第162回国会 行政監視委員会 第8号
平成十七年七月十一日(月曜日)
   午後二時二十九分開会
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   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     岡崎トミ子君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     島田智哉子君
     蓮   舫君     小林 正夫君
     吉川 春子君     紙  智子君
 七月十一日
    辞任         補欠選任
     津田弥太郎君     森 ゆうこ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山口那津男君
    理 事
                荒井 広幸君
                後藤 博子君
                鶴保 庸介君
                岩本  司君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
    委 員
                愛知 治郎君
                加納 時男君
                狩野  安君
                北岡 秀二君
                佐藤 泰三君
                山東 昭子君
                田中 直紀君
                橋本 聖子君
                藤野 公孝君
                水落 敏栄君
                吉田 博美君
                小林 正夫君
                島田智哉子君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
            ツルネン マルテイ君
                津田弥太郎君
                松岡  徹君
                森 ゆうこ君
                和田ひろ子君
                渡辺 秀央君
                浮島とも子君
                紙  智子君
                近藤 正道君
   国務大臣
       総務大臣     麻生 太郎君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村田 吉隆君
   副大臣
       国土交通副大臣  蓮実  進君
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       小泉 顕雄君
        ─────
       会計検査院長   森下 伸昭君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        白石 勝美君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       鈴木 基久君
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       警察庁交通局長  矢代 隆義君
       警察庁情報通信
       局長       武市 一幸君
       総務省行政管理
       局長       藤井 昭夫君
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       総務省自治行政
       局長       武智 健二君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        素川 富司君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        松谷有希雄君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       経済産業省製造
       産業局次長    塚本  修君
       国土交通大臣官
       房長       峰久 幸義君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
       環境省地球環境
       局長       小島 敏郎君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (政策評価の現状等に関する件)
 (行政機関における不祥事案等に関する件)
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○委員長(山口那津男君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六月十四日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。
 また、去る八日、岡崎トミ子君、蓮舫君及び吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として島田智哉子君、小林正夫君及び紙智子君が選任されました。
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○委員長(山口那津男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官鈴木基久君外十八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山口那津男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山口那津男君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、政策評価の現状等に関する件について説明を聴取した後、本件及び行政機関における不祥事案等に関する件について質疑を行うことといたします。
 まず、政策評価の現状等に関し、総務省から説明を聴取いたします。麻生総務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 行政機関が行う政策の評価に関する法律第十九条に基づく政策評価の年次報告は、政府全体の政策評価の実施状況等を取りまとめたものであり、今年、六月十日に国会に提出をいたしております。
 本報告で取りまとめたとおり、平成十六年度におきましても、約一万件の評価が実施をされております。政策評価等の実施とその結果の政策への反映に関しましては、各行政機関において着実に取り組まれておりますが、今後更に取り組むべき課題につきましても指摘をいたしております。
 他方、本年四月に評価法の施行から三年が経過したことから、同法の規定に基づき、政策評価の改善充実に必要な措置を検討いたしているところでもあります。
 これにつきましては、去る六月十三日に本委員会において行われた政策評価制度の見直しに関する決議も踏まえ、十七日に、見直しの方向性を取りまとめ、公表したところであります。さらに、二十二日には、参議院本会議におきましても同様の御決議をいただいたところであります。
 今後、これらの御決議の中でも示された、政策評価と予算、決算との連携強化、重要政策に関する評価の徹底、評価の客観性の確保などの課題に対応すべく、年内に政策評価に関する基本方針の改定や、新たなガイドラインの策定を行っていくことといたしております。
 引き続き、山口那津男委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をお願いを申し上げます。
 なお、詳細につきましては行政評価局長から説明させます。
○委員長(山口那津男君) 次に、補足説明を聴取いたします。田村行政評価局長。
○政府参考人(田村政志君) 行政評価局長の田村でございます。
 お手元の説明資料によりまして、概略を御説明させていただきます。
 お手元の説明資料の二ページをごらんいただきたいと思います。
 平成十六年度に各行政機関で実施された政策評価の件数は全体で約一万件となっております。政策評価の実施が義務付けられている政策については着実に、また、それ以外の政策についても、自主的に、幅広く取り組まれております。
 四ページから六ページは、評価結果の政策への反映状況について記載をしております。
 六ページにございますように、施策を対象とした実績評価方式等による評価については、その約半数において、廃止を含めた改善、見直しが行われております。
 それから、七ページから十二ページは、総務省が行った統一性、総合性を確保するための評価と、関係行政機関におけるその結果の政策への反映状況について記載しております。
 また、十三ページには、各府省が行った政策評価の客観性のチェックをした結果として、今後の課題の提起などを行っております。
 次に、評価法の施行から三年が経過した後の見直しに関し、十四ページ以下にございますように、去る六月十七日に政策評価制度に関する見直しの方向性を取りまとめ、公表いたしましたので、その内容について簡単に説明させていただきます。
 先日の本委員会における御決議でも示された課題に的確に対応すべく、以下のとおり、今後の方向性を整理いたしました。
 政策評価と予算、決算との連携強化に関しましては、施策レベルを対象とした評価に一層注力するとともに、政策、施策、事務事業などの政策体系の明示などを図ることとしております。
 重要政策に関する評価の徹底に関しましては、各府省における政策評価の重点化、効率化を推進するとともに、複数府省が関係する政策については、評価の必要性が高いテーマを総務省が府省横断的に評価することとしております。
 規制の事前評価については、早期義務付けに向けて取り組むこととしております。
 評価の客観性の確保に関しましては、達成目標の明示や学識経験者の知見の一層の活用を推進するとともに、総務省によるチェック対象の重点化を図り、内容面の点検に一層取り組むことなどとしております。
 御説明は以上でございます。
 詳細につきましては、お手元に配付の資料を御参照いただければと存じます。
○委員長(山口那津男君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。
 皆様におかれましては、本会議に引き続きこの行政監視、本当にお疲れさまでございます。
 私は、今、参議院では特に重要な課題、皆さんの御関心の高い課題、郵政の民営化という話はあると思うんですが、ちょっとこの場では違うことを議題にさせていただきたいと。その郵政に関しては、また特別委員会でしっかりと議論をしていきたいというふうに思います。
 今日は、私自身は、クールビズ、この服装についてちょっと質問させていただきたいというふうに考えております。たかが服装じゃないかという話をされるかと思うんですが、されどやっぱり服装。昔ながらに、昔から議論されているところに衣食住という言葉がありますけれども、この着るもの、服装ですね、これは意外と、大したことないように見えて、後で話しますけれども、非常に大きな問題だ、非常に重要な課題だ、議論しなくちゃいけない、哲学が必要になってくる議題でもあるので、その点、今までの経緯、衆議院でもこの話されたことないというふうに聞いていましたので、しっかりと、またもやもやしている部分あるので、その点についてお答えをいただきたいというふうに思います。
 まず、政府が、クールビズ、元々はこの温暖化に対応して何とかしようと、そのキャンペーンの一環でやっているということであると思うんですが、政府が進めているその施策の中、運動の中で、いろいろな点、疑問に思う点もあるので、その点についてお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、政府が推奨しております夏季の冷房ですね、この設定温度を二十八度にしたらどうかということで、国民の皆さん、いろんな、多岐にわたる方面に二十八度にしてくださいという運動をされておると思うんですが、そもそもこの二十八度というその根拠というのをまず聞かしていただきたいというふうに思います。
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。
 いわゆるビル管理法、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の中に、建築物における衛生的な環境、これを確保すると、もう一つは公衆衛生の向上及び増進、そしてもう一つは職場における労働者の安全と健康の確保と、こういう観点からオフィス内の室内温度を十七度以上二十八度以下とすることが定められております。
 こういうことを踏まえまして、環境省としましては、人間の健康や衛生環境に配慮しながら、地球温暖化防止に資する取組として夏季の冷房温度を二十八度に設定するということを推奨しているというものであります。
○愛知治郎君 言っていることはよく分かりますし、その衛生上ですかね、健康上の問題で、二十八度以上になって余りにも暑いと体に害があるということで二十八度、まあ、でも二十八度であれば十分だということだと思うんですが、ちょっと資料も用意させていただきました。
 これ六月、衣替えのシーズンから、夏季に入って六月の平均気温、気象庁に問い合わせて取り寄せた資料、六月中なんですが、実を言いますと、二十八度を超える日、平均気温ですが、これは二日しかないんですね、六月中。実際のところ、私が実感として感じたんですが、二十数度、二十一、二度というか、すごく気温が低くて過ごしやすいときであるにもかかわらず実際に冷房が入っていて寒いとき、それこそ無駄な時期というのは確かにあったと思うんですね。会館でもそうなんですけれども。いや、こんな時期に、こんなに過ごしやすいのに冷房なんてつける必要ないんじゃないかと思ったんですが。そういったこともあるし、それから逆に、二十八度ですね、これに固執してしまうと、二十八度ないのに二十八度にすると。これは暖房じゃないかと。いや、全く無駄、いや本当にそういうことがあり得るんですね。
 それから、東京都のこれは大手町近郊の話ですけれども、北、南、全然違いますから、これは一概に二十八度ということはなかなか言いづらいんじゃないか。もちろん、そんなばかな話、そんな二十一、二度しかないときに二十八度にするなんておかしいなんていうことを言われるかもしれないですけれども、結構役所なんてそうですけれども、日本人まじめですから、頑張ってやろうとまじめに取り組む人は常にそういう感覚でやるということはあり得るんですね。
 この点についてはっきりさせたいんですが、やはりもっと合理的に、この単なる数字の独り歩きではなくて合理的にこういうことは考えていくべきじゃないか。またそれは後述しますけれども、私自身が、これをやるべきだ、温暖化対策のためにこれをやるべきだという話はあるんですが、少なくともこの設定温度に関しても合理的に考えるべきじゃないかと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。
 合理的に行動していただきたいと思っておりまして、これはできるだけ、暑いときは二十八度ぐらいに設定していただいて、そして冷やし過ぎないようにと、適正に温度を調整していただきたい。したがって、体調とかあるいはそのときの気候が二十数度とか、そういうときはそれでいいんではないかと思うんですが、我々はあくまでも三十何度とかと暑過ぎるときに冷やし過ぎないようにということで温暖化対策をやっていこうという、こういう趣旨であります。
○愛知治郎君 全くおっしゃるとおりだと思いますし、一般の常識からするとそのとおりなんですね。ところが、今やっているのは国の政策としてどのような温暖化対策をしていくかということですから、何となく何となくというよりか、はっきりしなくちゃいけないと思うんですね。
 京都議定書の話もそうですけれども、このまま行けば絶対達成できないですよ、非常に厳しい状況になっている。だからこそしっかりとした政策を打ち出していかなくちゃいけない。中途半端な政策じゃ駄目だと思うんですね。結局、今までの啓蒙活動も十分していますし、それは環境省も本当に一生懸命取り組んでいると思うんですが、結果として、もうあの時点から七%ですか、排出量増えちゃっているんですね。これは、今までの取組否定するわけじゃないです、私は。絶対必要だし、国民の皆さんにも意識はしてほしい。それはしてもらわなくちゃいけない。ただ、それだけでは絶対に足りないんだということを申し上げさしていただきたいと思います。
 副大臣のお話というのはもう全く当然の話でありますし、それは国民の皆さんに、配慮しながら生活していただくというのも当然だと思います。ただ、それだけじゃ弱い、はっきりとした目標を設定しないとどうしていいのかよく分からないということがありますので、その点、もう一度検討をしてください。
 それから、その温度のこと以外の話なんですが、今度クールビズですね、クールビズということ。これ、皆さん一生懸命取り組んで、私自身はこの精神は全く悪い話じゃないと思うし、どんどんやるべきだというふうに思います。それはいいことだと思いますけれども、ただ、これもまだはっきりしていない部分があるので、ここでお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、このクールビズの定義というのは何であるかということをお伺いします。
○副大臣(高野博師君) 最初に定義ありきということではありません。定義を議論してこれを決めたわけでもありません。クールビズとは、要するに涼しく効率的に格好良くと、まあ格好いいかどうかは別にしまして、快適に働くことができるようにという意味で、そういうイメージを分かりやすく表現したいわゆる愛称であります。定義があるわけではありません。
○愛知治郎君 定義がないというふうに言われたので、そうなのかと、今初めて聞きましたけれども。
 政府が言っているのは、クールビズと一言で言うと何ですかと言ったときに、広報なんか見るとそうなんですけれども、ホームページでもそうですが、夏の軽装と、夏の軽装ですよというふうに私は認識していたんですね。それであえて定義、何なんですかということを、どういった運動なんですか、それを明確にしてほしいということで聞いたんですね。
 ちょっと今のお話ですと、定義が特にないと言われたので逆にはっきりさせてほしいというところがあります。なぜかと言いますと、今この委員会でもそうですけれども、これはまだはっきりしていないから皆さんそれぞれ迷いながらやっていると思うんですが、副大臣もそうですし、委員長もそうですけれども、クールビズスタイルで取り組んでいるのは別に問題ないというか、それぞれの価値観でいろいろ皆さんの行動をされていると思うんですが、私自身は自分自身納得するのにできないんですよ、今。
 というのは、その前にちょっとお伺いしたいんですが、副大臣ですね、副大臣に、国会議員、国会議員ですね、政治家ではなくて国会議員のこの本分、正式な仕事というか一番重要な仕事というのは何だとお考えですか。
○副大臣(高野博師君) 是非議員の意見も聞きたいと思いますが、私は国会議員として、これは国民の代表として、国家及び国民のために働くと、そのためには当然高いモラルと見識が要求されると思います。
 そしてもう一つは、オピニオンリーダーとしてやはり国民あるいは世論をリードしていく、あるいは、必要な場合には国内、国際政治について国民にきちんと説明責任を果たすというようなことも求められますし、当然立法府の一員でありますから、経済社会情勢の変化に応じて、それに対応すべく国会内で議論をし、そして必要な立法的な措置を講ずると、それに加わっていくということであろうと思います。
 若干、温暖化に関して言いますと、の関係で言いますと、やっぱり今地球温暖化というのは物すごい勢いで進んでいると、御存じのとおり異常気象が世界的な規模で起きていると。こういう現状がありますし、あるいは、毎日二百種以上の生物が絶滅しているという現状もある。あるいは、毎日数万ヘクタールの森林が消滅している、砂漠ができている。あるいは、日本も真夏日というのが今世紀中には年間百四十日、東京の場合は、を超えるとも、こう言われておりまして、こういう現実に対して、政治家として、あるいは地球的、人類的な規模に立って、立場に立って私は物を考え、行動すべきではないかと思っておりまして、グローバルビレッジと、地球村の一員としてその自覚と行動、責任というのが求められているんではないかという意味で、私はあえて議員、国会議員としての本分という意味で言わせていただきました。
○愛知治郎君 仕事とか責任感とか、価値観としてはもうそのとおりだと思うんですが、私自身がお伺いしたかったのは、特に今こだわっているのがその身分ですね。オピニオンリーダーであるべきだとか、それから政治的な活動、責任を自覚を持っていろんな行動をしていかなくちゃいけないというのは確かにそのとおりですけれども、国会議員のバッジ付けてなくてもできることはできるんですよね、それは。例えば、テレビに出ていろんな意見をおっしゃられる方いますよね。客観報道にもかかわらず、ちょっと意見が入り過ぎているんじゃないかと言われますけれども、キャスターの方であるとか、物すごい意見を言っている。それがいいか悪いかはまた別として、そういった方々もいますよね。
 ただ、国会議員は、私の考え方はっきりここで申し上げますけれども、国会議員、この委員会に出席して採決ができる、本会議に出席して採決ができる。お話ができるのは、政府の方もできますし、参考人の方もできますけれども、採決をする、ここの委員席に座って採決するのは、これ国会議員しかできない話です。それから、国会の本会議場で採決をするのも国会議員しかできない。
 つまり、国会議員としてのその身分、立場ですね。一番公式な仕事というのは私は委員会であり本会議だと教えられていますし、今でもそう思っています、国会議員以外はできないですから。一番公式の場でどのような格好をすればいいのか。たかが服装の話ですけれども、私自身は、されど服装、本当に重要な問題だというふうに考えております。
 クールビズ自体は私自身も絶対必要なもの、必要というか、全然否定するつもりないんですよ、それは大事な話だと思うので。ただ、TPOだと思うんですね、TPO。この点についてお伺いをしたかったんですよ。クールビズ、本会議場やこうやって委員会の場でクールビズスタイルというのが、もし夏の正装でこれが正しい、どんな公式の場にも出られる格好ですよというのであればいいんですが、そうじゃないということであるならば、我々はどんな格好をすればいいのか。暑さだけの問題ではない、自覚の問題だというふうに思いますので、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○副大臣(高野博師君) 国会内、本会議場、特に本会議における服装につきましては、戦前戦後を通じていろんな議論がありました。その当時のいろんな物資の状況とかというのもありまして、例えば、戦後間もなくの場合は開襟シャツでもいいとか、可とするとか、あるいは戦前であればもんぺでもいいというようなときもありました。それは正に時代を反映した、そういう服装でも可だということになっていました。まあ最初の厳密のときはモーニングコートで、フロックでと、いろんな議論もありましたけれども、それはもうかなり変遷しているということでありまして、ちなみに、今までの国会の中での議論の中でネクタイというのは一言も入ってきておりませんでした。
○愛知治郎君 そうなんです。私自身も別にネクタイにこだわる必要はないと思いますし、ただ、考え方、哲学ですね、公式の場でどのような身なりをするのかということだと思います。
 今のもんぺという話というのは私自身はちょっと不勉強で分からなかったですけれども、どういった歴史的な経緯があるか分かりませんけれども、その時代、まだ物がないときに、そういう格好でもしようがないだろうというのは分かります。ただ、今、国会議員で、じゃスーツとかそういったしっかりとした身なりができないかといったら、それぐらいの余裕は皆さんあると思うので、そのできる範囲の中で、何が正装なのか、我々が臨むべきスタンスなのかということはこれからしっかりと議論してもいいですし、まずは環境省さんもその点ひとつ考えていただきたい、はっきりと打ち出していただきたい。クールビズスタイルは、これは正装なんですよと言われれば、僕は遠慮なくどこでもやります。
 極端な話ですね、TPOと言いましたけれども、国会議員として公式な場だと私は思っているとさっき言いましたけれども、だれか近しい人というか、関係の方、お亡くなりになった、お悔やみの場でクールビズスタイルで行けるんだろうか。私はとてもじゃないけれども行けません、それは。もう最後のお別れを言うところで、自分にとって。本当は、昼間であればモーニングスタイル、燕尾服でも着ていくんですが、まあなかなかそういうわけにもいかないので、最低限でもネクタイを、自分の中での正装、ネクタイを締めてそういったところに参加をさせていただくんですが、やはり国会議員の立場として、繰り返しになりますけれども、一番公式な場であるこの委員会であるなり本会議では正装をすべきだというふうに思います。どういうスタイルが正装かというのはやはりこれからしっかりと議論をして決めていかなければならない話だと思いますけれども、見解伺いたいと思います。
○副大臣(高野博師君) クールビズが正装かと言われれば、正装ではないと思います。先ほどちょっと定義の件もありましたが、これが定着してくれば定義ということもきちんとできてくるかもしれません。
 正装ではありませんが、ノーネクタイで正装になっている国はたくさんあります。これは東南アジアもそうですが、中米、カリブもそうですが、アフリカもそうであります。それはきちんとしたそういう習慣ができてきて定着しているから正装になっているわけで、それは冠婚葬祭に当然そういう姿で出ていると思います。ただ、日本の場合はまだそこまで行っていないということもありますし、正装だとは言えないと思いますが、TPOは正に議員が適切に判断をして、そして着ていけばいいんだと思います。
 私も、冠婚葬祭でいいますと、お葬式にクールビズでは行かない、これはきちんと。それから、結婚式も、お葬式、結婚式は儀式でありますから、セレモニーですから、これはそれに従った、習慣に従って、これはネクタイも、そういう服をきちんと着ていくということだと思います。
 ちなみに、この間、六月末に万博に行きまして、ベネズエラの環境大臣が来るので接遇しろということで私、参りましたが、クールビズで行きますよということをしましたら、先方もネクタイを取って皆さん参りまして、ちなみにベネズエラというのは石油、天然ガスがもうあり余るほどあるものですから、平均の五倍ぐらいエネルギーを使っていて、国会の中はもう凍り付いているというぐらい冷やしているそうでありますが、日本に来て、この温暖化対策でこういう運動をやっているのは非常にすばらしいことだという評価をいただきました。御参考までに。
○愛知治郎君 東南アジアとかベネズエラとおっしゃられましたけれども、ほかの発展途上国へ行って、本当に冷房を無駄に使っている、きんきんに冷やし過ぎているというのは私も何度も経験していますので、それは理解を求めていかなくちゃいけないですし、日本がリーダーシップを取って、そういった無駄な、エネルギーの無駄遣いをやめていきましょうということはやっていくべきだと思いますし、訴えていかなければならない。
 その課題と、ただ、今の話とはやっぱり違って、今副大臣もおっしゃられましたけれども、TPOで、それはセレモニーだと。公式の場なんですよね。行事であると、公式の行事ということがあるので、先ほどの私の話に通ずるんですが、私はそこがだから聞きたかったんですよ。この委員会や本会議は公式ではないのかと。公式な場だからしっかりと正装するべきじゃないかという話なので、もう一度お願いします。
○副大臣(高野博師君) 正に、国会の中でどういう服装をしたらいいかというのは、衆参の議運の理事会でこれを議論をしていただいて、こういうクールビズでも差し支えないということを決めていただいたわけですから、我々はそれに従ってやっているだけでありますし、政府としましては閣僚懇談会の申合せの中で、ノーネクタイ、ノー上着でも差し支えないということでありますから、これは何ら問題はないと私は思っております。
○愛知治郎君 その点についてはおっしゃるとおりだと思います。我々政治家が決めているんだから、それから議会が決めているんだから問題ないだろうというのは、副大臣の立場としては全くそのとおりだと思います。
 ただ、私自身は、正装というふうに言ってくれない限り外せないんですね。個人的なお願いでもありますけれども、正装に定着するまでどれぐらい掛かるか分からないですけれども、正装ってちゃんとお墨付きをいただかないと私自身は外すつもりないんですよ、暑くても。
 ちなみに、何ですかね、これは多分性格だと思うんですけれども、天皇陛下ですね、皇太子殿下のときに硫黄島に慰問に行かれていると、弔問に行かれているというのをちょっとテレビで見たんですが、そのときに、四十度以上ある洞窟の中とかそういったところを歩いていたときに、どんなに暑くてもやはりネクタイをしてしっかりと上着を着て、それで汗もふかずに心からお悔やみ申し上げますということを行っていたと。
 暑さなんて関係ないですね。自覚の問題だと思います。それは私自身は嫌ですけれども、本当は苦しいですけれども、やはりできない。頑張ってしっかりとそういった正装をしていかなくちゃいけないというふうに思います。
 もう一つ、その点は正装がはっきり決まっていただければ有り難いんですが、この服装の乱れですね、別に乱れているわけじゃないと言われればそれっきりかもしれないですけれども、少なくとも国民の目に、ちょっと服装乱れているんじゃないか、みんなばらばらの格好をしていて、あんな格好をしていていいのという意見は私自身も聞いているんですね。その見え方というのが非常に大きいと思うんですけれども、このクールビズで、ばらばらの服装で何となく統一されていないでがちゃがちゃやっているという。
 極端な話、国会中継で国民の皆さんがみんな見ているわけですが、これがまず、例えば学校、小中学校、中学校なんかはそうですよね。制服が義務付けられている青少年たち、この子供たちがこういう姿を見てどういうふうに思うのか。学校では身なり、しっかり制服決まっていますよね。ブレザーのところなんてネクタイしています。そして、暑いから外しちゃったとか、みんなどんどん好き勝手な格好をしたときに、何でおまえ、そういう格好をしているんだ、ちゃんと制服着ろと言われたときに、国会で総理がやっているんだからいいじゃないのと言われてしまう可能性がある。実際そうだと思いますよ。
 この服装の乱れが心の乱れにつながるということもあるので、この点についての教育上の影響というか、についてまず環境省からお伺いをしたいと思います。
○副大臣(高野博師君) クールビズが服装の乱れかばらばらと見るかどうかは若干価値観の違いがあると思いますが、私はそうは思っておりません。
 今まで国会の中であった服装の議論については、品位を保つと、あるいは節度を保つというのがポイントになっていると思います。そういうことも含めまして、私は、国会議員が、あるいは国会が、行政府がクールビズという形で温暖化対策に取り組んでいるという積極的な姿勢を見せるということは環境教育上悪くないと思っておりまして、制服ばかり着ている学校ではありませんで、制服着ていない学校もたくさんありますから、これは制服も変わってくる可能性はあると思いますし、私は、クールビズも含めまして、温暖化に、この対策としての新しい文化をつくっていくと、新しい文化の創造だと、そういう自覚をして取り組んでいるところであります。
○愛知治郎君 おっしゃることは分かります。
 ただ、私自身、例えば高校時代は制服なかったんですよ。私服で行っていました。みんなばらばら、好き勝手な格好をしていましたけれども。
 確かに、今考えてみても、もう二十年近く前になりますけれども、その中で、自由な校風だったんですね。だけれども、しっかりと、それから統制されているというか、みんな頑張ってやっているかというと、頑張る人と頑張らない人とうんと差が付いてきちゃうんですね。本当にばらばらになっていました。学校自体のいい悪いは別として、本当に自由だったんですよ。ただ、自由にさせると、子供なんか自由になりたいんですよ、好き勝手なことしたいですけれども、全部自由にしていくと、これ緩みにもつながるんですね。やる人、やらない人がうんと差が出てきてしまう。これも現状だと思います。
 今の話を、教育の話なんで文部科学省さんにもお伺いをしたいんですが、今度、服装についての価値観、哲学を聞かせていただきたいというふうに思います。
○大臣政務官(小泉顕雄君) 御質問いただきましてありがとうございます。
 文部科学省の答弁として申し上げる前に、まず私自身の考えも述べたいわけでありますが、一応、国会の話じゃなしに、学校での子供たちの服装ということでお答えをさせていただきたいと思いますけれども、やはり心の乱れが服装の乱れにつながる、あるいは逆に、服装の乱れは心の乱れの表れであるというふうにとらまえるということは、私は当然の考え方だというふうに思います。学校における制服を始めとした服装につきまして、意識的に指導がなされるということは大変重要なことだというふうに私自身考えております。
 この服装の指導をするということは、一つには、子供たちに、秩序を維持すること、あるいは規律を守ること、そういった道徳的な心情を培う上でも、あるいは道徳的な指導をする上でも非常に有効であると思いますし、あるいは、自分が所属をしている集団、例えば学級であるとか学年であるとか学校であるとかあるいは地域であるとか、そういったものへの連帯意識とかあるいは帰属意識というものを育てる上でも服装の指導ということは非常に有効な働きをするんだというふうに考えております。
 文部科学省はこれまで、服装の乱れが心の乱れのサインだというような観点に立ちまして、服装の乱れというものが認められた場合には適切な措置をとるように教育委員会あるいは学校に指導をしてまいりましたし、また学校における規律の維持につきまして、服装というものにも十分心を配りながら学校の実情に応じた指導をされるように指導をしてきたわけであります。
 ただ、子供たちの服装がどのようなものであるのが望ましいのかどうかということにつきましては、あるいはまたどのような決まりを作るのかということにつきましては、それぞれの地域の子供たちの実態であるとか、あるいは社会状況の、社会的な動向といったものを踏まえながら先生方が専門的あるいは技術的な判断をされて、それぞれの学校に応じた判断をなされていくべきだというふうに思うわけでありますけれども、いずれにしても、子供たちがきちんとした服装で登校をして、そしてきちんとした服装で学校生活を送るということは、礼儀あるいはマナーといったことを育てていく上でもこれは大変重要なことであるわけでありまして、服装指導というものがこれからも適切に指導をされるように文科省としても指導していきたいというふうに考えております。
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 私自身も全く同じ考え方を持っております。
 やはり、規律の部分、これはもう行き過ぎると国家統制みたいな形になっちゃうようなイメージがありますけれども、やっぱり社会の中で、教育論、私自身、恥ずかしいんですけれども、子育てした経験がないんでまだ語るべきじゃないかと思っているんですけれども、政治家としてこれは一生懸命勉強しながらやっているんですが。
 やはり、規律の部分、そして子供に対しては特にそうなんですけれども、私はある方からいい話を聞きました。一言で言って、教育とは何ぞや、子供たちの教育って何ぞやという話をお聞きしたときに、立派な大人を、社会に適応できる立派な大人を育てるのが教育だろうというふうな話、一言言われたことがありました。そのとおりだと思います。
 子供にもいろいろありますけれども、いい子ちゃん、ただ育てりゃいいやという話じゃなくて、やっぱり社会に最終的に出ていって、どういう大人、どういう社会の構成員を培っていくのか、道徳なり価値観なりを培っていくのか、それが非常に教育の大きな大きな目的だろうというふうに聞いておりますし、私もそう思います。
 今言ったように、何でも好きなことをさせりゃいい、個性を伸ばすのも大事ですし、才能を伸ばすのも非常に重要な話ですけれども、同時に、社会に順応してやっぱり規律というかルールを守れるような、道徳心をしっかりと培えるような教育の在り方をすべきだというふうに思いますので、今政務官がおっしゃったこと、本当に大事な話だと思います。
 もう一回、申し訳ないですけれども、政治家として環境省にもお伺いをしたいというふうに思いますが、よろしいですか。今の点についてもう一度お伺いをしたいと思います。
○副大臣(高野博師君) 私は、文部科学省とは若干考えを異にしておりまして、もっと自由であっていいんではないかなという考えであります。ただ、常識の範囲内で、さっき言いましたように、節度、品位、これを保った上での服装ということであろうと思います。
○愛知治郎君 済みません。ありがとうございました。
 国会においては、私自身は、少なくともしっかりとした身なりというか、規律というものも非常に重要だと。学級崩壊と言われていますよね。私自身、四年しかたっておりませんけれども、国会このままでいいのかな、国会崩壊になりつつあるんじゃないかと。本当なんですよ。
 ちなみに、総理に是非伝えてほしいことがあります。今まで三年半、四年ぐらいですか、ずっとやってまいりましたけれども、いろんな場でネクタイを外すこともあって、それはいいと思うんです、TPOで。ただ、国会の場でネクタイを外したのは今回初めてですよね。衆議院でああいう結果になっていると。これ、たかが服装の話かもしれないですけれども、本当に服装だけの話なのかなと。統制取れていないというか、みんなばらばらになりつつあるんじゃないですかというのは、私自身危機感を持っているんですよね。
 是非、総理に御提言していただきたいんですが、大きな大きな課題、今控えております。本当に勝負だと思うんだったら、しっかりと気持ち引き締めて、ネクタイという一つの形ではありますけれども、是非びしっと決めてきていただきたいと。それだけの覚悟があって、本当に思い入れがあるんだったらそういうスタイルで臨んでほしい、自分の気持ちをスタイルというか服装にも表してほしいというふうに思いますので。
○副大臣(高野博師君) クールビズが国会崩壊につながるとは私は思っておりませんが、総理にもお伝えしたいとは思いますが、我々、クールビズで温暖化対策が進むと、それだけは思っておりませんで、様々な施策の中での一つの象徴的な、我々の生活スタイル、ワークスタイルを変えるという意味でこのクールビズを推奨しているということでありますので、余りに厳密に、正装かどうか、定義は何だと、そこまで考えなくてもいいのかなという気もしますが、いずれにしても国会で、これは議運の中できちんと決めていただいたことですから、それはそういう服装をして何ら差し支えないと思いますし、愛知議員はクールビズをやったら相当似合うんではないかと私は思っておるので、是非、一度ネクタイを外したらなかなか……。難しいと思いますが。
 したがって、私がさっきから言っているのは、常識の範囲で品位を保つというのは、もう国会が始まって以来ずっと議論されているポイントだと思っております。
 以上です。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 私、クールビズ全然否定していないんですよ。本当に重要なこれは運動だと思いますし、地元へ行ったり、国会以外の場では私はもう遠慮なく外させていただいておりますし、逆に、いろんな方々と気楽にお話をする、ざっくばらんな話をするときはもう外した方が、皆さんも心開いてくれますし、非常にいいスタイルだと思っています。ただ、TPOなんです。それだけはっきりさせたいということであります。
 これ以上言ってもしようがないんで、またしっかりとその点では私の納得できるような形で出してもらえると、遠慮なしに私もその運動に参加させていただきたいと、この国会の場でもやらせていただきたいというふうに思います。
 さて、その……
○副大臣(高野博師君) これは議運できちんと議論をしていただきたいと思います。
○愛知治郎君 私もそのとおりだと思いますけれども、皆さん国会議員ですから、その点についてしっかりとみんなで議論をしましょうということを御提言申し上げたいというふうに思います。
 ただ、ちょっと話題戻しまして、このクールビズ自体が元々、京都議定書の削減目標の達成のために行われることですよね、これ。
 確認ですけれども、その点はそれでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小島敏郎君) 冷房温度を二十八度と、こういうことで、これまでの調査によりますと平均が二十六度ぐらいでございますので、夏の冷房温度を引き上げればその分だけ省エネルギーになるということで、これは従来から行われていたものでございます。それを徹底をさせるということで、その新しいアプローチをしようということでございます。
○愛知治郎君 それは十分分かりますし、それから、今までもやってきた。期せずしておっしゃられましたけれども、やってきたにもかかわらず増えているんですよね。だからこそ、またその運動をどんどん進めるためにクールビズというのを出してきたと思うんですが、私自身は、啓蒙活動だけ、やってください、やりましょう、いろんな運動をしているだけじゃ絶対達成できないと思っているんですよ、この目標達成。
 ただ、これ達成しなかったときにどうなるかという話もちょっと次に聞きたかったんですが、その前に、規制や税、税という話もありますけれども、そういったいろんな手段を総動員してやらなければならない、この啓発だけは継続的にやるべきですけれども、それ以外のこともやらなくちゃいけないと思うんですが、その点、見解を聞かせていただきたいと思います。
○副大臣(高野博師君) おっしゃるとおりでありまして、今、一つは国民的な運動をすると、クールビズも含めまして、そして国民一人一人が自覚を持ってもらう、意識を高めてもらって、そして省エネをするというような方向に一つはやるということと、先ほど京都議定書の目標の達成は絶対できないとおっしゃっておられますが、我々は絶対これは達成しなくちゃいけないと、国際約束でありますから、これは絶対守っていこうと、こう思っておりますが、これは各企業も政府も、各自治体、事業主、国民一人一人がこれに取り組んでいただかないとこれは達成できないと思っております。
 今、目標達成計画の中で規制という部分については省エネ法の改正とかいろいろありますが、基本的には自主的に、例えば排出量の算出・報告・公表、こういう制度もつくろう、あるいは自主的な排出権の取引等もこれも制度としてやっていこうということでありますが、環境税等も含めてもっと厳しくこれはやる必要があるかどうかということについては、約束期間は二〇〇八年から二〇一二年まででありますから、今ある意味では慣らし運転的にこれを開始したという点もあるかと思いますが、いずれにしても二〇〇七年には全部見直しをした上で、それでもう一回これは約束期間の実施に移していこうということでありますが、いずれにしましても、今始めたばかりでありますので、余りネガティブにとらえないでいただきたいと、こう思っております。
○愛知治郎君 いや、ネガティブには全くとらえていない。これは必要で、そのプラスアルファが必要だと言っているだけなんですね。
 絶対達成できないというのは、このままでいくと、で、今までもやってこなかったわけじゃないですよね。やって、いろんな取組を、環境省何にもしていなかったって、いろんなこと取組していると思うんですよ。ただ、それをしたにもかかわらず増えてしまっている、これを減らすには並大抵の努力じゃできないだろうと。それから、今までの発想だけでは目標は達成できないだろう、総動員しなくちゃいけないということを申し上げているんですけれども。
 いずれにせよ、ここはさっきもちょっとどなたかがそれについて、京都議定書の目標達成どうなのかという話はちょっと聞こえましたけれども、やはり達成しなければならない、これはもう決めたことですからしなければならない。私自身は、議定書だけでは絶対不十分だと思いますし、温暖化は止められないと思うんですよ。議定書の精神は非常に重要ですけれども、アメリカ、中国、発展途上国、参加しなければ意味がないと思っていますから、議定書をどう使うのか。議定書、例えば日本が目標を達成して、ほかの国、アメリカや中国に対してこの土俵に乗れと、しっかりと交渉する、そういったいろんなやり方があると思うんですが、いずれにせよこの目標達成できなければ意味がないと思います。主導権は失いますし、国際的信用も日本は失ってしまう。やらなくちゃいけない、決めたことですから。
 それなんですが、環境省がやはり主導的に今までもやってこられたと思いますし、これからもやっていくんだと思いますが、大事なのは結果だと思います。達成できなかったときにどうするのか。極論を言わせていただきます。達成できなければ、私、環境省って要らないと思うんですが、そうなんですよ、じゃそこまで覚悟を持っているかどうか、まず聞きたいと思います。
○副大臣(高野博師君) 環境省は要らないという話は大変、若干乱暴かなという気がいたします。私は、環境省は責任を持ってこの目標達成計画を実施していくと、それはもう我々は一丸になってやっていく、そしてできるだけリーダーシップも発揮しながら取り組んでいくということであります。
 しかし、これは環境省だけではなくて、各省、さっき言いましたように自治体も含めて、国全体、国民全体として取り組む必要があるということでありますので、私は、国民の一人一人、国会議員の一人一人の先生方の御協力なくしてはこれはできないと思っておりますが、環境省は温暖化だけやっているわけではありませんで、これは脱温暖化社会をどうやってつくるのか、循環型社会をどうやってつくるのか、これを大きな柱にしながら、あるいは自然の生態系を、保護をどうするのか、ごみ、廃棄物なんかどうするのか、これからアスベスト等の問題も出てくると思いますが、様々な、今環境を抜きにして、政治、経済、社会、それはもう語れないような状況になっている。私は、今のこの社会の中で一つの座標軸になっていると思います、環境というのは。
 そういう意味で、環境省の役割が増えることがあっても減ることはないと思いますが、今言われたように、環境省は要らない、解体しろというような意見については若干異論はありますが、しかし我々は責任持ってやるということだけは、これは申し上げておきたいと思います。
○愛知治郎君 環境、重要なのは当たり前ですし、私ずっと、私の父もそうですけれども、環境庁長官やらせてもらって、ずっと環境大事、そうなんですよ、環境は大事ですよ。ばりばりの環境派ですから、私も。だけれども、だからこそなんですよ。
 今おっしゃられたとおりに、政府一体として、政府を挙げてやらなくちゃいけない、そのとおりなんですね。今見ても、各省庁、それぞれ環境部署ありますよ。皆さん取り組んでいますよ。それでリーダーシップを取っていくのは環境省という、そういった一つのスタイルというか形があるというだけで、もしできなければ、先ほど副大臣おっしゃられたとおりに、私は責任の所在というか、責任のことをお話をさせていただいているんですよ。環境省としてこの責任をどう取るのか、できなければですね。
 だから、もう解体してもいいぐらいの覚悟を持って責任取りますというぐらいでやるのか、それとも、できませんでした、あとは知りませんと言うのか。将来に向かって本当に、今やっていること、責任問われる話なんですよ。私自身も責任問われる、今かかわっていますからね。責任問われる話なんで、その覚悟を聞きたいと。不要で今要らないという話じゃなくて、達成できなければどうするんだという話をさせていただきたかっただけなんですけれども、もう一回お願いします。
○副大臣(高野博師君) 冒頭申し上げましたように、責任持ってこれはやるということであります。そういう覚悟はできておりますので、できなかった場合にどうする、どういう責任取るのかということについては、そのときにいかようにでも取ろうと思っております。
○愛知治郎君 私自身は、これは叱咤激励だと、叱咤激励だと理解をしていただきたいと思います。協力できることは本当にやりますし、私も応援したいと思っているので、やらなくちゃいけないということなんで、是非御理解をいただきたいと。それから、これからも頑張っていただきたいと思います。
 ちょっと、ほかの省庁も呼んでいますので、環境の話はこの辺にしておきたいと思いますので、是非委員の先生方も問題意識を持っていただきたいと、同様に皆さん持っていると思うんですが、継続的によろしくお願いいたしたいというふうに思います。
 一応終わりましたので、次の課題に移りたいというふうに思います。
 ちょっとタイムリーな話として、先日、ロンドンにおいて、サミット期間中、同時多発テロが行われてしまった、起きてしまった。犠牲者の方々、関係各位の皆さん、本当に心からお悔やみを申し上げたいというふうに思いますし、またこれからもこのテロへの対応というのが最重要課題の一つであるということを再認識をさせられた事件でもありました。
 それで、私自身、前にちょっとここの委員会で質問の時間をいただいて、そのときに、もう二か月前になりますけれども、考えていたことを今日質問させていただきたかったんですが、先ほどのテロ、これに関して、その対応、重要課題の一つだと申し上げましたが、またその中でも情報に関して、この収集、管理、この点について、情報というのの対応というのは非常に重要な要素だというふうに考えております。
 今回のテロについても、私が聞いている範囲の中では、身分を偽造して、くらましながらテロリストが潜伏していたという話も聞いております。これは、国として情報に対応するちゃんとしたスタンスは確立をしておかなければならない。ちょっと疑問に思った点があるので、その点をお伺いしたいと、総務省にお伺いしたいというふうにまず思います。
 行政が管理している住所ですね、住所として、不思議に思ったんですね。例を幾つか挙げますけれども、住民票、それから免許証の住所ですね、あと年金の住所。これ、ばらばらになることが十分あり得るというか、今一杯あるんですね。公式な文書とされているものなんですけれども、公式な住所とされているところが複数存在し得るという制度になっていると思うんですが、これはどうしてこういうふうになってしまっているのか。それから、現状についてちょっとお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○政府参考人(武智健二君) まず、私どもが担当しておる住民票の住所についてでございますけれども、住民票の根拠法になっております住民基本台帳におきまして、住民の住所とは地方自治法に規定する住民の住所と同義でありまして、生活の本拠と解されているところでございます。
○愛知治郎君 今、総務省さん、住民票という話をされましたが、免許証について警察庁に現状をお伺いしたいと思います。免許証、どうなっているのか。
○政府参考人(矢代隆義君) 免許証の住所でございますが、これは同様に生活の本拠と解されるところ、これを住所といたしておりまして、住民基本台帳の住所も同義でございますが、したがいまして、基本的には住民基本台帳に基づく住民登録がなされるべき場所をその者の住所として取り扱うことになります。
○愛知治郎君 もう一つ、ついでというか、年金というような話をさせていただきましたんで、社会保険庁に、年金はどういうふうになっております、年金の住所は。
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険庁におきましては、国民年金あるいは厚生年金等の被保険者の記録という形での管理、それから年金受給者の記録を管理すると、この大きく申し上げまして二つの管理の仕事がございます。
 このうち国民年金は、一号被保険者、すなわち自営業の方とか無業の方、この方々につきましては資格を取得したときの届け、それから住所変更なんかの各種届け、これは住所地の市区町村に行うということになっておりますので、この際、住所につきましては住民票を確認した上で登録管理をするという形になっております。
 一方、厚生年金あるいは政府管掌健康保険の被保険者につきましては、この届出は事業主を通じて社会保険事務所に届け出るということにされておりますので、資格取得時あるいは住所の変更時に事業主に対して本人が申し出た住所を登録管理するというやり方をしております。
 また、年金受給者につきましては、年金証書あるいは支払通知書などの各種の通知を送らせていただいておるわけでございますが、これらの通知書が確実に受給者本人の元に届くように、年金の裁定請求時におきまして受給権者から届け出られた住所を登録管理するという仕組みを取っております。
○愛知治郎君 多分皆さん今の話を聞いて、私自身はずっとその前に聞いて分かっている部分でもあるんですが、すごく分かりにくかったと思うんですけれども、重要なことは、今、住所住所と一言で言いましたけれども、ばらばらになる可能性があるというか、ばらばらになっているというのが現状だということが問題点だというふうに指摘をしたかったんですね。
 これは警察庁さんに伺います、分かりやすいんで。住民票を移したら、住民票って一番皆さんが正式な住所、どこに住んでいるかということを示すのに公な文書であると、公なシステムだというふうに認識している方は多いと思うんですが、住民票を移しましたと、それと同様に免許証も自然と移るのか、それとも手続が必要なのか聞きたいと思いますけれども。
○政府参考人(矢代隆義君) 住所が変更された場合には、住民票の届出のほかに、運転免許証につきましても変更の届出の手続が必要でございます。
○愛知治郎君 つまり、住民票の変更の届出をしても免許証しなければそのまま二つの住所が公式な文書に載るということなんですよね、二つ。例えば身分証明書で使いますよね、住民票とか免許証も。どこに住んでいるのと言ったら、二か所できちゃうんですよね、それは届出をしない限り。ワンストップサービスで住民票を移したら、そういった公式の住所が全部移るというんだったらいいんですが、現状はそうなってはいませんよね。総務省に確認をしたいと思います。
○政府参考人(武智健二君) 住民基本台帳法を制定いたしました一つの理由といたしまして、住民の住所変更等に関する届出が、当時、煩雑かつ不統一で住民にとって不便であったことを改善しようとしたということが挙げられます。その意味で、住民基本台帳法は元々届出等の簡素化、ワンストップサービス化を目指したものであります。
 また、平成十四年八月から住民基本台帳ネットワークシステムが導入をされました。そこにおきまして、氏名、住所、性別、生年月日等のいわゆる本人確認情報と言っておりますが、この情報を住民基本台帳法の別表に規定をされた国の機関の事務へ提供が可能となったところでございます。
 御指摘のその運転免許証の住所変更につきましては、現在、住民基本台帳法の別表に規定をされておりませんので、このネットワークシステムの情報を活用することはできないわけでございますが、冒頭申し上げましたとおり、住民基本台帳法の制定理由の一つがワンストップサービス化にあったということを踏まえれば、今後、住民サービスの向上の観点から、ワンストップサービス化を進めることが必要だというふうに考えているところであります。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 総務省さんは、やはりワンストップサービス、つまり一回住民票というものを移したときに公式の文書、可能な限りみんなワンストップで全部移動できるようにするべきだというふうにおっしゃっていただいたと思いますし、私自身もそう思います。今ばらばらになっている、一々一々届出が必要だということは、縦割り、お役所仕事になっているんじゃないかというふうに思っていて、やはりワンストップにするべきじゃないかと思っているんですが、それ以外の意図ですね、何か特別な意図があるのかどうか、警察庁さんにお伺いをしたいと思います。なぜ手続をばらばらにしているのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(矢代隆義君) 住民基本台帳上の住民登録の住所と、それから運転免許証に記載されましております住所、届出がなされない場合には、場合によりますと乖離する場合がございまして、これは一致する方が当然望ましいわけでございます。したがいまして、そのようなシステムなりが可能であれば、それは望ましいことであろうと思いますが、運転免許証につきましては、その住所を運転免許証に記載いたしまして、その免許証をそれぞれの運転者が携帯する建前になっておりまして、現場の警察官はその免許証を確認しながら法執行に当たっておるわけでございます。
 したがいまして、その住民基本台帳に基づきます住民登録の記載事項が変更された場合に、これを自動的にその個々の免許証まで変更するということにつきましては大変困難なものであろうというふうに考えておるわけでございます。
○愛知治郎君 そこをはっきりさせてもらいたいんですよ。はっきりさせてもらいたいんです。
 目的はそもそも何だということになるんですけれども、警察にとって一番、本当に必要な情報ですね、とは何なのか、この住所に関して。その人がどういった、多分、私が思うに、一番、ふだん生活しているところ、連絡が取りやすいところだと思うんですけれども。多分、年金なんかはそうですよね。実際の通知がどこに送られるかというのは非常に重要ですし、その人の目に触れなくちゃいけないんで、実際に住んでいるところ、一番生活をしているところに送らなくちゃいけないという意図があると思うんですが、警察の場合はどうなんですか。はっきりさせていただきたいんですけれども、どのような意図で情報、その住所の情報というのを警察として管理したいのか。それが特別な意図がないんであれば、全くその住民票と一致させても全く問題はないと思うんですけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(矢代隆義君) 免許証には、一つには本籍、それから住所、氏名、それから生年月日、これを記載しております、基本的には。
 これは、基本的には運転免許の保有者につきまして、その者を特定するための属性として必要な情報でございますが、あわせて、道路交通法におきましては、その者の住所地を管轄する公安委員会が運転免許証の交付あるいは免許の取消し、停止等の処分、あるいは免許証の更新を行うものとされておりまして、したがいまして、この管轄する公安委員会を確定する上でその者の住所がどこであるかということは、これは特定する必要がございまして、目的は以上二点でございますが、したがいまして、住民基本台帳法に基づきますその住居の移転登録というものがそのまま免許証に反映されることは、これは歓迎すべきことでございますが、それを反映する方法といたしまして、免許証自体は私どもの手元にあるわけでありませんで、各運転者個々人が保有しているものでございます。これを変更する必要がございますが、それにつきましてはなかなか技術的に困難であろうということでございます。
○愛知治郎君 私が言いたいことは、少なくとも住民票を変えましたよと本人が届出をしたときに、警察がその情報を管理している、管理というか共有をして、免許証の今記載事項を変えなくちゃいけないということがありましたけれども、じゃ届出してください、記載事項を変えますんで免許証を持ってきて住民票と同じように変えてくださいという通知もしていないわけですね、現実は。
 さっき言いましたとおりに、住民票の住所を変えたときに、住所を変更したときに、住民票も、それから少なくとも警察の免許証も全部変更の手続一々あるんですよ、そのことを知っていますかと。一回で済むわけじゃなくて、ばらばらにしちゃいけない、全部一致させなくちゃいけないけれども、国民の皆さん一人一人がやらなくちゃいけないんですよ、そのことを知っていますかということを、私自身が、地元の国政報告会ってやっているんですけれども、定期的に、その中で、百五十人いらっしゃったんですが、伺ったところ、知っている人は三人しかいませんでした。だから、普通はもう住居を変更するんであれば住民票を変えれば十分だと皆さん思っているんですね、ほとんどの皆さんが。分かっていないですし、一致させるべきだという話はありますけれども、していないのも現実なんですよ。
 それで、二つあるんですね、課題が。まず、簡素化、やっぱり効率化を図るためにしっかりと一致させるべきだ、総務省の意見、そのとおりだと思うんですけれども。もう一つ、さっき情報の管理という話を、時間がないんでもう自分からさせていただきますけれども、悪用しようと、悪事を働こうと思っている人にとってしっかりとした制度ができていないというのは幾らでも付け入るすきがあるんですよ。つまり、身分を詐称して幾らでも、自分を他人に成り済まそうとか悪用しようと思ったときに、制度ががたがたしているとやりやすい、物すごい悪いやつにとってはやりやすいと。だからこそ、これからの時代、先を見越して、私はしっかりとしたポリシーを持って制度を整えていかなければならない。この情報に関しても、シンプルにしっかりとまとめ上げていくということは付け入るすきをできるだけ少なくすることにもなりますんで、これは各省庁がばらばらにやっているという話ではなくて、しっかりとその点は打合せというか議論をして、すり合わせをして、明確なシンプルな分かりやすい制度を整えていくべきだというふうに思います。
 ちょっと時間がなくなりましたんで、最後、提言になりましたけれども、この点、しっかりと理解をしていただくことを心より申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。
 私は、我が国の小児の保健医療水準の件につきまして本日は質問をさせていただきたいと思います。今日は、尾辻大臣、お忙しいところ、ありがとうございます。
 厚生労働省は、様々な医療政策に関するそのベースになるいろんな研究活動をやっていただいておりまして、その中には我々の医療政策を考える上で非常に参考になる研究活動をやっていただいているというふうに思いますし、率直に敬意を表したいと思います。
 それで、私も時々こうした研究成果を勉強させていただいているんですが、今年、二十一世紀における小児救急医療のあり方に関する研究という中で、国立保健医療科学院の生涯保健部が中心となって「わが国の小児の保健医療水準―先進国との死亡率の比較より」という報告書がございます。
 この結果を見まして、私はこれ非常に重大な問題提起がなされているなということで、冒頭、質問をさせていただきたいわけでありますが、先進十四か国、日本を含めまして十四か国で各年齢ごとの死亡率を調査をしているわけでありますが、日本は総じて非常に良い成績といいますか、良い結果が出ているわけでありますが、一歳から四歳児だけ、一歳から四歳の幼児死亡率だけ見ますと、この調査対象の先進国中、実質上最悪の成績になっていると。つまり、いわゆるその先進国平均よりもこの幼児の死亡率が約三割高いという状況でございます。
 ちなみに、十万人当たり幼児の死亡率が三十三名でございまして、平均が二十五・五、スウェーデンは十四・三人なんですね。ですから、日本は三十三名亡くなる中で、スウェーデンは、スウェーデンが一番いいんですけれども、十四・三と、こういうことでございまして、これはこの田中さんたちの、国立の保健医療科学院の生涯保健部がこのレポートの中で言っているわけでありますが、先進国並みにこの死亡率を引き下げれば、具体的に三百五十四名の命、スウェーデン並みにすれば八百八十二名の命が救えると。もちろん、これいろいろな複雑な要因があって重なり合っているわけでございまして、ただ、いずれにしても、我々はこの三百五十四名ないし八百八十二名の命を救いたいなと、これは恐らく大臣も含めて、そのことには恐らくどなたも御賛同いただけると思います。
 また、健やか親子21でも、この問題は、正に幼児の死亡率をこのまま下げていくということも厚生労働省は打ち出しておられますけれども、これ非常にショッキングな私は数字だと思います、及び実態だと思います。この幼児の死亡率の高さ、そしてこの問題をどのように把握し、そしてこれにどのように取り組んでいかれようとしておられるかということについて、厚生労働大臣の御意見を賜りたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 若干、研究報告にかかわる事務的なことでありますので、少し私の方から御説明をさせていただきたいと思いますが。
 ただいま委員の方から御紹介のありました研究成果、これは国立保健医療科学院の方々が中心になって研究したものでありますが、その中で紹介されておりますのは、確かに、日本の場合、先進十三か国と比較をして一歳から四歳までの幼児の死亡率が高いと、こういう結果が出ておることは事実でございます。
 この要因は何か、原因は何かということは必ずしもこの研究報告の中でも明らかにされておりませんで、まあ、主任研究者というかそういう方々の話聞きますと、日本の小児医療体制に問題があるんではないかとか母親の注意不足ではないかとか、こういったことが言われますが、ただ全体として考えていただかなきゃなりませんと思いますのは、日本はやっぱり乳幼児の死亡率は非常にすぐれて改善をされてきたというのが戦後の一貫した評価でございまして、この研究報告によりましても、一から四歳以外のところではおしなべて我が国の死亡率は低いという結果になっております。
 特に、この一―四歳と関連付けて見ますと、このゼロ歳児の死亡率は非常に他の先進国よりも更に低いという結果になっておるわけでございまして、特に乳幼児といった場合に、やはり死亡者の一番数が多いのは、絶対的に多いのはゼロ歳でございます。このゼロ歳児の死亡率が我が国はその先進十三か国に比べても低いと。
 例えば、この研究報告の、同じ研究報告の中で言いますと、先進国を一〇〇といたしますとゼロ歳児の場合には我が国は六七と、こういう結果になっておりますし、今委員から御指摘のあった一から四歳の場合には、先進十三か国を一〇〇といたしますと我が国は一二九、約三割高いと、このとおりの、そういう報告になっておりまして、乳幼児ということで、生まれて、まあ極端に言いますと、五歳まで到達する割合はどちらが低いかというと、多分、数字でいうと我が国は決して先進国に比べて高い数字にはなっていないんだろうと思います。
 以上が客観的な数字でございますが、小児科の現場の方々とか、そのほかいろんな方々が指摘されますのは、今いろんな不妊治療、そのほか医療の高度化によって非常に未熟児とかそういった子供の生まれる割合が非常に高くなっておると。日本の小児科の病院などでは非常にICUとかそういったところが非常に乳児で一杯だというような、こういう実情も指摘をされておるところでありまして、こういったゼロ歳児の救命率の高さというのが、この一から四歳の死亡率の、我が国の場合ですね、高さとどういうふうに関係があるのかといったようなことももう少し分析をしてみないとこれは分からないことかなというふうに思っておりますし、そういったことも含めてこの一から四歳のところの死亡率がなぜ高いかということを少し、もう少し疾病別その他要因を、地域別があるのかどうか、少し詳しい研究が必要ではないだろうかというのが今のところの率直な印象でございます。
○鈴木寛君 おっしゃるとおりで、ゼロ歳児のところは非常にいいわけです、これは引き続き、スウェーデンに次いでということなんですが。
 ただ、田中先生たちの研究でも、この年齢階級の、正に一歳から四歳での死亡率が高いのは、正に今局長がおっしゃった我が国のNICUというのは、これ新生児の集中治療管理室でありますが、これの整備が確かにいいんです、によって死亡時期が少し乳幼児にずれ込むからではないかと考えられたが、様々な修正を、もし仮にこのことが一部正しいとして、いろいろな修正を掛けてみてもこの年齢階級、要するに一歳から四歳の年齢階級の死亡率が先進十三か国に比べ高い値であることは間違いない事実でありますということでありますから、今のお話は全くおっしゃるとおりなんですが、しかしそれも踏まえても、やはり一歳から四歳のところに何らかの問題があるということを、これは本当にここにお集まりのすべての皆さんと日本じゅうで考えていく必要があるのではないかということで、今日問題提起をさせていただいているわけでございます。
 それで、この調査の主査でございます田中哲郎部長も、やはりいろいろ、つらつら考えてみますと、この問題、私、一年間ぐらいいろんな関係者と意見交換をさせていただいているんですけれども、やはり一つは一歳から四歳の乳幼児を持つ家庭での事故予防対策といいますか、事故予防教育というのが不十分だというのが一つあると思われます。
 例えば、これ五歳からになりますと幼稚園とか学校とかへ行き始めますから、それからいろいろな事故の発生を見てみますと、休日とか自宅でいるときに、例えばたばこの誤飲とかそういうようなこともあって、いろいろなことを見てみますと、病院とか学校とかの管理下にあるところはこれは世界的に見てもかなり高水準にあると。で、家庭においていろいろな事故が起こっているということが一つですね。
 それからもう一つは、それは要するに発生をいかに下げていくかという問題。それから、いったん事故なり救急救命が必要な状態になったときの、今度は小児救急体制の受入れ側にこれやはり問題があると。救える命が救えていないと。恐らく、大きく言うとこの二つぐらいの要因といいますか背景があるんだろうと。この両方を並行してやっていかなければいけないんではないかなというふうに私も思うわけでありますが。
 まず、正に事故予防。これは行政だけでもできません。病院だけでもできません。世の中全体でやっていく、こういう話になろうかと思いますけれども。正に一歳から四歳までの亡くなる死因の、亡くなる理由のトップはこれ不慮の事故であります。三十三名の中で七・六名が不慮の事故で亡くなっておられると。もちろんこれも改善がなされてはおりますけれども、ほかの国も改善がなされておりまして、しかしこれはゼロになるまで改善を続けなければいけない問題であります。
 これはまた別の調査でございますけれども、同じチームがやっている別の調査でございますが、今度は不慮の事故だけ見ますと、不慮の事故だけ見ますとゼロ歳児も先進十四か国中三番目に悪いんですね。これまたスウェーデンは十万人当たりゼロ歳児の不慮の事故は二・二名なんですよ。日本は十八・三名なんですよ。ですから、ゼロ歳児の不慮の事故だけ取りますと、日本はスウェーデンの八倍亡くなっていると、こういう。それから、先進国の平均に比べても一・七倍なんですね。それから、今問題としております一歳から四歳児のところも、先進十四か国中五番目に悪いんですね。これもイギリスなんかが一番いいわけですが、イギリスに比べても二・六倍ということでございまして、やはりこの不慮の事故を家庭ないし社会、世の中全体でもっともっと目配りをしていくということをきちっとやっていかなければいけないということは私は言えるんではないかなと思います。
 それで、済みません、数字がいろいろ並んで申し訳ありませんが、イメージを皆様方に共有していただくためにもう少しお付き合いをいただければと思いますが、今事故防止対策をやっている家庭の割合が、例えば一・六か月のお子さんの家庭で四・二%、三歳児だと一・八、それから事故防止対策を実施している市町村の割合が、例えば三か月健診時点でいうと三二・六ということです。
 この本当に田中チームは物すごくいろんないい研究活動をしていまして、今年の五月に発表されました「子どもの事故予防のための市町村活動マニュアルの開発に関する研究」というところで、こうした子供の転落とか誤飲、誤って何かを飲んでしまう事故防止について、八八%の市町村で何らかの指導は行われているけれども、その市町村の自己評価として、きちっと十分に行われていると、要するに健診時の指導が十分に充実していると考える市町村はわずかに一・五%、五〇%が指導力不足だと自分で自己評価をされているわけであります。
 一方、保育所に通っている保護者の皆様方も、事故が起こってしまった方にアンケートをしますと、やっぱり七三%は防げたと。そういう意味でやはりきちっと、家族がどういうときに事故が起こるのか、あるいは事故を起こさないためにどういうことを気を付けたらいいのかということについての情報、あるいはそれの教育といったことをやはりきちっとやるということが必要ではないかと。ちなみに、北九州でこれをおやりになったところ、やはり事故発生率が五・四%ぐらい減っているという事実もあります。
 是非、こうした保護者への小児の不慮の事故防止指導ということを徹底、充実をさせていただきたいというふうに思うわけでございますが、この点について厚生省、どういうふうな取組をされていて、そして更に今後それを強化していく御予定があるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 乳幼児の死因の中でも不慮の事故というものが非常に多いわけでございますので、これを何とか減らしていきたいということで、私ども、二〇一〇年まで今目標に掲げておりますが、健やか親子21という、こういう十年計画の運動の中でも、子供の不慮の事故死亡率を半減するという目標を掲げて今推進をしているところでございますし、昨年の末に子ども・子育て応援プランという新しい少子化対策のプランを発表いたしましたが、この中でも、今委員から御指摘のありましたように、まだ取組の後れている市町村、個々にいかに取組をやっていただくかということで、こういう事故防止対策を実施する市町村を一〇〇%に持っていこうという五年間の目標ということで掲げさせていただいておりますので、こういった家庭事故の半減、それから市町村の取組を推進するということは、私ども、大きな課題だと思っております。
 具体的にどうするかということでございますが、必ずしも一部の自治体を除いては取組がなされておらなかったということもございまして、今御紹介のありました田中先生等に研究をしていただいて、そういった事故防止のマニュアル、指導マニュアルというのを昨年度作成していただきましたので、これも市町村その他に配って周知を図っておりますが、それを更にダイジェストといいますか、非常に分かりやすい、母親学級とか両親学級とか市町村がやりますが、そういう際にお母さん方に配って、自分で点検をしていただくと。それも、四か月児の場合にはこういうところに気を付けてやっていますかと、それから、一歳六か月の子供の場合にはこういう項目についてどうですかと。こういう具体的な、市町村が取り組みやすい、今データ、資料を作って配布したばかりでございますので、この成果が上がることを私ども期待しておりますし、いろんな機会にこれの普及がどうなっているかということをまたチェックをしていきたいというふうに考えております。
○委員長(山口那津男君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山口那津男君) 速記を起こしてください。
○鈴木寛君 私も、この国立保健医療科学院が出しておられる「子どもに安全をプレゼント」というこの今のパンフレット、それからホームページがありまして、それを見ました。それで、非常にきめ細かく、いわゆる保護者向け、市町村向け、それから、その成長段階に応じて、何歳の子にはこういうことというので、これは非常にいいものだなというふうに思いましたけれども、是非それを配っていただきたいと思いますが。
 私は、これ是非、今日大臣もいらっしゃいますけれども、御検討いただきたいのは、健診で来ていただいた保護者の方々に多分パンフレットを配るとか、あるいは市町村のいろんな機会をとらまえてパンフレットを配る、それからもう一つの入手方法はホームページを見て入手すると、こういう方法なんですけれども、是非やっていただきたいのは家庭訪問です。これ、お分かりになると思いますけれども、自分でホームページをごらんになってそういう情報を検索をして、そしてダウンロードしてそれを勉強するという御家庭は、それは恐らく大丈夫なんですね。
 私、イギリスとかスウェーデンとかデンマークとか、これ非常に成績がいいんですね。これをいろんな仲間と勉強していますと、要するに、訪問保健師さんが出産直後から御家庭を物すごくきめ細かく訪問されるんですよ。やっぱり健診に来れない御家庭、これはいろんな理由があるからしようがないと思います。ただ、そうしたところをやはりきちっと日本も手当てをして、確かに育児支援家庭訪問事業というのは御検討されて、開始されていらっしゃるようでございますが、これをやっぱり相当強力にこれは推進をしていっていただきたいなというふうに、是非これはもっともっとこの重要性を御認識いただいて、お取り組みをいただければというふうに思います。
 今は、いかに不慮の事故を減らしていくかという、家庭、社会の側の問題でございましたが、残念にして何らかの事故が起こってしまった、あるいは事故でなくても正に急病になってしまったと、重篤な急病が発症したといったときに、これは正に小児救急救命体制をきちっと整備をしなければいかぬと、こういうことになるわけでございます。
 それと、これは当然だと思いますけれども、育児の最大の不安は子供の急病だと答える保護者の方が六七・七%いらっしゃるわけですね。やっぱりこの小児救急医療体制の整備というのは最重要な少子化支援対策だというふうに私は思うわけでございまして、本当にこの小児救急の現場、大変でございます。私の友人もいろんな現場のそうした臨床医をしておりますけれども、例えば、急患センターの患者の半分は小児です。その八割はさらに三歳未満です。正に今日議題としています、一歳から四歳のところが正に小児急患センターに駆け付けていくということでありまして、しかも、夜の二十三時から翌朝の八時というこの深夜帯、これ大都市で言うと三割はこの深夜帯に集中しているんですね。ですから、やっぱりここにぴしっと手が届かないといけないのではないかなというふうに思いますが。
 一方、小児科は減っております。小児科を標榜する病院は、例えば平成八年、三千八百四十四あったのが、平成十四年では三千三百五十九、四百八十五これ減っておりますし、二割減っております。
 それから、いわゆる小児救急医療体制が整備されているのは、これは九の都道府県だけでございます。大体四百四地区の小児救急医療圏というのがございますが、そのうちの四五%に相当する百八十三の地区ではこうした体制が整備されていないと。例えば青森県というのは一地区もそういった体制が整っていないし、東北、九州では後れが非常に顕著であると、こういうことなんですね。
 それから、救急病院だと告示をしていながら、じゃそこに駆け付ければ何とかなるだろうと、こういうふうに多くの保護者の皆さん思うわけでありますが、実際に、じゃ、救急病院と告示をしていて小児救急を実施しているのは五四%しかありません。それからさらに、二十四時間、三百六十五日でやっているのは四割しかありません。さらに、そこに行って小児科医がいる病院は三割しかありません。ですから、小児救急、やっと見付けて、やっといろいろな、たらい回しとかなんとかの状況をクリアして行ったところ、三割しか小児科にきちっと診てもらえないと、こういう状態になっています。
 ここは別にその病院が悪いわけではありません。まして担当の小児科医が悪いわけでは全くなくて、これはシステムの問題だと私は思います。
 小児救急は非常に季節変動が多いんですね。当然、冬は多くなると。これはインフルエンザとか肺炎とか。そうなりますと、これ病床の稼働率が低くなりますから、これは病院経営としては一番採算が悪い。
 それからもう一つは、救急患者の場合は、救急車で来ないで、自分でタクシーに乗って、あるいは車に乗って駆け付けるというケースが小児救急の場合は多い。そうすると、小児救急を行えば行うほど紹介率が下がるんですよ。紹介率が三割を上回るとむしろ加算得点になるんですけれども、紹介率が低いものですから、これまた病院の収益の悪化の要因になると。
 それから、もうこれは御説明するまでもありませんが、小児科医というのが今大変なお仕事でございますから、ここが大変厳しくなっていると。ちなみに、内科は人件費が三六%なんですけれども、小児科は掛かるコストの六割が人件費と、こういう状況になっております。正に、別に内科よりもという、そういう比較することは全く意味がありませんが、薬の使用量も少ないと。それから、診療に手間が掛かると。それから、さっき申し上げたように、季節によって変動要因が多いということで、不採算部門としてどんどんどんどん小児救急医療が切られてしまうと。さらに、先ほど申し上げましたように、急患の五〇%は小児で、そのまた八割が正に三歳未満と、こういうことで、物すごく夜間急患の激務でそこにコストが掛かるというような中で、先ほど申し上げましたような小児救急の実態でございます。
 ここは正に小児救急実施病院を実質的に数を増やして、そしてきちっと配備していくということは、これは本当に重要な課題だと思いますが、この点いかがでございましょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 委員御指摘のように、地域の子供の病気に対して適切に対応していかなきゃいけないと思っております。
 小さいお子さんですので、御両親が働いているということもあり、どうしても夜間に掛かるというケースが多いのかと思います。
 私ども、医療機関に対しましては、十六年度の診療報酬改定で様々な、小児あるいは小児救急、新生児等々への点数の評価を行ってきております。それから、制度上、全国に小児救急の医療拠点病院を整備するということで、補助金等々も出しております。
 しかしながら、先生御指摘のような点があるということで、もちろん病院の体制を構築するということは十分やっていきますが、それ以上に、先ほど言いました、核家族化して親が子供の病気に対してなかなか経験がないということもございますので、私ども、十六年度から、保護者が夜間等に安心して小児救急医療に関する相談ができる窓口の設置をいたしました。これによって、既にデータもございますが、対応結果として、翌日かかりつけ医に行っていただくとか、何かあれば医療機関に行っていただくとかで、現場の医療機関が混乱といいますか、混雑しなくて済むような傾向もございます。
 したがいまして、このような子供の症状の変化が軽微である場合には、電話相談などによって適切な指導をしていく、そして、保護者等に安心してもらう、適切な受療行動を促すというような方策も取っているところでございます。
 今後の問題でございますが、小児科医が不足している、一人の医師に掛かる労働負荷が大きいというような指摘もございますので、十分な質の高い小児救急医療を提供するために、現在、平成十八年度に向けて医療制度改革をしておりますが、この中で、小児救急の拠点あるいは小児救急医療機関の再編、集約化などの機能強化を通じて適切な医療が提供できるように検討していきたいというように考えております。
○鈴木寛君 この場は正に行政監視委員会でございますから、厚生労働省もいろいろと、対策は毎年いろいろ考えていただいていることは私も認めますが、これがなかなかやっぱり、これ結果にもっとダイレクトにつながるような形で、これは医療制度の根っこにかかわる部分もあることは私はよく承知をいたしておりますけれども、是非この正に小児医療あるいは小児救急医療について、正に行政監視あるいは行政評価、政策評価の観点からやっぱり総合的に我々の委員会でこれ後押しをして、正に厚生省も頑張っておられると思いますけれども、やっぱりそれは財務省との折衝とか、あるいは医療制度の根っこにかかわるところとか、いろいろ難しいところがあろうかと思いますが、ここは是非、尾辻大臣もリーダーシップを取っていただきたいと思いますが、この委員会でも皆様方のお力をいただきたいなというふうに思います。
 それで、今、やっと今度は救急病院に行ったとしますね。しかし、そこでの設備の問題もあるんです。
 ICUと言いますが、これは集中治療室です。これにも小児専用のICUというのがあります。これPICUと、こういうふうに呼びますが、これは欧米ではこういう小児専用病院のベッドの一〇%はICUなんですよ。しかし、日本は全国で九十七床しかありませんと。子供向けのそういうベッドの一・二%しかこのICUがないと。これは日本集中治療医学会の全国調査の数字です。
 それから、埼玉医大の田村先生という方がこの二〇〇五年の四月に日本集中治療医学会で発表されていらっしゃいますが、二〇〇三年度段階で、いわゆる大学病院とか子供病院などの中で専用の小児専用集中治療室、PICUを備えているのは一六%しかないんです。恐らく、我々の感覚からすれば、正に大学病院とか子供病院とかに行けばそうしたものは整備されているだろうと。そして、小児専門医、小児救急専門医に診てもらえるだろうという恐らく期待はあると思います。そこに一六%しかこたえられていないと。
 これも例えば、PICUがある十三都府県では、例えば不慮のいろいろな事故が、転落とかそういうことがあって担ぎ込まれますね。そのときに十万人に対して五・五人なんです。PICUがない残りのその三十四都道府県だと八。ですから、あるところは、PICUがあるところは五・五、PICUがないところは八なんです、これ死亡率が。そうすると、明らかにPICUのあるなしで死亡率の結果に差異が出ているという研究発表もあって、やっぱりこれはPICU大事だなと、こう思わざるを得ないわけであります。
 ちなみに、田村教授は、このPICUを欧米並みに整備をすれば年間五百人の救命はできると。これ、全然違う研究班がその調査をしているんですけれども、どうやら何かをやると、おおむね五百名ぐらいの命が救える可能性があるというこの研究チームの発表が、いろんなサイドから攻めていったときにあるということが私は申し上げられるんじゃないかと思います。
 これはいろんな調査ありますが、これまとめてお伺いします。
 現在の日本の小児専用の集中治療室の整備の現況と、じゃ、これを私はきちっと整備をしていただきたいと思いますが、この方策、併せてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 小児の集中治療ということですが、十五歳以下の子供で人工呼吸などの呼吸管理、血圧などの循環管理が必要な重症の小児患者を対象に手厚い治療を行う施設ということで、通常私どもが理解しておりましたのは、救急で使うというよりも、子供の場合、心臓の弁膜症ですとかそういう病気があって、心臓の手術や何かした後の容体管理に用いられるという認識でございました。
 多分その調査をした先生方もそうだと思いますが、救急救命ということでこのような施設が使われているというようなものは限られているというふうに思っておられるだろうと思います。
 先ほど言いましたように、調査結果、私ども持ち合わせておりませんが、十六施設で九十七床ということですが、国立の成育医療センターには二十床ほどあるということですが、先ほど言いましたように、心臓等々の手術の関係で整備しているというふうに思っております。
 予算でございますけれども、基本的には、施設整備費というものが、私ども持っておりますので、小児病院におけるその小児の専用集中治療室の整備についても、申請があれば適宜、まあ予算の範囲内ということになりますが、支援してまいりたいというように考えております。
○鈴木寛君 これはもちろん、今おっしゃったように、容体の急変、それからもちろん救急、いろんな用途があって、いずれにしても、しかしこれは私は是非欧米並みの配備ということを、今の予算も充実させていただいて取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それで、正にその設備の問題。それから、小児科医がどんどんどんどん減ってしまう、とりわけ小児救急の専門医が十分に確保できていないと。この理由は正に過剰労働ですね。
 いろんな調査がありますけれども、本当に、月の休みがゼロあるいは一日という方が本当にこの世の中の小児科医の実態なんですね。一々もう数字は申し上げませんけれども、いろんな調査がございます。それから、実は高齢化も進んでおります。
 それから、この小児科の確保につきましては、小児科学会が相当な問題意識を持っておられて、平成十六年の四月にきちっと小児医療体制の改革の目標と作業計画、そしてこの十七年の四月六日には病院の小児科医の将来需要ということもきちっと発表されていらっしゃいます。
 それで、なるほどなと、現場の先生方がきちっとくみ上げていただいたプランで、私はこういうことを是非やっていただきたいと思いますが、例えば、ちなみに、施設数は今千二百九十一ぐらいあるらしいんですが、それをむしろ八百四十ぐらいに集約をして、そして中核病院を五十ぐらい、そして地域小児センターを二百四十ぐらいというようなことなわけでありますが、その中で、小児科医をきちっと確保するということと同時に、例えば、このプランによりますと、小児科医は四千四百人、それから新生児の専任の人が千六百八十人、それから小児救急専任の人が九百八十人、それからPICUに付く先生が五百人と、これぐらいが必要だという需要などもされていらっしゃいます。
 それから、その中で、しかし一方で、今医学生で小児科の希望者は物すごく減っているわけですね。それで、このまま例えば今申し上げたプランを実現するためには、各大学の小児科で今よりも、今大体四百四十名ぐらいの志望者なんだそうですが、三割増希望してもらわなきゃいけない、それが十年続かないといけないと、こういうことも言っておられるわけでありますけれども、正に私は、この小児科学会が出しておられるプラン、何とかして皆様方と一緒に実現をしたいと思います。
 それで、こうした小児科学会の具体的なプランとか提言、正に小児科医不足というのは厚生労働省も十分重要な課題だと思って御検討されていらっしゃると思いますが、これ改めてお伺いしますけれども、どうしていくのか、そして、こうした具体的なプランも出てまいりましたので、これについての実効ある施策を取り組んでいただきたいと思いますが、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 小児科医、確かになかなか仕事の負荷が多いということで、なりたがらないという話も聞いておりますが、毎年七千数百人のお医者さんが卒業する中で、着実に専攻する方々が増えているという話は聞いております。
 どうしても専門医志向というのが国民にもございますし、それから先生方の中にもあるわけですが、私ども昨年から臨床研修の必修化を始めまして、小児科というのを必ず研修してくれということで始めております。そういう中で基本的な小児救急の疾患というものは経験していただいて、いわゆる風邪引き、腹痛とは言いませんが、最初のそのちょっとしたことについてはすべてのお医者さんが分かるような研修にはなっているだろうというふうに期待はしております。
 また、そういう方々に対しまして、厚生労働科学研究の成果を基にした小児救急の救急診療ガイドブックというのも作っております。こういうものをすべての医師に対しまして、先ほど言いました小児の初期救急医療についての研修の中できちんと担っていただくというようなことは、現在進めているところでございます。
 そうはいっても、なかなかやはり専門医ということになってくれば、先ほど小児科学会の方で集約化、重点化ということを進めるという話がございますので、私どもも今後、特に地域で小児救急を担うお医者さんの確保という点では、在宅当番とか休日、夜間の急患センターとか進めておりますが、今後、先ほど申し上げました医療計画を見直して地域の小児の救急体制をどうするかということを議論しておりますので、その中で適切に対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
○鈴木寛君 局長からは、小児救急専門研修、重要だとおっしゃいました。私もそうだと思います。しかし、これ実態どうなっているかと、これも厚生省の研究班の調査がございます。これは本当にいい調査しているんです。だからといって、是非、本省はこの調査を是非促進してあげていただきたい。別に、建設的な議論をするためにいい材料を出していただいているということで御紹介しているわけでありますが。
 厚生省の研究班の調査で、救急専門医の数が足らないと感じているところが九割なんです。この問題認識は共有していると思います。さらに、これは今年の六月に出ている調査報告でありますが、正に小児科の研修施設、研修施設が九百二十二ありますけれども、そこにアンケートをして、そしてもちろん答えてもらった中で、小児科の研修施設ですよ、小児科の研修施設全体の中で救急の研修をやっている、小児救急の研修をやっているのは三八%しかありませんという答えが出ているんですよ。
 ですから、厚生労働省、今局長から御答弁をいただきました、その方向は私たちも賛成であります。しかし、それが届いているのか。もちろん届いていると思いますけれども、すべての小児科の研修施設の担当者は救急もやりたいと思っておられます。しかし、できないという実態があるわけでありまして、そして本当にその小児救急の現場、その教育を携わっておられる方も含めて休みはない、そして当直も二十代ですと月十回です。こういう中で本当に燃え尽きてしまっているというのが現状でありまして、これ、改めてそうした研修体制、そして救急専門医の確保、これは九百八十名小児救急専任を確保しなきゃいかぬと小児科学会も言っているわけでありまして、ここの対策、改めてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 非常に必要な分野ということで我々もお願いをしているところですけれども、今の若い人と言っちゃいけないですが、今の研修に入る先生方、非常に意欲に燃えてこの救急を専門にしたいという方が非常に多いんですが、一つは、小児救急をまた教えていただく方々、先ほど先生統計でお示ししていただきましたけれども、結局教える側のマンパワーと、それから実際にいわゆる重症化なのか、それとも夜中に引き付けを起こしたのかというような、まずその最初の見極めのところですとか、そういうようなものというのをやはりきちんと教育していくという意味では、まずその最初の二年間の全体の臨床研修が必要であって、その中でまずやっていただきたいと思っております。
 その先に、後期の研修といいますか、三年目からこういう分野でやっていただきたいという人たちのために、いわゆる初期ではない、小児科医の中でそれぞれの専門分野を定めてより深い部分をやっていただかなきゃいけないというように思っておりますけれども、先生御指摘のように、その研修すべき施設の問題ですとか、それから研修を担当する先生ですとかいうような、あるいは設備の問題等々、問題があるというふうに聞いておりますので、また先生方の御指摘を受けながら、来年度の予算その他に反映させることができればというふうに思っております。
○鈴木寛君 これは本当に重要な問題だと思うんですね。是非これはやっぱり来年度予算の、私は恐らく数多くある予算の中で最重要、最重点課題の一つだというふうに思いますので、是非きちっとお取り組みをいただきたいというふうに思います。
 加えまして、やっぱりこれは小児科学会も御提唱されておりますが、やっぱり小児保健法というものを私は勉強をし、そして多くの皆様方と作っていくということをやっていきたいと思います。
 今、学校保健法というのがありますから、そこに、学校に就学をしますと、いろんな形での健康診断や、あるいはそこに問題があった場合の治療体制というのができますが、正に今日一番最初から申し上げていますように、この四歳児までのところの救急、そして要するに出産をして病院を出てから学校に入るまでのところが本当に空白になっている。
 ここにも、後で経済財政諮問会議のお話をさせていただきますけれども、正に市場メカニズム、合理性という原理が導入をされて、そして小児救急というところに極めてしわが寄っているというのが状況でございまして、日本の医療費の四・五%しか小児医療には使われていないと。ここを増やさないと、それは後で是非、もう皆様方御存じだと思います、この小児保健法、やっぱり医療保険の中で老健法に対応するような小児医療のカテゴリーをつくって、そこにやっぱり診療報酬点数のところもきちっともう別枠で考えると、それからそういう採算だけで物を考えないという違う哲学で新しい体系をつくるというようなことを、それから、もちろんそれは医療費の問題もそうであります、といったところを私たちは、これ行政監視委員会全体として問題提起をし、そしてこの法制化に向けて取り組んでいかなければいけない時期に来ているんではないかなというふうに思いますが、この構想についていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 御提言いただいておりますこの小児保健法というものでございますが、内容を見ますと、母子健康手帳の交付対象の拡大でありますとか、あるいは虐待を受けた子供の支援の強化、それから小児医療費助成制度の、これは市町村がいろいろ、あるいは都道府県が取り組んでおりますが、これの全国の均一化と、それから小児救急医療体制の充実と、実に様々なことが盛り込まれております。
 こういった施策はいろんな、母子健康手帳でありますと母子保健法というのがございますが、いろんな施策、法制度の下で今実施をされておるものが非常に多いわけでございますが、こういう現行の法体系あるいは既存の制度の枠組みの中でどこが不十分なのか、この法律がないとなかなかできないものはどこなのかといったことについてはもう少し研究をする余地があろうかと思いますが。
 いずれにせよ、こういう法案が提案をされておるといいますのは、少子化対策の中で、高齢者給付に割く割合に比べて子供の対策というのが非常に負担が少ないんじゃないかと、こういう議論がなされておりますが、そういう全体の中での、そういう文脈の中での御提言ではないかと。現場から小児保健、小児医療、いろんな分野についてもう少し充実を図るべきではないかというようなことで、こういった統一的な法案を作って全体の施策を底上げすべきじゃないかと、こういう意識ではないかと私は考えておりますが、そういった趣旨は十分踏まえながら、今申し上げましたように、法制度としてどういう、この法案がないと何が困難なのか、難しいのか、そういった点についてはこれからもう少し研究をしてみたいというふうに考えております。
○鈴木寛君 少しではなくて、是非検討をしていただきたいと思います。
 少し時間がなくなってまいりましたので先を急ぎますが、やっぱり医療現場を見ますと、今日は小児の問題を中心にやらしていただいておりますが、いろんなボトルネックがあります。その一つが麻酔科医、これもう手術ができないという悲鳴が聞こえてまいります。もう今大臣も大きくうなずいていただきましたので一々詳細は申し上げませんが、これも麻酔科学会が悲鳴のような提言を二〇〇五年二月九日に出しておられます。
 それから、いわゆるがん対策推進本部も尾辻大臣がおつくりになられました。これ、腫瘍の専門医も同様でございます。例えば、抗がん剤治療というものが重要であるとされていますが、それをきちっとマネージできる腫瘍内科医というのは、アメリカには九千人ぐらいいると。しかし、日本は本当に数百人だと。あるいは放射線治療、これもがんの有力な方法の一つとなっていますが、アメリカは四千人いますけれども、日本は四百五十名程度しかいないという、正にこうした完全にボトルネックになっているこの専門医。それの裏側にはそうした現場の方々の大変な過剰勤務があって、そしてネガティブスパイラル、悪循環になっているわけですね。もう本当にすばらしいお仕事なんだけれども、余りにも過酷な労働をされているのを後輩たちが見て、あるいはそこに従事されておられる方も、これはもうたまらないから専門医としてのキャリアを放棄して、そして開業をするとか、あるいはほかの科に移るとか、こういうようなことになっていって、どんどんどんどんボトルネックが進んでいくというのが状況だと思うんです。
 これ、もうまとめてお伺いしますが、この麻酔科の問題、それから臨床専門医の問題、学会あるいは現場から悲鳴が聞こえてきております。こうした正に実態を厚生労働省はどの程度把握をされていらっしゃって、そしてこれに対してどのようにこたえていこうとされていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 専門医というのが延べでいいますと、日本のお医者さん二十六万人ほどおりますが、専門医というのは二十万人ほどいるというふうに聞いております。国民の望んでいる専門医というのと、お医者さんが名のる専門医というのの間に若干、若干といいますか、かなり私はずれがあるんだろうというふうに思っていますが、私ども、しかしながら、少なくとも小児科それから麻酔科、先生がおっしゃいました、診療科別の偏在、お医者さんの偏在ということがあるだろうというので、今月中にも、医療資源、人としての医療資源の集約化等の対策を図っていくということで、緊急提言を盛り込んだ医師の需給に関する検討会の中間報告書を現在まとめております。今月中にも発表できると思いますので、こういうようなものを踏まえて、適切な施策は講じていきたいというふうに考えております。
○鈴木寛君 私は今、文教科学委員会の理事をいたしておりますが、この正に診療科別の偏在の問題というのは、正に政府を挙げて、育成して供給する側はこれ文部省でありますから、最近は少し今の需給の問題も連絡を取られているということでありますが、ここはやはりもうもっと政治主導で、そうした省庁の枠を超えてやはり取り組んでいく問題だというふうに思います。
 それから、やっぱり根っこのところは、私は、診療報酬制度、重要ですよ、やっぱり。ですから、やっぱり財務省がここは大事だと。やっぱり診療報酬できちっとそこをこたえていくと、手当てしていくという、厚生省そして文部科学省に含めて、やっぱり財務省も含めた本当に骨太の取組というのは非常に必要だと思います。そこで、学会もかなり最近は、昔はいわゆる純粋科学の分野の研究が中心でありましたが、こうした政策提言もかなりこの一、二年盛んにやっていただいておりますので、こうした知恵もどんどん聞いていただきたいということを強くお願いを申し上げたいと思います。
 それから、ちょっと時間がなくなってまいりましたのでまとめてお伺いをしますが、そうした中で、がん対策推進本部が設置をされました。これは尾辻大臣のリーダーシップに敬意を払いますけれども。がんを一つのテーマとして、これ、日本の医療制度の抱える様々な矛盾、あるいは様々なボトルネックを突破をしていくというやっぱり決意で、私はこれ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 今回、要するに、本部はつくりましたと、しかしこれは何が変わるんですか、あるいは何が変わろうとしているんですか。あるいは、我々は何を応援をさせていただいたらいいのかというそこの切り口ですね、そこのところがまだ少し我々に見えてこないところがありますので、是非お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(松谷有希雄君) がん対策につきましては、委員お話しのとおり、このたび厚生労働省内にがん対策推進本部を設置をして、がんの病態、あるいは国民のニーズに応じた患者本位の対策を部局横断的に検討しようということで立ち上げたところでございます。
 先ほど先生御指摘の救急などもそうですが、がんも、今までの内科とか外科とか放射線科とか小児科とか、そういう伝統的な医療の世界の分科とは違う統合的な対策が必要でございます。そのためにはどのようなことが必要なのか。例えば、がんにつきましてはがんのステージがございます。発症を予防する、あるいは検診によって早く発見をして早い治療に持っていく、それから、残念ながらがんにかかってしまった場合の治療を的確なものにしていく、この場合にもチームで行っていく、それから末期になった場合の緩和ケアについての対応を考えるといったような、そういう疾病のステージごとの対応ということが必要でございまして、それぞれのステージごとに分析をいたしますと、いろいろ不十分な点等がございます。ここら辺が患者さんからの声にもなっているところでございまして、現在、これからがん予防に関する知識の普及の促進、あるいは有効ながん検診の普及、受診率の向上対策について、あるいはがん診療拠点病院の整備及びがんの専門医等の育成、それからがん患者の苦痛の軽減を目指す治療法の普及や体制の整備といったようなものに向けての対策を進めていく必要があると考えてございます。
 もちろん、資源に限りがございますから、なかなか一挙にいくというわけにはまいりませんけれども、一つ一つ、今までのそういう伝統的な区分とは違う、厚生労働省内においても部局横断的にこれを対応をやっていくというところが新しい切り口であろうというふうに考えております。
○鈴木寛君 そこで少し御提案を申し上げておきますと、今なかなかこれ、実は供給側の絶対水準は決して低くないと思うんですね、日本というのは。それはWHOなんかでもいろんなこと言っている。しかし、患者さんあるいは家族の満足度というのは、これは極めて低いと。
 これ、いろいろ考えてみますに、やっぱりこれ、患者の皆さんとそして医療関係者の方々のコミュニケーションというのがやっぱり十分に行われていないと。それは恐らく患者の皆様方のリテラシーの問題もあろうかと思いますし、これは先ほどの小児救急の場合の保護者にも当てはまる話なんですけれども、具体的な医療の処置とか処方せんの処置という、そういう、投薬とかいうことに加えて、どういう今、患者が現状にあって、そしてどういう方法があって、そしてそれについてきちっと説明をしてやり取りをしながら、本当に患者の皆様と一緒になってお医者さんが病気に立ち向かっていくというか、このためのコミュニケーションをしようにも、これに対する診療報酬も含めて制度的な支援というのが全然制度的に組まれていないんですよ。これをやればやるほどボランティアになってしまう。
 私も多くの友人がいますけれども、結局、診療時間を終わって、夜、その患者さんあるいは家族とそうしたことについて話す。しかし、それをやればやるほど収益は悪化するというような状況などがあります。
 この点については、また時間があったら議論をさせていただきたいと思いますけれども、正にこうしたコミュニケーションとかコンサルテーションとかコーディネーションとか、正に医療というのはどんどんどんどん高度化します。それでなくても非常に複雑で難しい医療技術について的確に理解をし、そして的確に判断するために、患者の側に立って医療の専門家が支援をしていただくということを是非対策の中で御検討いただきたいというふうに思います。これはお願いをしておきます。
 それで、最後に大臣にお伺いをしたいと思いますが、今日はいろいろ医療現場の問題を議論させていただきました。これは本当に、戦後の医療政策をもう一回全部総括して、本当にいろんなボトルネックを解消していかなきゃいけないと思います。
 そういう私の理解から立つと、経済財政諮問会議で行われております医療費抑制の、これ、議論、およそ現場の問題と遊離したところで議論がなされていると言わざるを得ないと。
 例えば、今日議論させていただきました小児救急専門医の問題、臨床医の、あるいは腫瘍内科医がいない、あるいは麻酔科医が足らない、そうした、それから患者さんと医療関係者のコミュニケーションが全然できていないと、こういったことを改革をするために私は医療制度改革というのはあるんだと思いますが、今聞こえてくる議論は、これは経済財政諮問会議ですよ、議論は、GDPにリンクさせてとにかく抑制をすればいいんだと。もちろん、もちろん医療費の無駄遣いは徹底的になくさなければいけないと思います。無駄な部分はあると私も思います。しかし、本当に頑張っておられる臨床現場に必要なものが届いていないということは、これは明らかだと思います。
 例えば、日本は対GDPで医療費を見ますと十七位ですよね、世界的に見て。まあ、アメリカは対GDP一四%、スイスは一一%、ドイツも一一%ですよ。日本は八%です。もちろん、これが伸びていくから抑えなきゃいけないという議論でありますけれども、やはり私たちは何のために経済成長をするのかと。それは、正に病気になったときに、あるいは健康で充実した人生を送るために、こうした一生懸命経済成長をある程度確保して、そして万が一のときには本当に納得した人生、健康な人生を送ると。これ、何か今の議論は本当に本末転倒しているんじゃないかなということを私は思わざるを得ません。
 そういう中で、これはもう与野党の総意を尾辻大臣に背負っていただいて、今極めておかしくなっている、小泉政権下で極めておかしくなっているこの医療改革の議論に私はきちっと立ち向かっていただかなければいけないと。そして、必要なものは必要で確保する、もちろん無駄は減らすと、そういう意味で医療費の適正水準というものを確保して、で、それがないと、やっぱり確保しないで現場にばっかり問題を押し付けちゃうと、もうどんどんどんどん袋小路に入っていって、そしてそのしわ寄せは現場の臨床医と患者さんに寄ってしまうという事実がありますから、ここは是非本当にきちっと取り組んでいただきたいと思いますが、今日の御議論をずっと聞いていただきました大臣、是非最後にこの問題についての取組をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 本日は、日本の医療を取り巻く大変私どもも深刻だと思っております幾つかの問題点について御指摘もいただきましたし、また御指導もいただきました。
 最初に、小児科の救急医療を始めとする諸問題についての御指摘もございました。小児科のお医者さんが自殺までするという実態もございまして、私どもは大変これも深刻な問題だというふうに思っております。
 その問題から始めまして、もう麻酔科の話、抗がん剤を使っていただけるお医者さんの話、あるいはもう、今日は産婦人科のお話出ませんでしたけれども、もうそういうふうに挙げていくと、もう偏りというだけでももう切りがないぐらいの大変深刻な問題を抱えておることは事実でございます。
 そしてまた、その偏りと直接の原因ではありませんけれども、日本のお医者さん方が、途中局長もちょっとは言っておりましたけれども、標榜制になっておる、自分が内科だと言うと内科になるという、この辺の基本的な問題もあると私自身も認識をいたしております。
 それから、がんの問題もお取り上げいただきました。もうこの問題についても大変大きな問題でありますし、がんが今、日本の死亡原因の第一位でありますから、この問題も一つずつ取り上げていくとまたいろんな問題が生じる、正にがんの問題を取り上げていくと日本の医療を取り巻く象徴的な話にもなると先生お述べになりましたが、私もまたそのようにも理解いたしております。
 そうした中での、もう本当に今日は幾つもの御指摘をいただいたわけでございまして、今私どもが言っておりますのは、来年の通常国会に是非そうした医療を取り巻く諸問題、そしてまた医療保険まで含めて抜本的な見直しをする法案も出させていただきたいと思っておりますので、もう必死になってこの作業取り組んでまいりますので、是非先生方の御指導いただきますように、改めてお願いも申し上げたいと存じます。
 そうした中で、骨太の方針のお話もございました。これマスコミでも幾つも報道されましたので御案内のところももう十分おありだと思いますけれども、経済財政諮問会議、民間議員の皆さんとはこれまでも随分いろんな議論をしてまいりました。このところの議論は、これは先生言っていただきましたように、医療費の伸びをGDPの伸びに連動させよというのが民間議員の皆さんの御主張でありますけれども、私はそれはちょっと違うでしょうと主張をいたしました。
 端的に言いますと、医療費の伸び、大体年間三ないし四%、これはもう経済にかかわらず伸びておるわけでございますから、じゃ、極端な言い方をすると、GDPの伸びが三、四%よりも大きく伸びるときは、その伸びに医療費合わせろと言われると逆に医療費は余裕が出ますが、今度は低くなったとき、もうどうするのという議論になってしまいまして、とてもそんなことで医療費を考えるわけにはいきませんということを盛んに主張をいたしたところでございます。
 そうした主張も踏まえていただきまして、骨太の方針の記述というのは、国民の安心、制度の持続可能性の確保という観点から、医療費適正化の実質的な成果を目指す政策目標を設定するとともに、保険給付の内容見直しについて検討すると、こういう記述になりましたから、今後また私どもはこの政策目標をどう定めるかということで、先ほど冒頭申し上げた、来年の通常国会にどういう法案にさせていただく形にさせていただくとかということを含めての準備を始めたいと思っておりますので、先ほども申し上げましたように、今後の是非御指導よろしくお願いを申し上げます。
 本当に今日は、いろんな問題点御指摘いただきましてありがとうございました。
○鈴木寛君 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(山口那津男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、津田弥太郎君が委員を辞任され、その補欠として森ゆうこ君が選任されました。
    ─────────────
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日は、私からは、本年五月に総務省行政評価局が行いました行政評価・監視結果につきまして質問をさせていただきたいと思っております。
 この行政評価・監視結果は、化学物質の排出把握管理制度、これについての行政評価・監視結果でございました。この制度は、平成八年にOECDからの勧告を受けまして、平成十一年七月に化学物質排出管理促進法という法律が制定されたことを根拠とするものでございます。
 当時は、化学物質過敏症とか環境ホルモンなどが世界をにぎわしていたころでございまして、そのような化学物質の影響、顕在化する前に政府が対策を行うことが重要でありまして、そのかぎがこの化学物質排出量に対する情報公開制度であると、そう言われたわけであります。欧米ではPRTR、ポルータント・リリース・トランスファー・レジスターという呼び名で導入が進んでいたころでございました。
 日本では約四百物質、大量に排出される物質としてはトルエンとかキシレンから、また毒性が強いものではダイオキシンから砒素まで、最近では問題になっております石綿ですね、アスベスト、こういうものを含めまして、その環境への排出量を企業から報告を取りまして、それを公表するという制度をつくったわけでございます。平成十三年度では既に全国約三万四千事業者からの報告を受けておりまして、平成十五年度からは対象も拡大いたしまして、四万一千以上の事業者からの報告も受けていると聞いております。
 このように、事業者単位での情報が公開されることによりまして、事業者が周辺住民を強く意識することになりまして、自主的に化学物質の管理を改善させる、そのことが期待されるわけであります。事実、対象化学物質の総排出量は、平成十三年度から十五年度を比べますと、三年間で七・一%も減少しているという結果になっております。
 私自身、この制度には特別の思い入れがございまして、経済産業省にいた時代にこの法案作成の担当室長であったわけでございまして、そういう意味では楽しみにしてこの総務省の行政監視結果を見さしていただいたわけでございますが、率直に言いまして、若干その結果を見て落胆をしたというのが現実でございます。一言で言いますと、法律が作られた後の周知徹底が必ずしも十分にされていなくて、所期の目的が十分に発揮されていないじゃないかというのが印象でございます。そういう意味で、私自身が生みの親の一人として責任も感じておりますので、制度改善に向けまして、関係省庁にまず質問したいと思います。
 まず総務省に質問いたしますが、今回の化学物質排出の把握及び管理に関する行政評価・監視結果並びにそれに基づく勧告の概要について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(田村政志君) ただいま御指摘の法律に基づく化学物質の排出量等届出制度の実施状況を調査しまして、本年の五月二日に厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省の五省に勧告をしております。
 以下、勧告の概要について申し上げます。
 最初に、平成十三年四月から導入されました化学物質の排出量等届出につきましては、業種、従業者数等から判断して、排出量届出の対象事業者に該当すると見られる事業者を抽出いたしまして、十四年度の排出量等届出台帳になかった十六道府県内の九十四事業者を調査した結果でございますが、十四、十五年度とも届出義務のある事業者で十四年度に未届けのものが五六%、九十四事業者中五十三でございます。翌年度も続けて未届けのものが四〇%ということになっております。未届けの理由でございますが、届出制度の不知、知らないといったことや内容の理解が不十分だということでございます。
 このことから、関係省に対しまして、未届出事業者の把握に努め、届出を励行させるとともに、周知啓発を効果的に行うこと、届出の督促に応じない事業者については厳正な措置を講ずることを勧告をしております。
 それから次に、文書又は磁気ディスクの交付などの方法により行われる化学物質の性状取扱情報提供制度、いわゆる化学物質安全データシートでございますが、これにつきましては、調査した事業者の中で情報提供義務がある者の一三%、百十二事業者のうち十四が情報を提供しなかったことがあり、情報の受け手側の事業者の二〇%、これ二百六十五事業者中の五十四でございますが、情報を提供されなかったということがあるといった状況が判明いたしました。このことから、経済産業省に対しまして、有効な啓発を行うとともに、この制度の実施状況を把握する仕組みを整備し、提供しない事業者を把握した場合には勧告及び公表を含めた適切な措置を講ずることを勧告しております。
 次に、事業者による化学物質の管理方針及び管理計画の策定状況でございますが、調査した事業者の過半数が策定していない状況でございます。このことから、経済産業省及び環境省に管理方針等の策定及びその必要性について一層の周知を図ることを勧告してございます。
 以上でございます。
○浜田昌良君 ありがとうございました。
 以上が勧告の概要でございますが、今後の制度改善を確実にしていくために一つ一つ具体的に聞いていきたいと思っております。
 今御説明ございましたように、総務省のサンプル調査によりますと、他の公害関連対象事業者であって、この化学物質届出制度の届出義務があった者が五十三業者ありまして、そのうち未届けの事業者が三十八社、約七割と、そう上るとのことであります。当該サンプル調査は限定された事業者を対象としたものでございますが、それにしても未届けの比率は非常に高いと、こう思っておりますが、まずこれについて環境省に聞きたいと思いますが、総務省のサンプル調査によれば、化学物質排出量届出制度の義務がありながら届出を行っていなかった事業者が多数に上るという結果になっておりますけれども、この事実をどう受け止められているでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 本年五月の総務省の施行状況に関する調査結果がまとめられたわけでございますが、その調査結果、サンプル調査ではございますが、今回の結果、未届け事業者がかなり存在しているという事実は改善すべき大きな課題であるというふうに環境省としても認識しております。
○浜田昌良君 是非、その実態を改善していただきたいと思いますけれども、この総務省の調査によりますと、なぜ未届けであったかと、その理由も聞いております。その理由につきましていいますと、届出制度の存在を知らなかったとする者が三四%、対象事業者に該当することを誤解していたとする者が四二%と、全く初歩的なミスが多いんですね。この届出義務を承知していたという確信犯はわずか一六%であります。
 そこで、もう一度環境省にお聞きしたいんですが、この化学物質排出量届出制度のこの届出義務の履行水準が低いという背景には、十分な周知徹底がなされていないんじゃないかと、そう思いますけれども、今までの取組と今後の改善策についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 環境省といたしましては、従来より本制度の周知を図るため、事業者向けの普及啓発用パンフレットなどを毎年作成して配布しておりますが、また一方、ホームページ上でも企業者、事業者向けの届けに関する手引、あるいは排出量の計算を簡易に行うことができる算出マニュアルを掲載するなど、この制度の周知や届出の促進等を講じてきたところでございます。また、地方自治体におきましても、事業者向けの説明会を開催するなどいたしまして、PRTR制度の周知等、届出の徹底に御協力をいただいているところでございます。
 しかしながら、今回の調査結果で明らかになったとおり、未届け事業者がかなり存在しているという事実は大変大きな課題であるというふうに認識しておるところでございまして、このため今回の調査結果を受けて、それぞれの業所管省庁が事業者に対して届出の周知徹底等を更に図っていくものと承知しております。
 環境省といたしましては、この指摘がございました直後、五月三十日付けで、所管業者でございます一般及び産業廃棄物処理業者等に対しましてこの制度の周知徹底について再度図ったところでございます。
○浜田昌良君 今御答弁では、業所管省庁との連携と。重要だと思います。
 そして、もう一つ重要なのは都道府県との連携だと思っております。今回、都道府県自身が未届けの事実を把握していながらも、その事業者を所管する省庁に報告する関係がうまくできていなかったということで、所管省庁からの指導も不十分となっているという、そういう指摘もございます。
 法律上は、届出を行わなかった者については二十万円以下の過料を科せられることになっておりますが、そこで環境省に質問しますが、未届け事業者に対する罰則の適用例はどうなっているでしょうか。また、ないと言うんなら、今後どういうような方針で対応していかれるんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 化管法の第二十四条でございますが、届出を行わなかった事業者あるいは虚偽の届出をした者に対しまして、御指摘のように二十万円以下の過料に処するとの罰則条項がございます。
 一方、このPRTR制度でございますが、実際に開始されてまだ三年という状況でございます。この同制度に関する事業者の理解不足によります届出漏れでありますとか届出の記載ミス等が散見されている状況もございまして、これまでこの罰則条項が適用された事例はございません。
 今後、私どもといたしましては、制度運用の定着化の状況等も踏まえまして、罰則条項も含めて本制度全体の更なる周知徹底に努めてまいる所存でございます。
○浜田昌良君 全般的にはまだ制度が十分知られていないという状況がありますので、周知徹底をお願いすると。その中で、やはり悪質な業者に対しては厳正に対応していただくということをお願いしたいと思っております。
 次に、最近問題となっておりますアスベストの問題についてお聞きしたいと思います。
 本件は、先月二十九日にある企業が、従業員のみならず周辺住民への健康被害を認め情報公開を行ったと、そのところ、いろんな企業が、多くの企業が堰を切ったように中皮腫というがんの被害の実態が情報公開されてきたという状況でございます。判明した死者だけでも一説によれば三百五十名を超えているんじゃないかとも言われておりますけれども、今アスベスト関連事業所の周辺住民の方々の不安は高まっております。
 そこで、お聞きしたいと思うんですが、既にアスベストは原則使用禁止になっておるんですけれども、このPRTRの報告書、データを見ますと、平成十五年度に大気に二十二キログラム排出されているという結果になっております。量にすると結構な、体積にすると量だと思いますけれども、これについては、どういう事業所で、また健康被害は問題ないのか、またこういう事業者に対してはどのような指導をなされているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 御指摘のとおり、本年三月に公表いたしました平成十五年度の石綿の大気への排出量の合計は約二十二キログラムでございます。二十三の事業所から届出がされているところでございます。この化管法に基づきまして国が定めました化学物質管理指針におきましては、この対象物質を取り扱っている事業者に対しまして周辺住民への情報提供に努めること等が求められております。
 また、目下、御指摘のアスベスト問題につきましてはどのように住民説明をしているかという実態でございますけれども、現在、都道府県を通じましてアスベストを大気中に排出している事業者の対応状況について確認をしているところでございまして、事業者による適切な管理、対策、あるいは周辺住民への情報提供等がなされるように、引き続き事業者に対する管理指針の周知徹底を努めてまいりたいと考えております。
 なお、御指摘の周辺住民の健康被害の実態についてでございますが、目下、関係省庁が様々な情報を鋭意収集しているところでございます。
 環境省といたしましては、アスベストに関する社会的な不安が高まっていることにかんがみまして、保健所において健康相談の受付をするでありますとか、適切な情報収集がなされますように関係省庁と十分連携して、都道府県等とも含めまして連携して対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○浜田昌良君 今御答弁ございました二十三の事業所で既に排出されているという実態がございますので、迅速にその環境の実態、また周辺住民の健康の実態について関連省庁とも連絡していただいて対応していただきたいと思います。
 次に、化学物質安全データシートの交付の徹底状況について質問したいと思います。
 この化学物質安全データシートとは、事業者が化学物質の自主的管理の改善を行うに際しまして化学物質の毒性などの性状とか緊急時の取扱方を取りまとめたものでございまして、約四百の対象化学物質を譲渡、提供する際には必ずこのデータシートを付けなきゃいけないと、こう化学物質管理促進法でなっているわけでございます。
 今回、総務省が十六都道府県で調査した結果によりますと、二百六十五事業者に対する調査によりますと、対象化学物質の購入を行いながらもデータシートの交付を受けられなかったというものが二〇・四%も見られたと。さらに、そのうち、提供の要求を行ったのにもかかわらず拒絶されたという、そういう悪質なものが二割あったということでございます。
 法律上は、化学物質安全データシートの交付の義務を果たさない事業者に対しては、主務大臣が報告徴収を行えるほか、勧告し、それでも改善しない場合は氏名を公表するとなっているはずだと思いますけれども、そこで経済産業省にお聞きしたいと思います。
 化学物質安全データシートの交付の義務を果たさない悪質な事業者に対してどのような対応を行っているのか、また今後どのように運用改善していくのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(塚本修君) 委員今お尋ねの化学物質安全データシート、MSDSの提供状況でございますけれども、先ほど総務省の方からも御説明ございました。
 経済産業省といたしましては、このMSDS制度を効果的に実施するため、これまで各種の講習会の実施やパンフレットの配布等の啓蒙、普及啓発を進めてきているところでございます。ただ、今回の総務省の調査結果を踏まえ、十全の対策を引き続き実施するとともに、MSDSの提供を受けられなかった事業者からの相談を受け付けるという観点から、MSDS目安箱を設置いたしまして、MSDSを提供しない事業者に対する指導体制を構築していきたいというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後ともこのような対策を確実に実施するとともに、改善が見られない事業者に対しましては、化学物質排出把握管理促進法に基づきまして勧告、公表も検討しつつ、法の目的の達成に努めてまいりたいと考えております。
○浜田昌良君 是非その目安箱を作っていただいて、このMSDSというのはなかなか、化学物質を作っている川上の事業者にとってみれば毒性であったり取扱いの状況は分かるんですけれども、川下の事業者である場合には分からない場合がありまして、それがいろんな間違った処理方法で被害を拡大したりする場合がございますので、お願いしたいと思います。
 以上、化学物質関係の質問は以上で終了いたしますので、環境省さん、経済産業省さん、総務省さん、退出いただいて結構でございます。
 残りました時間で、私はインドシナ難民予算の拡充について質問、移りたいと思っております。
 御存じの方も多いかと思いますけれども、一九七八年の閣議了解以来、我が国は、一万人を超えるインドシナ難民、つまりベトナム、ラオス、カンボジアでの政変を受けた難民を受け入れてまいりました。しかし、インドシナ政変の安定化などを背景として、その受入れも、本年、平成十七年度をもって終了することとなっております。このこと自体は私は一つのあるべき方向かなと思っております。
 しかし、問題なのは、一万人を超す受け入れられたインドシナ難民の日本での生活水準の低さ、社会的適応がいまだ不十分な中で、受入れ終了を機に、十八年度予算の概算要求に当たって現状の約十億円の予算から大幅に削減されないかという点であります。
 私の地元の神奈川県では、全国で最も多くのインドシナ難民、全体の三七%の方が定住されております。例えば、相模原市の大島県営住宅では、入居者四百九十世帯のうち八%、三十七世帯の方がインドシナ難民という状況でございます。四か月間の日本語教育や六か月間の職業訓練などの定住支援政策を受けられた方でも実際の定職を、就けるのは非常にまれでございまして、収入も非常に低いという状況でございます。実際、二〇〇〇年に、インドシナ難民七百八十九世帯に対するアンケートの結果によりますと、生活で一番困っていることは、日本語能力が三六%、経済的困難が三二%ということでございます。
 一万人にわたる受け入れられたインドシナ難民に対して、今はまだ、援助の手を拡大こそすれ、縮小すべきときではないと私は考えています。これは、インドシナ難民の人道的な観点だけではなくて、神奈川県とか兵庫県など多くの定住者を受け入れている地域コミュニティーの形成の上からも重要だと思っております。
 そこで、まず内閣官房に質問したいと思います。インドシナ難民の日本での生活水準の低さから見て、今までの政策でその社会的適応は十分に図られてきていると評価できるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木基久君) インドシナ難民に関しましては、内閣に設けられております難民対策連絡調整会議の調整の下、関係省庁において、日本語教育、社会生活適応指導、職業訓練、職業紹介など、我が国へ入国した後のインドシナ難民の方々がその定住を支援するというための各種の措置がとられておるところでございます。
 委員御指摘のとおり、インドシナ難民の受入れというのは、諸般の情勢の変化に対応いたしましてそれを終了するということでございますが、これまで一万一千人余のインドシナ難民が我が国に定住しておりますが、これらの方々の多くは基本的には我が国において善良な社会人としての生活を送っておるものと考えております。
 既に定住しておりますこれらインドシナ難民の方々が日本での生活に苦労されているという委員の御指摘でございますが、一般に社会保障制度は定住インドシナ難民の方々もその対象とされているほか、難民の方々特有の事情に配慮いたしまして、関係省庁においてそれぞれの方々の状況に応じ、難民の方々の相談に応じるですとか、日本語学習の援助ですとか、難民に対する各種の情報提供を行ってきておるところでございます。
 今後の具体的予算措置については関係省庁において検討されていると認識しておりますが、これらを通じましてインドシナ難民の我が国社会への円滑な定着、それから生活の一層の安定化を引き続き図ってまいりたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 御答弁いただいたんですが、私の率直な印象では、社会的適応はまだ十分にできていないなという感じなんですね。六か月間の研修を受けてもやはり日本語の能力が十分でなくて、非常にやっぱり困難な生活状況をされていると。
 ある方は、日本語能力が不十分なために職場を五回も変わらなきゃいけない、こういう実態に遭われている方もおられます。また、姫路市の小学校のベトナム人児童三十六名中三十五名の方が、貧しさから年一万三千円の学用品代の就学援助を受けているという状況もあります。しかし、この費用だけでは小学校三年生のときに購入が必要な習字道具セットも買えないと。とはいうものの、仕事のない親に買ってとも言えないので、担任の先生と百円ショップに回って道具をそろえたという涙ぐましい状況もございます。
 そういう意味で、まだまだこういうインドシナ難民の日本での生活適応については十分と言える状況ではないと思うんですが、そこで外務省さんにお聞きしたいと思うんですけれども、一応、この受入れについては、十七年度一杯をもって受入れは終了するわけでございますけれども、社会的適応の一層の向上に向けた定住促進施策の拡充については引き続き検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 まず、委員におかれましては、インドシナ難民始め、難民問題につきまして大変御配慮、御理解賜りまして、ありがとうございます。また、地元の、これは委員の地元に限ることではありませんが、委員のところが一番多いわけでありますけれども、各地方公共団体におかれましても、その様々な受入れのための措置をとっていただいているということでございまして、これも大変感謝いたしたいと思っております。
 ところで、外務省につきましては、昭和五十四年以降、財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部に委託をいたしまして、我が国に来日いたしましたインドシナ難民、そしてその家族の方々に対して、四半世紀にわたり、二十五年以上にわたりまして、その難民事業本部の国際救援センターにおきまして、六か月にわたる各種の定住支援あるいは社会生活の適応指導、就職のあっせん、その他入所期間中におきます生活援助などを行ってまいったことは御承知のとおりでございます。
 既に御答弁もありましたけれども、インドシナ難民受入れの終了というのが今年度予定されておるわけでございまして、そういうことに伴い、このインドシナ難民支援事業につきましては、国際救援センターも併せて閉所をするということに相なっております。もちろん、条約難民と言われる条約に基づく難民につきましては受入れを続けていくわけでございますけれども、このインドシナ難民支援事業につきましては平成十七年度末をもって終了いたすことになっております。
 しかし、委員御指摘ございましたように、これまで我が国が受け入れ、その後定住しております一万一千人に上るインドシナ難民及びその家族の方々へのアフターケア、これは大変重要な施策であるというふうに認識をしております。これらの我が国に定住しておりますインドシナ難民の方々におかれましては、日本語の習得あるいは就職の困難、さらには病気の治療あるいは治療費の支払等様々な困難を抱えていると承知しております。このような事情を踏まえて、外務省といたしましても、関係行政機関とも連携を取りつつ、内閣の御調整をも受けつつ、インドシナ難民の社会的適応の一層の向上に向けて努力をしてまいる所存でございます。
○浜田昌良君 今の御答弁で、インドシナ難民の定住促進事業については終了するという話もあったんですが、そこをすっぱりとそう決めるのではなくて、先ほどのアンケートにありましたように、まだまだ日本語能力も不十分であると。条約難民の方もおられると思いますけれども、その研修の合間にはまだ研修のキャパシティーの空きもあるかもしれないと。そういうところをうまく使っていただいて、二次研修といいますか、一度研修を受けた方々についてもより日本語能力をアップするために使っていただくと、そういう考えも必要と思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(神余隆博君) 委員おっしゃったようなことも踏まえ、またインドシナ難民のアフターケアが重要であるということも踏まえ、そういったことが可能かどうか念頭に置いて検討してまいりたいというように思っております。
○浜田昌良君 是非、現場の困っておられる方のニーズをよく踏まえていただいて、しゃくし定規ではなくて、今年で受入れが終わるから全部予算も終わりなんだというしゃくし定規ではなくて、まだまだ困っておられる方がおられる間は、それに応じた温かみのある施策を展開をお願いしたいと、このことをお願いさせていただきまして、私の質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 警察の裏金問題について質問をいたします。
 最初に、北海道警察では、全部署で裏金づくりをしていたわけですけれども、昨年、道警も世論に押されて、九八年度から二〇〇三年度までの捜査用報償費、それから捜査費、旅費、交際費、食糧費については内部調査を行いました。国費、道費、それぞれ不正、不適正支出ですね、これが幾らというふうに認定をされたんでしょうか。まず、警察庁にお聞きします。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えします。
 北海道警察が実施しました特別調査において判明しました、いわゆる不適正な予算執行、これは会計書類に事実と異なる記載をするなど執行手続において瑕疵のあるものということでありますが、これにつきましては総額十億九千九百万円でございまして、その内訳は、国費が六億八千三百万円、道費が四億一千六百万円でございます。
○紙智子君 国費、道費合わせて、今お話があったように、合わせて約十一億円と、この不適正執行があったということですけれども、今年の五月にその内部調査が適正かどうかを検証した道の監査委員の確認的監査結果報告書というのが出されました。道費について、新たに約三千七百万円の不正支出が明らかになりました。道警が不適正執行はないというふうに言っていた食糧費や交際費からも出てきたわけです。捜査費、旅費等、調べた全部の費目から不適正、不正支出が出て、調べれば調べるほど拡大をしてくると。しかも、延べ二十人の捜査員等から、受け取っていないのに旅費を受け取ったなどとする虚偽の説明文書に署名を強要されたということも分かったわけです。
 国家公安委員長にお聞きしますけれども、この道監査委員の確認的監査でこうした不正流用の金額が更に増えたこと、そして捜査員の強要など、道民の不信感を一層強めてきている、これについてどう受け止められるかということをお願いいたします。
○国務大臣(村田吉隆君) 確認監査、監査委員会の監査委員による確認監査におきまして道警の特別調査の結果の数字とが食い違いまして、確認監査の結果、道警察の調査を上回る会計の不正執行額が出たということに対しては誠に遺憾に存じております。
 その増加額につきましては、既に道警で返還をいたしたと、こういうふうに報告を受けているところでございますが、今委員が御指摘になさいました強要をされたということでございますが、そういう報道がございましたものですから、道警において、そうしたいろんな報告あるいは虚偽文書の作成を強要された事実があるかということを調査をいたしたところ、そうした強要の事実はないと、こういう報告を受けているところでございます。
○紙智子君 それは道警がそういうふうに答えられているということだと思うんですね。
 それで、道警は必要な資料をなかなか提出しないと、監査に協力的でなかったということも言われているわけです。内部調査は全く不十分なんですね。一部の記載内容が異なるとか、精神的な圧迫を感じたとか、強要を受けたという人がほかにもいるわけです。本当に氷山の一角と、今出ているのは。現職の警察官からは、今回監査した捜査費、旅費などだけでなくて、この対象にならなかった当直代とか除雪費、それから庁舎の修繕費まで裏金に回っているという内部告発が寄せられているわけです。自ら明らかにする姿勢にならない限りは、これいつまでたっても警察は信頼を回復できないというふうに思うんですね。
 ところで、この五月の確認的監査の報告では、執行の確証の得られないものとして、国費、道費合わせて約三億九千万円が使途不明のまま解明されていません。こんな巨額な公金が使途不明のままでは許されないというふうに思うんです。道民からは、これ真相はやみのままだと、幕引きは許されないということで、本当に強い怒りの声が上がっています。
 会計検査院に次お聞きしますけれども、この公金の私的流用については内部告発が後を絶たないわけです。道警元幹部の原田宏二氏も、例えば警察庁幹部の接待やせんべつやゴルフ等々指摘をされているわけですけれども、この徹底した検証を行うべきではありませんか。いかがですか。
○会計検査院長(森下伸昭君) ただいまは北海道警における不適正な会計経理について、いろいろな情報があると、それらを踏まえて厳正に検査すべきではないかということでございますが、私どもは、昨年の十一月に国会に報告をいたしました検査報告におきまして、道警における内部調査を踏まえて、今年、その調査結果を十分検証していきたいというふうに検査報告で述べておりまして、現在、その検証に取り掛かっているところでございます。
○紙智子君 徹底した検証をこれからもやっていくということでよろしいですね。
○会計検査院長(森下伸昭君) はい。検査を行いますということでございますから、厳正にやっていきたいということでございます。
○紙智子君 会計検査院が検査をする警察の会計書類は、例えば領収書等々あるわけですけれども、氏名などを黒塗りをして隠していない書類、いわゆるマスキングしていない会計書類等を検査をしていますか。
○会計検査院長(森下伸昭君) ただいまお尋ねの捜査費に関する書類につきましては、計算証明の規定に基づいて手元に保管されているわけでございますけれども、これらの会計書類は会計実地検査の際にはそのまま提出をされ、そして、それを基に検査を実施しております。墨塗りといいますか、マスキングといったような書類はないというふうに承知しているところでございます。
○紙智子君 徹底した検査を行っていく上で、今マスキングしていないということ、見ているということなんですけれども、捜査費を受け取ったとされる捜査協力者の聞き取りがやっぱり非常に大事、重要になっているというふうに思うんですね。道監査委員の一人は、この捜査協力者の聞き取りをできなかったことについて、この調査ができていればもっと正確な監査ができたというふうに会見でも明らかにしているわけです。
 それで、道警がどうしても駄目だということで拒否をしたために捜査協力者の聞き取りができなかったわけですけれども、やはりここにメスを入れない限りは解明が進まないんじゃないかと。会計検査院は、道警の裏金を徹底検証する上で、捜査協力者の調査を含めて行うのかどうか。まあ行えるんじゃないかということなんですけれども、いかがでしょうか。
○会計検査院長(森下伸昭君) この捜査費等の検査に当たりましては、できる限り検査手法を工夫して、捜査に従事したとされる捜査員に当該捜査費の執行状況や支払の内容を確認したりするなど、検証が可能な範囲で、関係者に対して最大限の情報提供を求めて検査を実施しているところでございます。
 お尋ねの捜査協力者からの聴取につきましては、当該捜査協力者との接触の可能性を全く排除しているわけではございませんが、その捜査協力者の生命、身体の安全などを確保するために慎重に対処する必要があるものというふうに考えております。
○紙智子君 国家公安委員長は、五月十六日のこの行政監視委員会、当行政監視委員会で、我が党の吉川議員が会計検査院の検査、検証に全面的な協力を行うように要請をしたのに対して、関係資料提出や捜査員の聞き取りなどは、業務上支障がある場合、例えば捜査中の事件にかかわるもの等を除いて、警察を督励して、会計検査院の検査と要請に応じていくように督励するというふうに御答弁になっていますね。
 捜査協力者の調査についても積極的に協力させるべきではありませんか。
○国務大臣(村田吉隆君) 捜査協力者に対します会計検査院の検査官の直接的な接触というものは、捜査上の観点から私どもは好ましくないというふうにこれまでも答弁してきたところでございます。
 しかし、会計検査院の会計検査に当たりましては、捜査員に対しましての会計検査院の検査官の聞き取りというもの、これはやっていただきたいと思いますし、それから、御質問にありましたように、会計書類についてはマスキングのない形でお示しをして、全面的に会計検査院の検査に協力をすべきだということで警察を督励してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○紙智子君 今明快な御答弁をいただいたというふうに思うんですけれども、やはり会計検査院が捜査協力者に聞き取りをするということを、これまででいいますと警察の側が拒否をするということがあったわけですけれども、これはやっぱり法的にはそもそもできないことにはなっているわけですし、やっぱり結局そこがネックになってというか、壁になって使途不明金も明らかにならずに裏金を生む温床になってきたということがあるというふうに思うんです。
 それで、是非、やはり本当に道民のこの間のずっと世論調査なんかも、九割方実態が解明されていないというふうに答えておりますし、そういう意味では本当に国自身も徹底した解明を行って信頼の回復を図るということで頑張っていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 私は、前回の行政監視委員会で鋼鉄の橋梁談合事件について質問をいたしましたけれども、その際時間の関係で質問できなかったこと、そして今ほどの紙委員の質問に続いて、警察の不適正支出のこと、この二つについてお尋ねをしたいというふうに思っています。
 まず、橋梁談合のことでございますが、談合を防止するためには指名競争入札の際の指名業者の名前の公表時期、これが非常に重要であると、私、前回指摘をさせていただきました。入札前ではなくて入札後に名前を公表する、こういうふうに改めることが談合をやっぱり少しでも減らす重要なポイントになると、こういうふうに指摘をさせていただきました。
 その後、都道府県の状況、知事部局に限定しておりますが、これを調べましたところ、近く変更、事後公表に変更することを検討しているということも含めまして、私は半数以上のところが今事後公表になっている、あるいはなりつつあると、こういうふうに思っております。
 是非、この指名競争の場合の業者名の公表を入札の事前から事後に変えていただくことを、今、国交省の中に設置されております入札談合再発防止対策検討委員会、この中で正面から御議論をいただきたいと。
 私は、前回も新潟市の官製談合についての調査委員会の検討内容を御紹介をさせていただきましたけれども、やっぱり談合防止という観点からいけば、指名業者名の公表は事後の方がいいに決まっているわけでございます。事前の必要性については他に代替する方法は幾らでもある、是非これを正面からこの談合防止の検討委員会の中で御議論をいただきたい。そのことを強く要望申し上げさせていただいて、もう一つのやっぱり談合に絡んでの問題である天下りの問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 今回は約二百名近くの国交省からの天下りが、いうところの談合組織四十七社に行われていたということで、これが今回の談合問題とかかわりがあるんではないかということで、国民の間には本当に強い疑念、不信が渦巻いておりますけれども、この今回国交省の中に設置されております入札談合再発防止対策検討委員会、この中でこの天下り、まあ皆さんは再就職というふうに命名されておりますが、この問題は正面からきちっと議論をされているんでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) 再就職の問題に関しましても、その検討委員会の中でいろいろ議論いただきつつありますし、いただくことにしております。
○近藤正道君 今どんな議論が行われておるんでしょうか。差し支えない範囲で。
○副大臣(蓮実進君) 今の天下りの問題でありますが、国家公務員が再就職する場合には、公務の公正な執行に対して国民の疑念を招かないように、人事院の定める基準にのっとって厳正かつ的確にチェック、承認を実施しております。また、国土交通省の職員や元職員が今回の談合に関与した話は聞いておりませんし、国土交通省からの再就職が今回の談合の要因であるとは思っておりません。
 しかし、国土交通省としては、今回の談合の発生を真剣に受け止めまして、この談合で重大な違法行為を行った企業への再就職は、当分の間、人事院や大臣の承認を必要とする退職後二年以内の再就職を自粛することにし、さらに退職後二年を超えた場合でも、退職者本人や会社の協力を得てそれぞれの会社に再就職をさせないこと等について検討してまいりたいと思っております。
 あわせて、国土交通省としては、早期退職の慣行を是正することにも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。それによって、職員ができるだけ長く仕事ができるような環境を整備しなければならないと考えております。
 具体的には、政府の方針に従って、本省幹部職員の退職を勧める年齢を引き上げることに加えまして、地方整備局の職員についても退職を勧める年齢の引上げ等の見直しを図るとともに、定年退職後の再任用制度を適切に運用してまいりたいと思っております。
○近藤正道君 私は、公務員の一般的な再就職の問題はもちろん重要な問題でありますが、とりわけ国交省の天下りの問題につきましては、これだけ大きな問題が現れておりますので、是非率先して、より明確な、国民に疑念を抱かせないような再就職、天下りの規制ルールをこの際作るべきではないか。
 例えば、これは数年前から時々この種の問題が出ますと議員立法等で出されますけれども、再就職の規制期間を拡大するとか、あるいは権限とか予算等を背景とした言わば押し付け的な天下りについては、もうこれは期間の定めとは関係なしに全面的に禁止をするとか、あるいはその再就職後の様々な在職時の役職や地位利用、上下関係等を利用した利益誘導的な仕事探しといいましょうか、こういうものは厳しく規制するとか、もっと、一般論ではなくて国交省としての率先した私は規制措置の検討があってしかるべきだというふうに思いますが、そういうことについて是非私は入札談合再発防止対策検討委員会の中で御議論をいただきたいと、こういうふうに思っておりますが、その余地、可能性というのはあるんでしょうか。
○副大臣(蓮実進君) 近藤先生御指摘のとおり、国家公務員の再就職は、権限、予算を背景とした押し付けがあってはならないことは先生御指摘のとおりであります。
 しかし、一方で、国家公務員退職者の豊富な行政経験や専門的知識あるいは技術を生かすことが社会的に見て有用な場合があると考えております。
 以下は今申し上げたとおりであります。
○近藤正道君 私は、そういうことを言っているからいつまでたってもやっぱりこの種の問題はなくならない、やっぱり思い切った抜本的な措置を是非講ずるべきだと、こういうふうに言わさせていただきたいというふうに思っております。
 時間がありませんので、もう一つの警察の不適正使用の、支出の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 今ほど紙委員の方から北海道警察の問題について御議論がございました。そして、この種の問題を根絶させるためにも、捜査協力者への聞き取り、これは県の場合であれば監査委員、国の場合であれば会計検査院、このことを是非やっぱりやる必要があると。私は先日の内閣委員会の中でもこのことを指摘をさせていただきました。
 ところが、今ほど村田大臣、なかなかそれは難しいと、捜査の必要性を強調するような御発言をされておりましたけれども、もう既に全国で十九の道府県でこの不正経理の疑惑の問題が指摘をされておりまして、現実に返還をしたところがもう五つ。そして、さらに、今年の六月の二十一日、仙台地方裁判所でかなり私は画期的な判決が出たというふうに思っております。
 これは平成の十二年のことでございますけれども、宮城県警の捜査報償費、この不適正を問題にして県にその金を返せと、こういう裁判でありました。裁判の結果そのものは厳しい結果になりましたが、仙台地裁は、この捜査報償費支出の実体がなかった疑いがあるということと、もう一つは、今ほど大臣がおっしゃった提供者あるいは協力者に対する聞き取り、これを拒否した県警のやり方は十分な理由がないと、法にのっとったものではないと厳しく断罪をしているわけでございます。
 この判決をどういうふうに受け止めるのか、お聞きをしたいということと、このことについて、その後、宮城県知事が、じゃ、捜査報償費の透明性が図られない以上はこの執行を凍結する必要があると、こういうふうに発表したところ、警察庁の長官がそういうやり方は正に言語道断だと厳しく批判をしたわけでございます。
 私は、今ほどの仙台地裁の判決の中で、今ほど大臣がおっしゃったようなやり方を厳しく批判をしている判決が出て、しかもそれが確定した以上は、やっぱりこの際態度を改める必要があるんではないか。やっぱり警察であっても法に基づく執行ですよ、法に基づく警察行政の執行、捜査協力者への聞き取りを拒否というのは法的根拠はないわけでありますので、法的根拠がないものを警察が捜査の必要を盾に頑張るということは、これはもう法に基づく行政というその大原則そのものをやっぱりおかしくすることになるのではないか。
 警察庁としてはどういうふうに考えるのかということをお聞きしたいということと、国家公安委員長、是非ここでやっぱりしっかりとしたリーダーシップを発揮すべきだと。宮城県のような知事と県警本部が対立するような事態、こんな事態を放置していいんでしょうか。是非このことについてお聞きをしたい。
 警察庁と大臣にお聞きをしたいと、こういうふうに思います。
○政府参考人(安藤隆春君) まず、判決について警察庁としてどう受け止めるかというお尋ねでありますが、これは御案内、先刻御承知でありますが、本件住民訴訟につきましては、訴訟的には、被告たるこれは宮城県警察本部の会計課長でありますが、勝訴をしたものと認識しております。しかしながら、訴訟の中で、今委員指摘のように二点要旨として述べられておりまして、一つは、県警の捜査報償費の支出について実体が、相当の部分実体がなかったものと推認する余地があるということであります。
 これに関して、県警としては、例えば鑑識課の捜査報償費につきましては、いろんな事件に年間相当数臨場しまして付近住民とか事件関係者等の協力者に捜査報償費を支払うという県警の主張をしたわけでありますが、それが認められなかったということ、さらに、情報提供者、協力者保護の必要性などから資料の一部を非開示として捜査員に対する聞き取り調査を容認しなかったということ、そういう理由を述べて主張したわけでありますが、その主張が認められなかったということで、我々としてはいずれも主張が認められなかったということで残念に思っております。
 それから、警察庁長官の発言についてで、言語道断などということを御指摘がありましたが、長官は、犯罪捜査報償費予算の執行停止に伴う治安への影響、大きな影響への懸念と警察における協力者保護の重要性について理解を得たいとの趣旨を述べたものと認識しております。
 いずれにしても、宮城県警察において県当局との間で協議を進めることが大事であります。警察庁としても、一日も早く両者の方で妥協点が見付けられますように必要に応じて指導してまいる所存であります。
○国務大臣(村田吉隆君) 今、近藤委員から、国家公安委員会として本件宮城県知事との関係でリーダーシップを振るえと、こういうことでございますが、第一義的には宮城県の予算の執行に関することでございますので、国家公安委員会委員長としては何ら発言をする立場にないと、こういうことでございます。
 しかしながら、宮城県の治安維持にかかわる重大なことでございますので、この問題が一刻も早く解決されるということを私としても望んでいるわけでございます。
○近藤正道君 一言。
○委員長(山口那津男君) おまとめください。
○近藤正道君 今後ですけれども、警察法の第十六条の第二項で、やっぱり皆さんには県警を指導監督する責任があると。今ほど安藤さんは是非両者の対立を打開したいと、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、この問題は、全国でやっぱりこういう問題、この危険性はやっぱりありますよ。やっぱり是非、長官としては、大臣としては、法に基づく執行、法に基づく行政という立場で、やっぱり法の根拠のないものをいつまでも続けるというのはやっぱりそれは問題がありますよ、それは。是非、法に基づく行政という立場で打開をしていただきたい。強く要望申し上げて、質問を終わります。
○委員長(山口那津男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会