第162回国会 外交防衛委員会 第3号
平成十七年三月十八日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                浅野 勝人君
                三浦 一水君
                山本 一太君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
    委 員
                岡田 直樹君
                柏村 武昭君
                桜井  新君
                谷川 秀善君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                田村 秀昭君
                白  眞勲君
                荒木 清寛君
                澤  雄二君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     町村 信孝君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
   副大臣
       防衛庁副長官   今津  寛君
       外務副大臣    谷川 秀善君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       防衛庁防衛参事
       官        横山 文博君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛庁運用局長  大古 和雄君
       防衛施設庁建設
       部長       河野 孝義君
       防衛施設庁業務
       部長       土屋 龍司君
       外務大臣官房長  塩尻孝二郎君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤 善久君
       外務省アジア大
       洋州局長    佐々江賢一郎君
       外務省欧州局長  小松 一郎君
       外務省中東アフ
       リカ局長     吉川 元偉君
       外務省経済協力
       局長       佐藤 重和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十七年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十七年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(防衛本庁、防衛施設庁)及び外
 務省所管)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○外交、防衛等に関する調査
 (平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び
 中期防衛力整備計画に関する件)
    ─────────────
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての審査のため、本日の委員会に防衛庁防衛参事官横山文博君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛庁運用局長大古和雄君、防衛施設庁建設部長河野孝義君、防衛施設庁業務部長土屋龍司君、外務大臣官房長塩尻孝二郎君、外務大臣官房審議官遠藤善久君、外務省アジア大洋州局長佐々江賢一郎君、外務省欧州局長小松一郎君、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君及び外務省経済協力局長佐藤重和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(林芳正君) 去る三月十六日、予算委員会から、三月十八日の一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題とし、順次予算の説明を聴取いたします。
 まず、外務省所管予算について説明を聴取いたします。町村外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 平成十七年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。
 外務省予算の総額は七千七十二億円であり、これを平成十六年度予算と比較いたしますと百四十億円の減額であり、一・九%の減となっております。我が国外交の極めて重要な手段であるODA予算につきましては、政府全体でのODA予算が対前年度比三・八%減となる中で、外務省のODA予算は、対前年度比二・四%減の四千八百八十一億円となっております。
 我が国は、グローバル化の進展する国際社会の中で、我が国の安全と繁栄を確保するためにも、世界の平和と発展に向け日本としての役割を果たすべく、引き続き積極的な外交を推進する必要があります。
 このような観点から、平成十七年度予算においては、国民を守る日本外交、先頭に立つ日本外交、主張する日本外交及び底力のある日本外交を四つの重点事項として挙げております。
 まず、国民を守る日本外交に関する予算について申し上げます。
 この重点事項では、以下の三つを柱としています。
 第一に、様々な脅威から国民を守り、周辺の安全を確保するための経費を計上しております。この中には、北朝鮮の核開発問題、日本人拉致問題等の諸懸案に関連する経費が含まれております。
 第二に、テロ等の国民に対する新たな脅威への対応のための予算を計上しております。この中には、国際機関に対する新規拠出を含む途上国のテロ対処能力向上を支援するための経費や新たにICチップ付きの旅券を発行するための経費が含まれております。
 第三に、海外邦人の安全の確保のための予算を計上しております。この中には、在外邦人にとって最後のとりでとなる在外公館の緊急時体制整備、治安情報等を在留邦人に迅速に伝達するメールマガジンの作成等に関する経費が含まれております。
 次に、先頭に立つ日本外交に関する予算について申し上げます。この重点事項では、以下の四つを柱としています。
 第一に、本年一月より我が国は安保理非常任理事国に就任したことを踏まえ、世界の平和と発展のため日本として役割を今後ますます果たしていくために必要な経費を計上しております。具体的には、例えば、国際機関等において邦人職員を増強するための国際機関等への邦人派遣経費を増額して計上したほか、安保理非常任理事国としての活動経費を新規に計上しております。
 第二に、我が国の世界の平和と安定への取組に必要な経費を計上しております。この中には、イラク、アフガニスタンへの復興支援を含む緊急無償や、我が国が推進する人間の安全保障のための経費が含まれています。
 第三に、地域的な枠組みを通じた積極的な外交を展開するための経費を計上しております。例えば、EUとの協力関係の強化のための日・EU協力のための行動計画推進経費を増額して計上しております。
 第四に、グローバル化の進展に対する国際的なルール作りへ積極的に参画するための経費を計上しております。例えば、EPA・FTA推進のための経費を大幅に増額しました。
 次に、主張する日本外交に関する予算について申し上げます。この重点事項では、以下の二つを柱としています。
 第一に、我が国の外交政策の国内外への情報発信を強化するための経費として、アジア、大洋州、中東に向けた国際映像放送等関連経費を計上しております。
 第二に、魅力ある日本を売り込むためのニッポンプロモーションを行うための経費としては、今月より開催される愛・地球博に対する関連経費、各種周年事業等を通じた文化紹介事業のための経費等を計上しております。
 最後に重点である底力のある日本外交に関する予算について申し上げます。
 我が国の外交政策を強力に推進するためには、外交ツールを更に強化する必要があることから、政策構想力の強化、情報機能の強化、ODAの積極的活用、国際文化交流の積極的活用、及び五、外交実施体制の強化に係る経費を計上しております。
 特に、外交実施体制の強化を更に促進するとの観点から、在スロベニア大使館の新設、在デンパサール出張駐在官事務所の総領事館への格上げ等を予定しております。また、定員については、合理化による削減努力を行う一方で、百十三名の増員を図り、平成十七年度末の外務省予算定員の合計を、前年度末定員から二十名増の五千四百三十四名とすることを予定しております。
 以上が平成十七年度外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(林芳正君) ありがとうございました。
 次に、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁の予算について説明を聴取いたします。大野防衛庁長官。
○国務大臣(大野功統君) 平成十七年度防衛予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十七年度防衛関係費につきましては、厳しい財政事情を勘案し、一層の効率化、合理化を図り、経費を抑制することに努めつつ、平成十六年十二月十日に安全保障会議及び閣議において決定された平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱に示された新たな防衛力の水準への移行を旨とし、中期防衛力整備計画に基づいて、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応するとともに、国際的な安全保障環境を改善するために国際社会が協力して行う活動に主体的かつ積極的に取り組むために、本格的な侵略事態に備えるための基盤的な部分を確保しつつ、多機能で弾力的な実効性のある防衛力の構築に努めるとの考え方の下、編成しているところであります。
 まず、防衛本庁について申し上げます。
 平成十七年度の防衛本庁の歳出予算額は四兆二千九百四十六億二千二百万円で、前年度の当初予算額に比べますと三百三十七億一千七百万円の減となっております。
 新たな継続費の総額は、平成十七年度潜水艦建造費で五百八十六億二千八百万円となっており、また、国庫債務負担行為の限度額は、武器購入、航空機購入、弾薬購入、装備品等整備等で一兆六千六百五十六億一千三百万円となっております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十七年度防衛本庁の予算において、特に重点を置いた事項について申し上げると次のとおりであります。
 第一に、弾道ミサイル攻撃への対応、ゲリラや特殊部隊による攻撃等への対応、核・生物・化学兵器による攻撃への対応、島嶼部に対する侵略への対応、武装工作船等への対応、大規模・特殊災害等への対応など新たな脅威や多様な事態に実効的に対応し得る防衛力を効率的に整備することといたしております。
 第二に、自衛隊の運用は統合運用を基本とする体制へ移行するため、統合幕僚監部を新設するなど、防衛庁長官の補佐機関等必要な体制を整備することといたしております。
 第三に、統合運用の推進や国際平和協力活動の円滑な遂行等に資するよう、内外の優れた情報通信技術に対応した高度な指揮通信システムや情報通信ネットワークを整備することといたしております。また、迅速、的確な情報収集・分析・共有等を行うため、情報部門の体制の充実を図ることといたしております。
 第四に、国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組むほか、諸外国との安全保障対話・防衛交流、共同訓練等の充実を図ることといたしております。
 第五に、自衛隊の任務の多様化・国際化、装備品の高度化、統合運用の強化等に対応するため、人事教育・訓練施策を幅広く推進するとともに、高い士気及び厳正な規律を保持した質の高い要員及び部隊等を確保・育成することといたしております。
 第六に、軍事科学技術の動向を踏まえ、重点的な資源配分を行う等により、効果的かつ効率的な研究開発の実施に努めることといたしております。
 第七に、装備品などの取得の合理化・効率化を図るための施策を推進するとともに、自衛隊の駐屯地等における環境対策の徹底等を図ることといたしております。さらに、航空機の安全対策、衛生施策の推進を図ることとしております。
 次に、防衛施設庁について申し上げます。
 平成十七年度の防衛施設庁の歳出予算額は、後述のSACO関係経費を除き五千三百五十億八千五百万円で、前年度の当初予算額に比べますと百二十六億二千六百万円の減となっております。
 また、国庫債務負担行為の限度額は九百五十億三千六百万円となっております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十七年度予算において、特に重点を置いた事項は次のとおりであります。
 防衛施設とその周辺地域との一層の調和を図るため、引き続き、基地周辺対策を推進することといたしております。また、在日米軍の駐留を円滑かつ効果的にするための施策を推進することといたしております。
 また、このほかにSACO関係経費として、SACO最終報告に盛り込まれた措置を着実に実施するための歳出予算に二百六十二億九千九百万円、国庫債務負担行為の限度額に百二十二億五千八百万円をそれぞれ計上いたしております。
 以上申し述べました防衛本庁、防衛施設庁予算に安全保障会議予算三億五千百万円を加えた平成十七年度防衛関係費の総額は、四兆八千三百億五千八百万円となり、前年度の当初予算額に比べ、四百六十三億二千六百万円の減となっております。なお、これにSACO関係経費を加えますと四兆八千五百六十三億五千七百万円となり、前年度の当初予算額に比べ、四百六十五億九千五百万円の減となっております。
 また、平成十七年度防衛関係費に関連し、自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数の削減を行うこと、自衛隊の新たな統合運用体制の整備を図るための統合幕僚監部の新設及び情報本部の改編等を行うこと、第十四旅団を新編すること、我が国へ飛来する弾道ミサイル等に対処するため自衛隊の新たな行動類型を設けること、防衛庁職員の給与等に関し所要の規定の整備を行うことについては、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を提出し、別途、御審議をお願い申し上げております。
 以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(林芳正君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 この際、お諮りいたします。
 外務省及び防衛庁関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○三浦一水君 若干眠たい午後でありますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 委嘱の予算の内容に入ります前に、竹島と米国産牛肉の問題について、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
 十六日に島根県議会で竹島の日を定める条例案が可決されたということでありまして、その後は韓国内で随分感情的と言えるような反日行動が繰り広げられていると報道でも聞いております、見ております。我が国の国旗が目の前で焼かれると、やっぱり我々としても感情的にならざるを得ないと、非常にこれは許されない侮辱であるなという印象を持ってその報道を見守っております。
 これに対して外務大臣は、感情的対立は日韓双方の将来にとってという意味だと思いますが、ためにならないという発言をされているようでありまして、当然のことだと考えております。韓国内でも、一方で品位を保つべき呼び掛けも行われているやに聞くところでございますが、改めて町村大臣のお考えを伺いたいと思います。また、その対応についてもお考えがあればお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 座ったままで失礼いたします。
 島根県議会の条例案の可決が水曜日、十六日にございました。委員御指摘のように、韓国の内部においては大変な高ぶり、高まりを見せている状況でございます。日本大使館の前にデモ隊が来たり等々、私もテレビで見る、あるいは公電で来たりするものを見聞きしているわけでございますが、日本で報道されている以上の様子がうかがえるところでありまして、今週月曜日、一時帰国を命じました高野大使からも私直接話を聞きましたが、大使も、大変緊迫した韓国内の政治状況あるいは国民感情のうねりというものをいろいろ説明をしてもらったところであります。
 そういう中で、昨日、韓国国家安全保障会議常任委員会声明というものが出されたわけでございます。鄭東泳韓国国家安全保障会議常任委員長がこの声明を発表されたわけであります。その中身一つ一つについてあえて触れることは避けますが、特に竹島の問題については、委員御承知のとおり、日本と韓国では基本的な考え方、立場の相違があるわけでございまして、ただ、それはそれとして、そのことをめぐって両国間が感情的にいたずらに対立をするということは日韓両国のためには決してプラスにならないと、それぞれの分かり合っている立場は立場として、漁業の問題などを含めて日韓関係全体を考え、日韓双方が大局的な視点から対応していく必要があると、こういうことを私、昨日の夜、外務大臣談話という形で発表いたしました。
 彼らの思いは深く受け止めると同時に、一時のこうした状況の中でお互いが感情的になって、基本的な日韓友好というものが損なわれてはならないし、未来志向でこれから日韓関係を築いていこうということが損なわれてはならないと、こう私、心底そう思っております。韓国の方の声明にも、委員御指摘のとおり、日本国民とともに行う平和及び共存の未来が損傷しないよう、我々の意思を表現するに当たり、品位及び節制を守る必要があるという文章が、その先ほどの先方の声明にも出されているところでございます。
 したがいまして、両国の国民がお互いに自制すべきところは自制し、またお互いに相互に敬意の念を持って両国関係の発展のために努力をしていくことが今正に必要なのではなかろうかと、こう考えているところでございます。
○三浦一水君 少なくとも我々の国、国内においては韓国の国旗に火を付けたというようなことはないわけで、私は少なくとも聞いていない。ただ、度々にそういう行動が韓国において取られるというのは、やっぱりこの未来志向に非常に影を落とすもんだと、私は戦後生まれでありますけれども、特にそういう感じを強く持ちます。
 これについては、ただそれを当然だという見方は、今後やっぱり我が国政府としても何らかのそれに対しての意思表明をしていかなければならないということを思います。是非その点も御配慮いただきながら、今度の対応、今後の対応に生かしていただければと、これはもうお願いだけしておきたいというふうに思います。
 次に、ライス国務長官が今夕にはもうお見えになるというふうに聞いております。私の足下は特に畜産県でございますし、この問題につきましては非常に関心を持ちながら見てきております。あしたの午前中には外務大臣もお会いになるということであり、そしてまた午後には総理もお会いになるというふうに伺っておりますが、多分その期限を、牛肉輸入解禁、日本側の輸入解禁の期限を迫ってこられるんではなかろうかなと推察をしておりますが、総理はそれを想定した記者の質問には期限を区切ることはないときっぱり言われておるようでございますし、官房長官もお話があっているようでございますが、改めて外務大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(町村信孝君) 食の安全が重要であること、これはもう世界共通であろうと思います。日本もまた、それはアメリカにおいてもそうだろうと思います。この狂牛病を契機として一時期大変な日本が消費者始めパニック状態になってしまった、そういう状態を解決するために食品安全委員会というものが独立の委員会として設けられ、という経緯を考えたときに、私どもはやはり消費者の食の安全、安心を確保するということを大前提にして、科学的知見に基づいて適切に解決を図っていくという基本的な態度、これは日本も、またアメリカも、すべての国が同様だろうと、こう思っております。
 日米間の牛肉貿易再開手続をどう今後具体的に進めていくのか。今、食品安全委員会、国内手続の問題について、国内措置の問題について議論が進められ、率直な印象を申せば随分時間が掛かったなという感じはございますが、それでも今月一杯には最終的な安全委員会が開かれて結論が出されるやに聞いております。その後、パブリックコメント等の期間を経て、国内措置についての答えが出てくるんであろうと、こう思っております。それに引き続いて輸入牛肉の問題というものが食品安全委員会で取り上げられると、こういう手順が踏まれていくんであろうと、こう思っております。
 そうした食品安全委員会の検討作業というものがどのくらい時間が掛かるのか、あらかじめそれを予測することは大変難しゅうございます。したがいまして、輸入再開の時期を具体的に明示するということは、できればそれはアメリカ側としても大変安心をすることなんでしょうけれども、現実にそれは、いついつごろまでということを申し上げるのは現実問題難しいんだろうと、こう思っております。したがいまして、総理の御発言あるいは官房長官の御発言もそうした事情を踏まえてのことになっていると、こう思っております。
 あした、どれだけ、どういう話になるか、ライス長官との間では分かりませんけれども、そうした日本側の基本的な考え方、そしてこういう手続が今後必要なんだということは説明をし、理解を求める努力をしたいと、かように考えているところであります。
○三浦一水君 科学的知見については、アメリカ側がこれだけ政治的な圧力を、これも報道によるわけでありますが、議会辺りは特に強めているという話を聞いております。そういう中で、大臣があえて日米共通のこれは認識だと言われる意図が私はもう一つよく分からないわけでありまして、食品安全委員会の今の審査についても時間が思う以上に掛かったという大臣の御認識ももう一つ私は分からない。科学的知見に基づくならば、掛かることもあれば短くて済むこともあるということだろうというふうに思うんですが、その辺、ちょっともう一回意図を御説明いただければと思います。
○国務大臣(町村信孝君) ややもすると、何か日本のみが食品安全に非常に神経を使い、アメリカはそういうことに一切神経を使っていないかのごとき議論が時々行われるものですから、それは余りにも何か米国民をばかにした物言いでありまして、アメリカでも当然食品安全に関するもろもろの規制等々があるわけでありまして、それはその、どういうんでしょうか、その国によって受け止め方の違いというのがそれはあると思います。あると思いますけれども、やっぱりそれぞれの国でそれぞれのお国柄に基づいた安全規制というものがあるんだということはやっぱりしっかり認識をしておかなければいけない。アメリカはまるでノーチェックで日本だけが厳しくやっているということでは必ずしもないということであろうと思います。
 それから、時間が掛かり過ぎたと。実は率直に言いますと、私は、四週間に最初一度しか審議会が開かれないと。なぜそんなに四週間も掛かるんですかということを食品安全委員会の事務局に問い合わせたところ、正直言って、なぜそれだけの時間が掛かるというまともな説明を私は受けたことがないんです。
 したがって、普通いろいろな審議会、しかもいろいろなフットライトを浴びて緊急に作業をやっている審議会、まあ二、三週、二週間に一回とか一週間に一回とか、もう場合によったら毎日という審議会だってあるんですね。それを四週間に一度しかできないというのは、どうもよく分からないなと。そのうちに、それが今度、三週間に一回開くようになりましたと、何か大変誇らしげに私のところに言ってきた人がいるので、どうもこれもよく分からないなと。
 いや、必要な時間はいいんですよ。だから、なぜそれだけ時間が掛かるというちゃんと説明があれば私はいいと思うんですが、説明がないまま、とにかく一か月に一回しかやらないんですと。しかも、それらの先生方はみんな他に本職があるからそんなに頻繁にできないんですと、だから当たり前でしょうと言わんばかりの話があったんで、それはちょっと違うんじゃないんですかと。そのもし兼職がお忙しいのならば、その本職の方を少し外してあげるような、一時的にこう、何か食品安全委員会に専念できるような体制整備を安全委員会の事務局がしてさしあげれば、もう少しそこのところは工夫の余地があるんじゃないんですかということは、まあそれは、そこから先は私はもう職権外のことですから申し上げることじゃありませんが、率直に言ってそんな印象を持ったことは事実であります。
 しかし、いずれにしても、ようやく三月中には答えが出てくるということでありますから、今後、次なるステップに食品安全委員会が移っていただいて、科学的知見に基づいてしっかりとした御議論をしていただき、最終的には輸入牛肉も安心なんだとやはり日本国民が思って初めて、輸入した牛の肉が通常どおり販売されるようになるということなんだろうと思います。余りそれを急いでやって、どうもアメリカの牛の肉は心配だぞということのままもし輸入が再開されるとすれば、それは結果的には、全くある意味では意味のない作業をしてしまったということになるわけでありますから、そういうことがないように、それはそれでしっかりやらなきゃいけないと。
 私は、あらかじめ結論を予断して、こういう結論をいついつまでに出してくれと言っているつもりは更々ございません。結論は、ちゃんと科学者としての良心に基づいてしっかりと審議をして出していただく、そのことについて私は何ら異議を唱えたりしているものではないということは御理解を賜りたいと存じます。
○三浦一水君 そもそも、どうもその話になると長くなっていけないんですが、日米両国での食に対する安全というのは国民の基層において大分違いがあるような感じもいたしております。
 いずれにしましても、大臣がおっしゃるように、アメリカ側もきちっとそれに対する関心は高いものがあるんだと。先般カナダの牛肉が輸入差止めになったということもそれを示す一例なんだろうなというふうには感じております。
 それから、食品安全委員会のことについては、私も、他に本職があるからという話を私も直接聞くとするなら、それはちょっとやっぱりおかしいという感じはいたします。しかし、ここは日本の国民の、先般何の調査でしたか、八五%の方が、これはもう純粋に科学的知見に基づいて判断をしていくべき問題で、そこには政治的関与も外交的圧力もあってはならないというようなことを明確に示されておるようでありますから、その点は十分踏まえていただいて、また協議に臨んでいただければというふうに思います。
 次に、十七年度のODA関係の予算についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。
 外務省の関連の予算を見ておりますと、それ以前にODA全体の予算の減少幅が、十五年、十六年の五・八%、四・八%減というものからは、今年は三・八%減ですか、先ほど大臣おっしゃったように減り幅が減少したということで、一つの底打ち感というのも評価できるんではなかろうかと思っておりますが、この十七年度のODA予算の特徴を端的に、外務大臣、御説明いただければと思います。
○国務大臣(町村信孝君) まず、総額について委員からお触れをいただきました。十四年度予算は一〇・三%の減なんですね。大変大きく減りました。それ以降、五・八、四・八、今年三・八と、こういうことであります。
 今年の三・八%減でございますけれども、前年の、失礼しました、十六年度の補正を一月にお認めいただいたわけでございますけれども、この補正の中にODA予算が入っております。これと足し合わせると、ようやっと事実上横ばいといいましょうか、減少傾向に歯止めを掛けることができたというような表現を私ども取っているところでございまして、そのようなことで総額において今回ようやっとフラットになってきたかなということで、まだ今年の予算を審議しているときに来年の予算を申し上げるのはもう大変行き過ぎだからこれ以上は申し上げませんが、来年度にはまた更なる、来年度というか十八年度ですか、に向けてまた新たな、かく決意で臨んでいきたいなと、こう思っているところであります。
 具体の中身の特色でございますけれども、特に平和の構築、定着を支えるODAの戦略的な実施でありますとか、あるいは、これは小渕総理が大変主張され始めた人間の安全保障というテーマがございますが、これの推進、あるいは国連が定めましたミレニアム開発目標というものがございますが、これの目標の達成への貢献、さらにはODAを実施する体制の強化というようなことに重点を置いてやっているところでございます。
 その主要なものは、特に私ども、このJICAというものが大変大きなウエートを占めておりますが、このJICAの予算も若干の減ではございますけれども、相当工夫してJICA予算も確保しているというような辺りが今年の特色かと思っております。
 いずれにしても、重点的、戦略的かつ効率的にこの予算を活用をして成果を上げるように努力をしたいと思っております。
○三浦一水君 対中ODAなんですが、これ、報道にありましたように、政府は二〇〇八年度をめどに対中円借款については新規供与を停止することをおおむね合意したという報道を聞いております。
 その前に、李外相ですか、インドネシアでいろんな発言もあっておりましたし、この日中間のやり取りがそんなに円滑にいったのかなという思いもあるんですが、外務大臣、そこを御説明いただけますか。
○国務大臣(町村信孝君) 昨年の秋ごろからこの日中の間で外相レベルあるいは首脳レベルで、ODAなかんずく円借款の在り方について議論が少しずつ始まったわけでございます。具体には今年になりましてから、円借款どのような形に今後持っていこうかということで、一月、二月、事務レベルの協議を重ねてきたところでございます。
 数日前、火曜日、火曜日か水曜日だったかな、火曜日だったと思いますけれども、中国外交部の李肇星部長がヨーロッパの方に出張しておられた先にちょうど電話がうまくつながりまして、そこで、最終的に、そうした事務的な積み上げをベースにしながら、円借款の在り方については、二〇〇八年に北京オリンピックがあるわけでありますが、その前までにはその新規供与を終了するという方向で今後具体の中身を詰めていきましょうと。また、あわせて、二〇〇四年度のODAについては前年度比約一一%減という形で三月末までに我が国の閣議決定をしていきたいという話を電話でいたしました、もちろんほかにも幾つかの話をいたしましたが。
 そういうことで基本的な合意を見て、今後さらに、二〇〇八年の前までに終了する間の円借款の在り方については今後引き続き協議をしていこうと、具体的に今後どういうプロジェクトを取り上げていくのかということについて協議をしていこうと。これはやっぱり一定の調査をしてみませんと、何が本当に必要だか、何が適正な金額だかというのが分かりませんので、その辺は今後調査結果を踏まえながら次第次第に確定していこうではないかと、こういう話になっているわけでございます。
○三浦一水君 中国がもう世界第七位の経済大国に実質成長をしたという状況の中では、また、アジア各国あるいはその他の途上国にも多大な援助をされているという現状からは、もうこれは至極当然の結論だろうと、私もそう思っております。私は、実は昨年、参議院の決算の調査団で行ってまいりまして、これ以上もう継続する必要性は見いだせなかったという報告書を出させてもらった一員でありますが、そんな感じがいたします。
 私も、七九年から八一年、中国に留学をしておりまして、ちょうどそのODAが始まったころだったんですが、当時はまあ、四つの現代化だとかあるいは対外開放路線を始めるとか、あるいは特区制度を取り入れるとか、ほとんどのことを、我々もいて、あるいは経済関係の方々も、まゆつばと言うと表現が悪いですが、なかなか実現は難しいんだろうなと思ってみんな聞いていたわけでありますが、ここまでの成長を当時の関係の人で予測できる人はいなかったというふうに思っております。そういう意味ではいい結果なんだなと思っております。それよりも、非常に今の日中間、この前も申し上げましたが、大変な経済・文化的な、かつて歴史上にない大きなパイプでの交流になっていることが私は何よりも重視すべきことだなというふうに思っております。
 そういう中で、円借款は円借款として一つの時代の役割を果たしたということでありましょうが、無償なり技術協力という点では、シンボリックなものについては今後も積極的に私は考えていっていいんじゃないかと。その面、より多くの予算を今まで以上に必要な面があるなら、それも考慮していいんじゃないかと思う側面も中国の中にはあるようにこの前の調査でも感じてまいりました。
 その辺、外務大臣、どんなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいま円借款以外の協力ということについてお話がございましたが、正に円借款以外の技術協力であるとか、草の根・人間の安全保障無償であるとか文化無償であるとか等々、こうした協力のプログラムということは両国間のその交流を促進をするという面が非常にあるわけでございます。
 そういった交流を促進する協力につきましては、例えば貧困問題の解決であるとか環境の保全とかいろいろ、あるいは中国の国民の対日理解の増進に資する案件といったようなことで、今先生おっしゃいましたようないろいろなシンボリックな案件ということをよく考えながら、日中関係その全体の中でこういうものを積極的に活用をしていくということが必要かなというふうに考えております。
○三浦一水君 是非よろしくお願いします。
 先ほど大臣が国連のミレニアムプロジェクトについて言及をされました。その中で、安保理の常任理事国入りについて大臣も大きな決意で臨まれておりますことはもう大変な評価をするところでありますが、ODAの対GNP比が〇・七%という指標がこのミレニアムプロジェクトに示されているわけでございまして、我が国みたいな経済大国がそれを達成していくというのはもうほとんど不可能だという認識を持たざるを得ないわけでありまして、現に我が国は〇・二%ですか、高かったときでも〇・三%ぐらいですか、そんな話も聞いております。
 そこで、安保理の常任理事国入りを念頭に置きながら、外相、どういう今後取組をされていくのか、この問題との整合も含めてちょっとお話をいただければと思います。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっと先ほども、これから先の日本のODAの在り方について、今ちょうど予算の御審議をいただいている最中に余り先々のことを言うのは、いかにも委員、先生方に失礼かなと思うので、余りちょっとはっきりしたことを申し上げかねるところもございます。また実際、政府全体としても、今後のODAの、特にGNP比といったような量的な側面の話を今どこまでできるかということについて政府部内でまだ十分なコンセンサスができているわけではございません。この予算が成立をされた暁には、早速また関係省庁と話合いを始めて、今後どうしていくのかと、特に安保理常任理事国入りといったようなことも念頭に置きながら、ODAを今後どのように持っていくべきかということについて真剣な議論をやらなければいけない、また先生方からもお知恵をいろいろいただかなければいけないと、こう思っております。
 確かに、一九九〇年ごろは〇・三%台でございましたが、二〇〇三年の実績で〇・二%でございます。九〇年代は日本は相当頑張ってずっとその総額で世界一の座をキープしておりました。特に、九・一一後、アメリカあるいはヨーロッパの国々が、やはり貧困がテロの一つの温床になっているというようなきっと認識も強まったんだろうと思います。非常に積極的に開発援助の予算を増やしてきているということで、今、日本はアメリカに抜かれて第二位でございまして、このトレンドでいくと、一両年のうちに日本は三位、四位、五位と、どんどん滑り落ちていくというような傾向値にあるわけでございます。
 また日本は、他の国と比べると、円借款という日本独特の援助のやり方、私はこれはこれで、かつて大規模な資金需要を、アジアの諸国のインフラ整備等に、賄うために有効な方法であったとは思っておるんですが、そろそろこの円借款というやり方もある種頭打ち傾向といいましょうか、限界に当たっているなという感じもいたします。
 そういう中で、じゃ、日本独自のこれからのODAというのはどのように組み立てていくのかという根本論からやっぱりやっていかなければいけない。したがって、この量の面と質の面と両方を併せ考えていかなければいけないだろうと、こう思っております。しかも、言うまでもなく財政的には大変厳しい状況にあるということであります。
 ただ、大きなGNPの国のアメリカや日本が一挙に〇・七というのは無理でも、どこかに一定の中間的な目標を置きながら、国際社会からきちんと評価をされる、そうした役割を果たせるODAというものをしっかりと今後組み立てていかなければいけないと、こう思っております。
 済みません。長くなりました。
○三浦一水君 ありがとうございました。
 最後に、防衛庁長官に2プラス2についてちょっと所見をいただきたいと思います。
 簡単に申しますが、先般の台湾海峡問題の平和的解決を促すという内容が込まれたことには、中国側は想像された反応を示しておるようでございます。そういう中でありますけれども、そもそも、この台湾周辺の海域の安全が確保されることは歴史的にも我が国のもう生命線でありまして、その重要性というのは欠くことができないわけであります。
 そういう中で、今後日本としてどうこの対応をして、取組をしていかれるのか、これ、ちょっと防衛庁長官の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(大野功統君) どちらかというと町村外務大臣にお答えいただきたいような質問でございますけれども。
 台湾海峡をめぐる問題の平和解決ですね、平和的解決。私は特に平和的解決ということに、強調したいんでありますけれども、あの台湾海峡の問題というのは本当に日本にとって死活の問題に近いわけであります。そういう意味で、今回、2プラス2での議論を通じまして台湾海峡の平和的解決という共通の認識で一致していると、このことを強調さしていただきたいと思います。
 共同発表の内容というのは、従来の我が国の立場と全く同じでありまして、これまでの我が国の政策を変更したというような観点は全然ございません。従来からこの地域は必要であると、そして我々のあらゆる面での努力が必要でございますけれども、その中で、特にこの平和的解決という文言、このことを私は強調していきたいと思います。そのための対話が早期に再開されることを希望さしていただいております。
○三浦一水君 ありがとうございました。
○田村秀昭君 民主党の田村でございます。
 本日は、外務大臣、防衛庁長官、今津副大臣の三人の方にそれぞれ質問をさしていただきます。
 まず、防衛庁の省昇格についてお伺いさしていただきます。
 昨年の十二月の二十二日に、民主党内で衆参四十名集まりまして、防衛庁、庁を省に昇格する議員連盟ができまして、代表に渡辺秀央先生がなられております。今津副大臣にもその後、幹部会に来ていただいておりますけれども。
 防衛庁の省昇格について、防衛庁長官、外務大臣、今津副大臣、それぞれどのような決意をお持ちになっているか、お尋ねさしていただきます。
○国務大臣(大野功統君) 第百六十一回国会、昨年の十月でございますけれども、外交防衛委員会、この場におきまして私は、防衛庁の省移行については、政治の場において議論され、早期に実現が図られることを期待しております、こういうようなことを表明さしていただきました。
 その後、先生今おっしゃいましたように、自民党国防三部会において、防衛庁を省にする法案を今通常国会に議員提出する旨が決議されております。また、与党間で協議が行われることともされております。また、民主党におかれましても、省昇格を目指す議員懇談会が開催されたということは今先生から御紹介があったとおりであります。
 このように政治の場で議論が活発化していくこと、省移行の実現に向けた動きがあるということで、今国会、特に私、所信なりなんなりでそういうことを申し上げておりませんけれども、この気持ち、この決意は全く変わっておりません。そういう意味で、いずれにしましても、早期に防衛省への移行が実現することを、御議論の上、決定していただきたい、このことを強く希望しているものでございます。
○田村秀昭君 ありがとうございました。
○国務大臣(町村信孝君) そうですね、外務大臣の立場で政府の行政組織の在り方いかにあるべきかということを言うことは少々、本当は差し控えるべきことなのかもしれませんが、あえてのお尋ねでございますから、個人的な意見ということで申し上げさせていただければ、私も大臣になる前には、この防衛庁を省に昇格する議員連盟でしたか、運動がありまして、私もその有力なと、自ら言うのはおこがましいのでありますが、一員であると、こう自任をして活動をしてきた経緯もございます。
 もとより、総理大臣の下ということは、それはそれで意義がある形だとは思いますけれども、やはり、先般の組織、行政機構改革の中で、環境庁も環境省になった。庁と名が付くのはたしかもう今や防衛庁……(発言する者あり)あっ、金融庁がある、失礼しました、ちょっと不勉強で申し訳ありません。そういう意味で、別に庁が下で省が上ということは、それはないのかもしれませんが、やはりそこに働く皆さん方のモラルといったような要素というのは私は大変大きいのではないのかなと、こう思っております。
 そういう意味で、私は個人的には防衛省に賛成でございますが、これはあくまでも、お尋ねであったのであえて個人的な意見ということでお許しをいただきたいと存じます。
○副長官(今津寛君) お答えする前に、先般、田村議員の方から御指摘がございました成田空港の自衛隊隊員の制服を着ての乗り降りの問題につきまして、いい方向で相当進んでおります。そのことを御報告申し上げて、お礼を申し上げたいと思います。
 さて、省昇格の問題でございますけれども、最近は防衛、安全保障については正に変革期であると思いまして、大きな様変わりがしておるところでありますが、しかし、私の考えでは、中身や家が立派になってもやっぱり家の前にはきちっとした立派な表札を立てなければならないのでありまして、そういう意味では、省昇格というのをできるだけ早く実現をしていただきたいと思っているところでございます。
 我が党の選挙のたびに公約に載っていますし、委員長も御存じのとおりであります。それから、党の大会ごとにもしっかりと壁には書いてあることでありまして、国民からすると、自由民主党はなぜ約束を守らないんだと、こういう御意見もあり、特に自衛隊関係者の方にはそういうお気持ちが強いということを私は受け止めております。
 なお、私、副長官になってちょっと感じますことは、こういう自分の勤めている役所、防衛庁の名前のものについては、まあ公務員であるということでありますからなかなか声を上げられないのかもしれませんけれども、私はもっと防衛庁自らが燃えるようなそういう何か情熱というか、省昇格への意欲というか、そういうものがもっと感じられたらいいなというようなことを私自身は感じているところでございます。
 いずれにしても、できるだけ早く省昇格を実現をすることが、他の国の方から見ても、自衛隊に対する見方が変わっていくと思いますし、また、国民の自衛隊を見る目ももちろん変わりますし、自衛隊も、隊員も誇りを持つことができることになるのではないかというふうに思っております。
○田村秀昭君 ありがとうございました。
 ちょっと変なことをお聞きするようですけれども、大野防衛庁長官にお尋ねいたします。
 我が国の歴代の総理大臣、戦後の総理大臣、防衛庁長官も含めてですけれども、自分の国は自分で守るという決意が私はないのではないかというふうに思っているんです。で、そういうこと、そんなことないとおっしゃるんだったら、ちょっとお答え願いたいんですけれども。
○国務大臣(大野功統君) 自分の国を自分で守る、これ当然のことでございます。その自分の国を自分で守るということはどういう、国際化社会の中でどういう位置付けになるんだろうか。私は、国際化社会の進展があればあるほど、やはり自分というものの国を愛する、ふるさとを愛する、日本を愛する、家族を愛する、そういう気持ちが出てこなきゃいけないんじゃないかと。これは人間愛とつながっていることだと思っています。
 だから、そのように人間を愛する気持ち、家族を愛する気持ち、おじいちゃん、おばあちゃんを尊敬する気持ち、こういうものがあってこそ、自分を守る、自分の国は自分で守る、こういう気持ちがきちっと国民の間で育ってくるんじゃなかろうか。それが、やはり自衛隊、自衛官が崇高な使命の下、やはり国を守る、世界平和のため頑張っていくという気持ちになっていくんじゃなかろうか。私は、そういう意味で国民全体の問題としても考えてもらいたいし、それから我々政治家も、そういう意味でもっともっと自分を、自分の家族を愛する、ふるさとを愛する、こういう原点に立ち返って考えていくべきじゃないか。
 自分の国は自分で守るという意識が少ないんじゃないかと御指摘でございますけれども、今、世界的な傾向は、今申し上げたようなことを前提にして、やはり日米で物事を対処していく、同盟国で対処していく、さらにグローバルに全体世界で考えていく、こういう傾向があることも事実でございます。それは、例えばテロでございますと、テロに対応するにはやはりお互いに情報を共有しておかなきゃいけない、そういう問題があるわけでありますから、国際的に協調していく。
 私は、国際的に協調するという問題と、それから自分の国は自分で守るという問題と、二つありますけれども、仮に、幾ら国際化が進んでも、やはりそれは自分の国は自分で守るということは別の問題であって、きっちりとその辺は国民全体の問題として政治家が考えていかなきゃいけない問題だと信じております。
○田村秀昭君 長官、私の質問がちょっと誤解されてお答えになっているような気がするんですが、私は自分の国は自分で守るという決意が内閣総理大臣なり防衛庁長官にあるならば、その戦士である自衛官に対して名誉と誇りを与えるはずなんです。
 ところが、今まで、名誉も誇りも与えてこなかった。警察の予備として法律的にも来ているし、自衛隊って一体何ですかと聞いたらば、きちっと答えられないと思いますよ。自衛隊は軍隊なのか、軍隊じゃないのか。警察なのか、警察じゃないのか。今の法制的に言えば警察の予備としか考えられない。で、自衛隊にいろんなことを言っても、自衛官は誇りと名誉が与えられていないから、非常に不満を持つんではないだろうかというふうに私は思うんですが、そういう点を私は指摘しているんで、国際社会の中でって、お答えになったような話ではないんです。
 ですから、自衛官に誇りと名誉をなぜ与えないのかと、与えないでなし崩し的に防衛問題、防衛の問題を自民党政権は引きずってきているのかということについて、五十年か六十年たったときにきちっとすべきではないだろうかということを申し上げているんですが、もう一度お答え願いたいと思います。
○国務大臣(大野功統君) 今申し上げた中に回答があると思っておりますけれども、やはり国民が自らの国を守ることが大切なんだ、ふるさとを愛する気持ちが大切なんだという意識があれば、私は国民の皆様の中からやはり自衛官を大切にしていこうという雰囲気も生まれてくるのではないかと、私はこのように思っています。その自衛官の活動に対して、本当に世論調査を見ましてもだんだん支持する声が高まっている、これも一つの視点だと思っています。
 しかし、具体的に言いますと、やはり先ほど先生がおっしゃったような、防衛庁でいいのかどうか、こういう問題があります。それから、私が今取り組んでいるもう一つの問題で、自衛隊の平和活動、平和協力活動をこれを本来任務化していく。このことはやはり、自衛隊の皆さんが外国でいろいろと厳しい生活環境の中で一生懸命頑張っている、それが付随的業務、付随的任務となればやはり誇りが、誇りと、誇りとか勇気とか、そういうものが欠けてくるわけであります。
 だからこそ、私は防衛庁に、問題にしていく、あるいは防衛庁に、昇格さしていくことの大切さ、それから自衛官の、自衛隊の平和協力活動を本来任務化していく、こういう問題が大変大切ではなかろうか、このように思っているところでございます。
○田村秀昭君 是非、防衛庁長官にも私の申し上げたことを理解していただいて、いただきたいというふうに思っております。
 次に、この前の二月十九日にワシントンで行われました2プラス2の共同声明についてお尋ねさせていただきます。
 まず第一番に、日米の共通の戦略目標の中で、テロを防止し根絶するというふうに文書に書いてありますけれども、具体的にどのようなことを考えてこの項目を入れられたのか。外務大臣、防衛庁長官、それぞれどういう役割を、テロを防止して根絶するということに対して外務大臣はどういう役割をされるのか、防衛庁長官はどういうこれについて具体的な実行をされるのか、ちょっと教えていただきたいと思うんですが。
○国務大臣(町村信孝君) テロ根絶、防止、これはもう日米が全く同じ発想で認識をしたということをここに記したわけでございますが、具体にどういうことをやるのか。
 もちろん、日米でいろいろな情報交換をしたり、共同でやる、国際場裏でやることもあると思いますが、またそれぞれやることもあるんだろうと思います。
 日本がどういうことをやるかと、日本を重点にじゃ考えた場合に、例えば国連を通じた協力、国連でいろいろな決議をする、あるいはテロ対策委員会というのもありまして、これへのテロ資金対策を始めとしたテロ対策の国内履行というものがどう行われているかというのをチェックをするというようなこともあると思います。また、G8を通じた協力というのもあろうかと思います。
 あるいは、この地域における地域的な枠組みの中での協力というのもございます。例えば、外務省、警察庁の共催で毎年地域テロ協議というものを開いたり、あるいは二〇〇五年三月にはインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ五か国を招いて東南アジア地域テロ対策協議というものを開催されると。これは外交的な努力であります。あるいは、二国間でのテロ協議というものをずうっとやってきております。もちろんその中には日米テロ協議とか日米豪テロ協議といったようなものもございますが、日・EUとか日韓とか、そういったような外交的な活動もあるわけであります。
 あるいは、テロ防止関連の諸条約というものが全部で十二条約ございますが、これを締結し国内法を整備してこれを履行していく。さらにはテロ資金対策をしっかりやる等々、今申し上げたことは日本独自でそれはそういった活動に参加をする、場合によっては日米で共同してそれに当たるといったようなことで、私どもの方としては外交的な場裏で日米ともに、あるいは日米それぞれがテロ対策に取り組むことがたくさんあるなということでこの認識に至ったわけでございます。
○国務大臣(大野功統君) 外務大臣のおっしゃったとおりでございますけれども、まず二〇〇一年九月十一日、ニューヨーク世界貿易センターを攻撃したテロ、これはブッシュ大統領は新しい戦争と呼んでいます。で、新しい戦争は何か、それは正に領土を持たないで、そして急に攻めてくる、攻撃を掛けてくる。この問題はやはり、テロというのは世界、もう人類共通の敵ですから、世界各国が共同して対処していかなきゃいけない。ここに一つの問題点があろうかと思います。したがって、今回の2プラス2におきましても、人類共通の敵というようなことで、共通の戦略目標として「テロを防止し、根絶する。」、こういう項目が入っております。
 先生のお尋ね、具体的にじゃ何があるんだ。日本は、既にそういう意味じゃ、テロ特措法でインド洋で日本の海上自衛隊等が活動をいたしております。将来ももし仮にあのようなテロという問題が起これば、日本ができる範囲内で積極的に対応していかなきゃいけない、このように思います。
 それから、やはりそういう意味で、いつ発生するか分からないわけですから、お互いに情報を共有する、何か情報があればすぐ交換し合う、こういうことが非常に大事なんじゃないか、防衛庁としてはそのように思っています。
 そのほか、もちろん政府として、今外務大臣がおっしゃったようなテロに資金は供給しない、断絶する、こういうような断固たる態度で政府全体として対応していかなきゃいけない、このように思っております。
○田村秀昭君 次に、外務大臣にお尋ねしますけれども、日本が国連の安全保障常任理事国入りについて積極的に、今日も総理が本会議で言っておられましたけれども、常任理事国入りを今一生懸命やっているということなんですが、米国はそれを、日本の常任理事国入りを支持するというふうに言っているんですか、ちょっと外務大臣にお尋ねしたいんですけれども。
○国務大臣(町村信孝君) これは、2プラス2のときに行われました日米外相会談の場でも、ライス長官の方から日本の常任理事国入りを支持しますと、こう言っておられます。また、パウエル前国務長官もそのことは明示的に言っておられます。
 なお、これは直接聞いたわけじゃございませんが、アメリカが常任理事国入りを支持しているのは現時点では日本だけだという話も、米国の高官がどこかでそういう話をされたという報道に接したことがございます。
○田村秀昭君 分かりました。
 それで、そこの文章のところに、非常に今度のこの文章読んでいますと分かりにくい言葉がたくさんあるんですけれども、「実効性を向上させるための努力」っていうのが書かれているんですね。「安全保障理事会の実効性を向上させるための努力を連携させる。」っていうふうに書いてありますけれども、実効性を向上させる努力ってどういう努力なんですか、ちょっと教えていただきたいんですが。
○国務大臣(町村信孝君) これは、安保理の意思決定、決議の採択といったような場面から、その決議が確実に実行されると。決議だけは出しても、ばんばん決議しても実行されないというのでは意味がないわけでありますね。きちんとした決議がなされ、きちんとしたそれが実行されると。両面から、日本が安保理理事国入りをすればより良い決定がなされるだろうし、その実現するに当たって日本の力というものが発揮をされる、そのことがひいては安保理の言わば機能を向上させるということにつながるであろうと、こういう認識で日米が同じ考えに立ったということでこの共同声明に載っているわけでございます。
○田村秀昭君 ちょっとよく分かんないんですけど、国連安全保障理事会の中で、日本が常任理事国入りしたときにそういう実効性、実効性っていうんですか、米国とのつながりっていうか、何かを向上させるってそういうことなんですか。どういう、何を向上させるんですか。今まで向上していなかったんですか。
○国務大臣(町村信孝君) 別に、日米が常に一緒になって行動するから実効性が上がるということを意味しているわけではございません。
○田村秀昭君 ああ、そうですか。
○国務大臣(町村信孝君) はい。日本が入ることによって、逆に言うと日本のような有力な国が入っていないことが安保理の実効性を低くしてきたんだということでありまして、それは多分日本以外の国々、どの国がいいといって例示を挙げるならば、それはドイツであり、インドであり、ブラジルであり、あるいは、例えばアフリカが今最大の国の数があるわけでございますけれども、アフリカからは今一つも安保理常任理事国に入っていない。そうすると、アフリカに関するいろいろな決議が行われるわけではありますけれども、その決議はアフリカの方々が直接、非常任理事国にはいても常任理事国にいないということになると、やはり本当にその決議が効果、いい決議なのかとか、あるいは本当に効果あらしめるための実効が上がるのかというと、やはりそこにはアフリカの代表者も常任理事国にいた方が私は安保理全体の実効性がそれは上がるということにつながるんだろうと、こう思うわけであります。
 そういう考えで、私どもは常任理事国及び非常任理事国のそれぞれの拡大が適切であるという意味で、この先般の出されたハイレベル委員会の報告書のモデルAという考え方が日本として適切であると、こういう判断をしているわけでございまして、その全体が膨らむ中で日本も常任理事国入りしてはどうかというふうに考えているわけでございます。
○田村秀昭君 それは、大臣のおっしゃるのはそのとおりだと思うんですが、まず敵国条項というのを削除しないと駄目なんじゃないですかね、敵国になっているんだから。それをまず排除してからだったらいつでも入ってやるよっていう態度はどうして取れないんですか。
○国務大臣(町村信孝君) 戦後六十年たって、国連憲章はたった一回しか改定されておりません。それは、非常任理事国の数をたしか六から十に増やすという、六〇年代に決まった、その一回だけであります。要するに、まあ日本国憲法も同様でございますが、これはなかなか憲章を変えるというのは容易なことではない。しかし、今委員言われたように、その敵国条項というのが三か所載っておりまして、これを我々も再三取り上げるわけであります。
 ある時、九〇年代の半ばだったと記憶をしておりますが、国連の決議が出されまして、あの部分は言わば無効であるといったような宣言は成ったんです、宣言までは出たんです。しかし、現実にそこの部分だけでそれじゃ国連憲章を改正できたかというと、それをいじるとあそこもあそこもあそこもということになって、結局その部分だけの改定はできなかったわけであります。
 今回、言わばそうした長年積み重なってきたような問題を含めてまとめて国連改革をやろう、その改革に必要な憲章改正をやろうということでございますから、これは安保理の改革のみならず、当然のこととして我々はこの敵国条項も国連憲章改正案の中には当然含まれるものであると、同時にそれは決着すべきものであると、こう考えております。
○田村秀昭君 分かりました。
 最後に、防衛庁長官に、防衛庁が出された、防衛庁長官官房広報課というので自衛隊・防衛問題に関する世論調査っていうのが平成十五年の一月調査されたのが、私、今手元にあるんですが、それを読んでいますと、政府が考えておられるよりもはるかに防衛問題に対する国民の意識というのは高いんですね。自衛隊と一緒に、外敵が攻めてきたら自衛隊と一緒に中に入って戦うとか、一緒にやるという人が八割いるんですよ、全部ですよ、国民の八割。
 そうしますと、防衛庁長官としてはそういう国民が八割いるんだから、堂々とこういう国民をどういうふうにその侵略に対処させるかという努力を、具体的な方策を防衛庁もそろそろお考えになっていいんじゃないかと思うんですが、いかがお考えかをお聞きして、質問を終わります。
○国務大臣(大野功統君) 田村先生御指摘のとおり、本当に最近は自衛隊に対して国民の御理解と御支持が増えてきております。
 別の調査によりますと、この国の中で一番信頼できる公共的な機関は何か、ここで自衛隊が二番目になっている。アメリカの場合は軍隊が一番だそうでありますけれども。そういうふうに、次第に自衛隊の、自衛隊というものがいかに崇高な仕事をしてるんだ、こういう御理解が増えてきているというのは大変有り難いことであります。
 そういう意味では、今後、我々は、やはり先ほど先生が御指摘になったとおり、自分の国は自分で守るんだ、いざというときはみんなで協力してやっていくんだ、こういうふうな方向で体制を整えていかなきゃいけない、そういう問題ということを考えますと、やはり国民保護法及び現在検討しております国民保護基本指針、こういうものが非常に大切になってくるなと。そこで、我々はやはり、今申し上げましたような、いざとなったらどういうふうに避難するんだ、いざとなったらどういうふうに協力するんだ、いざとなったらどういうふうに連絡し合うんだ、こういう問題をもう少し詰めて考えていきたいと、このように思っております。
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。民主党・新緑風会の喜納昌吉です。
 まず最初に、イラク撤退を決めたイタリア政府の対応について外務大臣にお聞きします。
 スグレナさんはマニフェストの記者で、イタリア政府のイラク派兵に反対の立場を表明していました。反対を表明する記者を全力で救出しようとしたイタリア政府に私は敬意を払います。政府はどのように受け止めていますか。よろしくお願いします。
○国務大臣(町村信孝君) イタリアの事件について、あっ、イタリアの事件じゃございません、失礼しました、イラクで起きたイタリア人の記者等に米軍が誤射をしたということについて日本政府がどう考えるのかというお尋ねでございます。
 大変、私どもその正確な状況が必ずしもよく分かりませんので、どうしてああいう事件が起きるのかということについて詳細はつまびらかにいたしませんけれども、いずれにしても誤射であったということはアメリカ政府の方も認めたし、もちろんイタリア政府も認めているということで、まず誠に痛ましい事件であったなと、こう思っております。
 ああいう混乱した中、しかも折として、時折自爆テロがあるというようなことから、きっと間違って撃ってしまったんだろうと、こう思いますけれども、いずれにしても、だからといって正当化される話でないことはもう当然のことでございます。今後こういうことが発生をしないように、関係国の中で十分お互いに注意をし合いながら、特にアメリカ側が十二分の注意をするということが必要なんだろうと、こう思っております。
 で、まあこれとの関係で、イタリアの首相がイラクにおけるその兵力の段階的な削減を九月ころから始めるというようなアナウンスをしているわけでありまして、同時に、このイラク政府による自らのイラク治安組織の構築能力に大きくこれは依存してくると、この段階的削減の話はですね、こういう発言だと、こう聞いております。
 このことについては、次第次第にイラクにおける治安維持の任務をイラク人の手に渡していこうという、そういう多国籍軍の取組の一環ということであろうかと、こう思っておりまして、そのことは、イタリアがそうした全体の方針に、ある意味では沿ってそういう決断をしたのであろうと、これはイタリアのそうした今までの言っている方針を具体化してきたんだろうなと、こういうふうに受け止めているわけでございます。
○喜納昌吉君 日本はイラク、まあ戦争反対、自衛隊派兵反対を主張する記者やNGOの人が、人が人質としてイラクで捕まっても全力で政府は救出しますか、もし日本でその同じような状況があったときに。その何というんですか、自衛隊、反対をする、派兵を反対する記者やNGOの方々がその人質となったときには、このイタリアの例のように。
○国務大臣(町村信孝君) もとより邦人保護というのは、これはもう日本国政府の最大の仕事でございます。その方がどういう主義主張の方であろうとも、どういう身分の方であろうとも、どういう仕事に就いておられる方であろうとも、危険にさらされたというような場合に最大限の努力をして、その身の安全を確保していくということは、それは政府として当然の仕事でございます。
○喜納昌吉君 イタリアはイラクに約三千名を派兵し、日本も自衛隊を派遣していますが、この事件でイタリア国内で自己責任論は出たのでしょうか。自己責任論ですね。
○国務大臣(町村信孝君) イタリアのジャーナリストの方がこういうとらわれの身になった、拉致されたといいましょうか、最終的に救出をされたということでございます。まあ、イタリアにおいてどういう議論があったか私はよく分かりません。今、自己責任論というお話をされたわけでございますが、これについてはむしろ日本人がかつて三人人質になったあのときに随分自己責任という話が出ました。あるいは、香田さんが捕まったときもやはり同じような議論が出たことを私記憶をいたしております。
 自己責任論そのものについてはいろいろな立場の方がいろいろな見方をされます。それはそれでいろんなお考えが、根拠があるんだろうと思います。率直に言って、あれだけ今危険な場所であるということが分かり切っているところに、しかも日本政府としてはできるだけ入らないでくださいねと退避勧告をしているところに極めて無防備な形で入っていってしまうというのはどうしてだろうかと、私も瞬間、あの人質が捕まったときそう思ったこともございました。
 しかし、それはそれとして、どういう動機であれ、どういうお仕事であれ、NGOの方であれ何であれ、ジャーナリストであれ、そういう方々が捕まってしまった、あるいは脅迫をされているという状況の中で、そうした方を救出するべく日本国政府として全力を尽くすということは、自己責任の有無は別としても、そうしたことに政府として全力を尽くすことが日本国政府の務めであると考えております。
○喜納昌吉君 誘拐は問答無用の暴力であり、テロは絶対に許されるものではありませんが、テロリストや誘拐犯と交渉することはテロに屈することになるんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 救出のための手段としてはいろいろなことがあろうと思います。テロリストとまずそれは話をすること、交渉すること自体が私は直ちに悪だとはもとより思いません。第一、コミュニケーションもなければ救出しようにもできないということでございましょうから、テロリストと接触をし説得をして解放をさせるという努力をすること、そのことは救出のための当然の一つのプロセスとして位置付けられるのではなかろうかと考えます。
○喜納昌吉君 香田さんの救出に失敗したことについて政府が反省している点はありますか。
○国務大臣(町村信孝君) ああいう大変残念な結果になってしまったわけでございまして、政府としては様々な外交ルートを通ずるいろいろな努力をいたしました。結果、救出できなかったわけでございますから、そういう意味では目的を達成できなかったという意味での反省はございます。
 ただ、現実どうやったらば本当に救出できたんだろうか、その後考えてみることもございますが、およそ一切の交渉に応じない、まあそれは本当にそれが人質解放の、どういうんでしょうかね、条件であったのかどうか分かりません、自衛隊が直ちに撤退すればというようなことが当初ビデオだったかテレビを通じて流れてきたこともございました。しかし、それとこれとはやはり私は違う次元の話であって、その人質救出と自衛隊の撤退というのを結び付けることは当初からいたしませんということを、これは私どもはっきり申し上げました。いや、それが間違っているという議論も確かに当初あったのも事実でございます。今でもあるのかもしれません。
 私は、そこでもし自衛隊が撤退をするという判断を日本国政府がして人質の命が助かったとしても、私は、それは後世に大変に誤った判断をしたというきっと非難を受けることは間違いないと、こう思いますし、また、国際的にもそういう形でテロリストに屈した日本というイメージが一度確立してしまえば、それはもう取り返しの付かないことになったんではないだろうかと。
 そういう意味で、私は、もう香田さんが捕まった直後にそういう発言をした日本政府が悪いという御意見もあったことを記憶をしておりますが、私はそれはそれで間違っていなかった、ただその後の交渉プロセスにおいて、例えばもう少し我が国がインテリジェンスの能力があればもう少し有効な交渉等ができたのかなと思ったりすることもございますけれども、それも急にできるわけでもございません。いろいろな外交努力はしたつもりでございますけれども、残念ながらそれらが実を結ばずにああいう無残な結果になったということは、大変それは残念なことであると結論付けざるを得ないと思います。
○喜納昌吉君 若干のインテリジェンスがあれば可能性もあったという言葉を聞いて、今回のイタリアの事件と日本の事件はそっくりではないんですけれども、イタリアは救出できたということがあります。だから、この辺もインテリジェンスを高めてくだされば有り難いなと思っています。
 自己責任を問う国家は国家責任も問わなければならないと私は思いますが、イラクで二人の外交官が亡くなったときの事件についてきちんと検証されたんでしょうか。
○政府参考人(吉川元偉君) 先生の今のお尋ねは、二〇〇三年、平成十五年の十一月二十九日にイラクで殺されました外務省の我々同僚二人、奥と井ノ上、奥大使と井ノ上書記官のその真相究明というのが行われているかどうかというお尋ねだと思います。
 犯人の特定を含めて、真相究明の努力をそれ以来続けております。新しくできておりますイラクの暫定政府に対しましても、つい最近の例だけを引きましても、昨年の七月、八月、それから一周忌に当たります十一月の二十九日にバグダッドにおります鈴木大使が先方の内務大臣、また外務大臣を訪ねまして、真相究明、それから捜査協力を求める要請を行ってきているところでございます。
 残念ながら、これまでのところ全体の事実関係について判明しておりません。イラク側からは事件の解決に向けて引き続き尽力するという意向が表明されております。政府としましては、現地関係当局とも引き続き緊密に連絡を取りながら真相の究明に努めてまいりたいと考えております。
○喜納昌吉君 声明、犯人側からの声明はありました。
○政府参考人(吉川元偉君) この事件につきましては、犯人とされる、犯人からの犯行声明といったものは出ておりません。
○喜納昌吉君 米軍も、米軍にも間違いがありますから、そういう点も考慮してもっと捜査してもらえばいいかなと思っています。よろしくお願いします。
 次、また質問移ります。
 次、熊澤英昭元農水省、農水省事務次官のチェコ駐在大使赴任について聞きます。
 BSEへの対応の不手際で事実上引責辞任した熊澤英昭元農水省事務次官が、つい最近、チェコ駐在大使に決まったということです。一時批判されて天下り先を辞めた後、別の天下り先から大使任命となったわけですが、このような元高級官僚の天下りがあると、長年、チェコ語や旧東欧情勢を学んできた外務省の外交官たちの士気を落とすことにはならないでしょうか。外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) BSE問題に関する当時の農水省におけるいろいろな責任の在り方とか処理の仕方について、外務省としてコメントをするという立場にはございませんけれども、BSE問題に関しては、熊澤元次官の責任問題を含めて、既に農水省においてしかるべき措置がとられたものと、こう考えております。
 それはそれとして、本当にこの人が大使として適格なのかというお問い合わせであろうかと思います。よく、この人は何々畑と、こういう話がありますけれども、熊澤さんは農水省では比較的少ない国際畑の人でございまして、農水省在籍中にウルグアイ・ラウンド交渉に当たったり、日本とシンガポールの経済連携協定に当たったり、そうした主要案件に第一線でやってこられた。また、これは行政官長期在外研修ということで、イギリスにも二年間留学をしたり、あるいはアメリカ合衆国の日本国大使館の一等書記官としても勤務をしていると。そういう意味で、語学力であるとか国際性でありますとか、諸外国との、要人との太いパイプを持っているということも言えると思います。また、次官にまでなった方でございますから、組織を束ねて管理をしていくと、そういう能力もあるというふうに考えます。そういったいろいろな要素を考えまして、外務省としては、この方は大使にふさわしい能力、実績、人格を持っていると、こういうふうに考えました。
 じゃ、チェコ語ができるかと言われると、それは無理だろうなと、いや、今研修をしておられるからどこまでできるようになったか、ちょっと私はまだ定かに聞いておりませんが、まあ急になかなかチェコ語はできるようにはならないのではないかと一般的には想像されます。
 外務省にはチェコの専門家が十一名おります。その方が本省とかチェコ大使館、あるいは若干周辺の大使館にもおられると思います。そういう専門家の方を大使に任用するということは私ども一生懸命心掛けておりまして、専門職の職員で専門語を生かした大使任用という方が数名今でもいらっしゃいまして、今後できるだけこういう方も大使として頑張ってもらおうと思って、今後適材適所で登用を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
○喜納昌吉君 ばかというのは使いようもあるんだなと思って、非常に感動しました。ばかというのは、馬とシカを区別するものと僕は今までは考えてました。ばかというのは馬とシカとを区別するもの、組める能力、それから馬とシカを区別しないという考え方がありますから。私はこの言葉を大事に受け取っているんですよ。怒らないでください。
○国務大臣(町村信孝君) 済みません、委員長。委員長、ちょっといいですか。
○委員長(林芳正君) 町村外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっと私の発音が悪くてごめんなさい。ばかと言った、国際畑、国際派……
○喜納昌吉君 ああ、そうですか。失礼しました。ごめんなさい。
○国務大臣(町村信孝君) 畑、国際派の方と。
○喜納昌吉君 ちょっと、それは聞き間違い。それは勘違いでした。
○国務大臣(町村信孝君) ごめんなさい。ちょっと私の発音が不明瞭で、失礼いたしました。
○喜納昌吉君 いや、私は非常にユニークだなと思ったんです。済みません。(発言する者あり)
○委員長(林芳正君) 御静粛にお願いいたします。町村外務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 済みません。もう一度申し上げます。
 国際畑、国際派の方という意味で申し上げたので、念のために申し上げさせていただきます。
○喜納昌吉君 失礼いたしました。
 私は、非常に、失敗があったとしてもそこに精通している、精通するぐらいの、何というのか才能があってそういう言葉を使ったのかなと思ったんですね。非常に僕は友好的に今使ったんですよ。
 BSE問題で中断されてきた米国産牛肉輸入問題で今、日米間で激しいせめぎ合いが行われている真っ最中です。そのさなかに、かつてBSE問題で不手際があった高級官僚を大使に任命するというのはまずいのではないかと思って言ったんですね。大臣の見解を聞かせてください。
○国務大臣(町村信孝君) この熊澤さんが直接BSE問題を何か担当するようなお立場に立つというポストであれば、それはそれで今言ったような御議論ももしかしたら出てくるのかもしれませんが、熊澤さんはチェコの大使ということで、それはチェコでBSEがあるのかないのか、そこも私ちょっと定かではございませんけれども、直接そういう担当ということではございませんので、そのことが直接結び付けられて適格性を云々されることはないのではないかなと、こう考えております。
○喜納昌吉君 在外公館の不祥事の防止策としてどのような手段を講じていますか。外務大臣、お願いします。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) 外務省といたしましては、過去のありました一連の不祥事を受けまして、いろいろな分野において改革を積極的に推進しております。
 例えばの例ということで幾つか紹介させていただきたいと思います。
 まず、意識改革というのが非常に大事だというふうに認識しておりますけれども、職員の意識改革を徹底するということで、行動規範というようなものを作りましてそれを徹底しております。それから、研修にも力を入れてやっております。
 それから会計面、これを、効率性、透明性を確保するということで、会計手続の改善を種々いたしております。それから調達についても、これまでばらばらであったのを会計課に一元化するというようなことも行いました。
 それから、人事面での改革というのが非常に大事だということで、公平性、客観性を確保するということでいろいろな制度を導入いたしました。例えば公募制というのを導入しております。あるいは、部下から、部下による上司の評価というような制度もやっております。それから、外務省の監察査察制度というのを導入いたしております。査察制度は従来もありましたけれども、これを更に拡充強化するという形で行っております。
 こういうような外務省の改革努力もありまして、先日、総務省が外務省改革の行政評価・監視結果というものを出しておりますけれども、大多数のものについて措置済みという評価を受けております。今後とも、こういった努力を積極的に続けていきたいというふうに思っております。
○喜納昌吉君 分かりました。
 時間がないので、ちょっと早めにお答えよろしくお願いします。
 次に、横田めぐみさんの遺骨のDNA鑑定について外務大臣に聞きます。資料を配りますのでごらんください。
 英国の科学雑誌ネイチャーの東京駐在記者デービッド・シラノスキー氏は、帝京大学の吉井富夫講師にインタビューしてまとめた記事の中で、横田めぐみさんの遺骨鑑定についてどのように触れておるでしょうか。
 なるべく早く、よろしくお願いします。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) お答えします。
 今御指摘のこの報道でございますが、この件については捜査当局より照会しておりますが、御指摘の取材を受けた関係者にも事実関係を確認したところ、この関係者は、取材で、焼かれた骨によるDNA鑑定の困難性について一般論を述べたということで、鑑定結果が確定的でないとかそういったようなことを述べた事実はなかったというふうに聞いております。
○喜納昌吉君 それなら、一般論として、遺骨に他人の汗や脂が混じってしまっている場合、これを除去するのは不可能でしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 捜査当局から聞いておりますところでは、当該の関係者はこの汚染の有無等について言及したこともないというふうに述べているというふうに聞いております。
○喜納昌吉君 ない。
 帝京大学のこの吉井氏の語る、自分のやった鑑定は断定的なものではないというコメントにはどういう意味が含まれているんでしょうかね。政府側の考えは。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 私どもが捜査当局から聞いているところは以上のことでございまして、こういうことに基づきまして、このような報道については鑑定の結果に何らの影響を及ぼすものではないということが捜査当局の見解ということでございます。
○喜納昌吉君 もしそれならば、この科警研ですか、日本の、科警研でのDNA鑑定はできるんでしょうか、できたんでしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) これも捜査当局の報告の結果でございますが、鑑定を二つの研究所に委託したということでございますが、この帝京大学の方の鑑定を委託したもののうち、これは骨片五個でございますが、四個から同一のDNA、それから他の一個から別のDNAが検出されたということでございます。
 この科学研究所の方では検出がなかったということでございます。
○喜納昌吉君 科警研ではやっていなくて、帝京大に委託したということですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) さようでございます。双方に違う骨の検定を委託したというふうに聞いております。
○喜納昌吉君 国際的な客観性を与えるためには、第三国で鑑定をし直すということは考えることないですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 我々としては、この鑑定結果に信頼を置いていますので、この結果に基づいて北朝鮮に対してしっかりとした対応を求めていくということが基本であるというふうに考えております。
○喜納昌吉君 ネイチャーといえば世界じゅうのだれもが知る科学雑誌です。そこに今回のその遺骨鑑定について断定的なものではないという鑑定者のコメントが掲載されているとすれば、政府としては聞き流すわけには私はいかないと思います。きちんとこの吉井講師と連絡を取り、記事に至る経過を調べる必要がありませんか。雑誌が誤っているなら、日本政府としてネイチャーに訂正を申し入れるべきではないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほど申し上げましたとおり、既に捜査当局から関係の本人に聞いた結果として先ほどのようなことを申し上げた次第であるわけです。こういうこの極めて不正確な報道について一々反論することが適当かどうかというふうに考えております。
○喜納昌吉君 もう時間がないので、もうちょっと、何というんですか、別の、ちょっと、ちょっとね、質問ちょっと変えますけれども。
 やはり竹島問題、それから沖縄の尖閣諸島の問題にしろ、非常に、何というんですかね、このまま行くと日本は別の変な意味での屈折した形の僕は民族主義というんですかね、国粋主義が醸成されていくんではないかという懸念があるんですね。また、そのまま行くとそれ戦争に走るんじゃないかという懸念を持っていまして、ひとつ、何というんですかね、北朝鮮問題と韓国問題が一つになってきたなという感じがするんですね。そうであるならば、歴史問題は避けて通れないという事実が来るんですね。現在、まだ解決できない、何ていうんですか、拉致問題にしろ、基本的には私は三十八度線に問題があると見ているんですね。
 なぜなら、私がアリランを北朝鮮で歌ったときも北朝鮮の方々は涙を流すんですね。韓国で歌ったときも涙流すんですよ、これは。この涙というのは決して資本主義からきた涙でもなく、共産主義からきた涙でもなく、共産主義と資本主義によって分断された朝鮮民族の歴史か何かで聴いていることを感じるんですね。
 だから、皆さん、是非、対話と圧力という言葉があるんですけど、圧力はまあ防衛庁がやってもいいんですけれども、やはり防衛庁よりも外務省の力、対話というものが今後発揮されていかないと、私はその問題は解決しないと思うんですね。
 その意味では、日本国内にいる、何というんですかね、そういう朝鮮の方々ならば、民団の方々、それから朝鮮総連の方々、文化運動を通じて外交をしていくという流れを政府で作れませんか。お願いします、外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 朝鮮半島が平和的なうちに統一され、核のない朝鮮半島をつくる、そういう大きな目標を考えたときに、それは両当事国も究極的には賛成されるでしょうし、周辺国もみんなそうだろうと思います。そういう環境が今全くないのもまた事実でありますけれども、しかし、できるだけそういう雰囲気を作っていく、そういう国際環境を作るために、より文化交流の果たす役割とでも申しましょうか、それは大変大きなものがあるだろうなと私もそう思います。
 そういう意味で、南北間の交流を今、特に今の盧武鉉政権あるいは金大中政権が太陽政策等々の名前でやろうとしていること、私は方向としてはそれはそれでよく理解をいたします。
 日本におられる民団あるいは朝鮮総連の方々の役割いかんと言われて、ちょっと今、私も直ちに答えがちょっと思い付かないのでございますけれども、いずれにしても、いろいろなルートを通じて人と人との交流、文化的な交流が進むことはそれは大切なことだろうと。もう少しそういう意味で北朝鮮の極端な鎖国的な政策というものがもう少し開かれたものになってこないと、そういったこともまたできないなというような印象を持っているところでございます。
○喜納昌吉君 ありがとうございました。
 さっきのばかの聞き違いはお許しください。よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
○佐藤道夫君 それでは、民主党系の最後になりましたけれども、私から外務大臣と防衛庁長官に外交防衛の基本的なことについてお尋ねしたいと思います。いずれも分かりやすい基本的な問題でございますので、率直な御意見を忌憚なくお聞かせいただければ有り難いと思います。
 なお、事務方は一切不要でございますので、そこで休んでいてください、はい。
 実は、昨年の九月二十八日ですか、新聞を見たら、何と何と防衛庁長官が各紙に大きく取り上げられておるわけでございますわね。一体何をしたんだと、警察にでも追われているのかと、こう思って眺めましたらば、そういうことではなしに、談話を発表しておると、マスコミ各社が集まってそれを記事にしたと。防衛庁長官の談話と、こういうのは、憲法論議を深めて、そして最終的には集団自衛権の行使を可能にしたいと、こういうことであります。
 私、それを眺めながら、ある意味では大変深い感動、感銘を覚えたわけでございます。今まで所管大臣の、特にあの防衛庁という非常に微妙な立場にありまして、ちょっと間違うとすぐあちこちから攻撃されると、そういう立場の方がこれだけはっきり物事をおっしゃると、これは役人の世界ではまず考えられないことなんで、それなりに評価してよろしいのではないかと。記事自体にも感銘を受けたわけであります。
 私、別に憲法改正に賛成しているから感銘を受けたということではなくて、こういうことにはっきり物を言うことが今までの日本の官僚にはなかなかなかったことではないのかと。憲法九条を改正しようなどということを責任ある立場の役人が言い出したら、大臣も含めましてね、役人と言って大変失礼しました、袋たたきに遭うと、そういう時代が延々と続いてきたわけですけども、その嵐の中でそういう発言をされたと。
 憲法改正、集団的自衛権、憲法を改正しようというぐらいの意見はそれまでもよく聞かれましたけども、集団的自衛権を認めようというふうなことの意見というのは今までは余り、余りというのか、少なくても現職の大臣の口から聞かれるということはなかったんじゃないかと、こういうふうに思えたわけであります。これ、しかし、本当に大丈夫なんだろうかと、そういうことで感銘を覚えつつも疑問をも持ったわけであります。
 そこで、防衛庁長官にお尋ねしたいのですが、この発言は小泉総理と打合せの上でございましょうか。それ大事なことですよ、笑い事じゃ済みませんよ。
○国務大臣(大野功統君) 九月二十八日に、私も正確には覚えていませんけれども、新聞報道を今見ています。衆参両院の憲法調査会で十分議論してもらいたい、集団的自衛権を行使できるように解釈を明らかにしてもらいたい、憲法解釈で集団的自衛権行使をやれと言うのは少数派、国民の支持をいただき憲法調査会できっちり議論をした上判断すべき、こういう発言をさせていただいています。
 まず第一に、お尋ねの、小泉総理と相談したか、打ち合わせたか。全然いたしておりません。
 ただ、私は、この日はちょうど防衛庁長官に任命された日でございます。私は従来からそういう考え、信念を持っておりましたので、自分の信念を申し上げたわけであります。
○佐藤道夫君 この発言をなさった後で、総理大臣から何か連絡がございましたか。
○国務大臣(大野功統君) 私の記憶するところでは、特に何のおしかりも連絡もございません。
○佐藤道夫君 私、大変問題だと思うのは、防衛庁を担当する防衛庁長官がこういうことを総理に無断で発言する、一体何だろうか、これはと。これが一つの先例の、悪例のようになりまして、各省が、まあ事務的なことでこれはこうします、こういう条例つくりますなんということを総理に報告しないでやることは幾らでもありますけれども、事柄はこの集団的自衛権、憲法改正という本につながっていく問題なんですね。
 それを、しょせん言い方がおかしいけれども、一介の防衛庁長官が総理に無断で発言してしまうと、ほかの大臣たちも、それじゃおれの方もこういう大事な、国を動かすような大事な問題だけれども、これはおれの考えを発表してやろうとか、一体閣内の統一というのはどういうことになるのか。このこういう件につきまして、小泉総理がこの少し前ごろだったと思うんですけれども、国会で同じようなことを追及されまして、しかし、確かにその閣議で本来了解取るべきことを取らないで発表したことについて総理としてどう思うかと。
 閣内の慣例、長年やっている慣例ということを尊重しなかったことは大変問題だと、国会答弁なんです、これ、総理のね。それは当たり前だと思います。一人一人がてんでん思い付きで大臣たちが言うようになったら、一体この国に内閣というのはあるのかと、そういう疑問が起きてくるわけですから、その点はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 私は、防衛庁長官に任命された日、そのような発言をしております。それは事実でございます。これは昨年だと思いますが、通常国会で予算委員会で、私はこの問題を総理にただしたことがございます。そのとき、総理は大変柔軟なお考えを示されたと記憶いたしております。
 ただ、この問題は、従来の内閣におきまして法制局の解釈、それから内閣の解釈は、これは集団的自衛権というのは国連憲法上は保持する、自然権である、固有の権利である、こういうことを言っておりますけれども、持ってはいるけれども使えない、使ってはならない、これが日本の解釈だと、こういうふうになっているわけでございます。
 したがいまして、私は内閣の一員として、その日はそういうことをみんなで議論してやってもらいたいと、こういう発言はしているんでありますが、それ以降はこの問題について発言はいたしておりません。
○佐藤道夫君 こういう重大な問題、国の命運が懸かっている、それから過去五十年、六十年という間、日本人がこの問題でどれだけ議論をしてきたか。一人一人が皆意見を持っていると言ってもいい。今の若い人たちはほとんど憲法なんというのは、それはそちらで適当にやってくれと、そんなもの何の意見もないわと。私も参議院の憲法調査会に加わっておりますけれども、もう本当に意見、議論らしい議論が出てこないんですよね。どうでもいいような枝葉末節的なことを一生懸命議論している。一体なんだろうかなと。
 なおのこと、私もある大学で講義をしておりますけれども、学生たちも憲法の一般的なこと、同じようなことを言いましてね、そんなことはもう先生考えてくださいよと、私らは非常に忙しいんだと、何で忙しいのか分かりませんけれども、忙しいんでしょうね、そんなことを言うんですけれども、しかし、あの九条となると、彼ら学生は皆別、目の色が変わりまして、机をたたいて大議論が始まる。自衛隊は一体どう考えるかと、あれは、あんなものは違憲だと、どこが違憲なんだと言って口角泡を飛ばして大議論を始める。それだけこの九条には関心があるわけです。
 そのときに、この九条を所管する防衛庁長官が総理大臣に無断でそういう発言をすることが一体この国にどれだけの影響を与えることになるのか、そういうことをお考えなんでしょうか。やっぱり大臣というのはそういう大問題に関しては総理と、あるいは閣内でみんなで議論をしてこの線で行こうと、話はそこから始まるんじゃないでしょうか。
 閣内の不統一ということを昔から言われていますけれども、総理は総理でそんなものは適当に内閣の従来の方針を乱さなきゃいいわと、こういうことをおっしゃる。一方、防衛庁長官はどうしてもこれは集団的自衛権を持とうと、持つべきだと言っておると。国民は一体どっちを向いて考えていけばいいのか分からなくなるんじゃないでしょうか。そういうことをお考えになりましたか。
○国務大臣(大野功統君) 今、世界の歴史が大きく変わろうとしておる時代でございます。そういう時代に私は議論すべきことはきちっと議論する、こういう姿勢が大変大事だというふうに思っております。
 したがいまして、この集団的自衛権の問題もどうか議論してくださいと、こういうことを衆参両憲法調査会にお願いして、その上に希望として、集団的自衛権が使えるような解釈は出てこないかなと、こういうことを申し上げているわけでございます。このことについては、同時に私は、集団的自衛権を行使という意見は少数派であるということもきちっとこの会見録では申し上げております。そういう意味合いで私は議論をしてもらいたい、こういうことを申し上げているんで、そういうことについて集団的自衛権を絶対使わせろとか使いたいとか、こういうことを申し上げているわけではありません。
 問題は、いわゆる国連憲章で持っているものがなぜ使えないか、こういうことはきちっと議論をしていかなきゃいけない。それは専守防衛という議論でございますけれども、この問題についてやはり議論していただいて、そして結論を出していただきたいな、これが気持ちでございます。
 ただ、先生がおっしゃるように、これは大変大きな問題であることは当然であります。したがいまして、繰り返しになりますけれども、内閣の一員として現在の政府の解釈、見解に従うことは当然でありまして、我が、私の、一人の一議員としての見解についてはその後申し上げてない次第でございます。
○佐藤道夫君 あなたの何代か前の防衛庁長官をなさっていた人が大変おもしろいことを発言しておるわけです。大臣に任命されて間もなくだったと思いますけれども、彼が言うには、本来、議員としては、議員としては彼は同じように憲法を改正して自衛隊を公認すべきだという考えを持っておったんですけれども、大臣に任命された、防衛庁長官に任命されたらはっきりと政府の方針、総理の方針に従うと、この考えはもう捨てるということをおっしゃったわけですよ。
 ある意味では、これ筋が通っているのかもしれません。自衛隊を合憲だと、しかし政府の考えはそこまで進んでないと、そのときに防衛庁長官がそんなことを言っていいのかと、そういうことを考えて、考えて、この今まで持っていた自衛隊に対する合憲論というのか、それはもう捨てますと。
 これは、私はちょっと皮肉っぽい体質がありまして、それは大臣になったからそういう制約が掛かってきたんだと。そんな政治哲学の根本と言ってもいいような自衛隊合憲論を捨ててまで、いわゆる政治的な命を捨ててまで入閣するとは一体何事なんだと。大臣にならなきゃいいじゃないか、それだけのことじゃないのかと。いや、大臣にどうしてもなりたいから政治の信念を捨てちゃったと、こう見られても仕方がない。でも、現に信念を捨てて入閣をしたわけです。
 私、この委員会でも、そういうふうな政治家の在り方、あるいはその人が大臣に任命された場合の大臣としての身の処し方、政治の理論を別に捨てるというのは本当にもう政治家を捨てるのと同じことですから、それが大臣ならいいだろうとか、そんなばかげたことはあるわけがないんであって、大変おかしい話だなと、こういう議論をしたことも覚えておるわけでありましてね。
 いずれにしろ、防衛庁を所管しておる方が本当に集団的自衛権を認めようと言い出したら、大体それはもう国民から見て、これはこの内閣が、この内閣が集団的自衛権を認める、憲法を改正して。そういう方向に歩んでいるんだと。まさか防衛庁長官が総理とも相談しないで、閣内のだれとも相談しないで集団的自衛権を認めようと言い出したら、内閣自体がもうそっちの方向に歩み出していると、そういうふうに取られても仕方がないんじゃないでしょうか。
 国民にとってはしかも大問題です。特に、自衛隊の方々ですね。中にはみな戦争に行って命を捨てようって考えている自衛隊員というのはごくわずかであって、自衛隊は安全で、金もらえるからおれは自衛隊に入ったんだと思っておる人の方が多いのかもしれません。その……(発言する者あり)黙ってなさい。それ、そういう人が多いんじゃないかという気がしますし、特に自衛隊の家族ですね。うちの息子が自衛隊に入ったけれども、まさか戦地に引っ張り出されて命を捨てるようなこともないでしょうと考えているおふくろさんなんかも多いんじゃないでしょうか。それが人間、人の世ですからね、安全だからせがれを入れたんだと考える。それがけしからぬと言って済む問題でもないわけでして、やっぱり物事の筋道というのはきちっと考えていくべきではないのかと、こういう気がしておるわけです。どうぞ。
○国務大臣(大野功統君) 先生、今二つの問題を提起されました。
 一つは、ここはどうぞ誤解ないようにお聞きいただきたいんですけれども、私は、そういう問題を、非常に両方の意見がはっきり、集団的自衛権を使えるようにすべきだ、あるいは持っているけれども使えないと、こういう意見があるわけですから、それは衆議院、参議院の憲法調査会、そしてまた広く議論して、広く議論してそういうことには決着を付けてもらいたい、こういうふうに言っているわけであります。それが一つ。
 ですから、私は、どんどんどんどんやれという意味で言っているわけじゃありません。それは、国民の皆様に、国民を代表する衆議院、参議院の憲法調査会の皆さんで、そしてそこで十分議論してもらいたいと。その上で、望むならば、持っているけれども使えないということじゃなくて、使えるようなということは表明しております。しかし、まず議論ありきです。私が初めからそういう集団的自衛権というのを先に立って扇動して言っているわけではありません。議論が一番、こういうことでございます。
 それからもう一つは、考え変えたら何のための政治家だと、こういうふうにおっしゃいました。
 私は、先ほど来申し上げておりますとおり、一つは、これは憲法の問題ですから、憲法の問題ですから、その問題提起はしましたけれども、あとは内閣の一員として従っているわけであります。
 しかし、そのトップとして、長官として、防衛庁としてやるべきことはきちっとやっていかなきゃいけない。これは何かといいますと、例えば防衛庁、田村先生御指摘の防衛庁の問題、省昇格の問題、やはりこれも皆さんに議論していただいて、そしてきちっと自衛官の皆さんが厳しい生活環境の中で、アチェで活動している、そういうことを考えますと、サマワで活動している、こういうことを考えますと、やっぱりそこは国を守るという気持ちと国民の気持ちとつながってくるわけですから、そういう希望も表明しているわけでありますし、特に今申し上げたような国際、自衛隊の国際平和活動という問題をどのように位置付けるか、これがいつまでもこの付随的業務でいいんだろうか、やはり付随的任務でいいんだろうか、やはり本来任務として、日本の平和、平和を愛する国という日本のメッセージを世界に広めていく。日本は本来任務の中に平和協力活動があるんですよと、こういうことを広めていく。そしてまたそれが自衛官の誇り、自信につながっていく、こういうことを希望する。こういうメッセージは私はやっぱりどんどんどんどん出していくべきだ、このように思っております。
○佐藤道夫君 先ほども言いましたけれども、例えば中曽根先生だとか、それから自民党の人たちでもどんどんこういう問題について発言している人がおりまして、それはそれで結構なことなので大いに議論をしてくださいよと、私はそう思いますけれども。
 先ほど言いましたけれども、防衛庁長官というまさしく責任のある立場の人がそういう発言をするということは本当に問題そのものです。総理の意見も聞かずして、おれはこう考えている、いいかと。聞いた人は、それがやっぱり内閣の意見だと思う。日本の政治はそっちの方に行っているのかと、こう考えるのは当たり前のことでしょう。
 そのところはあなたもやっぱり内部で密かにいろんな人たちと議論をする、そして機会があったらこういう意見もあなたの口から話でもしてくださいよと。そこまでだれもとがめ立てはする覚えはありませんけれども、肩書をぶら下げて、しかもマスコミ各社を集めて、そう言えばだれだって聞いた人は、それは政府の意見そのものだと。何か文句があるなら、小泉さんにも聞くかというようなことにもなっていくし、学生たちは学生たちで、本当にこの国はどうなるんだと深刻な悩みが付いてくる。やはり責任のある立場、権限を持っている人の発言というのはそういうことだということが理解していただきたいと思うんですよ。
 別に憲法を改正するとか、でも、あなたの発言は改正そのものでしょう。集団的自衛権を行使できるようにしようと。聞いた学生たちだって、あら、日本は本当に軍国主義に走り出したぞと、一体これ、どうすればいいんだということにもなりかねない。
 これから防衛庁長官あるいはほかの大臣としていろんな場面に遭遇するでしょうけれども、やはり所管大臣となったら所管事項について発言するということはくれぐれも慎重を期していただきたい。それは当たり前のことなんだと。
 別に政治問題にならないようなどうでもいいようなことはまさしくどうでもいいんですけれども、事がこの九条問題なんとなったら、やっぱり防衛庁長官の所管そのものですから、その発言を国民に聞いてもらいたいというような簡単なことじゃ済まないわけです。外務大臣。
○国務大臣(大野功統君) ちょっと、委員長。
○委員長(林芳正君) 大野防衛庁長官。
○国務大臣(大野功統君) 済みません。一言だけ発言させてください。
 その先生の御発言を聞いておりますと、私が何だか新聞記者を集めて、報道を集めて、そしてそのことを言うために集まってもらった、そしてそれを言ったというような印象を受ける人がいるかもしれません。そうではありません。
 私は、この記者会見で、正に就任の日の記者会見でこの質問が出たものですから、あなたはいつも集団的自衛権について発言しているけれどもということで質問が出たものですから、今申し上げましたように、まず議論してほしいと。私は、私の言っていることはもう常々記者の皆さん分かっておりますので、そういうことまで踏み込んでしまったというふうなことでございます。印象論として申し上げますと、わざわざ集めて、集まってもらって私がそんなことを言っていると、宣伝するためにやっているんだと、こういうことではありませんので、そこは御理解をいただきたい。
 それからもう一つ、先生のアドバイスによりまして、これから物言いは慎重に慎重にさせていただきますので、よろしくお願いします。
○佐藤道夫君 慎重にしていただきたいという私の要望を入れていただいて大変感動しております。ただ、口が動かなくなっては困りますから、職務権限以外のことについてはどうぞ自由に御発言くださいませ。
 外務大臣、今のこの、議論と言えるのかどうか分かりませんけれども、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 私は、折に触れて日本国憲法を読むわけでございますが、特に大臣になってからは、その国務大臣という言葉が憲法のどこに出てくるのかというのを努めて見るようにしております。
 憲法九十九条、国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負うというせりふがあるのは釈迦に、正に釈迦に説法でございます。憲法を尊重し擁護する義務を負う、特に閣僚になりまして、その言葉の重さというものを改めて痛感をしております。
 したがいまして、私の今の立場で、個人の思いはまた別にいたしまして、私は憲法にのっとって、この憲法を尊重し擁護する義務を負っているんだということを自分に言い聞かせながら仕事に当たっているということであります。
 ただ、今こうやって憲法改正議論が正に衆参憲法調査会等で活発に行われているということは、私はこの憲法を尊重し擁護する義務とはまた別に、ある意味じゃより良い憲法を作るためのそうした創造的な営みという意味で、これは当然のことであろうと思いますし、そういう議論に私もこの国務大臣の職を外れた暁には熱心に参画をしたいものだと、かように考えております。
○佐藤道夫君 私、憲法改正も、その調査会に加わっておって話を聞いておる。
 今、日本の現実として最も憲法と現実とが遊離してしまっているのが三つあると思うんですね。これは、自衛隊が、一体あれは軍隊なのか何なのか。だれが見てもあれは軍隊そのものですよ、鉄砲担いで歩いているんですからね。変なテロリストでも大勢来ればすぐ鉄砲を撃ってお互い戦争を始めると。それを違憲だとか、何だかんだとか言っている方がおかしいぐらいのことでありますね、憲法九条の問題。
 それから、これは直接この委員会と関係ございませんけれども、政教分離。「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と、こう書いていますけれども、日本のある宗教団体は閣内に信者を送り込んで、その人が権限を行使しているわけでしょう。あれは、その憲法違反にならないのかと、明らかな違反じゃないのかという気がするわけです。(発言する者あり)後から議論しなさい、したい人は。(発言する者あり)
 それから、私学助成金、あれもはっきりと公金、公の金は私立学校、教育に関する事業に行使してはならないと、あっ、支出してはならないというのにかかわらず、何千億という、毎年、私学共済、私学助成金が支出されておって、だれもこれは憲法違反だなんということは言わない。学問の自由というのは一体どういうことになったのかと。もう少し真剣に考えて、もし必要があるならば、憲法を改正してでも、きちっと私学助成金を支出するようにする。
 あるいはまた、宗教の自由のために閣僚になるぐらいが何だ、それは許されていいんじゃないかという意見が強ければ、決めるのは国民ですから、最終的に決めるのはね。それで議論をして、それをどうするかということをやればいいわけで、日本人というのは、明治以来、明治憲法もそうですけれども、一回作ってしまうと、これは何しろ天皇陛下が下されたものだから、あれこれ改正、改正を議論するのはおかしいということでもう全然触れなくなって、延々と昭和の二十年まで続いてきたということもあるわけで、もう少し自由に憲法改正を議論をする、おかしいと思うことはみんなが議論をして方向を決めていくというような習慣を付けてほしいと、こう思っております。
 大体時間のようですから、以上、ちょっと言うことを言って私だけが収まってしまうような印象も受けておるようですけれども、これで終わりといたします。
 どうも失礼しました。
○澤雄二君 今日は、ミサイル防衛につきまして、中でも第三国が日本への弾道ミサイルの攻撃をしようとしているということを想定した場合に、我が国がどういう迎撃態勢を取るかというその手続の中で、特にシビリアンコントロール、それがどうやって守れるのか、本当に守れるのかという点に絞って防衛庁長官にお伺いをしたいと思っています。
 第三国が我が国に対して弾道ミサイルの攻撃を仕掛けようとしていると。そういう兆候というのは多分いろんなところにあるんだと思いますが、発射口を開いた、若しくはミサイルに対して燃料を注入し始めた、また、発射台が付いている移動式の車両が活発に動き始めたとか、ある地点に集結をし始めた、そういう想定の中で、明らかに日本に対する攻撃を想定された場合。で、それに対して、じゃ迎撃をしようという判断をされた場合。これ、兆候があって判断をするまでに、若しくは実際にミサイルが発射されるまでに時間があればあるほどシビリアンコントロールというのは確保されやすいんだと思うんです。
 だから、実際に、自衛隊法の改正の中でも、いわゆる破壊措置の第一項というところでは、閣議を開いて総理大臣の承認の下に迎撃をするとなると、これはもう完璧にシビリアンコントロールは確保されている。この時間がどんどんどんどん短くなればなるほどシビリアンコントロールの確保が短くなる。で、この点について、今回、緊急対処要領ということで対応されようとしていると。
 つまり、閣議も開けない、防衛庁長官もあらかじめ迎撃命令をその場で出すことはできないといったときに、ある種、現場に対応をさせる、その要領でございますよね。これが今のところ一種のブラックボックスになっていて、余り詳細については明らかになっていない。この中身によっては、本当にシビリアンコントロールが守れるのか守れないかということが分かってくるということなので、今日は少し詳細にお伺いをしますので、お答えになれる範囲で詳しく答えていただければというふうに思います。
 最初に、ミサイル防衛という考え方の中で、シビリアンコントロールの確保そのものについて、防衛庁長官は防衛庁長官というお立場でまずどういうふうにお考えになっているかという総論をお聞かせ願えますか。
○国務大臣(大野功統君) 澤先生がおっしゃるとおり、このシビリアンコントロールを確保する方法、これ、まず安全保障会議を開いて、それから閣議を開いて、そして原則として防衛出動の場合は国会の承認、こういう問題があるわけであります。しかし、そんなことはとてもじゃないけど時間的にやっておれるというゆとりはございません。
 したがいまして、シビリアンコントロールというのは大変重要な考え方でございますけれども、基本的に二つ問題があると思います。その一つは、シビリアンコントロールを確保するということ、そしてもう一つは、何が何でも飛来してくるミサイルを国民の安心のために、国民や国の安全、国民の安心のためにこれは撃ち落とさなきゃいけない、この二つをいかに調和させるか、これが一番大事なことであります。
 私は、まず、この飛んでくる、飛んでくるミサイル、これをとにかく撃ち落とさなきゃ、ほっておいたらもう国の、我が国領土へ、領域へ飛んできまして、国民の財産、生命に大きな損害を与えるわけですから、まず撃ち落とすことを考える、これが一番。それについて、同時にシビリアンコントロールを考えていく、こういう考え方で法制を作ってくれと、こういう指示をいたしました。
 シビリアンコントロール先にありけり、本当はそう言いたいところがあるんですけれども、そうじゃなくて、撃ち落とす、同時に、シビリアンコントロールということを確保してもらいたい、基本的にはそういう考え方で作ってもらいました。
○澤雄二君 それでは、緊急対処要領の中身について詳しくお伺いをしてまいります。
 まず、緊急対処要領に基づいて防衛庁長官が迎撃命令をあらかじめ出されるケース、一体どういう場合を想定されているんでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 御説明もするまでもないことでございますけれども、まず兆候がある場合、これはまず前もって総理大臣の承認を得て防衛庁長官が命令をする。命令といった場合にも、一種のマニュアルみたいなものがあってということはもう御存じのとおりでありますけれども、緊急対処要領というのは、それ以外に兆候がない場合であっても、やはり国民の安心、安全というのは、理想を申し上げれば、二十四時間、三百六十五日。やはり、もし仮にミサイルが飛んでくる、あるいは何らかのミスによって、失敗によって落ちてくる可能性もあるわけでございます。
 したがいまして、本来ならば二十四時間、三百六十五日警戒態勢を取るべきところでございますけれども、そこまでの配備はなかなか無理でございます。したがいまして、そこはあらかじめ、こういう場合には飛来するミサイル等を撃ち落としますということを総理大臣との間で、総理大臣にお願いをして権限をいただいておく、そしてその権限の行使につきましては正確なきちっとしたマニュアルで対処をしていく。
 そのマニュアルの基本的な考え方というのは、言うまでもありません、ミサイルが飛んでくる、日本の領域へ飛んでくる、これが分かりますのはやっぱりブースト段階、つまり大気圏外へ出て、そのときの高度とか、あるいはスピードとか方向とか、そういうことでもう日本へ落ちてくることが分かった場合に、分かった場合、それを確認すれば、確認すれば撃ち落とせということをあらかじめ決めておく。
 ただし、もちろんレーダー等で確認されるミサイルというのは、防衛庁の地下にございます中央指揮所というのがありますから、そこへ直ちに情報が入ってきますから、それから私、長官のところへ情報としては流れてくる、こういうシステムでございます。しかし、それから長官がまた撃てと言った場合には時間がそれだけ掛かってしまいます。したがって、そこは、飛来するミサイルが確実に日本の領域に向かってくることが分かれば、確認されれば、これは撃ち落とせと、こういうマニュアルをきちっと作っておきたい。
 その場合、もし仮に失敗等があれば、すべてこれは長官の、防衛庁長官の責任と判断ということになります。そういうことをもってシビリアンコントロールを確保していきたい、このように思っております。
○澤雄二君 よく分かりました。
 今、長官が答弁してくださったのは、正に発射直前であるとか発射されたときのケースについて答弁いただきました。お聞きしたいのはそうではなくて、例えば何日か前に事前に出しておかなければいけないようなケース、迎撃命令ではないんだけれども、こうなったら迎撃しなさいよという事前に出されるようなケース、それはどういうときを想定されますか。
○国務大臣(大野功統君) 私が今申し上げたのは、これは例示的に申し上げたいと思うんですけれども、ですから、状況というのは二つに分けさせてください。分けて考えていただきたいと思うんです。
 一つは、先ほど澤先生がおっしゃったように、明らかに兆候がある、この場合、これは置いておきます。その他の場合、その他の場合に、繰り返して恐縮ですが、本当はもう常時見張っているのが一番国民の安心なんですけれども、そこまではなかなかできません。したがって、例示的に申し上げますと、例えばどこかでミサイルの実験をやっている、やるらしいと、こういうようなこと、あるいは国際情勢の面から見て、こういう発言があったとか、あるいは部隊がどういうふうに集まっているなとか、そういうことが一つの要素として判断していく問題だと思っております。
 したがって、緊急対処要領を発動する場合には、やはり問題点としては、どの部隊に期間を区切って何日から何日までと、こういうふうに指示を出すわけでございます。
○澤雄二君 その場合に、イージス艦の任務海域というのは想定を今されていますか。
○国務大臣(大野功統君) 任務、それから海域、それから期間ということもあろうかと思います。この問題はその状況によりまして変わってくるとは思います。したがいまして、一概には言えないとは思いますけれども、先生おっしゃるような要素を十分勘案して、この期間なり部隊なり決めていかなきゃいけない、このように思っております。
 しかし、これは今からもっともっと検討して、配備が始まるときまでにはきちっとしておきたいと、このように思っております。
○澤雄二君 ありがとうございます。
 その場合に、防衛庁長官がお答えくださった二つのケース、それぞれのケースに応じてケース・バイ・ケースで任務する海域というのはありますよねという答弁だと僕は思いますけれども、そこから先はいろんな仮想敵国の問題とかあるので、非常にお答えにくいだろうということは大変よく理解できますので、ありがとうございます。
 それから、今、長官も少しおっしゃいましたけれども、本当に日本を守るという観点からいったら、実は三百六十五日迎撃命令を出しておければその方がいいというふうにお考えだと思います。でも、現実的には、日本には四隻しか今イージス艦がなくて、この後二台、二台というか二隻ですか、予算措置がされている。将来的にはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(大野功統君) 将来の最終の姿が四隻、イージス四隻と、それから高射砲群というんでしょうか、これが十六個ですね、十六個。十六、何と言ったらいいかな、十六ユニットと言えばいいかな。十六個隊。個隊というのは、個別の個と部隊の隊と書きます。ユニットとでも言った方が分かりやすいかもしれませんが、ペトリオットPAC3の方は十六個隊でございます。
○澤雄二君 もし、ある国が他国へ向けたミサイル、例えばアメリカ大陸へ向けていたと、これを日本のミサイルで迎撃をすると集団的自衛権の問題等が起きてくると、これはもう皆さんこれまで議論されているとおりでありますけれども、例えばグアムへ向けたミサイルというのは日本の上空を飛んでまいりますけれども、これは間違いなく見分けが付くものでございますか。
   〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕
○国務大臣(大野功統君) 我が国は専守防衛ということが国是でございます。それから、先ほども議論になりましたが、集団的自衛権は行使しない、こういうことであります。したがいまして、この問題は、仮にグアムへ飛んでいくのを落とすことは政策判断としてありません。
 ちょっと例示的に、ちょっと長くなって恐縮なんですが、例示的に申し上げますと、日本へ飛来するミサイルの例で言いますと、射程が千三百キロ程度と考えましょう。それで、速度がマッハ九、高度が約三百キロ、こういうことでございます。それから、大気圏外へ出た途端にこういうことが分かりますので、何秒かの間に判断できる、判断というか確認できるという言葉を使った方がいいと思います。
 それから、グアムへ行く場合、射程が例えば三千五百キロとしましょう。そうすると、そのときは速度がマッハ十五ぐらいになるわけであります。それから、高度はもうずっと上がりまして七百キロぐらいになる。こういうことで、そのブースト段階が終わった段階でこういうことが確認できます。したがいまして、グアムへ行く、飛来していくミサイルを迎撃するということはあり得ません。
○澤雄二君 そうすると、ミサイル発射をするかもしれないという兆候があって、待ち構えていたと。相手側がボタンを押したと、発射されたと。アメリカ大陸の場合には、丸い地球を考えると日本の上空は絶対飛んでいかないようですから、これは間違えることはないですけれども、グアムの場合には日本の上空を真っすぐ上を越えていくと。それでも、高さ、スピードその他で間違えて迎撃することは発射された後でも絶対にないということでございますね。分かりました。
 それじゃ、自衛隊が発射するミサイルは一体どういう種類が今ありますか。
○国務大臣(大野功統君) 発射するミサイルはSM3、これはイージスBMDシステムでございます。それからもう一つは、地上型でございますけれどもPAC3、この方がペトリオットPAC3システムと言われているものでございます。
○澤雄二君 その今言われた二種類のミサイルというのは、緊急対処要領の中にきちっと明記をされるお考えですか。
   〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕
○国務大臣(大野功統君) これは是非とも明記したいと私思っていますし、そのような方向で指示させていただきます。
○澤雄二君 今言われた二種類の迎撃ミサイルは攻撃能力はないとよく言われておりますけれども、少し、もう少し皆さんが聞いて分かるように説明をしていただけますか。
○国務大臣(大野功統君) まず、攻撃能力の問題でございます。その攻撃能力につきましては、実際に相手基地を正確にたたけるかという問題は、これは鉄の塊が飛んでいくようなものですから、なかなかそういうことはできないし、ひとつ、そこでもし仮にですよ、もし仮にこの飛来するミサイルを撃ち落とした、ミスをしたということであれば、信号を送ってそこで爆発させますということであります。
 それから次に、これはいわゆる弾頭に、迎撃ミサイルの弾頭に爆薬を付けているものじゃありません。簡単に言いますと、鉄の塊みたいなことを考えていただきゃいい、こういうことでございます。言わば、少し分かりにくい表現かもしれませんけれども、運動エネルギーによりまして、大気圏外で弾道ミサイルを直撃しまして迎撃する、弾道に、繰り返しになりますが、爆薬は積んでない、撃ち落としたらそこで自動的に爆発する、こういうことであります。そのように設計いたしておりますので、これはもう完全に専守防衛の考え方に合致するものでございます。
○澤雄二君 よく分かりました。爆薬は積んでいないので、鉄の塊をミサイルへ向けてぶつけるようなものだから攻撃能力はないということだと……
○国務大臣(大野功統君) 撃ち落とす能力はあります。
○澤雄二君 撃ち落とす能力はあると。了解いたしました。
 それで、最終的に緊急対処要領の中で、最終的に迎撃ミサイル、我が国の迎撃ミサイルのボタンを押すタイミングというのはどのように想定をされていますか。
○国務大臣(大野功統君) これは先ほども御説明申し上げたことでございますけれども、まずブースト段階、これもレーダーで分かると思います。しかし、ブースト段階ではどこへ飛んでいくか分からない。大体日本の方へ飛んでくるだろう、これは分かるかもしれないし、分からないかもしれません。しかし、大気圏外へ出たときには、先ほど申し上げましたように、高度、それからスピード、方向で大体、大体じゃありません、正確に日本の領域に飛んでくる、こういうことが分かるわけです。分かった段階で直ちに迎撃する、撃ち落とす、こういうシステムでなければ、早くそういうことがもう分かり次第迎撃するというシステムでなければ安心できませんから、そういうシステムに是非ともするし、そして早く撃ち落としていくことが肝要だと思っています。
○澤雄二君 その場合、その最終のボタンを押す人物というのは今想定をされていますか。
○国務大臣(大野功統君) これはもちろん、そういう段階で防衛庁長官のところへ連絡は、情報連絡は来ます。しかし、防衛庁長官がボタンを押すということでは時間的にやはり差があってはいけません。なるべく早くということを、迅速にということを申し上げました。そこで、今まだ最終的に考えてはおりませんが、実戦部隊での責任を有する者が、今申し上げましたように、この我が国に飛来するということを確認し次第、確認し次第このボタンを押す。その責任者はつくっていかなきゃいけない。しかし、その実戦部隊は確認しているだけですから、そういう判断、そういうマニュアルを作って実行するのは防衛庁長官の責任である、このように、私はこのような方向で進めたいと思っております。
○澤雄二君 あくまでもどうやってシビリアンが守れるか、それから専守防衛で偶発的な戦争が起こり得ないということを確認するためにあえてお伺いをしますけれども、先ほども少し御答弁をいただきましたけれども、イージス艦が構えているミサイルを相手側が撃とうとしている兆候のあるミサイルへ向けて、発射はされていません、向けてイージス艦からミサイルを発射してこの相手側のミサイルを破壊することはできますか。
○国務大臣(大野功統君) その相手側のミサイルがまだ発射される前の段階の御質問かと思いますけど、それは先ほど申し上げましたとおり、やはり方向、速度、それから高さ、これによって日本に必ず飛来する、日本に来るから撃つんだと、こういう言わば日本の本当に専守防衛で、それからこれ以外に代替手段がない必要最小限度と、こういう考え方に照らして今おっしゃったようなケースは考えておりません。あり得ない、このことを断言したいと思います。
○澤雄二君 分かりました。あくまでも発射されたミサイルしか迎撃する能力は持っていないということだと思います。
 それでは、今年の二月に七回目、いろんな実験がアメリカで行われている、検証実験が行われている。七回目のフライトミッションというのは今年の二月に行われたと聞いておりますけれども、この日本が導入している若しくはこれから更に進んだ防衛システムを導入しようとしているシステムの信頼性について、最新のデータに基づいてお答えいただけますか。
○国務大臣(大野功統君) まず、信頼性の問題です。結論からいいますと、高い信頼性を有しております。
 その証拠といたしまして、過去においてはイージスBMD、SM3でございますけれども、アメリカで各種の試験が行われております。これはアメリカで七回試験をやっておりまして、六回成功いたしております。それから、ペトリオットPAC3でございますが、十二回の試験のうち十回成功いたしております。さきのイラク戦争においてもこれは実戦で使用しておりますが、その際の情報は、イラク戦争ではPAC3とPAC2能力向上型、両方使っているわけでありますが、両システムで九発の弾道ミサイルのうち八発迎撃に成功している、残りの一発も、未確認であるが、恐らく迎撃に成功したということがアメリカ国防省の公表でございます。したがいまして、このペトリオットPAC3、イージスSM3、この両システムはかなり高い信頼性がある、私はこのように思います。
 したがいまして、一昨年十二月の閣議決定の際の官房長談話でも述べられておりますとおり、技術的に実現可能性が非常に高い、技術的に実現可能性が高いと判断した上で導入を決定したと、こういう経緯でございます。これらの過去の試験分析からして、我が国が導入するBMDシステムは十分に有効である、このように判断をいたしております。
○澤雄二君 大変高額な予算を導入してのシステムでございますんで、是非信頼性を上げていただきたい。こういう言い方できるかどうか分かりませんけれども、八割の命中率で一兆円の予算だと二千億円はどっかに行ってしまったかな、いや、それはそういう計算ができるかどうか分かりません、多分できないんでしょう。一兆円で多分八割の確立を確保するということは日本の防衛に当たるということなんだと僕は思いますけれども。
 最後に、この自衛隊法の改正案が成立した後、今後どのようなスケジュールでミサイル防衛システムの体制を整えられるか教えてください。
○国務大臣(大野功統君) 大変高額のシステムでございます。ただ、安全と安心というのは、国民にとって、日本にとって大変基本的な問題であります。某新聞社がこのシステムについて世論調査をいたしておりますけれども、ミサイルシステムに賛成という声がやはり三分の二、六七%ある。このことを見ても、いかに我々が国民の安心、国の安全のために一生懸命頑張らなきゃいけないかということを示しているのではないかと、このように思います。
 さて、お尋ねの件でございますけれども、今後どういうふうに考えていくか。基本的には、法案に基づく諸制度などの策定や、それに基づく訓練など、各種の準備が必要であります。これをやってまいります。
 制度等の問題とその策定する時期でありますけれども、法の施行は統合運用体制への移行に合わせて平成十七年度、平成十七年度までに完了したいと、このように思っております。政令は法の施行の日までに制定することを予定しております。緊急対処要領は、BMDシステムの、お尋ねの緊急対処要領でございますが、BMDシステムの整備状況を踏まえつつ、法の施行後、適切な時期にきちっと策定してまいります。
○澤雄二君 ありがとうございました。
 統合運用との絡みも非常に重要だという、最後の御答弁の中でございました。
 これで質問終わりますけれども、一番最初に長官が言われました、二つ大きな視点があると。一つは、どうやってミサイルを迎撃するか。一つは、そのためにどうやってシビリアンを、シビリアンコントロールを守るか。どちらかというと、どうやって迎撃するかに重きを置くと言われました。僕は、どちらも大事ですから、ミサイルを迎撃することに重きを置いてシビリアンがそれよりも劣るという考え方はちょっと困るかな、同じ比重で考えていただきたいと、そういうふうにお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(大野功統君) 申し訳ありません。そこのところのニュアンスですけれども、往々にして、シビリアン先行みたいなことではなくて、両方とも大事だという意味で申し上げておるわけでございますので、誤解のないようによろしくお願いいたします。
○澤雄二君 了解いたしました。
○委員長(林芳正君) 先ほどの佐藤君の発言中に不穏当と認められる言辞があったように思われますので、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な措置をとることといたします。
○緒方靖夫君 町村外務大臣に、現在の日韓関係についてお伺いしたいと思います。
 日韓関係をめぐっては、島根県議会による竹島の日制定問題とか、あるいは歴史教科書問題などを通じて外交上憂慮される事態が生じていると思います。日韓関係正常化四十周年、日韓友情年という重要な節目だけに、大変残念なことだと感じているところです。
 最初に、竹島問題について伺いたいんですけれども、島根県議会が一昨日、一九〇五年に竹島を日本領土に編入して百周年を迎えることを受けて、竹島の日の制定条例案を可決いたしました。大臣は今日の深刻な事態についてどう認識されているのか、端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 本件、県議会による条例制定についてまず申し上げるならば、これは各自治体の動きのことでございまして、その一つ一つについて政府がいろいろコメントをするということは地方自治の本旨に照らしても差し控えるべきであろうと、こう思っております。
 その上で、今の日韓の状態をどう考えるのかという委員のお尋ねでございました。率直に言って、今、韓国の状況は大変に緊迫した状況であると思われます。月曜日に一時帰国を命じて帰ってまいりました高野大使から現地の状況も直接聞きました。また、いろいろな報道に接し、またこの条例が制定をされた日に、在、東京におります韓国の大使が私どもの谷内事務次官の方に来て抗議をされていかれたと。あるいはソウルにあります日本大使館への様々な行動等々を見たときに、大変韓国の方々の激しい動きというものが見て取れるわけでありまして、日韓関係、四十年前に正常化をして以降、いろいろな努力を皆さん方がされて、ようやっと今日の姿まで来ているのに、ある意味では大変に残念な思いでございます。
 しかし、私どもとしては、こうした韓国の議会、議会ではございません、国家安全保障会議常任委員長である、閣僚である鄭東泳委員長の声明文に表されておりますところの韓国の国民の過去の歴史をめぐる心情というものについては、私どもは重く受け止めなければならないだろうと、こう思っております。その上に立って、私どもとしては、日韓のより良い未来志向の関係を築いていくためにこれまでも努力をしてまいりましたし、これからもまた真摯な努力を積み重ねていかなければいけないというふうに考えているところで、そうしたことを含みながら、昨日、外務大臣談話というものを発表したところでございます。
○緒方靖夫君 竹島は一九〇五年の領有手続以前にも日本の文献等に日本の実効支配を示すものがありまして、歴史的にも我が国に竹島の領有権があるという主張には根拠があると私たちの党は考えております。他方で、国際法上の一九〇五年の領有手続そのものは朝鮮の植民地化を進める過程で行われたものでありますから、韓国側の無効という主張にも検討すべき問題はあると考えます。そうした検討すべき問題がある中で、日本が一方的に竹島の日を、日本側が一方的に竹島の日を設けたことが今日の事態を招いているということになるわけですね。
 そこで伺いたいんですけれども、政府として考えている今後の具体的な対応、何でしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) ただいま現在、まあ直後、非常に韓国の方々の激しい感情の動きがある中で、今ここで急にということはむしろ適切じゃないのかもしれません。一呼吸置いた後、何らかの外交的な対応をいろいろ考えていかなければいけないんだろうなと、こう思っております。
○緒方靖夫君 現時点では具体的な対応はなかなかないというふうに伺いました。
 今回の問題の性格を考える上でちょっと仮定の話をすると、中国との関係でも、尖閣列島をめぐっての領土問題があります。中国の、例えばですよ、例えばの話です、中国のある省が突如一方的に尖閣列島の日というものを制定するとしたら、そのとき日本側はやはりその行為を非友好的ととらえると思うんですね。双方がやはり領有権を主張し合い、ぶつかり合っている中で、この対立する事態を打開するためには、何よりも相互の主権を尊重して平和友好の精神と原則に立って粘り強い話合いを通じて冷静に解決を図っていくことが重要ではないかと思うわけです。
 そこで伺いますが、政府としてこの問題で話し合うという用意はございますでしょうか。韓国側とです。
○国務大臣(町村信孝君) 今までもこの問題についてはお互い冷静な環境の下で話し合ってきたことはございます。私もまだ大臣になって数か月でございますけれども、潘基文外務大臣とはこの問題について最初にお目に掛かったときに話をしたこともあります。あくまでも平和的な話合いの中から合理的な答えというものを導き出していくと。容易なことではないとは思いますが、そういう努力しかまたないんだろうと、こう思っております。
 したがって、今後のことも含めて、やはり冷静な環境の中での話合いによる解決というものを模索をしてまいりたいと考えております。
○緒方靖夫君 正にその話合いが外交の知恵であり力だと思うんですね。やはりそこに依拠することが非常に大事だというふうに痛感しております。
 今、大臣、話合いを行ってきたと、大臣自身話し合われたからそれは確かだと思いますけれども、外務省に伺っても、きちっとした形で系統的にこの問題について韓国と話したことはないという認識なんですね。やはりそういう経過がある。
 また、その間に、この四十年間にも両国側には多くの関連資料が新たに発見される。それがそれぞれ持っていて照らし合わせていないという状況もあると伺っております。そうした歴史的な文献や資料を双方が冷静に突き合わせて、互いに可能な共通点を粘り強く探求していく、やはりそういう努力が求められていると思います。
 大臣は談話の中で、お互いの心のわだかまりを取り除いて隣人としての信頼関係を築くと見事におっしゃられているけれども、いわゆる私はこういう努力が求められていると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおりでありまして、それぞれの主張というのがあります。それぞれの考え方もあります。したがって、その根拠もなしにそれぞれが言っているわけでももとよりない。日本には日本の根拠があるのは、委員、先ほど御指摘をいただいたとおりでございます。一九〇五年以前のいろいろな歴史的な資料も事実存在をいたします。そういうものをきっちり突き合わせていく。
 例えば、ちょっと話は違いますけれども、日韓の教科書問題に端を発しまして、歴史的な認識を、統一するというのはそれは容易なことじゃございませんが、お互いに理解し合う、そういった研究会というのも、たしか四、五年前であったでしょうか、できて、それはそれでかなりの研究というか議論の成果を上げてきております。その任期が実はそろそろ切れるものですから、今後の在り方をどうしようかなというようなことで、実は韓国側と話合いをし始めていたところに今日の事態を迎えてしまったものですから、今そういった一切の話ができる、ただいま現在は環境にございませんので、今後どうなるかちょっと不確定でございますが、例えばそういうような地道な努力というものがこれからますます大切になってくるのかなと、かように考えております。
○緒方靖夫君 同時に、この問題を考えるに当たって日本側が踏まえなければならない点は、韓国側にとって竹島が日本に編入された一九〇五年は第二次日韓条約で日本が外交権を剥奪した、そういう年だったわけですね。その五年後には主権も奪われるという、そういうことが起こったわけです。したがって、多くの韓国人は一九〇五年が韓国侵略の出発点と、そう考え、条例制定を百年前の延長と考える。そういうことを考えてしまう、そういう心理があるわけですね。
 大臣は昨日の談話の中で、韓国国民の過去の歴史をめぐる心情は重く受け止めると述べられておりますけれども、植民地支配の被害を受けたこうした韓国側の国民感情を十分に考慮して問題解決を図っていく、この立場こそ重要ではありませんか。
○国務大臣(町村信孝君) 私自身、韓国に初めて訪問したのは昭和四十五年でございます。一九七〇年ということになりましょうか。初めてかの国を訪問しまして、一週間ほど滞在をしていろいろな工場見学等々をいたしました。また、その折に韓国の皆さん方といろんな話合いもしたことを今でもよく覚えております。
 それ以降、もう二十回前後になると思いますが、いろいろな機会、日韓議員連盟等を含めて韓国に私も伺いました。そして行くたびに、韓国が大変な経済的な、また社会的な発展を遂げているということにいつも感銘を受けるわけでございます。
 そして、話の中に必ず出てまいりますのがやはり植民地支配の時代の問題でございます。もとより、それ以前から日韓にはまたいろいろな交流の歴史がある。文化的な様々なものが半島を通って日本に入ってきたといったような経緯も含めて大変長い歴史があるんですが、特に植民地時代のこと、折として、折に触れて豊臣秀吉が攻めてきた話まで出されて、そこまでさかのぼるかなと思うようなこともございますけれども、特に植民地時代の話になったとき、やはり彼らの心の傷、痛みというものを会話の中から強く感ずることもしばしばありました。
 そういったことを踏まえながら、九五年に村山総理の談話が出され、そしてその後、金大中大統領と小渕総理との間の、九八年ですか、日韓共同声明も出され、小泉総理と盧武鉉大統領の間でも触れられているわけではございますけれども、その植民地支配の時代に多大の損害と苦痛を与えたと、そのことについて謙虚に反省をしながら、日本は今後ともに未来を一緒に築いていこうと、未来志向でいこうと、こういうことを言っておるわけであります。
 やはり私ども、足を踏んだ方は忘れるけれども、踏まれた方は覚えているというような例えをする方もいらっしゃいますが、やはりそういう思いを常に持ちながら、韓国であるとか中国であるとか、あるいは戦時中そういう被害を与えたアジアの国々というものに対する気持ちというものをしっかりとまず持った上で、その上で謙虚な気持ちでこれらの国々の方々と率直なお付き合いをしていくということが大切なんだろうと、かように考えております。
○緒方靖夫君 今、大臣はやはり大事な話をされたと思います。やはりそういう精神で、そして外交の力を発揮する、このことがこの問題を解決していくのに非常に大事だと思います。私たちは、その点で竹島問題の解決のためには、日韓双方とも一方的な措置をとらない、そして歴史の事実と道理に立って話合いで解決を進める、このことが日本の国益にとってもそれに資するんだということを強く確信しているところです。
 私、もう一つ大きなテーマとして、これとは別な形で歴史問題についてお伺いしたいと思いましたけれども、時間がなくなりました。
 やはりこの問題も、今既に大臣の答弁の中にもありましたけれども、過去を直視してやはり先方の人々の心情を思いやる、その気持ちを持って考えていくということが必要だと思うんですね。この問題で具体的な対応をどうしていくのか、これも問いたいところです。
 しかし私は、総括的に一問だけあと伺いたいんですけれども、やはりこの間、韓流ブームなど韓国との交流が広がってまいりました。それだけに、そして努力の積み重ねが双方にあってこういう事態を招いているということはやはり非常に残念な時代だと思うんですね。それだけに、今日本が試されているという気持ちが強くあります。
 特にこうしたときに、今日も話になりましたけれども、未来志向で北東アジアの平和の実現に向けて、日韓がともにその中でメーンプレーヤーとして役割を演じていかなきゃならない。さらにはまた、当面する問題としては六か国協議がある。この問題も韓国との協力抜きには進まない問題です。ですから、そういう点から見ても、相互信頼とそして相互理解、これが不可欠だということ、このことを痛感するわけです。
 最後に、そうしたことも含めて大臣の総括的な所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 委員からの御指摘、誠にごもっともであると、こう思います。
 確かに、今この瞬間は何かどういう手を打つこともできないというような思いで、誠に戸惑いを覚えながら、一呼吸やっぱり置くというときもやっぱりあるのかなと思ったりもいたしますが、しかし、いつまでも手をこまねいていることもまた許されないんだろうと、こう思っております。
 今、率直に言って、外務当局間ですら冷静な話合いをすることが瞬間的には難しい状態でございますから、お互いに今日の事態をどうマネージをしていくかというような話合いができないでいるわけでございますが、いずれそういうこともだんだんできてくると思います。
 そういう中から、委員御指摘の、もちろん基本は話合いでございます。そして今冒頭お触れになった、日韓交流年事業というものも様々に展開をされている。これについては、韓国の方もこうした交流について別にストップを掛けたり、そういうことはしないというような声明も出されておりますから、そういう交流年の事業を進めるなど、いろいろなことをやっていかなきゃならないと思いますが、やっぱりどこかの時点で、やはり日韓の外交当局のきちんとした話合いをやっぱり行わなければならないなとは思っております。
 実は、半年に一回、お互いに両国の首脳が相互訪問をすると。昨年の十二月、指宿で行われました。首脳シャトル外交と銘打ったわけでございますが、したがって、今年の前半には小泉総理が韓国に行くという順序にはなっているわけでございます。今日の、今の瞬間から見るととてもそれはできそうもないような気もいたしますが、そうではなくて、それが実現できるような、これから環境整備をするための、正に外交的な最大限の努力を傾注をしていきたいと考えております。
○緒方靖夫君 終わります。
○大田昌秀君 社民党の大田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、防衛施設庁にお伺いします。
 在日米軍駐留経費の日本側負担におけるいわゆる思いやり予算に係る二〇〇五年度の予算額について、本土と沖縄の分の内訳も含めて、簡潔に御説明いただけますか。
○政府参考人(土屋龍司君) お答えします。
 平成十七年度の防衛施設庁の予算として計上している在日米軍駐留経費の負担は二千三百七十八億円でございまして、これを項目別に申し上げますと、提供施設の整備が六百八十九億円、労務費の負担が千四百三十六億円、光熱水料等の負担が二百四十九億円、訓練移転費の負担が四億円となっております。
 それで、御質問は本土及び沖縄別ということでございますが、実は二百七十億円につきましては、ちょっと予算上、この区分ができません。それは、そのうちの、その内訳は、光熱水料等の負担が二百四十九億円、訓練移転の負担が四億円、労務費の負担の一部、これは管理費等でございますが十八億円、これらを除きますと二千百六億円あるわけですけれども、これを本土と沖縄別に申し上げますと、本土は一千四百八十三億円、それから沖縄は六百二十三億円というふうになってございます。
○大田昌秀君 ありがとうございました。
 これは通告してございませんが、ごく基本的なことでございますので、ひとつ改めて防衛施設庁にお願いいたします。
 思いやり予算が計上されるようになった経緯について確認したいので、簡潔に御説明いただけますか。
○政府参考人(土屋龍司君) お答えします。
 この駐留経費の負担と私どもも言っておりますけれども、これが始まりました経緯というのは、昭和四十年代後半から、我が国の物価と賃金の高騰、それから国際経済情勢の変動がございまして、在日米軍の駐留に関して、米国が負担している経費が圧迫が起きているというような経緯がございまして、いろんな検討が行われた結果、昭和五十三年度から地位協定の範囲内で負担が行われました。それから、昭和六十二年度からは特別協定を締結しまして、そして先ほど申し上げたような提供施設整備費や労務費等の経費の負担が始まったわけでございます。
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。
 在日米軍の駐留経費は、原則的には日米いずれが負担するようになっていますか。外務大臣の御認識をお聞かせください。
○国務大臣(町村信孝君) 日米地位協定二十四条に基づきまして、日本としては、アメリカに負担を掛けないで施設・区域を提供する義務を負っております。他方で、アメリカは、日本側が負担すべきものを除き我が国に米軍を維持することに伴うすべての経費を負担するということになっているわけでございます。その上で、アジア太平洋地域には依然として不確実、不安定な状況がありますので、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用のため、政府としては厳しい財政事情にも配慮しながら、特別協定に基づいて在日米軍労働者の基本給等の労務費、光熱水料及び訓練移転経費を負担すると、こういう考え方でございます。
○大田昌秀君 先ほども説明がありましたように、これは一九七八年から思いやり予算が始まっているわけですが、当初、六十二億円だったのが今年度予算案では二千三百七十八億円になっています。大臣が今おっしゃったように、一九九五年に日米地位協定第二十四条についての新たな特別措置を講ずるとして特別協定が結ばれたわけですが、その措置はやはり日本側の思いやりであることに変わりはないと思われます。
 改めて指摘するまでもないわけですが、外務大臣も、国と地方の長期債務残高が二〇〇五年度末で七百七十四兆円、対GDP比一五一・二%に達する見通しで、主要国の中でも最悪の財政状況である我が国の厳しい財政事情は大臣もよく御存じのとおりでございます。
 来年三月にこの思いやり予算の期限が切れるわけなんですが、今後もずっと駐留米軍を思いやる措置をおとりになるお考えでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、この在日米軍駐留経費負担、先般の2プラス2の会合におきまして、もう二〇〇六年三月にこれが切れる、特別協定が切れるということを念頭に置きながら、適切な水準での接受国支援を提供するための今後の措置について協議を開始するということで一致をいたしました。日米間で協議を開始しようということであります。
 したがって、どういうこの協議の結果なるかということはまだ分からないわけでございますけれども、一つには、当然、日本の厳しい財政事情、今委員が言われたこと、これにも十分配慮をしながら、同時に、この日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保すると、そういう趣旨で始めたわけでございますから、そういう観点も踏まえつつ、アメリカ側と協議に臨んで適切なる結果を得たいと、かように考えております。
○大田昌秀君 三月十二日付けの読売新聞夕刊は、政府は十二日、思いやり予算のうち光熱水料に加えて、日本人従業員の労務費の削減を米国に提案する方針を決めて、特に労務費は総額三十億円以上の削減を目指すと報じています。これは事実ですか。労務費の一部削減ではなくて、本来であれば思いやり予算自体を削減すべきではありませんか。
○国務大臣(町村信孝君) この関連でいろいろな報道が始まっているのは承知をしております。まだ、協議をこれからというときでございますから、まだ何も決まっておりませんし、率直に言って、まだ方針も十分日本側で煮詰まっているわけでもございません。まず、財務省等々関係するところと議論をして方針を固めてから日米協議を始めたいと、こう思っております。
○大田昌秀君 先日の大臣の所信表明でも強調されたと思いますが、安保体制を今後とも強化していくという趣旨のお話があったところでございますが、前にも申し上げましたように、二〇〇一年に細川元総理が、もう日本の財政事情からして余りにも多く払い過ぎているから、在日米軍は段階的に撤退していただいて、現在の安保体制というものを、安保条約というものを日米平和友好条約に変えた方がよくないかと、変える方にしたらどうかという論文を発表されたわけですが、これは防衛庁長官と外務大臣、お二人にお伺いしたいんですが、安保条約を日米平和友好条約に変えた場合、日本の安全は保障できないとお考えですか。防衛庁長官、最初にお願いします。
○国務大臣(大野功統君) どういう形でそれをやるのか、これがまず分かりません。しかし、日米安保条約というのは我が国の平和と安全のために今や大きな役割を果たしているし、そして我が国も、ハードパワーだけじゃなくてソフトパワーで言わば国際的な安全保障環境を良くしていこう、こういう方針を今から取ろうとしているわけであります。
 そういう意味で、私は、まずどういうことを念頭に先生がおっしゃっているのか、これが分かりませんとちょっとお答えしにくい。私は、今の現在の安保条約できちっとその辺はカバーされるし、それから我々のハードの面だけじゃなくて心と心の問題、こういうことも十分平和のメッセージとして世界に伝わっていくと思っております。
○国務大臣(町村信孝君) 私、不勉強で、細川さんの御提案なるものを今思い出すことができませんので、ちょっと中身が私もよく分かりません。安保条約よりは何かもう少し、多分平和条約というからにはこう何か幅広い概念のものなのかなと、直観的なイメージで申し訳ない、そんな気もいたします。
 しかし、私も、今、大野長官言われたように、日米安保条約というものが日米間をつなぐ基本的な条約として有効に機能をしていると、こう思っておりますから、これを今積極的に何か変えて、こういうすばらしいメリットといいましょうか、すばらしいことが起きるんだよと、だから変えなきゃいけないという、どうも積極的な理由が見当たらないわけでありまして、したがって私は、もちろん、憲法だって見直す時代でございますから、安保条約が未来永劫続くとまでは私も申し上げませんが、しかし今この時点で安保条約を積極的に見直す、あるいは他の平和条約等という形に変えなければならない理由がちょっと見当たらないわけであります。
○大田昌秀君 細川総理の論文の要旨は、世界で米軍に駐留してもらって駐留経費を払っている国が二十二か国あると、しかし日本を除いた二十一か国の駐留経費をすべて合わせたよりも日本一国が払っている駐留経費の方がはるかに大きいということで、経済的な不況のさなかにあってそういう状態をずっと続けるのは問題だという意味から、米軍を撤退してもらって、そして日米安保体制というものを、安保条約というものを日米平和友好条約に変えた方がいいという趣旨だったと私は理解しております。
 私も日米関係というのは致命的に重要だと思いますが、今のような状況でずっと続けるとなると、これはやっぱり問題じゃないかと思います。御承知のように、何度も繰り返して申し上げておりますが、アメリカに対しては日本は随分多くの基地を提供しているわけですし、それから自衛隊も大変協力的にやっているわけですね。そういう状況で、アメリカの政府部内でも、あるいはシンクタンクか何かでも、むしろ長期的な視点で日米関係を考えるんであれば、もうこれ以上米軍を日本に駐留させるのではなくて、段階的に撤退させて、安保体制そのものも日米平和友好条約に変えた方がいいということを強調する人たちもちゃんといるわけなんですね。ですから、そういった意味で、是非この問題については真剣に御議論いただきたいと思います。
 次に、防衛庁にお伺いいたしますが、三月十七日付けの産経新聞は、沖縄県の伊良部町にある下地島空港を有事の際の作戦根拠基地として想定し、使用することを平成十六年度の航空自衛隊防衛警備計画に明記していると報じています。これは事実でございますか。
 実は、私は、昨年の十一月十八日の本委員会で、防衛庁が下地島空港を自衛隊との軍民共用化する可能性を検討しているとの報道について、その事実を確認したところ、大野防衛庁長官は、報道は知っているが私自身は検討していないとの御答弁でしたが、実際は航空自衛隊による下地島空港の使用を検討しているのではございませんか。
○国務大臣(大野功統君) 防衛警備等に関する計画についてお尋ねでございます。
 この計画は、武力攻撃事態が生起した場合に自衛隊が対処する場合の基本的事項について定めております。したがいまして、その具体的な内容にかかわる点につきましては、事柄の性質上、お答えをすることを差し控えさせていただきたいと思います。
○大田昌秀君 去る十六日、伊良部町の町議会は下地島に自衛隊を誘致する議案を賛成九、反対八で可決いたしました。
 しかし、防衛庁長官も御案内のとおり、下地島空港は、建設される際の一九七一年に、当時の琉球政府の屋良主席と国との間で軍事利用はしないと、民間会社に空港を使わせるという、いわゆる屋良確認書を交わしている空港であって、管理をしている沖縄県は現在も新たな基地負担につながるものは認めないという態度であります。
 そこで、防衛庁長官に改めてお伺いしますけれども、所信表明では沖縄の地元の過重な負担を軽減するということを一方ではおっしゃりながら、また今度は自衛隊を増やすと。そういうことになると、ちょっと沖縄の人たちの考えに随分反すると思われるんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 二つの問題点があろうかと思います。
 一つは、下地島への自衛隊誘致の問題でございます。これは十六日、伊良部町議会で可決されたことでございます。
 第一に私申し上げたいのは、この伊良部の空港については歴史がある、その歴史の変遷がある。やっぱり歴史は変わっているんだなという印象を持つわけでございます。第一に申し上げたいのはその点で、例えば過去にも、平成十三年には伊良部町から、下地島空港への自衛隊機の訓練誘致について防衛庁長官に対して要望がありました。それからもう一つは、先生お触れになりましたが、昭和四十六年でございます。中身は言いませんけれども、いわゆる屋良確認書というようなことでございます。したがいまして、下地島の空港については歴史があるんだな、これを見なきゃいけないなと、こういう思いが一番でございます。
 二番目は、やはりこの空港は第三種空港でございます。県が管理しております。そしてまた、県からも昭和五十四年に沖縄県議会が下地島空港を自衛隊等軍事目的には使用させないという決議をいたしております。したがいまして、結論としましては、やはりこういうような今申し上げましたようなことを十分念頭に置きながら、今後動向を見守っていかなきゃいけないな、こういうことでございます。
 それからもう一つは、負担の問題になります。
 この負担の問題、これは米軍の再配置のことについて我々は申し上げているわけでございます。もちろん、この自衛隊の動向ということも同時に考えてやれよと、こういうのが先生のお考えであり、その趣旨で御発言があったと思うのでありますけれども、自衛隊だけに限って言いますと、これはこれからの中期防の中であそこの沖縄にございます第一混成団を旅団化する、こういうことを決定いたしております。旅団化のことにつきましては、どういうふうな配置になっていくか、これは今から検討することでございます。
 それから、米軍のトランスフォーメーションの関連で言いますと、これはもう我々、町村外務大臣、総理からも御指示があります。町村外務大臣と一致協力、心を合わせて、力を合わせて、沖縄の負担の軽減、過重な負担を軽減していかなきゃいけない、こういう気持ちで頑張ってまいります。
○大田昌秀君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(林芳正君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(林芳正君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。町村外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明いたします。
 改正の第一は、在デンパサール日本国総領事館の新設を行うことであります。
 改正の第二は、在アンカレジ日本国総領事館及び在ポルトアレグレ日本国総領事館の廃止を行うことであります。
 改正の第三は、新設公館(在デンパサール日本国総領事館)に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めるとともに、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。
 以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定については、平成十七年度予算案と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、よろしく御審議をお願いをいたします。
○委員長(林芳正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(林芳正君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画について大野防衛庁長官より発言を求められておりますので、この際これを許します。大野防衛庁長官。
○国務大臣(大野功統君) 政府は、昨年十二月、安全保障会議及び閣議において、平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱について、すなわち新防衛大綱及び中期防衛力整備計画、いわゆる新中期防を決定いたしました。
 以下、これらについて御報告申し上げます。
 新防衛大綱は、今後の我が国の安全保障及び防衛力の在り方について新たな指針を示すものであります。
 これまでの防衛大綱は、策定から十年近くが経過し、今日、我が国を取り巻く安全保障環境には大きな変化が生じております。特に、米国の九・一一テロのような国際テロ組織の活動、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展など、新たな脅威や多様な事態への対応が国際社会の共通の課題となっております。
 特に、我が国周辺の情勢につきましては、極東ロシアの軍事力は量的に大幅に削減されましたが、依然として核戦力を含む大規模な軍事力が存在しております。また、北朝鮮は、大量破壊兵器あるいは弾道ミサイルの開発、配備、拡散等の軍事的な動きを見せており、地域の安全保障上の重大な不安定要因であるとともに、国際的な拡散防止の努力に対する深刻な課題となっております。さらに、中国は、軍事力の近代化や海洋における活動範囲の拡大などを図っており、その動向には今後も注目していく必要があります。
 このような安全保障環境を踏まえ、新防衛大綱は、第一に、安全保障の目標として、我が国に直接脅威が及ぶことを防止・排除することと、国際的な安全保障環境を改善して我が国に脅威が及ばないようにすることの二つを掲げ、かかる目標を我が国自身の努力、同盟国との協力及び国際社会との協力を統合的に組み合わせて達成するとの安全保障の基本方針を明らかにいたしております。
 第二に、今後の防衛力については、いわゆる基盤的防衛力構想の有効な部分は継承していますが、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応すること、同時に、国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組むことを主眼といたしております。そのため、即応性、機動性、柔軟性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を効率的に構築してまいりたいと思います。
 第三に、我が国の安全確保にとって必要不可欠な日米安全保障体制についてであります。新たな安全保障環境の下での戦略目標に関する日米の認識の共通性を高めつつ、日米の役割分担や在日米軍の兵力構成等に関する米国との戦略的対話に主体的に取り組む等、日米安全保障体制を強化することといたしております。
 かかる方針の下、弾道ミサイル、ゲリラや特殊部隊による攻撃、島嶼部に対する侵略等の新たな脅威や多様な事態に実効的に対応することが肝要となっております。一方、我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下していると判断されます。したがって、いわゆる冷戦型の防衛力整備構想を転換し、防衛力の本来の役割にかんがみ、最も基盤的な部分は確保しつつも、本格的な侵略事態に備えた装備・要員の抜本的な見直しを行うことといたしております。また、国際平和協力活動に適切に取り組むため、自衛隊の任務における同活動の適切な位置付けを含め、所要の体制を整えてまいります。
 なお、新防衛大綱は、おおむね十年後までを念頭に置いていますが、五年後又は情勢に重要な変化が生じた場合には、必要な修正を行います。
 次に、新中期防について御報告申し上げます。
 計画の方針については、第一に、本格的な侵略事態に備えるための基盤的な部分を確保しつつ、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を効率的に整備いたします。
 第二に、防衛行政を担う組織等を見直すとともに、自衛隊の基幹部隊、主要装備等について新たな体制へ早期かつ効率的に移行いたします。
 第三に、科学技術の発展に的確に対応しつつ、人的資源の効果的な活用を図りながら、統合運用の強化や情報機能の強化を図ります。
 第四に、装備品等の効果的かつ効率的な取得、関係機関や地域社会との協力等、防衛力を支える各種施策を推進いたします。
 第五に、日米安全保障体制強化のための各種施策を推進いたします。その際、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする在日米軍施設・区域に係る過重な負担軽減に努めてまいります。
 第六に、各年度の予算編成に際しましては、格段に厳しさを増す財政事情等に配慮し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、防衛力の一層の効率化、合理化を図り、経費の抑制に努めてまいります。
 なお、この計画の実施に必要な防衛関係費の総額の限度は、平成十六年度価格でおおむね二十四兆二千四百億円程度をめどとし、また、このほかに一千億円を限度として、所要の事業の実施について措置し得るようにいたしております。
 以上、新しい防衛大綱、新しい中期防の下、国民の皆様の信頼にこたえ、国の安全と国民の安心のため、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を構築するとともに、国際的な安全保障環境の改善のための施策に取り組んでまいります。また、新たな安全保障環境に適切に対応し得るよう統合運用体制の強化を図り、高度な技術力、情報力、そして質の高い人的基盤に支えられた自衛隊の運用がなし得るよう心掛けてまいる所存であります。
 何とぞ、皆様の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○委員長(林芳正君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会