第162回国会 厚生労働委員会 第13号
平成十七年四月十二日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     前川 清成君     家西  悟君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     小林美恵子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小林美恵子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       西宮 伸一君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構
 法案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日まで、前川清成君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として家西悟君及び小林美恵子さんが選任されました。
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○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、社会保険庁運営部長青柳親房君外四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 次に、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。
 独立行政法人の整理機構の件につきまして質問をさせていただきます。
 まず、今回の御説明の中で、参考資料を見てみますと、独立行政法人の資金等の借入れ、これは金融機関等から行うということになっております。また、福祉施設整理業務に関しましては、売却事務委託、コンサルティングを信託銀行、不動産会社、コンサルティング会社等に委託をするということになっております。
 私、ここは、これはもう最初からの要望でございますけれども、是非お願いしたいことは、この委託料が適正な利潤の委託なのかどうかということは是非きちんと検証した上でのその金額を設定をしていただきたいというふうに思っております。この社保庁改革のきっかけというのは、やはり不適切な委託料が大きく指摘されてきた結果ではなかろうかというふうに思いますので、同じような疑念をわかせるようなそういう委託料ではなく、適正な、きちんと説明ができる委託料という形でのセッティングをよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 もう一つの問題は、独法組織の人事の問題でもございます。組織図を見てみますと、理事長、理事がいまして、総務部、施設部、審議役という形で分かれておりますけれども、大事なことは、この五年間きちっとこの人事でやるんだと、つまり、途中で異動するようなことない、つまり、普通の今までのような人事異動という定期的な人事という形でなされず、ある程度固定化した人事でしっかりとした目的を持ってやっていただくということが私は成功につながるのではないかというふうに思いますので、併せてこれも要望をさせていただきたいと思います。
 そして、そういうことから幾つかの点について御質問をさせていただきます。
 まず、平成七年の四月に年金福祉施設事業のあり方検討会というのが「年金福祉施設事業の基本的方向について」という報告書を出しました。これを見てみますと、新たな事業拡大の方向性が示されておりました。バブルも崩壊し、経済状態も悪い状況の中、年金の将来の安定にも問題が出てきた時期であるにもかかわらず、事業拡大の方向性が出てきたわけでございますが、一体どのような立場の方々がこの報告書を作られたのか、その点をちょっとお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ねのございました平成七年の年金福祉施設事業の基本的方向についてという中間報告でございますが、この平成七年ごろ、実は国民年金は大都市部における国民年金の未加入・未納対策というのが大変大きな課題となっておりました。そのため、この中間報告の中では、厚生年金に関しましては、例えば厚生年金の会館でありますとか病院、こういったものの新設は原則行わないという方向を打ち出し、反面で、国民年金の総合健康センターあるいは国民年金の健康センターというような新しい施設を、国民年金の未加入・未納対策の一環という観点、そういう施策の推進という観点から活用できるんではないかという御見地から、先ほど御指摘のあったように、こういったものについてその設置を検討する旨の報告がされたものと承知をしております。
 もちろん、こうした事業の実施に当たりましては、利用者の動向予測を行うなど、その事業内容の見直しをきちんと行うということも併せて指摘をされているところでございます。
 どのような方々がこういった意見に携わったのかというお尋ねでございますが、この検討会は、座長として、当時の厚生年金会館長でありました上村一氏を始めといたしまして、日本経営者団体連盟や日本労働組合総連合会の代表など総勢十一名の学識者の方に御参画をいただいてこうした報告をいただいたところでございます。
○西島英利君 ところが、二年たった後、平成九年の十月の二十一日でございますけれども、年金審議会への提出資料として、基本方針、新規の施設整備はしない、既存についても統廃合、譲渡を含め見直す、修繕費は施設の負担とする等々の実は資料が出てきたわけでございますね。さらには、平成十年の十二月二十一日に、これを受けまして社会保険庁の運営部が同様の課長通知を出していらっしゃいます。そして、平成十二年五月の二十六日に、福祉の新設、増設禁止、既存施設民営化、そして五年以内にこういうものを廃止し民営化を行うということが、ここでたしかこれは閣議決定をされたというふうに考えております。
 こういう形で平成七年から平成十年の五年間に非常に大きな流れが変わってきたわけでございます。そして、ここで五年以内に廃止、民営化を行うということでございまして、平成十二年から、今年は平成の十七年でございますが、その中で廃止、民営化を行うためのどのような方策がなされてきたんでしょうか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 確かに、御指摘のように、十二年の時点で、五年間という一つの区切りを付けてこれを検討するようにということで御指摘をいただきました。
 これを踏まえまして、私ども、非常に経営状況の悪いような施設というものをまず念頭に置きまして、そういったものについてこれを逐次廃止をするということに取り組ませていただいたわけでございますが、残念ながらこれを全面的に見直しをするというに至らず今日に至ってしまったという点については、御指摘のように、若干その取組について立ち後れがあったということは否めないかというふうに承知をしております。
○西島英利君 そして、今正に検討しておりますこの整理機構の法案でございますけれども、これも五年で整理をするという法律なんですね。つまり、過去五年間でできなかったことを、確かに整理機構をつくりますけれども、本当にできるのですかという、その決意のほどを私は是非お教えいただきたいと思って今までのちょっと流れをお話をさせていただいたわけでございますが、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 今般のこの整理機構を御提案申し上げた背景は、御承知のように、年金財政の近時の非常に厳しい財政状況、それから、この年金施設を取り巻きます様々な環境の変化あるいは国民のニーズの変化といったことを踏まえた対応でございますので、これまでも対応してこなかったのに大丈夫かという御懸念はごもっともかとは存じますけれども、私どもが現在言わば置かれております状況はそんなに甘いものではないと。この年金を取り巻く国民の御信頼にもこたえていくためにも、今回のこの整理合理化というものについてはこの機構法案に基づいてきちんと対応していきたいというふうに考えております。
○西島英利君 是非よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 そして、幾つかの点について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、社会保険病院の件でございます。
 今回の整理機構にはこの社会保険庁病院が今のところすべてが入っているというわけではございませんで、この「社会保険病院の在り方の見直し」という平成十四年の十二月の二十五日に出ましたこの報告書によりまして着々と検討が進んできているのであろうというふうに思っております。この社会保険病院の在り方の見直しにつきましても、ここに出席しております武見委員がこの参議院の厚生労働委員会でこの社会保険庁病院の在り方について質問をして、恐らくこの見直し案が出てきたのだろうというふうに思います。
 その中で、幾つかの点について質問をさしていただきたいと思います。
 まず、施設整備の在り方というところで、保険財源は使わないというふうに言われております。ただ、老朽化による最低限必要な補助はこれは使うというふうになっておりますけれども、今これはどうなっているんでしょうか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険病院の在り方の見直しについてはただいま西島先生から御紹介があったとおりでございますが、この社会保険病院の在り方の見直しにおいて、今後社会保険病院の施設整備について基本的には保険料財源を投入しないということを前提といたしまして、その経営の見直しを行うということをさせていただいておりますので、私ども、平成十七年度の予算において、社会保険病院についての保険料を投入した施設整備は行わないということで予算の対応をさせていただいております。
○西島英利君 そこで、次に、病院事業収入による施設整備という項目のところで、病院の土地・建物が国有財産であるので担保として使えないと。よって、もし建て替え等々が起きた場合には民間融資は非常に困難であると。そこで別途資金調達の方策を検討するというふうに書き込まれているわけであります。これ平成十四年でございます。どんな検討がなされてきたのか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険病院につきましては、ただいまも御紹介ございましたように、国有財産であるということから、これを担保にして通常の借金をするということができないという扱いになっております。したがいまして、個々の病院においてこの建て替え等をしていただく場合には、その病院が事業によって得た診療報酬等の事業収入、これを充てていただくと、あるいはこれを、事業収入を担保というか、にして市中から借入れをしていただくという形での資金調達が必要になってこようかというふうに思います。
 しかし、現在、御承知のように、整理合理化を進めるために三年度掛けて各病院それぞれ経営の改善のための取組を行っておるところでございますので、この取組が終了した段階で、それぞれの病院が事業を継続するのか、あるいは例えば譲渡等の対象になるのかということが決まってくるという状況でございますので、現時点において、例えば借入れをして新たにその施設等を建てたいという御相談が個々の病院からあった場合には、私どもとしては慎重にこれを取り扱っていただくようにということで指導をさせていただいておりますので、具体的にそういった案件が対応されているという事例は現在のところは承知しておらないというふうに認識をしております。
○西島英利君 これは平成十四年の十二月に出された報告書であります。しかも、別途資金調達の方策を検討するというふうになっているわけでございまして、いつ建て替えそれから増設のその必要性が出てくるかも分からないわけでございまして、病院というのは非常に不安な中で今過ごしている状況ではなかろうかというふうに思います。やはりきちんとした検討がなされて、きちんとしたやっぱり方針を私は打ち出すべきではないかというふうに思いますので、まだ今、先ほどおっしゃいましたように平成十八年から計画を立てるということでございますけれども、しかしこの平成十八年に至るまでに是非この考え方をお示しをいただきたいというふうに思っております。
 またさらに、経営的に非常に厳しい病院もあるわけですね。しかし、地域医療にとってみたら必要な病院であるというところもございます。この報告書によりますと、収益性は劣るが地域医療に重要な役割を果たしている病院の施設整備について、病院間の共同事業による支援や地域による支援策の在り方を検討するというふうに書かれておりますが、何か御検討をなされたんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねにつきましては、現在、全社連全体の中で様々に、例えば給与体系等、病院職員の給与体系等について、かつては公務員準拠にしておったものを、それぞれの病院の独自のその置かれている経営状況等に応じた給与体系に改める等、全体としての見直しというものを並行して進めている過程にございます。
 したがいまして、そういった全社連全体として言わば必要な体制固めといったようなものをきちんと整備をした上で、ただいまお尋ねがありましたように、今度は、具体的な病院間の共同事業による支援あるいは地域による支援などの支援策の在り方というものを具体化していくという段階に進めていくのではないかというふうに考えておりますので、現時点では、全社連全体として病院の言わば合理化、適正化を進めておるというふうに御認識をいただければと存じます。
○西島英利君 これ、後ほどまた御質問をいたしますけれども、全社連への一括委託方式というのは平成十七年で終わることになっているんですね。つまり、平成十八年からはこれはほかの経営方式に変えるということがここに書き込まれているわけであります。ということは、今年度、どういう経営方式に変えていくのか、どこへ委託するのかということを決めなければいけないこの平成十七年でございます。その中に全くこういう基本的な方針がきちんと検討されていないというところには私は大きな問題があるだろうというふうに思いますけれども、もう一度お答えいただければと思います。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまもございましたように、全社連の一括委託方式をやめて新しい方式に切り替えていくということが喫緊の課題というふうになっておるわけでございます。ただ、その際には、地域医療の水準を確保するという観点から見ましても、例えば当該地域において必要とされる医療機能をどうやって確保していくか、あるいは診療科目や病床数をどうするのか、あるいは地域の医療機関等との連携をどうやって図っていくかという具体的なテーマを個々の医療機関ごとに考えていかなければならないだろうというふうに思っております。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、病院職員の給与等の見直しを始めとしたその体制固めということに現在取り組んでおるわけでございまして、これとあわせて、今御指摘ありましたように、今年度中にはそういった一括委託方式をやめた後の姿を描くということが私どもの課題になっておりますので、これには早急に取り組んでまいりたいと考えております。
○西島英利君 つまり、その経営の方針を変えるということなんですが、これ、一括の委託方式をやめると言っていらっしゃるわけでございますけれども、平成十八年からも続く可能性もあるということでございますか。
○政府参考人(青柳親房君) 平成十四年に策定をいたしましたその方針によれば、新しい委託方式への移行ということが明記されておりまして、現在の病院の中でも、自前で経営ができるもの、それから地域の医療の重要性という観点からその継続を図らなければならないもの、その他、場合によっては譲渡等をするものというふうに仕分けをするということもございますので、私どもとしては、現在のような言わば護送船団方式で、しかも一括委託で病院の運営が行われるということは十八年度以降はあり得ないだろうと。その際にどのような形でグルーピング化していくか、あるいは個々の病院として独り立ちできるような形で運営していくか、これらについては今後具体的に詰めていきたいというふうに考えております。
○西島英利君 もう一度申し上げますが、経営方式の在り方というところに、今後は民法法人等公益性の高い法人での経営委託を検討すると、つまり平成十八年からそうするということが書き込まれているわけですね。ということは、もう既に一年がないわけでございますから、やはり基本的な方針というのは早急に出していかないと、ほかの民間法人に委託をお願いするにしてもその材料がないわけでございますから、本当に時間のない中でこの平成十八年からそういう経営委託ができるのかなということを心配しますので、私は今質問申し上げているところでございます。
 さらには、地域からたくさんの要望が出てきているわけです。つまり、地域の中で非常に重要な役割をしているこの社会保険庁病院がどうなるか分からないという不安が要望として上がってきているわけでございますから、私はそういう視点からこの質問をしているんだということを是非御理解をしていただきたいというふうに思います。
 そしてもう一つ、この病院の建て替えをPFI方式の活用を検討するというふうにもここに書き込まれておりますが、PFI方式というのは様々な実は問題があるわけですね。さらには、病院の場合は、御承知のように、公的保険制度の下でされているわけでございますから、それだけ大きな利益が上がるはずがないわけであります。そして、このPFI方式というのは、それにかかわる様々な株式会社を含めた企業がやっぱり利潤を上げていかなきゃいけない、その利潤まで実はこの病院の売上げの中で見ていかなきゃいけない。これは今後の厳しい病院経営状況を考えた上で非常に困難なことではないかなというふうに思うんですが、もしこれ検討されているんでしたら、PFI方式の検討というところでの視点についてお教えいただければと思いますが。
○政府参考人(青柳親房君) 私の承知しております限りでは、このPFI方式を具体的に活用して公立病院等の建設を行っている事例といたしまして、高知県における県立病院と市立病院の例というものを承知をしておりますが、まだまだこういった公立病院等についてPFI方式を具体的に導入するというのは、検討過程にあるものかなというふうに承知をしております。
 社会保険病院につきましては、現在やっております経営委託方式は、純粋の民間の株式会社ということではございませんが、公益法人という民間法人に委託をして経営をやっているという意味では、一種の変形されたPFI方式かなというふうにも認識をしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、PFI方式そのものをどうやってこの公的病院の設置運営に生かしていくかということについて、私どもも引き続き研究はしたいというふうに考えておりますが、現時点で、具体的にどこの社会保険病院をこういった方式で設置運営するということについては、検討はしておりません。
○西島英利君 今言われたその高知の問題でもそうでございますけれども、これは実は行政が担保をするんですね。ところが今回、社会保険庁病院がこういう形で民間経営委託という形になって独立採算でやれという話でございますから、ではそのときに、もし経営が破綻した場合の担保はどうするのかというところまでやっぱり真剣に考えなければいけない問題であろうというふうに思います。
 これ以上この話を深く追求する考えはございませんけれども、是非そういう観点から、確かに、すぐにお金支払わなくていいんですね。しかし、考え方によっては延べ払い、分割払いという考えでございますから、結果的に掛かる費用は一緒。さらには、リースでもお考えになったらお分かりになると思いますが、かなり高い買物になることは間違いないわけでございまして、その辺りはやはり慎重に検討する必要性があるのかなというふうに思っております。
 そこで、もしその経営方式を民間法人等々へ委託した場合の新たな考え方として、もしお考えがあればお示しいただきたいというふうに思いますけれども、国有財産管理との調整というところで、普通の民間病院とそれからこの社会保険庁病院との大きな違い、これは減価償却の問題があろうかというふうに思っております。やはり官民のイコールフッティングという関係でいきますと、この言葉が適切なのかどうか分かりませんが、そのリース料的なものを私は取ってこれを政管健保へリターンするという考え方もひとつ必要ではないかなというふうに思っております。
 現在、全社連に、過去は三%の上納金を出していたわけですね。今年からかなり低い金額にはなってまいりましたけれども、収入の数%、たしか今回は〇・五%になったというふうに思いますが、そういう形で、今度はその上納というものをやはり、何といいますかね、リース料的な考え方でいただくということで政管健保へのリターンというのも必要ではないかなというふうに思うんですが、その考えに対して何かお考えあったらお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) まず、ただいまちょっと御紹介のございました、上納というふうに議員おっしゃいましたが、私ども普通負担金と申しておりますけれども、この仕組みについてまずちょっと触れさせていただきたいと思います。
 この普通負担金につきましては、実は本部への経費に充てる、あるいは職員の研修会議等の費用に充てる、あるいは病院総合情報システムの運営費等の助成に充てる、あるいは、医療事故などは最近増えておりますのでそのための保険加入の助成費に充てる、あるいは病院への医学研究の助成費に充てるというような、そういうお金の使い方ということで、委員からも御紹介がございましたけれども、十四年度までは診療収入の三%、金額にして約七十五億六千万円ほどがこの普通負担金として徴収されておりましたが、その後十五年度には一・二%にこれを引き下げまして、十六年度〇・九%、十七年度〇・五%というふうに段階的に引き下げております。しかしながら、この〇・五%の金額といたしましても、いまだに十二億五千万円という大変な金額になっておるわけでございます。
 したがいまして、委員のお尋ねはこれをそのままリース料というふうに置き換えたらどうかというお尋ねでございましたが、その経費の性格がちょっと、事柄が違うということはただいまの説明で御理解をいただけたかと存じます。
 一方、そのことはさておき、リース料という形での償還ということがいかがかということについてお答えを申し上げるといたしますれば、各病院、実は平成十五年度以降は、将来の病院建て替えの整備に備えまして建物等の更新費用を新たに計上するということで取り組ませていただいております。したがいまして、全体といたしましては大変厳しい財政運営下においてこの病院運営をしていただいているという状況がございますので、御指摘のように、減価償却分を運営法人が政管健保に支払うようなリース料的な契約を行って病院に負担を課していくというようなことにつきましては、現行の運営委託方式そのものをどうやって見直していくかということとも併せ考えなければならない今後の課題というふうに受け止めさせていただきたいと存じます。
○西島英利君 今、今後の課題というお話でございましたけれども、平成十八年から一括委託方式をやめる、平成十七年でやめるということでございますから、これ早急に検討し結論を出さないと、今年度中に実は契約をしていかなきゃいけない話でもございますので、是非その点を、慎重にでも結構でございますけれども、お考えいただければというふうに思います。
 ところで、この社会保険病院、今おっしゃいましたように、整理合理化計画を平成十八年に立てると、そしてそのときに、単独で経営自立ができる病院、二番目に単独では経営自立は困難であるが地域医療にとって重要な病院、三番のその他の病院という形に分けて考えると、というふうになされております。そこで、平成十四年の報告書が出まして、恐らく平成十五年の三月までに様々な経営の合理化等々の考え方をそれぞれの病院が出されて、それに従って十五、十六、そして今十七年でございますけれども、やってこられたと思うんですが、少なくとも平成十五年の決算はそれぞれの病院出しておられるというふうに思いますので、収支の状況についてお教えいただければと思います。
○政府参考人(青柳親房君) まず、経営改善計画に取り組む以前の言わばスタートラインになりますところの平成十四年度時点で申し上げますと、十四年度末で二病院を廃止いたしましたが、この廃止した病院を除きまして、トータルで六億円の赤字というのが十四年度出発時点の状況でございました。
 そこで、委員の御指摘にございました十五年度を初年度といたしました経営改善計画というものを立てさせていただきました。その中身は、先ほども触れさせていただきましたが、まず給与体系の見直しの内容を踏まえて病院等の給与費を見直すこと、それから全社連によるところの共同事業に係る支出を削減すること、あるいは先ほども触れさせていただきました建物等の更新費用の計上、そして退職手当引当金の計上ということをきちんと必要額を計上するというようなことで、こういったことを行った上で更に計画期間中に単年度収支を黒字にすると、これがこの経営改善計画の目標でございました。
 その際の各年度の収支についてのまず計画値でございますが、平成十五年度は約三億円の赤字、これは二十八病院が黒字で二十四病院が赤字であるという想定の下の数字でございます。平成十六年度は、これ赤、黒が逆転いたしまして十四億円の黒字にこれを持っていきたいと、その際には三十九病院を黒字とし十三病院を赤字とする。そして十七年度は、三十二億円の黒字というものを実現していきたいと、この際には五十病院の黒字と二病院の赤字という形に転換していきたいと、こういうふうに計画を立てておりました。
 実績値は現在、十五年度の決算値までしか明らかになっておりませんが、病院全体で見ますと、計画上三億円という赤字になる予定が逆に二十一億円の黒字となりまして、計画を二十四億円上回った実績となりました。また、個々の病院における赤、黒の状況についても、五十二病院中三十五病院の黒字が実現できましたので、計画を七施設上回ることができたというふうに理解をしております。
○西島英利君 つまり、きちんとした計画の下でやれば黒字の経営ができるんだということは実はこれで示されているわけでございます。
 そういう観点からいきますと、平成十六年の三月十日に出ました与党年金制度改革協議会、これの「年金福祉施設の整理合理化の進め方」の中で厚生年金病院について触れられております。平成十六年度中に各施設の経営状況を明確にし、平成十七年度に整理合理化計画を策定して、地方公共団体や民間への売却を進めると。その際、地域医療にとって重要な病院については、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるよう十分に考慮するということがここで決められているわけですね。
 つまり、社会保険庁病院も同じだと思うんですよ。つまり、お金は年金から出ているのか政管健保から出ておるかの違いであって、病院機能は昔と違いまして今はほとんど一緒なわけでございます。しかし、厚生年金病院については、これは売却を基本とすると。社会保険庁病院については残しますということでございますが、もうその昔、病院が少ない時代から、今病院が十分に出てきた時代、こういう中で社会保険庁がこの病院を持っている必要性があるのだろうかということも併せて考える必要性があるのではないかというふうに思います。
 この平成十四年の報告書を見ますと、その他の病院、つまり非常に経営的には厳しい病院だろうというふうに思うんですが、その他の病院については、この整理機構の方へ出資する的な記載もあるわけでございまして、やはりこの際、そこのすべての病院をそういう形でこの整理機構へ出資して、もちろんこれは地域医療、常に命の問題でもございますので、要は、入札をして高いところに売るということではなくて、地方の公共団体とよく検討をされた上で、その地域医療がしっかりと維持できる、そういう形でのやっぱり売却というのも考える必要性があるのではないかというふうに思っておりまして、この社会保険庁病院に関しましてはその基本的な方針が出されていませんので、その点のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
 できましたら、これは大臣にお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保険病院におきましては、現在、救急医療、それから高次医療、さらにまた災害医療、そして感染症対応、更に申し上げますと、病診・病病連携といったような様々な公的な機能を担っておりまして、今お話しいただいておりますように、地域医療サービスの提供に不可欠な役割を果たしておる病院も多くございます。
 したがいまして、今お話しの平成十八年度に整理合理化計画を取りまとめることになりますけれども、それに当たりましては、そうした、今申し上げましたように、個々の病院の地域医療における果たしております役割というのをこれ十分に検証しながら、具体的な見直しについては成案を得なければならないと考えております。
○西島英利君 今回は、これは社会保険庁病院だけの問題じゃなくて、厚生年金の病院、この厚生年金病院はまさしく出資して売却をするのを基本方針とするというふうになっていますので、是非社会保険庁病院もそういう観点の中で早く基本方針を出していただければというふうに思います。
 そこで、今回いただきました資料の中で、書き込まれている中で、「譲渡又は廃止に当たっての基本的な考え方」というところで、「老人ホーム入居者への配慮及び委託先公益法人の従業員の雇用問題への配慮」ということが書き込まれております。特に、数は多くありませんが、終身利用老人ホームというのがあるわけでございますけれども、民間が終身利用老人ホームを販売をしまして、結果的にその会社がつぶれまして、そこで入居されていた方はそこを出ざるを得ないというような状況が過去に起きているわけでもございます。
 これはやはり国が担保したホームでもございますので、その辺りはしっかりと御配慮をいただければというふうに思いますが、ただしかし、従業員の雇用問題への配慮という形の中で、実は国立病院が病院の移譲を行ったわけですね。これは法律に基づいて行われた移譲ではございますけれども、そのときに従業員を再雇用、例えば二五%再雇用する、五〇%再雇用すると、その雇用率によって売却金額は違うというやり方をしたわけでございますね。
 しかし、今回は、是非お願いを申し上げたいのは、安易に売却金額にこれを反映すべきではないというふうに思いますので、是非その点はしっかりと考えた上でのこの売却交渉に当たっていただければと思います。雇用者の再雇用というのは、これは私は別の問題であろうというふうに思いますので、是非その辺りのお考えをもし持っていたら、何か持っていただいているのであればお教えいただきたいと思いますが。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま終身利用型の老人ホームの取扱い及び施設職員の雇用の確保という二点についてのお尋ねございました。
 まず、終身利用型の老人ホームにつきましては、終身にわたる利用契約となっているということ、それから入居に当たりましては多額の入居一時金を入居者の方からいただいているというふうなことがございますので、他の年金の福祉施設とはやや、若干性格が異なる施設であるというふうには認識をしております。しかしながら、これも年金保険料を財源として設置された施設であるということから、独立行政法人への出資ということについては同様にさせていただきたいと考えております。
 ただ、その整理合理化に当たりましては、終身利用という事情あるいは譲渡の在り方を適切に判断するということを、こういった事情を踏まえて対応していかなければならないと考えておりますし、また、入居されている方に不安が生じることのないように十分に説明に努めるということについては、一生懸命やらせていただきたいと思います。
 また、施設の職員の方の雇用の確保でございました。
 御懸念がございましたが、私どもの今回のこの施設の譲渡に当たりましての大原則は、年金資金への損失の最小化を優先するということが大原則であろうというふうに考えております。したがいまして、雇用の確保をその意味で譲渡条件にするということはなかなかに困難ではないかというふうに考えておりますが、一義的にこの職員の雇用について責任を持っていただく委託先の公益法人、ここには、例えばその職員の再雇用等について十分に努力をしていただくよう私どもの方からも指導もし、また私どもの方からできる支援というものについてはこれに努めてまいりたいというふうに考えております。
○西島英利君 先ほどおっしゃいました年金資金等への損失の最小化という観点からも、是非この点は慎重に取扱いをお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、ちょっと質問を変えまして、政管健保について御質問をさしていただきます。
 今、保険料率を都道府県別に決めるという案が浮上しておりまして、マスコミ等で報道されているところでもございます。また、社会保障審議会の中にもこの案が提案をされているところです。そして、その理由として、医療費が県によって違うと。例えば北海道と長野では大きな違いがあるというふうにその理由として書き込まれておりまして、ですから都道府県別に保険料率を決めるという考え方も必要ではないかというふうに言われているところでございますが、しかし、この医療費というのはこの全体の問題だと思うんですね。政管健保の問題ではないと思うんですよね。ですから、これは区別をして考えなければならない問題だろうというふうに思うんです。
 北海道と長野でどうしてこの医療費が違うのかという分析を、もし何かされているんでしたらば、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 ただいまお話のありました医療費の地域格差でございますけれども、これには様々な要因が考えられるわけございます。医療費水準との相関関係が高いというものを見ますと、地域の病床数あるいは医師数などの医療提供体制、それから保健活動の状況、それから高齢者の生活状況、例えば就業がどうであるか、あるいはみとりの医療を可能にするような地域、家庭の状況があるかどうか、こういった要因があるというふうに考えられます。
 具体的に平成十五年度の数字で見ますと、政管健保一人当たりの医療給付費で見ますと、北海道は全国一位で二十万六千円、長野は一番低く全国四十七位で十五万四千円というふうになっております。
 これを先ほど述べましたような観点から見ますと、北海道におきましては、住民一人当たりの病床数、病院数が多い、それからまた平均在院日数が長くなっております。一方で、長野県について見ますと、病床数が少ないということ、それから平均在院日数も短い、こういうことのほかに、保健活動が充実しておりますほか、在宅死亡の率も日本で一番高い、逆に北海道は一番低い、こういった要因がございます。こういった要因がそのそれぞれの医療費の水準に影響をしているというふうに考えられます。
 それから、先ほど都道府県単位ということがございました。なぜ都道府県単位で見るのかということがございましたけれども、一つは、患者さんのその受診行動を見ますと、都道府県内でかなり完結しているということがございますし、都道府県ごとに先ほど申しました医療費に影響を及ぼす要素の高い医療提供体制、これを方向付ける医療計画は各都道府県で策定されていると、こういうことがございますので、政管健保につきましては、一昨年、十五年三月に閣議決定をされました医療保険制度改革の基本方針におきまして、引用いたしますと、事業運営の効率性等を考慮しつつ、財政運営は基本的には都道府県を単位としたものにすると、このように明記をされているところでございまして、現在、次期医療保険制度改革に向けまして、具体的内容について社会保障制度審議会の医療保険部会で検討していると、このような状況でございます。
○西島英利君 私の知識が間違っていなければ、国保に関しましては、その人が住んでいる住所地の保険者に国保払っているわけでございますから、請求もそこに行くわけですね。ところが、政管健保は、たしか事業主がその事業所の存在場所の社会保険事務所へ支払っているのではないかというふうに思うんですが、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 先ほどの患者の受診行動につきましてもう少し述べますと、お話ありましたとおり、国保について申しますと、加入する保険者の所在する都道府県の医療機関で受診した割合が九六・五%、一方、政管健保で申しますと、勤務する事業所の所在する都道府県の医療機関で受診した割合が八六%ということでございまして、政管健保につきましてもこの九割弱の高い水準で同一都道府県で完結していると、このように考えられます。
○西島英利君 つまり、国保はその人が住んでいるところ、政管健保はその人が勤務している場所、ここにやっぱり大きな違いがあるわけでございますね。これを一つくくりの中で医療費がこれだけ差があるというふうにはっきり決め付けていいものかどうかということも、今後慎重にやっぱり検討しなければいけない問題であろうというふうに思います。もう少し幅広い議論をいただければというふうに思います。
 時間が参りましたので、最後の、これは質問ではないんですが、私の感想でございますけれども、今正にこの政管健保も含めました組織改革の議論が行われております。ただ、その中で私問題なのは、やはりこういうような改革をしなければならないというきっかけを起こしたのはやはり労使交渉の問題ではないかというふうに考えているわけです。社会保険庁の中での職員組合の問題、やはりこれをきちんと解決をしませんと、いろんな組織を変えても、要するに意識が変わらなければ何も変わらないのではないかというふうに思うわけでございます。
 民間との違いは、私はまさしく組合員の、そこの社員の意識の違いではないかというふうに考えるんですね。民間方式を民間方式をということが盛んに言われるわけでございますが、まさしくそこで働く人の意識の違いが大きな違いになっているのではないかというふうに思っています。
 以前、国鉄が株式会社として民営化をされました。そのときに、再雇用する場合に一人一人を面接をし、そして問題があったのかどうかは分かりませんけれども、やはりうちでは採用できないという人は清算事業団の方へ移されまして、そこでその人たちに対しての様々なその施策がなされた、その結果がやはり、働きやすい環境ということで、JRがまさしく新しい会社として生まれ変わったんじゃないかというふうに思います。やっぱりそういう歴史を学ぶということも私は必要ではないかなというふうに思っております。
 もう一つは、国家公務員であるのに自治労に幾ら経過措置としても加入しているということはいかがなものかなというふうに思っております。状況が大きく変わったわけでございますので、法改正が必要であれば速やかな法改正をして、やはり国家公務員としての組合という形にやっぱり変えていかなければいけないのではないかなと、これは私自身が考えているところでございまして、あえて御答弁は求めません。
 こういうことで、是非国民に信頼されるそういう組織づくりにやはり早急にお考えをお出しいただければというふうに思っております。
 時間が来ましたので終わります。
○武見敬三君 それでは、西島議員に引き続きまして、この独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案についての御質問をさせていただきます。
 思い起こせば、平成十四年、これは政府管掌健康保険の被保険者の負担を二割から三割に引き上げると、こういう議論をしていたときに、その三割負担というものを国民に求めるのが本当に必要なのであろうか、また、あらゆる手だてで効率的な保険運営を行うという努力はその執行機関であるそれぞれの社会保険庁の中でしっかり行われているのであろうかということを、実は私これを点検したわけであります。
 国民に新たに負担を求めるというのだから財政事情はよっぽど厳しいのだろうなと思って、私はその財務状況の中身を見てびっくりした。言うなれば新たに負担を求めるというのに、実際に過去十年間固定資産があのときはたしか五千億円ぐらい増えているんですよ。金がねえ金がねえと言っている組織が固定資産を五千億も十年間で増やしていく、このからくりは一体何なんだという疑問に当時私はぶち当たりました。
 そうしたら、この政府管掌健康保険の保険料という財源を使って、社会保険病院であるとかあるいは社会保険センターであるとか、様々な宿泊施設等も含めた施設にこれらの資金が活用されておるという実態を私は目の当たりにいたしました。そして、それらが実質、採算性などほとんど考慮されずにその施設が設立され運営されていることから、年々その赤字を補てんするための財政的な支援のような形までがこういう保険料財源を使って行われているという実態も私は確認することができました。これは明らかに国民の納得するものではない。
 しかも、社会保険病院等については、これは当初、昭和三十年代前後に造られたものが多いんですけれども、昭和三十六年に皆保険制度を導入する際に、まだ戦後の復興から間もない我が国の中で皆保険といっても、医療の提供体制というものを考えたときに、病院がまだ十分に各地域に立ち上がってきていなかった。したがって、それを補うために保険者自らがこうした病院を設立し、皆保険制度の下で国民が公平にこうした医療の提供を受けることができるようにしようという趣旨でこの社会保険病院というのは始まりました。
 しかし、その後、確実に全国に多くの病院が設立をされるようになり、あえてもはや保険者がこうした病院を運営する必要がなくなったにもかかわらず、その後、組織をきちんと合理的に運営する努力がなされずに、惰性的にこうした病院が引き続きこうした社会保険病院として今日に至るまで運営されるに至ったと、こういう経緯があったかと思います。
 その上で、公的病院として国有財産を使い、そして減価償却のコスト負担はせずに、また税制上も多くの便益を、免除をしてもらっているという好条件の中で運営されている公的病院の一つとしてその社会病院は位置付けられるようになりました。
 しかし、改めてまたこの地域医療の提供体制を我々考え直すときに、では公的病院というものの役割って一体何なんだと。国立病院であれば政策医療である。そして、国立がんセンターのようなところであれば、これはナショナルセンターとして、特に最先端の医学、医療を進歩させる拠点としての機能といったことをも持つ、そういったナショナルセンターとしての機能がある。しかし、公的病院というものを見渡したときに、果たしてどこまでそうした公的病院であることの必要性というものがきちんと具体的に確認されてきたであろうか。こういうことも実は公的病院の一つである社会保険病院というものを見直すときの別の一つの基軸になると私は思っております。こういったことに気が付いたんであります。
 加えて、年金制度改革という議論を私ども始めたときに、またまた同じように、年金の特別会計の中の正に保険料を財源とする様々な施設がこれまた設立され、運営されているという実態がこれも明らかになりました。これらは、厚生年金病院を含め、改めて、宿泊施設やそれから診療所、健診センター、実に手広くやっておられます。
 加えて、これらの施設というものを運営するときに、委託先の公益法人というものがあって、それがここ数十年の間にだんだんだんだん増えて、今全体で、大きな全国規模のやつでいえば四つできるという段階にまで至りました。これらの公益法人を通じて二万人を超える職員の方々が恐らくそこで職場を持ち、そして人生の設計をして、生活の正に基盤にもなっておられるのだろうと思います。そうした実態が現実に広く組み立てられるようになってきてしまった。
 しかし、今や年金財政も、その財政の極めて深刻な状況下において、改めてこれを持続可能なものとするための制度改革がまず昨年から始まったわけであります。もはや、こういう年金の保険料という、国民からちょうだいをした大事な保険料というものを、このような施設運営のためにはもはや使うことは許されるものではないという共通認識が私は多くの国民の間で形成されるようになったと考えます。
 したがいまして、こういう状況の中で、保険料によって建てられた様々なこうした福祉施設等というものについては、これを売却をし、そして、投入してきた保険料、これ全部で施設整備だけで一兆四千億あるそうでありますが、一円でも多く回収をしていただいて、年金の特別会計あるいは政府管掌健康保険の特別会計に戻し、その財政基盤というものを少しでも立て直すときにその役割を担えるように最大限努力することが私は今求められておる。そのための実際仕組みとして、時限立法でこの独立行政法人というものを設立し、その作業に当たるということになったと理解をしているものであります。しかし、この独立行政法人という仕方、どのようにこれを組み立て運営するかという点はまだまだこれから議論のあるところであると思います。
 そこで、まず厚生労働大臣お伺いしたいのでありますけれども、今正に行われようとしている社会保険庁の大改革、そうした改革の中で、どのようにこの独立行政法人を通じた整理合理化というものが位置付けられ実行されようとしているのか、その点についてのまず基本的な厚生労働大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今るるお話をいただきました。年金をどうするかという正に国民の皆さんの見直しの議論を行っていただいておるところでございます。そうした中での社会保険庁については、国民の厳しい御批判を踏まえまして、その抜本的な改革を進めていくことが必要でありまして、今それに、鋭意改革に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、昨年秋に策定いたしました緊急対応プログラムにおきまして、まず国民サービスの向上、それから保険料徴収の徹底、そして組織の改革、こうしたことを取り組むことにいたしましたけれども、その中に加えまして、予算執行の透明性の確保等という観点から、社会保険庁改革の一環として年金福祉施設の譲渡も掲げているところでございます。今お話いただきましたように、大きな社会保険庁改革の一つの中にこの年金福祉施設の譲渡を位置付けておる、こういうことでございます。
 したがいまして、その位置付けの下に、これに基づきまして今回の法案は出させていただいたところであります。
○武見敬三君 この社会保険庁が、実際こういう公益法人という多くの天下り先を全国的にネットワークを張り巡らしてつくっちゃった。そこには、当時としては一定の役割を果たしたかもしれないけれども、おおよそ余り社会的に長続きするような役割なく、採算性も度外視されてつくられてしまったために、大変な無駄が現実に今日において生じてしまった。
 こういった運営というものの仕方を、社会保険庁を見ておりますと、よく言われるような三層構造のそういう人事構成というようなものもあり、かつまた、その中で極めて閉鎖的で強い労働組合というものが存在をし、そしてまたそういう天下り先をつくり、省益としてそれを管理運営しようとする官僚組織全体の利益とこの労働組合の立場というものが奇妙に一致をして、そしてまた、こういう施設を造るときには、それぞれの選挙区に利益誘導することでその基盤強化が図れるとする一部の政治家の皆さんもそれに同調をして、そしてこのような問題を今日残すようになってきてしまったわけであります。
 残念ながら、今大阪市などの状況を見ても、このように一部の政治家とそれから官僚機構と労働組合とが結託すると、もう何でもできちゃう。とんでもない、一般の意識からすれば許されないようなことが現実にできてしまっているという状況を見たときに、私は、社会保険庁という問題にどこまで政府・与党がきちんと取り組み、解決をし、国民の納得を得られることができるかということは、物すごく政治の本質的な問題を突いていると思います。厚生労働大臣のそのお覚悟と強い政治的リーダーシップでその役割を担われることを、まず私は心から期待をするものであります。
 ところで、少し具体的なお話に入らしていただきますけれども、この独立行政法人というものをあえて作って、五年以内という時限立法でこれを処理するというようにしたその基本的な理由というものについても御説明をいただきたいと思います。
 社会保険庁というような国の組織、施設を高く売るための営業といったようなことには本当に向いておりません。独立行政法人を作って、改めてそこにこうした事業に習熟した人たちをまた登用をしながらこれを効果的に売却をし、その手続を進めるということが必要なんだろうと思いますけれども、この点、まずその基本的な説明を求めておきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 今回、独立行政法人を作って五年以内で処理をするということについての理由はいかんというお尋ねかと存じます。
 今回の年金福祉施設等の整理合理化におきましては、三百を超える施設を対象としておりますが、こうした大変多くの施設を集中的かつ効率的に売却するためには、理事長あるいは職員を民間から登用いたしまして、民間の知見を最大限活用できるような専門組織といったものが必要になってくるかというふうに考えております。
 特に、今回のこの整理合理化に当たりましては、年金資金への損失を最小化するという基本、大原則があるわけでございまして、そういった考え方に立って施設の譲渡等を行うに当たりましては、より有利な価格で買い受けてくれる譲渡先の開拓を行う必要がございますが、これを国が自ら行うということは、ただいま委員の御指摘にもございましたように、大変困難なことではないかというふうに考えております。不動産売買についての専門的な知見を持った民間人の方を活用することのできる、そういった独立行政法人を創設することが是非必要と考えるゆえんでございます。
 さらに、こうした考え方に基づきまして適切に施設の譲渡を行うためには、期限を付した速やかな整理合理化ということが要請されてこようかというふうに思ってくるわけでございますが、同時に、余りにもこれが短くて、例えば二、三年程度で行うということになれば、俗に言うたたき売りといったようなことも懸念されるわけでございますので、私どもとしては、五年間という期間の中で独立行政法人がこれに当たるということが最適の方法ではないかと考えておる次第でございます。
○武見敬三君 ところで、既にこの社会保険庁、幾つもの施設を現実にもう売却を始めておられるわけであります。実際の財産管理というのは、各地方における社会保険局が実際にその任に当たっているというふうに聞いているわけでありますけれども、実際にその売却の実績ですね、どんな方法で実際に売却しているのか。これも、今の時点の問題でありますけれども、かかわる重要なポイントでありますので、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) まず、現在の売却実績について先に申し上げます。
 社会保険庁、平成十四年度以降、現在までに売却をいたしました年金福祉施設等のうち、土地建物を一体として売却いたしたものは六件でございますが、これは、簿価に対しまして売却額のパーセンテージを見た場合に、低いところ、高いところ幅がございますが、低いところで簿価に対する売却額が九・六%、高いところで六八・八%、平均すると二七・五%というような売却実績がございます。
 売却の方法でございます。方法につきましては、不動産鑑定士によりますところの不動産鑑定を実施をいたしまして適正な価格を設定するということで売却をしたわけでございますが、ただ、国が国有財産を処分する際の言わば通例といたしまして、その設置しております地方公共団体等に購入の意思を確認するというような手続が通例取られております。そういう場合、地方公共団体等に売却をするというようなケースもあるわけでございますが、こういった場合を除きましては一般競争入札による売却を行っておるというところでございます。
○武見敬三君 ただ、問題はその売り方なんですよね。社会保険局のその掲示板にビラ一枚張るわけですよ。それで、こういう案件がありますと、皆さん興味があれば入札に参加してくださいというのをぺたっと張る。皆さん、それだけなんですよ。それだけで高く売れるわけないでしょう。やっぱり幾ら役所とはいえ、営業するためのそのノウハウがないとはいえ、もう少し営業努力をされたらいかがでしょうか。私は、そういうところをきちんと変えていくことなしに新しい箱を作ったって、同じような感覚でやられたら、これはえらいことですからね。その点から、もう一回ちょっと、きちんと見直しをしていただきたいと思いますよ。
 それで、実際に、全体ならすとこれは大体簿価の三割ぐらいの価格だと、こういうお話でありますが、やっぱり都市部みたいなところでは比較的いいパーセンテージ、まあ七割ぐらいの価格で売れているんですよ。だけどね、これ、一般に我々が物を売るというときには、時価の三割で売れて良かったなんて思う人は一人もいないんで、やっぱりもっと高く売れることに最大限、民間であれ、また自分自身の財産であれば必死にみんなその努力をするわけであります。したがって、その点の努力はもっと徹底的に私は求めておきたいと思います。
 それから次に、この売却の方法についての御見解をいただきたいんでありますけれども、あっ、失礼しました、この実際に今売却しようとしている施設の総額が大体八千九百億ですよね、簿価が。簿価が八千九百億。これをこれから不動産鑑定士なんかに鑑定させて時価にすると一体幾らぐらいになるのかというのがおおよそ推計できるとすれば、それを教えていただきたいということと、今のそういった過去の売却益の実績の中から、おおよそどれぐらいでこの八千九百億の物件すべてを売り切れるかなと、どういうふうに大体推計されておられるのか。これは、実際に独立行政法人作って、五年間で運営するのに六百億円ぐらい掛かると言っているんですから、まさか間違ってもそれよりも下回るなんということはあり得ない。これはもう相当にきちんと売却益を確保していただいて、しっかりと特別会計に戻していただかなければならないんですけれども、その点はいかがですか。
○政府参考人(青柳親房君) 実際の譲渡に当たりましては、ただいま議員からも御指摘ございましたように、きちんとした不動産鑑定に基づくところの時価評価をするということが出発点になるわけでございます。しかしながら、時価評価につきましては、実際にその譲渡に供す際に改めて時価評価をその都度行いましてその額を確定していくということでございますので、現時点でなかなかこれを明らかにするということは技術的にも困難なことがあるということは御了解がいただけるかと思います。
 ただ、先ほども私どもの方から実績という形で数字をお示しをさしていただきましたように、これまで私どもが売却をいたしましたものを平均いたしますと、簿価に対して売却実績が二七・五%程度という数字がございます。したがいまして、この数字を機械的に現在の年金福祉施設等の簿価八千九百億円に乗じました場合には、売却収入二千四百億円程度というふうになるわけでございますが、ただ、この点については、これはすべての施設を解体せずに売却をするという仮定にのっとったものでございますので、現実には、一定の部分については、老朽化等の理由で解体をして、更地にして売らざるを得ないというようなものもあろうかと存じますので、その点お含みおきをいただければ幸いと存じます。
○武見敬三君 それは、徹底的な努力は求められますし、どういう努力をし工夫をしているかということが国民の目から見て分かるように努力してください。それは極めて重要なポイントになりますよ。
 そして、もう一つ重要なのは、病院であるとか、あるいは場合によっては有料老人ホームですよね、こういったところには、自分の人生でためたその資金を全部投入して、ついの住みかとしてそこで残りの人生を楽しく過ごそうと思っておられる方々が現在も入居されておるわけですよ。病院に関しても、その地域医療の中でそれぞれの公的役割、機能というものを持って運営されている病院もたくさんあるわけであります。
 そうすると、売却をしてでき得る限り高く売って利益を得るということと、こういった、時には人道的、あるいは時には公的な機能といったようなものをそれぞれの施設についてどのように確保しながらこれを売却するのかということと、実際にどういうふうにこれを両立させて処分するかというのは相当に難しい課題になってくるだろうと思います。しかし、それをやらなければなりません。
 そこで、それをではやろうとするときに、どの部局のどういう立場の人たちが実際にその任に当たるのかということなんですよ。果たして、今度つくる独立行政法人そのものにそういった裁量権というものを与えて、そしてこの難しい二つの課題について両立させるように努力をするのか、あるいは厚生労働省の本省の方でその任に当たるようにするのか、この点についてどのように今考えておられるのか、説明を求めます。
○政府参考人(青柳親房君) まず、制度的な枠組みということでお答えを申し上げますと、独立行政法人を設置した後には、厚生労働大臣は、理事長の任命等は当然に大臣の責任で行わせていただくわけでございますが、そのほかに、いわゆる中期目標ということを指示いたしまして、この枠組みの中で独立行政法人が活動を行うようにということを示唆するわけでございます。
 そして、この中期目標、あるいはこれの更にベースになるところの整理合理化計画といったようなものができました場合に、独立行政法人はその示された枠組みの中で言わば自らの裁量によりまして事業を実施すると。もちろん、中期計画あるいは年次目標を定めるという形で、その形を対外的にきちんと明示をしながらも実施をするということになりますので、例えば個別施設の売却をどういう順序でやるか、あるいはどのように施設の組合せをして売却を行っていくか、あるいは今お話の出ました地域医療への配慮といったものをどうやっていくか、これらは一義的には独立行政法人の裁量に属する問題というふうになるわけでございます。
 しかしながら、厚生年金病院の譲渡について今御示唆がございましたように、地域医療にとって大変重要な役割を果たしているわけでございますので、この点については、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって整理合理化を進めるということが私ども宿題であるというふうに認識をしております。
 したがいまして、先ほど申し上げました大原則であるところの独立行政法人の裁量性というものを念頭に置きつつ、私ども、そういった公益性を配慮しなければならないという点については、これは独立行政法人の理事長さんと、あるいは職員の方々とよく相談をしながら、その独立行政法人の自主性が損なわれない範囲で、かつ公益性の配慮についても十分に相談をしながら進めていくという形で進めさせていただければと思っております。
○武見敬三君 こういった公益性の確保といった視点からも実は重要になってくるのは、実際にその買手と想定されるような人たち、機関に対する支援、これを充実強化して買手を増やしていく、そしてまた、場合によっては医療機関の資産の購入資金にかかわる政策融資制度といったようなものを充実させて、それによって、こうした公的機能というものを維持するそういう新たな受皿に経営権を移していくといったことも、私は場合によっては必要だと思いますよ。
 この点はどうお考えになりますか。
○政府参考人(青柳親房君) いずれにしろ、こういった公的機能を果たすためにその資金繰りといったものをどういうふうに考えていくかということは、先ほどは社会保険病院の問題の中でも御指摘をいただきまして、私ども早急に具体策を考えていかなければならないというふうに承知をしておりますが、いずれにいたしましても、現時点では、厚生年金病院についても、売却までの間においては、これは国から出資をいたしました、独立行政法人に出資をいたしました施設を公益法人が運営委託をすると、経営委託をすると、委託をして経営するという形でございますので、言ってみれば、その先にどういう形でその公益性を担保するための仕組みを考えていくかという課題ではないかというふうに現時点では認識をしております。
○武見敬三君 青柳部長の説明はいつも流暢で、分かったようで分かんないような場合が時々ございますので、もう少し具体的にお話を少し伺っておきたいと思います。
 具体的に、例えば国立病院の資産、これを購入する際に、購入資金にかかわる政策融資制度があるということなんですよね。これはどういう政策融資制度になっているのか、その概要をまず説明してください。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 独立行政法人の福祉医療機構というところが国立病院資産に係る資金に対する政策融資を行っております。この融資制度におきましては、国立病院等の再編成に伴う特別措置がございまして、この旧国立病院・療養所の資産を引き続きその用に供することを目的として民法法人等の民間の開設者が譲渡を受ける、このような場合には、十二億円を上限とし、その購入に係る所要額の全額を融資するということにしております。なお、貸付利率は平成十七年四月一日現在で年一・七%、償還期間が据置き二年以内で二十五年以内ということになっております。
○武見敬三君 私は、その制度をもう少し拡充していくことも私は並行して考えていっていいんじゃないかと思いますよ。厚生年金病院の中には、これは実際にすべてとは言いませんよ、私、実際にかなり高度な医療をやっているところもあるんですね。そして、その地域医療の中での公益性というのもかなり高い、そういう病院もあるんですよ。そういったところが、こういった国立病院と、あれはたしか独立行政法人国立病院機構という面白い名前になっていますよね、独立行政法人なのに何で国立かと思いますが。しかし、いずれにせよ、この独立行政法人国立病院機構のようなところが一部引き受けるというようなことがあったっていい。しかし、実際にそのときにお金は利子付きでちゃんと返す。しかも、実際にその結果として、極めてレベルの高い厚生年金病院であれば、国立病院として将来運営できるようにしていく。しかし、売却するときには、損失を最小限にするためにも、少なくとも時価を下回るような価格では売却するようなことは絶対にしないと、こういったようなことをやはり包括的に御議論をいただくということが私は必要だと思いますので、是非その点、検討していただきたいと思うわけであります。
 その上で、次に社会保険病院と厚生年金病院等についてのお話を伺いたいんですが、これは不思議なんですよね。全国社会保険協会連合会というところが三つの厚生年金病院を委託されて運営しているんです。残りの七つの厚生年金病院というのは、これは厚生団の方で実際に委託を受けている。これは、厚生団というのは財団法人厚生年金事業振興団でありますけれども。これ、なぜこんなことになったんだ。厚生年金病院であれば、厚生団の方で全部管理運営すればいいものを、何でこの全国社会保険協会連合会が三つの厚生年金病院を運営することになっているのか。元をただせば、元々はこれ社会保険病院であったものが、いつの時期か看板が塗り替えられて厚生年金病院になっているんですよね。これはどうしてそういうことになったのか。普通、厚生年金病院というのが特定の公益性を持ち、役割を持つということであれば、運営主体も一つの公益法人で集約されて運営されることが当然であろうと普通は考えます。それがあえてこの三つだけは例外的に全国社会保険協会連合会で運営されているという状況が今日に至るまで続いている。この点についての明確な御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま委員からの御指摘のように、十のあります厚生年金病院のうち七つが厚生年金事業振興団、三つが全国社会保険協会連合会で運営が行われていると。また、そういった経緯についても御指摘がございましたが、かつては政管健保の病院であったものが、その後、厚生年金の病院になっているということでございました。
 その理由は、実はこの移管の年月日を一つずつ見ていただければ明らかになるわけでありますが、星ケ丘の厚生年金病院が昭和四十三年の一月、それから東北厚生年金病院が昭和四十八年の三月、それから厚生年金高知リハビリテーション病院が五十年の五月ということでございます。昭和四十年代、御存じのように、政管健保の財政状況は大変苦しくて、日本のいわゆる三Kと言われるものの一つがこの政管健保であったという時代がございました。
 したがって、そういう政管健保の財政事情が非常に厳しかった時代、その状況を踏まえて政管健保の施設を厚生年金の施設に移管をしたというふうに私ども承知しておりますので、これはそういった経緯によるものというふうに御理解を賜れればと存じます。
○武見敬三君 じゃ、なぜそのとき委託先を変更して全国社会保険協会連合会から厚生団の方に変えなかったんですか。
○政府参考人(青柳親房君) その時点での細かいちょっと経緯はつまびらかには承知しておりませんが、それまで政管健保の社会保険病院として運営してきた施設でもありますので、例えば職員の方の身分の問題であるとか、それから事業運営上の様々な便宜といったようなことを考慮の上、このような形になったものと推察をするところでございます。
○武見敬三君 大体、こういうところが不明朗なんですよ。いかにこの二つの特別会計を皆さん方都合よく使い分けて、そして自分勝手に運営してきたかということのあかしが一つこういうところにも私は表れていると思いますよ。こういう特別会計の運営の仕方しちゃいけませんよ。したがって、こういう点については私はきちんと反省をしていただきたいと思っております。
 それから、今、社会保険病院は、この効率化計画、三か年計画の最終年に入ったというふうに私は理解をしております。先ほど西島議員からの質問にもありましたけれども、実際にその効率化というものを進めていくときに、どういう基準でこういう効率化計画を進めているのか、これをいろいろと他の病院とも比較して、その効率化の結果がどの程度の水準にまで改善されてきたのかということもしっかりと分かるような、そういう効率化計画が策定していなければいけないと思います。
 私、一回ある病院のコンサルタントの関係の方の話を伺ったときに、本当かなと思って伺ったんですが、社会保険病院、この効率化計画で努力されることもあって、職員一人当たりの売上げというのは、極めて他の一般の医療法人の病院などと比べても高いんだそうであります。しかしながら、病院全体の総合収支ということになると何と赤字に転落をすると言うんですよ。
 もしそれが事実だとすれば、いかに病院の管理コスト、運営コストが掛かっているか、あるいは人件費がよっぽどほかの病院等々と比較した場合に高いか、そういったことでお金を使われてしまうがゆえに、結果として、一人当たりの職員で幾ら頑張って売上げを上げたとしても、病院全体としては赤字になっちゃう、そういう構造がこういう社会保険病院といった、あるいは他の公的な病院にもひょっとすると当てはまるのかもしれませんが、こういった実態があるというふうに私は伺っておるのでありますが、そういう点どのように御認識をしておられるのか、伺っておきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) まず、他の病院と比較した場合の売上高あるいは経費についてのお尋ねについて、事実関係についてお答えを申し上げます。
 これは平成十五年六月の医療経済実態調査による比較でございますが、まず職員一人当たりの売上高は、国立病院が百十八万七千円、公立病院が百十八万二千円、公的病院が百二十五万九千円、また一般の医療法人が九十五万九千円のところ、社会保険病院を含む保険者病院が百二十四万四千円という金額になっておるところでございます。
 また、にもかかわらず赤字であることの理由として非常に人件費が高いんではないかと、こういうお尋ねがございました。人件費比率について同じ調査の中での数字を申し上げますと、国立病院においては五三・三%、公立病院においては五六・六%、公的病院においては四九・〇%、一般の医療法人が五〇・五%という人件費比率が、社会保険病院を含む保険者病院は五二・一%という数字になっておるところでございます。
○武見敬三君 こうした経営指標というものをできるだけたくさん分かりやすく設定をして、その三か年の効率化計画の結果、それぞれの病院がどれだけ努力し、実際に既に整理されてある三つのカテゴリーのうちのどこに入るのかということをしっかりと説明できるようにしていただきたいというふうに思います。
 その上で、社会保険病院については、特に地域でも必要とされず持続可能でもないそういう財務状況等の病院であるとすれば、これはこの独立行政法人に出資して売却を進めるということが当然のことではないかというふうに考えます。
 難しいのは、地域で必要とされるけれども持続はなかなか不可能という病院であった場合に、どのようにそれらの第二カテゴリーの病院の中で、売却をする病院とあるいは売却をせずにそのほかの対応ぶりを考える病院に仕分するのか、ここはかなり難しい判断になるかと思います。しかし、その点についてもしっかりと御検討されていると思いますけれども、現段階でどのようにお考えなのか、御説明をいただきます。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ねございましたように、十八年度の整理合理化計画を取りまとめる前提といたしましては、経営改善の達成状況あるいは収支状況、地域医療における貢献度合いといったことを総合的に評価をして三つのジャンル、すなわち単独で経営自立ができるもの、それから単独での経営自立は困難であるが地域医療にとって重要なもの、そしてその他のものと、こう分けなければならないということになっております。
 その際、例えば地域医療にとって重要な病院とは一体どういうメルクマールに基づいて判断をしていくのかということが問題になるわけでございますが、例えば地域における医療機関の状況がどうなっているか、あるいは地域の他の医療機関との連携についてどのように図られているかといったような個別それぞれの地域ごとの状況をきめ細かく見ていく必要があるというふうに思っております。またあわせて、経営自立が困難であるかどうかといったような点につきましても、例えば建物の更新費用控除後の単年度収支が黒字であるというようなことが一つの条件としては想定されるわけでありますが、具体的な黒字の定義については今後更に検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
○武見敬三君 実際の社会保険病院に係る効率化計画というものが、実際に本当に全社連の下で上手に実施されているのかどうかという点についてもちょっとお聞きしておきたいんですけれども、これ例えば人件費の在り方を議論する、すなわち給与の体系を変えるという話になりますと、全社連は、今まで全部、各都道府県にあった社会保険病院の職員は全社連の職員でありますから、全国共通の給与体系の中でそういった職員を雇用してきていたはずであります。しかし、改めて今度の効率化計画の中で、おおよその給与体系のガイドラインは全社連は出すけれども、それぞれ個々の病院が単独で独自に、他の社会保険病院とは異なる形で給与体系を設定することができるというふうになさろうとしているというふうに伺っています。
 しかしながら、それに対してそれぞれ地元の病院、これは下関辺りでもあったらしいけれども、実際に労働組合が大変強く反発をされて労働争議にもなるというような事態が起きているというようなことも漏れ伝わってきているわけでありますけれども、その実態についての御説明をいただきます。
○政府参考人(青柳親房君) 全社連におきましては、十四年十二月二十五日に策定いたしました「社会保険病院の在り方の見直しについて」という厚生省の方針に基づきまして、十五年度から十七年度における各病院の経営改善を促進するということの一環といたしまして、ただいま御紹介ございました、病院職員の給与体系の見直し、公務員に準拠しない、各病院における効率的な病院事業経営を可能とする新しい給与制度、これを十七年度から導入するということでスタートしたわけでございます。この結果につきましては、すべての病院において、それぞれ病院ごとに独自の給与規程を定め、経営実績に見合った新しい給与制度を本年四月から導入したという旨の報告を受けておるところでございます。
 ただ、個別病院の個々の事情に照らしてみますと、ただいま御紹介ございましたように、労使間でこれをめぐってトラブルが生じているところもあるやに仄聞をしております。ただ、この問題、全社連と病院職員の労働団体との労使間の問題ということでございますので、私どもはそういった内容については直接介入すべき問題ではないというふうに認識をしております。
 いずれにいたしましても、各病院の経営実績に見合った新しい給与制度を実施していくということによりまして、効率的な病院事業運営というものを目指していくということを進めてまいりたいと考えております。
○武見敬三君 それで、もう一つ、今、社会保険庁改革が進められていますよね。まだ最終的に決まったわけじゃないだろうけれども、例えば医療と年金というのについて、それぞれこれを分離させるというような議論もされているやに聞いていますよ。
 しかし、そういうような形になりますと、今の社会保険庁なくなっちゃいますよね。そうすると、実際にそれと委託契約を結んでいる公益法人、例えば全国社会保険協会連合会、こういったようなものの委託契約の関係というのは、社会保険庁の改革が進んで、その社会保険庁という組織自体が実質改廃されてしまった後、もし、こういう社会保険病院の中で公的病院として委託先を全社連等から替えて存続させることも必要だというようなもし認識が生まれ、そして新たな委託契約が結ばれるというような必要性が出てきたときに、一体、どことどこと委託契約を結んでそういった特別会計というものとの関係で国有財産を活用した公的病院としての機能が維持できるのか、それを御説明ください。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまも御紹介ございましたように、政府管掌健康保険そのものの組織の在り方につきましては、先般、三月の三十一日に、官邸に設けられております社会保険庁の在り方に関する有識者会議の中でグランドデザインという形で取りまとめをしていただきまして、その中で、「被用者保険の最後の受け皿の機能は確保しつつ、医療費適正化等の保険者機能を強化する観点から、国とは切り離された公法人において運営することが適切と」との御意見をいただいたところでございます。
 社会保険病院の運営形態の在り方につきましては、こうした政管健保の組織の在り方、見直しというものも踏まえつつ対応を考えていかなければならないわけでございますが、そもそも、そういった公法人になった場合に、じゃ特別会計といったようなものがどういう形になるのかといったようなそもそも論から少し整理をしなければならない問題も随分あるかなというふうに認識をしております。
 また、その中では、例えば新たな受皿となった公法人にそのまま移管をいたしまして、公益法人がそこから経営委託を受けるというようなことも当然ケースとしては考えられるかというふうに思います。
 いずれにいたしましても、様々、多様な選択肢があろうかというふうに思われますので、そういったものを一つ一つ丁寧に検討してまいりたいというふうに考えております。
○武見敬三君 そこで、話を今度は健診事業にかかわる問題点に移らさしていただきたいと思うんですけれども、この健診事業に関しては、これは実際に、これは財団法人社会保険健康事業財団というところが政府管掌健康保険の被保険者の健診事業というものを行う一つの重要な受皿として社会保険庁と委託契約を結んでいると、こういうふうに理解をしているものであります。
 実際に、今度はこの社会保険健康事業財団というところがそれぞれ各都道府県の社会保険事務所と連携をして、そしてそれぞれの県レベルの中でその健診事業を行う健診機関にその案件を振り分けて、そして被保険者は事実上その指定された健診機関にしか行って健診が受けられない。そうすると、実際のところ、県南に住んでいる被保険者であっても、指定されると県北にあるような健診センターまで行って健診を受けなければならないという、そういう不便さが現実に生じてしまいます。私は、これは誠に愚かなやり方だと思います。
 私は、こうしたこの政府管掌健康保険の被保険者だけでなくて、あらゆる国民は、こうした健診事業というもの、健診を受けるという機会が与えられた場合、一定水準の健診機能を持った健診機関として、そして認定され登録された健診機関であれば、それは被保険者本人あるいはその御家族が自分の自由な意思に基づいて、便利であるとか信頼できるとか、そういった自らの判断で選んで健診を受けられるようにするのが筋だと思いますよ。これからは、そういう健康づくり事業等、地域を単位としてもっと包括的に生涯を通じた形でやろうというような話も当然のこととしてこれから出てくるわけです。
 そういうときに、その健診の段階でそれぞれの国民が、あるいは被保険者として自ら自由にそういう健診を受ける、そういう機関を選択できるようにするということは原則になると思いますが、その点についてのお考えをお願いいたします。
○政府参考人(青柳親房君) 生活習慣病予防健診事業の委託先について、もっと被保険者が選択できる仕組みにすべきではないかとのお尋ねでございました。
 健診の実施機関につきましては、健診の実施機関としてふさわしいというふうに認められます医療機関を各地方社会保険事務局が指定をするということにさせていただいておりますが、その数は、近年、全国的に社会保険病院等以外の民間医療機関を中心に着実に増加しております。例えば、平成十五年度末で全国で千五百十七の機関が指定をされておるわけでございますが、社会保険病院はそのうちの六・三%、国公立病院と合わせた割合で申しましても三五・六%ということで、その他の医療機関が九百七十七機関、六四・四%を占めるに至っております。
 しかしながら、依然としてそういった機関の数が少なくて受診者にとって不便な面があるというような御指摘はただいま委員からもいただいたところでございます。このため、私ども社会保険庁改革の緊急対応プログラムを昨年の秋に策定をいたしましたが、この中で、健診の実施機関の増大を図るということをテーマとして掲げまして、先般、必要な設備等に関する一定の基準を備えた医療機関については、指定の申請があれば原則として健診実施機関として選定するというふうな考え方を示させていただいたところでございます。
 今後とも、被保険者の利便性をより重視する観点から、更に健診実施機関の増加を図ってまいりたいと考えております。
○武見敬三君 実際に健診実施機関を私はもっともっと増やさなきゃいけないと思いますよ。倍にしたって足りないぐらいですよ。したがって、それをもっと徹底的に行って選択肢を増やすこと、それから同時に、この被保険者の皆さん方が実際にそういう、どこで自分は健診を受けられるのかという情報を分かりやすく的確に事前にきちんと伝えられておくようにしておくって大事ですよ。それは皆さん方は、増やしましたと言ってそれでほっぽり投げておしまいかもしらぬ。しかし、健診を受けるよう実際にその本人にちゃんとその情報が伝わっていて、どこで自分は健診が受けられるのかという、そういう情報がなくして何の意味もないんですよ。そういうところのきめの細かいサービスが私はもっとこれから求められると思います。その点、政管健保ってやっぱりお役所仕事で本当に不親切なんですよ。だから、そこはもうちょっときちんとやるように徹底して努力してくださいよ、これはね。
 それでは、もう一つ申し上げて、お話伺っておきたいのは、これも不思議な話なんだよな、この健康づくり事業のところに関連するんですけれども、社会保険センター、これスポーツジム、生きがいづくり事業なんてやっていますよね。僕も幾つもそういう社会保険センター行きましたけれども、おおよそスポーツジムとそういう何かレクチャールームみたいなのがあったりして、そこでかつては英語のレッスンが受けられたり、いろんなことやっていましたよね、ダンス教室もありました。
 そういう活動をしているのが、実は社会保険センターだけじゃないんです。社会保険センターは全国社会保険協会連合会の傘下にあるんですよ。ところが、同じ施設ですよ。全くスポーツジムとか生きがい事業と関係──健康増進センターというのがあるじゃないですか。これは何と財団法人社会保険健康事業財団が四十近くその施設を全国で運営しているんですよ。
 で、何で分けられているのと、こう聞いたんです。そしたら、全社連の方のやっている社会保険センターは県庁所在地であります、それに対してこの社会保険健康事業財団がやっております、同様な施設ではあるけれども、それは各都道府県の第二の都市等でやっております、その違いがございますと言われて、私はとてもそれは答えにならないと思ったんですよ。本来ならば、百歩譲っても、こういう公益法人がやるとして、普通だったら、一つの公益法人でより効率的にこういう運営を両方やって、それでお互いの連携も図るとかいろいろやるというのは、普通の常識から考えればそうなるはずです。それが何で全国社会保険協会連合会とこの社会保険健康事業財団に分かれているんですか。これは、その理由、ちょっとちゃんと説明していただかないとなかなか納得できませんね、これは。
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険センターにつきましては、実はこれ、施設自身が昭和五十年代の後半から建設、設置を進めたわけでございまして、元々は、被保険者や受給者に対する生きがい対策事業、あるいは教養講座といったようなところからスタートいたしまして、その後、平成の方に入るに従いまして、健康づくりというものの重要性から、健康づくり事業についてもその健康増進という観点からの事業を進めたという経緯がございます。
 一方、社会保険健康センターにつきましては、こちらは平成に入ってからの設置でございました。したがいまして、最初から、言わば設立当初から疾病予防など専ら健康づくりに重点を置いた事業を行っていたということがございまして、設置、推進がされた時点の違いと今申し上げましたような経緯ということを踏まえて、今のような、今日のような姿になっていると御理解いただきたいと存じます。
○武見敬三君 青柳さんね、まじめにあなたそうやって答えているけれども、実際に行ってごらんなさいよ。建物と中身見たら同じだよ。そういう説明で実際に納得できるような話じゃ本当は全くないんですよ。やっぱりこういうようなことをやってきたのは問題がある。
 これは実際に、私があえて申し上げると、あえて第二の都市でもこういうスポーツジム、生きがい事業の拠点をつくろうということになったときに、そのためだけのために新たにこの社会保険健康事業財団つくったわけですよ。この健康保険健康事業財団をつくって、健診事業だけやらせるんじゃ規模がちっちゃい。もう少し何か仕事させないと新たに財団つくるための理屈にならないぞと。そういうことで、新たに健康保険健康事業財団つくるときに、それに併せてこの同じような施設をそこに運営させるようにしちゃったんですよ。結果としてそれで二つに分かれちゃったんだよ、同じような機能の施設が。こういうようなことをやっていたら、本当に国民の不信を買うだけなんですよ。
 したがって、こういうような公益法人というのは、私は徹底的に整理合理化して、そしてこれらの四つの全国にある公益法人、厚生年金事業振興団、全国国民年金福祉協会連合会、全国社会保険協会連合会、社会保険健康事業財団、これらは施設が売却された後、ほとんど必要な機能は残らないことになると思いますから、これは速やかに閉鎖をして、そして雇用問題なども当然起きてきますから、そういうことが起きないように事前にしっかりと雇用対策等もした上で、私は、こうした公益法人は既にその役割が終わったという観点から、これを整理合理化、廃止すべきだというふうに私は考えます。それだけの決意が私はこれからのこうした関連の改革を進めていくときに必要だと考えるわけでありますが、この点、厚生労働大臣のお考えを伺っておきたい。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話はそのとおりでございます。
 公益法人の、今、委託先になっております公益法人の整理合理化について言いますと、大きく二つに分かれると考えております。一つは、施設の運営業務が主たる業務である法人につきましては、これはもう施設の整理合理化が進めばそのまま必要でなくなるわけでございますから、当然のこととして、進捗状況を踏まえまして法人の廃止を含めた抜本的な見直しを行う。それからまた、施設の運営業務以外に主たる業務がある法人がございますので、これらの法人につきましては、施設委託業務以外の国からの委託業務の見直しを行いました上で法人の統廃合あるいは組織の見直しを行うことにいたしてまいります。
○武見敬三君 それでは伺いますけれども、実際にこうした公益法人が、実際にこういう施設の委託事業等全部これ外された後、一体どんな事業が残されているのか少し具体的に御説明いただいて、そして、それをどう整理することが適切かという点についてもう少し具体的な説明していただかないと、イメージがなかなかわかないし、理解ができないんでありますが、この点、例えば厚生年金事業振興団、これ厚生年金病院を全部手放しちゃった後に、実際にどういう事業が残って、予算規模どの程度なんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金事業振興団につきましては、施設の運営以外に大きな規模を持っている事業といたしましては、目的達成事業というふうに定款、寄附行為に書かれているものでございますが、宣伝広報等を実施する、これは広報誌の出版でありますとか各種の出版物へということでございます、それからホームページによるこういった本などを紹介するというようなことがありますが、この事業規模が三億九千九百万円程度、およそ四億円程度の事業になっております。そのほか、厚生年金制度の普及のためのシンポジウムを実施する、あるいは厚生年金保険制度に関する調査研究及びその助成を行うというような事業がございます。
 しかしながら、これらの事業、いわゆる施設運営業務外の事業の全事業規模に占める割合は〇・四%と、大変小さなものになっているということは御指摘のとおりかと存じます。
○武見敬三君 こういう実態でございますから、大体もう答えは明らかじゃないですか。したがって、こういう公益法人については、私は、とにかく速やかに、しかしそこで仕事をしている多くの職員もいるわけでありますから、実際の雇用問題等についてもきちんと配慮した形でこうした組織を速やかに閉鎖させると、あるいは公益法人を廃止するということは極めて重要だと思いますよ。
 加えて、あともう一つ、私がよく分からないところは、政管健保にしろ年金にしろ、その特別会計は非常に財政厳しい状況下にあるじゃないですか。
 ところが、この周りに委託契約でまとわり付いている公益法人の財務状況は物すごくいいんですよ。これ、例えば厚生年金事業振興団であると、実際にどのぐらいの積立資金があるかと、残っているかというと三百四十五億円。それから、全国社会保険協会連合会ですと九百三十一億円。いやあ、すごいんですよ、これね。
 それで、いやあ、随分これは積立金がたくさんありますなと言ったら、いやいや、これは退職金払うとみんななくなるんですという話なんです。それで、その退職金の支給額等々の計算の仕方というものが一体どういうものであるのかということと、それから普通退職、自分から進んで辞めたり定年で辞めたりする場合の普通退職の場合と比較して、整理退職という、お願いします、辞めてくださいというような場合ですわ、こういうような場合、特に整理退職の場合は、厚生事業団の場合にはこれ退職手当が倍付け、二倍になるんです。すごいですよね。そうすると、なくなるか足りなくなるぐらいですと、こう言われると、私も余り釈然としないところがあるんですよ。
 実際に、こういう多くの幹部、役職に就いておられる方々、その給与体系というものが基本になって、そして、それらが実際これ退職されるというときに、今回の場合であれば整理退職に該当するわけですよ。そうすると、通常よりも倍の退職金をもらってお辞めになるというようなことになるわけでありますが、しかしこれ、通常、一般の国民が、こうした公益法人というものを廃止するときに、どのようにこういった退職金の出し方について受け止めるか、どのように予測されるか、そこをお聞きしておきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま御紹介のありました公益法人の退職金でございますが、まず事実関係から確認をさせていただきたいと思いますが、役員の退職金については普通退職と整理退職の区別はございません。職員につきましては、御指摘がございましたが、例えば事業の休廃止、縮小又は業務量の減少による定員の削減等による退職の場合、いわゆる整理退職でございますが、この場合には、普通退職の額に五ないし十割の範囲内で加算をすることができるという制度の枠組みになっておるということでございます。
 今後の公益法人の整理合理化の際の退職金の支給に当たりましては、基本的にはそれぞれの法人が作っております退職手当の支給規程ということによるということでございますが、これとともに、御指摘のように、国民の理解が得られるように、民間の水準と比較しても不当に高額となるようなことがないよう私ども指導してまいりたいと思います。
 なお、一言付け加えさせていただきたいと存じますが、法人の剰余金が大変大きいじゃないかという御指摘が先ほど御質問の中でございました。
 これは、もちろん退職金の積立てというものも大変大きなものでございますが、それと同時に、固定資産という形で資産を持っている部分も大変多うございまして、これら仮に現金に換算した場合には、それだけの見掛けのものは当然に残らないということだけ御留意をいただければと存じます。
○武見敬三君 ただ、幸か不幸か、この全国社会保険協会は、この三か年の効率化計画、みんな非常に頑張っているんですよ。それによって収益どんどん上げているわけです。そうすると、上げて、残ったお金が全部この中に入っていくんです。個々の病院が幾ら一生懸命経営努力して、その積立金を自分たちで確保したとしても、そのお金は個々の病院が自由に勝手に使えるお金ではなくて、原則としてこのお金は全国社会保険協会の積立金としてしか見られていません。たしかこれでよろしいですね。
○政府参考人(青柳親房君) これは、全国社会保険協会連合会も厚生年金事業振興団も同様でございますが、現在、十六年度以降、言わば施設整備費については国からはお金を出さないということにしておりますので、この積み立てられたお金の中で、今後五年間ということで限定になりますけれども、その間の必要な修繕や、場合によっては建て替えといったような経費もこの経費の中から出していただかなければならないということでございます。
 また、この事業が最終的に終了した場合に、その剰余をどうするかという扱いにつきましては、これは契約上、最終的には国の方に戻ってくると。当面は独立行政法人との委託契約になりますので、いったんは独立行政法人にその剰余金を返していただくと。その上で、最終的に五年たったところで国の方にこれをお返しいただくという扱いになっております。
○武見敬三君 理屈はそうなるんですけれども、私は、でき得る限り本当に努力をされて、持続可能な病院として今その構造改革をそれぞれ地元でやっておられるわけですよ。その結果として積み重ねられたその貴重な資金というものがある。しかし、それはその親元の財団の方のお金で、将来的には独立行政法人の方にも流れていってしまうというようなことであるとすると、今後、それらの病院が実際に改めてその自分たちの将来を考えて対応しようとしたときに、せっかく努力してためたお金であったとしても、自分たちがね、自分たちのためには使えないという状況はちょっと、余りにもかわいそうだなと思いますよ。これ何とか方法考えられないのかというふうに私は思っておりますので、いろいろその点も御検討いただければというふうに思います。
 最後に、厚生労働大臣にお伺いをしておきたいんでありますけれども、これらの独立行政法人をつくって年金等の福祉施設、これらを売却をするというのは、社会保険庁改革の一部であるにすぎません。改めて、この社会保険庁改革というものの全体像をいかにこれを確立をして、そしてそれを速やかに実施していくかということが問われております。これはまた、大きな意味での年金の制度改革という議論とも結び付くところも極めてあると私は思います。
 したがって、この社会保険庁の改革というものについて、これをどのように進めていこうと考えておられるのか、その基本的な考え方とお覚悟を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保険庁につきましては、冒頭も申し上げましたけれども、武見先生の御質問の冒頭のお答えとしても申し上げましたけれども、事業運営に関する様々な指摘がなされておりますとともに、不祥事案も生じておりまして、こうしたことから、国民の皆様の信頼を回復するためには、業務とそれから組織、この両面にわたる改革を進めなければならないと考えております。
 このために、まず業務、そしてできることからということで、昨年の十一月に八十項目にわたる業務改革メニューを掲げました緊急対応プログラムを策定し、改革に着手をしたところでございます。やれるものを直ちにやろうと、こういうことでございます。
 そしてその後で、社会保険庁の組織の在り方、抜本的な改革、当然取り組まなきゃなりませんので、このことにつきましては、現在、内閣官房長官の下に置かれました有識者会議において御議論いただいておりますが、前回、これは三月三十一日でございます、の会議におきまして、新しい組織のグランドデザインが取りまとめられたところでございます。この後、五月にまた最終的な取りまとめをしていただくことになっております。
 そのほか、いろいろなところでの御議論をいただいております。与党においても、正に武見先生がその取りまとめ役をしておられるわけでございますが、各般にわたる御議論もいただいておりますし、また、近くそうした答えもおまとめをいただけるものというふうに承知をいたしております。
 こうした各方面における御議論が進んでおりますから、そうした結果を踏まえまして、国民の信頼を回復することのできる抜本的な組織の改革、本当に文字どおり抜本的な組織の改革を断行してまいります。
○武見敬三君 以上で終わります。
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本孝史君 山本でございます。
 まず、冒頭、職員の皆さんにいろんな資料を作っていただきまして、ありがとうございました。ただ、作っていただいたのが、こちらの要求しているのとは違う資料が先ほど届きまして、うちの部屋のコピー用紙がまた裏を使えるのが一杯できて有り難いんですが、本当は一枚でよかったものがこんなに来てしまったので、ちょっとそこは、後の質問のところで触れますが、困っております。
 限られた時間ですので早速質問に入りたいと思いますが、まず大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、今回のこの法案の提案の説明のこの文章の中に謝罪の言葉が一つもないんですけれども、これはどういうことでしょうか。
 質問には入っていません。
○国務大臣(尾辻秀久君) 謝罪の言葉ということでございますが、これは私の思いを率直に申し上げさせていただきますと、これはもう謝罪すべきことでありまして、もし言葉が入っていないとしたら、おわびを申し上げて、改めての謝罪を申し上げます。
○山本孝史君 提案理由説明なので、謝罪の文章を書くようなたぐいのものではないのかもしれません。しかし、やはりそこにその謝罪をするという気持ちがこもってなければ私はいけないと思うんです。
 そこで、重ねてのお尋ねですが、何を謝罪しなければいけないと大臣はお思いになってこの法案を提出しておられますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回、この年金福祉施設を廃止、譲渡するということに至った、今回それになったということを、今日、施設を取り巻く社会環境及び国民のニーズの変化等ということを踏まえてというふうにかねて申し上げておりますけれども、正にそこの部分でございまして、社会の環境及び国民のニーズの変化に敏感に反応する能力に欠けていた、このことをおわびすべきだというふうに考えております。
○山本孝史君 今度の法案を見せていただいたときに、これは独立行政法人をつくるという法案でして、この審議の質問に立つに当たって、どういう観点からこれ質問をするのかということでいろいろと私も考えました。
 これまでの経緯をずっと振り返ってみますと、国会としてといいましょうか、もし大臣のお立場、あるいは厚生労働省のお立場として、少なくとも謝らなければならない点が幾つかあると私は思いました。
 一つは、先ほども西島先生、御質問がありましたけれども、採算性のない施設をつい最近まで造り続けてきたということ。二つ目に、赤字の施設に漫然と保険料の財源を投入をしてきたこと。三つ目に、国民の貴重な保険料を投入して建設した施設を売却せざるを得ないという事態に今追い込まれているということ。そして四つ目に、利用者あるいは従業員に多大な不安を与えているということ。考えていけばもっともっとあるのかもしれません。
 謝らなければいけない点は、私は、たまさかこのときの厚生労働大臣で大変恐縮でございますけれども、しかしお立場として、厚生労働大臣として、あるいは社会保険庁全職員を代表して、これはやはりきちんと国民に謝らなければいけないことだと思っています。それは、謝るということは、同時に、この間の事情をしっかり説明をする、なぜこういう事態に至っているのかということを説明しなければいけないことだと思います。
 私は、年金保険料によるこの施設の建設、あるいは還元融資をするということには一定の支持があったと思いますし、それなりの役割も果たしてきたと私は思っております。しかしながら、先ほど西島委員も御指摘がありましたように、これまで何度となく、施設の運営を見直して、施設によっては廃止等の措置をとるべきだと、こういう指摘を受けてきたにもかかわらず、なぜ適切な対応策が講じることができなかったのか。この点についてどのように整理しておられるでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ねございましたように、年金の福祉施設をこのたび譲渡、売却をせざるを得なくなったという点についてでございますが、若干経過的なことを申し上げますれば、まず年金福祉事業につきましては、昭和五十八年でございますが、行政監察結果を踏まえて行政管理庁から意見が寄せられまして、これに基づきまして、私ども、健康増進機能を併せ備えた多機能施設を除きまして、新設を原則廃止するということでまずは取り組ませていただきました。
 さらに、平成九年度以降は、当時の小泉厚生大臣の指示を踏まえまして、新たな施設は設置しないということを決めますと同時に、既存施設の運営についても、採算性等をチェック、厳しく見直しを図るということで取り組ませていただいたところでございます。
 しかしながら、冒頭、大臣の方からも申し上げましたように、近年の年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、あるいは施設を取り巻く社会環境、あるいは国民のニーズの変化ということを踏まえまして、今後は保険料を年金福祉施設等に投入しないということを決めると同時に、年金資金等への損失を最小化するという考え方から、今般の廃止、譲渡に至った次第でございます。
○山本孝史君 いやいや、だから、この点をやり続けるというきっちりとしたお答えが返ってこないんで、なぜこれまでこういうことができなかったのかということについて、厚生省の方は、それはシステム上の問題があったんだろうと。これは、検証会議のメンバーでしたかしら、参考人で来ていただきます、岩渕さんも来ていただきますけれども、いかなるシステム上の問題があったのか、この点をしっかりと私はチェックしなければいけないと思っております。
 先ほど質問通告せずに質問をしたのは失礼だったかもしれませんが、このような法案を出さなければいけない立場の大臣として、どの点が間違っていたから、なぜ謝らなければいけないのかということについて、しっかり総括をした上でこの場に私はやっぱり臨んでいただきたいと思っております。
 そういう点からしても、今回の事態を招いた責任は一体だれにあったのかという国民が素朴に思う疑問について、今、お立場としてどのようにお答えをいただけるでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほども申し上げましたけれども、社会環境の変化、そうしたものに機敏に対応できなかった、そのことが一番私どもが今反省すべきことだというふうに思っておるところでございます。
 したがいまして、先ほど来のお答え、少しずれるのかもしれませんけれども、私は一番の問題というのは決断が遅れたことだというふうに思っております。したがって、決断が遅れたことについてまずは私どもが反省し、おわびをしなきゃいけない、そのように思うわけでございます。
 それでは、その責任はということになりますと、私も今まで、大臣という立場だけでなくて、いろいろな立場から発言ができた立場におりましたから、少なくとも責任の一端はあるというふうに考えておるところでございます。ただ、大きくこの問題を総括するということで申し上げますと、今、年金福祉還元事業に関する検証会議において検証をお願いしておりますので、そうしたまた御検討の中身も踏まえて総括をしたいというふうに考えておるところでございます。
○山本孝史君 検証会議とおっしゃいましたんで、検証会議の報告はいつごろ出るんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) おおむね一年をこの検証会議に費やすということで発足をいたしましたので、八月ごろをめどにまとめをさせていただければと考えております。
○山本孝史君 今、四回目ですよね、開催されたのが。八月ということですから、この間しっかりやっていただきたいと思いますけれども、私は、何でしょうね、おまえに責任があるんじゃないかというような言い方をしているのではなくて、これは考えますに、社会保険庁トップの、法人を監督する責任という部分と、それから委託先法人の運営の責任という両方が私はあるだろうと思っています。しかしながら、どちらも厚生省の最高幹部なんですよね。したがって厚生省の責任だと、こうなるんだと思っているわけです。
 先ほど、どんと資料が届きましてということで改めて驚いたんですけれども、その社会保険庁としての監督責任という点について、この委託先の法人から運営の状況あるいは会計状況の報告をきちんと受けてそれを分析を加えてこられたのか、トータルとしてこういう一枚の表で見せられるようなものを作ってこられなかったと私はびっくりしているわけですけれども、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 法人の監督責任という点から申しますと、まず第一義的には、公益法人に対する指導監督といういわゆる民法上の責任というのがございますので、私ども主務官庁として毎年それぞれの公益法人から予算あるいは決算の報告を受け、これに基づいて、その収支状況等を見た上で適切に、例えばもっと削減を図るべきではないかというようなこと、あるいは給与の水準がいかがであるかというようなこと、こういった指導を片方で行ってまいったわけでございます。また一方、これらの公益法人が社会保険あるいは、これ年金の福祉施設の事業運営をするという機能を持っているわけでございますので、同時にこれらがそういった事業運営主体として適切であるかどうかということを併せてチェックをしなければならなかったわけでございます。
 しかしながら、ともすれば、この公益法人の指導監督という機能と事業運営を、経営委託をしているその団体に対する指導という観点がなかなかうまくバランスしないというか、同じような目線でそういったことをきちんとチェックできたかどうかという点については、じくじたるものが私自身もあるというふうに考えております。
 したがいまして、この指導監督という点については、残された期間短くはございますが、この経営委託の適切性という観点と公益法人としての運営の適切性という両方の面から引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
○山本孝史君 私もそうだと思います。
 公益法人ですから、監督官庁に対してきちんと予算書、決算書、事業報告、事業計画を持ってくる。それを担当部局が、年金と健康保険と分かれていてそれぞれしっかりとした連携がなかったのかもしれませんけれども、社会保険庁トータルとして、その施設運営がどうなっているのか、事業がどうなっているのか、なぜこんなに赤字を出し続けていっていいのだろうか、その一体補てんはどうしているんだろうか、様々に思う疑問を、そこがしっかり出てこなかったというところに私はやっぱり問題があるんだと思います。
 それはなぜか。それは、監督している側も厚生省だし、監督されている側も厚生省だからですよ。お互いがなあなあになってしまっていて、出てくる文書を、それをそのままに受け止めていて同じことを繰り返している、だからどこでも結局止めることができなかったんだと思っています。したがって、検証会議の結果が八月に出てくる、これは民間の方も入ってやっておられますので、そこのところでしっかりとやっていただきたいと思います。
 国会の側に責任がなかったとは私も思いません。そういう意味で、この前の検証会議の、四回のこの資料のところに福祉施設関係国会議事録の要旨が載っております。これは検証会議の委員の指摘を受けて社会保険庁が過去の議事録を検索されたんだと思いますけれども、中原先生のお名前もこの中に出てまいります。先生御存じだったかどうか知りませんが、出てまいります。しかしながら、大半はもう既に退職されている議員の方たちばかりがこの中に出てまいります。
 そういう意味で、これまでのグリーンピア等々でいいますと、厚生大臣が深くその設置に、誘致にかかわっていたのではないか、いわゆる厚生族がこの施設誘致にかかわってきたのではないかと一般に国民は思っております。国会の中でどういう議論があったのかもう少し詳しくお調べになってお出しになるのも一つの手ではないかと私は思いますということだけ申し上げておきたいというふうに思います。中原先生が事前にこのことを、公表されることを御了解しておられたかどうか私はよく存じ上げておりませんけれども、ひとつ、現職議員にいろいろとかかわりがあるから調査がどうなっているのかなというふうにも思う部分もありますので、しっかりとした調査をしてください。
 それで、今回のすべて廃止、売却するという方針についてお尋ねをしておきたいと思います。
 去年、三月三日の衆議院の予算委員会で自民党の長勢甚遠委員が、既存の施設はすべて売却をしていくという方針を決めたと述べたことに対して、参考人として出席されていた厚生年金事業振興団の吉原健二理事長が、存続希望の強い施設もある、売却に伴い心配がある、適当な買主が見付かるのか、安く買いたたかれて国の損とならないか、地元経済や雇用への影響などだ、保険料はもちろん投入せず、独立採算で健全経営ができるような施設については存続の余地を残せないのかと発言されましたけれども、長勢委員は、もう年金の財源で建てた施設が、建物があること自体も国民全体の中には面白くないという向きもあるわけでありますから、ひとつ腹をくくってきちんと対応するという姿勢で臨んでいただきたいと言い放っておられます。
 このくだりを私読んでおりまして、今年のNHKの大河ドラマは「義経」でございますけれども、源平の合戦の中に富士川の戦いというのがあります。平家の軍勢が水鳥の羽音に驚いて敵襲だと誤認をして一目散に逃げてしまったという言い伝えの残っている合戦ですが、今の与党の皆さん方はどうもこの平家のようで、国民の皆さん方がこの年金保険料を無駄遣いしているじゃないかということをわあっと言われたものだから、もうとにかく売ってしまえというような話になってしまったというところに、私は、政治ってそれでいいのと、こういうふうに思ったわけです。
 ところが、今日の御答弁を聞いておりまして、武見先生と、青柳部長さんの答弁聞いておりまして、実は先に逃げたのは、厚生省の方が先に逃げたんじゃないかと私は思うんですね。説明責任を果たすのが面倒くさいから、与党が売ってしまえと言っているからそれに乗っているというような形に私は見えてしまうわけであります。
 この不採算施設の建設を続けてきて、しかもその放漫経営を漫然と続けた末に、今のような、参議院選挙に負けてしまうからとにかく売ったということにしようというような方針を決めるというのは、二重の過ちを犯しているのではないかと。売ってしまえば問題は解決するというのは、私は余りにも乱暴なやり方ではないかと思うんですが、大臣、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、先生のおっしゃることをお聞きしながら、私も改めて反省もいたしております。
 正に私も、当時、党の部会長でございましたから、全部売れということを主張した一人であります。今思うと、先生が言われたように雰囲気にのまれたところがなかったかと言われるならば、率直にそういう面もあったかなと反省しながら今のお話を伺っておるわけでございます。
 ただ、私も全部売るべしということを言った一人であるということは隠さずに申し上げたいと思います。今、大臣でありますから、決して部下をかばおうということで申し上げるわけじゃありませんが、当時、むしろ役所の方は盛んに御懸念のようなことを私どもに説明をしておったことも事実でございます。
 そのことを申し上げ、私があの当時振り返って反省すべきことは多いですということを率直に申し上げたいと存じます。
○山本孝史君 非常に、何といいましょうか、お気持ちをそのままに語っておられるんだと思いますが、そうであればこんな法案は出さずにと私などは申し上げたくなって、ここで委員会審議止めましょうかという話になってしまうわけですけれども、お出しになったわけですよね、それでもね。
 それから、与党が多数ですから無理やりこの形を取られるのかもしれませんが、今後の運営の中で、三月三十一日にお出しになった整備計画等々の中に盛り込まれていることも、どういうふうに反映していくのかという説明を引き続ききちんとしていただきたいと私は思います。
 いずれにしましても、私が思いましたのは、この保険料の投入をやめるということは、これは当然ですけれども、そのこととすべての施設を廃止、売却するという方針の間にかなり大きなギャップがあるんではないかと私は受け止めました。
 会計検査院が年金資金による公的施設の運営について会計検査を行いまして、平成十四年度の決算検査報告が出ております。そこの所見として、整理合理化計画の策定に当たっては、収支・損益及び目的達成の両面からの適切な評価に基づき、維持継続の必要性、適切な運営形態について十分検討を行い、個々の施設の実態に応じて、譲渡、廃止等の方策を検討することと述べております。私はこの考え方に賛成でございます。
 三月三十一日にお出しになった今回の整理合理化計画でも、今後の経営見通しが極めて厳しい施設等については機構の設立前に社会保険庁において早急に譲渡又は廃止を行うとされております。先ほど御説明がありましたように、もう既に売却は始まっております。
 そこでお尋ねですが、今後の経営見通しが極めて厳しいと判断される基準は何でしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) いろんな様々なメルクマールでこれは判断してまいらなければならないというふうに思いますが、一つはやはり、単年度のそれぞれの収支を見たときに、例えばその施設が必要な様々なコストをきちんと補って、あるいは累積にもし赤字があるようなものがあれば、そういったものをきちんと償うだけの収益が当面五年間、最大でも五年間と言われている期間の中にきちんと見込めるかどうかというような収益上の見通しというものが最大の恐らくはポイントになるんではなかろうかと思います。
 いずれにいたしましても、きちんとした収支見通しに立った上で判断をしていくべき事柄というふうに認識をしております。
○山本孝史君 これから五年間の収支見通しをいつまでに、どのようにして立てられるんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 既に、例えば厚生団における各施設におきましても、独自の取組として収支の見通しを立て、それぞれの施設がどういうような収支の下に動いていくかということについての一定の取組が進められております。私どもといたしましては、そういった取組についても、これを大いに参考の情報として活用させていただいて、過ちなき判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○山本孝史君 今の青柳部長の御答弁だと、そうすると、事業団であればそれぞれにやっておりますと。
 この法律は、五年以内に全部の施設を廃止、売却するという法律ですよね。こっち側で五年間の収支計画を見て、駄目なものは早く売ると、こう言っているわけですよね。その間に何か、御説明で、御自身で矛盾されませんか。聞いている私の方がおかしいのかもしれませんけれども。
○政府参考人(青柳親房君) 事業団の方で、厚生年金振興事業団の方でそういう計画を従来から立てて、見通しを立てているわけでありますが、もちろん、個々の施設をどういうタイミングでどのような形で売却するかは、この設立をしていただきます独立行政法人が設立後に判断をしていく点でございますので、最終的な判断は独立行政法人の判断として五年を待たずにその期間の中で適時適切に処分をしていくということになりますが、その際の一つの参考になる情報としては、事業団が従来から行っておりました様々な見通しを情報として活用し、この判断をしていくということは特に矛盾はないかというふうに私は考えております。
○山本孝史君 いえいえ、五年間、十月一日に機構ができて、そこから五年間の間にすべてをとにかく売り払ってしまえというふうに考えているわけですよね。しかし、その前に、早く売れるものは早く売れ、早く処分してしまえと、こう言っているわけですよね。
 先ほどお聞きしましたように、どういう基準でその判断をするのかといったら、五年間の経営状態で収支がどうなるか、こう見ていくというわけですよ。十月一日の時点で、厚生大臣としては、どの施設を機構に現物出資するのか出資しないのか、選別するわけですよね。そのときの判断基準は、この施設はなかなかもたないからというのでこっちいくんでしょう。今の厚生年金病院だとかという部分は、この十月一日の時点で出さない、現物出資しないんだと、もう少しこれ考えるんだというふうに分けたわけですよね。
 だから、その五年間の経営収支の見通しとこの五年間で廃止をするということと、その間に基準というものの設定としてどう考えているんですか。分かりやすく説明してください。
○政府参考人(青柳親房君) 五年間でその収支を見て、もちそうであるということになるとすれば必ずしも売り急ぐ必要はないわけでありますから、その意味では、出資をして、その間運営をしながら、最も良いタイミングで売却をするということは当然必要になってくるわけであります。しかしながら、当面五年間の収支を見ても、あるいは昨今の足下の収支を見ても、これが赤字であってこれの回復が見込めないというような施設については出資を待たずに売却をするということもございますし、また当然のことながら、出資した後に直ちに売却をする対象になってくると、かように考えている次第でございます。
○山本孝史君 いや、違います。もう赤字で、これはどうしようもないなと思うところは売らざるを得ないというので機構に出すということはあるでしょう。しかし、今度、機構の中で五年間の間に経営が良くなってきたらそれは存続するんだといったって、機構は五年間でなくなるんだから、これは、じゃ元の、どこかの法人にまたもう一遍やってくださいという形で戻ってくるわけですか。だったら、その法人の中がちゃんとそれでやっていけばいいじゃないですか。
○政府参考人(青柳親房君) 私の説明が不十分でありますので、もう一回改めて説明をさせていただきます。
 まず、機構に出資する前に国が売却をしなきゃいけないものというのは一体どういうものかということが最初のお尋ねでございましたので、これは当面、言ってみれば、機構に出資したとしても赤字が出る、すなわち機構の側でその赤字施設を抱えなければならないようなものについてはできるだけ早く処分をするという意味で、機構の出資を待たずに国が売却をするというものはあると、これがまず第一のグループとお考えをいただきたいと存じます。また逆に、機構に出資をした後に、収支としてそれなりに堅調に行っていて、これは運営ができるんだというものがあったとしても、これは五年間の中で必ず譲渡、売却をしていくという施設になります。
 したがいまして、最初の問題に戻りまして、機構の出資を待たずに売却するものは何かということについては、先々に好転が見込めないものは直ちに現時点から譲渡、売却をしていくというふうに考えている次第でございます。
○山本孝史君 したがって、私が申し上げたいのは、経営がうまくいくような施設で、あるいは今は悪いかもしれないけれども、先ほどのお話のとおりに、経営者が替われば非常にうまく運営できる施設がある。現実に私、たくさんあると思います。そうであれば、それは別に機構に渡さなくても、今のままでもきちっとやっていけばそれでやっていけるんじゃないんですかと。わざわざ機構をつくってこんなややこしいことをしなくたっていいんじゃないんですかと私は申し上げているわけです。答弁要りません。私はその意味でお考えが違います。
 いずれにしても、今の時点で売却するもの、あるいは機構に渡すもの、機構の中でうまく言わば再生されてくるようなものというようなもし範疇があるんでしたら、福祉施設の類型ごとあるいは各施設ごとに、今後のそういう計画を見定めて、その上でこの処分計画というものについて国会に諮るべきではないんだろうか。そのときに、独行法のようなものが必要だと思うのであれば、私は必要であると思いませんけれども、そこで必要だというのであれば、こういう形で処分しますということで出てくるというのが順番じゃないんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 今回の見直しに当たりましては、まずスタートとなる考え方が、五年間ですべての施設を譲渡、売却するということが出発点にございます。
 したがいまして、そういう出発点からスタートを、この議論をいたしますと、仮に非常に堅調に運営できるような施設があったとしても、これは最終的にはどんなに長くても五年後には売却、譲渡をしなければならないというところから私どもはこの問題を考えたわけでございまして、このように考えました背景は、先ほど来の繰り返しになりますが、近年の年金制度を取り巻く厳しい財政状況や施設を取り巻く社会環境あるいは国民のニーズの変化ということを踏まえますと、単に保険料を年金福祉施設に投入しないということにとどまらず、更に進んで年金資金等への損失を最小化するために例外なく譲渡、売却せざるを得ないと、かような情勢判断をしているというふうに御理解を賜りたいと存じます。
○山本孝史君 理解はしません。そういう方針であることは皆さんがお決めになったことですから、大臣も先ほどそうではなかったかなというふうなことをおっしゃいましたけれども、私はそこの考えが違います。
 今日、資料をお配りしました。社会保険庁の皆さんに御協力いただいて作ったものですので、御披露しておかないと職員の皆さん方の労がねぎらわれないと思いますので。
 この表の、大きな表のところを見てください。これは、委託先法人別に、施設類型ごとに、各都道府県単位に幾つ施設があるかという対象を全部落とし込みをしていただきました。どうも皆さん方、国会の皆さん方の関心が薄いなと思って心配しておりますけれども、どなたの地元にも必ず関係している施設があります。もちろん、社会保険病院はあるわけですし、その施設をどうするかという問題を考えているわけです。
 そのときに、私がこの表を作っていただきながら思いましたのは、施設類型ごとにこう見てきますと、厚生年金病院あるいは厚生年金病院に附属している保養ホーム、それから診療所という医療関係のものは今回の対象ではなくなる。もちろん、保養ホームはもう処分してしまうという方に入れておられますけれども、後で御指摘があるかもしれませんが、私はこれは厚生年金病院に附属したものだと思っていますので、この部分は右に置くというふうに考えますと、その次に考えられるのは老人ホーム、それから各都道府県の国民年金福祉協会が運営しております健康保養センター、それから社会保険協会が運営しております保養所・健康増進所、この三つの類型は、実は土地が元々自治体のものであったり、あるいは施設が非常に古くなっていたりして早々と廃止あるいは売却対象になっているんです。影で付いている部分はもう廃止しているところ、老人ホームの秋田と山形ももう廃止しましたので、ここも実は影が掛かっていなければいけないんですが。黒になっているところは既に売却してしまったところ、丸印で囲んであるところは、これは土地が地元の自治体のものという形になっていますので、申し上げました老人ホームや健康保養センターや、あるいは保養所・健康増進所というところは、能開機構のこれまでの土地が地元のものであったという処分形態等々考えますと、ここでほとんど方針はもう決まってくるんです。廃止して、この部分については売却対象に多分なるんでしょう。
 そうしますと、残るのはその宿泊施設と健康センターと国民年金会館、厚生年金会館というこの三類型なんですよ、残ってくるのは。宿泊施設は従来からいろいろ民間とのことが言われているので、今廃止の方向にいるんでしょう。だから問題は、やっぱり健康センターをどうするのかという問題と、それから一番の大きな金目になるのは、結局、厚生年金会館と国民年金会館なんですね。その底地なんですね。新宿であれ、大阪であれ、西区であれ、この部分が言わば皆さんが御主張なさっておられる年金保険料に戻ってくるかどうかという話だと思います。
 若干余談になるようですけれども、厚生年金会館のホールは、確かに古くなってはきましたけれども、ほかの施設に比べて施設の使用料が非常に安いので、文化団体にとっては厚生年金会館のホールは極めて利用価値の高いホールであります。日本の文化、伝統をどうやって維持していこうかというときに、もう一遍厚生年金の資金で立て直してくれとは言いませんが、しかし、ここはどのように考えるかということは、是非公明党の浮島先生等に御質問していただければいいと思っておりますけれども、私はそんなふうに思っております。
 しかしながら、一番大きいお金は、やっぱり新宿の厚生年金会館、底地幾らで売れるかというような話じゃないですか。そのときに、前のページに戻っていただいて、勤労者福祉施設の二千七十施設が一体どうなったのかという話です。地方自治体が底地を持っておりましたので、建物を差し上げるという形にほぼ近くなった。したがって、この部分については、三千七百六十八億円の建設費用が掛かって、譲渡収入三十二億円、廃止に掛かった費用が十八億円ですので、三千七百六十八億円の建設費用で、手元に残ったのは十四億円弱ということになります。しかし、この間に利用されてきた価値がある建物が更に自治体で使われているということですから、この金額が少ないということを皆さんは徹底的に批判されて、それでこたえ切れずに全部売るということになったわけですけれども、私は、これはこんなもんなんだろうと、私、個人的には思っております。
 問題は右側ですよね。機構が土地、建物を所有する大型施設、ハイツの八施設と中野サンプラザとスパウザ小田原、これが土地も建物もともに機構の所有ですから、今これから皆さんが売り払ってしまおうと思っておられる施設と同じ類型に入るわけです。六百十億円の建設費用で譲渡収入九十三億円、おお、結構戻ってきたじゃないかと、こう思われるのかもしれませんが、いつも問題になりましたスパウザ小田原、四百四十億円で八億円しか戻ってこなかったと、こう言われますが、九十三億円の大方どこから来たかというと、中野サンプラザの五十二億円なんですよね。だから、申し上げているように、どうしても保険料として戻したいとおっしゃっておられる方たちからすれば、厚生年金会館、国民年金会館のその土地というものがどうなっていくのかという話に集約されていくんじゃないのかなというふうに思うわけです。
 そういう意味で、施設類型とか個々の施設ごとにしっかりと見ていって、この施設はもうなかなか老朽化しているのでこのままでは無理だなと思うような施設、あるいは老人ホームの皆さん方であれば入居期間は三年ですから、それぞれに移っていただいて、その老人ホームについてはこう考える、あるいは保養所の部分はかねてから言われていたところですから、ここはこういう処分形態にするというふうに考えてくると、そんなに大騒ぎをしなければいけない話ではないと私などは思うわけです。皆さんと主張が違いますので、私の思いだけ聞いていていただければと思いますが。
 こういうふうに今後施設運営の方針がどうなるのかよく分からないという中で、廃止するんだという方針だけがこう出てきますと、施設を運営している側としては極めて不安定な状態に追い込まれる。修繕していいのかどうかが分からない、これから先、先行して宿泊の予約を受け付けていいのかすらも分からない、職員の士気は下がるということですから、私は、この廃止廃止というふうに打ち出されたということについての与党の罪、あるいは厚生省の罪というのは極めて重たいと思っております。いずれにしても、整理合理化に関して新しい独行法人が要るというふうには私にはどう考えても思えなかったんで、こういう御指摘を申し上げました。
 で、委託契約が終了するということについて御説明をいただきたいと思います。
 今回のこの方針によって社会保険庁と運営委託先法人との運営委託契約は終了すると考えております。社会保険庁と委託先の全国団体との契約書によれば、先ほど御説明しました施設類型ごとに特別会計を設けること、利益金がある場合はその半分を積み立てるとともに、欠損金との相殺を行って契約終了時にはその累積利益金は社会保険庁に引き渡すこととなっております。都道府県の財団との個々の契約でも、特別会計を清算し、残余財産を社会保険庁に引き渡すとなっております。この点について、しっかりと履行されると考えてよろしいのでしょうか。御答弁ください。
○政府参考人(青柳親房君) 独立行政法人の設置後におきましては、現在の委託先公益法人と独立行政法人との間で委託契約を締結して、その譲渡が最終的にされるまでの間の運営を引き続き委託するということにしております。
 その契約内容につきましては、現在国が各委託先の公益法人と締結をしている契約内容を基本として契約を結ぶということとしております。その際、委託先公益法人の剰余金、場合によっては欠損金が生じている場合もありますが、これらにつきましては引き続き委託先の公益法人において管理をさせるということを現在考えております。このような取扱いによりまして、剰余金につきましては、施設の売却が完了し、委託契約が解除された時点で独立行政法人に引き渡されることとなります。
 また、この剰余金は、最終的に五年たちまして独立行政法人が解散したときには、施設の譲渡益と合わせて国に引き渡されることになると考えております。
○山本孝史君 今の御説明ですと、今ある契約では、契約が切れた時点で、すなわち社会保険庁と各法人との間の契約が終了した時点で特別会計清算して損益は社会保険庁に渡すと、こうなっているわけですが、青柳部長の今の御説明はそうではなくて、契約は終了するが新たに独行法人と社会保険庁の間で同じ内容の契約を結んで、そのまま累積の欠損金あるいは利益金あるいは積立金は移行すると、こういう御説明なんですね。
○政府参考人(青柳親房君) 委員の御理由のとおりでございます。
 かような扱いをしておりますことの一つの理解は、この剰余金につきましては、現在、私どもの方で、保険料を年金給付あるいはこれに関係するもの以外には充てないという方針の下に、施設整備費という形での支出負担をしておりません。
 したがいまして、当面、最終的な譲渡、売却がされるまでの間に必要な最小限の、例えば施設の修繕でございますとか緊急的な対応といったようなもの、これらについてはすべてこの剰余金から賄う必要があるというふうに考えるからでございます。
○山本孝史君 いや、だから、今ある委託契約が終了して本当は新しい契約を結ぶはずなのに、その契約内容を変えて、そのまま社会保険庁が独行法人に変わるだけだということですから、それはおかしいのではないかと、こう申し上げているわけです。
 厚生年金事業振興団との契約書を見ますと、それぞれの施設類型ごとに特別会計を設けて、そして利益金があれば二分の一は積立金にする、累積金が損金になればその積立金からつぶしますという形になっているわけですね。
 厚生年金事業振興団は、たくさんな施設類型を一つの会計で、特別管理会計を持ってその間で、会計間で赤字黒字をやり取りをしておりますので、これも何か変な仕組みにしてあるなと、こう思いますけれども、各都道府県単位の協会さんと結んでおられる契約は個々契約ですから、一つ一つの。そこには一つの施設しか持っておられないわけですよね。その施設会計で、これ契約がなくなるということであれば、そこに黒字が残っていればそれは社会保険庁に戻ってくる、しかし赤字であればその赤字は今の御説明だと同じように社会保険庁に戻ってくる、あっ、今度の独行法人に戻ってくるというふうに聞こえるんですが、そう理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 赤字を現在持っているような法人の取扱いをどうするかという点については、先ほど委員からもお尋ねがございましたけれども、どのようなものを独法に出資するか、独法に出資する前に国がその売却を行うかということにもかかわってこようかと存じます。
 したがいまして、私どもは基本的に、例えば赤字、損益の生じているような例えば今お尋ねのありましたような施設については、極力これを独法に言わば出資する前に譲渡、売却をするという方向で臨むべきかというふうに考えております。
○山本孝史君 そうすると、各都道府県の国民年金福祉協会あるいは社会保険協会と結んでおられる委託契約が終了する、そのときにその会計上で赤字がある、すなわち運営先の運営団体の運営がうまくいかなくて赤字が残っている、しかしその施設はもうこれから先赤字だから仕方がないので今回は十月一日前に売却をする、しかし売却益は、それは建物の売却益があったとすれば、それは独行法人の方に戻ってくる、そこに、施設の運営をしてきたことに伴う赤字だけがその財団法人に残る。こういう図式になるわけですね。
○政府参考人(青柳親房君) 十月一日前に譲渡、売却したものについては、これは国の特別会計の方にお金が戻ってくるということになります。その際の赤字の取扱いにつきましては、これはそれぞれの公益法人が責任を持って処理をするというのが元々の大原則でもございますので、その大原則に沿って、すなわち独法の出資のいかんにかかわらず、事業の終了に伴うところの処理をするという考えで対処してまいるところでございます。
○山本孝史君 各法人において発生している赤字については、建物、土地の売却にかかわらず、その法人の中で処理をしてくれと、こうおっしゃっておられるわけです。
 先ほど申し上げましたように、厚生年金事業振興団の会計処理は、各特別会計で赤字が出ても、それは黒字で埋めるという形になっていますので、武見先生御指摘のとおりに、厚生年金病院の運営で出てきた黒字で施設運営の赤字を埋めるという形になっているわけですね。私の理解でよろしいですよね。
○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金の施設の中で申し上げれば、病院は委員御指摘のように確かに黒字ということでございます。それから、そのほかのいわゆる宿泊施設等については、施設によって黒字の部分、赤字の部分ございますが、厚生年金振興事業団全体としては黒字になっておりますので、結果としてはおっしゃったようなお金の流れが生じているというふうに理解できるかと存じます。
○山本孝史君 この会計処理が非常に不透明になっているわけですよね。それで、個々の、各都道府県単位の一つの施設類型だけを預かっておられる協会さんだったりしますと、それはその赤字を埋め戻しをするような会計を持っていないし、その間に流用するということはない。
 私、いつも社会保険庁のこの説明を聞いていて不思議に思いますのは、厚生年金勘定と健康保険勘定、あるいは国民年金と厚生年金、それぞれ分かれているはずなのに、この会計の間でお金がかなり勝手にやり取りをされているわけですよね。今のお話を聞いても、特別会計をなぜつくるのか。それは、その特別会計の中できっちりとやってくださいということで特別会計をつくるんです、でないと国から委託費はもらえませんから。
 国から出てくる委託費はこの事業をするために委託費を出しているのですから、その事業のためだけに特別会計をつくってください、それはほかの会計とは流用してはいけませんというのが国の私は基本方針だと思っておるんですが、この厚生年金事業振興団のこの会計間での流用ができるという規定は、どういう発想の中でこれは出てきているんですか。
○政府参考人(青柳親房君) これは実は、国と事業団の間の委託契約の中で、福祉施設の効率的かつ安定的な経営に資するために各会計間の調整及び共同事業を実施するための管理特別会計を設けることができるといったような規定を根拠におっしゃるようなことが行われているわけでございますが、まあこれは契約の問題でございますので、それの背景となる言わば実体法上の考え方はどのようなものになるかというお尋ねかと存じます。
 これは一つには、厚生保険特別会計という特別会計法の中で年金勘定という勘定を区分して、この中で支出されているものについては、いずれも厚生年金保険法の同一の条文の規定に基づくところの福祉施設事業として実施されているという点がございますので、この点は特段の問題はないかと存じておる次第でございます。
○山本孝史君 ここはこれまでやってきたことですから、私が素朴に受け止めておかしいという部分と、問題ないとおっしゃる青柳部長との間でやり取りをしても仕方がないのかもしれませんけれども。
 しかし、今御説明がありましたように、各都道府県単位の協会さんの中で運営の過程で出てきた累積欠損金については、その財団が責任を持って処理しろと、こう言っている。しかし、厚生年金事業振興団のように、あるいはほかの委託法人もそうなのかもしれませんが、会計間の流用ができるというような、あるいは特別管理会計を持っているというようなことをしておりますと、そこで赤字が生まれても、それは別にその法人のほかの会計で処理されるということですから、各都道府県単位の財団さんの対応と大分違うなと、こう私など思うんですね。
 申し上げたいことは、その会計上で生まれてきた利益というものがあるのであれば、その類型が廃止されたときのその利益はやっぱり国にまず戻していただきたいというふうに思います。それをほかの会計の、勝手に赤字の部分のどうこうする、あるいは積立金、退職金等々含めて、財団の中で、その廃止に伴って出てくる黒字の部分、あるいはこれから会計処理をしながら勝手に財団の中で留保金をたくさん上げていくということのないようなしっかりとした監督をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) いずれにいたしましても、出資後は独立行政法人が一義的にこの公益法人と委託契約を結び、そこで事業の終了後に生じた剰余金は独立行政法人の方に移換をされまして、独立行政法人が必要な売却、譲渡のための事業に充てるということになるわけでございます。そして最終的に、この独立行政法人が五年たった段階で事業を終了するときには国に戻ってくるということでございますので、私ども、このようなやり方がある意味では最も合理的なやり方ではないかというふうに考える次第でございます。
○山本孝史君 合理的であるか合理的でないかというのは、きちんとその過程を私たちの方に示していただきたい。決算報告書等々でこんなふうにしましたという報告を出すのではなくて、十月一日の前の時点で、この間にこれだけのものをこう処分しましたとか、あるいはこういう判断でこうしましたとかということを、事業計画上では独行法人ですと一年に一回きちんと報告するということになっておりますけれども、そういう法律上の規定での報告ではなくて、国会の側に、自発的にでも結構ですので、きちんとその処理がどう進んできているのかということについての報告をしていただきたい。少なくともこの委員会に対してはしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 国会のお求めとあれば私どもそのように対応させていただきますが、ただ、お求めがなかったとしても、私どもとしては、この独立行政法人に出資をする状況を含めて、情報の公開というものをこの事業については実施をしていきたいと考えておりますので、その意味では、お求めのいかんにかかわらず、私どもとして適切に対応させていただきたいと考えております。
○山本孝史君 しつこく求めていきますので、よろしくお願いします。
 自治体へなぜ優先譲渡ということをしないのかということについてお尋ねしたいと思います。
 能力開発機構が土地や建物を所有する施設の譲渡に当たっての方針は、地元の地方公共団体の要望を受けて施設を整備してきた経緯もあることから、まずは地方公共団体に譲受けの意向を聞き、その意向がない場合には民間に対して公募型競争入札により譲渡することとしているというものでした。
 年金や健康保険を財源とする今回の社会福祉施設の整理に当たっては、私は当初は自治体への優先譲渡を考えておられたのではないかと思っておりますけれども、整理計画にはこの文言はございません。なぜなんでしょうか。また、自治体への優先譲渡ということについてはお考えにならないのでしょうか、お尋ねをします。
○政府参考人(青柳親房君) 国が国有財産を処分いたします場合には、通例といたしまして、その国有財産の設置されております地方自治体等にその購入あるいは利活用についていろいろ意見を伺うという通例があるということは私ども承知をしております。
 しかしながら、今般、この年金福祉施設の譲渡に際しましては、地方自治体への優先譲渡など、言わばあらかじめ譲渡先についての制限を設けることなく年金資金等への損失の最小化を図るという考え方に立ちまして、あくまでも不動産鑑定の手法に基づく適正な価格を予定価格として定めた上で原則一般競争契約により譲渡することとしておりますので、自治体にもし御要望があればそういった一般競争契約の中に参加していただくというような形で対応していただきたいと考えております。
○山本孝史君 いやいや、だから、私が聞いているのは、能力開発機構が土地、建物ともに持っていた施設の譲渡については自治体に優先的に譲渡するということを考えたじゃないかと、今度はなぜそれを考えないんですかと、こうお尋ねをしているのです。
○政府参考人(青柳親房君) 能力開発機構の今お尋ねが出ましたが、私ども承知しておる限りでは、いわゆる公募型の競争入札という形のやり方でこの譲渡をされたというふうには承知しております。
 しかしながら、私ども、今回の年金福祉施設の譲渡、売却に当たりましては、あくまでも年金資金等の損失を最小とする観点に立ちまして、不動産鑑定の手法に基づき適正な価格の設定に努める、その上で公正で適正な譲渡を行う観点から一般競争入札契約によるという大原則を貫かせていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○山本孝史君 それでは、先ほど言い忘れましたけれども、その各委託先法人の損益の状況と、会計上でどうなっているのか、積立金がどうなっているのかというものの、各年度をまたいで、ひとつ表にして後でお出しをいただきたい。私が当初御要求しました資料をきちっとお出しをしていただきたいと思います。
 と申し上げますのは、会計処理をこれからしておられる中で、突如として累積欠損金が増えているような団体もあるように見受けますので、そういったところの状態も含めて、委託契約上にきちんと載っているその施設類型別の欠損金あるいは利益金、積立金、それぞれの状況についてしっかりとした表をお出しをいただきたいということが一つ。
 それから、今の私の質問に対して、能開機構が持っていた施設の処分についても自治体の意向は余り聞かなかったと、こうおっしゃいましたので、ハイツの八施設とスパウザ小田原とサンプラザ中野、この部分について自治体の御意向というものを聞かれなかったのか、聞かれたのか。聞かれた結果としてそれは受けなかったということなのか。その点について、もしお分かりでしたら御答弁いただきたいですし、今お手元資料がなければ後できっちりとした資料でお出しをいただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 個別施設ごとにどのようであったかということについては改めて資料を整理した上で御提出をさせていただきたいと思いますが、あくまでも能開機構の処分の仕方については、施設の利活用方法というものを応募者が提案をして、これを審査した上で選定をすると。そして、選定された応募者で最低売却価格を提示した上で競争入札を行うという方法でございますので、この利活用方法についての提案等に自治体が加わったということは十分に考えられようかと思います。
 いずれにしろ、詳しい内容については改めて資料をお出しさせていただきたいと思います。
○山本孝史君 そうすると、中野サンプラザはもう中野区がかなりその引受けについてかかわりを持たれて、最終的には中野区ではなくて株式会社でしたかしら、が受けておられたと思いますけれども、今の御説明にありました、提案型とおっしゃった公募型の競争入札というものと、今厚生省が出してくださる資料の一般競争入札と、こうなっておりますこの表現が私には一緒なのか違うのなのかよく分かりませんので、今度の施設についても前者でおっしゃいました公募型の競争入札という形をお取りになるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 私どもの考えております一般競争入札につきましては、あくまでもまずは不動産鑑定の手法に基づいて適切な価格の設定というものを努めます。この場合には、原則として施設の利活用をどうするのかとか、用途をどうするかということについては考えない。そこで適正な価格の設定を努めた上で、公正で適正な譲渡を行う観点からの一般競争入札に付すということでございます。
 ただし、午前中以来話題の出ております病院の取扱いでございますとか老人ホームの取扱い、その他幾つかの施設については、例えば用途を、一定期間のその用途を限定をするというような条件を付すことが適切なものもございますので、こういったものは例外でございますが、それ以外は今申し上げたように用途等を限定せずに一般競争入札に付すということを考えております。
○山本孝史君 病院の話は別ですから。
 だから、申し上げましたように、皆さんがお作りになった資料の中で、公募型の競争入札というものは、まず利用提案書を提出してもらって、先ほどもそのようなことをおっしゃいましたけれども、利用提案書を提出してもらって施設の有効利用等の観点から審査を行って、入札参加資格を認めた者の中で入札を行い、最高価格を入札した者に売却するということが公募型の競争入札。もし定義が違っていたんだったらおっしゃっていただければいいと思いますが、これが公募型の競争入札だとすれば、今の青柳部長の御説明は、いや、そうではないと、用途は考えないんだと、一番高く指し値した者に売るんだと言っておられるわけですから、能開機構がお取りになった公募型競争入札ではなくて一般競争入札という違う形でのものになるんですねということの確認です。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまの委員の御説明のとおりでございます。
○山本孝史君 たまには大臣に聞かないと、大臣眠たくなって失礼でしょうから。
 自治体への優先譲渡というのはなぜやらないんですか。この今の国民年金福祉協会等も地元の首長さんたちが理事になっておられます。地元が施設の誘致をしたということもあるし、建設に協力をしたということもある。大概、国民年金福祉協会は、ほとんど理事は地元の市長さん等々がなっておられると私は思いますけれども、そういう地元の中で生かされている施設も、地元の意向を聞くことなく一般競争入札でできるだけ高い者に売るんだという考え方は本当に正しいんでしょうか。能開機構がやったこととは違うことをやろうとしているわけですから、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今の御質問にお答えする前に、先ほど私が申し上げたことで誤解があってはいけないと思いますので、そのことだけ改めて申し上げておきたいと存じます。
 私、売却することがおかしい、私自身の意見として反対だと思いながらこの法案を出したつもりもありませんし、先ほど申し上げたのは、当時、何となく問答無用みたいな議論をしてしまったことに対する私の反省を申し上げたつもりでありますので、そのように御理解いただきたいと存じます。
 それでは、ただいまの御質問でございます。
 今、私どもが考えておりますのは、申し上げておりますように、年金資金等への損失を最小化できるように努力をしてまいりたい、このことを申し上げております。ですから、できるだけ高く売りたい、まあこれが基本だということでございます。
 その基本的な考え方の中で、では地方自治体に優先してもいいじゃないかということと、どうなるんだという御質問でございますけれども、施設の売却に当たっては、まずは地方自治体にその意向を確認した上で売却を進めていく、また進めてきたものだと、こういうふうに承知をいたしております。
 したがって、高く売りたいということと、それからまずは地方自治体の意向を確認すると、この二つの組合せでやってきたということをお答えを申し上げます。
○山本孝史君 地方自治体の意向を聞くっていったって、こっちは売るって決めているんだから、意向を聞こうが聞くまいが関係ないじゃないですか、その御答弁は。そういう話じゃないでしょう。
 いずれにしても、三月の各地の理事会は大紛糾だったそうです。皆さん方からの説明がないままに、三月理事会で今年度の予算理事会やっているんだから。その中で、この施設どうなるんだろうなあというきっちりした説明ができないままに、各財団は皆さん理事会開かれたと思いますので、余りにも一方的な話だと思いますけれども。
 それで、これまでに廃止したその施設について、一体どこに売ったんですかとこうお尋ねしましたら、売却先は明らかにできないんだってこうおっしゃるんです。一般競争入札で何になるか分からないというふうに、こうみんなが不安に思っている。私たちのこの保険料で造られた貴重な施設が売却された末にどういう施設になっていくのかということについて、今既に売り払われている施設が一体どこに売られたのかということについて明らかにすべきではないかと、こう申し上げましたら、それは情報公開できないんだとこうおっしゃるわけです。
 じゃどこに売っていったのか、今後ともに皆さんは明らかにされない。これはやはりおかしいんじゃないかと思いますので、この施設についてどこに売ったのかということを分かるような資料をお出しをいただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 例えば具体的な会社の名前とか、こういったことはちょっと様々な意味で差し障りがあるかもしれませんが、例えば地方自治体に売ったのか、あるいは営利法人であったのか、こういったぐらいのことは少し分かるような資料のやり方を工夫させていただきたいと思います。
○山本孝史君 そんな営利法人なんていう話じゃない。これ、だから、医療法人だとか民間法人だとかって書いてあるからね。
 これまでのグリーンピアだって、それぞれのところはどこに売りました、高知だったら明徳に売りました。能開機構さんのその株式会社に売ったところも全部一応公開していただいているんですよ、どこが買いましたって。
 何で、これから先、私たちの貴重な年金保険料、健康保険料から投入されて造られたものが、一般競争入札でこれ、申し上げているように公募型だったらまだしもですよ、一般競争入札でとにかく高いところに売ろうって、いつから厚生省はそんな不動産屋になったんだと、あんたたちはゼネコンかと、私などは思いますけれども、とにかく高く売ろうというんだったら、一体今までの施設がどこに売られたのかということで、これから先どこに売られていくだろうかということを考えないことには、国民としては予測の立てようがないじゃないですか。このことの公開が、なぜ公開できないんですか。あんまりそのような、本当、あんまり乱暴なことはやめてください。
○政府参考人(青柳親房君) これまで御指摘のような取扱いをしておりましたことの一つの理由といたしまして、「国有財産の売払結果の公表について」という平成十一年の、当時大蔵省、現在財務省の通知に基づくところの取扱いということが根拠のようでございます。
 この中では、売払い相手方の法人名については公表することとされていないということから、差し控えさせていただいているというのが今の取扱いでございますが、いずれにいたしましても、私どもも、様々な方面の問題点、突き合わせた上で、何をどこまで公表することが可能かと、そういう意味で支障がなければ可能な限り公表したいというふうに私どもも考えておりますので、この点については、財務省への問い合わせも含めてきちんとした調整をさせていただきたいというふうに考えております。
○山本孝史君 都合のいいところだけ財務省って言わないで、自分たちが運営委託してきた施設をどうするかという話をしているんだから、それはきちんと皆さんの説明で責任でやっていただきたいと思います。
 残り十五分、社会保険協会のことについてお尋ねをしたいと思います。
 今日、お配りをし、あの二つの資料をお配りをさせていただきました。四十七の都道府県に社会保険協会がございます。財務の状況と事業の概要を一覧にしていただきました。
 基本財産が二千円とか千円とかというのがあるのは不思議な気がしましたけれども、昔につくられた財団はそう言われればそうだったなと思いますが、その後の基本財産をきっちり積んでこなかったような運営というのはいかがなものかと思いましたが、それは横に置いておいて、健診事業は十四の都府県でやっております。真ん中のところに丸印が付いているのが健診事業の実施機関であります。
 その健診事業をやっております社会保険協会の内部留保金を照らし合わせて見ていただきますと、健診事業をやっていない県に比べて、このやっております県の内部留保金はけた違いに多くなっております。
 健診事業を行っていない社会保険協会の収入は何かと尋ねましたら、二割が会費収入で、六割が社会保険センターなどの施設運営による事業収入だそうです。その事業は、先ほど来御指摘がありますように、健康増進や生きがいに関する講座の受講収入、委託された施設の利用料収入、保養所の入所費、飲食・売店収入等々だそうでございます。
 社会保険協会は、次のページにありますように、加入率がそれぞれでございまして、八〇%以上を超えているところがかなり多い。この点については衆議院で我が党の内山議員あるいは長妻議員等々が指摘をしているところでございますけれども、要は会費収入で、私の事務所にも送ってきましたけれども、会費御協力くださいとこう書いてあるわけですけれども、確かに強制等はない、任意に加入しますと。しかし、御協力くださいとこう書いてありますので、八割の人たちが払っているというのはかなり強制力が強いんだなと、こう思いますけれども、しかしながら、その会費収入を一方で収入として持ちながら健診事業はやっていない。
 先ほど来から健康増進や生きがいづくりの委託費用も出さないということになってくると、私はさっきと同じ質問なんですが、一体この社会保険協会は、健診事業をやっていない社会保険協会はこれから何で生き残っていこうとするんだろうか。財団法人という一つの生き物ですから、収入がなくなってくる、事業の道を閉ざされるとなれば、当然ほかに事業の道を探し出そうともがくのが当たり前だと思っているので、そういう点について一体どういうふうにお考えになっておられるのかということをまずお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまもお尋ねの中でございましたように、都道府県の社会保険協会、健康保険や厚生年金の被保険者の健康及び福祉の増進を目的といたしまして設立されている公益法人でございます。
 お尋ねの中でもございましたが、施設の受託運営の廃止とか健康づくり事業等の委託内容の見直しによりまして、国の委託事業がなくなった場合ということについてのどのように事業を行っていくのかというお尋ねでございますが、これは、都道府県の社会保険協会、まず収入の方は会費収入という形でそれなりのものがございます。したがいまして、この会費収入に基づきまして独自に被保険者の福祉増進あるいは健康保持増進に関する事業を行う、また、この社会保険協会の設立の元々の大きな目的でありました社会保険制度の普及、発展に寄与する事業、こういったことを引き続き行っていくものというふうに承知をしております。
○山本孝史君 それは先ほどの答弁と御一緒なんですけれどもね。
 じゃもう一つ聞いてから聞きます。
 その健康づくり事業は、平成十七年度以降は地方の社会保険事務局が実施をし、事業を委託する場合は公募によるという、こういう方針だそうです。すなわち、十六年度までは社会保険庁の方からこの健康づくり事業として各受託団体に委託費を払っていたわけですが、今年はもうそれはやらないんだということですが、代わりにその地方の社会保険事務局がその健康づくり事業を実施して、事業を委託する場合は公募による。したがって、今までやってきた団体もその中に入るのかもしれませんけれども、こういうスキームに変えられたということはどういうお考えでなさっておられるのでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 政管健保は、事業といたしまして、従前から健診事業のほかにも、保健、ヘルスの事業といたしまして、被保険者の健康の保持増進を図ることを目的とした、被保険者を対象とする健康相談や健康教育という、言わば健康づくり事業を実施してまいりました。
 これらの事業につきましては、ただいまお尋ねの中にもございましたが、平成十六年度までは、全国を通じて一定水準の事業内容を確保するというような観点から、社会保険庁から直接、保健師等を有する各都道府県社会保険協会に委託をして実施するというやり方をしておりまして、各地方の社会保険事務局からもこれに言わば上乗せして、それぞれの実情に応じた保健事業を委託するというような仕組みを取ってまいったわけでございます。
 しかしながら、平成十七年度からは、より効果的な保健事業を推進するという観点からは、これらの事業を地域の実情に応じた保健事業に統一をすると。何か国から、中央から一本でいくものと地方事務局がやるものと、というような二本立てではなく、一本の事業として統一をするということにいたしまして、各都道府県に設置されます保険者協議会、これと共同して実施をするか、あるいは地方社会保険事務局が自らこの事業を実施するというように切替えをさせていただいたわけでございます。
 なお、事務局が自ら事業を実施する場合にも、これ、保健師等を有する事業者に委託して行うことも可能であるというふうにしておりますので、この委託先の選定に当たりましては、公平性や透明性を確保するという観点から、お尋ねの中にありましたように、委託先を広く比較競争や一般競争入札により公募するというやり方も取ろうというふうに考えているところでございます。
○山本孝史君 念のためですけれども、この社会保険事務局が行う健康づくり事業の費用というのは、これは年金等々の保険料ではありませんよね。
○政府参考人(青柳親房君) これは政管健保の保健事業ということでございますので、従来から政管健保で使っておりました保険料を財源とするものでございます。
○山本孝史君 今度の騒動の一つの、何といいましょうか、ひょうたんからこまだった話は年金保険料の話だったんだけれども、健康保険の財源から使っている事業についても同様に見直しをするということだったと思います。
 健康づくりという事業が、心身の健康保持の増進、成人病予防健診の普及推進に必要な事業と言っているにもかかわらず、なぜこの事業に年金の保険料が使われてきたのかというのは、極めて私は、制度共通とおっしゃっている部分が、まあ要はあいまいなことをしながら年金の保険料を使ってきたんだなと、こう思いますが、今度は年金ではなくて健康保険財源からこの健康づくり事業をやろうということになる。いずれにしたって保険料から使うわけですよね。保険料は投入しないんだとおっしゃっているんだけれども、ここはこのままで続いていくと。
 それで、今の御説明で、この健康づくりの事業がそれぞれ都道府県単位に分かれてくるものですから、それを先取りするような形で地方の社会保険事務局が健康保険の財源を使って健康づくり事業を行う、こういうことだと思いますけれども、辻さんがいつも御指摘されるように、地方の事務局は今度の監修料問題でも、あるいは様々の、何といいましょうか、汚点の舞台になったようなところですので、この事業がしっかりやられるかどうかというところは引き続き見ていただきたいと思っております。
 で、健康保険料の財源を使っての健康づくり事業というものの在り方というものもしっかり見直しをしていかなければいけないと思うんですね。何か知らないパンフレットを作る、それだけで委託事業を受けている。実態は、その委託事業を受けることが、その職員の人件費に変わっているというのが私は大半の姿だと思いますので、今回は申し上げましたように年金保険料からスタートした話ですけれども、健康保険財源を使って行っている福祉事業というものについても見直しが必要だと思います。
 それで、健診をしておられる先ほど申し上げました十四の都府県の社会保険協会の資産状況、極めて優良なんですよね。一番いいのはやっぱり東京でして、二十七億九千二百九十二万円の内部留保金を持っておられる。大臣、御存じでしょうか、新宿に大変立派な自社ビルを持っておられます。収入の九割までが健診事業です、この東京都の社会保険協会さんは。行政委託型の公益法人あるいは官製公益法人の在り方というのが常に言われてきたわけで、ここは常に典型的なものだと、こう言われてきたわけです。
 健診をやっているところだけがこんなに内部留保金があるということは、素朴に考えて、健診事業というのはもうかるんですか。大臣、いかがですか、どう思われますか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま御指摘のございました政管健保の健診事業でございますけれども、歴史が古くて、昭和三十九年から事業が開始されておりまして、当初は社会保険病院とかお尋ねのございました社会保険診療所、こういったところを中心に実施をしておりまして、政管健保の健診事業の中心的な役割を果たしてきたということは間違いないかと思います。
 このような流れの中で、東京においても、東京社会保険協会の運営する社会保険診療所が健診の拡大に一定の役割を果たしてきたと同時に、その拡大に伴ってそれなりの収益を上げてきたということも御指摘のとおりかと存じます。
 ただ、近年は、健診の実施機関の充実に伴いまして民間の医療機関への委託も順次拡大しておりまして、被保険者の利便性を図るという観点からも、今回の整理合理化を契機に、更に適切な事業運営となるように対応してまいりたいとこの問題については考えております。
○山本孝史君 だから大臣にお聞きしたんです、健診事業というのはもうかるんですかって。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今の説明聞いておりますと、もうかるという表現がいいのかどうかは分かりませんが、健診事業をやってそれなりの金を残しておるわけでありますから、もうかるという表現を使えばもうかるのかなというふうに思いながら聞いておりました。
○山本孝史君 こういう質問をすると朝日先生から横から怒られるので、私の真意をちゃんと伝えておかなければいけないと思いますが、健康増進、今度の介護保険もそうですけれども、健康増進をやっていこう、あるいは健診皆体制を取ろう、皆保険体制と同様に健診も皆保険体制を取ろう、それで医療費のひとつ抑制にこれを役立てていこうと、こうおっしゃっているわけですよね。だから、その健診の体制をどう取っていくというのが非常に重要で、これ十四の施設だけがやっておられますが、先ほどの御質問、武見先生の御質問もありましたけれども、いろんな施設がやっているわけですよね。社会保険庁がその健診をそれぞれの病院と契約してやってもらっているわけですが、こういう状況を見ますと、もうかるという表現は妥当でないかもしれませんけれども、本当に健診というのは適正な価格で行われているんだろうか、その結果は正しいんだろうかということをやっぱり考えざるを得ないような表なんだなと、こう思っていたわけです。
 右側見ていただくと、それぞれ施設の運営も委託されているわけですが、健診事業で、この社会保険協会さんについては会計は流用されていませんので、と私は理解しておりますので、こちらの施設運営で出てくる赤字は施設運営の赤字として何とか処理をされる、あるいはこっち側で留保金を持っておられる。先ほどの御説明で、もしこっちが赤字だったとすればこれがこの内部留保金で補てんされるのかどうかというようなことで、各施設類型ごとに、各団体ごとにしっかり見定めをしていかなければいけないんだということを繰り返し私は申し上げているわけです。
 質問の最後になりますので、今の健診の話ですけれども、申し上げましたように、うちの事業所も社会保険を適用しておりますので、事業所って私の事務所ですけれども、適用しておりますので、社会保険の健康事業財団から各都道府県の社会保険事務局との連名で生活習慣病予防健診の案内が送られてまいります。しかしながら、案内のパンフレットには、健診事業は予算の範囲内で行っている事業です、予定人員に達すると健診ができない場合がありますと、こう書いてあるわけです。確かにこれは委託費としての健診事業の金額は決まっていますので、各団体ごとに、団体というか、支部単位で行われる健診人員には限りがあるんですね。早く申し込んだ人は受けられるけれども遅く申し込むと受けられない、あるいは毎年受けておられる方たちは予定数として多分カウントされているんでしょうから、その方たちは受けられるけれども、そうでない方たちは受けられないという形になっているわけです。
 健診の皆体制を取ろうというときに、ここはもう一遍考えてみる必要性があるのではないだろうか。そもそもこの事業団に申し込まなければいけないのかどうかということもありますけれども、こういう予算の立て方あるいは事業団への委託の仕方というものについて、大臣、御所見があったらお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のとおりに、財源の制限もございまして、希望者全員に受診していただくのは難しい状況に今日ございます。そうした中で、今単価のお話もありましたけれども、平成十七年度におきましても、健診単価の引下げを行いまして受診者数の増加を図るように措置したところではございます。しかし、まだ十分ではございませんので、今後、今の御指摘等も踏まえまして健診の充実には取り組んでまいらなきゃならないと考えます。
○山本孝史君 時間になったんで終わりますけど、健診をどうするのか、そのときにこの財団をどう位置付けるのかということについてもう一度考えを整理してお示しをいただきたいということをお願いして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) お答えは要りませんね。
○山本孝史君 結構です。どうせ同じ答えですから。
○委員長(岸宏一君) 答弁は結構だそうです。
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。どうぞよろしくお願いいたします。
 午前中から審議をいろいろ耳にしていて、改めて、新しく独立行政法人をつくることが果たしていいのかどうなのか、いま一度厚生労働省、社会保険庁の中で検討すべきではないのかなと、幾つも問題点が出てきたように思います。
 その部分含めてお伺いさせていただきたいんですが、まず、大臣に冒頭に確認をさせていただきます。独法をつくって福祉施設を売却する際の基本原則、その中でも一番大切なものは何かということを端的にお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) この法律でお願いしておりますように、五年間で施設を売却しますということを言っておりますから、まずきっちりと五年間で売却を済ますということが一番肝心なことだろうというふうに思います。そしてその上で、先ほど申し上げましたように、年金の資金に対して損失をできるだけ小さくするということを申し上げておりますから、まあ平たい言葉で言えばできるだけ高く売ることだ、こういうふうに考えております。
○蓮舫君 できるだけ高く五年間で三百二十八か所の施設を売ると。これ、何をもって確信をされているのか。五年間で三百二十八か所をできるだけ高く売ると自信を持って大臣はおっしゃっているんだと思いますけれども、その自信の根拠は何ですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 自信の根拠と言われて何とお答えしていいのかよく分かりませんが、とにかく私どもは五年間で売るべくこの法律をお願いしておりますし、そしてそのための独立行政法人をつくるわけでございますから、これはもう五年間で売るしかない。まあそういう表現がいいのかどうか、とにかくもうその覚悟でやらせていただきますということを改めて申し上げます。
○蓮舫君 やはりその覚悟の裏に私どもが欲しいのは、あるいは国民に納得をしていただけるには、具体的な計画を出していただく、目で見て分かる、これなら安心かもしれない、これなら信用していいかもしれないと納得ができるような計画というものを出さなければいけないと思うんですが、三月三十一日に厚労省と社保庁さんが年金・健康保険福祉施設に係る整理合理化計画を提出されています。名前こそ福祉施設の整理合理化計画になっておりますけれども、この中、目的というのは、すなわち福祉施設の整理合理化は独法をつくってその独法が立てると、そういうふうになっているんですが、つまり、独立行政法人をつくったら、この独立行政法人が五年間でなるべく高く三百二十八か所を売り切るという、それだけの実行力があるかどうかというのは分からないわけですね、この計画だけでは。
 そこで、先ほどから再三御確認をさせていただいているんですが、具体的な計画は独法が作るから、この独法をつくる法律に賛成してくださいとおっしゃっているんですよ。でも、私、それ順番が違うと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 独立行政法人に対して私ども、ただいま委員の御質問の中に御指摘のございました整理合理化計画という大枠、さらに中期目標という形での大枠、こういったものを大臣の名前で提示をさせていただくということになっております。そのうち、現時点で五年間の整理合理化をどうやって進めるかということをお示ししたものが三月三十一日付けの整理合理化計画でございますので、この点、この計画だけではまだ必ずしも明らかにならないものがある。
 例えば、先ほど来話題に出ておりますが、出資する資産の総額について簿価ベースで八千九百億円というような金額は明らかになっておりますが、実際の譲渡に当たっての価格というのは、これを譲渡する際に不動産鑑定を改めて行ってこれを時価ベースに直さなければいけないというような作業は確かに残っているわけでございますが、ただ、いずれにいたしましても、どういう道筋をもってどのような考え方でこの整理合理化を進めていくのかということを現時点でお示しをしているものはこの整理合理化計画というふうにお受け止めいただければと思います。
○蓮舫君 いや、この整理合理化計画というのは、何度も確認をしますが、具体的に施設の資産とかこれだけで売れるとか一年ごとの計画とか、そういうものが一切なくて、それはすべて独法が決めるんだというものなので計画という名前には全く値しないと思いますが、じゃ、この三百二十八か所の福祉施設、どれだけ魅力的に売れる物件なのかをお聞きしたいと思うんですけれども、福祉施設の収支状況をまずお伺いしたいと思います。
 例えば、全国に二十一か所ある厚生年金会館の平成十四年度、十五年度の黒字、赤字それぞれの数、あるいは当期剰余合計額、お知らせください。
○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金会館についての平成十四年度の収支差は三千万円の黒字になっております。また、平成十五年度は逆に六千万円の赤字ということになっております。
 あくまでもこれは国有財産でございますので、いわゆる民間企業のような減価償却は行っておりませんから、その意味ではちょっとその分割り引いて今の数字をお受け止めいただきたいと存じます。
○蓮舫君 今御指摘したように、ならば国有財産の減価償却費をコスト負担として算出すると、平成十四年度、平成十五年度のそれぞれの収支はどのように変化しますか。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほどの繰り返しになりますが、国有財産でございますので民間企業のような減価償却は行っておりません。したがって、必ずしもこれが適切ではないということをお含みおきいただいた上で、仮に、耐用年数に基づきまして、それぞれの言わば定額法に基づくところの税法上の償却率を掛けてという一定の条件を付して減価償却後の収支を試算いたしますと、平成十四年度は残念ながら二十五億円の赤字になるというふうに私ども算出しているところでございます。
○蓮舫君 青柳部長、先ほどお伺いしたときに、平成十四年度、黒字は大体三千万円とおっしゃっていました。これ、国有財産の減価償却費を計算していないのでちょっと割り引いた額になっているとおっしゃいました。ちょっと割り引いた額を、国有財産の減価償却を入れて、いわゆる民間で言うフルコストで計算したら二十五億の赤字になると。ちょっと割り引くのちょっとというのは二十四億七千万円なんでしょうか。ちょっとお金の感覚違いませんか、いかがでしょう。こんなこと聞いてもあれですけれども。
○政府参考人(青柳親房君) 表現が不適切であったことをおわび申し上げます。
○蓮舫君 そう大して広げる話ではないので次に行きますが。
 で、国有財産として当然減価償却費はこれまで計算してこなくてもよかった。ただ、平成七年度から、午前中から再三様々な質疑がおありですけれども、政府から様々な御注文があって、将来的にはこの福祉施設の是非というのも見直されて、廃止、新規のみならず、今ある整理統合というような話も出てきた。その段階で、じゃ民間として、これまで国有財産で計算してきた福祉施設が成り立っていくのかどうかという議論は一回もこれまで社保庁の中ではなかったんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 残念ながら、この年金福祉施設につきましては、国が設置をいたしまして、その設置されたものの経営委託という形で各法人が運営をするということでございましたので、減価償却というものを算入した形の経営は行われておりませんでした。
 しかしながら、平成十六年度以降におきましては、それぞれの法人が年金からの、言わば保険料からの施設整備というものは行われないということを織り込んでそれぞれの運営を行っているところでございますので、後ればせながら、現在はそういう形の運営に移行しつつあるというふうに御理解いただきたいと存じます。
○蓮舫君 平成十六年度以降は整備費がなくて運営を各公益法人が支持していらっしゃるんだと思いますけど、先ほど言いました当期剰余合計額、平成十四年度と十五年度をお示しいただいたんですが、十四年分のフルコストを算出した額はいただきましたけど、十五年分は何でないんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほどの十四年度の額は、別にちょっとお求めがあった際に計算したものをそのまま使わせていただいたものでございますので、十五年度分については改めてちょっとこの計算をしておらないので、今直ちにはお示しできないというふうに御理解賜りたいと存じます。
○蓮舫君 確認してよろしいですか。私がお求めさせていただかなければ計算はしなかったんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほどの繰り返しになって大変恐縮でございますが、元々これはこういう減価償却というものを計算するということを前提に成り立っている制度ではございません。したがいまして、当然のことのように毎年度の決算数字についてこの減価償却を念頭に置いた計算というものを行うというルールになっておりませんので、残念ながら、たまたまお求めのあった部分については対応ができましたが、そういう毎年対応することになっておらないという点はお許しをいただきたいと存じます。
○蓮舫君 いや、ごめんなさい、ちょっと戸惑うんですけれども、つまり社会保険庁さん、ふだん何していらっしゃるんですか。
 例えば福祉還元事業に関するこれまでの分析、こういったものも含めてそれは検証会議に任せていると。今私が質問させていただいているように、これまでの福祉事業、各施設、これが民間に売却あるいは地方自治体に売却するときに、ほかの民間事業、民間施設とやり合っていけるのかどうかの体力もこれ計算していかないと、もし独法を仮につくって売却していったときに、当然勝てる施設というのは残らないわけです。であれば、どういうふうに魅力的に売るのか、付加価値というのを加味しなければいけないときに、その原点となるフルコストでの試算も計算もしていないというのは、これはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 施設を売却する場合に、譲渡、売却する場合のその価値というものと、それぞれの設備、施設を運用して出てくる収益というものの間には、その運営主体を変えた場合にその状況が変わるというようなこともございますので、直ちに現時点での運営状況をそのままにこの施設の価値として御評価いただくかどうかということについては様々な考え方があろうかと存じます。
 いずれにいたしましても、私ども、国有財産という観点からは資産という形での管理を適切に行ってきたつもりでございますので、そのように御理解賜れればと存じます。
○蓮舫君 いや、なかなかそのように御理解できません。国有財産をこれから独法をつくって売りたいと、その売った利益をいわゆる年金特別会計に戻したいと、そこまでは分かるんです。でも、年金資金への損失の最小化と、冒頭に大臣がお示しになった意気込みというのが社会保険庁さんからは全く感じられない。
 この独立行政法人をつくりまして、民間の知見を最大限活用すると書いてありますが、これはそのとおりでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 機構の理事長あるいは職員の重立った方々については民間からの登用を考えております。
○蓮舫君 民間の知見の知見というのは人材の登用だけですか。
○政府参考人(青柳親房君) まず民間からそういう理事長あるいは職員の方を登用すると同時に、その売却の方法等については、例えば売り方等について大幅にアウトソーシングをして業務委託というような形で、内からと外から、両方に民間の知見というものを活用していくことを考えております。
○蓮舫君 人材も売却方法も民間の知見を最大限活用するということは、社会保険庁には民間でいう知見がないという意味なのかなと理解をさせていただくんですが、この独法には理事長一人、あと何人の職員をお雇いになるんでしょうか。──四十一人じゃないですか。
○政府参考人(青柳親房君) 失礼しました。
 四十一名の職員を予定しております。
○蓮舫君 天下りはしないという確認を一度させていただいた上で、その上で、その理事長一人と四十一人、これどうやって人選を募るおつもりなんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 理事長につきましては、こういった法人の目的を適切に行うために、そういった法人の行う業務に関する知見を有し、また事務事業を適切かつ効率的に運営ができる方を、言わばこれから選ばせていただきたいというふうに考えております。
 それから、職員等につきましては、理事長を引き受けていただける方が決定してからよく御相談をしてということに基本的にはなろうかと思いますけれども、例えば民間の企業から出向していただくような方のケースもありましょうし、また在野におられる方をこの独立行政法人で新たに採用させていただくというようなケースもあろうかと考えております。
○蓮舫君 独法における運営経費の見込みという紙をいただいたんですが、この中で、五年間の経費総額が約三百億円、人件費は理事長以下四十一名で試算をして約二十億円。大体一人幾らぐらいの年収でお雇いになる予定なんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 個々の職員については若干ばらつきありますし、理事長については可能な限り、恐らく相当の報酬をお払いしてでもお見えいただかなきゃいけないだろうというふうには思っておりますが、そういったことをならして考えれば、一人当たりの単価として一千万円ぐらいということが一つの目安になろうかと考えております。
○蓮舫君 一人当たり一千万円の報酬だと、大体手取りは七割から八割、七百万から八百万の年収になると思いますが、この年収でかなり優秀な職員を四十一人雇うと。しかも、五年後には職がなくなると。五年間だけ働いてください、あなたの優秀なその能力を下さい、でも七百万から八百万ですよと。集まるんですか、四十一人。今、理事長には相当な報酬とおっしゃいましたけれども、私はここは、本当に優秀な人材を集めて、きっちりと高くこの三百二十八か所を売るというんであれば、それなりの報酬を出してやっていくやり方もあるんだと思いますけれども、すばらしい優秀が四十一人集まるという見通しはどうなんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 具体的な、どういう方にお声を掛けていくかということについては、先ほど申し上げましたように、理事長を引き受けていただける方が決まった段階でよく御相談をというふうに思っておりますが、いずれにしても、この独立行政法人のコストがやはり最小になるということも年金資金の損失を最小にするということの大事な一つの要素であろうというふうに考えておりますので、御懸念は大変によく理解できるところでございますが、私ども何とかそのコストを抑えるという観点から取り組ませていただきたいと考えております。
○蓮舫君 人件費の下にあるんですけれども、物件費等約四十億円、これどうやって計算出しましたか。
○政府参考人(青柳親房君) これは類似の業務を行う法人におきます人件費と物件費の割合というものを機械的に用いて計算したものでございますので、当然のことながら、先ほど来申し上げておりますように、この物件費についても可能な限り節約を図っていくということは繰り返すまでもないと存じております。
○蓮舫君 御説明いただいたときに耳を疑ったんですがね、人件費が大体二十億円でしょう、物件費はどれぐらい掛かるか。同じような独立行政法人を見たら、大体どこの独立行政法人も人件費の倍が物件費だと。だから、我々もこの二十億円の人件費の倍の物件費を四十億で試算させていただいた。先ほどから青柳部長がおっしゃっているように、これは本来保険の保険料でございますからなるべくコストを抑えていきたいと、人件費のところでお約束をしてお話をされておられましたが、逆じゃないのかと。こういう物件費こそもっともっと切り詰めて抑えて最低限のものだけでやっていって、そうじゃなくて優秀な人材を集めて、その代わり五年でなくなるんだという御説明をするならまだしも、横並びの独法を見て大体こんなものだろうと。それを世の中ではどんぶり勘定と言うと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) いずれにいたしましても、この運営経費は五年間の目安となる数字として計算をさせていただいているものでございますので、私ども、当然のことながら、こういう経費をお示ししたからといってこれに寄り掛かって安易に各年度の予算というものを独法で組み立ててもらっては大変困るというふうにも思っております。
 また、誤解のないように念のために申し上げさせていただきますが、ただいま申し上げました人件費、物件費等を含み、三百億円の経費につきましては、これはあくまでも独立行政法人が売却益の中から支弁をするということで考えております。したがいまして、年度の当初は借入れをするというようなことにもなろうかと思いますので、保険料を直接何か私どもの方から補助金なりでお渡しすることはないということだけ念のために申し添えさせていただきたいと存じます。
○蓮舫君 念のために私も確認さしていただきますが、売却益の中から出すといっても、その売却益の本来の施設は何で建てたんでしょうか。年金保険料じゃないですか。年金保険料で建てた施設を売って、その売却益は保険料とは違うとおっしゃるんだったら、これは全く間違った認識だと思っております。どうぞいま一度御確認いただきたい。
○政府参考人(青柳親房君) 新たな保険料を投入しないという原則にはかなっているという意味で申し上げただけでございますので、財源が保険料であるということについて否定するものではございません。
○蓮舫君 この御時世で社会保険庁が新たな保険料を投入して施設をどうのこうのするなんて絶対許されないと思っているし、それは改めて口に出すまでもないものだと私は理解をさしていただいておりますが。
 五年間の事業計画とか毎年度の目標達成率とか、あるいは返済計画ですとか、あるいは人件費はこれぐらいでこういうふうに細かく、物件費はこういうふうになっている、具体的なものがあって初めて金融機関というのは民間企業に融資を行うものでございます。それでも、現下の状況では、金融機関はなかなか民間の企業に貸し渋りという状態になっている。その中でも、こういうふうに人が分かんない、計画も独法をつくってからとか、物件費も見込み、あくまでも見込みでございますからで金融機関からお金を融資してもらえるっていうのは非常にすばらしいことだと思うんですけれども、是非成功さしていただきたいと思いますが。
 先ほど山本委員が何度かお話をした部分、いま一度確認をさしていただきます。
 独法を仮につくって三百二十八か所の施設を売却していく方向なときに、引き続き社会保険庁と運営委託をして契約をしていた公益法人がこの施設の運営はしていくんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 五年間というふうにしりを切られた事業運営ということになりますので、私どもとしては、現在社会保険庁が運営委託をしております公益法人がそのまま独立行政法人との間でも運営委託をするということを念頭に置いております。
○蓮舫君 それはなぜですか。
○政府参考人(青柳親房君) 一つには、先ほど申し上げましたように、五年という形で言わばしりの切られた事業になっている中で、新たな法人等にこういったものの運営委託をお願いするということが現実的かどうかということ。さらに、それぞれの施設等については職員等も言わば張り付いた形になっておりますので、譲渡、売却が行われるまでの間はそういった方々に引き続きこの施設運営をしていただくのが適切ではないかということを併せ考えたものでございます。
○蓮舫君 いや、現実的かどうかというのは何をもって判断しているんでしょうか。
 つまり、これまで委託契約を結び運営を行ってきた公益法人の中、例えば厚生団、今日は何度も名前出ていますけれども、〇・〇四%以外がこうした福祉施設の運営を委託を受けて行っている厚生団でございますが、ここは民間でいうフルコストで試算をすると、ここが運営している施設はほとんどが赤字なんですよ。この実績がすばらしいと、そのように判断をされて、五年間だけだったらいいやと、そのように御判断をされて独法とまだ厚生団は事業委託を続けていくということでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 減価償却分をどのように織り込んで評価をするかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在の年金福祉施設の評価をするという観点からは必ずしも適切ではないのではないかと私ども思っております。
 そういう目で見ますと、各単年度ごとにおける収支等においても、現在のところ、お名前の出ました厚生年金福祉事業団においては例えば厚生年金病院等も黒字の運営をしていただいておるわけでございますので、私どもとしては、この譲渡、売却が済むまでの五年間についても引き続きお願いすることが現実的ではないかと考える次第でございます。
○蓮舫君 いや、引き続きお願いをして、施設がすべて売却されるまでの間に資産は目減りしないという自信をお持ちなんですね。
○政府参考人(青柳親房君) 近年の運営委託の実績から見れば、その資産が目減りをするということは想定しなくてもよろしいのではないかというふうに考えております。
○蓮舫君 決定的に恐らく立場が違うのは、私は民間の発想で、恐らくその施設を付加価値を付けてどうやって売るのかと、目減りをさせないでどうやって高く買っていただけるのか、そのための努力をどれぐらいできるのか。ならば、これまでは国有財産で国有財産減価償却分は収支の算出に入れていませんでしたけれども、ちゃんと入れてみて、それで自分の体力がどれぐらいかっていうのを考えるべきだと思うんですが、あくまでも青柳部長がおっしゃっているのは、減価償却分は関係ないんですと、その部分関係なくてずっと黒字でやってきたんです、このやり方だけでまだずっともつんです、民間さんも理解してくれるんですということでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 減価償却分まで織り込んで正当に評価しようと思いますと、それはやっぱり、ある建物なら建物が新設をされたところからその評価というものをしていかなければならないんだろうと思います。既に建築が行われておりまして、また、長年言わばその減価償却分を織り込まずに事業をするということで運営をしてきたやり方を、言わば途中からそういう評価の仕方を入れてみてというやり方については、必ずしもそれだけで評価してよいのかなという気が正直言ってしているところでございます。
○蓮舫君 それ以外で何で評価するんですか。数字以外で何で評価すればいいんでしょうか。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、与党の年金制度改革協議会でも、委託先公益法人は高コスト構造、天下りの温床と指摘をした上で、「廃止を含めた徹底した整理合理化を行う。」と明記してございます。この厚生年金事業団、厚生団は、理事長は旧厚生省の厚生事務次官ですし、職員には九十人の天下り人事、理事にはほかにも三人の天下りがおられると。ここは、与党の年金制度改革協議会で御指摘した高コスト構造、天下り先の温床という公益団体かどうか、そのように判断、認識されているかどうかお聞かせください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御答弁申し上げておりますように、公益法人の見直しというのは二つのグループに分けて考えております。
 一つは、もう施設を運営しておるという、その運営を主体としておる公益法人でございまして、これはもう施設を売ってしまう、なくなれば、当然もう法人として存在するはずもありませんから廃止をする、あるいはまたどっかと統合されるということになるわけでございます。一方、施設以外の事業でかなりの部分を占めておる法人もございますから、そうしたものは、今度はそうした法人をどうするかという、正に統合であるとか適正化の方向であるとかというのを見直して整理をしていくと、こういうことでございます。
 ですから、それぞれの法人が施設を売却後にどういう形で残るかというのは、今後一つずつその法人ごとに整理をしていくということになります。その中での全部見直しだということを改めて申し上げたわけでございます。
○蓮舫君 二つあるというのは、もうその委託運営されている業務が、ほとんどがこの福祉施設にかかわるものは廃止してもよろしいんではないかと。そうじゃなくて、それ以外の部分、例えばまだ議論が煮詰まっておらない厚生年金病院を持っているとか、そういう部分で、仕事がほかにあるというところは整理統合じゃないかという御趣旨の御発言だったと思うんですけれども、これはだれが判断して、いつまでに整理統合あるいは廃止ということになるんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 御存じのように、民法たしか第七十二条だったと思いますが、ここで民法法人に対する解散命令等がどのような場合に発動されるかという規定がございます。通常の場合、所管省庁は、例えばその法人が寄附行為や定款に反するような事業を行ったような場合でありますとか、その他所管庁の命令に反した事業を継続したような場合に、あるいはその法人が事実上言わば幽霊法人になっているような場合、こういう場合について、最終的に解散命令を行わなければその適正が保てないというときに解散を行うという、こういうきつい規定を民法は予定しておるわけでございます。
 したがいまして、私ども、一義的には法人自治の原則に基づいて、それぞれの法人がどのような形で自らの事業を実施していくのか、あるいは適切な法人と統合するなりの道筋を考えていくのかということを見守りたいと存じますが、最終的にはそうした民法の規定というものも念頭に置きながら指導してまいるということであろうかと存じます。
○蓮舫君 民法七十二条でなくて六十八条ですね、法人の解散は。
 その中で、法人の目的たる事業の成功の不能、つまり、法人が目的とした事業が成功しなかった場合というのは解散事由に当たって、これができるのは、やっぱり私は大臣のリーダー力だと思うんですね。一つの独法をつくるんだったら、そうしたら、これまでの公益法人、余りにも多くあるものを今整理、淘汰してきていると。ならば、その必要性というのを是々非々で御議論をいただいて、大臣の御判断できっぱりと要らないところは整理をして、そして分かりやすい形で年金保険料をこういうふうにちゃんと還元していく、無駄遣いはしていかないという強い行動力を出さないと、何度もおわび、反省の言葉をおっしゃられても、私はそれは説得力が出ないんではないかと思います。
 その部分、新たにお願いして、質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 まず、年金・健康保険福祉施設のうち、病院以外の福祉施設の雇用問題についてお聞きをしたいと思います。
 四月の六日の本会議で、同僚の柳澤議員の方から代表質問を行いました。その中に、福祉施設の方は大変一生懸命働いているということ、この雇用問題をどうするのかという、こういう質問をいたしました。あわせて、職員の雇用確保について十分配慮することを法案に明記すべきではないかという、こういう質問を行いました。それに対して大臣の方からは、委託先法人が行う再就職援助に対して可能な支援を行い、職員の雇用についても配慮してまいりたいと考えておりますと。私には、何か一生懸命汗を流すということが感じられないような答弁だったというふうに私は感じました。そこで働いている人から見れば、私たちの雇用がどうなるんだろうかということが大変心配なことですから、少し具体的な問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
 先ほど来、質疑を聞いておりますと、要は一円でも高ければいいんだと、こういう方法で売却をしていくということだと思います。昨年の三月ごろの与党の検討の中では、自治体を含めて売却をしたらどうだろうかという検討もあったというふうに聞いておりますけれども、一年たってみると、乱暴に、一円でも高い方がいいから売ってしまえという方針に変わってしまったというふうに私は受け止めております。
 そこで、買手がどのような人になるか分からない、このことに大きな不安が生じることになるのです。引き続き働く意思のある人は、その人を付けて建物なり施設を売るんですか、それとも建物だけを売るんですか、お聞きをします。
○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設等の譲渡、売却に当たりましては、年金資金への損失を最小限にするということが大原則であると繰り返し申し上げさしていただきました。したがいまして、譲渡、売却に当たりましては、例えば今お尋ねのございました、例えば職員をそこに、施設に付けた形で売却をするといったような条件は一切私どもとしては原則として付けないと。幾つかの例外、御存じのように、例えばその機能を一定期間維持していただくことを条件とするようなものはもちろんございますけれども、例えば宿泊施設等通常の施設であれば、そういった条件を一切付さずに一般競争入札に付していくということを基本的な考え方としております。
○小林正夫君 まあ、すごい乱暴だなと。要は、建物だけ売れればいいんだ。要は、世の中は人で動いているんですから、その人が、今までやはり自分の使命を受けて一生懸命働いてきた人たち、こういう人たちなんです。そういう人たちを全く無視して、要は建物だけ売ればいいんだというところに私は理解ができません。
 ただ、一般的に、従業員の雇用を確保してくれということで人を付けて売却をすると売却の価格が落ちるという、こういう論議も聞くことも確かなんですけれども、ただ、国の委託事業の廃止によって失業者を出してしまうということに私はなるんだと思うんです。
 このことで本当にいいのかどうかということと、引き続き働く意思のある人が仮に新しい経営の下で働くことになる場合に、いったん解雇されて、相当に切り下げた労働条件で更なる契約の雇用を結ばせると。こういうことは世の中に一杯あるんですよ。こういうことになりませんか。
 後半の質問は、人を付けないで売るんだからこういうことはならないのかもしれないんだけれども、要は国の委託事業の廃止によって失業者を出すということになるんじゃないかということに対してどう思いますか。
○政府参考人(青柳親房君) 今回の年金福祉施設の譲渡、売却に当たりまして雇用の問題をどう考えるかという点が話題になっておるわけでございますが、この年金の福祉施設に従事しておられる職員の方々は一義的にはそれぞれの委託先の公益法人の職員ということで、雇用関係もそこで生じておるわけでございます。
 したがいまして、これらの職員の方の雇用問題については、その雇い主であるところの委託先の法人がまずは責任を持って対処していただくということが考え方の原則になろうかと思います。その意味では、整理合理化計画、先ほど来話題になっておりますが、三月三十一日に定めさしていただきましたが、委託先の公益法人の従業員の雇用問題の配慮を行うということは一文起こさせていただいております。この中で、私ども厚生労働省といたしましても、社会保険庁といたしましても、年金・健康保険施設整理機構、独立行政法人と協力しながら委託先法人が行う再就職援助に対して可能な支援を行い、職員の雇用についても配慮していくということについては間違いなく努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○小林正夫君 その方針、あるいは本会議での大臣の答弁で、配慮をしていく、配慮という言葉が何回も使われるんですよ。言葉は簡単なんですよ、配慮しますと。配慮の中身によっても、私たちはこういうふうに思っていても、これも配慮だという場合もあるし、よほど低く思っていた場合でも配慮だという。まあ配慮という言葉はいかようにでも使えるんです。具体的に、本当に汗を流して今働いている人たちの雇用を守ってあげるのかどうかということがポイントなんです。
 そこで、お聞きをしたいと思います。
 病院以外の福祉施設で、一般競争入札という施設が何施設あるのかということを確認しておきたいと思います。それと、現在この福祉施設で働いている人の賃金、年齢、職員数が何人ぐらいいるのか。要は、これから答弁をもらう人たちの雇用を考えていくということ、配慮していくということになるわけですから、まずこの数字を教えてください。
○政府参考人(青柳親房君) まず、施設の数でございます。厚生年金病院十施設。それから、先ほど来ちょっと触れさしていただいているように、施設の中心的な機能の維持というものを一応条件と付した一般競争入札にするという、条件付のものということで考えておりますのが、社会保険診療所や健康管理センター、保養ホームなど最大二十六施設。それから、終身利用型の老人ホームあるいは有料老人ホームについては、終身利用型の老人ホームであれば、終身利用という事情を踏まえた譲渡の在り方も判断が必要であろうと。また、有料老人ホームであれば、これは一定期間の入所されている方への配慮も必要なわけですから、これも基本的に一定期間施設の中心的な機能の維持を条件として一般競争入札をしなければならないだろうと。終身利用型の老人ホームが一施設に、有料老人ホームが最大三十施設ございますので、これらを差し引いた条件なしの一般競争入札に付される施設は二百六十一施設になろうかというふうに考えております。
 次に、現在施設で働いている方々の賃金、年齢、職員数等の状況でございます。
 まず、大変冒頭に恐縮でございますが、各法人の職員数というのを私ども各年度の事業報告等で把握をしておりますが、そのうち施設で働いている方々がどうであるかということについては残念ながら把握をしておりません。しかしながら、各法人が行っております職員数の調査、あるいは各委託先法人が常勤職員の職種別の給与額等を調査した結果を承知しておりますので、今からそれを紹介させていただきたいと存じます。
 まず、厚生年金事業振興団でございますが、総職員数が約四千八百人、このうち宿泊施設に従事しておられる方の給与月額については月額約三十五万円、平均年齢は四十歳になっておるというふうに承知をしております。
 また、都道府県の社会保険協会、これは四十七法人ございますが、これはそれぞれ、総職員数が一千六百人、それから給与月額が約二十四万円、それから平均年齢は四十・八歳というふうに承知をしております。
 また、社団法人全国国民年金福祉協会連合会は、総職員数が、これ連合会、中央の連合会だけでございますので約百三十人、それから給与は約三十九万円、年齢は三十九・九歳となっております。また、都道府県の国民年金福祉協会、これは四十五の法人がございますが、職員の方が約七百人、それから給与は約三十一万円、年齢は四十一・三歳というように承知をしております。
○小林正夫君 具体的にもう少し細かな数字もお聞きをしたかったんですが、把握ができていないっていうところもあるというお話でした。本当に配慮しながら責任持って雇用をきちんとやっていくんだと言っている割には、どういう状況に置かれているのかっていうことが把握できていないということに対してはすごく疑問に感じます。
 それと、今お聞きをして、大体年齢的には四十歳前後の方、こういう方たちが働いている、平均年齢だということです。ちょうど四十歳というともう社会の中堅で、家庭的にも大事な役目を果たしている、こういう年齢だと思いますけど、こういう人たちが職を失っちゃうという可能性が本当に多いというふうに私は感じるんです。
 そこで、基本的な質問なんですけれども、厚生労働省の任務は何なんでしょうか。私は、雇用を確保して、私たちの国の国力を上げていく、こういう役割も厚生労働省の任務とあると思いますけれども、厚生労働省設置法の第二節、第三条の一項にはどう書いてありますか。
○政府参考人(青柳親房君) 厚生労働省設置法第三条第一項には、厚生労働省の任務として、「厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。」と規定されております。
○小林正夫君 「職業の確保を図ることを任務とする。」って書いてあるんです。この職業とは、広辞苑で引きますと、生計を立てるために日常従事する仕事。要はこういう場所を、働くところを確保するということが厚生労働省の任務として法律に決まっているんですよ。あなた方はこの法律に基づいて仕事をやることが大事なんです。失業者を出すことが仕事じゃないんですよ。
 そこで、このことに対して大臣、どのように思われるか、お聞きをしたいというように思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来お答え申し上げておりますけれども、今回の福祉施設等売却にかかわる、そしてそこに従事する職員の皆さんの雇用問題については、一義的には雇主である委託先法人が責任を持ち、できる限りの再就職援助を行っていただきたい、これがまず基本だというふうに考えております。したがって、そこで一義的にやっていただくことになるわけでありますけれども、当然、今、厚生労働省についての役割のお話もございましたけれども、私どももそういう役割があることも当然のこととして、職員の皆さんの雇用については、言葉でいつも言うだけだというお話もありますけれども、配慮してまいりたい、このことを申し上げておるところでございます。
○小林正夫君 重ねてお尋ねいたします。職業の確保を図ることを任務とする、先ほどのとおりです。その厚生労働省が、法律の規定に基づく年金保険事業及び健康保険事業そのものの一部である福祉施設などを売却、廃止を独立行政法人に行わすための今回の法律案に雇用の確保について十分配慮するということを明記しないのは、本法案を提出している厚生労働省の任務に反するのではないかと私は思いますけど、どうでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) この独立行政法人機構法案は、言わばその独立行政法人という組織、これは整理合理化を進めていく中心母体となるわけでございますが、この組織についての、その組織を規定した組織法という法律の性格を持つものでございます。したがいまして、お尋ねがございましたような雇用の確保というものを仮に配慮し、これを図っていくにせよ、そういった実態的な規定を通常こういった組織法の中に規定するということは余り例がないものかと存じますので、私ども整理合理化計画その他においてこういった雇用の配慮というものを対処してまいるという整理をさせていただいております。
○小林正夫君 私は到底理解できる答弁じゃないと受け止めています。先ほど言っているように、世の中は人でもっているんです。その人たちが与えられた仕事を一生懸命働いて私たちの日本の国力を高めていく、こういうことで日々みんな頑張っているんですね。先ほど言ったように、厚生労働省の任務はやはり雇用を確保していくということも任務ですから、どうもこの進め方、乱暴過ぎて、働く人の気持ちが本当によく分かっていないんじゃないか、このように思います。
 大臣、もう一度お聞きをしますけれども、雇用について大臣の取り組む姿勢について是非とも再度お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来申し上げておりますように、今私がここで申し上げることは、職員の皆さんの雇用についてもできるだけの配慮をしてまいりたい、こういうことを申し上げるところでございます。
○小林正夫君 これからまだこの法案の審議が継続されると思いますので、更に機会があればいろいろ意見、質問をさせていただきたいと思います。
 もう一点だけ、次の質問させていただきます。
 年金保険料の使途についてお聞きをいたします。厚生労働省は、年金保険料は今後、福祉施設の整備費及び委託費には投入しないということを決めました。しかし、厚生年金保険法の第七十九条は、政府は、被保険者、被保険者であった者及び受給権者の福祉を増進するために、必要な施設をすることができると規定しております。しかし、福祉施設としてどのようなものを取り上げるかについては厚生年金保険法には特別に定めがない。したがって、今まで保険料を使っていろんな施設を造ってきた、これが実態だと思います。だからこそ、施設を造り過ぎたということになっていくと思いますけれども、要はこの法律が大本で施設を造ってきた、このように私は理解をしています。
 ところが、年金保険料は、今後、福祉施設の整備費及び委託費には投入しないということを決めておいて、年金事務費の範囲も限定してこれだけに使おうということを決めた、このように聞いておりますけれども、そういう状態の中で、この第七十九条の条文をそのまま残しておくことでいいのかどうか。この条文によっていろんな施設を造ってきたということなんですよ。今後はそういう施設を造らないということ、使う場合は事務費を限定して使うということが明らかにした。だから、この法律を直しておかなきゃいけないんじゃないですかと私は思いますけど、どうでしょうか。
○副大臣(西博義君) 施設をするということに象徴される厚生年金保険法の第七十九条の規定についてのお尋ねでございました。
 確かに、被保険者等の福祉を増進するため、必要な施設をすることができると、若干略をしましたが、こういうふうに規定をされております。この規定に基づいて、今御指摘のように、年金福祉施設の整備を始めとして、委託事業、更には年金相談等の言わばハード、ソフト等の事業を展開をしてまいりました。
 さらに、今後につきましては、先ほど御指摘の、年金保険料は年金給付及び年金給付に関係する経費以外には充てないということで、はっきり方針を決めまして事業の運営を今後行っていくと、こういうふうにいたしております。今後とも、国民のニーズに対応して引き続きサービスの確保を図っていかなければならない年金相談等につきましては、この条項に基づいて、引き続き福祉施設事業として適切に実施をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○小林正夫君 いろいろ理由はあるんでしょうけれども、国民から見れば、この法律があっていろんな施設を造ってきたんですよ。その施設の造り方、維持の仕方が悪いんだから今回見直そうということを言っているんです。だから、大本のこの法律を、事務費だけの限定したものに使うということにするならば、きちんと法律も変えておかなきゃいけないんじゃないかと私は思います。
 そのことを問題提起して、質問を終わりたいと思います。
○草川昭三君 公明党の草川であります。
 今回の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案、これは非常に長いんで整理機構という言い方にします。あるいはまた、年金・健康保険施設にかかわる整理合理化計画も、合理化計画というような意味で簡略にして御質問をさせていただきたいと思います。
 そこで、まず年金住宅融資事業についてお伺いをいたしますが、この年金住宅融資というのは平成十七年度までに廃止をするということにもう既に決まっておるわけですが、これはかなり、私どもも利用したことがございますけれども、日本の勤労者にとって非常にこの住宅融資というのは、住宅金融公庫からの融資とこの併せ貸しというんですか、等々によりまして、かなりの私、実績があったんではないだろうかと思うんですが、スタートをされてから今日に至るまでの実績をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答えいたします。
 今お尋ねの年金住宅融資事業でございますが、被保険者の福祉向上を図ることを目的といたしまして、被保険者住宅融資は昭和四十八年度から、分譲住宅融資は昭和四十一年度に旧年金福祉事業団が開始した事業でございます。似たような言葉でございますが、被保険者住宅融資というのは、被保険者が住宅を取得する際に必要な資金を、当該被保険者に対して転貸法人等によって転貸融資を行うと、こういう形でございます。厚生年金被保険者の場合は今申し上げたとおりでございますが、国民年金被保険者につきましては、御質問の中にもございましたように、住宅金融公庫を通じて融資を行ってきたところでございます。
 その被保険者住宅融資の実績だけまず先に申し上げますが、平成十五年度末までに累計で四百三万件、二十五兆八千億円の貸付決定を行っております。平成十五年度末現在での貸付残高が九十万件、四兆九千億円でございます。
 もう一つ申し上げました分譲住宅融資というのは、被保険者のための分譲住宅の設置に必要な資金を、被保険者個人に対してではなく事業主等に対して融資してきたものでございます。これは、平成十五年度末までに累計千四百三十三件、二千百三十三億円の貸付決定を行っております。十五年度末現在の貸付残高が五百八十三件の百八十六億円と、こういうことになっております。
 ここまでが実績でございますが、年金住宅融資事業は、御承知のとおり、年金制度の厳しい財政状況や民間の住宅ローンの普及等を踏まえまして、平成十七年度末までにこれを廃止するということとされているものでございます。
○草川昭三君 今、局長から、渡辺さんの方から答弁がありましたように、累計で四百三万件、二十五兆八千億、あるいは分譲住宅融資の方は累計で千四百三十三件ですか、こういうようになってきておるわけでありますが、それだけに非常に、何というんですか、勤労者にとってみれば非常に喜んでいただいた実績が私はあったんではないかと思うんですが、これが廃止をされることになりまして、今は民でやれることは民がやるわけでありますから、市中銀行なりあるいは地方銀行等々も個人の住宅融資等も積極的な対応をしていただいておるわけでありますから、それはそれなりでありますが、勤労者という長い間の生活態度の中で、自分たちが積んだ年金というものを還元融資を受けるという意味は、私は少なからざるとも日本の労使関係にとっても一つの大きな誇るべき実績であったような気がするわけであります。
 そういうことを踏まえて、今更どうのこうの言っても始まりませんけれども、改めて、こういう事態になりまして、年金住宅融資の現時点のトータルな意味での貸付額といわゆる不良債権あるいは回収不能の件数、実態というものがどうなっておるのか検証してみたいと思うんですが、お答えを願いたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 貸付残高につきまして、先ほど九十万件、四兆九千億円と申し上げました。今お尋ねのお話は更に一歩お進めいただいて回収不能額の実態ということでございますが、この年金住宅融資債権につきましては、保証機関又は保証人による融資債務の保証及び物件の担保ということがございまして保全をしております。そして、被保険者向け融資においては、さらに取扱金融機関による保証も求めて確実な回収を図っていると、こういうものでございます。
 中には、むしろ住宅金融公庫さんの併せ貸し部分の方に多いわけでございますが、機関保証がなく保証人の保証及び物件の担保が付された融資債権の一部、こういう一部分について債務者が返済不能となって、保証人による弁済、担保物件の処分を行ってもなお回収できない部分と、こういうものが発生し得るわけでございます。そこの場合には年金資金運用基金が貸倒れとして損金として処理をする、償却をする、こういうことになっておるわけでございます。
 以上がルールでございますが、先ほどまで申し上げたこれまでの実績の中で、平成十五年度末までに償却を行った額の累計額は百三十一件、約三億円でございます。
○草川昭三君 今もお話ありましたように、二十五兆八千億という大変大きな貸付けがあったにもかかわらず、実際は償却をしたのは三億円であったということは、私は一つの金融という面からいえばそれはパーフェクトに近いのではないかと思うわけですね。もちろん個人の借入れの場合には生命保険も入るわけでありますから、もし亡くなった場合も保険が代行してくれるというようなことでありますから、いわゆる官がやった仕事としてはこれはそれなりに評価をすべき点があったのではないだろうか。だから、私は、いいことはいいとして、今後我が国経済の在り方について一つの実績を誇るべきものがあったような気がいたします。
 そういうことを言いながら、今度は社宅や休養施設等の福祉施設のこの整備融資についてお伺いをしたいと思うんですが、これも平成十三年四月以降廃止になっています。これの融資残高というのは今度はどの程度になっておるのか、また未回収、不良債権の現状はどうなっているのか、これも明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お尋ねの福祉施設設置整備資金融資は、社宅や休養施設など被保険者の福祉向上のために必要な施設の設置整備に要する資金を融資する事業でございますが、昭和三十六年に旧年金福祉事業団が設置されまして直ちに昭和三十七年度から開始された事業でございます。御指摘のとおり、平成十二年度をもって既に廃止されております。現在は、年金資金運用基金が既往債権の管理・回収業務を承継して行っているところでございます。
 この融資でございますが、平成十二年度、その廃止の年度末までの累計で三万二千件、一兆六千五百四十一億円の貸付決定を行っております。
 平成十五年度末の貸付けの残高が四百十三件、九百六十五億円でございます。この融資におきましても、融資債務者が返済不能となり、保証人による弁済、担保物件の処分を行ってもなお回収できないというために年金資金運用基金が貸倒れとして損金処理を行った額の累計額は、平成十五年度末までで三十七件、四億円でございます。
○草川昭三君 これも、金額が四億円だからいいということを言うつもりはありませんけれども、非常に運用としては、もう若干の失敗というんですか、返済不能があったとは思いますけれども、大きい金額の割には比較的順当な運用をされたと思うわけであります。
 そこで、融資のこの債権の回収業務は一体どこが引き継がれていくのかということをお伺いをしたいわけでありますけれども、その前に、今お話がありましたこの事業団、運用の事業団ができた経緯というのは、私、若干自分の記憶で言いますと、元々大企業は海の家、山の家という大変立派な施設があったわけですよ。箱根へ行こうと、どこの海へ行こうと、立派な建物がある。ところが、中小企業はそういうものがない。
 中小企業の人たちに対する何らかのそういう施設を造るべきだというのが、もちろん行政よりは当時の実は労働界の要求があったんですよ、労働界の要求が。当時の総評だとか同盟だとかというところから、中小企業の方々にもっと、子供さんを、海水浴へ行くとき、山へ行くときに、お父さん、あの会社はいい寮があるね、お父さんのところはないんですかと言われることがつらいからそういうものを造ろうじゃないかということから、いわゆる年金の積立金をもっと中小企業の方々に利用しようじゃないかというところからスタートをし、住宅融資が始まり、あるいはまた、先ほど来から問題になっておりますところの保養所的な、サンプラですか、そういうものになっていったというような経緯があると思うんです。
 ですから、私どもは、そういう経緯を含めて、その運用を任された厚生省あるいは労働省、こういうものの在り方あるいはお役人の天下り、率直に申し上げますけれども、そういうところには労働組合のOBが大分入り込んでおるんですよ、私は一々名前は言いませんけれども。そういう労働組合のOBも入り込んでいって大変もう行き詰まったという、そういう実態の反省の上にこの種の議論をしていく必要があるというように私は思うわけであります。
 そういうことを含めて、融資債権の回収業務はどういう、どこにどのように引き継がれていくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 年金住宅融資業務は、先ほど来御説明の中で、年金資金運用基金という特殊法人が行っていることを申し上げておりましたが、昨年成立いたしました年金積立金管理運用独立行政法人法に基づきまして、来る平成十八年四月に年金資金運用基金を解散いたしまして、新たに設置されるこの独立行政法人が年金積立金の管理運用業務のみを行うということで法律上明記されたところでございますので、この法律におきましても、お尋ねの既往の融資債権の回収業務につきましては、別の独立行政法人であり、現在、福祉施設や医療施設に対する融資業務を行っております独立行政法人福祉医療機構がこの既往の融資債権の回収業務を承継して行い、回収した資金を毎年度、年金特別会計に納付をしていただくと、こういうことになっておるわけでございます。
○草川昭三君 是非、この独立行政法人福祉医療機構の承継の実績、フォローアップも、これはもう言うまでもございませんけれども、どのように回収をしているのか、厳重に当局としては監視をしていただきたいことだと思います。
 そこで、もう一回戻りますが、平成十五年度末において貸付決定額の累計が二十五兆八千億、これは、四百三万件の年金住宅融資は年金福祉事業団が直接行うのではなくて、各地方にある○○協会という協会を通じて行ってきたはずだと思うんです。この住宅融資は非常に長期にわたって回収されるものですけれども、この貸付残高の四兆九千億の現状はどのように管理をされているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) ただいま先生御指摘のように、年金資金運用基金、現在の責任団体でございますが、そこが直接融資をしたりあるいは回収をしたりということをしているわけではございません。
 現在の貸付残高の管理に係る仕事につきましても、まず第一に、大部分を占めますのは、転貸法人などを通じまして、厚生年金被保険者に対してこれまで行ってきた融資を、当該転貸法人等が債権回収を行って、その法人が年金資金運用基金に返済をしていただく、こういうルートがメーンのルートでございます。
 もう一つ、国民年金被保険者につきましては住宅金融公庫の方に業務委託をして融資をしているということを申し上げましたが、これにつきましては、被保険者からの債権回収業務を住宅金融公庫が、現時点でございますが、行っておりまして、住宅金融公庫が年金資金運用基金に送金を行っていただいていると、こういうメカニズムでございますが、この融資債権、これが十八年度に独立行政法人福祉医療機構が承継するわけでございますので、引き続き転貸法人、メーンのルートであります転貸法人等が回収した資金は独立行政法人福祉医療機構に、そして住宅金融公庫、現在改革途中でございますが、こちらの方については、従来どおりこれも福祉医療機構の方にお金を送金していただく、こういう仕組みで管理していく予定でございます。
○草川昭三君 皆さん御存じだと思いますけれども、この住宅融資の件について○○協会という言い方を私、したわけですが、実際上、一番、代理業務というんですか、そういう仕事をやろうとしたのは第二地銀なんですよ。それからその次は地域の信用金庫、信用組合の連合会がお互いにグループをつくって、この住宅資金というものに目を付けて、それで日常業務をやって手数料で稼いだんです。こういうのを見て労働組合もまねしたんですよ、当時の総評系の労働組合も同盟系の労働組合も。それでほとんどの各地域に今私が言った一つのグループをつくったんですよ。それで、その当時の政治家を使って、その県に対して年金の枠をたくさん持ってきたい、こういう取り合いが始まったんですよ、三十年から四十年代ですが、この始まりのころ。
 それで、それは一面非常にうまくいったんです。うまくいったけれども、実際はそれだけの業務にとどまらなくて、先行投資をして失敗をしたような例があるんですよ、土地の方なんかで。今日はそういうことをあえて申し上げませんけれども、そういうことを含めて、私は、回収がうまく本当にいくのかどうかねということを私は今あえて問題提起をしたいわけです。
 この分譲住宅融資の残高が百八十六億円あるといいますけれども、この現状と回収の見込みについて併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 分譲住宅融資に係る平成十五年度末の貸付残高が五百八十三件、百八十六億円ということは先ほど申し上げたとおりでございますが、この場合でも、融資債務者が返済不能となり、保証人による弁済、担保物件の処分を行ってもなお回収ができない、こういう事態が発生し得るわけでございますが、その場合、年金資金運用基金が貸倒れとして損金処理、償却を行うということになるわけでございます。平成十五年度末までの累計額で見ますと、十二件、五千百五十万円ということになっております。
○草川昭三君 じゃ、続いて年金局長にお伺いをしますが、この年金住宅融資事業の利子補給金五千百七億円というのは、今後も年金のこの特別会計の方から支出をされることになるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 結論から申し上げますと、平成十八年度以降におきましては、利子補給金の年金特別会計からの支出は行われないこととなります。
 この利子補給金は、御承知のとおり、旧資金運用部への償還利息と被保険者等からの回収金利息との差額、いわゆる逆ざやに対して、福祉還元という考え方に立って年金特別会計から利子補給金を支出してきたわけでございます。それが御指摘の五千百七億円、これは平成十五年度までの利子補給金の累計額でございますが、今後、従来どおりやってまいりますと、借り入れてから二十五年掛けてということになりますので、平成三十六年度までの毎年償還を行っていくと、こういう長い仕事となってしまいます。
 他方、平成十七年度には年金住宅融資事業等を廃止してしまうわけでございますので、事業を廃止した後の平成十八年度以降も、平成三十六年度まで利子補給金の支出を長期にわたって行うのかという問題がございます。これにつきましては適切でないとの判断から、昨年成立した、先ほど申し述べました年金積立金管理運用独立行政法人法におきましては規定を設けておりまして、借入金を平成十七年度に繰り上げて償還するということとされております。その償還を当平成十七年度に行いますと、平成十八年度以降においては利子補給金の特別会計支出は不要となる、こういうものでございます。
○草川昭三君 今の話で、我々もあれなんですが、去年成立をした年金積立金管理運用独立行政法人法で処置済みと、こういうことなんですよね。ただ、この五千百七億円という利子補給の在り方は、これで一応けりを付けておいて今後は行いませんよと、こういう意味で受け取っていいと思うんですね。
 それで、各都道府県の財団法人社会保険協会、これ四十四あると聞いております。これは、社会保険センター四十八施設の運営を受託していくわけでございますけれども、施設を売却をして残る業務というのは一体どういうものがあるんですかと。特に私が今ずっと取り上げております住宅融資との関係についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険センターは、実は施設の数で申し上げれば四十八施設ございまして、その運営については、社会保険庁長官から委託を受けて四十四の都道府県の財団法人の社会保険協会が運営をしております。
 この社会保険協会、実は年金や健康保険施設の運営業務以外にも、被保険者の福祉増進あるいは健康保持増進に関する事業、それから、本来この会が発足したときの事業でございました社会保険制度の普及、発展に寄与する事業、こういったことも独自に行っておりますので、施設の売却後も引き続きこういった活動がされるものというふうに考えております。
 また、お尋ねのございました住宅資金の融資に関しましては、これら都道府県の社会保険協会では行っておらず、都道府県レベルでは年金福祉協会等が実施をしているものと承知しております。
○草川昭三君 じゃ、次に移りますが。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 これも年金局長にお伺いをしますが、平成十六年九月に、第三者の参画を得て年金の福祉還元事業に関する検証会議というのが開かれたわけでございますが、この検証対象というのは、大規模年金保養基地ですね、俗に言うグリーンピア事業、それから年金福祉施設事業及び年金住宅融資事業となっておりますけれども、年金住宅融資事業の報告が、ちょっとくどいようでございますけれども、つまびらかになっておりませんが、具体的な論点報告がなかった理由というのをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) グリーンピア事業、それから年金福祉施設事業及び年金住宅融資事業、この三事業につきまして、年金の福祉還元事業として長年にわたり実施されてきた。個々の事業の意義、実施の経緯等につきましては、昨年の年金改正法案のときの国会審議でも種々御議論あったところでございますが、それを受けまして、御指摘のとおり、昨年九月、第三者の参画を得て、これらの事業の実施の経緯、在り方などを検証して今後の政策決定の在り方の見直しに資するということで、年金福祉還元事業に関する検証会議なるものが発足しております。
 過去数回既に会合を持ってきておりますが、そこでは、各事業の概要、事業の企画立案から見直しに至るまでの経緯などについて事務局からの説明をさせていただき、また各委員の意見の整理を行ってきたところでございます。今後、検証結果の取りまとめに向けまして更に議論を深めていただくということを予定しておるものでございますから、まだ十分に議論ができていないというところは残っておろうかと思っております。
 御指摘の年金住宅融資事業につきましても、同様の説明あるいは御議論をいただいてまいりましたが、これからも、この検証会議、約一年ということが設置の期間になっておりますので、今年の秋に向けまして更に御議論の整理をいただこうと思っておるところでございます。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 これまでの年金住宅融資事業に関する各委員の発言の整理というようなことは行ってきているわけでございますが、これからが全体の整理に入っていくものというふうに理解をしております。
○草川昭三君 是非、秋の報告に向けて、我々が今指摘したような点も含めて、是非入れていただいて、報告というんですか、提言をお願いをしたいと思います。
 それから、今度は社保庁になるんですか、この福祉施設について今までずっと続けてきたところの方針を転換をして、新たに施設の新設は行わないということを決めたのが、あれ平成九年の六月ですか、こういうことが決まったわけですが、施設整備費を平成十一年度までに九年度対比で半分にする、半減するということが一つの大目標になっておるんですが、大体そういうような大きな目標の下に実施がされているのかどうか。あるいは、現に計画進行中のものはこれは除外をするというようなこともそのときの一つの決定になっておるわけですが、少し内容を詳しく説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) まず、平成九年度と平成十一年度におきます年金福祉施設等の施設整備関係予算についての対比から申し上げさせていただきたいと思います。
 平成九年度予算におきましては、厚生年金保険関係六百六億円、国民年金関係九十六億円、政府管掌健康保険関係六百七十三億円、これらの合計で一千三百七十五億円がこの年金福祉施設等の施設整備関係予算でございました。一方、十一年度におきまして、先ほど御指摘のございました九年六月の整備方針に基づいてその予算を調整したところ、十一年度予算におきましては、厚生年金保険関係が三百億円、国民年金関係が四十七億円、政府管掌健康保険関係が三百五十一億円、トータル六百九十八億円という数字になっておりまして、平成九年度対比でおおむね半額程度に圧縮がされたということでございます。
 また、次にお尋ねのございました方針決定時に建設工事中等、現に計画が進行中であったために建設が実行されたものということでございますが、社会保険健康センターが五か所、社会保険健康づくりセンターが四か所、国民年金健康センター二か所等となっております。
○草川昭三君 ちょっと私が言いたいのは、その当時計画進行中であったところの社会保険健康センター、例えば五か所、ペアーレですね、そういうものがあるわけですが、これは新築でオープンしたわけですよ。ところが、実際は従来の延長線ですから、まあ言っちゃ悪いですけれども、余り利用者がなくて、もう新品の中古ですか、新品のスクラップというんですか、そういうのが残念ながら外から見ているとあるわけですよ。我が地元にもありまして、ああ、どうしてあんなものができちゃったんだかなあというのがあるわけですが、これは今更言っても始まりませんね。始まりませんが、ああいうものの運営は思い切って発想の転換をして、もう少し地域の自治体と相談をするなり、地域に工場がたくさんあるわけですから、工場の方もどんどん、福祉というんですか、厚生施設をどんどん少なくしておるんで、地域全体でせっかくこのペアーレなんというのはうまくできませんかねと。あるいは地域に老人会なんか随分ありますし、OBの方々もいろんな運動をやっておみえになるんで、そういう方々と地域で交流をしながら活用されるようなことを私は特にこれ要望をしておきます。せっかく新品でできたわけですから、ということを要望しておきたいと思います。
 それから今度は、一般論として、私が今言ったことなんですが、このような、まあ今後ですけれども、福祉施設の設置に当たっては、地方自治体なり中小企業団体等の要望も受けていかなきゃいかぬと思うんですね。あるいは時には、県なんかがやっている経営者団体なり、あるいはまた地域の労働組合の代表の方々なんかからの懇談会を定例化するとか、そういうことを是非やっていただきたいと思うんですが、その点はどうでしょう。
○政府参考人(青柳親房君) 年金の福祉施設を造ります際には、ただいまいろいろ御例示のございました地元の都道府県、市町村あるいは議会、こういった方々から強い要望をいただいて設置をしたというのが大体こういった施設の通例でございます。ただ、それを運営していく際に、そういった地元の方々との連携をうまくつくりながら実施をしているところと、なかなかそういうことがうまく構築できずになかなか実施がうまくいかなかったところ、これは残念ながらそれぞれの施設で千差万別でございます。
 ただ、私どもとしては、基本的にはやはり地元に愛される、地元に必要とされる施設を目指して各法人もこれまで運営をしてきたわけでございますので、残り少ないこれらの施設の、私どもが責任持って設置運営する期間、残り少ないかもしれませんけれども、最後までそういう意味では有効に活用されるということを望んで、またそのためにバックアップをしてまいりたいと考えております。
○草川昭三君 次に、独立行政法人の運営経費の見込みですが、施設の解体費用については全施設の二〇%を解体の対象とすると言っておりますが、百九十億円と試算をしておりますが、このような数字の根拠ですが、どんな物件を解体をすることを想定をして数字が出たのか、お伺いします。
○政府参考人(青柳親房君) これは、独立行政法人の設立予定日でありますところの本年の十月一日現在で、施設を建設いたしましてから二十年を経過することとなる施設、これが実は具体的には全体でおよそ二〇%程度に当たる五十九施設があるわけでございまして、こういったものが解体の対象になるということを想定して計算をしたものでございます。
○草川昭三君 大体二割が念頭にあるわけですね。
 続いて、施設の売却に当たっては公共の福祉を優先させるという観点だと思うんですが、地方自治体への譲渡を優先させるおつもりですか、お伺いします。
○政府参考人(青柳親房君) 年金の福祉施設等の譲渡、売却に当たりましては、年金制度の厳しい財政状況あるいは国民のニーズの変化等にかんがみ、また昨年三月の与党合意を真摯に受け止めて、今後年金保険料は年金施設の施設整備等に投入しないということを決定したとともに、年金資金の損失の最小化を図るということを大原則といたしまして進めておるわけでございますが、国民の理解が得られるよう、五年を目途に例外なく整理合理化を進めるということが私どもの課題というふうに認識をしております。
 したがいまして、これらの施設の譲渡に当たりましては、ただいまお尋ねにもございましたが、例えば、地方公共団体への優先的譲渡というような意味であらかじめ譲渡先について制限を設けるということはいたしませんで、あくまでも年金資金等への損失の最小化を図るという考え方に立ちまして、不動産鑑定の手法に基づいて適正な時価を予定価格として定めた上で、一般競争入札による譲渡をするということを原則として進めてまいりたいと考えております。
○草川昭三君 残る時間が短いので、いよいよ病院の売却に入っていきたいと思うんですが、その前に、一つのモデルとして国立病院の統廃合の例をいささか参考にしたいと思うので、これは医政局長今日お見えになっておられると思うんでお伺いしたいと思うんですが、国立病院の統廃合の中で民間に譲渡した例が大体どの程度あるのか、そしてスムーズに行っておるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律等に基づいて行った病院の譲渡でございますが、平成十七年三月現在、六十四か所譲渡しております。地方公共団体等への譲渡が三十一か所、日赤、済生会、厚生連が九か所、医学部を置く大学等を設置する学校法人が四か所、社会福祉法人十三か所、医師会五か所、その他二か所でございます。
○草川昭三君 その場合、国立病院の移譲については競争入札が原則になっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先ほど説明した法律に基づいて行っておるところでございますが、事実上、国立病院・療養所の所在する地域において医療を提供する医療機関の開設者も自ら限定されてしまう、それから地元自治体、地元の公共団体等関係者との調整が不可欠ということで、私ども、当該地域における必要な医療の確保に責任を有する地方公共団体、公的医療機関の開設者等に譲渡するということを原則としてまいりましたので、随意契約によって譲渡したところもございます。
○草川昭三君 ちょっと私、一つ、具体的に名前を挙げていいかどうかなんですが、国立熱海病院というのがありましたね。あれは温泉が付いておりまして、有名人が随分利用していたわけです。私も一回人間ドックでお邪魔をしたわけですが、非常に高名な病院だったのではないかと私は思うんですが、あれが移譲されたというのを聞いて若干私は、何というんですか、感慨が深いわけでございますが、あれは一回、どういう形で分譲されていったのか、この際、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 旧国立熱海病院でございますが、地元の地方公共団体、熱海市ですとかそれから周辺の市町村等々に御説明をいたしまして、その相談、調整を行いました。その過程で、地元の要請というのが、保健医療に関する教育研究を行う学校が出てまいりまして、そこが引き受けたいという要望があったものですから、平成十四年の七月に譲渡したという経緯でございます。
○草川昭三君 そういう学校法人が引き受けていただく、そして、従業員というんですか、職員の方々もうまく移行をされるということが非常に大切だと思うんですが。
 そこで、いよいよ厚生年金病院あるいは社会保険病院等々の問題についてお伺いをしたいと思うんですが、これは大体、福祉施設とあえて言いませんけれども、病院も含めてでございますが、地方自治体の所有する土地に建てられたものも多いというように聞きますが、これから売却をしようとするような病院等々については土地の所有権はどんなものが多いんですか、お伺いします。
○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設につきましては、そのほとんどが国が特別会計で自ら保有する土地の上に建てられているものでございます。
 ちなみに、地方自治体から土地を借り上げて設置している施設につきましては、独立行政法人への出資対象としております三百二十八施設中十六施設現在ございます。
○草川昭三君 労働省、旧労働省ですが、旧労働省の方の特別会計等々で建てられた建物は、多くは地方自治体の要請で地方自治体が土地を提供して、それで、その上物だけが特別会計の方から設置をされたという例が多いというように聞いております。聞いておりますが、厚生省、今は厚生労働省でございますけれども、特に社会保険庁の所有するものについてはほとんど地方からはないよと、こういう答弁ですね。
 それで、じゃ、今度は具体的に東京厚生年金病院の問題についてお伺いをしたいと思うんです。
 これは新宿にあるんですね。それで、もちろんそのスタートは整形外科等々でスタートをしたわけでございますが、地域の医療機関としては非常に高い支持があるんですよ。それで、現在でもこの存続を求める要望書がたくさんこう集まっておりまして、私どもも是非これの残すように私はしていきたいとこう思って、かねがね思っておりまして、政府・与党の合意事項がございました、昨年。そのときに、厚生年金病院については、「地域医療にとって重要な病院については、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるよう十分考慮する。」とされており、今回の法案の提出に当たりその合意を確認するという合意になりました。その合意を踏まえて、病院の譲渡に当たっては、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るべきであると。
 もう一つ、老人ホームの話があるんですが、私も、西さんここにお見えになりますが、部会で、我々は立派な医療水準の誇る厚生年金をたたき売るなんてことを我々は要求したつもりはないよと、何か間違えとるんじゃないのと言って、私は、内々の話でございますが、文句を付けたことがあるんです。与党の中では、いや、そうじゃないんだと、厚生年金というのは歴史があって、非常に優遇されておるし、これだけ年金財政の問題で批判がある中で、赤字が出てもそれを埋めるというようなそういう意識があっちゃ絶対駄目だ、まあ一番最初に今日は武見先生もその趣旨のことを言っておみえになりましたが、そういうような御意見もあって、なかなかこれは意見の難しいところであったわけでございますが、私はあくまでも、立派な医療水準があり地域に支持をされるような病院まで一緒に、一概に、一括して売却を進めるべきではないと。
 それでまた、事実、この東京厚生年金病院なんかは、東京都の医療圏の中でも、これはもちろん大学との関連もあるわけでありますが、優秀なドクターが非常にローテーションでうまく回り、医療技術のレベルアップのためにも組み込まれているような病院だと聞いておるわけですが、そういう病院がもし民間なんかに売却された場合に、そういうローテーションから外れて全くの、三百床なら三百床の大型病院ということで止まってしまうんではないだろうかというように私は心配をしておるわけでございますけれども。
 この厚生年金病院等について、今までは法人税あるいは事業税、事業所税、非課税となっている待遇があるわけですが、この非課税の優遇措置も含めて、今後どういうようにされるのか、これはひとつ大臣からお答え願いたいと思うんです。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、東京厚生年金病院のお話がございました。
 厚生年金病院につきましては、地域において果たしております役割を十分踏まえて取り扱うよう各方面から御要望をいただいておるところでございます。このような地域医療にとって重要な役割を果たしております厚生年金病院の譲渡に当たりましては、地方公共団体等との協議の上、その機能が維持できるよう十分考慮することとしておるところでございます。
 先生お話しいただきましたように、与党合意の中でも、病院の譲渡に当たっては、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証をした上で、適切な方法によって整理合理化進めるべきだと、こういうふうに書いてございますし、私どももそのようにさせていただきます。
○政府参考人(青柳親房君) あわせて、非課税優遇措置がどうなるかというお尋ねがございましたので、私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 厚生年金病院が独立行政法人に出資された後に運営委託を受けて病院を運営する公益法人に対します法人税、事業税の非課税措置につきましては、私どもも大変に強い関心を持っておるところでございましたので、平成十七年度の税制改正要望におきまして、施設が譲渡されるまでの間は従来どおり非課税措置が継続されるように税制改正要望を行ったところでございます。
 なお、病院に係る事業所税については、これは独法への出資のいかんにかかわらず非課税ということになっております。
 先ほど申し上げました法人税、事業税の扱いでございますが、最終的には、昨年十二月の自民党税制調査会等におきまして、病院を運営する公益法人における法人税、事業税の非課税措置について、この機構法案の内容を見て検討するいわゆるサンカク法扱いということにされたところでございますので、本法案が成立した場合に、必要な政令の改正等により速やかに対処をしていただくというふうになろうかと考えております。
○草川昭三君 少し社会保険病院の売却の間にどうしても聞いておきたいのがありますんで、時間内に聞きたいと思うんですが、老人ホームの処遇の問題です。
 老人ホームの中には運営状況が非常に良好で収支が黒字の施設もあるわけです。これの黒字の施設も譲渡の対象にしていかれるのではないかと思うんですが、現実に老人ホームに入っておみえになる方々は、もちろん年金受給者であったOBの方々の、我々の大先輩だと思うんですが、そういう方々は大変不安に思っておみえになると思うんです。
 私は、本当に、年金が経営する老人ホームというのはたくさんありますが、ほとんどうまくいっていると思うんですね。うまくいっておると思うんで、モデル的な老人ホームだと思うんですが、これを民間のどこが引き受けるのか、これは私はそういう行き先も含めて心配をしておるんですが、どういうようなお考えか、現状を報告してください。
○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設につきましては、年金制度の厳しい財政状況等を踏まえて、年金資金等への損失を最小化という繰り返し申し上げております考え方に立ちまして、例外なくこれを整理合理化するということがまず議論の出発点にあろうかと思います。
 しかしながら、老人ホームにつきましては、ただいまお尋ねにもございましたように、現に入居者の生活の場になっているという点では他の例えば宿泊施設等とは性格が異なります。したがいまして、入居者の生活に支障が生ずることがないように一定期間の事業継続を譲渡条件とするということをまずは条件に付けたいと思っております。
 また、あわせて、代替施設へのあっせん等についても、これは地方自治体等の関係機関とも連携を図りながら適切に対応し、入居されている方々に不安の生じさせることのないよう十分に説明に努めてまいりたいと考えております。
 なお、同じ老人ホームの中でも終身利用型の老人ホームがこの年金関係施設でやはり一か所ございます。これにつきましては、ただいま申し上げたような要素に加えまして、終身利用という事情が加わってまいります。したがいまして、こういった事情を踏まえまして、譲渡の在り方については適切に判断してまいりたいと考えております。
○草川昭三君 適切に判断をしてということですが、これは特に配慮をして今後運営していただきたいと思います。
 もう時間が来ましたので最後になりますが、社会保険の病院の在り方について、これも抜本的な見直しを行うことになっていますけれども、自立して経営を行うことができる社会保険病院はどの程度見込まれているのか、これをお伺いをしたいと思います。
 それから最後に、一緒にもう一つ、例えば地域医療から評価の高い社会保険病院もあります。例えば、私どもの愛知県の中京病院というのがありますが、熱傷では恐らく世界的な規模を持っておる病院でありますし、それから、今日は私ども愛知県には大学の附属病院もたくさんあるんですが、例えば脳外科関係の患者なんかでも、大学病院もある一定の期間を過ぎますともう扱ってくれないんですね。というような受皿として、この社会保険中京病院なんというのは余り経営的には得策でない患者でも非常に熱心に引き受けていただける、地域で非常に支持をされている病院があるわけでございますが、こういう病院なんかもどういう取扱いになっていくのか、併せてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(青柳親房君) お尋ねの社会保険病院につきましては、平成十四年十二月二十五日の社会保険病院の在り方の見直しについてという私どもの方針に基づきまして、平成十五年度を初年度とする三か年の経過措置期間、この間におけるそれぞれの病院の経営改善計画の実施状況を踏まえた上で、先ほどお尋ねございました三つの類型、すなわち、単独で経営自立ができるもの、単独での経営自立が困難であるが地域医療にとって重要なもの、それからその他のものと、このような形に分類をしていきたいというふうに考えております。さらに、経過期間中であっても新しい経営方式への移行が適切と思われるものについては、当然迅速に対処してまいるという考え方があるわけでございます。
 お尋ねの中で単独で経営自立ができる病院がどの程度になるかという点がございましたが、この点については、経営改善計画の実施状況を踏まえた上で、十八年度に策定する整理合理化計画において具体的なものをお示しをしてまいりたいと考えておりますので、現時点でどの病院がということについてはちょっと御勘弁をいただきたいと存じます。
 また、個別具体の病院として社会保険中京病院のお尋ねがございました。
 この社会保険中京病院については、熱傷の治療患者さんの受入れのために昭和五十三年から熱傷センターというものを設けていると、これはただいまのお尋ねの中にもあったようでございます。また、それだけではなく、平成十五年の四月からは救急救命センターの指定を受けるというようなことで、地域医療においては高い評価を受けているということでございます。また、その収支についてでございますが、十五年度の決算におきましては、建物等の更新費用として四・四億円を計上した上でなおかつ約五億円の黒字があると。残念ながら、累積では約三億円の赤字がまだあるわけでございますが、収支上も大変成績の良い病院ということだろうと思います。
 こうした言わば収支状況等も踏まえた総合的な判断ということで、経営改善計画の実施状況を踏まえた判断を改めてさせていただきたいと考えております。
○草川昭三君 終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。今日は本委員会で質問させていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、今回の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案が出された背景についてですが、先ほど来から答弁がございますが、社会環境の変化、国民のニーズという御答弁がございました。
 ここで私は改めて大臣にお伺いしたいと思います。国民のニーズというのはどういうものでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) これは様々に、施設によりましてもニーズの形、違うかと思いますが、例えば大変代表的な宿泊施設ということを一つの例に取ってみますと、かつては、宿泊施設というのは大変大きな企業の保養所であるか、さもなければ民間のデラックスな旅館なりホテルという形で、なかなか一般の庶民には手の届かないようなものもあったという中で、私ども、年金あるいは健康保険等で比較的利用しやすい施設というものを整備してきたという経緯があろうかと存じます。
 しかしながら、今日、国民のニーズ大変多様化しておりますので、片方ではむしろ豪華な施設をお求めになる向きもあるかと思いますし、また逆に言えば、大変例えば観光地でもビジネスホテルを利用しての観光といったようなものも出てまいりますので、そういった多様なニーズの中でこの年金福祉施設等の果たす役割がやっぱり変わってきているのかなということが一つ例示としては挙げられようかと存じます。
○小林美恵子君 国民のニーズといいますのは、先ほどおっしゃられたような、デラックスな宿泊施設とおっしゃいましたけれども、つまりグリーンピアのような採算性を無視した巨大施設への年金積立金の投入ですとか、社会保険庁の特定の業者との随意契約による不透明な癒着や、職員が組織的に監修料を受け取っていた問題などで、年金財源の無駄遣いはしないでほしいというのが国民のニーズだと私は思います。
 そうした声が上がるのはもっとも当然のことだと思いますし、この点については我が党も厳しく指摘をしてきました。同時に、国民の財産である年金積立金を給付以外に流用したり株式運用のリスクにさらすことを禁じるのは我が党の立場でもあります。しかし、今回の法案は余りにも乱暴過ぎると言わざるを得ません。
 この法案の機構で整理合理化の対象になる三百二十八施設の中には、病院、保養ホーム、診療所、健康管理センターなどのそういう機関があります、施設があります。こうした施設を例えばグリーンピアのような箱物と同列視のようにして、あの三百二十八施設をとにかく十把一からげにして同列に扱うというのは余りにも乱暴ではないでしょうか。
 ここで私は大臣にお伺いしたいと思います。こういう病院、保養ホーム、診療所、健康管理センターなどのこういう機関とその他の施設と一緒に取り扱うことについて、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど、まず国民のニーズということでお答え申し上げました。私どもがこの法案提出に当たりまして国民のニーズの変化ということを申し上げておりますので、その国民のニーズの変化という意味で御説明申し上げれば先ほど御答弁申し上げたようなことになります。ただ、国民の声を受け止めて、聞いてという意味で申し上げればそのとおりでありまして、今また先生からお話しになったようなことになろうかというふうに思うところであります。
 そこで、国民の声をどう聞くかということでございますけれども、やはり今大変厳しいものがございますので、また、年金の積立金をどう使うかということについてもまた厳しい御注文もいただくわけでございますので、そうした中で、今回、福祉施設の廃止、譲渡ということを考えますときに、やはり、十把一からげという表現もございましたけれども、十把一からげというふうには私どもは言うつもりもまたありませんけれども、ただ例外を作らずにこの際廃止、譲渡することがよろしいという結論に達したものでございます。
○小林美恵子君 では、私は経営の状況でお聞きしたいと思います。
 今回対象とします施設の経営状況は全体としてどうなっているのか。二〇〇三年度の単年度とそれから累積収支ですね。しかも、厚生年金病院についてはそれがどうなっているのか。また、今現在、現在についてですけれども、これらの施設が年金財源を圧迫しているような状況があるのかどうか、これはいかがですか。
○政府参考人(青柳親房君) まず、対象施設の経営状況についてお答えをいたします。
 年金福祉施設等に係ります平成十五年度の単年度収支につきましては、三百二十八の施設のうち黒字が二百五十二施設、赤字が七十六施設となっております。トータルでは二十七億円の黒字となっております。また、平成十五年度までの累積収支につきましては、たまたまこれ同じ数字になっておりますが、黒字が二百五十二施設、赤字が七十六施設であり、トータルでは五百四十七億円の黒字となっております。
 また、そのうち厚生年金病院についてはどうかというお尋ねでございましたが、平成十五年度の単年度収支につきましては、十病院中黒字は、すべて十病院でございます。また、トータルでは十八億円の黒字となっております。十五年度までの累積収支につきましては、黒字が八病院、赤字が二病院ということで、トータルでは二百三十四億円の黒字となっております。
 なお、申すまでもございませんが、いずれの数字につきましてもいわゆる減価償却分は含まない数字ということでございます。
 また、あわせて、こうした年金福祉施設が年金財政を圧迫しているのかというお尋ねでございました。
 年金福祉施設は、御存じのように、施設の運営費に対して特別会計からお金を出しているということではなく、あくまでもその箱物を造るというところに年金保険料を使わせてこれまでいただいたわけでございますが、その施設自体がそういう意味では特別会計の財産ということになっておりますので、この財産を保全するという観点から支出をしてきたということがこれまでの現状でございます。年金財政そのものにつきましては、平成十七年度予算、御存じのように、厚生年金、国民年金のそれぞれにおいて単年度の収支均衡を図るために積立金の取崩しを行わなければならないという厳しい財政状況になっていることも御承知のとおりでございます。
 したがいまして、これらの福祉施設が直接にその年金財政を圧迫しているかということになれば、ボリュームから比べましてそういうことではないかとも存じますが、しかしながら、こうした厳しい年金の財政状況ということを念頭に置きますときに、施設を取り巻く社会環境や国民のニーズの変化ということも併せ、年金福祉施設等の整理をすることが必要であるということから、今回こうした法案の御審議をお願いしておるところでございます。
○小林美恵子君 黒字であって、しかも年金財源を今は圧迫をしていない、そういう状況の中でなぜ整理合理化が必要なんでしょうか。これは大臣にお伺いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど申し上げましたように、福祉施設、例外なくこの機会にといいますか、今回譲渡をする、売却するということでございまして、答えとして申し上げるべきことは、例外はつくりませんと、こういうことでございます。
○小林美恵子君 今のは全く御答弁になっていないというふうに私は思います。再度質問するのはやめにしますけれども。
 では、私は、こういう施設の中で、地域の方々が残してほしい、存続してほしいという、そういう施設もあります。その中で、厚生年金病院について今日は今から質問をさしていただきたいというふうに思います。
 この文書は、私が大阪の厚生年金病院の院長からお預かりした患者さんの手紙です。その一部を紹介をします。入院するたびに思いますのは、どの病棟、外来に参りましても優れた医療スタッフがおられることです。非常に高い医療レベルを維持しておられる大阪厚生年金病院が、厚生年金事業の見直しで売却されるとか。グリーンピアなどのような施設とは違い、病院のように公共性の高い施設では、赤字、黒字にかかわらず簡単に売却されるなどとんでもないことだと思います。長くつらいがん治療で入退院を繰り返している患者さんの仲間の中には、こちらの病院でお世話になったので最後まで面倒を見ていただきたいと。私も同感です。今の医療レベルを落とさずに民間などに売却されませんように、今後も今までどおりの病院の存続を切望いたしますと。
 私は大臣にお伺いしたいと思います。
 この患者さんの、高度な専門性を伴う年金病院の必要性を訴えるこの声を大臣はどう受け止められますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来いろいろ御議論いただいておるところでございますけれども、厚生年金病院につきましては、今もまたお話がございましたように、高度の整形外科療養でありますとかリハビリテーションを特色とし、病診連携を強化するとともに、地域がん診療拠点病院等の指定を受けるなど、地域医療にとって重要な役割を担っておるところでございます。したがいまして、そうしたことを背景にして地元自治体等から存続要望があることも承知をいたしております。
 しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、今回の整理合理化においては、年金制度の厳しい財政状況でありますとか社会経済情勢の変化等にかんがみまして、例外なく整理合理化を進めることといたしておるところでございます。したがいまして、厚生年金病院も例外とはしないと、こういうことを申し上げておるところでございます。
 ただ、とはいっても、厚生年金病院の整理合理化に当たりましては、申し上げておりますように、厚生年金病院が公的な医療機関として重要な役割を果たしておるという、そして他の年金の福祉施設とは異なる性格を有しておると、このことはまた否定できないところでございますから、そのことには十分配慮をいたしまして、関係する地方公共団体とも協議の上で、地域医療の提供に支障が生じることがないように、今の患者さんの御心配などが、御心配にならないようにという形での対応をしてまいりたいと、こういうふうに考えます。
○小林美恵子君 患者さんの心配にならないように対応したいという答弁でございましたけれども、私は、改めてもう一つ事例を出してお伺いしたいというふうに思います。
 大分の湯布院の厚生年金病院にも伺いました。ここでは、温泉の効能を利用した療法、また理学・作業・言語療法のリハビリの療法が随分中心的な役割を担っていましたけれども、埼玉から来られている入院患者さんは、脳卒中で倒れて言語障害となって、病院に来たときは当初は何も話すことはできなかったとおっしゃっていました。でも、この病院でリハビリを受けることによって話ができるようになった、病院の先生のおかげだというんですね。私は、やっぱりあのリハビリというのは本当に重要だなというふうに痛感をします。
 この点は、昨年十二月八日に大臣あてに出された全国十か所の厚生年金病院長連名の要望にもあるかと思います。その文面を見ますと、昭和十九年に別府に設置された病院に始まる厚生年金病院は、伝統的に全病院での高度の機能を持つリハビリテーション医療が連続的に行われている、我が国において、患者様の立場から、全国をカバーして問題点を解決しながら、リハビリテーション医療を向上させる能力を有する医療機関は厚生年金病院以外に存在しないと思わるとして、公益法人的な一つの運営組織に所属させていただきたい、そして地域住民の健康と福祉を守るために何とぞ御配慮願いますと。
 この要望は、私は、年金病院の長い歴史を背景に、実態を踏まえたところから出発しての本当に具体的な要望だというふうに考えます。
 大臣、改めて、この要望にはどうおこたえになるでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 昨年の十二月に厚生年金病院長の連名で要望書をいただいております。また、その際、病院経営の責任者である病院長の方々から直接お話も伺いました。そのお話を伺ってもおりますし、また、申し上げたように要望書もいただいておりますから、今のようなお話というのは私も承知をいたしておりますということをまず申し上げたところであります。
 そこで、その上でということになりますと、先ほどのお答えの繰り返しになるわけでございますが、厚生年金病院というのが公的な医療機関として重要な役割を果たしておる、このことはそのとおりでございますから、これまで厚生年金病院が地域医療に果たしてきたそうした機能等は十分に勘案して、関係する地方公共団体等とも協議の上で、地域における医療の提供に支障が生じることがないように検討してまいりたいと考えております。
○小林美恵子君 では、私は病院と連携している保養ホームについてもお聞きしたいと思います。
 北海道の白老、神奈川の湯河原、島根の玉造、大分の湯布院の四か所では、年金病院と保養ホームが連携して温泉療法を取り入れた滞在型のリハビリテーションを特徴としています。年間今九万人が利用されているようです。
 湯布院では病院の本当にすぐ隣に保養ホームが隣接をしていますけれども、病院を退院されても在宅にはまだまだ期間が必要な方が保養ホームに滞在をしてリハビリを受けているという、そういう現状がございました。九割が病院の方との連携です。今回の法案では、整理の対象にこのホームは選考されています。私は、やっぱり現状は切り離せない、年金病院と保養ホームは切っても切り離せない連携にあるというふうに思います。その点で、保養ホームについても病院との連携の役割について考慮すべきだというふうに思いますけど、これは大臣、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生年金保養ホームのお話でございますが、この保養ホームは、長期にわたる患者へのリハビリテーション、生活指導等を行う施設でございまして、病院と一体のものと位置付けられておるわけではございません。まずそのことを申し上げます。
 しかしながら、地域の保健医療に貢献しておる施設であることもまた間違いのないところでございまして、その譲渡に当たりましては、施設の中心的な機能の維持を条件とした一般競争入札によることとしておりますので、保養ホームが地域において果たしている必要な機能は維持されるものと考えております、譲渡された後も機能は維持されるものと考えておりますということを申し上げたところでございます。
○小林美恵子君 その機能といいますのが、病院と不可分の機能というのがあるんです。そこも考慮するということでいくべきではないかと私は思いますが、いかがですか。
○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金の保養ホームにつきましては、御指摘のように、例えば栄養士による栄養相談とか隣接する厚年病院との連携による運動指導という形で、病中病後の被保険者の方が早期に元の生活に復帰できるということの支援、こういう点で非常に大きな効果を上げているということは私どもも認識をしております。
 しかしながら、先ほど大臣からも申し上げましたように、あくまでもこれは事実上の連携という形でやっておるものでございますから、例えば、制度上あるいは様々な医療その他の給付の上で一体という形になっておるものでは必ずしもないということでございますので、私どもとしては、こうした地域の保健医療に貢献しているという厚生年金保養ホームの譲渡に当たっての配慮事項という点を、施設の中心的な機能の維持を条件とした一般競争入札ということによることによりまして、何とかその地域において果たしている必要な機能の維持を図っていくことができるのではないかというふうに考えております。
○小林美恵子君 改めてこのホームについても重要な役割があるということを認識をされて私は取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それで、先ほど来から大臣は、こういう病院でありますとか存続の声は聞いているというふうにおっしゃられました。本当に存続の運動は大きく広がっています。大分湯布院では、本当に厚生年金病院と保養ホームの存続・充実を願う会が会員五百名で発足をして、町長、町議会長以下全町会議員、観光協会、農協など存続を求める署名は、町民一万二千人のところで三万四千人にも上っています。神奈川湯河原でも、大阪枚方でも、大阪福島でもです。大阪厚生年金病院では、このわずか二十日間で二万二千人を超える存続を求める署名が寄せられています。私は、例えば年金病院が公的な病院である、そしてそれを地域医療にとって重要な維持をしていくようなことが大事だというふうにおっしゃるならば、こうした存続を求める声を本当に十分に酌み尽くしていただきたいというふうに思うんです。
 そこで、私はお聞きしていきたいと思います。
 三月末に厚生年金を除く年金・健康保険施設に係る整理合理化計画が発表されています。厚生年金病院については二〇〇五年度中に整理合理化計画を作成するとあって、そのベースとなっている新与党合意では、地域医療にとって重要な病院はその機能が維持できるよう十分考慮するというふうにあります。
 ここで、改めて私は大臣に確認していきたいと思います。
 今申し上げました、例えば大阪枚方、星ヶ丘厚生年金病院等は六百四床の総合病院、エイズや臓器提供、がん診療などの拠点病院となって、健診センターの受診者は年間八千人にも上っています。大阪厚生年金病院は二十四時間の救急体制で年間一万五千人から一万六千人の急患、しかも小児救急体制も取り、診療報酬の低い小児科から撤退する病院が増える中で中心的な役割を果たしています。湯布院の厚生年金病院は、百八十床のリハビリ病棟を持って、脳卒中で入院してリハビリを受けた方の七割が回復して在宅に着くと言われています。しかも、大分のリハビリ支援事業の中核センターです。正にこうした厚生年金病院というのは地域医療にとってなくてはならない重要だというふうに考えるけれども、大臣もその立場ですね。改めて確認をしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生年金病院の譲渡に当たりましては、平成十七年二月の与党合意事項におきましても、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るべきだとされておりまして、私もその立場でございます。
○小林美恵子君 私は、それでは社会保険病院との関係で少しお聞きしたいと思います。
 今回の法案の三条で、売却・廃止の対象となる施設は、厚生年金保険法第七十九条又は国民年金法第七十四条の施設及び健康保険法第百五十条第一項、第二項の事業の用に供する施設であって厚生労働大臣が定めるものとしています。今回、機構の対象とする施設の中から社会保険病院が省かれていますけど、その条文の根拠としては、厚生労働大臣が定めるものから外されているということで理解をしてよろしいでしょうか。これは簡潔にお答えください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 法案において出資対象施設を厚生労働大臣が定める施設と規定いたしましたのは、社会保険病院については平成十五年度から平成十七年度の三年間において経営実績を評価することとしておるわけでございますので、そういう意味で例外としなきゃならない、すなわち厚生労働大臣が定める施設という規定が必要であったと、こういうことでございます。
○小林美恵子君 では、仮の話でお聞きしますけれども、厚生労働大臣が定めるものから外されれば厚生年金病院も対象外とするということができると理解してもよろしいでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもは、例外なく出資の対象とする、この際、保険福祉施設は例外なく出資対象とするということにしておりますけれども、ただ、その中で厚生労働大臣が定める施設という規定を置きましたのは、今申し上げた社会保険病院とそれから機構の設立までの間に譲渡が行われる施設がございますので、この二つだけを除くという趣旨でございます。したがいまして、その他は例外なくということになるわけでございます。
○小林美恵子君 私は仮にとお伺いしたんです。仮に厚生労働大臣が外すものの対象に厚生年金病院を入れるとすると、条文上は成り立ちますねという確認なんです。
 もう一度確認します。仮にです。
○国務大臣(尾辻秀久君) 仮にということでございますが、今お答え申し上げたのは、そういう仮にということを考えておりませんということをお答え申し上げたところでございます。
○小林美恵子君 最後に、済みません。
 そういう御答弁でございましたけれども、条文上からいきますと、施設について大臣が整理合理化の対象から外すか否かという権限があるという、条文上からいくとそうなるというふうに私は理解をします。そういう点では、年金病院などについていかに重要か、このことが大臣がいかに認識されるかどうかというふうに私は思うんですね。そういう意味では、地域や病院からの要望、地域の役割を本当に十分に酌み尽くしていただいて、国としてやっぱりこうしたものは存続する責任を果たしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 本案について聞く前に二問、二つの点についてお聞きをいたします。
 まず、厚生労働省は中国養父母お見舞い訪中援助事業の拡充をするということを発表をされました。これは、私は三月十五日この厚生労働委員会で、又市征治さんが三月十六日予算委員会で、残留孤児の問題に関してお見舞い訪中援助を拡充すべきではないかと質問したことも影響があったかというふうにも思いますが、厚生労働省が発表された訪中援助事業の拡充について教えてください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 突然のお尋ねでございますので余り細かなことを御説明申し上げることはできませんけれども、今お話しいただきましたように両先生からの御指摘もございまして、そうした中で、私どもも中国の残留邦人の皆さん方のお気の毒な状況をかんがみますと、やれることはやらなきゃいかぬというふうに思いまして、ではやれることは何かなということで考えたのが先日発表させていただいたものでございます。
 それは、養父母の訪問というのが、今まで一回だけお願いします、お願いしますというか、一回限りにおいて旅費を出させていただきますと言っていたものを、養父母の皆さんもお年を召しておられるから、二回でもあるいは場合によっては三回でも訪問してください、その旅費を出させていただきますと。
 それから、生活保護をその間、生活保護をもらっておられる方は中国に行っておられる間生活保護を切られる、これ何とかならぬかというお話もございましたから私どもも検討したんですが、生活保護そのものの制度にかかわる部分というのはすぐにはいじれない。であれば、それに代わるものというか、当たるものと言ったらちょっと言い過ぎになるかもしれませんが、養父母の皆さんへのお土産代ということを差し上げることによってその分を実質カバーさせていただこう、こんなことを盛り込んだことを発表させていただいたところでございます。
○福島みずほ君 本当にありがとうございます。
 今まで一度しか援助がなくて、昭和六十二年から平成十六年度末まで三百人の孤児の方が利用されていると。二度利用できる、あるいは緊急の場合はもっと利用できる場合があるということで、戦後六十周年を機に事業内容を拡大をしてくだすったことにそれは心から感謝をいたします。当事者の人たちも非常に喜んでいますので、これについては厚生労働省が素早く対応してくだすったことに感謝をいたします。
 二つ目は、在外被爆者の問題です。
 四月七日の日韓外相会議の席上で、在外被爆者が在外公館において健康管理手当を受け取れるよう検討するとありますが、外務省、これは事実でしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) お答えを申し上げます。
 四月七日、イスラマバードで行われました日韓外相会談におきまして町村大臣より、過去に起因する諸問題について人道的対応を更に継続して進めるとの方針を説明いたしました。町村大臣はその上で、そのような方針の一環として、在外被爆者支援について、健康管理手当の支給申請に当たり在外公館の活用を検討する旨述べたところでございます。
○福島みずほ君 これについても一歩前進だと思いますが、厚生労働省、いつごろをめどに考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、ただいまのことを受けて、それで私どもがどう考えるかということ申し上げたいと存じます。
 在外被爆者からの申請につきましては、仮にこれを認めた場合に、適正な支給を確保することが難しいということが従来からの問題の一つであったわけでありますが、今の在外公館の活用は、こうした実務面での問題の解決について新しい方向性を示すものだと私どもも前向きに考えております。
 ただ、一つ更に私どもが考えます問題というのは、在外被爆者がお住まいの国というのが多数に上っておりますので、今韓国についてのお話だけでございましたから、これが全体的に活用できるのかといったような、ほかの国についても活用できるのかといったようなことも、これは外務省と相談しながら検討しなきゃならないと思っております。ただ、高齢化が進む中でありますから、私どもも支援の在り方考えていくことは非常に重要な課題だというふうに考えておるところでございます。
 そこで、いつという御質問でございましたが、今申し上げたようなことで、具体的に時期を申し上げることはまだ困難でございますが、引き続き検討を進めさせていただきますということを改めて申し上げます。
○福島みずほ君 外務省が在外公館において健康管理手当を受け取れるよう検討するとしてくだすったおかげで一歩前進が始まっていると思います。
 外務省は、これについていつごろというめどはお考えでしょうか。あるいは葬祭料についても在外公館で受け取れるよう検討されるでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) 健康管理手当に限りましては、その支給申請に当たり在外公館を活用することにつきまして、可能な限り早期に実現すべく厚生労働省と協議を進めてまいりたいと存じます。
○福島みずほ君 葬祭料についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) なるべく実現可能性の高いところからということで、今申し上げました繰り返しになりますけれども、健康管理手当の支給申請ということで始めさせていただきたいと存じます。
○福島みずほ君 是非、葬祭料についても在外公館で受け取れるよう検討をお願いいたします。
 被爆者手帳の受付、交付を在外公館でできるようにする件についてはいかがでしょうか、外務省。
○政府参考人(西宮伸一君) 繰り返しのお答えになるかもしれませんけれども、我々といたしましては、過去に起因する諸問題につきまして人道的対応をするという立場ではございますけれども、いろいろと厚生労働省と協議しながら進めていく必要があるというふうに存じます。
○福島みずほ君 被爆者手帳、戦後六十年、広島、長崎から六十年たちました。在外公館でできるよう、外務省そして厚生労働省、前進を今年こそ早い段階でお願いいたします。
 次に、現在、在外被爆者で被爆者手帳を申請している方々は、証人を確保できないなどの理由から手帳を取得できないでおります。二人証人が必要であると。ところが、六十年たって証人が確保できないということは、戦後五十年以上日本政府が在外被爆者を放置してきたことに大きな原因があるのではないでしょうか。つまり、これが五十年前だったら、広島にいたということの証人が二人はもう簡単に見付けることができたのではないか。ところが、六十年たちますと証人がなかなか見付けることができない。よって、本人が原爆投下時に広島又は長崎にいたことが確認できるならば手帳を交付していくようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話は、在外の方じゃなくて国内、在外の方ですか。
○福島みずほ君 はい、在外。
○国務大臣(尾辻秀久君) 在外の方ということでありますと、まず基本的に、国外からの申請は法律の明文上認められておりませんので、まず法律の問題があると、基本的にということを申し上げたいと存じます。
○福島みずほ君 この問題は、在外公館でできるようにという、高齢で日本に来れないということもありますが、二点目は、やはりなかなか在外被爆者で証人二人を、一緒にいたとかいうのは見付けることが困難であるので、その点についても是非善処をお願いしたいと思います。
 では、法案について質問いたします。
 ずっと審議を聞いておりましても、この法案が一体なぜ出てきたのかよく分からない。改革という名の下に厚生年金病院つぶしをやってしまうんではないかと大変危惧感を持っております。答弁の中で年金財政逼迫の折ということが何度か出てきました。私は、年金積立金百四十七兆円を、もうじき百兆円以上運用をすることができると。例えば公債、外国の債券や株式を買ったり、日本の株式や社債を百兆円これから運用していくわけですが、何兆円も損をしたり、あるいはアメリカの国債を買うことは非常にリスクが高いというふうに思っております。
 財政逼迫の折、年金の保険料を大事にするということであれば、こういう厚生年金病院などをつぶす方向ではなくて、もっと別の年金財政立て直しの方法があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 年金の財政問題、最大の理由は、御存じのように、平成六年の年金制度改正以降、六年の改正で二段階で保険料を引き上げるという制度を組み込んだので途中で上げたことはございますが、基本的には十年近く保険料の引上げというのが行われない中で年金収支のバランスが崩れておるということが最大の原因ではないかというふうに理解をしております。
 したがいまして、昨年成立をさせていただきました年金改正法案によりまして、今後毎年保険料を引き上げていただくということができますので、もう四、五年しますと財政収支黒字に好転するということが見込まれておるわけでございますので、ただ、そういう状況の中でも、今後の高齢化等を考え、年金財政というものを安定的に運営していくためには、今回お願いしているような年金福祉施設について、その時代の変遷というものをきちんと織り込んで見直しをしていくということは不可避ではないかというふうに考える次第でございます。
○福島みずほ君 先ほど答弁で、年金財政をこの厚生年金病院や様々なものが圧迫しているわけではないという答弁がありました。だとしたら、なぜこれを独立行政法人とするんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設で支出しておりますお金のボリュームとの関係でいえば、これが直接に年金財政を圧迫するということはないだろうというふうに申し上げたわけでございますが、現に、年金の収支というのが、平成十七年度の段階で積立金を取り崩さなきゃいけないという状況になっていることは紛れもない事実でございます。
 したがいまして、今後の年金財政、安定的に制度運営をしていくという観点から年金制度改正を昨年行っていただいたわけでございますが、あわせて、これらに関連する例えば年金福祉施設といったものについても今回見直しを行い、そういった方向に沿った見直しをするということが求められているというふうに認識をしております。
○福島みずほ君 去年初めて年金積立金を取崩しをしなければならなかった理由は、グリーンピアなどが理由だったわけです。なぜここでとばっちりで厚生年金病院の取りつぶしをやるんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 年金財政の厳しい状況ということは先ほど来申し上げているとおりでございますが、あわせて、こういった年金福祉施設を取り巻く社会環境、あるいは先ほど来申し上げている国民のニーズ、こういったことを総合的に考えれば、もはや年金の福祉施設というものを大きな多額の保険料を使って運営する時期ではない、むしろこれを適正に譲渡、売却し、年金資金への損失の最小化を図るということが今日求められているというふうに認識をしておるところでございます。
○福島みずほ君 国民のニーズ、社会経済の変化とおっしゃいました。国民のニーズとは何ですか。
○政府参考人(青柳親房君) 多種多様な側面があろうかと存じますが、一つには、例えば宿泊施設に代表されるような年金の施設を、国民がこういう形の施設利用というものをかつてに比べて大きく望んでいるわけではないんではないだろうかと。あるいは、もっと広い意味で、先ほど大臣もおっしゃったように、年金の福祉施設にお金を使うよりは、それも含めて年金財政の安定化というものを図ってもらいたいという国民の御要望があるということを踏まえなければならないというふうに認識をしております。
○福島みずほ君 グリーンピアは確かにある時期無駄になったかもしれません。そういう宿泊施設は要らないと、そういうふうに国民のニーズは変化をしたかもしれません。では、厚生年金病院、これには国民のニーズはないのでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院につきましては、地域の医療に果たしている役割が大変大きいという意味で、他の例えば保養所等の施設とは異なる要素を持っているということは御指摘のとおりかと存じます。そのために、この厚生年金病院の譲渡あるいは売却に当たりましては、そういった地域医療ということへの配慮を十分に行った上で慎重に検討していくということが与党の合意でも合意されたわけでございますので、私どももそれを十分認識をしながら対応させていただきたいと考えております。
○福島みずほ君 全く理解ができません。国民のニーズがあるから独立行政法人にするのだ、売却するのだとおっしゃいます。では、国民のニーズとは何かといえば、地域のニーズは極めて高いと。全く国民のニーズなどないじゃないですか。国民のニーズは、こういう施設を残してほしい、厚生年金病院などを残してほしいと。売却する最大の理由が国民のニーズである、しかし国民のニーズは存続を望んでいる。つくられた、つくられた理由じゃないですか。立法趣旨が全く分かりません。
 厚生労働省は、厚生年金病院、社会保険病院・診療所、健康管理センター、介護老人保健施設、保養ホームの存続、充実に関する地方議会、自治体首長、医師会等の意見書をどうごらんになっていらっしゃるでしょうか。県議会でも市議会でも区議会でもたくさん要望書が出ております。これは国民のニーズではないんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) 国民のニーズは、片方では年金の保険料を年金給付あるいは年金給付にかかわるもの以外には使わないでもらいたいと、これは非常に大きな国民のニーズであろうと存じます。同時に、厚生年金病院が地域の医療等に果たしている役割、こういったものについても国民のニーズがあるということでございますので、私どもはそういう点併せ考えますと、病院の譲渡に当たって、病院機能の公益性を損なうことがないように十分に検証をした上で、適切な方法によって結論を得るということによって、この両者のニーズというものをうまく両立をさせていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 先ほど局長は、国民のニーズとは、現在このような保養施設が必要ではない、これが国民のニーズであるとおっしゃいました。しかし、国民年金病院などを残してほしい、県議会等はそれを決議で意見書を出しております。全然違うじゃないですか。
 それから、先ほども、じゃ国民のニーズの意味が答弁で変わりました。いや、一円も保険料を払ってほしくない、これが国民のニーズだと突然答弁が変わりました。しかし、先ほどから出ているように、財政を圧迫をしているわけではないというのが答弁です。財政を圧迫しているわけではない、廃止してくれという要望が強いわけじゃない、むしろ地元や地域は存続してくれと言っている。だから、この立法趣旨が全く分からない。これについていかがですか。
○政府参考人(青柳親房君) 個別の施設あるいは個別の病院に対しましては、それぞれ、それぞれの地域での存続要望というものもあるということはただいま御紹介のあったとおりではないかと存じます。しかしながら、年金制度全体ということで考えました場合に、年金保険料を年金給付あるいはこれにかかわるもの以外に使わないということもまた強い皆さんの合意ではないかというふうに考えておりますので、私どもとしては、個別の言わば施設の果たしている機能、役割といったようなものと、日本の国全体の中で実現していかなきゃいけない問題というものをどのように両立していくかということをこうやって具体的な形でお示しをさせていただいているというふうに御理解賜りたいと存じます。
○福島みずほ君 年金財政を圧迫していないのに、地域で望まれているのに、なぜ売却をするのでしょうか。厚生労働省は、こういう公的な病院はもう民営化すればいいというふうにお考えなんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほど来申し上げておりますように、厚生年金病院の今後の取扱いにつきましては、病院の譲渡に当たっては、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得ると考えております。したがいまして、営利だけを目的としたような形で、営利を念頭に置いたような形で例えばこういった病院が運営されるということは、決して望ましくないというふうに私どもも認識をしております。
○福島みずほ君 特に際立った問題がないのに、なぜやるのかさっぱり分かりません。五年以内に売却先がない場合は廃止になります。先ほどの答弁でも、一円も高く売却できるようにやると言っている。ただ、これが病院施設としてされるのが望ましいと言ったところで、売却先がなければこれは廃止になってしまうわけですし、売却の後どうなるかということも責任が取れないわけです。際立った問題点が生じず、地元から望まれているのになぜ厚生労働省がつぶすのか、私はまださっぱり分かりません。
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、年金の保険料、年金給付あるいはこの給付にかかわるもの以外に使わないということは国民の合意がある考え方ではないかと思いますので、したがいまして、まずは年金保険料をそういった施設に投入しないということが第一義に求められております。さらに、現下の年金財政等の状況あるいは国民のニーズ、それからこういった年金福祉施設に求められております、またそれを取り巻く社会環境、こういったものの変化を考えれば、単に年金保険料を投入しないということにとどまらず、これらを譲渡、売却することにより、年金財政の損失を最小化するということに資するべきではないかと考える次第でございます。
○福島みずほ君 こっちも繰り返しになりますが、これから百兆円以上、年金積立金、貴重な保険料を運用していくわけです。アメリカの国債も買う、社債も買う、日本の株式も買う、それから債券も買う。今まで株で何兆損をしたか、そう思います。そういうところの、百兆円以上これから運用してどうなるか分からないということを一方でやりながら、年金保険料を一円も使わないために、特に問題なく地元で待たれている、地元で歓迎され使われている医療施設を売却するというのが、本当に理解が全くできません。
 例えば、グリーンピアは投げ売りで大変批判をされました。売却、譲渡の健全の担保というのはどうやって行うんですか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま御紹介のありましたようなグリーンピアを始めとする様々な施設について、その売却の仕方について世間からも大変大きな批判を被ったことは十分私ども認識をしております。したがいまして、年金福祉施設の譲渡に当たりましては、年金資金等への損失を最小化するという、繰り返し申し上げております大原則、この上に立ちまして、まずは不動産鑑定の手法に基づいて適切な価格の設定に努める、そして原則として一般競争契約によりこれを売却するということで進めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 これを売却を受ける人間にとってみれば安く買った方がいいわけですよね。労働条件についても、労働条件を従前どおり維持するというものを引き継ぐとすれば、買う側からすれば非常に負担になる。うまみが非常に少ないわけです。今日答弁を聞いていても、労働者の雇用やいろんな点については配慮するとしかお答えが出てきておりません。
 福祉施設労働者の雇用の配慮、十分なサポートは具体的にどうするのか教えてください。
○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設に従事されている職員の方々は、それぞれの委託先の公益法人の職員という形になっております。したがいまして、これらの方々の雇用問題は、一義的には雇い主である委託先法人が責任を持つものであるというふうに考えております。そこで、相談窓口の設置あるいは再就職先の開拓、そういった再就職援助というものをこれらの公益法人でやっていただきたいというふうにはまずは考えております。
 ただ、この点につきましては、三月三十一日に定めました整理合理化計画におきましても、委託先公益法人の従業員の雇用問題の配慮を行うということが規定されておりまして、私どもといたしましても、独立行政法人と協力をしながら委託先の法人が行う再就職援助に対しまして可能な支援を行い、職員の雇用についても配慮していくということを取り組んでまいりたいと思います。
 具体的には、国と独立行政法人で協力をしながら、例えば、施設の購入者に雇用の継続を依頼する、あるいは関連団体における求人情報等の提供を依頼する、あるいは地方自治体、地域の経済団体等へ再就職の依頼を行うと、こういったようなことを通じて雇用についても配慮してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 再就職援助を行うと言われても、十分にできる可能性は全くありません。この点については努める、援助するというふうになっているだけで、雇用については大変問題があるということを述べ、今日での私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度といたします。
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○委員長(岸宏一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審査のため、来る十四日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会