第162回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
平成十七年三月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     峰崎 直樹君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     加藤 敏幸君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     島田智哉子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         木俣 佳丈君
    理 事
                橋本 聖子君
                脇  雅史君
                榛葉賀津也君
            ツルネン マルテイ君
    委 員
                秋元  司君
                泉  信也君
                佐藤 泰三君
                水落 敏栄君
                池口 修次君
                加藤 敏幸君
                喜納 昌吉君
                島田智哉子君
                藤本 祐司君
                遠山 清彦君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     町村 信孝君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
       外務副大臣    谷川 秀善君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西銘順志郎君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        三田 廣行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        武田 宗高君
       内閣府沖縄振興
       局長       東  良信君
       内閣府北方対策
       本部審議官    東   清君
       防衛庁運用局長  大古 和雄君
       防衛施設庁施設
       部長       戸田 量弘君
       防衛施設庁業務
       部長       土屋 龍司君
       総務省自治財政
       局長       瀧野 欣彌君
       外務大臣官房参
       事官       川田  司君
       外務省北米局長  河相 周夫君
       外務省欧州局長  小松 一郎君
       財務省国際局次
       長        小寺  清君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大石  明君
       水産庁資源管理
       部長       竹谷 廣之君
       国土交通省北海
       道局長      山本 隆幸君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十七年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十七年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(内閣本府(沖縄関係経費)、北
 方対策本部、沖縄総合事務局)及び沖縄振興開
 発金融公庫)
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件
 )
○沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(木俣佳丈君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として加藤敏幸君が選任されました。
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○委員長(木俣佳丈君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての審査及び沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官武田宗高君、内閣府沖縄振興局長東良信君、内閣府北方対策本部審議官東清君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛庁運用局長大古和雄君、防衛施設庁施設部長戸田量弘君、防衛施設庁業務部長土屋龍司君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、外務大臣官房参事官川田司君、外務省北米局長河相周夫君、外務省欧州局長小松一郎君、財務省国際局次長小寺清君、厚生労働省職業安定局次長大石明君、水産庁資源管理部長竹谷廣之君及び国土交通省北海道局長山本隆幸君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木俣佳丈君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(木俣佳丈君) 去る十六日、予算委員会から、三月二十二日午前の半日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、審査を委嘱されました予算について小池沖縄及び北方対策担当大臣から説明を求めます。小池大臣。
○国務大臣(小池百合子君) 説明に入る前に、皆様方、委員長始めとして委員各位の御理解に対しまして深く感謝を改めて申し上げたいと存じます。
 平成十七年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。
 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。
 内閣府における沖縄関係の平成十七年度予算の総額は、二千八百三十三億二千百万円、前年度当初予算額に対し九六・五%となっています。
 このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は、二百九十三億六千四百万円、前年度当初予算額に対し一〇三・一%となっています。
 沖縄の自立型経済の構築等を目指すため、世界最高水準の科学技術大学院大学構想を推進する主体となる独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構の設立及び運営に係る経費のほか、島のそれぞれの魅力を生かした活性化への取組を支援する沖縄離島活性化特別事業費、IT新事業創出体制強化事業、沖縄産学官共同研究事業等の経費を計上いたしました。
 また、沖縄に関する特別行動委員会、SACO最終報告の着実な実施等に関連して、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進経費及び沖縄北部特別振興対策事業費を計上するほか、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業等の経費を計上いたしました。
 次に、沖縄振興開発事業費等の予算額は、二千五百三十九億五千七百万円、前年度当初予算額に対し九五・八%となっています。
 その大宗を占める公共事業予算については、全国的に抑制されたことにより減額となっていますが、内容的には、新石垣空港整備事業の着手など、緊要度の高い事業に係る予算を確保しています。
 また、国の補助金等の整理及び合理化が進められる中、沖縄の置かれた特殊な諸事情を踏まえ、補助率がかさ上げされた補助金の廃止に対応し、沖縄に対する特別の交付金を創設したところです。
 さらに、不発弾処理等の戦後処理経費や赤土対策について必要な予算を計上いたしました。
 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。
 内閣府北方対策本部の平成十七年度予算総額は、十億六千九百万円、前年度当初予算額に対して一〇一・八%となっています。
 このうち、北方対策本部に係る経費は、二億一千四百万円、前年度当初予算額に対し一一三・二%であり、北方四島交流等に使用する船舶についての調査費等を計上いたしました。
 次に、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は、八億五千五百万円、前年度当初予算額に対し九九・三%であり、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、北方四島交流事業、北方地域元居住者に対する援護措置などを行うものです。
 その主なものとして、日露通好条約署名百五十年の節目に当たり、根室市納沙布岬の北方領土返還祈念、祈りの火を全国に分火し、啓発活動に生かしていく事業など、各種の事業に係る所要の予算を計上いたしました。
 以上で平成十七年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(木俣佳丈君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。
 今日、三連休明けということで、あるいは常任委員会がたくさんあるということなんでしょうか、非常に大勢の委員の方の出席があったということもございまして、目の前何か空席が非常に多いなというところでちょっと心配しているところですけれども、今日はこの予算の関係、特に沖縄の予算、特に沖縄振興についてちょっといろいろ質問させていただきたいと思います。
 今、小池大臣からこの予算の説明がございました。大きく分けると基地関係、米軍基地の関係とか、その基地の関係と、もう一つは自立型経済をどう構築していくかと、その関連の予算というのが大きな二つの柱になっていると思います。二つとも、両方とも底辺ではつながっているとは思いますけれども、大きく分けてこの二つだというふうに私は認識をしております。
 昨年の臨時国会で、このやはり沖縄北方特別委員会で大田委員から、現在のように基地を抱えている沖縄で自立型経済が達成可能かという御質問がございました。そのとき、小池大臣、ポイントだけ申し上げると、日本の産業構造というのはもう大きく変化しているんだと、その大きく変化している産業構造の中で、沖縄でも新しい産業に着手をしていって、そしてその人材育成支援に取り組むということで自立型経済の達成は可能であるという御認識を示されたというふうに思います。
 ここで改めましてもう一度同じような質問をさせていただきますが、沖縄で本当に自立型経済というのを達成可能だというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 先生は以前、この沖縄の問題についてシンクタンクの方向からいろいろと分析し、また提言をされていることを十分承知をいたしているところでございます。
 その上でのお尋ねということでございますけれども、やはり沖縄の特殊性ということになりますと、基地の問題も挙げられましたけれども、遠隔の離島県であるということが一つのディスアドバンテージになっているということでございまして、他の都道府県に比べますと非常に厳しい状況であるということは、例えば地域経済が財政依存型になっていて、数字を見ても、平成十三年度の比較で、全国は二三・二%であるのに比べて沖縄は四一・三六%であるという、そのような数字が出てくるわけでございます。
 ただ、財政に依存するだけではなくて、自立型経済へと今沖縄政策も一種のパラダイムシフトをしているところでございますけれども、低い一人当たりの県民所得、平成十四年度で比べますと約七割、それから失業率は平成十六年度平均で七・六%、片や全国では四・七%と改善もされており、財政に多くを依存しなくても成り立っていくという経済の姿を、こういったところからも少しずつイメージが出てくるのではないかと思っております。
 それから、自立型経済ができるのかとの御質問でございますけれども、何よりも成長のエンジンとなる産業の育成を図っていくことが必要であると。そのためには、沖縄のディスアドバンテージもありますけれども、逆に沖縄が抱えている優位性、それから地域の特性を見詰め直していくということが重要なポイントではないかと考えております。
 幾つも優位性ということで言うならば、これからも更に発展する東アジアの中心に位置をしているということで、これらの地域に展開する企業の戦略的な拠点となり得るという、そういった可能性、それから美しい自然、貴重な動植物など、大変豊かな自然を抱えておるということであるとか、それから気候が温暖である、さらには、観光はもとより、特色ある農林水産業、バイオ産業など、多様な可能性もあるということでございます。そのために、今回御説明させていただきました予算でも、観光であるとか情報通信、農業などの各種の産業の振興、そしてそれを支える人材の育成、科学技術の振興などを取り組むようにさせていただいたところでございます。
 これまでの長い歴史の中で、沖縄が今自立型経済へと移行していくそのテークオフのために、そういった沖縄のいい点に着目をして、そこをバックアップをしていくということは政府としても必要なことであり、またその結果として自立型経済が構築されるものと、このように考えているところでございます。
○藤本祐司君 まず、その自立型経済という言葉なんですけれども、恐らく沖縄だけに限らず、ほかの都道府県、各市町村、自治体すべて自立をしていこうという動きになっているんだろうというふうに思っておるんですけれども、その自立という言葉なんですね。この辺りが結構、共通認識がまだできていない、割と自立型経済って何となく分かってしまっているんだけれども、実際にどういうものなのかということのイメージがつかみにくいんじゃないかなというふうに私は実は考えておりまして。
 例えば、一番分かりやすいのは、例えば子供の成長なんかの場合は、元々、生まれてすぐ自分ですべてできるわけじゃなくて、親がいろいろ面倒を見ていくと。例えば、子供を教育費を掛けて小学校、中学校、高校、大学と上げていくと。大体そこで就職ができて、そこで自活するということがほぼ自立ということに近いんだなというふうに思っているんですが、それから考えると、そこだけを考えますと、結局自立というのは、親から面倒を見てもらわなくても自分で自活できるんだということになってくるのかなというふうに思いますが。ただ、国と地方の関係を考えますと、大いに国の方からの援助というか支援というのを、それを仰ぎながら自立していくということになってくるんだと思うんですね。
 そこで、今回の、先ほどの予算案の中での説明もございましたとおり、沖縄に関しては特殊な事情を踏まえて特別交付金を創設するとか、そういうことで、ほかの都道府県と比べても、まだまだ一杯いろいろ援助の、手厚い援助といいますか、それがされているということの中で自立というものをどうとらえるのかと。何かその辺りが若干矛盾をはらんでいるんじゃないかなというような認識もあるんじゃないかなと思いますけれども、それについて御見解をお願いします。
○国務大臣(小池百合子君) 自立型経済の構築を目指す一方で、今回も補助金のかさ上げの措置が講じられてきた、この辺の矛盾ということについて御質問されているのではないかと受け取るわけでございますけれども、先ほど来申し上げているように、沖縄振興特別措置法に基づいての特別措置が講じられてきた、それが補助金のかさ上げ措置であるわけでございます。
 沖縄の自立型経済、子供の成長とどう例えればいいかというと、これはなかなか難しゅうございますし、今は、大人になったとしても、時代がもう既に変わっていて、産業そのものが例えばもう変わっているので、そのままこれまで日本の全体の歩みとして同じ順番をたどっていく必要は更々ないわけでございまして、むしろ優位性を大いに生かして、そういったところで先取りすることだって十分可能なわけですね、むしろ。ですから、同じ順番で開発であるとか、それからそこからまた新たな、かつて日本全体で歩んできた産業史をそのまま繰り返す必要もないということになるわけでございまして、じゃそのために何が必要かといった形の中から、これからの正に自立型経済を目指すためにも、その土台となる産業基盤や生活基盤が十分に整備されて実現していくというふうに考えております。
 沖縄の社会資本の整備についてはかなり進展してはおりますけれども、先ほど来幾つか挙げてまいりました沖縄の持つ特殊性などによってかさ上げ措置で引き続きバックアップをしていくということは重要なものと考えております。自立型経済構築、そのためのバックアップ措置としての例えばかさ上げの措置が講じられているという点につきましては、全体として自立型経済を目指していくと、社会の構築を目指していくという点では必要な措置であると、このように感じているところでございます。
○藤本祐司君 沖縄振興計画が制定されまして、これ目標年度といいますか、最終年度がこれ平成二十三年度になっているわけですけれども、今のお話でいくと、その自立型経済を構築するために今は非常に準備期間であって、そのために、自立型経済が平成二十三年度にある程度といいますか、一〇〇%とは言わぬまでも構築できる、そのための今準備段階だという考え方でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 法律のいろいろの年限などもあるわけでございますけれども、準備というよりも、産業の中ではテークオフが二十三年までにできるかどうか、それはいろいろとそのときの状況にもよるものだと思っております。
 今、私どもが沖縄をバックアップする上で必要な措置として、そしてまたその法律的な基盤である年限ということでの平成二十三年という点はございますけれども、これからも沖縄の発展の状況、自立型経済の構築の状況など、そういったことを総合的に判断して勘案していくものであって、平成二十三年が一つの、そこで一〇〇%完成ということではなかろうと、このように考えております。
○藤本祐司君 経済行為というのは自分一人でできるわけじゃなくて、結局相手がいることで、自分の中だけで完結するわけではないと。沖縄についても、沖縄の中だけですべて完結するわけではないので、外との関連性の中で恐らく経済が、自立型経済というのを達成していくんだろうというふうに思うわけですけれども。
 要するに、沖縄の中にもいろんなディスアドバンテージ、小池大臣おっしゃったようなものがあるんだけれども、アドバンテージを、優位性をどうこれから発展させていくかという考え方で恐らくやられているんだろうなと思いますが、一つちょっと見えにくいのは、今後の十年間でもいいんですが、情報関連産業であるとか金融とか産業の高度化とか観光・リゾートとかいろいろなアドバンテージを持っているであろうと考えられているもの、そういう産業をまず立地促進していくと、そしてその人材を育成していくという考え方は非常によく分かるんですが、これ戦略的に、例えば何々を、どの産業をやるとその次にこういうステップに行くんだという何か段階的なステップといいますか、戦略性といいますか、それについてもし御見解があれば教えていただきたいと思います。
○副大臣(七条明君) 今恐らく先生、これ情報という表現をされておられましたから、ITとかあるいは情報通信関連産業というようなことだと思ってお答えさせていただこうと思うんですけれども。
 沖縄振興特別措置法の中にはこのITの関係産業を育成するということがたくさん出ております。実は私、沖縄北方の担当の副大臣以外にITの担当の副大臣でもありまして、そういう意味では、今先生がおっしゃられるように、今ITを各県で誘致をしたい、あるいはその誘致の競争が国内でも非常に激化をしてきておる中で、じゃ沖縄で今IT産業を振興していくために何ができるのか、何を誘致していくのかと、こういうふうに考えていかなければならないし、当然のことながら、今、先生シンクタンクとしていろいろ沖縄の振興のためにも御指導をいただいたことを私もよく知っておりますけれども、各市町村で一致協力をしてできてきたものがある。そのできてきたものの中には、コールセンターを中心として今インターネットを使ったいわゆる企業がたくさん出てきた。約八十社の企業が県外から進出をし、八千人余りの雇用の創出ができたと。
 他方で、いわゆる沖縄がまだ高い失業率を抱えているという関係もありまして、IT産業の誘致競争が先ほど言いましたようにまだ国内外で非常に厳しい状況にある。そうしますと、これからの施設を進めていく上において、誘致を進めていく上において、沖縄のITの立地条件だとかあるいは助成措置を広くアピールしていく、こういう助成がありますよとかあるいはこういう立地条件でありますよとかいうことを広くアピールしていくということが必要だろうと。さらに、これからブロードバンド化やあるいはデジタル化等々の今後のIT環境の変化を見据えて、ソフトウエア開発やらあるいはコンテンツ制作等の付加価値の高いITの産業の集積をする、いわゆるステップアップを図ることが課題であるし、あるいはそのための高度ITの人材の、さっき先生がおっしゃっておられた人材の育成をしていく。人材を育成するために科学技術院大学なんかもこれから利用ができるものが出てくるかもしれないという期待もしているところでございます。
○藤本祐司君 ちょっと、実は質問の趣旨は情報関連だけじゃなくて全体像としてどういうものを先に例えばやって、戦略的にやっていくのかということをお聞きしたかったんですが、例えば情報関連であれば情報のネットワーク、インフラをまず整備して、それは観光にも関係あるし、金融にも関係してくるだろうし、あるいは農林水産業にも今後関係してくるだろう。その辺の全体の中でのシナリオがどうなっているのかなということをお聞きしたかったんですが。
○国務大臣(小池百合子君) 先ほど自立型経済のイメージのところでもお答えさせていただいたものとダブるかもしれませんけれども、やっぱり物事というのは、企業であれ自治体であれ、戦略をかくときには、何が問題であって、そして何がプラス面であって、ですからマイナスとプラス、そしてそのマイナスの部分をどう埋めていって、そしてプラスの部分をどう伸ばしていくか、これの戦略によるものだと思っております。
 そして、そのプラスの部分、マイナスの部分は幾つか先ほどの高い失業率の問題であったり、それから財政に依存し過ぎているということが、それがある意味でプラスとマイナス両方抱えているわけですね。それから、沖縄の社会の、何というんでしょうか、特徴的な部分で、とても、例えば東京などでは忘れ去られているような御近所付き合いとか、それからそれぞれの血縁関係の方々との大変親しく付き合いをされているというとても温かな部分であるとか、そういったことなども、そういった社会の特徴なども加えてそういった戦略というのは描いていかなければならないというふうに思います。また、地理的な特性で、これからの東アジアの中心的な地域にもなり得るだろうと。
 今、ITのことにつきまして副大臣からお答えをさせていただきました。ITを進めていくというのは、これからのe―Japan構想という中で、これはこれまで後れていた沖縄の部分をキャッチアップをさせていくということの措置でもありますし、またそれによって、御指摘のように、今、金融はすなわちITともう同一のものでございますので、これによって金融の後れがないようにする。むしろ金融の部分でもそういったことも活用して、コールセンターのみならず、これからもむしろIT産業、沖縄から、IT産業のプラス面は距離が関係ないということですから、どこに本社があろうと余り関係なくできるということもプラス面であるわけでございますので、そういった点を生かしていくには正にふさわしい投資といいましょうか、これから、ふさわしいし、また必要な分野ではないかと思っております。
 そうやってキャッチアップする部分と、それから観光などはむしろリードする部分として、そういったいい部分をどのようにして生かしていくか、これを総合した形での戦略としての大きな特別措置法と。そこにいろいろと大きな目標があって、それに予算的なものを付けていって、そして、そこに予算を付ける際にも戦略的なものもございますし、また社会、沖縄の、何といいましょうか、既にあちこちで失われてしまったようないい部分をどうやって守っていくのか。そういったきめの細やかな戦略と戦術とをうまく組み合わせた形での沖縄の自立型経済の構築と、こういったことを考えながら今回の予算にもそういったことも含めて盛り込ませていただいたところでございます。
○藤本祐司君 せっかく情報関連産業のお話でございまして、七条副大臣にもお出ましいただきましたので、ちょっとその点についてお聞きしたいんですが。
 今の小池大臣のお話よく分かるんですよ。それで、例えば沖縄も距離のハンディというのは情報関連、ITについては比較的少ないということでございますが、それであれば、逆に沖縄じゃなくてもほかのところでも同じことが言えるんだと思うんですね。そうなると、逆に言うと沖縄のそういう意味での比較優位性というのが、じゃ北海道と沖縄と比べて、両方とも、例えば今のe―Japanのお話がございましたが、e―Japanのネットワークは基本的には東京を頂点とした国内網ができ上がっている、これはもう間違いのないところで、情報関連の人材も全部東京へ一極集中してきたという問題もある。その中で、沖縄は距離が遠くても、特に最近は接続料の問題とか大分解消されていますので、ハンディじゃないよというお話は非常によく分かる。それだったら北海道だってハンディじゃないし、ほかのところも全部そういうのはハンディにならないんではないかなという意味で、どうして比較優位性が沖縄にあると言えるのかというところについてお聞かせいただきたいんですが。
○副大臣(七条明君) 今先生言われるとおりだろうと思います。各都道府県がこのITの産業を誘致したいと思っておられるところはたくさんある。今IT、ITと特に言われるだけにそれだけ競争が激化していることは間違いありませんし、沖縄へ、じゃどういう形で持ってきたいかというときに、これはやはり沖縄の特異性ということを生かせられるかどうかというと、なかなか生かしてくることができない。ですから、IT特区のような、これは名護市がやっているようなことを踏まえて、いわゆる助成措置を広くPRする、いわゆるこういうことでやっていますよということを、助成措置をPRをしていって、沖縄に来ていただければそういう助成措置がありますよということを、先ほども申し上げたとおりこれを言っていくしかないんだろうなと。
 そして沖縄の中で今、今度は科学技術院大学のようなものが出てきますから、例えば今ナノテク時代だと、こう言われてきた。自然で、ナノテクの時代になったときに、それらを利用して、今度大学院大学出てきますから、できてくるときには技術の方々が張り付く、あるいはそこと産官学と提携をして沖縄の特異性を生かしていけるようなことができる。ナノテクの中にはこれから恐らくITと連動させていったらいいものがたくさんあるんだろうと私は思いますから、そういうふうなこともこれから大きくPRをしていけばいいのでないかと。そういうお手伝いを我が省の方で何かできないかというふうに考えるところでございます。
○藤本祐司君 先ほど副大臣から、コールセンターが県外から八十社、八千人ほどの雇用創出があったということなんですが、この八千人って全部県内の方でいらっしゃいます。
○副大臣(七条明君) そのとおりでございます。
○藤本祐司君 同時に、コールセンターというお話があったんですが、人生いろいろあるように情報関連産業というのもいろいろあるわけでございまして、コールセンターの中にもいろいろある。コールセンターといっても一番分かりやすいのは一〇四の電話番号案内とか、これなんかコールセンターの分かりやすい例だと思うんですが、それ以外に、例えば電化製品の商品の説明すると、これも大体コールセンター。金融についてもいろんな商品、保険についても商品が出ている、これも問い合わせするとどこか一か所で、これもコールセンター。一番ストレスがたまって、雇用の安定が不安定な、すぐに辞めてしまうという定着性が低いというのでは苦情処理みたいな、これもコールセンター。どういうところのコールセンターを沖縄でやることによって沖縄の比較優位性といいますか相対的な競争力というのがあるんだというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) お答え申し上げます。
 沖縄、先ほど副大臣の方からもお話ございましたように、八十社、約八千人の雇用をコールセンター生んでおるわけでございます。コールセンターにつきましては、今日まで沖縄が非常に優れている点というのは、例えば若い労働力、これは失業率が高いことの裏返しでございますけれども、若い労働力は非常に確保しやすい。あるいは、これもまあいいことかどうかですが、賃金水準が東京等に比べて低いということ。それから、特に沖縄の方は大変ホスピタリティーがあるといいますか、質疑応答が非常に親切であって非常に評判がいいということもございます。そういう意味で沖縄に、もちろん政府の助成措置あるいは県の助成措置もあって、こういった八十社、八千人の雇用を生んでおるということだと思います。
 先ほどの御質問にございましたように、確かに一方問題がございまして、例えば、まあこれは日本語で応対するということが一つの大きなメリットであったわけでございますが、最近は、例えば中国なんかにおいても日本語でのオペレーターをどんどん養成していると、沖縄の賃金の数分の一以下の賃金で対応する、そういった状況も出てきておりますし、コールセンター自身もなかなか三交代制で非常に勤務が厳しいとか賃金水準が低いといった不満も聞くところでございます。
 今後、こういったコールセンター中心の情報通信産業、今のままの状況では当然不十分ということでございまして、お話にございましたように、いろいろな意味での顧客サービスであるとかいろんな商品の説明、そういったものをできるようなより高度なサービスを提供できるような情報通信を使ったサービス、そういったものに転化していく必要があるだろうということでございまして、これにつきましては、国も支援をしながら、県ともども人材育成等について取り組んでいくということにしておるところでございます。
 以上でございます。
○藤本祐司君 そのコールセンターも非常にその人材育成難しいんですね。いろんな、今も申し上げましたいろんなタイプがあって、その人を育てるというのは非常に難しいんだと思いますが、それ以外に、コールセンターだけじゃないと思うんですよ、情報関連産業といっても。コールセンターは一番分かりやすくて、今八十社、八千人入っていらっしゃったということの中で例として挙げていただいたんだと思いますが、例えばコンテンツ産業であるとか、あるいはデザイン、例えばウエブサイトのデザインとか、そういうほかのものもいろいろあるんだろうというふうに思っていますが、そちらに関しての現在の進捗、あるいは今沖縄が持っている優位性と課題ですよね、光の部分と影の部分、ちょっとその辺りの御説明いただきたいんですが。
○政府参考人(武田宗高君) 先ほど八十社と申し上げたんですが、実はこの中には、コールセンターのみではございませんで、ソフトウエア開発あるいはコンテンツ制作、情報サービス等の産業も含まれております。結構、こういった産業につきましては、沖縄も最近新しい芽がいろいろ出てきております。
 今日まで比較的問題点とされておりましたのは、同業者、特に県外からのこういったソフトウエアあるいはコンテンツ制作の企業が多いということは、言ってみれば下請化しておったという面があろうかと思います。
 ただ、最近では、例えば観光業等と一体となった、沖縄の例えば自然であるとか、あるいは沖縄の歴史的な、文化的なものを例えば情報通信に載せて対外的に情報発信をするとか、そういった新たな沖縄の特性を生かした、かつ、より高度な産業も出てきておりまして、そのための例えばインキュベートの整備であるとか、いろいろなIT人材の育成であるといったことにも取り組んでおるところでございます。
 したがいまして、今後は単に量的な拡大のみではなくて、より質的な向上を目指すということが大変重要になってくるかなというふうに思っております。
○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございます。
 先ほど、小池大臣の中で、e―Japan構想とかe―Japan戦略のお話がございまして、今e―Japan戦略の目標値が、これ総務省の関係ですが、ありまして、その目標値は達成できているんですね。そのブロードバンドのいわゆる超高速インターネットと高速インターネットの常時接続についてはもうほとんど都市部は一〇〇%。ですけれども、やはり地方、過疎地あるいは離島というところはまだそのところが七〇%とか、平均で、になっていると思うんですが、沖縄の場合、離島がありますので、離島がありますから、離島ですので、その離島におけるその情報格差といいますか、インフラの面と量と質の分で、その辺について、恐らく来年度の予算でその離島の情報格差を是正しようという予算措置もされているんだろうと思いますが、二つその中で質問がありますが、具体的にどういうような施策を講じようと考えていらっしゃるのかということと、あと総務省がやっているe―Japan、そしてユビキタスネット社会を構築しようという、そちらとの、やはり情報関連ですから、どうしてもつながりがあるんだろうと思います。その辺の連携施策といいますか、連携度というか、その辺りについてお聞かせをいただきたいなと思います。
○副大臣(七条明君) これは沖縄には、もう先生御存じのとおり、たくさんの離島があります。そんな関係がありまして、これ情報の格差があるということも先生今御指摘のとおりかもしれませんが、今内閣府とあるいは総務省と連携をしながら、ラジオ放送の受信障害を解消するための事業や、あるいは海底の光ケーブルの設置等々の事業、あるいはさらには来年度からは沖縄の離島に対してのブロードバンド環境を整備する事業というようなことをやらなければならないと、こういうようなことを今考えておるところでございます。
○藤本祐司君 はい、分かりました。ありがとうございます。
 それでは次の質問で、金融業についてなんですが、これは非常に単純な質問をさせていただきますが、先ほど情報の方で県外八十社、八千人の雇用があったというお話でございますが、金融業についてはどういう業種といいますか、そういうものの企業集積を図っていらっしゃるのか、あるいは現状どういう状況になっているかということについてお願いします。
○政府参考人(武田宗高君) 御案内のとおり、金融業につきましては、平成十四年の七月十日に、沖縄県の申請に基づきまして名護市全域を金融業の特別地区に制定しております。この名護市の方に、平成十四年度以降で申しますと、インターネットやコールセンターを利用した証券会社、あるいは地場証券を傘下に収めるシステム開発会社、あるいは金融機関等の顧客に向けたデータセンターやシステム開発等を業務とする会社、あるいは金融機関の支店といったことで、主な事業所で約十一業者が進出をしておるところでございます。
○藤本祐司君 それで、この金融業を進めていく上で非常にITとの関連は強いんだろうなというふうに思うんですけれども、その中でやはり課題といいますか、現状どういう課題だというふうに認識されていて、それに対しての対応策というのを教えてください。
○政府参考人(武田宗高君) まず第一点は、これは金融業という非常に高度な産業でもございますので、やはり人材の育成ということであろうと思います。それからもう一つ、非常に、実際に進出されようとする業者、事業者の方々のお話を伺いますと、やはりインフラの整備、これは特に名護市、御案内のように人口約五万程度の市でございますので、例えば空きビルがないとかそういったお話も伺うところでございます。こういった面で、沖縄県とともに地元を支援していきたいというふうに考えております。
○副大臣(七条明君) 実は私、IT担当と同時に金融担当の副大臣でもありまして、数々、さっきもITもと言われてどきどきしておるんですが、確かに今先生いろいろな意味でコールセンターあるいはインターネットを利用したいわゆる証券会社のようなものですね、これが十社程度来ております。そのところへ私も名護市に、その現場へ行ってまいりましたし、今金融特区でやろうとしておられる、そういうことを金融庁として何がお手伝いできるのかということもこれから真剣に考えていかなきゃならない。
 先ほど武田さんの方からお話がありましたとおり、これからは一つ一つの人材育成だとか、あるいはインフラの整備だとか、それからビジネスモデルの構築等々も含めて民間と産官学でやれるものは積極的にやっていかなきゃならないと考えているところでございます。
○藤本祐司君 後で情報といいますか、データいただきたいんですが、先ほどの八十社と八千人の雇用といいますか、それぞれどのぐらいの雇用があるのかということと、金融業についても既に進出されている企業とかその中身というもの、ちょっとそれは後ほどで結構でございますので、お願いいたします。
 あと、この沖縄振興計画の中で農林水産業の振興という、観光というのは後で、後でって、もう少し時間がなくなりましたので、後でやりますけれども、農林水産業の振興ということについて、どういう方向性でこれを振興させていこうというふうに考えていらっしゃるのか、お願いします。
○国務大臣(小池百合子君) 沖縄の農業、農村を整備する必要があろうかということで、今回の予算にも盛り込ませていただいているわけでございますが、まず、先ほどの面でいうディスアドバンテージから申し上げると、沖縄の離島性であるとか、それから台風、干ばつといったような問題があります。こういった制約条件を克服して、また今度はアドバンテージの部分で我が国唯一の亜熱帯性地域の特性としての豊かな太陽エネルギーなどの優位性を生かすもの、これをコンバインして考えなければならないということでございます。
 今回の予算について申し上げるならば、平成十四年度に策定された沖縄振興計画でございますけれども、干ばつに強い農業の実現に向けた地下ダムなどの農業用水源、そしてかんがい排水施設の整備を図ること、それから畑地基盤の整備などを着実に実施するということで、担い手への農地の利用集積の促進ということも挙げられます。それから、農地の赤土の流出防止対策というのも沖縄特有の問題点でございますし、これも克服しなければならない。それから、農村の総合的な生活環境の整備、これは農業集落排水の整備などを指すわけでございますけれども、こういったことで今年度の予算については重点的に取り組んでまいりたいと思っております。
 やはり沖縄というのは、冬に春の野菜とか、それから、冬にスイカが取れるといって今政務官が自慢しておりますけれども、花卉、それから熱帯果樹、肉用牛などの産地が形成されるということで、こういった温暖な気候を生かす。もっとも、今世紀中に地球は五・八度、最高で気温、地球の平均気温が上がっていくので、これからはむしろ北海道でパパイヤなんか作るかもしれませんので、今のうちにやっぱり沖縄もそういった特性を生かした部分で競争力を磨いておいていただきたいというのは余計なことでございますけれども、農業というのも沖縄の自立型経済の基本中の基本だと考えておりますので、しっかりバックアップしていきたいと思っております。
○藤本祐司君 スイカが冬にできると。最近、スイカの出荷が始まったようで、熊本とか茨城とかでも、これも三月ぐらいからもう出荷していますけれども、それより更に早いんでしょうね。パパイヤのお話がございましたが、それこそ離島のマンゴーというのは多分世界一おいしいというふうに言われています、高いんですけれども。これ、私の友人、実は宮古島でマンゴー作っていましてですね、関係ないですけれどもね。
 先ほど地下ダムというのをおっしゃいました。これもいわゆる宮古島にあるようなああいうダムを想定すればいいんですかね。
○政府参考人(東良信君) お答えします。
 先生お話しのとおり、宮古島に今完成しております地下ダムでございます。それよりももっと複雑な構造のものの地下ダムを造ろうということで、例えば伊江島だとか伊是名だとか、それから本島の南部の方にもそういう地下ダムを建設しているというところでございます。
○藤本祐司君 食材のお話がございました。食べ物というのは観光にとっても非常に重要なところでございますので、観光・リゾートの話に移りますけれども、やはり食べ物であるとか伝統芸能とか伝統文化とか、ITも先ほど観光との結び付きがあると。ウエブサイトなんかでも沖縄の豊かな自然が見えるようになると、大分そこでインセンティブが付いてくるというようなお話なんだろうと思います。
 一貫して、沖縄の場合は振興開発計画の時代から観光、観光・レクリエーションという言葉から、最近、観光・リゾートという言葉に移っているわけなんですが、その辺の観光・リゾートをリーディング産業とするということについては認識は多分皆さん共通しているんだろうというふうに思っています。そして、日本としても観光立国を目指そうということで、先ほど来、東アジアの中心となるんだということもございまして、アジアからの誘客といいますか、訪問客を増やすということもあるんだろうというふうに思っています。
 その観光立国を目指す日本にとって、沖縄は観光立国の先導的な立場に立つんだと、世界的な観光・リゾートの地位にするんだというような、そういう壮大な思いがあるというふうに認識してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 沖縄の観光・リゾート産業の今後というお話かと思いますけれども、昨年ですけれども、台風があれだけたくさん来襲したにもかかわらず、沖縄に来られた人の数、総数でございますけれども、五百十五万人という最高の数字を記録したわけでございます。そしてまた、順調に推移をしているということでございますし、もうその意味では既に沖縄のリーディング産業として引き続き更なる振興を図る必要があろうかというふうに考えております。
 それから、最近いわゆる観光ですね、観光という、旅行の専門誌が調査していたのを見ましたら、どこに行きたいですかというと、一位が沖縄本島で、二位が石垣島で、三位が、ですから、その後五位ぐらいに、済みません、北海道が来ていたと思うんですけれども、とにかくずうっと上位三位から四位くらいまで本当に沖縄ばっかり占めていて、ほかの地域から比べれば大変うらやましい存在なんじゃないかなというふうに思っております。
 ただ、いろいろとまだまだ課題ございます。例えば観光収入を増加するということを図るためには、更に沖縄を訪れる観光客を増やすということもそうですけれども、滞在日数を増やすとか、それから一人当たりの消費額を増加させるための知恵、対策、こういったことも必要でございます。
 それから、海外からでございますけれども、平成十六年、先ほど総数が五百十五万人と申しましたけれども、その中のわずか十三万人にとどまっているということで、例えばアジアからのお客を呼ぶためのいろんな戦略、言葉であるとか沖縄ならではのものをもっと生かすとか、というのは沖縄に類似したようなリゾートははっきり言ってアジアにはたくさんあるわけで、そことの競合する際のもう少し知恵が必要なんじゃないかなというふうにも思うわけでございます。
 それから、観光施設の開発とか観光客の増加に伴って、逆に自然環境との調和が壊されやしないかということで、それを図ることも重要なことでございますし、また年間の観光客数を、シーズンばっかり集中しないように平準化させるということで観光客の多様なニーズに対応した更なる魅力づくりということも必要でございます。
 さらには、台風のときの観光客への対応を含めて、観光客の満足度を高めていくための質の高い受入れ体制の確立ということも課題かと考えております。
 観光については、例えば観光カリスマのシステムがあったり、それから観光立国、ビジット・ジャパン・キャンペーンなどもございます。沖縄にとっては正にリーディング産業でありますこの柱の観光産業をどのようにしてより大黒柱にしていくか、そういった意味でこれからもこの観光という部分にスポットを当てて私も取り組んでいきたいと考えております。
○藤本祐司君 自立型産業、自立型経済を構築するという意味で観光・リゾートというのは非常に重要だと思うんですが、今、小池大臣の御認識の課題、収入増ということを考えていらっしゃると。滞在期間を長くするとかいかにお金を使ってもらうかということもあるんですが、沖縄の観光の課題というのはほかのところと違って明らかに旅行会社依存型になっているんです。これは大手の、東京の大手の旅行会社に依存をしているということ、これはもうそれぞれ外部にすべて依存をしちゃっているということにほかならないわけなんですけれども、それについての御認識、そして何か対応みたいなことがあれば教えてください。
○国務大臣(小池百合子君) 数、集客能力であるとかそのほかのいろいろな、観光産業もただふらっと来る人を相手にするわけではございませんので、現実にはそういった部分もあろうかと思います。また、沖縄独特の、やはり先ほど申し上げたようにアジアの競合地との問題をどうしていくのかとか、その意味では沖縄でも竹富島は竹富島の顔がありますし、それから沖縄本島でも地域によって顔が違いますし、島々もこれから美ら島活性化ということも含めて、それぞれの特徴を生かしたようなことをこれからもう少し拡大していかなければならない。私は今、美ら島などにおいては、とにかくオンリーワンを目指せと、どこでもやっていることじゃなくて、その島の独特の部分を生かしていくのがいいんじゃないかということをずっと申し上げているわけでございます。
 その意味では、観光会社、旅行会社ができない部分とすれば、やはり沖縄特有の伝統文化を生かした形での振興を図っていくべきではないかと。年間を通じての温暖な気候もさることながら、自然もさることながら、独特の歴史や文化に触れるという、そういった沖縄観光の大きな魅力を拡大していく必要があろうかと思っております。伝統音楽の鑑賞、沖縄料理など、沖縄の方でなければ分からないような部分、そういったところを更に大きく引き出していくということも重要でございます。
 また、政府といたしましては、これまで、沖縄独特の歴史、文化を生かした観光施策、観光振興施策として、世界遺産周辺整備事業であるとか沖縄の空手交流推進事業、国立劇場おきなわの整備などの支援もしてまいったところでございます。
 こういったところを、沖縄の皆様方の知恵と、そしてまたそういった伝統文化を一体としてそれを観光の方に生かしていくという、そういう観点を持って進めてまいりたいと考えております。
○藤本祐司君 総論的には非常にそれで正しいのかなというふうに思っておるんですが、現実にビジネスの世界に入ってしまうと、今言いましたように、旅行会社依存度というのが物すごい高い。それをやっぱり何とかしていかないといけないわけなんですよ。
 というのは、ホテルは取れるけれども飛行機が取れない。沖縄の場合は飛行機か船で行くしかないので、割と訪問客数というのは正確に、ほかの県と比べるとはるかに正確だから、五百十五万というのはほとんど、まあほぼ正確なんだろうというふうに思いますけれども、結局、ホテルは空いているけれども、いわゆるエアチケットが取れないとあそこには行けないということなんですね。だから、そこのところが、旅行会社が航空会社の席を確保してしまっているんで、そこでパッケージを作って安い価格で商品を売る。そうすると、どうしても個人で行こう、あそこに行きたい、ここに行きたいということになると、それが取れなくなってしまう。旅行会社は大体十日前までは商品を販売していますけれども、十日以内になるとこれはもうパッケージなくなっちゃいますから、さあいざといったときにもう予定が立たないとかというような、そういう状況がある。
 ただ、沖縄の今取組を見ていますと、これ各ホテルの取組になるんですけれども、余り旅行会社に依存しないできちっとしよう、その代わりお客さんに満足をしてもらおうと。満足度が高いところというのは、いわゆるサービスの面が非常に質が高い、食事もおいしい、施設もいいというところがあるわけなんですけれども、そういうところは割と旅行会社依存度が低いんですね。そうなると利益幅が出てくる。そうすると、沖縄の経済というのも利幅が良くなってくるとだんだんうまく回るようになってくるわけなので、今非常に利幅が少ないというところが大きな問題で、サービスを良くするためにはどうするかというと、根本的にはやっぱりマネジメントの人材と実際にサービスする方々の人材と、そこの部分が非常に重要なポイントになってくるんじゃないかなということでございますので。
 観光・リゾートも含めて、この人材育成というのは物すごい沖縄の自立型経済を構築するためには重要だというふうに思いますが、特に観光面について、マネジメントの部分あるいはそのほかいわゆる現場サイドのもの、この辺りについてのお考えをお聞きしたいんですが。
○副大臣(七条明君) 今、観光の一つの、各県、沖縄だけでないと思うんですけれども、やはりツーリストに依存をするというところは、これは北海道であれ、私は四国でありますけれども、四国も同じようなことを感じております。
 その中で、ビジット・ジャパン・キャンペーンというのは、もてなしをして、県外から、外国から日本へ、何をして入れられるか。一番早いのは、手っ取り早いのはアジアの方々で、漢字文化圏の方々が一番いいだろうと、こういうふうにやられたんだろうと思います。その中で、もしやるときに、日本へ外国の方がビジット・ジャパンで来るときには割高感がある、あるいは言葉の障壁がある、もう一つは来てよかったと思って帰っていただけるかどうかというようなことだろうと思うんですが、これが同じように沖縄でも言えるんではないかと思いますが。
 やはり沖縄の皆さん方に、人材の育成をする場合において、じゃ、今までのもてなしの気持ちというのは沖縄の方々はもう十分持っておられると思うんです。ところが、質の高いサービスをしていくために、これからその人を教育するために、本当にお客様が何を望んでいるかということを勉強をする、そういうスタイルを取っていく必要があるんではないかと、私は実は個人的に感じておる一人でございますから。
 観光産業の人材育成のために、お客様の多様なニーズに対応をする人材の育成に取り組んでいくということをまずやる、それから観光業の部門別の研修の実施や、あるいは観光関連産業に従事しておられる従業員の社会的評価を高めることを目的とした観光人材の資格認定あるいは登録制度の構築の検討等を支援する、あるいはガイドの資格を取る、あるいはエコツーリズムの説明をきちっとできるような、環境のことに優しいということをやっているよという資格を取らせたり、あるいはそういう説明ができるような人材を育成する、あるいは琉球大学に観光科学の学科が、観光の学科が新設をされておりますから、そういうこともこれから生かしてやれるように人材育成をしていかなきゃならないと考えております。
○藤本祐司君 時間がありませんので最後にしますが、沖縄、比較的北海道からいらっしゃる方が多いんですね。北海道と気候が違うということで、沖縄に若干のまた別の意味の北海道とは違った良さがあるということで、沖縄で働きたいということで結構沖縄に働きに行っていらっしゃる方というのは多いようなことも聞いております。
 この人材育成というのは非常に難しくて時間が掛かることではあるとは思いますけれども、これはすべての経済活動につながってくることだというふうに思いますので、ここら辺りはやはり重点的にやっていただきたいなということがあります。
 最後に一言だけ。
 今、川崎で実は沖縄の織物展というのをやっていまして、沖縄は、非常にたくさんの織物ですね、染物というか織物というところがあって、そういうものについて割と後継者が不足しているとか、あるいは流通面で非常に問題があると。実際に一反百万ぐらい掛かる。例えば、宮古上布なんて百万ぐらいで、大体専門、非常にベテランでも三反、四反ぐらいしか作れない、一年間。だけれども、東京に来るとそれが五百万、六百万に変わっちゃうという。その辺で結局売れなくなっちゃうと、売れなければやっぱり作り手も減ってしまうという、そういう流通面の問題もあると思います。
 あと、コンベンションの問題とか、本当に沖縄には一杯素材があるんですけれども、それを何か縦割りではなくて、それを全体として連携をつくって観光振興というところに働き掛けていくということが大事だなというふうに思っておりますので、これはある意味、要望であり、今後の御検討としていただければというふうに思います。
 どうもありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。早速質問に入らせていただきます。
 初めに、平成十七年北方領土返還要求全国大会で、日本人が北方領土で生活していた貴重なあかしである択捉紗那に残存する日本家屋、択捉島水産会事務所とそれから紗那郵便局を保存するよう国民一人一人の力を結集する、そのような特別決議をしたわけでございます。
 政府は、この特別決議をどのように受け止め、それをどう実現していく方針か、小池担当大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(小池百合子君) 今御指摘の択捉島にあります択捉水産会事務所、そして紗那郵便局の建物でございますけれども、戦前に日本人によって建設された歴史的な建物ということで、現存する数少ないものの一つとなっているわけでございます。私も写真などを見せていただいたんですけれども、とても何かかわいい、紗那の郵便局などとてもかわいくて、本当に、何というんでしょうか、そこに思い出も一杯あるでしょうし、そしてソ連軍が上陸したときにはそこから電報を打ったというような、そういった正に歴史があるところでございます。
 そういったことで、北方領土が我が国の固有の領土であるということの文字どおり、建物ではありますけれども、あかしなわけでございまして、また元島民の方々が当時をしのぶよりどころになるということで大変貴重なものであると考えております。
 私も出席させていただきました北方領土返還要求全国大会でございますけれども、そこでこの二つの建物について保存特別決議が行われたということは、それらの建物の意義を踏まえて保存に向けました国民一人一人の力の結集を呼び掛けるものということでございますし、またこれからも幅広い国民運動を展開していく上で大変意義深いと思っております。それだけでなくて、私は、一つの象徴としてこの建物を活用し、そして日本の特にお子さんというか、学生さんとか若い世代の人たちには北方領土問題を訴える際にこういった建物を有効に活用してまいりたいと考えているところでございます。
 今日ここに、愛知万博が今週開かれますけれども、今日はこれ、中川大臣の方からこれ付けてくださいといって、キッコロとモリゾーと日本の国旗とがセットになったバッジですけれども、正にそういった形でこの二つの建物は活用できるのではないかと今知恵を絞っているところでございます。
 いずれにいたしましても、これらの建物に対しましての元島民の皆さんの熱い思いを私しっかり受け止めまして、それらの動きが円滑にかつ効果的に行われますように広報啓発などを通じて活動を支援してまいりたいし、積極的に盛り上げを連携をして進めてまいりたいと、こう考えているところでございます。
○渡辺孝男君 しっかり推進をしていただきたいと思います。
 次の質問ですけれども、本年は日露通好条約署名百五十周年に当たります。ロシアにおいてこのことはどのように報道をされているのか、また何か記念のイベントが行われる予定があるのかどうか、外務省にお伺いをいたします。
○政府参考人(小松一郎君) 日ロ双方は、昨年六月のシーアイランド・サミットの際の日ロ首脳会談におきまして、本年が日露通好条約調印から百五十周年という日ロ関係にとって歴史的に重要な節目の年となるということを踏まえまして、二〇〇五年に日ロ両国がそれぞれ記念行事を行うということで合意してございます。
 御質問のロシアにおける報道ぶりでございますが、条約が調印されました日でございます二月七日でございますが、ロシアの国営テレビがニュース番組枠で日ロ修好百五十周年にちなんで町村外務大臣のインタビューを放映いたしました。それとともに、本件、この日露通好条約の調印が行われました下田の映像を報じまして、この条約の調印、この百五十周年について報道しております。また、サハリンを始めとするロシア各地においても、日ロ修好百五十周年を記念する記事が報じられております。
 この百五十周年に関する記念のイベントでございますが、幾つかかなりの数のものが予定をされたり、もう既に実施をされたりしておりますが、主なものを御紹介をいたしますと、二月九日にロシア外務省主催で、この日露通好条約原本の展示会が行われております。また、モスクワにおきまして、我が方大使館でございますとか、その他総領事館等ございますところで、我が国、我が国の公館の主催による各種行事、それから民間レベルで日ロ双方の友好団体などによる行事が実施される予定でございます。
○渡辺孝男君 若い世代の理解というものが大変重要だと思うんですが、ロシアで小中学校の教科書では北方領土問題がどのように扱われているのか、外務省にお伺いをいたします。
○政府参考人(川田司君) お答え申し上げます。
 ロシアにおける初等中等教育は、六歳ないし八歳から始まる十一年制の学校で行われているわけでございますが、教科書検定制度に合格した複数の教科書が使用されております。すべての教科書について網羅的に把握するのはなかなか難しいわけでございますけれども、日本の小学校高学年に当たる学年以上の教科書を調査した結果は次のとおりでございます。
 まず、日本の小学校高学年から中学校に該当する六年生、七年生、すなわち十二歳から十五歳の学年を対象とする歴史教科書には、北方領土に関する記述はございませんでした。続きまして、八年生、すなわち十四歳から十六歳の学年を対象とする歴史教科書でございますけれども、これにおきましては、一八五五年、ロシアと日本との間で択捉より北のクリル諸島をロシア領と認める条約が署名されたとする記述がある教科書もございます。それから、九年生以上、十五歳から十八歳の学年を対象とする歴史教科書では、サンフランシスコ条約にクリル島をソ連の一部と認める条項が含まれなかったことがいわゆる北方領土問題の発生につながったとする記述などが見られます。
 以上でございます。
○渡辺孝男君 お互いに歴史をしっかり学んで、いい形で北方四島が我が国に帰属するということが明確になっていただければと思っております。そういう意味で、ロシアにおきましてもそういう教科書でいろいろ歴史的な事実について取り上げていただければなという思いがございます。
 それでは、次の質問でございますけれども、現時点におけるプーチン大統領及びロシアの主要閣僚の訪日予定について外務省にお伺いをいたします。
○副大臣(谷川秀善君) ただいまの御質問でございますが、去る十七日に町村外務大臣とラブロフ外相が電話会談をいたしました。そのときに、プーチン大統領の訪日を中身のあるものとして成功させましょうということで、更に準備を加速させるということで意見の一致を見たところでございます。
 したがいまして、大統領の訪日に向けて予定されております一連の外交日程及び中身に関しましては、更に調整をすることといたしたいと考えております。
 なお、プーチン大統領の訪日、フリステンコ産業エネルギー大臣及びラブロフ外相の訪日といった今後の一連の日程につきましても、全体として引き続き日ロ間で日程の調整を精力的に行ってまいりたいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 プーチン大統領、早くおいでになって実質的な協議、北方領土に関しましても実質的な協議が進むことを期待をしておるわけでございます。
 次に、漁業関係で、北方問題の漁業関係で質問をさせていただきたいと思います。日ロ漁業委員会第二十一回会議の結果では魚種別割当て量に変動があったものがありますけれども、その理由について外務省にお伺いをいたします。
○政府参考人(小松一郎君) 日ロ地先沖合協定に基づくその漁獲でございますが、御指摘のございましたように、漁業委員会で協議をして決めるということでございますが、ロシアの二百海里水域における日本漁船の操業につきましては、ロシア側も国連海洋法条約に基づきまして、魚種別にいわゆる総漁獲可能量、TAC、タックと呼んでおりますけれども、これを決めまして、それに基づきまして日本への割当てを決めるという方式を取っておりまして、この二〇〇五年の割当てにつきましてはおおむね前年並みに落ち着いたわけでございますが、サンマにつきましては、ロシアにおけるサンマの総漁獲可能量、TACが資源評価の結果減少をした結果、我が国漁船への漁獲割当て量は対前年比六千八百七十トン減ということで、三万四千五百トンということになっております。
 ただ、一言付け加えさせていただきますと、このTACの中で、例えばロシアを含めましたいろいろな国の漁獲量がそこに、自分たちに割り当てられたところに至らないというようなことで余裕が出てくるという可能性がございまして、その場合には日本に優先的に配分を検討をするということも前回の会議で合意をされておりまして、これにつきましてはそういうことが可能になりましたら追加的な協議を早期に行うということで、ロシア側と調整をしているところでございます。
○渡辺孝男君 次に、一問割愛をさせていただきますが、貝殻島昆布漁、昆布漁業の現状と今後の課題についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(小松一郎君) 貝殻島周辺での昆布の採取につきましては、これは御案内のとおり、一九八一年に作成をされました民間取決めに基づきまして毎年操業が実施されてきているところでございます。
 最近の問題といたしましては、一昨年、その操業準備に係るロシア側内部の手続に遅れがあったということで、我が国の漁業者の方がその操業を開始されるのが大幅に遅れて大変な経済的な損失を被られたということがございました。
 そういうことで、昨年の操業につきましては、こういうことのないように是非その手続を迅速に進めてもらいたいということをいろいろな機会で私ども申入れをしておりましたけれども、昨年も非常に遺憾なことながら、ロシア側の省庁再編とか、それから漁業当局の幹部が収賄容疑で摘発をされる、逮捕されるというようなことでかなりロシア側の体制が混乱をいたしまして、昨年も一昨年に続きまして大変遺憾なことながら出漁のタイミングが、一昨年ほどではございませんけれども遅れたということがございます。
 外務省といたしましてはこのような事態を重大に受け止めておりまして、ロシア側に対してこのようなことが繰り返さないための具体的な措置を講ずるようあらゆる機会を通じて申入れを行ってきております。今年一月の日ロ外相会談、町村大臣がモスクワにおいでになりまして、そこでラブロフ外務大臣に対してこの問題についても提起をいたしまして、具体的措置を講ずるよう申入れを行ったところでございます。
 私どもといたしましては、この現行の民間取決めに基づく円滑な操業が確保されることが非常に重要であるという立場から、今後の操業に関しましても円滑な操業の確保につきまして一貫してロシア側に対して申入れを行っていく考えでございます。
○渡辺孝男君 そのほかに採取料の負担の問題がございますんで、その点も漁業者に負担が過重にならないように政府としても支援をしていただければと思います。
 北方問題に関しまして、三月の二十日に公明党は北方領土返還実現大会というものを行ったばかりでございますが、その折にも関連の団体の方々から様々な要望をいただきました。その中で、千島歯舞諸島居住者連盟の方から、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律に基づいた北方領土問題対策協会が運営する融資制度というものがあって、その対象を拡大していただきたいと、そういう要望もございましたので、この点もその団体から政府の方にも要請があると思いますけれども、この点もしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 そのほか、ヒトデの害があるということで、ホタテ以外に大事なクロガシラカレイというのが減ってまいったと、それもヒトデの影響があるのではないかというふうに地元の漁業者の方が推測をしておりますが、そのクロガシラガレイの少なくなった原因の究明とその対策についてもしっかり検討をしていただきたいと思います。
 次に、時間短くなりましたが、沖縄に関しての質問をさせていただきたいと思います。ちょっと質問割愛させていただく部分がございます。
 小池担当大臣の方にお伺いをしたいんですが、沖縄の若年者の完全失業率の状況と、いわゆるニート、ニートと言われる者が沖縄ではどういう状況なのかと。そういう若者に対する対策、それについてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) まず、数字でございますが、ここ数年の沖縄の若年者、十五歳から二十九歳のカテゴリーの失業率を見ますと、平成十三年の一五・七%から平成十六年では一三・二%と減少傾向にはございますけれども、依然として高水準での推移ということになります。沖縄におきましては、失業率、全国平均、平成十六年ですけれども、四・七のところが七・六というように厳しい雇用状況が続いている中でも、とりわけこの若年者ということは厳しい状況にあるということでございます。つまり、減少傾向にあるけれども依然高止まり、こういった傾向になっているわけでございます。
 それで、そこの背景ですけれども、まず、人口の増加率がこれは高いですね、出生率も高いですね。それから県内での就職志向が強いということであるとか、それから、先ほどITだ、金融だという話ございましたけれども、若年者の希望に沿う産業の育成がまだまだ十分でないといったことなどもあるかと思います。
 そういったことで、今数字面でお答えをさせていただいたわけでございます。
○渡辺孝男君 ニートという、そういう若者の対策については、何か特別に沖縄でやっていらっしゃるということはございますでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 特にニートということで対策ではございませんで、若年者に対しての雇用対策全般としてお答えさせていただきますけれども、直接的な雇用の促進として例えば沖縄若年者雇用開発助成金などによって雇用支援をしたり、それから若年者の人材育成から就職まで一貫して支援するための沖縄県キャリアセンターの設置などにも取り組んでまいりました。
 それから、先ほど、若者たちが働きたいと思うような産業をもっと振興しなければという観点から、新たな雇用を生むための産業の振興や人材の育成として、沖縄のリーディング産業であって多くの雇用を生む観光産業の振興に力を入れているということ、それから地場産業、ITなどの新規産業の振興にも努めさせていただいているところでございます。
 雇用を生むためには、関係省庁大変たくさんになりますけれども、沖縄県、そして関係省庁と連携いたしまして雇用を確保するための積極的な取組を進めてまいりたいと、このように考えております。
○渡辺孝男君 残りの質問ありますが、次回に譲りたいと思います。
 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初に、北方領土の元島民から、島民の皆さんが四島からの引揚げの状況や領土返還への思いを語るいわゆる語り部活動というのがあります。根室管内を中心に行われているんですが、地元の小中学校や高校の生徒たちに語ったり、あるいは道外からの訪問者や大学のゼミナールの聞き取りや海外のメディアの取材とか様々あるんですね。このうち、北方領土問題対策協会や復帰期成同盟によるものは講師に対しても手当が出されているわけです。しかし、そのほか市で主催するとか、あるいは千島連盟根室支部とか個人とかいろんな形でこの講師活動が行われていまして、多くの場合、年齢も高くて年金生活で余裕があるわけじゃないんですけれども、手弁当で頑張っているわけです。
 それで、こういう語り部の活動の手当の支給について内閣府としては認識をされているでしょうか。
 簡潔にお願いします。
○政府参考人(東清君) 先生おっしゃられた語り部の会、おっしゃられたように、北方領土問題対策協会あるいは北方同盟といったところで研修会、学習会で講師として話すという場合には謝金あるいは交通費などが支払われるわけでございますけれども、私ども全体としてどの程度把握しているかと申されましたが、こういった旧島民の方々、地域においていろんな団体あるいは小グループの呼び掛けに応じて招かれて話すというのが実態でございまして、どういう場でどういう形でというのが実情が種々異なってまいります。
 私ども、全体として把握するというのはなかなか難しいというのが実情でございます。
○紙智子君 直接、私たちも委員会などで行くと、じかに話を聞いてやっぱり理解が深まるということがあるわけです。
 小池大臣、大臣は今年の北方領土の日に、元島民の訴えに心を打たれて北方領土返還への思いを強くされたというふうに語っておられますよね。それで、こういう語り部としての活動の重要性をよく認識をされているというふうに思うんです。
 私が調べただけでも、北海道が主催している四島の語り部トークってあるんですけど、二〇〇〇年に五市町村の学校で二十八回行われて、講師には一時間当たり八千円が支払われているんですね。一方、千島歯舞居住者連盟の根室支部が行っている懇談や研修会の講師派遣というのは、北対協からこの千島連盟の語り部活動に支給されていないために、例えば二〇〇三年でいいますと六十七件で延べ百三十四人の人が派遣されているんですけれども、手当など十分支払われているわけじゃないんです。
 今年、節目の年ということもありまして活動がうんと活発に、もっと増えていくわけですけれども、多くがやっぱり身銭を切ってやっているということで、是非実情を把握していただいて手弁当の活動にも光が当てられるように、すべての適切なやはり講師活動に国の支援ができるようにお図りいただけないでしょうかということなんですけど、どうぞ。
○国務大臣(小池百合子君) 元島民の語り部の皆さん、返還要求運動の先頭に立ってこられました。そして、今そういった方々が御高齢になっておられるということでございますけれども、元島民の方々とは何度かお会いさせていただいて、その心情ということについてはよく承知をしているところでございます。
 また、島民の、元島民の二世、三世の方が、それから次代を担う若い世代の方々が北方領土問題を正しく理解するという上では、この語り部の皆様方の存在であり、その活動であるというのは大変大切なものでありますし、また私、すそ野の広い国民運動をということで、その意味ではその展開につながるものと理解をいたしております。
 今、幾つか数字なども御紹介ございました。様々な形態で行われているボランティア的な方々の活動に対しまして新たな支援措置というのは難しいんですけれども、こういった方々の活動重く受け止めて、今後とも語り部の方々の、含めました元島民の皆様への援護措置、これを着実に推進をしてまいりたいと、このように考えております。
○紙智子君 次に、北方領土問題の特殊性からくる漁業問題ということで、そこへの国の支援の強化についてお聞きしたいと思います。
 貝殻島昆布漁、昔から納沙布岬の目と鼻の先で、この地先で、根室の住民が小舟で昆布を取りに行っていたわけです。ところが、ロシアの占拠でできなくなって、その後、民間交渉の力で高い採取料を支払って漁をせざるを得ない状態が続いています。
 水産庁に最初お聞きしますけれども、昨年と一昨年出漁した一隻当たりの水揚げの額、それから採取料、交渉経費も含んでですけども、その他ガソリン代などの経費はおよそどれぐらいあって、その結果、この採取料が昆布漁経営に与える影響についてどのように見ておられるのか、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(竹谷廣之君) お答えいたします。
 今お尋ねの昆布漁に関しまして、一昨年、平成十五年の数字でございますが、この水域に三百九隻出漁いたしまして、その水揚げ金額は三億九千五百万でございます。したがいまして、一隻当たりの水揚げ額は百二十八万円でございます。それから、昨年、平成十六年度でございますが、三百隻出漁いたしまして、こちらの方の水揚げ金額は五億四千七百万円でございまして、一隻当たり百八十二万円という一隻当たりの水揚げ金額でございます。
 また、採取料につきましては、一億二千二百万円で平成十六年度出しておりますので、これを三百隻で割りますと、大体平均で四十万円相当というふうに考えております。
 ガソリン代等は、ほかの漁業とも兼業していることがございまして、残念ながらつまびらかな数字はちょっと手元にございませんので、ちょっとお答えできないということでございます。
 以上でございます。
○紙智子君 交渉経費を含めると一隻当たり五十万ぐらいというふうにも私たちも聞いているんですけれども。
 それで、小池大臣にお聞きしますけれども、このように高い採取料を支払ってやっている昆布漁、全国ほかはないと思うんです。それで、日本の領海なのにロシアに支配をされているために五十万もの自己負担をしなくてはならないというのは、やっぱり漁業者にとっては何とも納得し難いことだというふうに思うんですね。やっぱり領土問題が解決していないがためにこういう事態がずっと続いてきていると。
 先月、この委員会に参考人で根室の市長さんが見えられてお話しした中にも、本来、日本の海域であると、生産活動に伴うロシア側への協力費については全額国で支援してほしいんだという訴えが、要望が上げられておりました。こういう声にどのようにおこたえになるのか。まあ、水産行政ではなかなか解決し得ないという問題もありまして、ここは是非、北方担当大臣の力が必要だというふうに思います。
 大臣、国としてこの貝殻島昆布漁の採取料に支援を是非御検討いただけないでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 私も納沙布岬に参りまして、そして貝殻島を望みました。望みましたというか、もう余りにも近くで、その距離感に驚いた次第です。
 ちなみに、内閣府の北方対策、内閣府のホームページから、やっぱりこれは我が国の領土なんだと、見えるようにしなくちゃということでNTTの方にもお願いをして、そして貝殻島に、ホームページのところの貝殻島のところにぴゅっと合わせますと勝手に自動的に焦点が貝殻島に合わさって見えるようになっておりますので、先生方も一度ちょっと試してみていただきたいと思います。
 いずれにせよ、大変近いということでございますけれども、貝殻島の昆布漁の漁業者についても、今お話ございました、まさしく北方領土問題が未解決であるということから、毎年この民間協定で操業条件を決めて、その内容として漁業者の皆さんがロシアに昆布の採取料を払うというような大変な不利益を被っているということでございます。
 根本問題、そこを解決せよという今の御指摘だったと思います。正にそのとおりだと思っておりますので、漁業に従事されている方々が正に正常に活動できるようにするためにもこの北方領土の一日も早い返還に全力を尽くしてまいりたい、改めて申し上げます。
○大田昌秀君 社会民主党の大田でございます。
 まず最初に、沖縄新大学院大学の建設費及び年間の運営費の見積りについて御説明ください。
 また、尾身前沖縄担当大臣は以前に、教授二百人、技術・事務職員三百人、学生五百人を想定していることを明らかにされましたが、同大学の教授陣や学生数などの大学の規模について教えてください。
○政府参考人(東良信君) お答えいたします。
 御質問は二点あったと思いますので、一点目は、いわゆる予算の関係の運営費、それから建設費でございます。
 先生もう御案内のとおり、今回、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤機構整備を設立するための法案を今回提出しております。で、今先生の御質問の中で二つに分けてお答えしたいと思いますが、機構で何をやるかということと将来の大学でどうかということがあるんだろうというふうに思います。
 当面、この機構におきまして主任研究員を五十人程度まで拡大させて、その時点を目途として大学を設置するということでございます。機構におきましては、やはり大学の基本的な基礎的なものをたくさん作らなきゃいけないということで、相当の予算額が必要だということでございます。これにつきましては、今ボード・オブ・ガバナーズを中心に試算といいますか、そういうものをやっているということでございます。
 それから、一方、大学で恒常的な運営費等々についてどうだということでございますけれども、これも今、この法案におきましても機構において大学の準備がなされるということになっておりまして、そこで最終的な研究内容だとか規模だとかそういうものが決定されますために、最終的な試算はなかなか難しいだろうということでございます。
 そういうことで、今見積り等々についてはお答えさせていただければと。
 で、この機構におきましてどういう事業を、なっているかということでございますが、現在の研究事業で、今年度、今年度が十五億七千万、それから今年度で三十億強の予算を付けさしていただいていると。そして、研究チームは四プロジェクトチーム、それから八プロジェクトチームの予算ということでございますので、そういう形で機構においてもそういうベースでの予算になろうかというふうに思います。
 それから、二つ目でございますが、二つ目の大学の性格といいますか、それから教授陣、それから学生の規模みたいなものでございます。
 これは、規模につきましては、今現在、大学の開学時としては五十人程度ということでございます。それから、規模につきましては、世界最高水準ということであれば規模のミニマムがあるだろうということを言っておられまして、現在、最初は、当初は、尾身大臣の当初は二百人程度というお話がございました、各そのボードメンバーの内外の有識者の話から。現在は三百人程度まで行かないとなかなかうまくいかないのではないかという話が出ております。まだ最終的にどういう形になるかということは、この大学を決めるときに準備をする中で決まっていくだろうということでございます。
 学生につきましては、やはり一学年百人程度、で、大学院でございますので五百人程度ということでございます。
 それで、サポート人員、それから助手等々の話でございますが、これもいわゆる主任研究員、いわゆるプロジェクトが幾つ出るかということで相当差が違ってまいりますので、相当の人数の差があるんだろうというふうに考えております。
 以上でございます。
○大田昌秀君 時間がないですから、ごく簡潔にお願いいたします。
 学生はどこからどういうふうに集めるつもりですか。
○政府参考人(東良信君) お答えいたします。
 国際性を重んじるということで、国際性を重んじるということでございますので、全世界から学生は応募をお願いをしようということでございます。公募でございます。当然、公募だということでございます。
○大田昌秀君 同大学院の設立準備費用として、二〇〇五年度予算では国が二十九億円、地元沖縄県が四千六百七十五万円を支出しておりますが、仮に独立採算でうまくいかない場合、どう対応なさるおつもりですか。地方自治体に補助をさせるつもりですか。
○政府参考人(東良信君) お答えいたします。
 費用は非常に、学生さん、いわゆる授業料で採算を取るというのはなかなか難しい話でございます。それからまた、そういう意味でなかなか難しいということで、財政的な措置は国が中心でやっていかざるを得ないだろうと。いわゆる地方公共団体等々に御負担を、そういう運営費で御負担を掛けるということについては、現在のところ話は出ておりません。
 以上でございます。
 もう一つ申し上げれば、他大学のこういう大学につきましては、御案内のとおり寄附金、それから卒業生のそういう寄附金等々で賄っているという例が多いということでございます。
○大田昌秀君 先ほど大臣が御説明になりました予算の説明に、沖縄に関する特別行動委員会、SACO最終報告の着実な実施等に関連して、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進経費及び沖縄北部特別振興対策事業費を計上するほか、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業費等の経費を計上いたしましたとありますが、それぞれの額を簡潔に教えてください。
○政府参考人(武田宗高君) 跡地利用に関しましては、跡地利用のいわゆる調整費的な経費、これが二億でございます。それから、それ以外にアドバイザー派遣等に要する経費が約六千万辺りだったと思います。それからもう一つ、いわゆる島田懇談会事業だと思います。今のちょっと突然のお尋ねでございます、手元に数字ございませんが、七十数億であったと思います。
○大田昌秀君 普天間の跡地利用については、もう推進経費は出ているんですか。
○政府参考人(武田宗高君) 失礼しました。先ほど、島田懇談会事業七十数億と申しました。七十八億でございます。
 それから、先ほどの跡地利用の経費というのは、正式には普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進関係経費ということで二億二千万と六千四百万でございます。この二億二千万の経費あるいは六千四百万の経費等活用いたしまして、跡地利用に向けていろいろ地方公共団体等を支援しておるということでございます。
○大田昌秀君 ここで、事務当局、大臣に改めて申し上げますけれども、沖縄に関する特別行動委員会最終報告を着実に実施するということを前に問題にいたしました。外交防衛委員会でも私が問題にしたわけなんですが、SACOの最終報告と今政府がなさっていることは中身が違うということを度々申し上げているわけですが、ここで、それにもかかわらず、特別行動委員会最終報告の着実な実施をすると言っておられます。
 そうしますと、今、軍民共用の飛行場を元の軍だけの飛行場に変えるわけですか、それから二千メートルの滑走路の長さを元の、最終報告どおり千三百メートルに縮めるというお考えですか。
○政府参考人(武田宗高君) お尋ねのSACO最終報告でございますが、これは外交文書にも係る問題でございますので、外務省の方にお問い合わせを願えたらと思います。
 私どもといたしましては、平成十一年の十二月二十八日閣議決定でございます普天間飛行場の移設に係る政府方針というものに基づきまして、SACO最終報告の着実な実施に努めておるところでございます。
○委員長(木俣佳丈君) じゃ、最後、大田君。
○大田昌秀君 この問題は非常に重要ですので、また次の機会にやらせていただきますが。
 先ほどの大臣のお話を伺っていて、自立経済、沖縄の自立の問題について同僚議員から御質問がありました。そのお答えを聞いてて、私、ちょっと疑問に思っております。
 沖縄銀行の一九九九年一月の調査月報によりますと、沖縄県内の十五歳以上の人口の地域別の労働力率は、北大東村が七九・五%と最も高く、次に南大東、伊是名、竹富、与那国、渡名喜といずれも離島が高く、多くの人々が第一次産業に従事しているところなんです。逆に、労働力率の低い地域は、金武町や嘉手納町、勝連町など米軍基地が集中しているところが低いわけなんですね。
 ですから、そういうことを考えますと、むしろ軍事基地を抱えているということが自立経済を阻んでいるということは、返された基地が今利活用されている那覇近郷の基地や土地をごらんになったらもう一目瞭然だと思うんですが、その点についてどのようにお考えですか。
○国務大臣(小池百合子君) 今お出しになりました大東島などの例につきましては、そのとおりだと思っております。
 ただ、米軍基地との関係で、米軍が、基地がある限り沖縄の発展がないというふうに先生はお考えになっておられるかもしれませんけれども、しかし、しっかりと厳しい環境の中でも懸命に努力を積み重ねている若い方も大変多いわけでございますので、産業の振興、そして人材の育成などの支援にこれからも積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○委員長(木俣佳丈君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木俣佳丈君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(木俣佳丈君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、池口修次君が委員を辞任され、その補欠として島田智哉子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(木俣佳丈君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
 本委員会では与えられた時間が二十五分でありますので、私は北方領土問題に絞ってお尋ねをさせていただきたいと思います。
 我々国民の悲願であります北方領土返還につきましては、去る二月七日の北方領土の日に平成十七年北方領土返還要求全国大会が開催されて、改めて運動の推進を誓ったところでございますけれども、一方、今国会においても、三月九日に開催された本委員会において、小池沖縄及び北方対策担当大臣、町村外務大臣から所信が表明され、小池担当大臣からは、問題解決に向け決意を新たにした、町村外務大臣からは、精力的に交渉を進める、こうした強い言葉をいただきました。また、去る二月八日には、藤原弘根室市長、小泉敏夫千島歯舞諸島居住者連盟理事長、袴田茂樹青山学院大学教授から、状況や問題点について意見を開陳いただき、大変参考になった次第であります。
 御承知のように、本年は得撫島と択捉島の間に平和裏に日ロ間の国境が画定された日露通好友好条約調印から百五十周年に当たるわけであります。また、さきの大戦から戦後六十年の節目の年に当たるわけでもあります。
 そのさきの大戦において旧ソ連は、一九四五年八月九日、昭和二十年八月九日でありますけれども、当時有効でありました日ソ中立条約を一方的に破棄して対日参戦をいたしました。そして、八月十四日に日本はポツダム宣言を受諾して降伏の意図を明確に表明した後の八月十八日、ここが問題でありますけれども、正に国際法を無視して、戦争が終わった後の八月十八日にカムチャツカ半島からソ連の第二極東軍が進撃して、千島列島の占領を開始して、八月三十一日までに千島列島の南端であります得撫島を占領したわけであります。
 我が国、我が国民が父祖伝来の地として受け継いできた、いまだかつて一度も外国の領土となったことがない我が国固有の領土であります北方領土におきましても、八月二十八日から九月五日までの間に、択捉、国後、色丹、歯舞諸島のすべてを占領したわけであります。いま一度申し上げますけれども、戦争が終わった後の二十年八月二十八日から九月五日の間であります。
 また、一九五一年、昭和二十六年九月八日にサンフランシスコにおきまして対日平和条約が締結されましたけれども、このサンフランシスコ平和条約は千島列島と南樺太について、日本国は、千島列島並びに日本国が一九〇五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権限及び請求権を放棄する、こう規定しております。この規定によって日本は千島列島と南樺太を放棄いたしましたけれども、一方、平和条約はこれらの地域が最終的にどこに帰属するかについては何も決めていないわけであります。
 したがいまして、ソ連は我が国固有の領土である北方四島を一方的に占領して自分の領土に入れておりますけれども、国際法上これらの地域はどこに帰属するか、現在も未定だと認識しております。
 そこで、町村外務大臣にお尋ねいたしますが、我が国としても、ソ連が一方的に占拠して言わば我が国固有の領土に居座っている、こうした立場を取っておられるのかどうか、大臣の所見をお尋ねいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 今、水落議員が歴史的な経緯をお触れをいただきました。全く委員の御指摘のとおりであると、私もそう理解をいたしております。
 言わば北方領土は、北方四島、ソ連、ロシアによって不法占拠の状態が続いているんだと、こういう認識でございます。したがいまして、この北方四島の帰属問題を解決して平和条約を早期に締結するというのがこれまで歴代内閣の一貫した方針でございまして、小泉内閣においてもそういう方針の下で、現在もまた引き続き精力的かつ粘り強くロシアとこの北方領土の帰属を解決した上で平和条約締結という方針に、目的に向かって交渉を進めていこうと、こう考えているところでございます。
○水落敏栄君 北方領土返還運動、本当に長い歴史があるわけであります。一九四五年、当時の根室町長がマッカーサー元帥に対して陳情したことが始まり、こうして言われていますけれども、こうした運動の中で、ポツダム宣言受諾後に、また八月十五日の終戦以降にソ連が国際法を無視して北方四島を占領したことを、我が政府は国際司法裁判所など国際社会にその違法性を訴えたことはございますか。お尋ねします。
○政府参考人(小松一郎君) 北方領土問題でございますけれども、基本的にはこの日ロ二国間で解決すべき問題であると考えておりまして、国際社会の場においてこの問題を取り上げることにつきましては、その時々の交渉の状況も勘案しつつ、どのように対応することが効果的かについてよく検討する必要があると考えております。
 国際司法裁判所につきましては、かつてソ連が領土問題の存在自体を否定し続けているという状況の下で、一九七二年に当時の大平外務大臣から国際司法裁判所への北方領土問題の付託を提案したことがございますが、ソ連のグロムイコ外相がこれを拒絶したという経緯がございます。
 他方、今日では、日ロ両国間で北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという共通の交渉指針に基づき交渉が行われているところでございまして、これまで日ロ間で積み重ねました諸合意に基づいて粘り強い交渉によって解決することが重要だと考えております。
○水落敏栄君 なぜできないのか、その理由をこれからお尋ねしようと思ったんですけれども、余り理由は出てこないような感じがいたします。
 町村大臣は、参議院の予算委員会で民主党の山谷議員が、中国の抗日教育の一環として、北京や南京での記念館等において事実ではない展示物を外していただけないか、こうした質問に対しまして、その改善を中国側に提起した、こうした答弁をされておりまして、私は、今までの謝罪外交、弱腰外交から、きちんと言うべきところは言う、我が国の立場をはっきり説明する、かつてないことだと、さすがに将来、我が国のトップリーダーとなるべき町村大臣だと敬意を表しておりますけれども、是非、この国際法に違反しているということを国際司法裁判所を始め国際社会に強く訴えていただきたい、そしてロシア側に強く申入れをしていただきたい、こう思っていますけれども、いま一度お願いします。
○国務大臣(町村信孝君) これは、今、小松局長がお話をしたとおり、この司法裁判所の場合は、双方の合意によってこれが初めて裁判プロセスに入ることができるということでございますので、ロシアが、かつてソ連時代はそもそも問題が存在しない、領土問題は存在しないということだからそれは相手にしなかった。九三年の東京宣言以降は一応それは問題があるということは公式に認めているわけでありますが、しかし結局、この国際司法裁判所に持っていくということに彼らが合意をし、しかも、受ける方ですか、彼らは受ける方ですから、言わば十分勝算ありと思えば当然受けてくるんだろうと思いますね。しかし、結局、そこで受ける受けないという議論をすることと、今こうやって現実に日ロ両国間で領土返還交渉をやることと事実上同じことになるわけです。同じことになるわけです。
 そうであるならば、今、日ロ両国間でその裁判というプロセスに乗るか乗らないかという議論、入口論をやるよりは実質的に両国間で話をした方がむしろ、まあ手っ取り早くというほど実際手っ取り早く物事が進んでいるわけじゃないわけですが、しかし同じプロセスをたどるのであれば、まず両国間で話し合って答えを出していこうではないかという方が我々実質的ではないかと、こう考えて今やっているわけでございまして、別にこの司法裁判所に行く道を我々が自ら閉ざしたり拒絶しているわけではございません。基本的には、先方がそれには応じないというポジションがあるんだということは御理解を賜ればと、こう思います。
○水落敏栄君 なかなかソ連という国は、ロシアという国はしたたかでありますから、やはりそうしたことで困難だと思いますけれども、そういう意味では、国際司法裁判所等以外に、例えば国連の演説で、過去におきましても一九七五年に佐藤総理が、あるいは一九八七年に中曽根総理が、それぞれ北方領土問題に対して国連で演説をしておりますので、こうしたことも今後ひとつ引き続きやっていただければと思っております。
 次に、大臣は一月十四日にモスクワを訪問されてラブロフ外相と会談して、問題解決に向けて真剣な話をしていくんだと、そして四島の帰属問題を解決して平和条約を早期に締結するんだと、こうしたことに精力的に交渉する、このような所信を述べておられますけれども、また、三月九日の参議院本会議におきましては、日露通好百五十周年に当たり日露関係の飛躍的発展に関する決議を全会一致をもって採択をしております。
 しかし、名前を出して恐縮でありますけれども、拓殖大学の森本敏教授はある講演で、北方領土問題は、北オセアニア共和国ベスランで起きた学校占拠事件以来ロシア国内にナショナリズムが蔓延して、二島返還も難しい、プーチン大統領の訪日も難しい、こう言っておられますし、また新聞等のメディアでもそうした難しいということが言われておりますけれども、政府としては、全国民の悲願にこたえるためにこれらを具体的にどんなシナリオを書いて進めていくのか、そのことをお尋ねいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 国会の御決議をいただいたことは、交渉する立場の者としては大変有り難いことでございまして、強い国民の意思を背景にこうした交渉に当たっていかなければならないということでございます。
 今委員御指摘があったように、ロシアの立場というものもありますし、また、いろいろな国際情勢の変化の中で強いロシアというものをより求めようという動きがあることも事実だろうと思います。そういう中での交渉でございます。
 従前は、プーチン大統領が二期目の再選を果たした後、より強い大統領の権限といいましょうか、地位が確立するのだから、そうすれば交渉しやすいポジションに立つのではないかと、こういうある種楽観的な見方もあったかと思います。他方、ロシアをめぐる、特に中央アジアからむしろEUに接近する方の国際環境、決してロシアにとっていい環境とは言い難い状況にある。そういう中で、今委員御指摘のような、西の方でうまくいかないんだから東の方はより強硬にというような動きがそれは散見されるところでございます。
 もとより、この北方領土交渉、難しい交渉でございます。今まで、私どもの諸先輩がそれぞれの状況の中で大変な政治的な努力を払いながら交渉してきた、あるときはかなり近づいたかなというような印象を外務当局も持ったこともあるようでございますが、現実にはなかなかそうはいかないということでございます。今日も、そういう意味では依然として大変困難な状況なんだろうと思います。
 一月の十四日の日に私もラブロフ・ロシア外務大臣とお話をしましたが、まあ実質的な私にとりましては一回目、ラブロフさんとはそれぞれ初めての交渉でございましたから、かなり原則論をぶつけ合うというような状況でございましたので、全くこれはもう交わることがない、これまでの状況がこれから先も続くのかなというような印象を最初だから当然持つわけでありますが、しかし、結論的に、お互いに立場は隔たりがあると、現在隔たりがある、しかし、それに何とか懸け橋を架けようではないかと。
 そういう努力をすることが、そういう真剣な話合いをすることが我々両外務大臣に与えられた仕事で、それはどこかの時点でやっぱり両国首脳の政治決断ということを求める状況というのもまたあるんだろうけれども、我々はどうやったらばその懸け橋を架けるという、その作業が前向きに進むことができるか。交わることのない鉄道のレールのような状態をこれから五十年、百年ずっとポジションとして変わらずにやっていくということも、それも一つの外交の方法かなとも思います。しかし、それでは余りにも日ロ双方の国家的な利益から見て、それはあなた方にとっても得ではないし、それは日本にとって決して国益に合う方法だとは思わない。やっぱりどこかでその二本のレールが交わるような、そういう努力をすることが我々今求められているのではないかと、そんなような話をいたしまして、今日は、今日はというか、一月のときは第一回目ということで、また次回真剣な話合いをしましょうと。
 そして、先方からは、今年の前半に、当初は今年の初めにと言っておりましたが、今年の前半にプーチン大統領も訪日するのでというような話でございました。残念ながら、まだ訪日の日程等は確定をしておらない。電話会談などで詰めている状態でございますが、いずれにしても、両国首脳が率直な話合いができる環境づくりというものを真剣に我々外務大臣レベルでもやっていこうということで話し合っているところであります。
 大変難しい交渉が今後待ち構えていると思いますが、全力を挙げて努力をしていきたい。まだ、ここでこうやってこうなればという具体のシナリオをお話しできるほどまだそんなに煮詰まった状況にはございませんが、誠心誠意努力をしていく決意でございます。
○水落敏栄君 もう本当に大変な難しい問題でございます。どうかひとつ、精力的に御推進をいただきたいと、このように思います。
 ちょっと順番を入れ替えさせていただきます。余り時間がなくなってまいりました。
 北方領土返還運動、これ粘り強く継続していかなければなりませんけれども、国民の皆様、特に小中学生、こうした子供たちの多くが北方領土どこにあるか余り知らないわけであります。そこで、私、国会図書館で何冊かの地図を見てみましたけれども、帝国書院の中学校の社会科地図や小学館の日本列島大地図に載っていることは載っているんですね。でも、これは昭和四十四年から載せるようになったんだと、こう承知しておりますけれども、きちんと北方領土というものを教えていかなくちゃいけない、後継者育成のためにも社会科とかあるいは地理等で教えていかなくちゃならないと思っています。
 そこで、地図のことでありますけれども、外国の地図はどうなっているのか。私は余り調査ができなかったんでありますけれども、アメリカのCIAのホームページにあります日本の地図で、我が北方領土の島々については、一九四五年にソビエトに占領され、ロシアに管理をされて、日本に要求されている、返還要求のことですけれども、こんなふうに矢印で注釈を付けています、地図そのものに。また、ニューヨーク・タイムスのホームページでも、クリル諸島、千島列島でありますけれども、一九四五年よりロシアに占領されて、日本に返還要求されている、こう説明書きがございます。また、フランスの地図は北海道と国後島の間に国境線が引かれております。
 そこで、諸外国の作った地図で我が北方領土は地図上どのようになっているのか、分かる範囲で教えていただきたいと、このように思います。
○政府参考人(小松一郎君) この北方領土問題、基本的には二国間で解決すべき問題ではございますが、委員御指摘ございましたように、第三国において北方領土問題についてどのように地図等に記載されているかということは注意深くフォローをする必要があると思っております。すべての国のすべての地図について網羅的に把握することには困難がございますが、幾つか、主要国においてその在外公館等で気が付いた場合には報告が来ておりますし、また、その記載に問題がある場合には申入れをするということもいたしております。
 地図と申しましても、それぞれの国においていろいろな出版社の出している複数の地図もございますけれども、例えば、私の手元に持っている資料でございますと、フランスとかドイツにおける地図帳、フランスにおいてはロシア領であるというような記載がなされているとか、ドイツにおいては日本の領土であるという記載がなされている地図があるとか、いろいろなばらつきがございます。例えば、一例でございますけれども、中国の政府関係部局直属の出版社から発行されている地図において、北方領土は日本の領土として扱われているという報告を受けております。
 いずれにいたしましても、このような第三国における地図の記載につきまして我が方の立場と違っているものがございましたら、今後とも適切な形で働き掛けを行っていくつもりでございます。
 御参考までに、最近、第三国に対するこのような申入れを行った例といたしましては、平成十三年に、ASEAN諸国のうち北方領土をロシア領と表記していた国、タイ、ブルネイ、シンガポールに対して申入れを行ったということがございます。
○水落敏栄君 このことは、正に我が国の主権にかかわることでもあると思うんですね。過去、我が自由民主党は北方領土地図ミッションとして欧米を訪問しております。各国での世界地図に北方領土が日本領土として正しく記載されるように求めているわけなんですね。このミッションは、訪問先の多くから地図の訂正を行う、こうした回答もいただいているわけであります。
 そこで、今度は政府において、北方担当大臣と外務大臣が連携して、この誤った表示については訂正するように諸外国に申し入れていただきたい、こう思います。そのことが一点。そうして、党レベルの北方領土問題に対する取組、先ほど地図ミッションを送ったと申し上げましたけれども、これ政府としてこうしたことの地図ミッションなんかも送ってもいいんじゃないか、こんなふうに思っていますが、両大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど申し上げましたように、最近時点でも幾つかの国に働き掛けをやっております。今後、いろいろな機会にこういうことを話すチャンスもあろうと思いますし、できる限り各国大使館に督励をいたしまして、こうした地図の是正等を働き掛けを政府としてもやってまいりたいと考えます。
○国務大臣(小池百合子君) まず、党としてそういった活動をなさっておられることに対しまして、心から敬意を表したいと存じます。
 そしてまた、この北方領土問題、政府が一丸となって取り組む必要があろうかと思いますし、また、今年は日露通好条約署名百五十年という節目の年でもございます。そういった意味で、外交交渉を成功に導いていただくためにも、私といたしましては、これを支える国民の世論を結集すること、そしてまた、幅広い国民運動を展開していくという意味でも、的確な北方領土の認識を伝えることも重要だと、このように認識をいたしております。
 小泉内閣の閣僚といたしまして、北方領土問題の解決の促進のために、外務大臣を始めとして多くの関係団体の皆様とも協力をしながら、一日も早く問題解決に向けまして全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
○水落敏栄君 それから、最近残念な報道があったわけであります。それは、冒頭申し上げましたけれども、さきの大戦で不法にも国際法を無視して、軍人軍属、一般邦人、六十万人もの日本人を連行したわけであります。そして、強制労働をさせて五万五千から六万人の方々が亡くなった。こうした、我が国では抑留者と言っておりますけれども、ロシア側としては、我が国の抑留者の呼称を正式に拒否した、戦時捕虜だと、こういうふうに主張しているということも報道されておりましたけれども、私は、抑留者の悲惨さを思えば、抑留者の呼称を認めるようにロシア側に改めて強く要求すべきだと思いますけれども、このことにつきまして交渉経過、あるいは今後の対策、お願いします。
○政府参考人(小松一郎君) いわゆるシベリアで抑留をされた方々の呼称問題でございますが、今委員から御指摘ございましたように、まずその歴史的な事実として、我が国がポツダム宣言を受け入れて降伏をした後にソ連軍により連行をされたという事実がございます。また、抑留者団体の方々も、自らの名誉の問題としてこの捕虜という呼称を改めてもらいたいという御要望を承っております。このようなことを踏まえまして、外務省といたしましては累次の機会にロシア側に、政府間の協議においてこの呼称問題を取り上げておりまして、この変更をするように申入れをしているところでございます。
 先生が先ほど報道ということでもおっしゃいましたけれども、これはシベリア抑留問題全般について包括的に話し合う協議というものを二〇〇三年に私ども提起をいたしまして、つい先日、第二回会合が行われたところでございます。この協議におきましてもこの問題を提起をしたところでございます。それに対してロシア側から、先ほど拒否というお言葉ございましたけれども、難しい問題であるという認識の表明があったということでございます。
 まだまだあきらめずにこの問題につきまして、呼称の問題を含めまして、遺骨の問題、その埋葬地の整備の問題、慰霊碑の問題、いろいろございますので、このような問題についての改善を粘り強く引き続きロシア側に申し入れてまいりたいと思っております。
○水落敏栄君 ありがとうございました。時間が参りましたので終わります。
○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイでございます。
 私の方からも、主に北方問題について質問をさせていただきます。終わりの方では沖縄についても質問を用意しています。そして、今日は主に大臣の所信に対する質問ですから、私は政府参考人の方に一つも質問を用意していません。専ら大臣たちだけに集中させていただきます。質問を集中させていただきます。
 町村外務大臣の所信の中には、次のような文章が書いてあります。日ロ間において、戦後六十年を経た今日に至っても北方領土問題をめぐって双方の主張がいまだ平行線をたどっている現状を打破することが必要ですと書いてあります。私も全く同感です。その現状を打破することが必要ですが、先ほどの答弁の中でも質問の中でも、そう簡単なことではないということはもちろん私も、あるいは私たち民主党もよく分かっています。どのようにして打破することができるか、その隔たりが余りにも大きいですから、難しい問題だと思います。
 答弁を求める前には少し私の方からも、いろんな交渉がこの歴史の中に行われてきたんですね。で、私の方からも、そこの幾つかのロシアの主張と日本の主張が一番どこで違うかということをちょっとポイントだけを話してから、それに関して外務大臣の答弁を求めたいと思います。
 まず一つは、ロシアの方では一九五六年の日ソ共同宣言に基づく解決を今もなお強く求めていると考えています。国後島、択捉島の帰属につき、日ソ間では意見が一致しなかったので、平和条約に代えて日ソ共同宣言に署名したはずです。そのポイントは二つあると思います。外交関係の回復後の平和条約締結交渉の継続に同意した。もう一つは非常に大きな問題でありますけれども、歯舞群島と色丹島だけを平和条約の締結後、日本に引き渡すという合意というか、そういうことになっています。そのことに関して、プーチン大統領も二〇〇〇年九月に訪日したときは、五六年宣言は有効であると考えると発言したことも皆様もよく知っていることであります。
 あるいは、さらに二〇〇一年には、森首相のときでしたけれども、イルクーツク首脳会談では、五六年日ソ共同宣言を交渉プロセスの出発点と位置付け、その法的有効性を文書で確認する。その上で、東京宣言に基づいて四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという日ロ共通の認識を再確認した。これも四島の返還ではなくて、あくまでも四島の帰属のことを書いてあります。
 いろんなありますけれども、例えばこういうことはロシアの主張でありまして、日本の主張のポイントは幾つかあります。さっきも話にありましたように、百五十年前、一八五五年、日露通好条約のときは、これ日本にとって一番大切なところ、条約であると思いますけれども、日露両国は国交を開設し、択捉島と得撫島の間の両国国境を確認したということです。そして、一九九三年には、エリツィン大統領の訪日のときは東京宣言ができました。その第二項については、次のようなことは、外務省の文書の中にあります、領土問題を北方四島の帰属に関する問題であると位置付け、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというような趣旨の宣言であったわけです。
 しかし、最近新聞でもよく紹介されているように、この一九五六年の日ソ共同宣言の交渉記録で新たに分かったことは、国後島と択捉島の返還にソ連が一回も応じようともしなかったということ。逆に、日本側があくまでも四島返還を粘り強く要求したということですね。
 つまり、この二島か四島かの隔たりがその後も変わっていない。正に町村外務大臣が言うとおり平行線のままである。これを打破するためにどうしたらいいですか。答弁を求めます。外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 委員から今詳細にこれまでの日ロ間のやり取りについてお触れをいただきました。本当にそのとおりであろうと思っております。
 去年の十一月だったと思いますけれども、プーチン大統領あるいはラブロフ外相が国内向け、まあもちろんそれは国際向けでも日本向けでもあるんでしょうが、日ロ関係と平和条約締結の重要性、それからロシアが五六年の日ソ共同宣言に基づく義務を負っているということをロシア国民向けにアナウンスをいたしました。これをどう受け止めるのか。中には、いや、まあ相変わらず二島だけのことしか言っていないんだと、これじゃ話にならぬと、こういうような反応もあります。
 他方、言わばこの二島をそれでも返すということを国民に向かって言うのは、ある意味じゃ不人気なことを彼らはやった。何でそんなことをわざわざ言ったのかと。まあ、これはこういう解釈もあるということでお聞きをいただければと思いますが、これはある種日本に対する要するに招待状だと。我々はこの問題を真剣に議論する用意があるんだということを日本に対してメッセージをわざわざ出しているんだから、そのメッセージを受け取らないのはおかしいんではないかと。ロシアのそういう自国民にとって不人気な問題を取り上げてきたということは、日本と一生懸命交渉する用意があるんだと、こういうふうに受け止めてほしいんだと、こういう解説もありました。それぞれが意味があることであろうと、こう思っております。
 したがって、私どもは本当にその招待状であるかどうかは今後の交渉をやってみなきゃ分かりませんけれども、しかし、少なくとも、かつて冷戦時代のような状態ではない。明らかに冷戦が終わった後以降、彼らもこの問題の存在を、先ほど九三年東京宣言にお触れをいただきましたが、明らかにそこは変わってきている部分があると、私もそう思います。
 一番近いところでは、これは小泉、プーチンの間で日ロ行動計画というものを採択をいたしましたが、その中にもはっきりと、これまでに達成された諸合意に基づき、択捉、国後、色丹及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を可能な限り早期に締結し、もって両国間の関係を完全に正常化すべきであるとの決意を確認する。この日ロ行動計画はその他にもいろいろなことを触れているわけでございますが、こういう形でプーチン大統領が一番最近時点で小泉総理と共同声明を出したといったようなことを含めて考えたときに、私どもはいつまでもこれやっぱり平行線が続くということであるならば、こういう共同声明も出てこないんだろうと、こう思っております。
 そういう意味で、すばらしい妙案が今すぐあるわけでもございませんけれども、話し合っていけば必ずどこかで答えはあるのではないかと、こう思いながら、先方と引き続き熱心に、粘り強く交渉を続けていくという決意であるということをまず冒頭申し上げます。
○ツルネンマルテイ君 もちろん、私たちも今言われたことは分かっています。ロシアの方でも、決してこの問題を解決しないままにほっておきたくないということはそうです。両国にとっても、やはりこのままで、平行線のままではデメリットの方が大きいということはもちろんそうです。あるいは、日ロ行動計画の中でも、今言われたように、それにもちょっと後でまた触れますけれども、この一番目の質問に、ちょっと通告していませんけれども、さっきから少し触れましたけれども、大臣の方でこの一九五六年の日ソ共同宣言と一九九三年の東京宣言を、このポイントというか、私さっきは触れましたけれども、これを比較したときは、一番そこで、どこがその隔たりが一番大きいか、少しこれをもう一回ちょっと比較していただきたいんですけれども。もしよければ、お願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 五六年宣言というのは、先ほど委員がお触れになったように、平和条約を締結した後に歯舞、色丹を返還するために具体的に協議に入るということが触れられております。九三年の東京宣言、これは細川総理、エリツィン大統領の間でございますけれども、ここにおいては、ちょっと詳細に今全文手元にございませんからあれですけれども、要するに、この四島の問題について両国が誠実に取り組むと。帰属問題、法と正義、あるいは歴史的事実等々に基づいてきちんと答えを出そうということで、二島ではなくて四島という存在について、両国首脳が少なくとも四島のことをテーブルにのせるということを明言をした。そこがやはり大きな、一番大きな違いだろうというふうに私は受け止めております。
○ツルネンマルテイ君 もちろん、一番私たちも期待できるというのは、その東京宣言のときはあくまでもその四島の帰属の問題を解決するということは一つまあ出発点になるということは言うまでもないんですね。そこから二番目の質問に移らせていただきます。
 これもさっき大臣の方からも日ロ行動計画について触れましたが、これは言うまでもなく、二〇〇三年の小泉首相のロシア訪問のときの一つの大きな進展とも言えますね。両首脳間では日ロの包括的な協力関係の方針を示したものでもあります。それを署名したことでありますね。
 で、それの六つの柱があります。大臣の方はもちろんこれはよく分かっていますけれども、六つの柱というと、政治対話の深化、平和条約交渉、国際舞台における協力、貿易経済分野における協力、防衛・治安分野における協力、そして六番目は、文化・国民交流の進展の六つです。
 ここで私は、その中で、その一つであるのは平和条約交渉であります。もしこの一つの平和条約交渉に進展がない場合、平行線のままでずっと続いているときは、他の分野の行動計画の実行には何らかの支障が生じないのかと聞きたい。
 逆に、そのほかの五つの計画をもっと積極的に進めることによってはこの平和条約交渉も進展させるということ、つまり、この全体の中ではどういうふうに、もし平和条約交渉がうまくいかなかったときはほかの計画には影響があると思われますか、日本の方から。
○国務大臣(町村信孝君) 冷戦時代のこの日ロ関係、基本的には政経不可分という言葉をよく使っていたと思います。政治が、すなわちこの平和条約交渉が進まなければ経済の方も進まないし、進めないよという、これはもう表裏一体だと、こういう考え方であったと思います。
 現在は、やはり政治も経済も両方同時に動かしていこうと。多少政治の方が動かないからといって経済も一切ストップさせるというのではなくて、逆に経済の方を動かす。経済ばかりじゃなくて、今委員お触れになった文化とか防衛・治安とか政治とか、こういったことを含めてもいいんですが、平和条約交渉が進まなくても、他の分野を進めることによってより平和条約交渉が進む環境ができるのではないか。どちらかというと、ロシアはそちらの考え方が多分強いのではないかと思われるわけですね。
 もっと極端に言えば、平和条約がどうなろうとも他の分野はどんどん動かしてもいいのではないかと。そこまで彼らが明確に言ったわけじゃございませんが、そういう考え方もあります。
 私ども日本としては、余りそれは跛行的であってはまずいとは思いますけれども、やっぱりすべてをやっぱり進めていくんだという考え方でこの行動計画というものが二〇〇三年に両国首脳によって合意をされたものと、こう思っております。
 したがいまして、平和条約交渉が確かに滞っているのは事実でございますけれども、だからといって、その他の政治対話あるいは国際舞台における協力等々を、だからやめてしまうということではなくて、やはりそれらも進めながらこれらも進む、ほかの五分野も進んでいるんだから、当然平和条約交渉も進めましょうよと、こういう考え方で取り組んでいくのが適切ではないかと、私はそのように考えております。
○ツルネンマルテイ君 私も大体同じような考えですけれども、国民の中には、時々新聞にも載っていますけれども、やはり一つは、圧力というか、圧力カードにはほかの分野の計画を使っていってもどうですかということ。これは何かの、ただ粘り強く交渉を続けるだけでは何か進展がないというふうないら立ちもあるという声も聞こえていますけれども、これは決して簡単な問題ではない。
 もっと前向きに考えると、その中の政治対話の深化の中で、例えば議員間の交流をもっと進めましょうということ。もちろんこれは政府だけではなくて、私たち国会議員もそれにかかわっていますけれども、これをもっと増やすことでは平和条約交渉にはプラスになると思いますか。これも通告してないんですけれども、ちょっと意見、お願いしたいんですけれども。
○国務大臣(町村信孝君) もとより、これは外務大臣同士の話で話が済めばそれはいいわけでございますが、そう簡単なものでもないと思いますし、いろいろな方々のまたいろいろ接触というもの、対話というものがこの領土返還の雰囲気をつくることに非常に大きな効果があると、こう思っております。
 議員交流、やはり議員同士、お互い仕組みは違っても、選挙というものを踏まえ、国民に直接接しておられる議員の皆さん方がそれぞれの国益を踏まえながら、やっぱりなかなかどうしても政府間ですと建前で物を言わなきゃならないところをかなり本音ベースでいろいろなお話をしていただける、議員交流というのはそういう意味で私は意味があると、こう思っております。
 私自身も、一議員であったときには一生懸命ロシアの議員と交流をし、話をしたこともございます。そうやって話をしてみると、大分政府の言っていることとこの議員の言っていることは大分違いがあるなというふうに感じたことも折に触れてあったわけであります。また、これが学者同士の話ですと、これはこれでまた余り利害関係というものを超えて、ある意味では純粋に学問的に歴史的な事実はどうだったんだという議論をお互いにする、これもこれで大変意味のあること。あるいは経済、ビジネスで接触しておられる方々がお互いのビジネスのプラスのために今この時点でどうしたらいいのかという話をしていただく。そういう形で、我が国政府のみならず、先方政府にも働き掛けてもらう。
 そんなようなことがいろいろ重なり合って、最終的に一つの答えが出てくることを期待をするわけでございまして、そういう意味で、議員交流、是非ツルネンマルテイ議員にもお力添えをいただければ有り難いとお願いをする次第でございます。
○ツルネンマルテイ君 議員交流に関しては、私だけでもなくて、この委員会もやはりこういうことをもっと積極的に考えなければならないと私も思っていますから、だから皆さんでこういうことを、私たちはどのようにもっと積極的に交流できるか、考えていただきたいと思います。
 三番目の、通告した三番目の質問に移らせていただきます。これも外務大臣にお願いします。
 この四島返還がロシアにとって、もし実現された場合、それにどのようなメリットあるいはデメリットがあると考えられますか。あるいは、ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、全く解決しない場合はロシアにとっての影響はどう思われますか。
 その答弁を求める前には、私も、今新聞では、最近、一九五六年の交渉のときの日本側の通訳の、もう亡くなっておりますけれども、野口氏のメモには非常に驚くべきことが書いてあります。これも新聞にも載りましたけれども、そのときのロシア側の相手のフルシチョフさんが次のようなことを言っているそうです。歯舞、色丹は大して価値はない、国後、択捉も同様だ、ソ連側としては持っているだけでは損になる、こんな島を引き渡せばそれだけ予算が助かるわけだというふうにも、その交渉の中でこういうことも話があっていたそうです。
 しかし、私たちの方から見れば、例えば排他的経済水域の問題がありますね。この四島の周りにも二百海里の水域があります。漁業権がその返還に応じないことの一つの理由でも考えられる。これも大臣の方がどう考えていますか。あるいは、今も軍事的な戦略、軍事的に戦略的な重要な地域である、こういうことで、どうしても例えば国後とか択捉を譲りたくないということもあり得るんですけれども、こういうメリットとデメリットについては、答弁お願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 私も報道で野口さんという通訳をされた方のメモを拝見をして、いろいろな議論があったんだなということを発見をいたしました。
 私も外務大臣という職に就いてから、過去のいろいろな交渉、やり取りの詳細な議事録といったようなものも読みながら、それぞれの立場の方が大変な血のにじむような議論、努力をしていたんだなということも理解をいたしました。
 そういう意味で、あの野口メモが全部正しいのかどうか私にはよく分かりませんけれども、大変な努力を諸先輩方がしておられたということについては、私も理解を深めているところであります。
 この四島返還の、ロシア国内で、これ日本政府がどこまでどう分析しているということもそうでありますが、ロシア国内でどういう議論があるかということを紹介することでもってお答えに代えさせてもらいたいと思うのでありますけれども、例えば、冷戦が終わったんだから今委員言われたように四島の軍事的な価値はもう相当下がったんだという見方が一方であろうかと思います。確かに冷戦が終結をし、大規模な進攻といったようなものがその可能性は非常に低くなってきているというような意味での軍事的意義が低下したという議論、いやいや相変わらずそうでもないぞという議論も、これは両方あるんだろうと思いますけれども、そういう議論があります。
 また、さはさりながら、今委員が言われたような排他的経済水域もある、漁業資源というものもあそこにやっぱりあの周辺海域で相当あるという見方、あるいは、その四島の中にも希少資源、金属資源ですね、これが相当あるんだというような意見もある、だから返せないんだという意見もあるようでございます。
 また、四島返還をすると、先般、ロシアと中国では一応国境紛争というものが解決をされたということでございますが、まだロシアの西の方では、幾つかの国との間である種の地域紛争というものがまだ現存しているということがあります。ロシアはもうないと、こう多分思っているんでしょうが、その相手側の国ですね、ロシアを取り巻く国々からすると、いや、この問題が実はあるんだと。具体にどことは、これはまた言うとまた問題になるかもしれませんので申し上げませんが、その辺はむしろツルネン議員の方がお詳しくていらっしゃるかもしれない。そういう問題が現実にある、そちらに波及するということをロシアは懸念をしているんだという見方もロシア国内にはいろいろあるんだということがあります。
 それから他方、やはりこの問題が解決しないことのデメリットというのは、私はこれは日本側の立場としても、またロシア側にも明らかにこれはあると思います。
 今、やっぱりアジアが急速に発展をする。一遍にそこまで進まないにしても、東アジア共同体という構想があり、それに向けて東アジア・サミットが例えば今年開催をされるということで、やっぱりこの発展する地域、アジアにロシアがどうかかわりを持ってくるかということは、私は大変ロシアの国益にとっても大きな意義があると思います。やはり、当然、彼らはヨーロッパの一員であるかもしれない。ヨーロッパというか、ヨーロッパ大陸の方の顔とアジア大陸の顔と両方をロシアは持っているわけでありまして、そのアジア大陸の顔の方が一向に顔として今意味をほとんど持っていない状況にございます。
 そういう意味で、やはり私は、ロシアの国益から見ても、この四島を解決して平和条約を締結し、より日ロ関係が深まることによってロシアがアジアにおけるプレゼンスをより大きくできるというメリットが明らかに私はロシア側にもあると、こう思うのであります。だからこそ、ロシアの皆さん、この平和条約というところまで行きましょうよということを私どもは呼び掛けているわけでございます。
 現実に、日ロ間でサハリンの石油・天然ガス開発といったようなものも行われております。これはしかし、まだごく一部でありまして、そのほかにもいろいろな共同でやるべきプロジェクト、パイプラインの話もあると思います。そういったことをやっぱりロシアと日本が共同してやることのメリットというものをロシア側にも十分認識をしてもらったときに、一つのそこから新しい、領土問題に関する新しい発想というものがロシアの中にあってもいいのになと、こういうことを思いながら話合いをしながら彼らと交渉を続けようと、こう思っております。
○ツルネンマルテイ君 もちろん今も大臣の言われたように、私たちはロシア側のことを推定しかできませんで、いろんな情報が入っていますけれども、それはどの方が一番主な理由に、返還には応じないという理由になるかはなかなか分かりません。
 一つそれのヒントに、少しヒントになったのは、あるかと思うのは、二月にはこの日ロ賢人会議が開かれましたね。その中でももちろんいろんな日ロ関係が話が出たようです。私も外務省の報告しか読んでいませんけれども、その中でも、やはりこの問題については、日ロ間では領土問題が未解決であることは日ロ双方の利益に合致しないということで双方の委員の認識が一致したと書いてあります。
 この賢人会議のことは大臣の方がもっと詳しいかと思いますけれども、一言ではこれに対する評価をちょっと求めたいと思います。この日ロ、北方領土問題に関してだけですね。お願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど申し上げましたように、いろいろなお立場の方々が率直な意見交換をするということで大変意義のあるものであると、こう思います。
 日本側は森前総理が座長で、ロシア側はルシコフ・モスクワ市長と。それぞれ政治的にも重要な立場にある方々を座長にして、経済界の方、学者の方などなど非常に幅広い方々がこれに参加をして議論をしておられる。しかも、それぞれが個人の資格で自由な発言をするという前提でこの賢人会議が始まっているということでございまして、別に政府に代わって代理の交渉をするという立場ではない。それだけに、こういう自由濶達な議論というものが私は意味があるんだろうと、こう思っておりまして、今後とも、引き続きこの賢人会議、北方領土返還を進める雰囲気づくり、あるいは率直な意見交換の場としての意味合いというのは今後とも存在をすると、こう思っております。
 もちろんこれは領土以外の分野のことについてもいろいろ幅広い議論をされる、そういうメンバーの方々がいらっしゃるわけでございますので、領土問題以外のことについてもまた大いに自由濶達な御議論をいただき、貴重な御提言をいただければ有り難い、かように考えております。
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。
 時間がどんどんたっていますから、まだたくさんの質問を用意していますから先へ行きたいと思います。
 ここでは、小池大臣の方にもやはり一つだけこの北方領土問題に対する質問を用意しています。
 それは、所信の中にも、四ページには書いてありますけれども、四島返還のために今後すそ野が広い国民運動を展開する必要があるというようなことが書いてあります。今までもある程度やっていますけれども、よく元島民たちの方からの不満というのは、全国レベルの運動には、まあ東京大会もありましたけれども、なかなか広がらないですから、だから、今まで以上に、もし何か国民運動をもっと積極的にするための計画か何か考えがあったら聞かせてください。
○国務大臣(小池百合子君) 北方領土返還の実現には、何よりも北方領土問題についての正しい理解とそして認識の下に、少しでも多くの国民、そして若い世代もそして年老いた世代の方も一体となって積極的に参加していただく、そのような運動が必要だと思います。特にこれからの新しい世代の若い世代の方々に訴えるということも必要かと思っております。
 どんなことを計画しているのかということでございますけれども、これも例年行ってきた部分もございますけれども、青少年に対しての現地の研修であるとか交流会、それから青少年相互のビザなし交流の実施、さらには全国の中学校の社会科担当の先生方に対して研修それから意見交換を行う。それと、平成十五年度から各都道府県に教育関係者によります北方領土問題教育者会議を立ち上げていただくということで、平成十六年度では、この教育者会議の立ち上げは現在のところ二十一県にまで広がってきております。
 それから、十七年度でございますが、今回の御審議いただいている予算の中に盛り込ませていただいている計画ですけれども、祈りの火の全国縦断キャラバンなどを行いまして広報啓発活動を積極的に展開してまいりたい。
 それから午前中の審議で、紗那の郵便局のお話もございました。要求、全国大会における特別決議の中にも含まれていたものでございますけれども、この紗那の郵便局などは正にシンボルとしてふさわしいのではないかと思っておりますので、こういったことも活用していきたいと、このように思っております。
 なお、先ほど来、先生のいろいろ御意見なども承っておりましたけれども、冷戦時代にはロシア、ソ連と国境を接しておられるフィンランドの政策がどうなのかということで、フィンランド化とかいろんなことで研究も行われてきたかと思っております。そういった意味で、今の先生の御質問を通じまして学ばせていただいているということを加えさせていただきたいと思います。
○ツルネンマルテイ君 去年の秋に、私たちはこの委員会から委員派遣で北海道に行きました。そのときもやはり、マスコミの方からも、あるいはこの元島民たちの方からもこのフィンランドの例をよく出されました。
 御存じのように、フィンランドもそのときのソ連との領土問題が、ある意味では今も未解決のままのところもありますけれども、平和条約がもうできていますから、政府の間では非常にこれを進めるのは難しいんですけれども、国民レベルの運動は今フィンランドでも続いています。そういう意味の交流でも参考になることがあるかもしれません。
 さらに、去年の委員派遣のときは、私の方から、ある意見交換の場では、やはり今、私は何回か外務大臣に聞きましたことは、もし万が一ロシアの方がどうしても二島しか返さないというこの主張を変えない限りはどうしますかと元島民たちに聞きましたところ、どっちかというともう向こうの方が怒ったくらいで、それはあり得ない、私たちはあくまでも四島返還を求めています、これはもちろん私たちみんなよく分かっています。だから、元島民たちの、あるいはそこに関係している人たちの意見はそれであります。
 私は、もう時間が余りありませんから沖縄の方に入りたいと思いますけれども、私は、この三十七年間日本で生活してて時々こう強く感じていることは、日本は本当に保守的な国であるということ。つまり、新しいことには飛び付かないというか抜本的な改革を好まない、問題を先送りするということは、この領土問題のときもそう感じているんですね。何とか時間が解決するだろうということ。だから、もちろん外交問題は私たちは慎重に考えなければならないのは当然なことです。しかし、場合によっては、やはり日本の方からも決断しなければならないときもありますから、だから粘り強い交渉を続ける、続けるということでは、この問題は、私の印象ですけれども、少なくとも今年でも余り解決の望めないという問題です。だから、やはり私たちは積極的に何かの行動を起こさないと駄目と思っています。
 私の残っている時間では、幾つか小池大臣には沖縄政策について質問させていただきます。
 今朝も私たちの同僚の議員の方から、藤本議員の方からいろんなありましたから、私は経済的な問題にはもう答弁の中でも、質問の中でも十分、もっと詳しい、私よりも専門的な意見もたくさんありました。
 その中で、一つだけは、この「環境と経済の統合」という言葉が小池大臣の所信の中にありますね。これにもちょっとさっきの答弁でも触れたと思いますけれども、例えばその中で、質問をちょっと絞らないと時間がありませんから、例えばエコツーリズムというのはその中の一つであります。エコツーリズムは今はどういう状況で、それをどう思っているか。状況じゃなくても、エコツーリズムの考え方ということ。あるいは、さっきは農林水産業の振興策の中では、藤本議員の方からの答弁にはソーラーエネルギーとかいろんなありましたけれども、一つは、このエコツーリズムと関連して農業体験ということも一つはあってもいいんじゃないかなと思います。
 こういうこともちょっと簡単に、この環境と経済の統合のことについて簡単に答弁をお願いします。
○国務大臣(小池百合子君) 環境と経済の統合ということは、これは環境の面からも、またこの沖縄対策の面からも、両方から言えることだと思っております。むしろ、沖縄はこのすばらしい自然環境を活用して、そして自然環境を保全すると同時に経済も振興していくという、その正にモデル地域とすればふさわしいのではないかと考えております。
 エコツーリズムでございますけれども、これは自然の保護ということをきっちりとルールに従って行うということが大前提でありますけれども、そのエコツーリズムによって体験滞在型の観光に推進していくということは、先ほど来出ております沖縄のリーディング産業としての観光産業をより自然を活用した形で膨らませていくことができるというのが一点。
 それから、農水、農業の関係ではですね、サンゴの白化現象などにも影響を与えることになる赤土の対策、これをしっかりと行うことによって自然が保護されることになるし、また農業も活発に、何という、安心して活発に進めていただく。具体的には、農用地などからの土壌の流出を防止する対策に加えて、いわゆる農業用水、都市排水の農業用水への循環有効利用というようなことを考えているところでございます。
 そのほか、環境保全型の農業の確立であるとか、水産資源の増大に寄与すると考えられます藻場の保全、再生ということで、美ら海の森づくり推進調査といったようなことなど、今回の予算にも盛り込ませていただいております。そこを貫く考え方は環境と経済の統合と、こういうことでございます。
○ツルネンマルテイ君 時間が余りありませんから、次に移らせていただきます。
 私は大学院大学の計画について二つの質問ありますけれども、これを併せて大臣に答弁をお願いしたいと思います。
 もちろんこれは、今度、来週にでもその関連の法案のときは恐らく詳しくいろんな問題が出てきますけれども、そこについて二点だけ最後に簡単に答弁をお願いします。
 その研究の中身には、沖縄の自然の分野が今のところは読んでいる限りは含まれてないんですね。なぜ含まれてないか。例えば、県民フォーラムでは、高校生たちのいろんなパネルディスカッションがあったときは、やはりその沖縄の、さっきも言ったように、サンゴ礁の破壊とかいろんな自然保護もやはり科学的にも研究しなければならないと思いますけれども、それはこれからも全く予定してないか、まだその研究チームは四つしかできてないんですけれども、五十まで予定でありますから、何らかの形で沖縄の自然の科学は入るかということと、もう一つは、これも私たち民主党の、実は民主党も三年前の私たちの民主党の沖縄ビジョンの中では、基本としてはこの考えには賛成ですけれども、余りにも私たちが考えた大学院大学と違った方向に走っているんだから、民主党はこの本当にこの法案、関連の法案に賛成できるかどうか、まだ微妙ですけれども、その中のもう一つの大きなポイントは、その目的の中には自然の沖縄の自立的発展は目的で、どのようにこの大学院大学は沖縄の自立的発展に関係しているかということ、この二つの点について、もうあと二分しかないですけれども、答弁お願いします。
○国務大臣(小池百合子君) まず、今回の大学院大学、今、その準備段階での独立行政法人について御審議をいただくわけでございますけれども、まず基本的に世界最高水準の研究教育を実現していこうということでございまして、内外の著名な科学者の方々による議論を踏まえまして、そこからは既存の学問分野を融合した新たな領域を対象するということが必要だということでこれまでも御議論いただいております。
 こうした観点から、その大学院大学では、当面の重点を生命科学を中心として既存の学問分野を融合する、つまり医学部とかですね、法律とか、理学とか、工学とか、これまで分けられてきたような形のものではなくて、むしろそれを正に融合した中から今新しい分野がどんどん出てきているんですね。生命科学であるとかバイオ、それからナノもそうです。
 そういったようなことで、これまでの学問分野にはこだわらない形、むしろそこを超えた融合した形のところでの研究教育ということを想定をしていただいているわけでございまして、沖縄の自然を研究対象とすることを前提とするものではありませんけれども、個々の研究テーマについては国内外から招聘される研究者の自由な発想にゆだねられるべきものだと考えておりまして、沖縄に着目した研究が将来大学院大学で全然研究されないかといったらそうではないと思います。その中からそういった方々が出てこられるという可能性はないことはない。
 しかし、その中、大学院大学へ目指すものという、そういった中で、学長予定者でありますブレナー博士などのリーダーシップの下でこれから適切な戦略が立てられて、そして優れた、正に世界最高水準の大学院大学がつくられるものと、このように想定をいたしております。
○ツルネンマルテイ君 終わります。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私は、党務の職責で沖縄県本部顧問を務めておりまして、ほぼ毎月沖縄に行っているわけでございますが、この半年、今日は、やはり地元では在日米軍の再編問題とのかかわりで沖縄の今後どうなるかということが一番の関心事かなと思っておりまして、今日はこの問題中心にいろいろと、外務大臣中心になるかと思いますが、議論させていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、町村外務大臣、既に多くの国会質疑で御答弁されているポイントでございますが、今回の在日米軍再編プロセスは大体三つのフェーズに分かれるであろうと。一番目が、日米の安全保障上の共有する戦略理念についての合意が大事であると。これはもう二月十九日の2プラス2で一区切り付いたかと思います。二番目が、その合意に基づいて、米国並びに日本の安全保障上の役割分担の見直しを行うんだというお話でございました。三番目のフェーズが、この合意された新たな役割分担に基づいて、それを反映する具体的な基地再編の合意というものをしていかなければいけないと。
 最初の質問ですけれども、現在は二番目のフェーズと三番目のフェーズをある意味同時進行で日米交渉の中でやっているという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおりでございまして、第二段階の役割・任務、能力というのと第三段階はかなり表裏一体感が強いテーマでもございます。
 そんなこともあるものですから、半ば同時並行に今議論が始まっておりまして、先週にも審議官級の議論が行われ、また今後随時開かれていくという予定でございまして、向こう数か月間のうちに、まず日米双方で一定の原案とでもいいましょうか、というものを作り上げ、そして地元の皆さん方にもそれをお諮りをして、最終的に、願わくばすべてのということが可能かどうか分かりません、できるだけ多くの方々の御理解を得た上で日米最終合意に仕上げていければいいなと、かように考えております。
○遠山清彦君 それで、マスコミ報道で、もう大臣言うまでもなく、非常に数多くの情報が飛び交っておりまして、しかもこのマスコミ情報の中には具体的な地名もかなり出てきておりまして、私が記憶するところでは町村外務大臣の地元の選挙区の名前も出てきたような気がいたしますが。
 ただ、今日ちょっと私、確認の意味で申し上げたいと思いますけれども、これら今報道機関で出てくる具体的な、基地の移設先であるとか統合先であるとかあるいは自衛隊との共有化を検討しているとか、そういったことのほとんどというかすべては、これはもうファイナライズされていない話、アイデアであるということで間違いないでしょうか、外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 遠山委員御指摘のとおりでありまして、いろいろなアイデアをともに共同作業のような形で検討するということでございまして、具体の地名が今の段階で全く挙がっていないかといえば、それはうそになります。ただ、御指摘のように、これでもう最終的なものになっているかというと、そういうものはまだ何一つございません。そういう意味では、あくまでもまだ議論の途上にあるというふうに、今委員が御指摘のとおりの御理解をしていただければと思います。
○遠山清彦君 ありがとうございます。私も、そういう意味で冷静に受け止めながら議論を進めているところでございますけれども。
 一つ、この交渉、日米交渉のプロセスでお伺いしたい点がございます、外務大臣、ちょっとお答えにくいかもしれませんけれども。それは、これ実は私が直接ある米国の政府関係者から聞いた話でございますけれども、昨年もワシントンDCに二回伺っておりますので。日本側の交渉担当者は話が具体的になればなるほど我々は決定権限がないというふうに言ってしまって、交渉が滞ることが多いんだというような話が米国筋からございました。
 もちろん、我々立法府の立場からいっても、選挙で選ばれていない官僚の皆さんが勝手にこの基地の再編の具体案を決めるのはいかがなものかという思いはしないでもないわけでありますけれども、他方で、外交の世界の交渉の常識からいうと、権限のない人間と幾ら交渉を長い時間やっても時間の浪費であるということを言われることもまたこれ事実でございます。
 そこで、大変お答えにくい質問をさせていただくわけでありますけれども、こういう交渉とその交渉者の権限の問題ですね、この辺について、交渉の指揮を一義的に取っておられる外務大臣としてはどのように議論を整理されて今般の日米交渉については御指示を出されているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) まだちょっとこの以前のことを振り返るには早過ぎるのかもしれませんけれども、私が外務大臣に着任をするまで、実はかなり個別の議論がアイデアの段階で一年半以上議論されていたと承知をいたしております。そこで議論されたことが何かぱらりぱらりと新聞等に出たりするというようなことで、ちょっとこの議論の進め方は率直に言ってまずいのではないかと私は思いました。
 やはりまず、日米共通の先ほど委員からお触れをいただいた理念といったようなものがあって、それに基づいて順序立てて議論を今後進めていき、より具体の施設・区域の話まで行くということであるべきではないかということで、それまでの貴重な議論は議論として、もう一度第一段階からやろうよということを私はパウエル国務長官と話をして、それもそうだなということになって、もう一度、まあ全部振出しに戻したわけじゃございませんけれども、そういう議論の組替えをやって今日に至っております。
 この例からも分かるとおり、やっぱりきちんとした方向付けというものは、やはり責任ある、日本の場合でしたらもちろん最終的には小泉総理ということになるわけでございますけれども、やはりそこはまず我々のレベルでしっかりと方向付けをしていくと。それから、仮にですよ、仮にどこそこの地域と、まあ普天間、どこでもいいんですが、これを担当官が、よっしゃ分かったといって、これでおれ決めたということになったんでは、これは大変なことでございます。これは、今委員が御指摘のとおり、本当に最終的に責任が取れるのかという問題まで出てまいります。
 そこは、やはり事前に十分、大野大臣あるいは私、場合によっては総理を含めて、あるいは細田官房長官含めて議論をしていく、今度はこういう話をしてみよう、先方からこう言ったらこうしようと、いろいろ頭の体操をしながら交渉の場に臨みます。そういう方向に進んでいくんなら、それを更に深めた議論を現場でやってもらう、また報告を受ける、またやって、そういう繰り返し話しながら、時として2プラス2もやるというようなことの繰り返しであろうと、こう思います。
 したがって、普通であれば、現場に立つ、交渉の第一線に立つ人が相当の権限を持って臨むべきだという議論は分かりますが、これだけ非常に難しい話であり、地元も絡む話であり、そして日米全体あるいは地域全体の平和と安全に絡む話でありますから、それはかなり詳しく、我々大臣の判断というものと議論をしながら交渉に当たる人と言わば一心同体でやっていくということなのではないだろうかと、私自身はそう思ってこの問題に取り組んでいるつもりでございます。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 外交交渉の裏舞台というのは大変難しいものだというふうに私も理解をしておりますけれども、しかしながら、いずれ今回の交渉の過程の中身というのは三十年後、五十年後には文書が公開されて分かるわけでございますから、是非、三十年後、五十年後の私たちの子孫が読んでも恥ずかしくない交渉をしたと評価されるようなクオリティーの高い交渉をしていただきたいということを要望申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、また外務大臣で恐縮ですが、最近、稲嶺沖縄県知事が、訪米も終えておりますけれども、先ほども外務大臣言及なさいました普天間の飛行場の移設の問題について、辺野古に固執をしない、必ずしも固執をしないという発言をされ始めております。
 ただ、この知事の発言を慎重に検討しますと、知事はどうも今回の米軍再編というのはSACOの合意を上回る規模の交渉になっているから、SACO合意で取決めされた辺野古にこだわらなくても大丈夫なんだということで、ということは、もう裏返して言うと、海兵隊基地の県外移設を念頭に置いて御発言されているように感じるんですね、私は。そうなると、いやいや県外はちょっと厳しいですよ、県内移設ですよとなれば、やはり県の立場としてはSACO合意に戻ってこざるを得ないんではないか、つまり辺野古に戻ってこざるを得ないんではないかというふうに私は解釈しておりますけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 稲嶺知事、アメリカに行かれる前、外務省にもお越しをいただきまして、私も直接お話を伺ったところでございます。たしか四つの項目について御要請のお手紙でしたか、文書をいただいたと記憶をいたしております。その中には、在沖米海兵隊の県外移転という表現になっておりますので、普天間飛行場のこともその中に触れておられるわけでございます。
 普天間の県外移転が多分、はっきりそう私も聞いたわけじゃありませんが、県外移転がベストというお考えなのかなと思います。しかし、辺野古移設というのはベストではないかもしれないけれどもベターな選択であるという表現も今まで累次しておられたと、こう私は理解をいたしております。したがいまして、現状、沖縄県として普天間飛行場の移設・返還に関して基本的な方針に変更があったというふうには受け止めておらないのでございます。
 この問題につきましては、大変難しい問題であることもよく承知をいたしております。したがいまして、これは普天間とはあえて申し上げませんけれども、このSACOの最終合意は合意としてしっかり今後進めていこうということが2プラス2でも確認をされましたが、米軍再編成の議論をする中で、このSACO合意とどこか接点が出てくる可能性は排除されないのではないかということを我々累次申し上げてまいりました。
 それがどこの場所であるかということを今まだ申し上げるほど具体に煮詰まったことにはなっておりませんけれども、いずれにいたしましても、しかしSACO合意というのは貴重な合意でありますし、またその内容は普天間のことばかりではなくて、非常に、他の基地の返還のことも書いてあります。騒音の問題も書いてございます。あるいは地位協定の運用改善のことも書いてあります。そういう意味で、全体として非常に貴重なものであると、私どもはそう思っておりますので、可能な限りSACOの合意をやっぱり粛々と進めていくというのが政府の方針でありますし、私は、その基本方針においては稲嶺知事も同じではないだろうか。
 ただ、普天間については願わくは海外移設と、海外というか、県外移設ということがベストだというお考えがあるということも、またいろいろなメディアを通じて私も伺っているところでございます。
○遠山清彦君 ちょっともう時間が大分なくなってまいりましたので、若干質問割愛をさせていただきますけれども、またこれ外務大臣で恐縮ですけれども、三月十五日付けの新聞報道によりますと、この稲嶺知事の一行がアメリカでローレス国防副次官にお会いになったときに、同副次官は以下のような発言をしたというふうに言われております。今後半年で日米両政府間で暫定合意あるいは基本合意を得た上で、沖縄県など関係自治体の意見を聞き、年内に最終結論を得たいとの考えということなんですね。
 米国側では、本年秋に、これ来年議会に、米国議会に提出しなければいけない国防見直し、QDRもございますし、それから本年十二月までに米国内の米軍基地の統廃合プロセスを終えなければいけないという米国側の事情がありますから、それ考えれば当然こういう日程に、ローレス副次官が言っているような日程にならざるを得ないわけでございます。
 しかし、日本側考えますと、外務大臣、これ今から六か月後ですから、半年後というのは、九月の中旬に日米政府でここにあるとおり暫定合意あるいは基本合意を得ると。それから年内に最終結論を自治体と調整してなんというと、九から十、十一、十二と、二、三か月間で日本政府と自治体間で全部調整をして最終的に話を決めなきゃいけないということでありまして、これは不可能なんではないかというふうに、日本サイドを考えてですよ、タイムテーブルとして非常に難しいんではないかというふうに思いますけれども、どのように外務大臣とらえられているか。もし日本政府としてそういう同じタイムテーブルで私たちやっていませんよということであれば、そのような発言を公式にされているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) ローレス国防副次官の発言を紹介した形での稲嶺知事の記者ブリーフの話は私も聞いております。ただ、日米間では、先般の2プラス2でも、今後作業は加速化させていこう、数か月間で大いに議論を深めていこうということは一致したわけでございますけれども、具体にいつまでと、秋までとか年内とか、そういう具体のめどを一切しておりません。
 それは、委員御指摘のとおり、これはなかなかアメリカも、今さっきおっしゃったQDRであるとか米国内における基地の移設問題、そういった事情があることは私どもも承知をしておりますけれども、すべてこれアメリカの事情に合わせて作業をするというわけにもまいらないと思います。そのとおりいってもいいんですけれども、そのとおりいくということを約束もできなければ保証もないということで、何も私はだらだらと時間を掛ければいいとまた言っているつもりもありません。精力的に作業をして、結果がまとまったところで地元に十分お諮りをし、そして結論を得ると。それがいつということをまだ言えるほど情勢が煮詰まってはいないのが今の姿だと私は思っております。
○遠山清彦君 最後に、これ小池大臣も含めて御提案でございますけれども、私は、これが半年後であれ数か月後であれ何でもいいんですが、やはり可及的速やかに、まあ仮称でございますが、在日米軍基地再編に関する政府・関係自治体連絡協議会なるものをそろそろ立ち上げてもいいんではないかというふうに考えております。
 なぜかといいますと、当然これ情報管理の面で懸念があるのは私理解しますけれども、自治体側の立場に立てば、ずっと報道だけでいろんな情報が出て、稲嶺知事が向こうに行ったらこんなことを言われた、あんなことを言われたというのを報道で聞いて、地元ではいろいろ気をもんで、また自治体で反発をしたり決議を議会で出してみたりと、混乱が見られるんですね。それは中央政府として定期的に、いや、今こういう交渉を進めていて、ここの部分は情報を出せないけれどもこういうふうにやっていますよというブリーフとか協議を、連絡協議をしっかりやっていって、それで基本合意とか暫定合意ができた段階で、そこからは本当に本格的に秘密会形式も含めて自治体と政府で調整すればいいんであって、今何も決まっていませんから何も直接やりませんよということでは、ちょっと私これ最終的にもたなくなってくるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 地元自治体の皆さん方への説明責任というのは私どもは十分にあると、また、それをしなければいけないと、こう思っております。
 関係知事さんによる渉外知事会というのがございまして、先般もその代表である松沢神奈川県知事等とお目に掛かりました。そのときも申し上げまして、今、日程調整をやっておりますけれども、三月下旬、もう下旬でありますけれども、三月中には皆さん方に対してこれまでの日米間の交渉状況を御説明し、また同時に皆さん方、地元自治体のお声もそれぞれ聞きましょうということで、どういう形でやるか、一堂に会してやるのか県ごとにやるのかとか、その辺は今相談をしているところでありますが、そういう場をまず持とうではないかということにしております。
 ただ、なかなか難しいのは、そこで今こういう交渉をしていますよという内容をお話をする。しかし、そのとおりになるかどうか、日米間でまた話が変わっていくかもしれない。そうすると、中途半端な時点で実は今こんな状態ですよというお話をして、そこで本当に、それは秘密が保たれればと思いますが、そういうことはまず不可能な状態であることは委員もよくお分かりのとおりであります。ですから、余り動く要因が大きいときに、中間段階で今はこうです、また一か月後はこうですというお話をすることは、かえって無用の混乱を起こしてはいけないんだろうなと、こう思っているところでありまして、大変そこは悩ましい問題であります。
 私どもも的確な情報提供はしたい。されども、することがまたかえって、ある意味では到達し得たであろう目標が、ゴールが遠くなってしまったり、あるいはあらぬ方向に行ってしまったりということになっては本末転倒だという辺りが非常に悩ましいところでありまして、しかし、基本的にはよく地元の自治体の皆さんの御意見も伺い、また適切に御説明もするという基本方針でこれからも臨んでいくべきであると、かように考えております。
○国務大臣(小池百合子君) メディアの観点から言いますと、多分、経済部は会社の役員人事、これ書き得ですね。かえってそれで駄目になったりするケースがある。それから、永田町でいうと組閣情報、これはまあ小泉政権ほとんど意味がないというふうな状況でございますけれども。この沖縄問題見ていますと、何かちょっとメディア的には書き得というか、一つそれで記事ができますから。だけど、沖縄の人にとってみたらすごく惑わす気の毒な情報で、情報というのは出せばいいかといったらそうでもないなというふうにも思うんですね。
 また、先般2プラス2で大野防衛庁長官、そして町村外務大臣、週末を使って往復されましたけれども、むしろじっくり腰を据えて、それこそ権限を持った人同士が話合いをすればいいのではないかと、これは私は沖縄担当として軽減、基地の軽減負担という観点から申し上げさせていただいていることでございます。
 協議会の在り方云々については、また町村大臣、外務省において適切に対処されることではないのかなと考えております。
○遠山清彦君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 去る三月五日に起きました陸上自衛隊島松演習場における射撃訓練中の事件について質問をいたします。訓練中発射した百二十ミリ迫撃砲の実弾が行方不明になりまして、演習場の外に飛び出した可能性が強いと、住民に大変大きな不安を与えている事件についてです。
 お配りいたしました資料をごらんいただきたいんですが、この資料にありますように、右上のところの木村ケ丘ですね。この近くの発射地点、矢印のところですけども、発射地点からおよそ三キロメートルの標的に着弾するはずでした、丸く黒く円になっているところですけども。ところが、境界線、太い線でくくってありますけれども、この境界線を更に一キロメートルも越えて、その周辺に落ちたのか、あるいは空中破裂したのか、その可能性があるということです。自衛隊員が現在、地図の左の方の捜索区域、白く四角くしているところですけれども、この辺りを、開いて二ページ目の資料にありますように、雪の中で捜索をしているわけですね。
 で、原因は、元々この砲弾は最大飛距離の出る弾薬が装てんされていて、標的の位置に応じて幾つかを抜き取って射撃をするということになっているわけです。ところが、それを抜かないで過剰な装薬のまま発射したために約七キロ先まで飛んだ可能性が強いということなわけですね。これ、一歩間違えますと住民の命を危険にさらすものなわけです。
 こういう事件を起こしたことに対して、まず厳しく抗議をしたいと思います。そして、まず防衛庁としてこの国会の場でも私は謝罪すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。簡潔にお願いします。
○政府参考人(大古和雄君) 本件につきましては、委員正に御指摘のとおり、一歩間違えれば住民の生命、身体及び財産に危険を及ぼしかねない問題であるという認識を持ってございます。そういう意味で、かかる事案が発生したことは誠に申し訳ない事態であると認識しております。
 防衛庁といたしましては、射撃訓練時の安全管理体制及び事故又は事故の可能性がある事案の発生時の連絡体制を再定義いたしまして、その改善及び徹底を図る所存でございます。
○紙智子君 第七師団が三月十六日に発表いたしました中間報告では、経過を時系列で記しています。
 そこで幾つか質問したいんですけれども、十三時三十分ごろに砲弾の不明事故がありながら、その後も十四時ごろまで十数発も射撃を続けていたわけです。その間に人に危害が及ぶことになっていたかもしれないわけです。演習中ならば事故があってもやめることができないのでしょうか。
○政府参考人(大古和雄君) 事案自体は一時半に起きまして、空中の破裂が未確認でございました。この場合については、いろいろ手順を踏んで、安全性に問題がないかどうかを確認した上で撃つ手順になってございます。
 この場合につきましては、必ずしもその段階では直ちにやめておりませんので、そういう点も含めて今後検討の上、しかるべき措置をとりたいと、こういうふうに考えてございます。
○紙智子君 危機管理という点でも反省を求めたいと思います。
 次に、十四時十分ころにこの小隊長は演習場外に飛び出した可能性があるというふうに報告をしている。で、訓練中の連隊は、十五時ころには演習場外の道路、ここは恵庭岳公園線というのがありますけれども、その捜索を始めたわけです。ところが、地元の恵庭市、それから北広島市、千歳市に連絡をしたのは深夜の二十三時です。事故発生から十時間近くたっているわけですね。
 中間報告では、師団司令部、方面総監部等で誤認があったためだというふうに言っているんですけども、現場は既に捜索をしているわけです。しかし上部は、出たか出ないか、連絡するのかしないかに十時間も掛かっている。これ、おかしいんじゃありませんか。場外に出た可能性が少しでもあればやはり一刻も早く連絡をすることは当然ではありませんか。いかがでしょう。
○政府参考人(大古和雄君) 委員御指摘のとおり、事案は一時半に発生いたしましたが、地元の連絡は夜の十一時ということで、非常に遅れた経緯がございました。これは極めて遺憾でございまして、実は、内部的にも防衛庁長官への報告が遅れた経緯がございます。
 これについては、いろいろ連絡体制の見直しとか考えたいと思うんですけども、いずれにしても、地元に連絡する責任主体である師団の方でいろいろ射撃モードについて誤認があったということではありますけども、この種の問題は住民との関係もありますんで、直ちに地元に連絡すべきだったというふうに反省しております。
○紙智子君 この連絡を遅らせた責任というのはどこにあるんですか。
○政府参考人(大古和雄君) その点については、師団司令部の方で破裂する射撃、信管の射撃モードになっていたという誤認があったということなんですけども、その状況をよく調べた上で、この種の事案が二度と連絡の遅れがないように徹底していきたいと、こう思っております。
○紙智子君 現場の部隊は早くから演習場外の可能性を報告しているわけです。司令部や方面総監部、それから幕僚監部、上層部の対応に問題があったんじゃないかというふうに思うわけです。全力を挙げた対策を要求します。
 まず、不明弾がどうなったのか。発見できるまで、これ、捜索態勢を強化して徹底的にやる方針なのかどうか。それから、明確な原因究明と再発防止策、これを発表し、北海道や関係自治体の意見ももらって納得を得るようにするつもりがあるのかどうか。それからさらに、再発防止策が取られない間はこの迫撃砲の訓練の再開はしないというふうに確約できるかどうか。これらの、恵庭市を始めとして地元の強い要望でもあるわけです。この今言いました三点について、まとめて簡潔に御答弁を願います。
○政府参考人(大古和雄君) 三月五日の事案発生以降、毎日、人員につきましては三百人程度、またヘリコプターを使っておりますけれども、三機ぐらいを使いまして痕跡等の捜索を行っているところでございます。当面この状況を継続してまいる考えでおります。
 ただ、弾の状況でございますが、基本的には、信管の信頼性から、まず空中で破裂した可能性が極めて高いというふうに考えてございます。あと、また万が一砲弾が不発となった場合でも、発射後数時間以内には、電気信管でございますので、信管の起爆を発火させるための蓄電器が消耗するということで信管は作動しないという可能性が高いと思っておりますけれども、念のために当分この捜索を続けていきたいと思ってございます。
 それから、再発防止の関係でございますが、三月十六日に中間報告をしておりまして、ほぼ原因は特定されているわけでございますけれども、再発防止策を含めまして、今、庁内に事務次官通達に基づいてその委員会を作った上で整理したいと、こう思っておるわけでございます。できるだけ早く再発防止策を含む最終報告については整理して、関係自治体にも丁寧に御説明していきたいと、こう思ってございます。
 それから、現在、事案の起きましたこの自走百二十ミリメートルの迫撃砲につきましては訓練を自粛してございますけれども、再発防止策について徹底が図られまして、よく地元にも御理解を得た上で射撃の再開を考えたいと、こう思ってございます。
○紙智子君 この迫撃砲訓練の再開は防止策が取られない間についてはしないということでよろしいですか。
○政府参考人(大古和雄君) 再発防止策について確立して、その徹底が図られて、地元によく御説明して、その御理解を得た上で考えたいと、こういうことでございます。
○紙智子君 再発防止策は当然だというふうに思いますけれども、私はやっぱりこの演習場での迫撃砲の訓練の見直しを行うべきだというふうに思います。
 資料にもありますように、最大の装薬の場合は軽く演習場の境界を越えてしまうんですね。ところが、すぐそばには、この地図にもありますように道道があるわけですし、それから滝なども幾つもあるわけです。それから、キャンプ場もありますし、森林公園などもありますし、交通量も、この下の表のところに、ちょっと古い資料ですけれども、走っている、車が走っているわけですね。春や夏になりますと山菜取りやあるいはキノコ取りということで、結構人が中に入るわけですよ。
 そういうことで、実際にこれ住民が中に入るわけですし、今回の場合は事故は冬なわけですけれども、しかし迫撃砲の使用については季節を問わずに年間六十日以上やっているわけですね。演習が今よりスピードを求められる中で、過剰な装薬で行った今回の事件というのが今後も絶対に起こらないという保証はないわけです。
 この演習場での迫撃砲の射撃訓練について、本当にこのまま続けることが適当なのかどうかということでは、私は抜本的な見直しを求めたいと思いますけれども、この点についてどうでしょうか。
○政府参考人(大古和雄君) 今回の事案につきましては、最大十個の装薬が付いていて、今回の訓練に当たっては三個にしなきゃいかぬところを十個のまま撃ったというミスだということでございます。
 そういう意味で、必ずしも広くない演習場で、その付近にはいろいろ観光なりの名所になっている部分もあるということでございますので、要するに、装薬の間違いがないように、絶対、手順を確立して二度とこういうことが起きないようにしていきたいと、こう思っておるわけでございます。
○紙智子君 注意を払うといっても、これ二〇〇一年のときにも、これは今回のような地表で射撃ということじゃなくて飛行中の誤射という問題もありまして、そういう意味では非常に大きな不安を与えてきているわけですね。ですから、私は本当に、またこういうことが起こったということについて言いますと、やはり見直しをして、ここでのこの訓練はやめるべきだということを再度申し上げておきたいと思います。
 最後に、外務大臣にお聞きします。
 これ、日米合同演習中の事故なわけです。基地や自衛隊の演習場のあるところはこういう危険や不安と背中合わせです。この事件は改めてそのことを痛感させるものだったと思います。
 沖縄の負担軽減というのは当然だと思いますけれども、しかし、この米海兵隊砲撃部隊の移転先に矢臼別とか、そしてこの事故を起こした七師団の駐屯地でもあります東千歳などの名前が取りざたされているわけです。今までもこういう危険な負担があるわけで、更に比較にならないほど大きな負担を押し付けるこの米軍の基地移転はやめるべきだと思います。国内にやはりたらい回しするのではなくて、沖縄から国外に移転すべきだと、そういう主張をするべきではありませんか。
○国務大臣(町村信孝君) この極東の地域、冷戦終了後ではございますけれども、まだまだ伝統的な冷戦構造に基づく不安定要因が存在をいたしております。そういう中で、日本の自衛隊がしっかりとした自衛力を持つことに加えまして、やはり米軍の持つ抑止力というものが大変重要であり、そういう意味で日米安保条約は今後とも堅持されるべきものと、こう考えているわけでございます。
 こういう観点から、私どもは、この米軍再編成に当たっては、もちろん地元の負担軽減ということと同時に、抑止力もしっかり維持していくという、その二つを大きな視点にとらえてこの再編成の議論をやっているということでございます。
 また同時に、これはなかなか委員に言っても御理解をいただけないポイントかもしれませんが、私どもは、この米軍が存在をすることによるやはり日本国全体が受けたメリットといいましょうか利益といいましょうか、そういうものもやっぱりあるということを私どもは冷静に認識をしなければいけないと、こう思っております。
 米軍が存在をし、言わば日本の自衛隊の力というもの、自衛力、防衛予算というものをある一定の水準にある意味では抑えてくることによって、日本はその分の資源をより経済面に振り向け、そして日本の経済を今日ここまで発展させることができてきたという意味でのやはり米軍の存在というものが、それは抑止力の維持という軍事的な面のみならず、日本社会、日本経済全体に大きなメリットをもたらしたという面もあるんだということを私どもはやはり忘れるべきではない。そういう意味でのバランスの取れた見方をしていただきたいと、かように考えているところでございます。
○大田昌秀君 社民党の大田でございます。
 まず、防衛施設庁に最初にお伺いいたしますが、昨年の八月十三日に宜野湾市の普天間基地で起きた米軍の大型ヘリ墜落事故による住民に対する直接、間接の被害状況及びその補償について簡潔に御説明ください。
○政府参考人(土屋龍司君) お答えします。
 今般の事故に係る被害の補償につきましては、被害者の早期救済の観点からできる限り迅速に取り進めてきたところでございますが、その状況についてお答えします。
 まず、周辺民家の方々に対する補償についてでございますが、これにつきましては、四十世帯五十五件の被害があったうち三十七世帯五十一件につきまして支払を了しておりまして、ほぼ終了しているところでございます。
 また、支払が済んでいない被害というものもございますが、これは被害の発見が遅れたというような事情もあったわけでございまして、これらについても早期に補償の努力を行っていきたいと考えております。
 また、大学の補償についてでございますが、事故現場である沖縄国際大学につきましては、去る三月十七日、沖縄国際大学から那覇防衛施設局に対しまして、同大学一号館を建て替えるとして損害賠償の要請がなされたところでございます。当庁としましては、一日でも早く大学としての機能回復がなされるよう、賠償に際しては誠意を持って対応してまいりたいと考えております。
 なお、今般の事故に係ります精神的な被害というものがございましたわけでございますが、これに対する補償につきましては二名の方につきまして補償を了しております。この精神的被害に対する補償としましては、当庁として知る限り、私どもの補償としては初めての補償でございました。
 それから、事故現場周辺の住民の方々に対する精神的ケアにつきましても、事故後、臨床心理士を配置しまして対処をしてきているところでございます。さらに、ケアの充実を図るため、那覇防衛施設局におきましては、保健師による事故現場周辺の住民の方々に対するアンケート調査を実施したところでございます。
 当庁としましては、今後とも、宜野湾市当局とも連携を図りながら、精神面でのケアに適切に対処していきたいと考えております。
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 外務大臣は、所信表明の中で、アジア太平洋地域の平和と安定のために日米安保体制と米軍の存在は不可欠であるとおっしゃっておられます。今の御答弁でも似たような御答弁がございましたけれども。
 外務省に伺いますが、沖縄が日本に復帰してから米軍構成員による事件、事故はどれくらい起こっておりますか。また、一昨年と昨年を比較してどんな変化が起こっているか、教えてください。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
 沖縄返還以来のすべての件数というのは、ちょっと今資料を手元に持ち合わせませんのでまた後刻御報告申し上げたいと思っておりますが、平成十五、十六年、この二か年の件数を比較いたしますと、平成十五年の事件総件数が百十二件、平成十六年は五十九件ということで、かなり大幅に減少している状況にございます。また、検挙人数につきましても、十五年が百三十三名でございましたのが十六年は七十二名と、こういうふうに減少してきておりまして、この傾向は非常に歓迎するべき傾向だと思っておりまして、政府としてもこれを着実に定着化させていきたいという考えでございます。
○大田昌秀君 減少している理由は何ですか。
○政府参考人(河相周夫君) 必ずしもその減少の原因というのを断定的に申し上げることはできないところがあろうかと思います。
 一つには、在日米軍としていろんな新しい制度を導入をしているということで、昨年十六年、平成十六年六月から外出規制カード、リバティーカードという名前を呼んでいるようでございますけれども、こういう制度を導入していて、かなりの人数の人については午前零時までには必ず基地に戻ってこいとか、こういう制度を導入したということも一つの原因かと思いますが、全体的に一体何が原因かというのは、ちょっと断定はしかねると思います。
○大田昌秀君 沖縄県警の発表によると、海兵隊がイラクに行ったということが原因だといって、はっきり言っています。つまり、海兵隊が相当数沖縄からいなくなったと。逆に言えば、海兵隊が存在することによって事件、事故は避けられないということになるわけです。
 ですから、先ほど来外務大臣が安保体制が重要だとか、あるいは抑止力が重要だとおっしゃるわけなんですが、過去六十年間基地を抱えてきて、復帰してもう三十年たつわけですが、一体これからいつまで沖縄の県民はそういう事件、事故、命を、平和と安全を守ると言いながら、沖縄の人たちは命の危険に絶えずさらされているわけですよ。もう復帰して後、五千件以上の事件、事故が起こっているだけじゃなくて、火災とか一杯起こっているわけですね、原野が焼き払われるとか。
 ですから、もしも本当に安保条約が必要だとすれば、なぜ沖縄だけに過重な負担をしょわせるんですか。なぜ全国民が平等に引き受けて、安保条約が重要だとおっしゃるんだったら、私の方が基地を引き受けましょうと、外務大臣も沖縄担当大臣もおっしゃるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 大田委員の御指摘は、私は賛成をいたします。日本国全体でそれは引き受けるべきものであるという基本的な考え方は、私も本来そうあってしかるべきだと、こう思っております。ただ、現実を見たときに、なかなかそういう姿にはなってこないというまた残念な現実もあるということもまた率直に認めなければならない、かように思っております。
 したがいまして、私どもとしては、まず、その狭い意味の事件、事故の発生についてはできる限りこれが発生しないような工夫、努力、今局長が申し上げたようなことを含めて米軍側に相当程度それは一生懸命努力をしてもらって、そういった事件、事故が起きないような努力をさせる、これは当然のことであろうと思います。これは、米軍のみならず、それはもうすべての人がそれはやっぱり心掛けるべきことということであろうかと思います。
 ただ、いずれにしても、もう少し広い意味で、沖縄におけるいろいろな御負担をできるだけ軽減をしたいという思い、私も人後に落ちないつもりであります。そういう意味で、今回の再編成に当たりましても、それを一つの大きな視点としてとらえて、それに基づいて再編成の議論を米側とやっていこうということでその議論が今始まっているところでございまして、なかなかそれは一挙に進まないことは、進まないという意味は、日本全国にそういう形でひとしく負担をしてもらうということが進まないということは大変沖縄の皆さん方には私、申し訳ないことだと、率直にそう思っておりますが、できるだけ、そういうことで沖縄県に七五%の基地が集中をしているという姿をできるだけ早く改善をする、そんな努力をしなければいけない。
 また、今回は、大きな目で見たときに、米軍の機動力あるいは輸送力というものも大変に大きく進んで進歩しております。したがって、何か事件があったときにぱっと本土から出ていくということをかなり考えているわけでありまして、そういう意味で、大きな流れとして、米軍が本土の方に引き揚げていくという傾向にあることはこれは間違いがないと、こう思っております。在韓米軍しかり、あるいは在独米軍しかりだろうと思います。
 全く同じ発想で沖縄の米軍がそうなるかどうか、私どもは今後議論を深めていきたいと、こう思っておりますが、海兵隊が世界で三つの大きな基地があり、そのうち二つが米本土で、一つが沖縄にあるという意味にさかのぼってもう一度よく考えてみる必要があるんだろうと。やはり、沖縄に駐留する海兵隊の高い機動力あるいは即応性といったようなものは極東の平和と安全を維持するために非常に重要な役割を担っているということもまた現実無視ができないんだろうなと、かように考えているところでございます。
○大田昌秀君 先ほど、沖縄担当大臣、小池大臣に御質問しましたところ、基地問題については私などと随分考え方が違うな、認識が違うなということを感じたわけでございますが、つい最近、ライス国務長官が来られて、沖縄の米軍基地の整理、縮小という問題について、その整理、縮小をしたら経済的に悪い影響が出てくるんじゃないかという趣旨の発言をしたということが報道されておりますが、これは明らかに誤解をしているわけですね。
 私は、この国会に出てまいりまして一番痛感しているのは、国会議員の間にもアメリカの政府首脳の間にも、基地と関連する沖縄の経済問題について随分誤解をしているというふうに感じております。
 先ほど小池大臣がITとか新たな産業を持ち込んできて青少年の雇用を確保すると言っているんですが、過去六十年間基地を抱えて、その平均の賃金が日本の全国平均の七〇%程度しかないというのがずっと続いてきて、全国最下位の貧乏県ということが六十年続いているわけですよ。復帰して後三十年、政府は振興策を、十年単位ののを三回もやって、今もやってくださって随分力を入れてくださっているけれども、問題の解決は全く見えないですよね。
 小池大臣に伺いますが、その過去六十年も基地を背負ってきてなぜ全国最下位の貧乏県だと思いますか、それから失業率は全国平均の二倍だと思いますか。何が原因だと思いますか。
○国務大臣(小池百合子君) 原因につきましては、今朝ほど他の委員の方、皆様方にお話をしたとおり、例えば離島であるということなど幾つかの問題点を申し上げたところでございます。
 そういったことを越えてこれからの、かつ、国の財政に依存するのではなくて、プラス面をどうやって生かして、そして自立していただけるかという、その後押しのために幾つかの案を用意させていただいていることでございます。
 御指摘の点、米軍基地の存在がいかに沖縄の発展を阻害してきたか、その面が全くないということなど私は申し上げておりませんけれども、その上で、沖縄自身の自立型経済の発展を望む一人でございますので、それをバックアップしていきたい。
 また、若い方々の失業率の問題につきましても、いわゆる都市部、その他、日本のその他の地域における失業率の計算の仕方だけでは語れないような部分もあるということで、どうしても全国平均の数字だけで比べてしまいますと失業率が高い。そしてまた、県民所得が低いと。これは相対的な中でそういう結論になってしまうわけでございます。
 しかしながら、沖縄のプラス面の部分もどうやって付加して、そしてそのプラス面をどうやってなくさないようにしていくかといったような配慮も政治としてすべきなのではないかと思っている次第でございます。
 先生の御指摘のところと若干認識が違うということもあろうかと思いますけれども、今申し上げたのが私の考え方でございます。
○大田昌秀君 あと、短い質問を一つだけ。
 先ほど沖縄の基地問題なんかについて、マスコミ報道についてのお話がございましたけれども、昨日の新聞に、日本経済新聞に、普天間基地の移設問題に関連して防衛庁と官邸が意見が対立しているということがございますが、防衛庁でも外務省でもどこでも結構ですが、そういう意見の対立がありますか。
○国務大臣(町村信孝君) 私の知り得る限り、私は防衛庁でも官邸でもないわけでありますが、私の知り得る限り、もちろん議論はそれはいろいろあると思います、いろんな考え方がありますから。しかし、何かこう決定的に亀裂があるとか対立があるとか、そういう状態であるとは私は全く思っておりません。
○委員長(木俣佳丈君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 外務大臣、御退席いただいて結構でございます。
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○委員長(木俣佳丈君) 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小池沖縄及び北方対策担当大臣。
○国務大臣(小池百合子君) 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 沖縄振興については、自立型経済の構築等を目指し、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に基づき、各種の産業振興等を図るとともに社会資本の充実等基盤整備のための特別措置を講じているところであります。国及び地方公共団体を通じた財政改革のための国の補助金等の整理及び合理化が進められる中、沖縄の置かれた特殊な諸事情を踏まえ、沖縄振興計画の推進に支障が生ずることのないよう、国が交付する交付金額の算定に係る特例を定めるとともに沖縄に対する特別の交付金制度の創設等所要の措置を講ずる必要があるため、ここに本法律案を提出申し上げる次第であります。
 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一は、補助率のかさ上げ措置のある国の補助金等が交付金化される場合において、交付金の額の算定に関し特例措置を講じるものであります。
 沖縄振興特別措置法別表に掲げるもので政令に定める事業に要する経費に充てるため、政令で定める交付金を交付する場合においては、同法の規定の適用による補助率のかさ上げ措置を参酌して、交付金の額を算定することといたします。
 第二は、補助率のかさ上げ措置のある国の補助金等が廃止される場合において、かさ上げ措置の趣旨を踏まえ特別の交付金を創設するものであります。
 沖縄県知事が、廃止される補助事業に係る沖縄振興特定事業計画を作成し、その計画に基づく事業に充てるため、新たに自由度の高い特別の交付金制度を創設することといたします。
 以上がこの法律案の提案理由及び概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いをいたします。
○委員長(木俣佳丈君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会