第162回国会 厚生労働委員会 第20号
平成十七年五月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     坂本由紀子君     長谷川憲正君
     小池  晃君     市田 忠義君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     長谷川憲正君     坂本由紀子君
     白  眞勲君     櫻井  充君
     市田 忠義君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      薄井 康紀君
       警察庁生活安全
       局長       伊藤 哲朗君
       総務省自治税務
       局長       板倉 敏和君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長中村秀一君外八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。
 いよいよ参議院におきまして介護保険法の審議がスタートいたします。長丁場だと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、大臣にお伺いしたいんですけれども、介護保険法が施行されまして五年たちました。この間に、要介護認定者も増えましたし、また介護保険のサービスも非常に利用者も増えましたし、また事業者も非常に増えたという意味では、大変国民の間にも評価も高くなってきている法律だというふうに思っております。
 大臣も、この法律ができるまでの長い、かなり長い間ですよね、これを作るまでに自民党の中でも中心的なお立場でずっと審議に加わっておられたと思いますけれども、こうして今そういうお立場で、大臣というお立場でこの介護保険法の改正に当たられたこの時期に、この五年間、介護保険法をどのように評価しておられるのか、率直なお気持ちを伺わせていただきたいと思います。仮に点数を付ければ何点ぐらい取れるでしょうか。どうぞ。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたように、日本で初めてこの介護保険制度というのを創設を五年前にいたしました。最初のことでありましたから、創設時にはサービス基盤の確立を始め様々な課題がございましたけれども、これまた今お触れいただきましたように、サービス利用は倍増いたしまして、世論調査等においても年々評価が高まるなど、本制度は我が国の高齢期を支える制度として定着してきたと考えております。
 今、それでは点数付けろということもございましたけれども、点数を申し上げることは控えさしていただきますけれども、合格点はいただいておるというふうに考えておるところであります。
 しかし、その一方で、費用はもう急速に増大しておりまして、今後十年、二十年先を見据えますと、どうしても制度の持続可能性を確保していかなきゃならない。そして、そのためには、皆で支え合う部分、これすなわち保険料や税の部分でございますが、こうした部分と自ら備えるべき部分とのバランスにも配慮しながら、給付の効率化、重点化を進めますとともに、特にまた認知症高齢者の方々の問題、これまた大きな問題でございますし、こうした方々のこと、それから独り暮らし高齢者の増加などの新たな課題、こうしたものも出てまいっておりますので、今こうしたものに対応していく必要があると考えております。
 今回の制度改革におきましては、こうした視点に立ちまして、制度全般にわたる見直しをいま一度しようとするものでございます。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。
 今大臣もおっしゃられましたけれども、五年たってそれなりの評価は合格点だと。しかし、まあそれなりにまた問題も出てきているということでございます。
 本来、この介護保険法が始まりますときに、本来の高齢者の自立支援を基本理念とすると、そして施設中心からやっぱり在宅だというようなことを考えていたと思いますけれども、現実問題、まだ医療機関におきます社会的入院が解消したとも思えませんし、また介護福祉施設にいたしましても、在宅というよりもやっぱり施設に待機者が多くなり、そして在所期間も長くなるという状況もございます。やはり施設を、施設をというふうに期待も大きくなっているというふうに思います。
 またさらに、ケアマネジャーという新しい制度が生まれましたけれども、単独で事業をする方よりも併設した施設の中で働かれる方があって、そして、そういう方々のケアプランの立て方等にもよって、非常に必ずしも公正なケアプランでないんじゃないかと。少し使われ過ぎているんじゃないかとか、あるいは不正じゃないかというような問題も実は出てきております。
 さらに、もっと問題だと思いますのは、この介護保険制度の中で、事業者の中には、不正な問題を起こして、そして事業の認定を取り消されるというような例も出てきているというような問題も多々ございます。今の大臣がおっしゃいました認知症の問題もあると思います。
 というふうなことで、新たに今回の改正を提案されたわけでございますけれども、新たな改正点、是非、どんな点を主に改正しようとしておられるのか、改めてお伺いしたいと思うんです。特に、今回の改正が一般的にマスコミなんかで取り上げられているのは、サービスの切捨てであるとか、あるいは施設入所者の負担が大きくなって非常に経済的な対策だけではないかというような批判もございます。そういうことについても併せて御説明をいただきたいと存じます。
○国務大臣(尾辻秀久君) それでは、まず私から基本の部分三点だけ申し上げまして、その後、局長よりお答え申し上げます。
 今回の見直しでございますが、まず大きく私どもは三点のことを申し上げております。
 すなわち、まず一点として、軽度の方を対象としたサービスをより介護予防に効果的なものに見直すなど、予防重視型システムへの転換を図ること、これが一点でございます。予防重視型システムへの転換でございます。
 それから二点目に、在宅と施設との利用者負担の不均衡の是正等の観点から、介護保険施設入所者の居住費、食費の負担の見直しを行うこと、これが二点目でございます。
 それから三点目に、申し上げました認知症や独り暮らしの高齢者を身近な地域で支えるための新たなサービス体系の確立でありますとか介護サービス情報の公表などサービスの質の向上を図ること、これが三点目でございますが、大きくこの三点のことを見直しのポイントとして申し上げておるところでございます。
○政府参考人(中村秀一君) 敷衍して御説明申し上げます。
 委員の方から御指摘のありました、財政対策的な側面があるのではないかという御指摘ございましたが、一つは、予防重視型システムにしていくということで、要介護になる方また重度になる方をできるだけ今までのペースよりはペースダウンするということで、今後も介護給付費増加いたしますが、増加の幅をできるだけ小さくしたいということでございます。
 また、第二点目といたしまして、施設給付の見直しの中で、居住費用や食費の負担の在り方を見直しをさせていただく。この点は、そういったことで、保険料それから税でやっております給付費の部分についてはある程度従来と負担の在り方見直しますので、給付費の増加という点では、増加の幅を小さくすることができるのではないかと思っております。
 また、大臣から御説明申し上げましたとおり、新しいサービス体系をつくるという意味では地域密着型サービスをつくること、それから施設と在宅の御指摘がございましたが、在宅で暮らし続けられなくなると直ちに施設ということではなく、言わば自宅で住み続けられなくなった場合に、施設の手前に様々な居住系サービスといったことの充実などを新しいサービス体系の確立としては御提案さしていただいております。
 サービスの質の確保、向上に関しましては、情報開示の標準化、事業者の規制の在り方の見直し、それから御指摘のございましたケアマネジャーさんの関係についてできるだけ改善を図りたいと考えております。
 このほか、市町村に保険者をお願いいたしておりますので、第一号保険料の徴収の仕方の見直し、低所得者対策をきめ細かく打てるようにするとか市町村の保険者の機能の強化、要介護認定の在り方の見直し、介護サービスの適正化、効率化に市町村が取り組めるようにしていくなどが主な柱となっております。
○清水嘉与子君 大臣にもう一つお伺いしたいんですけれども、問題だというふうな指摘もありながら、しかし今回の改正には見送られたものというのがあると思います。その辺について、今後の課題とされたものは一体何なのか、そしてこれからどうするのかという辺りを少し御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、一番大きな課題として残されておりますのは、私どもが普遍化という言葉で表現をいたしておりますところの被保険者の拡大、どこまでするかということの問題であります。附則の中でこれは今後の検討ということで述べておりますので、まずこれが一番大きな私どもが検討すべき課題だと思っておりますし、これはもう十分御議論いただくべきことだというふうに思っておるところでございます。
 あと、いろいろありますけれども、今私どもに必要なことは、今度の法改正の中身というのを丁寧に御説明申し上げて、まずは御理解をいただく、そしてその上で利用していただくという、このことがまた大変必要なことだというふうに考えております。
○清水嘉与子君 それでは、局長にお伺いしたいと思います。
 今大臣から御説明いただきました改正点の中で、三つあったわけですけれども、特に一と二の問題につきましては、例えば介護予防の仕組みを導入する、そして要介護一の該当者が相当介護予防の方に変わると思うんですけれども、そのことによって介護給付費の対象が少なくなりますよね。そしてまた、施設入所者の居住費であるとか食費などの負担が出てくるということで、サービスの受け手から見ると、どうも負担増になるということはもう明らかだと思います。
 しかし一方、サービスを受けないで頑張っている方々、受けなくても済む方も実はたくさんいらっしゃるわけで、この方々の保険料が、もう既に一回上がったわけでございますけれども、これが、第一号被保険者の保険料が全国平均で二千九百十一円から三千二百九十三円に、一三・一%、既にもう三年目に上がったわけですね。今度また来年見直しという時期になるわけでございますけれども、その辺りについて大変心配が出てきているわけです。
 さらに、県ごとに申しましたけれども、保険料の市町村格差というのが、また都道府県別で見ても大変差があって、一番、最も安い茨城県が二千六百十三円、最も高いのが沖縄で四千九百五十七円と、こんなに格差が出てきている。その中でさらに来年第三期目の改定。もう既に高くなるんじゃないかというようなことがみんなささやかれております。
 今度の一、二の改正、さっきの改正点の一、二のことによってこの保険料アップにどのくらい影響をしていくんだろうかと、その辺の見通しがあったら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 保険料の点でございますが、委員からお話ございましたように、全国平均で一人当たり月額で三千二百九十三円、まあ約三千三百円と言わしていただきますが、現在約三千三百円、お一人月額、そういう数字になっております。
 私ども推計をいたしておりますが、第三期と申しまして、来年、十八年四月に二回目の保険料の見直しがございますが、現在の給付費の増加状況を見ますと、三千三百円から今回は四千三百円程度に、このままでは、制度改正がないとしたら上昇すると。それから、平成二十四年、十八年の次の次の時期まで推計いたしておりますが、第五期、平成二十四年から二十六年にかけましては六千円にお一人月額になるだろうと、こういう推計をいたしております。
 今委員から御紹介ありましたような予防の問題、施設給付の見直しによりまして、十八年四月には四千三百円に上昇するところが、主として施設給付の見直しの効果で三千九百円にとどまりますし、第五期、先ほど六千円と申し上げましたところが、予防効果が十分発揮されたといたしますと四千九百円、まあ何とか五千円以内にとどまるのではないかということで、給付費で申し上げますと約二割弱の、伸びることは伸びるんですが、伸び方が給付費で申しますと二割弱程度圧縮されると、こういう改正内容になっております。
○清水嘉与子君 それでは次に、予防重視型システムに変えるというところが非常に大きな点だと思いますけれども、現在の介護保険法でも介護予防の考え方は位置付けられているわけですよね。しかし、それが何が問題で実効が上がらなくて今回の改正になったのかということをやはりきちんと見極めなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
 これまで厚生労働省がやってきた健康づくりの問題、あるいは生活習慣病予防というようなヘルス事業をずっと進めてこられたわけですけれども、それとの関係、関連でこの介護予防事業というのはどんなふうな位置付けになるんでしょうか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 今委員から御質問ございましたように、厚生労働省では健康づくりということで長いこと取り組んでまいりましたし、老人保健法が制定されましてからは、四十歳以上の方に対しては、ヘルス事業と言われておりますが、老人保健事業で、今の言葉で申し上げますと生活習慣病対策あるいは機能訓練等もございますので介護予防の一部というようなことが実施されてきたというふうに考えております。
 介護保険制度ができまして、要支援、要介護の方については予防の給付それから介護の給付がなされているわけですが、要支援、要介護になる手前の方についてはヘルス事業の方で主としてやられてまいりましたけれども、どうも要支援の方に対します予防の給付とそれから手前のヘルス事業との間の連携が十分ではなかったんではないかと。それから、ヘルス事業につきましては生活習慣病対策が重点でございまして、分かりやすくという意味では健康な六十五歳、高齢者をつくるということについて一生懸命やってまいりましたけれども、活動的な後期高齢者、長寿化しておりますので、を目指すという意味での介護予防という点については少し手薄ではないかと、こういうふうに考えまして、今回の改正で六十五歳以上の方について介護予防を重視していくということで、要介護、要支援になる前の段階の方から軽度の要介護者まで一体的に介護予防サービスを提供することとしたところでございます。
○清水嘉与子君 健康づくり、まあそれぞれ縦割りだから仕方がないのかもしれませんけれども、六十五歳になってから慌てて介護予防だなんて言っても実は遅いわけでございまして、この健康づくりの問題は、厚生省でいきますと健康局がかかわり、老健局がかかわり、労働基準局がかかわり、雇用均等・家庭局ですかね、かかわる。そして、本来もっと前の学校教育の間に文部科学省と、トータルで考えなければできないことではないかというふうに思うんですね。いつもこの点は指摘されながらなかなかその連携がうまくいかずに、つまり、もう小さいときから健康づくりの問題をやらなければ、もうある程度年取ってしまってから慌てて筋トレなんてやってもとてもとても続かないと思うんですね。
 そういう意味では、是非是非そういう観点から、私はこの介護予防することに対して全然反対しているわけじゃありませんで、進めること大変大切なんですけれども、是非そういう大きな目でこれから取り組んでいただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 それから次に、予防給付の問題なんですけれども、要介護認定者の五〇%以上が要介護一に今当たっているわけですよね、要介護一。そうすると、その中で新たな予防給付対象に移る方を仕分をすることになるんだろうかと思いますけれども、済みません、ちょっとそういうふうに通告、まあ問題ないと思いますけれども、そのときにどの程度の方が新たな予防給付の対象に移るというふうに見込んでいらっしゃるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
 そしてさらに、今まで要介護一と認定してきた認定審査会において、介護認定審査会において、さらにこの今までの認定項目プラス高齢者の生活機能評価に関する調査項目を追加して、そしてまたここを分けると、こういう手順になるんだろうと思いますけれども、今までの基準からこういうふうにして分けることは問題はないんでしょうか。つまり、要介護一のところでかなり各審査の仕方にばらばらな点があるわけですよね。特に、軽い方の人たちの、何というんでしょうかね、市町村の格差というのが非常に大きいわけでございますので、ここがうまく見込んでいらっしゃるようにいくんだろうかという心配もあるんですけれども、その辺をお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 ただいま委員の方からお話ございましたように、要介護認定で要支援、要介護に該当される方の数、当初、制度スタート時二百十八万人でございましたけれども、直近の数字では四百万人超えるということで大変増加いたしております。その中で要支援と要介護一の方がほぼ半分でございまして、人数的に要支援と要介護一の方で四百万人を超える該当者のほぼ半分、二百万人が要支援、要介護一に該当しているというふうに考えられます。
 今御提案申し上げております予防給付は、要支援の方と、従来の要支援の方と要介護、従来の要介護一の方の中で、今認定審査会で認定をされました、要支援というふうに認定をされた方々を対象とするということでございますので、二百万人からどのくらいの方が予防給付の対象になるかと、こういうことがお尋ねだと思います。
 そこで、要介護一の方の中で予防に適していないと考えられる方、例えば認知症の方でございますとかまだ症状が安定していない方々、そういった方があると思いますので、その方が約三割程度というふうに考えられますので、そういうことを計算しますと、予防給付の対象者は百五、六十万人ということになるのではないかというふうに今のところ私ども申し上げているところでございます。
 予防給付の対象になるか、介護給付の対象になるかという点につきましては介護認定審査会でお願いをすることといたしておりますが、従来は要介護状態の区分の審査だけでございましたけれど、それに加えまして、状態の維持又は改善可能性の審査をお願いしなきゃならないということで、現在の認定調査項目七十九項目でございますが、これに高齢者の生活機能を評価する調査項目を若干追加いたしまして、まず第一次判定をしたいと思っております。第一次判定は、従来も言わば全国統一のコンピューターで判定するということでございますので、まずその点で振り分けの、第一次判定で振り分けの結果も出させていただくと。それを踏まえて、主治医の意見書等、それから特記事項など調査項目の中の特に特記された事項などを勘案して専門家が合議で第二次判定をしていただくことになっておりますので、第二次判定を経て予防給付の対象者を決めるということになるところでございます。
 これにつきましては、今年度中に二度の試行事業も実際の市町村でやっていただきまして、十八年四月からこの介護認定審査会の認定が円滑にいくよう努力してまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 まあ、今お話を伺いましたけれども、実際に要介護一の方で今度の審査によって要介護を外れる方が出てくる、要支援になる方々が出てくる。その方々から、今までのできていた、例えば家事援助のようなことが全部受けられなくなるんじゃないかという大変問題提起がございますけれども、この辺についてはいかがでございますか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 新しい予防のサービスでございますが、今までメニューでございました訪問介護、ホームヘルプサービス、その中に家事援助なども含まれているわけですが、それからデイサービス、通所介護、デイケア、通所リハビリテーション、福祉用具貸与、訪問看護、ショートステイ、グループホームなど既存のサービスも選んでいただくことができますし、それに加えまして新たなサービスといたしまして、口腔機能の向上、栄養改善、筋力向上などもモデル事業等を踏まえて導入することといたしております。つまり、メニューは、選択いただきますメニューは従来からむしろ増える部分もあるということでございますので、今委員からお話がありましたカットされるということではなく、適正なサービス利用については従来どおり続けられると、こういうことでございます。
 何が適正かということになりますと、そこは専門家の方々がきちんとマネジメント、介護予防のマネジメントをしていただいて評価をし、それから利用者の方とよく話し合って、またどういう目標を置いて介護予防を実施するかと、そういったことを踏まえてやっていただくということを考えております。
○清水嘉与子君 では次に、地域包括支援センターについてお伺いしたいと思います。
 これがどうもなかなか分かりにくいといいましょうか、どういう機能を果たすんだろうかと。いろいろ書いてございますけれども、なぜ介護予防事業を市町村の事業としてしなきゃいけないのかという辺りをちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほども申し上げましたとおり、要介護認定に該当するような状態になるまで、その手前の自立されている方が次第に生活機能が低下していき、最後に介護保険のサービスを利用されるということで要介護認定を申請され該当すると。生活機能の低下状況という点ではそういう連続的なものというふうに考えられます。
 従来、老人保健事業等、市町村では介護予防の様々な事業をやってまいりまして、その手前の段階については市町村の事業であると。また、軽度の方が先ほど申し上げましたように要介護認定該当者の半分を占めておりますし、また先ほど申し上げましたように要介護認定者の方が、制度スタートした当時、六十五歳以上の人口の十人にお一人だったのが今日の時点では六人にお一人になるということで相当増えてきておる。増えてきている部分の大部分のところが軽度の方の増加が著しいということでございますので、この軽度の方々の介護予防、それからその手前の介護予防を連続的、総合的に実施しなければならない。そういたしますと、一番適切なのが市町村ではないかということを考えまして、市町村に、軽度の方の介護予防、それから要支援、要介護になるおそれのある方々に対する介護予防については従来よりも前面に出てきて実施していただきたいということで、まず市町村の責務ということをより強化していただくという考え方に立ったところでございます。
○清水嘉与子君 従来の経過もあって市町村がいいんだと。特に、いろいろ資料によりますと中立性、公正性を保つためにと、こうあるんですけれども、現に今、在宅介護支援センターというのがかなり活発に動いていると思うんですけれども、そして、市町村がもしできなければこの在宅介護支援センターに委託することもできるかのごとく書いてございますけれども、こうなりますと、一体この二つのセンターの関係、何が違うのか、ちょっとそこも教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 市町村が前面に出てくるというお話をさせていただきましたが、もう一点、これは介護予防に限らず、介護給付の方につきましても、言わばケアプランを作成していただいておるケアプラン作成事業所の中立性なり公平性なりの問題も、介護保険を実施し、五年間の問題点として指摘されているところでございます。
 そこで、今度の市町村が中心になって行います軽度の方の介護予防マネジメント、要支援、要介護になるおそれのある方に対するマネジメントは地域包括支援センターで実施をしていただくという考え方を立てております。
 地域包括支援センターは、したがいまして、市町村が自ら置くか、自ら置かない場合は、その適切な実施できる主体に委託することができるということにしているわけですが、基本的には地域包括支援センターは、サービス部門とは切り離し、マネジメントに徹していただくということを基本的な考え方としているのが第一点。
 第二点は、市町村にこの地域包括支援センターの運営協議会を設置いたしまして、センターとサービス事業との関係をチェックすると、こういうことを考えております。
 さらに、地域包括支援センターの運営基準につきましては、特定事業者のサービスの利用を誘導することを禁止することなども、これは今の居宅介護支援事業所の基準にも入っているわけですが、そういったことを検討していくことといたしております。
 地域包括支援センターを市町村が委託する場合に、従来ございます在宅介護支援センターも有力な、そういう要件を満たせば有力な委託先になるというふうに考えられますが、一番求められておりますのは公正・中立性でございますので、在宅介護支援センターが地域包括支援センターを受託する場合にも、ただいま申し上げましたような観点から、公正性、中立性についてはきちんとした条件を付けましてお願いをしていくということになろうかと思います。
○清水嘉与子君 何かよく差が分からないんですけれども、大体、そうすると、在宅介護支援センターは今サービス部門だけではなくて両方やっているわけですね。もしこの地域包括支援センターを受託したときには、そのサービス部門を切り離さなきゃいけないということになりますか。
○政府参考人(中村秀一君) 具体的などういう委託基準といいますか、地域包括支援センターの基準を作るかということはこれから細部のことになりますが、基本的な考え方は、サービスとマネジメントと、できることであれば分けていただくというのを基本といたしますが、例えば地域によっては資源がなく、サービス事業者と、これは委託する場合でなくてもサービス事業者と地域包括支援センターと、その二つの担い手がないというようなことも考えられないわけではないと思います。
 そういった場合に、先ほど申し上げましたように、運営協議会をつくりまして、地域包括支援センターとサービス事業との関係をチェックする仕組みを作りたいと思いますので、サービスとマネジメントを切り離されることが理想ではございますが、現実問題うまくいかない、そういうことができないような地域について両方お願いするような場合につきましては、公正・中立性が確保されるように運営協議会などで担保をすることを考えております。
○清水嘉与子君 その地域包括支援センターに置かれる職種としての三つの社会福祉士、主任ケアマネジャー、保健師等というのが例示、例示か必置なのか分かりませんけれども、書いてございます。
 今、保健師のことをちょっと御質問したいんですけれども、中立性、公正性を担保するという意味では、市町村の職員であります保健師なんというのが適当なのかもしれませんけれども、介護予防のマネジメント事業、アセスメントの実施、介護予防プランの策定、事業の再アセスメントなど、たくさん役割が期待されているわけでございます。
 実際に市町村の吏員として保健行政を担当しているわけでございますけれども、保健師といってもそんなにたくさんいるわけじゃございませんで、何か事業がどんどんどんどん市町村に集まっていくわけですよね。母子保健あるいは母子、老人、生活習慣病の話、あるいは精神障害者、あるいは児童虐待なりというふうにどんどん事業が移っていくわけですけれども、更にこの役割を担うためにやはり相当の強化をしなきゃいけないと思うんですけれども、この確保の見込みといいましょうか、これはどういうふうに考えておられますでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 委員が正にこの分野の御専門家でありますので、私が御説明するのも恥ずかしいようなあれですが、平成十四年末で、現在就業していらっしゃる保健師の総数は三万八千人であり、そのうち保健所又は市町村で就業されておられる方が二万九千人ということで、就業している保健師さんのかなりの部分が公的セクターで就業されているのは委員御指摘のとおりだと思います。
 それから、毎年保健師の試験に合格される方は、例えば十六年でいいますと八千人ということでございますので、毎年、三万八千人就業されている中で八千人の保健師さんが合格されているということでございますので、ある意味では保健師の資格取られて就業されている方はそれほど多くないという状況だと思いますので、そういった意味で保健師の確保が十分できるかという意味では、保健師さんの資格を取っておられる方は相当いるというふうに考えられますので、そういった意味では、私ども保健師の確保ということについてはそれほど心配をしておりません。
 ただ、市町村なり都道府県、保健所ということですが、そういう公的セクターがそれほど人をこれからたくさん雇えるかどうかという問題はあろうかと思いますので、私ども御提案申し上げておりますように、地域包括支援センターは市町村が自ら置くこともできますけれども、そうでない形態もあるということで、そういった市町村以外の主体が保健師さんを置く場合については、そこの主体が保健師さんの確保をお願いするということが基本になるんではないかと思っております。
○清水嘉与子君 この地域包括支援センターというのが新しくできるということが一つのこの目玉だと思うんですけれども、直接はなかなか言いにくい点もあったのかもしれませんけれども、やっぱりサービス部門とマネジメント部門が一緒になっていろいろ行ってきたことに対していろいろ批判があるということも事実なわけで、そこを乗り越えて新しい仕組みをあえて作ろうということだというふうに思うんですね。
 ですので、是非市町村が本当に作りやすい、そして、もう簡単に委託してしまうようなことではなくて、是非市町村が中心になってできるようなバックアップを是非していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 それから次に、在宅における医療ニーズの問題についてお話を伺いたいんですけれども、今、難病だとかがん末期のターミナルなどもちろん、いわゆる医療ニーズの高い方々が在宅でかなり生活することができるようになってまいりました。また、病院などもかなり在院期間を短縮するなんということもありまして、その後、受皿がどうしても必要なわけですね。
 従来は、こういうところというのは開業医の先生方が担ってきたと思うんですけれども、今はそうではなくて、看護の立場でいえば、訪問看護ステーション等もできてきました。しかし、なかなかこの整備が進んでいかないというんでしょうかね、思ったほど、私たちが期待していたほど進んでいかない問題があると思います。
 これはいろんな問題があると思いますけれども、是非もう少し進められるように、これは恐らく処遇の面なんかもあると思いますね。やりがいはある仕事なんだけれども、実際に仕事に就いて、二十四時間緊張のある仕事をしながら、実際に病院に働いている方よりも相当収入が落ちるということもありますので、その辺についてはやはり是非お考えいただきたいというふうに思っております。次期の介護報酬のときに考えていただきたいと思っております。
 ちょっと時間がなくなりましたので、先に進んでおりますけれども、この訪問看護ステーションの多機能化の問題をひとつ是非お願いをしたいんですね。
 在宅で過ごすこの医療ニーズの高い方々がなかなか、いわゆる一般の通所サービスを受けにくいという問題があります。普通の要介護認定された方々は、大体四〇%くらいの方々が通所サービスを受けているというふうに伺っておりますけれども、医療ニーズが高いとなかなかそこでも受け止めていただけないし、また自分たちもなかなかそこに行けないという問題がございます。そこで、そういうわけでその家族の負担も非常に重いということがございます。
 今、訪問看護ステーションというのができておりまして、そこから、訪問看護ステーションですから訪問に行くわけですけれども、ゆとりのある訪問看護ステーションでは、そこのその訪問している患者さんたちを、お年寄りたちをその施設に、その訪問看護ステーションにお預かりをして、日中のある一定の時間見させていただくというようなサービスを、これは実は厚生労働省が未来志向研究プロジェクトで進められて、幾つかのところで試行的にしたものでございますけれども、その成果、私も幾つか見せていただきましたけれども、かなりやっぱり成果が上がっているんじゃないかというふうに思うんですね。
 例えば、がん末期の方々がそういうところに来ている状況も拝見しましたけれども、本当にがんの末期と思えないような、ここに来てほっとするというような方々が、一緒に何人かの方が過ごされる、そんな姿を拝見しましたし、また、そこで働く看護師が非常にやっぱり生き生きとして仕事をしております。そしてまた、家族の方々も、ずっと日がな一日重症者を家庭で見ているのではなくて、いっときでもそういうところでお預かりいただくということであれば自分たちのレスパイトにもなるということで大変喜んでおられるわけでございます。
 私は、是非この問題を今度の介護保険法の改正の中にも位置付けていただきたいと思っていたんですけれども、今回はそれができませんでした。例数が少ないということもあったのかもしれませんけれども、是非これが続くように、まだそういうことをやってみようというところが、元気出しているところがありますので、そういうことができるような仕掛けを是非していただきたいと思うんですね。
 これ大臣も、これ衆議院でもたしか質疑が出て、ちょっと拝見すると比較的前向きの御答弁をされていると思いますので、ちょっと大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今いろいろとお触れいただきましたけれども、難病など医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ在宅の中重度者への対応ということは、これはまた大変大事なことでありますから、こうした観点からは、日中、訪問介護ステーションで要介護者をお預かりする試みも行われておるところではございますけれども、医療と介護の連携等で検討すべき課題は多いとまず考えております。
 そこで、この点につきましては、社会保障審議会介護保険部会の意見書において、少し長くなるかもしれませんけれども、きちっと書いてありますので読ませていただきたいと思います。
 難病など医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ重度者への対応や、在宅におけるターミナルケアへの対応などの観点からは、訪問介護ステーションや地域に密着した医療機関を主体とし、訪問介護や居宅療養管理指導といった訪問系の医療サービスに家族等の介護負担の軽減を兼ねた通所機能などを付加し、在宅療養をより一層支援していくことも一つの方向性として考えられる。一つの方向性として考えられると、こういうふうにされておりますので、私どももこれを受けて新たなサービス形態を検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○清水嘉与子君 すばらしいお仕事をしているというふうに私も評価いたしますけれども、やっぱり今のように、全く収入もなくて持ち出しでやっているのは私は続かないと思いますので、その辺は是非、次期の介護報酬についての御配慮をちょうだいしたいというふうに思います。
 さらに、この訪問看護サービスの活用についてもう一つお願いしたいんですけれども、今回の改正の中でも、地域密着型サービスの創設ということがうたわれております。小規模多機能型の居宅介護あるいは認知症高齢者グループホーム等々等々でございます。
 ところで、そのグループホームというのは何人かの方が共同生活する場でございます。これ居宅でいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、実際問題、今訪問看護の対象になっていないんですね。そこで恐らく何かあったときには、そこから医療機関に通えばいいんじゃないかというようなことであったと思いますけれども、今かなり重症な方々も入ってきているという実態もございます。そういう意味で、やっぱり訪問看護の対象に入れるべきではないかというふうに思いますけれども、これについてもちょっと大臣、一言お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) グループホームのような地域密着型の居住系サービスにおきましては、入居者の重度化やターミナルケアへの対応が非常に重要な課題であると考えておるところでございます。御指摘の点につきましては、今後、外部の専門医療機関や訪問看護の活用等を含めて、平成十八年四月に予定されております指定基準でありますとか介護報酬等の見直しに向けて、社会保障審議会介護給付費分科会の議論を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
 なお、先ほどの御答弁申し上げましたところで、介護と看護を言い違えておる部分がございますので、これは後ほど訂正させていただきたいと存じます。お許しください。
○清水嘉与子君 それでは、今訂正されましたけれども、看護と介護の話を是非、連携の問題についてお話をさせていただきたいんですけれども、介護福祉施設におきます看護と介護のかかわりの問題なんですね。
 今、日本看護協会が調査を、介護施設の中でどんな医療処置を受けているかという調査をいたしました。利用者の状況を拝見いたしますと、二〇〇一年より二〇〇三年の方がずっとやっぱり医療処置を多くする利用者が増えている。例えば、点滴・注射の管理でありますとか、留置膀胱カテーテルの装着・導尿、経管栄養の実施、中心静脈栄養の実施、酸素療法の管理、褥瘡の処置、吸引の実施。本当に、介護福祉施設へ行ってみますと、これ医療機関じゃないかと思われるような状況で療養していらっしゃる方が結構おられるんですね。こういう状況の中で、また家族の方もここでもう最期を送りたいというような希望の方もかなり多いというふうに伺っております。
 入所者自身あるいは家族が施設の中で終末を迎えることを希望するということが、例えば介護福祉施設では八六%、介護老人保健施設では六四%、介護療養型医療施設では九一%というふうにございますけれども、そういう希望をしたときに原則として応じますというふうに言っているところが介護老人保健施設七一%、介護療養型医療施設で九〇%、介護老人保健施設というのは本当は中間施設でございますからそういうことは余りないはずでございますけれども、まあ何かあったときには病院にというのが多うございます。
 そこで、この介護施設におけるそのターミナルの問題、医療行為の問題もですけれども、ターミナルの問題というのもやっぱり大きな問題ではないかというふうに思っております。特に、介護老人福祉施設というのには非常にまた看護の配置も少のうございまして、恐らくこれ、こんなに医療介護をやりながら、夜になるとだれもいなくなってしまうような状況が続いていると思います。
 そこで、私は、是非この部分に看護師をやはりもう少し手厚くすることが必要ではないか、適正な配置をすることが必要ではないかというふうに思っております。さらに、先般も出ましたけれど、老人施設の中での感染症予防なんというようなことも随分問題あるわけでございますので、日常の健康管理の問題につきましても、そういうことができる看護師をやっぱり配置するべきじゃないかというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 全体的に人数を引き上げるというのはなかなか難しい点があるかもしれませんけれども、医療ニーズの高い方が入っているその状況に応じて、適正配置をするための介護報酬の手当も必要かもしれませんし、また十五年三月からは派遣看護師ということもできるようになったわけですよね。そういう採用もできるというふうに思いますし、また訪問看護ステーションから必要なときに訪問に行くというようなことも是非これ考えて、少しその辺を、入所している方々の安心、安全をやっぱり確保するために手当てをする方がいいんではないかと思いますけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 今お話ございましたように、老人福祉施設におきましては入所者の重度化が年々進んでいるところでございますし、また死亡を理由とする退所も七割を超える状況になっております。
 昨年七月に取りまとめられました介護保険部会の意見書でも、入所者の重度化への対応という観点から、ターミナルケアも含めた医療との連携を図っていくことが重要であるとされているところでございますので、老人福祉施設におけるこうした課題の対応につきまして、今御指摘のありました入所者に対する看護体制の在り方も含め、検討さしていただきたいと思っております。十八年四月に向けました介護報酬や指定基準の改定の議論の中で具体的な方策について答えを見いだしていきたいと考えております。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
○清水嘉与子君 用意した質問がもうできなくなるほど時間がなくなってしまいました。
 そこで、最後に大臣にお願いしたいんですけれども、日本の中でいろんな医療の問題、これからまた医療問題をするわけでございますけれども、一つの大きな問題というのは、看護の立場でいきますと、ほとんどの人が医療施設の中に働いている、地域の中にまだ少ないという問題だと思います。
 そこで、そこをもう少し広げたいというふうに思って今いろいろ御質問申し上げたわけでございますけれども、医師との関係で、つまり医療機関ですと、医師と必ず協働して働いているわけでございますけれども、地域になりますと、やはり看護師が独自で判断しなければならないというのがたくさん出てまいります。そういう中で、一体どこまで独自の判断でできるかということがいつも問題になるわけでございまして、そこがなかなか、今は法律の中では看護師は診療の補助をするということになっておりまして、その補助の指示の仕方というのがどうなるのかということが問題になるわけでございます。
 外国の例を申し上げて恐縮ですけれども、アメリカではもう二十五年も前から、州によって違うんですけれども、かなり看護師の仕事が変わってきております。例えば、ミネソタ州だとかカリフォルニア州、看護師、准看護師のほかにアドバンストプラクティス看護師、あるいはナースプラクティショナーというふうに上級の資格を作っておりまして、この方々は、看護師になった上に看護系大学院を卒業して全米の認定機構の認定を受けるようになっているわけでございますけれども、医師の指示がなくても自分の判断で検査とか薬物処方などができる、あるいはクリニックもできる、また州によっては死亡宣告も行える。これには医療費の償還も認められる。一〇〇%のところもありますけれども、少し医師より安い率で償還が認められる。それはやはり看護師の教育のレベルが非常に高くなってきているということと、それからまた、アメリカのようなことですから、医師の偏在だとか、それから自宅で本当に死を迎えたいというような人たちが増えてきている、こういうことに対処しているものだというふうに思います。
 また、イギリスでございますけれども、これはナショナル・ヘルス・サービスの中ですべてサービスが行われているわけでございますけれども、御承知のように、これは十分なサービスが行き渡りにくいというのがいつも問題でございます。イギリスでは、十年前から患者のニーズに迅速に対応するために処方のできる看護師の制度が法制化されております。
 という具合で、ほかのもっと例を挙げれば、もっともっと一杯出てくるんでございますけれども、もう今や看護師が医師の補助者という形で全くない形で働いている人たちが出てきているということでございます。
 日本の保助看法ができたのが昭和二十三年、もう六十年近くなるわけでございますけれども、そのときのは、日本の戦前の教育というのは正に医者が看護師の教育をしていたということでございまして、看護師を使いやすいように教育していたというふうに思えてなりません。
 GHQがやってきましたときに、サムスさんという公衆衛生の専門家がやってまいりまして、准将がやってまいりまして、後で回顧録を作っているんですけれども、一番先に日本の病院に来て言ったこと、医者に言ったこと、病院長に言ったこと、病院の看護というのは、患者の看護というのは病院の職員でやるべきなんだということを言ったというんですね。つまり、そのときには患者のお世話を家族がやっていて、そして看護師はお医者さんの後を追っかけていてお手伝いだけすると、そういう状況だったわけですね。戦後になってやっとこの保助看法というのが、保健師助産師看護師法ができまして、看護師が看護師の教育をするということになってきたわけでございます。
 今や看護大学がもう百二十、厚生省の看護大学校を入れれば百二十八校。定員も、入学定員も一万人近くなりました。そして修士課程も七十九、博士課程はもう三十一校というふうに、もう本当に隔世の感があります。六十年前のままでこれでいいんだろうかという問題があるわけでございまして、是非この辺について、地域の医療ニーズにどうこたえていくのか。これは恐らく来年の医療保険制度の、医療提供体制の問題にもかかわってくる大きな問題だと思うんですけれども、是非これ、全般的に検討を是非お願いをしたいと思うわけです。
 さらに、この際、保助看、保健師助産師看護師法の看護師の業務というのが診療の補助、療養上の世話と書いてありまして、これが看護師が独占しているんですね。独占しているおかげで、他のいろんな職種が、専門職が出てきましても、保健師助産師看護師法の規定にかかわらず診療の補助として、この部分まで、この部分もできるというふうに、トップにいつも医者がいて指示をするという関係になっております。こういう関係ではなくて、やはり医師は当然のことながら診断をし、方針を示す、これ大きな、一番大きな役割を持っていると思いますけれども、そういう方針に従って、それぞれの専門家が力を合わせて患者を中心にケアをするというのがこれからのあるべき姿ではないかと思うのですけれども、そういう姿に法律の上でもなっていないというのが大きな問題でございます。
 そこで、是非、すぐにできるとは思えませんけれども、少し時間を掛けてでも、何といいましょう、業務の在り方、そして医師と看護師、そして在宅でどんどんいろんな方々が医療を受けられるようになってきた。そのときに、本当に一般の方々にどこまでできるのかと、これも介護の方々にどこまでできるのかということも大きな問題だと思うんですね。そういうことを、見直しを是非していただきたいと思うのですけれども、大臣に最後お願いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘いただきましたように、患者ニーズに的確にこたえて迅速な対応を行うことが求められているところでございます。これはそのとおりでございます。
 そこで、平成十四年度に新たな看護のあり方に関する検討会、これにおきまして新たな看護の在り方に関して御検討いただきまして、いわゆる包括的指示に基づき看護師等が適切な観察と判断を行い、患者の病態変化に対応していくことが望ましい、こういうふうにされたところでございます。
 この報告を踏まえまして、在宅医療において適切で迅速な医療処置でありますとか看護ケアを可能とする標準的なプロトコル、基準でございますが、の充実が図られ、その普及を今図っておるところでございます。まず、このことを申し上げました。
 途中でアメリカの例も言われましたけれども、更に専門性の高い看護師育成も求められておりますので、看護業務全体の在り方について今後とも更に検討を深めてまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。
 西副大臣、岩尾医政局長さん、質問を用意していたんですけれども、時間がなくなりまして、本当に申し訳ありませんでした。
 これで終わります。ありがとうございました。
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。
 五年後の見直しということで今回介護保険法の改正案が出てきたわけでございますが、新しい考え方としての新予防給付等々がこの中に織り込まれているわけでございます。全体的には、私はいい方向で行くのではないかというふうに思いますけれども、しかしその内容を一つ一つ点検をしてみますと、そこには様々な問題も残されたままであるというふうにも見られるわけでございます。そういう観点からこの法律を読み直していきますと、その内容の細かいところはほとんどが政省令で決めるということになっておりまして、やはりこれからの議論の中で、いかにその政省令が利用される方、それからサービス提供する方々にとっていい内容となるかということでの、そういう観点から御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、介護給付費の将来推計値を出されまして、これ、このまま伸びていきますと例えば保険料のアップにつながると。例えば二〇二五年には、このままの状態でいきますと保険料が平均六千円ぐらいになると。それを改正をして、新予防給付等々を入れていけばそれが五千円前後に収まるというような御説明をされて、今回の改正案の、これが主な原因として語られてきたところでございますけれども、この将来推計値、どういう根拠で出されたのか、特に二〇二五年の給付費の推計値、どういう形で出されたのか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 今回の将来推計につきましては、介護給付費が第一期、これは平成十二年から十四年度でございますが、平均で年率一五%程度伸びていること、それから第二期、平成十五年から十七年度に入りましては平均で年率一一%の伸びと、こういうふうになっております。比較的、一〇%を超える伸びでございますので高い伸びでございますが、最近多少落ち着きがうかがわれる状況であると。こういうことを踏まえまして、第三期、第四期、第五期、二〇一四年まで、先ほど清水委員のときにも御答弁申し上げましたけれども、給付費で二〇一四年まで十・六兆円という推計をお出ししたところでございます。
 将来推計は、社会経済状況がどうなるかによって変動し得る面は有しておりますけれども、高齢化の進展などに伴いまして、要介護等の認定者が現在の四百万人程度から平成二十六年ころには六百四十万人に増大する見通しであることなどを踏まえて今回の推計を行ったところでございます。
 なお、委員、二〇二五年の推計ということでございますけれども、この二〇二五年の推計は、厚生労働省といたしまして社会保障給付費の推計を行っております。その推計方法に合わせまして、基本的には年金等の経済指標、そういったことを念頭に置きまして、特に介護の場合につきましては人件費がかなりの部分を占めるということで、そういう物価や賃金の上昇等を織り込んだ社会保障の給付と負担の見通しになっておりまして、これは平成十六年五月に最新の推計が出されておりますが、今回御提案しております、先ほど申し上げました二〇一四年までの推計は、ただいまの足下の介護給付費の伸びの推計をいたしているということ、それからどれだけ今回の制度改革によって保険料なり給付費が水準が下がるかということにつきましては、その推計を基に制度改正の効果を織り込んだものという形になっております。
○西島英利君 こういう推計値というのは必ずしも正しいということではないと思うんですね。今もおっしゃいましたように様々な要因によって推計がなされているわけでございますが、これは厚生省、昔は厚生省でございますが、今厚生労働省でございますけれども、二〇二五年の医療費予測というのを平成六年に出されております。
 このときは百四十一兆円という推計値でございました。それが年々変わってまいりまして百四兆円、八十一兆円、二〇〇二年には七十兆円、そして二〇〇四年には六十九兆円と。つまり、平成六年のこの推計値百四十一兆円から、そのうちの実に五割以上が既に下がってきているというこのデータもあるわけでございます。
 今回、この推計値によりまして、私どもはもう仕方ないのかというような考え方もあったわけでございますが、やはりこういう推計値よりは、私はこの改正の中でどのようなサービスをすればその人の状態が改善をし、そのためにはどれだけのコストが掛かるのか、そのためにはじゃ財源をどうするのかと、そういう順番で考えていただきたかったなというふうに思うんですが、私自身も社会保障審議会の委員もしておりまして、この流れの中では財源論がまずありきという中で出てきたものですから、例えば新予防給付のこの考え方にも疑念を持たざるを得ないというところでございます。この一点だけは是非御理解をしていただきたいというふうに思います。
 そこで、特に今回、要介護認定者が、二〇〇〇年の四月ベースでは二百十八万人だったのが二〇〇四年の十一月には四百五万人になったという数字を厚生省の方が出されております。つまり、まさしく株式会社が導入された中での掘り起こしが積極的に行われた結果のこれだけの数になったのではないかなというふうに思うんですが、そういう中で百八十七万人がこの数年間で増加をしていると。特に、要支援、要介護一が著明でございまして、要支援は一二六%、要介護一が一四〇%の伸びを示していると。そういうところから、今回のようにこの新予防給付とそしてこの要支援、要介護一をこの新予防給付に特化していくんだという所期の考え方が出てきたのではないかなというふうに思うんですね。
 ところで、今日、私は資料をお出しをいたしておりますけれども、この一枚目の資料でございますが、これは島根県で行いましたその要介護度がどういう形で二年後に変わっていったのかということの検証作業の結果でございます。
 これを見ていただきますと、まず左、一番上でございますけれども、二〇〇〇年の十月の認定者を二年後どういう形で認定状況がなっていったのかということでございますが、これは要支援が要介護度の悪化というのがかなり大きいんですね。これは要支援の方の悪化が一八%ですかね、そういうふうになっていると。
 そして、その下の数字を見ていただきますと、こういう方々にどういうサービスがなされていたのかというのは、ほとんど要支援の方々は八二%が一種類のサービスしかなされていなかったと。特に、これ一番多いのがホームヘルパーの実はサービス提供でございます。要介護一の方も六三%、やはりこれも一種類が六三%提供されていたという結果が出たわけでございます。
 さらに、右の上を見ていただきますと、福祉用具の貸与の状況ということで、要支援の方に車いすが一〇%、さらには、この要支援の一番右側でございますけれども、移動用のリフト、これが一〇%提供されていたと。つまり、要支援でございますから自分で歩けるわけでございますね。自分で歩ける人に車いす、移動用のリフトを提供するということは、自分で歩いちゃ駄目ですよということを奨励するようなものでありまして、こういうところから、ケアマネジャーがきちんとしたアセスメントをせずに、そしてケア会議等も開かずに、自分が所属するサービス事業者のサービスを重点的にケアプランとして作った結果がこういう要支援、要介護一の悪化につながったのではないかという、実はそのときの結果だったというふうに私自身は理解をしておりますけれども、局長、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 今委員から御指摘がございますように、現行の要支援に該当することは、日常生活はほぼ自立し、起き上がりや立ち上がりなどで軽い支えを必要とすると、こういう状況でございますので、今委員から提出された資料の例えば福祉用具の貸与状況などを見ましても、今委員からは車いすそれから移動用リフトという御指摘ございましたが、特殊寝台にしても、本当に適切なサービスであったのかどうかというようなことは問題だというふうに考えております。
 また、要支援、要介護一の方々に対する提供サービスも、いわゆる単品というか一種類のサービスが過半を占めているということで、これは、適切なアセスメントが行われ、ケアプランが作られ、また介護関係者の方が評価されて、これでふさわしいということであれば無理してたくさんのサービス使う必要はないわけでございますが、言わば漫然と、単に利用者の求めに応じ、あるいはサービス提供者の方が積極的に勧めて、適切なケアプランでないというケースもあるのではないかと、そういうふうに認識しているところでございます。
○西島英利君 ところが、こういう考え方の中で突然筋力向上のための予防給付という考え方が出てきまして、その中に筋力トレーニングマシンを使った筋力向上という考え方も実は出てきたわけでございます。
 ところで、新予防給付の対象者ということでございますけれども、これは要支援と要介護一を対象にするということでございますが、介護認定審査会において、状態の維持又は改善の可能性を実はここで検討して選ぶという形になっているわけでございますね。非常にこれは、この人の状態がこういうことをやれば改善するかどうかという予測は、非常に私は難しいんだろうというふうに思うんですけれども、それはまた後ほどお話をさせていただきたいというふうに思いますが、衆議院の中でもこの筋肉トレーニングマシンを使った筋力向上のこの給付に関しては様々な議論がございまして、尾辻大臣が、筋トレは強制されるかとの質問に対しまして、筋力向上プログラムを望まなくても、これらのプランを含まないサービスが提供されるというふうに述べていらっしゃいます。
 こうなってきますと、様々な現在、要支援等の利用者の方々に提供されているサービスにつきましては、現行どおりこれ実は提供できるんだというふうに考えられるんですが、いかがでございますでしょうか。これは再確認の御質問させていただきたいと思いますけれども、局長で結構でございます。
○政府参考人(中村秀一君) 今、衆議院の委員会での議論の御指摘がございました。
 議論の中では、新しいサービスメニューとして筋力向上が挙げられているので、大変議論になりましたのは、特に筋力向上、これは器械を使わないものもあるわけですが、器械を使った筋力向上トレーニングをまずしなければならないのか、それから、それが強制されるのではないか、またそういうことを希望しない方については従来のサービスが受けられなくなるのではないかとか、様々な御質問、御指摘がございました。
 大臣から繰り返しお答え申し上げておりますのは、介護保険制度は利用者の選択ということを基本としているので、利用者が望まないサービスを強制されることはないということ。それから、新しいサービスメニューというのは既存のサービスメニューと同等の言わば優先順位であり、たくさんのメニューの中から利用者の方が選択するということで、どちらかが優先されるというものではないということ。そういった中で、従来受けていた訪問介護などのサービスにつきましても、適正な利用であればそれは今回の見直しによって否定されるものではないと、こういうお答えをしているところでございます。
○西島英利君 となりますと、従来とどこが違うのかというふうな考え方も実はわいてくるわけでございます。
 まさしく選択は本人にというのが介護保険の最初の考え方でございます。となりますと、今までは要支援から要介護一から五までという区分があったのでございますけれども、これが要支援の一、二に区分すると。しかも、その要支援一、二の区分を介護認定審査会の中で新たなデータによって分けるという、これは非常に難しい私は作業だというふうに思うんですけれども、そもそも、そういうふうな考え方であれば要支援の一、二に区別する意味があるのかというふうに考えざるを得ないわけでございますが、局長、いかがでございますか。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 一つは、今回の予防給付の見直しにつきましては、今委員から御指摘がありましたように、まず対象者を選ぶというところ。
 第二番目といたしましては、そういった方々に対しまして介護予防のマネジメントをきちんとするということ。そういうマネジメントの中で適切なサービス利用ということ。先ほど委員から御指摘のありました、一種類だけのサービスでよろしいのかどうか、それから、福祉用具の貸与を例に挙げれば、こういうサービスが適切な利用と言えるのかどうか、そこのアセスメントをきちんとすると、こういうこと。
 それから、それぞれのサービスメニューにつきましても、より介護予防ということを重視いたしまして、サービスの提供方法、提供期間、これはそのサービスをずっと続けるということではなくて、目標を決め、定期的にその効果を測定し、新しい評価をして新しいサービスプランをみんなで話し合って作ると。そういったことをするために予防給付ということを立てることといたしたわけでございます。
 したがって、そういう予防給付に向いた方を選ばせていただくということで、繰り返しになりますが、従来の要支援の方を要支援一とし、従来要介護一の中から予防に向いた方につきましては要支援二という形で選び出して予防給付の対象にしようということでございます。
○西島英利君 先ほど申し上げましたように、介護認定審査会で改善の予測というのは非常に困難だというふうに思うんですね。現行の区分、要支援から要介護一から五までの区分の中で、ケアプランの段階で新予防給付のプログラムも必要に応じて組み込むべきだと、これは私は正当かなというふうに思っているわけでございます。いきなり大きく変わるのじゃなくて、そして、この次の見直しまでの五年間の中でデータを集め、しっかりとした検証の中で、本当に新たなそういう制度を導入するべきではないかなというふうに思います。
 私自身も、この介護認定審査会の様々な情報を初期の段階から得てきた立場でございました。もう初期の段階は介護認定審査会も大変な混乱をしたわけでございます。これはもう御存じのとおりでございます。そして、ようやく今安定してまいりました。そして、安定したのにまた新たなこういう新しい区分を審査会で決めさせるというのは、また混乱を起こすのではないかというふうに私自身考えるわけでございます。これは、いずれにしろ、政省令の中で実際的には決めるということになっておりますので、今後とも是非、これは議論をさせていただきたいというふうに思います。
 次に、筋トレマシンを使われた介護予防市町村モデル事業、これを行ってこられまして中間報告が出されております。これについて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 十六年度の事業といたしまして、介護予防市町村モデル事業ということを実施いたしました。四月十一日までに報告が提出されました四十八市町村から提出されました報告書の結果を取りまとめ、中間報告書として提出をいたしたところでございます。
 いろいろ新しい介護予防のメニュー、これは口腔ケア、栄養改善それから筋力向上がございますが、そういったものを、このモデル事業の趣旨は、導入する場合、市町村で実施する場合の円滑実施するためにどういった問題点があるのか、どういったことが必要かということを検証するために行ったものでございますが、四十八市町村からの報告によれば、今回のモデル事業で、筋力向上を含めました介護予防プログラムにつきまして様々な先行研究はあるわけでございますが、それと同様、身体機能のみならず、生活機能や生活の質といった観点からも一定の効果が認められたと考えております。
 また、各市町村からいただきました意見を通じまして、どうしたら事業参加をされる方を効果的に選ぶことができるのか、またプログラムを実施するに当たって工夫すべき点、例えば送迎の必要性などがかなり多くの市町村から指摘されているなど、様々な御提案、問題点の指摘もございましたので、事業実施上の課題が相当程度把握できたものと考えております。
 これらの成果を、結果を十分踏まえながら、効果的、効率的な事業実施方法について、私どもとしても検討してまいりたいと考えております。
○西島英利君 私も、この中間報告を読ませていただきました。
 実はここに、問題は、プログラムを提供して、その中でこれだけの改善があったということがその主な結果であろうというふうに思うんですが、先ほど申し上げましたこの島根県の検証を、厚労省それから島根県と一緒にやった研究員が、同様に今回のパワーリハについてやはり一つのデータを出しております。
 これは、三百九十九名の方を対象にしてやりまして、さらに、この三か月のプログラムをやった後、終了した後に、例えば卒後にこのパワーリハを週に一回したかしないか、週に一回以上した人、そしてこれを、さらに、終わって、終了後二か月そして九か月という形で、実はデータとして取られているのがこの二枚目の資料でございます。
 そうしますと、この三か月間行った段階では、階段を二階まで上がれますかと、左の一番上でございますが、終了時はかなりの改善を実は示しているわけですね。そして、その後、週一回未満ですけれども、同じようにそのマシンを使って継続をされた方、ところが卒後週一回未満の方は、こういう形で楽に上がれるというのは一九%まで下がってきたわけでございます。さらに、卒後週一回以上のマシンをやられた方、これも終了時はこれは結果としては良かったんですが、終了後では三五・三%に下がっているということでございます。
 また、三か月以内に転びそうになったことがありますかというのを見ますと、やはりこのパワーリハをやった結果としては非常に改善をしたわけでございますけれども、やはり同様に低下をしてきております。
 また、健康のために運動や散歩を行うよう心掛けていますかというのも、終了時はこれは改善していますけれども、やはり同様に低下をしてきているということでございます。
 つまり問題は、今回の結果というのは、これは短期の効果でございまして、長期にどう効果があるのかということをやはりきちんと検証した上でないと、これは改善があった、効果があったという、そういう結果は出せないであろうというふうに私自身は思うわけでございます。
 その中で、更に問題がございます。それは、この方々、三百九十九名の方々でございますけれども、非該当の方、つまり要支援にもならない方が百七十名、要支援の方が百五名いらっしゃいました。ところが、この非該当者の方は、麻痺はほとんどないんですけれども、一割の方がひざ関節に拘縮を持っておられました。ところが、要支援の場合は、上肢の麻痺はほとんどありませんが、約二割が下肢の麻痺があったと、約三割はひざ関節に拘縮を有していたということです。さらに、要介護一の場合は、半数が左下肢、約四割は右下肢に麻痺あり、約四割はひざ関節に拘縮を有していたというように、非常に身体的に悪い状況があっているわけですね。
 そうしますと、この方々に要するに筋トレマシンを使ったリハビリをやっていくということは非常に危険性が大きいわけでございまして、これは専門家も指摘をしているところでございます。
 また、厚生省が出されております介護認定審査会委員テキスト、これに載っております全国データによりましても、非該当の方、要支援、要介護一の方、特に要支援は左下肢麻痺ありが二九%、要介護一は六八%と。それから、ひざ関節拘縮ありが、要支援は二八%、要介護一は四二%と。同様の結果が、実は公的なデータとしても出てきているわけでございます。
 こういう中で、なぜ筋力トレーニングマシンにこだわられるのか。コストと効果を考えれば、マシン使用というのは限定的、特に非該当の方にはこれは物すごく効果あるというふうに思うんですけれども、限定的でいいのではないか。それ以外の体操など、長期にかかわれるものの方が意味があるのではないかというふうに考えるんですね。
 そして、ここは松江地区の広域行政組合介護部というのが、元気に暮らそういつまでもという形で、介護予防体操とか筋力向上のそういうマニュアルを作っておられます。つまり、いすを使って座ったり立ったりというような、家でも簡単にできるような動作等々、こういうものが私はやっぱりきちんと、特に通所介護、通所リハビリのその施設、中で行われてきていれば、こういうふうな悪化の状態にはならなかったのではないか。
 そういう意味では、新予防給付という考え方は、私は的を得ているというふうに思うんですけれども、しかし、なぜ筋力トレーニングマシンなのかということについて、お考えをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 まず、今委員から御指摘のございました、効果を長期的に持続する必要があるのではないかと、そういう御指摘がございまして、私どもも、運動器の機能向上において改善した生活機能や運動習慣維持していくために様々な、この同じプログラムでやるかどうかは別といたしまして、そういった生活機能を維持するための活動をしていただくことは大変重要なことではないかと思っております。
 もし要支援や旧来の要介護一の方がこういうことによりまして改善され非該当になったと、こういった場合には、地域支援事業で地域における継続的な介護予防に取り組むための受皿が必要ではないかと思っております。これは、自主的な住民の方の活動ですとかボランティアによるサービスなどの地域資源を活用することによって様々な活動の場をつくることが必要ではないかというふうに考えておりますので、長期的に効果が継続するように、それは単に介護保険の給付として行うだけではなく、地域でそういった社会資源がつくられていくということが重要であるというふうに考えております。
 それから、委員の方から、マシンを使ったトレーニング、筋力向上に執着する理由は何かというふうに御質問をいただいているわけですが、ちょっと誤解、筋力向上でマシンを使ったトレーニングということが大変喧伝され、様々なところで取り上げられているのは事実でございますし、またこのモデル事業でもかなりの市町村が御希望されたということもあり、モデル事業でもそういったメニューが多く実施されていることは事実でございますが、繰り返しお答え申し上げておりますけれども、新しいメニューは他のメニューと同等の扱いでございますし、私ども、マシンを使った筋力トレーニングだけが唯一のトレーニングであるというふうにも考えておりませんので、その点は誤解のないようにお願いをしたいと思います。
○西島英利君 やはり、地方の自治体というのは、厚生省が一つの情報を発信しますと、その方に動いちゃうんですね。ですから、今まさしくこの筋力トレーニングマシンが物すごいスピードで売れていることも間違いないことでございますし、先日の某新聞によりますと、まさしくこの筋力トレーニングマシンを指導する指導者の養成までかなりのお金を取ってしていくというふうなことも伝えられていたわけでございます。
 そういう意味では、やはり正しい情報を提供していきませんと、アドバルーン的に上げた情報が独り歩きしてしまうということを、私ども国会議員もそうでございますし、皆さん行政を携わっておられる方々もやはりきちんと認識をしていただかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 それではもう一つ、これに関しましてでございますが、要支援それから要介護一、この方々の年齢分布をちょっとお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 平成十六年十二月末時点で、要支援の方の人数は六十六万七千人でございます。このうち、年齢分布で申し上げますと、四十歳から六十四歳までの方が二%、一万二千人、六十五歳から七十四歳までの方が約一九%、十二万七千人、七十五歳以上の方が五十二万八千人、七九%となっております。
 要介護一の方の人数は百三十四万六千人でございます。同様に、四十から六十四歳まで五万四千人、約四%、六十五から七十四歳までの方が二十三万四千人で一七%、七十五歳以上の方が百五万八千人で七九%となっております。
○西島英利君 つまり、要支援、要介護一の方々、七十五歳以上が実に八割前後なんですね。こういう方々に筋力トレーニングマシンを使ってやれば効果ありますよと言っても、とてもやる気にならないだろうと。今回の中間報告でも、この要は、対象者を探すのに大変苦労しておられるということがはっきりとこれ、明記されているわけでございます。そういう観点からいきますと、大臣が衆議院でお述べになった筋力トレーニングのマシンにこだわらないという答弁というのは非常に的を得た答弁ではないだろうかというふうに思っております。
 ただ、今地域は混乱をしております。特に通所介護、通所リハの施設では、この新予防給付のサービスをやるためにはこのマシンを買わなければいけないと、しかも、買わなければこれは新しく指定されませんよというように言っている業者もいると実は伝え聞いているわけでございます。そういう意味で、これは必置義務ではないというやはり情報、アナウンスを早く地域に出す必要性があるのではないかなというふうに思っております。
 今本当に独り歩きをしているところでございますので、是非この点、大臣、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) この問題につきましては、今もお述べいただきましたけれども、衆議院の審議の際にも繰り返し繰り返し、マシンを買ってくださいと、マシンを使ってくださいというものではありませんということを申し上げたつもりでございます。それでもなお、まだ今のようなお話が出てくるわけでございまして、私も、何でこう私どもが申し上げていることが周知されないのかなと、理解していただけないのかなと思うわけでございますけれども、今お話しいただいておりますように、地方が混乱しているというようなことはこれ避けなきゃいかぬことでございますから、改めてまたその考え方、決してマシンを買ってくださいなんというものではありませんということを何らかの方法で通知させていただきたいと存じております。
○西島英利君 もう一つの問題、この新予防給付の中で、栄養改善の指導それから口腔ケアというものも含まれております。
 本来、この栄養改善の指示、指導、口腔ケア、これは居宅療養管理指導の中に入っている内容でございます。しかし、改めてこの新予防給付のメニューにされたというのは、この居宅療養管理指導の内容で何か問題があったからこういう形で改めて外出しにされたのかどうか、その点をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 現行の居宅療養管理指導、管理栄養士や歯科衛生士の方々が、通院が困難な要介護者の居宅を訪問するという仕組みになっております。
 今回、新予防給付で対象とする方々は要支援、要介護一ということでございますので、あるいは居宅療養管理指導の対象の方もおられるとは思いますけれども、むしろ多くの方が、サービス利用ということを考えますと、通所サービス等々のサービスの対象の方ではないかというふうに考えておりますので、居宅療養管理指導を否定するものではございませんけれども、主として通所サービスの中で新たな予防給付ということで、栄養指導、摂食・嚥下訓練等を通じた低栄養の改善、摂食、嚥下等の口腔機能の向上を行うこととしてはどうかというふうに考え、従来の居宅療養管理指導とは別の枠組みとして設けることを検討しているところでございます。
○西島英利君 やはり、従来あるものをどういう形で機能アップしていくのかという考え方もやっぱり見直しの一つであろうというふうに思うんですね。そういう意味で、居宅療養管理指導、例えば栄養士さんもこれを取れるようになってますし、歯医者さんもそうなってますし、いろんな職種の方々がこれ取れるようになっているわけでございますから、是非そういう意味で、この居宅療養管理指導の機能をいかに向上させるかという観点からも是非お考え、御検討いただければというふうに思います。
 ところで、先ほどの島根県の検証の結果では、ケア会議を開かずにケアプランを立てておられたケースが非常に多かったという結果が出ておりました。それ以降、ケア会議が全国的にどういう形で開催をされて、そしてそれがケアプランに生かされているのかどうか、このケア会議開催のデータがございましたらお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) ケアプランの作成に当たってのサービス担当者会議の開催状況でございますが、平成十三年七月の調査では七一%が開催ありと。開催ありといった場合の開催の頻度とか定期的に行っているかとか、様々内容を言えば問題がございますが、一応七一%が開催していたと、こういうことでございます。
 私どもの方でも、やはりサービス担当者会議が重要であるということで開催するようにお願いもしてまいりましたし、平成十五年四月の介護報酬改定に際しまして、開催しない場合には報酬の減算等もあると、こういう見直しを行った結果、十五年十月の調査では八六%が開催ありとなっており、そういった意味では改善が見られると考えております。
 ただ、いろいろお話を伺いますと、事業者の方々の日程調整が困難ですとか、ケアマネジャーさん自身業務が多忙といったことで会議実施していないという理由に挙げられておりますので、今後そういった点を更に改善していく必要があるのではないかと考えております。
○西島英利君 このケア会議を開いたようにして、実際的にはその所属しているサービス事業者のサービスが重点的に投入されているというそういう結果は、これはデータとしてもきちんとあるわけでございますね。
 そこで、私もこのケアマネジャーの方々からいろいろ聞く機会があるわけでございますけれども、自分としては本当はこういうケアプランを作りたいんだけれども自分が所属しているサービス事業者がそうさしてくれないというようなことは、これはもうよく伺います。要は、ケアマネジャーの独立性ということが、やはりこれから、やっぱりきちんとしていかないことには、なかなかここの部分の改善はないのであろうというふうに思います。
 今回、ケアマネジャーの免許の、免許といいますか更新、五年ごとに更新をするということでございますが、私は、それ以前に本当にきちんとケア会議をして、このケア会議というのは外部の人を入れてやるわけでございますから、ケア会議をきちんとして、そして、その人が改善するようなケアプランを立てているかどうか、やはりこれを毎年のように検証をして、そういうことをしていない居宅介護支援事業者はやはりこの市場から退場してもらうというぐらいの強い姿勢を示さない限り、なかなかこの状態は変わらないのであろうと思います。
 同様に、所属の介護サービス事業者がどういう考え方の中でやっているのか、こういうことも併せてやはり指導監督をする、やはりそういうシステムを早急につくられませんと、今回のケアマネジャーの見直しだけでは私は足りないのではないかなというふうに思うところでございます。
 そして、これは一つの考え方でございますけれども、ケアプランを立てるときにICF、国際生活機能分類というのがございますけれども、これを利用する考え方、これを利用するようにという指導する考え方はないでしょうか。
 というのは、これはまさしく生活の質、障害を持たれた方の生活の質向上のためにつくられた分類と考え方でございます。そして、これは新たに社会参加活動という部分が入ってきておりまして、その方が例えばお祭りに行きたいといった場合にはどういうようなリハビリをやればいいのか、どういうふうなサポート体制を組めばいいのかというところまで実はこの中に書き込まれているわけでございます。
 こういう考え方をこのケアマネジャー等に指導するお考えはないのか、簡単でございます、簡単でございますので、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 まず、このICFの概念を取り入れるということにつきましては、介護保険制度についても、介護予防の観点から高齢者の心身機能、活動、参加といった生活機能の低下を予防しと、これが介護保険部会の報告書でも書かれておりまして、かなりそういった考え方をベースに施策を進めているところでございます。
 具体的には、介護予防のケアマネジメントでも、昨年十二月に小委員会の中間取りまとめしておりますが、要は、今委員御指摘のICFの概念に基づいた考え方で介護予防のケアマネジメントをしていこうということが提唱されております。
 介護予防のケアマネジメントだけではなく、介護給付の方のケアマネジメントの在り方につきましてもそのような考え方を反映されるように努めてまいりたいと思います。
○西島英利君 是非、積極的に啓発活動を行っていただければというふうに思います。
 次が、地域包括支援センターについて簡単にお聞かせいただきたいと思います。
 地域包括センターは、今回のこの介護保険に関しては官から民へというのが一つの考え方であったように思うわけでございますが、この地域包括支援センターにつきましては、また民から官へという逆行したような、そういう動きではないかなというふうに思うんですね。
 そもそも、何で官から民へかといいますと、措置時代にしゃくし定規的な考え方でサービスが提供されていたということの反省もあって民間主導という考え方ができてきたのではないかなというふうに思うんですが、この点は一つの問題かなというふうにも思います。
 ただ、ここに、一説には在宅介護支援センターを活用して全国に五千か所設置をするというような報道も実はなされているところでございます。しかし、この在宅介護支援センターというのは機能を縮小したんですね。その理由というのは、これは正しい情報かどうか分かりませんが、センター間の活動状況に差があって、機能していないところも多く、縮小したというふうにも聞いております。もしそういう理由であったとしたらば、本当にこれを活用することによって機能するのかどうかということもやはりきちんと検討した中で考えていかなければならないことだろうと思います。
 もう一つは、これは在宅介護支援センターは、これだけではなかなか運営が困難と、つまり経済的に運営が困難という状況も実はあったわけでございますね。今回、もしこの在宅介護支援センターを活用するということになりますと、マンパワーも増員となります。常勤の問題もございます。運営経費、これは単独できちんと経営できるようなそういう経費が出る仕組みになるんでしょうか、それだけお教えいただければと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 地域包括支援センターについての御指摘でございます。
 介護保険で官から民へという動きをしたのに逆行するのではないかというような趣旨が第一点ではないかと思います。
 これにつきましては、介護保険導入に伴いまして、市町村の老人福祉のいろんな様々な仕事の中で、かなり、すべて介護保険にしわ寄せをし、従来、例えば必要な相談、社会福祉的な相談、それと介護保険サービス相まって高齢者の方の支援になるわけですが、そこのところもすべて介護保険に寄せられてしまったと、市町村が過度に撤退してしまったというような御指摘もあるわけでございます。
 また、介護予防の点につきましては、非該当の方から該当の方までの連続性と、こういった問題もあり、要は総合的な相談、それからケアマネジャーさんも大変地域で苦戦されておりますのでケアマネジャーさんへの支援、それから介護予防マネジメント、この三本の柱を実は実施していただくために地域包括支援センターを置くと。で、三人の専門職種、三種類の専門職種の方々のチームプレーによってこういった総合的な地域の包括的なケアシステムをつくれる拠点にしようと、こういう考え方であったわけです。
 衆議院での修正によりまして、更に今重要となっております権利擁護の仕事もこの地域包括支援センターの必須業務として加えるべきだということで修正がなされたわけでございますが、決して従来の措置制度に戻すということではなく、介護保険と介護保険の周辺部分とを結ぶ拠点として地域包括支援センターを考えているわけでございます。それが一点目でございます。
 二点目は、そういった場合の経費の問題でございますが、ここは地域支援事業という枠組みの中で地域包括支援センターの経費も支出するということで、第一号保険料、国の税金、都道府県、市町村の税負担、これらのものによって財源に充てるという考え方で組み立てております。
 在宅介護支援センターとの関係につきましては、在宅介護支援センター、様々な問題を抱えているということ、そういった中で、非常によく活動されている在宅介護支援センターから様々なレベルの在宅介護支援センターがあると思いますが、地域包括支援センターは在宅介護支援センターの看板を書き換えるというような意味ではございませんで、ただいま申し上げました趣旨で、市町村が地域包括支援センターを設置する、あるいは設置の委託をするということで、その中で適切な在宅介護支援センターがあればそこの在宅介護支援センターは委託を受けることができるとされているわけでございまして、そこの判断につきましてはそれぞれの市町村の御判断によるというふうに考えております。
○西島英利君 やはり、もし在介センターに頼まれるのであれば、やっぱり質をきちんと担保する。そのためには、出てきている運営費の中で質の高いサービスができるように、そういう配慮を是非お願いを申し上げたいというふうに思います。
 次は、居住費、食費の利用者負担の問題について簡単に触れさせていただきたいというふうに思います。
 今回、この法律を作られる過程の中で、在宅の人はアパート代も払っているんだから、だから施設入所されている方々との差を縮めなければいけないという、そういう説明の中で私どもは物事を考えてまいりました。
 しかし、よくよく考えますと、アパートであれば、在宅であればこれはプライバシーをきちんと確保できるんですね。施設はプライバシーがないわけでございます。また、医療施設は治療から在宅若しくは施設へという流れが必ずございます。老人保健施設もやはり在宅へのリハビリがこれは本来の目的でございますので、在宅又は施設への流れがある。
 ところが、特別養護老人ホームはついの住みかという考え方でございます。特に特別養護老人ホームに関しましては、これは住所もこっちに移すんですね。そういう意味では、この医療型施設、老健との違い、つまりアパートを借りたまま、確保したまま実は入院、入所されているという、やっぱりこういう配慮も考えなければいけないだろうというふうに思います。
 また、食費につきましても、医療は栄養管理という、非常に重要でございます。非常に全身状態も悪い中で入院をされてこられるわけでございますから、栄養状態も悪く、全身状態も悪い状況でございます。また、老健については回復期という形もございます。特養はこれは生活重視という形でございますので、こういう観点からいきますと、やはり一つにくくって物事を処理したというところに問題があるのではないかなというふうに思っております。
 やはりこれも細かい部分は政省令の中で決めることになっておりますので、特に栄養管理の部分は新たに見直して、今後とも給付の対象にするというふうにも明記されているわけでございますので、是非こういう観点からのお考えも持っていただければというふうに思います。
 この件につきましては、もう時間ございませんので御答弁は求めませんが、政省令を作成されるときにはこういう考え方も是非お持ちいただき、利用者が安心して入所生活が続けられるような、是非そういうような政省令に持っていただければというふうに思います。
 もう一つの問題が、先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、認知症の対策を今回重点的に行わなければならないというふうにおっしゃいました。しかし、その対策はなかなかうまくいかないということも聞いております。
 ところが、歴史的に見ますと、痴呆疾患センターというのがございまして、これは精神保健福祉課が担当してずっとやってきた一つの制度でございますが、これがいつの間にか老人保健課に移り、そして予算も老人保健課の方でつくられてしまうと。さらには、その精神保健福祉課はもうこれにほとんど関与していないというような状況の中で、せっかくきちんとつくられたこの制度を一体これからどうしようと考えておられるのか。
 今、まさしく地域の中で痴呆疾患センターは地域の方々の相談とか様々な研修等にも実は力を発揮しているところでございます。それから、入所の希望があれば当然その希望をお聞きして、そしてしかるべき施設へ紹介するというような機能を持っているわけでございまして、この件をどうお考えになっているのか、簡単にお答えいただければと思います。
○副大臣(西博義君) 先生御指摘の老人性痴呆疾患センター、痴呆という言葉が最近はあれですから認知症センターということになると思うんですが、このセンターにつきましては、老人性の痴呆、認知症の患者への専門医療相談それから夜間への救急の対応、地域の保健医療、福祉関係者の技術の援助、先ほど御指摘いただきました、この拠点として今まで役割を果たしてきたところでございます。
 一方、御指摘のように、認知症の患者は精神病入院患者の約一七%というところまで今増えてまいりました。ここ数年来、老人性の認知症専門病床が急増しているということも事実でございます。
 そんなことから、患者の病態に応じて適切に治療、介護を受けられるような体制の在り方について、このセンターの活用も含めまして、また先生にも御指導をちょうだいしながら検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○西島英利君 やはり私は、先ほど申し上げましたけれども、せっかくある機能をどういう形でアップしていくのかという考え方をしていきませんと、また新たに何か制度をつくってということであれば、その制度が定着するのに十年以上掛かるわけですね。是非そういう観点からの見直しもお願いを申し上げたいというふうに思います。
 最後の御質問をさせていただきますけれども、地域支援事業に関してでございます。
 介護予防健診というこの言葉がまた出てまいりました。特に今、総合的介護予防システムについてのマニュアル作成に関する研究班ということがございまして、この第一回の班会議が五月の十三日に行われたところでございますが、老人保健事業を見直して介護保険の中で介護予防健診をやるというような説明もあったかに聞いております。
 しかし、先ほどの清水委員のお話にもございましたように、この健診事業というのはすべてのライフステージの中で継続的に考えていかなければ、いきなり六十五歳以上でやっても、これ何の効果もないんですね。負担を与えるだけであります。生活習慣病をどうするのかというのはようやく健康フロンティア戦略の中でスタートしたところでございますが、その中の一環としてやはりこの健診事業というのは考えていかなければいけないものではないかというふうに思っております。
 こういうものを細分化をして、縦割りでまた介護予防健診ということになりますと、また情報が分断されてしまうと。まさしく、これからの健診というのは、データを蓄積して、そのデータをどう生かしてそれを健康づくりに持っていくのかという考え方でございますし、また、早期発見、早期治療、早期対応という考え方もございます。是非そういう観点から、この地域支援事業の中に新たにつくるのではなくて、是非、その継続的な流れの中で、やはりほかの様々な部署ときちんとタイアップして、情報交換した中でやっぱりやっていく必要性があるのではないかなというふうに思っております。
 是非そういう考え方をお示しいただければというふうに思うんですが、このお考えをお示しいただければと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 委員御指摘のとおり、生涯を通じた健康づくり、それから健診にいたしましても生活習慣病予防、さらに生活習慣病予防を考えますと、例えば中年期からではなく若いときから、あるいは、さかのぼっていきますと子供のときからと、そういうふうな話になりますので、委員御指摘のとおり、人の一生を通じてどういう形で健康保持増進のシステムをつくっていくかということは厚生労働省の最大の課題の一つだと考えております。
 たまたまといっては恐縮でございますが、介護保険制度の中で、介護予防ということで六十五歳以上の介護予防について御提案さしていただいておりますが、先ほど来御指摘いただいておりますように、生活習慣病予防と不即不離のところもございます。省全体といたしましては、十八年の医療制度改革も視野に上がってきており、ただいま申し上げました生活習慣病予防、これも、私どもの老人保健事業の四十歳以上原則ということではなく、若い世代どうするかということも大きなテーマとしてございますので、そういった全体構想の中で、介護予防と生活習慣病予防、その他の健康づくりとの有機的な連携、整合性、そういったものを保てるように努力してまいりたいと思います。
 いずれにしても、十八年度の施策として、ここのところについては再度整理をして御提案申し上げたいというふうに思っておりますので、私の立場からは、ただいま介護保険法案を御提出している立場からは、事業の実施に当たって生活習慣病予防と介護予防の連携が失われることは絶対にないように、御指摘を踏まえて配慮してまいりたいと思っております。
○西島英利君 あと一つ重要な問題は、やはり介護と医療の連携だと思うんですね。
 もう時間がございませんので、最後に総合的に大臣のコメントをいただきたいというふうに思うんですが、まさしく特養、特老の中でお亡くなりになる方がかなりいらっしゃいます。また、ぎりぎりになって特養から病院に転院をされてそこで亡くなられる方もいらっしゃいます。また、老人保健施設に関しましては、医療はこれは包括的になっておりますので、例えば医療機関に受診をしますと、かなりの部分は老健施設がその費用を受けなければいけないというような状況もあるわけでございます。そうしますと、どうしても医師に掛かるという部分が遅れてしまう、こういう危険性もあるのではないかと思うんですね。どういう形でターミナルを迎えていくのか。さらには、痴呆性のグループホームに関しましても、ターミナルを見たいというふうに言われているわけでございます。しかし、その痴呆性のグループホームに関しましては、これは、密室性の中での様々な問題も実は言われているところでございます。
 そういう観点から、やはり医療とこの介護の連携、これは来年の報酬の改定に向けて御検討されるということでございますが、是非、人間の死は、どういう形で迎えるのかというのは、人間の尊厳という観点から考えますと非常に重要な部分だというふうに思いますので、是非前向きの御検討をしていただき、安心してターミナルが国民に迎えられるような、そういう制度にしていただければというふうに思います。
 大臣、一言コメントいただければと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先日私は、このところよく尾道方式として有名になっております、あの尾道におけるケアカンファレンスの現場を見せていただきました。見せていただいたものは、今お話しのような見事な医療と介護の連携であったと思っております。ああいうすばらしいモデルもございますから、ああしたものに向けて今後私どもはさらに、今おっしゃったように、介護報酬それから医療保険の見直し、そうした中で進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○西島英利君 ありがとうございました。
 終わります。
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日です。
 いよいよ介護保険法の審議が始まりました。今日は第一ラウンドというつもりで、まだ二ラウンド、三ラウンドやるつもりでおりますので、よろしくお願いをいたします。
 その上で、まず最初に、ちょっと言葉の問題なのかもしれませんが、介護予防という概念について改めてお尋ねをしたいと思います。
 私、このごろ言葉の使い方に随分こだわるようになっちゃいまして、介護予防とは一体何ぞやと。分解してみますと、介護という言葉は、介護サービスあるいは要介護認定、つまり、あるサービスを必要とする人たちに提供されるべき行為あるいはサービスあるいは機能であって、状態を指す言葉ではないと思うんですね。介護を必要とする状態の人を判定するために要介護認定という仕組みがあると、だから介護を要する状態を認定すると、こういうことであって、介護という言葉は状態像ではない、サービスを表す言葉だと。
 同じように、ちょっと病気のこと、疾病のことを考えてみますと、ある病気の状態にならないように予防するという、疾病を予防する、こういうのはよく使いますね。例えば、今しきりに言われているのが生活習慣病予防と、これは生活習慣病という病気にならないように予防しようと、こういう言葉で使う。
 それと比較して介護予防というのを並べると、どうしてもうまく合わないんですよ。つまり、例えば看護予防という言葉があるかと、余り聞いたことないですね。つまり、介護という状態にならないように、あるいは介護を要する状態が悪化しないように、そのために予防しようということを介護予防と言っているんだろうと思うんですけれども、しかし、単純に介護予防というふうに言っちゃうと、何か病気を予防する疾病予防という言葉と比べると、何かぴたっとこないなと。
 逆にひっくり返して予防介護とか言わなかったのかなと時々思うんですよね。その重度化を予防するような介護サービスというふうに使った方がよかったんじゃないかと思うんですけれども、ここはひとつ大臣、言葉をまあ今更変えろと言うつもりはないですが、介護予防というのはどういうことなんですかという、それが法律の中にちゃんと書いてあるんですかということを改めてまず質問のスタートにお尋ねしたいと思います。ちゃんと書いてあるんです。
○国務大臣(尾辻秀久君) 実はこの御質問をいただくということを聞きまして、私もじっと考えてみたんですが、なるほどおっしゃるようなことだなということは実は私も感じたところでございます。
 御指摘のとおりに、介護予防という言葉自体は、病気等の状態を支援する行為を意味する介護と、それから予防という概念を直接結び付けて作った言葉でございます。
 ただ、もう今先生自らお述べいただいたように、この私どもが介護予防という言葉で意味しておりますことは、要支援状態、要介護状態になることの予防、介護の状態になることの予防という意味で介護予防と、こういうふうに言っているわけでございまして、さらに、要介護状態等の軽減また悪化の防止ということまで付け加えてその意味を述べておるところでございます。
 その意味では、介護を要する状態の予防、軽減また悪化の防止でございますので、御指摘のように、そのことをいろんな場を通じて御説明をし、また十分御理解をいただくべく私ども努力をしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 それで、私は今回の制度改正の中で何が一番重要な問題かというふうに考えますと、本当は、そのことを意図されたのだろうと思うんですが、いかに適切に状態を評価、アセスメントし、いかに適切にケアプランを作り、いかに適切にケアマネジメントするかと、これがこの五年間ちゃんとできていたのかというところを総括することが一番大事なんじゃないかと。その上で、どう変えたらいいのかということを明らかにしていくという作業が一番大事だったんだろうというふうに私は思っているんですね。
 そこで、まず確認したいんですが、そもそも現在の仕組みで要介護認定、介護を要する状態だというふうに認定する判断の基準、物差しは一体何だったのか。
 私が理解するところでは、介護を要する状態になった原因は何かとか、これからどうなるかというのは別にして、取りあえず置いて、現在の状態で介護を提供するとするとどれぐらい時間を要するかという、たしか二十四時間介護サービスの分析をタイムスタディーをやって、そのタイムスタディーの根拠の下に、こういうサービスだったら三十分掛かるとか、こういうサービスだったら一時間掛かるとかいうことを基準に要介護認定というのを作った。だから、その状態を、言わば日常生活能力に着目してその状態像をできるだけ時間という単位で、介護に要する時間という単位できちっと測ろうと。いろいろ議論はあるけれども、それが一番いい物差しだということでやったというふうに理解しているんですね。
 だから、基本的にはその人がどういう生活をするかという生活モデルで、何が支障になるか、どういう介護サービスが必要になるか、こういう考え方で物差しが設定されたと思うんですが、現行制度でそのような考え方にのっとって物差しが作られているということについて確認をさせてください。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 現行の要介護認定におきましては、どのくらい介護サービスを行う必要があるかということを判断すると、こういう考え方に立ちまして、そのためにどういう客観的な指標があるかという議論になり、今委員御紹介がありました介護に掛かる時間でそれを表すことが適切であると、こういう考え方で要介護認定の言わば物差しができているところでございます。
 この介護に掛かる時間とは、実際の介護の現場におきまして、一分間タイムスタディーという介護時間の調査に基づきまして、どういう状態の方であればどれだけの介護時間が使われているかということを出すと。で、介護サービスの必要度を示す物差しとしてこの介護時間が指標化されたものであります。
 そういうデータができましたので、今度は、要介護認定調査をした場合に、そのデータに基づきまして、心身の状況にその調査の対象の方が最も近い高齢者のデータを探し出して、そのデータから要介護認定の基準時間が推計されると、こういうシステムでございます。その時間に基づきまして、要支援から要介護度五までの六段階の要支援、要介護認定ができているということでございます。
 なお、介護時間調査ということでありますが、物差しでございまして、したがって、必ずしも個々の要介護者の方に対して実際に提供される例えばホームヘルパーさんの時間、提供時間の合計時間と連動するものではないと、こういうことは念のために申し上げます。
○朝日俊弘君 それで、基本的には今の制度が今後も引き継がれるというふうに理解をしています。
 ただ、今回の改正では、そこに加えて、先ほど冒頭にお尋ねした介護予防という概念を持ち込もうということになっているわけですね。ところが、この介護予防ということをどうやって、例えば、言わば介護予防サービスの必要度と言うのか、それをどうやって測るかということになると、これ、従来の介護サービスの必要量を時間で測るというだけでは足りなくなると思うんですね。
 私が思うに、ある状態について、その状態がなぜそうなっているのか、どういうサービスを提供したらどうなるのかという時間軸を入れて評価するという作業が加わると思うんですよ。つまり、今までの仕組みは、言わばこう丸太ん棒をある時点で輪切りにして、ここでサービス量がどれだけ要るかという判定をした。ところが、介護予防を提供しようということになると、こういう状態でこうなって、次はこうなるであろうという時間軸を入れてアセスメントをし直さなきゃいけない、こういうことになるのではないかと思うんですね。
 当然、その中には、こういう状態であればこういうことをやっちゃいけないとか、こういうことはやった方がいいとかということも入ってくると思うんですね。これをまあ健康度あるいはヘルスアセスメントということになるんだと思うんですが、その考え方と、従来の介護のサービスの必要量を時間で測るということとは、かなり違う考え方なんですね。
 私は、どっちかというと、この介護予防の評価の仕方というのは疾病論というか、どういう原因でどうなってどうなるという、そういうものに近づく、何か医療モデルに近づくんじゃないかという気がするんですよ。そこをどうやって組み合わせようとしているのか、基本はどちらなのかということをがらっと変えるのか、それとも基本は基本できちっと押さえた上で介護予防という新たな評価軸を加えて考えようとするのか、この辺についてはどう考えていますか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今の委員の整理で申し上げますと、従来の評価軸を基本としながら、その評価軸の上に立ちながら介護予防、先ほど大臣の方に御質問ございましたけれども、法律の中でも介護予防の定義といいますか、介護予防という言葉が出ておりまして、介護予防というのは要介護状態の軽減又は悪化の防止をいう、以下同じというような文言もございますが、そういうことで、介護予防の観点を軽度の方については取り入れると、こういう考え方を取ったところでございます。
 それは、平成十六年一月に高齢者リハビリテーション研究会の報告書を出さしていただきましたが、その研究会で指摘されましたことは、介護が必要になった主な原因を要介護度別に見ますと、要支援、要介護一の方は、高齢による衰弱、転倒・骨折、関節疾患という、言葉の問題がまた指摘されるわけですが廃用症候群とその報告書では呼んでおられますが、その割合が高く、要介護二以上では、その要支援、要介護一の方に比べて、原因疾患として脳血管疾患と認知症の割合が高くなっている。このうち廃用症候群、要支援、要介護一につきましては徐々に生活機能が低下するタイプでございまして、ここについては生活機能の低下が軽度である早い時期に予防を行うことが効果的であるとされたと、こういう考え方に立ちまして私ども整理をしたところでございますので、基本的には、前段にあります要介護度の中の軽度者のまた原因疾患に着目したというのが基本的な考え方になっております。
○朝日俊弘君 私の答弁に廃用症候群という言葉、使わないでください。あれ、医学用語で、非常に誤解を生む表現なんですよ。分かりやすく言うと、使わない、訓練をしない、その動作をしないということによってだんだんだんだん筋肉が衰えてきますよというだけのことであって、廃用症候群なんて物すごいとんでもない病気があるようなものではないんですよ。でしょう。それをそのまんま廃用症候群と使うから、何かとんでもない病気になるような錯覚に落ちちゃうんで、それは使わないでください。むしろ、これからの説明にも使わない方がいいと思います。そのことをあえて指摘しておきます。
 要するに、ついつい使わずにいると、その機能が、その筋肉が衰えてしまうことがあるよと、そういうことを、ならないようにするために予防を頑張りましょうということでしょう。そういう理解をすべきだと私は思います。変に廃用症候群という言葉は使わないでください。
 その上で、ちょっと確認しますが、だから基本軸は変えていないと。むしろ、つまり、介護の必要度を現時点でどれだけ必要なのかということをきちっととらえるという基本で、それに応じた要介護度認定をし、介護のサービス量を決めていくという基本軸は変えていないと。
 ただ、介護予防という新たな概念に基づいて、そのような言わば今までとは違う横軸を少し加味して判断しようではないかということだというふうにとらえていいんですね。もう一遍念を押して聞きます。
○政府参考人(中村秀一君) 私は、そのようにお答えしたと考えております。
○朝日俊弘君 私がこだわるのは、何か全然軸が変わっちゃって、これはもう介護保険の原理が医療モデルの方にぐっと引き寄せられてしまうんではないかという心配があるので、あえてくどくお尋ねしました。
 さて、そのような形でアセスメントをし、あるいはマネジメントをしていくということになると、一番大事なのは、今日午前中にも議論がありました地域包括支援センター、そこにおけるマネジメントをどういうふうに適切にやるかと、これが一番大事だと思うんですね。
 個々の対象者、高齢者の皆さんに適切に評価をし、適切なプランを作り、適切にマネジメントすると、こういうことができるかどうかはこの地域包括支援センターの中身、機能にかかわってくるというふうに思います。
 そこで、もう既にこの地域包括支援センターと従来の在宅介護支援センターとの関係については今日午前中にもお話がありましたので省略をしますが、その次の質問として、ここで書いている地域、地域包括支援センターの地域とは一体どの程度のレベルを想定して地域と言っておられるのか。よりできるだけ具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 地域包括支援センターで言っておりますところの地域でございますが、まず、地域包括支援センターは市町村が設置をすると、こういうふうに私ども考えておりますので、市町村ごとにということが一つになります。
 ただ、市町村と申し上げましても、相当に御案内のとおり地域差がございます。各市町村において業務量、運営財源、専門職の確保の状況など、総合的に判断されることが必要だと考えておりますが、私ども、人口二、三万に一か所が一つの目安になるものと考えております。
 そういたしますと、保険者は市町村が原則でございますので、二、三万より小さい保険者というのはたくさんあると、こういうことになります。そういう小規模自治体につきましては、複数の自治体が共同で設置するとか、単独の自治体で設置する場合にはフル規格といかないような場合もやむを得ず出てくるようなところがあるかと思いますが、そういう例外的なところは別といたしまして、業務量等を考えますと、人口二、三万人に一か所を一つの目安というふうに考えております。
○朝日俊弘君 いずれにしても、どれくらい、どういう規模で設置するかということは市町村が判断をされるということだと思いますが。
 さてそこで、地域が人口二、三万ということを想定して考えているという御説明の次に、じゃ、名称に包括と書いたのはどういう意味かと。
 今日は言葉の意味ばっかり聞いているような気がして仕方がないんですが、何で総合と言わなかったのか、包括という言葉にこだわった意味は何でしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 私ども、高齢期になっても、基本的な考え方といたしましては、住み慣れた地域で生活が続けられるようにしていくということが大変大事ではないかと考えております。そういうふうに考えますと、介護保険のサービスというものがそれについて大変大きな役割を果たすことは御案内のとおりでございますが、それだけで十分ではございません。医療が、ニーズが必要になったときの医療サービス、様々な生活援助サービスあるいは地域の住民の方によるインフォーマルなサービスなどが必要になるというふうに考えています。そういった意味では、介護保険の制度の内と外のサービスの組合せということがあると思います。
 それから、時間軸で申し上げますと、入院して、つまり医療保険の世界から介護保険の世界に来る、また介護保険の世界から入院されるというように、医療、介護、医療というふうに移られる場合もある。あるいは、予防の世界から介護の世界に入り、最後にはターミナルケアがということで、時間軸でも総合的に、また切れ目なく提供される必要がある。
 また、支え手といたしましては、主治医、ケアマネジャー、様々なサービス事業者、人材が連携して、継続的に、多職種協働で継続的にフォローする必要があると、こういった意味で包括的、継続的なケアマネジメントが必要だと考えまして包括という名前を付けさせていただいたところでございます。
○朝日俊弘君 かなり思いのこもった言葉なんだろうと思うんですね。そこはきちっと適切に伝えないといけないと思うんですよ。
 今の御説明であったように、私は、例えば介護保険がカバーするサービスとそれを取り巻く周辺のサービスとをどう活用して使っていくのかというのはすごく大事なことで、どうも介護保険制度がスタートしてから市町村の老人福祉事業や老人保健事業が何かやや停滞というか縮小をしている傾向があるんですね。考え違いをしたのか、便乗して合理化したのか、市町村が本来やるべき老人福祉事業とか老人保健事業がかなりレベルダウンをしてきていて、何か、何でもかんでも介護保険でやれちゃうんだ、やっちゃうんだみたいな。しかし、決してそうではないんで、介護サービスというのは、介護の部分に着目してその部分を保険で見ましょうという仕組みをつくっただけで、老人福祉事業、老人保健事業は厳然として法律もあるし事業もあるわけですから、そういうものをうまく活用しながら展開をしていくという観点は大変重要だと思うんですね。
 ただ、これ今御説明いただいたから、なるほど、そうかなと分かったんで、地域包括支援センターの意味はこうですということをちゃんと具体的に表現をしていただく必要があるのかな、こう思います。これは注文というか、お願い。
 さてそこで、そうすると、大変魅力的な包括という言葉を使われたんですが、それを担っていくためのこのセンターの構成人員、基本的には、つまり原形ですね、としてはどのようなタイプ、人員配置を考えているのか、お聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君) 朝日委員から御指摘いただきましたように、私ども、説明が十分足りない点があるんではないかと反省をいたしております。よく法律の趣旨等御説明をさせていただきたいと思っております。
 そこで、地域包括支援センターの根拠規定は第百十五条の三十九でございまして、この地域包括支援センターは、包括的支援事業というふうに法律で定めている事業を実施しまして、地域住民の方々の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とするとされております。
 その包括的支援事業、しからば何かということでございますが、それがその一条前の第百十五条の三十八で書かれておりまして、政府提案では三項目であったわけでございますが、衆議院の修正で四項目になりましたが、介護予防のマネジメント、介護予防以外のサービスを含みます総合的な相談支援、それに修正で付け加わりました虐待防止等の権利擁護事業、四点目といたしまして支援困難ケースへの対応などのケアマネジャー等の支援と、こういう事業を行うことといたしております。
 こういう機能を果たしますために、社会福祉士あるいは主任ケアマネジャー、それから保健師、こういった職種の方々を配置いたしまして、連携をいたしまして、それぞれの専門職種を配置いたしまして、ただいま申し上げました四事業を地域において担う中核拠点としたいと考えております。
○朝日俊弘君 今御説明になった主任ケアマネジャー、それから社会福祉士、そして保健師、三つの職種をおっしゃいましたが、この三つの職種は必置ですか。
 それから、ある程度のバリエーションというか、幅を考えておられますか。
○政府参考人(中村秀一君) 申し上げましたとおり、それこそ言葉であれでございますが、包括的、継続的なマネジメントをこの四つの事業について行うということで専門職の方が必要だと思いますので、必置といたしております。
 例えば、主任ケアマネジャーと申し上げましたけれども、まだ我が国に主任ケアマネジャーの制度がございませんので、主任ケアマネジャーというのをどういうふうな人にしていくかと。今、ケアマネジャーが誕生してから五年でございますので、最長五年の経験者しかおりませんけれども、そういった中でどうしていくかとか、それから保健師と申し上げましたけれども、必ずしも保健師の方でなくても、地域ケアに経験のあるナースの方もいらっしゃると。そういった意味では、それぞれの専門職種の中である程度の幅と申しますか、そういったことは考えてまいりたいと思っております。
○朝日俊弘君 それは何らかの形で明らかにされるんですか。これこれの職種について必ず配置するように、あるいは確保するように、その幅はこの程度の幅がありますと。地域によっては多数配置するところもあれば、地域によっては物すごく少ないぎりぎりの人数で配置するところも出てくると思うんですが、何らかの形で通知か何かされるんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 規定のレベルは厚生労働省令から様々な通知レベルまであると思いますが、いずれにしても、きちんと規定をしないことには市町村の方でも地域包括支援センターを設置することができませんので、明確にしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 では、このセンターをつくっていくあるいは運営していくための財政基盤をどう考えているか。例えば、施設整備についてはどう考えるか、運営費についてはどう考えるか、何をどの程度どこからの財源を想定しているのか、御説明ください。
○政府参考人(中村秀一君) 財政基盤の点でございます。
 地域包括支援センターの業務は、先ほど申し上げましたように包括的支援業務で四事業でございますが、言わば相談サービスでありますとかサービスの調整ですとか地域のケアマネジャーさんのサポートということで、そういった意味では大きなハードウエアを必要とするものではございませんので、例えば介護施設を整備するといったような意味での施設整備というのは不要な場合が多いんではないかと思っておりますが、それでも施設整備が必要な場合には、地域介護・福祉空間整備等交付金制度の市町村交付金の中でこの地域包括支援センターの整備も交付金事業の対象といたしておりますので、交付金を活用しようとする市町村があれば、本センターの整備も含めた整備計画を私どもに提出していただければ、その中で御協議に応じたいと、こういうふうに考えております。
 それから、運営費についてでございますが、先ほど来私が申し上げております包括的支援事業、その事業を実施するための機関として地域包括支援センターが置かれると、こういうふうに御説明しておりますが、この包括的支援事業は、法律上は地域支援事業の、大変面倒くさい説明で恐縮でございますが、地域支援事業の内容になっております。
 地域支援事業の財源は保険と公費で折半をするということでございまして、ただいま申し上げました地域包括支援センター、ここの事業は第一号保険料と公費で負担するということで、公費は、第一号保険料が一八%であるといたします、全体の費用の一八%が現行でございますが、そのままであるとすると、公費は残りを占めるということになりまして、国が四一%、都道府県、市町村は二〇・五%ずつの負担になるということでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、やっぱり、もし仮にある地域でかなり中身の濃いというか充実した包括支援センターをつくっていこうとすれば、市町村なりの負担がある程度想定されるということになって、すべて保険料あるいは国、都道府県からのお金だけでやるわけではないので、相当地元の負担というのもやっぱり無視できないというふうに今の御説明を伺って受け止めました。
 できるだけ私は、この地域包括支援センター、中身のいいものにしていきたい。逆に、このセンターがきちんと機能しないといろいろおっしゃってきたことも全部絵にかいたもちになりかねないというふうに思いますので、ここは是非十分そのことを受け止めた上で対応をしていただきたいと思います。
 さてそこで、そうすると保険者、介護保険の保険者である市町村とこの地域包括支援センターとの関係というのはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。幾つかのパターンがあるのかもしれませんが、例えば、午前中の説明では運営協議会を設置してというような御説明もありました。市町村とこのセンターとの関係というか、かかわりというかについて御説明ください。
○政府参考人(中村秀一君) まず、地域包括支援センターは市町村が設置すると、こういうことになります。市町村が設置するという意味は、市町村自ら地域包括支援センターを運営するということもあろうかと思いますし、市町村自らではなく第三者に委託して行うということもありますが、責任としては市町村が責任を負う事業と、こういうことになります。
 市町村によっては、地域包括支援センターは一つの市町村に、先ほどの規模の問題ございました、地域の問題ございますが、複数設置されると、こういうことも考えられるわけでございますが、この地域包括支援センターの運営の公正・中立性を確保するため、市町村は地域包括支援センターの運営協議会を設置すると。保険者である市町村は、この地域支援事業の実施に責任を持つものとしてこの運営協議会を主宰し、関係者の御意見を踏まえながら地域包括支援センターの適切な運営、効率性の高い運用をすると。もし委託した場合には、委託した包括的支援事業の適切な実施を市町村が監督をすると。こういう関係であると考えております。
○朝日俊弘君 念のため確認しておきますが、介護保険の保険者は、相当多数の市町村が連合して一部事務組合をつくって保険者になっているところがありますよね。そういうところは保険者という単位が基本的単位になるんですか、その構成している市町村が基本単位になるんですか。ちょっとこれ通告していなくてあれですが、そういうところ幾つかありますのでね。
○政府参考人(中村秀一君) 広域の場合には、広域がまずその立場で地域包括支援センターの設置ということも行うことになります。
○朝日俊弘君 そうすると、介護保険の保険者ということですか、市町村というよりは。その地域包括支援センターの設置について責任を持ってやるのは介護保険の保険者ということなんですか。市町村、市町村という説明があったけれども。
○政府参考人(中村秀一君) 委員の御指摘の、介護保険の保険者としての市町村の事業として位置付けております。
○朝日俊弘君 まだよう分からないな。要するに、一対一の場合はいいんですよ。だけれども、幾つかの市町村が連合して一部事務組合をつくって介護保険の保険者をつくっている場合の個々の市町村の責任というのはどうなるのかな。
○政府参考人(中村秀一君) 前にお答えしたと思いますが、広域連合を組まれていたり広域で保険者をやっている場合には、その広域のところが市町村として地域包括支援センターの設置の責任者の役割を果たしている。また、内部関係として、個々の市町村にそのところを、広域との間で整理の問題はあるかもしれませんが、保険者としての市町村というふうに考えております。
○朝日俊弘君 ちょっと私も考えてみます、今それで問題がないかどうか。ちょっとそっちも考えてみてください。
 そうなんですよ。今、先ほどあえて包括というところで指摘したように、幾つかの老人福祉事業とか老人保健事業があるじゃないですか、それは市町村の事業としてあるでしょうと。だから、市町村単位としてのやらなきゃいけないことがあって、そこに介護保険が加わってきて、介護保険の方は広域でやっているとする場合には市町村との関係はどうなるのかなという問題が出てくると思うんで、今日のところはこの程度にとどめて、後でもう少し、私も解明してみますので、そちらも解明してみてください。
 以上で地域包括支援センターについての質問は終わりますが、いずれにしても、先ほど申し上げたように、これは大変一つの大きなポイントになるということでありますので、できる限り明確な形で取組をしていただきたいと思います。
 それでは次に、問題をがらっと変えまして、施設給付の見直しに関連して幾つかお尋ねをいたします。
 施設給付の見直しに関して具体的な議論に入る前に、今日はその前提となるところを幾つかお尋ねしていきたいと思います。
 今日は総務省の方にも来ていただいていると思いますが、総務省の方に二つお尋ねします。
 一つは、御承知のように、今回の法改正で居住費とか食費とかが基本的には保険の外に置くと、こういうことになる。しかし、いわゆる低所得者の皆さんには補足的な給付をしましょうと、こういう形で組み立てられています。そこで、その補足的給付の対象者を何で選ぶのかということが問題になります。生活保護の場合はこれははっきりしていますから、非常に見分け方がはっきりしているんですが、その次の、生活保護受給者の次のランクは市町村民税が課税されているかどうかというところで見極めましょうと、こういうことになっているんですね。
 そこで、総務省にお尋ねしますのは、市町村民税というのは基本的に個人単位の税制だというふうに私は理解をしています。市町村民税の基本的な考え方と、とりわけ、その市町村民税が個人単位で課税非課税を決めている制度だという私の理解、それでよろしいかどうかお尋ねします。
○政府参考人(板倉敏和君) 市町村民税に関してのお尋ねでございます。
 個人の市町村民税でございますけれども、住所を有しておってかつ一定の所得がある個人に、その者が住む市区町村が負担を求めるというのが基本的な性格でございまして、均等割と所得割というような二つのものに分かれております。
 この税の課税の単位でございますけれども、御指摘がありましたとおり、個人ごとに課税する個人単位課税というのを採用しております。
○朝日俊弘君 まずその点を確認した上で、その次に、この市町村民税は、当然のことながら、いろんな税制改正等の作業の中で、制度そのものの見直し、あるいは基準の見直し、控除の範囲の見直しなどが行われてきていると思いますし、今後もあり得ることだというふうに私は思いますが、ちょっと直近の事例を一、二御紹介をいただきながら、特に高齢者の皆さんに関する部分が多少制度変更があったというふうに聞いていますので、ちょっと御説明ください。
○政府参考人(板倉敏和君) 市町村民税に関しまして、特に高齢者関係の改正、直近のものをということでございます。
 平成十六年度の改正におきまして、いわゆる老年者控除というものが廃止をされました。また、十七年度改正におきましては、六十五歳以上の者で一定の所得金額以下の者に対しまして非課税措置がございましたけれども、これを段階的に廃止をするというようなことがございまして、適宜見直しを行ってまいったところでございます。
○朝日俊弘君 今日は具体的な中身まではお尋ねしていませんけれども、非課税措置を段階的に廃止する、あるいは控除を廃止するということは、当然ながら市町村民税について言わば税負担を大きくというか、増やしていくという方向の制度改正だというふうに思います。それで間違いないと思いますが。
 さて、そういうふうに、直近でもそのような市町村民税についての、課税となるかならないか、あるいは課税になっても控除がどれだけあるかないかということが税制として変更されてきているわけであります。そのことを二つ目に確認した上で、さて、今度は厚生労働省に聞きます。
 厚生労働省の説明資料を見ますと、いわゆる低所得者の段階を幾つか、一段階、二段階、三段階と分けて、その三段階目辺りを見ると、市町村民税非課税世帯という表現があるんですね。話が違うんじゃないかと。市町村民税というのは、先ほどの話でいけば個人単位で課税するというものだという御説明だったんですね。ですから、これはもう少しきちっと御説明いただかないと、何か市町村民税非課税世帯というのがあるのかということになります。説明の仕方ももう少し正確にしてほしいということと、仮に──まずその点聞きましょう。ちょっと二つに分けて質問します。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今現在、高齢者の介護保険料につきましては五段階、所得に応じて五段階に分けると、こういう作業を行っておりますが、そこの定義の中で、委員御指摘のいわゆる所得税非課税世帯、市町村民税非課税世帯、住民税非課税世帯というようなカテゴリーが出てまいります。
 具体的には介護保険法の施行令で規定しておりまして、その属する世帯の世帯主及び世帯員の全員が市町村民税が課されていない方といって、最後はその人に着目、個人に着目するわけですが、その基準の中に、すべての世帯員が課税されていないと、こういうのが出てまいりますので、それを、政令の規定を分かりやすく言うと住民税非課税世帯と、こういうことで表現をしているものでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、より正確に言うと、住民税の課税対象となっている人が一人もいない世帯のことを非課税世帯と呼んでいるということだと思うんですね。そうすると、逆に、課税対象になっている人が一人いる世帯、二人いる世帯、額もそれぞれ違うということでかなりこう、そうでない、つまり課税世帯、あるいは課税されている人が一人でも二人でもいるところは一まとめに一つのランクになっちゃうんじゃないですか。つまり、そういうことによってかえって不公平が生ずる可能性があるんではないか、そこのところを一くくりにしちゃうと、という気がするんですが、そういう問題は起きませんか。
○政府参考人(中村秀一君) まずお答え申し上げますと、介護保険の保険料につきまして五段階、所得の高い方は高めの保険料、それから真ん中の方は標準的な保険料、低い方は軽減された保険料を設定すると、こういうことで、標準的な方を一といたしますと、一番低い方は〇・五、一番高い方は一・五と、こういう刻みになっているわけでございます。この刻みを、第一号被保険者の方でございますので、六十五歳以上の方についてこの刻みを付けようというのが、この五段階制を導入したときに直面したわけでございますが、実は、課税の状況しか物差しがないと。
 そういった中で、六十五歳以上の方の四分の三は非課税であるということでございますので、課税、非課税という、要は、課税されている方のところについては、今度は課税の額によりまして刻みができるわけですが、非課税のところのところをどういうふうなメルクマールで分けるかということが導入時非常に苦労したところでございまして、一番低いランクの方は老齢福祉年金しかない方あるいは生活保護の方というランク、二番目がただいま問題になっております世帯員全員が非課税の方、三番目は自分は非課税だけれども世帯員の中に課税されている方がいると、四番目、下の方から高い方に向かっているわけですが、四番目の方は本人が課税されている中で一定額以下の方、五番目が課税されている方でそれ以上の方と、こういう五段階にしたということでございます。
○朝日俊弘君 細かく見ると、あるいはいろんな例を想定してみると、その中で、ちょっと小さな問題かもしれませんが、不公平が生ずる可能性があるんですよね、理論的には。だからそこは、そういう問題意識は持っておく必要があるということだけ今日は指摘をしておきます。
 さて、もう一つのお尋ねしたいのは、結局、先ほど総務省の方からも御説明いただいたように、このいわゆる低所得者の固まりというか、区切りをどう付けるかという指標に市町村民税を使うしかないということで使っているようですが、この指標である市町村民税は、それはそれとして、その制度の必要性から変更される場合があると。改正される場合があると。そうすると、その指標たるものが変わるわけですから、当然、そちらが変われば、介護保険の方でどうなるかということはちゃんとチェックをして、必要があればこちらもちゃんと変えるということをしておかないと、実際の対象者の範囲が変わっちゃうわけですよね。この点についてはどう考えています。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 保険料を徴収する場合の五段階の問題あるいは利用料などを考える場合の所得状況の問題、物差しとしてこの物差しを使っておりますので、物差しが動くということは確かに介護保険のこの階段の刻みも影響を受けると、こういうことになります。税制改正を踏まえて、それを介護保険そのまま導入するかどうか、介護保険制度として判断する、しなければならないということになりますので、もちろん税制改正によってどういう変動があるか、またそれが保険料や利用料負担にどのような影響があるか、そこはそのときそのときの時点で総合的に検討する必要があると考えております。
 したがって、税制改正があったら一〇〇%自動的に介護保険を動かすということにはなりませんけれども、さはさりながら、税制もある意味では収入なり所得に着目して考えている制度で、大本の制度でございますので、そこでの変化ということについては我々もよく考えて、介護保険の立場から、それを踏まえながら、介護保険の立場として不具合がある場合にはそれなりの措置をとると、そんなようなことになるのではないかと思っております。
○朝日俊弘君 先ほど総務省の方からも御説明があったように、そのことのいい悪いは別として、高齢者を対象とする非課税措置が段階的に廃止されたりあるいは控除が丸々廃止されたりということで、かなり高齢者にとっても厳しい税制改正がされたわけですね、直近でいえば。これからももしかするとされるのかもしれないということになりますから、少なくとも税制の方が変わったときに、それが介護保険の方でどういう影響が出るかをきちっと調べて、必要があればきちっと手を打つということはお約束できますか。
○政府参考人(中村秀一君) そのような考え方に立って、保険料負担の問題あるいは利用料の問題などについても考えさしていただきたいと思っております。
○朝日俊弘君 それじゃ次に、施設給付の見直しとも関連する問題で、療養病床についてお尋ねをします。
 資料をお願いしていますので、配っていただけますか。
   〔資料配付〕
○朝日俊弘君 今皆さんのお手元に配る資料は、ちょっと私のところで勝手に作ったポンチ絵なので間違いがあったら指摘をいただきたいんですが、非常に分かりにくくなっているので、やや乱暴に簡素化して図を作ってみました。
 御存じのように、現在の介護保険の三施設は、元々の特別養護老人ホームである老人福祉施設と、それから中間施設と言われた老人保健施設と、それから療養型の医療施設、介護療養病床と、この三種類があるということはもう御存じのとおりです。この三種類がこういう体系であり続ける必要があるのかどうかという議論もしなければいけないと思っているんですが、しかし、今日皆さんにお尋ねをするのはその中でも療養病床について。
 この図をごらんいただきたいんですが、実は療養病床というのはれっきとした病院でありまして、病院の中のこのブルーの部分、約十四万床、ここのところが介護保険の対象というか介護保険の適用を受けている病床なわけですね。もう一方、すぐ隣に薄いブルーがあって、ここには療養病床で医療保険の適用を受けている病床があると。しかし、両方とも基本的には医療法に基づく療養病床であると。で、トータルして三十五万床あると、こういうことになっているわけですね。だから、ある種これ接点になっているわけです、医療と介護の。
 ちなみに、この縦軸は、実は広井さんの本から引っ張り出してきたものですが、縦軸は医療ニーズ、横軸が介護ニーズと、こうなっています。ですから、縦軸で上に行けば行くほど医療的な色彩が強くなる、横軸で右に行けば行くほど介護的な色彩が強くなると、こういう区分けになっていますので、この場所というか居場所もそれなりに意味がある図なんですが。
 ちなみに、この縦軸は、できれば私は清水先生とも相談して看護必要度に立てたらどうかという気もしているんですが、これはまた宿題にしておきます。
 で、こういう区分けをしてみると、やっぱりこの介護療養型医療施設、この部分をどう考えるのかということが言わばきちっとけりを付けておかなければいけない課題なんではないかというふうに思えてなりません。
 衆議院でもいろいろ問題になったと思いますが、今回介護の三施設に、それぞれ居住費、食費を保険外の、保険の給付から外すよということになっちゃいますと、このブルーのところも含めて保険から外れるということになるんですね。ところが、基本的には同じ医療法に定められている療養病床のうちの左側のところは今回の改正では直接には影響を受けないわけですね。だから、こういうふうにちょっとやや重なり合っているというか、くっ付き合っているというか、そういう部分の問題をもう少し解決をして、あるいは少なくとも方向付けをしておいてからしないと何か妙なことになるのではないか。このままでいくと、介護保険で居住費、食費の部分を保険外にしたということで、それと連動して、来年は医療の方も食費、居住費が保険の外に置くということにどうもなりそうだなと。
 だから、そういうふうにつながっちゃうのは今の構造にあるんだと、こういう、ということをきちっと踏まえて、ここは大臣にちょっと、どういうふうなお考えなのか。今のところで無理くり保険の外に持っていっちゃうと、このブルーのところは明らかにそのちょうど境目のところで、こっちはどうするのって話になっちゃうと思うんですね。どうお考えですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) もう御指摘いただいたとおりでありますとお答え申し上げざるを得ないところでございます。実に今の問題点を整理していただいたというふうに考えております。
 それぞれ、介護保険と医療保険の適用につきましては、言葉の上では整理をいたしておりますけれども、実際にじゃ入所しておる利用者像の相違でありますとか施設の役割分担が、今御指摘もいただきましたけれども、不明確であるということはもう多くの皆さんから指摘をいただいておるところでございます。
 また、この介護療養型医療施設につきましては、昨年七月の社会保障審議会介護保険部会の取りまとめの中でも居住環境の改善の観点から見直しを検討する必要があると、こういう指摘もまたいただいておるわけでございます。一方、じゃ医療保険における慢性期入院医療についても、病態、日常生活動作能力、看護の必要度に応じた包括評価を進めることとされておりますので、医療保険における療養病床の在り方についても更にまた検討を進めるべきであるという御指摘もございます。すなわち、それぞれにもまた、今二つに分けている、そのそれぞれも検討課題を持っておるよという指摘もあるわけでございます。
 要するに、今、まずは御指摘いただきましたホテルコスト、この先生のお示しいただいた図でいうと右と左、ここが違ってくるではないかというまず差し当たっての問題、これもあることはもうそのとおりでございます。したがいまして、こうした医療と介護の連携の役割分担の観点から、これら病床の在り方については検討してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
 もう一度申し上げますが、先生の御指摘の問題というのはそのとおりでございます。
○朝日俊弘君 そのとおりで、さあ、それどうするかなんですよね。
 実は、これはこの委員会でも是非ちょっと検討したいと思いますので、これちょっと委員長にお願いなんですけれども、例えば、ちょっと例を言います。
 療養病床で、片っ方で医療保険適用の療養病床があり、片っ方で介護保険適用の療養病床がある。これ、それぞれについて少し資料を出してほしい。
 例えば、その数はどれくらいあるか。これはもう、今日大ざっぱに二十一万床と十四万床と、こう書いてあるわけですけれども。それから、それぞれに費用はどれぐらい掛かるのか。あるいはそれぞれに平均して入院している日数はどれぐらいあるのか、自己負担はどうなっているのか、保険外負担はどうなっているのか、そして状態、病像はどうなっているのか。こういう療養病床に関する様々なデータがないと検討しようがないんですね。
 ですから、これすべてさっと出せるかどうか。もたもた言っていましたけれども、できる限り現時点でできるデータをこの委員会に是非出していただきたいな、それを基にまた第二ラウンドの質問をしたいなと思いますので。
 これ、委員長、ちょっと御検討いただければと思いますが、いかがでしょう。
○委員長(岸宏一君) 後刻、理事会において協議いたします。
○朝日俊弘君 じゃ、それ楽しみにして、ちゃんと審議に間に合うように出してくださいね。終わってからぽろっと出すというようなことのないように。
 次に、平成十五年の三月、例の医療保険制度改革に関する基本方針が閣議決定されたとき、このときに実は大変いい方針を出されているんです。ちょっと読みますと、「医療保険、老人医療及び介護保険の自己負担が著しく高額になる場合にその軽減を図る仕組みの創設」については、「おおむね三年を目途に、その具体的内容等を明らかにし、所要の措置を講ずる。」とされている。指折り数えてみると、もう二年たって一年、あと一年もないなと、こういうことで。
 さて、もう一遍言いますよ。「医療保険、老人医療及び介護保険の自己負担が著しく高額になる場合にその軽減を図る仕組みの創設」、この点について、今まで何をどこまで検討されてきたのか、今後どういう方向で検討されるのか、御説明ください。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 朝日先生御指摘のとおり、平成十五年の閣議において御指摘の方針決定がなされました。また、前年度のこの改正法の附則においても同様の指摘があることは事実でございます。医療と介護の自己負担の合算額、これが著しく高額になる場合の負担の軽減ということでございます。
 このような負担の軽減の仕組みを創設するに当たっては、それぞれの制度における自己負担の在り方、これを踏まえた上で、まず制度を通じて軽減すべき負担の水準がどうなるのかという観点、それから自己負担を合算するときに事務処理をそれぞれのところでやっておりますので、それをシステム上どういうふうにして合算していくかという問題が、検討課題がございまして、まさしく来年、平成十八年の次期医療保険の制度改革に向けて、これらの点を踏まえて取りまとめていきたいというふうに考えているところでございます。
○朝日俊弘君 何か余り検討されてきていないんじゃないですかね。ちょっと今のお答えではそう受け取らざるを得ないんですが。
 副大臣、ちょっと念のため確認させてください。
 自己負担というときに二通りあるんですよね。保険の例えば三割負担のことを自己負担という場合と、あるいは介護保険であれば一割負担、それから保険の外に出しちゃう保険外負担。今度は保険の外に出しちゃいますよね、これね、ホテルコスト。ここに書いてある自己負担というのは広い意味ですか、狭い意味ですかね。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 ここに出ております自己負担というのは、狭い意味での自己負担というふうに考えております。
○朝日俊弘君 多分そういうふうにお答えになるだろうと思って。
 問題は、そうすると今度の制度改正でいうと、保険外負担が増えるわけですよね。その部分についてが、これ実は一番難しいんですよ。実態の把握も難しいし、それからそれをどう保険なりあるいはその他の仕組みで支援していくかというのが、これ結構難しいんですね。この閣議決定された基本方針の中に書かれている自己負担というのは、保険の何割負担という部分のことを意味する、つまり狭い意味での自己負担ということだというお答えですが、私の注文は、今度の改正で増やそうとしているのは保険の中の一割負担ではなくて、保険の外へホテルコストを持っていくという話ですから、その部分も含めた検討が必要になってくるのではないかと思いますが、いかがですか。
○委員長(岸宏一君) どなたがお答えになりますか。
○政府参考人(水田邦雄君) なかなかお答えしにくい問題でございますけれども、ただ保険外負担の要素を考慮する、それも入れて合算するということになりますと、どこまでそれを、何と申しますか、その範囲の中に入れるかと。つまり、法定された患者負担でありますと、それは特定ができますんで合算するということも可能だと思いますけれども、それ以外の法定されない部分はどこまで見るのかということになりますと、これはちょっと実務的になかなかとらえ切れないんじゃないかと、このように思っているところでございまして、基本的にはこれは法定内の負担についていったものだろうということでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、今回のように保険の外に持っていっちゃったらもう後は知らないと、こういうことになっちゃいません。前から、以前から問題になっているのは、例えばかつての老人病院で結構法外なおむつ代を取られているとか、あるいは介護施設でも結構法外な保険外の負担を強いられていると、日常生活費とか、いう話はあちこちで聞くんですよ。
 ところが、それ、なかなかまずは実態もつかめないし、だから確かにどう合算するのか難しいというのはよく分かるんですけど、だから保険内のところで考えるしかありませんと言っておいて、実際今度やろうとしているのは保険の外に持っていく話でしょう。無責任じゃないですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 率直に申し上げて、想定をしておりません御質問でございますので、整理をしてお答えできるかどうかは分かりませんけれども、今の質疑聞いておりまして思いました、私が理解してお答えいたしますとすると、例えば今度の場合、施設に対するホテルコストを入れる、入れるというか、これを保険の外に出す、まあ正におっしゃる保険外の負担になるわけであります。
 では、そこの部分に、まずそこの部分だけについていいますと、これはもう十分御存じのとおりでありまして、自宅におられる方は自宅の維持費みたいなものは当然持っておられる、あるいはまた家の中で食事をされる、その食事をされることと、施設の中でやはり食事をされる、これはもう公平にしなきゃ、負担をしていただかなきゃいかぬということでお願いをするという整理になっておりますから、そこの部分で無責任ということにはならないだろうと、まずは思っております。
 そこの部分に限っていえば、無責任なことを言っておるわけではない、介護保険の中で公平に負担をしてくださいねという、食事代、居住費というのを公平に負担していただきたいということで申し上げているわけですから。もう一回申し上げますが、そこの部分の制度のつくり方について無責任ということではないだろうと思っております。
 ただ、それを今度は広げていきますと、御自身も、今先生も、御自身も言っていただきましたようにいろんな負担が出てくる。あるいは、特に自宅の方で生活しておられる皆さんの負担というのは正に生活費の方でありますから、そこのところをどういうふうにとらえて介護保険という制度の中で仕組むかというと、これはもう難しくなる。したがって、介護保険という制度の中で仕組むことは今回私どもが申し上げておるということになるんだろうと、こういうふうに、今のいきなりの御質疑でございましたから、私なりに整理してお答えするとこういうことになろうかというのを申し上げたところでございます。
○朝日俊弘君 時間が来ましたから終わりますが、先ほど資料の提出もお願いしましたんで、それを篤と見ながらもう一遍質問しますから、そのつもりでおってください。
 以上で終わります。
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 私は、先週五月十一日の日に本会議で代表質問をさせていただきました。小泉総理、尾辻大臣、そのほか関係大臣から答弁もいただきました。今日は、その答弁をいただいた後、更に質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 まず、制度改正全般についてですけれども、先日、私、代表質問の中で、今回の改正の目的は何なのかと小泉総理にお尋ねをいたしました。そうしましたら、総理の方は、思い切った給付の効率化、重点を図る、介護保険制度を今後の高齢化が進んだ社会においても、将来にわたり国民の暮らしの安心を支える制度としていくものであると、こういうふうに答えられました。
 午前中の質疑でもあったんですが、ごく簡単でいいんですけれども、今回の改正によって、平成十七年度予算の六兆八千億円の介護給付費がどのぐらいに圧縮になっていくのか、どういう見通しを持っておられるのか、簡単に答えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 介護給付費でございますが、現行制度のまま推移いたしますと、平成二十四年から二十六年度、三年ごとに介護保険やっておりますので、今が第二期でございまして、第五期になりますが、この給付費が十・六兆円になるところを、制度改正を行うことにより、介護予防の推進と施設給付の見直しでございますが、八・七兆円と、約二割程度減少すると見込んでおります。この効果のうち、介護予防の効果と施設給付の見直しの効果はそれぞれ半分程度というふうに見込んでいるところでございます。
○小林正夫君 今お話しのとおり、国民みんなで挙げて努力をしていこうと、そして二割ぐらい給付額が少なくなるように努力をしていく、こういうことだと思います。
 しかし、最近の新聞報道あるいは事件を見ていますと、いや不正請求によって悪徳の医者がこの介護保険を引き出しちゃっていると、こういう報道があります。今日も私の仲間から、福井の方でもそういう事件があったというふうに聞きました。それと、五月九日の日の新聞ですけれども、介護給付二億円詐欺容疑という、これは北海道の網走でこういうことがありました。
 片方でまじめに介護保険を納めて、先ほど言ったみんなで努力しようとしていく、こういう方向にもかかわらず、こういう事件が最近非常に多い。このことは制度の信頼を失っていくんだと思うんです。また、まじめに払っている人たちが、これじゃたまらない、やりきれないという気持ちを持っていくと思いますけど、この対策についてお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、御指摘になりました五月九日新聞報道された件でございますが、これは名義借りによる不正請求を行ったケースでございます。介護報酬の不正請求が発生した場合は、このような発生した場合は、まず加算金を課します。それから、指定取消しを含め厳正に対処をする、こういう方針で臨んでおるところでございます。
 また、不正請求の対策として更に申し上げますと、昨年、各都道府県の国民健康保険団体連合会に介護給付適正化システムを設置をいたしまして、システムを設置いたしまして、限度額の一杯までサービスを組み込む傾向のある事業者など、大体もう目一杯組んでくるというのはやはりどうしても疑って掛かりたくなるわけでございますので、そうした言わば特異な傾向を示す事業者を捕捉いたしまして、このシステムで捕捉をいたしまして、そして都道府県による適切な監査を行うなど、介護給付の適正化を図ってきておると、こういうようなこともいたしております。
 さらに、制度面におきまして不正な事業者を排除する仕組みを整備をいたしたいというので、今度は、今度の改正、改正案の中で言っておりますことは、事業者の指定に六年ごとの更新制を設ける、そして定期的に基準の遵守状況などをチェックするということが一点でございます。それからまた、過去に取り消された事業者の役員が別の法人で指定申請する場合等に指定を受けられないことを明確化する。こっちで悪いことをして、今度はこっちでまた新しい法人でも作ってやろうなんということはもう絶対許さぬというような見直しをしようというのが今度の改正の中で言っておることでございます。
 いろいろ申し上げましたが、こうしたことを積み重ねていきながら、おっしゃいますように、制度に対するもう信頼が損なわれたら何にもなりませんので、不正請求に対しては今後とも断固たる方策を取っていきたいと存じております。
○小林正夫君 衆議院の厚生労働委員会で四月の一日と四月の六日、さらには四月の十五日の日に私たちの仲間の議員がこの不正問題についていろいろ質問をしました。そのときに、大臣の方から今のような答弁もあったんですね。
 今私が事例で申し上げたのは、それ以降、さらに北海道なり、あるいは北陸の地方でそういう不正の報道があるということで、もう何か本当に私たちはショックを感じるんですけれども、やはり今言われたこと、場合によってはもっと、以外に手があるのかも分かりません。是非、まじめに働いている人たちが本当に損をしない、こういう世の中にしていくことが必要だと思うし、やっぱり不正は断じて許しちゃいけないと思いますから、是非強力な取組をお願いしておきたいというふうに思います。
 次に、今回示されている地域支援事業ですけれども、従来補助金で賄われてきた老人保健事業を介護保険に組み入れようとするものだと思います。
 言うまでもなく、介護保険は保険制度でありますから、介護が必要と認定された人に対して保険給付を行う、こういう制度であります。要支援、要介護ではない健康な人に対してまで保険料を投入することが果たして保険制度として妥当なのかどうか。地域支援事業によって介護状態になることを防げるかどうか、その効果を測定するのは極めて難しいんじゃないか、私はこのように思います。予防しても効果がなければ、貴重な保険財産を垂れ流しにするのと同じじゃないかというふうに私は思います。規律なく地域支援事業を進めることは、年金保険の無駄遣いと同じ構図を作り出す危険性があるのではないか。
 保険はリスクに対応するもの、予防や不特定多数に提供するサービスは税で行うことが社会保険制度の原則だと思いますけど、厚生労働省の見解をお聞きをしたいと思います。
 それと併せて、今日の朝日新聞ですけれども、「医療費抑制へ健診強化」、実はこういう記事が新聞に出ました。これを読んでいきますと、「健康診断は、労働安全衛生法や健康保険法、老人保健法などに基づき、健保組合や市町村が別々に実施している。」、だから云々と書いてあって、保険者協議会などの設置を検討云々と書いてあります。
 この新聞の真意について教えていただきたいと、この新聞の記事の真意についてお知らせいただきたいと思います。
○副大臣(西博義君) 今回の介護保険制度、これ介護予防型のシステムに変換、転換していくと、この一環として地域支援事業を創設しまして、要支援、要介護状態にある高齢者に対して一貫性と連続性のある介護予防事業を実施しようというのが今回の改正でございます。この事業の実施によりまして、要支援、要介護になることを防止することで、結果的には介護保険給付費を適正化するという効果が見込まれているということから、今回、保険料財源も一部充当するということにしたところでございます。
 先ほどの議論の中でも、なかなか各種の予防、介護予防事業は内容がまちまちで一貫性がない、また連続性に欠けるというような議論がございましたが、その点も我々は頭に入れながらやっていきたいというふうに思っておりまして、費用につきましては、これは政令により一定の限度額を定めるということにしておりますが、保険財政に与える影響も考えながら効率的な事業の実施をしていきたいということが前半のお答えでございます。
 それから、本日の新聞のことでございます。
 国民のQOLの向上、それから医療費の適正化のために生活習慣病対策というのは大変重要な課題だと私ども考えておりまして、都道府県単位で職域保険、地域保険がそれぞれ連携して、各保険者が共通認識の下に若年層から一貫して生活習慣病対策を進めていきたいという考えでございます。
 そのために、都道府県内の保険者を構成員として、それぞれの都道府県ごとに保険者協議会の設置を今進めているところでございます。この協議会において、それぞれの地域の特性を踏まえた医療費の実態、それから分析、評価、それから被保険者に対する教育、指導また保険者間の物的、人的の資源の共同利用を行いながら有効な対策を考えていっていただきたいと思っております。
 これまでのところ、平成十六年度に宮崎県と新潟県でモデル的に設置をいたしました。ところが、既に滋賀、大阪府等十一府県においても同様に立ち上がっておりまして、その他の都道府県におきましてもできるだけ早期にこれを設置していくように努めていきたいというふうに考えているところでございます。全府県にわたって設置をするということが方向性でございます。
○小林正夫君 次の項目の質問に移る前に、最終的に、この総括的な話の中で大臣にお聞きをしたいんですけれども、今回の改正によって将来にわたって持続可能な制度になると、こう言い切れるでしょうか。提案以降、幾つかの質問あるいはやり取りをしておりますけれども、今回の提案のもので持続可能な制度となると言い切れるかどうか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもが数字でお示しをいたしておりますことは、この改革によりまして、約十年後でございますが、その介護給付費は、現行のまま何もしないで推移する場合と今回の改正を行った場合の比較ということで申し上げますと、十年後で約二割程度抑制されるというふうに試算をして、その数字を申し上げているところでございます。
 したがいまして、私どもは、二割抑制するわけでございますから、社会保障全体の持続可能性ということ、その中で全体を見ながら図っていかなきゃならないわけでございますので、介護保険もその中の一つとして持続可能なものにしていかなければならない、確立を図るべきだと、こういうふうに考えておるところでございます。
○小林正夫君 持続可能な制度をするために今回提案がされていると、このように私は思っておりますけれども、少し大臣の答弁聞いていると、持続可能になることを期待したいと、そんなようなお話かなというふうに受け止めました。是非、更に改善すべきところがあれば、やはりいい制度にしていくということも大変大事なことだと思いますから、よく状況を見極めながら取り組むことも必要だということを指摘したいと思います。
 次に、成年後見制度についてお聞きをしたいと思います。
 今日は随分新聞を持ってきているんですけれども、これまた、もう最近の新聞、ニュースで話題になっている埼玉県にお住まいの高齢姉妹の方、八十歳と七十八歳の女性の、認知症がある方の自宅が不要のリフォーム、三千六百万円ぐらいお金が掛かっていると。昨日のTBSの夜の番組では四千八百億円ぐらいになっていると、こういう報道がありました。
 ですから、そうやって考えていくと、私は、もちろんとんでもない業者ということが言えるんですけれども、高齢の認知症の方がこれからやはり、私、昭和二十二年の団塊の世代の生まれですけれども、この私たちの一番人口の多い世代がこれから年を重ねていきますから、なりたくないといったって痴呆症になっちゃう人も当然出てくるわけですから、そうなってくれば、人口が多いこの一つの固まりが年を重ねていくということになるので、当然この認知症も増えていく、あるいは独り暮らしの方も増えていく。そうやって考えていくと、今回のこのような現象は氷山の一角じゃないかというふうに現段階でも思えるんじゃないかと思います。
 そこで、これの報道を受けて大臣はどのように感じられたかということをお聞きしたいということと、もしこの人たちに対する対策を講じるならばどういうことが考えられるか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の報道を見まして、正に認知症高齢者の方の判断能力の低下に付け込むという極めて悪質なものでございますから、大変残念な事件であるというふうに考えております。そして、こうしたことは、こうした被害、起こらないように防止をしなきゃいかぬというふうに思うところでございます。
 その防止のためでございますけれども、まず、今先生が話題にしようとしておられます、しておられますところの成年後見制度の活用、これはもう大変重要なことだと、まず一点思います。
 それから、もう一つ申し上げますと、地域の住民や関係者のネットワーク、こういうものを構成して、認知症高齢者の生活状況、生活しておられる状況というのを把握できるような体制整備も行わなきゃいかぬというふうに考えておるところでございまして、いずれにいたしましても、地域全体で認知症高齢者を支えていく仕組みを構築していくことが重要であるというふうに考えておるところでございます。
 また、今度の制度改正によりまして創設をいたします地域包括支援センターにおきましては、高齢者の実態把握でありますとか権利擁護の事業を必須事業といたしておりますから、こうしたことを中心にした体制の整備をセンターを中心に行ってまいりたいと考えております。
○小林正夫君 先ほどの質問で、四千八百万円と言うべきだったです、億円じゃありません。訂正をさせてください。
 そこで、成年後見制度の申立て件数が今どのぐらいなのか、御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) 申立て件数を最高裁の速報値で申し上げますと、失礼、平成十六年については速報値で申し上げますと、平成十二年が八千六百件、平成十三年が一万二千件でございましたが、平成十六年は二万七百件に達しております。
○小林正夫君 そこで、法定後見制度と任意後見制度、この二つがあるということです。これらに、申立てに要する費用とか後見人への報酬額がどのぐらいになっているのか、また公的な費用負担がされているのかどうか、お聞きをしたいと思います。あわせて、自治体の中にはこの費用を補助しているところもあるというふうに聞きますけれども、どのような実態なのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) まず、法定後見あるいは任意後見のそれぞれ開始、選任の申立てに要する経費、費用でございますが、申立て手数料そのものが八百円でございます。それから、登記の嘱託手数料が四千円ないしは二千円、そのほか戸籍謄本等の資料等に要する費用が若干掛かるということでございまして、鑑定料が必要になってくる場合がございますが、鑑定料は、全般的に申し上げますと、平成十五年度の申立て事件については、五万円を超えて十万円以下のものが全体の六〇%、五万円以下のものが全体の三七%であると私どもは承知をいたしております。
 後見人の報酬額でございますが、これについて統計を取ったものはございません。後見人の報酬は、家庭裁判所がそれぞれの事案に応じまして、後見人、被後見人の資力あるいは事務内容等を総合的に考慮して決定することとされておりますが、一般的に申し上げますと、後見人が被後見人の配偶者、子などの近親者としております場合に、それが選任されるということがあるわけでございますが、この場合には報酬が付されないということが一般的であると承知しております。
 他方で、弁護士でございますとか司法書士などの専門家を付す場合には、当然この方々が報酬を得るということになりますけれども、一般的にはこれも毎月数万円程度であることが多いというように私どもは聞いております。
○小林正夫君 今のお話で、申立てと判断能力の鑑定で約五万円から十万円ぐらい掛かっている、この金額の幅が多いと、こういうお話でした。
 後見人への報酬、いろいろ資料を見てみますと、これは当然決まったものではありませんから、この金額だということはないんですけれども、おおむね、幾つかの報道とか資料を見ると三万円前後が多いのかなという、こういう報道がありました。
 そこで、お金持ちしか利用できないんじゃないかという、こういう訴えもあります。このような声を受け止めて、成年後見制度は権利を守る制度ということですから、介護保険や生活保護から後見費用を出す仕組みを検討していくべきだ、こういうふうに私は思いますけれど、このことに対してどうでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) ちょっと私の方から、先ほどの委員の御質問にも一部関連するので、ちょっと制度と申しますか、私どものやっておりますことをまず御説明をさせていただきます。その後、副大臣の方からお答えさせていただきます。
 成年後見制度、二〇〇〇年からスタートいたしまして、くしくも介護保険制度も二〇〇〇年からスタートしたと。また、介護保険制度は、従来市町村が実施されていました措置制度から利用者の方が選択するという契約制度に変わったということもあり、介護保険の立場からも成年後見制度の活用を十分図るべきではないかと、こういう御指摘があったところでございます。
 そこで、私ども、補助事業といたしまして平成十三年度から実施いたしておりますが、成年後見制度の申立てや利用に係る費用、ただいま御答弁がありましたけれども、そういった事業につきまして、低所得のために御利用ができないような困難なケースの場合に、市町村がその費用を一部補助した場合には国がその費用のまた半分を国としても補助をするという、私ども名付けております成年後見制度利用支援事業をやってきたところでございます。平成十六年度では約二割の市町村がこの成年後見制度利用支援事業を実施していると、こういう状況になっております。
 私どもといたしましても、介護保険制度の立場から、それから先ほどの、高齢者の方々のいろんな被害に遭わないようにするということが大事でございますので、今回の改正でも包括的支援事業の中にまた修正で加えていただきましたので、権利擁護の側面は頑張ってまいりたいと思います。
○副大臣(西博義君) 介護保険、それから生活保護等を利用して後見制度というお話でございました。
 生活保護につきましては、これを、費用をここから支給するということについては、その実情、それから現場の皆さん、特にケースワーカーの皆さんとか、日ごろ接していらっしゃる皆さんの御意見も聞くことが必要だというふうには基本的には思っておりますが、そもそも生活保護の対象の皆さん、財産管理という側面からは余り可能性は少ないんじゃないか、財産のおありの方は基本的には生活保護ということにはなりませんので、そういうことは想定しにくい。
 日常のことに関しては、これは一つは施設入所をしていただくことを考えるとか、ケースワーカーの皆さんが日ごろの細々としたことについては対応していただいている場合がほとんどだというふうに思っておりまして、そういう意味では、直接成年後見制度の状態が必要だという人は少ないんでは、そんなケースは少ないんではないかというふうに考えております。
 ただ、先生今例を挙げられましたように、お金を持ってなくても大変な損失を被るというようなケースもなきにしもあらずですから、そこは若干また現場の実情は聞いてみる必要はあるかなというふうに思ってはおります。
 介護保険制度に基づくこのことにつきましては今局長から御報告申し上げましたが、地域支援事業の中で各市町村がこの成年後見制度の申立ての費用、それから鑑定の費用、それから後見人への報酬等の一部を補助する事業を実施しておりまして、この実情は今報告申し上げましたとおりですが、まだまだ十分行き渡っていないというところから、更に充実を図る必要があるというふうに考えているところでございます。
○小林正夫君 この制度は二〇〇〇年から、介護保険制度がスタートしたときからできたということで、五年の経過ということです。先ほど新聞の記事もあったように、この成年後見制度を受けた方がいいなと思われる人がかなり多いんじゃないかと実態としては思うんですね。
 そこで、私としてはまだこれが十分定着していないと、このように思っているんですが、この定着していない原因は何なのか。また、対策はどのように考えられているのかということをひとつお聞きをしておきたいと思います。
 あわせて、五月十一日の法務大臣の答弁の中で、制度の見直しについても、その必要がないかどうか絶えず留意してまいりたいと存じますと答弁をされました。利用手続や費用面、それらを支援する方策など、私は、利用者が少ないという現状を考えれば、既に現行制度の改善、改正を行わないとならない状況に既になっているんじゃないかと私は思うんです。そのことを指摘したいというふうに思います。
 ただ、この運用は裁判所が行うと、こういうことですから、本日の委員会に裁判所の方をお呼びしてお話をお聞きをしたいと思ったんですが、それが実現できないことは残念に思います。ただ、厚生労働大臣、何かこの点で考え方があればお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもとしてお答えできる範囲でお答え申し上げたいと存じます。
 まず、今お話しいただいたように、この成年後見制度について言うと、大きくは二点あるんだろうと思います。そもそもまだこの制度を御存じない方が多いという、歴史も浅いものですから、その問題、一点ある。それから、御存じの方でも利用しづらいという面があるんじゃないかという今の先生の御指摘がもう一点あろうかと思います。
 確かに、私どもも、まず手続に時間が掛かる、それから手続に要する費用でありますとか、それからまた、この成年後見人をお願いすると、その人に対するお礼といいますか、報酬も払わなきゃいけない、そうした負担も軽くないという御指摘がかねてあることは承知をいたしております。そうしたことにこたえるために、最高裁判所においてもいろいろ努力はしていただいておるということも聞いてはおるところでございます。
 そこで、先ほど冒頭にまず言われましたように、ああいうお年寄りが悪質な犯罪の対象になるということは、これはもう私どもとしてはどうしても防がなきゃいけないという立場でございますから、そうした立場から現場の実情というのをよく改めてお聞きをいたしまして、高齢者の方々であるとか御家族、市町村、そんな現場のいろんな皆さんの御意見をよくお聞きをいたしまして、申し上げた手続面のこと、それから費用面のこと、こうした面で改善が必要と思われる事柄について、最高裁判所であるとか法務省など関係機関に対して意見を申し上げていきたいというふうに存じます。
○小林正夫君 是非、不幸にして先ほど言ったような事件が起きていますけれど、最近の報道でもこの成年後見制度を取り上げる機会が大分多くなってきたと思います。したがって、多くの国民の皆さんにこういう制度があるということ、さらにはこの制度がもっと使いやすくしていくという、こういう努力をしていくことが必要だと思いますので、是非その取組をお願いしておきたいというふうに思います。
 次に、重度要介護者、認知症、虐待についてお聞きをいたします。
 現在、施設入所の九割の人が認知症であると聞いております。今後も認知症高齢者の急増が見込まれますが、従来の高齢者介護の体系は身体介護を中心に発展してきたために、認知症のケアの標準化や方法論が確立していない現状にあると思います。今回の改革では、地域密着型サービスの創設など、認知症に対応するための施策も盛り込まれていますが、新予防給付からは認知症は除外されてしまいました。しかし、認知症対策は高齢者介護の最大の課題であり、予防段階から一貫して制度全体を認知症高齢者を照準としたものに転換することが求められています。
 認知症に対応できる人材など具体的な課題も明らかになっていますが、いつまでにどのような目標の達成を目指し、いかなる課題を設定して取組を進めていくのかといった認知症対策の全体像がはっきりしません。認知症対策でも健康フロンティア戦略のような戦略を立てて、全体像を明らかにした取組が必要だと思いますが、どう考えるでしょうか。
 また、本会議質問の大臣答弁で、認知症に関する調査研究や認知症ケアの研修の充実など、介護職員の質にも取り組み、認知症のケアの推進を図っていくとありました。具体的にどのように進めていくのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今回の法律でも提案をさせていただいておりますが、従来の痴呆症という名前を改めまして認知症にするということを提案させていただいております。これに伴いまして、単に名称の変更だけではなく、認知症対策の充実を図る必要があるということで、十七年度を一年通じて認知症を知るキャンペーンということをやらせていただきたいと思っておりまして、そういった中で、十年掛けて、認知症になっても安心して地域で暮らし続けられるような地域づくりも推進したいと、こういうことで、今民間団体の方々にキャンペーンの実施の母体になっていただこうと思って、そういう構想をつくろうとしておりますので、近いうちにその対策の全容についても御紹介できるのではないかと考えております。
 再三申し上げておりますが、御指摘のとおり、これからの高齢者介護の大きな柱が認知症対策でございますので、そういった点、進めさせていただきたいと思っております。
 次に、大臣が本会議で御答弁申し上げました調査研究等についてでございますが、予防法や診断法など医学面に関しましては国立長寿医療センターが中心になり、また実践的なケアに関する研究については全国三か所に設置しております認知症介護研修研究センターを中心に私どもとしては進めてまいりたいと思っております。もちろん、各種研究機関等に対しましては、厚生労働科学研究費を通じまして診断基準、予防、治療法、新たなサービスの開発、ケアの質的な評価という研究費助成を行っておりますが、今後もその充実に努めたいと考えております。
 それから、認知症のケアの研修につきましては、介護研修研究センターで平成十三年度から、講師クラス、都道府県で実践者研修やるための先生の研修を行っているところでございますので、そういった形でセンターで各都道府県の講師を養成し、その人たちが都道府県で認知症介護に携わる実践者向けの研修をしてまいりたいと思っております。
 そのほか様々な、ホームヘルパーさんを対象とした研修でございますとか、いろいろなことを実施したいと考えておりまして、できるだけ早い段階で、地域で認知症の方が安心して暮らせるような地域づくりを進めてまいりたいと考えております。
○小林正夫君 今、対策あるいは取組の考え方をお聞きをしましたけれども、実は私もこの認知症の自分の母を介護した経験あります。今でも介護しています。
 一番私自身感じたのは、認知症は病気なんだということを家族が理解しておかないと大変だということを正直言って私は感じました。母が、育ててくれた母が人格が変わっちゃうんですね。それで、こんな母じゃなかったと思うぐらいに徘回をしたり暴言を吐いたり、そういう状態なんです。だから、そのことが病気なんだというふうに家族も承知をしていたり、そういう知識があれば、その認知症になった親とうまく対峙できるんじゃないかというふうに私は感じました。さらに、家族もその介護の知識をしっかり習得しておく必要があると、このようにも思いました。
 したがって、そのためには家族に認知症の正しい知識と介護の技術を習得する機会を与えることが必要だと思います。多くの方に、言わば家族以外の方にいろいろ認知症について知ってもらう、あるいは研修をしていこうという、こういう趣旨のお話だったと思いますけれども、私は家族に対してどう認知症を教え込んでいくのか、自分の親あるいは親族が認知症になったときに、認知症は病気なんだというふうに思って、そういう気持ちを持っていれば接し方も違ってくるというふうに私は経験したものですから、この家族に対する認知症の周知についてどのように考えられているか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもうお話のとおりだと思います。もう大分昔の話になりますけれども、やはり私も祖母が認知症になったときのことを思い起こしますと、今先生お話しのとおりだなということを改めて思うわけでございます。家族の方に認知症に関する正確な知識を持っていただくと、このことがもう本当に重要なことだと思うところでございます。
 そして、その正確な知識とは何ぞやというと、基本的なことは、今正に先生おっしゃったように、認知症というのが病気であるという、このことだと思います。更に申し上げると、やっぱりそういうことになる今度は御本人の不安な気持ちというのもまた家族みんなで理解してあげなきゃいかぬのだろうと思いますし、申し上げておりますことは、まず家族の皆さんがきっちりとした正確な知識を持っていただくことが必要ということはそのとおりだと思いますということを申し上げました。
 そうしたことを、じゃ、家族の皆さんにということは、私どもからするとやっぱり広く国民の皆さんに知っていただくという、そういうことをせざるを得ませんので、広く多くの皆さんに知っていただくために、例えばさっき局長が申し上げた中身、もう少し申し上げますと、今年を認知症を知る一年と銘打ってキャンペーンを張りたいと思いますし、そうしたことを積み重ねていきたいというふうに考えておるところでございます。
○小林正夫君 次に、予防給付の目的を理解できない認知症の人は新予防給付の対象外となりました。新予防給付を受けられない認知症の人にはどう対応していくのかということをお聞きをしたいと思います。
 生活の不活発さによって生じる心身機能の低下の悪化は仕方がないとあきらめてしまうのか、介護給付でも生活の不活発さによって生じる心身機能の低下の改善のためのサービスが提供できるとするならば、新予防給付ではそれができない理由は何なのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 新予防給付の方の議論をいたしましたときに、予防については御本人の理解なり意欲なり、そういったことが大きな要素であり、目標を立ててやっていくと。そういう点では、認知症の方々の予防手法がまだ十分確立していない現状では、新予防給付の中で認知症の方々は対象にならないんではないかと、こういう整理をいたしたところでございます。
 そういたしますと、例えば要介護一の方で認知症の程度が、これは認知症の方もいろいろ程度がございまして、認知症の自立度二以上の方が予防ではなく介護給付の方に来るというふうに考えておりますが、それではそういう認知症の方の介護の際に、例えば介護のサービスの内容によって、先ほど来議論に出ております生活機能が低下するような介護というのはやはり適切でないわけでございますので、その介護のやり方についても十分認知症の方に対応できる高齢者介護が必要になると、こういうふうに考えております。
 また、実は、非常に予防という点では軽度の認知症の方に対する予防ということが課題になっておりまして、繰り返しになりますが、認知症の予防についてまだ十分確立したものはないと言われておりますが、それでもいろんな療法が試みられております。そういったことにつきましては、地域支援事業の中で市町村事業として取り組むことが適切ではないかと考えているところでございます。
○小林正夫君 次に、質問に移ります。
 高齢者虐待の情報はどこが収集するのか。児童虐待は児童相談所に情報が集まる、こういう仕組みになっているんですが、高齢者虐待の情報はどこが収集するのかということをお聞きします。
 それと、地域包括支援センターが虐待対応の中心となるところなんだと考えていいのかどうか質問をいたします。
○政府参考人(中村秀一君) 高齢者の権利擁護事業につきましては、衆議院の修正によりまして、地域支援事業の中の必須事業として市町村が責任を持って取り組むとされたところでございまして、地域包括支援センターが中心になって実施していくことになると考えております。
 高齢者虐待に係る情報につきましては、もう様々なチャネルを通じて正に集められなければなりませんし、民生委員、自治会、社会福祉協議会、介護支援専門員それから介護に実際に当たる方、いろんな契機あるいは地域の関係者の方々が幅広くネットワークを開いて、そこで集約していくということになると思いますし、地域包括支援センターに情報が集約されて未然に虐待の防止につながることが望ましいというふうに考えております。
○小林正夫君 地域包括支援センターあるいは地域支援事業についても質問をしようと思っておりましたけれども、今日の午前中の審議の中でこの話題が出ておりましたので、先に行かしていただきたいと思います。
 認知症高齢者の徘回による死亡や行方不明の関係なんですけれども、これは分かっているだけでも年間三百人いると私は承知しています。これは、はいかいSOSネットワークという、認知症高齢者が行方不明になったときに町ぐるみでその高齢者を捜す仕組みを通じて捜査した人に限った数字なんですね、この数字は。二〇〇二年で死亡者が百五十六人、未発見が百三十三人となっています。ネットワークがあるのは全国の警察署管内の三分の二にとどまっていますし、家出人捜査等で捜査する場合もありますので、もっと徘回死する人は多いんじゃないかと思います。
 NHKの解説員の小宮英美さんは、年間千二百人ぐらいの人が徘回死で亡くなっているんではないか、このようにおっしゃっておりますけれども、この徘回による死亡者、行方不明の数を、現状どのようになっているか報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲朗君) 御家族とか御老人の方が徘回により行方不明になったとの相談、届出があったものにつきまして警察庁の方で把握しております数は、平成十五年中は一万二千八百四十人でございまして、このうち同年末現在で死亡が確認された方が三百五十六人、また同年末までに発見に至らなかった方は三百五十四人となっているところでございます。
 以上が、我々として把握している数ということになります。
○小林正夫君 これらの対策について、何かお考えでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲朗君) その対策ということでございますけれども、警察といたしましては、御家族等から相談、届出があった際には、状況に応じまして無線手配あるいは捜索というものを行いますほか、はいかい老人SOSネットワークを構成する自治体、町内会、消防団等の関係機関、団体に情報を提供するなどいたしまして、一緒になって見付けてもらうような形を取っておりまして、こうした方々の発見、保護に努めているところでございます。
○小林正夫君 厚生労働省の方は何かこの対策についてお考えありますか。
○政府参考人(中村秀一君) 委員の方から御指摘のありました徘回死の問題が取り上げられるようになり、私どもも、今警察庁の方の御紹介もございましたけれども、年間、警察で把握されているだけで三百人を超える死亡事例があるということで、先ほど来も申し上げております認知症になっても安心して生活を送れる地域づくりと、こういった観点からはこの言わば徘回の問題が大きな問題だと考えております。
 私どもの方でも、市町村が認知症に優しい地域づくりネットワークが形成できるように、先ほどの認知症のはいかいSOSという御紹介がございました。釧路などでは非常に成果上げておられると。はいかい老人SOSネットワーク活動ということで勉強させていただいておりまして、こういった形のものがほかの市町村でも広がることについて我々の方もお手伝いできればというふうに考えております。
 各地域において、行政それから警察、消防、保健所、福祉施設、自治会、タクシー会社、バス会社、コンビニエンスストアあるいはガソリンスタンドとか、発見される経過は、やはり地域の方が見掛けて、あの高齢者の方どこに行かれるんだろうというのが発見の経緯になり、また徘回される方の範囲は驚くほど広域にわたり、県をまたがるということもあるようでございますので、その当該市町村だけではなく、実は広域の幅広いネットワークづくりが大事だと思っております。
 こういう事業をやっておりまして、十六年八月現在では五百六十一市町村でこういったネットワークが築かれているというわけでございますけれども、ネットワークができても実際に効果が上がりませんとどうしようもないわけでございまして、正に今回御提案している地域包括支援センター等が中心になってこのネットワークづくりも更に進むことを期待しているところでございます。
○小林正夫君 この項目の最後の質問、大臣にお伺いしたいと思います。
 本会議質問の中で、在宅での重度要介護者への支援策に対して、大臣の答弁は、小規模多機能型居宅介護サービス等の地域密着型サービスを創設するなど、在宅サービスの充実に取り組むと、このように答えられました。私は、三月二十九日のこの厚生労働委員会でも質問をしましたけれども、参酌標準で国からの補助金を縛っておいて、片方では受入れ施設を拡大しろ、こういうことに矛盾があるのではないか、どうしてもこのことが払拭できないんです。
 小規模多機能型居宅介護サービスの提供を本当にしっかりできるのかどうか、参酌標準とのかかわりとこの小規模多機能型の施設を造る青写真を示してほしいと思いますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、改めて参酌標準から御説明を申し上げたいと存じます。
 この参酌標準でございますが、これ、市町村が介護保険事業計画を作成いたします。この作成するときに介護サービスの種類ごとの量の見込みを定めなければならない。その市町村が、事業計画の中で自分たちのサービスの種類ごとの量の見込みを定めるに当たって参酌してもらおうということで国が方針を示しておるというのがこの参酌基準でございます。
 そこで、今そこのかかわり合いのある部分を申し上げますと、平成十六年度で要介護二から五の方、平成十六年度です、要介護二から五の方が二百十万人おられるんです。その中で施設を利用していただいている方の数が八十七万人でありまして、その割合四一%と、こういうことになっております。ただ、ここで言う施設は、三施設のほかに、グループホームとそれから有料老人ホームを入れて五施設になっておるんですが、それらの施設に入っておられる方が四一%おられる、こういうことであります。それに対して、じゃ、参酌基準、十年後を示しておりますので、平成二十六年度に基準として私どもがお示ししているのが、今度は要介護二から五の方が二百九十万人おられるだろうというふうに想定いたしますので、そのうちの三七%の方、すなわち百八万人の方に施設を利用していただくというのが、正に参酌基準としてお示しをしておるわけであります。
 ですから、施設を利用される方が、数は約二十一万人増えるわけですが、割合が四一%から三七%に減りますということを申し上げておるので、施設の利用者がやや減るという印象があるということになっておるわけでございます。その施設が減る分をカバーするのをどこでカバーするかというのが在宅サービスになるわけでありますから、そのために小規模多機能型居宅介護が重要なサービスになりますねということを申し上げておるわけでございます。
 では、小規模多機能型居宅介護のサービスを進めるために、まず市町村が事業者指定をすることになる地域密着型サービスとして位置付けまして、先ほど来申し上げております地域介護・福祉空間整備交付金のうち、市町村交付金の対象とすることによりまして、市町村が主体となった地域の実情を踏まえた整備が促進されるようにしたいという、こういうことで申し上げているところでございます。
○小林正夫君 更に私自身も検討をします。また機会があると思いますので、お尋ねしたいというふうに思います。
 最後の項目になりますけれども、介護労働者の労働条件についてお聞きをしたいと思います。残り時間の関係から簡単に質問をいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、介護労働者の過酷な労働状況をどのように認識しているのか。特に、この人たちは、人手不足であったり、肉体的に大変きついという訴え、感染症の心配がある、賃金が安い、勤務が不規則、休みが取れない、腰痛がある、こういうような条件の下で働いているんだと、こういう訴えが非常に多いんですね。こういう人たちがそういう条件で働いていることに対してどのように認識をされているのか、お聞きをします。
○政府参考人(青木功君) 介護労働に従事している方々の就業意識実態調査というものを平成十五年の末に行いました。これは、介護労働安定センターというところを通じて行ったわけでありますが、これによりますと、これは千の事業所、一万人の介護労働者を調査対象としまして、約三千人の回答が得られた結果でございます。
 それによりますと、働く上で何かの悩み、不安、不満を持っていると訴えている方が七四・八%、以下、多い順に、賃金が安いと訴えられる方が五四・七%、あるいは健康面、感染の問題であるとか腰痛の不安があるという方が四二%、休暇が取りにくい、三九%、精神的にきついと言われる方が三八・三%などが挙げられておりまして、労働条件や雇用管理面で解決すべき課題があるというふうに考えております。
○小林正夫君 次に、訪問介護労働者の法定労働条件の確保について、実は昨年の八月の二十七日の日に「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」という通達が出されました。しかし、これがなかなか守られていないと、こういう訴えが非常に現場からは上がっております。この通達の周知と指導徹底をする必要があると強く私感じますけど、この点についてどうでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 今委員御紹介になりました、昨年八月に出しました訪問介護労働者に関する通達につきましては、これは、かねて訪問介護労働者について、労働条件について問題が多いのではないかということで、その二年ほど前に調査をいたしましてそういったことが認められたものですから、そういう法定労働条件の遵守、確保につきまして整理をいたしまして通達をしたということでございます。
 で、これにつきましては、その内容について分かりやすく解説をしたパンフレットを作成いたしまして、十六年度、十七年度通じまして、都道府県あるいは市町村の介護保険担当部局でありますとか関係事業主団体、あるいは介護事業者そのものにもお配りをしまして、広く周知を図っております。それから、介護事業者を対象として集団指導を実施いたしまして、集まっていただきましてその内容を十分に理解してもらえるような取組を行っているところでございます。それと同時に、八月に通達を出しまして、に伴いまして、この労働時間あるいは賃金、年次有給休暇等々、かなり留意点も示しておりますので、個別に事業場について労働基準監督官が監督をいたしまして、立入り監督をいたしまして、個別の監督指導も行っておるところでございます。
 十四年の調査あるいは最近のそういった監督指導の状況、そういったものは必ずしも条件が同じではありませんけれども、総じて最近の監督指導状況からすれば、かつての法定労働条件の遵守、確保についての問題について少しく改善をされてきたのかなという感じはいたしますけれども、まだまだ他の業種業態の事業場に比べましてやはり問題はあるというふうに認識をいたしております。
 ただいま申し上げましたようないろいろな取組を通じまして、今後とも訪問介護労働者の法定労働条件の確保に努めていきたいというふうに思っております。
○小林正夫君 特に現場の人たちからの訴えは、移動時間だとか待機時間が労働時間としてしっかりカウントをされないんだと、このことに対して不満がある、是非こういう点についてもよく周知をしてもらいたいと思うんです。四月の十二日の日に全国介護保険担当課長会議でいろいろ周知をされたという話は聞いておりますけれども、本当にしっかりした通達が出されているわけですから、それがきちんと理解して、周知徹底されるように更なる努力をしてもらいたいと、このように思います。
 最後の質問になりますけれども、介護労働者の雇用管理、労働条件に関する課題の取組についていつまでに解決を図るのか。私は、来年の四月の本格実施に合わせて、それまでにいろんなことの課題、主要課題について解決しなきゃいけないんだと思うんですけれども、この辺について大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今もお話しになりましたけれども、介護需要が増加する中で、介護労働者にとって魅力ある職場づくりを推進することは、これは極めて重要なことでございます。ただ、介護労働者が良好な労働環境に置かれているとはまだ言えませんで、雇用管理や労働条件について様々な課題が存在をいたしております。このために、雇用管理の改善に向けた事業主の啓発でありますとか、事業主への雇用管理に関する講習でありますとか、労働基準法等関係法令の適用の徹底でありますとか、こうしたことに努めてきたところではございます。
 ただ、努めてはおりますけれども、介護労働者の雇用管理等の課題はなかなか難しい面もあって、直ちに解決できるものばかりじゃございません。できないものも多いところでございますので、いつまでにやるかという御質問に対してすぱっとお答えできないわけでございまして、継続的に取り組んでまいりたいと考えておりますということを申し上げたいと存じます。
○小林正夫君 最後にお願いですけれども、やはりこれから介護を受ける人たちが当然多くなっていきますから、そのお世話する人たちがいい労働条件とかいい環境で仕事ができるような整備が一番大事だと思いますので、そのことの取組をしっかりやるということをお願いをして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は、介護保険の一部改正等の法案についていろいろと御質問をさせていただきたいと思いますが、その前に一問だけお聞きをしたい別の分野の質問がございます。
 今日、たまたまインターネットのニュースで配信されておったんですが、ダボス会議の主催者である、ジュネーブに本拠がある民間研究機関の世界経済フォーラムが主要五十八か国の男女格差について報告書を出しておるんですけれども、実は、総合ランキングで日本は五十八か国のうち三十八位。その中で、これは男女の格差の問題でありますが、雇用機会の均等性で日本は五十二位ということで、下から数えて六番目ということなんですけれども。
 これに関連する話なんですが、実は日本では、労働基準法六十四条二項で女性がトンネル工事などの坑内労働をすることが禁じられておるわけでございます。しかし、最近の新聞報道等によりますと、厚生労働省が設置をした専門家会合で、この法改正をして解禁をすべきであるという方向性が示されたというふうに聞いております。
 男女機会均等法が公布されて今年でちょうど二十年ということであるわけでありますが、私も都内の高速道路のトンネル工事を見学した際に、現場の監督の方から、女性は、女性の社員は一切働けないんですと。根拠を聞きましたら、この法律だということでありまして大変驚いたことがあるわけですが、この問題について厚生労働省として法改正まで考えていくのかどうか、この点だけまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 現在では、労働基準法によりまして女性の坑内労働は原則として禁止をされております。
 しかし、女性土木技術者の増加等を背景といたしまして規制緩和の要望がなされております。また、社会経済情勢の変化もあることから、厚生労働省といたしましても、この規則の在り方について昨年末から専門家、医学とか労働衛生等の専門家でありますけれども、こうした方々に検討をお願いいたしまして、トンネル工事、金属鉱山等の現地調査なども実施をしておるところでございます。
 四月末に行われました専門家会合におきましては、報告書のスケルトン案について議論が行われております。そこでは、現在では女性の就労を一律に排除しなければならない事情は乏しくなってきているのではないかとしておりますので、私どもも、そうした専門家の御意見や今後行われる予定の関係審議会の議論もよく聞いて、この規制の在り方について考えてまいりたいというふうに考えております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。是非、解禁の方向で考えていただきたいと思います。
 それで、介護についての質疑に移らさせていただきますが、五月十一日の本会議で代表質問を私、立たせていただきまして、大臣にいろいろ伺わさせていただいたわけでございます。これから当委員会でいろいろと更に深く論点を掘り下げていくことになると思うんですけれども、私は、本日はまず、この介護保険制度をより持続可能な制度にしていくために、特に不正や無駄が今までもいろいろ指摘されているわけでございまして、現行制度の下で、これを徹底してなくしていくためにはどうするかという問題意識で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 大臣も、この点について本会議答弁で次のようにおっしゃっておるわけであります。今回の見直しで地方の権限を強化したと、これらの対応により、悪質な事業者に対する指導監督を徹底し、利用者への情報開示も推進し、悪質な事業者の排除と良質な介護サービスの確保に全力で取り組むとおっしゃっております。是非この決意で具体的な運用段階でも鋭意努力をしていただきたいと、まず冒頭、お願いをするものでございます。
 最初に老健局長にお聞きをいたしますが、まず、要介護認定を受けていながら介護サービスを利用していない、いわゆるサービス未利用者の数を厚生労働省としてどれぐらいと把握をしているか、お答えください。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 平成十六年十一月で申し上げますと、要介護認定該当者が四百五万人でございます。サービス受給者が三百二十三万九千人ということで、未利用者の方が八十一万四千人程度でございまして、約、サービス未利用者、認定該当者に対しまして二〇%になっております。
 この数字は、例えば十六年九、十と見ましても二〇%で推移しておりまして、大体いつの時点で見ても、要支援、要介護認定該当者の約二割の方がサービスをお使いになっていないという結果になっております。
○遠山清彦君 それで、今お答えになったのは、要介護認定を受けていて該当しているにもかかわらずサービスを実際利用してない人が八十万人以上いるということでございまして、これは私の理解では、ちょっと数字古いかもしれませんが、施設の利用者が七十七万人ぐらいだと記憶をしておりますので、これを上回る数の方が実際にはサービスを利用されてないということなんですね。
 これについて、厚生労働省は、どうして利用してないのか、その原因についてどう分析をされているのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 要介護認定を受けていながら介護サービスを利用されていない理由につきましては、一つは、御家族等が介護されておりますので現段階では介護サービスを、要介護認定には該当されましたけれども、利用する必要がないということ。もう一つは、病院に入院しているため、要介護認定を受けましたけれども、その時点においてはサービスを使う必要がないと、こういったことでございます。
 これらの結果は、様々な自治体がサービス未利用者の調査結果をされておりますが、大体それらが大半の理由になっていると承知いたしております。
○遠山清彦君 私も、それはもう家族の介護があるから、あるいは病院に入院をしているので介護保険のサービスを利用する必要性がないという方もいらっしゃると思いますが、他方で、これはテレビ等でかなり衝撃的な映像も出ているわけでありますが、例えば、高齢者の独り暮らし世帯であるとか、あるいは老夫婦だけの世帯というのは確実に今増えてまずきております。そういう中で、自分の自宅、在宅、密室に、ヘルパーさんといっても全く赤の他人の方が入ってくるということに対しては、これはもう自然の感情として大きな不安があるわけであります。
 さらに、実際に、これから私、いろいろ聞かせていただく中でいろいろ数字だとか明らかにしたいと思いますけれども、介護事業者の中に残念ながら悪質な事業者がおって、そして認知症の方も、訪問系サービス受給者の約五〇%が認知症というデータもあるわけでありまして、そうしますと、先ほど小林委員の話でも認知症の方が不要なリフォームの被害に遭った問題がありましたけれども、こういうことがいろいろあって、不安があってあえて使ってないという方もいるんではないかなという気がしておるんですが、局長、それに対する答弁は要りませんけれども。
 そこで、お聞きをしたいのは、平成十二年四月の介護保険制度開始以来、昨年末までに指定取消しとなった事業所及び施設の数をお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 平成十二年四月から平成十六年十二月までに指定取消処分がありました事業所数は二百八十七事業所というふうになっております。サービス種類別で見ますと、訪問介護事業所や居宅介護支援事業所が約七割、二百八十七か所のうち、訪問介護が百六、それから居宅介護支援、ケアマネジャーの事業所ですが、八十七と、ここが非常に多くございまして、約七割を占める状況でございます。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 この訪問介護、居宅介護支援やっている事業者が非常に悪質な事業者として指定取消しされたところ多いということでありまして、平成十二年からの累計で全国で二百八十七か所、これが多いととらえるか少ないととらえるかというのは議論のあるところでありまして、現在、全国で介護サービス提供事業所というのは約三十七万というふうに理解をしておりますので、そう考えると、そんなに多くないよということも言えるのかもしれませんけれども。
 しかし、私は、そもそもこの指定取消処分を受けた事業所の数は氷山の一角であって、残念ながら実態を反映をしていないのではないかというふうに思っているわけです。理由はなぜかといいますと、直截に申し上げれば、私、保険者である市町村、自治体が、ごく一部を除いて、構造的にこの不正防止機能というものが弱いか、欠如しているからではないかというふうに思っております。
 この点を明らかにするために、次にお伺いをしたいんですが、局長にお伺いしますが、介護保険事業の運営主体である市町村のほとんどが、この介護給付費の審査支払事務を都道府県の国民健康保険団体連合会に委託をしているというふうに理解をしておりますが、これは間違いないでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 間違いございません。
 御指摘のとおり、市町村における介護保険給付費の審査支払事務は、この市町村の、言わば国民健康保険の連合会である国保連合会で委託してやっているところでございます。
○遠山清彦君 そうすると、本来は保険者である市町村が審査支払事務をやるところなんですが、いろんな事情があって、物理的に、マンパワー的にできないということで都道府県の国保連合会に委託をしているということなんですが、この都道府県の国保連合会の審査の具体的中身について、お答えを次にいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 国保連合会では審査はどのようにされるかということでございますが、まず都道府県の方から、これは都道府県は事業所を指定しておりますので、都道府県の事業所の情報の通知を受けます。
 それから、市町村の方からは、サービスを受けている方の資格などの受給者情報、例えば要介護認定でどのランクに当たっておられるか、したがって支給限度額、限度基準額はどのくらいかという通知を受けまして、まずその方がどういうサービス、額を受けられるかという審査を行います。
 それから、ケアマネ事業所、居宅介護支援事業所が作成します給付管理票という情報がございまして、こういう給付がされるはずだという情報が個人個人について参ります。
 それから、介護費用を請求するサービス事業所、今三十万を超えるというお話ございましたけれども、そのサービス事業所から請求書が参ります。
 これらの四つの情報、事業所の情報、受給者の情報、それから給付管理、その月にどういうサービスを使うはずであったかという給付管理の情報等、実際、個々のサービス事業者から、どのくらいのサービスを提供したからこれだけの費用を払ってほしいというサービス情報が来ますので、これらを突き合わせまして、合致しておりました場合に介護報酬の支払をするという作業をいたしております。
○遠山清彦君 今の御答弁を聞くと、非常にいろんな情報を突き合わせて複雑な審査をやっているように聞こえるんですが、実はそうではないんですね。この国保連合会における審査というのは、次の質問でちょっと明らかになりますが、非常に膨大な量の請求書が全国で来るわけでありまして、私は一億枚超えておると思いますが、年間。結局、それはもうコンピューターで処理するしかないと。
 そうすると、今の利用者の受給情報ですね、これはもう単純に要介護度が幾つなのかというようなことだと思いますし、事業所の情報もそれほど、シンプルな情報が都道府県の方から来ると。一番コアになる重要な情報というのは、給付管理票とサービス利用の明細書の情報なんですが、これも結局、コンピューターで数字の突き合わせの中でそれぞれの介護ごとに定められた支払請求限度内、限度額以内にちゃんとこの報酬の請求が収まっているかどうかということをチェックしているにすぎないのであって、実は審査といっても、支払われるべき額がちゃんと限度額内の中にあったかどうかというのをチェックしているんですね、簡単に言えば。実際にその支払の対象になっているサービスが行われたかどうかという審査は国保連合会ではしていないわけなんです。
 次の質問、ちょっとお伺いをしたいと思いますが、市町村はこの国保連合会がやっている審査に対して手数料を支払っていると思います。市町村によって若干、請求書一枚当たりについての手数料、値段が違うという指摘もございますが、私の理解では大体今年の四月から九十五円ということになっていると思うんですが、この九十五円で一枚請求書当たりに支払われている審査手数料、全国の市町村が払っている総額、年間規模はどの程度と見積もられているか、お答えください。
○政府参考人(中村秀一君) 平成十五年度において全国の市町村が国保連合会に支払った委託手数料は、十五年度約八十七億円と承知いたしております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 八十七億円ということでありますが、平成十五年度ですので、今年度はもしかすると百億円近くになるのかなというふうに思います。そういう意味では、この介護保険の財源から百億円が今の審査に流れておるわけでありまして、私は別にこれが不当に高いと言うつもりは全然ございません。ただ、このコストに見合った不正防止の審査体制というのを整えなきゃいけないというふうに思っているわけです。
 次の質問ですけれども、介護サービス事業者等はこの介護報酬支払を受けるためにどういう手続を取るかといいますと、サービス月の翌月十日までに、先ほど局長おっしゃっていた給付管理票、これはケアプランを点数化したものと理解しておりますが、とサービス利用明細書を直接、市町村を通さないで直接都道府県国保連合会に提出をするというふうに理解をしておりますが、手続上ですね、これで間違いないでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 介護サービス事業所は、提供したサービスの介護給付費請求書、明細書を翌月十日までに各都道府県の国保連合会に提出することとしております。お見込みのとおりでございます。
○遠山清彦君 それで、ここで副大臣、ここから御答弁いただきたいと思いますが、私は二つ問題が浮かび上がってきているというふうに思うんですね。
 一つは、当然、すべての事業者が悪質な事業者というわけではありませんが、意図的に不正受給をしよう、架空請求をしようというサービス業者があった場合に、実は国保連合会の、先ほど申し上げた審査、コンピューター審査を簡単にパスする方法があるわけでございます。それは、先ほどの給付管理票、これはケアマネジャーの世界で作っているものですけれども、それから今度ヘルパーさんの方で作っているサービス利用明細書の内容をすり合わせて請求書を作って送ることによってこれが可能であると。
 なぜならば、この給付管理票を作成するケアマネジャーとサービス利用明細書を作成するヘルパーとが同じ会社に所属しているケースが非常に多いわけでございまして、そうすると、このようなやり方で不正請求が行われる可能性が制度上あるということを厚生労働省としてどのように認識をされているか、お伺いをしたいと思います。
○副大臣(西博義君) 委員御指摘のように、それぞれのケアマネジャーとそれから事業者、ヘルパーさんも含めてでございますが、結託をしてと言ったらおかしいですけれども、口裏を合わせて同じ請求をするというようなことがあるとするならば、これは限度額を超えない限りにおいては、今のお話ですと、国保連合会ではなかなか事実関係は把握できないということは御指摘のとおりだというふうに思います。
 そんなことがございますけども、こうした問題に対応するために、厚生労働省においては、この介護給付の適正化の一環として、本人に、本人というのはお年寄りの御家庭でございます、介護給付費通知書を利用者に通知するということを今推進しているところでございます。そうしますと、本人の介護実態とそれから報告された内容との突き合わせによって本当に事実どおりに請求が行われているのかということが分かると、こういうことを今取組をしているところでございます。
 さらに、今回の改正では、これはケアマネジメントのプロセスの徹底を図って、それからいろんな職種の人が参加してケアカンファレンスを通じて適当なケアプランを策定するということで、こういうことによってプロセスが透明化されるようにということで、できるだけ多くの人の目を通って、そのことによって特定の事業者とケアマネジャーとの間に不正が起こらないようにしようということでございます。
 また、担当件数、ケアマネジャーの担当件数がかなり多いわけですが、これも縮小することによってケアマネジメントの独立性、中立性を高め、そして事業主によるケアマネジャーへの圧力を排除するということで、それとともに、研修の充実ということを通して更にケアマネジャーの専門性の確立を図っていこうということが今回の改正の一つの方向性というふうに考えていただければと思います。
○遠山清彦君 西副大臣、大分私の質問を先取りして包括的に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 ですので、ちょっと私も順序を変えてお聞きをしたいと思いますが、まず、たしか、要は先ほどの話というのは、もう大臣もよく御存じのとおり、悪いケアマネと悪い意図を持ったヘルパーさんが悪い事業者を舞台に結託すると、今の制度の中では、市町村の目を盗み、国保連合会の目を盗み、もう厚生労働省は最初かららち外で目を盗まれて、まあいろいろできてしまう、これが制度上可能だということは副大臣が最初お認めになったそのとおりだと思うんですね。
 先ほどの御答弁で、やっぱりケアカンファレンスの問題とか、担当件数減らして独立性を高めるとか、いろんな方策でこれを防ぐことというのはできるというふうに思うんですが、ただ、今日まで発覚をしてきた不正事案の大部分が私は内部告発によるものだというふうに理解をしておりますが、この点は副大臣、間違いないでしょうか。
○副大臣(西博義君) 大部分がそういう事情で上がってきたというふうに聞いております。
○遠山清彦君 そうなんですね。ですから、これ、東京都国保連合会の審査室長が今年の三月十六日に、番組名は申し上げませんけれども、民放のテレビ番組に出てきてこういう発言をされているんですね。審査室長ですよ。今のシステムは全くチェックできませんと、不正を。全くともう付いています。完全否定です。サービス事業者には自主的にモラルを持って請求していただくというのが国保連合会の求める姿ですと言って、既に降参をテレビで堂々としてしまっているわけでございます。
 それで、厚生労働省内の恐らく主管課長会議なんかでも、もう常識としての認識は、局長御存じだと思いますが、やっぱり国保連合会の審査だけでは不正を確認できないということだと思うんです。私もそういう認識なんですが、共有しているんですが、その認識があるから、例えば昨年の十月ぐらいから、厚生労働省におきまして介護保険給付費適正化推進運動ということをやってこられていると思うんですが、まだ半年程度ですから言えること少ないのかもしれませんけれども、この運動で成果は見えてきているのかどうか、これお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 まず、委員からの当初から御指摘がありました、例えば取消し件数が多いかどうかという御指摘がございました。私ども、三十万件の事業所に対してあの数字というのが多いかどうか、慎重な検討を要しますが、取消しの内容を見ますと、かなり地域差があると。非常に熱心に取り組んでいる都道府県とそうでないところがあるということは確かでございますので、今委員御指摘のような観点に立ちまして、今度の介護保険制度の見直しでも事業者の方々に対する適正な行動を求めるための改正はいたしておりますけれども、御指摘のとおり、給付費の適正化、介護給付の適正化ということは最大の課題の一つだということで、昨年十月から給付適正化推進運動に取り組んでいるところでございます。
 成果につきましてはもう少しお待ちいただきたいと思いますが、まず申し上げていますことは、地域差があると。都道府県の取組でも地域差があるということでございますので、そこのところはきちんとやっていただくということで、今実際、不正事案の端緒は、残念ながらと申しますか、事業所職員の方々の内部通報が最大でございまして、次に行政関係の情報、三番目が利用者側からの苦情となっておりますが、やはり行政関係としても最大限の努力をすべきではないかということで、行政関係からはやはり都道府県の実地指導ということが大きいわけでございますので、それぞれの事業サービスごとにきちんと実地指導をしていただく。特に、大きなサービス量を持っておられるところはそこのリーダー的な事業所でございますので、まずリーダーの方々からきちっとやっていただくということも含めて、大きなサービス事業所については各都道府県取り組んでいただくというようなこともお願いしているところでございます。
 また、今のそのシステムでの審査について限界があるということでございますので、先ほど来御披露申し上げております介護給付費適正化システムを設置いたしまして、ある意味では統計的な手法によりまして、問題なり標準から外れている事業所について情報を得ると。で、その標準から外れているということが直ちに悪いということではないわけでございますので、しかし標準から外れていることについてどういう理由があるかというようなことをきちんとチェックすると。それは都道府県の適切な監査を行うということではないかというふうに思っておりますので、特異な傾向を示す事業者を捕捉できるシステムの開発はできてきたところでございますので、もう少し時間をいただいて、この給付費の適正化にも取り組んでまいりたいと思います。
○遠山清彦君 今局長がこの不正事案で摘発されたものも都道府県で格差があるとおっしゃっておりまして、私も今手元に、厚労省さんがまとめた、まあ事案としては百八十七件でありまして、全国で非常なばらつきが確かにございます。トップは京都府でございまして、四十五件あるわけであります。二番が大阪府、二十七件。三番が北海道、二十四件。四番が福岡県で二十三件。その後は東京都と鹿児島県が並んでおるわけでございます、それぞれ十五件。で、他の都道府県見ますと、一とか二とか、まあゼロというところもございますので。
 ただ、これは局長、判断は私、難しいと思うんですね。例えば、京都府が四十五というのは、私も最初見たときは京都というのは悪質な事業所が多いのかなと思ってしまいましたけれども、裏返して言えば、内部告発をする人が多いからその県で増えているということもあり得るわけですね。だって、もうそこに並んでいらっしゃるお三方は多分認めるとおり、内部告発で主に摘発されているわけですから、逆に言えば少ない県はみんな黙っておるということも考えられるわけで、ですから、これ、この表を見ただけで京都が悪いという判断をしてはいけないと今は思っているわけなんです。
 ですから、どこかの都道府県ターゲットに非難をするというよりも、やはりもうちょっと市町村、都道府県、国保連合会そして厚生労働省で、今局長が後段でおっしゃっていた給付費の適正化のシステムをしっかり構築をすることが大事なのであるということを確認をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、今の局長の答弁もまた私の質問を先回りした答弁だったんですが、今、皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。
   〔資料配付〕
○遠山清彦君 これだけ見ると、一枚目を見ていただきたいんですが、これだけ見ると何のことだかよく分からない保険者一覧表となっておりますが、私は、これ何で皆さんに配らさせていただいたかといいますと、これ平成十五年七月に取消処分となった東京都内に拠点を置くある会社がこれだけの地域で不正を行っていたという表でございます。実に百三十九の市町村、事業所で不正受給を行っておりました。さらに、私が衝撃を受けたのは、この表の一番左が全部東京都になっているわけでありますが、たしか三十四区市町村、五十三事業所。
 これは、三年間にわたってずっとこれらで不正を行われていたのに全くだれも気付かなかった。国保連合会も気付かない、市町村も気付かない、だれも気付かなかった。三年間ですよ。ほかの県で気付いた、内部告発があって、それで摘発をされたわけでありますが、私はもうやはりこれは、最近のことですね、平成十五年ですから、やはりいかに今の制度が、こういう広域にわたって不正をしようという業者がその気になれば数年にわたってできてしまうかということを端的にやっぱり示している。局長もおっしゃったように、やっぱり限界があるという、限界を端的に示している表だと思ってお配りをさせていただいたわけでございます。
 これに対して御答弁要らないんですが、より厳正な対処をお願いしますということしかないんですけれども、そこで副大臣にちょっとお伺いをいたしますけれども、先ほどたしか副大臣の御答弁の中で、利用者に不正をチェックしてもらうために介護給付費通知書というのを市町村から自治体の首長名で送っております。私もある方にお願いをして、それを拝見させていただきました。ところが副大臣、これは難しいですよ、利用者がチェックするのは。
 なぜかといいますと、私が見たのは平成十七年、今年ですね、平成十七年三月十八日の日付で自治体の長から利用者の一人に送られたものなんです。中身を見たんですが、平成十六年の十一月分、それから十二月分、それから今年の一月分、三か月分のあなたのそのサービスについて払われた介護給付費の内訳が書いてあるんですね。ただ、項目は極めてシンプルでして、通所介護何件、訪問介護何件、居宅介護支援何件、それにそれぞれ利用者負担額とサービス費用が示された極めて簡明な、簡単な書類でございます。
 副大臣、これ素朴な疑問として、まず、先ほど私申し上げたとおり、訪問系のサービスを受けている人の五〇%が認知症なんですね。ですから、昨日起こったことも余り定かではない方も含まれておるわけでありまして、それを三か月から五か月前のあなたに提供されたサービスの給付費はこれですと送ってきて、しかも中身も非常にシンプルな、幾ら幾ら掛かりましたねということだけなんです、件数と。
 ですから、私が非常に限られた範囲の方々に聞いたところによれば、三か月、五か月たってこの介護給付通知書、こういうのをもらって、あなたが受けたサービスとこの内容合っていますかと言われても、ほとんどの人はよく分からないということになっていると思うんですが、もう少しこれ改善をできないものかどうか、お答えいただけますでしょうか。
○副大臣(西博義君) 今、私の手元にも一例あるんですが、委員御指摘のように、なかなか、何というか、まとまって書いているものですから分かりにくい側面はあろうかと思います。もう少し詳しくしても、五〇%が認知症と言われてしまえば、そこはまあそれまででございますけれども、できるだけ皆さん方に分かりやすくできるような工夫はないか、こちらの方でも、省の方でも検討する必要はあるというふうに考えます。
○遠山清彦君 なかなか難しいとは思いますけれども、是非厚生労働省内で改善策を継続して検討していただければというふうに要望申し上げます。
 それで次に、今回の改正でこういった、私が申し上げたいのは、現行制度では残念ながらこういう不正ができてしまう状況がありますよと、そういう認識が皆さん方もあったから、今回の改正案でも地方自治体への権限強化されているわけでございます。
 それについてちょっとお聞きをしたいと思うんですが、市町村には今回の改正で施設への立入調査権が認められることになります。また、都道府県には業務停止命令権が付与されることになっております。私は、基本的に歓迎をする立場でございます。ただ、問題は、これらの改正を実際行って運用を始めて、本当に今まで私つらつら申し上げた不正が防止できるかということなんですね。
 そこで局長、お伺いしますけれども、市町村はどういう条件が整ったときに疑いのあるサービス事業所に対する立入調査を実施することができるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) これまで事業所、施設への立入りは都道府県が行ってきたということで、これに関しましては指導監督のマニュアル等を整え、その頻度、チェック項目等をお示ししているところでございます。
 市町村の方につきまして、今回、法律で立入りできるようにいたしましたので、今後、詳細を定めていかなければならないと思いますが、今委員から御指摘が、一連の御指摘があり、やはり今日の御質問をいただくことを、それにつけても効果的なやはり事業所に対する指導監督、言葉はあれですが、きちんとやっていただいている事業所には全く問題がないわけでございますが、不正な事業所を許さないということ。そのためには、その給付費の、介護給付費の通知のやり方もございますけれども、やはり工夫して、こちらの方も、保険者側もランダムに言わばチェックを入れて不正を許さないと、あるいは不正をしていればいつか必ず行政側にもつかまえられる、そういうシステムを作っていく必要があると考えますので、市町村の立入り権限、今度付与させていただきます。これは市町村側の強い御要望で実現するものでございますけれども、本当に貴重な介護保険の費用の適正な給付ということが確立するよう考えてまいりたいと思います。
○遠山清彦君 正に今、局長おっしゃったとおり、一昨日ですか、日経新聞の一面にも出ておりましたけれども、介護保険の財政の赤字が三倍になったという記事が出ているわけでありまして、是非そういう立場からもしっかりやっていただきたいと思うんですが、ただ、今の局長のお答えですとランダムにチェックというお話がありましたので、私なりにそれ解釈いたしますと、立入調査権が与えられた市町村がこのサービス事業所に対してある意味抜き打ちの立入調査ということもし得るというふうにちょっと解釈をいたしましたけれども、必要とあればそういうことをしていただきたいと思うんですね。
 ただ、次にお聞きをしたいのは、今度は仮に市町村が立入調査をしても、そこから先がまたなかなか難しいという話なんですね、大臣。
 これ、なぜかといいますと、例えば立入調査を市町村が実施した際に、その入った事業所の帳簿とか帳票が国保連合会に送った内容と同じように改ざんをされている場合、これはもう返還額も決定できない状況になると。それはなぜそうなるかというと、先ほどから申し上げているとおり、サービス事業所から請求書は市町村を経ないで直接国保連合会に行っているわけでありまして、私は、市町村が権限は持っても、その立入調査まで行ったときに、いやそれは違うんじゃないんですかということを、相手の情報というかデータを突き崩すデータを持っていないんだと思うんですね。
 例えば、私もいろんな資料を読んでいて、苦情でよく多いのが、ヘルパーさんが時間どおり来なかったとか、全くやってこなかったとか、あるいは、月に一回ケアマネジャーがサービス利用者宅に行かなければいけないんですが、それが来ていないと。しかし、その市町村がそれを確認するすべがないんだと思うんですね、現状では。
 もう時間もありませんので、ちょっと次の質問と続けていって大臣にちょっとお伺いしようと思いますが、そうすると、簡単な解決方法としてはこの介護保険担当の市の職員、町の職員、村の職員を増やすということになるわけでありますが、しかし、財政状況は極めて厳しいので、これはなかなか無理であろうと。
 そうしますと、私が考えますに、やはり市町村自体がサービス提供に関して現状よりもより多くの情報を入手して、その市町村自体が入手した、入手した情報に加えて、国保連合会それから都道府県の情報を突き合わせてやっていかないとなかなか難しいのかなというふうに思っているわけでございます。
 じゃ、その情報の中身は何かといったときに、よく出てくるのは例えば訪問記録ですね。ヘルパーさんが何時にあるお宅を訪ねて何時に出たのかと。これ、なぜこんなことが大事かといいますと、よくある不正の架空請求なんかでは、実際には十五分、二十分しか家にいなかったのに三十分以上六十分未満で何千件も請求をしたという事案が発覚しているからこれが大事なわけであります。
 そこで、お配りをさせていただいた資料の二枚目をごらんになりますと、これは群馬県の草津町が全国で初めて、このサービス利用者のお宅に電話回線を通じて読み取り機を置いて、ヘルパーさんが磁気カードを持ってそこの出入りをぴっとチェックをすると。そうすると、その訪問記録の情報がすぐその町の役場のコンピューターに記録をされるというシステムでございます。
 それから、同じような制度が鹿児島県の川内市の東郷支所地区でも二〇〇三年四月から行われておりまして、こちらも似たようなシステムですが、ヘルパーさんはバーコードが付いたカードを持っていて、それで家に行ったときにぴっとこうやるということで、何か昔のSF小説にあった管理社会みたいな感じで嫌な感じもいたしますけれども。しかしながら、この草津町の方は、この記事読みますと、厚生労働省というか国が全額補助して設置をしたということで一種のモデル事業的な側面があるのかなというふうに思っておりますが、ただ、全国の自治体でこれをまたやるというと、非常に財源が大変なことでもあるのでそこには慎重な配慮が必要だと思いますが。
 こういった試みを厚生労働省さんも認識しながらこの不正防止に努めていると思いますので、大臣、この問題について総括的に、どういうふうに改善をされていこうとされているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘いただきましたように、たとえ立入調査を行いましても、帳簿等について巧妙な改ざんが行われておりますと、これはもうなかなか不正を発見するというのは難しいことになります。
 そうした中で、こうした不正をさせないためにどうするかということでございますが、今、一、二の例を述べていただきましたように、これまでも市町村の創意工夫を生かした適正化事業を支援してきたところでございます。
 このたびの改正案では、新たに創設をいたします地域支援事業において介護給付適正化のための事業も対象とすると、こういうことにいたしております。不正防止のことを言っておるわけでございます。この事業の活用により、より創意工夫を凝らした、今例に述べていただきましたようなことをそれぞれの市町村で工夫をいただきまして適正化の事業の推進を図りたいと、こう考えておるところでございます。
○遠山清彦君 是非、対応方よろしくお願いをいたします。
 それで、このくくりで最後の質問になりますが、実は、この保険者としての市町村がこういう訪問記録などの情報を独自に持つことによって不正が防止できるという面もございますが、それに加えてもう一つ有効な方法があるというふうに理解をしております。それは市町村によるケアプランのチェックになるわけでございます、第三者的な。
 ただ、現在、これ正に局長御存じのとおり、ケアプランの実施状況、都道府県別に比較すると格差が非常に大きいわけでございます。例えば、ケアプランのチェックを実施している上の方の県でいいますと、福岡県は九六・九%の自治体でやっている、沖縄県は八六・五%でやっている、佐賀県は五九・二%、ちょっと落ちますが五九・二%の市町村でやっていると。しかし、ワースト三県の山梨県は一・八%、岩手県、大分県は一・七%、それで国井前委員長の栃木県に至っては〇%と、こういうことになっているわけでございまして、これもまた余りの格差なんですね。福岡は九六・九%ちゃんとケアプランのチェックをしているということなんですが、栃木はもう〇%ということになっておりまして、ただ結局、全国平均見ても、これは栃木のせいとは言いませんが、全国の市町村全体での実施割合は一六・二%、とどまっておるわけですね。
 これも厚生労働省として改善を是非していただきたいと思いますが、これ、副大臣よろしくお願いします。
○副大臣(西博義君) 地域的に大変な格差があるという実態を数字を示して発言していただきましたけれども、このチェックも今回の改正を契機に大変重要な問題だというふうに思っております。
 先ほど申し上げましたように、できるだけ多くの人の目に触れながらきちっとしたケアプランを立てていくということが大事でして、提供されたこの介護サービスが本当に要支援者に対して自立支援につながっていくものかどうかということが大変重要だというふうに思っております。
 そんな意味で、専門的な知見を有する第三者がこのケアプランを評価していくということが今後とも適切なケアプラン作りのためにも大変重要なことだと、またケアマネジャーさん自身を、能力を向上させていくためにも非常に効果的なものだというふうに思っております。
 効果的なこのケアプランチェックを行っている事例につきましては、他の市町村の取組の参考となるように課長会議等で情報提供を是非ともしていきたいと、このことによって保険給付の適正化の取組をなお一層促進していくようにしていきたいというふうに考えております。
○遠山清彦君 このケアプランチェックについても是非改善を図っていただきたいというふうに思います。
 時間余りありませんが、一、二問、介護予防関連でちょっとお聞きをしたいというふうに思います。
 局長、先ほども出ておりましたけれども、今回の改正で、要介護認定の非該当者ではありますが、ほうっておかれると要支援・要介護状態に陥るおそれのある高齢者、これは厚生労働省の見積りですと高齢者人口の五%、約百二十万人ということになっておるわけですが、この人たちを対象にした、仮称ですけれども地域支援事業をやりますと。それから、軽度の要支援者、要介護者を対象とした新予防給付をやりますということなんですが、それぞれに対してやる介護予防事業の違いは何なのか、ちょっと御説明いただけますでしょうか、簡潔に。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 地域支援事業の介護予防事業につきましては、非該当の方に対して行うわけでございまして、実施方法といたしましては、市町村のこれまでのイメージといたしましては、老人保健事業や様々の介護予防事業でやってまいりましたような転倒予防教室でございますとか栄養改善教室、そういった市町村の事業として位置付けてまいりたいと、こういうふうに考えております。
 新予防給付の方につきましては、現在も、新予防給付という新という言葉が付いておりますけれども、要支援の方々に対しては介護保険では予防給付として実施されているわけでございますが、その予防給付につきまして更に介護予防ということを徹底するために、マネジメントの仕方、それからそれぞれのサービスメニューの見直し、それから新規のサービスの追加、そういったことをやってまいりたいと思っております。つまり、内容、提供方法、提供期間等も見直し、それからサービスメニューとしても新たな効果が期待できるものとして、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上といったサービスを追加してまいりたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 それじゃ、これ、私の最後の質問になると思いますが、西副大臣にお願いをしたいと思いますけれども、ちょっと次の質問はしょりまして、厚生労働省の説明を私も何度も受けまして、資料も読みました。それで、私が理解するところでは、地域支援事業の中で行われる介護予防事業というのは、ある意味、集団に対していろんな介護予防体操であるとか転倒予防教室を開いていくというようなことをやるんであって、新予防給付の場合は、よりきめ細かく対象者お一人お一人の体の状況とかそういうものをしっかりチェックをした上で、そして、まあ要介護度、例えば一とか要支援二の人であれば、それを改善を図っていくことを具体的に目標を考えてやっていくことだと理解しているんですね。
 ただ、私がちょっと気になっているのが一つありまして、それは、いろんな資料を読んでも、例えばその地域支援事業においても新予防給付のメニューの中においても、栄養改善とか筋力向上とかそういうのが含まれておるんですね。そうしますと、市町村はやはり財政状況余り良くありませんので、これを実際両方やりますよと。で、市町村は保険者ですからやらなきゃいけないわけなんですけれども、例えば同一の場所の同一の施設内で同じようなメニューを違う対象者にやるということは起こり得るんではないかと思っているわけです。そうしますと、片方は介護認定該当者、片方は非該当者という区別が法律上あるわけなんですが、介護予防事業を受けている、その現場での実態上は余りなくなってしまう自治体が出てくるんじゃないかというふうに考えられるわけです。
 そうすると、それで不平不満がすぐ出るという話になりませんが、ただ、例えば同じサービスを受けて利用者負担が異なると、自己負担額が異なるなんということになりますと、現場は混乱をして不公平感なども出てくる可能性があると思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 実際、事業を実施するに当たりましての委員からの御懸念なり、そういったことのないようにということだと思います。
 様々な状況の市町村で、またいろんな地域の資源でありますとか参加者の方々の集団の問題、いろんな問題の中で市町村の方は事業を実施されるということで、御指摘のような事態が生じる場合もあるかと思います。私ども、そこのところで今委員が御懸念になるような不公平感や不満が生まれないように、少し実施方法等、市町村の方とも相談しながら、また今年度も試行事業でいろんなことを考えておりますので、そういった中で市町村の実施体制の問題点なども洗い出して、そのようなことが、御懸念の事態が生じないように努めてまいりたいと思います。
○遠山清彦君 以上で終わります。残余の質問は、また次の機会にお聞きをしたいと思います。
 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の法案の中心というのは、これは予防重視の仕組みに変えることで、地域支援事業それから新予防給付の導入ということが柱になっていると思うんで、この問題ちょっと議論したいんですが、軽度の要介護者に対する介護が要介護度を悪化させているんだということを、この間言われてきました。その根拠、改めて御説明願いたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 介護保険がスタートをいたしまして要介護認定制度が導入され、要介護認定のデータなどがそろってまいりました。そういった中で、全国的なデータあるいは地域的なデータがございます。
 私どものデータで言いますと、平成十三年の国民生活基礎調査の結果でございますとか、そういったものがございますし、全国的に最も早く要介護認定の時系列の変化を追いましたのは島根県のデータでございますが、それらのデータに共通しておりますのは、要支援とか要介護度、要介護であった方々が一年なり、調査によって追跡している期間が一年ないし二年ということでございますが、その一定期間経過後、その要介護度状態を維持された方、また重度化された方、重度化と申しますのは要介護度が二から例えば三に上がった等を重度化と定義しておりますが、重度化された方、また改善された方、これは逆に要介護二の方が要介護一になったようなケースでございますが、そういったことを見ますと、要支援や要介護の方、要介護一の方など重度の方々は他の要介護度に比べまして改善した者の割合は低く、また悪化した者の割合が高い。あるいは、大体、要介護度、重度の方と比べてそれほど改善度に差がない、あるいは維持度に差がないと、こういうような状況でございまして、私ども、軽度者の場合につきましては、原因の疾患の状況から申し上げまして、適切な介護サービスなり予防サービスが提供した場合には改善可能性が高いのではないかと考えているにもかかわらず、実際の改善状況が思わしくないというふうに考え、委員からお話ございましたように、要介護状態の改善に必ずしもつながっていないということを申し上げてきたところでございます。
○小池晃君 まあ、いろいろとおっしゃいましたけれども、日医総研のデータですね、島根県のはね。これ七千八百七十八名対象で、施設入所者も含むわけです。それに対して、厚労省の介護給付費の実態調査報告は、これは在宅だけで百三十八万六千二百人、規模が全然違うんですね。
 大臣、これはもう衆議院で何度も議論あったんで大臣ももう御存じだと思いますが、この厚労省の給付費の実態調査見ても、要支援、要介護一では、大体七割から八割の人が状態を維持、維持が一番多いですが、改善している方もいらっしゃる。私、この介護給付費の実態調査報告、一番母数として大きい、この調査を見れば、やはり軽度の人に対するサービスの効果というのがこれは一定、大きなものがあるんだということがはっきり出ていると思うんですが、大臣、その点、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) ちょっと意味がよくつかみかねなかったんで、局長にまず答えさせます。
○小池晃君 端的にしゃべってください。
○政府参考人(中村秀一君) はい、端的に申し上げまして、大変失礼いたしました、介護給付費実態調査で数字が出るようになってきておりますが、例えば要支援なり要介護一の方の悪化の度合いということ、例えば要支援の方などの悪化の度合いは他のグループに比べて高い状況でございます。先ほど来申し上げていますように、要支援等に対しては現行制度でも予防給付というふうにされているわけでございまして、そういった点では、もう少し成果が上がってもよいのではないかと、こういうふうに認識しているところでございます。
○小池晃君 要支援というのは下りようないんですからね。それは上がる方が、悪くなる方が多くなるというのは、これは物の道理だろうというふうに思うんですね。加齢に伴って一定悪化することはこれ避け難いと思うんですが、しかし、この給付費の実態調査見ても、これ要支援では悪化、三一・二%ですけれども、維持というのは六八・八%あるわけですよ。それから、要介護一では、悪化が一五・五%に対して改善・維持が八四・四%なんですね。
 大臣、これでも軽度者に対するサービスは効果が余りないと言うんですか。私は、この数字というのは、軽度者へのサービスというのは相当効果があるというふうにしか読めないんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) お示しいただいている数字が私の手元にないものですから、その数字について特に申し上げることは……
○小池晃君 厚労省の調査ですよ、これ。
○国務大臣(尾辻秀久君) いや、手元に今ないということで申し上げているところでございます。
 ただ、今の議論というのは衆議院の議論の中でも随分行われておりますので、その都度申し上げてまいりましたけれども、やっぱり軽度の方がもう少し改善していただいてもいいというふうに私どもは考えておりまして、その改善していただきたいなと思う数字からすると、やはりそこのところがうまくいっていないと私どもは認識しているということを再三申し上げてまいったところであります。
○小池晃君 じゃ、その改善していただきたい数字というのはどれだけなんですか。何%改善すればこれは効果があったというふうにおっしゃるんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 要支援、要介護一の方々の原因疾患などを見ますと……
○小池晃君 そんなこと聞いていないからいいよ、もう。ちょっと質問以外のことを答えさせないでくださいよ。駄目だよ。もういいよ、いいよ。大臣、答えてください。
○政府参考人(中村秀一君) 要介護状態の変化に関するデータを調べますと……
○委員長(岸宏一君) 局長、端的な御答弁をお願いします。
○政府参考人(中村秀一君) はい。
 軽度の方については、改善する割合が他のランクに比べまして高いことが望まれるわけでございまして、委員から御指摘があります他のランクと遜色がないということでは十分な効果を果たしているというふうには考えていないところでございます。
○小池晃君 私は全く説得力ないと思いますよ、それは。
 じゃ、要するに、要介護三、四、五よりも改善度が高くなければ効果がなかったと言うんですか。でも、八割の人がね、大臣、介護サービスを受けることによってその状態を維持され、あるいは改善しているというのは、これは十分胸を張っていい成果じゃないですか。私は当然そういうことだと思うんですが。
 ちょっともうここにかかわっていては進まないので更に進みますと、軽度の人に対するサービスが状態を悪化させるというふうに言うんですけれども、実際、じゃ地域で見るとどうかと。
 今日、ちょっとお配りしている資料の一枚目がこれは長崎県の数字を今日はお示しをしているんですけれども、ここはどういう特徴があるかというと、軽度の要支援、要介護一の要介護者の占める比率が全国平均より高いわけです。もしも厚労省の説明のように、今のシステムが非常にうまくいっていないと、軽度の人に対するサービスが状態を悪化させるんだということであれば、私は要介護高い人が増えても当然だというふうに思うんですが、逆に、この長崎の結果なんかを見ますと、要介護二、要介護三、要介護四、要介護五というのは全部これ、全国平均よりも減っているわけですよ。
 これ、大臣、これは軽度の人に対するサービスが要介護度を悪化させるのであれば、こんなはずには、こんなことにならないはずじゃありませんか。
○政府参考人(中村秀一君) このデータをどういうふうに見るかについてはもう少し、今日お示しいただいたデータですので検証させていただきたいと存じますが、このデータを見ますと、長崎の場合、非常に要介護度軽い方に対する出現率が高く、それから重度のところについては全国平均との差は余りないと、こういうふうに見れるのかなと思っているところでございます。
 全国的に見ますと、要介護度四、五についての地域差は少なく、要支援、要介護一の部分についての出現率の差はかなり大きいということでございますので、長崎県はそういった意味では、特に要支援のところを見させていただきますと非常に高い状況でございますので、そういった意味では地域差が多い県の中の一つなのかなと思って拝見いたしました。
○小池晃君 もう少しこれ素直にこういう数字読んでほしいと私は思うんですけれどもね。
 これ、長崎だけの話じゃないんですよ、これね。実は、こういう現象が起こっているということは厚労省自身が国会で答弁されているんですよ。衆議院の四月六日の委員会で西副大臣が東京の品川の例を挙げられたんですよ。副大臣はこう言っているんですね。東京の品川区というのは、「要支援については東京二十三区や全国の平均を上回っている一方で、要介護一から五についてはいずれも下回っているということで、重度の人が比較的少数にとどまっているという傾向が見られる」、こう副大臣答弁したんですよ。
 正にこれ同じ現象が起こっているということ、あなたは認識されて答弁しているわけじゃないですか。要支援の人にサービス提供すればするほど要介護度を悪化させるんじゃなかったんですか。そうじゃなくて、副大臣が正に率直におっしゃっているように、要支援の人に対するサービス、要支援の平均が上回っているところが重度の人を比較的少数にとどめていると、全く正反対の結果を副大臣はお話しになったんじゃないですか。いかがですか。副大臣の答弁ですよ。
○委員長(岸宏一君) 副大臣ですか、尾辻大臣ですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来御指摘のことが私どもによく理解できないものですから、改めて申し上げて、先生の御意見も伺いたいと思うわけでございます。
 お示しいただいておりますこのグラフは要介護度別出現率で、全国の平均の数字と長崎県の数字が並べてございます。そうしますと、これは全国平均の数字と、凸凹にいろんな県がなって平均値になるわけでございますから、この要支援、要介護一のところが長崎県が全国の平均よりも多いということを述べておられるのは分かるんですけれども、じゃ、これが何ゆえだと言って今の御指摘をしておられるのか、そこのところがよく私どもに理解できないものですからお答えできないところであります。
○小池晃君 それは何ゆえだということを主張しているんじゃなくて、現象として、正に要支援、要介護一、軽度者に対するサービス熱心にやっている。長崎、何でこうなっているかというと、被爆者の利用料の軽減なんかがあって、軽度の人が比較的利用しているということを聞いているんです、私。
 そういうことで、軽度者に対するサービスをやっているところ、逆に重度者は減っている。私、これ当然だと思うんです。介護サービスをしっかり軽度の人にすれば、それが介護の進展、要介護度の進展を抑えて、結果として重度の人を減らしていくということが私は起こってきているというふうに思うんですね。正に副大臣はそういう趣旨でおっしゃっているんです、品川では。
 別に、品川が新しいシステムで、新予防給付でやっているんだと、それだったら別ですよ。違うんですよ。今のシステムの下で品川はやっていて、品川は要支援者が全国の平均、東京二十三区の平均を上回っている、一方で要介護一から五についてはいずれも下回っている、重度の人が比較的少数にとどまっているという傾向が見られると。正に私が主張していることと同じことを副大臣言っているじゃないですか。どうなんですか。
○副大臣(西博義君) 結果として要介護の低い方から高い方に移行するのを防止するというような趣旨ではなくて、現象として、結果として要支援、要介護一レベルの軽度の人が多くて、重度の方が結果として少ないという現象を申し上げたということでございます。
○小池晃君 だから、その現象は、じゃ一体なぜ起こっているのかということを真剣に検討すべきじゃないですか。これやはり、こういう形で軽度の人に対するサービスを手厚くやっているところで重度者が減っているんだとすれば、それは正に今のシステムが有効に働いているということにもなるわけですよ。
 私は、軽度者に対するサービスは要介護度を悪化させるんだという説明はどう考えてもこれ説明不能、もう納得できないと思うんですよ。もうこういう説明の仕方は私はいい加減にやめるべきじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) 委員の御指摘、長崎県の例を挙げて、長崎の要支援の状況が多い、要介護一の該当者が多いというお話と、こういう方々に対してどういうサービスが行われているかどうかというお話になるわけでございますし、他の県でも長崎のようなこういうところがあり、重度化が防止されているということになるのかどうか、そこのところはこの表だけでは、大変貴重な御提言だとは思いますけれども、何とも言えないものでございますので、今委員の方からは、原爆の問題で非常に軽い方の使われ方も多いというようなお話でございますけれども、そういうことは別として、この要支援の出現率、要支援それから要介護一の出現率はこうであるとして、サービス利用がどういうものであるか、その辺のちょっと検証をさせていただきたいと思います。
○小池晃君 じゃ、それは各県別に統計を出してください。これ、私ども調べた範囲では、要支援認定率の増加に従って中重度の認定率が増加する、皆さんの説明によればそうなるはずなんですが、そうなっていないし、それから要支援の人が多いところに限ってみると、要支援の認定率が増加するに従って中重度の方の出現率が減っているという傾向が出ておりますので、その点はしっかり調べて報告をしていただきたいというふうに思いますが。
 しかし、私は、副大臣が説明している中身見れば、これは当然、やはり軽度の人に対するサービスをやることによって重度者が増えるんじゃなくて、むしろ減っているんだと。これが、だから軽度者に対するサービスをやればやるほど要介護度が悪化するという説明は私はもうやめるべきだというふうに思うんですが、その点どうですか、大臣、そういう説明はもはや通用しないというふうに思いますよ。
○政府参考人(中村秀一君) その長崎県の資料では今のところ何とも申し上げられないということを申し上げました。
 それから、私ども申し上げていますのは、軽度の方に対して適切なサービスが提供されれば重度化の防止、あるいはその手前の方にサービスを提供すれば要支援、要介護に該当することの防止に資するということを申し上げているわけでございまして、その点について、そういう考え方に基づいて今回の法案も提出させていただいておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○小池晃君 いや、理解できません。
 私は、本当に予防重視ということは大事なことだと思うんです。今のシステムで軽度の人に対するサービスが要介護度を悪化させるのであれば根本的にシステムを見直す必要だって確かにあると思う。しかし、実態を見ればそうではないと。軽度の人に対するサービスをやればやるほど悪化しているなんという実態はないわけだから、だとすれば、今のシステムの下でどうやったら予防重視になっていくのかということを私は考えていくのが当然やるべきことであって、新しい新予防給付の導入、あるいは要支援の人に対するサービスの制限というのは正に逆行になるんだということを言いたいわけです。
 ちょっと引き続き議論したいんですけれども、介護保険の見直しというのであれば、私は、介護保険の今の制度が国民の期待にどれだけこたえてきたのか、あるいは国民がどういう問題点を持っているのかということを真剣に分析して見直すことこそ必要だというふうに思うんですが、資料の二枚目に、お配りしておりますけれども、これは三井生命が行った介護保険に対する意識調査なんですね。
 介護保険の実施前、二年前、九八年には、期待しているという人は四三・三%でした。それが、実施直前の二〇〇〇年には五一・一%まで増える、五割超えるわけです。ところが、介護保険実施後の二〇〇二年には、期待にこたえているとした人は一八・八%で、二〇〇三年は二〇・七%、二割にまで落ち込んでいる、こういう結果が出ていました。
 大臣、私は、介護保険制度に国民は一体何を期待したのか、そしてその期待にどうして、こういう結果に表れているように、こたえられていないのかということについて大臣はどうお考えですかとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 国民の皆さんが何を期待されたかということもありますが、またそうした御質問ではありますけれども、今日の御質問の冒頭に清水先生が言っていただきましたように、私もこの制度をつくるときに最初から議論に参画した一人であります。
 そのころの私の思いを申し上げたいと思いますけれども、そのころ、この介護保険制度というのは日本に是非導入したい、そのことを思いました。その導入したいと思っておりました最大の理由というのは、やはり介護を必要とする方が出てくる、そうした介護が必要な方が出てくると、どうしてもその家族の方に肉体的にも精神的にも負担が掛かってくる、そうした家族の皆さんに負担を掛けているものを社会全体で介護をすると、こういう考え方にしたい、こう思いました。特に、家族の皆さんといっても、女性の皆さんに特に負担が掛かっておりましたから、そうしたものから社会全体で介護をする、こういう仕組みをつくることが必要だ、一番思ったことはそのことでございました。恐らく、ですから、国民の皆さんも御期待なさったというのは、そういう仕組みをつくることであっただろうと今改めて思うわけでございます。
○小池晃君 その点で言うと、介護保険法を始めるときは、老後の不安にこたえる、社会全体で支える、措置と違ってサービスを選択できるという説明されていたんですが、実態としては、私は全体として利用が広がったことは間違いないと思いますが、やはり低所得者中心にサービスの抑制ということは非常に重い事実として残っているんだろうというふうに思うんですね。
 内閣府に今日は来ていただいているんですが、内閣府の研究会が二〇〇二年に介護保険導入前後で訪問介護サービスというのがどう変化したかという調査をやっておりますので、全体と低所得者でどういう変化があったか、簡単に御説明願いたいと思います。
○政府参考人(薄井康紀君) お答えを申し上げます。
 御質問は、平成十四年の八月に発表いたしました介護サービス価格に関する研究会報告書についてでございます。これは、物価政策の観点から行ったものでございますけれども、その中で、平成十三年十月ごろ、介護保険がスタートいたしまして一年半ぐらいの時点におきます介護サービス利用者のアンケートというものを行ってございます。
 それらの中で、全体について申し上げますと、介護保険制度の導入によりまして各サービス、非常に利用者が増えているということであるわけでございますけれども、同居世帯の世帯年収が四百万以下ということで一応低所得者を見まして、その利用状況について見ますと、例えば訪問看護、いわゆるホームヘルプサービスということでございますけれども、この利用者数につきましては、その割合が約一〇%減少しているという結果がございます。ただ、それらの低所得者層につきましても、訪問入浴であるとかあるいはショートステイと、こういったものは増加しているという部分があるのは事実でございます。
○小池晃君 介護保険導入前の九九年に比べて、全体としては二倍ぐらいの利用者の増加があるけれども、低所得者は一〇%減少したと。こうした状況を踏まえて研究会としての提案がされていると思うんですが、何と書かれているか、御紹介願います。
○政府参考人(薄井康紀君) 先ほど申し上げましたように、いろんなサービスの中で、訪問入浴とかショートステイとか、逆に増えている部分も低所得者層についてもあるわけでございますけれども、報告書の中では、低所得者の利用状況はかえって減少した可能性があるということを言っておりまして、それを受けまして、低所得者が真に必要なサービスを受けられないといったことがないよう配慮していく必要がある、こういうことを指摘をしているところでございます。
○小池晃君 私、これ非常に貴重な提言だと思うんですね。五年の見直しということであれば正にこういったことにどう対応するかということが私必要だろうというふうに思うんですが、厚労省としては、こうした低所得者のサービスが抑制されているという実態どう考えておられるのか。やはりどういう手だてが必要だと考えておられるか。
○政府参考人(中村秀一君) まず、今の内閣府の方の報告書でそういう御報告がなされているようでございますが、例えば私どもの平成十二年当時の調査によりますと、岩手県の調査でございますけれども、保険料段階一、二、三、訪問介護の回数はいずれも二〇%、一六%、二五%と、こういうふうに伸びておりまして、必ずしも低所得者に対しまして利用が減少したというふうには考えておりません。それから、所得段階別の利用状況を見ますと、例えば支給限度額に対する利用割合も、第一段階から第五段階まで、第一段階四六・九%、第五段階四六・七%と、所得による段階の大きな差は見られません。
 そういったことを考えますと、介護保険、サービス利用者の負担能力に応じまして月々一割負担の上限や食費の負担の軽減を行うなど、低所得者にも必要なサービスを配慮しているところであります。
 また、要介護認定を受けながら居宅介護サービスを利用していない方について、その理由の調査もしているものがございますが、保険者において利用料が支払えないということを挙げている方はごく少ないと、こういったことを考えますと、介護保険の利用料負担の問題が低所得者層のサービス利用の抑制にはつながっているというふうには考えておりません。
○小池晃君 今、数字、都合のいいところだけ読み上げられたようですけれども、第一段階四六・九、第二段階四二・六、第三段階四三・〇、第四段階四四・〇、第五段階四六・七ですね。第一と第五は高いです。なぜかといえば、第一というのは生活保護世帯が主ですから、これは利用料負担ない人たち。それから、第五段階の一番所得の高い人たちが利用率高いんです。そして、その第二から第五だって、相関ないと言うけれども、一応所得に従ってだんだんだんだん利用率上がっているという、厚労省の数字だってそういうのが出ているんですよ。
 私、今言われた数字というのは、正に利用料の負担というのが介護サービスの利用に大きな影響を与えている何よりのもの、証明になっているというふうに思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) 所得段階別に見ました支給限度額に対する利用割合、合計でいきますと四三・三でございます。そういった意味では、第二段階でも四二・六でございますので、大きな差はないというふうに考えております。
○小池晃君 五年の見直しというときに、やっぱりこういう事実から目そらして、できるだけそういったところにはメス入れないというのは私はやっぱり姿勢として間違っているというふうに思いますし、これはやっぱり国民にとってみれば一番深刻な問題なんですから、見直しというのであればこういったところにしっかり目を向けるべきだということを申し上げて、まあ一回目ですので、これで終わりにします。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 初めに、介護保険制度が二〇〇〇年にスタートしてから初めての大きな改正を行うことになりました。法改正の目的は、制度の持続可能性の確保、給付の重点化、効率化となっております。軽度の要介護者と施設入所者について極めて厳しい内容であり、貴重な財源をどのように使うのか、どこに給付の重点化を置くかは大きな課題です。五年間の介護保険制度を点検し、どうこの制度を成熟させていくかが課題です。
 まず初めに、現在の課題としてお聞きをいたします。要介護四、要介護五の人たちに対する給付は十分であるとの認識でしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 要介護四、要介護の五の方、この方々は重度の方でございます。要介護認定該当者の約四分の一弱、二三%を占めておられます。要介護四及び五の方々の過半の方は介護三施設に入所されているということで、要介護五の方は六割程度、要介護四の方も五割を超えて介護施設に入所されております。そういった意味では、過半の方々については施設給付がなされているというふうに認識いたしております。
 それから、少数の方でございますが、要介護四、五の方につきましては、在宅サービスで頑張っておられるわけでございますが、この在宅サービスについては支給限度額が設定されておりますが、要介護四、五の方々の支給限度額は平均いたしますと四、五〇%と、利用状況であるということでございますので、全額使い切っておられるということではないというふうに考えております。
 そういった意味で、制度的に申し上げますと、介護保険制度の提供しております要介護四、五の方々のサービスにつきましては、例外的なケースはあるかもしれませんが、介護保険で十分行き届いているというふうに考えております。
○福島みずほ君 要介護四、五で自宅生活の人たちは、一日に三回の巡回ヘルパーと週に二回の訪問看護を利用しただけで給付上限に達してしまい、自己負担で夜間の安否確認などを頼んでいるのが現状です。独居の認知症の利用者の問題も同様です。
 現行のサービスを使っても在宅生活を支えられていない実態や、その結果として施設入所が増えているということがありますが、厚生労働省はもちろんこのような実態を承知していらっしゃいますね。
○政府参考人(中村秀一君) 要介護四、五の方のお話でございましたけれども、例えば訪問介護の利用状況で申し上げますと、要介護五の方の訪問介護の利用状況は月に二十九回ということで、今委員御指摘の例は、一日三回という例をお出しになりましたけれども、全国平均では月に二十九回でございますとか、それから、要介護四、五の方の四割程度の方が通所介護、通所看護に、通所リハビリテーションに通っておられますけれども、そういった方々の利用状況を見ますと月に八回程度とか、そういうサービスの組合せによってその方々が在宅生活を送っておられ、その平均の額が、介護保険で設定しております支給限度額の四割ないし五割が平均であるということでございますので、大部分の重度の方々はこの介護保険の給付によって在宅生活が支えられていると考えております。
○福島みずほ君 利用率が約五割ということで、また給付が不十分である点も現状では否めないと考えております。第二号被保険者に対する給付は十分であるという認識でしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 第二号被保険者の方、これは四十歳から六十四歳の方でございます。この給付につきましては、介護保険制度が正に議論になっているところでございますが、原則、高齢者の介護保険制度ということになっておりますので、四十から六十四歳の方が受けられる場合は十五の特定疾病に該当する必要がございます。
 そういったことから、利用者の方は〇・二%、介護保険の利用者の〇・二%となっております。これは正に介護保険制度が原則六十五歳以上、高齢者の介護保険制度として組み立てられている結果でございまして、この点につきましては制度創設時から議論があり、今回の制度改正でも法律附則第二条の規定に基づきまして被保険者、受給者の範囲については課題になっていたわけでございますが、今回の改正では御提案できず、附則で引き続きこの点については検討をし、二十一年の制度改正を目指して合意が得られれば所要の措置をとるというふうになっているところでございます。
 したがって、給付が十分であるかどうかということにつきましては、制度の立て方がそうなっているというお答えにならざるを得ないと考えております。
○福島みずほ君 利用者は〇・二%にすぎないわけですから、千人のうち二人しか利用しておりません。十五疾病の限定があるために末期がんの人は、もちろん医療を受けていらっしゃるわけですが、介護が必要、介護保険で、まあでも介護を受けられないという実態があります。この意味で、保険料ではなく目的税になっているという面があるというふうに考えております。この点はきちっと、二号被保険者の問題ということもこれからきちっと解決すべきだと考えております。
 ところで、今日は保険と税の関係、負担と給付の関係について、峻別について質問をいたします。
 保険制度として保険料の使途は厳格にすべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) 御指摘のとおりだと思います。
 ただ、失礼いたしますが、保険料ではなく目的税となっていないかということでございますが、そういう制度として、保険料として充てられているわけでございまして、そういう制度として介護保険がスタートし、この是非につきましては正に介護保険制度の見直しの検討材料になっている、検討事項になっているということは繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 がんになる人は今非常に多く、末期がんの場合に十五疾病の限定があるために受けられないという点は見直すべきだというふうに考えております。二号被保険者の人たちについては検討が必要だということを申し上げます。
 で、保険制度として保険料の使途は厳格にすべきだということの答弁でした。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 ところで、法案では地域支援事業において要支援、要介護になるおそれの高い高齢者、つまり要介護認定非該当者に保険料を投入するとしております。保険制度は、交通事故の場合も労働災害の場合もその発生したもの、事後的に支払うことを基本としております。事故、事件があって保険制度がスタートすると。非該当者に行う事業に保険料を使うことは妥当でしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 御説明申し上げます。
 現行制度におきましても、介護保険法に基づきまして保健福祉事業という制度がございまして、市町村は要介護被保険者の予防等のために第一号保険料を使って保健福祉事業を実施することが認められておりました。そういった意味では、保険事故の発生、今委員から御指摘がありました事後的なものに限るべきではないかという点につきましては、現在の介護保険法は既にそういうことを踏み越えてやっているところでございます。
○福島みずほ君 しかし、今回は、はっきり地域支援事業ということで三つの市町村事業を再編をするわけです。他の保険制度、医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険で保険の非該当者に給付している場合はありますか。イエスかノーで答えてください。
○政府参考人(中村秀一君) ちょっとその保険の非該当者という意味がよく分かりませんが、いずれにしても被保険者に対するサービスとして実施するものであります。雇用保険によりましては、様々な訓練給付とかそういうものが行われていると思いますし、労災などでも予防的な事業も多少行われているというふうに承知しておりますけれども、それはそれとして、介護保険におきましては、繰り返しになりますが、被保険者のための事業というのは保険料で行うことができるということが既に定められておりました。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 今回は、保険料だけではなく、国の公費それから都道府県、市町村の公費も使ってその事業ができるようにし、しかもそれは被保険者の予防やそういったことに関して使われるということでございますので、私どもは、そういう制度ということは十分成り立ち得るのではないかと考えております。
○福島みずほ君 保険と税金の関係がきちっとした定義あるいはきちっとした原理によらずに、ずぶずぶにこれからなっていくのではないかという懸念を持っております。地域支援事業に保険料を入れた場合、費用の膨張のおそれはないのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 地域支援事業は、ただいま事業の性格といたしましては、従来の保健福祉事業、これは保険料だけでやるとされていた事業の中から市町村が必須に行うべき事業ということを取り出して実施しようとするものでございます。
 しかしながら、今委員御指摘のとおり、介護保険財政に対する影響も考えなければならないということで、一定の歯止めということを考えたいと思っております。
○福島みずほ君 今回の改正法案、社民党はこの法案に反対ですので改悪法案というふうに呼ばせていただきますが、この保険と税の関係、保険制度とは何かということが今回非常に壊れてしまうという懸念を持っております。これが今衆議院で議論になっている障害者自立支援法案、来年の医療制度の議論にやはり関係をしております。保険の原理からおかしいと、今の介護保険制度は要介護四、五の人たちに対する給付が不十分であったり、様々な問題点があります。
 ですから、費用の抑制を介護保険の充実ということに使うのであれば納得がいきます。しかし、非常に地域支援事業といったようなこと、非該当者、実際に介護保険がスタートして、必要でないところにも保険料からお金を使っていく、このことは、要するに不特定多数に対する健康診断や、非常にお金が掛かる場合があるわけですから、介護保険のお金の使い道としておかしいのではないか。年金のときもさんざんそれ以外のことには使うなということで議論をしてきたわけですが、極めて問題があると。
 局長、どうやって歯止め掛けるんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 今度の介護保険の改革の中でやはり給付の重点化、効率化が最大の課題になっております。介護保険制度スタートしてから、費用は一・九倍に膨らみました。これからも高齢者が増加していく中で、委員御指摘のとおり、大事な介護保険を持続可能なものにしていくことは最大の課題でございます。
 その際、今回の重点化は、一つは施設の給付の在り方を見直しさせていただくこと、それから、増えている要因の一つとして非常に軽度の方の増加の問題がございます。高齢者人口十人に一人でスタートした要介護認定該当者が、今日六人に一人までなっているということもございますので、この軽度の人たちに対しますやはり介護予防が大事だと。この介護予防を充実することによりまして、ひいては長期的に介護保険財政のプラスになると、こういう考え方でやっておりますので、正に介護保険のためのある意味で先行投資的なところがございますので、そういったことで介護保険制度を充実させていく。
 御指摘の、重度の方あるいは認知症の方、そういった方々、それから独り暮らしの高齢者、そういった方々のこれから給付というものは相当な資源を投入しなければならないというふうに考えておりますので、そういう重点化、効率化する中でニーズの非常に重要なものについては充実をさせていくというのはこれからの介護保険制度の方向ではないかと考えております。
○福島みずほ君 保険の原理から広がるのではないかということについてきちっと答えていただいておりません。保険と税の関係についてきちっとした仕切りをしないまま、ぐじゅぐじゅスタートをさせていく、これは本当に問題であるというように思っております。
 地域支援事業なんですが、これについて、内容は老人保健事業、老人福祉事業にも及びます。利用料を請求できるものとするというふうに条文でなっておりますが、これまで無料だったものが有料になる可能性もあるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 一つは、まず老人保健事業、老人福祉事業に及ぶと、こういうことでございますが、今回の地域支援事業は、地域包括支援ということで四つの種類の事業を行うということ、それから非該当の方に対する予防サービスが行われるということでございますが、必ずしも老人保健事業や従来の老人福祉事業と入れ替わると、そういうものではないわけでございますので、その点はまず御理解していただかなければならないというふうに思います。
 それから、仮に老人保健事業の一部が変わるといたしましても、今、老人保健事業等、無料で行っているわけではございませんので、そういった意味で有料化されるという点はちょっと私ども、と申しますのは、老人保健事業の健診などにつきましても実費をいただいておるというのが現行制度でございますので、地域支援事業になることが有料化になるという御指摘はちょっと当たらないのではないかと思っております。
○福島みずほ君 老人保健事業は、現在、九百億円のうち、国が三三%、都道府県が三三%、市町村が三三%税を負担をしております。介護予防・地域支え合い事業も八百億円負担、在宅介護支援センター運営事業も税負担四百億円でやっております。これの再編で介護保険に吸収をしていく。本来、このような事業は税としてやるべきではないでしょうか。
 介護予防・地域支え合い事業の中には権利擁護に関する事業というものがあります。権利擁護に関する事業などは国や都道府県が税金で責任を持ってやるべきところではないか。これがなぜ介護保険になっていくのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 今、老人保健事業等のお話がございました。
 幾つか御説明を申し上げたいと思いますが、まずは老人保健事業につきましては、御指摘のような財源構成で、事業費規模九百億円でやっておりますが、老人保健事業は四十歳以上の方々の健診等の事業になっております。今度の介護予防は六十五歳以上の方でございますので、老人保健事業はその意味でいっても全部が介護予防の事業、特に地域支援事業に引っ越すわけではないと、こういうことがございます。
 それから、介護予防・地域支え合い事業等につきましては市町村に対する補助事業としてやっておりましたけれども、老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業それから介護保険の予防給付と、それらの連携がきちんとされておらず、重複があったり穴が空いていたり、そういった点で、軽度者の予防、それから要介護になる状態の防止という点で弱体であると、こういう観点から、地域支援事業として、要介護になる前からハイリスクの方々に対する対応をしていこうと、こういうものでございます。
 なお、今の権利擁護事業につきましては、現在の介護保険の中の保健福祉事業でも位置付けられておりました。したがいまして、今度、地域支援事業を創設する中で、この権利擁護事業のところを任意事業として位置付けていたところでございますが、むしろこれからの成年後見制度始め、権利擁護事業については市町村の必須事業としてすべきだと、こういう衆議院の委員会での議論を踏まえ、修正が行われたということでございます。
○福島みずほ君 老人保健事業のうち六十五歳以上を移行する、そういう中身については分かっております。
 私の質問は、こういう形で今まである程度税負担でやってきたことを介護保険として一部吸収し再編をしていく、そうすると、その中に非該当の人たちの部分もたくさんあるわけですから、介護保険のポケットの中から地域支援事業など不特定多数の健康診断やいろんなところに流れ込んでいく、これは保険制度の保険料の使い方としておかしいのではないかということです。
 例えば、保険料が払えない人は支給制限を受けることになるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 地域支援事業は、保険料やそれから税金の財源で行われますが、言わばその個人に対する給付ではなく、保険者の事業として構成されております。被保険者に対しますサービス事業として構成されているわけでございまして、そういった意味で、被保険者の中で保険料を払っておられない方々について、考え方としてその利用者から外すという考え方はあるのかもしれませんが、今回の御提案ではそういう給付制限という、給付という概念ではございませんので、利用制限を掛けるというのも考え方かもしれませんが、今回はそういう考え方は取っておりません。
○福島みずほ君 今回は、居住費、食費を介護保険の対象外と位置付けました。このことには反対ですけれども、私の質問は、保険外であるのに、なぜ保険で補足的給付をするのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今度の施設の給付の見直しに当たりまして、居住費、食費は原則給付の対象外とすると。言わば、皆さんの保険料それから皆さんの税金で支え合う部分からは、基本的には給付外にするということを提案させていただいております。
 ただ、実際問題、低所得の方で給付外になった場合に施設の利用ができないことが生ずるということもございますので、低所得の方々に対しては言わばその負担の上限が設けられるように、正にそこで本来的には給付がないんでありますけれども、低所得であるということに着目して、介護保険で補足的給付として構成をしている点で、させていただいております。
 この点は一割負担が利用料原則でございますが、低所得の方々に対しましてある程度軽減した高額介護療養費の上限を付けているということで、ある程度その被保険者の中で所得に応じまして保険給付の多寡があるということの発展上で整理できるのではないかと考えた次第でございます。
○福島みずほ君 全く納得がいきません。つまり、居住費や食費は対象外で、その保険の対象外であると。保険外であるのに保険で、例えば保険で補足的給付をすると。これは保険ではなく、税金でやるべきであると。
 私は、厚生労働省は財務省に頭を下げるのが面倒くさい、まあそんなことはないかもしれませんが、その代わりに、要するに保険でやろうと。ですから、介護保険のポケットの中でいろんなことをやろうとする。だから、一方で食費や居住費は保険外として、みんなの負担が非常に増えるわけです。にもかかわらず、みんなから取った保険料を今度は補足的給付をすると。ですから、保険でやるのか税でやるのかということが、ここでも混乱が生じているわけです。
 在宅で低所得の要介護者については補足的給付はありません。グループホームや有料老人ホームという施設に入所している人についても補足的給付はありません。たまたま介護保険施設に入った人たちだけに補足的給付が行われるというのは公平性に欠けるのではないでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたように、在宅サービスを受けておられる方でも一割負担の利用料が高くなりますと高額介護療養費が給付されると。その高額介護療養費は所得に応じまして、高額介護療養費の額、負担の上限があるという点では、これはグループホームなどにもその一割負担につきましてはそういう高額介護療養費の規定がございますので、所得の多寡に応じまして、保険制度ではございますけれども、給付の厚さが違うということは、やはり介護保険も社会保険の一種であり、ある程度所得の再分配も保険制度の中でも講じているという考え方ではないかと理解いたしております。
○福島みずほ君 私の、不公平ではないかという質問に全く答えていません。
 現行、要介護一で特養老人ホームに入所している人は、要支援になれば三年で施設を出なければなりません。しかし、特養老人ホームに入所している低所得者負担軽減では五年間の経過措置となっております。
 私が思うには、初め、措置から契約へということで五年前に介護保険制度ができたときは、契約に基づいてきちっと特養老人ホームに入ったわけです。その人に何の落ち度もなければ何も問題はない。にもかかわらず、制度が変わって、ずるで入ったのではないにもかかわらず、今度は制度が変わりました、ですから今度は要支援にあなたはなったので三年で出なさいとなります。契約は合意ですから、契約は守らなければならないというのは近代契約の大原則です。契約が一方的に変わったことで不利益になってしまう。不利益変更なわけですね。
 保険制度とは何か。負担と給付がきちっとあり、保険料は保険以外にはお金を使わない。これをずぶずぶに今回壊していってしまう。そのことについても、税金と保険の関係が非常に極めて不透明になっていく。このような保険料の使い道については介護保険の信頼性を失わせてしまう、問題であるということを申し上げ、本日の私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会