い監督権の下でやってきたんですが、例の地方分権の問題の中で、この松くい虫防除につきましては基本的に自治事務に切り替えられました。
 そういったことで、この特別防除につきましては都道府県が自治事務として実施されているというものでございまして、国としては当然、助言ですとか指導、こういったことは行っていくわけでありますが、この範囲を超えまして強制的な措置、こういった形を講ずることにつきましてはなかなか難しい面があるのかなというようには考えておりますけれども、いずれにしましても、ここはきちっと指導、そういったものには徹底を努めていきたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 危険を伴う場合にはそのような、自治事務だから私どもでどこまで言ったらいいかなんて言っていられないんですよ。お金も出しているんですから。しかも、指導をしっかりしていかなければならない立場なんですから。是非、全国的に調査をするということ、そして無人ヘリについての防除基準をしっかり作っていただくということ。
 この安全性というものをまだ私たちも分かっておりませんので、今後ともその安全ということの根拠を示していただくようにこれからもやっていきたいというふうに思っております。ありがとうございました。
 続きまして、農薬等の残留基準制度のポジティブリスト化について伺いたいと思いますが、ポジティブリスト化、許されたもの以外のものは使用していけないという、そういう基準でありますけれども。
 先週の、六月の九日ですね、ですから十日、金曜、本会議で通ったわけなんですが、食育基本法であります。これは、もう既に農林水産の方では食料・農業・農村基本法、あるいは食品安全委員会の方で食品安全基本法、さらに学校給食法ということで、それぞれ食育の問題については行われてきたわけなんですけれども、では食料・農業・農村基本法の中できちんと自給率が高まるようになったのか、食品の安全、その添加物という問題でどのようになっているのか、学校給食の問題では、地産地消、旬産旬消、それこそセンター化よりも自校式でやっていく方が子供たちにとって安全だ、こういうものが本当に進んでいくということであればいい。
 私たちは、まず個人の方の責務というのが頭の方に残りまして、国の責務をきちんと果たしていない。ですから、この問題については、国の責務をしっかり果たすことがまず大事であるという観点から反対をしているわけなんですが、その際にも質問をさせていただきました。
 食べ物に残留する農薬等の残留基準制度が大きく変更されようとしているわけなんですが、この食品衛生法で、従来定められました農薬残留基準以下の食品しか流通できないように法制化されてきたわけなんですが、実際にはおよそ七百種の農薬が食用作物に使われておりますのに、残留基準は二百四十農薬についてしかありません。そして、基準のないものについては、幾ら残留していても流通禁止とか回収命令とか、こういう販売規制ができなかったわけです。
 こういう事態を改めるために、二〇〇三年五月三十日に食品衛生法の一部を改正する法律が施行されまして、三年以内に食品に残留する農薬等にポジティブリスト制度が導入されることになりました。しかし、本来、このポジティブリスト制度というのは、食品添加物のように認可リストに載ったものしか使用してはならないというふうにすべきなのに、今回厚生労働省が提案しております制度は、残留基準リストにない農薬を使用してはいけないというのではなくて、残留していても、一定基準である、一律基準ならばよしとすることになったわけですね。
 確かに、残留基準を設定した農薬等の数は二百七十五から七百九十一に増えました。でも、実際に基準を必要としているのはもう莫大なものなんです。全部基準を作っていかなければならないことになっているんです。しかし、国内でADIが評価されていない農薬等にも残留基準を設定したこと、それから国際基準を優先して、国内の登録保留基準より高い数値を採用したこと、残留基準のないものについてはADIと関係なく一律基準の〇・〇一ppmとしたことなどが問題として指摘されておりまして、法規制のなかった今までの状況を追認、固定化するためのものでしかなくて、国民の残留農薬摂取量を減らそうという方向性が見えてきておりません。このことを私たちは批判をしてまいりました。
 そこで、食品安全委員会は、厚生労働省から意見を求められて、四月二十八日に食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度の導入についてという意見を出したんですが、この改正後の食品衛生法第十一条三項に規定しております「人の健康を損なうおそれのない量」、これを定めるに当たって、厚生労働省は許容量の目安として一・五マイクログラム・パー人・日という数字を使っておりますが、食品安全委員会は厚生労働省への意見の中でこの数字には触れておりません。暫定基準を設定するに当たって、一律基準の在り方は最も重要な点の一つだと思いますけれども、なぜ食品安全委員会はこの意見をしなかったんでしょうか。
○政府参考人(齊藤登君) いわゆるポジティブリスト制の関係につきまして、委員御指摘のとおり、私どもといたしまして二十三条の、食品安全基本法第二十三条第一項第五号に基づく意見というのを表明したところでございます。
 この中で、委員御指摘の、人の健康を損なうおそれのない量ということにつきまして今回の意見の中では明示的にお示ししていないということは事実でございますが、これは、まず厚生労働省から関係の御説明をいただき、資料を検討した結果、その結果を取りまとめたものでございまして、食品衛生法の第十一条第三項で規定している「人の健康を損なうおそれのない量」についてのいわゆる評価ですね、食品健康影響評価を行ったものではないわけでございます。
 ですから、いずれにしましても、このような問題につきましては、今後とも必要なものについては中立公正な立場から議論を尽くしていきたいと、こういうのが私どもの立場でございます。
○岡崎トミ子君 そうすると、厚生労働省のこれを了解したというのではないということでよろしいですね。
○政府参考人(齊藤登君) 私どもとしては、御説明を受けて、その段階で必要と、委員の間で議論して必要と思われる意見を述べたものでございまして、意見につきまして、今後意見を一切申し上げないというようなことを申し上げたものではございません。
○岡崎トミ子君 ございません。
 厚生労働省が許容量の目安としました一・五マイクログラムですね、この数字は体重五十キログラム、成人の人ですね、その成人を想定しますと〇・〇三マイクログラム・キログラム・デーという、ADIに相当する数字なんですね。で、残留基準が定められていない農薬等のADIを〇・〇三マイクログラムとみなすということだというふうに思うんです。
 これまでに安全性に関するリスク評価がされた農薬等でADIが〇・〇三マイクログラムより低い農薬があると聞いておりますが、何と何で、ADIは幾つに設定されておりますでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 一日許容摂取量、ADIが〇・〇三マイクログラム・パー・キログラム体重・パー・デー未満に設定されているものは、動物用医薬品であるクレンブテロール、デキサメタゾン及び酢酸トレンボロンの三つの物質であると報告されております。
 これら三つの物質のADIにつきましては、それぞれ、クレンブテロールが〇・〇〇四マイクログラム・パー・キログラム体重・パー・デー、デキサメタゾンが〇・〇一五マイクログラム・パー・キログラム体重・パー・デー、及び酢酸トレンボロン、〇・〇二マイクログラム・パー・キログラム体重・パー・デーと設定されております。
○岡崎トミ子君 そうです。これ〇・〇〇四とか〇・〇一、〇・〇二、これ全部ADIが〇・〇三よりも低い農薬が実際あるわけですね。そうしますと、この一・五マイクログラム・パー人・日、この許容量を目安として人の健康を損なうおそれのない量と決めるというのは問題だというふうに思います。
 毒性試験をしていないんですよね。ですから、ADIが〇・〇三マイクログラム・パー・キログラム・日未満で農薬等が存在しないという前提に立って今物を考えているようなんですけれども、これ甚だ不適切だと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のADIが〇・〇三マイクログラム・パー・キログラム体重・パー・デーより低い農薬等の取扱いでございますけれども、これにつきましては、先ほど申し上げましたようなクレンブテロールなどの未満の三物質につきましては、一律基準案の〇・〇一ppmを適用するのではなくて、不検出とすることが提案されているわけでございます。
 また、一律基準についてでございますけれども、例えば米国では〇・一ppmから〇・〇一ppmの範囲で運用がなされております。また、EUでは、本年三月、一律基準を〇・〇一ppmと定めておりますことなどから見て、一律基準を〇・〇一ppmとすることは妥当ではないかと考えております。
○岡崎トミ子君 結局、コーデックスイコール国際基準となっているわけなんですけれども、これ大変緩いものなんですね。
 日本の環境省で決めております登録保留基準ですか、これを持ってくる、あるいはアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、EUの基準を持ってくる。例えばスミチオン一つ取ってみても、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、数値が全然違うのでそれは平均値で決めますとか、で、だんだん埋まってきましたといっても、外国にもない、毒性も試験していない、残っている数値も分からないというところに一律基準を決めてしまうという、それで人の、それへの健康に害がないというようなのを決められてしまうというのは、本当に国民のためを思うなら、まずこの暫定基準の告示前に農薬等の個々の理論最大摂取量、食べ物で取る方ですね、それとADIですね、これとの比較を明らかにして、これを議論の材料とすべきではないかと思いますけれども、いかがですか、その点について。
○政府参考人(外口崇君) ポジティブリスト制度、これは今までになかった制度でございまして、すべての農薬等に対しまして網羅的に規制を掛けようとするものでございます。これを迅速かつ円滑に導入する、十八年五月までに導入する予定でございますけれども、このために厚生労働省としては、国民の健康の保護を図りつつ食品の流通において無用の混乱を招かないよう、暫定基準を策定することとしているわけでございます。
 しかしながら、時間も限られているということがございます。ADIの検討、摂取量の推定等のリスク評価に要する作業を行うことは、実質的にと申しますか、物理的に困難であるという事情が一つあるわけでございます。こういった事情もありますことから暫定基準の策定をすることといたしまして、コーデックス基準がある場合はコーデックス基準、コーデックス基準がない場合には農薬取締法に基づく登録保留基準や米国、EU等の海外の基準値を参考として暫定基準を設定することとしたわけであります。
 このような状況の中で、御指摘の個々の農薬ごとのリスク評価の結果であるADIと理論最大一日摂取量との比較をお示しして議論していくことは物理的に難しいということがありますが、これら基準のリスク評価につきましては、ポジティブリスト制度が施行された後、国民の農薬摂取量等を踏まえて優先順位を付した上で食品安全委員会に依頼し評価をしていただく予定であります。
○岡崎トミ子君 今の御答弁で、三年という期限が区切られている、迅速、円滑に運用するためにということで急ぐのであれば、本末転倒だということをまず申し上げておきたいと思いますが、その最終案にあります農薬等について、ADIを今後評価しなければならないもののリスト、これを是非、一覧表、資料として提出をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 必要な資料につきましては検討して、また必要に応じてお答えを逐次させていただきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 出さないということですか。出してください。行政監視委員会ですよ。
○政府参考人(外口崇君) はい、提出いたします。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
 ここで、農取法に基づいて農薬を使用する者が守るべき基準を定める省令というのがありまして、その第一条の三に──あっ、ちょっと待ってください、その前に質問するものがありました。
 まず、農林水産省の方の、省令第一条で、害が発生したと考えるべきものの一つに、意図しないドリフト、飛散によって農作物が残留農薬が基準を超えて販売できなくなった、こういう場合に、これはどのように考えますでしょうか。基準を超えたこと。
○政府参考人(中川坦君) 農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令というのがございまして、この中に、一つは「農作物等に害を及ぼさないようにすること。」と。これは、実際に農薬を散布する場合に、当該対象となる農薬が、枯れたり、何かそういったマイナスの影響が出ないようにするように注意しなさいということでありますし、三の方では、「農作物等の汚染が生じ、」云々と書いてありまして、ここは、そこに残留していろいろ害が出ないようにすべきだということを規定しているものであります。
 したがって、そこで例えば農薬を散布して売れなくなったような場合、これは自分のものであれば自分のところで責任を取ればいいわけですけれども、例えばほかの方の農作物に掛かって何か支障が生じた場合というのは、それはその当事者の間で、そこで損害賠償その他民事の世界として問題を解決していくべきものだというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 そうすると、基準を超えたことは害ではないという考えですか。
○政府参考人(中川坦君) いえ、省令の中では、ここは、実際に農薬を使用する者はそういったことがないようにしなければいけないということで、努力義務を規定しているものでございます。
○岡崎トミ子君 そうしますと、今度は省令の中の第一条の三の方ですね。農作物等の汚染が生じ、かつ、汚染に係る農作物等の利用が原因となって人畜に被害が生じないようにすることというのは、農作物へのドリフトの防止、飛散防止を求めているという、そういう考え方でよろしいわけですね。
○政府参考人(中川坦君) おっしゃるとおりでございまして、ドリフトによる影響も、そういったことも防止すべきであるという規定でございます。
○岡崎トミ子君 それでは、そのドリフトによる汚染ではどういう場合に罰則が掛かるか、明確にしておきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) ここにあります第一条の規定は農薬使用者の責務でございますので、ちょっと先ほども申し上げましたが、このことをもって直接何か罰則が適用されるというものではなくて、適正に使用するように使用者については努力義務として課しているものでございます。
○岡崎トミ子君 罰則はないということでよろしいわけですか。それじゃなかなか担保できないというふうに思います。徹底してまく側の人たちに対して言っていかないとこれは守られないなというふうにまず思いますので、ここはまた後で詰めなきゃいけないというふうに思っておりますが。
 海外からの農作物の輸入に際して農薬使用履歴の提出を義務付けるべきではないかと思いますが、食品安全委員会の方も出すべきであると輸入農産物については言っておりますので、厚生労働省はいかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 輸入農産物の残留農薬については、輸出国における農薬の使用状況等を勘案し、検疫所において輸入食品監視指導計画に基づき計画的に検査を実施しております。検査の結果、基準を超える農薬が検出される等の問題が生じた場合には、輸入時の検査を強化するとともに、輸出国政府との二国間協議等を通じて農薬の適正使用等の対策を講じているところであります。
 そこで、議員御指摘の農薬使用履歴の提出を義務付けることについてでございますが、これについては、国内外の生産段階における農薬の使用状況を詳細に把握し、その情報を流通する農作物に添付するということになるわけでございまして、これは非常に困難な面もあるかと考えております。
 なお、諸外国でもまだ実施されているところはないと思います。
 いずれにいたしましても、農薬の適正な使用は農産物の残留農薬にかかわる安全性確保の観点から大変重要でございますので、検疫所において輸入者に対し農薬の使用状況の確認について指導しているところでありますが、これを引き続き進めて強化してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 食習慣の違いを無視して海外の基準をそのまま適用することは問題だとずっと思ってまいりましたが、例えば米ぬかで、暫定基準案、カルバリルが一七〇ppm、フルトラニルが一〇ppmとなっておりますけれども、このぬかの原料である玄米についてはそれぞれ一ppm、二ppmでありまして、カルバリルが百七十倍の残留にもなっておりますのに問題がないというのはどういうことかと思うんですね。
 この米ぬかがぬか漬けに使用されていることは配慮されておりますでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の米ぬかの基準につきましては、これはいずれもコーデックスの基準を基に暫定基準の案を設定したものであります。この基準につきましては、コーデックスの基準でございますから、FAO・WHO残留農薬専門家会議においてリスク評価が実施されているものでございます。
 なお、カルバリルについてですけれども、これまでに数回、厚生労働省の方でマーケットバスケット方式という方式によりまして国民の食品からの摂取量を調査してきたところでありますが、この中にはぬか漬けも入っております。いずれの結果も、審議会で定めたADIの一%以下となっております。
 厚生労働省としては、カルバリルを含め、農薬の摂取量を実態の調査の中で考えながら、必要に応じて暫定基準も考えていきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 まあ、ナスとかキュウリの中にNACが入ってくるかどうかというのは、やっぱり味がしみ込んでくるというと大変心配ですし、ぬかが発酵して入ってくるかどうか、これは分析しないと信用はできないので、その点については是非分析をしていただきたいなと思うところです。
 ところで、今月二日に発生した大量の鶏死の原因となったクロルピクリンなんですけれども、このことに関して、食用作物に使われる農薬でも残留基準が設定されていないものがあります。本当にあそこで鶏が大量に死んだということで大変驚いたわけなんですけれども、設定されていない農薬がどんなものがあるか知りたいので、是非この資料を出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 早速調査をして必要な資料をお示ししたいと思います。
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 それで、最後なんですけれども、この暫定基準の設定、来年ということになるわけなんですけれども、これまで第一案、第二案、そして今最終案でちょうどパブリックコメントを取っているという、そういう状況なんですね。
 三年という期限を守ることが至上目的になってはいけないというふうに改めて私は申し上げておきたいと思いますし、人の健康の確保ということが最大の目的であるということを確認したいと思います。
 これは今暫定基準になっているので致し方がないというような表現で私たち話をさせていただいたんですけれども、この本基準を決めるというとき、これは本当にやるのですねということを確かめたいと思います。この本基準を当然すべての人々の健康を守るという大原則を守ってきちんと決める必要があります。いったん残留基準の数値を決めると、その数値というのはもう多分今後何十年も独り歩きするという可能性もあると思うんです。
 これ、いつ見直すのかということについてちょっとお教えいただきたいのと、毒性評価のないものについては、拙速に基準を決めるよりも、きちんと評価した上で基準を決めるということが望まれます。
 食品安全委員会と厚生労働省として姿勢と決意というものを改めてお伺いして、終わりたいと思います。
○政府参考人(齊藤登君) 食品安全委員会といたしましては既に一度意見を申し述べさせていただいたわけでございますけれども、今後とも国民の健康保護を第一に中立公正な立場から議論を尽くしていくと、この立場には変わりございませんので、引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
○副大臣(西博義君) 先ほどから先生、熱心な御質問をいただきました。
 食品に残留する農薬、この問題について、今回ポジティブリストという制度に大きく変えることによって私どもは安全性を一層向上させていきたいという決意でおります。
 御指摘のように、平成十八年五月に正式に導入をするということで、今準備を進めているところでございます。このために、厚生労働省では、平成十五年五月の改正法の直後から、その施行に向けて検討を開始をいたしておりまして、御指摘のように、今月初め、最終案を取りまとめをいたしました。今後、国民からの意見を聴取いたしました後、薬事・食品衛生審議会等の検討を経た後に、本年十一月目途に基準を告示をいたします。そして、来年五月、ポジティブリストの制度を施行すると、こういうスケジュールを考えているところでございます。
 また、このリスト制度の施行後における暫定基準等の見直しにつきましては、先生今御指摘ございましたが、食品安全委員会の意見に基づいてリスク評価の計画を策定するということで、連携をしながらやっていきたいと思っております。
 今後とも、残留農薬等のポジティブリスト制度の円滑かつ早期の導入に向けて我が省としても全力で取り組んでまいります。
○岡崎トミ子君 終わります。
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。
 本日は、警察庁の会計監査を、結果を中心に、警察の不正経理問題について質問をさせていただきます。
 その前に、政策評価制度の見直しについて、若干ですが質問をさせていただきたいと思います。
 四月四日にも当委員会で質問をさせていただきましたけれども、本年は、平成十四年四月一日に政策評価法が施行されてから三年が経過し、同法附則第二条に規定されているとおり、施行の状況及び制度の在り方が改めて検討されることとなります。
 この見直しに際して、経済財政諮問会議により財務省と総務省に対して政策評価と予算の連携強化を進めていくよう方針が出て、それに対して、財務省、総務省より、政策評価調書、予算書、決算書を施策単位で表記する、また、各省庁の政策の体系化を図っていくという御答弁が我が党の浜田委員の質問に対してございました。
 また、先週七日に発表されたいわゆる骨太の方針二〇〇五の素案で、経済財政諮問会議は予算制度の改革として、現在行われているモデル事業を発展させ、成果重視事業を創設するという方針を打ち出しております。この成果重視事業は、モデル事業の基本的枠組みを維持しつつ、政策評価と連携を強化していくものとされております。
 このように、政府において政策評価法施行後三年経過に伴う制度の見直しに向けた検討が行われていると思いますけれども、その際、諸外国において行われているニュー・パブリック・マネジメントの考え方に基づく改革が参考になると考えております。
 特に、政策を立案する際に、適切な目標を設定し、その達成度にしっかりと評価をすることが重要であり、日本においても、目標管理を行うツールとして政策評価を一層活用するべきと考えています。
 また、政策評価と予算、決算の連携を強化するとともに、政策評価が政策立案に役立つものとなることが求められていると考えております。
 そこで、このような点を踏まえ、政策評価制度の充実発展に向けどのような措置を講じていくのかについてお伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(田村政志君) お答えいたします。
 政府におきましては、現在、政策評価制度に関する見直しを行っているところでございますが、政策評価の改善充実に向けまして、政策評価と予算、決算の連携強化、重要政策に関する評価の徹底、評価の客観性の確保、国民への説明責任の徹底、こういった課題に対応することが必要であると認識をしております。
 特に、今委員御指摘ございました目標による管理ということにつきましては、ニュー・パブリック・マネジメントにおきましても、その考え方においてもその重要性が指摘されているわけでございます。
 我が国におきましても、法施行後三年間で、目標の数値化の割合で見ますと、平成十四年三四%だったものが、平成十六年には五五%に向上するなど、政府全体としても取組が一定程度進展していると考えられます。
 今後とも、諸外国の事例も参考にしつつ、可能な限り達成目標の数値化に一層取り組んでいきたいと考えております。
 また、目標設定の際には、やはり適切な指標の選択ということが重要でございますので、そういった適切な指標の選択や設定の根拠の明確化を促進をしてまいりたいと思っております。
 今後、本日の御議論や各方面からいろいろな御意見をいただいておりますので、それらを踏まえまして、政策評価制度に関する見直しの方向性を早期に明確にした上で、年内に政策評価法の第五条に基づく政策評価に関する基本方針、これは閣議決定でございますが、これを見直すということと、それから新しいガイドラインを策定するといったようなことを行いまして、現行の政策評価制度が一層実効性を発揮できるよう改善を行ってまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 政策評価制度は行政の継続的な改革のため非常に重要な制度でありますので、その改善のため、更なる努力をお願いしたいと思います。
 次に、本題に関連いたしまして、治安対策について若干述べさせていただきたいと思います。
 ここ数年、治安の悪化が国民の強い憂慮を引き起こしております。検挙率を見てみますと、平成十五年度の検挙率は、刑法犯で四一・三%、一般刑法犯で二三・二%となっており、これは、平成元年の刑法犯六〇・二%、一般刑法犯四六・二%という数値に比べて大幅に悪化をしております。
 この治安の悪化に対して、公明党といたしましては、マニフェストにも掲げさせていただいている空き交番ゼロ作戦のための警察官の増員、警察官OBの活用、スーパー防犯灯の設置促進、地域民間ボランティアへの支援、子供の安全確保などの施策について、各関係府省庁の御協力をいただき、強力かつ積極的に推進をしてまいりました。
 国民の生命、財産を守ることが国家の最も基本的な責務でございます。その意味で、治安対策について更に徹底した努力が必要かと思います。
 先日、私が地元の大阪でタクシーに乗ったときに、タクシーの運転手さんから、最近、交番にお巡りさんがいないことが多くて何かあったらどうするんやろうとか、実際にお巡りさんがいなくて困っている人を見たことがあると伺いました。しかし、現場の警察官の方にお話をお伺いしますと、事件があれば現場に行かなくてはならない、また電話があれば出掛けなければならなかったり、不本意だけれども交番を空けなくてはならない場面が多いという苦渋に満ちた声が聞かれました。まだまだ現場の警察官が不足をしております。事件は増え続けるにもかかわらずなかなか警察官は増えない、結果として一人当たりの仕事は増え、どうしても手が回らないところが出てくる、このような状況があると思われます。
 この状況に対して、警察庁は平成十六年度までの四年間で一万一千二百十六人の増員を行い、昨年は三千五百三十二人の増員が行われました。しかし、いまだ一万人が不足しているとも聞いております。現場の状況を改善し、いわゆる空き交番を解消していくためにも、警察官の増員を更に行っていくことが必要ではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、いわゆる二〇〇七年問題というのがございますけれども、このときに退職される警察のOBの方を交番相談員として雇用し、空き交番の解消の一助としていくことも考えられますけれども、この点については御検討はされているのでしょうか。
 また、先ほど、施策の一つとして挙げさせていただいたスーパー防犯灯について、警察庁の政策評価では次のような結果が出ております。有効性の観点からは、住民の犯罪に対する不安感の解消に一定の効果が認められ、設置区域での主な刑法犯の認知件数が減少しており、効果が認められる、そして効率性からの観点からは、整備に必要な費用は、一人の人を路上に常時配置することに要する費用に比べて安価であるとの結果が出ております。この結果を踏まえて、スーパー防犯灯の設置を更に積極的に進めていくべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
 さらに、子供の安全という観点からいえば、このスーパー防犯灯に類似した子ども緊急通報システムの整備も並行して進めていくべきと考えておりますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(村田吉隆君) いろいろと治安の情勢について御心配をちょうだいいたしまして、誠にありがとうございます。
 昨今の治安情勢でございますけれども、犯罪の増加傾向にはここ二年間の間で一定の歯止めが掛かりました。しかしながら、平成の元年と平成の十六年を比べますと、刑法犯の認知件数、これを比べてみても一・五倍という、そういう大変多い数字に上っていますし、それから一一〇番の受理件数も、平成元年と十六年の間で二・二倍、それから、来日の外国人犯罪については何と八・二倍という増加の傾向を示しておりまして、そういう意味では、一人一人の警察官の負担というものは大変重くなっているわけでございます。
 大変苦しい厳しい財政状況の中にあって、今委員も御指摘なさいましたように、これまでも、平成十四年度以来、地方警察官の増員を認めていただきまして、これまでに一万人、それからまた、今年度から向こう三年間で一万人の計画をお認めいただきたいということで、取りあえず平成十七年度に関しましては三千五百人の増員をお認めになっていただいたと、こういうことでございます。
 空き交番でございますけれども、一方においては、街頭犯罪というものを抑止するという観点から警察官は交番から出てパトロールしなきゃいけない、しかし一方においては、交番にいないのはなぜか、空き交番があるのは好ましくないという、そういう二律相反するような状況にも追い込まれておりまして、大変我々としては、人員の配置という観点からいいますと厳しい状態に置かれているわけでございまして、一つは、交番勤務員の増配置を目指すということを中心にしながら、交番自体の配置を見直すということもやってまいりましたし、それから、今先生も御質問の中で御指摘なさいましたように警察官のOBを交番相談員という形で配置をさせていただくと、こういう措置も講じておりまして、空き交番の解消を目指して今最大限の努力をいたしているところでございます。
 平成十九年の春には、いわゆる空き交番なるものをないように、解消したいという、これを実現できるように今最大限の努力を今後とも進めていきたいと、こういうふうに考えております。
 交番相談員につきましては、平成十七年四月現在で全国で約四千二百人が活躍しておられるということでございますが、今後とも、都道府県とも御相談をしつつその増員を積極的に果たしていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
 それから、スーパー防犯灯あるいは子ども緊急通報装置につきましても、これはかなり自動で機械がやるわけでございますが、いろんな、多面的ないろんな装置を備えておりまして、警察官に代わりまして街頭の状況をウオッチしたり、あるいはインターホンで受け付けたりなんかいたしまして、大変効果があるものでございます。スーパー防犯灯につきましてはこれまで三十九地区に四百八基を設置いたしましたし、それから子ども緊急通報装置につきましては五十三地区で三百六十八基を設置をさせていただきました。国費モデル事業でやるケース、補助事業でやるケース、あるいは県が単独事業でやるケース、いろいろでございますが、我々といたしましては、スーパー防犯灯や子ども緊急通報装置の整備をこれからも積極的に行ってまいりまして、安全なあるいは安心な町づくりに努力してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 国民の安全を守るため、所要の増員と施設の整備をどうかよろしくお願いいたします。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 昨年以来、不正経理疑惑が発覚している警察は、北海道、静岡、福岡など、自ら不正経理を認めた警察以外にも全国規模に上っております。警察による不祥事がこれだけ話題となったのは、平成十一年から十二年にかけて、神奈川県警による覚せい剤のもみ消し事件や新潟県警による女性監禁事件への不適切な対応など、次々に不祥事が明らかになって以来でございます。警察はその際、警察刷新会議を設置したり警察改革要綱を制定するなどして改革を進めてきたかのように思われましたけれども、その後わずか四年余りで再び大きな批判にさらされる事態を招いております。警察の不祥事が問題であるのは、その違法性もさることながら、国民からの不信を招いて警察の捜査活動に支障が出る点にこそあると思います。犯罪の認知件数が増加する一方で検挙率が低下し、国民の間に不安感が広がっている現在、警察への不信の高まりによってより多くの国民の生命や財産が危険にさらされるような事態は何としても避けなければなりません。
 そこで、警察に対する信頼をいかに回復していくかという観点から質問をさせていただきたいと思います。
 今般、警察庁がこのような形で会計監査を強化したのは、ほかでもなく、全国各地の警察で不正経理問題が発覚し、大きな批判が寄せられたからでございます。このような状況で始まった会計検査でありますけれども、その結果を聞くと、新たな事実の確認に乏しく、現状の追認に終わっている感があります。監査の結果として指示された事項について見てみましても、書類の誤記や資料の不備など、細かい事務レベルにとどまっており、不正経理という大きな問題に切り込んでいく姿勢に欠けているように見えるのも否めません。各地の監査委員が不正支出分の返還を求めるケースが相次いでいることに比べると、残念ながら、この監査結果からは、警察庁が国民の憤りに真摯に向き合っているということは、印象は受けられません。
 そこで、国家公安委員会委員長にお尋ねいたします。今回の会計監査結果の報告を受けて、警察を管理する長としてどのような所見をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(村田吉隆君) 先ほどの過去の三か年の増員計画につきましては、ちょっと補足させていただきますと、正確には千六百五十人ほどを上回って達成をさせていただきまして、その間の大変厳しい財政事情の中で上回って達成させていただいたことに対して本当に感謝をいたしているわけでございます。
 そういう中で、警察の会計執行に関しての不適正事例が北海道警察を始めとして全国の幾つかの県警本部で、県警で出たということにつきましては、国家公安委員長としても国民の警察に対する信頼を裏切るものとして誠に遺憾に存じているわけでございます。
 そういう観点から、昨年の四月に国家公安委員会としては会計監査にかかわります国家公安委員会規則を制定いたしまして、警察庁の会計検査、これにつきましては、毎年すべての都道府県警察を対象にして会計監査を行うということ、それからその手法ですね、この手法につきましても、今まではトップに聞くというぐらいなことをやって済ませていたというのを、もっと具体的な捜査費を使う担当者にまでヒアリングの対象を広げるということ、それから人員も監査の体制ももっと増やすようにということ、それから監査の結果については適宜国家公安委員会に報告を要することと、こういうことで、我々としては警察に対します管理機能というものを発揮してきたと、こういうことでございます。
 警察庁によります平成十六年度の会計監査につきましては、先ほど私が申し上げたように、国家公安委員会の会計監査に関する規則に基づきまして、北海道警及び愛媛県警を除きますその他のすべての県警察等に対しまして行いました。合計六十三部署に対しまして、文書が保存されておりますのが平成十年度からでございますので、可能な限りその文書が残っているというそこまでさかのぼって会計監査を実施したと、こういうことを聞いております。
 その中で、残念ながらなお幾つかの事例で会計の執行に不適正な事例が出ました。したがいまして、警察庁から関係警察に対して指導事項として通知をするようにということを指摘をしてきたところでございまして、警察庁からその関係の警察に対してそのような通知をしたものと我々としては考えているわけでございます。
 今後のことでございますが、もとより会計の執行に関しての警察官一人一人の認識につきまして、私どもとしましては事あるごとに国費あるいは県費を含めまして会計の執行というものが大変重要なことであるということを改めて指摘をし、二度とこうした不祥事が起こらないように私どもは警察を督励してまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○浮島とも子君 次に、監査の実施体制などについてお伺いいたします。
 十六年度会計監査は、警察庁本庁、管区警察局、各都府県警察などほぼすべての部署を対象に行われたということでありますけれども、監査の実務は、警察庁のどの部署の職員がどのような体制で、それぞれどの程度の期間を掛けて行ったのか、御説明願います。また併せて、十五年度までの会計監査に比べてどのように充実強化をされたのか、御説明ください。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 一点目の御質問でありますけれども、担当所属は警察庁長官官房会計課及び各管区警察局会計課でございます。体制は、監査対象部署の規模に応じて変わりますけれども、六名から十名程度の体制で臨みまして、一部署当たりおおむね三日間の監査を行っております。対象部署は全体で都府県警察等六十三部署であったところでございます。
 次に、二点目でございますが、十六年度以降、警察庁の会計検査がどのように強化充実されたかという御指摘だと思いますけれども、これは先ほど大臣からもかいつまんで答弁がございましたのでダブりますけれども、一つ目は、昨年の四月に制定されました国家公安委員規則に基づきまして、毎年度、重点項目とか監査対象部署など実施計画を策定いたしまして、その計画に基づいて会計検査を実施すると。二つ目は、一部署当たりの実施対象所属というのを増やしております。三つ目は、監査体制は、先ほど言いましたように、従前では三名から八名程度であったものを六名から十名程度に増強をしているということであります。加えまして、このメンバーに捜査経験を有する警察官を初めて配置をするということであります。四つ目としては、監査手法につきましては、所属長等の幹部だけでなく、捜査員に対する聞き取り調査を重点的に実施をしております。それから五つ目としては、平成十五年度だけではなくて、関係文書が保存されています十年度の予算執行までさかのぼって監査の対象として、可能な限り当時の執行者から聞き取り調査を実施をするということなどであったところでございます。
 以上です。
○浮島とも子君 会計監査は、監査対象に事前に通告した上で行うのでしょうか、それとも抜き打ちで行うのでしょうか。
○政府参考人(安藤隆春君) 警察庁が実施しました平成十六年度の会計監査では、都道府県警察等の監査対象部署に対する事前通告につきましては、やはり対象部署において監査調書の作成に要する期間等を考慮いたしますので、おおむね二週間から一か月前に通知をするということにしている、これはもう対象部署ということですから、都道府県警察であります。
 ただ、捜査費の書面調査とか捜査員とか聞き取り調査を行う直接の所属、すなわち警察署等の各所属に対しては、これは会計監査を実施する前日又は前々日に通知しているところでありまして、ちなみに、それ以前、すなわち平成十五年以前におきましては、こうした警察署などの所属に対してはおおむね一週間前に通知していたということでありますので、その辺は改善されたと思います。
○浮島とも子君 会計監査結果と同時に、警察庁の予算執行検討委員会による施策の推進状況が公表をされました。これは不正経理問題の発生を受けて取られた適正化施策の推進状況をまとめたものであります。警察庁の予算執行検討委員会は警察の内部調査の大本であり、ここが甘い調査を行っていれば、警察全体の信頼回復はおぼつかないと考えます。
 検討委員会には不正経理問題が再発しないように是非とも適切な策を講じてもらいたいと思いますけれども、今後どの程度の期間をめどにどのような形で活動を行っていくのか、予定を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 御案内のとおり、警察庁は昨年二月に官房長を委員長とします予算執行検討委員会を設置しまして、北海道警察や福岡県警察等における会計経理をめぐる不適正事案の早期解明を図る、これが一つの任務でありますが、もう一つは、予算執行の適正化を一層推進するための様々な改善施策を講じてきたところでございますが、今後の活動内容等ということでありますが、これは一つは、現在も事案としてございます不適正経理疑惑の事案の早期解明という点と、もう一つは、先ほど来御指摘されております平成十六年度の会計監査で指示、指導されました様々な点を中心に、予算執行の一層の適正化に努めるよう都道府県警察を更に指導していくということにいたしております。
 もう一つ、予算執行委員会をいつまで存続していくかということでありますが、そうした進捗状況を見ながら、今後判断してまいりたいと思っております。
○浮島とも子君 しっかりとした内部調査をお願いしたいと思います。
 警察の不祥事に対する国民の不満が現場の警察官に向けられているとも聞いております。事件の捜査に当たっても、住民から協力が得られず調査が難航し、結果として犯罪を助長するおそれもあると言えるのではないでしょうか。日々危険と隣り合わせで職務に励行している現場の警察官が国民から不信の目と板挟みになっている苦労、心痛は計り知れません。警察庁や各警察本部の幹部には、その場しのぎの批判回避ではなく、真に国民から信頼を回復することによって、現場の警察官の捜査の障害を取り除く責務があると考えます。
 行政監視委員会から平成十二年五月に行った「警察の信頼回復に関する決議」にあるように、第一線において職務に精励している警察官の士気が損なわれないよう、警察幹部は改革に背水の陣で臨まなければならないと考えておりますけれども、最後に警察庁の決意をお伺いいたします。
○政府参考人(安藤隆春君) 委員御指摘のとおり、この問題をきちっと解決をして、適正な経理を徹底するということが国民の回復につながるということで、現在鋭意警察庁始め各関係の県警察で調査をし、調査の結果につきましては、関係者に対する処分とか、あるいは返還すべきものは返還する。さらに、一番大事なのは再発防止策ということで、いろんな策を講じておるところであります。
 いずれにいたしましても、警察庁としては今後とも会計監査の強化……(発言する者あり)はい。今後とも会計監査の強化と捜査費経理に関する教養の徹底によりまして、幹部から捜査員に至るまですべての職員に意識徹底を図り、会計経理の適正化がなされるよう各都道府県を指導してまいりたいと思っております。
○浮島とも子君 質問の冒頭にも述べさせていただきましたけれども、一度失われた信頼を回復するのは非常に大変で難しいことでございます。信頼を積み上げるのはとても大変なことですけれども、崩れるのは本当に一瞬のうちで崩れます。本当に現場の皆様から、本当にこうやって自分たちは改革しているんだというところを真に心から見せていただきたいと思います。しっかりと取り組んでいただきたい。
 また、国民の治安悪化に対する不安を解消していくための対策は緊急の課題です。その意味で、限りある予算をどのように有効に活用していくのか。同じ予算を投入するのであれば、必要度、緊急度の高いものに投入するべきであると考えます。警察官の増員、スーパー防犯灯の設置など、治安対策には多額の費用が掛かります。その費用の支出を国民に納得していただくためにも、会計に関しては一層厳正な取扱いをお願いし、私の質問を終わります。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 NTTの企業年金引下げ問題、同社の個人情報流出問題について伺います。
 最初に総務省に伺いますが、NTTの〇五年三月末第二十期における連結決算での営業収益、税引き前利益、当期純利益はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(江嵜正邦君) お答えいたします。
 日本電信電話株式会社の平成十六年度連結決算につきましては、営業収益は十兆八千五十九億円と、前年度と比較して二千八百九十七億円の減収となっております。
 また、税引き前利益につきましては、AT&Tワイヤレス株式の売却益が約五千億円あったため、一兆七千二百三十三億円、前年度に比較いたしまして千九百六十億円の増、当期純利益につきましては七千百二億円、前年度に比べまして六百六十三億円の増となっているところでございます。
○吉川春子君 NTTは大変もうかっているということです。
 まず一般論として伺いますが、税制適格退職者年金は平成二十四年三月三十一日に廃止されます。適格退職年金から確定給付年金への移行について、過半数以上で組織する労働組合の合意があれば移行してよいというふうになっておりまして、労使合意で移行を認めているのは、同法の附則二十五条で権利義務の変更を認めていないので受益者に不利益を及ぼすことが一切ないからです。受益者保護の観点から、これは当然です。
 九七年の法改正までは確定給付年金そのものを下げることは禁止されていましたが、九七年以降、下げてもいいと改正されましたけれども、引下げを認める真にやむを得ない理由というのは、厚労大臣、どういうことでしょうか。厚労大臣に聞いています。
○国務大臣(尾辻秀久君) 事務的なことでございますから、局長から答えさせます。
○政府参考人(渡辺芳樹君) ただいま先生御指摘の税制適格年金からの移行、確定給付企業年金への移行ということにつきましては、御承知のとおり、大臣による規約の承認とか、権利義務の承継の承認とかいう手続が必要でございまして、そのために、御指摘のように労使の同意ということで、実施事業所に使用される被保険者の過半数で組織する労働組合の同意ということが条件とされておるわけでございます。
 今御指摘もありましたように、それは基本的にその労使合意をベースとしてでき上がる企業年金ということでございますので、受給者という面では直接にその設立の承認とか移行の承認というところでは出てこないわけでございますが、今最後に御指摘ございました受給者の側に直接影響のある給付減額という場合には、受給者の権利義務というものに大きな影響がございますことから、一定の要件を明らかにしておるところでございます。
 なお、どういう場合かという御指摘でございましたので、もう少し具体的に申し上げますが……
○吉川春子君 短く、端的に。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 二つございまして、一つ目の要件は、経営の状況が悪化したことにより給付減額がやむを得ないこと、二つ目は、給付減額を行わないならば掛金の額が大幅に上昇して事業主が掛金を拠出することが困難になる、こういうやむを得ない事情、いずれかの理由が必要であるとされております。
○吉川春子君 そういうことであるわけですね。
 それで、厚生大臣にお伺いしますけれども、原則として年金受給者に関しては不利益を及ぼさないということで適格退職者年金から確定給付年金への移行を認めています。まして、既裁定者、受給権者の給付減額が安易に認められるならば年金制度の信頼が揺らぐわけです。受給者保護の観点から既裁定者の減額は原則として認めるべきではないと思いますが、この点について、大臣いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しのこの給付減額でございますけれども、加入者それから受給者の不利益になることでありますので好ましいことではございません。ただ、母体企業の経営状況の悪化等により企業年金を廃止する事態になりますと、これは最悪の事態でございますから、その最悪の事態は避けた方がいい。それで、次善の策として今の選択肢の一つとして考えられておるということをまず申し上げます。
 ただ、その場合においても、今申し上げましたように、特にこの受給者については、受給している年金が既に生活の基盤の一部になっていることも考えられますから、真にやむを得ない場合にという要件を限定するなど、特に受給者の保護に配慮しておるということは今局長からもお答えしたとおりでございます。
 今後とも、私どもとしては、受給者の給付減額については、要件に照らして厳正に審査をしなければならないと考えております。
○吉川春子君 NTTでは十一万人に及ぶ五十歳定年リストラを実施して、解雇した人々を大幅に賃金削減して孫会社等で再雇用するなど、多大の犠牲を強いてきました。その結果、加入者と既裁定者の人員構成が大きく変化、すなわち加入者が大幅に減少しました。既裁定者が現加入者を二千人も上回っています。こうした会社自身がまいた種でもあるにもかかわらず、現加入者に過度の負担が掛かるなどとして、約十万人の年金既裁定者について年金受給額の引下げを行おうとしています。
 最初答弁していただいたように、七千百二億もの純益を上げているNTTにそもそも年金給付引下げの前提条件があると言えるんでしょうか。この点、大臣どうですか。ちょっと政治的に、大臣から。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 先ほども申し上げましたような厳しいやむを得ない事情という要件の下に審査をするわけでございます。また、少し言葉を足させていただきますと、給付減額が受給者に大きな影響を与えるということは先生御指摘のとおりでございますので、第一に受給者の三分の二以上の同意があること、また希望する受給者には一時金を支給すること、こういったような点も必要の要件としており、今後、申請が出されてきた場合には、こうした要件に照らして厳格に審査をさせていただきたいと思いますが、いまだ申請は出てきていない状況にあるということを御承知おきいただきたいと思います。
○吉川春子君 今、NTTは確定給付年金の既裁定者全員を対象に給付引下げの同意書を集めていますけれども、このやり方が大問題です。
 資料をお配りしていますけれども、ちょっと図を見ていただきたいと思います。これは後でも説明しますけれども、これですね、これと二枚付けていますけれども、これを見ていただきますと、NTTでは委託業者から同意しない者のリストがリアルタイムで受給権者らの再就職先の管理職に提供されて、チャレンジシート、人事制度、評価制度の面談の場に呼び出されて、一人一人に同意書を提出するように説得するなどということが行われています。このパワーハラスメントも大変重要です。その内容は、通信労組が作りましたメモは資料の一番目に付けていますので御参照いただきたいと思います。
 稼働部隊である元上司が同意書を提出しろと迫る電話を十五回も短期間に掛けています。まるでストーカー行為と言われても仕方がない。ノイローゼになりそうだと労働組合に救済を求めたり、再就職の職場でも、滋賀のNTT関連の職場では上司から出さないなら辞めろとまで言われています。また、反対すると年金はもらえなくなる、会社がつぶれたら責任を取れ、未提出者の名前を職場に張り出すなどの脅かしによって同意書取立てが行われています。これらは民法九十六条の詐欺、強迫による意思表示です。
 余りにもひどい内容なので、厚労省からNTTに指導がありました。NTTは同意書を提出する、提出を求める文書の末尾に同意書の確認、撤回があればどうぞというような内容を加えて文書を出していますけれども、しかし、一度脅かし上げた職場の雰囲気はこの程度のお知らせで取消しの意思表示などはできない実態にあります。
 このような手段で集めた同意書が有効なのかどうか、白紙撤回し、指導のやり直しを私は求めたいと思います。大臣、いかがですか。ちょっと局長、だから私、駄目って言ったのよ。
○国務大臣(尾辻秀久君) 事実関係と、そうしたお話伺って私ども厚生労働省がとった措置がございますけれども、それらについて詳しくは局長から答えさせていただきます。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 先ほども申し上げましたとおり、まだNTTからの申請は出てきてはいない段階でございますが、その段階におきましても、一部にただいま先生御指摘のような同意の強要が行われたと疑われるものが含まれているのではないかという御指摘を私どもの担当課の方が受けたという事実がございまして、NTTに対しまして、まだ申請前ではございますけれども注意喚起をさしていただいた経緯がございます。
 その上で、NTTは今御指摘のあったように、いったん一定の期間内に同意の撤回ができることとする、しかも直接の職場を経由しないでできるというような連絡をいたしましたということで報告を受けております。
 今後、仮に同意取得手続の適正が疑われるような事案が出てきた、このケースにおいて出てきたような場合には、その是正を促すなど、適切に再び対処してまいりたいと考えております。
○吉川春子君 大臣、今の局長答弁を前提にして、こういうような問題に対して徹底的に調査をしていただきたいと、出てきたら。その点は大臣に端的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今局長から御答弁申し上げておりますように、まだ申請出てきておりませんから、申請出てくれば審査は厳正にやりますし、それからまた今の同意を取得するに当たっての様々なお話についても、私どももそういう御指摘はいただいておりますから、また注意喚起をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、今局長お答え申し上げましたように、同意取得手続の適正が疑われるような事案があった場合には、その是正を促すなど、私どもは適正に対処してまいりますし、また必要な調査はきっちりさせていただきます。
○吉川春子君 是非そうしていただきたいと思います。
 総務副大臣にお伺いいたしますけれども、もう一度さっきの資料を見ていただきたいんですけれども、フリーOBに対する個別訪問等という表があるんですが、それをごらんいただきたいと思います。これなんです。
 図にあるBAというのはビジネスアソシエの省略でして、この表の冒頭に、基本的な考え方として、年金既裁定者に対して個別訪問を有力OB等が行い、企業年金見直しの内容について理解促進を図り、同意書の受領を促すなどとしています。NTTは、年金契約のために集めた個人情報を既裁定者の年金受給引下げの同意書を取り付けるために第三者であるビジネスアソシエに提供、未同意者への働き掛け、同意書の受領を促進しています。個人情報をこのように使用するのは目的外使用に当たるのではないですか。
○副大臣(山本公一君) 個人情報保護法によりますと、二十三条の第四項第一号に、個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人情報の取扱いを委託する場合には、第三者提供に当たらないというふうにされております。
 NTTによりますと、全国で約十四万人もの受給権者すべてについて年金給付額の減額に対する同意を確認するため、その手続を子会社を通じて個別訪問員に業務委託したとのことであり、本件について先生の御指摘のようなことには当たらないと考えております。
○吉川春子君 これは厚生労働、局長の通知でも、ビジネスアソシエはさらにNTTのOB等と個人委託を結び、これ厚生労働省に聞きます、このOBに未提出のリストのコピーを持ち歩かせ、何度も個別訪問して提出を迫っています。厚生労働年金局長通達では、その個人データの複写、複製も禁じられています。こういうことは、幾らその法の準備期間とはいえ許されないと思うし、年金額を引き下げるためのその同意書提出ということがその目的外使用に当たるということは事実じゃないですか。
 総務省、そんないい加減な答弁してもらっては困ります。両方に、時間がないので一問ずつ答えてください。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 個人情報の扱いでございますが、個人情報保護法施行されましたので適正な取扱いを確保しなければいけませんが、本件のようにそれ以前のケースにおきましてもその趣旨というものは大切であると考えております。
 個人情報保護法施行に向けまして、昨年十月に御指摘のような私どもの取扱指針を明らかにさしていただいておりますが、委託先においてもしっかり配慮をいただくように要件を定めているところでございます。
○吉川春子君 ちょっと時間がもうなくなりましたので。時間がなくなりまして、これは総務委員会でまた続いて総務省には詰めますが、こういうNTTの非常に良くないやり方について行政としてはしっかりと監視をしてもらいたい。NTTというのは最大の個人情報を持っている企業ですよ。そういうところがこういうやり方というのは、本当に私たちとして安心できません。そのことを指摘して、質問を終わります。
    ─────────────
○委員長(山口那津男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
    ─────────────
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 今般の鋼鉄製橋梁工事をめぐる談合事件に関連して質問をさせていただきたいと思っております。
 公共工事をめぐる談合事件が後を絶たない要因の一つに、指名競争入札の際の指名業者氏名、名前を公表する時期が入札の前になされる問題があるのではないかと思っております。独禁法、入札ガイドライン、入札適正化法、そして入札適正化指針、この四つの法令、ルールがあるわけでございますが、この四つを適切に合理的に解釈すれば、私としてはどう見ても指名業者名の公表は入札の前ではなくて入札の後にするのが適切であると。
 今行われている入札前の公表、事前公表と申し上げますが、この事前公表は業者の談合を助長するものではないかと、こういうふうに思えてなりません。談合を防止し、その上で指名の透明、公正さを確保するためには、公表、業者名の公表の時期は入札後、そしてかつ契約前が望ましいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(蓮実進君) 入札前に指名業者を公表する場合には、一つには入札契約手続の透明性が確保され、不正行為が排除されることができる。二つ目には、また、指名されなかった業者に対して不服の申立ての機会を確保することになります。他方、入札前に指名業者が明らかになると入札参加者の間で談合を助長しやすいという指摘もあるために、入札後に指名業者を公表している発注者もあります。
 このように、指名業者を入札前に公表するか、あるいは入札後に公表するかにつきましては、それぞれ一長一短があると思います。一律にどちらが望ましいかとは言えないと考えております。各地域の状況等に応じまして、それぞれの発注者が入札契約適正化法令の趣旨を踏まえまして適切に判断していただくことが必要であるかと思っております。
○近藤正道君 公正取引委員会にお尋ねをいたしますが、公正取引委員会としては、談合防止の観点から見た場合、指名業者名の公表は入札の前と後とどちらが望ましいと思っておられますか。
○政府参考人(伊東章二君) お答えいたします。
 公正取引委員会といたしましては、独占禁止法あるいは競争政策の観点から、公正で自由な競争が行われるような入札制度及びその運用が重要と考えておるところでございますが、御指摘の指名業者の公表の時期につきましては、談合防止という観点から申し上げますと、指名業者を入札前に事前に公表する場合には談合を行うことが容易になるという問題点があるのではないかと考えております。
○近藤正道君 事前に公表すると談合の危険が増すということが公正取引委員会の考えでありますが、国交省だとかあるいは多くの自治体では、にもかかわらず事前に名前を公表している、これが現実でございます。
 そもそも、指名業者の名前あるいは範囲が分からなければ談合しようにもそれはできない、こういうことになっておりまして、さきに発覚をいたしました新潟市の官製談合事件で、新潟市の新潟市入札談合等関与行為調査委員会、これは弁護士とかあるいは有識者、市民、こういう者で構成された調査委員会でありますが、ここの調査委員会では、指名業者名の事前公表が非常に良くないと、これは予定価格の事前公表以上に問題だと、やっぱりこれをなくさなければならないということを強く求めておりまして、新潟市ではこれを受けてそれまでの事前公表から事後公表に変えたと、こういう経過がございます。
 国土交通省では、にもかかわらず、入札の透明性、これを優位に考えまして事前公表を行っているわけでありますが、しかし一方で、事前公表には談合を助長する、こういう指摘もあるということから、平成十四年七月以降、工事の一部について指名業者名の事後公表の試行を行っております。
 試行の目的である事後公表の効果と課題の検証の中身についてお伺いしたいというふうに思いますけれども、どういうことをやってきて、今現在どういう評価を得ているのか、また工事の一部というのは、全体一万をはるかに超える入札件数があるようでありますが、どのぐらいの件数でやっているのか、全体の中の割合も含めてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) 国土交通省の直轄工事におきましては、指名競争入札につきましては、指名業者を指名通知後速やかに、入札前に、御指摘のとおり行っております。
 これは、先ほども出ましたが、事前に指名業者を明らかにすると入札参加業者での談合を助長しやすいという面はございますが、ただ一方で、入札契約に係る情報の透明性を確保することによりまして恣意的な指名を排除をすることができるということ、あるいは指名業者を探るための不正行為の排除が可能だということ、あるいは指名されなかった業者の不服申立ての機会が確保できると、こういう観点から、情報の公開性というものをより重視してこういう形にしている次第でございます。ただし、先ほどありましたように、指名業者の公表時期につきましてはいろんな議論がございます。
 それから、平成十三年四月の入札契約適正化法の施行後におきましても、地方公共団体等において入札談合等の事案も明らかになっております。そういうことで、国土交通省の直轄事業におきましても、事後公表した場合の効果とそれから課題の検証を行うために、平成十四年の七月以降、二億円以上の公募型工事を中心に指名業者の事後公表の試行を行っております。
 その件数でございますが、暫定的ではございますが、八地方整備局全体で平成十四年度では百四十七件、これは全体一万四千件強のうちの一%でございます。それから、平成十五年度におきましては三百八十七件、これは全体の一万二千件余のうち三・二%でございます。
 それで、その評価ということでございますけれども、現在のところ、落札率について見ますと、事後公表の試行の案件と通常の事前公表との案件では差はございません。それと同時に、談合情報があるかどうかということですが、事後公表の場合も談合情報は今のところ寄せられておりません。
 こういった結果になっておりますけれども、いずれにしましても、全体としての試行件数もまだ多くなくて、それから指名方式ではありますけれども、実質、この事後公表の試行をやっておりますのは実質的に条件付の一般競争のものが相当部分を占めていることもございまして、入札方式の効果なのか、それとも事後公表の効果なのかということが必ずしも明確になっていないところもございます。そういう意味で、引き続き試行を継続していく必要があると思っております。
 それから、いろいろ検討委員会を今後設けて再発防止策を含めてやることにしておりますけれども、そういう中でも調査検討をしていきたいと思っております。
○近藤正道君 これだけ談合が続いております。とにかくこの五年間を見ましても、一年間に平均二十数件、こういう毎年談合が続いておりまして、そしてその挙げ句、かつて例を見ないほど巨大な談合が今回、鋼鉄製の橋梁で起こってしまったということでございます。
 こういう経過あるいは現状を踏まえますと、とりわけ今回の巨大な談合事件を見ますと、入札の透明性も大切だけれども、より重要なことは談合の防止、この観点を私は優先させるべきではないかというふうに思っております。
 私、事前に国土交通省に、事前公表して異議申立てをするんだと、指名の不正をチェックするんだという目的でつくられた制度でありますが、どのぐらい異議申立てがあるのか調べてもらいましたら、全体のわずか〇・四%、一%の半分、こういうものしかありません。
 この程度のものであれば、入札後の不服申立てに対応する仕組みをつくる、あるいは苦情や不服申立てがあった場合、契約を延長するなどのシステムをつくれば話は私は簡単に済む、こういうふうに思っております。そもそも、わずか〇・四%の件数のため現在の事前公表にこだわる理由は私は全くない。契約の適正と談合防止というこの二つの観点は平等ではなくて、談合防止の観点の方が今はるかに大きくなっている。
 私は、是非ここで談合防止という観点に立って政策を転換すべきだと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(蓮実進君) 談合等の不正行為は、私は決してあってはならないというふうに思っております。このような事件が起こったことで公共事業に対する国民の信頼が揺らぐのは大変残念であります。
 このため、国土交通省では、一般競争入札を導入をしたり、入札監視委員会を設置するなど、入札契約制度の改革を実施してまいりました。さらに、平成十三年に入札契約適正化法が制定をされ、その中で、基本原則として四つの原則があるんですが、入札契約手続の透明性の確保……
○近藤正道君 簡単にお願いします。
○副大臣(蓮実進君) 簡単に。
 四つありますが、この四項目が掲げられております。
 同法は、すべての発注者に対して入札契約情報の公表を義務付け、談合情報が得られた場合に公正取引委員会に通知しなければならないとするなど入札契約手続の透明性の向上を図り、不正行為を防止するため様々な取組をしております。
 にもかかわらず、今般、国土交通省の橋梁上部工事について、独占禁止法違反の疑いで刑事告発が行われました。国土交通省としては、これを厳しく受け止め、省内に事務次官を委員長とする入札談合再発防止対策検討委員会を設置しまして、外部の専門家から意見をお伺いするなど、談合等の不正行為の再発防止策を検討しているところであります。
○近藤正道君 是非、今おっしゃられた入札談合再発防止検討委員会の中で、今の指名業者名の事前公表、事後公表の問題を是非議論をしていただきたい。
 私は、やっぱり事前公表は談合を助長することになる。新潟市の調査委員会がやったように、市民の、普通の市民の常識は、やっぱり事前公表よりも事後公表の方がいいと。とにかく事前に名前が分かるから談合するわけで、名前を知らせない、こういう当たり前のことが何でやれないのかと私は思えてなりません。
 これは報道でありますけれども、今回問題となっております鋼鉄製の橋梁工事談合事件で、いわゆる四十七社でつくる談合組織、これが問題になっておりました。ここで受注調整に応じない人が、業者が入ってくる。これはアウトサイダーというわけでございますけれども、福島県の橋梁メーカーが入ってきた。これを排除するために、このメーカーが参加した入札では大幅に価格を引き下げて談合に加盟した業者が応札をした、こういうことが明らかになりました。
 公正取引委員会と検察当局はこの悪質さを非常に重視しているというふうに報じられておるわけでございますが、この受注調整に応じない業者がそもそも入札に入っているかどうか、これは事前公表があったからそれは分かるわけでありまして、こういう正にみんなで情報を管理しながら調整をする、これは指名業者の事前公表があるから分かるわけで、こういう悪質なことを排除するためにも私は事後公表に切り替えるべきだと。もう幾つかの自治体ではどんどん事後公表に切り替えている。しかし、国交省は事前公表だという原則を貫いているから他の自治体がそれに拘束される。
 そういう実態がありますので、是非、私は、この調査検討委員会の中で、談合をやめさせる一つの大きな柱として事前公表から事後公表への切替え、ここを是非検討していただきたい、こういうふうに思いますが、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) 先ほど申しましたとおり、一長一短ありますので、それで試行もさしていただいております。
 先ほどの入札談合再発防止対策検討委員会でその事後公表の試行をやっていることについても更に効果の検証を行いまして、効果的な再発防止策を考えていきたいと思っております。
○近藤正道君 もう試行錯誤なんかやっている時期ではない。結果は明々白々だ。やっぱり業者の利益よりも談合防止という観点を、こういう価値観を最優先させる、こういう方向に制度を是非切り替えていただきたい。
 要望して、質問を終わります。
○委員長(山口那津男君) 本日の質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
○委員長(山口那津男君) この際、荒井君から発言を求められておりますので、これを許します。荒井広幸君。
○荒井広幸君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による政策評価制度の見直しに関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    政策評価制度の見直しに関する決議(案)
  行政監視委員会は、政策評価制度の導入当初からその重要性にかんがみ、政策評価結果を活用して当該政策を検証するとともに、政策評価の在り方等について議論を重ねてきた。
  議論の中では、政策評価制度は一定の進展が図られているものの、必ずしも政策評価結果が有効に活用されていない場合もあることから、政策評価制度を充実・発展させていくためには、政策評価と予算等の連携強化、政策評価の客観性の確保、無駄が多いと指摘されている特別会計の見直しに向けた政策評価の活用の強化などが課題であると指摘されている。
  現在、行政機関が行う政策の評価に関する法律施行後三年が経過し、政策評価制度の見直しの時期を迎えている。よって政府は、本委員会での議論を踏まえ、効果的・効率的な行政を推進するとともに、国民への説明責任を徹底するため、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、政策評価の質の向上を図るとともに、政策の企画立案や予算への適切な反映を始めとして、政策評価結果の一層の活用に努めること。
 二、政策評価を踏まえた予算の作成に資するため、政策、施策、事務事業などの政策体系をあらかじめ明示した上で評価を行うこと。また、新規事業等については、事前評価を積極的に行うとともに、事後評価の徹底に努めること。
 三、政策評価結果を反映した政策の実現に資するため、政策評価の重点化・効率化を図り、制度改正が必要な政策や複数府省に関係する重要な政策等については、適時的確に評価すること。
 四、政策評価の客観性を確保するため、政策目標の数値化に一層取り組むとともに、外部からの検証が可能となるよう、評価に当たって前提としたデータや評価手法等の公表を徹底すること。
 五、政策評価の実効性を高めるため、政策評価と予算、決算の連携強化を図るとともに、総務省及び財務省間の連携を密にし、会計検査院との積極的な情報交換に努めること。
 六、国民への説明責任を果たすため、政策評価結果を国民に分かりやすく伝えるとともに、政策評価の取組等の広報活動を積極的に行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山口那津男君) ただいまの荒井君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山口那津男君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、今井総務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。今井総務副大臣。
○副大臣(今井宏君) 政策評価制度の見直しに関する決議に対しまして所信を申し述べます。
 本年四月に行政機関が行う政策の評価に関する法律の施行から三年が経過したことから、目下、同法の施行状況を踏まえつつ、政策評価制度に関する見直しを行っているところであります。
 今後、ただいまの御決議の趣旨を踏まえ、政策評価の充実・発展のために各府省と連携しつつ、適切な措置を講じてまいります。
 以上です。
○委員長(山口那津男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十九分散会